予算委員会第四分科会 第2号
- 発言数
- 386 件
- 登壇者
- 28 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1973/03/03
会議録
○細田主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。 昭和四十八年度一般会計予算及び昭和四十八年度特別会計予算中、通商産業省所管を議題とし、昨日に引き続き質疑を行ないます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松浦利尚君。
○松浦(利)分科員 事前に質問通告をしておったのですが、阿部委員が質疑を控えるということでありますから、私は一時間質問させていただきます。ですから、事前通告しておった以外のことについて質問をまずさせていただきたいと思うのであります。 通産大臣も御承知のように、われわれ社会党が指摘しておったように、再び通貨危機が今日訪れてきたわけであります。先般、野党の要求で緊急に本会議を招集いたしまして、それぞれ緊急質問が行なわれたわけでありますが、そのときわれわれは、昭和四十八年度予算案について、こうした事態の推移を見た上で予算の編成がえをやったらどうかという主張を行なったわけであります。当時、各閣僚、総理は、現事態でそういうことは考慮しないと、結果的にこういう答弁でありましたが、現に、指摘したように、再び通貨危機が訪れ、外為市場がいま閉鎖されておるわけであります。この事態を通産大臣としてどのように受けとめておられるのか。われわれはまさしく深刻な事態だと受けとめているわけでありますが、まず、その点についての大臣の所見を承っておきたいと思います。
○中曽根国務大臣 この事態は、ドルが予想以上に弱い、そういうような現象から起きてきたのではないかとも想像されます。しかし、こういうようなことは今後もあり得るのであって、何回かの波動が続いて、その間に国際的な安定点が見出されていく、そういう過程であるだろうと私は思いまして、この前申し上げた状況から、情勢判断としてはそれほど変化していない、そう私は考えて、補正予算や予算組みかえとか編成がえの必要はない、そう考えます。
○松浦(利)分科員 きょうの各新聞等を見ましても、現在のフロートの状態が長期にわたれば産業界には相当深刻な打撃を与えると論評を加えておるのでありますが、大臣は、今日のこういった状態が長期にわたっても、四十八年度予算を編成がえする必要はない、あるいは補正を組む必要はない、このようにお考えになっておられるわけですか。
○中曽根国務大臣 長期という意味がどの程度の長期を意味するか、これは人によって観測が違いますが、私は、これがフロートになったときから、ある程度の期間これは持続する、そういうふうに見ておったのでありまして、それぐらいに国際的な安定点を見出すことは時間がかかるであろう、そして最終的には、やはり列国の会議によって一義的に安定点を見出すという努力が必要になるであろう、そう思っておったのでありまして、まだいろいろな波動は続くであろう、私、そう見ております。
○松浦(利)分科員 いま大臣の御答弁も、これは仮定の答弁でありまして、それでは私も仮定の質問をしたいのでありますが、フロート期間がいつまでならだいじょうぶだというふうにお考えになるのですか。
○中曽根国務大臣 それはもう将来のことでございますから、いま申し上げたように、幾つかの波動も将来あり得る、そういうことを考えますと、いつと明確に期限を区切ってその日を明示することは非常に困難であるだろうと思います。
○松浦(利)分科員 事態が起こってきて、非常に長期にわたった状態の中で産業界が壊滅的な打撃を受けるという条件があるなら、少なくともそういう問題に対して事前に対処しておくというのが本来の予算のあり方であり、政治のあり方だと私は思うのです。そういったフロートの期間というものを、いつまでが限度だ、これ以上過ぎたらたいへんなことになるという感覚の受けとめ方がなくて、ただばく然と、国際情勢の動きだ、ECだあるいはアメリカの動きだ、こういった状態を想定して、いつかということは全然考慮に入れず、そういう事態をいつまでが限度だというふうに規定をせずに、漫然と時を過ごすということは、私はたいへんなことになると思う。通産大臣というものは産業界に非常に重要な位置を占める大臣でありますから、そういった意味で私は、大臣としてのそういったものに対する考え方があってしかるべきだと思うのです。ただばく然と、何回かの波動がありますぐらいでは、私は問題は解決しないと思う。皆さん方が考えておる以上に産業界は深刻に受けとめておる。国民も現実に深刻に受けとめておるのです。大臣の言っておることでは、私は、国民も理解しないし、何を考えているかもわからないと思うのですよ。もう一ぺんお聞きします。現在の予算でいつが限度でありますか。
○中曽根国務大臣 問題は、フロートとか切り上げとかという終末的行為といいますか、結果的手続よりも、実勢がどうであるかということが問題だろうと私は思います。それで、最近の事例を見ますと、あるいは、この前変動が起こったときにマルクを切り上げしなかった、マルクはそのまま横ばいにしておいた、そういうことから、マルクの値がドルに対して非常に強い。けさの新聞あたりを見ると、五%ぐらいは強いという、そういうような記事もございましたが、そういうことから起きてきておるのではないかという気もいたします。そういうふうに、ちょうど地震現象みたいなもので、重力の不安定点があると、それを調整するために幾つかの小地震、中地震が起きてくる。そして終局的に平準点に達する、そういうような現象が通貨体制においても起きておるんだ、それも今後も起こる可能性があるだろう、そう見ております。しかし問題は、その実勢相場がどうかということを私は非常に注意して見ておるのでありまして、いつまでフロートが続くかということも、もちろんそれは、中小企業等にとりましては、輸出に対して不安定な要素にもなりますから、いろいろ考慮し、心配しなければならぬと思いますけれども、実勢相場というものを中心にものを考えて私たちは対策を練っていきたい、そういうふうに思っておるわけであります。
○松浦(利)分科員 どうも議論がかみ合わないわけでありますが、もっと具体的にお尋ねをしたいと思うのです。 この前、予算委員会の最終で通産大臣を含めて各大臣に御質問したわけでありますが、いままで、四十六年の十二月に円の切り上げがあって以来、円対策だといろいろ言ってこられました。ところが実際に日銀統計で見ますと、卸売り物価は上昇しておるにかかわらず輸出物価というのは年々低下をしておる。もっと平たくいえば、円対策だとあれだけ騒いでおりながら、輸出する価格というのは下がってきておったわけであります。一体、秩序ある輸出とかいろいろ言っておられるわけでありますが、何らそういった輸出に対する規制というものの発動が結果的にはなされておらないという数字が、日銀の統計で出ているわけですね。それが今日の事態に追い込んでいるということは否定できないと思う。ですから、フロートがいつの期間、そういったことをここで議論するのを避けて、それでは、こういった事態を避けるためには、現にいま労働省などが盛んに主張しておる週休二日制の問題、あるいは内需を高めるための政策、こういったものを、長期にわたるフロートを想定して通産大臣も率先してやるべきだ、それがほんとうの円対策だ、こういうふうに思うのです。ですから、フロートの時期がいつまでかということを別にして、大臣が言われるとおりの考え方に立つなら、そういう問題点をはずれて、それでは今後、私が主張したような週休二日制とか、こういった問題について、通産大臣は積極的に業界を指導して発言をすべきだと私は思うのです。現に四十六年円切り上げ後の輸出物価はそうなっておるわけでありますから、そういう問題について、これからこういった緊急事態に備えてやるという意思があるかどうか、その点お答えをいただきたい。
○中曽根国務大臣 私の記憶では、切り上げ以来輸出数量は減っておるけれども、手取りのドルはかなりふえておる。それはなぜかといえば、単価が上がったからであります。テレビにしても、あるいは自動車、鉄鋼、そういうものはみんな値が上がってきておる。ですから、数量は横ばい、あるいはものによっては減っておるけれども、ドルの手取りはふえておる、そういう現象が起きておるのではないかと私は思います。それからそういう現象は今後も起こり得る可能性が非常に強いと見ております。 それから第二に御指摘の点は全く同感でございまして、通貨調整というやり方よりもやはり経済の実体調整ということが非常に重要である、そういう意味で、内需であるとか、いま仰せになった週休二日制とか、そういう点は私も全く同感であります。 現在、準備率を引き上げましていろいろやっておることは中小企業対策と矛盾しはしないか、そういう論点も出てくるだろうと私は思うのです。その点、私らも通産当局といろいろ相談しまして検討しているところでございますが、あれは過剰流動性を吸収する、そういう意味で、主として大企業、大商社等に対する過剰流動性を引き揚げる方向に指向しておって、中小企業や、あるいは中小の輸出関係のものについては、いろいろな資金手当てを別個にしておりまして、そしてそれらの人々については、金融措置が円滑に行なわれるように措置しているわけです。一般的な過剰流動性を吸収しよう、そういうことを実はやっている。で、いまのような状態を見ると、国民経済の中にいろいろな流れが出てまいりまして、あるものは同行し、あるものは逆行するような流れもあり得る。その場合には、やはり業種別に、対象別にきめこまかい政策をやっていくよりしようがないだろう、そういうふうに考えておるところであります。
○松浦(利)分科員 私は通産当局に資料の要求をしておきたいと思うのです。日銀統計による卸売り物価と輸出物価の四十五年を一〇〇とした計数を、直ちに日銀から取り寄せていただきたいと思う。その日銀の統計は明らかに、四十六年度以降外国向け繊維製品、電気製品、化学製品の卸売り物価指数は下がっております。日銀の統計がうそかどうか、その点、主査のほうで御配慮いただきたいと思うのです。どうですか。
○和田(敏)政府委員 承知いたしました。
○松浦(利)分科員 私たち社会党は、今度の事態はこの前四十八年度の予算の質疑を通じて、また、いまも今日まで議論をしておるところでありますが、やはり発想の転換なくしてはこの事態は切り抜けられないと思う。いま大臣も言っておられたように、週休二日制の問題、社会保障の充実、こういった福祉重点の政策に切りかえなければならない。見解の相違だと言ってしまえばそれまででありますけれども、こういった事態を想定しない四十八年度の予算編成であります。円の切り上げということを想定しない四十八年度の予算編成であります。それを避けるというための予算編成であります。しかし、この予算審議の過程でもう二回外為市場が閉鎖されております。これがいつあくかということすら、今日ではまだわかっていない状況であります。いまの大臣の答弁を聞いておりますと、私たちは通貨調整その他についてよりも内需、内政関係を重視していきたい、こういう御発言であります。そういった問題に対応するためにそうしたいという発言であります。だとするなら、そういった方向で今度の予算というものは改められるべきだ、あるいは補正させるべきだ、このように私は思う。大臣は、この事態に対しても、なお現状の予算のワクでやれる、この予算でやっていけるのだと、いまでもそのようにほんとうに思っておられますか。この点、最後にお聞きしておきたいと思うのです。
○中曽根国務大臣 今度の十四兆予算を組みましたときには、多分にこれはインフレ予算である、そういう批判を受けました。しかしわれわれは、この予算を編成しましたときには、福祉重点、それから社会資本の充実ということを念頭に置いてかなり大幅なものをやったのでございまして、それがインフレ予算であるという批判を一部から受けましたけれども、私らは、内需の充実及び国民の福祉水準の上昇という点から考えてみて、これは適切な考え方であると思って推進してきたわけです。今回こういう通貨変動が起こりましたけれども、この予算でそれに耐えられるものである。むしろインフレ予算と批判した人々は、なるほどこの程度の予算を組んでおいてよかったなあと、そういうお考えを持つに至ったのではないかと私は思います。そういう面からいたしましても、この予算をもって耐えられる、そういうように考えております。
○松浦(利)分科員 これは総理もそういう発言をこの前したのですが、それでは、あなたの言っておられることは、こういう事態を想定して四十八年度予算を組んでおられるわけですか。調整インフレ予算を組んだのですか。
○中曽根国務大臣 調整インフレというのは私は反対でありまして、前からこれは申し上げておるところです。しかし、輸出の増高といいますか、ドルの蓄積を回避するためには内需に対して転換させるということは、経済の実体調整として必要なところでございます。それが結局永続的に調整を続けているところであります。通貨調整というのは一時の頓服薬みたいなところがありますけれども、経済の実体自体が変わらなければまた同じ現象が起きてくるわけです。そういう意味でわれわれは、内需あるいは社会福祉というものを頭に置いてつくっていったので、それは必ずしもこういう円の変動や調整をあり得ると思ってつくったものではありません。それはドルの蓄積というものももちろん一部に頭にありましたけれども、日本の社会福祉水準を上げていく段階にもなってきて、ちょうどそれがマッチしている。そういう意味でやっているわけであります。
○松浦(利)分科員 どろくさいことを言いますけれども、私たち国民はドルで食っておるわけじゃない。確かに、円は強くなった、強くなったといわれておるけれども、われわれが使う円というのは、国内的には逆に弱くなってきておる。現にインフレに悩まされておるという国民の実態、こういったものに対処して、インフレに対する対策というものを何ら行なわれていない。円切り上げに対する対策も何もない。それでは行きつくところは、結果が出てから、しかたがなかったとあわてて補正予算を組む、あわてて国民の要求をいれていく、こういう形になってしまうんじゃないですか。そのことを非常におそれる。結果が起こってからではもうおそい。結果が起こる前に手当てをするのが私は政治だと思うのです。この事態を踏まえて、四十八年度の予算を国会に提出したからといって、そのことにこだわるのではなくて、やはりこういう事態をもっと真剣に考えて、外に強い円が国内では弱いという実態を国民の生活に密着して考える、インフレ対策を考える、そして円切り上げに対処するための予算編成を組む。週休二日間の問題にしたって、あるいは社会保障の充実にしたって、もっともっと私は手当てをすべきだと思うのです。産業基盤の整備というものをある程度押えて、国民福祉充実へ回すべきだと思う。こういった議論ばかり繰り返しておったのでは、泣くのは国民だけなんですからね。あなたと私が議論のための議論をしているように国民にとっては聞こえる。しかし、事態はまさに深刻な事態に来ているのですから、通産大臣はこういう事態に対して、決して国民に対しては迷惑をかけない、物価も安定するし、円切り上げに対して、倒産等もないし絶対に心配は要らぬのだ、この四十八年度予算でやれますと、こういう事態を踏まえてもなおかつ断言できるのなら、ひとつこの際断言してください。そのかわり結果が起こったときには、あなた自身責任をとる、通産大臣として責任をとる。そのことも踏まえた上で決意のほどをお聞かせいただいて、私はこの問題は後日に譲りたいと思うのです。
○中曽根国務大臣 この事態にあって当面の一番大きな問題は、輸出関係あるいは中小企業対策であります。この対策については、すでに本会及び予算委員会において申し上げましたような諸般の対策をとっておるわけであります。この対策を充実していけば、中小企業あるいは輸出関係については御迷惑をおかけしないようにやれると思っております。 それから物価対策につきましては、それとまた別の次元において、いま過剰流動性を吸収するとか、いろいろな諸般のことを考えながら大蔵当局及び政府全体としてやっているところでありまして、現時点においてはこの政策は妥当であると、そう考えます。
○松浦(利)分科員 こういう事態が繰り返し繰り返し来る間に、結果的に、あなたがそういうふうに言われても、事態が悪化したとき、そのときにどうするのかと聞いておる。そうなったときにあなたはどういうことをされますか。国民に対して、ぼくの見通しが悪かった、すまぬと言うだけでありますか。私は政治家はもっときびしくなければならぬと思う。もう一ぺんお聞かせいただきたいと思います。
○中曽根国務大臣 私は、現時点において補正予算を国会に提出する必要はない、それはいまやっておる諸般の中小企業あるいは輸出関係に対する対策を講じていけばいいのだ、そういう考えを持っておるのであります。将来いろいろな変動が起きた場合に、その変動に対処していろいろ財政措置やあるいは経済措置を講ずるということは、これは行政として当然考えてやるべきことでありまして、問題は、その時点その時点において間違いないように最善を尽くしていく、そういうことであると思います。
○松浦(利)分科員 ことばは非常にきれいですが、それじゃ、もう一ぺんいまのことを確認いたしますと、現状はこのままでいくが、ある時点に来て急変などが起こったときに補正予算を組む、あるいはその事態に即応して対処するのだ、そういう御発言でありますか。それが大臣としての道だと、こういうお考えですか。
○中曽根国務大臣 行政というものの性格自体は、常に挑戦に対する対応であります。いろいろな変化に対する対策を講じていく、そういうことであります。でありますから、いわばタクシーの運転手みたいに、右へハンドルを切ったり左へハンドルを切ったり、相手の車の出方によっていろいろ操作する、これが行政のあり方である。だから、ある程度裁量も与えられておりますし、いわゆる行政権というものがあるわけであります。そういう範囲内において許されることは当然やるべきであり、やる責任がある、そう申し上げておるのであります。
○松浦(利)分科員 やる責任の範疇には予算の補正その他もあるのだ、そうしてそういう形で対処していくのだ、現在はこの四十八年度予算でいけるけれども、そういう事態が起こったときには補正予算を組まざるを得ない、それは行政の立場である、そういうことですね。
○中曽根国務大臣 四十八会計年度中において、将来そういう必要があれば補正予算を組む必要もあるでしょう。しかし、いまそれを行なうということは、われわれが考えている範囲内においてはないということであります。
○松浦(利)分科員 水かけ論議はここでやめますけれども、私は補正予算を組まざるを得ない事態が来る、そういうふうに思います。大臣は、そういう事態が来たときには対処する補正予算を組むということもあり得ると、こういうことでありますから、これ以上申し上げません。しかし、そうだとするなら、現時点を踏まえてもっと慎重に配慮して、私は、メンツにこだわらずに、今回の事態に対応した予算の組みかえがあってしかるべきだ、与野党一致してそういった方向をとるべきだ、このことを意見として申し上げ、この議論はまた後刻に譲りたいと思います。 それでは、質問の通告をしておった内容についてちょっと申し上げたいと思うのでありますが、実は昭和四十七年度の「電気事業の現状総論」というのが昭和四十七年十二月に公益事業局から出されておるわけであります。実はこれが発表になりましたときから、資料をいただいて読ましていただいたわけであります。ところが、ここで言っておることは、結果的に、日本の電気事業の経理の圧迫というものは、公害防除や安定供給の関係、こういった問題を含めて格段の経営努力が望まれるけれども、「あわせて関係者の理解と協力を得るための一層の努力も必要とされよう。」関係者というのはおそらく電気を利用する国民だと思うのですね。何で公益事業局が電力会社のちょうちんを持ったように、電気料金の値上げの起爆剤になるような、こういう報告書を出す必要があるのですか。こういったところまで入るのは越権行為だと私は思う。いま公共料金の値上げが非常に問題になっておるときに、起爆剤になるような分析を何でわざわざする必要があるのですか。その点について明確にお答えいただきたいと思います。
○井上政府委員 これは、ただいまお話がございました電気事業の現状ということでございまして、電気事業の現在置かれております立場、実態を分析して、それを発表するというたてまえであるわけでございます。 それで、最近の問題といたしまして、発電のコストあるいは送電、いろいろございますが、要するに電気料金関係のコストが非常に高騰してきているというのが実態でございまして、したがいまして、各電力会社の経理内容が非常に悪化しておるという実情にあるわけでございます。したがいまして、そういう実情、この原因を分析いたしまして、これを現状の中へ入れたわけでございます。それ以外の他意があるわけではございません。
○松浦(利)分科員 これ以上の他意はありませんというなら、現状の分析にとどめるべきです。何でここにわざわざ締めくくりとして、「あわせて関係者の理解と協力を得るための一層の努力も必要とされよう。」国民に向かって、公益事業局の発表したこれを見せて——電力会社がつくった内容じゃないのですよ。政府がつくったものを電力会社が国民に向かって見せて、皆さん、政府でもこう言っておるじゃありませんか、電気料金値上げに協力してくださいという努力をしなさいとあなたは書いておるのですよ。これが通産大臣の下の行政ですか。通産省というのは、こういうことまで介入してやるところですか。冗談じゃないですよ。大臣の見解を求めたいと思います。
○中曽根国務大臣 私は白書をこまかくまだ読んでおりませんので、局長の言うとおりであるということで御了承願いたいと思います。
○松浦(利)分科員 局長、大臣にも見せずにこういうものを発表するのですか。大臣はよく読んでおらぬというじゃないですか。大臣が読んでおらぬはずはないのですがね。にこにこ笑っておられるけれども、締めくくりの結語に書いてあるわけですよ。
○中曽根国務大臣 全文を読んでないという意味です。
○松浦(利)分科員 そこは読んだでしょう。私が質問中のところ、そこは読んでおられないですね。
○井上政府委員 電気の安定供給の問題につきましては、賛成者、反対者いろいろございまして、火力発電所の立地問題等につきましては、非常に技術的なむずかしい問題もいろいろございまして、なかなか十分に理解しにくいという点があるわけでございます。そういう意味におきまして、安定供給をはかるための必要性、そういうものにつきましてはやはり御理解願う必要があるという意味で書いてある、こういうふうに考えています。
○松浦(利)分科員 ずれておるのですよ、答弁が。その分析しておることは、読んでおるから私もよくわかっておるのですよ。しかし、その結びとしてあなたは書いておるでしょう。五ページに結語が書いてあるでしょう。この五ページの結語を見てごらんなさい。「今後、電気事業者の格段の経営努力が強く要請されるところであり、あわせて関係者の理解と協力を得るための一層の努力も必要とされよう。」と書いてあるでしょう。
○井上政府委員 これは公害防止のための経費というものが非常に多額になる、これは公害防止を十分にやっていくというたてまえ上どうしても必要なものである、したがって、公害防止の必要性というものを十分に御理解願わなくちゃならない、そういうことが一つと、それから公害防止のための経費がかかるということは、電力原価の高騰につながるものであるという問題があるということを指摘しておるわけでございます。
○松浦(利)分科員 そうじゃないでしょう。「これらの努力は当然電気事業の経理圧迫の要因となるものであるが、」しかし経営者も努力してくれ、電気業界も協力してくれよ、同時に、国民の皆さん方も、そういう経理を圧迫しておる事情を考慮してくださいよと、このまくらと結語とがつながっておるのですよ。その部分的なところを読むと、あなたが言うようになるけれども、文章というのは一貫して読まなければいかぬ。現にもう電力会社なんか値上げをやっておるでしょう。
○中曽根国務大臣 この文章は、第二項の「公害防止対策の抜本的強化」、そういう項目でいわれているところで、そしていま御指摘のところは、公害防止のいろいろな努力等は当然電気事業の経理圧迫の要因となるものであるが、しかし、それらの理由によって公害防除や安定供給の努力を怠ることは許されないと、そういうことをまず電気事業者に言っておるのです。そしてその使命を果たすために今後格段の経営努力が強く要請されると、電気事業者にそういう要請をここで訴えておるわけです。「あわせて関係者の理解と協力を得るための一層の努力」——「あわせて関係者の理解と協力を得る」ということは、公害関係の地元の住民や市町村や、あるいは関係各省庁の協力も必要であるし、一般国民の理解と協力も必要であろう、そういう意味ですなおに読んだら、そうとられるんじゃないですか。何も電気料金を上げるということが伏線になっていて、そのために、上げなくちゃいかぬのだからその理解と協力を求める、そういうふうには、すらっと読んで読めないと思います。
○松浦(利)分科員 やっぱり大臣読んでおられないですよ。こんなものは読まなければいかぬです。それじゃ一一ページをあけてください。一一ページに「経理圧迫と経営努力」という項がありますよ。読んでおられぬですよ。やっぱり大臣、正直です。しかし、読まなければいかぬ、こういう大切なものは。ここに書いてあるでしょう。この下から四行目、「これらの努力の結果、その費用負担につきある程度利用者に転嫁されることも、状況によってはやむを得ない場合の生ずることが考えられる。」と書いてあるじゃないですか。どこまでごまかすのですか、あなたたちは。そんなごまかしで行政をするから問題になるのですよ。 ずばり聞きましょう。電力会社が料金値上げをしたときに、あなたたちは認めるのですか、あっさりこれによって。その点どうです。
○井上政府委員 公益事業規制の基本的な態度でございますが、これは通産省の公益事業局が堅持している態度でございます。この考え方は、電気料金というものは、民生あるいは経済の基盤といたしまして非常に重要なものであるし、これを高くいたしますことは、これらに対して非常に圧迫になるということで、公益事業局の存在意義の第一は料金を上げないことである、こういうふうに考えております。ただ問題といたしましては、実際の会社の経営が成り立っていかないということになりますと、これまた非常に影響するところが大きゅうございまして、結局、安定供給、安全性の確保というような問題が達成できないというようなことになるわけでございます。したがいまして、いまの公益事業規制の中心である料金の考え方は、電気が、電力会社というものが、その性格上、供給の体系から見まして自由競争にまかせることができない。それは国民経済的に考えましても非常に不経済である。したがって法律的な独占体系を一応立てておる、実体的な独占の供給になっておるわけでございます。 つきましては、ここで行なわれます料金、ここできめられます料金というものは、原価計算方式によりまして、一定の正しい経営態度におきまして、正しい運営において適当な料金、それは一定のフェアベースを考えました適正料金を確保するということに公益事業規制の中心があるわけでございます。したがいまして、過剰な利益を与えるような、そういう料金の認可ということは絶対に避けるべきでありますけれども、経営を合理的に完全に安全性を保って運営できるような料金は確保する必要があるというのが公益事業行政の中心的な考え方であります。 したがいまして、電力会社の経営の実態を把握いたし、監督いたしておりまして、大体、経営の形態というものがどういうふうなかっこうになってきているかという、そのものは絶えず見ておるわけでございまして、そういう意味において、最近の公害あるいは大規模な発電所の建設に伴います資本費の高騰であるとか、燃料費の高騰であるとか、公害防止施設の設定であるとか、そういう社会的な必要性、安全性確保のために必要であるというものの達成、そういうものからからんでくる原価の高騰というものが非常に大きな要因を占めておる。したがいまして、将来、そういうものもまかなうためには経理的に経営の原価の上昇の傾向があるということをここでいっているわけでございまして、公益事業局の態度といたしましては、私は絶えず言っているのですが、電気料金を上げないことが公益事業局の最大の使命である、こういうふうに考えております。ただ、同時に健全な会社の経営が行なわれるような料金にしなければならない、こういうことも一つの使命であるというふうに考えております。そういう意味でこういうふうな表現になって、やや筆が走り過ぎたという感じがいたしますけれども、こういうふうな表現になっておるかと思います。
○松浦(利)分科員 やや筆が走り過ぎたなんという、そんな発言を局長がするものじゃないですよ、あなた。この文章は、筆が走ったかどうかは別にして、電力会社を勇気づけておることだけは事実ですよ。もう通産省のほうは料金値上げを認めておるわけだから、あとは国民に向かって、料金値上げをこのようにあなた方この資料で働きかけなさいよ、これがこの内容じゃないですか。 さっきから質問しておったら、あなたはいろいろ言って、この場限りで逃げようとしておられるけれども、いまここに書いてある事実をあなた認められた。しかも具体的に大臣と相談されないまま発表されておるんじゃないですか。大臣が具体的に知っておられない。こんな重大な問題を、通産省自体が、大臣の了解を得たのか、了解しておった上で発表したのかその点はわかりませんが、しかし事実、大臣が見ておられないことは、先ほどの御答弁でわかりました。あなたが言うことと書いておることとは別なんですね。通産省は、国民生活にたいへん重要な電力だから値上げはしないようにします、努力します、こう言っておられるのだけれども、書いてあることは、逆に値上げがやむを得ないということを国民に印象づけておる。この部分は全面的に削除してもらいたい、これが一つです。 もう一つは、いま現に関西電力をはじめ多くの電力会社が、四十八年度料金値上げについて申請の準備中です。これに勇気づけられて出してくるのですよ。申請があったときにはどうされるのですか。どのような扱いをされるのですか。
○中曽根国務大臣 大体、こういう白書のような膨大なものは、次官以下に私らはまかしておるわけです。大体、事務次官がこういうものは目を通して、いろいろ調整したりしておるのであります。いまの御指摘のところは、私は削除する必要はないと思います。 公益事業関係の料金査定と申しますか、料金の問題は大体原価主義でいままでやってきておるのでありまして、永久に上げない、上げることを認めないというものでもない。だといって安易に上げることを許すというものでもないわけです。国民生活の状況とか、あるいは資本費や、あるいはその他の現下の情勢、そういうものもいろいろ見て、そうして必要やむを得ないというぎりぎりの場合には上げることも認めておる。だから、料金制度あるいは原価計算制度、原価主義というものが確立されておるわけであります。そういうことをここではある程度いっておるのでありまして、いままで通産省がとってきた方針と変わっておるところはございません。あなたさまの頭には、電気料金の値上げということが出てくるであろうという頭がありますから、そういうふうにこれがびりっと響いて御発言になっておるのだろうと思いますが、これは一般論としてすらっとお読みになったら、なるほどいままでの公益事業に対する通産省の方針がここへ出ておるというふうに考えられるのではないかと思います。
○松浦(利)分科員 すらっと読めといっても、これはすらっと読めないですよ。だから先ほど言うように、何でここまで書く必要があるか。大臣が言われる筋はわかる。電気料金の値上げ申請があったときには、電力会社の経営の実態その他にとって妥当かどうかということを検討するのが通産省の仕事であることは、私は認めますよ。何も、料金値上げの申請が出る前に、こうこうですよ、そしてそういうときはこうこうこうですよといって、国民に対して電力会社のお先棒をかつぐところまで白書が書く必要はないじゃないか。何で書く必要があるのですか。これを見た国民は全部、通産省は電力値上げについて協力する姿勢だなというふうにとりますよ。そのことを私は指摘しておるのですよ。だからこんなところは削除しなさいと言っておるのです。削除したって、心の中じゃそうじゃないかもしれぬけれども。白書の内容は妥当なものだといまでも大臣思っておられますか。ここまで言及することは妥当な白書だ、こういうふうに思っておられるのですか、いまもほんとうに。
○中曽根国務大臣 通産省のいままでの方針をこのまま述べておるだけであって、私は、これを削除するという必要は認めない、そういう考えを持っております。
○松浦(利)分科員 電力白書でこういう字句を載せたことはないでしょう。初めてですよ、こんなものは。いまだかつて、電力白書というのが出た回数は少ないですけれども、初めてですよ、こういうことを書いたのは。政府が発行する白書で公共料金の値上げを認めたというのは、この電力白書をもって初めとするのですよ。しかもそれに対して、何ら修正する必要もない、それはまさしく国民に対する挑戦ですよ。そのことは、通産省は消費者の立場に立たずに電力会社側に立っておるという印象を、ますます国民に植えつけるだけじゃないですか。この点もう一ぺん大臣からはっきり言ってください。
○中曽根国務大臣 この一番のまとめのところに、「もとより電気料金は、国民生活や産業活動の各般にわたって広い影響を及ぼすものであり、今後ともその長期安定を確保するために電気事業者の一層の経営努力が期待されることはいうまでもない。」つまり経営努力を強く指摘しておるのでありまして、これは国民の側から電気事業者に対して要請しておる、これが最後のまとめになっておるわけです。私はそういう点からも、削除する必要はないと思います。
○松浦(利)分科員 何か国民に対して料金値上げを示唆するような文章というのは好ましくない、私はそう思います。しかし大臣が、いやこれでいいのだ、こう言うのですから、あとは国民の批判にまかせる以外にないと思うのです。 しかし私はここで断言しておきます。関西電力をはじめ電力会社が料金値上げの申請をしてきた暁には、おそらくあなた方はあっさり認めるでしょう。その根拠をなしておるのはこの白書である。電気料金の値上げ申請があったときに、この問題はもう一ぺん議論いたしましょう、かみ合いませんから。しかもこんな大切な白書が事務次官にまかせられておって、大臣がきょう、詳しくは読んでおらなかったという発言があるし、書いたはずの公益事業局長がちぐはぐな答弁をする。まさしくこの白書は電力会社のための白書であって、国民のための白書ではないと私は思います。この点はまたあらためて委員会等で議論をさせていただきます。しかし、これは私はまことに不見識な白書だというふうに思います。この問題については、もう時間がありませんから、きょうはここで一応終わらしていただきたいと思いますが、また後刻やらしていただきます。 もう一つ、実はいま、地方自治体でダムをつくり発電所をつくって、電力会社に売電をしておるわけであります。ところが、いま公益事業局長が発言されたように、電力会社は独占であります。地方自治体よりも大きな資本を持っておる会社であります。予算規模も大きい。そこと昭和二十九年の七月九日に売電契約を結んでおるわけでありますが、その価が一キロワット当たり三円五銭であります。これは二十九年以来売電契約は全然変更がない。なぜ変更がないかというと、相手が独占でありますから、もっと値上げをしてくれと言ったら、いやあなたのところの電気は買わぬ、こう言われて地方自治体はもうお手あげであります。ですから、二十九年の三円五銭が今日までずっと生きてきているのです。こういった問題について通産省のほうは指導する意思があるのかどうか。電力会社に対して、もっと常識的に売電契約の額というものを上げてやるべきじゃないか。宮崎県に例をとりますと、県電の売電契約と村が持っておる売電契約とでは単価が違うのです。売る先は同じであります。こういった問題については、弱い地方自治体でありますから、もう少し、電力需給契約等については、通産省のほうで電力会社に指導があってしかるべきじゃないか、このように思うわけでありますが、この点について公益事業局長の御答弁をいただきたいと思います。
○井上政府委員 小水力の電力料金でございますが、これは、先ほどお話がございましたように、昭和二十九年の七月というのは九州の上椎葉の協同組合の例でございます。それぞれその当時の過去のいきさつがございまして、その当時の当該電力会社の発電原価を上回る程度の電価で買ってきております。それから県営の発電所につきましては、これは卸売り電気事業者ということで、大きさも全然違いますし、一応の原価計算の方式がございまして、それに基づきまして売電契約を結んでおるということでございます。小水力の関係のものにつきましては、全国にもいろいろございますけれども、これをいろいろ洗ってみますと、大体二円五、六十銭から三円程度というところがあれでございます。それからまた、そのコストの関係にいたしましても、非常に安いコストになっておるということでございます。なおかつ、各発電所の同様な水力のそういうものと比べますと相当高い電価になっておるということでございますが、最近の情勢をよく調べまして、どういうことであるか勉強いたしてみたいと思います。従来買っております単価はそれぞれ合理的であると思いますけれども、ごく最近の情勢に照らし合わせまして、全国的な問題もございますので、どういうことであるか調べてみたいと思います。
