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71回国会衆議院1973/03/08

予算委員会第二分科会 第5号

発言数
362
登壇者
29
会派数
5
開催日
1973/03/08

会議録

黒金泰美自由民主党

○黒金主査 これより予算委員会第二分科会を開きます。  昭和四十八年度一般会計予算及び昭和四十八年度特別会計予算中、文部省所管を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。稲村利幸君。

稲村利幸自由民主党

○稲村(利)分科員 私は、きょうは文部行政の衝に当たります奥野大臣と管理局長がお見えでございますが、私の最も近い郷土の中学校の統合問題のことを中心に、文部行政全般について触れられたら、時間を許していただけたら聞きたいと思います。  それで、最近私どもがいたく感じますことは、経済優先ということばが非常に強く実感として迫り、政治と行政が非常におくれをとっていると思います。そして私は非常にいなかのへんぴな学校問題にスポットライトを当てて、わざわざ大臣にまでおいでいただいて、ぜひ御尽力と御指導いただきたいことは、文部省が教育の効果をあげ、内容を高めるために学校統合問題を叫ばれているということは、これは大きな意味からは大賛成なんでございますが、その統合問題で、実は四十七年三月に新校舎が完成しました栃木県安蘇郡田沼町の西中学校でございます。そこでその西中学校は、いままで五つの分かれた中学校が、たいへん山奥なものですから、二つの尾根から片一方に三つ、片一方に二つある学校が統合されてできている。それで三つのほうは統合に賛成、二つのほうは反対。そして昨年の三月十人目に流血事件が起きまして、NHKをはじめテレビで報道され、町長さんが町民を告発するというたいへんな、暴動に近い緊迫感のうちに昨年はそれは流れました。ところが今回は、私服警官約四十名、機動隊を含めて全部で百五十名を入れての、小さな町で、ほんとうに右も左もわからない子供のために町民が血を流して議事をやり、多数決で将来の教育行政をきめてしまうということは、非常に住民が悩んでいるところでございます。  そこで、私はその学校統合問題に関して、その基本になる距離と地理的条件とかそういうものについて、西中関係で知っている限りの答えをひとつ局長さんのほうから簡潔にお願いできたらと思うのです。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 田沼西中の統合問題でございますが、私どもも昨年春からこの問題につきまして、地元その他稲村先生等からもいろいろお話を伺っておるわけでございますが、問題点といたしまして指摘されておりまする点は、この田沼地区というのは過疎の傾向の強い町村のようでございますが、学校統合が機縁となって、さらにその過疎化が進行するのではないかというようなこと、あるいは新しく統合の結果生まれまする田沼西中が、学校の規模として大き過ぎるのではないかというようなこと、あるいは遠距離通学を余儀なくされるわけで、そうした点が通学上支障を来たすのではないかというような点が問題点としてあげられておるわけでございます。  これに対しまして町当局は、過疎化が進むことへの対応につきましては、問題の飛駒、新合地区に新しく公共施設を建設することによってそれを救済したいとか、あるいは学校規模については、決してこれは過大規模ではない、あるいは通学距離の問題につきましては、スクールバスを運行することによってこれを解決したい、そうした主張を町当局はいたしておるわけでございまして、そうした点をめぐって、ただいま先生が御指摘になりましたような紛争が起こっておるわけでございます。  昨年二月、先生からの御要請もございましたので、私どもの局の係官が現地をたずねまして実情を視察したわけでございますが、通学距離の問題につきましては、確かに一番遠い飛駒中から新しい田沼西中までの距離は十五キロということでございますが、これは統合に賛成をいたしておりまする作原中の距離に比較いたしましてもほとんど同じ距離でございますし、またただいまも申し上げましたように、地元におきまして現在スクールバスを三台購入運行しておる、さらに将来はこれを二台ふやしたいといったような計画もあるやに聞いておりますので、若干距離が遠いということはございましょうけれども、一応支障なく統合が行なえるのではないか。ただ地元住民に対するPRと申しますか、説得という点においてやはりいささか欠ける点があったのではないかという印象を持ちましたので、栃木県教育委員会にもお願いをし、また町当局にもお願いをいたしまして、統合の趣旨等について住民の理解を深め協力を得るような努力をさらに続けてもらいたい、こういうふうに申して、今日に至っておるわけでございます。

稲村利幸自由民主党

○稲村(利)分科員 きょうは政治と行政と両方のほんとうのベテランで、実力のある奥野大臣もお見えですので、私はほんとうにこれはお力をかり、指導を得たいために、正確な数字を言いますと、統合通学距離は中学校で一応六キロメートルというのが最高限度と聞いていますが、先ほどの局長の答弁ですと、飛駒中から今度の新しい統合中まで十五キロということですが、正確には十七キロで、一番遠い距離の通学者は二十二キロの人たちが十名。これは私はここで基本的には憲法とまでいうとオーバーですが、教育基本法の前文に「個人の尊厳を重んじ、」第一条に「個人の価値をたつとび、」「自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成」第二条に「実際生活に即し、」という文句がありますが、さらに児童福祉法にも私は触れてくるのじゃないかと思いますが、二十二キロの地点の児童数が十名、そしてそのバス発着地点までさらに二十二キロから三キロ歩く。そして一番問題は、やはり国民の税金、町民の税金を大切に使ってもらいたいということ。というのは、田沼中学校の教育予算として認められた、全体の中学校に関する教育予算が昨年度、四十七年度で五千九百五十五万一千円。ところがバスを購入するのが、四十五年に四台で一千百万、四十六年度が六百九十万、さらに一台というと二千万以上の購入費。それと今度は人件費が約九百万、維持費が二百六十五万五千。こういうように、距離的にもあれですし、特に一番私が地元へ行って感ずることは、父兄が山の中から足利市、佐野市に働きに出ているサラリーマン、さらには山仕事をやるために通学をするということで、往復二十二キロ、さらにバスに乗ってから約二十キロないし十七キロのところを、片道ですからそれは往復するとその倍、これは当然ですが、それに対するからだにかける負担というのは私はたいへんなことだと思います。それでそこの住民が、超党派も一糸乱れずに同盟休校を辞さずという誓約書も私のところへ判こをとって全部父兄児童が出されていますし、私はこれは警官を百五十名入れて強行採決して、それをこの四月から実行せんとしている町当局の姿勢はたいへんな問題がある。さらに私は自由民主党の代議士ですから、一番おそれることは共産党の、議員じゃありませんが、オルグがいろいろ入ってきて、寺子屋を使って勉強しなさい、私どもがただで行って教育しますからとか、いろいろなものに、政治の道具に教育が利用される。この辺のところをいかがにお考えですか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 通学距離の問題でございますが、御指摘のように義務教育諸学校施設費国庫負担法施行令におきましては学校統合の場合の通学距離の限度が、小学校の場合は四キロ以内、中学校の場合は六キロ以内という規定がございますが、これは徒歩の場合でございます。所要時間から申しますと、小学生の足で四キロ、中学生の足で六キロと申しますと、一時間前後かと思いますが、それが徒歩で通学いたします場合の限界であるというふうに考えておるわけでございますが、ただいま問題の田沼中の場合はスクールバスを運行するということでございますが、先ほど申し上げましたように旧飛駒中から新しい田沼西中までの距離は十五・五キロというふうに私ども伺っております。先生おっしゃいますように、二十二キロというものがあるかと思いますが、これはそういう子供は飛駒中がもとの位置にございまして、飛駒中まで相当距離徒歩で通学をしたという子供の場合であろうかと思います。したがいまして、飛駒中から田沼西中までバスを運行いたします場合の条件といたしましては、徒歩の距離について申しますと、従前とさほど変わらないということかと思います。伺いますと、この飛駒中までではなくて、さらに奥のほうまでバスを運行しておるというふうにも聞いておりますので、通学条件と申しますか、広く言って通学条件、あるいはそれが肉体的、身体的に及ぼす影響といったようなものが前より多少悪くなったとも言い切れないのではないかと思います。かつまた、この片道のバスの運行時間でございますが、これも三十五分ということでございますから、それもそうたいして長い距離ではないように思います。先ほど申し上げましたように、この条件は、統合に賛成をいたしております作原中の場合とほぼ同じわけでございまして、飛駒中あるいは新合中についてだけそのことが非常に問題になるというようなことではないように思いますが、ただしかし、そういう点についての地元住民への説得とかあるいは協力を求めるといったようなことにさらに御努力をいただいて、この事態が円満に解決できるように、私どもは栃木県当局にもお願いいたしておりますが、町当局にもお願いいたしておるということでございます。

稲村利幸自由民主党

○稲村(利)分科員 さらに今回の警官導入において決定、多数決議決、審議なしに十分ほどできめたわけですが、私は一小さな地方行政を、多数決のままが当然だという民主主義の一部分のこれだけをとって、少数のという名のもとにその住民の意見を無視したときに、私は先ほど共産党ということばを使って、これがいいか悪いかは、私は自民党の代議士ですから、別にして、午後社会党の武藤さんも私と同じ問題でやられる。これは超党派でたいへんな問題になる。実は直接住民の請求で議会を——田沼には東中、西中という統合中が二つ。いま東中はあります。西中は五校を統合するわけですが、西中のほうの三つの学校と二つの学校。二つが反対なわけですが、西中だけで賛成、反対をいえばいいんですが、東中の人々までの署名を無理につくって、絶対多数だというようなことをやったり、ここに毎日新聞、二月七日のにありますが、見出しに「問題をこじらせた小手先の教育行政」ということで、毎日新聞が書いているし、その他警官導入のことで遺憾だという地元紙等がありますが、これは私は特に大臣がほんとうにりっぱな私の尊敬する方ですので、この町議会の議決のまま進行させると、特に田中内閣になって一人一人の意見を重んじよう、対話の政治をやろうというこのキャッチフレーズにどろを塗られるんじゃないかということで、特に私は大臣の指導をお願いしたいと思いますが、大臣に一言。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 いまお話を伺いまして、なかなかたいへんな問題だという理解を深めさせていただいたわけでございます。おっしゃっておりますように、こういう問題は大事な住民の子弟をどう教育をしていくかという問題でございますので、住民一人一人にとりましても一番大きな切実な問題だと思います。それだけに画一的、形式的に扱ってならないことは当然のことでございまして、常に住民の深い理解の上に立ってものごとを運んでいかなければならない、そういう筋合いのものだろうと思います。いまお話を伺っておりまして、これに対しましていろんな面で具体的の意見を取りまとめていただいたら、それに対しまして政府としても、各省それぞれにその問題の解決に御協力できるのじゃないかという感じがいたします。私、いまここで具体的のことを申しますと、かえってまた問題に火をつけるおそれもございますので、稲村先生のところでひとつよい結論をお出しいただいて、そして文部省でありますとか自治省でありますとか運輸省でありますとか、それぞれが協力する道もあろうと思いますので、お指図に従いまして全面的に私もお役に立ちたい、かように考えるわけでございます。要は住民が十分理解され、理解された方向にこの教育の問題を進めていく、それができますように、各省も力を入れていくということではなかろうかと思います。

稲村利幸自由民主党

○稲村(利)分科員 奥野大臣のたいへん住民を思い、非常に民主主義をとうとぶありがたい御意見を聞かされて、私も安心しました。そしてこれは文部省が教育の衝に当たる直接の省でありますし、かつて奥野先生は自治省の事務次官をされたということで、自治行政の最高のベテランでもありますし、私は一番お力をかりられるほんとうの一人だ、こう信じておりますので、特に小さな町の問題ということで片づけられずに、なるほど人間尊重の政治が行なわれている、住民尊重の行政が行なわれているという姿を私はぜひ打ち出していただきたいと思います。  それと、私は、もう一つつけ加えておかなければならないことは、教育委員という任務ですが、この統合に際して飛駒、新合二地区から、昨年度から教育委員を地理的に選ぶものを欠員にしておいて、教育委員と住民との意思の疎通がはかられなかったというきらいもあります。この点はよく文部省のほうで調査されて、町長さんが住民を告訴したり、住民が町長さんを信頼しなかったりして、これは町だけの不幸ではなく、日本の谷間に政治の光が当たらないままに多数決で押し切って政治が行なわれるということは、たいへんな日本のマイナスであると思いますし、子供にとって一番不幸だ、こう思いますので、特にお願い申し上げます。田沼中学校の問題は大臣からもお答えをいただきましたし、局長からも考慮していただいて、何が何でも、きまったのだからこの四月からというと、ここに父兄や子供の同盟休校の署名もあるし、これはやった場合は不可能だと思いますので、ひとつほんとうに慎重な、しかも目の前に迫った四月ですから、早急な、いい解決方法を当局にお願いします。  さてもう一点。私は奥野大臣になかなかお伺いする機会が少ないので、この問題からはずれますが、いま一番私は、政治活動、私の選挙区における住民との対話を通して私自身が切実に感じますことは、文化と科学が非常に進歩してまいりまして、社会機構が複雑になる。青少年の不良化あるいは犯罪の増加、こういう現象を心ある人たちがほんとうに憂えている問題だろうと思います。これに関する直接の問題は警察庁であり、その他だろうと思いますが、この解決の根本は文部行政、特に教育の内容、制度、特に六・三・三制においてアメリカの影響大なるこの教育制度ですが、私は大臣のお考えをお聞きしたいことは、この内容の再検討、特に日本民族の伝統、歴史等を重んずる教育、親孝行というと古いというようなことでなく、ケネディの演説で、国が、社会が個人に何をするかでなく、社会、国家に対して私どもは何をするかが基本だという名演説もございますが、内容、制度等についていい案があれば、改正の方向に持っていっていただきたいと私は考えるのです。その点……。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 教育の問題につきましては、学校教育、家庭教育、社会教育を通じて進められていかなければなりませんし、また学校教育の場合におきましても、知育、体育、徳育を通じて調和のとれた人間が育てられなければならない、こういわれておるわけでございます。そう考えてまいりますと、それぞれに私は問題があるように思います。ことに、戦後の混乱期を経てまいってきておりますだけに、まだ立ち直っていない面が非常に多いように思うわけでございます。私は、特に人と人との交流を深くする機会をもっと強めていかなければならない、こう思うわけでございまして、そういうところから団体としての規律も重んぜられるでしょうし、社会に受け入れられるようになるのではないかと思うのでありますが、文部省におきましても、たとえば青年の家あるいは少年の家、そういうことを通じて自然に親しませる。団体生活を訓練していくというようなことも行なわれておるわけでございます。  あるいはまた、学校教育の場合におきまして、ようやく三十三年から道徳という授業が行なわれるようになったばかりでございますけれども、その内容が必ずしも充実いたしておりません。ぜひこういうことにつきましても、ただ昔は悪かったということだけではなしに、今日の社会は先人の労苦の積み重ねでできているわけでございますだけに、やはり先人に感謝し、そしてまた受け継がれてきたりっぱなものを尊重し、将来に残していかなければならないとも考えるわけでございまして、至るところに私は問題が山積しているような感じがいたします。自由も大切ですけれども、自我の抑制といいましょうか、あるいはまた責任を重んずるといいましょうか、いまおっしゃいましたことも、社会に対する役割りを考えるような人間、社会に求めるばかりではなしに、社会に対する自分の役割りを考えるような人間にならなければならない、社会に目を向ける人間、こういうことをおっしゃっていただいているんだろうと思うのでございますけれども、それもまさにいまの日本に欠けている点、青少年の教育にあたって深く意図していかなければならない点だと思います。問題は非常に広いし、深いと思うのでございますけれども、お教えもいただきながら、漸次そういうような問題の解決に当たっていきたい、かように決意いたしておるわけでございます。

稲村利幸自由民主党

○稲村(利)分科員 時間もあとわずかでございますが、私は、教育制度、内容等についてもですが、今回、自由民主党を中心に義務教育に携わる教職員の給与の改善ということで引き上げをして、先生方にもしっかりやっていただかなければならぬ。教職員の資質の問題、教職員がばく然とサラリーマンというような考えで超勤手当を出せ、そういうのではなしに、もう少し奉仕の精神を持っていただきたい。そのために特に教職員について給与の引き上げがされるわけでございますが、私は、これは高校に携わる先生方についても同様かと思います。その点を大臣にお聞かせいただきたいと思いますと同時に、教職員の先生方にも教育者としてのしっかりした自覚を持っていただくような指導を一そう強化していただきたい、私はこう思いますが、その点をお伺いいたしたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 学校教育に携わっておられる方方の処遇が現状では十分でない、ぜひこれを引き上げたい、特に一般の公務員よりも優遇されるような処遇にしていきたい、こう考えておるわけでございます。そうしますと、一般の公務員から特別の公務員だけ引き出してどこで線を引くか、たいへんむずかしい問題でございます。線を引くといたしますと、やはり形式的なところに目をつけざるを得ない。そうしますと義務教育という線が出てくるわけでございます。そういう意味で、今回予算措置におきましても、特に義務教育教員を優遇するための措置をとらしていただいたわけでございまして、御指摘になりましたように、高等学校も義務教育に準ずる姿になっているわけでございます。また、義務教育の先生方と高等学校の先生方の俸給を見てまいりますと、初任給は同じでございます。したがいまして、義務教育の先生方の初任給を引き上げますと、おのずから高等学校の先生の初任給も引き上げなければならないわけでございます。  要するに、義務教育教員の給与の改善をてこにして、学校教育の先生方全体の給与を改善していきたい、これが私たちの希望しているところでございまして、国会に法案を出させていただきましたが、立法の目的のところは、学校教育の水準の向上をはかっていく、こう書かしていただいたわけでございます。義務教育の水準の向上をはからせていただくんだと書いたわけじゃございませんで、学校教育の水準を引き上げさせていただくんだ、こう書かしていただいたところも本意はそこにあるからでございます。お気持ちのとおりに努力していきたいと思っております。

稲村利幸自由民主党

○稲村(利)分科員 最後に、私は、最近感ずる不良化その他の問題について、ありがたい、親切なお答えをいただきました。特に自分の郷土の田沼西中の問題についても、大臣のたいへん前向きなありがたいおことばをいただいて、ほんとうにありがたいと思っています。私は、自由民主党が大きなものの見方だという印象でなしに、少数の意見を重んずるのだ、政治の基本である弱いところに日を当てる政党は自由民主党なんだということを私は郷土で叫び続けておる次第でございます。どうかひとつ、政府与党である自由民主党は親切な政治をやるんだという印象を国民に強めるためにも、この問題について、大臣はじめ当局の皆さんの力をお願いして、時間が参りましたので終わらせていただきます。ほんとうにありがとうございました。

黒金泰美自由民主党

○黒金主査 次に、上原康助君。

上原康助日本社会党

○上原分科員 主として沖繩の教育行政について、二、三点お尋ねをしてみたいと思います。  御承知のように、沖繩の施政権返還と関連いたしまして、沖繩の教育格差の是正ということは、県民が最も強く要求し、あるいはまた期待をしておった点だと思います。戦前専門学校以上の教育機関というのはほとんど沖繩には設置されていなかった。戦後、琉球大学あるいは沖繩大学、国際大学、その他二、三の私立高等教育機関もできて、沖繩県民も、異民族支配下にありながらも、日本国民としての教育を志向していく、そういう面では、本土にない努力が私は沖繩にはあったと思うのです。  しかし、残念ながら、復帰と同時に、従来公選制であった教育委員会委員というのが、画一的に本土の制度を適用された。あるいはその他いろいろな面で、教育制度の変更によって、民主的な権利というものが後退をした面もかなりあるわけなんです。  そういったことを踏まえながら、今後の沖繩の教育全般の問題を考えた場合に、私たちが当初考えておったように、格差の是正ということもさることながら、自主独立あるいは独創性のある教育環境をつくっていくという面で、どうも中央政治権力の押しつけというものがきわだって出てきているのじゃないかという懸念を持つわけなんです。二、三あとでお尋ねいたしますが、そういうことなども踏まえて、政府は一体今後の沖繩の教育格差の是正なり、あるいは教育施設、設備の充実全般にわたってどういう立場で進めていかれようとしているのか。四十八年度の予算との関係等において、ぜひひとつ基本的な考え方をお聞かせいただきたいと思うのです。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 沖繩が本土に復帰するにあたりまして、対策要綱が立てられた、その線に沿って実現をはかっていきますことが、いま御指摘になりました問題の解決なんだ、こう考えておるわけでございます。  小中学校の問題一つにしまして、十年間は施設の整備に対して九割の助成をしていく。本土ではない前向きな姿勢をとっておるわけでございます。また、琉球大学の整備にあたりましても、特別な充実をはかってまいってきているわけでございます。あるいは沖繩大学、国際大学のことも頭に置いていらっしゃるのではないかと私は思いますけれども、沖繩の方々の御希望に沿うて、不十分な大学二つ置いておくよりも、充実した大学をつくれというようなことでございましたので、四十七年、四十八年、五億円ずつの助成を統合大学に向けていくということで、今度も御審議をいただいておるのでございます。今後も当然、本土に復帰したわけでございますから、本土に劣っている面につきましてはこれを補うようにすみやかな措置を続けていかなければならない、かように考えておるわけでございます。

上原康助日本社会党

○上原分科員 そこでまず第一番に、いまお触れになりましたように、琉球大学の件についてお尋ねしたいのですが、御承知のように復帰と同時に国立大学に移行された。その点私たちはやはり歓迎をしますし、またりっぱな地方大学に育成をしていかなければいけないという考えをとるわけです。しかし、ただ大学は国立に移管をするからというだけで内実伴った大学になるということにはならぬのじゃないか。特に問題は、いまの琉球大学を国立に移管をした、あるいは政府が、いま大臣御答弁ありましたように、琉大の充実のために資金的な予算的な裏づけもしたいということですが、しかし地方大学としてはたして施設、設備、教援あるいは職員の陣容など十分——十分とは言えないまでも、最低限度の基準にも達していないのじゃないかという気がするわけですね。そこらについてはどうお考えなのか、ぜひ説明を承りたいと思うのです。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 御指摘がございましたように、琉球大学は、復帰前の状態で見ますと、本土の大学設置基準に照らしまして、教員数、施設、設備等かなり下回っております。復帰の際、その組織を再編成いたしまして、本土の国立大学と同等のレベルにこれを整備するということを目標にいたしております。復帰時を初年度とする三カ年ないしは五カ年間の計画をいま立てておるところでございます。たとえば教職員の定数について見ましても、復帰時における琉球大学の教職員の定数は、現員は九百四十一人でございます。これを四十九年度までに千二百五十人に増員したいというふうに計画を立てておるわけでございまして、四十七年度には一千名の定員にし、四十八年度には百二十五名の定員増をいま予算で計上してお願いを申し上げているところでございます。  設備につきましても、復帰時点から三カ年、あるいはものによりまして五カ年の計画を立てまして、総額十七億円を加える予定にいたしておりまして、四十八年度には五億円の予算をこの整備に充てております。  なおまたいまの敷地でございますが、現在の琉大の使用キャンパスは、御案内のように首里地区とそれから与儀の地区に分かれております。このうち首里地区は非常に狭隘でございまして、施設の今後の整備充実にも支障がございますので、復帰時点以前から琉大関係者の構想もございまして、那覇市郊外の中城、西原にまたがります地域に移転を予定して、百十五万平米の新しいキャンパスを予定しておるところでございます。百十五万平米と申しますと非常に大きな予定地でございまして、現在の東大の本郷地区をとってみましても、五十六万平米でございますから、私どもとしては、新しい敷地に充実した国立大学として整備したいという気持ちでこの計画を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

上原康助日本社会党

○上原分科員 そういたしますと、現在の琉大の敷地を移転をするという御計画ということですか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 さようでございます。

上原康助日本社会党

○上原分科員 特に施設とか教授陣の問題ですが、ただ一例をあげますと、特に数学科の教授の不足というのは沖繩の琉大だけじゃなくして、小中高含めて問題になってきたことだと思うのですね。一例ですが、私はこまかいことはわかりませんが、昭和四十七年七月の文部省大学学術局のいわゆる理学部関係設備標準によると、一学年四十人の数学科に要する予算の標準額は四千六百四十六万円だと標準額が定められている。これは最低のあれで、これを下回っちゃいかぬということらしいですね。しかし、さらに理科、数学科の図書にしても二千冊以上は擁しなければいかない。だが沖繩の場合、こういう基準にはもう絶対足りないというわけですね。いま、いろいろ三年計画なり五カ年計画で、教授陣やその他の内部設備の充実をはかっていくという御答弁でしたが、数学科に割り当てられる年間の予算というものは、大体百三十万円くらいじゃなかろうかということなんですね。これじゃもう焼け石に水でどうにもならないというのが関係者の御不満のようなんです。こういう一例を見ても、ほかの学科でも大同小異で、まだまだ中央大学としての素養を備えていくにはよほどの政策的な配慮というものを加えていただかないとどうにもならないということなんです。こういう面でも実態をぜひ調査をしていただいて、すみやかに本土の中央大学と同等の水準に持っていく特段の政府の対策というものを立てるべきだと思うのです。これらの点については、いま一例をあげましたが、一体どういう御認識をなさっておられるのか、御説明いただきたいと思うのです。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 先ほど申し上げましたように、当面のところ一応三カ年計画で十七億程度の設備費の充実をいたしたいと考えておりまして、理工系につきましてはそのうち二億八千万ほどの経費を予定いたしております。四十八年度は三年計画の二年次になりますが、九千三百万ほど理工系学科の施設費として予定をいたして計上をいたしております。  そのほか、教官当たりの積算校費等につきましては、本土の大学と同じような措置をいたしております。同じような措置で足らない部分について、先ほど来申し上げておりますような特別の整備予算というものを、理工系教員養成あるいは実習施設、教官研究用の設備あるいは図書購入費等につきまして、それぞれ費目を立てて実態を把握しておりますので、その計画で進めておるわけでございます。理工系につきまして二億八千万と申しましたが、図書購入費につきましても、三年計画の二億八千万余の金額を予定して、その整備にはできるだけ水準に近づけるようにという考え方でおります。  教職員につきましては、ただ数を埋めるということでなくて、いい教官を充当していただくということを大学の学長にも特にお願いしておりまして、その意味で若干予定の定数への充足がおくれる面があるかもしれませんけれども、四十七年度までの移行時におきます整備の段階は、かなりの努力が行なわれておるというふうに考えておる次第でございます。

上原康助日本社会党

○上原分科員 時間がございませんので、あともう少しこまかい点をお伺いしたいのですが、ただ沖繩の場合やはり遠隔地ですから、教授あるいは職員の研究派遣費等についても、もっと予算的な裏づけあるいは補助というものが必要じゃないかという気がするわけなんです。復帰前よりも悪くなったんだという教授陣、職員の声というのは非常に強いわけですから、そういった面についてもぜひひとつ御検討をいただきたいと思います。  それと、この琉大との関係で大臣にお伺いをしておきたいのですが、琉大の医学部設置の件は、これは歴史があるわけですよ。佐藤前総理が六五年の八月に沖繩に訪問された際に、琉大に医学部を設置するんだということを現地で公式に明らかになされて、その後関係者の御努力もあったんですが、現在、保健学部を設置をして、医学部設置ということについてはまだ確たる政府の方針というものが出ていないんではないかという気がするわけなんですね。せんだって厚生大臣にも私、お尋ねしたんですが、やはり将来の沖繩の医療行政なりいろいろな面から考えて、医学部設置の必要性というのは認める、政府部内においても努力をしたいという厚生大臣の御答弁もあったわけですね。特に所管の大臣として、いろいろこれは受け入れ体制の問題なり困難な面もあることは私たちも理解をいたしますけれども、やはり琉大に医学部を設置をしてもらいたい、設置すべきであるという関係者の強い要求があるわけですから、ぜひひとつ御検討いただいて、実を結ぶようにやっていただきたいと思うのですが、これに対する大臣の御所見を承っておきたいと思うのです。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 お話しのような方向で進めてまいってきているわけでございます。  まず、医療従事者を沖繩で養成をしたい、そういうこともございまして、四十四年に琉大に保健学部を設置したわけでございまして、同時にまた去年の五月には付属病院が開設されるに至ったわけでございまして、引き続いて医学部を設置するための調査費、四十八年度も計上いたしているわけでございます。そして、医学部に必要な教員をどうして確保をしていくか、こういうことも非常にむずかしい問題がございますけれども、逐次解決をはかって、なるだけ早い機会に医学部設置にこぎつけたい、こう考えているわけでございます。

上原康助日本社会党

○上原分科員 じゃ、文部省としても、また大臣としても琉大に近い将来医学部を設置をする方向で諸方針を進めておられる、こういうふうに理解してよろしいのですね。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 そのとおりでございます。

上原康助日本社会党

○上原分科員 ぜひひとつその方向で強力にお進めになっていただきたいことを、あらためて御要望申し上げておきたいと思うのです。  それと、あと琉大の学費の問題ですが、これは復帰前は大体一万円だったんです。しかし、一躍三万六千円、まあ約四倍にはね上がって学費が値上げされてしまって、大きな問題になっているわけですね。確かに国立大学に移行をされたということで若干の学費の値上げはやむを得ないにしても、一挙にこれだけの値上げというのは、関係者にはあまりにも大きなしわ寄せじゃないかと思うのですね。先ほど言いましたように、内部の施設設備そのものがまだまだ本土並みになっていないのに、学費だけ画一的にやるということはどうも納得がいかないのですよ。これについてはぜひひとつ再検討をいただきたいし、もう少し寛大な措置というものを、たとえば復帰に伴う特別措置法でも五カ年という暫定措置があるわけですから、なぜそういった措置ができなかったのか。ぜひひとつ御意見を聞かしていただきたいと思うのです。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 お話のように従来年額三十ドルであったわけでございますし、これまでの学生諸君はそれでずっと卒業してきたわけでございます。今度入学される方々から本土と同じ授業料を負担してもらう、かように考えているわけでございます。その結果月三千円になるわけでありますが、私立の大学のことを考えていただいたり、あるいは琉大に対しまして国費をこれだけ投入していることを考えたりしていただきますと、私は、これを本土並みにすることがけしからぬという気持ちを持っていただくことはいかがなものだろうかなという気がいたします。ぜひその辺については私は御理解をいただきたい。本土並みといいましても程度の問題でございまして、ほかの私立の大学のことをお考えいただきますと、月三千円の授業料が、本土並みになってけしからぬとおしかりを受けなくて、その辺はぜひ御協力をいただきたいものだ、かように考えるものでございます。

上原康助日本社会党

○上原分科員 どうもそのあたりは納得しがたいのですが、政府には政府の御意見もあるでしょうが、しかし学生諸君にとってみれば復帰前より三倍も、四倍近くに学費が上がるということは、それはあまりにも大きなしわ寄せですよ。そういった画一的な方針というものがどうも今日のいろいろな問題に波及している面もありますので、もう少しこういった点については政府としても御検討すべき点はなかろうかと思うのです。  あと与儀の小学校用地の問題です。これもせんだって大蔵大臣も学校敷地に充てたい、総合事務局庁舎の問題もあるのだが、与儀小学校の実情からしてもどうしても学校用地に充てたい、国有地のことなんですから、という御答弁があったのですが、もう多くを申し上げるまでもなく、与儀小学校のいまの実情というのは、おそらく本土にもああいう小学校の過密というのはないと思うのです。そういうことで文部省としてもぜひ、まあ私たちは今年の四月を目途として与儀のガソリンタンクあと地に新しい与儀の分校、小学校をもう一つ新設してもらいたいということで御要望してきたのですが、それが実を結ばなかったわけです。来年の四月の新学期までにはぜひひとつ与儀小学校があのガソリンタンク敷地あとに新設できるように、文部省としても進めていただきたいと思うのです。これに対しては御異存はないと思うのですが、大臣の決意のほどをあらためて伺っておきたいと思うのです。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 お話のとおりたいへん困っておられますし、ぜひあの土地を学校用地に譲ってもらいたいと考えています。そういうことで、文部省からも大蔵省に対しまして強く希望を申し入れているわけでございます。国のほうにおきましては、国も那覇市に協力するから那覇市も国に協力してもらいたい、お互いに便宜を供与し合おうじゃないかという気持ちがあるようでございます。全体として一日も早く解決されるように、文部省としても努力をしていきたいと思っております。

上原康助日本社会党

○上原分科員 それと関係者の強い要望というのは、国有地ですし、また学校敷地に充てるわけだから、できるだけ無償で譲渡してもらいたいという強い要求もあるということを御理解をいただいて、ぜひひとつ早急に解決をしていただきたいと思います。  最後に、問題の沖繩大学の件についてお尋ねしたいのですが、せんだって予算の一般質問の際にちょっと触れましたが、これまでの経緯なりいろいろな行きがかりがあったということは私もある程度理解をいたします。しかし大臣にあるいは文部省関係者にぜひ御理解いただきたいことは、今日のようにこの問題が紛糾したということは、やはり関係者なり当事者同士が十分納得のいかないままに沖繩、国際大学の統合というものが進められてきたということも否定できないと思うのですよ。したがって、私はもう過去のことをああだったこうだったというだけでこの問題は解決できないと思うのです。しかしどうしても沖繩大学を存続をしてもらいたい、あるいは新しい四年制大学としてその機能を果たさせるべきだという県民関係者の強い意見があるわけですね。そのことも否定できないと思うのですよ。  そこでお尋ねしたいことは、もし沖繩大学がいわゆる大学としての認可申請をあらためてとるという場合、とったという場合に、これに対してどういう対処策なりお考えがあるのか。もう沖繩には私立大学というのは一本でいいのだ、また政府が両方進めてくる過程で補助金も先ほどお述べになったように出したんだから、もうあの出した政令どおりにいくんだというかたくなな立場にあるのかどうか、そこいらについてぜひお聞かせいただきたいと思うのです。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 もう十分御存じのことと思うわけでございますが、復帰の時点におきまして従来ありました沖繩、国際、両大学を統合して本土の基準により適合し得るようなりっぱな大学にした上で、それを本土の大学として扱うということで関係者の処理が進められてまいりました。そのとおり復帰時点におきまして統合されました沖繩国際大学を正規の大学として受け入れるという措置を講ぜられたわけでございます。これは復帰時点の処理であります。  で、復帰後の状態におきまして沖繩からいろいろとまた新しい大学新設の御要請があるということは、これはあり得ることだというふうに思っております。ですから、そういう御要請が出ました場合には他の都府県からの審査の要求がございましたのと同じような態度で、私どもはその差別を考えて処理すべきものではないというふうに思っております。ただ、現在予定されております沖繩大学でどういうふうな御要請が出てくるのか私ども存じませんけれども、少なくとも復帰時点におきまして統合した大学によっていいものを一つつくろうという関係者の御意思があって、その御意思に対して私どもも先ほど大臣から答弁がございましたような特別の補助を私立大学についても行なったというような経緯もございます。そしてまた新しい大学の申請がどの程度に本土と同じようなもので出てくるかどうかというのはこれからの問題でございますので、そういうお話が出た段階で私どもは慎重に検討いたしたいというふうに考えております。

