法務委員会 第27号
- 発言数
- 43 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1973/05/30
会議録
○中垣委員長 これより会議を開きます。 法務行政に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。沖本泰幸君。
○沖本委員 本日は、私たちのほうで調査いたしました沖繩の刑務所の現況について、大臣並びに関係の方々に御質問したいと思います。 沖繩が返還されまして、弁護士の取り扱いなりあるいは法的な地位なり、いろんな面で、いままでいろんな角度から沖繩の取り扱いについて議論されてきました。そういう面について沖繩の方々が、本土との間のいろんな施設なりあるいは行政の面で立ちおくれを食って、その間にいろんな差別問題が出てきてみたり、あるいは人権にからむ問題でいろんな問題点が出てきているようなものもしばしばあることは、大臣もよく御承知のとおりだと思いますけれども、われわれ法務委員会に所属する者として関心を持たれるのは、いま沖繩で刑に服する人、あるいはいろんな、裁判所なり何なりの内容について、どういうふうな処遇を受けておるかということになるわけです。 そういう点で、私たちのほうで調べたわけですけれども、まず大臣にお伺いしたいことは、現状の沖繩の法務関係あるいは裁判所関係、予算の関係は大臣も御関係があるわけですから、そういう関係についてこの本土にある法務省の諸施設と沖繩とにどの程度の差があるのか、大臣はどの程度それを御確認になっていらっしゃるか、その点について御質問したいと思います。
○田中(伊)国務大臣 ただいまおことばのうちの裁判所の関係につきましては、裁判所のほうからお答えを申し上げることが適当かと存じます。 そこで、その裁判所の関係を除きます法務省の刑務所その他諸般の施設につきましては、できるだけこの施設は内地の施設並みに内容を改善し、これを引き上げていきたい、こういうふうな方針でやっているのでありまして、それぞれの施設についての具体的な行き方というものについては事務当局から答弁させます。
○岩崎説明員 私、担当は矯正施設でございまして申し上げますが、まず矯正施設につきまして申し上げますと、確かに御指摘のとおり、設備面等で劣っている面が多いわけでございます。 そこで大づかみに申し上げますと、昨年一カ年間におきまして、矯正施設側といたしましては、収容者を入れますところの舎房とか工場とかそういったところの便所の改修とかあるいは職員宿舎の改修、あるいはまた浴場ボイラー、そういったものの改修、こういうどうしてもやらなければならない一番おくれておるという点を極力改修いたしたわけであります。おおよそ予算額にしますと一千二、三百万程度のことをやったわけでございますが、なおこれは本年度も引き続きまして実施いたしたいと一応いま考えております。おおよその予定額は約九千万程度のことはぜひいたしたい、かように設備をはかる考えでございます。 施設関係はおよそ以上でございます。
○水原説明員 官署関係について私の所管事項でございますので説明させていただきます。 御承知のとおり、那覇地方検察庁は、これは県の建物を賃借いたしております。それから法務局も、これも賃借りしておるような現状でございます。しかし、この両建物につきましては、一応設備は整っておるようでございます。ただ本土と比較いたしまして、たいへん暑いところでございますのに冷房関係の施設はございません。そこで、本年度に早急にとりあえず本庁関係、本局関係、これらの冷房設備を完備いたしまして、職員の待遇改善に資したいと思いまして、現在鋭意その準備を進めておるところでございます。 なお公安調査局関係、これも間借りでございますが、これにつきましては、一応環境も整備されておるように思います。 以上です。
