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71回国会衆議院1973/06/29

本会議 第48号

発言数
64
登壇者
18
会派数
6
開催日
1973/06/29

会議録

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) これより会議を開きます。      ————◇—————  漁港審議会委員任命につき同意を求めるの件  運輸審議会委員任命につき同意を求めるの件  電波監理審議会委員任命につき同意を求めるの件  労働保険審査会委員任命につき同意を求めるの件

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) おはかりいたします。  内閣から、漁港審議会委員に上杉武雄君を、運輸審議会委員に吉田善次郎君を、電波監理審議会委員に市原昌三郎君及び田中久兵衛君を、労働保険審査会委員に三浦義男君を任命したいので、それぞれ本院の同意を得たいとの申し出があります。  まず、漁港審議会委員及び労働保険審査会委員の任命について申し出のとおり同意を与えるに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 御異議なしと認めます。よって、いずれも同意を与えるに決しました。  次に、運輸審議会委員及び電波監理審議会委員の任命について申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 起立多数。よって、いずれも同意を与えるに決しました。      ————◇—————  日程第一 自然公園法及び自然環境保全法の一部を改正する法律案(内閣提出)

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 日程第一、自然公園法及び自然環境保全法の一部を改正する法律案を議題といたします。

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 委員長の報告を求めます。公害対策並びに環境保全特別委員長佐野憲治君。     —————————————   〔報告書は本号末尾に掲載〕     —————————————   〔佐野憲治君登壇〕

佐野憲治日本社会党

○佐野憲治君 ただいま議題となりました自然公園法及び自然環境保全法の一部を改正する法律案につきまして、公害対策並びに環境保全特別委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案は、ゴルフ場の建設等各種開発行為による自然環境の破壊が進行している現状にかんがみ、国立公園等の普通地域または自然環境保全地域の普通地区における行為の規制を強化しようとするもので、その要旨を申し上げますと、  まず第一に、国立公園または国定公園の普通地域において、土地の形状の変更、海面以外の水面の埋立て等の行為を、届け出を要する行為として追加すること。  第二に、国立公園もしくは国定公園の普通地域または自然環境保全地域の普通地区において、行為の届け出をした者は、その届け出をした日から起算して原則として三十日を経過したあとでなければ、当該届け出に係る行為に着手してはならないものとすること。等であります。  本案は、去る五月九日本特別委員会に付託され、五月十一日政府から提案理由の説明を聴取し、自来、慎重に審議を行ない、六月二十八日質疑を終了し、採決の結果、原案のとおり可決すべきものと決した次第でございます。  なお、本案に対しましては、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の共同提案に係る附帯決議を付することに決しました。  以上、御報告を申し上げます。(拍手)

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 採決いたします。  本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  日程第二 畑作物共済及び園芸施設共済に関する臨時措置法案(内閣提出)

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 日程第二、畑作物共済及び園芸施設共済に関する臨時措置法案を議題といたします。

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 委員長の報告を求めます。農林水産委員長佐々木義武君。   〔報告書は本号末尾に掲載〕     —————————————   〔佐々木義武君登壇〕     —————————————

佐々木義武自由民主党

○佐々木義武君 ただいま議題となりました畑作物共済及び園芸施設共済に関する臨時措置法案につきまして、農林水産委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案は、畑作農業及び施設園芸の推移等にかんがみ、農業者が畑作物の栽培及び施設園芸に関し、災害によって受けることのある損失を適切にてん補する制度の確立に資するため、畑作物共済事業及び園芸施設共済事業を試験的に実施することとし、これに関する所要の措置を定めようとするものであります。  本委員会におきましては、六月二十日政府から提案理由の説明を聴取した後、参考人から意見を聴取する等慎重に審査を行ない、六月二十八日質疑を終了、直ちに採決いたしましたところ、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。  なお、本案に対し、附帯決議を付することに決しました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 採決いたします。  本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  日程第三 国立学校設置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 日程第三、国立学校設置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 委員長の報告を求めます。文教委員長田中正巳君。     —————————————   〔報告書は本号末尾に掲載〕     —————————————   〔田中正巳君登壇〕

田中正巳自由民主党

○田中正巳君 ただいま議題となりました法律案について、文教委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  本案は、大別すると、筑波大学以外の国立大学の新設、学部の設置その他国立学校の整備充実及び大学の自主的改革の推進に資するため必要な措置並びに新構想に基づく筑波大学の部分より形成されております。  まず、筑波大学以外の国立大学の設置等の要旨を申し上げます。  第一は、旭川医科大学を設置し、山形大学及び愛媛大学に医学部を置くこと。  第二は、埼玉大学及び滋賀大学に大学院を置くこと。  第三は、東北大学に東北大学医療技術短期大学部を併設すること。  第四は、東京医科歯科大学に難治疾患研究所を、名古屋大学に水圏科学研究所をそれぞれ付置するとともに、千葉大学の腐敗研究所の名称を生物活性研究所に改めること。  第五は、国立久里浜養護学校を設置すること。  第六は、国立大学共同利用機関として、国立極地研究所を設置すること。であります。  次に、大学の自主的改革の推進に資するために行なう学校教育法に係る必要な改善措置の要旨を申し上げます。  第一は、大学に当該大学の教育研究上の目的を達成するため有益かつ適切である場合においては、学部以外の教育研究上の基本となる組織を置くことができること。  第二は、医学または歯学の学部において医学または歯学を履修する課程については、専門課程と進学課程とに分けないことができること。  第三は、大学に副学長を置くことができることとし、副学長は学長の職務を助けるものとすること。であります。  次に、新構想に基づく大学として設置する筑波大学の要旨を申し上げます。  第一は、同大学に大学院を置くこと。  第二は、筑波大学に学部以外の教育研究上の基本組織として学群及び学系を置き、教育組織としての学群には、第一学群、第二学群及び第三学群並びに医学、体育及び芸術の各専門学群を置き、第一学群、第二学群及び第三学群には、それぞれ数個の学類を置くこととしており、また、これらの学群の教育に当たる教員の研究上の組織として専門分野に応じて編成する学系を置くこと。  第三は、筑波大学に参与会、評議会及び人事委員会を置き、これらの組織及び権限等について定めること。  第四に、筑波大学の設置に伴う東京教育大学の取り扱いについて定めること。であります。  次に、副学長制度の新設等に伴う教育公務員特例法に係る改正の要旨を申し上げます。  第一は、副学長の任免等について定めること。  第二は、協議会を廃止し、協議会の権限を評議会の権限とすること。  第三は、筑波大学の教員の任用等について定めること。等であります。  なお、附則において、筑波大学は昭和四十八年十月一日に開学し、以後年次計画をもって整備を進めることとし、かつ、同校の母体である東京教育大学は昭和五十三年三月三十一日まで存続することにしております。  その他、所要の規定を整備しております。  なお、本案の施行期日等について、三月二十八日内閣修正が行なわれました。  さて、本案は、去る二月十七日内閣から提出され、三月二十九日本会議において趣旨の説明が行なわれ、同日当委員会に付託、四月二十五日政府より提案理由の説明を聴取いたしました。  次いで、五月九日から本案に対する質疑に入り、六月六日には、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党を代表して長谷川正三君より、本法律案は、国立医科大学または医学部の設置等の第一条部分と大学制度の改革及び筑波大学設置の第二条以下の部分とがあわせ構成されており、これでは法律案の提出方法として不適当であるとともに、審議及び採決に不都合があり、不便である等の理由により、本法律案を撤回し、分離して再提出すべき旨の動議が提出されました。続いて本動議について討論、採決いたしました結果、起立少数をもって本動議は否決されました。(拍手)  次いで、六月十五日には、桐朋学園理事木村正雄君外三名の参考人を、また、六月二十日には茨城県知事岩上二朗君外九名の参考人をそれぞれ招致し、各参考人より本案に対する忌憚のない意見を聴取するなど、きわめて慎重に審議をいたしました。  質疑のおもなものとしては、大学の自治についての文部大臣の基本的見解、東京教育大学の移転を契機として、同大学における新大学のビジョンが決定されるまでの経緯並びに今回の新構想の筑波大学に至るまでの経緯、筑波大学の組織と大学の自治との関係、同大学に教育組織として学群、研究組織として学系を設けることになっているが、従来、教育研究が一体となっている学部組織をこれら両組織に分離する理由、学群・学系の教員会議の性格及び権限と従来の学部教授会のそれとの相違点、副学長、参与会及び人事委員会の仕組み、従来の大学の評議会と筑波大学の評議会との相違点、大学の学長等の任命についてのいわゆる拒否権の有無に対する文部大臣の見解、最初の学長及び副学長の人事に対する文部大臣の見解、国立医科大学、医学部の設置に係る地元の財政負担の問題等でありますが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  かくて、六月二十二日、本案に対し、安里積千代君から修正案が提出され、趣旨説明を行なった後、採決に入り、修正案を否決し、本案は原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。(拍手)  なお、六月二十七日、二十八日の両日にわたり、本案について発言があり、次いで、自由民主党の委員よりは賛成、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の各委員よりは、それぞれ反対の意見表明が行なわれましたことを申し添えておきます。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 討論の通告があります。順次これを許します。木島喜兵衞君。   〔木島喜兵衞君登壇〕

