予算委員会第三分科会 第2号
- 発言数
- 276 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1973/03/03
会議録
○倉成主査 これより予算委員会第三分科会を開会いたします。 昭和四十八年度一般会計予算及び昭和四十八年度特別会計予算中、厚生省所管を議題といたします。 この際、政府から説明を求めます。齋藤厚生大臣。
○齋藤国務大臣 昭和四十八年度厚生省所管一般会計及び特別会計予算の概要について御説明申し上げます。 昭和四十八年度厚生省所管一般会計予算の総額は二兆九百三十億百八十三万五千円でありまして、これを昭和四十七年度予算一兆六千四百五十三億六千五百三十三万八千円と比較いたしますと、四千四百七十六億三千六百四十九万七千円の増加と相なり、二七・二%の増加率を示しております。 また、これは昭和四十七年度当初予算に対しまして三一%の増加となり、国家予算全体の増加率二四・八%を大幅に上回る伸びと相なっております。 なお、国家予算総額に対する厚生省予算の割合は一四・七%であり、過去最高のものとなっております。 申し上げるまでもなく、厚生行政は各位の御協力によりまして年を追って充実してきておりますが、今日、福祉優先の考え方が国民各層に定着し、福祉施策の充実を求める声はきわめて大きいものがあります。私はこの国民的要請にこたえるため、その責務の重大さに思いをいたし、昭和四十八年度予算の確保に全力を尽くしたのでありますが、年金制度の改善、老人医療費の公費負担制度の充実をはじめ、難病対策の推進、医療保険制度の改善、社会福祉施設、生活環境施設の整備等々について見るべき成果があったものと考えております。 以下主要な事項についてその概略を御説明申し上げるのでございますが、委員各位のお手元に資料を配付いたしてございますので、お許しを得て説明を省略させていただきたいと存じます。 何とぞ本予算の成立につきましては、格別の御協力を賜わりますようお願いいたす次第でございます。
○倉成主査 この際、おはかりいたします。 ただいま齋藤厚生大臣から申し出がありました厚生省所管関係予算の重点事項につきましては、その説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○倉成主査 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔齋藤国務大臣の説明を省略した部分〕 以下、主要な事項について順を追ってその概要を御説明申し上げます。 まず、第一は、生活保護費であります。 国民の最低生活を保障する生活保護費につきましては、生活扶助基準を一四%引き上げ、一般の消費水準との格差を縮小することにいたしましたほか、教育扶助、出産扶助についても所要の改善をはかり、生活保護費として三千五百五十五億四千七百余万円を計上いたしております。これは前年度予算に比し四百四十八億三百余万円の増額となっております。 第二は、社会福祉費であります。 まず、老人の福祉につきましては、後にも申し上げますが、老齢福祉年金を大幅に改善することにいたしましたのをはじめとし、老人医療費の支給対象を六十五歳の寝たきり老人にまで拡大するほか、家庭奉仕事業の充実、老人クラブ活動の助成、老人就労あっせん事業の拡充など、生きがいある老後を実現するための諸施策をきめこまかく実施することとし、所要の経費を計上いたしております。 次に、社会福祉施設の整備につきましては、百八十六億三千七百余万円を計上し、老人福祉施設、心身障害児(者)施設及び保育所等の整備を計画的に推進することにいたしております。また、社会福祉施設の運営管理につきましては、昭和四十七年度に引き続き職員の待遇、入所者の処遇全般について改善をはかることとし、所要の経費を計上いたしております。 心身障害児(者)の福祉につきましては、心身障害児発生予防のための特別研究費の増額、特別児童扶養手当の改善等従前からの施策の充実をはかるほか、新たに精神薄弱者療育手帳制度、在宅重度障害者に対する介護員派遣制度を創設することとし、また身体障害者福祉モデル都市の設置について補助を行なうなど各般の施策を強化するため所要の経費を計上いたしております。 このほか、母子等の福祉のために児童扶養手当の改善、母子福祉貸付金等の増額、保育事業の充実をはじめ、妊産婦・乳幼児に対するミルクの支給及び健康診査について対象を拡大する等、きめこまかい配慮をいたしました。 以上申し上げました施策に必要な社会福祉費として、総額三千二百二十三億九千六百余万円を計上いたしており、前年度予算に比し一千百三十四億九千九百余万円の増額となっております。 第三は、社会保険費であります。 まず、社会保険国庫負担金でありますが、厚生保険特別会計及び船員保険特別会計への繰り入れに必要な経費として一千七百二十九億五千九百余万円を計上いたしております。 このうち厚生年金保険につきましては、老後保障の充実強化のため、いわゆる五万円年金の実現、物価スライド制度の導入など画期的な制度改善をはかることとし、その経費として、五百二十六億七千三百余万円を計上しております。 政府管掌健康保険につきましては、家族療養費の給付率を六割に引き上げる等各般の給付改善を行なうとともに財政の健全化をはかるため保険料率の改定等にあわせて、定率一〇%の国庫補助制度を導入することとし、八百十一億三千四百余万円を計上いたしております。 次に、国民年金国庫負担金でありますが、国民年金特別会計への繰り入れに必要な経費として三千三百二十億七千八百余万円を計上いたしております。このうち、拠出制国民年金につきましては、厚生年金に準じて夫婦五万円年金の実現、物価スライド制度の導入をはかりますほか、十年年金、五年年金の額につきましても、それぞれ二・五倍に引き上げ、さらに高齢者の再加入を認める等の措置を講ずることにいたしております。また福祉年金につきましても、年金額を老齢福祉年金月額五千円、障害福祉年金月額七千五百円、母子及び準母子福祉年金月額六千五百円とそれぞれ大幅な引き上げを行なうとともに、扶養義務者等所得制限、恩給等との併給制限について、これまでにない大幅な改善をはかることにいたしております。 次に、国民健康保険助成費につきましては、療養給付費補助金など五千六百七十六億九千三百余万円を計上いたしておりますが、このうちには老人医療費公費負担制度及び高額療養費制度の実施に伴う財政措置として所要の額を計上いたしております。 このほか、児童手当国庫負担金につきましては、対象児童の年齢引き上げに伴い、三百四十八億五百余万円を計上いたしております。 以上申し上げました社会保険費の総額は一兆一千百五億三千七百余万円で、前年度予算に比し二千五百九十三億一千百余万円の増額となっております。 第四は、保健衛生対策費であります。 まず、難病対策につきましては、調査研究費及び医療費補助の対象疾病の拡大、治療研究費の大幅増額をはかるとともに、これらの人々を収容して専門的治療を行なう医療機関等の整備を計画的に実施することとし、百八十二億四千百余万円を計上いたしております。 次に、原爆障害者対策でありますが、昭和四十七年度に引き続き健康管理手当をはじめ各種の手当につきまして、支給額の引き上げ、所得制限の緩和等を行なうこととし、その経費として百三十三億二千三百余万円を計上いたしております。 次に、医療供給体制の整備でありますが、医師、看護婦をはじめ医療関係者の確保のため処遇の改善、養成施設の増加をはかるとともに専門医療機関の体系的整備促進、僻地医療対策、救急医療対策等の一層の充実をはかることといたしておりますが、これらと並んで新たに医療情報システムの開発を進めることにいたしております。 また、ガン、脳卒中等の成人病対策につきましては、従前から推進してまいりました医療機関の整備を新たな見地から進めるとともに、四十歳以上の国民を対象として循環器疾患についての健康診断を行ない、農村部を対象として農村健診センターを設置する等の措置を新たに講ずることにいたしております。 このほか結核医療費五百四十八億九千六百余万円、精神衛生費五百二十九億二千八百余万円等を合わせて、保健衛生対策費として総額一千九百九十五億三千四百余万円を計上いたしております。これは前年度予算に比し五十億三千百余万円の増額であります。 第五は、遺族及び留守家族等援護費であります。 まず、戦傷病者戦没者遺族等に対する年金でありますが、恩給法の改正に準じて増額することといたしております。次に戦没者等の妻及び父母等に対する特別給付金制度でありますが、いずれも増額の上継続することとし、六十万円、三十万円の国債をそれぞれ交付することにいたしております。また、戦没者の遺骨収集につきましては、四十八年度以降新たな計画によって積極的に推進することとし、これらを含めまして遺族及び留守家族等援護費として四百十億四千七百余万円を計上いたしておりますが、これは前年度予算に比し百八億五千三百万余円の増額であります。 第六は、生活環境施設整備費であります。 まず、廃棄物の処理対策でありますが、特にごみの排出量の増大と多様化に対処するため、廃棄物処理施設整備計画に基づき、その計画的整備に要する経費として百五十八億一千三百余万円を計上いたしております。 次に、水道施設整備関係費でありますが、水需要の増大に対処し、水質水量両面にわたる水道供給体制の確立のため、水道水源の開発と水道の広域化を推進することとし、百五十六億四百余万円を計上いたしました。 また、簡易水道の整備につきましても七十五億七千百余万円を計上し、農山漁村の水道普及を促進することといたしております。 これら生活環境施設整備費として、総額三百八十九億八千九百余万円を計上いたしており、前年度に比し九十六億一千三百余万円の増額となっております。 以上のほか、消費者の生活の安全確保対策につきましては、食品及び医薬品の安全確保のため食品添加物の総点検実施費、医薬品の薬効調査費、試験検査体制の強化費、食品衛生調査研究費等の増額、家庭用品による危害の防止対策費、さらにはPCB汚染対策費等所要の経費を計上いたしております。 また、環境衛生営業の近代化、合理化を促進するため新たに環境衛生金融公庫に小企業設備改善資金貸付制度を設けるための経費を計上することとし、また、血液対策、麻薬覚せい剤対策を強化するなどのため所要の経費を計上いたしております。 以上、昭和四十八年度厚生省所管一般会計予算の概要を御説明申し上げました。 次に、昭和四十八年度厚生省所管特別会計予算の大要について御説明申し上げます。 第一は、厚生保険特別会計についてであります。 一般会計から二千三十三億二千六百九十二万四千円の繰り入れを行ない、各勘定の歳入歳出予算をそれぞれ計上いたしております。 第二は、船員保険特別会計についてであります。 一般会計から四十四億三千七百三十六万五千円の繰り入れを行ない、歳入、八百八十五億二千四百三十三万三千円、歳出、五百七十一億六千三百二十二万円を計上いたしております。 第三は、国立病院特別会計についてであります。 病院勘定は、一般会計から百五十一億六千七百三十四万四千円の繰り入れを行ない、歳入、歳出とも九百五十億八千六百三十七万二千円を計上いたしております。 療養所勘定については、一般会計から二百九十一億七千三十八万円の繰り入れを行ない、歳入、歳出とも八百七十三億九千四百八十九万三千円を計上いたしております。 第四は、あへん特別会計についてであります。 歳入、歳出ともに十三億四千四百八十四万五千円を計上いたしております。 第五は、国民年金特別会計についてであります。 一般会計から三千三百二十億七千八百六十六万九千円の繰り入れを行ない、各勘定の歳入歳出予算をそれぞれ計上いたしております。 以上、昭和四十八年度厚生省所管特別会計の予算について、その大要を御説明申し上げました。 何とぞ、本予算の成立につきましては、格別の御協力を賜わりますようお願いする次第であります。 —————————————
○倉成主査 以上をもちまして、厚生省所管の説明は終わりました。 —————————————
○倉成主査 質疑に先立ち念のために申し上げます。質疑者が多数おられますので、質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力をお願いしたいと思います。 なお、政府当局に申し上げます。質疑時間が限られておりますので、答弁は的確に要領よく、簡潔に行なわれますようお願いいたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。福岡義登君。
○福岡分科員 原爆被爆者の老人医療費対策についてお伺いしたいのですが、結論から先に申し上げますと、一つは原爆被爆者手帳所持者の老人にも老人医療費受給者証を交付して、原爆関係の病気以外の場合はそれぞれそれを使用させること。二つ目が、当面被爆老人の本人支払いをやめ、医療機関から請求するようにしてもらいたい。それから第三番目は、これは将来の問題になると思うのですが、共済組合などすべての医療機関で原爆診療ができるようにしてもらいたい、こういう三つがお尋ねしたい結論なんですが、若干内容を御説明申し上げますと、御承知のように七十歳以上の老人医療が無料となりまして、市町村から老人医療費受給者証が交付されております。ところが、原爆被爆者手帳を所持している老人に対してはこれが交付されていないのであります。これは被爆者援護によって従来から医療費が無料であるので、ことさらこの取り扱いをする必要はないということだということが判断されるわけであります。しかし、被爆者手帳による診療をしていない医療機関で受診する場合は、非常に都合が悪いのであります。たとえば被爆老人が国鉄職員の利用している鉄道病院で診療した場合、料金を支払った上、市町村から請求書の用紙をもらい、三枚の用紙に受診の理由、薬名、点数、料金などめんどうな記入をして提出し、支払いを受けることになっておるのですが、その支払いがなされるまでおおむね半年ぐらいかかる。なお、この被爆老人は年寄りでありますために、家族がこの代行をしなければならぬ。何回も病院に足を運んだり、相当の手間と家族に負担がかかるわけであります。そういう意味で、非常に都合が悪いという状態が発生しておりますので、初めに申し上げましたような措置をぜひこの際とっていただきたいということであります。
○加倉井政府委員 御質疑の老人医療費につきましては、対象者の疾病または負傷につきまして、健康保険法あるいは国民健康保険法の規定による医療費に関する給付が行なわれた場合に自己負担分について支給される、こういうことになっております。その疾病または負傷につきまして、結核予防法とか精神衛生法その他の法令の規定によります公費負担の医療給付が行なわれました場合は、老人の医療費は支給されない、こういうことになっておりまして、これは原爆医療費についても全く同様でございます。しかしながら、原爆医療法に基づく一般疾病につきましては、遺伝性の疾患、あるいは先天性の疾患、または軽度の虫歯、こういうものにつきましては原爆医療法では支給しないというたてまえになっておりますので、こういう場合には老人医療費が当然支給されることになろうかと存じます。したがって、このような疾病につきまして医療を受けようとする方方に対しまして、被爆者手帳を有する者であっても、老人医療費の支給を受けるために老人医療費受給者証を交付して差しつかえない、こういうことになっております。したがいまして、当然原爆手帳をお持ちの方も、老人医療費の支給手続を受けることができるたてまえになっておりますので、その点は、ひとつ各市町村とも十分お話し合いをしていただきたいと思っておりますし、また、私どものほうも各市町村に対しまして、そのようなことのないように指導してまいりたい、かように考えております。 それから、療養費払いの場合、支払い手続の問題でございますが、支給事務につきましては、御指摘のような非常に煩瑣な面もございます。したがって、この面につきましては、できるだけ簡素化をはかる、そして支給に時間を要しないようにいたしたい、かように考えております。大体、一応現行の手続をとりますと、三カ月ぐらいは最低かかるというふうに考えておりますので、御指摘の六カ月ということは当然予想される点もあろうかと思いますが、そういう事態につきましては、できるだけ短縮するようにいたしたいと思っております。 それから原爆医療につきまして、指定医療機関制度という制度がございますが、これは医療機関が申請をしていただければ指定もできるわけでございますので、できるだけそういう方々の御不便を来たさないように、今後ほかの指定機関もふえるように指導いたすとともに、やはりそういう方方の御不便を来たさないように指導いたしたい、かように考えております。
○福岡分科員 大体わかりましたが、もう少しこまかくお伺いしたいと思います。 第一番目の問題なんですが、遺伝とか虫歯とか、おっしゃったようなそういうものにつきましては、いわゆる原爆以外のと目される病気についてはというお話だと思うのですが、老人医療費支給者証が発行できる、こういうことになる。ところが、現実にこれは広島県の例なんですが、市町村が、被爆者手帳を持っている人には発行しないという事態が起きておりますので、これは厚生省のほうから責任を持ってもう一ぺんそういう指導をしていただきたいということをお願いしておきます。 それから第二番目の問題なんですが、できるだけ短期間にその医療費が支払われるようにするというお話なのですが、手間が非常に繁雑なんですよね。しかも老人の場合は、申し上げましたように、本人が手続きする体力的な能力がないということで、家族にどうしても負担がかかってくる。何回か病院にも足を運ばなければならないということもあるので、医療機関としてはたいへんな仕事だと思うのですけれども、医療機関から請求するようにして、本人の立てかえ支払いといいますか、そういうものをないようにぜひしてもらいたいと思うのですが、この点はどうでしょうか。
○加倉井政府委員 第一点の指導の面につきましては、御指摘のように、私どもできるだけそのようなことのないようにいたしたい、早急に広島のほうに連絡をとりたいと思っております。 それから第二点の、請求手続に非常に手間がかかるということにつきましては、これは現在のたてまえといたしまして、いろいろ手続がございまして、御指摘のような場合もあろうかと思いますが、その改善につきましては、できるだけ私ども検討をいたしたいと思っております。 それから医療機関からかわりに請求するということでございますが、これはやはり医療機関側との話し合いも必要でございますので、その点も私ども含んだ上で、先ほどの手間のかかる面も同時に改善していきたい、かように考えておりますので、御了承いただきたいと思います。
○福岡分科員 では、以上で、善処方をお願いを申し上げまして、次の問題に移りたいと思うのですが、次の問題は、精神障害者対策についてであります。精神障害者の数は、昭和三十八年度の全国実態調査からおそらく推計をされておる数字だと思うのですが、現在百二十四万人全国にある。その内訳は、精神病院に入院を要する者が二十八万人、精神病院以外に入所を要する者が七万人、在宅のまま医療または指導を要する者が八十九万人、合計百二十四万人だというように聞いておるのですが、そのとおりに確認していいでしょうか。
○加倉井政府委員 これは三十八年度の実態調査の結果でございまして、そのとおりでございます。
○福岡分科員 これは、百二十四万というのは、三十八年度の実態調査の数字なんですか。私が認識しておりましたのは、三十八年度の実態調査の上に立って推計をされた今日の数字であるように認識しておったのですが、そうじゃないのですか。
○加倉井政府委員 三十八年度に実施いたしました精神衛生実態調査の結果、当時百二十四万いるというふうに推計されたものでございます。その後実態調査を実施いたしておりませんので、当時の数字を現在も用いておるのが現状でございます。ただし、四十八年度におきましては、第三回目の精神衛生実態調査を実施する予定でございます。
○福岡分科員 一つは、この十年ごとに調査をされるという何か根拠があるのかということを聞かせていただきたい。 それから百二十四万は三十八年度調査の数字であるということなんですが、それならば、正確には四十八年度調査をやってみなければわからぬことなんですけれども、推計をいたしまして百二十四万というのはふえているのか減っているのか。大体どのくらいだろうという推計がなされておればちょっと聞かせていただきたい。
○加倉井政府委員 十年ごとの調査の期間でございますが、これにつきましては、それほどの根拠はございません。ただ、この精神衛生実態調査というのは、御承知のように、かなり困難な調査でございまして、ひんぱんにやることもできませんし、したがって、十年ごとの期間を一応の目安にいたしてございます。 それから百二十四万人がふえているか減っているかという推計でございますが、四十八年の実態調査をいたしてみませんとはっきりしたことは申し上げられませんが、老人の人口の増加に伴いまして、老人性の精神病を若干これに加えていかなければならないのじゃないかというふうに推計をいたしております。
○福岡分科員 じゃ、こういう認識をしていいですか。老人性の精神障害者を加えるということは、百二十四万人がさらにふえておると考えていい。逆に、百二十四万という当時の患者の中で、死亡された人も相当あるんじゃないか。新たに発生したといいますか、そういうものもあると思うのですが、差し引きして、ふえておると考えられるのか、減っておると考えられるのかという点をわかれば説明してください。
○加倉井政府委員 百二十四万人というのは当時の断面でございます。したがいまして、いまお話しのように、新たに発生する患者、あるいはなおる患者、あるいは死亡する患者の差し引きプラスマイナス・ゼロということでございまする場合には、現在も百二十四万、こういうことになろうかと思います。
○福岡分科員 明らかでないということだと思うのですが、大臣にちょっとお伺いしたいと思うのです。十年に一回、確かにこの調査はむずかしい。基本的人権その他社会的な問題がありまして、むずかしいということはよくわかるのですが、逆にいえば、むずかしいだけに実態がつかみにくいんだ。つかみにくければ、十年単位に調査をするということよりももう少し、たとえば五年に一回とか、そういうような配慮があってしかるべきだと思う。ことしはたまたま十年目に当たりますので、ことしはやられるのですが、将来の方針として、やはり十年単位程度の調査でやっていかれるのかどうか。私は、十年単位に調査をされるといういままでの厚生省の姿勢は、精神障害者対策について非常に消極的な態度がここにも出ておるという気がするのですが、将来の方針として厚生大臣から見解を伺っておきたいのです。
○齋藤国務大臣 お答え申し上げますが、精神衛生対策の重要性を考えて的確な措置を講じますためには、その実態を把握するということがやはり基本でございます。入院している方々につきましては、毎年その実態を把握いたしておりますが、全国にわたる調査ということになりますと、なかなかむずかしい問題でございますから十年ということになっておりますが、実態を把握することが必要であるということにかんがみまして、今後十分御質問の趣旨を体しまして考えていきたいと考えております。
○福岡分科員 先ほど申し上げましたように、昭和三十八年度調査で精神病院に入院を要するものがおおむね二十八万人、こういうことになっておるのですが、現在の入院患者数は何名なのか、あるいは精神病院以外に入所しておる数は七万人ということになっておるのですが、現在はどうなっておるのか、施設の収容能力と患者数の関係を知りたいわけであります。
○加倉井政府委員 精神病院の数あるいはその精神病床数は、昭和四十七年の七月末現在で千三百八十八施設ございまして、その病床は二十五万七千床ございます。それに入っております入院患者は、同じく七月末現在で二十六万七千人でございまして、病床利用率、いわゆるどのくらい病床を利用しているかと申しますと、一〇三%になっております。したがって、かなりたくさん患者さんが入院されているというのが現状でございます。
○福岡分科員 そうすると、二十八万人に対して一〇三%入れてなお病床数は足りない、こういうことになっていますね。それでは、昭和四十八年度にそういう施設の整備計画がどのくらいあるかということです。
○加倉井政府委員 私ども、国費をもって補助いたします病床数といたしましては、一応一千床を予定いたしております。しかしながら、このほかに私立の精神病院につきましては国庫補助の制度がございませんので、これは医療金融公庫その他を利用していただきまして増床していただく、こういうたてまえになっております。
○福岡分科員 その分をどのくらい見込んでいるのです。
○加倉井政府委員 私立の病院の精神病床の増床につきましては、私どもちょっと把握しかねる点がございますので、はっきりした数字を申し上げられないと思います。
○福岡分科員 それではちょっと行政としては片手落ちじゃないかと思うのです。病床が非常に足りないならば、足りない分をどうやって埋めていくかという計画を持っておらなければならぬ。国の補助で幾らやる、あるいは私立病院の関係でどのくらいの計画なり指導していきたい、合計してこうなるんだという、そういう計画ぐらいは持ちたいと思うのですが、それがないのが残念ですけれども、どうですか。
○加倉井政府委員 御指摘のように、私ども私立の精神病床の増床の傾向につきまして十分把握してないのは申しわけないのでございますが、過去の医療金融公庫を利用いたしました状況から申し上げますと、最近の傾向といたしましては大体年間三千床から二千床の間にあるんじゃないかというふうに考えております。
○福岡分科員 そうしますと、この百二十四万人という数字はまだ確定しておりませんからわかりませんが、そのうちの二十八万人がどうなるかわからぬのですが、施設が足りないために現に一〇三%収容している。足りないということだけはっきりしている。いまおっしゃったように、医療金融公庫で二千ないし三千床ふえる。国の補助の分で大体千床ぐらいふえる。合計三千ないし四千ふえる。そうした場合に、厚生省としてはおおむね一〇〇%の収容ができると考えておられるのかどうか。
○加倉井政府委員 一〇〇%収容と申しましてもいろいろ問題はあろうかと思います。実は過去の精神病床の増床傾向と、それを利用しておりますいわゆる病床利用率の傾向をたどってみますと、過去におきましては一〇〇%をこえた数字がかなり高かったわけでございますけれども、最近の傾向といたしましてはそれが徐々に低くなり、横ばいの傾向にございますので、医療病床数を三%こえている収容体制ではございますが、徐々に、入院すべき患者数と精神病床数との一致点があらわれつつあるのではないかというふうに考えております。
○福岡分科員 それじゃ厚生大臣にお伺いしたいのですが、先ほど御説明のように昭和四十八年度に十年目の調査をやられるわけです。そうすると具体的な実情というものが明らかになってくる。いま問題にしております病床の数あるいはその他の施設ですね、それが相当足りないのですが、その具体的な内容、足りないという数字が出てきた場合に、足りないとしても、そうたくさん足りないことにはならぬと思いますが、昭和四十九年度にはこの調査の結果に基づいて必要数は確保するという方針を明らかにしてもらいたいと思うのですが、どうでしょう。
○齋藤国務大臣 先ほど来御質疑で明らかになりましたように、本年度は全国的な調査をいたしますから、そうたくさん不足ということもないかとも思いますけれども、不足数についてはこれを全部充足するように、この統計調査に基づきまして、来年度施設整備について全力を尽くして努力いたしたいと思います。
○福岡分科員 在宅のまま治療なり指導を要するものというのが八十九万人もあるわけですね。現在はどういう医療または指導というものをやっておられるのか、もう時間がありませんから、具体的に要点だけお願いしたい。
○加倉井政府委員 在宅のまま治療ができる患者さんにつきましては、外来治療を推奨いたしております。そのほか、精神障害の実態から申しまして受療しない方々も多数あるかと思いますが、そういう方々につきましては、私どもの行政組織といたしまして、各都道府県に精神衛生センターを設置いたしまして、できるだけそれらの方々の指導面に努力をいたしますとともに、各保健所には精神衛生の指導員、これは主として保健婦でございますが、そういう職員の教育あるいは研修をいたしまして、そういう方々の指導に当たらせるような体制をとっております。
○福岡分科員 センター関係にはどのくらいの陣容が配置されておるのですか。
○加倉井政府委員 精神衛生センターの職員の数でございますが、これは県によりまして違いがございますが、大体、少ないところで十名、多いところで二十名程度の職員が配置されております。
○福岡分科員 時間がありませんので、こまかく言えないのですが、十名ないし二十名ぐらいで、あるいは保健所の保健婦さんというお話があったのですが、保健婦さんにはこのほうまで手が回るような余裕がないということだけはよく認識してもらいたい。これも将来の対策として、在宅患者について十分対策を立てていただきたいということをお願いしたいと思います。 精神障害者対策についての個々の問題をいま二、三御質問したのですが、基本的な問題が私はあると思うのです。 これは、富山のある精神病院の院長が二月十七日、これは朝日だったか毎日かよくわかりませんが、そのことを取り上げまして、投稿しておるのです。非常に大切な意見だと私は思うのです。これは全部読めませんから、要所だけ読みます。「日本の精神科医療の歴史は保安、収容、隔離の歴史でもあった。」こう言っているのですね。しかし、人間だれでも落ち込む可能性を含んでいるものである。そういうものに対して、申し上げました保安、収容、隔離の歴史であってはならぬということを指摘しておるわけですね。これは遺伝であるとかなんとかそういうものではない。だれもが落ち込む可能性のあるものである、こういう指摘をしておるわけですね。ここに一つわれわれが考えを新たにしなければならぬ問題があるわけであります。 そこで、具体的な例が出ておるのですが、「去る一月下旬、富山県警が放火犯人捜査のため、捜査令状なしに富山市内の四精神病院から退院患者名簿を書き写して問題になったが、この警察の無神経な態度」は云々と、こう書いてあるのですね。そのように精神障害者対策というものを、われわれは認識を変えていかなければいけないというように私自身に言い聞かしておるのですが、厚生省としてもそういうような基本姿勢というものをこの際明確に打ち出していただきたい。 それから、同じく病院長の手記なんですが、「こんな人たちにとって、いまの地域社会は決して住みよい場所ではない。そこには偏見と差別があるだけだ。そして何か事件が起ったり、“偉い人”がやってくるときには、一番にマークされる。この人たちの苦痛を果して警察は理解しているのだろうか。」こういうことを指摘しておるわけですね。私は非常に大切な点であると思うのです。「しかし全犯罪件数の中で精神障害者の起す率は一%にも満たないのである。九九%以上がいわゆる“正常人”の犯罪なのだ。一方、不幸にして精神障害者によって事件が起された場合は、それを単に「病気のため」と考え、安易に処理すべきではない。その人を事件に追いやった事情が意外と、一般常識で十分理解できる場合もある。その場合は、ことが表面化しても綿密に調べるべきである。」こう指摘しておるのですね。もう以下省略をしますが、最後に厚生大臣にお願いしたいと思いますのは、精神障害者対策についての基本的な考え方というものを、この際天下に明らかにしてもらいたいというか、もちろん行政面のそういう指導を、下部末端に至るまでやっていただきたいということを、最後に大臣の見解を求めまして、私の質問を終わりたいと思うのです。
○齋藤国務大臣 精神障害者に対する対策につきましては、私どもも施設整備の充実とか、あるいは医療保護、そういう方面に全力を尽くしてまいったわけでございますが、その気持ちはあくまでもいまお述べになりましたように、保安、収容的なものであってはならない、私はそうだと思います。私も、本年度において全国的な実態調査をやるということでもございますから、その実態調査の結果を踏まえて、精神衛生審議会の専門家の方々の御意見も十分承って、いまお述べになりましたような精神で基本的な考え方をまとめまして、大いに改善に努力いたしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○福岡分科員 以上で終わります。
○倉成主査 小林進君。
○小林(進)分科員 厚生大臣、ひとつ最初に文句を言いたいのでございますけれども、大体いまの政府は、この四十八年を福祉元年とすると言うのでございますが、福祉元年といえば、福祉元年に値する福祉行政、厚生行政というものが予算の中にぱっと浮き彫りにされなければならないと思うのでありますけれども、何も浮き彫りにされていない。単に去年、おととし、さきおととしの予算の編成方針の中に、何%積み上げた、何%積み上げたというだけの話であって、いわゆる大きく流れを変えて福祉の元年と言い得るような、そういう画期的な予算の編成がえもなければ、画期的な福祉行政というものも、見るべきものはない。 私は、福祉元年を迎えるにあたって齋藤厚生大臣の就任を見たことは、わが日本の歴史の上に、最大の汚点だと思っているのです。いま少ししゃんとして腹をきめて、そうしてこういう中で、大臣が大きなアイデアを持ってやっていただければ、私は、福祉元年なんという、から念仏で国民が悲嘆、落胆をする、こんな情勢にならなかったと思います。もっと言えば、ああやって円の切り上げで、私はきのうも質問したのだが一体幾ら損した、一昨年の十二月の円の切り上げで三十億ドル、大体一兆円の損失。せっかく国民が飲まず食わずでためた金を一兆円、ぽんとアメリカにふんだくられた。今度もまたドルの切り下げで一体幾らぐらい損する、先は見えません、変動相場制ですけれども、まあ事実上円が切り上げて、これも一兆円くらいは損したでしょう、既成事実の上に。合計二兆円くらい損した。 なぜ一体こんなことになっておる。売らんかな、輸出せんかなで、低賃金で、いい品物をどんどん持っていって、あの値打ちのないドルをかせがせるという通産行政に、私は一つの憎しみを感ずるけれども、そのためた金を、国民に飲みも食わせもしないでためたんだから、早くいわゆる厚生行政、福祉行政の中で、ちゃんと行政が浸透して、りっぱな年金もつくる、りっぱな医療制度もでき上がってくる、りっぱな福祉行政もできていって、国民の生活が潤うようにちゃんと内政が完備していれば、こんなにためてはとられ、ためてはとられするような、ばかなことはなかったと思う。 第二番目に悪いのは、私は厚生大臣と思っておる。厚生大臣がこういうつまらない厚生行政をやっているから、国民には食わせない、飲ませない、与えるべきものを与えない。そうしてためれば、さいの川原じゃないけれども、ぼかんぼかんとふんだくられている。ちょうど厚生大臣なんというものは、一家でいえば強欲非道なおやじだ。家族に食うものも食わせない、着るものも着せないで、そしてためさせておいてはとられて損するような、そういうかっこうになっている。実に私は残念しごくだと思っている。大臣、どうですか。そういうことはお考えになりませんか。お考えになって、責任とって、大臣おやめになる気はありませんか。まだやめない。おやめになりますか。責任をお感じになりませんか、大臣。私どもはほんとうに怒りを感じている、あなたのその厚生行政。おやめになりませんか。あなたは、しかし、行政官としては非常に有能でしたよ。だから労働事務次官など五年近くもやられて、いまでもあなたのレコードを破る者はいないそうだけれども、だから大臣になってこられたところで、あなたの頭の中には行政官としての頭しかないのだ。政治家としてのアイデアが一つもないのだ。だから、こういう政治の流れを変えるときには、国民は非常に不幸な目にあうのです。行政の能吏であるけれども、政治家としてあなたはゼロです。あなたはゼロだ。全くゼロです。しかも、あなたとわれわれと一緒に長い間、社労の中でも、厚生行政の中でも、ずっと五年も六年もやってきたじゃないですか。私が何を考え、野党が何を考え、国民が何を考えているか、あなたは社労の中でみんな知ったんだ。しろうとの厚生大臣じゃないんだから、あなたは。大臣になって出てきたって、われわれと席を並べて厚生行政をやってきたんだ。それならその長い政治家としての、厚生行政を担当した訓練の中で、今度は大臣になったからといって、新しいアイデアが出てこなければならないはずじゃないですか。それを、われわれがあなたと一緒に社労の中で論じた問題の中には、いわゆる医療行政としては僻地行政があった。無医村、無医地区行政を一体どうするか。二十年保険料を取っておいて病気になっても医者にかかれなければ、これは詐欺じゃないですか。国自体が詐欺のまねをしていることになるのだから。無医地区の解消のために努力をしていただきたいともう耳にたこができるほどわれわれが叫び続けたことも、国民が要求してきたことも、あなたは知っているはずです。ほかの大臣なら知っていないと言われても、あなたなら知っているはずだ。あなたはもっともだと言って賛成されたんだ。ならば今度の行政の中に、無医地区解消としての予算がどういうように予算面で生きておりますか、お聞かせいただきたいと思います。——大臣に言っているのです。