○沖本委員 まず、ばらばらな御質問になるかもわかりませんが、わかりやすい表現でお伺いしますけれども、たとえて言いますと、裁判所が刑務所の中にある。敷地の中にあって、裁判所から刑務所の中がまる見えだという点があるのですが、これは非常にまずい。 たとえば刑事事件なら刑事事件の審理を続行しておっても、その中の施設なり何なり、いろいろなものがわかれば、被疑者なりあるいは事件関係者なり、いろいろな者に対して心理的な影響が非常なものになってくるということになってまいります。そうなりますと、裁判の公平なり公正なりというものがその辺からくずれてきておるということも言えるわけなんです。これは早急どころの話ではない。まあ表現的に言えば、現地の人たちはどういうお考えでそういうことになるのか、本土の人たちと沖繩の方々とは全然もう扱いが違うのか、人間的に考えてもらえないのか、こういうふうな点について非常な不満なりふんまんをぶちまけていらっしゃるという点があるわけですけれども、この点について御担当なり大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○水原説明員 御説明いたします。 先生御指摘のとおり、裁判所から刑務所構内は全く見おろされておるわけでございます。これは全く好ましい姿ではございません。ただ裁判所は、これは復帰前に琉球政府当時にそこに刑務所の敷地の一部を割愛いたしまして裁判所が建てられたものでございます。そういうわけで、現在ではあの敷地は裁判所に所管がえになっております。そういう状況でございますので、法務省といたしましては、早急にそのような俯瞰されるような場所に刑務所を置いておくことは好ましくございませんし、周囲の事情もございまして、刑務所をしかるべき場所に移転いたしたい、そしてそれら先生の御指摘のございましたような諸問題を解決していきたい、このように考えておるわけでございます。
○沖本委員 これは大臣、基本的な人権に大きな問題になってくると思います。せんだっても長々と大臣に基本的な人権について御質問し、大臣もまたあらためて人権問題を取り上げて本年度の所信の中にも披瀝なすっていらっしゃる、こういう点もあるわけですけれども、俯瞰できるなら俯瞰できないようなとりあえずの応急処置なり何なりがあるわけですし、また窓を閉めていろいろな遮蔽をすれば暑くなってくるからその角度のところに冷房を置くなり何なり、何かこう応急処置でできるわけですけれども、そのままそれなりの状態で放置されて移転するまで、移転先もまだはっきりしない、こういう状態の中でこういう問題をそのまま置いておるということは、これは重大な問題だと私は考えるわけです。何らかの方法で早急に外の見えないようなあり方なり、またほかのものを置いて、その美観を整えながら刑務所の中が見えないような処置なりは、法務省のほうと裁判所のほうとのお話し合いで一時しのぎ的なことはできないことはないと思います。その点についての御配慮が全く欠けておるということになれば、その中で民事関係なり刑事関係なり、いろいろなことで法廷が使われるわけですけれども、そういう面についての裁判関係者、当事者、いろいろな方々の心理的な面を考えていくと、裁判の公平なり公正なりという基本に立ってみると、非常にそこから人権が侵されてきている、私はそういうふうに考えるわけでございますが、この点についての大臣のお考えを伺いたいと思います。
○田中(伊)国務大臣 私は、申しわけないことでございますが、現場を知らないのでございます。知らないのでございますが、部下からの報告を受けておるところによりますと、おことばのとおり、元刑務所の構内に裁判所が建てられておった、現在では、先ほど事務から申しましたように所管がえをしておりまして、裁判所は裁判所の土地にお入れになることになるわけでございますが、もともとそういう環境に双方があった、これは御意見をいただきますように、刑務所に収容されております収容者の、施設に収容されておる人々の人権ということにもたいへん関係をいたしますが、同時に裁判所がよい環境で、理想の環境で裁判を行なっていかれるということにもたいへんじゃまになるのではなかろうか、裁判所にも御迷惑をかけるのではなかろうか、こう考えますので、これは裁判所の御承認がないとすぐにはできぬことでございますが、現在の裁判所のお建物にとりあえず何かの施設をほどこすということ以外にないわけでございます。理想の姿にこれを引き離しまして移転をいたしますことが、実現をするには日時を要することでございますので、それまでとりあえずの応急措置としまして、裁判所と御協議を申し上げて善処をしたい、これをお約束をいたします。
