予算委員会 第22号
- 発言数
- 283 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1973/03/12
会議録
○根本委員長 これより会議を開きます。 昭和四十八年度一般会計予算、昭和四十八年度特別会計予算及び昭和四十八年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、これより締めくくり総括質疑に入ります。辻原弘市君。
○辻原委員 締めくくりの総括質問をただいまから行ないますが、その冒頭に、私は提案をいたしておきたいと思います。 予算の審議中に起きました円問題については、これは西ドイツにその端を発したとは申せ、わが国が切り上げを前提にして、今日長い期間にわたる変動制を余儀なくせられているということは、これはまことに事態重要であります。しかも、今日さだかではありませんけれども、全体の推移から考えますと、切り上げ幅は前回を上回る大幅なものと予想せられるのであります。したがって、これを前提にしない今日の予算案は、当委員会でしばしば議論をいたしておりまするように、すでに予算案の前提となっておる経済見通し、また予算案そのものの土台がくずれているということは、政府の陳弁いかんにかかわらず、もはや衆目の一致するところであります。しかも、このような事態を招いた原因の多くが、今日までの生産第一主義、高度成長路線といわれる誤った経済政策をとり続けた政府に、私はその責任の大半を負ってもらわなければいかぬということと、同時に、円問題は今日の事態はある程度予測されたわけであります。にもかかわらず、それに対する政府の対応策はきわめてまずかった。このまずさに基因するものであるということをあらためて申し上げざるを得ない。 このような経過を踏まえて考えるならば、しばしばわれわれが要請をいたしてまいりましたように、政府みずからがただいまの予算案に手直しを加えて、あらためて予算の再提案を行なうというのが当然の筋であり、政府としてとるべき当然の責任であるだろうと、私は今日にも思うのであります。 この点をわれわれは踏まえまして、当委員会におきましては二回にわたるこの円問題に対する集中論議を行ない、政府に大幅な、しかも大胆な政策の転換と予算の手直しを要求してまいったのでありますが、この経過から見る限り、政府の積極的な姿勢は一向にうかがえなかった。まことに残念であります。 いよいよ予算の最終段階に入らんとしているおり、あらためて私どもは、政府にいま一度再検討をされることを要請すると同時に、私ども野党四党といたしましても、今日の事態から諸般の検討を進め、野党四党として一致した予算に対する見解と、緊急的な修正の共同要求案なるものを決定いたしたのであります。 以下、私はその点の重要な点について、あらためて総理に、政府に御説明を申し上げますから、政府は総理から、この私の提案をする野党四党の共同の緊急予算補正について、予算の総括質問が終わる段階までに、積極的な、具体的な、誠意のある内閣としての態度を示されたい、かように思うのであります。 内容につきましては、すでに新聞紙上等にも発表いたしておりまするし、詳細は時間の関係で省略をいたしまするが、ただいま私が簡略に述べましたようなそういう経緯を踏まえて、歳入、歳出両面にわたってその補正すべき内容を示しておるのであります。 特に、歳入面におきましては、かねがね主張いたしておりまするように、当然今日の事態の中で予想され得る円切り上げによる庶民一般の被害を考えたときに、まず税においてそれらの具体的な対策を講ずべきであろう。 その第一は、勤労所得税における減税であります。百五十万が、今日総理府の統計によっても明らかなごとく、いわゆる生活費に要する経費であります。そこまではどうしても減税をする必要がある。標準世帯百五十万円までを免税とすべきである。政府の今国会に出されておりまする予算案、法律案における課税最低限はきわめて不十分である、こういうことを私どもは指摘をいたしました。そうすることを要求いたしておるのであります。 第二には、中小企業において円の変動あるいは円の切り上げによってこうむる被害を最小限とするために、この際法人税等、中小企業に対する大幅な減税を行なうべきである。 第三には、それに比べて今日の税体系においては、大企業に対してきわめて手厚いという面を指摘をいたしまして、まず法人税の引き上げであります。基本税率を大幅に引き上げる、最低四〇%まで引き上げるべきである。それに準拠して各般の租税特別措置、これをやはりこの際洗い直して、大企業に手厚い税制を抜本的に改正すべきであるということであります。 第四は、申し上げるまでもなく土地税制の問題であります。内容はあらためて申し上げませんけれども、特に法人所有にかかる土地の問題は、今日国民の指弾の的であります。これらを中心にした抜本的な土地税制体系の改善、これを行なうこと。 その次には、公債発行は政府の主たる財源とするところでありまするが、財政法四条、五条の趣旨にかんがみて、赤字国債の発行は断固取りやめるべきである。 これが歳入面におけるわれわれの到達をいたしました四党の共同の提案であります。 歳出面におきましては、まず第一番に考えなければなりませんのは物価の安定でありまして、公共料金の引き上げをストップすること、管理価格その他当然下がるべき物価、これに対してきめこまかい対策をやるべきである。 歳出の第二につきましては、社会保障の拡充でありまするが、その内容はきわめて多岐にわたっております。健康保険の保険料の引き上げを意図する今回の改悪法案、これはすみやかに取りやむべきでありましょう。また、医療保護に対する今日の国庫補助はきわめて低額、低率であります。これを改善すること。さらにはまた、現在の老人対策あるいは障害、母子あるいは準母子世帯、こういった方々に対する無拠出の年金を大幅に引き上げ、食える年金への第一歩を踏み出すべきである、これが第二であります。 あるいは厚生年金、国民年金については、いま申しました無拠出年金の増額と合わせて、従来の積み立て方式から賦課方式に移行することを強く要請をいたしたいと思うのであります。 その他の福祉問題はたくさんございます。生活保護、老人福祉、児童手当、心身障害児、難病対策、社会福祉関係等々、福祉優先の政策転換を政府も提唱を意図しておるのでありますが、それを具体的に予算の上において、法律案の中においてその態度を示すべきであるという意味において、このことを要求いたします。 さらに引き続いて生活環境の整備、公害対策及び自然環境の保護、その他中小企業、農業対策、あるいは地方財政の拡充、教育文化政策等々、具体的な歳出についてわれわれは指摘をいたしているのでありまするから、それらの個々について政府としてもこの際検討を加え、われわれ野党四党の共同一致の提案に対してお答えになるのが、政府としての責任のある態度でありましょう。 さらにまた、これらの財源は、四次防計画などというものは、今日の国際情勢下においてはいかように考えても無用の長物である。これを取りやめること。あるいは産業優先が、今日、円問題にも重大な悪影響を与えておるのでありまするから、この上政府がやろうとしておる産業基盤強化に対するいろいろな投資、補助、こういったものはこの際再検討し、取りやめるべきでありましょう。 また、総理がかねてから提唱されるいわゆる日本列島改造というものは、これが今日、たとえ総理のお考えがあるにしても、結果としては土地騰貴をはじめ物価騰貴を招き、物情騒然たる世の中をつくっているということの事態にかんがみ、この列島改造を前提としての先行投資は、この機会におやめになることが時宜に適した処置であろう、こういうことも指摘をいたしておるのであります。 最後に、財政投融資につきましては、私は後刻具体的に議論をいたしますが、この財政投融資計画が、いわゆる財政と同じ政策効果を持っている点にかんがみ、いま指摘をいたしました具体的な各歳入歳出全般にわたる個々の政策目標との関連において、この財政投融資計画も改めるべきであろう、こういうことを提案をいたしておきたいと思うのであります。 先ほども申し上げましたように、ただいますぐ政府にその態度を要求することは、政府としても困難であろうと私は思いまするから、総括質問が終わるという段階において、総理から、ただいま申し上げました野党四党の私どもの予算の緊急補正の案に対して、政府はいかように誠意をもってお答えになるか、この点を明白にしていただきたいと思うのでありまするが、総理はそのお約束をこの席上でいたしてくれますかどうか、これを伺っておきたいと思います。
○田中内閣総理大臣 いま御発言になりました野党の組みかえ要求の趣旨に対して、可能な限り政府の見解を示したい、こう考えます。
○辻原委員 私が要求をいたしましたように、総括質問の終わる段階までに、誠意のある回答を総理からお答えになるということでありまするから、われわれはその政府のお答えを待って、野党四党としては今回の予算案に対する判断を決したい、こう考えておるのでありますから、そういう意味を十分勘案せられた上、政府を代表して総理からお答えを賜わりたいということを、念を押しておきたいと思います。 質問に入りたいと思いますが、私の質問の第一は、財政投融資計画を国会の議決の対象にすべきであるという問題について、政府も今回若干の提案を試みられておりますし、また、それの所要の法律案も提出をされております。いろいろ議論をいたしましたけれども、これについてのわがほうの要求に対するお答えとしてはまことに不十分である、こう言わざるを得ません。 われわれが数年にわたって、財政投融資計画を国会審議の、国会議決ないしは承認の対象とせよと申し上げてきたことの意味は、あらためて申し上げるまでもないところでありますが、その原資、その資金自体は国民の零細な預かり金であるということ。それから四十八年度を見ましても、一般会計は十四兆二千億に対して財政投融資が六兆九千億、約七兆でありますから、ほぼ一般会計の半分を占めておるわけである。したがって、一般会計で行なう政策効果とほとんど変わらない政策的な効果を財政投融資というものは持っている。ところが、一般会計は予算の編成の過程においても、きわめて厳重かつ厳密にその審査、編成が行なわれ、国会におきましても、非常な長い審議時間をかけた末決定せられておるのであります。ところが、財投については国会の審議にあずからないというのが大部分であって、そういうことは、いま申し上げましたような性格から許さるべきことではない、こういうことの論のためにいままでわれわれが要求をしてまいったのであります。 政府が今回出しましたものは、特別会計の総則十四条を設けて、財政投融資のいわゆる長期運用にかかわる額の範囲だけは国会の審議、議決対象とした。ところが、むしろ私たちが問題にしているのは、その総額幾ら幾らにするということよりは、それももちろん大事ではありまするけれども、先ほど申したように、政策効果を持っているんだから、それがどこでどういうふうに具体的に運用せられて、それによっていかほどの実効があがっておるのかということを国会が審議し、あらかじめそれに対してチェックを加えるということができるようにしなければならぬというのが主張である。ところが今回は、言いまするならば、表裏があるとするならば、その表座敷だけが審議対象になってきた。これでは不十分だ。もちろん、その表座敷の出してまいりました中にも、五〇%というふうな大幅な弾力条項を加えていることは、すでに当委員会でも大蔵委員会でも議論せられたとおりでありますが、私は、特にここで、このいわば受けざらをどうするかということについて、あらためて政府は検討してもらいたいと思うのです。 予算案は、一般会計、特別会計、それに政府関係機関予算、こうある。その政府関係機関予算の中には、三公社をはじめそれから公庫、これが加わてっおる。ところが、公庫と比べて内容的にほとんど変わらない公団及び財政法二十八条に基づいて出しておる、いわゆる主要法人、事業団というものは、これは、先ほど言いましたような受けざらの中で、幾ら幾ら財政投融資の配分がありましたということがわかり、それが審議対象になるだけで、その事業計画、資金計画、収支、こういうものについては、全然審議対象になっておらない。これはやはり問題であると思います。したがって、政府として公団それから事業団等を審議対象とするために、いわゆるあらためて予算書を出すべきである、こういうことを要求するのであります。いかがでありますか。
○愛知国務大臣 財投の問題について、国会の議決の対象にいたしたいということにつきまして、政府としても鋭意検討いたしまして、法律案の御審議を願ったわけでございます。同時に、その御審議の過程におきましても、いわゆる受けざらの公団、事業団等の事業計画等が、いかに財投が配分されたかその結果も承知をしたい、そしてそういう点についても、進んで国会との関係を、何かくふうしたらどうであろうかという御意見は、その審議の過程においても十分伺ったところでございます。 この点は、財投の性格の問題と、それから公団、事業団の使命や性格に関連する問題でございますから、この財投関係の法律案をつくりますときにも、政府もいろいろと鋭意検討いたしたわけでございますが、結局、御審議を願った法案がベストであるというふうに考えて御審議を願いましたが、大蔵委員会の採決のときに全党一致の附帯決議もいただいておりますから、この内容等について、国民的により多く理解がいただけるように、説明書その他の点については、今後とも十分政府としても誠意をもってくふうをいたしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○辻原委員 私がいま申し上げているのは、説明を懇切丁寧にしろということとは違う。それはまた後段で申し上げます。私が申し上げるのは、筋論として、当然に国会審議の対象であるべきであると、このことを言っているわけです。だから、なぜそれができないのか。 時間がかかりますから、こまかい議論は省略いたしますけれども、一例をとってみますと、たとえば住宅金融公庫というのがあります。これは政府関係金融機関ですね。ここにちゃんと、この政府関係機関予算の中で、総則から始まり、事業計画、資金計画、収支と、申し上げるまでもなくもう詳細にきちんと入っておる。ところが、片や住宅公団があります。もちろん、多少事業内容においては異なるかもしれぬけれども、しかし、資金量において、やっておる事業の規模において、どう考えても、公団と公庫とどこが違うか、一般にはこれはわかりません。根本的に違うという理由は私には見当たらない。なぜ、片やは政府関係機関予算であって、ちゃんと一つのものになっておりながら、片やはただ調書といったような形で、いわゆる審議対象になっておらぬのか、これが問題なんです。だから、積極的にどうしてもできないのだという理由があるならおっしゃっていただきたい。しかし私には、そういう理由は発見できない。
○愛知国務大臣 これはまず、その財投自体については申し上げる必要もないかと思いますけれども、要するに、原資というものの性格が、租税とか公債金の収入と違うということと、その資金の配分については、対象別に今回は議決の対象にいたしたわけでございますが、その細部にわたってということになりますと、公団あるいは事業団、その他の政府関係機関との性格や使命の問題に関連いたしまして、それぞれ設立された法律の規定によりまして、一口に言えば、機動的に、あるいは金融的な機能というものを重視しておるということから申しまして、それぞれ設立の法律に基づいて、主務大臣の認可とか監督のもとに、公団、事業団が濶達に仕事ができるようにということが設立の趣旨であると思いますので、そういうところから見ますと、一般会計あるいは政府関係機関の予算の扱い方とは、性格的に、本来の使命からいって違うところがあるのではないかという点が、国会の議決に、こまかく対象とすることがふさわしいかどうか、なじむかどうかという点が、結局議論の分かれるところではないかと思います。 したがいまして、政府の検討の結果としては、御承知のような法案になっておりますけれども、事実上これがもっとわかりやすく理解がしていただけるような点を、資料とか説明文とかいうもので補ってまいりたいということを言っているわけでございます。
○辻原委員 ちょっと大蔵大臣、失礼ながら問題をそらしてはいかぬと思うのです。私は、わかりやすくしろということは、これは次の別の問題だと言っているので、わかりやすくない点もあとで指摘をいたしますが、それじゃなくて、要するに、わかりやすくできておろうができておらなかろうが、かりに幾らわかりやすくしても、やっぱりこれは審議、議決対象にはなっておらぬわけだから、それは幾らやっても同じことなんです。そうじゃなくて、なぜ審議対象としないか。あなたは、法律でそういうふうにきめているからというような説明があったが、それはおかしいのです。それは審議対象としていないから、別途法律で、その公団についての性格、運用をきめているにすぎない。だからわれわれは、むしろそういう法律は、逆にその法律から改正すべきである、抜いて、いわゆる一つの関係予算案として出すべきであるということなんです。自由裁量を大幅に認めるなんということを言いますと、国民がおこりますよ。やはり、先ほど私が冒頭に言っているように、これは重大な政策効果を持っておる。しかも、国民の預かり金であり、それが今日一般会計を、ある意味においては、まあそのことは私も問題があると思いますけれども、補完をしているのです。いわゆる一般会計とセットになってこれが運用されているわけですよ。そういうことを考えれば、あなたの御答弁は、だれが聞いたってこれは納得ができないわけです。 だから問題は、もっと積極的に、これらの公団なりあるいは事業会社、特殊会社というものは、それはできないんです、憲法上できないんですとかなんとかということがあるならば、これは承りましょう。しかし、われわれが詳細に調べ、研究した結果、それはない。これはどうしても、少なくとも次期国会からは議決対象にしてもらわなければ困る。十分検討の御用意を願いたいと思いますが、御用意がありますか。
○愛知国務大臣 これは率直に申しますと、私は、他の委員会でも非常にざっくばらんに申したのですけれども、現在の事業団、公団等の予算の収支というものを国会の議決にどうかからしめるかという問題よりも、むしろ、その公団とか事業団とかいうもの自体の性格や使命の問題であると思うのです。ですから、たとえば、ある事業団というものは、むしろ純粋の政府機関かあるいはそれに準ずる政府機関ということにいたしますれば、おのずからこれは解決するというか、その方向から解決もできる問題であって、公団とか事業団はそれぞれ法律によって使命と性格が与えられている。それを前提にすれば、先ほど申し上げましたように、機動的、濶達な運用をすることが、政府機関とか政府の直轄の機関であるよりはよろしいという、その性格、使命に基づいたものとして設立され、活動されているものでございますから、その考え方からすれば、現在のようなやり方のほうがより適切である、こう考えているわけでございまして、もし、その公団や事業団のあり方を、もっと国家機関としての性格、そしてもっと厳重な監視のもとに置くということが必要であるというのならば、単なる監督官庁としての主務大臣の指導というだけではなくて、国家機関にするほうがいいかどうかということからむしろ論ずべきものではないだろうかということを、私は率直に申したことがございますが、そういう角度もあわせて検討を加えるべきことがしかるべきではないだろうか、かように存じております。
○辻原委員 加えるべきものであろうというお話では、これは困るのです。加えるべきであります、加えますというお答えならば私は了承いたしましょう。いかがですか。
○愛知国務大臣 これも、率直に申しますと、ちょっとすれ違いがあると思いますけれども、御提起になっている問題については、私はよく理解できます。したがって全体として、当面のところは、今回の、すでに衆議院では御審議を終了いたしました法律が、現状において適切と思いますけれども、いま申しましたように、いろいろの角度をあわせて検討するということについては、やぶさかでございません。
○辻原委員 検討することがやぶさかではないというので、私もそれ以上ここではっきりさせろということは申しませんが、ただ時間があれば、個個についてあなたと議論をしてもいいと思うのですが、先ほど申し上げましたように、たとえば、住宅金融公庫と、日本住宅公団は一体どう違うのだ。その資金の規模においても、住宅金融公庫は六千四百五十九億、それから住宅公団が四十八年度五千三百九十六億。事業規模から見まして、ほとんど変わっていないでしょう。あるいは中小企業金融公庫六千三百六十六億、それから商工組合中央金庫、これはまあ金額は多少下がるけれども、約二千七百億。きわめて類似な事業規模を持っており、その運営もさしたる相違はないのであります。これは、個々についてずっと比較検討してみた場合に、政府機関の中に入っているものと、いわゆるしからざる公団、事業団、特殊会社等、洗ってみると、積極的な区分けをしなければならぬ理由はありません。ただ、公庫については、公庫の予算及び決算に関する法律というものがつくられて、これは歴史を調べてもらったら、非常に古い時代につくられている。ところが、その後新しく生まれた公団、事業団については、あなたが言われたように、その後において、そのつどそのつどその公団を律する立法が行なわれてきて、ある意味において、これはほんとうにつくることを怠ったのじゃないかとすら私は思うのだ。公庫について、その予算及び決算に関する法律をつくったならば、当然、公団、事業団についても同じ法律をつくって、それによって律するというのがたてまえでなければならぬと思う。そういう意味で私は申し上げているので、ひとつ積極的に御検討を願いたいと思います。 また、検討する場合に、私もいろいろ検討してみたが、その場合に、いろいろなやり方があろうと思う。この予算を見れば、たとえば財政法二十八条に基づく「主要な法人」の中にも、先般田中委員も指摘をして、今度新しく個々の追加をすることになりました。そういうふうにこの予算書に載っているから、それが絶対不変のものではないわけであります。確かに調べてみますると、対象外になっている公社、公団は二十九ありますね。この特別会計の予算書で見ると二十九ある。その中には、運用規模と申しまするか、事業計画の内容というか、それもかなり千差万別であることも事実です。しかし、いま私が例に拾ったような住宅公庫と住宅公団、あるいは中小公庫と商工組合中央金庫、こういったような対比をして比べてみると、ほとんど変わらない。そういうものは当然に、まず対象にすべきでありましょう。あるいは資金の規模によって律する方法もあるのじゃないですか。 それから、中には、いまは予算的には少ないが、たとえば瀬戸内海にかかる架橋公団なるものは、現在では少ないでしょうが、しかし、これからどんどんふえてくるでしょう。非常に大きくなる。そういうのも国会の審議の議決対象にならぬというのもおかしいわけで、そういうところに問題がある。私をして悪く言わしめまするならば、公団とか事業団というのは、高級官僚の皆さんのいい逃げ場所になっておる。ここを一々国会でやられてはたまらぬということで、安住の場がほじくり出されるということをいとうて、どうも逃げているんじゃないかという勘ぐりすら出るのです。そのくらいの理由しかないのですよ。 だから、いま申し上げましたように、すべてことごとく対象にするかどうかは、これは若干検討の余地があるかもしれぬが、少なくとも絶対しなければならぬというものがあります。そういうものを拾って、当然次の国会からは出してもらいたいと私は思いますが、いかがでありますか。
○愛知国務大臣 ただいまも率直に申しましたように、これは財政という点だけからではなくて、もっと広い範囲で検討しなければならない問題である。そういう意味におきまして、私の考え方といたしましては、いまも御指摘のように、現在三十前後あります公社、公団の性格も、それぞれずいぶん違っております。そういうところも見直してみて、どういうふうなあり方が一番国民のためであるかという角度から、総合的に検討をすべきことではないだろうか。単に財投の融資の対象として、財政的にどうやっていくかということからだけでは、ちょっと問題の解決にはほど遠いのじゃないだろうか。これは、非常に率直に申し上げてそういう感じがいたします。
○辻原委員 だから、これをもし政府が逃げるとするならば、私が先ほど申し上げたように、この三十近いきわめて大きな規模を持っておる、しかも重要な政策を遂行する公社、公団を、あえて国民の目からそらそうという批判は免れぬと私は思います。だから、そういう意味からいうと、これは、むしろ政府が積極的に所要の法律をつくって提案するということがしかるべきであろうと思います。だから、まあ十分それらを踏まえて検討されるということでありますから、そういう約束のもとに、われわれも暫時時間を待ちます。 あわせて、先ほどからしばしばあなたが言われておるところの、わかりにくいからわかりやすくしようということについても、ぜひ実行してもらいたい。特に、予算の説明書の九八ページ以降ですね。ここに財投は全部説明されておる。ところが、これを見ても、先ほど言った半分しかわからぬです。それは、幾ら幾らこの公団に入れましたということが一つと、それから、ただその使途を分類した表がついているだけだ。こういうことも、財投が今後果たすべき政策的役割り、たとえば社会保障に財投はどうなっているか、あるいは環境整備にどれくらいの財投がどういうふうに分けられ、一般会計がどれだけ入っているのだ、そういうことが一目でわかるような説明がなければ、ほんとうは審議は不可能なんです。ただ、これは幾らあてがいましたというだけで、幾らあてがってもらったので、ここの事業団、ここの公団がどういう形にそれを使っておりますということが、めくってみても一向にないのです。こういうことはいままであまり議論せられなかったけれども、こういう不親切なことはやめなければいけません。これは、予算の説明、しかも未定稿となっているのですね。ですから私は、これはこれとして、財投ははずして別個の予算説明書をつくりなさい、こういうことをひとつ提案をしておきます。 もう一つは、大体財政投融資ということば自体から、国民はわかつちゃおらぬですね、どういう仕組みになっているのだろうか。国民のお金ですから、国民にわかってもらわなければならぬ。そういうことの配慮、くふうがちっとも行なわれておらない。この機会に、財投白書でもいいと思う。しかしこれは、政府が紋切り型、公式的なことばでやりますからなかなかわかりにくいが、財政投融資計画白書をつくることも一案であろう。同時に、それに対する解説書をつくって、広く国民に理解を深めるためのPRをするということも必要である。そういうことをぜひこの際くふうをしてもらいたいと思います、お約束ができますか。
○愛知国務大臣 これはたいへんありがたい御提案でございまして、私もかねがね、財投については、もっとわかりやすい説明、解説というようなものが必要であると思っておりましたし、また、これは財投だけではなくて、ひいては財政全体について、もっと民主的な説明、親切な説明がなければならぬということを考えておりましたので、御提案の線に沿うようなことを、積極的に、誠意をもって考えてまいりたいと思います。
○辻原委員 それから、この問題に関係してもう一つ。 予算案そのものが、年末から年始にかけて毎年決定をされ、そして国会にその提案をされるわけだが、実際われわれが予算書を見る時間は、要するに、もういよいよ予算の審議を開始してもらいたいという、そういう要請があった時点からしか予算案というものは見られないわけです。それでは十分な審議にはなりません。したがって、この予算書というものは、できるだけ予算審議に先立ってきちんと出してもらいたい。このことも、次の予算審議からぜひ実行せられるように。少なくとも一週間くらいの余裕は置かなければならぬ。そうでないと、ほんとうの審議はできません。そういうことをあわせて守っていただけるか、これもお答えを願っておきたいと思います。
○愛知国務大臣 予算の規模が非常に大きくなり、複雑化した今日でございますし、実際問題としては、国会の会期との関係もありまして、今年の予算委員会の冒頭にもおしかりを受けたわけでございますけれども、御趣旨はよく理解できますから、できるだけ御趣旨の線に沿うように、あらためて努力いたしたいと思います。ただ、いろいろの関係から非常にむずかしい点もございますことも、あわせて御理解をいただきたいと思います。
○辻原委員 いろいろこまかい議論がたくさんこの問題についてはございますけれども、時間の関係から総合的に私が提案申し上げたことを政府は検討し、次から実行をせられるやに私も承りましたから、それにとどめておきたいと思います。 次に、外交の問題について、総理、外務大臣から承ります。 一月の二十七日にベトナム和平の協定が成立をし、引き続いて、これは三度目であると私は理解しますが、パリにおける十二カ国の和平保障の国際会議が開かれ、ここに初めてベトナムにおける和平というものが国際的に確実になったのであります。 これは総理、少し聞いておいてもらいたいと思いますが、その直後に、総理もまた内閣も、これらの一連の協定を順守しよう、尊重しようという表明をされ、大いにこの和平の実現についての歓迎をせられております。私は、この和平協定をわが国も忠実に守り、着実に実行していくことが、今後のわが国のアジア外交の一つの起点であり、出発点であるというふうにも理解をいたしまするので、あらためて総理から、忠実にこの協定を守って、着実に実行をせられるかどうか、この意思の御表明を承りたいのであります。簡単でけっこうです。
○大平国務大臣 仰せのとおりの考え方で、アジア外交、とりわけインドシナ外交を進めてまいらなければならぬと思っております。
○辻原委員 進めてまいらなければならぬと思いますではなくて、これは当然に進めなければならぬということだろうと私は承ります。 そこで、わが国はアジアにおける一員であり、しかも、重要な一員であると私は認識しております。今回、パリにおける国際会議にわが国が出席をしていないということは、私が考えると、まことにこれは奇異に感ずるわけであります。そこで承りたいが、パリの国際会議に対しては、わが国は出席の意思を表明せられたことがありますかということ、あるいは日本と関係を持つ他の国々と、アメリカを含めて、そういう協議をせられたことがあるかということ、それともう一つは、全然そういう意思を持ち合わせておらなかったのかどうかということ、この点について承ります。
○大平国務大臣 パリの国際会議は、辻原さんも御案内のように、パリ協定にうたわれた国際会議でございまして、パリ協定に盛り込まれたものを保障する任務を持ったものでございまして、そういう任務から考えまして、十三名が代表として選ばれたわけでございまして、その構成から見まして、わが国に招請がないことはよく理解できると考えております。 第二の、それではこの国際会議をめぐりまして、関係国と協議を遂げたことがあるかというお尋ねでございますが、関係国と情報の交換をいたしたことはございますが、協議をするという立場にはございませんでした。
○辻原委員 それではわかりにくいのですが、招請がなかったことは理解できるということは、どう理解できるのですか。
○大平国務大臣 これは本委員会でも私から御説明申し上げましたとおり、四当事者は、これは当然だと思うのです。それから、国際管理監視委員会のメンバー四カ国を代表する四者、それから国連の安保理常任理事国、これは米国が当事国に入っておりますから四者、それに国連の事務総長、そういう構成でございますから、そのいずれのカテゴリーにも日本は入らないという意味で、日本に招請がなかったことは理解できると申し上げたわけです。
○辻原委員 そうすると、そういうカテゴリーがあるから、日本はアジアの重要な一員であり、今後のインドシナとのかかわり合いにおいて、日本はいずれにもせよ重要な位置を占めるのだから、これについては、少なくともその保障会議に一員として参加することは、より一歩日本の立場を、常識的にいうと明確にすることなので、そういうことがありながら、カテゴリーがそういうことになっておったからというので、積極的に意思表示も何もされなかったという消極的な立場をとったわけですか。