○齋藤国務大臣 だいぶきびしい厚生行政に対する御批判があったわけでございますが、ことばを返しまして恐縮でございますが、昭和四十八年度という年は西欧並みの社会保障体制への出発の年であると私は考えております。すなわち、わが国の社会保障において最も劣っておりますのは年金の問題等でありましたので、そうした問題について私は私なりに努力をいたし、五万円年金という画期的な方向の道へ進んでいるわけでございまして、私は社会保障の非常に大きな前進があった、かように考えておるものでございます。 なお、いまお尋ねの無医村の問題でございますが、これにつきましては私どももほんとうに同感でございまして、この問題をどうやって解決するか頭を悩ましてまいってきておりますが、なかなか画期的な抜本的な対策というものをいま打ち出すことのできないことは私も遺憾であったと思います。来年度におきましてはいろいろな巡回診療車の問題、あるいは患者輸送車の問題、あるいは親元病院との協力連携の問題等々につきまして、厚生省は厚生省なりの努力をいたしてまいっておりまして、来年度におきましても、大体その金額から申しますと僻地医療対策費といたしましては六億八千百万円、前年度に比べますと一億三千万程度の増額になっているわけでございます。しかし、この問題は先生も御承知のように、医師をどうやって配置するかというふうなことに関連する非常にむずかしい問題でございまして、将来の長い計画として考えてみますれば、医療情報システムというものを何とかこの僻地医療対策に活用することができないであろうか、私は長期的な計画としてはこれが一番期待すべき問題ではないかと考えておりまして、来年度におきまして幸いにして医療情報システム開発のために一億一千万円という金を認められて予算に計上いたしておるわけでございますので、私は長期的な考え方としてはこのシステム開発によって進んでいくことが一番適当ではないだろうか、こういうふうにも考えているわけでございますが、無医村対策につきましてはほんとうにむずかしい問題でございますから、今後とも小林委員のいろいろな貴重な御意見をお聞かせいただいて、国民のために、改善のために努力をいたしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○小林(進)分科員 私は問わないけれども、あなたは答えた。私は、五万円年金をやったんだ、たいへん西欧並みに近づいたと言われますから、その点を聞きっぱなしにしちゃあ国民にたいへんな間違いを起こさせますから、私はあえて反論いたしますけれども、五万円年金、いわゆる厚生年金と国民年金と二口あるでしょう。厚生年金のほうは確かに一つ底上げをされて、ことしから五万円もらえる人たちが八十万人の中で八万人くらい出るだろう。これはあなた方の調査で、われわれの調査では七万人ということになってくる。一方、国民年金のほうは一体いつこれをもらえるのですか。私はここではっきり言うけれども、スライド制を別にしても夫婦で五万円の年金をことしからスタートしたというけれども、夫婦で五万円年金いつもらえますか。理論の上では一番条件のいい人がこれからまだ十三年間、今度倍額以上の高い国民年金をことしから押しつけられてこれから先十三年間納めて、五年間休んで十八年目に夫婦で五万円もらえるというけれども、十八年たっても皆さん方の五万円年金の条件に該当する夫婦が全国で一組でもあったら私はあなたに首をあげますよ。だから、十八年たったところで国民年金で五万円もらえる夫婦は一組もありませんよ、私の計算では。ことしから倍も三倍も上がった国民年金をこれから二十五年納めて、二十五年後に夫婦でそれでも五万円国民年金をもらえる夫婦が一組も十組も出てまいりますか。これはスライドは別ですよ。どうですか。いま国民年金は二千二百万人ですか、その二千二百万人の中でおそらく一組だってない。これは調べてもらいましょう、もし私の言うことがうそだったら。一番最初あなたの言われた五万円もらえる一組の夫婦が二十年後に出てくるか、二十五年後に出てくるか、それを調べてもらいましょうか。調べてもらって報告をしていただきましょう。そういう二十年も二十五年も先にようやく五万円もらえるような年金を出しておいて、ぬけぬけとこれで福祉元年でございますの、五万円年金ができ上がりましたと、よくずうずうしくもそういうことが宣伝できると私は思っているのですよ。それよりは福祉年金ですよ。老人は待てないのだから、あすがないのですから、いますぐこの老人に一体幾ら年金をくれるものなのかというのが年金の勝負どころでなければいけない、新しい福祉元年だというなら。六十七歳になっても、六十八歳になっても、六十九歳になっても一銭ももらえない。早いのは五十八歳からもらっている人もある。六十歳、六十五歳からもらっている人もある。同じ年寄りでも六十九歳にならなければ一銭ももらえない。こういう人たちもことしからちゃんと年金をもらえるなら福祉元年ですという御説明ができますけれども、何もやっていないじゃないですか。そういうことであなたはしろうとをごまかしても、われわれくろうとをごまかすわけにはいかない。だめですよ。そういうことあなたは言っておっても私はわかっておりますが、それは一つのごまかしの説明に私は反論しただけで、これでやめます。 一体、無医地区の問題だってそうですよ。無医地区だって長期の情報システムをつくって解消しますというけれども、いままでは長期じゃなかったのですか。われわれは二十年前から無医地区の解消の問題を叫び続けている。国民は山の中でも、谷底でも、ちゃんと保険料を取られるのだから、その人が病気になったときに、保険でその人の健康を保障するという保険料をみな払ってきたじゃないですか。病気になったところが、保障すべき医療がないということは、私は詐欺だという。国自体が詐欺横領しているかっこうじゃないですか。そういうことを叫び続けてきたが、いま一体無医地区は幾つありますか。減りましたか。私はここに資料がありますが、三十人以上とか五十人以上とか、住民が、過疎地帯にありますから減っていきますが、そこに住んでいる住民の多少の変化は、医者もないところだからみな去っていきますけれども、数の上においては、昭和三十三年の八月一日には無医地区は千百八十四地区、それが三十五年になると千三百五十二にふえている。四十一年四月一日に二千九百二十、倍以上に無医地区はふえているじゃないですか。しかも、四十六年一月三十日に二千三百七十三です。われわれが二十年間、この無医地区を解消して、日本人であるならば貧富にかかわりなしに、土地、ところにかかわりなしに、せめて健康と生命に関する限りは、社会保障という立場において平等に扱ってくれないかと言っているけれども、平等じゃないじゃないですか。われわれの主張と反対に、無医地区はだんだんふえているじゃないですか。われわれの言うことを軽視するもはなはだしいじゃありませんか。しかも、あなたのおっしゃる医療情報システムというのは、一体何です。厚生省がやっているのじゃないでしょう。通産省がやっているのでしょう。医療行政は厚生省から通産省へ移っているのじゃないですか。そうじゃないのですか。なぜ一体数をふやしたのです。二十年たっているけれども、なぜ無医地区をふやしたのです。そうして、医療情報システムというのはまさに通産行政に移る。これはうそですか。あわせて大臣ひとつやっていただきたい。なぜふえた。
○齋藤国務大臣 無医地区につきましては、小林委員の仰せになりましたように、なかなか思い切った政策ができなかったことは、私もほんとうに遺憾とするところであるということを先ほど申し上げてまいりました。しかしながら、これはなかなか、ほんとうに具体的に、その地域地域において特殊ないろいろな事情がありまして、私は弁解するわけでも何でもありませんが、非常にむずかしい問題で今日まで来ておるわけでございます。どんな山の中にありましても充実した医療を受けられるというふうにしなくちゃならぬということは、もうお述べになりましたとおり、私どもも私なりに努力はいたしてまいりましたが、まだ十分でないことはほんとうに遺憾といたしております。 なお、医療情報システムにつきましては、機械の問題は通産省でございますが、これを医療に結びつけるという仕組みにつきましては、医務局所管として、来年度の予算で一億一千万の予算を計上いたしておるわけでございまして、医療情報システムというのは私どものほうで全力を尽くして開発していきたい、こう考えておるわけでございます。
○小林(進)分科員 あなたは、無医地区の医療はむずかしいから、むずかしいことはやらぬとおっしゃるのですね。そうじゃないですか、あなたのお話を聞いていると。私は予算委員会で何度もあなたの話を聞いているが、むずかしいことはやらないやらないとおっしゃる。なぜ一体医療供給をやらないか。医療基本法をやらないか。いまの保険の財政調整をやらないか。あれはむずかしいからやらない、あなたの答弁は、みんなむずかしいからやらない、やりやすいからやるのだ。そういう安易な行政だから、私は先ほどから悪口を言っているように、あなたは行政官でも政治家じゃない。政治家なら困難な問題から取り組んでいきなさいよ。困難な問題で皆泣いている。その泣いている者の気持ちで、あなた政治をやりなさいよ、行政を。それが逆です。 そこで、一体あなたたちはいままで、やはり反省があるとおっしゃったのだから、そのことばだけは私、ひとつちょうだいしますが、反省があるならひとつ無医村解消の年次計画でもつくって、来年度あたりからどんどんとおやりになる、そういう考えがあるかどうか。
○齋藤国務大臣 すでに御承知のように、昭和四十八年度から五十二年度までの新しい経済社会計画というようなものを経済企画庁において立案いたしたわけでございますので、それに基づきまして、厚生省の担当する部分について、年次別な各論的な計画を立てることにいたしております。この計画の基本は、医療供給体制が一番大きな中心になるわけでございまして、私どもは来年度の、四十九年度の概算要求までの間に一応の案をつくりまして、そしてそれに基づいて四十九年度はどうするか、こういうふうに前向きに進んでまいりたいと考えております。医療供給体制の確立こそがわが国の医療の一番の重点であり、しかも、今度の長期計画の私は一番の中心になる、かように考えておるわけでございますから、小林委員のような専門の方々の御意見を十分承って、それを反映しながら、具体的な各論的な計画を立てるようにしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○小林(進)分科員 四十八年から五十二年まで医療供給体制をきちっと計画的に整備するとおっしゃった、その中には無医地区解消のための計画もきちっとおやりになっていく、このお約束をきちっと守ってくださいよ、この計画はずっと先に伸びて生きていきますから。約束を破られることのないようにひとつお願いいたします。 無医地区の問題はこのくらいにしておきまして、次に私は、休日とか夜間の医療体制が一体どういうふうになっているのか。これも私はたしか昭和三十六年だったと思いますが、この日本の東京のまん中に無医地区があるのを知っているかと質問して、答えられなかった大臣がいた。そのときにも新聞なんかはこういう記事を書いてくれた。東京のまん中にも夜間になれば医者が一人もいなくなるじゃないか。医者にもかかれないじゃないか。そういうことを訴えてきたのでございます。これも叫び続けて十二、三年たつが、このいわゆる夜間、休日における医療体制に対して、厚生省は一体どういう指導をやろうとしておるか、簡単にひとつお聞かせ願いたい。
○齋藤国務大臣 夜間、休日の急患問題につきましては、これは真剣に取り組まなければならない問題でございますので、私どもは今日まで医師会等を中心とした計画的な診療対策協議会というものをつくることにいたしまして、多少の補助金を出しておりまして、当番医制度の問題あるいは応援体制、こういうふうな問題の具体的な体制をつくるようにいたしておるわけでございます。 〔主査退席、大原主査代理着席〕 まだこれも十分ではございませんが、昨年の十月現在で事務局の調べたところによりますと、当番医制度というものの実施状況は、まあわずかでございますが、大体総人口比率にいたしまして五四・九%、これは私も非常に少ないと思います。こんなことではいけませんので、今後とも私どもとしてはこの問題の解決のために積極的に努力をいたしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○小林(進)分科員 この急患の医療体制について五四%というのはどこから出た数字かわかりませんけれども、現在では地区の医師会というものが、市町村を含めて八百三十ぐらいございますが、その中で、私の調査では大体五百ぐらいが医師会の当番制で、曲がりなりにもそういう体制ができ上がっているというのでありますが、そのでき上がっている体制の二、三についても実は私自身当たってみた。そうしたら、どうもその厚生省の的確な行政指導が来ていない。結局、ちょっと進歩的な市長あるいは自治体の長がいると、その人の積極的な協力要請等に基づいて医師会が動いて、その地区その地区並みの適正な急患体制、休日体制というものをつくり上げているけれども、内容を見るとみなばらばらです。聞いてみると、第一には、責任を一体だれが持つのか、責任体制が明確じゃない。その休日に臨んだ医師自体に一体責任を持たせるのか。それじゃ困る。たとえて言えば、急患を持っていったけれども医者がいなくて死んじゃった、あるいはどうもどこに一体急患病院があるのかわからないでぐるぐる回っているうちに死んじゃった、急に間に合わなかったというときの責任を、最終的には一体だれが持ってくれるのか。医師会の立場からいえば、たとえば自治体の長なら長がきちっと責任を持ってくれる体制で制度をつくってくれるなら、あるいは医療センターなら医療センターをちゃんとやってくれるというならいい。そういうことの責任をだれが持つかというふうな指導が、厚生省から一つも来ていない。 それから大臣、次は補助だ。あなたも、若干の補助も出したと言われるけれども、スズメの涙くらいなもので、あなたたちの補助金というのは公的医療機関に対する補助ですよ。こういう急患医療体制の中には民間のお医者さんも入っているでしょう。なぜ公的医療機関だけにしなければいけないのですか。同時に、夜間診療だけの点数でいったのでは、これは率直に言って、経済的には間尺が合わないのだ、商売にならぬというのだ。医者だって経済人ですからな。そういう点も含めていま少し、その経費の面においても、責任の面においても、あるいはシステムというか、組織機関の問題についても、いま少し的確な指導が厚生省はあってしかるべきだというのが世論ですよ。それ、やってくださいよ。人の好意に、たとえて言えば医師会あたりの好意に甘えるような、こういうことは、そういうけちなやり方ではだめですよ。それは、まあ時間がありませんから言いますが、そういう救急医療体制、いわゆる交通事故でやられてぶち込まれた、その救急医療体制にもこれは通ずる話だ。急患の場合だけでなくて、救急の医療体制にもやはり同じように的確にちゃんと指令を出して、少しくらい補助金も出して、そうして、あなたたち、何だ、政令都市だけそんなことをやって、幾らか補助金出して、何かけちなことをやっている。じゃ、政令都市の人間だけは救急患者で救うけれども、あとは救わなくてもいいと言うのか、あなたは。厚生省、そういう考え方だ、いま予算書を見てみると。そういう考え方自体だめですよ。やはり日本国民ならば、政令都市でなくたって、地方都市だって、どこでもいいですよ。あぶない者は全部助けるという形で、きちっとしたそういう的確なモデル地区をつくってやってみてください。私が資料をもらったところでは、札幌市では、百万都市でありますけれども、こういう救急医療体制というものは、札幌市の中に情報センターをつくって、百万の住民がどこで急患になっても、さっと行って診療が受けられるという体制ができているようでございますけれども、そういう総合的な急患体制を、救急機関をつくって、それは自治体なら自治体がちゃんと責任をもってそれを経営していくといいますか、あるいは管理運営をしていくとか、そういう体制をつくっていく。金も少し出しなさいよ。それでりっぱなものをつくり上げる。おやりになりますか。福祉国家にふさわしい体制をおつくりになりますか。
○齋藤国務大臣 救急医療体制並びに夜間、急患、休日の問題、こういう問題はほんとうにいままでの医療供給の問題の上からいって一つの穴のあいている体制であると私も痛感をいたしております。今日まではややともいたしますと医師会の御協力をいただくといったふうなことのみに中心は置かれておったわけでございますが、やはり国の責任という考え方から責任のがれしないようにやることが一番大事だと思います。今後はそういうふうな考え方に立って積極的にこの問題に取り組んでまいるようにいたしたい、かように考えておる次第でございます。
○小林(進)分科員 厚生大臣、かたい約束でございますから、必ず実施に移していただきたいと思います。 時間もありませんからいま一問で終わりますけれども、あとは医療関係の従事者、いわゆる施設職員の充足の問題であります。私も医療関係従事者あるいは福祉関係従事者の問題について、しばしば専門家とはディスカッションをやったり、あるいは会合を持ったりしているのでございますが、そのわれわれの仲間の研究の示唆によれば、看護婦は不足している、医師が不足しているということで、医師も一年間八千人くらい充実するように教育されるという、看護婦も年間二、三万人くらいずつの養成機関ができ上がっているというのでありますけれども、しかし医療施設や社会福祉施設に働く者はそれだけじゃないのだ。まだ従事者の種類は三十種類も五十種類もありますでしょう。ありませんか。たとえば保母だってしかりでしょう、寮母もしかりでしょう。あるいは理学療法士、作業療法士あるいは栄養士、心理判定員、あるいは生活指導員、あるいは児童指導員、あげれば際限がないが、これはみんな適格な条件を持たなければいかぬ、あるいは試験制度をもって試験に受かってこなければならぬという職種なんですね。こういう人たちで社会福祉施設で働いている現在人員は幾らありますか、それ以外の医療施設で働いている人員は幾らありますか、一言でいいですからおっしゃっていただきたいと思います。
○加藤(威)政府委員 社会福祉施設に働いております職員の数は、児童局関係、社会局関係合わせまして約二十七万でございます。
○小林(進)分科員 医療関係、公的、民間、全部入れて幾らですか。
○滝沢政府委員 医療機関は病院、診療所その他ございますが、主たる医師の場合につきましては十一万人の登録者の中で医療機関は九万人くらいでございます。看護婦が四十六年の数字でございますが、約三十二万ということでございます。それからOT、PTにつきましてはきわめて少ない状態でございまして、現在登録されている数だけで理学療法士が千三百七十六、作業療法士が三百九十五程度でございます。
○小林(進)分科員 私はもう時間が来ましたからやめますが、さしあたりOT、PTの要求があるが応じきれない。特にこれから老人病、成人病がはやるときに、こんな数じゃものの役に立たない。これは法律をつくったのは六年前だけれども、何も進歩していない。同時に、社会福祉だってそのとおりですよ。いま二十七万人というが、いまでも人員が充足できなくて困っているのでしょう。施設はある、入院者はあるけれども、従業員がなくて、施設を廃業するというところがたくさん出てきているのですよ。そのさ中に週休二日制は医学関係としても実施しなければいかぬでしょう。週休二日制になったら、二十七万の施設の従業員をどう一体やりくりするのです。これはいまだってそのとおり。看護婦が三十二万人だの医師が十一万人だのとおっしゃるけれども、週休二日制、これは必ず目前に追っている問題でしょう。どうしますか。そのときに間に合いますか。病院をつくったって実施できないじゃないか。私どもの計算では、大体社会福祉施設だけでもこれから十年後には百万人を要すると思う。これは私の計算が間違っていたら、あなた方長期の展望をひとつ五年後に、公的、民間を問わず社会福祉施設の職員がどれだけ必要であるか。私は医療機関においてこれから十年間に百五十万人必要と見ている。これは私だけじゃないですよ。学者がみんな研究した所産なんでございますけれども、五年後にはこういう医療施設に働く職員が幾ら要る、社会福祉施設に働く従業員が幾ら要る、そういう計数をひとつ資料として出してもらいたいと思います。ならばそれを充実をするには、いまから突き進んでいかなければいけない。こういう施設に働く者は、試験を通ったり条件をとったりするのに、一年や二年で単純作業の人間を養成するようなわけにいかないのですから、長期の教育をしていかなければならない。大臣はそういうことをお考えになったことがありますか。考えて、なおかつそれを軌道に乗せるように教育計画をお持ちになっていますかどうか、私はそれをお聞かせいただきたいと思います。
○齋藤国務大臣 お述べになりましたとおりでございまして、私どもも社会福祉施設の整備計画等をやるにあたりましても、ほんとうに看護婦さんがいない。特に重度心身障害児などを見ましても、ほんとうに困っているという実情でございます。 そこで、先ほども私申し述べましたが、今度の計画策定にあたりましては、医療供給体制確立ということが最大眼目になるわけでございます。その中の一番大きな眼目は医療関係者の職員、社会福祉施設の職員をどうやって確保するか、これが最重点だと思うのです。したがって、そういうことを十分認識して積極的に取り組んでまいりたい、かように考えておることをはっきり申し上げておきます。
○小林(進)分科員 時間が参りましたので、とにかくまだ問題が残っておりますが、社労委員会等別の委員会で御質問申し上げることにいたしまして、本日はこれをもって終わりたいと存じます。
○大原主査代理 次は、寺前巖君。
○寺前分科員 大臣、ものはついでですから、いまの小林さんの発言のちょっとあとを引き継いでおきたいと思います。だから、初め言うておったのとちょっと違うことが入ってきますが、いま聞いておって気になったからちょっと言っておきたいのですが、看護婦さんが不足しているためにあきベットが起こってきているというのは、これは民間に限らず国立の場合に典型的にずっと各地に起こってきていると思う。東京の有名な第一病院一つを見ても、新しいりっぱな施設ができて、いよいよこの四月から千ベット余りで開けるところへ来ているのに、当局の人の話を聞いても、百ベッド余りは看護婦さん不足のために運営できないという問題が起こっている。これは難病のために病院をつくった各地の実例を見ても、ひどいところでは六割くらいがあきベッドのままにならざるを得ないという事態が生まれている。だから、看護婦さん問題は非常に重要な位置を占めている。もちろん賃金の角度からも見なければならないし、諸条件も見なければならないと思います。ところが、気ばって看護婦さんを養成しても、大体この五年間の実情を見ても、半分の人がおやめになっていますね、資格を持つ人の半分が。私の出身の京都の実情を見ても、たとえば看護婦養成を九百五十名やって、そしてこれは流れますからあれですが、京都に定着したのが三百名ですけれども、一体やめた人たちのおもな理由は何だといって調べてみたら、七〇%が保育所だというのですね。保育がないからやっていけるものじゃないという問題が七〇%のその中の声から出てくるわけですよ。二十五歳から三十前の普通の人が、資格もお持ちになったけれども、仕事ができないという問題が出てきたわけですね。そこで、看護婦さんの場合、昼間だけの仕事じゃなくて夜も仕事をしなければいけない。だから夜間保育を積極的に保障してやるということが重要な条件の一つだと私は思うのですが、大臣、どう思いますか。
○齋藤国務大臣 看護婦さんが不足ということで、せっかく病床をふやしましてももう運営ができない。これは実にたくさんあることは私も十分承知しておりまして、ほんとうにこれは私も悩んでおります。しかし、この問題は単に養成施設において定員を増加するという問題で解決しない。やはり給与問題、これが一つです。先般も社労の委員会でもお尋ねがありましたので、給与の改善のために本年度、昭和四十八年度の人事院勧告も出ましょうから、この際に何とかよその職員と同じように大幅な引き上げをお願いしなければならぬということで、この前も言っておるわけでございます。そういう給与問題、それから夜間の手当問題、これは思い切って国立病院についてはことしやったわけですが、そのほかに保育の問題、おっしゃるとおりです。これについては国立病院に併設するようなこともしておりますが、これで私は十分だと思っておりません。お述べになりましたような夜間保育の問題、これはあると思います。ですから、看護婦さんの問題は養成施設を拡充する、定員をふやす、これだけでは問題は解決しない、私もかようにはっきり考えております。総合的な給与問題、手当の問題、保育の問題、あわせて私は真剣に総合的に検討してまいりたいと考えております。
○寺前分科員 特に看護婦さんの場合は、夜間という仕事が大きいウエートです。ところが、いまの厚生省の施策では、夜間保育というのが措置費の対象になっていない。要するに夜間保育というのは、これは計画の上にのってないわけです。ところが、今日の客観的事態というのは、昼間の保育はもちろんのこと、夜間保育についても積極的な施策として打って出なければ、現実的に合わないという問題が私は出ていると思う。だから私は、これはすみやかに改革する必要があると思うのですが、大臣、どう思いますか。
○齋藤国務大臣 この問題は、私先ほど申し上げましたように、非常にごもっともであり、非常に大事な問題でございますから、この機会にお答えしておきますが、うちのほうで児童福祉に関する審議会がございます。中央児童福祉審議会というのですが、そこに至急に御相談をいたしまして、どういうやり方でやっていくのがいいか、ひとつ検討していただきます。
○寺前分科員 ところが、それと同時に、この間、また私の出身地の話ですけれども、大学に福祉学科というのがあると思うのです。京都に仏教大学がありまして、そこの福祉学科の卒業生と会ったのですよ。こういう問題を提起されたのです。大学で、男女共学ですね、昔と違っていまごろの大学は。男女共学の大学で、福祉学科に入って仲ようなって、それじゃ一緒に福祉事業をやろうかといって就職したというのですね。ところが、卒業するときに、ちゃんと学校の規則では御卒業になったら保母資格を与えますと、こう書いてあったのです。ところが、卒業してみたら、好きになった女の子だけは保母資格をもらって、男の子にはくれないというわけです。成績が悪いかといったら、成績は男の子はなかなかいいのです。よくよく聞いてみたら、その資格条件に、男は保母になれないとなっているのだ。昔は看護婦さんは女でなければなれなかった法律だった。それが戦後変わって、看護士という制度にして、男にもその資格を持たすようにしたというのだ。ところが、保母さんのほうは、一緒に保育事業に入ってみた、ところが同じ大学を卒業しておりながら、あんたはあきまへんといわれて、女のほうだけは保母になって、男のほうは保育事業に一緒に参加しているけれども保母資格がないというところで、月給に違いが生まれた、権威が落ちちゃったわけです。 そこで、これはどうにもならぬというので、大学に看板に偽りあり、こう言うだけでは済まぬというので、今度は府に行って、京都府が保母さんの講習会をやっている、その講習会を受けたというのです。受けてみたけれども、いよいよ卒業して願書を書いたら、その時点になって、あなたは男だから資格をあげません、講習会を受けたけれども資格をやらないというのです。幼稚園の先生も男だってなれるのですよ。看護婦さんだって男だってやれる。何で男は保母資格がもらえないか。それは保母というのは母と書くからぐあいが悪いというのだったら、保父にすればいいのだから。これは憲法の職業の選択の自由から見てもおかしいと思うのですよ。大臣、どうでしょう。
○齋藤国務大臣 保母でありますから女性ということできておるのでございましょうが、考えようによってはこれもおかしな話で、看護婦には看護士というのがありますね、それもできるようになりました。やはりこういう問題も、先ほど申し上げた中央児童福祉審議会で私は本年度検討していただきます。どういう考えでやったがいいか検討していただきます。そして男でもやれぬことはないわけですから、保母と書いてあるのを保男と書くわけにもいかぬでしょう。ひとつ検討さしていただきます。
○寺前分科員 私は、その次に血友病の問題についてお聞きしたいと思うのです。これは昭和四十六年の予算委員会の分科会で質問がされている内容ですから、私はくどいことを言わないでおこうと思うのですが、ただ現実に国の施策として行なわれているのは、年に一回に限って十二歳までの子供さんの医療費のめんどうを見ましょう、もちろん所得制限がそこにはあるんです。私がふしぎでかなわないのは、この血友病というのは、これは子供だけめんどう見ましょうという性格のものなのかどうか。だから私は、何で子供だけめんどう見ましょうというのか、ふしぎでかなわない。子供の時期が過ぎておとなになったらなおってしまうのだったら、私はめんどう見るのは、子供が対象でいいと思うのですけれども、おとなになったって変わらないのだったら、私はやはり全面的に見なければならないと思うのですよ。そこのところを聞きたい。
○穴山政府委員 現在養育医療として血友病の児童に対して給付しているわけでございますけれども、確かに先生のおっしゃるとおり、これは子供だけの病気ではなくて、やはり成人に達した後においても血友病というものは残るわけでございます。従来は、いわゆる子供のころが非常に致命率が高くて、すなわち死亡する者が非常に多かったものですから、それで血友病というものについての施策を、特に子供について私どもとしては実施していたということがいままでの経過でございます。
○寺前分科員 それで、子供さんがなくなる率が多かったから子供さんのめんどうを見ました。だけれども、これがおとなにわたってあるものだったら、私はこれはたいへんだと思うのだ。私は東京の血友病の方々にもお会いしたし、また京都でもこの間五、六人お集まりいただいて、関係者の方々のお話を実際に聞きました。それはちょっと力が加わったら血液の中の十三因子の中の何か八番目とか九番目とかの因子が欠けておって、そのために凝結するという力がないのだ。だから、力がちょっとそこへ加わったときに、ばっと血が出てくる。その瞬間にいまはAHGというあれがあって、注射を打つとか、点滴をやるという施策をやったら手を打てる。しかし、これが時間をおくらせてやった場合には、回復がまたたいへんなんだという話を直接聞きました。一本打つのに何ぼかかるんだと聞いたら、点滴の場合、七千円からだというのですね。それから注射の場合は三千何ぼかかるんだという話。しかし、そんな話をしたって、そんなことをめんどうをみてくれるお医者さんというのはそこいらにおらぬのです。子供のときでもあっちこっちたらい回しされて、もうあんたさんところの子供さん、来てもらったら困ると医者のほうから断わられるというんだ。たとえば血を取ってみて検査しようと思ったら、血がとまらぬでばっと出てきて、自分の責任みたいに見えるものだから、医者も困ってしまう。だから、そういう事態が現実の社会の中であって、たどりたどりついて自分の病気は血友病だった。しかも、それは考えてみたら主として男の子に出てくる病気で歴史的にあるのだ、歴史的に出てくる問題なんだ。女の子には出ないからおかあさんの姿では見られないのだ、そのもう一つ前からを考えなければならぬのだ、そういう深刻な話なんですよ。だから、子供の段階で済まない話なんだ。次の世代までずっと——だから結婚上にも重要な位置を占める話なんです。 そういう病気だけに、これは社会的に保護をしてあげなかったらたいへんだ、私はつくづくそう思ったのですよ。おとなになるまでは、親御さんが何としてもその生活をめんどうをみて育てていく中で、いまもおっしゃったような、一回に限ってめんどうをみるというやり方がある。国のそのやり方だけではどうにもならぬものだから、地方の自治体で、それじゃというので十八歳までめんどうみましょうというところがかなり出てきましたよ。しかし、地方でやってくれるのもそれでいいですけれども、国自身が年一回だけ注射の医療費をみましょうということ自身も——実際にあらわれるのは一回じゃなくてしょっちゅう出てくるのですから。子供だったら学校に三分の一行けたらいいところだといっていますな。そういう事態なんです。だから、これは年一回なんというようなものは常識はずれじゃないか、めんどうみる以上は全面的に医療費はみる。それから年齢についても、子供だけの病気でおとなになったら回復するのだという前提だったらこれは話は別です。しかし、これはきわめて明確なんだ。将来にわたってあるのだから。したがって、私どもはせめてこういう治療についてはみてあげますということの条件をつけてやることによって、結婚の条件についても一定の配慮を社会的にしてあげなければならないのじゃないだろうか。私はほんとうにそう思うのですよ。そういう意味で私はぜひとも年齢の問題、それから所得制限の問題、年一回というやり方の問題、これについて改善をしてもらう必要があると思うのですけれども、大臣の御意見を聞きたいと思うのです。