○沖本委員 それと極端な例で、これはきょうは御担当の方に答弁者としてお願いするのを落としてしまったわけなんですが、大臣も御承知のとおり、沖繩は海洋博を控えまして非常な土地ブームである。聞くところによりますと、アルバイトでも一日七千円以上の賃金が要るような土地であり、ホテルも東京の一流並みのホテル代を出さないと普通のところは泊まれない、こういうふうな物価高の状態に追い込まれておって、沖繩の方々は海洋博のために苦しめられるというようなふんまんが増大してきておる。こういう中で、大臣もいろいろな点からお聞き及びだとは思いますが、もう本土のいろいろな業者によって土地が大多数買い占められていっている。その買い占めというものは復帰前に買い占められてきた。そういうものが書類的に山積してしまって、そして復帰後の登記の取り扱いなりは膨大なものになってきている。それを扱う方々は全然人数が欠けてしまって、あるいは登記所の問題なりいろいろな法務省関係の方々も、島がたくさんあるために全然抜けておる。こういうふうなこちらで全然想像できないような事態が現地で起きておるわけです。ですから年々の予算を積んで改善していくというようなお考えなり方法でやったのでは、こういう問題は解決できないわけですね。そして小さく分割して土地を買いながら、またあとでまとめてしまっていっているような土地ブームが起きてしまって、これはマスコミもずいぶん取り上げてこの問題をいろいろ議論をしているところは大臣もよく御承知だと思います。それに従った法務行政なりなんなりの仕事が山積をしてきている。それについては現地の方々は、返還されてきて事務扱いなり何なりに十分なれていない、人数が足りない、大混乱を起こしているというのが現状なんですが、そういう点について大臣はお聞き及びになっていらっしゃるでしょうか。そうであれば、その問題についてどういう対策を今後お立てになるのか、この点もお伺いしたいと思います。
○田中(伊)国務大臣 登記その他の激増してまいっております実情は、大体は承知しておりますが、詳細をひとつ事務当局から説明いたさせます。
○沖本委員 きょうはいないのです。私は抜きました。大臣、概略でいいですが、その問題に対してどういうお考えでいらっしゃるか、御指示をなさったか。
○田中(伊)国務大臣 急に登記官吏の養成ということもなかなかできるものではございませんので、内地の近いところから応援を出しまして、遺憾なきを期するように——いずれにしてもだいぶん手おくれにはなっておりますけれども、緊急事態の場合でございますので、そういう考え方で、内地からの応援というような方法で、できるだけこれを処理するという方向に向かっておるのでございます。
○沖本委員 いままで概略目立つような、たくさんほかにあるわけですけれども、社会的にも問題だというものを取り上げて二つ申し上げたわけですけれどもそういうことから考えますと、在来の予算の範囲内の中あるいは在来の法務行政の中で沖繩の問題は考えられない。別途に考えて早急に手を打たなければ沖繩の人たちは非常に貧しい扱いを受けてしまって、そこでも大きな人権の侵害が起きてしまうし、経済的にも、生命の問題についても大きな被害を受けることになる、こういうことになると思うわけでございます。 そういう点について、今後沖繩でこの種の問題が起きた場合、また御調査になればどんどん大臣のお目にとまると思いますけれども、その上で大臣は沖繩問題に対してどういうふうに、別ワクでお考えになるか、思い切った扱いをして、いまの内地との格差を底上げをしておやりになるお考えがあるかどうか、その点についてのお考えを伺いたいと思います。
○田中(伊)国務大臣 とりあえずは四十八年度の予算の計数の範囲内で最善を尽くして、処理をいたしまして、四十九年度以降におきましては、やはり従来の考え方を一歩前進をいたしまして、地元の皆さんの利便に御迷惑をかけないようにやっていきたい。これは登記関係もさようでございますけれども、特に重要なのは、先ほど御説明を申しました矯正関係につきましても、あそこには刑務所、少年院、鑑別所等のものが幾つもございますので、こういう方面の改善につきましても、同様に熱意を持って四十九年度以降においてやっていきたい。手おくれのようになりますが、四十八年度の予算の計数の範囲内で最善を尽くして、とりあえずの道を講じていきたい。どうしてもいけませんときには、内地からの応援を求めましてもこれをやっていきたい、こういうふうに考えております。
