本会議 第28号
- 発言数
- 64 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1973/04/19
会議録
○議長(中村梅吉君) これより会議を開きます。 ————◇————— 日程第一 消費生活用製品安全法案(内閣提 出)
○議長(中村梅吉君) 日程第一、消費生活用製品安全法案を議題といたします。 —————————————
○議長(中村梅吉君) 委員長の報告を求めます。商工委員会理事稻村左近四郎君。 ————————————— 〔報告書は本号末尾に掲載〕 ————————————— 〔稻村左近四郎君登壇〕
○稻村左近四郎君 ただいま議題となりました消費生活用製品安全法案につきまして、商工委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 近年、所得水準の向上と技術革新の進展に伴い、複雑かつ高性能の製品が次々と開発され、国民の豊かな消費生活の享受に貢献してまいりましたが、その反面、消費者はこのような製品の安全性を識別することが困難となってきており、これら製品の欠陥による事故や製品の安全性に関する苦情も増加する傾向にあります。 本案は、このような実情に即応して、一般消費者の生活の用に供される製品の安全性を確保するため、製品の安全性に関し、危険性の高い特定の製品について、国による規制措置等を講ずるとともに、民間の自主的努力を促進するための措置を講ずることによって、国民の安全な消費生活の実現をはかる趣旨で提案されたものであります。 そのおもな内容の第一は、特定製品の製造及び販売の規制であります。 主として一般消費者の生活の用に供されるいわゆる消費生活用製品のうち、特に安全性の点から問題のあるものを特定製品として指定し、この特定製品について国が安全基準を定め、この基準に基づいて検定を行ない、これに合格したものでなければ販売してはならないこととしております。この場合、特定製品の製造事業者については登録、型式承認制度を設け、技術基準適合義務等を課しております。 また、万一危険な特定製品が出回った場合には、その製品の回収をはかる等の措置をとるべきことを命ずることができるよう規定いたしております。 第二は、製品安全協会に関する規定であります。 協会は、民間が発起し、通商産業大臣の認可を受けて設立されるものでありますが、その業務は、国の監督のもとに、特定製品の検定等の事務を行なうこと、また、製造事業者の申し出を受けて自主的に消費生活用製品の安全性の認定を行ない、万一その製品の欠陥により事故が発生した場合は、その被害者に対し損害賠償が簡易かつ確実に支払われるような被害者救済制度を設けることとしております。 その他、特定製品以外の消費生活用製品についても、一定の要件のもとに危険な製品の回収等緊急の措置を講ずることができることとしております。 本案は、二月二十七日当委員会に付託され、三月六日中曽根通商産業大臣より提案理由の説明を聴取いたしました。以後、参考人から意見を聴取する等、慎重に審査を重ね、四月十七日質疑を終了し、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。 なお、本案に対して、国民の安全な消費生活の実現、向上をはかるため適切な措置を講ずべき旨の附帯決議が付されました。以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○議長(中村梅吉君) 採決いたします。 本案は委員長報告のとおり決する御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村梅吉君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。 ————◇————— 日程第二 北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時措置法及び南九州畑作営農改善資金融通臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
○議長(中村梅吉君) 日程第二、北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時措置法及び南九州畑作営農改善資金融通臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
○議長(中村梅吉君) 委員長の報告を求めます。農林水産委員長佐々木義武君。 ————————————— 〔報告書は本号末尾に掲載〕 ————————————— 〔佐々木義武君登壇〕
○佐々木義武君 ただいま議題となりました内閣提出、参議院送付、北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時措置法及び南九州畑作営農改善資金融通臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 本案は、北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時措置法及び南九州畑作営農改善資金融通臨時措置法による営農改善資金の貸し付け資格の認定申請期限を、昭和五十三年三月三十一日まで五年間延長して、これら地域の農業者の経営安定をはかろうとするものであります。 本案は三月三十一日参議院より送付されました。 委員会におきましては、四月十七日政府から提案理由の説明を聴取した後、質疑を行ない、同日採決いたしましたところ、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第でございます。なお、本案に対し附帯決議が付されました。以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○議長(中村梅吉君) 採決いたします。 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村梅吉君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。 ————◇————— 日程第三 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(中村梅吉君) 日程第三、在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
○議長(中村梅吉君) 委員長の報告を求めます。内閣委員長三原朝雄君。 ————————————— 〔報告書は本号末尾に掲載〕 ————————————— 〔三原朝雄君登壇〕
○三原朝雄君 ただいま議題となりました在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 本案の要旨は、 第一に、日中国交正常化に伴い、政令により設置していた在中華人民共和国日本国大使館を法律に規定するとともに、在中華民国日本国大使館、在台北日本国総領事館及び在高雄日本国総領事館に関する部分を削除すること。 第二に、在セイロン日本国大使館の名称を在スリ・ランカ日本国大使館に変更すること。 第三に、アトランタに総領事館を新設し、同館に勤務する職員に支給する在勤手当の額を設定すること。 第四に、在勤手当の種類に新たに子女教育手当を設定し、その支給額及び支給期間を定めること。 第五に、一部の既設在外公館につき住居手当の限度額を引き上げること。であります。 本案は、一月三十一日本委員会に付託、二月二十二日政府より提案理由の説明を聴取し、慎重審議を行ない、四月十七日質疑を終了いたしましたところ、加藤委員より、昭和四十八年四月一日から施行することとしている住居手当の限度額の引き上げに関する改正規定を、公布の日から施行し、本年四月一日から適用することに改めること等を内容とする修正案が提出され、趣旨説明の後、討論もなく、採決の結果、全会一致をもって修正案のとおり修正議決すべきものと決しました。 以上、御報告申し上げます。(拍手)
○議長(中村梅吉君) 採決いたします。 本案の委員長の報告は修正であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村梅吉君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。 ————◇————— 日程第四 炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(中村梅吉君) 日程第四、炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
○議長(中村梅吉君) 委員長の報告を求めます。石炭対策特別委員長田代文久君。 ————————————— 〔報告書は本号末尾に掲載〕 ————————————— 〔田代文久君登壇〕
○田代文久君 ただいま議題となりました炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、石炭対策特別委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 本案は、石炭鉱業の合理化に伴い離職を余儀なくされた炭鉱離職者の再就職の促進その他援護業務の拡充等をはかろうとするものであります。 そのおもな内容は、 第一は、炭鉱離職者求職手帳の発給要件を緩和して、昭和四十六年七月一日以降において、離職の日まで一年以上炭鉱労働者であった者に対しても手帳を発給することであります。 第二は、雇用促進事業団の援護業務を拡充して、広範囲にわたり求職活動を行なう炭鉱離職者に対し、広域求職活動費を支給することであります。 第三は、この法律の廃止期限を三年間延長して、昭和五十二年三月三十一日とすること等であります。 本案は、去る二月九日当委員会に付託され、三月七日加藤労働大臣から提案理由の説明を聴取し、以来、慎重に審査を重ねてまいりましたが、昨十八日質疑を終了し、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。 なお、本案に対し、炭鉱離職者、特に中高年齢者の再就職の促進等離職者対策の一そうの推進をはかることを内容とした附帯決議が付せられましたことを申し添えます。 以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○議長(中村梅吉君) 採決いたします。 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村梅吉君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。 ————◇————— 日程第五 農産物に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定に基づいて借り入れた外貨資金等の償還に関する特別措置法案(内閣提出) 日程第六 国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(中村梅吉君) 日程第五、農産物に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定に基づいて借り入れた外貨資金等の償還に関する特別措置法案、日程第六、国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
○議長(中村梅吉君) 委員長の報告を求めます。大蔵委員長鴨田宗一君。 ————————————— 〔報告書は本号末尾に掲載〕 ————————————— 〔鴨田宗一君登壇〕