○齋藤国務大臣 血友病の問題は、私も聞くところによりますと、致命率の高い若い人を中心にしてやろうということで今日まできておるようでございます。そこで、この血友病の医療につきましては、やはり相当金のかかる問題のようでございますね。何か聞くところによると、十万円以上もかかるというふうなお話も実は聞いておるわけでございまして、年一回ということを改めなくても、実は今度の健康保険法の改正なんというのを持ち出しては失礼かもしれませんが、あの法文には御承知の高額医療という問題がありますから、家族給付についてかりにこういう方々が十万円以上の自己負担という場合には、高額医療の問題であの法律案が成立すれば、相当経費の軽減にはなると思います。しかし、それはそれとして、血友病の問題は年一回というふうなことがいいかどうか、さらに十二歳でもう打ち切りにするというのもいいのかどうか、私はやはり問題があると思います。これはどうも凝固、かたまる因子が不足しておるということから始まる先天性の病気のようでございまして、そのときはとまっても、なおるというものでもない、こういうことでございますから、これは私も何かいい方法がないだろうか、改善の方法について今後検討を続けてまいるようにいたします。
○寺前分科員 それで、ここに親御さんの文章があるので、ひとつ紹介しておきますけれども、大臣、これは広島県の人なんですよ。 「私の子供は小学校三年の男の子です。生後四ケ月位の時わき下に紫斑を発見して近くの開業医に診察していただいたところ、ビタミンが欠乏しているのだろうと言われました。授乳期には特に気を付けて食事をしていて、変だと思って違う開業医に診察していただいた結果、血液検査の必要があるだろうと血液検査のできる国立病院を紹介されました。国立病院の先生は血管性紫斑病と言われ、首を横にしながら早速広大病院に紹介し、色々調べていただいた結果この病気がわかりました。はっきり病名が解るまでずいぶん月日がかかりました。「不治の病」と聞いてこれからどうしてよいか解りません。血液検査のあの小さな切り傷から一〇日間も出血、広大病院から自宅までの一時間半、車中血に染まった私達は人目を避けて帰ったこともあります。」云々。その次にいきまして、「二年前よりAHGを知って点滴する様になりました。足の関節出血になりますと歩行できませんからタクシーで往復五〇〇〇円AHG二本点滴すると一二〇〇〇円余り月に二〜三回は通院、約一年続きました。サラリーマンにとって月に三〇〇〇〇円近い生活費以外の出費は大変な苦しみでした。昨年、学校の養護の先生より養育医療給付を知りました。給付を受けられるようになってからは、金銭的に少しは楽になりましたが精神的には一日として安心できません。」これが親御さんが書いた文章なんです。だから、医療費の話だけではなくして、交通費からの問題も全部含まれてくる内容なんですね。これは全面的に考えなければならないし、しかもお医者さんの間でたらい回しになった姿、これは全部出てくる話なんです。 そこで私は、先ほど大臣が検討するというお話だから、積極的に検討してもらうということと同時に、もう一つは、小さいときにたらい回しにする姿というのは——乳児の検診、三歳児検診というのが制度としてありますね。あの検査段階に、私は血友病の診断をどういうふうにしてやったらいいかというものをちゃんと位置づけしておいて、そして親御さん自身に、なるほど、この病気はこういう種類のものなんだなあということを保健所なりで明確にした上で、もよりのお医者さんのところでめんどうをみられる援助を、私は積極的に保健所がしなければならないと思うのです。そういう体制を積極的にやらなかったら、不安のままで大きくなってきている。この人の例からも明らかなんですよ。だから、そこのところまでメスを入れてもらう必要があると思いますが、もう一度聞きたいと思うのです。
○穴山政府委員 ただいまのいわゆる早期発見の問題でございますけれども、現在は乳幼児検診あるいは三歳児検診におきまして、家族歴あるいは既往歴、そういったような問診をいたしまして、特に男子については出血傾向があるかどうか、それでもし出血傾向があれば専門病院でさらに精密検診を受けるようにという指導をいたしているわけでございますけれども、いまの先生のおっしゃったようなことも確かにあるわけでございます。これからこういったような指導体制の強化ということについては十分検討してまいりたいと思います。
○寺前分科員 大臣、もう私は、私自身が血友病でないので自分の感情を込めて言うのは、ほんとうにその親御さんや、その人たちの身になったら不十分だと言われるかもしれませんので、子供たちの本である「中二時代」という本があります、これは多くの子供たちが買っている雑誌です、その雑誌に——実は私はこの人に会ったのですね。ちょっと紹介しておきたいと思うのですが、「不治の病の“血友病”とたたかう高木和彦君(中2)」と書いてある。しかし、この人は現在もう中学二年生なんです。だけれども、年はもう十七歳。学校だけは行きたい。親御さんも子供さんをかついでいくし、かばんなんかを全部親御さんが持っていく。同級生も一緒にかかえていく。「中二時代」に載ったやつをちょっと紹介してみましょう。 「高木和彦君は、目をさますと、まず床の中でそっと自分の手足をなでまわす。痛みがないことがわかるとそのまま起きるが、少しでも関節に異状を感じるとそのまま動かない。登校するためにむりに起きようものならたいへんだ。ひざの関節に電流のような痛みが走り、病院へかけこんで一本七千円もするAHGの注射を三本から五本もうたないと止まらない。それどころか、最低一週間は入院することになるのだ。したに妹の由起子さんがいるが和彦君とちがって大の元気者。「にいちゃん。もう起きな、学校おくれるえ。なんや、また足痛むの?あかんなあ、男やったらいっぺん歩いてみいな」おしゃまな口はきくが、心の中では、なんとかいっしょに学校へ行きたいと願っている妹の由起子ちゃんなのだ。「歩けるくらいやったら、とうに起きてるわ。」和彦君はブイと横を向く。すでに三学期になってからまだ一度も登校していない。勉強がおくれるというあせりで、毎日家の中にいてもいらいらする。」ずっとこう続くわけです。そして、「和彦君のおとうさんは花屋さんだ。家族は祖父母を合わせて六人。ふつうなら和彦君も店の手伝いをする年ごろだが、まだ店に出たことがない。「たまに手伝ってくれても、ころんでけがでもされたらかなわん——」おとうさんはこういって追いはらってしまう。生後一年めに、初めて血友病とわかってから何百万円つぎこんだことだろう。「私ら家族全員のもうけはみんな和彦につぎこみましたなあ。」血友病とは家、財産を食いつぶし、しかも全治することがむずかしいのだ。」ずっと続きます。「京都の冬のきびしさは口にいえない。朝はおかあさんが早く起きてフロをわかす。和彦君の調子さえよければフロにいれ、手足の硬直をほぐして登校させたいと思うのだが、起き出すのがやっとで、とてもフロ場へはいけない。60キロの体重が両足の関節へかかり、たちまち痛み始めるからだ。「にいちゃん、男やったらしゃんとしなさい。くやしかったら歩いてみなさい。」由起子ちゃんはいつもこういう。そのくせ、和彦君の通る場所においてあるものはさっさと片づけて、ぶつからないように気を配っている。「近所の子はみんな成績がええのに、くやしいなあ。どうして学校へ行かれへんのやろ。」和彦君が、もう一年中2をやってでも卒業するときいた友だちは、交代でノートをもってきては写させる。「小学校からいっしょやったやないか。中学もいっしょに卒業するんや。がんばれ!」わからないところはつきっきりで説明してくれるのだった。「ありがとう。三学期は三日でも五日でも登校して、キミらといっしょに勉強したいなあ。」「そうや、その意気や。」だが、歩いて十分の中学校までいけない。たとえいったとしても、教室は三階だ。科目によっては教室を移動する。トイレの問題もある。「にいちゃん、私がカバンを運んだげる。がんばって学校へ行きなさい。肩をかしたげてもええけど、私はまだ小さい。60キロで押しつぶされたらかなわんわ。」おかあさんも明けても暮れてもそのことばかり考えている。思いかえしても寝巻に着がえて床についたことは数えるほどしかない。病院のベッドの下でからだを横たえることのほうがはるかに多かったように思える。それに家庭では氷をきらすことはできない。一年じゅう冷蔵庫の中に貯蔵しておかなければならないのだ。電気冷蔵庫がないときには、夏に由起子ちゃんがいくらほしがっても氷のかけらすら与えたことがない。「うちもう氷はあきらめた。みんなにいちゃんの足が食べてしまうんやなあ。」痛みにともなって熱をだしてはれあがるのをおさえるために、和彦君の足に氷のうを巻きつけるからだ。」私は、その一端を読み上げましたけれども、真剣になって——子供だけではない、生涯にわたってめんどうを見る体制をぜひとも大臣やっていただきたい、私は特に要望しておきたいというふうに思います。 それで、あと時間もないようでございますので、緊急の問題として一つお聞きしたいと思います。——いまの問題で私はもう一言だけつけ加えておきたいのは、たらい回しの話を先ほどしましたけれども、今度はやっと自分の病気が血友病だということがわかったときめんどうを見てもらう病院なんか、ほんとうに指折り数えるほどしかないということ。特別の、たとえば私のほうで言ったら、京都大学とか、日赤とか、ほんの数えるほどしかない。そうすると、二キロも三キロも離れた農村に住んでいるわけですが、農村に住んでいるがゆえにどこにもめんどうを見てもらえないという体制になっているのです。もよりのところで見られるという体制を、責任を持ってぜひつくり上げてほしい。責任を持って生涯のめんどうを見る体制をやってほしい。特にこのことについてもう一ぺんお願いしたいと思うのです。ひとつ感想でけっこうですから、決意のほどをもう一ぺんお聞きしたいと思います。
○齋藤国務大臣 血友病のお気の毒な子供さんの話、私もほんとうに感激して承ったわけでございます。こういうふうな医療援護の問題、それから診療機関の問題、ひとつ前向きに改善方について努力をいたしたいと思います。
○寺前分科員 時間でございますので、最後に一つ、最近ガーゼ不足という問題が起こってきたことについて私はお聞きしたい。 というのは、交通事故がずいぶん起こる、労災がずいぶん起こる、病人はどんどんふえている、こういう事態の中で、ガーゼがなかったら、包帯がなかったら、たいへんな事態になっていく。そこで、一体どういう実態が起こっているのか、どういう緊急策をしたのか、今後どうするのか、このことについて簡単にお聞かせ願いたいと思います。
○齋藤国務大臣 私も新聞で見まして心配いたしましたので、さっそく担当局長に調べさせました。北海道にそうした例があったようでございますが、至急にメーカーのほうから北海道のほうへ送るように手配をいたしております。いまのところ全国的にはそういう不足の状況にはなっておりません。しかし、今後どういうふうに変わっていくかわかりませんし、これは非常に大事なことでございますから、十分目を光らしてそういうことのないように努力をいたしてまいりたいと思います。
○寺前分科員 薬務局長さんですか、重大な事態が起こったら困るので、関係各府県の動向について十分に調査をする体制をきちっとしておいてほしい。重大な事態が発生しかねないという問題があったら、対応策を何かぱっと直ちにやってもらうということも考えてもらわなければならない。そういう場合にどうするのか、これは局長さんでいいですから、考えておられることを聞かしてください。
○松下政府委員 ただいま御指摘のように、ガーゼが医療用に不足しておるということが北海道等から連絡がございまして、全国的に緊急な問題でございますので、電話照会等によりまして調査いたしました。 私どもで把握いたしましたのは、北海道で若干局部的な品薄の状態がございまして、至急に必要な数量を調べまして、衛生材料工業会に指示をいたしまして、二万五千反の緊急の輸送をいたしております。北海道地区につきましてはそれをもって一応解決したと考えております。 ほかの地区につきましても、個々に調査をいたしまして、また衛生材料工業会の幹部を招致いたしまして、詳しい打ち合わせをして、絶対に品不足することがないようにという指示をいたしました。また、生産数量等を定期的に調べて、ことしの一月、二月は一時に比べて生産数量はふえております。さらに、どうしても緊急の必要があって国内の数量をもってはまかなえないような場合、いまの生産数量ではそういうことはないと思いますけれども、さらにそういうようなときには緊急輸入の手配をするというような準備もいたしております。ただいま先生御指摘のように、各県と密接な連絡をとりまして、電話、文書等によりまして十分な連絡をとって、絶対に医療に支障を来たすような不足を起こさないようにという覚悟をもって対策を進めております。
○寺前分科員 時間が来ましたので、終わります。
○大原主査代理 次は、新井彬之君。
○新井分科員 まず初めにお伺いしておきたいのでございますが、現在日本の国におきましても、前々からでございますけれども、社会保障ということが非常に問題になってまいっておるわけでございます。そこで、この社会福祉的な立場を各省ごとにいろいろ考えることもございますけれども、やはり少なくとも厚生省が主体になる、こういうことで中心的な立場に立つべき性格であるということは、私は当然のことだと思いますけれども、そのように大臣はお考えになっていらっしゃいますか。
○齋藤国務大臣 老人対策の問題は、年金とか医療とか、あるいは働く職場の問題、あるいは住宅、こういうふうに各省にまたがっております。しかし、その中心は、実施の面においては厚生省が中心になって努力をしていくべきものである、かように考えておる次第でございます。
○新井分科員 そこで、いまもお話が出ましたけれども、住宅であるとか、あるいはまた道路であるとか、あるいはまた環境整備であるとか、いろいろな分野に分かれますけれども、基本的にはそういう分野の中で五カ年計画といいますか、住宅におきましても、あるいはまた道路におきましても、そういう一つの目標というものがいろいろ設定されて、それに向かって進んでおるわけでございます。総理も本会議等でこの福祉関係のそういう長期的な一つの見通しというものをつくるべきであるというように言われておりますけれども、厚生大臣として、そういうのはいつごろ御提案になって、いつごろから発足したいと考えていらっしゃるのか、まずお伺いしてみたいと思います。
○齋藤国務大臣 老人対策につきましては、四十八年度の予算におきましても、御承知のように、年金の改善あるいは医療の無料化につきましては、ことしの一月から無料化を実施したわけでございますが、来年度におきましては寝たきり老人については六十五歳まで年齢の引き下げをやる、こういうふうなことで着々実施はいたしております。しかしながら、長期的な計画としてこの問題を処理することが必要である、こういうように考えておりまして、御承知の経済企画庁の新長期五カ年計画、それに基づきまして、厚生省が、年金、医療それから施設、この三部門に分けまして年次別の五カ年計画をつくる、こういうふうにいたしたいと考えておりまして、昭和四十九年の概算要求をいたします八月ごろまでに、五カ年間の年次別の各論的な計画の草案をつくりまして、その中で四十九年度はどういうふうにやるかというふうにきめるようにいたしたい、かように考えております。
○新井分科員 そこで、きょうは特に老人福祉の問題と、生活保護費の問題についてお伺いしたいと思うのですが、初めに老人福祉電話について若干お尋ねをしたいと思います。 最近新聞等で話題になっておりますように、一人暮らしの老人が死亡して、だれにも知られないまま幾日も経過しているという記事がよく出ているわけでありますが、全国ではひとり暮らしの老人は、昭和四十五年の調査で四十六万人でありまして、それが昭和四十八年推計では四十八万人になるであろう、約二万人の増加になるものと推計されておるわけでございます。また、寝たきり老人は、昭和四十八年度三十五万人で、介護者のいない老人が全国で九万五千人いるといわれております。これらの人たちを守り、生きがいを与えるために、老人電話センターの設置、福祉電話の貸与等のサービス機関がありますけれども、これらの設置は非常に喜ばれておるわけでございます。厚生省としても、こういうことについては今後も大いに積極的に取り組み、推進していかれることと思いますが、現在までにおける各年度別センター、老人宅電話設置状況と予算額並びに昭和四十八年度における設置予定数と予算額、今後の方針をお伺いしたいと思います。
○加藤(威)政府委員 老人電話の相談センターにつきましては四十六年度から始めたわけでございます。国と県と市町村、三分の一ずつ負担ということでやっております。四十六年度には二カ所、これは愛知県の豊橋市と福岡市、それから四十七年度には新潟市と、それから東京都の文京区に設置いたしております。それから、四十八年度は五カ所ということで、設置場所はまだ予算が通っておりませんから何でありますが、五カ所ということで、一応予算要求をいたしておるところでございます。予算の金額は、四十六年度は四百六十三万でございます。それから四十七年度が七百六十五万、四十八年度は約二千万でございます。千九百九十万ぐらいでございます。
○新井分科員 ただいまのお話によりますと、昭和四十六年度、四十七年度で、豊橋市、福岡市、新潟市、それから文京区ということで、老人宅の電話の設置数五百五十六、センターの設置数十五、独自の老人宅の電話十というのがございますが、そういうことで、四十八年度ではセンターを五カ所に設置するということで、介護者のいない老人が九万五千人もいるというのにセンターが十五カ所につくられる、また老人宅の電話が五百五十六、予算額も二千万ということで、非常に微々たるものであります。もっと全国的に大幅にこれを設置すべきであるということを思いますけれども、どのようにお考えになりますか。
○加藤(威)政府委員 これは、実は国の予算としての考え方は、国が全部、津々浦々にこれをつくるという構想ではございませんで、モデル的にこういうものを設置する、私どもは、老人対策というものは国とそれから地方公共団体が協力して、総合的に強力に推進していかなければならぬ、その場合に、おのずから国のやるべきものと地方公共団体のやるべきもの、これははっきり区別はできませんけれども、大体の方向として、非常に金がかかる大がかりなものは国がやる、きめこまかなものは地方公共団体が主体となってやるというような分け方ができると思うのです。この老人電話センター等は、予算もあまりたいしてかかりませんし、できれば地方公共団体が、都道府県と市町村あたりが協力してやってもらいたいということで、国がモデル的にこういうものをつくるという考え方でございます。そういうことで、すでに国の補助を受けないでこういう老人電話センターとか、あるいは老人の家にベルをつけるとか、インターホンをつけるとかいうような、電話に準じたような対策を講じている地方公共団体が十五カ所ばかりあったと思いますけれども、そういうことで、私どもはこういうものを一つの国のモデル的なものとして、地方公共団体がこれに準じて全国的にやってもらいたい、そういう構想でこの予算を出したわけでございます。
○新井分科員 この老人電話センターの問題は、昭和四十六年度から昭和四十八年度までの三カ年で、全国九ブロックに各一カ所ずつテストケースとして設置を行ないまして、本年で一切終了するということでございますけれど、昭和四十九年度以降について、いまもお話があったように各都道府県あるいは市町村にまかすのだというようなお考えですか。
○加藤(威)政府委員 一応私どもといたしましては、さっき申し上げましたようなことで、これはモデル的につくるということで、大蔵省との話し合いもそういうことで予算を組んでおります。しかし、これはさらに地方の要望等を見まして、また予算の段階で財政当局ともよく話し合って、最終的に態度をきめたいと思いますけれども、一応いまのところは私どもはそういう考えで、四十八年度において予算を組んだということでございます。
○新井分科員 いままで本会議等でもこれが問題になったことからいきまして、ちょっと問題ですけれども、この老人福祉電話の補助金については、国が三分の一、そしてまた県が三分の一、市が三分の一で、こういうことで、昭和四十七年十一月七日の大蔵委員会で、社会党の堀委員が、四十八年度以降毎年一万台ペースで老人に無料電話を敷設するよう提案して、その費用を国、地方公共団体、電電公社がそれぞれ三分の一ずつ負担した上、基本料金は地方自治体が、通話料の一部を電電公社がおのおの負担するよう要求したのに対しまして、当時の植木蔵相の、無料電話の具体的な敷設計画はまかせてほしい、関係の役所とも相談の上、四十八年度予算で具体化するという答弁と、木村郵政政務次官の、今後厚生省と折衝して具体化するという趣旨の答弁があったわけでありますが、厚生省のほうにそれぞれからこの件について相談があって、それが検討された結果いまのような話になったのですか。
○加藤(威)政府委員 確かに昨年の十一月の大蔵委員会におきまして、社会党の堀先生から、この問題について、主として郵政省に対して御質問があったようでございます。この問題については、郵政省からもいろいろ話がございましたので、私どもといたしましては、老人福祉の上から非常にけっこうなことなので、郵政省も大いに協力してもらいたいという申し入れをしておるところでございます。具体的に四十八年度においては、郵政省では、老人宅の電話等の通信手段の保有状況等よく調査して、あるいはひとり暮らし老人のための電話のシステム開発等を進めるということで、四十八年度は一応調査費ということで予算を組んでおるようでございます。したがいまして、郵政省がこの問題について四十九年度以降どういう対策を打ち出すかということによりまして——いま申し上げましたのは、厚生省独自でやっておりますものについては一応そういう考え方でございますが、郵政省がほんとうに乗り出してきて一緒にやろうということになりました場合には、そういう段階でまた再検討してみたいと思います。
○新井分科員 これはもうよく御存じだと思いますが、 〔大原主査代理退席、大村主査代理着席〕 日本電信電話公社のほうも、お年寄りのそういうお気の毒な方に対して、少しでも便宜をはかってあげたいということで、「ひとり暮し老人宅に設置する加入電話について」ということで、「公社としては「ひとり暮しの老人宅に電話の普及をはかりたい」との社会的要望に応えるため、昭和四十六年十二月以降、「債券引受け免除」および「優先設置基準第一順位の適用」などの特別な措置を講じ、これらの電話架設をはかっているところである。この制度は国および地方公共団体が、ひとり暮しの老人のための社会福祉事業として市町村名義で老人宅に加入電話を設置する場合、電話設置に伴う電信電話債券の引受を特別に免除し、負担の軽減をはかるとともに、優先的に電話の架設ができるようにしたものである。」こういうことで、四十六年の十二月から、豊橋市とか福岡市とか、先ほど言われたところがついておるわけでございます。その中で、「公社が設備料等の費用を負担することについての見解」というのがございまして、「公社は、現在まで身寄りのない寝たきり老人に対する措置として1電話を設置する場合に最優先で架設する 2債券の引受けを免除するなど事業運営上可能な範囲での措置を講じてきております。公社としては今後においても、寝たきり老人をはじめとする社会福祉事業について、上記のように事業運営上可能な範囲で措置を講じていく考えでありますが、設備料、使用料、通話料等については、社会福祉政策全体の観点から、厚生省等の関係省庁において負担の是非を検討すべき問題であると思われます。」こういうぐあいに言っておるわけでございますが、このことについてどのような考えを持っておるか、お聞かせ願いたいと思います。
○加藤(威)政府委員 確かに郵政省では、私どものこの四十六年度からの老人電話センターの設置につきまして、いま先生御指摘になりましたような点で、いろいろ便宜をはかってくれております。しかし、大蔵委員会で堀先生からお話しがありましたのは、郵政省としてのもう一歩踏み出した対策というものをある程度期待されたような御質問であったかと承っておりますが、そういうことについて郵政省がどういう態度をとってやるか、四十八年度はそれの調査ということだろうと思います。そういうことで、郵政省が四十九年度以降どういう考え方を打ち出してくるかということについて、これはよく郵政省とも相談いたしまして、私どもといたしましては、いま先生御指摘のように、全部郵政省におんぶしてしまうということも、老人対策を所管しております厚生省として問題があろうかというような感じもいたしますので、そういう段階においては、社会福祉という立場から厚生省としてはどういう対策をすべきかということを、十分よく検討してまいりたいと思います。
○新井分科員 局長はそのように非常に第三者的に言われますけれども、寝たきり老人の家庭を訪問されたことがありますか。 〔大村主査代理退席、主査着席〕
○加藤(威)政府委員 老人ホーム等はだいぶ見てまいりましたけれども、個人のおたくというのはまだ見ておりません。
○新井分科員 私は、やはり局長、あるいはまた大臣が、実際にそういう実態を知らないで、そういう電話についてもどうすべきかということを検討する、これではほんとうに解決にならないと思います。ただ、財政的な問題においていろいろ苦しい立場もあるかもわかりませんけれども、実際に寝たきり老人はずっと寝たきりでございますから、いろいろと御近所の方みんなのお世話になって、その中でようやく生活をされているという現状、そこに電話が一本あれば、何か隣近所に頼むときも、あるいはまた急の用があったときに頼むときも、どれほどその方の生活状態が変わるかということですね。それはやはり局長自体がある程度、そういう問題が出たときに現実に行かれて、話を聞かれたときにおいて、涙を出しながら、ほんとうにそうだということで、こういう問題はいまの日本においては当然やらなければいけないという結論が出るのじゃないかと思います。したがいまして、そういうことを一切なしで、ただわれわれがほんとうに会ってきたお話を、そのまま伝えるわけにいきませんので、私はそういうぐあいにお話しするわけでございますけれども、こういう問題も実際問題ほんとうにどうなっているんだ、一人の方の命がどのくらい大事なのかということをどうかもっともっと真剣に考えていただきたいのです。新聞でもいままでにも何回か出ておりますけれども、そういう問題を見て、これはほんとうに自分の責任なんだ、何かひとつやってあげたい、こういうことだったらできるじゃないか、ほんとうにそういうような気持ちになってやっていただかなければ、そういう方の味方というものはいないと思うのです。だから、私は初めに大臣にお伺いしたのですけれども、その主体性をもっていくのはどこですか、厚生省でございます。いろいろな面がありますけれども、ひとつこの問題について今後の決意をお聞かせ願いたいと思います。
○齋藤国務大臣 社会局長から述べましたように、現在厚生省でやっております老人福祉電話はモデル的にやっていることは確かです。しかし、はたしてこれを、モデルだから郵政省のほうが将来やろうというなら、こっちはやめて向こうにまかせていいかという性質のものじゃない。おっしゃるとおり、ひとり暮らしの方々などというものは、ほんとうにお隣近所の方々のあたたかいお世話がなければ生活ができない、それから寝たきり老人の方々もほんとうに介護人がいなければ生活できない、これが実態だと思います。そこで、電話によって多少元気づけてもらったり、あるいは安否の状況を確かめたりしていただいて、そして急のときにはお医者さんのほうに電話をするとか、いろいろな問題がたくさんあると思うのです。そういう意味において私は、郵政省も真剣に考えておられると思いますので、郵政省とも十分相談いたしまして——厚生省の分は一応モデル的にやっている、こう言いましても、やはり長期的に老人問題を考えるにはそういう問題を解決しなければならぬと思いますから、郵政省のほうとも十分相談いたしまして、こういう問題の解決に当たっていくようにいたしたい、かように考えております。
○新井分科員 郵政省のほうも非常に熱心でございます。どうかひとつその件については、いままでテストケースでやったということについては今後もそれを続けていくんだ、まさか三年間でやめるためのテストケースじゃないと思うのです。そういうことで大臣のほうも局長のほうもひとつよろしくお願いしたいと思います。 次に、去る二月二十一日の毎日新聞を見ますと、三鷹市においては全国に先がけて、本年四月から、六十五歳以上の寝たきり老人約百四十人を対象として、医師一人、看護婦一人を年間契約して、週一回定期的に訪問して、一日約十二、三世帯を無料で巡回診療するという寝たきり老人の訪問医制度を実施することになっております。これについて大臣はどのようにお考えになるか、まずお聞かせを願いたいと思います。
○齋藤国務大臣 御承知のように、国としても七十歳以上の御老人についてはことしの一月から無料化を進め、来年度は六十五歳、こういうふうに下げてまいるわけでございますから、そういうふうな政策を受けて、医師会の御協力をいただいて巡回してめんどうを見ていただく、こういう体制ができれば私はそれは非常に望ましいことだと思います。国の方針に従って医師会の協力をいただいてそういう仕組みをつくる、非常に望ましいことだ、かように考えております。
○加藤(威)政府委員 いま先生御指摘の三鷹市のあれは、市長が一応そういう構想を持っているのだそうでございまして、まだ予算に組まれるというところまではいっていないようでございますが、ただ国といたしましても、すでに老人の訪問健康診査というのを実施いたしております。それで予算額も四十八年度は六千六百八十二万円という予算を要求いたしております。これは寝たきり老人というものをお医者さんと看護婦さんのチームで訪問して診察をする、こういう体制をすでに打ち出しております。ただ、それが頻度とかそういう点は、あるいはいま先生御指摘のように三鷹市の頻度でありますれば、それほど多くの頻度ではございません。国でもすでにある程度実施しているというところでございます。
○新井分科員 いまもお話がありましたように、国も現在老人福祉法に基づいて昭和三十八年度から老人の健康診査制度を設けまして、医者と看護婦が寝たきり老人等を年に一度訪れる、こういうことにしておりますけれども、実際の予算が伴わないで、全国で約三十五万人もいる寝たきり老人を回り切れない状態になっておると聞いております。ひとり暮らしの老人が近所の人たちが知らない間に死亡していて、幾日間も知られなかったというようなことがあるわけでありますけれども、市町村ではこれら老人問題をこのまま国にはまかせておけないのだということで、市長としても、この三鷹市の市長というのは医学博士だそうでございますけれども、そういう意味からいろいろ思索をして、訪問医制度という形になってあらわれたということをわれわれも思うわけでございますが、いまお年寄りが一番深刻に考え、求めているのは、そういう医療の問題というものをはずして考えることができないわけでございます。これは手当を出せば、あるいはまた物を与えればというだけでは解決しない問題でありますけれども、医師の訪問でカウンセラー、コンサルタント的な役割りも果たして老人の生きがいにも通じていくということで、今後大いに期待されるわけでありますけれども、こういう点は国としても大いに奨励すべきである。さっきも大臣の見解を伺いましたが、いいことだという答弁をいただいておりますが、こういう市に対して補助をしてあげるべきじゃないか、こういうぐあいに私は考えるわけでございます。一部の負担を、そういういいことをやっておるところについては当然補助制度というものを考えてあげる、こういうぐあいに思いますけれども、御見解を承りたいと思います。
○加藤(威)政府委員 これは先ほど申し上げましたように、確かに回数その他は非常に少ないわけでございますが、国で全国的に老人訪問健康診査を国の三分の一補助で実施いたしておりまして、今後の方向といたしましては、これをできるだけ拡充していくということでございまして、個々の、たとえばいまの三鷹市がさらに多くやったからそれには多くやるというわけにはちょっとまいらぬかと思いますが、国でやっております老人訪問健康診査、これの拡充につとめてまいりたいと思います。
○新井分科員 やはり市なんかがいろいろと事情によりましていいことをやっている、そういう場合に、国が一定してきめなければそれについては絶対補助を出さない。それは国が一歩でも前進してやっていて、市がやらないでおくれている場合はそれでもしかたがないと思いますけれども、市町村に国が学ばなければいけないところがたくさんあるわけでございます。そういうところに対しては補助してあげるとか奨励してあげるとか、そして福祉国家の形態に持っていくということは、当然いまの状況から見て必要なことじゃないかということを私は思います。したがいまして、そういうこともひとつ検討していただきたい、このように思うわけでございます。 それから同じく二月二十一日の朝日新聞の記事の中で、三鷹市の訪問医制度の実施について厚生省の老人福祉専門官の話が出ておりますけれども、その話によりますれば、「実施にあたっては、医師の確保ができるかどうかと、食事や衛生といった関連サービスをやらねば大きな効果は難しいのではないか。」こう言っておりますけれども、厚生省では昭和四十八年度予算の要求の中に給食サービス事業費を予算要求しているにもかかわらず、実際にはその予算がとれなかったということを聞いております。予算面での結果が出ていない。ひとり暮らしの老人の食事サービス等その他の問題について今後政府ではどのように——もっとこれを進めて、来年度でも実現していくのかどうか。その方針を承りたいと思います。
○加藤(威)政府委員 これは私ども四十八年度予算要求で老人の給食サービス事業というものを要求したわけでありますが、大蔵省はこれの実施に反対しているわけではなくて、ただ新しい項目を起こさないでもいいのじゃないかということで、やることは差しつかえないということでございますので、既定の項目の中で、これはしたがいまして、老人ホームのいろいろな給食の施設を使ってやるわけでございますから、老人ホームの措置費というものがございます。それに特別の基準を設けてそういった老人の給食をやる。外に住んでおられる老人の給食をやるというものについては、老人ホームに特別の金を回すという特別基準を実施するということでございまして、実質的には四十八年度から実施いたします。こういうことでございます。
○新井分科員 時間が参りましたので終わります。
○倉成主査 山中吾郎君。
○山中(吾)分科員 私、酒害の問題一点にしぼってお聞きしたいと思うのですが、実は坊厚生大臣から園田厚生大臣、斎藤、内田、斎藤大臣は二人あるわけですが、数代にわたって同じことを実は質問をしておるのです。大体通常国会ごとに厚生大臣がかわるようですから、私にとっては重大な政治課題ですが、厚生省にとっては厚生行政のすみっこにしか位置づいていないので、繰り返して、もう少し関心を深めてもらいたい、これが私の質問の動機なんです。さらにどうも行政とモラルという問題を考えるときに、行政権の行使も権力の行使ですが、どうも道義の感覚が鈍い、そのことが酒税と酒害防止行政というものの中に、どうも一番行政とモラルというものがちぐはぐになっていることを私は痛感をするので、特に私にとっては宿題なのでお聞きしたいわけなんです。 それでまず四十八年度の酒害予防、防止あるいはアル中矯正に関する予算について局長からお聞きしたいと思います。