上原康助日本社会党

○上原分科員 時間があと二分くらいしかありませんので、もう結びますが、そういたしますと沖繩大学が、いま学生募集の問題等で、これに対して政府はたいへんごきげん斜めのようですが、そういった面は別にして、ああいう状態でもしかし応募をした学生がおったということは、沖繩大学が私立として過去十四年の歴史を持ち、卒業生も六千五百名も戦後、社会に出しているわけですよ。これはやはり沖繩の戦後の教育水準を高めていく、あるいは人間養成の面で多大な役割りを果たしたということはどなたも否定できないと思うのです。そういう面をただ画一的に政令や、あるいはもう過去においてこういう話し合いがあったんだからしようがないじゃないかという感覚でやられては実際困るわけです。そういった面はぜひひとつ御理解いただいて、念を押したいことは、ではかりに沖繩大学が新しい大学として認可申請を出した場合は、もちろんそれは私学審議会での御検討もいろいろあるでしょう。だが、統合大学としてはわずかに五日間で認可をしているわけですね。特殊な事情だったというようなこともあるでしょう。少なくとも沖繩大学が認可申請を出した場合にはすみやかにその審査をして、条件に見合うように手助けをしていくというところまでの姿勢が文部省にあるのかどうか、そこら辺についてもお聞かせをいただきたいと思います。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 先ほど御説明申し上げましたように、新たな認可申請が出ました場合には、他の一般認可申請と同様の手順で、同様の基準で審査を進めさせていただきます。ただその際に、あまりにも故意に法令の規定その他に違反されるような措置を講ぜられるというようなことになりますと、私どもとしては申請人の審査その他のことも非常に心配をするわけでございます。ですから、先般来法令の規定に違反したような措置をとられることのないようにということは二度にわたって御注意も申し上げております。今後の大学の関係者の慎重な取り進め方を期待したいものというふうに考えております。

上原康助日本社会党

○上原分科員 最後に大臣に、いま局長の御答弁もありましたように、いろいろ事情あるんですが、やはり事ここに至っては沖繩大学の問題も新しい段階に来たということで、話し合いでいろいろ文部省のお知恵も拝借しながら、関係者の意向等も聞いて解決をしていきたいというお立場にあるというふうに理解をしたいわけですが、それでよろしいですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 今後沖繩におきまして本土の大学の設置基準に適合した大学をつくりたいということで認可申請が出された場合には、これは認可すべきものだ、かように考えております。

黒金泰美自由民主党

○黒金主査 次に、松浦利尚君。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)分科員 私は一つだけ質問をさせていただきたいと思います。  その前に事務当局でけっこうですが、全国的に学校教育法の二十三条の就学猶予によって義務教育を実際に受けておらない子弟が幾らおられるのか、数字がありましたら教えていただきたいと思います。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 四十六年度の就学猶予、免除の児童生徒数でございますが、合計いたしまして二万一千六百六十三名でございます。そのうちで一番大きな比率を占めておりますのは精神薄弱の児童生徒でございまして一万二千四十六名、その次が肢体不自由の児童生徒でございまして四千五百三十五名、その次が、病弱でございまして二千四百五十三名、そういう内訳になっております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)分科員 大臣にお尋ねをしたいのですが、最近どうも第二十三条の就学猶予というのが安易に使われておるわけであります。収容する寮がないあるいは学校の先生が他の子供さんに迷惑を与えるんじゃないか、こういったことで一方的に判定をいたしまして、保護者に対して二十三条の猶予願いを出させる、そういうケースが最近増加をしておるわけであります。いま御指摘がございましたように、二万一千六百六十三名であります。そのうち精薄児が一万二千四十六、こういうのでありますが、この精薄児の中でも現実に就学させることによって子供の知能を高めることができる子供さんがおるわけであります。あるいはただ単なる身体障害者のゆえをもって四千五百三十五名が就学不能になっておる。ところがこういった人たちは、こういう人たちのための施設ができさえすれば全部就学することができるわけであります。第二十二条で保護者が子弟に義務教育を受けさせる義務が課せられているわけでありますが、この特例が二十三条であります。こういうことが義務教育だという形の中で現実に行なわれておるという事実について、文部省のほうは改善しようとする意思があるのかないのか、きわめて大きな問題だと思うのです。この際大臣から、こういった問題についてどのような方法で問題の解決をしようとしておるのか、その点の御意見を聞いたあと、具体的な問題について御質問したいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 就学猶予、就学免除を受けている人たちがふえてきている傾向にあるというお話でございますが、私たちの理解とそこはちょっと違うのでございます。ただ心身障害者の方々にも教育を受けてもらえるようにする、それなりにそれぞれの心身障害の事情に適合した教育施設が整えられませんとそういう方々に学校に入っていただけない、そういう意味で養護学校を整備する、これに力を尽くしているわけでございます。現在二百数十校の養護学校があるわけでございますけれども、精薄者に対するものと虚弱者に対するものにつきまして、まだない県が相当ございます。それをぜひ四十七年度、四十八年度で解消したい、こういうことで努力をしているわけでございまして、そのために建設費に対します国庫補助も従来の二分の一から三分の二に引き上げたところでございます。養護学校を整備することによって心身に障害を持っておられる方々も学校で学べるように、そうすることによってまた就学猶予、就学免除を受ける方々が減ってくるだろう、かように考えるわけでございます。そういう点につきましてなお一そうの努力を続けていきたい、かように考えておるわけでございます。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)分科員 大臣に具体的にお尋ねをしたいのですが、施設がないから父兄に対して猶予願いを出させる。父兄がそれに応じなかった場合、当然二十二条によって義務教育を受けさせる義務があるわけでございますから、二十三条の猶予願いは出さない、幾ら教育委員会のほうで猶予願いを出せといっても私のほうは出しません——子供に対しては当然就学権というのですか、生存権としての学ぶ権利というものがあるわけでありますから、二十三条の拒否を行なった場合の扱いはどうなりますか。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 学校教育法の二十三条は、ただいま先生の御指摘もございましたように、これは一般的な規定でございまして、乱用などは許されないものでございます。したがいまして、私どもとしましても、それらができるだけ少なくなりますように最善の努力を尽くすということだろうと思いますけれども、具体的にそういう方々が猶予、免除の願い出を出さないという場合も聞いておりますけれども、これは現実問題としまして施設の余裕の面もございますけれども、実際の教育の面からいたしましても、まだ私どものほうで扱いかねる面があるわけでございます。また最近重複障害児等の数がだんだんふえてまいりまして、そういうものに対する教育をどうしたらいいかということで、国立の特殊教育総合研究所というようなものも設けたような次第でございます。いま猶予、免除の願いを出さないで、たとえば普通の学校にお子さん方を連れてこられましても、実際上教育ができないというふうな事態であります。今後そういう方々に対しましても、それにふさわしい教育を私どものほうは給付をしたいということで努力をいたしているわけでございますが、手続としてそういう場合には猶予、免除を出すように、私どものほうとしてはお願いをいたしたい。もちろんこの猶予、免除の規定に伴いまして、罰則の規定もございますけれども、そういうような場合がございましても、これは罰則をかけるという問題ではなかろうというふうに考えておるわけでございます。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)分科員 子供は本来教育を受ける権利を持っておりますね。権利の主張ができないから保護者が二十二条によって受けさせるわけですね。そうするとその二十三条の猶予願いというのは保護者がやるわけでありますから、保護者の権利というのは子供の権利には及んでおらないのです。だから子供の就学権というものを保障するという前提に立つなら、四月からの新学期において二十三条の就学猶予願いを出さない。そうすれば当然文部省は普通の小学校に入れなければいかぬということになるのじゃないですか、手続上は。それを拒否する根拠は法律の中には何もないでしょう。その点はどうですか。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 この規定は憲法の規定からまいりまして、義務という面からこれは書いてあるわけです。先生御指摘のように、権利という面から考えました場合には、その権利というものを最大限と申しますか、私どものほうでできるだけの確保をするということは、これは当然のことでございます。しかし、現実問題としまして、教育のやり方につきまして、まだわからない点もいろいろございます。それから施設の整備の面におきましておくれておる。したがいまして、やむを得ずそういうふうに猶予願いを出していただくという事態があるということはこれはそのとおりでございます。また、それを解消しようとして努力してまいっておりますことは大臣から申し上げたとおりでございます。そういう方向で一日も早くそういう事態がなくなるように私どもといたしましては努力していくということであろうと思います。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)分科員 この義務教育という問題が、この二十三条の手続によってきわめて変形——本来なら当然子供さんは全部収容しなければならぬというのが、施設がないとかそういったこと、それから学校教育のあり方について現在研究開発中だということによって一方的に二十三条の適用をさしておるわけです。そのことは父兄や子供の責任じゃない。そういうことをいままでサボってきた政府の責任だと思うのです。  一つの例を申し上げたいと思う。いま十八歳の子供さんがおるのです。この方は最近わかった。十八歳の子供さんですが、なぜあなたは就学せぬのかということを調べてみた。この人は盲あ者であります。目が見えない。ところが、この入学するときにたまたま福祉事務所の人たちが来て、あなたの子供さん学校に行ったってたいへんだ、先生方に迷惑をかけるし、そういう入寮の設備もないのだからこの際就学猶予願いを出しなさいということを言われて親は就学猶予願いを出した。お上のいうことだというので、役所のいうことだからしかたがないというので、福祉事務所の人の言うことに従って就学猶予願いを出した。そしていままで、十八歳になるまで放置されている。ところが、この人は実際にはただ目が不自由だということだけで就学猶予されたのであって、現実には能力を持っておる人なんです。そういう人が今日放置されておるのですよ。義務教育を受けずに十八歳の子供さんが放置されておる。これを今度就学させようと思ったら、やはり寮の設備がないからだめだ。それじゃ厚生省がつくった寮があるじゃないか。その寮に入れようとしたら児童福祉法によって十八歳以上はだめといって入れない。結局この子供さんは義務教育を受けなかった。能力があるにかかわらず学校教育という経験をしたことのないまま今日放置されておるのです。これは一体だれの責任ですか。この人が損害賠償の請求をしたらどうなりますか、これは。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 先生の御指摘になりましたような事例があるといたしますと、これは間違いでございます。明らかに国及び都道府県の責任であります。もしそういう方が盲学校に就学をしたいというふうな御希望がございましたら、私どもは最大の努力を払いまして盲学校のほうに就学をしていままでおくれておりました経験を取り戻すというふうな努力に対しましては力をかしてまいりたいというふうに考えております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)分科員 地方自治体はこれは負担が上がったといっておりますけれども、実際に盲あ学校の併設の寮をつくるのです。ところが、その併設の寮を厚生省の予算でつくるのです。そういうケースが全国的に多いのです。盲あ学校に行かれる子供さんが全部入っておる。しかもそこで機能訓練を受けておるというケースなんです。その学校自体に教育委員会の施設として寮があるんじゃない。厚生省の機能回復の機関としての寮があって、その寮に入れた子供さんが学校に全部行く、そういうケースが多いのです。これは文部省の施設じゃないのです。厚生省の施設なんです。ところが、こういうところに入れようとしますと、十八歳以上だから、児童福祉法で入れることができないという法律の規定になっておるのです。この人はいま言われたけれども、学校に行きたいといって申し出たけれども、今度は厚生省のほうの児童福祉法による年齢の超過によって入れてくれない。結局入るところがないから就学の意思があってもまだ行けない、こういうケースは多いのです。この内容はだいぶ違うじゃないですか。たまたまその寮が文部省の寮か厚生省の寮かの違いでそういう状態が今日生まれてきておるのです。地方自治体は金がないからろうあ学校の施設というものはみな厚生省です。ほとんど厚生省です。これは補助率も高いのです。いまあなたが言ったことと矛盾するじゃないですか。文部省はそう思っても、現実には入れてくれないのです。そういうものに対して、もっと具体的に数字を、二十三条で二万一千六百六十三名でございます、こういうことを発表するのではなくて、二万一千六百六十三名がどういう状態で就学猶予になっておるかということを、具体的にあなたのところは統計を出して分析したことがありますか。ただ報告を受けただけでしょう。その点もっとはっきり答えてください。いま私が言った場合の例はどういう解決を文部省はするのか。現実にこの二万一千六百六十三名という数字が具体的にどういう状態で就学猶予になっておるのか。そういう問題について把握されたことがあるのか。この二点について答弁してください。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 御指摘のように児童福祉施設と、それから特殊教育学校というものを併設して解決をしていくという場合がございます。しかしながら、盲学校及びろう学校につきましては、寄宿舎を設けなければならないという規定が別にあるわけでございまして、したがいまして、そういう施設というのは、やはり児童福祉施設としての機能と、それから寄宿舎としての機能というものを果たすべきものであろうと思います。十八歳ということでいま義務教育年齢を過ぎているわけでございますけれども、そういうものにつきましても、実態に即しまして前向きの解決をはかるということにいたしたいと思います。私どもそういうふうに努力したいと思います。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)分科員 いま十八歳の年齢ということで、こう言われましたね。それは私の言った個々のケースの問題の回答だと思うのです。そうすると、実際に先ほど言われた全国的なこの就学猶予の統計からきて、こういうケースが非常に多いのです。施設がないから行けないのではなくて頭からこういうことで就学猶予願いを出させておるケースがこの中で相当部分あるのですよ。そういう点についてどういう形で就学猶予になったのかということについて、具体的に分析したことがあるかということについての答弁がありません。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 この問題につきましては、私ども就学猶予、免除の実態をさらにこまかく分析いたしますために予算の措置もいたしまして具体的な調査を開始するということにただいまなっているような次第でございます。たいへんおくれまして恐縮でございます。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)分科員 大体いまごろから就学猶予の二万一千六百六十三名について調査をする、これでは私は文部省自体の指導が悪かったと思うのです。子供さんの権利として安易にこの就学猶予願いというものは出させるべきではない。これからおそらく父兄の方も目ざめまして、二十三条の猶予願いなんて出さないようになりますよ。そうすると下のほうでは混乱ですよ。入れるところはないし、その一人の子供さんのためにまた全体の子供さんの学力に影響する。現場の先生たちも困るが、だからといってその人たちをほうっておくわけにいかない。だから私は早急に調査をして、その決定に従って文部省が的確な指導をしてもらいたい。いまの局長が御答弁になったことを早急に実行してもらいたいということを要望として申し上げておきたいと思うのです。  それから、もう一つの問題は、御承知のように、たとえば結核療養所の小児病棟に学校があります。あるいは精神病院に学校が併設されておるところがあります。ところが、これが全部分校なんですね。いってみますと、予算なんかないのですよ。分校だからということだけで、本校よりたいへんに冷遇されておる。むしろそういった身体障害者とか精神薄弱者とかあるいは自閉症の子供さん、こういった子供さんを扱うところにこそ学校の教育費というものはもっと手厚くされなければいけないのに、実態を調べてみますと、分校なるがゆえにたいへん予算の措置がお粗末であります。だから学校の先生がこれもしたい、あれもしたいというふうに、特殊な子供さんでありますから、こうすれば能力の開発ができる、こうすればもっと知識を高めることができると思いながらも、予算がないためにそれができないのです。自閉症の患者と精神病の患者とは違うのですね。全然別個ですよ。ところが、ひどいところになりますと、それが一緒になっている。分校の施設だから特別教室をつくるわけにいかぬから、ほんとうの精神薄弱児と自閉症の患者というものが一緒にされて教育されているのですよ。なぜかというと、それは分校のために予算がないからです。こういう学校は、いまのような状態であるなら私は全部県立にすべきだと思う。なぜかというと、義務教育という形で文部省の予算の中でやられるから、分校には予算がつかないのです。分校は非常に少ないのですよ。局長は知っておられる。だとするなら、むしろろう学校とか盲学校のように、こういった施設にある分校というものは全部独立させて、県立学校なら県立学校にしたほうがむしろ子供さんはしあわせだと思うのです。特殊事情だから経費の面で隔離されておる、差別されておる。こういったものについて実際に局長のほうは把握しておられるのか、今後予算措置として分校という問題についてどのような見通しを持っているか、その点についてお伺いいたしたいと思います。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 実際に病院に入りまして治療を主体にして養護したほうがよろしいというような子供さん方にとりましては、養護学校とかその他の特殊教育諸学校の分校をつくる、あるいは小中学校の特殊学級の分校をつくるというふうな措置が行なわれているわけでございます。御指摘のように、本来でございましたら県立の養護学校の分校という形のほうが望ましい場合が多いと思います。したがって、私どものほうは、そういうふうな心身の障害の程度に応じまして積極的に分校というものをつくり、充実をしていくという方向で対処してまいりたいというふうに考えております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)分科員 もう一ぺんお尋ねしますが、そういうものは県立学校の分校とすべきが望ましい、そういう方向で指導する、これからそういうふうな方向で進む、こういうふうに御答弁いただいたと理解してよろしいですか。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 病院に収容されております子供さん方は主として障害の重い方でございます。先ほど大臣から申し上げましたように、いままだ養護学校が十分普及をいたしておりませんので、現実問題としましては、特殊学級も小学校、中学校の分校というふうな形になっておりますが、将来の方向といたしましては、養護学校がができました場合におきましては養護学校の分校というふうな形が望ましいというふうに考えております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)分科員 養護学校ができたときにそういうふうにしたい、こういう御説明ですね。  これはもう最後になりましたから、大臣にぜひ知っておいていただきたいし、お願いしたいのですが、いまずっとお話ししたように、こういった身体障害者あるいは就学猶予の皆さん方、この就学猶予の皆さん方はたいへんな犠牲を受けておるのです、就学権を拒否されておるわけですから。現実に入っておる子供さん方も、養護学校ができるまでは義務教育諸学校の分校という形で、予算措置その他については谷間に置かれておるのです。私はこの際大臣が、こういった特殊な子供さんという表現が悪いのですが、そういった子供さんに対しての予算措置、あるいはこれからの方針、そういったものをどのように取り組もうとしておられるのか、大臣としての高いレベルからの御答弁をいただいて、私の質問を終わらせてもらいたいと思うのです。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 いまお話しのような方々につきましての就学の義務、それを政令で当分の間猶予しているわけでございます。しかし、早く養護学校を全体的に整備いたしまして、そういう方々も全部学校教育が受けられるようにしなければならぬ、かように考えまして、一応七カ年計画を立てて養護学校の整備を急いでいるわけでございます。それにつきましても、そのめどをある程度立てまして、そして義務化の時期を明示する必要があるのではないか、またそうすることによって養護学校の整備を急いでもらえるのではないか、こんなことを考えているところでございまして、ぜひ、お示しのようなことの起こりませんように、心身障害を持っておられる方々もそれに応じた施設の中で早く義務教育が受けられますようにはかりたい、かように考えておるわけでございます。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)分科員 いま養護学校設立の七カ年計画と言われましたね。こういうのをもっとスピードをアップして、もっと予算をふやして、こういつた皆さん方の期待にこたえていただきたいと思うのです。  それで最後にくどいようですが。もう一ぺん局長にお尋ねしておきますが、児童福祉法によって入寮を拒否されておる子供さんについても、学校に併設されている厚生省のそういった施設に対しては、文部省のほうからケース・バイ・ケースで入寮させて就学させていくのだ、それは法律でそういうふうにきめられており、十八歳以上は入れないということ、それをたてにとって、厚生省はむずかしい、こう言うのですね。私いまのお話を聞いていると、これはケース・バイ・ケースでやるのですから、このことだけはもう一ぺん確認しておきますが、間違いありませんね、だいじょうぶですね。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 そういう方向で県のほうと相談いたしまして、具体的に解決してまいりたいというふうに考えております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)分科員 これで私の質問を終わります。

黒金泰美自由民主党

○黒金主査 次に、土井たか子君。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 私は、このところ特に急増地域におきます学校建設の問題というのは、日を追っていろいろ問題点をはらんでいるようでありますから、これにしぼりまして、御質問をしたいと思います。  まずお伺いをしたいと思いますが、四十八年度予算のうち、急増地域において特別の対策を何らか講じていらっしゃるかどうか、学校建設、特に校舎の建設関係をめぐって、それについて基本的なひとつ問題を答えていただきたいと思います。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 急増地域における学校施設の整備につきまして御指摘のような問題があるわけでございますが、四十八年度予算におきましてはまず事業量の増加をはかっております。  校舎面積について申しますと、小学校の校舎につきましては前年度の一一・二%増の百二十五万平米を計上いたし、中学校につきましても同様前年度に対しまして一二・五%増の三十六万平米の面積を計上いたしております。また小中学校の屋内運動場につきましては対前年度三万平米増の三十六万平米の面積を計上しておるのであります。これは小中学校の施設整備の全量でございますが、このうち約七割が児童生徒急増地域における施設整備に充当される見込みでございます。  それから負担率でございますが、小学校屋体の負担率を従来の三分の一から二分の一に引き上げることにいたしております。これは全国共通の問題でございます。  それから、小中学校校舎の負担率につきましては、従来二分の一でございましたが、児童生徒急増町村につきましては、これを三分の二にしたいという措置を講じでおりまして、以上負担率の引き上げにつきましては、別途法改正をお願いしておるところでございます。  それから、義務教育施設の整備につきましては、従来国庫債務負担行為制度を利用するということが少なかったわけでございますが、近年比較的規模の大きな小中学校についての整備も必要とされておりますので、本年度、四十八年度予算におきましては、当初予算におきまして、国庫債務負担行為という新しい方式を導入するということにいたしております。  それから、土地の購入費でございますが、事業量の拡大をはかります。また、単価の改善を行ないまして、対前年度八九%増の九十八億六千六百万円という予算を計上しておるという次第でございます。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 いまの負担率が少し改善されるとか、それから単価についても少し割り増しを考えていくとか、これは基本的に大事な問題なんですが、何といっても、急増地域というのは過密地帯なんです。いま問題のこの土地の値上がりということからすると、一番深刻な場所であるということを念頭に置いておいてよかろうと思うのです。  そこで、土地一坪、三・三平方メートル当たり単価にして、昨年に比べるとことしはどれぐらいかさ上げを考えられましたか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 土地の単価についてでございますが、昨年度は、一万六千円でございましたが、四十八年度は、これを二万一千円に引き上げております。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 私の住んでおりますのは過密地帯の一つなんですが、一坪二万一千円で取得できるような場所は、もはや市内どこをくまなくさがしてもないということになっております。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 どうも間違えまして、恐縮でございます。一平米でございます。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 それじゃ、一平米当たり昨年は幾らであったのか、ことしはどういうことになるのか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 昨年度一万六千円でありましたものが、二万一千円になったということでございます。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 過密地帯において土地の値上がりは二倍で押え切れている場所はそうないと思うのです。ここのところ、もうまたたく間に、一カ月刻みでものすごい急騰でありますから、そういう点を念頭に置かれると、地方自治体がまたまた超過負担というものを背負うということははっきりしておる事実なんですね。  そこで、そういう問題について、急に単価についてもむちゃくちゃに上げていくということは無理かもしれませんけれども、念頭にまず置いていただいて、やはりこの点についても地方自治体がつらい目、痛い目をみるということも、ひとついろいろな点での配慮に忘れていただいては困ると思うのです。  ところが、そういう用地取得について——取得できる場所があるならまだいいほうでありまして、ここのところなかなか用地についても取得困難という事情がございまして、そこで各地に引き起こされている問題がいろいろあるわけです。たとえば、最近起こりました卑近な例を一つあげましょう。  これは、山を削って、谷を埋めて、敷地をつくるという、たいへんまあ無理なことをやっているわけなんですけれども、山の部分を買うと、やはりこれは平地に比べると少し価格の上で安く入手できますから、したがって山を削って谷を埋めて敷地をつくって、でき上がったところから建築を始めるということなんですが、いましかし、市のほうでの青写真、設計図を見ますと、大体運動場をずっと谷底のようなところにつくって、そして運動場から校舎に上がるまで、校舎は二むね予定されているわけですけれども、一つの校舎はビルの高さにして七階から十階建てになるわけであります。もう一つ、それよりも背後、つまり北側、斜面に向かって北側につくられる校舎は、十一階から十三階建ての建物になるわけであります。この十三階建ての校舎を使って、七階以上を教室に、一階を運動場にするという予定になっているわけでありますから、階段をかけ登る段数を数えてみると、大体二百六十段くらいは覚悟しなければならぬ。小学校の一年生から三年生くらい、この子供たちが運動場で運動の時間の授業を終えてそうして自分の教場に入るまでに、また休み時間運動場で遊んで、自分の教場に入るまでに、一番高いところにある教室まで一体何分くらいかかるかということを調べてみると、十五、六分は優にかかるということが計算の結果出てくるわけですね。それはかけ上がって十五、六分は優にかかるということが出てくるわけです。  こういう問題は、一つは教育上思わしくない面が多々あると思われるわけですけれども、こういう問題について、何らか学校の校舎あるいは運動場の建設に対する基準があってしかるべきでないかというような声も、あちこちから聞かれたと思います。これは単に一例を私はあげたにとどまりますけれども、やはり土地の入手が困難になれば、狭い土地をいかにして利用するかという問題が、これから出てくるかと思うのですね。したがって、学校校舎の高層化、学校建築の高層化というふうな現象も勢い出てくるかと思うのですが、こういう問題について、文部省とされてどういう措置を講ずる御用意がおありになるか。それから何らかの規制が必要とお考えになっていらっしゃるのなら、それの規制について中身をお聞かせいただきたいと思います。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 学校建築の高さの問題につきましては、文部省におきまして学校施設指導要領というものを定めております。これは公立文教施設整備を行ないまする際に、その建築設計につきまして都道府県の教育委員会が町村に対しまして各種の指導をするわけでございますが、その際の指導の準則を定めたものがその内容でございます。この中に学校の階数についての条項がございまして、従来は小中学校以下は三階以下が原則であるということを述べておったわけでございますが、昨年の九月、この一部を改正をいたしまして、小学校にあっては三階以下、中学校にあっては四階以下を原則とする、ただし既成の市街地等におきまして十分な校地を得がたい場所にあっては、小学校にありましても、中学校と同じように四階までが認められるという扱いをいたしました。  ただ、小中学校校舎を四階にいたします場合の留意事項といたしまして申しておりますことは、第一は、小学校の場合、低学年はなるべくその下の階層に収容してもらいたい。それから各棟に二カ所以上の避難のための直通の階段を備えてもらいたい。それから児童の安全管理に十分配慮することが必要で、特に屋上を運動場や遊び場に使わせるような場合には、特にそうした安全管理に留意してもらいたい。それから周辺の事柄でございますが、小中学校が高層化されますると日照権の問題というような問題も起こってくるわけでございますので、周辺との調整について特に留意をするようにという指導をいたしております。  なおこのほか建築基準法の四十条に基づきまして、各府県が条例を定めておる例があるわけでございます。これは、条例を定めることができるという法律の規定になっておりますので、条例のない県もあるわけでございますが、条例の定めのある県につきましてはやはり三階以下が原則でありまするが、特殊な場合には小学校について四階を設け得る、こうした内容になっているケースが多いわけでございます。ただ文部省の指導方針は、ただいま申し上げましたように従来と変わってきたわけでございますから、府県の条例も徐々にそうした方向に変化していくであろうということを予想し、また期待をいたしておるわけでございます。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 その指導方針の中身はどういう形で各府県におろしていらっしゃるか。それは通達とかいろいろあると思いますが、どういう形でいままで指導に臨まれてまいりましたか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 これは管理局長の通達という形で各都道府県の教育委員会にお示しをしておるわけでございます。したがいまして、今回の改正につきましても管理局長の通達という形でお示しをいたしております。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 通達ということになってまいりますと、やはりその通達に従っていろいろ校舎の建築などは考えていかなければならないという姿勢が市のほうになければならないわけですね。先ほど申し上げたのは、これは具体的な名前はもうすでに公表されておりますから申し上げましょう。兵庫県宝塚市にある新設校長尾東小学校の問題でございます。私は、きょうは参考までにと思ってここに青写真を持ってまいりましたけれども、しかし、この小学校の建設についての設計の中身についてはもう御承知でいらっしゃいましたか、いかがですか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 この計画につきましては、これは都道府県の教育委員会の施設担当の部課あるいは文部省の管理局の施設部の工事事務所で指導いたしております。私ども直接には承知していなかったのでございます。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 この設計からいたしますと、先ほどおっしゃった中身の通達からすると、それは思わしくない校舎だということに一言でいってなるのじゃなかろうかと思われますが、もし思わしくないというふうに認識をされたならどういう措置を文部省としてはおとりになるか、それをひとつ承っておきましょう。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 これは文部省が地方に対して行ないまする指導助言でございます。したがいまして、ただいま申し上げましたような方針に従いまして、この場合でございますと兵庫県の教育委員会なり宝塚市の教育委員会に対してそうした御意見を申し上げ、それを尊重していただきたいということを申し上げるわけでございますが、最終的には建築法規に違反しない限りはやはり町村の御判断に待つということになろうかと思います。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 それじゃ校舎の問題は、いま申し上げたような例があるわけですが、もう一つ校舎を建てる者の敷地についての造成がずさんなことのために、昨年は神戸のほうで学校が陥没してしまったというふうな例があったりするのです。これはやはり用地取得ということに対して困難であればあるほど、いまのままの状態でいきますとこういう事例というのはこれからたくさん出てくると思うのです。  そこで決定打としては一体、そういう問題を防止するために、それからより健全な学校建設ということを促進するために、何が一番大事なきめ手になるといまお考えでいらっしゃるか、その点ちょっと聞かせていただきます。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 やはり基本的には、これは事業の主体が町村でございますから、町村の担当の方がそうした点に十分配慮を尽くすということが第一の要件かと思いますが、それに対しまして指導する立場にある県教委なりあるいは文部省管理局なりが、さらにそうした面の指導を徹底していくということが必要であろうかと思います。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 指導の徹底とおっしゃいますが、これはやはり指導は徹底していただかなければならないけれども、これは物理的に不可能な条件を乗り越えてやる努力の払いようがどうにもないという声が地方自治体からは聞かれようと思うのです。つまり財源は限られております。そうして超過負担ということでは毎年毎年ひいひいと言いづめであります。しかも急増地域については校舎の増設というのは急を要する問題になっております。用地取得からしてこれはたいへんむずかしい問題だということになってまいっております。したがって、これはいろいろな点での指導を仰いでもどうにも乗り越えることができない一つの大きな壁があるということになってくるのではないかと思います。その壁を取り除くためには、具体的にいろいろな点での精神指導というものは大事かもしれませんが、それだけじゃ乗り切れないわけでありますから、ひとつそういう物理的条件に向かって大きな壁を取り除くための努力といったらどの辺にあるかということを教えていただきたいのです。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 いろいろあろうかと思いますが、先生のほうから具体的な御指摘がございますれば、それに対応した措置をいろいろ考えてまいりたいというふうに考えます。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 それならばケース・バイ・ケースでございますか。事例が出たときに初めて少しそれに対して対策を講ずるというふうな意味でございますか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 一般的な考え方としてはいろいろあろうかと思います。たとえば学校の位置の選定につきましては、教育的に好ましい位置であることが必要であるとか、あるいはただいま土地の造成につきまして問題があるという御指摘があったわけでございますが、危険の少ないところを極力選ぶべきである。あるいはその建築の面につきましては、ただいま御指摘のような事例は私は適当な事例ではないと思いますが、そうしたことは極力避けていく。あるいはやむを得ず高層化をいたします場合にも十分安全上の措置を講じていくとか、そうしたいろいろな考え方と申しますか、原則があるわけでございますが、そういう原則を踏まえて個々のケースに対応した指導をしてまいりたいというふうに考えております。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 これは当事者からしますと、そういう指導のもとに指導に即応して事をやろうとすると、気にかかるのはいつも国の補助の問題なんです。具体的にいえば、これは補助の中身がそれを十分に保障し得る補助でなければどうにもならない問題があるわけですから、こういう具体的な例を一つ一つあげた限りにおいて、補助についてそれなら十分にできるところまで配慮しましょう、ひとつ思い切った考えをこの節出してみましょうというお心づもりがおありになるのかどうか、その点をまずお聞かせください。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 御承知のとおり補助というものは、標準的な設計と申しますか、標準的な仕様を前提にした標準単価ということが一つの骨子でございます。また面積につきましては、学校規模に応じまして標準的な面積を設定して、その範囲についての補助を行なう。標準的な単価と標準的な面積の相乗積の範囲内において国が補助をするということが原則でございます。ただ、では実際上の配慮がないかと申しますと若干はあるわけでございまして、地域的に実際の単価に差等がございます。たとえば寒冷地でございますれば暖房の設備が必要であるとか、あるいは地盤の悪いところに学校を建築するような場合にはくい打ち等に特別な経費がかさむとかいったような問題があるわけでございますが、そういうものには対応し得る実際上の措置を講じておるわけでございますけれども、それ以上個々のケースにこまかく対応した措置というものは実際上はなかなか困難であるということが実際にございます。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 それじゃ具体的な例を先ほどあげてしまいましたから、それに即応して申し上げますが、宝塚の長尾東小学校のような例ですね。山を用地として使用する、斜面の傾斜が非常に急なところを敷地として今度は学校の校舎を建てるというふうな場合、これは宅地を取得して、そして学校の校舎をそこに建築するよりも、いろいろな点でやはり手を入れなきゃなりません。そして、いまおっしゃったとおり安全性の対策なんというふうなこともありましょう。そういう問題については特にいまおっしゃったような意味においての配慮というものが別ワクとして考えられていいと思うのですが、いかがでございましょうか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 ただいま申し上げましたように、個別の事情に対応し得る限度というものがあるわけでございます。ただ御指摘の長尾小学校の場合はそのまま当てはまらないかと思いますが、非常に特殊な地形の場所に学校を建築するというような場合には、整地に特別なくふうをいたしまして建築にかかるということが考えられると思いますが、そうした場合には、土地の買収費を補助いたします場合には、整地費をもその中に含めて補助対象にするというようなことは可能かと思います。この場合にぴたり当てはまるかどうかはちょっと問題かと思いますが、一般的にはそういう扱いは可能かと思います。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 もう一つ、これは基本的に申しますと、用地取得について、土地対策についてはいろいろな論がいま百出しているわけですけれども、いまのような用地買収のあり方でよいかどうかという問題ですね。公共施設の中で、わけても教育施設、学校の校舎というのはもうなくてはならぬ問題でありますから、このために必要な用地を何とか取得することのために特別の方途が必要じゃないかとすら私は思うわけです。現在のこういう問題に対してはやはり法の規制の上でいろいろありますけれども、いまのままの現行法でずっと五年、十年とやり切れる問題であるかどうか、特に急増地域においてですよ。こういうことについては何らかの立法措置が必要じゃないかという声もあがっているわけですが、この点何かお考えがあったら御答弁願いたいと思います。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 御指摘のとおり現行の体制でまいりました場合、学校用地の取得が非常に困難であるということはございます。それに対しまして、私どもやはりもっと広い範囲の広域的な配慮と申しますか、具体的に申しますれば都市計画、そうしたものについて、やはり学校施設であるとかその他の公共施設を含めた全体計画というものが必要であろうと思います。そうした観点に立ちまして、年来建設省計画局、都市局等に、大きな団地を建設する場合はもちろんでございますが、人口が急増しておるような地域につきましては、あらかじめそこに学校を含めた公共施設の用地が確保できるようなそういう配慮をぜひお願いをしたいということを建設省にお願いをしておるということでございます。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 行政措置で何とかやっていこうという問題ですね。立法のところの問題はいまお答えが出なかったわけですが、それはそれとして、それも含めてひとつ——それじゃ、もう五分しかないという声がただいま向こうからかかったようですから、急いで申し上げますけれども、急増地域でだんだん学校の分離新設という問題がこのところあっちこっちで引き起こされているわけですが、この学校の分離新設について、学校建設にはこういうふうな基本的な姿勢こそ必要だという文部省のお考えをこの節承っておきたいと思うのです。  と申しますのは、急増地域で、特に学校の分離新設ということをめぐって、学校が完成してから転入学を認めるということではなくて、二期、三期工事、場合によったら六期までの工事を年々やりつつ、児童にはその間通学をさせているという事情があるわけですから、どうもこれは教育上から考えて、本来やはり好ましいこととは言えないと思います。したがって、やはり急増地域における学校の分離新設に対しては、文部省としては基本的にこうあってほしいというふうな考え方がはっきりなければ、あたりで五期、六期という工事が常識化している現象というのがまかり通っている自治体もあるように見受けますから、教育的見地に立ったこういう問題に対しての基本的な姿勢、考え方というのをこの節聞かしておいていただきたいと思います。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 御指摘のような問題が確かにございますが、従来はそういう事態に対しましては二〇%の特例を適用しますとかあるいは昨年国会でお認めをいただきました法改正によりまして、三年前向きという方法を利用する、そういった形で対処してきたわけでございます。従来はこういう形で大体対処し得たということでございますが、最近御指摘のような事例がぼつぼつ出ておりますので、これは教育的な観点から申しましても、また、学校のキャンパスが絶えず工事の現場になっておるというようなことに伴う問題点その他がございますので、私どももそういう事態には実態に応じて対処できるような方法を検討してまいりたいというふうに考えております。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 実際に対して対処できる方法をということは、いろいろあると思いますけれども、たとえばの例をここで二、三聞かしておいていただかなければ、どうも抽象論になり終わってしまっては、どういうことなのかよくわかりませんので、ひとつその点をはっきりお聞かせいただきたいと思うのです。あとで大臣もひとつお願いします。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 分離新設の場合は、母体校の不足坪数の範囲内におきまして、分離すべき新しい学校を建設するということが原則でございます。ただ、特例的にそれを二割増しにしてさらに坪数を出すというようなことをしておるわけでございますが、従来そうした扱いをいたしておりましたのは、分離することによりまして学級が外に出る。そういたしますと、母体校におきまして大きな面積が余るというようなことになりますと、これは国費の効率的な使用という点からして問題があるということから、きわめて控え目な分離新設しか認めていないということでございましたけれども、いま御指摘のような事例も最近かなり見られておりますので、分離して新設される学校が新設校として開設されない場合におきましても、それを独立校として新しく不足面積を算定するというような方法も一つの方法であろうかと思いますが、そうしたことにつきまして、今後十分検討をしてまいりたいということでございます。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 あと大臣にお答えをいただいて、時間は厳守ということですから、終わりにしたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 人口急増地の市町村は、学校問題で一番苦労しておられるわけでございます。学校を増設する場合の財政の問題もありますけれども、さらにまた用地確保にもたいへん悩んでおられるようでございます。私は、市町村の町づくりを進めていきます場合に、学校をどこへ設けていくかということが、住民にとって一番大きな問題ではないか、かように考えるわけでございます。そういう意味におきまして、年来、土地の利用計画というものを確定しなければならないと、やかましくいわれているわけでございます。都市計画法もあることではございますけれども、土地の利用計画を確定すること、これは非常に重要な問題でございます。そういうこともございまして、団地造成の場合などにおきましては、最初から市町村がどこへ学校用地をとってくれるかということを、今日では話をきめているようでございます。しかし、それだけでまいりません。社会増の地域などにおきまして、まず公用地を確保していかなければなりませんので、昨年はそういう意味の法律が国会で制定をされたわけでございまして、地域を限りまして、売る場合には市町村にあらかじめ届けなければならない。そうして、必要に応じて市町村が買い取れる、こういう仕組みをとったわけでございまして、買い取りやすいように、公社をつくる、またその場合の譲渡所得税については軽減措置をとる、あるいはまた融資の面につきましても、できるだけそこでは資金をふやすようにしてあげるというような配慮もとったわけでございますので、まず、用地を確保することについて整備の面で積極的な手当てをしていかなければならない。若干そういう意味においては配慮してまいっておるわけでございます。同時に国が補助を出しているわけでございますけれども、土地がかなり値上がりしておりますので、なかなか予定どおりの補助金になってない面も御指摘のようにございます。そういう面につきましても、やはり地方債の仕組みを使うわけでございますので、現実にかかった金額、これを基礎にいたしまして、それから国庫補助金を差し引く、それといま一応九五%を起債のめどにいたしておりますけれども、必要によりましてこの率は上げ下げできると思うのであります。  いずれにいたしましても、実際かかった額を基礎にして地方債が許可されるように運用してまいりたい。これは自治省との間で強く話を進めてまいりたいと思います。つきましては、御承知のように元利の三〇%は基準財政需要額に算入されるようになっておるわけでございます。なおそれ以上につきましても、当該市町村の財政状況に応じまして、文部省としてもお世話をしていかなければならない、自治省とも話し合っていかなければならない、こう思います。その土地の上に建物を建てます場合は、現在は三年先の児童生徒数を基礎にして建物をつくる、それに対して国庫負担金を計算するという仕組みをとっておるようでございます。その場合にも、一応三年先をめどにしておりますものの、おっしゃいますように、分離したりします場合には、なかなか計算にも問題があろうと思います。しかし急増地域につきましては、三年といわず将来のことを頭に置いて建物が建てられる、それに対して国庫負担金が計算されるような弾力ある仕組み、これは文部省としてもぜひ積極的に考えていきたい。そして人口急増地域に学校が計画的に適当な場所に建設されるように協力をしてまいりたいものだ、かように考えております。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 学校建設公団というのがありますね。あの公団が学校を完成させて、それを身ぐるみ売却するというあの方式についてはどうお考えになっていらっしゃいますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 公団の場合には、団地の大きさに応じまして小学校、中学校を用意するということになっておるわけでございまして、用地につきましては二分の一の負担で譲り渡す、建物は公団が建てましてその元利を地元の市町村から公団に支払っていく、こういうことにしておるわけでございます。したがいまして、住宅公団が小中学校まで建てて団地を完成させる、こういう仕組みをとっておりますので、わりあいそういう場合には円滑にいっておる、かように考えております。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 そういう方法は、あと奨励なさっていくということですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 住宅公団にかかります大規模な宅地造成が行なわれます場合には、現在では起業者と市町村との間で話し合いが進められまして小学校用地、中学校用地を確保していく、そうして宅地造成が進められる、こういうことになっておるわけであります。そういう場合にはよろしいのでありますけれども、次々に既存の市街地に人がどんどん入ってくる、高層の建物になってくる、そういう場合にかなり困っておられるようでありまして、それにつきましては先ほどのような考え方で進めていきたいと思います。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 終わります。