○松浦(利)分科員 この問題は、改定を要求する先が通産省じゃありませんが、全国的にこの問題はあると私は思います。一ぺん洗い直しをしていただきまして、時代に即応したように契約を改めるよう、電力会社の指導をぜひお願いをしておきたいと思います。これは希望であります。 それから、最後になりましたが、実は私の手元にいろいろな苦情が来るわけでありますが、その苦情の中で、ガソリンスタンド、給油所の建設についての苦情が非常に多いわけであります。実はこの前、通産省のほうから資料をいただきましたが、これは昭和四十七年度の給油所建設についての方針でありますが、四十六年は四十六年度で給油所建設についての方針が出されておるわけであります。 この通産省の方針によってどういう問題が今日不合理として出てきておるかというと、ガソリンスタンドというのは、もともと建築基準法あるいは消防法の定めるところに従って建設されるわけであります。そして石油業法第十三条によって石油製品販売の許可を通産大臣にもらっておけばいいわけであります。ところが、この「四十七年度の給油所建設について」という行政指導があるために、それができなくなる場合があるわけであります。せっかくガソリンスタンドをつくってみたけれども、今度はガソリンスタンドに油を入れてくれるところがないわけであります。なぜないのかといって調べてみたら、それぞれのメーカーに、あなたの四十七年度のガソリンスタンドをつくる戸数は何戸、あなたのところは何戸といって割り当てが行なわれているのです。その割り当て以上にはガソリンスタンドをつくれないという、いまそういう方針にこれはなってしまっているのですね。本来自由であるべき石油販売業がこの給油所建設によって締めつけられておる。ある人はせっかくガソリンスタンドをつくってみたけれども、ガソリンを入れてくれるところがない。あちらこちら走り回っておるけれども、それぞれの通産局がこわいからといって、なかなか各メーカーが応じてくれない。商品取引問題について、小売り買い占め等の問題について、通産大臣は、本来自由競争でありますからと、こういう発言を再三にわたってしておられる。そういう通産省における行政指導が、逆に自由競争であるべき石油販売について締めつけを行なっておる。これは明らかに矛盾であります。なぜこういう問題について通産省は毎年毎年通達を出さざるを得ないのか、どこにそういう原因があるのか、その点、明らかにしてもらいたいと思うのです。
○外山政府委員 松浦先生御指摘のとおり、四十七年の五月に、「四十七年度の給油所建設について」の通達を出しております。したがいまして、現在、それに基づきまして、私どもとしましては給油所の秩序ある建設を指導しているということでございます。 給油所で取り扱っておりまするガソリンとか灯油などは、一般消費者の生活必需物資でございますので、その便益をはかる必要があるわけでございますが、これがあまり距離的に近接いたしまして無秩序に建設されますと、地域環境との調和の障害となるおそれがあるばかりでなく、また販売面における過当競争という問題も起こるわけでございまして、製品の安定供給の確保に問題が生ずる場合があるわけでございます。このため、私どもといたしましては、関係業界に対しまして、一般消費者に対する効果的なサービスの供給体制の確保、あるいは地域環境への適応及び業界の過当競争の自制といったようなことを配慮して、かつガソリン等の需要の動向を考慮して適当な数の給油所建設にとどめよう、そしてそういう秩序ある建設が行なえるよう指導しておるわけでございます。毎年通達は出しておりますが、これは少しでも適切な内容にしていきたい、そういう意味で毎年そのときの事情に基づきまして修正を施し、改善を施しながら実施しておるわけでございまして、こうしたことが、やはりこういったガソリン、灯油等の安定供給のために必要であるというふうに私どもは考えておる次第でございます。
○松浦(利)分科員 局長が言っておることはまことに都合のいい言い方ですよ。消費者にとってみたら、逆にたくさんあったほうがいいのですよ。自由に選択できるようになったほうがいいのですよ、どこのメーカーのガソリンでも。こういう通達を出すからカルテルが横行するのです。現にガソリンの小売り価格は、カルテル行為があったとみなされると同じように下方硬直でしょう。上がることはあっても下がることはないんだ。さみだれ的に上がっていくけれども、実質的に上がる率は結果的に一緒なんですよ。何のことはない、こういう通達をするのは、カルテル行為を通産省が認めておるのと同じじゃないですか。各県に石油業界の連絡の機関がありますよ。そこに聞いてごらんなさい。昭和四十七年度のガソリン給油所建設については、Aというメーカーは何カ所、Bというメーカーは何カ所と給油所そのものを割り当てておるじゃないですか。給油所建設をすらそれによって調整をして、そして、あなたが言ったような理屈をつけておるのは、消費者のためとは言いながら、実際は過当競争を防ぐというだけなんです。しかもこういうことをするからカルテルが横行するのです。下方硬直なんです。 先ほど言った電力白書でもそうでしょう。ガソリンでも、あなた、国民の生活必需品というけれども、消費者にとっては逆の結果が出ておるじゃないですか。通産行政というのは一体何をするんですか。これは極端な言い方をすると、独禁法違反を奨励する通達文書ですよ。あなたが言うようなことじゃないです、消費者にとってみれば。業者にとっては非常に都合がいい。まだ今後ともこういう通達を続けるのですか。
○外山政府委員 先ほどのような趣旨でやっておる秩序ある建設の指導でございますので、四十八年度も、内容の改善は行ないながらも、引き続きやってまいりたい、こう思っておるわけでございます。もちろん、御指摘のような、競争が不当に抑制されるというふうなことがありましたら、これはやはり問題でございます。生産性の低下を防止するということも大事でございますが、同時に適正な競争が行なわれるということも大事でございまして、そういった点がありませんと、社会的な信頼を得られない。したがって、こういった行政指導についての批判も受けがちである。したがいまして、内容につきましては、諸般の情勢を考慮して、十分適切さを確保するように、私どもとしてはやってまいりたいと思います。しかし、先ほど来申し上げましたような経過を見ましても、秩序ある建設の指導は引き続きやってまいりたい、こう考えておる次第でございます。
○松浦(利)分科員 秩序ある、秩序あると言うけれども、一方では、商品投機や何かについては、自由市場だ、どこが限界かわからぬ、こういうことを言っておられるのですよ。片一方では、秩序ある競争と、こう言う。これは秩序ある競争でないですよ。全部下方硬直でしょう。どこのメーカーのガソリンも全部下方硬直になっておるのですよ。安いメーカーがあったら教えてください。消費者は全然選択の余地がないのですよ。下方硬直だからどこで買ったって一緒です。 しかも、こういう通達があるために、ガソリン販売業を営もうとしてもできない。建築基準法、消防法の手続に従って、そしてこの石油業法十三条の手続に従って通産大臣の認可を受けようとしたら、通産局のほうからは、いや、それはひとつ地元のほうと相談をしてくれ。だれと相談をするのか。石油業界と相談をしなければ給油を受けることができない。しかも、相談をしたAという会社と契約をして、そのチェーンに入らなければガソリンスタンドの建設のワクはもらえないという状態ですよ。通達をなくすとかどうとかということを別にいたしまして、割り当て制の建設、あるいは競争の制限、こういったものについてはこの通達から除くべきだ。具体的には書いてありませんが、そういうことの誘因となるような内容を改めるべきだ、このように思います。 もう時間がありませんから、この際、大臣からこの問題についての明確な御答弁をいただいて、私の質問を終わります。
○中曽根国務大臣 この通達内容を読んでみますと、たとえば東京においては二百七十メーターの距離という制限をある程度基準に持っておるし、あるいは東京以外の町では三百八十メーター。二百七十メーターとか三百八十メーターくらいの距離ですと、自動車で動いたら二分ぐらいの距離だと思うのです。それで、そういう二百七十メーター以内に三つも四つもガソリンスタンドができるというようなことでは、乱売合戦になる危険性もある。そうした場合に、消費者に対しては公害が発生するようなガソリンを入れて出すというような危険性もなきにしもあらずです。ですから、いま、抜き取り検査とかそういうことで、業者間自体によって自主規制をやらして、良質のガソリンを規定どおり供給するような努力をこちらもやらしておるところであります。そういう面から見ますと、ある程度消費者保護の面も考え、また保安その他の面からも考えまして、この程度の行政指導をすることはやむを得ないし、またまわりの住民及び消費者の利益にもなることであるだろうと私は思います。こういうような行政指導をしない場合を考えると、日本人の習性からしますと、めちゃくちゃな乱売合戦が起こってくる。大体、ガソリンスタンドができるということは、まわりの人はあまり歓迎しないところであります。しかし、いろいろな手練手管を使ってやるということもあって、知らざる第三者がそういういやな目を受けるということもなきにしもあらずです。私は、ある程度、社会生活を維持するためにこういう措置は必要ではないかと思っております。
○松浦(利)分科員 私の言っておることに答えておられません。その距離については通達を変えないということですが、私が質問をしておるのは、下方硬直のカルテル行為が出てくる、各メーカーに対してのスタンドの割り当てというものが現実にある、この通達からそういうものが生まれてきておる、それを改める気持ちがあるかどうかということを聞いておるのです。もう一ぺん御返事いただきたい。
○中曽根国務大臣 競争が不当に制限されて、いわゆる下方硬直が出てくるというようなことは、極力行なわせないように注意、監督いたします。
○松浦(利)分科員 大臣の答弁は、どうも行き違いが多いので、今度私は、常任委員会が大臣のところとは違いますけれども、差しかえていただいて、またこの問題についてあらためて論戦をさしていただくということを申し上げて、終わらしていただきます。ありがとうございました。
○細田主査 松浦利尚君の質問は終わりました。 次は、東中光雄君。
○東中分科員 私は、沖繩の中小企業は非常に苦しい状態でありますが、その実態なり対策なりについてお聞きしたいと思います。 ことしの初めに、復帰後における沖繩県内の中小企業の動向調査を県が行なっておるようでありますが、それによりますと、県内中小企業の経営は以前に予想したよりも非常にきびしい。このために復帰前に比べ事業はかなり悪化している。今後の経営方針としては、五〇%以上が設備投資を手控えておる。従業員の採用予定についても、五〇%は予定なし。むしろ逆に約七%削減、首切りをしておるというふうな調査結果が出たようであります。復帰後の沖繩の中小業者のこうしたきびしい状態に対して、その実態をどうつかんでおられるか、それに対する対策をお聞きしたいと思います。
○莊政府委員 今回のドル・ショックによります中小企業への影響が全国的に非常に憂慮されまするので、現在通産省として鋭意調査につとめておるところでございます。その調査結果に基づきまして、所要の緊急対策、これに必要な財政措置を講じてもらうということで、目下実情の把握に日夜努力をいたしております。 沖繩につきましては、御指摘がございましたように、中小企業も非常に多うございまするし、また内地に比べまして、一段と特殊な、困難な事情を持っております。そこで、今回の地方通産局を通じましての実情把握の際に、特別に沖繩につきましては現地の総合事務局から責任者にも上京してもらいまして、私ども東京の沖繩開発と一緒に実情をお伺いしまして、その段階ではドル・ショック直後の状況でございまするから、そう詳しい、突っ込んだ実情はこれからでございまするけれども、たとえば繊維業界等につきましては、輸出の三割以上を占めておりますけれども、先行きの契約というものは見通しがない、既存の輸出をせざるを得ない、これもレートの関係でちょっとむずかしいというような問題も生じておりますので、これらにつきましては、当然、緊急融資というふうなことを沖繩開発庁を通じて早急に講ずるという必要があると考えて、いま開発庁のほうで鋭意検討していただいております。 それから、沖繩の特殊事情として、基地内でドルで物品や役務を提供しているということがあるわけであります。これもレートの関係で手取りの減ってくるという実情がございます。この問題も含めまして、いま沖繩開発庁で、その対策をどうするか検討をしていただいておるわけでございます。
○東中分科員 まだ私が聞いておらぬことをお答えになったのですけれども、復帰後の今日までの状態、特にことしの初め、だからドルの切り下げ前の時点のことを言っているわけですが、たとえばこの調査によりますと、復帰後の企業経営は、全企業の過半数以上の五五・八%が、復帰前に予想していたよりもきびしいという。これは県がやったアンケートですが、そういう答えが出ている。三二・五%が予想どおりと答えている。よかったというのはわずかに一一・七%だ。こういう状態になっているのです。だから、復帰前にいろいろ言われておって、そして開発庁がつくられ、対策がいろいろとられたはずでありますけれども、その予想よりも悪くなるという予想をしておったとしても、その予想よりもきびしいというのが五五・八%、こういう状態になっていることについて、さらにその後のドルの切り下げとは別に、どういう対策をされておるのか、その点をまずお聞きしているわけです。
○莊政府委員 沖繩では相当金融緩和基調がございまして、そういうもとで、中小企業についても表面は、業種によっては相当繁栄しておるというふうに見える面もあったようでございまするが、製造業等につきましては、基調としては、いま先生御指摘ございましたように、地場産業の振興、あるいは零細企業の組織化、近代化というふうな面は、内地に比べまして数段立ちおくれがございます。そこで、これらの諸制度も復帰後沖繩のほうに適用になるということに体制としてはなったわけでございますけれども、復帰後まだ幾らも時日もたっておりませんし、たとえば協同組合の結成一つとりましても、内地ではもう組合で共同事業をやっていくというのが中小企業の合理化の一つの柱としてよく浸透しておりますけれども、重要な業種についても、まだ、そういう面の指導あるいは組合の結成等も、これから馬力をかけなければならぬというふうな実情にある。いろいろまだ立ちおくれの事業がございます。これらは、沖繩総合事務局のほうを通じまして商工会議所等にも、従来の中小企業対策は、まだ内地の感触等に比べますと相当立ちおくれておりますが、指導面等も強化してやってもらうということで、地元からも、去年の秋、会議所の会頭にも上京していただいて、いろいろ御懇談申し上げたわけでございます。やはり、地場産業のこれからの近代化あるいは組織化というふうな基礎になる分野について、指導も十分行ない、助成も十分に行なって近代化をはかっていく、そして沖繩の地場産業として自立できるようなものを見つけ出して育て上げるということが非常にこれから大切だ、かように考えております。その方向で現地とタイアップして努力をいたしたいと思います。
○東中分科員 復帰後だいぶなるわけですが、そういう事態で、いま中小企業庁長官の言われたようなことはいわれておったわけで、それからあと予想以上にきびしいということが出てきておるので、その後の具体的な対策というのは、もう一年以上なるわけですから、沖繩開発庁からも来てもらっていますので、そういった面での具体的な施策がどういう方向で進められておるのか、明らかにしておいていただきたい。
○岡田政府委員 ただいま中小企業庁長官が言われましたように、一部業界、たとえば食品でございますとか、あるいは縫製でございますとか、そういうようなところが影響を受けているようでございます。それにつきましてはやはり近代化を進めるということで、たとえば現地の指定業種、これは本土の指定業種のみならず、従来からの指定業種以外に沖繩振興開発特別措置法によりまして指定いたしておりますが、とりあえず、零細的な要素を持っており、しかも県の基幹的な産業であるところの糖業、すなわち、分みつ糖、含みつ糖の業種を指定いたしまして近代化業種にして、今後中小企業庁、通産省等と相談してさらに増してまいりたい、かように考えております。 その他、沖繩金融公庫からの融資、これはやはり中小企業に重点を置きまして、復帰後の八十億の緊急といいますか、零細企業に対する融資、これのPR、趣旨の徹底、さらには事務の簡素化。何と申しましても公庫はできたばかりでございますので、いろいろ事務的に研究しなければならない面がございますので、鋭意実情に合うように、できる限りの簡素化につとめながら円滑な融資をやってまいっておる、そういうことでございます。
○東中分科員 この調査では、全事業の約四八%が事業の悪化を訴えておる。復帰前より事業がよくなったと言っているのはわずか一八%。業種別でいいますと、建設業の八〇%は事業悪化をいっている。製造業が、悪くなったのが四八%、変わらないのが三三・七%、こういっています。小売り業は悪くなったというのが四〇・八%。サービス業は悪くなったのが七一・四%。これは、復帰前と比べての県の調べでのアンケート結果です。こういう事態が起こっておる原因をどういうふうにとらえておられるのか。そしてそれに対して対策はどうされているのか。ただ特殊な縫製なら縫製という業種だけではなくて、全体的にいって半分、あるいはそれ以上が悪化している、こういうことなんですが、じゃ原因は何だというふうにつかんでおられるのか。それに対する対処はどうなのか。当然復帰でそうなるのだというふうに予想しておったとおりだというのではないだろうと思うのですけれども、そこの点をお聞きしておきたいと思うのです。
○岡田政府委員 その原因は、本土と二十数年間離れておりましたために、体質その他流通面、あらゆる面から違っておりますので、簡単には申し上げかねますけれども、一つはやはり企業そのものの体質が近代化されていないということ、したがってそれは体質と申しますよりか、設備あるいは運営のあり方、それと、ただいま申し上げましたような全体の流通機構あるいは価格関係、そういうものの体制がおくれておる、そういうことでございますので、そういう面につきましては今後の振興開発計画を推進する上で改善につとめてまいらなければならない、まいりつつあるわけでございます。 それからまた、やはり本土企業と要するに一体化いたしましたので、本土企業との関係もございます。しかしながら、それが正常な競争関係ではなくして、いろいろ不正常な関係で行なわれることは絶対に防止しなければならないということで、そういう面からは現地の総合事務局がございますが、その公正取引室を来年度も強化いたしております。場合によっては本土から派遣いたしまして、こういう面はきびしく取り締まっておりますので、一部出てきました件につきましても、またそういう面から規制されつつある。そういうふうなできるだけの規制を加えながら、一方企業そのものの体質の強化、これは何といいましても先決ではあるまいかというふうに考えます。
○東中分科員 大臣にお聞きしておきたいのですが、全体として、復帰によってそういう沖繩県の業者、しかも業種も全業種にわたってこういう事態が起こっておる。これは復帰ということによって起こっているわけですから、それの具体的な対策、施策を強力に進める必要があると思うのですが、大臣のお考えを聞きたいと思います。
○中曽根国務大臣 その点は同感でございます。復帰したあと、一面においては物価騰貴の現象も起こる、また一面においてはドルの関係その他でいろいろ御苦労していらっしゃること、私らも心配をしております。税制とか金融とかあるいはそのほかのあらゆる面で今後も改善していくように努力いたします。
○東中分科員 これは抽象的にならないで具体的な施策を進められるべきだということを強く要請しておきたいのですが、同時に、復帰に伴う通貨切りかえによる一連の措置が経営にどれだけ影響をしたかという問題について、約七〇%の人が悪影響を受けた、建設業は一〇〇%、サービス業は八六%、製造業は七二%、それぞれ経営に悪影響を受けたというふうにいっています。そして続いて今度の円の切り上げ問題が起こってきているわけですから、このドル・ショックと復帰ショックというのですか、ということで、この円の切りかえによる悪影響というのは非常に大きかったわけですが、これもまともな処置がとられないままできておると思うのです。開発庁、その点はどうなんでしょうか。
○岡田政府委員 御質問の点に当たっておるお答えになっておるかどうかわかりませんけれども、少くとも円の変動相場制移行に際しましては、直ちに沖繩開発庁長官名をもちまして沖繩金融公庫の理事長に通達を出しまして、中小企業を中心にいたしまして、その中には本土と同じように輸出関連業者はもとより、それ以外に沖繩の特殊事情といたしまして、いわゆる特免業者、基地内のランドリーでございますとかいろいろございます。そういうふうな軍関係業者等も含めまして、できるだけの配慮をするように、緊急な融資、できる限りの配慮ということをやるようにということを通知しております。 なお、資金ワクにつきましては、現在御承知のとおり、中小企業、生業資金合わせまして百二十億ございますから、いまのところ十分ゆとりありと見ておりますので、対応できるものというふうに考えております。 先般の円変動相場制移行に対しましては以上のとおりでございます。今後のことはまたよく関係省庁と御相談していきたい、こういうふうに思います。
○東中分科員 二月の二十一日に県庁で沖繩輸出縫製品工業協同組合、それから沖繩縫製品輸出協会、それから沖繩県コンセッショナー協会、沖繩県工業連合会、こうしたそれぞれの団体の代表が集まって要望事項を出しておるようであります。これに対してどういう処置をとられるのか。まず第一は、ドル切り下げ、円のフロートから生じる為替差損の補償を要求しているようでありますけれども、これは政府へ出してきているかどうか知りませんけれども、そういう点についてはどういうふうにお考えになっているか、どうでしょう。
○岡田政府委員 いわゆる復帰前の問題と復帰後の問題とを分けまして、復帰前いろいろ問題がございました当時は琉球政府でございました。ドルが通用されておったという時代の円に対する措置、それの影響という問題、それから復帰後の今回の円変動相場制移行の要するに全国的な問題と、分けて考えなければならないと思います。 復帰前の問題につきましてはいろいろ手当てを講じてまいりましたが、重ねてそれも関連がございますので、公共用地その他の先行取得に前提を置きまして、先行取得関係の開発基金に対する助成十億、向こう三カ年間では三十二億という措置をいたしておりますので、それをもってすべて措置をしたというふうに考えております。 復帰後の問題につきましては沖繩だけの問題でございませんので、輸出関係業者を中心にいたしましていろいろと困ると申しますか、実際の影響を受ける向きがあろうと思います。これにつきましては、よく中小企業庁等と先ほども申し上げましたように相談いたしまして、沖繩の関係業者の日本の本土に比較して多い事情も、また零細であるという実情もよく御相談いたしまして、今後のこととして相談していきたいというふうに考えます。
○東中分科員 縫製業は、七一年のドル・ショック、さらに復帰ショック、いわゆるダブルパンチのあと、まだその影響が残っている状態での今度の問題ですから、非常に切実な要求を出しているようであります。そういう今度の問題は、全国一緒だというわけにはいかない過去の事情があるわけですから、その点も十分考えての対処が必要だと思うのですが、それから同時に、中小企業製品の為替予約制度をつくってくれというふうな要求、あるいは過剰設備の買い上げ資金の増額をしてくれということを言っておりますが、そういう点についてはどうでしょうか。
○原山政府委員 中小企業の製品に対する為替予約の制度は、一般的な全国的な措置といたしましてすでに実施いたしておりますので、沖繩の製品についても実施されることになるというふうに思います。ただ設備の買い上げ等につきましては、なお全般の状況を慎重に検討してみなければならない、こういうふうに思います。
○東中分科員 過剰設備買い上げ問題については、これは全国的に同じような問題があるわけですけれども、先ほど言いましたような沖繩でのダブルパンチが、沖繩的特殊な歴史的条件があるわけですので、そういう点での考え方というのは、これは特別に、全国的に軽視するということではありませんけれども、特別に実態調査を早くやり、対処しなければならぬことだと思うのですが、大臣、その点どうでありますか。
○中曽根国務大臣 同感に思います。沖繩はともかく経済的には困難な事態にあるとわれわれ考えられますので、いろいろ特に念を入れて、早目に実行いたしたいと思います。
○東中分科員 時間がありませんが、特免業者について、特にいま基地内で理容、美容なんかを担当している特免業者ですね。これはドル支払いですから、ドルの切り下げで直接影響してくるわけなのですが、米軍側は料金の改定をやらないということがあって、非常に経営がやっていけなくなった。そこでそこの関係の労働者も離職せざるを得ないというような問題が起こってくるわけです。特にドルで直接払われる問題については、たとえば理容の場合、ヘアカットは八十五セント、ドルが切り下げられても、変動相場に変わっても、やはり三百八円のときと同じ金額、いま二百六十円ぐらいで実際にはやっているようです。こういう事態になっているのです。その他たとえばコザなんかのホテルを見てみますと、これは一例ですが、二十五部屋を持っているホテルですが、大体いままで二十名近くの客がいた。常客が三名いた。ところが今度ドル切り下げ以後、六、七名ぐらいになった。これで大体五〇%以上の客がいないと経営は成り立たないというのが常識なのだそうですが、米兵関係の分ですが泊まらなくなった、こういうことで切実になっているわけですね。実際上はドルで支払いをするから、二百六十円で換算をしてドルの価格をつけると、今度はもうお客が来なくなって経営が成り立たない。そうでない、いままでのままのドルでいかれると、お客はあっても今度は経営が成り立たない。こういう本土にない特別な日常的な問題が起こってきているわけですが、そういうものに対する具体的な手当てというものはどういうふうに進められておるのか。特に全沖繩理容・美容労働組合からも、これはもう切実な問題として、生活にかかわる問題として、いま出されてきておるわけですけれども、その対策なり処置なり、お聞きしたいと思います。
○岡田政府委員 ただいまおっしゃいました基地内の理容、美容といったような特免業者の方に対する措置につきましては、金融公庫の融資にあたりまして、先ほども申し上げましたように、要するに特段の配慮に基づいて、現在ある資金の中から、ゆとりがございますので、至急御要望のあるものについては融資上の御相談に応ずるように、処理してあげるようにということを通知いたしておりますので、それによりまして、対処をいたしてまいりたい。それからコザ等の要するに米人向けのいろいろな喫茶、バーと申しましょうか、そういうふうなものにつきましては、内部の改装によりまして、やはりこれからふえる本土からの観光客を中心にした嗜好と申してはなにかもしれませんが、それに対応いたすべく内部改装をいたすというような点についても、金融公庫から積極的に融資をして、新しいスタイルで出発していただけるというふうに考えております。 なおこれは蛇足かもしれませんが、将来にかけてバーとしてはもっと恒久な安定した業務に転換してまいりたい、転業、転換ということを希望される向きにつきましては、さらに低い現行で六分五厘の融資に積極的に応じてまいるというふうな態度で処理しております。 以上のようなことによって対処してまいりたいと思います。
○東中分科員 時間がありませんから終わりますが、沖繩では基地の中に沖繩がある、まだそういう状態で、米兵が直接ドルを使うのがずいぶんあるわけですね。円とドル両方が動いているという状況になっている。これが基地内の特免業者だけではなくて、そのほかの部門でも出てきているわけです。そこから起こってきている問題でもあるわけですね。だからこういう円、ドルが事実上両建てみたいなかっこうになっていること自体、これを処置しなければならぬ問題だと思うのです。それと、これは具体的な対策の問題がある。ドルで支払いがされておるから業者にストレートに影響が来るわけですから、そういう点の対策なり処置なりというものは考えておられますか、どういう指導をされておるのか。
○岡田政府委員 復帰後はもう要するに日本でございます。本来国内流通通貨は円と心得ております。事実上の問題であろうかと思いますが、これは大蔵省なり日本銀行なりがどう御見解があるかということだと思いますが、事実上の問題につきましても、現地からの私どもの得ております情報では、やはりこれからは円でなければいかぬのだ、当然のことといえば当然のことでありますけれども、そういうふうな空気がだんだんと浸透してまいりまして、今回ももちろん円建てで、あるいは円に変わっておってよかったのではないかというふうな声を聞いております。そういうふうな声がやはり浸透していくもの、そういうふうに考えます。
○東中分科員 質問は終わりますが、事実上ドルが実際に動いていることはもう間違いないので、そういう点では本土とずいぶん違うわけです。これはどんどんなくなりつつあるということではなくて、ドルで支払いがどんどんされるという状態が、直接的にストレートに業者にかかってきておるということも見て、これは強力な指導、そういうものをなくしていくという態勢をとるべきではないかということを申し上げ、また具体的な対策も、大臣が言われましたけれども、これは実際に実効ある処置を進めてもらいたいということを要請して終わります。
○細田主査 これにて東中君の質疑は終わりました。 次に、横路孝弘君。
○横路分科員 YXの開発についてお尋ねしたいと思います。 航空機産業というのはこれからの時代の戦略産業と、皆さん口を開けばおっしゃる。今度の予算でこのYXの開発は大臣折衝まで持ち込まれて認められたわけです。しかも四十六年九月の航空機工業審議会の答申とだいぶ違う方向で認められたわけですけれども、YXの開発はその必要性の問題がまず第一、あるいはこの開発の実施主体をどこにするかというような点も含めて、ともかくYS11の総括というのはきちんとやって、そのうえでやらないと、これからはともかく重化学工業中心から知識集約産業にいくのだ。だから航空産業を何としてもやらなければだめだということだけでは、国民のほうは、ともかくYS11に関しては赤字処理で相当な税金の負担をしているわけでありますから、やはりその辺の総括というのをきちんとしなければならないだろうというように考えるわけです。その上でつまり総括というのは赤字の原因というのは一体どこにあって何を獲得したのかということであります。したがって、YX開発においては何を獲得していくのかということが明確にならなければならぬと思うのです。そこで、きょうはその辺のところを議論するわけですが、初めに大臣のほうから、このYS11、今度三百六十億ということで赤字の総額が決定されて、国のほうでめんどうを見ることになったわけでありますけれども、一部民間も持つようでありますが、このYS11の赤字の原因は一体何だというようにお考えになっておりますか。
○中曽根国務大臣 具体的なことでございますから、重工業局長に答弁させます。
○山形(栄)政府委員 お答え申し上げます。 日本航空機製造株式会社でございますが、これはいまお話しのとおりYS11事業を実施するための特殊法人でございます。これがいま御指摘のとおり三百六十億の赤字を出したわけでございますが、この原因、いろいろの原因があると思いますけれども、一番大きな原因はYS11事業といいますのがわが国で初めての国産機開発販売事業でございまして、特に、その販売段階で実績経験が皆無でございましたので、ほかの有力なる外国の会社との競争条件が非常に不利になりまして、相当無理してこれを販売せざるを得ないということに相なったのが最大の原因だと思います。なお、初めての仕事でもございまして、この日本航空機製造株式会社の運営にもいろいろの問題があったことも事実かと思う次第でございますが、いずれにしましても競争会社との、競争を経まして相当借り入れ金をしてつなぐというようなことがございまして、その金利負担が非常に大きな会社の負担になってきたという直接原因もあるわけでございます。総じてこの事業が初めての事業でございまして、非常に販売面等で無理をせざるを得なかったということで、こういう赤字を出しましたことは非常に遺憾だと私反省いたしております。 おおまかに言いますと、そういうことであろうかと思います。
○横路分科員 戦後初めての仕事であって赤字はやむを得ない、ともかく世界至るところに日の丸の民間の飛行機が飛ぶんだからいいではないかと何回も何回も、いままで総理までがそう言ってこられたわけですけれども、一体その責任の所在というものはどこにあるのかということを皆さん方のほうで十分検討されたことがあるのかどうか。責任の所在ですね。
○山形(栄)政府委員 これはただいまも申し上げましたように、いろんな事情で大幅な赤字が計上されました。われわれは監督官庁でございますが、まことに遺憾であるという感じをいたしております。 それから、先ほどお話ししましたように、会社にも非常にふなれな点があった。それから、そういう金融面のいろいろな問題もありまして、責任の所在といいますと、これは全体的に考えるべき問題ではないかと思う次第でございます。
○横路分科員 ともかく通産省の場合だって、この航空機工業振興法の四章で、事業計画から、資金計画から、収支予算から全部大臣の認可事項になっている。そういう意味からまず第一に明確に責任があるわけですね。それからいまの資金の問題だって、そもそも開発費だけしか考えていなくて、量産の資金的な面というのは当初全然考えないまま皆さん方のほうで量産体制というものを指示されたわけですね。百二十機、百五十機、百八十機と、こうなってきたわけですね。四十五年ごろの国会の議論を見ると、会計検査院からも不当事項として指摘があったし、問題というのがやや皆さん方のほうで責任をとられるような体制になってきたと感じられるような体制になってきたと思うのですけれども、その辺のところを実はYX事業の中でどういうぐあいに生かしていくかということが一つ問題としてあるわけです。赤字というものは相当なものですから、そんな意味で赤字をどうしてこういう形で民間と国の負担割合をきめたのか、あとでお尋ねをしていきたいと思いますが、その前に大体この販売価格一つとってみても、非常にわからないのです。これは非常にまちまちになっていますね。販売価格等についてはどういうように、原価計算なんかきちんとされているのですか。
○山形(栄)政府委員 販売価格につきましては、いま御指摘のとおりコスト分析は当然しておるわけでございます。これに正当なる利潤を入れまして当初一機四億五千万円ということでスタートいたしたわけでございます。御存じのとおり、これは飛行機に限らずこういう金目がかかって、かつスタンダードのきまっておりますような商品につきましては、価格を毎日のように変えるということは実際上不可能でございます。ある一定期間その売り値というものは固定いたしまして、それでその営業活動をやらざるを得ないと思うわけでございますが、何ぶんにも当初予定どおり販売の実績も上がらず、かつ競争会社の競争機との関係で、実質的には値下げをせざるを得ないような面がございました。そういう販売上の問題と、もう一つは国内のコストアップ要因が当然ございまして、その二つの要因から数回にわたって価格改定を行なっておるわけでございますが、その場合におきましても、競争条件から若干それを下回って売るというようなことがありましたことは事実でございます。そういうような価格の形成といいますか、価格の推移というのはそういう状態で推移したわけでございます。
○横路分科員 標準価格というのは五億五千万でしょう、四億じゃなくて。
○山形(栄)政府委員 若干詳しく申し上げますと、標準価格の一番最初、これが三十九年三月に設定されましたわけでございます。このときは先ほど言いましたように四億五千万で始まりまして、その後四十年十二月四億五千八百万、四十一年五月四億八千万、四十二年十月五億四百万、四十三年三月五億二千四百万、四十四年九月五億五千万円、これは型式で言いますとYS11の二〇〇型というものでございます。現時点では、したがいまして一番最近時の設定標準価格は五億五千万でございます。
○横路分科員 一昨年の四月から昨年の三月までの間にこの売られた飛行機の販売価格をとってみても、たとえば東亜国内航空TDAに売っている価格一つとってみても、たとえば一五七号機というのは五億六千八百万で販売されている。一六六号機というのは四億七千二百万ですね。売っている時点というのは、たとえば一五七号機というのは昭和四十六年の三月三十一日契約で五月八日引き渡しになっているのです。一六六号機というのは四十六年十月六日契約で十月九日引き渡しになっているわけですね。そんな意味でみますと、価格は一億違うわけですよ。あるいは一六五号機を南西航空に売り渡しておりますが、一機五億八千万で売っているわけです。ところが、TDAには、一六六号機は、いまお話ししたように四億七千万、こういう差というのは一体どういうことで出てくるのか。防衛庁あたりに引き渡しているものは、いろいろな要素というものが出てくるからわかるのですが、同じ民間航空の東亜国内航空あるいは南西航空に引き渡しているYS11の販売価格がこんなに違ってくるというのは、これはどうもふに落ちないわけですよ。一体何をやっているのかということですね。赤字の要因というのはいろいろな問題があると思うのですよ。これから時間のある限り指摘をしていきますけれども、大体これ一つをとってみても、一体ちゃんとほんとうにコスト計算をしているんですか。