○沖本委員 ぜひともそういう角度で大臣のほうでとらえていただいて、対策をお立ていただきたいと思います。 これからは私たちの目にとまりました部分につきまして、それぞれお伺いしたいわけでございますが、同時に大臣も、なるほどそういうものがあるのか、これはたいへんだ、こういうお考えでお受け取りいただきたいと思います。またお気づきの点につきましては御答弁いただきたいと思うのです。 刑務所の候補地については、これから先の見通しなんですが、どういうふうな見通しになりますでしょうか。
○水原説明員 この問題につきましては沖繩開発庁、現地で沖繩開発事務局でございますが、その関係者と連絡をとりまして、認められました予算の範囲内でできるだけ早急に、いわば入手しやすいところ、これはできれば国有地がございましたならば、それの所管がえを受けるとか、あるいはそれに関連した付近を買収するとか、入手しやすい場所を早急に見つけまして、取得し、移転を進めたい、このように考えております。具体的な場所としては、現在まだ沖繩開発事務局と折衝中でございまして、はっきりした見通しはついておりません。
○沖本委員 これは余談的になると思いますけれども、大臣も御存じだと思うのですが、これは私も耳にしたという程度なんですけれども、沖繩の目抜きの通りでは、もう東京都の目抜き並みの地価にいまなってしまっている。それほど急速に地価が上がってしまっておる。したがいまして、あの狭い範囲内の中で刑務所という特殊な場所を取得するということについてはたいへんな問題になってくるし、予算の点でも思わぬ金額に増大するということが予想されるわけです。そういう点もお考えになっていただかなければなりませんし、そういう点で、この点についても大臣総括してお答えになったわけですからあれですけれども、相当なワクを広げていただいてお考えにならないと、当分の間は敷地なんか見つからないことになるんじゃないかということになります。したがいまして、本土内におきましても刑務所の問題はたいへんな問題にいまなっているわけです。私がおります大阪でも、大阪の刑務所は都市の中心になってしまっておる。東京の中野の刑務所の問題にしましても大きな問題を起こしてきておる。こういうことで、そのことすら解決しないから沖繩は、というお考えに立つととんでもないことになっていくと思いますから、この点については十分御認識いただいてお考えをいただきたいと思います。大臣、この点についてどうお考えでございますか。
○田中(伊)国務大臣 何と申しましても、移転先の理想の坪数は、沖繩の場合は二万坪ないし二万五千坪の程度は必要でございます。これだけのまとまりましたもので、環境のよいところで、矯正施設としての刑務所に向くような場所というものを用意をいたしますにはなかなか容易なものではなかろうと思います。よほど力こぶを入れまして、これをひとつ入念にさがし求めてみたい、こう考えます。
○沖本委員 話を今度は刑務所の中に飛ばしますけれども、受刑者の方々の作業賞与金について資料をちょうだいしたわけですけれども、三十九年度が一人一日当たり十九円二十銭だった。これが四十八年で五十二円九十六銭、この金額はとうてい考えられないような金額だということになるわけです。返還のときにあった内容で、法務省のほうとしてもいろいろと御調査になり指数をお調べになり、内地との比較なりというものの御検討がおくれておったのではないかとは考えますけれども、これでは結局受刑者の人権に大きな問題が起きてくるわけで、内地と同じような受刑者の人権が確保されなければならないという点から考えると、これは重大な問題だということになってくるわけです。これは一つの場面をとらえて申し上げただけなんで、これに対するお答えもいただきたいのですけれども、こういう全般についてこういう格差があってはいけないわけですね。刑をきめられてそして受刑をしていく、その受刑者の人権がことさらに隔たっておるようなことがあってはならぬと思うわけです。その点についてどういうふうにこれから変えられていくか、このことが起きた理由ですね、それにお答えいただきたいと思います。
○樋口説明員 ただいまの御質問でございますけれども、沖繩の作業賞与金の金額と本土の金額というものは、復帰後は全部同じでございます。同一額でございます。したがいまして、復帰前にはそういうことがあったと思いますけれども、復帰後におきましては全く同一の基準で計算しております。
○沖本委員 そうすると、この作業賞与金が現在は同一であるということで、待遇の悪かった点はなかったわけですか、まず格差があったかなかったか。