木島喜兵衞日本社会党

○木島喜兵衞君 ようやく本格的な審議に入ったばかりであり、その中ですら多くの問題点が浮き彫りにされ、さらに審議が進むならば一そう多くの矛盾が露呈するであろうことをおそれて、自民党が強行採決をせざるを得なかった本法案に対し、日本社会党を代表して、反対の意見を申し述べます。(拍手)  田中総理が小選挙区制を執拗に提出しようとしたものは、自民党の危機意識に出発していることは、すでに言い古されております。  国民の意識は急激に変革しており、高揚された国民の政治、社会に対する意識は、生活を破壊させつつある政府を批判し、抗議し、抵抗し、その政府・政党から離れるのは当然であります。その国民の意識の変革を、選挙の仕組みによって危機を脱せんとする発想は、一方において国民の思想を権力によって統制せんとする思想と連なり、そのことは、根本において教育の権力支配を意図することとなるでありましょう。(拍手)  教育は、本来、未来を準備するものであります。あすはきょうの延長線上にあるのではなく、新しい価値観が創造されつつ発展するものである限り、その未来の創造をになう人間形成こそ教育の本質でなければなりません。  保守といわれる自民党は、あすをきょうの延長線上に置きたいとするのは当然であり、その背後にある財界もまた、今日の経済成長の延長線上にあすを置きたいでありましょう。そして、そのためには、教育による新しい価値観の創造を好まないのが当然でありますから、本来的に教育の本質と矛盾するだけに、逆に教育を通して国民の思想統制をはかろうとする発想に立たざるを得なくなるのであります。(拍手)いわゆる筑波大学法案はまさにその発想に出発したものであり、なればこそ自民党は、多くの質疑を残し、多くの問題点を残して強行採決をせざるを得なかったのであります。  以下、若干の問題点を指摘したいと思います。  その第一の問題点は、管理運営の方式であります。  筑波大学は、新しい管理制度によって研究、教育を支配し、大学の自治と学問の自由を侵害するものであるという点であります。  学外者を含め得る副学長制や参与会あるいは人事委員会の新設は、大学の管理運営の集権化をはかり、効率化をねらう、いわば大学の合理化政策であります。  いま、産業界のみでなく、日本の社会全体をおおっておる資本の論理、産業社会の合理化、能率化の思想は、人間性を喪失せしめ、著しく人間疎外を生みつつあるとき、人間性を養う教育をその資本の論理によって支配せんとする発想は、まず非難されねばなりません。  と同時に、学外者を管理の中枢に入れる道を開き、教官人事を学部教授会から人事委員会にその権限を移したことは、人事権への管理者の介入であり、管理者の拒否権によって教官の学問、思想、信条の自由が侵害されるおそれが十分にあるのであります。  また、学外者を入れる副学長、学外者のみの参与会は、学長と文部大臣によってのみ任命されるならば、その危険性は一そう拡大するのであります。この危惧は現実の問題として大きな疑いを持たざるを得ないことが起こったのであります。  筑波大学に医学部がつくられますが、その母体である東京教育大学に医学部がなく、専門的な準備ができぬために、国立大学の新設の場合の慣行によって、東京医科歯科大学を中心として五大学医学部がその準備に当たり、この五大学医学部長会に文部省は医療担当副学長の選考を依頼し、その結果、昨年十二月埼玉医科大学の落合学長を推薦することになり、文部省に報告されたのであります。しかるに、今年三月中旬ごろに、東京教育大学福田理学部長が落合学長に、自民党から副学長にA氏を推され困っている、五大学医学部長会できめた副学長人事はたな上げしてほしい、このことは奥野文部大臣も了承していると電話をし、また面会して同趣旨のことを言っているのであります。このことについて、文教委員会は、参考人として出席した福田教授に聞きましたが、それを否定をしました。奥野文部大臣もまた否定をしました。それは当然であって、もし肯定したとするならば、大学の自治は完全に否定されることになり、この法案は、したがって筑波大学は吹っ飛ぶことになるからであります。われわれ野党は、関係者を証人あるいは参考人として招致することを要求しましたが、自民党の強い拒否にあい、野党委員のみで落合教授の証言を求めたのであります。そしてその証言は、その事実を全面的に認められたのであります。落合教授は、医学関係の新構想の中心人物であり、文部省や福田教授と同列の人でありながら、新構想に反対の立場に立つ野党のみの証人として出席したものは、民主的に、専門的にきまった基幹人事まで政府や自民党によって左右されるならば、この大学の出発から自治は失われることに対する怒りからであったのであります。(拍手)  両当事者の一方が否定し、一方が肯定したとき、その証明はきわめて困難であります。しかし否定した人は、否定しなかったらこの法律は成立せず、新構想大学はできないという立場の人であり、肯定した人は、新構想をつくりつつも、大学の自治をより高い次元に考えて肯定したとするならば、そのどちらに信憑性を置くかは明らかでありましょう。もし事実とせば、新構想大学は、大学の自治の否定に始まり、自民党による学問の自由の侵害に始まる自民党の支配大学といわれてもいたし方ないでありましょう。(拍手)  明治以来、大学の自治は、学問の自由は、人事に対する権力の介入の排除により守られ、築かれてきたのであります。その歴史にかんがみ、教育基本法第十条は「教育は、不当な支配に服することなく」、とうたい、自治は教育にとってかけがえのないものとしているとき、管理の集権化による教官人事を通しての教育研究の支配のねらいは断じて許さるべきものではありません。(拍手)  第二の問題点は、研究と教育の分離の問題であります。  今日の大学問題は、大学進学率の上昇からきたる大衆化と同時に、教育水準を維持向上せしむるところの二律背反の両立が中心課題であります。国民の三割が大学に進学するいま、その大衆化は学力の低下のおそれを十分に持っております。だから、大学は学問の精髄をきわめるのでなく、就職の手段として企業の要請にこたえる程度のものであればよく、科学技術の進歩から求められる高い水準の研究者の養成とは分離すべきだとする研究と教育の分離は、学力低下に合わせた低水準に大学を置かんとするものであり、そこでは教育は学問の体系に従って行なわれるものではなく、そしてそのことはもはや大学ではあり得ないのであります。大衆化に対応する人的、物的な条件整備を怠り、大学をあるべき大学から引きおろし、大学教育を崩壊せしめた反省から、いまこそ大衆化に対応した大学への大幅な国家投資こそ必要なとき、その反省もなく安易に研究と教育を分離する構想に強く反対するものであります。  第三の問題点は、筑波大学構想は、あたかもその母体である東京教育大学の自主的な意思決定に基づくもののごとく装いをこらしながら、政府主導型の構想であるということであります。  東京教育大学は、筑波移転に端を発して、予想を越える混乱、混迷の中にあります。新構想は、評議会決定といわれておりますけれども、文学部、教育学部、体育学部は最終決定をしておらず、また、全学教官の四割強の反対の中できめられたものであります。この問題をめぐり、学長不信が五つの学部中四つの学部から出されて以来、大学の最高の意思決定機関たる評議会はいまだ開かれておりません。  かかる中で中教審路線を強行しようとする文部省は、管理者を取り巻く一定の教官と強行したところに、大学の自治の否定に始まる大学の混乱は拡大をしているのであります。制度は……

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 木島君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単にお願いします。

木島喜兵衞日本社会党

○木島喜兵衞君(続) そのささえる人によって規定されます。新構想のにない手は東京教育大学の教官集団であります。この新構想の美辞麗句を前提にしても、その結実は教官集団の一致した努力にまたねばならないでありましょう。現在の教官集団の混乱の中でかりにこの法案が成立しても、その運営の混迷は、たなごころをさすごとく明らかに予想されるものであり、反対せざるを得ないものであります。  以上申し上げましたが、参考人として出席された評論家の村松喬氏は、この法律が成立すれば、筑波大学は教官は造反し、学生は抵抗する、と一言で評されました。  本法案は、大学観の根本にかかわる問題であると同時に、憲法、教育基本法の精神、大学の自治、学問研究の自由等の基本にかかわる重大な問題であるだけに、強く反対の意を表明し、反対の討論といたします。(拍手)

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 塩崎潤君。   〔塩崎潤君登壇〕

塩崎潤自由民主党

○塩崎潤君 私は、自由民主党を代表いたしまして、このたびの国立学校設置法等の一部を改正する法律案に賛成の討論をいたすものであります。(拍手)  「歴史上一国が栄えたとき、そこには世界の先端を行くすぐれた大学があった」、これはかつてカリフォルニア大学の名総長とうたわれた、クラーク・カー氏の名言であります。大学こそは一国の未来の象徴であり、文化の反映にほかならないのであります。(拍手)海外の諸国において、激動する時代の要請にこたえ、激しい大学紛争の試練を生かして大学改革のための真剣な努力が重ねられ、新構想の大学が次々と生み出されている状況を見るとき、この名言を想起せざるを得ないのであります。(拍手)  ひるがえって、わが国大学の現状はどうでありましょうか。大学紛争の反省から燃え上がるかに見えた大学改革の情熱も、あんばかりの薄皮まんじゅうと皮肉られるありさまでありまして、国民が大学教育を不安の念をもって見守り、安んじて子女を託するにためらいを覚える現状はまことに遺憾であります。  このようなときに、東京教育大学を中心とする関係者の多年の努力が新構想に基づく筑波大学として実を結び、その創設が本国会に提案されたことは、暗夜に一筋の光明を見出した思いであり、その実現を強く推進することこそ、国民の期待にこたえるものと確信するものであります。(拍手)  筑波大学の構想は、これまでの本院における長期にわたる審議を通じて、国民の目の前に明らかにされたのであります。それは先進諸国の新大学の経験に学びつつも、単なる模倣に終わることなく、わが国における各方面の大学改革の論議の成果を踏まえ、東京教育大学の伝統と特色を生かして構想されたまことに独創的な新大学であり、国際的にもかねてから識者の注目を集めているところであります。(拍手)  第一に、学群、学系を中心とする柔軟な研究体制、第二に、全学的な意思の形成と実現を適切に行なうための人事委員会等の全学的な審議機関と副学長制の導入、第三に、社会の良識ある声に耳を傾けて開かれた大学にするための参与会の設置等は、いずれも色あせた学部中心の閉鎖的な大学から脱皮し、新しい時代の要請にこたえて、最高水準の教育と研究をになうにふさわしい構想であり、その成果は刮目して待つべきものと考えます。(拍手)  この激動する現代において、かつての中世のギルド的な大学の幻影にいたずらに固執し、古色蒼然たる大学自治の神話を単に伝承するにすぎないことは許されないのであります。(拍手)このようにあまりにも保守的な態度こそ、人類の限りなき未来を直視し、創造的英知を結集して大学革新に取り組もうとする大学人、その他国民全般に失意と幻滅を与えるものといわなければならないのであります。  このすぐれた筑波大学の構想に対し、ひたすらその運営の最悪の場合のみを故意に想定し、おそれがある、心配があると、石橋をたたいて渡らぬような硬直した、しかも憶病な見地からの批判が、日ごろ革新を口にする人々からなされていることはまことに残念しごくであります。(拍手)  さらに、学群、学系に限らず、多様な自主改革の構想を可能にするための大学制度の弾力化や、諸外国の大学ではっとに常識である副学長を、大学の自主的な判断で設置できる職として法律に規定することまで反対されるに至っては、被害妄想とでも考えなければ全く理解できないところであります。(拍手)  また、通常の大学の移転の際にありがちな、大学内の利害の対立や感情のもつれが根底をなしている東京教育大学のささいな内部問題をことさらに過大に扱い、すべて新構想をめぐる対立であるかのように曲解し、これを筑波大学反対の大きな論拠としようとすることは、これこそ東京教育大学の自治に対する介入以外の何ものでもないのであります。(拍手)学内問題の円満な解決を期待し、あたたかく見守ることこそ、大学自治を尊重する良識ある態度というべきではないでしょうか。(拍手)  以上、筑波大学に対する批判は、いずれも誤解または曲解に基づく批判であり、筑波大学の構想の正しい理解の上に立ってその一日も早い実現をここに強く期待するものであります。  次に、本法案は、愛媛、山形両大学に医学部を設置し、旭川医科大学を創設し、国立久里浜養護学校を創設するなど、国民の強い要望にこたえて緊急に国立学校の整備、充実をはかろうとするものであります。これらの学部等については受験生や関係者から一日も早い成立が望まれているのでありますが、今日までこれにこたえることができないことはまことに遺憾であります。(拍手)一部にこれを法案形式の責任とする意見がありますが、新構想とはいえ、国立の大学として設置される筑波大学を、他の大学、学部とともに国立学校設置法に規定することはきわめて自然な取り扱いであります。いなむしろ、すでに二月十七日に提案された本法案について、法案の形式をめぐっていたずらに貴重な審議時間を空費した審議のあり方にこそ、より多くの問題があるといわざるを得ないのであります。(拍手)いずれにせよ、これら受験生や関係者の熱意にこたえるためにも、本法案の一日も早い成立を強く要望するものであります。  これを要するに、このたびの国立学校設置法等の一部を改正する法律案は、その内容が、関係者はもとより広く国民の現代的要請にこたえるものとしてまことに適切なものと確信するものであります。わが国の将来がひとえに大学改革の成否にかかっているといっても過言でないこの重大な歴史の転機にあたって、勇断をもってこれら施策を推進すべきであることを付言して、この法律案に賛意を表し、その一刻も早い成立を希望して、賛成の討論を終わります。(拍手)

