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71回国会衆議院1973/02/28

予算委員会 第18号

発言数
328
登壇者
26
会派数
3
開催日
1973/02/28

会議録

根本龍太郎自由民主党

○根本委員長 これより会議を開きます。  昭和四十八年度一般会計予算、昭和四十八年度特別会計予算及び昭和四十八年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般質疑を行ないます。井上普方君。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 今国会におきましては、土地問題が非常な重要な問題として出てまいっておるのでありますが、土地問題につきましては、私ども社会党といたしましては、ここ数年来からこれの重要性につきまして、政府に強く要求してきたところであります。また、識者の中には、昭和三十四、五年ごろから、土地問題がインフレ要因になるということで、笠信太郎さんのごときは、昭和三十五年にすでに花見酒の経済ということで所論を述べられておるのであります。警告されておるのであります。今日に至りましてようやく政府が重い腰を上げられておりますけれども、この裏には、インフレ要因になっておること、並びに庶民が住宅を持つにも土地がないということで非常に大きい問題になる、一方におきましては、公共投資の効果が非常に減殺される、また、農業の近代化につきましても大きな阻害要因となっておるというので、私どもといたしましても、また国民といたしましても、土地問題に重大な関心を持つ、と申しますよりも、せっぱ詰まったところに追い込まれておると存ずるのであります。  そこで、土地問題についてきょうは私は質問をいたしたいと存ずるのでありますが、建設大臣並びに住宅公団の総裁にお伺いいたしたい。  昭和四十八年度の予算におきまして公営住宅の建設戸数が減ってきております。あるいはまた、住宅公団におきましても、四十七年度の施行実績が、当初計画より大幅におくれておるように見受けられるのでございますが、その実態について御説明を願い、その原因について釈明していただきたいと存じます。

金丸信自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○金丸国務大臣 ただいまの質問にお答えいたします。  公営住宅のほうは減ってはおりませんが、公団のほうが減っておるということでございまして、それにつきましては土地問題等がからんでおり、土地取得難ということで、ことに東京周辺の関係がそのような状況でありますので減っておる、やむを得ないという状況に立ち至っておるわけでございます。

南部哲也日本住宅公団総裁

○南部参考人 本年度の事業は、一月末におきまして一万五千戸ほどの発注でございまして、約一七%の進捗率でございます。例年二月、三月におきまして、仕事を大量発注するということでございますが、ただいまの見通しでは、大体全体の五〇%程度の発注ということになろうかと思います。  この原因につきましては、一つには、土地がありましても従来と違いまして、地方公共団体と十分に建設契約そのものを打ち合わせなければならない、あるいは量を確保するために、従来の建設の戸数を減らすとかというような措置もございまして、土地のあるものについても計画がどんどんおくれていく、それから土地がなかなか手に入らない、あるいは首都圏三県におきましては、人口抑制の立場からいろいろ水問題、あき地の問題等から、あるいは学校の建設の問題等いろいろございまして、それらについての建設計画の斉合性を保つためにはどうしても時間がかかる、このようなことでおくれておるのでございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 ただいまのお話によりますと、いずれも土地取得が困難である、これが最大の原因のようであります。また住宅公団の総裁のお話は、どうも受け取れないのであります。水問題であるとか、学校の公共投資の問題につきましては、地元市町村との、これは一昨年来から非常に建設委員会及び国会において大きい問題になっておるのであります。したがいまして、これの地元との話し合いということは当然予測されるべき事柄であったと思います。それを今日に至って発注がおくれる理由にするのは、顧みて他を言うということばが昔からございますが、まさにその態度ではなかろうかと存ずるのであります。  国民はいま何を望んでおるかといいますと、土地を望んでおるのじゃございません。住宅がありさえすれば、これは何も土地問題をやかましく言うのではございません。ところが、土地が手に入らない、ここに問題があるのであります。  それでは土地がないかといいますと、御承知のとおりあるのであります。この土地の問題につきましては、いろいろの提言がなされております。首都圏における市街化区域内は大体二十八万ヘクタールぐらいの数字を示しておりますが、その中での町づくりしておるのはわずか十五万ヘクタールぐらいにしかすぎないのであります。それじゃ、一体そのほかの土地は何だといいますならば、大手の業者が買い占めを行なう、並びに売り惜しみがある、こういうところに大きい原因があります。そしてまた庶民大衆も、現在のごとく物価の上昇が激しい今日において、それを上回る地価の上昇でございますから、財産保全のために土地を求めるというインフレヘッジの考え方、言いかえますならば、自衛手段として土地を求める気風が非常に強くなっておるのであります。そこで、この土地問題をいかにして解決するかということは重大な問題でありますが、ここでひとつ、私は大蔵大臣にお伺いいたしたいのであります。  建設省の調べによりますと、東京証券市場一部上場会社の千三百社にのぼる会社のうちで、六百五十九社が実は回答をよこしまして、そのうちの八〇%近くが不動産売買を行なっておる実績があるのであります。また和光証券が昨年発表いたしましたところによりましても、大会社が持っておる土地といいますものは、国土の一%を上回る数字を示しておりますし、建設省の調べによりましても、大会社が土地投機に狂奔しておる姿がまざまざとあらわれるのであります。したがいまして、これらの土地投機に金が流れる原因は、一昨年の十二月の円の切り上げ並びにその後行なわれました超金融緩和によりまして、株と同様に土地投機が、だぶついた大会社が持っております、企業が持っております金がどんどんと土地のほうに流れていったことは御存じのとおりであります。そのために非常に土地がまた急騰してきた。のみならず、それに関連いたしまして田中総理の例の列島改造論が出ましてから、昨年の八月以降急激にこれまた土地の値上がりを示すようになっておるのであります。  そこで、私どもはどういたしましても法人の土地投機を押えなければならない、これなくして地価の低位安定ということは考えられないのじゃないかということは、再三にわたって政府に要求してきたところであります。このたびの税制におきましてはたしてその効果があがるとお考えになっておられるかどうか、この点お伺いいたしたいのであります。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 まず第一に、東京証券取引所に上場されている株の会社がどれだけの土地の売買をやっているかということにつきましては、大蔵省に出させております報告等ではつまびらかでございませんので、公式に正確な土地の坪数などを申し上げるだけの資料がございませんことは非常に残念でございますが、しかし、これはいろいろの非公式の統計その他でも示されているように、相当な面積に及んでおりますことは想像にかたくないところでございます。  そこで、その次の御質問でございますが、これはやはり総合的な対策で対処しなければならないわけでありますけれども、大蔵省の所管としては税制と金融政策、この二つの面がございます。税制については、かねがね御承知のような法人の譲渡税とそれから保有税とこの二本立てで目的を達成しようとし、一方においては、金融政策においては非常なきつい融資の規制を現にやっておるわけでございまして、いずれもこれで全部の目的を達するということはとうていできないと思いますけれども、相当程度の効果はあげ得るという考え方で、金融政策のほうは現にもうすでに実行しておりますし、税制のほうは御審議をいただいて施行をする運びになりますが、すでにこうした税制が政府の提案で出ているということだけでも相当の効果をあげているのではなかろうか。数字的にこれ、やはり的確に申し上げることはできませんけれども、感覚的には相当の成果をあげつつあるように考えておる次第でございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 大蔵省としては、規制する方法としては、おっしゃるとおり金融の処置と税制とがあろうと存ずるのであります。ただいま金融の融資規制につきましてはきびしいことをやっておると言っておられますが、具体的にどういうことをやられておるのでございますか。そうして現在金融機関が土地融資のためにどれだけの金が一昨年の十二月以降流れ込んでおるのか、この点お示し願いたいと存するのであります。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 数字については政府委員から御説明いたしたいと思いますが、現にやっておりますことは、たとえばこの一月から三月までの期間におきましては、昨年のたとえば十月から十二月までの期に比較いたしまして、不動産関係に対する融資の伸びは、普通その他の貸し出しの伸び率以下に押えなければならないということが、その中心となっておる融資抑制の方針でございまして、その後の状況を見てみますと、各金融機関はこうした当局側の規制方針に対処いたしまして、正面から取り組んでおるように見受けております。一月から三月期の融資計画のワクの圧縮に非常な苦心をしておるようでございます。そして、まず大口の関係を徹底的に削減をする。それから、四十八年度分の借り入れ、土地に関連する融資についての借り入れの申し込みは原則的にもう受けつけない。それから、土地取得関連の融資については、各金融機関の支店に申し入れがあったものはすべて本店に稟議する。それから、特に選別の融資を強化するということで、各金融機関は当局の規制方針に適応いたしまして、一生懸命にこの規制にこたえようとしておるようでございます。そしてその結果は、十月から十二月の昨年の期間に比べまして、一−三月の期間では土地関連融資は少なくとも三分の二以下に低下される結果になるであろうと見込んでおります。

吉田太郎一大蔵省銀行局長

○吉田(太)政府委員 四十六年末の不動産業者に対する貸し出しは二兆九千六百億でございまして、それが昨年末の残高といたしましては五兆一千億になっております。したがいまして、約二兆二千億いま先生の御質問の期間に融資がふえたということでございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 これは大臣に、私どもは土地調査特別委員会なるものをつくりまして、その成果につきましては先日も新聞に発表したとおりであります。この中で奇異に思われることは、銀行自身が自分で不動産会社をつくっておる銀行もございます。そして土地の買いあさりをやっておるのであります。おそらく土地の投資をやっていない銀行は日本銀行だけぐらいじゃないか。ほかの銀行も、あらゆる銀行も、あるいはダミーをつくって土地投機をやっておる実態があるのじゃないかと私どもには考えられるのであります。銀行自身がダミーをつくって、そして土地投機をやっていられる実態については大蔵省は御存じでございましょうか。どのように把握せられておりますか、お示し願いたいのであります。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 銀行等がみずからの出資によって不動産会社を持っておりますことは事実でございますが、その実態についてはこういう状況にございます。  これらの不動産会社への出資は独占禁止法の規制にかかりますので、出資の比率は一〇%以下に押えられております。これが一つでございます。  それから、これらの不動産会社の主たる目的は、銀行の融資に関連する担保の管理を目的とするものでありまして、昭和二十年代から設立されたものが多いようでございます。  それから、最近の土地問題の重要性にかんがみまして、当局といたしましても銀行検査等によりまして、関係不動産会社への親元の銀行からの融資等につきましては十分監視をし、指導してまいっております。特に土地取得関連融資につきましては、昨年以来通達を出しまして、自粛、抑制をはかっておるのが実情でございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 表向きは担保の管理であるとかいうような名前にしておりますが、実態は不動産売買をやっておるのは事実であります、その銀行のダミーと称する会社は。一例をあげますならば、長銀不動産とかあるいは勧銀土地建物というような会社もあります。  ここでちょっとお伺いしたいのですが、勧銀土地建物という会社が持っております土地は百六十一ヘクタール、これは首都圏におきましてそれくらいの土地を持っています。そして私どもの調べましたところによりますと、合計一都三県、この首都圏内に持っております土地は、先ほども申しました百六十一ヘクタールに及ぶのであります。しかも市街化区域なんですよ。これは勧銀土地建物という会社であります。あるいはまた長期信用銀行の長銀不動産という会社がある。これも三百三ヘクタールの土地を近畿圏に持っております。これは一例であります。都市銀行がさらにまたこういう会社を持っております。これがいま言われたように、独禁法による一〇%の出資ではありましょう。しかし、実質的にはその銀行が全部押えておる会社じゃございませんか。そしてまた担保管理だけじゃございませんよ、もうすでに。こういうような実態を見ますと、大臣どうでございますか、この二つの事例からして。銀行に対するもう少しきびしい検査並びに抑制、指導があってしかるべきじゃございませんでしょうか。いかがでございますか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 ごもっともでございます。銀行自体の土地に関連する融資について非常にきびしい態度で当局も臨んでおるくらいでございますから、いやしくも銀行が直接関係のあるところを使って土地の投機等に関連するようなことをすること、あるいはその取引が目に余るようなこと、これらに対しては厳重な態度で規制をしなければならない、基本的な考え方としてはそういうふうに考えます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 基本的な態度は、そのとおりだというような時代じゃもうないでしょう。もうここまで追い詰められた現在におきましては、公益性のある銀行に対しましてこれらの土地投機を抑制する強い具体的な処置が必要だと私は思う。この点についてはいかがでございますか。もう具体的にやらなければならない時期が来ておるじゃございませんか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 具体的に、先ほど来申しておりますように、銀行自体の融資について非常にきびしい態度で臨んでおりますから、御指摘の問題につきましても、適確な方法を講じて成果をあげるようにいたしたいと思います。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 適確な処置というのではばく然としてどうもわかりません。そこでこの問題につき、適確な処置をいかにしておとりになるか、具体的な問題としてひとつお伺いいたしたいのであります。ここで御答弁ができなければ、後ほど書面ででもひとつ御答弁をいただきたいと思います。いかがでございますか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 御案内のように、土地に対する総合的な政策を次々と実行しているわけでございますから、その対象になることはもちろんでございます。これによって相当の成果をあげると思いますけれども、特に銀行が関係している問題であるということでありますならば、実態もよく見きわめ、また、適切な方途を考究をしてまいらなければならないと思いますけれども、しかし、現にそういう状況であるということに対して、これを過去にさかのぼってどうということはなかなか実行のできないことであると思いますから、今後その実態に即した適当な措置を講ずるという以外には申し上げようが、ただいまのところはないわけでございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 大臣のお話を承りますと、銀行がダミーを使っていかに土地の不動産売買をやっておるか、実態も十分におつかみになっていないようであります。これは早急に調査されたい。適切な処置とばく然と言われたのでは、私どもも、あるいは国民もしんぼうできないと思うのです。具体的な処置をひとつおとりになるようなことを考えていただかなければならないと思います。これは後ほど御答弁いただきたいと思うのですが、いかがでございますか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 先ほども御指摘がございましたように、相当の土地を保有しているということは、銀行関連の不動産会社の実態であろうかと思いますけれども、しかし、それがいかなる目的でいかように活用されているかということも、また当然実態を掌握しなければならないわけでございまして、一がいに、銀行が関係している不動産会社が保有しあるいは売買している土地というものが全部いかぬのだ、こういうふうには考えられないわけでございますから、やはり実態を十分掌握して、そしてこれに対する適切な措置を講じなければならない。しかし同時に、これはいま申しましたように、全体としての土地対策というものが当然対象としてかかるわけでありますから、そこからも相当な効果が出るものと思うわけでございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 ともかく、調べれば調べるほど、いかに銀行融資が大きいウエートを占めておるかを私どもは痛感するのであります。しかも、その公益性を持っておる銀行が、みずからのダミーを使って土地投機ということをやられたのではたまったものじゃありません。ここが問題なんです。でありますので、大蔵省は、こういうような税法をつくるのはもちろんのこと、これ以上にきびしい処置を銀行に対しまして当然やらなければならないと私は思うのです。その銀行のダミーに対しての特別の処置をこの際明らかにしていただきたいと思うのでございますが、できなければ後ほどでけっこうです。実態を十分お調べの上で、当委員会にまでその処置を報告せられるよう要求しておきたいと思います。委員長、そのような処置をお願いしたいと思います。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 御指摘のとおり、これは非常に大切な、重要な問題であると思いますから、できる限り実態等について御報告をいたしたいと思いますし、また、適切と考えられる措置が新たに考えられます場合におきましては、十分御説明もいたしたいと思います。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 私はそれを期待いたしまして、後ほどまた別の機会にその問題について質問いたしたいと存じます。  話は変わりますが、先ほど来、土地がないのだ、取得が困難だというような、建設大臣あるいは公団総裁からのお話でございますが、私どもが調べましたところによりますと、首都圏におきまして二十の会社、十五グループでございますが、これが首都圏の市街化区域に持っております土地、これが実に九千六百ヘクタールに及ぶのであります。これはわずか二十社ですよ。十五グループ。これが持っております首都圏の市街化区域における宅地が九千六百ヘクタールに及ぶのであります。大体これで九十一万戸の住宅が建つことになっています。こういうような実態に関しまして、いかに大手企業が土地投機に狂奔したかわかろうかと思うのであります。したがいまして、他の東京証券市場に上場されております千三百社のうちで、大体七割から八割までが不動産の売買を行なっておるということがいままでの調査でもはっきりしておると思うのであります。とするならば、この土地不足の最大の原因は、このような企業、法人の土地投機によってもたらされたものであると断言してはばからないのであります。したがって、法人あるいは企業のこの土地投機をいかにして抑制するか、これが現在政治に課せられました最大の課題ではないかと思います。そういう観点に立つならば、このたびの政府がとろうとせられております処置というものは、はなはだゆるやかなものであると申さなければならないと思うのであります。  このたびの土地税制につきましては、大蔵大臣のとろうとしております方策につきまして私も見せていただきまして、説明をお聞きいたしましたが、法人税のほかに二〇%の重課税をやる、こういうお話でございます。しかし、これではたして法人の土地投機を押えることができるだろうか、疑問に思わざるを得ないのであります。この点につきまして、大蔵大臣、この法律を出すことによっていかなる抑制効果があるとお考えになりますか、お伺いいたしたいのであります。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 土地の譲渡益に対して二〇%という税率は安いではないかという御意見はしばしば伺うところでございますけれども、実は、税制調査会等におきましても、これは非常に真剣な御論議のあったところでございまして、欠損法人にまでかけるというような点を御考慮に入れていただき、また、普通の場合でございましたならば、この土地の譲渡税を合わせればほぼ七〇%というような税率になるというような点からお考えいただきましても、税率としては相当高率な税率であって、たとえば譲渡益だけを分離して、そうしてそれに対しては一〇〇%かけてもいいではないかという御意見もありますことはよく承知しておりますし、それから、かねがね日本社会党におかれても、土地問題については非常な御研究がある。これもずいぶんわれわれも勉強させていただきまして、いろいろの点から考えてみましたが、やはり現在の政府としての選択としては、この案が一番適切ではないかと考えておる次第でございます。そして同時に、先ほども申しましたように、税だけで、一発勝負で土地問題を解決できるという筋合いのものではございませんから、他の政策と相互補完的にお考えをいただきたい、こういうふうに思っておるわけでございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 このたび二〇%の重課税をやる。これによってはたして法人の土地投機がとまるかということなんであります。はしなくもいま大臣が言われましたように、赤字会社であるこれに税金をかけるのはどうかという議論もありますが、しかし私は、土地は国土である、民族に与えられた天与の財産であるという観点に立つならば、土地によってもうけるという観念を一てきしなければならない時期が来ておると思うのであります。そういう観点に立つならば、この土地投機を抑制するためには、断然分離課税を行なわなければならないと思います。この政府が出しております案によりますならば、極端な例かもしれませんが、こういうことが考えられます。円の切り上げ、ドルの切り下げによって輸出産業が非常にダウンしてきた、しかし片方、土地投機をやってもうけたならば、出血受注してもその会社法人は、こちらのほうに金を回すことによって赤字を出さなくても済むことができるようになるではありませんか。七〇%の重課税は、土地の利益に対しては七丁二八%の税金はかけることができます。しかし、これは黒字の場合であります。その会社が赤字の場合でありましたならば、付加税の二〇%しか税金をかけることができないじゃありませんか。たとえば土地によって百億の差益があった、しかし自分のおもな会社の赤字が八十億あるいは百億出ておる場合には、その会社は税金として払うのはわずかに二〇%、二十億だけじゃありませんか。土地の差益というものは全部会社の赤字のほうにつぎ込むことができるようになっている。そうなっていませんか、これは。これじゃ法人の土地投機というものはやめることはできないでしょう。とめることはできないでしょう。土地に対しましては、やるならば断然分離課税を行なうべきじゃございませんか。七〇%の課税といえば非常に重いように思われる。そのとおりです。一般にはそう思われます。しかし、こういうような抜け道があるじゃありませんか。いかがでございますか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 私は、これは抜け道というふうには考えませんが、会社として欠損である、赤字である、そういう場合におきましても、土地についての譲渡益があった場合には、その益から二〇%の税金を取る、そういうことでございますから、いまの御設例ではちょっと私も理解ができかねますけれども、なお説明が足りなければ御説明をいたします。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 現在、毛織り会社であろうが、あるいはまたあらゆる会社であろうが、法人が土地投機をやっておるのです。先ほども申しましたように、東京証券市場の一部に上場しておる会社の七〇%から八〇%までが土地投機をやっておると、建設省の調査によってもはっきりしております。自分の本来の企業活動をおろそかにして、片方で土地の投機に狂奔しておる実態です。これが土地の騰貴を生んでおる最大の原因なんです。この法人の土地投機をとめるには、本業に専念させる必要があるのじゃございませんでしょうか。そしてまた土地の投機を抑制する、やめさす、民族の土地によってもうけることをやめさす、こういう処置を現在こそやらなければならない時期じゃございませんでしょうか。そういう観点に立つならば、土地の利益によって会社の赤字を埋め、本業を埋めることのできるようなこの制度、これをやめて、分離課税を行なうべきじゃございませんでしょうか。  総合政策研究会が提案をいたしておりますものを非常に政府は参考にせられたように見受けられるのでありますが、一例といたしまして、土地の分離課税をいたします場合に、差益の五〇%を課税し、あとの五〇%に対しまして法人税をかけた場合でも、そういう処置をとった場合でも、土地差益に対しては七一%くらいの税金を取るだけにすぎません。五〇%の分離課税をやって、あとの五〇%に対しまして法人税等をかけましても、分離課税の場合は七〇%そこそこであります。このたびの政府の案のとおり、土地差益に対しましては同じ数字が出てくるのであります。ただ違うところは、分離課税であるならば、会社の本業が赤字であっても、片手間にやっておる土地の投機の利益というものを七〇%吸い上げることができるのだ、こういうことなんであります。黒字の場合でも赤字の場合でも、いずれも取れるという考え方なんであります。ところが、政府が出しておる案によりますれば、本業のほうが赤字の場合には、土地の利益でもってカバーできるという点に大きな差があるのであります。政府がいわれる処置によりますと、土地に対しては七一%もかけることができるのだ、いかにも重い税金だとあなたはおっしゃる。しかし、それは会社が黒字を出しておる場合のことなんです。赤字を出しておる場合には、土地の差益につきまして七一・二八%は取れないのです。ここに問題があるのです。これじゃ法人に対してうまみを残しておるじゃありませんか。どうなんです。断然分離課税を行なうべきじゃありませんか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 分離課税の御主張は一つの御意見として、一つの御見識と思いますけれども、ただ、法人というものが、本業を無視して土地の投機だけをやるのを押えることがいいのか、土地対策としての総合的な効果を発揮したものでなければならないと思います。要するにこうした税制、あるいは税制の上でも、たとえば保有税もございますし、あるいは、先ほどから申しております金融措置もございますし、こういうことで、今後においては、土地というものが投機の対象としてはおもしろくない、妙味がない、こういうことになることが、これは変な言いようでありますけれども、土地の投機というものが妙味がないということに、封殺するように、あらゆる点をふさいでいくということが土地対策の一つの焦点であると思います。そういう面から申しまして、わざわざ本業を赤字にして、土地についての益だけを求めるというようなことを基本的になくするようにすることが、私は問題であると思うのであります。そういうことからして、私は、今日の譲渡税の考え方でよろしいのではないか、こう考えるわけでございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 大臣のおっしゃることが私はわからないのであります。この法律のとおりいきますならば、もうすでに、先ほども申しましたように、和光証券の調査がございますが、大企業の七〇%から八〇%が本業のほかに土地の投機をやっておるのです。土地不動産の売買をやっているのです。この実態をまず第一に頭に置いていただきたい。そして、これが地価の上昇に拍車をかけておる最大の原因であることもお認めになっておられると思う。しかも、土地は限られたものでございますし、民族に与えられた天与の財産でもあります。こういう考え方に立ちますならば、土地によって金をもうけるという観念をこの際一てきさすことこそ、最も必要な処置じゃございませんでしょうか。  ところが、このたびの法改正によりましては、本業のほうが赤字の場合には、土地の差益につきましては二〇%だけ払えばいい。厳格に言いますと二二・四九%払えばいいことになっているのです。でございますので、私は先ほど極端な例を申しましたが、そういうことだって考えられるじゃないかということなんです。でございますので、土地の差益というものでもうけさすということをやめさすためには分離課税をやるべきじゃないか。あなたは先ほども、七〇%といえば非常な重税だ、こうおっしゃいました。それは土地以外の事業において黒字を出しておる場合に初めて言えることなんであります。土地以外で赤字を出しておる場合には、七一%払わなくていいのです。それよりも、やはり分離課税をやるべきじゃないか。五〇%の分離課税をやりますならば、これは合計いたしますと、私の計算によりますと六一・九一%しか取れません。すなわち分離課税をやった場合、五〇%の分離課税をやった場合では、法人の場合六一・九一%しか取れませんけれども、しかしそれでも、これは建設省の案でございますが、まだ国民感情に合うのではございませんでしょうか。あるいはまた、総合政策研究会が発表しております分離課税をやりますならば、五〇%の分離課税をやった場合に、土地に対しては七二%ぐらいの税収になってきます。そして、本業のほうが赤字の場合にはそれは課税しない、これが当然じゃございませんでしょうか。こういう考え方に立って、初めて法人の土地投機ということが押えられるのではございませんか。いかがでございますか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 ただいま申しましたように、お話の筋は私もよく理解できるのです。分離課税で税率を高くしてはどうかという御意見は、私は、一つの御見識のある御意見であると先ほども申したわけでございます。平たく申しますと、およそ法人なるものはそれぞれ本業があり、そしてその事業を持ちながら、現状におきましては、御指摘のように土地を持ち、あるいは土地を売買しているところが非常に多い。この事実もそのとおりでございましょう。しかし、本来の仕事の以外にやっていることであって、本来の仕事について利益を出す場合に、それから税金を納めるのは当然であって、それ以外に土地についての譲渡益があれば、これから二〇%取って、合計して相当の重課になると考えるのが、いわばオーソドックスの考え方ではないかと思うわけでございます。土地の投機ということだけを一〇〇%の目的にして、これを押えるということから申しますれば、あるいはお話しのようなやり方のほうがより適切でございましょう。しかし、先ほど来申しておりますように、土地の投機を押えるために、ずばりと税制一本だけで解決ができるというものでもないし、また、そうすべきものでもないと私は考えるわけでございまして、そういう点から考えますと、オーソドックスのというか、それはあるいは言い過ぎであるかと思いますけれども、私どもの考え方のほうが、総合的に見た場合におきまして適切ではなかろうか、こういうふうに考えるわけでございます。  要するに、土地のこの問題だけに焦点を合わせていく、そして、ほかのことをこの際は一切忘れていこうというのならば、確かにこれは一つの案であると、私もそのことは認めるわけでございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 それは、企業におきましても、個人におきましても同じだろうと思う。個人の場合は分離課税をやっておるじゃありませんか。個人の不動産の差益に対しましては、分離課税を四〇%かけるのでしょう。なぜ法人に分離課税をかけられないのです。個人には分離課税で四〇%かけるのでしょう。なぜ法人に対して分離課税ができないのです。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 ですから、これは要するに、理論的な問題として論争いたしますれば、結局、政策としての選択の問題ということになるのではないかと思います。法人の場合におきましては、先ほど来申しておりますように、本来本業として業績をあげるべき法人があって、これが当面のところ土地の売買というようなことに、相当の、サイドビジネスといいますか、そういうことに興味を持ち、そして相当のことをやっている。そこに着目して、本来の法人としてのあげている業績に対する税とは別個に、あるいは本来の仕事においては成績があがらない場合においても、土地の譲渡についてだけは二〇%の税率をかけるということを、いろいろ考えあぐねた末の、一つの選択としての、土地税制の一環として御提案をいたしているわけでございます。要するに、何事でも、見方によって、こちらがいい、こちらがいいという判断の相違はあろうと思いますけれども、これはこれなりにりっぱに通る政策であると私は考えます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 それでは大臣、個人に対しての土地差益に対する分離課税は、あなたは何と説明されます。これはもうすでにやっているのですよ。これはどうあなたは御説明になります。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 個人に対する土地の譲渡についての分離課税でございますが、これは税率は分離になりますけれども、所得計算はやはり通算ということになっております。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 もう一度説明してください。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 従来、個人の譲渡所得につきましては、まず譲渡所得についてだけ適用になっておりまして、事業所得になるもの、雑所得になるものにつきましては、従来は、つまり昭和四十四年以来の税制では特別の措置をとっていなかったわけでございます。今回、法人について御存じのような制度になりますについて、個人につきまして事業所得、雑所得でありましても特別な重課制度を御提案申し上げておりますが、それは従来の個人の事業、雑でなくて、譲渡所得にありましたように総合課税をして一割増しにする、あるいは分離して四割という制度を個人のほうにも今度事業、雑について導入いたしますが、その場合の計算は、税率についてそういう計算をするわけでありまして、所得計算上はやはり通算をするという前提になっております。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 ともかくいまの主税局長のお話は、十分私にもわかりません。しかし個人におきましても分離課税を認めておるのです。すでにやっておるのです。最大の土地投機の原因者である法人に対しては、きびしい態度で臨むのが当然じゃございませんでしょうか。当然私は分離課税を行なうべきである。本業をおろそかにさせないためにもやるべきである。サイドビジネスで黒字を出した、それで赤字を補てんさすというのは、本来の姿じゃないと私は思います。大臣、いかがでございます。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 私は最初から申し上げておりますように、土地が投機の対象になるというようなことはまことにおもしろからざることなんであって、これを防ぐべきである。したがって税制につきましても、一つの御意見としては分離課税をして、そして分離されたものについては一〇〇%の税率をかけてもいいではないか、こういう御意見も承知いたしておりますと申しておりますぐらい、これが一番徹底した土地対策の税制であろうかと思います。しかし、そこまでいくのはいかがであろうかということから出発をいたしまして、そしていろいろの研究をいたしまして、その結果、政府としてこの際選択すべきものは、法人については法人の実効税率にプラスして二〇%、これは法人としても利益が出るのが、本来の仕事からいって出るのが普通の場合でございますから、それにプラスして土地の譲渡については二〇%、しかしこういう大事なときでございますから、欠損法人についても土地の分だけは二〇%取る、これがまずまずこの際考え得る、政府の提案としては適当な選択であるということで御提案をいたしておるわけでございます。私は、ですから、井上さんの御案も、先ほどから申しておりますように一つの見識のある御提案であることはよく承知をいたしておりますが、ここに政策としてこの際行なうべきものとして、政府の考え方として御提案しているものが適切である、こういう考え方で御審議をお願いしているわけでございまして、要するに、私はこちらの意見を適当と考えておりますので……(「答弁にならぬじゃないか」と呼ぶ者あり)いいえ、これは意見の相違でございまして……(「相違じゃない」と呼ぶ者あり)その御提案に対して、私に賛成するかしないかという御答弁を求められておるわけでございますから、私の御答弁としては、この際としては、御見識のある御提案ではあるが、賛成をにわかにいたしかねる、これが私の御答弁でございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 本業が赤字の場合これが補てんできる、これは会社に対しましては非常に恩恵ある態度と申さなければならないと思うのであります。でなければ、いま東京証券市場に出ておりますこれだけの会社の七割がなぜ土地に投機をするか。これをやめさすためには、どうしても土地によっての利益というものを吸収するのだという考え方に立たなければならないと思うのです。赤字を出しそうになれば、土地に今度は手を出すということが起こり得るじゃないかと私は思います。私は先ほども一つの提案として大臣に申し上げたが、それは分離課税として五〇%をかける税率にするのです。そういたしますならば、税金としては土地差益に対しては六一・九一%しか取れない。百万円の利益があった場合には、これは建設省の案ではございますが、五〇%でも六一・九一%しか取れないのです。政府の案の七一・二八%より低いのです。しかし、これでも筋が通っておるじゃありませんか。土地でもうけるという観念をやめさせるためには、このほうが筋が通っておる。あるいはまた一つの案としては、総合政策研究会から出しております案によりますと、百万円の差益がある場合に五〇%の課税をやる、そしてあとの五〇%につきまして法人税をかけた場合、会社が黒字の場合ですが、その場合でも七二%にしかならないのであります。結果としては、先ほど申しましたこの政府の案と、七一%とあまり大差はございませんけれども、根本の考え方としてこのほうが筋が通っておるじゃありませんか、分離課税のほうが。なぜ政府がやらないのです。政府が本業の赤字会社に対して救済するような措置をなぜとるのか。大臣は選択の問題であるとおっしゃいますけれども、これじゃ国民に対する説得力はないにひとしいと申しても過言じゃございませんでしょう。  この問題につきましては、大臣も非常に私どもに対する説得ができないようでありますので、この点につきましてはもうおきますけれども、いずれにいたしましても、法人に対して非常にゆるやかな税制であるということを私は申し上げておきたいと存ずるのであります。  続いては、先ほども申しましたように、首都圏におきましては二十の企業によりまして九千六百ヘクタールの市街化地域における土地が独占せられておるのであります。したがいまして、東京証券市場に上場されております会社の七割が不動産に手を出しておる今日におきましては、おそらく東京証券市場に上場されております会社の首都圏における市街化区域における土地というものは膨大なものになろうと思います。これが公団の土地の取得を困難にさせる大きな原因でもありますし、かつまた、公営住宅を建てる場合に、土地の取得が困難な最大の原因もここにあるのであります。  そこで、これに対する処置というものが当然行なわれなければならないと思います。聞くところによりますれば、住宅公団が最高の住宅適地であるといって買いに行くときには、もうすでに企業によって買い取られたというようなケースが再三にわたってあるということを承っております。それは間違いございませんか。