黒金泰美自由民主党

○黒金主査 次に、平田藤吉君。

平田藤吉日本共産党・革新共同

○平田分科員 時間が非常に短い時間でありますから、私は学校用地を取得する問題について、特にそれを中心にお伺いしたいと思います。     〔主査退席、木野主査代理着席〕  御承知のように全国的に、いまもお話がありましたけれども、人口急増都市で教育施設の不足は非常に深刻なものになっております。  それは東京都下をはじめ、神奈川、千葉、埼玉、これらの相当部分に及んでおりますし、さらに全国的に集中している都市周辺では同じような事態が起こっております。  そこで私は、一、二の例をあげて若干状況についてお話ししたいと思うのですけれども、たとえば埼玉県の県庁所在地である浦和の場合を例にとってみますと、プレハブ校舎が三年余りの間に九十教室から百四十五教室ふえている。なくするなくするといっていてこれがふえていっているというのが現状であります。  それから埼玉で人口増加が最も高い上尾の例を見ますと、文部省のいう適正規模十二から十八学級、この規模に該当するものは、十一の学校のうちたった一つしかないのです。十校は該当していないのです。この十校の例を見ますと、二十四学級から三十五学級に及んでいるわけです。屋内運動場を持っているのはやっと二つの学校、去年から建設したのが一つありますから、やっと二つの学校だけ。東小学校というのが四十四年に発足したときには中央小学校の中に東小学校がつくられた。そして中央小学校の中に本校を置いて、本校の中に八学級、それから上平小学校に六教室分教場を設け、上尾小学校に六十二名、原市小学校に五名の児童を預けて教育をしなければならない、こういう事態が続いていたわけです。ところがいままた大石南小学校というのが同じような事態に当面しているのです。これは三十二学級で発足したわけですけれども、大石小学校の中に南小学校があるわけです。大石小学校というのは二十五学級なんですね。そこへ大石南小が三十二学級で発足した。間借りをしている。間借りのほうが大きいのです。こういう事態が起こっているわけです。  ですから特別教室などというものもお話になりません。半分以下です。体育の時間を例にとってみますと、ひどいことになっているのです。校庭は比較的広いのですけれども、何しろこれだけの学級があるものですから、学習指導要領できめられているとおりにやろうとしますと、一学級一週間三時間。そうしますと五十七学級ありますから百七十一時間に及ぶわけですね。一週間授業時間が三十四時間ですから、平均化してみますと毎日毎時間ごとに五学級ずつが体育をやらないと追っつかない、こういう事態が起こっている。ひどいときになりますと一ぺんに十学級がかち合ってしまう。大体曜日を分けて時間を分けてやっているのですけれども、いろいろな都合で、ひどいときになりますと十学級が一緒に体育の時間にぶつかる。クラスによっては場所獲得要員というのを子供の中につくっておりまして、それっといって先に行って場所をとるというような事態までが発生している。  これがその学校の写真ですけれども、これが物置きだったのです。この物置きを改造しまして教室に使っているんですね。土台はくずれて大体床板が地面についているわけです。暑いときには腐ってそうしてウジがわいてくるというような場所になってしまっている。そこを教室に使わなければならないというような事態が起こっている。それから、これはやはり足りませんものですから、古い校舎です。南小というのが今度使うことになっているのですけれども、老朽で危険な校舎、文部省の基準によると四千四百点校舎ですね。これを手入れをして、そして使わなければならないという事態が起こってきている。それからこれは体育館なんです。五十何学級の体育館なんです。五十七学級ですね。これはどのくらいの広さかといいますか七間の十間、七十坪です。これはとても体育館なんていえたものじゃないわけですよ。それからこれが、向かって右側が大石小学校、左側が大石南小学校、こうなっております。これはもちろんひどい例の一つではありますけれども、しかし大なり小なり人口急増の市町村では共通した環境に置かれているわけですよ。これは上福岡あたりに行きましてもひどい状態ですね。ですから私どもは非常に憂えているわけですけれども、大臣はこうした事態をどう考えておられるのか。またなぜこうなっているとお考えか、お聞かせいただきたい。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 人口急増地域ではもろもろの施設を整備しなければならないので非常にお困りになっている。ことに義務教育施設、これは何をおいても先に整えなければなりませんだけに非常に困っているようでございます。困っておられる場合に、その姿いろいろだろうと思います。いろいろだろうと思いますし、用地が確保できないところもあれば、またばく大な財源を必要とするところもある、いろいろでございます。そういう意味で、文部省におきましてもまず何をおいても義務教育施設についてはそれが整備されるように御協力申し上げなければならない。そういうことで、四十六年から土地の購入につきましても補助制度をつくり、同時にその分についての地方債につきましても元利の一部を基準財政需要額に算入してもらう、地方交付税交付金が増額されるような仕組みをとったわけでございます。さらに、四十八年度から国庫負担率を二分の一から三分の二に引き上げるというような方法をとらしていただいたわけでございますが、同時に単価の引き上げとか対象基準面積の引き上げとかということもさせていただいているわけでございます。一番お困りになっているのはいま御指摘の問題だと思いますので、自治省にも協力を求めながらそれらの問題が解決されるように努力を尽くしていきたいと思います。

平田藤吉日本共産党・革新共同

○平田分科員 言うまでもないと思うのですけれども、これは急がなければならないという点で、児童生徒の教育上非常に悪いと思うのですね。これはたいへんなことだと思うのです。私は、これは文部大臣ですから教育上非常に悪いということは御承知なんだろうというように思いますけれども、大臣どうですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 おっしゃっているとおり積極的にそれらの問題が整備されなければならないと思います。

平田藤吉日本共産党・革新共同

○平田分科員 一刻も早く解決されることはだれでも願っておると思うのです、これは。特に地方自治体はこの状態を何とかしなければならないということでずいぶん苦労しております。苦労しているけれども、地方自治体だけの力ではどうにもならないという困難、一口に言って財源難にぶつかっております。その上に年々超過負担が重なっておりまして、地方自治体財政に与えている影響は非常に重大だと思います。こういう状態であって、次から次へと学校を建てていくことにつれ超過負担がものすごいものがついてくるわけですから、ですから解決しようとすればするほど地方自治体財政が困難に当面するというような状況にいるわけです。いま大臣は、いろいろな手だてを講じているというふうにおっしゃいましたけれども、いままで講じられた手だてでは私は解決しないというふうに思うのです。今回もいままでの補助率について若干の手だてを講じられているようでありますけれども、あの程度ではどうしても解決しない。プレハブ校舎なども次々にふえていく。何としてもふえていくという状況にありますから、私は、抜本的な対策を立てる必要がある。この必要に迫られている。今度の国会へ予算案を出されていますけれども、あれだって建築資材の値上がりで簡単に飛んじまいます。とてもじゃないけれども、いままでよりも悪いくらいの結果しか出てこないというように思うのです。そういう意味で、抜本的な対策を立てなければならないと考えるのですが、政府の補助金の実態、これは幾らか率を上げたとはいいながら、いままでの状態で見ますとこういうようになっているのです。たとえば上尾の原市第二小学校の例を見ますと、昭和四十六年度の事業ですけれども、用地買収金額は二億三千八百七万円かかっています。ところがこれに対して圧縮率ということで削りに削られ、いろいろな名目で、足切りだとか控除だとかというので、ずっと削られまして、政府が出した補助金というのは結果的に幾らだったろうかと見ますと、二千三百九十九万円ですよ。これはちょうど総額の一〇%ですね。政府がきめているのは、三分の一補助を出すということ、三分の一、これが一〇%なんですよ。わが党は実際にかかった費用の三分の二は国が出すべきであるという政策を掲げております。これを主張しておりますけれども、政府自身がそれどころの騒ぎじゃないわけですな。三分の一ときめておいて一〇%しか出してないのですよ。子供たちに一体何といって説明したらいいか、これが文部省の三分の一というものだ。三分の一というのは一〇%なんだよというまことに奇妙な説明をしなければならないのですよ。こういう状態でありますけれども、やはり政府自身がきめて、われわれは三分の二にしろといっているのですけれども、政府自身が三分の一だといってきめた。このきめた補助率を実際にかかった費用できちっと守るというようなことぐらいはやらなければならないのじゃないか。政府自身がきめたことは守ってもらわなければならないのじゃないかというように思うけれども、この点どうお考えか、大臣にひとつお聞きしたい。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 四十六年度に二十億円という金額が計上されまして、そしてこの補助要綱がきまってきたわけでございますが、その際に他の急増の市町村もやはり校地は買わなければならないというようなことから、所要面積の半分しか補助対象にしないということにされたわけでございますから、まともに金が出ましても半分の三分の一ですから、六分の一でございます。そこへ持ってきて単価が低かったというようなことがございまして、いま十分の一にしか当たっていないという御指摘がございましたが、おそらくそうだったろうなという感じがいたします。これはやはり単価も是正しなければなりませんし、また必要な用地を買えるだけの補助金額が計上されなければならない、こう考えるわけでございまして、そういう意味で二十億しか計上しなかったのが今日九十七億円までなってきておるわけでございますので、相当に改善はされてきておる、こう思うわけでございます。いずれにしましても残りの部分につきましては地方債を認めるわけでございますので、先ほどもちょっと触れましたように、実際かかった金を基礎にして地方債の許可が行なわれるようにぜひ自治省に協力を求めたい、かように考えておるわけでございます。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 土地購入費の補助でございますが、これも建物の場合と同じように標準面積というものがございまして、面積は標準面積の範囲内ということでございます。それから単価も、これは実際の買収単価または土地の公示価格のいずれか少ないものということがございます。  それから交付率が〇・五ということになっておりますが、これは決して不当に削り込んだということではないわけでございまして、小中学校用地の購入という、そういう需要は児童生徒の急増町村だけではなくて、一般町村にもあるわけでございます。一般町村の土地購入費につきましては補助は全くしていないわけでございますから、そことの均衡を考えますと、急増町村といえども、一般町村が自前でおやりになっている程度のものはひとつ自前で御負担をいただきたいということが交付率〇・五としたことの意味でございます。それに三分の一の補助率がかかりまして、これを三カ年にわたって交付をするということでございますから、実額は必ずしも三分の一相当ということにはならないわけでございます。

平田藤吉日本共産党・革新共同

○平田分科員 だから問題だと言っているのですよ。これは文部省だけでは片づかない、自治省のほうとも関連があり、大蔵省のほうとも大いに関連がある問題だと思うのですけれども、とにかく今度予算をだいぶふやしたから何とかなるだろうとお考えかもしれないけれども、とてもそうはいきません。まず何といいましても、私は、足切り率だの圧縮率だの控除率だのといって、とにかく三分の一と聞いたら三分の一だと思っているのですけれども、ややこしいことが一ぱいくっついているのですね。このややこしいのは全部地方自治体の負担になるようになっているのでしょう。今日の人口急増問題を生み出したのは、ほかならない代々の自民党政府の大資本本位の高度成長政策によってつくり出されてきたわけです。したがって、これは政府が責任を負うのはあたりまえだと思うのです。こういう事態をつくり出して、そして起こってきた問題のあと始末は自治体にさせるということは、これはやはり許されることではないように思います。人口急増地の教育施設問題は、やはり政府の責任で解決すべきだと思うのです。地方財政法第二条第二項によりますと、国は「地方公共団体に負担を転嫁するような施策を行ってはならない。」ということになっているのです。したがって、自民党政府はこれに違反して膨大な超過負担をかけてきたということになるわけです。一方では大資本のために公共投資を一つとってみても八割もつぎ込んでいるわけだから、政府が三分の一といえばちゃんと実際にかかった費用の三分の一を持つというふうにして、足切り率などという不当なものは取り払うべきだというように考えるわけです。この点について、つまり足切り率などを取り除いてという方向で努力する意図があるかどうか、大臣にひとつお伺いしたいと思います。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 足切り率というものを設けておる趣旨につきましては、ただいま申し上げましたように、急増町村以外におきましても土地購入の需要があるわけでございますから、それとの均衡を考えるとこうせざるを得ない、こうすることが公平である、こういう観点から足切りを行なっておるわけでございます。ただ経過を申しますと、始まりました初年度におきましては足切り率が五六%でございまして、四四%の交付を行なっておったわけでございますが、昨年これを改善いたしまして五〇%にしたというようなことでございます。そうしたものの実態等にかんがみて、これではたしていいかどうかということはさらに検討してまいりたいと思います。

平田藤吉日本共産党・革新共同

○平田分科員 足切り率についてはひとつ検討してもらうということで、私はやはりよそと比べて、いや、もう全国的にこの問題については考えるべきだと思うのですよ。同じように基準があるんだから負担してもらわなければなりません云々というところから出発するんじゃなくて、いま申し上げましたようなこういう事態を生み出したのは、ほかならないいまのようなやり方が生み出しているわけです。ですから、これをなくするんだ、教育環境を整えるんです、よくするんですと言った以上は、私は足切り率等をなくするという方向で努力するのは当然だと思う。これはひとつぜひそうやってもらわなければならないと思うのです。まあそれには大蔵省のほうの見解もあるだろうと思うのです。もう時間もありませんから、もう一度そこのところをはっきりさせておいてもらいたいと思うのですけれども、足切り率をなくしていくという方向で努力するのかどうか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 先ほど申し上げましたような趣旨で足切り率が設けられておるわけでございますから、これをなくするということは私ども考えておりません。ただ五〇%がいいかどうかということになりますれば、それはさらに検討したいということでございます。

平田藤吉日本共産党・革新共同

○平田分科員 なくするということは考えてないと言うけれども、さっき申し上げたように、政府自身が地方財政法第二条第二項に事実上違反しているわけです。そうしてこういう事態をつくり出しているんです。それだけじゃないですよ。あなたごらんなさい。土地の値上がりは、いまもう話になりませんよ。学校用地を確保することで自治体がどんなに苦労しているか。義務教育は国が責任を負うんだ。国が出かけていって土地を買ってやるというくらいのことをやるのはあたりまえじゃないですか。そういうことをしないでおいて、少しばかり予算をくっつけたからといって、これで努力しているなんというふうにわれわれは認めるわけにいきませんよ。ですから、土地の値段がぼんぼん上がってきているなら足切り率を幾らか考えてもいいかななんという考え方でいたんでは、いまの教育環境の悪化していく、とりわけ人口急増地帯が悪化していく状態をなくすることはできないでしょう。そのことは一体あなた方自身がそういうふうに認識しているのかどうか、ひとつ回答してもらいたい。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 いま地方財政法の規定についてお話しございましたが、御承知のようにいろいろの経費を国と地方団体とでどう負担し合っていくか、こうきめられているわけでございまして、その国の負担に属する部分を地方団体のほうに転嫁するようにしてはいけない、こういう趣旨だと思います。義務教育施設の問題につきましては、校舎につきましては国が二分の一を負担する。今度の場合には、急増地域について三分の二を負担するということになっているわけでありますが、そういうものを転嫁してはいけない、こういう趣旨だと思うのでございます。用地の問題につきましては当該地方団体が負担するというたてまえになっておるわけであります。それを予算補助で国がある程度財政補助的に運営しているわけでございます。したがいまして、これによって転嫁をしているという式には、これはちょっと読めないわけでございます。  しかしいずれにしましても、御指摘のように人口急増市町村は非常に困っているわけでございますので、単に土地の問題だけではなくして、全体として教育施設を整えていく、それにつきまして市町村を非常に困難な状態に追いやっております。全体としてこれを解決する、そういう姿勢で積極的に取り組んでいきたい、かように思います。

平田藤吉日本共産党・革新共同

○平田分科員 足切り率もそうですが、やはり圧縮率についても四十八年度からなくしていくべきだ、私はそう思うのです。これはそうでもしなかったら解決しませんよ。文部大臣、いい教育をしたいと思っているんだったら、やはりそれは大いに努力をしてやってもらわなければならぬと思うのです。しかも今日一そう学校建設は困難になっている。私ら自身も与党になっている市はけっこうありますからね。埼玉県の場合は私ら自身が県知事についても与党になっているわけですから、非常に責任は重大だと思っております。ですから、こういう事態で、さらに日本列島改造論でこれが強行されていく、土地ブームがそれによって促進されているという状況の中にあるだけに、政府はこの問題について、少なくとも教育の問題については全責任を負って、こういう事態をなくすために努力をしていただきたい。急速になくすために努力をするという姿勢にあるかどうか。最後に文部大臣の見解をお伺いして、質問を終わらせていただきます。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 いま主として小中学校義務教育施設を通じまして、人口急増市町村が困っておることを御指摘になりました。小中学校もそうでございますし、幼児教育の点につきましても急増市町村が困っているわけでございます。私は、幼児教育の問題につきましても、義務教育施設の問題につきましても、全般的に人口急増市町村に対します援助の増大、これはぜひやらなければいけない、こう考えておるわけでございまして、いまのお気持ちを体しまして、四十八年度、さらに四十九年度と前進するように努力をしていきたいと思います。

平田藤吉日本共産党・革新共同

○平田分科員 以上で質問を終わります。

木野晴夫自由民主党

○木野主査代理 神田大作君。

神田大作民社党

○神田分科員 時間が限られておりますから、私のほうでも質問を要領よくやりたいと思いますが、御答弁もひとつ要領よくお願いいたします。  まず、大学の廃校問題についてお尋ねしますが、短期大学並びに四年制大学とも、私立大学は、戦後のベビーブームによって、だいぶ学生急増期に大学を許可した。特に四十一年度、四十三年度の短大の認可がはなはだしく多い。ところが今日これらの学校が廃校に追い込まれているのが二、三見られるし、四年制大学等においても廃校しなければならぬというようなところも見られます。これは文部省が安易に私立大学の認可を許可する、そうしてろくに助成もしないというようなところに、文部行政の欠陥があるのじゃなかろうか。また国立大学と私立大学の補助率なんかもはなはだ違いが多いわけです。こういうような違いをなくして、いわゆる教育の機会均等という観点に立って、私立大学に対して認可した以上は、これのめんどうを見るというような基本的な態度について、まずお伺いいたします。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 御指摘のとおり、私学が経営上の問題で廃校に立ち至る事例は、きわめてわずかでございますが、ございます。その理由は、私どもの見るところでは、やはり学生生徒が集まらない。集まらない理由の一番大きな原因というものは、これはやはり立地条件であろうかと思います。そうした理由によりまして、学生数が集まらなくて廃校のやむなきに至るということがあるわけでございますが、設置の認可にあたりましては、そうしたことが予想されるような条件のものにつきましては、極力そういう点を申し上げて、断念されるように申し上げるわけでございますが、なおかつどうしてもつくりたいということでできたものの中に、そうした例が生まれておるようでございます。  私立大学についてもっと行き届いた助成をしてはどうかというお話でございますが、私どもそういう御趣旨に従って、年来助成の拡充につとめておるわけでございますが、しかし私立学校の経営というものは、これは基本的に学校自体がその経済的な最終責任を負うということがたてまえでございますから、助成はもちろんいたさなければなりませんけれども、すべてについて私学の全経費についてめんどうを見ると申しますか、助成を行なうということは、これはやはり私学のたてまえからしでいかがかと思う次第でございます。したがいまして、非常に残念なことでございますが、先ほど申し上げましたような理由で廃校のやむなきに至るというものも出ることは、これは避けがたいことであるというふうに考えております。

神田大作民社党

○神田分科員 四十年度に私立三十三校認可しているのですね。四十一年度は五十五校、四十二年度は三十八校、こういうような乱造をしておる。これはこの間の新聞等におきましても指摘されたとおり、諸外国では日本の大学に対して非常に信頼度を失っておる。昔の日本はそういうことはなかったと思うのですが、これはやはり教育の大きな欠陥だと思うのですね。ただ文部省が、短大を設置したいからといって、むやみやたらに認可をして、粗製乱造、教授陣とかあるいはいろいろの、ただ形式的に整えばいいというような、こういう考え方は、教育を低下させ、学校を廃校に追い込む一つの大きな原因だと思う。それから補助金なんかも、これは目薬のような補助金しかしてないでしょう、実際問題として。それは私立大学は私立大学の財力でやるべきことはもちろんですよ、もちろんですが、現在のような差がはなはだしい、私立大学に入るのに何百万という金がかかる、国立に入るのは何十万で済むというような、そういうような不均衝な状態を見のがしておくということは、これは教育の機会均等の面からいっても許せない。そういう点についての大臣の見解をひとつお願いします。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 戦前、大学に進む方は五%内外じゃなかったかと思うのでございますけれども、戦後急速に伸びてまいりまして、昨年で二八・二%の方々が大学に進んでおられるわけでございます。短大も含めますと、学生数の七九%を私学でまかなっておるわけでございます。したがいまして、私学の大学教育に果たしております役割りというものは非常に大きなものがあると思います。  そういうこともございまして、四十五年度から経常費につきましても私学助成を始めまして、だんだんこれを増額してまいりました。この計画が四十九年で一応達成されるわけでございます。その暁には、さらにまた私学助成をどう拡大していくか再検討をすべきである、こう考えておるわけでございます。御指摘のように私学が果たしております大学教育の役割りを考えますと、積極的に国がこれに対しまして必要な財政援助をしていかなければならないということは考えております。今後一そうそういう意味で努力をしていきたいと思います。

神田大作民社党

○神田分科員 東京とか大阪とか、大都会に大学が集中している。これはやはり父兄が生徒を都会へ送り込んで教育するというのは、もうたいへんな負担になる。そういう意味合いにおいて、国立大学の地方の大学、これを拡充強化して、そしてもっと容易に教育が受けられるというような方向に、これはもう決断を下すべきではないか。結局国が国の責任でもって大学の設立を行なわないから、短大というようなもの、あるいは私立四年生大学というものが地方に乱立して、そうして経営難におちいってやめていくということになってくる。この点について地方の国立大学を拡充強化していく意思があるかどうか、お尋ねします。     〔木野主査代理退席、主査着席〕

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 お話しのとおり、大学が大都市に集中いたしてまいっております。東京都二十三区の人口が日本の八%にすぎないのに、学生数でいいますと、大学の学生の三六%がこの八%の地域に集中しておるわけでございますので、ぜひ日本の全域に大学の施設が均衡のとれた姿において設けられるようにしていかなければならない、かように考えるわけでございます。  そうしますと、私立の大学に、地方で大いに設置してもらいたいといいましても、経営上かなり困難を伴いますので、期待することが困難だと思います。そういう意味では積極的に国立大学をつくっていくべきだ。いま茨城県の筑波に総合大学を建設中でございますけれども、こういう方式を日本の全域何カ所かにおいて設けるべきではないか、そういうことで五千万円の調査費を予算に計上させていただいているわけでございまして、それにこたえていきたい。  同時にまた、地方公共団体にも積極的に大学をつくっていただく役割りもかなり大きいものがあるのではないか、かように考えるわけでございますので、公立の大学も積極的に建設されまして、そして進学率がどんどん上がってくるその需要にこたえられるように努力をしていきたい、政府部内におきましてもそういう考え方で相談を進めさせていただきたい、かように考えているわけでございます。

神田大作民社党

○神田分科員 時間がないから、その問題はもっとあとの機会でまた御討議さしてもらいます。  次に私は、先ほども御質問があったようでありますが、義務教育はこれは国が責任を持つべきであるが、父兄の負担が最近非常に多い。これは父兄の税外負担を解消して、小学校、中学校等の義務教育は国でめんどうを見るべきであるが、どうしてこの負担が多くなるかというと、建築についての実情等を見まするというと、建築単価の基準が非常に低いですね。あるいは三分の一補助するとか、あるいは三分の二補助するとかいっても、鉄筋コンクリートの場合は今度は幾らか上げて、一平米三万八千六百円のところを四万二千五百円出すことになったのですが、これではとても建築できない。鉄筋コンクリートは四万二千五百円では、中身だけできるかしれないが、あとのぐるりはできぬ。これは地方自治体がそれだけ負担をするから、その中に机とかあるいはピアノとかいろいろの面をやるのについて、自治体が金がないから、結局父兄とかあるいは地域の住民に寄付だといって、ある程度、まあ半強制的にこれを寄付させている。これははなはだけしからぬ話だと思うのですが、この点についてどのような考えを持っているか、ひとつお伺いいたしたい。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 超過負担の問題についてのお尋ねでございますが、大臣からもただたび御答弁申し上げておりますように、昨年度の合同調査の結果に基づきまして、単価につきましては六・七%を二カ年で解消する、それから基準面積につきましては二〇%の増をはかるというような形におきまして、地方の超過負担の解消に努力をしてまいっておるわけでございます。  それからなお、その結果住民の税外負担が生じておるというお話でございますが、建築費のほか、学校の設備費、教材費につきましても、年々補助金の増額をはかっておるわけでございまして、ピアノ購入費といったようなものが住民、父兄の負担に転嫁されるということはないはずでございますが、もしそういう事実がございますれば、是正するように十分指導をしてまいりたいというふうに考えております。

神田大作民社党

○神田分科員 そんなことはあなたわかっていてそういう答弁をするとすると、これは大問題ですよ。どこの学校だってやっているじゃありませんか。どこを調べたってすぐそんなことは、税外負担でもって支出の補充をしているじゃないですか。大体、ぼくが言っているとおり、ほんとうに四万二千五百円でできるのかね、このインフレのときに。この負担の基準をちゃんと建築できるような基準にすべきなんです。これは今度単価が上がって四万二千五百円。四十七年度は三万八千六百円だ、鉄筋コンクリート。今度六・九%上げて四万二千五百円だ。これじゃ建築はできないですよ。三分の一やろうが三分の二やろうが、その基礎が大体低いんだから、その基礎を、単価を上げるということが必要ですよ。実情に即したように上げなければ、三分の一やろうが、三分の二やったってこれは二分の一にしか当たらぬということになるのです。そういうしわ寄せが結局住民の税外負担になっているのです。税外負担はやっていないなんということは、こんなこといまさら言うまでもない、あなた方は知っているわけだ。そんなこと、調べなくちゃわからぬようなことでどうするか。私だって、各学校において私のところに一番先に寄付をとりに来よる。先生、五万円ちょうだい、十万円ちょうだい。何言ってやがんだ、おまえら、国の補助と県の補助、それから自治体ちゃんと来よるんじゃないか、そんなのぼくに寄付させてどんなになる。これはもう、こんなこと知らないと言ったらとんでもない話だから、知らないというなら知らないというように、そんな答弁をするならば証人呼んでちゃんと君の責任を追及するよ。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 ただいま申し上げましたように六・七%の単価差を二年で解消するという措置を講じておるわけでございますが、これは国の補助金と申しますのは、標準設計あるいは標準仕様を前提にいたしました標準単価でございます。ですから実際の単価とは必ずしもマッチしないという場合があり得るわけでございますが、しかし国の補助でございますから、標準的な経費について補助をする、こういうたてまえをとっております。その中身は、私どもは現在の一般水準から考えまして決して不当なものではないというふうに考えております。ただ町村によりましては、一例でございますが、床は国の標準仕様でございますとアスファルトタイル張りということを前提にいたしておりますが、実際の場合におきましてこれをフローリングブロック張りとかあるいはモザイクタイル張りとかあるいは人造石のとぎ出しで床を張るといったような工事が中にはあるわけでございますが、そうしたところまでは国の補助の対象にはいたしかねる、こういうことでございまして、そうしたところに国の補助金と実際の工事費の差額がある程度出てくる、こういうことはやむを得ないことかと思います。

