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71回国会衆議院1973/03/07

予算委員会第二分科会 第4号

発言数
453
登壇者
31
会派数
5
開催日
1973/03/07

会議録

木野晴夫自由民主党

○木野主査代理 これより予算委員会第二分科会を開会いたします。  昭和四十八年度一般会計予算及び昭和四十八年度特別会計予算中、文部省所管を議題とし、政府から説明を求めます。奥野文部大臣。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 昭和四十八年度文部省所管の予算案につきまして、その概要を御説明申し上げます。  まず、文部省所管の一般会計予算額は一兆四千二百億五千二百七十一万九千円、国立学校特別会計の予算額は四千六百四十五億三千七百十三万四千円でありまして、その純計額は一兆五千十五億一千六百五十一万一千円となっております。  この純計額を昭和四十七年度の当初予算額と比較いたしますと、二千五百十七億四千百三十九万三千円の増額となり、その増加率は二〇・一%となっております。  以下、文部省関係予算の主要な事項につきましては、分科員各位のお許しを得まして説明を省略させていただきたいと思います。よろしく御審議くださるようお願いいたします。

木野晴夫自由民主党

○木野主査代理 この際、おはかりいたします。  ただいま奥野文部大臣から申し出がありました文部省所管関係予算の主要な事項につきましては、その説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

木野晴夫自由民主党

○木野主査代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。     —————————————

木野晴夫自由民主党

○木野主査代理 この際、分科員各位に申し上げます。  質疑の持ち時間は、これを厳守され、議事進行に御協力賜わりますようお願い申し上げます。  なお、政府当局におかれましては、答弁はできる限り簡潔明瞭にお願い申し上げます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。野田毅君。

野田毅自由民主党

○野田(毅)分科員 自由民主党の野田毅でございます。いよいよ入学シーズンを控え各地で試験が行なわれておりますが、あちらこちらで耳にいたしておるのですが、特に私立の医科大学の入学金と申しますか、寄付金も合わせて入学の際に相当高い金を取られるというのが一般常識になっておりますが、文部省当局はこの点をよく御承知であるのかどうか、ひとつお聞かせいただきたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 医学教育には多額の経費を必要といたしますので、通常の学生納付金やこれまでの国の補助金だけではかなりな金額が不足するという結果になっているようでございます。そういうことにつきまして寄付金などを集めて努力もしているようでございますけれども、なかなか十分でない結果が、おっしゃるような事例が生じておるということでございまして、たいへん心配している次第でございます。     〔木野主査代理退席、主査着席〕

野田毅自由民主党

○野田(毅)分科員 非常に高いのでありますが、具体的な数字を御承知でありましょうかどうか、最高でいまどのくらいしているとお考えでございますか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 まず授業料でございますが、最高は八十万円という数字が出ております。入学金でございますが、最高が五十万円という数字が出ております。それから寄付金の額でございますが、これは実は直近の調査はございません。四十六年四月の調査によりますと、入学者の中で寄付金を出した者の一人当たり寄付金額でありますが、これが医学部の場合約六百万円ということになっております。最高は私ども二千百万円の寄付金というふうに聞いております。

野田毅自由民主党

○野田(毅)分科員 これは非常に認識不足と申し上げなければならぬわけでありまして、ことしの場合、新設の医科大学の場合に、正規で入って最優秀の成績であっても最低三千万円は見てくれということをよく言われております。四千万、五千万はざらでございます。こういう現状に対して、ただいま大臣がお答えになりましたように非常に嘆かわしいことである。これは万人が認めておるところでありますが、これに対して当局としてはどうやってこれを押えていくか、具体的な方策をお聞かせいただきたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 戦前の医学教育の場合には病院の収入、これがかなりの財源になっておったようでございますけれども、現在では病院がかえって赤字を出しているわけでございます。そのようなことから一そう経営が苦しくなっているわけでございます。そうしますと、どうしてもこういう大学教育を私立にゆだねていることは適当じゃない。進んで国立、公立で医学教育を行なっていかなければならないのじゃないだろうか、こう考えているわけでございます。そういうこともございまして、四十八年度では旭川、山形、愛媛、三つの医科大学ないし医学部をつくりますし、四十九年度ではさらに静岡、滋賀、宮崎、筑波、四つの医科大学ないし医学部をつくるわけでございまして、今後もなおそのような努力を重ねていきたい。そうして公費で医学教育を積極的に担当していきたいというように考えているわけであります。

野田毅自由民主党

○野田(毅)分科員 そういう方向はよくわかりますが、しかし私立の医科大学の認可ですが、これもやはり年々行なわれているわけでありまして、そういう新たに認可をされるところに対して、最初が肝心でありますからそういうチェックですね、法外の寄付金を取らないということを一つ条件として監査なり規制を行なっていかれる考えはないものでしょうか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 四十五年から現在までに医科大学で十三校、歯科大学で八校を認めてまいったわけでございます。そういう際にはすべて入学を条件にして特定な寄付金は求めない、こういうことになっているわけでございますけれども、実際問題として財源の出どころがないためにいろいろなことが行なわれているのじゃなかろうか、かように心配をいたしているわけでございます。いずれにしましてもそういうことがあってはなりませんが、なおあわせて国立の医大につきましては相当な金を投じているわけでございますので、私学につきましても積極的な助成を行なうべきだというたてまえで毎年私学に対する助成金を増額さしていただいているわけでございます。

野田毅自由民主党

○野田(毅)分科員 現在、そういう私立の医科大学に対する助成というものは、本年度の場合は約六十九億というふうに伺っておりますが、それでよろしいですか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 私立の医学部に対する補助でございますが、ただいま御指摘がございましたように、六十九億というのは、これは経常費の補助としての金額でございますが、ほかに私立大学の研究設備に対する補助といたしまして約三億五千万円、それから新設の医学部につきましては、設備費の補助といたしまして約一億八千万円、計七十四億二千百万円の補助金を計上いたしておるわけでございます。

野田毅自由民主党

○野田(毅)分科員 ここには大蔵省の主税局の方いらっしゃいませんが、例の医師所得に対する所得税の減税、俗に二八プロといわれておりますが、これによる減収額が大体八百八十億あるといわれております。少なくともこの一割でも回せば相当違うはずです。いっそのことこの特例をやめて、その金をこういう医学部への助成に回すということについて、大臣いかがお考えでございますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 税制上、御指摘のような措置をとっているわけでございますけれども、診療報酬制度とからんだ問題でございますので、これだけを取り上げてとやかく論議することはいかがなものかというふうに考えておるわけでございます。いずれにいたしましても、医学教育の問題につきましては、積極的に国が責任を買って出るという姿勢が大切だと思いますので、先ほど来申し上げておりますような国立、公立を積極的に進めていく、私立に対しまして助成を強化していくということではなかろうかと思います。いままで四十五年度に始まりました助成計画を五カ年計画で達成する、それが四十九年度で完了するわけでございます。その暁にもう一ぺん私学助成のあり方を全体的に見直してみたい、こういう考え方でいろいろ検討しているところでございます。

野田毅自由民主党

○野田(毅)分科員 実は私がこういうふうにくどくどと申し上げておりますのは、結局金持ちの息子でしか医者になれない、こういう現状ですね。そうして、いわば一種の医者になるための投資だと考えられておる。現在、いろいろな診療報酬の点を御指摘になりましたけれども、必ずしもそれだけではありません。現実には、主税局の実態調査なんかによりますと、必ずしも七二%そのものが経費になっているかというとそうでもない。むしろ五二、三%前後である。二割の違いもあります。それをそうやって、一種の医師会なんかの圧力もありますけれども、そういう人たちがどうして必死になってこういう圧力をかけてくるかということを申せば、そのあと継ぎの問題でどうしても高い金を出して子供を医科大学へやらなければならぬ、そういう悪循環になっておると思うのであります。いっそのこと、そういうことよりも、貧乏人でもほんとうにそういう一種の正義感なり使命感なりを持って、僻地の医療、無医村を何とかなくしたい、そういう気持ちのある人たちがちゃんとした医学教育を受けられるようにもっと国がやるべきであるというふうなことを考えているからであります。  そこで、これに関連しまして、現在奨学金の制度がかなり普及してきております。そこで、特別奨学生というのが一般奨学生よりもかなり高い額を貸与されておるわけでありますが、最高いま幾らくらい月額で借りられるのでしょうか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 現在、特別貸与の奨学金貸与月額は、私立大学につきまして、自宅通学者と自宅外通学者と単価が違っておりますが、四十五、四十六、四十七年と逐年上げてまいりまして、四十七年度及び四十八年度も同じ単価でございますが、自宅通学者につきましては月額一万一千円、自宅外の通学者につきましては月額一万七千円の単価で支給をいたしております。

野田毅自由民主党

○野田(毅)分科員 東京在住の学生では、一般学生でも、いま月三万五千円はかかるというのが通常の認識であります。特にただいま指摘しております医学部の学生の場合には、ほとんどそれの倍以上かかってしまうというようなこともいわれております。これをもっと、さらに引き上げるつもりはありませんか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 現在、奨学金の額が必ずしもこの現状で時代にぴったりしているというふうには考えておりません。しかしながら、私のほうといたしましては、過去三カ年にわたりまして相当大幅な単価増をしてまいりました。この奨学金の額は、特に医学、歯学の関係者が、先ほど御指摘のございましたように高額の授業料あるいは入学金等を払っておることを考えますと、医学、歯学につきましてはことのほか実態に合わないという点は、御指摘の点があろうかと思います。しかしながら、現在やっております育英会の育英奨学制度を全体として考えますと、あまり専門分野別に極端な差をつけて扱うということもやりにくうございますので、いろいろと苦慮いたしておるところでございます。

野田毅自由民主党

○野田(毅)分科員 これはあとでまた質問をいたしますけれども、実は私がこれを申し上げるのは、特に学校の先生とそれからお医者さんというものは、ほんとうに昔から社会で先生と呼ばれるにふさわしい、そういう職業である。一種の天職である。社会のモラルのかがみである。そういう人たちが、何というか、越えてはならぬような一線を越える、こういう事態が非常に往々にしてある、言い過ぎかもしれませんが。そういう越えてはならぬ一線というもの、そういうモラルを、最も尊敬を受けるべき人たちが破ってしまう。社会教育がどうのこうのといっても、何よりもそういう手本になるべきような人たちが破ってしまう。こういうことでは、今後、いまの子供たちが育っていった場合にどういう精神構造になっていくか。こじつけかもしれませんが、連合赤軍の一件でもそういうような感じがしないでもないわけであります。  そこで重ねてお伺いいたしますけれども、お医者さんになりたい、そういう医学部の学生、あるいはほんとうに子供にまともな教育をやってやりたい、そういうような先生志望の学生、こういう人たちに対して、もっと使命感に燃えるような学生があるならば、金がなくともちゃんとりっぱにそれだけの教育を受け、その職につけるような道を開くために、そういう人たちに対して特に奨学金のかさ上げをしてやるという考えはおありにならぬもんでしょうか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 いま御指摘のございました中で、教職員につきましては国公立の大学が主になりますが、教員養成大学に学ぶ者のために、単価は同じでございますけれども、ワク取りにつきましてできるだけの配慮をいたしておるわけでございます。先ほど大臣も御答弁申し上げましたように、国立大学でございますならば、現在の奨学金のあり方も必ずしも医学部に学ぶ者にとって他と著しく遜色のあるものではないというふうに私どもは考えております。ところが歯学につきましては、御指摘がありましたような特殊な条件がございます。そういうことのためにどういうふうな道を講ずるかという点につきましては、四十八年度の予算の段階でもいろいろと私どもも検討いたしました。十分に実りませんでしたが、今後また従来の制度とは違った何か新しいくふうを考えていかなければならぬというふうに思っておるところでございます。

野田毅自由民主党

○野田(毅)分科員 それでは、そういう方向で現在検討中であるというふうに理解してよろしいわけですね。  それではこれに関連をして、先ほど申しましたように、何かいまの社会情勢というものが非常に物質的なもの、金銭的な価値というものが優先しております。悲しいかな現実であります。そういう中でどうやってそういう今後の社会の指導者たるべき学校の先生方やあるいは医者の人たちを育てていくかということを考えいろいろ苦心をしておられるわけでありますが、特に今回文部省当局のほうでは学校の義務教育教職員の給与の引き上げについての法案を御提出になるということで、われわれ非常に高く評価をしておるわけでありますが、今後これをさらに計画的に引き上げていくということについてひとつぜひとも御配慮願いたいわけでありますが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 お話のように昭和四十八年度の予算措置、これは初年度として行なったわけでございまして、今後さらに計画的に引き上げたいということを別途国会に提案しております法律の中に明記いたしているわけでございます。つきましてはどのような内容で計画的に引き上げていくかということもございまして、四十七年度、四十八年度二カ年にわたって文部省の中に教員給与についての調査会を設けたわけでございます。この調査会の結論をにらみ合わせながら、今後さらに四十九年度以降の予算措置、立法措置等を通じまして、実現をはかっていきたい、かように考えているわけでございます。

野田毅自由民主党

○野田(毅)分科員 これは額が幾らが適切かどうかということはわかりません。確かにこれからさらに詰めていかなければならないところはたくさんあると思います。ひとつぜひともそれを実現していただきたいと思います。  そこでこれに関連をして、義務教育職員についてはこれで救われますが、問題は、最近は非常に進学率が高まっておりまして、高校の先生方に対する措置、世間ではもう義務教育というのは六・三制ではなくていわば六・三・三まで進んでおるというのが一般認識であると思います。こういう高校の先生方に対する措置をどのようになされるおつもりでございましょうか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 お話のとおりでございまして、教員につきまして一般公務員の給与水準よりも優遇しよう、こういうことで出発しているわけでございまして、その中で特別な公務員を引っぱり出すことはたいへんむずかしいことでございます。しかし義務教育ということでございますと、形式的に一応区分できるわけでございます。そういう意味で義務教育教員についての優遇措置を打ち出したわけでございます。したがいまして、これとの均衡上当然高等学校の先生方等に給与の改善を押し及ぼしていくことができるわけでございます。言いかえれば義務教育の教員の給与をてこにして学校教育法の学校の教員の給与の改善をはかっていきたい、そして学校教育の水準を向上させていきたい、こういうようなねらいを持っているわけでございます。

野田毅自由民主党

○野田(毅)分科員 御趣旨はよくわかりました。さらに先ほど申しましたように、もうほとんど義務教育化しておるわけでありますから、必ずしも別に考えるというのではなくて「やはり一体的にひとつ措置をしていただくように重ねて強く要望  いたしたいと思います。  そこで、これと並んで今度は私立学校にこれが波及してくると思いますが、その点私立学校に対してどういう措置をおとりになるおつもりでございましょうか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 お話のように同じ職種でございますので、国公立の学校の先生の給与が引き上げられますれば、自然私立の学校の先生の給与も引き上げられる、かように考えておるわけでございます。したがいまして、また引き上げられた単価を基礎にして、国や地方公共団体からの助成も行なわれるということになってまいります。全額を国や地方公共団体がめんどう見るわけじゃございませんけれども、少なくとも助成する部分につきましては、それに対応して引き上げが行なわれるということになろうと考えております。

野田毅自由民主党

○野田(毅)分科員 先ほど申したように、いまは非常に危機的な状況にあると考えております。もう日教組が悪いとかあるいは政府が悪いとかそういう責任のなすり合いをしておる段階ではなく、やはりいまの子供たちが十年後二十年後にはすぐ社会を背負っていくわけであります。その際何よりも必要なのはやはり子供のころの教育であります。そのためには、悲しいかな金で人をつるわけではありませんけれども、現在のそういう価値観が何かしら金さえあれば何でもできるというような動きになっております。そこでできるだけ良質な先生を確保するということがやはり国家百年の計を考えた場合に、どうしても必要であります。その際手をこまねいて、ただ百年河清を待つというのでは、何ら政策がなきにひとしい。ひとつさらに一そうこの先生方の処遇の改善ということについて御配意をお願いをしたいわけであります。  それから子供のころの教育の基本理念と申しますか、よく知育、徳育、体育ということを前の大臣はおっしゃったわけでございますが、まさにそのとおりであると思うのでございます。その中で特に徳育ということについてどういう事柄を念頭に置いて指導されようとしておられるのか、お伺いしたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 教育基本法の中に教育に関する基本的な事柄を明記しておるわけでございます。特に平和な国家及び社会の形成者として心身ともに健全な国民を育成していくことが教育のねらいだ、こうも示しておるわけでございます。そういう意味で、いまおっしゃいましたように、知育、徳育、体育を通じて調和のとれた人間を育てていかなければならない。ところがわが国はたいへん不幸な経過をたどっておるわけでございまして、敗戦に際しまして、過去の超国家主義的な教育に問題があったことは言うまでもございませんけれども、修身の授業が占領軍から禁止された、教育勅語の廃棄を命ぜられた、それにかわるものとして何かつくり上げたい、これにつきましてはなかなか国民の合意が得られなかった。そのままにようやく昭和三十三年になりまして、道徳という授業が行なわれるようになったわけでございます。その道徳という授業につきましても、必ずしも各学校を通じまして内容が十分充実したものになってはいないように心配をしているものでございます。そういうこともございまして、道徳の授業をどうやって進めていくことが一番いいか、研究指定校などを設けながら努力してまいっておるわけでございます。いずれにしましても、先人の非常な労苦の積み重ねによって今日に至っておるわけでございますが、何か過去のものがみんな悪かったというような一ころの経過もあったわけでございます。やはり過去から伝わってきたよいものは残していかなければならない、さらによいものをそれにプラスしていかなければならない、そういう姿勢が非常に大切ではなかろうか、こうも考えておるわけでございまして、そういうことを通じまして今後道徳というものをわれわれの教育の中に内容を持ったものとして定着させる努力をしていきたい、かように考えておるわけであります。

野田毅自由民主党

○野田(毅)分科員 くどくなりますが、私は具体的に感謝をすること、あるいは奉仕することに対する評価、あるいは勤勉であることの価値そういうことをもっと具体的に学校教育の中で前面に打ち出していってもいいのではないかと思うわけであります。聞くところによりますと、いわゆる道徳教育の中でも立身出世をしたという中でどういうタイプが出世タイプかということになると、結局成功したということは金持ちになったこと、こういう勤勉をしたおかげで金持ちになったというような、最後のところが金持ちになったというところで結論になってしまっておるというようなことであってはならない、やはりみんなから尊敬を受けるというようなところにもつと重点を置いていかれるように希望するわけであります。  そこで最初に申し上げましたが、最近はあまり聞きませんが、例の日教組がよく闘争手段として授業放棄を一時やったわけでありますが、この授業放棄そのものについて文部省はどう評価されておられましようか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 授業放棄ということになりますと、同盟罷業、ストライキということじゃなかろうか、こう考えるわけでございます。公務員に対しましてはそういうことは許されていないわけでございまして、厳に慎んでもらわなければなりませんし、そういう場合にはそれに応じた厳正な措置がとられなければならない、かように考えておるわけでございます。

野田毅自由民主党

○野田(毅)分科員 まさにそのとおりであります。ただ私、ただいま大臣のお答えで若干不満がありますのは、確かに公務員であることに間違いございません。しかし単なる普通の一般公務員と違う、別のもっと重要な任務を帯びた職務であるということをもっと徹底して認識させる必要がある。そういう点から、普通の公務員に禁じられておる争議行為であるストライキをやったということ以上の制裁があってしかるべきであるし、また当然法的制裁以外に社会的制裁があってしかるべきである。これが私先ほど申しましたような、最も尊敬を受けるべき先生方が一体何を、どういうりっぱな偉そうなことを教室の中で言っても、越えてはならぬ一線を越えてしまっている。倫理も何もあったものじゃない悲しい現実であります。同時にお医者さんが診療拒否をする、こういう態度、これは相通ずるものがあります。この両方の事柄についてひとつもう一度文部省は、片方は厚生省になりますけれども、もっと勇気と自信をもって臨んでいただきたいと思うのであります。幸い、大臣も大いに苦労されておられますし、またわが党の若手のホープでもある河野次官がおられるわけでもあります。われわれも大いにバックアップするつもりでおります。もっとひとつ文部省は勇気と英断を持って臨んでいただきたい。このことについて大臣の御所見をお伺いいたしたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 私は教育の基本は教師にあると考えております。同時にまた教育につきましての諸条件を整備する役割り、それを文部省が担当しておりますだけに、文部省と教師とが一体となって教育の推進に当たっていかなければならないと思うのでございます。にもかかわりませず、不幸にして先生方の組合の中には、文部省としっくりいっていない、むしろ反発し合っているという姿さえあるわけでございまして、たいへん残念なことだと思っております。そういう問題から解決をしていかなければならない。いま先生と医師というものについてのお話がございましたが、全く同感でございます。そういう気持ちが国民全体の中に強くわき上がってくる、そして国民全体の声を背景にして秩序ある姿が回復されるその日の早からんことを期待いたしておりますし、それに向かって私は全力を尽くしていきたい、こう思っておるわけでございます。

野田毅自由民主党

○野田(毅)分科員 もう時間がありませんが、最後に、教頭職の法制化の問題でありますが、これもやはり校長を助け、いかにして学校における一つの行政といった面を補助さしていくか、そういう点できわめて重要な問題であると思います。これをぜひとも実現していっていただきたいと思うのであります。この点について大臣の御所見をお伺いして質問を終わりたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 多年の懸案でございまして、近く法案を国会に提出させていただきたいと考えております。

野田毅自由民主党

○野田(毅)分科員 終わります。

黒金泰美自由民主党

○黒金主査 次に、八木一男君。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 文部大臣をはじめ各政府委員に同和問題について御質問を申し上げたいと思います。  去る二月二十八日に、私は衆議院の予算委員会一般質問で本問題について田中内閣に対して要望を強く打ち出して御質問を申し上げました。そのときに文部大臣もおられたわけでございますが、その私の申し上げました重要点について、ひとつどのように御理解になっておられるか、伺っておきたい。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 この間の八木さんのお話、よく記憶しているわけでございます。特に大学へ進む人たちの進学奨励について必要な措置を講じろというお話がございまして、四十九年度にはぜひよい知恵を出していきたいと考えております、こうお答え申しております。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 いまのお答えは、その点で非常にけっこうであります。この問題に関して国務大臣として文部大臣が、全般の政策についてもぜひ御推進をいただきたいと思います。あそこで申し上げました奨学以外の全部にまたがる問題は、まず第一に同和対策事業特別措置法を積極的に活用をして、地方自治体が財政的にしわ寄せにならないように、そういう状態の中で同和対策事業がずんずんと推進されるようにということが一つのポイントであります。もう一つのポイントは、四千七百三十三億という、昨年、四十七年の六月に、四十六年の実態調査に基づく事業量の集計を金額であらわしたものでございますが、これが全くあらゆる意味で不十分なものである。これを大きく、あらゆる意味で増幅修正をしなければならないという問題について申し上げたわけでございます。これは御記憶であろうと思いますし、速記録でお読みをいただけばそれの詳しい理由、詳しい重点については御理解をいただけると思いますので、どうか、閣議の中で、あるいは同和対策の閣僚協議会の中で、ぜひ強力に推進をいただきたいと思います。ひとつ積極的な御決意のほどを伺っておきたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 同和対策事業特別措置法は、八木さんと私一緒に相談をし合いながら制定に当たった法案でございます。同時に、法制化することがいいか悪いかということもずいぶん議論がございまして、いや、もう十年間に一切片づけるんだ、そして根本的にこういう同和問題というものをなくしてしまうんだから法制化に意義があるんだ、こういうことで踏み切ったわけでございます。ということは、十年間に思い切って金を投資して、あとは何もしなくて済むぐらいに持っていこうじゃないかという意気込みだったと私は理解をしているわけでございます。そういう意味合いてございますので、ぜひ十年の間に積極的に関係の事業が拡充をされてきますように私も努力していきたいと思っております。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 十年間は、実は前期の五年間でその当時考え得る必要な仕事は全部完了する、残りの五年間で、新しくこういうことが有効であるということをみんなで研究して、でき上がったものはどんどん追加をするし、何かの理由で前の五年間にでき上がらなかったものと新しく必要なものをやっていくということで理解をして進めたわけであります。ところが最初の五年間には全く問題解決にはほど遠い事業しか行なわれていないわけであります。したがってこれからは非常な勢いでこれをやっていかなければならないと思うわけであります。ところがこの文部省の予算でもわかりますように、それを大蔵省が、これは非常に不十分だと思いますが、各省が、この問題の解決のためにこのような事業をやらなければならない、したがって、このような予算が必要であるということで要求をしたものを、一切みななたを入れまして削減をするということが予算の編成段階で行なわれているわけであります。これは最もけしからぬことでございまして、大蔵省のほうは、主計局は自分の仕事を非常に縮小して考えた固定観念がある。まず第一に、予算要求を前年度の二五%増し程度にとどめてくれという、閣議でそういう提議をすること自体国政のアクセントを失わせる、非常にけしからぬことだと思いますが、本年度は問題によっては幾分そのワクをはずしているようでございますけれども、そういうような大蔵省の考え方、特に予算編成に当たる主計局の中には、予算を想定されたワクの中につづめるために夢中になって、国政のあらゆるアクセントが消えても、ただその中に押し込めるために同じような考え方で各省のあるいは各局の要求をぶった切っていくという作業がずっと続けられておったわけであります。そういうことは一般的にいけないことでありますが、国政のアクセントがくずれる、必要なものはどんどん出す、不必要なものはどんどんぶった切ってもいいですけれども、そういうようなことのアクセントが消えてしまう。たとえば文部省なら文部省、あるいは厚生省なら厚生省で二五%のワクにはめられますと、その中で必要な大事なことが十ほどあっても、そのワクにおさめるために、その省自体でこれをつづめなければならない、あるいはそれを局段階でやる場合には局段階で詰めなければならないというような不合理が起こります。必要なものは提議をされて、大蔵省の中で、全部出たものをどれが重要であるかということを主計局は事務局として原案をつくられる、最終的には閣議でこれがきめられるということになろうと思いますが、もとのアクセントを消すような、主計局の大事な任務を放てきをした態度が行なわれているわけであります。大蔵省としてはある程度洗いざらいつづめておけば作業は楽でありましょうけれども、このことで国政のアクセントが消えるということは許しがたいことであります。特にその中でこの同和対策予算について非常に影響が多いわけであります。というのは、大蔵省をはじめ文部省も全部そうでありますが、前年度の何割増しとか何%増しという既成概念が横行いたしております。予算全体についてそのような総ワクが何%増しであるから、やや重要なものはそれのパーセンテージをふやす、そしてややそうでないものはそれよりもパーセンテージは減らすというようなイージーゴーイングなことがやられているわけであります。同和対策予算というものは何百年放置をされておったものをいま急速に事業をするために予算をつけなければならないという問題でありますから、前年度に対して何%増しという概念はここに置いてはならない。必要なものは必要なだけ組まなければならないという性質のものでございます。そういう点について文部省の予算も要求予算が削減されております。それについての奥野文部大臣の御意見、それからいま辻さんが来られましたけれども、青木さんもおられますので、それについての大蔵省の御意見のほどを伺っておきたいと思うのです。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 よく御承知の上でおっしゃっているわけでございますけれども、平均二五%あるいは三〇%の要求にとどめるという大蔵省側の言い分であって、ものによっては五割増し、十割増しの要求をして何ら差しつかえないわけであります。同和関係事業につきまして、必要なものにつきましては、おっしゃるとおり思い切って予算を計上すべきものだと思います。  文部省の予算につきましても前年度よりも五割以上の増加になっておるわけでございます。ただ大学問題につきまして御期待に沿っていないのは恐縮でございますけれども、今後ともいま申し上げましたような態度で努力をしていきたい、かように考えております。

辻敬一大蔵省主計局次長

○辻政府委員 先般当分科会におきまして大蔵大臣から八木委員にお答え申し上げましたとおり、私どもといたしましても同和問題が歴史的、社会的根源のあるきわめて重大な問題であるということは十分承知しているつもりでございます。予算的な面におきましては、同和対策を重点の一つとして取り上げて、金額の増額でございますとかあるいは各省にわたる新規の施策を取り上げるというようなことについて配慮しておるつもりでございます。ただ、私どももその職責上、各省から出ましたいろいろなお話につきまして十分検討をしなければなりませんものですから、額等の面につきましては他の制度なり施策とのバランスということを全然無視するというわけにまいらない点はあるかと思いますが、今後とも同和対策の予算の問題につきまして重点的に配慮してまいりたい、かように考えておるものでございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 文部大臣、それから主計局次長が御答弁くださいまして、前よりは姿勢がいいように思いますけれども、その場限りであっては困る。今度は大蔵省は、特に一昨日分科会で、同和対策予算についてはびた一文も削らない、それだけではなしに、各省の要求が少なかったら、なぜもっと要求を出さないのか、国の政策としてきまっているのを各省は推進することに怠慢であってはならないということをむしろ大蔵省から言うべきであるということを申し上げまして、その線に従って愛知大蔵大臣は大蔵省はやっていく、いままでにそうでない点があったことは反省して、これから断じてそういうことをさせないということを確約されたわけであります。その大蔵大臣の御見解を通じて国民に約束されたことについて、主計局の国家公務員の方は大蔵大臣をその意味で補佐をしてあやまちを繰り返さないようにぜひしていただかなければならないと思いますが、もう一回主計局次長の、その点に対して確実にそのとおりやっていくという約束のことばをいただきたい。

辻敬一大蔵省主計局次長

○辻政府委員 ただいまお答え申し上げましたとおり、御趣旨にかんがみまして、同和対策を今後とも重点施策の一つとして充実をはかってまいりたい、かように考えておるところでございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 そのことばの中にはまだ少しすっきりしていないところがあるが、その点についてはまた分科会で、あらゆるところで大蔵省を追及しますから、ややぼけたことばがすっきりとなるところまで徹底的に追及しますし、それが数日の間に変わらなければ、愛知大蔵大臣の公約されたことを実際に推進することの努力をしておられないということになり、大蔵大臣の責任問題として追及をしますから、今後他の分科会で大蔵省の答弁のときにほんとうに一〇〇%すっきりとした答弁をするようにしていかなければならないということを申し上げておきたいと思う。  次に、大学奨学金の問題については文部大臣は、来年度からこれを実現する、その点非常に力強く存じますけれども、ぜひともどんなことがあってもこれを実現していただきたいし、大蔵省は、先ほどの問題と内容の問題でございますが、断じて大蔵省もこのことをやっていくということをはっきりと御答弁をいただきたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 先ほど来お答えしておりますように、四十九年度までによい知恵を出したい、かように考えておるわけであります。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 よい知恵を出したい、よい知恵を出すということでは不十分であって、頭のいい人がたくさんおられるのですから、よい知恵はもうきょう、あすにでも出せるわけであります。よい知恵はきょう、いま出されて、この差別を受けた同胞の子弟に対する大学奨学金は、四十八年度から実現をするという、ひとつはっきりとした御答弁をいただきたい。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 予算委員会のときにお答えしたとおりでございまして、これまでできなかった分についてはそれなりにまた事情があったわけでございます。それだけにまたそういうことを踏まえて同じようなことを繰り返してはいけませんので、そこでよい知恵を出して、四十九年度から実現をはかるようにしたいと思っている、こう申し上げておるわけであります。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 ぜひそれをお願いいたしたいと思います。  この問題について大臣はよく御理解のようでございますが、大学局長もおられますし、その他の方々もおられる、また大蔵省は特にそのことについて理解を深めていただかなければならぬ。大体経緯は、数年前に大蔵省にこの問題について話し合いに行ったときに、文部省から予算要求が出たら大蔵省はそれを完全に理解をして、そのとおりやる、つくります、予算を出しますと言ったわけです。翌年文部省からこの予算要求が出たら、今度は大蔵省がこれをぶった切った、そういうことが繰り返されているわけです。まことに私どものふんまんにたえないところであります。そのことの中に、もし差別を受けた部落の国民の中に、その子弟の中に大学教育を受けなくてもよいというような間違った思想の方の圧力あるいはまた悪い影響力があって、それが実現をしなかったことであるとすれば、これはとんでもないゆゆしい問題だと思うのです。ここにおられる方はたいていエリートで、りっぱな大学を出ておられる方、政府委員の方はほとんどそうであります。その方々は、御自分たちが昔差別をした思想の中にあって、その影響でずっとよい境遇に育たれて、そしてよき学校教育を受ける機会にも恵まれて、その機会を十分生かすような生活環境にも恵まれて、そしていま有能な方として国の行政に当たっておられる、これは非常にしあわせなことであり、また意義高い。しかし、やはり全国民に同じようにそのような機会が保障されなければならないと思うわけであります。何百年の間ほんとうに許しがたい政治的な原因による差別が行なわれたそのことがまた明治以後も放てきされている。そのために学校教育を——義務教育は受ける権利がありますけれども、実際上は、このごろは改善されましたけれども、終戦直後は未就学児童もたくさんあった、そしてまた長欠児童もたくさんあった。これは子供が勉強がきらいなわけではありません。両親が働くときに、小学生の児童が小さな弟妹を見なければ親が二人とも働きに行けない、その状態の中で長欠児童という問題も未就学児童という問題も起こりました。また義務教育無償がほんとうに行なわれていないために、心ない学校の担当者に、たとえば会費を持ってこなかったというようなことで、差別を受けている子供がますますその差別を感じて、そういう金を持っていけないために学校に行くことをいやがるというような状態もありました、だいぶ改善はされておりますけれども。そういうような状態のもとできているわけであります。そういうことをどんどん改善していかなければならないけれども、この中に、当然日本国民として自分が勉学をするという意思を保障され、そしてまた勉学をして、その学問なり技術をもとにして社会に貢献をし、また自分の生活も有意義に築くという権利が同様に保障されなければなりません。そのときに、実際上大学というものがたくさんある。もちろん国民の子弟が全部大学に行くわけではございませんけれども、相当数大学教育を受けられる人がいる。少なくとも同じような比率で大学に行かれる、また、もっと教育が進んだならば、日本の全国民の子弟が全部大学に行くような時代になるかもしれませんけれども、少なくともほかの国民と同じように大学に進学できるという状態にならなければほんとうの基本的人権が確立されたことになりません。特にこの問題解決の一番重要な点は就職の機会均等であります。就職の機会均等と密接に関係のあることは就学の機会均等であります。もちろん財産はありません、いろいろな社会的なバックはありません。その人が社会的に進出するのは、そのような進学の機会を得て一生懸命に勉学をする、そしてその学問なり技術をもとにして社会で活躍をするということが最も大事なことであります。そのことが、実際上長年の抑圧による貧困によってできない得ない状態を解決することがこの部落問題の根本解決、そして同対審答申の実施、特別措置法を推進するという答申の大きな中心課題でございます。いままで大学の奨学金が出なかったことはたいへん遺憾でございますけれども、いま衝に当たっておられる方々の御推進で今後必ず大学奨学金の制度ができ上がりますようにしていただきたいと思うわけであります。文部大臣からすでにその約束をいただきました。文部大臣の考え方に従いまして文部省の方々にはそれを推進するために文部大臣を補佐して全力をあげてやっていただかなければならないし、そのことの一つの決定の要素である大蔵省としてはそれを全国的にやっていかなければならないと思いますが、大蔵省の方の御答弁を伺っておきたい。

辻敬一大蔵省主計局次長

○辻政府委員 大学進学奨励の問題につきましてはいろいろと御意見、御議論のあることを承知いたしております。四十八年度におきましては、まず、ただいま普遍的な教育になっております高校段階の助成を積極的に行なうということにいたしまして、単価の増額でございますとか人員の増大でございますとか新しい施策でございますとかいろいろなことをやったわけでございますが、大学進学奨励をどうするかということにつきましては、高等教育の将来のあり方という問題もございましょうし、そういう問題とも関連をいたしまして、文部省と十分相談をいたしたい、かように考えております。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 大蔵省の御答弁はたいへん不満であります。文部大臣の御決意のとおりやっていただかなければならない。先ほどの問題に関係しまして、この教育の問題については文部省が主体的な責任を持っておられる。それをやられることについて当然予算要求をされる。このことば、先ほど言った同和問題については予算を一文もぶった切ってはならない、愛知大蔵大臣が確約された問題について、その中に包含されている問題であります。その中の一番大事な要素の一つであります。就職の機会均等そして就学の機会均等というのはその中の一番の柱であります。この問題について前にあなた方が御答弁に困るといけないと思って私はその理由を申し上げました。それを聞いておられたはずでありますのにそのような点ではたいへん不満であります。ぜひ、文部省は必ずこれを実現するための方策をきめられて予算要求をされる、それについては大蔵省はびた一文削減しないという御答弁をいただかなければならないと思う。全部についての御答弁はまたこれからやります。大学奨学金の要求について一切削減をしない。その御答弁をいまいただかなければ、これは一昨日の愛知大蔵大臣の答弁と違います。したがって主査から大蔵大臣を呼んでいただきたいと思う。大蔵大臣は答弁しておることでございます。文部大臣もいま答弁されたのでございますから、あなたは文部省、また大蔵省の大臣の答弁に従ってやらなければならない、その立場でいま明確に御答弁をいただきたいと思います。