南部哲也日本住宅公団総裁

○南部参考人 東京都内の問題でございますが、価格の点で企業のほうに、私どもの希望する土地を買い取られたという点はございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 そのことが、先ほど申されましたように、ことしの三月に至って本年度の建設予定の五〇%しか達成できないだろうというような原因の最たるものがあるのでございましょう。建設大臣も先ほども申されましたが、土地の取得が困難なために公営住宅をことし減らすんです、四十八年度は減らすんです、こういうことですが、国民は土地を求めておるんじゃない、住宅を求めているんです。ここに思いをいたさなければならないと思うのであります。  とするならば、この大企業が持つ土地というものを吐き出させなければならないと思います。そうすれば、たちまちにして宅地不足ということは解決するんじゃございませんか。いかなる処置を、この大会社の持っております土地に対しまして考えておられるのか。これは総理がおられればいいんですが、建設大臣としてはいかなる考え方をもって臨まれんとするのか、お伺いしたいと思うのです。

金丸信自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○金丸国務大臣 土地問題は、先ほど来からお話のあるようにまことにむずかしい問題でありますが、しかし、住宅を解決するには土地問題を解決しなければならないということで、閣僚協議会等で土地対策要綱等をつくりまして、税制の改正等を含めましてこれに対処していくということでありますが、私は、その一つの考えの中に、現在の東京都の公営住宅等につきましても、払い下げという問題がなかなか困難であります。それは土地の問題をなかなか外に求めることができないわけでございますから、現在のこの住んでおる人たちのいわゆる払い下げ価格、あるいはその補償料等を含めまして、新たに高層の建築をして、この人たちがほんとうに低廉で持ち家になられるようなことも考えなくちゃならぬ。しかしそれにも限界があります。  そういう意味で土地対策に対しましては、土地要綱等を実践していけば、その後にこの結果が出てくるのじゃないか、こう大きく期待をいたしておるわけでございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 私のお尋ねしたのとどうもピントが合わないようであります。まことに遺憾であります。私ども社会党の調べた数字によりますと、二十社で九千六百ヘクタールの土地をすでに首都圏で持っておるのです。さらにこの東京で大企業法人が持っておる土地というものは、おそらくそれの何倍かに匹敵すると思います。これを早く吐き出させる方法は、この現在の、先ほどから申しております税制をもってしては不可能じゃないかと思うのです。しかし、この法人が持っておる土地を吐き出させなければ、公営住宅もあるいはまた公団住宅も、これは建つことが不可能でしょう。でありますので、それをいかに吐き出させるか、大臣としては方針がございますかということをお伺いしているのです。

金丸信自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○金丸国務大臣 先ほど来から大蔵大臣が申し上げている線に従いまして、なおただいま井上先生は、その程度ではまことになまぬるいという話でありますが、私のほうの立場からいえば、土地が簡単に手に入ってそして建物が建てられるようなことになっていただくという立場からいえば、先生のおっしゃるような方向でやっていただけば私は簡単にいくだろうと思うけれども、それにはいろいろかね合いもあるだろうと思うし、建設省自体が考えている考えだけでも、なかなかそうならぬだろう、こうも思っておるわけでございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 私はもう一つ、大蔵大臣の先ほどの御答弁にからむようでございますけれども、お伺いいたしたいところがございます。もう税制によって土地を吐き出させる、解決するよりほかに方法がないんじゃないかと言うと、いつも大蔵大臣は、それは、税というのは補完的な性格であると言っていままでも来られました。現在でも土地政策のほうが先行するのだというお話です。それじゃ一体政策として何をつくれば十分なんですか。大蔵大臣のお考え方を聞きたい。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 やはり土地問題というものは総合政策でなければならないと思います。先ほども申しましたように、徹底して税だけで、もうほかのことは何も考えないで、税だけで土地問題の対策を講ずるということになりますと、先ほどお話しのような徹底した考え方もあり得ると思いますけれども、税の面におきましては、税のほうでも相当徹底したやり方をやる。そして税の中でも譲渡税だけでなくて、保有税のほうについてもいろいろ御意見のあることは承知しておりますけれども、持っておることが金利からいっても、管理費用からいっても相当かかる、その上に保有税の税率というものは一・四とかあるいは三とかいうように、低いようではございますけれども、経済観念から申しますれば、持っていることが決して得にならないというほうからも攻めていく、そして譲渡益には重課する、税の面でもやはり総合的な両面作戦をやっているわけでございます。これらに対しまして、他の土地に対する総合政策、これが同時並行的に行なわれるところにおいて成果を発揮するもの、こういうふうな考え方でございまして、どれが優先とか、どれがあと先になるとかいうのではなくて、一斉に総合的に成果を発揮するようにしたい、こういう考え方であります。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 いま国民が求めておる土地というのは、大体都市計画区域内の市街化区域だろうと私は思います。市街化区域の土地をいかにして低位に安定させるかということに最大の重点を置かなければなりません。ところがいままで政府、特に大蔵大臣は、いつも土地利用の計画がないから、こう言って逃げて来られたのであります。しかし都市計画法ができ、建築基準法ができ上って、もう市街化区域におきましては八種類の用途別はきまるのであります。こういうような実態の上において政策的に何を行なうべきかといいますならば、これは税制による以外道がないのであります。残されたものはといえば税制だけじゃございませんか。いかがでございますか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 でありますから、今度の場合は一斉にスタートするというか、一斉に実施される、そこに私はうま味があると思うわけでございまして、どちらが先行するとか、どちらがあとからいくというのではなくて、従来は大蔵省の考え方というものは、たとえば市街化区域に対しては、こうこういうことをやってもらうというようなことが必要である、あるいはその他の面についてはこういうことも必要であるというようなことを申しておったことも事実であると思いますけれども、これらの点が総合土地対策として政府全体でまとまりました、その一環として税制が登場してきているわけでございます。同時に、この税制によりまして、いまのような前提ができましたから、これと相まって成果が発揮できる、こういうふうな考え方でございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 私は、市街化区域における土地につきましては、利用計画ももうことしの四月に大体でき上がる、とするならばあと残っておるのは税制だけである、こう考えざるを得ないのであります。そうするならば、このたびのこの措置というものが、企業に対しましてははなはだ甘いと言わざるを得ないのであります。  そこで私は、いま運輸大臣もおられますので聞くのでありますが、現在土地を公社あるいは公団あるいは各省の出先機関が買っておるのに、はたして公示価格に準拠して買っておられますか。建設省は買っていると私、再三聞いておるのでありますが、運輸省はいかがです。公示価格を基準にして買っておりますか。

新谷寅三郎自由民主党運輸大臣

○新谷国務大臣 運輸関係の必要とする土地のことかと思いますけれども、これは私は詳細には承知しておりませんけれども、やはり公示価格を基準にいたしまして適正な値段で買い上げているように聞いております。こまかい各個々の問題につきまして御質問がありますれば、政府委員からお答えさせていただきます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 公示価格制度はたしか根本委員長が大臣のときだったと思うのです。しかし、そのときにも私どもは指摘いたしたのでありますが、公示価格が売買の最低価格になりはしないか、こう危惧を表明しておったのであります。現状におきましてはまさにそのとおりであります。売り渡しするときには、先般も阪上委員から指摘しましたように、公正取引委員会のあと地を第一勧銀に売り渡したときには公示価格に準拠して売り渡す、お隣のNHKの土地は公示価格の三倍の価格で取引が行なわれておるというのが現在の公示価格じゃございませんでしょうか。しかも、各省各公団によっててんでんばらばらな価格で実は取得されておる現状であります。これは隗より始めよです。まず政府機関あるいけ出先機関も一本化した取得方法を講ずる必要があるということを、私ども社会党は再三にわたって主張してまいったのであります。先般も一例としてあげられておりましたけれども、農林省の取得価格と国鉄の取得価格と、あるいはまた区画整理法による道路の取得価格とがてんでんばらばら、その差が実に八倍というような例を新聞紙上でも見ました。こういうような実態をすみやかに是正しなければ、国民は土地に対する不安と申しますか、売ったら、売ることによって正直者がばかを見るというような結果を実は生み出しておるのであります。  こういうような点をひとつ考えまして、大蔵大臣どうでございますか、普通の公示価格というのは、昭和五十三年にならなければ完全にできないのでございますね。五十一年でしたか。とするならば、いませめて公示価格が指定されておる地域におきましては、公示価格以上の金額で売買せられた場合には一〇〇%課税するというような方法も考えていいんじゃございませんでしょうか。どうでございます。これくらいならできるんじゃございませんか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 これはなかなかむずかしい問題でございまして、公示価格というものが、これは政府におきましては公示価格制度というものを徹底して検討いたしましてこれを確立しようという態度をとっております。それが適当なやり方であると思いますけれども、いままだそれがきまりません間ですから、私も個人的な見解を申し上げることができるわけでございますけれども、徴税という立場から申しますと、公示価格というものがあまり一本で行き渡ってしまいますと、率直に言いまして、これは国民の立場から申しましてかえって不適当であるということも言えるわけでございます。ですから、そういう点にからみまして、井上さんのおっしゃるように、将来公示価格のでき方にもよりますけれども、そのでき方によって、それをこえた取引をやった場合には、それは一〇〇%課税の対象にするということも確かに一つのお考えであると思います。それらのことも考え合わせまして、公示価格というものをどういうふうにつくったらいいかということについて、いま積極的な考え方をいろいろ持ち寄って、よい案をつくりたい、こう考えておるわけでございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 公示価格を、これからの性格と言いますが、もうすでに公示価格はあるのですよ、もう一万点指定しているのですよ。ことしは一万六千点くらい追加することになっているのです。そのいまある公示価格のオーソリティーといいますか、それを一体どう考えるかということなのです。将来の問題じゃないですよ。いま現在あるのですよ。政府の閣僚協議会の土地要綱の中にも、公示価格を徹底さすということが書いてございました。あるけれども、それをオーソライズさすには一体どうすればいいんだということなのです。政府が銀行に売る場合は公示価格、今度は他のNHKが売る場合にはそれの三倍というようなのでは、この公示価格が泣こうというものであります。これは全くでたらめなものです。いま現在でもこの公示価格が売買の最低基準になる。われわれが三年前に指摘したとおりになってきている。こういうようなことでは私は困ると思うのであります。早急にこの公示価格をいかに権威づけるかということをひとつお考え願いたい。  同時に、片方におきます政府機関の出先機関が売買する、取得する場合、各省ともてんでんばらばらになっておる実態、これをいかに統一させて公示価格に近づけるかという努力を、機構上あるいは制度上どういうようにお考えになって実行されるおつもりがあるか、この点お伺いしたいのです。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 いま私、申しましたのは、多少ことばが足りなかったかと思いますが、公示価格というもののいまお話しのように権威づけといいますか、どこまでこれをオーソライズするかということが問題だと思います。現状におきましては、たとえば国有財産の売却の例にいま御言及になりましたけれども、こういう場合にも、国民の財産でございますから、払い下げる場合はなるべくこれは高くという態度をとらざるを得ないわけでございます。そういう場合に、必ずしも現行の公示価格だけにこれがよれるものかどうかという点も、これは率直に言って相当問題があると思います。  ですから、今後全国的に権威のある公示価格制度を確立するということについては、私どもも建設的に名案を出し寄って、よい公示制度というものをつくり上げたい、それが確立いたしました場合には、これは税の上においてもあるいは国有財産の取引の場合においても、これをよるべき公の基準として用いるようにする、こういうふうにすべきものであると考えるわけでございます。そういったような場合に、先ほどお話がありましたような点も十分考えて建設的に検討いたしたいということを申し上げたわけでございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 大蔵大臣のお話を聞いてみますと、現在ある公示価格というものの権威というものを全く否定せられたような発言である。私はどうも現在の公示価格というものにそれほど権威があるとは思いませんけれども、政府自体がこれを否定するような態度は、全くもって許せないと思うのであります。現在の公示価格ですよ。この点につきましては、私はもう少し公示価格そのものを権威づける必要があると思うのであります。この点につきまして適切なる措置をひとつお願いいたしたい。同時に、先ほども申しました、各省各省が出先でてんでんばらばらにともかく土地の値段をきめておる。この実態を統一さすような方法を、内閣全体としてお考え願いたいと存ずるのであります。  続いて、時間がございませんので、先般、新聞紙上報ぜられるところによりますと、総理から、市街化調整区域と市街化区域の線引きをやり直せという指示があったやに承るのであります。これは、ほんとうにそういうことを内閣は真剣にお考えになっておられるのかどうか、この点お伺いいたしたいのであります。  と申しまするのは、現在、市街化調整区域におきましては、大手不動産業者が大々的に買い占めをやっております。これは登記の面においてはあらわれてはおりませんけれども、私も聞きますと、売買禁止の仮登記というのをやって、その登記書が売買の対象となって、大手不動産業者によって買い占めが行なわれておる。もちろん農地も、そのような売買禁止仮登記というような形で行なわれておるというようなことを承るのであります。とするならば、この調整区域の線引きをやめることによってもうけるのは一体だれかといえば、大手不動産業者であります。先ほど申しましたように、土地は市街化区域におきましてもたっぷりとある、ただこれが大手企業によって握られておる、これだけの話であります。市街化調整区域のこの線引きをやめることによって最ももうけるのは、これは大手不動産業者であると言っても差しつかえございません。そこで私は、この点につきまして、重大なる問題でございますのでお伺いいたしたいのであります。いかがでございますか。

金丸信自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○金丸国務大臣 線引きの問題につきまして、総理云々の問題はありません。ただ、線引きという問題につきまして、市街化区域と調整区域という問題につきまして、この線を引くにつきましては、市町村あるいは県を通し、そして建設大臣がこれを認可した、こういうことでございますから、この線引きにつきましては、一つの権威というものがなければならぬ。簡単にこの線を変えるということはならぬと私は思います。  ただし、市町村から、あるいは県から、公共の仕事をするというような関係で、下から、どうしてもこれを許してほしいというような場合があるならば、その場合は、これは十分実体的にも検討して考えてみたい、このように思っておる次第であります。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○江崎国務大臣 関連いたしておりますから、自治省の立場から申し上げます。  それは、住宅が不足をいたしておりまするために、地方開発公社に対しまして住宅用地を確保するという場合に、市町村の住宅用地を確保するときには、都市計画法における調整区域においても、高い市街化区域よりも、市町村の場合は乱開発ということはありませんので、そこで、例外措置として認めることはできないかということを、建設省側に自治省として協議をしたことはございます。これは御承知のように、その乱開発を防止、防遏する意味で、民間企業の場合は二十ヘクタール以上という基準を設けておるわけですが、市町村の開発公社が特に住宅用地として取得しょう、しかもこれが計画的になされるということであるならば、それは妥当ではないか、むしろ安いところを入手させて宅地化して、乱開発がなされないという保証があればそのほうが合理的ではないかということで、建設省側に協議した事実はございます。これは目下検討中と、こういうわけでございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 もう時間がございませんのであれですが、この線引きを動かすということは重大な問題であると思います。特に市街化調整区域におきまして大手不動産業者が大量に土地をかまえておる現在、軽々に線引きをゆるがすべきでない、このことを私は主張いたしておきたいと思います。  いずれにいたしましても、昭和三十年以来、地価の上昇というものはひどいものがある。そのひどいものは、いつもその急カーブを描くときは政府の政策が実行されたときであります。一例をあげますならば、昭和三十五、六年ごろ、所得倍増計画が発表されますととたんに土地が上がった。昭和三十七年の新産都市法あるいは工業整備特別地域整備促進法ができたとたんに、その地域の土地はぼんぼん上がった。四十年から四十一年には一応鎮静したかに見えましたが、新都市計画法ができた。そうすると、みぞ一つ、道路一つによって市街化地域の土地はぽんと上がった。今度は田中内閣が日本列島改造論を唱えますと、日本全体、市街化区域、市街化調整区域のみならず、至るところ、津々浦々にいたるまで土地の値上がりを来たしておる。実に政治の施策にいかに土地投機が敏感であるかを感ずるのであります。そして庶民は、このインフレの世の中、土地がこのように上がるのでは、老後の生活の安定のために、財産保全のためにという自衛手段をもって、現在、土地の思惑買いを庶民もやらざるを得ない立場に追い込まれておるのであります。昨日も私が見せていただきました建設省の建築研究所の研究を拝見いたしますと、国民がいかに、財産保全のため、あるいは老後のために、土地取得のため、宅地取得のために狂奔しておるかという姿を、まざまざと見せつけられたのであります。  私どもは、こういうような現状からするならば、いかにして政治が地価を低位安定させるかに努力しなければならないかを痛感するものであります。さらに一そうの内閣の御努力を期待いたしまして、私の質問は終わります。

