法務委員会 第16号
- 発言数
- 82 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1973/04/06
会議録
○中垣委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、商法の一部を改正する法律案、株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律案及び商法の一部を改正する法律等の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。田中法務大臣。
○田中(伊)国務大臣 商法の一部を改正する法律案、株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律案及び商法の一部を改正する法律等の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案につきまして、その趣旨を便宜一括して御説明申し上げます。 商法の一部を改正する法律案は、現下の社会経済情勢にかんがみ、株式会社の運営の適正及び安定をはかり、あるいはその資金調達の方法に改善を加える等のため、早急に改正を必要とする事項について、商法の一部を改正しようとするものであります。 この法律案の要点を申し上げますと、第一に、株式会社の業務が適正に行なわれることを確保するために、監査役は、会計監査のほか、業務監査をも行なうものとし、このために必要な権限、たとえば取締役会出席権、取締役の違法行為の差止請求権等を認めるとともに、その地位の安定その他監査機能の強化のための措置を講ずることといたしております。 第二に、株式会社の運営の安定をはかるため、定款をもって、取締役の選任につき累積投票の請求を完全に排除できることといたしております。 第三に、株式会社の資金調達の便宜をはかる等のため、新株の発行にあたっては、法定準備金を資本に組み入れ、株主に対して発行価額の一部の払い込みを要しない株式を発行することを認め、また、転換社債の発行については、原則として取締役会の決議によってすることができるものとし、なお、株主の利益を保護するため、この場合における株主の引き受け権等に関する規定を整備することといたしております。 第四に、株主の便宜等を考慮して、営業年度を一年とする株式会社について、いわゆる中間配当の道を開くこととしております。 最後に、取引の安全をはかるため、すでに営業を廃止しているいわゆる休眠会社を整理する方途を講ずることといたしております。 次に株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律案は、株式会社の実情にかんがみ、特に大規模の株式会社及び中小規模の株式会社の監査制度について、それぞれ改正後の商法の特例を設けようとするものであります。 この法律案の要点を申し上げますと、第一に、大規模の株式会社にあっては、株主をはじめ、従業員、取引先、下請企業者等の利害関係人の保護のため、その経理の適正を期することが特に重要でありますので、資本金五億円以上の株式会社は、計算書類について、定時総会前に公認会計士または監査法人の監査を受けるものとし、その会計監査の充実をはかることといたしております。 第二に、中小規模の株式会社については、その実情から見て、ある程度監査に関する負担を軽減する必要があると思われますので、資本金一億円以下の株式会社においては、監査役は会計監査のみを行なうものとし、監査報告書の記載事項は特に法定しない等の措置を講ずることとといたしております。 最後に、商法の一部を改正する法律等の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案は、商法の一部を改正する法律等の施行に伴い、非訟事件手続法外三十二の関連する諸法律について、改正を要するものの整理等を一括して行なおうとするものであります。 以上が商法の一部を改正する法律案、株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律案及び商法の一部を改正する法律等の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案の趣旨であります。 何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○中垣委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 引き続き、各案について補足説明を聴取いたします。川島民事局長。
○川島政府委員 ただいま大臣から提案理由の御説明のございました三法案につきまして、その内容を御説明申し上げます。 最初に商法の一部を改正する法律案でございますが、改正の項目が多岐にわたっておりますので、説明の便宜上事項別に説明をさせていただきたいと思います。 まず第一は、監査役に関する改正であります。御承知のように現行法では、株式会社の監査役は、会計の監査を行なうことをその職務といたしております。改正案は、それに対しまして、監査役の職務を会計の監査を含む業務の監査に拡張しようとするものでありまして、この点が今回の改正の主眼点の一つとなっております。そのために、まず第二百七十四条を改正し、その第一項において、監査役は取締役の職務の執行を監査するものとし、いわゆる業務監査の職務権限を規定するとともに、同条第二項及び第二百七十五条にも所要の改正を加えることといたしております。 またこれに関連して、監査役の権限を強化する必要がありますので、第二百七十四条ノ二、第二百七十四条ノ三、第二百七十五条ノ二から四までの規定を新設するなどいたしまして、取締役の監査役に対する緊急事態の報告義務、子会社調査権、取締役の違法行為の差止請求権、監査役の選任及び解任について株主総会で意見を述べる権利、会社と取締役との間の訴訟等について会社を代表する権利などを監査役に認めることにいたしております。 それからまた、監査役が業務監査を行なうことになりますと、取締役会に出席して意見を述べることを認める必要が生じます。そのため、第二百六十条ノ三及びその他の取締役会に関する規定にも改正を加えることにいたしております。 さらに、現在では監査役には認められておりませんが、株主総会決議取り消しの訴えなどを提起する権限や、株式会社の整理開始等の申し立てをする権限も、今後は監査役についてこれを認める必要が出てまいります。そこで、第二百四十七条をはじめ、関係規定を改正いたしまして、それらの権限を監査役にも与えることといたしております。 ところで、監査役の職務が拡張されましても、計算書類の監査が監査役の重要な職務であることには変わりがございません。改正案は、計算書類等の監査が一そう適正に行なわれるため、次のような改正をすることにいたしております。すなわち、第二百八十一条を改正して、計算書類の付属書類についても監査役の監査を受けさせることにするとともに、第二百八十一条ノ二から四までの規定を新設いたしまして、監査役の監査期間を伸長し、同時に、監査報告書の記載事項を法定して、監査が形式に流れることのないように配慮を加えたのであります。 また、第二百八十三条の改正は、定時株主総会における審議の適正をはかるため、その招集の通知には計算書類及び監査報告書の謄本を添付しなければならないことといたしております。 なお、監査役の監査期間を伸長したことに伴いまして、第二百二十四条ノ三を改正いたしまして、株主名簿の閉鎖期間等を現行の二カ月から三カ月に伸長することにいたしております。 説明の順序が前後いたしますが、監査役に適正な監査を行なわせますためには、監査役の地位を安定させる必要がありますので、第二百七十三条の規定を改正いたしまして、監査役の任期は、原則として就任後二年以内の最終の決算期に関する定時株主総会の終結のときまでといたしまして、現行の一年を二年に伸長することといたしております。 また、他面におきまして、監査役の独立性を保持するために、第二百七十六条を改正いたしまして、監査役は子会社の取締役や使用人を兼ねることもできないこととしております。 第二は、中間配当の制度であります。 改正案は、第二百九十三条ノ五の規定を新設しまして、いわゆる中間配当の制度を認めることにいたしております。 この制度は、営業年度を一年とする会社が、その年度の中間において、半年決算の場合の配当と同じように、株主に金銭の分配をすることを認めようとするものであります。 この規定、すなわち、第二百九十三条ノ五の第一項は、営業年度を一年とする会社は、定款で定めた場合には、一の営業年度中一回に限り、取締役会の決議で株主に金銭の分配、いわゆる中間配当をすることができるものいたしております。 なお、この金銭の分配につきましては、前期末の貸借対照表の純資産額から、最終の決算期における資本、法定準備金等を差し引いた残額を限度として行なうこと、その期末に配当可能利益が出ないこととなるようなおそれのあるときは、金銭を分配してはならないことなどの制限を設けまして、不当な経理が行なわれないように配慮いたしております。 第三は、累積投票の制度の改正であります。 御承知のとおり、現行商法は、第二百五十六条ノ三及び第二百五十六条ノ四において累積投票の制度を認め、二名以上の取締役を選任する場合には、株主は累積投票の請求ができることとし、定款で累積投票を排除している場合でも、発行済み株式の総数の四分の一以上の株式を有する株主の請求があるときは累積投票によらなければならないことといたしております。 改正案は、第二百五十六条ノ三の規定を改め、かつ、第二百五十六条ノ四を削除することによりまして、累積投票の制度を採用するかいなかは会社が自主的に定款で定めることができることといたしております。 第四は、準備金の資本組み入れによる有償無償の抱き合わせ増資の制度の新設であります。 改正案は、第二百八十条ノ九ノ二の規定を新設して、この制度を認めることにいたしております。 すなわち、その第一項におきまして、準備金を資本に組み入れた会社が、券面額を発行価額として額面株式を発行する場合には、株主に新株引受権を与え、かつ、その引受権の譲渡を認めることを条件として、発行価額の一部の払い込みを要しない新株の発行、いわゆる有償無償の抱き合わせ増資を認めることとし、第二項から第五項までにおきまして、この新株を株主に割り当てるについいて生ずる一株未満の端株及び申し込み期日に申し込みを失念した失権株は会社がこれを処分してその一定割合の金銭を株主に支払うべきことを定めております。 これに関連して、第二百八十条ノ二第一項に第九号を加えまして、この抱き合わせ増資による新株の発行を行なうこと及び発行価額中払い込みを要する金額は取締役会において決定しなければならないこととし、また、第二百八十条ノ七を改正いたしまして、新株引受人である株主の有償部分の払い込み義務を規定することにいたしております。 第五は、転換社債発行についてであります。 現行法は、会社が転換社債を発行するには、定款または株主総会の特別決議によって転換の条件等を定めなければならないことにいたしておりますが、改正案は、第三百四十一条ノ二の規定を改正して、原則として取締役会の決議で転換社債を発行することができるように改めることにいたしております。 