辻敬一大蔵省主計局次長

○辻政府委員 文部省と十分相談をいたしまして十分検討いたしたいと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 十分相談して十分検討する、実現をすることを約束をしてもらいたいということを言っておるわけだ。しなければならない。検討ではいけません。どういうふうに具体的に、たとえばこれを千億にするかあるいは三十億にするか、二億にするか、その分量の問題はありますでしょう、初年度の。そういうことについては相談したらいいでしょう。実現する意味でその具体的な金額なりそういうことを相談するということならまだ許すことができます。文部省の要求を全部のんでいただかなければならないけれども、しかし技術的なやり方あるいは金額的な問題について相談なさるのはけっこうですけれども、これを実現するという意味のはっきりした、明確な御答弁をいただきたい。御答弁ができなかったら、主査、大蔵大臣呼んでください。

黒金泰美自由民主党

○黒金主査 いま参議院に行っておるらしいので大蔵大臣は無理です。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 じゃ政務次官を呼んでください。二人いたはずでしょう。それまで時間を延ばしてください。

黒金泰美自由民主党

○黒金主査 そうもいかない。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 それまで私の質問時間を延ばしてください。

黒金泰美自由民主党

○黒金主査 そうもいかないよ。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 答弁すればいいのですよ。別に大蔵大臣をぜひ呼んでこなくちゃならないということじゃない。辻君がちゃんとはっきり答弁すればいい。辻君が答弁できなかったら主計局長でもいいんですよ。大臣か政務次官か主計局長やってください。

辻敬一大蔵省主計局次長

○辻政府委員 文部大臣のお答えになりましたように、いろいろ文部省のほうでも御検討になってよいお知恵が出ると思いますので、その方向に従いまして努力をいたしたいと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 その御意見に従って努力、実現する決意をもってあなたとしては努力をする。大蔵省としては、愛知大蔵大臣はやるということを言っているのですから。あなたはまた愛知大蔵大臣からほんとうの連絡を聞いてないので、補佐の任務を果たしてないので、これは後に追及をいたしますから。実現する方向であなたは職務を賭して最大の努力をするという御答弁を下さい。

辻敬一大蔵省主計局次長

○辻政府委員 文部大臣のお考えのできるように最大限努力をいたします。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 大蔵省の御答弁はたいへん不満でありますけれども、これは必ず実現するということを確認をして、この問題についてはきょうはここでとどめたいと思います。さらに愛知大蔵大臣に他の機会にこの問題については徹底的に確認をしていただくようにいたします。  それでは、もう時間がありませんから、あと文部大臣に大きな問題について、大切な問題について申し上げてみたいと思います。  この就学の機会均等を大学教育で実現することはもちろん大事ですけれども、高等学校の教育についても、量的に質的にこの奨学金制度を飛躍的に拡大をしていただきたいし、いろんな学校施設についても、この問題を解決するためにほんとうの意味の就学の機会均等、ほんとうの意味の部落の子弟がいろんな制約を受けた中で学力や体力がどんどん前進するような、そういう施設なりそういうものについて推進をしていただきたいし、さらにこの問題は、客観的にいろいろな状態を直していって、そしてこの不当な差別を直そうという一つの方向でございますが、もう一つは、観念にある、社会意識としてある差別観念をなくしていかなければならない。そのためには、差別を受けた同胞の子弟が、差別に負けない子供をつくる。また差別を受けた同胞の子弟も、または差別をしている階層に当たる同胞の子弟も、このような許しがたい差別をなくする子供になる、そのようないわゆる同和教育を推進していかなければならないと思う。この点について文部大臣が全力をあげて推進されるべきであると思いますが、この御決意のほどを伺っておきたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 差別を解消する問題、きわめて重要な問題でございますし、文部省としましては、単に学校教育だけではなしに、家庭教育、社会教育を通じましてもその全面解消に努力をしていかなければならないと思います。学校教育の問題につきましては、御承知のように研究指定校までつくりまして、どうやれば教育の上にそれを実現することができるかということで常に研究、苦慮を続けておるところでございます。今後も学校教育、家庭教育、社会教育、全体を通じまして全面解消に向かって全力をささげてまいりたい、かように考えております。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 終わります。

黒金泰美自由民主党

○黒金主査 次に、大原亨君。

大原亨日本社会党

○大原分科員 きょうは私は私立の小中高等学校の教育の位置づけ、これに対する国としての助成措置の問題について質問をいたします。  最初に、私立の小学校、中学校、高等学校で就学している児童生徒の数を教えていただきたい。数と比率をついでに言ってください。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 私立の中学校に在学いたしまする生徒の数は十四万七千人でございまして、全体の三%でございます。それから私立の小学校に在学する児童の数は五万六千人でございまして、全体の一%でございます。  学校数でございますが、私立の中学校は五百六十六校ございます。学校数に対する私立の割合は五%でございます。それから私立の小学校の校数は百六十一校でございまして、全体に占める割合は一%でございます。  高等学校でございますが、生徒の数は百二十九万二千人でございまして、全体に対して占める比率は三一%、それから学校数は千二百二十一校でございまして、全体に対し占める比率は二八%でございます。

大原亨日本社会党

○大原分科員 小学校は五万人で中学校が十四万人で、高等学校が百二十九万人、これは私立であります。そこで、小学校、中学校の数は、まあこれを見てみましても一%ないし三%ですが、高等学校は三一%になっている。これはまあふえておると思うのです。そこで、これに対する政府の地方財政計画の中における財政上の助成措置は本年度はどのようになっておりますか。昨年度との若干の対比も教えていただきたい。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 私立の高等学校以下に対する助成は、御承知のとおり地方交付税制度によりましてその財源上の裏づけをいたしておるわけでございますが、四十八年度におきましては基準財政需要額として算定されておりまする額が三百九十億円。四十七年度におきましては、これが二百四十億円でございます。四十六年度におきましては、これが百四十億円。四十五年度におきましては、これが八十三億円でございます。

大原亨日本社会党

○大原分科員 地方財政計画の中の交付税で三百九十億円ですが、三百九十億円の内訳ですね。これを計算いたしました基礎ですね、わかっておりますか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 これは御承知のとおり標準団体に対しまする単位費用が根拠になっているわけでございますが、四十八年度の額といたしましては三億七千六十万円でございます。そのうち私立の共済組合に対する補助といたしましては九百万円、それから私立の教職員の退職金、社団に対する補助といたしまして四千二百万円、それから私立学校の運営費、これは経常費でございますが、それに対する分といたしまして三億九百万円、それから設備施設に対する補助といたしまして一千万円ということがその積算の内容になっております。

大原亨日本社会党

○大原分科員 一人当たりの私立の小中高等学校の生徒児童に対するそういう助成の金額は幾らになっておりますか。何らかの意味において一人当たりに環元できるわけですけれども。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 全体平均をいたしますと、一人当たり二万一千円という数字になっております。

大原亨日本社会党

○大原分科員 昨年は幾らになっておりましたか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 昨年は一万三千六百円でございます。

大原亨日本社会党

○大原分科員 これを公立の小中学校の一人当たりの費用と比較することができますか。できるかできないかだけでよろしい。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 比較することは可能かと思いますが、ただいま数字をちょっと手元に持ち合わせておりません。

大原亨日本社会党

○大原分科員 あとでわかりましたらお答えいただきたいと思います。  そこで、去年は一人当たり一万三千六百円を国が何らかの、人件費や施設の費用を含めまして出しておるということでありますが、それを二万一千円出した。  そこで実態調査ですが、もう一つお答えいただければお答えいただきたいのですが、実際には私学の中において小中高等学校に対する一人当たりの費用は大体どのくらいになっておりましょうか。わかっておればひとつ御答弁願いたいと思います。わかっていなかったらあとで一緒に答弁してください。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 ただいまお答え申し上げました数字は、これは単位費用の積算からする数字でございます。実際は御承知のとおりこれ以上の府県の助成が行なわれておるわけでございまして……。

大原亨日本社会党

○大原分科員 府県の助成ではなしに、私学の経営の中で出しておる費用。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 ちょっと関連して申し上げますと、昨年度、交付税の基準財政需要額として算定いたした金額が二百四十億円ということを申し上げたわけでございますが実際府県から私学に対しまして助成されておる金額は、これは予算額でございますが、三百二十七億円ということでございます。  それから生徒一人当たりの学校教育費でございますが、四十五年度について申し上げますと、全旧制高等学校の場合、私立は十一万円という経費が支出されております。これに対しまして公立は十六万二千円という数字が出ております。  なお、私立の生徒一人当たりに公費としてどれだけが支出されておるかということを申しますと、これは国の補助、都道府県の補助、市町村の補助等の含めた金額でございますが、高等学校の全日制の場合は、昭和四十五年度一人当たり九千五百七十三円という数学になっております。

大原亨日本社会党

○大原分科員 一人当たり九千五百ですか。私立の高等学校、私立の学校法人が一人の生徒に対しまして負担をしている金額、支出している費用、これは授業料とか国の補助とか県の補助とかその他の財源等で一人の生徒に対しまして支出をしている費用、幾らですか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 その額が、先ほど申し上げましたように四十五年度、これは直近の数字でございますが、十一万三百二十六円ということでございます。

大原亨日本社会党

○大原分科員 そうすると、大体私立の高等学校が一人について一年間十一万円ぐらい出しておるのに、地方財政計画、交付税では一万三千六百円程度出しておったということになりますね。その程度やっておる。それから公立との関係で見るならば、公立は一人当たり十六万円出しておる。これは授業料収入もあるけれども、県立やその他の公立は十六万円程度出しておる。そこで私立との関係で、国民の立場に立って、教育を受ける立場に立って言うならば、公立との関係では、公立は十六万円出しておるのに私立は十一万円だ。それから国の助成が昭和四十七年は一万三千六百円で、四十八年は二万一千円になる。これは若干改善はされた。そういうことになるわけですね。そこで、昭和四十七年度に一万三千六百円国は交付税の中に計算をいたしておりますが、四十六都道府県の中でほんとうにそれだけを、交付税の中から出たものを都道府県なり市町村は現実に私立学校に対しましてそれだけ出しているかどうか。あるいはその交付税で計算をしてある基礎——基準財政需要額ですから、計算の基礎でしょうが、それ以下のところがあるかないか。つまり、それを下回って他のほうに回しているというか、自治とか交付税の仕組みは必ずしもそういうふうには説明をしないけれども、しかし他のほうに回しておるような県はあるのではないか。一体どのくらい一万三千六百円を下回る支出をしている都道府県があるのかという点についてお伺いしたい。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 先ほども申し上げましたように、四十七年度の私学助成の基準財政需要額は二百四十億円でございますが、都道府県の助成の予算額は三百二十七億円でございます。したがいまして、全体といたしますとかなり基準財政需要額を上回ったわけでございますが、ただ個々の府県をとってみました場合に、正確な数字は手元にございませんが、ごくわずかでございますが、若干の府県におきまして基準財政需要額に算定した額まで私学助成をしていないという府県があるのでございます。ただ、御承知のとおり交付税というのは補助金と異なりますから、必ずしもひもつきのお金ではないわけでございますが、私ども私学の主管課長会議等の席におきましては、ぜひ少なくとも交付税に積算した程度の助成は行なってもらいたいということを強く要請をしておるのでございます。

大原亨日本社会党

○大原分科員 私の手元にある資料は、たとえば北海道は六千五百二十四円、これは半分ぐらいになっている。岩手県は一万八千六百六十円。それから栃木県は七千三百七十六円。それから群馬県は七千二百八十三円。埼玉県が九千九百六十五円。山梨が七千五百六十八円。ずっときて、岐阜県が六千九百五十九円。宮崎が八千五百七円。鹿児島が八千七百五十三円。神奈川県などは一人について三万五千九百二十六円出していますね。これが一番ですね。それから広島県、私のところが一万五千三百四円ですから、少しオーバーしている。山口が二万一千円。東京は二万四千八百三十八円。こういうふうに三倍ぐらい、三対一ぐらいの割合で出しているところがあるわけですね。そうすると、やはり国民の立場から見ると、私学へ行くとか公立へ行くとかということは、これは金がある者が私学へ行っているのではないのです。ですから、私学の学校法人の制度を認めてこういう経営をまかしておるわけですが、これは私は国民の立場から見れば、このような交付税方式でいいのかどうかということが一つ問題があると思います。  そこで、時間が限られておるから申し上げるのですが、最近私学の助成法をつくってもらいたい、そして一定のやはり教育に対する特に小学校、中学校の場合はこれは義務教育ですからかなり選択をする余地があると思うのです。公立が普及しておるので私学へ行くという選択はあると思うのです。しかし、高等学校になりますと、これは高等学校の就学率がたしか九割をこえておると思うのですか——八割くらい、八七%ですね。ですから、これはほとんど準義務教育であるというように考えてよろしいということになっておる。大学の進学率もふえておりますが、大学はこれは社会主義、資本主義を問わず入学のときには選考いたしますね。かなりきびしい選考、国家試験等をやっている国がたくさんあります。資本主義国にもあります。しかし、小中高等学校、特に高等学校の場合は金がある人がそれを選択するというのではなしに、やはり普通教育として、八七%も就学率があるのですから、この小中高等学校を通じて、特に高等学校への進学率もどんどんふえておりますが、やはりこれに対する財政上の措置については交付税というふうなそういう形もさることながら、これは一長一短ありますけれども、経営とか内容に介入するということとは別に、やはり一定の水準とか、あるいは父兄の立場でいうならば一定の父兄負担、公平な父兄負担で機会均等を得させるということが必要ではないか。それは公立との関係でも言えるし、また、いま私が説明し、お答えをいただきましたが、各都道府県ごとに交付税の一人当たりの費用すらも出していない。うんと出しているところもあるというふうな実態ですから、ですから普通教育に対応する措置としては特別の助成制度をつくるべきではないかという議論や運動が最近各方面から出ておるわけです。この問題について、文部省としてはどのような検討をしておられるか、その点についてひとつまずお答えをいただきたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 昭和四十五年に私立大学に対する経常費助成が始まりまして、それと同じような要領で府県から私立の高等学校に対する経常費助成を行なってもらうということにいたしたわけでございます。その計画はまだ進行中でございまして、四十九年度で完成するということになっております。高等学校の場合には、四十八年度で教員給与などにつきましては七割を対象にして、それに対して四割を補助するという仕組みでございます。四十九年度におきましては、それがさらに五割になるわけでございます。同時に七割を対象にする率も上げていかなければならないのじゃないだろうか、かように考えているわけでございます。いずれにいたしましても四十五年に立てられました計画が四十九年度に完成するわけでございますので、この際にもう一ぺん私学助成のあり方を検討していきたい。そういう場合には、いま御指摘になりました立法化がいいか悪いかというような問題もあわせて検討すべきだろう、かように考えているわけでございます。同時に、高等学校が義務教育に準ずるような姿になってきておりますだけに、納税者の立場から考えますと、国公立に税金の金が使われている、同じように私立の高等学校にも税金の金が使われるべきだという気持ち、これは私も当然だと思います。したがいまして、助成の道はなお一そう強めていかなければならない、かように考えます。同時に、助成を国が行なうのがいいか、府県が行なうのがいいか、ここにも問題がある、こういう御指摘もございましたし、また関係の向きでは国からの助成に改めてもらいたいという意見もあることは承知をいたしております。現在は高等学校以下につきましては、地方公共団体が助成をする、大学については国が助成するというような分担であるべきじゃなかろうか、かように考えているわけでございます。そういう意味では公立の医大につきまして四十八年度から国費で助成する道が開かれるようになったわけでございます。高等学校ということになりますと、大体当該府県の住民の子弟が当該県内にあります公立なり私立なりの高等学校に通うのではなかろうか、こう考えるわけでございます。そうしますと、やはり私立の高等学校のあり方を府県段階の議会におきましても、これを取り上げていただきまして、十分論議していただき、監視していただく、そういうことが適当ではなかろうかと、こうも考えますので、やはり私立の高等学校に対する助成は、府県の段階で行なうことが好ましいんじゃなかろうかなあというふうに思っているわけでございます。しかし、問題のあることは当然でございますので、将来とも検討はしていきたいと思います。

大原亨日本社会党

○大原分科員 最近経営者の話を聞くわけです。また組合側や先生方の意見も聞くわけですが、経営者のほうは、人件費も上がるし、こう経営が苦しくなると、とにかく授業料を思い切り上げて、ひとつこれで社会問題にしたらいいのではないか。授業料を公立と比較をいたしてみますと、十倍近い差があると私は思っておりますが、とにかくそういう意見すらあるわけですが、しかし、これは国民の立場に立ってみますと一つの暴論であって、そこで授業料を上げるだけ上げておいて、そうして高等学校の教育あるいは中学校、小学校の私立の教育の位置づけについてもう一回考えてもらおうというふうな逆療法的な言い方でありますけれども、そういうふうな経営の行き詰まりがあるわけであります。私立の高等学校、これは大学に対する程度の補助もないというのは、大学は紛争があったから補助が若干上がったということもありますが、中学校、小学校のほうは四十九年に大体歩調を合わせていこうというような御答弁ですけれども、私立の高等学校というのは、国民の立場に立つと、高等学校だけはどんな職業の人であっても出しておかないと、とてもじゃないがみじめでいけないということですから、これは大学の問題もさることながら、私立の高等学校の位置づけというものは非常に重要なわけであります。したがって、都道府県にその助成措置をまかせる。そのワク組みを国が法律でつくる。あるいは義務教育国庫負担法等で、半額については、人件費その他施設についてもそうですけれども、国が最終的には責任を持つということで、経営は市町村でやっている、こういう形態もあるわけであります。高等学校は、市もやっておるけれども、主として県でやっておる、こういうことなんですね。したがって、地方自治の原則、地域の実情に合った教育という、そういう原則も生かしながら、私立の高等学校というのは、たとえば営利的にだけ——時間があれば私立の医大や歯科医大等についても質問したい気持ちはあるのですが、そういう営利的な方法で経営するということは、いまや限界に来ておると私は思うのです。ですから学校法人とは何か、どういう法人の性格のものかという議論と一緒に、やはり私立の高等学校を中心とする小中学校の助成措置については、私はいま申し上げた質疑応答をいたしましたような、各都道府県間で一対三のようなアンバランスがあるのもおかしい、それから公立との間において、こんなに社会的な必要があるそういう制度を、定数とか人件費等のあるいは職員の条件や教育内容に影響いたしますが、そういう問題にまで差ができるようなかっこうで放置するのもおかしい。少なくとも私立の高等学校を中心として、どういうように普通教育の中で位置づけるかということは、財政上の問題については国は全体のバランスをとるという観点からこれは特に考えるべきではないか、私はそう思うわけであります。これはたとえば一つは、国民の立場から見れば公立をどんどんふやして私立を吸収していくんだという考え方があるかもしれない。しかし、そうではなしに、私立は一定のところまでは国民の立場から見て公平な機会を与えられるような条件をつくるということに力を注ぎながら、国としては財政上の特別措置をとっていく、こういう考え方があると私は思うわけです。私は助成法か負担法かという議論は別にいたしましても、私立の高等学校についてはいまの交付税だけの形態ではなしに——あなたは自治省におられたわけですが、自治体の自主性を生かしながら、国としては国民の立場に立って公平な機会を与えられるような、そういう財政上の助成措置をとるべきではなかろうか、これは私の意見でありますけれども、大臣の御見解をひとつお聞かせいただきたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 府県によりまして高等学校に対する助成が交付税の基準を下回っているということ、地方自治のたてまえからいえばやむを得ないかもしれませんけれども、いま御指摘になりましたような姿では少しひど過ぎるんじゃないかというような感じがいたしております。文部省といたしましても積極的に私立の高等学校に対する助成を増額していただきますように、関係の県につきましては強くお願いをしていきたい、こう考えておるわけでございます。  小中の義務教育とは違いまして、高等学校につきましては現在では所要の経費は府県が負担していくというたてまえになっておるわけでございまして、その限りにおきましては公立の高等学校について府県が経費を支出する、私立の高等学校についても府県が助成をしていく、それに必要な財源は国として保障していくという姿でいいのじゃないかと思うのでございますけれども、これが義務教育化してきているんじゃないか。国も積極的にそういう意味では関心を強めなければならないんじゃないか、財政負担のあり方についても検討の余地があるんじゃないかとおっしゃいますと、これはそのとおりだと思います。今後の研究課題だと思います。ただ現状において考えていきます限りにおいては、やはり高等学校教育の施設権と申しましょうか、施設とか、教員の組織でありますとか、そういうような基準につきましてあるべき姿を示していく、それを守らせるように努力する。これに必要な財源の手当てだけは考えていくというような方向で努力をしていくべきじゃなかろうか、こう思っておるわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原分科員 ぜひやはり自治体の精神を生かしながら、地域の実態に沿うということを生かしながらも、やはり高等学校を出ないというふうなことは、今日社会に出た場合には親の責任としてもそうですが、実際上その立場に立った児童、生徒からいいましても、これは非常に大きな人権上の問題ですから、これは大学もさることながら、小中学校もさることながら、私立の高等学校については三一%お話しのように占めておるわけですから、百二十九万人の生徒が就学しておるわけですから、これは特別にこのことを中心としながら私学に対する助成措置を私は考えてもらいたい。計画的にいま進んでいるやつをそうあらためて考えてもらいたいと思います。その点はひとつあとで御答弁いただきます。  もう一つ、教育に関係したことで、私は従来から前の大臣のときもそうですが、私立の医科大学、歯科大学が昭和四十二年以来でたらめな設置をしておるわけです。営利の目的になっておるわけです。学生から二千万、三千万というふうに寄付をとっているわけです。そういう問題が一つと、教育をきちっとしなければ医療改革はできない。武見太郎という医師会長がいますけれども、あの人の意見は非常にとっぴな意見で私は反対がたくさんあるのですが、この意見だけは私は一致している。  それからもう一つ。看護婦とか衛生検査技師とかOT、PT、作業療法士あるいは理学療法士、放射線技師というふうに医療従事者の中に専門的な技術者の分野が非常に拡大されておるわけです。これがいま経営の中に繰り込まれたり、各種学校みたいなかっこうで非常にいびつになっているわけです。そこで私はやはり学校教育法の体系の中で、これはもちろん厚生大臣との共管、厚生省との関係でしたら、大学校とか名前について制限があっていろいろありますけれども、これは学校教育法の体系の中で大学の就学率なんというのはふえているわけですが、看護婦なんかも高等学校を終わって一年でインスタントにやるというのではだめですから、今度は保健婦や産婆さんとの関係もあるわけですから、少なくとも高等学校を出て最低二年、三年、四年というふうに行かなければいけないわけです。各種の専門分野の技能者についてもそうですね。ですから、医療の問題については厚生省との管轄事項を考慮しながら学校教育法の中でいま大学等においてはかなりこれは就学率がふえているわけですから、希望者があるのですから、そういう点をも考えた医療についての総合的な教育体制というものは、他の分野とはやはり一応別の構想を持って、厚生省との関係、社会保障との関係を考えながらやらなければいけない。私立学校の認可権については大学については文部大臣が持っておるわけでありまするが、政治的な働きかけで見せかけの金を二十億、三十億、五十億円つくっておいてインチキな大学を一ぱいつくっておいて、あとから学生からサルベージのように巻き上げる、こういう仕組みです。営利の対象になっているから、出た者がろくな医者がおらぬということになる。そうすると、医師のモラルというものが根底からくずれる材料をこれはつくっているのですから、そこで四兆円も医療費を使っているのですから、国民経済から見ればたいへんなことです。だから、医師の養成や医療従事者の養成については、大学教育や学校教育の中で、厚生省との共管とか、社会保障の関係を、特殊事情を考えながら、私は抜本的にその問題を考えるべきだ、こういう点を私は意見として申し上げ、この点に対する文部大臣の見解を最後に聞いて終わります。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 最初の私立の高等学校に対する助成措置、今後もなお特段に充実をはかるように努力していきたいと思います。  現在生徒数で三一%を私学が受け持っておるわけでございますが、この程度は将来とも受け持ってもらって、それぞれ学風を競い合いながらりっぱな人材を養成してもらいたい。多彩な人間を養成することが社会を押し上げていく大きな力になろう、こう思っておるわけでございます。  第二の医療従事者の問題、私もいまお話を伺いながら全く同感でございまして、事務当局に対して今後私立の医大や歯科医大をつくることは慎重にしてほしい、こう言っておるところでございます。  反面、国立、公立の医大、歯大、これを積極的につくっていきたい。四十八年度におきまして三つつくったわけでございまして、四十九年度四つつくろうとしているわけでございます。その後におきましてもさらに積極的に設置をはかっていきたい、かように思うわけでございます。  同時にまた看護婦さんたちの問題につきましても、厚生省と絶えず話し合いをいたしておるわけでございますけれども、高等学校の衛生看護科、だんだんふやしていきたい。専攻科もつけていきたい。かなり充実してまいっておりますし、その関係の先生の養成にも努力をしているわけでございます。  同時に国立大学に付置されております各種学校、これを医療技術短期大学に格上げをいたしまして、看護婦さんなどの資質の充実をはかる。すでに三校つくったわけでございますが、四十八年度東北大学につきましても医療技術短期大学にするわけでございますが、今後も準備の整ったところから各種学校を医療技術短期大学に発展させまして、資質の充実をもあわせはかっていきたい、かように考えておるわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原分科員 一言だけ。これは厚生省の意見やその他総合的にまだ細部の問題について議論したいことがあるし、あなたの御答弁の中で、私一致している面もあるし、医大かないところが十五県かあっていまもめているわけです。それは、私は医大というのは各都道府県に一カ所以上あって、教育と治療と研究と一体化して基幹病院との一体的な運営をするということで、医学部の改革の構想を持っているのですが、そういう問題と厚生省、社会保障との関係等もまた別の機会にこれは議論をいたしますが、そういう方向についての見解についてはこの問題をあとに残しておきまして私の質問を終わります。

黒金泰美自由民主党

○黒金主査 次に、勝澤芳雄君。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 文部大臣、私は二年ほど前に南アフリカのヨハネスブルクというところに参りまして、たまたま日本人学校を見ようじゃないかということで日本人学校を見に行ったわけですけれども、町の片すみのほうの二階建ての洋館に、正式の南アフリカ政府の許可を得ていないからということで看板もないまま、むろん日の丸の旗も立てられずに補習教育をやるという名目で個人の住宅を借りてそこで授業が行なわれておったのでありますが、その授業を見てみまして、たとえば生徒数を見てみますと一年生が二人、二年生が七人、三年生が二人、四年生が八人、五年生なし、六年生二人で合計二十一人で全日制の授業を行なっており、中学生のほうは九人で、これは現地の学校に通っておって週二日の補習教育をやっているというような状態を見てきたわけでありますが、そのときに先生やあるいは父兄の皆さんと話し合ってみて初めて知ったわけですけれども、先生の待遇でも県から出仕になっている人、国から出ている人、無給職員になっている人、出張で行っている人、まちまちな取り扱いがされておるという実情が知らされ、あるいはまたここでは教育監事という名前をいっておりましたけれども、日綿実業の方、いうなればPTAの会長ですけれども聞いてみますと、いまから二年前ですけれども、授業料が一万円もする。義務教育は無償で国内では行なわれ、いろいろ教育施設の完備なりあるいは内容なり進められておるわけでありますけれども、海外に勤務している人の子女の教育というものについてまだ十分ではないのではないだろうかという点を感じましたので、きょうはその点を少し御質問を進めたいと思いますけれども、最初に海外勤務者の子女の教育の現況、大体どのくらいの海外勤務者の子女があるのか、そしてその子女の教育がどういう段階で行なわれているのか、そういう点をまず総括的に最初御説明を承りたいと思うわけです。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 お話のように近年わが国の経済、文化等名般にわたる国際的活動の進展に伴いまして海外在留者の邦人子女が急増してまいってきております。文部省では外務省に協力いたしまして、昭和三十七年以来アジア、中南米地域の重要都市を中心に開設されました全日制日本人学校、四十七年度現在で三十校ございますが、その援助に当たっておりまして具体的な施策はおおむね次のようになっております。  一つは在外日本人学校への教員の派遣でございまして、文部省では外務省の依頼によりまして昭和四十七年度までに国立大学付属学校、都道府県教育委員会等の協力を得て、在外日本人学校に対しまして教員百七十名を派遣して学級経営及び学習指導に当たらせてまいりました。昭和四十八年度には新たに設置される三校を含む三十三校の日本人学校に対し、計二百十七名の教員を派遣する予定にいたしております。これらの派遣教員は外務省からの依嘱により赴任するものでございまして、任地ではそれぞれ滞在諸手当が支給されるほか、国内身分につきましては国立大学付属学校の場合はもちろんのこと、公立学校の場合も多くの県で研修出張または職免の扱いを受け、現職としての処遇が保障されているのが実情でございます。  なお、在外日本人学校に対しましては教材などについてもお世話をいたしておりますし、また必要なものにつきましては小中学校児童生徒用の教科書も送付いたしておるわけでございます。  また御指摘によりましてお答えさせていただきたいと思います。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 そこでまず最初に、現地に派遣されている教員の方の身分でありますけれども、研修出張という形で二年ないし三年出張されている者もありますし、無給の休職という取り扱いをされているのもあるわけであります。その出張の状況、なぜこういうふうに違うのか、どうすべきかというような点について御説明願いたい。

清水成之文化庁次長

○清水政府委員 ただいまの身分取り扱いの点でございますが、確かに先生御指摘のような事態が相当ございました。これを最近の状況で見てまいりますと、研修出張、職務専念義務の免除、こういうのがほとんどでございます。いま御指摘になりました無給という観点からいきますと、いまの状態では奥さんを連れていきます場合に夫人につきまして無給、そしてそれが現地で教員になります場合に、外務省のほうから在外手当が出るというのが若干あるというのが実情でございます。  なお、お話がございましたように、私どもといたしましては現職身分を保有したまま、しかも日本国内におきます給与につきまして全額出していただく、こういうことで努力をいたしておるわけでございますが、該当県のうちいままだ若干休職措置をとりまして比率が違いがあるという点は非常に残念な点でございます。これは現職身分を保有し、かつ十割ということで努力をいたしていくべきものでありますし、また努力をいたしておるところでございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 派遣されている教員の実情を見ましても、県に籍のある者それから国に籍のある者、ばらばらであるわけです。私はこういうものは統一できないものだろうかなという実は気がするわけです。しかし実情を聞いてみると、この学校をつくった経過がありましてこういうふうになっているようでありますけれども、そこでこのときにヨハネスブルクであった実情で私の静岡県のことですから具体的に申し上げたほうがいいと思うのですが、静岡県から出ておった匂坂という先生は静岡大学の付属小学校から赴任された。しかし文部省のほうの予算がないからということで、結局南アフリカへ行くために県の北浜中学校に赴任をして籍だけそこへ持っていって実は南アフリカに来たのだ、こういうことを言われたわけであります。国のほうの定員があるのかないのかよく知りませんけれども、県に籍を移された。待遇はどうかと聞いてみると、これ当時もそうですし、最近も聞いてみますと、よその県に比べてどうも悪いというような実情だそうですけれども、こういうものは何か一緒にならないものなんでしょうかね。あるいはこういう人たちは外務省で外交官が出ているわけですから外国における在外手当、そういうものは一つの方法でされているわけですけれども、基本的なものを考えてみると、外交官が行っているのと違うのですけれども、それに準ずるようなものができないものかどうかと思うのですけれども、その辺も含めて具体的な問題ですけれども、御説明いただきたいと思います。

清水成之文化庁次長

○清水政府委員 ただいま御指摘の具体的な例から申しますと、静岡大学から公立学校へ一名、身分を移しかえて出たという時代がありましたことは承知をいたしております。現在では国立大学の文部教官につきましては、研修ということで身分保有のまま出しておるということでございます。  なお、いま御指摘の点につきましては、先ほど三、四県ということを申し上げまして具体的の県をあげなかったわけでございますが、先生から御指摘ございましたので申し上げますと、その三、四県の中に静岡が入っているのは確かでございます。この場合休職措置をとりまして八割、こういうことで静岡はやっております。私どもといたしましては、大多数の県並みにぜひお願いしたい、こういうことで県と話をしておるわけでございます。県といたしましてもまだほかの事例との関係で、なかなかこれだけ先に踏み切るというわけにいかない事情もございますが、基本線としては、先ほど申しましたように大多数の現職身分保有、十割支給をしていただく、こういう線で努力をいたしたい、かように考えております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 幸い文部大臣は自治省のことも詳しいわけですから、私は国のほうが統一したほうがいいのか、地方がいいのかわかりませんけれども、いままでの経過から言いますと、大体地方で相談をされてやられておるようですが、これはやはり調整されて、片方は出張になっておる。片方は休職扱いになって七割しかもらえないとか、八割だということのないように統一するように早急に努力をしていただきたいと思うのですが、いかがですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 ごもっともだと思います。何ぶん急速に伸びてきた仕組みでございますので、十分でない面がいろいろあるだろうと思います。同時に地方公共団体の場合も国の場合も、ある程度の人をプールして、そこで現職としての処遇を保障しておくことも大切だろう、かように考えますので、その方向で努力してまいります。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 次に、学校の設備の関係で、現地の実情によってそう無理も言えないだろうと思うのですけれども、国内における教育の現状を考えてみると、小学校、中学校程度で父兄の負担が、私が聞きましたのは昭和四十五年の十月ですが、ヨハネスブルグで一万円くらいかかる、こういわれております。いろいろ中身を聞いてみると、国内ではそんなことがないような実情なんですけれども、こういう点とあわせて、設備の関係についてももう少し積極的な援助の方法があるのではないだろうか、こう思うのですが、その点いかがですか。

清水成之文化庁次長

○清水政府委員 この点につきましては、実は外務省と文部省、文化庁間の分担関係がございまして、文化庁を含む文部省関係の点から申しますと、広い意味に設備をとって考えました場合に、視聴覚教材の整備あるいはまた一般教材の一つでございます掛け地図とか理科教育設備、たとえば顕微鏡とかそういうような種類のものについて、文部省のほうから在外公館を通ずるなり、あるいは海外子女教育振興財団を通じて各学校に配付をしておる、こういう状況でございます。  なお、その他の設備につきましては、外務省のほうからお答えいただいたほうが適当かと思います。

穂崎巧外務大臣官房領事移住部長

○穂崎説明員 ただいま文部省関係の御説明がありましたが、外務省関係のほうは、簡単に申しますと、日本から派遣される先生の給与、それから校舎の借料等を負担いたしております。その間、たとえば現地で採用された先生、使用人の人件費、それから文部省から援助している教材以外の教材につきましては、勢い現地負担になるわけでございます。それでただいま御指摘のヨハネスブルグでございますが、私の持っている資料によりますと、中学校で大体一万円、小学校が八千円、こういうことでございまして、確かに高い部分には属しております。われわれの持っている資料によりますと、大体平均月額七千円程度が授業料になっております。確かに日本の義務教育と違いまして、金がかかるわけでございます。ただ、われわれとしましてはできる限り経費の軽減に努めておりますが、学校がなかった時代は、御承知のようにアメリカンスクール等に出しますと、月に二万円かそれ以上の金がかかっておったわけでございます。その現状からいきますとだいぶ改革はされておるわけでございます。他方いろいろ民間あるいは外務省もそうでございますけれども、こういう子女の教育のために金がかかるという実情をだんだん認識してまいりまして、民間企業におきましても駐在員の教育の補助をやっているというようなことを聞いておりますし、外務省といたしましても明年度予算で子女教育手当といったようなものを計上して国会の御審議を願う、こういうような措置を講じておりますので、少なくとも現地の負担は今までよりは少なくなる方向に向かっておりますけれども、なおわれわれとしましては、先生をふやしたりいろいろな面で現地の教育の充実をはかっていきたい、かような趣旨で御勘案いただきたいと考えております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 これも外務省なり文部省なりいろいろ御努力をされていることは私も認めますけれども、不十分であることは事実でございます。もっと積極的に——これから海外に出ていく人も多いわけでありますから、海外に出ていくのに一番心配なのは子供の教育をどうしようかということだと思うのです。そしてまた海外へ出た経験をした人たちに現地で聞いてみればみるほど、子供の将来を考えてみると、教育の充実ということをみな言っておるわけであります。この間も、私笑ったのですけれども、子供を小学校くらいに上げるような大蔵省の主計官をどこか後進地域にやれば、予算もちょっとでもふえるだろう。これは自分で体験をしなければわからぬ問題じゃなかろうかという気がするわけです。子供が高校や大学に行くと、そんなに小学校、中学校の教育のことを考えないわけでありますから、少しその身になって十分考えてやらなければいけません。それから海外に出ていく人たちがこれからますます多くなるわけでありますから、なおさらもう少し計画的に——実情を聞いてみますと、海外派遣でも半年くらいで転勤をする。半年くらいで生徒が入れかわるという話も聞くほど、日本経済は目まぐるしく動くわけなんですけれども、そういった点でいま言った海外によく出す会社、工場などとも総合的にそういうものを煮詰めて、十分な御検討をいただきたいと思うわけであります。     〔主査退席、木野主査代理着席〕  次に、最近幼児の教育の問題も出ているようでありますが、これについてのお考えは何かあるのですか。