○加倉井政府委員 お尋ねの四十八年度の予算でございますが、思想普及事業費等五百二十五万円、それから公的精神病床施設整備費、これは全体で一千床の要求をいたしておりますけれども、この中にアルコール中毒患者収容のための特殊病棟を含めてでございます。
○山中(吾)分科員 渡部主計官のほうにお聞きします。 四十七年度ならすでにわかっておるはずでありますが、酒税の総計は幾らになっておりますか。
○渡部説明員 昭和四十七年度の酒税の収入予算額は七千百三十六億円でございます。それから昭和四十八年度の予算の見込み額としましては、七千二百六十六億円でございます。
○山中(吾)分科員 これが私にとっては政治問題になるのでありまして、大体七千億と見まして、酒飲みから七千億円の税金を国が取り上げておる。そして一方に、酒を楽しく飲んでおる者は飲んでいいのでありますが、歯どめのきかない酒飲みが二十年、三十年飲んでアル中になる。家庭は崩壊し、子供あるいは家内から見捨てられそうになり、自分はやめたいけれどもやめられない。中には酔っぱらって殺人事件を起こしておる。東京都の児童、婦人部において一番相談件数の多いのは、やはり酒乱の者の妻とか子供からの相談、これを救う仕事が一番多い。あるいは新聞紙上の家庭相談においても酒乱の夫から離婚するための相談というのが一番多い。警察の取り締まりは泥酔による交通事故が多い。こういう意味において、社会防衛の立場からも個人救済の立場からも、何とかしてやらなければならぬ問題を放置をされておる。年々そうしてアル中がふえて、非常に犯罪の危険もある。そういうものに対して国が何らの措置もされていないといっていい。いま局長からの答弁では、四十八年度予算も五百二十五万程度である。七千億の税金を取り上げておって、酒害予防的なものは五百二十五万くらい。さらに、精神病棟の中に一般の精神病者と区別をしないでアル中を入れておる病棟があるので、若干それに予算が使われておるとしても、それでも一千万である。この点について、七千億もの税金を取っておれば、酒を飲んでみずから不幸になっておる者に、社会防衛の立場からいっても還元をする思想というものを少しは持つのが行政のモラルではないのか。税行政の中にそういう感覚が非常に少ないのが私は非常に遺憾で、こういうことをやはり政治の問題として取り上げることが、日本の政治の体質を変える一番大事な問題だと考えるのです。そこで、かりに七千億のうち一%を還元をしろといったら七十億になる。〇・一%を酒害の予防にあるいは救済に使おうとしても七億もあるのです。〇・〇一%でも七千万ある。そうすると、厚生省の酒害防止関係の予算は〇・〇一%もない。公害基準のPPM並みである。それ以下だ。どうもこの辺、日本の政治体質というものに道義の感覚というものが非常にない。ことに一番ないのは税行政である。私は税行政は一番最大の権力の行使であると思う。理由なしに取り上げることのできる権力なんです。その税行政を行使するとき、ほとんど道義感覚がない。齋藤厚生大臣が大蔵委員長をしておるとき私は大蔵委員で、初めてあまり好きでない税法を読む気になって見たが、どうも日本の現在の行政の中で道義感覚がないのが税行政だ。財源を多くすればいいというだけのことで行なわれておるような感じがある。 そこで、アル中にかかる、酒はやめたい、奥さんもやめさしたい。しかし病院に入ろうとしても病棟が少ない。入ってもただ医学の治療だけではなおらない。これをどうするかということについて私は真剣に考えるのが厚生行政であろうと思うのであります。厚生大臣、どうですか、この点について御感想があればお聞きしておきたいと思います。
○齋藤国務大臣 アルコール中毒のほんとうに悲惨ないろいろな例を私も聞かされております。これはやはり軽々しく見てはならぬ問題だ、かように考えております。現在のところ精神障害者の収容施設の一角にそういう施設をつくるというだけでは、私は問題の解決にはならぬと思います。個人的な問題ですから、酒を飲んで悪いなんということは私も申しません。私も酒はきらいでもない。飲むほうでございますが、アルコール中毒になると、これは悲惨なものでございます。もう少しアルコール中毒に対する悲惨な姿を国民も十分頭に描きながら、民間の団体の方々の御協力もいただきながら、そうした問題が起こらないような啓蒙宣伝、これを私ほんとうにやるべきだと思っております。お述べになりましたように、七千億もの酒税を取ってさっぱり金を出さぬじゃないか。私も気分的にはわかりますね。七千億のうちの百分の一の七十億あるいは千分の一の七億、それがいいとか悪いとかということは別といたしまして、やはりアルコール中毒の患者は悲惨なものですよ。家庭も悲惨でございます。そういう意味においてもう少し厚生省もこういう問題を前向きに取り上げて、世論を背景としてアルコール中毒というものを撲滅するようにもう少し真剣に取り組んでいくべきじゃないか、かように私はしみじみ考えております。
○山中(吾)分科員 私も歯どめのきかない酒飲みであって、過去の思い出を語れば屈辱あるいは失敗の連続、得なことはなかった。いまはそういうことでやめて、見ておると、酒を楽しく飲む者は楽しく飲み、じょうずに飲むように指導していいと思うんだが、飲んで害毒を残す者は結局やめさせなければアル中になる。ところが現在は不幸にして酒が相当な税源なものだから、言わず語らず国は酒飲みを奨励していると思うのです。アル中に対しては国家は加害者である。加害者で受益者なんです。人から税金を取るときには大蔵省は受益者負担とか理屈をつけるが、みずからが受益者で加害者のときは知らぬ顔をしておる手はないでしょう。そこで私は主計官に、厚生省がアル中を矯正するために来年度でも予算を請求するときに、その事業をかれこれと批判する前に、酒税の七千億の〇・〇一%の七千万ぐらいは、いろいろの理屈を言わないで税を還元する思想、〇・〇一%ぐらい使うだけの案を持ってこいと言うぐらいの思想があっていいと思う。おそらくその辺は主計官の思想によってきまると思うので、主計官、あなたの思想を聞いておきたい。
○渡部説明員 酒税の収入は先ほども申し上げましたように七千億という収入でございまして、法人税あるいは所得税と並びましてわが国の税収において非常に大きなウエートを占めており、国家財政に貢献していただいていることは事実でございます。問題は、飲酒に伴いまして先生御指摘のようなデメリットも生じておるわけでございますので、アルコール中毒の問題につきましては、もちろん政府としては真剣に取り組まなくてはならないと思います。それを酒税をいただいておるから受益というかっこうで見るという見方もございましょうが、われわれはやはり国民の保健あるいは福祉という観点で、そういうアルコール中毒についての施策について配慮するということであろうかと思います。 まあ、施策のとっております内容につきましては、金額が少ないのじゃないかという御指摘があろうかと思いますが、われわれといたしましては、十分これについて関心は持っておるわけでございまして、四十七年度予算におきましては、アルコール中毒の実態調査をやってもらうというような予算も計上したわけでございます。その調査結果等が判明いたしまして、また厚生省でいろいろ予算の御要求があろうかと思います。われわれといたしましては、先生の御趣旨も体しまして、アルコール中毒対策については前向きに対処してまいりたいと思っております。
○山中(吾)分科員 局長にお伺いしますが、現在精神病院に入っては出、また飲んで入り、というようなアル中常習者、あるいは精神病院に入ろうとしても病棟が少なくて入れなくて断わられておる、そのほかアル中であるがと村の人々が心配しながらいつもながめておるような、いわゆるアル中ですね、日本全国にどれくらいあると思っていますか。
○加倉井政府委員 私どもが毎年実施いたします精神病院の実態調査の結果から申し上げますと、入院患者の約六%がアルコール中毒患者ということになりますので、大体一万五千人程度が入院しておるということになろうかと思います。それから、昭和三十一年に調査をいたしておりますが、そのときの約二十倍に患者がふえております。なお、新たに毎年入ってまいります患者を総計いたしますと、毎月約千人程度の患者が入ってくるという実態でございます。 ただ、在野の患者につきましては、患者と申しますか、中毒症という診断をつけられるまでに到達いたしました患者につきましては、現在のところ承知いたしておりません。
○山中(吾)分科員 大体そういうものだと思うのですが、在野三十万ぐらいあるのじゃないかと私は思っておるので、しかも年々増加しておるようであります。アルコール分のきつい洋酒も自由化をされて、また住宅難で、東京に住むのは——家に帰ってもゆっくりできぬというので、たいてい退庁の帰りは一ぱい飲んで帰る。おそらく午後七時から十時ごろまで、おでん屋その他を含んで、東京都ではこの時間に百万人ぐらいは飲んでいるのじゃないかと思います。その半分が大蔵省の税金になっておる。 医者の話を聞いても、一日五合ずつ飲んで、二十年すれば完全にアル中になる、十年と言う人もあるが、まず一番少なく見積もって、なると思うのです。一日五合で、一合二百円にしても二千円、半分は税金でしょう。一日千円ずつ税金を払っておると、月には三万、一年間には三十六万、二十年には七百二十万。一つ家が建ちますね。その家が建つ分だけ税金を払ってアル中になって、そうして妻子から見放され、家庭は崩壊し、あるいは人を殺す、飲むとあばれる。いなかにいきますと、一人のアル中のためにどれだけ村が不安になっておるか。そういう者が野放しになっておる。これを救済をするのは、私は行政とモラルの問題だと思うのであります、税金を取り上げておるという国家の立場から。私にとっては重大な政治課題なんです。それを処理しないでほっておくような政治の中からは、政治の体質は変わらないと思うのであります。 そこで提案したいと思うのですが、アルコール問題研究会の精神病のお医者さんその他に聞いてみますと、治療だけではなおらない。しかし民間のボランタリー運動として、アルコール中毒になったあと、みずからあらゆる苦心をしてやめた人間同士によってお互いに励まし合っておる断酒会が、毎週東京にも——これはいつも断酒例会として土曜日ごとにやっておる。私は何回か行っておるのです。そして、精神病院から出てきた者が、奥さんと一緒に毎週一回そこへ寄って、そしてお互いにやめられた話をし、出勤をしておる者は、なおっておるのですね。そして三年目に、酒をやめたおかげで家が建ったという人がおる。それは技術者もおる、会社社長もおる。しかもアル中にかかった者は素質は優秀です、見ておりますと。やめたあとどれだけ社会的に貢献をしているか。そして二年、三年成功したときには断酒誕生祝いといって賞状を渡して、そこにおる者だけは救われておる。精神病院から出て一たん社会へそのまま帰った者は、また一、二年目には精神病院に入っておるというのが現実であります。したがって私は精神病院の中でできる限りの処置をして、一般の精神病者でないのですから、酒を飲んだときは精神病者である、酒を飲んでないときには普通の人間で、あるいは能力のある人間が多い。別病棟を、少なくとも入りたい者には増設をしてやるくらいの予算は計上すべきである。 それから出た者については、ボランタリー、民間でやっておる断酒会に対する——みんなが寄って、そしてこれによって必ず成功しているのですから、そういう断酒会の施設、設備の補助、ある程度の若干の援助——全部援助すればボランタリー精神がなくなりますから、若干の、やれるだけの援助をするくらいの予算は計上して、少なくともアル中を救済するという処置はとるべきだと思うのでありますが、いかがですか。
○加倉井政府委員 先生の御指摘のように、アルコール中毒というのは、もちろん中毒状態におきます医療面につきましては、これは医者が関与いたしますが、やはりその後の処置につきましては、本人はもちろん家族あるいはその周囲の者たちが共同して助長してやらなければ、真の回復ということはなかなか達成できないのは御指摘のとおりでございます。したがいまして、私どももかつて所管いたしました行政上、断酒友の会の方々とも接触したこともございますが、非常にりっぱな業績をつくられております。しかしながら、現在の段階におきまして、全国に個々にその活動を実施されておりまして、まとまるような形に現在の段階では立ち至っておりません。私どもといたしましては、できるだけそういうボランティアの方々が一本化していただきまして、より強固な活動をしていただくことは本心からお願いする次第でございますが、現在の段階で国から直接補助を差し上げるというようなことにつきましては、いまの団体の法人格その他の性格上の問題がございますので、いたしかねる点もございます。したがいまして、設備あるいは運営面につきましては、船舶振興会とか自転車振興会等の補助金を利用する道も開かれておりますので、その面の御援助もいたしたいと思いますし、また実際の運営面におきまして、精神衛生相談所あるいは保健所の精神衛生指導員、それからあるいは精神病院協会等の専門家の日常の活動に、この断酒友の会の方々あるいはその他の団体の方々の御活動と御援助をするような体制をできるだけ助成してまいりたい、かように考えております。
○山中(吾)分科員 和歌山に断酒道場があって、全国のアルコール中毒患者で、自分でなおりたい者がそこに行って、入れかわり立ちかわり入って断酒をして成功して帰っておる。そこの道場長は児玉正孝といって十三回か四回精神病院に入って、酒屋の人ですが、ついに成功して、自分がやめたものを何とか皆さんにというので、私財を投じたり民間の寄付をつのったりしてやっておる。運営費で非常に困っておるようです。その他そういうものをやろうとしても場所がないとかいろいろあるから、どういう項目にするかは知らないけれども、アルコール中毒更生費という名前ででも、事業として委託する形をとる手もあるでしょうし、団体がまだ不適格であるならば、何かそういう形で苦心をして、来年度予算に、野放しになっておるアルコール中毒患者、その中でまたみずからやめたい者、そういう者の救済の事業を何としても私は予算化してもらいたい。これは最も有効な税金の使い方であると思うのであります。 ことに刑法でさえ、この改正刑法草案も、内定しておるものの中の百五条を見ますと「過度に飲酒し又は麻薬、覚せい剤その他の薬物を使用する習癖のある者が、その習癖のため禁固以上の刑にあたる行為をした場合において、その習癖を除かなければ将来再び禁固以上の刑にあたる行為をするおそれがあり、保安上必要があると認められるときは、禁絶処分に付する旨の言渡をすることができる。」そしてその百六条に「禁絶処分に付せられた者は、保安施設に収容し、飲酒又は薬物使用の習癖を除くために必要な処置を行なう。」という刑法の改正案があるのです。この百六条というのは、こういう断酒道場とか施設をして、監獄でただ収容しておくだけでなくして、なおして社会に出さないと犯罪を繰り返すという刑法の準備案ができておる。厚生省はそんな犯罪を犯す前にそういう人々を救う施設をしてやればこれは最善であると思うのであって、その点の医療施設、病院の施設の病棟の増設と、出た者に対してなおすための断酒道場というかそういう施設について補助をする、あるいはみずからの矯正事業として委託の形においてある程度の何らかの形で援助をするというふうなことを、理屈なしに実現すべきである。酒税の〇・〇一%の範囲内で十分できるのでありますから、来年度の予算に実現することを切に要望いたしたいと思います。 そこで最後にこの点について厚生大臣に御答弁を願う。また来年度いなくなるおそれがありますけれども、引き継いでいただいて——これは通常国会ごとに厚生大臣かわっていますから、私もそのたびにこれは言わなければならない。引き継いでいただいて、御決意を聞いて質問を終わりたいと思います。
○齋藤国務大臣 アルコール中毒の問題は、私はほんとうに深刻にこれは考えるべきだと思うのです。最近非常に患者がふえて、精神病院に入る方も非常に多くなっておる、これは事実だと思います。厚生省としてはやはりアルコール中毒にならぬような指導をする、これがまず第一ですよ。なった以上はどうするか。そこで初めて施設をするという問題になると思いますが、強い意志をもってひとつこの際酒を断とうというふうな民間団体があるならば、やはりそういう方々の御協力をいただく、私は必要なことだと思いますね。ただ、それに対してどういうふうに国が金を出すかどうかということになりますと、いろいろよそとの関係で考えなくてはならぬ問題があると思いますが、私もアルコール中毒ということについては、認識は先生と同じ認識を持っておりますから、何かいい方法はないだろうか、私も十分検討をしてみたいと思います。
○山中(吾)分科員 わかりました。
○倉成主査 横路孝弘君。
○横路分科員 大臣、外国から引き揚げてくる人に対する対策についてちょっとお尋ねをしたいと思うのですけれども、戦争が終わってもう二十八年たっていますから、いまごろ引き揚げ者がいるのかとびっくりする国民が多いわけですけれども、現在南朝鮮、韓国並びに中国から毎年やはりかなりたくさんの人たちが帰ってきているわけですよ。これからは中国の関係というのがだんだん多くなるんじゃなかろうかということがいわれているわけですね。 昨年の六月の七日に西山梅さん、それから加藤よしさん、鈴木きくえさん、今村節子さん、いずれもこれは五十歳から六十歳の四人の女性が南朝鮮から引き揚げてきたわけです。これらの人たちはいずれも朝鮮人の夫と結婚して、加藤さんは三十六年ぶりの帰国ですね、ほかの人たちは敗戦直後に御主人が朝鮮人ですから朝鮮のほうに渡られた、そして向こうで御主人がなくなられて再び帰ってきたというような、そういういろいろな経過をたどっている人たちなんです。この四人の人たち、現在は東京で民間のアパートに住んで生活しながら、現在の厚生省の行政に対してささやかな要求をしているわけですね。この問題を通して現在の引き揚げ者の問題について少しお尋ねをしていきたいというように思うのです。 どういうことになっているかというと、たとえば韓国からの引き揚げのいわゆる日本人妻といわれる人たちですね。まず帰国の申請を在外公館に出すわけですね。帰国の申請を出しますと、書類は外務省から厚生省に回って、厚生省で身元確認者あるいは引き受け人というのをさがして依頼をする。そこから先はどこの仕事になるかというと、皆さん方の主張によれば、そこはもうあとは地方自治体の仕事になるんだ。引き受け人がいなければ、地方自治体が何らかの施設をさがすか、あるいは東京でたった一つの施設として常盤寮ということなんですけれども、最初にお伺いしたいのは、ともかくこの人たちが帰ってきて一番感じているのは何かというと、外務省は、帰ってくるところまではわれわれの責任ですよ、あとは知りませんよ、こうおっしゃられる。帰ってきてから厚生省は、ともかく指定地へ行きなさい、引き受け人がいるところならそこに行きなさいということで、あとはもう地方自治体の責任ですよということになる。この四人の人たちは、行政の取り扱いとしては従来の取り扱いから見ると比較的皆さんのほうでもあたたかくやったといわれているケースですけれども、しかしそれにしても、外務省、厚生省あるいは自治省なりあるいは地方自治体ということの中で、一体国の引き揚げ者に対する行政の基本というものが現在どうなっているのかさっぱり明確じゃないということをいつも、この人たちを含めて、帰ってきた人たちは話をされているわけですね。その辺のところを厚生大臣として一体現在引き揚げ者について——引き揚げ者ということばを使うとまた何だかんだということで議論があるようでありますけれども、ともかく戦争の犠牲者ですね、この人たちに対して、外から帰ってくる、いかに国としてすべきかという基本的な方針というのはどうも私、不明確、役所はその責任をあっちだこっちだといってなすり合いばかりしているんじゃないかということを感ずるわけなんで、その辺の基本的な厚生省としての行政の方針みたいなもの、ございましたらお話しいただきたい。
○齋藤国務大臣 私どもは、外国から帰ってこられる方々につきまして、最初は向こうの在外公館から連絡をとってこられるわけでございますが、帰ってきましたら、何といいましても本人の意向が一番大事、本人がどういう土地に、何々県に帰りたいというふうな帰住地の意向というものを最優先的に考えるというふうにいたしておるつもりでございまして、今後とも本人の意向を確認して、本人の意向優先で処理をしていくべきものである、こういうふうに考えております。
○横路分科員 そこでちょっと実態がどういうことになっているかということを少しお尋ねしたいと思うのですけれども、現在この南朝鮮、韓国における引き揚げの待機している数ですね、希望しながら待機している数がどのくらいあるのか、それから現にここ三年ぐらいどの程度帰ってきているのか、その辺のところを数字をつかまえておりましたら……。これはどこでしょうか、外務省でしょうか厚生省でしょうか。
○穂崎説明員 最初に、帰ってきました員数についてお答えいたします。 現在問題になっております韓国におります在韓邦人の引き揚げにつきましては、政府は四十四年度からこれに必要な予算を講じておるわけでございます。四十四年度は二百二十四名、四十五年度は百八十七名、四十六年度は百七十四名、四十七年度は二月末現在でございますが、百七十三名で合計七百五十八名でございます。それから待機しておる人間でございますが、これは非常に実態がつかみにくいのは、帰国したいという申請を出している人もございますし、それから帰国の意思を表明しながら、いつ帰国するということがはっきりしない、こういうものもございますので、正確な数字はつかみにくいわけでございます。われわれが持っておる数字からいたしますと、現在帰国を希望しておる者は四百名程度ではなかろうか、かように考えております。
○横路分科員 いまのは世帯じゃなくて、人員ですね。員数ですね。 中国についてはどうですか。国交回復が成立したばかりなんですけれども、やはりかなりあの敗戦のときの混乱の中で向こうに残って、希望している人たちがいるわけです。私たちは家族から頼まれて中国側に問い合わせをして、たとえば去年の一月、私中国に行ったとき頼んでみたら、一年たって手紙が来て、消息がそれこそ三十年ぶりぐらいにわかって、やはり帰りたいというような意思表示をしている人たちがいるわけで、過去の推定で見ると相当たくさんの方になるのじゃないかと思いますが、その辺のところは、国交回復をして間がないからよくおわかりにならないかもしれませんけれども、日本側の、そういう家族の者からの問い合わせとかいろいろなもの等は、きっと役所のほうにもたくさん行っているだろうと思うのですけれども、何らかの形でそういう実態というのはつかまえておられませんか。
○高木(玄)政府委員 現在私どもとして、中国での未帰還者としてリストアップしております数は二千九百名おりますが、そのうち私どもが現在はっきり引き揚げを希望しておられるということで把握しておるのは三百名でございます。
○横路分科員 結局問題は、実態調査になるわけですね。この南朝鮮の韓国の場合だって、先ほどのお話で、あと大体待機が四百名ぐらいだろうと言うけれども、実際にいろいろこういう運動に関心を持っておやりになっておる人たちの話を聞くと、あっちこっち回ってみると、ずいぶんひどい生活をされながら、あっちにもおった、こっちにもおったというような人たち、たくさんおるわけですし、大体が国籍そのもの、あるいは自分がどういう戸籍なのか全く混乱の中でわからない人たちもたくさんいるわけですね。ときどきそういう人たちが発見されているわけなんです。したがって、そういう調査というものをおやりになる必要があるんじゃないか。いま中国に関連して、未帰還者というおことばを使って二千九百名と三百名というお話だけれども、東北地方を含めて、ともかくあの混乱の中でずいぶん子供やなにか置いて帰ってきた、そういう子供がどんなになっているか心配している親がたくさんいるでしょうし、数はとてもそんなものではなくて、これはもちろん万をこえている数ではないかということは、これは十分想像がつくわけなんですけれども、そういうところの調査といっても、外交関係の問題になりますからかってにこっちでやるわけではもちろんない。相手の了解と協力がなければできないことですけれども、その辺のところを外務省としてひとつぜひやってもらいたいというのが、帰ってきた人たちの希望なんですよ。数をつかまえていないじゃないか、しかも窓口に行けばいいんだといったって、朝鮮戦争もございましたから、日本人だなんていうことを隠している人たちもたくさんいるわけですね。そういう人たちがほんとうに名のり出て、帰りたい人たちは帰してやる、もちろん向こうにおりたい人たちはそのままでけっこうなんですけれども、帰りたいという希望のある人はかなえてやるべきじゃないかと思うのですが、その辺のところは、私どもぜひ調査をやっていただきたいと思うのですが、これはいかがでしょうか。
○穂崎説明員 まず中国の問題でございます。御承知のように国交が回復されましたので、今後は外交チャンネルを通じまして調査いたしたい、かように考えております。 それから韓国の場合でございますけれども、韓国の場合は調査は随時と申しますか、われわれはまず第一に韓国政府から何らかのそういう情報をもらいますと、そのたびにあるいは芙蓉会と申しまする在韓邦人の相互扶助団体がございますが、これを通じましてそういう人のいるところに帰国希望の有無を聞いておりますし、同時に場合によりましては、こういうことがあることを御存じない方もあります。したがってそういう方にも随時そのつどそれを知らせるような措置をとっております。ただ先ほどもお話がありましたように、朝鮮動乱のときにいろいろな事情から日本人であるということをあれしまして、北からのがれてきた韓国人だというようなことで、これは仮戸籍というような名前でやっている方もおりまして、いま帰国したくても、そのような周囲の事情から直ちに帰国を申し出ることをためらう人もあるわけでございます。あるいはいまは帰国したいという気持ちがなくても、だんだん困ってまいりますと帰国したいという希望が出る方もおりまして、そのたびごとの調査をしましても必ずしも正確な数字が出ない。そのときそのときによって帰国希望者がかわるわけでございます。したがいましてわれわれとしましては、できる限り随時、そういう情報が集まり次第、あるいは芙蓉会のほうでそういう方がおるということがわかり次第、その情報を集めまして、帰国希望者につきましては帰国希望のルートに乗るような手続に乗せておるわけでございますが、そのようなことが一応調査の方法でございます。
○高木(玄)政府委員 中国関係につきましてもう少し詳しく申し上げます。 中国関係は、いままで外交ルートが開かれておりませんでしたので、主として中国からお帰りになった方々の情報を基礎にいたしまして、私どものほうで資料を整備してまいりましたが、中国にいよいよ大使館が設置されることになりましたので、現在私どもの手元で三種類の資料を調製中でございます。 第一の種類は、先ほど申しましたわれわれが未帰還者としてリストアップしている方々の名簿でございまして、これが二千九百余名でございます。このうち過去七年以内にはっきりと消息がつかめております者が約千八百名でございます。残りは七年以前に消息があった者で、現在どういう消息になっておるかわからない。しかしそういった二千九百名の名簿を調製いたしております。 いま一つは、自分の意思で中国に残留しておられると思われる方々が約千名、この方々の名簿も調製しております。 それから第三番目に、いままで死亡の事実それ自体は確認されておりませんけれども、消息を断ったときの状況、それからの経過と時間等を総合的に判断いたしまして、もう死亡されたと思われる方につきましては、未帰還者特別措置法という法律によりまして、留守家族の同意を得まして、戦時死亡宣告によって戸籍簿を死亡として処理いたしております。そういった方々が中国関係で一万三千人おられます。この方々につきましても、死亡の事実それ自体は確認したわけではございませんので、一応名簿をつくって中国大使館のほうに送りたい。 以上三種類の名簿、私どもの手元にありまする資料に基づきまして、三種類の名簿を近日中に作成いたしまして、大使館のほうにその名簿を送りまして、その名簿を基礎に今後大使館と連絡をとりまして、そういった方々、中国に残留しておられる方々の状況を究明していきたい、かように考えておるわけでございます。
○横路分科員 中国の場合はたぶんたくさん出てくるだろうと思います。社会党の北海道のほうで、サハリンとの間に墓参団で毎年交流をやっておりますけれども、行くたびに全く消息のわからなかった人がぼこぼこ出てくるのです。ほんとうに戦後以来音信が全くなかったのが、生きていることがわかったなどというケースが出てくるわけです。ですからこれが中国あたりですと相当の数になるのではないかと思います。厚生省は、要するに引き揚げ者の対策を立てる場合には、やはり数の見通しの問題があるわけでしょう。どのくらい帰ってくるんだろうか、これはあとからお尋ねしていきますが、そういう意味ではやはり現実に、たとえば南朝鮮なら南朝鮮にどれだけおられるか、中国なら中国にどれくらいいるのかということをまず実態をきちんと把握をするということがなければ、それからあとの対策というものは立てられないんで、外務省のほうにまかせてばかりいないで、ひとつ厚生省のほうも協力をしてぜひやっていただきたいと思います。厚生大臣、いかがですか。
○齋藤国務大臣 そのとおりに考えます。
○横路分科員 そこで、この引き揚げてきた人たち、先ほどお話した去年の六月に帰ってきた人たち、みんなちょっともめたのは希望地が東京なわけですよ。先ほど厚生大臣から初めに、本人の希望にできるだけこれから沿うようにしていきたいという御答弁がございましたけれども、なぜ東京を希望するのかということなんですね。それは大体帰ってくる人たちははだか同様で、せいぜいかばんの一つか二つ持ってくるだけで、しかも日本語を知らない子供たちを連れて帰ってきているわけなんです。そこですぐに問題になるのは、やはりまず一つは働いて自立しなければならない。日本語を知らない子供たちに対して、日本語というものをまず教えなければならない。大体二十年、三十年ぶりに帰ってくるのですから、たとえば親戚がおったって、親きょうだいがおったって、そこには一つの独立した生活圏ができておりますから、引き取ってめんどうを見ようということにはならないのですよ。この西山さんという人の実家というのは北海道の江別にございまして、私行ってみたことがあるのですけれども、この人のおにいさんは相当の年配で、病気で病院に入院しちゃっている。その子供さんたちになりますと、これは引き取ってやるということにはならないわけですね、生活の状況からいって。この三つがつまり東京に希望する最大の理由なんです。 そこで、第一の居住の問題がどうなっているかということですね。いまのところは国としての施設はないわけですね。この居住の問題をどうするかということで、いまは地方自治体まかせになっておるわけでしょう。常盤寮というのがございますけれども、この辺のところを大臣としてどのようにお考えですか。現実の問題ですね。いま引き取ってきたらもうあとはちょっと——西山さんたちの場合も、あっちへ行け、こっちへ行けということで、ぐるぐる回されて、いろいろなことがございまして、いま民間アパートにみんなと一緒に入っているわけでしょう。この常盤寮だって、わずか部屋は十三くらいで、全部使えるわけじゃなくて、ぼろぼろになっているという現状なんですけれども、そこのところをぜひ御認識をいただきたいと思います。その辺のところを何かお考えになっておりますか。居住の問題ですね、国としてどうしたらいいか。
○高木(玄)政府委員 この居住の問題でございますが、韓国から帰国される方々の問題につきましては、四十四年に厚生省の社会局長、児童家庭局長、援護局長の三局長の連名通達をもちまして、都道府県知事と指定市の市長に対しまして、帰国に伴う援護についての指示をいたしておりますが、その内容は大きく分けて二つございます。 一つは、帰国についての援助でございまして、これにつきましては帰住先のあっせん、それから帰国に伴う費用の負担、これを国が負担する、この二つが帰国についての援助でございます。 さらに帰国後の社会適応の問題につきましては、お帰りになる先の都道府県なり市町村と十分連絡をとりまして、受け入れに十分やっていただくようにお願いいたしております。そこで私どものほうでは、まず帰住先といたしましては、できるだけ本人の希望に沿った帰住先をきめるように努力しておるつもりでございます。 先ほどお話がありました四名のうち、私の局の所管しておりますのは加藤さん一人でございます。と申しますのは、援護局は引き揚げ者の援護を行なうところでございまして、引き揚げ者と申しますのは、終戦前から外地にあって、初めて内地に帰ってこられるのが引き揚げ者でございまして、そういった方々はまさに敗戦による犠牲者でございますので、私どもは引き揚げ者として援護しておるわけでございます。先ほどあげられました四名の方のうち、引き揚げ者は加藤さんという方一名でございます。そのほかは戦後韓国に渡った方々でございまして、これは通常の外地からの帰国であると私どもは考えるわけでございます。 私のほうのこの加藤さんについて申し上げますと、帰住先につきましては埼玉県の和光市におられる妹さんが引き受けていいということで、この方のほうで部屋、住まい等を準備しておったわけでございまして、そういった点は十分努力したつもりでございます。
○横路分科員 戦前に行ったのは引き揚げ者で、あとは渡っていったのだからいいじゃないかといったって、結局は何かといったら、この間の日本の一つのアジア政策といいますか、侵略のある意味では犠牲者みたいなわけですよ。ですから、そういうことをおっしゃるから、帰ってきた人たちが皆さん方に対する不満を漏らすわけです。いま通達を出しているとおっしゃったけれども、たとえば東京都の民生局長のほうで皆さん方のほうに、四十七年九月十三日、在外邦人帰国に伴う援護についてということで要請が出ているでしょう。つまり地方自治体に一切まかせられたって困るのだということがこの中でいわれているわけです、東京都あたりの不満として。これは皆さん方のほうにいっていますね。 私はそんな意味でやはり、これから特に中国あたりから大ぜいの人が帰ってくるということになりましたら、これは引き揚げ者の寮ばかりではなくて、もう一つは教育の問題があるわけです。あとでお話ししますけれども、やはり引き揚げ者センターみたいなものをぜひつくってもらいたいと思うのですね。これはちょっとおいておいて、ではもう一つお尋ねしましょう。 教育の問題ですね。ことばを知らない子供たちが来る。いま現在どうなっているかといいますと、東京に三つですか、小松川二中それから足立四中、曳舟中学というところに、これは特に韓国語のわかる教員がおって、日本語の教育をしているということですね。それ以外はどこにもないし、現実に小松川二中あたりには中国からの人が入っておって、ところが中国語は教師のほうはみんなわからないという現状にあるわけですね。こういうのだってどうするかといったら、現実にはほうってあるわけでしょう。中国語はどうするか。つまり国の制度として、しかもどこでやっているかといえば夜間中学ですね。これは中学の問題として表立って議論するとまた別な議論になってしまいますから、おいておきますけれども、こういう現状ですよ。これは文部省のほうとしてはどのようにお考えになっておりますか。
