予算委員会 第24号
- 発言数
- 449 件
- 登壇者
- 39 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1973/03/30
会議録
○根本委員長 これより会議を開きます。 昭和四十八年度一般会計暫定予算、昭和四十八年度特別会計暫定予算及び昭和四十八年度政府関係機関暫定予算、以上三案を一括して議題といたします。 ――――――――――――― 昭和四十八年度一般会計暫定予算 昭和四十八年度特別会計暫定予算 昭和四十八年度政府関係機関暫定予算 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○根本委員長 まず、三案について政府より趣旨の説明を求めます。愛知大蔵大臣。
○愛知国務大臣 このたび、昭和四十八年四月一日から十一日までの期間について暫定予算を編成することといたしましたが、その概要について御説明申し上げます。 まず、一般会計について申し上げます。 今回の暫定予算におきましても、暫定予算が本予算成立までの応急的な措置であることにかんがみ、暫定予算期間中における人件費、事務費その他行政運営上必要最小限度の経費を計上することといたしております。新規の施策にかかる経費につきましては、教育及び社会政策上の配慮等から特に措置することが適当と認められるもの、たとえば、生活扶助基準単価の引き上げ、失業対策事業の賃金日額の引き上げ、国立大学の学生の増募等を除き、原則として計上しないことといたしております。 公共事業関係費につきましては、新規発生災害にかかる直轄災害復旧事業費のほか、直轄事業の維持修繕費等について暫定予算期間中における所要額を計上することといたしております。 歳入におきましては、税収及び税外収入についての暫定予算期間中の収入見込み額及び前年度剰余金を計上することといたしております。 以上の結果、今回の一般会計暫定予算の歳入総額は四千五百四十三億円、歳出総額は七千三十九億円となり、二千四百九十六億円の歳出超過となりますが、国庫の資金繰りにつきましては、二千五百億円を限度として、必要に応じ大蔵省証券を発行することができることといたしております。 次に、特別会計、政府関係機関につきましては、いずれも以上申し述べました一般会計の例に準じて編成いたしております。 なお、財政投融資につきましても、暫定予算期間中に必要となると見込まれる最小限度の額として、国民、中小企業両金融公庫に対し、資金運用部資金計百六十億円の運用を予定いたしております。 以上、昭和四十八年度暫定予算につきまして、その概要を御説明いたしました。 何とぞ、御審議の上、すみやかに御賛同いただきたいと存じます。
○根本委員長 以上で大蔵大臣の説明は終わりました。 ―――――――――――――
○根本委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田中武夫君。
○田中(武)委員 暫定予算について御質問をいたしたいと思うのです。 まず最初に、田中内閣としては、本格的予算としては四十八年度予算が初めてであります。その予算が年度内に成立を見なかった。それにはいろいろ理由が、あなたから言えばあると思います。たとえば、防衛力の限界問題通貨危機や商品投機あるいは土地投機の問題等々、これを見ました場合に、一口に言うならば、政府の無策あるいは閣内の意見の不統一、こういうことが一つの大きな原因となり、理由となって審議がおくれたわけでございます。したがって、本格予算が、初めての予算が年度内に通らなかった内閣、ことに田中総理の責任は重大である。本来ならば内閣総辞職にもつながるような責任を感ずべきだと思うのですが、総理、どう思いますか。いや、笑いごとじゃないのですよ。本来ならもう腹を切るべきなんです。いかがです。
○田中内閣総理大臣 四十八年度総予算及び特別会計、政府関係機関予算等が年度内に成立することをこいねがっておったわけでございますが、御指摘のとおり、通貨問題という非常に大きな問題が惹起をしたわけでございます。もう一つは、防衛力の限界問題等で、審議の過程において質問者の納得が得られなかったような事態もございますが、おもな理由は通貨問題であったと思うわけでございます。 政府が、年度内成立をこいねがっておることも事実でございますが、しかし、通貨問題というような新しい問題に対して、国会で十分な御審議をいただくということも、これもまた望ましいことでございますので、政府といたしましては、国会の慎重なる御審議を待っておるということでございまして、来年度の総予算からは、審議の促進がいただけるように各般の資料の準備をし、的確な答えができますように十分勉強してまいりたい、こう考えておりまして、この問題は、国会審議ということが慎重でなければならない、新しい事態に対して慎重な御審議を賜わったというのでございまして、政府としては、この慎重な審議の結果を、これからも行政の上に反映をせしめてまいりたいということでございまして、これは、一つには、いいことが行なわれておったわけでございますから、総辞職に値するというような考え方は持っておらぬわけでございます。
○田中(武)委員 それほどの重大な問題である。ただ、財政法三十条に、暫定予算を必要に応じて出すことができるとあるから出したらいいんだというような軽い問題ではないと思うのですよ。 閣内の意見の不統一、言うならば、あなたの閣内統制力というか、この問題の一つの大きなものに、いま参議院で問題になっておりますので、あるいはある程度了解点に達したようにも聞いておりますけれども、南ベトナムの革命政府要人の入国問題等があるが、あれは一体何です。担当の法務大臣が答弁をして、二階堂官房長官がこれを取り消して、また外務大臣が訂正した、そして、ようやく話がついたと思ったところ、今度は外務事務次官が、いかに名前が法眼とはいえ、放言が過ぎますよ。ああいう発言は、総理以下の各大臣が官僚になめられておる証拠なんです。外務大臣から厳重に注意したといいますが、そんなことで済むべき問題ではありません。あなた方が閣内において意見が不統一である、そういうことから官僚になめられておる。そんなことでは、決断と実行を誇りとしておった、いまはどうもそうではなさそうですが、田中内閣の威信にかかわりますよ。もうちょっとはっきりした態度をとりなさい。私は、法眼事務次官の首をここへさげてこいと言いたいところなんですが、総理、外務大臣、一体、こういう問題についてどのように考えておるのか。また、田中法務大臣、あなたは担当大臣である。このような混乱をした原因、ことに、一官僚にばかにせられたということに対して一体どう考えており、どう処置をしようとしておるのか。こんなことでは示しがつきませんよ。いかがです。
○田中内閣総理大臣 たいへん有益な御指摘を受けまして、感謝をいたします。政治は、行政は、一内閣のものではありません。国民のものでありますから、有益な御指摘に対しては、先ほども申し述べましたように、国会における御発言に対しては、謙虚にこれをしんしゃくし、国民の利益を守ってまいりたい、こういう基本的な考え方を先ほど述べたわけでございまして、これからもそういう基本姿勢は貫いてまいりたい、こう考えます。 閣内不統一だと言いますが、閣内においては、活発な議論はやっておりますけれども、不統一ということは全くございませんで、これはもう和気あいあいということであって、ただ、きめたものは議論の余地もないという考え方では、真に国民の利益を守れないわけでありまして、閣議においていろいろな議論をすることはございますけれども、閣内が不統一というようなことはありませんので、これはひとつ御理解を賜わりたい。 それから、御指摘いただきました具体的な問題につきましては、これは突発的に御質問があったということであったでしょうから、内閣としては、統一的な見解というようなものをつくっておらなかったということもあったと思います。そしてまた、あとから私も聞いたことでございますが、マスコミも発達しておりますから、一つのものが何か答弁があるということになりますと、同時に、同じような時間にさあっと会見を申し込まれるというようなことがあって、まあ、そういうところにいろいろな御指摘を受けるようなニュアンスの問題があったと思いますが、最終的には、政府は、この問題に対しては政府の態度を明らかにいたしておるわけでございますから、そういう事情はひとつ御理解を賜わりたい。
○田中(武)委員 総理、ことばの遊戯というか、あまりごまかしてはだめですよ。本質をはっきりしてもらいたい。閣議において、いろいろそれぞれの担当大臣から意見が出た。これは当然なんです。しかし、一たんきまったことは実行する。ところが、それが逆なんだね。それを言っているのですよ。したがって、そういうことでなくて、認めるのか認めないのかということと、もう一つは、あの法眼の放言に対して一体どうやるのか。ただ単に注意しますと、にやにや笑いながらやったのと違うんか、写真が出ておったけれども。そういうことであったら、ばかにされますよと言っているのです。どうなんです。
○大平国務大臣 外務次官は、御案内のように、土曜日を除く毎日記者会見をいたしております。で、この記者会見の席におきまして、法務大臣の御発言というものを、自分としてこのように理解しておるという発言があったわけでございまして、私は、それを詳細に吟味いたしました。法眼君は有能、忠実な行政官でございまして、私も深く信頼いたしておりますが、この発言の内容につきまして、一部、法眼君の主観的憶測というような部分が見られましたので、それの訂正を命じたわけでございます。同時に行政府におきまして、立法府の意思を曲げたりするようなことがあってはならないわけでございますので、言動につきましては厳重に注意をいたした次第でございますので、御了承をいただきたいと思います。
○田中(武)委員 このことについて、私はあまり時間をとりたくない。要は、認めるのか認めないのか、そういう問題と、あまりにやにやしておると、役人たちに、官僚どもに閣僚がばかにせられますよ。そういうことなんだ。そのためには、閣僚、もっと勉強しなさい。勉強が足らぬからばかにせられるんですよ。そのことだけを強く申し上げておきますが、あれは何といったって醜態です。朝言ったことが晩に変わる。この大臣が言ったこととこの大臣が言ったことが違う。ほんとうに醜態。しかも、国会対策上何とかつじつまを合わそうということのみに努力をして、本質をぼかすようなことを考えておる。こういう点を指摘しておきます。 次に、いま大きな問題ですが、土地、株式から始まって商品相場、さらに絵画まで異常な高騰を示しておる。いわゆる買い占め投機が原因です。まさに総投機時代、ギャンブル経済と言っていいと思います。総理、いまにして思い切った措置をしない限り、たいへんなことになりますよ。零細企業者の中には、原料高のために一家心中をするような悲劇が起こっておる。いまの法律でも、やろうと思えばやれるんですよ。たとえば物価統制令とか食管法体系の中でも、所要の改正を加えることでやれます。私は、ここに、こういう事態に対する、いわゆる買い占め、売り惜しみに対する外国の立法例等々も用意しております。何なら、それをいまからやってもよろしいが、時間の関係上、あらためて物特あるいはその他の場所でやってもよろしい。外国の事例なんかも相当集めておるつもりなんですが、どうなんですか、総理、お伺いします。
○田中内閣総理大臣 ことしの最大の政治課題は、物価抑制と理解をいたしております。御指摘のような事態が存在することははなはだ遺憾でございまして、政府も、これらの原因を究明し、適切なる手段を講じつつあるわけでございます。 その一つとしては、売り惜しみ、買い占め等に対しての、これを排除できるような法律を御審議いただいておるわけでございますし、なお、土地税制、土地の利用計画等を定めるというようなことによって、地価の安定をはかろうともしておるわけでございます。 また、現行法でもという御指摘がございますが、そのとおりでございまして、現行法においてモチ米の問題等は摘発をされておるわけでございますし、関係各省も、大蔵省は、金融機関から企業別の資金状態の報告を求めたり、また立ち入り検査も行なっておりますし、通産省や農林省も、これらの値上がりをしておる物資等に対して調査を行ない、適切な措置をとりつつあるわけでございます。本日、けさの閣議におきましても、近く発足をする経済企画庁物価局を中心にして、物はあるにもかかわらずいつも買い占めが行なわれる、そうして買い占めというのは、値上がりが行なわれるという見通しのもとに買い占めをしておるわけでございますから、現に政府は、このようなものに対しては、このような備蓄を持っておるんだ、それから、輸入の計画はこのように拡大をされておるんだ、しかも、輸入は現にこのように行なわれておるんだというような情報提供ということを、ひとつこれから積極的にやろうということで合意に達したわけでございます。情報提供をすれば、買い占めということの益ないこともわかるわけでございますし、中小企業や零細企業が受注する場合にも、材料等に対して見通しがつくわけでございますから、やはり、わが国におきまして欠けておる情報の提供等、政府も十分な責任を持って出さなければならないというような、本格的な体制を整えつつあるわけでございます。特に、変動為替相場制という、普通なれば物価が下がるような要因があるにもかかわらず、物価が上がりつつあるということでございますから、このような状態を直視して、財政金融、諸般の政策をとってまいりたい、こう考えております。
○田中(武)委員 そこで総理、消費者保護基本法という法律があることを御存じですか。これは、いわば消費者保護の憲法ともいうべきものなんです。この消費者保護基本法の目的、精神をどう理解をしておられるのか、お伺いします。
○田中内閣総理大臣 私も、通産大臣経験者でございますし、あなたからときどき御指摘を受けた重要な問題でございますので、法律の存在も知っておりますし、また、消費者保護のために、諸般の政策を適時適切に行なわなければならない政府の責任も十分理解をしておるつもりでございます。
○田中(武)委員 第一条で、「消費者の利益の擁護及び増進に関し、」と始まって、「消費者の利益の擁護及び増進に関する対策の総合的推進を図り、もって国民の消費生活の安定及び向上を確保することを目的とする。」というのが精神です。そこで、こまかい法律論はやめますが、吉國さん、第一条の「目的」、第二条の「国の責務」、第四条の「事業者の責務」、第十一条の「公正自由な競争の確保等」、あるいは第六条の「法制上の措置等」等々について、あとでよろしいから、十分教えてやってください。教えてもらわぬでもわかっておるというなら逐条をやりますよ。法制局長官からそこをよく聞いて、この趣旨を生かすような措置を直ちにおとりなさい。いかがです。
○田中内閣総理大臣 先ほども述べましたように、国の責任が明定されておるわけでございますので、法律の趣旨を尊重しながら、適切なる措置をとるように、十分勉強してまいります。 なお、法律の内容、それから過去に行なっておるもの、これから行なわんとするもの等は、長時間を要すると思いますので、いずれ機会をいただいて御報告申し上げたいと、こう思います。
○田中(武)委員 またあらためて物価あたりの特別委員会で、ぜひ出てきてもらってやりましょう。それまでに十分教えてやってください。教えてもらってわかっておるというんならここでやってもよろしい、私、全部条文を持ってきておるのだから。いかがですか。 次に、いま政府も出しておられるし、野党全体の案としてきのう提出いたしました生活関連物資の買占め及び売惜しみに対する規制措置等に関する法律案といいますか、これはまあこれからそれぞれの担当委員会あるいは本会議等で質疑があると思いますので、あまり中身については申しません。ただ、重要な点で野党案と政府案の違うところは、売り渡し命令というような規定が野党案にはあるわけなんです。ところが、それがないわけなんです。そういうことがなかったら、政府案は骨抜きなんだ。だから、ここはひとつ、まず総理として直ちに野党案に同じようなというか、そういうような改正案に直して出し直すか、これはまだ議運にかかっていないような、提出したばかりですから、訂正できまずからね。もしそうはできないんなら、今度は総裁として野党案に対して自民党の諸君が全部賛成をするような努力をするかどうか、その点についてお伺いをいたします。答弁いかんによっては先取りすることになりますが、この法案について政府案と野党案を対比して御質問いたしましてもよろしいが、それは専門の場所にまかすといたしますが、決意だけをお伺いします。
○田中内閣総理大臣 売り惜しみ、買いだめによって暴利を得んとする者は、これは正常な商行為ではありませんので、これらを正常な商行為に戻すために、また物価抑制の実効があがりますために、諸般の政策が必要であることは申すまでもありません。しかも現行法でできないようなものに対しては、あらためて新しい法制を御審議いただくという基本的な考え方に立って、政府としては事態に対処するに必要な案として提案をいたしておるわけでございます。また皆さんも、この問題に対して法律案を用意をしておられるということは報道等によって承知をいたしております。 しかし、この中の違う点ということは、私は逐条で比較はしておりませんが、いま御指摘になったように売り惜しみ、買いだめというような事態が発見せられた場合は、これに対して放出命令を出すことができるというようなところが違うのだと理解をしております。私たちが間々申し上げておりますように、自民党も政府も自由経済というものをたてまえにいたしております。それからもう一つの考え方は、自由経済の中で行なわれる不正常な行為、反社会的な行為というものに対しては、これを正常に戻すということを誘導し、またいろいろな不正常な状態が再発しないように、これを未然に防止をするということを目的といたしておるわけでございます。これはあまり強くいたしますと、戦時中の統制令というのがそうでございますし、官僚統制、いやなことばでございますが、そういうものになりやすくなるわけでございます。そしてこれらは売り惜しみ、買いだめというものの基準ということそのものもなかなかめんどうなところもございますから、社会的制裁によって実効があげられるということが望ましいということを考えたわけでありますし、もう一つ、放出命令を出さなければならないということになると、これは土地の税制のときにも十分検討したわけでありますが、国家機関とか、そういうものが買い取り請求権をやっぱり持つ、そういう機関というものが前提にならないと、これはなかなかその条文が適用できないわけでございます。 今度は、土地に対しては地方公共団体等法律に基づく機関が禁止をし、移動の禁止、開発の禁止等を行なうかわりに、地主は買い取り請求権を有する、こういうふうに規定しておるわけでございまして、いま考えておる法律の中で放出命令を出すというところまで認めていくということになると、いろいろな法制上の問題や、いろいろな問題があるわけでございまして、政府は現時点においては政府案でひとつ御審議をいただきたい、こう考えておるわけでございます。
○田中(武)委員 現在、いわゆる自由経済体制をたてまえとしておる。わかります。だがしかし、私は、企業はいまや単なる利潤追求の器であってはならない。企業それ自体は社会的存在であり、社会の公器である。したがって、それ相応なやはり社会的公器としての役割りを果たすべきである、このように考えます。 そこで一つ私は提案をしたいと思うのです。実は長く書いてきておりますが、簡単に申し上げますと、企業が公害を起こす、あるいは買い占め、売り惜しみ、あるいは外国為替投機等々で庶民から見て膨大かつ何と申しますか、不当な利益を得たような場合において、これらの行為を規制し、正常な経済秩序を乱していくような反社会的活動に対しては、その経営者の責任を追及する、経営者、責任者あるいは役員を改任するところまで立法措置を講じてもいいのではないか。たとえば銀行法二十三条、相銀法二十一条等々には、法律あるいは大臣命令に違反したときには業務の停止、役員の改任まできめた先例があります。あなたは大蔵大臣をしておられたから、この問題では私この場所で議論したことがあるのをよく御承知と思います。そのような社会的公器としての企業に対してもっと責任ある行動をとらす、あるいは経済秩序を乱す反国民的活動をやるような場合には、これを規制し、あるいはそれを言うことを聞かないときには、そのような役員の改任、業務の停止までできるような措置をとるようなお考えはございませんか。先例はあります。銀行法にあって、いまや商社その他のものに同じような規定を設けると、規制をするということができないはずはないと思います。いかがです。
○田中内閣総理大臣 国によって違うわけでございますが、他の国においては非常に物資が欠乏しておる、これは少額のものを盗んでも死刑に処するという国も現に存在をいたします。また売り惜しみ、買いだめ等に対しても厳罰をもって臨んでおるところもございます。また日本にもかつてあったわけでございます。日本にも戦時中総動員法に基づく諸法律が存在したことは御承知のとおりでございます。それは国民の生活というよりも国民の生命に直ちに影響があるようなものに対しては、総動員法が適用されたわけでございますが、その後はだんだん自由経済の本質に戻ってきておるわけでございます。 あなたが御指摘になったように、銀行法とかそれに類する企業、いわゆる任意許可による企業というものは、当然任意許可の基準を逸脱すれば制裁を受けるということになっておりますが、一般の社会的な企業、これは個人も同じわけであります。個人も企業も区別がないわけでございます。これは反社会的行動をやってはならない。これはもうモラルの問題でございまして、法律以前の問題であるということでございますが、しかし、いまのように物価が高騰する、こういうような現状に徴しまして、やはり最低限の立法措置を必要とする。これはあまりきつくするものではないという考え方を前提にいたしておるところでございます。でありますから、この法律も行政を主体とし、その補完的任務を達成できるようにということで立法をお願いしておるわけでございまして、すべてのものに対して法律でもって罰をもって臨むということよりも、いまの制度そのものが御承知のとおり、利益があれば利益は税によって国庫に帰すことにちゃんと制度上なっておるわけでございます。でありますから、今度の土地のような問題は分離課税という、まあ一つには懲罰的なものでございますが、そういうものも行なっておるわけでございまして、法律をもってすべてを律するということになりますと、これはやはり官僚統制というか、総動員法的なもののにおいが非常に強くなるということでございまして、まあ、いま御審議をいただいておるものがいいものじゃないか、こういう判断でお願いをしておるわけでございます。
○田中(武)委員 議論はあります。だがこれも、私は一つの立法例等も考えておりますが、他の場所でやることにいたします。そこで、たとえば公害にしぼって申し上げましても、公害をたれ流してこれを顧みないような経営者に対しては、これはもっと責任を追及していいのじゃないか。 御承知のように、三月二十日に水俣判決が出ました。これでいわゆる公害四訴訟といいますか、四大訴訟といいますかについて裁判所の判断が下されたわけなんです。ところがこれは民事的な判断である、したがって、民事と刑事的責任とは別だ、こういうことですが、水俣判決で見ましても、御承知のように、判決の中で因果関係を想定するに十分である、このように明確に判決理由書の中にうたっております。そうするならば、公害犯罪処罰法第三条に該当する行為である。したがって、当然起訴すべきであろうと考えます。この点について法務大臣、さらに三木環境庁長官の御意見を承りますとともに、この公害犯罪処罰法だけではなくて、現行刑法においても私はやれる、そう思います。すなわち、業務上過失傷害致死罪あるいはまたこれに対する共同正犯、幇助、教唆等々の問題も出てくると思います。複合公害についての共同不法行為の問題についても民事的ではあるが、はっきりと裁判所の判断を下されておる。もちろん刑事じゃありません。公害犯罪処罰法ではそこまではいっておりません。しかし、刑法においては因果関係なり共同責任という点ははっきりと民事裁判において示されておる。こういうような点についてひとつ法学博士田中伊三次先生、法務大臣と、田中武夫が法律の論争をやってもいいと思いますが、現在の刑法において共同正犯あるいは幇助、教唆等々に当たると思います。その点についていかがでしょうか。三木環境庁長官及び田中法務大臣の御所見を承ります。
○田中(伊)国務大臣 お説はごもっともな点が多いのでありますが、ありのままに申し上げますと、ただいま先生お示しになりました四大訴訟事件というのは、これは水俣事件、四日市事件、阿賀野川事件、神通川事件を仰せになるのだと思います。 そこで、これらで判決が示されておりますことを一口に申しますと、これらの企業体の不法行為に原因いたしまして損害賠償責任があるという判決をいたしております。刑事の裁判はそういうわけにいかぬこと、御承知のとおりであります。故意、過失を立証いたしまして、殺人罪、過失傷害致死罪というものを立証していかなければならぬ、こういう事態になるわけでございますが、ただいまもお触れになりましたように、公害罪法という法律ができておるので、これが直ちに適用できます場合は比較的簡単なのでございますが……(田中(武)委員「それはできますよ」と呼ぶ)いえこの法律は、ちょっとお待ちください、そう簡単にいかない。大事なことだから言わないわけにいかない。この法律はどういうことかと申しますと、御承知のとおりに、昭和四十六年の七月にできた法律で、この四大訴訟事件の行為はそれ以前のものでありますから適用が不可能であるという点でございます。したがって、刑法上の判断から申しますと、故意、過失を立証して、結果の判断をいたしますということができませんと、公判廷に持ち出しましても有罪判決を受ける見通しが立たぬ、非常にこの点はむずかしいところがあるということを御了承をいただきたいと思います。
○三木国務大臣 法務大臣と同じような見解でございます。法務大臣と同意見でございます。
○田中(武)委員 どうもはっきりしなかったようですが、そこで、なるほど不遡及の原則ということをあなたは持ち出されました。ことに刑罰に対しましては遡及すべきでない、こういうことは私もわかっております。しかし、公害というものはずっと続いておるわけなんですね。したがって私は、その判断が出されたということによって、現に継続している公害等々についてはやれると思います。また、現行刑法上においてもやれるということを私は立証したいと思います。しかし、ここでなくて公害環境保全特別委員会、またはあなたのホームベースである法務委員会においてひとつ論議をいたしましょう。私も楽しみにしておりますので、あなたもどうぞ楽しみにしておいていただきたいと思います。いかがです。――けっこうです、そういうことで。 そこで総理、先ほど税金のことも言われた。しかし、あなたの言われることはどうも思いつき発言が多いと思うのです。たとえば二十八日、一昨日ですか、新聞にも大きく出ておりますが、あなたは大蔵委員会におきまして、いわゆるサラリーマン減税、三〇%の必要経費を控除を認めるとか、あるいは法人税を引き上げるとかということを言われておる。ならば、なぜいまやらないのか。現にいま国会において、これらの関係の諸税法の審議をやっておるのですよ。それを、こう大きく打ち出しておきながら四十九年度からということは、どうも都議会議員選挙、参議院選挙等を意識しての発言ではなかろうかと思います。(「政治家だものあたりまえだよ」と呼ぶ者あり)そういう観念だから困る。そこで、そういうことが一点。 もう一つは、二十八日に国税庁が四十七年度の所得の、いわゆる上位五十位までですか、発表いたしました。その中に、証券会社やいわゆる総合商社が大きく所得を伸ばしておる。これは現在の世相、これを裏づけたものであろうと思います。あなたは税金で取ると言ったのだ。まさか、先日この場所において同僚阿部助哉委員が指摘したような方法によって、いわゆる為替差損を認めるとかどうとかというようなことで税金はそう納めなくてもいいような、あるいは逆にもうけておりながら税金が戻ってくるというような企業もあるかに聞いております。それらについての資料も持っております。あなたいま、それらについては税金を取りますと言ったのだ。取りますか。いかがです。
○田中内閣総理大臣 新聞に出ていることだけではよくわからないわけでございまして、三時間十分も大蔵委員会で六人の方々にお答えをしたわけでございます。その中で、所得税の減税には具的的にどういうことが考えられるかとか、法人税に対してはどうとかという問題に対して、将来的展望も含めまして述べたわけでございまして、参議院選挙や都議会議員の選挙などを意識して述べたものでないことは、これはもう十分御理解がいただけると思います。 これは、今年度は課税所得において平年度四百億の増徴をもってすることが正しいと思います。しかし、将来にわたってはどうかという問題に対しては、いろんな勉強をいま続けております。そして試算をすれば、一律にすれば一兆九千億の財源を必要といたします。それで、控除をする場合はどうかということについて、控除をすれば一律三〇%になれば四千六百億ぐらいでできると思いますと、こう答えたと思います。しかし、現時点において三〇%ないし三五%のいろんな控除を合わせると、控除をしておる零細な所得者もおりますので、それが逆に増税になっては困るので、それをもっとかさ上げをするということになれば、この四千六百億は五千億ないし六千億となると思いますと、こういうふうに答えておるのでございまして、これは将来的な問題としては法人税はどうかというから、法人税は増徴の方向にあります、こう述べておるのでございまして、これはこれから、しかも税調もございますし、しかも税調会長が、きのうかおととい同じ委員会に来て、未成年者の所得は課税しないようなことが望ましいと述べておるのに対して君はどう思うか、そういういろんな質問に対して答えておるのでございまして、これは速記録を見ていただけば十分御理解がいただけると思います。 それから、いま出ておるところの商社やその他の税金の問題、これは先般ここで問題になったものでございますし、企業会計との問題もありますので、その後の問題は大蔵大臣から答弁いたします。
○田中(武)委員 じゃ、もう簡単にやってください。時間の関係があるから。
○愛知国務大臣 企業会計の問題についてはごく最近、三月二十九日ですか、審議会から個別問題に対する意見第六というものが出まして、私といたしましてもこれをよく勉強させてもらいたいと思っておりますが、その内容を一言で申しますと、先般当委員会で御指摘のありました外貨建ての金銭債権債務のうちで長期のものについては、取得時または発生時の為替相場によって円換算額を付する。短期の金銭債権債務については決算日の為替相場による円決算額を付することを原則とする。そしてそれにまだいろいろ意見がついておりますけれども、なかなか、一見いたしましたところ、私も適切な意見ではないかと考えておりますが、さらに慎重に勉強いたしたいと思います。 とれと、それから徴税の基準との関係が先般も大いに論議のあったところでございますが、この審議会の意見をそのまま原則的に国税庁長官の通達に取り入れたことが問題ではないかという御指摘がございましたが、その節お答えいたしましたように、企業会計の問題としてはこうした研究が進んでおりますが、これを徴税上の基準としてどうするかということについては、さらにもう一段と私としても検討を加えさせていただきまして、いずれ政府としての態度をきめまして、国会にもおはかりいたしたい、こういうふうに考えております。
○田中(武)委員 阿部委員の質問の際の議事録もここに持ってきております。まあ検討しておるということで、同じような答弁ですが、私が申し上げたいのは、そういうところからは税金を取ると言ったんだから取りなさいよ。 そこで次に、買いだめ売り惜しみ、買い占め売り惜しみ、これがいろいろ問題になっておるが、いまやそれが直接人命に関する問題が起こっております。それはたとえば手術等々でなくてはならないガーゼが不足しておる。先日も、これは二月二十八日ですか、中央社会保険医療協議会が、予定の、これは薬価問題か何かのようですが、入る前にこれが大きな問題になったことも厚生大臣御承知のとおりです。また、ここに私は持ってきておりますが、実はこれは兵庫県小野市ですが、市民病院の看護婦さんが全員署名をしております。そうして切々として、患者の治療、ことに手術等に危険を来たしておるというようなことのまあ要請というか、請願ないし陳情も出てきております。これは緊急輸入したとかどうとかいっておるようなことでは間に合わない。直ちに解決し、少なくとも医療の問題でございますので、ひとつ厚生大臣及び通産大臣から、簡単でいいですから決意だけを聞かしていただき、どう実行するのかをお聞かせ願いたい。
○中曽根国務大臣 ガーゼの問題につきましては、かねてからそういう情勢でございましたのでいろいろ手当てをしておりましたが、ガーゼ用原反の生産業者である織物業者、いわゆる専門機屋の段階では生産は増加しておる現状であります。例を申し上げますと、昭和四十六年において生産量が一億一千百万平方メートルであったのに対して、四十七年は一億二千六百万。約三〇先ふえておる。そこで、最近不足しておるというのでいろいろ取り調べてみましたら、流通段階において問題がある。専門機屋から問屋を通じて衛生材料メーカーに流れてきておるけれども、問屋の辺において停滞しているということが考えられました。そこで、専門機屋から直接衛生材料メーカーに対する原反を供給する体制を整えまして、四月分及び五月分について、産地組合で三十センチ二百平方メートルものの原反約二十万トンを直接供給する体制を整えた次第でございます。これが動き出せば需給は緩和されてくると思います。(田中(武)委員「いつから動く」と呼ぶ)これは衛生材料メーカーのほうでその受け入れ体制ができれば、いつでも発動できるようになっております。
○齋藤国務大臣 医療用のガーゼが足りなくて手術ができないといったふうなことになりますことは、国民医療上これはたいへんなことでございます。 そこで問題は、いま全然手に入らぬという地域は全国的にはございませんが、値段が暴騰しておるわけでございます。昨年の反当たりを見ますと、大体百三十二、三円の値段でありましたが、最近は二百六十七円、倍になっている。そういうふうなこともあり、先行きがどうであろうかといったふうなことで、ガーゼの不足を訴えて、私のところにもそういう手紙が来ておるのがあるわけでございます。 そこで私のほうとしては、こういう事態を踏まえて、医師会とも十分連絡をとっておりますが、衛生材料工業連合会の中にあっせんの窓口を現在つくって手配をいたしておりますと同時に、先ほど通産大臣から御答弁ありましたように、通産省の非常な御配慮によりまして増産計画に二月から入っておりまして、最近の二月、三月の例を見ますと、前年同月に比較いたしまして二〇%以上の生産増になっております。しかし先行き不安ということで、私どものところにそういうことを訴えてまいるものもありますので、こういう増産体制を早く進めるように、さらにまた必要があれば輸入の措置もいま商社に頼みまして講じておる次第でございます。こういうものが不足のために外科手術ができない、これはほんとうに申しわけないことでございますので、私も全力を尽くして手当てをいたすようにいたしたいと思います。