もっとも第三百四十一条ノ二第三項におきまして、株主以外の者に、特に有利な転換の条件を付した転換社債を発行するときは、株主総会の特別決議を要することと定め、あるいはまた、第三百四十一条ノ二ノ二から二ノ五までの規定を新設いたしまして、転換社債の発行に関する株主への通知または公告、株主の転換社債引受権等について新株の発行の場合に準ずる取り扱いを定め、株主の利益の保護についても十分に配慮することにいたしております。 第六は、休眠会社の整理であります。 改正案は、第四百六条ノ三の規定を新設いたしまして、すでに営業を廃止したものと認められるいわゆる休眠会社を整理する道を開いております。すなわち、第四百六条ノ三の第一項は、過去五年間何らの登記もしていない株式会社は、法務大臣が官報で公告してから二カ月内にまだ営業を廃止していない旨の届け出をしないときは解散したものとみなすことにしております。なお、法務大臣が官報に公告をしたときは、登記所から該当の会社にその旨の通知をすること。解散したとみなされた会社は、三年以内であれば株主総会の特別決議で会社を継続し、復活することができることなどを認めることにし、同条の第二項及び第三項にそのことを規定しております。 それから第七は、商業帳簿に関する規定の改正であります。 まず、第三十二条から第三十四条までを全文改めることといたしておりますが、このうち改正の要点だけを申し上げます。 まず三十二条は、第一項において、商人は、会計帳簿、貸借対照表及び損益計算書をつくらなければならないこととし、現行法の財産目録を削除して、新たに損益計算書を加え、第二項において、商業帳簿の作成に関する規定の解釈については、公正な会計慣行をしんしゃくすべきことといたしております。 第三十三条は、会計帳簿の記載方法並びに貸借対照表及び損益計算書の作成方法等について定めております。 第三十四条は、流動資産、固定資産及び金銭債権についての評価の方法を合理的なものに改めたものであります。 以上のほか、株式会社の計算についても若干の改正、すなわち、第二百八十五条ノ六を改正して、親会社の所有する子会社の株式の評価については、現行の低価法を原価法に改める改正を加えることといたしております。 次に、株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律案について御説明を申し上げます。 第一条は、この法律の趣旨を定めたものであります。 第二条から第二十一条までは、資本の額が五億円以上の株式会社に関する商法の特例を定めたものであります。すなわち、資本の額が五億円以上の株式会社は、特にその経理を適正にする必要がありますので、計算書類について、株主総会の前に会計監査人の監査を受けなければならないこととし、このことを第二条において明らかにいたしております。 第三条から第十一条までは、会計監査人に関する規定でありまして、第三条は、会計監査人の選任について、会計監査人は監査役の過半数の同意を得て取締役会が選任することなどを定めております。 第四条は、会計監査人は会計の監査の専門家であり、公認会計士または監査法人でなければならないこととし、なお、一定の欠格事由を定めております。 第五条は、監査法人が会計監査人となった場合に、その職務を実際に行なうべき社員について定めたものであります。 第六条は、会計監査人の解任について、選任に準じた規定を設けております。 第七条は、会計監査人の権限を定めたものであります。会計監査人は、会計に関する帳簿、書類の閲覧権、会社の業務及び財産の状況の調査権、子会社の調査権等を持つことになります。 第八条は、取締役に不正の行為があることを発見したときの会計監査人の監査役に対する報告義務を規定しております。 第九条から第十一条までは、会計監査人の責任に関する規定であります。 第十二条は、取締役が、監査役及び会計監査人に提出する計算書類の提出義務及び提出期限について定めたものであります。 第十三条及び第十四条は、会計監査人及び監査役の監査報告書について定めたものであります。これらの規定によりますと、計算書類及びその付属書類は、まず会計監査人が監査を行ない、そのあとで監査役が監査をするということになっております。 第十五条は、計算書類の付属書類についての会計監査人及び監査役の監査について定めたものであります。 第十六条は、会計監査人の監査報告書の備え置きについて、第十七条は、その謄本を定時株主総会の招集の通知に添付することを定めたものであります。 第十八条は、会計監査人の定時株主総会における意見の陳述について規定したものであります。 第十九条は、本法に特則を設けましたために、商法中適用を排除する規定を定めたものであります。 第二十条及び第二十一条は、会社の資本の額が五億円を上下する場合における第二条から第十九条までの規定の適用についての経過措置を定めたものでございます。 次に、第二十二条から第二十六条までは、資本の額が一億円以下の中小規模の株式会社に関する商法の特例を定めたものであります。 第二十二条は、資本の額が一億円以下の会社の監査役は、現行法と同じく、会計監査のみを行なうこととし、その権限もそれに必要な範囲に限ることといたしております。 第二十三条は、取締役が監査役に計算書類を提出する期限及び監査役が取締役に監査報告書を提出する期限について、商法の特例を定めたものであります。 第二十四条は、会社と取締役との間の訴訟につき、会社を代表する者は、現行法と同じく、原則として取締役会が定めることとしたものであります。 第二十五条は、中小規模の会社の実情にかんがみ、商法中適用を排除する規定を定めております。 第二十六条及び第二十七条は、会社の資本の額が一億円を上下する場合における第二十二条から第二十五条までの規定の適用についての経過措置を定めたものであります。 第二十八条以下は、罰則でございます。 最後に、商法の一部を改正する法律等の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案について申し上げます。 この法案は、非訟事件手続法外三十二の法律を改正しようといたしておりますが、大部分は実質に関係のない改正、すなわち商法の一部を改正する法律案によって予定されております商法の改正が行なわれた場合に、これに伴う形式的な整理であります。そこで、実質に関係するもののみを抜き出して御説明申し上げます。 まず第一条は、端株の処理について裁判所の許可を得る場合の所要の手続を定めるため、非訟事件手続法に所要の改正を加えたものであります。 第六条は、地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市における商号専用権の効力を生ずる区域を定め、または計算書類の付属明細書の記載事項を命令で定めることとするため、商法中改正法律施行法で所要の改正を加えるものであります。 第九条は、基金の総額が五億円以上の相互会社について会計監査人の監査を受けなければならないことなどを定めるため、保険業法に所要の改正を加えたものであります。 第十三条は、公認会計士等の業務の制限について、公認会計士法に所用の改正を加えようとするものであります。 第三十六条は、休眠会社の整理につきまして、所用の登記手続きを定めるため、商業登記法に所用の改正を加えるものであります。 以上が三法案の改正の概要であります。
○中垣委員長 これにて補足説明は終わりました。 各案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 ————◇—————
○中垣委員長 おはかりいたします。 本日、最高裁判所田宮総務局長、矢口人事局長、牧刑事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中垣委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○中垣委員長 次に内閣提出、刑事補償法の一部を改正する法律案及び横山利秋君外六名提出、刑事補償法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますのでこれを許します。横山利秋君。
○横山委員 いま委員長からお話がございましたように、私もこの刑事補償に関する法律案の提案をいたしておるのでありますが、この際、法務大臣にお伺いしたいのであります。四十二年八月十八日の第五十六国会の衆議院本委員会におきまして、私からこの不拘束の被告にも無罪が確定したら補償金が支払われるべきだという意見を言い、法務大臣の御意見を伺いましたところ、あなたは当時法務大臣として趣旨を了承し、検討を約束をされたのであります。したがいまして、私が重ねてこの法案が国会に上程される機会に、もう数年をたっているのでありますから、当然政府から御検討の結果、私が提案をいたしました趣旨に基づいて法律案が提案されると予期をいたし、期待をいたしておりましたところ、私の提案、また法務大臣のあのときの答弁に何ら関係のない法律案が提案をされましたことはまことに遺憾千万であります。法務大臣としての権威にもかかわることであります。あなた個人の食言にも関することなのであります。この機会に、大臣というものが国会でお述べになりましたことはまさに綸言汗のごとしである。それはてにをはにおいて若干のことばのニュアンスの違いがあるにしても、少なくともあのとき前向きにあなたがとらえて、よろしゅうございます、検討しましょうといいましたその趣旨としては逃げ隠れもできないことだと思うので、この点について法務大臣は一体どうお考えなのか、率直にひとつあなたの御意見を伺いたい。
○田中(伊)国務大臣 お説、恐縮に存じます。前回の法務省に私が在任中に答弁をいたしましたこと、よく記憶にございます。現在もそういう考え方を持っておるということに変わりはないのでございます。当時ただいまお話しのように、拘束を受けない場合でも無罪の判決を得た場合には何らかの国家賠償を行なうべきではないかというお話に対して、私も当時、いまもそのとおりに考えている、捨ておけぬと考えておる、額に差のあることはやむを得ぬですけれども、捨ておけぬ、こういうように考えておるのです。そこで当時、在官中に答弁をいたしました直後、何とかこれについては検討をせよということで検討を命じました。私自身も検討してきた。それから間もなく私が退任することになりましたが、今度重ねて就任をいたしました以後もこの法案に関連をいたしまして、私の意見がありますので、この意見はつぶさに検討をさせたのであります。させたのでありますが、就任後日が浅いということと、また一つはこの国会提出をいたしました法案の中に、身柄拘束を受けないで無罪の判決を受けた場合もこれを含むという意味の法改正に、この事項を盛ることができなかった。私は残念に思っております。残念に思っておりますが、食言じゃない。言明をいたしたことについては検討してみたが、この段階においてここにこれを挿入するということ、書き加えるということの段階に至らなかった。私の微力であります。微力以外のものではない。食言の覚えはございません。検討はいたしました。いたしましたが、ここには至らなかったという事情であることを御理解いただきたいと思います。