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 栗田翠君。   〔栗田翠君登壇〕

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田翠君 私は、日本共産党・革新共同を代表して、国立学校設置法等の一部を改正する法律案に対し、反対討論をいたします。(拍手)  まず最初に、私は、国民の切実な要求である医学部、医大等の設置を定める本法案の第一条部分には賛成であり、大学制度の根本的改悪につながる第二条以下の部分は、国民的合意のないものであるという理由から反対いたします。(拍手)  そのために、野党四党は共同して、第一条部分を切り離すことを提案しましたが、この道理ある分離提案を、自民党は、反対討論すら行なわないまま理不尽にも否決しました。このために、本法案には全体として反対せざるを得ないことはまことに残念なことです。  その上、本法案の持つ問題点が一そう浮き彫りにされつつあった段階で、六月二十二日、当日の審議日程についての与野党の一致した合意をも踏みにじり、突如として自民党の手によって強行採決が行なわれ、正常な審議が妨げられたのです。このように国民の付託にこたえる審議ができなくなったことに対して、私は心からの怒りを押えることができません。(拍手)  反対理由の第一は、本法案が、大学の自治を破壊し、国民の求める大学の民主的改革への道を閉ざすものであることです。  いま国民が大学改革に求めていることは何でしょうか。それは、大学が日本の学術の中心として、広い教養と高い学識を身につけた日本の未来をになう青年を生み出すことです。そしてまた、大学での学問的成果を生かし、国民全体の幸福と社会進歩に貢献し得るものとなることであります。(拍手)こうした大学を築き上げるためには、何よりも学園から暴力を一掃し、教職員、学生などの大学のすべての構成員の権利を認め、同世代の四人に一人以上の青年が大学に進学する現状に見合って、大学における教育面を重視し、これを改善、充実することがまず何よりも必要です。  そのためには、予算と定員を大幅にふやし、教育、研究条件を充実し、国公私立大学問の格差をなくすことが強く求められています。(拍手)全国の大学は、このような方向を目ざし、懸命に努力を始めています。これを励まし、援助することこそ政府の責務であります。  ところが、筑波大学法案は、全く正反対に、大学自治の基本組織である学部を解体し、教員の権利を奪い、教員は教育、研究の専門家でありながら、教育、研究の専門的事項についてみずからきめる権限を持たなくされています。筑波大学では、いままで教育、研究、大学管理の主体であった教員が、管理されるものに転落し、教育、研究に責任を持てないものになってしまいます。これは大問題であります。その上、学長と、必ずしも教員でない副学長を含む中枢管理機関を強化し、さらに文部大臣が任命する学外者からなる参与会をこれと結びつけて、大学の管理運営の権限を集中し、政府、財界の大学への介入の道を開こうとしています。  ここに端的に示されているように、筑波大学法案のねらいが、戦前からの幾多の犠牲と努力によってかちとられてきた学問の自由、大学の自治を制度的に破壊していくものであり、憲法、教育基本法の精神を踏みにじるものであることは明らかであります。(拍手)これは戦後、自民党政府が幾たびか試み、国民の大きな反撃の前になし得なかった悪名高き大学管理統制法を、形を変えて成立させようとするものであり、まさにこうかつな立法技術によって国民の目を欺く行為にほかなりません。(拍手)私は、このような策謀に断固として反対いたします。(拍手)  反対の第二の理由は、東京教育大学の移転を契機に、同大学の練り上げられた改革案を法案化したと政府、文部省は繰り返し言っているにもかかわらず、これが事実と異なる詭弁であり、かえって東京教育大学の意思が踏みにじられているという点であります。  このことは、文教委員会における東京教育大学関係者の参考人のうち、筑波移転の積極的な推進者さえもが、われわれの主体的に積み上げた案がどういう手段、方法によって実現できるかについて、はなはだ不安を感ぜざるを得ないと、その不安を率直に述べざるを得なかった事実一つを見ても明らかなところであります。  東京教育大学のごく一部の者によって強引にまとめられた筑波新大学基本計画案さえ、文部省の一機関である創設準備会によって大きく変更され、ますます東京教育大学の総意とは似ても似つかぬものとなっており、政府の宣伝は虚構にすぎないことが明らかになっております。(拍手)  このような政府、文部省の態度こそ、今日、東京教育大学に一そうの混乱と対立を持ち込み、学長不信任を契機とする評議会の不正常な状態を引き起こしている最大の原因なのであります。これこそ筑波大学法がもたらす、政府の大学への介入の具体的な姿として見過ごすことができないところです。  反対の第三は、筑波大学が聞かれた大学などという政府の宣伝とは全くうらはらに、国民には固く閉ざされた大学であるということであります。筑波方式が全大学に波及拡大する点からいっても、関係者の中に、賛否はともかく、さまざまな意見があります。日本学術会議、国立大学協会、各大学関係者などにおいて、反対声明、一批判的声明、控え目な不安、疑問があるのは当然なことであります。  ところが、奥野文部大臣をはじめ文部当局は、これらの意見に対し、他大学にけちをつけるならよく勉強してからにせよとか、堂々たる大学は反対などしない、反対しているのは劣等感のある大学だなどと、文教の府にあるまじき暴言をほしいままにし、国民の意見に対し敵意をむき出しにしています。このことは、本法案の本質をはっきりと示すものであります。(拍手)筑波大学が、開かれた大学どころか、まさに国民には固く閉ざされた大学であることをあざやかに物語っており、これが中教審路線上にある文部省直轄大学のそしりを免れることはできないのであります。(拍手)  以上述べましたように、本法案は、まことに党利党略に満ちたものであり、大学のみならず、わが国の学問研究と教育全般にとってきわめて危険なものであります。  教育は百年の大計であります。政府による学問の自由の抑圧、大学自治への介入が、教育を、ひいては国民全体をどこへ導いたかは、戦前の国民苦難の歴史と戦争の惨禍がはっきりと教えています。(拍手)  私は、日本の教育と大学の民主的発展を心より願う立場から、本法案に強く反対を表明して、討論を終わります。(拍手)

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 有島重武君。   〔有島重武君登壇〕

有島重武公明党

○有島重武君 平和、民主、人権尊重の日本国憲法が、あえて第二十三条に学問の自由の保障規定を明文化したゆえんは、旧帝国憲法のもとで、国家権力が大学における真理探求に干渉を加え、数多くの有能な学者を学園から追放し、やがて国民の目に真実をおおい隠して、無謀なる戦争に突入した過去の苦い経験への深い反省の上に成り立ったがゆえであります。  しかるに、この学問の自由に関する政府・与党の認識は、かかる憲法の条文は、単に戦勝国から押しつけられ、英語の原稿を日本語に直訳したものにすぎないという憲法軽視の基本的態度を露骨にし、学問の自由をささえる大学の自治を不当かつ巧妙に形骸化して、権力のもとに学問の自由を屈服せしめ、再び危険な道に国民を誘導せんとする策謀を立法化いたしました。すなわち、筑波大学法案の提出がこれであります。  ここに私は、公明党を代表して、国立学校設置法等の一部を改正する法律案、通称筑波大学法案に対し、特にその第二条以下に関しまして反対討論を行ない、政府・与党に反省を促し、警告を与えんとするものであります。(拍手)  山紫水明の地に学園を、という総理のうたい文句を待つまでもなく、大学を地方の環境のよい都市へ分散させ、緑と太陽に包まれた広大な敷地を確保して学園都市を建設することは、最も優先されるべき文教施策の一つであります。ただし、本法案の審議に見られましたごとく、今回、東京教育大学の移転、廃学をめぐって、政府は、その本務たる環境整備をはるかに逸脱して、既存の大学制度の変更を急いでいるのであります。  大学の改革は、世界史的な課題であり、最も英知を集め、人類の未来と人類文化における学問の位置づけをあらためて考え、わが国の諸国に果たすべき使命、役割りを見定めつつ、慎重に行なうべき大事業であります。  わが党は、昭和四十三年、大学高校問題特別委員会を設置して、この問題に取り組み、学園の自治に関する提言をはじめとし、学生の修学方法について、各大学間の協力による単位の互換性と受講形態を多元化することにより、学生みずからが多様な修学課程を自主的に決定できる方式等を含む提言を発表し、その一部はすでに国公私立の大学によって実現の方向に踏み出されつつあり、なお広く深く、中道革新、人間生命尊重の立場から、調査立案の作業を続けております。  これに反し、政府は、大学紛争を期として、一部学生の暴力的行為と、大学学部の閉鎖性のみを誇大に宣伝し、大学の管理を強化し、開かれた大学と称して、大学自治の中に行政介入の道を開くための画策を積み重ねてまいりました。すなわち、財界の代弁者的性格をあらわにした自由民主党のあっせんによって、明治以来の富国強兵の道を指向する中央教育審議会を駆使して、時代錯誤の大学改革を美辞麗句に包んで体系化し、心ある大学関係者、教育者のひんしゅくと警戒の念とを強めてきたのであります。  奥野文部大臣は、去る二十一日、国立大学長会議で大学教授批判を行ない、さらに、本法案に対する批判を根底的に拒絶する姿勢を示し、筑波大に関連して若干の学部教授会が反対の決議やアピールを出しているので読ませてもらったが、他の大学のことにけちをつけるより、自分たちの大学のことをもう少し勉強しては、云々と発言しました。これは重大発言であり、暴言と言うほかございません。(拍手)  各大学あるいは学部で決議文やアピールを学外に出すことは、筑波大学問題が、大学人共通の大学自治擁護の連帯意識に根ざしているからであります。単に筑波大学新設のために、一つの実験的試みのためにだと政府は説明を繰り返しますけれども、しからば何ゆえに例外措置として発足しないのか、何ゆえに複雑多岐にわたる現行法改正という大げさな措置をしいるのであるか。法律の改正は、明らかに個々の大学、日本の大学制度全般に大小の影響が波及することは当然であります。もし大学関係者がこれに無関心であったならばどうなるでありましょうか。それこそ、大臣の言う大学人総無責任時代となるのであります。  政府は、大学人の政府批判はけちをつけるなどという表現で一蹴し、その一方、みずからは開かれた大学を宣伝しながら、大学人が他の社会、すなわち他の大学のやることに口を出すなという、こうした独善的な態度こそ、既存の大学のかかえている閉鎖性にも増して、第一に政府みずからが改革しなければならない問題であります。(拍手)  およそ学園自治に限らず、民主主義的な運営の支柱は人事と財政でありましょう。現在の大学の問題は、かろうじて人事の自決権を保有してはおりますけれども、財政的には政府の巧みな統制下に縛りつけられ、新鮮な学問の発展、学生と教授との連帯、大学間、学部間相互の協力などが阻害され、優秀な学究者がその力を発揮し得ないところに最大の隘路があることは、ひとしくすべての大学人が嘆くところであります。  当面、政府のなすべき最大の課題は、大学制度に改革の手を伸ばすことではなく、むしろ財政面の量的な増大につとめること、そして、財政的な大学の自治を本来の姿に戻して確保することであります。  わが党が本法案に反対する理由は、以上述べ来たったごとく、まず第一に、人事権の操作を通じて、学問の自由を根底から崩壊させる危険性を含んでいるがゆえであります。  学長、副学長に大学の管理運営のすべてを集中し、集中された学長、副学長の大きな権限が、そのまま行政権力によって左右され得るような仕組みになっておる。筑波大学の学長は、参与会、評議会及び人事委員会の構成メンバーをチェックあるいは統率する権限を持っております。さらに、副学長は、学外からの、文部大臣が認める管理能力者を自由自在に任命できる仕組みになっております。  これらによって、学内教授、教官たちの全く認知しない人物が、教育者的感覚の全くない行政官的あるいは企業主的感覚で、直接、間接を問わず、教育、研究の場に立ち入り、有形無形のコントロールをすることは明らかであります。この仕組みは、やがて政治権力による大学介入につながり、さらに、実質的には学問の統制に通ずるものであると断ぜざるを得ないのであります。  第二には、教育基本法第十条に定められた教育行政の役割りは、教育の外的事項として必要な諸条件の整備、確立にあります。政府・自民党では、この筑波大学構想は一部の大学人の自主的な計画に発したものであるといっておりますが、筑波大学設立への推移を見まするに、東京教育大学の改組、移転が正当な大学自治の意思とは無関係に、強引な行政主導によって進められた形跡が顕著であり、本法成立後は、大学自治への行政介入が必至であるとともに、基本法に反した教育内容の抑制にまで及ぼうとしていることは、行政の越権行為であり、重大な問題であります。  第三に、大学改革の主体者は大学人でなければなりません。しかるに、政府は、大学人の改革意欲を独断的に否定しております。  大学紛争以来、政府・自民党は、大学改革は学者にはできないと宣伝し、各大学の自主的な改革案が提出されたにもかわわらず、政府は、予算や教職員の増員をはかろうともしない。改革案に積極的に取り組もうとしなかったのであります。このことは、政府が独断的に大学人の改革意欲を否定してきたことにほかなりません。  第四に、筑波大学法案は、廃案となった大学管理法案の実質的な再現であり、政治権力による学園改悪の第一歩であるということであります。  第五に、筑波研究学園都市建設法を悪用した法案であります。  筑波研究学園都市建設は、教育、研究に適したよい環境を準備し、学問の健全な発展に寄与する、すなわち、よい環境に学園都市をつくりたいという国民の期待を逆手にとって……