穂崎巧外務大臣官房領事移住部長

○穂崎説明員 いまヨーロッパの問題とおっしゃいましたのは幼稚園の問題かと思います。実は幼稚園は御承知のように日本では義務教育になっておりませんし、したがって海外でも幼稚園の分まで現在援助していないのが実情でございます。と申しますのは、そういう幼児よりもむしろ就学児童の数が毎年どんどんふえるわけであります。それに対しましてわれわれとしましては先生を派遣いたしましたり、場所によりましては校舎を増築いたしましたりいろいろのことをやっておるわけでございまして、いまは幼稚園のほうは陰に隠れていると申しますか、もっと大事なほうに力が注がれているという現状でございます。したがいまして、場所によりましては幼稚園をつくるという場合にはそれだけ学校の経理が圧迫されますので、その小学校ないし中学校の先生方から、幼稚園をつくることについては消極的な意見も述べられていることも聞いております。したがいまして、そういう状況でございますので、各地におきましては各地の一応金の許す範囲内でいろいろな措置を講じていると思いますが、政府のほうで現状やっておりますことは、小学校、中学校に積極的な援助を与える、この点にまだとどまっている状況でございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 その国と人員によってのいろいろの問題があるでしょうけれども、それはまた別の機会にすることにいたしまして、日本人学校の次に、学校はないけれどもそのかわりとして行なわれている補習教育の問題でありますが、特にこの補習教育の問題について最近私はやはり現地採用の講師よりも政府から専任の講師を派遣せよという声が高まっておるということを聞いているのですけれども、その点についてのお考えをお伺いしたいと思うのです。

穂崎巧外務大臣官房領事移住部長

○穂崎説明員 現在補習校は欧米その他後進国、開発途上国にもございますけれども、全部で二十八校ございます。確かに御指摘のような要望はございます。ただ、補習校の現状を申しますと、これは大体現地に学校がございまして、現地にいる人が週に一回三時間程度国語、算数等を教わるわけでございまして、ちょっとことばは悪うございますけれども、日本に帰った場合にある程度備えるというためのいわば家庭教師的な役割りをしているわけでございます。したがいまして、週に一回ということから、その先生方も特に日本から派遣される場合もございますが、現地で負担いたしまして、大体は現地におられる方がパートタイムの先生として教えておられるわけでございます。  そこで、いま起こっておる問題は、だんだん大きくなってまいりますと、そういう先生の教え方自身いろいろ批判が出てまいるわけでございまして、これは考えてみますと、教育の経験のある方もございますがない方もございますのでいろんな問題があるかと思います。したがいまして、そういう問題の大きくなったところは、やはりだれか日本から専門家が行って指導すべきだという意見もございますので、われわれはむしろそういう面で補習校を強化できないかということはいま考えてはおります。ただ、御承知のようにわれわれ全日制の学校もやっておるわけでございまして、全日制の学校のほうは日本に帰ってすぐ日本の小学校、中学校にそのまま相当なところに進級するということを目的にしてやっておりますので、このほうは先生の充実をやらなければならぬ。他方、補習校のほうは必ずしもそういう目的に直結していないという関係から多少全日制とは違いまして、先生の充実の面に欠ける点があることはやむを得ないかと存じますが、いずれにいたしましてもいまのような問題が起きているという認識は持っておりますし、いま申し上げましたように、現地におられる先生を補強するという意味で何らかの措置をとらなければいかぬのじゃないかという認識は十分に持っています。

清水成之文化庁次長

○清水政府委員 補習授業校の点につきまして、文部省関係でどういうことをしておるかということでございますが、補習授業校に通っております児童生徒、義務教育相当年齢でございますが、それに対しまして初中局のほうで教科書を無償で配付をしておっていただくという点がひとつございます。それからなお、またお話も出るかもわかりませんが、四十七年度から海外子女教育振興財団のほうで通信教育事業を行なっております。補習授業校の児童生徒につきましてもこれを活用して、関連を持たせて現時点ではやっていただくのが有効ではなかろうか、かように考えておる次第でございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 そこで私は、ここで日本人学校なり補習教育に使う教科書なり教材なり、こういうものというのが、その先生あるいは出身校、出身県ですか、そういうので個々的に調達がされて、なかなかそういう点の連絡がいままで十分でなかったというような話を聞いておるわけですけれども、そういう点についてはいま御報告がありましたこの海外子女教育振興財団、こういうようなところがこれからは一本窓口というような形でできるだけまとめられていくようになるのですか。そういう点はどうなんでしょう。

清水成之文化庁次長

○清水政府委員 教科書の件でございますが、日本人学校につきましてはいま先生御指摘のとおり、こちらから教員も行っておるわけでございます。そこで現地の学校当局のほうから外務省を通じましてどういう教科書をもらいたいということを申してまいります。それからまた、いまの補習授業校あるいは通信教育等で勉強しております児童生徒につきましては、そういう教員がいないということで、これはこちらのほうで一番多く採択をされている教科書をこちらから送付をしている、それは在外公館を通じていまお願いをしておるという段階でございます。今後海外子女教育振興財団を通じてやるかどうかということにつきましては、これはまた外務省等とも相談をしてまいりたい、かように考えております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 時間がありませんから大臣にちょっと要望いたしておきますが、外国に行くことになった、子供がある、向こうへ行って現地でどうなるだろうかということで、やはり、いやそこの国には学校があります、こういう先生がおってこういうふうにやっております、あるいはここは現地の学校がどうなっておって補習教育がある、そうして日本との関係はこうなんです、こういうようなことが目的なんでしょうけれども、海外子女教育財団がつくられたと私は思うわけです。二年なり三年なり行ってまた帰ってきた。帰ってきたときのおくれなり、あるいは長い間行ってきた人のためにも、受け入れがこうなっていますということで、やはり教育の問題についての後顧の憂いなく海外で働ける、帰ってきてからもそう心配がないというようなものというのは、これからますます充実強化していかねばならないと思うのです。いまお話を聞いておりましても、やはり文部省の所管があり外務省の所管があり、そうしてまた聞いてみますと二、三人で片手間という言い方はしかられるかもしれませんけれども、そう専門的にやられているとは見られないわけであります。これはやはりたいへん大事な問題だと思うのです。ぜひ、振興財団が中心になるのかわかりませんけれども、ひとつ大臣のほうでも十分こういう問題もこの機会にもう一回洗い直してみて、新しい目で見て、一体これでいいだろうかどうだろうか、これからやはり海外に出て行く人たちが多いわけでありますから、そういう点でどんなふうにしたらいいかという点などについても十分ひとつ大臣に御検討いただきたい、こう思うわけであります。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 たいへんごもっともな御意見でございます。これからもさらに海外に在住します邦人数がふえてくるわけでございますし、また日本に帰ってきた場合のことにつきましても、両者あわせまして統一してできるだけお世話をするという仕組みを明確にしていかなければなりませんし、明確にすれば整理もしやすいと思いますから、そういう方向で一そう努力していきたいと思います。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 終わります。

木野晴夫自由民主党

○木野主査代理 受田新吉君。

受田新吉民社党

○受田分科員 文部大臣、限られた時間ですから、ポイントを三つにしぼって簡明直截に御答弁を仰ぐように御質問いたします。  私は国の教育を、国の政治の上で非常に高いウエートに置くように、文化国家として新しく立ち上がった戦後の日本は、戦争も放棄し、軍備を持たないという形で文化の高揚に力点を置き、福祉の増進につとめてきたわけですが、しかし現実には国政の上の文教のウエートは依然として低水準に置かれている。文部大臣は油断をすると伴食大臣のそしりを従来受けてきておるような立場に置かれておったわけです。私は、文教教育というものを国政の中核にするような国家に、教育国家にしなければ日本の使命が果たされないと思うのです。その意味で、大臣は国政の上における文教のウエートをどういうところに置くべきかお答えを願いたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 おっしゃるとおりに、国づくりの基礎は人づくりにあるというように考えておりますだけに、やはり国政の重点に教育を置いていくべきだ、かように考えております。また、国際的に見ましても、新興国家といいまた先進諸国家といい、世界をあげて教育の充実、改革に取り組んでいるのがいまの姿だ、かように考えております。

受田新吉民社党

○受田分科員 そこで、国会が始まるとさっそく内閣総理大臣なり大蔵大臣なり外務大臣、経済企画庁長官が施政演説をやります。ところが財政、外交、それと比較してむしろウエートを高くしなければならない文部大臣が施政演説をやっていないわけです。これに対してお考えを……。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 今度の国会の初めにあたりまして、施政方針演説の中に文化教育を入れたらどうかという話があったことは聞いておりましたが、受田さんから出たことは知りませんでした。私、たいへんけっこうなことだという気持ちを持っているわけでございます。経済大国などと言われるよりも文化大国と言われる日本になりたいという気持ちを持っている一人でございます。

受田新吉民社党

○受田分科員 私は総理にも申し入れ、前の稻葉文部大臣にも申し入れ、二階堂官房長官にも申し入れた。文部大臣の施政方針をこれに入れるべし、生まれ変わった内閣で教育を大事にする政治の姿勢を示せと私は要求をしました。ところが現実には奥野文部大臣の演説が抜けておる。私は施政演説に対する代表質問でこれを取り上げようと考えたのですが、奥野さんがいとおしく思われましてこれは質問からはずした。つまり内面的に政府与党の御都合もあろうと思って注文だけ申し上げておいたわけです。私はそういう方向へ政治の姿勢を正して、これは国民も文部大臣の施政演説が、総理以下大蔵、外務、経企、文部と四人の大臣の演説があるような時代を早く招きたい。あなたも閣議でそれを主張されて文教を強く高いものに引き上げるための努力をしてもらいたいと思うのです。  次に、私、今度は少し内面的な問題に触れていきたいのですけれども、心身障害者対策基本法が昭和四十五年にできておる。その第十二条には、教育の項が設けられてあって、「国及び地方公共団体は、心身障害者がその年齢、能力並びに心身障害の種別及び程度に応じ、充分な教育が受けられるようにするため、」云々が書いてある。この方針に基づいて、この世に生をうけた心身障害者が心身障害者なるがゆえに教育の機会に恵まれないというような形を排除しなければならない。それに対して文部省は、この法律ができてすでに三年近くたつのであるが、具体的にいかなる、すべて国民は教育の機会均等の恩典に浴するための、不幸にして心身障害者になった、されど教育は最高の恩恵に浴するのだ、むしろ健全な人よりもよけい心づかいをしてこの問題と取り組むのが文部省の使命だと思うのですがね。これに対して御答弁を仰ぎたい。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 心身障害者もそれに応じて教育を受けられますように施設を整備していくことが政治の責任だというように考えるわけでございます。そういう意味におきまして、盲学校、ろう学校が整備されてまいりましたし、さらに養護学校を促進しているわけでございます。現在養護学校は約二百九十校あるわけでございますけれども、なるたけ早い機会にこれを倍程度にふやしていきたい、こういうことで努力を続けているわけでございます。  なお、身体障害者の大学進学につきましても、身体障害者であるという理由だけで大学受験の機会を奪うことのないよう大学に対して強く要請をしているところでございます。

受田新吉民社党

○受田分科員 私、この問題は文部省が高い誠意をもって実践によって実現できると思うのです。養護学校を府県にある数を倍近くにふやして、ひとしく心身障害児が教育が受けられるようにする、これがまず地方の教育のポイントである。さらに中央の教育ということになるならば、国立大学が先頭に立って心身障害者のための教育施設を強化しなければならないと思います。いま国立大学で、東京教育大学が盲人の皆さんに対して特別の教育をしておられる。ところが最近、ごく最近東大が盲人のために入学の機会を与えるという措置をされたように伺っております。私も本会議で先般お尋ねをした問題は、地方における養護学校の充実政策とあわせて、大学に学ぼうとする者のために、目が見えないから、足がないから、手がないから教育の機会を失わせることがないように、そのために施設としてたとえば車いすを用意する、あるいはつえが要る、あるいはボタンを押してエレベーターの昇降ができる、こういうような心づかいをして、人数は多くなくても、そのためにばく大な予算がかかっても、身障であっても最高学府まで学べるのだ、日本国に生まれてよかったと喜べるようなそういう制度を、また政策を実施していただかなければならないと思うのです。これは非常に冷酷だと思うのです。これにも書いてあるように、「その年齢、能力並びに心身障害の種別及び程度に応じ、」とこう書いて、はっきり「充分な教育が受けられるように」と書いてある。ところがそういう施設がないから、足が悪い人が車いすがないから、目の見えない人がボタンがないから、つえがないから、またそういう人を収容する校舎がないから教育の機会が得られてないのです。学ばんとする者の門戸を身障者なるがゆえにふさいでいる。これは文部省が真剣に取っ組んで、どこか特別の大学を指定して、そこに思い切った予算を組んで、そうした人々に道を開いてあげる、その努力が、事実この法律ができたにかかわらず具体的に計画を進めておらぬと思うのです。決意と勇断を持って実行に移すべきだと思うのですが、奥野さんは行政通でもいらっしゃるのだが、同時に国務大臣として高度の政治判断でここヘポイントを置いた努力をしてもらわなければならぬと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 いまもお話しになりましたように、東京大学が点字による試験を実施したということだけでも、非常に明るい展望を関係の皆さんがお持ちになったことと思います。御指摘のように、積極的に身障者の方々に対応した教育施設を整備すること、これはまず大切だと思います。したがいまして、今後そういう熱意を大学当局に持ってもらう。その熱意によって施設の改善を計画してもらう。その計画の改善に対応した予算措置を国のほうで積極的にとっていくということを通じまして御期待に沿えるような努力を続けていきたい、かように考えます。

受田新吉民社党

○受田分科員 具体的に政策がどう織り込まれているか、国立は国家が予算を出すのですから、やろうと思えばすぐにやれる。またそういうことに関心を持つ私立大学があった場合に、その私立大学のこういう教育施設については文部省が大半の予算を持ってでもモデル施設としてそれを奨励するというような勇気があるかどうか、大臣、すかっと言われたらいいです。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 たいへん大事なことだと思います。私学振興財団の資金もあるわけでございますので、積極的にそういうものを活用したいと思います。

受田新吉民社党

○受田分科員 これは私学振興財団では片がつかない問題です。つまり、ある特殊の身障者のための大学の教育施設を設けたい、それはやはり相当な予算がかかる。そういうときには、それに熱心に取っ組む私立大学があった場合には他とのバランスも考えて、それに十分予算の配分もして教育をさせる、こういうところで文部省に腹がすわっておれば、私立大学だって勇敢にそういうモデル的なりっぱな教育をやってくれると思うのです。そのときは金をおまえのほうがやれ、私学振興財団などにまかしたのではとてもできそうもない。文部省が独特の案としてそういうものに対する費用を助成する決意があるかないかです。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 そういう熱意のある学校が出てくるのはたいへんありがたい話でございまして、そういう場合にはもちろん積極的に助成を考えていくべきだと思います。

受田新吉民社党

○受田分科員 次に、ポイントの一つの中に学校の子供たちをめんどう見るお医者さん、いわゆる学校校医の処遇というものは非常に冷たい。これはかつて私七、八年前に一度指摘して文部省が言われたのですけれども、自後その配慮はまことに遅々として進んでいない。具体的に申し上げますと、この学校医の基本給なるものは年に三万から四万程度のものである。年にですよ。そしてその扱っている子供たちの数はやはり数百から千をこえるところもある。そして同時にこの先生というものは基本的任務が学校保健の立案に当たるだけでなくして、定期健診をやらなければならぬ、ツベルクリン反応もやらなければいかぬ、臨時健康相談はどうかというと、これは全部奉仕になっている。それから修学旅行をやるその前に検診をやる、水泳を始める前にやる、運動会の前にやる、こういうふうな事前措置が要る。そして事実上そういうとき勤務すれば一回四千五百円支給するということになっておるようだが、事実上はそれが支給されてないところが大半である。やっているところがあればお示しを願いたい、どの程度いっておるか。そういうものを年に四回や五回やるわけですから、そういうときは四千五百円とある、その措置を五回やれば五倍のものをもらうべきだ。事実問題としては、学校の校医先生というのは年に熱心な人は八回も十回も学校へ行って勤務している。平素の子供たちの健康状態もじっと校庭でにらんでながめておる。その人に対して年間にたった三万、四万かの基本給でさよならをしているというこの文部省の指導方針というものには、私は非常に手抜かりがあると思うのです。しかも身分の保障というようなものが、校医になられると、特別職の地方公務員となっている、これは非常に公務員法上の規制を受けるわけです。そうして勤務をする途中にそこで交通事故でなくなったといったらどうなるのだ。ところが、きょうは出る日であるが、そのときは別として、校医みずからが進んで学校の子供たちの健康状況を見に行かれるような場合は一体どうなるのか、そういう際の死亡とかあるいは負傷とかいうものに対する補償というものは一体どうなっておるのか、こういうようなところを考えていくと、学校医というものは非常に不安定な処遇に甘んじてなお奉仕しておるということになっているわけです。これは担当局長で御説明いただいてもけっこうですよ。これはいいかげんに扱っていけない大事な問題でありまして、御答弁を願いたい。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 現在学校医等の手当は学校の設置者が負担しているわけでございます。そのために地方交付税の単位費用の中にその関係の費用を積算いたしてございます。その積算の金額は毎年若干ずつ引き上げてきているようでございますけれども、御指摘になりましたように、設置者が支払っている額はそれに達していないようでございます。積算の基礎を引き上げながら設置者がさらに一そうその報酬を引き上げてくれるように文部省としても働きかけていくという必要があるように思います。それらのことを通じまして御指摘の問題についてできる限りお答えできるように持っていきたいと思います。  同時にまた、いまそれ以外の災害等についてもお話がございましたが、それらの点につきましてなお政府委員のほうから補足してお答えをしたいと思います。

澁谷敬三文部省体育局長

○澁谷政府委員 いま先生御指摘のように、公立学校の学校医は地方公務員法上特別職の公務員になっておりまして、地方公務員法上公務災害補償の対象にならない。そこで特別の法律ができておりまして、公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する法律というのが制定されまして、考え方は大体国家公務員の場合の公務災害補償に準ずる考え方をいたしております。それに基づきまして、学校医として勤務された場合の公務災害補償につきましては、都道府県が補償をする。その半額を国が負担をするという制度ができておりますが、いわゆる通勤途上の問題につきましては、国家公務員につきましても現在それが問題になっておるわけでございます。そういうことで、国家公務員の公務災害補償に準ずる考え方の補償制度は一応つくられております。

受田新吉民社党

○受田分科員 私、いまの基本給の問題、まずもっと明確にしてもらいたい。いまの子供の診断で、幼児の場合は六歳までは六百二十円の初診料、それからそれをこえた子供はおとなを含めた五百円となっている。ところが、百人を診療すれば初診料だけでいっても五万円要るわけです。五百人やれば二十五万です。そういうものを全然無料でやるわけなんです。そういう計算などをしておると、学校医の手当が一年間に地方交付税の中に一体どういうふうに計算されておるのか、ちょっと明示していただきたいのだが、正当な報酬かどうかという議論が起こってくるわけです。自分の医師の執務を取りやめて子供の診断に当たっておるのですから、それに対しては一応医療報酬上のある程度の基準を学校医の上にも制定すべきだと思うのですが、一体どのくらいの金額を文部省で算定し、地方交付税の対象となる場合にどれだけのものが入れてあるのか。

澁谷敬三文部省体育局長

○澁谷政府委員 御指摘のとおり現実に支払われておる報酬は非常に不満足な状態であることは事実でございます。文部省といたしましては、少なくとも一日勤務していただいた場合は、五十前後の国家公務員たる医師が勤務された場合一万円ぐらいになりますので、年間、普通は二十日ぐらい勤務していただきたいのでございますが、かりに十日といたしましても十万円ぐらいは計上すべきものと考えるのでございますが、毎年この交付税の積算の増額に努力しておるところでございまして、もともとが学校保健法が昭和三十三年に制定される以前、ずっと三千円に長い間据え置かれて、学校保健法が三十三年に制定された際、初めて七千円に交付税の積算をしてもらったわけでございます。自今年々引き上げまして、来年度は一応五万円の積算をいたしておりますが、これで満足すべきものとは決して思っておりません。ただ、現実に支払われている報酬がそれより下回っておりまして、全国平均三万円ぐらいになっております。文部省といたしましては、まずこの現実に支払っていただく報酬は少なくとも交付税の積算は下回らないということを各地方にお願いをしておるわけでございますが、それでさらにこの交付税の積算ももっと抜本的に増額する必要がある問題である、そういうふうに考えております。

受田新吉民社党

○受田分科員 文部省は少しのろまですよ。いいですか、いま局長おっしゃったように、十日勤務すれば十万。大体事実問題として十日前後をみな校医さんは勤務している。もっともっと熱心な人は、ひまがあれば学校に行っては子供の健康状態を見ておる。そういう熱心な人がおって初めて子供を健全な子供として育てることができるのですよ。そのためにはいまのお話の一日一万ということであれば、せめて十万はこれはもう積算の基礎にちゃんと計算されておらなければいかぬ。それをいま五万。事実問題は三万前後しかやっていない。地方で調子のいいところで三方五千か四万。それからもっと低いところが、二万台もある、こういうような、校医さんというのに全く犠牲を払わしておるわけです。これは思い切って最低十万程度のものをぴしっとやって、そうして学校の子供たちに健康で明るい将来を開かすために、もっと何かはっきりした数字を出されてはどうですか、大臣。これはあなた、いま聞かれて、学校医の事実上の給与は、年間ですよ、一月じゃないのですよ、年間二万か三万か程度を支給して、そうして重い子供の保健衛生を医師として責任を負わしておるわけだ。いまの十万という地方交付税の積算基礎をこのあたりですかっとまずさしあたり——それからもっと勤務の日数をふやせば、目標を大体二十万程度のところぐらいはすかっと割り切って、そして熱心な校医を子供のために積極的に取っ組ませるような対策を、大臣、この機会に英断をふるわれてはどうですか。決意と断行の内閣の文部大臣として、少しおかしいですよ。これは。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 たいへん御熱心なお話を伺いまして恐縮な感じを抱いております。毎年毎年これを見ていますと金額は上げてきているようでございますけれども、なかなか実態に合っていない。やはり根気よく築いていく努力をしていかなければならない大切な問題と思っていますので、そのように努力を続けさせていただきます。

受田新吉民社党

○受田分科員 あまりなまぬるい御答弁。根気よくどころの騒ぎじゃないのです。いますぐこれはやらなければならぬ問題ですね。あまり責任だけ重くして処遇が悪い。いまのような運動会の前とか水泳の前とか、そういうときの健康診断などというのは全部奉仕させておるのです。そういうことが基本的に子供の健康にも影響してくるのです。次代を背負う子供に、もっと校医が本気で取り組むようにさせるための金額とそれから精神的な処遇等も考えて——いまの災害なとにおけるときには、ちょうどその日が出勤した日で、自発的に学校へ健康状況を見に行ったようなときは入っておらぬわけですね。そうなんです。つまりきょうは校医出勤日というときだけが対象になっておる。だからはなはだ片手落ちである。勇気をもってこの点もう少し早く結論を出してもらいたいと思います。私の質問に思い切った英断をふるうことを明言できませんか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 御趣旨に沿うように努力してまいります。

受田新吉民社党

○受田分科員 あと五分しかありませんので、それでは最後にもう一点。  いま日本で医師の養成という、つまり大学の医学部、医科大学設立について一つ私は疑義がある。いいかげんな基準で医科大学を設置するという傾向がある。それは浪速医科大学にしても松本歯科大学にしても同様の問題が起こっている。もっと年数をかけてじっくり財政的な基礎その他の準備をして後にやるべきで、一年か二年かで医科大学をつくるということは私は適当でないと思う。この二、三カ年間に十数校の医科大学ができておる。これに対して文部省というのは大学設置審議会、私立の場合は私大審議会、そういうようなもので設置をもっときびしくして準備を整えた医科大学をつくるという、そしてりっぱな医師を養成するという方針に切りかえられてはどうですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 お話全く同感でございます。文部省としましても一年審査を二年にする、あるいは準備する資金のほうも四分の三をまず用意しなければならぬとかいろいろなことをやっているようでございますけれども、私はそれより以上に今後私立の医科大学の認可については事務当局に慎重にやってほしい、こういうことを言っておるわけでございます。積極的にむしろ国なり地方公共団体が医師養成の責任を果たしていこう、積極的に国立大学、公立大学、これを設立していきたい、そしてこの要請にこたえていきたい、こういう気持ちでおるわけでございます。

受田新吉民社党

○受田分科員 国立をふやしていくという問題だけでは解決しない。私立でも基礎的なものが十分でき、建物だけでなくて内容もりっぱなものが準備されるということになれば、それは国立でまかなうとは変わった意味の私学の味のよさもあるわけだから、国立だけに力を入れて私立は押えるというような、そういうたてまえでやる筋ではないと思う。そうすると私学は今後だめだということにもなるわけなんだ。だから私はむしろ国立にしても私立にしても、現在建っている大学に力を入れて、もう建物ができておる、入れものがある、設備の基礎ができておる、それへ助成して予算をこれから追加してそこを拡大強化するという方針のほうが私は新設よりはいいと思う。どうですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 四十五年から医科大学がすでに十三校、歯科大学が八校、かなり急激にふやしたものだな、こう思うわけでございます。それだけに、おっしゃっているとおり、私立に関する限りは次々にさらにふやしていくというよりも既存のものの充実に力を入れなければならない、よく理解できるわけでございます。そんな方向でわれわれ対処していかなければならないと思います。

受田新吉民社党

○受田分科員 そういう問題について、厚生省の医師を養成してもらいたいという要請が一つある。いま十万人につき百二十数名が日本の医師。ところがソ連などへ行くとずっとふえておる。アメリカも多少ふえておるということですが、日本は狭い土地の中に医師がそれだけおるわけですから、距離的にも近いところで、膨大なアメリカやソ連のあの広いところに医師の割合がちょっと多い程度と比べたら、日本は地域性からいうたら医師はある程度小数精鋭でも間に合うわけなんだ。そういう意味から厚生省の医師養成のワクとこれに対して医学教育によって文部省がそれをまかなう、その調整が不十分であるという懸念がある。  そこで、総合的に医学教育的な全体の統制機関というのが必要だと思うのです。医学全体を調整する行政責任者というのがおって、それを厚生省の要求とたとえば大学の付属病院などの問題が一つこの間から出ておる。付属病院は教育機関である。医療機関である。その両方がごちゃごちゃしておるから問題が起こってくる。そういう意味で、医療教育行政機関の総合的な責任者を総理府にでも置く、そういうものを設ける。文部省に置かないで総理府にむしろ置いたほうが調整がとれていいと思うのですが、国務大臣としての見解を承りたい。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 おっしゃるとおり、医療機関の技術者、医師だけじゃなしに、全体をながめまして、そういう必要があるならという気持ちを非常に深く持っております。別の機関を置くか置かないかは別にいたしましても、もっと密接に、絶えず相談をし合いながら計画を充実する仕組みが大切であると思っております。

受田新吉民社党

○受田分科員 時間厳守でやめます。

木野晴夫自由民主党

○木野主査代理 津川武一君。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川分科員 この間、この国会における二月二十四日の予算委員会で、わが党の山原委員の質問に対して、文部大臣が、東京大学の精神神経科病棟、いわゆる赤れんがのことについてこう答えております。その赤れんがを占領している人たちは、「東大のあの騒動、昭和四十四年、あれが静穏になってきた際に、それに対して反対して残った方々、これは御承知のように、過激派集団と申したらよろしいのですか、とにかくそういうグループであることは言うまでもないと思うのでございます。そういう方々が外の方々とも手を組んでがんばっておるわけであります。外の方と手を組まなければがんばり抜けるものではありません、わずかな人数ですから。」こう答えておりますが、「外の方々」というのはどなたでございますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 外のほうにも同じ目的を持った方々がおられる。同じセクトに属する方々という気持ちで申し上げておるわけでございます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川分科員 確認したわけじゃないわけですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 患者が退院される、さらにそのあとへ患者をかついでこられる。かついでこられる方々が、やはり同じセクトに属しておられる方々ならばと、こういう判断をいたしておるわけでございます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川分科員 判断なわけですね。  それではその次、昨年の二月、あの残酷な人殺しをし、浅間山荘に立てこもって婦人を人質にしたあの連合赤軍派が、この赤れんがでその事件を支援する集会を開いておりますが、こういう事実は御存じでございますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 私は承知しておりません。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川分科員 聞いたことはありますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 そこまでは聞いておりません。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川分科員 もう一つ、この赤れんがの中に患者が入院していますが、その入院患者に、昨年の  一月、患者に安心感を与えるのだ、それがわれわれの療法だと言ってナイフを持たせておるのですが、こういう事実は、大臣御存じでございますか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 患者の療法の一つの方法として、刃物療法があるということを聞いておりますが、具体的にこまかいところまでは承知いたしておりません。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川分科員 局長は、どうして刃物寮法という療法があるのか、これは確実に一つの学問として覚えておるわけですか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 私どもその面の専門家ではございませんが、そういう担当の部局のほうで、そういうふうなものの言い方を聞かされておるというのが、私に聞こえておると思います。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川分科員 せっかく文部省は日本の学術の研究を担当するところだから、国際的な医学界で刃物を持たせて治療するなんて流派があるのか調べて、間違いなく私に報告してほしいのです。——それでよろしいのです。あとで報告をとりますから。  そこで、この病棟は東大の精神神経科の病棟で、ここで正常な研究と医育、治療するために、科長の教授から助手まで国家公務員十四名、非常勤の公務員、これは研修医ですが、十一名おりますが、このうちで、この赤れんがに何人立ち入りできる状態にあると思っていますか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 診療科の中の職員で赤れんがのほうに関係をしておりますのは、定員内の職員といたしましては五名でございまして、それにいま非常勤の看護婦一名、六名おります。そのほかこの中におります関係者が、外部の医師の協力を得ておるということでございまして、これも全く自主管理のような形で、私ども遺憾に思っておりますけれども、十数名の関係者が出入りしておるというふうに聞いております。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川分科員 局長、ここは国の最高の主権の場である国会の質疑応答なんです。むだなことはやめさせてください。私、聞いているのは、国家公務員である教授を中心とした助手までの十四名、非常勤の医師、研修医の十一名、このうちで何人出入りできているかと聞いているのですよ。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 いま精神科の国家公務員でおります医師、教官等のうち、赤れんがに関係しておりますのは一名でございます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川分科員 一名だけですか。そういう答えですか。正直に答えてほしいのです。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 教官の関係では一名の者しか入りにくいと思っております。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川分科員 大臣、こういう状況なんです、あの赤れんがは。いま聞かれてわかったでしょう。こういう状態になっておる赤れんがを、どうして中を調べなかったのです。どうして正確に調べていないのです。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 先日も、予算委員会の席に東大の加藤学長を委員の側からお呼びになりまして、これらの問題をお取り上げになったわけでございます。文部省といたしましても、そのつど学校当局に対しまして、善処を求め続けてきているわけでございます。しかしながら、遺憾ながら今日なお解決していないわけでございますが、昨年来若干話し合いがひんぱんに行なわれ出してきているということでございますので、それに期待をかけているわけでございます。今後ともなお一そう早期に解決しますように、文部省としては積極的な努力を払わなければならない、それだけの責任を感じております。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川分科員 あとで病院長を、私はこの予算委員会なりまた文教常任委員会なりに証人として呼んでいただくことにして、そこでうそをつくことができないようなことにします。うその報告なんです。これは私も証人は幾らでもあげられますがね。  そこで大臣、この状況で、どんなに外の人たちがいるのか。国の財産ですよ。それをわからないでほったらかしておく。世界中にも類例のない刃物療法なんかやっておるなどという状態です。あなたたちのほうから任命されて、ここで研究、医育、治療する人たちが入れない、こういう状態をどう考えていますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 四十四年の二月に一応東大の紛争が終結したわけでありますけれども、こういうようになお問題が解決をしていない。まだ部分的に続いておるわけでございます。早期に全面的な解決が行なわれますよう、当然文部省の責任として努力していかなければならないと思います。  ただ、大学自治の問題もございますので、他の行政機関のようには簡単にみずから手を下せない、そういう問題のあることは御理解をいただいておきたいと思っております。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川分科員 そこで、大臣はよその人らしい者が入っているとか、局長は刃物療法らしいものがあって、それが行なわれているらしいことを患者から聞いている、こういう認識で、どうしてここの始末ができますか。  そこで、私は結論はきょうは急ぎません。大臣、この状態を正確につかんで、責任ある報告を私にしてくださいませんか。これはどうでございますか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 先ほども申し上げましたように、その赤れんがの中が、そのために責任ある関係者が入りにくいという状態が遺憾ながら続いておるわけでございます。ですから、どうしても間接的な情報にたよるほかはないということでございます。また大学との関係から見ましても、私どもが直接どこまで踏み込めるかというような点等も考えまして、いままで病院長それから医学部長等と再三にわたって、昨年御指摘がございましたとき以来私も詰めてまいっております。どの程度まで津川先生のおっしゃる、正確なというところが私どもにつかめるかわかりませんけれども、なお最大限の実態把握にはつとめて、御連絡申し上げるようにしたいと思います。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川分科員 それじゃ解決されないのだよ。そこで大臣は、私のいまの問いに、やはり正確な事情をつかまえなければ、どんな人が入っているかわからない。刃物を持たしているかわからない。局長もそれを肯定するような状態しかわからない。これを正確につかまえる、これが文部大臣としての、文部行政としての第一義だ、この問題に対する処置だと思うのですが、いかがですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 当然のことだと思います。客観的な事実を正確に把握する努力をいたしたいと思っております。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川分科員 そのことは後刻もう一度念を押して尋ねます。  そこで、四十七年四月三日の予算委員会で、わが党の松本委員が聞いているのに対して、前の高見文部大臣は、実は両方で話し合いの場に着くということになりました、もうしばらくの間時間をかしていただきたいと思います、こういうことなんです。佐藤前総理大臣は、いま話し合いで問題を解決しようと努力しているのですから、その意味でしばらく時間をかしていただきたい。いま文部大臣は、はしなくもひんぱんに話し合いをした、こういう話でございますが、この前の大臣と前総理大臣の話し合いの状況はどうなっておりますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 同じテーブルに着いての話し合いが行なわれる段階に至っていない、ただ人を介して両者に話し合いがひんぱんに行なわれるようになってきている、こういう報告を受けておりましたので、先ほど私がお答えを申し上げたわけでございます。あとは政府委員のほうからお答え申し上げます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川分科員 政府委員のほうはよろしいです。そうすると、しばしばというのは、前文部大臣と前総理大臣が両方が話し合いをしているというのはうそなわけですね。高見前文部大臣も佐藤前総理も約束したことはやられていないわけですね。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 いま御指摘ございましたように、昨年の予算委員会におきまして文部大臣にも御質問があり、当時そのような答弁がございました。私どもも大臣の指示を受けまして、また病院長及び医学部長にもそうでございますけれども、国会での様子も特に伝えまして、そして積極的にこの話し合いを進め、大学当局のほうも事態を話し合いによって解決したいということを当時言っておりました。今日もなお引き続きそのことを言っております。  そこで、昨年進めました方法は、病院長がそれぞれの当事者に対して、まず週に一回程度ずつ会談をして、それから当事者を同じテーブルに着かせるという努力を、五月、六月、七月といろいろ続けておるのでございます。しかしその結果、個別には話ができるところまでまいりましたけれども、どうしても両者の間での話を進めるというところまで至っていない、今日においてもまだそのような状態が続いているということでございます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川分科員 去年の予算委員会で話も出ましたが、私も教室の先輩を通じて話は頼んだ。ところが、実際に両方で話し合いが行なわれたのは一回だけ。あと赤れんがに立てこもっている連中は一切話を拒否している。そして赤れんがのほうに話し合いに行っている人たちは、赤れんがを支持するような話をする、そういう話し合いです。いま局長が言った、どういう折衝をしたか、大臣が言った、ひんぱんに話したということを逐次メモによって、日数と人とどんな話し合いをしたか、報告してほしい。あなたたちのやっているひんぱんな話し合いが、逆にあの人たちを肯定している話し合いになっている。だからますますこじれてしまう。最初一ぺんテーブルに着いたのが、その話し合いによってぱっとはずれちゃった、こういう状態があるので、これはぜひ報告してほしい。  そこで大臣、あそこは私よりも大臣が覚えているとおり大学だな。教育の場だな。医学部だから医育の場だ。したがって、あの場所は医育の場所なんだ。どんな教育が医育のためにあの場所で行なわれておりますか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 いま赤れんがにおきましては、診療はわずかに行なわれておるわけでございますが、赤れんがを使っての実習教育等は行なわれておりません。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川分科員 あそこは大学の大事なところで、もう一つの任務は研究だ。あそこには貴重な文献がある。業績が一ぱい詰まっている。これは私も直接かつていたのでわかっている。文献がある、貴重な図書がある、歴史がある、たくさんのカルテがある、たくさんの研究材料がある。しかし、研究のために国家公務員として職を奉じておる教授以下十四人の助手まで、研修という名目であそこに入っている国家公務員が立ち入りできないのだ。早くこの研究の体制をつくるために、教育の場所としてつくり上げるために、大臣としてこれは何とかしなければならぬと思うが、いかがでございますか。あそこは教育の府です。研究の府です。治療は、付属施設は、そのためのいわば一つの道具である。すみやかにこれを医育と国民をしあわせにする研究のために立ち返らせなければならぬ。ここに文部大臣の教育行政をあずかっている最高の責任者の一番とうとい任務があると思うのですが、大臣どうですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 率直に申し上げまして、ちょっと常識では想像できないような事態が多年にわたって続いているという感じを持っております。それだけに積極的にこの問題の解決をはかりたい。この間も加藤学長に直接私はお会いをしたところでございまして、何ぶん大学の自治、しかもまた学部自治、また医学部の中では病院長に一切をまかせるという姿になって運営されている。なかなかそういうところからはかばかしくいっていないわけでございますけれども、何かくふうをしながら早急な解決がはかれるような努力をしたい、こういう気持ちであるわけでございます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川分科員 あとで、私も大臣を応援する意味において、状態を見る方法を提示してみますけれども、その次に、あすこはもう一つ付属病院なんですね。したがって医療の行なわれる場所なんです。これは文部省でも厚生省でもどちらでもいいですが、あすこの赤れんがは病院でございますか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 病院の病棟でございます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川分科員 医療法に基づいて医療が行なわれておるところですか。