○田中(武)委員 これは直接人命に関係のあることなんです。生産が幾らとかいうようなことは私も資料を持っておるのですよ。だから、いまどうするのか、その問題なんですよ。もう答弁はよろしい。直ちに手に入って手術等に間に合うというか、支障を来たさないようにしてもらいたい。それだけを強く要望します。 時間の関係で、関連質問者もありますから簡単にやりますが、これは愛知大臣に聞きます。 ワシントンでの二十カ国蔵相会議、これは結局、結論的にいうならば、通貨危機に対する解決というか、結論は出なかったようです。そこで九月のナイロビでの総会に持ち越された。あるいはそれまでに、七月末に日本で蔵相会議を開くといったようなことも伝えられておる。この点と、そういたしますと、現在のフロート制、変動相場制を九月まで続けるのかどうか。 それからもう一つ、これは新聞やテレビのニュースで知る限りにおいては、アメリカさん、コナリー財務長官等の考え方がどうもおかしいんじゃないか。これだけドルをたれ流しておりながら、ドル問題はたいしたことないのだ。それよりか貿易の問題だ。ことに日本とアメリカとの間の貿易の問題だ。そして課徴金を云々と、こういうふうなことでどうも問題をそらし、日本に日米間の貿易について圧力をかけてきたんじゃなかろうかという印象を受けました。これは私だけではないと思う。あなたはその点については担当大臣でないのでと言って逃げられたようですが、これらのことについて簡単でけっこうです、経過報告を含めてフロート制をどうするのか。あるいは貿易についてどうか。これは中曽根大臣も簡単でよろしいから御答弁をいただきたい。
○愛知国務大臣 二十カ国委員会の中心となっておりますことを、それではお求めでございますから簡単に御報告かたがた申し上げます。 一番基本の問題は、最近の不安情勢にかんがみて、何としても安定した為替秩序に基礎を置いた国際的協調、協議の中で、将来にわたる恒久的な国際通貨制度を確立したい。これを基本にして、具体的になるべくすみやかに国際間の合意をつくり上げよう、こういう考え方はパリ会議以来引き続いて再確認されております。 その内容としては、一つは安定した、しかし調整可能な平価制度を確立したいということであります。それから調整過程における国内政策をそれぞれ大いに関心を深くしたいということでありますが、直接通貨制度に関係する問題としては、ドルの交換性の回復、それから準備資産の中で、現在よりもSDRの役割りを拡大していこうということ、それからいま一つ重大なことは、国際的な資本の移動を規制するということ、その中でドルの交換性の回復と資本移動規制の重要性ということが、いずれもこれは主として米国の関係でございます。これらの点につきまして、おそくもナイロビの九月の会議まで、できればそれよりも早く、七月末にでももう一度関係国蔵相会議を開いて、できるだけの具体的結論を急ごうということが合意されたわけでございます。 日米間の問題といたしましては、現在為替市場は一応平静を保っておりますが、アメリカの態度とすれば、貿易における収支じりが依然として対日赤字が多い、これについては頭の痛いことである、何とかならぬか、御協力を願いたいというのが、これはアメリカの立場とすれば当然のことだと思います。同時に日米間のこうした収支じりを、いたずらにドルの蓄積が多くなる結果になることは、わがほうとしては非常に困ることでもありますから、これに対して交換性回復を急いでいかなければなりませんし、日本としてはドルの使用を大いに考えなければなりませんし、アメリカとしては対日輸出を大いに増大するという点についても、考え方をいろいろと具体的に進めていかなければならぬ。それらの点が、今後も引き続きの問題であると思います。 しかし、日米間におきましては、経済問題もなるほど非常に大きな重要な問題でございますけれども、さらに基本的には、日米の国際社会における協力体制というものをアメリカとしてもますます大切なものとしてつくり上げたいということが、非常に強い考え方のようでございますから、その基本的な考え方のもとにおいては、当面具体的な問題として取り上げられておるようなことも、十分日米の相互の理解の線において解決が可能である、私はこういうふうな印象を受けた次第でございます。 それからフロートの状況は、こうした国際間におけるできるだけお互いに理解し合って解決していこうという体制でございますから、それらの運び方も十分見据えながら、いつ固定相場制に復帰するかということを考えることが、また日本としての国益に沿うゆえんでもあると思います。したがって、フロートの期間というものはある程度現状を続けていく、相当の期間続けていくということが国益に沿うゆえんであると思いますが、それならナイロビの会議のときに決着をつけるかどうかという御質疑と思いますけれども、これはまだ現在がこういう状況でございますから、何月ごろに固定に移るとか、あるいは何月ごろまで現在の変動相場を続けるかということは、現在はちょっと予測がつきかねるというのが、正直なところの私の予測でございます。
○中曽根国務大臣 わが国としては、ガットの精神に基づく自由無差別原則をあくまで推進していく、その意味において、わが国自体も、アメリカや外国がどう言おうと、みずからやるべきことはやっていかなければならない。そういう点からも、資本の自由化あるいは貿易の自由化も、国情の許す限り最大限に、時間的にも早く推進する必要があると思います。 しかし一方、最近アメリカの動向を見ますと、拡大通商法案等にかんがみてブロック化、あるいは保護主義化、あるいは差別主義というような原則が導入されるような報道があるのに対しては、われわれは重大な関心を持っております。そういうようなガットの精神に背馳する方向に行かぬように、われわれとしてもアメリカとよく話し合っていきたい、そう思います。
○田中(武)委員 総理、先ほど来こうしてだらしがないじゃないかというようなことを申しました。総理として、あなたが内閣の統率者としてはだらしがない点があると言いましたが、反面また、あなたは自分の権限の強化ということについて、なかなかこれも意欲的であると思う。国土総合開発法案で総理の権限を強化して、そうしてたとえば都道府県知事の権限を取り上げるような内容であろうと思います。これは、言うまでもなくあなたのねらいは、いわゆる革新知事が多くなればこれを押える一つの手に考えておるのじゃなかろうか、こういうようにも受け取れます。 またそうかと思うと、いま問題のいわゆる農地の宅地並み課税については、国会において、衆議院地方行政委員会の理事会において与野党の話し合いがついておるのに、あなたはその国会の話し合いを無視して、いわゆる見切り発車といいますか、等について指示をせられたようです。こういう点につきまして一体あなたはどう考えておるのか、お伺いをいたします。
○田中内閣総理大臣 国総法に対しましては、内閣総理大臣の指示、調整の権能は、革新知事が出たからなどと考えておりません。そんなことはゆめ考えておりませんから、ここはひとつそういうことはお考えにならないでいただきたい。これは地域的な調整を必要とするものもありますので、そういう意味で規定をするわけでございまして、内閣総理大臣が個別に何でもできるわけはございません。内閣が国会で御批判を得ながら行なっていくわけでございますから、政策目的を達成するための合理的な手段である、こう御理解をいただきたいと思います。 第二の問題については、これは私は昨年各党間の話し合いによって、一年間暫定措置を行なったということは理解しております。そして地方行政委員会でも各党がいろいろなお話し合いをしなければならないという事態も承知をしておりまして、私は各党の意見がまとまっておるとは理解しておりません。これは、その過程において自民党が一つの案を提案をしなければならない、そして各党とも合意に達したものが結論となるわけでございますから、自民党案作成の過程において、私も総裁でございますし、内閣としての意見も求められておりますから、これはそういう意味で内閣の意見を党側に伝えたということでございまして、各党の意見に対して指揮権を発動するような気持ちでやったものでは全然ありません。自民党の案をつくって提案をしなければならないということに対して意見が求められましたので、意見を述べておるというのが実態でございます。
○田中(武)委員 これらの問題につきまして、細谷委員から関連質疑をしてもらいたいと思いますので、お許しを願います。
○根本委員長 細谷治嘉委員より関連質疑の申し出があります。田中君の持ち時間の範囲内でこれを許します。細谷治嘉君。
○細谷委員 いま質問がありました国土総合開発法と密接な関連を持ちます土地税制、特に農地課税の問題について質問申し上げたいと思います。 最初に、主管大臣である自治大臣にお尋ねしたいことは、御承知のように四十八年度の税制の問題は十二月の三十一日に税調から答申があった。それよりもやや早く自民党自体の税調の結論も出ておった。ところが、その過程におきましては土地税制についての結論はいずれも出なくて、一月の十八日にようやく土地税制に関する税調の答申が行なわれた。自民党の方針もそこできまった。ところが昨年来、一年間凍結されておりましたいわゆる農地の課税問題については結論が出ない。あさってもう新しく年度が変わるわけですね。そういう過程において責任ある政府が、この問題について結論が出ていない、こういうことは私はもう前例のないことだと思うのですよ。主管大臣である自治大臣、たいへんな責任があると思うのですよ。いかがですか。
○江崎国務大臣 この問題は、御指摘のように、確かに自治省としての責任を回避するわけにはまいらないと思っております。これはしばしば今国会でも問題になりましたように、私どもも前国会の経緯を受けまして、農地の宅地並み課税といいますか、固定資産税に関する研究会に委託をいたしまして、そしてその回答を待ったわけでありまするが、御承知のようにその回答に接したわけです。 そこで政府といたしましては、その第三者機関による研究会の回答を中心としまして政府提案をしたい、こういうことで、政府・与党とも相談をし、また政府側としても慎重に検討をいたしてまいったわけでありまするが、たまたま政府・与党から、これは前年の経緯もあるから十分ひとつ党側において、この回答はあるが、なおひとつ練ってみたい。また、各党にもそれぞれの意見もあるようだから、そういった意向なども聞きながら、自民党として独自の立場で検討をするから、これは預からしてもらいたい、こういう強い要請に接したわけであります。もともと政府及び与党は一体なものでありまするが、自治省の責任いかん、これは非常に重要な点だと思います。 そこで、私どももじんぜん日を過ごしておったわけではありませんので、研究会の回答を求めておるわけであります。しかも、与党側にただこれを預けるというだけでありますると、いつになって回答がもたらされるかわからないという、自治省としてははなはだ責任のない形にならざるを得ません。また、もとより、四十六年の本法がそれこそ四月一日から生きて作動するわけでありまするが、これが必ずしも現在の情勢に適したものとは思えませんが、かねて両院の議決によって制定されました法そのものがある、こういう背景がありまするので、いつまでもこの結論が得られないということはない、自治省側としてはその一つのめどを持っておるわけでありまして、したがって、党側の強い要請に従って党側の研究にゆだねておるというのが現状でございます。 御指摘のように、もうすでに四月一日は目睫の間に迫っております。その間に総理からの、党総裁としての立場から、また総理としての立場からの示唆もあったわけでありまして、急遽成案を得てこの問題に決着をつけたいというのが、私ども自治省の立場でございます。
○細谷委員 時間がないから簡単に願いたいと思うのですよ。一月十八日に土地税制についてはきまったのですよ。一年前の問題なんですよ。留保されている問題。一月十八日からいままで何日ありますか。そうしてあさってはもう四十八年度に入るわけですよ。無責任もはなはだしいじゃないですか。しかも当時は、去年の経緯もあるから、ひとつ野党等とも相談して、そしてこの問題については決着をつけよう、こういうふうにも新聞等に伝えられております。しかも、いまになってみますと、政府・自民党もこの問題について結論を得ていない。そしてもうすでに税の問題は四月一日から新しい年度に入る。しかも、この問題は、いま国会に出されておる地方税法の中で固定資産税に関連の部分はないかといいますと、あるのですよ、土地関係の問題が。あるにもかかわらず、今日までじんぜん日を送った。無責任もはなはだしい、こう言わざるを得ないじゃないですか。一体それで、この段階で、二十三日に関係の閣僚会議が開かれたというのでありますが、あなたはそこで何をおっしゃったのですか。どういうことを主張なさったのですか、主管大臣として。
○江崎国務大臣 この問題は、昨年からの経緯もございます。それから今国会、あるいは来年度にかけての政策としてと申してもよろしゅうございますが、この土地税制全体の問題、それから土地政策の問題、そこで国土総合開発法がすでに国会に出されておりまするが、この土地政策をめぐりまして、私権を制限しようというような思い切った、特に宅地等が非常に刻下の急務として要請されておるときに、私権制限とまでいわれるような考え方が入ってきておる国総法が一方では出される、これなどとの関連性において、やはり大都市近郊の農地、特にA農地、B農地ということばが使われておりますが、これらに対する問題が総体的に考えられなくていいはずのものではありません。だから、前年からの経緯と、それから今度の緊急の問題である土地政策をどうするかという、土地政策全般の均衡上の問題もございまして、まあ、たいへんおくれておるわけでありまするが、これは総体的な土地政策のバランスの中における都市近郊の農地の固定資産税の問題、こういうふうにお考えをいただきまして、いましばらく時間をおかし願いたい、このように思います。
○細谷委員 いましばらくと言っても、きょうは三十日ですよ。あしたは三十一日ですよ。四月一日はまさしく四十八年度ですよ。固定資産税というのは四十八年度の四月一日の属する一月一日に課税が生ずるのですよ。そういう段階において、 いまごろになって一体どうするのですか、これは。見切り発車するのですか。衆参両院で法案を審議しなければいかぬ。いままで理事懇談会なり地方行政委員会は真剣になってやってきた。ところが、あさってはもう新年度なんですよ。これ、どうするのですか。見切り発車するのですか。何らかの緊急措置を講ずるのですか。この問題は、あまり時間がありませんから申し上げませんけれども、地方税法に基づいて条例が制定される、条例が制定されて初めて課税権というのが地方公共団体に生まれる、それが新年度なんですよ。四月はもう徴収するのですよ。法律違反になるのじゃないですか。憲法上も疑義が起こってきますよ。どうするのですか。憲法九十二条の地方自治の本旨、こういう問題から見てもどうするのですか。結論だけ聞かしていただきたい。
○江崎国務大臣 結論から申し上げますが、これは四十六年の、御制定をいただきました本法が直ちに作動をするということになりまするが、これには現在適切でない矛盾もございます。したがいまして、その矛盾を指摘しますると同時に、固定資産税についての徴収猶予について、自治省側としては行政指導、通達等によりましてこれを求めたい、こういうふうに考えております。
○細谷委員 法律を行政指導などで動かすことはできませんよ。法律は法律をもってやらなければいけませんよ。行政指導などじゃできませんよ。しかも、あさってですよ。どうするのですか、見切り発車するのですか。あるいは何らかの緊急措置をするのですか。緊急対策を講ずるのですか。きょう、あしたしかないのですよ。あなた、この問題については主管大臣の責任を果たしておらぬじゃないですか。それで自治大臣ですか。もう一度答えてもらいたい、簡単に。
○江崎国務大臣 ただいまも申し上げましたように、四十六年制定の法律が生きてそのまま動きかけます。したがいまして、緊急にその修正をする予定で政府は進めております。これはさっきも申し上げましたように、土地政策全般とのにらみ合わせによって緊急措置をするわけでありまするから、自治省として行政指導をし、通達に基づいてそれぞれの地方自治体において、新しい法律が制定せられるまでこの課税措置を延期する、この措置はとり得るものというふうに考えております。
○細谷委員 そんな法律より行政指導が優位に立つようなことは許せませんよ。しかも、あなた方はいままで、税法なんというのは日切れ法案だから何とかして三月三十一日までに両院を通してくれ、これ一点ばりできたでしょう。税法なんというのは日切れ法案なんだから、しゃにむに年度内に通してくれということで、われわれも協力してきたんですよ。いまになって行政指導で法律を動かすなんということは、絶対許せませんよ。絶対許しません。どうするんですか。そんなことはできませんよ。
○江崎国務大臣 これは御承知のように、各党間においても非常にいろいろ意見がありまして、もとより自治省が責任の衝にあり、特に、わけても党側にまかせろということになれば、これは自民党側にも責任があるわけでありまするが、やはり私、先ほど申し上げましたように、土地政策全般とのかね合いでこの問題を処置していこう。で、法そのものは現にあるわけですから、したがって、その現にあるものが黙っておれば作動していくわけであります。したがいまして、その現にある法律を修正する形において新しい法律が出てくるというわけでありまするから、このことについては、さっきから申し上げておるとおりの行政措置をとりたい、こういうわけでございます。
○細谷委員 自治大臣、新聞でありますから真偽のほどは知りませんけれども、昨日の新聞にこう書いてある。「自民党の内田税調会長はこの辺の事情について」いまのような問題です。「主役の虎」主役の虎というのは四十六年度改正法ですよ。「主役の虎が眠りからさめてあくびをしている間に、役者を馬」新税措置ですよ。「に取り代えようというわけだ。しかも馬はアメ(優遇措置)を背負っているからあまりきらわれもしまい」こう言っておりますよ。新聞に書いてありますから、私は真偽のほどを保証はしませんけれども、こういう態度じゃないんですか。見切り発車して法律を行政指導で動かして、そして適当なときにこういう形のあれをやろうというのでしょう。こんなことは許せません。これでは私、進めませんね。そんなばかげたことありませんよ。
○江崎国務大臣 このやり方につきましては、いま申し上げたことによって、市町村が条例を改めて、そこで措置をするというわけですが、詳しく法的には政府委員からお答えさせます。
○佐々木政府委員 固定資産税の納期は、地方税法におきまして四月ということにされておりますけれども、この納期につきましては、市町村の条例によって、その市町村の実態に応じて変更することが認められております。これは御承知のとおりでございます。したがいまして、今後の法律審議の時間的な問題もございますけれども、必要に応じまして、市町村がその条例の納期の規定を改正することによって、納期の変更は可能でございます。
○細谷委員 そんな弁辞許しません。それはだめですよ。そんなむちゃくちゃな無理じいをしてはいけませんよ。これはきちんと法律になってきめている。
○佐々木政府委員 農地につきましての規定は、四月一日から昭和四十六年改正法の規定が適用になるわけでございます。したがいまして、市町村の判断によりまして、その法律の規定に基づいて課税をするという場合におきましては、四月の納期を変更しないで課税をするということになるわけでありますけれども、その場合に、その後において改正法が制定をされるということに相なりますと、賦課処分のやり直しを行なって、その段階において新しい税負担を求めていく、こういう方法になるだろうと思います。また、市町村の判断によりましては、納期を変更して改正法の制定を待つというような態度をとることになるだろうと思います。
○細谷委員 そんな議会制民主主義を否定したやり方は認められません。
○田中(武)委員 先ほど来の自治大臣あるいは政府委員の答弁を聞いておりますと、議会を無視し、あるいは法律を無視して行政指導を先行さすような、そういう考え方については了承できません。したがいまして、ひとつこの辺で意見をまとめていただきたい。そうでなければ、そういうことではとうてい納得はできません。したがいまして、委員長、一応休憩をして――これは憲法八十四条の租税法定主義の問題等々から見ても重要な問題であります。したがいまして、これをこのまま審議を続けるわけにはまいりません。
○江崎国務大臣 これは従来の場面とちょっと違いまするのは、時間切れになりまするというと、四月一日から法律が動きかけるわけでございますね。法律があるわけでございます。それで、いまも政府委員も申し上げましたように、この国会において新たな課税措置が制定されれば、その後市町村は条例に基づいてその賦課方式を変更する、こういうやり方がございます。それから、法案をお出しいたしました段階において、市町村がその法案の成立を待って、新たな、いわゆる改められた形の賦課方式をとろう、こういう場合においては、私が先ほどから申し上げておりまするように、町村の判断においてそれが行なわれるよう、自治省側としては連絡をする。こういうことの二つがあるわけでありまして、本法そのものが四月一日から作動する、こういう事態であることに御留意を願いたいと思います。
○田中内閣総理大臣 私からお答えいたしますが、この問題は、すでに法律として効力を発生しておるわけでございます。発生しておる法律に対して、一年間の暫定措置によってその効力を停止しておるわけでございます。その法律の期限が三十一日に切れるわけでございますから、何らかの措置をしない限りにおいては、本則が生きることはもう当然のことであります。あなた御指摘のとおりであります。 これを処理するためにはどういう措置があるのかということと、内容をどうするかという問題であります。これを具体的な問題を何にも示さずこのままもう一年凍結をするという案も、一つの案でありましょう。それから、そうではなくこれを廃止をしてしまうということも、一つの方法でありましょう。しかし、そうではなく、いまのA農地、B農地、C農地に対しては実情に合わない問題もありますから、合わない部分はこれを修正しようという意見も当然あるわけであります。 ですから、その第三点を採用をしたいというのが自民党及び政府の考えでございますので、これを四月一日までにどうしても法律措置をしなければならないということになれば、四月一日に発効を必要としておる地方税法の審議をいまお願いしているわけでありますが、これに対して自民党が修正案を提出をして、そして今明日のうちに修正可決をしていただければ、これは法律上の手続は完ぺきであります。しかしこの種の問題は、各党の間で話をしてきた一年の経緯もございますので、自民党の案をそのまま黙って修正案として提案するということには、もっと慎重でなければならないということは当然のことであります。ですから、きょうあすの間に、きょう衆議院を、あす参議院をということになれば、修正議決になって全く適法な措置が講ぜられるわけでありますが、それがどうしても話がつかないということになればどうなるかという問題でありますから、それはあなたも御承知のとおり、条例をつくって、実際において発効する今年度の税は、四月の二十八日までに徴税令書を交付しなければならぬわけであります。四月二十八日の徴税令書を交付する日までの間に法律上の措置がとられれば、いまの法律で是正を必要するという部分に対しては解決ができる、こういうことを述べておるわけでありまして、この法律を全面反対であるというなら別です。反対でないということであれば、いわゆる修正条文をお互いが詰めなければならないというのが現実の問題でございますから、もし自民党として法律的措置を必要とするなら、修正案文を出してもけっこうです。
○根本委員長 辻原君より関連質問の申し出があります。これを許します。田中君の時間の範囲内でお願いいたします。
○辻原委員 いま自治大臣からもお話がありました。総理からも少し詳しいかのようなお答えがありました。しかし、われわれが問題にしているのは、そういう内容とか、今日に至った経過とか、もちろんそれに対しては政治責任がありますよ。しかし、そのことをいま言っているのじゃない。問題はこうなんです。何らの措置もとられない現状は、四月一日になれば、地方税法は所定のとおり復活をして、これが動き出す、これが一つでしょう。同時に、そうなればその法律に基づいて当然徴税が始まる。あなた方の言っているのは、その際その徴税を延期するための措置を行政指導としてやろうと言っておるのでしょう。しかし、もしかりに地方がその条例改正をしなかったらどうなるのですか。地方がもし条例改正をしなかったらできないじゃありませんか。しかもいままで、そういうことをなからしめるために凍結していたのでしょう。だから、いま凍結を再びやって新法をつくり、そして四月一日からの徴税をやるというのならば、一応筋道は通るわけです。しかし、それをやらないで、そのまま作動さしておいて、その法律の実質効果というものを行政指導でとめようとするところに問題がある-わけです。そういう長い間懸案になってきた問題を一片の行政指導でやるというところに、われわれは、租税法定主義の原則にも反するし、しかも徴税者のつもりがあるわけだが、それをかってに行政指導で動かすなんということは、これは許されません。そういうでたらめなことは、これは許されません。 したがってこれは、政府はきちんと私どもが納得を与えられる措置をとらなければ、われわれは今後この問題について質疑をすることは取りやめますよ。どうこれは答弁をされても、江崎さん無理なんですよ。
○江崎国務大臣 これはちょっとお聞き願いたいのですが、辻原さん、いまおっしゃいまする意味はこういうふうに率直にお答えしますが、要するに本法が働きますね。本法によって課税するということにきめる町村があったらどうするのだ、それは課税が進むわけですね。しかし私どもは、従来の経緯から見て、また今度の土地政策のバランスをとっていく上からも見て、これを改める法案を大至急出すわけです。そこで、それを見て町村側が条例を改正して、徴収をこの修正が行なわれるまで延期しようという形に町村自体が動く、こういうことはあり得ましょう。 それからもう一つは、課税をしてしまったらどうするのか。法が修正された時点で、新しい法律に基づいた賦課方式を改めてそこで取る。これは二重手間になるわけでありまするが、この点等については地方側の判断にまかせたい、こう思っておることを申し上げておるわけでございます。
○辻原委員 こまかい議論の必要はないかと思いますが、どうもいまの江崎さんのおっしゃることでも私は合点がいきませんよ。たとえば、あなたが言われるように、新法ができた際に過不足の調整をするというわけでしょう。しかし、徴税者には徴税者のつもりがあり、地方団体には地方団体のつもりがあり、そういう混乱をなぜ一体政府がやらせるかということは重大な責任ですよ。しかしそれは、きちんとした立法をやらざるがゆえに起きていることなんでしょう、何らの手当てを、法律上の措置をとらないために。いまあなたが言っていることは、たとえば四月一日、いわゆる四期に分げる徴税の方法をとりあえず一期分は延ばしてくれというような要請をするというわけでしょう。しかし、それは条例できめているのだから、地方は、そんなことはおれのほうはできないと言われてしまえば、それまでの話。だから、あとでそれは調整します、それも二重手間。それでなくても、地方は徴税費とかいわゆる地方の事務ということについていろいろ渋滞しているから、そういうことを困らないようにしてくれということは、これは地方の強い要望なんですよ。それを押して、政府の無責任によって押しつけようとしているのでしょうが。そういうことは許せません。 だから、そういったことを政府が責任を持ってやらない限り、われわれが納得するきちんとした法律上の措置がやられない限り、われわれはそれを認めるわけにいきませんよ。だから、そのことをいまここで私たちに認めてくれなんという答弁では、この問題を今後審議を進めるわけにはまいりません。だから、ひとつ取り扱いを相談させていただきたいと思います。 委員長、だからあらためて私は休憩動議を出します。たいへんな問題ですよ、地方だって。
○根本委員長 動議に対して申し上げます。 午後の理事会でこの問題をどう取り扱うかについては御相談することにいたします。
○田中内閣総理大臣 いま辻原さんが御発言になられたことを適法に行なうとすれば、現在御審議をいただいております地方税法が衆議院にございます。現在御審議をいただいておる地方税法、四月一日に施行することを目的にして御審議をいただいておる法律が現に衆議院にあるわけであります。そういう地方税法そのものがございますから、この地方税法に対して自由民主党が修正案を提案をして、その修正案と政府提案が同時に可決をせられて参議院に送られて成立をすれば、いまの法律問題は解決するわけであります。ですから、適法の措置を行なえということになれば、その道以外にはありません。ありませんが、なぜこのように時間がかかったかというと、一年間凍結をしたということには与野党が一致で、そしてこれを全部やめようというのじゃないのです。どこかどうも実情に合わないところがあるから、いわゆるC農地のように合わないところがあるから、そういう条件においてそろわなかったから今日まできたわけでありますので、修正案に対しても、自由民主党だけではなく、望ましくは野党ともこれを修正案にしようということがまとまれば、私は適法な措置がとられる、こう思っておるのであります。 ただ、それよりも無条件で延ばさなければならないということであるならば、修正案を各党一致で出せるはずはないのであります。ですから、自民党がいま考えておるようなものを皆さんに御相談を申し上げておるわけでありますから、そういうものを、現に御審議をいただいておる地方税法の修正案として認めていただくというなら、適法な措置はとれるのであります。
○辻原委員 適法の措置はわれわれも考えます。総理のおっしゃったこともあながち私は否定はいたしませんけれども、しかしこれは、国会内与野党で話し合えば次善の策もとれるわけなんです。しかし一応まとまりかけたものを、私は中身の議論はいたしませんよ。中身の議論はいたしませんけれども、話し合いが地方行政委員会理事会でまとまったのを拒否されたのはあなたなんです、これは歴然と。そうでしょう。だから、いまあなたが言われたように、適法な措置がある、それは修正案以外にないとおっしゃるならば、われわれも参画しましょうじゃないですか。それは国会におまかせなさいよ。そのことをあなたが明言するならば、私は議事を進行しましょう。
○田中内閣総理大臣 私は、野党案を拒否はいたしておりません。これはお間違いでございますから……。私は、自由民主党案というものをつくる過程において私の意見を求められたので、私は意見を述べておるのでございまして、どんな場合でも総裁が意見を述べられない、そんなことで政党政治が行なわれるわけはありません、だから、野党案を私は承知をいたしておりません。野党案を拒否はしておりません。自由民主党が委員会に提案をしたいという原案に対して、これでよろしゅうございますかと、こう持ってきたから、そういう問題に対して私は意見を述べたということであります。
○辻原委員 だから私は結論的に、総理はこの処理の問題について、もちろんこれは国会の責任にあります。政府はもちろん責任はあるが、しかし現実の処理については、これは国会におまかせになるかどうかということだけを答弁したらどうですか。 〔発言する者あり〕
○根本委員長 午後零時三十分再開することとし、暫時休憩いたします。 午前十一時五十二分休憩 ――――◇――――― 午後四時二十二分開議
○根本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際、参考人出頭要求の件についておはかりいたします。 本日、日本航空機製造株式会社社長小山雄二君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○根本委員長 御異議なしと認め、よって、さよう決定いたしました。 ――――◇―――――
○根本委員長 この際、田中内閣総理大臣から発言を求められております。これを許します。田中内閣総理大臣。
○田中内閣総理大臣 政府といたしましては、自由民主党と協議の結果、地方税法の一部を改正する法律案に対し、今明日中に自民党修正案を地方行政委員長まで提出することに決定をしましたので、御了承いただきたいと存じます。
○根本委員長 次いで、江崎自治大臣から発言を求められております。これを許します。江崎自治大臣。
○江崎国務大臣 先ほどの私の発言中、行政指導によって法律を規制するがごとく解釈される点がございましたならば、私の本意ではありませんので、御了承を願います。
○根本委員長 質疑を続行いたします。 田中君の残余の質疑を許し、細谷君の保留分の関連質疑を許します。細谷君。
○細谷委員 最初に自治大臣、租税法定主義ということ、これは申すまでもないことであります。したがって、行政措置なりあるいは行政指導ということは断固許されないことであります。特に、そういうことをかまえておりますから、固定資産税なんというのはたいへん複雑な事務であります。計算もできない、地方公共団体もたいへんな迷惑をこうむる、こういう事態であります。でありますから、こういうことがかりそめにも今後考えられないように、厳にひとつ指導をしていただきたい。 もう一つ、冒頭に申し上げましたように、この問題についての主管大臣である自治大臣の、この問題に対する取り組み、これがきわめて欠如しておった。その責任は、私はたいへん大きいと思います。このことを申し上げておきたいと思います。 いま総理から、今明日中に、市街化区域の土地についての課税問題について、自由民主党と相談の上で法律案を出す、こういうことでありまして、その法律案はむろん地方行政委員会が審議をするわけでありますので、私は、きょうこれ以上申し上げませんが、ただ、いまも申し上げましたように、この問題については、一月の十八日の土地税制が固まった段階でも固まらないで、そして一月十八日以降今日まで、あさってでもう年度が変わるという段階まで、まさしくじんぜん日を過ごしてきた責任はきわめて大きいと思うのです。この点について、総理、責任を感じますか。
○田中内閣総理大臣 各党で一年間の凍結をきめられたわけでございますから、その意味で政府は……(「共産党は入っていないよ。正確に言いなさい」と呼ぶ者あり)共産党を除く各党で法律をお出しになったわけでございますから、政府はこれに対応する施策の結論を得べく努力をすべきであったということは、御指摘のとおりでございます。今日まで延引しましたことに対しては、政府にも大きな責任があるということをここで申し上げておきたい、こう思います。
○細谷委員 この問題につきましては、むろん、昨年の国会における経過もありますから、野党においてもそれぞれ努力したことは当然でありますけれども、特に、責任ある政府・与党が事態をこういうところに持ってきた。しかも、現実の問題としてはあす一日、こういう事態になって、まだ法律案が出ていないということは、その責任は、私は、いま総理のおことばがありましたけれども、きわめて大きいと思うのであります。今後絶対にこういうことがないように、ひとつ責任をもって、そして議会の審議が十分できるように対処していただきたい、こういうことを申し上げておきたいと思います。 私は実は、国と地方の自治の関係について、政府が閣議決定をいたしました国土総合開発法案等について、幾多の重要な問題点がありますけれども、その点について伺う予定でありましたけれども、時間の関係もありますから、いずれ、この問題については他の機会に譲ることにいたしまして、私の関連質問を終わっておきます。
○根本委員長 安井吉典君から関連質疑の申し出があります。田中君の持ち時間の範囲内でこれを許します。安井吉典君。
○安井委員 初めに、先ほど自治大臣から、法律事項を通達で、あるいは行政措置でねじ曲げるというふうなことはいたしませんという言明がございました。これは午前中の論議の中で一番重大な問題だと私も聞いていたわけでありますが、自治大臣のその言明に対して、田中総理大臣はそのとおり確認していただけますね。これは自治大臣だけの問題ではないと思うのですよ。政府全体の姿勢にもかかわる問題であると思いますので、この際伺っておきます。
○田中内閣総理大臣 そのとおりでございます。