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 有島君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単に願います。

有島重武公明党

○有島重武君(続) その賛成の意思を悪用した裏切り行為について、われわれは絶対に許すことはできません。  最後に、なぜこの筑波大学の設置を急ぐのかということであります。  去る六月二十二日、政府・自民党は、多くの質問者を残して、抜き打ち的に強行採決に踏み切りました。新構想大学というならば、新しい時代に立ち向かう感受性と生き方を思考する若い世代への十分な理解と支持を主としたものでなければならないはずであります。  しかるに、政府・自民党は、このような人間主体の新しい大学像を初めから破壊した、いな、全国の国公立大学等高等教育機関が、昭和四十四年以降模索し、改革の糸口を見つけんと努力し、その実現に大きく一歩を踏み出した貴重な歴史的価値を、根底から踏みにじったものといわざるを得ません。  民主主義は、固定的な一つの理想状態ではありません。民主主義は、実践的には、力の原理にのみたよろうとする偏狭な権力集中に対する絶え間のない抵抗と、いかなる次元にせよ、自治的な社会運営に割り込む不当な権力介入を是正する日々の努力の中にこそあると考えられます。  非民主的傾向のあらわな本法案を、是非によらず力によって強行成立させようとする政府・与党の態度は、必ずや、広く国民の賢明にして、厳正なる批判の前に、その非道を認めざるを得ないときを迎えるでありましょう。(拍手)  以上をもって私の討論を終わります。(拍手)

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 安里積千代君。   〔安里積千代君登壇〕

安里積千代民社党

○安里積千代君 議題となっております国立学校設置法等の一部を改正する法律案に対しまして、民社党を代表いたしまして、反対の討論を行ないます。(拍手)  高等教育を受けている者の増大、また、これから受けようとする者の大量化、質、量ともに大衆化し、往年のエリート意識を基礎とする大学教育制度は、その管理運営を含めまして、多くの矛盾と欠陥を露呈するようになりました。  こうした中にあって、学問・研究の自由と教育の自主性を伸長しつつ、国民と社会に開かれた大学として改革すべきであるとすることが、わが民社党の大学教育に対しまする認識であり、主張であります。  民社党は、昭和四十四年五月に大学基本法案を国会に提案をいたしまして、国会はもちろんのこと、広く国民の期待を受けてまいりましたが、残念ながら、今日、廃案のうき目にあっております。  今回政府が提出いたしました国立学校設置法等の一部改正案、世にいわゆる筑波大学法案には、わが党の考えを一部反映したと思われる面もあり、一見、大学に対する社会的要請に応じている装いもありますが、しかしながら、その内容をつぶさに検討いたしますと、角をためて牛を殺す類の面もひそんでおり、われわれは、大学教育制度改革の必要性を認めつつも、本案に反対せざるを得ないことを遺憾とするものであります。(拍手)  以下、その二、三の点について述べたいと思います。  第一に、法案の内容に入る前に、立法の形式に疑義があり、異論があります。  本来、国立学校の設置法は学校教育法から生まれておるものであります。大学教育の基本構想が確立され、それに基づいて学校の設置があり、設置法は、単に学校の名称、位置、学部等の種類を規定するにすぎません。したがって、設置法の第二章、国立大学の章は、わずか八カ条、項数にいたしまして十四項であります。今回の改正案により、筑波大学の一章を加えることによりまして、同章だけで四カ条十五項。国立大学設置に関する限り、まさに国立学校設置法ではない、組織、運営を含めた一つの大学の組織法ともいうべく、設置法になじまないところの異質の改正条項を含んでおるのであります。(拍手)このことは、立法手続上許されるものであるといたしましても、法体系を私は乱るものであると考えます。  本改正法案中には、国民が要望し、与野党が一致し、かつ、時期的にも遷延を許さない旭川医大、医学部の設置など、その開学を待つ学校当局はもちろんのこと、これに備えて待機する多数の前途あるところの受験生、その父兄、そして、おくれることによって医療行政全般にも影響を及ぼす条項が含まれております。これと抱き合わせで、いな、それと意図的に一本化して成立をはかろうとする政治的な手段、配慮の存在が疑われ、この改正案が全く便宜主義、御都合主義的に立案されている不当性を指摘せざるを得ません。(拍手)  野党四党がこの点を明らかにし、筑波大学関係を分離し、大学教育の基本問題に関する筑波大学に関しては、合法手続のもとに審理が尽くされることを要求したことは、立法機関として当然の責任であり、正当であったと思います。しかし、与党自由民主党が多数の力によってこれを一蹴し、わが党の提出いたしました修正案に対しまする質疑や審理もないままに強行採決しましたことは、今後に累を及ぼすものであって、とうてい賛同することはできません。(拍手)  第二点は、大学の生命ともいうべき学問・研究の自由と教育の自主性が、大学管理体制の行き過ぎた強化によってそこなわれるおそれがきわめて顕著であるということであります。  わが党は、大学の一般的な管理運営の強化の必要を認めるものであります。学長を補佐して、実務面で管理に当たる副学長制度を設けることにも反対するものではありません。しかしながら、法案において予定されている副学長は、法で定数を定めることを避けて、五名も設けるということと、しかも、この実務的、官僚的性格を持ち、学外からも任命され得る副学長が研究部面、教育部面をそれぞれ担当することとなっており、当然の結果といたしまして、研究内容、教育実務への介入が行なわれる道が開かれておるということであります。  新構想大学といえども、研究の自由、教育の自主性を侵してはならないという鉄則から、わが党は、研究、教育の分野に介入することを許さない趣旨を含めて、三名以内に限定する修正を求めたのでありますが、これが受け入れられない本案に反対せざるを得ません。  第三の問題は、大学における重要な構成要員でありまする学生の地位が無視されておるということであります。  過去数年間、そうして、いまなお激しく展開されておりまする大学紛争と学生問題の根底にあるものは、大学社会における学生の人格的存在が無視されておるということであります。それに端を発した、その反抗と見るべきものであります。これに対しまする大学の制度と大学人の対処が適切を欠くために、暴力的行為に走らしたり、政治的イデオロギーを持ち込んでの闘争の場となっているのが現状であります。  このようなとき、政治も、また行政も、冷静な判断のもとに、民主主義の根本原理である、相手を尊重するがゆえにわれも尊重されるという、そのような原理に立って、学生を青年紳士として評価し、信頼し、学生の地位を、教授側と同じく法的に確立することが最も必要であると信じます。(拍手)  かつてフランスにおいて、組織的に、しかも過激的な学生運動があったとき、法によって学生の地位を明確化し、学生参加の道を開くことによりまして、大学本来の姿でありまする、人類の利益と社会の発展に貢献する研究と教育の平穏な学園再建に進みつつあることや、西ドイツにおいてもこれに類する方式が適用され、いまや、学生の大学における地位の確立と向上は、国際的な趨勢であると見ております。(拍手)  わが党が、このような見地から、全学生が大学の管理運営、カリキュラムの編成その他福祉施設の運営など、大学の重要な事項に学生の総意を反映せしめるとともに、学長の選出にあたっても、学生協議会で正当に選ばれた学生代表が選挙権を持つという修正を提出したゆえんもここにありますが、政府や与党が、この民主主義原則の大学への適用を強く拒んでおりますることは、きわめて遺憾であります。  以上、反対の理由の数点を述べたにすぎませんが、本法案中、医学部の設置等すみやかに可決を要するものもありますけれども、この法案が、言われておりまするように、大学教育の基本にも関する問題であり、その影響するところも大きいものとして、各面から強い反対声明や陳情、請願がなされていることは、政府も与党も十分知っておられるところであると信じます。  これらの反対論や理由のすべてにわれわれは賛同するものではありません。特に、権力介入の危険性がある、あるいは他大学に波及のおそれがある、そのような論旨の中には、思い過ごしや、それ自体、学内の自由や大学の自治に対する信念のあり方にもよりまするが、しかし、これまで、いわゆる政府行政権力によって、学問の自由や大学自治が直接、間接にいろいろと侵されたという事例が不信感となって底を流れておることはいなむことはできません。その不信感を政府みずから除去することにつとめなければ、いかなる改革も前進も期し得ないものと思います。(拍手)  特に、法律の上では介入はなくとも、財政権を握りまする当局の巧みな操作が、結局は不当な支配に転化されることがあってはなりませんし、われわれはこれを強く戒めるものであります。  最後に、大学制度が問題化して以来相当の年数を経過し、その間、問題の本質も明らかになっており、大学制度改革の一環として提出された本法案に対し、われわれは単に反対するだけでは無責任のそしりを免れませんし、ここにおいて、わが民社党は、議会制民主主義のルールに即して、本新構想の重要事項に関する修正案を提出し、尽くせるだけの努力を院内外において払ったのでありまするが、政府・与党と決定的な点で相対立することになり、いれることができず、本法案につき反対の態度を表明するに至ったことは、まことに遺憾であります。しかしながら、少数の意見がいつまでも少数で終わるものではありませんし、特に、教育に関する問題であるだけに、議会が、単に党利党略に基づく闘争の場となって単なる論議をするだけでなく、論議を尽くして少数の意見も謙虚に聞き、これを受け入れるだけの態度があって、初めて議会制民主主義の進展があることをあらためて強く強調いたしまして、多数党の皆さま方の反省を求めて、私の反対討論を終わります。(拍手)

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) これにで討論は終局いたしました。  採決いたします。  本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)      ————◇—————  日程第四 健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)  日程第五 日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案(内閣提出)  日程第六 児童扶養手当法及び特別児童扶養手当法の一部を改正する法律案(内閣提出)  日程第七 厚生年金保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 日程第四、健康保険法等の一部を改正する法律案、日程第五、日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案、日程第六、児童扶養手当法及び特別児童扶養手当法の一部を改正する法律案、日程第七、厚生年金保険法等の一部を改正する法律案、右四案を一括して議題といたします。

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 委員長の報告を求めます。社会労働委員長田川誠一君。     —————————————   〔報告書は本号末尾に掲載〕     —————————————   〔田川誠一君登壇〕