○横山委員 食言と微力とどう違うのか私はよくわからないのであります。私の力が足らないからできなかったというお話のようでありますが、食言というのはうそをついたということを意味すると思うのであります。少なくとも数年たって、しかもあなたのあのときの答弁はいまでも私は脳裏にあるわけでありますが、自分も弁護士をやったものとして、実態に触れてそれを痛感をしたことがあるということまでおっしゃって、そして前向きな答弁をされたことが、微力であるということばがこの国会で通用するならば、あらゆることが、約束したけれども微力にしていたし方がないということで国会の答弁が終わるならば、何をもって私どもは大臣の答弁というものを信頼ができるでありましょう。私はこの問題が少なくとも海外にあまり例がないことは知っておる。けれども、町のこの種の問題の実態に触れたときに、あまりにも気の毒である。身柄は不拘束といえども、それによって社会的な信用は地に落ち、そして裁判をやるための膨大な費用が要る、商売はやっていけない、村八分にされる、こういうような状況はわれわれの周辺に余りあるものがある。こういうことがちゃんとわかっておりながら、その微力という意味がどういう意味だかわかりませんけれども、お役人の皆さんが反対するからできないということなのか。研究が十分できないからそこまで至らないとか、いろいろな理由を考えてみましても、要するに法務省を統轄される大臣として、微力だからできなかったということでは説明にならないと私は思います。またあなたがほんとうにこれをやる気があるならば、少なくとも私は対案を出しておるのでありますから、この対案が不十分なものであるか、それは私もわかりません。自分はいいと信じているけれども、法制的に不十分であるかどうか、それは議論のあるところでありましょう。しかし、少なくとも国会の法律に基づいて議員として私は責任を持って提案しておるのでありますから、対案がここにあるわけでありますから、その対案に対してあなた方が、それならば横山案ではいかぬにしても、少なくともこういう案ならばということができないはずはないと私は思うのであります。いかがですか。
○田中(伊)国務大臣 あなたの対案に対する私の見解は別にいたしまして、先ほど追及をされております、検討した結果うまくいかなかったことに対する責任でありますが、検討をしなかったのじゃない、検討をしたのです。検討したが、今回の提案の中に織り込むに至らなかった、私の微力のいたすところである、こう言っておるのでありますから、それを食言と仰せになることは心外であるということを申し上げるのであります。それは政治家の言うたことは綸言汗のごとしで、責任はある。検討すると言った以上は検討せねばならぬ、検討すると言って検討せぬでほっといて何を言っておるのか、反対のことが出ておるじゃないか、こういうことならば御追及になりましてもやむを得ませんけれども、検討のお約束をして検討した。その間退任をいたしまして、再び出てきた。また検討をしてみた。しかしこの改正法律案に載せるに至らなかったのは微力のいたすところでございます、こういうのが私の心境でございます。
○横山委員 あなたは田中という人間でお答えになっていらっしゃるけれども、あなたの個人としての政治家としての立場と、それから法務大臣として国会で述べたことは、あとの大臣がだれであろうと、当然継承されると私は思っているのですよ。だから、引き継ぎをなさらなかったのであろうかという疑念すらいま抱いておるわけであります。 もう一つ、私があなたのいまのそのお答えに対してさらに追及をいたしたいのは、お互いに政治を担当している者として、努力をしたけれどもだめだったのでは済まされぬと私は思うのであります。それも一つの理由ではあろう。けれども、私どもが最後に考えることは、一体その結果はどうであったか、約束したことは履行したのかしないのか。約束というのは誠意と結果と両方で判断をしなければならぬと思う。したがって、誠意があってやったけれどもだめでしたということが一半の説明にもなろうとは思うけれども、結果として約束したことでができなかったということでは、政府の閣僚として責任が免れがたいことなんです。それを一つ考えてもらわなければいかぬ。 それでもう一つ聞きたいのは、それならば微力というのはいつまで続くものですか。この次の国会にまた同じ法案が出たときも、微力でやむを得ませんでした、あなたにかわった大臣が今度出れば、いやあのことは田中さんから引き継いだけれどもまた微力でできませんでした——あなたは四たび大臣におなりになって、また微力というつもりですか。その点のめどをこの際ひとつはっきりしてもらいたい。不拘束の場合でも補償することが正しいとあなたがお考えになるならば、いつまでも微力は許されません。次の国会に不拘束でも補償をするという提案をしてくれますか、くれませんか。
○田中(伊)国務大臣 くどい答えをして恐縮ですが、少しことばの受け取り方に思い違いが横山先生にあるのじゃないでしょうか。この問題はごもっともと思う、身柄不拘束の場合でも賠償を出したいものだ、そういう制度を実現することについて検討をいたしますという、検討を約しておる、検討ということばを。そこのところをよく御理解いただきませんと、検討をしてみて実現はできなかったら検討した者が責任を負え、言質だ、それは食言だ、そういうふうに極端にものを解釈されることはいかがなものでしょうか。そんなふうに考えるべきものではないでしょう。 真剣に検討する根拠があって検討してみた。私の言う根拠というのはどういう根拠かと言いますと、憲法四十条というものがございます。憲法四十条というものは刑事賠償の根拠となるべき根拠法です。これが根本法でございます。それによると、身柄の拘束を受けております場合においては、国家並びに国家機関としての官吏の故意過失に原因する不法行為を条件とせぬのだ。不法行為はなくとも身柄拘束を受けるというような迷惑をした被告について、無罪の判決があったら、役人の側に手落ちがあろうがなかろうが、そんなことはどうでもいいんだ、無罪の判決があったという事実だけで、国家賠償、具体的に申しますと刑事補償をするんだというのが憲法四十条の明文でございます。むずかしいところはここにあるのです。これを逆に解釈をいたしますとどういう解釈になるのかというと、身柄の拘束をされないで、事件が起こって無罪になった場合は、身柄拘束ほどの迷惑はなかったのだから、国家賠償は要らぬのだ、具体的には刑事補償は要らぬのだという半面解釈、横山先生これは無理はございませんね。一応の半面解釈ができるわけでございます。 ところが私の苦心をして、所見として法務省内においても申しております意見は、この重点が、私の解釈はそうじゃないというのです。そんな半面解釈もできぬことはないだろう。しかしわが国憲法というものは人権擁護ということにたいへん極端な規定を設けているのだ。刑事訴訟法で規定をすればよいようなこまかい規定を国家基本法の憲法にまでこれを設けておる。それはどういう意味かというと、人権の擁護というものを世界の文明諸国の憲法に前例のないほどに最高度に認めるのが日本の憲法なのだ。そういう憲法の大精神から言うと、身柄の拘束は受けておって無罪になった者ならば、手落ちがあったなかったは要らぬのだ、無罪判決さえあれば賠償するのだという、この規定の精神を一歩前進させて延長するならば、その金額の度合いにおいて差はあっても、身柄の拘束を受けていなかった被告について無罪の判決があった場合にも、身柄拘束の場合ほどの金額でなくとも、何らかの賠償はやってよいではないか、少なくともそれをやることを憲法は否定するものではない、それを否定するものと考えてはいけないのだということを私は述べておる。このところに議論の重点が置かれておるのであります。そういうむずかしい議論の存するところでしょう。ちょっとやそっと検討したからといって、成文の明文の上にすっとあらわれてくるなどということはなかなか容易なことでありません。しかしこれは将来にわたって、かたいお約束をいたしますが、この理想は実現をしたい。それから世界に類例を見ない最高度の人権擁護をしようとしておる憲法の精神に合うように、身柄不拘束の場合に無罪の判決を受けたときにも、金額は低くなりましても、何らかの賠償ができるようにこの実現に努力をしたい、引き続き検討をしたい、こう重ねて同じことを申し上げるのでございます。
○横山委員 何だか話がおかしくなった。(田中(伊)国務大臣「おかしいですか」と呼ぶ)おかしいですよ。あなたがそう大きな声を立てて私が言うことを逆に言って、うしろの人間はちっともあなたの言うことを聞いておらぬ。あなたがそれほど大きな声で言うならば、とっくにこの法案は変わってなければならぬはずだ。失礼な話だけれども、ここだけでていさいのいいかっこうをなさるけれども、実際問題としてそれは私の言っていることで、私があなたに言っていることなんです。あなたの部下はそれに対して知らぬ顔をしておるんじゃないですか。前向きにとらえてないじゃないですか。それがおかしいと言うんだ。国会でお答えになること私の質問に対して三たび四たびに及ぶ。そのたびに最後にはそういう非常に大きな声をされて、そしてかっこよく質問を打ち切りされようとするけれども、いいかげんにひとつこれはほんとうに責任をとってもらわなければいけません。誠意をもってこの問題に取り組んでいただかなければならぬ。もしあなたがそうおっしゃるならば、もう法務大臣は横山法案に賛成をなさっておる、そういうことなんですよ。部下はどうだか知らぬけれども、少なくともトップに立つ大臣はいま横山法案に対して賛成の大演説をしたということになるわけです。対案がここにあるのですから、私の案に賛成をなさった、こういうふうに私は考える。時間の関係上、次の質問に移ります。 いま大臣が憲法四十条をお取り上げになりました。もちろんこれは、御説明のように「無罪の裁判を受けたときは、法律の定めるところにより、國にその補償を求めることができる。」ということなのであります。これは、いま大臣の御説明のように、また私の説のように、それを延長することにより、不拘束の場合においても何らこの補償をしても憲法違反にはならない。なぜならば、これは憲法が人権擁護に特殊な立場をとっているからである、こういう説に私は同感なのであります。 そこで、少し問題を発展いたしまして、警察にも来ていただいておるわけでありますから、警察のほうに少しお伺いをいたしますが、被疑者補償規程、この被疑者補償規程はいかなる法律に根拠を持っていますか。
○安原政府委員 被疑者補償規程をつくりましたのは法務省でございますので、私からお答えをいたします。 お尋ねの、いかなる法律に根拠を持っておるかと言われますならば、明文の根拠はございません。大臣の訓令でございます。
○田中(伊)国務大臣 法令の直接の根拠は明文はないということでございますが、憲法——また憲法というとややこしくなるように聞こえますが、憲法四十条に基づきまして大臣訓令を出した。内容は刑事補償法に右へならえをした内容の金額となっております。ちょっと一言。
○横山委員 鋭敏な大臣だから、私の言わんとするところを察せられたようでありますが、私は被疑者補償規程があることが悪いとは言わない。また、先般あなたに質問しましたように、憲法にきまって指示しておることであるならば、法令によらなくとも国民はそれを請求する権利を有するという解釈もあなたと同意見なんであります。しかし、役所としてみれば、すべて国民の税金を使うときに、財政支出をいたしますときに、法律に根拠、よらざる財政支出というものは私は適当でない、こう考えるわけです。被疑者補償規程が何らの法律的根拠を持たずに法務大臣の推量で行なわれておる。しかもその運用たるや、ずいぶんいろいろ調べてみましたところによりますと、恩恵的立場によって行なわれておる。しかも、実際運用の場合において、被疑者補償規程の存在を告知する義務を警察官は負っていない。実際運用としてもまた行なっていない。一方的裁量でもって、被疑者補償規程の適用を一方的判断できめておる、こういうように私は実態を把握しておるわけであります。したがいまして、被疑者補償規程というものはもう一ぺん見直すべきである、法律的な基盤の上に行なわれるべきである、その運用、その実態について再検討を加えるべきである、こう考えますが、いかがですか。