○山形(栄)政府委員 コスト計算は、先ほど申し上げましたように一機当たりある幅で販売をする前提でもってはじいておりますので、それは一機ごとにやるわけでございませんけれども、ただいまの御指摘の東亜航空一五七号、一六六号といいますのは、詳細手元に資料がございませんが、この一六六号は即金払いで販売をいたしたわけでございます。一五七号のほうはこれは延べ払いに相なっておりまして、おそらくこの両者間の差は、その支払い条件の差の反映ではなかろうかと思います。 それから南西航空等のことも、ちょっと詳細ではございませんけれども、これは売りますエアラインの実力、そこの支払い条件が、やはりこちらからの便宜の供与等が売り値には当然反映するわけでございまして、そういう意味でエアラインごとの、現実の販売契約ごとの若干の違いというのはそこに発生するのじゃないか。なお総じてYS11というのは四十七年度で生産を打ち切るということが公表されておりまして、商売の常道といたしまして、生産が打ち切られるまでというのは、打ち切られる寸前というのは、いわゆる俗なことばでいう買いたたきの要素が出ることも事実でございまして、最近の売り値にはそういうことも若干反映しておるわけでございます。
○横路分科員 売り上げの製造原価はどうなっておりますか、わかりますか。
○山形(栄)政府委員 四十六年三月ごろの資料でございますが、売り上げ原価は、製造原価で五億七百万でございます。
○横路分科員 その辺のところ、私のほうで調べてみますと、販売価格から売り上げ製造原価からずいぶんばらつきがあるんですね。そこで、皆さんのほうでこの日航製の関係を調査されて、航空機工業審議会の政策小委員会の中に、この会社についての経営改善専門委員会というのができましたね。その経営改善専門委員会の報告書を、これは国会のほうに提出していただきたい。とりわけ去年の九月の四日まとめられて、十月の九日に政策小委員会で承認されたのがあるでしょう。それと、四十六年のこの答申にあたって検討された企業財務の内容を検討したものがありますね。これは結局去年のものは、ことしのこの予算の赤字総額を決定する際の最大の参考資料になっておるようでございますから、これはぜひ二、三日のうちに国会に提出をしていただきたいと思います。
○山形(栄)政府委員 そのように取りはからいたいと思います。
○横路分科員 これを見てみると、ともかく体制自体についてもやはりまだまだ問題があるわけですよ。たとえば、あれはどこでしたか、全然お金は一銭も入ってきてないというのがあるでしょう。リースですか、ランサ航空の二機の分なんというものは一銭も金が入っていないでしょう。
○山形(栄)政府委員 御指摘のランサ航空につきましては、リースで販売いたしまして、最初の段階はリース料が入金に相なっておったわけでございますけれども、最近、リース料が不払いに現時点ではなっておりますことは事実でございます。
○横路分科員 その辺のところを含めて、やはりどこに問題があったのかということを明確にしてもらいたい。つまり赤字の原因ですね。そのために、その点の資料を提出されるということですから、これはぜひ早いうちに出していただきたいと思います。それから、やはりこの赤字の原因は経営のそういう体制にもあるわけですけれども、その体制の中で在庫管理一つをとってみても非常に無責任で、三菱あたりで飛行機をつくっておいて、保管料、倉庫料だけでももうばく大なものを払っているわけでしょう。いままで全部計算するとたいへんな額ですよ。どうしてそんなことになるかというと、やはり一つは、どこでも指摘されているのだけれども、これは天下りが相当いるんですね、大臣。歴代の役員二十七人のうち十六人が天下りです。通産省からもかなりたくさん入っている。たしかいまの代表取締役もそうじゃないですか。そうですね。通産省からですね。そうしてどういうことかといえば、たとえば国会でこれが問題になって、例の会計検査院の不当事項の指摘があったあと、責任をとってやめられたのかどうか知りませんが、あの辺の前後で役員の方がずいぶん交代されておりますね。これも政労協という機関でいつも問題にしておりますけれども、一年か二年おって百万、二百万という退職金を払い、四、五年で一千万近い金をぼかぼか、国会で不当事項だといって問題になってやめた人についても払っているわけですね。これは一人一人名前をあげていってもいいと思いますけれども、そういう体制ですね。やはりそこに大きな一つのポイントがあるのじゃないですか。大臣、その辺のところは御存じですか。
○山形(栄)政府委員 ただいま先生の御指摘のような、まあ寄り合い世帯といいますか、そういうことに伴う能率の悪いという点は確かにあったと私は思いまして、一番最初にそれは申し上げた次第でございます。しかし、この日本航空機製造のYS11の開発というものは、非常に官民あげてこれをやるというかまえで発足いたした事業でございますので、いま先生の御指摘のような形がとられておったのだと思います。その間いろいろと、そういうことが直接原因ではないにしても、在庫管理上の不備等もありまして、会計検査院の御指摘も受けた次第でございますけれども、こういう反省を一つの反省材料といたしまして、今後のYXの進め方につきましては、できる限り能率のいい形をとるべきではないのか。かつ在庫問題、資材の調達問題、中間におけるそのチェック機構等等につきましても、民間の非常にすぐれている能率性を導入すべきであると考えております。ちょっと先走りますが、したがいまして、いまわれわれのほうでYXの推進をいろいろと考えております現段階におきましては、これの推進母体につきましては、民間のそういう能力といいますか、そういうものの積極的な導入をはかっていきたい、こういうかまえ方で現在検討準備中でございます。
○横路分科員 大蔵省の方はおられますね。 結局これは日航製をつくって、機体メーカーというのは損したかといえば損していないでしょう、生産委託方式をとって実費補償主義でやっているわけですから。ともかく絶対損はしていないわけですよ。そこで、この赤字の負担を、政府と民間との負担の割合をこういうふうにきめたのは、これはどういうわけですか。
○禿河説明員 YS11の赤字処理の問題につきましては、航空機工業審議会、それの御意見も伺い、通産当局ともいろいろ御相談をいたしたわけでございますが、現時点におきまして、先ほどもお話がございましたように、今後のアフターサービス等も考えまして大体三百六十億くらいの赤字が予想されるわけでございます。それの官民の負担の問題でございますけれども、各国の国の負担の状況、それから民間機体メーカーのYS関係の事業の状況、そういうものをいろいろ勘案いたしまして、結局資本金といたしまして総体が七十八億でございますが、それを全額凍結する。これは政府出資が四十二億、民間三十六億、こうなっております。それを凍結いたしまして、残りのものにつきましていろいろ各般から検討いたしました結果、二百四十五億程度を国が負担し、民間が三十六億ということで決定いたしたわけでございます。
○横路分科員 そうすると、これは特に根拠みたいなものはないのですね、数字的にこうだからというようなことで。
○禿河説明員 こまかいと申しますか、きちんとして何%を民間が持つべきだ、こういう算定の基準はございませんけれども、機体メーカーが現在日航製に対しまして相当額の資金を債権の形で持っております。それの負担金利の状況、そういうものを勘案してきめたわけでございます。
○横路分科員 結局は機体メーカーは損していないんでしょう、全然。みんなかぶったのは日航製でしょう。これは通産省、どうですか。資金の、最初の出資は別ですよ。要するに製造そのものの過程の中では損していないわけでしょう。
○山形(栄)政府委員 機体メーカーはまず資本金のたな上げ凍結ということで、まあいわゆる損をかぶったわけでございます。それから、現在製造資金につきましてはNAMCOとの間で手形でやっておりますが、これがなかなか支払いが立ちませんで、それがころがっておるわけでございますが、それに関連する金利が当然に入手できないということでございまして、いま主計官のほうからお話しの民間負担といいますのは、主として金利相当分等のたな上げを前提に考えたわけでございますので、資本金の分と、それからいまの三十数億の損失というのはメーカーが負担するわけでございます。
○横路分科員 どうも時間がないので……。 ともかくこう見ておって、ほんとうはこまかく議論したいところなんですが、もう時間があと五分しかないということで、しかも実は同僚の阿部議員が私の前に質問することになっていたのがちょっと都合でやられなくなったものですから、その分もちょっとお聞きしたいことがあるので、こまかい議論は別に通産省の設置法のときにでもすることにして、結局見ておると、要するに日航製の幹部というのは天下りで退職金をかせいで、通産省のほうは——皆さん方に一番責任があることなんですけれども、これだけ赤字を出したって、結局は国民が負担すればそれで済むということですね。メーカーは損していない。結局だれが一番あれかというと、一番不安に思っているのは日航製の従業員なんですね。つまりYS11の開発をやって何が残ったか。何か残ったものがあるかということが実はYXの開発につながっていくだろうと思うのです。やはりそれは技術や管理やサービスのアフターケアの問題を含めたノウハウという問題だろうと思うのですね。そうすると、本来ならばそれがYXへの貴重な財産になって引き継がれていかなければならぬ。 その辺のところは去年の予算の分科会でも議論されておって、当時の田中通産大臣はずいぶんいろいろなことをおっしゃっているわけですよ。田中さんはここで、つまり、去年ですからおととしくらいですが、YXの開発が一時ちょっと先行きがどうかということで、日航製の従業員の中に不安があってやめていく人がどんどん出てきたわけですけれども、その問題の質問に対して田中さんはこういうことまで言っているんですよ。先行き不安を感じている人はいるだろう。他の会社に移ろうというのをとめるわけにまいらない。——田中さんの答弁ですが、「しかし、私もいまあなたの御質問に答えて公式な発言をしたわけです。」これだけ公式な発言をしている。つまりどういうことかというと、日本の航空機産業のメッカとしてこの日航製というのは温存して拡大をしていく。それを、開発の核たらしめる任務を遂行さしていこうじゃないかという発言を田中さんはここで繰り返し繰り返し何回も、塚本さんに対する答弁、阿部さんに対する答弁の中で行なっているわけです。だから希望があるんだ、これで一年間待とうという人たちは確かにあるだろう、それを意識して申し上げているんだというような発言までして、そしてじゃ一年間希望をつないでやろうかということに実際に入ってみて、今度は大蔵省のほうの査定でもって人員削減でしょう。結局全部が全部そのYXにもちろん移れるわけはない。アフターサービスの問題、アフターケアの問題がありますね。YSだってまだあと十年くらい続くわけでしょう、日航製だって。 そうすると、いまのような状況の中で皆さん方がこの開発をやってきたものが、もしそういう意味でのノウハウだとしたら、これはやはり次のYXにつなげていくべきじゃないか。YXの議論は議論として別にやるとして、当面差し迫った緊急の問題としてあるのは、この人たち、技術陣の問題なんです。技術陣といいますか、こういう一つのせっかくいままでの苦労の中で得てきた——しかもある意味じゃ国民がばく大な税金を払ってその赤字分を出してやろうというわけですよ。そこのところをどう考えているのか。しかも大臣が国会でこういう答弁をするもんだから、みんな期待をして残っていたら、はいだめです、あなた方さようなら、これではもう踏んだりけったりです。どうなさいますか。
○中曽根国務大臣 前通産大臣の答弁は私もよく知っております。YS11の技術あるいは技術者というものは、非常に貴重な国の資産であると思います。したがいまして、今回われわれがYXに踏み切ったのも、ああいう技術あるいは人員というものの基礎の上に立って、もう一ぺん前進させようという意図から考えてやっているところもございます。そういう意味において極力人員の拡散を防ぐ、あの技術を重用していける方途を講じていきたいと思います。
○横路分科員 具体的にはどういうぐあいになさいますか。
○中曽根国務大臣 研究開発等、主として調査になりますが、その協会ができるはずでございますけれども、その中に人員、技術で活用できるものは極力活用する、こういう考え方であります。
○横路分科員 これは技術ばかりじゃないですね。たとえば管理の方法一つだって、全くわかんなかったわけでしょう。これもほんとうはあるんですよ。たとえば人員の問題や日航製の将来の問題を議論すれば、五十一年度あたりからがあっと人が減ってしまうわけですよ。これで世界じゅう飛んでいるYS11の部品の供給その他を含めて技術指導、SBだって出さなければならぬわけでしょう。そういうような指導がちゃんとできるかどうかだって非常に大きな問題があるんです。詰めた議論をする時間がないのがちょっと残念なんですけれども、確保する、こうおっしゃったって、いまの現実の日航製の力でいまの準備段階のやつにきちっと全部送り込むようなことができるのかどうか。皆さん方のほうで、たとえばこういうことまで言っているのです。日航製のほうは、去年の夏でしたか社長が通達みたいなものを出して社員を集めて、動揺を起こすな、心配ない。出向、たとえば東亜国内や宇宙開発事業団へ出向しているでしょう。出向させているのは結局その技術を温存するためにやっているんだから、いずれ必ず戻れますよ。こういう約束をしておって、いまになって、出向していったものはそのまま戻ってこなくてよろしいみたいな方向で何とか解決しようとしているわけでしょう。具体的にどうするか。全部引き継いでやらせますか。日航製に必要な人員は、必要な人員として確保しなければならぬでしょう。それを別にして、あと全部そういうことでもってYXのほうに引き継いでやられますね。
○山形(栄)政府委員 現在四十八年度のYXの計画をどうするか検討しておる段階でございます。いま御指摘のとおり、四十八年度にとどまるものではなく、その後のあとの年度につきましても事業計画及びそれに伴う人間の計画が当然あるわけでございまして、現在はそれが検討中でございます。ただ先ほど通産大臣から御答弁願いましたように、日本航空機製造の技術陣、調査陣、販売陣というのは、これは日本で初めての経験をした貴重なる人材でございますので、今後のYX開発にあたりましてもできる限りこの温存をはかり、その拡散の防止をはかりたい。したがいまして、全従業員に対しまして不安、心配がないように、われわれ監督官庁といたしましても配慮していきたい、こう思っておる次第であります。
○横路分科員 これは大蔵の査定にあったのでしょうけれども、四十八年度で人員百五十名ですね。YX関係の人員は会社のほうでは八十名と言っている。差し引くと、四十八年度において七十名余剰になるわけです。これは日航製のほうで日航製の労働組合に提示している人員整理の案ですね。七十名余剰なんです。ですから、その辺のところをきちっと押えられて、拡散を防ぎたいと口で言ってみたところで——去年一年間待てということで待っていたわけです。待っていたら、ぱっとこういう案が出てきた。中はてんやわんやになっている。こういう現状になった責任は、皆さん方通産にあるわけです。その辺のところをきちっと見てください。ともかく技術者にしても何にしても、みんな若い人が多くて、ある意味では夢を持って会社に入ってきた人が多いわけです。それを、ほかに転職するんだ、転職のあっせんをしますよ、こういわれても、これはちょっとやり方として皆さん責任をとったことにはならぬのじゃないかと思います。時間がなくなりましたので、その点最後に約束をしてください。
○山形(栄)政府委員 たびたび申し上げますように、現在詳細な計画はできておりません。しかし基本的な考え方といたしましては、拡散を極力防ぐという点につきましては再度申し上げる次第でございます。 なお、会社側が七十名云々というのは、私のほうはまだ正式に聞いておりませんので、なおその辺もよく事情をあれいたしまして、御趣旨のような線でできるだけ進めたいと思います。
○横路分科員 終わります。
○細田主査 次に、竹本孫一君。
○竹本分科員 私は中小企業の問題を中心に二、三お伺いをいたしたいと思います。 大臣もよく御存じのことと思いますけれども、最近における中小企業は、内外において非常に困難な条件が山積をいたしております。あるいは労働力の問題もありますし、自由化の問題も、開発途上国の追い上げの問題もありますし、特に最近におきましては、円切り問題もあれば、また商品投機に関する規制の法律をつくろうという問題も前面に出てきておるように、原材料の入手というものが非常に困難になりまして、中小企業の苦しさというものは一段と深刻さを増してきておると思うのであります。そうした点におきまして、大臣は、現在中小企業の原材料入手難というものが想像以上に深刻なものであるということをどういうふうに受けとめておられるか、その点をまずお伺いいたしたいと思います。
○中曽根国務大臣 この点はわれわれが考えている以上にそういう困難に直面していると想像しております。最近の話でありますと、たとえば段ボールの箱とか紙であるとか、そういうものまで不足してきているのではないかというようなことを聞いておりまして、できるだけ対策を打っていかなければならぬ、こう思っております。
○竹本分科員 そこで、きょうは具体的な例を一つ申し上げてみたいと思うのですけれども、たとえば印刷業におきましては最近は用紙類の供給不足で、極端な場合には仕事がもうできなくなるというような深刻な問題が各地に起こっております。しかも入手難につけ込んでといいますか、商品投機の問題にも関連いたしますけれども、一つの例をいえば、たとえば愛知県あたりにおきましては、紙は、去年の六月、七月、ことしの一月、二月、こういうふうに相次いで上げております。値段が上がる。おまけに入手難である。玉が確保できないということになりますと、全く中小企業は困るわけでございます。 私は、ここで大臣に提案をしたいと思うのですけれども、商品投機に関する物統令が改正して発動されるか、あるいは新しい法律ができるか、現在まだ決定的になっておりませんが、そういう法的規制に入る前に行政指導ということもありますので、ひとつ行政的に政府が手を打ってみられたらどうであろう。すなわち、どこかでそういうことをブロック別にあるいはお考えになったというようなうわさも聞いたのですけれども、紙について申しますならば、紙の需要者である印刷業者その他、それからメーカー、問屋さんといったようなものをブロック別、通商局のあるところ別に一通り集めて、需給は一体どういうふうなバランス状態であるかということについて懇談してみれば、当局の指導よろしきを得て——あるいはこういうむずかしい入手難の問題というような決定的なものもありますけれども、ある程度は解決できるというように私は考えるわけでございますので、そうした関係業者をブロック別に集めて全国一斉にといいますか、法の発動とかいうことを考える前に、まず協議懇談の場を持ってみる、そういう形をひとつ通産省で指導していただいたらどうかと思いますが、この点いかがでございますか。
○中曽根国務大臣 その御構想はたいへんけっこうな御構想であると思いますから、帰って検討いたしまして実行してみたいと思います。
○竹本分科員 貿易業者を集めていろいろ懇談もされておるような際でございますので、これは問題が深刻化しない前に早目に取り上げていただきたいということを要望申し上げて、次に参ります。 日本では、紙に関しては生産、消費とも世界の水準のちょうど倍で、よそが五%ぐらいの生産、消費の伸びであるのに、日本は一〇%ぐらい伸びておる。そうすると、供給も一〇%伸ばしていかなければならぬ。これからの一〇%は、公害の問題もあり原木の問題もあって、設備投資が十分いかないということになれば、たいへんこれはむずかしいことになると思いますが、そうした場合に、長期的に見て、紙の場合なんかにおきましては、あるいはブラジルとか、あるいはその他の地域に、アラスカとかに出ていこう、海外に進出をしていこうという考え方もあるようです。それもまたそれなりに私は評価をいたしますが、しかし、それが現実に紙が入ってくるまでには何年かかかるでしょう。その間のつなぎは一体どうしてやるかということが、これからの大きな問題であろうと思います。その一つの方法として、輸入を増大するということも考えられるのですが、輸入の自由化は紙についてはやられておるようだけれども、はたして入っておるのか、入らせるのか、この辺について具体的な動きをひとつ御報告をいただきたい。
○齋藤(英)政府委員 輸入の問題から申し上げたいと存じますが、輸入につきましては現在のところ、ここ二、三年でございますけれども、一般的に需給がタイトでございます。当面の問題といたしまして、輸入にそう多くの量を依存するということはむずかしいのではないかというふうなのが見通しでございます。しかしながら、国内面でございますけれども、先ほどお話がございましたようにブラジルその他にいろいろ進出をする計画をつくっておりますが、それまでの中間段階といたしまして、御指摘ございましたように国内の新規立地が、あるいは用地、用水の問題でありますとかあるいは公害の問題だとかいうことでなかなかむずかしいのではございますけれども、私どもといたしましてはなお公害対策等には十分の配慮を払いながら、現在印刷紙につきましても二、三増設の計画を持っておりますし、かつそれが進んでおります。おそらく本年の夏ごろであろうと思いますが、逐次操業を開始することになると思われますので、中期的にはその操業によりまして国内供給が行なわれるような動きにあると考えております。
○竹本分科員 こういう問題も、やはり政治にはタイミングが一番大事でありますから、タイミングを失しないようにひとつ行政指導はてきぱきと、あるいは施策を講ずる面でもやってもらいたいと要望して、次に参ります。 紙の問題では最後になりますけれども、先ほど申しましたように供給が不足である、値はどんどん上がっておる、輸入もなかなか簡単にはいかない、こういうことでございますので、あるもの、ある力を最も能率的に動かすということがこれからの一番大事な問題だろうと思うのです。その場合、日本の自由主義経済のいいところでもあり、また悪いところでもありますが、このバラエティーが多いということは自由経済のいいところだと思うのです。しかしバラエティーが多過ぎるということが、今回またいろいろの混乱を来たしておる。流通の問題でも、生産の問題でもあるいは価格の調整の問題にしても、複雑怪奇でバラエティーが多過ぎる。紙の銘柄等についていうならば二十六万とかあるというふうな話も聞いておりますが、あるいはそのくらいあるかもしれません。 そこでひとつ、これも提案でございますが、紙だけではない、すべてのものについて、大きくいえば自動車についてもそうですけれども、あまり趣味趣向を尊重するというか、あるいは業界の過当競争のために商品の種類が、バラエティーが多過ぎる、それが今日のように供給不足というような問題になりますと非常にものごとを混乱させる。そこで、紙についても銘柄を思い切って整理して、半分にすることもできるでしょうし、二割程度に圧縮することもできるでしょう。いずれにしましても、こういう物資不足のおりからは、とにかくバラエティーが多過ぎるために生産が間に合わなかったり、能率があがらなかったり、流通機構が混乱をしたりしておりますので、紙の問題についても、銘柄をもう少し思い切って整理統一するということ、その他一般的に通産省が御管掌になっておるすべての商品について、もう少しバラエティーを簡素化することによって経済の効率を思い切ってあげるということを考えるべきだと思いますが、いかがでございましょうか。
○齋藤(英)政府委員 御指摘のとおり紙の銘柄あるいは規格、規格と申しますと寸法ということになるわけでございますが、規格だけでも一万五千種ぐらいございますが、銘柄を入れますといま御指摘のとおりの数字になるわけでございまして、そういうふうに銘柄、規格がかなり多いものでございますから、ことに流通段階におきましてこれが非常に種々の問題を生じておるということでございます。したがいまして現在業界では、昨年の六月からでございますけれども、紙類の流通対策本部というものをつくりまして、規格の統一でございますとか、あるいはパレットプールと申しまして、運搬の器具でありますパレットを一連的にプールをして、流通の合理化をはかりたいというようなこと、あるいはメーカーと代理店と卸売り商、そういうものを一体とした情報交換のシステムをつくりたいというふうなことで、いろいろ印刷業界等需要業界とも非常に密接な関連を保ちながらその具体化をいまはかっておる最中でございます。したがいまして、これが成果をあげますならば現在の流通関係の諸問題は相当程度解決をし、印刷業界等にも現在よりは改善されたかっこうで対処していけるのじゃないかというふうに考えております。
○竹本分科員 これは大臣、いま紙の問題について御答弁ありましたけれども、紙だけの問題ではない。すべて日本ではいま申しました自由主義経済の行き過ぎの結果、バラエティーがあり過ぎて規格や銘柄が多過ぎる。そのことが生産コストを上げたり流通機構を混乱させたりしておるのでありますから、通産行政全体を通じてこの際再検討すべきではないかと思いますが、この点について最後にひとつ。
○中曽根国務大臣 よく検討してみます。
○竹本分科員 次は中小企業の協同組合のあり方について一つ、二つお伺いをしたいと思います。 中小企業等協同組合法の第一条を読めば、大体中小企業の協同組合というのは相互扶助の精神に基づいて協同していきたい、それから公正な経済活動をひとつ刺激してまいりたい、いろいろ努力をしてその組織もつくりますが、その結果、最終的には業界の自主的な経済活動を促進するということが一つのねらいになっておると思うのです。間違いがありますか。
○原山政府委員 中小企業等協同組合法第一条にあります。先生の御指摘のとおりであります。
○竹本分科員 そこで、中小企業の協同組合をつくる場合には、協同組合というのは適格要件を備えておればいわば認可というのだけれども、実際は届け出みたいに届け出をして適格条件を持っておる、よろしい、認可だ、認可だということになりますが、そこでまた協同組合自体の過当競争という問題が出てくるというのでその点をお伺いしたいのですけれども、届け出さえすれば大体認可ということになるのであるか。またそれを認可する場合には、一体地域の需給のバランス等も考えながら、大体これだけの業者がおればこの地域についてはけっこうだ、あるいはこの点については十分だということが一つの基準になっておるのかいないのか。要するに資格さえあれば、言うてくる人さえおれば幾つでも同じ県の中に同じ業種について協同組合を認められる方針であるかどうか、認められる方針であるとすれば、その結果経済の過当競争や混乱を招くと思うがその点についてはどうか、そこをお伺いいたしたい。
○原山政府委員 事業協同組合につきましては、設立の法制定の経緯から見ますと、当初は公証人の認証ということでございまして、現在は認可ということになっておりますが、中小企業者が相互扶助の精神に基づきまして自由に設立されるというふうなかっこうになっておりますので、先生先ほどお話しございましたが、適格要件を備えていれば認可というふうにいたしております。 なお手続き的に非常に幽霊組合というふうなものができてくるというような点につきましては、昭和四十四年七月四日の中小企業庁長官の通牒によりまして、組合の申請にあたっては、よく現地に出かけていって現場で確認しろ、あるいは資格のない人が入っておるかどうか、その辺を中央会等を通じましてよく確認しろ、それから印鑑証明をそれぞれとらせるというふうなかっこうで、いたずらに権利だけ取って眠るようなかっこうの組合は排除するという方向で認可の運用方針を指導しておるところでございます。 ただ、先生御指摘の一地域に一業種というふうなかっこうで相互にオーバーラップしないように認可したらどうかというふうな点につきましては、もともと組合の目的が相互扶助の精神に基づいて、だれでも自由に結社するというふうなたてまえでございますので、この点、そういうことについては組合法を改正する意思は現在のところ持っておらないところでございます。
○竹本分科員 そこで大臣にお伺いしたいのですが、事務的に見ればいまの御説明のとおりになると思うのですね。しかしながら、極端に言えば、資格さえ持っておれば次から次へ幾らでも認めるんだということになりますと、ここの第一条の目的にも、公正な経済活動が与えられる機会を確保するのが目的だと書いてあるが、ところが、文字どおり業界が過当競争になって、公正なる競争の条件というものを、たくさん認可することによってみずから破壊してしまうという場合が現にあるのですね。そういうことについて、適格条件ということさえあれば認めるという従来の方式は、これから協同組合を数多くつくろうという段階においてはそのとおりでいいと思うのですが、しかし、極端に言うと、でき過ぎて、公正な競争を、秩序を、むしろみずから破壊するというような段階になったら、これは法の運用を変えなければうそだと思うのですね。ばかの一つ覚えで、どの段階になっても同じような考え方でいくということは間違いで、あるいはそういうふうになっておるとするならば、そういう法律の改正を試みないということは怠慢でしょう。運用によって新しい時代の情勢に対応するか、運用は運用だけでは間に合わぬというならば法の改正をやるべきなんです。法の改正もやらないし、運用の方針も検討しないで、ただ、いまのままで続いていく、その結果は公正な活動がむしろ阻害される、そういうような情勢になって、なおかつ平気でそのままやるということはおかしい。そういう意味で、一つはその運用に手心を加えるべき段階に来ておると思われるか思われないか。また、それについて、運用だけでは間に合わぬと言われるならば、法の改正を考えられるかどうか。 それからもう一つ、時間がありませんからついでに申し上げますが、いま、通達を出したとかいうようなことで、現地を調べるというようなお話もありましたが、全部について、でたらめな申告はないか、インチキな組合員をつくってはいないかということをはたして調べておられるかどうか。また、調べたとしても、どの程度に調べておられるか。虚偽の組合員をつくって協同組合をつくっている例があるが、そういうものについて調べられたのかどうか。 時間がないから一々具体的なことは申しませんが、その三つだけを伺いたい。
○莊政府委員 組合の設立及び認可に関する基本問題で、非常に重要な問題だと思いますが、この協同組合法が自主的な組織をつくらせるのであるということを目的にも書いてありますが、これは中小企業基本法でも述べておりますように、中小企業というのは、大企業に対して、経済的社会的にどうしても不利な条件のもとに立っておる。これの不利益の是正と申しますか、こういうことがやはり政策の重要な面であるということを、基本法の中でも、前文等でも述べておりまして、目的にもうたっておりますが、これを受けまして、中小企業が個々ばらばらでなくて、自主的な組織として、組合をつくって共同事業を行なっていくことによって、生産についても、受注についても、販売についても、あるいは金融の担保力についても、その不利益な面を補強いたしまして、より経済力の強い大企業との間の競争関係というものの条件を改善し、それによって中小企業の公正な経済活動の機会を広げる一助にするということでございます。 それで、自主的な組織ということが従来から協同組合の重要な理念になっております。そういう基本原則というのがございまして、そういう点もうたわれておりますが、認可にあたりましては、どういうことでやっておるかと申しますと、手続とか定款等が法令違反ではないかを見る。これはあたりまえのことでございますが、同時に、経理的基礎等組合の内容の面についても見まして、組合の目的達成に著しく支障があるだろうと認められる場合は別としまして、そうでない場合には認可しろ、認可しなければならないというふうな制度になっております。ただ、この場合に、先ほど届け出と同じかという御指摘がございましたが、そうではございませんで、一つの地区でいたずらに組合が乱立いたしまして——十分な目的を達するには、同じ地区で四つつくるのではなくて、一つになるほうがいいとか、あるいは二つになるのが合理的だというふうに思われます場合には、これは各県でも従来からそうでございますし、県当局もそうでございますが、政府の助成のもとに各県の協同組合の中央会というものがございまして、そういうところで組合の設立指導ということをやっておりまして、相談にも乗りますし、アドバイスもして、中小企業者の組織がなるべくいい効果をあげ得るようなことになるように助言もし、指導もしておるということは事実でございます。 組合のほうでどうしてもこうしたいということで認可申請を認める場合には、著しく不当というとき以外は法律のたてまえ上認可せざるを得ませんけれども、指導とあわせまして、なるべくよい結果を持ってくるように、運用上従来から十分考えておるところでございます。法の基本が、自主的な組織であるということと、したがって、著しく不当な場合を除いてはその自主性というものを尊重するたてまえであるということは、これは、中小企業に対する政策としては、従来からの政策であり、妥当なものだと現在でも私は考えておりますが、この指導、助言という面は、中小企業を指導育成するという見地から別途非常に重要なことであるということは日ごろから感じておるところでございます。今後ともそういう点で努力しなければならぬ、かように考えております。
○竹本分科員 具体的に伺いましょう。 一つは、組合は、二十四条でしたか、四人集まれば協同組合ができるでしょう。そうすると、きわめて簡単にできるんだな。四人くらいなら、その辺でちょちょっと集めればいいんだから、そこで四人集まって協同組合をつくる。しかも、適格条件は一応そろっておるということになれば、そのまま認めなければならぬ。そこで、いま私が言うように、協同組合をどんどんつくらしていくべき段階と、経済の段階が発展して、もはや少し多過ぎるというようになった段階とでは、運用を変えるか法を変えるかしなければ対応ができないではないかということを言っておるんです。だから、四人で簡単にでき過ぎておると思うならば、条件を少しきびしくして十人に変えたっていい。何人がいいかは別として、四人の二十四条をそのまま厳守して、それでいけば、いまの法律で、おっしゃるように、四人がそろって条件をそろえてくれば認可しなければならぬようになってしまう。だけれども、その結果は過当競争になって、公正な競争どころか、いま中小企業の育成だというような話も出たけれども、逆にみんながとも食いでだめになっちゃうんでしょう。そういう段階になれば、私が言うのは、条件をきびしくするのが常識じゃないかと言うんですよ。条件をきびしくするのに、一つの方法として運用でやる。また、一つの方法としては、運用で間に合わなければ法律の改正をやる。また、あるいは、法律の改正をやらぬでも、その他の方法で、いま中央会という話も出ましたけれども、中央会を通して、中央会が県の段階において全体のバランスを考えながら、これはひとつ認めてほしいのだというときは認めるようにする。——それじゃ、いま中央会を必ず経由さしておりますか。
○原山政府委員 協同組合の設立は、先ほど申し上げましたように、自由設立主義ということを基本にしておりまして、中央会を経由さしておるかどうかという点につきましては、できるだけ設立指導をやらすというのが望ましいというふうに思いまして、補助金等を交付して、組織指導、設立指導をやらしておりますけれども、中央会を経由しなければ認可できないというふうな条件にしておるところではございません。
○竹本分科員 大臣にそこを伺いたいんですよ。いま言ったでしょう。法の改正もできないし、運用の改正も、なかなか役人だけではできない。せめて中央会を経由してくれば、中央会ならば、新潟県なら新潟県、愛知県なら愛知県の事情が大体わかるわけでしょう。これは認めてもらいたいとか、この上認めてもらってはでき過ぎになるとかいうことは中央会はわかるのだから、中央会を経由する場合もあるが、そしてそれが望ましいが、必ずしも条件にはなっていないというのだから、そんならそれを条件にさせれば相当チェックできると思うのです。それを条件にさせる方向において検討してみたらいかがでしょうか。
○中曽根国務大臣 この問題はなかなか複雑な、微妙なところがあるだろうと思うのです。確かにそういう弊害がございますから、それをためようということもございますが、元来、企業活動の自由という面を見ますと、協同組合の設立ということは自由に許されるということが公正競争ということでございます。それをある程度チェックするということも必要ですけれども、これが行き過ぎるというと、今度はギルド方式みたいになって、価格硬直とかその他の弊害が逆の面で出てまいります。そういう意味において、これはひとつ慎重に検討してみたいと思います。