○別府説明員 お答え申し上げます。 ただいま先生御指摘のように、東京の三つの中学校に夜間学級が設けられています。その夜間学級の中に、韓国その他から引き揚げてこられました方々で日本語が十分でない方々のための特設の学級が設けられておることは事実でございます。いわゆる夜間中学校、本来中学校の夜間学級といわれるものは、義務教育を日本におりながらも終了できなかった人たちに義務教育終了の資格を与えて、その後の生活上の利便を提供するという目的でつくられておりますので、そこで勉強しておられる方々は、かなり年配の方々が多い。そういう理由で、外地から引き揚げてこられました方々の日本語教育というものも、便宜ここでやっているというまさに便宜の手段であろうと思うわけでございますが、しかしながらそういう要請が現にあるということでございますので、東京都並びにそれぞれの区のほうで御相談をし、教員定数等につきましても特別の配慮をして、こういう学級を設けている。 しかしながら先生御指摘のように、韓国語には若干たんのうな先生が配置をされておりますけれども、中国その他ほかの国からも帰ってくるわけでございまして、すべての語学の先生方をここにそろえるということは、いわゆる中学校の夜間学級という一つのワクの中での仕事であるということからたいへん制約がある。関係者は教員の資質の向上という点におきましては、研究会を開いたり講習会に出席をさせたり、いろいろ配慮をしているわけでございますけれども、入学をしてこられます方々が、日本語についても多少わかる方、全然わからない方、年配的に十四、五歳から三十数歳とずいぶん差があるので、たいへん困難をしておるというのが実態でございます。
○横路分科員 それが実態なわけですけれども、厚生大臣、結局いまのたとえば教育の問題についても、夜間学級ですか、その先生方が何人かで苦労をしながら細々とやっているわけですね。その人たちが、これはずいぶん昔から厚生省等にも陳情に行っているわけですよ。たとえば去年の九月にも、東京都と外務省と厚生省に陳情に行っているわけですね、足立四中、小松川二中の人たちが。そのとき東京都のほうでは、これは本来は国の仕事なのに都が請け負っておるので、対策を立てるのはむずかしいということで、この要望はそっくり国のほうへ出してもらいたい。外務省のほうに行くと、それは管轄が違うんだ。国内に入ってくるまでのところで、入ってからはおれのほうじゃない。厚生省のほうに行けば、いつ帰るかわからない者に対して対策なんか立てられるか。外務省ではっきり引き揚げ者の数と時期や何か調べてくれ、それからやるのだということですね。文部省のほうは文部省のほうで……。ということで、あっちへ行ってもこっちへ行っても、全然だめなんですね。確かにそんなに数は何十万、何百万といるわけじゃないです。ないけれども、こういう人たちはほんとうに帰ってきたって困っているわけです。希望を持って帰ってきて、そこでなおかつということでは、やはり非常に気の毒なので、ひとつ教育の問題、これは東京都からの要望にもありますが、先ほどお話しした民生局長から去年九月に厚生省に対して要望が出ております。この要望に私たち一部賛成できかねるところもあるのですけれども、ともかく国がセンターをつくりなさいということは非常に大賛成なんで、できれば東京に、そういう意味では一つは寮としての住まいの機能を持ち、それから教育できるようなセンターというのを、実態の把握を十分やった上でやはりぜひ検討してもらいたい。数の問題じゃないと思うのです。これはやはり大臣、政治家がちゃんと一つの目標として出さなければ、行政サイドではできないのですよ。ぜひその辺の決断を御答弁いただきたいと思います。
○齋藤国務大臣 現在のところ帰ってこられる方、ぽつぽつございますが、散発的に帰ってこられる、そういったこともあるわけですが、日中国交回復という、幸いにそういうものも実現いたしましたので、相当多くの方々が帰ってくるということも私は予想されるのではないかと思います。帰ってこられた方々は住居の問題、さらには教育の問題、自立のための方策の問題、非常に苦労されて帰ってこられて、こういう問題にぶつかるわけでございます。厚生省だけで処理すべき問題ではございません。御提案になりましたようなセンターをつくったらどうかといったふうな問題もあると思いますが、確かにいままでは小人数の方々が散発的に帰ってこられたということでありましたが、今後は少し多くなるのではないかということも予想されますので、そういう事態を踏まえて、引き揚げた方々の十分相談相手になってあげるような体制を、それがセンターということがいいのかどうか私もよくわかりませんが、そういう体制をつくることについて私も積極的に努力をいたしてまいりたい、かように考えます。
○横路分科員 先ほどの韓国からの引き揚げの数だって四十四年が二百二十四人、四十五年が百八十七人、四十六年が百七十四人、ことしに入ってもうすでに百七十三人というような御答弁がございましたね。決して少ない数じゃないですよ。私たちが言っているのは、このすべてに対してということではなくて、ある程度の規模を持ったものをつくっておいてもらいたい。そしてやはりどこにも行けないような困る人というのは必ず出てくるわけですから、特に帰ってきて生活をしながら、ことばを勉強しなければならぬという、そういうハンディがあるわけですよ。ともかく生活のかてを自分で、自立しながらことばを習得しなければならぬという、つまりいまもう問題は、そういういわば二世の問題になってきているわけです。ですから、この引き揚げ者センターの構想というのは、先ほどお話しした夜間中学の小松川二中をはじめとする先生方も、皆さん方に対する要望として引き揚げ者センターの構想を出しておられる。それから東京都のほうからも、実際に東京都に、おまえらめんどう見てやれということで厚生省あたりから回すわけでしょう、回すといったら話が悪いけれども。これによると、厚生省の強い要望により、しょうがないからやったみたいな態度になっていますね、東京都のほうから厚生省に対する要望書には。ですから、そうじゃなくて、その辺のところで国がやはりやるべきじゃないかという、苦労している自治体からの声もあるわけです。みんなの声を聞いても何とかそういう意味でのセンターとしての構想を持ったものをつくって、そこにやってやるべきじゃないか。 私もいろいろ話を聞いてみて、もう昭和四十八年ですから、つまり戦争が終わって二十七、八年たってこんな問題が出てくるというのは非常に納得のできない話でございますけれども、現実はそういうことになっておるので、再度何としても、口先だけの検討じゃなくして、いつも前向きに検討されると言うわけでありますけれども、結果としてあまり出てこないというのが現状なんです。何とかほんとうに詰めた形でやってもらいたいと思うのですよ。私のほうもたびたびこれから議論をしていきたいと思いますので、ぜひお願いをしたいと思います。
○倉成主査 午後二時に再開することとし、これにて休憩いたします。 午後一時五分休憩 ————◇————— 午後二時一分開議
○倉成主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 厚生省所管に関する質疑を続行いたします。大出俊君。
○大出分科員 三十分という時間ですから、厚生省の皆さんは間口がたいへんお広いわけですから、たくさんの問題をかかえておりますけれども、時間があれば問題を二点にさしていただきたいのですが、できれば一点にしぼって承りたいと思います。 そこで、厚生省は狂犬病予防法などの所管をなさっておられるわけでありますが、そういう意味で、飼い犬あるいは野犬、こういうふうな形で犬をとらえたときに、いま全国に野犬と称するものはどのくらいおるとお考えでございますか。
○浦田政府委員 野犬と申しますか、いわゆる野犬と称してその辺をぶらついております犬をひっとらまえまして、保健所で施設に抑留するわけでございますが、その数で申し上げます。 昭和四十六年の数で抑留頭数は七十二万三千九百七十三頭でございます。そのうち四万四千五百七十九頭は引き取り手があらわれまして返還いたしております。したがいまして、差し引き六十七万九千三百九十四頭が処分をされたということであります。
○大出分科員 ひっとらまえる、こういうお話なんですが、なかなかひっとらまえる人も少のうございまして、横浜で飼い犬条例その他の関係がございまして見ておりますが、なかなかうまくひっとらまえられないんですな。だから、ひっとらまえかねている犬がだいぶいるわけですね。そうすると、これは年間七十二万三千九百七十三頭とらまえておるわけですから、そうなると、これはいわゆる抑留できない犬を含めると、ばく大もない数の犬が放置されている、こういうことになる。 そこで、もう一つ承っておきたいのですが、犬にかまれた、けがをした、死んだという犬の害といいますか、これが一体どのくらいの数にのぼるかという点、あわせて承っておきたい。
○浦田政府委員 犬にかまれてけがをした人の数でございますが、昭和四十六年では一万三千八百五十九人でござます。その原因となりました犬の数が一万四千五百六十頭になっております。
○大出分科員 それはどこで調べた数字でございますか。
○浦田政府委員 保健所のほうに届け出た数字でございます。
○大出分科員 これはもう少しこまかく、各都道府県その他にわたってまでそちらに資料はございますか。
○浦田政府委員 各都道府県別の数字、それから迷惑苦情とか、そういった犬にまつわります被害関係の件数別にございます。
○大出分科員 いま検察庁を通じまして全国こまかく、かみ殺されたというような場合に、それを追跡してみたら最終的にどういう被害者、加害者の側のやりとりになっているかというところまで含めて実は調査をお願いしてありまして、照会をしているという中間報告を実はいただいておりますが、相当詳細な資料ができる、そういう御協力をいただいているいま過程なんですけれども、この私のところにありますのをちょっと申し上げますと、これは四十七都道府県でありまして、年次別咬傷犬、つまりかんで傷つけた犬、被咬傷人の数、それから苦情の受付件数、これは各都道府県別にあがってきているのがあるわけでありますが、全部読み上げてもしかたありませんから、最近のものにしましょうか。この四十三年のを見ますと、一万五千八百三十一というのがかんだ犬の数、それからかまれた人の数が一万六千二百六十六、それから迷惑の苦情というのが、鳴き声の苦情が三千六百六十六、放し飼いで、ほうり出されている犬の苦情が二万五千六百七十四、それから田畑を荒らしたというのが九千九百五十一、そのほか脱ぷんだ何だという苦情、これが二千百九十一、その他が六千六百七十一、迷惑という意味の苦情の申し出がございましたのが総計五万一千三百四十五件、こういう数字が四十三年に出ております。 それから、都道府県別で四十四年、四十五年、四十六年と犬にかまれたあるいは傷をした、そういうふうなものがあがっておりますが、都道府県別の、四十六年末現在で、かんだ犬が一万五千二百三十六ですか、それからかまれたほうが一万三千四百二十八、四十五年が、かんだ犬のほうが一万四千二百四十七、かまれた人のほうが一万三千四百六十六というふうな数字なんですね。したがって、これは相当な数にのぼっているということはこれで明らかだと思います。 そこで、もう一つここで最近のものを調べてみますと、ここに資料が一つありますが、本年の一月二十五日に、東京都調布の市立の第二小学校の校庭で体操中の児童が十五人、近所の飼い犬に飛び込まれて、手や足をかまれて病院に収容されている。それから、これは一番近い例でありますが、昨年の十一月には福島県で五歳の男の子さんがかみ殺されている。去年の十月に兵庫県で七歳の女の子さんが、これがまた犬にかまれて死んでおります。昨年の六月に石川県で一歳十カ月の男の子さん、同じ一月に静岡県で一歳の女の子さん、これは全部犬にかみ殺されて命を失っているわけであります。こういうつい最近の事例があります。 ところで、これは飼い犬条例なるものがあるからいいや——ところが、飼い犬条例がない県も今日ございまして、最近新しいのが幾つか手元に入ってきておりますが、これもつい最近きめた県がございます。そういう状況のままで放置しておいていいかどうかという点ですね。 そこで、狂犬病はここ数年来皆さんのたいへんな御努力が実っておりまして、発生を見ていない。たいへんけっこうなことなんでありますけれども、しかし、こういうたいへんたくさんの犬の害をほっておくわけにはまいらない。いま取り上げましたのは犬だけでありますが、ネコなどというのもたいへんにたくさん——これは皆さんの御家庭の周辺を見ていただけばわかりますように、たまたまネコ取りなんていうのはおりますけれども、数はふえる。こういうようなことでありますが、そこで、大臣は犬かネコを飼ったことがございますか。
○齋藤国務大臣 犬は現在でも小さいのを一匹飼っております。
○大出分科員 そこで、国際的に見まして、どこの国でももうほとんど動物愛護あるいは管理あるいは虐待防止という形の法律がない国はなくなってきている。大体体系別にながめてみると、法体系は三つありますね。一つは、飼い主の責任を明らかにさせるという意味の、動物の管理という面の法律の体系、それからもう一つは、動物実験その他を含む虐待防止という形が強調されているもの、それからもう一つは、今度は環境庁に鳥獣保護に関する仕事が行ったんだと思いますが、むしろ自然保護という形の動物愛護という体系などがございます。この英国、西ドイツ、あるいはアメリカなんかは州法がたくさんございますけれども、中華民国、蒋介石さんあたりのところにもちゃんとございますし、ブラジルあたりにもございますし、だんだんだんだん法律がここに入ってきてふえてまいりましたが、これはという国はもうほとんどある。そうすると、経済大国などといっている日本でそういう法律が考えられないということはもうおかしい時代が来ている、こう私は実は思うわけであります。 そういう意味で、皆さんのほうに一つの案を、私案をつくって昨年差し上げまして、砂田総理府副長官のお手を当時わずらわせまして、各省の御意見を、かた苦しい意味でなく承った。専門調査室を通じまして、砂田重民さんのお手を通じてお願いをいたしました。だから、これは公式見解ということは決して申し上げません。また、そういうぎすぎすしたやりとりをする筋合いでもございませんので、要は、申し上げたい要点は、どこかの省が責任を持っていただきたい。日本政府にものを言った外国の人もあきれているんですが、動物愛護という法律はございますか、いやございません、どういうところが所管をなさるんですか、いや、狂犬病はどっちでございます、鳥獣保護はあっちでございますと、さっぱりわからぬと言うんですね。自治省の関係もある。都道府県には飼い犬条例があるんだから、なんてことになる。それでは困るから、だから、まずどこかに一つ窓口をおつくりいただきたい。そういうことで、過去の経過の中では、安井謙さんが総務長官をおやりのときに、たまたま総理府がというふうにお引き受けいただいた経過が一件だけあるんですが、それ以後、この非公式の御見解の中では、総理府はていよく断わっておられます。 しかし、今日、環境庁もおできになったわけですから——たまたま月曜日に分科会で三木大臣に環境庁ということで質問する時間をつくっておきましたが、内閣委員会の公式な筑波学園都市調査がございまして、私、おられませんので、まげてきょう環境庁、総理府の御関係にもおいでいただきましたので、齋藤大臣にこれらの問題について、まず所管をどうするか。そうして国際的に見るとこのように法律体系がいろいろあるのだけれども、今日、もうこの種の法律をこしらえましてももうおそ過ぎる段階ではないか。早過ぎはしない、むしろおそ過ぎる段階だ、こう思いますが、そこらの御見解をまず承りまして、きょうは何とかひとつ、どこでということだけはきめていただきたいと思って、あえて出てきて質問しているわけです。
○齋藤国務大臣 先ほど来お述べになりましたように、かまれるといったふうな被害があり、そのほかいろいろと迷惑をこうむっているという事情を、お述べになりました統計等によりまして、私も十分承知いたしました。なるほど厚生省には狂犬病予防法というものがありますが、これは病気をあれするためでございまして、これはやはりいまお述べになりましたような管理の面からいって、愛護の上からいって、何か別な法体系が私は必要だというふうに、お話を承りまして痛感をいたしました。私も実はうかつでございまして、あまりいままで存じ上げておりませんでしたが、別な法体系において、そういう犬、ネコ等の愛護と管理、そういうものを中心としてつくる必要がある、私はそういうふうに考えた次第でございます。
○大出分科員 これは、愛知さんが外務大臣をおやりになっているときに外国から手紙が参りましてね、愛知外務大臣閣下ということで。これは英国なんですが、日本の犬の扱いというものは非常にひどいものじゃないかというわけです。これは日本に外国の方がお見えになりまして——これは犬の収容施設その他さっきの浦田さんのおっしゃるとらまえるところですね。これはとらまえるところから写真がございますが、針金を持っていって犬をとらまえたところの写真なんですね。収容施設に入れて、これはほうり投げているんですね。これは犬が点々とほうり投げられているんですね。こういう写真などがございまして、犬が首輪で首を締められて妙な顔をしているところから始まりまして、そういうのが向こうの刊行物に載ったりしている。そこで、クローズさんという御婦人が日本にお見えになって、これは当時中日新聞や東京新聞が取り上げて「野犬処置の改善を望む」ということで記事になったこともある。それで愛知さん、たいへん困って、それなりに回答せざるを得ぬで、困ったことがあります。これは商取引がからんだとはいわれながらも、日本に犬は一切輸出すべきではないというキャンペーンが英国で張られたりいたしまして、とらまえて連れていった、さあ、えさも何もやらずにほうり出しておく、そういうふうなところから始まって、あまりといえば、動物の虐待にすぎるではないか、それが一体経済大国といわれる日本のやり方かというので、そういう国際的な問題もございますので、私は、やはりこの際、たいへんぶつかるところはあります、ありますが、あえて法律をつくる必要がある。そうしてその法律の中で、関係のある狂犬病なり狂犬病予防法の関連条文なり軽犯罪法の関連条文なりというものは整備をしていく必要があると思うが、環境庁の立場でひとつお答えいただければ——総理府でけっこうです。
○小宮山政府委員 先生の御意見ごもっともでございまして、先生のほうから御提案のあった動物保護の法律については、いろいろ私も聞いております。現在、法律の中では、環境庁の、先ほど申しました鳥獣保護の問題、これはハンターあるいは繁殖期というような問題もございますし、こういう意味でも環境庁が適当かと思いますし、また罰則については、まだ軽犯法の中に入っておりますけれども、保護を与えたということもあまり聞いたことはありません。総理府といたしましては、まだまだ専門的知識もございませんけれども、私のほうが労をとりまして関係各省と協議し、どこかの省に落ちつくように今後指導をしていきたいと思いますけれども、前にも安井前総務長官が総理府というようなことの発言もございますけれども、ただ、私のほうの役所が受け取りましても、これができません。その後、環境庁ができましたので、環境庁自身は鳥獣保護のようなことをやっておりますので、一番適切ではないかと考えております。
○大出分科員 私、実は関係条文その他も全部調べてありまして、おどかすわけじゃないんですけれども、これはこの国会でひとつ関係のございます大臣各位には直接全部質問をしてみたいと思っているのです。それで、皆さん犬をお飼いになったことがございますか、から始まって、御意見を承っておいて、どうしてもそれでもまだおやりになる気にならぬとおっしゃるならば、実は「三時のあなた」というところで、山口淑子さんがいろいろなことをいまおやりになっていますが、昨年お見えになりまして、フジテレビの記者の方々がたくさんついてお見えになって、要点は、千葉県の夷隅郡岬町和泉二千二百二十五というところにお住まいになっている石川照夫さん、石川易子さん、この方の御長男の武男さん、十歳が、犬にかみ殺されて、これは新聞記事になりました。この方を山口さんが「三時のあなた」にお呼びになって、そこで、犬の害をどうしたらいいか、そういう番組を組んだことがある。その後、私のところにお見えになって、日本という国は困る。あの方は外交官夫人ですから、外国においでになって知っているものですから、それで、どうしても日本の国がおやりにならないというのは、国際的にまずい。だから、国会で努力する方々があって、できなければ、全国的なキャンペーンをひとつやろうではないか。もう犬の害でなくなられたこの御両親などたくさん来ていただいて、国はどうして責任を負ってくれぬのだろうか、どこへ行ったってとりつくしまもない、これで一体行政府の責任が負えるのかということまでやろうじゃないかという機運まで実はあるのです。私は賛成なんですけれども、しかし、その前に、私ども国会に席があるのですから、何とかそこまでぐらいのことはできないはずはないだろうという気持ちなんです。 そこで、この現行法上の規定についていえば、軽犯罪法が一つあります。これは、二十三年五月一日、法律第三十九号ですね。これの一条の十二号に「人畜に害を加える性癖のあることの明らかな犬その他の鳥獣類を正当な理由がなくて解放し、又はその監守を怠ってこれを逃がした者」、いまいみじくも小宮山さんおっしゃるように、該当者がないのですよ。これはあるだけです。それから第二十一号「牛馬その他の動物を殴打し、酷使し、必要な飲食物を与えないなどの仕方で虐待した者」、これもないでしょう。年じゅうやっているんだけれども、ない。罰は「拘留又は科料」なんですね。「十銭以上二十円未満」、これは刊法十七条。罰金等臨時措置法には「五円以上千円未満」ということになっている。これは二条二項です。もう一つ、民法で七百十八条、「動物占有者の責任」という項がある。これは、かみ殺した犬を持っている人間が悪いんだというだけじゃ困るんですね、そのまん中に国の措置として何かがなければ。だから、結果的に行き着く先はどうなるかというと、民法の訴訟なんです。ですから、いま申し上げた石川さんなんかも訴訟になっているのです。 そうすると、これだけ、さっき冒頭に浦田さんお答えになったような犬の害が、全国的に毎年、目に見えないもの、あがってこないものも含めれば、何万かある。それがそのまま放任されている。これでいいはずはない、こう私は実は思うわけでありまして、狂犬病予防法、これは二十五年八月二十六日、法律第二百四十七号ですけれども、この法律は狂犬病対策を目的としたものであるが、犬の「登録」、これは四条ですね。それから「犬の引取」、これは五条の二です。それから「抑留」、六条というふうに、犬に関しての規定があります。これもどこまでしからば活用されているか、所管の省である厚生省に承れば一番いいのですが、狂犬病と名がつけばいざ知らず、そうでない限りは、これはちょっと該当しているものはほとんどない実情です。 ここらのところを考え合わせて、どうしても法律的に整理をして、まず一つは、国民の皆さんに、どなたも犬を飼ったりネコを飼ったりする、あるいはその他の鳥獣を飼うわけですから、その管理責任を明確にする。そういうものを国会が審議をしてこしらえた、そのことだけでも相当大きな、これは管理責任という意味で国民に責任を感じてもらうことになるだろう。そこから先、さらに罰則という問題も、やはり最小限度のものは考えなければならぬ。たとえば五万円以下の罰金ぐらいのことにはしなければならない。まずそういうふうに思うのですが、そこらについて、環境庁もお見えになっておられますので、御意見をひとついただきたいと思っているわけであります。
○首尾木政府委員 現在、環境庁といたしましては、鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律を持ってございます。ただ、この法律は、御案内のように、野生の鳥獣を対象にいたしておるものでございまして、私どもは自然保護という観点から、野生の鳥獣が自然環境を構成する要素として非常に重要なものであるという観点からこれをやっておるのでございまして、人の管理下にあるものは、これはいわば自然というものではございませんので、一応現在の鳥獣保護行政の対象としてはなじまないものであるというふうに考えているわけでございます。
○大出分科員 年じゅうこれはなじまないのですよ。これは自治省なんていうのはひどくなじまないのですね。それで、もうやたらなじまないものですから、ちっとはなじみになってもらわなければ私どものほうは困るのです。だから、出てきたわけです。 いまおっしゃるように、鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律で、ここにちゃんと抜き出してあります。これは文部省にも関係があるのですよ。文化財保護法の中に「動物、植物及び地質鉱物でわが国にとって学術上価値の高いもの」、こうなっておるのですね。だから、文部省が三下り半みたいな御意見で、これもわが省はという意味ではなじまないと書いてある。学校の先生に一生懸命、動物を大事にしろなんていうことを言わせておいて、文化財のほうはなじまない、こう言う。そこらじゅうなじまなければ、これは一体どうする。 だからそこで、小宮山さんは総理府だから、関係各省がなじまなければ、総理府がやはりなじんでいただいて、各省にかかわるものですから——農林省なんかもずいぶんひどいことなんですが、かたかな獣医師法を掲げて——あれはろくでない法律ですな、古過ぎて。ところが、実際にこの現場はどうなっているかといえば、獣医師はみんなかかわるのですけれども、これはいにしえに加藤シヅエさんがおつくりになった法律というのは、避姙なんかを義務づける、犬の避姙、ネコの避妊。 ところで、これは皆さんに承りたいのですけれども、人間の避妊というのはどのくらい金がかかるか、犬がどのくらいかかるか、ネコがどのくらいかかるか、御存じですか。
○浦田政府委員 どうも事情をつまびらかにしておりません。
○大出分科員 これは獣医師会の皆さんもこの点は非常に重視しておりまして、私もこの正月お目にかかって聞いてみましたが、人間さまよりも犬やネコの避妊のほうが高いんですよ。ですから、これはこう簡単に義務づけたからここに問題があるのですよ。子供さんが、かわいいのをもらってきて、自分が食べるものを、親がおこるものだからこっそりやって飼っているのがあるのですね。そんなところで、貧乏人の金がない人、そういうところに避妊を義務づけたって、とってもできるものじゃないのですよ。ハイソサエティーのお遊びみたいな法律をつくったってしようがない。 そうすると、そこまでおりてみて、一体どういうふうにすれば犬害なんというものを含めて環境整備ができるかという、そういう問題なんですね。だから、生活環境に直接かかわりがあり、国際的にもたいへんきめこまかに法律が整備されているのですから、日本の国にそれがないというのも、これはやはり国際的にも責任を負わなければならぬ日本の国ですから、よろしくない、こういうふうに思うのですよ。だから、いま御存じないのだけれども、もうちょっとそこらは、皆さんのところも全く関係がないんじゃないのだから、ひとつお考えをいただきたいと思うところなんです。 それから最後に、時間がぴったりになりましたのでこれでやめますけれども、実は犬というのは、調べてみると、昔、集団的穴居生活をやっていた動物ですから、そういう意味で一つの性癖があって、かんだり殺したりしている犬は野犬じゃないのですね、その大多数が飼い犬なんですね。散歩に連れていくこともしない、ほうりっぱなしにしてつないでおく、そうすると、必ず強引に食いちぎっていって、とたんにかむ。そういう欲求不満を常に犬に与えている。あわせて、犬というのはたいへんに病気が多いのですね。犬の尿などというものは、気をつけないととんでもないことで、人間が共通の病気になってしまうというものがたくさんある。ここらのことなども一体だれが責任を負うのか。そういう思想の普及もないし、ここに犬の病気がいろいろ書いてございますけれども、このままにしておいたのでは非常に危険だと私は思うのです。そういう人間より不潔である犬、ここらの点も——トキソプラズマの原虫などの問題をめぐってもずいぶん問題がある。そこまで含めて、そうなれば、一つの法体系をここでこしらえなければ国としての責任が果たせないのじゃないか、こう思いますが、もう一言ずつお答えをいただいて、何とかこの辺で——総理府小宮山さん、恐縮だけれども、音頭をとってやっていただいて、私がものを言うのについても全く窓口がないのではいかんともいたし方がない、そう思いますので、もう一ぺんひとつお答えをいただいて、終わりたいと思います。
○齋藤国務大臣 私、先生のお話を聞けば聞くほど必要なことを痛感いたしました。いままでのような狂犬予防なんというのではなしに、別の体系で、管理の姿、さらにはわれわれの日常生活の平静を維持する上からいっても何とかしなければなるまいというふうに痛感いたしました。おそらく総理府のほうで相談して所管をきめることになると思いますが、その節には私もできるだけ早く所管がきまるように努力をいたしたいと思います。
○小宮山政府委員 たしかに野犬の問題とか、犬やネコの繁殖はたいへん大きな問題でございます。地方では野犬が多くて主婦がなかなか帰れないとかいう問題もございますので、新しい問題だろうと思います。そういうことで、いま厚生大臣がおっしゃいましたように、関係各省と協議いたしまして、特に厚生省とは十分連絡をとりまして所管官庁をきめ、新しい法律内容を検討させていただきたいと思います。
○大出分科員 私のほうも一生懸命やりますので、ぜひひとつ御協力いただきたいと思います。
○倉成主査 小林政子君
○小林(政)分科員 私は政府の生活保護行政について若干の質問をいたしたいと思います。 生活保護法が定めている生活保障とは、健康で文化的な最低生活を保障するという憲法の第二十五条に基づいてやられているものであろうと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○齋藤国務大臣 そのとおりに理解をいたしております。
○小林(政)分科員 特に大臣御承知のとおり、最近のこのインフレあるいは物価の急騰、特にその中でも生活必需品が異常な物価高を示していることは御承知のとおりでございます。したがって、国民生活全般に対して、この問題はまさに生活を脅かしているというふうにいわれておりますけれども、この中でも生活保護世帯、特に生活保護世帯の中には老人あるいはまた傷病者あるいはまた身体障害者、そして母子世帯、こういう方々が大半を占めているわけでございます。このような状態の中で生活扶助基準が例年に比べても全く同じといわれております。一四%の引き上げ、これでほんとうに憲法で保障されている最低生活というものができるだろうか。大臣、一体この問題についてどのようにお考えになっていらっしゃるか、私はまずその点について大臣の率直な意見をお伺いしたいと思います。
○齋藤国務大臣 お述べになりましたように、生活扶助基準は健康にして文化的な最低生活を保障する基準でなければならぬ、このように私も考えておりまして、それがためには、一般国民の消費生活水準に近づけるように、格差を是正しながら進めていくということが私は当然だと考えております。その意味合いにおきまして、昭和四十八年度におきましては、最近における消費生活水準の伸び、一三・八%くらい消費生活水準が四十七年度から上がると推定をいたしておりますので、それに見合って一四%という率にいたしたわけでございます。これではたして十分かと言われれば、必ずしも全部が全部十分であるとは言えないかもしれませんけれども、最近における消費生活水準からいって、この程度でごしんぼういただければと考えておる次第でございます。
○小林(政)分科員 一般の消費生活というものの水準ということを基準にして一四%ということが妥当であろうというふうに考えられたと言われておりますけれども、大臣、今回の生活必需品の物価の値上げということはどこに一番大きな影響が出てくるかといえば、これは言うまでもなく、一番所得の低い人たちに大きな影響が出てくることは火を見るよりも明らかなことなんです。こういう立場から考えると、一四%で健康にして文化的な生活に近づけるための努力ということが言えるのかどうなのか。私は、今回の一四%引き上げというものを大臣が誠意をもって今後改正していくという意見を持っているのかどうか、これは一回きめたことなんだからもうこの問題についてはこれでやむを得ないという考え方に立っているのか、はっきりさせていただきたいと思います。
○齋藤国務大臣 四十八年度の扶助基準は、四十七年度から四十八年度に移行する際における消費生活水準の伸び率を頭に描いてきめたものでございまして、四十八年度の分としては私は適切なるものであると考えております。しかし、将来物価が著しく上がったりといったふうな事情になりますれば、その段階において検討する必要があれば、十分そのときに検討させていただきたい、かように考えておる次第でございます。
○小林(政)分科員 現在の生活扶助基準は、厚生大臣が一方的におきめになったことであって、その際、国民あるいはまた生活保護を受けている、あるいはそれに関連する仕事をしている人たちの意見などというものは、大臣はいろいろな制度を通じてお聞きになったことがあるのでしょうか。そしてまた、今後そういう声に耳を傾けるというお気持ちがあるのかどうか、まずそれをお伺いいたしたいと思います。
○齋藤国務大臣 生活扶助基準の設定にあたりましては、一般的な原則的な考え方、そういうものは中央社会福祉審議会においてそれぞれの専門家の方々の御意見を承っております。それは一般的な原則について御意見を承り、そして具体的にはその年度年度における消費生活水準がどう動いていくか、それによって決定いたしておるような次第でございます。
○小林(政)分科員 現在すでに非常に大きな矛盾が至るところに出ているということを指摘しなければならないと思います。 具体的にお伺いをいたしたいと思いますけれども、まず第一に、この四月に小中学校などでは新学期を迎えるわけでございます。来年度の入学準備金五千五百円を今回一万一千円に引き上げたわけですけれども、その根拠は何を基準にやられたのでしょうか。
○加藤(威)政府委員 入学準備金につきましては、入学に必要な被服費とかあるいはくつであるとか、いろいろなそういう学校に通うために必要な品物、そういったものを、物価上昇等をにらみ合わせまして、大体倍に近いあるいは倍以上の引き上げをやったということでございます。
○小林(政)分科員 今年度の五千五百円というものに対してはどう認識をされていますか。