○大平国務大臣 先ほど申し上げましたように、この任務は、でき上がりましたパリ協定の実行を保障してまいるという任務でありまして、今後のインドシナ半島全体の復興開発というようなことを議する会議ではないと承知いたしておるわけでございます。もしそうでございますならば、それに日本が参加しないということになりますと、日本国民として釈然としないものを残すと思うのでございますけれども、私どもといたしましては、今度の、先月の二十六日に開かれたパリの国際会議というものに日本が参加しなかった、招請を受けなかったことは、そういう意味で理解できると申し上げておるわけでございまして、これは、今後のインドシナの復興開発に日本が圏外でおっていいという意味では決してございません。
○辻原委員 私が尋ねたい焦点は、そういう経緯があって招請のなかったことは私も承知しておるが、問題は、日本政府にそういう積極的な意思があったのかなかったのかという点についてお答えを求めておるのです。それが一つですね。 それから、あなたのいまの御答弁によると、インドシナ復興の会議であれば参加したけれども、パリ会議はそういうものではなかったから、出席をしなかったというふうに聞こえたわけです。これはまあ時間がかかりますからあれですが、私はパリ会議というのは、今後のアジアにおける、さらには世界全体における平和を形づくっていく土台の会議だと思うのです。平和を保障する会議でしょう。だから、ただ復興の会議であれば出るが、平和を保障する会議には積極的な意思を持たぬということになれば、これは重大な問題でしょう。そういうことが理由で、日本側が積極的な意思を持たぬということは、これは重大ですよ、外務大臣。あなたの速記録を私はあとで読みますけれども、だから、これはあらためて議論をいたしますが、問題は、積極的な意思を持ったのか、持たなかったのかという点だけを明らかにしてもらいたい。
○大平国務大臣 アジアの問題でございますので、いつ、どこでも招請を受ければ、日本は積極的に参加しなければならぬということは当然だと思うのでございます。ただ、今度のパリ国際会議というものは、パリ協定というものを保障する任務を持ったものです。そして伝えられるような構成でございまして、日本は招請を受けなかったわけでございますので、出てまいるわけにまいらないわけでございます。 それで、招請を受けなかったことにつきましては、先ほど申し上げましたような理由から、一応理解できるということでございます。
○辻原委員 それは聞きましたよ。招請を受けなかったことはわかっている。日本が積極的に参加したかった、そういう意思を持っておったのかどうかと聞いているのですよ。
○大平国務大臣 だから、いま申し上げましたとおり、パリの和平会議ばかりでなく、アジアの問題につきましては、いつでも、どこでも日本は出てまいるつもりを持っておるわけでございますけれども、招請がなかったということです。
○辻原委員 早くそれを言えばいいのです。えらい回りくどいことをおっしゃるから時間がかかる。 だから要するに、パリ会議にも出席をしたかった、しかし招請がなかったから出られなかった、こういうことですね。こういうことですね、それは。私はそこに問題があると思うのです。もちろん、そういうことに対する日本側の積極的な意思を持たなかったということも重大であるが、持っておったが行けなかったということも、より重要だと思うのです。その経緯については、私も幾ばくの情報を得ておりますが、それはここで披露することはやめましょう。やめましょうが、要するに国際管理監視委員会にも、これは北側に拒否されたということも報道せられておる。また、やはりパリ会議に至る経過から、日本の出席に対して、これを拒否されたということもわれわれは聞いておる。何が一体そうせしめたか。少なくとも総理は、しばしば、これはあとでお尋ねいたしますが、国際会議までを提唱して、今後アジアにおける平和の基礎づくり、世界の平和の発展に資したいと言っておりながら、その平和を今後つくっていく具体的な国際会議にも出席ができない。それで一体いいのか。そこに、私は過去の日本外交の反省がなければいかぬと思います。アメリカに追随をしてベトナム戦争に介入したことも、もうすでに事実である。安保条約は、その大きな役割りを果たしたことも事実である。あるいは日本国から兵器、資材その他軍需物資をどんどん輸送して、具体的なアメリカに対する戦争支援を行なったことも事実である。サイゴンに対する支援を行なったことも事実である。こういうことが、今日パリ会議に日本が招請されなかった理由になっておる。この事態のままで、今後どうしてアジアの一員として、わが国が今後のアジア外交に果たすべき役割りの余地があるのですかということを私は言いたいわけです。 だから、この姿を変えなければいかぬ。その姿を変える第一歩は何か。それは今後におけるインドネシア、ベトナムを含めてインドネシアの復興に対する協力の姿勢だと私は思うのです。(「インドシナだろう」と呼ぶ者あり)インドシナです。インドシナに対する協力の姿勢、協力の態度、これがやはり起点となるだろうと思う。 そこで、具体的に承りますが、十億円というものを緊急援助資金として用意されておるそうですが、これはどういう形で援助をされますか。
○大平国務大臣 予算編成の当時、まだインドシナにおける戦火はやんでいない段階でございましたが、もう手の届くところに平和が来ているというような想定に立ちまして、緊急に人道的援助というようなものが求められた場合には、それに応ずるだけの用意をしておかなければならないと存じまして、四十八年度予算に十億円の予算を御計上をお願いいたしたわけでございます。
○辻原委員 十億円についての援助方式はいまだきまっておらない。それからさらに、引き続いて必要があれば出す。伝えられるところによると、五千万ドル程度を政府は用意されておるとかいないとか、いろいろわれわれは聞くのでありますが、あるいは先般国連のワルトハイム事務総長が来られたときに、五千万ドル程度のものをお約束をされたとか、話したとかという話がありましたが、そういうつもりがおありになるのですか。
○大平国務大臣 インドシナの将来の復興開発を考える場合に、それをどういう仕組みでやってまいるかは、今後の問題でございますけれども、相当の大きな規模になるでございましょうし、できるだけ多くの国の協力と祝福がなければならぬことも、常識的に理解されるわけでございます。とりわけ、国連のような一番大きな国際機構において、これが取り上げられるというようなことも望ましいこととわれわれは考えておったわけでございます。事務総長が来日いたしまして、国連の状況を聞きますと、国連もそのためのタスクフォースをつくりまして検討はいたしておる、しかしながら、当事国の意向を十分聞かなければ、これが実現を見るか見ないか、まだわからぬ段階であるという非常に用心深い意思の表明でありました。 それで、日本政府といたしましては、もし国連が各国の協力を得まして、インドシナの復興開発に一つのプログラムを持つというようなことができる段階におきましては、日本として応分の協力を惜しまないつもりであるという意向は、総理から表明していただいたわけでございますけれども、具体的な金額をその際コミットしたということはございません。
○辻原委員 そうすると、国連事務総長に対するお話としては、具体的な金額を示さなかったということですね。そうすると、日本側として、いまだ金額についてはきめていないということですか。金額については用意はあるが、きめていないということですね。それはどうですか。そこだけ……。
○大平国務大臣 さようでございます。
○辻原委員 それから国連事務総長は、来日の際には、多国間的なそういう一つのやり方も考えているが、当事国の意見を聞かなければそれはできないからというので、慎重な態度であった。いまお話があった。それはその当時の話です。これはもうすでにわれわれも承知しておるように、いわゆる国連を通じての多国間的な機構あるいは多国間的な援助方式というのは、事務総長が慎重に答えられたと言うとおり、これは当事国から拒否されたのですね。それはどうなんですか。いわゆる多国間方式というものが可能だと、いまなお政府は判断されているのですか。それはどうなんですか。
○大平国務大臣 拒否されたとか受け入れられたとかいうところまでいっていないわけでございまして、国連は、先ほど申しましたように、一つチームをつくる、そういう計画を練っておるということは事実のようでございますけれども、それを表に出すにあたりましては、当事国の意向も十分聞かなければならぬ、そういう段階だと思うのでありまして、拒否云々というところまでは、まだそういう判断を下すのは早いのじゃないかと私は思います。
○辻原委員 アメリカが予定しているという七十五億ドルというのも、やはり同じ構想ですか。政府が理解しているのは、どうなんですか。
○大平国務大臣 アメリカも広い国でございまして、たくさんのもくろみがいろいろなクォーターから出ているわけでございまして、私どももよくわからぬのですけれども、ただ、アメリカ政府としてこうするというプログラムにつきましては、まだ何らの連絡を受けていないわけでございます。いろいろな機関におきまして、いろいろな計画が模索されておる段階であろうと思います。
○辻原委員 どうも大平さんのお考えを聞いておると、何かずれているような感じですね。非常にずれている感じだ。たとえばその多国間方式がいまなお検討されておると言う。それからアメリカの七十五億ドルはいろいろな機関でこうやっている。私もいろいろな機関でやっていることは承知している。しかし、少なくとも七十五億ドルということは、アメリカが正式に提案されて、すでに北ベトナムにおいては経済合同委員会をつくって、それについての受け入れを検討しようというところまでいっているのでしょう。だから、何かこうずれている感じですね。 そういうことで、インドシナ復興に日本が積極的に協力するということがいえるだろうか。先ほど、私は冒頭に、誠実に実行いたしますかと言ったら、着実に実行いたしますと言った。しかも総理から、二月一日の与党の宮澤さんの御発言に対して、実に詳細な、真情を吐露したあなたの答弁がある。私もこれを熟読玩味してみた。しかし、それといまのお話のなにから見ると、まことにどうもテンポがおそいと思います。しかし、これだけに時間をかけてこだわるわけにいきませんが、私の考えによると、もはや多国間方式は望みなしと思っております。それから具体的に、アメリカはそれは五年間の話ですから、七十五億ドルがどうなるかは、これも私は即断はできないと思うけれども、大まかにいって、その程度のものは、ベトナムの復興援助協力に対してアメリカが拠出するということだけは狂わない方向だと思う。そういったことを踏まえて、わが国の感度を十分考えないと、これは議論だってできないでしょう。あらためてもう一度お答え願いたい。
○大平国務大臣 いまの段階は、パリ協定に基づきまして、当事国の間で軍事面からその和平の地固めが行なわれておる段階でございます。そして、そういった一連の処置を保障するためにパリの国際会議が開かれたと承知いたしておるわけでございまして、いま辻原さんが御指摘の、今後の復興開発につきましては、各当事国それぞれいろいろお考えになっていることと思うのでありますけれども、まだそれを具体的な姿で私どもが承知できる段階ではないということが一つ。 それから、アメリカの今後の援助計画につきまして明らかになりましたことは、北越との間に経済委員会が持たれるようになったということは承知いたしておるわけでございますけれども、アメリカがどれだけの金をそこに、どういうもくろみでつぎ込んでいくかということにつきまして、さだかに私どもはまだ伺っていないわけでございまして、問題はまさにこれからなんでございます。私ども日本政府として、まだそういう段階におきまして、具体的に援助の押し売りをするというようなことは、決して賢明でないと思うのでありまして、関係当事国の御意向も十分拝聴し、国際世論の動向、国連における動き等も十分掌握した上で、日本政府としてなすべきことをなさなければならない。その熱意におきましては、決して人後に落ちないつもりでおります。
○辻原委員 抽象論をやっているのじゃありませんから、ひとつ具体的にお答え願いたいと思います。 そうすると、まず援助の方式としては、依然として政府は国連を通ずる多国間方式を考えているということですね。政府の直接の援助協力というものは、今日の段階では考えていない、こう理解してよろしゅうございますか。
○大平国務大臣 そうではないのでありまして、国連においてもそういうもくろみがあるようだ、当事国におきましてもいろいろな御意見があるようだということでございますので、そういったお考えを十分聞いた上、各国の動きもよく吟味した上で、日本政府としてなすべきことをなさなければならぬと申し上げているわけでございまして、国際協力の方式でいくのか、二国間援助でいくのかというようなことを、いま日本政府の立場で申し上げられる段階でないと私は思います。
○辻原委員 しつこいようですが、もうちょっと聞きましょう。 多国間方式は、当事国の意見も聞いて慎重にやりたいと、ワルトハイム事務総長は答えられておる。あなたはどう判断されておりますか。これはもうあまり時間の長い将来の問題ではないわけです。だから、そういう多国間方式が可能だ、たとえば何がしの機構なり機関をつくることが可能だと、あなたは判断されておりますか。
○大平国務大臣 いろいろな仕組みが考えられると思っておるわけでございまして、これでなければならぬというように自信を持って申し上げるほど、私、自信がないわけでございます。先ほど申しましたように、いまどういう方式でやってまいるか、どういう計画がいいかというようなことにつきましては、各国それぞれ、いま模索中であるというように承知いたしておるわけでございまして、そういう動きも見ながら、日本政府としてもいつも協力する用意を持たなければいかぬわけでございまして、絶えず検討しておかなければならぬ課題であると思っております。
○辻原委員 具体的に援助の段階に入ると、その資金の配分というものが問題になると思うのですが、その場合に、北、いわゆるベトナム民主共和国、それから南、ベトナム共和国、ベトナム臨時革命政府、この三当事者がここにあるわけなんですが、ベトナム全域にわたって、インドシナを含めてこれを平等にやりますか。どうしますか、その方式は。
○大平国務大臣 これは国会を通じて申し上げましたように、ベトナム全域を対象にして考えたいと思っております。
○辻原委員 たとえば、南の両当事者を差別するようなことはありませんね。
○大平国務大臣 外交関係は、サイゴン政府とわれわれは持っておるわけでございまして、臨時革命政府との接触はないわけでございます。しかし援助は、たとえば国際赤十字がやるにいたしましても、これは赤十字社の判断におきまして全域について処置されることと期待するわけでございます。
○辻原委員 まあいまの私の質問の、平等にやりますかということについては、おおむねお答えがあったようで、いままでの予算委員会の議論等を通じて私が推測をすると、どうも、今回の和平協定を忠実に履行するが、ことばはそうなっているが、実行段階において必ずしも忠実に、その精神あるいは協定内容を守っているようにも私は受け取れなかったので、この問題をあらためて質問したのですが、いま平等にやるというおかまえであるようですから、そう理解をいたしましょう。ただ承認国だという意味だけで、もしかりにサイゴン政府だけに大きなウエートをかけてやるということになれば、これは和平協定を日本みずからがぶちこわすものです。断じてそういうことをやるべきでない、私はこういう主張をあらためて強調いたしておきたいと思います。 そこで、今後の問題の一つに、もうこれも議論はされておりますが、これはまあ法理論的に言うといろいろなことがあるでしょうが、要するに今度の協定は当事者ということばを使っているが、アメリカに対する、それぞれ北及び南臨時政府というのは、平等の立場でいわゆる当事者ということばが使われていると理解をする。当然に、今後やはり日本がそういう経済協力を含めて関係を持っていくとするならば、ここに新たな承認関係の問題が出てくるわけです。北に対しては国を承認されるのですか。いわゆるベトナム民主共和国を承認される、そういう政府の態度ですか。時間がありませんからはしょって聞いておきましょう。臨時革命政府については、何かこの間分科会で、まことにどうも旧弊な答弁が外務省の人によってされていることを私は見たのですが、けしからぬと思います。そういうような相手方に悪影響を与えるようなことは、総理、これは協定を忠実に守るゆえんじゃありませんぞ、そういうことは。やはり国会における議論というものは、そういう忠実に相手の反応、それに対するビヘービアを考えて答弁せられるべきである。これは私は十分注意しておきたいと思います。 そこで、私がいま申し上げるのは、協力の問題については全域にわたって平等にやりたい。承認については、北は国を承認されるかどうかということをお尋ねします。
○大平国務大臣 パリ協定では、ベトナムは一つの国として民族の基本的権利を尊重せなければならぬと第一条にうたっておるわけでございまして、それが根本の道標でございます。ただ、それに達するまでの経過的な段階におきましては、南の民族の自決権を尊重するということになっておるわけでございまして、私どもサイゴン政府と国交を結んでおりますわけでございますが、今度北越と国交を考える場合におきまして、これは外交関係を持つとなれば、当然国と国との関係になるわけでございますので、国として承認するということになることは当然だと思うのでございまして、そのことは、パリ協定に決して背反するものではないと私は思います。
○辻原委員 ここにも非常に議論がありますが、その議論はきょうはよしておきましょう。要するに国を承認するということであります。 もう一つの問題は、これは臨時政府に対するあなた方の態度を聞いたって、紋切り型の答えしか返ってこないと私は想像するから、それはまた他日に譲りましょう。 そこで、きょうあたりの新聞によりましても、いわゆる南における新たなる政権についての動きが活発化しておるようであります。そこで、もし協定どおり自由かつ平和的な手段による政権がここに生まれたという場合、当然に日本はこの新政権を承認されるでありましょうね。それは間違いないでありましょうね。
○大平国務大臣 冒頭で申し上げましたように、パリ協定の精神並びに規定というものは、尊重して措置しなければいかぬと思っております。
○辻原委員 それは承認を意味しますか、あなたの答弁は。
○大平国務大臣 将来。いり協定のラインに沿いまして、事態が進展してまいった……。
○辻原委員 そのまくらことばは要らない。できた場合には承認するかどうかということを私は聞いている。
○大平国務大臣 それは承認に、そのときの事態を……。
○辻原委員 事態じゃない、できたとき。当然できるのですよ。だから私が、冒頭に和平協定を守るかということを念を押した意味は、そこにもあるのですよ。その線に沿ってできるものについては当然に守らなければならぬ。だてや酔狂で私は時間を食いつぶして、そんなことをあらためて聞いているのじゃない。
○大平国務大臣 パリ協定を尊重して措置いたしますと答えたわけでございますから、もう必要にして十分な答弁になっておると思うのですけれどもね。
○辻原委員 十分ではない。あなたのことばはあいまいでわからぬ。承認するかどうかです。
○大平国務大臣 そういうような事態が出てまいりましたならば、そのときに考えなければいかぬと思いますけれども、パリ協定の線に沿ってりっぱにできた政府につきましては、そういう措置を講ずることは当然だと思うのでございます。しかし、それは将来のことであると思います。
○辻原委員 モディファイが非常に多いけれども、要するに、当然に処置を講ずるということは、承認を意味すると、これは日本語では受け取れますから、そういうことに理解をいたしておきたいと思います。 それから、もう一つ重要な点についてお尋ねしておきたいのでありますが、協定のたしか二章であったと思いますが、要するに平和がよみがえったのだ、だからそれ以上、いかなる当事国も関係国も、ベトナムに対しては武器、弾薬、資材を持ち込まないという約束がなされております。ただ、一つの例外は、管理監視委員会の監視下において認められる場合だけ一対一、質、量ともに変化を来たさない程度の交換ということがいわれておるが、日本の立場において、相模原のあの問題でもあれだけ国民感情を刺激したのでありますから、私は、和平後においてはもう絶対日本を基地として軍事物資、弾薬、資材、修理、かようなものに対して協力をすべきでないと思う。その精神を踏まえたならば当然にそうだろうと思いますが、これも簡単にお答えいただきたい。
○大平国務大臣 相模原問題が起きましたときに、今後原則としてベトナム向けの搬送は認めないということを政府も申し上げたわけでございます。原則としてということで、今後和平協定を定着さしていく上におきまして必要かどうかという判断があり得るかと思いまして、原則としてと申し上げたわけでございまして、事案をよく吟味いたしまして、もしそういうことが起こったならば、その事案をよく究明いたしまして、和平協定の成功につながるかどうかという点をよく考えた上で処置したいと思います。
○辻原委員 非常にことばが多いものですからわかりにくいのですが、要するに、原則として——原則としてということばはほんとうは要らないと思うのですが、パリ協定に立って日本としては対処する、そういうことですね。
○大平国務大臣 それを大前提で考えております。
○辻原委員 これは、自今はおそらくそういう問題で、わが国内においてトラブルが起こることはないと私は理解をして、話を進めたいと思います。 そこで、次に総理から承りたい。だんだん時間が経過しておりますが、重要な問題でありますから承っておきたいと思うが、総理は施政方針の中で、アジア太平洋地域における国際会議の可能性を検討すると提案された。私は、これは非常に重要な提案だと思うが、可能性を総理は信じられておりますか。それが一つ。 それからもう一つは、その具体的構想は何ぞや。まずアジア太平洋地域における国際会議なんだから、もしあなたがイニシアをとられるとするならば、招聘される関係国というものはどうなりますか、承りたいと思います。
○大平国務大臣 総理が施政方針演説でうたわれましたアジア太平洋平和会議という構想でございますが、これはようやくアジア内におきましても緊張緩和の芽ばえが出てまいりましたことを踏まえて、これはひとりインドシナ地域ばかりでなく、全アジア太平洋地域におきまして、もっと安定した平和が定着することを希求する意味におきまして、日本が提唱してアジア太平洋地域の平和を語る会議が考えられないかという、日本総理大臣としての当然の願いを持たれておったわけでございます。 現在、御案内のように、アジアにはいろいろな地域協力機構があるわけでございますけれども、そのいずれも帯に短したすきに長しの状態でございまして、アジア太平洋地域全体の平和を語り合うというマシナリーとしては必ずしも十分の組織、能力を備えておるものとは思えないわけでございまして、もし総理が構想されるようなものができたら、これはたいへん望ましいことである。そうすれば、当然中国もアメリカもソ連も入っていただくような力のあるものにならなければなるまいという、そういう考え方で、その可能性を鋭意検討してみようという御下命があったわけでございまして、私どももその構想を大事にいたしまして、今後その究明に当たっていかなければならぬと考えております。
○辻原委員 パリ会議にも招請せられなかった日本外交の今日までのあり方の上で、はたしてそういうことの可能性があるかどうか、私ははなはだしく疑問だと思うのです。発想はけっこうだと思う。だからそういう反省が具体的にあらわれない限り、私は全地域、全関係国を招致して云々などということは、これは言うべくして実現にはほど遠いといわざるを得ない、どの程度の可能性を検討されたかは知りませんけれども。いまあなたは、そうしてソ連も中国もとおっしゃったけれども、私の質問には正確にお答えになっていない。その他の関係国というものはどの程度含まれるかということを考えたときに、これは非常に問題だ。そこまで考えられていますか。その他の関係国をどこまで招請するかということの可能性を考えられていますか。具体的に明らかにされますか。
○大平国務大臣 着眼は常に大きくなければならぬと思います。しかし、着手はきわめて慎重でなければならぬと思うのであります。アジア太平洋地域を考える場合に、国の大小、体制のいかんにかかわらず、できるだけ多くの国の参加を願わなければならぬのは当然の道行きであろうと思うのでありまして、個々の具体的な、この国はどうだ、この国はどうだというそういう検討は、今後の課題でございまして、ただ私が申し上げたのは、そういう会議が考えられないかどうかという可能性について、今後十分検討しろということでございまして、そういう趣旨で御理解をいただきたいと思います。
○辻原委員 そうすると、ただぽんとアドバルーンを上げて、しばらくこう様子を見ていると、こういう状態ですな、いまあなたのお答えになったのは。アドバルーンをぽんと総理が上げて、一ぺんともかくできるかできないか考えてみろ、あっちこっちをのぞいてみて、顔を見回してみてどうだと、こういう状態ですね。具体的に検討しているということであれば、少なくとも関係国はどうするかくらいのことは、いま検討していなければいかぬじゃないですか。相手がどう出るかは別の話として、日本側の構想というものがなければならぬ。 それじゃ、一体いま私が申し上げた北ベトナムはどうしますか、朝鮮はどうしますか、お答えできますか。
○大平国務大臣 そういう可能性を検討してまいるのが私どもの任務でございまして、今後の課題であろうと思います。
○辻原委員 そうすると、できるかできぬかは別だけれども、そういった国々を含めての可能性を検討しておる、こう理解いたします。よろしゅうございますね。 日ソ問題について伺いますが、日ソ問題の懸案事項というのは、総理はどう理解をされておりますか。
○田中内閣総理大臣 ソ連はわが国の隣国でもあります。言うなれば、シベリアは一衣帯水の地位にあります。第二次戦争が終わってから四半世紀余の歳月を経ておるわけでありますが、日ソの間にはまだ懸案の問題が残っております。これらを解決しながら、日ソの間に平和条約をできるだけ早い間に締結をしなければならない、これがもう日ソの間にある基本的な問題でございます。 去年第一回の日ソ交渉が行なわれましたので、引き続いて日ソ間に会談、交渉を持ちながら、両国の善隣友好の実をあげてまいろう、こういうことであります。
○辻原委員 私の質問は、総理は懸案問題をどう理解をされているか、どういう問題があると理解をされているかということをお尋ねしたのです。
○田中内閣総理大臣 でありますから、平和条約問題がまだ未解決でございます。それから北方領土の問題もあります。安全操業や漁獲量の調整の問題もございます。シベリアの開発問題もございます。これらが日ソ間の当面する懸案である、こう思います。
○辻原委員 ソ連側においても、これは昨年でしたか、ソ連建国五十周年のブレジネフ書記長の発言によると、やはり懸案問題について重要な会議を持ちたいという提唱があったように聞いております。このソ連側で言う懸案問題と、いま総理がお述べになられました懸案問題の間には、食い違いはないでしょうね。
○田中内閣総理大臣 食い違いはないと思います。ありとすれば、北方問題に対してはすでにもう解決済みだと言っておりますソ連側と、この問題はどうしても両国間において解決をしなければならないという具体的な問題に対しては、現在までには、食い違いといえば食い違いがありますが、これらも話し合いをしなければならない問題であるという基本的な認識に対しては、両国とも理解をしているわけです。
○辻原委員 平和条約の交渉について、その最大のネックは領土問題であるという理解については、これはいま総理がお述べになりましたように、領土問題そのものに対する見解は異なっているにしても、それが重要な問題であるという認識については、双方食い違いはありませんね。
○田中内閣総理大臣 日本側はもう領土問題というものが一番重要な問題だと言っておりますし、向こうはもう済んだことじゃないかというようなニュアンスの発言はしておりますが、しかし、この問題が両国に横たわっておる最大の関心事であるということは、十分理解していると思います。
○辻原委員 六日に新関大使に託された書簡が、たいへんブレジネフ書記長がこれを歓迎したことは、非常に私はそれ自体けっこうだったと思うのです。双方の理解が一そう深まったという点については、たいへんによかったと思います。もちろんこれはあなたの書簡ですから、公の場で私がそのことの云々をやることについては多少はばかりますが、しかし、重要なこれは国際交渉の前提となるべき問題でありますから、そういうことの配慮を加えつつも、あえて私はあなたに伺わざるを得ない。あなたがこの書簡を託された真意の中には、当然いま私が最大の懸案であると指摘した領土問題については、それは入っておりますね。
○田中内閣総理大臣 内容につきましては、外交文書でございますから申し上げるわけにはまいりませんが、いずれにしても日ソの間というものは、善隣友好の実をあげるためにこれからも接触もし、会談もし、諸懸案の解決もしながら両国の利益を守ろう、守るために、両国がお互いの立場で理解できる問題に対しては、一つずつ前向きに解決をしてまいりたい、こういう趣旨のものでございます。
○辻原委員 なぜ私がこういうことを申し上げるかというと、いろいろ外電のその後伝えるところによると、具体的にその書簡の内容が仄聞されたというか、あるいは情報をキャッチせられたというか、報道せられておるわけです。その中を見ると、いずれも領土問題が入っていないのです。まさか私はそういうことはないと理解をしておりますが、外電のそういう報道は誤りでしょうね。どうですか。
○大平国務大臣 いま日ソ間の懸案についての御質問がございまして、お答えがあったわけでございますが、その懸案の中には、当然領土問題があるわけでございまして、外電が報じておると言われておることは誤りであると思います。
○辻原委員 だから、総理書簡には懸案問題ことごとく入っておるんだといういま外相の御答弁でございました。 そこで、私は思うのでありますが、確かに書簡を往復されて、懸案問題を解決されて一日も早く平和条約を締結に導くということも、私は非常にけっこうな手段であると思います。同時に、やはり今日対中国の問題を見ましても、現に、申し上げるまでもなくニクソンの訪中から始まり、田中総理の訪中によって、中国問題が米日いずれにも一つの転機を迎えた。そういうことを考えればやはりひざを交えてお互いが理解を深めるということは、何にも増して今日重要であると思います。昔と違うのですから、わずかの日にちでさっと行ってさっと帰ってこれる。そういう立場から、首脳会談の意義というものがあらためて見直されている。 私はその意味で、この際総理が訪ソをされて、特に最大の懸案である領土についての日本国民、日本民族の切なる感情、国民感情というものを、あなたのじょうずなお口から切々と訴えられるということが、より私はいまの壁をぶち破る、今日の時点における最大の重点でないかとすら思う。この可能性について大平外務大臣は、しばしば可能性あることを当委員会でも示唆されておるが、総理みずからこの問題について触れられたことはありません。したがって、私はこの機会にひとつ総理の前向きな、あなたの善意と前向きはわかるから、具体的なモメントを起こしてもらいたいという意味で、ぜひ訪ソをされ、ソ連側首脳部とそれこそ腹を割った話し合いを展開し、それが第二回日ソ交渉と、並行するか、前になるかあとになるかは別として、成果あらしめる手段だと私は思います。そういう意味で、あなたのそれに対するはっきりしたお考えを承っておきたいと思います。