○竹本分科員 少なくとも、中央会をせっかく認めて、政府も補助金まで出しているのでしょう。その中央会が、この地域にはこれ以上認めてもらっては困るというときは認めないような方法を考えるとか、あるいは、法がじゃまになるならその法を修正するということで、もう少し整理統合するというか、それこそ秩序づけるということがいま必要な段階でしょう。その秩序づけをしていくという段階、あるいは組織化をしていくという段階で、組織化の手を持たない、方法がないというままに、困りましたなどということだけ言っておるということは行政の怠慢になると思いますので、ぜひひとつ大臣の機動力を発揮して、中央会を少なくとも経由させるというようなことにしてもらいたいということを私は強く要望申し上げておきます。 それから、いま、県の中央会を通ってくるものと、それから全国的規模でやるもの、そういうものはもちろん通らないのですね。ところが、通らないやつがまた悪いのだ。これは、大きなものが四、五人のものを集めて協同組合をつくって、そして協同組合の名においていろいろの便宜を得ながら——そういういうものに限って、おそらく、百五条の二に書いてあるような決算関係の書類なんかも横着をかまえて出していないのじゃないか。時間がありませんから一つ一つ追及できませんけれども、そういうものができて、しかも県段階において、中央会あたりとも連絡をとらないで、おれは全国的規模だというので全国を荒らし回る。そこで、結果的に見ると、具体的な例もあるわけですけれども、とにかくまじめに中小企業協同組合を一つの県なら県単位でつくって、そこに全国的規模のでたらめなやつが出てきて、そしてしかも、そういうものに限って資本力が大きいから、大きい資本力で出てきて、注文でも何でもみな取ってしまう。横取りしてしまう。まじめに県単位で協同組合をつくり、中央会も協力してそれを育てようとしておるのに、全然関係のないやつが横から出てきて、入札なら入札で落としてしまうのです。それも、その県に食い入るために、資本主義の原則でしょうけれども、平気でコストを割って、まず地盤を獲得する。市場を広げるために乗り込んでくる。それに対してはどうにもならない。防ぐ方法がない。結局、まじめに中小企業協同組合をつくった連中は、県単位においてほとんどやられてしまう。こういう例があるのです。そうなりますと、それを規制するにはいまほとんど方法がない。要するに、一種の一匹オオカミのゲリラ部隊が出てきて、しかも、どこからもチェックを受けないのが出てきて、入札その他において強い資本力でめちゃくちゃにあばれ回ってしまう。これをどうすることもできない。それは、全国組織にもおそらく加盟していない。地方の県のものにも加盟していない。そういうゲリラ部隊が野に放たれている。そのために、まじめにやった協同組合の努力がだめになってしまうということもございますので、先ほど申しました中央会を経由してということとあわせて——せっかくまじめに協同組合を育てる一方において、そういうでたらめが横行する。しかも、認可の条件が簡単過ぎるものだから、四人集まってかってにつくったような組合が全体の秩序を破壊してしまう、まじめな協同組合の動きを妨害してしまうということだけは、少なくとも、それこそ公正な活動を推進するというたてまえからも押えていかるべきじゃないかという点をひとつお伺いしたい。 それから、時間がありませんからついでに申し上げますが、官公需を、四兆円ばかりのものをいままで中小企業に割り当てるというときも二つの問題があったと思うのです。一つは、いま全体の二六・何%ですね。四十六年度も四十七年度も二六%ですが、それをもう少し上げるという方法を考えられたらどうか。大体、中小企業の生産力は国全体の五割はあるでしょう。それを、二五%の割り当て、二六%の割り当てというものでは割り当ての分量が少ない。少なくとも、官公需については三、四〇%割り当てるように、これはせっかくそのための特別な法律もできておるのですから考えられたらどうかということも伺いたい。 最後にもう一つだけあわせて伺いますが、先ほど一番最初に申しましたように、今日のように中小企業が内外から追い立てられたり攻撃されたりして、はさみ打ちを食って苦しい条件になっているときには、この中小企業を守るという意味で、いま申しましたのは、まじめに協同組合をつくっているものには、それを育ててやるということで、乱暴者が横から出てきて全体をぶちこわすようなことは押えなさいということを言っておる。それから、協同組合がこの上次々できて過当競争になることも押えなさいということをいま言ったわけですが、それとともに、関連してですが、消費生活協同組合みたいなものがある。これの員外利用の問題も、経済関係閣僚協議会で、四十五年ですかに、そういうものは消費者の生活安定のために大いに前向きに弾力的に考えようという決定を一応していただいたことがあります。それはそれなりに、消費者を守る意味で私は賛成です。しかし、いまは、中小企業は内外から攻撃されて、先ほど申しましたように苦しい条件に立って、原料もろくに入らないような状態ですから、あるいは商業の場合でもそういう困難がいろいろ多いわけですから、やはりもう少し方向を変えた弾力的運用をしなければ——員外利用なんというものはどんどん認める、そして労働者もいなくなる、原料も入らなくなる、あるいは取り扱い商品の単価はだんだん上がってくるが値を上げることができない、これでははさみ打ちだ。こういうときにまた消費生活協同組合が員外利用を、あるいは法を越えてやってくる場合もあるだろうと思いますが、法の範囲内においてやる場合でも弾力的運用と——それからまた、員外利用を知事が認可する場合も、四十五年の段階と四十八年の段階とは経済事情が違う。その違うということを頭に置いて認可してもらったり運用を考えてもらうのでなければ実情に合わぬのじゃないか。その点も含めてひとつお答えを願いたいと思うのです。
○原山政府委員 全国的な規模でつくられた組合が、各県で県単位でやっている組合といろいろ過当な競争を行なっている、この点についていかがか、こういう質問が第一にございましたが、これにつきましては、こういうかっこうで組合が乱立して過当な競争を行なうことは確かに好ましくないというふうに思いますので、全国中央会というのがございますが、全国的なかっこうの組合、あるいは県境を越えての広域的な組合はやはり全国中央会を経由させるということも現在やっておりますので、全国中央会の指導力を発揮させまして、あまり過度な競争なり、あるいは地域的にある程度シェアを持っているところになぐり込んでいって過当な競争をするというふうなことはできるだけ避けて、お互いに共存していくようなかっこうに指導してまいりたいというふうに思います。 ただ、一県一業種で全国的なものが入ってくるのを排除するということは、何と申しましても権利の上にあぐらをかくということになりますので、そこら辺は、両方の観点からつくる調和が必要じゃないかというふうに考えておるところでございます。 次に、官公需における中小企業の比率を上げるべきじゃないかというふうなお話でございますので、この点については、私ども各省と毎年相当連絡いたしまして、できるだけ中小企業製品の買い上げの比率を上げてまいることに努力目標というものを置いて毎年立てておりますけれども、この比率をできるだけ上げていくように各省にお願いし、いろいろ御相談しているところでございます。先生のおっしゃるように、比率を上げていきたいというのが私どもの念願でございます。 それから、最後に、消費生活協同組合の問題でございますが、この点につきましても、経済の状況が変わってきたというふうなお話でございますが、現在、消費生活協同組合法におきましても員外利用をきびしく制限しております。中小企業の事業活動に影響を及ぼし、その利益を害するおそれがないようにしておるわけでございますが、当庁としましても、この観点から、厚生省と密接な連絡をとり、違法な員外利用や行き過ぎた員外利用が行なわれないように指導方を要請しているところでございまして、四十六年十一月には、厚生省社会局長のほうから、各都道府県知事に対し、員外利用の自粛に関する指導を通達していただいているわけでございます。
○竹本分科員 終わります。
○細田主査 この際、午後一時三十分に再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時五十分休憩 ————◇————— 午後一時三十四分開議
○細田主査 休憩前に引き続き会議を開きます。質疑を続行いたします。小林進君。
○小林(進)分科員 通産大臣にお伺いいたしますが、あなたは通産大臣になられて、通産行政の中で、福祉行政を優先するということでたいへんはなばなしく花火をお上げになっていらっしゃいますが、通産行政の中における福祉行政というのは一体何をさすのか。あなたは多弁ですが、多弁は要りません。そのものずばりで一言教えていただきたいと思います。通産行政の中における福祉行政優先ということばは一体どういうことを意味するのか。学のあるところで、簡単でよろしゅうございます。
○中曽根国務大臣 大きいところで言えば、いままでは重化学工業成長本位という政策であった。それを、国民の福祉中心、すなわち消費者保護、あるいは消費者のための諸般の安全とか流通とかのめんどうを見る政策をいろいろな面で推し進めていく、あるいはさらに週休二日制を推進する、そういうところまで及ぶべきだろうと思います。
○小林(進)分科員 私は、いまおっしゃった業者、事業家を優先にする政治、生産者本位から消費者の利益を守るというあなたのおことばは非常に賛成でありますが、それほどあなたがおっしゃるならば、週休二日制は別にいたしまして、消費者優先の通産行政を具体的にどういうふうに一体おやりになっていますか。ひとつ、具体的におやりになったことをここでお示しをいただきたいと思います。
○中曽根国務大臣 今度の国会に、製品安全法とか、そのほか消費者を保護するための立法措置を二、三提出いたします。
○小林(進)分科員 いま、製品安全法という法律を準備されているということも聞いたのでございますが、その法律の立法とともに、過去における生産者中心の通産行政というものも洗い直して、いかに消費者がそのために犠牲を強要せられ、たいへん泣かされているかということにも目を通して、法律にまたざるとも、行政の面で助け得るものは大いに救済をしなくちゃならぬ、直してもいただかなければならないと思うのでございますが、私は限られた時間でございますから、そういうもの全般にわたっていると時間がなくなりますから具体的に申し上げまするけれども、私は、きょうは、ひとつ電気用品の取り締まりに関する問題だけについてお尋ねをいたしたいと思います。電気用品といいましても幅が広いですから、電気用品の中でも、特に家庭電気器具に問題をしぼって実はお尋ねをいたしたいと思うのでございます。 通産大臣にお尋ねする前に、消防庁、お見えになっていますか。——それじゃ、家庭電気器具に基づく消防庁主管の火災だけでも、どんなふうに出ているか、私は数字をひとつお聞きしたいと思ったのでございますが、古い数字ですけれども、消防庁火災年報からとったものだけでも、四十四年度で二千二百九件、四十五年度が二千二百五十五件、四十六年度までしかありませんが、二千百六件で、大体五万件から六万件の全出荷件数の中の二千件という勘定になっているわけでございますが、私は、これは実数じゃないと思うのです。この中で、大体業者が消防庁に届け出なかったり、もみ消しをしたり、隠したり、そうしたものがやはりこれ以上に多いのではないかというふうに私は推定をいたしているわけでございますが、政府は、この不良電気用品の出回りを防止するために、電気用品取締法に従って各般の施策を講じられているのでございますが、具体的にどういうふうに取り締まっておられるのか。これは実はお尋ねすればいいのですけれども、時間がありませんものですから、実は通産省から取り締まりの概要を書面にしていただいたものがありますが、なかなか通産省としても手一ぱいですな。あなたのほうは限られた人員ですから、手一ぱいおやりになっているのだと私は推定します。そう何もかもできないと思いまするので、質問するのはやめましょう。これはあなたのほうから出ておりますからね。しかし、通産省が電気用品取締法に基づいてたいへん苦労をされていることはわかるのです。わかるのですが、しかし、通産大臣、依然として電気用品の不良品はあとを断たない。市中にこれが出回っております。そして、依然として事故はふえている。一体どこに欠陥があるとお考えになりますか。通産大臣、御所見をひとつ伺いましょう。
○井上政府委員 先生いま御指摘のとおり、検査あるいは登録、あるいは立ち入り検査等、非常に手一ぱいにいろいろなことをやっておるわけでありますけれども、毎年五千件くらい新製品が出てまいります。これにつきまして、人員の手一ぱいを通じまして遺漏のないようにいたしまして、いろいろと努力してまいっておるわけでございますが、何せ、製品の数が非常に多いものですから、メーカー側が、技術基準に従いまして、あるいは型式に従ってつくりましても、ときによりまして製造上のミスが出るようなことがあるようでございます。それで、製品の管理体制が必ずしも一〇〇%行き届かなかったというような場合が発生いたしますと、そういうものが事故の原因になるというようなことがあるようでございます。したがいまして、今後は、そういう新製品につきましては、指定検査機関が十分に検査いたしますと同時に、立ち入り検査なども緻密にやりまして、そういうことがないようにいたしたいと思いますが、いま一つの問題は、使用者側の取り扱いにつきましては、非常に新製品が出る関係がございまして、パンフレットあるいはリーフレットをつくりまして、映画、新聞、テレビ等を通じまして、いろいろ十分なPRが行き届くように努力しておるのでありますけれども、そういう努力にもかかわりませず、取り扱い側の不注意というような問題も出てまいりまして、非常に数が多いようでございますから、使う人の数も多いということになりまして、その間どうも万全を期されていないといううらみがあるようでございます。
○小林(進)分科員 新製品が五千品もできあがっているという中で、なかなか皆さんの手が届かないということはわかるのです。それはわかりますが、だからといって、その事故が起きるのはやむを得ないというのは言われませんぞ。もしそういう答弁であれば私は了承できません。いいですか。それは、多くの中だからやはり製造上ミスが出る。何千、何万、何百万、何千万個つくろうとも、一個のミスも出してはいけません。その多くの中だから、一個や二個のミスが出るのはあたりまえだという考えがあったら、それはたいへんな間違いですよ。あなた方の頭の中にいささかでもそういうことがあってはいけない。私は、こういう事故が絶え間がないのは、ここに通産行政の本質的な誤りがあると思う。皆さん方の局とか、部とか、課の問題ではなくて、通産省自体の持つ伝統的な大きな間違いによってこういう事故があとを断たないのだと私は見ているのです。通産大臣、あなたは頭がいいから、読むのと、私の話を聞くのと両方できるのでしょうが、読むほうが忙しいでしょうが、私の話も聞いてください。 大体、通産省というのは、ずっと生産者ベースなんです。私はこの家庭電器の問題だけで言うのじゃなくて、私は前々から言っているのだ。公害保安局の保安行政の問題にしても、通産省から、労働省かほかの省へ回せ。通産省でやると、石炭を掘るのが先へ行って、保安があとになってしまう。こういう取り締まりの問題でも、取り締まりがあとになってしまって生産が先になってくる。業者のペースです。それはたまたま言うように、多くの中から一つや二つ事故が起きるのはあたりまえだろう、たくさんの中から不良品が出るのはやむを得ないだろう、たくさんの中には、いわゆる消費者のミスのために火事が起きるものもあるだろうというふうなことで、どうも問題の本質をよそに持っていかれるものだから、業者はいよいよそれで力を得ている。そこで、世間の人は、通産省と業者はいつもみな癒着していると見ている。どんな事故を起こしたって、通産省に監督権がある限りは、われわれのほうは責任をとらされることもなければ、刑罪も受けない、だから、売らんかな売らんかなで一生懸命売ってさえいれば通産大臣以下喜んでやってくれる、たくさんの中だから一つや二つは火事も起こるだろう、被害も起こるだろう、ということでやってくれるから私どもは安心でございます、と、こういうことが一つの長い伝統になっておるのであります。通産大臣、これはお認めになりますか。お認めになると同時に、あなたがほんとうに福祉行政、消費者中心でやるというのであるならば、そういう業者の考え方をこの際ひとつびしっと押え、考え方を是正せしめることに力を入れるというお考えがあるかどうかお尋ねしておきたいと思います。
○中曽根国務大臣 消費者保護ということを私は特に念頭に置いて通産行政を推進しておるのでありまして、かりそめにも業界の代弁機関であるようなところがあれば、それは是正いたします。
○小林(進)分科員 私はだんだん一つのものを具体的に申し上げていきますけれども、家庭電器だけに限りましたけれども、家庭電器の中においても、メーカーは販売の上昇にだけ力を入れて、そうして膨大な宣伝費を投入する。露骨な売らんかなの姿勢を見せる。朝から晩まで国民の消費欲望を刺激している反面、アフターサービスだとか、消費者に対する安全のための啓蒙宣伝とかというものは全くなおざりになっている。のみならず、私が特に腹立たしく感じてほんとうに憤激にたえないのは、事故発生に際しての消費者に対する態度というものは、全く一片の誠実もない。通産大臣、あなたは、そういうことをお考えになったことはございませんか。 あなたが経験がないというなら、私は、勧進帳開くようにずっとこの例を並べますよ。私は、ここに出て一時間の質問をするからには、そういう事故で被害を受けたものの例をずっと持ってきているのであります。私は日本全国からその例証を持ってきておるのでありますけれども、そんなことはないか。こういう事実があるということをあなた方知っておられるか。あなたは経験したことがないか。そういう事故で泣いた人があなたの周辺にいないかどうか。それから私はお聞きしていきます。
○中曽根国務大臣 電子ジャーであるとか、トースターであるとかいうものについて被害が起こって、それが、プラグの技術水準が悪かったとか、取りつけが間違っていたとかいういろいろな例があることは知っておりますが、私の回りにそういう被害を受けて泣いている人というのは、いまのところありません。
○小林(進)分科員 あなたは何もかもお知りになっていると思ったら、通産行政で一番大事なことをあなたはお知りにならなかったですね。経験もなさらない。さびしくなりますね。 消防庁が来たようですから、さっきの質問の、毎年起こっておる全国の火災の中で家庭電器による被害の比率がどのくらいあるかということを、ちょっと数字でお示しいただきたいと思います。
○永瀬説明員 家庭電気器具等によりますところの火災でございますが、その前に、四十六年中の火災の総件数ですが、六万四千十九件でございます。この中で、原因が電気関係で起こっているものが六千五百四十五件、約一割ございます。この中にいろいろな原因がございますが、家庭器具によるもの、これはこまかくたくさんに分かれておりますが、おもなものをあげますと、電気ごたつ五百四十九件、電気アイロンとか電気ごて、これが三百三十四件、電気こんろが二百七十八件、電気ストーブが百八十九件。それから、ラジオ、テレビ、電蓄のたぐいが百三十五件、電気冷蔵庫が百十一件。以下小さくなってまいりますが、このような状態でございます。 金額につきましては、原因別の損害額を出しておりませんので、明確に数字は把握いたしておりません。
○小林(進)分科員 いまのほんの一部の報告でも、御承知のとおり、電気冷蔵庫で火事が百十一件も起きております。ラジオ、電蓄やテレビで百三十五件も事故が起きている。電気ふとんで四十九件も火災が起きています。あなた、ジャーとおっしゃいましたけれども、ジャーごときじゃないのであります。 時間がありませんから、簡単ですけれども、なまなましい事件を申し上げますと、電気冷蔵庫のためにうちが焼かれて、商売がとまって、土地を捨てて逃げて、いまあなたの選挙区か何かに行っている夫婦者を私は知っております。私の長い間の友人です。ところが、火のないところで火事になったのでありますから、しかも電気冷蔵庫の下から火災が起きておるということで、地元の警察へ持っていきました。もちろん、警察は火災の原因を調べました。これは電気冷蔵庫のほかはないのですから、原因は電気冷蔵庫と思いますと警察は判定をしてくれましたけれども、まだ因果関係がわからない。どういう経過を踏みながら火事になったかわからない。それで、焼け残った電気冷蔵庫を、私は新潟県ですが、新潟県の電気安全何とか検査所に持っていって調べてもらいましたけれども、それからついに半年たち一年たつが、その欠陥から火事になっていくという、しろうとにはわかり切ったことが、そういう専門家側からいくと、因果関係が結びつかぬとかいうことで、研究中、研究中で終わる。本人はもはや訴える力もない。争う力もない。うちを建てたけれども、借金に追いまくられて、そのうちにも住んでいられないで、とうとう夜逃げ同然に逃げていったという気の毒な人がおるのであります。そういうことになると、業者というものは、私のところの電気冷蔵庫によって火事が起きるということは絶対ありませんと、冷酷むざんにその問題を受け付けようとはしない。ちょうどそれはいまの水俣と同じです。昭和電工と同じです。水俣なんかで人間がかたわになろうとも、死に直面しようとも、因果関係がないとか、あるいは結びつかないとか言って、全部責任を回避していってしまう。こちらが強いならばいいですよ。しかし、家庭電器というものは、ものも食わないでも冷蔵庫一つ買う。いなかへ行けば、テレビ一つ備えつけておいて、あとは、食べるものを倹約しながらテレビを見て一日を暮らしておるというような、そういう零細な家庭がたくさんある。そういうところでみな事故が起こるのです。全く処置がない。 こういう問題に対して、あなたは、私の周辺にそういう経験をした者を知らなかったというのはまことに私は嘆かわしい。二十五年の永年勤続の政治生活をされて、農村のすみからすみまで、都会のすみからすみまで、中小企業のすみからすみまで歩いたような顔をしておりますけれども、案外そういう庶民の苦しみを御存じないですな。ほんとうに家庭電器でやられたそういう例を御存じありませんか。私だけでも山ほど知っております。どうですか、もう一回。
○中曽根国務大臣 そういうお方はまことに気の毒だと思いますが、私のまわりには、不幸にしてまだございませんでした。
○小林(進)分科員 まだここにもありますが、これは微細に書いてある。 時間がないから簡単にしますが、これは私の近所に起きた問題で、最近の話ですが、奥さんがかぜを引きまして、電気毛布を使って睡眠薬を飲んで寝ておりました。夜の十時ごろ寝たのですが息が苦しくなって、夜中の二時ごろ起きてみたら、部屋の中はまっ暗で、畳は焼け、ふとんも焼け、からだも焼けそうになっている。睡眠薬を飲んでいるのですから、夢を見ておるのか何だかわからないのでありますが、びっくりして飛び起きてみたら、何しろ自分の部屋のふとんが全部燃えておる。たいへんだと思ってふろ場へ持っていって、ふろの中へ電気毛布を入れると同時に畳の焼けておるのもようやく消しとめたのでございますけれども、それまでに出る煙に含まれておる炭酸ガスですか、亜硫酸ガスですか、そのためにのどをやられて、いまでもまだまともに声が出ない、そういう状況です。もちろん、その毛布を買った店と製造した家庭電器のところにも通知をいたしまして、来てもらった。消防署にも来てもらった。自分の家が焼けたのですから、保険会社にも来てもらった。そのとき、売った電器会社の人が何を言ったか。これは警察に言ってくれないでしょうね、新聞社にも言ってくれないでしょうね、新聞社に発表することだけは絶対やめてくれ、私の店の販売に影響します、こう言って口を押えている。あとは、損害金、見舞い金を幾ら出しましょうかと、そういう失敬なあいさつをしていったというのであります。 そんなことを一々詳しく言ったのじゃ際限がありませんから、あなたがもっと真剣になって、もっと詳しく聞きたいというのなら、通産大臣の部屋に私を呼びなさい。私は、二時間でも、三時間でも、具体的事実を、微に入り細に入り御説明申し上げたいと思います。これは一つの具体的な事例でございますが、しかし、これだけに限ったことでなく、はなばなしく、この家庭電器製品を使えば天国にも行ける、極楽にも行けるというふうなバラ色の宣伝をしておる。あの大きな企業の陰にはこういう犠牲者が多々出ておるということなんです。これをそのままに放置しておいて、通産行政を変えます、流れを変えていって今度消費者を優先しますと言ったところで、私はちゃんちゃらおかしくてまじめに話を聞けぬ。こういう問題について、一体通産大臣はどうお考えになりますか。
○中曽根国務大臣 やはり、取り締まりを強化して、法律、規則のとおり励行させるようにいたしたいと思います。
○小林(進)分科員 取り締まりを正しくやるといっても、いま、取り締まり関係の係官が何人いらっしゃいますか。先ほども言われるように、新種五千種類、何百万、何千万の電器をどうやってお取り締まりになるのでございますか。厳重におやりになると言うが、具体的な方法をお聞かせ願いたい。
○中曽根国務大臣 これは抜き取り検査みたいな、試買といいますか、そういうようなこともやったりしておりますが、具体的には局長から答弁させます。
○井上政府委員 現在の規制方式につきましては、先ほどもお話がございましたけれども、まず、メーカーの登録をいたしまして、それから、実際つくるものにつきましては、試験検査機関でサンプル試験をいたします。それに従いまして型式の承認をいたしまして、それからものを売るということになります。したがいまして、つくる段階では、十分に安全性があるということを当該の試験研究機関で確認してからつくらせるという体制になっておりますし、それから、そのあとでも、メーカー側の不注意等によりましていろいろな手違いが生じませんように、立ち入り検査あるいは試買検査等を行ないまして、当初の安全性が最後まで確保されるように努力をしておるわけでございます。もし、その途中におきまして、いろいろな技術基準に違反しておるとか、あるいは型式が違っておるというような問題がありますれば、改善命令あるいは販売停止命令というようなことも考えてやっておるわけでございます。その体制を一そう強化してまいりたい。注意してやってまいりたい。また、いまお話しのようないろいろな点で、メーカー側の態度につきまして、必ずしも十分でないというものがありますので、これにつきましては常々厳重に注意しておるところではございますけれども、なお今後一そう注意してまいりたい、こういうふうに思います。
○小林(進)分科員 私は、いままで、冷蔵庫と電気毛布に対する被害者について、いずれも死ぬばかりの局面にあったという話をしたのでありますが、これも戦後のことですが、昭和二十年ころで、まだ電気製品がこれほど出回る前の話で、若干時期も過ぎておりますけれども、これは実際に死んだ人の例も私は持っております。これは家庭電気製品自体ではないんだけれども、この家庭電気製品から出た失火のために、自分たちがいた部屋のソファーに火が移って、そのソファーから出る亜硫酸ガスですか、何ですか、炭酸ガスですか、それが部屋に充満して、彼は酒を飲んで寝ていて、あわ食って飛び出たが、戸をあけたその戸口のところで倒れて死んでしまったという悲惨な例です。しかし、この問題もやはり法律の取り締まりが具体化されると同時に、企業の責任回避と、どうして死につながるかという因果関係論とをやり出して、そして、こちらは金がないから争えないということで泣き寝入りをしている例を私は知っているのであります。そういう例が私の周辺にも幾つもある。死んだ例、死にそうになった例、家庭電気製品等でそういう痛い目にあった人がいますが、検察庁、そういうものの失火とか何かの問題で、刑事問題として起訴されたような例がありますか。
○根岸説明員 ただいま突然のお尋ねでございますので、私ども事実を詳細に調査しておりませんので、何ともお答えできないわけでございますが、現在のシステムでは、事件全部を私ども報告を受けるシステムになっておりませんので、日時がありましたらお答えできたのでありますが、現在のところ、具体的なデータを持っておりません。ただ、記憶でお答えして申しわけありませんが、たしか、法隆寺の火災事件の際に、電気毛布のメーカーを業務上失火で起訴した事件がございます。ただ、この事件は、出火の原因が電気座ぶとんであるかどうかがわからなかったために、私の記憶では、結局無罪になったと思います。しかしながら、先生のおっしゃいましたようなケースがありますれば、たとえば刑法の百十七条の二の業務上失火罪ということに当たりましょうし、かりに失火という形ではなくて、何かガスみたいなものが出まして死傷の結果を来たすということになりますれば、刑法二百十一条の業務上過失致死傷罪というようなものに当たるかと、理論的にはそう思います。
○小林(進)分科員 これは消防庁にお伺いしますけれども、四十六年に、いわゆる電気関係で六千件、家庭電気関係で二千何ぼも失火が出ている。その失火に関係して、それを起訴するような材料をつかんで、警察なり検察庁に刑罰法規に値するといって通報されたような例がありますかどうか。
○永瀬説明員 火災の原因の調査に関しましては、消防組織法上また消防法上、市町村がこれを実施することになっておりまして、各市町村が火災につきまして原因を調査して、その結果、警察とも十分連絡をとりまして、警察に通報するという形をとっております。調査にあたりましては、一般的に協力して行なっているはずでございます。その結果、消防の調査いたしました結果が、警察のほうの調書とあわせて起訴の材料になっていることは過去の例もたくさんございます。
○小林(進)分科員 ともかく、私どもは、こういう事実を一つ一つ詰めていきますと、火災だとか失火だとかいう大きな犯罪で、たいへん被害者こそ出ているけれでも、その出したメーカーなり製造業者に対する処罰というものは、全く盲点で、野放しになっているという感じが強くてしようがない。たまたまいまの検察庁のお話でも、相手が法隆寺という大きなお寺で、国の国宝的存在だからこそ一応起訴されたのだというふうにしか解釈できないのであって、一般庶民がそういう毛布だの、冷蔵庫だの、電気だの、ラジオだの、テレビだのでやられていることに対して起訴されたという事実は、私は寡聞にして知っていない。しかし、実害は方々で起きている。みんな火事になっている。放火と同じような結果になっている。私なんかも、広義の意味において、こういう大企業の電器メーカーなんというのは放火犯人だと見ている。放火罪というものは殺人罪より重いことは通産大臣御存じのとおりです。殺人罪は三年でしょう。放火罪は最低五年でございましょう。それほど公益を侵害している。子供がマッチをすったとか、つまらない事件の場合には罪にならぬけれども、一般の人ならば、放火は一番重い刑罰を受けるのだ。それが、メーカー、製造業者という立場になると、通産行政の中から過分な保護を受けておって、何をやったところでちっとも刑罰の対象にならないのみならず、私がまだふしぎでたまらないのは、そういう不良品なんか出して火事のおそれがあるというようなときには、新聞か何かで広告を出して、こういう不良品を出しました、取りかえいたしますから持ってきてください、と、持ってくるのがあたりまえのような話をしている。そのときになりますと、消防庁、あなたのほうは、不良品が出ていると火事になるので困るからといって、メーカーの手先になって——手先と言っては悪いけれども、一生懸命不良品の回収をやっている。あなた方はただでやっているのか。少しは手数料をもらってやっているのか。メーカーは売らんかな、売らんかなで、不良品を百万本、二百万本つくって売って、事故が起きると、あの何とかという種類は不良品でありますから回収いたしますということで、あとは、消防庁、おまえのほうで回収してくれ、おれらのほうは物を売るのが忙しいから、あとはみんな消防庁にまかせようというわけだ。消防庁は、メーカーの手先になって不良品の回収工作をやっているじゃないか。一体、そういう通産行政や国の行政がそのまま放置されてよろしいかどうかと言っているのです。うそだったらうそだと言ってください。消防庁。
○永瀬説明員 過去に行ないましたものは、カドニカのライトと、かみそりにつきまして、これは四十年−四十四年ごろの製品が四十四年に事故を起こしまして、メーカーのほうが回収につとめたようでございますが、十分な回収ができないので、それで、消防側に回収の協力をしてくれというお話でして、そういう特定な型の品物は火災を起こす可能性があるので、お持ちの方はメーカーの販売店のほうに申し出てくださいという、火災予防の見地からのPRを行なったわけでございます。ただ、その製品の宣伝にはならないように注意させました。
○小林(進)分科員 不良品の宣伝なんて、売りさばきの宣伝の手先にされたらたまったものじゃありませんよ、消防庁。けれども、いまあなたの言うように、回収の手伝いをしたじゃないですか。それはメーカーに使われることなんだ。あなたのほうは協力しましたと言うけれども、ことばの問題で、事実上メーカーは不良品を出しておいて、何か回収につとめたようだけれども、うまくいかないで、あなたのほうは協力を要請されてやりました、こう言っているのでしょう。俗なことばで言えば、メーカーのほうが不良品をつくって、メーカーは回収するのはいやだから、おまえさん方、あなた方にその回収方の仕事を依頼されたということなんだ。あなた方は手先になってやったということなんだ。通産大臣、こういう実情なんだ。あなたの行政はこういうふうにして動いているのですよ。消防庁は、その理由は、火事になるかもしらぬから、火事になっては困るから、私どもは協力しましたと言う。ことばはりっぱだけれども、国家や、社会や、公共団体に協力したというのなら話はわかるが、消防庁が一企業家の金もうけで失敗した仕事に、火事になっては悪いから協力しましたよというようなことばは、私どもはあまりすなおにその話を聞くわけにいきませんが、ほんとうに国家の行政機関なら、そういう不良品で火事になるおそれがあるならば、何万個、何千個あろうが、一個でも所在を明らかにして、草の根を分けても追及させる。そうさせるのが不良品をつくったメーカーの最終的責任ですよ。そうじゃありませんか。通産大臣、ぼくはそう思うのです。私は草の根を分けてでも、地の果てまでもメーカーにそれを追及させることが行政だと思っておる。
○中曽根国務大臣 ごもっともな話です。
○小林(進)分科員 あなたはもっともだとおっしゃるからには、ことばだけではなくて、実際の面においてもそれをおやりになる覚悟でございましょうな。
○中曽根国務大臣 そういう不良品を出したものには、責任をもって回収させるようにします。
○小林(進)分科員 なかなか明快なお答えを聞きましたから、私は、その後の成果をひとつ楽しみを持って見ていきたいと思います。 では、先ほど大臣がおっしゃった電子ジャーの問題であります。これも東京消防庁の調べでは、電子ジャーのプラグの接続部分等に欠陥があって、百万台の回収、改善を求めた。これは象印というのですが、次に、二月に入ったら、エベレストジャーがまた火を吹き始めて、危うく火事になるような事故が発生した。これらの事故発生を見てもわかるとおり、厳密な型式検査を行なっていると監督官庁は言っているが、やはり不十分なんだ。私が繰り返して申し上げましたように、どうしても不十分だ。また、事故製品を製造したメーカーがそれに対してどういう処置を講じたかという、不良品に対する処置のしかたがいま何にもできていない。責任のがれだ。通産大臣のおことばで、今度はメーカーに絶対責任をとらせるということをおっしゃったのですから、これからは私は監督行政は変わってくると思いますが、いままでのところは一つも処置していない。しかも、皆さん方が苦心して、発売をするまでにちゃんと型式検査をされて、このままのものをやりなさいと言ってみたところで、途中へきてみんな化けちゃう。あなた方がらく印を押したような製品が正しく出ていない。そういうインチキもやっている。メーカーというのはほんとうに悪いですよ。やはりこういうわがままを許してはならない。通産省の長い伝統のしからしめたことだと思っている。いまでもやっておるのです。 そのほかに電気温水器の腐食という問題がありますが、これも、かまわぬでおきますと生命身体に関する問題です。これはこの中に書いてあるのです。時間がないから、こっちのほうで読ましていただきます。これは電気の温水器がわずか二カ年余りで温水器内のヒーター管が腐食していた。それで水があたたまらなくなった。おかしいというので中を見たら、腐食した中には砒素とカドミウム等を含んでいたという問題なんです。この電気温水器は、深夜の余剰電力を有効利用しようというので、電力の余熱において積極的に推薦したものでありますけれども、消費者は、やはりこの熱湯を飲んでいるのです。飲料水にして飲んでいる。その飲んでいる温水器の中に砒素が入っていた。腐食をして青銅の色をしているので、おかしいなと思って見たらカドミウムが入っている。これはこのまま気がつかなければ、こんなものを飲んで死んでしまうしかない。そういうものが出ているのでありますが、こういうことは監督官庁では御存じでしょうか。 通産大臣、これまで知っているのは無理かもしれませんが、しかし、家庭電器の記事くらい知っていると私は思ったけれども、知らないから、きっとこういうのもお知りにならぬと思いますが、いま一つ申し上げます。 感電トースター、これは家庭の奥さんの話ですけれども、スイッチを切ったんだけれども、ニクロム線に触れたときに感電してしまった。奥さんは悲鳴をあげたわけです。たかがトースターだと思ったのに、スイッチを切ったら感電した。ところが、よく見ると、トースターのスイッチが片切りになっていた。二本の電線のうち一本しか切れない片切りの構造になっていたものですから、一本のほうには電気がついていて、そして感電にあったわけでございます。ところが、こういうトースターも、通産省の指導に基づいて、これを輸出するときには、外国へ持っていくときには、片切りではなくて、ちゃんと両切りにしてあるのです。両切りですから、輸出品には危険防止が完全にできておるが、国内品についてはそういう片切りにしておいて、ちゃんと感電ができるようにしている。これが同じ会社の同じ製品なんです。国内品と輸出品とこれだけ差をつけておる。一体こういう通産行政が許されていいかどうか。また、こういう事実をお知りになっておるかどうか。いまの腐食した温水器とこの感電トースターについて通産大臣から御答弁をいただきたいと思います。