○田中(伊)国務大臣 先ほど申し上げましたように、憲法四十条の大精神を尊重いたしましての大臣訓令でございます。これが違憲のもの、違法のものとはゆめ考えませんが、法律上の根拠を持たすほうがよいではないかという御意見もなるほどうなずける御意見でございます。これも誤解があってはいけませんが、検討をいたします。
○横山委員 ことばじりをつかまえるようですが、誤解があってはいけませんが検討いたしますというのは、私が何か誤解しそうな……(田中(伊)国務大臣「そう思う。」と呼ぶ)どういう意味ですか、それは。ことばじりをつかまえて悪いのですが、検討しますなら検討しますとはっきり言えばいいのに、私が誤解しそうだから、誤解してはいけません、検討します、私はその意味がわかりません。もっとはっきり言ってください。
○田中(伊)国務大臣 たいへん、横山先生、言いにくいことでありますが、そういうふうに問い詰めてのお尋ねがあるから申し上げるのですが、先生は検討するということを実現の責任を負えというようにお考えいただいて私を盛んにおしかりになっておる。それで誤解ということばがあるんです。あなた、誤解なさるな、ことばどおり受け取ってくれ、ごもっともと思うから検討してみる、こういう意味です。まじめな話です。そういう意味です。
○横山委員 まじめな話ならば、私もまじめに率直に受け取るんですよ。私も弁護士として実態に触れてよくその点は承知しておる。検討しましょうと、さらっとこの前おっしゃったですね。だから私は、少なくとも検討の結果、悪いところもあるよということで、半々でものをお考えになってお答えになったと思っておらぬ、すなおだから、私は。私はすなおにものを考える。被疑者補償規程が法律的根拠を持つのが当然である。そうしてまた、一方的な恩恵的な運用をしたり、告知も何もせずにやっておることは適当でない、こういうふうに言うておる。それに対して、あなた、わかりました、検討しましょうと言うなら、それでいいんですよ。それがもう世の中がどうなるかわからぬから、なったときにはそう問い詰めてくれるなということくらい、私も政治家としてわかる。横山委員は何か誤解しそうだから、誤解があっては困りますけれども、検討します、そういう前置きなんか要らぬじゃないですか。
○田中(伊)国務大臣 前置きなしにお受け取りをいただければまことにありがたい。引き続き検討をいたします。検討いたします。
○横山委員 一つここに、私の地元で、名古屋で数年前でございますが、こういう事件がありました。半田警察署において宿直勤務の彦坂洋一巡査が警察署内で殺害されたという事件は、わが国犯罪史上にかつてない事件であります。捜査当局は警察のメンツにかけて犯人検挙に全力を集中し、容疑者として半田に根城を持つ山本逸夫ら風天会会員七人を傷害などによる別件逮捕をいたしました。警察当局は暴力団風天会幹部を黒として一味の犯行説ときめ、供述がくるくる変わるにもかかわらず、全面的に彼らの犯行と断定した。山本らの自供によると、取り調べ中無理じいや誘導尋問に抗し切れず、やけくそ半分で自白したとあとで言っておるわけであります。ところが、そうして起訴をいたしましたあとで真犯人が自首してまいりました。自首いたします前に山本逸夫は殺人犯の汚名を着せられ、残された判決を待つのみになり、新聞は、山本逮捕を三面記事に掲載し、事件の解決に終止符を打った半田署の幹部は、彦坂巡査の霊前に報告し、遺族は涙ながらに、これで彦坂洋一も安らかに眠れるだろうと記者団に答える事実がございました。 こういう事件があったわけであります。 次いで、最近におきまして、本年二月二十八日午後五時十分ごろ、埼玉県所沢市の市立中富小学校の校庭で遊んでいた同校に在学中の五年生の少女二人が、同校の男事務員から、サボテンの砂を取りに行くから手伝ってくれと誘導され、約五百メートル離れた学校裏の雑草地に連れ出されてそれぞれいたずらをされ、そのうちの一人の少女が治療十日間の傷害を負わされました。その被害者及び母親の話によって、小学校の事務職員に乱暴され、けがさせられたということで、取り調べの結果、本人が間違いないということで、被害者の供述は信憑性があるものとして逮捕されたのが浦山秀樹さんでありました。ところが、その後、取り調べで被疑者は犯行を否認をしたので、勾留の上、被疑者の申し立てるアリバイについて裏づけ捜査をいたしましたところ、事件発生時ごろから帰宅するまでの間、学校関係者、友人等と行動をともにしていたということでありましたから、被害者は、依然同人が犯人であると申し立てているけれども、慎重を期して検察官と連絡の上、身柄を釈放いたしました。所沢警察署長は本人及び実兄夫婦に陳謝して了承を得た。本人は将来学校の先生になる予定の人でありました。 また、先般ここでも申し上げたわけでありますが、愛知県が四十七年度二月補正予算案で、四十五年六月名城大学で誤認逮捕された中京大学の学生に対しまして、和解をし、おわびをして、県会の議決をもって四十四万三千円を本人にお渡しをした、こういう一連の事実があります。 この一連の事実を考えます場合、身柄が拘束されておる場合あるいは不拘束の場合といえども、かなりまれなことではあろうけれども随所にこういう問題があるということを私は痛感をしておるわけであります。しかも中京大学の誤認逮捕の問題は、当局に承れば逮捕ではない、任意同行だ。したがって被疑者補償規程は適用できない。ところが本人にしてみれば、警察へ来てくれといわれたので行くことに同意をした。一体これは、任意であると警察の主張するのが正しいのか、あるいは現場でがたがたやっておったときでありますから、同行を求めたが実際は身柄拘束であったのかというところに争いがあるものなのであります。こういうことを考えますと、警察官の誤認逮捕あるいは同行その他の問題について、人権擁護については十分な努力をしなければならぬ。また精神的な問題ばかりではなくその補償については十分しなければならぬ、私はこういうふうに考えておるわけであります。 この点について私の疑問といたしますところは、たとえば中京大学の学生の誤認逮捕について、県会が一々議決をしなければ支出ができないという仕組みを一体どう考えるのか。 それから所沢の、将来学校の先生になる人が女の子にいたずらをしたといわれたことによって、とたんにもう将来学校の先生になる資格を失ってしまう。これは幸いにも誤認であったからいいようなものであろうけれども、これは拘束をしていないと思うのでありますが、そういう点については一体どういうふうな慰謝が行なわれるのか、この点について警察庁の御意見を伺いたい。
○小林説明員 私どものほうでは特別に被疑者補償の規程を運用しておるものがございませんので、規定がございませんから、そういう問題が出てまいりますと一々各県会が補正予算を組んで、県費によりまして補償をするというような形に現在のところなっておるわけでございます。 所沢の問題につきましては、これは一応容疑がありとされました臨時事務職員につきまして拘束をいたしました。それから約七日間ほどたっておるわけでございますけれども、この補償の問題につきましては御本人にも希望がございませんので、何と申しますかそういう違った形で、事件のいきさつを関係の学校並びに出身の学芸大学、その他教育委員会等において明らかにしてほしいというようなことで、一応警察署長並びに刑事部長が——当時県の刑事部長でございますけれども、参りまして、各関係方面にその間のいきさつを説明いたしました。警察のほうで間違いであったというようなことで陳謝をいたしまして、現在御了解を得ておるというような状況でございます。
○横山委員 警察官が酔っぱらい運転をする、あるいはあやまって交通事故を起こして相手にけがを与えた。そういう場合は、私の承知しておりますところでは警察本部の報償費から支出し、これを相手に贈っておる。つまり議会の議決を必要としません。ところが誤認逮捕だとかあるいはいま申し上げたような名大事件の場合においてはそういう予算はない。一々県会で議決をしなきゃならぬ。そういうところに私は非常な矛盾を感ずる。相手に対して正当な職務上の間違いを起こした場合には予算がありません。警察官が交通事故で、まあ業務上ではあろうけれども、不作為の状況において相手にけがを与えた場合においてはちゃんと予算がある。こういうところは一体どうなっておるんだという気が私はいたします。 つまり私の言い分は、警察庁内部におきましても被疑者補償規程に準ずるように、警察官があやまって起こした行動については一々県議会の議決を必要としないで出すというふうにすべきではないか。少なくとも県議会の議決をもらうということはたいへんなことなんであります。したがって警察本部といたしましてはどうしても消極的になる、ちゅうちょする、なるべく事を穏便に済ましたい。金を送らずに、いまのお話のように陳謝で済むものならば陳謝で済ましたい、こういうことになるのは当然の帰結であろうと思うのであります。この点について御検討の余地はありませんか。
○安原政府委員 お尋ねは直接私あてではありませんようでございますが、この所沢の事件につきましては、刑事事件として検察官に送致を受けまして、三月二日に勾留請求をいたしました。そして三月七日に人違いということで釈放したという経緯になっておりまして、これは現在の補償規程の「検察官は、被疑者として抑留又は拘禁を受けた者につき、公訴を提起しない処分があつた場合において、その者が罪を犯さなかつたと認めるに足りる十分な事由があるとき」という事項に該当いたしますので、送致を受けました浦和地方検察庁においては目下被疑者補償を検討中でございまして、おそらくそういうことに相なろうと思います。
○横山委員 所沢はそれでわかりました。それでは名大事件の四十四万円、この人の場合にはどうなんです。
○安原政府委員 横山先生も御明察のとおりこの被疑者補償規程というものは、刑事事件として捜査の対象になって、その過程におきまして「抑留又は拘禁を受けた者」ということに相なっておりますので、私の承知いたしております限りでは、御指摘の事件につきましては刑事事件としての捜査の過程においての抑留、拘禁というものはなかったというように聞いておりますので、したがって、被疑者補償規程の対象にはならないのではないかと思います。
○横山委員 それはわかっておるんです。だから矛盾があると、こう言っているんです。だから警察庁は——この名大事件のような問題は例示をすれば私は幾らでもあると思うのでありますが、そういう点について一々県会の議決を得なければならないようなことでは困るではないか。そういうことでは、警察本部では県会の議決がないように済ませたいという心理が働くのは当然のことだ。被疑者補償規程のもう一つ下の水準というか横の水準というか、それに包括できない問題について警察庁内部としては考えるべきではないかということなんです。