根本龍太郎自由民主党

○根本委員長 これにて井上君の質疑は終了いたしました。  次に、長谷川正三君。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 今日、日本の文教問題の当面している課題はたいへん多いと思います。幼児教育の問題から義務教育、後期中等教育から大学、さらには社会教育の問題、文化財保護の問題から文化振興の問題、あらゆる部面にわたって非常に問題が山積しております。こういう中で奥野文部大臣が就任されまして、率直に申し上げまして、いわゆる文教畑でない大臣の御就任で、そこに、ある意味では新鮮な期待、ある意味では文教行政を誤ってもらっては困るという不安、こういうものを私どもは率直に感じております。特に先般、文教委員会における奥野文部大臣の所信表明と、その後のこれをめぐる質疑、さらに本予算委員会における共産党の山原委員の質問に対する御答弁等を伺いますと、私、この際、予算委員会でありますが、奥野文部大臣の文教行政に対する基本姿勢について、まず最初に若干お尋ねをしたいと思います。  第一は、文部大臣は、戦前の帝国憲法と戦後の日本国憲法の最も基本的な違いをどういうふうにお考えになっておるのか。これは実は教育の根本にかかわる問題でありますので、この点のお考えを伺いたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 いろんな問題があろうかと思いますが、戦前は、どちらかといいますと国家、社会が中心であった。今日におきましては、個人の尊厳、個人の自立を基本にして人間の教育に当たっていかなければならないということであろうかと思います。  形式的には、戦前の教育制度は大権事項でございまして、国会の関与するところではございませんでした。戦後は、もっぱら、国民から選ばれました国会が教育制度そのものを打ち立ててまいってきておるわけでございまして、制度の民主化もはかられてまいってきておると思います。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 文部大臣は、戦前は国家主義の教育、これが主体となった教育、戦後は個人の尊厳を中心とした教育、戦前は大権事項であり国会が介入できなかったが、戦後は国会においてこれをきめる、こういうところが本質的な相違であるというお答えであります。  それでは、もう一歩進んで、戦前の教育についてどう評価をなさっているのか。そしてその中で特に最も重要な反省点はどこにあるか、これをどうお考えになっているかをお尋ねします。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 戦前の教育につきましても、よいところ、悪いところ、いろいろあろうかと思います。ただ、どちらかといいますと、かなり一方的に一つの考え方を推し進めてきたという点がいろんな面に見られているんじゃないだろうか。もっと多彩な人間を教育する、いろいろな考え方、立場があってもいいんじゃないだろうかということを強く感じます。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 それでは、さらにもう一つ突っ込みまして、戦前の教育行政と戦後の教育行政の理念の根本的な相違はどこにあると把握していらっしゃいますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 お尋ねになっていること、必ずしも私、詳しくございませんので、正確にお答えできないかもしれませんけれども、戦後の基本的な教育についての考え方としては、教育基本法が生まれておりますので、この教育基本法を中心にして教育を進めていかなければならないものだろう、かように心得ているわけでございます。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 いま三つの質問を申し上げたことに対する奥野文部文臣の御答弁を伺いますと、きわめて形式的なと申しますか、まあ何というのでしょうか、こっちの品物からこっちの品物に、ちょっと品物の性質が違うという程度の、そういう御認識のように基本的に聞こえます。ここは、たいへん重大な違い、帝国憲法と日本国憲法の非常に違う点として、戦争に対する反省、こういったことについて非常に希薄な感じがする。教育基本法は憲法を受けて、この点はやはりきわめて深く規定していると思いますが、その把握が、私にはたいへん浅くしか受け取られていないという感じがする。たとえば憲法の前文の、「政府の行爲によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が國民に存することを宣言し、この憲法を確定する。」これは非常に大きな意味を持つことばだと思います。そして教育基本法がそれを受けまして、第十条に、「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである。教育行政は、この自覚のもとに、教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立を目標として行われなければならない。」この関連は、私は非常に大切な、深いものがあると思うのでありますが、その認識において、いまの御答弁ではとらえ方が非常に浅いというふうに私には感ぜられます。  これは率直に申し上げて、非常に抱負をもって大臣に就任され、日本の教育をさらによりよく前進させようとお考えになっていると思いますが、その今後のやり方に対して実は深い危惧を抱かざるを得ないのでありますが、この点については、本日は予算委員会でありますので、いずれ文教委員会の席におきましてさらに深く論じたいと思いますが、まず、そういう感じを持つということを、率直にこの場で披瀝をさしていただきたいと思います。  そこで、憲法二十六条、これは御承知のとおり、教育について規定をいたしておる条項でございます。「すべて國民は、法律の定めるところにより、その能力に感じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。すべて國民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。」この憲法二十六条が、現在、文部大臣としては、完全によく守られていると、こうお考えですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 憲法のその精神に従いまして漸次充実を続けてまいってきている、かように考えているわけでございます。その理想から考えますとまだ十分でないところもいろいろあるわけでございますので、そういう点につきましても、積極的に充実するようにつとめていかなければならない、かように考えております。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 自治大臣はどこへ行かれましたか。——愛知大蔵大臣はかつて文部大臣もなさったのですが、いま奥野文部大臣からは一応お答えがありましたが、これは教育の問題は政府全体の大きい責任であります。同時に地方自治体の大きい責任でもあるわけです。自治大臣来られましたが、大蔵大臣のほうから先に、大蔵大臣としてこの二十六条が守られていると思いますか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 政府としてこれを守って成果をあげていかなければならないということは、常に念頭に置いておるつもりでございますし、大蔵省の立場におきましても、もちろんそういう立場をとっておる次第でございます。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 自治大臣、この教育の問題は自治体も大きい責任を負っておるわけです。憲法二十六条が守られていると思いますか。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○江崎国務大臣 私ども自治省としても、教育の問題には特に義務教育の面で最も密接な関連がございます。二十六条の件につきましては、十分今後とも、その線に沿って充実されまするように、また実効があがりまするように努力を続けてまいりたいと思っております。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 三大臣とも、これは完全に守られているという確信は持たれていないようですね、おことばの裏を逆に解しますと。これが実現するように鋭意つとめているという御答弁。これはもちろん人間の社会ですから、完全ということはないというような意味からそうおっしゃっておるのか、現実に認識として、この憲法二十六条の精神を政治の上に具現することがまだできていないという、そういう深い反省をもってお答えになっているのか、いかがですか、順々にお答えください。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 憲法の掲げています理想が、完全に実現するように努力していかなければならない。社会諸情勢、経済諸情勢、そういうものと相まちながら絶えず前進を続けていかなければならない性格のものだと、かように考えているわけでございます。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○江崎国務大臣 二十六条の線に沿って、先ほども申し上げましたように、十分充実して実行されるように今後とももとより努力をしてまいる、こういう決意でございます。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 憲法二十六条をぜひ実現するように、この上とも努力を続けてまいりたいと思います。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 重ねてお聞きしましたが、いわば同様の御答弁でした。守られていないとはおっしゃらないのだけれども、これが不十分であるということを裏返しにしておっしゃった。努力したいと、こういう御答弁だと私は理解いたしました。  そこで、文部大臣にお尋ねいたしますが、今日、義務教育の就学率がどうなっているか、一番最近の統計でお答えをいただきたいのです。学齢人口はどのくらいであるか、それに対して現在の就学人口、児童生徒数はどのくらいであるのか、まずそれをお尋ねします。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 あとで政府委員から正確な数字を答えていただきたいと思っておりますが、たしか心身障害者等で就学猶予、就学免除している人たちが二万一千人ぐらいではなかったかと思うのでございます。したがいまして、そういう人たちを除きますと、義務教育が九九・何%かになって就学されているようでございます。義務教育の就学児童数は全体で千二百万ですか、ちょっと政府委員から正確なお答えをさせるようにいたしたいと思います。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 昭和四十六年の、ちょっと古いので恐縮でございますが、統計によりますと、学齢児童の就学率は九九・八三、それから学齢生徒につきましては九九・八九ということになっております。また、在学者の数は、小学校が九百五十九万五千人、中学校が四百六十九万四千人、約千四百万というところでございます。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 不就学はどのくらいですか。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 就学猶予、免除を受けている者の数は約二万一千人でございます。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 不就学二万一千人という数は、ほんとうに信頼できる数ですか。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 私どもが指定統計をもって調査いたしました数でございます。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 指定統計をもって出た数だとおっしゃるのですが、私はいま、この数字の問題をこれ以上突っ込みませんが、二十六条が守られているかどうかということの一番基本は、こういうものについてやはり常に一番正確な把握をしていなければいけない。指定統計がほんとうに間違いなく不就学の数を押えているかどうか、これに私は大きい疑問を持ちます。実際に就学できない子供の数というのはもっとずっと多いのではないか、こういう感じを持ちますが、きょうはこの議論は深めません。  そこで、不就学の理由ですけれども、これはさっきのお話ですと、心身障害児、こういったようなことで就学猶予または免除をした数である、そういうお話でありますが、それをもうちょっとこまかく、心身障害児と申しても、盲、ろう、身体不自由、精神薄弱等あると思います。これをもう少し正確な数字でお示しをいただきたい。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 昭和四十六年におきます就学猶予、免除の児童生徒数の内訳でございますが、視覚障害によるものが八十一名、それから聴覚障害によりますものが二百十八名、精神薄弱によりますものが一万二千四十六名、肢体不自由によりますものが四千五百三十五名、病弱によりますものが二千四百五十三名、その他が二千三百三十名、合計が二万一千六百六十三名ということになっております。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 これらの不就学児というのを就学させるという努力はなさっているのか、これは放棄しているのか、いかがですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 これらの方々を教育するにつきましては、それなりに適応した教育施設を設けていかなければならないわけでございまして、そういう意味におきまして、養護学校を全府県に普及させたいわけでございますけれども、精神薄弱養護学校につきましては十二県未設置、病弱養護学校につきましては十九県未設置でございます。合わせますと三十一県になるわけでございまして、この三十一県につきまして、これらの学校がぜひ四十八年度中に整備されるように、国の補助予算を計上させていただきましたし、同時に、補助率も三分の二に引き上げてこれを慫慂するという態度をとらせていただいておるわけでございます。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 未設置県が合わせて三十一県もある。これはいままでこうした恵まれない子供たちの教育に、政府の努力が非常に足りなかったということを物語っているのではないか。もっとも社会的にこうした障害のあるお子さまを、隠そうとする親側の態度がなかなか把握をしにくくしたり、就学をはばむ一つの原因になるという事象は確かに従来あったと思います。これは率直に認めなければなりませんが、最近憲法意識と申しますか、子供の学習権というものに対する親の考え方というものがようやく正しく定着をし始めまして、最近では入れたくても入れることができない、こういう心身障害のお子さまをかかえて悩んでいる御家庭というのがたいへん多いのです。最もこういう施設が普及しているのはやはり東京ではないかと思いますが、養護学校だけでも決して一校や二校じゃないわけであります。それでも、最近新聞等に報道されましたように、王子の養護学校につきまして三十人しかとらないところを六十人以上、倍以上のおかあさんたちが来て涙ながらに訴えているという報道がなされております。  こういう状態に対しまして、いま文部大臣は、地方の全県に一応一校ずつでもつくるのだというようなお話、補助率を三分の二に引き上げるのだというお話、これはやらないよりけっこうでありますが、憲法二十六条というものをもっと厳粛に考えた場合に、こんな緩慢な態度でいいのか。文部省はもっと積極的な姿勢を持っているのだけれども、政府首脳あるいは大蔵大臣にこうした理解が足りないためにこれがはばまれているのか、一体その辺はどこに一番の原因があるのですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 特殊教育学校のうち、盲学校とろう学校は戦前から設置されておりましたので、すでにすべての府県で対象者を就学させるに必要な学校の設置を見ているわけでございます。養護学校につきましては戦後の新しい学校でありますために、肢体不自由児の養護学校、これはもうすでに全県の設置を見ております。精神薄弱と病弱の養護学校につきましては、先ほど申し上げましたように、まだかなりな県が未設置になっておるわけでございます。同時に、御指摘になりましたように、一県で一つで足りるわけのものではございません。さらにいまの倍数程度の養護学校を私たちとしてはぜひ設置を促進していきたい、かように考えているわけでございます。努力は続けているもののまだ御満足いただけるような域に達していない、こういうふうに御理解いただきたいと思いますし、私たちもいまのお気持ちを実現できますように、積極的に努力を払っていきたいと思います。  なお、御参考に申し上げますと、精神薄弱の養護学校が百三十二校、肢体不自由の養護学校が百五校、病弱の養護学校が四十九校、この三者で二百八十六校ということになっておるわけでございます。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 養護学校の問題でございますが、これはただいま文部大臣からお話のあったとおりでございますが、大蔵省といたしましては、養護学校の未設置県の解消は、ぜひ最近の機会に解消したいと考えておりまして、四十七年度で二十校、それから四十八年度予算では三十一校の養護学校の新設を認めて、施設費の補助率も、先ほどお話しのように三分の二に引き上げる。特に配慮を加えておるつもりでございます。そういたしますと、精神薄弱児童関係で四十八年四月一日現在で十二県が未設置県、それから病弱児童については同じく四月一日現在で十九県でございますから、これが解消することになろうかと思っております。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 いまの四十八年度の御計画で、先ほど一応あげた数字の二万一千という数字が、ほぼ解消するというふうにお考えですか。それにはまだほど遠いとお考えですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 未設置県が解消されるだけのことでございまして、必要な員数を全員収容できるという域にはまだ達しないのではないだろうかと思っております。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 それについて、すみやかにこれを解消するということはお考えと思いますが、年次計画等すでにお立てになっているのか、どれだけの学校、どれだけの費用を用意すればこれが完全に行き届いた教育になるのか、その点をどうお考えになっていますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 早急に必要な児童を収容できるように整備していきたいということで、四十八年度はまず未設置県を解消するということ、さらにこれを促進していくために補助率を三分の二に上げるということにしておるわけでございます。一応七カ年計画を立てているわけでございますが、政府委員のほうから御説明させます。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 ただいまお話のございましたように、たいへん緊急を要する問題ではございますけれども、たとえば東京の場合でございますと、現在二十一校の養護学校がございますが、今後私どもの推計では、さらにこれと同程度あるいはそれ以上の数の養護学校をつくらなければなりません。   〔委員長退席、田澤委員長代理着席〕 大阪につきましても、現在十七校ございますけれども、やはり同数程度のものをつくらなければなりません。そうなりますと、これは厚生省の養護施設等との関係もございまして、私どものお預かりいたしますのは学齢に該当する者だけでございますので、そういう関係もございまして、なかなか困難な面がございます。たとえば土地の問題にいたしましても、これから東京で二十数校つくるということになりますと、これはたいへんなことだろうというふうに考えるわけでございます。  そこで、私ども緊急性は感じているわけでございますけれども、府県のいろいろな御都合も考えますと、これはある程度着実に実行していく必要があるのではないかということで、ただいま七年間の計画をもちまして義務教育に移行できるように、すべての施設が整いますように計画を立てているというふうな状況でございます。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 七カ年計画というのは何年から何年までの御計画ですか。これについてどのくらいの予算を見積もられておるのか。どのくらいの学校数を見積もられておるのか。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 七カ年計画は四十七年度からでございます。  それから予算額でございますけれども、これは土地の問題を含めますと、一校当たり最低五億から七億くらいの金が要るだろうと思います。したがいまして、今後どんなに少なく見積もりましても約二百校程度の学校が必要であろうと考えておりますから、国の補助あるいは地方の負担を含めますと一千億から二千億でございますか、それぐらいの経費が必要であろう。これは最低でございまして、そのほかに人件費等がかなりの額にのぼるのじゃないかというふうに考えております。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 七カ年というずいぶんゆうちょうな御計画で、これは半分ぐらいに短縮しなければならぬ。そういうお子さんをかかえておる親の身になっていただき、その子供の身になっていただき、一家心中というようなこともよく起こっておる、こういう状態を考えますと、憲法二十六条の重みというものを、もう少し文部大臣を先頭に大蔵大臣、自治大臣も、政府全体をゆり動かす決意をひとつこの席で固めていただきたいと思う。そうして、いまの金額も一千億から二千億と、これもずいぶん幅がある大ざっぱな言い方だと思うのだけれども、人件費を加えても、これはいまの国家予算から見るとほんとうに微々たるものです。これで人間の尊重ということを具体的に、教育の面であらわすことができるのですから、田中内閣が少なくとも経済優先から人間優先に政治を変えるということをかりそめにもおっしゃっているなら、社会福祉はもちろんのことでありますけれども、この人間を育てる教育の問題について、もっと思い切った措置を、思い切った措置と言ったって、これはたいした金額じゃないのです。ぜひひとつ、七カ年などというゆうちょうなことでなく、半分以上の速さにこれを短縮してやるように、私は強く国民を代表して皆さんに要請したい。それについての御決意を、ひとつ順々におっしゃっていただきたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 私も同じような気持ちを持っておりまして、ほんとうにそういう子供をかかえておられる家庭のことを考えただけでも、非常に胸を打たれる思いをいたします。これはいずれにしましても、府県、設置者がその気持ちになって予算を計上してくれなければできませんので、将来とももっと強く設置を慫慂してまいりたい。もちろん設置を計画されたものにつきましては、国が三分の二の負担額を支出していくわけでございます。国のほうが足を引っぱるようなことは絶対ございません。地方団体が積極的にそういう努力をしてもらう、それに応じた予算は十分に国のほうで計上していく、そして、一そう促進をはかっていくという努力を強めていきたいと思っております。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○江崎国務大臣 御指摘の件はきわめて重要であります。私も実は精薄者学園を設立して理事長をやっております。よくわかるつもりです。推進したいと思います。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 できるだけの努力をいたします。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 それぞれ御決意をいただいたわけでありますが、ひとつ、ことばだけに終わらないように、これができるところから即刻取りかかり、少なくとも来年度の予算では飛躍的な前進が見られることを心から期待いたしまして、この件については終わります。  次に自治大臣に承りたいのですが、さっき申し上げましたとおり、義務教育の問題は特に地方自治体に大きな責任が政府とともにあるわけですが、今日、地方自治体、特に人口の急増する地帯、こうしたところの自治体が各種の財政負担に苦しんでおります。一方、住民の自治意識というものは日に日に非常に高まってまいります。そして住民の生活要求というものはあらゆる面に噴出してきております。こういう中で各地方自治体は、いかにしてこの住民の要求にこたえるかということで非常に努力をされておりますが、財政的な非常な制約の中で苦しんでおるのが実情だと思います。道路、上下水道、学校、病院、社会施設あるいは福祉施設、幼稚園、保育所、日常的な市民生活に必要なこうした要求が噴出している中で、その要求のまさに十分の一も百分の一もこたえられないで苦しんでいるというのが実情だと思うのですが、その中でも、人口急増地帯で地方自治体の一番大きな財政負担になっており苦しんでおるのは何か御存じですか。おもなものを二つ三つあげてみてください。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○江崎国務大臣 社会福祉施設、環境整備施設、いろいろ多岐にわたります。どれ一つとってもなおざりにできるものはございませんが、一番問題なのはやはり義務教育、小学校そして引き続いて中学校の校舎の不足、これだというふうに考えております。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 自治大臣は、やはり実態、大事なところは御存じだと思います。しかし、これを解決するためには現在の国庫負担ではなかなか解決しないというのが実情だと思うのです。それについて何か自治大臣としては方途をお考えですか。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○江崎国務大臣 年々この事態が切迫するばかりでありまするが、それにつれまして、ここに私、数字的な資料を持っておりまするが、御承知のように昭和四十六年に、児童生徒急増市町村におけるいわゆる学校用地の取得について、特別の国庫補助制度をつくり出したわけでございます。そして四十七年度、いわゆる本年度ですが、小学校の校舎建設にかかる国庫負担率の引き上げ、すなわち三分の一からこれを三分の二にした。それからいま御審議をいただいておりまする、四十八年度の児童生徒急増市町村におきましては、小中学校の校舎建設にかかる国庫負担率を二分の一から三分の一へというわけで、年を追うて一年一年この助成率を上げてきた。これはお認めいただけると思うわけでございます。それから小学校の屋内運動場にかかる国庫負担率も、従来の三分の一から二分の一に引き上げ、しかも小中学校の校舎にかかる負担の単価、基準面積の改善、これを積極的にはかっておるような次第でございます。  それからなお義務教育施設用地、校地の取得、これは東京都などでは大問題なわけでございまするが、この用地も四十六年度には二十億円の国庫補助、本年度は五十二億三千万円、そして四十八年度は単価の是正、事業量の拡大というわけで九十八億七千万円。そうすると四十六、四十七、四十八、三年間で五倍の補助措置をした、五倍増額したというわけで、財政事情の許しまする限り努力をしておるわけであります。これで十分とは決して思っておりませんが、まあしかし努力の一つの結果であろうというふうに考えております。なお今後も十分努力をしてまいりたいと考えます。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 人口急増地帯の義務教育諸学校の用地並びに施設の費用が地方自治体の非常に大きな負担になって、地方財政を圧迫しているという認識に立たれまして、いま努力をされているという御答弁であります。私ども社会党としても、年々特別の立法の提案をしまして、政府を何とかこういう方向に行くように鞭撻してきたつもりでありますが、その線に沿った一応の御努力のあとは認めるにやぶさかでないのでありますが、ただ用地買収、今日のこの土地の暴騰の中で、東京などはさぞたいへんであろうとおっしゃいましたけれども、東京のみならず、私は全国的にたいへんだと思います。そして、五倍に増額したということをたいへん大きい声で言われましたが、その額が問題なんです。二十億から出発しての五倍、九十八億、百億に満たない程度の用地買収では一体何校、どのくらい補助ができるのかということを考えますと、これは非常にまだまだ微々たるものだ。ちょっとこれもけたを違えなければ問題の解決にならないのじゃないか、こういう感じがいたすわけであります。  そこで、具体的に実際どうなっているのかということを今度は少し突っ込んで、自治大臣にもお聞きいただきたいのですが、一応文部大臣にお聞きをし、自治大臣や大蔵大臣によく実態を把握していただきたいと思うわけです。なるほどいまのように用地買収についても、校舎建築についても——その前にちょっと気がついたのですか、さっき自治大臣の御答弁の中に、四十七年度は小学校三分の一から三分の二にしたというふうにおっしゃったのは、二分の一にしたという誤りですな。そうですね。四十八年に、二分の一から今度三分の二にした。これは訂正しておいたほうがいいと思います。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○江崎国務大臣 私、言い違えでしたらこれは訂正しておきます。読み違いです。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 そこで問題は、二分の一あるいは三分の一——用地のことはひとまずおきましょう。校舎建築のほうからいきたいと思いますが、この実際の算定のしかたがどうなのかということです。はたして小中学校の校舎の新増築に対して、文字どおり、地方自治体がつくった場合にその二分の一、あるいはことしは今度三分の二に人口急増地帯に対してはなるわけでありますが、従来三分の一であったとき、二分の一になったとき、四十六年度までは小学校は三分の一ですね。四十七年度、ことしはようやく二分の一に引き上げられた。これは画期的な前進ではあるのですが、さて実態を見ると、これがまた非常にそこに、ごまかしということばを使っていいかどうかわかりませんが、実情にそぐわないものがあるのです。  たとえば、これは具体的に話さないとわかりませんから一例を申し上げますと、国分寺の第九小学校というのが四十六年度に建てられました。これはまず実際にかかった単価は一平米四万二千円です。十四学級で発足したわけですが、実際の国の査定した補助単価は、四万二千円に対してまず二二万六千百円というふうにぐっと低くなっている。そうして十四学級に対して、国の基準面積は二千三百四十平米ということになっていますから、その算式で計算をし、その三分の一を補助するということになりますとほぼ二千九百万円の補助であったというのですね。土地じゃありません、校舎ですよ。ところが、実際には給食作業室を含めますと一億八千二百万円建築にかかっておるのです、この学校を建てるのに。給食のその室の一千万円分を引いたとしても一億七千二百万円校舎建築にかかっている。それに対して二千九百万円の補助で、これは三分の一の制度のときですが、これはとても三分の一になっておりません。これが実情ですが、これは決して特異な例ではない。こういうことを実情に即するように改正しないで、名目だけ三分の二に引き上げましたといっても、これは国民に対して、いかにも教育を大事にしておるというように、あるいは人口急増地帯の要求にこたえていますというように見せかけはいいですけれども、内実は伴っていないのです。  そこで私は、補助する場合の単価の押え方、それから基準面積、こういうものの押え方、これをどのようにいま文部省としてはお考えになっておるのか、これをどう改善する御決意があるのか、その点をここで伺っておきたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 いまおっしゃいましたような隔たりの出てきます原因、いろいろあると思うのでございます。  一つは、従来からいわれています超過負担、これは建築の仕様がだんだん水準が上がっていく、床の材料もいままで使っておったものよりもよいものを使う、あるいは窓わくにつきましてもアルミサッシを使っていくとかいうようなことで超過負担問題が起こってきておるようでございます。そういうことから、現に一般に使われておるような仕様書に変えて単価を算定する、そういうことを通じて超過負担をなくしていきたい、これが第一点でございます。四十八年度予算にあたりましては、二カ年計画で解消しようという努力がなされておるわけでございます。   〔田澤委員長代理退席、委員長着席〕  もう一つは、建築費が毎年かなり上がってきておるようでございます。それに見合っただけの単価に直していかなければならないということが第二点としてあろうと思います。  第三には、社会全体がよくなってくるわけでございますので、視聴覚の特別教室をつくるとか、あるいは理科の実験室についても準備室をつくるとかいうようなことで、特別教室をふやしてきています。したがいまして、補助基準になります面積を、生徒一人当たりをとりますと引き上げていかなければならない。三十九年にきめられましたものをずっと使っていたわけでございまして、私はぜひこれを解決したい。四十八年度から補助基準面積を二割引き上げてもらいました。  そういうことによりまして、学校の施設がかなり向上してきておる、それに対応できるような補助金額の算定ができるのじゃないかと思うのでございまして、こういうように、いま申し上げました三点にわたりまして改善を試みたわけでございます。あとは全体の事業分量を確保して、そのとおり必要な額をそれぞれの団体に交付する。同時にまた、将来児童がふえていきますならば、それをいまから見込んでそれだけの建築ができる、それに対応した補助金が与えられる、こういう方向に向かって一段の努力を続けていきたい、かように考えておるわけでございます。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 この問題は、文部省としても一応そういうふうに改善は年々おやりになっておると思うのですが、物価の値上がり、そういったもののほうがはるかに追い越していってしまう状況の中で、単価の押え方もいつも立ちおくれになるし、基準面積につきましても今度二〇%ふやしたということでありますけれども、これは実情に沿っていると思いますか。実情の面積よりも内輪内輪になっておると思いますか。これは事務当局、どういうふうに把握していらっしゃるか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 地方超過負担の問題でございますが、昨年六月大蔵省、文部省、自治省等の合同調査をやったわけでございますが、その結果によりますると、単価におきまして約一二%、それから面積におきまして約三一%の負担超過があるという数字が出ておるわけでございます。一二%の単価差につきましては、ただいま大臣から御答弁を申し上げましたように、鉄筋につきましては二年で六・九%の是正をはかる。これはその超過負担の解消分としての部分でございます。ほかに物価上昇率に見合うものといたしまして、六・四%の単価の是正を行なっておりまして、小学校校舎の鉄筋単価について申しますと、一〇・一%の改善ということになっておるわけでございます。  ただいま申し上げましたように、単価差の超過負担一二%のうち平均六・七%の是正をはかるということでございますから、ほかに約六・四%のズレがあるわけでございます。ただこの考え方でございますが、私どもは地方が負担した単価そのままを国が負担をするという考え方はとっていないわけでございまして、標準的な仕様を前提といたしまして、標準的な仕様に基づく単価につきまして、二分の一、三分の一あるいは三分の二の負担をする、こういうことでございます。そこで標準的な仕様でございますが、一例を申しますと、従来は床をモルタル塗りにするということで単価が積算されておったわけでございますが、これをアスファルトタイルにするといったような改善を行なっておりまして、そうした改善内容が、ただいま申し上げました国が措置をいたしました平均にいたしまして六・七%の超過負担解消ということになるわけでございます。ところが実際問題といたしまして、床でございますが、私どもの標準仕様はアスファルトタイルということに改善をしたわけでございますが、実際はフローリングブロックを張るとか、あるいはモザイクタイルを張るとかといったようなことが行なわれておるわけでございまして、こうした部分までは国の補助金としては対象にいたしかねる、こういうことでございます。したがいまして、一三%の超過負担のうち、私どもが平均で六・七%を見たわけでございますが、残りは、そうした俗に申しますとデラックス部分と申しておりますが、そうした部分であるというふうに考えております。  それから面積差でございますが、これが約三一%ということでございますが、大臣から御答弁申し上げましたように二〇%の基準面積の引き上げを行なったわけでございます。それをこえるものは、したがって私どもは補助対象としないわけでございますが、単価と同じようにいわばデラックス部分というふうな理解をいたしております。具体的に申しますと、たとえば小中学校の体育館などにおきましては、私どもの基準面積以上に大きなものをお建てになるわけでございますが、これは地域住民の、つまり小中学校の児童生徒の教育のためということだけではなくて、地域住民の各種の集会に備えるというような趣旨からかなり大きなものをつくっておられるような実情もあるわけでございまして、そうしたものが私どもの補助対象外として依然として残る。しかし、これはやむを得ないことであるというふうに考えております。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 デラックスにするとか、その他の要因の問題は一応置くとしまして、押えたところでも、単価差についてまだ改善しても約半分の六・数%のズレがあるとか、面積差についても三一%出ているうち二〇%今度改善すると、あと一一%残るということですね。文部省の態度としてはこれは全部解消するという姿勢で予算要求をしているんだと思いますが、それを大蔵省のほうで削られているというのが実情ですか。それとも、最初からあきらめてこのぐらいにまあまあしておけということなんですか。