田川誠一自由民主党

○田川誠一君 ただいま議題となりました四法律案について、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、健康保険法等の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、健康保険制度創設以来三十年間改善されないままとなっております家族療養費の給付率の引き上げ、高額療養費の支給等給付内容の改善を行なうとともに、保険財政の恒常的な安定をはかるため、所要の財政措置を講じようとするものであります。  そのおもな内容は、まず、健康保険法におきましては、  第一に、家族療養費の給付率を五割から六割に引き上げるとともに、家族療養費にあわせて高額療養費を支給し、自己負担のうち一定限度額以上を保険から全額給付すること。  第二に、分べん費及び家族埋葬料を引き上げること。  第三に、標準報酬を最近の給与の実態に合わせ二万円から二十万円までの三十五等級にするとともに、政府管掌健康保険の保険料率を千分の七十三に改めること。  第四に、当分の間、賞与等についてその千分の十を労使折半により特別保険料として徴収すること。  第五に、政府管掌健康保険に対するこれまでの定額国庫補助を改め、療養給付費等の百分の十を国庫補助すること。  第六に、政府管掌健康保険の保険料率について、法定料率の上下千分の七の範囲内で調整できることとし、料率を引き上げた場合は、定率国庫補助の割合を増加すること。  なお、組合管掌健康保険につきましては、規約により特別保険料を徴収することができることとするとともに、保険料率の最高限度を千分の九十とし、被保険者が負担する保険料率の限度を千分の四十に改めること等であります。  次に、船員保険法におきましては、疾病部門について、健康保険法の改正に準じ、家族療養費の給付率の引き上げ等保険給付の改善を行なうとともに、標準報酬の改正等所要の改正を行なうことであります。  また、国民健康保険法等においても、健康保険法の改正に準じて高額療養費を支給することであります。  次に、厚生保険特別会計法におきましては、昭和四十八年度末における政府管掌健康保険の借入金に係る債務をたな上げし、一般会計からの繰り入れによって補てんする方途を講ずるとともに、新規の借り入れを限定しようとすることであります。  本案は、去る三月二十七日本会議において趣旨の説明が行なわれ、同日委員会に付託となり、以来、慎重かつ熱心な審査を行なったのでありますが、六月十八日には公聴会を開き、また、大阪府に委員を派遣し、現地において意見を聴取するとともに、六月二十七日には地方行政委員会、大蔵委員会、公害対策並びに環境保全特別委員会及び物価問題等に関する特別委員会と連合審査を行ない、昨日質疑を終了いたしましたところ、自由民主党より修正案が提出されました。  その要旨は、  第一に、家族療養費の給付率六割を昭和四十九年十月一日から七割とすること。  第二に、特別保険料の徴収規定を削除すること。  第三に、料率の調整規定によって保険料率を変更する場合、社会保険審議会の意見を聞くことになっているのを、社会保険審議会の議を経ることに改め、料率を変更した場合、政府はその旨を国会に報告することとするとともに、料率の引き上げの申し出は、給付内容の改善または診療報酬改定の場合に限ること。  第四に、料率の調整規定によって保険料率が引き上げられる場合の国庫補助率の増加は、料率千分の一につき千分の四を千分の六とすること。  第五に、厚生保険特別会計の借入制限を緩和すること。  第六に、船員保険、各種共済組合についても、健康保険に準じて修正すること。  第七に、施行期日を昭和四十八年八月一日に改めること。等であります。  次いで、討論を行ない、採決の結果、本案は修正議決すべきものと議決した次第であります。  次に、日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案について申し上げます。  日雇労働者健康保険につきましては、昭和三十六年以来給付内容の改善等が行なわれないまま今日に及んでおりますので、本案は、給付内容の改善をはかるとともに、賃金実態に即して保険料の日額を改定しようとするもので、そのおもな内容は、  第一に、療養の給付期間を三年六カ月に、傷病手当金及び出産手当金の支給期間を三十日にそれぞれ延長するとともに、支給日額を増額すること。  なお、埋葬料及び分べん費を増額すること。  第二に、保険料日額を五十円から二百円まで四段階とすること。  その他所要の改正を行なうこと。等であります。  本案は、去る二月十七日本委員会に付託となり、昨日の委員会において質疑を終了いたしましたところ、施行期日についての修正案が提出され、採決の結果、本案は修正議決すべきものと議決した次第であります。  なお、本案に対し、附帯決議を付することに決しました。  次に児童扶養手当法及び特別児童扶養手当法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、児童扶養手当及び特別児童扶養手当の受給者の福祉の向上をはかるため、手当の額を月額四千三百円から六千五百円に引き上げるとともに、これらの手当と公的年金給付との併給制限を緩和すること等であります。  本案は、去る二月十七日本委員会に付託となり、昨日の委員会において質疑を終了し、採決の結果、本案は原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。なお、本案に対し、附帯決議を付することに決しました。  次に、厚生年金保険法等の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、厚生年金保険及び国民年金等について、老後の生活のささえとなる年金の実現をはかるため、年金給付の水準を大幅に引き上げるとともに、年金額の自動スライド制を導入する等、各年金制度の改善充実を行なおうとするものであります。  改正のおもな内容は、  まず厚生年金保険法については、  第一に、年金額の水準を平均標準報酬の六〇%を確保することを目途に、改正後新たに老齢年金を受ける場合の標準的な年金額を月額五万円に引き上げること。  第二に、加給年金額並びに障害年金及び遺族年金の最低保障額を引き上げるとともに、在職老齢年金の支給範囲を拡大すること。  第三に、物価変動に応ずる自動的なスライド制を導入すること。  第四に標準報酬を二万円から二十万円までの三十五等級に改めること。  第五に、保険料率を千分の十五引き上げること。であります。  次に、船員保険法の年金部門につき、厚生年金の改正に準じて、年金額の大幅な引き上げ、スライド制の導入その他所要の改正を行なうことであります。  次に、国民年金法について、  第一に、拠出制年金額を、二十五年加入の場合付加年金を含めて夫婦月額五万円の水準に引き上げるとともに、経過的年金の額をそれぞれ引き上げること。  第二に、付加年金の額及び障害年金等の最低保障額を引き上げること。  第三に、拠出年金について厚生年金と同様スライド制を導入すること。  第四に、保険料の額は、月額九百円とし、昭和五十年一月以後段階的に引き上げること。同時に、経過的な老齢年金について国庫負担割合を引き上げること。  第五に、高齢者の任意加入については、再び五年年金に加入できる道を開くこと。  第六に、福祉年金については、老齢福祉年金の月額を五千円に、障害福祉年金の月額を七千五百円に、母子福祉年金及び準母子福祉年金の月額を六千五百円にそれぞれ引き上げることであります。  最後に、年金福祉事業団法につきましては、年金福祉事業団が設置、運営する施設として、保養のための総合施設を明示するとともに、被保険者のための住宅資金の貸し付けを行なわせること。等であります。  本案は、去る四月六日本会議において趣旨の説明が行なわれ、同日委員会に付託となり、以来、慎重かつ熱心な審査を行ない、六月十九日には公聴会を開き、また、大阪府に委員を派遣し、現地において意見を聴取するとともに、六月二十日には地方行政委員会、大蔵委員会、農林水産委員会と連合審査を行ない、昨日質疑を終了いたしましたところ、自由民主党より修正案が提出されました。  その要旨は、  第一に、いわゆる年金の谷間にある老人に月額三千五百円の老齢特別給付金を支給すること。  第二に、厚生年金の給付額の算定基礎となる定額部分の額を引き上げ、かつ、障害年金等の最低保障額を引き上げること。  第三に、厚生年金の保険料率を一般男子千分の三、女子千分の五引き下げること。  第四に、障害福祉年金の支給範囲を拡大すること。  第五に、女子に対する脱退手当金の支給の特例期間を二年間延長すること。  第六に、年金担保による融資の道を開くこと。  第七に、船員保険についても厚生年金に準じて修正すること。 等であります。  次いで、討論を行ない、採決の結果、本案は修正議決すべきものと議決した次第であります。  なお、本案に対し、附帯決議を付することに決しました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 四案中、日程第四につき、討論の通告があります。順次これを許します。田口一男君。   〔田口一男君登壇〕

田口一男日本社会党

○田口一男君 ただいま議題となりました修正案を含む健康保険法等の一部を改正する法律案につきまして、私は日本社会党を代表し、遺憾ながら反対の討論を行なうものであります。(拍手)  討論に先立ちまして、田中総理に対し、強い怒りを込めて一言申し上げたいことがございます。  それは、昨二十八日、社会労働委員会の理事会における審議日程の最終の締めくくり質問として予定されていた田中総理の出席が、自民党の党利党略による背信行為によって拒否されたことは、重大なことであると考えます。(拍手)  国民生活、なかんずく福祉優先、年金の年と口先では言いながら、かかる暴挙をあえてすることは、断じて許すことはできません。かかる重大な議会政治をじゅうりんすることは、許されないことといわなければなりません。  現在、医療保険や医療制度の運営に対して、利用する国民の側からの不満の声がきわめて強いことは、天下周知の事実でございます。  たとえば、待ち時間三時間、診察三分といわれる状態は依然として解消されず、僻地はもちろんのこと、住宅団地等における夜間、日曜日の無医状態や救急医療体制の不徹底は、心を寒からしめるものがあります。  また、不幸にして入院すれば、医療費のほかに一日五百円から最高一万三百円までの差額ベッド代、それに付添看護料、冷暖房料等が公然と要求されておるのであります。看護婦の不足は慢性的であり、患者が患者を見るという患者の不満と、一方で看護婦の過酷な労働条件は一向に解決されていないのであります。  さらにまた、総医療費の四十数%を占める薬剤の問題があります。たくさん投薬しなければもうからない現在の診療報酬の仕組みに、数多くの良心的な医師は悩み苦しみ、使い切れないほどの薬剤を前に、患者はおっかなびっくりしているのであります。  このように医療を利用する国民の不満、不安に加えて、難病、奇病が増加をいたしております。水銀、PCB等化学物質による環境汚染、健康被害は文字どおり日本列島をおおっているのであります。  このきびしい事態に、この健康保険法等の一部改正案はこたえていないのであります。いや、避けて通ろうとしておるのであります。ここに、私ども日本社会党が本案に反対する第一の理由がございます。(拍手)  すでに御承知のように、本年二月十六日社会保障制度審議会は、厚生大臣の諮問に答えて、次のように明快に、しかも鋭く指摘しているのであります。  すなわち、「今日の医療保険の混乱の根本原因は、国民皆保険の前提条件である医療機関、診療報酬その他医療に関する諸々の体制の整備を怠ったことにある」として、今日の医療諸制度に深くメスを加えることを強調しておるのであります。  そしてまた、「政府管掌健康保険の財政の安定は、収入面の措置とあわせて支出面の対策があってはじめて完全になる」とのことが自明の理であるにかかわらず、「今回諮問された案は、従来たびたび示されたものと同じく、保険財政の収支のつじつま合わせの程度以上にほとんど出ていない。このような消極的な姿勢では、財政収支そのものも一両年のうちに均衡を失することとなるであろう。政府は、具体的に年次計画を立て、医療保険の抜本的改革の早期実現に、決断と実行を示すべきである。」と迫っているのであります。  このことは、わが党もまた、昭和四十年以降常に主張してきたところでございます。その結果、佐藤前総理大臣も、なくなった故斎藤厚生大臣も、抜本改革について約束されたことは周知の事実でございます。にもかかわらず、現田中内閣はその約束を守らないのであります。逃げ腰なのであります。  今回の改正案は、昨年までのそれと同工異曲とはいえ、若干の給付改善、定率国庫補助等、一定の前進は認めます。ところが、給付改善を行なうことを理由に、保険料の引き上げ、弾力条項を設けること等をあわせて提案しているのであります。ころんでもただでは起きないとは、まさにこのことを言うのでありましょうが、これでは国民はたまったものではありません。  今回を含めて、すでに八回、この国会で政管健保を審議をするわけであります。そのつど財政再建がうたい文句とされてきたにもかかわらず、累積赤字はすでに三千億。今回これをたな上げし、保険料率の引き上げをもって、はたして恒久的に財政安定が可能であるという自信があるのかどうか、はなはだ危惧の念を抱くのであります。  いまさら言うまでもなく、政管健保の構成は、中小零細企業とそこに働く労働者、家族がほとんどであり、低賃金、劣悪なる労働条件、そして比較的高年齢者が多いことは御承知のとおりであります。ですから、赤字の出るのはあたりまえであります。傷病にかかりやすい職場環境、経済的に苦しい被保険者を多くかかえているのでありますから、いまの制度のもとでは、赤字が出て当然だと言えるのであります。言うならば、政管健保は赤字基調でございます。現に、齋藤厚生大臣は、「年間予想される赤字は、定額約二百億の補助をつぎ込んだとしても、一千億は出る」こう言っておるのであります。  それだけではありません。弾力条項と関連して、厚生保険特別会計法の一部改正案が同時に上程されていることに注目しなければなりません。いままでは、政管健保に赤字が出れば、必要に応じて借り入れられるという規定を、赤字が出たら保険料を引き上げて、しかも一年以内に返済できる範囲内だけしか借金ができないというのであります。これでは、弾力条項の発動に当たって、いかに厚生大臣が社会保険審議会の同意を得て、また、国会に報告すると言ってはみても、赤字基調の政管健保は当然に赤字が出ます。しかも借金に限度がある。これでは、いやおうなしに保険料を引き上げざるを得ないのであります。  さらに問題は、診療報酬の支払い遅延、果ては停止という事態が生ずるおそれがあるということでございます。こうなりますと、弾力条項ではなくて、保険料引き上げ必然条項であります。政管健保の独立採算制であります。  このように見てまいりますと、本案は、給付改善であると大々的に宣伝しているものの、単なる収支のつじつま合わせであり、今日の医療荒廃に対する政府みずからの責任に目をつむり、被保険者と保険医や医療従事者の犠牲によって赤字を解消しようとする財政対策にほかありません。  私ども日本社会党は、国民の命と暮らしを守る立場から、このような小手先の改正案は、断じて認めるわけにはまいりません。(拍手)  自他ともに予測される医療需要の増加、医学、薬学の進歩による医療費の増高を考えるとき、ただ単に健保財政の均衡にのみとらわれて、被保険者からの保険料増徴だけでは対応できないことは明らかであります。いまこそ、医療供給体制も含めて、抜本改正を行なうべきであります。  このことは、積年の健保改正論議から、政府自身、問題の所在を十分に把握しているはずであります。環境汚染、健康破壊のカメレオンとまで酷評されておる日本国民の命と暮らしを守るために、田中内閣の一枚看板である決断と実行は、抜本改正にこそ示すべきであります。  国民を不安におとしいれている今日の傷病の増加は、社会的要因によるものであり、高度経済成長に狂奔した大企業と国の責任であります。  今日、福祉問題についても利害相反し、いわゆる福祉ギャップのあることは否定いたしません。否定できない現実であるだけに、このギャップを埋めるための国民的合意を得る努力と場所が必要であります。その場所は、言うまでもなくこの国会であり、私ども国会議員にその努力と責務が与えられているのであります。  この観点に立って、私ども日本社会党は、高額医療費の問題、差額ベッド、付添看護料の解消、無医地区の解消と救急医療体制の確立、家族給付率の本人並み引き上げ、保険料労使負担を三対七とする、公的医療機関なかんずく自治体病院の明確な位置づけ等を主張し、真剣かつ慎重に審議に参加したのであります。それをうけて、いわゆる橋本私案として、若干の修正の話も出、今回の修正案となったことは御承知のとおりであります。  もちろん、私どもは、修正案の中身については、いままで申し述べてきたことに照らして、今日の荒廃した医療の根幹に全く触れていないことから、大いに不満であります。ただしかし、当面の合意点を見出そうとするその態度に、一定の評価を与えるにやぶさかでありません。  同時にまた、先般二十二日、理不尽にも強行採決をすべしという外圧に抗して審議を継続した社会労働委員会の態度は、議会制民主主義を守り、国民の付託にまじめに取り組んだものとして、敬意を表するものであります。(拍手)  このように、保険あって医療なしという今日の状態を解消するために、私どもは全力を傾注したにもかわわらず、依然として、政府の態度は逃げ腰であります。その場しのぎに終始して、全くやる気がないのであります。  私は、かかる無為無策、優柔不断の政府の態度に対して、国民の名において猛省を促し、修正案を含む政府原案の反対討論を終わります。(拍手)