○小林説明員 これは警察側の問題は非常に複雑でございまして、愛知県の場合でございますけれども、愛知県におきましては、交通事故等につきましての賠償等につきまして一定額以上については知事の専決事項というようなことにされておりますので、国家賠償等の支出につきましては議決を要するというようなことで県の経費の支出方法がきまっておるわけでございます。そういうことでございますので、一々県の当局の支出に関する規定によりましてやっておるというようなことのようでございます。こういうものを一々検討いたしまして、一括してするのがいいのか、あるいは国のほうでそういうものを補償するのがいいのかというようなことも問題だと思いますけれども、地方自治法その他の関係もございますので、現在のところはそういう形で運営がされておるということでございます。
○横山委員 私は説明を聞いているのじゃないのですよ。こうしたらどうかということを聞いている。意見はないか聞いている。地方自治体で一々議決しなければ補償できないようなやり方ではだめだ。だからこの際、たとえば国できめる方法もあるだろう、県で自主的に予算を計上していく方法もあるだろう、少なくとも地方自治体の議決を経なければそういう場合の補償ができないようなやり方では、運用上決して人権が擁護されない、そういう警察官の誤った行動によって受けた被害は補償されない、そういうことになるから、そこのところはひとつ考えたらどうかと言っているのです。説明を聞いているわけじゃない。
○小林説明員 私どもではもちろんそれは検討はさせていただきますけれども、こういう問題につきましては警察の捜査の面で問題が生じたということになりますと、大体被疑者補償規程のほうに関連が出てまいります。拘束をいたしますと当然強制執行ということになりますので、その状況につきまして検察庁に送致をする、あるいは四十八時間以内に処理をいたしましても、結果的には書類を検察庁のほうに送って判断を求めるというような形の問題が出てこようかと思いますので、被疑者補償規程との関連におきまして考えてみたいと思います。
○横山委員 被疑者補償規程との関連において考えたいということですから、もう一ぺん法務省に戻るわけでありますが、被疑者補償規程を検討するというお話を承ったわけでありますから、いまの私の意見をおわかりだと思いますが、被疑者補償規程を検討する中で、私が提起いたしました問題を含めて検討していただきたいと思いますが、いかがですか。
○田中(伊)国務大臣 ちょっと一言申し上げますと、こういうことなんです。警察で司法警察官が被疑事件を捜査をした、捜査手続を踏んだ案件は原則として、よく送検といわれておりますように、検事に書類が送致される、送致されてまいりましたものを検事が取り調べをしてみて、いまのように人違いであったとか、これは手違いであったとかいうものが出てまいりますと、その段階で刑事補償に準じた被疑者補償という国家補償をするわけであります。そこで、そういう制度がありますので、警察限りで握りつぶすということばはまた語弊がありますが、警察限りで処理をしてしまった事件などがあろうはずがありませんが、そういうものは別でございます。それは私のほうへ回ってくる。そうすると、検察官は、取り調べの結果、これは必要ありと認めると大臣訓令による補償をやる、こういうことがたてまえになっておりますから、たてまえ論といたしましては、一応説明がつくのではなかろうか、警察のやったことのしりをこっちでふくのはちょっとおかしいのですけれども、それはそういうたてまえになっておるのであります。しかし、お説のような御議論も確かに一つの理由がある、これは検討しなければならぬものと考えますが、そういうふうに現在のたてまえがなっておるということをひとつ御理解いただきたい。
○横山委員 あまり理解が実はできないのであります。被疑者とは何だ、これはこんなことあまり——あとの質問がたくさんあるものですからなんですが、被疑者補償規程の被疑者とは何だという問題に発展しそうなんです。私がいろいろ体験しております中に、被疑者と参考人、いわゆる新聞のいう重要参考人、警察では被疑者と扱わずに重要参考人として扱う場合がある。この場合は法律上、また処遇上の立場は被疑者とちっとも変わりはしないのです。いざとなれば、あなたは参考人ですからと言う。それで参考人として呼ばれながら、実は実質上被疑者として扱われておる、したがって、これではあかぬ、弁護士を呼んでくれと言っても、あなたは参考人ですから弁護士を呼ぶ権利はありませんということになる。こういう話をすればたいへん切りがないのでありますが、被疑者という定義というものは被疑者補償規程について緩和してもらわなければいかぬ。いわゆる狭義の被疑者ではいかぬということを私は言いたい。名大事件の学生の問題でも、おまえ、そんなことやったから、ちょっと来てくれ、警察官は被疑者と扱っていない。被疑者と扱っておれば被疑者補償規程が適用される、被疑者と扱っていないという警察本部の立場なんでしょう。だから四十四万円議会の議決を経て出しているわけです。出しているということは悪かったということです。被疑者でないけれども、悪かったということです。そういう狭義の被疑者でないけれども、悪かったという問題をどうするのか、したがって、それらも被疑者補償規程のワクの中で処理するようにしたらどうか、こう言っているのです。私の言う気持ちはおわかりでしょう、どうですか。
○田中(伊)国務大臣 おっしゃる気持ちはよくわかります。わかりますけれども、これは誤解のないように一言申し上げておかなければなりませんのは、先生おっしゃる補償、法務大臣訓令による被疑者補償というものは国家補償であります。その国家補償というものはどういうものが対象になるかということは、本来は、役人に故意、過失があって、そこに不法行為が成立をして、不法行為を原因とする損害賠償請求権が存在する、これだけの筋が立たないと出せないのが国家補償であります。そのうちで、身柄拘束の場合はそんなむずかしいことはないのだ、無罪になったらするのだ、不起訴になったらするのだというふうにたてまえができておる。ここにあなたや私の念願としております賠償問題のむずかしいところがある。簡単なものはやらないのではなくて、むずかしくてやれないものがあるのですね、そういうことでございます。しかし、仰せのお心持ちはよくわかりますので、検討することにいたします。
○横山委員 次の問題に移ります。 最高裁の尊属殺重罰規定の問題。最高裁に伺います。最高裁裁判事務処理規則十四条によりまして、最高裁は裁判書を内閣に送付する、法律が違憲の場合においては国会にも送付する、こうなっています。この意味はどういうように考えたらいいのであろうか。法律が違憲の場合、今回はそれに該当するわけでありますが、国会にも送付するというのは、最高裁に聞いたほうがいいのか、大臣に聞いたほうがいいのか、あるいは国会の議長に聞いたほうがいいのか、ちょっとわからぬのですが、しかし少なくとも、まず送付する側の意見を聞きたいと思うのでありますが、今度の尊属殺重罰規定は違憲であるということを国会にも送付する意味は、一体何であるか。
○田宮最高裁判所長官代理者 ただいま横山委員御指摘のように、最高裁判所裁判事務処理規則の第十四条によりまして、法律、命令、規則または処分が憲法に適合しないとの裁判を最高裁判所がした場合には、裁判所の正本を内閣に送付する。さらに、特に法律が憲法に適合しないという場合には、その裁判書の正本を国会あてにもあわせて送付するという規定になっております。 この趣旨でございますが、最高裁判所がこのような裁判をしましたときには、国会や内閣が場合によっては何らかの善後措置としての立法作用もしくは行政作用をとるということも考えられますので、その裁判内容をお知らせいたしたほうがよいであろうという趣旨で、その裁判書の正本を送付することとしているもの、そういうふうに解釈しておるわけでございます。
○横山委員 そうしますと、初めて違憲審査権を発動したことに相なるわけでありますが、最高裁としては、政府及び国会にもこれを送付するということは、政府かあるいは国会か。あるいは政府がまず主導するのか、あるいは国会も主導するのであるか、どちらを期待しておるかという質問が一つ。 それから、最高裁としては、当然刑法の改正がなさるべきであるという期待を持っておる、こういうふうに解釈してよろしいのですか。
○田宮最高裁判所長官代理者 前段の点でございますが、裁判所のほうといたしましては、そのような裁判がなされた場合、立法作用、行政作用が何らかとられる必要もあるのではなかろうかということで、単に、そういうふうにしてほしいという希望ではなくて、その内容を便宜上お知らせしたほうがよかろうというだけのことでございます。 後段の点でございますが、これについて、立法等の点につきましては、それは国会もしくは内閣等でおきめいただくことでございますので、特に最高裁判所の側として、そういうふうな措置をとられたという趣旨は何ら含んでおらないのでございます。
○横山委員 法務大臣に解釈を聞きますが、国会にも送付するという意味は、政府が刑法の改正をすべきである、あるいは国会が立法府として自主的に改正すべきである、どちらの意見ですか。
○田中(伊)国務大臣 内閣が処理規則十四条によって送付を受けた場合は、内閣は、政府は、立法措置をしなければならないという態度でなければならないと思います。そういうふうな態度が当然であるといたしますと、立法のための法案を国会に提出しなければならぬ。いたしました場合に、国会は御審議になるわけであります。審議の結果はわかりませんが、御審議にならなければならぬわけでございますから、国会にも内閣にもその参考に書類を送付する。送付なさる最高裁判所のお気持ちにかかわらず、政府は受けたら立法措置をしなければならぬ、提出をしなければならぬ。国会は提出を受けたら審議しなければならぬ。こういうたてまえ論が間違いないものと思います。
○横山委員 政府に第一義的責任がある。「国会にも」ということばがあるのは一体どういうふうにお考えでしょうか。
○田中(伊)国務大臣 国会は、政府の提案する法律案を審議しなければならない立場があるから、国会にも参考送付をしていこう、こういうことであろうと思います。
○横山委員 私は特に事務処理規則の「国会にも」ということばの意味が、単に立法府だから参考に送っておくということでなくして、そこに何らかの意味合いというものがあるはずであろう。それはもう何の意味もないというふうに考えるのは、少しおかしいではなかろうか。最高裁はそういう規定をきめる権利があり、そしてこの違憲審査をした、国会、立法府に対して送るという。送られる国会側として、何もせずに政府が言ってくるのを待っていればいいということには——私はこの趣旨からいうと、規定があるからということばかりではないと思うのですね。規定があるから、送られてきたからということでなくして、それだけでなくして、国会側として、違憲であると言われたことについて、国会の自主的な取り上げ方、自主的なあり方というものがあってしかるべきではないか、こう思いますが、どうお考えになりますか。
○田中(伊)国務大臣 政府にいま言ったような直接責任がございますが、国会は、それを受けて審議しなければならないということのほかに、国会自身も自主的に立法措置のできる権限を持っておること、御承知のとおりであります。政府がぐずぐずしておれば国会がおやりになってもちっともおかしくはない、こういうことでございます。「も」ということば、そんなことを私のほうから最高裁判所に言うのはおかしいけれども、「も」ということばはなくてもよかったのでしょうね、そういう意味でね。