○樋口説明員 沖繩の復帰前につきましては御指摘のように格差があったと思いますけれども、ただいま御説明申しましたように、復帰後におきましては同額でございます。なお先生御指摘のように、作業賞与金につきましては、これは収容者の収容中におきます労働に対しまして、原則として釈放時に支給されるものでございますけれども、これも作業賞与金の性格と申しますものは、作業の奨励、しかもなおかつ釈放後におきます当座の生活資金と申しますか、更生資金でございます。作業賞与金の単価につきましては毎年増額がされておりまして、四十八年度におきましては昨年度の一一%アップということになっております。しかしながら、一カ月約千三百円程度でございまして、先生のおっしゃるように、更生資金といたしましても非常に少額でございますので、今後ともこの作業賞与金の増額につきましては努力してまいりたいと思っております。
○沖本委員 それはそれで了解いたしますけれども、いまおっしゃっているとおり、物価の指数がどんどん上がっているわけですから、基準として考えられる更生資金にしても更生できるような内容でなければ何の足しにもなっていかない。結局、そういうところが残っていればまた再びもとへ戻ってくるという原因をつくってしまう、こういうことになるわけですから、これは予算の点とか、年々増額しておるとかいうことを基準でお考えになるんではなくて、現在出所していく人が十分その更生に足りるだけの内容を含んだ指数を出していただいて、それに合っただけのものでなければこれは用をなさないと考えるわけでございますが、この点について大臣どうお考えでございますか。
○田中(伊)国務大臣 昨年に比べて本年は、まだそれでも一割余り増額をしたところでございます。一時間当たりの基準で申しますと、一等工で七円十銭。えらい金額でございます。お笑いをいただくような金額でございます。それから二等工で四円七十銭、三等工で三円十銭といったような金額、一体こういう金額で役に立つのかと、こういうことでございますが、本来のこの考え方が、むろん、作業に対する報酬というような意味であろうはずがございません、刑務所の中でございますので。そこで、作業によって働いてまいりました者に対する作業賞与金という形でこれを与えておるということです。しかしその金がだんだんと積み重ねられていきます結果は、出所をいたしますときに自宅に持って帰ることができる、何らかのこれが更生資金に役に立つという結果にはなろうかと思います。それを、先生の仰せのように更生のために使えるような金額ということを目標において考えますというと、こんな安い金では話にならぬというおことばどおりのことになります。これは根本的に考えを持ち直せば話は別でございますが、作業賞与金ということでございますと、長い伝統でやってきておりますが、いまのような金額に努力をしておることがまずまずのところではなかろうか。しかし、これを根本的に考えを変えまして、作業賞与金というものは将来に対する更生のかてになるんだという考え方からこの構想を練り直しますと、また話は別である。これはしかし、何か、いまおことばを聞きながら私は思うのです。いま思う思いつきで申しわけございませんが、思うことでありますが、これは何かひとつ検討をし直してみる必要があるのではなかろうか。物価と関係がないように見えますけれども、しかし金銭で見積もって給与をするという以上、物価に関係ありますね。物価と無関係のものだという説明はできない。何か根本的考え方というものについてひとつ検討を加えてみたいという気持ちでございます。
○沖本委員 それから刑務所の宿舎なんですが、現状はお話にならぬということで、しばしば私もほかの刑務所の宿舎を御指摘したことはあるわけですけれども、周囲がどんどん整っていって、近代建築は建ち並ぶ中で、ぽこっと刑務所だけが町中で残って、その中で木造のがたがたの宿舎が便所もくみ取りというような状態で置かれているということは、刑務所でお働きになる職員の人権の問題に響いてくる、こういうことになりますし、働く意欲というものが全然なくなってくる。したがいまして、こういうところに働く職員の方の希望者がなくなってきて、年々年齢が高層化していっているということも、しばしば御指摘もいたしましたし、改善していただかなければならないところでもあるわけですし、福利厚生的な、いわゆる福祉施設的なものを十分整えていただかなければ、同じところへつとめていらっしゃる方々ですから、むしろ受刑者よりこういうところにおつとめの職員の方のほうが刑に服しているみたいな重圧感の中に置かれてしまう。