○中曽根国務大臣 私は先ほど報告で読みましたが、詳細につきましては局長より答弁させます。
○井上政府委員 電気温水器のカドミウム問題でございますが、これは、消費者の方から国民生活センターを通じまして通産省のほうへ照会がありまして、東芝製のHPL−八〇一、それと同種の品物あるいは類似品、あるいは使っていました水の質であるとか、そういうものにつきましていろいろ関係のところで研究してもらったわけであります。通産省では、工業品検査所あるいは新潟県の工業技術センター、それから川崎市の衛生研究所などで実験してもらいまして、人体に有害な成分があるんじゃないかということで研究してもらったわけであります。その結果、いま申し上げましたところでは、有害な成分は検出されなかったのでございますが、日本食品分析センターのデータからは、非常に微量でございますけれども、砒素が入っている。それで、ちょっとこれから先は新聞で見たのでございますけれども、センターの話としましては、非常に微量だから有害でないということのようでございますが、私のほうは、さっき申し上げましたようないろいろな試験所におきまして検査した結果の報告に基づきまして、どうもそういう成分が検出されなかったというので、有害なものがその中に入っていたのではないのではないかということでございますけれども、それにつきましては、やはり、何といいますか、水の質であるとか、あるいはそういうメッキがはげるとかいうことになりますと非常に問題が発生するおそれがありますので、関係のほうへは、そういうメッキがはげないように十分注意しろ、それから水質につきましても、よく見て、もしそういう砒素なんかが微量でも発見されるようなところの水を使うような方にはそういう温水器は売らないようにしろ、あるいは、温水器を一応つけたあとでも定期的によく検査して、そういう事態が発生しないように注意しろ、というようなことを申し伝えてございます。 トースターの件でございますが、トースターにつきましては、片切りのものも普通は感電しないというふうに考えていたわけでございますけれども、バターを中へ落としたり、いろいろなものを落として手を中に入れるようなことがありますと、そこに触れるというようなことになって感電のおそれがあるということでございますので、これは技術基準の改正を検討いたしております。
○小林(進)分科員 そういうこともひとつしっかりやっていかなければならぬと思います。 次に、これは安全問題に直接影響はありませんけれども、やはり家庭電器に関係することでございますから、これも私のところへ盛んに投書が来ておるのでありますが、電気用品についての型式検査、それによって有効期限が五年だとか七年だとか、大体一つの型ができると、メーカーはそれによってきめるわけです。しかるにその奥さんが、電気がまの中ぶたが悪くなったというので、それを取りかえに行ったところが、その型ができてまだ二年しかたたないにもかかわらず、メーカーのところへ行ったら、その製品の部分品はもうすでになくなりました、また新しい型のものが出ましたから、奥さんどうぞこれをというので、すでにその型のものがなくなっちゃった、もう廃品にせざるを得なかったという話であります。そういう例が幾つもあるのですね。 これもいまの家庭電気製品、テレビでも冷蔵庫でも何でも共通の問題である。売らんかな売らんかなで、いわゆる生産者は、五年もちます、七年もちます、十年もちますとかってな期限をつけるけれども、みんな型を変えてしまって、部分品がない、あれがないと言って、むだなものを使わせて、消費者というものを不必要にみんな困らせたり、むだな消費をさせたりしているという実態、こういう問題についても、これは通産大臣、やはり御存じないのですか。下々のことですから、あなたのような天上にいらっしゃる方は、やはり下々のことはおわかりにならない。あるいはおわかりになっておるかどうかわかりませんけれども、こういう処置もあわせて私はひとつお聞かせいただきたいと思います。
○中曽根国務大臣 そういうケースは私のまわりにもありました。そういうようなことはよくないと思います。
○小林(進)分科員 よくないだけの評価で終わっちゃいけないんであります。われわれは評価でいいけれども、あなたはそういうことの行政をつかさどるいわゆる最高責任者でありますから、よくないとおわかりになりましたら、そういう点どうされるのですか。その事後の処理も私はこの際承っておきたいと思います。
○中曽根国務大臣 もちろん、三年とか五年これは使えますといったら、三年、五年使える責任を持っているわけですから、アフターケアすべきだと思います。
○小林(進)分科員 大臣の御言明でございますから、その点をひとつ今後そういう例が二度と繰り返されないように、厳重な消費者中心の行政を続けていただきたいと思います。 では、私のきめられた時間が参りましたから、私は以上の質問を通じて、やはり私は、こうした家庭電器の安全性の問題その他を含めて、通産行政に第一にお願いしなければならぬことは、せっかく皆さんが検査をやっておやりになったのですから、そのサンプルどおりのものをつくっているかどうか。それは先ほど大臣も、ひとつ大いに検査をするとおっしゃったが、事実上はしかし困難だ。何百何千万ですからね。困難ではございますが、先ほども言われましたように、やはり抽出等の検査を通じて常時検査体制を強めてもらう。そのためには、私は皆さん方のちょうちん持ちをするわけじゃありませんが、人数が足りませんよ。行政も小さ過ぎる。これはいま通産省の行政を大きくせいとは言いませんけれども、何か通産大臣の明晰な頭で、あなたはなかなか頭が明晰ですから、それでひとつ考えていただいて、こういう行政を常時監督を強める。要はやはり大臣の姿勢なんです。生産者を甘くしておくといういままでの通産行政の長い姿勢をやめて、名実ともに消費者の立場に立って、選挙になっても、そんなメーカー側から選挙資金なんかもらわぬという姿勢ですよ。あなたも派閥の親方ですから、また特別に金も要るでしょうけれども、そういうものからは断じて金はとらぬぞ、もらわぬぞという、消費者のためにこの際ひとつ画期的な通産行政をやるぞという、そういう度胸をきめてこれをまずやっていただくこと。 それから、私はいつも言うのでありますが、先ほどから聞いていて、いま申し上げたのは通産行政のいわゆる責任の持ち方ですが、二番目には、そういう不良品をつくっている企業の責任は一体どうなっているかということです。これは消防庁にも聞く、検察庁にも聞く、法務省にも聞くけれども、不良品を出して人命をそこなうような、あるいは大きな火災を起こすような、こういう実態があるにもかかわらず、そのために、企業がいわゆる刑事責任に問われたとか、放火罪に問われたとか、殺人罪に問われたという例は一つもない。これは一番いけないのです。だから企業の責任を一体どうとらせるかという問題がある。私はその最終的結論だと思うのです。この問題に対して、一体、大臣、あなたに腹案があるか、お尋ねしておきたいと思います。
○中曽根国務大臣 事件、事件によりまして、相当の責任があるという場合には、その法規によりまして、処罰すべきものは処罰しなければならぬと思います。
○小林(進)分科員 ところが、いまあなたのほうでおやりになっているのは、処罰とおっしゃいますけれども、処罰は一般刑法の処罰しかないんだ。放火罪とか、過失に基づく火災とか、過失に基づく殺人とかいうことであって、皆さん方がいま行政で指導したりおやりになっているのは、電気用品取締法という法律があるでしょう。その法律一本でございましょう。その法律の中には残念ながら、こうしたメーカー側が、人をおそれず、世をおそれず、かって気ままな不良品を出して、火事を起こしたり人を殺したところで、それを刑事罰などに持っていかなければならないような特別規定が何もないのです。 そこで私がここで申し上げたいことは、もしこの問題をほんとうに通産大臣がひとつおやりになるというお気持ちがあるなら、第一に、事故が起きた場合には、事故の届け出を完全に出してもらうことから始めなくちゃいかぬ。いま言うように、メーカーなどというものは、自分の品物が事故を起こしたり火事を起こしたりして飛んできたって、火事のあと始末をしたり、その被害者に心からおわびをするなどという姿勢は一つもなくて、これをないしょにしてくれ、消防庁にも届けないでくれ、警察にも届けないでくれ、特に新聞社にはないしょにしてくれと言って、もみ消し運動に終始をするというのがメーカーの一貫した姿勢です。私の言うことがうそだというなら、私はその具体的な例を幾つでもお示しをする。こういうような姿勢がある限りはだめなんですよ。結局、弱い被害者が泣いていくだけなんです。それで私は、まず、電気用品取締法の中に、事故を起こしたときの届け出義務というものを、明らかに法改正をしてやっていただいて、そうして、そういう事故が起きたら、違反が起きたときには、事の大小にかかわらず全部届け出をする。事故が起きて届け出を怠ったときは、その義務違反でもって、そこでチェックをする、こういうふうなことから私はやっていかなければならないと思いますけれども、そういう点を通産大臣ひとつおやりになる気があるかどうか、私はお伺いをいたしておきたいのであります。
○中曽根国務大臣 賛成です。実行いたしたいと思います。
○小林(進)分科員 通産大臣なかなかわかりのいい御答弁をしていただきまして私は非常にいいんですが、ほんとうにそれをやっていただけますと、これほどの大きな事故もなくなるし、被害者もそう泣かないで済むのではないかと私は思いますので、これはぜひやっていただきたいと思います。 時間もなくなりましたから結論にしますが、先ほどの大臣の御答弁の中で、消費生活用品安全法とおっしゃいましたか、何とおっしゃいましたかね。
○中曽根国務大臣 消費生活用製品安全法です。
○小林(進)分科員 その製品の安全法をお出しになるということでございまして、これは確かに、大臣が就任のときに天下に向かって宣言をせられた、いわゆる福祉通産行政を進めるということを裏づけする一つの具体的な法律案であると思っていまして、内容は拝見いたしませんけれども、名前だけはけっこうだと思うのでありますが、ただしかし、その内容の中には、製品を特定用品を指定して、その指定した品物だけについて、違反があったり事故があった場合には、何か業者の保証協会みたいなものをつくって、事故が発生した場合には、保証協会に各業者が積み立てた金でありましょう、その中から最高一千万円くらい、被害者といいますか、消費者にそれを補償するというのが骨子だというふうに承っておりますが、いかがでございますか、この内容は。
○山下(英)政府委員 消費生活用製品安全法という名称で国会へ提出手続をとっておりますが、法律のたてまえは、いま先生のおっしゃったのと大差ないのですが、大きくいって二つに分かれまして、一つは特定の製品、これを政府がきめまして、政府みずから基準をつくって、そして、その基準に合ったものはマークをつけて売ってよろしいが、基準に合ってなければ売っては困る、そういう販売規制を含んでおります。それから、もしも欠陥品が出れば回収命令を出せるよう、国みずからがやります。それから、もう一つのほうは、会社自身も、近年はきわめて自己の製品の安全に努力をしておるし、また、したいという熱意が高まっておりますので、そういう自己検査、それを活用する意味で協会をつくりまして、その協会を政府が監督下に置いて自主的に製品の安全の確保をはかる。そしてその協会は、事故が起きました際はすみやかな補償をしていこう。もちろん従来の民法上の損害賠償のたてまえは変わりませんけれども、すみやかに補償していける措置をとる、こういう法律でございます。
○小林(進)分科員 私のきめられた時間はもう二分ばかりになりましたから急ぎますが、その生活用品の中に政府が特定の製品ということを指定をされる、そしてその特定の指定製品の中に一体家庭電気用品などを入れる意思がおありなのかどうか。私どもの想像、あるいは周囲の評判では、おそらくこの家庭電器の大メーカーあたりが、全部通産省に圧力を加えて反対して、一番事故の多いこういう家庭電気製品なんかは、いわゆる特定指定製品の中から省かれるのではないかということを考えておるわけでございますが、通産大臣、それはまだ作業中でございますから、まだ指定用品がきまったかきまらないか知りませんけれども、こういう危険な家庭電気用品をいわゆる指定製品の中にお入れになるかどうか。 その届け出主義と同時に、いま一つは、こういうのは無過失責任論でいくか。もし過失放火とか過失殺人罪に至らぬとすれば無過失責任でもよろしいが、やはり刑事罰の対象にしてどんどんメーカーを縛り倒して処罰しなければ、私はこうした事故は絶えないと思います。絶えないというのは、先ほどから言っておるように、毎年家庭電気製品の火事が絶えないのでありますから、だから消防庁なんかは、こんな電気製品の火事のあと始末や不良製品の回収に、大メーカーの下請になってのこのこ走り回って、一ぱい飲む小づかい銭でももらうようなつまらない根性はやめて、いま少ししゃんとして対処してもらうと同時に、私はやはり刑事罰の対象にしてもらわなくちゃならぬ。そこら辺まで法改正をおやりになる意思があるかどうか。いわゆる無過失責任論に基づく刑事罰と、いま一つ指定製品の中に入れるかどうか、ひとつお答えいただきたい。
○山下(英)政府委員 ただいま御説明した消費生活用製品安全法、これは従来の製品安全のための取り締まり法の系統はそちらにまかしております。ただし、たとえば電気製品について現在取り締まっておるやり方を、今度の法律と関連させることができる範囲では関連させます。しかし、その法律を廃止してこちらに取り込むという姿勢はやめました。 それから、それでは罰則がついておるか。たとえば製品回収の命令を出しまして、その命令に違反したような場合は罰則がついております。しかし、先生御指摘のように、損害賠償について民法の原則をこの際改めたかといいますと、それは従来の民法原則にのっとっております。
○小林(進)分科員 大臣どうですか。聞きますけれども、あなたのキャッチフレーズであるそういう家庭製品の中には、残念ながら一番悪の権化である家庭電気用品の事故を防止することは入ってない。従来の法律でいこうという。従来の法律では、被害は受けても刑罰一つ与えられない。民法の民事訴訟なんかでいったのでは、被害を受けた者はみんな破産をしなければなりませんよ、家を焼かれた者も、呼吸ができないほどのどを痛められた者も、損害賠償請求をやったのでは。こっちは大メーカーで、弁護士をつけて何十年も争っていればいいのですよ。そうして片方は不良品をテレビで、いい品物だ、いい品物だと宣伝していればいいのですよ。やられた被害者は救済の方法がない。まず刑事罰でぴたっと、このくらいの法改正をやるお考えがあるかどうか。これは通産大臣、明快にひとつ御答弁願いたい。あなた、これをどうしてもつくらなければ、いままでの答弁はみな死んでしまいますよ。何だ中曽根通産大臣、調子のいいことばかり言うが、何もやらぬじゃないかということになります。
○中曽根国務大臣 刑事罰の問題、これは非常にむずかしい問題で、法務省とも相談しなければできませんが、私はいまの考えでは、刑事罰まで持っていくのはむずかしい、やはり一般の刑法を適用して、あるいは民法を適用して過失何々罪、そういうようなことでやるのではないかと思います。
○小林(進)分科員 もうこれでやめますが、過失罪じゃだめですよ。いまああやって公害の問題でも、国会の中で、過失罪という刑法の原則じゃ取り締まれないということで無過失責任論だ。無過失責任論で、いやしくも支障が起きた場合には、故意、過失を問わず刑罰を加えなければ国民の安全は保たれないというのが、もはや日本人の常識になっておるのじゃないか。家庭電気用品というものは本来火事や何かにつながるべきものではないのですから、そういう事故が起きたり、電気毛布にくるまって死んでいく人があったり、あるいは冷蔵庫が燃えて家なんか火事になって、夜逃げをしていくような人に対しての実際からながめれば、そのものずばり無過失責任論です。ばかっと刑罰を加えるべきであると私は思う。無過失責任論まであなたは踏み切ってくれなければ、家庭電器用品の事故なんというものは防止できないと思います。 残念ながら時間が参りましたので私はこれで終わりますけれども、通産大臣、私はあなたの答弁を了承したわけではありません。また場所を変えてもっと大きな声でひとつやりますから、どうぞよろしく。
○細田主査 次に、林孝矩君。
○林(孝)分科員 通産大臣にお伺いします。 アメリカのドル切り下げに伴う中小企業に対する影響性ということが中心課題になりますけれども、まず最初に、通産大臣が二月十四日の本会議場におきましておっしゃった御答弁、その中に「現在の情勢にかんがみまして、各地域並びに業種別に実情を把握することが非常に重要であると思います。この通貨調整の影響は、一週間、二週間、三週間、一カ月と、時間を追って非常に変化が出てくるものでございます。来週さっそく通産局長を招集いたしまして、よく指導いたしますとともに、刻々情勢変化を本省に通知してもらいまして、適切な措置を打つように努力してまいるつもりでございます。」こういう御答弁がございます。大蔵大臣も本会議の答弁の中で、「実態を十分に把握することにつとめております。そして、まず、金融面におきましては、必要な手段の疎通を欠くことのないよう、適切な配慮を十分いたします。為替相場の変動等に伴いまして、輸出関連の中小企業の業務運営に著しい支障を来たすようなことがあってはなりませんから、為替面からも適切な措置について検討いたしております。」こういう答弁がありました。それ以来情勢は、大臣も御指摘のとおり、刻々変わっているわけでありますけれども、通産省において、一週間、二週間、三週間、一カ月等の時間的な経過に伴う変化、また通産局長を招集したときの状況、そのような現在の中小企業に与えている影響というものを、どのように把握されているか、具体的にお示し願いたいと思います。
○中曽根国務大臣 あらかたの調査は、あらごなしには一応やりましたが、カバーされない部面やカバーされない地域もまだございまして、さらに綿密に追い打ちをかけてやっておるところでございます。具体的には長官から報告させます。
○莊政府委員 実態調査のほうは通産局を使いまして、約九十八の主要な輸出産地について実情調査をしたわけでございます。これらの産地の中小企業が輸出に占めます比率は約二割です。二割のウェートを占める全国の主要輸出産地でございます。これは、変動制に移行しまして直ちに、現地に人を出しまして調査をしたわけでございますが、情勢の見通し難等から、産地によりましては、今後の影響等についても、かなり幅のある見通ししかまだ立たない、あるいは目下内部で話しておるというふうなことで、その後補整された情報を通産局のほうから別途送ってもらっておるというふうな面もございます。九十八産地についての情報が補整されながら逐次全部整いつつあるということであって、全体はまだそろっておりません。その中で、また資金の需要見通し等につきましていろいろ詰めておりまするが、どういうふうな実情にあるのか、どういう事情でこれだけの資金が要るのかというふうな点について、また現地のほうへ一度戻して調べたり、いろいろいまやっておるところでございます。 そのほかに、主として中小企業によって構成されておる業種ごとの全国主要団体というのがございます。繊維とか雑貨とか精密機械とかございますので、そういう全国団体のほうにも聞いてみようということにいたしまして、目下そういうところとも接触をいたしております。これらを総合いたしまして、全体の影響というものをなるべく正確に把握いたしたいと思っておりますので、あと若干お時間をいただきたい、かように考えます。
○林(孝)分科員 今回の事態というのは、前回のドル・ショックと少し事情が違った影響を与えておるというふうに私は理解しているわけです。といいますのは、あとにも述べますけれども、ちょうど前回のドル・ショックで受けた影響、それに対して政府がとった対策、たとえば金融対策、そういうものがちょうど金融の変換期の端緒に立っておる、そういうところに起こってきているわけで、いま調査の実情ということについては、お話しのような状態であるということはわかりますけれども、現場におけるところの実態というものは、非常に時間的にもスピードを持って対策を講じてもらわなければならないという状態にきておる。九九・三%を中小企業が占める輸出というのは日本の輸出の約四〇%といわれておるわけで、非常に影響を与えておることも事実なんです。そこで、そうした実態を掌握するのは、大体いつごろをめどに掌握されようとしておるのか。その辺はいかがですか。
○莊政府委員 なるべく早くということで従来からやっておりまするが、あとまだ若干時日を要すると思います。
○林(孝)分科員 いまここで一つの実態を申し上げます。これは奈良県の調査でありますけれども、品種はグローブ、ミットで、昭和四十八年度の当初見込みは四百五十万個、それがたとえばドルが二百六十五円から二百六十円になった場合は百七十万個になる。また二百五十五円以下になると百二十万個という生産に落ちるということです。これを輸出状況から見ますと、四十八年度当初の見込みが二百七十三万個、それが二百六十五円から二百六十円ということになりますと五十万個に減ってしまう。五分の一の輸出の落ち込みということなんです。二百五十五円以下になりますと、それが二十万個に落ちてしまう。これはもう壊滅的な影響ということになるわけです。事実、こうした業界の経営というものが成り立たなくなって、労働人口も減少していく、当然転業しなければならないというところに追い込まれております。こういうのが、単にグローブ、ミットだけではなしに、今回の指定業種になっております全企業においても相当の比率を占める。前回のドル・ショックのときに、ちょうど四十六年八月にああいうことになりまして、十月には八百六十五件の倒産を見ているわけです。こういうふうな過去における実績がある。そして今回の見通しはもうはっきりそうしたデータであらわれておる。こういうことでありまして、先ほど申し上げましたように、現場においては非常に逼迫した状態にあるということ、こういう認識にまず立っていただきたい。ですから、通産大臣が本会議でも言われましたように、実情を把握することが非常に重要であるというのは、こういう実情にあるということを把握されるのが非常に重要であるというふうに理解されなければならない。それに対して、一週間、二週間、三週間、一カ月というふうにおっしゃって、通産局長を招集して指導するということであります。もうその時期が過ぎておるわけですね。通産大臣はそのときどういう指導をされたわけですか。
○中曽根国務大臣 私も局長の会議に出まして、まず、前回やった措置は今回も実施する、それを頭に置いて手当てをする。それから、前回に比べて今回はさらに事態は深刻になると考えるし、また長期的にこういう問題が持続する危険性がある、そういうことをよく申しました。それから、アメリカ側の態度は前回よりもきびしいだろう、だから通貨と通商と別々に日本に対して強い圧力をかけてくるということを考えておかなければならぬ、そういう情勢も私申しまして、それで、前回よりももっと手厚い政策を対象によってはやらなくてはいかぬ、そういう点について、本省ではそういう用意をしているから、本省に具体的にすぐ連絡するようにというようなことを言っておきました。
○林(孝)分科員 先ほど申し上げましたように、九十八の輸出産地調査ということでありますけれども、その調査のしかたですが、たとえば、業界別の調査とか、あるいは業界別の被害状況の見通し、そういうような形の調査なんですか。それとも、通産省としてほかにこういう内容で調査しているというものが、はっきりしているのですか。
○莊政府委員 九十八産地については産地別の調査でございます。産地につきまして、最近の状況がどうなっておるか。それから、今回の為替変動によって、四十八年における輸出に対してどの程度の影響を受けるかというふうなことをとりあえず調査しております。これは見通しの問題でございます。その場合に、当然、当面の問題として、資金繰りが非常にショートしてくる、これを放置すれば、再び立ち上がれないようになるわけでございますから、緊急の対策として金融措置を講じたいとわれわれ思っております。その中で一体、どれだけの資金需要が出るのかというあたりを、重点に置いて調べております。
○林(孝)分科員 通産省に対しては、なるべく早くということですけれども、ぜひとも答弁していただきたいことは、やはりめどをはっきりしてもらわないと成約がゼロになっていく、あるいは輸出成約をどれくらいすればいいか、そういうふうな業界の心配もあります。安心した経営が成り立たない。これはあとで答弁してください。実情はこういう実情です。 それで、大蔵省に対して質問しますけれども、大蔵大臣もやはり本会議で同じようなことをおっしゃっている。それに対して大蔵省は、実情把握並びにどういう対策を考えてこられたか。
○額田説明員 お答えいたします。 大蔵省といたしましては、二月の二十三日に全国の財務局の調査課長会議で各地の八十五産地につきましての実情を調査いたしました。なお、大蔵省の調査の結果は、今度の変動制への移行によって、やはり中小企業に影響が相当出るだろう。しかし、何ぶんにも二月二十三日のことでございまして、日が浅うございますから、その後の状況を詳細につかむというところまではいっておりません。日が浅いという状況でございます。 なお、調査につきましては何と申しましても、通産省の、特に中小企業庁の調査が最も細密であり、かつ周到で専門的にやっておられるわけでございます。したがいまして、私どもとしては、まず通産省の調査の結果を待って必要な対策をとりたい、こういう基本的な考え方を持っておるわけでございます。 若干補足して申し上げますと、変動制に移行いたしました後、直ちに銀行局長から傘下の財務局長に通達いたしまして、特に変動相場制への移行によって影響を受けると思われる中小企業に対する金融面の融資の配慮を要請しました。これに応じて、御承知のように、全国銀行協会、各種銀行の協会が全傘下金融機関に、変動相場制による影響を緩和するための融資の措置を要請をいたしたわけであります。その後、先週、財務局長会議がございまして、全国の金融情勢は、幸いにいたしまして、御承知のように、現在流動性のむしろ調整を要するという状況でございますので、金融は円滑に推移しておるという状況でございます。 一方、政府関係金融機関におきましても、第四・四半期の貸し出し額も、幸いにして非常に大き目に踏んでございます。政府関係金融機関の中小企業金融関係の貸し出しも順調にまいっております。今後、変動相場制に移行した以後、日がたつにつれまして、先ほど来御指摘のありました点、あるいは中小企業庁長官からお話のありましたような影響が順次出てまいるものと思います。私どもは、中小企業庁の調査の結果を待ちまして、そういう結果に対応し得る万全の施策をとってまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○林(孝)分科員 いま特別金融課長から話がありましたように、通産省の調査を待ってということです。通産大臣、何回も申しますけれども、その調査を早くやって、早く対処しなければ非常にたいへんだ。その理由は先ほどから具体的な例もあげました。また前回のドル・ショックの金融を受けた返済期にも当たっているということで、非常に急がなければならない。本会議が開かれたのも、緊急問題として本会議が開かれたということで、そういう意味でもめどを明らかにして、そしてそのときにこういう対策を立てるのだと明示されなければ、非常に不安な状態に置かれている。毎日毎日仕事をしているわけですから、ここで通産大臣として決断をしていただかなければならないのじゃないか。私はこう思うのですけれども、いかがでしょうか。
○中曽根国務大臣 必要な措置はどんどんやっておるのです。金融の問題にいたしましても、あるいは為替の予約の問題にいたしましても、それはもう実行しているのです。ただ、前回と今回がどういうふうに違うか、また実情はどうであるか、そういう調査を現に実証的にやってみて、そして前回と違う点については、われわれが思いを新たにした政策もやらなくちゃならぬし、あるいはもっと強化した政策をやらなくちゃならぬし、前と変化もある。そういうふうな情勢で、的確な調査をやっている、そういうことなんであります。
○林(孝)分科員 その大臣が言われる、今回が前回と違う、こういうことに関して、輸出に関連している都道府県において、もうすでに見通しを立てているわけです、このままいったらこうなるという。一ドルが二百六十六円になると何ぼになる、二百六十円になるとこうなるという見通しを、もうすでに立てているわけです。その報告が通産省に入っていないのか、通産省が報告をとっていないのか、それはわかりませんけれども、すでにそうした見通しを立てている現場の状態というものが、どうしてそんなに集まってこないのか、掌握、把握できないのか、こういう疑問を持たざるを得ないわけですね、そういうふうにおっしゃると。
○中曽根国務大臣 その点は、業者の身になってみますと、変動相場になったからといってすぐ採算の見通しがつくわけじゃないわけです。変動の相場は、六十五円になったり、あるいは六十円を切りそうになったり、あるいは六十八円に上がったり、毎日非常に変動しているわけです。特にきのうあたりのマルクの動きを見ますと、流動的に動いているわけです。だから業者のほうは、大体どの辺が実勢になるであろうかという予測もまだ立てにくいというところもあるのです。そういうような流動性が大体どういう安定点にいくかということもあわせて、業者の意向というものはきまってきて、契約もとめているのもありますし、あるいはとりあえずは滞貨資金が要るというのもありますし、そういういろいろな要素があるわけですね。その中でいままでやれるものはすでにやっておる。しかし、業者のほうは戸惑いぎみで、まだ腹をきめかねて見ている。そういう部分はだんだん刻々とわかって出てくる、そういうことなんであります。
○林(孝)分科員 そこで申し上げたいことは、そういう事情を前提にしたとしても、じゃ、いつごろになったら残された部分についてはっきりするのか、これはなるべく早くということだけで片づけられる問題なのかどうかということ、こういうことになってくるわけですね。やはり私はゴールをはっきり、固定相場に変わる、変わらないということを別にしましても、固定相場になったらどうするといういろいろなそうした不安あるいは刻々に変わっているそうしたドルの相場、そういうものをながめながら仕事をしているという現場の不安というもの、はたしてこれは緊急対策としてだけ論じられるものかどうかという点が出てきます。こういう状況に置かれている産業が将来安定した経営というもので進めていくことができるかどうか、こういう点がそこに生まれてくるわけです。ですから、行政として考えていただかなければならないことは、そうした緊急的な対策、そして今度将来に向かってそうした中小企業が絶えずこういう影響にさらされて、そして目標が定まらない、不安である、そういう状況に置かれないように、何らかの将来に対するビジョンといいますか、そういうものをアドバイスするとか、そういうような形で手を打たなきゃならないのじゃないか、そういうふうに私は思うわけですけれども、大臣いかがでしょうか。
○中曽根国務大臣 それはおっしゃるとおりでございます。おっしゃるような奈良県関係のグラブ、ミットなんかは非常に苦しい部面に入るという報告が入っております。そのほかたとえばクリスマス電球だとか、あるいはケミカルシューズであるとか、あるいは繊維品の一部、特に縫製関係は苦しいようですね。それが一体六十五円でどうなるのか、六十円でどうなのか、その辺も業者としてはじっといま見ているという情勢であります。それである業態によってはこれからのアメリカとの関係を見、また発展途上国の台湾とか朝鮮、韓国あたりが追い上げてくるのを見ますと、ちょうど喫水線のところを浮いたり沈んだりしているという情勢があるのです。これはもう思い切って構造転換をやって、ほかのいいほうへ転換してもらったらどうか、そうしないといつもそういう関係で浮き沈みして不安定である。だといっていまの日本のそういう零細業者の関係を見るというと、人がやらなくなったら自分がやっちまおうというのがまたあるわけです。そういうものが出てきたらせっかくやったのがまた意味ない。それがまた次の段階になると浮き沈みするということもあるわけです。ですからそういうこと全般を考えて、この業界、この業態については将来性を考えて、思い切って整形手術をするなら整形手術をする、あるいはほかの企業と結びつけてやれるものなら結びつけてやれるようにしてやる、そういう将来の希望を今度こそ持たせて、思い切ったことをやる段階だろうと思っているわけです。私はそういう腹を固めておるわけであります。しかし、それだけに調査も、また関係業界の人々の意見もよく聞いて、またその人々の身になってみたら、自分がいままでやってきたことをそう簡単に変えられるものじゃありませんからね。非常に慎重に相談し合いながらやる、そういう考え方なんです。
○林(孝)分科員 それから銀行局の関係になると思いますけれども、信用補完措置の中でたとえば保険公庫の追加出資、それから金融措置の中で商工中金の出資、こういういわゆる一般会計から出さなければならない、予備費でまかなえというような問題が、こうした状態になってくるとこれを利用するという問題が起こってくるわけです。そのときに、それじゃ補正予算を組まなければならないのじゃないかというような問題があるわけですけれども、その点についてはいかがですか。
○禿河説明員 主計局のほうからお答えを申し上げますが、今回の輸出関連中小企業に対する緊急措置につきましては、いま実態把握につとめておるところでございまして、したがいましてそれにどれだけの資金が必要かという数字はもちろん固まっておりませんけれども、私どものほうの現在の考えといたしましては、一般会計の予備費がまだかなり残っておりますので、それで十分対処し得るし、あるいはまた必要があれば財政投融資の追加というふうなことで対処していきたい、かように考えております。
○林(孝)分科員 それから預金準備率が一月十六日、それから今度三月十六日に引き上げられるということなのですけれども、これの中小企業に与える影響をどのようにごらんになっておりますか。
○額田説明員 私ども専門の立場でございませんが、預金準備率の変更の概要についてお話し申し上げます。 御承知のように、昨日決定いたしました預金準備率の引き上げにつきましては、銀行、長期信用銀行等につきまして一千億円超の預金残高を持つものについてのみ先般引き上げられた準備率の上に上乗せをされているわけでございます。一兆円超につきましては、たとえば定期性預金について〇・五%引き上げるというふうな措置をとられましたが、銀行のうちでも預金残高が一千億円以下のものについては一切引き上げは行なわれておりません。また相互銀行、信用金庫等につきましてはこの預金準備率の引き上げは行なわれておりません。これらは御承知のように中小企業金融のウエートの高い機関という意味で、今回の準備率の変更については中小企業金融について特に配意をなされておる、こういうふうに言って差しつかえないのではないかと思います。
○林(孝)分科員 これは通産大臣に要望したいことでありますけれども、先ほどから議論してきました観点も通産大臣十分御理解いただけたと思います。そこで金融を拡大する、これは前回と事情が異なるからそういうことが考えられたり、あるいは利子の引き下げというものが必要ではないか、またちょうど返済期の端緒に立っておるということで返済の繰り延べというような問題も必要になってくるのじゃないか。これは対策面でありますけれども、当然その実情を把握した上でのことになるかもしれませんけれども、通産省として覚悟しておいていただかなければならないというようなことが起こってくると私は思います。そうした点に対する大臣の答弁をお伺いしたいと思います。
○中曽根国務大臣 御指摘の点につきましてはよく考慮いたしてやります。
○林(孝)分科員 終わります。
○細田主査 次に、荒木宏君。