神田大作民社党

○神田分科員 あなたと議論していても時間がなくなってしまうからやめますが、私のほうでは、四万二千五百円、これが一坪に直すと三、四、十二、十二万ですね。十二万によって鉄筋の校舎ができると思いますか、いま。どうですか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 私どもは、標準的な設計のものでございますれば、できるはずだと考えております。

神田大作民社党

○神田分科員 こういうようなインフレの時代においていま校舎が、それは標準の建築がどういう意味だかということを議論すると時間がなくなってしまって大臣への質問ができませんからあと回しにしますが、実際問題として、これはいま鉄筋コンクリートの校舎が十二万でできるわけがないのです。それはその点を、できると言うなら、できない実際の証拠をもって、次の機会にそれじゃ私は追及しましょう。それは君はできると言う、私はできないと言うから、これは実際の問題を取り上げてやらなければならぬから時間がかかるからこの次にやりましょう。  次に私は、いろいろ問題になっておるし、大臣もだいぶ心配されているようだが、栃木県の田沼中学校の合併中学ですね。この設立の問題について、三月十七日から反対の人たちが同盟休校をする。二十二キロもあるところを朝五時半に起きて——そんなこと、とても通学するわけにはいかぬし、そういうことでは子供を過労にするから、いずれバスで送迎するとはいいながら、危険も伴う問題だし、そういうことに対して住民からの反対の意見が非常に強いが、それらに対してなぜ実情を調査しないで安易にこれを許可したか。この間は警官導入の中において議会が多数で可決したようですね。こういう事態は文部省の指導、監督の欠如にあると私は思うのですが、その点、大臣はどう考えますか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 ちょっと経過を私から申し上げます。  田沼町の統合中学につきましては、七千百万円の補助金を交付しているわけでございます。この申請がございました段階におきましては、町教委におきましても県教委におきましても、何ら問題はないという申請時の御報告でございました。したがいまして、私どもはそれに基づいて補助金の交付決定をした。紛争はその後に生じたというふうに理解いたしております。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 先ほど稲村委員からもお話を伺いまして、たいへんな状態になっているのだと私も心配いたしております。学校の統合は教育内容を充実するためには非常に重要なことでございますけれども、同時に住民の十分な納得が得られて進められなければならないとも考えるわけでございまして、今後いろいろの具体の案をお考えいただくと思うのでございますけれども、そういう場合には政府としても全面的にそれに対しては御協力申し上げたいものだ、こうお答え申し上げたところでございます。納得をしてもらう、画一的に考えないで、現地、現地の実情に合ったような処置を講じていく。文部省としてもそういう方向で将来とも考えていかなければならないことだと思っております。

神田大作民社党

○神田分科員 いわゆる認可した当時は何ら問題はなかったと言うが、しかし、その申請には相当、どういうところへどういう校舎で、どんなふうな距離から生徒が通うか、地図やその他でもってちゃんと詳細に申請はしてあったのだろうと思う。申請すればどこでも認可するのですか、お尋ねします。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 そういう事情は承知をいたしておりました。第一に適正規模に統合するということでございまして、統合中学の規模は十八学級ということでございますから、文部省の基準にも合致しておりますし、それから通学距離は確かに飛駒中から新しい田沼中までの間は十五キロということでございますが、当局の御説明によりますと、スクールバスを運行して支障なくやりたいということでもございました。一方、統合に賛成をいたしております作原地区の通学距離、これも飛駒の通学距離とほぼ同じでございまして、ここの人たちはスクールバスによる通学を了承しておるというようなことでもございますので、全体として考えました場合に、さほど無理な統合であるというふうには私どもは判断をいたさないわけでございます。

神田大作民社党

○神田分科員 これは無理な統合ではないと思うのですか。いま一回、簡単に……。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 これはやはり町当局の住民に対する説得に私どもは欠けるところがあったのではないか、もう少し理解と協力を得るように十分な努力をすべきであるというふうに考えます。

神田大作民社党

○神田分科員 これは町当局が経費の節減や教育効果等を考えて、統合したがよかろうというような考え。しかしそれを指導、監督するのは文部省だ。特に、ばく大な補助金を出すのですから、あとで問題が起きるか起きないかぐらいは、これはちゃんと調査して、そして認可すべきだ。調査もしなければ、騒がれてから今度は初めて調査をするというようなこと。あなたは十五キロと言いましたが、私が実地に調査したら二十二キロだ。そしてまた、過疎地帯といいますが、いまはもう過疎地帯じゃないです。あの辺は、ゴルフ場もできるし、小さな工場だが新しい工場もできておる。そういうような現況で、とにかく同盟休校をやっても反対するというような強硬に反対する三百人からの生徒がおるということ。それを合併させる。無理な統合ではないと言う。そういう無責任な答弁は私は納得しない。その点、どう考えます。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 文部省としましては、やはり基本的には現地の県の教育委員会、これを通じて行政を進めておりますので、県の教育委員会の考え方がそのまま文部省の考え方になっているのだと思います。今後とも、こういう問題につきましては、無理が起こらないように十分考えていきたい。必要によりましては綿密な調査もすべきだと思います。

神田大作民社党

○神田分科員 特にこの飛駒地区においては現在教育委員もおらないようでありますし、警官を導入してまで多数でもってこういう問題を議決するということは、教育上もはなはだ好ましくない。そういう警官導入までして中学の統合をする、これが無理じゃないのだ、あたりまえだ、基準に合っておるというような考え方が私は非常に間違っているのじゃなかろうかと思うし、今後この問題は社会問題化すると思うのです。三百人からの生徒の教育を今後どうするのですか。結局寺子屋式な教育というようなことにでもなった場合に、これに対してどのような監督、指導をするつもりでありますか、これをお尋ねします。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 これは大臣からも申し上げましたように、そういう事態に対しましては、栃木県の教育委員会当局から積極的な指導をしていただきたいというふうに考えておりまして、先週も私、県の教育長に直接会いまして、そうした依頼を行なっておるような次第でございます。

神田大作民社党

○神田分科員 県の教育委員会にまかせればとっくに——三年も四年も、もう五年もたつのですよ。そんな話し合いで簡単に話がつくなら、こんな問題は起きないです。局長でも何でもちゃんと現地に乗り込んで実情をよく調べて、実際に即した話し合いをしなければ解決する問題じゃない。県がやるのだからそれでいいのだなどという問題じゃない。県がやってなっておる、あるいは町でもって解決するなら、もうとっくに解決しているのですよ。解決できないような重大な問題なんです。私は新しい中学に通う生徒、あるいはまた寺子屋式の教育を受ける生徒も、こういうことではまことにふしあわせなことになると思うのです。これは真剣に考えて対処しなければ重大な問題になると思いますが、それについて、いま一度大臣の考えをお聞きいたします。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 たいへんむずかしい問題になっていることを先ほども伺ったわけでございます。いままた重ねて伺っているわけでございますが、いずれいろいろな考え方が皆さんからお出しいただけるのじゃないか、こう考えているわけでございます。県の教育委員会とも相談をしながら、よい案を早急におきめいただきまして、住民の納得が得られる、それに対して政府として全面的に協力する、単に文部省だけじゃなしに、自治省その他のほうの協力も文部省から求めていきたい、こうまで考えているわけでございます。

神田大作民社党

○神田分科員 それでは、ひとつ文部省当局として責任を持ってこの問題の解決のために努力されることを強く私からも申し上げまして、時間でございますから質問を終わります。あとの機会にまたこういう問題を御質問申し上げることにいたします。

黒金泰美自由民主党

○黒金主査 本会議散会後再開することとし、この際暫時休憩いたします。     午後一時一分休憩      ————◇—————     午後四時十一分開議

木野晴夫自由民主党

○木野主査代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。有島重武君。

有島重武公明党

○有島分科員 学校環境の緑化促進につきまして、二、三の質問をいたします。  昭和四十八年度の予算の中に学校環境緑化促進事業、この補助金が計上をされております。わずかと言っていいのか、一番最初ですから、二億円という大きい金額と言ってよろしいのかわかりませんけれども、これはたいへん大切な問題でもあり、今後これは大きく発展すべき一つの、植物で言えば種というか芽というか、そのように私は認識いたしますので、その趣旨、それからこれは二億円でありますけれども、どのように使われていくのか、その点について御質問申し上げたい。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 児童生徒の健康を増進しますとともに、豊かな人間性を養う上に緑の環境は欠くことのできないものでございますが、特に大気汚染地域、市街地域に所在します学校は、都市の過密化や地域開発の進展などによりまして学校環境が悪化している現状、それを踏まえて、保健体育審議会の答申の趣旨に基づいて、四十八年度からこれらの学校の校地に植樹と芝張りを行なう事業を補助して、学校環境の緑化を促進し、児童生徒の健康の保持増進と教育環境の整備をはかることにいたしておるわけでございます。  御指摘のございました促進事業費二億四百万円は、一つには、大気汚染地域の公立小中学校を補助対象といたしまして、五百校に、補助率三分の一で、一校当たり七十二万四千円の事業費を予定いたしておるわけでございます。二つには、市街地域の公立小中学校、同様に五百校、一校当たり五十万円、補助率三分の一を予定しているわけでございます。  補助対象の経費といたしましては、植樹の場合の苗床の植えつけ及び苗代、種子代の経費、芝植えの場合の芝の苗代の整地費を考えているわけでございまして、四十八年度以降五カ年計画をもってこれを進めていきたいという考えでございます。

有島重武公明党

○有島分科員 私どもはこれは学園緑化、そのように呼んでまいりたいと思っておりますけれども、その学園緑化を推進していく上でもって、いま大臣からちょっとお話がございましたけれども、その意義づけということについてまちまちであると、これはうまくいかないのじゃないかと思うのですね。学園緑化がどのような意味を持っているかということについて、これは非常に緑化の問題は多角的なメリットが生ずることでございますけれども、その点の御認識をどのように持たれておられるか、これをまたどのように決定していかれるか、それでそういうことがはっきりしていくかいかないかでもって、今後五カ年計画が発展していくかいかないかというたいへん大切な分かれ目になるのじゃないかと存じますので、その点について御質問申し上げたい。

澁谷敬三文部省体育局長

○澁谷政府委員 学校緑化を国が補助金を計上いたしまして促進をいたしたいという趣旨は、ただいま文部大臣から申されたのが基本的な考え方でございます。  もう少し背景を若干申し上げますと、最近の技術革新などによります経済の高度成長といいますか、非常に物質面で豊かになり、生活が便利になり、いろいろな恩恵がもたらされたわけでございますが、反面、御承知のように大気汚染とか騒音とか水質汚染とか、そういったような公害の問題その他いろいろなひずみも出てきておると思うわけでございます。公害問題に関しましては、環境庁はじめいろいろな対策をしておられますが、やはりこの緑の自然の環境というものを復元するというか、もっと全国的に大きくといいますか、そういうことが非常に大事ではないか。特に学校の場合、都会地、特に学校も市街地域の学校の場合は、そういう大気汚染なりあるいは騒音なりじんあいなり、そういう直接的な障害にさらされておると思うわけでございます。学校の周辺に学校環境保全林といいますか、そういったものが形成され、また芝生が植わっていくということになりますと、それが的確に、適切にうまく行なわれますれば、それは学校自体にとりましても、大気汚染あるいはじんあいあるいは騒音等に対する一つの防護機能も果たしますし、それから緑の自然というものにつきまして児童生徒が直接日常接するということによりまして、非常に教育的な意味もあると思うわけでございます。そういったようなことも踏まえまして、ぜひ、さしあたりこの市街地域あるいは大気汚染地域の学校に国が補助金を計上いたしまして、その緑化を推進をいたしていきたいという考えでございます。

有島重武公明党

○有島分科員 ただいま大気汚染とかそれから騒音とか、それからばいじんとかいうことばが出てまいりましたけれども、植物が大気汚染をどのくらい吸収するものであるか、また騒音をどのくらいやわらげるものであるか、またばいじんをどのくらい吸うものであるか、これらの定量的な御研究はお持ちであるかどうかですね、いま進められておられるかどうか、その点はいかがですか。

澁谷敬三文部省体育局長

○澁谷政府委員 率直に申し上げまして、科学的な研究は私どもも能力もございませんし、いたしておりませんが、ただ学校は御承知のように校庭の面積も限られておりますので、その周辺に、いかに狭い面積の中でいかに有効適切に学校環境保全林をまわりにうまくやっていくかということが非常に問題になろうと思います。いろいろ専門家の御見解も聞きまして、この辺をできるだけ効率的にやるような一つの参考指針といいますか、そういう手引きなども、関係各省の御協力も得つついま作成いたしておるところでございますが、それがうまくいけば、かなり、いまはだいぶ学校の周辺が野ざらし、あるいはコンクリートのへいぐらいになっておりますが、そういう面はかなり有効とは思いますが、率直に申し上げまして、どのくらいのものができれば大気汚染、じんあい、騒音を吸収するかという、学校の場合でございますが、いま御指摘もございましたのでいろいろな資料をもとに、できる限りの研究はいたしていきたいとは思っております。

有島重武公明党

○有島分科員 これはきわめて大切な問題でございまして、すでに農林関係の研究機関で、大気汚染とそれから植物の関係ですね、これは進んでおります。ただし、農林関係の研究は大気汚染にどのくらい植物が耐えられるかというほうの研究でありまして、それは逆に考えますと、どのくらい植物が大気汚染を吸ってくれるかということになるわけなんですけれども、農林省はどうしてもその視点に立てないわけです。もし、そうした研究成果を今度は児童生徒の立場からもう一ぺん考え直して、文部省でもって仕事をなされば、植物によってどのくらい大気汚染から子供たちが守れるかという、そういう研究成果に直ちになるのではないかと私は思うわけなんです。  いま、力の範囲でないというようなお話でありましたけれども、私どもの非常に少ない調査能力ではありますが、それでも相当のデータを私も持つことができましたから、そういったものはそちらに差し上げてもいいんだけれども、それはちょっと差し出がましいと思いますけれども、そちらでも、政府機関のことでありますから、どんどんお集めいただき、かつ独特の研究を大学に委託するようなこともできるんじゃないかと思います。それから同じようなことが科学技術庁でも行なわれていることがございます。それからまた環境庁のほうでも、環境庁のほうはどちらかといいますと、自然保護といいますか、たいへん景色のいい自然公園、国立公園なんかの心配をするほうがおもになっているようですけれども、やはりこうした基礎的な研究があるようでありますし、それから騒音について、これはいま体育局長からお話がありましたけれども、コンクリートのへいというものが非常な騒音を、あれを立ててておくとコンクリートのへいによって騒音が消されるように一時思われたことがあるわけなんです。これはもう一ぺん測定してもらいたいわけなんですけれども、あれは反射する効果が非常に強いわけであります。かえってコンクリートのへいをとってしまって、それで植え込みにしたほうがはるかに騒音が緩和されるという、そういった現象が私の知っている範囲ではあるのです。  それから学校のそばを鉄道が通っておりまして、それでガードがありまして非常にやかましいというところがあったのですけれども、そこでPTAでもって木を植えたんですね。それはクスノキでありました。そのクスノキ並木ができまして騒音が非常に緩和されたという例を私も知っております。  それからばいじんを吸収する効果ですが、これはヨーロッパの例なのですけれども、たとえばフランクフルトマインなんかの場合の郊外にある森が年間大体どのくらいのばいじんを吸収してしまうのかなんという、そういった研究はあるのですけれども、私がいままでずっと調べた結果では、そういう広域にわたってもありますけれども、非常に狭い範囲にわたっても、木のある近傍のところと、それから木の全くないところというところ、わずか百メートル近傍くらいでも非常な効果があるということ。私はこれは定量的に科学的にやるということはあまりできませんけれども、非常に間接的な調べ方で、その木のあるところの子供たちの目の病、それから全然木のないところのお子さん方の目の病、結膜炎が、木のないところは非常に多い、木のあるところは結膜炎が非常に少なかったというようなこと。これも私の調べたのは四校、五校というようなきわめて少ない数でありますので、これが決定的にこうだというふうに私はまだ言い切れないわけなのです。そういった点は文部省のお力でもってどんどん研究をしていただきたい。  まだほかにも植物のメリットというものがあろうかと思うのですけれども、たとえば、きのう建設委員会でもちょっと申し上げましたけれども、木は申すまでもなく根が張っておりまして、その根に四トン、五トンの水を大体吸収して持っているわけなんですね。それから木の幹にもたくさんの水分を持っているわけです。葉にも持っているわけです。これが夏は涼しく、それから冬はあたたかくという、気温の微調整ということをやっておる。もう一つは、火事なんかになりましたときに防火の補助的な効果を示すということもあります。  こういう問題を、これは学校当局が心得てやるのと、そういうことを心得なしに、とにかく緑を植えれば気持ちがいいからというだけの話でもってやるのと、これはだいぶ腰の入れ方が変わってくるのではないかと思うわけです。それで、そういった学園緑化の意義づけについての周知徹底ということについてやはり手段を講ぜらるべきだと思うわけでありますけれども、そういった点は大臣いかがでございますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 たいへん示唆に富んだお話を聞かしていただきまして、私自身の勉強にもなったように思います。お話のようなことを文部省としても十分研究いたしまして、学校当局に対しまして、学校の環境を緑化してもらうにつきましても、そういういろいろな効果を示していくことが大切だ、そうして教育の上にもそれを生かしてもらうように努力していきたいものだ、かように考えます。

有島重武公明党

○有島分科員 努力していただくのはたいへんけっこうでございますけれども、具体的に何か。パンフレットのようなものをつくるとか、そういったような御計画があるやにも承っているのですけれども、その辺はどうなっていますか。

澁谷敬三文部省体育局長

○澁谷政府委員 貴重な国費で補助をいたしましてやる事業でございますので、誤りますと非常にたいへんなことになりますので、目下学校環境緑化促進の一つの参考指針としての手引きを作成中でございます。近くでき上がる予定になっております。  それから簡単に、先ほど非常に有意義なる御提案をいただきましたが、今後緑化が進んでいきました場合に、特別健康診断などもやっておりますので、緑化と児童生徒の健康の関連等はさらに精密に調査ができるかと思うわけでございます。  それから緑化の意義等につきましては先ほど申し上げたこと、さらにいま先生のおっしゃったことも考えておりますので、それらを踏まえて作成いたしたいと思いますが、まずとりあえず私、そういうものについて一般にいわれている趣旨は大いに徹底いたしたいと思うわけでありますが、大気汚染地域なりあるいはその地域、その学校に適する苗木を植えまして正しく学校が緑化をされるということも非常に大事だと思っております。それとあわせまして、先ほどのような調査研究も進めていったらどうか、そういうふうに思う次第でございます。

有島重武公明党

○有島分科員 あなたはそういった手引きをつくってくださるそうであります。それで、ことしできる手引きというのと、それからこれからまた調査研究をお進めになって、来年度、再来年度だんだん完ぺきなものにしていっていただきたいわけですけれども、この緑化の予算二億円おつけになったわけでございますが、その緑化に関しての研究調査のための予算というもの、これはおつけになりますか将来。将来というか来年度から。

青木英世大蔵省主計局主計官

○青木説明員 実は昨年の文教委員会におきまして有島先生から学校緑化の重要性についていろいろ御説を拝聴いたしまして、それらを参考といたしましてことしから新しく学校緑化に対しての補助金を計上したわけでございます。  なお、環境の関係といたしましては、国立大学の関係でもたとえば本年度、四十八年度に東京農工大学に環境保護学科をつくるとかあるいは横浜国立大学に学内の共同研究施設としまして環境科研究センターをつくるというようなことでその種の問題を研究したいと思っておりますが、いま御提案の点につきましては、四十九年度の概算要求が文部省からございました時点で検討させていただきたい、こう思っております。

有島重武公明党

○有島分科員 じゃ、もう時間がありませんので次に参ります。今度は具体的に植え方だとか値段の問題なんでございますけれども、木を一本植えると一万円から一万五千円くらいかかるというようになっている。大体この積算はどのくらいにお考えになっていらっしゃいますでしょうか。

澁谷敬三文部省体育局長

○澁谷政府委員 いろいろ専門家の御意見を聞きますと、一万円もする大きな木を持ってきて植えるというのは必ずしも適当でないといいますか、あとあとの手入れその他がたいへんで、むしろ一メートル程度の苗木、将来高い木になる苗木を中心にしまして、それも一メートル程度の苗木を中心にして、そのまわりに亜高木あるいは低木、草本それからドングリなども非常にいいと聞いておるわけでありますが、そういうことを勘案いたしまして、それから一校当たりの事業費の積算はいたしておりますが、学校の校庭の面積の広いところ、狭いところ、それからすでにかなり木のあるところ、ないところがございますので、その市町村に対する補助金を出す場合には、大蔵省とも協議いたしまして、一校当たりに考えませんで、その市なり町単位に一校当たりの積算を全体的に考えてその辺がうまく融通できるような運営をしていきたい、そういうふうに考えております。

有島重武公明党

○有島分科員 林野庁のほうに伺いますけれども、大体将来大きくなる木、二、三年生の木が多いと思うのですけれども、こういうものを大体幾らぐらいでもって供給できますか。

秋山智英林野庁指導部造林保護課長

○秋山説明員 緑化樹の生産につきましては、流通が現在必ずしも円滑でございませんので、たとえばいまございましたように現在は相当高い値段で取引されておりますが、これからの自然林の造成にあたりましては、高さ二メートル前後の苗木を植えるということによりましてだんだんそれを将来育成させるという形で森林をつくるというのが望ましい形だろうと思います。したがいましてそうなりますと、現在の取引ですと大体五千円前後で十分そういうものは供給できる見通しでございます。

有島重武公明党

○有島分科員 私が聞いた例でございますけれども、都内のある学校でもって付近の植木屋さんから木を寄付してもらった。それが柳の木であった。柳というのは年に何べんか手入れをするのです。そうすると、その寄付してくれた植木屋さんにそれを頼むということになるわけなんです。植木屋さんは手入れのほうは無料サービスではありませんので、けっこう植木屋さんにもうけられてしまう、そういう例があったようであります。お役所でもって何か始めると、これはしめたというので、たいがい業者がそれを種にもうけようというようなことが、これは起こってもあたりまえだと思うけれども、何ぶんこれはお子さん方を守る大切なものでありますから、そのもらうお金を有効に使えるようなそういう配慮を十分にやっていただきたいと思いますが、こういったことの取り締まりについては、各地方自治体においてはどこがなさるのか、その辺は建設関係にまかせてしまうのか、あるいは教育委員会のほうでもってこれをやっていくのか、その辺の行政措置はどうなりますか。

澁谷敬三文部省体育局長

○澁谷政府委員 先般主管課長会議がございまして、各都道府県の教育委員会及び指定都市から参加しておりましたが、各都道府県の教育委員会、指定都市におかれましてはひとつ植樹、学校環境緑化促進の担当者を置いていただくようにお願いをいたしました。その担当者を今月の下旬にお集まりいただきまして環境緑化促進担当者会議を開きまして、その点につきましていろいろ指導助言をいたしていきたいと思っておるわけでございますが、結局、実際問題といたしましては、学校が学校自体の問題として推進していくわけでございますから、教育委員会の指導助言のもとにやっていくということになると思いますが、その際どういうふうに植えていくかということ、それからその苗木をどこから手に入れるかという問題がございます。その苗木をどこから手に入れるかという問題につきましては林野庁のほうにもお願いいたしまして、林野庁のほうでも御協力いただくということになっておるわけでございまして、いずれにいたしましても一番大事なことは、学校緑化を推進する場合に、予算を計上して学校に金を上げればいいという問題ではないと思うわけでございまして、先生たびたび御指摘のように、学校自体がその緑化の意義を十分理解して、学校自体の問題として正しい緑化を推進していくということが一番大事だと思います。

有島重武公明党

○有島分科員 では、もう時間になりましたので、最後に、先ほど緑化のメリットを言いましたけれども、大臣、いまのお子さん方はお金を出してものを買って、要らなくなったら使い捨てと、そういった傾向が非常に強いと思うのですね。昔は水でも井戸をくむということが子供のときに経験があるわけであります。何か苦労をしてつくっていくという、つくったものを使うという、だから大切にするという風習があったと思うのですけれども、現在のお子さん方には、昔から比べますと、あまりに便利になり過ぎちゃって、そういったものが少ないんじゃないかと私は思うわけです。そういったことを道徳科目として、ものを大切にということを幾ら教えても、教えている先生のほうもそういったような実感がないんじゃないかと思うわけであります。特にものを粗末にするから、今度はそれがだんだんエスカレートして、命を粗末にするなんという傾向も見えてくるわけでありまして、生活の中でもたいへん時間を粗末にするだとかあたら青春を粗末にするだとか、いろいろなことに通じてこようと思うのですね。  それで、木を植えて育てていくということを学校全般がやっていくということの道徳的な意味といいますか、教育的な意味、これもたいへん大きなメリットに将来はなっていくんじゃなかろうかと私は期待を持っているわけなんです。それで、ことし最初でございますからいろいろな問題、不行き届きがあって多少あっちこっちでもいざこざがあるかもしれませんけれども、やはりこれを大きく推進していただくことを、文部省側にも大蔵省側にも要望いたしまして、私の質問を終わらしていただきます。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 お話しのように環境を緑化する仕事は、教育的にも非常に大きな意味を持っていると思います。ことに、植樹はほっておいたのでは育たないわけでございますだけに、先生と児童とが一緒になって手入れをしていく、その中にもおのずから師弟一体の教育が行なわれていくと思いますし、同時に、命のある植物をいつくしみ育てていくわけでございますので、そこから魂を通じ合うものもお互いに感じられてくるんではないか、かように考えるわけでございまして、そういう方向にこの問題を発展させていく、その気持ちも非常に大切なことだと思いますので、そのような方向でこの問題を進めていきたい、かように考えます。

有島重武公明党

○有島分科員 どうもありがとうございました。これで終わります。

木野晴夫自由民主党

○木野主査代理 武藤山治君。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)分科員 私、中学校の統合問題をめぐって、全国的な趨勢や個別の問題に及んで大臣の見解や文部省の今後の御努力を期待をして質問をしたいと思いますが、第一に、現在、中学校で分校というのは、全国でどのくらいございますか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 中学校の公立の分校でございますが、昭和四十六年度現在で二百九十四ということになっております。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)分科員 たいへんな数の分校があるわけでありますが、この二百九十四の分校というのは今後文部省の方針で統合をしようという対象の学校なのか、それとも山間地でこれ以上統合することは無理である、かような判定のつく対象なのか、これをまず明らかにしてください。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 私ども学校統合の対象といたしておりまするのは、御承知のとおり小中学校の標準規模が十二学級から十八学級というものでございますから、それより小さい規模の学校は小規模学校である。小規模学校は教員配置の点から申しましても施設設備の効率的な使用という面から考えましても、ある観点からは統合したほうがベターであるというふうに考えます。この分校の数をただいま申し上げましたが、その分校はおそらく小規模のものが多いかと思いますが、本校の場合でございましても、ただいま申し上げました適正規模以下のものにつきましては統合ということが考えられると思います。  ただしかし、適正規模以下の学校はすべて統合の対象になるということになりますと、これはそれぞれ地方の実情もあるかと思いますし、それから統合することによって通学距離が非常に長くなり、そこに無理が生じるというようなことでございますと、やはり小規模であってもその地域地域で学校を整備していくということにならざるを得ないというのが一般的な考え方でございます。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)分科員 そこで二百九十四の分校のうち十二学級の編成が行なわれないいわゆる標準学級が持てないような、たぶん僻地の、あるいは山間地のそういう分校がかなりあるのだろうと思うのですが、この二百九十四の中で一番生徒数の少ない学校の数は何名くらいの生徒ですか、分校で一番生徒数の少ない学校は何名くらいの学校がありますか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 文部省の区分によりまして、一番小さいものは単級学校と申しております。単級と申しますのは、小学校で申しますと、一年生から六年生までが一つの学校に一学級で教育を受けておるという学校でございますが、その児童数が何人かというと、いまちょっと手元に資料がございませんが、おそらく二十人とか、三十人とかいったきわめて少ない数であろうと思います。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)分科員 時間が三十分ですから、こればかり質問するわけにまいりませんが、かつて昭和三十一年十一月二十七日付で文部次官より通達が出されている。その通達によると、統合の場合、土地の実情に即して行なう、あるいは将来の児童生徒数を計算して行なう、あるいは慎重に住民の啓発を行なう、通学距離は最高限度中学校の場合六キロメートルというような通達の内容があるわけですね。  そこで、こういう地域の実情に、土地の実情に即して行なうという通達を忠実に地域の教育委員会なり町村長が考えて統合しないと、たいへんな住民とのあつれきが起こりますね。いま私がここで質問をせんとする問題は、そういう土地の実情というものに対する考慮が足りなかったのではないか、こう感じられる問題で、すでに午前中自民党の稲村代議士、さらに民社党の神田代議士からもこの問題については大臣に強く要望があったと聞き及んでおります。なるべく重複を避けて質問をしたいのでありますが、そういう超党派で国会議員があの実情を見てなるほどこれは無理があるな、法律的には違法行為はないにしても、妥当じゃないな、合理的ではないな、そう感ずるがゆえに本委員会において自民、社会、民社の各代議士が大臣に訴えているのだろうと思うのでありす。  大体距離も、今度の場合は一番遠い距離は二十四キロ、大体こんな遠いところへバスを出して学校へ通わせようというところに無理がある。学校の維持費が年間八十万円くらいの分校を、これを廃止することによってバスの費用が一千万をこえるのですね。そういうあほらしい、経済効果だって逆なんですね。何でもかんでも経済的なベースに乗ればいいという形で山間僻地の遠いところから平地へ中学生を持ってくるというところに問題があるのではなかろうかと思うのであります。大体この中学校六キロと小学校四キロというと、こういう原則は完全にいまはずざれちゃっているのか、それとも文部省はこういうものをある程度目安にして、それ以上、なるほどこれは無理じゃなという判定を下して勧告をしたりなんかできないのですか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 小学校四キロ、中学校六キロという基準は、これは政令に規定があるわけでございまして、それはそのとおり実施いたしておるわけでございますが、これは徒歩で通学する場合の限度でございます。スクールバス等を利用する場合につきましては基準は特にはございません。したがって、個別に判断をして結論を出すということにいたしておるわけでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)分科員 大臣、これは全部を大臣に知ってもらわぬと個々の質問をされてもお困りになるかとは思いますが、現在私が取り上げんとする栃木県の安蘇郡田沼町の西中学校、いま東中学校というのはもともとある中学で、それのまた近距離に西中学をつくって、遠方の二十四キロも離れたところから平地へ持ってこようという統合なんであります。このためにこれはたいへん父兄が憤慨をして、建設当時から反対運動がたいへん熾烈に盛り上がって、同盟休校が行なわれ、生徒が学校へ全然行かない。そのために、結局急場の策として当分の間分校を置く、こういうことで現在分校が飛駒、新合と二カ所あるわけですね。これをどうしても地元の人たちは分校として存置してくれ、こんなに不便なところなんだ。しかも過疎地域で人口はふえてこなくなるということでますますさびしくなってしまう。生徒は二十四キロ、バスで通うといえども朝六時に起きなければ一番奥の二十四キロ地点の子供たちは間に合わぬ。しかもバスの費用は四十五年度で四台一千百万円、四十六年で六百九十万円ですか、もうすでに一千七百九十万円の費用をかけている。いままでの分校の維持費というのは一年間に二百八十一万円。新合の分校は九十二万円、飛駒は七十二万円というわずかな管理費なんですね、一年間の。だからバスの費用のほうが分校の管理費よりもはるかに多い。経済的な面から見たって全く得策ではない。しかも二十四キロも離れる。そして同盟休校が行なわれ、町の役員は全部やめてしまう。これからは納税まで拒否する。四月の一日からの新入生は全部入学通知は返上してしまったんですね。すでにいま返上しちゃって、四月から学校を始めようといったってまた父兄は子供を全然やらぬ、こういう状態なんですね、いま。だから稲村さんも心配し神田さんも心配して、これは何かやはり文部省で分校として置けるような配慮を指導、−勧告できないのだろうか。こういう場合は義務教育なんですから、やはりひとつこの際思い切って、きちっと実情を文部省で調べて、なるほど住民意思というものを無視できないなという態度を取り直すべきではなかろうか。これは文部省の責任じゃありませんけれども、町村役場の町議会と教育委員会の責任でありますけれども、やはりそれを監督し指導する文部省が乗り出して、これは分校の存置というものまで踏み切ってやるのが一番至当ではないだろうか。いままで質問があって、いろいろ実情はおわかりでしょうから、大臣にひとつその辺踏み切れぬものだろうかという御決意のほどを聞きたいのですけれども、いかがでございましようか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 稲村さんや神田さんからも詳しいお話を聞きまして、たいへんに長い間深刻な紛糾を来たしているなということがよくわかったところでございます。それだけにまた、具体的な提案を私がいたしますことはこれに輪をかける問題になるな、こうも考えたわけでございまして、稲村さんに対しまして、住民の意向あるいは町の考え方、そういうことの中からよい案をひとつおまとめくださいよ、私たち積極的に御協力しますよ、文部省だけでなしにほかの省へも働きかけて御協力しますよ、こう申し上げたところでございました。同じように考えているわけでございまして、ぜひ皆さん方が中に入っておまとめいただけるなら文部省としてもたいへんしあわせなことだな、かように考えておるわけでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)分科員 大臣あまり抽象的な感覚だけ答えられたのでは解決しない問題なんで、しつこいようでありますが私がいま言っておるのは、町当局はもう統合中学で押し通すのだ、ところがいま飛駒の分校へ子供を通わしておる人はどうしても地形上からいっても、いままでの議決のしかたにしても、警官を導入して大乱闘になり反対をする町議会議員の発言も認めない、そういう形で強行採決をしてつくられていく。その統合中学のあり方について、やはりこれは分校というものも認めていいんではないかというその場合、文部省は分校というのは文部省の通達の統合方針に反するから絶対だめなんじゃ、こういう意向なのか、それともこれはきちっともう一回文部省で検討、相談をして現状調査をやってみて、なるほどこれは分校でなければ気の毒だ、やむを得ない、そういう一回決定した行政決定の瑕疵あるいは議会の錯誤判断、そういうものがある程度あったんじゃないか、そういう判定をして、県教育委員会と文部省で町当局との話し合いを煮詰めてやる、現状も調査する、そういうところまで踏み込めないのだろうか。皆さん努力しなさい、文部省も協力しますということじゃなくて、もう一歩突っ込んでできないものですか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 ただいま大臣からも御答弁申し上げましたように、この統合自体はもちろん別に文部省が強制したものではございませんし、統合するように指導申し上げたわけでもございません。これは地元自身の御判断においてこういう案をお立てになりました。そして文部省に御申請がございましたときは何ら問題がない、円満にこれは遂行され得るんだということでございました。栃木県の教育委員会からもそういう御説明を受けておるわけでございます。したがいまして文部省が積極的にこうした方法をとってはどうかということを申し上げるのは、ただいま大臣の答弁にもございましたようにやはり差し控えたい。むしろ地元でどういうふうにこの問題をまず第一義的にお考えになるか、その辺のところをぜひ伺いたい。そしてできるだけの御協力は申し上げたい、こういうことでございます。  なお、先般私は栃木県の教育長にも直接お目にかかりまして、その辺のところ何とかくふうがないものかということと同時に、住民の方々に対する御理解を得るような何かそういう努力も一つあっていいのではないかということを申し上げておるような次第でございます。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)分科員 いま局長は、文部省に責任はない、それは地元がやったことで文部省が指導したわけじゃないとおっしゃる。しかし、やはり根本方針は、当時政府が清瀬文相のときにとにかく通達を出して、次のような状況で統合が好ましい、なるべく統合すべきだという通達を出しているでしょう。その趣旨を徹底されるようにということで、町村合併と同時に学校の統合ということは文部省の大方針でしょう。したがって文部省、これは責任ないとはいえぬですね、局長。これはやはり政府のそういう方針に従って各町村はだっとやったので、やり方については町当局の責任ですよ。しかし大方針、根本方針は文部省なんですから、やはり文部省が住民のそういう意向がばんばん出てきたらその実情を正式な機関としてきちっと調査をして言うべきことは言う、指導すべきことはきちっと指導する、それがあって初めて文部省のこの通達は生きるんじゃないでしょうか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 おっしゃいますとおり統合に関する一般的な方針につきましては、これはもちろん文部省にも責任がございますが、ただ個別のケースをどう扱うか、どう処理するかということにつきましては、これは具体的に市町村の教育委員会なりあるいは市町村長なり市町村の議会なりにおいて御判断をいただくことでございます。この段階で私どもから具体的に分校を存置したほうがいいとか悪いとかいうことを申し上げることはやはり適当ではないわけでございまして、地元の方々のひとつ十分なるお話し合いと申しますか御理解をいただいて、これが円満に解決されることを期待をしておるということでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)分科員 しかし円満な解決を期待する場合には円満に解決できるような何か方策を文部省として考えてやる、そのくらいな親切さがあってしかるべきではないか。午前中の稲村君や神田君の質問に対するお答えの中で、片方の作原のほうは同じ距離だって文句言わずに統合をしたじゃないか、こっちの西側の沢は反対だ、距離は同じじゃないかという議論があったようですね。ところが作原のほうは生徒数は三学級で十八名で、片方は飛駒と新合で二百六十四名もいるわけです。だからその二百六十四名もいる中学生と十八名しかいない片方の沢を、距離が同じだといって同列に論議するということは誤りだと思うのです。文部省の通達だって実情に十分即した形でやりなさいといっているんだから、即していない場合にはやはり行政処置の瑕疵なり錯誤なりというものが私はあったと思うのです。その当時メンツがまず一つある。特に文部省と町当局との関係では、補助金をもらっている。  これは大臣にちょっと伺いたいのですが、昭和四十五年と四十六年、さらに体育館というような形で統合中学に補助金が出ている。小さい町ではその補助金を返すこともなかなかできないから、一たびきまったからにはメンツにかけてもゴリ押ししなければならぬという町長や町教育委員会のいろいろメンツがあると思うのです。けれども、そういう問題と、永久に生徒そのものなりその地域全体のこれからのあつれきを考えたときにはそんな千八百万の返すべき金の問題ではない。もっと大きな民主主義の精神というものが全くじゅうりんされてしまう。こういう心配があるものですから特に私はここで取り上げて、大臣の決断をひとつ期待したい。特に私はこの状況を隣の町でながめていて感じますことは、民主主義というのは多数決だ。町会議員の多数決でぱちっときめればどんなに距離が離れているところへ中学をつくられようが、多数決で条例をつくられたらその条例が生きて、しゃにむにこれは統合で押し通すのだ、こういう地方自治のあり方というものに対する問題にまで根があると思うのです。やはり該当地域における町会議員が、人口が少ないのですから、わずか四、五名しかいなくて、他の該当地域外の町会議員の頭の数のほうが圧倒的に多いことは当然ですね。旧田沼町の人口のほうが圧倒的に多いのですから議員も圧倒的に多く出てくる。そこで同じ町議会で多数決で分校を認めないという決議をしてやられてしまうわけですから、その山間僻地の住民の意思というものは全く反映されない。これは民主主義に反しますね。そういう点の調整というものが行なわれないところに、今回のような不祥事まで起こるような大混乱になると思うのです。大臣こういうことについて幾ら役所の仕事でも、十分検討し直して、なるほどこれはこうしたほうがいいなという判断をし直すということはあってしかるべきではないでしょうか。     〔木野主査代理退席、主査着席〕