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 戸井田三郎君。   〔戸井田三郎君登壇〕

戸井田三郎自由民主党

○戸井田三郎君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました政府提案にかかる健康保険法等の一部を改正する法律案につきまして、賛成の討論を行なわんとするものであります。(拍手)  およそ国民の健康と福祉を守るということは、政治の最大の課題であり、福祉国家の基本であることは言うまでもありません。しかし、いまや、わが国の国民医療の現状は、まことに重大なる局面に立ち至っているのであります。  戦後、わが国の驚異的ともいわれる経済成長は、一面において、われわれの生活の上に幾多のしあわせと豊かさを与え、豊かさを求めればこそ生産性の向上にも励んだのでありますが、また一面、われわれ人間生活を著しく阻害する条件も、遺憾ながら数多く発生いたしておるのであります。  そこで、われわれは、いまこのきびしい現実と矛盾の上に立って、健康という最大のしあわせの上に人間生活の豊かさを求めるために重大なる岐路に立ち、ここに新たな選択に迫られているのであります。われわれは、かつて経験したことのないこの課題に直面して、いやしくも一党一派の観点にとらわれることなく、総力をあげて、この深刻にして遠大なる課題と国民的要請に真剣にこたえなければならないのであります。(拍手)  私は、健康保険体制の確立こそは、この国民的課題の重要な一環であると思うのであります。わが国の国民医療体制の確立は、その人口の急激なる老齢化現象と相まって一そう複雑な様相を呈しておる中で、時代に即応した医療の確保が最も緊急を要する課題であると思うのであります。  医療保険制度の改革問題は、御承知のとおり、長い歴史的な過程の中で互いに利害関係が錯綜し、問題の根本的解決をはかることがきわめて困難なものが多く、これがために、従来急務とされながらも、国民医療体制の確立が一歩も進み得ないという遺憾な状態が続いてまいったのであります。問題が複雑、困難であればあるほど、その改善を行なおうとするならば、常に適正な手段と細心の思慮のもとに、順序を追って国民の福祉を達成するという視点に立って、決断と実行に邁進しなければならないのであります。(拍手)  今日、政府が提案した健康保険法の改正案は、このような従来の複雑な網の目の中から一歩脱却して、制度創設以来三十年ぶりともいわれる改善に着手したものであり、さらに医療供給体制の整備についても、今回の改善とともに並行して、長期計画的に国民の期待にこたえようとするものであります。特に給付面の改善は、政府が福祉元年の幕明けとして、国民的願望に事実をもってこたえたものであり、空虚な巧言議論よりも、将来に着実に夢開く一歩を進めたものであると信ずるのであります。(拍手)これこそ、責任を持つ政府自民党の堅実にして実効ある当然の措置であり、断じて高く評価すべきものであると信ずるのであります。(拍手)  さらに、今回の改正では、給付の改善にあわせ、将来の医療保険のより一そうの充実発展をはかるために、健保財政の恒常的安定をはかる国庫補助率の定率化等の諸施策をとっております。これは従来の保険の概念を一歩進め、国の責任体制を社会福祉の領域に大きく前進させたものと評価しなければなりません。(拍手)  まず、家族医療給付の改善は、制度始まって以来実に三十年ぶりに、五割から六割に引き上げることといたし、今後の七割給付実現への足がかりをつくり、特に近時、ガン、心臓病等、月に数十万円もの費用がかかる医療が増加している現状に対処し、家族高額療養費の制度を創設したことは、まさに国民への一大福音といわなければなりません。(拍手)  いやしくも、高度に発展した近代社会において、高額な医療費の支払いが負担になって近代医療を受けることが阻害されることがあってはなりません。家族に重病、難病が発生したとき、最も心配なことは、病状はもちろんでありまするけれども、その経済的過重についてであります。そのために家計の危機を招き、家庭が一転悲惨な結果を招いた例は少なくないのであります。今回の月額数十万円の医療費も三万円を限度とする制度が政府の手によって提案されたことは、分べん費、埋葬料の大幅引き上げとともに、各方面からきわめて好感をもって迎えられております。(拍手)  第二に、標準報酬の上下限の改定についてでありますが、最近の給与の実態と著しく離れており、その結果生ずる保険料負担の不公平を是正するために、今回の改定、すなわち、上限二十万円、下限二万円といたしましたことは、きわめて当然の措置といわなければなりません。  第三に、保険料の料率〇・三%の引き上げと賞与等に対する一%の特別保険料の徴収については、社会保険のたてまえからするならば、今回の大幅給付の改善による支出増を考え、かつまた、赤字財政に悩む政管健保の実情を考えるときに、勤労者、事業主の方々にも最小限度の負担をお願いすることはやむを得ざる措置と思わなければならないのであります。  そのために、政府も、従来の定額国庫補助を定率国庫補助に改め、大幅な助成に踏み切っております。画期的な改善といわなければなりません。(拍手)  第四に、保険料率の調整とこれに連動した国庫補助率の引き上げについてでありますが、単年度収支の均衡を維持していかなければならない短期保険の性格上、機動的に対処して財政の恒常的安定をはかっていくためにはきわめて必要な措置であり、法定料率をこえて変更する場合には、料率〇・一%に国庫補助率を四倍の〇・四%上のせする仕組みになっておりますが、これは国の積極的な援助の姿勢と責任を示したものといわなければなりません。  最後に、累積赤字をたな上げし、累積損失を一般会計から繰り入れることによって補てんする方法を講じておりますることは、長年赤字財政に悩まされた政管健保の財政を政府の決断によって赤字の苦悩から解放し、再出発させるきわめて適切果断の措置と申さなければなりません。  今国会の改正案においては、船員保険、国民健康保険、各種共済組合においても、健康保険の改善に準じ改善が行なわれることになっております。したがって、今回の給付の改善が、あまねく国民各層に均てんされるのであります。  以上が政府案に対する自由民主党の見解でありまするが、われわれといたしましては、政府原案の趣旨を歓迎しながらも、今回の長時間にわたる委員会審議の過程を通じて明らかにされました意見を本法案に取り入れ、より一そう国民の皆さま方の御要望にこたえる真摯な姿勢をもって政府原案を修正いたし、さらに国民各層の健康としあわせな生活を保障することにこたえたものであります。(拍手)  すなわち、第一に、家族給付率を、国民の強い要望にこたえ、昭和四十九年十月より七割給付を実現することといたし、その旨を法律に明記することとしたのであります。  第二に、賞与等に対する特別保険料は引き続き検討いたすこととし、本法案から削除いたした次第であります。  第三に、いわゆる弾力条項につきましては、その発動にあたり、厚生大臣が社会保険審議会の「意見ヲ聴」いて実施するという原案を、社会保険審議会の「議ヲ経テ」実施することに改め、さらに、実施の場合を、保険給付の改善、診療報酬の改定その他緊急の場合のみに限定し、より慎重な運用を期するとともに、料率〇・一%につき〇・四%の国庫補助率のかさ上げを、さらに〇・六%の割合まで増加することとし、国の援助を大幅にふやすこととしております。さらに、政管健保に対する借り入れ制限につきましてもこれを緩和し、船員保険、共済組合法等につきましても、これに準じて修正を行なうことにいたしました。  これを要するに、今回の健康保険改正案及び修正案は、今日及び将来の医療保険の充実発展をはかるために、ぜひとも成立が望まれるものであります。  本改正案が提案されるにあたり、一部に本法案があたかも単純なる値上げ法案であるかのように誤伝され、国民の中に十分その趣旨が理解されていないことを心から残念に思うものであります、  これは本法改正案の画期的な国民への一大福音の一面を見ず、料率改定の一面のみを誇大に見、国民の目を値上げという一点に向けようとする非科学的な発想によるものか、あるいは故意に正直、率直にものごとを見ようとしない、まことに悲しむべき現象といわざるを得ないのであります。(拍手)  私は、一むしろ今回の改正案が通過成立することによって、いま病床に伏す多くの苦痛に悩める方々に、喜びと希望と闘病の勇気を与えるものとして、大いに歓迎されるものであると信じて疑わないのであります。(拍手)  これをもちまして、私の賛成の討論を終える次第であります。(拍手)