○荒木(宏)分科員 私は日本共産党・革新共同の荒木でございます。 いまたいへんに悩み、苦しみ、憤りを感じておるいわゆる無籍業者の人たち、全国で二万人いるといわれますが、この人たちの立場に立って通産大臣並びに通産当局の皆さん方にお尋ねをしたいと思います。 昭和四十七年十一月一日に通産省令百二十三号、綿スフ織物調整規則が制定公布されました。 そこで、これについてまず政府委員の方にお尋ねをいたしますが、この規則の前文には中小企業団体の組織に関する法律、いわゆる法律五十七条、六十四条、六十五条、これに基づいてこの規則を制定する、こうありますが、この中で金銭の納付、経済的負担を定めたのはどの条項であるか、これを政府委員の方にまずお尋ねしたい。
○齋藤(英)政府委員 ただいまのお尋ねでございますけれども、おそらくいまのお尋ねの趣旨は、無籍織機の取り扱いに対する御意見であろうかと思います。 私どもといたしまして無籍織機の取り扱いをどういうふうにするかということは衆参両院の決議にもありまして、そのときの御議論でも私ども非常に強く責められたのでございますけれども、団体法のアウトサイダー規制命令にも違反をしておるということで、本問題につきましては強くこれを取り締まるべきであるという議論が非常にございました。したがいまして、附帯決議もそういう附帯決議が付せられております。それで私どもは、これは違法な存在であるということではございますけれども、こういう問題を考えます場合には法律的にそういうふうにきちっとやるほうがいいのか、あるいはそうでないほうがいいのかというふうにいろいろ各方面とも協議の上、考えました末に、一定の条件をつけましてこれを認める方向で考えたほうがいいのではあるまいかというふうな方針をきめまして、自後そういう方針に従いまして進めてまいったわけでございます。 〔主査退席、山崎(平)主査代理着席〕 したがいまして、この法律の基本に立って考えました場合には、いまいろいろ先生からお話がございました金銭の納付、いわゆる経済的負担の問題というものは、関係業界でもいろいろ協議の上、そういうふうなものをかかる財源に使ったらどうかという案があることも私どもは聞いておりますが、それは本問題を整理をいたします際に、過去の経緯あるいは大部分の登録しておる方との均衡等いろいろな問題を考えました末に、こういうふうなことで考えたらどうかという案が出てまいりました。私どもは、ある段階におきましては、いま御指摘のように十一月一日に省令を制定公布ということにいたしたわけでございますけれども、それ以外のいろいろな問題につきましては、過去のそういう経緯等を法律的な問題だけで縛るというわけにもいかない問題であるということを考えまして措置をいたしたい、こういうふうに考えている次第でございます。
○荒木(宏)分科員 局長に申し上げておきますが、私がお尋ねしましたのは、経済的負担を定めた条項がどれであるか、これは五十七条と六十四条と六十五条のどれですか、この三つのうちどれですか、こう聞いたのですよ。だってあなた方がおつくりになった規則にそう書いてあるのだ。前文に、この規則は法律の五十七条と六十四条と六十五条に基づいてつくります、こう書いてある。経済的負担はその三つのうちのどれですかと、だれが聞いても聞き取り違いがないほど明確にお尋ねしている。わざと答えをはぐらかしてやろうというようにお思いなら、これは別ですよ。しかしもしそうだとしたら、国会軽視もはなはだしいじゃないですか。どの条項が金銭納付、経済的負担をきめているのか、こう伺っているのですから、もっと明快に答えていただきたい。
○齋藤(英)政府委員 私どもがいま申し述べましたのは、本件の経緯あるいはその持つ意味についてお話ししたのでございます。したがいまして、いまの御質問でございますけれども、私どもは本件の処理につきましての一端として、そういう問題があるということを聞いておりますが、これは当該業界がいろいろ考えた末の問題でございます。したがいまして、本件につきましては私ども聞いておりますが、現行の法制のもとで云々という問題で解決すべき問題ではないというふうに考えております。
○荒木(宏)分科員 これはもう少し申し上げなければいけませんかね。あなた方がおつくりになった規則に書いてある。御存じでしょう。何なら読みましょうか。法律の五十七条と六十四条と六十五条に基づいてこれを定めた。この中に経済的負担をきめた条項があるのかないのか。局長、わかりますか。わかっておるのですか。これがあるのかないのかと聞いているんですよ。経済的負担以外は何も聞いてない。一体どうなんですか。
○齋藤(英)政府委員 いま申し上げましたように、現行法制のもとで解決すべき問題ではないというふうな趣旨で申し上げたわけでございます。それで御賢察をいただきたいと思います。
○荒木(宏)分科員 何か取り違えていやしませんか、あなたは。昨年の十一月一日に、そういう規則で安定命令が出たことはもちろん御存じでしょう。そこに書いてある前文の内容をまさか知らぬとは言いますまい。その中に経済的負担の条項はあるのかないのか、こう聞いているのです。聞いている意味わかりますか。ないならないと言っていただいたらいいのです。あるならある、どこだと言っていただいたらいいのです。こんなにとりまぎれもないように明瞭に聞いているのに何ですか、それは。(「現行法律で律するわけにいかないといったら、違った答弁で、こっちの質問と違う」と呼ぶ者あり)
○齋藤(英)政府委員 現行法令のもとで対処すべき問題ではないというふうに申し上げた意味は、現行法令上、省令の中にはそういうものはないという意味でございます。
○荒木(宏)分科員 それならそれとはっきりと早くから言えば、こんなに大きい声を出さなくてもいいのです。 そうすると現行法令の中には経済的負担を定めた条項はない、いまのこの規則の百二十三号では経済的負担を定めた条項はない。こう伺っていいんですね。
○齋藤(英)政府委員 先ほど申し上げたとおりでございます。
○荒木(宏)分科員 そうだとしますと、御案内のように、この附則の七項で施行時の織機の届け出ということがきまっていますね。この施行時の織機の届け出について、これはもちろん経済的負担はないんでしょうね。あなたいまないとおっしゃったから、それは確認してよろしゅうございますか。 〔山崎(平)主査代理退席、主査着席〕
○齋藤(英)政府委員 施行時の織機の届け出に関してということでございます。これは御案内だと思いますけれども、現在のところ私どものほうで省令を出しまして届け出の期間を告示で定めることになっておりますが、告示を出しておりません。したがいまして、いまの問題は現実の問題としてはまだ起きていないわけでございます。
○荒木(宏)分科員 どうも何か腹に一物があって先に先にとお答えになっているようですが、私が伺ったのは、附則の七項というのはもうすでに出ているんですよ。あなたが何とおっしゃろうと去年の十一月一日に省令の百二十三号というのがちゃんと出ている。その中に経済的負担が含まれるのかどうかと伺っている。あなたは先ほどはっきりと、ない、こうおっしゃった。そこで、それを受けて同じ日に御案内のように告示の五百五十七号というのが出ている。これも御存じでしょう。その告示の五百五十七号の中に経済的負担、金銭納付の項目がありますか。
○齋藤(英)政府委員 お答えいたします。 省令に基づく告示でございますから、省令になければ告示にはございません。
○荒木(宏)分科員 ここでひとつ大臣にお尋ねを申し上げたいのですが、いま局長のほうで、昨年の告示の五百五十七号、これは中曽根大臣のお名前で出ているのですが、金銭的負担は含まれていないとおっしゃった。これは大臣、政治的にも、政治責任のあるお立場としてはっきり確認さしていただいてよろしゅうございますね。
○中曽根国務大臣 局長の答弁したとおりでございます。
○荒木(宏)分科員 そういたしますと、ここで一つ事例を申し上げたいのですが、ある産地組合で経済的負担、つまり附則七項に定めるところの告示の五百五十七号、これについて金を納めることが義務である、そのことが通産省のまた指示である、こういうように言っているところがあるのですけれども、そうだとすると、こういう指示はもちろん出していらっしゃいませんね。局長、いかがですか。
○齋藤(英)政府委員 お答えいたします。 私どものほうといたしましては指示ということはいたしておりません。
○荒木(宏)分科員 念のために申し上げますが、昭和四十八年の一月——これは一例ですが、岐阜県毛織工業組合の名義で、事業所各位殿「経済的負担は義務であり、この手続は通産省の指示であります。」これは明らかにそうすると虚偽の文書ですね、内容は。いま局長のおっしゃったとおりだとすれば、通産省は指示をしていない。しかるにこの岐阜県何がしの組合は通産省の指示であるといっている。これはそうすると内容が明らかに虚偽の文書だ、こういうふうになりますが、そういうふうに受け取ってよろしゅうございますね。
○齋藤(英)政府委員 いまの岐阜県の文書、私どもつまびらかに見ておりませんので、前後の関係その他あると思いますけれども、私ども申し上げましたのは、通産省は指示を出していないということを申し上げたわけであります。
○荒木(宏)分科員 いまおっしゃったのは指示ですね。
○齋藤(英)政府委員 はい。
○荒木(宏)分科員 もう一つ伺っておきますが、今度は別の組合によりますと、今度の届け出は組合に加入することが条件である、こうなっているのですけれども、これは御案内のように加入命令は法律の五十五条できまっておりますが、この命令が出ていないのはだれも明らかなとおりです。そうすると、この加入命令、加入しなければならぬということ、これもまた内容が偽りだということになりますが、それでよろしゅうございますね。
○齋藤(英)政府委員 団体法の構成は先生御存じのとおりの構成でございます。五十五条にいまの加入命令の規定があること、当然でございますが、私どものほうといたしましていまの文書そのものは、私は見ておりませんから正確にはお答えできませんけれども、いわゆる加入云々をわれわれが指示をしたということはございません。
○荒木(宏)分科員 ここで一度大臣にお尋ねをしたいのですけれども、先ほど来申し上げておりますように、通産省の担当局長は、もちろん通産省は指示をしていない、いわんや加入が条件であるというようなことも言っていない。しかるに産地組合のほうでは、通産省の指示である、あるいはアウトサイダーの方は組合加入を条件とする。堂堂と文書で全部に配っている。どうです。一度これを念のためにごらんいただいて、こういう文書は通産省の方針とはまっこうから反するものである、明らかに内容が虚偽であるということを、政治的な責任のあるお立場として御確認をいただきたいと思うのですが、御所見はいかがでしょうか。
○中曽根国務大臣 局長の答弁したとおりであります。この問題は、おそらく御質問のお考えの中にあることであると思いますが、無籍織機の取り扱いについての御質問に関係しておるだろうと私思うのです。ところが六十八国会におきまして、衆参両院において「織布業の構造改善の実効を期すため、無籍織機の実態を明らかにするとともに、これが登録・廃棄・消滅等については適切な処理を行なうこと。」という決議がございまして、端的に申し上げれば、やみ織機というものは処理しなければいかぬ、そういうことであるのだろうと私は思います。それで、特繊法改正の際に、日本の繊維というものが過剰設備をかかえてどうするかという問題が起きて、そして、ともかく過剰設備があるのだからこれを整理しなければ業者自体が共食いでゆゆしい事態になるというところから整理しようというようなことにもなって、そしてそのためにも国は相当な補助金を出したり、あるいは破砕買い上げというようなこともやったり、そういうために織機を動かそうという人が権利を買ったり、いろいろな経済的活動が行なわれたわけであります。その中にあって正直者が損をしないように、行政当局としてはそういうことも考えなければなりませんから、その決議の趣旨が生きるように、そして正直者が損をしないように事業が運営されていくという方途をどういうふうに講じていったらいいのか、やみ織機を整理しろということは国会の決議でもいわれておったことでもございます。そういう間にあって具体的にどういう行政措置をとるかということで、業界の皆さんの意見も徴し相談もしている、そういう実態なんです。そういう過程にあるいはそういう文書も出たと思いますけれども、それは局長の答弁したとおりであります。しかしこれは全般的に何が正しい処理方針であるかということを考えてみると、正直者がばかを見たと言われないような処置をすることが必要である、そういうふうに私らは考えておるのであります。具体的にどういうふうな行為がいいかということは今後業界や皆さんの意見も徴して順次きめていきたいと思うので、いまはそういう状態であるということを申し上げるのであります。
○荒木(宏)分科員 昨年の国会のお話も出ましたが、大臣よく御案内のように、無籍織機の実態を明らかにして、そして登録あるいは抹消、廃棄、適切な処置をとる、こうなっているわけです。ですから、御案内のように、昨年、いまの総理が通産大臣でおられたときもそれに沿うような答弁をはっきりとなさっておるのであります。一方的に処理をせい、そういうふうな答弁ではないのは、会議録にはっきりしているわけです。ですから、そのことは念のために申し上げておきますし、またその過程で先ほどのような文書が出た、こういう御意見のようですけれども、これはもう全く時期がずれておりまして、昨年の国会の附帯決議は、御案内のように昨年の五月、六月です。ところが私が先ほど申し上げた文書は本年の一月なんですよ。いずれもいまの問題になっておるわけです。しかも、正直者というお話があるのですけれども、その実態は後のお尋ねでお伺いするとしまして、先ほどの続きに戻るのですけれども、そういったようなことで関連をしてお尋ねをしたいと思います。 通産省のほうでこの問題の解決収拾方をいろんな人に頼まれた、たいへん問題が紛糾して見解の対立があって、通産省としても困っておる。そこでいろいろな人に頼み回ったというようなことがここに出ておるのですけれども、これはいいかげんな話を言っているのじゃないのですよ。大臣もよく御存じの衆議院の野田卯一議員が、先般来、無籍織機に関し、収拾方について通産省からお願いを受けた、こうおっしゃっておるのですけれども、そういう、議員さんに収拾を御依頼になったような事実はありましょうか。
○齋藤(英)政府委員 先ほど大臣から申し上げましたことにつきまして補足さしていただきますと、大臣が申し上げげましたのは、先般の国会におきまして、要するにそういうふうな趣旨の御質問がかなりあったということでございます。私どももそういうことでいいのかどうかということに関しては、それはいろいろ考えるところがあるのじゃないかということで現在のような措置をとっておるということでございます。切り捨てろとかいうふうなことをわれわれは答弁したわけではございません。 それから、第二段の野田先生のいまのお話でございますが、私どもは本件の解決につきましてはいろいろなところから御照会もございますし、いたします。したがいまして、別に具体的な名前をあげる必要もないかと思いますけれども、いろいろな方々に御相談申し上げることもあります。あるいは向こうから御照会のこともございます。したがいまして、単に国会の先生方ばかりではなくて、それは私ども先ほど申し上げましたように、業界各位の御意見も聞かなければいけない、いろいろな方々に御相談申し上げておるわけでございます。
○荒木(宏)分科員 私、議員さんの名前を申し上げたのですけれども、これは印刷して同業者の方方に広くお配りになったものですから、特に個人的な信書じゃないと思って申し上げたのですけれども、通産省からお願いを受けた、単に相談があったり、ついでの話が出たということじゃなくて、通産省として頼みに来たのだ、こうおっしゃっておるのですけれども、通産省としてお願いになったことはあるのでしょうか。某議員に通産省がお願いに上がられたことはありますか。某政党の其議員にですよ。
○中曽根国務大臣 大体与党議員というものは政府と一体になってこういう政策をやっておるものでありまして、野田先生も繊維部会にも入っておられますし、有力議員でいろいろ心配もしていただいておるところでありますから、われわれは与党議員にはいろいろお願いをして調整あるいは案をつくる、いい知恵があったら教えてください、そういうことはやっておるわけでございます。
○荒木(宏)分科員 そうするとこれは通産省として、大臣が正式に、ある特定の政党の、これは与党とおっしゃるのでしょうけれども、特定の議員に頼まれたということですが、その方が負担金は払うな、今後の混乱を避けるために納付金は一切納付をするのは差し控えなさい、こういうことを同業者の方に言っておられるのですけれども、それはそうすると通産省の御方針になるのですか。
○中曽根国務大臣 先ほど申し上げたことに尽きるのでありまして、お金をどうするとかこうするなんということは言ってありません。
○荒木(宏)分科員 これで問題がかなりはっきりしたと思うのですけれども、先ほど来のお話では、そういう指示はしていない、経済的負担が義務であるという指示はしていない、アウトサイダーの加入条件、これももちろん指示はしていない。しかし、そういう文書がどんどん出る。これは混乱紛糾の一つの有力な根源だと思いますが、いままた特定の議員に御相談になる、これは立場が大臣としてかあるいは個人的にかはっきりいたしませんけれども、それを受けてその方が払わなくてもよろしいというようなことをずっと文書でお配りになる、これはどうでしょうか。通産省の経済的な負担についての態度、先ほど来この委員会でおっしゃった経済的負担はその規則の中にはないのだ、はっきりそうおっしゃった、その態度がみんなにはっきり行き渡っていないからこういう混乱が起こるのじゃないですか。だから、この際はそういった混乱、紛糾を避けるためにも、先ほどの御答弁の趣旨をはっきりなさるのが一番適切な措置だと思いますがいかがでしょうか。
○中曽根国務大臣 目下あらゆる方面の人の意見あるいは法制的見解、与党の議員のいろいろな見解等を徴して研究中であります。
○荒木(宏)分科員 研究はゆっくりやっていただいたらけっこうでございますが、しかし現実に産地ではこういう文書がまかり通って、あるところでは、さあお金を払いなさい、申し込み用紙もありますよ、金融のお世話もいたしましょう、分割でもけっこうです、手形でもいいですよ、これで毎日毎日やっているわけですよ、通産省の方針と違うということがこの委員会ではっきりしたのに。研究はけっこうですよ、どんどん深めていただいて、ほんとうに業者の方々が納得するような正しい処理をしていただきたいと思いますけれども、いまの産地の状況、明らかに御説明なさった方針と違う状況を早く処置をするために、通産省としてはこの見解を明確に産地に示されることが必要じゃありませんか。
○中曽根国務大臣 そういうもやもやしたものがあるならば、検討の上いずれわれわれの考え方も明らかにすることはあると思いますが、何しろ目下検討中でございますから、御猶予願います。
○荒木(宏)分科員 ところで、省令の附則の七項、これは先ほど申し上げたとおりですが、これは施行時の織機の届け出について定めております。これは言うまでもなく法律、政令に適合したものとして公布、制定なさっておると思いますが、この法律の五十七条によりますと、安定命令は政令による、こういうことになっております。これはどういう政令のどの条項によっておるのか、政府委員の方からお伺いしたい。
○齋藤(英)政府委員 中小企業団体の組織に関する法律施行令の第六条八項でございます。
○荒木(宏)分科員 いま御指摘の六条の八項によりますと、御一読になればわかりますように、生産のために使うことができるのは登録織機なんだ、こうなっていますね。文章は若干回りくどいですけれども、登録織機が使えるのだ。そういたしますと、今度の規則で出されました附則の七項、これでとにかく使ってよろしい、こうなっているわけですよ。そうすると、この附則の七項でいう使ってよろしいというこの扱いは、規則の上位法である政令によりますと、いまおっしゃった施行令の六条八項で、まさにこれは登録だ、政令の段階ではですよ。上位法である政令の段階ではこれはまさに登録だ、こういうふうに読めるのですが、そう伺ってよろしゅうございますか。
○齋藤(英)政府委員 附則の第七項に書いてございますのは、御案内のように、附則でございます、したがいまして、これは経過措置として一応こういうことを届け出をした場合には認めますということになっておるわけでございます。
○荒木(宏)分科員 これはちと異なことを伺いましたけれども、法律の五十七条では、まず政令によらねばならぬ、これははっきりしておりますね。二義を許さぬ程度に明確に書いてあるのですから、政令によらねばならぬ。省令できめなさいとは書いてないですよ。まず政令によらなければならぬ。その政令によりますと、これは使えるのは登録ですよ。まあ届け出だとか、あるいは施行時織機とか、あるいは制限外織機とか、いろいろございましょうけれども、そんなややこしいものはだめなんだ。政令によればとにかく使うてよろしい、こういえばそれは登録なんだ、こういうことになっておるわけなんですよ。その点は局長、いかがですか。登録しかないでしょう、政令には。
○齋藤(英)政府委員 八項によりますと「物の生産の設備に関する制限に関する安定命令は、主務大臣がその定める基準に基いて登録をした制限設備以外の制限設備若しくは主務大臣がその定める基準に基いて封印をした制限設備はその物の生産の用に供してはならないこと又は主務大臣が定める期間内は制限設備をその物の生産の用に供してはならないことを定めるものでなければならない。」という規定がございます。したがいまして、いまここでございますアウトサイダー規制命令、たとえば綿スフでございますと、綿スフ織物調整規則でございますけれども、この本文におきましては、織機の登録規定で一応これを定めております。しかしながら、附則の第七項の規定をお読みいただきますと、これは経過規定といたしまして、「当該織機を用いて製造している織物の製造の用に供することができる。」ということが書いてございます。したがいまして、この「施行時の織機」といいますのは、いわゆる政治的登録ということではなくて、むしろ、その製造しておる織物の製造の用に供することができるということを一応ここできめただけでございます。
○荒木(宏)分科員 局長、もう少し、お聞きしたことをはっきり聞いていただいて、ひとつ政令をすなおにお読みいただきたいのですが、規則の本文であれ、附則であれ、政令で認めてないものをかってにつくるというのは、これは問題でしょう。本文では登録をやっています。附則だから、これはもう何をしてもいいんですというわけにいきませんよ。だから、使ってよろしいとはっきり附則で言っているのですから——使ってよろしいのは、政令によれば登録しか認めてないのですから、政令によれば登録だ。それを附則だとか規則でどんなにことばで言いくるめようと、政令の法律上の性質は登録ですよ。だって、登録しかないのですから。それとも、政令で登録以外のものを大臣がかってに幾らでも手品のようにつくり出してもいいというようにでも思っていらっしゃるのですか。まさかそんなことはないでしょう。はっきりと登録というようにきまっておるのですから。いま規則の附則でおきめになっておるものも、上位法によれば、これは政令だ。政令に登録以外のものが認められているかどうか。その点はいかがですか。
○齋藤(英)政府委員 政令のほうの八項でございますけれども、要するにこれは登録ということで一応そういうことがはっきり書いてあることは御趣旨のとおりでございます。しかしながら、この登録という、かりに表現はどういう表現でもいいわけでございますけれども、附則の七項で認めておりますのは、「当該織機を用いて製造している織物の製造の用に供することができる。」したがいまして、これを先生のおっしゃるように登録というふうな名前にとれば、それは登録ということになるかもわかりません。しかしながら、本則に書いてある登録とは違う性格であるということでございます。
○荒木(宏)分科員 そうすると、登録と届け出とは違うとおっしゃるのですか。同じか、違うか、この点はどうですか。
○齋藤(英)政府委員 いまのいわゆる施行時織機とか届け出織機とかわれわれが呼んでおりますものは、一応の期限があります。政令上の期限は十月末までに限っております。したがいまして、かりに登録ということにいたしましても、その性格は違っておるというふうに考えております。
○荒木(宏)分科員 どうしても別だとおっしゃるなら、今度は、それでは事務処理のほうでひとつ伺いますけれども、通産大臣が日本綿スフ織物工業組合連合会、綿工連に事務処理を委任するというのは、この根拠は法律の六十四条ですね。これは間違いありませんね。
○齋藤(英)政府委員 お話しのとおりでございます。
○荒木(宏)分科員 この六十四条によりますと、これまた「政令で定めるところにより、」となっていますが、この政令は、一体、どういう条項の何条ですか。
○齋藤(英)政府委員 中小企業団体の組織に関する法律施行令第八条でございます。
○荒木(宏)分科員 第八条の一項の四号だろうと思いますが、そうだとしますと、局長、そこを見てくださいよ。八条の一項四号には、綿工連にまかせられるのは、「登録」と書いてあるでしょう。登録だけだ。登録と性質の違うようなほかのことを何でもかんでも全部綿工連にまかしていいということは書いてないんですよ。だから、あなたが先ほどおっしゃったように、もしも登録と届け出が別だとおっしゃるなら、この附則七項の届け出のほうは綿工連にまかせないで通産省がぐっと引いておらねばだめじゃないですか。だから、問題ははっきりしているわけですよ。登録と、それから届け出と、譲渡や貸し付けの点で同じように扱うならこれはいいですよ。違って扱うというなら、今度は綿工連にまかせるところではっきり線を引いて、附則七項の届け出はこれは通産省が取りますよ、こういうふうに言わなければならぬと思いますが、どうですか。
○齋藤(英)政府委員 先ほど、登録という表現を使いましても登録の性格が違うということを申し上げたわけでございますけれども、まあ経過措置でございますからして、したがいましてこの「制限設備の登録又は封印に関する事務」というところで、登録に関係した関連の経過措置であるというふうに私ども考えております。
○荒木(宏)分科員 局長、そんなかってなことを言ったらだめですわ。いま八条一項四号のことを言っているのです。その前の三号にははっきりと「準ずるもの」と、含めてあるでしょう。その一つ前の三号をごらんなさい。問題になっておる本番のことと、それから、それだけではなしに準ずるものも含めるということで、それだけではなしに、多少性質が違うその周辺のものも含めるということがはっきり書いてあるのですよ。だけれども、四号の場合は登録だけです。登録と封印だけじゃないですか。登録に準ずるもの——あなたが先ほどおっしゃったように、同じようなものだけれども内容が違うものまで含むということは、三号と違って全然書いてないじゃないですか。あなたがおっしゃることを伺えば、貸し付けや譲渡のときには、これは性質が違うのだと振り分ける、今度事務処理のときには、いや、これは実は同じようなものなんです、どうしてそんなかってな扱いができるのですか。同じなら同じ、違うなら違う、譲渡、貸し付けの場合にも、事務処理の場合にも、同じに扱ってこそ、筋が立つんでしょう。片っ方のときには、これは少し違います、こっちのときには同じですよ、そういうのを二枚舌というんじゃないですか。ことばが過ぎたら御無礼ですけれども……。 この際大臣にはっきりお伺いしますが、この登録と附則七項の施行時織機の届け出、これは一体、ここにおきめになった政令上、法律上の性質は同じか、違うか。どちらですか。
○中曽根国務大臣 法律、政令解釈の問題は事務当局にやらせます。
○齋藤(英)政府委員 先ほど来申し上げておりますように、いまかりに「制限設備の登録」という表現で使いましても、その登録の内容は違うというふうに申し上げたわけでございます。したがいまして、登録に関する事務ということで、私どものほうは附則の七項の事務も委任できるというふうに考えております。
○荒木(宏)分科員 局長、しかし、これはだれが聞いたって詭弁としか言いようのないものじゃないですか。同じと、違うと、その場合によって使い分ける事務当局の解釈はそれはそれとして、大臣の政治責任の立場で、この問題は一体どう扱われるのですか。
○中曽根国務大臣 解釈の問題から来ることでございますから、その点は解釈をよく勉強してから申し上げますが、私、その両方の関係はまだよく事務当局から説明を受けておりません。
○荒木(宏)分科員 詳しい内容はまたあとで事務当局から御聴取いただけばけっこうですが、私が申し上げておるのは、譲渡、貸し付けの場合にはこれは別ものだと言い、事務の処理の場合には同じような性質のものですと言う、こういう言い方が事務当局によってなされておるけれども、政治的な責任者のお立場として、一体それでいいのかどうかということです。いままで聞いていたでしょう。それで筋が立つと思いますか。
○中曽根国務大臣 先ほど申し上げましたように、私は政治的判断をすべき立場にあり、行政当局からいろいろ意見を聞いて、そして、冒頭に申し上げたような急所を中心にして判断をしようと思っておるので、その点は検討中でございますからしばらく御猶予を願います。
○荒木(宏)分科員 それでは、政治的な責任あるお立場を、一体いつどういう機会に表明していただけますか。先ほど申し上げたずっと初めから問題になっていますよ。大体ここではっきり当局のほうが、経済的負担が根拠もないし、そんな指示もしていないと言うにかかわらず、産地ではまかり通っている。このことの政治責任の問題。そしていま事務当局が、片や同じものと言い、片や違ったものと言い、そのつどそのつどその扱いを異にするというようなことをしている。そういう問題の政治的責任の問題。これは一体いつ、どういう機会に明らかにされるのですか。
○中曽根国務大臣 目下検討中でありますから、しばらく猶予願います。
○荒木(宏)分科員 大臣、これは昨年の十一月一日に出た省令ですよ。この総選挙の前に出ているのですよ。国会の始まる前にこれが出されて、しかもあなたのお名前で出ているのですよ。まあ、よほど専門的な区々にわたる枝葉の解釈論議なら、これは別ですよ。しかし、いま問題提起をしておることは、実際に全国の二万人の業者の人たちが問題にしており、産地では大問題になっておる。死活問題になっておって、そして陳情が、ここにいらっしゃる政府委員のところにもどんどん行っているのですよ。全国で、この問題で、業者の決起大会だって開かれている。そして、いまここで経済的負担はどうなんだ、貸し付けや譲渡の問題はどうですかと言うと、綿工連に事務処理を委任していると言うけれども、それではまるっきり、この場合とこの場合と違うじゃないですか。これはもうはっきり政治的な問題でしょう。単に法律上の解釈問題じゃないですよ、これは。(発言する者あり)いまや、田中内閣の通産行政が問われているのですよ。
○細田主査 御静粛に願います。
○中曽根国務大臣 それは、自民党の繊維対策の部会でもいまいろいろ検討しているところでございまして、通産省当局としても登録云々という点も検討しているところでありますので、しばらく御猶予願います。
○荒木(宏)分科員 先ほど来伺っておって、全国の業者の代表の人も、先ほど来の大臣や政府委員の答弁をしっかり聞いておりますが、これは生活、営業がかかっているのですから、それを守るという立場で、しっかり責任のある処置をしていただかないとたいへんなことになりますよ。そして、この問題については、経済的負担は、いままでの論議ではっきりしたように、法律上の根拠は全くない。政治的にも社会的にもそんなことは許されるべきじゃないし、また、この権利の内容を区々の扱いのものにし、しかも、そのことを、事もあろうに法律の扱いをゆがめてまで業者団体のほうにまかしておる。いわばひきょうな態度といいますか、そういうふうなことは許さるべきでないということをはっきり申し上げて、さらに、一体こういうことがどうして起こるのか、このことについてお尋ねをしたいと思います。 これは政府委員の方に伺いますけれども、この安定命令は、ここ十数年来の需給の実態を無視しているのじゃないか、こういうふうに考えておるわけですけれども、大体安定命令が出されるようになりまして、需要は伸びておるのか、それとも横ばいか、それとも減っておるのか、この点はいかがでしょうか。
○齋藤(英)政府委員 これは数字をもって御説明を申し上げたほうがいいかと思います。したがいまして、数字をもって御説明を申し上げますが、たとえば綿織物の例をとって申し上げますと、これは当省の調統部の繊維統計年報からとった指数でございますけれども、四十年を一〇〇としました四十七年の指数は八四でございます。それから五年前、大体四十二、三年でございますが、四十二年をとりますと綿織物は九三・八ということになっております。九三・八が八四・〇になったというのが生産指数でございます。
○荒木(宏)分科員 たとえばGNP全体をとってみたって、昭和三十三年には十一兆七千八百三十七億ですか、それが四十五年には七十三兆二千百三十七億になっていますね。六・二倍ですよ、これは。家計の中の被服の消費にしても、三十三年は四・五人で三千百二十五円から、四十五年は八千九百六十八円、二・八倍。消費水準も、四十年を一〇〇とすれば、三十五年七一・七から、四十五年一五一・七。これは衣服費ですけれども、もちろんその中にいろいろな種類の綿製品がありましょうけれども、需要が伸びているというのは、これはもう常識じゃありませんか。
○齋藤(英)政府委員 私ども、需要を正確につかまえる指標がなかなかございません。したがいまして、いま生産指数にかえまして御説明を申し上げましたわけでございますが、逆に申し上げますと、いわゆる繊維産業全体の日本経済に占める地位というのは、実は、他の産業に比較いたしまして逐次低下しつつあるというのが遺憾ながら現状でございます。私どもは、この現状に関しましては、もちろん種々の施策を講じておりますけれども、遺憾ながら現状はそういうことでございます。
○荒木(宏)分科員 いま言われた生産指数の根拠の数字の検討が、これは資料要求したのですけれども、課長が当日でなければいかぬということをおっしゃったものだから、事前にその検討ができておりませんから、ですから、この点の論議はかみ合わずになにしますけれども、しかし、この前にいろいろな形のこの問題に関しての座談会がありましたけれども、無籍の人たちがなかったら、これは時期によってはずいぶん供給不足になったであろう、どんどん需要が伸びている時期があり、全体としては生産が伸びているからということがいろいろ言われておったことはあなたも御存じのとおりと思いますけれども、その中で、いわゆる無籍業者の方々、あるいは無籍織機を使っている業者の人たち、その人たちが親機や、あるいは問屋だとか、あるいはまた産元とか、商社とか、そういうところからしっかり織ってくれ、早く織ってくれ、いまどんどん要るんだからひとつ頼むということで注文を受け、叱咤激励を受け、そういう産地では、実際に、半ば公認どころか、むしろ依頼を受けるような形で営業を続けてきたという実態、これは局長もよく御存じじゃありませんか。
○齋藤(英)政府委員 無籍織機保有者の形態というのはいろいろな形態があろうかと思います。したがいまして、いま御指摘のような点も、あるいは一部には存在するということであろうかと思いますが、それ以外にもいろいろな原因があろうかと思います。したがいまして、私どものほうは、そういう問題も一応考えた末、今回の措置を考えたということでございます。
○荒木(宏)分科員 自治省の方がお見えのようですから伺っておきたいのですけれども、この織機が償却資産として課税対象になり、評価を受けるときに、無籍と有籍で差異をつけておられるかどうか。自治省の態度、方針を伺いたい。
○小川説明員 固定資産税は、御承知のとおり、賦課期日一月一日でございまして、そのときに事業の用に供されておるもの、あるいは無稼働であっても、必要な維持補修が行なわれているというような状態になっておるものについては、一律に固定資産税は課税されることになっております。
○荒木(宏)分科員 そうしますと、税法上同じ扱いを受けており、先ほどの局長のお話だと、産地ではいろいろ周囲の方からそれなりに協力要請を受けて働いてきている。ことに、実際の労働の実態は、朝は早いときは五時、六時から、晩は十時、十一時ごろまでたいへんな労働で、一生懸命働いてきている。こういうふうな実態、経過にある無籍業者の人たちのその役割りについて、大臣は一体どうお考えになっておりますか。大臣の御所見を伺いたい。
○中曽根国務大臣 みんないたずきのためにやっておるのでありましょうが、御苦労なことだと思います。
○荒木(宏)分科員 通産行政の一番のあおりを受けてずいぶん悩み苦しんでおる人たちに対する政治責任者のおことばとしては、私は、もう少し情の込もった、思いやりのあることばを期待しておりましたけれども、一方、どうですか、それに対して組合のほうは遊休権利というようなことがまかり通っておる。これは昨年の十月に繊維雑貨局からお出しになった「無籍織機対策について」という中に、通産省の中でもちゃんと遊休権利があるというふうに書いておられます。文書がここにありますよ。しかも、それを、あろうことか、私の地元などでは、その遊休を横流しに使って、そして、いわゆる産地組合権利、これはやみの権利とか言っておるようですけれども、そういったことで局面を糊塗してきておる。現物だってありますよ。私も確認しております。そんなふうなことがやられてきた組合が金をどんどん集めて、ずいぶん身がってなことをしようとしておる。それはもちろん組合関係者の方も、皆さんが皆さん決してそうじゃないでしょうけれども、経過としてはそういうふうな事例が決して少なくないわけです。こういう組合の内情の実態ですね。これは、通産行政の政治を行なう最高責任者として、大臣はどうごらんになっておりますか。