相澤英之大蔵省主計局長

○相澤政府委員 この超過負担が問題となっておりますものは、文教施設のほかにいろいろございましたが、四十七年度におきまして、文教施設のほか五項目について、大蔵省と自治省と関係各省の三省の立会によるところの調査を行ないまして、その調査結果に基づいて、その中でどういうものを超過負担の対象として見るかということを協議して決定した次第でございまして、そういう基準については、ただ大蔵省が一方的に査定して落としたというような取り扱いではございません。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 私が聞いているのは、文部省はどういう姿勢であったかということを聞いているのです。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 さしあたりここまで改善をする、世の中もどんどん進んでまいりますので、引き続いて私たちは改善をはかっていかなければならない、こういう考え方でおるわけでございます。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 考え方を聞いているのではないのです。たとえばことしについてこれだけのことがちゃんとわかったらば、少なくともこれは解消するという姿勢で予算要求をされたのかどうかということを聞いているのです。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 予算要求といたしましては、いま基準面積が三一%多かったというお話がございました。それを踏まえまして三〇%引き上げたいという話し合いをいたしました。その際に、どこまでがデラックス部分であるかというようなことで、これは見方によっていろいろな判断が出てくるわけでございます。結果的には二〇%で合意をいたしたわけでございます。将来の問題は、先ほど申し上げたような気持ちでおるわけでございます。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 同じ政府部内ですから、不統一なような答弁はここでできないでしょうけれども、端的にいえば、少なくとも文部省は、実態がわかればこれは解消する姿勢を持っているというふうに受け取ります。国全体の予算の中でということでこれが押えられた。これはあるいは愛知大蔵大臣のほうに、実際はなたをふるったほうの責任があるように思うのだけれども、大蔵大臣、こういう問題は何でもものを少しずつ削っていけばいいというものではないと思うのです、特に教育のこういう問題については。これだって実際はずいぶん控え目なものです。学校へ行って体育館を見たって、決してデラックスなんというものじゃないのです。日本の国の今日の経済力から見れば、あのくらいのものはあってもいいということは当然なんです。それをデラックスなんてきめつけることも問題なんだけれども、大蔵大臣、こういう点は今後抜本的に姿勢を改めていただかなければならないと思うのです。実際、三分の一だとか二分の一だとかいったって、それの額にはなっていないのです。また差がひど過ぎるのです。大蔵大臣、いかがですか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 先ほど主計局長からも御説明いたしましたように、とにかく超過負担の問題については、学校の問題が最大の問題でありますが、ほかにもございますから、六項目にわたって関係省で共同の実態調査をするところまで踏み切ったわけでございます。そして、実態調査を基礎にいたしまして、義務教育施設については、原則的に四十八年度と四十九年度でできるだけ解消したいということで四十八年度の予算も組みまして、公立文教関係で申しますと、四十八年度の予算は、それだけのところを取り上げますと、たしか四八%ぐらい前年度より増になっております。これは大蔵省としては相当の努力をいたしたつもりでございますが、今後とも、いまお話しのような線に沿うてできるだけの努力をいたすべきものであると考えております。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 大臣も文部大臣の経験もおありだし、超過負担の問題は地方自治体として大事な、大きな問題ですから、この解消は御努力いただきたいと思います。特に義務教育の問題については、今後、いまの御答弁のとおり格段の御努力を願いたいと思いますが、なお認識を強くしておいていただきたいと思うので、例を一つあげておきたいのです。  町田市の金井小学校という六学級の学校が発足したのですが、これの国庫補助率を見ますと、これは四十七年度ですから二分の一というはずなんですが、詳しい数字をいまここで申し上げませんが、結論だけ申し上げますと、国庫補助の割合が三八%。ですから、三分の一のときよりは確かに実質的にもよくなっていますが、五〇%にはまだ一二%足りない。これはかなりよくいった例だと思います。ところが、町田市の四十七年度の小中学校の増改築費用というものを全部総体的に見ますと、その国庫補助率は一二・五%にしかなっていないのです。これはずいぶん大きな開きです。これが実情なんですよ。いろいろ改築の場合には、これは当てはまらないとか、何だかんだいろいろこまかい規定がありまして、そしてみんなはずしていってしまうのです。実際は木造の古いのがあるのを半分残してこっちへなんてできないから、全部こわして新しい鉄筋に直す。そうすると、それが年限がどうだ何がどうだ、こまかい規則でなたをふるわれてしまって、結論として一二・五%の補助しかこないという実情になっているのです。これはひとつよく調査をしていただきたいのですが、この三分の一を二分の一に、中学校並みに小学校をしたということは、これは一歩大きい前進だと評価できますが、その内実をひとつ検討していただきたい。人口急増地帯について、さらに二分の一から三分の二補助に踏み切ったということも、これは高く評価しております。私どもの主張をかなり入れたというふうに喜んでおりますが、実態はこういう実態がある。  もう一つ用地買収の問題について、これまた長い間大蔵省は、学校用地というのは地方自治体の固有財産であるから、国が補助すべきでないというようなことをずっと言い続けたことを私は承知している。それがたしか四十五年度に整地費というものが組まれ、四十六年度からようやく二十億ではあるけれども、用地買収補助を組んだということは、これは額は別として画期的なことだと思います。しかし、さっき申し上げたとおり、それをこの三年間に五倍にしたといっても百億に満たない。それではまだまだ焼け石に水ですから、大きく改善をしていただきたいのですが、この用地買収費補助については立法措置をとっていないのですね。これはなぜなんでしょう。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 四十六年度から人口急増地域の用地だけ予算補助で始めたわけでございます。この種のものを当時立法措置をとるかとらないか、だいぶん議論があったわけでございまして、結果的にはいまも予算補助にしているわけでございます。必ずしも法律的に国に義務づけなければならない性格のものでもない、財政援助的に考えてもいいじゃないかというようなこともありまして、結果、いまのような姿になって続いているわけでございます。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○江崎国務大臣 関連してお答えしておきますが、これは非常に重要な問題で、政府としても、特にまたわれわれ自治省としては、積極的に進めておるわけです。  そこで、用地の取得債につきましても利子補給を行なうということにして、本年度はその利子補給だけで七億三千万円、それから地方債を積極的に充当してこれに見合わせておるわけですが、それは小中学校用地にかかる義務教育施設整備事業債というのを、四十七年度は二百四十五億、四十八年度は三百四十五億、そして水田取得債を積極的にこれにも充当させていくという方途もあるわけです。  それからもう一つは、さっきのお尋ねで関連して非常に重要な点は、児童生徒急増市町村におけるいわゆる用地取得の元利償還費については、四十七年度から普通交付税で三割見ておるわけです。これは非常に貢献しておるというふうに思っております。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 たいへん努力をしているとおっしゃっておりますし、それはそれなりに認められると思いますが、もう一つ、用地買収費について実情を申し上げてみたいと思います。  その前に、この用地買収の補助の人口急増としての判断の基礎をどうお考えになっているのか。それから、その場合に、該当地域となった場合に、どういう基準で、どういう出し方でこの補助金を出しているのか、これをちょっと明瞭にしていただきたい。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 補助対象市町村でございますが、小学校の場合は、過去三カ年における児童の増加数が五百人以上で、かつその増加率が一〇%以上である場合、またはその増加数が千人以上で、かつその増加率が五%以上である場合、小学校につきましてはこうした基準で児童生徒急増町村の指定をいたしております。中学校につきましては、同じように、過去三カ年における生徒の増加数が二百五十人以上で増加率が一〇%以上の場合、または五百人以上でその増加率が五%以上の場合ということになっております。  それから、補助金の算出の方式でございますが、まず補助基本額というものがございまして、これに交付率〇・五をかけまして、それに補助率三分の一をかけて補助金額を算定いたします。これを三カ年にわたって交付するという方式をとっております。この補助基本額でございますが、これは面積と単価の相乗積でございます。面積につきましては、基準面積に対応する不足面積または買収面積のいずれか少ない面積をとっております。単価につきましては、地価公示価格による公示価格または実際の買収単価のいずれか少ない額、その面積と単価の相乗積を補助基本額といたしまして、先ほど申し上げたような計算をいたしておるわけでございます。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 児童生徒急増地帯としての判断の基準はわかりました。これは最初からいままで変わっておりませんね。  それから、補助のしかたは、たしかこれは法律になっていないためにどうにでもなるから、私はなぜこれを立法化しないのか、こう言ったわけです。一応三分の一を補助するというふうに理解されているのじゃないかと思うのですが、ところがそこにマジックがあって、さっきお話しのように、途中で〇・五をかけてしまう。もうそれで半分にしてしまう。これがたしかもっと少なくて〇・四のときもあったのじゃないか。〇・四四なんというのをかけてやっておるところもある。そうすると、それだけですでに実質は六分の一かそれ以下になってしまう。そういうやり方でありますが、これはぜひ立法化をして、きちっと三分の一なら三分の一は責任を持つ、こういうことにしないと、そのときの都合でいかようにもなってしまうのじゃないかという、非常に不安定なものになるという感じを持ちますが、将来これをちゃんと立法化するというお考えはないのですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 予算の総額が縛られておりますために、御指摘のように、割り当て的な交付額になってしまう。したがいまして、当初予定した率よりもかなり下回っているようであります。そういうこともございまして、漸次単価を引き上げる、もう一つは買収面積を引き上げる、こういうことを通じまして実情に合うように努力を重ねてきておるわけでございます。したがいまして、四十六年当時のようなことはない、こう考えておるわけでございます。  なお、立法化の問題につきましては先ほど申し上げたわけでございますけれども、人口急増市町村という限られた市町村でございますし、同時にまた暫定的と申し上げましょうか、急増時期における対応策でございますので、現在のところなお予算補助でいきたい。立法化の問題につきましては引き続いて検討していきたいという考え方でおるわけでございます。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 この機会にただしておきたいのですが、人口急増地帯の問題は非常に逼迫した事態なのでこういう用地買収に踏み切ったのですが、この義務教育について政府が責任を持つという意味で、地方自治体と分かつという意味で、将来人口急増とか急増でないとかということとかかわりなく、用地買収についても政府が半額なら半額、三分の一なら三分の一は責任を持つ、こういう方向に考えを進めるお考えはあるのかないのか、この機会にお尋ねしておきます。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 いろんな仕事をしていく場合に、その経費をどこで負担するか、負担するところがきまりましたら、その分量に従って国民から拠出してもらう税金を分け合ってもらうわけでございますので、あまり国が一つ一つのものにつきまして財政負担をしていく行き方がいいか悪いか、若干私は問題があるんじゃないかと思うのでございます。用地の問題は金が土地に変わるだけのことでございまして、資産は少しも減っていかない、そういう性格のものでもございますので、建物とはちょっと立場を変えて考えてもいいんじゃないだろうかと思うわけでございます。あくまでも人口急増地域における急迫した状態にかんがみて財政援助をしていくというたてまえでこの補助金が設けられておるわけでありまして、全般的に広げていくことにつきましては、なお慎重な検討を要する課題ではなかろうか、こう思っております。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 この点は大蔵大臣にも実はお尋ねしたいのですが、あるいは自治大臣はこれについてはどうお考えですか。これはまあ閣議の中で統一した見解というものはまだないのだろうと思いますけれども、お考えを聞かせていただければ、この席でひとつお願いしたいと思います。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 いまもお話しのように、まだ閣議というような段階で意見をまとめるところまでいっておりませんが、なかなか重要な問題でもございますし、ことに財政当局といたしましては特に重要な問題でございますから、とくとひとつ検討させていただきたいと思います。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○江崎国務大臣 少しでも地方公共団体の負担を軽くしていこうという意味からいえば、私どもは、なるべく政府が助成することは望ましいわけですが、そうかといって、問題や事業は多岐にわたっておりますので、今後にかけて慎重に検討したいと思います。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 特に用地というものが非常に高くなっている現状においては、これはどうしても検討を真剣に早急にしていただく必要があると思います。これはもう明治以来村有地があったり、町有地があったり、あるいは土地の地主さんや素封家というような者が、学校のためなら用地ぐらいは寄付するとか、安く提供するとか、こういった時代はもう去りました。いまや東京などでは、学校が建って、その用地の買収が済むと、それが一番地価をつり上げるやはり一つの要素になっている。これでぐんと上がる、こういうような事態になっているのです。ですから、この用地問題については、義務教育というものをほんとうに国の責任として考えれば、当然今後校舎とあわせて国が考えていかなければならない問題だということを、ひとつ強く要請をいたしておきたいと思います。  そうして、やはり用地問題について印象を深める意味で実例を申し上げたいのですが、四十七年度、これは国分寺の第四中学校という、まだこれは正式の名前ではございませんが、用地の買収をいたしました。まだこれから建てる学校の用地です。これを調べてみますと、一万二千八百平米、約四千坪を買収した総額が八億五千万円かかっております。ところが、さっき事務当局から説明したような基準で算定していって、しかも最高は総額の六分の一をこえてはならない、こういうことだそうで、用地買収補助費としての申請は一億四千三百万円。八億五千万円で買収した土地の申請が一億四千三百万円です。この差というもの、これが実情ですから、さっき公示価格と買収単価の低いほうをと言うんですが、これは大体この国分寺の場合はそう差がないようです。したがって、この単価の点ではあまりダウンはしなかったのですけれども、〇・五をかけ、また三分の一をかける、そうして申請額を出して、さらにそれに〇・七五をかけているのですね。これはどこからこういうものが出てきたのかわかりませんが、そうしてそれを三年に分割して補助をする、こういう形でありますから、まだまだ実際問題として用地買収補助というものが、せっかく道をお開きになっても、総額百億に満たないような国全体としての予算では、人口急増地帯の待ったなしに建てなければならない義務教育諸学校を建てるための用地買収の補助としては、芽を出したということは評価するけれども、これまた画期的な思い切った措置をとらなければほんとうの解決にならない。けたが私は一けたか二けた違うのじゃないかと言うのですけれども、実際を御存じになればすぐわかることです。どうかひとつその点で、用地買収、人口急増地帯に現在のところは限る、まずそれはそれとしてでも、全体の予算額というものをふやして、ほんとうに用地買収の補助をある程度国がしたという実績になるような、実効があらわれるような方向に御努力をいただきたいと思います。また、国民の立場でこれを強く要求をしたいと思います。  なお、さっき申し上げたとおり、いまや校地の取得ということが、従来の昔からの歴史的な観念から遠くかけ離れた現状において、法律上もきちっとこれを定めるような方向に検討をすることを強く要請します。  時間がございませんので、あと一つだけお伺いしたいと思います。  日本列島改造を含む膨大な予算がいま審議されているわけですが、この中でいま国民が非常に望んでおり、また心配しておる問題は、自然や文化の破壊がなされて、経済優先のブルドーザー先頭の国土開発が進められるのではないか、改造が進められるのではないか、こういうことであります。特にきょうは文化庁に関係する、直接被害を最も受ける埋蔵文化の問題についてしぼって質問いたします。  この埋蔵文化についていま文化庁が指定をし、あるいは将来指定しなければならないと考えている個所は何カ所あって、それはどのくらいの面積が想定されておるのか、これに対して具体的に買収の年次計画はどう立っているのか、何年たったらこれができるのか、これを伺いたいのです。なぜ私がこういうことを申し上げるかと申しますと、私がかつて文教委員会の席で問題にした武蔵国分寺の、国分寺市にあります遺跡の買い上げについて、この史跡のあとにすでに建物がどんどん建てられ始めたということから、この問題を提起したわけですが、三年計画でこれを買収して史跡を公園にする、当時たしかこういう御答弁がありまして予算化がされたわけですけれども、それからすでに約十年、九年以上になろうとしている。これが予算化されたのは四十年度のことですから、ことしはちょうど予算化されてからは八年になります。ところが、この間実情を調べますと、いまのテンポでいきますとあとなお二十年くらいかからないといまの指定地の全体の買収が済まないようなテンポだというのですね。四十八年度からは確かに八〇%の特別の補助をしていただいて、あとは都、都は最初は補助を出しませんでしたが、東京都と国分寺市と合わせてこの買収を進めておりましても、そういうテンポなのです。そのことを考えますと、国全体は一体どうなっているのか。ことし予算面を見ると、昨年のこの埋蔵文化等の買収予算として二十億からたしか三十億程度にふやしているということのようでありますけれども、こんなことで、いまのテンポで進むこの国土の改造の中で、文化財を守り切れるのかどうか。これは非常な危惧を私、感じます。  そこで、最初の質問に戻りまして、いま文化庁が把握しているだけで、何カ所、どのくらいの平米の保存をしなければならないものを考え、この買収の総額は幾らかかるか。そしてその買収計画は何年計画を持っているのか。今後もこれはさらに拡大の傾向に進むことは明らかだと思います。なぜならば、さらに新しい発掘調査等の結果、最近もあちらこちらで続々重要なそうした遺跡が見つかっております。そういうことを考えますと、これはもっとふやす予想を持っていなければいけないと思いますが、それをどう把握しておるのか、どういう計画をお持ちなのか、これをひとつ総まとめにしてお答えをいただきたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 埋蔵文化財を包蔵する土地、いわゆる遺跡は、昭和三十五年度から昭和三十七年度にかけて行ないました全国調査では、約十四万カ所が確認されております。その後未確認の遺跡が相当あることが明らかになりましたので、昭和四十六年度から三年間にわたる年次計画によりまして、再度全国の遺跡分布調査を実施しております。  これらの遺跡のうち、全国的見地から重要なものにつきましては、文化財保護法による史跡に指定し、保護することとしておりまして、昭和四十七年四月現在、九百一件、約一万二千七百ヘクタールが指定されております。近年の開発事業の進展に伴い、民有の指定地についてはこれを公有化しなければ、恒久的な保存がはかられない事例がふえてきているわけでございます。このため、文部省としましては民有の指定地の約三〇%に当たる千二百三十ヘクタールを公有化することとして、さしあたり緊急を要する八百四十三ヘクタールを、昭和四十五年度から十カ年計画で、地方公共団体に補助金を交付して買い上げる計画を立て、昭和四十五年度から昭和四十七年度までに約百六十八ヘクタールについて買収してきたわけでございます。  また、この史跡の公有化の補助につきましては、昭和四十八年度予算で、いまお話しになりましたように前年度比五割増、予算額にして十億円増の三十億円を計上いたしますとともに、補助率を五割から八割に引き上げたわけでございます。そして史跡等の保存の促進をはかることといたしております。  なおまた、このような買い上げでは十年かかる、二十年かかるというお話もございました。まことにもっともなことでございますので、土地所有者が一括して売り渡してくれまする場合には、地方公共団体なり、あるいは地方公共団体の公社なりで借金で一括して買ってもらおう、その元利償還額につきまして国のほうから八割を交付していくという行き方をとりたい。一挙に単年度で解決できるような道を開きたいということを、ことしから始めようといたしておるわけでございます。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 新しい努力をされて、新しいやり方を開こうとなさっておることは評価いたしますが、いまの数字でもわかりますとおり、一万二千七百ヘクタールに対して、何か三〇%というのですか、八百四十三ヘクタールを五カ年計画で買収する目標で四十七年までで百六十八ヘクタール。一万二千七百ヘクタールに対して百六十八ヘクタール、こういうことではこれはなかなか解決しないと思うのですね。二十億とか三十億の買収費なんていうものは、今日のこの膨大な国家予算の中で文化国家が泣くと思うのですよ。だれが考えたってそうじゃないですか。全くこれは文化尊重なんていうことを政府は一顧だに与えていないと極言しても何とも言えないのじゃないですか、愛知大蔵大臣。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 そういう御批判をいただくことは、まことに何ともどうも申しわけのないことでございますけれども、全体の財政の編成という立場から申しますと、なかなか御要望の線に沿えない。今後ともひとつできるだけの知恵をしぼって御趣旨に沿うようにいたしたいと思います。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 五割増しにして三十億にしたといったって、自衛隊の飛行機一機分ですよね。しかも日本列島を改造しようというのですから。奥野文部大臣、大臣に就任されたのですが、こういう埋蔵文化の買収なんということについては、借金しておいてもらって元利の償還について見ていくのもけっこうですけれども、大体この三十億なんていう基礎額が問題にならないと思うのです。これはだれに聞かしたって、それで文化国家、文化財の保護なんていうことをやっていると言えるのか。十四兆数千億のことしの予算の中で、埋蔵文化の買収費が三十億なんていうことは、恥ずかしくて国際的にも顔向けできないのじゃないですか。きょうは総理大臣がいないのは残念なんですけれども、これはひとつ文部大臣、一大決意をし、大蔵大臣もひとつ、少なくとも今後日本が平和な文化国家として発展していくというならば、しかも日本の歴史の中には貴重な遺跡、人類の大切な学問の資料にもなり、芸術上の価値からいっても、あるいは歴史を科学的に分析する上からいっても、非常に貴重なものがまだ多多あるわけでありますから、この文化財保護、なかんずくこの埋蔵文化の問題につきましては、これまた画期的な姿勢でひとつ出直してほしい、こう思うのですが、それについての御決意を文部大臣と大蔵大臣お二人に再度伺います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 民有の史跡指定地、これを買い上げるわけでございますので、買い上げてもらいたい希望がある、金がないために買い上げられないというようなことのないように努力をしていきたいと思います。同時にまた、せっかく買い上げられるにもかかわらずちびりちびり買っていくということでも問題がございますので、先ほど申し上げましたような地方債制度を活用して一気に買い上げてしまうという方法をとったわけでございますので、私は、いままでとは格段の前進を見るんじゃないかと思います。今後ともそういう決意で臨んでいきたいと思います。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 ただいまもおしかりをいただきましたが、四十八年度におきましてもずいぶんくふうはこらしたつもりでございます。たとえば地方公共団体が文化財について買い上げその他をやりますときの補助率、これは御案内のように八〇%に思い切ってこれを増額いたしたわけで、従来は半分、五〇%、それから所によりましては多少かさ上げをしているところもございましたが、これを一律に八〇%に引き上げました。それから、実は今後の問題として、地方公共団体からも希望的な計画もございますが、たとえば地方債等を出しまして先行買い上げをやるというような場合に、その地方債の消化あるいは利子の補給と申しましょうか、そういう点についても前向きに検討したいということで、寄り寄りそういう案も考えておるわけでございます。ただいま御指摘になりましたように、単位が違う、あるいはもう思い切った措置と言われることには、これでまだまだ不十分と思いますけれども、意欲としてはかなり前向きの考え方を大蔵省としても考えておることだけは御了承いただきたいと思います。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 時間が参ったようですから、最後に、いまいろいろ起債等のくふうをして、なるべくすみやかに民有地のこういうようなところの買い上げを促進するというその御努力については、それが実を結ぶように、せっかく実際の効果があるような運用を要請します。しかし、この三十億という基本的な買収費、このものをもっと大幅にふやすということについて、どうもいまお二方の答弁にはあまり大きい決意が感じられなかったのです。これはやはり大臣の立場もあって、安い手形は出せないということかもしらぬけれども、これにつきましては文部大臣も大きい決意を持たれ、また大蔵大臣も深い理解を持って、その努力をされることを強く要請しまして、私の質問を終わります。

根本龍太郎自由民主党

○根本委員長 これにて長谷川君の質疑は終了いたしました。  午後二時より再開することとし、この際、暫時休憩いたします。    午後一時十三分休憩      ————◇—————    午後二時十三分開議

根本龍太郎自由民主党

○根本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、御報告いたします。  昨日の楢崎君の質疑に対する森永参考人の答弁中、「千三百万人」とあるのを、「千三百万株以上」と訂正していただきたいとの文書が、本日同君より提出されましたので、御報告いたします。  質疑を続行いたします。八木一男君。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 私は、内閣総理大臣の出席を要求いたしておったわけであります。お見えになっておられませんので、委員長のほうで、できるだけ早くおいでになるように、ひとつ御連絡をおとりいただきたいと思います。