○加藤(威)政府委員 こういう引き上げにつきまして、これを倍にするということは、四十七年度の額が非常に低かったというようなこともあった、そういうことで倍に引き上げるということでございます。ですから、御指摘の点に答えれば、いままでのあれが非常に低かったということが言えると思います。
○小林(政)分科員 今回はこれが妥当であるというふうにお考えでしょうか。
○加藤(威)政府委員 これで十分かどうかというお尋ねでございますれば、生活保護というのは一応最低の生活を保障する、健康で文化的であるけれども、しかし同時に、最低基準という原則もあるわけでございます。そういうことで言いますると、普通の国民全体のあれから見ますと、これで十分かと言われますと、必ずしも十分でないということになると思います。しかし、昨年の基準から倍に引き上げたということから考えますと、相当の改善になったというぐあいに考えております。
○小林(政)分科員 昨年の基準から考えれば倍になったと言うのですけれども、私は問題は、実態はどうなのかということだと思うのです。昨年の基準に比べて倍に引き上げたから、これは相当大幅な引き上げであるということがはたして言えるのかどうか。現実に私自身も子供を持っておりますので、入学の際に最小限必要なものがどの程度かかるかということについて現実に調べてもみましたし、また私も、子供の入学期を控えまして最低必要な品物を購入いたしたわけでございます。一体どのくらいほんとうにかかるかということを認識して予算を組んだのか。私はこれはほんとうに怒りを感じました。たとえば三越だとか高島屋、こういったようなところの品物をいろいろ聞いてみましても、子供たちのランドセルは実際に六千円から一万五千円するわけです。そしてまた学生服も八千九百円から一万三千円、ぞうり袋は六百円から七百円、帽子は千円前後でありますし、またくつも、運動ぐつで五百円から六百円、ケミカルシューズなどになりますと千二百円から千三百円、筆入れ一つ三百五十円、そして下敷きが五十円。どんなことをしてでも、子供が入学をするという場合には、最小限この程度のものは、机だとかあるいはその他のスタンドであるとか、こういったようなものは抜きにしても、学校に通うだけでも最低限これだけはかかるのです。今回の一万一千円で、昨年に比べて倍にしたと言うけれども、これではランドセル一つ買ったら、もうあとはすでに何も購入できないというような額じゃないでしょうか。しかも足らないということが明らかになっているという関係からか、いわゆる地方自治体などによる法外援助、こういった制度なども当てにしたような形で厚生省は予算を組んでおりますけれども、この法外援助の問題を取り上げても、それぞれの市町村や都道府県によって、財源措置等によってこれは千差万別であります。こういうことを考えると、基本的に、入学準備金に対しては政府が、厚生省が最低限を保障することが私は当然のことではないかと思いますけれども、大臣、この点についていかがお考えでしょうか。
○齋藤国務大臣 先ほど来申し述べておりますように、四十八年度の扶助基準は、すべての国民がこれで満足できるかということになりますと、私は満足できるものではないと思います。不十分な点はあろうと思いますが、公費で最低生活を保障するという制度であってみれば、ある程度しんぼうできるというところで御納得いただくきりないのではないか。そこで、昨年度に比べまして一四%アップをいたし、それから入学準備金などにつきましても、いろいろ御不満はおありでございましょうが、そういうふうに倍額にふやしたりといったような措置を講じたことによって私は御理解をいただきたいものであると考えております。われわれの日常生活においてこれで十分だ、私はさようなことじゃないと思いますが、やはりこの程度でごしんぼうをいただける程度でないか、こういうふうに考えておる次第でございます。
○小林(政)分科員 事は子供の問題であります。おとなであればある程度がまんもしなければならない、そういうことが通用するでしょうけれども、一体大臣は、子供が入学する意義というものについて基本的にどういうお考えを持っているのか、お聞かせいただきたいと思います。
○齋藤国務大臣 新しく小学校に入る、義務教育ということでございますから、子供も非常な楽しみを持って学校に入る、そういう心境だろうと思います。
○小林(政)分科員 子供が入学するということは、その子にとって社会生活を経験する第一歩でもございます。そして、それだけにこの経験というものは人生にとっての最初の大きな転機でもあると私は思います。したがって、将来にまでその影響を持つきわめて重要な問題だということで、私は新しいスタートだと考えております。こういう点において、がまんをしてほしい、ある程度やむを得ないんだ、幼い子供たちに対してそういう措置で臨むことは、福祉国家を目ざすと言い、あるいはことしから新しい福祉のスタートだというようなことを言われていながら、このようなことが実際に許されていいのでしょうか。実際に何もよその子供たちと比較して特別よくはなくても、最小限の必要物資についてはこれが確保できるということを政治が保障しないで、いまの物価高の中で苦しい生活をしている生活保護世帯に、買わないでがまんをしろ、ランドセルなど買う必要はない、こういう態度で臨まれるのですか。
○齋藤国務大臣 私はランドセルを買わぬほうがいいとかなんとかいうことを言うているのではないのであります。憲法の定める最低生活を保障するための生活扶助基準というものは、これで十分だということはなかなかないと思います。私どもも、たいへん経済生活が豊かになるに従って生活扶助基準も高めていかなければならぬ、その点については小林委員と何ら変わりがありませんが、去年よりも一四%上げたというところで、この程度で御納得をいただけるようにしていただきたいものだということを申し上げておるわけでありまして、その額がこれでもう十分だという意味合いではない。政府も非常な努力をしながら最低扶助基準をそれだけ引き上げ、入学準備金についても従来以上に考えておるというところで御理解をいただきたいのだということを申し上げておるわけでございます。
○小林(政)分科員 生活扶助基準を具体的におきめになられるのは大臣ですから、せめて子供には他の子供との差別がないように、最小必要なものは国が責任を持つ、こういう態度で大臣はこの基準をきめるべきであった、私はこういうふうに考えております。今後この問題についてはさらに検討をしていただきたいと私は思います。私は事実を知っておりますけれども、実際に深刻な事態が起こっているのです。少し小さい子供ではございますけれども、学校に行きたがらないというような事態もそういう中から出てきているということも聞いております。重要な問題だということを私は大臣に認識していただいて、この基準の引き上げを至急はかっていただき、改善をしてもらいたい。そういう御意思というものは全くないのかどうか。もう一度念を押してお伺いをいたしておきたいと思います。
○齋藤国務大臣 私といたしましては、今後とも一般国民生活水準に近づけるように、扶助基準というものを高めるように努力をいたしたいと考えております。
○小林(政)分科員 次に、私は、生活扶助基準の、いわゆる基準生計費——生活費といいますか、この中に一等地から四等地まで等級がつくられているのですね。この問題は非常に不合理じゃないだろうか。一体、この等級というものは、何を基準にしておきめになっているのか、まずお伺いをいたしたいと思います。
○加藤(威)政府委員 現在、御指摘のように、生活保護につきましては、一級から四級までということで、大体一級地を一〇〇といたしますと、四級地は七三という格差でございます。これは、まあ生活費全体、その地域の物価とか、消費物資の物価の状況、それから高校進学率の状況、それから一般の、何と申しますか、ホワイトカラーになっておる人の比率、そういうような生活を営む上におきますいろいろな要素、これは七つか八つあったと思いますが、そういうものを全部勘案いたしまして、一級から四級という格差をつけておるというぐあいに承知いたしております。
○小林(政)分科員 たとえば、東京都を例にあげてみますと、青梅だとか福生というところは、いわゆる二級地ということになっておりますけれども、お隣の八王子は一級地である。一体どこにどれだけの——地続きで、境界線を越えると八王子、そして八王子に入れば一級地なんだ。青梅というところになるとこれは二級地だ、こういうことは、これは全く私は筋が通らないと思うのです。どういう違いが大きくあるというふうに見ているのでしょう。
○加藤(威)政府委員 この級地のきめ方につきましては、さっき申し上げましたいろいろな計数を使いまして、そしてはじき出しているということでございます。これは御指摘のように、こういう一級地、二級地、三級地、四級地というぐあいに級地をきめますと、必ずその隣の地域とこっちの地域が、一方が三級であり、一方が四級であるということになれば、ほんとうにその一つの町なり村を境にして、その境の実態からいうと、すぐ近所でございますから、実態生活はあまり変わらないという矛盾、これはまあ級地を分けるときには必ずそういう矛盾が生ずると思うのでございます。先生御指摘のような点につきましても、級地が違うのはおかしいという御指摘が出てくるのはもっともだと思いますが、いま申し上げましたように、いろいろな計数を使いまして、ある程度機械的にはじき出すということでございまして、いろいろ級地が違ってくるということでございます。 ただ、私どもは、先生の御指摘をまつまでもなく、やはり級地ということにつきましては再検討すべきである、ことに七二%、三%、一級と四級でそんな格差をつけるのがいいのかどうかということは、これは検討すべきであるということで、いま専門家に頼みまして、この級地の再検討を行なっておるところでございます。そういうところで、総合的にもう少し級地の検討を行ないまして、合理的な結論を得たいというぐあいに考えております。
○小林(政)分科員 私は、いま都市化現象というようなことが進んでいる中で、この級地というものを、実際には撤廃すべきである、このように考えております。事実、地域の生活水準云々ということもいわれておりますけれども、私ども、もう物価の問題一つ考えても、あるいはまた生活水準の点を考えましても、格差などというものは、都市化が進んできている現象の中では、ほとんどもう見られなくなってきている。まして境界線一本越えれば云々なんということは全く説得力のないことでございますし、これは直ちに撤廃をすることを強く要求いたしておきたいと思います。 次に、私はお伺いいたしたいのは、いわゆる未成年者の就労所得に対してはこれを別扱いにしていくような手だてを講ずる考え方はないかどうか、こういう問題であります。 御承知のとおり、未成年の青少年の場合には、本来であれば、まだ家族手当の支給対象の人でもありますし、また将来に備えて勉学にいそしんでいるというのが、いま普通の常識であります。こういう中で、生活保護家庭だということによって、同一の生計世帯であるということで、同居の未成年者の収入認定が現実に行なわれているわけです。たとえば例をあげると、十五歳でもって働いている青少年が、事務職の場合でもって仕事を続けておりますけれども、月収三万五千円をもらっている。しかもこの場合には、いわゆる勤労控除、それに未成年者控除、それが両方合わせまして一万一千二十円、そして二万三千九百八十円は生活保護ということで、これは同額の保護費を引かれている、こういう問題が出てきているのです。しかも、この働いている娘さんがボーナスをもらった、こういう場合には、年四カ月のボーナスをもらったわけですけれども、夏の場合には一・五カ月、冬の場合には二・五カ月、そうしますと、この五万二千五百円のボーナスを、一万三千八百円を控除して、残り三万八千七百円を収入認定してしまう。自分の手に残るのは、わずか一万三千八百円である。あるいはまた冬の場合には、八万七千五百円のボーナスが出たけれども、実際に四万七千三百五十円が収入認定されてしまって、半分は収入認定でもって消えてしまう。はたしてこんなことが青少年の場合に、未成年の子供たちに課されていいのでしょうか。私はいまのこのせちがらい世の中で、ほんとうに大の男だって生活を維持していくのに困難なときに、生活保護家庭だということで、未成年の子供が一家のすべてをしょって立っている、こういうようなことが、生活保護法では当然なんだということが、こういう酷なことが言えるのでしょうか、大臣。 この点について、私はこれこそ政治が解決をしていかなければならない問題だと思います。このためにどれだけその子供が苦労し、そして希望を失い、あるいはまた勤労意欲を失い、そしてまたそのために、中には非行におちいっていくような子供すら出てきているのが現状です。まじめに働いている未成年の子供たちにこのような過酷なことを押しつけていいんでしょうか。私はこの問題について誠意ある大臣の答弁を求めたいと思います。
○加藤(威)政府委員 勤労者控除について先生いろいろ数字をおあげになりましたけれども、確かにいまのところそういう形になっております。問題は、しかし、一方において、先生御承知のとおり、生活保護は、その世帯が持っているあらゆる資産能力その他のものを生活に使って、その上に足りない点を生活保護費で補給する、こういうたてまえになっているわけでございます。 問題は、しかし、一方において、生活保護のもう一つのねらいは、その世帯の自力更生を促すという面もあるわけでございます。問題は、そのかね合いだろうと思います。いま先生御指摘のような未成年者控除の額、これは月二千円でございますが、このほかに基礎控除だとか、あるいは賞与の場合には特別控除というものが加えられるわけでございますが、これは未成年のことだからといって、その所得を全部控除するということは、やはりこれは生活保護のたてまえから問題でありましょうし、また、生活保護を受けてないぎりぎりの低所得の世帯におきましても、未成年の者が働いて、そしてその所得で家計をささえているという例も多いと思うのでございます。そういう問題とのバランスも考えまして、やはりその生活保護の家庭におきまする未成年で働いておる人々の控除、これをどうするかということは、現在の二千円でいいかどうかということについては、われわれこの額はもう少し引き上げるべきじゃないかという感じがいたしております。そういうことで、基礎控除は毎年引き上げられておりますけれども、未成年者控除は相当長期にわたって据え置かれておりますので、この引き上げには努力をいたしたいと思うております。
○小林(政)分科員 最後に大臣、いまの問題について、自立への意欲の積極的な増進をはかっていくということが生活保護法の中でうたわれていますけれども、こういうようなことでほんとうにその子の、あるいはその世帯の意欲、こういうものを積極的に推進していくというふうにお考えになっているのでしょうか。むしろ勤労意欲を失わせる行政になっているんじゃないか。これは政治が直ちに解決をしていく最大の問題だというふうに思いますけれども、大臣の御答弁を伺って、私の質問を終わりたいと思います。
○齋藤国務大臣 生活扶助の問題につきましては、私どもはそれぞれの世帯について、できるだけ弾力的な運用をはかるということが必要であるという考え方で今日まで来ておるわけでございます。いまお述べになりましたような未成年者の子供さんが働いた場合の所得をどういうふうにするか、やはりいろいろ問題は多いと思います。そういう問題につきましては、私どもはもう少し前向きに積極的に努力をいたしまして、改善するものは改善するという方向で努力をしてまいりたい、こう考えておる次第でございます。
○倉成主査 瀬野栄次郎君。
○瀬野分科員 熊本県の阿蘇郡に起きております火山灰病、一名骨腐病といいますが、この対策並びに水俣病に対しての大臣の見解、さらにはハンセン氏病に対する対策、最後に戦没者遺骨収集の問題について齋藤厚生大臣にお尋ねをしたいと思います。 まず最初に、熊本県阿蘇郡の阿蘇谷を中心とした一帯に原因不明といわれる火山灰による風土病、一名骨腐病が発生して問題になっているわけであります。これは骨がだんだん腐っていくような、激痛を覚える。さらに、からだの骨が変形して縮んだり、歯がぼろぼろと欠けていくような奇病でございまして、その病状は軽症と重症とがございますが、重症にあっては高熱が三十九度ないし四十度出ますし、全身の関節痛、筋肉痛を伴い、不眠、食欲不振、ときには悪寒を併発して感冒その他神経痛、リューマチなどと合併することもあるといわれている奇病でございます。特に集中的に見られるのが阿蘇郡の高森町の色見という地区でございますが、このことについては昨年三月十八日当分科会でも当時の斎藤厚生大臣に私いろいろただしたのでありますが、その際斎藤厚生大臣より「徹底的にその原因、治療方法あるいは予防対策というものを検討しなければならない、」「先ほど局長が申し上げましたように、難病、奇病対策の中の一つとして重点的にやってまいりたい、」こういう確約をいただいておるのですけれども、その後いろいろと調査しているようにも伺っておりますが、この原因ははっきりしたのか、治療法あるいは予防対策について、どう対処されてこられたか、まずそのことをお伺いしたいのであります。
○加倉井政府委員 お答えいたします。 昨年の国会におきましていわゆる骨腐病の御指摘がございました。それに基づきまして私どもといたしましては、昭和四十七年度におきましてさっそく厚生科学研究費補助金によりまして実態調査をいたしたわけでございます。調査いたしました地区は御指摘の高森町色見地区でございまして、調査の対象は八百五十一名、大体色見地区の二十歳以上の住民の約九〇%を調査いたしております。その調査の結果といたしまして、本病にかかったことがあるとみずから訴えた者が四十九名ございます。その四十九名につきましてさらに精密検査をいたしました結果、十四名に骨の異状が認められたという結果が出ております。それをさらに検査いたしました結果、二名に一応骨腐病の疑いが持たれるという結果が出ております。したがいまして、引き続き四十七年度におきまして、国立熊本病院、熊本県の衛生研究所が中心となりまして同様な調査をやっております。したがいまして、四十七年度の調査結果からは以上のような結果を得られたわけでございますので、さらにこれを特定疾患にするかどうかということにつきましては、若干疑問がございますので、一応四十八年度に引き続き行なわれます調査結果をまちまして対処いたしたい、かように考えております。
○瀬野分科員 そこで、スモン病とかベーチェット病等は、全国普遍的な病気として難病奇病対策の対象になっておるわけです。現在八つがこの範疇に入っておりまして、四十八年度ではさらに十二ふやして二十にするというふうに伺っておりますが、この火山灰病も当然この難病奇病対策の中に入れるべきである、こう思うのですが、厚生大臣どうでありますか、お考えは。
○齋藤国務大臣 先ほどもお答え申し上げましたように、四十八年度におきましてもその原因なり実態を調査いたしますから、その調査の結果をまちまして善処いたしたいと思います。
○瀬野分科員 四十八年度の調査の結果をまって善処したいということでありますが、ぜひひとつそのように取り計らっていただきたい。火山灰を受けておるのは阿蘇のみならず、御存じのように浅間山、また富士山にしても、あるいは三原山にしても、桜島、霧島というように火山地帯でございますので各所にもあるわけでございまして、阿蘇のここだけではなく、おそらく全国的にあるのじゃないかと私は思っております。いずれこれらが明らかになれば、そういったところからもそういう申し出が出てくるんじゃないかとも思われます。そういう意味でぜひそのように大臣お取り計らいいただきたい、かように思います。 そこで、実は先日大臣の手元にも、政府のほうにも差し上げておいたのですが、熊本県高森町の小林病院長、医学博士の小林常雄氏が数十年にわたって私費を投じてこの病気を、臨床実験その他をやられて、分厚い報告書をまとめておられます。私もるる見せてもらいましたが、「目下爆発中の阿蘇火山の降灰(ヨナ)が噴火口内の学童に及ぼす影響についての調査」、これは第一報から第三報までありまして、そのほかヨナ歯に対する論文等も出されて、学会に出しております。この原因は阿蘇火山灰中にある弗素が原因である。いわゆるヨナ歯、降った灰の中から出てくる水を、飲料水あるいは牛馬が放牧地でこれを飲むために、牛馬にもその症状が出ておるし、またその周辺の学童、あるいは成人者の中にもそういう問題があるということで、おそらく間違いないとされております。相当長い間私費を投じて研究してこられたのですが、こういった方は今後得がたい人材でありますので、一開業医でありますけれども、何かの機会に表彰するなり激励をするということが大事であると思うが、こういうことについて大臣の率直な御見解を承りたいと思います。
○齋藤国務大臣 非常に今日まで努力されておる方々につきましては私も衷心から感謝と敬意を表しておる次第でございます。
○瀬野分科員 次に、水俣病対策のことでお伺いしたいと思います。 この件は、別途環境庁にも質問をする予定にしておるのでありますが、この機会にこの分科会で一点だけ厚生大臣に御見解を承りたい。と申しますのは、全国注視の中に、公害の原点といわれましたところの熊本水俣病訴訟が昨年十月十四日に結審し、告訴以来三年九カ月、いよいよ来たる三月二十日午前九時三十分、熊本地方裁判所において判決が言い渡されることになったのであります。この水俣病裁判は、富山、新潟、四日市の公害裁判とともに四大裁判といわれ、公害発生以来その期間の長いこと、一万人にも及ぶ、場合によっては三万人にもなるんじゃないかといわれておりますが、患者の多いこと、北は熊本県の芦北郡田浦町、南は鹿児島県出水市、西は天草諸島に至る不知火海一円の南北八十キロに及ぶ被害地の広いこと、さらに患者の病状が悲惨であること、そうして加害者チッソの悪らつさといういろいろな特徴を持っているものでございます。大臣も十分御承知だと思いますが、このように数知れぬ患者が苦しんでいることを思うとき、一日も早く患者の救済をはからねばならないと思うのでありますが、国民の生命、健康を守る厚生大臣として、重大なる関心を持っていると思うのでありますが、主管している環境庁とも緊密な連絡をとっていただき対処していただきたい、かように思うのですが、大臣としての御見解を承っておきたいのであります。
○齋藤国務大臣 水俣病の問題は、環境庁の設立に伴いましてそちらに移管されておる問題でございますが、厚生省という役所は、国民生活、国民の健康を守るという大きな責任を持っておるわけでございまして、国民の健康を阻害するような原因、こういうものをあくまでも除去して、国民の健康な生活を守る、これは私は当然のつとめだ、かように考え、こういうふうな問題につきましても、所管があちらに行ったからというのではなしに、環境庁とも十分連絡をとりながら、国民の健康を守るために努力をいたしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○瀬野分科員 次に、時間の制約もございますので、ハンセン氏病対策について若干お伺いしておきたいのであります。 全国のハンセン氏病患者は九千五百二十名で、国立療養所の十三施設で療養につとめていることは御承知のとおりでございます。そこで政府は、政府機関の職員の定員に関する法律に基づいて、ハンセン氏病療養所の職員の定員削減を考えておられるようでありますが、昭和四十六年度は看護婦七名、看護助手三十名増であったのが、削減は五十二名で差し引き十五名の減員となっている。また昭和四十七年度は看護婦十七名、看護助手三十名の増でありましたが、職員の定員削減が七十五名で差し引き二十八名の減員となっております。そのため極度の職員の不足を来たしまして、患者の労働力に依存せねばならないという現状であります。施設の運営に必要な管理作業を続けてきた職員もその後若干は増員してきたものの、ハンセン氏病療養所の職員数は非常に少なくて、結核療養所の二分の一といわれ、医師は五分の二、看護婦は三分の一、こういうふうにいわれておるわけでございます。 そこで、国家公務員の削減の目的というのが、今回の法律によりますと、公務員が多過ぎるという世論の批判にこたえたかのごときに聞いておりますけれども、このハンセン氏病療養所の実情から見てそれを画一的に扱うということは妥当を欠く、かように思うわけです。諸般の現状を見まして職員を増員していただきたいというのが切なる要望であります。公務員の削減対象からハンセン氏病療養所の職員をはずす、こういうようにしていただきたいと思うのですが、大臣はどのようにお考えですか。ぜひそうしていただきたいと思うのですが、御見解を伺いたいと思うのです。
○滝沢政府委員 おっしゃるとおり医療機関の定員削減問題については、各方面からのいろいろ御意見がございますけれども、定員削減は政府全体としての定員の弾力的な管理ということによりまして、一方、先生の御質問の中身にございましたように必要な人員は増員していく、こういう仕組みで行なわれておるものでございますので、この点につきましては一般国立病院、療養所も含めまして極力最小限に削減率はとどめていただいておりますし、それを実施に移す場合、やはり直接医療関係者を除外しておるわけでございます。しかしながら、御質問の特にらい療養所につきましては、医療関係者のみならず、患者に直接関係のある各方面の職員の不足の問題は、今後の患者の老齢化等と伴いまして、きわめて重要な課題であることは認識いたしておるわけでございまして、本年はその点も十分考慮いたしまして、削減がマイナスにならないように配慮をいたしたわけでございますし、今後も必要に応じまして定員の増をはかってまいりたい、こういうふうに考えております。
○瀬野分科員 ぜひ、今後必要に応じて定員の増をはかっていきたいということでございますので、十分検討していただいて、相当患者も無理な労働をしいられておる現状でございますので、そのようにひとつ配慮をお願いしたい、かように思います。この点は大臣としても十分御検討をいただきたい、かようにお願いをしておきます。 さらに、このハンセン氏病療養所の建築物は、昨年もいろいろと当分科会でお願いをしたのですが、過去の強制隔離政策による収容を目的として建てられた歴史的経過の中で、患者の人権と医療は顧みられない内容となっておりまして、病棟、治療棟、一般病舎すべてにわたって不備の点が多く、老朽化がひどいわけでございます。逐次全面的な建てかえをやっていく考えであることは十分承知しておりますが、特に身体障害者の多い生活の場でもあるので、防災上等もいろいろと危険であります。盲人なんかも相当おる関係から、施設の整備ということは十分考えてもらわなければならない状態にございます。昨年の補正で、施設費として三億、さらに四十八年度予算では七億ついてはおりますが、昨年末から実は御承知のように物価騰貴で木材等が高騰して、一般建築等もかなり建築をキャンセルするという問題とか、また建築が中途で挫折するような問題も起きておりまして、予定の建築ができるかどうか少し心配する向きもございますが、この点、施設整備の改善について、この予算で予定どおりの建築ができるか、まずお伺いしたいのであります。
○滝沢政府委員 この点につきましては、先生のおっしゃるとおり、四十七年度の補正三億と来年度の予算七億、合わせて十億、従来の予算の約二倍半ということでございます。実は特にらい療養所につきましては、先生御指摘のように、らい予防法に基づく言うなれば強制隔離というようなこと等、特殊な生活環境にございます。しかも、これがいずれも特に住宅部分が老朽化してきておる、全体が医療機関ではございますけれども、特殊な形態をとっております。そこでわれわれといたしましては、先生御指摘のような不自由者あるいは病人を収容する入院の施設、病棟、こういうようなものを優先的に整備しようといたしましても、なおかつ必ずしも早急にはできないという状態でございます。沖繩を含め十三の園がございまして、それぞれに同じような条件がございますので、この点については今後も予算の増額に努力いたしますが、幸い四十八年度はかなりの増額をいただきましたので、いま御指摘の木材の値上がり等、確かにこれはわが国全体の建築行政にかかわる問題ではございますが、われわれは与えられた増額された予算の範囲内で、従来以上にその実績があがる見込みが十分ございますので、その点については実行の上で十分配慮しながら、所期の目的ができるだけ達成できるように努力いたしたい、こういうふうに考えております。
○瀬野分科員 そこで、いま力強い答弁をいただきましたが、熊本県の菊池郡合志町の菊池恵楓園の療養所でございますけれども、一昨年来お願いしましてようやく二百床の計画で、百床は鉄筋化でできつつございます。まことに現地もありがたく喜んでおりますが、ここには約千五百名近い人が療養生活を送っておりまして、事実昨年も、写真等提示して見ていただきましたが、相当老朽化して、かわいそうです。別の中に入って全然一般と隔離されておりまして、老後を細々と生活しておる姿を見ましたときに、何としても早く鉄筋化して人並みの生活をさしてあげたい、こういう気持ちでございます。四十七年度には三億の補正、また四十八年度には七億ついておるわけですけれども、この菊池恵楓園も、全国でも有数な患者が多いところであります。またハンセン氏病のいわゆる犯罪による方たちも、全国の方をここにまとめて療養さしているという現状でございまして、あと百床鉄筋化をぜひしていただきたい、かように思うのですが、四十八年度予算でどのように配慮いただくものか、ぜひひとつ御見解を承りたいのであります。
○滝沢政府委員 この点につきましては、菊池恵楓園は、東京にございます多摩全生園、長島の愛生園と並びまして、わが国の十三の中の中心的な療養所の一つでございますことは先生も御承知のとおりでございますが、すでに百床の病棟を整備いたしておりますが、この現在持っておる木造を含めた病棟の収容力は二百でございます。したがって、患者がそこにただいま百四十名程度おりますので、この点につきましては、先生はただいま百という御要望の線がございましたけれども、われわれといたしましては、この点を一度に百をやるか、あるいは将来の患者の推移を見て五十程度でとどめるか。この問題は他に予算の活用も考えなければなりません。特に不自由者の病棟を優先してやらなければなりません。しかも、十三という全国の療養所の問題もございます。したがいまして、この点については、中心療養所であるだけに、整備はなるべく急ぎたいとは思いますが、それらの規模その他も十分検討いたしまして配慮いたしたい、こういうふうに思っております。
○瀬野分科員 厚生大臣、いま局長からの答弁をお聞きになっておられたと思いますが、大臣もよく御存じだと思いますけれども、こういう隔離されている方たち、一生ここで暮らされるわけですが、これに対しては手厚い配慮をしていただきたいと思うのですが、大臣ひとつ御見解を承りたいと思います。
○齋藤国務大臣 いまお述べになりました菊池恵楓園の療養所の整備の問題につきましては、先生お述べになりましたような趣旨も体しまして改善に努力をいたしたいと考えております。
○瀬野分科員 最後に、遺骨収集の問題に関することについてお尋ねをしたいと思います。 これも昨年、当分科会で厚生大臣にいろいろ質問した経緯がございますが、かつて私も軍籍に十数年ありまして、たくさんの当時の部下を預かって、シベリアに二百五十名近い方を埋葬してきたのでございますが、実はこの戦没者の遺骨収集の問題については、たいへんかねがねから問題になり、また厚生省も心配していただいたことも十分承知しておりますけれども、この遺骨収集完結には、現地遺骨状況から考えまして、関係遺族、戦友の納得を得ることが一番大切である、こういうふうにわれわれはかねがねから思っております。また、戦没者遺骨収集促進団体協議会、これは鈴木善幸さんが協議会会長をしておりまして、われわれもその責任者の一員でありますが、この問題がいつも論議されるわけでございまして、関係遺族とかまた戦友等の納得を得るというふうにしていただきたい、かように思うわけです。現在行なわれているような政府の一方的なやり方では、遺骨収集計画を組まれても、なかなか遺族とか戦友の納得が得られないのが残念でございます。そこで戦没者の遺骨収集は、計画立案の段階から関係遺族、戦友にも参画を求め、十分な意見を交換し、合意のもとにこれを実施することによって、予算も立案すべきだ、こういうふうに思うわけです。こういったことを十分配慮して予算化してあるのか、この点、大臣の御見解を承っておきたいと思うのであります。
○高木(玄)政府委員 遺骨収集にあたりまして、関係の遺族なり戦友の意向を十分に取り入れるべきだという御意見、全く同感でございます。従前からも遺骨収集計画の立案にあたりましては、それまでの遺骨収集の実績なりその後の情報とともに、関係の遺族なり戦友の方々の意見も十分に聴取いたしまして、それらを総合して計画立案してきたつもりでございます。特にいまのような観点から、明年度の遺骨収集予算につきましては、初めて民間の協力団体、つまり戦友会とか遺族会の方々に対しまして、三分の二でございますが、この遺骨収集についての補助金を出すという制度を取り入れたわけであります。いままではこういう戦友とか遺族の方々、みな手弁当で奉仕的にやっていただいたのでございますが、来年からは三分の二の補助金が出るというふうに配慮いたしましたのも、先生がただいま申されましたように、この遺骨の収集事業というものは、やはり遺族なり戦友なりそういった関係者の方々の意向に十分沿ってやらなければだめだということからきているような次第でございます。
○瀬野分科員 遺族、戦友の意向を十分反映してやっている、こうおっしゃるけれども、やはり各戦友、遺族の団体から、そういう意見がいまだにしばしば聞かされるわけでございまして、一応はやっていられても、十分じゃないことはもう明らかであります。 そこで、そういう意図があるならば、そのため、戦友、遺族、引き揚げ者等と政府との間で、またこれには戦没者遺骨収集促進団体協議会等もあるわけですが、本問題の解決のために審議会等を設けて十分に検討をして実施すべきである、こういうふうにかねがねから私は申し上げておるし、またそういうふうに考えておるのですけれども、その点の見解をひとつ承りたいのです。
○高木(玄)政府委員 この遺骨収集につきまして、先生の仰せになるとおり、遺族なり戦友会の御意向を取り入れるという点については、今後とも十分努力していく所存でございます。ただ遺骨収集につきましては、もう戦後二十八年経過しているわけでございまして、やがて昭和五十年ということになりますれば、戦後三十年たつわけでございます。したがいまして、今日遺骨収集については審議会を設けてというよりも、むしろ実行をもっと促進する段階だろう、かように考えまして、明年度予算におきましては、前年度に比べまして遺骨収集予算は前年度の十六倍を上回る予算を計上いたしまして、遺骨収集というものをもっと実行面で促進する、こういうことで進めてまいりたい、かように考えているわけであります。