○大平国務大臣 先に一つ申し上げさせていただきたいのでございますが、あなたが御指摘のように、いま首脳外交時代でございますし、最高首脳自体が直接にひざを交えて懇談されることがいかに重大であるか、またいかに必要であるかということは、あなたと私と認識を一にするものであります。 したがって、外務省といたしましては、いま田中総理に対しまして、ソ連はもとよりでございますけれども、アメリカその他多くの国から招請を受けておるわけでございます。またわれわれといたしましても、できるだけ総理に広くお出ましをいただいて、最高首脳との間の話し合いをお願いしたいと思っておるわけでございまして、総理の訪ソ問題というのは、そういう意味で非常に大きな問題の一つでございまして、国会の審議の状況を見ながら、適当な段階で内閣に上げて御検討をいただきたいと心組んでおる次第でございます。
○田中内閣総理大臣 日ソの間にある諸懸案を解決しなければなりませんし、善隣友好の実をあげなければならない。そのために私が訪ソする機会があれば、これはいつでも訪ソは必要だと思っておりますし、また先方側の首脳部の来日ということもありますし、これらの問題は、いま外務大臣が述べたとおり、国会の情勢もございますので、これが許すような時期があれば真剣に検討してみたい、こう思うわけでございます。 いずれにしても、いま国会開会中でございますので、予算が通るか通らないかという、通らないかと言うんじゃありませんが、予算を一日も早く通してもらわなければならないという重大なときでございますので、予算が国会でも通過をしたり、そして皆さんの御意見も伺ったり、国会が終わったらというような時点に、十分検討すべき問題だと思います。
○辻原委員 予算が通った段階で考えるということですね。私がいま議論していることは、そんな長い将来、田中さんが、まあいまは老後とは私は思わぬが、老後になってやめていくというようなときの話をしているんじゃないのですね。秋に第二回交渉をやろうというわけでしょう。その交渉をいかに解決するか、進展させるかということに関連して行くというのだから、そう先の話じゃないですね。だから少なくとも、訪ソするというのはやはり年内でしょうね。どうですか。
○田中内閣総理大臣 国会第一主義をとっておりますので、国会でも終わったら、その時点にまた検討いたします。
○辻原委員 もちろん、これは時間があれば大蔵大臣にも聞いてみたいと思っていたのですが、確かに国会を第一主義に考えてもらわなくちゃ困る。しかし、また国と国との外交、あるいは国内の重要な問題、たとえば円問題、そういったときに、政府はおのずからこうしなければならぬという、私は政府自体のビヘービアがなければならぬと思うんですよ、総理としても。だから、何も国会審議にかまけてそういうことを答弁するというのは、これは私から言わせると不届きですよ、そんなことは。そうじゃないです。政府は、またいままでだってそうでしょう、ぜひしなくちゃならぬときには、国会審議中といえども、所管大臣を派遣するから、代理を置いてでもひとつやりますから、野党も御了承願いますとやったんじゃないですか。そんなことをいまどき国会審議にかまけて言うというようなことはおかしい。私はこれは文句を言うわけじゃありません。文句言うわけじゃないが、あなただけじゃない、大蔵大臣もそんなことを言っているからね、今度の円問題について。だから政府の態度をきめて、そうして各党に対して了承を求める、われわれがその段階で、重要であれば、それは予算の審議を待ちましょう、予算の審議を一カ月でも待ちましょうというふうな考え方もあるから、できない相談じゃないのです。だからそういうことを言うものじゃありません。ひとつ政府みずからがそういう態度をきめて、その上に立って、われわれはいかようとも判断をいたします。そういう意味で、ひとつぜひ訪ソについては、実現をせらるべきであると、私は強く総理に要請をしておきたいと思います。 だんだん時間が切迫しておりますから、あと多くの問題をなにするわけにいきませんが、経済協力についても、特にチュメニにつきましては、具体的に進展していることはけっこうであります。ただ、今後の問題にいろいろございます。ただ一つだけ承っておきましょう。 いま、民間の基本協定がおおむね原案ができたようであります。それによりますると、一案だか二案だかわかりませんが、要するに輸銀を中心にして二十行のシンジケート、その場合に、輸銀の金額の多寡によって金利も違う、こういう考え方のようであります。私の考え方を先に申し上げておきますと、やはり政府が積極的に出ることが、シベリア開発を具体的に進展させる今日最も有効な方法であると私は考える。それを具体的に実際に示すには、やはり輸銀使用の額を多くしたほうがよろしい、そしてできるだけそれに対する負担を軽減していく、われわれは同時にその見返りとして安い石油を長期にわたって安定して供給を受けるということを確保しなければ、日本の石油事情から考えてもこれはたいへんである、こう思います。その点についてのお答え。 それからもう一つは、シベリア開発はチュメニだけではございません、もう一つ天然ガスについて重要な問題がある。私も興味を持ってサハリンの問題、ヤクートの問題をいろいろ検討いたしました。ところが、どうも最初のすべり出しはサハリンがよかったが、その後、これは埋蔵量等の問題でどうも実現が不可能。可能性のあるのはヤクートです。ところが、日本がヤクートの交渉をしている際に、むしろ米ソの間に話がどうも積極的に進んでいるような感じですね。ガス需要、それについての原料としての天然ガス、やはりわが国としてはこれは重要なエネルギーの問題であります。これは一体日本とソ連との間の可能性が後退しはすまいか。これもチュメニのように成功の見通しがありますかどうか、この点を簡単でけっこうですから、内容はわかっておりますから、さきに申しました輸銀使用の問題、それからいまのその他の二懸案の問題、これを承っておきます。
○中曽根国務大臣 シベリアに対する諸プロジェクト協力の問題は、一般的に両国の国益に合致して、経済取引条件で合意が成立すれば、政府は積極的にこれを検討するにやぶさかでない、そういう前向きの姿勢を示しております。 それで、ヤクートの問題にしてもチュメニの問題にいたしましても、いまは民間レベルと先方の担当者との間で話を詰め合っているという状態で、政府としてはできるだけ早く合意に達するように希望しております。その合意が成立するならば、政府としてはこれを取り上げまして検討の対象にして、そうして政府全体で協議の上積極的な姿勢でこれに処したい。 いまの金融の問題等につきましても、その詰めの状況が、どういうふうに詰められるかということを見ている状態で、先方の要望や日本の財界の要望や関係者の要望も聞いた上で、できるだけ希望に沿う形で努力してみたい、そういう考えでおります。
○辻原委員 協定のやり方については、従来は民間協定の上に交換公文をかぶせていますね。そういう同じ方式をとりますか。
○中曽根国務大臣 いままでは交換公文で締めをくくったという形になっておりますが、今回もそういう形になるのではないかと思います。
○辻原委員 これも私の意見を申し上げておきましょう。私は、やはりこれらを成功に導くためには、政府間協定というものが何らか必要ではないか。だから、従来は森林資源の問題にしても交換公文で裏づけをしているにすぎない。しかしその中身、内容を見ますと、たいしたことを書いてあるわけじゃないのです。ただ、政府のいわゆる副申というか保証というか、そういう程度のものでしょう。やはり日本政府がこれを全責任をもって、将来にわたる長いプロジェクトですから、そういう意味で政府間協定というものが必要な段階ではないか、こういうふうに考えます。その点についてもう一ぺんお答えを願っておきたいと思います。
○中曽根国務大臣 詰めの模様を見まして、どういうタイプのものにするかということを、政府内部において検討してみたいと思いますが、交換公文も大事な、重要な外交文書でございまして、別にそれが軽いというものではございません。
○辻原委員 公換公文が軽いとは申しません軽いとは申しませんが、しかし、おのずから国際間の取りきめというものについては、それなりの意味とそれなりの軽重があるはずであります。そういう意味で私は申し上げておる。しかし、全体の基本計画ができた段階で検討されるということでありますから、この問題については、さらに別の機会にもう少し詰めた議論を行なってみたいと思います。 それからいま一つ、これは今後の外交の上で朝鮮民主主義人民共和国との問題が非常に重要になってまいっております。せんだって来からの分科会等での質問によりますると、朝鮮民主主義人民共和国との間に貿易事務所を設置するという意向が示されておりますね。これは政府としてそういう態度をきめられておりますか。
○中曽根国務大臣 貿易事務所というところまでまだ踏み切っているわけではございません。大体貿易量が五千万ドル台から一億ドル台にのぼってきたわけでございます。そういう関係からいろいろ事務処理の問題も出てまいる。そういうところで、通産省の責任者を情勢によっては派遣するという必要性も出てくるのではないか、そういうことも考えて、予算の中にそれに必要な経費をとってある。その派遣というのも、長期滞在になるのかあるいは事務処理上のために出張させるのか、その辺は、その事態に応じて考えなければならぬと思います。
○辻原委員 外務省も同様に考えられておりますか、その問題については。
○大平国務大臣 通産大臣が申し述べられたとおりです。
○辻原委員 しかし、事実上は貿易事務所と同じ性格を持ちますね。通産大臣。
○中曽根国務大臣 まだそういうところまでは考えていないのです。事務処理上の必要に応じて、先方と意見交換する必要が出てくるかもしれぬ。そういう意味で、あらかじめ予算上の措置はしておいた、こういうことであります。
○辻原委員 残された時間が迫ってまいりましたので、他の問題に移りたいと思います。 少し具体的な問題ですが、物価対策についても、当委員会で今日までずいぶん議論をしてまいりました。これだけのインフレ、物価高騰の中でも、しさいに検討すれば当然に下がらなければならぬものがあることは、これは政府も御承知のとおり。 私が、いま特に問題としてここで指摘をしていきますものは、いわゆる工業製品であります。かねてこれは私も国会に提案をいたしました。管理価格なるものを打破しなくちゃならぬ、そうすれば少なくとも国民の日常生活物資のかなりのものは下がるであろう。当然に下がる。ところが、政府はこれに対しては、私は本会議でもやりましたが、なかなか誠意のある御答弁は得られておりません。そういう政府の怠慢の中に、どんどんどんどん新しい管理価格がそれぞれの企業の中でつくられているという事実、これは私は見過ごすわけにはいきません。 特にここで、一、二の問題を指摘しておきましよう。一つはテレビ、特にカラーテレビ等を例にあげて物価特別委員会でもずいぶん議論があった。その議論の結果、いわゆるタイプの違う製品、いわゆる製造年月日の違う製品が、消費者はそれがわからぬままに古いものを高く買っておる。古いものだって値段を下げないで売りつけられているというような事例があるから、製造年月日を入れなさい、消費者が買うのに便利なようにしなさいと言ったのに、それをやりますと言いながら製造年月日を入れていないじゃないですか。通産大臣、それはどうですか。
○中曽根国務大臣 カラーテレビの二重価格問題に対処するため、通産省は四十五年十一月に、現金正価の表示撤廃とともに、今後製造するカラーテレビについては、製造時期を表示するよう業界に対し指導を行なっております。それを受けて家電メーカーは、四十六年以降製造時期の表示を行なっております。もし表示していないカラーテレビが販売されているという場合、かかる事実があれば適当な規制措置、指導措置を講ずるつもりでおります。
○辻原委員 通産大臣、あなたその表示を見ましたか。あなたはいま表示していると言うのだが、どういう表示をしておるか、あなた自身ごらんになりましたか。
○中曽根国務大臣 私はまだ見ておりませんが、その形自体は……。
○辻原委員 そんな無責任なことがありますか。見ないでなぜ答弁できますか。
○中曽根国務大臣 見て回ったわけではありませんが、政府の調査によりますと、右側面にアルミ箔を張り、製造時期を明示することとしてあり、年の前半をA、後半をBで表示しておる。たとえば四六Aは四十六年上期製造、七一Bは七一年下期製造を意味する、こういう措置をとっているということであります。
○辻原委員 さっきは読み忘れておったんだ。あなた知らぬでしょう。どういうものがつけられておるか、見ていないでしょう。私は現に見てきたのです。この質問をするについて、きちんと私は一つ一つ店に行って見てきた。あなたがいま最初に言われた、小さいシールを張っているのですよ。その中には七二年A、七三年のB、わかりますか、あなたそれ。それがわかる大臣があったらここで答えてください。それがどういうような年月日の表示かわかる者があったら答えてくださいよ。わかりますか、そんなもの。総理、わかりますか。私も考えたんだ。七二年というんだからこれは一九七二年の意味かな、七三と書いてあるから七三年の意味かな。しかしおかしいでしょうが、そんなもの。見もしないで答えるとは何事ですか、あなた。
○中曽根国務大臣 いまの七一BとかAとかというのは、当時主婦連そのほかの消費者団体と話し合って、そういう約束で表示することにきめた由であります。
○辻原委員 消費者団体の話をいま私はここで言っているのじゃないですよ。国会で年月日を入れると約束したから言っているんだ。私はその速記録を見たから言っているのですよ。そして、そのとおり入っているかと見に行ったら、入っていないですよ。製造年月日を入れるとなっているのですよ。入っていますか。
○中曽根国務大臣 具体的なことは重工業局長から答弁させます。
○辻原委員 ちょっと待ってください。そんなことはわかり切った話なんだ、べらべらやったって。私は具体的に言っているのですよ。こんな小さなシールを横っつらに張って、七二BとかAとかでわかりますかと言っているのです。これは別に、そんなもの研究しなくたって、皆さんお聞きになっていてわかるでしょう。われわれは製造年月日を入れなさいと言うのです。それをどうして入れられないのですか。われわれが買うときにだって、これは昭和四十六年七月の十日にできましたと、それだけちゃんと入れればわかるのですよ。それだけのことを言っているのだよ。なぜそれを四の五の言って入れないのですか。だから業界保護だと言われるんだ。時間がないから、私は、それはあとでまとめて入れるか入れぬかやってもらいましょう。 もう一つ証拠品を見せましょう。いまの問題が一つ。これはすでに国会で約束していることなんです。もう一つは何かというと、いろいろ二重価格が議論をされて、われわれもずいぶん調べた。これは消費者団体との交渉できまったことを私は言っている。やっと標準価格というものができた。しかし、皆さんも帰ったら奥さんたちに聞いてごらんなさい。いまどき標準価格で家電製品なんか買っている者はないですよ。やっぱり同じように二重価格、三重価格ができてきているんだ。しかし、いま私はそれを言うのじゃありませんぞ。それじゃなくて、今度は別の形での二重価格です。この製品をごらんなさい。色がちょっとここが違う。総理、どうですか、この製品。同じでしょうが、これ。違いますか。これは見たところも同じ、材料を調べてみても同じ、これは同じなんですよ。(「違うのは値段だけだ」と呼ぶ者あり)違うのは値段と、もう一つある。それはブランドが違うのです。こっちはナショナルのブランドです。ここに張ってある。これは問題ですよ。こっちはゼネラルのブランドである。そして製造元の表示はないのです。どうやっているかというと、これはナショナルでつくっている製品だ。そうしてナショナルはこれを自分のところのブランドをつけて売っておる。いいですか、そして同じものをナショナルからゼネラルに回して、ゼネラルは自分のところのブランドをつけてまた売っておる。ところが、値段は、こっちのナショナルがはるかに高い。こっちは安い。こういうごまかしがある。そうすると、買う消費者はどうかというと、これは私が店屋に行ってみた。ああやっぱりナショナルの製品のほうが名前も売れておるし値段も高い、ゼネラルというのはどうも家電は少し、ほかのものを見ても安そうだ、だから、まあ安ものを買って、こわれるようなものではいかぬから、ちっと値は張るが、このナショナル製品を買いましょう。これがみそなんです。(「どのくらい違いますか」と呼ぶ者あり)大体二割違う。ひどいでしょう。 これは私は、いまそんな大きなものを持ち込めないから、アイロンだけを例示したのです。しかし、私の手元に資料、現物、全部あります。電気製品だけでありませんぞ。そのほかあるものは申し上げておくから、全部調査をしなさい。たくさんあります。まずテレビ、それから例のズボンプレッサー、冷蔵庫、そこらにもこれに類似する行為が相当数あります。それから家電だけじゃありません。その他の製品にも蔓延しつつある。かん詰め、衣料製品。これは重大であります。だから、私は時間がありませんから、あなた方にその事実の調査をここで要求すると同時に、一体だれがこういうような許可ナンバーを許可したかということを明らかにしてもらいたい。同じ製品を見たはずだ。それを、同じ製品に違う許可ナンバーを与えたということの責任を私は追及する。 それからもう一つ、なぜこういう事態が起きたかというと、ここに別の製品がある。これはわれわれが使うものじゃなく、奥さん方あるいは御婦人が使うもののようです。ところが、これを見ますと、これはつくったのは外国、それから売っておるのは日本の発売元。この製品にはちゃんとアメリカの製造元の名前が入っております。それからちゃんと日本の販売元の名前も入っております。外国へ行ってごらんなさい、日本のようなことをしているところはありませんぞ。みんなやはり製造元が責任を持って名前を入れて、これはどこの製品です、ただし、それを私のほうが引き受けて売っておるのです、それが発売元の表示なんです。日本は製造元を明らかにしないで、発売元だけのブランドを入れておるところに問題がある。だから、製品をつくるときには両方を明示する、これを義務づけるということがなければ、消費者は高いものを買わされるのです。こういうことが具体的に実行されていけば、総理、少なくともこの物価高の中でも物価は二割や三割は下がっていくのです。私は、物価対策としてペーパープランを百並べるよりは、こういうことに対して厳重にやりなさいということをこの際申し上げたいがために、あえて企業に対してはいろいろな問題があるかもしれぬけれども、私はこの問題を一つの例として提起した。しかし、これだけじゃないということを重ねて強調しておきましょう。どうですか、通産大臣。
○中曽根国務大臣 実情をよく調査いたしまして、消費者本位の行政をとるように改革いたします。
○辻原委員 そんなありきたりな答弁をやっている間は私は承知しませんよ。私は事実を申し上げておる。しかしながら、あなた方も事実を調査されると言うのだから、事実を調査しなさい。調査の結果私が指摘したとおりであるならば、当然にやり方を変えますね。まずこのブランドを、この許可ナンバーを付したものについての責任、それから今後はこの種の製品に対しては必ず、その調査の結果がそのとおりであるなれば、当然製造元のメーカーの名前を入れることに行政指導を義務づけるということがお約束できますか。それと、第一に言いました、約束をしておる製造年月日を入れさせるということについて、これをおやりになるか、この点を明確にしておいていただきたい。
○中曽根国務大臣 電気用品取締規則等でいろいろな規制がある由であります。しかし、いまの製造元、販売元というような点については、いまお話しのとおり検討すべき問題があるように思いますので、改革をいたします。
○辻原委員 時間が少し経過してまいりましたので、私はこの問題は、いまの通産大臣のお答えによって、通産行政の今後を見守りましょう。 最後に、私は農林省に聞きたいと思います。これは別の問題であるが、最後に私が承りたいのは、森林の基本計画を農林省がつくられた。本日時間があればこれについていろいろ議論をしようと思ったのでありますが、今度の基本計画の中に自然保護をうたっておるのですね。ところが、はたしてそれが具体的に実行されておるかどうか、これも疑問なんです。その具体的事例を、私はもうすでに指摘を申し上げておるからお答えを願いましょう。 大塔山系の大杉中小屋谷、これは皆伐せられておりますね。国有自然林。それからいま大杉大小屋も皆伐の計画を進めておられる。しかし、ここは西日本有数の、植物学上、あらゆる観点からいってきわめて重要なところです。地域住民の運動もあります。学者の意見もあります。そういうことを押し切って、生産第一でこれを皆伐する。このもうすでに済んだところは、それはいま責任を追及するだけになりますが、さらに進めようとしている皆伐計画は、私は即刻取りやめるべしと思います。同時に、皆伐のために林道をつくっている。これは別に、時間がありませんからあとで尋ねますが、二億円をかけて林道をつくっておる。そうして皆伐を進めておる。きわめての美林、滝があり、渓谷があり、その中に林道の石を流し込んでいる。ただ生産を上げなければならぬ、国有林の赤字を埋めなければならぬ、そういうことの考えだけに終始しているという農林行政で、基本計画のああいうデスクプランをつくっただけで、どうして私は日本の自然が守れるか、疑問だと思う。お答えを願いたい。
○櫻内国務大臣 お尋ねの大塔山系地域の国有林は、面積約一千六百ヘクタールで、従来からの国有林でございます。その中の大塔山国有林という名称のものですね、これが面積約七百ヘクタールと、昭和二十八年以降保安林整備臨時措置法により買い入れた地域とに区分されるわけであります。 それで、この大塔山国有林については、保護林を設定する一方伐採を行なってきておりまして、本年度をもって樹種、林相の改良がおおむね完了する予定であるわけであります。 そこで、ただいま御指摘のとおりに、公益的な機能を考慮することもきわめて重要なことでございまするし、また学術的に貴重な森林であるということにもかんがみまして、伐区の縮小及び分散、保護樹帯の設置等に考慮する等、自然保護に十分配慮した施業を行なうことといたしまして、皆伐九三%は五六%へ落とします。それから伐採量は、四十八年八千立方メートルの計画を二千立方メートルに落とします。保護林二十町歩は二百十二町歩へふやすようにいたしまして、ただいま御指摘のような事態につきまして、これは私どもとしても十分注意をいたしてのこれからの対策をとってまいりたい、かように存ずる次第でございます。
○辻原委員 これは詳細なデータを私は持っておりますし、林野庁にも研究の全部のデータはあらかじめ渡しているはずなんです。時間がありませんから詳しい議論はいたしませんが、要するに、いまの説明を聞いても、皆伐の比率を落としただけにすぎないのです。皆伐の比率を落とした。しかし、かりに前の中小屋を切っても、いまの大小屋を切っても、収益的にどれだけ上がるか。すでに中小屋については二億円かけているのですよ。きょうは少しこまかく、バランスも聞こうと思ったんだが、それだけの金をかけて、二百ヘクタールといまの大小屋を切って、一体どれだけ収益的に上がるのです。私は、バランスがとれていないと思う。こんな国費の乱費、こんなやり方をやるから林野の赤字が出るのですよ。 しかも、動物学的、植物学的、自然保護の立場、あるいは治山治水からも重要な問題が起きているのです。これを切っちまって、皆伐やって、林道工事を山の中のこんな急傾斜のところをやっているものだから、それが鉄砲水の原因になって、下流住民がたいへんな迷惑をしているのですよ。それをしもなお皆伐をやめないというのだから、これは農林大臣、ここでこまかい議論の時間がなくなりましたが、あなたは所管大臣として責任をもってこれを調査しなさい。詳細なものを私は渡してあるはずなんです。調査をして、あなたはそれについて適切な措置をとりますか。私の主張は、皆伐を落とすというのじゃなしに、もう日本では数少ない自然林なんですよ。それをなお切ってしまっている。中小屋は全部終わりました。たまりかねて住民運動が起きましたから少し減らしました、こんなことで済みますか。こんなことでどうして日本の環境保護ができますか。こういうことです。
○櫻内国務大臣 この問題につきましては、私は以前にある人から、吉野国立公園一帯を歩いたときの実情の報告を受けまして、御指摘のような事態があってはいけないという注意を受けまして、私はこの職に勤務をいたすようになりましてからも、そういう事態があるという多少の認識は持っておったわけでございます。 そこで、辻原委員から御指摘がございまして、お話のとおりに、林野庁におきましても相当詳細に調査もいたしたようであります。で、私の答弁では不十分かと思いますが、一応の説明としては、広葉樹を針葉樹に植えかえておる、そうしてその広葉樹のほうを伐採したりしたようなことが問題になっておるのではないか。しかし、先ほど申し上げましたような今後の計画としては、一応あのような変更をいたす、こういう方針であるわけでございまするが、しかし、きわめて重要なことでございまするので、今後も細心の注意を払って、遺憾のないようにいたしたいと存じます。
○辻原委員 時間が経過いたしましたので、残余の問題については別の機会にいたしたいと思います。
○根本委員長 これにて辻原君の質疑は終了いたしました。 この際、阿部助哉君の保留分の質疑を許します。阿部助哉君。
○阿部(助)委員 大蔵大臣にお伺いしますが、一昨日要求いたしまして資料をいただいたのでありますけれども、この資料は、私の要求した資料とはこれは全然問題にならない。期間内で欠損したものは、それは損金として認める、それは当然であります。問題は、長期にわたって不確定な、まだ現実に欠損の出ていないものは幾らあるのか。そうして、皆さんは減税とはおっしゃらないようでありますが、もしそれなかりせば、当然納めなければならない税金、いわゆる私にいわせれば免税額、これが幾らになるのかというのが、私と並びに関連質問に立った辻原委員の要求だったわけでありますが、資料としてこんな程度では、これはたいへん不満足な資料だと思うのですが、どうしてそれが出なかったのですか。
○愛知国務大臣 まず、その問題にお答えする前に、よく御承知のとおり、企業会計のほうは企業の財政状態を明確に表示することを基本原理にしておりますから、長期金銭債権について相当確実に為替差損の発生が見込まれる場合には、決算日の為替相場によって換算表示することが本来妥当な会計処理である、こういうふうな基本的立場に立って、企業会計の基準のとり方を、審議会の意見に徴してやったわけでございます。 したがいまして、その当期における状況は資料においてはっきり申し上げることができますが、それ以外の点につきましては、昨日もお断わりいたしましたように、短時間で、あるいは性質上、これを的確に御満足のいくように資料を差し上げることは非常に困難であるということを申し上げましたので、とりあえず十九社の当期における数字を資料として提供したわけでございます。
○阿部(助)委員 この問題に時間をとりたくないのでありますけれども、この資料を見てはさっぱりわからぬのです。ただ、これは三菱の総合研究所の資料でありますけれども、これを見ますと、これだけ利益をあげておるだろうと思われる、また、たいへんいま問題の商品投機、また株だ土地だということで話題になっておるところの商社、この一、二の例をあげますと、三井物産はこの前申し上げましたが、丸紅は差損で、皆さんの資料で五十八億三千四百万円計上しております。そうして、この期では驚いたことに法人税等の税金の場合には、二億八千万円赤字になっておるのですね。これだけ問題になっておる商社が、赤字だということは一体どういうことなのです。あなた、国民感情はこれで許すと思うのですか。御答弁願いたい。
○愛知国務大臣 いま申しましたように、企業会計の問題といたしましては、審議会でも御案内のように、たとえば一案、二案、三案というようないろいろの考え方があって、本来企業会計を明確にしなければならないということで、たとえば外貨建ての長期債権の評価をいかにすべきであるかということについては、経過的にも審議会においていろいろの意見がございましたが、ものによりましては企業側の選択にまかせて企業会計をさせた場合があり、そして、それが妥当と認められたやり方であるものは、国税庁長官通達で税法上損金に算入したというものもございます。また長期の外貨建ての債権の評価ということになれば、すでにその期以前に評価しておったものに対して徴税されているものについては、そのときにもう済んでいるわけでございます。そういう関係で、予想しない為替の変動というようなことが起こりました場合に、その債権をどういう方法で評価させるかという会計処理方法についての考え方がございまして、それを基準にした。 そこで、この会計の処理の基準から申しますれば、それに従って税金を取るということが、その関係からいえば当然な処置であって、特に何らかの意図をもってこれを減税するというようなことは行なったわけでございませんので、減税という普通のことばとはこれは当たらない、こういうことを昨日も御説明いたしたわけでございます。要するに企業会計の処理の問題とそれから税金の問題と、こういうふうに、何と申しますか、二つの次元の異なった問題であるが、それとの間の関連をどういうふうに考えているかというお尋ねが一つと、それから何といいましても外貨建て債権を非常に多く持っている会社としては、その会社の経理上、その一期に多額の評価損を出すほうがいいか、あるいはこれをある程度長期に為替損を処理したほうがいいか、これは為替益の場合でも同様と思いますけれども、そういうことをやはり考えていかなければならないというのが当時の政府の考え方であった、こういうふうに私は承知いたしております。
○阿部(助)委員 皆さんいろいろおっしゃるけれども、全く各企業ごとにかって気ままな計算の方法を許したのですね。これは日本銀行の統計局の発表ですが、この文章を読んでもなかなかこれはわかりにくい。ちょっと読んでみます。「外貨建て債権債務の換算を行なうにあたり、為替差益が生じる企業についてはこれを取得日レートで換算し、差益を表面化しないものが大多数で、一方、差損発生の企業にあっては決算日レートによって換算を行ない差損を計上する、ないしは新レートでの換算を行なわないまでも該当金額を利益から留保し、為替変動準備金等に積増す等の措置をとるものが大部分である。」こう発表しておるのです。これをわかりやすく申しますと、皆さんはこの通達で三つの方法を指導しておる。私は一昨日は、特に変動期における商社の問題に焦点を合わせてお伺いをしたわけでありますが、皆さんが粉飾決算になるからこうだとか、あるいは会計処理上こうだと言うならば、私はその三つの問題をあげてお伺いをしたい。 まず、為替の長期債務を持っておりまして、たいへん大きな為替の差益が出る。例をあげれば、鉄鋼、石油であります。これは私の計算でおおむね二百億見当ずつの差益が出ておるはずであります。それはいままでの三百六十円レートで換算してもよろしい。したがって、差益は全然出ないから税金は免れるということになっておる。これが第一の方法であります。そうして今度は、一昨日来申し上げましたようにたいへんよけいもうかって、円騰貴で利益をあげた。そうしてこのままでいけばたいへん大きな税金が取られる。この税金をまけてやるためには第二の方法、これを活用したのが商社であります。もう一つある。今度は長期債権を持っておって大きな決損が出るだろう。そうすれば配当ができなくなる。これに対しては第三の方法を認められた。この代表的な例が造船であります。だから、造船は当時、このままいけばわれわれは政府に化けて出るなんていう新聞記事が多々出るほど造船会社は騒ぎ立てた。しかし、結果においてはちゃんと皆さんの指導でうまいことをやって、配当はきっちりこれはおやりになっておるという芸当をやってのけたわけであります。 どうなんです。課税対象は一つ、真実は一つなんです。それに対して三通りものやり方を、それぞれの企業がかってにやってもいいなんていう帳面のつけ方を皆さんが許せば、企業会計上はとにかくとしても、税法上は税金が全く取れないということになってくる。いまこの三月十五日を控えまして、中小企業の方々は重箱のすみをほじくられるような形で、この税金問題で苦しんでおるときに、これだけ投機をやっておる商社に、皆さんがこういう一片の通達で税金をまけてやる、こんなものは国民感情で許されるとあなたは思うのですか、どうなんです。