根本龍太郎自由民主党

○根本委員長 総理大臣の御都合は、事務当局から連絡させまして、出席を求めるようにいたしたいと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 では、質問に入ります。  三木副総理に最初に御質問を申し上げたいと思います。  私は、きょう、社会保障問題と部落解放の問題を中心として御質問をいたしたいと思うわけでございますが、社会保障の問題は、いわゆる憲法の基本的人権の中の生存権にかかわる問題でございますし、また、部落解放の問題は、この生存権の前の基本的人権、自由平等権が国民の一部に保障されていないということにかかわる問題であります。ともに日本国憲法に非常にかかわりの深い重大な問題であると考えておるわけでございますが、三木副総理の御見解を伺っておきたいと思います。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○三木国務大臣 八木委員の御指摘のように、この問題は、憲法の自由平等の基本的な原則にかかわりを持つ重大な問題でございます。したがって、こういう問題が一日も早くいろいろ議論をされ、あるいは運動をされる必要のないような状態を実現をすべきだと思います。  いろいろ国際平和と申しましても、国内においてこういう問題が解決されぬということでは、極端に言えば、平和を口にすることもなかなかできないような一面も私はあると思います。このためには、政府はもとよりでありますけれども、一般の社会全体が、社会正義、公平あるいは寛容、相互理解、こういうふうな態度をもってこの問題の解決に当たらなきゃならない。特別措置、あるいはまたそれに基づく長期計画に基づいて、政府自身も積極的にこの問題の解決に推進をいたしていく所存でございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 いま三木副総理からお答えがございました。私は、社会保障と両方について伺ったわけでございますが、特に部落解放問題、同和問題について重点を置いてお答えをいただきました。それでけっこうでございます。  これから御質問を申し上げますことは、日本国憲法に一番密接に関係のある、憲法の内容自体という問題について御質疑を申し上げますので、各御答弁をなさる方は、憲法第九十九条の責任をひとつかみしめていただいて、これから御答弁をいただきたいと存ずる次第であります。  まず、社会保障の問題についてお伺いをいたしたいと思います。時間が制約をされておりますので、いろいろな資料は持っておりますが、たくさん資料を並べるというようなことをやめにして、その中のエキスを一生懸命に申し上げて、皆さま方から熱心な答弁をいただきたいと思うわけであります。  まず最初に、社会保障制度審議会の答申の問題であります。今次の国会で、社会保障問題の中で、年金関係と健康保険関係で、二つのかなり大きな法案を政府が提出をされております。また、そのほかにも幾多の法案が提出されておりますが、その問題について、社会保障制度審議会で非常に熱心に、直前に審議をいたしました。これは、直前に審議をしたのは、政府のほうが諮問をしたのが非常におそかったわけでございますが、たいへん熱心に審議をいたしまして答申をいたしましたわけでございますが、その後出てまいりました政府の厚生年金保険法等の改正案、あるいは健康保険法等の改正案について、社会保障制度審議会の答申をされた内容が生かされておらないという事実であります。それはどういうわけでこれが生かされなかったか、その点について厚生大臣から伺っておきたいと思います。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 厚生省所管で、社会保障制度審議会等に御諮問を申し上げましたのは、健康保険法の改正と、厚生年金法その他の重要法案があるわけでございますが、この健保法の改正と厚生年金法の改正につきましては、御承知のように、厚生省の中の社会保険審議会の審議を経、さらに、内閣の社会保障制度審議会の御審議をいただく、こういうふうに二段階になっておるわけでございまして、私どもは、審議会の御答申ということでありますれば、一般的にはできるだけ尊重したいと思いますし、尊重しなくちゃならぬと思うのでございますが、両審議会とも完全に意見一致しているという項目は少のうございまして、たとえば、例を引いて申しますれば、健康保険法の改正につきましては、社会保険審議会のほうでは、十割給付をしたこととか、過去の累積赤字をたな上げにしたことは一歩前進であると、こう評価されております。さらにまた、年金のほうにつきましても、高く評価さるべきであるという御意見が出ている。ところが、社会保障制度審議会のほうは、批判がなかなかきびしゅうございまして、社会保険審議会よりは多少きびしい御意見が出ている。こういうわけでございまして、すべての項目について両審議会が意見一致しているというのは非常に少のうございます。一致しておりますのは、上限を引き上げることについての弾力条項だけはいけませんと、皆さんこう言うものですから、その分だけは削除いたしまして、当国会に法案を提案いたしたような次第でございまして、私ども、できるだけ尊重いたしたいと思いますが、それぞれの審議会がそれぞれの項目について統一した御意見というものが出なかったということがあったのではないかと考えております。  いずれにせよ、一般的にはできるだけ尊重いたしたいという基本方針には変わりはございません。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 おもに健康保険関係でお答えになりましたが、年金関係で、何らか政府原案を、審議会の意見を入れて変えられたところがございますか。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 年金法につきましては、改めたところはございません。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 この厚生年金保険法等の改正案を閣議にはかられたのはいつであり、それについての社会保障制度審議会の答申について、閣議の構成メンバーに御説明を十分になさったかどうか、伺っておきたいと思います。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 この健保並びに厚生年金法につきましては、社会保険審議会のほうはその前に出ましたが、社会保障制度審議会のほうの答申がおくれておりまして、予算関係法案提出の締め切り日の夕方に社会保障制度審議会から答申をいただきましたので、そのあとに持ち回り閣議をいたしまして、次の日であったと思いますが、国会に提案をした、こういうことでございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 御説明はどのくらいされたか伺っておるのに、御答弁がないけれども、時間がなくて忙しいから先に進みたいと思います。  厚生大臣と大蔵大臣以外の方で、社会保障制度審議会で、厚生年金保険法の改正案についてどういうような意見が出ておったか。非常に長い文章ですから、頭のいい方々でも全部おわかりにならないでしょうけれども、一つか二つでも、こういうことがあった、こういうことがあったということを記憶しておられる国務大臣の方があったら、ぜひ御発言をいただきたいと思います。もし御発言がなければ、どなたもほとんど記憶がないと認めたいと思います。  委員長、各大臣の発言を促進していただきたいと思います。厚生大臣と大蔵大臣はいけませんよ。ほかの閣僚で。——どなたもお答えがないから、内容を御存じない。そういう事実であります。そんなことでほんとうの社会保障ができますか。社会保障制度審議会というのは、社会保障に関しては日本で一番権威のある審議会といわれております。厚生省がなまけて、ぎりぎりに諮問をしてきた。厚生年金保険法に至っては、二月に入ってからです。その中で、大ぜいの人が、忙しいのに非常に苦労をして、熱心な討議をして出したわけです。政府のほうで、十六日までにどうしても出してくれ。そんなかってな話はないのに、それでも多くの学者の方が協力をされて、夜おそくまで熱心な討議をして答申を出された。その答申を、閣議で法案を決定されるのに、閣僚のほとんどの方が御存じない。こんなばかなことがありますか。三木副総理、そういうことは非常にけしからぬことだと思うけれども、そのことについてお答えをいただきたいと思います。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○三木国務大臣 各閣僚とも、社会保障という問題については、非常に重大な関心を持っておるわけでございます。今後は、社会保障を推進していくということが大きな政策の方向でありまするから、したがって、審議会の記録等、いろいろ御質問に対して御満足のいくような答弁ができなかったとしても、それは関心を持っていないということではない。非常に重大な関心をみなが持っておる。当然に、内閣全体としての大きな政策の目標でございますから、その点はひとつ御理解を願いたい。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 国務大臣の権限が実際上剥奪をされておるわけです。厚生大臣以外の閣僚の方は、ほんとうにかっかしておこらにゃいかぬ。あなた方は、社会保障について、そんなもの、卓見もない、意見を求めてもしょうがないという扱いを、副総理以下全部されておるわけでしょう。そんなことで国務大臣がつとまりますか。おそらく総理大臣もそうだろうと思う。残念ながら総理大臣はおられないけれども……。  そこで、むずかしい問題ですから、おのおの専門の分掌をかかえておられるから、全部はわかっておられなくても何とも申しませんが、その中で、一読をされたならば、こういうことがあったということぐらいはわかるはずです。それを頭のいい皆さんが覚えていられないから、ほとんど説明がなされなかったということであります。ですから、中の問題の一、二を申し上げます。  その厚生年金法の改正案の中には、厚生年金保険法等の改正案ですから、国民年金等も含んでいるわけです。いわゆる社会保障の谷間の問題について、社会保障制度審議会としての明確な意思表示がされているわけです。それをほかの方々がお読みになったら、この点だけは法律案を改正したらどうかとおっしゃる意見が当然出るわけです。みんな熱心な政治家であります。みんなあたたかい心の持ち主のはずであります。それを見たら、このくらいは変えたらいいじゃないかと、一言くらい出るはずです。それを出されるとぐあいが悪いから、厚生省は、原案のまま、あまり説明をしないで通そうとする。大蔵省はどういう関係をされたかわからないけれども、大蔵省は、おそらく、これ以上予算がちょっとでもいじくられるのは困るという態度をとるだろう。そういうことで問題が停とんをしておるわけであります。  時間の関係がありますから、二、三の例を私から申し上げます。たくさん書いてありますが、谷間の問題については、この間も予算委員会で問題になりました。わが党の大原委員が厚生大臣や総理大臣に質問した問題であります。六十七歳、六十八歳、六十九歳の老人がいま年金制度から完全に除外をされておる点であります。この前も、社会保険庁で、その年代のお年寄りの方がすわり込みをされました。新聞の大きな記事になりました。それだから申し上げるのではなしに、これは前々からいわれておる問題であります。衆議院の社会労働委員会の国民年金法案が通過したときの附帯決議に、各党満場一致で、九回この問題の決議がされておるわけであります。その決議には、齋藤邦吉さんも参加をしておられるわけであります。昭和三十六年から連続九回であります。与野党満場一致で、この老齢福祉年金の開始年齢を引き下げなければならないといっているのに、それがまだ実現をしておらないわけです。この前、齋藤厚生大臣と田中総理大臣は、わが党の大原亨君の質問に対して、たいへん頭を悩ましております、どうやったらいいか頭を悩ましております、と言っております。そんなものは頭を悩ますことじゃありません。やろうと思ったらできることです。老齢福祉年金の開始年齢を下げればいい。それができないのは、大蔵省が——愛知さんはそれを読んでおられますけれども、こっちを聞いてください。谷間の問題について、大蔵省は理解が少ない。厚生省は熱意が少ない。そういうことがもとになっているからできない。国会で九回も与野党が決議をしたことができない。そんなばかなことがありますか。大蔵省の主計局は、予算をしぼることだけが任務と考えている。主計局の任務はそんなもんじゃない。必要なものには予算を出すんだ、不必要なものはしぼるんだ、そういう任務がなければならない。社会保障の問題、谷間の問題について、厚生省が要求をしてこなくても、なぜ要求をしないか。そのような、ふくらすような作業をしなければ、主計局などといっても、その任務を果たしておらない。ただ予算の要求を切ればいい、そんな一方的な作業に、大蔵省という大事な衝にある役人が、そういうことにきゅうきゅうしているような状態が日本の政治を曲げている。  この問題については、すぐに対処をされなければならないと思う。すぐに対処をされる決意など、そして具体的な方法などを齋藤厚生大臣から伺いたい。これは総理大臣がおられなくても、総理大臣にまだ連絡をしてなくても、厚生大臣は断じてやり抜く、やらなければ直ちに責任をとって辞表を提出する、その決意をもって断じてやるかどうか、即時御返答をいただきたい。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 八木委員の仰せになりました谷間問題、すなわち国民年金法が施行されました当時、五十五歳以上で制度からはみ出しておった方方の問題でございますが、この問題につきましてどう処理するか、実はほんとうに頭を悩まして、いま検討中でございます。と申しますのは、拠出制年金の体系でこの問題を解決するか、あるいは無拠出年金の体系の中でこの問題を解決するか、制度が非常に入り組んでおることは、八木委員のような専門家の方は十分御承知のとおりでございます。  そこで、この問題については法案も国会に出しておりますので、制度との調整をどうはかるか、これが一番の問題だと思っております。しかし、何とか解決しなければならぬということで、私は前向きに解決したい、こういうふうに考えておりますが、制度間の問題がございますので、法案審議の過程において解決策を必ず見つけるようにいたしたい、こんなふうに考えておる次第でございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 大蔵大臣は、いまの責任について、どうお考えになりますか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 この谷間の問題については、厚生大臣はじめ厚生省でも非常に真剣に検討されておられることは、この予算委員会で前の大原委員の御質問に厚生大臣がお答えしたとおり、またただいまもお答えしたとおりでございます。  先ほど、予算の問題でおしかりを受けましたけれども、これは何らかの解決策が見出せるのならば、大蔵省としても御協力する用意はございます。必ずしも当年度の予算の問題でないという場合もあり得ると思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 方法をいろいろ御研究だそうであります。しかし、いまの五年年金の繰り上げ加入を認めるという制度がありますけれども、それでも六十八、六十九の人は救われないことになります。老齢福祉年金の開始年齢を下げなければこれは解決がつきません。それについて、問題を知らないでいろいろとごちゃごちゃ言う人がいます。保険料を払っていないのに何とかと言う人がいますけれども、十年年金は、これは年金を幾ぶんでも、粗末な年金ですが、粗末な中でもちょっとでも年金らしい年金にしようということで底上げをしております。その十年年金が、今度の改正案では、約五千円のものが国から出ているという状態になるわけです。したがって、政府の乏しい老齢福祉年金の改正案、五千円にしかしない改正案、これを直ちに六十歳代の老齢者に老齢福祉年金を適用しても出し過ぎということにはならないわけです。バランスの問題などというのは、総理大臣、大原君に答えたそうですが、総理大臣もそこまでわからぬのでしょう。それをやらない人、やろうとしない人、なまけようとする人が、バランスとかそういうへ理屈をこねて問題をおくらせるわけであります。ことし、断じてこれからこの問題を解決しなければなりません。でなければ百二十何万人という人が来年一つ年をとります。また来年年をとります。再来年年をとります。そのときではあとの祭りであります。谷間の問題について、総理大臣は、この経済の発展のことが全部の人に行き渡るようにしなければならぬということを、施政方針演説で非常にいいかっこうの演説をされました。もしそれが田中内閣のほんとうであれば、こんな問題は直ちにやらなければならない。  ほんとうを言えば、この厚生年金保険法等の改正案を、国会の各党にお願いをして、直ちにいま撤回をして、それを直して再提出をお許しいただきたい、撤回をお願いしたいと言われるのが筋であります。粗末な案を出しておいて、国会の審議にゆだねる、こういうことはほんとうにあなた方の怠慢であります。その怠慢のもとは何から来たか。社会保障制度審議会の設置法の精神をあなた方はわきまえておられない。制度審議会設置法の第二条第二項にどういう条文があるか、厚生大臣覚えておられますか。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 私どもは、今回の厚生年金法等の改正は、社会保険審議会におきましても高く評価されておる法律案でございまして、撤回するなどということは全然考えておりません。内閣にあります社会保障制度審議会は、社会保障の基本的政策について学識経験者の方々から十分拝聴する審議会であると存じておる次第でございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 第二条第二項のところを聞いているのです。それを答えてください。そんなぼやっとしたことでなしに。第二条第二項は何が書いてあるか。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 第二条第二項は、「内閣総理大臣及び関係各大臣は、社会保障に関する企画、立法又は運営の大綱に関しては、あらかじめ、審議会の意見を求めなければならない。」と書いております。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 それじゃ申しますけれども、「あらかじめ」ということばをかみしめて聞いてください。厚生大臣にわざわざけちをつけるつもりはありません。歴代の厚生大臣もだれもみんな知らなかったんだから。あなたはその中で知っておられるかと思って聞いたわけですが、みんな勉強が足りない。知っておられた方は一人もいない。企画、立法、運営の大綱について、それをあらかじめ聞かなければならないわけであります。あなた方は予算をつくって、法律案と予算とをセットにしてつくって、その予算を動かさないようにして、それからこれについてどうですかと聞くのです。それじゃ意味がないじゃないか。企画というのはこういうことをしたい、そういうことをするのには予算がこれだけ要るというときに、そのときにはからなければならないのです。予算と法律案をセットにしてかちっと固めてから、それから諮問をする。大体、制度審議会の諮問なんか初めから聞かないという態度でやっているわけであります。これは法律違反であります。したがって、あなた方はこの法律違反手続で、この厚生年金保険法も健康保険法も出したわけですから、これは法律に従って撤回をしなければならない。  ただし、あなた方は間違って出してしまった。あなた方自体が撤回をするのには院の了承を得なければならない。ただちに厚生大臣と総理大臣はきょうから各党に撤回をお願いをして回るのがあたりまえであります。撤回する気がありませんなんて、そう大それたことを言ってはいけません。撤回しなければならないけれども何とかして撤回をさせてください、それをやらなければあなた方は法律違反です。まあ法律違反のことをきびしく申し上げておきまして、この問題については今後を戒めておきましょう。ですから、いま言ったことは、法律違反をしないで、前からだったらちゃんと、各国務大臣にもこういうことをやらなければならないとか、浸透するひまがあった。そうでないからこういうことになった。その前から制度審議会の意見も聞かないで大蔵省と厚生省でごちゃごちゃするから、こんな粗末な案になったということを徹底的に反省されて、いまあなたが言ったように、この院において、衆議院の中で社会保障に熱心な各議員がこれは直さなければいかぬと言ったときに直していただくように、あなた方は各議員に懇請をする、ぜひこの点は直してほしい。直してもらったら困るなんということは一言も言ってはならぬ。大蔵省もそうですよ。そういう態度でこの年金法に処していかなければならない。そういう点で、そのような法律違反をしたことを反省をされて、そのような努力をされることについて積極的な御答弁をいただきたい。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 御承知のように「あらかじめ」と書いておりまして、私どもは予算あるいはまた法案の内容等につきまして、大蔵省、関係省と打ち合わせをいたしますが、そこですぐ法律を出しておるわけではございません。閣議決定をして出しておるわけでございまして、そうした一応きまった案についてあらかじめ御相談を申し上げて、そして閣議決定を経て提案をしておるわけでございまして、私などは、法律違反などという大それたことを考えるつもりは一つもございません。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 法律違反の弁解なんて聞いてないですよ。立法のところにあなたはかけているけれども、企画という点があるわけです。企画はあらかじめしなければならない。あなた方は、立法の原案をつくって大蔵省と折衝をしているときには企画の段階なんです。企画の前に聞かなければならないから法律違反だ。立法の直前には出しておりますよ、形式的には。企画の段階から出さにゃいかぬということを厚生省は全部忘れているわけだ。厚生省の関係者に全部大臣から浸透しておいてください。一人残らず忘れておる。法律を忘れているような、自分の省に関係のある法律を忘れているような、そういうひとりよがりな考え方ではいけません。  だから、そんな法律の弁解ではなしに、いままで大体そういうけしからぬことが行なわれていたから、特にいまの厚生大臣にきびしくすることは少し控えてあげたわけです。だから、実際的にそのあやまちを正すために、先ほどのような努力をするかどうかということを伺っているわけであります。前向きな、積極的な努力を誓ってください。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 御承知のように、大蔵省や厚生省でいろいろ相談しておりますのは企画の一応草案でございまして、その内容についてあらかじめということでございまして、私どももできるだけ時間をかして御審議をいただくように、今後とも努力をいたします。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 委員の質問したことに答弁してください。いまはその法律問題ではなしに、今後の努力について誓ってくれ、そういうことを申し上げたんです。そっちの答弁を願いたい。前の弁解を二回も三回も要らぬです。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 権威ある社会保障制度審議会の御意見を十分あらかじめ承るように、努力をいたしたいと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 頭のいいはずの齋藤さん、もう少し冷静に聞いてください。私の言ったのは、いまの老齢福祉年金の年齢引き下げについて、その努力について伺っているわけです。そっちの答弁を求めているわけです。そっちの答弁をしてください。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、老齢福祉年金につきましては、今後とも社会保障制度審議会の御意見を承りながら十分努力をいたしてまいりたい、かように考えております。  さらにまた、谷間の問題につきましては、先ほどお答え申し上げましたように、どういう体制でやるか、十分考えておるところでございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 たいへん不十分な答弁ですが、先にまだありますから、それで先の問題を質問して、その答弁すべてについて厚生大臣の答弁が非常に怠慢であれば、これは私はもう徹底的に追及をしなければならないことになります。今後ともすべての問題について前向きに御答弁を願いたいと思う。  谷間は、老齢福祉年金の引き下げだけではありません。そのほかに社会保障制度審議会の答申の中で谷間の問題について触れている問題、ことばは言わなくてもいいですが、厚生大臣、二つ言ってください。二つか三つ、問題だけでも、表題だけでいい。——けっこうです。私のほうから申し上げます。障害者の問題と免除者の扱いの問題、ほかにもありますけれども、その問題が出ております。この免除者の扱いの問題は、三木副総理も大蔵大臣もよく聞いておいてください。ほかの閣僚の方も。  免除という制度が国民年金法にあります。これは最初保険料を払うのは苦しかろうから、一定の審査をして免除をしてやろうという制度であります。ところが、これはとんでもない冷たいやり方なんです。保険料を払うのをしんどいから免除をしてやろうとあたたかい処置みたいに見えますけれども、その人は年金制度からほうり出すという制度です。昭和三十四年の政府案は完全にほうり出しております。三十六年にあんまりひどい法案で徹底的に追及されたので、やや戻りました。というのは、保険料を払える人には五割の国庫負担がつく。これは最初から積み立て金でつく。保険料を払えるようないささかゆとりのある人には国からの支出があって、それが払えないような人には一つも国から支出がないというその点だけを追及されて、反省されて、それで同じように保険料の五割のものを積み立てていく。したがって、保険料が十で国庫負担が五ですから、この五の分を積み立てて、三分の一だけの年金が、免除された人に対していま制度的に確立をされている。  ところが、そのような保険料を払えないような人が老齢になった場合に、蓄積もない、さんざん苦労もしてからだも弱くなっている。そうしてまた苦労をしているから、老齢になってから働くいろいろな場所も一番少ない人です。そういう人ですから、老齢保障の必要度が一番多い。一番多い人に他の人の三分の一しか年金保障がされていない。幾ぶんの改正があったとしても、日本の年金なんというのは非常に低次元のものです。その低次元のものの三分の一しか保障されない。そんなことであってはならないということであります。これも衆議院の社会労働委員会で、これに手厚く優遇をしなければいけないということを四回にわたって決議をされ、参議院においても同じく決議をされております。この問題を社会保障制度審議会でも指摘をしているわけです。  さらに次に、障害者の問題であります。障害者の問題については、これはもう全閣僚にしっかり聞いておいていただきたいと思いますが、国民年金に障害年金という制度があります。その制度は、加入してから一年間保険料を払った後に障害を受けた場合に、その障害に対する給付がいくという制度であります。前の障害とプラスするという幾ぶんのこまかい作業の点はありますが、そういう点であります。ところが、障害年金というのは乏しい年金の中ですけれども、まあまあの年金であります。そうでありますが、十九歳でたとえば両足が不自由になった、両手が不自由になった、両眼が不自由になったという場合には、どんなに年金をこいねがい、年金制度に協力を誓っても、その障害年金はもらえないわけであります。生まれつき目が見えないで生まれた子は絶対にもらえないわけであります。一体、二十一歳以上に一級障害になった人とそれ以下で一級障害になった人と、不幸の度に差がありますか。差をつけるならば、前から障害を受けた人のほうが気の毒だと思いますが、三木さん、どう思われますか。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○三木国務大臣 これは八木委員のお話、聞いておって、十分に検討に値する問題だと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 ほかの方々も、厚生大臣もそう思っていらっしゃると思います。前からの障害者のほうが気の毒なんです。ところが、いまの国民年金法というのは保険システムでできているわけであります。国民年金法の第一条には、憲法第二十五条と書いてある。社会保障の精神に従うと書いてありながら、中の構成は保険システムである。被保険者になってからの事故に対して保険料に応じて反対給付を渡すという、生命保険会社、民間の保険会社と同じ考え方が入っているわけであります。そんなばかなものを社会保障というわけにはいかないわけであります。そういう構成になっているために、被保険者になっていない人はどんなに年金の必要があって、その人がこいねがって、これからでも年金制度に協力をしたいと思っていても、それからはね出されるという制度になっております。こんなものを直さないで、福祉国家とか福祉元年とか言えたことではないわけであります。そういうことについても指摘をされているわけです。  ほかの大事な質問もありますから、残念ながらあまり突き詰めて言えませんけれども、ここで三木さんも、特に関係の深い愛知さんも、そういうことがある谷間の問題について、全く置き去りにされていることが年金だけでもあるけれども、医療の問題でもほかの問題でもある。その谷間の問題については、厚生省も労働省もこれは断じて推進をせにゃならぬし、その推進に対して大蔵省は絶対に値切ってはならぬ、そういうことになるわけだ。そういうことについて厚生省は、特にこの免除者の扱いと、それから障害者の障害の発生の時点のいかんを問わず、同じような障害年金のそのような保障をする、そういう方向に向かって全力を注いで急速に努力をするかどうかという御返事と、それに対して大蔵省は全力を注いで協力をする、その御返事を端的にお願いをしたいと思う。御返事がなければないで、われわれは覚悟があります。田中内閣全体が、社会保障といってもそれは全くインチキで、日の当たるところだけしか考えていないということを天下に宣言をしなければなりません。国民のために、そういうふうにならないように、はっきりと御答弁を願いたいと思います。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 保険料免除者の問題、障害年金の問題、二つとも十分研究してまいりたいと考えております。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 田中内閣は福祉優先を政策の基本にいたしておりますから、その線に沿うて、この上とも大いに努力をいたしたいと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 次に、谷間の問題のもう一つ大きな、一つの制度について伺いたいと思います。  社会保障制度の問題については、年金の年として、年金が非常に重視されておるようであります。これはよいことであります。われわれも重視をせねばならぬと思う。それはよいことですが、ただ、そっちがよいことをやったら、あとのことをほったらかしてよいということではありません。社会保障の一番の基盤は、生活保護法ということになるわけです、一番の谷間は。この生活保護法は昭和二十五年以来、扱いが指定都市に県の権限が移るというような本質的でない改正は除いて、ただの一回も改正がされておりません。戦後のあの混乱期に一生懸命つくった法律でありますけれども、その後やってみれば、さんざんいろいろの不都合のところがあるわけだ。これを二十何年間も改正もしないでほったらかす。全く怠慢な自民党の政府である。厚生大臣は、生活保護法の抜本的な改正について、直ちにそれを推進する決心を持っているかどうか、伺っておきたいと思う。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 生活保護法につきましては、制定以来だいぶ久しくたっておりますが、今日まで、その法律の精神のもとに、運用の面に十分配慮しながら努力をいたしておりますが、専門家である八木委員の御意見でございますので、改正するかどうかも含めまして、ひとつ十分検討さしていただきたいと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 副総理と大蔵大臣に、それから官房長官にもぜひ聞いていただきたいことがあります。昭和三十七年に、社会保障に関する答申と勧告が社会保障制度審議会から出されました。一番最初の、勧告についての大勧告であります。そこで、ヨーロッパ諸国の昭和三十六年の現状に昭和四十五年、十年おくれで何とかしてその水準まで追いつきたい、追いつかなきゃならないということの勧告がされました。その中の一番具体的なものとして、その根底である生活保護基準については、昭和三十六年の実質三倍にどんなことがあってもしなければならないということが、多くのやや抽象的な、学問的なそういう文章の中で、それだけずばりと書かれているわけであります。それがいまだに果たされておりません。貨幣価値が変動しますから、何か生活保護基準が多くなったようにごまかされておる人も世の中にはあります。これはたしか昭和四十七年度で実質は二・五倍にしかなっておりません。本年度の改正でも、それをやや上回ったところにしかなっておらないと思いますが、厚生大臣、この数字間違いありませんね。——時間の関係上、首を縦に振られましたから、そういうことです。これは四十五年までに、十年前のヨーロッパの水準に追いつくことにこれだけはどうしてもしなければならないということが、四十八年で記録的な金額の予算を食って福祉元年というときに、まだ三・〇に達していないのです。このことについて、副総理とそれから大蔵大臣の反省をもっての答弁をひとつ伺っておきたいと思うのです。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○三木国務大臣 憲法にも、健康にして文化的な最低生活という規定もございますし、この公的な扶助というものについては、生活保護もこれはやはり将来検討をすべき問題を含んでおると思います。将来の課題として公的扶助については検討すべきである、こう考えております。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 生活保護基準についての三十七年の勧告、その線にまだ到達しておらない、このことについてはまことに遺憾に存じますから、これからもさらに努力を続けたいと思います。御案内のように運用上、予算上できるだけの配慮はしてまいったつもりでございますが、その基準にいまだ達していないことはまことに残念に思っております。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 厚生大臣は生活保護の改正に取り組まれるという決意をされましたので、これをぜひこのように取り組んでいただきたいということを、いまずばり申し上げておきますから、それを絶対にお忘れなく、はっきり入れて、近く改正案を出していただきたいと思う。  まず第一に、この生活保護法は、憲法第二十五条第一項に一番に直接に関係のある法律であります。国民の健康で文化的な最低生活をする権利を有するということに、まっすぐに密着をした法律であります。それでありながら、いまの生活保護基準は非常に少ない。この健康で文化的な最低の生活というものは、一定の時点、一定の地域においては客観的なものがなくてはなりません。それが予算の交渉によって値切られたり、大臣の熱心か不熱心かによって伸び縮んだり、そういうものであってはいけないわけであります。ですから、この生活保護基準については、ほんとうに公正な権威のあるりっぱな機関をつくって、そこで決定をする。決定をしたことについては内閣はいなやを言わない、大蔵大臣はびた一文削ることができない、そういうことでこれが決定をされなければ、ほんとうの健康で文化的な最低生活を維持するものにはなりません。そのシステムをつくらなければならないと思う。  現に、時間がありませんから数字をたくさん持っておりますが、数字はやめますが、簡単に申し上げます。昭和三十八年ごろに、生活保護の生活扶助の中の飲食料費は、大体二十円から二十五円、一番少ないところは十八円のところがありました、一食分。そのときに埼玉県で、ある民事裁判がありました。犬を預かってもらった人が預かり料を払わないで逃げてしまった。預かった人が、けしからぬから預かり料をよこせと訴えた。そのときの裁判所の判定は、犬の食費一食五十円として算定して直ちに支払えという判決であります。ところがその当時二十数円の平均、これは性別と地域別と年齢別で違いますから、一括に言えません。政府のほうは、いつも一番多い東京の数字で宣伝しますから多いように見えますけれども、宮崎あたりへ行ったらずっと少ないです。  そういうことで、そのときにそうでしたが、その後マーケットバスケットから、いろいろ方式は変わりました。いままでと方式が変わりましたから非常に計算しにくいのですが、一番少ないところは大体五十円、多いところで六、七十円の一食分当たりであります、今年度の、今度改正になったもので。物価が上がって、特に生鮮食料品が上がっております。とうふの上がり方などを考えましたならば、生活扶助を受けていられる方はとうふも食えないという世の中になっているわけです。そういうことを考えますと、この五十円、六十円、七十円、これは、その当時の犬の食費の三分の一であったそのものと、相対的に変わりはないわけだ。こんなような基準では、すぐに飢え死にはいたしませんが、しかし七十まで寿命のある人は六十で死んでしまいます。八十まで寿命が本来ある人が七十でなくなる。自分の命を縮めて生き長らえる水準であります。これを政府は健康で文化的な水準だと称しておるわけです。重大な反省をしてもらわなければならないと思います。それがために、そのような基準を、ほんとうに公正な委員会か何かつくって、政府が値切ることは許さぬ、これだけは財政上どうあっても値切られない、そういう方式の生活保護に変えてもらう。  それからもう一つ、保護法の第一条の最後に、「自立を助長する」という文言があります。第四条に補足性の原則ということがあります。この第四条が第一条の「自立を助長する」というのを実際的に完全に破壊をしているわけです。一条と四条は背反をした法律であります。こんなでたらめな法律は直ちに改正をしなければなりません。  この間、生活保護を受けておられる若い人が自殺をされた話が新聞に報道されておりました。ねえさんが一生懸命保育所で働いているけれども、それが少なくて十分に生活費に回らないということであります。未成年控除がどうだ、そういう御質問も他の委員会でございました。いろいろとそういうことがありますけれども、その補足性の原則というものは、当人の持っておる財産なり収入なり、あらゆるものを活用した後でなければ生活保護が受けられないという条文になっております。あまりに鬼やジャのような法律でありますから、厚生省は仏心を出して、できるだけ弾力的に考えて、この鬼やジャの点を少なくしようと行政運用をしておられることは評価をいたします。しかし法律はそうなんだ。ですから法律どおりにやれば、たとえばこれは古い話になります。私も明治の人間の一番どんけつですから古い話になりますが、家族に死に別れた寝たきりの老人が、ただ一つの楽しみは古いラジオであった。そのラジオは、これは売っても十円くらいにしか売れない古いラジオであった。法律どおりいったら、このラジオを取り上げて、十円で売って、それでパンを一かけら食べて、全部なくなってからでなければ生活扶助が受けられないという法律になっている。もちろん行政運用でこんなことはしておりません。しておりませんけれども、こういうような法律ですから、これは齋藤さんはじめ、厚生省のあたたかい心を持った方が一生懸命に運用しようとしても、法律の鬼のような条文に縛られてなかなかうまくいかないわけであります。  したがって、この法律は変えていかなければなりません。社会通念上当然と思われるものは、その財産を処分しないで生活保護が受けられるということをやらなければなりませんし、それからまた、一定に働いたならば、働いたものが全部収入認定をされて差っ引かれるのではなしに、その部分は働いて収入があった、生活がよくなった、だからもっと働こう、仕事になれる、信用もできる、そういうことによって自立に近づくようなシステムにならなければならないのに、いまの法律では、働いた分は全部収入として認定をされて差っ引かれる。したがって極端に言えば、働かないほうが得だという法律になっているわけであります。病人の夫をかかえて小さな子供がいる。奥さんが外で働いたら、それだけ生活保護費から引かれるから意味をなさない。そうなれば、働かないで病人の看護をし、赤ん坊をあやしてやる、それのほうが家族としてはしあわせだということになるわけです。そういうような条文になっています。これも厚生省が、基礎控除とか、特別控除とか、いろいろくふうをされて、その収入が幾ぶんでも実際に得られるようにしておられますけれども、法律のワクのためにこれが十分にできません。ですからこれは変えなければならない。  もう一つは、世帯単位で行なわれているわけであります。若い青年が一生懸命に働く。しかし、年とったおとうさんとおかあさんがおられて、小さな弟妹がおられる。生活保護を受けておる世帯である。若い青年が幾ら働いて給料が上がっても、その五人分の生活保護費以上に俸給がならなければ、生活は実際上ふえないということになる。ふえる分は、未成年控除とか何とか控除といって、厚生省がやっと知恵をしぼりながらつくったそれだけの分しか生活がふえないということになる。こういうことを改めていかなければならないし、東京と宮崎の生活保護は十対七というような大きな格差がある。最低生活というのはそんなに格差があるはずはない。そういうもろもろの矛盾があります。そういうことを全部解決をするために、生活保護法の改正にぜひ至急に取っかかっていただきたいと思います。  それについて、厚生大臣はもちろんですが、三木副総理や、あるいは二階堂官房長官をはじめ、全閣僚が協力をされる。厚生省がなまけておったら、閣議で、あれは一体何をしているのだということを各国務大臣が言われる、そのような決意をひとつ三木さんから伺っておきたいと思います。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○三木国務大臣 八木委員の御指摘されましたように、格差の問題、あるいは社会経済の変動の関連から、生活保護法の問題は十分検討をいたしますということをお答えいたします。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 先へ急ぎます。なかなかたくさん質問を申し上げたいことがあるのですが、時間切れになりそうですので、省略をしていきます。  厚生大臣は、先日、厚生省の記者会見で、ILO百二号条約を批准をしたいというようなことを言われたようでございますが、それについて、これは厚生省と労働省と両方関係があると思いますが、お差しつかえなかったらお一人から、お二人のほうがよければお二人から、ひとつそのことについて答弁をしていただきたい。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 社会保障の最低基準に関するILOの条約がだいぶ前にできておるわけでございますが、御承知のように、九部門等について三つ以上批准可能ならば批准ということになっておるわけでございまして、大体その九部門のうち四つだけは適応しているというふうに考えております。  そこで、昭和四十八年度の予算は、御承知のように、西欧先進諸国並みの社会保障へ向かっての出発の年といったふうな意味合いもございますので、そうした意味も含めて、日本も西欧の先進諸国並みの社会保障に進んでいくのだなということをはっきりさせる意味においても、こういう条約は早く批准したほうがいいのじゃないか、こういうふうに考えておる次第でございまして、大体、明年度を目途として目下検討中でございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 その方向はけっこうであります。ただ、ILO百二号条約を批准をしたから、日本は社会保障をよくやっているのだと国際的に宣伝をしたいという気持ちが、その裏にあると思うのです。ほんとうにそれがあればいいですよ。不十分であってはそういうことはぐあいが悪いと思うのです。九つの条項についてのうち、三つだけその基準に達したら批准はできることになっております。だけれども、これは五二年の勧告の条約であります。しかも最低基準の条約であります。その条約について、九つのうち四つまでしかその標準に達していないのを、ぎりぎりすべり込みでセーフだから批准をするということでは、あまりにも積極性がないと思います。したがって、ほかの五つについても、基準に達するように急速な努力をされなければなりません。特に大蔵大臣は外務大臣もやられました。国際的に日本の社会保障が低水準である、低賃金である、そういうことのために経済上非常な問題があることは御承知のとおりであります。そのことの外国の不信を直すためにも、社会保障をよくしなければならないということは十分に御承知だと思いますが、いま厚生大臣がおっしゃったように、百二号条約を批准することはよいですが、それをいまから二十年も前の、しかも最低基準を、世界で経済力が非常に大きいといわれている日本の国がすれすれすべり込みセーフで批准をするというような、そんなことであってはならないと思う。来年までに、ほかの五つについてその水準に達するようにして、九つとも批准の条件に達した、満点で合格をした、そういう状態をつくらなければならないと思います。  その中で一番欠けておるものは何か。児童手当であります。児童手当制度は各国の最低水準の三分の一にも達していない。やっと始めたようですが、第三子から支給しなければならないような児童手当が、世界じゅうのある程度の経済力を持っておる国にどこにありますか。第一子から支給の国もある。第二子から支給の国がかなり多い。第三子から支給というような児童手当が、いまの若い人がたくさんの子供を持っておらない現状を考えるときに、名前だけあって実体のない児童手当であります。そんな情けない児童手当を発足をしたこと自体に非常に政府の怠慢な態度があるわけでございますが、発足をしたこの児童手当を直ちに、われわれの要求である第一子から、せめて自由民主党であっても、田中内閣であっても、来年から第一子から支給をする、そのような決意がなければならないと思うのです。でなければ、ILO百二号条約にすべり込みでこそこそとセーフになる、そのような、ほんとうに怠慢な、かっこうの悪いことになろうと思う。児童手当制度を来年度抜本的な改正案を出す用意ありやいなや。出す決意をしなければならないと思うが、その考え方いかん。明確にお答えを願いたいと思う。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 社会保障の最低基準に関する百二号条約の批准は、その三つの項目だけ該当しておるからやるんだというのではなくて、それ以外のものについても前向きに検討しようという政府の意図を明らかにしたいという考え方で、批准を考えておるわけでございます。  それからもう一つ、児童手当につきまして、仰せのごとく、先進西欧諸国に比べますと劣っておることは、御指摘のとおりでございますが、児童手当につきましては、昨年度から出発いたしたばかりでございまして、しかも三カ年計画でやろう、こういうことで昭和四十八年度は二年目、来年四十九年度は三年目でございますから、一応三年計画でその児童手当制度ができ上がったときの時点において前向きに検討をいたしまして、西欧先進諸国並みに児童手当を向上さしていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。