信澤清厚生省医務局次長

○信澤政府委員 お話しのように病院でございますから、当然医療法の規制を受けるということでございます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川分科員 基準看護は行なわれておりますか。

信澤清厚生省医務局次長

○信澤政府委員 基準看護は医療法の問題ではございませんで、これは保険点数の問題でございますが、私の伺っておるところでは基準看護は適用されていないということでございます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川分科員 ベッド数は。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 現在ございますベッド数は四十三床でございます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川分科員 国家公務員として責任を負っている医師はいま何人おりますか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 現在国家公務員としての医師は、先ほども申しました一名でございます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川分科員 立ち入りできる実際にいる数は。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 それに対して外部から大体十二、三名、十数名の医師か随時協力——協力というのはおかしゅうございますが、その赤れんがに立てこもっている人たちの手助けをしておると承知しております。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川分科員 医師の免許証を持っておりますか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 もちろん、診療を担当する面もございますので、医師の免許証を持っておるものと聞いております。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川分科員 医師の免許証を確認しましたか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 その確認したかどうかについては、私まだ聞いておりません。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川分科員 局長、それでいいですか。このごろにせ医者ばやりの世の中ですよ。それでいいと思いますか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 そうしたことの確認を、私どもの責任ある筋を通してやれるような実態でないということを、まことに遺憾に思っております。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川分科員 厚生省にお尋ねしますが、このような状態で医療が行なわれていい場と考えられますか。

信澤清厚生省医務局次長

○信澤政府委員 ただいままでのお話を伺っておりまして、医療の場としてふさわしくないということだけは申せると思います。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川分科員 どうしてにせ医者がいるかどうか、これが確認できるのか。十数人いると言っても、お茶飲みに来ていても、そういう過激派の連絡に来ていても、そういうことで、医師の免許証を持っておる人は何人おるのか、医師の免許証の提示を求めておるのかどうか。こういう点は、大臣、医療監査ということで調べればいいのです。だからあなたに教えておくのだ。病院長は入っておるのだ。それにあなたたちついていきなさい。医療監査をやりなさい。厚生省、医療監査についていきなさい。みんなわかってしまうのです。どうです大臣、これをやってみませんか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 この赤れんがは精神神経科の教室に属するものでございまして、あすこの主任教授というのが直接の担当責任者でございます。ですから、私どもといたしましては、病院長及びその直接の責任者であります担当教授のラインを通じましていろいろなことの処理を進めたいと思っております。  ところが、この直接の担当責任者であります神経科の主任教授と赤れんがとの間のパイプが詰まっておるのが今日の状況でございまして、われわれとしては、正常な管理権のルートを通じて実態の把握ができないという、まことに申しわけない事実があるわけでございます。  私どもといたしましては、大学の筋道を立てますならば、いま御指摘がございましたように、病院長、それからこの神経科の主任教授等の筋道が早く正常に機能するような方法を通じて、事態の処理に当たりたいというふうに考えております。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川分科員 いまの局長のことばどおりとっていいですか。大臣、そのとおりやりますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 そのとおりで片づけば非常にけっこうなことだと思います。なかなかそれがそういかないところに今日混乱が続いておるのだ、こう考えるわけでございまして、それを打開するために努力を続けておるわけであります。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川分科員 局長、あなたたちそう言うけれども、大学病院長は入っているのだよ。あなたは主任教授である科長を通じなければならぬと言っておる。入れたのはだれだ。病院長は入っているのだ。これをどうするの。そう言っていながら、今度は、何かやりずらいときにはおれに断われと言う。だから大臣に言ったじゃないか。病院長は現に入っているんだから、あなた方監査係についていきなさい。みんなわかっちゃうの。そういうときにはあなた何と言った。パイプが詰まっているから入れない。そうして緊急の患者が持ち込まれるから、しょうがないから入れておるのだ。それじゃ、どうですか、これは調べられますよ。大臣、どうです。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 私が申し上げましたのは、それは確かに病院長は、業者の連絡役を考えなければならぬとかいろいろ方途を講じておったわけですから、病院長もそこへ出入りすることがあり、また、して悪いことはございませんし、当然そうだと思いますけれども、事態を正常に把握するためには、一番願わしいことは、この精神神経科の責任者が責任者の立場で事態を処理できるというところまで進んでいかなければならぬと思います。ですから、そういう意味では、病院長だけの問題でなくて、精神神経科の教室の制度を通じて事態の改善ができるということを、私どもとしてはこいねがわざるを得ないわけでございます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川分科員 患者が持ち込まれたときに、それは緊急入院として、四十八時間おいて、そうするとほかのほうに移すことができる。入れなくてもいい。緊急入院という処置をとらないで入れるから、あすこが立てこもれる。病院長が行って患者を激励するからあの人たちは残れるのです。あなたたちの予算をそのままあっちに回してやるからやっていける。給食の人が給食の材料をやるから送れるのです。つまり、いままで大学当局と病院長がとってきたことは、さっき言ったでしょう、接触するほどこの人たちのやることを激励した。だからあなたに勧告する。あすこに、ここは病院、治療をやる場所でないから入れないという立て札を立てなさいよ。はぐでしょう。毎日立てなさいよ。そうするとあすこへ行かなくなりますよ。そこで、大学の病院長があすこへ行って支持するからだ。支持というのは、ささえるから、予算を回してやるからだ。とめなさいよ。患者さんはすぐとまります。そういうことなんですよ。きわめて簡単なことだ。それを、寄ってたかってあすこでいままで診療してきた。だから、あたりまえだよ、片づくはずないんだ。あなたたち局長をはじめささえているんだから。大臣、どうです。時間がなくなっちゃう。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 基本的には、大学当局にしゃんとしてもらいたいという気持ちが私には強くございます。しかし、そういうことでじんぜん日を送ってきておるわけでございますので、いまお話しになりましたことも参考にしながら、ぜひ早急に解決するように努力していきたいものだと考えております。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川分科員 これで話は終わりますが、そこで初めからのことをもう一度言うと、あなたは、外の方々という敬語に似たことばを使っているのだな。どういう外の人たちが入っておるか、これをまず調べてもらう。中の国家財政の管理がどんなことになっておるか、それから医療の状態がどんなになっておるか、よく、だれがここに入っておるか、一時間来て、一分来て帰っておるのか、医師の免許証を持っているのか、提示しているのか、こういう状況を調べてほしい。病院長に対して、私、直接に先生に聞きたい。この次の文教常任委員会のときに、病院長を証人として呼んで、もう一度きわめる。大体がわかったならば解決はすぐつく。そういう形で支持しておるのは病院長なんです。この病院長を証人として召喚していただきたい。このことを主査に、予算委員会から文教常任委員会に移せるように処置をしていただくことを主査にはお願いをして、大臣には要求して質問を終わります。

木野晴夫自由民主党

○木野主査代理 この際、午後二時まで休憩いたします。     午後一時十二分休憩      ————◇—————     午後二時三分開議

黒金泰美自由民主党

○黒金主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。渡部一郎君。

渡部一郎公明党

○渡部(一)分科員 最初に、私は養護学校の設立の問題につきまして御質問をいたしたいと存じます。  養護学校の設立につきましては、学校教育法によりましてその設置がきめられております。ところが、その中で、いつからその設置義務を行なわせるかという問題につきましては、現在まだ、政令によって後にこれを定めることになっておりまして、設置することにはなっていないようでございます。ところが、今日私たちが各方面から伺いますことは、全国でからだを痛めていらっしゃる方々が非常に多くございまして、その方々が学校へ通うことが事実上できない状況になっているわけでございます。文部省の特殊教育課から私のほうで拝見をさせていただいた資料によりますると、すでに昨年のデータでございますが、四十六年度、学校へ通っていらっしゃらない方が三万七千二百二十五人いらっしゃる。行っていらっしゃる方が二万三千五百二十五人である。五十三年になりますと、七年後になりますと、およそこれが六万七百五十人の方々が学校へお行きになるべき人々というのが出てきてしまう。こういうことだそうでございますから、この人々全体を収容するためには、この七年間に二百四十三の学校をつくらなければならない。そういう勘定になっているんだそうであります。  ところが、現在、四十七年度から始まります七年間の設置計画を文部省がおつくりになって、その後始められておったところが、現在どれくらいつくることができたのか、そのデータをまずあげて御説明をいただきたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 盲学校、ろう学校を別にいたしまして、養護学校のうち現在できておりますのが、五月一日現在でございますけれども、精神薄弱養護学校が百三十二校、肢体不自由養護学校が百五校、病弱養護学校が四十九校、合わせまして二百八十六校でございます。  なお、未設置の県の数は、精神薄弱養護学校で二十一県、このうち四十七年度中に九県解消できる見込みでございますので、残るのは十二県でございます。病弱養護学校のできていませんのが二十二県でございまして、四十七年度中に三県解消して残るのが十九県でございます。この残ります三十一県につきまして、国庫負担率を三分の二に引き上げまして、四十八年度中に建設してもらおうということで臨んでいるわけでございます。

渡部一郎公明党

○渡部(一)分科員 いま伺いましたのは、現在の学校数を伺っているのではなく、文部省が四十七年から五十三年までの七年間に二百三十四校建てようとなすっていた。ところが、それによれば、四十七年度に精神薄弱の学校は十校、病弱は十校、二十校をつくろうとなさっていたけれども、実際にはほとんどできていない。そこで、私は、昨年度どれくらいできるのですかとまず伺ったのです。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 ただいまも大臣からちょっとお触れいただきましたのですが、四十七年度には私どものほうで二十校の新設を予定いたしました。そのうちで実際にできる見込みのものが、精神薄弱の養護学校で九県、病弱養護学校で三県ということでありまして、合計十二県ということでございます。

渡部一郎公明党

○渡部(一)分科員 そうしますと、最初の計画からいうと八校分少なくなった、こういうわけでございますね。そうするとその分は、四十八年度分の当初計画が二十五校、それに上のせして三十三校分をつくる目的で四十八年度はやる、こういう意味ですか。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 ただいま御指摘になったような方向でございますけれども、予算上は三十一県、これがまだ未設置であるというふうに私どものほうは理解をいたしております。

渡部一郎公明党

○渡部(一)分科員 そうすると、要するに最初の計画よりおくれているわけですね。要するに、どうしてこの養護学校をこうやってつくっていくという作業がこんなにおそいのかということです。私の伺うところでは、昨年度二十校分の予算をとったけれども、実際の都道府県その他との折衝の段階において、地元が希望しなかったなどというような話も伺っているのですが、その辺の御事情をちょっと話していただけますか。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 率直に申しまして、私どものほうも非常におくれているという感じがいたします。これは先生御指摘のとおりでございます。理由といたしましては、たまたま四十七年度に地方財政が多少窮迫をしておったというふうな面もございますが、事実問題としましては、やはり相当各県で御苦労願っておるようでございますけれども、用地の選定の問題あるいは厚生省関係の養護施設との関連もございます。あるいは病院との関係もございます。そういうことで、努力はしておられますけれども、なかなか調整がむずしいという面もあったように伺っております。しかしながら、四十九年度にはそういう県におきましても、何とかしたいというふうな熱意を持っておるようでございます。また、私どもも積極的に各県に出向きまして、知事さんにお会いできれば知事さんにお会いしてお願いするというふうに、ひとつこの解消の問題だけは、何とか四十九年度に実現したいというふうに考えております。

渡部一郎公明党

○渡部(一)分科員 そうすると、あなたのいまおっしゃったことは、地元のほうが要求しないという問題と、用地取得にあたって厚生省と関係がうまくいかない、こういう意味に理解してよろしいですか。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 個々の県におきましてそれぞれ御事情があると思います。ただいま御指摘になりましたことも一つの原因であることは確かでございます。しかしながら、二百人あるいは二百五十人を収容するというために、用地費を含めて最低五億から七億程度の費用が必要なわけでございまして、これは県としてなかなかたいへんなことだろうと思います。また、人件費もかなりのものが見込まれなければならないというようなことがありまして、私どもも、つくるほうでもなかなかたいへんなことだと思います。  したがいまして、補助率を上げるとか、私どももいろいろな手を打っておりますけれども、しかし、これは何としても御理解を願って、現実にそういう学校を建てていただきたい。そうでなければこれは意味がないわけでございますから、ひとつそういう方向で努力したいというふうに考えております。

渡部一郎公明党

○渡部(一)分科員 これは費用が、たとえば五億から七億かかるからたいへんだという問題ではなくて、少なくとも教育の機会均等という意味もあるし、そして一番問題なことは、肢体不自由児とか精神薄弱児とか病弱児とかいうような人々の医療効果の上からいっても、教育というのが非常に大きな効果を持っているということが最近わかってきた。ところが、こうやってうしろへうしろへ延ばされていく、そして、いつになったら学校教育法に基づくそれこそ設置義務、就学義務というようなものも、就学義務の段階をスタートさせるというところまでいくかわからない。五億や七億とおっしゃるけれども、この学校を全部つくったといたしましても、ほかの土木工事であるとか、公共事業費の今期における大幅な増強を見れば、こんなものは何でもない数字であって、それを文部省のほうが、五億や七億かかるからたいへんだろうとか、人件費がかかるからたいへんだろうと言うのは、それは間違いだ、私はそう思うのですが、どうですか、大臣。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 お話しのような考え方のもとに、四十八年度からは、未設置県であると既設置県であるとを問わず、国庫補助率を三分の二に引き上げたわけでございます。この辺の気持ちも地方公共団体でも感じていただけるのじゃないかと思いますし、また多額を要する金につきましては、地方債なり地方交付税なりの措置も行なえるわけでございますから、また文部省としても、そういう点については関係地方団体に協力をして、積極的に促進をはかるように努力していきたいと思います。

渡部一郎公明党

○渡部(一)分科員 大臣、これは法律的にいえばいまおっしゃったとおりになるのです。三分の二の国庫補助というのは非常に大きな前進だと思います。しかし現実問題からいきますと、これはもっとおしりをたたいて地方公共団体に早くやっていただかないことには、これは進みはしない。たとえば病弱の子供を持たれたとして、大臣が持たれたとしてもいいですけれども、精神薄弱児の子供をかかえているとして、その子を通わせるのは七年後となったら、いまの子供はどうなるかということを考えていただきたい。六万人の子供がほうり出されて、日本じゅうの子供について、少なくとも教育に対しては同じ機会を与えようという私たちの気持ち、弱い人たちをかばってあげよう、弱い子供たちであるからこそよけいに特殊教育なり何なりをして、生きていける生活能力を与えようというその姿勢が文教側になければいけないときに、向こうはお金がないからやらぬとかなんとか言っても始まりはしないと私は思うのです。  いま、養護学校の設置をしていない県があるなどということをちょっと伺ったように思いますけれども、どこの県ですか、ちょっと言っていただきたい。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 四十七年五月一日現在で申しますと、精神薄弱の養護学校で未設置の県は、岩手、秋田、山形、福島、栃木、群馬、福井、山梨、岐阜、静岡、三重、滋賀、兵庫、鳥取、島根、広島、徳島、愛媛、福岡、佐賀、鹿児島の二十一県でございます。その中で、本年度中に設置見込みの県は、岩手、群馬、福井、岐阜、滋賀、徳島、愛媛、佐賀、鹿児島でございます。  病弱の養護学校の未設置県は、四十七年五月一日で、岩手、宮城、山形、福島、栃木、富山、石川、岐阜、三重、滋賀、京都、奈良、和歌山、鳥取、岡山、徳島、香川、高知、福岡、佐賀、宮崎、鹿児島の二十二府県でございまして、本年度中に設置見込みの県は、宮城、福島、栃木の三県でございます。

渡部一郎公明党

○渡部(一)分科員 いま大臣お聞きになっていただいてわかりますとおり、一つの県に自分の子供を行かせる学校がない。こんなひどい行政がいままで放置されていたということです。その重みを考えていただきたい。こういう県の中にいて、そういう子供をかかえた親はどうしたらいいのでしょうか。それは残虐というものを通り越しているのじゃないでしょうか。これは話にも何にもならないんじゃないかと私は思うのです。こんなことをしておったら話にならないのだから、大臣、これは養護学校を設置する義務を課するというのがほんとうの本道ではないかと思うのです。ところが、学校がこんなに少なかったら、設置義務もヘチマもないのもぼくはわかっています。また、学校もないのに設置義務をつけて、就学義務をつるのは不可能なのもわかります。いま予告政令を出しておいて、少なくとも数年以内、できたら二、三年以内には就学義務を課するぞ、設置義務を課するぞというぐらいの強い姿勢を文部省もお出しになり、そしてそれに対する財政当局のお手当ても、自治省並びに大蔵省の理解を求める、こういう積極的姿勢こそ文部当局のお持ちになるべきものだと私は思うのですが、どうでしょうか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 養護学校を整備いたしますのに、なおあと二百四十三校というようなことになっているわけでありますので、その解消の目途とあわせて、御指摘のような問題を考えていきたいと思います。

渡部一郎公明党

○渡部(一)分科員 大臣、これは考えていきたいと思いますではちょっと私、不満なんです。子供の問題です。しかも弱い悲しい子供の問題です。その六万人の子供の背景に、何十万人という苦しんでいる家族がいるから、私はそんな甘い答えでは、大臣、きょうはちょっと許されませんですよ。どうしてもこれから何年内にどうする、少なくとも今期はどうする、そういう何か大臣の方針が、ここのところで一歩前進が起こらなければ、これは話になりませんよ。お願いいたします。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 養護学校七年計画というものを文部省として持っておるわけでございまして、これにつきまして各県と具体的に話し合っていきまして、そしてこれを確実なものにしたいわけでございます。その見通しを立てまして、並行して御指摘のような方向に進みたい、こう申し上げているわけでございます。

渡部一郎公明党

○渡部(一)分科員 そうすると、それは大蔵省や厚生省とも相談して、設置計画は完全なものをつくってこの国会、関係委員会に出す、こういう意味と理解してよろしいですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 私の申し上げておりますのは、中央段階だけじゃなしに、設置主体が地方団体なものですから、地方団体にもその腹がまえを持っていただかなければならない、持っていただくように努力をしたい、その見通しを一緒に立てたい、こう申し上げているわけでございます。

渡部一郎公明党

○渡部(一)分科員 それは自治省との間でおやりになるべきことですね。厚生省あるいは文部省が一々直接交渉するだけじゃなくて、少なくとも自治省との間で合意をつくる必要がございますね。いままでのは自治省との間で合意ができていない計画です。そして何年延びるかわからない計画です。こんな計画はたまったものじゃない。それをやってくださいますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 七年計画というのは、単にペーパープランになってはいけない、こう思うわけでございます。自治省とも大蔵省とも、そしてまた関係府県とも十分連絡をとって、ペーパープランじゃなしに具体の計画にぜひ高めたい、そしておっしゃるような方向をはっきりさせたい、こう考えているわけでございます。

渡部一郎公明党

○渡部(一)分科員 大臣、今国会にそれは出していただけますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 できるだけ早く、そういう具体の話し合いのまとまるように努力したいと思います。

渡部一郎公明党

○渡部(一)分科員 そうしたら、その計画ができた後において、予告政令を出すことを考えていただけますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 いま申し上げましたように、これは予告政令と具体の計画と並行をさせなければいかぬだろうと思いますので、そういう意味で申し上げているわけでございます。

渡部一郎公明党

○渡部(一)分科員 そしてその予告政令に取りかかるということは当然考えなければなりませんが、ここ数日のうちにとか、数カ月のうちにということは無理でございましょうけれども、少なくとも、大臣在職中にその見通しをつけていただけますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 七年計画というものを、ペーパープランでなしに、すみやかに具体の計画まで高めなければならない、こう考えております。

渡部一郎公明党

○渡部(一)分科員 それは話が戻ってしまいましたね。  これは、都道府県がどうしてこういう問題に対して熱心でないのか、財政当局から伺いたいと思います。

青木英世大蔵省主計局主計官

○青木説明員 養護学校をできるだけ早く完備いたしまして、さしあたり四十七、四十八年度で未設置県を解消する。それからその後におきましても、できるだけ早い機会に必要な養護学校を整備してまいりまして、いまおっしゃっておりましたような、養護学校についての設置の義務なりあるいは就学の義務というものをできるだけ早く措置すべきだということは、いま文部大臣がおっしゃいましたように、財政当局としても全く同じ考えでございます。  これにつきまして、実は地方の自治体でこれまで必ずしも十分に進まなかった原因は、いろいろあろうかと思いますが、一つは、実は施設にかなりお金がかかります。これにつきましては、先ほどありましたように、四十七年度から補助率を、一般でございますと二分の一でございますが、三分の二に上げるというような特別の措置を講じておりますので、逐次この問題についての重要性と関心というものを、地方自治体でもさらに高めてまいりまして、国、地方自治体ともども、この問題についてできるだけ早い機会に理想の状況に持っていきたい、このように考えております。

渡部一郎公明党

○渡部(一)分科員 この養護学校の設置の場合に、病弱児の養護学校について、国立療養所や病院の敷地を減額譲渡して設置を促進するべきであると、私はこの間から言っておるわけでありますが、これについて大蔵省としては、国有財産の処分に関するこれらの取りきめにありますとおり、減額譲渡の方向を考えられますか。

青木英世大蔵省主計局主計官

○青木説明員 国有財産法で、こういう場合に、学校の施設地につきまして減額譲渡の規定があるのは、先生御指摘のとおりでございます。ただ具体的には、療養所でございますと、国立病院特別会計というような独立採算をとっております会計でございますので、具体的な設置の場所につきまして、文部省と厚生省の間で相談してきめていくということになろうかと思いますが、私、実は直接厚生省のほうの予算を担当しておりませんので、責任を持ったお答えができませんが、できる限りそういう方向で、文部省あるいは厚生省のお話し合いが進むことを期待しております。

渡部一郎公明党

○渡部(一)分科員 それでは、そちらの担当の方がいなければしょうがないですけれども、財政当局として聞いておいていただきたいのです。  国立病院に関する特別会計ですね、この特会の中に一般的な財源の何項目かの項目がありますけれども、大きな項目の一つとして、病院の敷地の切り売りをして売る部分が現在大きな金額を占めておりますね。その金額を見ていると意外に大きい。私は非常にいやな感じがしてその数字を見ておるわけでありますけれども、たとえば千葉県の国立療養所下志津病院の例であります。この敷地を数年前から売っておる。郵便局にも売った、消防署にも売った。三、四年前は千葉銀行の四街道支店というのにも売った。こういったところに売っておる。まあ郵便局や消防署は公共的な施設としてまだわかりますが、千葉銀行の四街道支店に売るということはない。そうしておいて、今度は養護学校に売る段になったら、それと同じような高い値段で買えというので騒動が起こりました。そして、わずか二百平米ばかりの敷地に関して高く売るとか安く売るとかいう問題が起こりまして、結局、相当ごたごた交渉したあげくの果てに、貸していただくことにきまりました。ところが、主体になりますところの二百十四坪の体育館を建てようとしたところが、二百八十平米だけ足りない。ほんのちょっと足りない。その分も貸してくれと言ったら、もとのところを全部買え、これは厚生省の方針であると同時に大蔵省の方針であると出先の方は言われた。何でそんな、地元の自治体が学校を建てにくい状況にあるのに、そういうものを高く時価などで買えなんということを慫慂なさるのか。私は二つの意味で変だと思う。一つは、国立療養所の敷地をどんどん切り売りして、まるで周旋屋のように切り刻んでいって、最後はなくすのが目的なのか。もう一つは、なぜそんなに買わせるのに夢中になって、建てにくい養護学校の建設を実質的に妨害するような方向に進むのか、私はうなずけない。これは財政当局としてよほど考えていただきたい。  これは御担当でございませんから御答弁を求めません。大臣に御答弁を求めます。こんなばかな話はないじゃないですか。病院を切り刻んで切り刻んで、ちょん切ってちょん切って、全部なくしたら日本の病院制度はどうなるのでしょうか。全部ちょん切って売ってしまうわけじゃないとおっしゃるかもしれない。いま病院の治療のために所有すべき財産というものはますます多くしなければならないときに、おかしな話だ。そこに養護学校を建てるのは、むしろ病院の施設を充実する意味でいいことですね。だから私は、閣僚の一員として内閣に席を持っておられるお立場で、厚生大臣に聞くわけにいきませんから、文部大臣に、この問題をもっとすっきりしたやり方にして、少なくとも養護学校を建てるときぐらい、その設備についてはもっと予算をどっと充当するか、そうでなかったら減額措置を大幅にとってもらうか、どっちかにすべきであると思いますが、どうですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 これは国と地方公共団体、お互いに公共の目的のために努力しておるわけでございますので、お互いに便宜を与え合うということが一番望ましいと思います。同時にまた、特別会計でございますので、有償でなければならない場合には、積極的に府県が地方債で買えるように、そのほうも十分な手当てをしなければならない、かように考えるわけでございまして、いずれにしましても、地方公共団体が土地を入手しやすいように国として配慮していかなければならない、またそうしていきたいと思います。

渡部一郎公明党

○渡部(一)分科員 養護学校は、要するに義務教育であるということですね。ほんとうは義務教育に当たるべきものなんだということをひとつ考えていただきたい。養護学校をもし建てなければ、義務教育を受けるべき人たちがはずれてしまうということを十分お考えの上、この問題については積極的にお取り組みをいただきたいとお願いするわけであります。  それから、養護学校の養護訓練担当教員の件でありますが、いま養護訓練担当教員につきましては、肢体不自由児学校の場合は一学校三名の教員がきめられております。それから精薄、盲ろう児の場合は二名の方が訓練担当教員としてついておるわけであります。こういう人たちは体操をする、からだを動かすのは非常に大事な事柄になりますし、それから、それが生活に非常に大事なんです。ところが病弱児の場合にはつかない。病弱児のほうは、筋ジストロフィーの場合、これは特殊な体操どころか、特殊な動き方になってしまうから、よほどうまくしなければ身動きする術すら忘れてしまう。また、ぜんそくの場合大いに運動させなければだめである。イタイイタイ病の子供、こういう人たちに対しては、適切な訓練担当教員がつかないとからだがだめになってしまう。きょうの新聞にも掲載されておりますけれども、この学校には担当教員がゼロです。これは明らかに、この法律ができた四十四年当時ここまでは考えられていなかった。病弱児は寝かしておけばいいんだという考え方できめたためにこうなったのですね。だから考え方を変えなければならぬ。病弱児の養護学校に対して、養護訓練担当教員を少なくともほかのように二名ないし三名は、とりあえずそこへ持ち上げるようなことをやっていただきたいと思うのですけれども、いかがでございましょうか。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 これは、病弱児の場合には病院と併設をいたしまして、病院のほうでそういうような訓練をやるというような一応考え方のもとに、教員の配置がなかったというふうに考えておりますけれども、これは先生御指摘のとおり必要な職員でございますから、実態に応じまして、そういう病院等との関連がない場合、あるいは病院と独立してやらなければならないということでございました場合には、私ども、これから考えてまいらなければならぬというふうに考えております。

渡部一郎公明党

○渡部(一)分科員 これはやってくださいますね。どうぞ答弁を。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 そういう必要性がございました場合には、必ずやるということにいたしたいと思います。

渡部一郎公明党

○渡部(一)分科員 そのための予算措置は、予備費その他からおやりになることは可能ですね。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 ただいま定員の関係の年次計画が進行中でございます。これは四十八年度をもって終わるということになっておりますから、その後の計画におきまして考えてまいりたいということでございます。

渡部一郎公明党

○渡部(一)分科員 それじゃ今度はちょっと方角が変わるわけでありますが、時間がなくなりましたので、勤労学生の所得控除額の増額につきましてお伺いをしたいと思います。  大蔵省の主税局の方来ておられますか。——現在、勤労学生の所得控除額はボーナス、税込みで年間五十三万円未満となっているようでございますが、実際の勤労学生の所得で年間五十三万円といいますと、ボーナスその他の手当を含めますと控除免除額が低過ぎまして、いわゆるアルバイトらしいアルバイトをしている学生は全部これを突破してしまう。そして実質的にはこの特典を受けられないという状況にありまして、たいへん困っているわけでございます。ぜひともこの点について当局の御意向をただしていただきたい、少なくとも前向きの姿勢を示していただきたいという希望がございまして、私はきょうお伺いするわけでありますが、この件についてひとつよろしくお願いいたします。

伊豫田敏雄大蔵省主税局税制第一課長

○伊藤田説明員 ただいまのお話は、御希望としてはすでに伺っているところでございまして、勤労学生控除は所得控除として十二万円でございますが、四十八年度の改正で十三万円にいたすということで御審議をお願いする予定になっております。  ただ、その場合の条件といたしまして、ただいま先生のおっしゃいましたように昭和四十七年分につきましては五十三万二千円。今回勤労学生控除が引き上げられますことに伴いまして、昭和四十八年分の平年度では五十八万六千円。これは給与所得として収入を得ている場合でございますけれども、それ以上になりますと、勤労所得控除の十二万円は適用にならないという制度になっております。御要望のただいまのような五十八万六千円をさらに引き上げる、あるいは四十七年の五十三万二千円を引き上げるというお話につきましては、四十八年分の平年度では五十八万六千円にすでに引き上げているところでございますけれども、なお、御要望の御趣旨も十分わかりますので、御意見として十分尊重させていただきたいと考えております。

渡部一郎公明党

○渡部(一)分科員 私は、時間がこれでなくなりましたので、最後に大臣にもう一つお願いしておきますが、どうかこういうようなからだの弱い人々に対する教育につきまして、これからも十分のカバーをしていただくようにお願いしたい。  それから、小児慢性じん炎でネフローゼのような場合について最後に一つだけ申し上げておきますが、こういうような子供さんたちに対して、訪問指導教育制度というのがございます。というのは、病院に入っていない人たちが学校へ通学いたしましても勉強する時間に限度がありまして、すぐくたびれてしまう。そこで訪問指導教育制度がとられておりますけれども、訪問教師の質や給与があまりよくない。これを何とかしてもらいたい。実際訪問指導が行なわれても次の学校へ進めない。それからもう一つこの方々が困っておりますのは、中学校や高校へ進学する場合に体操の試験がある場合がある。その体操の試験がありますと、実際的にその人たちは学校を一つ上がるたびにそこでカットされてしまうわけです。こういう人たちに対して具体的な御措置をお願いできないか、こういうことなのでございます。この辺を最後の御質問にしたいと存じます。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 訪問指導の問題も、県によりまして、その県の施策として積極的に進めておるわけでございまして、こういう施策が全体的に広がっていくことは非常に望ましいわけでございます。いまお話しになりましたような方向で文部省としても努力をしていきたい、かように考えます。