○中曽根国務大臣 これはやはり過剰織機の処理という問題から派生した問題で、これを全局的に見ながら収拾し、決議に沿って処理をしていかなければならぬと思うわけであります。一面においては、織機を持って仕事をしていらっしゃる方の生活のこともあたたかく考えなければならぬというふうに思っておりますが、また、一面においては、不公平が行なわれる、正直者が損をみるということがないようにするということも行政としては必要であって、そういう辺をいかなる調和をとるかということが穏当な処置であろうと思います。
○荒木(宏)分科員 にもかかわらず、行政はもう、織機のあるところ取り締まりオンリーといってもいいくらいでしょう。金を出して買い上げるということはあるのですけれども、金を出して買い取るか、取り締まっていってどんどんつぶしていくか。まさに、この十年は金で買い取る、取り締まってつぶしていく、こういうことの連続でしょう。ですから、先ほど申し上げた織機対策についての繊維雑貨局のこの文書では、冒頭にこんなことが書いてありますよ。「これは十数年来の繊維行政の謂わばヒズミであり」と書いてある。当局自体が、ほとんど効果がなくて、そうしてやったけれども、ひずみのようなことでさっぱり実もあがっていないということを認めておるわけですよ。いま、メーカーのほうに対しては取り締まりが全くやられておりません。こういった処置がやられてからもまだ無籍がふえるというようなことが産地では言われておる。この通産行政のここにあるひずみということについて、大臣はどういうふうに反省されますか。
○中曽根国務大臣 要するに、過剰織機をどう処理するかというところから出てきておる問題で、これは万人にわたって公平に行なわれるということが必要であると思います。
○荒木(宏)分科員 昨年の六月に実態調査が行なわれるというときに、政務次官のほうから、明らかになった無籍について、生計を立てるに必要な限度でこれを認めていこうと、こういう談話を出しておられます。一口に生計と言いますけれども、先ほど言った朝の五時、六時ごろから晩の十一時十二時ごろまで働いてやっと立つような生計、これももちろん生計の一つでしょうが、しかし、自民党内閣の責任者の立場から出たこのことばが、そういった、朝は朝星、夜は夜星、それほど働いてまでやって維持できなければならぬような、そんな程度の生計をよもやお考えではないと思いますが、健康で文化的な、憲法で認めるような、普通の七時間労働で、そして世間並みの生活のできるような、そういう程度の生計が立つ、そういう織機業者の生活、これを生計を立てるに必要な限度とおっしゃったように理解をしたいと思いますが、この点は大臣、いかがですか。
○齋藤(英)政府委員 いまのお話、政務次官の談話の内容の件かと思います。この政務次官談話の中で申し述べておりますところは、要するに、これらの無籍織機というものは法律違反であるから、これは一挙に絶滅することが望ましい、しかしながら、その大部分が零細企業者であるというふうなことも考えると、直ちにその生産活動を中止をさせて、その生業を奪うということは適当ではないのではないかということで、したがいまして、いろいろなことを総合して考えた末、それは一定の条件のもとに稼働を認めて、生計のきずなを奪うことはしないということを政務次官談話で申し上げたわけでございます。
○荒木(宏)分科員 昨年の五月三十日に、いまの総理が通産大臣の職におられたとき、二万業者が納得のいく方法で解決をするということを言っておられる。 〔主査退席、山崎(平)主査代理着席〕 そこで、先ほど、現職の大臣から、よく検討して、いまこの問題を取り上げておる業者の人たちが生計が立つように処理をするということのお話もありましたから、いま明らかになっておる十二万七千の無籍、この生計を立てるのに必要な限度、これをさらに四分の一も減らすというような無謀なことはやめて、そして経済的負担は、これはもちろん法律上の根拠がありませんから、そういうことはすっぱりと断ち切って、権利の譲渡、そして貸し付け、こういったこともしっかり保証し、その上に立って買い上げの対象にするというようなことにすれば、おのずからその生活が確保され、そうしてその中で協業化が進み、また、あなたがおっしゃるような過当競争ということが、その中で十分な買い上げの保証その他が講ぜられることによっておのずから解決していく。この際、従来の切り捨ての通産行政を、先ほど来の田中総理のことばだとかあるいは中曽根大臣の約束された方針に従って、今後しっかり再検討されるように強く要望して、私の質問を終わります。
○山崎(平)主査代理 次に、田中武夫君。
○田中(武)分科員 きょうは急にこの分科会で質問することになりましたので、当面の問題になっております商品投機の問題、ことに、商品取引所というものに焦点を合わせて質問をいたしたい、このように考えるわけであります。 大臣も御承知のとおりでございますが、今日、商品取引市場は、羊毛の相場の高騰をはじめ、各上場商品が軒並み高騰し、輸入大豆は立ち会い停止にまで立ち至るような状態である。実は、ここにきょうの朝刊、一つは読売でありますが、「投機、物価高に波及」という見出しで、中身は読みませんけれども、出ております。そうかと思うと、これは日経ですが、「商品相場急騰」というような見出しでも出ております。 そこで、こういうような状態の中で、たとえば羊毛に例をとりましても、実際の需要家が、いわゆる機屋等が困っておる。中でも、中小企業は原料高あるいは入手難のために操業停止に追い込まれる。こういうような状態が起きておりますが、このような状態を大臣はどのように考え、どう処理しようとせられておりますか、お伺いいたします。
○中曽根国務大臣 取引所は、元来、商品取引を円滑にし、そうして国民経済の運営、発達のために貢献するようにつくられているものでありますから、これが投機ばかりを目的とするような著しく偏した市場になるということはよくないことでありまして、そういうことが起こらないように法律手段をもって規制していきたい、そういうように思います。
○田中(武)分科員 ところが、いま大臣がおっしゃったのとは全く違った方向、これは一時的な現象だと言われるかもわからぬが、もう全然違った方向にその機能が動いておるということは大臣も認められると思うのですけれども、この商品取引相場の高騰の原因が一体どこにあるのか。世論は、商社、大企業等の過剰流動性がその背景となっておるというふうに見ておるようですが、政府の見解は、原因はそのほかにあると思われますか、どうですか。
○中曽根国務大臣 これは、品物によっていろいろ性格が違うと思いますが、あるものは天候、あるいは産地におけるいろいろな生産ぐあいの変化、減産等に基づく理由、あるいはオーストラリア産のものについてはオーストラリアドルの切り上げという問題も入ってまいりましょうし、また、全般的には品薄という、実需がかなりかかってきておるという面もございますし、また、部分的には、投機的目的による過剰流動性の介入ということもあり得ると思います。
○田中(武)分科員 オーストラリアの問題が出ましたので、そのほうを先にお伺いをいたしますが、豪州の羊毛がものすごく値上がりしておる。高騰を示しておる。これは日本の商社が集中的に買い付けを行なった、そのために価格を上昇させておるのだ、このようにも言われておるわけですが、あとで、いま大臣がおっしゃられましたような、いわゆる商品取引所の存在の価値というものについては本格的な議論をいたしますけれども、まず、オーストラリアにおける羊毛の商社の集中買い付け、これが値上がりを呼んでおる、このように私は思うのですが、また、材木その他についてもそのように思うのですが、その点についてはいかがでしょうか。
○中曽根国務大臣 豪州の羊毛の集中買い付け、価格のつり上げという御質問でございますが、一月十日付で、繊維局長名をもちまして、日本羊毛輸入同業会に対しまして、特定国に集中した羊毛の過度の思惑輸入を防止するように、平均買いを実施するように、それから、各商社から四半期ごとの輸入計画及び輸入実績を報告させるように、こういうことをやっております。 オーストラリアの場合には、現地の買い付けの際に日本の商社が多量に買い付けるというような風評がありまして、国際的にも評価を落とすようなことがあってはならぬと思うので、さっそくそういう注意をいたしました。
○田中(武)分科員 この最近の商品取引相場の高騰の対策として、政府はどのような具体的な対策をとられたか。一部には停止というような緊急措置もとられたようにも聞いております。また、証拠金の増額とか建て玉の調査等も行なわれたが、その具体的な内容とその効果についてどのように評価しておられますか、伺いたい。
○中曽根国務大臣 いま御指摘のような措置をいたしましたが、こまかいところは局長から答弁させます。
○山下(英)政府委員 十二月から毛糸関係の相場の高騰が続いておりまして、特にめざましくなりまして、私たちも、過当投機のようなおそれありと判断しておりますが、十二月末には、大臣談話を発表して警告しますとともに、一月十日には、実質的に丸代金の措置を指示してまいりました。また、一月の二十九日には、綿糸につきましても臨時増し証拠金をとりまして、全取引所理事長に対し、過熱に対する警告を発しております。さらに、その後、為替が変動相場制に入りまして以降過熱が引くものと期待しておりましたけれども、逆に相場が強いという危険な状態になりましたので、二月二十日には全理事長を召集しまして、取引所運用としてはきわめて異例ではありますけれども、立ち会い停止もやむないと判断しておるからという最終的な警告をいたした次第でございます。その後相場が三千円から一割近く——毛糸相場は平静化しておりましたけれども、きのう、きょうという事態でお話しすれば、再び非常に危険な事態にきておる、私どもはこう判断しております。
○田中(武)分科員 先ほどちょっと申しました日経のきょうの朝刊ですが、毛糸と生糸が非常な値上がりを示していますね。こういうような問題につきましては、また後ほど具体的にお伺いいたします。 まず、基本的な問題として続けていきたいと思うのですが、商品取引所の取引の実態が、一部の上場商品を除いて、いわゆる一般投資家の比率が高いといいますか、アズキのごときは九〇%までが一般の投資で、当業者が占めておるのはわずか一〇%。そういう状態が相場の乱れというか、混乱というか、こういう一つの原因ではなかろうかと思うし、それ自体がインフレの一つのあらわれとしての換物思想というか、あるいは商社等のそこに対する投機だと思うのですが、商品取引所における当業者と一般投資家との比率がどのような状態にあるのが望ましい状態であるのか。九〇対一〇という状態が望ましいとは私は思わぬが、そうすれば一体どのような比率が望ましいのか、あるいはその比率にするためにはどういう手があるのか、お伺いいたします。
○山下(英)政府委員 先ほど大臣が申し上げました商品取引所制度の根本あるいは目的から判断しまして、現物の需給の変動に伴う価格を平準化するとか、当業者が変動のリスクを取引所に保険するとかいう機能から考えまして、ただいま御指摘の当業者と一般投資家との割合をどのくらいにしたらいいかということは多々議論されたところでございます。非常にむずかしい問題だと存じます。 先に私のほうから、当省所管の取引所についての実績を御参考までに申し上げますと、四十六年度の実績を調べましたところが、一般委託者の割合が、綿糸の場合は四四・三%であります。毛糸の場合は六九・四%、ゴムの場合は六三・八%でございまして、この平均をかりにとりますと六五・四%、それだけいわゆる当業者以外の人たちが売り買いに入っております。 極端な例で、かりに当業者ばかりで九割以上を占めた場合にどうなるか。これはそのときの専門家の、くろうと筋の意見が強ければ価格は上がる一方になりますし、弱ければ下がるという比較的単純な値動きになって、いわゆる保険機能が阻害されるということがございます。したがいまして、当業者以外がある程度必要である。反面、そういうしろうと筋が多数入った場合には、しろうと的な価格の乱高下によって被害をこうむる者も出るという弊害がございます。私どもは、いま適正比率を確実にお答え申し上げられませんけれども、そういった観点から運用していくべきものと考えます。
○田中(武)分科員 いずれにいたしましても、現在の状態が望ましいものではない、このように理解いたします。 いままでの質問、それに対する御答弁の上に立って、これから本格的な質問をいたします。 一昨日、三月一日のいわゆるこの種の問題に関する本会議における緊急質問の、各野党議員の質問に対する御答弁の中で、取引所法の改正を認める旨の御答弁をしておられますね。それでは、一体、どの点をどのように改めるつもりなのか、お伺いいたします。
○中曽根国務大臣 もし必要あらば、取引所法の改正も含めて考慮、検討する、そういう意味で、いま具体的にどこということを頭に置いて申し上げておらないのでございます。
○田中(武)分科員 私は、本会議場でそうとらなかったのですが、まあ、それはいいとして、それではひとつ伺いますが、大臣に商品取引所法の第一条目的をひとつ見せてあげてください。 取引所の存在の目的といいますか、これは三点ですね。その一つは商品価格の形成、二つは取引の公正、そして三点目が生産及び流通の円滑化をはかる、この三つが商品取引所の目的だと思うんです。 そこで、まず第一点の価格の形成についてでありますが、現在機械的に、人為的に操作がなされておる。それが今日問題になっておるわけなんです。 それから、第二点の、公正な取引が行なわれているかどうかということははなはだ疑問である。ことに、今日問題となっておるのは、いわゆるインフレと申しますか、貨幣価値の下落ということを背景にいたしまして、物にかえる、あるいはそういった考えのもとに投機的に取引所を利用して物の売り買いをやる。 それから第三点目は、生産及び流通の円滑化をはかるということですが、現在、生産及び流通の円滑化をはかるための機能を果たしておるかというと、そうではなくて逆なんです。 私は、本来、取引所廃止論者なんです。少なくとも上場商品は洗い直せという考え方を持っておるわけですが、まず、取引所の存在する土台というのは、私は第一に自由な生産、自由な流通ということが土台でなくてはならないと思うのです。アダム・スミスの価格形成の理論であるところの、需要と供給によってという、いわゆる目に見えざる糸にあやつられ云々ということが今日行なわれているのか。そういうことはありません。たとえば繊維の問題にいたしましょう、ここは通産省の管轄ですから。化学繊維をとった場合に、あるいは繊維全般に、先ほども問題になっておったようですが、生産が自由に行なわれているのか。そうでなくてコントロールせられておる。調整しておる。そのためのいろいろな法律が出されておる。ことに、繊維のうちでも化学繊維というものについては、これは天候等の状態とは関係なく機械が生産しておる。先ほど申しましたような自由な生産、自由な流通、そこに人為的なものが入らずに、人の人為的なものでなくて、たとえば天候のようなものを加味をいたしまして、そのリスクを見ながら、近き将来における需給関係をにらんで先買いをする、そういうところに需給の安定をはかる機能を果たすんだと思うのです。ところが、いまそのような状態があるのかというと、ない。ことに、経済が国際化し、生産、流通が多角化しておる。また、そういう状態を自由にほっておかないところに政治があるわけなんです。あるいは穀物にいたしましても、あるいはいま申し上げておる羊毛にいたしましても、これは、緊急輸入なり、あるいは輸入を押えるとか、あるいはふやすとか、コントロールができるわけなんです。したがって、そのような土台がすでになくなっておる。私はそういう点から、中曽根通産大臣に、商品取引所が必要かいなかをひとつ根本的に議論を深めたいと思いますが、いかがですか。
○中曽根国務大臣 先生の御意見をもう少しいろいろ伺わないと全貌は把握し得ないと思いますが、私の考えでは、多少弊害はあるかもしれませんが、これをためながら、やはり取引所というものは存置して、機能をもう少し正常化していくべきだと思います。 欧米におきまする取引所の機能を見ますと、これが商品のヘッジとか、ともかくわれわれから見れば、資本主義の自由な発展のためにかなり機能しております。日本の場合でも、明治、大正、特に大正時代を見ますと、郷誠之助さんなんという資本主義の巨頭が出てきたのは、やはり取引所の理事長という格で出てきた。河合良成さんなんかもそうでした。それで、当時は証券市場なんていうのは微々たるもので、あっちが、相場師だ、そういうふうにいわれておったと思うのです。 それが最近は、証券市場がだんだん銀行に近づいてきていて、取引所がいまのように、ややもすれば投機市場みたいな片すみに押しまくられてきているというのは、資本主義の発展の正常化から見ると、私はいびつじゃないかという気もするのです。もちろん金融市場という面も大事でございますが、商品市場が円滑に動いていくのが非常に重要な要素であります。それは保険という機能もあるからであります。そういう面から見ますと、これが投機に偏して動いてきているということは、ゆがんでいる現象でもありますので、これを正常な機能に戻すように、そしてこれを正しい方向に育成していくように私たちは努力していくべきだと思っております。
○田中(武)分科員 先ほど申しましたように、まず、商品取引所存在の土台は、第一条の「目的」にある三点ですね。その一つとして、私がいま申しました、まず自由な生産、自由な流通、そこへ人為的ではない要素を加味している。天候その他、それのリスクを考えながら近き将来の需給関係を見ていく、そこに私は一つの土台があると思うのですね。資本主義の発展過程にある大正時代を例にとらえることはいささかどうかと思います。今日そのような状態でないことは御承知のとおりであり、そのような大正時代のような状態であるなら、政治家は要らないわけなのです。現に繊維にいたしましてもそうでしょう。三つですか、法律にあるが、先ほども問題になっておりましたように、生産をコントロールしておるのでしょう。さらに公正な取引といっても、今日、公正な取引が行なわれておる、こうお考えですか。むしろこれがあるために不公正な取引になっておるわけなのです。さらに第一点の、そのことによってノーマルな商品価格の形成ということになるのですが、それができないところに問題があるわけなのです。したがって、いま秀才大臣のおっしゃった大正時代の例は、私はいただきかねます。また、私とあなたは、経済あるいは社会の構造に対する考え方が違うと思います。当然だと思いますが、自由経済だと、こう言うが、自由経済にまかしておけば強食弱肉の世の中になる。そういうことにならないように政治が介入しておるのじゃないですか。また、でなければ、政府は政策を持たない、無能だということになるのです。そうなるならば、もはや第一条の三つの要件はなくなった、こういうふうに見るべきであって、私は、そういう観点から商品取引所廃止論者なのです。 ここであなたとこの点を論争はしても、すれ違いになると思うのですが、あなた、大正時代のことをあげられましたが、それは誤りです。資本主義発展過程と戦後の今日とでは違います。少なくとも経済、産業の中核にある、しかもいずれは総裁になられるかもしれないあなたが、総理になられるかもしれないあなたが、大正時代の例をもって政治を、あるいは産業政策を考えられるとするならば大きな誤りである。いかがでしょうか。
○中曽根国務大臣 金融と商品とというものは相並行して発展していくべきものであって、金融のほうは、証券市場がこういうふうにわりあいに大きく正常化されつつ、大衆化されつつ、ある程度の信用をもって進んでおるのに、商品市場は大正時代に比べて、ややもするといびつのような形になってきているということは、これは商品市場を直す必要がある、このおくれを取り戻すべきである、そういう意味で申し上げたのでございまして、大正時代を必ずしも謳歌しているわけではございません。 先生のおっしゃるように、戦後の日本経済はあの当時とは非常に条件が変わっております。しかし私らは、先生のように社会主義をいいと思ってない人間でございますから、たとえば資本主義国一般を考えてみますと、アメリカのシカゴにおける商品市場の機能、あるいはロンドンにみんなヘッジをかけている情勢、先生が一番御関心を持っている非鉄金属の日本の生産業者が、銅や鉛や亜鉛等についても、常に国際的ヘッジをかけておかなければ商売もできない、生産もできないという、こういう情勢等を考えてみますと、その保険的機能とか、あるいは価格の平準化とか、そういう面において、やはり長い目で見ると役に立っていると思うのです。なるほどミクロ的に見ますと、投機や何かが非常に起こったりしまして、そんなものはぶっつぶしてしまえ、大衆には縁のないこっちゃ、そういう気もいたしますけれども、しかし日本の生産構造の基本の点についてある保険性というものを考えますと、これはやはり目に見えない大きな機能を果たしていると思いますので、こういう商品市場を正しく健全に発展さしていくということは私たちの立場であります。
○田中(武)分科員 いわゆる世界観というか、主義、主張についてはここで論争を避けましょう。しかし、あなたの言われた、昔は商品市場が旺盛であって証券市場はそうでなかった、これを言いかえるならば、金融資本がのさばっておる、こういう点では、私もそういう意見を持っております。本来、金融資本というものは産業資本に奉仕すべきものである。商社は、産業によって生産せられた物の需給、いわゆる売り買いを円滑に行なう役目を持っておる。そういう点においては私もそう思います。したがって、商社なりあるいは金融機関なりは産業に奉仕する、こういうものであるということは私もそう思っています。だが、今日それが地位が逆転をして、商社が生産、いわゆる産業のメーカーまで支配する。あるいは金融機関がそういうところまで手を伸ばしてきて重役を送り込む。本来サービスをすべきものが本体ととってかわっておる状態については私も批判的です。 その点は行き過ぎますが、これはもうこれ以上論争はやめましょうかな、時間の関係もあるから。しかし、商品取引所の上場しておるところの商品を洗い直すということだけは考えるべきである。すでに土台が変わっておるということだけは、どうです、認識できませんか。私の言ったように、自由なる生産、自由なる流通、そこへ人為ではいかんともしがたい天然現象その他天候等が入るということが、一つの商品取引の大きなファクターであるといいますか、要素である。それが現在もうなくなっておるのじゃないか。また、それを自由にまかしておかないところに政治があるんだ。こういう点についてはどうなんです。社会主義とか資本主義ということは別にして、少なくともそういうことに政治が介入をする、ある程度のコントロールをする。統制経済とは言いません。計画経済とも申しませんが、現にそうでなくてはならぬ。こういう点については、あなたも肯定せられると思うのです。そういう上に立って少なくとも商品取引所法を根本的に洗い直す、考え直す、その必要はあると思うのですが、いかがでしょう。
○中曽根国務大臣 確かに、先生がおっしゃいますように、ここに並んでおりまする商品、綿花、綿糸、綿布、乾繭、生糸以下の現在の実態を考えてみますと、先生の御指摘になることは首肯できます。ただしかし、制度自体という点で考えてみますと、やはり日本は膨大な資源を輸入しまして、加工してそれを再輸出する、そういうことでありますと、これは、国内で消費する人、あるいは売却する人が保険をかける、そういう意味で長期の先物について国際的に保険をかけ、あるいは国内的に保険をかけるという機能は残してやらぬと、危険でなかなか活発に行なえないということが制度としてあり得ると思うのです。ですから、個々の商品の現在の乱高下についてはきびしくこれを規制するという必要は認めます。そういうふうに思いますが、制度として廃止することはいかがか、そういう気がするのです。現在、産構審の中でこの商品取引に関する基本問題調査の委員会がもうけてございまして、先生がおっしゃったような観点も基本に一つして、いま見直しているところでございます。それらの答申の結果を待って必要な改革を加えていきたいと思います。
○田中(武)分科員 商品取引所自体の制度を廃止ということはないとしても、少なくとも上場商品その他あり方について検討をする、そういうことをおっしゃったと思うのです。私の理論をもってするならば、いま言ったような土台の上に立って、もうその機能の大半は失っておるのだ。ところが入れものだけが残っておるということは、そこが投機の場、言いかえるならば、ばくちの場になっておる。ギャンブルの場になっておる。そこにいろいろな社会悪が生まれてくる。このように私は見ておるのです。現在のままであるならば、商品取引所それ自体は、本来の機能を果たすのじゃなくて、ギャンブルの場となり、あるいはこまかくこれからお伺いいたしますが、いつも大衆は泣かされておる。これは外交員というか、勧誘員の問題もございますが、悪い面がたくさんいまあらわれておるのです。そういうふうな点についてはお認めになると思うのですが、いかがでしょう。
○中曽根国務大臣 その点は認めます。
○田中(武)分科員 たとえば商品取引所法の九十四条に「不当な勧誘等の禁止」というのがありますね。私はかつて、公営ギャンブルについて、あまりぎょうぎょうしい、テレビその他での宣伝をするな、射幸心をあおるような宣伝をすべきでないということを商工委員会等で言ったことがあるのです。ところが、これ一つとっても、いろんな方法を外交員というか、勧誘員がとっておるわけなんです。 現に、私にではないが、私のうちまで電話をかけてきて、このところアズキがおもしろいんですが、奥さん、買いませんかとか、一ぺん説明だけでも聞いてくれませんかと、うるさいほど電話がかかってきた時期があるのです。そこで、そういったような問題が、いろんなところで起こっておるのです。やり方は、よくある鉄火場のように、初めはちょっともうけさすのです。そうしておいて、今度はごそっといかれるのです。そうして奥さんは、へそくり、中には退職者が退職金等を全部つぎ込んで泣きを見ておる。そういう相談がたくさん来ております、われわれのところへも。そういうような点について、これは一つの例ですが、不当な勧誘等については、どのような監督をしておられますか。
○山下(英)政府委員 先ほど大臣が申し上げました小委員会、これは去年の七月から中小企業信用保険公庫の総裁近藤さんが小委員長となって、専門家十数名で鋭意やっていただいてきておりますが、その審議項目が六つ、七つございます。その中の一つが、ただいま田中武夫先生御指摘の委託者保護、ここに観点を置いております。ということは、これは繊維関係の取引よりも農産品が激しかったわけですが、過去三、四年間にいま御指摘のような不当な勧誘が具体的に多発いたしまして、その弊害を除去しようということから取り組む必要が起きたわけでございます。新規委託者の場合どうするか、あるいは大衆資金を導入する場合の秩序として何か秩序だてがないか、トラブルが起きたときに調停機関を拡充したらどうか、また責任準備金をつくったらどうか等々、課題になっております。 現在の私どもの指導の要点を申し上げますと、ただいまのような場合には、電話による無差別な勧誘、あるいは、いまおっしゃったような執拗な勧誘はやってはいけませんということを取引所に指示事項で申しております。
○田中(武)分科員 九十四条の三号には、顧客の指示を受けないで売買してはいかぬというようなことがありますね。ところが現にあるのですよ。私のところへ現に相談にきているのもあるのです。それは具体的な名前を申しませんが、最初は本人の意思でやった。そうすると、知らないうちに、いつの間にか買ったり売ったりされて、大きな損失が出ておる。それで、そんなのは知らぬということから問題になって、それでは解決のために話し合いをいたしましょうということで、何年何月までに示談をいたしましょうという念書を入れているのです。それはその会社の常務か何かの個人名義の判が押してあるのです。これはまだいいほうで、そんなことは知りません、勧誘員がやったことですと、はねつけるところが多いのですね。ところがそれを入れておいて何もやらないのです。そしてその時期が来ると、また一年なり半年先の何年何月までに解決のために話し合いをいたしますというように期日を更新するというか、念書を数枚入れてそのままほうっておくのですね。何なら私、具体的に申し上げてもいいのですが、そのうちにその会社がよそと合併する、そういうのがあるわけです。 それから九十二条ですか、「受託者が占有する商品等の処分の制限」というのがありますね。これは有価証券等を預けておったわけなんです。ところが、その買い付け人といいますか、受託者が自分の金融のためにその有価証券を抵当に入れまして、そしてそれが回収不能になった。これは神戸ですが、そういう事件で話に参りますと、いや、まことに相済みません、必ず誠意をもって云々ということになる。これはだいぶ前の話ですが、いまは代議士ではございませんが、かつて自民党の代議士であった人の秘書さんと称するのが中に入ってやっているのです。そして結局は、その有価証券は戻ってこないまま、その会社はどこかへ合併して行くえ不明、こういうのがあるわけです。そういう具体的な例は幾らでもあるわけなんです。 そういたしますと、本来の機能でなくて大衆泣かせのことしか今日やっていないのじゃないか。だから、いま大臣がおっしゃったように、本来の機能を商品取引所が果たすためには、相当思い切った法改正と、さらに厳重な監督が必要だと思うのです。中には、トラブル、紛争のための何か委員会等もあるようですが、そういうところへ持ち込むことも知らない人も多いようです。いつも泣かされておるのは奥さん方が多いのです。そういうような実態を、局長はどこまで責任局長として把握しておられますか。時間の都合でここでは出せませんが、何なら私の部屋に来るといろんな手紙等を見せてもいいですけれども、いかがでしょうか。
○山下(英)政府委員 いま御紹介いただきました種類の話は、実は私のところにも直接、被害者といわれる方から書類で、あるいは実際お見えになって陳述等がございます。したがいまして、私どもはその種のトラブルの幅の広さと深さも承知しておるつもりでございますが、また機会を見まして先生の具体的な例も伺いたいと思いますが、そこの点が今度の基本調査小委員会ができました大きな要素でございまして、取引所の監督も、それから委託者の保護も、今後の改善の大きな項目でございます。 現行法で、先ほど御披露いただきました取引員の不正不当な行為は、当然一般の刑法上の問題も含んでおると思いますし、また当然損害賠償の対象になる行為だとも思います。取引所法自体の罰則がかからない場合でも当然糾明されてしかるべき問題だと思っております。ただしそれが、会社がなくなって相手もいないというような困難な事態もあろうかと思いますので、今後、取引所法の改正でどこまでそれが是正されるか、鋭意取り組んでいきたいと思っております。
○田中(武)分科員 飛び飛びになって恐縮ですが、九十七条の二に、いわゆる委託保証金について具体的に、本店においては六十万円ないし九百万円というようなことが書いてありますが、こういうのももう少な過ぎますね。できるだけ法律を逃げて何でも政令に持ってきたがる皆さん方ですが、こういうものこそ、そのときそのときに応じて、法律改正をしなくても上げられるような方法を考えてはどうか。私は、法律事項を政令に持っていくことはまかりならぬという論者ですが、こういうものは、そのつど法律改正しなくても、六十万円以上九百万円以下というようなことは現在少し少な過ぎるので、こういう点も含めて指摘だけいたしておきます。 まあ、一つ一つ当たると、いろいろな点があるわけなんです。あまり時間を食うとあとの質問者に迷惑を与えますから、飛び飛びな条文をあげて恐縮ですが、時間とひまがあるならば逐条に論議をしたい。これは商工委員会で、ひまがある日でも言うてもらったら行くから、それだけ申し上げておきます。 そこで実は結論としては、先ほど大臣おっしゃったように機能は必要だから残す、だが上場商品及びそれぞれの個所においては、これは洗い直すというか検討し直す、そういう答弁があったものと了承して、ほかの問題であと十分余りいたしたいと思うのですが、どうでしょう、大臣からそういう約束があったと理解してよろしいでしょうね。
○中曽根国務大臣 いまの基本問題の委員会でおっしゃった事項全般についてもいま洗っておりますから、その答申を得次第御意見を体して、必要あれば取引所法の改正も辞さない、そういうことであります。むしろ健全に育成するために必要な改正はどしどしやったほうがいい、私はこう思っております。
○田中(武)分科員 またまたと申しますか、国際通貨危機が来ておりますね。そこでやはり一番困るのは中小企業です。商談が中断をしたというような事態もたくさん起こっておる。通貨危機すなわち中小企業危機ということになるのですが、時間の関係から簡単でよろしい、その対策を、ただ単に融資とかなんとかということでなくひとつ言っていただきたいと思うのですがどうですか。
○中曽根国務大臣 現在の通貨危機がどういうふうに終息するかまだ予断を許さぬところがございますが、ともかくいままで国会でわれわれが言明し、政府が約束しましたことはどしどし実行してまいります。これからやるべき問題についてもいま省内でいろいろ実情調査を踏まえて議論している点もございます。それらの点も大体成案ができ次第順次発表もし、実行もしていくつもりでございます。
○田中(武)分科員 それじゃ時間の関係で話題を次々と変えていきます。 これも本日の読売なんですが、「ルールのない国」という見出しで商社がついに米まで買い占めにかかったということを言っておるわけなんです。総括質問の第一陣として公明党の正木委員が、いわゆるインフレを背景として換物思想が起こっておる、それがついに米にまで商社が手を出すようなことになればたいへんだ、こういう警告を総括質問の中でしておられたのを私はそばで聞いておりました。ところが、すでにもう米にまで商社が手を出しておるわけなんです。ごらんになりましたか。そうして材木は高騰したのですが、実際は輸入の原木は港にあふれておる。たとえば大阪の南港、岸和田港などでは通常の一・五倍の原木があふれて置き場に困っておる。また伊藤忠の社長はじめ大手商社の社長連中が、二日ですか、異例の記者会見をいたしまして言っておるのに、決してそんなことはない、その中で注目すべき発言があるのです。買い占めをやっておる、あるいは買い占めたやつを売り控えをやって値段をつり上げておるというようなことに関連をして、記者が、世間に誤解がある、そう言われておるがどうか、こういうことに対して、買い占めをしていないと言うならデータを公開したらどうか、こういう質問をしておるのに対して、「在庫バランスの実態について、聞きにこられたら堂々と説明する。日本貿易会や政府が調査するなら考えるが、一社だけ先がけて発表する気持ちはない」、こう言っておるのです。どうです、ひとつ政府というか、通産省で商社の在庫バランスを問題商品ごとにひとつ調査せられたらいかがですか。その用意ありますか。いかがです。
○中曽根国務大臣 この点についてはいま党と相談して立法措置を考えているところでございまして、たぶん来週くらいにはその目鼻がつくだろうと思います。それらのことを踏まえまして検討してみたいと思います。
○田中(武)分科員 立法措置ということが出ましたからお伺いしますが、政府・自民党では、仮称ですが投機規制法案というのを考えておられるようであり、それに体刑罰を入れるかどうかについて議論があるようです。そこでこの法律、いわゆる投機規制法とでも申しますか、この法律と商品取引所法との関係については、まだ原案ができていないので何とも言えぬということになるかもわかりませんが、どのように考えておられますか。
○山下(英)政府委員 その前段の法律がどういう形でまとまるか、もう少し見ますけれども、現在まで私どもが意見を聞かれ、かつ想定して考えますのに、それは商社あるいは取引を営むものを対象とした法律ではない、むしろ取引行為を対象にするということでございますが、その際に、取引所法などと違いまして、かりに買い占め、売り惜しみ、それに思わしき行為があった場合に、それを是正して放出させる、物を放出させて過当投機を是正する、高騰を防ぐ、そのために必要な立ち入り調査、査察をやっていく、こういう体系と承知しております。そういう体系でありますると、先ほど来御指摘の商品取引所法とは目的、体制からも違ってくると思いますので、できばえによっては両立する法律、こう考えております。