根本龍太郎自由民主党

○根本委員長 八木君にこの際ちょっと申し上げます。  先ほど総理大臣の出席を要求されましたので、総理大臣に連絡いたしましたところ、本日は日程が詰まっておりまして出席いたしかねるとのことでございます。幸い三木副総理がおられまするので、どうぞそちらのほうに御質問のほどをお願いいたします。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 たいへん残念であります。総括質問が終わってから、いろんな新聞をうかがいますと、総理大臣はかなりのんびりして、いろいろ私邸や何かで時間を過ごしておられるようであります。本日が重要な国務で来られないのでしたらけっこうでございますけれども、もしそういうような報道が載りましたときには、田中角榮内閣総理大臣は政治に積極的に取り組む人であるということを国民の中に信じておられる方もあるけれども、私は、このように不熱心な点もあるということを天下に公表してまいりたいと思いますので、それは私の考え方として申し述べておきたいと思います。  そういう問題について、いまの厚生大臣の御答弁は、大体前半はけっこうですが、児童手当法を始めたから、三年たってからと言う。これは大蔵大臣ににらまれてあなたは言いにくいのでしょうけれども、社会保障をいままでやってきた齋藤さんとしては、全く腰が少しぐらぐらし過ぎています。大体、発足のときに第二子からやらないのは間違っている。間違ったものを半年でも続けたならば、間違ったとわかったならば、すぐそれを直す、それが政治の道であります。私は、厚生大臣の言うことを一々愛知さんがチェックをされると思ったら、大蔵大臣はなかなか理解が深い。   〔委員長退席、湊委員長代理着席〕 したがって、厚生大臣が決意を固めて来年からやるんだと言えば、愛知さんは協力をせられるだろうと思う。そういう状態を把握されて来年度に児童手当法の改正案を出される、それを推進していただく決意のほどを伺っておきたいと思う。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 先ほどお答え申し上げましたように、昭和四十九年度において一応児童手当法の実現が完成するわけでございますから、その時点において、範囲の拡大その他の問題について十分前向きに検討をいたしたいと考えております。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 三木副総理にお伺いをいたします。  たいへん有能な熱心な政治家であると私は齋藤さんを思っているのです。いまの答弁では全く気迫がない。こんなことではいけないと思うのです。ただ齋藤さんは、私はりっぱな政治家になってもらいたいから、直ちに解職をしてほしいとは申し上げませんけれども、厳重にしかりつけていただかなければ、こんな問題をそんな腰抜けの答弁ではいけません。三木副総理から総理大臣にも相談されて、そういう態度は入れかえるべし、そうでなければ厚生大臣としての資格はないということで、入れかえなければこの厚生大臣を解任をしていただく、そのように要請をしておきたいと思います。三木副総理の御答弁を……。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○三木国務大臣 齋藤厚生大臣、非常に熱心に厚生省の行政と取り組まれて、非常にすぐれた大臣であるというふうに考えておるわけでございます。児童手当の問題は、やはりいまの御答弁にもわかるように、これは欧米の水準に向かって前向きに取り組みたいという、多少このプロセスについて考えの相違があるようですけれども、ああいう積極的な答弁を了承されたいと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 たいへん不十分な答弁ばかりでございますが、これについては、予算委員会の分科会なり社会労働委員会なりで徹底的に追及をしたいと思います。委員長にちょっと要求をしておきたいと思いますが、総理大臣が欠席をされたこと、非常に残念であります。いまお聞き取りのように非常に重大な問題であります。したがって、ぜひ予算委員会で再度時間をとらしていただいて、この社会保障の根本的な問題について、日本国憲法に関する問題ですから、時間をとって追及の場をおつくりをいただくことを強く要請をしておきたいと思います。  次に、社会保障の問題について、どうも皆さん御勉強が足りないようであります。ひとつ法律的に勉強を二、三分していただきたいと思います。  法制局長官に伺いたいと思いますが、日本国憲法の中で、具体的な政治に関係のある条項は何と何と何か、端的にお答えをいただきたいと思います。

吉國一郎内閣法制局長官

○吉國政府委員 憲法と申しますものは国の根本法でございますから、憲法自体が国の向かうべき基本的な方向を示しているということは当然のことでございます。ただその中でも、具体的な政策を指向している条項といたしましては、たとえば第二十五条とか第二十六条とかいうような規定があると思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 答弁はちょっと不十分でありますけれども、時間がないから私から申し上げます。  いわゆる政治の課題で具体的な問題は、憲法第二十五条第二項、社会福祉、社会保障、公衆衛生については国が不断にこれを改善をせんならぬという条文があります。第二十六条に義務教育無償の規定があります。それから第九条に戦力を持ってはいけないという規定があります。プラスの条項が四つ、マイナスの条項が一つ、具体的な政策について。あなた方は九条について憲法違反ばかりやっておりますが、ほかのことについても憲法違反的行動がひんぴんとあるわけです。これは徹底的に追及をして、憲法九十九条違反で全部やめていただかなければならない場合もあり得るかと思います。  そこで、憲法には社会福祉、社会保障、公衆衛生を不断にこれを改善、増進をしなければならないことは国の責務として書いてある。もう一つ義務教育無償と書いてある、プラスのほうで。こう書いてありますから、特に大蔵大臣に聞いておいていただきたいけれども、財政の硬直化というような妙な文言をあなた方の役所で考え出して、それを金科玉条みたいにしていろいろなことを圧迫する。また、経済の伸展のためにとかいろいろなことをして、大企業ばかりもうかるようなことをいろいろやっておる。憲法では具体的な政策についてはこの四つしか書いてないわけです。もちろん、基本的人権という大事なことはありますよ。平和の条項はありますよ。しかし、具体的に政治で、憲法を見てこのとおりにしなければいかぬというのはその四つです。ですから、社会保障と社会福祉と公衆衛生。これは、時代が変わりますから、いまは公害の問題が入るわけです。いろいろなことで国民の健康がそこなわれることはいけないから、それを守るということです。昔は伝染病や何かだったが、いまは公害の問題が入ります。それと義務教育無償、これは真っ先にやる。これの十分なことをやらずに、ほかの政治の政策に金が要るから、これはこれで詰めるということをやることは許されない。それを大蔵大臣がやられたならば、これは憲法違反に該当するということになります。特に、防衛費をふやしてこれを減らすというようなことだったら、二重の憲法違反であります。われわれはこれから憲法闘争をやって、少しでも大蔵大臣が、たとえば財政硬直だから社会保障ができないとか、防衛費に金を回すから社会保障はこれだけにしてくださいなどと言ったら、直ちにあなた方が、大臣だけでなしに国会議員も追放される、そういう状況をつくっていかなければならないと思います。  そういう点で、これから社会保障の問題について、厚生大臣はなまけないでこれを要求をする。労働大臣もなまけないで要求をする。大蔵大臣は、その問題についてはぐずぐず言わないで、それを全部のむ。それだけではなしに、厚生省や労働省がなまけておったならば、なぜしないのだ、児童手当の要求はなぜ出てこないのだとそれを推進される、そのような態度で財政に当たっていただきたいと思いますが、大蔵大臣の明快な、積極的な答弁を願いたい。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 ただいま仰せの御意見は、私もよく理解できるところでございます。したがいまして、もう財政硬直というようなことばは今日は使っておりませんし、それから社会保障、いまおあげになりました義務教育の問題、憲法が具体的に要請しているものについては、午前中の当委員会でも、たとえば義務教育の問題について長谷川さんがお触れになりましたが、私は、まだ十分に憲法の要請しているところは充足できていないと思っておりますことを率直に申し上げました。したがいまして、社会保障も含めて、憲法の掲げておるところにできるだけ早く到達できるように、財政としても十分に努力をいたしたい。  それから防衛力の問題につきましては、専守防衛といいますか、第九条に許されている範囲内最小限度にこれを編成していく、こういうことでまいりたいと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 大蔵大臣の前の答弁はけっこうであります。あとの答弁は絶対に承知ができません。日本語で解釈される限り、日本語の文章で書かれた憲法を読む限りにおいて、防衛力の問題は完全に憲法違反である、すなおな日本人が読むならば完全に憲法違反であるということを強く言っておきます。  次の問題に移ります。同和問題でありますが、部落完全解放の問題について、政府のいわれる同和問題の完全解決の問題について、時間が残り少なくなりましたけれども、これを詰めて申し上げてみたいと思います。  この問題について、昨年十一月、総理大臣は楢崎委員の質問に対して、積極的に取り組むという御返事をなさったようであります。しごくけっこうなことであります。  ただ、この問題の沿革については、特に古い閣僚の方は御存じでございますが、岸内閣当時から国策樹立の問題が始まりまして、岸、池田、佐藤、そして現田中内閣というふうに引き継いでいるわけでございますが、この問題を討議するときに必ず、これはいかなる政党の内閣であろうとも、何人が内閣の首班になろうとも、この問題については全面的に取り組んでいくということが、国会を通じて国民に確約をされているわけであります。したがって、岸内閣以来、池田、佐藤内閣でやられたことは、当然田中内閣で引き継いでやらなければなりませんし、特に岸内閣の当時は、最初のすべり出しで審議会をつくることがその任務でありました。池田内閣はそれに諮問をした当時であります。佐藤内閣のときに同対審の答申が出て、特別措置法の制定運動で一番問題が展開されたときであります。しかしながら、その特別措置法ができてからいま四年目になりました。非常に大切な問題が、まだごくわずかしか推進をされておりません。あと特別措置法の後期が目の前に迫っておりますから、この田中内閣が何年続くのかは知りませんけれども、その間に全力を尽くして当たっていただかなければならないわけでございまして、前の問題を精神的には同じように引き継ぐと同時に、具体的には前の内閣よりもはるかに圧倒的な勢いでこの前進をしなければならないという問題であります。そのことについて、ひとつ今度は二階堂官房長官から御答弁をいただきたいと思います。

二階堂進自由民主党内閣官房長官

○二階堂国務大臣 同和対策の推進につきましては、私も前内閣以来から当委員会におりまして、八木先生の御議論を十分拝聴しておりますし、また田中内閣になりましても、一そう前向きに、積極的に法律に規定されている内容を推進していくことには変わりはございません。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 同和対策事業特別措置法ができましたときに、たしか福田さんが大蔵大臣をしておいでになりました。そのときに閣僚でおられた方もありますし、与党の中の重要な任務についておられた方が多うございました。この特別措置法には確認事項がついていることを皆さま方御承知であろうと思います。その確認事項の中の一番大事なところがほとんどなおざりにされているわけであります。最後に床次総務長官がこれを代表して、この法律は同対審答申を完全に実施するためにつくった法律である、これを積極的に活用してまいるという確認をしておられます。そのあとで、その当時の佐藤内閣総理大臣が、この法律ができたことで同和問題の完全解決のための緒についただけである、これから大いにやっていかなければならない、大いに政府を鞭撻督励してもらいたいということが確認事項の中にあるわけであります。そうした意味で、ほんとうは特別措置法をぐんぐんと積極的に活用しなければならないし、活用を要求する、政府を鞭撻する国民の声をまともに受けて、そのとおりにやっていかなければならないのに、残念ながら特別措置法が、心ない人たち、あるいは怠慢な人たちによって、ごく狭義に解釈され運用されていることが問題を非常に停とんさせているわけであります。その問題について、そういう態度ではなしに、ぜひ積極的にこれを推進していただきたいと思いますが、総務長官からその点についての御答弁をいただきたいと思います。   〔湊委員長代理退席、委員長着席〕

坪川信三自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○坪川国務大臣 同和対策は、全く国民的な重要な課題でございますので、田中内閣も、いま官房長官が御答弁になりましたように、前内閣と同様非常に積極的な意欲をもってこれに取り組んでおるということは、本年度の予算措置等についても十分御理解ある八木議員としては、御了承いただけるのではないかと考えておるような次第であります。  協議会も四十九年まで延期をいたしまして設置をいたし、もうすでに協議会を開くこと百四十一回に及んでおるというような状態、また特別措置法にのっとりまして、さらに四十七年から五十二年までの五年間に対するところのなさなければならない重要なる事業につきましては、その実態を調査いたしまして、その実態の集計に基づいて、きのうも楢崎委員に御答弁申しましたような四千七百三十三億の予算を一つのめどといたしております。この予算につきまましても、やはりまだ未調査の地区などもございますので、十分係官も派遣いたしておりますし、協議会から委員も派遣を願っておりますので、これらの実態に即応いたしまして、これがもう、一つのワクに入ったというような消極的な考えでなくして、時代に即応し、そして事業のワクなどにも私は大いに伸縮性を持たして、八木委員のいつも憂えられている問題には、田中内閣は全幅の力をささげたいと、こう心にかたくわれわれ刻み、担当責任者の私もそうした使命感を持ってこの問題に取り組んでおることを、御了解いただきたいと思うのです。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 坪川総務長官の主観的な善意については敬意を表したいと思いますが、問題は全く重大でございますから、いま御答弁になったような主観的な善意だけでは問題は解決をしない。坪川さんの善意に私は感謝をしたい気持ちはあるのですが、ところが、感謝じゃなくして怒りに燃えて追及をしなければならないわけです。三百万と称する人たちのことを考えれば、坪川さんはまだ御理解が不十分であって、善意でやっておられても、不十分な点はもっと認識を強めていただかなければならないので、その点でもっと問題を強力に推進していただきたいと思うのです。  で、大体非常に積極的な御答弁もありましたけれども、最初の点であります。  今度の予算もかなりふやしたということですが、こんなものはふえたうちには入りません。愛知さん、ひとつとくと聞いていただきたいと思いますが、ことし同和対策の問題で各省が要求した予算要求は二百二十五億、それをあなた方は、最初百三十何億に第一次査定をされて、最後に百五十九億にされて、前年度増し一六二%だ、それはそこに書いてあると思います。そんなものを聞いているひまはありませんからこっちから言いますけれども、そんなものではだめなんだ。それをひとつ認識を改めていただきたいと思います。  実はいま四千七百三十三億のことをおっしゃったのか、きのうの楢崎君の質問に対しておっしゃったのか、どっちかおっしゃいました。四千七百三十三億の、昭和四十六年度実態調査に基づく集計であります。これが全く問題にならない集計だということを、これは三木さんはじめ全部ひとつ認識を改めていただきたいと思うのです。この四千七百三十三億というのは、いろいろな点で欠点があります。まず、その調査の結果を出していない府県がかなりある。北陸や東北や九州の一部であるし、出しておっても、愛知県のようにたくさんある地区を半分ぐらいに削減した報告書しか出していないところがある。こういう点で、これは直さなければならないという点があります。それから、出してきたところの事業量でも、これは熱心なところと不熱心なところがある。たとえば、四国というところは、海に囲まれて、全部漁業に関係がある。漁業対策について高知県は事業を出しているけれども、他の府県では出していないという点がある。そうなれば、当然他の府県でも同和の漁業対策が必要だということで、これを直さなければならないという点があります。  それからもう一つ、この問題の大部分は、農漁村対策を一部含んだ腹案、環境改善の費用だけであります。住宅も含んだ環境改善、根本的に部落の完全解放、これを実行するためには、就職の機会均等ということが必要であります。それに関連して零細企業なんかの問題、産業対策が必要であります。そのことを推進するもととして教育の機会均等が必要であります。その一番肝心なことが、その対策がこの中には一つも盛られておらない。わずかに農漁村の対策がちょっぴり盛られているだけであるという点がございます。  それから次に、その環境改善の費用でも、大阪府全体で環境改善だけで六千億必要だという計算が明らかに出ております。国の全部の集計で環境改善と農漁村対策を入れて四千七百三十三億、話にならない数字であります。そういう数字であります。  そういう点を考えますと、まず調査の出ていない府県や市町村の分はそれだけ修正をしなければならぬ。調査が出ていても非常に熱心なところと不熱心なところがある。熱心なところで事業をやるだけのものは、都市部落なら都市部落、あるいは農漁村部落なら農漁村部落で、同じような対処が必要である。それだけ全部あげなければならない。そして環境改善だけでも、政府のほうで考えた環境改善はわずか二千四百億、大阪府だけで六千億は要るというので、根底的にこの数字は考え直さなければならない。事業量を直さなければならない。それとともに、一番重要な就職の機会均等をするための、そのような雇用対策とか、あるいはそれに関連する教育対策や産業対策は、地方自治体がやってきたものだけではなしに、国がほんとうに責任を持ってそれをやっていかなければならない。そういうことをつけ加えたらこのような数字は問題にならないということを、ぜひ御認識をいただきたいと思います。足りない点は変えていくとおっしゃいましたから、その点の善意は先ほど評価いたしました。しかし、坪川総務長官がお考えになっているものはこのくらいのものだとすれば、しなければならないものはこの天井ぐらい高いというふうに認識を変えていただきたいと思う。そういう状態であります。  時間がありませんので、先生の積極的な御答弁はいただきたいのですが、続けて申します。  それから、そういう問題をするときに、いま地方自治体はどんどん取り組んでいるわけであります。地方自治体は、部落解放問題、同和対策の完全解決の問題について、実際に近くにおりますから重要性を考えてどんどん推進をしていく。ところが、それに対して国の対処が少ないために、地方自治体に財政的なしわ寄せが全部いっている、そういう状態であります。同和対策事業特別措置法は、これは国の責任を第一次的に規定をしているわけであります。地方自治体の責任はこれに準じているのであります。第一次的に責任を持っている国がこのような怠慢な状態であっては絶対にならないわけでございますが、実際にそのような状態にあります。  なぜ、それではどういう方向で怠慢になっているかというと、同和対策事業特別措置法第六条にはいろいろなことが書いてあります。第一号から第七号まで、たとえば環境改善や産業の問題や教育の問題や、あるいは就職の問題や農林業の問題、いろいろなことが書いてあります。そこにはあらゆるものに「等」というものがつけ加わっております。そして第八号に、この問題の解決のために以上のほか「必要な措置」ということが書いてあります。特別措置法の精神によれば、部落の完全解放に役に立つ、同和問題の完全解決に役に立つあらゆるものは、同和対策事業としてするという精神で書いてあるわけであります。それを地方自治体は実施をいたしております。国が特別助成をする部分を非常にしぼってしかしないので、地方自治体にそのしわ寄せがいっているわけであります。したがって、同和対策事業特別措置法を積極的に活用する精神に従って、あらゆるものを国の特別助成の対象にする。そしてその補助裏は第九条の優先起債の対象にする。そしてその起債の償還にあたっては、第十条の元利補給の十分の八については交付税でこれを対処するというものを対象にする。そういう方向でやらない限り、地方自治体は、熱心に取り組んではおりますが、財政的に逼迫をしてこの問題を推進することが停とんするでありましょう。国の第一義的な責任を再度確認をされて、先ほど内閣を代表して皆さんから御確認がありましたことをほんとうに実行に移すために、特別措置法をいまのように特別助成、優先起債、そして第十条適用をすべてのものに及ばすために、それを実施をされる御決意のほどを坪川総務長官は代表して、残念ながら時間がありませんから積極的に明快に簡単にひとつお答えをいただきたいと思います。

坪川信三自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○坪川国務大臣 同和対策に非常な熱意と御理解をいただいております八木議員の真摯な御高見を交えての御質疑でございます。ただいまも十分傾聴いたしております。さきに御指摘になりました問題等につきましては、御承知のとおりに、少なくとも本年度の予算の上におきましてさらに四千七百三十三億の以外に、いまお話のありましたような人権擁護の問題、あるいは産業対策の問題、教育の問題、あるいは職業のあっせんというような、こうした精神的な面を私は非常に重大視し、またこれに取り組まなければならぬとも考えております。  また、事業体につきましても、やはりいまお話のありましたような補助対策につきましてもこれを拡大強化いたすという方針のもとに、本年度新たに四事業体を含めまして、補助事業体の数は、いまこれで四十四年から三十三に伸びておるような状態でございます。しかも住宅とか、あるいは環境、あるいは道路、あるいは補助整備事業等を含めましてももう大体三分の二の補助という姿になって、地方自治体をなるべく圧迫せないように、江崎自治大臣とこの問題についての交付税についても二人で話し合ってまいっておるのですが、ことしの特別交付税なども同和対策を中心に配分していただいたのも事実でございます。そういうようなことで、政府といたしましては積極的にひとっこれに取り組んで、あなたとともに私はこの同和対策の事業遂行、こうした部落解放問題の解決を熱願しておられる方々の御期待に沿いたく最善の努力をいたすことを、重ねて御約束申し上げたいと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 坪川総務長官の積極的にやるという御意見は、三木副総理もそれから二階堂官房長官も愛知大蔵大臣も、その他すべて重要な官庁を預かっておられる国務大臣の方々も同じお気持ちである、同じお約束をされたものと確認をいたしたいと思います。もし御異議があったらすぐ御発言を願いたいと思いますが、なければ全部がお約束をいただいたと確認をいたします。  次に大蔵省に。特にことし、あのような削減をされました。この問題についてはひとつ考え方を変えていただきたい。たとえば、明治の初年に武士階級に対して二億一千万の秩禄公債を発行されました。これは武士階級は読み、書き、そろばんができますから非常に就職の点では明治初年には優先的な就職条件が確保されておったわけであります。それにもかかわらずそれに対して秩禄公債が二億一千万円発行された。その金額は三年前の大蔵省の計算によると、いまの貨幣価値に直すと八千億円。そして四分利で活用すると三年前の計算で四十五兆に達します。武士階級の数は部落の同胞よりもはるかに少ない。そういう人たちに対して四十五兆に相当する補償をしているということを考えられたならば、大蔵大臣いいですか、いま言ったことでこれが何兆というものになって当然な問題であるというふうに、ひとつ認識を変えていただきたいと思うのです。  それからもう一つ、開発途上国に対して国民総生産の一%を各国が協力することになっておる。国内で政治的な差別のために同胞をあれだけ苦しめて、いま問題を解決しようとしておるときに、同じような対処をするならば、百兆の国民総生産がある、その一%、一兆くらいは毎年これを計上して当然である。そのようなことをかみしめて、今後解放に関係する同和対策予算を各省が出してきたどきに、このような要求では少ない、もっと早く出してこい、たくさん出してこい、そういうことを要請をされて、びた一文削減をされることはいけないと思うわけであります。ちょっと時間がありませんので御答弁はあれですが、そういうことを強く要求をしておきます。  それから次に、福田さんとそれから奥野さんに御質問申し上げたいのですが、時間がきつうなりましたからたたっと申し上げて御答弁だけいただきたいと思います。  実はこの問題を推進するために機構の整備が必要であります。昭和三十九年の九月に臨時行政調査会の答申がございました。そこで行政官庁は整理統合しろということが表題でありますが、たとえば産業的におくれたもの、低所得者階層の問題、人権の問題、そういう問題に対処する諸官庁は機構を拡大整備をしなければならないという文言があるわけであります。これは福田さんは、前から係の方に申し上げておったからお読みになっておられると思いますが、そういうところを、政府も皆さんも官庁をふやすことはとめられていると思って、当然必要なこの部落解放のための機構の増大もなかなか進まないという状況であります。きのう楢崎君に対する御答弁の中で一人定員をふやす。こんなものでは足りません。ですから、ぜひこれは少なくとも総理府に局に準ずるような対策室でもすぐにつくるようにしていただきたい。これは総理府にもそれから行政管理庁長官にも要請をしておきたいと思います。  それからもう一つ、大蔵省は今度の予算のときに労働省の雇用奨励金の問題を初めはぶった切り、次には削減して認められました。そうしてまた通産省の要求、日本の輸出の問題についてもぶった切ったあとでちょっと認められた。それからその次に文部省の要求、奨学金の問題もこれを削減をされた。就職の機会均等や産業の振興やあるいは就学の機会均等を増進するものを一回でも削減をするというこのような精神は、大蔵省の人たちは部落の完全解放問題がどんなに重大であるかということを認識をしておられない証拠であります。そういう態度を戒められまして、今後は予算を削減をしない、予算を増大をするということをやっていただきたいと思います。  さらに、文部省で今度大学奨学金の問題が残念ながら実現をしておりません。大学奨学金が数年前から問題になっているのに、実現をしないということは非常に重大な問題であります。国民の一部のこの差別を受けて苦しんでおられるその同胞の中の人がいかに才能があり、学問をしたいという要望を持っておっても、奨学金がなければそれは実際にやりにくうございます。高等学校奨学金は認めて大学奨学金は認めないということは、一部の同胞は大学教育を受けなくていいという断じて許しがたい差別思想につながるものであります。そのような態度を入れかえられて、断じて大学奨学金の問題を急速に実現をされるように要求をしておきたいと思いますが、いま御答弁の時間があまりありませんので、ぜひ積極的な御答弁を福田さんとそれから奥野さんからいただいておきたいと思います。