渡部一郎公明党

○渡部(一)分科員 終わります。どうもありがとうございました。

黒金泰美自由民主党

○黒金主査 次に、村山喜一君。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 大臣に私がお尋ねをしてまいりたいと思いますのは、一つは学校の統合の基準でございます。現実に私たちの地元でもあちこちで学校の統廃合か行なわれ、なお過疎化の深まりとともにますます拍車をかけていくような情勢にございます。適正な規模に学校の統廃合を進めるというのは、教育的に見ても好ましい点もあります。しかしながら、あまりにも行政ベースで進められてまいりますと、これは教育という効果よりも財政の軽減を主体にするような方向に傾いてしまう。特に、過疎地域対策緊急措置法を制定いたしましてから、補助率が三分の二になったというようなこともあり、過疎債を充当することによりまして地元の一般財源の持ち出しは一割程度で済む。財政力の弱いところではそうなるのです。そういうような形の中で、この際統合を精力的に進めようという動きが、私の鹿児島県あたりではございます。そういうようなことから、住民と行政当局、市町村との間にトラブルが出ている。現実に議会では議決をしたけれども、統合ができないでおるところがございます。  そこで、いろいろ行き過ぎは押えなければならないわけです。たしか昨年の九月二十五日でございましたか、助成課長が都道府県の主管課長会議を開いた席で、口頭で説明をされたようであります。それ以外には、文部省のほうでは学校の統廃合についての基準をたしか示しておいでにならないのではなかろうかと思うのですが、やはり教育的な配慮から、お示しになるのが当然ではなかろうかという気がしてなりません。小学校の場合には、適正配置の上からは四キロ以内、中学校の場合には、六キロ以内にとどめたほうが適正配置になるんだという基準はありますけれども、これは統廃合の基準じゃございませんので、そういう点から、一体今日まで文部省は学校統廃合について、教育的な配慮からどういうような措置を講ずるようにという、そういうようなものをお出しになったことがあるのか、また出しておいでにならなければ、大臣の御所見をこの際お伺いをしておきたいと思うのです。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 学校の教育内容を充実するという意味からいいますと、あまり学級数が少ない、教員組織が充実しないという意味で、学校統合が必要になる場合かたくさんあろうと思うのでございますけれども、いまおっしゃいましたように、土地土地にいろいろな事情があるわけでございますので、形式的に統合一本やりで進めていくということはいろいろ問題があろう、こう考えるわけでございます。小中学校の統合に伴う校舎等に対しまする建築費について、昭和三十一年度から補助金を支出している、その補助金を支出する場合の適正な学校規模の条件として、義務教育諸学校施設費国庫負担法施行令の中で、学校数がおおむね十二学級から十八学級までというようなことを示しているようでございます。学校統合の基準を示しているといえばこういうものがあるわけでございまして、その際には、御指摘のように通学距離の問題とか、あるいは五学級以下の学級数の学校と十二学級ないし十八学級の学校と統合する場合には、おおむね二十四学級までとするというようなこともそこに示しているようでございます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 上限が二十四学級というようなことで、私もそれは聞いております。しかしそのためには、規模的に見たらそうなんですが、今度は子供の負担なり親の負担なり、あるいは教育的な効果、そういうようなものからどう判断をしていくかというのが非常に私は必要だと思うのです。現に私のところでも一つの町に牧園町というのがありますが、そこは学校統合いたしました。一町に一校だけあるのです。統合してたいへん県内外から視察がやってきまして、りっぱな統合校舎を見にくる。そこで、一番の悩みは何かということをいろいろ検討してみると、クラブ活動ができないということなんです。それは適当な乗りものがないわけなんです。民間のバスにお願いしてスクールバスも走らしております。しかし、全部の子供たちをやはり帰さなければならない時刻も来ますから、そのときにクラブ活動が思うようにできない。それば私の蒲生という中学校でもそうです。なぜかというと、そういうような交通機関の問題等を配慮しないで学校統合が行なわれているというところからくる、これは隘路の問題です。  そこで、適正な規模というものは一応理念的にはわかりますが、それをきめていく際には、やはりそういういろいろな措置を頭の中に入れて、こういうふうにしなければならないという基準をお示しを願わなければ、どうもやはり市町村行政の財政上の配慮によってそちらのほうが先行していく。だから、教育的な立場から配慮された学校統合よりも、行政費を節約するためにというような意味のものがあまりにも多過ぎるのです。ですから、これは非常におくれておりますが、いまからでもおそくはないわけですが、まあ助成課長が説明をどういうふうにされたか、私もおぼろげには聞いておりますけれども、文部省としてそういうようなものをおつくりになる必要があるのではないかと私は思うのですが、担当の局長なりまた大臣の御所見も伺いたいと思います。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 学校統合につきましては、実はやや古い話になりますが、昭和三十一年に中央教育審議会から、「学校統合の基本方針について」の答申がございました。この骨子は、学校規模を適正化することによって教育水準の向上をはかるということと、それから学校規模の適正化をはかることによりまして経営の合理化をはかる、二つの考え方が基本になっておるわけでございます。この中教審の答申を受けまして、三十一年十一月に事務次官通達を出しまして一般的な指導方針を示したわけでございますが、さらに詳細には昭和三十二年に、「学校統合実施の手引」というものを作成をいたしまして全国に配布をいたしまして、学校統合の基準、方向を示したわけでございます。その中にも、ただいま村山先生おっしゃいましたように、ただ学校経費の合理化、経営の合理化というような点だけではなくて、教育効果の向上ということを特に重視するように、また学校の統合というのは地元の住民の非常に大きな関心事でもございますし、また影響するところも大きいわけでございますので、十分住民の納得を得て実施をするようにというようなことを特に示しております。中でも、統合をすればいいというような観点から、必要以上に大規模な学校をつくるようなことは避けるべきであるというような趣旨のことも述べておるわけでございます。昨年秋に、施設主管課長会議で助成課長が口頭で指示をしたという趣旨も、ただいま申し上げたようなことがその内容でございます。  なお、最近の事例といたしまして、学校統合に伴いまして通学距離が長くなる。長くなった結果、通学にバス等の交通機関を利用せざるを得ないといったようなケースも出ておるわけでございますが、特に問題の多いところにつきましては町村がスクールバスを運行する。その運行の時間も、ただ正規の授業時間が終わったからすぐ下校のバスを出すというようなことではなくて、御指摘のクラブ活動の時間等も十分考慮に入れて、そのバスの運行をはかっておるというような実情でございます。問題がございますれば、さらに私ども指導を徹底いたしまして、ただ単なる教科の指導時間だけではなくて、そうした特別な教育活動をも含めて、支障のないような運営が行なわれるように指導してまいりたいというふうに考えます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 山あり谷あり、そしてふもとの学校にあの車庫から一台、こっちの車庫から一台というようなふうに、通学の形態が川の流れに沿うような形でやっているわけです。スクールバスが五台あったらこれは十分間に合いますよ。ところが一台か二台しかあてがっていないで、それでほかのところは一体どうするんだということになるのです、現実の問題は。そこで、しかたがないから民間のバスが走っているところはそれに委託をするでしょう。そうなりますと、やはりそういう時刻ではその子供たちだけを乗せて走るわけにはいきませんから、そういう現象が出るわけです。  そこで、助成課長が説明をされたのを聞いてみましても、上限はこれだ、下限は大体これだ、これはこうだが、ただしこういうような場合にはこういうふうにすることができる、ただしどうすることができるというので、その話を聞いて見ますと、原則、基準というのはないにひとしいのですよ、大臣。  そこで私が大臣にぜひお願いしたいのは、やはり学校の統廃合を今日の時代に適応させて考えていった場合には、子供たちが十九キロも二十キロも離れたところから来るわけですから、子供たちの通学に必ずそういうような交通手段を伴うわけです。交通手段を必ず確保するということを条件に入れてもらわなければ、統合をむやみにさせるべきではないと私は考えているのですよ。それから、クラブ活動等が十分にできるような状態をつくるためにはどうしたらいいのかというところまで、もっときめのこまかい指導というのですか、学校の教育効果があがるようにということでつくったものが逆の方向になるのでは、これはたいへんですから、そういうようなのをあやまちがないように御指導いただきたいと思いますが、どういうような方法をとるかはそちらにおまかせするといたしまして、いかがでございましょう。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 学校統合にあたりまして、通学の便ということをあわせ考え、あるいはクラブ活動の便ということもあわせ考える。ごもっともなことでございまして、画一的な指導にならないように、当然留意していかなければならないと思います。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 当然だと思われたら、そういうような具体的な指導をおやりいただけますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 先ほどちょっと触れました、補助金を出す場合の施行令にもそういう趣旨の規定があるようでございまして、一応基準は書いておりますけれども、「文部大臣が教育効果、交通の便その他の事情を考慮して、」とあるのは、それに合わない場合でも適合するように認めるということは、そういう趣旨が逆な意味で盛られているのではないか、かように考えておるわけでございまして、御趣旨をよく理解しておりますので、そのように指導にあたっては努力いたしたいと思います。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 これに伴いまして、スクールバスの単価が二百万円です。これは去年と変わらず、四十八年度も二百万円。スクールボートも同じ単価です。それであとは起債で見るということでしょうけれども、スクールバスとスクールボートは、単価が、同じ二百万円でくくってやるというのはちょっと実情に合わないのじゃなかろうか、私はこう考えます。これについて御答弁があればお聞かせをいただきたい。  それから要援護児童、生徒、これの通学費の助成は、小学校が四千八百四十円、中学校が九千五百二十円に四十八年度の予算ではなっております。ところが一般の、いわゆる遠距離通学費は市  町村が補助を行なっております。その単価は、小学校が七千五百四十六円、それから中学校の場合は一万四千八百九円でございます。要援護者の場合には、小学校で四キロ以上、中学校で六キロ以上のところがそういう低い単価になっておる。この単価の差は一体どうしたことですか。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 スクールバス、ボートの単価でございますけれども、二百万円というのも、これは前から私どもも少ないということで上げてまいって、いま二百万円になっておるわけでございますけれども、実際には二百三十万くらいかかるようでございます。ただ、この不足分と申しますか、裏財源と申しますか、そういうものにつきましては、これはほぼ完全に一〇〇%辺地債等でごめんどう願っております。たとえば二百三十万かかりました場合に、三分の一以上かかりました場合におきましても、その残りの分は全部見てもらうということになっておりますから、実際に各市町村で、自分で負担しなければならないという分はほとんどないのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。  それからなお準要保護、要保護児童、生徒の通学費でございますけれども、これは実績そのままを見ております。したがいまして、その分につきましては市町村に御迷惑をかけておるという点はないわけでございまして、単価の違いは、これは実績単価の違いでございます。この分についてごめんどうをかけておるという点はないというふうに考えております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 実績単価で片一方のほうは四千八百四十円、片一方のほうは七千五百四十六円、こんなに実績が違うものだろうかと思いまして、私、その点がおかしいというふうに感ずるのです。ではそういう山間僻地のほうには、比較的遠距離のところには要援護児はいないのだろうか、六キロから七キロくらいのところにわりあい片寄っておるんだろうか、十キロ以上離れたらそういうような子供はいないのだろうかというおかしな数値になっておりますので、これは実情に合っているのかどうか、もう一回点検をしておいていただきたいと思うのですが、それだけを申し上げておきます。  次は定員の問題ですが、大臣、離島あたりを回りますと、中学校の場合に非常に無免許の先生が多過ぎるのです。これは、中学校の定員というのは、高等学校の定数法とは違いまして教科ごとには算定をしていない。そういうようなところからくる問題が一つあるだろうと思います。しかし、現実は教科担当でございます。それでこれは担当の局長からでけっこうですが、一体無免許の教科担当の先生というのは何%になりますか。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 私どもで、これはちょっとサンプル調査で恐縮でございますけれども、四十六年の十一月一日現在で十一県を対象にいたしまして、六学級以下の中学校における免許教科以外の教科担当の状況の調査がございます。これによりますと、一学級の中学校では教員が三名でございますけれども九二・六%、二学級の中学校では教員が五名でございますが七二・六%、三学級の中学校、これは教員が七名でございまして七〇・六%、それから四学級の場合には六二・五%、五学級の場合には五五・五%、六学級の場合には四九・〇%、そういうふうな状況になっております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 大臣、お聞きのとおりのパーセンテージ。これはもちろん無免許教科担当のパーセンテージだろうと思いますが、全国平均で見ましても、二五%程度ということがよくいわれているのですが、その中で、教科ごとに見た場合に一番多いのは何でございますか。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 どの教科というはっきりしたあれはございませんけれども、たとえば保健体育、それから理科、数学、こういうふうな教員は不足をしていますので、勢い免許教科以外の教科につきまして担当があるということでございます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 大臣、お聞きのとおりの教科が多いようでございます。  そこで、無免許教科担当以外に、一人で四教科以上持っている教員というのが何%くらいになりますか。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 これも同じ調査でございますが、平均いたしまして八・六%でございまして、その内訳としましては、一学級の場合には四四・六%、二学級の場合には三一・四%、三学級の場合には 二・一%、四学級の場合には四・九%、五学級の場合には二・三%、六学級の場合には二・九%ということになっております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 こういうような状態になっているのは、配当基準の考え方が小学校並みだというところに私は第一の原因があると思うのです。  それと、小規模小学校がある場合にはそういうようなのがあるのですが、この際、いわゆる授業時数というものに目をつけまして、そしてたとえば美術などの時間というのは時間数が少ないわけですね。それで、一人の先生をその学校だけで固定をして使うというよりも、数校を持ち合いをするというような考え方ですね。これは教科によっては、また地域によっては、あまりに交通が不便であればできませんが、そういうような方向を考えてみる必要があるのではないだろうか、こういうような考え方を持っているのです。だから、やはり中学校の教育効果をあげるためには、高等学校のような教科を中心にする配置をこれから考えていくというのが基本でなければならないのではないだろうかと私、考えるのですが、大臣の御所見をお伺いしたい。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 いまのお話を伺いまして、たいへんごもっともな御意見だと考えるわけでございます。いずれ教職員定数改善五カ年計画を新しく立てなければならぬわけでございますけれども、そういうことと並行して、ぜひいまのようなお考えを実らせるように考えさせていただきたいと思います。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 そこで、四十八年度で五カ年計画は終わるわけですが、四十九年度からはどういうふうにされるつもりなのか。いま少数時間の教科についてはそういうようなことを考えてみようということでございますが、養護とか事務職とか、そういうような定員の問題なり、あるいは学校長とか教頭とか、こういう職制にある人たちの教科の時数な=、私も現場を回ってみまして、子供たちと離れて教育はできないというので、校長さんでも授業を積極的に持ってやっていらっしゃる校長さんもおります。ところが、子供の教育は全然そっちのけで、自分は校長室にすわっている校長さんもおいでになります。どちらが教育者として正しいのだろうか。また教頭の場合には、あまりにも雑務に疲れはてて、一番油が乗っている段階の教頭が、授業はほんのちょっぴりしかやらないというような形で雑務に追いまくられている。その雑務の内容を調べてみると、事務職員がやるような内容のものをおやりになっていらっしゃる。これでは教育効果をあげようと思ったって私はあがらぬと思うのですよ。ですから教育という立場に立って、教職員のそういうような受け持ち時数の問題等も、教科担当とともに同じように考えていくという方向が、今度また新しい五カ年計画でもつくられるだろうと思いますが、定数法の中では考えられてしかるべきではなかろうかと思いますが、それについての御所見をお伺いしたい。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 四十九年度以降の教職員定数改善計画を立てるにあたりましては、いまのような御意見を十分取り入れさしていただきたい、かように考えているわけでございます。さらに、小規模学校の教員定数の改善とか、養護教諭や事務職員の定数の問題など、こういうことにつきましてもぜひ改善をはかっていきたい、かように考えて  いるわけでございます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 時間がなくなりましたので、  これで終わりますが、学校の統廃合の場合に、名目統合の場合には、もう校長さんはいなくなるわけです。ところが地域の人たちは、まだまだ学校がそこにあって、そして校長に相談をしにいかなければならないのに、その校長さんはおいでにならないというので非常に困っております。ですから、統合の場合には名目統合から実質統合にという段階を経ていくわけでありますが、そういうような場合に、やはりこれは考えていただきたいと思うのです。それが一点。  それから、大臣、聞いておってください、答弁は要りませんから。五つの学校を統合しますね。それぞれ備品を持っております。その備品を全部寄せ集めるわけですから、基準に対して一四〇%から一六〇%ぐらいになるんですよ、備品の充当率というのですか、充実率は。ところが、各学校それぞれ会社が違っておりますから、それで利用ができないようなものが集まってくるのです。そうしてそこに集まった子供たちが、いざその備品を使おうといたしますと、全部の子供たちには行き渡らない。八〇%ぐらいしか適格な、使えるものがない。こういうようなものが出てくるわけです、現実的には。そのときに、おまえのところの備品はもうだいじょうぶというのでめんどうを見てくれなければどうにもならない。こういう問題が出ております。ですからここら辺も、こまかい問題でありますけれども配慮を願いたいと思います。  それから、きのう大蔵委員会で財投の問題について私、大臣に対して要求をしておきましたが、沖繩あたりは、あるいは大都市の周辺地域においてはたいへんな物価の上昇です。資材の値上がりによりまして、特に昨年の秋追加をいたしました予算措置が、ほとんど執行ができないような状態になっている。こういうようなことで、学校も建たない、清掃施設もできないというような問題が出ております。そこで非常に当該市町村長は苦慮しているわけです。そういうようなのをやはり文部省あたりでも実情を的確に把握をしていただいて、そして来年度の場合には一〇・一%単価の是正がなされました。基準の坪数も二〇%のワクが広げられているわけですが、四十七年度の分については一体どうするんだ、こういうような問題を、実情をやはり的確につかまえておいていただいて、これから予算の執行等については万遺憾のないように措置をしておいていただきたい。  これだけ要請を申し上げまして、私の持ち時間が終わりますので、これで終わります。

黒金泰美自由民主党

○黒金主査 次に、八木昇君。

八木昇日本社会党

○八木(昇)分科員 佐賀県の中原町にあるところの姫方遺跡の問題について質問をしたいと思うのでございます。大臣はあるいは内容をあまり深くは御存じないかとも思いますので、最初にちょっと概要を申し上げたいと思います。福岡県と佐賀県境背振山のふもと一帯というのは昔から有名な日本の古代遺跡の宝庫だといわれておるところでございます。弥生時代から古墳時代にかけての日本で最大規模の遺跡で、日本の農耕文明の発祥他であるわけでございます。日本に稲作が始まったころの歴史がわかり、いわゆる耶馬台国との関係ということも論ぜられておるわけでございます。この姫方の遺跡で、土建業者が宅地造成のためにブルドーザーを入れて発掘をいたしましたところ、続々と今日まで、約五百基といわれておりますが、かめ棺、それから数百の人骨が出ておるわけです。その中身は、旧石器時代の石器、縄文時代の土器、弥生時代各期のかめ棺、石棺、古墳時代の石棺、住居あと、鎌倉時代と推定される青磁、そして方形周溝墓、環状列石土拡墓、断面V型遺構、古墳墓はもちろんでございますが、貝輪装身かめ棺あるいは須恵器、いろいろなものが出土しておりまして、それぞれの相互の関係というものはまだ全くわかっていないわけですね。それで、特徴としていわれておるのは、ここは完全な遺跡である、きわめて大規模な遺跡であるということ、そして全体像がわかる丘陵で、はっきりしておりまして、そういった非常に重大な遺跡でございますが、今日に至るまでの経過が、私どもとしてきわめて理解に苦しむものが実はございます。  というのは、もともと問題の発端というのが、これだけ周知されておる有名な遺跡であるにかかわらず、いよいよ工事が始められた段階で、住民の通報によって問題になっている。そして、そのことが昨年二月初旬に新聞の大きな報道となって、それからさらに二十日を経て初めて埋蔵文化財発掘の届けが大倉地所という会社から提出された、こういう経緯になっております。しかも、その調査をした後、これ以上業者を待たせるわけにいかぬということで、結局、四月十九日よりブルドーザーが入り、そして五月十六日から本格的な土地造成が始まったわけであります。  ところが、その段階以降続々とかめ棺が出たわけで、各新聞が実に、それこそ続々とキャンペーンをしたわけであります。私、ここへ持ってきておりますが、これは向こうの地方では各紙が次から次に、これだけ全部新聞のあれでございます。時期的には、去年の二月ごろからずっと本年の二月までのものでございます。そういうことになって初めて、今度は県教委が主体となって、五月の三十日に至ってこの調査を県が始めたわけでございます。そうしたところが、七月になって大倉地所が遺跡所在地の全面買い入れを申し出るということが起きまして、そうして、そうこうするうちに県は、七月の段階になって初めて遺跡鑑定のための職員派遣を文化庁に要請をしております。そうして文化庁が乗り出してきましてからは、さらにいままでの県の調査では不十分であるという文化庁の指示があって、遺跡の範囲の確認、遺跡の性格をより明確にするための補足調査というものを指示しておるようであります。そうして八月の十五日から月末まで調査をやったのでありますが、その報告に基づいて、さらに再度の追加調査というものを指示しておるようでございます。そしてその段階になりますや、今度は当初の態度と違って、県は国の史跡指定を要請をしております。  ところが、これに対して文化庁のほうは、それは困難だと回答をしております。その後昨年の十二月十日からこの工事が再開をされております。ところが、昨年十二月十日の工事再開以後、わずか三日を経ずしてかめ棺七基が削り取った壁面に露出する、そして十二月十四日には、その断面にV字型をした幅十三メートル、深さ三・五メートルの遺構らしきものが出土するというようなことで、これがまた今日さらに大きな問題になっております。こういう状況の中で、県は三カ地点、三つの遺構の地点を買い上げるというような態度をきめておるようでございます。大体こういう経緯の事柄であります。  これは非常に重大な問題だと私は考えておりまして、われわれの県のみならず、西日本方面ではこの一年何カ月、そのつど新聞に大きく報道されておる問題であります。これらの問題について質問したいと思うのでありますが、何せ時間がわずかでありますから、きょうは一部しか質問できませんが、まず最初に、文化庁のほうで全国で約十四万カ所の遺跡を台帳に記録してあるようであります。姫方遺跡も当然記録をされております。これをA、B、Cの三つに重要度に応じてランクが分けてあるようでありますが、もともと姫方遺跡というのはどういうことになっておったものであるか。  それからその次に、この姫方遺跡は天下周知の埋蔵文化財のあるところでございます。住民は雄塚、雌塚と通称しております古墳が丘陵の一角にちゃんとあるのでありまして、これが大きな社会問題、政治問題として住民の中から大きく沸騰して初めて、大倉地所はその後相当おくれて発掘届けを出したのでありますが、一体どういうわけでそんなことになるのであるか。いわゆる姫方台地の大倉地所が買収した土地の中には町有地があるはずだと思う。ですから、町はあらかじめ十分に承知しておったはずだと客観的に私どもは考えます。もしそれがなかったとしても、当然町当局は大倉地所がそれを開発するということは一〇〇%承知なんです。どうしてそういうのが、あらかじめ法に定められたところの、いわゆる文化財保護法第五十七条、第五十七条の二及び第八十四条による届け出が出されなかったのか、どういうわけで一体そういう事態になるものなのであるか、全くもって奇怪千万だと私は考えるので、以上の二、三点についてまずお答えいただきたい。

清水成之文化庁次長

○清水政府委員 最初の姫方遺跡のランクづけ、あるいは学術的価値という問題であろうかと思いますが、いま御指摘のとおり、三十五年から七年にかけました全国遺跡調査につきましては、県教委のほうでやっていただいたわけでございます。そのときの県教委の調査では、姫方遺跡はもちろん出てまいっておりますが、ランクづけとしましては、重要、比較的重要、普通という三つに分けました場合の普通ということで出てまいっております。その場合の考え方でございますが、いまお話がございました雌塚雄塚、二つだけが当時はわかっていたということで、普通、こういうふうにランクづけしたものと思われます。  それから、いまの周知の構造物ということにつきましては、雄塚、雌塚が出ておりまして、これは周知の構造物というふうに私どもも県の調査の結果分布図に載せておるわけでございます。  それから、三点目の大倉地所KKの関係でございますが、先ほど事実経過のお話がございました中にございますように、四十七年二月二十八日付で県教委経由、五十七条の二の関係の発掘届けが三月十四日に私どものほうで受理をされております。そこで、それ以前から発掘していたのかどうかということにつきまして、ちょっとこれは私どものほうでもはっきりしないわけでございますが、もしそういうことでございますといたしますと、一つは、遺跡の周知された包蔵地であるということの周知徹底につきまして、町なりあるいはまた県、ひいては私どもにも、何といいますか、不十分な点があったという点が一つ。それからまた当事者側のほうにも、そういう雄塚、雌塚がすでにあることでございますから、あらかじめ十分、少なくとも町当局と相談するというような、文化財保護、特に埋蔵文化財保護の思想と申しますか、考え方があってしかるべきであり、またほしかったと思うのでありますが、そういう点について欠ける点があったのではないか、かように考える次第でございます。

八木昇日本社会党

○八木(昇)分科員 さっきお伺いしたのですが、いまの台帳面に文化庁のほうで記載されてあるところの遺跡のA、B、Cランクの、もともとこの姫方はAランクになっていますか。

清水成之文化庁次長

○清水政府委員 先ほど申しました、普通と申しますのがCということでございますので、Cということでランクづけがされております。

八木昇日本社会党

○八木(昇)分科員 今日ではそれがたいへんに誤りであったということは、すでに御理解になっていると思うのですが、現実の事態がこのように発展をいたしておりますから、そこで、いまのような事態というのはもうすでに——実はこれは大臣、全体の広さが、正確に私自身にはわからないのですが、私、あとで資料要求したいと思っておりますが、大体四町歩くらいあるのだろうと思うのでありますけれども、今日までずっとこれだけ問題になってきておるにかかわらず、工事はどんどん進めているわけです。それで、三分の一ないし半分近くがもうすでにこわされている、こういわれております。私、現場を目撃しても、大体半分近くがもう赤土で、掘り返されてしまっておるのです。  そこで大臣にお伺いをしたいと思うのでありますけれども、文部省としてのこれらの埋蔵文化財に対する態度それ自体というものについても、私はやはり問題があると思います。これはだいぶ前のものでございますけれども、文化財保護委員会当時出した「文化財保護の現状」という冊子の一○九ページに書いてあるのでございますが、「開発事業の立場を考慮した調査を実施しうるよう、調査体制の確立ないしは合理化が当面の急務となっている。」という態度です。これは全く逆だと思います。文化財保護という立場を考慮したそういう開発許容、こういうことでなければならない、少なくとも文化庁、文部省のとる立場としては。それから、この同じ冊子の一一一ページに、「文化財の保存と開発との調整をはかるにあたっては、文化財保護担当機関と開発関係機関との、事前のしかも早期の段階における連絡の緊密化が要求される。」こうなっておりますが、事実はこのとおりに一つも実施されていないわけです。県にしましても、姫方地域が大倉地所によって土地造成をされるなどというのは百も承知をしていたわけです。もし教育委員会がそれを知らなかったとするなら、その間の調整というのは全く行なわれていなかった、こういうことになるのですが、そこら辺の取り組みの姿勢というものに、これはわれわれの県の県民全体が非常に不信感を持っておりますから、大臣、考え方を述べてくれませんか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 お話、まことにごもっともだと思います。文化財保護委員会当時の昭和四十年発行の「文化財保護の現状」におきましては、御指摘のような記述がございました。その後、昭和四十五年に文化庁が発行いたしました「文化財保護の現状と問題」では、「開発の進展に伴い、重要な遺跡を指定し、保存する必要性はますます増大している。」こう改めておるわけでございまして、史跡指定の促進の基本的姿勢を示しますとともに、「埋蔵文化財包蔵地について土木工事が行なわれる場合には、計画段階において事前協議を行ない、工事計画を変更してできるかぎり包蔵地を現状のまま保存するよう工事者側と折衝し、工事計画を変更できない場合は、工事実施前に発掘調査を行なって、記録を保存し、後世の学術研究に支障のないように」すべきだというような姿勢で指導することにしておるわけでございまして、埋蔵文化財の保護には、今後とも遺憾のないようにしなければならないと考えておるわけでございます。  先ほど来話の出ております調査、さらに四十八年にかけて三カ年行ないます調査、その結果を一覧表にして広く配布して、今後の問題につきましても抜かりのないような対処をしていきたい、かように考えておるわけでございます。

八木昇日本社会党

○八木(昇)分科員 時間がありませんので、文化庁と大蔵省のほうに同時に質問をいたしますが、第一の点は、現在の文化庁としてつかんでおられる姫方遺跡の全域、その広さ、いわゆる文化財遺跡の対象として考える全域の広さをどのくらいだというふうに考えておられ、そのうちすでにどれだけがもう破壊されておるか。  それから、県が三つの地点を買い上げようということに決定をしておるようでございます。あるいは買い上げたともいわれておる。幾らの価格でこれを買い上げたものであるか。もともと大倉地所はこの地域を反当たり百万円ないし百五十万円ぐらいで買い上げたといわれておるのでありますが、大倉地所が買い上げた時点の価格よりも相当上がった価格で大倉地所から県が買い上げるということになるのだろう、こう思います。そういった点を、時間がございませんから端的にお答えいただきたい。  それから、次は大蔵省のほうにお伺いをいたしますが、史跡等の買い上げ補助金あるいは史跡等の調査補助金、昭和四十七年度二十億円、昭和四十八年度三十億円、こう私は理解しておりますが、昭和四十七年度においてどういう物件を何件買い上げたのか、それから今後どれだけ買い上げねばならないか、その予定、見通し、土地はいままでも値上がりしましたし、これからもどんどんする一方でございますけれども、こんなような金額ではほとんど問題にならないのではないか。しかも現地の地方自治体あたりが、これは決して弁解だけではないと思うのですが、資金的な不如意という事情もある、こう思うのでありますが、そこら辺を端的に御説明願います。

清水成之文化庁次長

○清水政府委員 最初の姫方遺跡の広がりでございますが、実は先ほど御指摘の県教委が行ないました第二次調査の結果からいきますと、その辺でとまるのではなかろうかということで、なかなか範囲は確定はしにくいわけでございますが、私どもの推定からいきますと、約一万三千から五千平米の見当ではなかろうか。そのうち、すでにデベロッパーに売りまして工事が進められちゃったというところが、約半分、七千五百平米から八千平米ではなかろうか、こういう推定でございます。  それから、どのくらい公有化するか、こういう問題でございますが、私ども承知しております範囲内では、佐賀県が四十八年度事業としまして二千九百平米、こういうふうに聞いております。その金額は四十八年度の予算で予算化する予定でいるようでございまして、確定的な数字を私から申し上げるのもどうかと思いますが、小耳にしておりますところでは、約千七百万から千八百万、こういうことに承知しております。  それから、これは大蔵からもお答えがあるかもわかりませんが、史跡の買い上げ、これは国指定の史跡の買い上げの件でございますが、四十七年度におきましていままで買いましたのが、八十六件で、面積が六十一ヘクタール、こういうことでございます。それから四十六年度におきましては、これは実績でございますが、五十六件の面積が五十二ヘクタールというようなことであります。

青木英世大蔵省主計局主計官

○青木説明員 文化財保護の充実につきましては、従前からも特に配意をしてきたところでございますが、いま御指摘のございました史跡等のうち、特に価値が高くて開発等によって破壊されるおそれのあるものにつきましては、できるだけ公有化によってその保存をはかるというようなことから、三十三年度以来、史跡等の買い上げに必要な経費の一部を地方公共団体に補助をするという制度をとってきたわけでございますが、昭和四十八年度におきましても、前年度二十億に対して五割増の三十億を計上する。また補助率につきましても、従前は原則的には五割ということであったわけですが、これを八割に引き上げる、こういうような措置をとっております。  それからまた、これは特に奥野文部大臣から御提案があったわけでございますが、地価の値上がりが予想されて、かつ土地所有者から一括売り渡しの申し込みがあるというようなところで一括買い上げが可能なところにつきましては、地方公共団体とかあるいは公社等が、起債によりましてそれを一括買い上げる、そして国はその償還に応じて補助金を交付していく、こういうような制度についても検討してはどうかというような文部大臣から御提案がございまして、いま事務当局間で前向きに検討を進めているところでございます。なお今後、できる限り史跡等の買い上げの予算につきましても、これを増額する方向で努力していきたいと考えております。

八木昇日本社会党

○八木(昇)分科員 あとの質問者に迷惑をかけますから、いまから申し上げます質問については、この場でなくて、文書で後日でもいいですからもらいたいと思うのです。  それでお伺いをいたしますが、先ほどちょっと文化庁のほうのお答えにあったのですが、県が主体になっての調査は、去年の五月三十日から開始をされておるわけですね。それで、最初は一カ月の予定をしていたようですが、二カ月ということにしたようでございます。ところが、その発掘届けは、去年の五月から開始をしておるにもかかわらず、実にそれから九カ月も後の本年の二月一日付で発掘届けが出ておるでしょう。そんなことが一体許されることなのであるか。しかも、去年の五月から実施をした県の発掘に、国は補助金を五十万円出しておりますね。発掘届けも出ていないのに対してそういう補助金を出せるのか。それで、これは大蔵当局の見解を出していただきたいのですが、そんなことをやっていいのかどうか、その問題について御回答いただきたい。  それから文化庁の調査官は、こういった事態がずっと起きておるということは、全国紙にも何度か報道されておるのでありますから、当然その動きというものは、そうでなくても県から事前に相当な連絡はあっていたと当然私どもは想像するし、そうでなくちゃおかしいと思うのでありますが、一体いつになって初めて文化庁の調査官は佐賀へ行ったのか。何度行ったか。そうして、聞くところによると、現場を見ないで帰っておるが、そういう風評が出ておるが、そうであるかどうか。それから佐賀県の文化財専門委員会の委員の人たちが調査をした結果についてのいろいろな意見を述べておりますが、その意見について一体どう考えるか。  それから、きょうこの分科会で私があえて質問しましたのは、事態がもう今日でもすでにおくれ過ぎておるのですが、さらに遷延してはいよいよ破壊が続くと思いましたので、いずれ後日ゆっくりと時間をいただいて文教委員会で質問したいと思っておるのでありますけれども、あえてきょうわずか三十分の時間内でこの大きな問題の時間をとらせていただいたのは、これ以上の破壊が進まないようにという気持ちからでございますから、そこで今後、文化庁としては一体どうするつもりか。どういう指導をするつもりか。私の考えからすると、幸いにしてまだ相当部分が残っておりますから、これはやはり専門家によるところのいわゆる学術調査というものを、さらに十分綿密にやった上で最終的な結論を出すべきである。何か三つの小さな地点を分散的に残すというのは、私はこっけいじゃないかと思います、この遺跡の全体的な性格から見て。そういった点について御回答いただきたい。それで、もう時間が切れて申しわけないですから、答弁はこの場ではいただきませんから、私のほうに簡潔な文書でいいですからいただきたい。  それからこの際、資料を要求しておきたいと思います。これはあとでお渡ししますが、一応議事録にとどめる意味で読み上げます。  第一は、最初の発見届けは、だれから、どこへ、いつ、どのような方法でなされたか。その後の発見届けはどうされたか、この経過の資料。二、中原町から提出された一切の書類。イ、開発区域の図面 口、発掘届け ハ、調査団の構成員 二、発掘日程及び調査費用(計画、予算、決算など)  ホ、発掘日誌 へ、遺跡評価の結果の届け書など。三、佐賀県から提出された一切の書類。イ、県が作成した姫方遺跡の測量地図 口、県文化財専門委員会の会議録 ハ、調査団からの発掘報告など。四、文化庁の行動の経過。イ、佐賀県に対して行なった行政指導の内容 ハ、文化庁の係官の現地派遣の日時、目的、氏名及びその行動など。これをよろしくお願いしたいと思います。

黒金泰美自由民主党

○黒金主査 それでは次に、平林剛君。

平林剛日本社会党

○平林分科員 私は、きょうは、小田原女子短期大学の運営が社会問題に発展をして、学園の正常化を父兄、学生そして良心的な大学教授たちが熱望している問題について取り上げたいと思います。  この問題の原因がどこにあるのか、これを解決するに何が必要であるか、私は問題を提起しまして、文部省並びに大臣の見解を求めたい、こう思うわけであります。  小田原女子短期大学というのは、学長が元検事総長、元法務大臣、理事長が元自民党の代議士である学校法人でございます。付属の生活芸術学校それから保育専門学校と合わせますと、学生、生徒数は四百八十九人ありまして、数職員七十名でございます。  この小田原女子短期大学は、昨年来、労働問題の発生を契機にいたしましてその運営に疑問が持たれ、その経理のずさんなことが明るみに出ました。昨年十月十八日のわが国の一流新聞、各新聞の報道の記事を見ますと、その見出しに「ニセ申請、ズサン経理、「補助金返せ」と私学財団」こういう見出しが出ております。あるいは「申請、経理内容がでたらめ、「補助金二千万円返せ」」、こういう見出しにもなっています。これは大臣、そのときの新聞記事でございます。結局、小田原女子短期大学が日本私学振興財団から昭和四十五年、六年度計上費の補助金を合計千九百二十五万三千円受領していたことが、申請と実態が違っている上に、会計帳簿もそろっていないずさんな経理としてその返還を迫られておる、こういう問題であります。  昭和四十七年の十月二十五日のやはり各新聞の報道記事を御紹介します。その見出しには次のようになっています。「”幽霊学校”で補助金詐取、小田原女短大」それから「付属校もニセ申請、県が補助金返還命令」こういう見出しになっております。それから「”先生も生徒もいない”、疑惑の2付属校、”補助金返せ”、県が命令」これはいずれも新聞の見出しを申し上げたのであります。  これも新聞の記事であります。これによりますと、生活芸術学校、保育専門学校も生徒、教職員数をでたらめに申告、県費補助を受けていた疑いが濃いということで県知事が命令をして補助金返還を迫ったものであります。この日本私学振興財団が返還を命じたこと、県の知事も補助金の返還を迫っていること、いずれも推定でありません。事実問題でございます。いずれも厳然とした事実であります。  文部省はこの事情をたぶん御承知だと思いますが、今日までどういう御措置をとられましたか。それが私のまず第一番の質問でございます。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 まず、経常費の補助金でございますが、小田原女子短期大学に対しまして交付いたしました私立大学等経常費補助金には、四十七年の四月及び六月に会計検査院の実地検査が行なわれました。その結果、専任教員の数におきまして、四十五年度におきましては三十二名中十名、四十六年度におきましては四十四名中三十二名が補助金の配分の基礎となっております専任教員に該当しない者であるということが明らかになりました。その内容は日本私学振興財団に提出した本務教員の調査表におきまして、給与の支払いを受けていないあるいは給与が著しく低い者につきましてその給与の額を水増しをして申告をした、あるいは小田原女子学院が設置している短期大学以外の学校があるわけでございますが、そうした学校の職員を短期大学の職員として報告をしておるというような事実が私学振興財団に提出された書類の内容に含まれておったわけでございます。また調査の結果、会計に関する帳簿はほとんど整備されておりません。また給与簿も二重に作成されていたというような事実が判明いたしました。  そこでこれに対しまして日本私学振興財団は、補助条件等に反するということをもちまして四十五年度交付いたしました七百十三万九千円、それから四十六年度に交付いたしました千二百十一万四千円、計千九百二十五万三千円につきまして昨年の十月四日付で返還の請求を行ないまして、同月十九日に元本額が学校法人から私学振興財団に返納されたという事実がございます。  経常費の補助金につきまして文部省がとった措置は以上のとおりであります。

平林剛日本社会党

○平林分科員 大体お話のとおりだと思います。それだけでなく、いまお話があったように会計帳簿もそろっていないずさんな経理である。それに、つけ加えますと、理事長が学校を私物化しているという問題もはらんでおるような実情でございます。また理事会の会議録それから評議員会の議事録なども、債権者の出席や評議員がだれであるかさえ明らかにしないまま、理事長の意のままに作成されているという話もあります。いままででもこの学院の運営は、私立学校法寄付行為は無視されてきたということでございまして、たとえば資産、経理等についても学院内に本来決算書類を備えつける措置をもとっていない状態だと聞いておりますが、その点はいかがでございましたか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 ただいま申し上げました会計検査院の実地検査の場合におきましても、また文部省の係官が学校の調査をいたした場合におきましても、会計帳簿がほとんど整備されていなかった、学校に備えつけられていなかったということでございまして、調査には非常に苦労したというふうな報告を受けております。

平林剛日本社会党

○平林分科員 私立学校、大学の寄付行為等は、本来文部大臣の認可によるものである。また奥野文部大臣も近代的な教育を進めるためにも、こうした状態にある学校が存在するということはやはり見のがすことができない対象じゃないかと思うのです。いまお話を聞くと、会計検査院、日本私学振興財団の調査を間接的にお伝えになりましたけれども、私はその実態を文部省としても調査をすべきでないか、こう思いますが、いかがでございましょう。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 ただいまおっしゃいました検査院の検査、振興財団の調査の場合には、文部省からも係員が同行いたしまして調査をいたしております。

平林剛日本社会党

○平林分科員 いまのお話は文部省としての調査結論として受け取ってもよろしゅうございますね。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 そのとおりでございます。