○安井委員 ぜひそのお気持ちを忘れずに、今後とも対応していただきたいと思います。 いま農地の問題が論議されたわけでありますが、私は、農政問題としての関連で、もうほんのわずかの時間をいただきまして、今明日中に結論を急がれている加工原料乳の政府保証価格や基準取引価格の問題に限定して伺いたいと思います。 昨日は、農林省の廊下に、数百人の農民が乳価要求のためにすわり込むという異常な事態がございました。その異常な状況のもとで、畜産振興審議会酪農部会が開かれ、農林大臣はこの価格問題を諮問し、夜おそく、適正引き上げの答申が行なわれたわけでありますが、政府が原案として提示いたしました保証価格一キログラム当たり四十八円五十一銭、四十七年度より六・六%アップの三円三銭アップという、この程度では、農民要求のキロ当たり七十四円十七銭とはあまりにも隔たりがあって、今日の酪農の危機を打開することにはならないのではないか。政府は、ぜひ農民の生産費や所得を補償するという方向で最終決定をすべきだと思いますが、これはまず、担当大臣の農林大臣からお答えいただきたいと思います。
○櫻内国務大臣 諮問の引き上げは、御指摘のように、対前年比三円三銭ということでいたしました。これは、過去の経緯をごらんいただきましても、従来、一番高い場合でも、この三円三銭といろ幅にはなっておらないのでございます。団体側の非常に大幅な要求もございましたが、従来の計算方式からいたしまして、また、経済事情や再生産確保のためのいろいろな点を考慮いたしまして、最終的には、諮問としてはこの範囲でやむを得ないものとして決意をいたし、諮問をいたしたような次第でございます。
○安井委員 今明日中、おそくも一日告示でありますから、農林大臣の腹はもうきまっている時期だと私は思うのであります。そういうような意味で、真剣な対応をお示しいただけるかと思ったのでありますが、何かありきたりの御答弁で終わりそうでありますが、やはりあとで私はもう少し申し上げたいと思いますけれども、酪農をいま破壊するかどうかというせとぎわの、ことしの乳価決定の段階だと私は思います。いつもとちょっとこれは違いますね。そういう段階での御答弁にしては、私は、いささか程度が低過ぎると思うのでありますが、真剣なかまえでひとつ、最終段階どうするのか、それを伺います。
○櫻内国務大臣 ちょうだいいたしました答申の中で、私として特に考えなければならない点は、第一の「加工原料乳の保証価格については、酪農経営の困難な今日の状況にかんがみ、適切な値上げを行なうこと。なお、これとあわせて基本的な酪農総合政策を講ずること。」この答申を受けましたときに、「適切な値上げを行なうこと」に言外の意味があるということを承っております。そういうことで、諮問は三円三銭という引き上げ幅ではございましたが、この答申の意味するところは、私どもとして、もう一つ考慮をいたし、まあがんばらなければ、と言うとまことに平凡なことばでございまするが、率直に私の気持ちで申し上げまするならば、これはがんばらなければならないなというように思った次第でございまするが、また、同時にこの建議の中に、たとえば酪農経営の健全な発展をはかるため、経営の現状と実態に適合するよう適切な金融措置を講ぜよとか、あるいは加工原料乳の市乳化を助長するようにということが触れられております。したがいまして、今回の答申からいたしますると、当面の保証価格についてもさることながら、同時に、いま申し上げたような、建議に盛られたようなこともあわせ行ないながら、いまの酪農経営の農民の方々に対策を講ずるべきではないかと、こういうふうに私は決意をいたしたような次第でございます。
○安井委員 どうも私には不十分な御答弁に思えるのであります。何か焦点をぼかそうとしておられる。わが国の乳用牛の頭数は、一ころずっと伸びてきたわけですが、その伸び率が年々いま低下をしています。特に、バターやチーズの原料に向けられる乳と、それから飲用に向けられる乳とで値段が違うわけですが、その原料乳の部分の地帯で、頭数の増加率の低下がひどい。特に、加工乳向けの牛乳の生産量そのものも、昭和四十四年からおそろしい勢いで率が下がり始めて、最近、特に四十七年度では、前年度の生産量を下回るという結果さえ起きているわけです。その四十四年が一つの転機だというのは、四十四年からほとんど乳価は上がっていないからですよ。そういうことが生産を低下するという原因になっているわけです。特に、都市近郊の飲用乳のほうは、ことしも七円五十銭の引き上げが行なわれたが、加工乳の地帯は、北海道だとか東北だとか、そういう山間地帯のほうはさっぱりどうにもならぬ。悪名高い総合商社の買い占め魔も、液体ですから、牛乳の買い占めはやらぬようです。ですから、相変わらず人里離れた地帯の酪農はひどい事態の中にいま置かれているという現状です。 これは、農林大臣や、さらにまた財政担当の大蔵大臣が、当然この問題に触れてこられるわけでありますが、そこでいまの段階は、私はいまちょっと数字を申し上げましたけれども、酪農の生産が非常な危機に直面している際の乳価であって、いまは、いろいろな対策をお述べになったが、そんなことで農民は納得する段階にない。何もやっていないものだから、いま集中的に乳価の問題に農民の関心がきているわけです。ですから、この際、酪農を殺すか生かすかのせとぎわだと、そういう対応で、農林大臣も、きのうの農林水産委員会では、全力を尽くすとおっしゃったようでありますが、それにはどうされるのか、それから大蔵大臣もこの問題にどう対応されるか、それをひとつあわせて両大臣から伺いたいと思います。
○櫻内国務大臣 これはもうずばりと申し上げまして、保証乳価の上げ幅をいかにするかというところに焦点がしぼられておるということは、私も重々承知をいたしておるところであります。しかしながら、いままでの財政当局との折衝の上におきましては、過去の経緯というものを全く無視した計算ということはできにくい。やはりそこにはそれなりの従来の経緯があるということになってまいりますと、いまその焦点になっておるところの上げ幅について、最後の努力はいたします、そして何とか少しでも御期待に沿いたい、こういうことでございますが、もしそういうことがむずかしいときには、建議に触れられておるような、諸施策の上において十分なことをしてまいりたいというのが、私のただいまの心境でございます。
○愛知国務大臣 この問題については、非常に重大な問題でもございますし、財政当局といたしましても、農林省ともとくと相談しているところでございますが、御承知のように、保証価格というものの立法の趣旨、制度から申しまして、現在のところ、ぎりぎりのところまで、昨年度に比べれば実額で三倍強になっておるわけでございますから、率直に申しまして、財政当局といたしましても、これ以上引き上げるということについては、非常に困難な感じを持っておるわけでございます。しかし、ただいま農林大臣も非常に心配をして、ぎりぎりのところで、いまもとくと相談をいたしておるところでございます。 同時に、酪農の振興ということにつきましても、保証価格制度ができて、そして不足払いというようなことも御承知のようにあるわけですが、飲用の牛乳よりも加工用のものが低いということで、この振興をはかるための暫定的な措置であるというところから出発している制度でございますから、そういう点についてはあわせて、もう少し積極的な考え方あるいは総合的な対策も必要ではないか。 ただ、おそらく御質疑といたしましては、そんなことを言っていたって、このぎりぎりのところでどうなるかというような御心配であろうと思いますが、そういう点も、財政当局としても考え得るところは、立法の趣旨の範囲内で考えてまいりたいと思っております。
○安井委員 最後にちょっと総理に伺って終わりたいと思いますが、とにかく、最近の酪農の苦悩は、多頭化飼育のための規模の拡大で、牛の購入費から畜舎、サイロと、ものすごく借金がたまっていて、その上にいまの気違いじみた飼料費の値上がりです。そして地域は過疎化していく、後継者はいない、嫁の来手もない。原料乳地帯は山奥ですから、みんなそういう条件の中にあるわけです。一方肉は値上がりをして、一頭が三十万円でも売れる。だから、牛をはらませて子供を産ませて、乳をしぼっていると借金がどんどんたまるが、それよりも売ったほうが得だというようなことで、はらみ牛までが売られていく、そういう状況であります。 一方政府のほうは、価格対策は、いまわれわれが議論しているわけでありますが、飼料対策も、経営改善対策も、あるいは資金対策も、いままでのところはもうほとんどゼロに近い。対策はあったかもしれないが、実効の薄いあと追いでしかない。ですから、きのうすわり込んでいたあの農林省の中にも、農林協同組合長だとか、そういったような農業の指導的な立場の人も、みんな悲壮な顔をして、はち巻きを締めてすわり込んでいるという状況であります。農業の中の成長部門だといわれている酪農がこうなんですね。ですから私は、最後に、この危機を救うためには、農民の生産費や所得を補うような形で最終的に乳価を決定すべき段階だと思うのでありますが、総理はどう決断されますか。
○田中内閣総理大臣 酪農製品やまた生乳等の需要も、生活様式が変わってまいりますから、どんどんと拡大をしていく趨勢にあります。そういう中で、いま御指摘があったように、酪農経営がうまくいかないということで、乳牛さえもみな肉として売ってしまわなければならないような状態もあるということは、これは現実の問題として看過するわけにはまいらないと思うわけでございます。 まあ実際問題としては、生産者の手取りが多くなって、しかも需要者には低廉、良質のものが提供されることが望ましいわけでございます。実際、北海道の牛乳などは東京に直送されれば、農民の手取りはもっと多くなるわけでございますが、東京や大都会の近隣の酪農家との問題があって、なかなかそうできない。そのために、加工原料としてさえ北海道のものが使われないというような問題もあるわけであります。ですから、これはもう、当面する問題は、乳価をどうするかという問題でございまして、これは政府としても、可能な限り努力をするつもりでございますが、酪農振興対策というものに対しては、やはり腰を入れてやる必要がある、私はそう思っております。特に北海道などは、米というよりも酪農基地にしなければいかぬのだ、こういうことでございますから、そういう意味からしても、広範な立場から、酪農振興を含めて、政府も本腰で施策を進めてまいりたい、こう考えます。
○根本委員長 田中君。
○田中(武)委員 持ち時間もなくなってきそうでございますので、これだけの質問を用意しておりますが、一度にまとめて申し上げます。そこで、各大臣よく聞いておいていただいて、今度は答弁を各大臣からまとめていただく、そのようにいたしたいと思います。 まず、国費の乱費というか、こういう問題がございます。年度末になると予算が余るというか、そういうような場合に、各役所とも使わなくちゃ損だということで、必要でもないような出張をよくする、そういうようなことをよく耳にいたします。それが最近では、労使の関係について、組合員とそうでない者と区別していく、そういうことにこの金が使われておるという例がございます。現にこれは、私が調査いたしました姫路郵便局の例でございますが、簡単に申しますと、これは新聞にも出ましたから、ごらんになったかと思いますけれども、二月は二十八日しかございませんが、二月中に、課長代理とかあるいは副課長とかといったような人たちに、最高九十六時間の、いわゆる時間外勤務をやっております。そして、金額の最高は七万三千三百五十円を支給しておる。こんなばかげたことがあるのか。したがって、それを裏づけるところの、超過勤務に対するいろいろな命令が出ておるだろうから、そういうものを出せ、こう言いますと――いま申し上げておることは、これは関西版ですけれども、朝日新聞にも大きく出ております。そうしますと、こういうものをもらったわけなんです。これは明らかにあとからつじつまを合わせた命令書です。判なんかも一ぺんについてあって、三つばかりついて、最初ははっきりしておるが、だんだんと三つばかりが薄くなって、またはっきりして、三つばかりが消えていくといったようなことで、これは一ぺんに書いたということがはっきりしているわけです。これは結局は、郵政省側はあとからつくったということを認めたわけだ。こういうようなばかげたことが許されるか。私は全部資料を持っておりますが、時間の関係上申しませんが、こういう点についてはよほど考えてもらわなくちゃならない。まず、こういうことについて郵政大臣。さらに予算の執行ということに対して大蔵大臣。それからこれは福田行政管理庁長官にも、やはり綱紀の粛正というか、そういったような面からも御意見があれば承りたい。また労働大臣からも、こんなようなばかげた超過勤務がいいのかどうか。おそらく労働基準法四十一条で、基準法の適用外の人たちだからというようなことを言うと思うのですが、そういうことでなくて、現に週休二日制が現実の問題となって論じられておるときに、二十八日間に九十六時間というべらぼうな超過勤務、こういうことを一体労働大臣はどう考えるのか、こういう点についてお伺いをいたします。 引き続いて申し上げますが、これは法務大臣が適当かと思います。この超過勤務というか、このことについて、先日函館地方裁判所において判決が出ましたね。基準法においては四十八時間までは認められておるが、全逓信労働組合、全逓との間に一週間四十四時間という協約がある。それが優先する。当然です。そういう式の判決文があります。これについてもいろいろと論議をかわしたいのですが、まさかこんなにはっきりしたことに対して、いわば国側が敗訴したが、これを控訴するとは思わないのですが、これは法務大臣が当面の窓口になりますから、法務大臣及び郵政大臣の御意見。さらに、このようなでたらめなことについて会計検査院はどのような検査をするのか、こういう点をお伺いいたします。 さらに、もう一つ続いてお伺いいたしますが、いま衆参両院の予算委員会等で財政投融資、ことに資金運用部資金等々について大きな論議を呼んでおります。かつて私はこの場所で、これらの資金が政府・与党のいわゆる便宜的な方向に使われておる、したがってそれを国会承認にしろ、こういうことを主張いたしました。ところが、結局財政投融資、ことにこれは簡易保険、年金の積み立て金ですが、これなんかを、いかにも自分たちが恩恵的に貸しておるんだ、こういうことが末端においてあらわれておる事実がございます。 実は、これも姫路の郵便局でございますが、これも関西のほうの新聞に取り上げられた問題であります。そこで調査したわけなんですが、これは郵便局長の名前で、おたくのお坊ちゃんあるいはお嬢さんは、このたび中学校なり小学校に入られておめでとうございます。これはいいです。ついては、高校へ行くのにはこれだけ金がかかります。そのうち何人が大学へ行って、大学へ行くならば国立でこの程度、私立になるとこれ以上、最低幾らかかります。ついてはこの際、簡易保険の学資保険というか、お入りを願いたい。近く係員が参りますからという郵便局長のなにがついています。これは郵便局長としていいです。 ところがそれに対して、文書の全部はやめますが、実は姫路市長、姫路の教育長、姫路の連合育英会長あるいは市内の各小学校長の添え状をつけております。要点だけを読み上げますと、「当市は簡易保険の積立金から常々融資をうけてきたことが現在の発展に大きく寄与しておりまして、今後もこれに期待するところが非常に大きいのであります。この点ご賢察いただき姫路郵便局長の懇請に何分のご協力を賜わりますればまことに幸わせに存じます。」云々、こういうものをつけておるわけですね。これは常日ごろ国民の金である資金運用部資金、これは簡易保険等の積み立て金、これを政府がいかにも恩恵的なような扱いをしておるところに問題がある。現にこれに出ております。そこで姫路の市長その他友人ですから聞きましたら、金を借りておるのだから、しようがないから名前だけ貸したということです。寄れじゃこの文面はだれがつくったかというと、郵便局長がつくって、名前借りますよぐらいで出しておるのですよ。こういうことについて一体郵政大臣どう思うのか、さらに文部大臣及び自治大臣はどのように思われておるのか、これもお伺いいたします。 それから、やはり簡易保険の問題でございますが、団体加盟については七%の還元がございます。これには当然団体がまずあって、そこで団体加盟をするわけです。ところが、そうでなくて不特定多数の人たちに、これはいま簡易保険に入れば旅行に連れていってあげます、こういうことで呼びかけて、いわゆる不特定多数に呼びかけてやっておるわけなんです。そしてこれに対する資料というと、こういうものを一枚だけ持ってきたわけなんです。これじゃ何にもならないわけなんです。これは時間があればもっと詰めたいのですが、少なくとも団体加盟には団体が存在し、その団体の代表者があり、事務所がある、このことが前提だと思うのです。ところが、人を不特定多数で呼びかけておいて、そうして何人か集まったところで、それを何々旅行会だとかあるいは近畿旅行友の会だとかという名前で、一体それは代表者はどうなのか、事務所はどうなるかというと、事務所はほとんどが旅行あっせん業者のところが事務所になっておる。そうして第一次、第二次、第三次、第四次等々で人を集めてやっておる。これは七%の還元金をどのように使ったのか、おそらく代表者に渡したということになると思うのですが、こういうような募集方法をしておる。言うならば団体加盟の七%還元を悪用したというか、この点について私はどれだけ還元をして、どれだけどのように使ったのかというはっきりした資料がほしいのです。その資料の提出をも含めまして郵政大臣にお伺いいたします。 そのほかにまだたくさんございますが、この答弁をというともう時間がないのですが、はっきり申します。この問題等を含めていろんな問題がある一先ほどの超勤手当等については、他の郵便局等にもあること、われわれの調査で明らかであります。一体どう考えておるのか。もう時間の関係でこれ以上は追及いたしませんが、われわれが参りましたいわゆる調査団には、参議院の逓信委員長であるところの茜ケ久保議員あるいは決算委員の小谷議員等もおります。また私をはじめ、河上、土井両代議士等々もおります。予算が一応一段落すれば私は決算へ参ります。したがって、ここで答弁を得てそのあとどうするのか、それぞれの逓信委員会あるいは決算委員会において詰めをいたします。そのことを申し上げて、いま申しましたような点について、それぞれ関係閣僚から御答弁をお願いいたします。
○久野国務大臣 お答え申し上げます。 私に対する御質問は、四点にわたっておるように拝察をいたします。 まず第一は、超過勤務手当の支給についての事柄でございます。業務運行を確保しなければならないという立場からやむを得ない措置であったとはいえ、一部の職員に過度の負担をかけることは好ましいことではないと考えますが、御指摘のように、この超過勤務手当を支給していたという事実につきましては、今後十分調査をいたしまして、調査の結果善処いたしたい所存でございます。 第二番目の御質問は、三月二十三日、函館地裁においての判決の結果についての御指摘でございます。この内容につきましてはまだ検討中でございまして、内容を分析をいたしまして、法務省とも十分相談をいたしました上で態度をきめたい、かように考えておるような次第でございます。 第三点でございますが、簡易保険の勧誘にあたって市町村長、教育長、PTA会長等が行き過ぎがあったのではないか、このような御指摘でございますが、この勧誘書にあるように、このような地方の団体あるいは各種団体の理解を得て協賛をいただいておることは事実ではございますが、この勧奨にあたりまして、強制あるいは行き過ぎのないように十分指導をしてまいりたい、かように存ずるような次第でございます。 第四点につきましては、勧誘書の表現等で父兄の皆さまや協賛団体に対しまして、恩着せがましいと受け取られるような好ましくないものがあったようでございまして、今後十分注意をさせてまいりたい、かように存ずる次第でございます。 以上、四点についてお答えを……。
○田中(武)委員 もう一つ、団体加入がある。
○久野国務大臣 最後に、払い込み団体が安易に組成され過ぎておるのではないかというような御指摘でございます。これは従来、加入者の利益と一契約の保全を目的として設けられたものでござい一まして、職域団体、町の自治会あるいは婦人会等を基盤とした地域団体を中心として運用されてきたものでありますが、会員相互の親睦をはかるために、旅行だとか観劇などを行なうことを目的とした払い込み団体が組織され、現在に至っております。この種の団体の中には、品物等の配付だけを目的とした行き過ぎた団体があるようでございます。ただいま御指摘の点等につきましては十分注意をいたしまして、指導をしていきたい、かように考えておるような次第でございます。
○福田国務大臣 郵政事業の超過勤務手当についての御質問でありますが、郵政事業につきましては、郵政省自体で監査機能というものが整備されておるわけであります。したがいまして、御指摘の案件その他につきまして、この監査機構に十分調査してもらいまして、その結果を報告を受けたい、かように考えている次第でございますが、行政管理庁といたしましても、十分郵政省と連絡をとりながら、あやまちなきを期してまいりたい、かように存じます。
○田中(伊)国務大臣 お示しの函館地裁の判決でございますが、訟務部を中心に郵政省と協議をしながら検討しております。近く結論が出ました上で、上訴するかいなかを決定するつもりであります。無理はしない考えでございます。
○江崎国務大臣 郵政大臣からすでにお答えがありましたように、かりそめにも簡易保険の勧誘にあたって行き過ぎがあったり、また強制的と解釈されるような紹介文面がありとするならば、これはゆゆしいことでございまして、今後十分注意をいたしてまいりたい。あくまで純風美俗、紹介状程度にとどまるようにしなければならぬと思っております。
○加藤国務大臣 この問題に対して、労働省の立場からお答えいたします。 労働基準法では、御承知のように管理監督にある者は、これは勤務時間の規定がありませんけれども、その以下であった場合には、これは基準法の違反であります。しかし、管理監督にある者でも、はなはだしく長時間勤務することは、これはもう適当でありません、法律論はともかくも。いろいろの点調査いたしておりますが、どうもすかっとせぬというようなところを感じておりますので、十分対処いたします。
○愛知国務大臣 一つは、予算の執行の問題でございますが、人件費、旅費、手当といったようなものは、御案内のように、各省庁の執行になりますので、直接には大蔵省としてもなかなかむずかしい点もございますが、いろいろ御指摘のありましたような点、それから決算上のいろいろの指摘等につきましては、これは大蔵省としては、予算の編成、査定等におきましても十分その点を留意してまいりたいと思います。 それから第二の点は、広く財政投融資の運用の問題にもかかる問題であると思いますが、今国会ではいろいろ御指摘や御批判をいただきましたけれども、財政投融資については、国会の御審議をいただき議決の対象になるということについては、私はやはりこれは相当画期的な、政府としても誠意を尽くした考え方をいたしたつもりでございますが、これを契機にいたしまして、各種積み立て金の運用等についても、ひとつくふうをさらにこらしてみなければいけない。あるいはまた、財投というものがどういうものであるかということについては、先般の委員会でも御指摘がございましたが、財投白書というようなものを考えて、ひとつ国民的にも大いに御批判をいただくようにいたしたい、こう考えております。
○奥野国務大臣 簡易保険の加入運動につきまして、郵政省から依頼を受けて、文部省から都道府県教育委員会を通じまして、そのことを連絡いたしておるわけでございます。協力はよろしいわけでございますけれども、末端においてかなり押しつけがましいような動きがあったりして問題を起こしておるようでございます。そういうことのないようには留意すべきものだと思います。
○白木会計検査院長 年度末の予算経理には、先生御指摘のような法令違反の事例が起こりやすい事情がございますので、会計検査院でも従来から意識して留意してまいっておりますが、今後とも特に厳正に検査を実施してまいりたいと思います。 なお、ただいま御指摘の姫路郵便局の事例でございますが、きわめて最近の事例で、私どもまだ承知しておりませんので、なお今後実情を調査したいと思っております。
○田中(武)委員 ということで、この状態ですよ、総理。だから、あなたが頂点にあって、下部に至るまでこんな状態ですから、しっかりしてもらいたい。 そこで、総理として締めくくりの意味において一言御答弁願いたい。と同時に、郵政大臣、まだたくさん資料があるのです。だが、もう時間の関係でやめます。だがしかし、今後郵政大臣なりあるいは関係省においてどのような措置をとられるか、これを見守っていき、決算委員会あるいは逓信委員会においてまたお伺いする機会もあろうと思いますので、最後に総理から一言だけ、綱紀粛正の問題等々を含めてしっかりやってもらわぬと困るので、ばちっと言っておいてください。
○田中内閣総理大臣 予算執行に対しましては、厳正、効率的に行なわなければならないということは申すまでもないことでございまして、綱紀の粛正は十分はかってまいりたいと考えます。 いま御指摘になられた一つの面は、長いこと行なわれておることでございます。予算があるならば、勉強でもして早く使えばいいのですが、どうも最後まで持ちこたえておって、そして最後に一ペんに出してしまう。これは公共事業の発注もみなそうであります。ですから、そういう問題に対しては、これからの行政の効率化、能率化の上においても、十分予算執行に対しては効率的な執行ができるようにいたしたい、こう考えます。
○田中(武)委員 終わります。
○根本委員長 これにて田中君の質疑は終了いたしました。 次に、東中光雄君。
○東中委員 最初に総理に、最高裁裁判官の任命に関してちょっとお聞きしたいのですが、いま田中二郎裁判官が辞表を出され、また石田和外最高裁長官が定年でやめられる時期が迫ってきています。こういう中で、その後任の人事、内閣の任命の問題が差し迫った問題になっているわけですけれども、ここで前の法制局長官だった高辻正巳さん、また法務事務次官だった津田實さんが下馬評に上がっておる。こういう状態で、下田裁判官の場合もそうでありますけれども、最高裁の裁判官の任命で、最近行政府の、あるいは行政官として活動してこられた人たちが横すべりしていくというかっこうになっている、そういう傾向が非常に顕著であります。また内閣の法制局長官、ずいぶん長い間やっておられた人ですし、法務事務次官も三年以上もやっていた人です。こういう形で最高裁に行政府から、人事面で最高裁が行政府の出先みたいなかっこうになっていく面が見られますので、こうした任命についての基準をどうお考えになっているのか、この点をお聞きしたい。
○田中内閣総理大臣 いま御指摘になったような方々は、まだきめておりません。いずれきめなければならないと、こう考えておるわけでございます。 最高裁の長官及び最高裁の判事は、御承知のとおり憲法及び裁判所法の定めるところに従い決定をするわけでございまして、特に最高裁の長官、最高裁判所の判事につきましては、その職責の重要なるにかんがみまして、その識見、法律上の素養、その他公正なる判断を期待し得るあらゆる要素を勘案いたしまして、慎重に人選を行なうことにいたしておるわけでございます。
○東中委員 きまってから聞いたんじゃ、これは役に立たぬから、迫ってきておるから聞いておるわけなんであって、高辻さんなり津田さんなりが下馬評にあがっていることは、これはもう司法界でも事実でありますし、こういうものについて、抽象的なことでなくて基準がはっきりしていないと、最近特に行政府から、あるいは行政官だった人が最高裁判事になる、そういう任命をされるのが多いわけでございますので、そういう方向ではいけないという点を言っておるわけですから、その点についてどうかということと、そういうことをやらないということかどうか、その点。 それから、最高裁の裁判官の任命についての諮問委員会のようなものをつくったらどうか。昭和二十三年段階ではあって、その諮問委員会の推薦に基づいてやられた、こういう経緯もあるわけですが、そういう諮問委員会をつくる意思があるかどうか、この点いかがでございましょうか。
○田中内閣総理大臣 最高裁判事につきましては、裁判所法に基づきまして十人以上は法律の定める資格を有する者でなければならないと、こう規定してあるわけでございます。法律に基づいて選考をいたしておるわけでございます。基準は、いま申し上げましたように、最高裁の長官及び最高裁判事として適格性を備える者の中から、最も適格だと思う者を決定をしておるわけでございます。 それから、政府の行政職にあった人たちを最高裁に送り込むのかということでございますが、そういうことは考えておりません。これは下田さんが外務次官の経験者であり、また駐米大使の経験者であったということと、その後うわさされておるような一連の考え方をもととしてお述べになっておるのだと思いますが、行政府に長くおったからこういう人たちを多く送り込むんだというような前提や、そういう考えは全く持っておりません。もし選任せられるとすれば、適格者であるということでございまして、いろいろな方々を対象にし、比較検討の結果、そういうことになったということでございまして、政府が意図しておるものでもなく、これは全く適格者であるということで御理解を賜わりたいと思います。 それから、人選にあたって、審議会や何かつくったらどうかということ。二十二、三年ころありましたけれども、これは責任が明確にならないというような問題もございまして、これは法律改正によってなくなったわけでございます。その後も裁判所法の改正で、一度審議会のごとき機構を提案をしたわけでございますが、これは審議未了になった経緯もございます。やはり国会で信任を受けておる内閣が、内閣の責任で、憲法及び法律に基づく選任を行なうということが最もふさわしいことである、現にそう考えておるのでありまして、他に審議会のごとき、選考委員会のごときものを設ける考えはありません。
○東中委員 行政府から、あるいは行政職におった人をおろす意図ではない、適格者だ。適格者としてピックアップしてくる。適格者でなければ、適格事由がないのですから任命できないのはあたりまえなんで、適格者はずいぶんたくさんいるわけですから、その中での人選で、現に最近ではこういう行政職におった人、いわば高辻さんの場合だと、内閣の法律の番人だ、こういわれた。非常に口の悪い人はいろいろなことを言っていましたね。茶坊主みたいだというようなことまで言っていた。内閣の茶坊主だ、総理大臣の茶坊主だ、こんなことを言う人さえもあったぐらいです。だからそういう形で、内閣の、要するに行政の立場で活動した人が適格があるからということで最高裁に送り込まれていくということになれば、人事権を通じて、結局司法の独立が内部から侵される、あるいは最高裁判所、三権分立のたてまえからいって非常に好ましくない状態、行政の出先みたいな状態に持っていく、そういう傾向が出てくるわけです。結果として出てくるわけです。こういう点は当然改めるべきだ。 同時に、諮問委員会をつくるということは、責任をもって内閣が任命するという憲法上の規定、これはあたりまえのことですから、それをやっていくについての前提としてそういう制度をとるべきだ、私たちはそれを提案するわけです。民主的に構成された諮問委員会でそういうふうにやっていくべきだ、こう思うわけですが、この点について、現にやられたことがあり、現に提案されたこともあったという事態から見て、今日の最高裁の構成が、行政職であった人が非常に多くなってくるような傾向、うわさ、まだこれは任命されておりませんから、いまの段階ではうわさの段階ですけれども、それをチェックするという点で、そういう態度をとるべきだということを要請しておきたいと思います。 外務大臣にお伺いしたいのですが、この前、十二日の日にこの予算委員会でも問題になりました、ベトナム協定後のベトナムへ向けての在日米軍基地からの武器弾薬その他軍事物資の輸送に関してでありますが、呉から送られたということが前回は具体的な問題になって出てまいりまして、百五ミリ砲りゅう弾が九千六十トン、ダナンへ向けて送られたということで審議がされましたが、その後在日米軍基地から直接ダナンその他、南ベトナム、サイゴン政権あてに送られた弾薬というのはどれぐらいあるのか、その点についてまずお聞きをしたいと思います。
○大河原(良)政府委員 ただいま御指摘ございました呉の弾薬庫から積み出しましたもののほかに、三月二十七日に沖繩から約三千五百トン積み出されております。
○東中委員 沖繩の天願軍港から弾薬輸送船で、アメリカン・クーリエ号、一万二千トンの大きな弾薬輸送艦ですが、嘉手納弾薬庫などから百五ミリ砲弾を中心に三千五百五十八トン、ダナンへ向けて出港したということ、これははっきりした事実でいま確認されたわけですけれども、大平外務大臣はこの前の十二日の当委員会での答弁では、和平協定に合致したものかどうかという判定は、国際管理監視委員会の認定がないといけないわけでございますので、この点を、その当時確かめておるのだという答弁をされています。同趣旨のことが三回言われておるわけですが、この問題は、最終的には国際管理監視委員会の認定がないと、協定第七条二項によるものであるかどうかそれはわからぬ。だからその点をいま確かめておるのだ、こういう答弁をされたわけであります。第七条第二項によるものであるかどうかは、国際管理監視委員会の認定がないとわからぬと言われておったのだから、国際管理監視委員会の日本からの弾薬輸送についての認定はどうなっておるか、その点をお聞きしたいと思います。
○大平国務大臣 いま御指摘がございましたように、ダナン向けの各種弾薬輸送がございましたことは事実でございます。これと和平協定との関係につきまして、米側に照会をいたしました結果を申し上げます。 ベトナム和平協定第七条は、休戦後に破壊され、破損されまたは消耗した武器、弾薬及び軍事物資を一対一の割合で定期的に取りかえることができると規定されておるところ、米国政府としては、もちろん和平協定第七条が、かかる取りかえば南ベトナムの両当事者の合同軍事委員会及び国際管理監視委員会の監視のもとに行なわれねばならぬと規定していることは十分承知しております。しかしながら、南ベトナムの両当事者はまだ合同軍事委員会を設置していない。休戦及び合同軍事委員会に関する議定書第七条に従い、南ベトナム政府は、ダナン、サイゴン及びカムラン湾を、和平協定第七条で認められる武器、弾薬及び軍事物資の南べトナムヘの搬入のための通過地点として指定している。他方、国際管理監視委員会は、これらの三通過地点に監視チームを派遣しているが、軍事物資取りかえの検証及び監視チームの運用に関する方式は、南ベトナム両当事者により今後決定されることになっております。米国政府としては、監視機構が完全に動き出すまでの間は、南ベトナム政府に対するすべての武器類の取りかえば、和平協定第七条の精神と意図に厳密に従って行なわれるよう慎重に事を運ぶ所存でございます。なお、米国のかかる武器類の取りかえに対し、四者合同軍事委員会あるいは国際管理監視委員会からは、何ら異論が出ていないことを付言いたします。 こういう回答に接しておりますが、ベトナムの和平協定が成立いたしまして以後におきましても、不幸にいたしましてたくさんの紛争が、まだ停戦違反が続いておるようでございまして、非常に残念なことでございますが、私どもといたしましては、停戦協定が関係当事者において守られまして、これが平和に定着してまいるように期待いたしておるわけでございまして、御指摘の点につきまして、われわれのほうから照会いたしました結果は、いま申し上げたとおりでございます。
○東中委員 私は、アメリカがどう言ったかということを聞いておるのではないのでありまして、明白に外務大臣がこの前言われた、三回も繰り返して言われておることについて聞いているわけであります。最終的には国際管理監視委員会の認定がない。これがなかったら、協定第七条二項によるものであるかどうかそれがわからぬ。七条二項に違反するものであるかどうかわからぬのに、違反しているかもしれないのに送っておるということになるのだけれども、いわれておるような国際管理監視委員会の認定があったというふうに日本政府は考えているのか。アメリカが言っておること、これは認定があったとは何も言っていないのですから。日本政府は認定があったというふうに考えておられるのかどうか、この点を調べておるのだと言われているのですから、この点どうですか。