○横山委員 それではぐずぐずしておるなら国会がやってもらってもいいという、ぐずぐずは政府の話でありますが、政府はいまぐずぐずしておるか、それとも立ってやるかという質問をいたしたいのであります。 もうすでに新聞で、ぐずぐずでなくて、ものの考え方の片りんが出ておるようでありますが、ここで大臣に、この違憲審査権が発動されたことによって、刑法をいかに改正するつもりであるか、所見を伺いたい。
○田中(伊)国務大臣 ぐずぐずはしておらぬのでございます。しかし、判決があったのはまだおとといですから、中きのう一日しかないでしょう。そこでたいへん緊張しまして、おそくまでかかりまして、法務省の中、電灯をつけてやっておる。非常に勉強しておるわけで、政府はぐずぐずしていない。非常にかけ足でやっておるということを、ひとつ御理解をいただきたい。 それからいまの、法律をどう改正するかということの前に、それだけ取り立てて申し上げる、その前に、ちょっと一言事情を申し上げますと、まず第一に、この判決が一昨日行なわれたという結果は、刑法二百条、それから二百条をめぐる関連の条文は、関連の限度において無効となった、こういうことです。 そこで緊急を要するところから先に所見を申し上げますと、いま捜査中の事件というのは、これは一番緊急なのですね。いま捜査中の事件をどう処理するかということが一番大事なことでございます。これにつきましては、当日、四日が御判決でございました。その判決のありました当日付をもって、検事総長より全国の検事長並びにその傘下の検事正に対して、二百条を適用せず百九十九条の適用によって処理をせよという意味の通達を、とりあえずその日じゅうに発信をいたしております。こういう事情でありますので、捜査中の事件に関しましては、本来二百条適用のものを百九十九条を適用するという態度で、そういう二百条を無効とする態度、その態度に変えていくわけでございます。 それからその次に、すでに起訴をいたしておりますもの、起訴済みのもの、もう一口いたしますと、公判に係属しておるもの、地方裁判所並びに高等裁判所に事件がハンギングをしておるもの、そういう係属中の事件に関しましては、すでに求刑のあったものとなかったものと区別をして処理をするわけでございます。 また、求刑のないものについては比較的簡単で、その求刑に際して百九十九条適用の論告をすればいい。そして二百条は無効であって、百九十九条によって処理をするという観点に立って刑の量定について意見を言う。一口に言って、求刑を行なうということでよろしいのでございます。 しかるところ、一昨日を起点といたしまして、すでに結審をしておるもの、判決の言い渡しに至らないが結審をしておるもの、こういうものにつきましては法廷を再開する申請をさす、そして法廷を開き直す。判決するだけですから、もう法廷を開かぬのでありますから、それを法廷を開き直して、そして罰条を百九十九条に訂正する。その際に、量刑について何か適当なる変更を加えなければならぬ事情があるならば、あわせてその変更をするということが必要となると考えるのであります。 それから、その次の第三の段階は、裁判はすでに済んでしまっておるもの、こういうものをどうするかという——たいへん極端な例をあげますと、死刑が執行されてしまったものが四件ある。この無効といわれる法律によって適用されて死刑が確定をいたしまして、死刑の執行が終わりましたものが四件もございます。そういうものを含めまして無期懲役、有期懲役に処せられているもの、そういう判決確定をしておりますものをどうするかということをめぐりまして、たいへん複雑多岐にわたる検討が行なわれておるわけでございます。 それを手っとり早く申しますと二つの解釈がありまして、一昨日の最高裁の御判決というものは、判決を言い渡した一昨日以後に効力があるのだ、二百条の無効ということ、二百条に関連する一連の条文の無効ということはこれは一昨日以後に無効なんだ、以前は有効なんだ、こういう所見が一つございます。これはもっともな所見でございます。 それからもう一つは、以後はもちろんのこと、以前といえどもこれはさかのぼって無効となるべきだ、こういう意見が一つございます。 このうち、あとの意見の、さかのぼって無効であるということになりますとえらいことで、無効の条文を適用して人を死刑にした、無効の条文を適用して人を監獄に入れたという事態が起こるわけでございますね。そういう場合に、処置といたしましてそれを無効だという立場をとりますならば、それらの過去において行なわれた判決は法令違反の判決であるということにならざるを得ないので、検事総長はすみやかに非常上告の手続を踏みまして、最高裁判所のみに出すわけでございますが、検事総長が最高裁判所に対して非常上告の手続をとる、こういう処置をしなければならない、さかのぼって無効だという判断ならば。さかのぼって無効でない、これから将来のみ無効であるというならば、これは問題が起こる。これから直していけばいいわけでございますから、これから百九十九条を適用をしていけばいいのですからこれは問題が起こらない、こういうことでございますが、この点は今回の判決をめぐる一番重要検討事項として法務省を中心といたしまして、法規担当の役所でございますのでこれを中心といたしまして、時間をかけて検討をしておる。ぐずぐずしておるように見えるかもしれませんが、これはそうではないので、なお相当な時間をかけて検討を要するものではなかろうか。 ちょっとこれだけではただ報告のようになって御質問の趣旨に合いませんので、ちょっと私の舌が短かったり長かったりするんでありますけれども、私の所見を一口に申し上げますと、なかなか私は裁判所を前に置いて言いにくいのでありますけれども、将来に向かってこれが無効になるんだということは、これはもう異論はない。過去に遡及して、最高裁判所の判決といえどもこれが遡及して、それじゃ過去にさかのぼってそうすると新憲法以来ということになりますからえらいことでございますね。新憲法以来の判決、過去にさかのぼって尊属に関する殺人傷害、逮捕監禁、遺棄、遺棄致死傷、逮捕監禁致死傷、それから傷害致死傷、こういう条文全部にわたりますものが非常上告によって処置されるなんということは、これはえらいことであろうと思います。私は、さかのぼって無効だという結論には、見通しとしてはなるまいと思います。そうはなるまい。したがって、非常上告の手続を検事総長に踏ますという事態は、たいへんに私は困難な事情ではないかということが私の判断であります。そういうことを法務省がきめたわけではございませんが、私は見通しはそういう判断、非常上告手続ということはたいへん困難であろうという見通しでございます。 それから最後に、第四に——見解としていままで申し上げたことは、先生お尋ねにならなかったことをかってに言うたことです。これからお尋ねになりました法律改正をどうするかということを申し上げるわけでございます。(笑声)お笑いにならぬで聞いてくださいよ、これは大事なところだからね。 そこで第一は、二百条を廃止する、削除する、撤廃する、したがって二百条をめぐります関係条項もその意味において改正になります。どういう条項があるかと申しますと、まず尊属傷害致死罪、傷害の結果死なした、殺人と違うですね、これが一つございます。それからもう一つは、尊属逮捕監禁罪。それからもう一つ、尊属逮捕監禁致死傷罪。それからもう一つ、遺棄罪、親を捨てたというその遺棄でございます。それからもう一つ、遺棄の結果死なしたり傷つけたりしたという遺棄致死傷罪。こういう条文があります。ほかに、これは二百条と別にあるわけでございます。もう一つ、二百条のすぐ隣に二百一条という条文がございまして、これは尊属を殺そうとして短刀を買い入れたという尊属殺予備罪、それからもう一つ置いて二百三条という条文に、殺そうとして振り上げてみたが殺し得なかったという尊属殺未遂罪、これだけの条文が全刑法の条項をめぐる関係条項だと思います。七つあるように私は思う。まだほかにあるかもわかりませんが、私は大体この七つだと思います。こういう条文は二百条を削除、廃止すると同時に、関係条文はそれに右へならえして訂正しろ、こういう意見が一つの意見でございます。 それからもう一つの意見は、最高裁判所は何もそんなことまでいっておらぬじゃないか、親殺しは普通人殺しより重く処罰することを否定していないではないか、ただ、ばかに重過ぎるではないかということをいうている、どんな事情があっても死刑にするか無期にするか以外に救いようがないというような行き過ぎた差別、一般殺しと比べてそういう極端な差別を設けておる二百条の条文というものは、憲法のすべて国民は平等でなければならぬという大原則に違反をするではないか、よって無効であるということが裁判所の御意見であるのだから、何も撤去をする必要はないじゃないか、直したらいいじゃないか、どう直すべきかというと、親を殺したる場合、直系尊属を殺した場合には無期、死刑ということになっているのだから、無期をもっと下へおろしてくる。どこまでおろすのかというと、無期というのを取り消して、懲役六年以上というぐあいにおろしてくる、そうすると、その改正の内容は懲役六年以上死刑となりますね。まことに気の毒なという事情がある場合には、最低六年になるわけです。しかし、気の毒な事情があれば、その六年の二分の一、情状酌量減軽によって三年まではおろせる、三年以下は執行猶予にして助けることができるのですから、三年という言い渡しをする場合には執行猶予がつけられる。これならば一般殺と比べてみて極端なことはないじゃないか。人倫にもとるような親を殺したような場合、よいことではないけれども、そういう事情があった場合には監獄に入れずに助けてやることができるではないか。いまの条文はそれができないのじゃないか。こういうことで、第二の条文改正の意見というものが真剣に述べられておるのが現段階でございます。 どちらになるかということ、これは申し上げるのもいかがかと存じますが、いま申し上げただけだと、検討の内容を御報告申し上げる程度で、大臣の答弁にはならぬ。事務でもやれるわけです。私が言うた以上は、おまえはどう思うかということがお聞きになりたいのだろう、それを申し上げなかったら、またおしかりがあるだろうと思うので、一口申し上げますと、私は削除がよかろう。第一のようにずばり削除。ただ、ずばり削除といたしました場合に、社会の感情の上から、重大問題というか、重要な一つの懸念が起こってまいりますことは、そうすると何か、日本の刑法というものは親子の情愛という、古いことばで言うと、純風美俗、そういう純風美俗は守らぬのか、それは無視する考えかということがどこかでいわれる。年をおとりになった国民の皆さんの中から、おかしい法務大臣がおるものだということが必ず出てくるものと私は思う。 そこで、一口その点について意見を申しますと、私はそうは思わない。日本の大事な親子の関係というものを、若くとも年寄りでも否定するものはございません。その大事な純風美俗を殺人罪の法条、そういう殺人をめぐる刑法などというもので守ってもらわぬでいい。法律外で、美しい日本国民のモラルとしてこれを育てていけばよいのである。刑法の殺人罪の条文があるからないからといって左右されるべきものではない。法律の外でりっぱに育てていくべき大事な純風美俗でなければならぬ。こう考えると、そこに私自身に得心がいくわけでございます。そういうことから私は、きれいにすっぱりと削除がいい。削除するように考えたらどうだ、おれはこう思うということを私は部下に申しまして、検討をしていく考えでございます。そう法務省が決定したということは言い過ぎでございまして、そういう事情ではございませんが、私はそういうことを基本方針といたしまして、改正問題を検討しております。部下を指導していきたい、こう考えておるわけでございます。 以上であります。