平林剛日本社会党

○平林分科員 私は、日本私学振興財団がその補助金の返還を命じたこと、それから会計検査院の指摘並びに文部省の調査結果から見ましても、その理由から考えてみても、水増しあるいは虚偽の申請をした責任者である理事長は、教育者としてその人格、識見に多大の疑問を持たれてもやむを得ないのではないか、こう思うのであります。私は今日までこの問題はできるだけ取り上げず自主的な解決を望んでおったのですが、このまま放置はできないということを感じまして国会に取り上げた次第でございます。このことを考えますと、この理事長がその職にある限り、再び補助金を出すようなことはちょっとできないのじゃないだろうかと思うのでありますが、大臣いかがでございましょうか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 たいへん紊乱した事情になっておるだけに、今後引き続いて補助金を出すということは困難だという考え方に立っておるわけでございます。そういう意味で先ほど管理局長からもお答え申し上げたわけであります。

平林剛日本社会党

○平林分科員 具体的に聞きますが、四十八年度の補助金はどうなっておるのですか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 従来の経過につきましてはただいま申し上げたとおりでございますが、四十七年度につきましては、こうした経過があったものでございますから、交付しないという方針を決定いたしております。来年度以降どうするかという問題につきましては、ただいま御指摘のように、小田原女子短大の経営全体の体制に問題が残っておるようでございますし、また経理の処理状況にも多く問題が残っておるわけでございます。これが今後どういうふうに改善されるかというようなことを十分見きわめていきたいと思いますが、なかなかこの改善には問題が多いような感じを持っておる次第でございます。  なお、具体的に四十八年度以降の補助金をどうするかということにつきましては、これは日本私学振興財団が決定権を持っておるわけでございます。したがいまして、文部省といたしましては、ただいま申し上げましたような諸般の事情を慎重に検討いたしまして、財団とも十分連絡をとって間違いのない措置を講じたいというふうに考えております。

平林剛日本社会党

○平林分科員 四十七年度の措置はわかりました。四十八年度からについては大臣のお話のとおり困難な感じであるということ、非常に意味が深いと私は思います。これは承っておきます。  そこで、法務省にちょっとお尋ねします。  小田原女子短期大学が日本私学振興財団からの補助金を水増し申請して、その申請内容に虚偽事実があったとするならば、これは業務上の横領、受領した補助金を目的以外に流用してその使途がわからないとするならば、これは詐取、これはまた背任に該当するのじゃないか。一般論としてでもけっこうですが、新聞ははっきり、クエスチョンマークをつけないで断定して見出しを書いているくらいにはっきりしたことなんですが、法務省の見解はいかがですか。

根岸重治法務省刑事局刑事課長

○根岸説明員 ただいまのお尋ねでございますが、具体的事案によりまして成立する犯罪と体系が違うと思いますので、当該問題になっております案件につきまして何罪に該当するかということはお答えいたしかねるわけでございますが、一般的に、うそを言って補助金をとったような場合詐欺罪あるいはいわゆる補助金適正化法等の犯罪、あるいは受けた補助金を目的外に使った場合は横領その他の犯罪が成立することは理論的に考えられます。

平林剛日本社会党

○平林分科員 そこで、私、昭和四十八年三月三日の新聞を読んだのでありますけれども、これによると、東京の品川区旗の台にある立正学園では、学校の増築資金に寄付された株券の一部が売却され、その代金の使途に不明の点があるとして、警視庁の捜査二課が業務上横領または背任の疑いで事情聴取を始めたという記事があるわけです。小田原女子短期大学の場合は昨年の八月末に教職員の組合が理事長を相手どりまして、横浜地裁小田原支部に私立学校法違反、背任横領、詐欺などの疑いで告訴をしているわけでありますが、検察側ではこれをどう取り扱いましたか。

根岸重治法務省刑事局刑事課長

○根岸説明員 お尋ねの件につきましては、昨年の八月二十九日に告発状が出されまして、横浜地方検察庁小田原支部におきまして、ただいま事件の捜査中でございます。

平林剛日本社会党

○平林分科員 捜査中というお話を聞きまして、たぶん事情聴取その他も進められておるものと思います。しかし、検察側の態度についていろいろな見方がございまして、それがそうだと言うわけではございませんが、小田原女子短期大学の学長が元検事総長である、元法務大臣であるということから、どうも政治的に配慮をしているのじゃないかという観測も行なわれていることは、私は法務当局にとって残念なことだと思うのです。また、警察側の態度の中に、その判断の中に、告発をされた真意は理事長の辞任を求めているのか、それで処理、解決ができ得るものか、あるいは犯罪の追及を要請しているのかという点が、この点に配慮があるのじゃないかなという感じをも私は好意的にしているわけであります。法務省の見解はいかがでございましょう。

根岸重治法務省刑事局刑事課長

○根岸説明員 告発を受けました事実は先ほど文部省からお答えになりました。補助金の詐欺をしたという事実ほか種々の事実がございまして、必ずしも簡単な事案ではございません。お尋ねがあればあとで事実等も申し上げますけれども、いまおっしゃいました理事長あるいは学長でございますか、元検事総長あるいは法務大臣の地位にあったということでございますが、検察庁といたしましては、関係者がどのような地位にありましても一切事件の成否とは無関係でございますので、先生のおっしゃいましたことが何を意味するかははっきりは存じませんが、検察庁といたしましては公正な立場で捜査を進めているものと私は信じております。  また、告発人の真意が那辺にありやということで検察庁が戸惑っていると申しますか、そういうことがあるのではないかという御質問でございますが、具体的にその点は存じません。ただ検察庁といたしましては、告発を受けました以上、犯罪が成立するかどうかということを公正な目で厳正に捜査を進めまして、もっぱら証拠によりまして犯罪があるかどうかを認定し、その結果に基づいて適正な処分がされるものと私は考えております。

平林剛日本社会党

○平林分科員 女子短大の理事長がかりに不当不法な補助金を私学振興財団に返却したとしても、その行為自体については、法律自体から見て変わらないと思いますが、その点はいかがですか。

根岸重治法務省刑事局刑事課長

○根岸説明員 本件についてではなく一般的に申し上げますと、たとえば詐欺をしてお金をとって後に返したというような事案を想定いたしますと、後にそのお金を返却したということ自体は理論的には犯罪の成否に何ら関係がございません。

平林剛日本社会党

○平林分科員 もう一つ伺いますが、昨年の十二月二十日に債権者から、学校法人小田原女子学院の評議員会及び理事会決議の無効確認訴訟の本案判決の確定に至るまで、債務者である学院の理事、理事長の職務の執行を停止するよう申請書か提出されておりますけれども、この取り扱いについての進行状況はどうなんですか。——これは裁判所ですね。  そういう状況にもなっておるということでございます。  文部省に今度はお伺いします。四十八年度の一月、学院の父兄代表三百四十人でございますけれども、理事長の学院の運営それから学校の経理が重大な危機に直面している責任を追及して、事態の収拾をはかるための辞任勧告をしておるようでございます。このことは管理局長御存じでしょうか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 直接関係者から伺っておりませんけれども、間接にいろいろなところからそうした情報は得ております。

平林剛日本社会党

○平林分科員 また四十八年の二月、小田原の市長さんから、学院の運営上の問題を心配されまして、このまま推移をすれば学期末テストや学生の卒業認定にも影響して、大学と学生の将来に深刻な事態が懸念をされるということから、トラブルの早期解決を要望する文書が出されていること、これも御承知ございませんか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 そういう文書は文部省に参っております。

平林剛日本社会党

○平林分科員 小田原女子短期大学は学院側の不当労働行為、これも神奈川県の地労委で不当労働行為のあることを認め、今後このような行為のないよう誓約するとの掲示を正門に掲げるように命じたのでありますけれども、学校側はその掲示命令にも従わず、問題は中央労働委員会でも審査中でございまして、次々にこの問題から発展をしてまいったのでございます。この処理をめぐりまして大学の教授陣、特に良心的な教授の人たちは、大学史上初めてといわれるような試験ボイコットを実施するのやむなきに至っておる。学生も四百八十八名の連名で理事長の退任要求に関するお願いを裁判所に提出をしたり、私もその嘆願書を実は受け取ったわけでございます。四百八十八名、ほとんどすべての学生からの署名印鑑をつけての嘆願書でございます。そして学生も、わずか八名を除いてこんな試験では困るということで、試験を拒否しています。試験というのは、担任の教授がいままでの成績を見たり、勉強ぶりを見たりして試験を出す。それを全部やらせないで、学校側がかってにつくるということをやったりしておるものでありますから、そういう意味で学生も早く正常化して試験が安心して行なえるような状態にしてもらいたい、こういう強い要望を持っておるわけでございます。八名の受けた人も、卒業が間近であるからやむを得ずこれでやるけれども、実際はこんなことは困るのですという陳情書が私のところに届いております。私は、この学院の現状におきましては、いまの理事長がその職にある限り、問題の解決をはかることができないのじゃないだろうか、こう考えておるわけでございます。私は理事長個人に憎しみもなければ何もございません。また、これは思想とかその他では取り扱うべきものではないと考えておりましたから、一年間以上経過しても本問題を私直接国会で取り上げることを避けてまいりまして、円満解決を実は望んでいたわけです。しかし、ここまでくるともう黙っていられないのではないか。  そこで、大臣にお伺いいたしたいのですが、私は理事長という職務は教育を継続させる義務があると思うのです。しかし事実上それが継続することができない、残念なことでありますが、そういう状態でございます。私は、学生や生徒の将来の問題あるいは小田原女子短期大学の将来の発展のためには、文部省としても事態の解決のために適切な措置をとり得るのではないだろうかと実は考えておる。たいへんむずかしいことはあると思いますが、しかしここは賢明な文部大臣の御措置を私は要請したいと思うのです。これについてどういうお考えをお持ちでございましょうか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 文部省は現行法上学校法人の理事長、理事等の役員の解職を指示する権限がないわけでございます。また私学の自主性を尊重するという一般的なたてまえから申しましても、個々の私学の具体的な人事に関与するということは、これはよほど慎重に考えなければならないと思います。  一般的に申しまして、問題がございます場合の進退につきましては、理事長自身が良識をもって判断をすべき事柄であると考えますが、小田原女子学院の場合は、経常費の補助金の交付につきまして御指摘のような問題が起こっておりますし、また学内にもその後いろいろ紛争が絶えないわけでございまして、その運営が正常に行なわれているということが言えないのではないかと思います。また、経理が必ずしも明確でないというようなことも御指摘のとおりでございます。こうした事実につきましては、やはり理事長といたしましても社会的な責任というものを十分認識していただきたいというふうに考えております。

平林剛日本社会党

○平林分科員 大臣、私もいまおっしゃったとおりだと思うのです。理事長の進退は、本人が常識をもって判断する問題であるし、それからここまできた社会的責任は痛感してもらいたいと私も思っておるのですが、大臣の御見解はいかがでしょう。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 そのような方法しかないのかもしれませんけれども、私として言えますことは、小田原女子短大には学生もいるわけでございますので、紛争が円満に解決いたしまして、短期大学の教育活動が一日も早く正常化するように望みたいということでございます。  具体の方法につきましては、いまいろいろお教えをいただきまして、いかにも紛糾しているということはよくわかったわけでございますけれども、それを望むだけのことでございまして、あまり具体の措置を指摘しますことは、かえって問題の解決を困難にすることもあり得ますので、慎重にさせていただきたい、かように思います。

平林剛日本社会党

○平林分科員 結局進退は常識をもって判断してほしいし、また社会的責任は痛感してもらいたいという先ほどの管理局長の御判断、大臣のいまのお話、これを受けて私は問題の解決ができることが望ましいと思うのです。  時間もありませんから、最後にちょっとお伺いしますけれども、もう早く試験をしないと卒業できぬということになるわけで、学生たちはそれで非常に悩んでおる実態でございます。しかしいま私が述べてまいりましたような経過というものがありまして、常識的に判断されれば問題は解決するわけですが、なかなかその常識が通らないところに実は父兄も学生も良心的な教授の悩みもまたあるのでございます。そういうことから考えてちょっと見解を承っておきたいのですけれども、いま学校側は学生の試験を自分の判断で強行しょうとしているのですね。それは担任の教師を除いてしまって、そして私、実はここに持ってきているのですが、試験の出し方についても、これは私が見てもちょっとおかしな試験の出し方をしているなとか、この学園はかなり専門的なことをやっておるわけですから、やはり担任教師が試験を出す。そうしないと、やはり学生自身の卒業資格その他についても疑問を持たれて、かえって社会に出てかわいそうなことになる。やはり担任教師が責任を持っての教育方針、いままでやってきたことを基礎にしてテストしてあげるというのが私は教育の正しい姿だと思うのですけれども、これについての御見解はいかがでしょうか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 いままでに御指摘がございましたような紛糾がございまして、学校法人の理事長に対する不信と、それから起こっております労働問題その他の紛糾が短期大学としての教育にまでいろんな波紋を及ぼしておるということはいかにも残念でございますので、私どもといたしましては、理事長で副学長をしておられる方にも来ていただきまして、学園のその法人組織にまつわるいろんな問題と教育上の問題とを分離してもらいたい、そして試験は試験で学年末の試験をやはり皆さんでやるというふうにやってほしいものだという御注意と警告を、担当官のほうから事情を聞きながら申し上げた次第でございます。しかし肝心の先生が、いまお話がございましたように試験をしないという状態で、今日私どもが承知いたしておりますのは、家政科二年生につきまして十一科目中九科目は実施したが二科目について行なわれていない、あるいは実施されたものにつきましても、いま御指摘がございましたような、何か臨時の対応策がとられたのかもしれませんが、この教育上の問題はひとつ関係者がぜひ事柄を理解して、教育の課題として別途処理をするというふうにして、いままで教壇に立って教えてきた先生が試験をする、そしてその単位の認定によって学生が卒業できるようにということを願わざるにはおれません。これを教官もボイコットし、学生も試験を受けないということであれば何ともいたし方がないというふうに、困った状態だと思っております。

平林剛日本社会党

○平林分科員 担当の人がやるのが望ましいというお話はわかりました。  そこで、これらの問題をもう少し、きょう私は時間が短いので十分事情を尽くし得たかどうかわかりませんが、引き続いてこの問題につきましては私の承知している問題についてお話をしたいと思いますし、とにかく悩んでおる学生の将来のことを考えますと、もっと正常な形の試験が行なわれるように御努力を願いたい。ただ権力をもってやりさえすればいいんだというようなことで糊塗するというのは、私は教育の場にふさわしい試験ではないと思うのであります。そういう点も正しい指導をひとつお願いをしたい。そして一日も早くその試験が実施されるような御配慮を、特に大臣もひとつこれに御配慮をいただきたいということを最後にお願いをしまして、御判断をちょっとお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 たいへんに混乱している事情をよくお教えいただいたわけでございます。このような状態でそのまま過ぎてまいりますことは、私ども学校全体の信用にも関係する問題でございますので、文部省としてもできる限り解決に向かって力を尽くしていかなければならない、かように考えております。

黒金泰美自由民主党

○黒金主査 次に、玉置一徳君。

玉置一徳民社党

○玉置分科員 まず私は本日は、幼児教育問題を主にしまして質問をしたいと思うのですが、その冒頭に、昨今の新聞を見ておりますと、非行教職員の問題が新聞に報道されておりまして、これが教育に与える影響は少なくない、こういう意味でまことに心痛されるところでありますが、かかる事態に対処しまして当局はどのようになさろうとしておいでになるのか、当局並びに大臣の所見をまずお伺いしておきたい、こう思うのです。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 御指摘のように、最近教員の非行が目立って出てまいってきているようでございます。せっかく教職員全体の処遇を改善し人材を教育界に導入したい、また世界に目を向ける先生方になってもらおうという努力をしておりますやさきでございますだけに、一そう残念な気持ちを深めているわけでございます。やはり教育界全体につきまして自覚を深めていく配慮を私たちとしては行なっていかなければならない、かように考えておるわけでございまして、いままた教職員の採用の時期にも当たっておりますし、そういう際においても、そのような点について抜かりのないような判断をしていかなければならないわけでございますが、今後さらに、都道府県の教育委員会等を通じまして、一段の指導、助言をしてもらうように注意を喚起していきたい、かように考えております。

玉置一徳民社党

○玉置分科員 なお当局からお伺いいたしますが、こういう性格の欠陥者等々を採用時期にチェックする方法もしくはその後の就職中にチェックする方法というようなものが考えられるかどうか。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 各都道府県の教育委員会におかれましても、採用時につきましては非常に気を配っておるようでございますけれども、しかし途中におきましては、これは特に私行の問題ということになりますと、広い意味で言いますと、人権の問題等もございますので、なかなか私行の面までは目が届かないというのが現状であろうと思います。またこのたびのような事件はいわば突発的な場合が多うございまして、ふだんからそういうふうな行ないがある、あるいはそういう傾向が見られるというのでないところに、また一つ問題点があるわけでございます。  そういう意味で、対策につきましては私どももどういうふうにしていいか非常に迷っているところでございますけれども、しかし何よりも教員というものはほかの公務員あるいはほかの者と比べまして高い倫理性が要求されるわけでございまして、私どもも、大臣から申し上げましたように、このたび待遇の改善等も行ないましたことは、また父兄や世間の目も先生方に対する見方と申しますか、そういうものが一段ときびしくなりまして、先生方も自覚を深めていただくということになろうか、そういうふうに期待をいたしているわけでございます。

玉置一徳民社党

○玉置分科員 せっかく文部省も待遇その他に積極的な努力を払われているときでありますので、人数とすれば大ぜいの中のほんのわずかかもわかりませんけれども、お仕事がお仕事だけに与える影響も少なくないと思いますので、今後十分そういうことのないような御注意をお願いを申し上げたいと思います。  そこで、幼児教育の問題についてでありますが、まず幼稚園の普及率と整備計画を御説明願いたい。その際に、でき得れば公立と私立に分けていただきたいのですが、あわせて幼稚園児の就園率を当局からお聞きしたい。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 四十七年度におきます幼稚園の就園率は五八・六%になっております。なお、私どもちょっと気がつかなかった面があるわけでございますが、いま無認可幼稚園というのがやはりあるようでございまして、そういうものを含めますとさらに就園率は高いと思いますが、その点の調査がまだ十分でございませんので、いまのところは正規の幼稚園の就園率だけしかわかっておりません。

玉置一徳民社党

○玉置分科員 それは正規というのは私立も含めてですね、正規のやつ。  そこで、特に人口の過密地帯といいますか、大都市周辺の急速に人口が集中しましたところでその設置要求が、需要と申しますか非常に多いと思うのですが、それについてどのような整備計画をお持ちになっておりますか。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 これは幼稚園全般につきましての整備計画を私どもは進めたいということでございまして、特に人口急増地帯あるいは過疎地帯というふうに分けてはおらないわけでございます。ただ、過疎地帯等におきましては現実問題としましては子供の数が三十人に満たない、こういうふうなところでは普及はおくれるであろう。したがって、私どもがまず力を入れなければならないのは、いわゆる人口急増地帯を中心にして進めていくべきではないかというふうに考えておるわけでございます。

玉置一徳民社党

○玉置分科員 あとで詳細にお伺いしますが、幼稚園の就園率が五八・六%、就園率、これに同じようなと言うと語弊がございますけれども、保育所の就園率、入所率というのですか、合わせますと五歳児、四歳児、三歳児等の学齢に対してどのくらいの就園入所率とお思いになりますか。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 保育所とそれから幼稚園では該当年齢が若干違いますものですから、ちょっと比較にはならないかと思いますけれども、現在幼稚園の就園率は先ほど申し上げましたように五八・六%、それから保育所の在籍率が二四・六%、合計いたしますと八三・二%でございます。

玉置一徳民社党

○玉置分科員 そうしますと、八三・二%、ちょっと性格が違いますから一緒に合わすことは語弊がございますけれども、そのくらいの幼児が保育園もしくは幼稚園に入っておることは事実なんです。これは全国平均でありますので、通園通所に非常に不便なところも合わせての就園入所率でございますので、われわれ見ておりますところ大都会周辺等々の、近畿圏もしくは中部圏あるいは首都圏等の場合にはおそらく九〇%はるかにこえておるのじゃないかと思われます。  そういう意味で、私はさらにお伺いしたいのは、一体公立並びに私立の幼稚園の一カ月の父兄負担はどのくらいでありますか。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 四十七年の五月現在で、私どもの調査によりますと、公立が授業料、入学金を含めまして一万一千六百十四円。それに対しまして私立のほうは授業料、入学金の合計が四万六千七百七十一円。そのほかに四千円ばかりの負担がございますので、大体五万円ということであろうと思います。そういたしますと、倍率といたしましては四倍ないし四倍半という程度の差があるわけでございます。

玉置一徳民社党

○玉置分科員 これは食費その他を全部入れているのか入れていないかによって違いますけれども、公立におきましては、食費を入れまして大体二、三千円じゃないか。私立は大体八千円ないしは一万円というのが最近建てられたところの父兄負担だ、われわれは大体そういうような見方をいたしております。     〔主査退席、木野主査代理着席〕  そこで、先ほど申しましたように、保育園と幼稚園の差はございますけれども、六歳児以下の学齢児が場所によっては九十数%ぐらいのものが通っておる。しかも月額の父兄負担は、私立に至りましてはかなりの父兄負担になります。それがいずれも若い奥さんであり、若い御主人でありますので、これは二人通わすということになればかなりの父兄負担になることは事実であります。だから、就学率は非常に高い。それからただいま申しましたように父兄負担が多い。しかも幼児教育は非常に重要であるという点から考えて、これを思い切った幼稚園制度の予算措置の改革と申しますか、国庫の負担の増額と申しますか、つまり幼児の教育は国が責任を持つというところまで思い切った計画を樹立される時期に来つつあるのじゃないだろうか、こう考えます。  そこで、その方法としましては、義務教育の学齢を引き下げる。これは五歳児だけになります。あるいは幼稚園の義務教育化、おかしな言い方でありますが、この二つがあり得ると思うのですが、こういうことにつきましてきょうまで御検討なすったことがあるか、あるいは検討したことがなければ、今後どのように考えていくべきか、まず当局からお伺いいたしたい。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 この点につきましては、父兄の方々からも御要望があったこともございますし、それから先ほどの中教審の答申の中におきまして、これについて御示唆をいただいております。その中教審の御答申によりますと、幼稚園の教育というのは、ただいま御指摘になりましたように普及をしなければいけない。しかしながら、将来その普及とそれから充実の状態を見て、さらに学問的にと申しますか、はたして教育的に見まして幼稚園というものを義務教育として取り入れるべきかどうかというふうな点を十分検討課題として研究を進めるべきだというふうな御示唆がございました。したがいまして、私どももそういう方針に沿いまして今後検討は進めたいと考えておりまして、すでに新しい機構もつくりましてそこで研究を進めておりますけれども、まあ今後の問題として検討を進めていくというふうなのが私どもの現状でございます。

玉置一徳民社党

○玉置分科員 そこで問題は、保育園との交通整理も考えなければならない時期に来ておると思います。たとえば、五歳児と四歳児は幼稚園でやるんだ、それから三歳児だけはどうだ、希望者だけどうだというような考え方とか、一番混雑しておりますのは、保育園に関しては非常に市町村への補助率が、これを建てる場合にもそれから毎月の措置についても、名目上は合計で一〇〇%、市町村が一〇%持つ、九〇%を国並びに府県が措置しておるような形になっております。だから幼稚園のほうではそのことが、いろいろな手を打っていただいておりますが、ようやくそういう手を打ち出しただけであって、当初からそういう生い立ちをしました保育所に比べてみますとはるかに劣っておる。したがって幼稚園の普及をやろうと思えば、国庫補助率をいまの保育所と同等程度までふやさなければ、その実態は幼稚園でありながら、やはり保育所として経営をしているものが、昔から存立しておるものには間々あるんじゃないだろうかということをわれわれ実地に見ております。こういうことで、先ほど申しました就園率の比較的多いことを、それから幼児教育の必要なこと、こういう意味から見まして、義務教育ということばをにわかに使いにくいのであれば、思い切って国庫補助を義務教育に準じて増額していかなければいかないんじゃないだろうか、こう思うのですが、大臣並びに当局の所見をお伺いしたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 全く同感でございます。義務教育に準ずるような実態になってまいりましたし、同時にまた幼児教育が非常に重要な時期に入っております。両様の意味において義務教育に準ずるような財政措置も講ずべきじゃないだろうか、こうも考えるわけでございます。公立の場合と私立の場合とがございます。保育所との関係は別にいたしましても、公立の幼稚園の建設に対しまする助成につきましても、従来から一歩抜き出た国の責任を果たしてもらうように今後努力したい、私はかように思っております。同時に、私立の問題につきましても経常費助成、これも始めたわけでございますけれども、幼稚園には学校法人のほかに宗教法人立とか個人立の幼稚園がございまして、これらの幼稚園に対しましては経常費助成が現在ではなおなされないでおるわけでございます。若干の法律改正を要するわけでございますけれども、この国会でぜひ法律改正をしていただきまして、個人立、宗教法人立に対しましても経常費助成が本年度から行なわれるようにいたしたいものだ、かように考えておるわけでございます。  同時に、助成の程度につきましても、毎年引き上げられてはきておるわけでございますけれども、一そう思い切って引き上げられるように努力をしていきたい。県からの助成でございますが、私立の大学に対する国の助成に準じて行なわれてきておるわけでございます。この程度をさらに引き上げていきたい、こう考えておるわけでございます。  同時に、就園奨励費の問題につきまして、昨年一万円でございましたのを四十八年度から二万円まで引き上げるわけでございますけれども、先ほど御指摘のありました私立の入園料などを考えますと、将来なお引き上げていかなければならないのじゃないだろうか、かようにも考えておるわけでございます。これにつきましては市町村等の協力も必要でございますが、その方面の協力も求めながら、幼稚園に対しましては一そう充実的な国の施策が行なわれるように格段の努力をしていかなければならない、かように決意いたしております。

玉置一徳民社党

○玉置分科員 保育所の国の措置と同じくらいの国庫補助の増額ができますときに初めてほんとうは交通整理ができやすいんじゃないだろうか。それまでは、議論してもなかなか実態はむずかしいような感じがいたします。一日もすみやかにそういうところにいけるようにひとつ格段の御努力をお願いしたいと思います。と同時に、学校の教諭と申しますか教職員と申しますか、ことに私立におきまして待遇が低いような感じがいたします。私立がかなり多くなったのも、人口集中地帯では市町村立だけでは間に合わないのがそういうことになったんじゃないか、こういう感じもいたします。公立と同じような助成並びに教職員の待遇につきましてはひとつ十分の御配慮をいただきたいと思います。  そこで、時間が若干余りますので伺いたいのですが、各種学校の件であります。  学校教育法の一部改正の問題につきましては、昨年衆議院を一応通りまして、参議院であのような経過になったことは御存じのとおりであります。今国会に政府は提案をなされる意思がありやなしや。あるいは議員立法におきましてそういうことがなされることを期待されるかどうか。この問題については、前に何年も学校教育法の一部改正の中へ盛り込まれて、いわばたなざらしになってきたものでございますので、そういう点についての御所見だけ伺っておきたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 昨年のこともございますので、やはり昨年と同じように議員立法で今国会でぜひ解決をしていただきたい、かように考えているわけであります。

玉置一徳民社党

○玉置分科員 それからもう一つ、埋蔵文化についてでございますが、埋蔵文化の保存につきましては、国内の各界からの関心が非常に寄せられるところでありますけれども、昨今埋蔵文化のある場所だという推定のもとに御指定をされたことがありますか。これにつきましては、たとえばいま塚か何かになっているところは非常にわかりやすいのですが、農地であるとかあるいは宅地になるようなところの指定も、指定と申しますとおかしいのですが、少なくないわけであります。将来どのようにそれを措置されていかれるのか、この際はっきりしていただいたほうが、そこに該当する場所にとってはいいのではないかと思いますので、所有権の移転あるいは形状の変更等について、その指針をお聞かせいただきたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 埋蔵文化財を包蔵しております土地は、昭和三十五年度から三十七年度にかけて実施した調査によりますと、全国で約十四万個所確認されております。その後未確認の遺跡が相当数あるということが判明いたしましたので、昭和四十六年度から三年間にわたりまして再度全国調査を実施しておるわけでございます。その結果を地図に作成いたしまして、遺跡の所在の一般への周知徹底をはかるということにいたしております。  そのうち全国的見地から重要な遺跡につきましては、文化財保護法による史跡指定を行ないますとともに、必要に応じて指定地域の公有化をはかってその保護をはかることにいたしているわけでございます。そのための地方団体の買い入れにつきましては、国庫補助率を八割に引き上げるという措置も講じたわけでございます。

玉置一徳民社党

○玉置分科員 その指定されましたところは非常に膨大な数にのぼり広大な面積にのぼるわけでありますが、それを逐次重要なものを指定しておいきになるのか、何年何月までにしておいきになるのか。指定されないものは、それは形状を変更してもいいのか、売買してもいいのか、そういう点についてひとつ当局から御説明いただきたい。

清水成之文化庁次長

○清水政府委員 ただいまの点でございますが、埋蔵文化財が保存されるということは、ただいま大臣からお答えございましたように、私どもの期待するところでございます。そのために指定という作業をやるわけでございます。これも、何と申しますか、重要度、軽重の度合いがまたいろいろあろうと思います。その点も勘案しなければなりません。  それからまたいつまでにということにつきましては、これは相当綿密なる調査をやった上で、この重要度、軽重の度合いを調べまして指定するものでございますので、いつまでにということにつきましては、確定的に定められていないし、また実際不可能な点が相当あると思うのでございますが、私どものほうといたしましては、できるだけこの調査を早く進めまして、重要なものにつきましては指定を促進してまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。

玉置一徳民社党

○玉置分科員 そうすれば、良識に従って現在耕作しておるところ等々の所有権の移転は、それがあるということをお互いに承知の上で、将来規制を受けたら規制を受けるのだということの納得があれば移転が行なわれてもいいかどうか、ちょっとお尋ねします。

清水成之文化庁次長

○清水政府委員 その点についてでございますが、史跡に指定しましたものにつきましては、これは現状変更なりの問題が出てまいります。指定をしていないものにつきましては、これは他の法律で規制がかぶっておればともかくといたしまして、文化財保護法ではその所有権の移転をどうこうということには現在なっておりません。

玉置一徳民社党

○玉置分科員 時間がもう少しありますので、せっかくの機会ですから人間文化財につきましてお伺いしておきたいと思います。  人間文化財の伝承責任に対する、グループに対する一つの助成措置と各個人に対する助成措置、予算は大体年間幾らぐらいになっていますか。

清水成之文化庁次長

○清水政府委員 個人のいわゆる無形文化財に指定されました人間国宝につきまして、特別助成金といたしまして一人年額六十万円でございます。  その他につきましては、公開補助の問題あるいは記録をこちらでとる、こういう問題がございます。  金額につきましては、無形文化財関係、総括いたしまして昭和四十八年度が一億二千六百三十五万、こういうことでございます。

玉置一徳民社党

○玉置分科員 私は、かねてから要請をしておりますのは、文化功労者に対する年金が先行いたしまして、それでどうという意味ではございませんけれども、人間国宝という中には、由来、一つの商業的なベースでは成り立ち得なくて、その方だけで終わるおそれのあるものを伝承していただくという意味の伝承責任を持たしておるのもかなりの数にのぼると思います。人間国宝に指定されたばっかりに、商業ベースのこともやり得る能力はあるのだけれども、たくさんの方が見においでにもなりますし、一つの栄誉でもありますので、それをやらざるを得ない。そういう意味で、人間国宝ということでそういうことをしてもらうについては、生活の顧慮なしにやっていただくぐらいな助成をすべきじゃないだろうか、当初わいわい言いまして、三十万円初めてつけてもらったのですが、いま聞きますと六十万になっておる。けれども、年額で、賞与も入れての計算をすれば、十五・五ぐらいで割りますと、月ほんとの微々たるものであります。性質の違うものでありますけれども、片方では、絵でもおかきなすったら二百万円や三百万円ということになるような方々が文化功労賞をいただかれます。それに対しては違った意味の年金だと思いますけれども、こちらも人間国宝というふうな栄誉の指定をするのでありますので、その伝承責任が後顧の憂いなくやれるような金額にまで引き上げることに御努力をいただきたい、こう思うのですが、別に今度の予算でどうしてもらいたいということば無理だと思いますが、文部大臣の御所見を承り、時間になりましたので質問を終わりたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 いわゆる人間国宝につきましてたいへん御理解あるおことばをいただいて、うれしく思っております。ぜひ四十九年度につきましてはいまの六十万円をさらに引き上げるように努力したいと思います。