○大平国務大臣 日本政府は国際管理監視委員会のメンバーでございませんし、それを認定する立場にないわけでございます。そしてまた、現地に人を派遣してそういうことをやっておるわけでもございませんので、私は、申し上げておりますのは、米国をはじめ当事者がその協定というものを順守していただくことを期待いたしておるわけでございまして、米側に照会いたしまして、米側が当事者といたしまして、和平協定を順守する精神と意図を厳密に持っておるということ、そして監視委員会との関係におきまして、米側が所定の手続を履修するつもりであるということを信頼する以外に手だてがないわけでございますので、米側から詳細な説明を聴取したわけで、そのことを御報告申し上げた次第です。
○東中委員 外務大臣、それは国会に対する答弁としてはきわめて無責任きわまりますよ。この内容、議事録がありますけれども、「米側は本件輸送は、本件輸送に限らず、南ベトナムあての輸送は、すべて和平協定に即してやっておるのであって、搬入方法、国際監視の実施等何ら和平協定に違反する行動はとっていないというのが今日までの回答でございます。」しかしこの問題は、最終的には国際管理監視委員会の認定がないと、協定第七条第二項によるものであるかどうかそれはわからぬ、だからその点をいま確かめておる、こう答弁申し上げておるのだ、こういうふうに、あなた自身が言われているのです。米側がこう言うておるということは、その時点でわかっておるわけです。国際管理監視委員会の認定がないと七条二項違反かどうかわからぬ、いま言われたことでわからぬわけです。わからぬから、その点確かめておるのだ。確かめられた結果、七条二項違反でないという結論が何か出てきたのですか。いま外相の答弁では、前に言われたことと全く同じじゃないですか。アメリカがそう言うておるというだけじゃないですか。国会で何べんも答弁されておる、国際管理監視委員会の認定がないといけないわけでございますから、それを確かめておるのだ。確かめられた結果は、国際管理監視委員会の認定はどうだったと言われるのですか。
○大平国務大臣 前段は、和平協定に対する私の解釈を申し上げたわけでございます。それから第二は、米側にその当時照会いたしましたことをあなたにお伝えいたしたわけでございます。 本日、私が御答弁申し上げておりますのは、二者合同委員会というのはまだ結成されていないということでございまして、またそれが機能していない状況でございますけれども、米側といたしましては和平協定の精神と意図を十分順守して、所定の手続を履修していくつもりでございますということを言っておるということを御報告申し上げたわけでございます。この二者合同委員会ができ上がりまして、それが機能するようになりまして、所定の手続を履修して一対一の入れかえということが履行されると、私は期待いたしておるわけでございます。
○東中委員 ごまかしてはいかぬと思うのです。こういう重要な国際問題であります。最終的には国際管理監視委員会の認定がないと、協定第七条二項によるものであるかどうか、それはわからぬ、はっきりとあなたは明言されているのです。だからその点をいま確かめておる。アメリカが言ってきている軍事委員会のことなんか、あなたはそのとき言われているのじゃないのです。国際管理監視委員会の認定、それがなければ協定七条二項によるものかどうかわからぬ、協定違反のものかもわからぬということをあなたは言われているわけです。国際管理監視委員会本部はサイゴンにすでにできています。これはもう御承知のとおりです。そこへ問い合わせをされましたか。サイゴンに大使館もあります。大使館を通じてそれについての認定を照会されたことがありますか。いかがでしょう。
○大平国務大臣 国際管理監視委員会というのは、陸揚げ地、引きかえ場所に監視チームを送っておるということは先ほど申し上げたのでございまして、ダナンもその一つの地点に指定されておるということでございます。したがって、そういう状況のもとでダナンに物資が送られたわけでございますので、そういう局面に処して、アメリカが和平協定の精神を順守して所定の手続を踏んでやります、こういうわけでございますので、私はそれで日本政府としては、必要にして十分なことではなかろうかと思っておるわけでございます。
○東中委員 あなたは私の言っていることに答えてくださいよ。ダナンの監視チームは機能していないというふうにアメリカは答えてきた、こういうわけでしょう。あなたは、この国会における答弁は、国際管理監視委員会の認定がないと、七条二項によるものなのか、明白な違反なのか、それはわからぬと言っているのですから。そういうふうにここで三回も答弁しているのです。それで国際管理監視委員会はちゃんと本部がサイゴンにあるじゃないですか。それはなるほど地区本部もチームもあるでしょう。しかし、機関としてちゃんとジュネーブ協定、パリ協定、議定書に基づいてつくられているでしょう。そこへ、外務省はこの認定がないとわからぬとここで答弁をしたのですから、それについて照会をしたのかしなかったのか、この事実関係を聞いているわけです。
○大平国務大臣 日本政府として照会する必要を私は認めなかったわけでございまして、当事者であるアメリカが協定を順守しながら所定の手続を履修して、これはせっかく達成されました和平協定でございますので、それを順守してやりますということでございますので、安心してしかるべしと私は考えております。
○東中委員 照会はしなかった。国際管理監視委員会、ICCSが認定をしなければ、あなたは七条二項によるものであるかどうかはわからないということを、この国会で答弁されているのですから、あの見解はそれならでたらめを言われたわけですか。アメリカの言うとおりに聞くのだと言われたのじゃないのです。国際管理監視委員会の認定がなければわからないのだ、はっきり言っているじゃないですか。この見解は、あのときの国会での言いのがれにすぎぬのですか。
○大平国務大臣 和平協定第七条に、停戦後消耗された物の一対一の入れかえというものが認められておる。それは国際管理監視委員会のような機関がちゃんと監視のもとに取りかえが行なわれなければならないものであるというように、私は協定を理解しておるということを申し上げたわけでございまして、日本政府が、それが現場にありましてどのように行なわれておるか、そういう確認しなければならないというような性質のものではないと私は思うのでありまして、当事国がちゃんと手続を履修いたしまして、違反のないようにやりますということでございますから、それを御信頼しておるということでございます。
○東中委員 詭弁を弄したらいかぬですよ。私はほんとうに真剣なのですから。この速記録によると、あなたがいま言われたようなことを言っておるのじゃないのですよ。明白に、「国際管理監視委員会の認定がないと、協定第七条第二項によるものであるかどうかそれはわからぬ、だからその点をいま確かめておる」のだ、こう言っているのですよ。あるいは、「和平協定に合致したものかどうかという判定は、国際管理監視委員会の認定がないといけないわけでございますので、その点を確かめておるんだということを御答弁申し上げておる」こう言っているのです。それでは国際管理監視委員会の認定があったと言われるのか、なかったと言われるのか、その点はどうなんでしょう。アメリカの答弁では、何もそんなこと言っていないじゃないですか。
○大平国務大臣 先ほども御報告申し上げましたように、私は、和平協定で一対一の物資の取りかえというものは、この和平協定の精神に沿いまして、国際的監視のもとで行なわれなければならぬことは、もろ常識的に考えましても当然だと思うのでございまして、そういうように、厳密に入れかえが行なわれなければ和平が定着しないものであるというように私は考えておるわけでございまして、そういう私の解釈を申し上げたわけでございます。 それから第二点といたしまして、しからば今度の現実の物資の輸送が、はたしてそれに合致しておるかどうかということは、当事者であるアメリカがやられることでございますので、アメリカに照会いたしましたところ、先ほど東中さんに御報告を申し上げたような回答に接したということを申し上げておるわけでございまして、そこで、アメリカは和平協定第七条の精神と意図に厳密に従って行なうよう慎重に事を運ぶ所存であるということを、日本に返答してよこしたわけでございますので、それで私は、日本政府の措置としては、必要にして十分ではないかと考えておるわけでございまして……(「前の答弁と違うじゃないか」と呼ぶ者あり)前に申し上げたのは、私の和平協定に対する解釈を申し上げたわけでございまして、何も詭弁を弄しておるつもりは私は毛頭ないのであります。
○東中委員 あなたは七条二項に違反するような輸送は、侵犯するような輸送はしない、そういうことは万々ないというふうに思うけれども、しかし、七条二項に違反しているかどうかは、国際管理監視委員会の認定がなければわからぬのだ、それを調べているのだ、こう言ったのですよ。調べの結果は、国際管理監視委員会の認定があったという回答は、アメリカから出てきていないじゃないですか。アメリカ側はそんなものはまだ機能していません、こう言っているのですよ。機能していません、だからかってにやっていることじゃないですか。ところが、アメリカがそう言うたから、アメリカが何かの回答してくればそれでいいのだ、守ってやっていくと言っているから。しかし、守っていませんよということを、アメリカの回答の中には、裏から読めばはっきりそう書いてある。それをあなたがそのまま認めたのでは、これは今度は日本政府の責任で、七条二項に該当しないもの、七条の一項によって禁止している物資の輸送の根拠地に日本がなっておる、こういうことになっているわけですよ。 現に、ベトナム人民軍の機関紙クアンドイ・ニャンザンは、十四日に日本の基地から南ベトナムにひそかに武器、弾薬を送り込んでいることを、協定第七条違反だといって非難をしています。十五日には、臨時革命政府は声明を発表してこれを非難しています。まさに大平外務大臣がここで言っていることと、実際にやっていることと違うことをやっている。それに対して非難をしているじゃないですか。それでベトナム協定を尊重していると言えるでしょうか。実際の侵犯の加担者になっているじゃないですか。この点どう考えておられるのですか。
○大平国務大臣 たいへん私の答弁がへたで、十分御理解いただいていないようでございますけれども、私が先ほど申し上げましたのは、この三通過地点に国際管理監視委員会は監視チームを派遣しておる。そして軍事物資の取りかえの検証及び監視チームの運用に関する方式は、南ベトナム両当事者によって今後決定されることになっておる。米国政府としては、監視機構が完全に動き出すまでの間は、南ベトナム政府に対するすべての武器類の取りかえば、和平協定第七条の精神と意図に厳密に従って行なうよう、慎重に事を運ぶつもりでございますということを返答してきているわけでもございます。 なお、あなたが言われたように、北ベトナムのほうで非難をされておるという情報も私どもも承知をいたしておりますけれども、それに対しまして、米国のかかる武器類の取りかえに対し、四者軍事合同委員会あるいは国際管理監視委員会から、そういうことに対して、いま米国がやっていることに対して何ら異論は出ていない。監視委員会のほうから米国のそういう輸送に対しまして、何らの異論が出ていないということを返答をよこしておるということを、先ほど御報告申し上げたのでございます。すなわち、いま、まだ国際管理監視委員会、二者合同委員会というものは十分機能する状況になっていない。その間は、米国が自発的に和平協定第七条の精神に従いまして慎重に事を運んでおります。それに対しまして、何ら異論が出ていないようでございますという返事でございます。こういう機関が機能を始めまして、そしててきぱき仕事をするようになってまいりますならば、事は明らかになると思いまするけれども、いまの段階は、こういう状況であるということを御報告申し上げた次第でございます。
○東中委員 国際管理監視委員会の本部は、もし七条二項による国際管理監視委員会の監視のもとでの武器の取りかえということをやるんだったら、当然に通告してくるべきだ、しかし通告も何もしていない、こういうふうに言っているじゃないですか。これは新聞報道で、東京新聞の大江特派員の電報としてそういうのが報道されています。結局表へ出していないじゃないですか。監視委員会の監視のもとにやらなければいけないのに、監視のないままでやっておるということが一つ。 それからもう一つは、七条二項というのは、一項で全面的に禁止をしている例外として四つの条件をつけていると思うのです。外務大臣は、七条二項に武器、弾薬、軍事物資の搬入について四つの条件をつけておるということを認識されておるのですか、されていないのですか。それに適合したものだというふうに、侵犯していないと言われるんだったら、四つの条件がついていま十けれども、それをどうお考えになっていますか。
○大平国務大臣 先ほど御報告申し上げましたように、軍事物資取りかえの検証、それから監視チームの運用に関する方式、つまり、国際管理監視委員会のそういった監視に必要な検証、監視チームの運用に関する方式は、南ベトナム両当事者間によって今後決定される。まだきまっていないということでございます。したがって、まだ機能する状況になっていないということでございます。それで、その監視機構が完全に動き出すまでの間は、南ベトナムに対するすべての武器類の取りかえば、和平協定第七条の精神と意図に厳密に従って行なわれるように、慎重に事を運ぶ所存でございますというのがアメリカの答えでございます。そういうアメリカの考え方、そしてアメリカの措置に対しまして、国際管理監視委員会から何ら異論が出ていない。北越からも監視委員会に、これはいけないというアピールは来ていないということでございます。つまり、和平協定にうたわれておるようなおぜん立てがまだ全部できていない、完全にまだ機能していない段階でございますから、このようにいたしておりますという返事でございます。
○東中委員 全然違うことを答えてもらっては困る。七条の一項では持ち込みを禁止しているのですよ。二項では四つの条件をつけて、こういう場合にだけ認められる、こういっているのですよ。機能していなかったら、二項の条件が満たされなかったら、一項の搬入禁止の規定だけが生きているのじゃないですか。 二項でいっていることというのは、四つと私が言っているのは、第一には、合同軍事委員会と管理監視委員会の監視のもとにやらなければいかぬといっている。そのチームができていないのだから、監視のもとにやられていないということはきわめて明白じゃないですか。 第二番目にいっていることは、休戦後に破損し消耗した武器、弾薬及び軍事物資が、これは休戦から二カ月たっていないわけですが、この間に、これだけの膨大な武器、弾薬、合計すれば、先ほども出ておりましたけれども、九千六十トンと三千五百五十八トン、一万二千六百十八トンという膨大な弾薬ですよ。時間がありませんから、私のほうで百五ミリのりゅう砲弾で計算しますと、八十三万発以上。八十三万発のごっついやつが送り込まれているのです。これがわずか二カ月足らず、一カ月余りの間に破損し損傷した、南ベトナム軍はそれに使ったというふうにあなた方としては考えているのかどうか。もしそうだとしたら、あなたが先ほど言われた停戦違反が続いている、停戦しないで戦争をやっている、この八十三万発もの弾薬の補給をしていることになるのじゃないですか。交換というような問題じゃないでしょう。それが第二の問題。 第三は、一対一の割合でといっている。これは一対一の割合で取りかえをしたことになりますか。 第四番目には、定期的に取りかえを行なうといっているのです。そんな条件は一つもないじゃないですか。だって、ルールがつくられてないのだから、定期的にやりようがないじゃないですか。 だから、明白に七条二項にいっている許可条件、この条件というのは全部ないということは、アメリカ側の答弁ではっきり言っていることになる。協定違反じゃないですか。七条の一項に違反をして送り込んでいるということになる。この点はどうでございましょう。
○大平国務大臣 南越からの情報によりますと、停戦後、たいへん不幸にいたしまして、停戦違反件数が七千五、六百もあるというようなことで、何千人という生命を失っておるというようなことは、たいへん残念な不幸なことだと思うのであります。ベトナムの停戦後まだそういった違反件数が存在するということは、非常に悲しいことでございます。 ただその場合に、どれだけの武器、弾薬、軍事物資が、第七条の規定によりまして、一対一で定期的に入れかえを必要とするかということは、私ども当事者でないからよくわからないのであります。私どもは、各当事者がこの協定を順守いたしまして、間違いのない措置を講じていただかなければならぬと考えております。何となれば、日本政府もこの和平協定というものを尊重してまいるということを、たびたび国会を通じて申し上げておるわけでございます。したがって、たまたま日本から輸送されるであろう弾薬につきましても、この規定に沿って措置されることを強く期待いたしておるわけでございまして、そういう規定に沿ってやられるかやられないかという問題は、まず、当事国のアメリカがどのように措置するかということが第一に大事なことでございまして、アメリカに対する照会に対しましては、先ほど御答弁申し上げましたような返答に接しておりますと御報告申し上げたのでございます。 この報告によりますと、あなたの言われる監視機構がまだ機能するような段階になっていないということでございまして、これが十分機能するようになりましたならば、東中さんが御指摘になるようなぐあいに問題が運ばれることと思うのでありますが、いま不幸にしてそういう段階ではない。段階ではないけれども、和平協定の精神と意図に従いまして、自分たちは慎重に事を運ぶ所存でございます、そして、アメリカ側がやっておることに対しまして、国際管理監視委員会から何らの異論も出ていないのでございますということを言うてきておるわけでございまして、それ以上私どものほうで一々、国際管理監視委員会のメンバーでも何でもないわけでございますので、私どもは、日本政府としてそういった説明を了承するよりほかに道はないと考えておるわけでございます。
○東中委員 外務大臣の答弁をお聞きしていると、アメリカの大使館の出張所みたいなことを、アメリカ側の答弁の趣旨説明ばかりされておるわけです。日本政府としてベトナム協定を尊重するのだ、そういっておるベトナム協定の第七条の二項は四つの条件を付している。その条件に従っているかどうかということになれば、アメリカの回答はそれに従っていない。だって、監視下にやったのではないということをはっきり認めているわけです。しかも定期的なものであるともいっていない。一方的にやっているのだということをいっているわけです。それは明白に七条一項に違反するじゃないか。 そして、単に違反するだけじゃなくて、停戦違反が続いておって非常に悲しい事態だといま言われました。戦闘が続いておる、悲しい事態だというふうに言われておるのは、日本から持っていくこの弾薬を使ってやられておるわけじゃないですか。その悲しい事態を起こす戦争行為をやっていく、協定違反がやられている、休戦協定違反をやっておる、それに使っている武器じゃないですか。それを日本から送っていっている。しかも、それはアメリカがいっておるのだから、当事国だからということで、アメリカの判断だけにまかして、日本がその前線基地になっている。ベトナムでのあの全面戦争、アメリカの介入、そのときにも日本はその足場にされた。日本がなければああいうことは起こらなかっただろう、こうまでいわれた。いままた同じ悲しい事態が起こる根拠地にされている。まさにアメリカのいうことを全面的に信用することによってそういう事態へ突っ込んでいっている。全くけしからぬことだと思うのです。国際管理監視委員会は現にあるわけですから、そこへ当然聞くべきだ。そして少なくとも、尊重するといっているのだったら、そのパリ協定の条項をほんとうに実施するようにやるべきだ、こう思うわけですが、総理大臣にお聞きしたい。 いま外務大臣は、アメリカ側の見解を言われているだけです。日本の立場というものは何も言われていない。ただアメリカのいっていることを信用するというだけです。これは国際管理監視委員会に問い合わせ、そしてベトナム協定、パリ協定の侵犯に加担するような行為は直ちにやめるべきだ、こう思うのですが、総理大臣の御所見をお聞きしたい。
○大平国務大臣 いま国際管理監視委員会が十分機能する状況になっていないという報告でございました。今後これがどのように進展してまいりますか、その点につきましては私どもも注意を怠らないつもりでございまして、これとの関連におきまして、日本から搬送されたものがどのように処理されたかということにつきましては、日本政府としても承知いたしまして、和平協定というものが忠実に履行されるような方向に、私どもも配慮していかなければならぬと考えております。
○田中内閣総理大臣 長く続いてまいりましたベトナムの問題が、終息したことを歓迎しておるわけでございます。そしてこのベトナム和平というものが定着することを望んでおるわけでございます。しかし、長い歴史もありますこの問題が、和平協定が行なわれたからといって、直ちにそのときから完全無欠な和平が得られるものでないので、粘り強い努力をお互いが続けていかなければならないということだと思います。 そして、いまずっと御指摘になっておる問題をすなおにひとつお考えいただければ、これは和平協定を守らなければベトナムの和平というものは定着しないわけでございますから、和平協定は十分尊重し守っていかなければならない。そしてそのベトナム和平を維持し定着させていくためには、この協定の中にあるように、管理監視委員会が機能しなければならないわけであります。この協定に書いてある管理監視委員会が機能するようになれば、それはもう当然、その条文にございますとおり、監視委員会の許可のない事項は、これは四者とも行なえないわけであります。アメリカも行なえないわけでございます。しかし現実問題としては、いま監視委員会が機能しておらない状態における事項に関してどうかという問題が議論されておるわけでございます。そうすれば、いま機能しておらないような管理監視委員会に日本が聞いてみろといっても、これはなかなか確たる返事が行なえないわけでございます。 そこで、日本政府として考えられることは、まずアメリカは一体この協定を守るつもりがあるのかどうか、アメリカはベトナム和平を定着するということに対して熱意を持つものか持たないものか、こういう判断をしなければならぬわけであります。そうするとこれは、アメリカは、ベトナム問題が解決をし、それから平和が定着することは最もこいねがっておる国だと私は思います。こういう立場にあるものだと理解しておるのです。そういう意味で、アメリカが少なくともみずから、監視委員会が機能しておらないからといって、監視委員会が機能するようになってからそこで非難を受けるような行動は絶対にするはずはない、こういう認定が日本としては行なえるわけでございます。 もう一つは、いま外務大臣が述べましたように、アメリカがいまやっておる、指摘されるような事項に対して、完ぺきに機能はしておらないとしても、完ぺきになりつつある過程にある管理監視委員会からは、これは協定違反ですぞという声は出ておらない。北側からも指摘をされておらない。こういう事実が第二の問題として、われわれ日本政府が判断をするには、やはりそういう面から判断をせざるを得ないわけであります。 この二つの問題に対しては、アメリカはベトナム和平定着のために最も熱意を持つものである、しかも協定はこれを順守する、それでわれわれがやっていることは協定違反に問われるようなものでは絶対にない、こういっているわけです。それだけではなく、いまも申し上げたような事態にありますので、機能するようになれば日本が聞く必要はないんです。向こうのほうで、協定違反なら管理監視委員会が断わりますから、それはもういいのでして、いま機能しない状態における、過程におけるアメリカの行動に対して、機能したときの状態を当てはめて論断しようとすると、そこにはいろいろな問題があると思うのであって、日本もアメリカもすべての人々が、ベトナムの和平定着に対して熱意を持ち、協力をしようという前提に立っておるのでありますから、アメリカ軍がいま行なっておる行動は協定違反ではなく、これはもう当然、管理監視委員会が発足をし、機能が行なえるようになれば認められる範疇のものである、こう判断をするのは、私はやむを得ない仕儀だと思います。
○東中委員 前提が事実とまるきり違う。七条の一項は搬入を禁止しているのですよ。禁止しているのだから、その国際管理監視委員会の監視を受けて、そして一対一で定期的にそういう条件でのみ許される。監視を受けられぬ状態だったら、一項の禁止条項が生きておるのはあたりまえじゃないですか。 北ベトナムが非難しておらぬと言いましたけれども、ニャンザン紙がちゃんと公式に非難していますよ。日本も非難していますよ。アメリカも非難していますよ。そういう状態で、しかも国際管理監視委員会は本部はちゃんとあるじゃないですか。ダナンヘは行けない。南ベトナムのいわゆるサイゴン政府側があそこを支配している状態ですから、そとで行けない状態が起こっている。そういう状態をつくっておいて、そして抽象的には守る、守るといいながらどんどん武器を送り込んでいく、その前進拠点に日本がなっておる。これじゃ口で言っていることと実際にやっておることと全く違う。 これは、ベトナム協定の七条一項を一体何と考えているのか。これに対する明白な侵犯じゃないか。この点を強く指摘し、チェックすべきだ。またそれをチェックできないというのは、安保条約がそういう形にまで拡大して使われておるという点で、安保条約自体に問題があるんだということも指摘をしておきたいと思います。 続いて、宅地並み課税の問題についてお聞きしたいのですけれども、関連質問で林委員からお伺いしたいと思います。
○根本委員長 林百郎君から関連質疑の申し出があります。東中君の持ち時間の範囲内でこれを許します。林百郎君。
○林(百)委員 午前にも問題になりましたが、農一地に対するいわゆる宅地並み課税の問題について、私は総理に所信をお聞きしたいと思います。 その前に、参考までにわが党の立場を申しておきますが、わが党といたしましては、市街化区域内の農地に対しては農地としての課税をすべきである、しかもこれを保護すべきである、こういうように一貫して主張してまいりました。 それは、今日、市街化区域内の農地の果たしておる役割りを見ますと、第一には、そこで生産する生鮮農産物をその市街化区域内に住んでおる居住者に相当量の提供をしている。たとえば、大阪府では約四〇%、神奈川県では六〇%の提供をしている。こういう生産的な重要な役割りを果たしておる。 第二としては、市街化区域内における農地が、日本のように無計画的につくられた都市の中では、緑地としての重要な役割りを果たし、市街地内に居住しておる者の健康を維持するためにも必要である、また公害の防止のためにも必要である、また都市の防災上の役割りからいっても重要な役割りを果たしておる、こうわれわれは考えているわけですね。そういう意味で、市街化区域内の農地はむしろ保護すべきである。したがって、課税の点からいっても、当然ですけれども農地としての課税をすべきである、こう私たちは主張しているわけですね。しかし、農地のような偽装をして、そして騰貴をひたすら待っているような土地があるとすれば、それは適正に評価して課税をする。その選別は、民主的な調査機関、あるいは審議会という名をつけてもいいと思いますが、この答申を待って市町村長が決定する、こういう立場に立っております。 同時に、総理の考えを新聞で見たりテレビでお聞きしますと、この市街化区域内の農地に対する宅地並みの課税の問題が、勤労者の宅地あるいは住居を提供する問題とうらはらになって提起されております。したがって、わが党のこの面についての政策も一応申し上げておきますが、われわれは、大都市の勤労者の生活用の居住のために使われている土地、こういうものに対する固定資産税は大幅に減免すべきだ。同時に、それから生ずる地方自治体の財政的な措置に対しては、大企業のばく大な保有地に対する税金を固定資産税に一本化して、適正に評価して累進課税をしていく。さらには地方自治体の交付税率を引き上げるということも配慮していかなければならないと思います。また一方、大企業の土地の投機を取り締まり、禁止をしていく。次に、大企業の騰貴のための保有土地に対しては、自治体に土地を収用する権限を持たせて、それを勤労者のための住宅用の土地として確保していく。以上述べたような措置をとることが必要だ。 あとでまた、時間がありましたらもう少し詳しく申し上げますが、そういう立場から、農地に対しては農地としての課税を当然すべきである、大都市の勤労者の生活用の零細な住宅用地等に対しては大幅に減免すべきであるということで、昨年の市街化区域内の農地に対して宅地並みの課税をするということを前提としての一年の凍結ということについては、わが党は参加をしなかったわけですね。そうして、この固定資産税、いわゆる地方税法の修正に対しては、要するに市街化区域内の農地に対して宅地並みの課税をするという、こういう修正に対しては、これをやめるべきである、こういう立場に立ってきたわけであります。 そこで、総理にお尋ねしますが、もう言うまでもなく、このいわゆる一年の凍結、市街化区域内の農地に対する宅地並み課税の一年延期というのは、三月一ぱいで時間切れとなり、四月から当然市街化区域内の農地に対する宅地並みの課税を全面的に採用してくるわけですね。こういう事態に対して総理は一体どういうお考えを持っているのか。これを好ましい事態と考えるのか、あるいはそれは好ましくない、手直しをしなければならないのだというように考えられているのか、その点をまずはっきりお聞きしたいと思うのです。
○田中内閣総理大臣 都市への急激な人口の集中によりまして、宅地が不足をしておることと住宅が不足をしておることは、これはもう私が申し上げるまでもないことでございます。ですから、住宅を確保することと住宅用地を確保するということは、当面する政治の最大の課題ともいわれておるわけでございます。そういう現実に徴して四十六年に都市に新しい法制をつくったわけであります。それは、線引きを行ないまして、その線の外は調整区域である。中は市街化区域である、こうしたわけでございます。そうして市街化区域であるという線引きの中の農地はできるだけ宅地に転用せらるべきである。そうして転用せらるべきであるということの目的を達成するために、農地であっても宅地並み課税を行なおうという制度ができたわけでございます。 ところが、その農地の中にはいろいろな種類の農地がございます、あなたがいま御指摘になったように。そこらは自民党と共産党は案外変わらないなと思うくらいに、当然宅地になるべきもの、これに対しては重課しなさいということをあなたも考えておられるようでございます。また、緑地や農地として保存せられるべきものに宅地並み課税をしてはならない、それを言いかえて、農地本来の課税以外に新しく賦課してはならない、こういうことを言われておるわけでございます。それは立法の当時……。
○林(百)委員 簡潔に私の聞いたことに答えてください。
○田中内閣総理大臣 しかし重要なことなんです、ここは。間違うとだめなんです。ですから、これはそういう意味で、その当時は、もう道路も下水も整備をされているところはA農地、それからその近くはB農地、そしてまだ相当時間がかかるところはC農地。だから相当の部分というものはC農地であります。A農地というのは、どう考えてみても、下水も道路も全部できておるにもかかわらず、これが宅地に転用されないというのは、はっきり申し上げると、値上がりを待っておるといわざるを得ないのであります。だからそういうものには、あなたも、日本共産党も、宅地並み課税をすべきであるという範疇に属するものであります。
○林(百)委員 そんなことはないよ。
○田中内閣総理大臣 いや、それはそうですよ。私たちの考え方はそういうふうに理解をしております。 そういう意味で、これはただ税だけでもって問題がすべて解決はできないので、ほっておけば、スプロール化が起こったり、また法人に全部移ってしまったりということであればどうにもなりませんので、おそまきでございますが、一年間の凍結期間がございましたので、政府は、近く提案をする予定の、その宅地に転用された部面に対しては貸し家をつくったり、それからサラリーマンに宅地として提供したりする場合には低利長期の融資をしようとか、固定資産税を半分にしようとか、しかも立体化を行なって、住居の用に供する部分に対しては少なくともそれだけ畳面積がふえるわけでありますから、四階以上のものに対しては、十五年間三分の二の固定資産税の減免を行なおうとかする。 それで、当然この法律が出るときにあわせて御審議をいただくべきであったものが、なかなか理想的なものは、一日にして成らずということでございまして、一年間研究をしてどたんばに来たら、やっぱり理想を追うこともこれは必要だが、現実的にここらでもう一つの案をつくらなければいかぬ、こういう考え方でその成案を得つつあります。 そういう意味では、この宅地並み課税をそのまま実行もできないから、二年間考えて実情もよくわかりまして、政府がいかにやろうとしても、公共事業費がこんなに大きくなっても、C農地まで、来年一ぱいで全部道路や下水を完備することはできません。ですから、そういうものとはもう少し立法当時よりも段階をつけよう、そして必要な宅地、しかも東京、大阪、名古屋というような、このA農地、B農地だけが片づけば、少なくとも住宅問題の相当部分が片づく。毎日毎日これだけ議論しておるサラリーマンの宅地や住宅面積の問題に対しまして、とにかくこれはどうしても解決せざるを得ない。 この三大都市においては、住宅公団の建物も半分以下しか建たないのです。これはみんな用地の問題でございますから、そういう問題を解決しようということを考え、立法当時よりもより合理的な理解が得られるものをやろう。あとはスプロール化が行なわれないように、またあなたが指摘されたように、その中でも都市としての自然環境とか緑地とかいうものをできるだけ確保しながら、いま国民が望んでおる宅地と住居面積を提供しよう。真にやむを得ない、もうこれ以外にないというぐらいな気持ちで、いま成案を急ぎつつあるというのが実態でございます。