○鴨田宗一君 ただいま議題となりました二法案につきまして、大蔵委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 まず初めに、農産物に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定に基づいて借り入れた外貨資金等の償還に関する特別措置法案について申し上げます。 御承知のとおり、わが国は、昭和三十年及び三十一年に、それぞれ第一次及び第二次の農産物に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定を締結し、約一億五百万ドルの借款を受けました。また、昭和三十七年には、日本国に対する戦後の経済援助の処理に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定を締結し、戦後アメリカから受けた経済援助の最終的処理として四億九千万ドルの債務を負ったのであります。これらの対米債務の返済は、現在、産業投資特別会計の負担において、毎年二回の分割払いにより行なわれておりまして、その最終支払い期日は、前者については第一次、第二次とも昭和七十年、後者は昭和五十二年となっているのであります。以上の対米債務の現在の残高は、両者合わせて二億六百万ドルと見込まれているのであります。 ひるがえって、わが国の国際収支の動向は、数年来かなり大幅な黒字基調が続いているのに対し、アメリカの国際収支は赤字が依然として大きく、特にわが国に対しては輸入超過となっているのであります。 本法案は、このような状況にかんがみ、対外経済関係の調整に資するため、対米債務は、この際、昭和四十八年度において履行期限の到来していないのを繰り上げ償還することとし、これに伴う当面の資金繰り上必要となります資金を、産業投資特別会計において、昭和四十八年度から五十年度までの各年度に借り入れることができることとする等、特別措置を講じようとするものであります。 本法案は、審査の結果、昨十八日質疑を終了し、次いで討論を行ないましたところ、日本社会党を代表し阿部助哉君、日本共産党・革新共同を代表し荒木宏君より、それぞれ本法案には反対である旨の意見が述べられました。 引き続いて採決いたしましたところ、本法案は多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。 次に、国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。 この法律案は、最近における国家公務員の旅行の実情等にかんがみ、旅費の定額を改定する措置を講じようとするものであります。 第一に、内国旅行については、日当及び食卓料の定額を約三〇%程度、宿泊料の定額を約四〇%程度それぞれ引き上げることとするほか、車賃の定額についても若干の引き上げを行なうことといたしております。また、移転料につきましても、その定額を平均して約三〇%程度引き上げるとともに、等級別の支給区分を現行の八段階から七段階にすることとしております。 第二に、外国旅行につきましては、日当及び宿泊料の定額を平均して約二〇%程度引き上げるとともに、宿泊料等の特に高い都市への旅行については、旅行の実情に即した定額を支給することとし、旅費の支給区分を改めることとしております。また、移転料につきましても、その定額を約三〇%程度引き上げることとしております。なお、死亡手当についても、最近の外国旅行の実情に即して、その定額を倍額に改定することとしております。 その他、職員の死亡等の場合に支給される旅費につきましても、所要の規定の整備を行なうこととしております。 本案につきましては、審査の結果、昨十八日質疑を終了いたしましたが、木村武千代君外四名から、自由民主党提案にかかる修正案が提出されました。 その内容は、施行日を「公布の日」に改めるとともに、改正後の国家公務員等の旅費に関する法律の規定は、本年四月一日にさかのぼって実施することとしようとするものであります。 続いて原案及び修正案を一括して討論を行ないましたところ、日本共産党・革新共同を代表して増本一彦君は、原案及び修正案に賛成の旨を述べられました。 次いで採決いたしましたところ、修正案及び修正部分を除く原案はいずれも全会一致をもって可決され、よって、本案は修正議決すべきものと決しました。 以上、御報告申し上げます。(拍手)
○議長(中村梅吉君) これより採決に入ります。 まず、日程第五につき採決いたします。 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(中村梅吉君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。 次に、日程第六につき採決いたします。 本案の委員長の報告は修正であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村梅吉君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。 ————◇————— 道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律 案(内閣提出)
○中山正暉君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。 すなわち、この際、内閣提出、道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○議長(中村梅吉君) 中山正暉君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中村梅吉君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。 道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
○議長(中村梅吉君) 委員長の報告を求めます。建設委員長服部安司君。 ————————————— 〔報告書は本号末尾に掲載〕 ————————————— 〔服部安司君登壇〕
○服部安司君 ただいま議題となりました道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 本案は、最近における道路交通需要の増大と多様化に対処するため、第六次道路整備五カ年計画を、計画遂行途上において発展的に改定して、新たに昭和四十八年度を初年度とする第七次道路整備五カ年計画を策定する等の措置を講じようとするものであります。 本案は、三月九日本委員会に付託され、同月二十七日提案理由の説明を聴取したのでありますが、質疑の詳細は会議録に譲ることといたします。 かくて、本十九日質疑を終了、自由民主党より施行期日に関する修正案が、また、日本社会党より道路整備緊急措置法の目的、道路整備五カ年計画の対象となる道路の範囲の拡大及び同計画案の作成手続等に関する修正案が提出され、討論、採決の結果、本案は多数をもって自由民主党提出の修正案のとおり修正議決すべきものと決定した次第であります。 なお、本案に対しては、自由民主党、民社党の共同提出による地方道の整備の促進等五項目の附帯決議が付されました。 以上、御報告申し上げます。(拍手)
○議長(中村梅吉君) 採決いたします。 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(中村梅吉君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。 ————◇————— 国土総合開発法案(内閣提出)の趣旨説明
○議長(中村梅吉君) 内閣提出、国土総合開発法案について、趣旨の説明を求めます。国務大臣小坂善太郎君。 〔国務大臣小坂善太郎君登壇〕
○国務大臣(小坂善太郎君) 国土総合開発法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 昭和二十五年に制定され、昭和二十七年にその一部を改正された現行の国土総合開発法は、狭隘な国土と乏しい資源という制約条件の中で、年々増加する人口を擁しながら、国民生活の維持向上をはかるため、戦後の荒廃した国土の保全をはかり、国土及び資源の積極的、合理的かつ効率的な開発利用を期することを目的としたものでありまして、国土の総合開発に関する基本法的な役割りをになって今日に至ったのであります。 しかしながら、その間、国土総合開発の課題も時代の要請とともに推移し、重要課題ごとに多数の地域開発関連の法律が相次いで制定されてまいりました。 一方、現実問題として、六〇年代における経済の高度成長に伴って、人口と産業の大都市集中は急速に進行し、過密過疎問題は一そう深刻なものとなってきております。同時に土地利用の混乱、地価の異常な高騰、投機的な土地の取引など、土地問題も激しさを加えており、これらの問題の解決は、いまや国土総合開発にとって、最重要課題となってきたのであります。 今日、国土の総合開発は、公共の福祉と自然環境の保全を優先するという原則に立ち、片寄った国土利用を将来に向かって再編成しつつ、国土の均衡のとれた発展と健康で住みよい地域社会の形成を目標として、六〇年代における貴重な経験と教訓を踏まえ、現下の諸問題を着実に解決していくものでなければなりません。 このような事情にかんがみ、まず、国土の総合開発を進めるにあたっての基本理念を明らかにし、総合開発計画の体系化をはかるとともに、土地利用基本計画の作成と土地取引及び開発行為の規制に関する制度の充実をはかり、また、特定の地域における総合開発を調整し、促進するための措置を講ずることが緊急に必要であると判断いたしまして、この際、現行法を廃止し、新たに新法として、国土総合開発法を制定することといたした次第であります。 次に、この法律案の要旨について御説明申し上げます。 第一は、国土総合開発の基本理念についてであります。 国土の利用、開発及び保全は、国土が現在及び将来における国民のための限られた資源であり、かつ、もろもろの活動の共通の基盤であることにかんがみまして、公共の福祉を優先させ、自然環境の保全をはかりつつ、地域の諸条件に配意して、健康で文化的な生活環境の確保と国土の均衡ある発展をはかることを基本理念として行なうことといたしております。 第二は、全国総合開発計画及び都道府県総合開発計画についてであります。 国は、全国総合開発計画を定めるものとし、また、都道府県においても、都道府県総合開発計画を定めることができるものとしておりますが、特に全国総合開発計画は、国土の総合開発に関しては、国の諸計画の基本とする旨を明らかにして、国土の総合開発に関する計画の体系化をはかることとしております。 第三は、土地利用基本計画についてであります。 都道府県知事は、都市地域、農業地域、森林地域、自然公園地域及び自然保全地域の五つの地域区分の設定並びに土地利用の調整に関する事項などを内容とする土地利用基本計画を定めるものとし、国及び地方公共団体は、この土地利用基本計画に即して、適正かつ合理的な土地利用がはかられるように、都市計画法、森林法その他の土地利用関係法律で定めるところにより、自然環境の保全等に配意しつつ、所要の規制措置を講ずることといたしております。 第四は、土地売買等の届け出、勧告制度についてであります。 一定規模以上の土地の売買等を行なう者に対しては、あらかじめ、その価格、利用目的などを都道府県知事に届け出ることを義務づけ、都道府県知事は、その価格が著しく適正を欠くとき、利用目的が不適当であるときなどには、取引の中止勧告等をすることができるものとし、勧告に従わないときには、公表することができることといたしております。 第五は、特別規制地域における土地売買等の許可制についてであります。 まず、都道府県知事は、投機的な土地取引が行なわれ、土地の価格が急激に上昇し、またはそのおそれがある地域で、その事態を緊急に除去する必要があるところを、最高五年以内の期間に限って特別規制地域として指定することができるものといたしております。 この特別規制地域内で土地の売買等を行なう場合には、都道府県知事の許可を受けなければならないものとし、許可を受けない土地売買等の契約は、その効力を生じないものとしております。 次に、許可の基準となるべき土地の取引価格は、地域指定時の価格を基準として定めるものとし、また、不許可とされた土地所有者等に対しましては、土地の買い取り請求権を認めるとともに、不服申し立ての道を開いております。 なお、内閣総理大臣は、国土の総合開発に関し国の立場から特に必要があると認めるときは、特別規制地域の指定の指示などの措置を講ずることができることとしております。 第六は、特定総合開発地域制度についてであります。 まず、都道府県知事は、関係市町村及び地域住民の意向をただしつつ、新都市の開発などを主たる目的とする総合開発を特に促進する必要がある地域を特定総合開発地域として指定することができるものとし、その地域の総合開発について計画を定めることができることといたしております。 次に、地域指定後五年間は、土地売買等について、一般地域の場合の特例として、届け出、勧告制を強化するほか、地方公共団体等は、届け出のあった土地について買い取りの協議を行なうことができるものとしております。また、特定総合開発計画の円滑な推進をはかるために必要な行財政上の措置を講ずることとしております。 その他、国土総合開発審議会、都道府県総合開発審議会及び土地利用審査会を設けることとしているほか、この法律の施行に要する経費の補助、大都市に対する権限の委譲、罰則等に関する規定を定めるとともに、関係法律の改正を行なうこととしております。 以上がこの法律案の趣旨でございます。 何とぞ御審議の上、御賛同あらんことをお願いいたします。(拍手) ————◇————— 国土総合開発法案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
○議長(中村梅吉君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。渡辺惣蔵君。 〔渡辺惣蔵君登壇〕