○横山委員 私の質問の要旨を先取りして十分なお答えを願いました。 最後のところは、率直にいいまして……。
○田中(伊)国務大臣 ちょっとすみません。大事なことを私勘違いいたしましたが、死刑の執行を受けたものを新憲法以来四人と申しましたが、三名だそうであります。訂正いたします。
○横山委員 こういうことはどうなんでしょうかね。いまあなたは法理論的に、また人間関係からお話があったのですが、私はふいと思いますのは、いま違憲審査権を発動した判決が出た。したがって、すぐに法務大臣は、いま捜査中のもの、起訴済みのもの、それから裁判の済んだもの等々に分けて、電光石火のごとく処理をされる。その処理の基本になるものは、二百条はない、百九十九条だ、こういう基本方針によって措置をしろと言われたわけですね。それで、ずっと事はいま全国的に動いておるわけです。二百条はない、百九十九条でやれという指示のもとに動いているわけです。そのあとで、刑法の改正を今度は国会が審議することになる。審議の結果が、あなたはいまあなた個人としての結論は言われたけれども、審議をする二つの考えがある、ずばりの削除と、刑を少し軽くしてやれということの二つがある。かりに刑を少し軽くしてやれという刑法改正案が通りますと、おとといまでは二百条、おとといからは百九十九条、そして今度は刑を軽くする尊属殺人なり何なり、そういう落差ができやしないかということを私は考えるわけです。そうすると、同じ判決が出たあとでも、刑罰規定に違いが生じやしないかということを考えますが、いかがですか。
○田中(伊)国務大臣 ごもっともな御心配でございます。判決言い渡しの以後と以前とは、一口に申しますと刑の均衡が破れるという心配がございます。そこで、そういう場合に、均衡が破れるというけれども、将来に向かって軽くなる、過去においては重くなるという均衡ですね。そういう均衡の破れ方をするわけでございますが、過去の分につきましては、個別的恩赦によって処理をする以外になかろうということが、現段階の見解でございます。これも確定的なものではございませんが、個別的恩赦によって処置する——処置の必要なものはですよ。全部が必要とはいえぬ。何で全部が必要といえぬのかというと、親を殺してはおるのだけれども、これが親でなくて普通人を殺したとしても、残酷むざんな殺し方をしている、物を強奪することを目的にして殺害をしているといったようなことがあります場合においては、過去の分でありましても、個別恩赦の要はないわけです。どちらにしても当然死刑になるということが相当あろうと思います。そういうことでございますから、必要ある部分については個別恩赦を必要とするのではなかろうかということが考えられますので、この点も検討しておる、こういうことでございます。
○横山委員 判決が出る前は個別恩赦、判決が出てから今度の刑法改正が成立するまでは百九十九条、刑法が改正されて、またあなたの最初言われ案、つまり親殺しは重過ぎるから少し軽くして一般殺人とは変えよう、こういうことがかりに成立いたしますと、そこからまた別の法律、三段になると私は言っているのです。こんなばかなことはなかろう。これは、同じ罪であっても、その時点において刑罰が違うということはおかしい。だから、私はずばり言って、新刑法にさかのぼって百九十九条を適用すべきであろう、そしていまあなたが電光石火のごとく二百条はなし、百九十九条でやれと言った精神は、もうそれは軌道が始まっちゃっている、もう国会の審議をある意味では拘束しちゃっている、そういうふうに私どもは受け取らなければいかぬのではないか。そうでなくして、理論的に親殺しと一般殺人とは違うべきだといっても、それでは、判決があってからその刑法が成立するまでの事態というものは百九十九条で動いているのですから、それをもう一ぺん取り消して、今度の刑法の改正案が成立したときの親殺しはちょっと罪が軽い、いままでの二百条よりちょっと罪が軽いというやり方でまたさかのぼってそれをやる。また過去にさかのぼってそれをやるということは、これはたいへんなことじゃないか。理論的に説明ができないではないか。だから、新刑法にさかのぼって二百条はなし、百九十九条、そしていまそうなんですから、今度の刑法改正もそれにするというのが一番理論的でもあり、公平を失しない方法ではないか、こう思いますが、いかがですか。
○田中(伊)国務大臣 たいへん大事なところに言及しての御意見で、そのとおりでございます。 そこで、先ほどから申し上げますように、この改正は急ぐ——急がぬでいいという意見もあるのですよ。それはどういう理由かというと、それも一つの理由でありますけれども、刑法の全面改正が迫っているじゃないか、全面改正までそのままほっておいたらどうか、ばたばたすることはないじゃないかという意見もあるのです。これも一つの意見ですね。刑法の全面改正が目前に来ておりますから、目前といってもことしや来年はむずかしいので、私の見るところ再来年の国会、それくらいに間に合ったらよいと思っているくらいでございます。そうすると、そういうことでございますので、この改正をいかに取り扱うかという改正案を国会にいつ出すかというような問題は非常に急ぐ。急がないと、いま仰せになった問題の量がふえることになり、非常に急ぐことでございます。急ぐほどよいということになりますが、何しろ基本法たる刑法ですから、これを軽々に扱うということは容易なことではない。それはもうどうしても慎重にやらなければならぬ。慎重に、できる限り慎重にこれを検討いたしまして、そうして、あとう限り急ぎ立法措置を講じなければならぬ、こういうことでございます。
○安原政府委員 大臣からお話がありましたので、要旨はそのとおりで、大臣の御意向を受けまして、いまその刑法の改正の要否並びにその内容を検討しておりますが、これはちょっと技術的なことでございますけれども、最高裁判所のこの違憲の判決というものは、法律的にはその当該事件限りしか効果、効力を持たないものだと私ども考えておりますので、過去に当然遡及するとか将来に向かって当然にこの法律を無効にするというような効力を持つかどうかは問題があって、しかしながら、その判決を尊重して、立法、改正を考えるべきだ、尊重する立場からそう考えるべきであると考えて、いわゆる違憲判決の一般的効力ということにつきましては、事務当局としては消極に考えておりまするが、結果的にはそれは尊重して、立法の要否を検討し、内容の検討をしていくということを、技術的な問題でありまするが、御理解をいただきたいと思うのでございます。 なお、大臣のおっしゃったことで、結果的には同じことをおっしゃったと思いますけれども、今回の判決は、また当然に尊属致死傷とか監禁罪というものについての現在の法律を違憲としていることではないのでございますが、今度の尊属殺というものの違憲の判決の中身を、多数意見、少数意見を含んで考えまして、将来これらの関連の法律についてもどうすべきかということについても将来検討していくべきだと考えている次第でございます。
○横山委員 いや、あなたの御意見はよくわかります。私もそういうつもりでやっておるんです。ただ結果的に、私がこの判決文を全部つぶさに読んでみまして、この判決は、要するに多数意見として、量刑が親殺しは重過ぎるということが基本的なものの考え方である多数意見であるということは、よくお互いにわかっておるところなんです。しかし、これを受け取ったわれわれが、さて、今後どうあるべきかということを考えますと、たとえば下田意見ですか、下田意見は、立法府のやることにあまり影響をするようなことはやめて、立法府の善意、立法府の考えにまつべきだ、だからこういうことは反対だといいながら、その意見の中では、具体的な立法府に対する、提案とはいいませんけれども、らしきものをほのめかしておられる、具体的な提案がこの意見の中に出てきておるわけであります。 それはそうといたしまして、私どもが考えてまいりますと、結局この多数意見、判決の趣旨はよくわかるけれども、われわれが今後についてなすべき措置、これが出たので、法務大臣がいまおっしゃったような、当面直ちにぐずぐずせずに措置をせざるを得ない措置、そういう必然的にやむを得ない措置をも含めて考えますと、多数意見ではだめだ。われわれの措置としては六人意見ですね、そういう方向にならざるを得ないのではないか。これはやや技術的に、ほんとうに、法律論ではないのでありますけれども、公平ということを考え、そうしてさらに付言いたしますならば、私は意見としては六人意見のほうに賛成なんでありますけれども、理論的にも六人意見がまた間違っているわけでもありませんし、さらに一番大事なことは、公平を期するという意味においては、私の指摘しています落差を二回つけるような結果では、これはとても説得力がないであろう、こういうふうに私は考えるわけであります。でありますから、ひとつぐずぐずせずに、していらっしゃるそうでありますが、すみやかに結論をつけられて国会に提案をされるよう要望をいたしたいのであります。 時間がありませんが、最後に、先ほどちょっと話が出ました死刑済みの三人については、一体どういうことになりましょうか。
○安原政府委員 死刑済みの三人は事実としてあるわけでございまして、結局、先ほど申しましたように、当該判決がその当時において、また死刑の執行のときにおいては合憲とされておった法律に基づく尊属殺人という罪名の死刑の執行であったわけでありまして、遡及して無効とか違法とかいうことにならないと思うのでございまするけれども、実際問題として、いまから振り返ってみて考えますと、いまならば死刑になったかどうかという問題は実際問題として残るわけでありますが、そういう意味におきまして、この三人の死刑の執行された者が、尊属殺ということであったから、したがって尊属であることに重きを置いたから死刑になったかどうかということは、一応検討してみる問題であろうと思いますけれども、今度の違憲判決の問題は、やはり最低限のところでも執行猶予にならない狭い規定のしかたというところに違憲の重点が多数の意見はあったということもありますので、一がいにどうするかと言われましても、当該判決は瑕疵のないものであって、それによって執行されたということであって、これは当然に不法なものであったというふうには考えられないというふうに思います。
○横山委員 大臣、何か付言されることはありませんか。
○田中(伊)国務大臣 申し上げることはございません。いまの意見と同じことを言うわけでありますが、過去は有効という立場に立って局長は意見を述べておるのです。過去は有効ということになればそのとおり、過去も無効なんだということになりました場合は所論は別でございます。過去は有効であるか無効であるか、つまり、判決は遡及するのかしないのか、最高裁の判決が遡及するというのはおかしいのですが、遡及するかどうかということで意見が分かれる、いま局長の申しましたようなことが真剣に検討されておる内容の一つでございます。