精神的なそういうものが働いてくるから、この前も大阪の不正事件のときにも申し上げたとおり、ただ綱紀を締めるなり、あるいは教養をうんと高めるような内容のものを盛り上げてみても、そのことにはならないということになってくるわけです。そういう点を考えていきますと、内地のそれと比べてみても、なおかつまだ沖繩のはもっとひどいということになるわけですから、この点早急に変えていただかなければなりませんけれども、現状とこれからどうするかということをお答え願いたいと思います。
○水原説明員 御指摘がございましたとおり、沖繩刑務所、特に沖繩刑務所の宿舎はたいへん老朽化いたしております。職員の住の環境を整備することは私ども営繕の関係職員の責務でございます。そこで、これにつきましては、毎年いろいろなデータをそろえまして、大蔵の理財に積極的に事情を説明申し上げ、予算を増額願っておるところでございますけれども、最近の物価高の影響と、規格がだんだん、だんだんと向上化いたしました関係で、本年度の宿舎の割り当て戸数というものが昨年度に比して多少下回ってまいりました。しかし、沖繩についてこれを見ますならば、昭和四十七年度におきまして、畳の取りかえそれから浴槽の整備、悪くなりました便所の改修等、復帰前に比べましたならば大幅に宿舎の内部の補修を実施いたしました。それでもなおかつ先生から御指摘を受けるような状況でございます。そこで四十八年度にはさらにそれを上回る補修計画を進めておりまして、収容者に劣らない、収容者よりはむしろ上等な宿舎に入っていただいて、心の安らぎを求め、仕事に過誤のないように努力していただきたいと思って検討中でございます。
○沖本委員 それから私のほうで調査した結果なんですが、刑務所の中に雨漏りによって使えないという房が三十六あるということになるのですが、これは全体で房は幾らあって、収容人員はどれぐらいで、それでこの三十六房が足りない面がどういう役割りを果たすのか。その点について大臣にもお聞きいただきたいわけですから、雨漏りがどういうことになっているという点、それと対策とをお伺いしたいと思います。
○岩崎説明員 おりあしく私正確な数字を持っておりませんが、概略申し上げますと、定員は六百四となっておりまして、三月末でございますが、入っております総人員は四百八十六で、総体から見ますとやや余裕があるわけでございますが、御指摘のように雨漏り房がかなりございます。なお独居の定員を申し上げますと二百四十四でございます。雑居が三百十三、かような数字になっておりますが、この雨漏り房につきましては、雨が漏りまして、それが天井にしみ込みまして、天井が剥離するという危険な状態もございますので、これは第一独居舎と称しておりますが、ただいまそこを全部あけまして人を入れておりません。危険なところはさような措置をとっておりますが、これにつきましては、本年度さっそく営繕のほうから改修工事をやっていただくという予定になっております。
○沖本委員 給排水の設備が不良で、懲役房という房に対して水道も何もないということなんです。それで別にある水道の蛇口からホースを引いて水を持っていくというのが現状なんですね。ですからこの辺は取り扱い的に考えれば全くお話にならぬということになりますし、この辺から大きな人権問題にもなるのではないか、こう考えられるわけです。そういう点について、私たちも毎年の国政調査の視察で、委員長にお供していろいろ視察をしてきますけれども、そういう内地にある刑務所の施設、われわれの頭の中にあるものと沖繩の刑務所とは、概略いって一体どの程度開きがあるのでしょうか。一緒に考えて解決しなければならない問題だと思うわけですから、かいつまんでこれくらい開きがあるのだというようにお答え願いたいと思います。
○岩崎説明員 内地の施設と沖繩の刑務所とどの程度の格差があるだろうかという御質問でございますが、これは何と申しますか、見た感じ、また実態等を総合して申し上げますと、やはり内地の施設も設備の上その他でかなり悪いものもございまして、目下着々改修という段取りで進んでおるわけでございますが、沖繩の施設はやはり内地の施設の下位に属するのじゃなかろうか。正直にかような感じがいたしております。先ほど来ちょっと申し上げましたが、復帰しまして鋭意営繕にもお願いしまして、最重点施設として取り上げていただきまして、昨年も営繕能力の可能な限りの工事をやっていただいたのでありますが、ことしもまた引き続きやっていただく予定でありますので、基本的にはやはり移転をしなければ内地並みの施設にはならないかと思いますが、とまれ移転までの間どうしても必要な部分、これはもう鋭意やっていただくというふうに話をして、御了解をいただいておるところであります。