○愛知国務大臣 いまも御指摘がございましたように、長期の金銭債権、債務の扱い方としては、換算がえの処理方法として三つの方法が考えられて、これが審議会から提案されたということは御承知のとおりでございます。これは取得時または発生時の為替相場によって換算する方法、それから決算日の為替相場によって換算する方法、このいずれをとりましてもよろしいということは、企業会計として公認されたところでございます。そしてこの企業会計の処理のしかたを国税庁としても検討いたしまして、昨日申し上げました、他によるべき基準のない場合におきまして、法人税法第二十二条の、一般的に公正妥当な取り扱いということの基準として適当と認めて、国税庁長官の通達にいたしたわけでございます。 なお、個々の業種別等の結果においての扱い方については、事務当局から御説明申し上げます。
○阿部(助)委員 だから企業会計でおやりになっても、企業会計には企業会計の原則がある。いわゆる保守主義の原則と、こう言う。これと、税法の原則は別であるということが第一点。もう一つは、同じ課税対象に三通りもの方法を与えるなどということは、税法を全く踏みにじるということ、これが一点であります。もう一つは、こういうことをおやりになり、皆さんは二十二条の四項を公正妥当と言うけれども、当時の円投機に対して国民の世論はまさに非難ごうごうたるものがあった。しかも、日本には変動制という前例は全くない。外国にはあるけれども、外国の例は、その期で発生したものは損金で落とすけれども、将来のものに対しては、これは不確定要素であるから、その期、その期に別々に、その期が来たときに損金で落とすというのが国際的に行なわれておる慣行であります。全く前例のないことを通達はやってのけたんであります。公正妥当とおっしゃるけれども、皆さん、この当時の審議会のメンバーごらんなさい。私は読み上げませんけれども、皆さんおなじみの学者と皆さんの役人、主税局長、国税庁長官、大蔵省証券局長、そして財界の人たち。国民世論のごうごうたる非難の中で、せめて政府はちゃんとこれに税金ぐらいは取るだろうという国民の期待を裏切って、この一握りの人たちが話し合いをした、それが即公正妥当だなどという議論は、これは何としても成り立たないと思う。 そこで、これは政治的な判断をされる最高責任者であります田中総理に、これがまともなやり方であるかどうか。私は決してそうではないと思うのですが、私は、これは最高責任者の総理大臣から御所見をお伺いしたいと思います。
○田中内閣総理大臣 御指摘をされた事案に対しては、私もよく理解できるのでございますが、会計処理の方法として三つも置くのは悪いんだということであれば、これはまた将来の問題として専門的に検討すればいいと思う。 税の問題に対しては二つあるわけです。これから五年の長期延べ払いがきまったときには、これはどういう計上方法をしているのかというと、これは五年間で入ってくるものであっても、三百六十円のときは三百六十円で計算をして一括計上させるわけでありますから、もうかっておるときにはそのまま五年間やっていくが、相手が倒産したり取れなくなった場合は、その年度でまた欠損に起こせばいいのであって、五年間でもって長期延べ払いがきまったときには、もうすでに一括計上して課税対象にしているわけであります。 今度はレートが変わったわけでありますから、一括計上してもいい。今度一括計上したわけでありますが、あなたはそうではなく、レートの差額を一括計上したために課税対象額が少なくなったということに対して、これはやはり年次でもって落とすべきであるというものを一括計上したのは、利益供与じゃないかということを言っているわけですが、これは会計上のやり方をそういうふうにすることができる、こうなっておるところにまあ問題があるといえば、これは確かにあると思うんです。あると思うんですが、現在、審議会の決定を経て、これは長期延べ払いでいまだ現金は入ってこなくとも、税法上は一括計上で課税対象にしておるんだから、今度の場合もその年度で一括整理をしてもよろしい、こういうふうな意見があったので、それで国税庁が通達を出して処理をした。 ですから、これはまあ税の専門家の問題として、結局ほかのいろんな法律上の問題があるもんですから、やっぱりその恩典を受けるためには、自由裁量で納税義務者がどの道を選んでもいいですよ、こういうふうに分けているんだと思います。思いますけれども、やっぱり明確にするには、明確にすることが必要であれば、両方とも一括計上すべきであるというふうにするか、もしくは収入年度において分割して整理をすべしということで三つを一つにすればこの議論は起こってこないわけです。ですからやはり税の問題として……(「外国並みにやればいいんだよ」と呼ぶ者あり)だからそれは外国でどうあっても、日本でいまそういう制度がとられておるという現実から起こってきた問題ですから、だから将来の問題としては、この自由選択の三つの道を一つにするかどっちかで解決をしないと、この問題は、今度円平価が切り下げられるような場合にも同じ問題が起こるわけですから、これは将来の問題としては、十分納得ができるような制度にすべきだと思います。
○阿部(助)委員 私もいま問題にしておりますのは、これはこの前の変動制のときのことをあげておるわけでありますが、いままた変動制になっておる。そうするとまたこういう問題が起きる。そこで、課税対象が三つもあるなんということは税法上許されない、そういう点で一本化するということがいま総理のおっしゃった一つ。 もう一つは、この問題を明確化するとこうおっしゃっておる。皆さんはいかに公正妥当だと判断されようと、それは皆さんが判断したかもわからぬ、この審議会の方々が判断されたかもわからぬけれども、こんなものは租税法律主義で国会で審議をする。そうしてこのことは、日本の憲法があるとかないとかというより先に、私は歴史的な、人類の血を流してかちとった原則だと思うんです。国民から税金を取るということは、法律によらざれば取れないという原則は、イギリスの革命、フランス革命をひもとくまでもなく、これは人類が血を流してかちとったたいへん重大な政治の原則だと私は思う。その原則を、あえて一官僚が通達ごときものでやるということに、私は一番大きな腹立ちを感ずるわけです。いま総理がおっしゃったように明確にするというならば、国会に出して国会審議、国会の議決を経ておやりになるということが当然のことだと私は思う。大蔵大臣どうです。
○愛知国務大臣 企業経理の問題については三つなり二つの方法があって、これは場合によれば会社の任意の選択にまかせてもしかるべき問題でなかろうかと思いますが、要するに税の問題について、通牒がけしからぬ、こういうお話でございます。で、これについてはよるべき他の方法がございませんでしたから、そこで、こうこういうものがあるから、それを国税庁としては検討いたしまして、これが二十数年も続いて、為替の変動というようなことがなかった場合、こういうふうな企業経理のやり方を尊重といいますか、取り上げて、これで処理をしたというのが実情でございます。それらの点につきましては、今後の問題あるいは現状にかんがみまして、御意見もございましたから、十分ひとつ専門的に検討することにさせていただきたいと思います。 なお、企業会計審議会がこの徴税の方法を決定したのではなくて、国税庁として決定したものであるということは、御理解いただきたいと思います。
○阿部(助)委員 私は何も企業会計審議会がきめた、こう言っていない。しかし、そんなものが出したものを一役人が、この税の問題を処理するというところに問題がある。国会でそれは議決を経るべきものだ、こう言っておるのです。 ただ、あなたは、当時緊急でほかによるべきものがなかった、こうおっしゃるけれども、それには私は不満がありますよ。不満があるけれども、それならばとりあえず今度、目下国会開会中であります。当然これは法律事項としてお出しになって、国会審議を経た上でおやりになる、これが前向きの姿勢だと思うのです。あなたはそういうことをおっしゃっておるのでしょう。総理が一本化するという、これは当然法案を出しておやりになる、こういうことですね。
○愛知国務大臣 ただいま申しましたように、いろいろの関連も十分考えまして、前向きに検討いたしたいと思います。
○阿部(助)委員 どうもそこが明確でない。これは税の問題です。ほかの問題じゃないのです。税の問題は、先ほど申し上げましたように、これは歴史的に見ても、また国会審議の中でも最重要た問題なのです。税金をかってに役所の判断だけで取ったりまけたりするなどということは、これは許されないのです。ただ私は、皆さんは緊急だった、日本ではよるべき変動制という前例がなかった、こう言っておるから、私はその点は、ほんとうは前もってさかのぼって法律をつくって税金か取れとまで言いたいのだけれども、そこまで私は追及していないのです。ただこれは、国会開会中だから、急いで国会にこの法案を提出されて、そして、国会が認めるならばこれはやむを得ないでしょう。しかし、いまのような形で役人の一片の通達でやるということはいかぬということ、これが一点。 もう一つは、もう差し迫っていま三月期の決算であります。聞くところによると、これは新聞の発表しておるところでありますけれども、このままでいけば、また三井物産であるとか三菱商事ですか、これはおおむね二百億の利益が出てくる。しかも、それをまた百五十億ばかりずつ損金に落とすということによって税金を免れようとしておるという報道がなされておるわけであります。今日これだけの買い占めだ投機だと、いろいろ皆さんも、総理以下苦心をされておるところなんです。そういうときに、この一番元凶だと思われるこういう商社にまた恩典を与えるということは、これは国民感情が許さない。昨日も物価メーデーということで、あれだけ物価問題でいま不満を述べているこの国民世論、これに背を向けて、一握りのこの人たちの決定を、そのまま一役人が通達で税金をまけてやるなどということは、何としてもこれは許されないし、それで私たち国会議員の職責を果たすことができますか。私は、野党だけじゃなしに与党の方々も、こういう問題、これは黙っておるはずがないと思うのであります。国会無視もはなはだしいと私は言いたいところなのであります。 そういう点で大臣、ただ検討しますなどということでは私は引き下がるわけにはまいらぬのでありまして、これは税法としてきちんと出す。もう一つは、この三月期の決算、これに対して明確な、国会の決定に従って処理をするということでなければならないと思うのですが、そこをもう一ぺん確認を、重大でありますから、総理からお伺いしたいと思います。
○田中内閣総理大臣 おっしゃることは非常によくわかりますし、租税法定主義を貫かなければならないということも異論のないところでございます。 しかし、税は、徴税の段階になりますと非常にむずかしいものもあります。通則法によって国税庁長官の徴税が円滑、合理的に行なわれるような面もございますし、特別措置法をとる方法もあるわけですが、今度は二つの面がありまして、一つは、長期的な債権が発生したときには、一括計上して課税をしておるという問題ではなく、今度は、これから将来返ってくるときに、その期ごとに欠損に落とせば、四十六年の下期の決算などはもっと課税対象額が多かったではないかということが問題になっているわけですから、だから、これは今度逆の面から見ますと、三年払いの手形で売ったという場合は、三年にわたって金が入ってくるわけですから、これはやはり一括計上を認めないという原則が確立をすれば、手形の三年分も三期にわたって計上すればいいというわけであります。まあ国税庁は、いままでは債権が発生すると、経済的不安があっても、現に債権が発生したのだから税は取ってしまう、こういうことにウエートを置いておったわけですが、今度初めて一括計上を認めたというところに問題が提起されているわけですから、やはりこれは両建ての問題でございまして、一括計上ではなく、今度円が切り上がった場合に、差額をやる場合には、また切り下がった場合や長期的な契約の場合も、その期でもって分けるというふうに明確にやらなければならぬと思うのです。これは、そうでなければ国民の利益を守れないということでありますので、これは根本的な税法執行上の問題でありますので、ひとつ専門的に、大蔵委員会もございますし、もちろん政府自体も検討いたします。いたしますが、専門的に、政府もこういう問題として、いますぐ、三月期の決算にぶつかっているわけですから、そういう問題に対して統一的な、こういう方法とこういう方法がございますということを、国会に御提示できるような勉強をいたします。
○根本委員長 阿部君に申し上げます。あなたの持ち時間はすでにだいぶ経過しております。すみやかに結論を出してください。
○阿部(助)委員 私は、いま総理が検討されると言う。しかもいま三月期です。しかし、この決算書を出すまでには三カ月余裕があります。そういう点で、早急に法律を御提出願うというものを確認をしたいと思います。 この問題はいろいろあります。私は商社の問題だけに焦点を合わせましたけれども、これを認めれば今度は反対に、先ほど申し上げたように長期債務を持っているところはたいへんな利益が出ておるということになるのです、ほんとうを言えば。それは今度また別な方法で免除するということになっておりますので、これは矛盾撞着はなはだしいものをやってのけた、こういうことでありますから、私は法律を提案されるということを了承いたしまして、私の質問を終わります。
○根本委員長 これにて阿部君の質疑は終了いたしました。 午後一時三十分より再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後零時四十九分休憩 ————◇————— 午後一時三十五分開議
○根本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。 明十三日の委員会に・東証正会員協会会長安部志雄君及び日本住宅公団総裁南部哲也君の出席を求め、意見を徴したいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○根本委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 ————◇—————
○根本委員長 質疑を続行いたします。荒木宏君。
○荒木(宏)委員 荒木でございます。日本共産党・革新共同を代表いたしまして、総理並びに関係大臣にお尋ねをいたします。 その前に、この際、私の立場をはっきりと申し上げておきますが、四十八年度予算は、円対策と物価対策、これを柱にして福祉志向型の予算である、こうあなた方は説明をしてこられました。しかし、この一月の中旬にこの予算が閣議決定されたあとの事態、ドルの不安から為替市場が閉鎖になり、ドルの切り下げ、そして変動相場制に移行し、実質的には大幅な円の切り上げになりました。それだけじゃありません。さらにドルの不安はますます大きくなり、ヨーロッパ通貨に対する投機から再び市場が閉鎖され、いまだに再開のめどさえついておりません。そして、その中で、いま大幅な円の再切り上げは必至だといわれる状態です。土地や株式に対する大商社の投機に始まった商品投機は、生糸、大豆、そして豚肉からガーゼ、セメント、ますます荒れ狂っています。この予算の前提となる事実、この予算の基礎となった事態、これはまさに一変したと言わなければなりません。 総理、いかがでしょうか。ことしの一月にあなたがこの予算をおきめになったときに、この予算委員会の審議の途中で、一度ならず二度までも円の問題で集中的に論議をしなければならぬ、こういう事態をはたして予想されましたでしょうか。大蔵大臣はいかがです。この予算審議の途中で二度も外国為替市場を閉鎖し、いまだにその再開のめどさえ立たない、こういった事態をはたしてお見通しになっておったのでしょうか。このあなた方のとられた路線からつくるこういった事態の急変についての責任問題、これはこの予算委員会の審議を通して、わが党をはじめとしてそれぞれの委員から一貫して指摘されたところであります。いまこそ、このアメリカに追随した大資本奉仕の国民生活を無視するようなこういった政治をやめて、ほんとうに国民生活を向上させるようなその政治に切りかえること、このことを国民は求めています。 だからこそ、このたびわが党をはじめとする野党四党の一致によって予算を再検討し、そして編成がえをするようにという申し入れの運びになりました。この深刻な通貨危機と、そして進行しつつある悪性インフレ、そして大資本による横暴きわまる商品投機、このような事態のもとでこの予算を実行すれば、国民の生活や営業は甚大な被害を受けます。そこで、さきに申し入れをいたしましたこの四党一致した申し入れについて、この予算の総括審議の終わるまでに、総理から誠意のある御回答をいただきたい。このことを申し上げておいて、私は、国民の皆さんの要求の立場に立ってお尋ねをしたいと思います。 まず第一にお聞きしたいのは、いま深刻な国際通貨危機の問題、ドル不安の問題は、アメリカの海外軍事支出、海外援助に政府援助、そしてまた政府資本と民間資本の海外流出、これが大きな原因じゃないでしょうか。これこそがいま最も取りざたされておる円問題、ドル不安の大きな原因ではないのでしょうか。このことをひとつお尋ねをしたいと思います。
○愛知国務大臣 ドル不安の原因は、いろいろ考えられるところであり、いろいろの議論があるところでありますが、一口に言えば、ドルの信認が、ベトナム戦争も済みましたが、期待どおりにはなかなか回復しないということに根本の原因がある。したがって、その点については関係国も、もちろん日本はそうでございますが、非常な関心を深くし、またアメリカに対して要請すべきことは要請すると同時に、それぞれの国におきましても、国際通貨の基準通貨であるドルというものを信認が回復できるようにできるだけの協力をしなければ、われわれ自身のためにもこれは好ましいことでない、こういう態度をとっておりますことはあらためて申し上げるまでもないところでございます。
○荒木(宏)委員 総理、この問題はひとつはっきりさせようじゃありませんか。もう予算の審議も締めくくり総括の段階になって、いまこの円の問題で何が一番根本原因か、これはもうわが国だけでなく国際的に問われています。これをひとつはっきりさせようじゃありませんか。アメリカの海外軍事支出、一九六〇年から七一年まで四百五十一億二千八百万ドルになっていますよ。アメリカの海外援助と軍事援助と政府援助、一九六〇年から七一年まで全部合計して四百七十一億八千六百万ドルになっているじゃありませんか。民間資本の海外流出と政府資本の海外流出、これは幾らですか。実に何と七百三十六億二千八百万ドルじゃありませんか。いま国際的に六百億ドルとか八百億ドルとかいわれていますよ、ドルの残高が。それをはるかにこえる海外軍事支出、海外経済援助に軍事援助、これは無償ですよ。政府資本に民間資本の流出、これがその大きな原因だというふうにあなたお考えになりませんか。一国の政治の最高責任者として、いまみんなが注目しているこの問題について、ひとつ正面切ってはっきりとお答えいただきたい。
○田中内閣総理大臣 大蔵大臣から述べられたとおり、アメリカの経済がうまくいっておらないということも一つあります。それからもう一つは、海外にドルが流出をしておる、多国籍企業の問題、その他そういうものに付随をして、二次戦以後、ドルを中心にして世界の経済が運営されてきた、そして軍事、経済両面における支出が非常に大きかったということも一つの問題でありましょう。 しかしこれは、ただその面からだけは述べられないのであって、一次戦から二次戦までの間にはアメリカはほかの国から全く孤立をしたような、一面いわれるアメリカ・モンローというように、孤立をしておったために、アメリカには世界の金保有量の七〇%近くも集まったわけです。集まったかわりに国際的には非常に流動性が欠け、戦争が起こったというような歴史的な事実もあるわけでございます。そして、ついにアメリカはその戦争の終息のためにみずから参戦をしなければならなかった。そういう歴史的事実の上に、今日まで四半世紀の歴史が積み重ねられております。そして、世界の貿易を拡大しなければ平和ももたらすことはできないんだというような状態において、キーカレンシーとしてのドルの価値が、ドルの存在がずっとあったわけであります。しかし二十年もたつと、いかに持てるアメリカでも、世界の七〇%保有の金は国外にみな流出をいたしましたし、だから、ちょうど十年前、ドルをお互いが努力をして、キーカレンシーに戻すような努力をするか、もしくはドルにかわる基軸通貨をお互いの協力によって編み出すか、どっちかを考えてくれ、こう切り札が出されたわけであります。そのときにできたのがSDRの制度であります。 ですから、今度もそのドルだけを強化するということが必要であるならば、アメリカももちろん努力をしなければならないことは当然であるが、やっぱり世界の拡大均衡というものを守っていくためには、黒字国や、黒字国のみではなく、影響を受ける他の国々もみな協力をして、縮小均衡の方向に進まないように、そういうもとで、通貨の安定としかも流動性を確保しながらの安定をはかろうといわれておるのが現在の状態であります。 ですから、アメリカだけにすべてのものを負わせるということだけではこの問題は解決しないわけでありますし、おとといも申し上げましたが、アメリカは、自分だけにやらせるというなら、門戸を閉じれば解決できない問題ではないのだが、それでは新しい世界全体の問題として、そのような道を選ぶべきではない、こう言われておるのでありますから、何もかにもみんなアメリカが悪いのだというような状態でだけでは、この問題を律し得ないということであります。
○荒木(宏)委員 いま総理は、この問題の解決の入り口にちょうど立たれたのですよ。あなたがいまお触れになった多国籍企業の問題、これはあるでしょう。また民間貿易の問題、これもありましようね。同時に、海外軍事支出、軍事援助の問題、これもあなたお触れになった。そこで私は、あなたがいま表面的にお述べになったこの三つのこと、過去四半世紀の中でこの三つのうちのどれが一体ほんとうに今回の原因なのか、そのことを事実に基づいて明らかにし、お考えを伺いたいと思うのです。 いいですか、御承知のように、民間貿易はアメリカはこの間まで黒字ですよ。赤字の原因とするのに、ついこの間まで黒字であった項目を取り上げて、これが原因だ、これでは通らぬでしょう。事実がはっきりと証明している。いま多国籍企業の問題もおっしゃった。海外民間投資、これもいいでしょう。しかしあなた、この十年間の統計によりますと年々三十五億ドルの黒字ですよ。だって金をつぎ込んでは収益を吸い上げているのですから。一番はっきりしているのは、この十年間に毎年々々五十二億ドルもの赤字を出してきた海外軍事援助とそして経済援助、これこそがいまのアメリカの、あなたがお触れになった三つのうちの一番大きな原因じゃありませんか。アメリカがアジアへ来てやったこと、それはもう総理自身が一番よく御存じでしょう。ベトナムに基地を置き、台湾に基地を置き、韓国に基地を置き、アメリカの兵隊を送り、そこでどんどん侵略とともにドルのたれ流しをしたじゃありませんか。ヨーロッパに三十万の軍隊を置いて基地を維持して、侵略政策とともにドルのたれ流しをしているじゃないですか。私が指摘しておるのはその点なんですよ。この数字自体が、あなたがお述べになった三つのうちのどれが一番重要な原因かということをはっきりと証明している。いかがですか、総理。
○田中内閣総理大臣 それも一つの原因だろうと思いますが、あなたが言うほど割り切って、それだからドルの価値が落ちたのだとはとても言えないわけであります。それは、アメリカのドルを中心にして、日本が二十九年から三十九年までの十年間に、国際機関やその他アメリカでもって起債を行なって、今日の日本の経済力、国際競争力をつけたわけでございます。つき過ぎて少しドルに対して圧力が生じたということもあるのであって、方程式がありませんから、あなたが言うように簡単にドル価値の下落が、海外に対する軍事支出だけがその大宗をなすものであるというふうに、にわかに判断はできません。
○荒木(宏)委員 総理、この問答はひとつ国民の皆さんにはっきり聞いていただきましょうよ。この問題について、アメリカ自身がどう言っていますか。ニクソン大統領の諮問機関であるウイリアムズ委員会は、御承知のように七〇年代のアメリカの海外経済政策の見通しについて答申をしましたね。この中で、いまのアメリカのドル不安の原因については一体どう言っていますか、軍事支出との関係で。それをひとつはっきりと伺いたい。いかがですか。
○田中内閣総理大臣 アメリカの中において、アメリカのドル不足やドル価値の維持ということをはかるためには、各国の協力を必要とする。それは、このようにドルが不安になってきた一つの原因としては、われわれの世界に対する経済援助、軍事援助、平和維持のために貢献してきた結果もあるのだから、協力を要請をする。お互いが協力をしてもらわなければ、やはり自衛上アメリカがみずからやる以外にないんだ。それは、先ほど端的に申し述べましたが、門戸を閉じるということになる。それは域内経済に閉じ込もるということになり、それは言うまでもなく拡大均衡から縮小均衡へと、一次大戦から二次大戦の間に起こったような状態を意味するわけでありますから、そのような方策はアメリカもとれるわけはないし、お互いが努力をしてキーカレンシーとしてのドルの価値の維持をしようじゃないかという、あなたがいま述べられたことと軌を一にするかどうかはあれですが、いずれにしてもそういう方向で、アメリカの中にも論争があるということを承知いたしております。おりますが、それだけによってできたものであるというような判断をにわかにできるものではない。これはやはり立場がありますし、私たちもドルというものを前提にして今日の日本の経済繁栄がもたらされてきたのであるし、持てる国アメリカが、世界の平和の維持のために経済協力を低開発国に行なったように、日本がそういう状態になったじゃありませんか。日本自体に対しては無償援助を行なわなければならない、こういうことを皆さんからも要請を受けておるわけでありますし、あなた方も発言をされておるわけでありますから、そういうもろもろの事情を見るときに、あなた方のようにそういう立場で端的に割り切る、そして評価をするというようなわけにはまいりません。これがすなおな政府の見解です。
○荒木(宏)委員 私は、先日から二、三度総理にここでお尋ねをする機会を得ましたが、この質問のときの手法というのが大体わかってきましたね。まず第一に、私はこれだけが唯一の原因だとは言っていませんよ、この質問の初めからいままで。ほかにも原因はあるでしょうと、はっきり述べましたよ。しかし、この問題は決してあなたがおっしゃるほど簡単な、表面的な、ことばの上だけでごまかして済むような問題ではないのですよということを申し上げているんです。それをあなたは、そのことだけだというふうに単純には割り切れないと言ってすりかえようとなさる。 もう一つありますよ、あなたのいつもおとりになる手法が。そういう結果もあるとウイリアムズ委員会では言っている。「も」とおっしゃっている。そうじゃないんですよ。そういう結果があるというんです。「も」と「が」とただ一字ですが、これはたいへんな違いです。アメリカの国際収支が全体として赤字になっている。総理、よろしいですか、原因は、政府取引であり、このおもな内容は、一九七〇年においては四十八億ドルの海外軍事支出と三十五億ドルの海外援助の二つであった。どうです、アメリカの大統領の諮問委員会が答申の中ではっきりいっているじゃありませんか。私はこのことについてのアメリカの認識をいまとやかく、それだけを言っているんじゃありませんよ。 自民党・内閣がすでにこの問題については否定しきれずに、その関係をお認めになっている。四十六年度の世界経済白書で、先ほど私が言いました貿易収支は最近まで黒字であった、そして貿易外収支、移転収支の中で海外軍事援助、この軍事支出と政府援助が年々五十二億ドルもの赤字になっている、このことがアメリカの国際収支の赤字の原因なんだと、こういっておられるんですよ。アメリカ自身が委員会の答申の中で認め、あなた方自身も閣議決定をした経済白書の中で認めておられる。どうです。この問題を抜きにしては円問題の解決はないんじゃありませんか。 しかも申し上げたいのは、このアメリカの傾向は一体どうなっていますか。七三年度の予算と七四年度の予算を見ますと、海外支出の面では四十五億ドルから四十八億ドルにふえているんですよ。国防費は、御案内のように七百六十四億ドルから八百十億ドルになっていますよ。しかもあなた、八百億ドルをこえたのは四年ぶりじゃありませんか。これは一月二十九日の発表ですから、ベトナム和平協定調印のしかも後ですよ。 そこで総理、私があなたに伺いたいのは、こういう原因がはっきりわかり、しかもその傾向がますます助長されようとしておるときに、あなた方の態度はどうです。昨年九月にハワイへいらっしゃった。日米共同声明で、そのドルのたれ流しをやっておるアメリカと今後も緊密な関係を続けて、日米安保条約は堅持する、日米経済協力は進めていく、円滑かつ効果的な遂行をはかる、こうおっしゃっている。これほど円の問題が大きな問題になっているときに、ドルのたれ流しをやっておるところと協力をし、これを進めていくとは一体何事ですか。このことについて、ひとつあなたのはっきりしたお考えを伺いたい。
○田中内閣総理大臣 過去も現在も将来も日米間は緊密な連絡をとり、友好関係を続けてまいりたい、これはもう基本的に変わっておりません。
○荒木(宏)委員 私は、いまのお答えを聞いて、ことばが適当かどうかわかりませんが、はっきりあなたのお考えの正体が見えた。どうですか、もとが、水道管の本管が破裂してどんどんドルをたれ流しておるのに、やれ通貨調整であるとか、多国間調整であるとか、水道のカランのネジをひねるようなことをやって、一体それが解決になるのですか。もうこの何年来にはっきり証明されたじゃありませんか。何回も何回も通貨不安が起こる。そのつど寄っては思案投げ首です〇十六日に会議があるでしょう。大蔵大臣は今度はお出かけにならぬようですけれども、しかしこの問題にしたって、一番根本である基軸通貨を持っておるというアメリカのドルたれ流し、戦争と侵略のもとでのドルのたれ流し政策には何にも手をつけないじゃありませんか。それをそのままにしておいて、しかもアメリカ自身がまだそれを助長するという予算を発表し、政策を進めておる。そんなときに、そこと協力するのが政策でありますというようなこと、国民は許しませんよ、これは。 いま、あなたの前には二つの道があります。このアメリカとの関係はきっぱりと、自主対等の立場で、そういうたれ流し政策の追随をやめる道、わが党が一貫して主張し、国民が求めているその道と、あなた方がいままでおとりになってきたアメリカに追随をし、そしてみずからの通貨不安の問題を解決せずに、そのことを黒字国の責任だといって押しつけようとする通貨の面での力の政策、それに追随しようとするその道との二つがありますよ。後者はもうはっきり破綻しているんじゃありませんか。たび重なる市場の閉鎖、そしていつ終わるかわからないフロート、輸出関連業者のたいへんな打撃。どうです総理、この二つの道のわが党が主張して国民が求めておるその道を、はっきりととるという気持ちはありませんか、重ねて伺います。