○田中(武)分科員 これはできてみないとわからぬですが、私はそういう投機規制の中に商品取引所との関係は入れるべきである、これは私が廃止論の上に立つわけなんだから、もっと介入というか、監督を厳にせよということにつながるので意見は違うのかもわかりませんが、この法案について社会党はいま論議になっておるようなのをもう数年前から用意して出したんですよ。御承知と思いますが、まず特振法の代案として市場支配的事業者の経済力濫用の防止に関する法律案、これは例の特振法のとき私が提案者の筆頭として出した法案であります。それからその後いま申しました法律を若干手直しをして、これは辻原君が筆頭者となりまして提案したのに寡占事業者の供給する寡占商品の価格等の規制に関する法律案、これなんか社会党がつくったからということでなく、十分読んでごらんなさい。いまあなたがおっしゃったようなことについて示唆する点が多いと思うのです。大臣、ちょっと社会党の提案を古い法案ですが、ごらんなさい、参考になると思うのですからね。 それでは時間も来たようですが、最後に一点だけ伺いますが、百貨店法の改正を出すとか出さぬとかいろいろ論議をされておるようです。ここで、私はそのこと自体に、内容には入りません。しかし、このことは百貨店、スーパー、ことに零細小売り店あるいは消費者に大きな影響がある。むしろ改正案を出すというのでもたもたしておると、いわゆるかけ込み造成ということで、百貨店、スーパー等の促進策になりかねない。ここで私が強調しておきたいのは、あくまでも消費者不在の論議であってはならない。と同時に、百貨店法の改正だけでなくて、いまこそ真剣に消費者本位の流通機構というものと取り組まなければならないと思うのです。そのことについて大臣の御所見を承っておきたいと思います。
○中曽根国務大臣 今次百貨店法を改正しようと思いますのも、一つは消費者保護という新しい観点を強く入れよう、それから公正競争、そういう面もあったわけでございます。現在のように、新しい形体の企業が続出してまいりますと、小売り、特に零細企業にとりましては非常な脅威になる面も出てまいります。そういう面から小売りや零細企業を一面において保護すると同時に、一面においては積極的に助成、振興する両面をもって政策を行なっていきたいと思います。
○田中(武)分科員 これで終わりますが、私急にうしろの安宅副主査からきょうやれということで、若干の用意をしてきたのですが、まだまだたくさん残っております。したがいまして、これはどこか商工委員会等で一ぺんゆっくりと、将来の総裁になられるかもわかりません中曽根さんとやってみたいと思うておりますので、私それを楽しみにしておりますので、あなたもこれを楽しみにお待ち願いたいと思います。それでは、どうもありがとうございました。
○山崎(平)主査代理 次に、坂井弘一君。
○坂井分科員 火力発電所に関する問題でございますが、最初に自治省にお伺いをして、以下順次質問を進めたいと思います。 そこで、地方税法の固定資産税でございますが、いわゆる新たに設けられた発電所あるいは変電所に関する特別措置、これが立法化されておりますが、この特別措置がつくられたその時点と趣旨及びその内容、これをまず簡単に伺っておきたい。
○小川説明員 発電所の固定資産税の特例でございますが、内容は御承知かと思いますが、最初の五年間三分の一、その次の五年間三分の二という制度でございます。これができましたのが昭和二十九年でございます。そのときは経済再建上の重要性並びに公共料金等の関係がありまして設置されたものであります。その後、現在までいま申し上げましたような制度で継続いたしておるような次第でございます。
○坂井分科員 経済再建上重要な機械設備等については、課税標準の特例を設けたといま御説明のあったとおりと思います。同時に、公共料金の抑制といいますか安定という面についても触れられたわけでございますが、言われるところの公共料金への影響ということになりますと、その根拠はどこにあるのでしょうか。
○小川説明員 それは固定資産税が経費の中に含まれますので、その関係で料金にはね返ってくるという関係になるわけでございます。
○坂井分科員 法的根拠ございませんか。
○小川説明員 特にどの企業についてどうだという別の法的根拠はございません。地方税法に基づきまして、先ほど申し上げました内容の課税標準の特例を設けておるわけでございます。
○坂井分科員 電気事業法の供給規程の第十九条の二項に「料金が能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものであること。」という項目があるわけでございますけれども、これらがその公共料金云々のよりどころとするものじゃないのでしょうか。
○井上政府委員 お説のとおり公共料金の決定は「適正な原価に適正な利潤を加えたもの」ということになっております。ただいまお話がございます固定資産税の税率につきましては、それは経費ということで原価に入れるということになっておりますが、これは税法に従って入れるということになっております。
○坂井分科員 いずれにしましても、公共料金の安定あるいは抑制ということを一つの柱といたしまして、特例措置、軽減措置を講じたということに相なりますと、逆の面からいいますと、つまり当該市町村、地方公共団体は料金の安定、抑制のために協力をさせられるという形になると思うのですが、そう理解してよろしいのでしょうか。地元の市町村が協力するという関係ですね。
○井上政府委員 これは電気料金の安定性を長期にわたって確保したいということでございまして、当初固定資産税の額も非常に大きい。したがって、それから入ってまいります税収も大きいし、それから料金に対する影響も大きいということの配慮もあったのじゃないかと思いますが、当該市町村の負担につきましては、それぞれ固定資産税のほかにも実態に応じましていろいろと負担をいたしておるというようなこともございます。
○坂井分科員 どうも回りくどいですね。二つの理由をあげられたわけですけれども、その理由に公共料金の抑制ということを言われましたので、しからばその法的根拠はといいますと、それはさだかでない。しかしながら、恒久的なあるいは公共的なという観点に立って料金の抑制をはからなければならぬ。したがって、そういうことが重大な一つの柱になって固定資産税の減税特例措置を設けた。つまりそれをひっくり返していえば、現実には当該市町村、地方公共団体が料金の抑制に協力をしておるということ、またそれは一面から見れば企業がその恩恵に浴しておる、こういう解釈になろうかと思うのですけれども、そういう解釈は間違いですか。
○井上政府委員 これは公益事業の公共性にかんがみまして、公益料金の長期安定という観点から、単に電気事業だけではございませんで、地方税法の原則的な考え方といたしまして、さっきお話がございましたような負担につきまして、一定の固定資産税を減免するという制度がとられておるわけでございます。
○坂井分科員 私はその趣旨はよくわかる。わかるから、現実の問題としてそういうことになるのじゃないでしょうか、そう認識して間違いでしょうか、こう聞いているわけです。それがそうであればそうだと、こうお答えいただけばいい。そうじゃないのだといえば、その理由なり根拠を明らかにしていただきたい、こういう趣旨です。
○井上政府委員 先ほども申し上げましたように、地方税法の原則に従いまして、料金算定基準にその分を算定するということになっておりますので、そういう料金ができておるということでございます。
○坂井分科員 つまり料金算定の基礎にそういうものが加味された、考慮されたということでありますから、当然この軽減措置、特例措置というものは、地方公共団体から見るならば、そういう趣旨に対して協力させられたということに相なろうかと私は思うのですね。その問題についてはあとで提起し、具体的に問題をあげますが、いまの議論はこれ以上やりましても、まあそういう答弁でしょう。 では、もう一つの柱、つまり経済再建上重要な機械設備、これは昭和二十九年ですから、火力発電所は経済再建上重要な機械設備であった。したがって、この特例措置を設けたのである。この立法の趣旨、これは現在どうですか、意味をなくしたのじゃないでしょうか、いかがでしょう。
○井上政府委員 現在電気事業の発電コストの高騰の問題もございまして、これはやはり公共料金の長期安定という観点から見まして、同じような精神で運用してもいいのではないか、われわれはこういうふうに考えております。
○坂井分科員 どうもおかしいですね、これは。昭和二十九年に経済再建の重要性にかんがみ、高度経済成長政策、輸出第一、産業第一、そういう中でもっぱらエネルギー政策として、緊急な課題として火力発電所の建設をせねばならぬ。したがってそういう趣旨にのっとってこの税の減免措置を講じましょう。当時は生きておったと思う。これの是非善悪は別として、立法の趣旨としてはうなずける。しかし現実にいまの時点で、経済再建上重要であるという趣旨が生きているかどうかということについて回答を求めたわけだ。まだ生きておるというのだったら、やはり経済再建上重要である、高度経済成長政策をさらに続けなければならぬ、こういう認識ですか。そういうふうに理解していいですか。
○井上政府委員 通産省といたしましては、地方税法の規定に従いまして料金算定をいたしておるということでございます。
○坂井分科員 では自治省に伺いますが、いまの通産当局の答弁、考え方、これでよろしいですか。
○小川説明員 二十九年に創設されましたときには明らかに経済再建上重要な機械設備であるということで課税標準の特例を設けられておりますが、その後の経緯におきまして、やはり公共料金というものが国民生活上非常に重要であるということで、現在まで継続されてきておるというふうに理解しております。
○坂井分科員 どうも歯切れが悪いですね。私は経済再建上重要ということを二つの中の一つの大きな柱としてうたったことが、現在意味をなくしておるのじゃないかということを伺っているわけです。率直にお答えいただきたい。
○小川説明員 二十九年当時いわれました経済再建上重要だという中身とは、現在はだいぶ経済事情も変わってきておると思います。したがいまして、現在この特例を設けておる主たる趣旨と申しますのは、公共料金の安定といいますか、そういう面に現在の特例の趣旨が置かれておるというふうに考えます。
○坂井分科員 非常に苦しい言い方ですね。大臣、お聞きになっていらっしゃるとおりですが、では少し具体的な例に触れましょう。 和歌山県の海南市。私がいま質問をいたしておるような趣旨にのっとりまして、地方公共団体としてはこれはきわめて不合理ではないか。現実にこの立法の趣旨というものは失われたのではないか。ことにそうした火力発電所というような、いわれるところの公害企業をかかえた地元市町村である当該市の海南市としては、公害防止に対する財政需要はばく大なものがあります。そしてそこで起こされた電気というものは阪神方面に送られる。そして経済再建である。高度経済成長政策の流れの中でそうした大企業に電力を送りながら、地元に残される問題は何かというと公害である。しかも当然入るべき固定資産税がいまのような特例措置によって入らない。これは一体中央の通産省、自治省何事でしょうかと、おそるおそる伺いを出した。それが本年の二月二十一日であります。御承知のとおりだと思う。 ではお尋ねしますが、この伺い書に対しましてまだ回答はされておらないとは思いますが、どのような回答をなさるんでしょうか。いま御説明のとおりの回答になるのでしょうか。
○井上政府委員 海南市からのお話に応じまして、現在、中ではいろいろ議論をいたしております。いたしておりますが、通産省の感じといたしましては、現在料金の長期安定の趣旨から見て、これを全面廃止に踏み切ることは適当ではないのではなかろうかという感じを持っております。
○坂井分科員 議論が飛びますけれども、これは料金問題というものとはおのずから別の問題じゃありませんか。企業がみずから努力する、あるいは合理化すべきこともあるでしょう。そういうことに対して通産当局は強力な行政指導をする、あるいは適切な料金抑制に対する措置を講ずる。しかしこの減免措置にひっかけて、減免措置を講じなければ料金は上がるのだといわぬばかりの形で、今日なお昭和二十九年のこの立法を受けとめておるという感覚、これは私はまさに問題だと思う。料金問題は、これはおのずから別途に配慮すべき問題である。少なくともいま言ったように、現実の問題として当該市町村がこの減免措置によって非常に困っておる。公害防止に対するもろもろの対策を講じなければならぬ。きわめて貧弱な市町村財政で、これに対する財政需要はばく大である。したがって、当然入るべき固定資産税をもって公害防除に充てても、なおかつ市町村が一ぱい特別持ち出しをしなければならぬというようなきわめて深刻な事態である。そういう中でこういう減免措置が今日なお生かされているということに対して、当該市町村としては、国のそうした立法、そして今日の行政姿勢に対してきわめてきびしい批判をしておると私は思う。それらに対する答えとしていまのような考え方を持ち出されるということは、これまた私はきわめて遺憾といわざるを得ぬわけです。 たとえば具体的に申しますと、海南市は、当然軽減措置がなければ、特別措置がなければ入るべき固定資産税が二年間で五億六百四十万円、これだけ入らなかった。逆に言いかえれば、こういう特別措置が、立法当時はいざ知らず、今日、改廃といいますか、是正されておるならば、五億六百四十万円は、これは当然のこととして海南市に入って、この金をもって公害防除に当たるならば、どれほどか公害防止ということに対して役立ったかもわからぬ。だから何とかしてもらいたい、こういうわけです。 では、海南市は海南市として、全国市長会あるいは全国市会議長会から、通産、自治当局に対して同趣旨の要請がなされているはずだと思いますけれども、それに対してどういう回答をされているか、その後両省間においてどのような協議がなされたか、それをひとつ簡単にお答え願いたいと思います。
○井上政府委員 自治省とのこの協議は、しばらく前に財政局と一応のお話をいたしておるわけでございますが、そのときの一応の結論は、電気事業の最近の固定資産投資の非常な増大という点にかんがみて、早急にやるのは無理ではないかという感じと、それからいま一つは、赤字市町村につきましては、減損分の四分の三が交付されておる問題とか、あるいは、固定資産税の収入のうちの二五%が黒字県の場合には実際収入になっておるというような地方財政のルールがございまして、そういう全体的な問題としてやはり考えていただきたいということをわれわれ通産省としては申し上げているわけでございます。
○坂井分科員 通産大臣、いまお聞きのとおりでございますけれども、この特別措置は現状にはどうしてもそぐわないのじゃないか。少なくとも、二十九年の立法において、経済再建の重要性と、それから公共料金の、この二つがうたわれたわけですけれども、経済再建ということの根拠は失った。これは見直さなければならぬと思う。しかし、 一方において、公共料金の抑制は、これは非常に重要な課題がある。このことに対しては、これはやはり配慮しなければならぬと思う。しかし、それはおのずから別途に検討し、それなりの対策を講ずべき問題であって、その主体になるのは企業だ。しかも、そういう中で、当該市町村がこうした公共料金の抑制に対して、ある意味からいうならば協力を余儀なくされておる。しかも、その法的根拠はどこにもない。そして、つくられた電気は地元で公害を起こして、そしてよそへ送られる。こういう矛盾は現実にあるということですね。これらに対して、大臣、いかがですか。私がいま申しましたようなことから、少なくてもこれは、そういう今日の現状に立ってもう一回考え直してみなければならぬのではないかということを申し上げておるわけですけれども、ひとつ御所見を伺っておきたいと思います。
○中曽根国務大臣 電気事業の公益性等を考えてみまして、地元には若干お気の毒な気がしますが現状においてはやむを得ないものと考えます。ただし、原子力あるいは火力の発電所等については、地帯整備法というものを用意して、別途、環境の整備やそのほかについては支出して、地元に協力すべきものは協力することがいいだろう、そういうように思います。
○坂井分科員 これ以上この議論をしましても、どうも進みません。ただ、いま言ったような問題があるということですね。これらに対してやはり考えなきゃならぬ時期に来たんではないかということを申し上げておるのであって、同時に考えなければならぬことは、あなた方がいま進めようとしておるエネルギー政策で、電気、電力発電ということに対して新しい建設計画がどうもはかばかしくいかない。何とかしなければならぬ。一生懸命になってあせっていらっしゃる。この問題も私はきょう議論するつもりじゃないのです。これから新しい火力発電所が要るかどうか、あるいは原子力発電所を設置しなければならぬかどうか、それは別途の問題といたしましても、なかなか現実には遅々としてはかどらない。一方においていまのような問題を残しているじゃありませんか。そういう形の中で、国民全般にわたるこの電気の公益性という重要性にかんがみて、何とかして新しい電気需要というものを生み出していかなければならぬというあなた方の政策でしょうが、それも一方でそのような地方自治体にしわ寄せをかけたのでは進まない。大きな矛盾点があると思うのです。問題のそこのところをよくひとつ掘り下げていただきたい。 それで、次に進みますけれども、海南市にありますところの関西電力海南発電所、これは、御承知のとおり、四十七年六月五日、三号機が試運転中に破裂事故を起こした。出力六十万キロワット、国産級では西日本最大の規模を持つというものです。これが事故を起こした。その後、この事故調査のための委員会等が設置されまして、そこで、事故原因の究明や、同時にまた立ち入り検査等々が鋭意行なわれてまいりまして、そして、本年の二月二十日に再開ということになるわけですけれども、この再開にあたりまして、地元は非常な不安を持っておる。そこで、海南市長からことしの一月十七日に伺い書が出されております。二項目にわたる伺いでございます。それに対する通産省の回答が一月二十五日に出されておる。その回答を見ますと、なるほど「海南発電所の安全操業は十分確保されているものと確信しております。」とありますが、具体的に私は中身に触れたいのですけれども、いささか時間がないようですが、ただ、問題は、この事故の最大要因の一つに、ボルトが振動によってゆるんだということが言われておる。そして、これに対する原因の究明がなされて、結論的には、完全な対策が講じられたので安全操業は十分確保されたと確信をするという回答を通産省はなさった。それを受けましてこの運転を認めた、再開を認めたということになるわけですけれども、安全が確保されておるということは、いわゆる関西電力の技術力といいますか、あるいはまた同社の誠意というか、それのきわめて厚いものが見られた——もちろん、この事故原因が究明されたわけでございますから、それらに対するもろもろの技術的な手段等も講ぜられて、これならば安全操業が間違いなしという確信に立たれて回答を出された、こう解してよろしゅうございますか。
○井上政府委員 おっしゃるとおりでございます。
○坂井分科員 それじゃ伺いますけれども、この海南市内で、ことしの一月の末から二月の二十日まで何回も停電事故が起こっておるのです。何回ございましたか。
○井上政府委員 私のほうで調べたところによりますと、停電は十三回起こっております。それにつきましては、いずれも海南の発電所の事故との関係のない停電でございます。
○坂井分科員 一月の末から二月の二十日まで、二十日そこそこの間に十三回停電していますね。しかも、その停電の中身を見ますと、まことに幼稚ですね。これはそのうちの六回ばかりは高圧ピン碍子の事故である。こんなことは当然関電の責任じゃございませんか。こんなことでもって高圧ピン碍子が事故を起こして、六回も停電するなんてふざけた話はない。技術力はまさに優秀でございます、この三号機の重大な破裂事故にかんがみて、関西電力は重大な反省をし、技術陣を総動員いたしまして、そして万全の体制を整えました、したがって、再びこのような事故は起こしませんと言い、それを受けて通産省は、県に対して回答を出して、安全操業を確信すると言っている、それだけ技術力の優秀な関西電力において、十三回もの停電事故が二十日そこそこの間に行なわれた。そのうち六回は、まさに関西電力の責任に帰する事故である。これははたして技術力がありますかね
○井上政府委員 先生御指摘の高圧ピン碍子の不良による事故でございますが、これは十七日から十九日の間に起こっておりますが、停電の期間はいずれも一分か二分ということだと思います。高圧ピン碍子の悪いのがあったわけでございますけれども、この電線でバインドをしておりましたその下のところに亀裂が入っておりまして、そこに水がたまって、ある程度たまりますと停電が起こっておるということでございまして、実は、この一回目の停電のときに、十五名の人をその探査のために出しまして、なるべく停電をしないように、活線状態でいろいろ調査をしたそうでございますが、その個所が、よく針金が巻きつけておった下であったということがございまして、なかなか発見に手間をとったということでございます。その一個の不良によりまして、六回の、きわめて短期間でございますけれども、短時間の事故が、停電が起こったということでございます。
○坂井分科員 これは全くでたらめですね。私は、企業が思い上がっているのじゃないかと思いますね。同時に、そういうことを許した通産当局の行政の姿勢は全く問題だと思う。地元民にとったら、踏んだりけったりじゃありませんか。先ほど申しましたこの特例措置とあわせて、地元に公害企業を持ってこられて、公害をどんどん発生させられている。現実にあるわけですよ。公害防除に対してたいへんな金が要る。そして、地元が十三回も停電。しかも、いま言ったようなばからしい停電騒ぎ。そのような関西電力の技術を、これはまさに折り紙をつけましょうと通産省は言うわけですが、私は、これはふざけた話だと思うのです。 そこで一つ伺いますが、通産省が公益事業局長名でもって、県知事あてに「海南発電所第三号機の事故調査および事故防止対策について」ということで出されております。この結論といたしまして、三つの点について触れまして、「上記対策に掲げられた事項のうち、省令で定める技術基準に織り込むべき事項に関しては、すでに当局で検討をはじめております」云々とありまして、「鋭意努めて参る考えであります。」ということを言っておりますが、技術基準に織り込むべき事項に関して検討を始めておるということは、技術基準を強化するという意味でございますか。
○井上政府委員 これは、振動管理の問題と、それから防火対策の問題でございますけれども、これにつきましては、現在技術基準に入っておりませんので、これは世界的に、振動問題その他につきましては技術基準がないということでございまして、それで、鋭意研究いたしまして、技術基準を強化したい、こういうことでございます。
○坂井分科員 それは、技術基準の改正ということを意味するわけですか。そうなるわけですか。
○井上政府委員 さようでございます。
○坂井分科員 じゃ、時間がございませんから、最後に、いまの問題に関しまして一点強く申し上げておきますが、つまり、こういう事故が起こったあとで技術基準の手直し、改正をしなければならぬ。私は、ここにまさに問題があるということを指摘したいわけであります。したがって、これは、一海南火力発電所の三号機破裂事故ではなくして、現在設置されておる、あるいは運転されておるところのこの火力発電所全体に通ずる問題である。したがって、そうした技術基準において、少なくとも改正し、是正し、あるいは新しく盛り込まなければならないというような事項がある以上、全国の火力発電所に対しては、厳重な行政指導とともに、そうした新しい技術基準に適合するかどうかという点について、通産当局としては、慎重にかつ責任のある方法なり、そうした姿勢でもって当たっていただきたいということを強く要請いたしまして、終わります。
○山崎(平)主査代理 次に、福岡義登君。
○福岡分科員 私は、水害地に対するセメントの緊急供給について要請したいと思います。広島県の三次市を中心とする北部一円、これは、昨年の七月の集中豪雨によりまして大水害を受けました。また、福山市の鞆、田尻地区は、九月豪雨で甚大な被害を受けたのでありますが、すでにそれは御承知のとおりであります。その被害地区で、セメント不足のために復旧作業が大幅におくれている。そういう事実を通産省としては御承知でしょうか。御承知ならば、どんな手を打っておられるのか、現在どうなっておるのか、教えていただきたいと思います。
○齋藤(太)政府委員 先生御指摘のように、この中国地域では、災害復旧工事とか、それから新幹線の工事とか、中国の縦貫道路の工事、あるいはダム建設工事、こういうものが最近非常に重なって活発でございまして、また暖冬異変もございまして、そのために、工事が、冬場やめるようなところも行なわれておりますために、セメントの需要がたいへん急増をいたしまして、たとえば昨年の十−十二月は、前年の同期に比べまして四〇%増と伸びております。それから、一月と二月は、例年積雪の関係で需要の伸びが低下するのでございますけれども、暖冬異変もございまして、一月で三五%増、二月は四三%増、こういった非常に大幅な需要の増加になりまして、そのために一部の地域でセメント不足という事態も発生をいたしております。 私どもとしましては、こういったセメント不足のために公共事業等の遂行に支障を来たすということがあっては困りますので、急遽業界とも話をし、需要の実情に応じまして至急に応援出荷をするように手配をいたしておるところでございます。ところが、特にこの災害復旧の関係は山間部でございまして、しかも例年はあまり需要のないところでございますので、セメントの、いわゆるサイロと申します貯蔵施設がございません。そのために、ふだん貯蔵しておる在庫がございませんために、急遽広島等から送っておるわけでございますけれども、たとえば三次地区の例をとりますと、鉄道が、芸備線が単線でございまして、貨車繰りがそうでない地域と比べますとやや窮屈でございます。それから、トラック輸送等につきましても、道路が場所によりましては非常に狭いこともございまして、大型のトラックが行きますのにやや不便を来たしておる。こういう事情もございまして、一部の地域で依然としてセメント不足を訴えられる向きがございます。ただ、量的には、たとえば中国地区全体の需要が四十七年度五百八十万トンと推定いたしておりますが、それに対しまして、中国地区で生産しておりますセメントの総量は一千万トンでございまして、むしろ、他地域に相当回るぐらいに全体としての生産力はあるのでございまして、そのために、もっぱら輸送の関係で、一部地区に窮迫しておるという事情でございますので、ただいま、こういった災害地域向けの輸送につきましては、いわゆるタンクローリー車をその地域に極力振り向けるということ、それから、従来中国以外の地域に出荷しておったりいたしましたセメント会社の品物を、災害地に近いところのものはなるべくそこへ振り向けるということ、こういった製品の融通と申しますか、そういうこと等を行ないまして、大急ぎで災害地にセメントを送り込む、こういうことをやっておりますが、場所によりましては、ただいま申しました輸送状況で、不十分なところが出るかもしれませんが、もうしばらくお待ちをいただけば必要量は確保できるようになるというふうに考えておるところでございます。
○福岡分科員 一通りの説明を聞いたのですが、きのう局長が業界の代表とお会いになりまして、対策をいろいろ要請をされておるのですが、非常に手の打ちようがおそいと思うのですね。私が建設省に問題を提起したのが二月九日です。おそらく、建設省のほうからあなたのほうへも連絡が行っておると思うのです。私が問題を提起したほかに、広島県の関係者のほうが再三陳情しておるはずです。けさ私は現地に電話を入れて実情を確かめてみましたが、依然として変化がない。要請をされましたものについて手当てがしてないのですね。 そこで、私は以下申し上げるのですが、このままの状態でいくということはたいへんな問題である。いま局長が御説明になりましたのは、十−十二月約四〇%、一月約三五%、二月約四三%、暖冬その他で非常にふえている、こうおっしゃるのですが、私はあとで申し上げますがそうじゃない。そういう事情もあるかもしらぬけれども、別のところに問題があると思うのです。そこで、あるセメント会社の広島の営業所の例を調べてみましたら、三月の需給見込みをこう言っておるわけであります。需要見込み十一万トンを本社に要請したところが、本社指示は八・一万トンしか指示がなかった。これは需要見込みに対しまして七三多でしかないのです。それから、しかも、この八万一千トンの本社指示の中で、五万トンというのはひもつきなんです。たとえば、日本鋼管あての一万七千トン、あるいは新幹線関係の一万トン、直営関係の二万三千トン、合計五万トンは八万一千トンの本社指示の中でひもがついておる。そうしますと、残りは三万一千トンで、広島県下に代理店とか販売店が百店ばかりあるのですが、二戸当たり三百トンくらいにしかならぬ。三月の需給関係ですよ。その後これを修正されたか知りませんが、私が調べましたのは二月の中旬、二十日ちょっと前だったと思うのですが、そういう状態なんです。今度は、三次市のある建設業者に当たってみましたら、一月の実績は、二千五百トンの要請をしたのだが千七百トンしか入っておらない。六八%なんですね。その後状況は変わっていないというのがけさの電話なんです。もうしばらく待ってもらいたいとおっしゃるのですが、そうゆうちょうなことはできないと思うわけです。 こまかい説明をする時間がないのですが、広島県の被害実態というのは非常に大きいのです。順調に災害復旧が進められたとしましても、井ぜきの被害が千七百十三カ所で、年度内の復旧見込みが、六百八十三カ所しかできない。あと千三十カ所というものが残る。ため池も同様に、四百五十八カ所被害を受けたのですが、百三十七カ所しか復旧できない。三百二十一カ所残る。水路も、五千六百五十二カ所被害を受けたのですが二千二百六十八カ所しか復旧できない。三千三百八十四カ所残る。水田のほうも、五百七十五ヘクタールの被害で、年度内復旧の見込みは四百六十ヘクタールしかない。百十五ヘクタールは順調にいっても水田の復旧ができない。以上のような状態なんですね。加えて、セメントが足らぬというようなことになれば、これはたいへんなことだと思うのですね。 そこで、あなたのほうの資料をもらったのですが、セメントの生産能力と生産高がどうなっておるかということを見ました。そうすると、現在の設備で一カ月七百三十二万七千トンの生産能力があるのです。ところが、十二月にどれだけ生産しておるかといいますと、六百八十八万四千トンしか生産していない。設備の稼働率は九四%です。一月は五百二十八万三千トンですから、稼働率は七一・七%でしかない。さらに、在庫は、十二月には二百三万一千トンあるのです。一月は二百五十六万トンあるのです。こう考えてみると、先ほど説明なされまして、十二月、一月は急増した、暖冬その他中国縦貫道、新幹線あるいは日本銅管などといろいろ例をあげられましたが、確かにセメントの需要が増大したにしましても、これだけの余力があるわけですね。一月の在庫が、あなたの資料によると、二百五十六万トンもあるのです。しかも、一月の工場の稼働率というのは七一・七%しかないのですね。だから、少々需要がふえたところでやる気ならこれはやれるのですよ。やる気がないということしかこの数字からはうかがえないわけです。
○齋藤(太)政府委員 このセメント不足に対処いたしまして、セメント業界と私どものほうとの連絡、それから情報交換をいたしまして、いろいろ指示をいたしておりますが、毎月定例によって協議をいたしておりまして、前から、そのときの情勢に応じましていろいろ指示はいたしておったのでございますけれども、特に、昨日またセメント業界の幹部を呼びまして、最近の情勢に対処しての増産方を私から要請をした次第でございます。 それで、稼働率のお話がございましたが、十二月の稼働率は、御指摘のように、九四%と、高くなっております。で、大体、セメントは、年平均で申しますと、従来は適正稼働率が八〇%弱というふうに言われておりまして、特に十二月は、北海道地区が雪の関係で工場が動いておりませんので、そういった動いていないところを加えまして、なおかつ九四%の操業というのは、動いておるところだけで見ますと、一〇〇%をこえるような、ほんとうのフル稼働をいたしておるという状態でございます。一月に稼働率がちょっと落ちまして、七一・七%に落ちましたけれども、これは、実は、定期補修をすべきところを、この秋からフル稼働で休まずにずっとやっておりましたもので、年一回やります定期補修が結局押せ押せになりまして、それが一月に集中的に行なわれたという関係で、一月が稼働日数が少なくなっておりますけれども、これは異常事態でございまして、いまフル稼働をやらしておる状態でございます。 在庫の二百五十万トンは、一カ月の需要から見ますと十日分足らずでございまして、私どもとしては、全体の不足に対する見込みから申しますと、最低在庫は二百万トンを割るような状態では困るということで、常に二百万トンは在庫があるように、もしそれを割るようなら、いま申しましたように、定期補修を延ばしてでも工場を動かすようにというような指導をいたしておるわけでございまして、この二百五十万トンという在庫は、むしろ、いまの需要の水準から申しますと、まだ足らないぎみだというふうに実は考えておるわけでございます。いずれにいたしましても、確かに、御指摘のように、日本全体でのセメントの需要が非常に急増いたしておりまして、先ほど、広島での、中国地区の伸び率を申し上げましたが、全国的にも、たとえば十−十二月が約一八%、一月は約二二%、二月は約三三%というふうに、この秋口から急速な伸び率を見せておりまして、年度間でも一七%増、過去十年間くらい毎年一〇%増で伸びてまいりましたのが、ことしは非常に伸び率が高いわけでございます。そういう状態でございますので、ただいま申しましたようにフル稼働を指示しますと同時に、特に、輸出をむしろ内需に振り向けるようにという指導もいたしまして、今年度、当初の輸出計画を二百万トンと立てましたけれども、ずっと減らしまして、内需に振り向けまして、ただいまのところ、輸出実績は九十万トンちょっとでございまして、結局、年度一ぱいで百万トンぐらいにとどまるのじゃないかと、半分くらいに減る見込みをいたしております。 それからなお、設備の増強につきましても、現実にいろいろ工事が進んでいる面もございますが、急いで増設をいたしまして、四十八年度の需要増に対処して、今後半年の間に約一千万トンの能力の増加をやりますように昨日業界に要請をいたしたところでございます。
○福岡分科員 一応の御説明を聞いたのですが、どうも十分得心できないのです。現地へ行ってみますと、特に袋物の価格が相当つり上がっている。ですから、品物は、供給をしようとすれば絶対量が少ないということはないという認識を、私はこの数字からしておるのです。かりに絶対量が少ないとしましても、災害復旧でしょう。出水期は目前に迫っておるわけですよ。他の事業を押えても緊急手配しなければならぬのですが、どうですか、通産大臣、責任をもって手配しますか。
○中曽根国務大臣 セメントの需給は緊急を要するものであると思いますので、ほかのものはある程度ためても、セメントの需給をできるだけ円滑にするように努力したいと思います。
○福岡分科員 努力という表現のしかたにひっかかるわけではないが、責任をもって処置しますということを言ってもらいたいのです。 どういうことになっておるかといいますと、出水期が近づいてくるという問題が一つあります。それから、セメントの供給が六〇%から七〇%しかないのです。そうすると、手待ちで人夫が遊ぶのです。そこで、業者が相当赤字を出すという問題がある。それから、工期が非常に迫ってきておるということがある。一番大きいのは、何といいましても、出水期までに最低限の復旧をしなければならぬということなんですから、たとえば新幹線なり、日本鋼管なり、中国縦貫道なりといろいろと大きい事業をやっているわけでしょうから、ちょっとどこかを調整してくれさえすれば、災害復旧に使うセメントくらいは確保できると思うのです。努力するというのは、信ずるかどうかという問題かもしれませんが、努力するということは、責任をもって処置しますということに理解してもいいですか。
○中曽根国務大臣 けっこうです。
○齋藤(太)政府委員 実は、広島の通産局を中心にいたしまして、広島の建設省の出先の地方建設局、それから各県の担当官、それに広島の商工会議所の方等で現地でも連絡会議をつくっていただきまして、そこで、荷繰りの相談とかそういったことを現在いたしておりまして、業界の方も、特に災害復旧等官公需については絶対迷惑をかけないように荷物を集めますというふうに私どもに約束をいたしております。問題は、結局は、その輸送力の問題でございまして、タンクローリーなりトラック輸送で、どんどんいま広島に荷物が集まってきておりますので、うまく現地まで届くかどうかということでありまして、一生懸命いま督励いたしておるところでございます。
○福岡分科員 輸送力は、車さえ確保できれば、五十四号線が走っておりますから——天皇陛下が植樹祭に行かれるということで突貫工事で整備して、一級国道で、さっき道が狭いというお話がありましたが、車さえあれば通れないということは絶対ないです。広島から入っておる芸備線は確かに単線ですが、貨物が少なくて困っておるのですから、荷物があるなら、私、国鉄にすぐにでも話をして、あした何トンあるいは何十トン手配してくれと言えば、すぐ貨車の手配ができます。私は現地を知っているだけに言明しますが、輸送力には問題がない。道路事情、芸備線の輸送力には問題がない。 そこで、先ほど通産大臣から、責任をもって措置をするという言明をいただきましたので、善処方を重ねてお願いして、終わりたいと思います。
○山崎(平)主査代理 次回は、来たる五日月曜日、午前十時より開会いたしまして、引き続き通商産業省所管について質疑を行なうこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時六分散会