○林(百)委員 時間がありませんので、土地問題について、十分総理とここで討論をすることができないのははなはだ遺憾と思いますが、しかし総理、私は市街化区域内のA農地、B農地が、すべて騰貴待ちの擬装農家であるなんてことは言いませんよ。市街化区域内のA農地、B農地ですね、その中でも実際は営農をしなくて、そしてただ単に騰貴だけを待っているような、そういう土地があるとするならば、それに対しては適正な価格を評価して累進的な固定資産税なりあるいは課税をすべきだということを言っておる。それをあなたはとって、そして私が何か市街化区域内のA農地、B農地すべてが騰貴待ちの土地であるようなことを言って、それへ税金をかけろと共産党も言っているなんて、とんでもないすりかえですよ、あなた。 それじゃ、あなたが土地のことをそんなにお考えになるならば、こういう考えをお持ちですか。土地がすべて国民のために民主的に利用されなければならないということはあなたもお考えでしょうね。そこで、大企業が不当な騰貴をねらうために持っている土地、これを解放して勤労者の住宅や中小企業の店舗、農業などの小土地所有者に提供し、そしてこれらのものを守っていく、こういう政策をあなたは考えていますか。第一に制限されなければならないのは、わずかな土地を持っている市街化区域内の農民の農地ではなくして、大企業、大資本の持っている、買い占めている大きな土地じゃありませんか。この土地を収用するということが大事だと思うんですね。 具体的に言いますれば、東京証券市場の一部上場会社の約七百社だけでも、三十三万ヘクタールの土地を持っている。これはもちろん工場の敷地も入れてありますけれども、これだけの広い土地を持っている。これは全市街地面積に匹敵する土地ですよ。それから東京の六十キロ圏内には、少な目に見ても約二万ヘクタールの大企業の土地がある。一万ヘクタールの土地だけでも約百万人の人が住める。こうした土地を適正な価格で、買い占めたときの価格プラス若干の維持費で自治体が収用する。ただしこれは現金で払うのではなくして交付公債でこれを買い取る。さらには、当面住宅難のひどい東京の五十キロ圏、大阪の四十キロ圏、名古屋の三十キロ圏の三地域を収用地に指定して、ここで大企業が買い占めている土地を交付公債で買い占めていく。また米軍と自衛隊の基地が約十一億六千平方メートルあります。この土地の十分の一を利用するだけでも約二百万戸の建物が建てられるわけです。もちろん道路、公園、学校、汚水処理などの必要な用地を含めてもあるわけですね。こうして宅地を確保する一方、土地買いの中心になっている総合商社、大手私鉄、金融機関など大資本の土地買い占めを禁止して、一定規模以上の土地の取引は自治体の許可制にすべきである。 また、大規模買い占めの原動力になっている銀行の融資を見ますと、不動産業に対する全国銀行の貸し出しは、昭和三十四年に四百九十八億だったのが四十七年には三兆六千億円という実に十三年間で七十二倍の融資を銀行がしているのですよ。しかも、全国銀行の貸し出し全体はこの間に八倍になっているにすぎない。ところが、土地の融資については七十二倍になっているというのです。このように銀行が十三年間に七十何倍もの融資をして大企業に土地を買い占めさしている。これに対してはあなたはどういう措置をするつもりですか。 それから、あなたの構想の中で、たとえば農民が宅地並みの課税をされたためにやむを得ず土地を手放したという場合に、それが民間のデベロッパーの手に落ちないという保証がどこにありますか。
○田中内閣総理大臣 まあ、あなたと土地問題に対しては基本的な相違がございますから……。
○林(百)委員 あなたは独占の立場です。われわれは勤労者の立場だから。
○田中内閣総理大臣 私は自由の立場でございまして、あなたはすべて国有にしようという立場でございますから、そこは違うのです。学問的にも現実的にも違うのです、これは。ですからそういう意味で、それは大企業や商社やその他のものに対しては、別に法律を今国会で提案をしておるのです。それには、将来の値上がりを見通して買ったものであっても、知事が認定をし特定地域に指定すれば、これは移動も禁止できるし、開発もできなくなるし、買い取り権ということもちゃんとできるようになっているのです。収用も、特定地域に指定して収用の条文を入れればそれは当然できます。
○林(百)委員 条文を入れるとできるったって、入れてないじゃないですか。
○田中内閣総理大臣 それは、審議をなさる過程においてあなた方が御議論になって、みんなの意見がそうなれば当然それはなるじゃありませんか。そういうことであり、法律はちゃんと出してあるということでお考えになっていただかなければなりません。 しかも今度、これはまだ国会に提案をしておりませんけれども、あなたがやはり指摘されたように、農民が農地としていま維持しておるC農地というようなものに対しても配慮をしておりますし、それからA農地、B農地においても必ずしも売らなくてもいい。問題は、住宅の面積を提供することが一番焦眉の急でありますから、この土地を買ってそして住宅をつくるといえば倍の金が動くわけでございます。現実問題としては、土地を持っている人や中には地上権を持っているような人たちが事業主体になることによって、事業量が二倍にも三倍にもなるわけでありますから、今度は土地を売りたくなければ売らなくてもけっこうです、しかし住宅を建てる方には低利長期の融資もいたします、そしてその建物に対しては固定資産税の減免も行ないます、こういうことをちゃんとやっておるのです。そしてまた土地を買った人、個人でございますが、個人が宅地として買って建物を建てる場合には、隣で自力でもって買った人との権衡から考えるといろいろな問題がありますけれども、しかし、農地に対して特別措置を行なったという現実に徴しても、やはり土地を買って何年も遊ばしておくということでは目的を達成できませんから、土地を得たサラリーマンが家を建てられるように、そのときに幾ばくかでも負担が軽くなるように、その固定資産税を、同じところであっても固定資産税は二分の一にしようというような、いろいろなことを考えているのです。 しかも、一万六、七千ヘクタールあれば、東京、大阪、名古屋で当面必要としておる宅地の相当部分、私は全部とは言いませんが、相当部分が解決をするということでありますから、その現実に目をそらしては、ほんとうの宅地供給政策、住宅政策だとは言えないわけであります。
○林(百)委員 私の聞いていることに答えてください。いいですか、四月一日になれば市街化区域内の全農地に、いわゆる宅地並みの課税がかけられることになるわけでしょう。これはあなた御存じでしょう。そうなっているじゃないですか。それを、あなたはそれでいいと考えるかどうか。あなたの党も自治大臣も、そうはならないと言っていますよ。あなただけがそれでいいと考えるのかどうか。いいと考えるなら、どうするのかということを聞いているのです。 もう一つは、かりに農民が土地を手放した場合に、それがデベロッパーの手に渡らないという保証があるかどうか。デベロッパーの手に渡って、十階建てのあなたの好きな高層建築をして、そしてそのための減価償却をするために、高い家賃で、マンションのような高い家賃で貸すといったって、勤労者はそこに住めますか。 結局、あなたは大きな土建企業、土建の資本家に対してもうけさせるために土地を提供さしてやる、そこへ高層の建築を建てさせてやる、そして高い家賃を取らせる、そして大企業をもうけさせてやる。だから最初から言っているように、あなたと私とは立場が違うとあなたは言いましたけれども、全くそのとおり立場は違いますよ。あなたは大土建業者、あるいは大土地不動産会社、大商社の利益のために考えている。だから根本的に違う。そうでないなら、かりに農民が手放した土地が、決してデベロッパーの手には渡らない、そのデベロッパーが利益をえじきとしたような高層建築を建てて、高い家賃のマンションを建てるようなことにならないということを、ここで断言できますか。その二つ答えてください。
○田中内閣総理大臣 まず第一点の問題でございますが、あなたが御指摘になられる程度のことをちゃんと考えています。ですから……。
○林(百)委員 具体的に言ってください。
○田中内閣総理大臣 A、B、C農地のうちで、都市計画上緑地と指定しておるものは、もう初めから除外しておるじゃありませんか。緑地は芝生をつくってもよし、木を植えてもよし、たんぼをやっていてもいいのです。畑でもいいのです。
○林(百)委員 市街化区域内の全農地に宅地並みの課税が適用になるのです、四月から。それはそれでいいかと聞いているのですよ。緑地とか部分的なことを聞いているのではないのですよ。
○田中内閣総理大臣 農地として、これから継続的に営農をやるようなもの、しかも緑地として指定するところは税の課税対象からはずしてあります。 それでもう一つ……。
○林(百)委員 どこにある。そういう法律がどこにありますか。
○田中内閣総理大臣 はずしてあります。
○林(百)委員 どこにあるのです、それは。あなたの考えだけじゃないですか。
○田中内閣総理大臣 きょう、あす出すと言っているじゃありませんか、先ほど。
○林(百)委員 出すなら出すと言いなさい、初めから。
○田中内閣総理大臣 あなたは、先ほどお聞きにならないのですか。
○林(百)委員 あなたの考え方が法律ですか。
○根本委員長 林君に申し上げます。発言を求めてやってください。
○田中内閣総理大臣 あなた質問をしたら、人に答弁を求めているのでしょう。答弁を聞きなさいよ。長いこと議員をやっておられて……。
○林(百)委員 立法化するなら立法化すると言えばいい。
○田中内閣総理大臣 私は先ほど、今日明日中に現行法に対する修正案を自民党案として提出いたしますと明言をしております。
○林(百)委員 そんなこわい顔をしなくてもいいのに。
○田中内閣総理大臣 あなた、私よりももっとこわい顔をしてやっておりますよ。お互いに個人的には友人だけれども、もう少しすなおにお聞きくださいよ。
○林(百)委員 聞いていますよ。
○田中内閣総理大臣 それで、結局C農地というものは、先ほどから長々と述べておりますように、これはまだ確実に公共施設が整備をするめどもつきませんから、そういうものは現行法どおり適用しては無理があるから、そういうものは五十一年からということでありますが、弾力的にそこは規定しなければならない。A、B農地に対しましても、いまの税率をそのまま適用はできない、こういうことで修正案をいま自民党が用意をしておるわけでありますから、ですから全部の市街化区域内の農地に税金をかけるかかけないか。いまの法律はかけるようになっておるのです、黙っておれば。
○林(百)委員 だから私は聞いておる。
○田中内閣総理大臣 だから、かけるようになっていますから、より合理的なものを、よくやったなあというようにほめられるべきものを出そうと、こういうのでございます。
○林(百)委員 時間がありませんが、あなた、自分の考えがあたかも法律化しているように、ちゃんと緑地を除くようになっておるじゃありませんかなんて、それはあなたの考えじゃありませんか。まだ国会の審議にも何もなっていないのです。
○田中内閣総理大臣 なっている。
○林(百)委員 まだ国会にあなた、かかっていませんよ。かかっていませんよ、それは。全市街化区域の農地に対してですよ。それはそれでいいです。 それじゃ次に……。
○田中内閣総理大臣 それじゃはっきりします。現行法十九条の二に、「市街化区域農地(農地のうち都市計画法第七条第一項に規定する市街化区域内の農地(同法第四条第五項に規定する都市計画施設として定められた公園又は緑地の区域内の農地で同法第五十五条第一項の規定による都道府県知事の指定を受けたものその他の政令で定める農地を除く。)」云々と、これはちゃんと課税対象からはずれております、現行法で。
○林(百)委員 それじゃ自治大臣にお尋ねしますけれども、それはわれわれの知っているところでは、これは昨年の地方税法の一部改正の法律案のときにこういうことが審議されたのであって、同法にそういうものがあるとはわれわれは考えておりません。 しかし、その問題はそれとして、あなたは三月二十七日の地方行政委員会において、新聞の伝えるところによれば、首相は四月自動発効を決断とこう書いてあるが、このようなことを政府は考えているかという質問に対して、「そういうことにはならぬと私は思います。」「そういう方向ではないというふうに申し上げていいと思います。」と、こう答弁しております。ところが、事態は全くこれと食い違った事態に立ち至ってきている。先ほど総理は、立法を考えていると言っていますけれども、しかし、それはまだ議会にかけられてそれが審議を経ているわけじゃないわけですから、総理の考えなんですから、総理の考えがそのまま法律になるはずはありません。そうなると、そういう立法が国会の審議にかけられるまでは、そしてそれが成立するまでは、あなたが先ほど言ったことと違って、何らかの行政的な措置をせざるを得ないじゃないですか。この点はどうですか。
○江崎国務大臣 いまお読み上げになったくだりは、新聞等で総理が一年間暫定措置を延長するということの御質問があって、どうもそういうことではないようですと、これはそういうふうに答えたふうに私は記憶をいたしております。だから、ちょっと御指摘の個所が違うわけですね。 それから、今朝から問題になりましたように、私は、その行政措置で法を曲げるようなふうに誤解があったとすれば、これは誤解していただいては困るわけです。たとえば地方税法の改正の中には、今度の固定資産税の評価がえの問題、この評価がえに伴う減免の問題、特に住宅地についてはこれを減免しております。それから住民税の課税最低限の問題、いろいろございます。これは厳密に言うならば、四月一日から直ちにこれが施行せられることが望ましいわけでありまするが、予算に関連した法案でも、国会の審議の都合で通らないこともあります。今回のこの地方税法の改正におきましても、大臣が出れないという理由でもって、まだ実際、事実上衆議院においては審議に入っておられません。そうなりますと、それは今明日中に通るか通らぬか。まあこれは通らないということが現実ですね。そうであるとすれば、何も固定資産税の増税の問題あるいは減免する問題、これもほかっておけば現行法どおりで課税するんじゃないか、こういうことになるわけです。
○林(百)委員 地方税の問題を聞いているわけじゃない。この問題をどうするかです。
○江崎国務大臣 ですから、私は先ほどから申し上げておりまするように、今明日中に修正案が自民党から出されるわけであります。したがって、この国会の審議の動向等をにらみ合わせながらむだのないように、地方が事務的のむだのないように適切な措置がとられるように、われわれ自治省としては指導をしてまいりたい、こう思っておるわけでございます。
○根本委員長 林君に申し上げますが、お約束の時間はすでにだいぶ経過しておりますので、結論をお急ぎください。
○林(百)委員 では、これで終わります。 総理にお伺いしますが、この固定資産税の第一期の納期は四月であることはあなたも御承知のとおり。その十日前に令書も出さなければならない。しかし、そういう状態のもとに今明日中といいましても、もうこれは常識的に考えたって、この三月一ぱいでその法律が国会で通るという保証はないわけですよ。そういう場合に、第一期の固定資産税の納期は四月一ぱいだというときに、この措置に対して何らかの行政的な措置をしなければならない。そうでなければ、国会の審議についてワクをはめることになるんじゃないですか。これは重要な国会の審議に対する干渉になるんじゃないですか。なぜそれじゃいまごろになって、もしそういうことを政府が考えているとしたならば、なぜこの三月のこの年度末になって、もうきょう、あすしかないという、しかもきょうまだ提案されていないんですから、事実上。そういう責任をあなたはどうとるのですか。何らかの行政的な措置をせざるを得ないじゃないですか。
○田中内閣総理大臣 先ほども申し上げましたように、一年間も勉強期間があったにもかかわらず、問題が複雑多岐にわたっておりますために今日に至りましたことに対しては、遺憾の意を表したわけでございます。しかし今明日中には、最善の努力をいたしまして、地方税法の一部を改正する法律案の修正案を自民党修正として委員長まで提案をいたします、こういうことでございます。 あなたが御指摘になったように、第一期の徴税は四月でございますが、四月の二十五、六日ごろまでにはきっと令書を発行しなければならぬと思います。そういうことでありますから、そうなれば、それは四月の二十七、八日までにこの法律案が通過をしないということになれば、これを確かに現法が生きるということになるわけでございます。 まあ、そういうような状況も加味しながら御審議をいただくわけですが、これは私のほうでワクをかけるなどという考えはございません。これはそのときになって、国会の審議の状況において政府が格段の措置を行なうべしというような国会の意思になれば、それは行政措置でもって可能な限りのものを行なうことになりますし、そうでなく、審議を順調に進めていただきまして、その期間までに成案を得られるようになれば、御指摘のような混乱は起こらないわけでございます。
○江崎国務大臣 市町村長は、必要に応じてこの徴税令書を発行することを延期することもできるわけでございまして、これは法律に規定されておるとおりでありまするから、今明日中に修正案が出て、すみやかに御審議がいただけるということになればさしたる支障はない、こう考えております。
○田中内閣総理大臣 二十五、六日と申し上げまして恐縮でありますが、三十日だそうでございますから。
○林(百)委員 それではこれで終わりますが、いずれにしても、今明日中に御審議を願えれば行政的な措置が必要でなくてもいいというような意味のことをおっしゃいますが、そんなことは全く非常識な話ですよ。それが国会に対する、国会の審議に対する大きなワクをはめることになるということになりますよ。また事実上行政的な措置をせざるを得なくなるし、そうなれば、先ほどあなたが弁解したにもかかわらず、法律で納税義務が発生しているのに、行政的な措置でこれを左右していかなければならないという事態に私はなると思うのです。 いずれにしても、この事態は、一方では法律に対して行政的な措置が優先することになるし、一方では国会の審議に対して重大なワクをはめることになるし、これは政府・自民党の責任というものは重大なものだと思うのですよ。そのことをよく心得えてもらいたいと思うのですね。このことを警告して、私の質問は終わります。
○東中委員 私の質問は終わります。
○根本委員長 これにて東中君の質疑は終了いたしました。 次に、坂井弘一君。
○坂井委員 最初に一言触れておきますが、いまの市街化区域内農地のこのみなし課税の問題であります。今日まで、地方行政委員会において十分な話し合いのもとに進められてきた。それが総理のまさに独断と暴走でこれが一転して、そしてたいへんな混乱を招くというような事態になったということに対しては、これはまことに遺憾だといわざるを得ません。 そこで、この市街化区域内農地のみなし課税、これにつきましては、いわゆる大都市圏内の宅地供給をスムーズにしよう、そういう政府の考え方、その基調に、いわゆる田中総理の日本列島改造論、これを推進しようとして提案されている新国土総合開発計画、これがある、われわれはそう理解いたしております。そこでわが党は、この計画は依然として工業力を国土開発の基盤とする産業優先、企業一辺倒から出発した旧全総と大同小異の理念に貫かれているというところに非常に疑義を持っております。しかるにこのみなし課税、これを見ますと、一貫して税制上あるいはまた日本農業のあり方、特に大都市及び周辺農地の置かれたこの位置づけ、さらに自然環境の破壊を招くのではないかということ。また一方では、生鮮野菜の供給、これを職分として農業にいそしんでおる、そうした農民を犠牲にして土地政策を推し進める、こういうことは、以下申します点から考えて、われわれは反対を表明せざるを得ない。理由を四点申し上げます。 一つは、市街化区域内における国公有地の活用を大至急はかり、住宅用地に転換するということ。 二つ目には、市街化区域内において土地税制の恩典を悪用し、資金にものをいわせて買い占めた大手商社及び不動産業者の遊休未利用地を、なぜ野放しにしたままで弱い農民から土地を収奪しようとするのか、こういう問題。 さらに三番目には、固定資産税の大幅増徴によって手放す農民のこの土地は、はたして都市住民が住宅用地として低廉な地価で手に入るか。いまも議論がございましたけれども、その保証は全くないということ。 さらに四番目といたしまして、民間デベロッパー、これに譲渡する場合にも、税制上、金融上の恩典から、民間の大手デベロッパーあるいは商社の土地取得を容易にさせて、いたずらに企業のもうけ、この幅をふやす、そういう対象になるばかりではないかという点。 まあこれらの歯どめがなくして、単にあめとむちでもって市街化区域内農地の宅地並み課税、これを推進しようということは、大きな社会混乱を引き起こす、そういう心配をいたします。したがって、そうした点について十分ひとつ反省を促して、この問題につきましては、当該委員会におきまして十分なひとつ審議をはかり、問題を煮詰めていきたい、そう考えております。きょうはすでに通告をいたしました問題がございますので、限られた時間でございますし、順次質問に入りたいと思います。 最初に、日本航空機製造株式会社のことについてお尋ねしたいのでございますが、昭和三十三年の五月に民間輸送機の国産化を促進する目的をもって航空機工業振興法、これができました。そうして翌三十四年六月に日本航空機製造株式会社が官民合同出資でもって設立をされた。そうしてYS11の量産販売に入った。百八十機を量産販売いたしまして、日航製が終止符を打った。その間、赤字総額が概算三百六十億、これは今後の分も含めます、そういわれておるわけでございますが、そのことにつきましては、先般の本会議におきましても私、指摘したとおりであります。 そこで、通産大臣に最初に伺っておきますが、いま申し上げましたように、YS11という民間輸送機をつくった。結果として、三百六十億になんなんとする赤字を出す。この日本航空機製造株式会社は、いわゆる民間輸送機をつくるということを目的として設立された会社であるということは明らかであろうと思うのですが、なお念のために、そう理解して間違いございませんか。
○中曽根国務大臣 軍用機を目的としたものではないのでありまして、民間輸送機を製造するということを目的にしてつくられておると考えます。
○坂井委員 民間輸送機を製造することを目的として設立された会社が日本航空機製造株式会社である、まさにいま明確に答弁を得られたわけであります。 そこで質問を進めますが、そういたしますと、昨年会計検査院が、この日航製は多量の購入資材がある、そういう中で余剰資材を買っているではないかということで指摘をいたしました。その指摘の総額が四十七年十二月末現在で二十八億四千百四十四万円これはむだである、こういうわけであります。ところで、先ほど申しましたように、このYS11百八十機の長期量産計画、これが終了いたしまして、さらに継続生産をしようというような話が起こってまいりまして、そうした経緯の中で、結論的には、十機ふやして百九十機にしようということが検討されておりますけれども、それが検討されたのは一体いつですか。
○中曽根国務大臣 百八十機で打ちどめにする、そういう予定でたしか現在百七十五機まで売れて、あと五機は、日本国内の諸用途に予定して大体売れる見込みである、そういうふうに報告を受けております。
○坂井委員 続けますが、それではこの十機分のエンジン二十台、これを日航製がロールス・ロイス社から購入いたしましたが、このロールス・ロイス社と契約したのはいつですか。
○中曽根国務大臣 契約時期は、政府委員から説明させますが、それは営業用補用品ということで、いろいろ売った先に対して補給する、アフターケア、そういう意味で、予備として蓄積しておくという意味で買ったと聞いております。
○山形(栄)政府委員 お答え申し上げます。 十機分のエンジンにつきましては、四十五年の四月二十七日に発注方針を会社側できめまして、発注自身は四十五年の五月二十八日でございます。
○坂井委員 四十五年の四月二十七日、この日が契約ですね。承認申請して承認を受けた日はいつですか、もう一回明確におっしゃってください。
○山形(栄)政府委員 これは当然のことでございますが、輸入許可を受けなければいかぬわけでございますが、その輸入許可の年月日は四十五年の八月の一日でございます。
○坂井委員 そういたしますと、申請して承認を受けた日以前にすでに日航製はロールス・ロイス社と契約した。エンジンというのはこれは承認行為なんですね、通産省の。それ以前にもうすでに契約をしておる。 そこで、先ほど通産大臣から答弁がございましたが、何のために買ったのだと言いますと、営業用補用品である、こういうお答えです。はたして営業用補用品ですか。これは会計検査院に伺いますが、おいでですか。――営業用補用品で買ったものですか、それとも本機生産用、いわゆる継続生産用として買ったものですか、どちらですか。
○白木会計検査院長 ただいまの、実質上生産用資材でございますが、当時正式に継続生産の認可がなかったというような関係から、おそらく名目は補給用資材として購入されたものと思いますが、私ども検査の際に当局にいろいろただしましたところでは、いろいろな事情から、やはり十機の継続生産を目標にして購入したという説明を受けております。
○坂井委員 いま会計検査院から明らかにされました。いわゆる本機生産用、継続生産用として十機分のエンジン二十台を購入したというわけです。先ほど通産大臣はこれは補用品である。そうじゃない。この間いろいろなもたつきがあった。その経緯については、あらましその結論だけを申し上げたいと思いますが、つまり十機分の二十台を認めて、通産省があとで取りやめた。認めておってあとで取りやめた。取りやめた日にちは四十五年の十二月です。これは通産省に責任がありますよ。したがって、そのためにつまり余剰資材として残ってしまったのです。エンジン二十台分、大なる国損を来たした。その実態を具体的に申しましょう。 四十七年十二月末現在の余剰資材処分状況というのがございますが、これを見ますと、払い出し簿価、つまり帳簿価格六億一千百九十三万五千円に対しまして、処分価格、売った価格が三億一千七百六十四万三千円、つまり半値です。これはエンジンのバーゲンセールみたいなものですね。ビッグ・バーゲンです。半値の安売り。さらに、本機生産用資材のエンジンだけ見ますと、その台数、余剰額、払い出し簿価、処分価格を見ますと、余剰額が九億二千二百四十二万一千円、払い出し簿価が二億二千七百七十五万二千円、それに対する処分価格が七千八百九十七万六千円。これはエンジン六台です。どこへ売ったかといいますと、アメリカのトランス・パシフィック・サプライに四台、全日空に二台、これだけ売った。払い出し簿価が二億二千七百七十五万二千円、売った価格が七千八百九十七万六千円、これも三分の一の安売りです。 まだ明らかにならない分があるのです。つまり、余剰エンジンは補用品も含めまして二十四台あったはずです。いま六台だけ明らかにしました。間違いがあれば指摘してください。残りの十八台です。十八台は一体どこへ処分しましたか、それを明確にしていただきたい。及び処分金額。
○山形(栄)政府委員 お答え申し上げます。 トランス・パシフィック・サプライに対しまして、いま御指摘のように四基であったわけでございますが、その後二基これを追加して処分いたしております。それから残りは十四基、十四台といいますか、十四台全日空に処分いたしておりまして、全部で二十台でございます。
○坂井委員 価格は……。
○山形(栄)政府委員 価格につきましては、トランス・パシフィックに処分いたしましたものが大体千三百五十五万二千円でございます。それから全日空に処分いたしました最初の二台、これは千三百万円でございますが、その後全日空と折衝を重ねまして、その後の十二台につきましては、千八百万円でこれを処理いたしたわけでございます。
○坂井委員 いずれも三分の一の安売りということですね。この安売りを見ますと、日航製がダイレクトで売った分はみんな安いのです。総理、直接売った分は安いのです。商社に入っている分は払い出し簿価、帳簿価格より――帳簿価格というのは大体買い入れの価格です。売るときには幾らか値段がいいのです。しかし、日航製が直接売った分は三分の一の安売りなんです。バナナのたたき売りじゃないけれども、これは全くビッグ・バーゲンセールということですね、エンジンの。こういうことになったということでいよいよ赤字を重ねる。三百六十億の上にさらに赤字を重ねるであろう。その赤字は何か。これは国損じゃありませんか。そういうような処分のされ方をしたのでは、これはたまったものではないということを私は指摘せざるを得ないわけでありまして、したがって、そういう親方日の丸的なやり方は厳に慎んでいただきたいということを警告をいたしまして、今後の問題もございますから警告をいたしまして、次の問題に移りたいと思います。 防衛庁にお尋ねします。防衛庁おいででしょうか。――防衛庁の次期輸送機でありますところのXC1、これについて聞きますが、防衛庁はXC1の試作機をつくったはずですが、XC1をどこと契約しましたか。
○増原国務大臣 研究開発につきましては、日航製と契約をいたしたわけであります。
○坂井委員 日航製と契約をした。それはいつですか。年月日をおっしゃってください。
○岡太政府委員 日航製との防衛庁の研究開発に関する契約の月日を申し上げます。 昭和四十一年十二月二十六日に基本設計の契約をいたしております。それから四十二年十二月二十七日に細部設計の契約をいたしました。それから四十四年三月三十一日に試作機の契約をいたしました。そうしてその試作機につきましては、四十六年二月、三月に一号機、二号機を受け取っております。以上であります。
○坂井委員 契約したのが四十四年の三月三十一日ですね。そこを明確にしてください。――じゃ、私のほうから申し上げましょう。間違いがあるかどうか確認をしてください。 契約日が四十四年の三月三十一日。それからXC1の基本設計費、細部設計費、それから試作機を二機つくっておりますが、それぞれ申しますと、基本設計は四十一年で、いまおっしゃったとおり。これが一億四千三百万。それから細部設計費、これは国庫債務負担行為をつけまして九億二千四百万、これは四十二年、四十三年度となっております。契約金額が六十三億四百万。合わせますと七十三億七千一百万。そのほかに疲労試験機一機、これを四十六年度予算に計上しております。したがって経費総額は約九十億、こういうことになっておりますが、以上、間違いございませんか。
○岡太政府委員 基本設計、細部設計、これは先生のおっしゃるとおりでございます。それから試作につきましては、先生のおっしゃいました数字はこれは試作機の予算全額でございまして、実際の契約は五十七億くらいでやっております。と申しますのは、約六十億と申しますのは、これはエンジン等の官給品を含んだ金額でございまして、日航製と契約しました金額は五十六億七千六百万円でございます。
○坂井委員 五十六億七千六百万の、契約日はいつですか。
○岡太政府委員 五十六億七千六百万円で契約いたしました。
○坂井委員 年月日です。
○岡太政府委員 年月日は、四十四年三月三十一日でございます。
○坂井委員 そのとおり理解します。 そこで、XC1の試作機のテストフライト、それから防衛庁に納入された時期、これをこちらから申します。テストフライトは、XC1の一号機が四十五年十一月十二日。二号機が四十六年一月の十六日。それから防衛庁への納入が、一号機が四十六年二月の二十四日。二号機が同じく三月の二十日。間違いございませんか。
○岡太政府委員 おっしゃるとおりでございます。
○坂井委員 さて、そこで伺いますが、しからば、このXC1は民間輸送機ですか。それとも軍用輸送機ですか。
○増原国務大臣 XC1は、ただいま自衛隊が使用することになっております、いわゆる自衛隊機でございます。
○坂井委員 民間機ではなく、軍用機あるいは防衛機、自衛機、どう呼んでもけっこうですが、民間機ではございませんね。再度確認します。
○増原国務大臣 現在は民間で使っておりませんで、使っておるのは自衛隊だけということでございます。 〔委員長退席、湊委員長代理着席〕
○坂井委員 現在はではありません。防衛庁長官、しっかり聞いてもらいたい。だから防衛庁の契約したのはいつかということまではっきりお聞きしているわけなんです。防衛庁は契約をいたしました。契約日は四十四年の三月三十一日でございますという前段があって、その上で私は聞いておるわけですから、現在はなんという、そういうお答えが返るというのはおかしいじゃありませんか。防衛庁みずからが発注されたのですよ。 そこで、防衛庁の自衛機として使っておる。自衛機ならば、それは民間用とは違うのですから、軍用機と呼ぶか、自衛機と呼ぶか、防衛機と呼ぶかは別としましても、民間用ではないでしょうと、こう言っているのですから、なければありませんとすなおにお答えになったらどうですか。
○増原国務大臣 ただいまのところは、自衛隊だけが使っておるという意味で、ただいまということを言ったのでございます。
○坂井委員 じゃ、将来民間用にも使う可能性があるかもしれないというような、まことに意味深長な御答弁でございますけれども、そうであれば聞きますが、しからばこの性能、XC1の性能、どういう性能を持っておるか、これをおっしゃってください。
○岡太政府委員 XC1の性能について申し上げます。 性能諸元としまして、寸法は全幅約三十一メートル、全長約二十九メートル、高さ約十メートルでございます。それから全備重量は三十九トン。原動機としてはJT8Dと申します米国のプラット・アンド・ホイットニー社製のエンジンをつけております。最大速度は約四百四十ノット、巡航速度は約三百八十ノット、航続距離は、ペイロード八トンの場合約七百海里、六・五トンの場合約千二百海里でございます。
○坂井委員 あなた、もっとしっかり答弁してもらいたい。私は、このXC1は民間用じゃないでしょうと、軍用でしょうということを前段で質問したわけだ。そこで、現在はこれだけれども将来はということの含みを答弁されたので、民間機も使うこともあるかもわからぬということですかと、そういう前の質問を踏まえて、しからばこの性能はと聞いているのですから、軍用だということを私は言っておるわけなんだから、そんなようなことを、全長が何メートルで航続距離がどうでと聞いているのじゃない。言います、こっちから。つまりXC1は完全武装した空挺隊員四十五名、これを乗せている。落下傘部隊、空中降下可能なんです。りゅう弾砲が積める。武装兵員、兵器、それから戦闘機材の輸送、ジープ、戦車搭載、空中投下可能、こういうまことに優秀な軍用機です。間違いございますか。あなたのほうからの資料ですよ。答えてください。
○岡太政府委員 積載能力でございますが、ただいま先生がおっしゃいましたように人員六十名、それから空挺隊員四十五名乗せますが、ただ、おっしゃいました戦車は搭載できません。
○坂井委員 では、いまの質問を後ほど詰めるといたしまして、小山社長お見えでしまう。日航製の社長。あなたはもと通産省重工業局長、それから防衛庁の装備局長、今日日航製の社長をやっていらっしゃる。つまり防衛、通産、日航製。日航製そのものは政府出資の国策会社、特殊法人です。いわゆるその三者の中で水も漏らさぬ関係にある。また、航空機工業界でも非常に顔の広いお方ですね。 そこで伺いますが、各省庁から日航製に天下った部課長以上の幹部は何名ございますか。
○小山参考人 天下りと申すのかどうか存じませんが、各省出身者で現在日航製につとめております者は、部課長以上二十一名でございます。
○坂井委員 全役員四十七名中ここに天下った部課長以上が二十一名。約半分あるのですね。これは非常に多いですね。たいへん多いと思います。通産大臣、いかがですか。
○中曽根国務大臣 いささか多いようです。
○坂井委員 半分もあっていささか多い。これはまさに役人会社です。特に私これから指摘いたしますが、三十四年当初に防衛庁からここに天下ったのは一名。これはわずかにと言ったっていい。いささかでしょうね、これは。ところが、四十六年になりますと防衛庁から十五人。防衛庁の幹部が圧倒的多数を占める。それから四十一年からいきなり多くなるのですが、防衛庁は十二名天下った。四十一年当時といいますと、先ほど言いましたXC1の基本設計に着手するころです。同時にYS11が日航製から購入される、そういうような背景があります。この問題を一応踏まえておいていただきたいのです。 総理にここでひとつ。このような多くの官僚が天下った、約半分。私は決して好ましいとは思えませんが、いかがですか。