○田中内閣総理大臣 あなたの主張はよく理解できますが、国民が全部認めておるかどうかわかりません。それは日本はアメリカに追従なんかしていませんよ。追従していると考えているところが間違いなんです。追従なんかしていません。日本は国益を守るために主張すべきは主張しております。今日ドル価値を維持するということが国益を守るゆえんであるという考え方に立っているんです。日本だけじゃないじゃありませんか。ヨーロッパにおいて、イギリスでも、フランスでも、イタリアでも、オランダでも、西ドイツでも、全部、ドル価値の維持のためには、みずからの平価を切り上げたり、毎日毎日大蔵大臣会議をやっておるじゃありませんか。 これはなぜかというたら、これは現在の世界の情勢において、拡大均衡から縮小均衡への道を選ばず、新ラウンドを進めていって、南北問題を解決して、ほんとうに人類の永久の平和を守るためには、キーカレンシーとしてのドル価値を維持するためにはお互いが努力をしなければならないんです。アメリカだけを責めることによってその効果をあげることはできないという現実の前に、お互いが毎日鳩首協議しておるんじゃありませんか。日本だけがドル価値の維持のために努力をしろと言っておるんじゃありません。それは現実的に、ドルを切り下げれば日本の国内にも影響が及びます。及びますけれども……(「またすりかえしておる」と呼ぶ者あり)すりかえじゃありません。アメリカが全部ストップをしたらどうなりますか。一〇%の切り下げやフロートにいった程度の日本の経済混乱で済むわけありませんじゃないですか。そういう事実を全然おわかりにならないで言っているわけはないでしょう。一〇%の切り下げやフロートにいっただけで中小企業がどのくらい影響を受けておるか。アメリカが、先ほど言ったように、一次大戦から二次大戦の間のように、ほんとうにみずからの努力だけでもってドル価値を維持しますという政策に踏み切ったと仮定をした場合、一体どうなりますか。それはやはり、お互いが協力によって組合を育てるとか、企業全体に対して共同責任を負うとかというような連帯的なものの考え方や政策を遂行せずして、私は、国際的に新しい平和をもたらす道はない、こう思っているんです。ですから、日本が何もドルのためにアメリカ追従する、そんなことは全然やっていません。はっきり申し上げます。
○荒木(宏)委員 いまの総理の答弁で、私はもう少しはっきりしてきた面があると思いますよ。あなたはいま、それじゃアメリカがもしもはっきりと日本に言ってきたらどうなるか、こうおっしゃった。ウイリアムズ委員会で言っていますよ、もし日本が言うことを聞かなければ課徴金の問題を考えようと。それに関連するような、それこそあなたが先ほどお述べになったようなことを委員会の中で指摘していますよ。これは話し合いですか。相談ですか。脅迫じゃありませんか、これは。だってそうでしょうが。アメリカがいまこれだけドルをたれ流してきたのは、われわれが頼んだのですか。日本の国民が、アメリカの軍隊は世界へ回ってくれ、そういうことを頼みましたか。アメリカ自身の責任じゃありませんか。そのことについて、ウイリアムズ委員会からこういうことを言われ、しかもそのこと自身あなたが脅迫と感じないほど従属性に染まっている。 どこに日本がアメリカに従属しているか、こうおっしゃいましたが、いま、ミッドウェーの横須賀母港化の問題、国内からのアメリカの武器弾薬の搬出の問題、この問題について東中委員から関連質問に立っていただいて、ほんとうに従属しているそのことを、事実ではっきりさせましょうよ。 私は、そこへ行き着く前に一言申し上げておきたいが、国民が私が言ったようなことを支持していないという趣旨のことをあなたはおっしゃった。昨年の総選挙、どうですか。投票のときに自民党は過半数割ったじゃありませんか。その後はかき集めしましたよ、どういう人たちか知らないけれども。投票のときには得票率は過半数を割りましたよ。わが党をはじめ、社会党、公明党、民社党、四党で一緒に提案をしておる今度の予算の撤回、そして編成がえ、これを支持した国民のほうがはるかに多かったんですよ。 いま従属の問題について東中委員のほうから質問がありますから、お許しいただきたい。
○根本委員長 東中光雄君より関連質疑の申し出があります。荒木君の持ち時間の範囲内でこれを許します。東中君。
○東中委員 日米安保条約による在日米軍基地の再編強化の問題についてお聞きしたいと思います。 外務大臣は、先月三日の当委員会における私の質問に、基地の整理計画は在来の施設、区域を整理集約するものであるが、強化ではない、こういうふうに述べておられます。なるほど若干の施設、区域は確かに返還になっています。しかし、返還になった大部分は自衛隊が引き続いて使用して、在日米軍の防衛責任を分担する、こういう体制になっています。しかも現実の動きを見ますと、在日米軍基地が強化されておることは、これは明白であります。基地移転費の日本負担で問題になった岩国、横田、三沢、これについては新規に施設、区域の提供を行なう、恒久的な施設を建設することになっています。岩国へはベトナムから撤兵した米海兵隊が続々入ってきております。訓練は一そう強化されております。東京平和委員会の調査によりますと、横田は、昨年からことしにかけて、五十機以上のC5Aギャラクシーが発着しております。M48戦車などの空輸もやっておりますし、南ベトナム、タイヘの軍事物資の集積所になっています。 アメリカの太平洋海兵隊司令官のウィルソンは、昨年の十一月十五日、アメリカは沖繩を海兵隊の恒久基地化する、こう発言していますが、これは、アメリカが沖繩をベトナムをはじめとする東南アジアヘの侵略基地として確保しようとするものであることは明白であります。さらに、嘉手納基地は日本政府の負担で滑走路が補強され、電子スパイ偵察機EB57機が新たに配置されています。横須賀は米第七艦隊の空母ミッドウェーの母港として提供する。西太平洋からインド洋に至る作戦分担区域を持つ米第七艦隊の空母機動部隊の作戦根拠地として一そう強化されようとしています。第七艦隊の空母機動部隊、ワン・タックスフォース、そういう作戦根拠地としての方向をとっているようであります。在日米軍が日本を基地として作戦する範囲は、安保条約の極東条項の範囲さえも越えておる。明らかに逸脱しております。 沖繩をはじめとする日本全体の米軍基地の全活動を見ますと、基地の集中強化であります。そしていわゆる責任分担で縮小されたところは自衛隊が分担していく、こういう方向をとっておる。決して整理集約というようなものではない、こう思うのですが、いかがでしょうか。
○大平国務大臣 まず、基地の整理集約という問題は、日本側から提案いたしまして、アメリカの同意を得て実行いたしておるということを御理解いただきたいと思うのであります。つまり、在日米軍がその機能を強化するために、先方から申し出て、そして御相談を受けておるということではなくて、たびたび申し上げておるとおり、在日米軍基地の整理、縮小というわれわれのポリシーから問題が出ておるわけでございまして、これは、土地経済がこのような緊張を見ておりまするし、地域住民と基地との間に緊張した関係があるということはいけないことでございますので、これを漸次できるだけ減殺してまいろうという趣旨から、米側の同意を得てやっておるごとでございます。米側がこれに同意をするにつきまして、全体としての基地の機能をそこねないようにやるということは、たびたび先方も言っておることでございますが、私どもがやっておりますことはそういう趣旨のものである。先方から押しつけられてやっておるものではないということだけは御理解をいただきたいと思います。
○東中委員 アメリカが基地機能はそこなわれないように、こう言っている。そして縮小した部分については自衛隊が責任分担をやる。先ほど申し上げた横田にしましても、横須賀にしましても、岩国にしましても、三沢にしましても、沖繩にしましても、基地機能はむしろ強化されておる。集中して強化してきている、これは明白な事実じゃないですか。横須賀がミッドウェーの母港になって強化されておる。横田に集中して、基地の中に新しい施設を日本国民の負担でつくって集中していく、こういう事実は否定できないことであります。 しかもこの在日米軍が、先ほどもちょっと述べましたけれども、武器の輸送をベトナムに対して、ベトナム協定後もやっておるということが、先日三月九日、在日米軍呉地区輸送事務所長が、広弾薬庫から弾薬輸送船で送ることになっておるということを認めました。ベトナム協定ができたあとも、在日米軍基地が、南ベトナムにおける二つの政府、いわゆる二つの統治者の一方であるサイゴン政府に対する軍事基地、補給基地として使われることは、ベトナム協定から見ても、日米安保条約から見ても断じて許されぬことである、私はそう思うのでありますが、三月九日に呉の地区輸送事務所長が広弾薬庫からの輸送を認めた、この点についてどう考えておられるか、お聞きしたいのであります。
○大平国務大臣 東中さんは非常に機能の強化であるという御解釈を持っているようでございますけれども、私どもそう考えていないということだけは、あらかじめお断わりしておきたいと思います。アメリカ側と相談いたしまして、基地の整理、縮小をする場合に、あなたのほうの基地の機能はこれでたいへんそこなわれますががまんしてくださいという場合に、なかなか同意が得られないわけでございまして、全体としての機能はできるだけそこなわないようにしながら、これだけは少なくともお願いしたいということで、営々としてやってきておる事情は、せめて御理解をいただきたいと思うのであります。 それから、いま御指摘の弾薬輸送の問題でございますが、呉市の広弾薬庫に入港中のアメリカの輸送船グリーン・ウェーブ号は同弾薬庫から各種弾薬約一万一千トンを積み出す予定であるとされておりますが、同船の行くえが南ベトナムのダナンとされているところから、現地では、かかる弾薬輸送とベトナム和平協定との関係について問題の提起がありましたことは事実でございます。私のほうから在米大使館を通じまして、本件弾薬輸送の状況、和平協定との関係について問い合わせを行なっておりますが、ただいままで入手いたしましたことについて御報告を申し上げます。 まず事実関係でございますが、弾薬輸送の事実、行き先がダナンであるという事実は、そのとおりであるという回答に接しております。また米側は、本件輸送に限らず南ベトナムあての輸送は、すべて和平協定第七条に即しており、搬入の方法、国際監視の実施等、何ら和平協定に違反する行動はとっていないと述べております。しかしこれは、以上そういう一応の返答に接しておりますけれども、詳細についてなお説明を求めておる段階でございます。
○東中委員 外務大臣は去る二日のわが党の不破書記局長の質問に対して、戦いを前提にし、あるいはそれ以外の新たな兵器の補給基地になるようなことは毛頭考えておりません。ベトナムヘのいわゆる軍事輸送、武器、兵器、軍需物資の搬入輸送についてそういうふうに言われて、双方の兵力の削減を実行していく場合の入れかえというケースが起こるかもしれないことを懸念している、こういった表現で、そういう場合だということになれば、在日米軍基地がベトナムへの武器弾薬の補給基地として使われるということを認める余地を残す答弁をされております。しかし在日米軍の、たとえばこの広弾薬庫でもそうでありますけれども、ダナンへ弾薬を送っていく、そういうことについて日本政府に、何をどういう目的でいつ送るかというふうなことの連絡なり通知なりというのは、いつもやらぬわけですね。現にいまの問題についても、政府が地元で問題になったから問い合わせて、ある程度わかったというだけであります。しかしベトナムへ現に送っていっていることは間違いない。送ることが自由にできる、自由にやっておるという状態であります。外務大臣が答えられた、戦いを前提とし、あるいはそれ以外の新たな兵器の補給基地になるようなことは毛頭考えておらぬ。考えておらぬと言ったって、現にそういうふうに進んでいるわけです。進んでいることについてはわからないわけです。外務大臣が示された、戦いを前提にするような補給はやらぬということですけれども、武器弾薬というのは戦いを前提にして存在するもので、戦いを前提にしない武器弾薬というものはありゃせぬのですから、こういう点についてどういうチェックができるのか。実際にはべトナム協定侵犯の武器弾薬の輸入を日本を根拠地にして行なうことを、日本政府は事実上安保条約の陰に隠れて認めていく、こうして協力していくということになりかねません。ベトナムヘの軍事輸送についてどういうふうにしてチェックをするのか、この点をお聞きしたい。
○大平国務大臣 不破書記局長にお答え申し上げたのは、新しい戦いの前提になるような補給活動というようなものは考えていないと申し上げたのであります。これは相模補給廠からの戦車輸送に関連いたしまして政府が声明いたしましたとおり、原則としてこれからベトナムヘの輸送、搬送をやらないんだということをお答えいたした趣旨でございます。ただ、私がそのときにお断わり申し上げましたように、和平協定との関連におきましてそういう必要がある場合はこの限りでないかもしれないということを、正直にお断わりいたしておいたわけでございます。そしていまあなたの御指摘になりました呉からの弾薬輸送という問題は、和平協定の実行上のものであるというように、ただいままでのところは、アメリカからそういう返答に接しておるわけでございますが、なお詳細に説明を求めていきたいと考えておるわけでございます。 ただ、武というのは戈を止めると書いてありまして、これが動くことが戦いを意味するわけでもございませんで、これが平和を固めるということに役立てばたいへん私は望ましいことと思うのでありまして、たびたび申し上げておりますように、これからのインドシナ政策というものは、和平協定というものをベースにわれわれは展開してまいりますということを言うているわけでございまして、それを固めるために必要であるということでございますならば、あえてとがめだてする必要はないのではないかといまのところ考えておりますが、大事なことでございますから、なお詳細に事実関係は究明していきたいと考えております。
○東中委員 アメリカがベトナム協定の第七条によって送るんだと言うているというお話ですけれども、ベトナム協定でいっているのは、四条から七条まで、アメリカの軍事介入を続けないこと、軍事基地を撤去すること、軍隊を撤収させること、そして武器の搬入を受け入れないこと。ただ七条の最後のところで、特別に許されるという例外がちょっと残っておるだけなんです。その例外なんだということをアメリカ側は言うておるというだけであって、日本政府はその実態については何にも確認のしようがないというのが現状で、事実上アメリカはやっておるということになると思うのです。 そこで私はお聞きしたい。ベトナムヘのベトナム協定以後の武器輸送について、在日米軍は政府に事前に通告し、あるいは連絡する、その目的を個々に言うことになっているのかなっていないのか、かってにやっていっていいということになっているのか、その点いかがでしょうか。
○大平国務大臣 地位協定の運用上の実際につきまして、政府委員から説明させます。
○大河原(良)政府委員 米軍の一々の行動につきましては、そのつど事前に日本側に通報という義務は米側は持っておりません。しかしながら、実際上の形といたしましては、日米間に緊密な連絡はございます。
○東中委員 一般的なことを言っているんじゃないですよ。ベトナム協定以後のベトナム向けの軍事輸送について、外務大臣は原則としてチェックする。修理された戦車の輸送の場合も同じことです。原則としてこれはチェックする。ただ七条の例外の場合だというのだったら、そうであるのかどうか、これは確かめなければいかぬわけです。だから、事実関係として米側は連絡をしてきていないのではないか、何にも日本政府と関係なしに在日米軍が在日米軍基地を使って輸送していくというのが実態ではないのか、これを聞いているわけです。
○大平国務大臣 先ほどお答えを申し上げましたように、事実関係についてアメリカ側からの詳細な説明を求めておる段階でございまして、いままでのところ、第七条に基づく措置であるというように答えておりますけれども、なお検討中でございます。
○東中委員 いまの広の弾薬庫の問題は、これは連絡なしで、たまたま地元で問題になったから問い合わせて、それについて返事をしてきているというだけなんです。相模で送っていないという保証はないわけです。ほかのところから出していないという保証はないわけです。その点について、ベトナム協定後の事態は変わっておるわけですから、南ベトナム人民への不当な介入、二つの政府あるいは二つの当事者の一方に加担するようなことのないように、そういう立場を政府がとるということから、軍事輸送はやるべきでない、これが外務大臣の言われた一つの原則でしょう。それをチェックするために、べトナムヘの軍事輸送についての通報はあるのかないのか、通報することになっておる、そういう体制になっておるのか、日本政府の知らぬ間に送っていくことになっているのか、それを聞いておるのです。
○大平国務大臣 これから先ベトナム向けの搬送は行なわないというのは、もう日米間でおごそかに合意いたしたことでございまして、これを変えようという限りにおきましては、アメリカ側からこちらに協議があるはずでございます。
○東中委員 それでは、広の弾薬庫の場合は協議はなかったわけですね。
○大河原(良)政府委員 補給活動の一々につきまして、事前に米側からの通報はございません。
○東中委員 それじゃ、外務大臣、言われていることが違うじゃないですか。搬入しないことに合意がなっておるといま言われた。しかし広では現に送っておったじゃないですか。そして問題になったから出てきているじゃないですか。南ベトナムヘの武器輸送はやらないという日米間での合意があった、こういうふうにいま外務大臣が言われたのですが、じゃ、その合意は侵犯されていることになります。
○大平国務大臣 ちょっと問題がこんがらかってきましたが、つまり相模補給廠からの搬出入という問題につきましては、原則的にベトナム向けは今後行なわないという合意があるということを申し上げたので、これを変えようというのであれば、御相談がなければいかぬはずでございますが、今日まではそういうことはないと申し上げたわけでございます。この搬送は大きな問題でありましたことは、東中さん御承知のとおりでございまして、いま呉で問題になっておる事件につきまして御提示がございまして、いろいろ調査中でございますけれども、政府委員がお答えいたしましたのは、在日米軍の個々の補給活動の一々について、事前にいろいろ御相談をいただくということにはいたしていないということを申し上げたわけでございます。 しかし、ベトナムの問題につきましては、たびたび申し上げておりますとおり、パリ協定というものを尊重して今後私どもは処置してまいらなければなりませんので、それに背反するというようなことになりますと、事柄はたいへん重大になりますので、そこは十分踏まえて対処してまいりたいと思います。
○東中委員 私がいま聞いている問題は、ベトナムヘの武器輸送について、政府は在日米軍から事前に連絡を受けることになっているのかと言うたら、個々についてはそうなっていない、こういうふうに言われた。そういう答弁があったわけですけれども、しかし、現実にそういう状態の中でベトナムへ送られているという事態が起こった場合に、広の場合は現に起こっているわけですから。そういうときに、ベトナム協定の侵犯にならないようにすると言ったって、日本政府と関係なしに在日米軍は現に行っているという事態が起こっている以上は、アメリカさんまかせになってしまうじゃないですか。そして日本の意思を入れる余地もないままに、在日米軍基地がベトナムヘの軍事輸送に使われることによって、日本はそれに加担することになる。まさにアメリカさんまかせということになる。そのまま置いておくということですか。
○大平国務大臣 パリ協定というのは、まずアメリカが第一守らなければならぬ協定でございまして、アメリカが全世界に約束しておるわけでございますから、あなたがおっしゃるようなことは万々ないと私は確信するのでございます。 それから、個々の米軍の補給活動につきましては一々連絡を受けていない、受けるたてまえになっていないということは申し上げたわけでございますが、事柄が重大な問題につきましては、相模原の補給廠の搬送問題のように、双方合意いたしまして、今後はべトナム向けばやらないというようなことは、あれは和平協定ができる前の話でございましたけれども、そういう取りきめはいたしたことはあるわけでございます。しかし、先ほど私が申し上げましたように、パリ協定をベースにいたしまして誤りなき処置をとってまいることは、当然私どもの責任であると考えております。
○東中委員 外務大臣が不破質問に対して答えられたのは、私、先ほど若干引用しましたが、「仰せのように、戦いを前提にし、あるいはそれ以外の新たな兵器の補給基地になるというようなことは毛頭考えておりません。」と言っている場合は、相模のことについて直接言っているのじゃなくて、ベトナムヘの軍事輸送について言っているわけですね。そういう観点からいくならば、日本から武器弾薬が送られてベトナムへ行った場合は、べトナムではこれは米軍の管理を放れてしまうわけです、サイゴン政権の武器になるわけですから。戦いを前提にしていないなんということはとても言えないわけです。だから、アメリカが協定侵犯をやることはないだろうとフリーハンドで信頼されるということ自体が、一つ問題があります。しかも、行った武器はそういうものではない、アメリカ軍の手を放れてサイゴン政権の軍隊の管理下に置かれるという問題がある。こういう事態の中で、日本政府に連絡なしに送られていくということは、事実上ベトナム協定を侵犯して武器を搬入していくのに加担していくことになりかねない。この時点で政府は、在日米軍基地からのベトナム軍事輸送については許さないということをアメリカ側に公式に申し入れる、そういう処置をとられる意思はないかどうか、お聞きしたいのです。
○大平国務大臣 あれほど苦労してようやく合意に達した和平協定でございまして、その和平協定の中には、国際監視委員会というものが設けられて、和平後の事態の監視に当たっておるわけでございますし、国際会議はさらにそれを二重に保証する仕組みになっておるわけでございまして、アメリカがせっかくかち得た和平協定をみずから侵犯するというようなことは、私は考えたくないし、おそらく考えられないことであろうと思っておるわけでございます。したがって、在日基地の利用につきましても、そういう不都合なことは今後起こり得ないことと思うのでありますが、私どもは、日本政府の態度といたしましても、和平協定というものは今後尊重して、それをベースにインドシナ政策を考えていくのだということを申し上げておるわけでございまして、それに沿わないようなことは、アメリカもやるはずはないし、日本もまたそれにくみするはずはない、そのように政府に対して御信頼をいただきたいものと思います。
○東中委員 ベトナムに関するジュネーブ協定、五四年の分ですが、結局、アメリカ側もそれを尊重するという立場に立っておりながら、公然と侵犯していったですね。いわゆる五四年のジュネーブ協定というものは完全につぶされた。いまだって、現に日本から送っていっている。それがどういうふうに使われているかということについては、日本政府はわからない、アメリカをただ御信頼申し上げていますというだけのことではないですか。こういう体制は逆にいえば、まさにアメリカに従属しているということになるじゃないですか。だから、日本はジュネーブ協定を厳重に尊重するという、あのパリ国際会議の発表文ですね。その立場に立っても、この際、日本から武器弾薬を持ち込まない、ベトナムへ持ち込むそういう輸送はしないようにアメリカ側に要求すべきである。要求しなかったら、それを認めていくということになるわけですから、要求すべきであると思うのですが、重ねてその意思があるのかないのか、これをはっきりしていただきたい。
○大平国務大臣 だから、関係国全部が尊重する和平協定でございますから、あなたが前提とされておるようなことはまずないのだというように私ども考えるわけでございます。ただ、武器弾薬の輸送があり得るとすれば、協定上認められたものだけしかない。協定では一対一の取りかえばできるという規定があるようでございまして、その範囲内しかできないはずでございます。そういうものであるかどうかという点につきましてアメリカ側にただしましたら、そういうものであるということでございますが、十分事実関係を調べまして、遺憾ないようにしなければならぬと考えておるわけでございます。にもかかわらず、侵犯が起こり得るからいまのうちにこのように日本側が要求しておくということは、たいへん非礼なことではないか。先方が一生懸命に守ろうとしておるものに対して、おまえは守らぬかもしれぬから、おれのほうはこういうことは協力できないよと言うようなことは、いささか外交儀礼に反することではなかろうかと思います。
○東中委員 外務大臣の言われていることは矛盾しているのですね。広の場合で具体的に起こったら、調査をして、それで聞いた。重要問題だからまだ引き続いて十分調査をする。調査をしなければわからぬから調査をしているわけでしょう。侵犯しているような問題があるかもしれぬから調査をしているのでしょう。信頼しているからもう調査しないんだというような性質のものじゃない、非常に重大な問題だから調査をしているのですから。だから、何も在日米軍基地からベトナムまで送っていく必要は一つもないわけです。日本にある米軍基地というのは、安保条約の規定自体によっても、日本の防衛と極東の安全と平和の維持に寄与するためというふうにいっているわけです。ベトナムは極東の範囲外だということは明白です。そこへベトナム協定ができて、ベトナムでは和平が回復された。安保条約の範囲内からいっても、こんなところへ軍事輸送するというのはもう明白に逸脱しているじゃないですか。そういう点からいっても、これははっきり断わるべきだ。安保条約の逸脱という問題としてそういう処置をとるべきではないか。外務大臣、いかがでしょう。
○大平国務大臣 そういうことは私、考えていないわけでございますが、念のために念査しておるというのは、私ども安保条約を運営する場合に、国会の内外を通じましてその監視の中で運営いたしておるわけでございまして、いささかも不明朗なところがあっては困りますので、アメリカは一応の返事としてそう言ってきておりますけれども、なお十分念査いたしまして、その事実を国会の内外にクリアにしておくことが、安保条約の運営について国民の信任を得られる道だと思いまして、そういう趣旨で言っているわけでありまして、これは、侵犯のおそれがあるかもしれぬから十分調査するんだというような趣旨のものではございませんで、万々、こういうことについて侵犯があり得ようなんていうことは、私はもう天地神明に誓って考えていないわけでございます。
○東中委員 どうも天地神明に誓ってアメリカを全面的に信頼しているというふうに、これは骨の髄まで信頼しているという、そういう意味では従属しているという表現をとってもいいと思うのですが、ただ、広の問題にしましても、地元で問題になったからわかっているだけなんです。そのほかにべトナムへ武器弾薬を在日米軍基地から送っていないということを、日本政府としては言えない立場にありますね、事前に連絡ないんだから。ほかにどういう目的で送っているかということが、これはわからない、こういう事態になっているわけです。安保条約というのは、そういう形で、アメリカの意思だけで日本は、ベトナム協定を侵犯するようなことをアメリカがやった場合には、それに自動的に日本も加担していく、こういうしかけになっている、そういう装置になっているということが非常に問題だ。このことを指摘して、時間がありませんので、横須賀の空母の母港化問題について若干聞いておきたいのです。 ミッドウェーが横須賀を母港にするということを日本政府は認めた。ミッドウェーは航空母艦ですから、一つだけで来ているわけじゃないんで、これは空母ミッドウェーを中心とする駆逐艦を含めた機動部隊あるいはタスクグループ、こういうものが横須賀を母港にすることになった、こういうふうに理解するのですが、それでよろしいですか。
○大河原(良)政府委員 現在、横須賀には、第七艦隊の旗艦のオクラホマシティーが随時入港いたしておりますけれども、オクラホマシティー、これとほかに駆逐艦六隻、これの乗り組み員の家族が横須賀並びにその周辺地区にすでに居住いたしております。
○東中委員 ということは、第七艦隊の旗艦オクラホマシティー及び空母ミッドウェーを中心にするワン・タスク・グループ、これだけの戦闘単位がいわゆる横須賀母港化を現にしている、あるいはすることに同意をした、こういうことになるわけですね。
○大河原(良)政府委員 私、ただいま御答弁申し上げました第七艦隊旗艦のオクラホマシティーの家族は、すでに先年から日本に居住いたしておりますし、第十五駆逐戦隊の駆逐艦六隻の乗り組み員は一昨年の暮れから居住いたしております。したがいまして、ミッドウェーのいわゆる母港化、すなわちミッドウェーの乗り組み員の家族の横須賀居住ということとは別に、先年からすでにこの居住が行なわれているということを先ほど申し上げたわけでございます。
○東中委員 事態ははっきりしたわけですが、だんだんふえていっているわけなんですね。オクラホマシティーの母港化はこそっと——こそっとやられたかどうか知りませんが、とにかくあまり政治問題化しないままでやられた。そうして今度は駆逐艦六隻、これがすでにそうなっておる。今度はミッドウェーがそういうふうに乗り組み員の居住を移すということで、いわゆる母港化するということになって、この規模はすでにワン・タスク・グループあるいはプラス第七艦隊の旗艦が入っているというふうになってきておるわけでありますが、いまアメリカ局長も、またほかのときに外務大臣も言っておるのですが、いわゆる母港化という「いわゆる」をつけるわけですけれども、この横須賀はその軍事施設、海軍施設は極東最大のものだという中で家族を横須賀に居住させる。ここで横須賀を兵員の休養、補給、整備の場としてこれらのオクラホマシティーあるいはミッドゥェーあるいはそれに関連する駆逐艦、これの拠点、母港、こういうふうになっていく。母港については、母港というのは根拠地であり、本拠地であるという定義がすでに昭和四十四年の四月二十四日、当時の東郷アメリカ局長がはっきり言っているわけですね。まさに第七艦隊に属する艦船でもアメリカ西海岸に一年のうち半年はいる。そこではいわゆるオーバーホールを行ない、その間そこに半年ぐらいいて、家族もそこにいるというようなことで、こういう事態になっているのを母港というんだ。そして母港というのは、本拠地としての港なんだ。母港と根拠地と本拠地は同じ意味なんだ、こう言っているわけです。だから、まさに横須賀はミッドウェーという航空母艦が一つ今度母港になるというだけではなくて、グループですね、タスクフォースに進んでいく、タスクグループとしての母港にすることを了承したということになっておるわけですが、外務大臣、経過から言うと、その事実はお認めになるでしょうね。
○大平国務大臣 そういうようには承知していないわけでございます。ミッドウェーの場合は、いわゆる私どもがよく家族計画と申し上げておるわけでございますが、ミッドウェー乗り組み員の家族を横須賀周辺に居住させるというだけのことでございまして、一つのタスクフォースとしてミッドウェーを迎えることによって横須賀を根拠地にするというようなことは、一切私どもは承知していないわけでございます。
○東中委員 この横須賀で兵員の休養、そして物資の補給、整備、いわゆるオーバーホールをやる、こういうことは全部やるでしょう。やらないとおっしゃるのですか。
○大平国務大臣 平たくいえば、船は佐世保に入ったり横須賀に入ったりいたすわけでございますが、そこで補給したり修理したりするわけでございまして、今度ミッドウェーの場合は、その乗り組み員の家族を横須賀並びに横須賀の周辺に移すというだけのことでございまして、ミッドウェー自体の機能には変わりはないわけでございます。