○渡辺惣蔵君 私は、ただいま提案されました国土総合開発法の改正案に対しまして、日本社会党を代表して、日本列島改造論の提唱者でもある田中首相に対しまして、国民の持つ多くの疑問と不安、不信の声にかわりまして、あえて質疑を行なわんとするものであります。(拍手) 今回の法改正の内容は、田中首相の日本列島改造論の主張と論拠を全面的に盛り込み、国土総合開発庁の設置、国土総合開発公団の結成と三位一体の体制を整えて、その法の内容もまた、実施法として再出発しようとするところに多くの問題が提起されておるのであります。 田中首相の提唱する日本列島改造論の基本理念と、その構想のよりどころは、全面的に新全国総合開発計画そのものであったことは、自他ともに、すべての人々が認めてきたところであります。新全総計画は、池田、佐藤、田中の三代十余年の自民党保守政権をささえてきた、日本の高度経済成長政策推進のための理論武装の役割りを果たしてきたものであります。 その結果、日本は、自由世界におけるGNP第二の経済大国にのし上がりましたが、同時に、その産業優先の結果は、大都市への過度の人口の流入、住宅難、交通地獄、公害の爆発、物価の異常なる上昇を激発させて、いまや経済大国日本は、アメリカからさえ日本株式会社と罵倒されるほど、国際社会からもきびしい指弾を受けて、国民生活は未曾有の危機にさらされておるのであります。(拍手) 昨年十月二十一日の閣議を通じて、その立案者である経済企画庁みずからが「新全総計画の総点検について」という文書を発表し、全面的改定に着手したことによって、この十余年にわたって日本の前途に非常な誤りをおかしてきた新全総計画そのものが、存命わずかに三年にして、総点検の名のもとにあえなく廃棄されてしまったのであります。 田中首相の一枚看板である「日本列島改造論」は、この廃棄されたほご紙同然の新全総の計画書が重要な種本であります。種本というよりも、一体の書であります。その新全総計画が、その予見と展望、その政策手段の誤りをみずから認めざるを得なかった以上、「日本列島改造論」もまた失格の文書であるべきはずであります。(拍手) 田中首相は、去る三月三十一日の参議院予算委員会の席上、社会党の羽生三七君の質問に答えて、列島改造論の誤りを認められて、これを書きかえるということを言明されたと報道されておりますが、本法案の内容のどこにその反省が盛られているのか。また、新しくつくられようとする新国土総合開発計画とはどういうものであるか、その方向について、本案の審議の前提にあたって、決意と所信を明らかにしていただきたいと思うのであります。(拍手) 本法案の改正の要点は、土地利用基本計画、特別規制地域、特定総合開発地域の三章に集約されているようであります。 土地利用基本計画にあっては、都市、農業、森林、自然公園、自然保全の五つに分布して、地域指定を政令で定めようとするものでありますが、これは全く地図の上の線引きのようなもので、何の効果もない机上プランにすぎません。現実には山林、原野はもとより、農地に至るまで、農地法を無視し、違反を承知の上で不動産業者に買いまくられているという状態であります。 政府が法律に基づいて奨励しております地方道路公社は、二十府県に及んでおりますが、その地方道路公社でさえ、特定公園を削って道路をつくり、スカイラインをつくっているのが三分の一もあります。建設省監督下にある民間有料道路会社の五十余社のほとんどが、スカイラインや観光施設を自然公園や国定公園の中に造成しておるといわれます。したがって、緑と自然を守る、環境の保全をはかるといううたい文句を並べてみても、国民はだれ一人もこれを信用する者はないのであります。単なる作文にすぎないのであります。(拍手) 土地問題は重大な政治問題化しておりますが、現行の土地計画法のもとにおいて、市街化区域の農地は、三大都市圏のA、B農地を含めても一万六千八百十二ヘクタールにすぎないのであります。たとえば私鉄十四社が四十三年度から四十六年度までの四年間に販売した用地は一万六千ヘクタールでありまして、三大都市圏のA、B農地と同一の面積であります。しかも、現に四十七年度に保有しておる私鉄の商品用地は一万七千ヘクタールに及んでおります。その他三井不動産、三菱、東急不動産の三社だけでも四千六百十九ヘクタールという商品用地を現に保有しておるのであります。 田中首相は、土地の公共優先使用のために、住民による住民のための自主的な土地利用計画をつくるために、適切な処置を講ずる考えがあるか、その確信のほどを承りたいと思うのであります。 土地利用計画とともに、特別規制地域と特定総合開発地域との区分と規定が全くあいまいであります。地方中核都市の造成と大規模工業開発基地造成は、その目的も造成の手段も全く異なるものがあるはずです。ことに後者は、開発計画の必要がある地域を指定して、土地取引の届け出制を義務づけることになっておりますが、この両者の関係がどうなっているのか、明確に承りたいのであります。 大規模工業開発基地づくりは、その地域住民の生活を根本からくつがえして、そこに生活する農民と地域住民の生活を根本から奪い去ろうとしております。 一つの具体的な例として申し上げます。 北海道の苫小牧東部工業開発基地の一万三千ヘクタールを先頭に、青森のむつ小川原の八千ヘクタール、鹿島開発の三千三百ヘクタール、志布志湾の三千ヘクタールをはじめとして、三、四千ヘクタールの中型工業開発基地づくりが、全国至るところブルドーザーの轟音とともに乱開発が一斉に火を吹いておるのであります。 しかも、これらの道府県のほとんどは、保守系の知事が先頭に立っております。地域住民の意思を無視し、開発計画を強行しており、そのために地域の市町村、その住民の中から告発され、強烈な批判と抵抗運動が巻き起こされているのも共通の現象であります。 北海道では、苫小牧東部工業開発基地の用地一万三千ヘクタールの買収をめぐって、土地取得業務を担当してきた北海道企業局が、みずから農地法違反を引き起こしたり、悪らつな不動産業者を計画的に介入させ、これを擁護したり、かつては在職中この計画の立案者であった元北海道開発庁事務次官だった者が、商社丸紅の最高重役におさまって、現地に乗り込んで土地買収に狂奔するなど、目に余るものがあるのであります。 道議会では、地方自治法第九十九条、第百条に基づきまして、特別委員会を設置して直接監査に乗り出すなど、大きな物議をかもしております。 むつ小川原におきましても、地元村長を中心に猛烈果敢な反対運動をされておること、天下周知のことであります。鹿島開発の場合も同様であります。ことに志布志湾開発においては、やはり地元住民の必死の反対運動の前に、ブルドーザーの威力もストップして、計画中断を余儀なくされておるという状況であります。 ことに最近の大規模開発基地コンビナートづくりには、ほとんど例外なく第三セクターがつくられて、用地の造成、販売の業務がまかされております。 第三セクターは、言うまでもなく、官民合同の企業体であり、資本の半分は公的資金から出資されて、その他の半分は民間の銀行、大手商社、不動産業者、民間会社によって構成されているのが通例であります。ここでも、商社や大手不動産業者がデベロッパーとして大手を振って開発企業に参画し、公然たる地位と発言力を確保し、そのバックの信用を利用して、さらに一そう周辺農地の買い占めのあくなき利潤追求に狂奔しておるのであります。 しかるに、特定総合開発地域が至るところで乱開発され、多くの問題を引き起こし、地域住民や市町村との間にトラブルが爆発しておるのであります。乱開発の防止、地域住民の生活尊重、第三セクターから大商社、不動産業者の排除等の措置を講ずべきであり、田中首相の決断と所信を承りたいのであります。(拍手) いま一つ、この機会に明らかにしていただきたいことがあります。 それは、田中首相のみずから提唱されるCTS基地の計画推進にかかわる問題であります。CTS、すなわち重油輸入の備蓄中継基地の設定の問題であります。 今日、日本が激しい国際経済戦の中でも、重油の輸入問題は一段ときびしさを加え、アメリカをはじめ、特に日本においては、エネルギー資源の再検討が必至の段階に追い詰められているのは、先刻御承知のとおりであります。 しかるに、新全総計画では、この重油の輸入強化のために、北海道の噴火湾をはじめ、全国に十五カ所の基地予定地を設定しようと提案されて、ひそかに計画せられてまいりました。田中首相もまたこの計画をうのみにされて、無条件に受け入れて、あなたの著書「日本列島改造論」の第一四一ページにおいて、新全総計画そのまま、ほとんどその同文のものを引き写して掲げられておるのであります。 ところが、北海道知事や北海道電力は、あなたの「日本列島改造論」によって太鼓判を押されたことに勇気づけられて、噴火湾の中央部の伊達市に、重油専焼の火力発電所の建設計画を行ない、これに対して地域住民は、環境権訴訟まで起こして公害反対運動を続けておるのであります。しかも、ここ数日の間、会社側が強行着工のためにブルドーザーが出動し、血なまぐさい戦いがいま起こされようとする危機の段階にあるわけです。 公害追放、自然と環境を守り、住民生活の優先を第一義に掲げる本法の基本理念に基づいて、CTS計画の再検討をはかり、実力行使を中止させ、強行着工などを行なわざるよう、行政指導を要望するものであります。 本法のいま一つのきわ立った特徴は、総理大臣の権限がきわめて強大に規定されているということであります。特別規制地区と特定総合開発地域の指定を総理大臣の承認事項とした上、国が必要と認めた場合には、知事に対して指定を指示することができ、さらに特別規制地域では、指定の解除、変更まで指示し、知事がこれに従うことを義務づけた上、総理大臣みずからも指定できるよう、指揮監督権の強化をしております。まことに、本法は、総理大臣万能の法律であります。知事と地元住民との間でさえ合意に達しないものを、その知事に強行実施の指示権を発動することは、まさに独裁政治であります。(拍手) 田中首相は、この条項をたてにして、地域住民の意思を無視し、地方自治を抑圧し、中央集権の名のもとにひとり総理大臣の権限のみを強化し、認可、許可、協議、指定、解除など、ありとあらゆる万能の権力を行使できるような戦時中の東條軍閥内閣の権限を想起させるような、思い上がった独裁、独断専行は断じて許すことができないのであります。(拍手) このような強権規定をつくり出すに至った経過の中には、最近の東京、京都、大阪、埼玉等の大都市圏の都府県知事や市長の多くが革新派によって占められているといういら立たしさ、都府県知事、市長等が田中首相の意のままに動かないような万一の場合に備えて、伝家の宝刀を抜き、地方自治体に対して政治干渉を行なおうとするかまえと、その対策のためのものだと伝えられておりますが、田中首相の真意を承りたいのであります。(拍手) いま、街頭では、春らんまんの中で、特に田中首相の一代の歴史をつづった「花さけど風雨つよし」というレコードが宣伝されております。まさに田中首相のいまの政治的立場は、この「花さけど風雨つよし」の状態であります。田中角榮氏は、心を新たにして、国民の権利を尊重し、国民のための国土総合開発のために挺身されんことを要求し、期待をいたしまして、質問を終わる次第でございます。(拍手) 〔内閣総理大臣田中角榮君登壇〕
○内閣総理大臣(田中角榮君) 渡辺惣蔵君にお答えをいたします。 第一問は、列島改造論についてでございますが、列島改造が必要であるということは、何人もいなみ得ない事実だと思います。それは、現に総人口の三二%余の人々が国土の一%に集中をしておるという現実から、公害問題、住宅の不足、地価の値上がり、物価問題、すべてが起こっておるのであります。この現実を無視して現実の政策は立案できないことを十分御理解いただかなければならぬのであります。(拍手)政治は観念では片づきません。現実をあくまで土台としてよりよき理想の政策を推進せずして、どうして前進があるでありましょう。(拍手)しかも、空気をきれいにしなければならない、一次産業と二次産業との調整を行なうことによって、労働力を活用しなければならないという事実は、日本が当面しておる現実であります。 アメリカのカリフォルニア州よりも小さい日本に、一億一千万人近い国民が、世界で二番目の生産をあげておるという事実を前提として考えるときに、国土がすべて前提となって調整され、理想的な姿で改造されなければならぬことは論をまたないのであります。(拍手) しかも、社会資本を蓄積し、生活環境を整備し、そして、真に望まれる社会福祉を完成するためには、国土の総合開発を除いて、現実的政策のないことを私は明言いたします。(拍手) ただ、参議院で述べたことはいかなる理由によるかということでございますが、この列島改造論というものは、一つの指数を示したものでございますが、その指数は、国民総生産の指数をとっておるわけでございます。しかし、国民総生産を無制限に拡大しようというのではありません。理想的な社会福祉や社会環境や人間環境を整備するためには、そして一〇%の成長が続けばこのようになるし、八・五%の成長が続けばこのようになるしというような意味で、現実に国土の総合開発を緊急に進めずんば、この理想を達成することはできないという趣旨に出る著書でございますが、列島改造の結果、福祉状態はどうなるか、生活環境はどうなるかという面を強調する面が少なかったので、その分を時期を見て増補いたします、こう述べておるのでございまして、列島改造を否定などはいたしておりません。(拍手) それから、商社や不動産会社等の保有しておる土地を放出し、住宅の用に供する等のためにはどうするかというようなことでございますが、これも間々申し上げておりますとおり、法人の土地譲渡益に対する課税の強化、特別土地保有税の新設、国土総合開発法の改正による土地取引の届け出、勧告制、特別規制地域における土地取引の許可制の新設等の施策を講ずることにしておるわけでございます。また、昨年以来土地融資の抑制をはかっておるところでございます。 