○田中内閣総理大臣 この会社が、日本で初めての飛行機製造会社であったということでございますし、そういう非常に専門的な人を必要とするのでございますので、ほんとうならもっと陣容を考えることが合理的だったかもわかりません。これは事実私も通産大臣当時に、この会社の状態を知ったわけでございますので、それはそう考えられますが、各省からこの会社に行った人たち、これはどこかに就職をしなければならぬわけでございます。官吏といえどもまた人の子でございまして、どうしてもどこかに行かなければいかぬというわけでございまして、まあさしあたりこういうことになったわけでございますが、この良否というのはなかなかむずかしいのでございます。 これは、中年のもう定年を迎えるような人が、全然縁故のないところに行くということはなかなかむずかしいのでございまして、農林関係者が食糧関係とかいろいろなところに再就職しているとかいろいろな問題がございます。ございますが、これは就職をしておるから、そこにいろいろな問題が起こるということがあっては絶対ならないことでございます。参議院でも御指摘を受けましたが、これはどこかに行かなければいかぬということでありますし、しかも、これは人事院規則がございまして、相当きびしい制限があるわけであります。二年間も待たなければいかぬというようなことでありますし、そういう規則もございます。この再就職する人たちは、みな五十に手が届こうとしている人、五十をこしている人たち。人生においては最も大切なところの人たちをどういうふうにするかということで、ほんとうにこれから定年を延ばすとか、それから就職は全然別なところへしなければならぬというなら、身分を保障するとか給与を保障するとか、そういう問題まで十分考えていかないと、これはなかなか解決できない問題であって、あなたの御指摘されるお気持ちは十分わかります。十分わかりますし、これは私もよく理解するところでございまして、できるだけ御指摘を受けないようにいたしますが、全然別なところへというわけにもまいらぬわけでありまして、その間の事情はひとつ御了解をいただきたい。
○坂井委員 御指摘の気持ちはわかるといまおっしゃいましたけれども、ほんとうはわかっていないです、総理。あとでわかるようにします。 そこで、前段の質問を踏まえながらさらに展開いたしますが、防衛庁長官、現在四次防で装備しようとしておるC1輸送機、これはXC1に基づいて量産される飛行機ですね。
○増原国務大臣 そのとおりでございます。
○坂井委員 それでは、四次防で装備しようとしているC1は一体何機で、その予算はどうなっているかということについてでございますが、防衛庁長官はあまりさだかでないらしい。私が言います。 先行生産型C1輸送機二機分、これは川崎重工、これを主たる契約者として発注しました。四十六年度予算において五十九億七千百万、これは三カ年で四十八年度までということになっております。四次防で二十四機を装備するということですね。これが第一次契約といたしまして四十七年度十一機分、これは三百二十九億二千七百万。これが四十八年度予算で六十七億三千五百万。昨年凍結がございました。後年度負担といたしまして四十九、五十年でございますが、二百六十一億九千二百万となります。なお第二次契約では十三機分、残りですが、これは約四百億、こういわれておるわけでございますが、大体いま申しましたことに相違ございませんか。確認だけします。
○小田村政府委員 そのとおりでございます。
○坂井委員 しからば、XC1を防衛庁が日航製に発注しました法的根拠を明らかにしてください。
○岡太政府委員 防衛庁といたしましては、防衛庁の業務として予算を使いまして契約を結ぶことができる、こういうことで日航製と開発の契約を結んだわけでございます。
○坂井委員 質問の筋に明確に答えなさい。法的根拠を示してください、明らかにしてください。法律の根拠はどこにあるのですか、その法律を示してくれ、こういう質問です。
○岡太政府委員 防衛庁は、自衛隊法によりまして、その業務といたしまして必要なる研究開発を実施できることになっております。それによりまして、日本航空機製造と契約したわけでございます。
○坂井委員 自衛隊法に法律の根拠があるのですか。総理のほうがよく御存じみたいです。自衛隊法ですか。
○岡太政府委員 どうも申しわけございません。根拠といたしましては、防衛庁設置法第五条、これによりまして、「予算の範囲内で所掌事務の遂行に必要な支出負担行為をすること。」それから……(「自衛隊法じゃない」と呼ぶ者あり)訂正いたします。「四 所掌事務の遂行に直接必要な装備品、船舶、航空機及び食糧その他の需品並びに役務を調達すること。」これが根拠でございます。
○坂井委員 航空機工業振興法というのがあるのじゃないですか。航空機をつくる場合は、航空機工業振興法が根本の法律じゃございませんか。
○山形(栄)政府委員 お答え申し上げます。 航空機につきましては、航空機工業振興法という法律がございまして、これは日本の航空機を育てるという意味で、これに基づいて日本航空機製造ができております。別途、航空機製造事業法という法律がございまして、この法律は、航空機の安全問題等もございますので、製造の認可を中心にしている法律でございます。
○坂井委員 法律の根拠は、航空機工業振興法にある、こうおっしゃるわけです。航空機工業振興法のどこを適用して、日航製にXC1という軍用輸送機をつくらせた、そんな根拠はどこにありますか。
○山形(栄)政府委員 お答え申し上げます。 航空機工業振興法という法律は、日本の航空機工業を振興するための日本航空機製造株式会社を設置するような法律でございますが、先ほど来問題になっております防衛庁の固有の業務として、XC1の発注を行ないますことは、航空機工業振興法が根拠じゃございませんで、それ自体としては、防衛庁の設置法の問題だと私も思うわけでございます。
○坂井委員 では聞きましょう。総理、通産大臣、しっかり聞いておいていただきたい。XC1は日航製でつくったのですよ。日航製は航空機工業振興法に基づくところの民間輸送機開発を目的として設立された会社なんです。その民間輸送機ということを、先ほど前段において通産大臣に、日航製は民間輸送機か、御承知か。民間輸送機をつくる会社でございます。まことにそのとおりなんです。法律もそうなんです。しかるに、民間輸送機を開発し、つくる日航製で、XC1という軍用輸送機をつくった。その法的根拠はどこにもないじゃありませんか。
○中曽根国務大臣 当時の振興法の国会の附帯決議がございますが、この附帯決議の中に、「本法の目的は、民間の輸送用航空機等の国産化の促進による航空機工業の振興を図るところにあるので、政府は、この趣旨に従って、本法の運用を行うべきである。」こういう附帯決議がございます。それで、このときの前尾通産大臣等の発言をあとで調べてみますと、ともかく設計委託を受けるということであること、それからもう一つは、大体民間の輸送機と、輸送機という点において重点があったと認められる。大体、この航空機製造が持っておる設計能力あるいは経費の節約、そういう点から見て、この程度のことはまあやってもいいだろう、そういう判断に基づいて行なったという由であります。
○坂井委員 通産大臣、そんな解釈がまかり通りますか。ここの「等」というのは軍用機も含めるなんというような解釈はどこでできますか。「等」は明確に、なぜ「等」としたかということは、将来において、場合によっては軍用機と民間機の部品が重複することがあり得るかもわからぬ、したがって、そういうことがあり得るかもわからないのでということで「等」と入れたのです。決してこれは軍用機をさすものではないということは明確に言っているはずだ。 そこで、この法案が成立する過程におきましていろいろな論議がございます。二十八国会、昭和三十三年四月九日の商工委員会におきまして、当時の岩武重工業局長は明確に、「軍用機とは離れまして、輸送機の国産化ということを、目的としておる」こう答弁しておる、軍用機を目ざすのじゃないかという質問に対して。同じく前尾通産大臣、「この法律の意味は、一般の軍用機以外の平和利用の飛行機に適用して、初めて意味がある法律なのであります。」明確です。三十六年四月四日の商工委員会、これは三十八国会であります。椎名通産大臣、「これは普通の輸送機でございますから、将来の軍事的な配慮が伴っておるべきはずのものでも、もちろんございません。」まことに明確。民間輸送機であると断言しております。したがって、軍事用の輸送機の設計、試作、製造は日航製においてはできない、こうなっておる。なっておるのです。 しかも、非常に重大なことはこの国会決議です。附帯決議は、「本法の目的は、民間の輸送用航空機等の国産化の促進による航空機工業の振興を図るところにあるので、政府は、この趣旨に従って、本法の運用を行うべきである。」これは国会の附帯決議です。これに逆行したのです、この行為は。民間機をつくりなさいといっている。大臣も民間機をつくります、軍用機はつくりませんと、こう言っている。にもかかわらず附帯決議に逆行して、無視じゃありません、逆の行為です。逆の行為、敵対行為です。それでもって軍用機をつくった。 それで、いまの問題を整足します。まず第一点、大臣答弁は明確に、日航製によるところの軍用輸送機の試作をこれは否定しております。単なる試作とおっしゃったら困りますよ。試作がたいへんなんです。設計も、基本設計から細部設計に至る段階、それからようやく試作ができる。これができ上がったならば、あとの量産体制は、各機体部品メーカーに仕様書で発注して組み立てれば簡単にできる。試作がたいへんなんです。したがって、試作については明確に法律の中でできないということをうたっておるのです、軍用機の。にもかかわらずつくった。大臣答弁は軍用機を否定しております。大臣答弁をくつがえしたこの責任。 それから二つ目、国会決議に敵対した行為は、先ほど申しましたように、かつて前例がございません。附帯決議は、法案の趣旨に沿ってそれを促進し充実するという趣旨で附帯決議が付される。この場合の附帯決議は民間用です。軍事用はつくってはいけませんよ、大臣答弁もそうなんだから、それで重みを持たす。民間用という附帯決議に対して、まるで逆の行為の軍用の輸送機をつくった。敵対行為です。かつて前例がありません。この責任、これは内閣、一体どうとるか。 〔湊委員長代理退席、委員長着席〕 それから、航空機工業振興法のこういう精神に違反しているXC1の日航製による試作及びそれに基づくところの、先ほど申しましたC1の輸送機の量産、これは四次防に入っております。これは法的根拠は全然ありません。したがってXC1及びC1輸送機の開発、量産、しかもC1輸送機につきましては次期輸送機として国防会議にかかっておるはずです。国防会議の責任を問います。 それから四番目、C1輸送機量産の法的根拠はないわけでありますから、四次防のC1予算計上は認めがたいということになる。私はそう解釈するわけでございますが、以上四点について明確にひとつ御答弁いただきたい。
○中曽根国務大臣 附帯決議の中で民間用輸送機ということがうたわれておりまして、輸送機という点にあのころは重点があったというふうに私は聞いておりました。 それでC1は、その設計やあるいは構造等は、輸送機が発注されればそれにも転用できる、もちろん空挺隊その他にも利用できるけれども、民間の貨物輸送その他にも将来民間貨物輸送事業が発展してくれば転用できる、そういう考えもあって、設計委託というその程度のことはこの会社でやってもいいだろう、そういう判断に基づいてやったようでございます。
○坂井委員 総理、お聞きください。いま通産大臣はそういう答弁をされた。これはまことにけしからぬことだと私は思います。国会審議の中で、この航空機工業振興法を審議するにあたって、制定するにあたって、軍用輸送機ということになったら困る、ならぬ、ここでいう輸送機は民間用なんだということを、再三にわたって質疑を展開した。その結果、大臣答弁は、民間用であります、軍用輸送機は絶対つくりません。明言しておるのです。断言しておるのです。確約しておるのです。いまそれに逆行した行為をとって軍用輸送機XC1。そうすると、いまになって見れば、輸送機ということは民間用輸送機に重点を置いたのであって、軍用輸送機をつくったって問題ではないんじゃないかというような答弁。軍用輸送機をつくってはなりませんよということに対して、つくりませんと言っておいて、いまにしてそんなことが通りますか。こんなばかな話はない。 これをごらんください。これがXC1。空挺隊員四十五名。落下傘部隊。これは軍用機です、明確に。だから前段に聞いた。明確なんです。総理、この写真を見てください。うしろが開く。ですから私は、そういう前段を置いて民間用輸送機に限る。そういう法律、そしてその法律に基づくところの日航製においてYS11という民間機が生まれた。よろしいでしょう。しかるにこの日航製においてXC1という軍用輸送機がつくられた。これはまさに法律違反じゃないですか。総理、どうお考えになりますか。
○田中内閣総理大臣 戦後、航空機の製造の振興をはかるために法律がつくられたわけでございます。-その実施的な機関として日航製がつくられたわけでございます。それで、この日航製をつくるときには、当然の議論として、兵器としての飛行機をつくることを目標とするのか、それから民間機として、将来知識集約的産業の一つの相当な大きなウエートを持つ民間機の製造ということを目標にしておるのかという議論が当然出るわけでございます。そういう意味で民間機を開発をし、製造することを目的としております、こう答えておるわけでございます。答えておるとおり、YS11は百八十機もできたわけでございますから、その限りにおいては何ら問題がないわけでございます。 それで最終的な段階において、C1が日航製に発注されたということは、この日航製をつくるときの目的に反しておるではないかということでございます。これは発注したということに対しては、防衛庁設置法に基づきまして、どこかの会社から買わなきゃならぬわけであります。外国から買う場合もありますし、また日本の自衛隊用の飛行機を納入しておるところから……。
○坂井委員 開発ですよ。
○田中内閣総理大臣 開発をする場合もございますし、これは選択があるわけでございまして、だからこれを開発する場合に外国に発注をするという道もあります。それからいままで納入しておる民間会社に発注をするということもあります。そのときに、外国からも買わず、いままで納入しておる会社にも発注せず、日航製に発注したというところに問題があるわけです。
○坂井委員 これは日航製です。日本だけのものです。防衛庁だけのものなんです。
○田中内閣総理大臣 だからですな、この日航製に開発を依頼し製造を求めたということが、日航製をつくったときの精神に反するではないか、こういうことを指摘されておるわけであります。そうでしょう。ですからそれは、すなおに考えていただければ……。
○坂井委員 すなおに考えれば法律違反だ。
○田中内閣総理大臣 いや、すなおに考えていただければ、民間機は輸送機でありますから、現に自衛隊が使っておるC1も輸送機であることは間違いありません。
○坂井委員 民間はいいんです、総理。民間はいいんだよ。軍用はいけないと法律はいっておる。
○根本委員長 正規の発言を求めて発言してください。
○田中内閣総理大臣 もうちょっと聞いてください。 これは私が先ほどから述べておりますように、YS11をつくった過程においては法律違反も何もないわけです。法律違反というあなたの御指摘もないわけでしょう。だからそのときに、C1をなぜ日航製に発注したか、日航製につくらせたということが法律違反ではないかということでございますが、私は、日本の航空機工業の発展のために資するべくつくられた日航製が、ほとんど自衛隊機をつくっておるということになれば、それは問題になると思いますが、そうではなく――これには、答弁は確かにそういう質問に答えて、主としてこれは民間機のためにつくるものでございます、こう言っておりますが、ある時期において、時代は進化してまいりますから……(発言する者あり)ある時期におきまして、自衛隊用の輸送機、輸送の任務につく自衛隊機というものが、禁止規定があれば別ですよ、法律に明文があって、禁止規定があれば別でありますが、私は法律の体系において防衛庁が日航製に発注したことが違法な発注をしたということにはならない、こう思います。これはもう純法律論から考えてみても、それは日航製をつくるときや、航空機工業振興法でもって答えたときには、これは先ほども二つあると言ったのは、日本の兵器をつくり、軍用機をつくるようなものではないだろうな、こういうことに対して、これは純然たる民間機でございますと言っている。だから輸出もしておるのです。これは兵器をつくって、これが輸出でもされたならば問題でございますが、私は、自衛隊用の輸送機として日航製に発注したことが法律違反であるというような、そういう立場にはなりません。
○坂井委員 総理、そういう答弁はむちゃくちゃでありませんか。法律でははっきり日航製で軍用機をつくることはまかりなりませんということをいっている。答弁もある。国会決議も付した。なぜここで、日航製が設立のときに、この航空機工業振興法が制定されるときに国会論議が集中したかといいますと、つまり日航製は民間輸送機をつくるんだ、国産化するんだ、軍用機では決してございませんという、質疑が何回もあって、大臣答弁は明確に、将来にわたって軍用機はつくりません。いいですか、国会決議も、民間用ですと、こういつておるわけなんです。それをいまにして軍用機をつくって、法律違反ではないのだ、それは何たることですか。盗人たけだけしいことじゃありませんか。全然それは通らないです。そんなばかな話がありますか。国会でそこまで附帯決議を付したんでしょう、軍用機をつくるなと。結果として、いまつくったのです。国会の附帯決議に敵対したじゃないかと言っておる。敵対してないなら、ないとおっしゃってください。はっきりごらんになってください、附帯決議を。その附帯決議に照らして、XC1という軍用輸送機をつくることが可能であるかどうか。
○田中内閣総理大臣 航空機工業振興法案に対する附帯決議につきましては、確かに御指摘のとおり、「民間の輸送用航空機等の国産化の促進による航空機工業の振興を図るところにあるので、政府は、この趣旨に従って、本法の運用を行うべきである。」こういうことを書いてございますから、これは政策的には民間機だけで、YS11だけでもってずっと通せば、これは問題はなかったわけでございます。しかし、いま御指摘のような、防衛庁からC1の発注を行なったということは、この附帯決議の趣旨に適合しない運用をしたじゃないか、こういうことを言われれば、これはこういう附帯決議がありましたので、附帯決議の趣旨を完全に生かすということであるならば、これは日本航空機製造以外の会社に発注するほうがよかったかもしれません。しかし、これが法律違反であるという、いやしくも立法府における議論でありますから、法律違反であるかどうかという問題は、これは厳密なる解釈を行なわなければならぬわけであります。ですからこれは、政治的な姿勢、それから附帯決議に対する対応というようなそういう問題に対しては別でありますが、これは防衛庁が航空機製造にC1を発注したことが、附帯決議の趣旨に対してほんとうに配慮を欠いたと言われれば、私は、そういう面はあるかもしれませんが、違法であるということは首肯できません。
○坂井委員 これは私はどうしても納得できない。総理の答弁はもう全く首尾一貫していない。一貫しておりません。明らかに民間輸送機だということを言っておるのです。それが軍用機をつくった。附帯決議がついておる。その趣旨からいえば、いささかそれたかもわからぬというような形の、そういうかっこうの答弁を繰り返しているが、民間輸送機だということは明確なんです。 なお一つだけ言いますが、このときに、しからば「民間機」と入れなさい、あるいは「平和的」という文字を明文化しなさいということに対して、政府側、大臣は、その必要はない、こう言っておるのです。なぜか。将来にわたって、さっきあなたが言った「等」の問題です。部品で軍用機と民間機が重複する場合があり得るかもわからぬ。そういうときを考えた場合に、いま法律の中で「民間機」と明確にうたうと法律上縛られてしまって、民間機の部品も軍用機に使えなければ、軍用機の部品あるいは技術が民間と提携できない、そういう心配があるのでということで「輸送用航空機等」、こうなった。民間機ということは明らかに法律の中でです。その趣旨は生きておるし、大臣答弁においても明確に民間機であると、こう言っておるわけです。そういう論法が通るんならば、何の法律の審議をやったって同じじゃありませんか。いまになってみなそのような論法でもって、明文化していないから、民間機と書いてないから軍用機いいんだ、こんな論法通りますか。そんなことならば法律を審議する意味がないということです。まして大臣答弁をくつがえした、それから国会の附帯決議に逆行した、そういう問題もある。そういうようなことで、委員長、これは審議できません。いまの答弁は私は納得できない。
○根本委員長 山田太郎君から関連の発言の通告があります。これを許します。
○山田(太)委員 先ほど総理大臣の答弁をはじめとして、国会においての附帯決議の無視どころか逆行でございます。同時に国会においての答弁を全く無視した。このようなやり方をもし許すならば、先ほどの国会軽視あるいは法軽視の問題に引き続いて、民主政治のルールが破壊されてしまいます。したがって、これに対する政府の統一見解を求めるものです。そのための休憩、議事進行に引き続いて、議事とあわせて休憩を要求いたします。 〔「休憩休憩」と呼ぶ者あり〕
○根本委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後七時五十六分休憩 ――――◇――――― 午後八時五十八分開議
○根本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際、内閣総理大臣の発言を求めます。田中内閣総理大臣。
○田中内閣総理大臣 日航製にC1の試作を発注したことは、航空機工業振興法案審議の際の担当大臣の答弁及び国会の附帯決議の趣旨に反するところがあると認められますので、本件については、政府においてすみやかに善処いたします。
○坂井委員 いま表明されました、善処をいたしますということでありますので、私は前段申し上げましたように、C1輸送機、軍用輸送機の予算、つまり四次防予算についてはこれは認めるわけにはいかぬということを申し上げて、質問を留保し、終わりたいと思います。
○根本委員長 これにて坂井君の質疑は終了いたしました。 次に、小宮武喜君。
○小宮委員 厚生大臣に質問します。 アンモニアが人体に及ぼす影響についてひとつ御説明を願いたい。
○齋藤国務大臣 冷凍には御承知のようにアンモニアが冷媒として相当使われておるわけでございます。そこで、アンモニアについて申し上げますと、アンモニアガスを一度に高濃度に吸収をいたしますと、急性中毒を起こしまして、気管支肺炎、直接刺激としては角膜障害、こういったふうなものを起こすわけでございますので、冷凍漁船等の乗り組み員に対しましては、労働基準法上、十分注意しなくちゃならぬということで、厳重な指導を加えるということにいたしておるわけでございます。
○小宮委員 最近、私が東京の築地の仲買い人から聞いた話によれば、アンモニアの冷凍マグロを扱う場合に、冷凍が解けてくると、仲買い人の中に吐き気だとか、それから目まい、それからしびれを感じるという人がかなりおるように承っております。したがって、これは仲買い人の中でもいまのアンモニア冷凍をフレオンガスのほうに切りかえてほしいという訴えがなされておりますけれども、これはやはり当然冷凍の方法を考えなけりゃいかぬと思いますが、それより増して大事なことは、もしこの冷凍マグロを、これは皆さん方もマグロのさしみを食べるわけですから、冷凍マグロの中にこういうようなアンモニアの成分が吸収されて、われわれがこのマグロを食べることによって、人体に影響がないかどうかということが非常に心配されます。このことは非常に重大な問題ですから、したがって、この冷凍マグロの中にアンモニアの成分が吸収される危険性はないかどうかということを、まずお尋ねします。
○齋藤国務大臣 最近の冷凍漁船の冷媒としては、お尋ねのようにアンモニアが大体七割使用されておるようでございます。フレオンは、先ほど調べてみますと、大体三割程度ということでございます。もちろんこれは冷媒として使うわけでございますから、漏れないように厳重に管理はしておるわけでございましょうが、漏れるということになりますと、先ほど申し上げましたように、濃度がきつければ乗り組み員の方々もそういうふうな障害を起こすということで、これは指導しなければならぬでございましょう。 そこで、そういうアンモニアが漏れまして、今度はマグロの魚の中に入ってしまう。こういうことは漏れればあり得ることだと思います。しかし、私が申し上げるまでもなく、アンモニアというのは非常に刺激臭の強いものでございますから、おそらくいろんなおさしみやすしなどに使うときには、大体みんな気がつくわけでございますから、刺激臭があればすぐ気がつきますので、マグロのさしみとかおすしというものについては心配はない、かように考えておる次第でございます。刺激臭が強いのでございますから、刺激臭が強ければ皆さん召し上がらないと思いますので、心配はない、かように考えております。
○小宮委員 大臣、われわれがマグロを食べるときにおいを感じるようであれば、相当高度のアンモニアの成分が吸収されておるわけですから、それこそたいへんなんです。しかし、やはりマグロの体内に吸収されても、われわれが食べる場合ににおいを感じないような程度であっても、特に皆さん方はマグロのさしみを常食されている方が多いようですが、そういうような場合に、体内に蓄積されてそれが有害になりはせぬかということをおそれるわけですが、この問題については、きょうは大体マグロの論争をするのが私の目的でございませんけれども、しかし、このことはやはりよく徹底究明していただかないと、すし屋も困ろうし、だから食べるほうも困るし、やはり厚生省としてもこの問題については調査をぜひやっていただきたい。そうしないと安心してマグロのさしみも食べられぬということになりますので、ぜひひとつこれは厚生省のほうに要求しておきます。 それから次は、田中総理、あなたは去年九月中国を訪問されて、それで日中国交の回復をはかってこられたわけですが、この日中の平和条約についてはどのように考えられておるのか、また平和条約をいつごろ結ばれようとしておられるのか、その点いかがですか。
○大平国務大臣 私の所管でございますので、私からお答えさせていただきます。 本院委員会におきましてもすでに御答弁申し上げましたとおり、共同声明におきまして、両国は日中平和友好条約を締結する、その交渉をやろうということに合意を見ております。しかし、これをいつから交渉するか、それからどういう内容を盛り込むかという具体的なことにつきましては、まだ去年の九月の段階におきましては相談がなかったわけでございます。 したがって、最近大使の双方の交換も終わったわけでございますので、これから外交ルートを通じまして、先方との意見の調整を経て、いつごろどういう内容において考えてまいるかという御相談をしたいと思っております。
○小宮委員 その平和条約を結ぶ場合、一方漁業協定の問題はどうなりますか。これは外務大臣ですか農林大臣ですか。
○大平国務大臣 平和友好条約の問題と漁業協定と一応別個に考えておるのでありまして、漁業協定のほうは、いわゆる実務協定の一環といたしまして、なるべく早く取り結ばなければならぬと考えておるわけでございます。昨年十一月末から十二月の初めにかけまして主務当局のミッションを中国に派遣いたしました際、中国側との話し合いの一環といたしまして予備的な打診は行なわさせたのでございます。政府といたしましては、現行の民間漁業協定が本年六月二十二日に失効することも念頭に置きまして、できる限りすみやかに両国の間におきまして、漁業問題に関する何らかの形による合意を遂げて、操業の安全をはかりたいと考えておるわけでございます。
○小宮委員 それは民間の漁業協定が六月に切れるので、結局平和条約とは切り離してでも、この切れ目がないように、漁業協定だけは結びたいということで理解していいですか。
○大平国務大臣 さよう心得ております。
○小宮委員 その漁業協定を締結する際に、これまで中国政権が成立しましてから、いわゆる昭和二十五年から昨年までに、領海侵犯あるいは民間漁業協定違反でつかまった漁船が百八十隻、漁船員が二千百七十五人いるわけですが、ちょうど昭和四十年に日韓の漁業協定が結ばれた際に、この場合は国家補償をやっておるわけですが、今回の中国との漁業協定が締結される場合も、私が先ほど申し上げました、中国側につかまった漁船、船主並びに漁船員に対しての補償を考えておられますか。
○大平国務大臣 いまのお尋ねは、日本政府が補償を考えておるかという問題でございますか。――いま御指摘のように国交正常化前拿捕された漁船、それからまだ未帰還の乗り組み員がおるわけでございますけれども、そういう問題を考えるにあたりまして、領海侵犯の事実でございますとか、拿捕当時の状況、それから拿捕の理由その他諸般の事情を究明しなければなりませんし、また賠償請求の前に、当事者が国内法によって救済ないし補償を得る余地があるかどうかというようなことも検討しなければならぬわけでございますので、いま御指摘の点につきましては、そういう事情は政府の手元でまだ明らかでないわけでございまして、そういう実態の究明も含めまして検討中でございます。
○小宮委員 日韓漁業協定が結ばれた際と今回の場合とは若干趣は違っておりますけれども、日韓漁業協定が結ばれた場合も、結局韓国につかまった漁船が三百二十七隻、漁船員が三千九百二十九人に対して、大体政府から三十億八百万円の補償がなされているわけですね。だから、この補償の問題についても、まあ若干ケースは違いますけれども、十分補償の問題についてもひとつ考えていただきたいということを特に要望するわけですが、再度大平外務大臣の所見を承りたいと思うのです。
○大平国務大臣 一応実態を究明させていただきまして、検討させていただきたいと思います。
○小宮委員 日中問題の国交正常化に伴って、今度は逆に、反面、台湾政府との間に事実上国交が断絶されたということで、台湾近海に出漁する漁船員は非常に心配しているわけです。特に、昨年高知県のマグロ船が台湾の漁船に連行されたという事件もあって、非常に心配されておるわけですけれども、この台湾近海で操業する場合の安全保障について、これはどのように考えられておられるのか。これも外務大臣ですか。
○大平国務大臣 日中国交正常化の結果、台湾との間におきましては政府間の取りきめはなくなったわけでございますし、今後も取りきめる余地はないわけでございます。しかしながら、日台間にはそういった関係ばかりでなく、実際上非常に広範囲にわたる関係が事実上あるわけでございます。これを政府が政府のレベルで取り上げまして、先方の政府と交渉するという道は閉ざされておるわけでございますので、民間レベルにおきまして、御案内のように、先般来彼我の間に民間レベルのコンダクトポイントがつくられまして、そういった民間レベルの話し合いにおきまして事実上の解決をいたしてきておるというのが今日の実情でございますし、今後もそういう方式以外に問題解決の道がないわけでございますので、私どもといたしましては、先方の御理解のもとに、民間レベルの接触が円滑にまいりまして、事のないような状態において実務関係が継続してまいることを希望し、かつ期待いたしております。
○小宮委員 それでは、民間レベルでの話し合いによって台湾近海での出漁も安心して操業できる、しかも台風時にやはり避難する、また、食糧とか燃料とかの積み込みのために寄港する場合もあるでしょうから、すべてそういうようなものは、もう絶対だいじょうぶだということに理解していいですか。
○大平国務大臣 政府といたしましては、双方の信頼と理解によりまして問題が起こらないことを期待いたしておりますけれども、万一起こった場合におきましては、民間レベルの交渉経路がつくられておるわけでございますので、そこにお持ち込みをいただきまして、そのラインで解決の道を発見していただかなければならぬと思うのでありまして、政府の立場で絶対にそういうことがない、不都合が起こらないということを保障せよと言われましても、政府にそういう手だてが遺憾ながらないわけでございまして、いま申しましたような民間レベルの接触を通じまして問題が起こらないように、また、問題が起こりました場合の解決を衷心から期待いたしておるわけでございます。
○小宮委員 次は、田中総理に質問します。 田中総理は、ことしの一月十一日に同盟幹部との話し合いの中で、スト規制法の問題をいろいろ話し合いされたようですが、このスト規制法について再検討することを約束したというように私、承っておりますが、これは事実ですか。
○田中内閣総理大臣 同盟の幹部の言う心情はよく理解できるのでございますが、スト規制法をやめるというようなことを言ったことはございません。
○小宮委員 時間がございませんので先に急ぎますが、政府はこれまで、スト規制法を提案する際も、また国会答弁の中でもしばしば、一日も早く健全な労働慣行の確立によって本法が不要になることを期待するとか、よき労働慣行が確立されたら廃止するとか、いろいろ答弁されておるわけですが、政府がいうところのこの健全な労働慣行というのはどういうことをさすのか、参考までにひとつ教えていただきたいと思うのです。これは労働大臣から。
○加藤国務大臣 お答えいたします。 組合においても企業においても、あらゆる問題において国民を基盤とすることは間違いないので、労使の間においても、国民的立場に立ってよく自分の職務を自覚して、そして相互に信頼感を持って、そしてまたよく自主的に労使が話し合う、そして合理的に解決する、これが労働行政の健全な慣行であります。このような姿が望ましいことであります。以上であります。
○小宮委員 それでは大臣、現在の電気事業及び石炭鉱業においては、健全な労働慣行が確立されていると考えますか、どうですか。
○加藤国務大臣 確立された点に近いと考えております。いままでスト規制法に対する明白な違反の事例はありません。その意味で、組合に対しましても心から敬意を表しておる次第でありますが、しからば、お気の毒でありますが、申しわけないが、すぐにストの規制を廃止する、これは国民的立場という観点からなかなか困難でありますので、この点は御了察をお願いいたしたい次第であります。
○小宮委員 大臣、あなたは、あなたばかりでなくて歴代の労働大臣も、同じようなことを十年一日のように答弁をしておるわけです。私は、この規制法が提案されて以来の議事録を全部読んでみました。もういまと同じようなことばかり言っておられる。まあこれは大臣ばかりじゃなくて、やはりいまの政府自身の感覚というのが全く一つも前進していないのです。硬直したいままでの姿がそのまま、少なくとも事労働政策については、私は一歩も前進がないというふうに考えます。電気事業と石炭鉱業において、労働大臣は、まあ大体その九九%までは健全な労働慣行が確立されておるというふうに考えるというような答弁がありましたけれども、この健全な労働慣行というものは、スト規制法によってできたのか、先ほどから申し上げておりますように、労使の自主的なお互いの努力によってできたのか、その点のお考えをひとつお聞きしたい。
○加藤国務大臣 重ねてお答えいたしますが、組合に対する感謝の念は、これは最近の労働の情勢のあり方から見てでも敬意を表しております。しからば、歴代大臣が同じことを言っておるというが、やはりこれは、くどいようでありますが、御承知のように日本の現在の電力の関係、これは需要が増大して、私は明治の時代でありますが、昔と比べると用途が複雑多岐で、またこれはGNPと同じで、世界でも屈指の電力の需要であります。さような関係で、これが万一ストでとまったというようなことを考えただけでも、ほんとうにその影響は予想ができない不安感を与えるのであります。さような意味で、ほんとうに組合に対しても気の毒ではありますが、国民的な不安を与えないという一つの保障という役割りも果たしておるのであります。やはり労使の関係の立場もありましょうが、先ほど前段に申し上げましたように、国民全体という点からなかなかこの問題がすかっといかない。しかし、真剣に慎重に十分いま検討いたしております。
○小宮委員 大臣、そういうようなもし万一というようなことを考えて、不安がある、そう考えておるのは、大臣あなた一人じゃないですか。国民のほとんど全部といっていいほど、いまごろ停電なんか起きる、停電ストが起きるというような考え方を抱いておる人はおるでしょうか。おそらく大臣も、腹の中ではそうじゃないと思っておられるかもしれません。まあ立場上そう言っておるかもしれません。具体的に、いまの電力事業の労使の関係の中で、他の皆さん方が幻想だけ描いておるのではなくて、こういうような不安が起きるという根拠か何か具体的なものがありますか。