○東中委員 まさにいま言われた補給、補修、オーバーホールもやる、家族もおる、こういう状態がいわゆる根拠地としての港、母港、本拠地というんだということを四十四年段階で政府は一つの定義を発表しておるわけです。それに基づいて当時愛知外務大臣も、寄港と本拠地とは違うんだということを説明しています。まさにこれは本拠地、母港、いわゆるじゃなくてそのものなんです。いままでの政府の見解をそれじゃ変えると言われるのですか。現実に事態が起こってきたら、前に定義しておった、エンタープライズの寄港が問題になっているときに、これは寄港だから本拠地じゃない、母港じゃないというときに説明した母港の定義、本拠地の定義は、現実にいま起こってきたら今度は変えちゃう、こういう政府の態度をとっていることになるのですが、変える意向なんですか、いままで政府が言ったことを。どうですか。
○大河原(良)政府委員 母港ということばに関しまして、必ずしもその定義がはっきりしていないと存じます。この種のことばに関連いたしまして、たとえば船舶のあるいは艦船の在籍港という観念がございますし、定係港という観念もございます。わが海上自衛隊におきましては定係港という考え方をとっているというふうに私、承知いたしておりますけれども、したがいまして母港と申します場合に、その艦船が寄港いたしました先においていかなる機能を果たすことが期待されるのかということによりましても、このことばの中身が違ってくることかと考えるわけでございます。 今回のミッドウェーの問題につきまして、米側から日本政府に要請がございましたのは、第七艦隊に属しまする通常型空母一隻の家族の横須賀並びにその周辺への居住を認めてもらいたいという要請でございまして、これにつきまして地元とも十分相談の上に、日本政府といたしてはこの計画に差しつかえはない、異存はないということを回答したわけでございまして、そういう意味で政府といたしましては、いわゆる母港化ということを言っているわけでございまして、実際には米側の要請がありましたとおりに、乗り組み員家族の居住について異議を差しはさまないということをしたわけでございます。
○東中委員 レアード報告によりますと、一部の海軍部隊はすでに日本とフィリピンを基地にしており、さらに西太平洋方面への前方展開のメリットを検討中、これは昨年二月に出した国防報告であります。いわゆる前進拠点方式。まさに一部海軍部隊は日本を基地にしており、オクラホマシティーあるいは先ほど言われた駆逐艦、こういったもののことをいっている。そしてさらにこの前進拠点方式を進めていく、そのために検討中、そしてミッドウェーが入ってくるようになった、こういうことであります。海軍の配備については、いわゆる事前協議の対象としての海軍の配置については、いままで外務省ははっきりと言ってきていますね。いわゆる陸軍や空軍のような駐留ではなくて、そういう形にならないから、海軍の場合は本拠という観念を入れて、そこに家族がおる、そこで補給する、そこで補修する、こういう状態になればこれは根拠地なんだ、こういうことになっている。昭和四十四年四月二十二日の国会答弁でもそういうように言っています。これはまさに母港化する、根拠地にする。そして一タスクグループを入れてきた。レアードは、そういう方針を、前方拠点方式をとっている。次々になしくずしに入れているわけです。これでは、岸・ハーター交換公文でいっている配備の変更についての事前協議なんというのは完全に、さみだれ的に入れてくることによって全部抜けてしまう。いま横須賀のミッドウェー母港というのは、そういう経過、そういう性質を持っています。外務大臣がいままで、いわゆる駐留、陸軍や空軍とは違うということを言ってきた、その観点からいって、いま政府の見解を変えていくというようなやり方は、なしくずし的に基地の集中、強化、特に横須賀におけるそういう方針を貫いていこうというための国会のごまかし答弁だといわざるを得ぬわけです。はっきりとした見解をお聞きしておきたい。
○大平国務大臣 ミッドウェー自体は、その他の空母とともに西太平洋水域に活動いたしておるわけでございまして、今度の措置は、そのミッドウェーの家族を横須賀並びに横須賀の周辺に移すというだけのことを意味しているわけでございまして、その活動には何ら変化はないわけでございまして、この事前協議の対象となる船舶の日本国への配置という場合は、施設、区域をもっぱら活動上の根拠地として使う場合をいうわけでございまして、私どもは、今回の措置はそれに該当するものとは考えていないわけです。
○東中委員 時間がありませんので、この問題については追って具体的に追及したいと思いますけれども、いま外務省のとっておられる態度は、ベトナムヘの武器輸送にしても、それにはそれを許さないように日米間で合意ができているのだと言いながら、アメリカが自由にやっていこう、それについては何もわからないという事態でそのまま放置されている。この横須賀のミッドウェー母港化の問題にしましても、次々にいわゆる母港化している。そしてここを根拠地にしていく。アメリカ側から母港にするということを言ってきたんですよ。そして住宅が、家族がそこに住むというだけじゃなくて、それは、あの施設と補修能力と、そういったすでに提供されているいわゆる施設、区域、それと海軍部隊との関連でこれが母港になるわけですから、そういう形での強化をなしくずし的にやられている。まさにニクソン・ドクトリンに乗って、そして前進拠点方式に乗ってそれに協力してやっていく。最初に申し上げましたように、アメリカの力の政策、そして安保条約を口実にしてのこうした基地の集中、強化、これは政府がはっきりとした態度をとらなければいかぬ問題だということを指摘して、私の質問を終わりたいと思います。
○荒木(宏)委員 総理、いかがですか、あなたはアメリカには従属していないとおっしゃった。いまお聞きのとおりでしょう。アメリカの軍艦が、あなた、日本の港にかってに出入りしている。あなたの家の庭ならいいですよ。国の主権の問題ですよ、これは。そのアメリカに対外的に従属しているあなた方が、国内では一体どういう政策をとっておられるか、このことを私は続いてお尋ねしたいと思います。 まず初めにはっきりと申し上げておきたいのは、国内政策について転換をした、こうおっしゃっておる。しかし、数字は決して転換じゃないということをはっきりと示していますよ。四十七年一般財政の中で社会保障の占める比率が一四・三%、ことしは一四・八%でしょう。たったの〇・五%しか変わらない。いわゆる列島改造予算の中で産業関連と生活関連の双方の占める比率が昨年で八〇・七%と一八・一%、それがことしは七九・八%と一九・七%、ほとんど同じでしょう、八割と二割というのは。いま企画庁長官が帰ってこられたけれども、少し長い目で見ても、三十九年から四十四年の実績と今度出されたあのいわゆる長期計画、これの比率にしても、前の実績が四六・一%対一六・九%、今度の計画じゃそれが四五・一と二二・二、一対二というのはほとんど変わっていないということは強く申し上げたはずです。あなた方はそのときどうお答えになったか、伸び率がふえた、こんなことをおっしゃったのですよ。それは当然でしょう。初めが小さいのですから少しいじれば伸び率はふえますよ。しかし、振替所得はヨーロッパに比べたって三分の一にもならない。そうすると、今度は絶対量がふえた、これは総理、あなたがおっしゃったのですよ。それはそうでしょう。経済が発展しているのですから、それがふえなければ内閣がもちっこないですよ。全体としての問題ですよ。そのことを言うと、今度はドラスチックな転換はできない、急激な転換はできない、こうおっしゃる。 そこで、私はあなたにお尋ねをしたいのですが、列島改造といわれるこういうやり方ですね。道路、港湾、飛行場、鉄道、通信設備、これは必ず倍々といく。学校や公園や福祉施設、それに比べて経済はどんどん発展するけれども、必ず道のほうが先に倍とっている。産業基盤優位性というのは厳として維持されている。これをどんどん続けていったら日本の国は一体どうなりますか。私たちの社会は一体どうなるのでしょうか。そのことをまずあなたにお尋ねをしたい。
○小坂国務大臣 日本の経済の長期的な展望をまとめだしたのは、御承知のように、三十五年の所得倍増計画からでありますが、あのときは国民の生活水準を上げるには、生活基盤と密接な関連のある産業基盤というものを大きくして、完全雇用を達成しようということから始まったわけでございます。その後の中期経済計画とかあるいは新経済社会発展計画に至るまでずっとそうした考え方で、後半は社会開発という理念が入りましたけれども、一応底に流れるものはそういう考え方でやったわけでございます。列島改造と関連のある今度の基本計画では、その中に今度は福祉重点の国民生活を築こうということで、もうこれは繰り返しませんが、そういう考え方でもって対処しているわけでございます。 そこで、いま御指摘がございましたけれども、一応政府の固定資本形成、これを見ていただきましても、全体の構成比が四十五年度は九でございますのが、今度は五十二年度までに一八%の伸び率、民間の住宅投資等も七%が二〇%で伸びることになっている。振替所得は、先ほどお述べになりましたように十二兆であり、八・八%になっておる。現在四兆五千億のものがそれだけ伸びておるということですね。(荒木(宏)委員「ヨーロッパと比べてごらんさい」と呼ぶ)ヨーロッパとおっしゃいますけれども、一応人口構成も違うし、産業構成も違うし、その間にそう急激な変化というものも、やりますと、かえって、病人の手当てをするつもりで、劇薬をもって病人の病勢が悪化するというようなこともございますし、その辺いろいろ考えております。五年間ではそういうことでありますが、もっと長期の六十年ないし六十五年ということになりますと、振替所得だけではなくて、全体の社会資本をどうするか、あるいは社会保障費用というものをどうするかということになりますと、一番大きな伸びは一三%、一六%、二二%という三段階に分けて考えておりますが、二二%あたりのところにまいりますと、非常な大きな伸びになってくるわけでございまして、問題は今後であるというふうに考えておるわけでございます。 しかし、私ども根本に考えておりますことは、「活力ある福祉社会のために」という副題でごらんいただけますように、国を構成する国民がみなそれぞれ個人のイニシアチブというものを発揮しながら福祉社会をつくっていくということが主でございまして、国がやたらに財源を無視して福祉関係に投資をしていくということではないわけでございます。これは基本的に、社会主義経済と自由な資本主義経済というものを基礎にしている考え方の違いと思いますけれども、達成するところは必ず福祉に満ち満ちた活力のある社会ができる、かような方法でいくと考えているわけでございます。
○荒木(宏)委員 いまの長官のお話ではっきりしたことがあります。ヨーロッパ並みにいくということですら病気を起こすくらいの思い切った処置をしなければならぬ、事ほどさようにいまの日本の社会福祉というものは低いのでしょう。せめてあなたイギリス、フランス、イタリアくらいはどうですか、こう言えば、そんなことをすれば病気になりますよというのでしょう。そんなに低いのですか、いまのあなた方のやっていらっしゃる日本の社会福祉というのは。問題はこういうことでしょう。産業関連のほうがいつまでたっても生活関連よりも倍くらいの分量でやっている、この比率がちっとも変わらない、これが変わらなければどうなるかというのです。長官は先の数字を一、二いまおっしゃいましたよ。そんなことは政府の責任ある方針としてはどこにも出ていないのです。 一体いまの長期計画、これでいきますとおっしゃっているこの計画を推し進めるとどういうことになりますか。国土には限りがありますよ。限りのある国土に、やれ道路をつくります、やれ港湾をつくります、さあひとつここで鉄道、通信設備をつくりますよ。どんどんこれがいくんだから、土地の買い占めになりますよ。だって、財政がそこへ向けてまず優位的に動くのですから。現にそれは起こっているでしょう、土地の買い占め。いま和光証券の調査では、東証の一部、二部上場で全国土の一・二六%すでに買い占めておりますよ。これは全国の全市街地面積よりもまだ多いじゃないですか。建設省の調査では、東証の一部上場の七百社が一件五ヘクタール以上買い占めた分を合計すれば、これは一%になる。三十三万ヘクタール。一ヘクタールといえば、人口一万人の人が住めるような団地が百カ所もできるんでしょう。しかもこれをこの六年間で買い占めて、その六割もそのままほったらかしておるというんですよ、値上がりを待って。 あなたがいま進めようとなさっているこの構成比を持った列島改造予算、これをずっとこのまま進めていけば一体どういうことになるか、はっきり事実が証明しているじゃありませんか。あなた御自身が著書まで書いて進める、こうおっしゃっているんですから。こういう成り行きが数字でもってはっきり出ているのに、一体どういうふうにお考えですか、総理の御意見を伺いたい。
○田中内閣総理大臣 社会保障費の面から御指摘がありますと、必ずしも満足すべきものではありませんが、しかし、いままでの生産第一主義、輸出第一主義というようなものから生活活用型へ移してまいらなければならない、社会資本の整備、社会保障の拡充へとその第一歩を踏み出す、いわゆる方向転換、流れを変える初年度にしたい、こういうことを述べておるわけでございます。 まあ、これは言わなくてもわかっていると思うのですけれども、戦後からまだ四半世紀しかたっておらぬのであります。その四半世紀前はゼロから出発をしたのであります。結局食うこと、生きること、職場を、完全雇用を、最低賃金の確保をということが四半世紀近く続いてまいって、やっとそれは達成ができたわけでございます。外貨は非常に変則な状態において急増したのであって、まる二年前は、常に申し上げているとおり、四十五億ドルしかなかったのであります。だから中小企業も何も、国内で売ることができないので、輸出をしなければならなかったのです。好きでしたんじゃありません。輸出をしなければ中小企業も生きられなかったというのじゃありませんか。 そういう事態でようやく今日が築かれたわけでありますから、今度は国内的になすことはなしましょう。その一つは生活環境の整備であり、社会保障の拡充であり、社会資本の不足を補う。まだアメリカと比べて、アメリカのドルは弱い弱いといっておりますが、社会資本の蓄積率で比較すれば四対一であります。だからそういう意味で、まず国内的に整備をしましょう。もう一つは、開発途上国に対して援助を続けてまいりましょう、こういう日本の理想を国の内外に宣言をしておるのであります。 それらのいいことは早くやるべきなんです。私もそういう主義なんです。あしたやりますというのはきょうやったほうがいいんです。きょうやるというのならいまやったほうがいいんです。そういう気持ちは実によくわかります、国民の共感を得られることであるし。そういうことではありますが、しかし、やはりいままでの国民の汗と努力の結晶、いわゆる集積をもとにしてやるのでありますから、これから計画を立ててできるだけ合理的な、政策効果をあげるということでなければならないと思うのです。 世界じゅうでもって驚くべき成長だといわれた日本でも、明治から百年かかっているのです。戦後は、おそるべきスピードだといっても四半世紀を要しておるのであります。いつでもヨーロッパと比べますが、ヨーロッパは世界じゅうからある意味ではひんしゅくされるほど長い間、何百年の間世界各地に植民地を得て、そこから相当なものを吸い上げたというか、いずれにしても蓄積があって今日の社会保障体制ができておるのでありますし、社会資本が整備されてきたのでありますから。それらの言われることは政府に対する鞭撻だと思いますよ。政府に対する鞭撻だと思いますが、そう一ぺんに、それじゃてっぺんまでぽんとのぼってしまう、そんなことは私はできるものじゃないと思うのです。やはり政治は、基本的な姿勢を明らかにして、国民の協力を得ながらやらなければならないと思うのです。 もう一つ、道路や鉄道というものは、全部産業基盤の整備育成であるというふうにお考えになっておりますが、ある意味においてはそれは産業も拡大しなければならない。私は、一〇%で計算をしてみれば日本列島はこうなりますと、こう言いましたが、半分の五%にしても、今日の状態で東京や大阪、あなたは大阪でございますが、われわれはいま東京で議論しているのですが、東京や大阪でもって、一体この状態でもって年率五%、七%ずつ経済が十年も十五年も成長できるものかどうかということは、これはもうおわかりになると思うのです。来年、再来年、車のいまの状態でもって、車が一体通れなくなるじゃありませんか。年間三百万台ずつふえている状態において、東京や大阪でもって一体経済の成長はできるわけはありません。できるわけがないだけじゃなく、市民環境が整備されないじゃありませんか。そういう意味においては確かに交通網の整備もしなければならないということもあります。 ただ私は、日本列島改造というのは、東京や大阪や県庁の所在地を理想的な生活環境に整備するためにも、無制限に、これ以上集めちゃだめです、こういう感じなんです。それはどんなにいまあるものの公害防除をやっても、とても環境整備ができるものではない。だから国土の総合的開発を行なわなければならない、こういう考えで、総合的開発を行なうことは、ただ経済規模を拡大するんではなく、国民生活の環境整備を行なうために、自然とほんとうに調和のとれた生活環境をつくるには、狭いながらも日本にはまだ余力はある、こういう考え方を述べておるのであります。ですから、やはり政府が企図しておることをすなおにお考えいただければ、理解いただけると思います。 しかも水の問題。東京、大阪がいま一番困っているでしょう、電力の問題で。電力の問題でもってほんとうに困っているんです。だからそういう意味においても、電力や水や土地や自然を国民全体が享受をするということになれば、列島の総合開発以外に私は道はない。そうすることによって、それが理想的に進めば、その過程において大都市の過密の弊害も排除できるし、大都市における生活環境の整備や、ほんとうの公害除去や何かができるんだ、こういうことでありまして、ただ予算をふやすだけでもっていまの状態を是認しておってはどうにもならぬ。予算をふやして都市環境が幾ばくでもよくなれば、それはもうどんどんどんどんと都市に寄ってくると思うのです。全国民が都市に寄ってきていいんだ、こういうことではなく、やはり都市環境を提供すべきでございまして、いわゆる東京や大阪や拠点中心主義でもって百年も来た現在の状態を是認して、無制限な状態では、金をつぎ込んでもとてもどうにもならぬと私は思うのです。 そういう意味で、東京や大阪の改造でも、やはりこれ以上入ってこないということを考えるには、やはり列島改造をやらなければいかぬ。(「同じことばかり言うな」と呼ぶ者あり)同じことを何回も申し上げなければならないような御質問をいただくから申し上げておるんです。誠意をもって申し上げておるわけです。
○荒木(宏)委員 一つこの際はっきり申し上げておきたいが、私はここへ来まして今度の国会が初めてです。あなたは代議士の生活を長年やっていらっしゃる。しかし、政治家というものは国民の要求が一体どこにあり、自分が一体どういう立場で責任を持つかということをはっきりしなければ、これは政治家としての責任じゃないと思いますよ。人のしたことを、他人のしたことをいろいろ取りざたして、そして、あなた、まるで自分がしたかのようなことを言うのは、それは問題でしょう。いまゼロから出発したということをおっしゃった。そうですよ。公害はゼロですよ、戦後。交通災害はいまのようにありはしませんよ。そしていままで営々と働いたのは一体だれなんですか。国民が、労働者が、農民が、中小業者が額に汗して一生懸命に働いたんじゃないですか。高物価、重税のこの自民党政治のもとでも一生懸命に働いたからじゃありませんか。ですから、あなたがいまおっしゃったこと、先に向けて転換をするとこうおっしゃるけれども、事実ははっきり示しているじゃないですか。いつまでたってもいまの構成比率は変わらない、そのことのために土地の買い占めが起こっている、私はこう言っているんですよ。 私の選挙区に熊取町というところがあります。ここは、あなた、この列島改造というようなことがいわれ出してから、南海電車がこの町の全体の二六・九%を全部買い占めましたよ。実に四百六十三ヘクタールです。一つの町の三分の一近くも一つの独占企業が買い占めるというようなことが、あなた、一体許されますか。ここにいらっしゃるあなた方の中で、町も村もみんなそんなふうにしてどんどん独占が買い占めていくというようなことを御存じの方がどれだけいらっしゃるか知りません。あるいはよく御存じかもしれません。だって、私の選挙区のすぐ近くでは、非常に高名な、責任のある政治家の方が買い占めに関与なさっているといううわさがもっぱらなんですから。 ですから私が言っているのは、いまのような政策を続ければはっきりと土地の買い占め、地価の高騰、あの所得倍増計画のころに比べて実に七・二倍ですよ、土地の値段は平均して。いま日本の労働者が百五十平米の土地を買おうとすれば一体どのくらいかかりますか。実に六年と百四十七日間の賃金をつぎ込まなければそれだけの土地を取得できないじゃありませんか。アメリカは四十五日ですよ。西ドイツは百七十九日です。どうして日本の労働者は同じ土地を買うのに五年も六年も働かなければならないのです。これが、いままであなた方が進めてこられた大資本奉仕の政治の結果だと私たちはこう言っているのです。そんなに上がるから住宅だって建たないじゃありませんか。いま千八十八万世帯もあるでしょう。三八%。最低の住宅水準に足らない人がそれだけある。どうですか総理、いいこと早うやれ、そういうつもりだとあなたはいまおっしゃった。だとしたら、ほんとうにそれをやる意思があるんなら、いまのこの構成比率を変えますか。いつ変えるか、早く変えるということをはっきりおっしゃったらどうですか。
○田中内閣総理大臣 それはもう、だんだんと変えてまいります。相当スピードアップして変えてまいるつもりでございます。いままでは、なかなか、このようにいたしますということが言えないような状態でありましたが、これはわずか二年ではございますが、いま持っておるドルを一体何に使うのか。一部はこれを軍事費に使うのではないかと言って周辺諸国は心配したという御発言もあったくらいでございますが、軍事費などに使うつもりはごうもない、これは絶対に憲法は守るのです、こういうことを言っているわけですから。そして何に使うだろうといったら、一つは開発途上国の援助に、一つは国内の整備に。これは外国では日本列島改造論というのは相当評価されているのです。(笑声)うそじゃありませんよ。これは相当評価されているのです。これで日本の持てる力というものが脅威にはならない。これは日本列島改造というものが、三年や五年や八年でできるものではない。 そういうことでありますから、いまあなたも大阪ですし、われわれも東京におるのですが、東京のまん中や大阪のまん中をどうするのかといったら、これは現時点においてまず土地の利用度を高めることでございますから、それは区画整理によって東京都や大阪の道路も全部できてきた。いまの坪何十万円の道路を何倍に広げられるわけないではありませんか。そういう意味では全面的区画整理によって、少なくともワシントンのような都市に改造を進めていく過程において住宅は提供されるんだ、少なくとも二階のものが六階になれば地価の床面積に対する反映度というものは三分の一になるわけであります。しかも交通や道路というものが整備をされれば、ある意味において安い宅地も提供できるわけであります。大阪にしても、まだまだ大阪の周辺にもたくさんあります。住宅にできるものはあります。いま奈良県や和歌山から大阪に通っている人がどのくらいおるかということは、あなたもよくおわかりになるでしょう。それは道路や交通網を整備すればそういうことが可能じゃありませんか。(「整備してないんだよ」と呼ぶ者あり)だから整備をしようと言うのです。 ですから、そういうものでもっと早くしろという議論もあるのですから、そういう状態において日本列島というものは、われわれの英知を傾けて努力を続ければ、私はそんなに何年もかからなくとも国民に住宅を提供し、少なくとも理想に近い土地を提供することもできます。東京の近くからいま通っておっても三十分、四十分、一時間かかります。しかしこれは、新幹線ができれば宇都宮からも四十五分で通えるわけであります。しかしそれは、この間もそういう議論がありました。新幹線で一体パスで通えるか。それは非常に鉄道運賃が高いという質問がありましたから、私も申し上げたのです。昭和十年に比べては少なくとも給与は六倍ないし七倍、実質なっております。そういう事態において……(「肝心な答弁をしろ、何だ、一体」と呼ぶ者あり)質問にお答えをしておるのです。そういう状態において賃金に占める交通費の状態を考えてみれば、通えるのです。東京のまん中でみんなが、大阪のまん中でみんなが、どうして一体、緑を全部持ってやるわけにいかないじゃありませんか。そういう意味で列島改造も必要である、道路も、鉄道も必要である。しかもその中で最も大きく伸ばさなければならぬのは社会保障費である、こう述べておるのであります。ただあなたは二年分を一年でやりなさい、こういう考え方だと思います。私もあなたの言うことはわかりますよ。そうしたいのです。二十五年も二十六年もやっているのですから、自民党政府だって戦争後こんなに長く政権を維持しておるのですから、頭からあなた方から批判されることよりも、もっとやりたいという熱意を十分持っておるということを理解してもらわなければだめなんです。
○荒木(宏)委員 総理、もう少しお尋ねしておることに簡潔に答えていただきたい。 私は申し上げたいのですがね、いま都心から通うことができなくて、ずいぶんと通勤時間がかかるところまで家をさがしていかなければならないのは、一体どうしてですか。好きこのんでだれがそんなことをしていますか。みんな土地の値段が高い、住宅の家賃が高い。十年前に自民党のあなた方が、この所得倍増計画で十年たてば、六十九年になれば、住宅問題は解決しますよと、こうおっしゃった。現実はどうですか。家賃は約四倍になっているじゃありませんか。この問題が労働者が近くで通いたいにかかわらず、どんなに願ったってできないような仕組みに政治の仕組みがなっている。ここですよ、私が言っているのは。それにもかかわらず、公営住宅八万八千戸の予定を八千戸減らして八万戸にしている。こんなに望んでいるにかかわらず、それを減らしている。これが政治ですか。私が言っているのはそのことなんです。あなたは先ほど外国では評判がいいと、こうおっしゃったのです。国内ではどうですか、国内では。国内でほめてもらえなくて、よそでほめてもらったって何にもなりはしませんよ。 対外的な関係で私は伺いたいのですが、この長期経済計画百二十四億ドルと、こういうことをおっしゃっているのですね。百二十四億ドル。どうですか、この百二十四億ドルというのは、これからまだまだ貿易立国、輸出増強をしなければならぬということでしょう。こんなにドルが不安になり、円の問題が起こっているのに、どうしてそういうことをしなければならぬのです。もっとつり合いのとれた、みんなが納得いく、自主的な、そうして公正な対外経済政策をとれと私たちは言っているのです。 あなたの前には二つの道がありますよ。一つは、先ほど言った対内的には構成比をはっきりと変えて、そうして国民の要求を実現する立場に立つ。政府の財貨サービス形成のお話もありましたよ。問題は中身ですよ。買い手がだれかという問題じゃないのです。はっきりと国民の要求にこたえて住宅や、また福祉施設や、そういったところに鉄を使い、セメントを使い、国民の要求を満たすような政治をやったらどうなんです。その道と、そうして大資本のそれ向けの産業関連設備、大きな道路や、高速道路、そうして港湾設備、飛行場、そんなものをまず第一にとって、土地の値段がうんと上がり、買い占めを進め、労働者が町のまん中では住めないようにしている、それをはっきりとやめること。この二つの道があるのです。そのどちらをとられるか。そうして対外的にはどんどん輸出増強を進めていく、そういった貿易政策をやめて、自主的なつり合いのとれた貿易政策をとるように、この二つの道のどちらをとられるか。国民はそのことを見ているのです。はっきりと総理、答弁されたらどうです。
○田中内閣総理大臣 先ほどから述べておりますとおり、貿易、輸出優先主義から成長活用型、もう一歩進めて申し上げたほうがいいようであります。それは国民生活優先の政治へ転換をしてまいりますと、こういうことであります。しかも、経済社会基本計画において五十二年における貿易収支がまだ黒字が続くという問題でございますが、これは現時点において五年間を展望してつくられたものでございますが、これは不変のものではありません。これは皆さんも国民も時の移り変わりに適合するように柔軟に考えていけばいいのですし、予算というものをつくるときには、その時点その時点において、より重点的な予算をつくっておるわけです。予算は単年度主義ではありますが、しかし、五年、十年というものを見通してつくることが、やはり望ましい。そういうことで、まず、四十八年度を起点にして、五十二年までの五カ年間の展望を一つの案としてまとめたわけでありますし、ことしも、まだ答申はいただきませんでしたけれども、内容を知らせていただいて、ことしの予算で組みました公共事業も、社会保障も、すべてのものがこの経済社会基本計画の第一年度としての数字に合わせてございます。これに対して不足であるというお気持ちでありましょうが、私たちでも政治の責任を負っているのですから、政治の責任を負っている人は、私たちが予算を提案しておる立場にありますと、もっともっとほんとうに深刻に考えております。あなた方にもほめられるような、不満足だがまあやったなと言われるほうがどのくらいいいかもわからないのです。そういうような状態で、これはこれからでも皆さんの御意見や国民の意見も聞きながら、いずれにウェートを移すべきかという問題は十分考えながら、国民の支持と理解を得てまいりたい、こう思います。 ただ、すべてが二者択一でもって、これかこれだという考え方では政治の責任を果たしていくわけにはまいらないわけであります。国民全体の利益を守らなければいかぬ。そして、より恵まれない人たちに焦点を当てるというのが民主政治の基本でなければならぬ、こういうことを御理解いただきたいと思います。
○荒木(宏)委員 問題は実にはっきりしたと思いますね。あなたはいま、問題は二者択一ではないと言われた。公害の問題はどうですか。公害をまき散らす者と害を受ける者、どちらかですよ。その両方の希望をとって中途はんぱなことはできやしませんよ。どうです、いまはっきりと求められているのは、対外貿易政策一つにしても、今度の長期計画では、シェアの問題が七・九%から九・八%でしょう。戦前の昭和十三年のころですら五・三%ですよ。あの軍国主義はなやかなりしころでね、伸び率一四%。こんなに円の問題、ドルの問題が国際的に大きな問題になっているのに、低賃金、低福祉、労働強化、それでもって、まだこんな伸び率でシェアをどんどん広げていくというような政策をどうしてとるのですか。そのことを言っているのです。 いま、この論議を通じて、自民党・内閣の基本的な姿勢がはっきりしますよ。こういった対外貿易政策、そこにあらわれている依然とした輸出第一主義、輸出増強、そして超高度成長政策が誤りであったということはもうすでにはっきりしているじゃありませんか。いま、総理も御存じのように、この荒れ狂っている商品投機のために、国民はどれだけ被害を受けているか知れやしません。それを取り締まるためには、買い占めをやっている商社を取り締まることでしょう。そんな中途はんぱな、足して二で割るような態度で国民の要求を実現させることは決してできません。 今度の予算案は、いままで明らかにされた対米従属と、そしてアメリカのドルのたれ流しを認め、それを支持した予算である。大資本奉仕の超高度成長政策を進める予算である。そのことをはっきり指摘して、そして、国民生活を守ること、自主的な立場で国民生活を優先させる予算、わが党も加わって四党共同でまとめたあの予算について、あなた方のほうで、それに対して誠実にはっきりと回答されるように、この予算について、撤回をし、再検討されるように、そのことをはっきりと申し上げて、私の質問を終わります。
○根本委員長 これにて荒木君の質疑は終了いたしました。 次に、山田太郎君。