根本龍太郎自由民主党

○根本委員長 八木君に申し上げます。すでにあなたの時間は経過しておりますから……。

福田赳夫自由民主党行政管理庁長官

○福田国務大臣 同和対策のための機構、定員につきましては、きのう楢崎委員にもお答え申し上げたのですが、同和対策は非常に重要と考えておりますので、これが遂行上必要な定員、機構、これにつきましては、総務長官ともよく相談いたしまして善処をいたしたい、かように存じております。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 府県の高等学校の進学奨励事業に対しまして、国が助成措置を講じているわけでございますが、高等学校への進学率が九〇%に近くなっておりますので、同和対策事業としてのこの進学奨励事業、それなりに相当な意義を持っていると思います。  大学の進学奨励事業に対しましても、同じような仕組みをとれという御主張だろうと考えるわけでございます。多年の懸案でございますので、今度の予算の編成にあたりましても、ずいぶん論議をしたわけでございます。大学への進学率は現在のところまだ二八・二%、これに対する奨学金の制度は日本育英会で講ぜられている、そういう際でございますだけに、別途に、さらに同和対策事業としてもこれを行なうというところに、いろいろ踏み切れない問題があったわけでございます。四十九年度には何かよい知恵を出したいものだと、かように考えているわけでございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 終わりますけれども、先ほども、重大な問題ですので別に時間をとっていただきたいという御要請を委員長代理に申し上げておきました。委員長もひとつ御配慮をいただきたいと思います。  本日は十分な質疑ができませんが、この問題については、後に機会をつくっていただける場合、あるいは他の委員会にこの質問の内容を保留をいたしまして、ここで質問を終わらしていただきます。

根本龍太郎自由民主党

○根本委員長 八木君に申し上げます。  一般質疑の時間は、全部各党別に割り当てておりまするので、その時間の範囲内で、再び御質疑がございますれば、その時間でやっていただくことにいたします。  これにて八木君の質疑は終了いたしました。次に、中川利三郎君。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 私は、日本共産党・革新共同を代表しまして、農政の基本問題について関係閣僚の皆さんに御質問いたします。  先ごろ来、農産物の価格の異常な暴騰につきまして、皆さん方の説明によりますと、この理由を、外国の天気がどうだとか作柄がどうであったとか、あるいは買い付けがどうであったとか言っておるのでありますが、しかし日本人として、日本人のものの考え方として考えた場合、これは海外から一貫して原料資源を輸入し、そして自給ということをずっと狭めてきた、このことに根本的な原因があると私は思いますが、日本人としてこれを何と考えるか。これについて、幸いきょうは三木副総理も来ておりますから、副総理、答えてください。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 お許しをお願いして、所管の私のほうからまずお答えをさしていただきたいと思います。  食糧が安定的に供給される上におきまして、まず国内で生産をすることを主眼とすることは、これは考え方として当然であると思うのであります。ただ、お許しをいただきたいのは、やはり開放経済下にある日本といたしまして、国際協調的な面も弾力的に考えていく必要はあると思うのです。それは、同時にまた消費者の立場を考えた場合には、そういう考え方も裏づけされてくるわけでございまするので、その辺は調和をとってやっていきたいと思うのであります。  ただいまの自給率のことについて非常に御心配をされておりますが、三十五年度から四十五年度の間をずっとこう見まするに、確かに……(中川(利)委員「聞いたことだけ答えてください」と呼ぶ)はい。自給率の話でしょう。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 わかりました。  副総理、何と思いますか、いまの問題について。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○三木国務大臣 主要食糧についてはある程度のやはり自給力を持つことが必要である。しかし一般というものについてはいろいろ、こういう時代でありますから、輸入する場合もあるけれども、主要食糧はかなりなやはり自給力を持つべきであると考えております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 いま農林大臣のお話を聞きますと、国際協調だとか、いかにも日本とアメリカとの貿易が均衡のとれた形でいっているというような言い方ですけれども、いまのこの異常なあり方、ここがどうだかということを聞いているのです。それに対して一般的なことをおっしゃったってこの解決になりませんよ。答弁にならないと思います。  それでは私はお伺いいたしますけれども、いま一つ問題になっているものの中に小麦と大豆と濃厚飼料ですね、これの自給率がいま何ぼになっているか、このことをひとつ知らせていただきたいと思います。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 お尋ねの濃厚飼料でございますが、四十五年度におきましては合計で千三百七十三万トン余でございますが、国内産は四百四十七万トン、輸入は九百二十六万トン、こういうことになっております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 私が聞いたのは、何ぼ生産したか、そういうことでなくて、自給率が何ぼだかということを聞いているのです。もう一回答弁ください。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 四十五年度三三%でございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 私は濃厚飼料だけでなくて、私はあなたに大豆、小麦、濃厚飼料、三つどうだかということを聞いたのです。しかし確かにあなたのおっしゃるとおり、濃厚飼料は三三%、小麦は九%、大豆は四%です。間違いありませんか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 間違いございません。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 大豆がたったの四%、小麦が九%、濃厚飼料が三三%。これは独立した国といえますか。これではアメリカがかぜ引けば日本が肺炎を起こして死んでしまう、こういうことになるでしょう。こういうことでは、商社が、どうか皆さん投機してやってくださいと、投機の下地をわざわざこしらえてやっているようなものじゃないですか。  そこで私は聞きたいのは、さきに財界と農業団体の代表によるところの懇談会が政府に提言をしておるわけでありますが、その中にこういうことが書いてある。先進国の中で自給率の急速な低下を見つつあるのは日本のみであるといっている。それはなぜか、なぜそうなのか。もう一つは、オリジナルカロリーではかった自給率に至ってはほとんど最低と認められる、こう書いてある。これはなぜか。その事実を認めますか。これは三木副総理にひとつお願いします。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 お話しのように、自給率の低下をしておることは私も認めます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 それをいま認めた、世界で最低だということを認めたと思うのですね。そういうことになりますね。これは全くアメリカに、何というか、親方にぺこぺこしてきたその結果だと思いますけれども。  そこで、さらに聞きますれけども、昭和三十五年当時、たとえばこの大豆あるいは小麦、濃厚飼料、この三つが何トンであったか、このときの自給率は一体何ぼであったか、ちょっと比べてみますから、参考までにまた教えてください。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 世界一自給率が低いということを私、申し上げたんじゃないのであります。自給率が非常に低下しておるという事実を認めたのでありまして、国際比較につきましては、後ほど資料でお示しをいたしたいと思います。  なお、ただいまお話の大豆は、三十五年度で二八%、小麦は三九%でございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 そうすると、わずかこの十年足らずの間で、大豆は七分の一に減ったということですね。小麦は四分の一に減ったということですね。そういうことですね。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 お答えするまでもなく、数字が明白に示しておると思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 それでは、大豆の例だけでもけっこうですから、昭和三十五年当時の輸入量、そうして去年、四十五年でもけっこうですから、そのときの輸入量は何ぼであったかということをひとつお知らせいただきたいと思います。

内村良英農林省農林経済局長

○内村(良)政府委員 ただいま三十五年の輸入数量の資料がございませんので、至急取りまして提出いたします。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 私、少し意地が悪いからこういうことを言ったのですけれども、私のほうで調べがついているのです。ほんとうを言いますと、三十五年と四十六年の輸入量の比較をすれば、三十五年に百九十二万トンであったものが、四十六年には三百二十一万トンぼんとふえているのです。  ところで、この結果われわれが考えなければいけないことは、昭和三十五年といえば、新しい安保条約が、経済協力の第二条をつけて新しくできたときなんですね。農林省では、この条項を受けて、その次の三十六年から農業基本法をつくって日本の農政を大きく転換した。その中で大きく自由化が進められて今日の状況をつくり出した、こういうわけだと思うのです。  そこで私、聞きたいのは、このような自給率のものすごい片寄り、輸入のものすごいふえ方、これを見ますと、これ自体国民の希望ではなくて、あなた方とアメリカの間で構造的に、政治的にわざとつくられたものだとしか言いようがないのです。これについてどう思いますか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 自給率が低下をしてまいったと・いうことについては、御承知のような大豆なたねの交付金の暫定措置を講じながらつとめてまいったのでありまするけれども、しかしながら、他の農産物と比較いたしました場合に、反当たりの家族労働報酬というものが非常に低い。だから、一方におきまして価格安定制度、支持制度をとりながらも、なおかつ遺憾ながら自給率が低下してまいった、こういうことに判断をいたしております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 農林大臣、あなたは大臣です、大根じゃないですよ。私はそういうことを聞いたんじゃないですよ。安保以降、急速に自給率が低下している、輸入がふえた、この背景は、アメリカとあなた方のそういう政治的につくられたものとしてできたものじゃないか、こういうことを聞けば、自給率がどうだこうだという別のことをあなたは答えている。しかし、それについてまたいろいろやっているひまはないので、次に進みます。  私はこの前、栃木県の畜産農家を視察さしてもらいましたよ。あの問題が起こってから、何を言っているかといえば、農家の人方はもうとにかく皆さん方への恨みつらみで一ぱいでしたよ。まず、何でもかんでも多頭化だ、国際競争力だ、こういうことでどんどんとけつをはたいて、そして肝心の飼料基盤、そういうものは全く無視して、経営規模の拡大だ、拡大だとやらせた。そしてこの値上げだ。そうすると、飼料メーカーは何と言うかといいますと、飼料メーカーは、値段が高い、安い、そんなことを言っているひまはないんだ、それよりも物が手に入るのかどうかということが心配だというので、値段の高いのをすりかえて、しかもそれを物でおどかしをかけて上げていく、こういうことをやられているから、政府の言うことを聞いて正直にやった者方が一番ばかをみた、こう言っているのですね。  そこで私が聞きたいのは、皆さん方が畜産だ畜産だ、選択的拡大の花形だと言う以上は、飼料基盤の造成というものが大前提にならなければならないと思うのですよ。これに対して、いまのようなやり方で一体いいのかどうか、何か反省がありませんか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 私どもが構造改善事業、基盤整備事業あるいは価格安定制度、そういうものを総合いたしまして農村の振興のために努力をいたしておるということはお認めいただけると思うのであります。そういう一貫した施策の中におきまして、現在、飼料の場合、一体どういうふうに仕向けていったらいいか。私も、飼料がより増産されることを好ましいことと思っておりまするけれども、しかしながら、安く、安定したものが供給できるといたしまするならば、その場合に、先ほどもちょっと申し上げましたように、国際的なある程度の協力を施策の中に取り入れていくということも、担当者としては当然な考え方であると思うのであります。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 ただいま農林大臣は、農林省、自分方の努力を認めているだろうとおっしゃいますが、あなた方が努力した結果こういう状態が生み出されているというところが問題なんですよ。それについてはいろいろ論議しませんが、それならばお聞きします。  あなた方は、昭和四十三年に、「農産物の需要と生産の長期見通し」というものをおつくりになりました。これは、自給がだめじゃないか、日本政府は何をしているんだということで、農民から騒がれてつくったものですよ。ところが、これを大豆の例で見ますと、そのときからもっと低い見通しをおたくのほうは立てているのです。それ自体非常に不当なものだと私は思いますけれども、そのあとの経過を見ますと、そのひどいということはわかっていながら何にも手を打たない。打たないだけでなくて、実際そこへあらわれた結果というのは見通しよりもまだ減っている、こういう状態をつくっているわけでありますが、あなたがりっぱなことを言っても、そういうことではほんとうに農民が信用しますか。どうです、もう少し謙虚なあれがありませんか。今度こそやるぞというようなこと。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 私は、この予算委員会を通じまして、昨年の十月公表された指標に基づく自給率全体としての七五%、おおむねこれを目標にしていくことを繰り返し申し上げ、さらには、飼料の点では、ただいまも申し上げましたように、指標よりも上回るほうが自分としては好ましいということを申し上げてまいっておるのであります。しかしながら、現実には、御指摘のように自給率は下がりましたが、その点は、先ほど反当たりの家族労働報酬などを申し上げまして、遺憾ながらそういう事態になったということを率直に認めたわけであります。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 参考までに申しますと、裸麦は、昭和三十五年には自給率が一〇七%もあって、外国へ輸出しておったのですよ。四十五年にはたったの三五%になりました。こういうことは、いま大臣の反省を込めたような発言がありましたけれども、ほんとうに口先だけでなく、心を込めてやってもらわなければならないと思います。  それにつきましても、私が次に聞きたいことは、FAOあるいはアメリカの農務省の警告でも、これからはだんだん世界の穀物事情は苦しくなる、不安定になる、こういうことをいっておるわけですね。それに対してあなた方が、昭和四十三年に新しく「農産物需給の展望と生産目標の試案」というものをつくりましたね。これを見てみますと、畜産の需要そのものは、昭和四十五年を基準年度にしてその二倍だ、二千五百五十万トンの需要がある、こういっておるのです。昭和五十七年までですね。ところが肝心の濃厚飼料を見てみますと、昭和四十五年の三三%から逆に昭和五十七年には二〇%に減らすといっているのです。こんな行政と、こういう見通しなり展望を持つ限り、第二、第三のいまの畜産危機は必ず起こると思いますよ。これでは初めから海外依存しますよということをあなた方はっきり言っているようなものじゃないですか。こんな試算なんというものは撤回したらどうですか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 これは私ここで何べんも申し上げ、先ほども申したように、飼料の関係については私も若干の意見がある。というのは、ただいまお示しになりました濃厚飼料の関係は、確かに国内産五百二十三万トン、輸入二千二十六万トンの試案になっておる。この辺はもう少し考える余地がないか、こう思っておるのでありますが、しかしながらこの試案が、これは農業団体の方もみな参加してつくられておるという事実は御承知だろうと思うのです。そこで私は、私のような者が大臣になって二、三カ月で、この試案はだめだなんという、それはまた不見識のことを問われると思うのですね。だから私はこれを尊重しながら、しかし自分の意見は申し上げておる、こういう立場でございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 この問題を農業団体の責任にすりかえるようなことではだめです。またあなた個人がどう思っても、内閣全体の受け方によって制約されるでしょう。いまのようなことについて三木副総理さん、あなた、こういう片寄った、これから畜産が発展作目だといいながら飼料は逆に減らしていくというこういうあり方について、あなたは副総理として、国の政治に責任ある人としてどう思いますか。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○三木国務大臣 飼料の問題はやはり相当外国のの輸入に依存せなければならぬと思いますが、飼料の国内の自給というものはもう少し考えていくべきだと私は思っております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 そういうことでいま農民が苦しんでおるという事実をあなたはどう思いますか。そういうことを無視して、ただ価格が安ければいいなんということなら政治は要らないでしょう、そうなれば。  そこで私、聞きたいのは、国内自給に農林大臣は私個人としてはがんばると、こういうことをおっしゃいましたけれども、その大前提に、自由化を大きくするのだという前提が政府の中にありますね、いまの三木さんの答弁にも見られましたけれども。そうなりますと、私はあらためて聞かなければならないことは、日本にとって大事な農産物は自給をたてまえとするのかどうかということを、あらためて問い直さなければならないと思います。これはどうですか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 これもお答え申し上げておると思うのですが、いまお取り上げになっておる試案でも七五%の自給率、それから現在でも全体の自給率は七五%程度を維持しておると思うのであります。そしてあとの二五%程度のことは、開放経済下にある日本として、国際的な協調の面からも弾力的に考えていいものではないか、この程度のことでありますならば、いわゆる食糧からくる安全保障問題につきましても対応できるのじゃないかということで、この昨年発表された指標を一応の私としても農政の基本方針にしておる、こういうことでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 一般的な自給のことを聞いているんじゃなくて、日本のおもな農産物についてどうかということを、それもほかのものも十ぱ一からげにしてこれだけあるからだいじょうぶだと言ったって、これでは話にならないと思うのです。そのことで論議する時間もありませんから、次のほうへ進ましてもらいますと、この前の施政方針で田中総理大臣は、自由化にあたって二つのことを述べていらっしゃいます。ここに書いてあるわけですが、一々読むのもなんですから大体言わしていただきますと、その一つは、物価対策の面から十分な措置を講じるということですね。それから農民に打撃を与えないように万全の対策をとると、こういうことをおっしゃったわけであります。こうした言い方はいまに始まったことでなくて、昔から自由化のたびごとに自民党の皆さん方が言ってきたことばだと思うのですよ。  そこで私お聞きしたいことは、そんなら自由化をしたことで物価がどれだけ下がって国民にプラスしたのか。どれだけ下がって国民がどれだけ助かったのか。それからもう一つは、政府の万全の対策というそのものの中で、農民の打撃というものはどれだけ少なくなったのか、このことを具体的にここへ出していただきたいと思うのです。これは農林大臣よりも、やっぱり関係のほかの大臣かどうかわかりませんが、私、初めてここへ来たものだから、ひとつ答弁者を考えていただきたいと思うのです。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 貿易の自由化に伴って物価対策上寄与しておるかどうか。私は、少なくとも寄与しないとは言えない、やはり寄与しておると思うのであります。と申しますのは、国内産の主たる農産物についてば、七割は価格支持政策をとっております。それというのも、国際的な関係から見ればいろいろ影響があるということは、国際的にはより安いものが入る、こういうことになるのでありまするから、そこでちょうどいま、農村に対する打撃をどう防いでおるのか、自由化はどうかということですが、ちょうどいいところを歩いておると思うのですね。ある程度ずつ自由化をしながら、物価に好影響をもたらしながら、また一方におきまして価格安定施策をとりながら進んでおる、こういうことでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 農林大臣さん、ここに私、西日本新聞の二月十八日の新聞を持ってきているんですがね。ここには、「桜内農相に聞く どうなる農産物自由化」とあって、あなたの写真が載っていますよ。この中であなたが何と言っているかといえば、「自由化すれば、必ず安くなるという考えはどうかと思う。現に大豆や飼料穀物は自由化でかえって値上がりした。国内生産がほとんどゼロになったため、海外の市況高の影響をまともに受けるようになったからだ。」こういうことをはっきり言っておるじゃないですか。これはあなたの言ったことばを書いているんですが、それといまの答弁、食い違うじゃないですか。ここではあなたは、何もためにならないということを言っているんですよ。どうですか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 御質問のときも、私以外の閣僚で、とも言われたのであります。というのは、この貿易の自由化について触れられておる、こういうことで、私は、ほかの方がお答えになりませんから、かわって代表してお答えしたのでありますが、個々の、一つ一つを取り上げて論議をいたすことになりますれば、私は農林省の責任者でございまして、何としても農村の保護に当たりたいという気持ちがにじみ出まするから、だからその新聞、どういう機会の取材であるか、そういうふうに記事が出ておる以上は、私の気持ちを察して、あるいはそういうことばが一応あったと私も考えざるを得ないのでありますが、私はその一言一句は別として、私としての気持ちは、農村のために大いに寄与をいたしたい、そういう気持ちから出発しておることを申し上げたいと思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 それならばお伺いしますが、あなたは、そういう気持ちを、意のあるところを新聞社がそんたくしてそう書いたかもわからないということですが、あなたの足元の農林省の試算というのがここにあるのです。昭和四十七年十月二十六日の日本経済新聞を見ますと、農産物自由化は物価引き下げ効果が小さいとして、農林省の試算のことを書いているのですね。何のために書いてあるかといえば、農産物の輸入をすべて自由化しても、消費者物価全体に及ぼす引き下げ効果は〇・四%だ、たったの〇・四%だ、しかも食料品の輸入依存度が大きくなるに従い、食品価格の変化が大きくなる悪影響も考えられると書いてあるのですね。あなたのほうの試算でちゃんとこのことを認めていらっしゃるんだな。ほとんど関係ないということですね、物価に何もプラスにならなかったということですね、こういうことについてどうですか。これも否定なさいますか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 いまの試算については、いま手元にございませんので、おことばだけではよく理解がしかねたのでございまするが、しかし、先生も資料のもとにおっしゃっておることと思うので、私はそれなりの評価を持っておる次第でございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 一応農林省の大臣もやりたくない。農林省の試算にもそういう結果が出ている。ほとんど役に立たなかった。それなのにこの役に立たないものに対して、もしもオレンジが自由化された場合に、どれだけ日本の農民が打撃を受けるか、このことについて、内村さんでもけっこうですから、ひとつ御説明いただきたいと思います。

内村良英農林省農林経済局長

○内村(良)政府委員 ただいまお話のございました農林省の試算でございますが、それは現在残存輸入制限下にございます二十の農産物につきまして自由化措置をとり、それがその国内生産がなくなって輸入に置きかえられるという計算でございます。その結果、追加輸入額は約五億ドルということになります。それから、それによります農業総産出額の減少は約四千七十八億円、農業所得の減少が千四百六十七億円、さらに中高年層の労働力がそれによって余ってくるというのが大体七十三万人ということでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 そうすると、ほとんど関係農家、特にミカン農家はこのために壊滅的な打撃を受ける、こういうふうに理解してよろしいかどうか、この点についてもう一回御返事いただきたいと思います。

内村良英農林省農林経済局長

○内村(良)政府委員 ただいまの数字は、国内生産が全部輸入に置きかわるということで計算した数字でございまして、この場合、オレンジにつきましては、日本のナツミカンの生産がそれに置きかわるという計算になっております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 その肝心な打撃がどうだということを聞いたのに、ほかのことにすりかえるようなことはだめです。まあいずれその時間が、私も持ち時間もありますから次に移りますけれども。  今度は文部大臣にお伺いします。文部大臣どの人か私、知りませんけれども。  いままで論議してきた農産物の自由化について、教科書にはどう書かれているかということを私はいろいろ調べてみた。そこで、ここにあるのは、たくさんありますけれども、学校図書株式会社の小学校、社会科の五年の上というもののこの本の一一七ページ、ここに、「輸入品との競争」というところがあるわけですね。ちょっと読みますと、簡単にですが、「国は、わが国のくだものの栽培や、畜産を保護するために、外国のくだものや、その加工品、乳製品の輸入をせいげんしてきました。しかし、わが国で輸入をせいげんすると、相手の国も、日本の製品の輸入をせいげんし、わが国の製品の輸出がさまたげられます。」なんということも書いてあるわけです。もうちょっと読みますと、「しかし、いつまでも、輸入のせいげんを続けるわけにはいきませんので、これから、外国産のものに負けない、安くて品質のいい農産物をつくっていかなければなりません。」と書いてあるんですね。いいですか文部大臣、これは単に教科書だけではなくて、私は、五年生の社会科の教科書、このほかにもいろいろ持ってきておりますが、ほとんど調べてみましたところ、若干の表現の違いはありますけれども同じ内容です。きょうも議論されてまいりましたように、農産物の自由化につきましてはいろいろ議論があるところなんですね。それなのに政府の見解だけが一方的に教え込まれているということがいまの事実なんです。これはまさに思想統制だと私は思います。これはみな今日教科書検定制度のもとで自由な執筆が制限されているからだと私は思うのです。だから検定制度をやめることを主張するわけですが、文部大臣どう思いますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 いまそういう式のお話があるかということで、事務当局から教科書を若干見せてもらっておりました。千数百種類の教科書がございますので、一々当たったわけじゃございませんが、私がいま見ましたところでは、一つには、自由化が進んでくるから外国の農業に立ち向かっていけるような農業にしていかなければならないというような記事がございました。一つは、農産物については自由化に一定の限界がある、こういう記事もございました。そう見ていきますと、必ずしもおっしゃっているように全く一色ではない、こう御理解いただけるのじゃなかろうか、こう思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 文部大臣、私もう一つそこで聞きたいのは、なぜ私、問題にしたかというと、この教科書の中には、自由化で大きな打撃を受ける日本の農業、農民の生活には全く触れていないのです。工業製品の輸出を進めるためには農業の保護を続けるわけにはいかないというのが、ここにちゃんと見えるじゃありませんか。このことを言っているのです。もう一回答弁願います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 教科書は検定を受ければ教科書として通用していくわけでございまして、国定教科書ではございませんので、いろいろな教科書があるわけでございます。千何百種類あるわけでございまして、農業でも相当な数があるわけでございます。おっしゃっているように一つじゃございませんで、もし特定の教科書につきまして特別な御意見ございますれば、よく研究さしていただきたいと思います。それにしましても検定で押え込むという考え方はいかがなものだろうか、こう思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 教科書が千何ぼあるか知りませんけれども、全部文部省の検定官によって検定を受けて合格しているのがあれですよ。だから文部省、責任ないということは言わせません。しかし、それを何だかんだ言ってもしようがありませんけれども、いままで論議したところでも、非常に自由化のもとに日本の農業、農民の苦しみ、これがほとんど解決されないということは明らかになっています。だからこの路線を転換する、このことを私は強く要請するわけですが、ちょっとこのあとに私のほうの諫山博委員が関連質問をいたしますので、それを終わりましてからまたあらためて私やります。