また、宅地の供給を促進するためには、市街化区域内の農地の宅地並み課税の措置とあわせて、特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法案の御審議を願っておるところでございます。 自由民主党や政府は自由を基調といたしておりましたので、いままで規制が不足であったことは事実だと思います。その意味で、このような法律案は、私は国有や公有を前提とする考えには同調できませんが、これこそ渡辺さんからこういうものを提案すべしと言われるような種の法案であるとさえ考えておるのでございます。(拍手) 第三点は、特別規制地域制度と特定総合開発地域制度との関係いかんという御発言でございますが、特定総合開発地域制度は、関係市町村及び地域住民の意向をただしつつ、新都市の開発などを総合的に行なうための制度でございます。特別規制地域制度は、投機的土地取引による地価の急激な上昇を緊急に防止するための制度でございます。両者は、制度の目的を異にしていますが、密接な関連を有しておるわけでございます。すなわち、新都市の開発などを行なうのに適当な地域につきまして、総合開発計画が最終的に決定されるまでに、投機的土地取引等による地価の急上昇が生じ計画の円滑な推進が阻害されるおそれが強い場合においては、特別規制地域制度を活用しつつ、特定総合開発地域制度を運用していくことになるわけでございます。 次は、発電所や石油中継基地等の建設にあたって、地元との紛争の多発が予想されておるが、本法案の趣旨をどのように生かしていくかという意味の御発言でございましたからお答えをいたします。 本法案におきましては、公共の福祉を優先させ、自然環境の保全をはかりつつ、健康で文化的な生活環境の確保と国土の均衡ある発展をはかることを基本理念として、国土の利用、開発を行なうことを明らかにしておるわけでございます。発電所やCTS基地の建設に際しましては、環境保全に十分留意するとともに、都道府県知事を通じて、地方の意向を十分尊重して決定することはもちろんのことでございます。さらに、地元福祉の向上をはかり、あわせて発電所立地の円滑化をはかる措置といたしまして、政府は発電用施設周辺地域整備法案を本国会に提案しておるところでございますので、御理解、御賛成をいただきたいと思うわけでございます。 総理大臣の知事に対する指示権は地方自治を抑圧するという趣旨の御発言でございます。 国土総合開発法案は、土地利用基本計画をはじめ、特別規制地域や特定総合開発地域の指定等については、地方自治尊重の立場に立って、すべてその権限を都道府県知事にゆだねることにいたしておるわけでございます。第十四条や第二十五条の指示権も、特別規制地域や特定総合開発地域の性格に照らして、国土の総合開発に関し国の立場から特に必要がある場合に限り認めることにいたしておるものでございまして、中央集権を考えておるわけではないわけでございます。特に総理大臣の調整権限につきましては、これは必要やむを得ざる場合を想定して規定をいたしたのでございまして、地方自治を乱したりする考えは毛頭ないことは、渡辺さんからも十分御理解がいただけると思うのでございます。 国土総合開発の推進が現下急を要しておるということを前提にして考えていただくときには、国も自治体も、お互いに責任を分担し合いながら、急速な解決をはからなければならぬわけでございますので、このような条文の制定を企図したものでございまして、真意を理解いただきたいと思います。(拍手) —————————————
○議長(中村梅吉君) 浦井洋君。 〔浦井洋君登壇〕
○浦井洋君 私は、日本共産党・革新共同を代表いたしまして、ただいま提案されました国土総合開発法案につきまして、総理並びに関係大臣に質問をいたします。 〔議長退席、副議長着席〕 第一は、田中内閣と歴代自民党政府の国土開発政策の基本的性格についてであります。 田中総理、あなたは、「日本列島改造論」の中で、昭和二十五年の国土総合開発法をはじめ新産業都市建設促進法、工業整備特別地域整備促進法などを、日本経済の再建になくてはならない法律などといっています。しかし、これらの一連の法律のもとで、一体何が行なわれてきたでしょうか。 第一に、新産都市のモデル地域の水島、あるいは工特地域の鹿島では、緑と太陽の町づくり、無公害コンビナート、といううたい文句とは全く逆に、公害が住民の命をむしばんでおるのであります。緑と自然は失われ、国民の生活環境は大きく破壊されておるではありませんか。 第二に、土地の価格が空前の大暴騰を続け、住宅や学校、病院など国民の生活用地が、ますます手に入れにくくなっております。 第三に、大資本のための工業開発が優先された反面、農業、郷土産業、中小企業対策がおろそかにされ、産業の発展がきわめてゆがんだ、不均衡なものとされたことであります。工業開発や公害による汚染のために農地は年々つぶされ、国土総面積に占める農地の比率は、三十五年の二〇%から、四十五年の一七%へと減少しておるのであります。 第四に、国民を犠牲にして国土を食い荒らす大企業に対して何の規制も行なわれず、大企業の横暴が目に余るものとなってきていることであります。 総理は、これらの事態に何らの反省も示さないばかりか、国土総合開発法第五条及び附則第三条以下の条文で、悪名高い佐藤内閣時代の新全総計画など一連の開発立法をそのまま引き継ぐことを明らかにしております。国土総合開発法案をてこに進められようとしておる日本列島改造計画が、歴代自民党政府の大資本優先の開発計画を一そう大規模に推し進め、国土を取り返しのつかない荒廃に追い込むものであることは、きわめて明らかではありませんか。(拍手) もし、総理がこれを否定するならば、なぜ、すでに誤りが明らかとなったこれらの悪法を新しい法案に引き継ごうとされるのか、この際、はっきりとお答え願いたいのであります。 政府は、国土総合開発法第二条に公共の福祉、自然環境保全などを盛り込み、福祉優先をしきりに宣伝をしております。しかし、この条文は、この法案全体の大資本奉仕の本質を隠す飾り文句にすぎません。現に、政府が閣議決定をした経済社会基本計画を見ても、依然として年平均九%の高度成長をうたい、社会資本の投資計画でも、生活環境改善のための投資は、大資本の産業基盤整備をおもな目的とする交通、通信投資の二分の一にすぎません。従来からの産業基盤優先の投資比率は少しも変わっていないのであります。これでは生活基盤整備がますます立ちおくれることは、火を見るより明らかではありませんか。(拍手)これでもなお政府は、福祉中心の国土計画だと言い張るおつもりなのか、総理並びに関係大臣に答弁を求める次第であります。 また、政府は、公害に対しても、ほとんど対策らしい対策を講じておりません。たとえば、環境専門委員会の報告にもかかわらず、窒素酸化物の環境基準をいまだにきめておりません。しかも、企業責任の明確化、公選制の公害委員会、公害発生施設に対する自治体の許可制など、現行公害法の抜本的改正の要求にも、今国会では、公害法を改正しようとしていないのであります。 これでは、第二条の自然環境の保全や、健康で文化的な生活環境の確保は、から文句に終わらざるを得ないのではありませんか。総理の答弁を求めるものであります。(拍手) 第二に、国土総合開発と地方自治、民主主義の問題について質問をいたします。 政府・自民党の国土開発は、大資本本位の工業開発優先という性格を持っております。しかるがゆえに、計画の作成や実行の過程もまた、きわめて官僚的な、上から下への押しつけにならざるを得ません。この国総法案にも、官僚的な性格が貫かれております。 たとえば、総理大臣の開発計画に対する権限は、異常なほど強くなっております。すなわち、都道府県の総合開発計画が、全国総合開発計画など国の計画のワクに縛られ、地方自治体の自主性が制限をされ、土地利用計画も、国の計画に規制をされ、総理大臣の承認を受けなければなりません。また、特定総合開発地域の指定に対する指示権、特定総合開発計画の実施に関する勧告権など、総理大臣は、事実上、知事の権限を奪い、直接、開発計画に介入できる仕組みになっております。 政府は、国が介入する口実に、都道府県間の調整が必要だと言っておりますけれども、府県間の調整は、まず知事間の民主的協議によってきめることこそ、地方自治の精神を生かすものであります。(拍手)地方自治の否定につながるこのような非民主的な規定は、削除すべきであります。この点についての総理の答弁を求めるものであります。(拍手) また、この法案では、開発計画における市町村の役割りを軽視いたしております。民主的な国土計画は、住民の声を生かしてつくられるべきであります。国総法の市町村軽視を改め、開発計画における市町村の役割りを法律上明確に位置づけることがどうしても必要でありますけれども、総理並びに関係大臣の答弁を求めます。 次に、開発計画を審議する開発審議会の構成と運営の問題であります。 自民党内閣の各種審議会は、財界、大会社の役員によって占められており、財界が直接、行政に介入する仕組みになっております。たとえば、現在の国土総合開発審議会には、九州電力常務、三菱地所社長などが名を連ね、経済審議会には、経済同友会代表幹事・東京電力会長をはじめ三井不動産社長、三井物産相談役など、財界指導者や、土地買い占め、商品投機、公害などで有名な大企業の役員が参加をしておるのであります。(「そのとおり」と呼ぶ者あり) 新しい法律に基づく開発審議会が、同様な顔ぶれにならないという保障は全くありません。このような審議会のもとで、はたして住民本位の民主的な国土計画がつくられると、総理は考えておられるのでしょうか。それとも総理は、構成メンバーを一新して、大資本の代表を入れないと約束できますか。明確な答弁を要求いたします。(拍手) また、全国総合開発計画は、国会の議決を要せず、閣議決定されることになっております。計画作成の手続だけを国会で定め、最も肝心な内容を政府に白紙委任させるというのは、国会無視もはなはだしく、民主主義にもとるものであります。開発計画は、当然、国会で審議決定するよう改めるべきではありませんか。政府の明確な答弁を要求するものであります。(拍手) 第三の問題は、大企業規制と土地対策についてであります。 今回の建設省の発表によっても、地価は、この一年間に全国平均三〇・九%と、かつてない高騰を来たしております。こうした地価の高騰が、大手総合商社、大手不動産、私鉄など大企業の横暴な投機的土地買い占めや地価つり上げによるものであることは、きわめて明らかであります。そして、このような大企業の土地投機を許し、土地問題を深刻化させたのは、いままでの自民党政府の土地政策、国土政策にほかならないのであります。 特に、佐藤内閣のもとで閣僚やあるいは幹事長、あるいは都市問題調査会長などを歴任し、総理に就任するや、「日本列島改造論」で土地投機をあおってきた総理、あなたの責任はきわめて重大であります。(拍手)総理は、この責任をどう考えておられるか。この際、とくとお伺いをしたいのであります。 このような田中総理が、地価高騰に対する世論の怒りに押されて今回打ち出してきた一連の土地政策が、国民の期待にこたえるものでないことは、この国総法案に盛り込まれた土地対策を見ても、きわめて明らかであります。 たとえば、地価凍結と土地売買に許可制を適用できる特別規制地域は、むつ小川原、志布志などの大規模工業基地、新二十五万都市、縦貫自動車道予定地などに適用され、国、自治体や大企業の牛耳る第三セクターが、農民や零細な土地所有者から早く、安く、文句を言わせず土地を収奪できるようにすることを、おもな目的にしておるのであります。 その反面、急速に市街化される地域などの住民の生活用地については、特別規制地域の効果を減殺するような指定の解除あるいは地域の縮小など、総理大臣が知事に指示をし、知事が従わなければみずから代行できるようにされております。とのことは、大都市圏の革新知事にはまかせられないとして、指示、代行権を急遽盛り込むことにした本法案作成の経過が雄弁に示しておるではありませんか。(拍手) また、土地税制についても、民間デベロッパーの宅地造成や工業団地造成を土地譲渡税、保有税の対象から除外をしており、大企業の土地投機を押えることはとうてい不可能なしり抜け法になっておるのであります。 政府の土地政策は、結局、大資本本位の開発には土地を安く提供できるようにしながら、生活用地に対しては土地投機を野放しにするものにほかならないのであります。総理及び関係大臣の明確な答弁を求めます。 総理は、しきりに、私権の制限を強調しておりますけれども、私権の制限は、中小零細土地所有者に対してではなく、大企業の反社会的な土地所有、土地投機にこそ向けられるべきであります。 最近わが党が行なった調査によっても、東京、神奈川、埼玉あるいは千葉の一都三県で、大企業が宅造用地として保有しておる土地は一万九千五百八ヘクタール、住宅建設戸数にして約二百万戸分に達しております。この用地を国、地方自治体が適正価格で収用することこそ、生活用地を確保する最も具体的で適切な方策ではありませんか。しかるに、総理は、大企業のばく大な買い占め用地には手をつけないで、生活用地として供給される何らの保証もない宅地並み課税にかじりついております。これは本末転倒もはなはだしいといわなければなりません。(拍手) この際、あらためてわが党の提案を検討すべきであるということを求め、総理の答弁を伺いたいのであります。 最後に、私は、国民の利益に反して大資本中心の国土政策を遂行する根拠法となっておる国土総合開発法案をはじめ、総合開発庁設置法、総合開発公団法など、一連の反動法案の撤回を強く要求をして、私の質問を終わります。(拍手) 〔内閣総理大臣田中角榮君登壇〕