○加藤国務大臣 これはひとつ御理解願いたいのでありますが、労働省は三権を奪って労働者の立場を考えぬという意味ではありません。きのうも読売を見ましたら、一秒の停電が一昼夜の汚水に及んだ、ミルクが飲めません、こういうようなことでありまして、電気というものが、いまここですぐにスト権という問題は、これはなかなか困難な点も予想されますので、慎重によく検討いたしておりますので、しばらく猶予を与えていただきたいと思います。
○小宮委員 大臣、それではいまスト規制法と労調法の緊急調整の関係を大体どのように考えられておるのか、その点、ひとつお伺いします。
○加藤国務大臣 この問題は、普通の労働争議の場合には、第三十五条の二に、長期にわたって広範囲な争議があって国民の生活に危機が来た、こういう場合には総理大臣が発動できるのでありますが、しかし、普通の労働争議と違って停電というのは、先ほど言ったように一瞬にして起こるのでありますから、この労調を発動するひまがないことが多いのであります。そういう意味でこの問題は、労調法とスト規制法の目的が違いますので、どうかこの点もひとつ御賢察を願いたいと思います。
○小宮委員 大臣、この労調法の緊急調整の中には、電気事業は公益事業ですから当然対象になるわけです。したがって、そういうふうな緊急調整の発動は、これは総理大臣がやることができるわけですね。そうすれば十日間の予告期間もあるし、それから五十日間の冷却期間もあるし、そういうような抜き打ち的な争議行為を禁止しているわけです。だから大臣が心配されるような事態は起きる可能性はない。したがって、これは総理大臣が緊急調整を発動すればやれるわけですから、従来もそういった同じようなことをこれも繰り返しておるわけですが、総理大臣どうですか。総理、あなたが緊急調整を発動すれば、こういうような十日間の予告期間もあるし、五十日間の冷却期間もあるし、そういうような瞬時にして云々というようなことも、私はこの緊急調整の中で十分これは対応できるというふうに考えるのですが、どうですか、総理。
○田中内閣総理大臣 いま労働大臣の述べましたとおり、長期広範にわたるものに対して労調法の調整権を持っておるわけでございますが、電力、ガス、水道というようなもの、これは国民生活に全く不可欠のものでありますし、特に電力というものが、いまも労働大臣が述べましたが、複雑多岐でございまして、電力というのはもう原則的にとめられないというようなものだと思うのです。ある意味においては、官公労がストを禁止されておりますが、こういうものよりももっと電力が人間生活、社会生活というものと非常に密接な関係がある。これを緊急の患者、いま大きな事故がいつ起こるかわからない、これは予告があってもその時期だけはずして手術をすればいいじゃないかというようなことでは片づかない、いついかなる事態においても手術を必要とするというような現状に徴すると、電力というものは、もう生活に密着するというガスや水道よりも、場合によっては米よりも重要な立場にあるという一つの新しい認識があるわけでございます。ですから、そういうスト権を与えないということで労働組合の権益が侵されるというようなことであれば、他に救済の方法を考えることはできるにしても、やはり電力というものは絶対に、争議手段としてだけではなく、とめられないものだ、・こういうものの見方から新しい電力に対する重要性ということを考えなければならないことでございまして、そういう意味では、われわれも電力と石炭というものを同列には考えられないような状態もございます。 そういう意味で、広範な角度から検討を進めておるわけでございますが、いずれにしても、発動できるのだという考え方よりも、電力はとめられないのだという前提で救済制度を考える、合理的な制度を考えるということが社会的な要請だ、私は現在そういう感じでございます。
○小宮委員 田中総理も加藤労働大臣も、そこまで労働者を信頼できないという不信感の上に立っての私はやはり考え方だと思うのです。そこまで言われるならば、もって瞑すべしだということも考えますけれども、しかし大臣、労組法の第一条の目的は、「労働者が使用者との交渉において対等の立場に立つことを促進することにより」云々ということになっていますね。そうしますと、労働者が使用者と対等の立場に立つためにはどういうふうな条件が必要なんだ、対等の立場に立つということはどういうことを意味しておるのか、ただテーブルにお互い向かい合ってすわったから対等の立場と考えるのか、その点いかがですか。
○加藤国務大臣 いま労働者に対しましては労働基本権三権を与え、そしていろいろ基本的な人権を持ち、その人権を尊重するという立場であります。ただ、先ほど小宮さんが言ったことにちょっと私むかっとします。私は労働者の立場を十分考えて、決して労働者の反対でありません。また特に閣僚の中でも労働省の大臣でありますから、これだけはひとつおことばをお慎みいただいて、今後私ども十分考えます。しかし、やはり労使対等の立場でなくちゃならぬということは当然であります。
○小宮委員 大臣も労働三権の問題は、やはり存じておりましたので話がしょいのですが、労働者が使用者と対等の立場に立つというのは、結局いわゆる団結権、団体交渉権、罷業権という労働三権を持っておればこそ、これは対等の立場で交渉できるわけです。ところが、私がこう言いますと、いや、全部のストライキは制限していないのだということを言われるかもしれませんが、労働者の最大の武器である罷業権の、私に言わしむれば九九%までをスト規制法で縛っておいて、言いかえれば労働者の両手をうしろに縛っておいて、そして経営者と対等の立場で交渉しなさいといってみても、それがはたして労使対等の立場で交渉ができるかどうか。そういった意味では、極言すれば、このスト規制法そのものはむしろ政府が不当労働行為をやっておるのだ、労組法の違反だとまで私は言いたいのです。だからそういった意味で、私はこのスト規制法というのは早急に廃止する方向で検討をすべきだと思うのですが、その点大臣、いま大臣が手をあげておりますから……。
○加藤国務大臣 これは小宮さんがおっしゃるとおり、九九%ではないと思います。スト以外の争議権は電気にも与えておるのでありますから、全面否定ではありませんが、いま言ったように、スト権の問題は労使の関係でありません。組合の立場、企業の立場とかいう関係でなく、背後は、先ほど言ったように国民的立場というこの点でありますから、この点は御了察がしにくいし、また組合の方から私はよビ聞いております。もう与えてもいいじゃないか、やはりスト権がなかったらどうも使用者と協議する場合に力が足らぬ。気持ちはわかりますが、やはり、先ほど言ったように政治も経済もあらゆるものが国民的という立場でありますので、なかなかその点は御了解がしにくいが、ごしんぼう願いたいと思います。
○小宮委員 リンゴの気持ちがわかるというようなことばでは困りますよ。それで長年官公労働者の労働基本権の問題についても、公制審で大体六月中には何か結論を出して答申をするというように伺っておりますが、そういうふうな中で、本来スト権を禁止すべきではないこの民間労働者に対して、こういったスト規制法をつくるということ自体が、私は大きな誤りだと思う。 そういうふうな意味で、時間も大体押し迫っておりますので、これは労働大臣と総理府総務長官と、特に田中総理にもひとつぜひ所見を承りたいと思いますけれども、そういった公務員のスト権、労働基本権の問題については公制審で検討されてきたが、しかし、この電気事業あるいは石炭鉱業のスト規制法については、何らそういった検討すらなされておらぬというような現状では、電気事業、石炭鉱業の労働者は、このことによってむしろ労使関係が現在では悪化しつつある現状であります。そういうような中で、やはり前向きに、これは田中総理の諮問機関みたいなものでけっこうですから、何らかの機関をつくって、そうしてこのスト規制法についてはひとつ再検討することをぜひ要求したいと思うのですが、所見を承りたいと思います。
○坪川国務大臣 公務員のスト権を含む労働関係の基本に関する事項は、まことに重要な課題でもあり、国民も深い関心を持っておる事項でございますので、政府といたしましては、公正な第三者機関を通じて、幾たびも申し上げますが、公制審に審議を願っておる最中でございます。ことしに入りましてから、一月八日から累次にわたりまして会議をお開きいただいておりまして、公益側から労使関係両方に対しまして五つの問題点の質問等もなされまして、それがそれぞれの立場で討議をされまして、いよいよ四月の二日に総会を開きまして、正式の場で正式の記録に残されまして、そして本格的な審議が開始されると、こう聞き及んでおりますので、政府といたしましては、公務員のスト権に関する問題につきましては、そうした公正な機関を通じまして、すみやかな答申々を待ちまして、その答申をそんたくいたしまして、態度を決定いたしたいということを表明申し上げておきたいと思います。
○加藤国務大臣 公判審の問題は、坪川長官からお答えいたしたとおりであります。同様であります。 これは総理にお尋ねでありますが、総理が言おうが、総務長官が言おうが、加藤が言おうが同じでありますから……。いまの総理のもとに第三者の機関をつくれという点、これはちょっと不満であります。労働大臣が所管でありますから、労働大臣の私的機関をつくれというのであれば、これはまた話がわかりますが、一ぺんに飛び上がって総理大臣の諮問機関は、これはちょっと行き過ぎでありますが、かような問題も含んで、十分慎重に、そして真剣に検討いたします。外国の事例なり、また組合の団体の御意見も聞いて。しからば、いますぐにできるかというと、これはちょっといきませんので、十分研究、検討いたします。
○小宮委員 大臣、外国では電気事業とか石炭鉱業のような労働者をスト規制法で縛っておるところはどこにもありません。外国に調べに行く必要はありません、そういうことはすぐわかることですから。まあいいです。あなたと話しておったら次がおそくなる。しかし、労働大臣に、これはこの法律ができて以来、何十回となく質問しても、あなたがいま言われたようなことばかり言っているものだから、やはり労働大臣ではだめだ、総理大臣にはっきりさせなければいかぬということで、私、総理大臣に所見を求めたわけですから、その意味では大臣、あなたがそれだけ熱意を持って取り組むということであれば、ひとつ私も加藤労働大臣に期待をかけたいと思います。
○加藤国務大臣 ちょっと一言だけ……。
○小宮委員 よけいしゃべらんでいい。 時間がだんだんなくなってきましたので、これは自治大臣に質問しますが、現在、中央地方を問わず、労働組合が所有権を持つ労働組合事務所、あるいは労働会館と称する建物は、全国でどれくらいあるのか、そして労働組合事務所に対して固定資産税を免除している市町村がどれくらいあるのか、あるいは課税していても一部免除しておるところはどれくらいあるのか、ひとつ御説明を願いたい。
○江崎国務大臣 実は自治省におきまして、いま御指摘の統計をとったことがございません。そこで、労働組合の事務所で固定資産税を免税しておる市町村が一部にある。これは固定資産税の不均一課税条例を制定しまして、市町村長の意思によって行なっておる。国側として、いわゆる自治省としてその免税措置の指図をしたことはございません。したがって、冒頭申し上げましたように、そういう統計をとったことがないわけでございます。
○小宮委員 大臣、私は質問通告をしておりながらなぜ調べないのですか。私の知っておる範囲内だけでも免税しておるところ、一部免税のところはかなりあるのです。そういうように各地方自治体の長の裁量によって課税しておるところ、いないところ、ばらばらの状態なんです。だが、その根拠は何かということです、ばらばらでやっておるという。特に地方税法の三百四十八条に、固定資産税の非課税の範囲がありますね。これは労働組合の事務所は都道府県民税は免除されておるわけですから、はっきり法律で。それで三百四十八条でこの固定資産税の免除の範囲の中には、確かに労働組合は入っておりません。だから、それぞれの地方自治体の長の裁量によって免税にしてみたり、課税をしてみたりやっているわけですけれども、労働組合の事務所に対しては、営利事業をやっておるわけじゃない。広義の意味に解釈すれば、労働組合自体が組合員の福祉活動の一環だと私は思っておる。しかも現に死亡とか公害見舞い、こういうようなものをやっておるわけですから。私、三百四十八条を見ますと、やはり大体共済団体が多いですね。しかしながらあの非課税の範囲の中には、必ずしも共済団体といえるかどうかというような団体も非課税の範囲に入っております。また営利事業と思われるものも入っております。したがって、この地方税法の三百四十八条の非課税の基準は、大体どういうようなことできめたのですか。
○江崎国務大臣 先ほど申し上げたような事情によりまして、事務当局においても、質問要旨をいただきましたが、にわかに調べるということができなかったと申しておりまするので、あしからずこの点は御了承を願いたいと思います。 そこで、この非課税の措置は、いわゆるその用途に着目して、社会経済政策あるいは地域開発政策等の公益上の見地から講ぜられておるわけで、すなわち、この非課税措置が直接公益を増進し、広く社会一般の利益と、これはちょっと抽象的ですが、またはこの措置を講じないならば直接公益を阻害するものであること。それから第二点は、公平の原則をそこのうことによる弊害、それよりも非課税の措置をとるほうが利益が大きいもの、こういうたてまえでやっておるわけであります。 いま御指摘の、たとえば労働関係の問題でまいりまするというと、共済事業または福利事業のみを行なう団体、その共同施設、こういうたてまえでありまするから、健康保険組合それから労働金庫等は非課税にしておるわけであります。ところが労働組合の場合は、自主的に労働条件の維持改善、その他経済的地位の向上をはかるというような目的のための組合でありまするので、やや違うという見解に立つわけですが、このあたりは非常に接近したところもあるかと思いまするので、十分今後の問題として検討してまいりたいと思います。
○小宮委員 大臣、おそらくtの地方税法が制定された当時は、まさか労働組合が自前で自分の労働組合事務所をつくるとか、また労働会館をつくるとかということは考えられもしなかったことだろうと思うのです。したがってそういうような意味では、現在ではもうそれぞれ、やはり零細な血とあぶらと汗による、組合員が拠出をして労働組合事務所なり会館なりをつくっているわけですから、そういうような意味では、いまのこの三百四十八条の非課税の範囲の中に含めるような立場で、ぜひ労働組合事務所に対しては非課税とするように、ひとつ強く再検討をお願いしたい。再度ひとつ大臣の所見を承りたい。
○江崎国務大臣 先ほど申し上げましたように、健康保険組合とか労働金庫とかそういうものが免税になっております。目的は多少違うにしましても、これは十分検討に値する問題だと思いまするので、検討をいたしたいと思います。
○小宮委員 時間が来たようでございますから、あとの問題はまたそれぞれの委員会で、特にひとつ社労の中でまた労働大臣とやりましょう。 これで終わります。
○根本委員長 これにて小宮君の質疑は終了いたしました。 次に、楢崎弥之助君。
○楢崎委員 まず冒頭に、去る二月二十七日、当予算委員会一般質問におきまして、保留した点について質問をいたしたいと思います。 株価の問題と三光汽船の問題でありますが、そのうち、昨年一年間で東証が警告を発したのが五十七件ある、その報告を求めたわけです。報告が出てまいりました。東証の報告に加えて、大蔵省がそれに対する「問題点と今後の対策」というものをこれまた出してまいりました。その中で、四点あるわけですが、全部問題ありますけれども、特にこのうちで問題になる点だけ指摘をいたしておきます。 第三項であります。第三項というのは、「会社の役員・主要株主の自社株売買で、六カ月以内に差益を得たもの。(利益金は会社に返還させた。)」これが五件ある。これの問題点はどこにあるかという大蔵省の考え方は、また文書になって出てきておる。「証券取引法第一八九条は、会社の役員、主要株主が内部情報を不当に利用して自社株の売買を行なうことを防止するため、自社株売買による利益に対する会社の返還請求権について規定しているが、このような事実が発見されたため、会社に利益を返還させるよう指導したものである。」これに対する今後の対策は、「今後、このような事態が起らないように証券取引法の趣旨の普及をさらに徹底する。」何ですか、これは。あたりまえのことじゃないですか。「証券取引法の趣旨の普及をさらに徹底する。」これが大蔵省の本件に対する対策ですか。つまり利益金を会社に返還させたことをもって処理済みとしておるんですね。この五件というのは利益金を会社に返還さしておるんですから、禁止をされておりますインサイダートレーディング、これに当たるわけでありますから、しかるべき処罰を私は当然やるべきであると思う。この五件の中にはまた、自社株操作に当たるものも当然あるわけです、利益金を返還させておるのですから。したがって、これは犯罪を構成する可能性がある。したがって、監督官庁としてこういう手ぬるい対策では一体どうなるのか。単に証取法の趣旨の普及を徹底させるなんというような対策で一体済むのかどうか。 したがって、私はこの五件の内容及び経緯を示すべきであると思います。違法性の疑いのある会社名を公表をしていただきたい。どうですか。
○坂野政府委員 証券取引法の規定は、お説のとおり第百八十九条において、六カ月以内に短期の売買をいたしまして不当の利益を得た者は会社にその利益を返還する、会社がそういうことを請求することができる。それから、会社がしない場合は、会社に代位して株主がその請求をなすことができるという規定になっております。これは証券取引法の中の条文ではございますが、いわば商法の一種のような規定であります。したがいまして、返還請求を求められる者は会社あるいはその株主でありまして、行政官庁みずからが、これは違法の行為として取り締まることはできないというのが現在の法律のたてまえであります。
○楢崎委員 いずれにいたしましても、その内容、経緯、会社を公表してください。 あわせて、三光汽船のジャパン・ライン株買い占めの問題等について疑義を呈しました点に関し、答弁が来ておりますが、それに対して、私は反論を、この文書で用意をいたしておりますので、時間の関係上これを渡しますから、しかるべき機会に、早急に、文書をもって私に回答していただきたい、このように思います。よろしゅうございますか。いまでなくてけっこうですから、返答だけしてください。
○愛知国務大臣 ただいまの調査の御委嘱に対しまして、できるだけ善処いたします。
○楢崎委員 そこで私は、どうも大蔵省の対策というか対処のしかたが手ぬるいと思うのですね。あの協同飼料の問題は氷山の一角ですよ。言うならば、こんな言い方が妥当かどうか知らないけれども、みせしめのためのモルモットにされたにすぎない。ここで大蔵省が厳然たる態度をとる必要があろうと思うのです。それに対して、この前の協同飼料株価操作の問題で、結局は親会社の三証券、日興、大和、野村、これは起訴猶予になった。東京地検特捜部の言うことには、証券取引法違反は明白であるけれども、改俊の情があるから……。まことに温情あふるる措置であると私は思うのです。そして、それを大蔵省の措置にまかした。行政処分にまかした。大蔵省は、一体どういう態度でこれに臨むつもりですか。
○愛知国務大臣 検察権の発動がございまして、これが不起訴処分といいますか、起訴猶予でございますか、検察庁のほうの措置については私はとやかく申すべきではございませんが、大蔵省は大蔵省の立場におきまして、監督官庁として十分調査をいたしまして、必要の場合におきましては行政処分をいたすつもりでございますが、まだ調査について最終的な結論を得ておりませんので、その処分の内容等については、まだ申し上げる段階に至っておりません。
○楢崎委員 大蔵省の言い分は、これはまあ新聞を通じてしかまだ私は知っておりませんけれども、もし調査して証取法違反が明らかであれば何らかの措置をとる、こういう言い方をしているんですよ。捜査権のある東京地検が違法は明らかだと言っておるんですよ。それに捜査権もない大蔵省がまたそれを調べて、違法性が明らかであれば措置するなんて、そういう考えではとてもじゃないと私は思うんですね。一体、証取法でこういう違反を捜査する権限がありますか、大蔵省に。
○愛知国務大臣 お話しのとおり、検察庁のような捜査権はございません。しかし、先ほども御指摘ございましたように、法律に基づいて行政権の発動としてしなければならぬ措置については、十分その根拠をはっきりさせて、行政処分をやるべきものはいたすつもりでおりますけれども、私も、御承知のようにちょっと出張しておったような関係もございましたので、これは新聞の報道はともかくといたしまして、責任を持った処置を、私としてもいたしたいと考えております。
○楢崎委員 三社の処分については大蔵省にまかされましたけれども、この証券三社は、もし公判で違法性が確定すれば、当然本件に関する一般投資家への損害賠償責任はありますね。証取法百二十六条でございますか、ありますね。
○坂野政府委員 大蔵省において独自の調査をいたし、必要があれば適正な措置をいたすもりでおりますが、それは、検察庁が問題としておられる証取法の条文に基づいて行なうかどうかということは、必ずしもまだきめておりません。と申しますのは……。
○楢崎委員 あなた、何を言っておるんです。東京地検が起訴したでしょう。そして有罪になれば、証券三社は一応起訴猶予になっておるけれども、あの七人が有罪になれば、当然本件に対する一般投資家への損害賠償責任はありますねと聞いておるんです。何を言っておるんですか、あなた。
○坂野政府委員 地検において起訴があったことは事実でございますが、裁判確定するまでは、それが有罪であるかどうかは私どもが存知するところではありません。
○楢崎委員 時間が短いから、あなたでたらめな答弁しちゃいけませんよ。有罪が確定すればと私は言っておるじゃありませんか。何言っておるんですか、あんた。有罪が確定すれば賠償責任が生じますねと言っておるんですよ。
○坂野政府委員 有罪が確定した暁にどういう措置をとるかということは、それはいまここで申し上げられませんけれども、しかし……。
○楢崎委員 あんたにその措置を聞いておるんじゃないですよ。条文の解釈上の問題で聞いておるんですよ。何を言っておるんですか、あなた。あなたが検察官じゃないんだよ。
○根本委員長 坂野君に申し上げますが、質問者の要旨を把握して答弁してください。
○坂野政府委員 その確定した段階において、しかるべく措置をいたすべきだと思います。
○楢崎委員 あなたが措置をするというのですか。あなたが、大蔵省が損害賠償について措置するのですか。
○坂野政府委員 刑が確定いたしましても、当然に賠償責任が生ずるかどうかは、いまの段階では申し上げられないと思います。
○楢崎委員 もうばからしゅうて議論する気にならぬですね。 法務大臣、この三証券会社が起訴猶予になったのはおかしい。ああいう東京地検の起訴猶予にした理由をまともに考えれば、起訴された者は、その反省の念がなかったということになるんでしょう。そういうことになりますね、あれからいくと。 それから、依然としてやっぱり上役はのがれて下役だけがやられるんだ、こういう印象も国民に与えますよ。そしてこういうことじゃ、一般投資家に損害を与えるような株価操作は、支店長の一存でできるということにもこれは通じますよ、こういうことを許しておったら。だからこの二十八日でございますか、東京の第一検察審査会が、この東京地検の起訴猶予処分の当否について、職権で審査に乗り出すようになりましたね。これは国民感情としてはそのとおりだと思うのです。私は、こういうあり方というのはたいへんな誤解を国民に与えると思うんです。法務大臣の御見解を聞きたい。
○田中(伊)国務大臣 株式の時価発行をやりまして増資をしようという傾向が、わが国産業界に定着しつつあるというほどに力を持ってきております。その大事なときに、事もあろうに不法に株価のつり上げをやる。これは厳重処断をする必要があるというので、直ちに関係者七名を逮捕いたしまして、長期間にわたって厳正に取り調べた結果起訴をいたしましたこと、御承知のとおりでございます。 しかるところ、一つの疑念は、いま先生、証券三社について一体なぜ両罰をしなかったか、起訴をしなかったかというおことばでございますが、これは外部から熱意をもってこれをごらんをいただきましたならば、そうお考えをいただくことはごもっともであろうと存じます。 しかし、慎重に身柄を押えて取り調べをいたしました結果の結論を一口に申しますと、支店限りでやったもので、本店の重役にその意思が通じてなかったということが、あらゆる苦心の捜査の結果明白になりました。そういうことが明白になりました以上は、反省の色もあり、大蔵省は、将来にわたって調査をし適当な行政指導をやるということの言明もあるものでございますから、この三社についてのみは起訴を猶予することにしたのであります。罪はあれども起訴をすることを猶予する、こういう処分にした次第でございます。 なお、この問題の内容的なものにつきましては、これはすでに起訴手続を踏んで東京地方裁判所に事件がハンギングしておりますので、これを詳しく申し上げる自由がございません。お許しをいただきたい。
○楢崎委員 私は、この職権による審査会の今後の動向あるいは大蔵省の行政処分を十分見守りたいと思うんです。私どもが危惧しておるような方向に行かないように、ひとつ峻厳たる態度で臨んでいただきたい。これをこの段階では要望をいたしておきます。 そこで、核の問題に移りますけれども、まず冒頭に原子力基本法の問題についてお伺いいたします。 御案内のとおり、原子力基本法は昭和三十年の、衆議院におきましては十二月十三日、参議院においては十六日に、当時の自民党と社会党が全員四百二十二名をもって議員立法として出したわけであります。そして決議にもありますとおり、自民党もこの解釈、運用については責任がありますし、一方、社会党も提案責任政党として解釈、運用には責任があります。まずそれを明らかにしておきたいと思うんです。 そこでこの決議でございますが、これは両院ともやっておりますけれども、特に参議院段階の決議ははっきりいたしております。どういう附帯決議をつけたかというと、「本法の改廃及附属法、関係法の制定、運用に当っては、本法の趣旨並に提案の経過に鑑み、あくまで超党派性を堅持し、国民的協力態勢を確立すべきである。右決議する。」こういう決議であります。つまり超党派性、改廃や運用に当たっては超党派性を堅持する、こうなっております。したがって、この原子力基本法の改廃については、たとえば与党が野党の反対する中で、特に社会党は責任政党ですから、反対する中で改廃を一方的に数の力で決することはできない趣旨だ、この決議はそのように解釈しますが、総理いかがでしょうか。自民党の総裁としてでもけっこうでございます。
○田中内閣総理大臣 決議の趣旨は、これからも守るべきだと考えております。
○楢崎委員 私が言っているのは、特に超党派性を堅持するといわれておりますから、たとえばこれを改廃する主張がある、まあそういうことは私はよもやないと思うけれども、いわゆる平和利用に限るというような点をはずすような改正を行なうようなときに、一政党が多数をもってこれをやることはできない趣旨だ、この決議は、このように読むべきではないか、こういうことを言っておるのです。
○前田国務大臣 原子力の研究、開発、利用は、平和目的に限るというのは原子力行政の基本でございまして、これの改廃につきましては、附帯決議の趣旨に沿って超党派的に行なうように考えております。
○楢崎委員 それは決議に書いてあるのですから、お読みにならなくてもいいのですよ。それで、いわゆる多数決原理で、一つの党が多数をもって改廃について強行採決するようなことはないのでしょうね、それを言っているのです。ないのでしょうね、それがこの決議の趣旨ですね、と言っているのです。
○前田国務大臣 私は、そういうつもりでおります。しかし、それは国会の問題だと考えます。
○楢崎委員 そんな国会の問題、それはわかっていますよ。そんなことは言わないでくださいよ。それで私はここでもう一ぺん、過去のあれを、時間がありませんから振り返ってみたいと思うのです。 まず、参議院のこの原子力基本法に対する附帯決議、これはわが党の湯山委員が参議院でやっています。その附帯決議の中に、この問題は非常に憲法とかかわり合いがあるから、改廃については三分の二の賛成を必要とするほどの重要性がある。この趣旨説明についてのですよ、附帯決議の。しかし、超党派ということがうたってあるから、多数でこれを強行採決等でやるようなことはないだろうという趣旨のことを述べておるわけですね。つまり三分の二以上の賛成が要る、これは憲法にかかわる問題だから、こう言っておるわけです。そして四十四年二月四日、私の質問に対して佐藤総理は、持たず、つくらずは憲法及び原子力基本法上の問題である、持ち込ませずは国民感情を基礎にした政策である、こう分けられて明確に答弁なさいました。そして続いて二月の十日、公明党の伏木君が同じような質問をしたときにも、総理は、ここに明確にございますけれども、「原子力基本法では、はっきり、平和利用はするけれども兵器は持たない、兵器をつくらさない、こういうことをもうはっきり規定しておるわけであります。」「これは憲法の精神をもとにできたものだ、かように私は思います。」そう伏木君にも答弁があっております。それから参議院段階における参考人の茅さん、この方も参考人として述べられた中に、軍事利用するということは憲法違反であるということを明白に言われておる。攻撃とか防御とか、そんな分け方はしていないのです。 そこで、そういう趣旨を受けて、せんだっての当委員会における民社党の永末質問に対して、総理は、核兵器というのは憲法違反だという答弁を、私どもはそういう関係で、まことに発展的に確定されたと思って聞いたわけです。それが参議院に行ってまた変なふうになってきた。 そこで、私はもう一ペんここで明白にいたしておきますけれども、持たず、つくらずは単なる政策ではありませんね。憲法上、特に法律的にこれは禁ぜられておる、それは明確ですね。単なる政策じゃありませんね。
○田中内閣総理大臣 これは政策であります。これは、申し上げますと、憲法上は九条に違反するような攻撃的兵器を持てないということは、これは言うまでもないことでございます。ですから、核兵器であっても、純防御的なものであるものは憲法には背反をしないということは、これはもう憲法解釈の問題でございますから、政府が従来述べておることでございまして、憲法解釈問題であります。 しかし、この原子力基本法で、原子力というものは平和利用以外には使ってはならない、こう明確に規定してあるわけでございます。ですから、この原子力基本法が存在する限りにおいては、防御用であっても、核兵器をつくらず、持たずということは、この法律でもっては、つくれないようになっておるということは明確でございます。
○楢崎委員 だから私は、単なる政策ではございませんね、これは法律上禁止されていることですねと聞いておるのです。そのとおりですね。しかもその法律は原子力基本法であり、この原子力基本法は、佐藤総理が何回も答弁されたように、憲法の精神を受けたものである。これはお認めになりますね。
○田中内閣総理大臣 原子力基本法第二条の解釈に対しても統一見解が出ておりますから、原子力基本法によって持てないということでございます。こういう法律が出たのは、新しい憲法の高邁な精神というものを踏まえてできたものである、こう理解して間違いないと思います。
○楢崎委員 そこで、これがやはり憲法とかかわりがあるということは明白なんですね。 そこで、私はここで提案をしてみたいのです、重要な問題ですから。この衆議院段階で答弁されたことを、参議院段階でそれをまたあなたは変更された、われわれはそういうふうに受け取っているのです。それで、私はあのとき参議院で傍聴いたしておりました。参議院でも、これは憲法にかかわるゆゆしい問題だから、この核問題のための特別の場を設ける必要があるのではないかという関連質問の御意見もあったほどでありますから、私は、もしこの解釈について不安定なものがあれば、これは、提案責任政党としての自民党の責任者と社会党の責任者が、責任上まず話す必要があるのではないか、それをひとつ私は提案したい。 二番目に、やはりこれは国会決議をする必要がある。どうしてかというと、附帯決議でも、さっきの坂井君ですか、あんなことが起こるのですよ。おあやまりになったそうですが、それを、決議もしないで政策ということになるとより不安定です。しかも、最近の政府の答弁というものは非常に権威がなくなっておる、くりくりくりくり変えて。そしてまた外信の伝えるところによる、せんだっての田中総理の御答弁はたいへんな誤解を与えております。核兵器保有の可能性をここで明確にしたというような外信の反応があっておりますね、新聞読まれたと思いますけれども。そういうことですから、ここでやっぱり国会決議をする必要があるのではないか、これが二番目の提案であります。 三番目は、やっぱり両院でこれは問題が起こっておりますから、この国会法の四十四条、この四十四条は「各議院の常任委員会は、他の議院の常任委員会と協議して合同審査会を開くことができる。」これを受けて常任委員会合同審査会規程というのがございます。その第一条にやり方が書いてあります。簡単であります。したがって、これは暫定予算に関係なく、これは可能な早い時期に、参議院、衆議院の予算の合同審査会を開いてこの問題を詰める必要がある。そしてその最終的な目的としては、国会決議をするということを目標にして合同審査をする必要があると思いますので、これは委員長においてお取り計らいをいただきたい、このように思います。どうでしょうか、委員長。
○田中内閣総理大臣 御承知のとおり、四十六年十一月二十四日衆議院本会議においては、非核兵器ならびに沖繩米軍基地縮小に関する決議の中で、「政府は、核兵器を持たず、作らず、持ち込まさずの非核三原則を遵守するとともに、」云々という決議がなされております。それから、四十六年十一月二十四日が衆議院の本会議でございまして、その本会議において佐藤総理大臣が明確に述べております。これは、原子力基本法第二条の解釈に関する統一見解としては、四十年の四月十四日に出ておるわけでございまして、でございまして、この法律の存在する限り、いままで申し上げたとおり、兵器として核兵器をつくることはできないということは明確でございます。 そして、あなたが先ほど述べられましたように、これは自民党だけで、基本的な改廃などを考えたり強行採決をするということはしないという決議は尊重いたします、こういうことでございますから、これで一貫しておりますし、完ぺきなものであるということを考えております。
○楢崎委員 これは私は提案でございますから、委員長でしかるべく処理をしていただきたいと、このように思います。
○根本委員長 楢埼君のただいまの御提言につきましては、理事会において協議いたしたいと思います。
○楢崎委員 この際聞いておきますが、核拡散防止条約の批准はどのように考えていらっしゃるのですか。
○大平国務大臣 目下政府と与党の間で相談中でございます。
○楢崎委員 どういう方向で御相談中なんでしょうか。
○大平国務大臣 自民党におかれましては、これの担当の特別委員会が設けられまして検討を開始されておるわけでございまして、その検討の経過を待ちまして、政府との意見調整をしなければならぬと考えております。
○楢崎委員 次に、最近新聞や雑誌でブラックセプテンバー、黒い九月ですか、せんだっても三月一日、あのスーダンの首都のサウジアラビア大使館を襲って不幸な事件が起こったわけですけれども、このブラックセプテンバーの日本上陸の可能性を盛んに報じておるようであります。特に五月二十五日のイスラエルの建国記念日に向けて、五月説というのが非常にささやかれておりますが、何かこの種のことで政府機関、警察庁なり公安調査庁に情報が入っておりますか。