根本龍太郎自由民主党

○根本委員長 諫山博君から関連質疑の申し出があります。中川君の持ち時間の範囲内でこれを許します。諫山君。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 三木副総理にお聞きします。  今月の上旬アメリカからエバリーという人が日本にやってきて政府首脳と会談をしたそうです。そうしてオレンジ、果汁、牛肉などについて強く自由化を要求したと報道されております。今月の十九日キッシンジャー特別補佐官が日本にやってきて、田中総理と会談をしました。その翌日閣議が開かれて、田中総理がオレンジなどの自由化を強く指示した、こう報道されております。そういう事実があったでしょうか。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○三木国務大臣 エバリー氏並びにキッシンジャー氏が来られて、いろいろな会合があったことは承知しておりますけれども、その内容については、私、詳細に知っておらないわけでございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 今月二十日の閣議の席上、田中総理大臣から、オレンジなどについての自由化を強く指示されたということはありましたか。すべての新聞に一斉に報道されております。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○三木国務大臣 全般的な貿易自由化の話はありましたけれども、特にオレンジに対して、この自由化を促進せよというような発言はなかったように私は記憶をいたしております。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 私の見たところ、すべての新聞に、オレンジとかオレンジジュースという品目があがっておりますが、この点は、私はこれ以上追及いたしません。  そこで、愛知大蔵大臣にお聞きします。いま、農産物の輸入制限品目は二十四です。このすべての品目が自由化されたとして、日本の外貨減らしにどういう効果がありましょうか。数字でお答え願います。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 いま残っております輸入制限品目は三十三で、その中の二十数品目が農産物である。御指摘のとおりでございます。これは、全部自由化ということは、私は非常にむずかしいことであると思います。  それから、大蔵省としての、自由化の場合にこれがどれくらい国際収支に影響するかという推算はいたしておりません。これは農林省当局等からお聞き取りいただいたほうが正確だと思います。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 田中総理は、約五億ドルと発言したようですが、違いますか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 先ほども担当局長から申し上げたように、農林省としては、約五億ドルの影響がある、こういうふうに試算をしております。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 さらに、この五億ドルを農林省がいろいろ分析して、自由化といっても、全部アメリカだけから入るとは限らない。そのほかいろいろな要素を研究して、農林省としては、実際に影響が出てくるのは一億程度だと試算したということがいろいろな新聞に報道されていますが、農林大臣、いかがでしょうか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 対米関係で影響がどの程度かという試算では、約一億ドルとなっておりますが……。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 それでけっこうです。  五億ドル、一億ドル、二つの数字が出てきましたが、いまの日米間においては、五億ドルであろうと一億ドルであろうと、それほど大きな金額ではありません。それにもかかわらず、アメリカがエバリーやキッシンジャーなどを日本に差し向けて、なぜこれほど執拗にオレンジなどの農産物の自由化を要求するかということが、いま一つのなぞとされております。そして、それは、ニクソン大統領がオレンジの主産地であるカリフォルニアの出身である、ニクソン自身が、大統領選挙のときの公約で、オレンジ類の海外輸出を選挙民に約束していたからだ、こういうことが、かつてのグレープフルーツの自由化のころからいろいろ取りざたされております。アメリカの政界では、下院議員の約二割が、いわゆるオレンジ議員によって占められております。この前のグレープフルーツ自由化を推進する中心になったのが、アメリカのいわゆるオレンジ議員であります。そして、こういうオレンジ議員の頂点に乗っかっているのがニクソン大統領であります。アメリカでは、ニクソン・アイテムということばがあります。ニクソンが特に関心を示している品目、その筆頭にあげられているのがオレンジです。このニクソンとオレンジの関係がどんなに密接であるかという一つのエピソードでありますが、ニクソンが中国、ソ連を訪問したとき、彼は、カリフォルニア産のオレンジジュースを中国やソ連に持っていったそうです。そして招待の席上、カリフォルニア産のオレンジを見せながらいろいろお国自慢の話をしたということが当時新聞で報道されております。さきの繊維交渉のときに、アメリカの異常なまでのゴリ押しの背景にニクソンの選挙公約があったということは、いまでは天下周知の事実であります。ニクソンがいまエバリーやキッシンジャーを日本に差し向けて、いろいろオレンジをはじめとした農産物の自由化を強要している。この裏に、私は、ニクソンの個人的な党利党略がからんでいるということは明らかだと思っております。アメリカがこういうきたない動機からオレンジ類の自由化を押しつけてきているという問題に対して、政府はき然としてこれをはねつけ、日本の農業を守るという立場に立たなければならないと思います。  さらに、問題を変えますが、国内の大企業の動きについて、もう一度三木副総理にお伺いします。  今月二十四日の夕刊でありますが、経団連が自由化を支持する態度を決定したという記事が載っております。これによりますと、経団連が首脳会議を開いて、オレンジなど農産物の自由化を推進することをきめた。そして、関係業者の抵抗を押えてもこれを実現すべきだという強い方針をきめた。それだけではなくて、経団連は意見書を書いて、これを政府に提出するということをきめたそうであります。経団連からこの意見書がすでに届いているかどうか、三木副総理にお答え願いたい。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○三木国務大臣 経団連に限らず、各種の団体から政治的見解を述べることはあると思います。また経団連の、御指摘のような趣旨の意見書は、農林大臣の手元に届いておるようでございます。しかし、農産物の自由化というものは、それは経団連がきめるわけではないわけです。農民の生活に重大な影響があるものでありますから、こういう問題に対しては、責任を持っておる政府がきめなければならぬ。いろいろと各種の団体の意見は参考にはいたしますけれども、政策を決定するものはあくまで政府である。これはそのように御理解を願いたい。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 このたびの円問題を引き起こした最大の原因が、働く者を犠牲にした大企業中心の歴代の自民党の政治であったということは、衆議院本会議におけるわが党の紺野議員の発言、あるいは当予算委員会における津川委員の質問できびしく指摘されたとおりであります。その意味では、わが国の大企業は、このたびの円問題について直接責任を負わなければならない立場にあります。一方、この問題について、わが国の農民が何の責任もなかったということは明らかであります。いま、日本の大企業の総本山といわれている経団連が、自分たちで解決すべき問題をほったらかして、農産物の自由化を政府に要求するということは言語道断だと私は思います。この新聞報道によりますと、これは農産物の自由化を要求しただけではなくて、たとえば電算機などの自由化も要求したという記事が出ております。それから数日もたたないうちに、通産省ではこれと同じ方向がきめられたと報道されておりますが、事実でしょうか。通産大臣にお伺いしたい。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 事実でありません。経団連からそういう意見書は来ておりますけれども、私が、ICやコンピューターの自由化の問題を、聖域ではもはやない、考えなければならぬと言ってきておるのは、アメリカが一〇%のドル引き下げをやってから私が言い出しているので、その影響を受けて経団連は言い出したのじゃないかと思います。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 三木副総理も中曽根通産大臣も、さすがに、経団連意見書に従って政策を決定する、あるいは決定したとは言いませんでした。しかし、一つだけはっきりしていることは、経団連の意見書と全く時を同じくして、通産省の態度変更が報道されていることであります。  そこでいま、農産物の自由化をめぐって二つの道が対立し、田中内閣はその選択を迫られているわけであります。一つは、アメリカや日本の大企業が要求している農産物自由化の方向であります。これが日本の農民を苦しみのどん底に追い込むものであるということは、おそらく田中内閣も否定できないだろうと思います。もう一つは、すべての農民、すべての働く人が希望している農産物の自由化に反対する道であります。これこそが、日本の農業を自主的、民主的、総合的に発展させることのできるただ一つの道だということは、いま中川委員から指摘されたとおりであります。アメリカの大資本や日本の大企業が要求している農産物自由化の道を選ぶのか、それとも、日本の農民がこぞって要求している農産物自由化反対の道を選ぶのか、選択は二つの中の一つです。三木副総理はどちらの道を選ばれますか。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○三木国務大臣 今日の国際経済、これはやはり、大きな流れとしては自由化促進ということだと思います。日本は自由貿易を主張する立場にあるわけですから、通商国家として自由貿易の主張に立つのでありますから、できるだけ自由化を促進するという立場に日本はあると思いますが、しかし、それとてもやはり、政府が国民の生活に対して、これを守っていかなければならぬ責任があるわけでありますから、大きな潮流としてはそうであっても、個々の具体的問題の決定というものは、日本の国益を踏まえて決定をさるべきもので、経団連とか、アメリカとか、それが言ったから日本がそのとおりやるというものではありません。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 農産物についてはどうですか。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○三木国務大臣 農産物についてもそうであります。日本の立場に立って、これは農民の生活に重大な影響を与えるものでありますから、どこが言ったからというのでなくして、農民の生活に対して責任を持つものは政府でありますから、その責任ある立場に立って個々の問題に対しては政策を決定すべきものであって、人から言われたからとか、そういう無責任なものでは政府の立場はないということでございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 二つの道のどちらを選ぶかという問題で、どちらか明快な答えを期待していたのですが、残念ながら答えは得られませんでした。  大蔵大臣はどうでしょうか。どちらの道を選びますか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○愛知国務大臣 いま三木副総理からお答えをしたような考え方が政府の考え方であって、これは右か左か、イエスかノーかというものではなくて、私は、適切な方途がほかにあり得る、そう考えております。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 日本の農民に対して直接責任を負わなければならない櫻内農林大臣から、あなたは二つの道のどちらを選ぶのか、明確にお答え願いたいと思います。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 三木副総理、愛知大蔵大臣がお答えしたところで尽きておると思うのであります。しかしながら、私は農林行政の責任者でありまするから、自由化問題につきましては、そのよって来るところの影響、これを明白にいたし、また、相手のある問題でございまして、それは現在の段階ではアメリカということになりますが、アメリカに対しまして、日本農村の実情であるとか、あるいは自由化の困難性であるとか、そのことを、あらゆる手段であらゆる機会にるる訴えまして、ただいま御質問のありましたような二者択一ではございませんが、私としては、日本農村のために、自由化については基本的には反対であるという立場をとっておるわけであります。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 残念ながら、担当の農林大臣からも明確な答えは得られませんでした。  もう一ぺん農林大臣にお聞きします。あなたは、残された農産物の輸入自由化に断固として反対するということは、この席で述べられませんか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 基本的には断固反対であるということは、繰り返し繰り返し申し上げておるところでございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 三人の大臣が、それぞれ練達した政治家らしく、いろいろなことを述べられました。しかし、だれ一人農産物の自由化をしないという発言をした人はおりません。日本の農民がこの状況を知ったら、おそらく憤慨するだろうと思います。  そこで、櫻内農林大臣にお聞きしますが、あなたはいままで、いろいろな機会に、農産物の自由化はしないということを発言し、国民にまたそう思い込ませてきた事実はありませんか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 それはお答えするまでもなく、この委員会の席上を通じましても、現在農林担当の責任者としては反対である。基本的に反対であって、そのことを訴え続けておるのである。そしてまた、皆さま方にもひとつ御協力をお願いしたい。何とかしてこの反対というものを貫きたいと思うのでありまするが、しかし、先ほども三木副総理が言われましたように、大きな自由化の方向というものがございます。その中で、ただ私が担当であるがために反対をしておるということではいけないのでありまして、したがって、私としては、一つ一つの問題を取り上げて、その自由化の影響するところ、むずかしいところを克明に訴えておるという次第でございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 さっき中川委員が読み上げました西日本新聞の別の部分を私は読み上げてみます。よく聞いてください。これはあなたの発言として出ていることばです。「円を切り上げたうえに、なぜ、農産物の自由化をやらなければならないのか。日米間の貿易の不均衡是正は円を実勢レートで切り上げれば、それで十分だ。オレンジ、果汁、牛肉はもちろん、農水産物の残存輸入制限品目のすべてについて、自由化は考えていない。」これはあなたの真意ですか。真意ではありませんか。どちらか答えてください。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 これも繰り返し繰り返し申し上げておるとおり、農林大臣の職責にある私としての基本的な態度はそういうことであるということを申し上げておりまするが、私はその新聞を読んでおりませんので、その前後にどういうふうに書かれておるか。その部分だけはそういうふうにとられるような発言を私はしたと思っております。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 そうすると、あなたは農林大臣として、現在でも、農水産物の残存輸入制限品のすべてについて自由化は考えでいないという気持ちですか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 これも、この委員会を通じてはっきり申し上げておりまするが、閣議の席上で、貿易の自由化全般としての検討をせよと言われた事実があって、その検討はできないということは、それは言えないことでありまするから、検討はしております。しかし、見通しはといえば、なかなか自由化はできない見通しですというふうに申し上げておりまして、現に検討しておるという事実のあることだけは、この際申し上げておきます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 同じ新聞の他の関連部分を読み上げてみます。あなたの真意かどうかを確かめますからよく聞いてください。「農相 オレンジを自由化したら、国内のミカン農家は大打撃を受ける。総合農政が根底からくずれる。季節自由化(四月−十月)すら考える余地はない。ミカンは豊作でいま、農家は大打撃を受けている。そんなときに自由化すれば農民は農政に失望し、大きな怒りを招く。」と書いてありますが、あなたの真意どおりですか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 先ほどから申し上げておりますように、直接、間接を問わず、一方において緊急対策をとっておる際に、オレンジやまたジュースの自由化をいたしますならば、それがミカン生産農家に非常に大きな打撃を与えるということは明白に申しております。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 ミカン生産農民に対する打撃の問題と関連して、さっき局長から七十三万人という数字が出たんですが、これは、農産物の自由化によって七十三万人が、いまの農業から離れざるを得なくなるという意味ですか。結論だけお聞きします。

内村良英農林省農林経済局長

○内村(良)政府委員 七十三万人の中高年層の農家の人が、何らかの意味で雇用上影響を受けるというわけでございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 雇用上影響を受けるというのは、もっと私たちのわかりやすいことばで言えば、いまは農業をしているけれども、農業をされなくなるという意味ですか。

内村良英農林省農林経済局長

○内村(良)政府委員 それらの農家の方々は、残存輸入制限の対象になっております農産物以外の農業もやっておるわけでございます。したがいまして、それらの人々が全部農業から離れるという性質の数字ではございません。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 そうすると、少なくともいまやっている農業はやれなくなる、この人が七十三万人だという意味になりますか。

内村良英農林省農林経済局長

○内村(良)政府委員 残存輸入制限の対象となっている二十の農産物、その二十の農産物の農作業が影響を受けるというわけでございまして、たとえば、その農家が米をやっておる、それ以外にコンニャクもつくっておるという場合に、そのコンニャクの面の影響がそれだけ出るということでございまして、その人たちが農業自体を、すなわち稲作を断念する、そういったような関係の数字にはなってこないわけでございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 櫻内農林大臣にもう一ぺん聞きますが、あなたの発言を聞いていますと、農林大臣としては残存農産物の輸入自由化はしたくない、しかし、自分も田中内閣の一員だから、田中内閣全体がそうなるかどうかというのは自分としてはなかなかむずかしい、こういう意味になりますか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 内閣がどういうふうに判断をするか、これは別問題だと思います。しかし私は、担当者といたしましては、あらゆる努力を続けて、そして、でき得るならばこのまま農産物の自由化はできないように貫徹をいたしたいという、そのことでもう非常なる執心を持って努力しておるということだけは間違いないのであります。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 田中総理は、施政方針演説の中で、国内対策を講じながら農産物の自由化を進めたいという発言をしておりますが、これはいままでのあなたの発言と同じ内容ですか、違いますか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 先ほど、私、正直に申し上げまして、この貿易自由化について、国内対策があるかないかいろいろ検討してみろと言われて、検討しておる事実を申し上げたのでありますが、ただ、見通しとしては、そういうことをやりても農産物自由化については困難であるということを繰り返し申し上げておるので、この点で御了承いただきたいと思うのです。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 田中総理は、国内対策を講じながら自由化を進めたいと言っているけれども、実際には、残存農産物については、ほとんど国内対策を講ずる余地がない、こういう意味ですか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 それは、現に検討しておる際に、ここで検討しているのに、先ばしって結論を言うのはどうかと思うので、私としては、見通しは困難であるということを付言しておるわけであります。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 田中総理の施政方針演説の中では、「国内には自由化にたえられない分野がある」という表現が出てきます。いま農産物自由化の焦点になっておるのはオレンジ、果汁類ですが、このオレンジの影響というものを考えた場合、日本のミカン類は自由化に耐えられる分野に当たりましょうか、耐えられない分野に当たりましょうか、農林大臣、どちらですか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 現在の状況では、非常に大きな影響を受けるということは言うまでもないことだと思います。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 もう少し明確にお答え願いたいのですが、田中総理のことばをかりますと、自由化に耐えられない分野に当たると聞いていいでしょうか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 この自由化に耐えられないかどうか、これも、現に一方においてはいろいろ検討しておるというときに耐えられませんと言うと、そこに矛盾が出ますから、見通しとしてはきわめて困難であるということで御了承いただきたいのであります。  私は、繰り返し申し上げますが、ほんとうに真剣に、この農産物の自由化の困難であるということでたゆまざる努力を続けておるということだけは、前提としてひとつ置いていただきたいと思います。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 そうすると、櫻内さんとしては、田中内閣全体に、農産物は絶対に自由化をすべきではないのだという働きかけは、現在までしてこられましたか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 私はもとよりのこと、現在、与党である自由民主党の農林関係者も心を一にして、農産物自由化はむずかしいということを申し述べておる次第でございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 私は、二年前の参議院選挙のことを思い起こしながらいまの質問を続けているのですが、グレープフルーツについて、当時の佐藤内閣は、自由化をしない、しないと繰り返しておりました。農民は、まさかグレープフルーツの自由化はなかろうというふうに思っておったようであります。ところが、参議院選挙が済んだ三日後にグレープフルーツの自由化が決定されました。現在も、櫻内農林大臣を先頭にして、オレンジ類の自由化はしないということを宣伝しているように思います。(「ほんとうにしないのだ」と呼ぶ者あり)いま自民党の議員さんのほうから、ほんとうにしないのだという発言がありましたが、どういうことがあろうとも、事オレンジに関する限り自由化はしないのだと、この席で約束できますか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 農林大臣の私としては、その姿勢で一貫いたしたい、こういうことであります。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 あなたは、農林大臣としてという頭書きを必ずつけられます。だとすれば、あなたは、もしあなたの意に反してオレンジが自由化されるというような場合には、もう農林大臣の席にはとどまらないというくらいの決意を持っておられますか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 私は、もうほんとうに口がすっぱくなりました。この地位にある上におきましては、あくまでも、ミカン生産農家の立場を考えて、何としてもこの自由化を阻止するのがいま与えられておる任務である、そのことに徹しておるわけでございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 私も口がすっぱくなるくらい質問するのですが、これには理由があるのです。グレープフルーツの前例があるからです。あなたは、日本の農民が、絶対にオレンジの自由化はしちやいかぬのだと言って、いろいろな集会なんかを行なわれていることは御存じだと思います。あなたが参加している田中内閣がもしオレンジ類の自由化を決定しましたら、日本の農民に対してあなたはどういう責任をとってくれますか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 私は、そういう割り切った簡単な答えをすべき問題ではないと思うのですね。それは、私がもう口がすっぱくなっても答えているくらいなこの努力を、あらゆる機会を通じて続けておらなければ、それはとんでもない結果が出るおそれが出てくるのでありまして、いまここで、右か左か、イエスかノーかというようなことでいきますよりも、私がそういう責任感に徹しておるということ、これが一番いまのミカン生産農家の方々のためになることだと信じております。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 あなたがそこまでの決意を持っておられるのなら、それを田中内閣全体の方針にしていただきたいと思います。あなたはおそらく努力されるでしょう。  ところで、三木副総理は、この問題に対してどうお考えですか。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○三木国務大臣 非常にお疑いを持った御質問ですが、しかし、農家の了解といいますか、そういうものがないと、いま残っておる残存輸入制限の品目というものは、突然にというような簡単なものではない。したがって、そんなに抜き打ち的にこういうものをやるという考え方ではないということを申し上げておきたい。ことに、いま、あれだけのいろいろな農政に対しての責任を持っておる農林大臣の見解等もあるわけですから、そんなにグレープフルーツの例をおとりになっても、突如として残存輸入制限の中にある農産物に対して自由化をするというようなことには至りません。この問題は、きわめて慎重な態度を政府に要求される課題であると思います。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 いま、エバリーが当面要求してきたのは、オレンジ、果汁、牛肉だといわれております。この三つの品目についてくらい、閣議の決定として、自由化はしないのだということをきめることはできませんでしょうか。三木さんにもう一回お伺いします。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○三木国務大臣 これは、こういう自由貿易という大きな見地から、自由化を促進してくれということは、単にエバリー氏に限らず、ヨーロッパにおいても、日本に対してそういう声があり得ると思います。しかし、個々の問題についていろいろ具体的にということは、私も承知しておりませんが、いま言ったように、この問題を決定するものは日本政府である。それは、これだけの農家に対しての責任を持っておる政府が、よそから言われたからといって、そんな簡単な問題ではないということです。そういう点で、政府が何か非常に抜き打ち的にこういう問題をやるのではないかという疑惑がおありになるとするならば、その疑惑というものは、どうぞそういうふうには考えないでいただきたい。これは責任を持っておる政府としては、残存輸入制限の中を自由化したら大問題でしょう。そんなに軽率な決定を政府はするものではない。この政府の態度は、やはり皆さんも御理解願いたいと思います。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 私は、軽率か慎重かを問題にしているのではないのです。少なくともいまあげた三つの品目について、農林大臣もあのくらいいやだと言っているんだから、閣議でそれはしないということをきめられないのかと聞いているのです。それに対してはお答えがありません。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○三木国務大臣 農政を担当しておる農林大臣の意見というものは、閣議においても十分に尊重さるべきものである、こう考えております。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 あなたはそう言われますが、田中総理は、オレンジなどの自由化を促進するように指示したというのですよ。  そこで、もう一ぺん櫻内農林大臣にお聞きします。あなたは、本会議でのわが党の紺野議員の質問に対して、外国から安い農産物が入ってきても、価格支持制度があるから大したことはないのだという意味のことを言っておられますが、外国の農産物の輸入に対する一番大きな防衛措置というのは、価格支持制度だというふうに理解されておりますか。これはいろいろあると思いますが、その中で中心的なのは価格支持制度だというお立場でしょうか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 価格支持制度もございますし、また、国境保護措置というようなものもございます。しかし、お尋ねの価格支持制度、これが主となるかといえば、現在、主要農産物に対して七割は価格支持制度をとっておるということでおわかりのように、最も大事な施策の一つだと思います。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 七割の農産物に対してとられている価格支持制度というのは、私から見れば、ほんとうの価格政策ではありません。私たちは、再生産ができるような価格保障制度、少なくとも米並みの労働報酬が保障されるような価格制度というものでないとだめだと思っております。  しかし、それは別としまして、当面の焦点になっているのはミカン類です。わが国のミカン類について、あなたが言われた不十分な価格制度さえほとんどとられていないと思いますが、いかがでしょうか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 ミカンだけを取り上げて申し上げますと、温州ミカンでも多種多様であるということは、これはお認めいただけると思うのです。それからまた、鮮度等の問題がございまするので、果実の場合におきましては、果実そのものに対する価格支持制度は現在いずれもとっておりません。それで、今回ミカンの価格支持制度を間接的に拡大をしていこうということから、従来ジュースだけをやっておりましたのを、かん詰めにも拡大をいたしていく。また、こうやって加工面でやっていくという上におきましては、それに応ずる体制が整わなければなりませんから、そこで、四十八年度の予算の中におきましては、ジュース工場をふやしていくような予算も計上いたしまして、このミカンに対する間接的な価格支持制度を拡充していく方向をとっておるわけでございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 残存農産物の輸入自由化がどんなに大きな打撃を与えるかということは、内村局長の発言を聞いても明らかです。また、日本の農民がこのことをどのくらいおそれているかということは、政府当局も御承知のとおりだと思います。いま私は、農産物輸入自由化をめぐって二つの道がある、アメリカと日本の大企業の推し進めている道を選ぶのか、それとも、日本農民の生活を守る道を選ぶのかということを指摘したわけですが、この点で、日本の農業の自主的な発展を保っていくという立場から政治を進めていただくことを期待しながら、私の関連質問を終わります。

根本龍太郎自由民主党

○根本委員長 中川君。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 続けて質問をいたします。  先ほどの私の質疑の中でも、大豆、麦、飼料など、国民生活に直接影響する農産物の自給がきわめて低く、しかもその率が急に低くなっており、また、そのために国民が物価高で苦しみ、農民も苦しんでいることが明白になり悪し、いまの諫山委員の質問でも、農産物の自給率を低くしているものとして、アメリカへの隷属と大資本による破壊があげられたことも、もう明々白々となりました。  そこで、私たち共産党・革新共同の提案を交えながら質問をいたしますが、答えはひとつ簡単にしていただきたいと思います。  その一つは、土地利用の問題でありますが、ここでは飼料を一つ例にとりますと、その自給度を高め、畜産を安定させ、畜産農民を守るために、利用されないでいる土地を利用するということ、このことです。稲作の休耕で、四十六年度だけでも三十万ヘクタール近くの豊かな土地が遊んでいます。これに飼料用として麦や大豆を植えつけたらどうでしょう。一ヘクタール当たり三トンとれるといたしましても、九十万トンの麦や大豆が生産されるんです。裏作ができるのに裏作されずにいる田畑が、現在、農林省が持っている資料からいたしましても約五十万ヘクタールあることになっています。一ヘクタール三トンの麦と大豆をつくりましてもそれでいけば百五十万トンになるんですよ。もっとあります。ゴルフ場としてつぶされたり、つぶされようとしている土地がたくさんあります。十五度以下の傾斜地もあるでしょう。こうした土地を遊ばせておきながら、大量の農産物を輸入しているのが政府ではありませんか。  そこでお聞きしたいことは、こうした土地を利用して、麦や大豆などの自給率を思い切って上げてみませんか。これはほんとうに一例です。簡単でいいから一言で答えていただきたいと思います。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 簡単にお答えいたします。  お考え方の方向については、私も賛成であります。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 その他価格保障の問題もありますが、断わっておきますが、私たちは、ただ単なる民族的な立場から自由化反対だと言っているのじゃないのです。いまの貿易構造そのものから、これはおかしい、たいへんなことになる、このことが今日の農民の苦しみだ、そういう立場で申し上げているのですから、誤解なさらないでくださいよ。  そこで、価格保障の問題もありますが、二十三分までが私の時間でありますので、これも非常に大事なことでありますが、一応最後の問題を申し上げるわけであります。  私たち共産党・革新共同が、アメリカに従属しない農業の自給問題を重視する理由。これはなぜかと申しますと、それは鉱工業や農業など、日本経済全体のつり合いのとれた発展にとって最も大事だと思うからです。また、いま見られるように、貿易の一方的な片寄りがどんなに国民に深刻な危険を及ぼすものであるかという、そういう心配があるからです。そうして、このことが真に日本民族の独立にかない、また、過疎と環境破壊から国土を保全するという今日的課題に対するたった一つの回答がそこにあるからです。大臣は、こうした問題、このような立場で発展させなければいけないのだという私のこの考え方についてどう思いますか。これを支持しますか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 農業が、国民に安定的な食糧を供給する大きな役割りを持っておりますとともに、自然環境保護、国土保全の上にも寄与しておるということから考えまするときに、これからの農業のあり方というものを、私としては、国民がいま以上に重視してもらいたい。また、私もそういう立場で農政を推進したいと思う次第でございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 こういう立場から日本農業を守っていく、そういうことになりますと、あなたの御答弁にもかかわらず、いまの自民党農政を根本的に転換しない限り、私が先ほど述べたような事態にはならないでしょう。このことについて御答弁いただきたいと思います。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 二間ほどは歩調がちょっと合いましたが、自由民主党について言われたのでありまするが、私は、その党の政調会長もやっておった立場から申し上げますると、現在とっておりますところの基盤整備事業、構造改善事業、価格安定制度、そうしてそれらに総合されておるところの、自由民主党を中心とする農政に大きな間違いはないという立場に立っております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 あなたは現実を見てください。私は委員長と同じ秋田ですけれども、秋田の出かせぎ地帯、過疎地帯にどれだけひどいことが起こっているか。あなた、一回私と一緒に行きませんか。もうたいへんです。農民の自殺、あれこれ言えば切りがないわけですが、年々低下する農業所得とか、そういう理屈を言うよりも何よりも、眼で、目で見てください。このことを私は申し上げたいと思います。  そこで、まだ四分ばかり質問の時間があるわけですが、まだ時間がありますから最後に言いますが、裏作もしないでいる田や畑がどんなにあっても、いま農民は、麦も大豆も何も植えつけていません。政府は稲作からの転換の主要作物の一つとして大豆をすすめてきたけれども、農民はそっぽを向いているのです。というのは、稲作では、十アール当たり五百キロあげれば七万五千円になるけれども、大豆では五俵あげて約三万円、麦ではたったの一万三千円にしかなりません。これでは、田や畑を捨てて出かせぎや賃労働に行くのはあたりまえですよ。せめて稲作に匹敵するくらいの収入になるように、麦や大豆の価格を保障することによって、日本の食糧は日本農民の手で確保する。そうすれば、外国農産物のむちゃくちゃないまのような輸入をしないでも済むことになるわけですよ。どうですか、あなた、この道を歩いてみませんか。これも簡単に申し述べてください。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 これは財政全般との関係になってきまするから、おっしゃっておることは私はわかりまするが、しかし、そう簡単に結論の出る問題ではないと思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 簡単なものではないということで、何十年も農民を投げてきたのです。選択的拡大だと、口ではいいことを言いますけれども、その中で今日の状態を生み出しているでしょう。  そこで私は、最後のまとめとして申し上げますが、私たち共産党・革新共同としては、アメリカに従属しない農業を民主的に育て、国民に安定して主食を提供すること、そのためには、主食を生産する農民の生活と生産が維持できるように価格を保障することを主張するわけです。耕地の足りない農民には、未墾地、未利用地、国有林、大山林地主の土地、これを解放することですよ。国や地方自治体の大幅な負担で、機械化や土地基盤整備を進めることです。そして農村地域の生活を守る。そういうことなどを主張していることを、わが共産党・革新共同は皆さん方に主張いたしまして、ちょうど時間でありますから、私の質問を終わらせていただきます。

根本龍太郎自由民主党

○根本委員長 これにて中川君の質疑は終了いたしました。  次回は、明三月一日午前十時より開会いたします。  本日は、これにて散会いたします。    午後五時二十一分散会

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