玉置一徳民社党

○玉置分科員 終わります。

木野晴夫自由民主党

○木野主査代理 山原健二郎君。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原分科員 特に僻地教育の学校統合問題と、それから僻地級の問題この二つにしぼって質問をいたします。  御承知のように、昭和三十一年の十一月十七日に、中央教育審議会の第十二回答申に基づきまして、文部事務次官通達によって、「公立小・中学校の統合方策について」というのが出ているわけですね。これに基づいて学校統合が進められてきたわけでありますが、その中で、各地におきまして相当の紛糾も起こっております。私の聞いておりますところでは、たとえば埼玉、五つの中学校を一つの中学校にまとめたというような問題が起こりまして、これは延期になっているそうです。それから茨城におきまして黒子町、ここでは国の補助金が留保されておるという問題も起こっています。それから北海道におきましては、通学のため子供たちが四時か五時には起きましてバスに乗る、それから帰るのには午後三時に帰らなければならぬというような問題が起こっております。それから青森では、今度の新全総によりまして、むつ小川原の場合は、十五の学校が廃校になって統合されるという深刻な問題が起こっています。その他岡山、神奈川、そして高知などにおきましても幾つかの紛糾が起こっているわけです。こういう状態を見ました場合に、はたしてこの昭和三十一年の事務次官通達というのが今日でも適切なものであるかどうかという点を私は非常に疑問を持っているわけですが、これについて現在どのようなお考えを持っておるか、まず伺っておきたいのです。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 御指摘のとおり、中教審の答申に基づきまして次官通達を出しております。当時は昭和三十一年でございまして、まだ教員の配置その他も十分じゃないというふうな事情がございまして、学校統合につきましては、その当時と現在とでは、教員定数の面その他で事情がかなり変わってきておるという点が申し上げられようかと思います。しかし、この問題は基本的には、やはり小学校、中学校を設置しております地域社会の一番大事な重要な問題でございまして、基本的にはその市町村の判断、市町村の住民の全体の判断というものにまかせてやるべきも一のだというふうに考えております。ただ、御指摘のように、非常に無理があって、その中の地域の住民の間で意見が分かれるというふうな事態が出てまいっておるということは事実でございますが、そういう意味におきましても、双方の間で十分話し合いを進めまして円満に解決されるように私どもも希望いたしておるわけでございます。ただ、現実の問題と  いたしまして、その合意が得られまして、その結果に基づいて学校の統合が行なわれます場合には、国といたしましても、建物その他につきまして必要な援助を行なうという立場にございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原分科員 通達の問題はあとでもう少し煮詰めてみたいと思いますが、高知県の場合、この通達が出されました昭和三十一年から四十五年の間に、小中学校におきまして百四十校学校が減っているわけです。それからこれから先の統合計画を各市町村にわたって調査をしてみますと、昭和五十年までにさらに約三百校減少するという計画が各市町村ごとに持たれているのです。たとえば一つの町が町村合併をやりまして、香川県の一つの郡に匹敵するくらいの町があるのです。しかもそれが四国山脈の山の中というような非常に僻遠の地なんですが、そこの学校なんかは中学校をたった一つにするという計画があります。そうしまして、もう各地で大騒ぎが起こっておるという状態なんです。ですからときには、御承知のように住民の方たちが自分で学校をつくって、二百九十日もその学校で子供たちをみずから教育するという異常な事態も発生しますし、これはどうにもならない。しかもその基礎になっておるのは、この三十一年の通達が基礎になっております。  そこで、文部省として、統合した場合にどういうことが起こってくるのかという調査をされておると思いますが、そういう教育上の面から見ましても、どんな事態が発生しておるかなどということについてはかなり綿密な調査をされておりますか。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 学校統合につきましては、御指摘のようにプラスの面とマイナスの面があるわけでございます。プラスの面といたしましては、教員の配置あるいは施設、設備の充実という点、あるいは学力の向上という点から考えまして、望ましい面があることは事実でございます。それからマイナスの面といたしましては、通学距離が遠くなるというふうな面が一番大きな問題でございまして、その結果、先ほど先生が御指摘になりましたように、非常に通学に力をとられてしまう、こういう面もございますし、あるいはクラブ活動等が十分行なえないというふうなマイナスの面もあるわけでございます。まあものごとプラス面とマイナス面があって、両方比較勘案して、プラスが多いということになりました場合にはそちらのほうに決定をするという場合もございますけれども、マイナスの面が決定的なものでございました場合には、そういう問題は私どもとしてはやはり慎重にしなければいかぬということでございます。個々の具体的な場合には、プラスの面が多いのか、マイナスの面が多いのかということは、これはやはり地域の住民の方々の御判断に待つということでございまして、一般的には私ども承知していますけれども、個々具体的な面におきましては、かなり違った考え方というのが出てまいるのじゃないかというふうに考えております。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原分科員 これは一つの例なんです。高知県において一番問題になったところですが、町議会が決定しまして、そして統合を強行する、地元住民は反対をするということで、統合すればよくなるのだということで統合が行なわれた。ところが、その結果どういうふうになっておるかというと、全く深刻な教育上の問題が起こっているのです。これは学校長の出しております報告書です。たとえばこの学校におきましては、統合いたしまして寄宿舎をつくっておりますが、この寄宿舎には六十二名の生徒が入っているのです。六十二名といえば一つの学校なんですよ。それが寄宿舎に入っておる。こういう中学校です。  ここで校長のあげております問題点をちょっと読み上げてみますと、一つは家庭訪問がたいへんなんだ。ハイヤーを使わなければならないということですね。マイカーを使うと険峻な道などもありまして、同僚の先生を積んで行ったりしておって、もし事故でも起こったらたいへんだということで、運転技術の面もあったりすると、つまりハイヤーを使わなければならないということで、この家庭訪問というのが全く職員の疲労、授業カット、こういう状態に置かれています。したがって、学校は御承知のように定期の家庭訪問と臨時の家庭訪問がありますが、臨時の家庭訪問に至っては、校長は家庭訪問に行きなさいという指示をようしない、危険だから。そういう状態。しかもほとんど十キロ以上の山道をときには歩かなければならぬという状態ですね。  それから病人と非行児が非常にふえております。連日職員会議を開きまして頭を悩ましておるという状態が報告されています。それから病人の特殊事情があるのですね。たとえば登校拒否症という病気があるのです。学校に行きたくない。それから皮膚病、これは超遠距離児童に皮膚病が起こっています。  次に部落懇談会、これは学校の教員にとっては非常に重要な、父母との意見をかわす意味で非常に大事なところですが、昨年度十カ所で行なっております。全部夜間です。ところが会場まで十五キロあるのですね。そういう状態。十カ所などというのはこれは全く数が少ないので、実際はもとの学校のあったところで、各部落ごとの部落懇談会がいままで開かれておったのですが、もとの中学校のあったところ一カ所しか行けない、こういう状態ですね。だから親と教師のつながりもここで断ち切られていくという状態が出ておるわけです。  さらに遠距離通学から起こる問題といたしまして、まず第一点にバスの定期券、これが児童が持つのが月一律五百円です。超過分については町が負担しています。ところが半年単位で定期券を買うわけですが、大体半年で一万四千円程度要ります。そのうちの三千円分は自己負担で出しているのです。だから一万一千円くらいは町が出しているわけですね。ところが子供でございますから、半年単位の定期を持っておりましても、しょっちゅうなくするわけです。なくするとこれはまた再交付不能ということで、父母が今度は全部負担しなければならぬというような問題。  それから、バスの便ですね。これが学校の授業を左右するわけです。たとえば朝バスが来るまでは始業ができないわけです。バスの到着によって学校の授業の開始時間がきまるという状態。さらに帰る便は、午後三時に帰る便がありまして、それ以後はないものですから、クラブ活動ができなくなってしまう。子供たちはクラブ活動については非常に興味を持っています。スポーツにしてもあるいは文化的なクラブにしてもそうですが、それができない。子供がバスに乗って帰るときに先生に言うんだそうですね。私たちがいなくなったあとで、残った友だちでクラブ活動をやってもらったら困る、そんな差別してもらっては困る、こう言うんだそうです。したがって先生方もちょっと手をつけることができないという問題も起こっています。それから結局このバスの関係で、クラブ活動のみならず、学習の延長もできない。補習とかあるいはできない子供に教えるというようなこともできなくなってしまう、こういう状態。  さらに寄宿舎の場合を例にとってみますと、現在、先ほど言いましたように六十二名ですが、舎監要員というのが一名配置されているだけなんですね。ところが、六十二名というと、これは一つの学校に匹敵するわけで、この先生は授業も受け持っているわけです。これは舎監要員という形で授業をすることになっているわけですね、現在。だから授業もやる。夜は子供たちの生活指導、学習指導、ほとんど十二時まで子供たちの世話をしなければならない。朝はどうかというと、朝は六時半に起きまして、そして子供たちを起こしたり、あるいは顔を洗わすというような仕事をしなければならないという問題が起こっている。この先生は倒れてしまいました。そこで、これは先生方がどうするかということで、男の先生が少ないものですから、男の先生を配置して連日交代で余分の勤務として舎監をやっているわけです。校長も見るに見かねて自分も舎監をやっていますが、この校長の例をあげますと、昨年の九月一日から十月の五日まで昼夜勤務を行なっています。九晩この寄宿舎で泊まっている。そしてこの校長もとうとう倒れてしまう。こういう状態です。そのほか給食の問題などがありますが、こういう例を校長が報告しているのです。全く深刻な状態で、そしてこれではたして教育ができるんだろうかという疑問を投げかけておるのでございます。  それでこの例から見まして、文部省としては舎監などというものはどうお考えになっているのでしょうかね。そして舎監に対するところの、舎監の会議あるいは舎監の研修などという旅費は一切配当されていないという状態ですね。これでは幾ら統合のメリットを宣伝してみたところで、子供たちに対する教育というのは、これはもう学校は大きくなったわ、子供に対するほんとうに手の足りた教育というものはできないという悩みが報告されているのです。一刻も早くこれを解決しなければ、もうこんな統合というものはだめだという声も出ているわけですね。この舎監の問題についてはどう考えますか、改善する気持ちを持っていますか、簡単に答えてください。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 御指摘のとおり、いま寄宿舎には一人の舎監を置いているわけでございますけれども、先生がおっしゃいましたように、大規模な寄宿舎というものにつきましての配慮というのは確かに欠けておる点があると思います。したがいまして、今後こういう点につきまして、改善の努力をしてまいりたいというふうに考えております。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原分科員 これは大臣にもお伺いしたいのですが、これでは教育の破壊につながりますので、こういう学校統合をした場合、しかも、かなり住民の反対もあったりしてした場合におきますところの人員の配置ですが、これはぜひともやっていただかなければどうにもならぬわけでありまして、その点でいま岩間さんのほうからお話がありましたけれども、できるだけ早くこの問題は処理をしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 通年制の寄宿舎を置く学校につきまして、昭和四十四年の標準法改正の際に、新たに舎監の業務を考慮しまして、教員数一人を配置することにしたわけでございますけれども、これでは不十分だという意見が多いようでございます。ぜひ次の機会に、実態に応じて検討してまいりたいと思っております。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原分科員 この三十一年の、先ほど申しました通達でございますが、この中に適正規模の学校として、これは中央教育審議会の答申の中に適正規模と申しますか、「小規模学校を統合する場合の規模は、おおむね一二学級ないし一八学級を標準とすること。」というのがございます。これが常に適正規模という形でひっかかってまいりまして、その規模が一番教育を行なうのに適切な規模だ、だから統合するんだ、これがもう論理の基礎になっているわけですね。ところがこの十二学級—十八学級というのがはたして適正な規模であるのかどうか、これにも私は疑問を感じているわけでございますが、これは教育学的に申しましてこれが適正規模だという根拠はどこにあるのですか。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 これはある程度経験に基づいて、従来から十二学級ないしは十八学級というのが学校の管理上、それから生徒の学級編制と申しますかの適正規模、それから施設、設備の配置、あるいは教員定数の充実というふうな面から申しまして一番望ましい形ではないかということでございます。先生がおっしゃいましたように、学問的なあるいは科学的な見地からこれが最適であるというのは、教育につきましてはなかなかそういうような判断は出しにくいわけでございまして、経験的に申しましてそういうものが一番望ましいということでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原分科員 望ましい規模だというお話でございますけれども、昭和四十六年度の学校規模調査を見ますと、十二学級以下の学校は一万二千四百校、全国にございます。これは全小中学校の約五〇%です。それから十九学級以上の学校は五千五百四十五校、二十五学級以上は三千九十九校、三十六学級以上の学校が六百五十校ございます。そうすると岩間さんが言われるような経験に基づいて適正だということであれば、まず第一番に過密都市において十九学級以上、これは二十数%になるわけですが、あるいは二十五学級以上あるいは三十六学級以上などという全くたいへんな学校がございます。これは十二学級−十八学級に、適正な規模にするべきであるということは通達は出さないのですね。過疎地域に対しては通達を出して十二学級−十八学級が適切だということで統合さしていく、私はここにたいへん片手落ちを感じています。僻地あるいは過疎地帯に対してそれをやるのであれば、当然、現在二十五学級以上だとか十八学級以上だとかいうところに対しても、適正な十二学級−十八学級の規模でやりなさい、また文部省としてもそれをやるんだという決意が示されないと、一方的に過疎地帯にこういう形できて、それを基礎にして学級統合がどんどん進められていくというのは全く片手落ちだと私は思っております。この点いかがですか。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 私どもは決してその学校統合をすすめているわけではございません。学校といいますものは、特に小学校あたりでございますと親の手元から通わせるということが望ましいわけでございますし、またあまり遠距離を通学させるということについては弊害があるということを感じておりますので、私どもはむしろ、特に小学校あたりにつきましては従来消極的であったというふうなことでございます。しかしながら、こういうふうに社会の情勢が変化いたしまして、過密とか過疎とかいう新しい現象が出てまいりました。やはり父兄の方々といたしましては、一方では学力の向上を望むというふうなことで、地域の方々が一致してそういう方向に持っていこうというものを、何も私どもは妨げる必要はもちろんない。しかし積極的に統合しなければいかぬということで強力な指導をしているということでもないということでございまして、無理に私どもが統合をすすめているというふうなことはございません。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原分科員 実は私は、そういう片手落ちなやり方があるということと、もう一つは、三十一年の当時は学級児童数が六十でしたね。現在四十五になっておるわけです。そうするとこの十二学級−十八学級というのも基礎が変わっているわけですよ。そうしますとこの通達をいつまでも置いて、これに基づいて、しかもこれは高度経済成長政策とつながった中身がありまして、学校経営費が割り高になるという、教育の問題よりもむしろ財政問題から統合をやっていくという思想もこの中にはあらわれています。また現実に地方自治体においてはそのことが中心になっておるわけですね。そうすると教育でありながら教育から離れた財政問題で統合を進めていく、ここに住民と意見の食い違いが出てくる源もあるわけでございますから、そういう点でこの十二学級−十八学級という適正規模というものも基準がくずれておると思いますので、一応これを撤回されまして、そして無理な統合などというものはやらないとかあるいは通達をもう一度あらためて出し直すとかいうことが今日必要になってきておるんじゃないか。いつまでも三十一年のものを今日も持ち続けて、それが基礎になるということになると、文部省の行政権限の面におきましても、これはいささか問題があるというふうに思うのです。これは文部省のほうでもある程度変更されるような意思があったやに聞いておりますが、その点でこれから検討されまして変えられるか、あるいは通達を取り消して別の形のものにするか、そういう点でお考えになっておるんじゃないかと思いますが、見解を伺っておきたいのです。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 確かに三十一年と申しますといまからもう十五年以上も前のものでございまして、その事情の変更に伴いまして修正が行なわれる必要があれば、中身をもう一度検討してみたいというふうに考えます。  まだ御指摘のように、学校統合に伴いましていろいろ極端な弊害が出てくるというふうな事態になりました場合には、そういうものについて必要な指導をしていくということも当然考えなければならないようなことであろうというふうに考えます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原分科員 最後にその問題で大臣に一言伺いたいのです。  私はいろいろ見解の違いはあると思いますけれども、校長先生が実際に当たってみて苦労しておるということはおわかりになったと思うのです。だからこういうことが起こらないように、また住民との間にもあまりトラブルを起こさないためにも適切な手をぜひ打っていただきたいと私は思いますし、また通達につきましても、一応私のいま申しましたのは、二つの理由からこの通達が古くなっておるんじゃないかと申し上げているわけですが、これについて検討される用意がありますか、ちょっと伺っておきたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 学校統合の場合に、教育の効果あるいは通学上の便、不便、いろいろなことを総合的に考えて結論を出さなければならない、おっしゃるとおりだと思っております。御指摘の通達、これは私よく知らないのでございますけれども、三十一年と申しますとかなり昔の通達でございますので、その内容をもう一ぺん調べまして必要に応じて善処したい、かように思います。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原分科員 あと数分だけ。昨年の五月に僻地指定の基準を改定いたしました。そしてそれによって有利になったといいますか、僻地級がアップになったところもありますし、それから僻地に指定されたところもあります。ところが千百四十一校、約一六%が、北海道とか新潟とかあるいは四国、九州あたりにおきまして級がダウンされておる。それから無級地化されたところが百六十四校あります。プラスの面もありますけれども、それは除きまして、実はこのダウンになったところですね。ここでいろいろ問題があるわけでして、県の教育委員会あたりもこの問題についていろいろ苦慮しておるようでございます。     〔木野主査代理退席、主査着席〕 たとえば新潟県の場合を見ますと、もう時間がありませんから詳しくは申し上げませんが、国道がついたわけですね。国道がつきましても、百数十日間は積雪のためにバスが通らない。これは新潟県の松代町でございますけれども、これはその写真でございます。これは国道ですけれども、こういう状態で十一月から四月か五月まで根雪が解けないという状態です。だからなだれがくればバスはとまる。ところがバスが一ぺん通りますと、それは運行日数に入ってしまう。一回バスが出て学校まで行き着いてもこういう状態で、積雪のために帰ることもできない。しかしそれが運休にはならないで一日として計算されるというような問題がありまして、そのためにダウンをしたということに対する地元の方たちあるいは先生方の不満がありまして、そして新潟県の教育委員会ともいろいろ折衝が行なわれております。  それから高知県の場合も二十一校がダウンになっておりますが、この場合のダウンの中身を調べてみますと、基準をゆるめて考えるとかなんとかいうことでなくして、教育委員会のほうではこれは僻地に指定すべきだ、ダウンをすべきでないと考えておるところでも、他の官庁との関係で、たとえば自治省関係の職員と差が出てくるというような理由をつけて県の人事課あたりから文句が出てきて、そしてダウンさせてしまうというような非常におかしな例が出てきているわけですね。  しかし、僻地教育振興法によりますと、僻地教育の特殊な事情によってということが書かれているわけで、教育の問題は別なんですよね。それを、他の官庁との地ならしをするために落とすなどということが行なわれると、これはたいへんなことでございまして、これについては、県のほうでも各地でずいぶん苦慮しておるようです。県のほうで一つ一つの学校につきまして精密な検査を行なって、これは当然基準からいっても指定をすべきであるということが出てきたならば、文部省としてはそれをお認めになる用意があるんですか、どうですか。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 具体的な問題につきましては、僻地の学校というのは八千もあるわけでございますから、県のほうで御判断いただく面が多いものと私どもは考えております。しかし基準というのはあくまでも基準でございますから、常識的に考えましてなるほどもっともだということで御判断いただくならけっこうでございますけれども、それをあまり逸脱したようなことをやられますと、これは基準に違反をするということになると思います。だから、具体的には県のほうで御判断いただける面が非常に多いというふうに考えております。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原分科員 これで終わりますが、各県とも基準を逸脱するなどということはだれも考えていないわけですね。たとえばこういう積雪の場合にこれをどう換算するかということは、これは換算のしかたがあるわけですね。事実に基づいて換算が正しければ、これは必ず変更されると思います。その際は、文部省としても認めるということで進んでいただきたい、こう思います。  以上で終わります。

黒金泰美自由民主党

○黒金主査 次に、坂口力君。

坂口力公明党

○坂口分科員 きょうは二つの点をお伺いしたいわけでございますが、第一は医学教育の点についてでございます。  今日、日本の医療はたいへんいろいろの問題をかかえておりますけれども、それだけに、現在ほど医学教育にとりまして重要な時期はないと思うわけでございます。最近、新しい医学部が次々にできてまいりました。しかしながら、その中で基礎医学者の確保ということがたいへん大きな社会的な問題になっております。そこで私考えますのに、基礎医学と臨床医学というのは車の両輪であって、これはもうどちらが欠けてもたいへんにぐあいが悪い。日本の医療の将来にとりまして、この基礎医学に人材が少ないということはたいへんゆゆしい問題だと思うわけでございます。基礎医学を志す人の少ない原因についてどうお考えになっているか、まずその点からお伺いをしたいと思います。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 確かにいま、医科大学あるいは医学関係の施設の拡充ということが急がれております。従来、国立大学につきましても、医科大学の学生定員の増あるいは講座、研究体制の強化ということについては積極的な措置をとらないで、むしろ現状のままで推移するということが長く続いてまいりました。そこへ最近、急激に医科大学の新増設という課題が起こってまいりましたものですから、大学の研究室を中心にして養成が続けられてまいっておりました基礎医学の教官が、急速に新しいポストに引っぱられるようなことになってまいりまして、臨床関係の経験者ほど、その意味では過去のストックが今日の拡大に対応できるような形で養成されていなかったということが、一点指摘できるかと思います。  もう一つは、これまた最近の医師の不足ということに対応いたしまして、臨床関係の医師が非常に引っぱりだこになる。そして、一応医学関係の基礎を担当いたします研究者につきましても、医師の免許状を持った上で、そういうポストに従来ついておったわけでございますから、免許状を持っております医師ということによりまして、医師不足に対応するいろいろな対策、社会の動きに引っぱられてそちらのほうに出ていく。経済的な面で見ましても、基礎医学の研究者としておりますよりは、臨床関係に籍を置いて、いろいろと研究をするにしましてもそのほうがいいというような事情があろうかと思います。特に病院の医師その他に就任いたしました場合との高い給与格差等のこともありまして、今日急速な不足ということが感ぜられるようになったことと考えております。

坂口力公明党

○坂口分科員 まあ、御指摘になりましたように、いろいろの面があると思うのですが、特に給与等の問題が一つの大きな原因になっていることは、もう間違いのない事実だと思うのでございます。いかに研究に情熱を持っておりましても、研究費が非常に少ないとか、あるいはまた給料が非常に少ないというふうな環境でありますと、いかに情熱がありましても途中で挫折せざるを得ない、そういう人々の出てくるのも、これはやむを得ないことだと思うわけでございます。あまりにもそういうふうな人がいままでに多くございました。基礎医学者の多くは、現在でも、たとえば病院の宿直をいたしましたり、そういうふうないわゆるアルバイトをして生計を立てている、本を買っている、あるいは研究のためのネズミやその飼料を買っている、それが現状でございます。  たとえば給料におきましても、医学部を卒業いたしました初任給は、医学部を出てすぐの場合に、私の見たのに間違いなければ、教育職でありますと五万八千四百円、それがいわゆる医療職になりますと六万三千七百円、すでに出発点において五千三百円の差がついております。あるいはまた、大学院を出ましたときの初任給にいたしましても、教育職の場合には七万六千六百円、それから医療職の場合には八万九千百円、ここに一万二千五百円の差がついております。これだけの差があるわけでございますけれども、これについてどういうふうにお考えになっておるか。これは担当の方及び大臣にもちょっと御意見を承りたいと思います。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 確かに、初任給につきまして、同じ経歴の者が、大学の教官職につきました場合と国の医療職につきました場合と、本俸につきまして御指摘のような差がございますが、実はその本俸の差のみならず、非常に大きな調整額がつくものでございますから、大学の助手として就任いたしました場合に約六万三千円まで、医師として就任いたしました者は、地域によって若干の違いはございますが、十四万八千円までふえるというように、ほぼ倍以上の高い格差がついておるわけでございます。この点につきましては、私どもも事柄について非常に重要視いたしておりまして、人事院とここ一両年の間、同じ経歴で研究職につく場合と医療職につく場合と、この区別があるのは、違いがあるのはひど過ぎるので、善処方を求めたいというふうにしております。  しかし、その際にもう一つ問題が出てまいりますのは、研究職といいました場合に、臨床関係で診療面を担当する者と純粋の基礎の者と、私どもといたしますならば、同じ医学関係として臨床も一緒に考えていきたいと思うのでございますが、これが人事院の給与関係の担当者その他と相談をいたします場合には、そこが給与制度全体としてかなり大きな問題に、先方の立場ではなるわけでございまして、そういうことから、基礎の教官の給与について何とか新しい道を考えなければいかぬ、どうすればいいかという点でいま検討をいたしておるところでございます。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 お話しのとおり、たいへん問題のあるところでございます。開業医師と勤務医師上の関係から、医療職の給与が大幅に引き上げられたその結果、医学部の教官との間に格差が一そう大きくなってきたということが実態でございます。いずれにしましても、医学部の教官の処遇を格段に引き上げていただくことによりまして、必要な基礎医学の教官も確保できるように努力しなければならない、かように考えております。

坂口力公明党

○坂口分科員 いま人事院のほうもそこが一つの大きな問題になっているというふうにおっしゃいました。確かに大きな問題であることに間違いないわけでございますけれども、この大きな差というものをどうするか。きょうは人事院の方に私お越しいただかなかったわけでございますが、その人事院の中で大きな問題になっているとおっしゃいますのは、基礎医学というものに対する評価のしかたが臨床医学よりもたいへん低い、こういうことでございますか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 診療に従事しております医療職の給与が初任給調整額八万円まで計上できるようになっておるわけでございます。これがプラスになる。したがって、大学に勤務いたします教官職、教育職俸給表を適用せられております医学関係の教官につきましても、同じ診療業務もやりながら研究をするという者について医療職と同じようにしてあげたいということは、私どもとしても当然言うわけでございます。そのことにつきましては、人事院のほうも全く無理解だというわけではございません。しかし私どもといたしましては、臨床医学関係の教官だけが医療職の給与と同じように取り扱われて上がるというのでは、やはり医学教育のたてまえとして困る。ですから、基礎の研究者につきましてもそれと同じように考えていきたいというのが、文部省の希望でございます。そういたしますと、給与の扱いとしまして、これは私どもにも同じ問題をちょっと中に持つことになりますが、基礎医学の研究者ということは、基礎的な学問をやっております理学、生物学系の研究者とどこで区別がつくかといったような問題が理論上出てまいるわけでございまして、その辺の処理と踏み切りがなかなかつきがたいというので、いま困っておるところでございます。

坂口力公明党

○坂口分科員 給与体系そのものを変えていただくということがもう一番いいわけでありますけれども、給与体系というものはなかなか一ぺんに動かしがたい。いま言われたいろいろな問題があろうかと思います。そういうふうな意味では次善の策として、先ほどおっしゃった調整額あるいは研究費というような形ででも何とかしていかないと、ほんとうに研究するのに本を一冊買うのに、たいへん医学書が高うございますから、少なくとも月一万円や一万五千円の図書費が要る。あるいは研究費も自分で出さなければならないということになりますと、これはどうしても生活そのものがやっていけないということになります。したがいまして、何とかしてこれは研究費というような形あるいは調整費というような形でもけっこうでございますけれども、もう少し基礎研究者にはあたたかい目を向けていただきたいと思うわけでございます。臨床をやる人が生まれますのもこの基礎医学者があればこそであります。言うなれば母体の側にあるわけです。その人々に対して、非常に冷淡な冷酷な環境に置いておいて、そこから生まれた臨床家のほうにだけ目を向けるというのはたいへんな片手落ちではないかと思いますので、これはひとつ何らかの形で何とか前進するようにお願いを申し上げたいと思いますが、最後にこの点もう一度大臣の御所信を承りたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 人事院当局にお願いしなければならない問題でございますが、こういう希望を強く申し述べてまいりたいと思っております。

坂口力公明党

○坂口分科員 これは今年はもう無理でございましょうけれども、少なくとも四十九年度くらいからはどうしても私が申しました願いというのは入れてあげていただきたい、強くお願いをいたしまして、第一の問題は終わらせていただきたいと思います。  第二の問題は養護学校の問題でございます。  多くの身体障害者の中で未就学児童がございます。この就学猶予と申しますか、就学免除と申しますか、これが非常に多いわけでございます。決して積極的に就学免除をやっていろわけではないのでしょうけれども、諸般の事情から就学させることができないというようなことで、末端ではややもいたしますと積極的に就学猶予をさせているような感じさえ受け取れるわけでございます。何とかして障害者みんなが就学できるような体制というものを早期に確立しなければならないと思います。その点につきましてひとつ御意見を承りたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 お話しのように、心身障害があります関係で進学猶予、進学免除を受けている者がかなりな人数にのぼっております。二万一千人ではなかったかと思います。ぜひそういう問題の起こりませんように養護学校の整備を急いでいかなければならない、そういうことで四十八年度では少なくとも未設置の県を皆無にしたい、そういう努力をしているわけでございまして、そのためにまた国の建設費の補助率も三分の二に引き上げてまいっているところであります。

坂口力公明党

○坂口分科員 特に身体障害児などの場合には低年齢と申しますか、小さいときの教育がたいへん大事だと思うわけであります。そういうような意味で、いわゆる養護学校に幼稚部というのがございます。ところがこの幼稚部があるところがわりあい少なくて、普通の小学校、中学校と同じような程度で、小中学部だけしかないところが多いわけであります。この点何とかして幼稚部を今後どうしてもウエートを置いてつくっていただかなければならないと思いますが、その点のお考えはいかがでございましょうか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 お話しのとおりでございます。義務制の問題でございますので、さしあたりは小中学校に力点が置かれていると思いますが、幼稚部の問題は特に私たちとしても促進するように努力したいと思います。幼稚部、高等部の問題もございますが、小中に続いて幼稚部を早く全体的に置かれるように努力していかなければならないと考えております。

坂口力公明党

○坂口分科員 その幼稚部に関係してでございますけれども、幼稚部の教員ですね。小中学部の場合には特別教職調整額というのが適用になっておりますけれども、幼稚部の場合にはなっていないですね。この問題につきまして、ひとつ何とかこれも同じように適用範囲にならないかということをお伺いしたいと思うのです。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 御案内のとおり、教職調整額につきましては先般法律を改定いたしまして成立いたしたわけでございますけれども、その際に、幼稚園が実ははずれておりまして、したがいまして、特殊教育諸学校におきましても幼稚部がはずれておる、そういう関係になっておるわけであります。しかしながら、幼稚園を加えるということにつきまして強い御要望がありまして、私どもも人事院にお願いをいたしまして、ぜひその実現をはかりたいというふうな努力を重ねておるところでございます。幼稚園がもし対象になる場合には、当然特殊教育諸学校におきます幼稚部も対象になる、そういう関係にございます。

坂口力公明党

○坂口分科員 そういたしますと、かなりこの面につきましては見通しは明るいわけでございますか。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 かなり皆さん方の御理解が深まっておる。したがいまして、その実現も、私どもの観点からいたしますと、ある意味で時間的な問題であろうというふうに推察いたしておるような次第でございます。

坂口力公明党

○坂口分科員 現在、養護学校では一学級児童生徒の数は約八名だと思います。最近、御存じのように、重度身体障害者と申しますか、たいへん重い方がふえてまいりました。そこで、担当の先生の負担が非常に大きくなってまいりましたが、何とかして介助者、こういうふうな介助をする職員の人がありますとたいへん助かるわけですけれども、これは先生方の非常に負担になっております。全体の職員構成を見ましても、先生と、保母さんというのは寄宿のありますときにはありますけれども、介助職員ですとかあるいは炊事の人ですとかあるいは寄宿舎の専任教諭、寮母さんと申しますか、そういう人がきちっとつくられていない、こういう問題がございます。これも全体から見ますとたいへん大きな問題であると思いますし、私もあっちこっちおじゃまします場合に、たとえば用務員の方がやむを得ず寮なんかの炊事を兼ねておやりになっていて、非常にオーバーワークという問題が間々ありますので、この辺の、いろいろむずかしい点もあろうかと思いますけれども、こういうような他の職種の方の増員計画につきまして、ひとつ御意見を伺いたいと思います。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 御指摘のとおり、現在介護の職員につきましては地方交付税制度におきまして八名ということになっておるわけでございます。しかしながら、全国的に見ますと、その半分くらいしか置かれていないというふうなことでございまして、ただいま先生の御指摘になりましたような問題が起こっているということが事実でございます。私どもはできるだけ財源措置をしておりますまでの人員にこれを高めていくという努力が必要であると思いますけれども、また、他方におきまして、ちょっと身分上の問題その他で将来もう少し検討を要するのではないかというふうなことがございます。たとえばほかの例で申しますと、実習助手というような制度もございますけれども、若いうちはよろしいのでありますけれども、年配になられました場合の身分保障、給与待遇の保障をどうするかというふうな別の問題も生じております。それから東京都あたりでも介護の職員の待遇等につきましても問題が生じつつあるような感じが私ども見ましてもいたします。私どもは基幹的な職員、つまり直接教育に当たる教諭、それから寄宿舎に置かれます寮母、そういうような基幹的な職員につきましては、かなりはっきりした身分、待遇、定数、そういうものの措置をやっておりますけれども、こういうふうな、実際にはほんとうに必要な方々で、しかも身分、待遇等があいまいな方、これを将来のことも考えながら、こういうふうに養護学校が普及してまいります場合に、もう一度考え直してみる必要があるのではないかということも考えておるわけでございます。御指摘の点は、私ども問題として十分認識しておりますので、解決の方向に向かいまして努力いたしたいと考えております。

坂口力公明党

○坂口分科員 これは私個人の意見でございますが、でき得れば、諸外国の例にもありますように、一学級二担任というような形が一番望ましいのではないかと思いますけれども、なかなか一ぺんにそこまではいきにくい、でき得れば、そういう方向で私はやっていただきたいと思うわけでございますが、いかない場合にも、介助職員と申しますか、そういった人でもつけていただくというようなことでないと、現場ではたいへん困るのではないかと思うわけでございます。  それから、これはたいへんこまかな問題でございますけれども、いわゆる教材費なるものがついておりますが、こういうふうな学校の場合には、独自な教材を購入しなければならないこともあると思うのです。この教材費なんかの何を買ってもいいというのは——普通の小中学校と同じ項目だと思うのですが、そのために現場では、独自なものを買いたいけれども、買えないというような悩みを持っております。これは別に予算を伴わない問題でございますしいたしますので、この教材費のワクと申しますか、あるいは養護学校に特に必要なものについて認めるとか、あるいは一般の学校と同じようなワクをはずすとか、何か独自なものを買える体制にしてやっていただきたい。これは財政的な問題はございませんから、ひとつ何とかしてお認めいただきたいと思います。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 ただいま御指摘ございましたけれども、ちょっと勘違いしておられるのではないかと思う点がございますが、それは現在一般の教材基準では、小学校が二百五十五品目、中学校が二百二十一品目に対しまして、養護学校は九百九十品目というふうに四、五倍の品物が買えるというふうなことになっているわけでございます。  具体的な例を申し上げますと、たとえばマッサージ台でございますとか検診用のベットでございますとか、そういうふうな機能訓練の関係もございますし、それから障害を克服するような積み木、その他のものもございますし、そういうふうにしてかなり配慮をしているわけでございます。  また、別に、特殊教育の設備のための補助金もございまして、ただいま先生御指摘になりましたような点で必要なものがございました場合には、別途予算を要求いたしまして、その充実をはかってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

坂口力公明党

○坂口分科員 あるいは御指摘のように、私のほうが少し間違っているかもしれませんけれども、私も一度調査をさせていただきます。  最後にこれは子供たちの声でございますけれども、寄宿に入っている子供は、入学しましてからそこを卒業しますまで、私の回りました養護学校、これは限りがございますけれども、その多くのものは、同じ部屋で六年間過ごしているわけです。そういたしますと、何が一番してほしいかということを聞きますと、机がつくりつけと申しますか備えつけの机になっているのです。大きくなっても、小さいときと同じ机を使わなければならない。何とかして大きくなったら大きい机をほしい、これが多くの子供たちの声でございました。これはところによりましては、最近建ったようなところでは非常にいい施設のところもあろうかと思いますけれども、大体いままでは寮等も古いところが多うございますし、そういったところでは六年間同じ小さな机を使っている予供たちがたいへんたくさんおります。そういう意味で、備品として、そういう子供には大きくなれば大きい机が使えるような特別のお計らいをいただいて、この子供たちの声をひとつ聞いてやっていただきたい。大臣に最後におことばをいただきたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 養護学校の設備の充実につきましては、できる限り学校の実態に合ったものが整備できますように努力していきたいと思います。

坂口力公明党

○坂口分科員 ありがとうございました。時間でございますので終わらせていただきます。

黒金泰美自由民主党

○黒金主査 次は、沖本泰幸君。

沖本泰幸公明党

○沖本分科員 私は主として同和対策について御質問したいと思います。  幸いに大臣は、同和対策特別措置法が成案の段階にあったとき、また法律をつくったときにも、自民党の代表としていろいろ御心労していただいて、こまかい点までいろいろな点にわたって御検討いただいた、こういうことを私も記憶しておりますし、大臣の御出身の選挙区もまた同じ同和問題をはらんでおる地域でもあるわけでございますから、大臣はこの問題に関しては手にとるようによく御存じではないか、こういう前提を中心にして直接大臣にいろいろお伺いしたい、私はこう考えるわけでございます。  毎年のように要求が出されておりますけれども、言わずもがなでございますが、大臣御承知のように、十年の時限立法でもう四年を経過しておる。間もなく半分は終わってしまう、こういう段階でございます。いままでのいろんな問題をいろんな角度から検討していって、いわゆる差別に関する問題は、この十年間で物なり心なり両面にわたってすべて問題をなくしてしまうほど解決していくというのがこの法律のできた趣旨であった。そういうたてまえから与野党そろって超党派でこの法律をつくった。こういういきさつがございます。  そういうたてまえからいきますと、物の面からこの問題を考えたときに、相当な予算措置がされながら消化されていかなければならない。ところが、よくいわれますとおりに、この問題で地方自治体としては一番予算をよく使っておるところの大阪府、市にも国家予算が及ばない、こういうふうな現状が続いたわけです。幸いにいたしまして四十八年度は相当の予算が見込まれてきたわけでございますが、なおかつそれをもってしても、はたしてこの十年の間にこの程度の予算規模で解決するかどうかというのは疑わしい内容を十分持っておるわけでございます。  そういう観点から、この法律ができた翌年各省に質問をいたしましたところ、総理府において実態調査を実施する。その実態調査の報告を得て各省別に成案をつくっていき長期財政計画を立てていく。こういうたてまえで昨年総理府からその実態を各省が明示された。それを受けて各省が長期財政計画をつくっていく。去年の分科会において御質問しましたときも、そういうお答えを得た。それで本年からは完全にこの長期計画が出されるものだ、こう考えておりますけれども、先日の総理府の長官の御答弁でも、実態調査においてなお不備な点がある、その不備な点についてはこれからさらに調査を進めていって補っていくというようなこともあります。また一応きめられた実態調査を受けて、文部省は長期計画をお立てになったと思うわけでありますけれども、その長期計画というのは、結局十年間で解決しなければならないという一つの目標をお立てになって、各年でこういうふうになっていく、だから、十年間でこれだけの財政規模が要る、その財政を受けて、単年度ではこれくらいの予算を使わかければならない、こういうふうな計画がなければ時限立法の役目を果たせない、こういうことになるわけでございますが、文部省としては、こういうものに対して十分な長期財政計画をお立てになったかどうかという点についてまずお伺いしたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 同和対策事業特別措置法をつくりますときには、沖本さんと一緒に相談をし合いながら制定に当たったわけでございますので、いまお述べになりましたこと、全く同感でございます。ぜひそういう方向で、私たち十年の間にこの問題が完了するように努力したいものだ、かように考えておるわけでございます。  文部省の行なっております同和対策事業、いろいろあるわけでございますけれども、その中で同和対策集会所の施設をつくる、こういう問題につきまして、同じような十年内に片づけてしまうんだというつもりでやっておるわけでございまして、いまの方向でいきますと、十年を待たずに希望される集会所は全部整備できるのじゃなかろうか、かように考えているわけでございます。

沖本泰幸公明党

○沖本分科員 集会所につきましてはわかりましたけれども、具体的に文部省のほうとして、総理府から実態調査の報告をお受けになって、長期にわたる十年間で解決できるという財政計画をお立てになったかどうか、お立てになったのであれば明示していただきたいし、また、なければいつおつくりになるとか、あるいはつくらないとか、あるいはどの程度の内容であるか、こういう点もお示しいただきたいと思います。

今村武俊文部省社会教育局長

○今村政府委員 同和関係の対策ではいろいろございますが、長期計画になじむものとして、同和集会所の整備の仕事があることは、いま大臣からお答えいたしたとおりでございます。私どもの長期計画は、昭和四十二年度に全国同和地区調査による各市町村の建設希望館数二百六十館を要整備館数として策定してまいっておりましたが、四十六年度にあらためて全国同和地区調査が行なわれましたので、四十七年度以降は、その調査、つまり総理府が中心となり、各省庁が協力して行なった調査による各市町村の建設希望館数四百館を、今後の要整備館数といたしまして年次的な割り振りを行なっておるわけでございます。四百館のうち、四十七年度が八十館、四十八年度が八十二館というようなことでございまして、こういうぺースで進めば、五十三年を待たずして、四百館整備されることになるであろうという計算をしておる次第でございます。