○内閣総理大臣(田中角榮君) 浦井洋君にお答えを申し上げます。 本法案は、大資本奉仕、生活環境破壊の政策を新たに推し進めるものではないかとの趣旨でございますが、国土は、現在及び将来における国民のための限られた資源であり、かつ諸活動の共通の基盤でございます。本法案は、公共の福祉と自然環境の保全を優先するという原則を前面に押し出して、片寄った国土利用を将来に向かって再編成し、国土の均衡ある発展と健康で住みよい地域社会を形成することを目標にいたしておるのであります。 いままでの新産業都市や、それから国土総合開発法というようなものは、値上がりばかりもたらしたものであって、罪悪のごとき感じを述べられたのでございますが、確かに、都市の過度集中等によって、公害等のマイナス面が起こったことは事実でございますが、そうすることによって戦後の復興をなし遂げ、経済成長をなし遂げ、しかも国民所得を増大させ、完全雇用を実現したという事実を忘れてはならないのであります。(拍手)完全雇用も達成せず、所得も上がらず、経済も成長せずして公害が起こっておるならば、その対策はたいへんでございますが、国際競争力が培養され、今日の経済力ができたのでありますから、公害の防除もできますし、しかも国民生活の充実も可能なのであります。政治家は、それに取り組まなければならない責務を有することを自覚いただきたい。(拍手) なお、この法案は、民主主義、地方自治の本旨に反するということでございましたが、国土の総合開発は、基礎的な調査を積み重ね、地域住民の意向をただしつつ、地方自治及び議会制民主主義のルールにのっとり実施されなければならないことは、言うをまたないわけであります。 また、開発の利益は地域住民の福祉に均てんさせていかねばなりません。国土総合開発法案におきましては、これらの点についてできる限り配意をしておるのであります。 さらに、この法案は、国土総合開発の基本法としての性格を明確にし、国及び都道府県の責任を明らかにしておるものでございます。 第三は、審議会の委員等についての御指摘でございますが、選任につきましては、本法の目的が公正に行なわれますよう慎重な配慮をいたしたい、こう考えます。 それから、もう一つ申し上げますと、いままで自由民主党が、また政府が、いろいろな積極政策をやってきたことについての責任問題に言及されましたが、自由民主党は、すでに古い時代に、都市政策大綱の名において、国土の総合開発と都市の改造をきめておるのでございます。この方針をきめながら、非常に大きな広範にわたる制度でございましたので、立法措置等に対しては今日に至ったわけでございますが、国土総合開発法等を含めて、いま御審議をいただいておるものをもう少し早く御審議をいただけば、もっと合理的な成長ができたろう、その意味では少しおそかったと思いますが、しかし、一日も、いっときも早く御審議をいただくことによって、これらの問題を解決していかなければならない、こう基本的に考えております。(拍手) 最後に、一言申し上げますが、これらの法律案が混乱を増すようなことを前提にお話をしておられますが、日本列島改造政策を推進しないで、大都市への人口、産業の集中を放任するならば、より深刻な公害問題が起こる必然性があるということを十分御理解をいただきたい。(拍手) 〔国務大臣江崎真澄君登壇〕
○国務大臣(江崎真澄君) 浦井さんにお答えを申し上げます。 総理の指示権というものは、地方自治に介入するものではないか。 これはそういうふうにはなっておりません。御承知のように、土地利用の基本計画、それから特別規制地域の指定、土地利用規制の権限等は、これはすべて都道府県知事にゆだねてあります。国の関与というのは、国土の総合開発に関して、国の立場からどうしても必要と認める場合のみに限っております。そればかりか、総理の代行措置は地価の凍結に用いておりまするが、これは地価の凍結というきわめて重要な事態に処するために用いておりまするが、それも審議会の確認を得て行なうというふうにいたしておりまするので、地方自治をみだりに侵害するものというふうには考えておりません。 それから、全国総合開発計画を作成する場合には、国土総合開発審議会及び都道府県知事の意見を聞くという大前提があります。知事は、当然地域の市町村長、住民の意向というものを十分確かめて、この意見開陳、意見表明という形になるわけであります。そればかりか、都道府県の総合開発計画は、総合開発審議会及び市町村長の意見を積極的に聞く、そして都道府県の議会の議決を経る、これは法文にもございまするが、そういう形になっておりまするので、市町村住民の意見というものは、十分反映されるものと確信を持つ次第でございます。(拍手) 〔国務大臣金丸信君登壇〕
○国務大臣(金丸信君) 浦井さんにお答えいたします。 大企業に対する土地の質問でございますが、国民に対し居住環境の良好な住宅用地の供給をはかるため、必要な要件を備えた土地については、地方公共団体等の公的機関において新住宅市街地開発法等の活用によって計画的な開発を行なうよう指導してまいりたいと思います。 この場合、土地の取得については、大企業の保有する土地であろうともいなとも、必要に応じていわゆる収用権を発動いたします。(拍手) 〔国務大臣小坂善太郎君登壇〕
○国務大臣(小坂善太郎君) 浦井議員にお答えします。 まず第一に、この法律は新全総の延長ではないかということでありますが、これは全く違うのであります。すなわち、新全総は、昭和二十五年にでき二十七年に改定を加えて今日に至ったのでありますが、これは見直しをすることによって、昭和五十年に新しくまた新全総の計画を立てよう、こういうことになっておりまして、この国土総合開発法というものは、いまの二十五年、二十七年に改正したこの国土総合開発法を新しく、六〇年代の体験を基礎として、そのまた教訓にものっとりまして、ここに公共の福祉と自然環境の維持というものを新しい基本理念としながら、土地利用計画をつくっていこうというもので、新全総は、御承知のように、昭和四十五年にできまして、三年たってこれを見直して、五十年にまたそうしたものをつくっていこう、こういうので、全くこれは違うのでありますから、この点はよく御理解を願っておきたいと思うのであります。 次に、他の問題は大体お答えが済みましたから、残っている問題だけ言いますと、国土総合開発審議会の委員の問題でありますが、これは、今度、新しい法案が、あなたのほうも賛成してもらって、できましたならば、ひとつ委員は全部新しくしよう、こう考えておるのであります。それは十分学識経験を有する委員を選任しよう、こう思っております。 なお、地方公共団体の代表者の定員を増員して五人にいたしまして、地方の意見を反映するように配慮してまいりたいと考えております。 また、もう一つの問題は、全国総合開発計画は、国会の議決事項にすべきではないかということでありますが、この国土総合開発法案では、国の総合開発に関する基本理念を明らかにするとともに、どういうことをきめるかという事項も明らかにしております。すなわち、この計画を定めるについては、国土総合開発審議会の意見や、都道府県知事の意見を聞くことにしております。 また、いま自治大臣から話がありましたように、この都道府県知事の意見というものの基礎には、市町村長の意見というもの、これまた十分反映されているわけでありまして、そうした民主的なルールと申しますか、十分各方面の意見を尊重されながら、この法律の中に基本理念として生かされるようにくふうされておるわけでありまして、やはり立法府と行政府というのは、それぞれ立場がございますので、民主的ルールにのっとった行政的な措置というものは、これまた尊重さるべきことだと考えておる次第でございます。 以上、お答えいたします。(拍手)
○副議長(秋田大助君) これにて質疑は終了いたしました。 ————◇————— 国務大臣の演説(地方財政法第三十条の二の規定に基づく地方財政の状況報告について)
○副議長(秋田大助君) 自治大臣から、地方財政法第三十条の二の規定に基づく地方財政の状況報告について発言を求められております。これを許します。自治大臣江崎真澄君。 〔国務大臣江崎真澄君登壇〕
○国務大臣(江崎真澄君) 地方財政法第三十条の二の規定に基づいて、先般政府が国会に提出いたしました地方財政の状況につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、昭和四十六年度の地方財政のうち、普通会計の決算について申し上げますと、決算規模は、歳入十二兆千七百九十四億円、歳出十一兆九千九十五億円でありまして、これを前年度と比べますと、歳入において二〇・五%、歳出において二一・三%、それぞれ増加いたしております。 収支の状況について見ますと、全体では八百五十五億円の黒字となっておりますが、前年度と比べますと、四百九十九億円黒字が減少しております。 昭和四十六年度の地方財政は、歳入面では、国際通貨情勢の動揺によって景気停滞が長引きましたため、地方税及び地方交付税が当初見通しに対して落ち込みを生じ、一般財源収入に伸び悩みが見られたのでありますが、年度中途におきまして特別な財政措置が講ぜられたこともあって、全体としてはほぼ前年度並みの伸びとなっております。 一方、歳出面では、このようなきびしい財政環境の中にありまして、住民の福祉を向上し、住みよい地域社会を建設するため、道路、住宅、下水道等生活関連社会資本の整備や児童、老人等に対する福祉施策に関する支出が拡充されるなど、地方公共団体が住民福祉向上のための施策の推進に積極的に取り組んでいる姿をうかがうことができるのであります。 次に、地方公営企業につきましては、昭和四十六年度の決算規模は、二兆八千九百三十九億円であり、前年度と比べて二五・一%増加いたしております。収支の状況を見ますと、単年度純損失は八百十四億円で、累積欠損金は二千九百六十億円に達しております。特に交通、病院の二事業は、多額の累積赤字をかかえ、その経営が著しく困難となってまいっております。 以上申し上げましたとおり、地方公共団体は、生活関連社会資本の整備や、社会福祉の充実に積極的につとめてきたのでありまするが、最近に至るまで、わが国経済の成長過程において公共部門に対する資源配分が相対的に不足してきたこともありまして、公共施設の整備状況や住民福祉の水準は、いまだ満足すべき状態には達しておりません。加えて、過密過疎、公害、交通難等の諸問題が生じておりまして、これが解決のために地方公共団体に課せられる責務は一段と強まってきております。したがいまして、地方公共団体は、住民福祉の一そうの向上をはかる見地から、地域社会の実態に即応して適切な諸施策を積極的に推進していく必要があります。したがって、今後の地方財政につきましては、地方公共団体が行政需要の増高に対処して、よくその責務を果たし得るよう資源配分の適正化を進め、従来にも増して地方財源の充実強化をはかるとともに、各種施策の推進にあたっては、長期的な展望に立って計画的、効果的な財政運営を行なうよう一そうの配慮が必要であると存じます。 以上、簡単でありますが、地方財政の状況につきまして、その概要を御報告申し上げた次第であります。(拍手) ————◇————— 国務大臣の演説(地方財政法第三十条の二の規定に基づく地方財政の状況報告について)に対する質疑
○副議長(秋田大助君) ただいまの発言に対して質疑の通告があります。順次これを許します。岩垂寿喜男君。 〔岩垂寿喜男君登壇〕