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 先ほども申し上げましたように、円満に話がつくということでございましたら、どんな内容のものでございましても、文部省としては全面的に協力をしたいという気持ちを持ったわけでございます。神田さんの話の際に、県の教育委員会でとてもまとめ切れぬからこんなに長くなっているのじゃないかというお話もございました。それを伺いながら、町の紛糾だから、県の総務部地方課のほうもこれに関与しているのかなという疑問を持ったわけでございまして、もし入っていないなら、県の総務部の地方課も積極的にこの解決に加わってあげるべきじゃないだろうかというふうに思うのでございまして、そういう関係の皆さんからつくり出された結論に対しましては、文部省といわず、文部省は他の省の所管に関する問題につきましてもぜひ協力を得るように私としては努力をしたい、こう思っておるわけでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)分科員 大臣、この問題は、四月からの新入生入学を父兄が完全にボイコットをした、そして完全な同盟休校態勢になったわけですね。今回またそういう事態が起こる可能性、情勢を調べてみてたいへん心配しているわけですよ。そういう場合に、行政官庁としてはどこに責任があるのですか。生徒は学校へ行かない、完全にもう学力は低下する、教員の配置はおそらくしない、そういうときの責任はどういうことになりますか。文部省、全くありませんか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 自治団体の問題でございますので、基本的には当該自治団体が心配されなければならぬことでございましょうけれども、第一義的には県がいろいろとお世話をしてくださる、その次に中央の役所がお世話をしなければならないと思います。  いまの問題、だんだん私もよくわかってきたような感じがいたします。ぜひ文部省といたしましても、この問題が解決できますように何か考えていかなければならないという気持ちを持ってきているところでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)分科員 ただいまたいへん前向きの答弁をいただいて、若い、特にバイタリティーのある文部大臣が答えたのでありますから、ここだけの答えに終わらせないために、ぜひとも四月の新学期前にできる限り実情の調査を文部省としてやる、そして最も住民の希望している分校を何とか認められる方法があるかないか、そういう方向の検討をぜひしてもらいたい。住民はどうしても分校を認めてくれということなんですね。どうしても分校を認められないという答えがばたっと戻ってくるのじゃないか、私はこう思ったら、大臣がこれからとにかく一回検討させてみる、こう言うのでありますから、ひとつ急いでやってみていただかないと困る。四月の学期初めの前にできれば解決策を見出してほしいのでありますから、県教育委員会とも早急にひとつ文部省との間で協議していただきたいと思います。文部省と県と具体的に協議いたしますね。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 私としてもひとつ検討させていただきたいと思います。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)分科員 どうもありがとうございました。

黒金泰美自由民主党

○黒金主査 次に、大出俊君。

大出俊日本社会党

○大出分科員 問題点が二つございまして、一つは夜間中学の問題でございます。  一昨年でございましたか、私、夜間中学問題のこまかい質問を時間をかけていたしたことがございます。そのときに文部省の皆さんのほうも、少し予算をつけてもらえぬかという私の質問に対して、新聞にもこれはあの当時出たのですが、たいへん難色を示しておいでになった。しかし、幸い四十七年から調査費を皆さんにおつけをいただいた。これはわずかな調査費ではございますが、たいへん助かっております。感謝申し上げるところでございます。この夜間中学がその後どうなったかという点を最近調べてみましたら、消えかかっておったのでございますけれども、どんどん減っておったのでありますが、逆に最近はふえてきている。調査費などもつけていただきまして、これは義務教育を受けられなかった方々でありますから、パーセンテージにいたしますと、〇・一%くらいのことになるだろうと思うのであります。この〇・一%の義務教育を何らかの事情で受けられなかった方々に対して、学校の先生方が昼間おつとめになっておりながらも夜一生懸命教えておられるわけでありますから、せっかくの向学心に燃える、中年以上の方が多い、中年近い方もたくさんいる、こういう方々の火を消さないように、私はどうしてもしていただく必要がある、こう実は思っているのです。  そこで、せっかくおつけをいただいた調査費でございますが、その後この夜間中学問題はどういうふうに動いていると皆さんのほうでごらんになっておられるのか、まず承りたいと思います。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 先生御指摘のとおり、夜間中学校も中身がだんだん変わってまいりまして、義務教育年齢を越えた方々が中学校の教育を受けたいという希望がふえてまいりました。現在は義務教育該当年齢の者がわずかに四・五%、人数にして千百五十名のうちの五十名が該当年齢であります。そのまた中身を調べてみますと、もとの朝鮮とかそれから中国から引き揚げてまいりました方の子弟が来られるというふうな状態でございまして、現実問題としましては生涯教育の場の一環というような形としてとらえてよろしいのではないかというふうに考えております。私どもも、ただいま御指摘ございましたように、そういう火を消さないでということを考えまして、今後とも夜間中学についてはめんどうを見てまいりたいというふうに考えております。

大出俊日本社会党

○大出分科員 これはかつて全国で七十一校あったのですね。前に御質問したときにそういう御答弁をいただきましたが、七十一校あった。それが実は四十一年に行政管理庁が勧告を出しました。文部省と、ずばりそのものではありませんが、同じ勧告の中で、若年労働者の保護といいますか、そういうことを含めて労働省にも——文部省には、つまり夜間中学廃止の方向の勧告です。労働省の方にもお見えをいただいたのですけれども、これを一体どういうふうに受け取ったかという、また行政管理庁は何で一体廃止という勧告をしたのかという、いまになってみればどうもずいぶん冷たい勧告であったということになると私は思うのでありますが、この際もう少し予算的に優遇していただけぬかということ、そういう角度で質問したいので、さかのぼって恐縮ですが、四十一年の勧告、これに触れて行政管理庁そして文部省のほうからお答えをいただきたい。  時間がございませんからもう一つ。夜間中学に一生懸命通っておられる方々が、これは妙なことでございますが、年齢十五歳を過ぎますと中学に通えなくなってしまう。義務教育とは申しながらも除籍されてしまうのですね。そういうことでございまして、だから今度は年をとって夜間中学に行くのでありますが、ここでまた長期欠席がたくさん出てくる。なぜかというと、使用者の側が理解しない、本人は一生懸命通いたいのだが、理解しない。だから本人は通えなくなる。それでも本人は、休みながらも一生懸命通っている人が多いそうでありますが、そこらは労働省の分野で、せっかくの適齢期に受けられなかったそれなりの大きな家庭的な事情その他があるのでありますから、あるいは地域を異にするところにおったという、中国から帰った人もあり、韓国から帰った人もあります。だからそこのところを労働省側はもう少し深く立ち入ってひとつ行政指導をしていただかぬと困る、こういう気がいたします。  それからもう一つ、夜間中学の先生方のほうがずいぶんこれは苦労して教えておられる。横浜の平楽中学というところの二見清平さん、私の知り合いの方でございますけれども、横浜空襲に次ぐ米軍接収で復興がおくれたこともあり、戦後の混乱の中で失った教育の機会を求めようとする人々が、横浜の場合、非常に多い。隣の川崎市をながめても、最近は新たに夜間中学をつくろうという動きが強くなっている。やがてできるでしょう。東京の場合をながめても、東京は中国や韓国や南米からの引き揚げ者の方々がたくさんおいでになる。東京の夜間中学八校のうち三校は日本語学級を設けている。引き揚げ時期やあるいは引き揚げ国など違う。したがって、一般教科よりも日本語学習に非常に力を入れてやっておられる。そういう様相が非常に顕著になっている。おのおの地域で違う。横浜というのはある意味では恵まれているのかもしれない、こういう言い方をしておりますが、いまそういう事情でございますので、いま行政管理庁の方あるいは労働省の方、文部省の方々にものを申し上げましたが、そこでひとつ、どういうふうにごらんになっているか、お答えいただくと同時に、これはやはり総合的に皆さん方で御努力いただきませんと成功いたしませんので、そこらの御見解を承っておきたい。

大田宗利行政管理庁行政監察局長

○大田(宗)政府委員 お答えいたします。  行政管理庁では四十一年の十一月に勧告をしたものでございますが、その勧告の趣旨は、夜間中学に通っている生徒をできるだけ昼間の学校に通わしたいということでございます。義務教育の面から見ますと夜間制というものには若干正常的なものがないという考え方が基本にありましてそういう勧告が出たということであります。

吉本実労働省労働基準局監督課長

○吉本説明員 お答えいたします。  四十一年の十一月の行政管理庁の勧告に対しまして、労働省といたしましてはさっそくその趣旨を体しまして、翌年の二月にいわゆる非工業と申します商業とか映画、演劇、保健衛生、接客娯楽業等のそういった非工業的業種につきまして一斉監督を実施いたし、また六月には東京周辺の事業場に対しましても監督指導を実施したところでございます。それからまた四月には、やはり職業紹介というような面とも関連がございますので、職安機関と基準監督機関とが相互に問題のあるものを通報し合いながらこの是正をはかっていくというようなことで措置してきたところでございます。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 行政管理庁の勧告でございますけれども、これはいま行政管理庁からお話しございましたように、廃止というふうなどぎついことばを使っておりますが、実は当時学齢児童生徒が四〇%も通っておりましたので、そういうものをできるだけすみやかになくすようにという趣旨に受け取っております。  また、夜間中学の先生方でございますけれども、私どももお話を聞いておりますと、実際にごらんになった方はほんとうによくやっていただいているというような評価をしております。私どもも夜間中学をあらためて見直すべきであるというような感じを持っております。待遇改善につきましては先般内閣委員会でも先生から御質問がございまして、全般的な待遇改善について努力してまいりたいと思います。

大出俊日本社会党

○大出分科員 大阪の天王寺で第十八回大会というのが開かれたのですね。各地域の夜間中学の性格がおのおの違うものですから、設備その他非常に不足しておりますので、横浜が少し恵まれ過ぎていやせぬかという意見が出たり、逆に先生方を突き上げる。もう少し何とかしてくれ。教えている先生のほうが若いのですから、教わっている人のほうが年とっている人がたくさんいるのですから、先生方困っちゃっているのですね。横浜の南区の中村町というところで、あそこに公共施設が一つありまして、そこに集まってさっき申し上げました二見先生等を中心に夜間中学研究会のメンバーが連絡会議を開いているのですね。ここでもいろいろな意見が出ています。  そこで一番問題になるのは、相当な年配の人もたくさん来る。たとえば調理師であるとかあるいは理容師であるとかあるいは美容師であるとかいうふうな方々が、長年やったことだから、ほうちょうも一人前になったから、何とか資格を正式にとろう、試験を受けようと、こう思っても、中学卒業という資格になっておりますから、事情があって中学を卒業できなかった、全国で百数十万の中学未修業の方がおるのでございますから、したがってその方ははたとそこでとまる。これからでもやり直して何としても資格をとりたいということになると、どんな思いをしても通う。切実なものがあるのですね。にもかかわらず施設は貧弱、先生も少ない。ここに二見先生の話も載っておりますけれども、昼間中学校の三年生を教えている。だから試験のときなんかにかち合うと非常に困るわけです。それでも行かなければ困るからといって行っておるという苦労のほどが述べられております。  したがって、そういう隘路になっておりますものをどういうふうにこれからしていったらいいか。廃止なんということじゃなくて、どういうふうにこれを火を消さないで百数十万の〇・一%の人ではあっても、この方々を救っていこう、これはたいへん貴重なことだと私は思うので、それについての方針などがありましたらぜひお聞かせを願いたいのと、大臣にも特段の御尽力をいただきたい、こう思いますので、承っておきたいと思います。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 ただいま先生から御指摘ございましたような行政管理庁の勧告がございました当時の考え方は、むしろそういうものがあるために夜間に通うような子供が出てくるのだというふうな考え方でまいったのでございますけれども、これは、ただいまの現状で申しますと完全に考え方を変えなければいかぬという段階でございます。ただいま調査費をつけておりますけれども、またこれが形を変えて今後は内容の充実ということに持っていかなければならないというふうに考えております。

大出俊日本社会党

○大出分科員 たいへんありがたい御答弁をいただいたのですが、私が心配したのは、どんどん減っていく。管理庁は廃止しろというが、しかし現実に私の周辺をながめてみると、資格をとりたい、中学卒でないと試験を受けられないというわけですから、たいへんこれは気の毒だという気がしまして、御本人は一生懸命やりたいということですから、それでこの火をやめるというのではなくて逆につけなければならぬ。なくなってしまっては困るというので、一昨年かあるいはその前であったかわかりませんが、それ以来いろいろお願いをしてきておるわけでありますが、そういう形でぜひこれはお考えをいただきたいわけであります。  学校の先生の教えている方の手当が教員で一カ月に六千円ですね。それから夜間中学の校長先生で毎月四千二百円ですね。これは聞いてみるとたいへんなんですよ。それは時間が違うのですから。昼間教えた人が行くというのですから。ここらもこの世の中ですからもう少し手当てをしていただく必要がある。金の問題じゃないと、聞いてみると先生は言います。言いますけれども、その御苦労に対する手当てのしようがほかにないのですから、まして先般大臣に教職員の皆さんの給与問題で御質問したのですけれども、教育というのは基本である。だから教職というものは、他にいろんな必要な職種があるけれども、その中でも特に大事に考えなければいかぬという、基本であるという意味で大切にしなければいかぬという御答弁もありました。学校を卒業した方々が、最近は連絡会議をお持ちになったり、卒業する方々が連絡をとって、一緒に卒業のお別れパーティーをやろうとか、旅行会や何々会をやろうとか、夜間中学で設備がないが、横の連絡までとり合って、これでも絵をかきに行ったりなんかするのですから、全くそれは涙ぐましいわけであります。年配の方も一多いわけであります。そこまできておりますので、そこらも何とかひとつ手当てを願えないものかという気がするのであります。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 いまの点教員に対する手当等の財源措置は国庫負担金もございますけれども、地方交付税でやるというふうなたてまえになっておりますが、この場合には、ちょっと地域的に非常に偏在していることと、それから数が少ないというふうなことで手が届かないことは仰せのとおりかと思います。私どももそういう関係のところと十分御相談をいたしまして、御趣旨に沿うように一段と努力していきたいと思います。

大出俊日本社会党

○大出分科員 夜間中学問題は前にもいろいろこまかい点を申し上げましたから、これ以上申し上げませんが、前向きの御答弁をいただきましたのでたいへん心強いわけでありますが、日本という国は義務教育制度をとり、かつ教育が国民に行きわたっているのだということで、教育率と申しますか、九九・九%というようなことを、よく日本の文部省はじめ皆さんがおっしゃるわけであります。その中にそれぞれ事情があって落ちこぼれていた人でありますから、そういう日本の一つの方向というものを、日本の教育制度の中でやはりもう少し、一番どん底のところに手を伸ばしていくことは、たいへん私は重要なことじゃなかろうかと思います。最後に大臣からも、何とかひとつ御尽力をいただきたいという趣旨でもございますので、御答弁をいただきたい。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 夜間中学に学齢の生徒が入っている、こういう方々はできる限り昼間の学校に通うようにしなければならぬわけでございましょうけれども、それ以外の先ほど来引き揚げ者等のお話がございましたが、中学の課程を終えていない、ぜひ中学の課程を終えたい、こういう方につきましては、やはり中学を義務教育にした精神から考えますと、そういう人たちがある限り、その需要にこたえていくのはやはり私は教育を推進していく道ではなかろうか、こうも考えますので、ぜひいまのお考えを体しまして夜間中学が存置され、整備されるように配慮していきたい、かように考えます。

大出俊日本社会党

○大出分科員 いまのようにお答えいただければ一生懸命やっている先生方が非常にやる気をお出しになるのではないかというふうに思うのです。特に最近は難病といいまして、一口に難病ですが、多種多様ございまして、長期休学する子供さんが小中学校段階で非常に多くなっております。筋萎縮症なんかの例もそうでございますが、行くに行けない方々がある。したがって、これはやがて除籍をされてしまう、こういう制度でございますから、そういう病欠で除籍をされるという傾向もふえている。そこらもひとつ救っていくという意味も含めまして、ぜひひとつ御尽力をいただきますようにお願いを申し上げておきたいのであります。  次に、高校でございますが、実はこの進学率、毎年私、見ているのでありますが、私、横浜におりますが、横浜の高校進学率などもここのところ非常に変わってきております。こまかい資料持っておりますが、時間がございませんから深くは申し上げません。実は四十三年度の横浜市の市立の中学校を卒業した生徒さん、この方々が一万九千七百四十五人ございました。これが四十六年になりましたら二万一千三百七十八人にふえました。この推定数字でずっといきますと、昭和五十三年度で三万五千四百三人になります。長年の推計でありますから、間違いなくこういう数字になろうと思います。そうしますと、一万九千七百四十五人であったものが、何と一万五千六百五十八人ふえて三万五千四百三人になってしまうのですね。こういう実は極端なふえ方になっている地域であります。まあ指定都市、六大都市なんというものはそういうところがほとんどでございましょうが、横浜市の高校進学率がようやく九七%台に乗ろうとしている。百人の中学を卒業される方の中で三人しか高校進学をあきらめる人はいない。百人のうち九十七人が高校においでになる。そういう方ばっかりになってしまう。そうすると、まず基本的にこれをどう考えたらいいかという問題がございます。  確かに義務教育は小中学校でございますけれども、九七%からも高校に進学する、それが常態でございまして、きわめてまれに中学でおやめになる方があるということであります。そうすると、基本の置き方を少し——義務教育と義務づけるかどうかということはいろいろ議論がございます。ございますが、現実の問題として国庫負担法というものもございますし、高校用地の獲得にしても、校舎施設その他にいたしましても、あらためてひとつこれは全国的に考えてみる必要がある時期に来ているんじゃないか、こう私は思います。ここらのところは、時間がございませんからこまかい数字は申し上げませんが、昔、高校全入という運動などもあった時期がございます。しかしそれはそれとして、まさに全入に近いのでありますから、まず皆さんのほうでどうしたらいいかという点についてのお考えをお聞かせいただきたいのであります。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 お話しのように、府県によりまして中学校卒業生が急増してまいるわけでございまして、いま横浜市の例をお述べになりましたが、大阪府全体を見ましても同じような傾向でございます。したがいまして全国同じじゃございませんで、地域によってたいへんなことになってくるということのようでございます。それぞれの府県におきまして、急増してくる生徒を私学でどれくらい受け持とう、公立でどのくらい受け持とうという話し合いも行なわれておるようでございます。同時に進学率も上がってまいるわけでございますだけに、そういうことも踏まえて努力していかなければならない、かように考えておるわけでございます。  全国的に見ていきます場合には、高校進学希望者に対しまして九八・四%の方々を高等学校に収容しているようでございます。したがいまして、全国的に見る限りにおいてはそれほど問題ではない。しかし地域で見る限りにおいてはたいへん問題である、かように考えておるわけでございます。したがいまして、府県が分担いたします部分につきましては、必要な財源措置も当該府県についてお世話していかなければならない、かように考えておるわけでございます。

大出俊日本社会党

○大出分科員 公立、私立、あるいは公立の中でも県立、私立いろいろございますが、旧来からおおむねのところで比率がございます。それが逆になることがございましても、ここまでくると県なり市なりが何とかしなければならない、こういうところにきていると実は思っておるわけであります。だからPTAの奥さん方の間で、御主人方にしてもそうですが、高校の新設という運動が相当急激に大きくなっている。  横浜市に磯子区というところがございます。この磯子区の丸山町というところに丸山台という高いところがあるのです。住宅公団がここに一万坪ばかりの土地を買ってもう長年になりますが、どろの搬出ができずにそのままになっている。発注したのも一切解約してそのまま置いてある。ここに高校を建てろという運動が区内全般から起こっておりまして、先般金丸建設大臣に住宅公団の土地でございますが県に売ったらどうかというお話をいたしましたら、金丸さんは、できるだけ協力したい。で、まあ魚心あれば水心じゃないけれども、かえ地ということをおっしゃいましたが、そういきなり即物的に、そこを高校にするならほかにということをすぐ言わぬほうがいいんじゃないか、一つの運動が起こっている結果なんだからと、だからそれは神奈川県なら県に、この際あっさり建設省は公団に相談をして協力してやってもいいのではないか、買いたいというのは県なんですから。実はいま神奈川県内方々に公団用地を取得しようとなさっているのです。ですから今度は県のほうにそういう意味の協力を求めるということでもいいんじゃないかということをちょっと申しましたら、席をはずして別に話したいという金丸さんのお話でございました。それはそうしたいと思うのですが、きょうは関係の建設省の方にもちょっとお出ましいただいておりますので、その辺のところをもう一ぺんお答えいただきたいのと、高校進学率が高まっている昨今の事情から見まして、ひとつぜひ県、市のそういう動きに対しても皆さんのほうからも御協力いただきたい、これが一点でございます。  もう一つ、横浜市の南区というところもたいへんに高校進学率の高いところでございまして、また中学卒業生も急激にふえている地域であります。この南区に実は、文部省の所管だと思いますが、国立大学がございます。有名な横浜国大でございまして、各施設が点々と分かれておりましたので、これは非常に困るということで、地元出身の私どもが超党派的に御協力申し上げて、たまたまこの学校の先輩が管理をなさっておる保土ケ谷のゴルフ場、ここに話を持ち込んでやっとそっちに移すことに数年前になったわけでありまして、したがって、現有の国大敷地があくわけであります。清水ケ丘というところと弘明寺、二カ所ございます。五十年に入りましてから二カ所あくわけであります。清水ケ丘というのはまた私の住んでおるところでもあるのですが、ここはもうすでに住宅公団が先に用地を買ってしまった。そこで、その中の一部の一万坪を何とか高校新設にと県議会でもいろいろやりとりがございまして、先般神奈川県知事さんに私ものを申し上げましたら、文部省なり、特に大蔵省の方々がそのお気持ちになっていただけるなら県は買いたい、知事さん自身がそう言っておられるわけです。そこらを含めまして、ひとつぜひ御検討願いたい。こういう急増地域でございまして、今回の試験でもずいぶんいろいろ問題がございました。したがって、せっかく神奈川県がその気になってきているわけでもありますし、また横浜財務部を通じてたいへん親切にいろいろ扱っていただいております。大蔵省の方にもおでかけいただいておりますが、ここらを、片や文部省所管の国有地であります。ただ、一般財産にしなければならない手続もございますので、そういう意味で、大蔵省との関係で少し御答弁をいただきたい、感触をいただきたい、こう思っているわけであります。

福地稔建設省住宅局日本住宅公団首席監理官

○福地説明員 先生から丸山台についての御質問がきのうございまして、大臣から答弁がありました。県から御提案がありますれば、公団におきましても、いまお話の中に代替地の問題がありましたが、代替地を勘案の上で前向きで検討したいと思います。

小幡琢也大蔵省理財局次長

○小幡政府委員 御指摘の南区清水ケ丘の横浜国立大学の移転あと地の処理の問題でございますが、一部はすでに文部省のほうから処分の依頼を受けまして、住宅公団、それから首都高速道路公団に処分済みでございますし、−また一部は横浜市に処分の予定でございます。残りは、まだ文部省の行政財産になっておる地区でございますが、この地区につきましては県から高校用地に充てるようにという御要望を私ども聞いております。これにつきましては、移転が終わりまして、たぶん四十九年の秋ごろと思いますが、文部省のほうから正式に処分の依頼を受けました暁におきましては、できるだけこういった高校も含めまして、公共用に優先的に充てるという方向で処分方針を決定したいと考えております。

大出俊日本社会党

○大出分科員 これで終わりますが、実は清水ケ丘の国立大学のあと地の件は、いまお話があったように、いち早くと申し上げたいのですが、住宅公団へと、こうなったんですね。ところが、これは長い間懸案でございまして、国大のそのあと地は草ぼうぼうで、やれ痴漢が出る云々ということで、PTAの奥さんたちが行って草刈りをやりましたり、私の家内なんかもかり出された一人でございますが、地域住民が管理するのに骨折った地域なんですよ。人の背くらい草がはえちゃうんですから、あぶなくてしょうがない。だから、国大がどく努力をわれわれもしたんだから、せめてあと地の相談くらいは非公式にあってもよかった、地域の方々も超党派で、公園をそこに何とかしてくれ、それからそこを通る高速道路の移転地先なんという問題もありますので、そういう道をどけなければいけません。そういういろいろな地域の要求が一ぱいあった。それからまた高校の新設という要求も根強くあった。ところが何となくどっかから耳に入ってきたのは、住宅公団に売ったようだ、売るようだという。さああわてて調べてみたら、もう手続を済ませていたというので、地域は完全に実はおこった。むしろ旗を立てて押しかけろということに最後にはなった。なったんだが、広い地域だから、公団というものも公団法があって、住宅困窮のおりから、必要なことなんだからというので、むしろ私どもはなだめ役。そこで地域をおさめて、そのあと、広い土地なんだから、われわれも御要求に従って努力をするからということでまとめてきた経緯まである。まことにどうも私どもは不愉快なんですけれども、そういう土地柄になっておりますだけに、これからへたにまごついて、またいきなりそこで公団を一番先に建てるんだなんという騒ぎになると、また磯子区のようなことが起こりかねないという懸念もございます、率直に申し上げて。だから、ぜひそういうところもお考えいただいて、公団も含めて、地域の皆さんが納得するような、長年苦労してきた場所でございますから、御配慮いただきますように、文部省の皆さんのほうにも特にこれをお願いしておきたいのでありますが、最後でございますから、高校進学率その他を含めて前段申し上げましたが、大臣からもひとつ御答弁いただきたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 高校用地などの問題、たいへん重要な問題がございますので、文部省もいまのお話を体して、大蔵省なり建設省なりに文部省としての希望を伝えていくようにいたしたいと思います。

黒金泰美自由民主党

○黒金主査 次に、馬場昇君。

馬場昇日本社会党

○馬場分科員 文部大臣に質問をいたしたいと思いますが、けさの新聞を文部大臣お読みになったかどうか知りませんけれども、ある新聞に、「ふえる死を急ぐ若者 教育の場で対策を」こういう見出しで、高校生、中学生、さらには小学生までが若い命を断っておる、こういう記事が出ておりました。その中に、東京都だけでも、この三年間に高校生、中学生が四十五人も自殺を企図した、こういう記事がございましたし、去年一年で二十人が自殺を企てた。これは四、五年前に比べますと倍になっておる、こういう記事でございます。どんな苦しみやどんな悩みが、こういう純粋な子供の心をむしばんで自殺に追いやっているのか、こういう点につきまして、まず大臣の所見を伺いたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 いま御指摘の問題は、入学試験にからんでの問題ではなかろうかというふうに思います。私は日本の特殊な風土だと思うのですけれども、学歴偏重、有名校集中、何か子供に適したところへもっと円滑に進学させるような道を父兄が選び、そしてまた、出身校で人間を判断するようないまの社会の風潮、これも改められないものだろうかと念願しておる一人でございます。  入学試験につきましては、高等学校へ進む場合につきましても、一応の中学校教育が行なわれているんなら、高等学校入学試験、そう苦労しなくても済むような式の入学試験のあり方、そういう意味におきましては、難問奇問を出さないことが大切でございましょうし、あまり多数の教科にわたって入学試験を行なうというようなこともやめるべきではなかろうか、こう考えているわけでございます。そういう意味におきまして、このごろはだんだんと試験の教科目も少なくしてきているようでございまして、五科目以内に押えたい、こういう方向へいっているわけでございます。  もう一つは、中学校におきますところの調査書を活用する、これにウエートを置きますことも、入学試験中心にならない教育ということが期待できますので、そういう方向を漸次広げていきたいというようなことで、いまのいわゆる入学地獄というような問題を少しでも解消するようにいたしたい。  しかし根本的には、当初に申し上げましたような社会風潮、これを是正をぜひしていきたいものだ、かように考えております。