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 寺前巖君。   〔寺前巖君登壇〕

寺前巖日本共産党・革新共同

○寺前巖君 私は、日本共産党・革新共同を代表して、ただいま議題となっている健康保険法等の一部改正案に強く反対の態度を表明するものであります。(拍手)  その反対の理由を述べる前に、一言政府・自民党の党利党略に基づく議会運営について触れざるを得ません。それは昨夜のことです。社会労働委員会において、健保、年金などの国民生活にきわめて重要な法案を議了するにあたって、総理の出席のもとに必ず総括質疑を行なうことが約束されていたにもかわわらず、政府・自民党は、一方的に出席を拒否しました。このような理不尽な信義にもとる行為は断じて許すことのできないものであります。堂々と審議を尽くさない政府・自民党の議会制民主主義を否定する反民主主義的、反国民的態度に強く抗議するものであります。(拍手)  さて、反対する理由の第一は、本法案が、国民の健康と生活に対する国と資本家の責任をたな上げし、社会保障の原理原則に逆行しているからであります。  それは、一〇%の国庫補助やわずかな給付改善と引きかえに、いまでさえ多額の保険料負担をしいられている中小企業の労働者にさらに負担増を押しつけようとしているもので、絶対に認めるわけにはいきません。(拍手)  大資本優先の高度成長政策のもとで、今日ほど国民の健康と生活が破壊され、病人、けが人をふやしているときはありません。PCBと水銀の汚染で、日本人の貴重なたん白源である魚ですら安心して食べられず、公害病は全国に広がり、職場の労働条件の悪化は、労働災害を導き、交通事故もまた激増しております。  さらに、国鉄をはじめ、公共料金の引き上げ、大資本の商品、土地投機の横行、インフレ予算などにより、二十年来の異常な高物価が国民を苦しめております。これらの一つ一つの事実は、もはやだれの目にも、生活と健康破壊が個人の責任ではなく、国と資本家の責任であることを明白に示しているのであります。(拍手)  しかるに、政府は、自民党医療政策大綱が述べているような、自分の健康は自分で守るという自己責任原理や社会保障の費用負担を相互扶助に求める立場に依然として固執しています。  本来、保険料というものは、社会保障憲章で強調されているように、国と資本家が全額負担すべきものであります。国際的に見ても、フランスの労使負担割合は一対三であり、イタリアは一対六〇であります。また、日本国内においても労使の負担割合は、労働者の負担軽減の方向にあります。それにもかかわらず、政府が直接管掌する健康保険の労使負担割合は、いまに至るも法律で折半を押しつけています。しかも、保険料率は戦後の二倍近くにも上がっておりながら、今回またもや引き上げるなどということは断じて認めることができないのであります。(拍手)  第二の反対理由は、弾力条項と厚生保険特別会計法の改悪であります。  そもそもこの弾力条項は、国会の議決なしに政府が一方的に保険料を引き上げることを可能にするものであります。厚生保険特別会計法の改悪は、給付の改善などで保険財政に赤字が生じた場合、弾力条項の適用によって保険料を引き上げなければ健康勘定への借り入れ金が制限されることになっているのであります。これは支払い基金からの医療機関への医療費の支払いをストップするか、それとも労働者の保険料の値上げを認めるかの二者択一を国民に強要するものであります。組合健保の弾力条項は、不十分とはいえ、保険料の決定に際し被保険者の意思が反映できる仕組みになっていますが、政管健保の場合には国会にしか被保険者の意思を反映する場がないのであります。被保険者の意思反映の場を奪う弾力条項は民主主義の見地からも断じて認めることはできません。(拍手)第三の反対理由は、保険財政赤字の重要な一因となっている製薬大企業の独占薬価に何らメスを加えず、その医療保険への寄生を放置し、国民に負担増を押しつけていることであります。わが国の薬価は、すでにわれわれが社会労働委員会の審議で明らかにしたように、国際的にも割り高であります。いま英国をはじめ、EC諸国で引き下げが問題になっている精神安定剤のごときは、日本ではイタリアの原料価格の実に三百八十倍という驚くべき価格となっています。ところが政府は、薬価基準の適正化を主張するのみで、自由経済だからそれを破ってまで厚生省が命令することはできないと、大企業の原価や利潤にメスを入れることを頑強に拒否しているのであります。アメリカやイギリスですら行なっている原価の公表、独占薬価の規制を行なおうとせず、製薬大資本の独占利潤を放置する態度は絶対に容認できません。(拍手)この点を究明せずして、赤字だからといって保険料を引き上げるとは、まさに政府の大資本優先の姿勢を端的に示すものであります。  以上がおもな反対の理由であります。  今回の法改正には若干の改善も見られますが、その中にも問題がないわけではありません。  世界の主要資本主義国の中で、家族給付が本人と異なるのは日本だけであり、これは社会保障給付の平等の原則に反しているものであります。高額医療費に療養費払い制が導入され、現金の準備のない人には、医療が受けられなくなる危険など多くの問題があります。  また、付添料や、保険以外の多額の現金の支出を余儀なくされている今日の入院患者の実態が考慮されていません。特に高額医療費の保険負担と引きかえに療養費払い制を導入したことは、自民党医療政策大綱で述べているように、大学付属病院や歯科の補綴などへも療養費払い制度を拡大する突破口をつくるものであり、健康保険制度の抜本改悪に通ずるものであります。  また、老人医療など、公費負担医療の三万円以上を保険に肩がわりさせていることは、国の公的責務の放棄であり、健保財政の圧迫原因をつくるものであります。  さらに、予防、リハビリテーションなどの給付のおくれは、主要資本主義国のほとんどが参加しているILO百二号条約、百三十号条約の批准をおくらせています。  このように本法案は、家族給付の七割をはじめとするわずかばかりの給付の改善と引きかえに、国民の保険料負担の増大を制度的に固定化しようとしており、全体としてはいわゆる赤字対策法案で、国民の年来の要望である医療保険制度の抜本的改善と全く無縁なものとなっています。  それだけにわれわれは当面、最小限の措置として、政管健保に対し、第一に国庫補助率を二〇%以上にすること、第二に製薬大企業の蔵出し薬価を二〇%引き下げること、第三に保険料の労使負担割合を三対七とし、中小企業の負担増は政府が肩がわりすること、第四に家族給付をさしあたり八〇%とすること、第五に医療従事者が十分な医療ができるよう診療報酬を適正に引き上げるとともに、国公立病院の独立採算制を廃止し、十分な財政援助をすることなどの改善を直ちに実現することを強く要求いたします。(拍手)  最後に、私は、国と資本家の全額負担で、だれでも、いつでも、どこでも安心して医療が受けられる真の医療保障の制度を一日も早く実現すべく奮闘する決意を表明して、反対の討論を終わります。(拍手)

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 坂口力君。   〔坂口力君登壇〕

坂口力公明党

○坂口力君 私は、公明党を代表いたしまして、健康保険法等の一部を改正する法律案並びに同修正案に対し、反対の意見を表明するものであります。(拍手)  私たち公明党が終始一貫して主張してまいりました第一の点は、急激な変化を続ける社会的な諸現象の中で、わが国の医療をどう位置づけていくのかということであります。  この改正案が、全体のどのような医療制度の中に位置づけられ、いかなる理念のもとに改革されようとしているのか、そのオリエンテーションが明らかにされるべきであり、それなくして、幾万言の議論を繰り返しても、健保問題は無意味であると主張し続けてまいりました。  田中総理自身からも、この医療制度の方向性についての責任ある答弁があってしかるべきでありました。昨夜には、社会労働委員会は、長い議論の終着点に、田中総理を迎えるべく用意万端整えておりましたが、出席の約束にもかかわりませず、午後十一時を過ぎてもついに総理の姿は見られませんでした。残念ながら、われわれは、最後まで、医療に対する基本姿勢すらも知らされず、本日の採決を迎えることになりました。ここに強い不満を表明するものであります。(拍手)  御承知のごとく、われわれの住む環境は、工業生産第一主義に起因する当然の終末として、水銀、カドミウムなどの重金属や、PCBなどの化学物質による汚染、亜硫酸ガスなどによる大気汚染など、刻一刻死せる海、死せる大陸へと化していくのであります。その複合汚染の中で、人間は好むと好まざるとにかかわらず、生活することを余儀なくされ、自分の注意や節度では防ぎようのないぜんそくや水俣病で苦しまねばならない現実が、厳然と存在するのであります。  また、一方において、長期療養を要するガン、高血圧や糖尿病などの成人病が上位を占め、いままで生き長らえることのできなかった重症心身障害者が長寿を全うすることができるようになった昨今であります。また、三十年先には、五人に一人が老人で占められる日が訪れようとしています。  これらの現状を顧みましたときに、いままでの医療システムで国民の健康が確保できるわけがありません。この複雑な環境の中で生きねばならない国民の医療に対して、いかに経済的に成り立つところの健康保険を考えたとしても、その保険のもとに安心をして生きられる保証のない限り、国民は納得しないのであります。  総理大臣、新潟には八十一カ所の無医地区がありますが、あなたは新潟の郷土に帰り、無医村で生きる人々に、給付が七割になったと大きな声で報告をすることができますか。いかに給付が七割になったとしても、医療機関のない人々にとって、それはどんな価値があるのでしょうか。全国にあります二千四百二十三カ所の無医地区をそのままにしておきながら、また順調にいっても昭和五十三年しか充足できないという看護婦問題を抜きにして、健康保険を論ずることの無意味さを再度強調して、次に論を進めたいと思うのであります。  言うまでもなく、医療保険は、経済的に、身体的に弱い人たちを救うためにあります。その本質からいうならば、いかなる歴史的経過があるにせよ、政府は、もっと国民の生命と健康を守るための責任を持つべきであり、負担の均衡、給付の公平等、前提条件の整理の上で、段階的に保険制度の統合、整備が行なわれるべきであります。  現実には、医療保険が九種類に大別され、保険によって年齢的また経済的に弱い層が偏在していることは周知のとおりであります。  政管健保の加入者は、組合健保の人よりも、平均して二割も給与が低く、しかも高齢者が多くなっております。この保険が、体質的に弱く、多くの赤字ができるのは当然であります。われわれは、この被保険者の給与が、全労働者の平均より少ないために起こる保険料の格差については、国が当然負担すべきであると主張してきました。国庫負担率を定率一五%にするならば、被保険者の収入格差を埋めることができ、値上げを行なわずに給付改善をすることができるわけであります。前国会におきまして、健保が審議されたときに、一二%に決定されました経過があるにもかかわりませず、今回一〇%に据え置かれたことを、まことに残念に思う次第であります。  私たちは、改悪部分として特に三つの点、すなわち保険料の引き上げ、特別保険料、弾力条項をあげてまいりました。これは、組合健保と政管健保の間ですら格差を生ぜしめ、それを固定化する可能性があると判断したからであります。修正案におきましては、広範な国民の世論に押され、特別保険料と弾力条項の一部を手直しされたものの、国会の議決なくして千分の八十まで引き上げることができる弾力条項は、基本的には残ってしまったのであります。弱い体質の政管健保にのみこの条項が安易に適用されましたなら、格差は増大の一途をたどり、中小企業で働く人々は、過酷な生活条件の中で、高い負担と高い医療を余儀なくされるのであります。  国民が願っている弾力条項は、保険経済を赤字から守るための弾力条項ではなく、病気によって起こる家庭経済の赤字を守るためのものであったのであります。厚生大臣は、軽率にこの条項の発動は行なわないと申されますものの、その発言から察しられますものは、あくまでも保険経済の赤字問題であり、被保険者の家庭経済の赤字は眼中にないといわざるを得ないのであります。国の本来の責務である国民医療への投資を怠り、責任を回避して、形だけの保険の一本化、財政調整の名による、組合健保などの経営努力の成果を盗むような政策を認めるものであってはならないのであります。  人類は、いままでの歴史的な行きがかりを捨てて、互いの生存のために英知を分け合わなければならない時代を迎えています。ましてや、小さな日本の国の中にあって、国民の命を守る医療保険が林のごとく乱立していてよいわけはありません。政管健保や日雇健保のように弱い体質の保険に対して、条件を向上させるための国庫負担の努力を放棄してしまった政府の姿勢に、国民とともに強い不満の意を表明するものであります。(拍手)  公述人の大熊房太郎氏は、病気にかかりやすい子供や老人こそむしろ十割給付にすべきであり、低所得層にこそ十分な医療を与えるべきであると主張されましたが、互いに政治家として強く胸に刻まなければならないことであります。  最後に、予防給付の問題でありますが、厚生大臣も、現在の保険が健康保険よりも疾病保険になり下がり、ころばぬ先のつえが必要なことは理解されながらも、予防に金を使えば、その分だけ余分に金がかかるという認識であります。毎年健康診断を正しく受けている人とそうでない人との間には、明らかに医療費に大きな差があることを御存じないようであります。むしろ、現在の医療費の増大は、予防のための体制と、予防給付のないところに原因しているといわなければなりません。  西ドイツにおきましては、一九七一年より男子四十五歳以上、女子三十歳以上のガン予防の検診と、四歳までの児童は、正常の心身の発育を阻害する疾病に対して、保険による予防給付に踏み切っていることを申し上げておきたいと思います。  以上、政府の医療の基本姿勢の欠如と保険統合化への無策ぶり、さらに予防給付に対する誤った認識の三点をあげ、医療全体にわたる抜本改正に着手することが急務であることを申し上げ、その中で経済問題として終始した改正案に対して、大局的な立場から反対の意を表明し、討論を終わります。(拍手)