○瀬野分科員 そこで、この遺骨収集の派遣費補助金の問題ですが、先ほど局長からも答弁がありましたが、政府収骨団に対する民間協力者派遣費補助金が計上されております。遠いニューギニアなんかでは、御存じのように一人一カ月ぐらい行きますと、六十万から七十万ぐらいかかるのはもう当然でございます。その上ビルマなどにあっては、協力者の自己負担金が何十万円もかかるということで、体力、経験、情報を持っていても、結局資金がないために協力が得られないということもたくさんあるわけです。また協力資金をまかなうために学生、遺族、戦友の寄付集め等を考える等、政府が国民に寄りかかっているのも事実でありまして、これらは好ましくないと思うのです。収骨に対する民間協力者には全額国庫によって費用負担をすることが筋である、こういうふうに私は思うのですが、この点は大臣、どうですか、お考えになっておられますか。
○高木(玄)政府委員 これは先ほど申しましたように、いままではこの民間の協力者、つまり遺族なり戦友会の方々に遺骨収集に御参加願う場合には、手弁当で全額自己負担でやっていただいたわけでございますが、明年度から初めて三分の二の国庫補助という制度を開いたわけでございます。したがいまして、明年初めてこういう制度ができましたので、この制度を実施いたしまして、その実施状況により対処してまいりたい、かように考えます。
○瀬野分科員 明年度から三分の二国庫補助ということは十分承知しております。もちろん、これだけで足りるわけではありませんが、明年度実施の結果を見てまたいろいろ配慮していくということでございますので、ぜひ近い将来には全額国庫ということでお考えいただきたい。先般、斎藤大臣なんかにお尋ねしました際も、遺骨の一片でもこれが残っておる間は戦後は終わらない、こういうふうに自分は思っているということで発言がありましたが、おそらく齋藤厚生大臣も同じ考えだと私は思いますが、その点、新大臣として御見解を承っておきたいのであります。
○齋藤国務大臣 局長からお述べになりましたように、ことし初めて民間団体に対する補助を実施することにいたしたわけでございまして、関係者の方々からは、これでは十分でないというふうな御意見も十分承っておりますので、本年度の実施状況を見まして、将来の問題として十分考究をいたしたいと思います。
○瀬野分科員 さらに慰霊碑の建設等が各地で行なわれておりますが、ソロモンにおいても——今回政府でもいろいろお考えのようです。もちろん現地の政府からも要請があって、建設するということでございまして、現に民間団体の慰霊碑等が三つあるわけでございます。この政府の建てる慰霊碑、これにはぜひひとつ、遺骨が相当、プレハブ住宅みたいなものにかりに安置してありますので、納骨を兼ねた忠霊碑にしていただきたい、かような要望も強いのですが、この点の見解を承っておきたいのであります。
○高木(玄)政府委員 慰霊碑につきましては、四十五年度に硫黄島に建設いたしました。それからただいまフィリピンにおいて日本人戦没者の慰霊碑を建設中でございます。また明年度予算におきましては、サイパン島に慰霊碑を建設するという予算を計上いたしております。これらの慰霊碑の建設につきましては、建てられる土地が外国であります場合には、それぞれ外国政府との話し合いその他もございますが、十二分に国民の戦没者に対する追憶の思いというものが込められたものになるように、関係の方々の御意見を反映して建設するように努力してまいりたい、かように考えております。
○瀬野分科員 最後に、ただいまの慰霊碑の問題で、どうかひとつそういった慰霊碑を建てる場合も遺族、引き揚げ者、また戦友並びに促進協議会等の意見を十分参酌して、ぜひお取り計らいいただきたいということが一つと、もう一点は、最近の緊張緩和の情勢下にありまして、シベリア、中国、ビルマ、アリューシャンなどの収骨対策がどのように進展しておるか、これらについて戦友、引き揚げ者の意見も求めていただきたいと同時に、今後ぜひひとつこういった問題については国民に広く広報をもって知らせるような方法を講じていただきたい、かように思うのですが、時間も参りましたので、この点について簡潔に御答弁いただきたいと思うのです。
○高木(玄)政府委員 慰霊碑の建設については、ただいまの御趣旨に沿うように努力いたします。 それからただいまお述べになりました地域の収骨計画について簡単に申し上げます。 ソ連地域でございますが、これはソ連側が日本人戦没者の墓地をつくりまして個々に埋葬されておりますので、昭和三十六年から六回にわたりまして全額国庫負担で遺族代表による墓参を実施してまいっております。 次にビルマでございますが、これは国内事情から早急に遺骨収集を行なうことが治安等の関係からできない状況でございますので、遺族代表による現地慰霊を行なうことについて検討を進めております。 それからアリューシャンにつきましては、昭和二十八年七月に政府職員、遺族代表を派遣いたしまして、遺骨の収集と慰霊を実施した次第でございます。 なお、遺骨収集につきましての広報につきましては、今後十分に気をつけ、努力してまいる所存でございます。
○瀬野分科員 以上で質問を終わります。
○倉成主査 次は、金子みつ君。
○金子(み)分科員 私は、本日は日本の国の医療内容を充実するために重要な役割りを果たしている看護婦の不足を解消して、そうしてよい医療を行なうために必要な看護婦の需要供給の対策について伺いたいと思うのでございます。 〔主査退席、三ツ林主査代理着席〕 まず大臣に初めに伺いたいと思っておりますことは、去る二月三日に予算委員会で社会党の小林進委員から、同じく二月九日の予算委員会で大原亨委員から、期せずして同様に取り上げられました問題でございましたが、重症心身障害児の施設である医療法人の島田療育園における看護婦不足の実態について説明がございまして、そしてさなきだに少ない身体障害者の子供たちを収容して療育をするための療育施設でございますが、看護婦不足のためにその病床を減らさなければならないという実態が起こっておるということをこまかく訴えておられたと思います。この状態について、厚生大臣は、一体看護婦不足の問題をどのように考えるのかという質問がございました。その小林委員に対しての大臣の御答弁は、「全力を尽くす考えでございます。」とお答えになっていらっしゃるわけです。それから同じく大原委員に対する御答弁といたしましては、何とか看護婦さんを確保するようにと思っている、真剣に努力いたしておりますというふうにお答えになっていらっしゃるのでございますが、これは間違いなく大臣は御記憶でいらっしゃいますでしょうか。
○齋藤国務大臣 十分記憶いたしておりまして、あの節御答弁申し上げましたと同時に、関係局長に厳重に話をいたしまして、できるだけ早い機会に看護婦さんの充足に努力するようにということを命令いたしておる次第であります。
○金子(み)分科員 島田療育園の問題はもうすでにお聞き及びのことと思うのでございますが、私も島田療育園に行ってまいりまして実情をよく見てまいりました。 それから一月二十二日に、埼玉県の春日部市立病院というのがございますが、そこで看護婦の問題が起こっておりましたので行って見てまいりました。ところが、これは手術室勤務の看護婦さんが、ここの病院は救急指定病院になっておるという関係もございまして、非常に仕事が多いということが一つの原因ではございますけれども、週休がとれないというのです。週休がとれないで、そして二週間も三週間もぶっ続けに仕事をしなければならなかったということが非常に問題になって、労働組合なんかがこの問題を非常にやかましく取り上げていたことでございました。その週休がとれないで、しかも、勤務時間は百六十時間から二百三十時間働かなければならないのです。御承知のように、労働基準法では年間百五十時間以内ということになっているわけでございますね。これは労働問題にもなるわけでございますが、私はきょうは労働問題として取り上げるのではなくて、この問題が起こった原因が看護婦不足にあるということを申し上げたかったわけなんです。勤務交代をするだけの余裕がないということなんですね。それでこういう問題が起こったわけです。 それからまた、新聞に出ておりましたので御存じかと思いますが、東京都がりっぱな老人病院をつくりました。非常にデラックスな老人病院を初めてつくったわけでございますが、これが半分もベッドが使われていない。空床がそのまま、それはやはり看護婦不足のためにできない。そこで、入りたい老人は山ほどひしめいているのにお入れをすることができないという実態が起こっている。あるいは神奈川県のこども医療センターというのは、たいへんに格調の高い大病院だとして有名なんだそうでございますが、先般拝見してまいりました。センター長の御説明を伺いますとたいへんに御自慢をなさって御説明をなさいまして、私どももそれを拝見してきたのです。内容を拝見しますといろいろ問題はございましたが、看護婦の問題にしぼって申し上げれば、二百六十名看護婦を入れる用意がある。ところが、実際としては二百八名しか常におらない。二百二十八名を当分の定数と考えているのだけれども、それ以上にできないのだ。ところが二百二十八名のうちの二百八名ですから、二十人がさしあたり不足しているわけです。これは年間に八十名やめていって、そして年間に採用するのがどんなに努力しても四、五十名しか入らない。ですから、大体二、三十名というのは慢性的に不足している。こういうようなこともわかったわけでございます。 民間、公立の病院でこのような実態ですが、厚生省の直轄していらっしゃいます東京のどまん中にある国立東京第一病院、戸山が原にそびえ立っているりっぱな病院ができました。千床を用意なすっていらっしゃるし、ティーチングセンターとして動かしていこうという御計画を承っておりますが、この大病院がやはり半分も患者さんが入っていないという実態ですね。これは古い病院時代は五百六十床満ぱいで使っていらっしゃったのが、今日それ以下になっているという事実はやはり看護婦不足が原因だというふうに承っておりますが、このようなことはまさしく税金のむだ使いのような感じがいたします。むだ使いというよりも、むしろもったいないと思います。このように私立、公立、国立といわず、はなはだしい不足を来たしているということにつきまして、厚生省ではもう十分おわかりのことだと思うのでございますけれども、この点をほんとうに真剣に考えていただきたい。この問題は申し上げるまでもありませんけれども、いま始まったわけじゃないのですね。十年このかた同じ問題を繰り返しているわけです。十年間の間に一つもよくなっていない。むしろ深刻になるばかりであるという状態に対して、大臣、ほんとうにこの問題をどうお考えになっていらっしゃるか、いま一言伺わせていただきたい。
○齋藤国務大臣 この問題は、先般社労の委員会においてお答え申し上げましたが、国民医療の上からいってこの看護婦不足という問題はほんとうに深刻な問題だと私考えております。せっかくりっぱな病院をつくったりあるいは重度心身障害児を入れる施設をつくっても、看護婦さんがいないためにさっぱりその施設としての効果を発揮できない、これはほんとうに私申しわけないと思います。ただ看護婦の確保の問題につきましては、この前申し上げましたが、養成施設の定員をふやしてみたり、施設をふやしたりしてもなかなか問題は解決しません。やはり看護婦の給与の問題、あるいは手当の問題、あるいはまた看護婦さんが子供を持っておられる際の保育の問題、そういう問題を総合的に考えていかなければならぬのではないかということを、私しみじみ痛感をいたしております。過去のいろいろなやったことの反省の上に立って、この問題を医療供給体制の中の最重点の事項として取り上げまして、この前も申し上げましたが、新しい長期計画の中の厚生省が担当する各論的な年次計画の中においては、これを最重点の事項として取り上げまして、総合的な施策を真剣に実施していく、いまこういう考えでおるわけでございます。
○金子(み)分科員 ただいま申し上げましたのは不足の面を一つ取り上げただけでございます。この問題を取り上げたらほんとうに枚挙にいとまがないくらい次々とあがってまいりますので、一つの例として申し上げただけでございましたのでお聞き取りいただきたいと思います。 ところが、他方では、では看護婦になる希望者はいないのかという問題が起こります。絶対数をつくるために看護婦学校への入学希望者がいないのかというと、厚生省が毎年毎年調べていらっしゃいます数字を拝見いたしましても、最近の、四十七年四月でございますが、入学志願者が三万四千六百七十名あります。学校の定員が一万百二名、受験したのが二万九千七百二十六名、結局合格者は八千九百五十二名、定員を割って合格しているわけです。八八%しか合格していないわけです。ですから、倍率が三倍半くらいになっております。准看護婦の場合、倍率が一・三倍ですから、これよりは少のうございますけれども、いずれにいたしましても、なろうとする人がいるということです。なりたいと思って学校に受験しに来る人があるわけですね。それが受けとめ切れていない。一〇〇%入学させていない。過去五年間にはすべて一〇〇%を割っております。昭和四十一年にたった一回一〇〇%になっているときがあるのでございます。それ以外は一〇〇%を割っている。ここにやはり一つ問題がないかということな考えていただきたいと思うわけでございます。もちろん、幾つかの学校をかけ持ちしている学生もいるかもしれませんけれども、それだけの問題ではないというふうに考えるわけでございます。それからまた、この学校を卒業いたしました人たちが就職するわけでございますから、毎年看護婦はふえていかなければならないわけですが、そのふえ方が卒業した数に対して、その数の半分しかふえていない。四十一年から四十五年までの統計、これを厚生省でお調べになっていらっしゃいますのでおわかりのことだと思いますけれども、この数字を見ますと半分しかふえていないわけですね。その半分はどこへ行ってしまったのかといえば、いわゆる潜在看護婦という形で社会にひそんでいるわけでございます。このいわゆる潜在看護力といわれております、資格を持っていて看護婦の仕事に従事していない人、これが四二・二%ありますから、約半分近くはほかの職種に転換しているという問題がございます。看護婦の職でなく、ほかの職種についているというこの問題は非常に大きな問題だと思うのです。この人たちを看護婦の職種にもう一ぺん引き戻すということが大きな問題だと思います。この人たちが十七歳から三十四歳、働き盛りの年齢で九万人もいるわけですね。それから定年までの、五十四歳までの人を数えますと、十八万五千人ほどの人がいるわけでございます。これは三年かけて養成をして卒業させる看護婦の数の約六倍弱なんでございます。ですから、緊急対策としての考え方としては、この問題は取り上げられる問題だと思うのです。これらのいろいろな問題を勘案していただきまして、厚生省のほうでどのように需給計画をお立てになっていらっしゃるのか。私は単にベッド数や患者数と看護婦との比率を算術計算した需給計画はもう十分でございますからけっこうでございます。これは私どもでもできるわけなんです。そうでなくて、いろいろと関連いたします要素を踏まえた上での総合的な看護婦の需要供給対策というものをどのようにお立てになっていらっしゃるのか、伺わせていただきたいと思うのでございますが、いかがでございましょう。
○滝沢政府委員 先生はすっかりいろいろな問題を十分おわかりでのお尋ねでございますが、特にわれわれの手持ちとしては、病床の増、あるいは社会福祉等も含めた看護婦職種の社会的に現在勤務しておる、そういう者の将来の増加を踏まえた、先生のおっしゃったいわゆる予測は若干ございますけれども、いま先生が御提案になりました、あるいは特に強調されました潜在看護婦の問題は、私もこの看護問題に再び取り組むようになって考えますと、リタイアしていくことを防止するということが、また潜在看護婦の問題とからんで重要な課題でございますが、この面はリタイア、退職しないように持っていく対策と、それからすでにリタイアした方を再び迎え入れるようにする対策、これはもうほとんどうらはらの問題であるわけでございます。この点でわれわれが持っている対策というものをいろいろ考えてみまして、また特に民間施設、国立もそうでございますが、現在実行して比較的効果のあると思われるものは保育所の設置問題でございます。これについては私はかなり思い切った対策ができないか。ただ、これに児童福祉の関係とかいろいろの保育にまつわる問題がございます。それから、きょう分科会で御発言の中にございましたように、夜間の勤務と保育の問題、こういうような私だけから見ても非常に難問をかかえるわけでございますが、私はリタイアを防ぎ、潜在看護婦をお願いする、特に比較的いまの医学なり看護教育なりからあまり遠ざからない年齢の階層の方をお迎えするには、かなり保育所問題というものが重要であるのではなかろうかというふうに考えるわけでございます。そのほかいろいろの、たとえば育児休暇という法制上の立案問題、それから進学していくということのために退職しなければならぬ、これを何か休業として取り扱うという仕組み、これも人事院とのからみもございましてなかなかむずかしい問題ではございましょうが、そういうような課題も結局リタイアさせないというためにはどうしても必要な対策のように思われます。 こういうような、先生もすでにお気づきであり、決して事新しい問題ではございませんが、そういうようなものを、いま具体的に取り上げている保育所の問題、これを徹底的にやっていくという政策の充実、それからやっていないいま申し上げたような問題の処理、こういうようなことを踏まえたらどういうふうに需給対策がなるかという試算は、これはたいへんむずかしい問題でございまして、正直申し上げまして私の手元にその新しい対策を加えたらどうなるという数字は現在のところ持っておりません。ただ、こういういろいろの実績、特に保育所等の設置の効果というものを、各方面の実績を踏まえてある程度のリタイアを防ぐ可能性というものを見出すことはできると思います。私どものほうで単なる講習会というようなことで、若干家庭に帰った方を戻すために、医学の進歩におくれないような、看護の進歩におくれないような講習会形式でいまやっておる程度でございますが、これはそれなりにもちろん必要ではございますけれども、やはり潜在看護婦の活用は、私のほうも先生おっしゃるとおり、緊急の、いま必要な看護婦の確保のためには、かなり重点的に考えなければならぬ施策であるというふうに思っております。
○金子(み)分科員 私は、いま手元にそれらを試算した数字的なものがあるかどうかということについて、お尋ねをしたつもりではございませんでした。考え方を伺わせていただくつもりできょうは申し上げたのですけれども、このままでは私は納得できないわけでございます。これはいまお考えを伺わせていただきましたけれども、そのお考えをもとになさって、そして増床計画その他もおありになると思います、いろいろなものを勘案されて、至急にそれを数的にはじいていただきたいわけでございます。この問題は申し上げるまでもございませんけれども、そうかといって、この問題がすぐにでき上がる問題とは考えておりません。解決ができると思いませんけれども、少なくとも年次計画をお立てになって、そう長い年月は待てませんけれども、最低五カ年計画ぐらいのところで、たまたま厚生省では社会保障五カ年計画というものをお持ちになっていらっしゃる。この社会保障五カ年計画の中に当然入っていることだと私は思うのでございますが、その社会保障五カ年計画の中で、看護婦の需給対策をどのように組み込ませていらっしゃるかということを、今度は考え方と合わせてそれの具体的な計画でございますね、数的な計画もお示しいただきたいと思うのでございます。これをいますぐと申し上げても無理かもしれませんけれども、できればここ一、二カ月くらいの間につくっていただいて、そして私拝見させていただき、また御説明いただきたいと思うのでございますが、お約束いただけますでしょうか。
○滝沢政府委員 この点につきましては、大臣からもきつい御下命がございまして、特に医務局の医療供給体制に関する計画の立案につきましては、たいへん急ぐ問題でございます。ただ、当面五カ年計画を具体化する最初の年である四十九年度の予算要求等をめどに、一応作業の日程を立てますので、看護婦問題だけに関しては私は一、二カ月という先生の御要望にはできるだけおこたえしたいと思っております。しかし、医療供給全体にまつわる問題もございますので、ある程度中間的な段階のものは二カ月程度したらお示しできるのではなかろうか、このように考えております。
○金子(み)分科員 もちろん中間計画でもけっこうでございますが、どういうように進めていらっしゃるか、その姿勢と態度とを拝見させていただきたいということが私のお願いなんでございますから、よろしくお願いしたいと思います。 で、いまお約束いただきました件は、一応一つの期間を限ってのいわば長期計画というふうに考えてもいいと思うのでございますが、看護婦問題は待てないことがあるというのをもう十分御承知だと思うのですが、緊急対策としてはどうなさいますでしょうか、それをひとつ……。もう島田病院なんかは御存じのようにとてもお手上げであって、これを国か都へ提供したいのだと、所長はおっしゃっていらっしゃったようでございました。そのように民間病院はほんとうにやっていけなくなるという事実にぶつかってきているわけですけれども、こういう問題をどういうふうに処理なさろうとお考えになっていらっしゃいますでしょうか、その緊急対策というのをひとつ聞かせていただきたい。
○滝沢政府委員 先生も十分おわかりのことの上のお尋ねでございますが、緊急対策というようなことで養成問題を振りかざすわけにはまいりません。これは緊急にはなかなか応ずる問題ではございません。そうなりますと、結局潜在看護婦なりの活用の問題、あるいはリタイア防止の対策、あるいはまあ緊急を若干ゆるめていただくならば奨学資金等で、たとえば奨学資金を貸与した人の返済義務が各県とも県内三年というようなルールをつくっておりますが、これを重障施設のような児童福祉施設に行っていただく場合は県外であっても返済の条件とみなす、こういうような非常に一つの具体的な問題ではございますが、そういうようなことも緊急に値するかどうかわかりませんけれども、これらのことも児童局とあわせまして検討いたしておるわけでございます。 いずれにいたしましても、先生のおっしゃる緊急対策は、まあ夜間の手当を千円上げるというようなことも、それは場合によっては緊急対策的にならぬとも限りませんけれども、これはもう本来看護婦の給与改善というものの必要性がございます。ですから緊急の幅を若干ゆるめていただくならば、この次の八月行なわれる人事院勧告に伴いますわれわれとしての人事院へのお願いとしては、積極的な給与の改善というようなことによってリタイアの防止、あるいは看護婦に対する志望者の関心を高めていく、あと学校の設置、養成所の設置の問題になりますと、どうしてもこの問題は先ほどお約束した若干の計画性のものに加わってまいりますので、緊急対策というものは、中身としてはほんとうに具体的にお答えするような問題は、非常に乏しいということで御理解をいただきたいと思います。
○金子(み)分科員 非常にむずかしい問題だということは私も承知いたしておりますが、私はあまり内容を承知しておりません。御承知の上でおっしゃっているというふうに局長おっしゃいますけれども、別に承知しているわけではないのでございまして、それでお尋ねしているのですが、いまの緊急対策の中で、局長がいま御発言なさいました八月の人事院勧告までに、看護婦の基本的な給与の改善について何か考えなければというふうに思っているとおっしゃったのでございますが、これは先般、前の委員会のときに厚生大臣に私は質問申し上げて、そして大臣からも御返事をいただいておりますけれども、具体的な御返事はいただいていないわけでございます。で、抜本的な改善をしたいというふうに御返事をいただいておりますし、人事院の給与局長からもそのように御返事をいただいておりますので、私はその一つのチャンスだと思いますので、この際この八月の、次の人事院勧告のときまでに、医療職(三)表のほんとうの意味の抜本対策、これをぜひ考えてお出しいただきたいんですけれども、出していただけますでしょうか。それを緊急対策と私は考えていいと思うのですけれども、いかがでございますか。
○滝沢政府委員 この点につきましては私も給与局長にお会いいたしまして、事の重大な点は十分御理解をいただいております。先般の社労における先生の御発言等もからんで人事院もあのような答弁が出てまいっております。したがいまして、具体的に内容的にどういうような線まで、あるいは具体的に何を目標にしてとか、あるいはどういう職種との関連を目標にしてというような具体的な点は、私のいまの段階では申し上げられる何ものも持っておりませんけれども、少なくとも私は一般論としては、女子の職業として、いま日本の社会通念上考えられる処遇としての看護婦の処遇が、かなりよくなったという結果を招くような方向で交渉をお願いを申し上げていきたい、こういうふうな基本的な考え方は持っております。
○金子(み)分科員 ただいまの御答弁、私はぜひ実現させていただきたいと思います。それを厚生省御当局が実現させていこうとして努力をしていらっしゃる点、それを努力させるためにみんなで考えなきゃならない点だと思いますけれども、そのことが実は行なわれるたびに単なるスライド的な改善だけしかできていないわけです。ですから何の役にも立ってないわけですね。そうでなくて、医療職一表を手直しなさいましたときと同じようになぜ医療職三表だけができないのかという疑問も残ります。ですから、この際それをぜひ実現させていただきたいと私は強く御要望申し上げます。先ほど来のお約束二つ宿題のような形になって御要望申し上げたわけでございますが、ぜひ実現させていただきたいということをお願い申し上げて、厚生大臣からそれに対するお考えをお述べいただきまして、私はきょうの質問を終わりたいと思います。
○齋藤国務大臣 看護婦の不足対策につきましては、冒頭に申し上げましたように、養成施設の問題だけではなくてやはり総合的に考えなくちゃならぬということを申し上げました。特に給与問題の改定については、これはもう真剣に取り組まなければならぬ問題だと私考えております。幸いに人事院勧告が八月ごろに出るでございましょうから、その節には大幅な引き上げがあるように最善の努力をいたしたいと考えておる次第でございます。 なお、その他いろんな資料の提出等につきましては、いま申し上げましたように、新しい長期五カ年計画をつくるわけでございますから、その中間的な資料ができますれば、そのつど先生にも提出させるようにいたしたいと思います。
○三ツ林主査代理 以上で金子みつ君の質疑は終了いたしました。 和田耕作君。
○和田(耕)分科員 どうも大臣、連日御苦労さまでございます。 きょうは私、医薬分業という問題だけをひとつ御質問申し上げたいと思うのですけれども、医薬分業という考え方が日本で確立したのは、たしか昭和二十六年の国会だったと思うのです。それで、その国会で、医薬分業という基本精神がきまりまして、四年後に実施するということで、昭和三十年から実施するということになりました。そしてまた、三十年になる一年前の昭和二十九年にいろいろと問題が出てその一部改正が行なわれて、期限も一年三カ月延ばして昭和三十一年の四月一日から実施するということになったと思うのですけれども、その間、この問題、つまり、薬については薬剤師さんを中心にして医療に当たっていくという基本的な観念が、いろいろな意見があったわけですけれども、確立をしたということになるわけだと思います。 申すまでもなく、現在の、三十一年から実行されております医師法については、このように書いてございます。二十二条です。「患者に対し治療上薬剤を調剤して投与する必要があると認めた場合には、患者又は現にその看護に当っている者に対して処方せんを交付しなければならない。」これは歯科医師のほうにも同じようなことばが載っておって、「ただし」以下で、いろいろな条件がついてお医者さんが調剤することができるようになっているわけです。これが薬に対しての医師法あるいは歯科医師法——また薬剤師法にも、それのうらはらの薬剤師の主役としての地位を明記してあるわけだと思います。 このような基本的な観念が確立して自来十七年、少しは前進しているようですけれども、医療の全体としての薬剤師の調剤ということになれば、ほとんど前進はしていないというふうに言えると思うのですけれども、これはどういうふうな原因だとお思いになられるのか、最初にこの問題についてお答えいただきたい。
○松下政府委員 ただいま先生御指摘いただきましたように、医薬分業につきましては、二十四年のアメリカの調査団の報告以来、二十六年の医師法、歯科医師法、薬剤師法の改正、それからいま御指摘のように、その改正案の過程におきまして、当初二十八年よりの実施とされておりましたものが三十年に修正され、さらに二十九年に至りまして一年延期された。内容につきましても若干の手直しが行なわれたわけでございますが、ものごとの考え方といたしましては、やはり医師、歯科医師、薬剤師、それぞれの医療に関する各分野の専門家が一致いたしまして、それぞれの専門職能を生かして医療を向上させていくということを目的といたします医薬分業が原則的には法制化されたわけでございます。それまでも、医師法におきましては、患者からの申し出があった場合には処方せんを交付しなければならないとされておったものを、原則を転換いたしまして、原則として、投薬を必要とする場合には処方せんを交付する、ただし、いま御指摘のように、患者がそれを必要としない旨を申し出た、あるいは特定の、医師につきましては八項目、歯科医師につきましては七項目の例外規定に該当する場合は交付を必要としないというような形にされておるわけでございます。 ただ、やはりいま先生が御指摘になりましたように、医薬分業の実施の状況といたしましては、四十六年度におきます実情から見まして、実施になりました三十一年度に比べますと、処方せんの発行枚数、これは一応支払基金の資料によったものでございますが、これが三十一年度の六十四倍に相当するということで、徐々に伸びてはいるわけでございますが、全体といたしましてはなお処方せんの発行枚数は期待するほどの量に達していない。いろいろな要素があろうかと考えられますが、大きな要素として考えられますのは、やはり長い間の日本の医療の形態からくる国民的な感情と申しますか、また、医療の非常に個人性が強い、医師との信頼関係に立っておるというような要素、それからこれは行政庁といたしまして医薬分業というようなものに対するPRが足りなかった点もあろうかと存じますけれども、一般国民が必ずしもその必要性、メリットというものを十分に周知してなかったというような点が一つ。それからやはり医療機関と調剤に当たります薬局との分布の不均衡と申しますか、その調剤に当たります調剤機関、薬局の受け入れ体制の整備が必ずしも十分ではなかった。これは処方せんが出ないということとの悪循環も——いろいろと事情はあろうかと思いますけれども、そのようなことが重なりまして阻害要因として現在なお十分な実施が行なわれていない、私どもさように承知をいたしております。
○和田(耕)分科員 現在の状態は法律の精神に基づいた十分な実施ができていないという御答弁と承っていいわけですね。つまり、医薬は薬剤師が調剤をしていくというのが法律の精神ですね。この精神が、いろいろ努力をされたにもかかわらず、現在ではその目的が達成されていない。その理由についていろいろお述べになった。こういうふうに理解していいですね。
○松下政府委員 おおむねそのように御理解いただいてけっこうでございますが、先ほど申し落としたかと思いますけれども、同じく医療機関の中におきましても、医療法に基づきます二十床以上の病院につきましては、原則として薬剤師が必置の職員とされております。したがいまして、それぞれの職能を生かして医療を向上させるという意味での医薬分業は、病院の中におきましては、院内処方というような簡易化された形ではございましても、すべて医師の処方せんによって薬剤師が調剤するという原則はすでに確立しておるわけでございますが、先ほど申し上げましたのは、開業医と申しますか、通常の民間診療所と開局されております薬局との関係におきましては、それぞれの法律の除外規定もあることでございますので、法が実施されてないといってよろしいかどうかは問題があろうかと存じますけれども、医薬分業という法律の改正がなされました趣旨から申しますと、必ずしも十分には行なわれていないということは否定できないかと存じます。
○和田(耕)分科員 私が最初にこの問題を質問したのは昭和四十二年の五月だったと思いますけれども、そのとき、坊大臣だったのですけれども、せっかく法律できまっているものが、ただし書きがほんとになって、本文が有名無実になっているのはおかしいじゃないかということを坊大臣にただしたところが、それは御説のとおりだ、そして、これをできるだけ法の精神に沿うように実行したいんだ、その努力をしようと思っているんだという趣旨の答弁がございました。その二年後に斎藤厚生大臣も同じような趣旨の答弁だったと思います。しかし実際は、そのような努力をなさったと思いますけれども、その努力にもかかわらず、全体の総医療費における薬剤師が調剤をする量は、実際の数は少しずつふえておるようですけれども、全体の比率から見ればむしろ減っておるというような状態になっておると思うのですね。せんだって社会党の赤松君に出された答弁でも、総医療費の〇・四四%という数字があるわけですけれども、これは私が昭和四十二年に坊大臣から受けた数字、たしか〇・五%くらいだと私は思ったのですけれども、その数字に比べても、この六年間に全体の比率は減っているということは動かせないと思うのですね。確かに実数はふえておっても、全体の医療費の中における薬剤師の調剤という分野はむしろ減っておる。いまおっしゃるように病院の問題もあるでしょう。あるでしょうけれども、薬局を開いている薬剤師になってみれば、減っておるわけです。薬剤師さんからの資料によると、最近、保険医薬の問題では、一軒の薬剤師で月間平均十四枚しか処方せんが来ていない、そういう数字も出ている。十四枚の処方せんで、それを中心に薬局を運営していけないのは当然のことです。こういう実態を踏まえて厚生省はこの問題をどのように考えて対処しようとしておるのか、その問題についてお伺いしたい。