馬場昇日本社会党

○馬場分科員 純粋な子供が自殺をしなければならない、いろいろな原因があると思いますけれども、いま大臣が入学試験地獄、受験戦争といわれるものも一つの原因ではなかろうかとおっしゃいましたが、私もまさにそうだろうと思います。いま国民が、あるいは児童生徒が教育に対して最も願っておるのは、私は、この受験戦争、試験地獄というものを政治の力で一日も早くなくするということが一番大きな問題だろうと思うのです。今度の国会にはそういう対策が十分出ていないのですけれども、教頭の法制化の問題だとか、あるいは筑波大学の問題だとか、あるいは一〇%のえさでもって人材確保という名のいろいろな教育統制、そういうものが出ておるわけでございますけれども、私はそういうものよりも、一日も早く試験地獄、受験戦争というのをなくするというのが当面の教育界では一番大きい問題ではないか、こういうぐあいに考えるわけでございます。  もう大臣も御承知と思いますけれども、児童生徒というのは、ほんとうに真の笑顔というのを現在失っておるのです。ほんとうに人間形成の重要な時期に笑顔を持たずして育つということはたいへんなことだろう、私はこういうぐあいに思います。さらに学校の中では、入試ということにかかわってほんとうに差別と選別といいますか、そういうような教育が現在行なわれております。ここで先ほどもちょっとお話しになりましたけれども、受験戦争、入試地獄、これは私は、言うならば、子供にとっては教育界におけるベトナム戦争くらいに悲惨なことではなかろうか、こういうぐあいに思うのです。  これにつきまして、自殺まで出ておるという状況でございますので、私は、文部大臣は責任をもってこの入学試験地獄、受験戦争の解消に早急に取り組まれるべきであろう、こういうふうに思いますが、これについて大臣の決意のほどをさらにお尋ねをいたしたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 非常に重要なことでございますので、積極的に問題の解決に当たっていかなければならないと思います。現在高等学校入学希望者の九八・四%は高等学校に入学しておるわけでございます。ところが有名校に集中するものでありますだけに、そこに受験地獄が起こっておるということでございます。同時にまた、高校を希望する方々が地域的には激増してくる地域もございますので、そういう地域におきましては、高校が増設されるように配慮していかなければならない、これも当然のことだと思います。同時に、入学試験の改善をさらに一そう進めていく、さらにまた、社会風潮につきましても改善をはかられるように努力していくということなどをはかっていきたいものだと存じております。

馬場昇日本社会党

○馬場分科員 次に、具体的に私は、試験地獄解消の問題について聞いていきたいと思うのですけれども、四十七年度の進学率と四十八年度の進学率の見通しの数字を最初にお聞きしたいと思います。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 四十六年度は、全国的に申しますと八七・二%でございます。二年前から比べますと五%ふえておりますので、年平均二・五%というふうに考えますと、大体九〇%というふうな予想が立てられるわけでございます。

馬場昇日本社会党

○馬場分科員 だんだん進学率は九〇%をこえていく、こういう状況になっておるわけでございますが、ほとんどの中学卒業生が高等学校に入る、こういう状況になってきておるわけでございます。そういう状況の中で、入学試験というものをもう廃止できるのではないかと私は思うのですけれども、こういう状況の中で入学試験の廃止はできないのかどうか、こういうことについてお尋ねしたいと思います。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 入学試験を廃止するということだけに力を注げば、あるいは先生のおっしゃるように廃止することもできるかもしれません。しかしながら、やはり子供たちの希望を尊重するというふうな点をあわせて考えますと、まだこれは制度として、義務教育あるいは準義務教育と申しますか、そういう制度がかりにあるとすれば、そういう制度的な問題を考えませんと、これは入学試験をいま直ちに廃止するというのは困難ではなかろうかと考えております。

馬場昇日本社会党

○馬場分科員 いま子供の希望を尊重するとかなんとかおっしゃいましたけれども、実は昭和二十三年にいまの新制高校が発足しましたときに、文部省は入学者選抜要項通達、こういうものを出されまして一実は「新制高校においては、選抜にあたり如何なる検査も行わず新制中学よりの報告書に基いて選抜する」こういうような指導をなさっておるわけですね。進学率がどんどんふえてきた、もうほとんど高等学校に入る、こういう時期に、この新制高校が発足したときの文部省の方針、こういうものをいま再びやはりとる必要があるのではないか、私はこういうぐあいに思います。こういう行政措置を行なわないところに、受験戦争が解消できない、そして子供を自殺に追いやる、こういうような状況があっておるのではないかと私は思うのですが、この新制高校の発足した当時のようにいかなる選抜も行なわない、こういう行政指導をとる方針は現在ないのかどうかということをお尋ねします。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 昭和二十三年当時の高校進学率は正確には記憶しておりませんけれども、大体終戦時が二〇%でございますから、それをまあ上回る程度というふうに考えられるわけでございます。いわばエリート教育と言ってもいいくらいのものでございますけれども、現在は、先ほど先生の御指摘になりましたようにこれはもう普通教育になってしまった。そういたしますと、まあたくさんの方々が高校に進学されるとなりますと、その能力の判定というのが、きわめて差が少なくなってきております。したがいまして、それを調査書一本でもって判定をするということは、これはなかなかむずかしゅうございます。しかしながら、先生の御指摘になりましたような趣旨に基づきまして調査書を重視するということで、先ほど大臣からもお答えがありましたように、現在大多数の県が調査書を少なくとも半分の比率でもって重視している、そういう状況でございます。

馬場昇日本社会党

○馬場分科員 ちょっと話がわからないのですけれども、エリート教育だったときにこそ私は入学試験はある程度必要だろうと思うのです。ところが普通教育になったというならば入学試験は要らないのじゃないか。私は逆だろう、こういうぐあいに思うのですよ。私も長年高等学校の教育をしておったからよくわかるのですけれども、文部省が、やはり非常にその生徒が多くなってきた、多くなってくるのに高校の増設が追いつかなかった、そういう状況のときに学力検査をやれということを指導されているのです。その前は、まあ発足当時は基本線に立って学力検査は行なわない。生徒がよけい希望したから、入れものが追いつかないからそれで学力検査をする、そういうことをやられていまの受験戦争が始まってきておるわけですよ。ところがもうほとんど全部収容できるような状況になってきておるのですから、このときにこそ入学試験を廃止できる条件が整っておるのじゃないか、私はこういうぐあいに思うのですが、どうですか。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 先ほど私が申し上げましたのは、エリート教育と申しましたのはちょっとことばが適当でなかったと思いますけれども、たくさんの方々が、たくさんのいろいろな多様な希望を持って高等学校にお進みになるということでございますから、それに応じてやはり高等学校の受け入れの形ができております。たとえば、普通高校六割に対しまして職業関係の高校が四割というふうな現状でございまして、そういうふうに非常に多様な希望がある方々を受け入れる場合に、調査書一本だけでこれができるかどうかといいますと、量が非常に多くなりましただけにむずかしくなっているということを申し上げたわけでございます。ですから、先生のおっしゃいますような精神あるいはその考え方は別に否定しているわけではございませんけれども、現実問題としてはかなりむずかしい面が生じてきているということを申し上げたのでございます。

馬場昇日本社会党

○馬場分科員 全然教育の実態を知られないような答弁だと思うのですよ。いま高等学校に入っている生徒は、ほんとうに自分の希望というところに入っている者はほとんど少ないのです。あとでまた質問しようと思ったんですけれども、あなた方も調査なさって知っておられると思うのですよ。普通高校に入っている生徒でも、自分はこの学校に来たかったかどうかということについて、半分はこの学校に来たくなかったと言っているのです。職業高校に入っている生徒の三分の二以上は、この学校、この科には来たくなかったのだ、こういうぐあいに言っているのです。それが実態なんです。いまのお話によりますと、多様な希望を持っている者を入れなければならないから選抜が必要だとおっしゃいましたけれども、いま自分の希望するところにはほとんど入っていないのです。これが現実なんです。それについてはどうですか。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 私がお答えしましたのは、多様な希望を持っている。ある特定の高等学校に入りたいという者がかなりの人数ある。それをしぼってその高等学校に入れる。したがって先生が御指摘になりましたように、その自分の希望がかなえられなかったというふうな生徒が普通科は半分、職業のほうでは三分の二というふうな現実が生ずるわけでございます。したがいまして、私の説明しておりますところが間違っているとは思いませんけれども、考え方を御理解いただけないのはたいへん恐縮でございますが、そういうふうに、先ほど私が申し上げましたように、特定の学校に片寄るというふうにことばを言いかえてもいいわけでございますけれども、そういうところに競争が生ずる。それを調査書だけで判定をするということはなかなかむずかしくなっているということを申し上げたのでございます。

馬場昇日本社会党

○馬場分科員 少し話がかみ合ってくるのですけれども、やはり特定の学校に片寄るというのは現実あります。このことは、原因は何ですか。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 それはまあ一口で申しますと生徒、父兄の希望と申しますか、でございますが、特定の高等学校がどうして希望が多いかと申しますと、これはまあ伝統もございましょうし、あるいは大学への進学率が高いというふうなこともございましょうし、そういうふうないわば社会的評価が異なっているということであろうと思います。

馬場昇日本社会党

○馬場分科員 私はやはり学校格差だろう、こういうぐあいに思います。学校に格差があるから、いわゆる有名校といいますか、そういうところに集中する、こういうことです。だから進学率がどんどん高まって、全部を収容するような状況になっても、この学校格差がある限り入学試験の地獄はなくならない、私はこういうぐあいに思うのです。この学校格差の解消について文部省はどう指導されておりますか。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 これは先生も御承知と思いますけれども、レベルの高いものを引き下げるということではなくて、レベルの低いものを持ち上げて・いくということであろうと思います。しかしながら、私どもも県の課長なんかしておりまして、やはり新しい学校は、施設設備、先生などがかりによくても、やはり古い学校に希望が集中するというふうな心理的な面もあるわけでございます。それからまた、御案内のように高等学校の場合は三分の一が私立学校で占められておりまして、そういうところはそれぞれの特色を生かしながら努力をしているわけでございまして、そういうところでもその努力のいかんによりましてかなり格差が出てくるという問題はあろうと思います。

馬場昇日本社会党

○馬場分科員 私は文部省として非常に行政の無責任だと思うのですが、結局いまの話によりますと、もう社会の流れにまかしておく。そういうような状態では試験地獄の解消なんか全然できないと私は思います。その意味におきまして、やはり学校格差をどうなくするかというのは行政でできると私は思うのです。  具体的に言いますと、やはり小学区制というものをきちんとやれば学校格差はなくなります。学校格差がなくなると受験戦争というのもなくなると私は思うのです。そういうことで、この受験地獄ということばは大正時代に始まったと私は思いますし、まあいまは受験戦争、こういうぐあいに言っておりますが、これをどうにかして解消しなければならぬという努力は、その時代時代にいろいろ行なわれてきております。しかし、その中でやはり強い行政でもって入れものを多くつくる、それから機会均等のためには、学区制というものをつくらなければ解消できないというのが大方の結論だろうと思うのです。そういう意味において、小学区制というものをとらなければ、この悲惨な状態というのはなくならない、こういうぐあいに私は思いますが、この小学区制について、御見解をお尋ねしたいと思います。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 先ほども先生が御指摘になりましたように、現実に学校に希望の濃淡があるというような現状におきまして、無理やり小学区制にいたすということになりますと、やはり生徒、父兄の希望と離れることになります。そういう意味で、現実には問題があろうと思います。  それからもう一点は、私立の高等学校が別にあるということでございます。かつてある県で小学区制をとりまして、子供のかなりの数が私立のほうに逃げていったという実例がございます。極端な場合には、組合の委員長も子供を私立のほうにやるというふうなこともあったようでございます。そういうことで、小学区制に無理にするということは、私学の現状という点などを考えますと、なかなかむずかしい問題であるというふうに考えます。

馬場昇日本社会党

○馬場分科員 局長と話をしておっても、この受験地獄を解消しようというような意欲をほとんど感じないのです。私は大臣に聞きたいのですけれども、たとえば、少し立場は違いますが、かつてどこかの大使館に精神異常者が入り込んで大使に暴行を加えたという事件がございました。そのときには、時の公安委員長は責任をとって大臣をやめました。そういうことを私は記憶しておるのですが、少なくとも教育の場において子供が自殺をする、これはやはり文部行政の責任だと思うし、そういうことが起これば、文部大臣は責任をとってやめるというくらいの強い文部行政に対する責任感というものが要るんじゃないかと私は思うのです。いま何といっても学校格差がある。大臣も、入学地獄を解消したいということをおっしゃったわけですが、その原因はやはり学校格差にあるのです。学校格差をなくするためには、小学区制をとる以外に方法はないのです。こういうことについて、大臣の見解を承りたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 教育を進めていきます場合に、いろいろな要請があると私は思うのです。いまおっしゃっております入学地獄を解消していく、これも非常に大切なことでございます。同時にまた、生徒それぞれ特性を持っているわけでございますので、それぞれの特性を伸ばしていく教育、そして社会に貢献していく、これも非常に大切なことじゃなかろうか、こう考えるわけでございます。小学区制にしてしまいますと、もうその中学の卒業生の進路はきまってしまうわけであります。父兄としても、あるいは中学生個人としてもいろいろな希望を持っている。自分の才能を伸ばすためには違った学校を選びたいんだということがありましても、それができなくなるわけでございますので、それぞれの要請を満たしていこうとしますと、小学区制だけで問題の解決にはならない。別な意味の目的が閉ざされてしまうということにもなりますので、総合的に考えていくよりいたし方ないんじゃないだろうか。  そこで、当然に、低い水準の高等学校を引き上げていく、そのことを通じてできる限り格差を縮めていかなければならない。有名校に集中するような弊害をなくすためには、できる限り学校の格差がなくなることが必要でございますので、低い水準の学校をできる限り引き上げていく、これも大切でありましょうし、同時にまた、私は先ほど入学試験のあり方の改革も申し上げたわけでございますし、また社会の学校を見る目も変えてもらわなければならないということも申し上げたわけでございますが、国によりましては、入学するのは容易だけれども卒業するのはたいへんだという国もある。こういうふうに日本も持っていったらどうかという意見もあったりするわけでございます。日本の場合には、どちらかというと、入学するのはむずかしいけれども、卒業するのは容易だという国柄になっておるのかもわかりません。いろいろなところに日本の教育改革を推し進めていかなければならない問題点はたくさんあると思います。馬場さんのおっしゃった問題だけで、全部問題が解決するとは私は思わないわけでございまして、格差解消も非常に大切でございますけれども、小学区制をとるという結論に対しましてはにわかに賛成しがたい。やはり父兄や生徒に対しまして選択の道を広げておきたいという希望を、私自身としては持っておるわけでございます。

馬場昇日本社会党

○馬場分科員 選択の道を広げておきたい、特性を伸ばす、そういうことをおっしゃること自体が学校格差を認めるという理論になるのですよ。この問題については、私は相当議論をしたいと思うのですが、もう時間がないものですから、簡単に伺いますが、文部省自体がかつてこういうことをおっしゃっておるのですよ。これは昭和二十五年ですけれども、小学区制がよろしい。そのいい理由として、学校差がなくなって入学試験の弊害が除去され、学校間の封建的差別感情も失われ、通学が便利になって学資の負担が軽減され、PTA及び地域社会と学校との関係も密接となり、また小学校や中学校との連絡も容易となって、教育課程の一貫性も保たれることになり、高等学校の未来の生徒にふさわしい教育の実施が可能である。この基本方針というのは、教育基本法なり学校教育法ができて、忠実にそれに従ってこういう結論を出されたと私は思います。こういう考え方というのはもう変わっておるのですか。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 私は、基本的には、先生のおっしゃることは確かだと思います。  ただ、現実の問題としましては、先ほど申し上げておりますように、現実に希望の多い学校、それから少ない学校というものがある。また、私立学校がいま三分の一を占めておるというような現実では、小学区制をとるということはいろいろな問題が出てくるんじゃないかということでございます。

馬場昇日本社会党

○馬場分科員 実は私は、いま高等学校にとって、中学校あるいは小学校にとっても非常に重要な問題は、たとえば高等学校についていうならば、もうほとんど一〇〇%入ってくる、こういう状況になっているのですから、いまここで高等学校教育のあり方というものを文部省は責任を持って、意欲を持って十分考えなければならぬ時期に来ておる、こういうことを言いたいのですよ。高等学校が発足いたしましたときに、小学区制がいいんだ、男女共学がいいんだ、総合高校制がいいんだ、こういうようにいわゆる高校三原則というものをつくられたわけです。この時期に、そういう原点に返って、文部省は高等学校のあり方というものをもう一。へん徹底的に研究をする、そのことが、最初に言いました子供を自殺に追いやることがないというような状況につながるし、受験戦争、受験地獄を解消するという親の願いにもかなうわけですよ。そういう国民の要求にも従うわけですし、教育の本質にもかかわるわけですから、そういうことをいま十分検討すべきだ。その時期に来ておると私は思いますが、大臣、どうですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 お話しのような変遷をたどってきているんだろうと思います。昭和二十六年には、小学区制をとりました県が二十一県あったようでございますけれども、現在では一県になっておるわけでございます。三十八年に文部省が、公立高等学校の入学者選抜について、おそらく従来の指導方針を改めたのかもしれませんけれども、そういう方針を出しました結果、中学区といいましょうか、それが多いように思います。やはりそのときどきの情勢に応じていろいろな方法がよいほうに改められてきているんじゃないだろうかなと思います。  しかし、いろいろ御指摘もございますので、重要な問題でございますから、今後とも絶えずいろいろな角度から検討しながら進めていかなければならないと思います。

馬場昇日本社会党

○馬場分科員 いまの大臣の答弁は、よい方向に改善されてきているんじゃないかとおっしゃいますけれども、そのつどそのつど悪くなってきているんですよ。だからいまのような状態ができ上がっておるのです。これを十分理解願いたいと思うのですよ。  だから、私は重ねて申し上げますけれども、やはりこの時期に、高等学校の原則といいますか、そういう高校三原則というものについてさらに慎重に、やはり初めに返って検討していただきたいということを申し上げておきたいと思います。  いま一つ、時間がなくなったようでございますけれども、別の問題ですが、学校教育法の五十条に、高等学校において「その他必要な職員を置く」こういうことになっておりますね。この「その他必要な職員」とはどういう職員ですか。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 高等学校の場合には、実習助手などがそれに当たるわけでございます。

馬場昇日本社会党

○馬場分科員 実習助手などがそれに当たると思いますね。これは発足以来おるわけです。だから、その他職員というような形で表現しておるということは、高等学校に必要な職員ですから、ずっとおるわけですから、これはやはりきちんと法の中に位置づける。そのことが、こういう人たちの勤務条件も改善するし、身分も安定をさせるし、そして差別取り扱いもなくなると思うのです。たとえば寮母という問題なんかも別にございます。ここで私は聞きたいのですが、やはり寮母ということばも、寮というのはないのですから、寮母ということばはまことに封建的なにおいもいたします。また、実習助手ということばも差別的なにおいもいたします。この呼称の変更というものは、この人たちの非常な願望でもありますし、ぜひこの際そういう封建的な古いことばといいますか、差別感を含むことば、こういうのは、やはり呼称変更し、法律の中にきちんと位置づけるということが教育上も非常に大切であろう、こういうぐあいに考えているわけでございます。これについてのお答えが一つです。  もう一つは、いま寮母の問題を申し上げましたけれども、労働基準法に違反した勤務が行なわれておるのです。これはやはり何件が労働基準法に従っておるのか、何件が労働基準法に違反しておるのか、こういうことも調査をされていると思うのですが、現在依然として労働基準法違反の勤務をしております。これについては早急に、四十八年度から労働基準法に違反しないような勤務にするということを行政指導していただきたいのです。  呼称変更を法的に位置づける問題、そして労働基準法に違反している問題をどう対処しようとしておられるか、最後にお伺いしたいと思います。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 呼称の問題につきましては、これはことばの感じの問題でございまして、なかなかいい案と申しますか、いろいろ御意見も承っておるわけでございますけれども、ぴったりしたものが出てこないということで、いままで推移をしているわけでございます。法的な整備につきましては、これは先生のほうはちょっとお気に召さないかもしれませんけれども、教頭職の法制化などと一緒に法律の中に盛り込んで……(馬場分科員「違うやつを入れる必要はない。みそもくそも一緒じゃないか」と呼ぶ)何回も提出しておりますので、そういう法制化の方向にいっている点を御理解いただきます。  なお、労働基準法違反というような事態がもしあったとしますれば、これは御指摘を待つまでもなくたいへんな問題でございますので、私どものほうは定数の充足につとめておりますが、しかし現実問題としまして、定数はいっておるけれども採用の問題等がございまして、そういう事態があるということでございましたら、それは改善の方向に向かって指導してまいりたいと思います。

馬場昇日本社会党

○馬場分科員 労働基準法違反があるとすればなんて、あることはわかっているのです。これはわざわざ隠しておられるのじゃないかと思いますが、時間が来ましたので、いずれまた違う場所で、こういう問題についての議論をしたいと思います。  質問を終わります。

黒金泰美自由民主党

○黒金主査 次に、金子みつ君。

金子みつ日本社会党

○金子(み)分科員 私は、きょう文部省の方々に、一般教育ではなくて、看護婦の教育に関してお考えを少し伺わせていただきたいと思います。大臣は、あまりふだん看護婦の教育の問題については接触していらっしゃらないかもしれませんが、しかし、これは文部省の御所管でございますので、お答えをいただきたいと思うわけでございます。  御承知のように、現在、看護婦の教育というのは高等学校卒業が有資格になっております。高等学校を卒業した者にその後三年間の、文部大臣が指定なさった学校あるいは厚生大臣が指定なさった養成所を卒業して、国家試験に合格することによって看護婦の免許を取得するというのが現在の法律の規定でございます。  日本では元来、病院の自由のもとで看護婦の養成をしておったという歴史的な経緯がございますので、看護婦養成というのは主として病院がその責任を持つようなかっこうになっておりましたために、所管は従来ずっと厚生省の所管になっておりましたということも、御承知でいらっしゃると思います。それが昭和二十三年の終戦のあとでございますが、保健婦助産婦看護婦法が制定されまして、この法律が制定されましたことによりまして、この法律の省令として、文部、厚生両方の共同所管として省令がつくられるようになったわけでございます。したがいまして、この省令が発動するようになりましてから、文部省も積極的に看護婦の教育を行なうということになったわけでございますが、こういうことは大臣も承知していらっしゃいますでしょうか。——そうしますと、私ども看護関係の人間といたしましては、元来、教育は教育の責任所管である文部省が担当すべきであるという考え方をずっと持ち続けてきているわけでございますが、先ほど申し上げましたような歴史的な経緯がございまして、両方にまたがった教育の取り扱いになっているわけでございます。それで、教育の責任省である文部省の御所管であるならば、その文部省御所管の看護教育機関のあり方については、その他の養成施設よりも模範的であるべきだと、私たちは一般的に考えているわけでございます。  文部省では、現在、国立大学の医学部に付属看護学校を持っていらっしゃるわけですね。これは直接御所管していらっしゃいますね。それで、大学医学部付属看護学校という組織の中にこの学校が位置づけられているわけでございます。病院付属ではないわけでございますね。ところが、組織はそのようになっておりますけれども、その学校を運営するために必要とされる予算、これは、学校のために予算は別ワクでつくられておりましても、病院の会計を経由して看護学校へ流されているという事実がございますね。これはどういうことなのか、私どもは理解に苦しむわけなんです。病院経由でまいりますれば、病院付属の看護学校というそしりを免れませんし、また事実そのような制約を受けないとは言いかねないと思うのです。幾つも事実があります。きょうは一つ一つ事実をあげておりますと、時間がございませんのであげませんけれども、そのような形になって、その辺は非常にあいまいだと思うのですけれども、責任を持って看護教育を医学部付属看護学校として運営なさっていらっしゃるのなら、なぜ予算の取り扱いを病院経由で、病院付属の学校のような形にしていらっしゃるのか、まず承りたいと思います。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 私ども、国立学校に対します予算の配分は、各国立学校に対しまして一括いろいろなものをまとめて大学当局に配分をいたしております。そしてその中をどのように処理するかは、あげてそれぞれの国立大学の扱いにゆだねておるわけでございますが、いま御指摘のように、看護学校はその実態といたしまして病院との関係が一番緊密でございますし、看護学校の運営上どうしても医学部及び病院の関係者を中心にして看護学校の教育運営をいたしておるわけでございますから、各大学におきましては病院自体大きな経理を持っておりますが、そこと一緒に合わせて予算を令達して処理するということのほうが、運営上適切であるという判断に基づくものと考えております。

金子みつ日本社会党

○金子(み)分科員 お考えはわかりましたけれども、結局、結果的にはそれがマイナスになっていることを私は申し上げているわけなんです。たとえば、大学の予算というのはたいへんにむずかしくて、看護教育だけのためにどれだけ予定されているかということをお尋ねしても、なかなか正確に出てまいりません。これは大学の予算のつくり方によってそういうことが起こってくるのだろうと思いますけれども、はっきりわかりませんけれども、しかし、不足のところは病院が補っておりますので、そのほうがよろしいんだ、こういう御返事をいただいたことがあります。それは事実でございますね。不足のところは病院が補ってくださるのはたいへんいいように思いますけれども、病院が補ってくださることが、病院から制約を受けるということになるのです、結局。教育の自主というのはなくなって、病院側の都合ということが先に出てくる。これはやはり予算を持っているところは強いです。そういうことで、長い間非常に学校側は泣いているわけなんです。そのお考えは、逆に欠陥が出ているということを理解していただきたいのですが、それはいかがでございましょう。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 確かに看護学校のほうから考えますならば、何か病院のほうでめんどうを見てくれておりましても、非常にやりにくいという立場も場合によるとあり得るかと思います。しかしながら、一面から見ますと、こうした現在の病院との関連で運営を円滑にしたいというふうに考えております。国立の看護学校等は、規模その他が必ずしも大きなものではございませんから、別建てにして経理を処理するということが、かえって経費の効率的な運用を妨げるという面もあるわけでございまして、運用のしかたいかんによりますならば、私は、いまのように大きな医学部及びその病院の経理の中で処理をしていくことのほうが、適切な面もあるのではないかというふうに思っております。しかし、いずれにいたしましても、現在までとってまいりました病院との関連で運営をしているような看護教育の体制というものは、必ずしも十分なものでないというふうに考えておりまして、むしろ経理そのことというよりも、今後の医療関係技術者の教育につきましては、もっと基本的に教育の体制を考え直したほうがいいんだというふうに思っておるものでございます。  そこで、先刻御承知のことと思いまするけれども、看護及び技術関係の短大ということで、正規の行政の学校に体制を整えるそのことが、ただ経理のみならず、運営、教育自体を適切にする方法と考えまして、逐次その整備をはかっておるところでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)分科員 いまのお話によりますと、経理そのものよりも、基本的な問題のほうに問題があるというお話で、そのことは私も続けてお尋ねしたいと思っている点でございますが、しかし、それにいたしましても、その短期大学なりあるいは四年制大学なりに昇格させるという問題につきましても、現在、国立大学の医学部の付属看護学校は二十五あるわけでございますね。二十五のうちわずか三校だけがいま短期大学になっている。一カ所は正式になり、あと二カ所はいま移行しつつあるという状態でございますが、私の記憶に間違いがないといたしますならば、文部省が、いま局長が御説明されましたように、基本的な教育制度を改めるべきだという、そのほうが重要な問題であるということで、短期大学に昇格させる問題を計画としてお進めになっていらっしゃったということは存じ上げております。たしか昭和四十二年に最初の学校が、大阪大学に医療技術短大として出発したのを覚えておりますけれども、そのときの文部省の御方針といたしましては、いま局長がそのようにおっしゃいますが、もっと具体的な御計画が出ていたと思うのでございます。たとえば、二十五の国立大学の看護学校は全部短期大学に昇格させる、しかし時間的な経緯があって一ぺんにはなれないから、さしあたりブロックに一カ所ずつを毎年つくっていくのだという御方針でございました。非常にそのことは進歩的であると思って喜んでおりましたのでございますが、四十二年に大阪大学にできまして以来今日まで、わずか三校目がやっと移行しているにすぎない。本来ならば五校すでに動いていなければいけないはずのところなのですが、その御方針が途中で中断なさったのでございましょうか。それとも何かまた新しい別の御計画がおできになったのでございましょうか。その辺、伺わせていただきたいと思います。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 いま御指摘のように、当初これをつくってまいりますときに、さしあたりブロック単位というような考え方をとって、ひとつ充実したものをつくっていきたいという構想があったことは事実でございます。その大学をつくりますにつきましては、やはり看護関係の大学を設置するにつきまして、中心になって盛り立ててきた関係者の方々の理解というものが得られなければなりません。私どもが紙の上に計画を立てましても、事柄がなかなか、関係大学に呼びかけましてもそのようにスムーズにいかない、そういう諸事情が起こりました。これはいろいろな面で相談を持ちかけました大学の内部事情、あるいは設置する短大の場所、その他諸条件との関連から、−計画が、私どもの当初予定いたしましたように毎年順調に伸びていくということになってこない。このことから、今日まで三校しか短期大学が出ていないという状態でございます。  しかし、私どもといたしましては、できるだけ早く体制の整備をいたしまして、短期大学がつくれるように呼びかけて毎年努力をいたしております。四十八年度も遺憾ながら、今回御審議をいただいております予算では、東北大学の医療技術短期大学部一カ所にとどまっておりまするけれども、これはやはり看護短大をつくるにつきまして、教官その他の陣容の整備ということにつきまして関係者の協力と準備が整わなければ、紙の上のプランだけで実行できないという事情があったからでございまして、私どもは、今後一そうこの関係の理解を得て、たくさん整備できるように進めていきたいものだというふうに思っております。

金子みつ日本社会党

○金子(み)分科員 いままでできた学校の場合もそうでございますけれども、実情を伺っておりますと、いつの場合もそうでございますが、大学の側から要請し、声を出さなければ、文部省の側からはお声がかからない。それは文部省のお考えは、大学の自治があるから介入はできないんだというふうなお考えがあるようにも伺っておりますけれども、大臣、この問題は、もし本気で看護教育を正規のルートに乗せるということを文部省が積極的になさろうというお考えでいらっしゃいますならば、なぜもっと強力に積極的に大学に呼びかけをして、そうしてできるような体制を援助するような方向にお進めになれないのでございましょうか。その点お伺いしたいのです。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 私も事務当局から、各大学医学部にあります付属看護学校を、準備の整ったところから医療技術短期大学部に改組していくんです、こう聞いておったわけでございまして、いま金子先生のお話を伺っていますと、それではやはりなかなか事が進まないのかなということを、伺いながら考えておったところでございます。やはり文部省で計画を立てまして、それを大学当局のほうに連絡する、そうして両者合わせてその方向に努力していく、この姿勢が必要だなと、お話を伺いながら考えておったところでございます。  今日の医学の進歩、医療技術の高度化、専門化、これに対応できますように、すみやかにその姿勢を整えていく必要が非常に大きいと思いますので、いま申し上げますような方向で努力をしていきたいと思います。

金子みつ日本社会党

○金子(み)分科員 局長、何かまだおっしゃることがございましたらどうぞ。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 いま大臣がおっしゃいましたように、私どもとしても積極的に大学に進める努力をいたしております。しかし、このことにつきましては金子委員も十分御承知のことでございますが、教官の体制その他いろいろのことがございまして、私どもの気持ちだけでは事が進まないというのが現実でございます。四十八年度につきましても、できれば一つでなくて二つということも考えましたけれども、教官の整備その他も整いませんので、やむを得ず一カ所ということでいま御審査をお願いしているような事情がございます。ですから、文部省の気持ちは、かなり積極的に考えていきたい、そういうふうに思っておりますが、もっといろいろな体制をそこへ整えていくという必要を、いま感じておるところでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)分科員 それでは続けてお尋ねさせていただきたいのでございますけれども、いま一つ伺いたいことは、いま短期大学のお話を進めていたわけでございますが、元来看護教育の本命といたしましては、短期大学を目標に置いているのではないのでございまして、看護教育は四年制大学に持っていくということを考えられているわけでございます。文部省では四年制大学として看護の専門性を明確にして、そして質の向上をはかるために必要であるということから、昭和二十八年に東京大学に医学部衛生看護学科というものを設置なさいましたが、それ以来四年制大学は一つも進んでいないわけでございます。むしろ、地方自治体あるいは民間に四年制大学ができていっているという実情がございます。  そのことはそのことでまた一つ評価できることでございますけれども、問題は、いま八カ所の四年制大学、十五カ所の短期大学がございますが、それらの学校でいま一番困っているのは、有資格者の教師の問題でございます。この有資格者の教員をつくるという目的からいきましても、やはり短期大学ではその資格はないわけでございますから、短期大学に力を入れるよりは、むしろ四年制大学に力を入れることこそやるべきことではないかと考えますが、文部省ではどのようにお考えでいらっしゃいましょうか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 事情は、いま御指摘のありましたとおりでございまして、私どもも、短期大学をつくるにいたしましても、大学の教官を養成するということの必要をかなり強く感じるようになってまいっております。したがいまして、医科大学の創設その他もいろいろと急がれておるわけでございますが、今後、ただ単に医科大学ということだけではなくて、医療関係者の養成のための大学のあり方についても積極的に調査もし、検討を進めていきたいというふうに考えております。

金子みつ日本社会党

○金子(み)分科員 同じような例でございますけれども、すでに御承知のように、高等学校に衛生看護科というのができるようになりまして、その高等学校の教師をつくるために、御所管が違うかもしれませんけれども、教育学部の中に特別教課(看護)教員養成課程が全国で四カ所できておりますね。ここの卒業生は高等学校の教師になるというのが目的でつくられたわけでございます。もちろん、卒業生がはたして全部高校へ行っているかどうかわかりません。それは義務がございませんから自由でございましょう。しかし、文部省としては御方針としてそれをお出しになったわけでありますが、高等学校の看護科の教師になるためには、四つの国立大学がその課程をつくっておりますのに、看護短大、看護大学につきましては、文部省はたった一つ、東京大学に保健学科、前の保健衛生学科を持っているにすぎない。これは非常な片手落ちではないかと思います。看護教育の推進のために文部省が率先して教師の養成——教師の養成という言い方は正しい言い方ではございませんけれども、大卒の人でなければ教師になれないという考え方からいたしますれば、それを含めた考え方で看護の大学をさらに積極的に進めるということについて、具体的な御方針を立てていただきたいと私は思うのでございますけれども、それはむずかしいことでございましょうか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように、今後、医療関係者の教育の体制をどう進めるかということは、私ども検討を急いでおるところでございまして、そういう点から今回、医科大学につきましても国立で三医科大学の創設をお願いするというような御提案を申し上げております。また看護関係につきまして、国立では確かに東大の医学部保健学科が早くできたままあと後続なしということでございますが、公立で高知の女子大学がある。あるいは聖路加の看護大学などはある意味でこの面での業績を非常にあげてくださっておりますし、私立の短大もかなりできておりますから、私どもは、今後の看護関係者の養成として、国立のみならず公私立のあり方につきましても、十分前向きに進めるような方策を考えてみたいと思っております。