○岩垂寿喜男君 日本社会党を代表いたしまして、いわゆる昭和四十六年度の地方財政白書と、それに関連する若干の問題について、総理並びに関係閣僚に質問をいたします。 昭和四十六年は、不況とドル・ショックによって、さなきだに慢性的赤字に悩んできた地方財政が、深刻な危機にさらされた年であります。 そこで、私は、この白書の中から指摘し得る二、三の特徴と問題点について、最初に触れておきたいと考えます。 まず、決算収支を見ますと、都道府県の実質収支が、全体として初めて赤字となり、単年度収支に至っては、四十五年の二十五億の赤字から、一挙に五百七十八億の赤字にふくれ上がっており、市町村、特に大都市の実質収支の赤字が増加しています。 これは国の経済事情の悪化、国の政治における失敗が、直ちに地方財政にしわ寄せされるという今日の地方財政の構造的な問題を如実に示しているということができます。(拍手) また、一般財源の状況は、四十五年度に歳入総額中の五六・一%を占めていたものが、四十六年には五三・一%に落ち込み、逆に国庫支出金と地方債が増加し、特に地方債は、六・四%から九・二%と急増しているのであります。これは地方税、地方交付税の落ち込みを主として地方債でまかなうという、むしろ地方財政の不安定性を一そう拡大する措置によって当面を糊塗してきたといわなければならないと思います。 さらに、一般財源の比率が五三・一%といいましても、国庫支出金の裏負担を考えれば、地方団体が実際に自由に使える金は三〇%以下となり、地方団体が独自に事業を行なうことが制約されてきました。 国庫支出金の状況も、児童保護費、老人保護費など、社会福祉関係の伸びが下回っているのに、普通建設事業費関係のみが、前年度の一八・一%の伸びから一挙に三〇・三%の伸びとなり、これに対応して、歳出の普通建設事業費中の補助費の伸びは、一九・六%から三一・六%と急増し、逆に単独事業費は激減しているのであります。 このことは、一方に歳入の落ち込みによる窮乏があるのに、他方で国庫支出金をふやして公共事業支出を増加させるというかっこうで、地方団体の自主性とその福祉政策がそこなわれてきたことを意味します。補助事業費についても、道路橋梁費や港湾費が二倍近くふえているのに、住宅費の伸びは三五・三%から一六・四%に激減しています。 これらのことは、あくまで産業基盤投資が優先し、生活基盤関係の投資が犠牲にされ、地方財政がいよいよ追い詰められていることを物語るのであります。 加えて指摘しなければならない問題点は、この白書に示された決算額と、この年の財政計画とのあまりにも大きな開きであります。 国会に報告された四十六年度の計画は、歳入、歳出それぞれ九兆七千百余億でありますが、実績は、普通会計純計決算額は、歳入で、いま自治大臣から御報告がありましたように、十二兆千七百億、歳出は十一兆九千億余となっており、何と三兆をこえる差が生じているのであります。 このような計画と決算との乖離は毎年度のことであり、その差はむしろ拡大する傾向にあります。これは、自治省が言うような技術上の問題ではなく、計画策定上の基本姿勢に原因があると言うべきであります。(拍手) そこでは、自治体の自主性を基礎に、その積み重ねとしての計画とするのか、単に国の予算の投影としてそれをとらえ、自治体統制的にそれを策定するかの基本的な問題がそこにはあると思われます。言うまでもなく、政府の策定態度は後者であり、地方財政計画はすでに形式になっているばかりか、国の予算の投影そのものでしかないと批判せざるを得ないのであります。 以上申し上げた特徴と問題点は、単に四十六年度のそれにとどまらず、基本的には地方財政の構造として今日に引き継がれていることを強調せざるを得ません。 円の切り上げをきっかけとして、経済成長優先の政策から、国民福祉重点への転換が唱えられてきましたが、そのためには、まず住民の生活、とりわけ、福祉に密着した地方自治体の役割りを重視することが不可欠であり、地方財政が抜本的に強化されなくてはなりません。しかるに、今日なおその具体的措置が十分でないことは、きわめて遺憾であります。 そこで、総理に伺いますが、福祉優先の施策を推進するため、景気の動向に安易に左右されないような地方財政計画を確立するために、どんな対策をお持ちか。憲法と地方自治法の原点に立っての対策をお答えいただきたいと思うのであります。 東畑税制調査会会長は、現行の国から地方への交付金ではなくて、地方財源を充実して、地方から国への逆交付を考えるくらいの対策が必要であると指摘しておられるようですが、総理は、この指摘をどうお考えか、承っておきたいと思うのであります。(拍手) 言うまでもなく、地方財政を充実するためには、行政事務の再配分を前提として、国の税源を大幅に地方に移譲し、地方交付税の大幅引き上げとそのあり方に再検討を加えるべきであり、また、国税の法人税率の引き上げだけではなくて、地方税についても、住民税、事業税の法人関係分の税率の累進度を高める措置が必要であると考えますが、この機会にあらためて御見解を承りたいと考えます。(拍手) 同時に、地方団体の自主性を尊重するために、地方税のあり方について、地方自治体の発言を生かす手だてを講じ、国庫支出金の一括交付方式化をはかり、地方交付税は需要の把握を中心とする積み上げ方式に改革する方針はないかと伺っておきたいと思います。 地方債についても、さきに指摘しましたように、それを歳入不足を補うために用いるのは問題であります。逆に、地方団体の自由な財源として、その発行を地方団体の判断にゆだねるべきだと考えますが、自治大臣の御所見を承りたいと思います。 法人に対する租税特別措置が、地方財政収入に大きな影響を及ぼしていることは多言を要しません。税負担の公平を期すために、また、福祉政策への転換を現実に裏づけるためにも、もはやその撤廃を打ち出すべき時期だと考えますが、大蔵大臣のプログラムをお聞かせ願いたいと思います。 次に、大都市財源の確保について自治大臣に伺います。 この問題については、国会でもたびたび決議され、政府自身もその必要性を痛感されてきたと理解しておりますが、との点については、昨年九月、九大都市が行なった大都市財政の実態に即応する財源の拡充についての要望、また本年一月、東京都新財源構想研究会の報告書などを尊重し、すみやかにその解決をはかるべきだと主張しますが、政府の具体的な対策をお示し願いたいと考えます。 次に、当面の地方財政にとって、その対策を急がなくちゃならない問題についてお尋ねをいたしたいと思います。 円のフロートによって、政府の経済見通しが根底からくずれたわけでありますから、地方財政についても、本来、根本的な再検討がなされてしかるべきであります。しかし、政府は、調整インフレ予算によって国庫補助事業におおばんぶるまいを行ない、地方自治体はすでにその消化にきゅうきゅうとしております。しかも、昨今の開発ブームは列島改造論によってさらに拍車をかけられ、地方都市のすみずみに至るまで大企業の土地買い占めが行なわれ、地価の騰貴が続いています。その上にセメント、木材など、建築資材の買い占め、売り惜しみによるものすごい値上がりがあります。 かねてわが党が主張してまいりましたように、公共事業の執行がもはや不可能となりつつあり、現に多くの自治体において、大手建設業者の入札手控えが、学校建築、住宅建設において顕著であります。 こうした事態を放置しておくとすれば、住民福祉の向上はますます遠のき、地方自治が根底から脅かされることは必至であります。こうした事態を招く大きな原因となった「日本列島改造論」を謙虚に反省し、自治体の用地費、建築資材の値上がりに対し、何らかの緊急措置をとる必要があると考えますが、総理並びに自治、建設両大臣の答弁を承りたいと思います。(拍手) 第二は、国民健康保険会計についてお尋ねをいたします。 地方自治体は、政府の医療政策の欠陥と立ちおくれを自主的に埋める努力を、乏しい財源の中で行なってきました。老人医療の無料化などは、住民の切実な要求を、国にかわって自治体が実施してきたというべきであります。しかし、この努力は、政府の基本的な財政対策の欠除によって、国保会計を危機的状況に追い込む結果を生んでいるのであります。市町村が一般会計から繰り入れるやりくりは、もはや限界に達しているといわなければなりません。こうした国保会計の現実にかんがみ、四〇%の補助率と五%の調整交付金を大幅に引き上げるべきだと考えますが、厚生大臣の御答弁をわずらわしたいと存じます。 最後にお聞きかせ願いたいことは、先ごろ、自民党都連が発表した、都議会選挙の政策、別称「東京ふるさと計画」についてであります。 この計画は、総理、いや、田中自民党総裁も了承済みであると発表されているわけですが、それは事実かどうかを、まず伺っておきたいと思います。 この内容を拝見しますと、美濃部都政を、硬直したイデオロギー都政と攻撃していますが、総理も真実そうお考えかどうか、この際、ぜひ御見解を承りたいと考えます。 実は、そこで個々の政策を読ませていただくと、それはあまりにも美濃部都政のそれと共通点が多いことに驚くわけであります。 また、その中には、住宅敷地百坪、住宅三十坪までの固定資産税の免除という公約があります。これは、現在地方行政委員会で審議中の地方税法の改正案に対するわが党の改正案に同調をしていただければ、すぐこの公約を生かすことができると思いますが、その点はいかがでございましょうか。(拍手) さらに、別の項目の中には、地方債の積極的活用についても、地方自治法を改正し、国による認可限度ワクの撤廃、利子補給の強化を行なうと書かれていますが、これは先ほど私が質問した立場が、自民党の政策としてすでに公約されていることに注意を喚起しておきたいと思います。 さらに、交通通勤対策の中には、自動車の新規登録を二年間凍結するとあります。これらは、都市の交通緩和、公害の防止のためにも重要な政策であり、国民にとっては歓迎すべき政策であります。 田中総理は、このような公約を、単に都議会選挙用のアドバルーンとしてではなく、直ちに実現するために、決断と実行ぶりを発揮されるよう要求をいたします。 言うまでもありませんが、日本の民主政治は、地方自治の発展なくしては存在し得ません。田中総理の友人であるニクソン大統領は、年次教書で、「戦争やインフレによって荒廃し悩めるアメリカを救う道は、地方自治の確立と市民権の復権しかあり得ない」と指摘しています。ベトナム侵略を行なってきたニクソン大統領が、この教書のとおりの政治を行なっているかどうかは、もはや検証を要しないとは思いますが、しかし、その指摘は正当であります。 田中総理は、平和憲法に基づく地方自治の確立、とりわけ、住民参加と自治を保障する地方財政の確立について、抜本的な方針を示されるよう要求をいたしまして、質問を終わります。(拍手) 〔内閣総理大臣田中角榮君登壇〕
○内閣総理大臣(田中角榮君) 岩垂寿喜男君にお答えをいたします。 まず、地方財政問題についてでございますが、地方団体が、地域の実情に応じまして住民の福祉水準の向上をはかっていくためには、長期の財政計画の策定を含め、地方財政全般にわたって検討を加え、地方財源の一そうの充実をはかり、地方自治の基盤の強化につとめる必要があることは申すまでもないことでございます。 地方財源強化の方策につきましては、国、地方を通ずる税財政制度の基本的なあり方に関する重要な問題として、地方制度調査会、税制調査会などの意見も聞きながら、鋭意勉強してまいりたいと考えるのでございます。東畑さんの発言につきましては、十分勉強いたします。 第二の問題は、国庫補助事業、用地難、資材の問題等に対しての御指摘がございましたが、地方公共団体の国庫補助事業の増大は、住民の要望の強い地方道、公園、下水道等の生活関連施設を重点的に伸ばしたことによるものでございます。これらの事業を円滑に施行するために必要な公共用地につきましては、土地基金、公共用地先行取得債等の活用によりまして、先行的に取得をすることにつとめてまいりましたが、今後とも、これらの制度の拡充強化をはかってまいりたいと考えるわけでございます。 建設資材につきましては、鉄鋼、木材、セメント等については、諸般の措置を行なっておるわけでございます。 なお、四十八年度予算の執行につきましては、一般会計のみならず、特別会計、政府関係機関等を通じまして、災害復旧とか生活環境、積雪寒冷地関係というような事業の緊要度と地域の実情を十分勘案をしながら、年度内に弾力的に運用することによりまして、資材が高騰しないようにということを十分調整をしてまいりたいと考えるわけでございます。 東京のふるさと計画というものにつきましては、これはもう十分理解をいたしております。自由民主党が作成をしたのでございますから、総裁が理解をしないはずはないのでございます。これは、私は理解をいたしております。 私にも郷里はございますが、いままでの一生を通じますと、その三分の二以上も東京に住んでおるのでございます。東京はお互いのふるさとでもあるわけでございますので、東京を理想郷としてこれをつくりたいという考えにおいて、人後に落ちるものではありません。東京をよくしよう、理想的な東京をつくろうという考えに立脚したふるさと運動でございまして、選挙などという狭義に立ったものではないということを十分御理解をいただきたい、こういうことでございます。(拍手) 〔国務大臣愛知揆一君登壇〕
○国務大臣(愛知揆一君) お尋ねの点につきましては、総理からのお答えもございましたから、簡略に申し上げたいと思います。 まず、御質問の第一点は、国の税源を大幅に地方に移譲してはどうかという御趣旨であると承りました。 この問題につきましては、わが国における地域間の経済基盤の格差が拡大しておりますし、税源の偏在が著しくなっておる現状を十分考慮しなければならないと思います。また、人口急増市町村というような地域間の財政需要にも格差が相当出ております。 したがいまして、単純に国税の一部を地方税に移譲するだけでは、必ずしも地方団体の財源問題の解決にはならない、これが現状であると思います。 したがいまして、地方団体の財源問題は、税の配分の観点からだけではなく、広く国と地方及び地方団体相互間を通ずる財源配分の問題として取り上げる必要があります。基本的には、国と地方の行政事務の配分と密接に関連する問題でございますので、政府としては、これらを総合的に勘案いたしまして、具体的に検討を進めてまいりたいと考えております。 第二に、地方交付税の交付税率の引き上げについて御言及でございました。 交付税率につきましては、従来から種々の論議がありましたことは承知いたしておりますし、いろいろ勉強をしておりますが、政府といたしましては、地方交付税制度が、国と地方を通ずる安定的な財政調整制度として設けられておりまする沿革や趣旨にかんがみまして、交付税率というものは軽々に変更すべきものではないと考えておる次第でございます。 もとより、地方財政につきましては、これをめぐる財政環境の推移や、財政収支の動向に即応しながら、その運営に支障を生ずることがあっては困りますので、この問題は地方税、地方交付税、それから地方債といったようなものを総合的にやはり勘考をいたしまして、地方財源の充実を期してまいりたいと考えておる次第でございます。 第三には、国のたとえば租税特別措置等の関連にも御言及であったようでございますけれども、国の租税特別措置は、各種の政策目的の合理性、有効性の見地から、常に見直しを行なう必要がございます。これを既得権化したり、慢性化することのないように、弾力的な改廃を行なうべきものであると考えておりますので、四十八年度の税制改正におきましても、重要産業用合理化機械の特別償却を中心として、平年度約四百億円の増収を生ずる整理、合理化を行なうことによりまして、いわゆる産業優先の見直しを行なった次第でございます。今後におきましても、特別措置につきましては、既得権的にならないように、根本的な改廃を心がけてまいりたい、地方の財源につきましても、十分の配慮をいたしたいと考えております。 最後に、大都市の税源の拡充強化につきまして、ただいま御指摘がございましたようないろいろの具体的な御提案がございます。これを私どもも評価し、かつ積極的に検討、勉強をさせていただいております。 しかし、政府としての考え方は、大都市をはじめとする都市税源の充実の問題につきましては、従来からも政府の立場として検討をいたしておりますことは、冒頭に申し上げたところにも関連いたしますが、国と地方を通ずる行政事務の再配分ということが必要であるかどうか、これらとの関連において考えること、あるいは税源が偏在しているというようなこと、こういった具体的な事実に即応した対策ができなければならない。そういう点につきましては、御指摘がございました各種の具体的提案についても、いろいろと政府の考え方との間に検討を進めまして、りっぱな結論が出るようにしたいと思います。 四十八年度に例をとりますならば、御承知のごとく、固定資産税の土地にかかる課税の適正化措置をはかるということをいたしましたのも、都市財源の充実に資することになるということを一つの目的にいたしておりましたことは、申し上げるまでもないところである次第でございます。(拍手) 〔国務大臣江崎真澄君登壇〕