○山田(太)委員 私は、これから締めくくり総括の質問をさせていただきますが、まず、冒頭にあたりまして、一言質問あるいは要求とでも申しますか、それを申し述べておきたいと思います。 私たちは、先ほど辻原委員が述べられましたように、野党四党で組みかえ動議を提出いたします。本来ならば、政府は、四野党が組みかえ動議を提出するまでもなく、みずから政府案を修正すべき筋であります。政府案は、きょう伝えられますような、二〇%という大幅円切り上げという事態は全く予想せずして編成された予算案であります。しかも、政府は、予算審議の中において、今回の事態に追い込まれた政府責任の表明で、今後政府がとるべき姿勢として、わが国の経済社会構造を福祉中心型構造へ転換するため努力をすると確約しておられる以上、直ちに予算修正をし、その実行をすることが当然だと思うのであります。私たちは、当面緊急の課題である福祉経済への転換を実現するために組みかえ動議を提出いたしますが、午前中総理は、政府の見解をまとめるとのことでありますが、政府はこの動議に応ずるのか。もし応じないとするならば、その理由を明確にすべきだと思います。総理の御見解を伺っておきたいと思います。
○田中内閣総理大臣 先ほど辻原議員に申し述べましたように、四党の発案になる問題に対しては、明日までに政府の意見をまとめて申し上げたいということでございます。予算は、御審議をいただいて、いっときも早く成立をお願いをいたします。
○山田(太)委員 そこで、緊急の問題でございますので、他の質問を行ないます前に、まずお伺いしておきたいと思います。 それは何かと申し上げますと、本日のEC蔵相理事会の結論どいたしまして、すなわちEC蔵相会議で、西ドイツが三%のマルクの切り上げをして、西ドイツを含む六カ国が域内通貨の対ドル変動相場制をとっていくこと、また、イタリア、アイルランド、イギリスがいままでどおりの変動相場制をとっていくことと、こう報道されております。この問題についてどうお考えであるか、総理大臣並びに大蔵大臣——ちょっと待ってください。もう一点ついでにお聞きしておきます。 来週明けの十九日から、東京外国為替市場を再開するものと思いますが、閉鎖前と同じ状態で再開するのかどうか、これもあわせてお伺いしておきたいと思います。
○愛知国務大臣 関係国の蔵相会議に引き続いてEC九カ国の蔵相会議が行なわれ、これにはわがほうは参加いたしておりませんから、正確な連絡はまだございませんけれども、いわゆる共同フロートということで、十九日から為替市場を開きたいということに、大体の合意ができたように情報としては伝えられております。 それから、それに関連して、ドイツのマルクが小規模の引き上げがあるのではなかろうかということも情報として伝えられておりますが、最終的な、確定的な連絡はまだ受けておりません。 それから、第二の御質問で東京市場の問題。これは御案内のように、ヨーロッパが非常な不安定状況でございまして、市場閉鎖も続けておりますので、一方、十九日からは再開をするということがヨーロッパ側でもほぼ確実と見通されますから、今回の東京市場の閉鎖というものは、ヨーロッパの情勢に起因したものでございますから、さような平静状態に復帰すれば、もちろん東京も開場いたしたいと思います。それから、当然これは、先般来の変動為替相場でもって市場を開場する、インターバンク取引を復活する、こういうふうにただいまのところ考えております。
○山田(太)委員 ただいまの御答弁によりますと、閉鎖までと同じ状態でというふうにお答えがあったものと解釈いたしますが、あわせて、この十六日に十五カ国蔵相会議が開かれるということは既定の事実でございますが、そのときのわが国の臨む態度あるいは方針といいますか、せんだっての予算委員会で三つの項目を申されましたけれども、きょうの報道によりますと、米国ではひそかにドルの買いささえをしておったというふうな報道もなされているやに聞いております。そういう点を含めて、どういうふうな姿勢、どういう態度、あるいはどのように米国に要請するのかということも含めて、この点についてお伺いしておきたいと思います。
○愛知国務大臣 わがほうの基本的態度といたしましては、先般来申しておりますような三つの基本的な考え方で対処いたしたいと思います。同時に、EC諸国が先ほど申しましたような態度を大体きめつつあるように思われますけれども、やはり、これには、アメリカとの関係なども一つのいわば条件になるような要素もあると思いますから、その辺のところが十六日の全体会議でさらにこまかく協議されるもの、こういうふうに予想ができるわけでございます。 わがほうとしては、くどいようでございますが、三つの考え方を基本にしてこの会議にも臨むべきである。しかし、ともかくも、昨日も申しましたように、国際通貨の安定ということは非常にむずかしい問題であるが、同時に、各国ともやらなければならない問題である。多少時間のかかる恒久的な対策と、ヨーロッパとしては、またこれと関連いたしますわが国といたしましても、当面平静化するということが非常に大切なことだ。この両方の考え方の上に立って、日本としての主張すべきところは主張し、協力すべきところは協力していく、これがわがほうの態度でなければならない、こういうふうに考えております。
○山田(太)委員 もう一点。欧州六カ国では、対米要求の中あるいは要請の中で、アメリカの買いささえというものも要求あるいは要請するというふうなこともあったようでございます。そういう点についてのわが国の態度は、過剰流動性になっていくたれ流しドル云々の問題への要請の中にも含まれていく意味もあるかもしれませんが、やはり、もう一項目その点は強く要請すべきじゃないかと思うわけですが、その点についてはいかがでしょうか。
○愛知国務大臣 この点は、昨日申し上げましたが、ドルの交換性の回復という基本線から出てくる一つ、二つのバリエーションの具体的な手段、方法に関連する問題でございます。そういった点も、ECの国もアメリカも、当面の平静工作については、一方は要請し、一方は協力するという立場で、漸次この数日中に話が展開いたしてくるもの、またそうなることが望ましいことではなかろうかと考えております。
○山田(太)委員 ドルの交換性の回復の要請というものにもやはり関連する問題であることは認めます。 そこで、その点はまずおきまして、やはり同じ報道によりますと、今回の結論で、西ドイツがマルクを三%切り上げる。そうなると、円の切り上げ幅が二〇%をこえるようになるのではないかといわれております。この点についての御見解を、大事な問題でございますから、ひとつお伺いしておきたいと思います。
○愛知国務大臣 先般日本が変動為替相場を採用いたしましたし、それから、先ほど申しましたように、今度東京市場を再開いたします場合は変動為替相場で、いわゆるフロートすることが、こういう時期における日本として、適切な態度ではなかろうかと考えております。 それから、ドイツのマルクの引き上げ問題は、先ほど申しましたように、確報がまだございませんけれども、おそらく想像するのに、ECが共同歩調をとってまいりますためには、域内諸国との間の通貨調整ということも念頭にあったのではないだろうか。その辺のところは、当事国の態度や考え方というものをいま少しつぶさにいたしたいと考えております。 さようなわけでございますし、日本がいつどういうときに固定相場制度に返るか、どういうレートが適当であるかというようなことについては、いままだ考えておりません。当分の間は変動相場制が適当である、かように考えております。
○山田(太)委員 この問題については、考えてはおりませんとおっしゃる御答弁は当然予想はされております。しかし、これはやはり常識でございます。もうすでにそれに近い切り上げが、固定相場に返ったときには行なわれるであろうということは常識のようになっております。ただ、立場として、それがお答えできなかったのであろうと推察いたします。 そこで、わが国の為替市場の閉鎖の状態でございますが、普通、通念といたしまして、一般常識として、やはり一週間が限度だといわれておるのは御承知のとおりでございます。ところが、これが二週間も続けられたわけです。きょうの報道によると、大蔵省のお考えでは、そうたいした影響を受けていないから、まだ変動相場制を続けても、というふうなお考えのようでございますけれども、しかし、この点については、このような状況下において、中小企業の方々の打撃というものは深刻でございます。私の友人にもそういう輸出関連中小企業をやっておる人がおりますが、もう倒産寸前に追い込まれておる実情でございます。この中小企業の方々に対しての対策というものは、やはり、いままで示されたことよりも、より以上の、これは当然でございますが、その点についての対策を、より一そうこのように講じていくというものを、できるならば具体策というものも兼ね合わせてひとつ御答弁願いたいと思います。
○愛知国務大臣 この問題は、変動相場制の問題というよりも、市場の閉鎖が異例の長さになりますことによって、中小企業、特に輸出関連中小企業に迷惑をかけることを最小限度にとどめなければならない、ここが重点でございます。したがいまして、きょうも早朝から関係の金融機関の責任者等を呼びまして、国内金融の面はもちろんでございますが、為替等の関係におきましても、できるだけ具体的に、きめこまかくお世話ができるようにということを配慮いたしまして、専門的にいろいろ検討もさせております。 こまかい技術的なことになりますれば、国金局長から御説明いたさせます。
○林(大)政府委員 簡単に申し上げます。 市場閉鎖中におきましても、輸出手形等の買い取り、これは確定レートによるものと、仮レートによる仮仕切りのものと二種類ございますけれども、大体順調に行なわれております。昨年の通常の時期に比しまして、大体八割前後銀行の手元に上がってきておりますが、その残りのものは、商社等の手元で現在円資金繰りが比較的ゆとりがございますので、手元に置かれている状況というふうに承知いたしております。 輸入手形等の為替の売りは、大体前年と同水準でございまして、一日当たり七千万ドル程度売られております。 ちなみに、本日全銀協の代表者に大臣のところに来ていただきまして、仮レートによる輸出手形の買い取り等を今後とも円滑に行なうこと、また、その船積みに至る前の段階の金融につきましても円滑に行なうこと、その他各種の情報をきめこまかく関係の方に流すように特に配慮をお願いし、その他事務的にもいろいろ御連絡をして、中小企業金融に遺憾のないように種々手配をしている次第でございます。
○山田(太)委員 集めて検討を加えた。追ってこれこれの指示なりあるいは相談をした。ところが、実際の現地においての国金はしかくなまやさしくはいかないわけです。その点は御承知の上でおっしゃっているものとは思いますが、とするならば、もってのほかでございます。実際に具体的な手を打って、担保がなくても、あるいはまだ返済はしなくても、このようにやっていきなさいという血の通った対策というものを具体的に指示してもらいたい。いまのようなことでは、まだまだ非常に抽象的でありますので、時間を早くということからそういう答えになったと好意的に解釈いたしますが、その点はことに強く要求もし、要望しておきたいと思います。 そこで、次の問題に移ります。実は、通貨の問題あるいは円の問題、投機の問題等々質問を続けていきたいところでございますけれども、これもたいへん重大な問題でありますので、他の質問の前にまずお伺いいたしておきたいと思います。 それは、実は今月の七日、呉市の議会におきまして、わが公明党の前柴議員が大きく取り上げ、追及し、また、調査を強く申した問題でございます。それは、呉から南ベトナムのダナン港に向けて、大量のりゅう弾、九千六十トンの弾薬がまさに輸送されようとしていることでございます。日本国民はもちろんのこと、アジアのみならず世界の人々が喜んだベトナムの和平でございます。ことにアジアの民衆、とりわけ日本全国民は、ほとんどの人が、ベトナムの和平が、アジアの平和というものが、わが国の平和にも、これほどしみじみとありがたさを感じることができるなどとは思われなかったほど、いまその和平をしみじみと味わっておるところでございます。それほど大事な和平でございます。したがってわが国が、ただ協定のみならず、ベトナムの真の平和実現をもしもじゃまするようなことがあってはならないということは当然のことでございます。特に、呉の市民の方々やあるいは広島県の県民の方々は、不安と焦燥の中に憤激をしております。今回、三月一日から十七日まで、走る弾薬庫といわれております火薬の「火」のしるしをつけたトラックが、毎日五分おきに走っている実情でございます。まだ十分御調査もできていないようでございますから、その点を私のほうから実は話しておきたいと思います。 けさほどの御答弁によっても、あるいはまだまだ調査中であるというふうなお話であります。そこで、ちょっと時間を食いますけれども、まずこのような項目別に話しておきましょう。ちょっとことばを速めさせていただきます。 第一点、米軍秋月司令部より呉市議会へ正式通達のあった事実、まず、海面制限、四十八年二月二十五日から四十八年三月二十一日、二十五日間、広湾、これは二月二十一日と三月二日に通告があります。弾薬トラック輸送については、広島県賀茂郡八本町川上弾薬庫より呉市広町黄幡弾薬庫へ民間トラックで輸送、四十八年三月一日から三月十日、及び三月十二日から三月十七日の十六日間。これの通告は二月の二十八日、三月二日、三月九日と三回にわたって通告があります。そうしてその弾薬を運ぶこの船の入港予定、これは四十八年三月七日、こう通告してきたわけです。そして船名はSSグリーン・ウエーブ号。 また、わが党の調査によりますと、これは入手先あるいは資料の入手先は一応発表を控えさせてもらいますが、四十八年三月六日から七日ごろのことでございます、米船一万トン、あとでこれは正確なトン数を申し上げますけれども、七ハッチが空船で入ってきた。そして川上弾薬庫より約八千トンの弾薬を三月一日広町黄幡弾薬庫へ輸送し、黄幡弾薬庫に仮積みしてある約一千トンのりゅう弾と合わせて米船へ積み込む。先ほど申し上げた正確なトン数は九千六十トンでございます。また弾薬の種類は百五ミリりゅう弾、行き先はRG3、すなわちこれはダナンの暗号でございます。その船の前の寄港地はどこかといいますと、RA1、すなわちこれはバンコクでございます。また船の名前は、先ほど申し上げたとおりです。正確なトン数は一万五百六十二トン。入港地はUL9、これは呉の広の暗号でございます。出港は三月十七日。 また、その他の事実関係を申し上げてみますと、三月九日午前、呉市竹内総務部長が、前述の前柴議員を中心にして呉市の要請により、市を代表して米軍と折衝したのですが、そのときに米軍の弾薬将校、これは新聞にも名前が出ておりますが、ジオン・J・オネンボー、この陸軍大尉に会うております。そのときに同大尉が、将来変更しない限り、ダナンへ行くことになっておると、ダナン向けであることを認めております。内容は、百五ミリりゅう弾を含むもので、トン数については発表できないと言うております。このことを竹内総務部長は三月十日呉市議会の委員会の席上、正式に発表しております。そして現在、この米船SSグリーン・ウエーブ号は広港に停泊中でございます。 そしてついでに申し上げておきますと、公明党広島県本部より三月十日塩出参議院議員が呉防衛施設局長に抗議文を渡しております。内容は、米軍並びに政府に厳重に抗議するという内容でございます。この点について、まずこの抗議文の、防衛庁長官はお急ぎのようでございますから先にお伺いしておきますが、その点についての報告がありましたか。あるいはその点についてはどのような御判断をなさったか、その点について、やはり一応の立場からお答えしていただきます。
○増原国務大臣 いまの件、私、まだ実は承知をいたしておりませんので、施設庁長官を呼んでおりますので、施設庁長官からお答えをさせたいと思います。
○高松政府委員 呉局から私のほうに報告がございまして、それから七日に事実を大体調査いたしました。
○山田(太)委員 さて、この問題についてまず、きょうも多少は論議されたようでございますが、しかし、まだまだ意を尽くしかねておると思いますし、この点について、まず大平外務大臣の御見解をお伺いしておきたいと思います。
○大平国務大臣 いま山田委員から御指摘がございましたような事実は、あらまし私も承知いたしております。また公明党関係者におきまして、御抗議がありましたことも承知いたしております。それで、その事実につきまして米側に照会いたしました結果、それは事実であるということでございます。先ほども御答弁申し上げましたとおり、私どもとしては米国大使館を通じまして、本件弾薬輸送の状況とそれから和平協定との関係について問い合わせをいたしましたが、米側は本件輸送は、本件輸送に限らず、南ベトナムあての輸送は、すべて和平協定に即してやっておるのであって、搬入方法、国際監視の実施等何ら和平協定に違反する行動はとっていないというのが今日までの回答でございます。 ちなみに、山田さんも御承知のとおり、パリ協定の第七条第二項には、「南ヴィエトナムの両当事者は、南ヴィエトナムの両当事者の合同軍事委員会及び国際管理監視委員会の監視のもとに、休戦後に破壊され、破損され又は消耗した武器、弾薬及び軍事物資を同種類、同性能のものと一対一の割合で定期的に取り替えることができる。」こういう規定があるわけでございまして、米軍がいっておるのはおそらくこのことを意味しておると思うのでございますが、一体この一対一の割合による交換をこえる量なのかどうなのか、最終的にはこれは国際管理監視委員会の認定がなければわからぬわけでございますので、私といたしましては、先ほど、調査中であると申し上げたのはその趣旨でございます。
○山田(太)委員 先ほどくしくも大平大臣が御答弁なさいましたように、米軍はベトナムの和平のために使うためだ、南ベトナムのダナン港へ送るのは間違いありません。しかし、米軍に問い合わせたところが、ベトナム和平のために要るこの多量のりゅう弾は、大平大臣御承知のように、これまでベトナムヘの輸送の弾薬の中でも、これほど大きな船で、これほど大量の弾薬を積んだことはないほどのこの弾薬でございます。先ほども申し上げましたように、ベトナム和平をじゃまするような行為がもしあったならば、ベトナムの人々はもう日本の国も信用しませんよ。日本の国を信用しませんよ。これが出ていくのは、三月十七日でございますよ。もうすぐ出ていくのでございます。すぐ出ていくんです。国民感情の問題も大切なことでございますし、同時に、この和平協定そのものにありますように、この国際管理監視委員会の監督下に掌握されるという証明がどこにあるんですか。どこでそれが証明できるのですか。ただそれを聞いた、それを信用してください、アメリカの言うことでございますから、いままであなたは、またあなたたちはそれで逃げてきたのです。もう三月十七日です。全国民は、日本の国から出ていくたまでベトナムの人々が死んでおるというこの悲しい思いをやっとのがれてきた。それをまたこのような、いまだかつてないような大量のたまを輸送しようとしている。米軍はこう言います、そういうことでは私は納得できません。もう出ていってしまうんです。そういうことでは納得できません。その管理監視委員会がちゃんと証明するという根拠がなくては納得できません。委員長、あのような答弁では私、納得できません。納得できません。どうするんです。
○大平国務大臣 少しも異なことを御答弁申し上げているわけではないのでありまして、あなたの言われるように、この問題は、最終的には国際管理監視委員会の認定がないと、協定第七条第二項によるものであるかどうかそれはわからぬ、だからその点をいま確かめておると私は申し上げておるわけでございます。
○山田(太)委員 では、きょうの答弁の中にも、協定以外のものは持っていかぬというふうなお答えもあったようでございますけれども、それを確かめておる最中でございます、このような返事がありました、したがって間違いないと思いますと。三月十七日には出ていくのです。また、現地においての、そのりゅう弾やあるいはそのほかの弾薬がどう動いていくかわからないのですよ。日本全国民がこの問題には実は注目しているんです。あなたたちは、安保条約下においてというふうなことを言うかもしれません。しかし、いま現在アメリカの船が、アメリカの軍が和平協定違反をするかもしれないというそういう疑惑、これはどうしても晴らしてもらわなければ、これからの日本とベトナムとの交渉やいろいろな援助交渉にしたところで、かなうことのできない問題です。ただ、アメリカがこう言っておりますということだけでは承知できませんよ。その点についてはどのような証明、どのような証拠をとるのかということがはっきりしなければ、私は承諾するわけにはいきません。委員長、その点をひとつよろしく……。
○大平国務大臣 私が、先ほどから申し上げておりますのは、和平協定というのは、アメリカが当事者になりまして、ようやくにしてつくり上げたものでございまして、アメリカ自身がこれを侵犯するなんということは考えられないことだということを申し上げたわけでございます。しかし、現実に呉からこういう弾薬の輸送という問題が具体的事実としてあるじゃないかという御指摘でございますので、米側に照会をいたしましたところ、ただいまのところそういう返事でございますけれども、これはあなたの御指摘のとおり、和平協定に合致したものかどうかという判定は、国際管理監視委員会の認定がないといけないわけでございますので、その点を確かめておるんだということを御答弁申し上げておるので、これ以上の答えようは私にはございません。
○山田(太)委員 それが来るまでに出港したらどうしますか。正式な証明になるようなものが来るまでに船が出たらどうしますか。きょうはもう十二日です。
○大平国務大臣 船が出る出ないということが問題ではなくて、管理監視委員会の認定の中にあるかないかということが問題であると思います。
○山田(太)委員 管理委員会の認定も大切です。しかし、船が出てしまったんじゃどうにもならぬじゃないですか。そのあとどういうことをやられたってどうにもならぬじゃないですか。常識じゃないですか、これは。全国民が納得するような、米軍がこう言うております、アメリカがこう言うておりますということだけでは、この問題は納得できません。委員長、この問題についての明確な国民の納得できる証明、これがはっきりするまでは質問を続けられません。質問を続けられません。
○大平国務大臣 その和平協定との関係を取り調べておりますから、できるだけ早くお答えいたします。
○山田(太)委員 では、国民が納得できるその証明、いままでのような、アメリカがこう言うておりますというようなことでは、国民は納得できません。どのような方法をとろうとお考えなのか、あるいはそれまでは出港を待たすとか、そういうふうなことをちゃんと答弁してください。条約上云々という問題でなく、もしも万が一、この和平協定を米軍が侵犯するようなことはまさか考えられませんとおっしゃっていますけれども、それが考えられるのが現実でございます。したがって、当事国ではないといたしましても、やはりいまの現状、日本がそれにあと押しするという実情になってくるのです。この点を、明確に国民が納得できるような証明をどうしてするのか。それまでは出港を、条約の上においての権利とか云々じゃなくて、ちゃんとそれを抗議なりあるいは待たせるという、そういう方法を講じるとか。——まあともかく、じゃどのようにしていきますか。
○大平国務大臣 あなたも、本件についていろいろ御心配のようでございますが、私もあなたに劣らず心配をいたしておるものでございまして、私といたしまして、いま言った問題を究明いたしておりまして、その結果が明らかになりましたならば、国会を通じて御報告申し上げます。
○山田(太)委員 船が出ていったらどうにもならぬじゃないかということを言っているのです。
○大平国務大臣 いま停泊中の船、そしてそれに弾薬が積まれて、その行き先はダナンを予定しておるということは、先ほども御指摘のあったとおり、その事実を私どもも認めておるわけでございまして、これをどう取り扱ったらいいかという問題につきましての問題の焦点は、和平協定の関係において、これがどういうかかわり合いを持っているかということを究明しないと、私の処置は出てこないわけでございますので、いまそれを究明いたしておるところでございますので、これを待ちまして善処いたしたいと思います。
○山田(太)委員 それまで船をとめることができますか。
○大平国務大臣 いま究明中でございますので、しばらくお待ちいただけませんでしょうか。そういう船の物理的な問題より前に、片づけなければならぬ問題があるわけですから。
○山田(太)委員 それよりも前に片づけなければならない問題があるとおっしゃいますけれども、船が出ていってしまったら、九千六十トンのりゅう弾を積んで出ていってしまってはどうにもならないのですから、それが出ていくまでに、国民が納得できる証明をすると言われるのですか。
○大平国務大臣 いずれにいたしましても、あなたも御心配でございましょうけれども、政府はより以上に心配いたしておる問題でございますので、これについては、ちゃんと究明すべきものは究明して善処いたします。
○山田(太)委員 いまのは、私の聞いていることに答えていないのです。この点は委員長、明確に国民が納得できるように、いままでと同じようなことでは納得できません。この点を委員長どうしますか。納得できません。
○大平国務大臣 いまあなたも言われたとおり、出港予定が十七、八日と予定されていることも私、承知いたしておるわけでございまして、そういう時限も考えながら究明すべきものを究明いたしておる最中でございます。
○山田(太)委員 では、ひとつくぎを打っておきたい。それが明確になるまでは船は出ない、この証明もできますか。
○大平国務大臣 それまでに明らかにしたいと思っております。
○山田(太)委員 それまでに明らかにする、その方法はどのようなことが考えられますか。
○大平国務大臣 いま、米側につきまして事態を究明いたしておるところでございまして、一番肝心なことをちゃんとわきまえた上で、その期間内に善処しなければならぬと考えております。
○山田(太)委員 大平大臣、私がさっき申し上げたのは、米軍がこういうふうに答えております、そういう究明だけでは国民はもう納得しません。もしも万が一、このことによって和平協定違反というものが米軍にあったということになったときに、それはゆゆしい問題になってきますよ。国民が納得するためには、いままでと同じようなやり方でなく、ちゃんと誓約的なものあるいは監視委員会の証明なり、それをちゃんと取るということでございますか。
○大平国務大臣 そこがポイントだと思っております。
○山田(太)委員 では、大平大臣の強力な措置あるいは努力というものを期待して、次の質問に移りましょう。しかしその前に、もう一言だけ言っておきましょう。もし、このことによって、あるいはそれ以外のことによっても、米軍の違反の事実があったなら、このようなことだけで言うのではないのです。だからこそ安保条約が戦争に巻き込まれるおそれがあるという、やはり国民の危惧の大きな一因にもなるということを、一つつけ加えておきたいと思います。 そこで、これは一般常識でございますけれども、いままで安保の立場から、北ベトナムに対して敵性と思っていたということは、これはよくいわれたことです。そこで、この点についての処置というものも、その反省の上に立った処置というものを当然やっていかなくてはならないと思います。また、総理大臣がベトナムヘの復興援助に対して大きな熱意があり、それの実施を何とか早くやっていきたいというお気持ちもあることも承知しております。したがって、アジアの平和という立場も踏んまえて、総理はベトナムの復興援助にどのような具体的な措置をやっていきたいというふうなお考えか。当初の予定は多少狂ってきたわけです。思うようにいかなかったという面もあるるわけです。その点について総理から一言お伺いしておきたいと思います。
○田中内閣総理大臣 南北ベトナムを問わず、戦後の民生安定、経済復興に対しては、しかるべき熱意を持って協力をしていきたいという基本的な姿勢でございます。 ただ、その具体的な方法につきましては、先ほども御指摘がございましたが、国連でもまとめて援助をしたいというような考え方もございますし、また日本自体も、できれば各国の協力を得て、何か復興会議のようなものができるならば、そのような事態において協力をしたいという気持ちもありますし、またアメリカやその他の国々、パリ会談のメンバーがあるわけでありますから、これらの国々がどのようにして要請してくるかというようないろいろな問題があります。いずれにしても南北ベトナムの民生の安定、経済復興ということに対しては、わが国としては誠意のある強力な支援体制をとってまいりたいというのが基本であります。
○山田(太)委員 いまの総理のお考えからいたしましても、この問題はやはり大事な問題です。おそらく、どのような処置をするかということは、私の想像で恐縮でございますけれども、ベトナムの人たちがやはり大きく注目しているところであろうと私は想像いたします。 そこで、具体的なことでございますけれども、もし十七日出港予定日までにいまのベトナムの監視委員会の結論が、御存じのように国際管理監視委員会のもとにやるというわけですから、先ほどから外務大臣が答えられたとおりですから、したがって、その結論が出ない限り出港させない。わかりますか、私の質問していることはわかってくださいますね。そうして、もし結論が出ないまま出港した場合は、どのような責任の所在があるのかということについて、最後に一点お伺いしておきます。これはやはり総理大臣からお答え願ったほうが、大切だと思いますので。
○田中内閣総理大臣 先ほどの質問は、ベトナム復興に対してということでございましたからそう申し述べたのですが、また船の問題が出るとはちょっと思わなかったわけですが、船の問題に対しては、いま外務大臣が述べておるのでございますから、外務大臣の御返答をお待ちいただきたい。それは外務大臣は所管大臣として調査をしておるのでございますから、これはひとつその報告を待っていただきたい。
○山田(太)委員 復興援助のことだと思っておったら、また船のことですかとは何ごとでございますか。感じたままをおっしゃったのだろうけれども、私の一番質問せんとする本旨というものを、よくわかっていただいていないと思うのです。であるがゆえに、そのときの結論が出ない場合はどうするのかという問いに対して、答えがなくては納得できません。
○田中内閣総理大臣 外務大臣はそれまでに調査をして善処いたしますと、こう述べておるのですから、その報告が行なわれた時点においてお考えいただかなければならぬ。これは違法問題であるとか、国内法にどうするという問題じゃないのです。あなたが御質問になっているものは、まあわれわれも同じ気持ちでございますが、非常に次元の高い立場で御発言になっているわけです。せっかく得たベトナムの和平が破られては困るのだという問題でありますから、だからそういうことに対しては、みんなお互いそう思っているのですから、あなたの質問の趣旨も姿勢もよくわかるのです。ですから、責任の当局にある外務大臣が、アメリカとの間に十分調査をいたしまして、御趣旨に沿えるような結論を出したいと思いますと、こう言っておるのですから、そのときに出たらどうするとか、そうじゃなく——私は仮定の質問にはお答えしませんなんということは申し上げません。実際はよくわかっておるのです。ですから一生懸命やりますと、こう言っているのですから、やはりその調査の結果を待っていただかなければ、これはどうにもならない問題でございますし、もうこういう応答があることは、向こう側にもきっとわかっておると思います。ですからそういう問題は、少なくともアメリカもよく承知をしておることなんで、このベトナム和平を定着させたい、維持したいということに対して、アメリカは非常な熱意を持っております。もちろんそうでしょう、あんなどろ沼の長い歴史の中からようやく得た結論でございますから。 そういう意味で、私は、常識的に考えると協定以外の行動などはごうもないと思いますよ、私個人は。ただ、それは私の立場で考えられる話であって、あなたは、いまこういう具体的な事実を指摘して、そしてそれがもし協定違反になるような状態であるならば困るじゃないか、取り返しのつかないことになってはいかぬので、政府は調査せよということでありますから、政府は調査し、善処をいたし、報告を申し上げますと、こう述べておるのでありますから、それで御理解いただきたい。