金子みつ日本社会党

○金子(み)分科員 高等学校の卒業生がその進路をきめます場合に、その目標を看護に定めたと仮定いたしまして、看護学校における入学率の様子などを見ておりますと、四年制大学が一番入学率が高うございます。たとえば、聖路加の場合も十倍以上の競争率であります。それから短期大学は五、六倍の競争率、各種学校である三年課程の学校は平均三・三倍というのが全国平均でございます。そのように水準の高い、学識のある資格のとれる学校がみんなの目標になっているわけでございますが、いまそれがないものですから、やむを得ず各種学校に入っていっているわけです。私は、非常にもったいないと申しますか、人材を失う感じがいたします。ですからいまからでも、短期大学の御計画もさることながら、私はむしろ文部省には、本命である四年制大学の推進をぜひやっていただきたいと思うんです。  それで大臣にお願いしたいんでございますけれども、これを具体的に、できるだけ早急にお進めになる御方針がございますかどうか、お聞かせ願いたい。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 先ほど来話し合いのありますような方向できておるわけでございますけれども、看護大学のあり方などにつきましても、四十八年度において調査をしようということで調査費を計上しているわけでございます。いまお話の出ましたようなことも、短大よりもむしろ四年制のほうの希望が多いんだというようなことを伺いますと、これまでとってきた考え方でいいのか悪いのか、若干問題があるようにも思いますので、幸い調査することになっているわけでございまして、そういうことも含めまして、必要な対応策がとれるように考えていきたいと思います。

金子みつ日本社会党

○金子(み)分科員 四年制大学が具体的に実現するまでには、まだしばらく間があるんじゃないかと思います。ことし御方針をお立てになってもすぐには出発できないかと思われますので、その間、各種学校をそのままにしてほっておかれるということでなくて、このほうにも手を打っていただきたいと思うわけでございます。  それで、時間がございませんので詳細にお話を申し上げていることができませんけれども、私はここで一つ提案を申し上げたいと思うことがありますので、このことを真剣に検討していただきたいと思うのです。  それは何かと申しますと、先ほど申し上げましたように、現在十五校の看護短期大学がございます。高卒三年で、各種学校の場合と全く同じなわけですね。それで、昭和四十一、二年であったかと思いますが、中央教育審議会が、「後期中等教育の拡充整備についての答申」というものを出されておりまして、この拡充整備の答申の中に、従来、家庭とか農業とか工業、商業と分けられておりました学科の中に看護というのが追加されて、そして高等学校の衛生看護科と准看護婦養成所との連携教育が実施されてきている。今日、百十七校が指定されておりますが、この連携教育の問題を、三年制看護短期大学と三年制看護学校との間で実現できないかどうかということの御検討が願いたいわけでございます。  それで、これは御承知だと思いますけれども、省令が四十二年に改正になりました。そして四十三年の四月からの入学生に対してはカリキュラムが全面的に改正になったわけでございます。このときのカリキュラムの改正では、短期大学に準じた教育をするということが一つの目的でございました。ですから教養科目も二〇%入れ、一般短大が持っておりますのと全く同じ一般教養科目を看護学校が持った。そして単位制で計算できるようにカリキュラムの時間数も計算して、そしていつでも短期大学に乗りかえられるという体制をとったわけでございますね。ですから、内容としましては私は問題はないと思うのです。  そういうようなことで、この現在ございます各種学校も、大学に所属していらっしゃる、お持ちになっていらっしゃる学校もあるいはそうでない学校も同じでございますから一その学校と看護短期大学との連携教育ということが実現可能ではないかと思います。この点について、実現させるということを前提に御検討がいただけるかどうか、お尋ねしたいのです。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 高等学校の段階でとられておりますような、正規の学校教育以外の教育機関と一部について連携をとるという考え方が、大学のレベルでとれるかということでございますが、これはなかなかむずかしい問題を含むと思います。そしていま御指摘がございましたように、看護関係者の養成を急がなければならない、また拡大しなければならないということに、適切にかみ合っていくものかどうか。お話しになりましたように看護短大、国公私立合わせて全国で十五校しかない現在におきまして、その連携ということの実質的な意味というのも、かなり考えてみなければならない点があろうかと思います。むしろ私はいままで看護関係の、いわゆる各種学校でございますが、養成課程で充実したものがある場合に、それができるだけ早い機会に短期大学、あるいはほんとうに充実したものは四年制の大学に発展、転換できるような方策を考えることが、現実的な方途ではなかろうかというふうに思っております。  その意味では、御提案は確かに問題点の一つであろうかと思いますけれども、今後の施策を進めてまいりますにつきましては、むしろ充実した各種学校の教育を大学や短期大学に拡充発展させる方法ということを含めまして、今後の看護大学あるいは看護学部等の教育機関の拡充整備ということを真剣に検討したほうが、適切ではなかろうかと考えておる次第でございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)分科員 お話もよくわかりますけれども、そうすると、連携教育はもう頭からだめであるというふうに考えなければならないでしょうか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 大学教育は、高等学校までの初等中等教育の段階と異なりまして、教育の運営その他につきましては、大学の自主的な運営と方針にゆだねるという考え方を私ども一貫して持ってきております。大学に必要なカリキュラムその他を制度的にきめるということは、私どもの段階ではいたしてございません。そういう意味から申しまして、いま御指摘になりました課題に対応するには、むしろ充実した大学、短期大学を急速に拡充するほうが、目的にかなうのではないかというふうに思っております。

金子みつ日本社会党

○金子(み)分科員 私も、連携教育が至上のものだと思っているわけではないのです。短期大学もできないし大学もできないし、何もできないでそのままでいるから、せめてこれでもすれば、短大卒という資格がとれるので受験生が違ってくるのではないだろうか、そう思って申し上げたわけですから、これをぜひ進めてくださいと申し上げたわけではないのです。これはいまのやむを得ざる期間だけの臨時的な措置と申しますか、ちゃんとした大学なり短大なりに進んでいかない間の措置として考えるわけなんで、何もしないより、せめてこれだけでもすれば、十年後の短大とつながる、連携教育もできる。看護学校は幾つもあると思いますから、それをぜひ考えていただきたいと申し上げたわけです。そのことに積極的な意欲をお持ちにならない気持ちも私もよくわかりますけれども、しかし、何もほかのものには手がつかないでいるのでは困るから、それでしたら、四十九年度の、今度の予算を立てますときに、具体的にいまの局長のおっしゃった問題が予算の面にあらわれるような政策をぜひ立てていただきたいと思います。  それにしても、全部ができるとは思いませんから、全部できない部分につきましては、先ほど、最初にお話しいたしました看護学校の経理の面でございますが、これをもっと予算をふやして、病院から援助してもらわなくてもいいという段階の予算をつくって、そうして運営していただきたい。そうでございませんと、結果的に逆な結果があらわれて、せっかく考えてくださったことがあだになっているということを、ぜひしっかりとわかっていただきたいと思うのです。  このことを強く要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

黒金泰美自由民主党

○黒金主査 次に、村上弘君。

村上弘日本共産党・革新共同

○村上(弘)分科員 同和問題についてお尋ねします。  言うまでもなく、部落差別を撤廃することはたいへん重要なことですが、そのためには、まず第一に部落の住民の要求によくこたえること。当面、長期計画を早く策定してこれを実行すること。第二には、この実行にあたって公正であるということ。いやしくも差別を撤廃する行政が、新たな差別を許したり生み出したりするようなことがあってはならない。第一の問題については、きのうも解同の正常化全国連絡会議の代表の方々が各省庁に要求をいたしております。これの実現に、政府各関係当局が大いに努力をされたいことをまず要望いたしまして、きょう私は主として第二の問題、つまり同和対策を遂行するにあたって公正でなければならないという問題について、幾つかの点を質問したいと思うのです。  この問題については、六十八国会で、奥野さんも当時の渡海自治大臣に対して幾つかの点を取り上げて質問をいたしておりますが、あのような事態はいまでも一つも解決をされていないと言ってもいいんじゃないか。  たとえば、大阪市浪速区の市立、栄小学校の例ですが、在校生徒六百六十五人で、その親が解同府連、解同府連といいますのは、朝田善之助氏が委員長をしている解同のことですが、以後解同といえば、その団体のことということにいたしまして、その解同の府連浪速支部が組織しておる浪速教育向上会、これに加入している者には、市教育委員会の特別就学奨励費、これが適用される。たとえば入学支度金が、昨年度ですと、一人年間、入学のときに九千円、医療費だとか、給食費だとか、遠足費などがこの特就費で出されるわけですが、その親が解同府連の教育向上会に入会していない場合には、初めから適用を除外されておるわけです。昨年ですと、たとえば東八郎さんという人の長男の信幸君、こういう人をはじめとして二百九十五人が適用を除外されておる。つまり、浪速教育向上会に親が加入している児童が三百七十人で、加入していないほうが二百九十五人、こういうことになっているわけです。結局、二百九十五人は除外されておる。これはほんの一例ですが、こういうふうに解同に入っていないから、あるいは解同が組織した団体に入っていないから、補助金やあるいは資金の貸し付けや、住宅の入居などで差別扱いをされるというようなことがあってはならないことだと思うが、どう思うか。これは非常に簡単な質問ですが、それぞれの方から一言ずつまずお答えを願いたいと思います。

坪川信三自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○坪川国務大臣 同和対策は、御指摘のように、まことに国民的課題とも言うべき重要な問題であって……(村上(弘)分科員「いいか悪いか簡単に答えてください」と呼ぶ)いまの問題でございますが、あくまでも行政は公正を期さなければならぬ、こういうような方針で、同和対策の諸施策につきましても公正な見地から、これを指導、また対策を施す、こういうような方針であることを御了承願いたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 特別の団体に入っているかいないかで、国の施策の恩典を受けられる、受けられないというようなことは、あるべきでないと思います。

林忠雄自治省行政局長

○林(忠)政府委員 行政は、あくまで公平であるべきだという考え方でございます。

村上弘日本共産党・革新共同

○村上(弘)分科員 ついでにちょっと聞いておきたいのですが、現在、同和地域に居住しておられる方の人口、それからいわゆる解同、解同正常化全国連絡会議、全日本同和会、それぞれ何名くらいの組織になっているか、総理府のほうから。

今泉昭雄内閣総理大臣官房参事官

○今泉説明員 お答えいたします。  一昨年、四十六年の全国同和地区実態調査によりますと、同和関係人口は百四万八千五百四人でございます。  それから、解放同盟、正常化、同和会等の組織の現状でございますが、これは私どももつまびらかには調査したことはございませんが、それぞれの会の会長等にお聞きいたしますと、解放同盟は二十万から三十万人、同和会は十五万人程度、それから正常化は二万から三万人。これは一昨年聞いたものでございますが、そういうことになっております。

村上弘日本共産党・革新共同

○村上(弘)分科員 公称三百万といわれていて、東京などではなかなか実態が把握しがたいということもありますが、百万台というのは、少し実際よりは少ないのじゃないかと思うのです。私どもは、いわゆる解同、まあ二十万前後といわれていますが、実数は三、四万というふうに見ています。それから正常化の全国連絡会議で、いまおっしゃったように約二、三万、同和会のほうは、実数は実際はよくわからないというふうに聞いております。  いま、それぞれ文部、自治、総理府、各担当の方が、団体の所属や団体がつくった組織の所属のいかんによって差別の扱いを受けてはならぬという点は一致してお認めになった、こういうふうに思うわけです。もう一度お尋ねしたいのですが、こういうふうなそれぞれの団体が少なくともある。しかも、組織されておられない同和地域の方方はその組織よりもまだはるかに多い。したがって、その団体に入っている者だけを同和対策事業の対象者にするというようなことがあっては絶対に相ならぬということは言うまでもないと思いますが、もう一度総理府のその点についてのお答えをお聞きしておきたいと思います。

坪川信三自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○坪川国務大臣 ただいま御指摘になりましたような、そうした偏した考えは、絶対いたしてはおりません。またいたすべきでない、こう考えております。     〔主査退席、木野主査代理着席〕

村上弘日本共産党・革新共同

○村上(弘)分科員 ところが実際には、そういうことがあってはならないというような事態が幾らでもあるということですね。  堺市の例を見ますと、昨年の四月に、堺の市教育委員会は同和地区の子弟に夏服を支給しているわけですが、ここでも、保護者が朝田解同が組織しておる教育を守る会に入っている子供だけに夏服を支給した。入っていない保護者の子供は寸法さえはからない。これは不当だということで、地裁の堺支部に仮処分を申請して、やっとこさ支給されるようになったわけですね。支給すべきだということがきまってからも、現物を送るのに、堺市教委が送るのではなくて、解同府連の名や解同堺支部の名で送っているのです。そういうことでいろいろもめましたが、八月の終わりごろになって、時期はもう夏が過ぎますが、やっと支給をかちとったというようなことがあったわけです。  またこういう例もある。いまのは小学生ですが、幼児や乳児も、親の団体所属によって差別されている。たとえば、先ほど言いました地域になりますが、大阪市は昨年の四月の初めに、府下の同和地区の保育所の幼児一人について三千二百円、乳児一人について二千八百七十円相当の服装品を支給する保育特就費の申し込み用紙を父母に配付しているわけですが、前述の浪速区の東延さんら三家族、園児は四人になりますが、保育所の所長が、おたくは保育母の会に入っていないから支給はできません。また、その人の次女夕子ちゃん、二歳ですが、同じ理由で浪速第一保育所への入所を断わられておる。東延さんの実兄八郎さんの三男直人君も、同じ理由で入所を断わられておる。さらに、おなかの赤ちゃんまで差別されるのですね。藤原暁代さんという二十七歳のお母さんが赤ちゃんを出産したわけですが、同様の理由で同和地区妊産婦対策費を支給することを断わられておる。こんなふうなことが起こって、藤原暁代さんや東延さんや八郎さんはいま裁判をやっているのですよ。差別をなくするための行政が新たな差別を生み出しておるわけですね。  あなたもこの前に、そのことを渡海自治大臣に質問しているわけですね。こういうことはほんとうに改めなくちゃならぬ、よくないことだということは確認しました。改めなければならぬということはいままでも言っておられますが、その点についてどう考えておられるか、自治省関係に一言でお答え願いたいと思います。

林忠雄自治省行政局長

○林(忠)政府委員 行政があくまでも公平でなくてはならぬということは、先ほど申しましたように確信しております。それぞれの自治体では、公平を旨として行政を行なうよう心がけるべきものであると考える次第でございます。

村上弘日本共産党・革新共同

○村上(弘)分科員 繰り返して確認しているわけですが、ところで、こういう中で重要な問題は、地方自治体やあるいは教育委員会が、その所属団体によって差別するということを公然と制度的に認めているといいますか、そういうことがあるわけなんです。  たとえば、先ほど言いました入学支度金の場合を見ますと、大阪市の教育長石川多賀夫氏が出しておる文書があります。お手元に資料が渡っておると思うのですが、それは、去年の五月十三日付で、先ほど言いました東八郎氏あてのものです。「入学支度金、特別就学奨励費の申請について」この中身は、「大阪市の同和対策事業は、大阪市同和事業促進協議会を通じて実施する」と書いています。さらにその次には、「特別就学奨励事業も、」「大阪市同和事業促進協議会および同和事業地区協議会を通じて行なう」ので、申請書を出すのは、「地区の同和事業地区協議会へ提出してください。」こうなっておるのです。これは去年のことですが、ことしも同じことがやられておるわけです。裁判になってもですよ。  そして、これは皆さんのところへは渡っておりませんかね。この東八郎さんという人に、ことし大阪市の教育委員会の指導部の主幹の升田という人が出しておる文書があるわけです。東八郎氏外四名、計五名です。こう書いておる。「あなたがたの今回提出されました特別就学奨励費申請書は、受理条件がととのっておりませんので受理いたしかねます。」ということで、「受理条件としては」ということで三つあげておる。一つは、「特就費の説明会に出席」すること。第二は、「浪速地区協議会を通し」ということ。第三は、「大阪市同和事業促進協議会を経て大阪市教育委員会に提出」すること、こうなっておる。しかも、「ただし」とまだついておるのです。「地元においては、教育向上会に入会することが受給資格になっています。」こういうふうになっているのです。  そこで、浪速地区教育向上会長の田中勝という人が出している連名の文書があるのです。これは解同の浪速支部長と解同の教育対策部長と連名で教育向上会長田中勝という人が、ことしの二月二十日に、説明会に出席することという市教委の指導部主幹の文書を受けるような形で出ています。その「注意事項」の第二項はこういうことになっている。「昭和四十八年度特就費(入学・進級支度金)の要求を出された方は、向上会々員にならなければ特就費が受けられません。」ですから、上から下までまさに首尾一貫しているわけです。組織的にそういうふうになっておるわけであります。これは大阪の例ですが、そういう例が全国的に各所にあります。  福山市ではこういうことがある。同和事業の住宅改修資金制度というのがあるが、これを適用する場合、福山市長は福山市の朝田解同の協議会と確認書をかわしているわけです。確認書は(イ)、(ロ)、(ハ)となっていますが、(イ)では、「交渉団体は中央本部につながる福山市協議会を唯一の交渉団体として認め、その他の団体は認めない。」とはっきり書いてあります。(ロ)では、「同和事業は全地域を対象に行う。」と一応書いているが、「未組織の事業は無定見におこなわない。解同の意見を聞いておこなう。」こうなっておる。(ハ)には、「中央本部につながる福山市協を補助対象団体として認め、その他の団体は認めない。」これは四十四年八月四日に取りかわされた文書ですが、これが現在、石井広保さんと岡田俊男さん、岡田堅二さん、解同正常化連に加盟している三名の方が、こういう確認書に基づいて適用除外されて、裁判を起こしているわけです。  例をあげれば一ぱいあるわけですが、こういうふうな事態、つまり解同を通ずるということ、それでそれ以外の団体に属している者を同和対策事業の適用から除外しているわけですね。それが制度化されているわけです。こういうことを一体、どうですか、これはいいことか悪いことか、総理府の返答を得たいと思います。

坪川信三自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○坪川国務大臣 先ほども申しましたように、行政の公平化を確保するということは絶対的な方針であります。私どもといたしましては、そうした方針で臨んでまいりたいと考えております。

村上弘日本共産党・革新共同

○村上(弘)分科員 私が言ったことに対して、そうだという意味の返事をしたのか、別のことを言うたのですか、もう一ぺんはっきり言ってください。

坪川信三自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○坪川国務大臣 いま御指摘になりました具体的な細部にわたっての問題は、やはり正確を期する意味かと思うのでございますので、直ちに私が、それを客観的にも主観的にも意見を申し上げるということよりも、同和対策に対しましては、あくまでも公正な立場に立って行政を行なうという方針であるということで御理解いただきたい、こう思います。

村上弘日本共産党・革新共同

○村上(弘)分科員 あなた方も、人によって返事をそらしたり、はっきりしたりするようなことがあってはいかがかと思うのですが、奥野文部大臣はかつて渡海自治大臣に質問されたときに、住宅入居の問題、資金の貸し付けの問題などについて、解放同盟に入っていない者を適用しようとすると、抵抗を受けるとか、非常なトラブルが起こるということを言われて、また差別を生んでくるのじゃなかろうかと心配している、それでこういうことは事実だろうと、こう質問しているわけであります。それに対して渡海自治大臣は、「実態は、いま奥野議員の指摘されましたような実態があることは私もよく承知いたしております。」こう答えているのですよ。その点は、あなたが質問されたとおりであるわけですが、いま私が指摘したようなことは、そういう実態はないと思うか、あると思うか、あなたはどう思われるか。それで、そういう実態があってはならぬと思うが、どうか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 たいへんひどい姿になっているなと、心配いたしておる一人でございます。

村上弘日本共産党・革新共同

○村上(弘)分科員 先ほど言ったような団体を通ずる、それを通じなければ適用しないということまではっきり書いているわけです。これはわれわれは窓口一本化と言っているし、朝田解同も窓口一本化とこう言っているのです。こういう窓口一本化は不当であるというふうに、いままでのことからいって当然言わなければならぬと思うのです。総務長官、どうですか。

坪川信三自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○坪川国務大臣 窓口の一本化という問題、それが、いわゆる行政の上においての執行の場合に公平に行なわれておるということであれば、私は適当だと考えております。

村上弘日本共産党・革新共同

○村上(弘)分科員 先ほど言ったような実態があるのです。奥野文相もこれほど具体的な事実をあげて質問したのではないのです。人から聞いたくらいの話で質問しているのだ。全日本同和会の幹部やある市会議員からこんな話を聞いた、そしてこれはたいへんなことだという質問をしたら、そういう実態があると思いますと言っておるのですよ。そしてそういうことがあってはならぬと言っているが、いま具体的な事実を私は指摘して、そしていま申し上げたように、明白にある団体に入っていない者には適用しないとまで言っているのです。これは窓口一本化なんだ。これは窓口一本化ということ、これ以外に何かあるのかどうかお聞きしたい。

坪川信三自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○坪川国務大臣 それ以外にあろうというような想像は、何もいたしておりません。

村上弘日本共産党・革新共同

○村上(弘)分科員 であるならば、そのような窓口一本化はしてはならないことだ、改めなければならぬことだということを、認められるかどうか。

坪川信三自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○坪川国務大臣 私は、その実態というものをいろいろと報告なども受けておりましたし、いろいろとそうしたことのあることも承知いたし、いま奥野文部大臣もこれを憂えておられるということを考え、私も奥野大臣と同じような気持ちがあります。当然だと思います。しかし、そうした意味において、やはりあらゆる角度から公平を期したいということであることを、ひとつ御了承願っておきたいということであります。

村上弘日本共産党・革新共同

○村上(弘)分科員 わかったようなわからないようなことですが、六十八国会の内閣委員会で、わが党の東中議員が渡海自治大臣に窓口一本化のこの点を質問したときに、渡海自治大臣はこう答えている。「窓口を一本化して、そういうふうな特定の団体だけに不公平な行政を行なうことは間違っておる、それらがはっきり改められるというふうな指導をいたしておりますが、」こう述べております。これは奥野さんも質問された観点でもあったし、そういうことがあってはならぬと、いまもおっしゃったのですが、総務長官はもう一ぺん、窓口一本化はよくない、改めなければならぬということを認めるのか認めないのか、はっきりしてください。

坪川信三自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○坪川国務大臣 一本化のそうした事態のあるということは、もちろん私はあるべきではない、こう考えております。

村上弘日本共産党・革新共同

○村上(弘)分科員 不公平な扱い方をしてはならぬということまでは皆さんがおっしゃっている。不公平な扱いをするしかけが窓口一本化なんです。しかも、具体的な事実を私は指摘をして申し上げているわけです。不公平なことはやっちゃいかぬ。それを制度化するようなしかけがある場合に、そのしかけはあってはならぬものだ。こういうものは改めなくちゃならぬ。窓口一本化をやってはならぬ。これは前の渡海自治大臣も、間違っておるということを改めるように指導しておる、そういうことを認めた。いまの総務長官は、そういうことはすこぶるはっきりしないと思うが、どうなんですか。

坪川信三自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○坪川国務大臣 さようなことがあってはならないということは、もちろんであります。

村上弘日本共産党・革新共同

○村上(弘)分科員 さようなこととは何ですか。

坪川信三自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○坪川国務大臣 窓口一本化によって受けるというようなことがあってはならないということは、もちろんでございます。

村上弘日本共産党・革新共同

○村上(弘)分科員 そういうふうなことがあってはならないということは、ではどういうことを政府はいままで手を打ってきたのかということが、当然問題になるわけです。  その点では、昭和四十五年十一月十八日に建設省の住宅局長が、「特定目的公営住宅等の入居事務について」という文書を出して、「入居者を一部特定の団体に加入している者に限る等の違法な取扱いは絶対に行なうことのないよう厳に注意されたい。」こういう文書を出しているわけです。たとえば東大阪市の蛇草というところでは、改良住宅が去年の二月建てられた。ところが、その入居をめぐって、解同正常化連の加盟者は入居をさせない。つまり、加盟団体が違うからということなんです。窓口一本化なんです。そしてかぎを解同朝田派の者が握っているわけです。これもまた現在裁判になっている。ここでは同和地域の人口が約三千人、朝田解同が約百五十人です。正常化連の加盟者が六百七十五人です。にもかかわらず、こういうことがいわば市との確認書を通じて制度化されている。それで裁判になっている。住宅局長が、これは違法であるといっているのです。特定の団体に加盟している者に限る等の違法な取り扱いは絶対に行なってはならぬ、こういっている。その問題について、窓口一本化があってはならないということを総務長官は言っているわけですが、それを改めるためにどういう手を打っているか、その点を聞きたいと思います。

坪川信三自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○坪川国務大臣 そういうようなことがあってはならないという立場から、総理府といたしましては、各省との連絡協議会を累次にわたって開きまして、そうしたことのなきよう行政配慮をいたす調整を、総理府はいたしておることは御理解いただけるのではないか、こう思っております。

村上弘日本共産党・革新共同

○村上(弘)分科員 それで、どういうことをやってきているのですか。

坪川信三自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○坪川国務大臣 詳しい内容については、政府委員をして答弁させます。

今泉昭雄内閣総理大臣官房参事官

○今泉説明員 同和対策協議会の事務的な各省の連絡会といたしまして、同和対策協議会の幹事会がございますが、その席上において、関係各省とともに、特定の団体の加入の有無によって事務の公平を欠き、不公平な取り扱いがあってはならないというような、お互いの意思統一をいたしております。

村上弘日本共産党・革新共同

○村上(弘)分科員 住宅局長の文書を見ても、これは違法であるといっているのです。違法なことが、文書を出されておっても、なおまかり通っておるわけです。そして総務長官は、各省が寄ってどうしたらいいか相談しようと思っている、こんなのんきなことをいまでも言っておる。憲法第十四条、法のもとの平等、つまり、「すべて國民は、法の下に平等であって、人種、信條、性別、血色的身分又は門地により、政治的、経済的又は社會的關係において、差別されない。」とある。また地方自治法第十条第二項には、「住民は、法律の定めるところにより、その属する普通地方公共団体の役務の提供をひとしく受ける権利を有し、その負担を分任する義務を負う。」こう規定されておるわけですが、窓口一本化は、住宅局長がかつて通達を出したように、単に不当であるだけでなしに違法であるということが明白であると思うが、どうですか。

坪川信三自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○坪川国務大臣 総理府といたしましては、いま申しましたように、絶えず各省庁の幹部との連絡協議会を開いて、そうした問題点を十分指摘いたしながら、そうした不公平の措置のなきよう、最善の措置を講ずるよう指導いたしておるということでございますので、いまお話しになりました点の実態というものにつきましては、さらにわれわれの主宰いたします連絡協議会にそうした事例を申し述べて、かかることのなきよう、いろいろの措置を講じてまいるということは当然でございます。

村上弘日本共産党・革新共同

○村上(弘)分科員 窓口一本化は明らかに憲法違反であるし、地方自治法の住民の権利の条項に違反しておる。これはもう明白です。違法なそういう状態を早くなくするということのために関係当局が努力を払うべきだ、これも当然だと思うのです。  ところで、こういう窓口一本化による行政に対する介入や干渉というものは、単に同和行政の面だけでなくて、奥野さんが担当しておられる同和教育の面にも及んでおるわけです。同和教育の内容や教育の人事にも及んでおって、きわめて深刻な事態なんです。  たとえば大阪では、昭和四十四年三月以来いわゆる矢田問題というのが起こっています。それから四十六年十二月以来淀商高問題というのが起こっています。それから四十七年四月以来吹田二中問題というのが起こっています。これはすべて解同朝田一派の組織による介入、干渉によって、教育の人事あるいは教育内容がいろいろと左右されておる、こういう状態が生まれておるわけです。  たとえば矢田問題を見ますと、これは昭和四十四年三月、大阪市教員組合の東南支部の役員選挙のときに立候補した木下という先生が役員選挙のあいさつ状を出した。ところが、このあいさつ状の内容が、朝田解同矢田支部の一部幹部から、これは差別文書だ、こういう不当な言いがかりをつけられて糾弾されたことからこの問題が始まっているわけです。  では、このあいさつ状の内容はどうかといえば、こういうことです。「労働時間は守られていますか。自宅研修のため午後四時頃に学校を出ることができますか。仕事に追いまくられて勤務時間外の仕事をおしつけられてませんか。」「教育の正常化に名をかりたしめつけや管理がありませんか。越境、補習、同和などどれを取上げてもきわめて大事なことですが、それに名をかりて転勤、過員の問題や特設訪問や研究会や授業でのしめつけがみられて職場はますます苦しくなります。」これがあいさつ状です。この文書が差別文書だ、こう言っておるわけなんです。これがもし差別文書だとするならば、これはもう六十八国会の奥野議員の質問なんかも大差別ですよ。これは抵抗を受ける、トラブルが起こる、新たな差別を生んでおるなんて追及しておるのですから、あなたは差別者ですよ。こういうふうな言いがかりをつけて、そして差別者として暴力的糾弾が始まっているのです。そしてこの解同朝田一派の言い分に対して大阪市教委は言いなりになっている。十一人の先生があいさつ状に推薦人として名前を並べておるのですね。この十一人の先生も差別者だということになっておる。そのうちの八名の先生は授業を奪われて、それまでの労働慣行であった本人の意思を全く無視して、年度途中に一方的に配転させられておる。昭和四十六年の二月から、そのうちの八名は、大阪市教育研究所に入れられておるわけです。今日まで約三年半教育の現場から離されておるわけです。大阪市教委はことしの二月にも、市教組の大会決定の現場に復帰させるべきだという決議を無視して、引き続き研究所勤務を命令しておるわけです。さらに、こういう木下文書が差別文書であるということを踏み絵にして、教員人事だけじゃなしに、あらゆる面に糾弾と介入が及んでいっている。  たとえば、最近の事例としては、これは大阪市役所のほうですが、昨年八月末まで浪速区の青少年会館で同和事業指導員だった橋本浙子さんという二十五歳の人が、矢田問題を差別と見るか見ないかと聞かれて、認めないということを言ったら、それを理由に職場を追われて、六カ月近く中之島の中央公会堂の一室に事実上幽閉されておる。研修をやりなさいという理由で職場から引き離されて、幽閉状態に一人で置かれておるわけです。橋本さんは昭和四十五年の春に浪速短大二部を卒業して、私立の栄隣保館の学童保育指導員となって、学童保育の創立期の基礎づくりを一生懸命にやっておった人です。朝田一派の圧力で大阪市がそういう措置をとりて現場から離れたときに、「先生がいてへんようになって子供と泣いていました」と父母が語っているのです。こんなふうなことが起こっておるのです。不適格者じゃないことは明白です。ところが配置転換された。学校の先生もそういう言いがかりで配置転換されておる。  こういう窓口一本化が教育面にまず及んで、教員人事が彼らによって左右されておるという事態について、奥野さんがかつて質問をしたことが、より深刻に教育の面に及んできております。こういうことはないと思われますか。そういうことについてはどう思われますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 窓口一本化ということばを使っておられますが、私は、行政権に対する不当な介入だと思います。そんなものは窓口の一本化と言うべきじゃないと思います。お話を聞きながら非常に心配になりました。同和問題に関係をしておられる方が、これまで多年努力をしてこられ、その過程においていろんな変遷をしてきておるようでございます。できるだけ融和策をとっていこうと考えられた時代もございましょうし、むしろ問題を掘り出して、そしてそれを剔抉して解決していかなければ、とても真の解決にならないという考え方をとられた時代もございます。いろいろございけすけれども、私は、いまの部落解放問題をやっておられるあの方に対しまして非常な疑問を持っておりまして、これではほんとうに同和問題を根本的に解決しようとしていくのに、むしろ障害になるものが出てきているのじゃないかというように、深く心配している一人でございます。

村上弘日本共産党・革新共同

○村上(弘)分科員 この点では、奥野文部大臣とは大いに一致する点があるわけです。行政権に対する介入、朝田解同一派からいえばそうです。しかし行政の中から見れば、解同朝田一派を唯一の交渉団体とし、彼らの言うことだけを対象者として認め、予算をも行使しているという側面から見れば、これは窓口一本化という関係にあると思う。そういうことがあってはならぬことだ、もう許しがたいことだというふうに文部大臣はおっしゃったわけですが、なぜこんなことがまかり通っておるのか、この点についてもうちょっとお聞きしたいと思う。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 私は、率直に申し上げまして矢田の問題もよく知りません。いまお話を伺っておったところでございます。同時に、ここにいただきました大阪市の教育長から出されている文書、どうしてこれが大阪市議会で問題にならなかったのだろうかという気がいたします。行政というものは市民全体を対象にして行なわれるべきものでございますだけに、私は、十分に当該自治団体において論議をしていただきまして、行政が公正に運営されますように住民全体の監視を強めていかなければならない、そういう気持ちを強く持っている一人でございます。

村上弘日本共産党・革新共同

○村上(弘)分科員 文部大臣が、大阪市議会においてこういう問題を不問に付するならば、むしろそこに問題があるのじゃないかと言われたこと自体も一つの大事な指摘だと思うのです。当然そうあるべきだろう。また、そういう問題を取り上げても応じないような議会はどうかと思う。私もそう思います。  そこで、教育人事や教育内容に対する介入、干渉、つまり行政に対する介入であると同時に、教育行政、教育内容、教育人事に対する介入、干渉というのも制度化されてきておるわけですね。  これは尾道の例ですが、尾道市の教育長が、「昭和四十七年度同和教育行政の構想について」という文書を出した。この文書を見るとこういう文章が出てきます。これを文部大臣どう思いますかね。この中では第一に、「副読本「にんげん」の教材化について」という項があります。「本年度、全国解放教育研究会編「解放教育読本にんげん」を市内小中学校全教職員に配付し、教材化の研究を進めてきました。」こういう項目があります。それから、第二点としてはこういうことがある。「今後は、部落解放同盟の」というのは朝田一派ですが、「いっそうきびしい点検を受ける中で「にんげん」をとりあげる本質的な意義が教育現場でじゅうぶん理解されるように努め、徹底した学習を進める中で教材化するよう努力します。」教育委員会が言っているのですよ。第三にこういうことも出てくる。「研究用図書費は、教材「にんげん」(各四冊ずつ)全教職員に配付することに全予算を用いたため、その他の図書購入費は保障し得ませんでした。その後、予算の補正をせず今日に至っていることは行政的に怠慢であり、今後再びこのようなことのないよう特に配慮します。」解同朝田派の組織の点検を受けるとか、その言に従って教材に採用するとか、教材を全職員に配ったために予算がなくなって、その補正をしなかったことは相すみません、こんなことを書いているのですよ。全く驚くべきことがあるわけです。  大阪府教育委員会も、副読本「にんげん」を小学校四年、五年、六年及び中学用の副読本として採用しているのです。これは予算七千七百四十五万円で全大阪の児童生徒に無償で強制配付している。これを受け取って配付しなかったら、そこの学校の先生が糾弾されるのです。副読本などの教材は、自主的、民主的に採用してやるべきものですね。ところが、そういうことではない。これをむしろ教育委員会が採用して、行政を通じてそれを無償で配付して、事実上強制的にこれを使わせる。こんなふうなことが起こっているのです。どう思われますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 解同の方々が非常に熱心に同和問題の解決に努力されていることはよくわかるのですけれども、私は、行き過ぎの面がいろいろあると思います。こういう問題につきましても、いろいろな意見を聞きまして、解同自身がもう一ぺん、いままでの行き方でいいかどうか考えてもらいたいという気持ちを持っているわけでございます。私自身、この「にんげん」を公費で全体的に大阪府教委が配ったことは、適当でない行為だと考えております。