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 折小野良一君。   〔折小野良一君登壇〕

折小野良一民社党

○折小野良一君 私は、民社党を代表して、ただいま議題となっております内閣提出の健康保険法等の一部を改正する法律案及び自民党提案の同法修正案について反対の討論をいたします。(拍手)  わが党は、これまで、健康保険制度の改正については、まず基本的に制度の抜本的な改革を強く主張してまいりました。これに対して政府は、数次にわたってその実施を公言しながら、ついに今日までその実現を見ていないのであります。このことは、まさしく国民の福祉を無視した政府の無策と怠慢の結果であるといわざるを得ません。(拍手)  今回のこの提案にしましても、当面する政管健保の赤字対策に終始し、国民的立場における医療保障体制の確立を中心とした、制度の抜本的な改革についての基本的な姿勢が見られないことは、まことに遺憾であります。  このために、さきにわが党の和田議員が質問において指摘したとおり、僻地医療の問題や救急医療、差額ベッドや付添看護の問題、医師の確保と診療モラルの問題、さらには公害病や難病対策の問題等、まことに多くの国民医療についての基本的な問題が山積するに至っているのであります。  たとえば、僻地医療の問題一つをとりましても、過疎化が進みつつあります今日、関係者の努力にもかかわらず、ますます無医地区は広がりつつあります。国民皆保険の今日、なお、人間の生命に直接かかわる医療サービスから全く見放されている人々が、全国で二千数百カ所の無医地区に、実に八十八万人余もいるということであります。  これらの地区においては、同じく健康保険の被保険者でありながら、最も近い医療機関まで車で数時間もかかり、急患が発生いたしましても対応するすべもなく、幸いに治療を受けることができたといたしましても、交通費をはじめきわめて多額の関連する経費の支出を余儀なくされるのであります。しかも、その経費は保険では見てくれないのであります。  生活は貧しく、毎日の仕事は忙しい、病人にかまっているひまもなく、病人もまた周囲に気を使って苦しみをがまんするということになります。  その結果、死亡率は全国平均で百人中七・四人であるのに対して、これらの地区においては、実に八・七人という高い数字になっているのであります。少なくも医療の恩恵を国民にひとしく及ぼすという基本的な対策においてさえ、このような実態であります。  わが党は、まず、このような抜本的な制度の改正についての政府の無策と怠慢に対して、強く反対の意思を表明するものであります。(拍手)  次いで、今回の改正法案の具体的な内容について申し上げます。  まず第一に、政管健保の赤字対策としての保険料率の引き上げについてであります。  野党の要求に基づいて、ボーナスから徴収するという特別保険料は修正案によって削除されましたが、これは当然の修正でありましょう。料率は千分の七十から七十三に引き上げ、標準報酬の上限を二十万円としたことによる保険料の負担増は、特に中小零細企業関係者の多い政管健保の被保険者にとって、ただでさえ高物価に苦しめられている日々の生活に、さらに一そうの重圧となり、きわめて深刻な問題であります。しかも、いわゆる弾力条項の新設は、行政権力による国民の権利義務に対する重大なる侵害であります。われわれは、今日、このような情勢の中での保険料の引き上げには強く反対するものであります。これもまた、抜本対策の欠如による国民へのしわ寄せであります。  第二は、国庫負担率がきわめて低いということであります。  今回、政府は、従来の定額補助制度を改め、主要な保険給付に要する費用の一〇%を国庫補助とする定率制を採用することといたしましたが、わが国の医療保険制度が、社会福祉の根幹的な制度であることにかんがみ、この際、定率を二〇%として、真に社会保障の実態に沿った制度に組み直すことが必要であります。今日の疾病の多くは、社会的な原因と、その環境によるものと言っていいのであります。このような意味からも、政府原案の定率一〇%の補助率は、まさに低きに失するというべきであります。  第三には、今回の改正によって一応の改善が見られた部分についても、その施策が不十分であり、また不徹底である、こういうことであります。  たとえば、家族の高額療養費について、月三万円以上は保険から給付することとしておりますが、高額医療を要する疾病の多くは、たとえば、結核、ガン、じん炎、肝臓病など、本来長期の治療を要する疾病であり、これらの重病患者をかかえた家庭経済の実態を考えますと、療養が長引くにつれて、月三万円の負担もまたきわめて過重となるのであります。このような実情から見ますと、長期の重病については、たとえば、三カ月経過後はさらにこれを軽減免除する等の措置を考慮することが当然に必要であります。  要は、ただいまここに申し述べましたように、この法案は、政管健保の赤字対策の域を出ないものであり、しかも、抜本的な対策ときめこまかな配慮が欠けている点において、国民の期待に沿うものでないと断ぜざるを得ないのであります。(拍手)  以上、簡単に反対の理由を申し述べましたが、あわせて、わが国医療保障制度確立と、そのための抜本対策を強く要求して、私の討論を終わりといたします。(拍手)

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) これにて討論は終局いたしました。  これより採決に入ります。  まず、日程第四及び第七の両案を一括して採決いたします。  両案の委員長の報告はいずれも修正であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり決しました。  次に、日程第五及び第六の両案を一括して採決いたします。  日程第五の委員長の報告は修正、第六の委員長の報告は可決であります両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり決しました。      ————◇—————  昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)  昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)  物品の一時輸入のための通関手帳に関する通関条約(ATA条約)の実施に伴う関税法等の特例に関する法律案(内閣提出)

中山正暉自由民主党

○中山正暉君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。  すなわち、この際、内閣提出、昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、物品の一時輸入のための通関手帳に関する通関条約(ATA条約)の実施に伴う関税法等の特例に関する法律案、右三案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 中山正暉君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、物品の一時輸入のための通関手帳に関する通関条約(ATA条約)の実施に伴う関税法等の特例に関する法律案、右三案を一括して議題といたします。

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 委員長の報告を求めます。大蔵委員長鴨田宗一君。     —————————————   〔報告書は本号末尾に掲載〕     —————————————   〔鴨田宗一君登壇〕

鴨田宗一自由民主党

○鴨田宗一君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  初めに、共済年金改定関係の二法律案について申し上げます。  この二つの法律案は、国家公務員の共済組合及び公共企業体の共済組合からの退職年金等のうち、昭和四十七年三月三十一日以前に給付事由が生じたものにつきまして、恩給における措置にならい、年金額の算定の基礎となっている俸給を、昭和四十六年三月三十一日以前に給付事由が生じた退職年金等にあっては二三・四%、同年四月一日以後に給付事由が生じた退職年金等にあっては一〇・五%増額すること等により、本年十月分以後、年金額を引き上げることとするとともに、遺族年金の受給資格要件の緩和、外国特殊機関職員の在職期間の通算条件の緩和等をはかるほか、公共企業体の職員の通勤による災害に対し、公共企業体の負担により補償を行なうため、三公社法を改正する等、それぞれ所要の措置を講じようとするものであります。  以上が両法律案の概要でありますが、両案につきましては、慎重審査の結果、一昨二十七日質疑を終了いたしましたところ、本日、両法律案に対し、木村武千代君外四名より、自由民主党の提案にかかる修正案がそれぞれ提出されました。  修正案の要旨は、厚生年金保険における修正内容にならい、通算退職年金のいわゆる定額部分の額を引き上げることとするほか、国家公務員共済組合法に基づく年金の最低保障額を引き上げることとするものであります。  次いで、来年度以降国の負担増を来たすこととなる国家公務員の共済年金関係の修正案につきまして、内閣の意見を聴取いたしましたところ、愛知大蔵大臣より、政府としては、やむを得ないものと認める旨の意見が述べられました。  引き続き、以上の両原案並びに両修正案について採決いたしましたところ、両修正案並びに修正部分を除く両原案はいずれも全会一致をもって可決され、よって両法律案は修正議決すべきものと決しました。  なお、両法律案につきましては、全会一致の附帯決議が付せられましたことを申し添えます。  次に、物品の一時輸入のための通関手帳に関する通関条約(ATA条約)の実施に伴う関税法等の特例に関する法律案について申し上げます。  本法案は、ATA条約を実施するため、関税法及び関税定率法の特例その他必要な事項を国内法で定めようとするものでありまして、そのおもな点は次のとおりであります。  まず、通関手帳は、商品見本、展示会への出品物等関税定率法第十七条に定める再輸出免税物品のうち政令で定めるものについて使用することができることといたしております。  次に、ATA条約の規定に基づき、通関手帳の発給及び関税等の保証を行なう保証団体となるには、大蔵大臣の認可を要することとするほか、その認可に関する手続、業務に関する大蔵大臣への報告義務等について規定を設けております。  さらに、通関手帳により輸入された物品が通関手帳の有効期間内に輸出されない場合には、保証団体は、輸入者と連帯してその物品に対する関税等を納付する義務を負うことといたしております。  以上のほか、通関手帳を保税運送にも使用することができることとする等、所要の規定を設けることといたしております。  本案は、審査の結果、本日質疑を終了し、直ちに採決いたしましたところ、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 三案を一括して採決いたします。  三案中、昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、及び昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案の委員長の報告はいずれも修正、他の一案の委員長の報告は可決であります。三案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 御異議なしと認めます。よって、三案とも委員長報告のとおり決しました。(拍手)      ————◇—————  輸出硫安売掛金経理臨時措置法を廃止する法律案(内閣提出)

中山正暉自由民主党

○中山正暉君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。  すなわち、この際、内閣提出、輸出硫安売掛金経理臨時措置法を廃止する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 中山正暉君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  輸出硫安売掛金経理臨時措置法を廃止する法律案を議題といたします。

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 委員長の報告を求めます。商工委員長浦野幸男君。     —————————————   〔報告書は本号末尾に掲載〕     —————————————   〔浦野幸男君登壇〕

浦野幸男自由民主党

○浦野幸男君 ただいま議題となりました輸出硫安売掛金経理臨時措置法を廃止する法律案につきまして、商工委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  現行の輸出硫安売掛金経理臨時措置法は、昭和三十七年に決定されました硫安工業対策の一環として、当時、硫安生産会社に売掛金として累積していた二百十五億円にのぼる輸出赤字を、各社において十年間で繰り延べ償却せしめる特例を設けるため制定されたものでありますが、その後、硫安工業の合理化、近代化が進められ、売掛金の償却も順調に進んでまいりまして、本年三月期決算をもって全部完了するに至りました。  本案は、このように現行法が滞りなくその目的を達成いたしましたことにかんがみ、これを廃止しようとするものであります。  本案は、去る三月二十日当委員会に付託され、六月二十日中曽根通商産業大臣から提案理由の説明を聴取した後、同月二十七日質疑を終了し、本日採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 採決いたします。  本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 本日は、これにて散会いたします。    午後四時四十六分散会      ————◇—————  出席国務大臣         大 蔵 大 臣 愛知 揆一君         文 部 大 臣 奧野 誠亮君         厚 生 大 臣 齋藤 邦吉君         農 林 大 臣 櫻内 義雄君         通商 産業大臣 中曽根康弘君         運 輸 大 臣 新谷寅三郎君         郵 政 大 臣 久野 忠治君         労 働 大 臣 加藤常太郎君         国 務 大 臣 三木 武夫君

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