○松下政府委員 先生御指摘のように、いろいろな数字のとり方がございますので、下がっておるかどうかというのは、多少いろいろあると思いますが、私の持っております資料によりますと、先ほど申し上げましたのは政管健保の分でございますが、国民健康保険を含めて計算いたしますと、一保険薬局当たりの処方せん枚数は月間約十九枚、実際には地域的なアンバランスがございまして、調剤はほとんどやっておられない薬局もございますので、実際に調剤が行なわれました保険薬局では、平均いたしますと月七十九枚というような数になっておりますが、御指摘のように、いずれにいたしましても、これだけで薬局経営を行なっていく、あるいはもっと大きくいえば、医薬分業の趣旨にかなった数ということはなかなかむずかしいかと思います。 先ほど医薬分業が進まない理由について御説明申し上げましたことと、私どもの推進していきます方途といたしましては、うらはらになるわけでございますが、やはり何と申しましても一番大事なことは、まず調剤側の薬局の受け入れ体制を整備する。この問題につきましてはいろいろな方途があるわけでございますけれども、一つは薬局の受け入れ体制——施設の問題もさることながら、その薬局において調剤に使います医薬品の品質の保障をする、常に純良な医薬品による調剤が行なわれることを保障するというような意味で、四十六年度から、各都道府県の薬剤師会の設置いたします医薬品の検査センターに対しまして、年間一千万円の国庫補助を行なっております。四十六年度、四十七年度と実行いたしまして、四十八年度においても同じ補助を予定しております。これによりまして、薬剤師会、県等に協力していただきまして、医薬品の検査センターをつくり、常に調剤に使用する医薬品の管理、検査が十分に行なわれるようにするということが一つ。それから調剤を行ないます機関としての薬局の整備の経費といたしましては、これも先ほど申し上げましたような事情がございまして、なかなか十分に利用されておらないのは遺憾でございますけれども、医療金融公庫によります薬局の調剤部門の新築あるいは増改築、機械購入等の資金の貸し付けを行なっております。それから分布の不均衡というような問題につきましては、現在、薬事法によりまして、薬局につきましてはいわゆる適正配置の規定がございまして、薬局相互間の間隔が一定の距離以上でないと新規の開局は認めないという原則をとっております。こういったことにつきましては、通達をもって、各都道府県におきます適正配置条例に特例を設けまして、調剤を専門にいたしますいわゆる調剤専門薬局につきましては、そういった適正配置の例外規定を設けるというようなことで都道府県を指導いたしております。あるいは、調剤に当たられます薬剤師の方々の資質の向上というような意味におきまして、そういった医薬分業関係の研修会に講師を派遣する、そういったようないろいろな受け入れ側の施策を講じますと同時に、最も基本になる、国民に医薬分業の意義、必要性、そういうことを周知徹底いたさせますための広報活動を行ないまして、たとえば秋に行ないます薬と健康の週間といったような機会に、広く薬局、薬剤師の社会的役割り、そういったことについての国民に対する啓発につとめまして、全体的な方策をもちまして医薬分業を推進いたしたい、そのように努力しておる次第でございます。
○和田(耕)分科員 いろいろとやっておられることについての御説明がありましたけれども、一言で言って、確かにやっておられるでしょう。おられるでしょうけれども、非常に不十分な結果しか生まれていないということはお認めになりませんか。
○松下政府委員 先ほど数字をもって申し上げましたように、特に診療所と民間の開局されております薬局との関連におきましては、現在出ております処方せんは必ずしも十分ではないということは、残念ながら御指摘のとおりであろうと思います。
○和田(耕)分科員 第一、局長さん、先ほど私が読み上げた法律の精神からいっても、そして局長さんの御答弁にあった医薬の三つの担当者、医者と歯科医師と薬剤師、この三つの担当者があるということのたてまえに法律がなっている。そういうたてまえになっている。けれども、いまおっしゃった薬剤師さんは、私がいただいた資料では、現状として平均すれば日に十四枚しか処方せんがない。あなたのいまのお答えでは、日に七十数枚だという。かりに百枚にしても、それで薬局が立っていくわけじゃないでしょう。そういうふうなものを目当てにして薬局を整備する、あるいは薬を総合的に準備するということができますか。薬剤師さんも薬局も商売です。商売をしている人がそのような現状で、しかも将来これが大きく伸びていくという保障は一つもない。むしろ、いろいろ世間に伝わるところによれば、ますます薬剤師さんに対しての評価が下がっていく。いまの薬剤師さんは、これはいいことですけれども、つまり老人医療の制度が出てくる、いろいろな新しい制度が出てくる、いままで薬剤師さんにいろいろいいお客さんだった人たちがだんだん減っていくという状態もあるのです。こういう薬剤師さんの営業の状態を見て、薬剤師さんが店舗をりっぱにすれば、受け入れ体制をちゃんとすればもっと来るだろうということがいえますか。それよりも前に、この営業の実態から見て、どうしてこういう状態であるのか。もともと法律はそうではないでしょう。法律は、調剤というものは薬剤師がやるべきものだと書いてある。そうなれば、もっと厚生省としてこの問題を打開するためのPRのしかたもあるだろうし、国の援助のしかたもあるだろうし、そういうことがあっていいじゃないですか。それはいまあなたがおっしゃるようにいろいろやっておられる、これは事実です。事実ですけれども、それは現在薬局を経営している薬剤師さんにとってはほとんどメリットがないという実情なのです。そういうふうな点から見て、もっと法の精神にのっとって——法は間違ったことを規定しているわけではないでしょう。正しいことを規定している。この法律をもっと熱意をもって積極的に推進していくということが必要ではないですか。その点が私どもが見ても不十分だと思うから、この問題をしつこく質問しているわけです。もっと率直な話し合い、率直なかまえというものが必要だと思うのです。ところが、いまあなたは、薬局の設置について医療金融公庫からの貸し出しがあるとおっしゃった。確かにある。ところが、ほとんど利用されていない。なぜ利用されていないかといえば、実情として、薬局のこの設備に対して融資が行なわれる、それも問題が二つほどある。しかも、それをやったところで、それによって家をつくるのですから、全体の中のごくわずかの金しかありはしない。そういう金で薬剤師が薬局の整備をしてそして受け入れ体制を強化するということは、事実上できやしないのです。もっと法の精神を生かそうと思えば、厚生省の担当部局としてはもっと積極的に必要な金を貸しましょうというような態度があってしかるべきだ。もっと金を貸してくれと言えば、できない、もっと実績を積みなさいなどということでお茶を濁して、貸してもらえない。薬局にとってみれば、医療金融公庫からの金が少ない、大部分は一般の金融業者から金を借りる、そういうことでしか整備ができないわけですね。そういう実情ですから、もっとこの問題について、薬剤師さんの立場を、つまり医療の主要な担当者としての薬剤師さんの立場、法律でもはっきり明記している立場を厚生省としてはもっと認めるべきだ、もっと配慮すべきだ、こういうふうに私は思うのです。その点いかがでしょう。
○松下政府委員 先生御指摘のように、現在の医療金融公庫の薬局に対する融資につきましては、その額におきまして十分ではないということは、私どもつとに問題意識を持っております。ただ、先生御指摘のような、それが先行すべきであるという御意見は当然でございますけれども、私どもさように考えますが、いろいろな事情もございまして、四十八年度におきましてはこの制度的な引き上げを行なうことができませんでしたので、いま先生のご指摘になりましたような点を踏まえまして、次年度の予算におきましては、何とか医務局のほうにもお願いをいたしまして、医療金融公庫全体の貸し付けワクの中で薬局の整備がさらに十分にできるような方策を講じてまいりたい、そのように考えております。 それから、薬局全体の振興策という点におきましても御意見をいただいたものと拝承いたしますが、先生御指摘のように、薬局は薬事法のたてまえで調剤を行ないますと同時に、また全品目の医薬品の販売を同時に行なう場所でございます。そこで、薬局を開設し、あるいは薬局において従事されます薬剤師の方々、これは医薬品全体における、いわば医薬品関係の第一線の衛生上の指導者としての専門職務を持っておるわけでございまして、調剤部門のみならず、一般薬の販売部門におきましても、やはり広い意味におきます国民の医療の重大な分野を担当しておられる。現在医薬品の分野においては二千数百億円が一般薬として販売されておるわけでございます。そういったような分野におきましても薬剤師の方々の重要な専門職能が発揮できるような形で、総体といたしましてさらに薬剤師の社会的地位の向上、社会的信頼性の向上、そういうことができるような総合的な方策も同時に検討し、進めてまいらなければならない、そのように考えておる次第でございます。
○和田(耕)分科員 いまの医療金融公庫の融資ワクの拡大ということは、ぜひもっと積極的に考えていただきたい。 この社会党の赤松君への答弁の中に、医薬分業を促進するために厚生省は大いに広報活動をやったという文句があります。「広報活動、各種催物の開催等を通じて薬局及び薬剤師の社会的役割について国民に対する積極的な啓発宣伝を行なうなど、医薬分業の意義の徹底に努めている。」こうありますけれども、このやっておられる行事について具体的にお答えいただきたい。どういう内容をやっているか。
○松下政府委員 先ほどちょっと申し上げましたような、一番広報活動の機会として活用いたしておりますのは、毎年秋に行なっております「薬と健康の週間」という年間行事がございます。その「薬と健康の週間」におきまして、いろいろな各都道府県あるいは関係団体等と共催で講演会とかあるいは展示会、そういったものを行なっておりますし、あるいはポスターをつくりまして配布をする、そのような機会に薬局あるいは薬剤師の役割り、医薬分業のメリット、必要性というようなことを、各団体と協力いたしまして進めておる、それがいま申し上げられます段階では一番大きな行事であろうと考えております。
○和田(耕)分科員 その行事の中で、医薬分業というものの一般的な説明でなくて、医師法の第何条にはこういう規定があるんだ、薬は本来薬剤師に調剤してもらうべきものだという趣旨のことを言っておりますか。
○松下政府委員 一般国民に対する広報といたしましては、私どもとしては、法律の規定にあるというようなことよりも、やはり具体的な身近な問題として、診療は医師が行なうのが適当であり、調剤は薬剤師が行なうのが適当であるという、実態的な形でPRするほうが適当であるというふうに考えております。もちろん、これは対象によりましては医師法、歯科医師法、薬剤師法の規定を具体的に引用いたしまして説明する場合もありますが、ポスター等におきましては、一般的に、医薬分業を推進するのが医療の向上につながるという趣旨の表現を用いまして毎年広報活動をいたしております。
○和田(耕)分科員 あとでその文書をいただきたいのですけれども、そういう文書は大体部数はどれくらい発行しておるのですか。
○松下政府委員 ちょっといま手元に数字を持っておりませんので、文書を差し上げます際に数字をあわせて御説明申し上げたいと思います。
○和田(耕)分科員 つまり、こういう問題についての役所の積極的な姿勢というものがこういうところにあらわれるわけですね。法律に書いているから、まあこれは一応言うておこうということなら、やらぬと同じことですよ。週間のある催しでごく小部分の人にあのパンフレットを配ったということなら、これは広報にならない。ほんとうに国民が医薬分業についてあまりなじんでないというのは事実だと思います。やはり薬は、診断書をつくったお医者さんから薬をもらったほうが、何かきく薬をもらえるような気持ちを持つということも事実でしょう。しかし、こういう法律ができた根拠は、そういうことでは適正な医療はできないという判断に立って、薬は薬の専門家である薬剤師さんにまかせるべきだという、客観的な科学的なデータに基づいての判断の結果、法律ができているわけです。したがって、そこで一番大事なことは、国民はそういう医薬分業という新しい制度になじまない、いつまでたってもなじまない。法律はこういう法律になっている、その根拠はこういうことだと、もっと積極的になぜこれを宣伝しないのか。宣伝しないでおって、国民がこれはなじまない、だからしようがないんだということで、逆に医薬分業の精神とは遠ざかっているのが実情ではないですか。それは医師会の強力な抵抗があるでしょう。あったとしても、そこがつまり厚生省の、天下の公共的な役所としての役割りですよ。そういう問題について、これはきょうは私も資料を持っておりませんから、あとから——どういうふうな広報活動をしておられるのか、内容はどういうことをやっておるのか、何部くらいの部数を刷っているのか、これが大事なことです。役所のこういう問題についての対処のしかたは、こういうこともやりました、こういうこともやりました、こういうこともやりましたということを言われるけれども、実効のあがるものをやっていない。これが非常な欠点です。もっと、できないことはできませんと、やるべきことはこうしてやっていますという態度がないと、こういう問題の打開はできませんよ。そうでしょう。特に私どもは、これは今後上程されるいまの健康保険法の改正の問題にしても、本来こういうものは、毎国会、国会がとまってしまって天下の大問題になるわけですけれども、出るたびにそうなるのですけれども、そういう性質のものじゃないと私は思っているのです、この法律の内容から見て。そうなるのは、言うことがそのまま行なわれていないという実情が背景にあるという、つまりこれは医師会の問題ですよ。やはり問題はあるわけです。したがって、こういう問題を——薬剤師の問題を考える場合にも、日本の医療制度を考える場合にも一番大事なことの一つは、りっぱなお医者さんができるということでしょう。りっぱなお医者さんができれば、かりに現在の医療費が倍になっても、国民はよくわかれば納得しますよ、自分の生命を預ける人ですから。りっぱなお医者さんができるような制度であれば、逆に医療費が倍になっても納得すると思うのです。しかし、いま小さな問題についてなかなか納得できない。ああでもない、こうでもない、いちゃもんみたいに見えるのは、結局、いまのままでは、いろいろな制度をやったところで、特に国民の負担になるようなことをやったところで何にもならないという感じが背後にある。肝心の点をついてないという問題がある。そういうことじゃないですか。お医者さんの診療報酬は大きく引き上げるべきでしょう。やったらいいじゃないですか。国民の期待にこたえてそれだけ負担がかかれば、それもしかたがない。同時に、この医薬分業という、薬とお医者さんとを分けるということもはっきり出したらどうですか。金がかかって、それじゃ国民に反対される。いま申し上げたとおり、私どもの生命を預ける医者ですから、りっぱなお医者さんができるような案であれば、それを国民が納得すれば、私は、一時的に医療費が倍になっても国民は納得すると思う。大事な点をよけて通っているから、たいしたことでもない——これらの法律はたいしたことでもないと私は思うけれども、大問題になるのじゃないですか。その根本の一つは、お医者さんがいつまでも薬をああでもないこうでもないと扱っている、このことが、薬をよけい売らなければお医者さんの生活がやっていけないというこの制度自体をそのままにしているからじゃないですか。それを打開するには、過渡的にいろいろの政治的な抵抗もあるでしょう。お医者さんもわかってくれると私は思う、診療報酬を上げれば。いま薬価基準と実勢価格の差をお医者さんがもうけているとすれば、われわれはそれをもっと追加したものをお医者さんに出せばいいじゃないか。この問題は別の問題になるように見えるけれども、別の問題じゃないのです。この問題はもっと観点をがらっと変えた観点で扱わないと、小さな問題が天下の大問題であるかのようなことにいつまでたっても扱われる。これは私は政府の責任だと思う。厚生大臣、どうでしょう。
○齋藤国務大臣 医薬分業の問題について私の考えをちょっと申し上げさせていただきたいと思うのですが、医師、歯科医師、薬剤師、それぞれがその職能の責任を果たす、これがやはり国民医療のためには私は一番大事なことだと思います。しかるになかなかそれが思うようにいかない。ほんとうに私も残念なことだと思っております。それにはもちろんいろいろな原因があることは、もうお述べになりましたとおり、薬局側においては十分な受け入れ体制も整備されてない、これも一つの原因でありましょう。さらにまた、医師、歯科医師等において薬の問題についての態度、そういう問題も一つの問題でありましょう。さらにまた国民の側から見れば、やはり医師と患者さんというものの人間的関係からいって、薬というのは、薬局でもらうよりは、お医者さんにもらったほうが何か信頼が置けるようだという伝統的な国民の感情、大きくいえば三つあると私は思うのです。それぞれにそれぞれの理由はあると私は思います。これをどうやってほぐしていくか、これが私はやはり一番むずかしい問題だと思っております。なるほど、特に医薬分業については病院等については大体もうそう問題はない。やはり開業医と民間の診療所と薬局の関係なんですから、これをどうやってこの三つのむずかしい問題をほぐしていくか、これが一番むずかしい問題だと思うのです。これを一挙にやろうとするとたいへんな問題になる。私はもともとそう強行的にいますぐやろうという態度はとるべきじゃないと思うのです。いまやったらたいへんなことになります。そこでできるだけ慎重なかまえを見せながら、そしてねらっているところはそこにあるんですね。私は、和田先生も私も、ねらっているところは違いないと思うのです。それをどうやってやるかというところに実はいま悩みを持っておるわけでございます。 そこで、この問題の解決のためには、それぞれの立場にある方が虚心たんかいに何かしら話し合うということが私は必要ではないかということを考えております。それをいまにわかに政府が提案をして、さあこういう場をつくろうじゃないか、こう言っても、おいそれとなかなかその土俵には入ってこないのではないか。そこで厚生省としては、この三つの問題をじょうずにほぐすためにどうすればいいか、いま実は、そういう懇談する場をどうやってつくったらいいかということについての可能性について、どうやればそういうことができるであろうかという問題点について、私は、ここにおる医務局長なり保険局長なり薬務局長、これは三人の所管に分かれているわけでございますから、その三局長に、何かいい方法はないか。ねらっているところは同じなんです。国民もみなそれをねらっておると思うのです。それぞれの立場立場においてこの問題が解決できない。それを何とかほぐす方法がないだろうかということを実は研究をしてもらおうではないかということでいまお願いをしておりますが、私自身も実は思い悩んでおります。わが党においては、医薬分業について党の方針としてやろうではないか。それを一足飛び、一挙に強制分業、こう踏み切ったら、これはたいへんなことになります。そこで、それをスムーズに、この三つの問題を円満にほぐしながら解決するためにはどうすればいいかということでいま思い悩んでいるのが、私のきょうの心境でございます。しかし、方向は先生のお述べになりましたとおりでございます。この三つの問題をどうやってほぐしていくか、これには私は今後とも全力を尽くして努力をいたす、かように考えておる次第でございます。
○和田(耕)分科員 昨年でしたか、厚生省がかなり前向きの、推進していく、大都市を中心に切り開いていこうというような考え方をお出しになったですね。あれは去年でしたね。あれはその後取り扱ってみてどういうことになったか、ちょっとその経過を教えてください。
○齋藤国務大臣 実は昨年は、御承知のように健康保険法を二つ出したわけでございます。一つは、完全なる赤字対策ということで、料率だけ、片方は、抜本対策と称しまして、給付の引き上げ、それから高額医療の問題、それから地域指定による強制分業、こういう三つの問題を内容とした健康保険法の改正を出したわけです。ところが、それを出しましたあと、特に地域指定による強制分業につきまして関係各御方面から非常に強い反対が出ておるわけでございまして、今度の国会には、とてもこの三師会のそろってのコンセンサスを得るのはむずかしいと思うので、強制分業にということはもうちょっと時間をかしていただきたいということで、今度の健康保険法の中には挿入しなかったわけでございます。ですから、あの抜本対策に関する法案を出したときのその後の各方面の反響、それを見定めて、どうすれば円満にそれをほぐすことができるか。ただいたずらにそれを出すことによって混乱させることはかえってまずいではないか。お互いに態度が硬化してまいりますから、それよりは、むしろ今後の国会にはそれを提案しない、ある程度の時期をかしていただいて、スムーズにほぐす方法はないだろうか、こういうふうに努力をいたしておるところでございます。
○和田(耕)分科員 大臣の御説明はよく理解できるわけですけれども、医務局長さんにお伺いしたいのですが、医師会としてこの問題について、まあ武見さんも、公私の場で、医薬分業は賛成だ、おれもやっているんだという話をされておられるのですけれども、この昨年の、いま大臣がお述べになった厚生省の案に対して、どういう点が不満で、どういうふうにすべきだというふうにお考えになっておるのか、その点について、医務局長として医師会の意見なり空気をどのようにつかんでおられるか、お伺いしたい。
○滝沢政府委員 日本医師会会長とこの医薬分業の問題で多少お話し合いをしたことが、私も昨年の八月就任いたしまして以来、一度だけございます。会長のおっしゃいますのは、かなり前の、どなたが大臣だったかちょっと忘れましたが、そのときに武見会長としての意見は申し上げてある。まあそのときの会長の御意見を私の記憶から申しますと、実施についてもうまっこうから反対している態度はお持ちになっておらない。ただ、医薬を分業していくその医師側から見たときの具体的な信頼性あるいは具体的な設備、そういうものを踏まえて、実験と申しますか、一つの公営的なセンターのようなものをむしろ積極的に持つ、言うなれば、医師会も医師会病院のようなものをみずから持つ、薬剤師の方々も薬剤センターのようなものをみずから持って、そうしてそれをやはり医師会その他と話し合いながら具体的に進めていくというその事実を示しながらこの問題は考えなければいかぬな。記憶をたどったことで非常に不確かかもしれませんが、私の受けている感触はそういうような点にあると思っております。
○和田(耕)分科員 私どもはそういうふうに了解はしているのですけれども、武見さんがそのような態度、これは私あながち間違っておるとは思いません。ただ、一つの薬剤師の専管業務である調剤の問題について、医師会が直接それをやるという問題はいろいろあると思いますけれども、たとえばそのやり方として、その中にりっぱに薬剤師さんがそれをやっていくということになれば、いろいろ打開する道はあると思いますけれども、そういうことであれば、大臣、いまの形でもっと具体的に三者がよく話し合うという機会をつくれるように私は思うのですけれども、どうでしょうか。
○齋藤国務大臣 お述べになりましたように、いまそういう話し合いをする場をつくることについて、どうすればそれが可能であるかということについて苦慮しておる段階でございます。
○和田(耕)分科員 地方によっては、もう完全に医師会と薬剤師会と歯科医師会が了解をし合ってやっておるところがあるわけですね。どこもないわけじゃないのです。武見さん御自身もこれをやっておられて、これはしたほうがいいとお考えになっておられるのでしょう。そういうことですから、やはり問題は、診療報酬を思い切って上げるという案、考え方を示しながらこの問題について話し合いに入っていく、これが必要だと思うのですけれども、そういうふうな一つの政府の姿勢はとれないものですか。
○齋藤国務大臣 もちろん、この問題の陰には診療報酬の問題、これもあることは私は事実だと思います。しかしながら、いま保険財政、御承知のようななかなかたいへんな状況の中にあるわけであり、しかも診療報酬の問題は、中医協というまた別の機関がそこに控えているというふうな問題もあり、なかなかこれは複雑な内容、関係を持っておるわけでございます。そこで、私も普通ならきっぷよくいろいろ申し上げたいと思うが、この問題は相当慎重にしませんと、かえってこじれる、お互いの立場が硬直化をしてしまうというふうなことになってはならぬのではないかということで、実はいま非常に苦慮しておるようなところでございます。しかし、和田先生のお考えになっておる線というものは私も十分理解をいたしております。そうした線に沿うて今後とも努力をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○和田(耕)分科員 これは診療報酬という問題について政府がもっと積極的に提案をしていく。診療報酬を上げると、またお医者さんがあれを上げたといって、サービスを受ける側は目にかどを立てて反対をするということもありますけれども、しかし、先ほど申し上げたとおり、日本の医療制度の一番大事な点は、保険制度どうのこうのじゃないのです。りっぱなお医者さんはどうしてつくれるかということが、一番根本の問題なんだ。この問題はそういうところへ来ていると私は思うのです。だから、この問題をよけて、保険制度をどうするとか、あるいは六割を七割にするとか、いろんなことをやっているから、銭金勘定で大議論になってくるということであって、これは日本の医療制度にとってはゆゆしき問題じゃないですか。いまの制度は、極端に言えば、このままの形で国がどんどん金を出していけば、ますます悪いところが拡大していきますよ。国が金を出してもりっぱなお医者さんができればそれでいいのですけれども、いまのままで国が金を出して薬をどんどん売らして、売ったものだけどんどん要求するということになれば、金はよけいかかって悪い医者ができて、国民はうんざりするほど薬を飲まされて健康を悪くする。いいところは一つもないじゃないですか、いまのままで金を出すということは。そういうことですから、議論の焦点を、いいお医者さんをつくろう、そうしてお医者さんはりっぱな近代的な国家として当然の社会的な地位、そして生活ができるように保障してあげようということがずばっと出てくれば、あとのことはさまつなことじゃないですか、ほんとうのことを言えば。いま国民はだいぶ困っておるけれども、医療費にもっと多くの負担をすることは私はできないことはないと思うのです。負担をしたものがいい返りになって返ってくれば。いい返りの根本は、いいお医者さんができるということです。いいお医者さんができて医療サービスを受けて、看護婦さんとか医療の担当者が十分に働けるような体制をつくるということが、いまの医療制度の根本じゃないですか。それがゆがんでくるということが、いまの医療制度のゆがみの一番根本なんです。保険制度がどう、組合健保がどう、政管健保がどう、あるいは船員がどう、日雇いがどうなんということは第二義的な問題なんだ。そのことをぜひ厚生当局の方々は、特に大臣はひとつ見詰めていただきたいと私は思うのです。そうすれば、いまの医薬分業の法律はきまっているんだから、分業が本旨になるようなところでずっと割り切れていきますよ。むろん、切りかえのときにはたくさん金がかかるでしょう。それは必要な金ですよ。あれを直すためにはぜひとも——大臣、この問題は、いままで問題にしている視点が間違っている。もっと本来の日本の医療制度はどうあるべきか、どの点が一番問題かということを考えて——お医者さんは私の兄弟も親戚もずいぶんたくさんおります。お医者さんは大事な職業です。一番大事な職業だと言ってもいいかもわかりませんが、国民としても、このお医者さんが食うに困るようなことをしたのじゃいけません。その点がいろんな思惑がからんで率直にいま出てないですよ。武見さんはそういう議論はわかってくれると思うのです。そういう問題を政府としてひとつ腹をきめて、診療報酬体系を上げよう、これでもってお医者さんが食っていけるような体系にするということを基本にして、そうして医療制度のさまざまなゆがみを直していこう、そういうようなお考えを着眼としてやるべき時期だと私は思うのです。このままでいけば、たくさん金は出して、国民は負担をして、結局まずいお医者さんのサービスを受ける、まずい医療担当者のサービスを受ける。ふろしき一ぱいか二はいの薬でもって——だれもつとめ人の机の中に一ぱい薬がありますよ。この際そういうむだなことをやめようじゃないですか。ひとつ大臣のこの問題についての率直な御所見をお伺いしたい。
○齋藤国務大臣 国民医療の基本の問題は、保険制度でなく、充実した医療を国民が受けられるかどうか、私はそのとおりだと思います。したがって、そういう考え方から、その充実した医療を担当するところの医師というものは、社会的にも経済的にも高く評価さるべきものである、私はもうその点はそのとおりに考えております。そういう原則を踏まえながら、できるだけ私どもの望む国民医療というものの充実のために今後とも私は努力をしてまいりたいと思います。その中でこの医薬分業という問題も解決さるべき問題である、私は、その基本的な考え方というものについては、和田先生とごうまつも違っておりませんから、今後ともそういう方向で全力を尽くして国民のために充実した医療が受けられるように努力をいたす覚悟でございます。
○和田(耕)分科員 ひとつこれは大臣と武見さんその他三師会の幹部の人たちと率直な話し合いが必要だと思うのですけれども、私は、その点についてはっきり踏み切っていかないと、いまの混乱した医療体系がますます混乱していく、そうして正しい、法律できめたことが実際行なわれなくなってくる。私は、薬務局長さん先ほどいろいろお話がありますけれども、だんだんだんだん後退していくのじゃないかと心配でならない。医薬分業の問題を含めて、いまのままでいくと。これは切っ先の入れ方が間違っているからです。もっといいお医者さんをつくるという角度からこういう問題は見直していこうじゃないですか。その問題をひとつ。そうすれば、二十年近い前からきまっていることが、医薬分業ということが、先進国はどこでもやっていることで、日本だけがやっていないというこの問題を含めて解決していくと思うのです。もうここまで混乱したら、いつまでも混乱さすということはもうむだですよ。国会だって、これは浪費ですよ、こういうふうなことでいつまでもあれしているというのは。また、このあおりを食っていろいろな問題が世間に起きている。水増しがある。うそつきの請求がある。必要でない薬がどんどん、どんどん投薬される。迷惑じゃないですか。迷惑だけではなくて、国民の健康をそこねることじゃないですか。さまつな問題で、本質でない問題でかく議論をし合って結局何もできないよりは、国がその問題に金を出しさえすれば解決できることです。それは生きた金の使い方じゃないかと私は思うのです。ぜひひとつ大臣、この問題を打開するために、緊褌一番、そういうふうな気持ちで医師会長あるいは歯科医師会長、薬剤師会長と話し合いをしてもらいたい。いまの三者の話し合いの糸口をつくっていくのは、私はそこしかないと思う。地域は地域でやりましても、いまのような状態で地域の、たとえば私の選挙区の杉並なら杉並の医師会が杉並で話し合う、これは医師会からチェックされたらそれきりのことです。ぜひひとつ大臣おっしゃったとおりの方針を実行するための三者の話し合いという問題を大臣が積極的に媒介をしてやっていっていただきたいと私は思う。何とかできませんか、この最近のあれとして。
○齋藤国務大臣 和田先生の高邁なる御意見、十分理解をいたしておりますで、十分今後も研究さしていただきたいと思います。
○和田(耕)分科員 それから先ほど薬務局長さんからのお話がありましたが、これは当面の具体的な問題として、薬局の整備についての医療金融公庫の融資のワクのもっと大きな拡大をする措置はできるだけ早くやっていただきたいと思うのですけれども、見通しはどうですか。
○松下政府委員 先ほど御説明申し上げましたように、まことにこれは力が足りず申しわけないかと思いますけれども、四十八年度の予算措置といたしましてはすでに決定されておりますので、十分医務局と相談をいたしまして、四十九年度の予算要求におきましてできるだけ実態に即した改善ができるように努力をさしていただきたいと思います。
○和田(耕)分科員 これは医薬分業という問題を重視した目で考えれば、薬局の設備全体を融資の対象にすべきだと私は思うのです、重視をしておるということになれば。つまり、薬局の受け入れ体制というものを本気になって整備さすという気持ちでこの問題を考えれば、薬局の中のごく一部の、薬局というよりも、薬屋さんの販売全設備の中の一部、この薬局の、しかも全部でなくて、ごく一部というようなことは、結局やるなということなんです。事実、そういうことだから、あまり役に立たないから、薬剤師さんはあまり申し込んでない。医薬分業ということになると、薬局というのは非常に重要な社会的な職分になる。だから、たとえばお医者さんが病院をつくる場合、全体の家屋が融資の対象になると同じように、薬局に対しても、全体に対しても融資の対象にするという考え方が私は必要だと思うのです。大臣、どうでしょうか。間違っていましょうか。
○松下政府委員 御指摘のように、薬局は、先ほど私から御答弁申し上げましたように、処方せんによる医薬品の調剤と、それから一般用の直接消費者が選択購入いたします医薬品の販売、この両方の業務を行なっているわけでございます。医療金融公庫の設置目的から申しますと、もっぱら、いわゆる狭義の医療に必要な施設についての融資ということが主目的になっておりまして、もちろん、一般薬の販売ということも、広い意味では、いわゆる自己治療というような意味で、医療面で重要な役割りを果たしておるわけではございますけれども、したがって医療金融公庫の制度の中で取り組むことも、理論的に不可能ではないかもしれませんが、そういったことと同時にまた、一般の物品を販売いたします営業に対します国民金融公庫等の別途の融資措置もあるわけでございます。そういった諸般の融資制度全体のワクの中で、とにかく薬局がそういう両様の機能を持っておるということに着目いたしまして、できるだけ薬局の整備をやりやすいようにしていくということを目的といたしまして、両方の面からアプローチをいたしまして進めていくように検討させていただきたい、さように考えております。
○和田(耕)分科員 ぜひともお願いいたします。 もう時間が参りましたからこれでやめますけれども、大臣、私は昭和二十九年前後の新聞報道を思い出すのですけれども、あのときは、われわれももう間もなく薬は薬局からもらうようになる、お医者さんは薬を出さなくなるという新聞記事が多く載ったことがありました。これはたいへんなことだなという感じを私は持っておりましたけれども、しかし、そういうふうな期待を、あるいは不安もあったでしょう、抱かせてから、もうまさに二十年になる。この問題は依然として正しいというように各担当者は言っておる。医師会の武見さんもそう言っておられる。この問題がなぜいまだにほとんど前進しないであれしておるかという問題をよくお考えになっていただきたい。そして何とかこの問題を一歩でも二歩でも進める措置をとっていっていただきたい。これが、法律を守るあなた方の義務ですよ。そういうふうな考え方でこの問題について積極的に取り組んでいただきたい。特に大臣に対しては、先ほど大臣も言明されたように、当事者間の話し合いというものを——これは単に医薬分業だけでは解決できないでしょう。診療報酬その他の問題があるでしょう。保険制度の問題も入ってくるでしょう。しかし、いいお医者さんをつくろうじゃないか、いい医療担当者をつくろうじゃないかというところにポイントを置いて、これらの問題について打開をしていただきたい。このことを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○三ツ林主査代理 以上で和田耕作君の質疑は終了いたしました。 次回は、来たる五日午前十時より開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時四分散会