○沖本委員 水の点ですね、それもやはり同じ意味合いにとれるわけですか。
○岩崎説明員 水につきましては、御指摘のとおり水道が入っておりません。これは拘置監につきましては昨年度一応給排水設備をとっていただきましたが、ことしはなるべく全舎房についてとっていただくようにお願いして、営繕のほうで目下やるという方針で御検討いただいております。
○沖本委員 この水なんかで考えられることなんですが、中の職員の言うことを聞かないような人がおったとしますか、そうすると水をやらないということは大きな体罰ということになるわけですね。これはわからないことなんですが、想像ができるわけです。ですから、そういうふうなものは起きないような条件に置いていただかなければ、そこで人権問題が私は考えられる、こういうことになるわけです。 それから、未決の方が非常にふえているということで、定員もすでに相当数オーバーしておるということになって、福岡の矯正管区内のほうへある程度移送したりしている分もあるということになるわけですけれども、これは非常にいろいろな事故も起きやすくなりますし、はっきり刑が確定したということではないわけですから、こういう点についてもやはり同じ問題が考えられるということになるわけですけれども、現状と対策についてお答え願いたいと思います。
○岩崎説明員 未決監の定員は六十八ございまして、これは三月末の数字でございますが百五十一名の未決拘禁者がおります。したがいまして、御指摘のように、非常に足りないわけでございます。これは、抜本的には、未決監を増設ということになるわけでございますが、さしあたりましての対策といたしましては、いま先生もお話ございましたように、昨年から今日までに約二百二十名の受刑者を九州管内へ移送いたしまして、受刑区をあけまして、そこへ未決を収容するというとりあえずの策をとっておるところでございまして、根本的には、ただいま申し上げましたように、やはり未決監の増設ということでございますが、これは移転問題とからみまして検討いたしたい、かように考えておるところでございます。
○沖本委員 それから、刑務所の中ではへいの問題が出ているわけですけれども、へいの問題は、すでに大学の不正入試問題でわれわれも行って、へいの外からまさか内らへ入るとは思わなかったので、内らから外だと、こういうふうに勘違いもあったわけです。これは内地のきめられた高さのへいであるわけですけれども、相当そのへいが低いのじゃないかということで、ここにも問題点を残しているのじゃないかということなんで、問題は、刑務所が移転すればそれまでのことであり、そこができ上がれば、ちゃんとした施設になることには違いないわけですけれども、そういう点も十分、だからといって放置しておれるものではないということになってまいりますし、内地の刑務所でも、へいの外から物を投げ入れるということが常時よく聞く問題でもあるわけですし、そういう点から、この低さというものは心配ないのか、あるいはこのままで、現状維持で十分用をなすのかどうか、その点についてお答え願いたいと思います。
○岩崎説明員 刑務所の外へいは、施設によって若干異なりますが、四メートルから五メートルというところで実際はつくられております。沖繩について調べてみますと、沖繩は、御指摘のように、若干低うございます。これは、高いところ、低いところ、どうしてそういうことになったのかよく私わかりませんが、実態は三メートル四十から四メートル七十、こういった差があるわけでございます。したがいまして、御指摘のように、四メートルから五メートルという内地の基準には達しておりません。そこで、心配もございますので、昼間は約八カ所、立哨と申しまして職員を配置いたしまして、警備をやっておるという状態でございます。なお、夜間につきましては、これは普通の刑務所におきましては、夜間は収容者は全部舎房に入りまして、一応かぎをかけますので、警備的には安心な状態が続くわけでございますけれども、沖繩の場合は、そういった関係もございますので、特に二カ所の立哨を置いて、なおそのほか巡警を回すというようなことで対処しておるわけでございます。