沖本泰幸公明党

○沖本分科員 この四十七年度八十館あるいは四十八年度八十二館というのは、どういう意味合いのものなんですか。

今村武俊文部省社会教育局長

○今村政府委員 同和集会所一個を公民館の例にならって一館、二館と呼んでおります。

沖本泰幸公明党

○沖本分科員 そうすると、文部省でおやりになる長期計画というのは集会所だけ、こういうことになるわけですか。

今村武俊文部省社会教育局長

○今村政府委員 その他学校教育、社会教育の関係いろいろございますが、社会教育の関係では、たとえば同和集会所の設備費は、建物に付随して当然に予算化しておるわけでございます。それからまた、指導者の研修だとかあるいは同和地区における団体の育成とか諸集会の会合といったものは、毎年毎年行なうべき性質のものでございますので、毎年予算化しておる、こういう実情になっております。

沖本泰幸公明党

○沖本分科員 ですから、いわゆる物の面、金の面と心の面が要るということは先ほど申し上げたとおりなんですが、そういうところからまずわかりやすいのは、ものの面から解決していくためには、大体十年間でどれくらいの金が要るんだ、こうこうこれの事業をやっていくのにはこれくらいの金が要る、あるいはこの地域から要望されている要望がどの程度ある、そして、それと調査した結果とではどれだけの食い違いがある、あるいは両方が一致しておるとか、そういうふうな内容にからめて、総理府の調査の結果はこういう形であるし、今年度の調査の結果はこんな形なんだ、だからそれを予算化してみると、十年間でこれくらい要るんだ。しかしながら、いままでの四年間でこの程度の予算措置しかできていない。そうすると、あと六年間ですべてのものを補っていくとすれば、単年度でこれくらいのものが必要であり、あと残った六年間でこれだけの予算が必要だ、それに対する予算規模はこれくらい見込んでいる。しかし、四十七年度で大蔵省のほうに要求した文部省側の同和対策事業費に関する、あるいは補助金に関するようなものの内容が、この程度要求したけれどもこの程度しか満たされなかったというところから、そういう例を引いていただいて、そして十年の時限立法でこれを解決するについては、総額どれくらい必要であると見込まれる、これだけは実施できるんじゃないか、あるいはそういうものを受ければ単年度でこれくらい要るんじゃないか、こういうふうな長期計画をお立てにならないと、時限立法なんですから、時限立法でやっていく以上は、目標が立たないと消化できるはずがないのですね。それを、向こうのことはわかりませんけれども、まあまあことしはこの程度でやっていけばちゃんとできるんじゃないですかというんじゃ、これはうずけないと思うのです。そういう点についていかがですか。

今村武俊文部省社会教育局長

○今村政府委員 先生がいまお述べになりました前提と、私が先ほど申し上げた答弁と少し違っております。つまり、総理府と文部省と一体となって調査いたしまして、そして各市町村の建設希望館数四百館というのが四十六年度の調査で明瞭になったわけでございます。その四百館を整備するのに約十四億円のお金がかかります。その十四億円で、五十三年度を待たずして、いまのペースでいけば全部実現できると申し上げたつもりでございます。たとえば四十四年度二十館、四十五年度二十九館といったぺースで整備してまいっておりましたけれども、四十七年度は二十館や二十九館じゃなくて、八十館、八十二館とピッチを上げておりますので、五十三年度を待たずして、市町村の建設希望館数すべてを予算的に補助し得るという実情でございます。  その他の事業、たとえば指導者研修だとか団体育成諸集会の開催の事業等につきましては、これは単年度の計画かける十というのが、物価変動に影響のない限り全体計画になるわけで、それを毎年毎年必要な限度において実行しておる、こういうことでございますのでいま御質問の前提条件がないんじゃないかと思っております。

沖本泰幸公明党

○沖本分科員 まず全体的に、これは部落解放同盟から出ている要求でございますが、それを資料として御質問もしておるわけでございます。四十二年の秋季に政府各省への要求事項として、各県共通のもので現在実施されている全国同和対策長期計画を根本的に再検討して、四十八年度予算に反映してもらいたいし、部落解放のための長期年次財政計画を明確にされたい、こういうのが各省に対して、また、長期計画に掲げられているすべての事業を国庫補助の対象として、特別措置法の策十条を適用してもらいたい。あるいは特別措置法第六条を狭義に解釈しないで地方自治体の実施するすべての同和事業を同和対策事業として認定もしてもらいたい。あるいは特別措置法第六条に規定する同和対策事業についてはすべて法第七条に規定する特別助成の対象としていただきたい。これはおそらく文部省にも私の持っているものと同じものがいっているはずなんです。九番目に掲げていますけれども、各大臣の確認事項を完全に実施されたい。これが毎年掲げてきている、いわゆる同和対策特別措置法も完全に実施してもらいたいという一つの項目で出ているわけですね。  こういうものを受けて文部省に対する要求としては、同和教育に対する基本方針を明確にして具体的指導方法を確立していただきたい。あるいは「文部省の指導体制を整備するため、「同和」教育課を設置されたい。」三番目が「高等学校進学奨励費を大幅に増額するとともに、とくに私立の高等学校については必要経費の実情を考慮し、現行制度以外に私学特別進学奨励費を給付されたい。」これも同じものがずっといっていると思うのです。一つ一つ読むといいのですが、時間の点もありますからあれですけれども、その中の一番おしまいのほうに十五番目のところで、「集会所活動を強力に推進するための次の事項の実現をはかられたい。」「集会所設置基準を最低二〇世帯、建築面積八〇平方メートルに緩和されるとともに基準単価を現実に即応できるよう改正されたい。」こういうところから始まって集会所に専任主事がおれるように給与費を助成してもらいたい。補助にしてもらいたい。集会所に対する設備の補助の拡充をはかっていただきたい。具体的なこういうものがずっと出ているわけです。またここではいろいろ真剣に検討しなければならないような問題点も出されてきておるわけですね。特に部落を含む小中学校の学級定員を三十人以下にしてもらいたい。これはもう現在の学校教育の大きな基本的な問題まで触れてきた内容で要求もされてきているし、文部省のほうとしても現在の義務教育課程の中で、一つの教室の定数というものを真剣に考えていかなければならないということになるわけです。そういうものを受けたところの長期計画というものが出てこなければならないと私は考えるわけです。  ただ大臣も集会所の面ではお答えになりましたけれども、その部分だけが浮き彫りにされているというだけでは納得ができないわけなんですね。だからこういう要求が出されておるけれども、この要求の中でこれはいま検討しなければならない。しかしこれは長期計画の中で消化されていくんじゃないかということになっていくのではないかと思うのですけれども、そういうふうな具体的なものをいまここでお述べになってください、こう申し上げても時間の点が許されませんから、一応そういう内容を具体的に計画をお立てになっていただいて公表していただく。そして各年ごとにこういう形で実施していこう、こういうことでなければ、実際に特別措置法の定められた時限立法の働きが十分できる、できないという問題にかかってくると思うのです。その点についていかがですか。

今村武俊文部省社会教育局長

○今村政府委員 これは社会教育局全般の予算とも関連すると思いますが、公民館とかあるいは同和集会所とかというのは性格を同じくするものでございます。そして社会教育に関する万般の措置がまだ全体的に不十分でございますので、それとの均衡から見れば同和集会所については、特別な補助率で特別な単価で非常に手厚い扱いをしているという関係になっております。文部省全体の予算の中で社会教育局の予算が一%に足りないという実情の中では、同和集会所に対して市町村から提出された希望を全部消化するほどに力を入れているわけでございます。  なお、いま先生がお触れになりました世帯数の単位を小さくするとかあるいは一平米当たりの単価を高めるとかそういった問題については、毎年毎年予算折衝のおりに努力をいたしておりますが、全体の構造と申しますか全体のプランにおきましては、五十三年度を待たずして地元の希望を全部満たし得るほどのベースで努力しておることもまた御理解いただきたいと思います。

沖本泰幸公明党

○沖本分科員 あまり時間がないので……。具体例としてこれは真剣に考えていただかなければならない問題ではないかと思うのですけれども、高等学校進学奨励費を大幅に増額するとともに、さっき申し上げたとおりですけれども、さらに大学進学奨励制度を設けられたい。私立大学については特に配慮してほしい。あるいは「小・中・高・大学生に対する入学支度金給付制度を新設されたい。」学級定員を三十人以下にされたいというのは先ほど述べたわけですけれども、「部落を含む小中学校の施設・設備(教材・教具など)の充実および用地取得について特別の措置を講ぜられたい。」「部落児童生徒の基礎学力の向上をはかるための学力補充学級に対し国庫補助制度を設けられたい。」「部落を含む教職員定数の大幅加配および教職員の優遇措置を講ずるとともに「同和」教育のための活動費、研修費を計上されたい。」また社会教育における団体助成、諸集会など現行制度の委託費を補助金に改めていただきたい。ずっと列挙していくとまだあるわけなんですけれども、同じものが文部省のほうへいっているはずですから私は省略して申し上げるわけですけれども、ずっとこういうふうな諸要求があるわけでありますし、差別をなくしていったり格差をなくしていくためにはどうしてもこういうものが必要である、こういうことになるわけです。そうすると、文部省のほうでいろいろ検討された中で、これはこの程度やっていこうとかこれは全部認められるから次の段階でやっていこうとか、あるいは両三年のうちはそこまではまだ予算の点で十分できないかもわからないけれども、この特別措置法の十年の時限立法の中で七年目なり八年目からはこれだけのことが実施されるのじゃないかというふうな具体的な内容が明示されないと、実際に同和対策特別措置法に基づいた方法をとって差別をなくするための文部省としての対策をお立てになったということにはならない、こう私は考えるわけなんです。そういう点につきまして大臣のほうで私申し上げていること一番よくおわかりになるお立場にいらっしゃるわけでございますから、この問題を追及してどうこうということではなくて、いま申し上げたような経緯から考えてみて、そういうふうな具体的なものが出されなければこの法律の意味がない、こういうふうに考えられるわけです。その点について、大臣は大臣の御在任中にこの問題に真剣に取っ組んで、要求案を完全にということになるわけですけれども、何か御在任中に全部の将来の計画が明らかにされるような方向に向かって努力をしていただくなり、あるいはそういう措置に対して十分な努力をするようなお考えをお持ちであるかどうか、こういう点についてお答え願いたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 先ほどちょっと政府委員のほうから申しましたように、十年計画になじむものとなじまないものとありますが、施設の整備というものは十年計画になじむものでございまして、これは計画したとおり実施していかなければならないと思います。反面また、心理的な差別をなくする、そういう面で努力をしていく問題につきましては、これは計画的にという問題はなかなかむずかしい。そのときどきに最善を尽くすということになるのではなかろうかという気がするわけでございます。  いまおあげになりました中で、高等学校の進学奨励金につきましては対象人員を二万八百人から四十八年度は二万二千人にふやす。一人当たりの補助金も月額三千円を四千円にふやすということにしておるわけでございまして、この措置を通じまして、この数年の間に進学率が二〇%程度以上ふえたようでございます。非常な効果を示した、こう申し上げていいと思います。同和関係の地域の方々の進学率も、他の地域の進学率も全く同じような方向にいくというのが、しいていえば目的完遂ということになるんじゃなかろうかと思いますが、まだ若干少ないようでございます。これもしかしこのような措置でだんだん拡充していきますので、自然目的達成に向かうんじゃないか、こう思っているわけでございます。これはしかし計画的というよりも、そのときどきの所要人員全体に対して補助金が配分できるように持っていくという姿でなければならないんじゃないだろうか、かように考えているわけでございます。  同時にまた、今度新しく高等学校に進む人たちに対しまして、一時金一万五千円をいわゆる入学支度金として支給するということも始めることにしたわけでございます。  その中で大学進学奨励の措置も講じたらどうかというお話がございました。これは毎年の懸案でありながらまだ踏み切っておれないわけでございまして、高等学校の場合には、全国的に九割近い進学率を示している。しかし同和関係の地域におきましては進学率が低い。したがって特別な進学奨励の措置を講じまして、進んで高等学校に行けるような配慮をしてあげなければならない。しかし大学ということになりますと、二八・二%の進学率しか示していない。全国平均がそうでございます。同時に、奨学制度としては日本育英会の仕組みがある。だからこの日本育英会の仕組みのほかに高等学校と同じような進学奨励の措置を講ずるということについては、なかなか踏み切れないものですから、今日まで懸案のままで、きているわけでございます。この点につきましては、四十九年度ではぜひ何か知恵を出したいと思っていますと、こう申し上げてまいっているわけでございます。  また、小中学校につきまして学級編制の基準を下げろとおっしゃいましたが、同じことかもしれませんけれども教員の加配を行なってきているわけでございます。この教員の加配もさらに充実していかなければならない、かように考えておるわけでございまして、具体の問題について御指摘いただきますと、それなりに私たちの考え方を御説明させていただきたい、かように考えるわけでございます。

沖本泰幸公明党

○沖本分科員 もう時間がありませんので、要望的なことになるとは思いますが、先ほどから申し上げておりますとおりに、この時限立法がわけのわからない間になしくずしにされて終わってしまった、こういうことがあってはならないと思うのですね。そういうことから結局、大臣がいまお述べになりましたように、なかなか心の面としてとらえにくい点もある、物の面ではとらえやすい面もあるという点もお話があったわけでございますから、まず物の面で、十年間でこれだけのことをやっていけばこの法律の中に見込まれた目的は達成される。しかし心の面では、これはこういう理由でまだ長くかかるだろう、この範囲内はできるんじゃないか、こういうふうな具体的なものを実態調査に合わせておつくりになっていただいて明らかにしていただく。そしてその方針を明確にしていただくということが、やはりそれを受けていく人たちの将来に対する方針なり展望なりに重要な役割りを果たしていく。そのこと自体が、やはり心を満たしていき、足りない分はまた要求もしていくような活動が行なわれていくということになるのではないか、こう思いますので、幸いに一番御関係深い大臣が御在任でございますので、この点さらにもつと深い具体的なものを明示されるようにお願いいたしまして、質問を終わります。

黒金泰美自由民主党

○黒金主査 次に、栗田翠君。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田分科員 私は文化財保護の問題で質問をさせていただきます。  最初に文化庁長官に伺いますけれども、特に埋蔵文化財の問題ですけれども、埋蔵文化財といいますのはわが国の祖先が残しました貴重な文化遺産でございまして、そしてこれは日本の歴史を解明する科学的な資料としてかけがえのないものでございます。また、これを一度こわしたらば二度と復元できないという性質も持っている遺産でございます。  ところが、最近、あの新全国総合開発計画とか、日本列島改造計画などに沿いまして、この文化財が続々と破壊されているという現状が出てきております。日本考古学協会の調査によりましても、昭和四十年から昭和四十三年までのたった四年間に千百二十件の埋蔵文化財が破壊されているというたいへんな事態になっておりまして、しかも、このうち三分の一以上が政府や大企業による産業基盤づくりや宅地造成によって破壊されているという結果が出てきているわけでございます。このたいへんな事態を解決していくためには、何といっても産業基盤づくり優先の地域開発ではなくて、ほんとうに埋蔵文化財や国民の遺産を大切にしていくという基本的な姿勢を先行させていく保存の態度が必要だと思いますけれども、まず文化庁はこのような基本姿勢に立って文化財保護行政を行なっていかれるのかどうかということを最初に伺います。

清水成之文化庁次長

○清水政府委員 ただいま栗田先生おっしゃいました御意見につきましては、文化庁、埋蔵文化財保護の観点からいたしまして同感でございます。私どもといたしましては、いま御指摘になりましたように、文化財保護法におきまして、国民的遺産でございます文化財を保存する任務を与えられておるわけでございまして、これを後世に継承していくということは私どもの任務である、かように考えております。したがいまして、いろいろと史跡に指定しておりますものにつきましてはそれぞれの措置もまた別途ございますが、御指摘になりました埋蔵文化財関係一般といたしましては届け出の関係もございますが、デベロッパーとの間に、関係省庁との間に了解、あるいはまた覚え書きをかわしまして、事前にいろいろと協議をいただく、そしてまた、現にいただいておる、こういう状況でございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田分科員 いま開発を前提としました事前調査のあり方が相当問題になっております。  ところで、開発を前提にした事前調査と学術調査の違いについて伺いたいと思うのですが、特にその内容で、意義や定義はけっこうでございますが、調査内容の違いはどういうところにあるのか。もう少し詳しく申しますと、たとえば開発を前提とするから緊急にやらなければならない。それだったら不十分な調査でも開発者の要求に合わせて緊急な調査で終わらせてしまうというようなことがあってよいのかという問題とか、それからまた、もし調査をした結果非常に重要な遺跡であった場合には開発を中止する場合もあるのかという、この二点にしぼって伺いますが、いかがでしょうか。

清水成之文化庁次長

○清水政府委員 いまの点でございますが、御承知のとおり学術調査につきましては文化財保護法の五十七条で規定しておる問題でございますが、そこにございますように土地を調査目的のために、研究調査のために発掘する場合でございます。それから、いわゆる事業者との関係におきます調査につきましては文化財保護法五十七条の二に規定をしておる点でございます。  その中身についてでございますけれども、学術調査のほうは純粋に学術調査の観点からやってまいります。ですから五十七条の二の場合におきましては、私どもとしましてはできるだけそういう埋蔵文化財の包蔵地として周知されておりますところにつきましては、計画区域外にまず避けていただくということがまず第一点でございます。これをまず第一に私どもとしては指導方針としていたしておるわけでございます。  それから計画に入れます場合に、事前にひとつ包蔵地の範囲確認とか、そういう点の事前調査をやっていただく、こういうことが次にございます。その場合に、私どもといたしましていま御指摘になりましたように、どうしてもこれは保存しなければならないというものにつきましては工事を中止していただくということも現行法では権限としてはできないわけでございますけれども、事実上の運用上の話し合いの問題としまして、話し合いをしてとめてもらっておるところもございます。  それから埋蔵文化財と申しましても、御承知のとおりいまいわれておりますのが全国で十四万カ所、さらにまた引き続いております調査の結果、ふえる見込みでございますが、そこには一方、保護法にもございますように国民生活の観点からの調和、調整という問題もございますので、重要度に応じましてどうしても残したい、また調査を徹底的にやっていただきまして、そうして記録、保存をし、後世の学術研究に残していただきたい、こういうような分類でやっていくということでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田分科員 先ほど社会党からの質問もあったと伺っておりますけれども、佐賀県の姫方遺跡の調査などはたいへい急いで二十日くらいで発掘をしました結果、そのあと研究者や学者の自主発掘によって続々と石棺、かめ棺、人骨が出てきた。またこの抗議によって県があらためて調査したところが、また三百数器の石棺やかめ棺、貴重な副葬品などが出てきたということを聞いておりますけれども、それでは、このような調査のあり方というのは非常に問題になる、遺憾な事前調査だと思いますけれども、文化庁としてはこのようなことのないように十分な時期をとり、また費用も出し、それから調査員も派遣するということで今後努力されていくおつもりでございますね。

清水成之文化庁次長

○清水政府委員 指導の人員を派遣して指導するということは当然でございまして、姫方遺跡の場合におきましても二回調査官を派遣いたしまして現地を調査し、今後の発掘法並びに保存対策につきまして現地で協議をして、それに応じまして県教委あるいは姫方の場合、中原町でいろいろな措置をとっていただいておるわけでございまして、一般的に申しましてもそれは当然の任務と考えております。  なお調査の経費の問題、いま先生触れられたわけでございますが、私どもとしましては原因者負担ということを原則にいたしておるわけでございます。原因者が負担能力にたえない場合におきまして、地方団体が調査をやっていただく、それに対しまして国が補助をしてまいる、こういう体制をとっておりますので、それぞれのケースに応じ、かつまたそういう場合の地方団体の財政力に応じまして、そういうことも勘案して助成をしてまいっておるわけでございまして、そういう点は今後努力をいたしてまいりたいと思います。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田分科員 続きまして静岡県伊場遺跡の問題について伺います。  この伊場遺跡といいますのは、縄文中期から鎌倉時代にかけての複合遺跡として有名なところでございますが、最近ここを使って国鉄が都市計画に沿った高架化事業をやるということが出てまいりまして、それが進められております。いま問題になっていますのは、この高架化事業というのは浜松市民の十数年来の要求になっておりまして、南北交流をいままで妨げられていたために、市民が非常に苦労をしてきている。そして一日も早く高架化を進めてほしいということが強い要望になっている問題でございます。ところが国鉄当局としましては遺跡の上に高架化事業の関連事業として電留線を置かなければ高架化ができないということで、いまだんだんその事業が進められようという段取りになってきておる。それで遺跡を保存したいという願いと高架化を進めたいという願いの間に矛盾が起きて大きな問題になっているわけです。  ところで、このことに関連しまして国鉄に伺いますけれども、どうしてもこのような遺跡の上に電留線を置かなければならないのかどうか。ほかに置く場所がないのかどうかということを、経過も含めて、しかし時間の関係がありますから要点だけ簡単に説明していただきたいと思います。

高橋浩二日本国有鉄道建設局長

○高橋説明員 ただいまの御質問でございますけれども、高架化事業を進めます場合に、ただいまの浜松駅には、現在電留線ばかりではなくて機関区あるいは客貨車区あるいは貨物等、いろいろなものがございます。したがいまして駅を高架化いたしますためには、これらのすべてのものを一定の場所に移転をして、しかもそれらが相互に機能的に、有機的につながる関係の位置に移さなければならないということでございますので、ただいま御指摘の電留線等については、現在考えております場所以外には考えられないというふうに存じております。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田分科員 それでは引き続き国鉄に伺いますけれども、去年五月参議院で、松永議員がこの伊場遺跡の問題で質問いたしましたそのときに、この高架化事業に伴う電留線の事業というのは都市計画事業に入っていないという回答をされているわけでございます。ただこの質問の前後の関係から見まして、その回答ですと、どうしても高架化を進めるためには電留線を同時に敷かなければできないのだという答えが出てきていないわけなので、これがあとでたいへん混乱の原因になりました。つまりほかにも置けるのではないかということで問題になったわけです。  またもう一つは、先日一月二十七日、私が、国鉄の停車場第一課長がそこにいらしゃいますけれども、その方をお呼びしましてこの問題を聞きましたところが、この付近は調査が終わるまでは手をつけないということです。それから協定には調査の結果によっては電留線の位置を変更することもあるという条件をつけるということを言われたわけなんです。ところが浜松市当局に行きましていろいろ調査をして聞いてみましたところが、私が浜松へ行ったのはまだ県の指定が解除される以前だったのですけれども、もうずいぶん前から国鉄側からは、電留線、電車基地全部が使えるということがはっきりしなければ協定書の判は押さないといっているということが証言されました。しかもまた国会議員に対してほかに移せるかのような、またこのような協定に条件をつけるというような言明をしていることについて浜松市は非常に憤慨をしまして、国鉄当局に抗議もしたということも聞いております。この辺の、相手によって言うことが非常に違うという問題ですね。ここらをちょっと説明していただきたいし、特に私は、これが混乱を招く原因になったということで非常に遺憾な問題だと思っております。それらについて、簡単でけっこうですから御意見を伺いたいと思います。

高橋浩二日本国有鉄道建設局長

○高橋説明員 昨年来遺跡の調査は各一次、二次、三次、四次、五次、六次と進められておりますし、私どものほうの線路の機能といいますのは一つの線路の単位が、電留線にいたしましても長さが三百メートルにも及びますし、それが相互に関連いたしますので、線路は直角に曲げるというわけにもまいりません。そこで理論的にはいろいろのことが考えられますけれども、その後、いろいろ私のほうも精査いたしました結果、この位置に電留線を考える以外には考えられないというふうにただいまは結論をつけておるわけでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田分科員 その結論が出たのはいつでしょうか。

高橋浩二日本国有鉄道建設局長

○高橋説明員 昨年の五月以来いろいろ調査いたしまして、土地というのは浜松付近でもたくさんございますが、いろいろ実は調べてまいりました。いっといいましても、私どもが調べている段階でこの位置以外には考えられないということが、昨年の秋ごろはっきりいたしたわけでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田分科員 私が伺ったのが一月の二十七日、ことしですから、理論的にはできないという結論が出てから、まだあり得るようなお話だったわけでございます。理論的にはできるけれども実際にはできないものを、できるように言ったということは空論でして、こういうふうな回答をされていますと、実際には高架化事業を促進する上でも、遺跡を保護することを促進する上でもたいへんマイナスになっているわけです。こういう態度についてはやはり早く改めていただいて、できないものはできない、そのための善処の対策というものを、市当局または文化庁などとともに進めていただくというのが国鉄の正しいあり方だと思いますので、一応その点を申し上げておきます。  さて、次の問題について質問いたしますが、文化庁はこの遺跡の調査の結果によっては、あの場所を使用させるかどうかをそれからきめるという態度をとってこられました。ところで、高架化も進めて伊場遺跡も守るというためには、他の場所に電留線を敷くところをさがす努力をすることが何よりもまず必要だったと思いますけれども、そういう努力をしてこられたかどうかということに関連しまして、最初に国鉄に伺いますけれども、文化庁がどうしてもここでなければ電留線は敷けないかという問い合わせを国鉄にされましたのは、いつごろだったのでしょう。

高橋浩二日本国有鉄道建設局長

○高橋説明員 この問題は、直接私のほうと文化庁との間の問題で御質問いただいたのではなくて、静岡県とお話を進めている段階で、ここでなければならないかというような話し合いがあったと考えております。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田分科員 それはいつですか。

高橋浩二日本国有鉄道建設局長

○高橋説明員 先ほど申し上げましたように、昨年の五月以来私のほうも詳しく調査をいたしまして、そしてこの位置以外には考えられないというふうにはっきりいたしましたのが秋でございます。そのころに、県といろいろ打ち合わせをしたというように考えております。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田分科員 それでは、文化庁から国鉄にそのような問い合わせというのは一度もなかったわけでございますね。

高橋浩二日本国有鉄道建設局長

○高橋説明員 たしか一月に文化庁のほうから、その点についての問い合わせを受けたかと思います。

清水成之文化庁次長

○清水政府委員 いまお話がございましたように、文化庁自体にそういうお話があったのは、これは本社と支社との関係がございまして、本社レベルでお話をいただいたのが年が明けてからだったと記憶いたします。それでそれ以前の段階、まず二次調査過ぎからは、この岐阜工事局段階で県、市並びにまた私ども調査官が参りましたときに、現地で話し合いが行なわれました。こういうことでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田分科員 文化庁に伺いますけれども、すでに国鉄の高架化の問題というのは非常に早い時期から起こっておりまして、高架化促進市民署名運動で十八万の署名が集まったのが昭和四十二年でございます。そしてすでに昭和四十三年には国鉄が設計を始めていらっしゃるはずです。こんなにも前からこのことが問題になっておりまして、しかも伊場遺跡の重要性というものが調査を進めるごとに高くなってきておりましたのに、文化庁はことしの一月になって初めてそのような問い合わせをされたのは、たとえいろいろな関係があるとはいいましても、たいへん怠慢であると私は思います。文化財保護の立場からいいまして、下部にまかせっぱなし、しかもどうなるか十分な心も使っていないという結果だと私は思います。  ところで、文化庁長官に伺いますけれども、文化庁がやむを得ないと判断されたのはいつごろですか。

清水成之文化庁次長

○清水政府委員 ただいまの点でございますが、一月まで私どものほうとしても何もしなかったということではございませんで、担当でございます岐阜工事局と県、市それから私どもの間の話し合いはいろいろしてまいったのでございますので、この点はひとつ御了解をいただきたいと存じます。  それから、やむを得ないという判断をしたのはいつか、こういうことでございますが、これは先ほどもおっしゃいましたように、長い経緯がございまして、いろいろな話をし、また先ほど国鉄当局のほうへ御質問になりましたようなこともからんでおりまして、私どもとしましては、この第五次調査の結果を見て判断を下したいという態度でおったわけでございます。そのことにつきましては、県、市それから浜松の考古学協会でございますか、それから私ども四者の間でそういう話し合いをして、第五次調査の結果を見た上で判断をしたい。ところで、第五次調査の結果からまいりますと、すでに御承知のとおりの判断が調査会顧問団の統一意見として出ておるわけでございますが、私どもとしましては、県教委が解除を先ほど御指摘のとおり二月二十七日にしたわけでございますが、必ずしもその措置に賛成をいたしておりません。別の考え方で指導をしてまいったつもりでございます。先ほど来のお話、また顧問団の統一見解並びに保護法上の公益との調整の問題、浜松市民の長い念願の問題を勘案いたしますと、残った地域をさらに引き続き徹底的に調査を進めますとともに、その一方、おそらく高架事業あるいは電車区の事業につきましても、一ぺんに同時に進められるものではないと思いますので、調査は調査として全域につきましてさらに徹底的に続けていただく、その一方、順次国鉄の作業を進められるということもこれはやむを得ないではないかというこが最近の判断でございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田分科員 第五次調査の結果といいますと、去年の八月になりますが、それを見ましてやむを得ないと判断されたというわけですね。  そこで、浜松市民はいま非常に高架化を急いでおります。すでに仮店舗で五年くらい暮らしている人もいまして、そのために収入が非常に落ちて苦しんだりしておりますし、また南北の交流がないために、南側と北側で物価が多少違っているということさえ起こっているのです。それならば、やむを得ないと思われたら、それ以後できる限り早く、しかも徹底した調査をしていくためには、文化庁としてもあらゆる援助をしていくべきであると思います。たとえば調査費用の問題それから調査をする技術者を派遣する問題、その他徹底したそういう援助をなさるべきだと私は考えるわけです。  ところで、文化庁は、いままでに浜松市がこの調査を繰り返しておりますけれども、第七次調査まで予算が組まれておりまして、一億円の予算が組まれています。いままですでにそれに近いものを使っていますけれども、一銭も文化庁、国としては予算を出しておりませんし、また県も、県指定地域も含まれながら出していないわけでございます。この点に関して、一日も早くすみやかな調査をしていくためには、もっと予算を出すべきだと私は思います。特に四十八年度の国の予算案を見ますと、埋蔵文化財緊急調査費補助がたった二億円しかございません。伊場遺跡だけの調査で、しかもまだ完全な調査でなくても、一つの地方自治体が一億円も出しているといいますのに、たった二億円。全国でこの開発が進んでいるときに二億円しか出していないというのは、実に実に予算が足りないと思うのです。予算をふやす努力をされるかどうかということや、また市からの要請かありましたならば、国として資金を、調査費を出されるおつもりがあるかどうかということを伺います。簡単にお願いします。

清水成之文化庁次長

○清水政府委員 調査費用の問題でございますが、原則としましては、私が先ほど申し上げた原則でいっております。ただし、この問題につきましては、前大臣の時代に要請があればというお話がございましたが、実は浜松市からそういう要請がその後出てまいりません。そういう実情もございます。(栗田分科員「それはわかっています」と呼ぶ) それから、調査費について今後努力するかという点につきましては、私ども埋蔵文化財の保護の観点から努力をさせていただきたいと思います。  それから国鉄との関係におきましては、いずれ国鉄から、いろいろの取りきめがございますので、何らかの正式の御協議が別途あるものであろう、かように考えております。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田分科員 もう一度伺いますが、浜松市がいままで一億円も出して苦労しております。市が今度要請しましたら努力をされますでしょうか。その点だけお答えください。

清水成之文化庁次長

○清水政府委員 その点につきましては、この発掘調査費の補助の原則と、それから浜松市の財政力を勘案いたしまして検討をさしていただきたいと思います。これは前大臣時代からの考え方でございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田分科員 では、この伊場遺跡を守るために今後どのような方法をとっていかれるかということを伺いたいと思います。  具体的に内容を言いますと、あと第七次調査があるということと、それからいま電留線が敷かれても、市としては線路敷の下に砂をたくさん敷きまして、盛り土をして地下の埋蔵物がこわれないように努力をすると言っております。また電留線の下敷にならない北側を買い上げまして、ここにも遺跡の続きがあると見られているのですけれども、発掘して、そしてこれを保存し、また公開してみんなに見てもらうような状態にもしたいということ。それから、もう一つは埋蔵文化財の収蔵庫などをつくって、できれば博物館のようにしてみんなにも見せていきたいということを市は考えているようでございます。特にその中で出土品保存の問題でございますけれども、非常に貴重な木簡その他が出ているのであります。日本最古の木簡といわれるものが出ておりますけれども、私は現地に行って調査しましたが、掘り出しました木簡を保存しますに薬品の入った水につけて、表をガーゼでおおってふたをして最善の努力をしていますけれども、だんだん木簡に書かれている墨の色が薄くなってきている。ここに書かれている内容は非常に貴重なものですけれども、全部まだ判読され切れていないというのに、墨の色が薄くなっているというような事態も指摘されております。浜松市だけの財力では完全な保存というのはなかなかできかねるくらいのかかりがあるのだそうです。このような浜松市の関係と貴重な出土品などの保存につきましても、文化庁は財政的な援助をされる意向がおありかどうか、その努力の意向があるのかどうかということを伺います。

清水成之文化庁次長

○清水政府委員 ただいまの点でございますが、収蔵庫なりあるいはまた地方の歴史、民俗の資料館等につきまして、現に助成をしておるわけでございます。したがいまして、浜松市から御要望がありますれば、十分ひとつ相談さしていただきたいと思っております。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田分科員 最後に国鉄と文化庁にあわせて伺いますけれども、たとえ電留線の下敷きになりましょうとも、ここには大切な遺跡があるわけでございます。線路だけならいいのですけれども、またいろいろと現状を変えるという問題が起きて、大きな建物が建つとかなんとかいうことになりますと、せっかく盛り土をして保存しようとしに努力も破壊されていくということになります。  この点で今後、現状変更する場合にも遺跡破壊をすることのないように努力されるかということを国鉄に伺いたい。またそのような指導、援助をされるかということを文化庁に伺いたいという点と、もう一つは、できればこの電留線を他の場所に移していくような追求ですね、努力をいまも今後も続けていかれるかどうかという点について伺いたいと思います。

高橋浩二日本国有鉄道建設局長

○高橋説明員 ただいま先生のおっしゃいますとおり、ただいまの計画では電留線を敷いてその上に電車を留置するという計画しか持ってございません。したがいまして、工事中あるいは工事のあとにおきましても土を十分盛りまして、重要な文化財については十分保護ができるようなかっこうでいたしていきたいというふうに考えております。今後の問題につきましては、十分関係の方面と打ち合わせをいたしまして、処置をしてまいりたいと思っております。

清水成之文化庁次長

○清水政府委員 国鉄から、いまのお話しのように協議がくるはずでございますので、その段階でいまの地下等の工事の執行方法等につきましては、私どもの観点からも、また技術面でお願いする面もぜひやりたい、かように考えております。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田分科員 ちょっといまのお答えの中ではっきりしてなかったのは、できれば今後とも電留線を他の場所に移していく可能性を追求していっていただけますかという点については、いかがでございましょうか。

高橋浩二日本国有鉄道建設局長

○高橋説明員 最初に申し上げましたように、ただいま計画しております全体の貨物機関区、客貨車区その他の相関関係におきましては、現在考えておる場所以外には実は考えられません。ただ、輸送の事情というのは刻々変化してまいりますので、輸送事情の変更等の機会に十分そういう点を考えてまいりたいというふうに考えております。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田分科員 それではこれで最後になりますが、いまいろいろ文化財問題を調べてみまして、文化財保護法に非常に盲点があるということを私は痛感しております。たとえば調査費が事業者負担になっているということ、これは大きな企業の場合はいいのですけれども、財力のない事業者の場合ですと、これの負担に耐えかねて貴重な文化財があるらしいということでも、届け出ないで済ますということもあるという話を聞いておりますし、また史跡名勝天然記念物の管理が基本的には所有者にまかされている、それから管理費も十分保証されていないということから、文化財が、これは埋蔵文化財だけではありませんけれども、荒されているという問題もございます。文化財保護法の改正が必要だと思いますけれども、そのような御意思がありますかどうか。ぜひこれは改正していただきたいと思うのです。またそういう話が出ておりましたが、今国会には出されないというような話も聞いておりますけれども、これでは困りますが、なぜそんなことになったのかということを、最後に伺いたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 文化財保護法につきましては、いろいろ問題が出てまいってきております。そういう意味で、文化庁のほうでこの改正を考えまして、かなり具体的に研究が進んでおるわけでございます。文化財保護法が生まれますときに、国会で議員の皆さん方には御相談いただいて議員立法ででき上がった経過もございまして、できれば文教委員会の中に小委員会でもつくっていただいて、その中で文化庁がつくっております案を見ていただいて、そして成案をおまとめいただいたらいかがなものだろうかという、こんな気持ちを私たちとしては持っておるわけでございますが、いずれ文教委員会で委員の皆さん方で御相談いただく機会を持っていただきたいな、かように考えておるところでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田分科員 以上でございます。

黒金泰美自由民主党

○黒金主査 次回は、明八日午前十時から開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時四十九分散会

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