○国務大臣(江崎真澄君) お答え申し上げます。 地方交付税率の引き上げや国税の地方税への移譲の問題につきましては、ただいま大蔵大臣から詳しく説明がありましたが、これは私ども自治省といたしましては、公共事業の推進、特に住民福祉の水準引き上げというような要請された地方公共団体の事業は、きわめて多面的また多量にのぼるわけであります。したがいまして、いま大蔵大臣の説明にあったとおり、国と地方とは一体になりまして、これは国民の税負担水準のあり方、また地方財政需要の動向、これらを十分勘案いたしまして、今後に対処してまいりたいというふうに考えております。 それから、地方債の許可制をやめてはどうか。この点につきましては、国全体の資金計画を民間と公共部門に計画的に配分していく。これは特に財政規模が大きくなればなるほど、国としてはきわめて重要なことだと思います。これが第一の理由で許可制を存続しなければならぬ。 第二の事由としましては、最近の過密過疎の現象であります。地方公共団体といいましても、その格差が非常にございます。そうなりますと、特に地方債等の求めやすい公共団体、きわめて求めにくい公共団体、この格差も同じくはなはだしくなるわけでありまして、私ども自治省といたしましては、力の弱い地方公共団体には長期低利の政府資金を少しでもより多く配分するように配慮していく、これはやはり許可制度の必要性の大きな事由であります。 第三番目には、個々の地方公共団体の財政運営の健全性を確保していくことは不可欠の問題であります。この見地からも私どもはこの許可制は当分継続すべしというふうに考えております。 大都市財源の問題についてのお尋ねでありまするが、これにつきましては、東京都の意見も拝見いたしました。また地方制度調査会、税制調査会等からも参考になる各種各般にわたる意見が出されておりまするので、十分これらをあわせ検討して、対策をしてまいりたい。特に事務所事業所税等の実現につきましては、自治省でもすでに具体的検討に入っておるような次第でございます。 最後に、地方公共事業の推進にあたって、資材の値上がり等々によって、たださえ超過負担の多い地方公共団体に過重負担をしいることのないようにしなければならぬ。これは御指摘のとおり当然なことでありまして、関係各省庁と緊密に連携を保ちまして、かりそめにも地方公共団体に不当、過重な負担を押しつけることの絶対ありませんように、自治省としては十分ひとつ努力をしてまいる所存でございます。(拍手) 〔国務大臣齋藤邦吉君登壇〕
○国務大臣(齋藤邦吉君) 国民健康保険についてのお尋ねにお答えを申し上げますが、国民健康保険につきましては、従来とも四〇%の定率国庫補助と五%の調整交付金、四五%の国庫の補助を交付いたしてまいったのでございますが、老人医療無料化の実施に伴いまして、市町村国民健康保険財政に影響を及ぼすことも考慮いたしまして、昭和四十八年度においては、保険料負担の急激な増加を緩和するための措置といたしまして、臨時調整補助金三十四億を計上いたし、補助することといたしたのでございまして、補助率を引き上げることは考えておりませんが、今後の国民健康保険財政の推移を十分に見守って、慎重に善処いたしたいと考えております。(拍手) 〔国務大臣金丸信君登壇〕
○国務大臣(金丸信君) お答えいたします。 昭和四十八年度における建設省関係事業に伴う地方負担額は一兆一千七百六十四億円と見込まれ、その増加率は三六・五%となっているが、地方財政計画において十分に措置されているものと考えます。 用地については、従来より土地基金、公共用地先行取得債等の活用により、先行的に取得することにつとめており、建設省所管の補助事業にかかる年度当初の保有面積は一万ヘクタールをこえております。これは本年度使用計画面積の一・五倍であり、十分に対処できると考えております。 建設資材のうち、木材、鉄鋼、セメント等の価格の変動が見られるが、木材については必要な措置を講じた結果、鎮静化の方向に向かっており、セメントについては一部地域品目について品不足が見られるが、これに対しては需給調整、官公需に必要な量の確保措置等を講じ、鎮静化に向かいつつあると考えております。(拍手) —————————————
○副議長(秋田大助君) 小濱新次君。 〔小濱新次君登壇〕
○小濱新次君 私は、公明党を代表して、昭和四十六年度地方財政白書に関連いたしまして、総理並びに各関係大臣に御質問をいたしたいと思います。 歴代自民党における政府の経済第一主義の政治姿勢によって、社会的ひずみはますます深刻になり、公害、交通災害、高物価、住宅難など、国民生活に及ぼす被害は破局的重大事態に立ち至っているのであります。今日ほど過去のあやまちを謙虚に反省し、人間の生命尊厳を第一義とした福祉優先の政治への転換が望まれるときはないと思うのでございます。 このように国民生活の荒廃を招いた真の原因は、政府の経済優先政策と、住民の生活と権利を守り、住みよい地域づくりを目ざす地方自治の本旨を無視した自民党政治のあり方にあると断ぜざるを得ないのでございます。(拍手) すなわち、現行の地方自治制度は、その事務の大部分が国の委任事務であり、また、財源構成においても、そのほとんどがひもつきの補助事業であります。したがって、中央の統制が強化され、必然的に条例制定の範囲と、自主財源がきわめて限定され、激しい社会、経済の変化に伴う各地域の複雑多岐な行財政需要に対応することは、とうてい不可能であると思うのでございます。したがって、それが住民の行政に対する不満となってあらわれ、住民運動という形に発展しております。 さらに、田中総理の日本列島改造論は、中央集権的傾向をますます強化して、住民無視の行政を行なおうとしておるのでございます。これはまさに時代の逆行といわざるを得ません。 ついてはこの際、国の機関、委任事務、補助金などによる中央集権的政策を改めて、住民生活に密着した事務は地方に委譲するとともに、同時に地方公共団体が必要とする十分な自主財源を地方公共団体に付与すべきであると考えますが、これらに対して総理の御見解を承りたいのでございます。(拍手) 次に、当面緊急を要する地方団体の財源強化についてお伺いをいたします。 地方公共団体の財源強化については、白書でも指摘しておりまするように、住民の意向を生かし、地域の特性に即してきめこまかな行政の推進が必要であり、今後の行政需要の増高に対処するためには、都市財源、道路目的財源などの充実、強化が緊急の課題となっております。なかんずく東京、大阪等の大都市の財源不足は、もはやいかんともしがたい事態に立ち至っており、法定外普通税に踏み切らざるを得ない状態になっているのでございます。 先般、大蔵大臣は、昭和四十九年度から法人の税負担強化に踏み切ると発言しておられますが、その場合、地方税における法人の税負担の強化を求める方法で、その引き上げ分の大部分を地方に振り向けるべきであると考えますが、この点についてどのように考えておられるのか、その具体的方途について、関係大臣にお伺いを申し上げたいと思うのでございます。 次に、固定資産税の税負担のあり方についてであります。 今回の固定資産税の改正により、個人の住宅用地については二分の一に軽減することとしておりますが、しかし、税額そのものは次第に過重となり、たとえば東京都の場合、昭和五十年に至っては四十七年の三倍ないし四倍の額となるのでございます。今回の固定資産税改正案によると、地価が上昇したからといって何らの特別な便益を受けない住宅用地についても、地価の上昇に伴って固定資産税が急激に上昇することになり、一般サラリーマン、年金受給者などにとってはまことに過酷な税制となります。これがまた地代、家賃の便乗値上げを必然的とし、国民生活をますます圧迫しようとしているのでございます。(拍手) 一方、産業振興、輸出振興を目的とした固定資産税、電気ガス税の減免措置は、もはやそのあり方が根本的に検討されなければならないことは明白であるにもかかわらず、その姿勢を全くうかがい知ることができないのでございます。 政府は、福祉優先政策に転換したというならば、これまでのような産業振興のための固定資産税の減免措置は即刻取りやめるとともに、大衆の税負担を軽減するため、住宅敷地については三百三十平方メートルまで、家屋については百平方メートルまで、それぞれ固定資産税を減免すべきであると考えますが、この点について、総理並びに関係大臣の御所見を伺いたいと思います。(拍手) 次に、人口急増問題についてお伺いいたします。 急増地域市町村では、道路、ごみ、屎尿処理その他生活関連施設の整備が急務となっており、なかんずく緊急を要する義務教育施設が当該市町村の財政を圧迫していることは周知の事実であります。 白書においても、特に人口急増市町村の財政状況の特色として、地価の上昇を反映して用地費がかさんでいることと、また、普通建設事業費が著しく増大し、これらに伴って必然的に起債の依存度も高まり、一般市町村における起債依存度が二六%であるのに対し、人口急増市町村においては三五・八%となっているのを見ても、その財源難のきびしさが浮き彫りにされているのでございます。 人口急増市町村の財政負担はいまや限界を越えており、千葉県、神奈川県などは、住宅公団等の住宅建設を拒否している実態、さらには児童の急増によって、運動場もプレハブ校舎が急造され、運動会すら満足にできない実態を、総理自身御存じでございましょうか。当該市町村をこのような事態に追い込んだのは、ひとえに政府の無策によること、これは明白でございます。(拍手) 私どもは、従来から、当該地域に対して先行的な総合財政対策の必要性を主張し、特別立法措置を講ずるよう再三にわたって政府に要求してまいりましたが、そうした意向がうかがわれず、政府においては単に義務教育の補助率の引き上げのみで、総合的な対策は何ら示されないのでございます。 わが党の主張する特別財政措置の内容を取り入れて、人口急増対策の立法措置を至急講ずべきであると考えますが、総理並びに関係大臣の御所見も承っておきたいと思うのでございます。 次に、超過負担について伺います。 地方財政を圧迫している超過負担は、国の補助単価と地方の実施単価の著しい違いとともに、基準となる数量及び対象範囲が実態と大きく食い違っていることが大きな原因となっているのでございます。これらの問題については、従来からその解消を強く要請されておりますが、知事会等の実態調査によれば、現在二千億円をこえる超過負担があるのに対して、今回は、事業費のうち六項目についてのみ二カ年にわたって解消をはかるとして、本年度分はわずか二百八十三億円を計上しているにすぎません。したがって、人件費、建設費などの全費目にわたって洗い直しをはかるため、今年度、即刻実態を調査し、公表するとともに、その解消措置を至急講ずべきであると考えますが、政府の対策をお伺いしたいと思うのでございます。(拍手) また、このたび政府が、従来の公共住宅の建設計画を縮小し、民間自力建設に対する依存度を高めた真の原因は、この超過負担であり、さらには地価の高騰であります。緊急を要する住宅対策は、公共住宅中心に行なわれなければならないが、住宅対策に対する御所見もあわせて承っておきたいと思うのでございます。 最後に、土地対策についてお伺いいたします。 総理が列島改造論を掲げて総理大臣に就任するやいなや、いままでの値上がりの中心が大都市及びその周辺であったものが、今度は山間僻地に至るまで、全国の地価はウナギ登りにのぼって、とどまるところを知らないのでございます。 