○沖本委員 それと同時に、少年院の問題ですけれども、非常に沖繩は少年犯罪が多い地域でもありますし、ますます物価高、社会情勢がいろいろに変わってきているというような中から、その犯罪の温床になるようなものがたくさんあるわけですね。ですから、自然としてその少年の犯罪もふえているという関係の中で、少年院あるいは女子の収容施設、こういうものも十分整えなければなりませんし、こういう点については早急に十分対策を立てていただきませんと、将来沖繩をになう人たちということにもなるわけですし、いろいろな点、あるいは復帰後のいろいろな格差の問題、そういうところから起きてくる精神的な反発、そういうものも、それを倍加するような内容になっては困るわけです。その点について、現況とどういう改善点があるか、それについてお答え願いたいと思います。
○岩崎説明員 少年関係についてまず顕著に内地と比較しまして感ぜられますのは、沖繩の場合、男子少年につきましては、先生ごらんいただいたと思いますが、非常に高いへいがございます。普通内地の少年院は、いろいろな教育環境といったような考え方から、こういうものを置かないのがたてまえと申しますか、普通のやり方でございますが、沖繩についてはそれがございますが、これにつきましては、これは復帰前に非常に少年の逃走が多うございまして、社会の方々が不安になられた、そういう強い要請があって、あのような形のへいができた、かように聞き及んでおるわけでございます。復帰いたしましてからの実績を見ますと、ちょうど復帰しましてから二カ月あと、これはまだ心情があまり安定しない時期でございましたが、逃走がございました。しかしその後は一件もございません。さようなことでございますので、教育環境として必ずしもふさわしくないというようなそういった問題は、その情勢の推移を見ながら本土並みに直していきたい、かように考えております。 同様のことは女子少年院もほぼ、たとえば鉄格子等の問題についても言えるわけでございまして、これはやはり同様の考えで、漸次本土の処遇並みに直したい、かように考えておるところでございます。
○沖本委員 あと少しこまかい質問になるわけですけれども、現地からの要求で、受刑者、収容者に対して現物給与という面について不足しているものがあるようなことを聞いてきておるわけです。たとえば女の人のカーデガン、夏着るものとか、短いそでのブラウスとか、こういうものが足りない、もらってないというようなことも聞いて帰っているわけです。これは小さい質問になるわけですけれども、こういうことも、いわゆる内地並みでないという反感からこういう要求も出てきているということになるわけです。こまかいことをどんどん持っていけばまだたくさんあるわけなんですけれども、一度大臣もおひまをつくっていただいて、早急に現状を見ていただいて、大臣の目で確かめていただいて、早急な改善をはかっていただきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。その点について大臣いかがですか。
○田中(伊)国務大臣 いまのような先生の御報告なり御意見を承りまして思うことは、まずやはり私が現地を見なければなるまい、実感が伴うての施策ということにならないと本物ではございません。しかし何ぶん国会が長期にわたっておりますことと、延長が行なわれておりますということ、意外に法務省というところは、これで複雑にむずかしい事務が多いところで、なかなか離れかねるということもございます。できるだけ苦心をいたしまして、短期間でも飛んでまいりまして、ただいまおっしゃいましたような重要な点について現地を見てきたい、こう考えます。
○沖本委員 一部を御指摘しただけですけれども、それでも相当なものが出ているわけでございますから、早急に対策を立てていただく、予算も別途に考えていただくということを要求いたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。
○中垣委員長 次回は、来たる六月一日午前十時理事会、午前十時十五分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時三十一分散会