○山田(太)委員 調査をし、善処をする、それを出港するまでにという点、船が出港するのは、いまの予定は十七日になっています。それが延びるならばいざ知らず、いまは十七日になっておる。ひとつ国民の納得できる決定をしてもらいたいということを、強く要請しておきます。 次に、これと関連することでございますが、相模原補給廠。この相模原補給廠の戦車あるいは装甲車の修理、その軍需品の問題についても関係あることでございます。この点についてはやはり同じことが言えるわけですから、この点についての配慮はどのようにするかということも、あわせてお伺いしておきたいと思います。
○大平国務大臣 相模原の補給廠からの戦車の搬出問題につきまして、問題になりました当時官房長官が発表いたしましたとおり、今後あの補給廠は大幅に縮小するということ、そして今後原則としてベトナム向けの搬送はしないという合意を見ておるわけでございまして、そのラインに沿いまして今後処置してまいりたいと考えております。
○山田(太)委員 やはり同じような条件が考えられるということを、ひとつ念頭に強く置いておいていただきたいと思います。大臣が早く先ほどのような答弁をしてくれれば、こんな時間を食わずに済んだわけです。大臣と向かい合わせですから……。 それはさておきまして、もう一点。これは日本の製鉄事業になくてはならないホンゲイ炭のことですね。そのホンゲイ炭の輸入の再開といいますか、やはり爆撃されて非常にこわれているわけですが、これも注目されている問題の一つでございます。この点についての復旧援助というものはどのようにやっていく予定なのか、それも一ぺんお伺いしておきたいと思います。
○中曽根国務大臣 ベトナム和平が着実に地固まりがしていくことを希望しております。それに応じまして日本としては、前にも申し上げましたように、南北に対しても民生復興に対する協力にやぶさかでないという態度でございますが、物資の輸出入等につきましても、南北両方、特にホンゲイ炭等につきましては、製鉄事業として非常に渇望しているものでございますので、できるだけ交流を拡大していくように希望しております。
○山田(太)委員 これは一例でございますけれども、このような援助なりあるいはその他の意味も含めて、もしも万一私が心配しているようなことがあったならば、ベトナムの人々は、南にかかわらずあるいは北にかかわらず、あるいは臨時革命政府の人々にかかわらず、日本人あるいは日本の国に対して信用を落としてしまうであろうということは、これは自明の理でございます。その点をもう一度念を押して次の質問に移りたいと思います。 そこで、まず単刀直入に質問を申し上げたいと思います。そこで簡単に単刀直入にお答えを願いたいと思いますが、投機の問題。これは過剰流動資金が大きな元凶である。このたびの通貨不安の問題についても、たれ流しドルがやはりこの通貨不安の大きな元凶であることは論をまちません。国内においてもこれと同じような、たれ流し円ということばが適当かどうかはさておいて、世間においてはたれ流し円ということばも使われております。このたれ流し円の出てきた原因というものは、これまでの御答弁によりますと、やはり一つは金融緩和が失敗であった。二つ目には外為会計の払い超が原因であった。この二点のほかにもありましたよ、お答えの中には。しかし大本をつかむところ、二点が原因である、そのようにおっしゃってきたと思うわけです。その点については端的にお答え願いたいと思います。どうお思いですか。
○愛知国務大臣 一昨年来の状況を見ますと、こまかく申し上げるといろいろございますが、大体においていま山田さんのおっしゃったような傾向である、そういうことは言えると思います。
○山田(太)委員 そこで、もう買い占められておるようないろんな資材、もう御存じのことでございますが、幾たびか言われてきたことでございますから。しかし、論を進めていく立場上、木材あるいは大豆、アズキ、羊毛、毛糸、綿糸、生糸、皮革、セメントから米あるいは魚にまで手を伸ばしてきているのが実情でございますが、この問題はまたあとで論ずるといたしまして、言うならば、このたれ流し円、過剰流動資金、これは総理大臣の御答弁であったと思います、あるいは大蔵大臣かもしれませんが、この金融政策は失敗であった、こういうお答えがありました。まあ虚心たんかいな御答弁であると思います。そのことだけはほめられてもいいと思います。しかし、もう一つのほうの外為会計の払い超に対しては、なぜ手を打たないのであるかという点を、簡単にお聞きしておきましょう。お答えを願います。
○愛知国務大臣 失敗というおことばがございましたが、そういうことはなかったと思いますが、その当時それなりに私は是認されることと思います。 それから過剰流動性の問題でございますけれども、四十六年から四十七年にかけて外為からの資金の放出が六兆円前後になりました。そのことはもう過去の事実でございます。それから現在は、御承知のように変動相場制でございますから、不必要な外貨が入ってくる、ことに投機資金等が入ってくることはございませんで、今後過剰のドルが、投機的なものが入ってこないようにすることはもちろんでございますけれども、輸出、輸入の状況も、だんだんと国際収支の均衡ある状態が出てくると思います。しかし、それにいたしましても、それはそれとして一方企業の過剰手元資金というものがあるから、これが投機に飛び出す、これもそういう現象がございますけれども、たびたび申し上げましたように、手元流動資金というものも、全体の日本の金融のマネーサプライという状況から見ればこれは一部であって、たとえばいま申しました六兆円というものは過去のものでございますけれども、現在の全金融機関の貸し出しというようなものは七十兆円というような非常に大きな額でございます。 そこで、やはり過剰流動資金の抑制ということは、金融政策全体の上で、準備率の再度にわたる引き上げというようなことを背景にして、対象別、たとえば商社に対し、あるいは目的別、土地、株その他ということを選別的にきびしく規制をするということが、現在の日本の情勢下においては最も適切であると考えまして、そういう金融政策を現に展開しておる、これは累次御説明申し上げているとおりでございます。
○山田(太)委員 大蔵大臣の御答弁は、私がお伺いしたことに答えていただいていないわけです。というのは、金融緩和が失敗した、これは正直なお答えで、これは総理大臣でした。そこで、金融引き締めの手は打っている。ところが、言うならば過剰流動資金、すなわちたれ流し円の原因、元凶といいますか、調査したことによりますと、約八〇%近いのがやはり金融緩和が原因であるようでございます。ところが、片一方の外為の払い超、やはりこれが二〇%見込まれておるわけですが、この問題についても手を打たなくてはならないんじゃないか。言うならばじゃ口が二つあるわけです。片一方は八センチ、片一方は二センチなり三センチのじゃ口です。これからどんどん出てくる円のためにあふれて、商社のモラルが欠如してしまっているこの現在、すごい投機によって、きょうの私の聞いたことによりましても、一つの例をあげれば、マグロなんかは、これは農林大臣の関係にも入りますけれども、この価格を安定するためにつくった冷凍倉庫が、マグロの買い占めに使われてしまっている。そうして、いまやもう庶民の食料ともいえるこのマグロ、三崎港においてもあるいは静岡の焼津においても、その他所々方々で、この冷凍倉庫が、価格安定のためであるのに、それが逆に国民を苦しめておる。しかも、これには大きな補助が出されておる。国民の税金で補助を出されたものもたくさんあるのです。それが全部国民の首を絞めてくる。 まあ、それはともかくとして、この投機、生活必需品への投機、この商社の行為、これは非常に憎むべきものであることは当然のことでございます。したがって、これに対する買い占めあるいは売り惜しみの取り締まり規制もやろうというわけです。その問題については、抜け穴があるあるいは十分な効果ある措置ができないじゃないかという心配がされております。 その点については、また別に触れるといたしましても、この八センチと二センチのじゃ口から出てくるこのたれ流し円があふれて国民の生活を苦しめ、よごしているわけです。片一方については締めてやっておりますけれども、この片一方のじゃ口のほうはもう抜きっぱなしなんです。西独においての状況を調査してみたところが、西独ではちゃんとこれに手を打っております。ただ外貨がたまることだけを西独は心配しているわけじゃないのです。それが過剰流動資金となって、そして投機に使われ、国民の生活を苦しめることを一番心配しております。わが国の政府はその点がやや、ややどころかたいへん不足しておった。したがって、片一方のじゃ口を出しっぱなしておったのではだめじゃないかということを言うておるわけです。これに対して、手を打たなくてはしようがないじゃないかということに対するお答えがないわけです。
○愛知国務大臣 これは、御説明すると長くなりますから、つとめてきわめて簡単に申し上げますが、ドイツの場合は日本と違まして正常な経常取引ではないですね。ドルの乱入というようなことがあるわけですから、どうしてもああいう手が必要だと思いますが、日本の場合は、少なくとも今日及び以降におきましては、正常な輸出が行なわれて、その輸出が多過ぎるということはまた別問題として、正常な輸出で得たところの輸出手形が円にかわるわけでございますから、じゃ口でとめようといたしますと、正常な輸出代金を凍結しなければならないということになります。一口に言いますと、ちょうど全部の輸出品に対して輸出税を一律にかけるということにも似てくるようなことになりますし、それからその輸出代金に対して、たとえば証券、国債というようなものを強制保有させるということになりますと、これはそうしたことが適切であるかどうかということについては、私は非常にむずかしい問題であると思います。つまり、正常な輸出の代金を封殺することがいいか悪いか、それからその次にはそういう手段、方法が立法上等においても考えられるだろうか、そして同時に先ほど申し上げましたように、昭和四十六、七年ごろならばともかく、現在においては圧倒的に大きな資金量の中での一部の輸出代金でございますから、これはやはり総体的な資金規制の中で、選別的な融資規制をやって商社に金がだぶつかないように締め上げて、正常な資金の計画だけしかできないようにするというふうに押え込んでいくことが、日本におきましては最も適切なやり方ではないだろうか。 たとえば、輸出関連の中小企業等のことを考えましても、日本的な持っている問題から申しまして、現に政府がやっておるやり方というものが私は適切だと思いますが、しかし、なかなかむずかしい状況下でございますから、いろいろ建設的なまたいろいろの名案がございましたら、何でもひとつ謙虚に政府としても考えて、そしてよい案がありましたら謙虚にそれを取り上げていきたい、こういうふうに考えております。
○山田(太)委員 総理の御答弁の言質をとらまえて言う意味じゃありません。それは先にお断わりしておきますけれども、これから後だって大幅にまた輸出がどんどん伸びる場合もないとは言えないでしょう、そういうこともあるかもしれぬということは予想もされます、これはせんだってのやはり当委員会での御答弁でございます。これをとらえて言うんじゃありません。そこで、やはり問題は、この一つのじゃ口を放しっぱなしにしておるということには疑義があるわけです。そこで大蔵大臣は、先ほど正常な取引行為、すなわち正常な商行為という意味を含まれておると思います。しかし、やはりたれ流し円ということばはどうもあまりお好きにならぬようでございますが、何といいますか、余剰資金、これがやはり大きな一つの因には違いないのです。 そこで、これは一つ提案申し上げたいと思います。先ほどくしくも大蔵大臣の御答弁に、これは輸出税というふうなことにもなるというお答えがありましたが、いま、御存じのようにアメリカにおいては通商法案、緊急措置でやって輸入に課税しようというふうなこともほとんど見通しがついたといわれているような実情でございます。先に手を打つという必要もあるのじゃないかということも、これ一つでございますけれども、大きな意味においては、やはりこのたれ流し円の防止です。そのためには、いまの法規によるとなかなかどうやるかということに疑義があるというお答えですが、ひとつもう一ぺん間に聞いておきましょう。やはり一方のじゃ口を出しっぱなしであるということはいいことではない。いまのところ手を打つ方法はないが、いいことではない。両方とも一応規制するということのほうが、常識的ではないかということについてはどうお考えでしょう。簡単に答えてください。
○愛知国務大臣 私は、私の考え方を率直に申しますと、やはり輸出は輸出で大切な正常な行為でございますし、それから全体として見れば日本は資源もない、エネルギーもない国でございますから、これを獲得するために輸出を封殺するという考え方はいかがと思います。その正常な取引から出てくるかわり金であるところの円の資金というものを根元で封殺して、これは使えないお金だとすることは、しかも一方において金融政策として目的が達せられると私は確信いたしますがゆえに、それは少し行き過ぎたお考えではないか、私は率直に言うとこういう考え方を持っております。しかし、申し上げましたように、何かまた積極的な御意見等があれば、謙虚に検討する用意は持っております。
○山田(太)委員 これは私なりの考えで恐縮でございます。しかし、やはり両方のじゃ口を調節する必要があるのじゃなかろうか。輸出を押えていくというふうなことをやろうという意味じゃありません。そこで、これは外為会計にいくわけにはいかないかもしれません。私の調査した範囲内では外為会計にはいかないかもしれませんが、やはり外為銀行ではこの制度が、この制度といいますのは、やはり一部きめてこれは動くようにしておくわけです。フロートするようにしておくわけです。そして保証金あるいは預託金という名前か、これはかりのことでございますけれども、多少フロートしておいて、過剰流動性資金のもとも、これは金融引き締めだけではこのたれ流し円というものはなかなか成果があがらないという場合もあるということは考えていかなければいけません一その点で、この点も考えたほうがいいのじゃないかということを一つ御提案申し上げておきます。この点については、先ほど大蔵大臣の、私の考えではというお答えがありましたので、いま直ちにこれに賛成する御答弁が出るはずはないと思いますけれども、しかし、一応の御見解を承っておきたいと思います。
○愛知国務大臣 この種の性格の問題には、いろいろの考え方も昭和四十六、七年ごろからもありましたけれども、結局現在におきましては、先ほど申しましたように、まあこういうことを申しますとあまり世俗的かもしれませんが、お金にしるしはないわけでございますし、それから外為会計からのいわゆる散超に対しては、国庫と民間の収支を見合いながら、たとえば買いオペとか売りオペとかいうようなこともできるわけでございますし、金融政策の正常手段でもって十分これはまかなえるといいますか、あばれ出さないように吸収して操作することができる。私はそれで十分であろうし、これが正常な経済の活動を阻害しないでやれるゆえんであろうと思います。しかし、何べんも申しますように、積極的ないろいろの御提案につきましては、その利害得失等を十分検討さしていただきたいと思います。
○山田(太)委員 その問題は一応この程度にしておきまして、次には通産大臣ですか、あるいは経企庁長官ですか、まあこの買い占め、売り惜しみ法案の担当は経企庁長官ですね。この中で、これまでも問題にされてはきましたが、いまの政府案においては放出勧告だ、そして放出命令ではない。それから調査を拒んだりあるいはにせの報告の場合には処罰がある、罰則がある。 そこで、実はこういう例がありますね。先ほどちょっとマグロの例なんかを申し上げたからわかると思いますが、経企庁長官、先ほどマグロの話は聞いておりましたですね。このような場合にはどのような効果を出すことができますか。
○小坂国務大臣 この法律は、これから御審議をいただくわけでございますが、まず第一に、対象となる物資はどういうものにしたらいいかという物資の指定をするわけです。(山田(太)委員「ぼくの質問に答えてくださいよ」と呼ぶ)はい。そこでその対象は、いま御質問のマグロのような場合でございますと、これがどの程度国民の消費生活に及ぼす影響があるかということを社会的な通念から見て、これが該当するなら該当するということになりました場合には、そこに参りまして、その何とか会社がそこの冷蔵庫に持っておる、これは少し放出をしてもらいたい、いや、できません、いや、これは放出してもらいたいという行政指導をしまして、そして放出するとすればどのくらいの価格が妥当であるかというようなことも言うて、放出してもらいますことによりまして相当な効果があるのではないかというふうに考えております。
○山田(太)委員 くどいようですが、もしそれに従わないときには公表する。しかし、公表されてもへっちゃらな場合もこれはあるわけです。公表されてもへっちゃらだ、罰則はない。まあ公表されるのもそれはいいことじゃないでしょう。しかしダミーを使ってやる場合、これも話が出ました。この場合はへっちゃらになります。だからそれも捕捉するというふうなおつもりかもしれません。ところがもう一つ欠けているのは、個人がないわけですね。この個人を全く野放しにするということは、これはちょっとおかしい。まあ個人は小さいというお考えかもしれませんけれども、これはやはり加えたほうがいいんじゃないかという考えをわれわれは持っております。 また同時に、この放出命令に従わない場合も、常識的に考えてやはり罰則適用を設けたほうがいいんじゃなかろうか。それを適用する云々はこれはまた別といたしまして、やはり罰則を設けたほうがいいんじゃなかろうか。こういうふうな法案を同じ意味においてわが党においても先日発表しております。その点についてのお考えもひとつ承っておきたいと思います。
○小坂国務大臣 これは個人も入っております。対象になるわけでございます。でございますから、その現場に参りまして調査官が見せてもらう。これはいままでできなかったことですが、調査ができるわけでございます。その調査をいたしますと、それがどのようなルートで、まあその前に調査しまして、これは多過ぎるから放出しなさいと言って、聞かなかった場合どうするかということでございまするが、聞かない場合にでも、これはいつまでも未来永劫貯蔵するわけにはいきませんで、ある期間には放出するわけでございましょうから、これはどういう形で、どういう値段で、どういう方面に放出されたかがわかるわけでございます。そこで、どのくらいの利益があがったかもわかるわけでございます。利益がありますれば、それに対して税金がいくということは当然のことだと思います。そういう点の効果はむろんございます。
○山田(太)委員 この点については、やはり多くを論議しておってもすれ違いになるばかりでございましょう。そこで、われわれの意見を申し上げて、次の問題に移っていきたいと思います。 やはりそのポイントは、国民が注目しているところです。だから、この点は議員修正というものも考えられてもいいんじゃなかろうかと私なりに思っておりますが、その点についてのお考え、お答えを聞くというのは、この場では無理だと思いますから、やめておきます。 そこで、この特定物資ですね、きのうも電話がかかってきました。これは先日わが党の近江議員からも質問があったわけでございますが、セメントの問題ですね。全く一俵もない。仕事をしようにも仕事ができない、何とかしてくださいと言ってきのう電話がかかってまいりました。これが実情です。何をやっているんでしょうかということです。左官さんはもう仕事をやろうにもできないということです。 また、きのうかかってきたのは、同じくまた西陣織りのほうからかかってきました。これは丹後です。丹後ちりめん。この丹後は、ほとんど九〇%以上が丹後ちりめんを織っているのです。ところが糸がないのです。丹後の全戸数の九〇%以上がちりめんを織っているのに糸がない。ちょっと残っておるところもあるが、もう枯渇してしまっておる。またひどいのは、京都のたしかあれは室町でしたか、呉服屋さんのちりめんがなくなってしまった。よく調べてみると商社に買い占められてしまった。そして、おかしいことに、この呉服屋さんが百貨店にそれを買いに行っているのです。ところが、売約済みですというて断わられて帰ってくるという実情もあるわけです。 さあそこで、この点について、いまは需給協議会を開いたり、あるいは法規制をやっているが、当然この取り締まり法案も早く成立させなければいけないし、この点はもちろんのことでございますけれども、いま緊急に手を打っているその問題は、どのように、いつごろその効果が出るのだろうかということを、見通しくらいはひとつ、これは通産大臣の所管になると思いますが、見通しくらいは述べていただきたいこと、まずこれをお伺いしておきましょう。
○中曽根国務大臣 セメントにつきましては、韓国から緊急輸入することにいたしまして、約一万トン、これを手当てをいたします。
○山田(太)委員 いつごろ解決しますか。
○中曽根国務大臣 これは船がこっちへ着き次第、輸送が完了次第あがりますが、特にこれは中国地方、広島を中心に非常に不足しておるものですから、あそこへ緊急に差し向けるようにいま手配をしております。それから、各セメント会社につきましては、フル稼働に入るように、これはだいぶ前から指示しております。ただ原料が、国鉄のいまの輸送遅延のために滞りがちな点が出てきております。この貨車の点を心配してやらないといけないという状態で、運輸省と打ち合わせしてやっております。 それから糸につきましては、最近メーカーと実需者との間にあっせん所をつくろう、そういうことで、これは昔鉄鋼のあっせん所をつくったことがございますが、それと同じようにいま糸のあっせん所をつくりまして、メーカーから直接払い出すように、そういう手配をいまさしております。
○山田(太)委員 そこで、法律の早い実施、これも大切でございますが、その成立するまでに手をどんどん打っていかなければならぬということでやっていらっしゃるわけでございます。また打ってもらわなければなりません。 そこで、この特定物資といいますか、この点も、これから、できてから考えるというのではしようがないことだと思いますが、まず何から始めたらいいかということを、あるいは何と何と何から始めたらいいかということを、検討ができていなきゃならないと思います。それがまだこれからですというんでは、怠慢のそしりを免れ得ないと思うのでございます。そこで、何と何と何からまず始めていきたいと思うか。もう一つ、買い占めされていると思われる品物は何と何と何か、いま調査していらっしゃるそうですから、まだ調査中というふうな御答弁だけでは、これは納得できませんよ。これを何と何と何かということをあわせてお答えを願っておきたいと思います。これは国民にかわって強く、この質問はお願いしておきたいと思います。
○小坂国務大臣 これはできるだけ早く法律を通していただいて、そして有効な手を打ちたいと考えておりますが、問題になっておりまする繊維ですね、ガーゼなどもその中に入るでございましょう。それから生糸もそうでございますね。大豆もだいぶよくはなってきましたけれども、これもいままでの問題からして入れたほうがいいかと思います。それからただいまのセメントもそうであります。その他魚介類などにもありますし、それから最近小さな一部の奢侈品みたいなもので、明らかに暴利を目的として非常に買い占めが進められておるやに聞くものもございます。そういうものも対象にしたらどうかと思っておりますが、これはもうできるだけ早くひとつ法律を通していただいて、実効をあげたいというふうに思っておるわけでございます。 それから、先ほど私、申し上げました中で、ちょっと取り落としておったと思いますのは、あまり暴利が著しいことが明瞭になりますれば、もちろん税金もたくさんいただきますけれども、それと関連いたしまして、やはり物統令の問題もその際には考えられることかと思います。
○山田(太)委員 まだ調査中でございますか、買い占めされていると思われる物資。いまのは特定物資にまずは取りかかりたいという品物をおあげになったわけですが、まだ調査中で結論が出ていないかどうか。
○小坂国務大臣 これはいま申し上げたようなものは、大体予定しておりますけれども、さらにこの法律を施行する段階で、きちっときめてやるということのほうが効果的かと考えております。
○山田(太)委員 では、その問題はこれで置いておきましょう。 そこで、次にやはりぜひお伺いしておきたい問題がございます。まず総理大臣にお伺いしておきたいと思いますが、総理大臣は自民党の総裁に立候補されるとき以来、ことに難病対策あるいは難病患者対策、それから身障者に対する対策というものは、もう何回となく記者会見あるいは国会の本会議においても、あるいはいろいろなところで非常に熱意を示されてきた。そこで、多くの時間を使うわけにはいきませんけれども、難病問題についてはもう三年ないし五年以内に解決したいというふうなお話もありましたが、この点についてどういう計画かということは、これは厚生大臣の所管でしょうから、これは厚生大臣にお伺いしません。それに対する熱意というものを総理大臣からもう一度この場所で、ひとつ私なりにお伺いしておきたいと思いますので、お答えを願いたいと思います。
○田中内閣総理大臣 難病、奇病というような原因の不明のものもありますし、まだ治療の方法が確定していないものもあります。こういう問題は外国からも例を求めなければなりませんし、また家庭的な面から見ても、とても個人の家庭でまかない得るものではないわけであります。そういうものに対して調査研究を行なう、また医療制度の拡充を行なったりして、できるだけ早い機会に公費で、お互いの社会連帯の責任でこのような不幸の方々を救わなければならないということで、ことしはその初年度としまして種々な施策をスタートさせるということになったわけでございますが、年度を重ねながら、これらに対しては可及的すみやかに万全の対策をとってまいりたい。一般的な社会保障の拡充、これは当然必要でありますが、しかし、その中で一番のものは、個人家庭ではどうにもならないというものがあるわけであります。特に難病、奇病というので、精薄児などでも、一人持つためにその子の母は一生を台なしにしてしまうという者もありますから、そういうやはりお互いの責任でやらなければならないものに対しては、今後できるだけ早い機会に、すべてを公費で負担をするような制度を完備してまいりたい。 具体的な予算の内容は厚生大臣から、必要があればお答えをいたします。
○山田(太)委員 厚生大臣の御答弁はこの際は要りませんから、この問題については。 そこで、田中総理は福祉元年、非常にお好きなことばのようですが、この実態が、真の福祉経済機構に変わっているということは、これはとても考えられないような予算であるということは、先刻来申し上げたことでございます。しかし、当面この福祉の問題について多くの問題を論じる時間がございませんけれども、やはりいまや国民大衆は、経済大国日本から社会福祉国家日本への大転換を心から期待していることは事実でございます。政府もまた、ようやく重い腰を上げ始めたということは申し上げてもいいと存じます。しかし、まだまだ手ぬるいと私は思っておりますことは、先ほど申し上げたとおりです。そこでいまこそ、長い間政治の谷間に置かれてきた心身障害者、このことを言いたかったわけですが、この心身障害者その他恵まれぬ人々のために、さらに強力な援助と太陽のような光明を与えるべきことは当然でございます。 まずその問題を前置きにいたしまして、ところがこの問題は、大切なことは、きょう問題にしたいことは、福祉屋と世間でいわれている、この福祉屋の追放が大切じゃないかと思うことを根本にして申し上げているわけです。社会福祉の美名、善意に隠れてこれを悪用し、あるいは食いものにするという事実があったならば、これこそ社会の敵であり、吸血鬼にもひとしいものと考えます。これは社会的責任の上からも徹底的に糾弾されなければならないと存じます。これから実は具体的に申し上げるのは、鹿児島県の太陽の里という身体障害者の授産事業に名をかりて、もう一ぺん言いますが、鹿児島県の太陽の里という身体障害者の授産事業に名をかりた社会福祉法人の姿が、まさにその典型といえる事実があるわけでございます。これは厚生省に前もって質問通告をしておりましたので、もう調査はできておると思いますけれども、あなたが持っていらっしゃるようなその書類ではとても答弁がいただけるような書類ではないと思います。 そこで、私のほうから、どうも恐縮でございますが、まずこの第一期工事——要点だけ言いますが、この問題を、なぜこの名前まであげて言わんとするか。個人的な恨みやなには何もありませんよ。それははっきりしておきます。しかし、この重度身障者の授産に名をかりて私腹を肥やそうとするような、そういう者は絶対に糾弾しなければならないという義憤にかられている立場から申し上げておるわけです。ちゃんと証拠もそろっております。あと本人の言質もとっております、わきのほうの。そこら辺を先に申し上げておきます、時間の関係で。したがって、ここで、この収容棟あるいは作業棟、この建設にあたって、自転車協会あるいは社会福祉振興会あるいは県、もちろん厚生省も金が出ております。そしてここで約三千万円の多額の金が使途不明になってしまっております。この点についての調査をまず行なってひとつ報告してもらいたいこと。私のほうで一応の裏づけはとっておりますが、時間の関係できょうは申し上げません。 それからもう一つは、このような実態がありながらまた次の申請をしてきております。約一億円だったかと思います。その点はもう厚生省に出ておるはずでございます。その点は……(「それは委員会だ」と呼ぶ者あり)委員会だとは何事ですか。ひどいじゃないですか。重度身障者の対策、そのような福祉の美名に隠れて、そして私腹を肥やさんとするようなことがあっては相ならぬ。どんどん施設をふやしていかなければいけませんし、また総理大臣も、ことに強力に力を入れるとおっしゃっておる。委員会の問題だけで済ます問題ではないのです。その点をひとつよく御承知おき願って、全国的な調査、そして報告を私はもらいたいと思います。その点についてことに強くお願いもし、要請もし、そして身障者に対する手厚い人間としての処遇、あるいは老人、幼児に対しての手厚い処遇をことに強力にお願いもし、要求もし、要請もし、私の質問を終わりたいと思いますが、最後に、総理大臣からこの福祉の問題について一点だけお答えを願って、私の質問を終わりたいと思います。
○田中内閣総理大臣 福祉の問題、特に重度心身障害児や難病、奇病という問題は、社会連帯の責任、もっとはっきり申し上げれば、ほんとうに公の力で救済をすべき責務を有するものでございます。そういう基本的な姿勢で一つ一つの現実にも目をおおうことなく対処し、適切なる施策を講じてまいりたい、こう考えております。
○山田(太)委員 質問を終わります。
○根本委員長 これにて山田君の質疑は終了いたしました。 先ほどの荒木宏君の発言について、同君から文書をもって訂正の申し出が出ております。申し出のとおり訂正するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○根本委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 次回は、明十三日午前十時より開会いたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後五時十九分散会