○田中(伊)国務大臣 いまの御説のように、ブラックセプテンバーは五月にわが国に上陸を企てておるといううわさが出ております。これは単なるうわさで、赤軍との関係から出てきておるうわさのように見受けられます。このようなやつがわが国に上陸するなどということはもってのほかで、そこで入国を拒む態度についてでありますが、まず外務省、警察、公安調査庁等緊密な連絡をとりまして、万全の対策を講じてみたい、こう考えます。
○楢崎委員 それはそのとおりです。ただ私は、いまは笑っておれるが、この可能性が絶無であるとだれも言えないと思う。やっぱりこういう不幸な事件が起こらないようにしなければいけない。 それで、そのときに、たとえばこれは仮定の問題だけれども、もし在日アメリカ大使館等にそういう問題が起こったと仮定すれば、これは治安問題として警察が前面に立つであろうと思う。自衛隊はそういう場合にはどうなるのですか。
○増原国務大臣 何といいまするか、いわば仮定の御質問のようですけれども、そういう事態は治安当局において措置をされるべきものでございまして、自衛隊が関係ができるとすれば、治安当局に手に負えないというふうに判断をされて、自衛隊に治安出動を求められた場合には関係ができまするが、おそらく、いま仰せになりましたような場合が想定されて、治安出動が発動されるということは、まず考えられないのではないかというふうに思います。
○楢崎委員 次に米軍でありますが、これは安保改定で内乱条項はなくなりました。たとえアメリカ大使館にその種のことが仮定として起こったとしても、米軍が出動する法的根拠はありませんね。
○大平国務大臣 ないものと承知しています。
○楢崎委員 そこで、北富士は新聞で報道されておるとおりであろうと思いますが、二4(a)で米軍に使わせる、米軍がこういう治安行動訓練と申しますか、こういうものを日本の国内でやっておる事実はありませんか。
○大河原(良)政府委員 米軍は、北富士演習場において演習訓練をいたしております。
○楢崎委員 治安行動の訓練をやっておるというわけですね。
○大河原(良)政府委員 私、ただいま御答弁いたしましたのは、一般的な演習訓練を北富士演習場において行なっておるということを申し上げました。
○楢崎委員 私の質問に対して答弁になっていないじゃないか。
○大河原(良)政府委員 米軍は、ただいま申し上げておりますように、北富士演習場におきまして一般的な演習訓練を行なっておりますけれども、昨年の十二月に、不測の事態における戦闘員以外の者のための避難、移動訓練、これを行なった事実はございます。
○楢崎委員 昨年十二月にやっておるわけですね。もう少し詳しい情報、防衛庁わかっておりませんか。
○大河原(良)政府委員 沖繩におります第三海兵師団の第四連隊の第一大隊の部隊千百名が、昨年の十二月十一日から十九日までの間、北富士の演習場で演習をいたしましたけれども、右の演習は、不測の事態におきまする海兵隊と空軍部隊との迅速な対処能力を増大させるための訓練と、あわせて、戦闘員以外の者のための避難、移動訓練を行なったものでございまして、特に御指摘のような、治安出動的な訓練という性質のものではございません。
○楢崎委員 不測の事態とはどういう事態ですか。
○大河原(良)政府委員 まさに不測の事態でございまして、いろいろなケースが考えられると思いますけれども、通常の状態でない状況に対処するための演習でございます。
○楢崎委員 そういう答弁を、あなた、いまのうちだけはできるんですよ。これは、私はほかの質問予定があるから、場所を改めて明白にしたいと思う。治安行動訓練をやっておる事実がある、それだけ明白にしておきます。 次に、沖繩の米車のナイキハーキュリーズ、これを七月一日までに日本の航空自衛隊が受け継ぐわけです。もう時期も切迫しておりますが、一括して聞いておきます。 このナイキハーキュリーズの非核化の方法、つまり、ナイキJにするための非核化の方法、時期、弾頭の数及びそのための予算は幾らになっておるか、それを明らかにしてほしい。
○山口(衛)政府委員 お答えいたします。 ただいま御指摘になりました七月一日でございますが、これまでに、沖繩にあります現在のナイキハーキュリーズミサイルは、核、非核両用型でございます。これを現在のところ、昨年の十月三十一日に取りかわしましたナイキの購入に関する日米了解事項覚書によりまして、通常弾頭つきのミサイルをわがほうは受け取るということになっております。わがほうとしましては、これでは必ずしも非核ということの確証がございませんので、ただいま当方としましては、これを非核弾頭専用の国産ナイキJミサイルと同型となるような改修をいたすというように考えております。 次に、先生御指摘の、どのような方法かということでございますが、現在防衛庁の考えております方策は、通常弾頭には不要になります点を除去いたしまして、復元がほとんどできない、困難となるような改修措置をとるというふうに計画しております。 要点を申し上げますと、第一に核弾頭が取りつけられないようにするために、この弾頭部の内部に、ちょうど中央の部分でございますが、鉄製のクモの巣状のフレームをリベットで固着をすることにいたします。この固着するリベットのやり方というものは、これを無理にはがしますと、そこの部分は破壊されてしまいますので、これはその場で、現地で取り除くということになりますと、ナイキそのものは全くミサイルの形をなさないということになろうかと思われます。 第二に、核弾頭のミサイルが今度は発射できないようにいたすために、ミサイルの発射装置がございますが、その間のアンビリカルケーブルというものを全部取りはずしまして、これを通常弾頭、普通日本で、Jでついておりますそのケーブルにかえるという措置をいたしたいと思っております。 第三は、核弾頭専用であります電池がついております。これはブースターの近くについておりますが、この電池を全部取りはずしまして、これを溶接、溶解してしまいまして、大体同じような重量の電池に置きかえてしまいます。 それからなお地上器材でございますが、発射統制装置がございますが、この中にあります指示器の中のボタンみたいなものでございますが、私どもはまだほんとうの核用のナイキがどういうものであるかということは、設計図もみなもらっておりませんので、とにかく通常弾頭用に不要な部分はその指揮装置から除いてしまうというやり方を現在とろう、これが方策でございます。 それから予算でございますけれども、予算につきましては、四十七年度におきまして国庫債務負担行為の予算がつけられまして、これはなぜ四十七年度につけたかと申しますと、改修キット、これをつくるためのリードタイムがございますので、そこでその予算をつけるというふうに考えております。 その内容としましては、総額で、四十七年度が国庫債務負担行為でございますが、これを四十八年度は歳出化するという予算が七千五百六十四万六千円、四十八年度の歳出化に、現在、案として計上されております。それから、四十八年度そのものの予算におきましては、役務費、つまり内地で改修いたします役務費としまして一億七千六百八十三万一千円。それと輸送費でございますが、これは現地からこちらに輸送する費用でございますが、これが三千百三十九万四千円。合計いたしまして、歳出化としますと二億八千三百八十七万一千円というような予算がつけられております。 以上でございます。
○楢崎委員 弾頭数は……。
○山口(衛)政府委員 失礼いたしました。八十二発でございます。八十二発を受け継ぎます。
○楢崎委員 そうすると、その空白はどうするのですか。
○山口(衛)政府委員 空白時期は、現在少なくとも日本が、わが国が沖繩のナイキを引き継ぐときにおきまして、それが非核専用になっているようにしたいというふうに考えておりますので、その以前にこちらのナイキJ型を持ってまいりまして、現在、その炸薬を現地で取り除いて、そこで入れかえられるかどうか、こういう技術的な検討をやっておりますが、いずれにいたしましても、わがほうが受け継いだときに、非核専用のナイキJが載っておるというようにしたいと思っております。
○楢崎委員 ちょっと装備局長、そこにおってください、時間がないから。 そうすると、一発は幾らになるのですか。簡単に言ってください。一発を、その改造費と輸送費に分けて。
○山口(衛)政府委員 ただいまの御質問でございますが、輸送費は三千百万でございますので、八十二発として、平均して割りますと三十八万円でございます。それから改修キット費は七千五百万円でありますので、一発当たりに換算しますと九十二万円という計算になります。改修役務費のほうは一億七千六百万円でございますから、八十二発分で換算いたしますと、約二百十万円になります。 以上でございます。
○楢崎委員 そうすると、合計して一発三百四十万円ぐらいですね。そのうちの改造費、私はいまの改造の説明を聞いておりまして、あるいは私がいままで調べたいろいろな書物等によって想像図をつくってみたのですけれども、こういうことでございますか。ちょっと装備局長に見せてください。
○山口(衛)政府委員 正確でございます。
○楢崎委員 いまの説明、あるいはいままでの出ております書類で調べて、私は想像図をかいてみたのですが、大体このとおりだとおっしゃるわけです。結局、この改造は簡単ですよ。つまり核、非核両用兵器だけれども、これを非核専用にする。えらいぎょうぎょうしく言われますが、簡単です。つまりどこがポイントかというと、核弾頭が入るところに遮蔽板を入れる、これがポイントです。あとは電線を切るだけです、簡単に言えば、わかりやすく言えば。それに二百十万というのは、私は高過ぎると思う。いいですか、こんな簡単な構造にです。 それから、長沼裁判がきょう結審をいたしました。この長沼裁判は、いわゆるナイキJの問題を含んでおる。この長沼裁判の証言に立ちました源田実さんは、こういうことを証言されております。ナイキをもう一ぺん核用もできるようにするためには、大改造をやらなければいけない、こういう証言をしている。この証言は、私は間違いであると思います。簡単にできるのですよ。これは長沼裁判の判決に大きな影響力を与えると思うから、私は指摘しておきたいのです。この点についての源田さんの証言は、これは間違いであり、オーバーである。簡単にできます。それを明確にしておきたい。 それから長沼裁判の問題が出ましたから、もう一つ言っておきます。一月二十三日の安保協議委員会、この結論は、文書の中にもありますとおり、ニクソン・ドクトリンを尊重し、協力するという問題が含まれております。このニクソン・ドクトリンの一つの大きな柱に、もし核攻撃を受けた場合には核のかさで守る、そのほかの問題については自分の国で責任を持ちなさい、こういう柱があります。それに協力するということは、つまり核攻撃を受けるような脅威が、あるいは事態が起こったときには、アメリカの核のかさで守ってもらう。そういう事態のときには、非核三原則のうちの特に持ち込ませずという政策を変更せざるを得ないのではないか、このニクソン・ドクトリンに協力するということは。その点については総理、どうでしょうか。
○田中内閣総理大臣 核をあらゆる意味で、つくらず、持たず、持ち込ませずと、こう先ほどから何回も述べておるわけでございまして、いかなる場合でも持ち込まないということは、これはもう当然のことでございますし、核は持ち込まなくても十分作用することは、これはもう私が申し上げるまでもないことでございますし、これは日本に持ち込まないということは、この原則は十分に守ってまいります。
○楢崎委員 ところが、自由民主党の参議院議員であり、国防部長でございますか、源田実さんは、この長沼裁判の証言で、その点についてどう証言をされておりますか。「核兵器で攻撃を受けた場合には、通常兵器をもってしては、ほとんど対抗できない。こういう場合には、核兵器は必要とされると思うのです。したがって、そういう場合には、米国の核兵器を持ち込むということを考えなければならない。日本が装備するわけではなくして、米国をしてこれを使わせるというような考え方でなければならないと思います。」裁判における証言です。だから私は、この非核三原則というものをもう少し権威あるものにしなければならない。先ほどから言っているのはそこにもあるのです。非常に自由民主党として意見がばらばらである。それで、しかもこれは裁判における証言ですから、単なる演説じゃないのですよ。だからこういう点は、私はきちっとしてもらいたい。 次に、この沖繩のナイキハーキュリーズは、沖繩から本土に何で運ぶのですか。
○山口(衛)政府委員 お答えいたします。 現在のところ、海上自衛隊のLSTを使ってはどうかという点を検討しております。ただ、できるならば、現地側におきまして炸薬の抜き取り、交換等ができるかどうか、その点につきまして、現在十分検討中でございます。
○楢崎委員 海上自衛隊のLSTで運ぶという話でありますが、このLSTという問題について、今度は、米軍のLSTの問題についてちょっとお聞きしておきたいと思うのですね。 いま、米軍のMSTSといわれる極東海上輸送司令部、ここに所属するLSTに直接雇用になっておる日本人は何人で、何隻使われておるか。
○大河原(良)政府委員 LSTの関係の船員は、乗り組み員が五百五十六名、予備員が百二十二名、合計六百七十八名、こういうふうに承知いたしております。
○楢崎委員 まず、このLSTの乗り組み員と地位協定との関係について明らかにしておきたいと思うのです。 本問題は、昭和三十九年十一月三日午前零時半にベトナムのダナン港において、LST百十七号の乗り組み員でありました斎藤賢三という人が、私服警戒中のベトナムの官憲によって射殺されるという事件が起こりました。それ以来、本院の予算委員会なり外務委員会でたくさんの質問が行なわれております。同年の十二月七日の予算委員会では辻原委員、それから翌四十年の二月十六日にはなくなられた戸叶委員、これまたなくなられた横路節雄委員、四月の七日には西村関一委員、十四日には岡田春夫夫委員、ずっとこの問題を取り上げてまいりました。新しいところでは、四十六年二月二十四日、民社党の竹本委員が予算の分科会でやられております。この一番新しいところの竹本さんの質問の中で、この地位協定との関係について、当時外務大臣でありました愛知さんはこのように答弁をされております、竹本質問に対して。「外務省の条約としての地位協定の十二条の解釈は一貫しておるつもりでございます。お尋ねの趣旨の御要望されておるところと逆になるかと思いまして、その点は恐縮に思いますけれども、いま一応私から申し上げますと、地位協定第十二条の四項はいわゆる間接雇用の形式について定めているものでありますけれども、LST乗り組み員のような直接雇用の形式によることを排除したりまたは禁止しているものではない、これが前提となる解釈でございます。」そこでそれを受けて、「同条第五項は、間接直接を問わず米軍に関係するすべての雇用の場合に適用され、所得税などを源泉徴収して納付するための義務については、日本国の法令の定めるところによる旨の規定しているわけでございまして、」「これが従来からの地位協定第十二条四項、五項の外務省としての解釈で、これは変わっておりません。」と答弁しているが、いまも変わっておりませんか。
○愛知国務大臣 直接雇用のLSTの乗り組み員についてのただいまのお尋ねの点は、課税等については、そのときの解釈と同じ解釈をとっておるはずでございます。
○楢崎委員 地位協定との関係です。
○愛知国務大臣 地位協定との関係では、直接雇用を排除するものではないと、そのときにも申し上げておったつもりであると思いますが、それが前提でございます。
○楢崎委員 ところが、この乗り組み員と地位協定の関係について三十九年十二月七日、当予算委員会でありますが、わが党の辻原委員が質問をされました。そのときに防衛庁長官でございました小泉さんが、安保条約の精神に沿って協力を日本はしておるというような答弁をなさいました。ところがだんだん追及されまして、高辻さんが立たれまして、地位協定によりますと、間接雇用の規定として十二条の四項というのがある。MSTS等の貨物船はそうであるように聞いております。ところがLSTのほうは、間接雇用の十二条の四項の規定が働いているのではありません。地位協定とは関係なく、ただ直接雇用でその労務をみずからアメリカ合衆国が調達しております、こう答弁しております。十二条の四項は間接雇用だ、直接雇用は関係ない。したがって、その高辻答弁に沿って小泉防衛庁長官は、その前に答弁された安保条約の精神によって協力するという、この答弁を取り消しておられます。明確に。「ここに取り消さしていただきます。」つまり地位協定との関係はない。これは、あなたが前提になっているとおっしゃっているのですが、この解釈はあとからいろいろな問題を生じてくるのですよ。同じ政府でどうしてこんなに解釈が違うのですか。これは決定的な解釈の違いですよ。
○愛知国務大臣 地位協定の解釈については、先ほど申し上げましたように、その当時の外務省における見解を、お断わりしておるように、前提として私は答弁した記憶がございます。 現在の私の立場からいえば、これは課税権の問題とどう関連するかということですが、地位協定自身の解釈の問題については、その後政府の解釈がどういうふうになりましたか、その点は、現在の責任の立場のほうから御答弁することが正確であると思います。
○楢崎委員 現在変わっておるのではなしに、三十九年十二月七日の段階では、地位協定十二条四項とは関係ないとおっしゃっておる。それを四十六年の予算分科会で、あなたは今度関係があると言い出した。どうなんですか。
○愛知国務大臣 時間の関係が前後いたしまして恐縮に思いますが、それは当時いろいろの解釈上の問題がございまして、私もその当時の外務省の見解を御説明を申し上げて、いま御引用になった答弁の中にも、前提としてもそういうところが含まれておったはずでございます。
○楢崎委員 あの三十九年の答弁では、地位協定とは全然関係ないとおっしゃっているのです。お読みになりますか、ここにあります。書いてあるじゃありませんか。高辻さんの答弁、あるじゃありませんか。全然関係ない。十二条四項の規定が働いているのではない、そして直接雇用で、その労務をみずからアメリカ合衆国が調達しているにすぎない、そして一般的に外国の船舶が労務を調達するのと本質的に変わりはない、地位協定とは関係ないと言っておる。これは明確に違いますよ。これは明確にしてください。
○大平国務大臣 現在の責任者である私といたしましては、先ほどあなたが正確に御引用になりました、四十六年愛知外務大臣が御自分の解釈として、外務省の見解として述べられたとおりの見解を、いまわれわれは堅持いたしております。
○楢崎委員 だめですよ、そんなこと。政府の答弁がくるくる変わってはだめです。じゃ、いま三十九年当時の解釈を変更されるのですか。当時の愛知外務大臣は、「一貫して」ということばを使っているのです。ずっと外務省の一貫した解釈であると言うが、違うじゃありませんか。一貫していないのです。これはどういうことなんですか。
○大平国務大臣 重ねて申し上げて恐縮でございますけれども、愛知見解と同様な見解を私は堅持いたしております。
○楢崎委員 この三十九年十二月七日の答弁はあまりにも明確でありますから、じゃこれは間違いであるから、四十六年の愛知答弁に統一するということなんですか。
○大平国務大臣 さようでございます。
○楢崎委員 これは権利義務に関係してくるのですよ。そんな根本的な解釈を、くるくる変えたのではわれわれは審議できませんよ。これはさっき言ったように、愛知さんがおっしゃったように、この解釈いかんでは、これは税金の問題その他権利義務に関係するのです。そういうことじゃだめですよ。
○愛知国務大臣 重ねて私ももう一言申し上げますけれども、これは直接雇用を排除しているものではない、この規定は間接雇用を規定したものである、そういうふうにその当時御答弁申し上げ、それを私はいまも持っておりますが、これには、政府としても見解をいろいろ検討いたしまして、そのときの、当時の外務省の見解としては、こうでございますということを申し上げているわけでございます。
○楢崎委員 じゃ何ですか、排除していないが、LSTの乗り組み員はこの十二条四項の適用を受けるのですか。高辻さんは受けないと答弁されている。簡単なことばで明確に答弁されている。
○吉國政府委員 私の前任者の申したことについてのことでございますので、私も、いま御指摘の答弁の速記録をそのまま見ておりませんので、ただ先生がおっしゃったお話であれですが、十二条四項と関係ないと前の高辻長官が申し上げましたのは、十二条四項では間接雇用ということを原則にしております。これは旧安保条約から新しい安保条約に切りかえになりましたときに、十二条四項が大きな変化として唱えられたものでございますが、その十二条四項で雇用するものではない、LSTの乗員は米軍がみずから雇用するものだという意味で、十二条四項とは関係ないと申し上げたものであったと、私もだいぶ前のことでございますので、はっきり記憶はいたしておりませんが、そういうことを聞いたと記憶いたしております。
○楢崎委員 お読みになって言ってください。そんな答弁をしたから、小泉さんはわざわざ立ち上がって、安保条約と関係のあるかのごとくこう言ったことは間違いでございましたから、取り消しますとまで言っているのですよ。何を言っているのですか、あなた。
○大河原(良)政府委員 地位協定第十二条四項を読ましていただきますと、「現地の労務に対する合衆国軍隊及び第十五条に定める諸機関の需要は、日本国の当局の援助を得て充足される。」ということでございまして、間接雇用の形をここで想定されているわけでございますけれども、先ほど、かつて愛知外務大臣が御答弁されましたことをお触れになりましたように、この十二条四項の規定は、直接雇用を排除するものではないということを申し上げているわけでございまして、この点に関しましては、昭和四十二年に藤崎政府委員がこの地位協定の交渉当時の経過に触れまして、日本側としては原則的に直接雇用を間接雇用に切りかえたいということで交渉したのでありますけれども、アメリカ側のほうではどうしてもそうできないものがあるということで、こういういまの第四項の規定のような形で妥協ができたわけでございます。 この意味は、要するに原則は間接雇用であるけれども、直接雇用のものを全面的に排除する趣旨ではないという意味合いの規定でございますと、こういう御答弁をいたしておりまして、これが政府の解釈でございます。
○楢崎委員 それは私が言ったじゃないですか、愛知さんはそう解釈されておりますと。ところが、三十九年はそうじゃなかったから言っているのです。 そこで、じゃもう一ぺん繰り返しますが、大平外務大臣は取り消されたわけですね、三十九年の解釈を。
○大平国務大臣 地位協定の解釈といたしまして愛知大臣が申し述べられた解釈を、私は受け継いで、それを堅持いたしております。
○楢崎委員 訂正されたかどうかを私は聞いているのですよ。
○大平国務大臣 いまはなき小泉さんが、安保条約との関連をお取り消しになられたということでございまして、そのお取り消しになられた意味がどういう意味か、私もよくわかりませんけれども、地位協定十二条四項というものの解釈は、いま政府委員が申し上げた経緯でできた規定であり、われわれといたしましては、これは間接雇用の規定でございますけれども、直接雇用ができない、これを排除したものであるとは考えていないということの意味に私は理解いたしておるわけでございまして、小泉さんがどのような意味で取り消されたか、それは私はよく理解できないのでございまして、愛知大臣が述べられた見解、そしてそれを私が踏襲いたしておりますというラインで、いまの政府の見解としてお受け取りをいただきたいと思います。
○楢崎委員 実はあとから申し上げますけれども、現在問題が起こっているから私は言っておるのです。そんなにこの解釈がくるくる変わると、いわゆる権利義務の関係に猛烈な影響が出てくる。 それじゃ、もう一ぺん聞いておきますが、一括して聞いておきます。 まず運輸大臣、こういうLSTの乗り組み員に船員法の適用があるか。次、船員保険法の適用があるか。 労働大臣、労働関係法の適用があるかどうか。 次、自治大臣、選挙権の取り扱いはどうなっておるか。たとえば乗船中は不在投票できるか、答えてください。
○新谷国務大臣 LSTの乗り組み員については、直接雇用と間接雇用が……。
○楢崎委員 簡単に言ってください。
○新谷国務大臣 過去にあったと思います。ですから、船員法の取り扱いからまいりますと、船員法及び施行規則の規定にはっきり書いてございますが、直接雇用の場合は適用はございません。間接雇用の場合は防衛施設庁を通じまして……。
○楢崎委員 要らぬことを言わぬで。船員保険法はどうですか。
○新谷国務大臣 船員保険法も同様でございます。
○楢崎委員 適用されないのでしょう、船員法も。
○加藤国務大臣 日本人でありますから、関係したいのでありますけれども、管轄としては全然関係ありません。
○楢崎委員 何をふざけた答弁をしているのですか、あなた。関係ないのですか。
○加藤国務大臣 関係ありません。
○楢崎委員 労災法、労働基準法その他関係ありませんか。
○加藤国務大臣 ありませんです。
○楢崎委員 つまり及ばないということでしょう。
○加藤国務大臣 ええ、そうです。
○楢崎委員 適用の対象にならないということでしょう。国内法の保護の対象にならないということでしょう。
○加藤国務大臣 船員の関係は、労働省には関係ありませんですから。
○楢崎委員 つまり、いわゆる労働省として保護がない、そういうことなんです、あなたが言っていることは。
○加藤国務大臣 私の労働省の管轄でありませんので、いたし方がありませんということです。
○江崎国務大臣 日本人として選挙権はあるわけでございます。
○楢崎委員 私が聞いているのをよくあなたも聞いておってください。LSTの乗船中不在投票はできますか。ほかの外国船舶にあれするときはできるのでしょう。LSTの場合はできないのでしょう、法的に。
○江崎国務大臣 日本人として選挙権は持っておりまするが、たまたま乗船中は行使ができない、こういう形になると思いまするが、いずれ……。
○楢崎委員 不在投票を言っているのです。
○江崎国務大臣 不在投票は行使できます。
○楢崎委員 それも過去の答弁と違うのですよ。あなた、よく確かめてください。そんな簡単な問題じゃないのですよ、これは。結局それはできないのです。あとで確かめておってくださいよ。ということは、十二条の五項の、いいですか、愛知さん聞いておってください、大平さんも聞いておってください。十二条の五項ではこうなっておるのです。最初に、「所得税、地方住民税及び社会保障のための納付金を源泉徴収して納付するための義務並びに、」とあって、そして、「相互間で別段の合意をする場合を除くほか、賃金及び諸手当に関する条件その他の雇用及び労働の条件、労働者の保護のための条件並びに労働関係に関する労働者の権利は、日本国の法令で定めるところによらなければならない。」この後段のほうは全然その恩典に浴していないのです。愛知大臣は御存じのはずです。後段のほうは全然保護あるいは権利を保障されていない。 しかも、明確にしておきますが、ここにMSTSと全日本海員組合の労働協約書があります。日本人船員人事管理規則、これを見ますと、非常に危険な仕事をさせられておる。これに規制されるから労働基準法が及ぶわけがない。船員法も及ばない。全然日本の労働者としての権利あるいは保護を受けていないのですね。たとえばことに危険手当というものがある。この中にA級危険爆発物、私がかつてデンジャラスカーゴーを問題にした。その中にクラスAというのがある。それを外務省に調査してくださいと言いました。ここに書いてありますよ。この中に、いろいろな危険物が書いてある中に毒ガスが書いてある。いいですか、それから核兵器が書いてある、この中に。こういうものを扱うときには危険手当を出すと書いてある。それは日本人船員人事管理規則なんです。そしてその行動範囲はどうかというと、ここに地図がかいてある。いいですか、地図に区域がかいてあります。ここにかいてあります。ベトナムはもちろんのこと、中国沿岸は全部含まれておるのです。こういうところに軍需物資を運ぶ、こういう状態なんです。こういう状態の中で、この方々の税金問題がいま提起されておる。 阿部君が、この点について関連質問がございますから、お許しをいただきたいと思います。
○根本委員長 阿部助哉君から関連質疑の申し出があります。楢崎君の持ち時間の範囲内でこれを許します。阿部助哉君。
○阿部(助)委員 時間がたいへんございませんので、皆さんにお伺いするというよりも、少し私の調べたところを申し上げて善処を願いたいのであります。 皆さんのいままでの御答弁は、いま楢崎委員のお話しのとおりいろいろと変わってきました。なぜ変わったのかといえば、ベトナム戦争に協力をしておるというこれをのがれるために、ときには、これは本人の意思で行ったのであって私たちは関知しないということで、これは地位協定とは関係ないと言ってみたり、そうしておいてこの人たちは全く無権利状態になった。なくなられた、戦死された人はアメリカ軍人と同じように、アメリカ国旗に包まれて、そうして飛行機で送られてくる。全く軍人と同じであります。そうしてこれは、いまお話しのとおり、毒ガスから核兵器まで運ばされるように、規定づけをされておる。ダナンあるいはタンミの上陸作戦に参加をしておる。兵器を積んで、軍人を積んでこれに参加をしておる。そうしてアメリカの海軍省輸送司令部の作戦司令官から、これは中将であります。この人から、これはわが国軍の功績に金字塔を打ち立てたといって、まあ日本でいえば感謝状のような電報をこの船の人たちはいただいておる。そうして権利はといえば、全くの無権利状態に放置されてある。 皆さんは、ベトナム戦争に参加をしておるという、日本政府が協力しておるということをのがれるために、船員手帳を取り上げた。そうして旅券を与えた。旅券だけじゃなく、アメリカ司令部は、アメリカの軍隊は、これにさらにこういう身分証明書、捕虜になったときには、この人はこういう階級であるからこういう待遇をしてくださいということの、これはジュネーブへ送る書類なんですね、こういう証明書をつけた。そうしてこの人たちは、船長は大体アメリカ軍の大佐の階級章をつけ、そうしてそれぞれが階級章をつけてこの船に乗り組んでおる、こういうことになっておるのです。 そうして、この人たちは権利は全部取り上げられた。いま失業しておっても年金もなければ、やめたときに失業保険もなければ、また先ほどのお話のとおり、労働者としての権利は何もなかった。こういう状態に皆さんは追っ払った、ほんとういえば。ある意味でいえば、日本政府はこの人たちを人身御供にしてアメリカ軍に提供して、そうして戦争という危険な仕事に携わらせた。そうしておいて、皆さんは税金だけは取り上げる。私は、日本憲法の三十条、納税の義務というのは、同時にこれは国民に対する権利の裏づけとして納税の義務が規定されると思うのであって、権利は全部取り上げました、そうして税金だけは取りますでは、あまりにも残酷ではないか。そうして、今日依然としてこの無権利な状態、社会保障とかそういう面では保障されない立場にあるというのは、一体どういうことなんだ。私は、政府はもっとあたたかい手でこの人たちに対処すべきできないかという要請なんです。 そういう点で、私はもう時間がありませんから申し上げますけれども、大蔵省は、なるほど日本に家族がおる、そうすればここから税金取るのがあたりまえ、こういう解釈だと思いますけれども、いままで外務省あるいは運輸省が、船員手帳を取り上げたり、無権利な状態に置いてしまった、そういうことを考えれば、もう一ぺんこれは解釈を変えなければならぬのじゃないか。これはいわゆる外人部隊として、アメリカの軍人と同じ立場にある。そうすれば、政府は税金を取ることができなくなるわけなんです。実際はそういう立場に置かれたんではないだろうか。そして数多くのこの人たちが私のところに来て、あまりにも不合理じゃないかという要請をされておるわけであります。 そういう点で、私は最後に大蔵大臣と外務大臣のお二人の見解を聞いて、時間がありませんから、これはいずれほかの場所でやってもようございますけれども、もう一ぺんお二人の見解をお伺いしたいと思うのであります。
○愛知国務大臣 私も、事情はよくわきまえておりますが、ことにいま御指摘のような非常に気の毒な条件下にあるということは、私もよく理解いたしておるつもりですが、さらによく理解できました。決してこれは外人部隊においやるとかなんとかいうことでなったことだけは申し添えますけれども、ただ権利が十分に保障されなくて、そうして義務を要求されているというような点につきましては、ただいま御指摘もございましたから、ひとつ私も、これは単なる大蔵省だけの問題ではございませんから、他の省庁の御協力を得て、こういう方々にひとつあたたかく、ずいぶん長い間懸案でありましたことが解決できませんでしたが、御指摘をいただきましたので、あらためて善処いたしたいと思います。
○大平国務大臣 福崎さんも御指摘になったように、地位協定十二条の五項から申しますと、日本の法令で定めることになっておりますにかかわらず、実際上各種の、労働条件の維持その他につきまして、何らこれをバックアップするかまえができていない。確かに盲点であるということは私も認めるのでございまして、こういった点につきましては、課税の問題も含めまして、今後検討さしていただきます。
○阿部(助)委員 最後に、一言だけ申し上げますけれども、皆さんは旅券を出すときには、国民の安全をよその国に依頼しておるわけです。しかし皆さんは、こういう権利を奪いながらおるという点で、もっと反省をしていただきたいということをお願いして、私の質問を終わります。
○田中(伊)国務大臣 私の先ほどの発言中、赤軍と申しましたのは、赤軍派と訂正をいたします。
○楢崎委員 それじゃ、ただいまの点を締めくくりたいと思います。 問題は、この方々の実態は、船長なんかは海軍の肩章をつけているわけですね。軍服も着ておるし、軍からの感謝状ももらっておるし、実態からいうと、地位協定第一条にいう米軍の構成員に当たる。ただ、それは日本の領域内にある場合ということがありますから、直ちにそうはいきませんけれども、実態としてはそうだし、また別のことばでいえば、国籍の問題を抜けば軍属のような関係になっておるので、だから税金だけ取るのは酷ではないか。ほかの法令が実態として及んでいないんだから。それを言っているのですから、やはり地位協定との関係を明確にした上において、税金、待遇その他の措置を、ひとつ愛知さんのおっしゃったとおり、あるいは大平大臣のおっしゃったとおり善処していただきたい。 これで終わります。
○根本委員長 これにて楢崎君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして、昭和四十八年度暫定予算三案に対する質疑は全部終了いたしました。 ―――――――――――――
○根本委員長 これより討論に入るのでありまするが、別に申し出もありませんので、直ち採決に入ります。 昭和四十八年度一般会計暫定予算、昭和四十八年度特別会計暫定予算及び昭和四十八年度政府関係機関暫定予算、以上三案を一括して採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○根本委員長 起立多数。よって、昭和四十八年度暫定予算三案は、いずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。(拍手) おはかりいたします。 委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○根本委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ―――――――――――――
○根本委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後十一時二十四分散会 ――――◇―――――