村上弘日本共産党・革新共同

○村上(弘)分科員 ところが、そういう常識では考えられないようなことがなぜ行なわれるか。そこには、あなたが言ったように、トラブル、抵抗とおとなしく言っておられるが、暴力があるのです。そのために教員人事が左右されておるのです。さきの話では、矢田中学校の問題で十一人の先生が配転された。いまでも教育研究所にいわばたな上げされておる。ところが他方では、一たんきめた人事、この免職した処分が、解同の圧力で復職させられているという事実がある。  これは大阪の淀商業高等学校の例なんですが、ここでは、昭和四十七年三月二十五日に、淀商業高校で当時紛争が起こっておった。その紛争のお先棒になっておった早崎という教師がいる。これらの教師を含む四名が、免職を含む懲戒処分になっておるのです。それは、その紛争も関連があるが、同時に、生徒に飲酒をさせたり、あるいはかけトランプをするようなことを容認して社会的にも非難された。市教育委員会は当然これに対して処分をした。これは根拠があるわけです。  ところが、この早崎氏ら四名が、去年の十一月一日、つまり懲戒免職になって七カ月後に、解同府連の圧力のもとで処分を取り消して復職させているのです。これも大阪では当時たいへん問題になった。  ところが、こういう問題になると、なかなか新聞もまともに取り上げて書かないです。もう父兄は腹に据えかねているのです。ところが、大阪市教委は、解同の圧力のもとで取り消して復職さしている、こういうことが起こるのです。これは常識では考えられない。つまりそこには暴力、脅迫、圧迫があるということですね。どう思われますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 私、その事実は承知していないわけでございますけれども、いろいろな話を総合いたしまして、ぜひ同和問題の解決がもっと秩序ある中で進められるように努力していきたい。そうしなければならない。暴力的なことではかえって問題の解決を困難にするということを、非常に心配している一人でございます。

村上弘日本共産党・革新共同

○村上(弘)分科員 もっとひどい実例がある。それは吹田二中、ここでは五人の先生がやはり学年途中で一方的に配置転換させられておるのです。私はこの問題はあまりひどいので、吹田二中の配転をされた先生やそこの父兄と一緒に文部省に私も行って実情を言ったことがあります。またこの問題を引き続き追及したいが、文部省もぜひ実態をよく調べて対処されたいということも言ってきたわけでありますが、聞いておられますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 承知しておりません。

村上弘日本共産党・革新共同

○村上(弘)分科員 こういうことなんです。誓約書問題というのが事の発端です。ここで土肥さんという方が、昭和四十七年の四月一日に二中の先生に採用されるのですが、この先生は四十七年の二月までは教員採用試験で二へん合格しているけれども、それまでなかなか採用されなかったわけです。ところが去年の三月十七日に、吹田市光明町の解同朝田派の吹田光明町の支部長の高田登美雄という人に、たまたま学童保育を通じて知り合った。その高田氏の吹田二中で特別加配のワクが二名とれたので推薦しよう、推薦するには誓約書を書いて早く支部に出す必要があるということで、お手元に配っておるような誓約書を土肥さんは書いているわけです。これは原文そのものの写しでなくて、そういうことばの誓約書を出して、これは高田氏が持っておるのですが、本人が書いたから覚えているわけです。「私は部落解放同盟大阪府連合会吹田光明町支部の指導と助言のもとに、解放教育に取り組む教師集団と提携して、自らの課題として積極的に取りくむことを誓約いたします。」こういう誓約書を出しておるわけですが、この誓約書を十八日に出して、二十一日に高田氏の自宅で、久米吹田市同和教育指導室長が列席して、そうして高田氏が誓約書を読み上げる、そうして推薦する、こう言うのです。はいわかりました、こうなる。それで三月二十七日には、吹田市の教育委員会に、新任される四人の先生が、この土肥さんを含めて呼ばれていったら、そこに先ほどの久米同和教育指導室長とそれから高田氏が出てきて訓示をのたまうわけです。そうしてその中では、はっきり言って、岸辺小学校や二中には共産党は要らぬのやというふうなことを言うわけです。こういうふうにして誓約書を書かせることによって教員の採用を事実上やっておるわけですが、どう思われますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 事実とすれば、まさに行政に対する、先ほど申し上げました不当な介入であると思います。

村上弘日本共産党・革新共同

○村上(弘)分科員 吹田市教育長は、この誓約書を採用の条件にしていないというふうなことを現地では言っているのです。しかし、事実はこれを条件に採用しているのです。事実上そうなんです。当時この誓約書を入れた土肥先生が、その後、これは教育基本法第十条一項の精神に反しておるということを自覚して、解同の指導に従って教育するというようなことは間違いだということを自覚して正しい立場に立つようになるのです。そうすると、この誓約書を裏切ったということで話し合いを要求する。この話し合いという問題がまたたいへんなものです。これはあとでまた申し上げます。  そうして、去年の六月二十六日吹田二中にこの高田らが押しかけてくる。それから吹田二中問題というのは公然化するのです。誓約書が事の始まりであり、それを裏切ったから今度は糾弾するということが事実であることは、当時の毎日新聞、これは六月二十七日の新聞にこう書いてある。「光明町支部では「教員に採用されるため支部の推薦がほしい、と頼み、誓約書まで書きながら、われわれの信頼を踏みにじった」とこの日、守る会」」守る会というのは高田派らが組織している会ですが、「を中心に直接丁教諭に面会を求めた。」というふうに書いているわけですね。つまり、誓約書をきっかけに介入していっているわけです。  そこで、六月二十六日の状況を見ると、午前九時四十分ごろに百三十名くらい動員して、翌二十七日の午前一時ごろまで常時三、四十名が土肥さんを囲んで、便所に行くときにもついていく。そうして罵詈雑言を浴びせるというふうなことをやっているわけです。一時に帰ったかというとそうでなくて、それからさらに午前二時ごろまで糾弾が行なわれ、午前四時過ぎ職員会議が開かれ、やっと帰ろうかと思って自動車に乗ったら、またおろされて引き戻される。こんなことが起こっているわけです。それから数日間、数十名が連日学校に押しかけて、校門には荊冠旗が掲げられる。そんなふうなことが起こっている。こういうふうな、つまり暴力ですね、暴力があるから、結局こんなことがあってはならぬと思われるような、常識では考えられないようなことがまかり通っておるというのが実態ですね。あなたはトラブルがある、抵抗があるというふうに言われたんですが、そのことを、いや、そんなことはないだろうと思われますか、どうですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 事実は知りませんけれども、若干そうした問題が起きている話を聞いておりまして、たいへん心配している一人でございます。法治国らしい姿に持っていきたい。その事案が、警察が知っているのか知らないのか、あるいはどういう事情か知りませんけれども、ぜひそういう暴力的な行為がある場合には警察当局の活動に待ちたいものだ、そうして、かりそめにも脅迫的な事態が起きないように持っていきたいものだと念願いたします。

村上弘日本共産党・革新共同

○村上(弘)分科員 しかも、そういう暴力で脅迫されておる先生を、吹田市教育長の藪という人が、そういう話し合いに応じなさい、応じないから信頼関係が生まれないのだ、だから混乱が続くのだ、こういう人は同和学校に不適格だ、こういう理由で配置転換しているわけですね。しかし、話し合いというのは、いま言ったように屈服することを要求するのでありまして、応じなければ暴力で屈服させるわけです。だからこれは暴力で屈服させる場なんですね、話し合いというのは。それに応じろということを言っているのです。これをあなたが言う根本的解決の精神、あなたが質問したときに自治大臣は、勇気を持ってうしろだてにならなくてはならぬと当時答えた。ところがそこの教育長は、うしろだてになるどころか、向こうのオオカミのきばの中に入っていきなさい、入っていかぬからうまくいかぬのだ、こういうことを言っているのですが、これは教育者としてあるべき姿かどうか、どう思われますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 村上さんが、そういう事態に対しましてどういう対応策をとっていらっしゃるのか知りませんけれども、やはり暴力に対しましては警察力を求める、これは本来の筋道だと思うのですけれども、警察が厳然として存在していながら、おっしゃっているような事実があるとするなら、まことにふしぎな姿だと思います。でありますだけに、そういう場合があれば警察当局の活動を求める。求めないでそういう事例がある、あると言うておっても、適当ではないような感じもいたします。ぜひ秩序が確立されますように、われわれとしても配慮していかなければならないと思います。

村上弘日本共産党・革新共同

○村上(弘)分科員 警察に頼む、頼まぬ以前に、そういう暴力によって介入したり干渉したり、人事を左右したりするようなことがあってはならぬという見地に立っておられるのかどうか、そういう背景のもとに、それに屈服する方向で指示を出すというようなことが適切だと思うかどうか、そこを聞いておきたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 そういうことがあってはならないことは当然のことでございます。

村上弘日本共産党・革新共同

○村上(弘)分科員 ところが、なかなかこれが改まらない。それには、あなたがいまいみじくもおっしゃったが、警察がそういう暴力の存在を許してはならないはずのものなんですね。ところが実際にはこれが、暴力学生が実際には、国民が見ておると、歯がゆい思いがするほど事実上泳がせられておるとわれわれが言うような状態がある。同じような状態が、この解同朝田派の暴力にしても、実際には存在している。これはいまごろになって事実を調査し、捜査も始めております。とにかく告訴してから三カ月日になってやっと捜査に入るというような事態も、先ほどの分科会の追及の中で明らかになっている。つまりこういう暴力に対して、非常に普通のときとは違った態度を警察がとっておるということについて、あなたはおわかりになるんじゃないか。こういう状態がもし的確にやられておったら、あなたもかつて質問したような状態は起こらぬはずだ。あなたもトラブルが起こる、強い抵抗を受けるということを聞いておられるわけだ。そういうふうなことが実際には、もういわばすれすれの状態で野放しになっておるような状態があるけれども、言うてもなかなか来ない、こういう状態があるわけです。どう思いますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 問題のありますことは、常にその問題を中心にして大いに論議されるべきだ、そして正しい方向に持っていくという国民みんなの努力が必要ではなかろうかと考えております。

村上弘日本共産党・革新共同

○村上(弘)分科員 時間が来ましたから、最後に、ただいまの同和行政、同和教育の状態は、四十七年十二月十三日付の同対協会長磯村英一さんが内閣総理大臣と関係各省大臣に意見具申しています。その文書の中にこういうことばが出てくる。「地方公共団体からかなりの費用が投ぜられ、生活環境の面などかなりの改善がはかられている。こうした中で差別の解消への結びつきが弱く、差別の残存ということが問題となる。今後はこうした問題についても同和対策事業の基本的方向との関連においてあらためて検討していく必要がある。」これは、いま言ったような状態をある程度認めた上で指摘している問題だと思うのですよね。つまり同和対策事業をやっても、金は使って、家は建っても差別は残存しているのです。こういう事態は、ここで書いているようななまやさしいものではない。もっと深刻な事態として非常にたくさんのところで起こっているわけですね。しかも、なぜそういうことが正されないかといえば、結局のところ暴力が温存される、見過ごされる。もし勇気を持つでものを言おうとしたらひどい目にあう。それに対する何の法的保障が実際上ない。無政府的な状態がある。ここに問題がある。これは皆さんがいろいろよくないことだと、窓口一本化も改めなくちゃならぬと口では言うけれども、実際にやらないということと一致しているのですよ。これは同じことなんです。ですから、われわれはいまの同和対策に対する政府・自民党の態度というものは、結局のところこの解同朝田一派を、こういうやり方が悪いということは知りながら実は大目に見ている。なぜか。それはこれらの組織が排他的なやり方をやることによって、部落解放の運動が事実上団結できない状態、しかも彼らが反共と分裂の立場で大いに策動している。このことは、政府・自民党から見てそう悪くはないという見方があるんじゃないか。警察が野放しにしておるということと、それから解同朝田一派がこのようなむちゃをやっていることについて、普通なら考えられないような事態に、真剣に対処されないというところに根本の問題があるんじゃないか。そういう点についてあなた方はどう考えておられるか、最後にお聞きしたい。

坪川信三自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○坪川国務大臣 問題の二点にわたる御質疑、また御指摘でございますが、第一点の昭和四十七年の磯村会長からの報告に基づいて、いま御指摘になりました点等に対して、最も公正な線をもってこれらの対策を積極的に打ち立ててまいり、また推進いたしてまいる覚悟であります。  また、二番目の御指摘になりました暴力の行使ということは、いかなる団体にせよ個人にせよ、絶対許すべき問題ではございませんので、今後におきましても、こうした暴力の一掃には政府といたしましても最善の配意と努力を積み重ねてまいる覚悟であります。

村上弘日本共産党・革新共同

○村上(弘)分科員 最後に、奥野文相にぜひお約束を願いたいのは、あなたがかつて渡海自治大臣に、実情を調査して国会につまびらかに報告されたいという質問をされた。そうしますということを渡海自治大臣はお答えになった。その後、私は文部省に行ってお話をした。あなたは聞いておらないような実情もあるわけです。ですから、実情を徹底的に調査して国会に報告する。とりわけ、こういう問題のひどい大阪府大阪市、東大阪市、堺市、羽曳野市、吹田市、広島県の福山市、尾道市、府中市、これはとりわけひどいところです。こういうところに対して、教育の面はもとより、同和行政の面全般にわたって、政府がみずから徹底的に調査して国会につまびらかに報告する。あなたが質問されたことですから、あなたはみずから大臣になったのだから、今度はおやりになられる立場にあるのだから、これはお約束いただけますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 教育の面につきましては私の責任でございますので、調査したいと思います。

村上弘日本共産党・革新共同

○村上(弘)分科員 国会に報告されますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 国会におきまして質問があります場合には、その調査結果を報告いたします。

村上弘日本共産党・革新共同

○村上(弘)分科員 ぜひ、あなた自身がかつて自治大臣に要請されたように、徹底的に調査して国会に報告されるように、解決の一歩を開くように、心から期待をして質問を終わります。

木野晴夫自由民主党

○木野主査代理 山田太郎君。

山田太郎公明党

○山田(太)分科員 きょうは本会議もずれたし、非常に時間がおそくなって、ともにたいへんな時間になっておりますが、私は、これから私立大学の現状を踏まえて、私大の健全な育成についてお尋ねをしてまいりたいと思います。  そこで、現在早稲田大学をはじめとして、いまだ大学の紛争が絶えない点が多々あるわけですが、まず、授業料の値上げが原因の中の一つとして紛争の起きておる大学、これがわかれば、その点をまずお伺いしておきたいと思います。紛争校が何校あって、そのうち授業料の問題が含まれているのは何校か。わからなければいいです。わかれば……。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 私が承知している範囲で申しますと、早稲田大学、明治大学等がその例かと思います。

山田太郎公明党

○山田(太)分科員 実態の数の掌握はまだできていないようでございますが、わかっていますか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 ちょっと訂正をさしていただきます。授業料問題による紛争は、これは慶応大学、明治大学等でございます。早稲田はちょっと別なことになっております。

山田太郎公明党

○山田(太)分科員 まあその数の問題はともかくといたしまして、やはり私立大学は学生の納付金で経営が維持されていることは、これは言うまでもないことでございます。年々大学紛争の起因の一つに、授業料の値上げ阻止運動が集約されている実情であることは御承知のとおりでございます。  そこで、大学側は、やはり財政の逼迫を理由に授業料の値上げを実施する傾向はいなめない事実でございますが、この傾向はいつまで続くかと言うと変な問いのようでございますけれども、文部大臣としてはどのような見解を持っていらっしゃるか。     〔木野主査代理退席、主査着席〕

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 大学の施設の充実をはかった、そのために授業料の値上げをするということでありますと、わりあいに私は学生も理解しやすいと思うのであります。ところが現在は、過去の建設費の元利の償還にあたって授業料を上げなければならない、あるいは教員の給与を毎年引き上げていかなければならない、そういうことで授業料を上げていかなければならない、そういうことでなかなか理解がしにくいというところが多いようでございます。こういう問題はなお続いていくわけでございますので、今後も、ある程度授業料の値上げというものは続くであろうと考えておるわけでございます。

山田太郎公明党

○山田(太)分科員 そういたしますと、私のお聞きしたい本筋とはちょっとはずれますけれども、授業料の値上げが続いていくということになると、やはりまたそれを因としての紛争というものも続かざるを得ないというふうな御見解のように聞こえるわけです。そうおっしゃる意味ではないと思うのですが、簡単にひとつ。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 紛争が続くという意味で申し上げているわけではございません。

山田太郎公明党

○山田(太)分科員 そこで、文部省の調査で、これは昭和四十七年十二月二十五日の中間報告でございますが、新入生の一人当たりの経費というものが出ております。全国の私立大学二百九十一校中、二百三十八校が報告してあるわけですが、これを見てみますと、平均をとってみますと、授業料とそれから入学金、施設拡充費、合計二十八万六千八百五十円、これは前年比が一四%アップになっております。それから医歯系を見てみますと、やはり授業料それから入学金、施設拡充費、これは百六万四千八百三十九円、前年比二一・一%という大幅なアップになっております。この点について文部大臣としての御所見あるいは大蔵大臣のかわりとして主計官見えていますが、両方からこれに対する御見解といいますか、所見というものを聞いておきたいと思います。

青木英世大蔵省主計局主計官

○青木説明員 ただいまお話がございましたように、中間集計では二十八万六千八百五十円、あるいは医歯系では百万をこえておる、こういうような状況になっております。先ほど先生のお話にございましたように、私学の経営は、原則的にはやはりその収入の大部分というものは学生納付金にたよらざるを得ないということ、これは私学の成立の経緯から、私どももそういうように理解しておるわけでございます。  ただ、実体的にこの水準自体というものが高いのかどうなのかと申しますと、これは全体として高等教育の進学率がどうだろうか。現在のところ二八%程度でございますが、片方で大学に行っておらない人でやはり税金を納められている方もございまして、ある程度の受益者負担というものはやはり私はやむを得ないのではないか、このように考えております。ただ、実際問題といたしますと、医歯系とかあるいは理工系というところに子弟を出される御父兄の負担は、非常にたいへんではなかろうかというような感じを持っております。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 授業料値上げの理由につきましては、大臣からただいま御答弁を申し上げたとおりでございますが、私立大学の支出におきまする人件費の比率でございますが、経常的な支出におきまして人件費が占める割合は五七%、全支出において占める比率は三五%でございますが、これが近年、大体毎年二〇%程度増額を見ておるというようなことがございます。それから、これまた大臣から御答弁を申し上げたところでございますが、債務償還費の全支出に占める割合が二〇%前後でございまして、これが私学の支出の相当大きなウエートを占めておるということございます。   そうした背景がございまして、授業料が年々増高しておるということでございますから、私ども、授業料はなるべく低額であることが望ましいというふうに考えておりまして、あわせて私立大学全体の教育、研究水準の向上をはかるというような見地から、御承知のとおり、四十五年以来経常費の補助を行なっておるわけでございまして、四十八年度におきましては、この額が四百三十三億というふうな額にまで伸びております。

山田太郎公明党

○山田(太)分科員 いまの大蔵省のお考えは、ある程度受益者負担はやむを得ないのじゃないか、これだけの大幅アップもやむを得ないんじゃないかというふうにもとれるわけですが、そういうふうなお考えであるという点については、一応私としては疑義を持つわけです。それは教育というものを土台としたときに。  しかし、その問題はさておきまして、私の最も危惧するところは、このような大学紛争を呼ぶ学費の値上げ、これをやらなければならない私大当局の事情というものを、これはいま人件費等々の問題のお話も含めてお答えがあったわけですけれども、国としてどこまで親身になってこの私大の財政というものを考えていくか、これはやはり私学行政の上において非常に大切なことだと思います。当然文部大臣としても、このまま放置していくつもりはもちろんないのでございましょうが、やはり一番心配するのは、このことによって学力が低下していったり、あるいは大学教育の水準が低下していくということです。あとからまたお聞きする予定ではおりますけれども、教官一人当たりの人数もだいぶふえてきていますから、そういう点で懸念される問題も山積しておりますし、また同時に、育英奨学制度の拡充も後手後手となっていっては相ならぬわけです。  そこで最高責任者として、こういう問題について抜本的な対策というものをこの際立てられるべき時期にあるんじゃないかというふうにも思うわけです。実はついせんだってですが、地元の私立大学からの要望書が、事こまかに私の手元に届いております。まだ実情を詳しく調査してここへ臨むいとまがなかったわけでございますけれども、そういう点について、やはり抜本対策というものを検討していかなければならないのじゃないかということを、このごろことに痛切に感じるわけです。この点について、ひとつ文部大臣からお答えを願っておきたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 大学の教授科目によっても若干考え方が異なってくると思いますが、いずれにいたしましても国立大学と私立の大学が、その社会に果たしております役割りがもし同じといたしますならば、私は、国立大学に投ぜられる程度の金が私立の大学にも投ぜられなければならない、こう考えているものでございます。そういうこともございまして、四十五年から私立の大学に対する経常費助成を始めたわけでございます。これが四十九年度でこの計画が一応達成されまして、教官経費の半分は国から助成するということになるわけでございます。この段階におきまして、もう一。へん大学助成のあり方を検討して、さらにそれを前進させるべきではなかろうか、こういう考え方を持っておるわけでございます。  特に、先ほどもお話にありましたように、医科系、歯科系の授業料は高いわけでございます。そういうことを考えますと、こういう面につきましては、むしろ私立におぶさるよりも国立の大学を積極的にふやしていくべきではなかろうか、こういう考え方も持って、その施策を進めているわけでございます。

山田太郎公明党

○山田(太)分科員 いまの大臣のお答えについては、時間があればまた付言させていただくとして、大蔵省当局にひとつお伺いしておきいたいと思いますが、法、経、商学部、その経常費補助を、いま文部大臣から、四十九年度は四十五年度から始めた補助の計画の一応最終年になる、それのあとをまた引き続いて考えていきたいというお答えがあったわけです歩、したがって四十九年度は、いわゆる文科系といいますか、その経常費補助率を百分の五十にするについて、大蔵としては必ず実施したいと思っているというお考えがあるかどうか。文部省が幾らそう思っても、大蔵省のほうでそれはどうも都合が悪いということになると、なかなかできかねるという実情にあるわけですから、この際、青木主計官のお答えをひとつもらっておきたいと思います。

青木英世大蔵省主計局主計官

○青木説明員 御承知のとおり、四十五年度に経常費助成が開始されました。その当時、文科系は専任教員の給与費は十分の一という積算でありました。それが十分の二、十分の三、十分の四ということで四十八年度まで推移してきたわけでございます。実はここまで予算が至りますまでの間におきまして、財政当局といたしましては、医歯系とか理工系とかあるいは文科系で実際の学生の負担がかなり違っておりますので、補助の率についても差があってしかるべきではなかろうかというような考え方を持っておりまして、それらが毎年度の予算折衝の査定におきまして、一つの特殊な問題点となっておったわけでございますが、四十八年度までともかく文部省のおっしゃるようなことで推移してきたわけでございます。  四十九年度の予算につきましては、まだ四十九年度の財政全体がどうなるのか、あるいは基本的にどういう予算を組むのか、こういうことが全くきまっておりませんので、私がこの立場でこの場におきまして、四十九年度に文科系を二分の一にいたしますということを確約することは、ひとつ御容赦いただきたいと思います。

山田太郎公明党

○山田(太)分科員 実はさまっていないから聞いたのでございます。いままで四十八年度まではやってきた。四十九年度もやはり文部省の方針、計画というものに、一応は準拠していきたいという気持ちはおありですか。

青木英世大蔵省主計局主計官

○青木説明員 先ほど申し上げましたように、各部系統間で差があってしかるべきではないかというような考え方もございますので、いまここで二分の一にするというお約束は、ちょっといたしかねる次第でございます。

山田太郎公明党

○山田(太)分科員 青木さんの立場としてそれはなかなか言えないかもしれませんが、まあ負担の相違がある、これは事実です。しかし、負担の相違があるということと率に差があるということと、これはまたおのずから違うと思うのです。そこに、率が同じであっても負担の差があるのだから、また経常経費が違うわけですから、率が同じであってもおのずから差がつくわけです。

青木英世大蔵省主計局主計官

○青木説明員 おっしゃいますように、医歯系あるいは理工系それから文科系で、先生一人当たりの教える生徒の数等が違いますので、そのままの姿でいまの補助積算率の差が出てくるというような形ではありませんけれども、それも一つの要素になるだろう、こういうふうに考えております。

山田太郎公明党

○山田(太)分科員 この点でやりとりすると、時間がすぐたっちゃいますが、言われることはわかりますよ、意味は。だけれども、やはりその点も加味しつつ計画が練られているわけです。地方から出てきている私立大学の要望もその点を一番心配しております。まだ時期が早いかもしれませんが、その点を強く要請もし、要望をしておきたいと思います。これは大蔵省当局にです。それから、文部省としても計画を必ず実現するように、まず文部大臣をはじめとして、しっかりひとつがんばってもらいたいと思います。私立大学の一番のネックはやはりそこになっております。その点をよく御了知の上努力してもらいたいと思います。  そこでもう一つ、これは文部省にもそれから大蔵省にもお聞きしておきたいのです。これはまだよく調査せずに聞くのでありますけれども、法制上の問題で、学校法人が校地を取得するときに、国公立の場合には公用徴収に準じて所得税の減免の措置がされておる。ところが、私学の場合はそこに差がつけられておるので、地主に売ってもらうのに非常に困難を感じている、そういうことがよくあるということですが、その点はどうなっておりますか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 現在、土地収用法の規定によりまして、学校に土地を提供した者につきましては、譲渡所得につきまして千二百万円の特別控除が認められておるわけでございます。それ以外の場合、私立学校につきましては、一団地の面積が十ヘクタール以上のものであるという制限が加えられておるわけでございますが、この制限を撤廃していただくように、税務当局にお願いをしておったわけでございますが、遺憾ながらこれがまだ認められていないということでございます。土地収用法の適用がございますれば、ただいま申し上げましたような特別な控除が認められるわけでございますが、それ以外の場合は、私立学校については十ヘクタールという制限があるわけでございまして、ここが公立と私立との違った扱いを受けているという点でございまして、今後ともこの扱いの撤廃につきましては努力してまいりたいというふうに考えております。

山田太郎公明党

○山田(太)分科員 いま局長からお答えがありましたように、私立と国公立においてこのような差がついておるわけです。だから十ヘクタール以上でないとだめだ。そのために、せっかく学校の敷地をどうしても教育の立場から必要なときに、その未満の場合はどうにもならぬということがあるわけです。その点について文部大臣も、撤廃について強力な努力をお願いしたいとともに、この点の差別があるということ自体おかしいわけですから、大蔵当局からも、その点は御存じかどうか知りませんが、この点についてのお答えもいただいておきたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 税制改正の上で毎年問題になっているところでございますけれども、今後とも御趣旨に沿うように努力を続けていきたいと思います。

青木英世大蔵省主計局主計官

○青木説明員 主税局の問題でございますので、私から責任ある回答をすることは、ちょっと差し控えさせていただきたいと思います。

山田太郎公明党

○山田(太)分科員 では、青木主計官から主税局のほうへ、この旨はひとつ伝えておいてもらいたいと思います。

青木英世大蔵省主計局主計官

○青木説明員 先生から御要望のあった趣旨は、十分伝えていきたいと思います。

山田太郎公明党

○山田(太)分科員 あともう六分ですね。  そこで、この点はやはり大蔵省当局からは返事がしにくいのかもわかりませんが、四十八年度文部省の予算要求は、私大経常費補助金六百二十七億円余であったと思います。それが約半額以下の三百一億円に査定されたような計算になると思うのです。いまさっきおっしゃったのはもうちょっと、四百億ですか。この大蔵省査定の根拠というものは、どういう根拠になっていますか。

青木英世大蔵省主計局主計官

○青木説明員 文部省からの要求総額は、ただいまお話がございましたように六百二十七億ということでございますが、この中には、例の教員給与の改善に伴います私学の分も見ろというようなお金が三十九億入っておりますので、これは特殊な性格のものでございます。それを控除いたしますと五百八十八億というのが通常の要求の額になっておったわけでございます。それに対しまして四百三十四億という査定を行なったわけでございますが、要求から見ますと百五十億円ばかり減っておるわけでありますが、これは立場の相違と申しますか、私ども主計局から見ますと、三百一億から百三十億もふえたという感じを持っておるわけです。  そこで、具体的な査定にあたりましては、実は要求の中で一番大きな柱となっておりましたのは、先ほど先生もお話ございましたように、医師系については実は十分の五の積算率が四十七年度で達成されております。そこで理工系は十分の四であったわけですが、これを十分の五に持っていった。それから文科系といいますか、その他は十分の三であったものを十分の四に持っていった。これが一番大きな柱であったと思いますが、これは要求どおり認めたわけでございます。  それから専任職員の給与費補助、これは四十七年度に新たに芽を出したわけでございます。実際上の率としましては非常に低くて、四十分の一ということでございましたが、これを要求では十分の二まで持っていってほしいということでございますが、十分の一に査定をいたしております。その他学生経費あるいは教官経費につきましても、従前は八%増ということで査定を行なってきましたが、四十八年度におきましてはこれを五割増といいますか、一二%増ということで、例年と比べますと財政当局としてはかなり配慮したという考えを持っております。

山田太郎公明党

○山田(太)分科員 その点については、また文教委員会等でもう一ぺん詰めていってみたいと思います。これの明細な要望を受けておりますので……。  また同時に、この経常費補助率の算定が、人件費等の場合、これは文部省にお聞きしたいのですが、前年が基準になっておるので、定期昇給なりあるいはベースアップ分というものは全く顧慮されていない。ほんの五%程度ですか顧慮するやに聞いておるわけですが、ぼくの調査不十分ならば訂正いたしますが、その点はどのようにやっていこうとする方針であるか、お伺いしたいと思います。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 四十八年度予算の積算におきましては、御承知のとおり前年度実績単価の五%増しということでございます。これは公務員の給与につきまして、人事院勧告に対応するものとして一応五%のものが計上されて用意されておる、それに対応するものでございますが、実際の私学の教員の給与のアップ率は、さっき申し上げたように二〇%前後ということでございます。そういう点問題があるわけでございますが、この経常費の補助につきましては、私どもは既定計画の二分の一まで全体を持っていきたいということを最大の眼目にいたしておりますので、まだまだ直していただきたい点はいろいろあるわけでございまするが、補助率のアップということを最重点にいたしました結果、御指摘の点まではまいりかねたということでございますが、今後ともそうした点の是正につきましては、努力をしてまいりたいというふうに考えております。

山田太郎公明党

○山田(太)分科員 そこで、もう時間が参りましたので、その点もまたあわせて委員会等でやっていきたいと思います。  そこで、最後にお伺いしておきたいことは、もう御承知のことでございますが、私立大学の借り入れ金の総額は、聞いたところによりますと、二千二百八十七億円、年間の支払い利子が百十六億円という膨大な実情になっているわけですね。その点から考えてみましても、やはり当初の六百二十七億円でさえも実はまだまだ少ないのじゃないかという感さえあるわけです。しかし、先ほど文部大臣のおっしゃたように、私立大学経常費助成の制度が四十五年から開始されたということ自体、これは一歩の前進であります。私自身私立大学出身の立場としても非常に喜ばしいことであります。しかし何といっても、言い方はまずいかもしれませんが、二階から目薬をたらすような、ちょっと大げさな言い方でございますけれども、その感なきにしもあらずです。先ほど申し上げたような金額になっております。  そこで、やはり日本の大学教育に与える大きな影響は、私立大学の実際のウエートを見てみましても、大学生の七八・二%は私立大学でございます。そういう点から考えてみましても、この際、いまのままの行政組織に加えて、あるいはそれを一応整理して、新しく私学局とでもいうような、これは仮の名称をつけてみたわけですが、そういう私学局とでもいえるようなそういう局を設置して、そして私大の助成と、同時に大学教育の発展のために十分配慮ある援助措置ができるような、そういうことを検討してはいかがであろうかと私なりに考えておるわけですが、ひとつ文部大臣の御所見を承って、質問を終わりたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 文部省の組織を通じまして、私学のお世話をどこがやっているのか明確になる姿が、私も望ましいと思います。文部省の局をふやすことにつきましてもなかなかむずかしい問題がございます。同時に、いまの姿のままでもよいとは思わないのですけれども、この局の数でどうやってそのような方向に持っていくかということについて、知恵が回りかねているところでございます。将来ともこれは研究課題にさせていただきたいと思います。

山田太郎公明党

○山田(太)分科員 質問を終わります。

黒金泰美自由民主党

○黒金主査 これにて、外務省、大蔵省及び文部省所管に対する質疑は全部終了いたしました。     —————————————

黒金泰美自由民主党

○黒金主査 この際、おはかりいたします。  昭和四十八年度一般会計予算、昭和四十八年度特別会計予算及び昭和四十八年度政府関係機関予算中外務、大蔵及び文部省所管に対する討論採決は、先例によりまして、予算委員会に譲ることに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

黒金泰美自由民主党

○黒金主査 御異議なしと認め、さように決しました。  これにて第二分科会の議事はすべて終了いたしました。  この際、一言ごあいさつを申し上げます。  分科員各位におかれましては、長時間にわたり熱心なる御審議と格段の御協力を賜わり、本分科会の議事が円滑に終了いたしましたことを深く感謝いたします。  これにて散会いたします。     午後八時二十五分散会

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