地価高騰は、都市計画の推進をはばみ、自治体が公営住宅、公園、緑地などの公共用地はおろか、緊急を要する小中学校、幼稚園、保育園などの用地を取得することすら困難となって、ひいては地方財政を圧迫しております。また、国民のマイホームの夢をもむざんに打ち砕く結果を招いているのでございます。 いままで政府は、都市計画法、地価公示法、その他の土地税制など、土地対策関係法律の改正を行なってきましたが、すべてばらばらで、有機的に働いておらず、一向に土地政策の実効があがっておらないのでございます。 政府は、土地対策の基本として、国土総合開発法の改正によって事足れりとしているようでありますが、その内容を見ると、肝心な土地の利用、収益、処分をも含めた所有権に対する規定については、根本的な対策をはかろうとはしておりません。 わが党は、土地対策の根本は、国土全体のビジョンに立って、公益と私益の範囲を調整したいわゆる私権の制限の確立のもとに土地利用計画、土地税制の二本柱を中心として、これらが同時並行的に行なわれなければならないとかねてから主張してまいったところでございます。 この観点から見れば、新国総法案が、所有権そのものの根本的命題の核心にメスを入れておらないことは、明らかに土地対策の基本を欠いたものであって、こうした姿勢では、新国総法案に規定されている土地利用計画自体が机上の空論となることは、自明の理といわざるを得ないのでございます。また、知事の権限強化とともに、総理大臣が知事の権限を代執行できるという中央集権的な仕組みになっておりますが、むしろ地域住民及び地方自治体の選択による民主的な開発こそ優先されるべきであります。 さらに、土地政策に関する法体系の面から考えてみても、土地政策の基本的性格と事業法的内容が混同されており、土地関連法を有機的に働かせるための総合開発法としては、はなはだ不十分といわざるを得ないのでございます。 以上の点から、土地対策の完ぺきを期するために、所有権について土地利用、収益、処分をも含めた真の総合的な土地利用基本法の成立がなければ、地価の鎮静と土地の安定的供給はあり得ないと断ずるものでございますが、総理並びに関係大臣の御所見をお伺いいたしまして、以上をもって私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 〔内閣総理大臣田中角榮君登壇〕
○内閣総理大臣(田中角榮君) 小濱新次君にお答えをいたします。 まず第一は、住民生活に密着した事務と財源を地方に移譲し、住民本位の行政を確立せよとの趣旨の御発言でございますが、行政はできる限り住民の身近なところで、住民の意思を反映しながら処理されることが望ましいことは言うまでもありません。こうした観点からすれば、地域で処理できるものについてはできる限り地方公共団体に事務の配分を行ない、それに応じて財源措置を講ずることが必要であります。 一方、全国的な視野に立って地域間の不均衡を是正し、国土の均衡ある発展と国民福祉の向上をはかるという観点もあわせて考慮しなければならぬこともまた当然のことであります。これらの問題は、国、地方を通ずる行財政の基本的な問題でありますから、先ほども申し述べましたように、地方制度調査会、税制調査会等の意見も聞きながら、今後も検討を続けてまいりたいと考えておるのであります。 第二は、住民福祉優先の税制に転換すべきであるとの趣旨でございますが、電気ガス税、固定資産税等の特例措置は、住民福祉の向上、地域の発展の観点から十分再検討を加える必要があると考えておるのであります。 第三点は、人口急増市町村に対して、総合的な関連公共施設の整備をはかるため、特別財政措置法のごときものを制定してはどうかという意見を含めての御発言でございますが、今回、児童生徒急増地域における小中学校の校舎建築費にかかる国庫負担率の引き上げを中心として、人口急増地域対策の充実をはかることといたしましたが、この種の問題は、今後とも勉強、検討を続けてまいりたい、こう思います。 地価上昇の原因は改造論である、地価抑制のための基本法を制定せよとの趣旨でございますが、地価上昇の原因は改造論であるという断定はひとつおやめいただきたい。 地価高騰の原因は、基本的には宅地需給の不均衡にありますので、地方開発を推進し、国土の均衡ある利用、発展をはかって、大都市に集中する人と産業の流れを変えて、宅地需要の分散をはかることが地価問題解決の抜本策であります。(拍手)列島改造構想もこの趣旨に沿ったものであることは申すまでもないのであります。 他方、当面の地価高騰を抑制し、宅地供給を促進していくために、政府は金融面、税制面等から各般の土地対策を講じておりますことも御承知のとおりであります。また、国土総合開発法案において、土地利用基本計画の作成と土地取引及び開発行為の規制に関する制度の充実をはかることといたしており、これが土地対策の基本的役割りをもになうものと考えておるのであります。 一言付言いたしますが、地価の抑制は、土地の効率的利用、たとえば立体化のごときもの、もう一つは未利用地域の利用、それは市街地の未利用地である農地の宅地並み課税等でございます。第三は、大都市に集まっておるものが局地を利用するということになれば、需給がアンバランスになって地価は必然的に上がりますので、国土全体を合理的に利用する、これ以外にないことを十分御理解賜わりたい。(拍手) 〔国務大臣愛知揆一君登壇〕
○国務大臣(愛知揆一君) 法人税負担の問題につきましては、御指摘をいただきましたように、今後福祉充実等のための財政需要の増大に対応いたしまして、四十九年度にはこれを相当大幅に引き上げていくべきであると考えております。同時に、勤労大衆の所得税負担の軽減に一そう積極的な努力を払いたいと考えております。 しかしながら、法人の所得は地域的の偏在がきわめて著しいものであります。また安定性を欠くものでありますので、法人所得課税の重課をそのまま地方への配分の強化ということにつなげることは、はたして適当であるかどうかにつきましては、さらにこまかく検討を要すべきものと考えまするので、十分各般の状況を検討いたしまして結論を出したいと考える次第でございます。 次に、人口急増市町村に対する問題でございますが、ただいま総理から御答弁もございましたように、すでに四十六年度におきまして、急増市町村については、校地の取得を必要とする義務教育施設の建設に対しまして、特別の国庫補助制度を創設し、また四十七年度におきましては、小学校の校舎建設にかかる国庫負担率の引き上げを行なう等の財政措置の改善を特にはかってまいりました。そして立法の面におきましても、義務教育諸学校施設費国庫負担法の改正によって、所要の措置を続けてまいる次第でございます。 超過負担に対しまして、全費目にわたって、義務教育のみでなく、超過負担を解消するようにという御指摘でございましたが、これも御質疑の中にありましたように、昨年度、関係各省庁が協力いたしまして、公立文教施設をはじめ、六項目について実態調査を行ないました。そしてその実態調査をそのまま四十八、四十九年度、二年間で解消をはかるということにいたしまして、四十八年度予算においては、調査結果による改善分が御指摘のありました二百八十三億円でございますが、これを含めまして、総額四百五十二億円が計上されてある次第でございます。さらに今後とも、今回調査の対象とならなかった事務や事業も含めまして、今後の予算編成にあたりましては、補助単価等が実態に遊離しないように十分努力してまいりたいと考えます。 公営住宅の建設につきましては、建設大臣から御答弁があろうかと思いますが、四十八年度におきましては、特に超過負担の解消に配意したつもりでございます。 すなわち、四十七年度に実施いたしました実態調査の結果、建設費の単価等につきましては、約八%の超過負担があったということが指摘されましたので、これをできるだけすみやかに解消することにいたしまして、二カ年間で所要の財政措置を講ずることといたしました。今後もこれらの点につきましては、十分配慮してまいりたいと存じます。(拍手) 〔国務大臣江崎真澄君登壇〕
○国務大臣(江崎真澄君) お答えを申し上げます。 法人所得課税の引き上げの問題については、ただいま大蔵大臣からお話がありましたように、来年度は引き上げを実施する。ただし、それは勤労大衆の税負担の軽減にできるだけ振り向けたい。もとよりこの勤労大衆の税負担の軽減は重要な問題であります。しかし、同様、大蔵大臣から御指摘がありましたように、やはり地方財源の充実、これは税制調査会等においても、すでに、法人税の税率の引き上げによって地方財政の財源を充実することが適当であるという答申もなされておりまするので、大蔵大臣と緊密に連絡をとりまして、十分御期待にこたえるような措置をいたしてまいりたい、かように考えております。 地方税の非課税、軽減のいわゆる租税特別措置の問題でありまするが、これは総理大臣も、十分新しい時代に即応して検討しよう、こういう御答弁でございました。そのとおりだと思います。私どもも、実は通産省企業局が窓口になるわけでありまするが、要するに、国民の消費物価に著しい影響を与えるものは非課税とするというような形で、電気ガス税等減免をいたしてまいったわけでありまするが、これはやはり見直す時期が来ておる。中曽根通産大臣とも今日緊密に連絡をとって検討をいたしておるというのが現状でございます。引き続きこれは御期待に沿うべく努力をしてまいりたいと思います。 人口急増地域の問題でありまするが、これは大蔵大臣から相当詳細に御答弁がありまして、私ども全く同様に思っております。義務教育の施設について特別の配慮を予算的にも加えたことは、御承知のとおりでありまするが、人口急増の重要性にかんがみまして、この問題は、真剣、深刻に取り組んで、万遺漏なきを期したいと考えております。 第四に、超過負担の問題についてであります。 これは、岩垂議員からもお話がございましたが、いま同様、大蔵大臣から、次年度からは人件費、事務費等についても予算化をして、現状に合うようにしたい、こういう御主張がありました。われわれ自治省としても、そのとおりに思っておりまするので、今後大蔵大臣と十分緊密に折衝を重ねまして、かりそめにも地方公共団体に過重な負担をしょわせる——現実にはそういう形がなかったとは言い切れません。今度は義務教育施設等六施設について調査をして、四十八、四十九年度の両年度にわたって解消の措置をとっておりまするが、今後もそういうことのありませんように、国の財政もだんだん豊かになりましたので、実情に即応した措置をとってまいるつもりでおります。 お答え申し上げます。(拍手) 〔国務大臣金丸信君登壇〕
○国務大臣(金丸信君) 公営住宅の問題につきましては、まさに先生の御指摘のとおりであります。ただいま大蔵大臣から答弁があったわけでございますが、二カ年でこの問題を解決することができますことはまことにありがたいことであります。今後とも、公共事業等、建設省の担当する部面でいろいろあるわけでございますが、そういう面の全きを期してまいりたいと思っておる次第であります。 以上。(拍手) 〔国務大臣小坂善太郎君登壇〕
○国務大臣(小坂善太郎君) まず、新国総法批判にお答えいたします。 国総法におきましては、土地取引の許可基準としまして、まず、価格がどうであるか、次に、利用目的がどうであるか、第三番目に、計画が適正であるか、第四番目に、公共・公益施設の整備の予定がどうであるか、この四点を基準といたしまして、不適当である場合には許可はしないということにいたして、客観的に妥当な基準を用意して所有権の規制をする内容を明確にし、国民の権利を不当に制限することのないようにしながら所期の目的が達成できる、かように考えておるわけでございます。 なお、公有地拡大推進法等によって、公有地として必要な用地の確保については、国及び地方公共団体等の先買い権、収用権を拡充して、土地の公有化を進めてまいりたいと考えておる次第であります。 次に、土地利用基本法というようなものを国総法にかえてつくったらどうであるかというおことばがございました。これに対してお答えをいたします。 土地の問題については、われわれは、まず、国総法による開発行為の規制の強化、第二に、法人の土地譲渡課税の強化、土地税制の改善、第三に、大都市圏の市街化区域内農地の宅地供給の推進、この三つを三本柱としておるのであります。 国総法におきましては、土地利用基本計画を立て、土地取引の規制をし、新都市の開発をするということで、総合的な開発計画を進めていく予定でございまして、国土開発のための基本法としてこれが適当である、国総法によって国土開発の基本法とすることができる、こう考えておるのでありまして、土地利用計画の基本は、全国各地域における総合的な開発計画でありますから、国総法の中で土地利用の計画は一本化するほうが適当である、かように考えておる次第であります。 以上、お答え申し上げます。(拍手)
○副議長(秋田大助君) これにて質疑は終了いたしました。 ————◇—————
○副議長(秋田大助君) 本日は、これにて散会いたします。 午後三時四十分散会 ————◇————— 出席国務大臣 内閣総理大臣 田中 角榮君 外 務 大 臣 大平 正芳君 大 蔵 大 臣 愛知 揆一君 厚 生 大 臣 齋藤 邦吉君 農 林 大 臣 櫻内 義雄君 通商産業大臣 中曽根康弘君 労 働 大 臣 加藤常太郎君 建 設 大 臣 金丸 信君 自 治 大 臣 江崎 真澄君 国 務 大 臣 小坂善太郎君 出席政府委員 内閣法制局長官 吉國 一郎君 ————◇—————