○横山委員 もう二つばかり質問をしたいのでありますから、残念ですがまた後日にこの判決の問題は譲りまして、せっかくお待ちを願ったのでありますから、丸紅の問題にちょっと触れたいと思うのです。 食糧庁からおいでになりましたが、食糧庁が、この丸紅の傘下といいますか、影響下にあります米関係につきまして告発をされたのでありますが、一体どういう事態であるかということが一つ。それから、モチ米のここしばらくの間の価格の推移はどういう状況になったかという御説明を願います。
○森説明員 基本的にはモチ米の需給のバランスがくずれまして、輸入手当てをいたしたのですが、それがおくれまして、ことしの二月からモチ米のいわゆる自由米相場といいますか、そういうものが上がりだしたということでございます。そこで、価格関係を若干申し上げますと、水稲のモチ米の玄米の価格について申し上げますが、単位は六十キロ、一俵でございます。指定法人といいますか、自主流通米の価格で申しますと、毎月約八十円の金利、倉敷というものがかかりますから、毎月だんだん端境期から上がってまいります。去年の端境期と申しますか、新しい米穀年度の当初の十一月、自主流通米の相場が一万一千円、あと八十円ずつ上がっておるわけでございますが、自由米のほうが、十一月、一万五百円、それが二月になりまして一万三千五百円、三月に一万四千円程度の価格になってきておる、この二月からの値上がりが著しかったということで、その裏にいろいろ輸入手当てがおくれて、入港するモチ米の手当てがおくれるのではないかといううわさが流れたということを背景にして、自由米の相場が上がったのだというふうにわれわれは理解をしておるわけでございます。そこで、この二月の中旬でございますが、モチ米について何か問題がありはしないか、木材、大豆その他いろいろの問題がちょうど起きた時期でございます。われわれといたしましても、いやしくも食管物資につきまして、正月のモチ米の時期は過ぎたとはいえ、いろいろ米そのものについて、いやしくも投機的なものが存在してはいけないということで、主要の生産県と消費県十九県に対しまして、一斉に倉庫の調査に入ったわけであります。その結果、五千八百トンの未検査米を発見いたしました。その中で、量が多いということと、それから流通過程にある、たとえば米菓業者の付属倉庫でない、産地の倉庫で持っておるとか、そういう性格のものにつきまして、入手について問題がありはしないかというものにつきまして告発をいたしました。その中で、若干丸紅がその前所有者として所有をしておったらしいという情報は持っておりましたけれども、いずれにいたしましてもそれから先の具体的な入手経路等につきましては、むしろ警察当局で御調査を願いたいということで、告発をいたしたわけでございます。私どもが告発した中の、茨城の三百四十四トンというものにつきまして、いまの丸紅の介在の情報はありましたということでございます。
○横山委員 そこで私どもが問題にしておりますのは、今週中に強制捜査をするというのが新聞に載ったということなのであります。町のうわさを総合いたしますと、一体なぜそんなことを予告するのか、これから二、三日たったらやりますから気をつけてくださいね、証拠があったら隠滅してくださいと言わんばかりではないか、これはどういうことだ。そうしてきょうですか、新聞を見ますと、また一週間か何か、準備があるから、コンピューターがよくわからないから延ばす。また時間をもらえた。もう丸紅にまるきり証拠隠滅に時間をかしたようなものだといううわさがもっぱらあるが、これは、私はこれから警察当局の御意見なり何か聞くわけでありますが、まことに不評さくさくであります。一体どういうことなんでしょうか。
○相川説明員 お答え申し上げます。 先生御指摘のように、捜査中の事件につきまして、たとえば捜索の日時等を発表するというようなことは、相手方に証拠隠滅等の行為を行なわせることになりますし、私ども捜査にとりましてはたいへん大きな支障になるわけでございます。したがいまして、私どもそういう捜査中の事件について、いついかなる強制捜査を行なうかとか、あるいは呼び出しを行なうとか逮捕するとかいうようなことについては、一切捜査上の秘密ということで、その保持につとめているわけでございます。したがって、今回の事件につきましても、私どもが積極的に捜索日時等について発表いたしたというようなことはございません。ただし今回の事件につきましては、国民はもとより、マスコミ関係者もたいへんな関心を持っておりまして、実は独自の取材活動を相当きめこまかくやっておるようでございます。私どももちろん保秘にはつとめておりますけれども、そういう新聞社関係の独自の取材活動によって、今度のような記事になって出たものと考えております。繰り返し申し上げますが、私どもが公式に、あるいはある関係で捜査上の秘密とすべきことを発表いたしたものではございません。
○横山委員 それは、こういう事態ですから、新聞社が買い占めや売り惜しみについて独自の取材活動をするのはわかる。しかしながら、今週中にも強制捜査をするということは、これは取材活動の、あなたの問題にしていることではないですよ。違いますよ。しかも、どの新聞だったか、警察の談話が出ているじゃないですか。一体どういうことですか。
○相川説明員 先生御指摘になっております問題は、たしか昨日の某紙の記事かと思いますけれども、そこに確かに関係県である茨城県の警察本部長の談話ということが載っております。これは私直接茨城県の本部長にその間の経緯を確かめてみましたけれども、捜索の具体的な日時等について本部長が関係記者に話をした、言明をしたというような事実はございません。あくまでも新聞社側の独自の取材活動によってあのような記事になったものと私どもは考えております。
○横山委員 推測するところによればとかなんとか頭がついているのならともかくとして、談話形式で今週中にもやりますと言うた。そうしてそれをあなたが聞いたら、私、そんなこと話していない。一体どうなるのですか、これは。ほうりっぱなしですか。しかたがないと、ほうりっぱなしですか。最近こういうことが続くのですね。私は協同飼料の問題でもそうだと思うのですよ。支店長は起訴だ、野村は起訟猶予だ。今度は今度で、今週中にやりますからどうぞよろしくと。それは所管が違うところだ。違うところだけれども、これほどかっとなっている国民感情からいいますと、まるきりなっておらぬということですよ。いまの世相というものはおそるべき換物思想が蔓延している時期だと思うのです。決して丸紅や協同飼料や、あるいは野村証券や、そういう大企業や大商社だけが動いている思想ではない。ある意味においては裏長屋のおばさんに至るまでが、いま銭を持っていたら損だから物にかえなければという方向にまで走っているわけです。そいつを私どもとしては、一番張本人とおぼしきものを一罰百戒でぴしっといまやらなければいかぬ。そうすることによって心理的効果をぐっと波及させなければいかぬ、こういうふうに考える。この考えはそう私も皆さんも変わらぬと思うのです。そこへ、張本人はたれがしである、捜査は今週中にやりますからよろしくということは、いまの状況下において一大失態だと私は考える。処分しなさいよ、そんなもの。原因を探究して徹底的に処理をしなさいよ。言わなかったから知りませんということでは済まされぬ。もしも新聞社が取材活動をしておって先に新聞記事が出る可能性があるならば、警察当局としては先手を打って強制捜査に立ち入らなければ効果はあがらないですよ。どうなんです。
○相川説明員 先生御指摘のように、まあ私も第一線警察で刑事警察も担当したことがございますが、捜査と報道の関係というものはなかなか微妙でもありますし、むずかしい問題も含んでおります。私どもは捜査の秘密ということを第一義と考えまして、事後におきましては捜査結果等について発表いたしますけれども、およそ捜査の過程ないし事前にその内容を漏らすというようなことは、つとに強く戒めておるところでございます。繰り返し同じ答弁になるかと思いますけれども、重ねて私、茨城県の本部長にもその間の事情を聞いてみましたけれども、具体的な捜索日時等について本部長が言明をしたというようなことは全くございません。それではなぜあのような記事になったのかという重ねてのお尋ねでございますけれども、その辺は新聞社の独自の判断と独自の取材活動による記事と考えますので、私どもとしてはとやかく申すことはないと思います。
○横山委員 どうも納得できないですな、あなたの御説明ではね。それは説明であって、私が言っていることにまだもろに答えていないのですね。そういうことだったそうですよというようなことなんで、それではいかぬではないかと。この際もうそういうことが今後ないようにしなければならぬし、また新聞社が、取材活動が警察の先手を越すようであるならば、間髪を入れず先手を打って強制捜査をやらなければいかぬじゃないか。これからどうするつもりだ、こういうように言っている。
○相川説明員 先ほども申し上げましたように、たいへん微妙にからみ合う問題でございますけれども、やはり捜査の秘密を私ども第一義といたしまして、より公正な、しかも厳正な捜査が進められるよう、御指摘のような点について今後とも十分配慮いたして努力してまいりたいと存じます。
○横山委員 時間もございませんから、お待ち願いましたから大蔵省にちょっと聞きますが、先般、いま例でもありました野村証券の問題で、野村証券が、大蔵省もきちんとやっておるから、社長もあやまっておるからあるいは本社は知らなかったことであるからという理由で起訴猶予にせられたことについて私たいへん不満の意を呈しました。きょうあなたに聞きたいのは、一体時価発行をする場合に、大蔵省がそれに対して相談を受けないことはなかろう。事前に協議を受けなかったことはなかろう。有価証券届出書によって法律上少なくともあなたのほうへ来ているはずだ。これから時価発行をやります。そうか、どういうふうにやるんだという相談は受けている。これはあたりまえのことなんだ。相談を受けてから実際に時価発行をするまでの時間はあるだろう。それは私もわかる。しかし、一たん相談を受けた時価発行がどういう推移をもって行なわれていくか。価額は、大体相談を受けたときには固定した価額というはずはないのだから、大体推算して、まあ上限、下限このくらいのところでいくんだろうという推察は容易にできると私は思う。その推察が二カ月なり三カ月たってからとほうもない方向になりそうだということならば、大蔵省としてはものを言わぬということはあり得まい。それから、時価発行をそれじゃよろしいといってから、それからあとは野となれ山となれでもあるまい。担当の大蔵省としては必ず密接な連絡をして推移を見守っておるに違いなかろう。こんなことがどうしてわからぬのであろうか。注意義務を怠っているのではないか。こういうばかなことが行なわれるとするならば、そして大蔵省はけしからぬといっておこるだけで、あやまったから今回はかんべんしてくださいよと法務省に言ったか言わぬか知りませんけれども、おそらく言っているだろうと思う。そういう姿勢はいけませんよ。だから時価発行というものについて大蔵省も責任ありという立場をとっておるのですが、どうお考えですか。
○坂野政府委員 時価発行を行なおうとする場合に、引き受け証券会社を通じまして事前に相談のあることは事実であります。その際、会社の内容等も尋ねますが、同時に株価のことについても深い関心を持っておりますので、大体どのくらいの株価になるだろうかというようなことについても相談を受けます。先生おっしゃいますような上限、下限というきちっとした数字ではありませんけれども、およそこのくらいのめどではないかというようなことは、発行会社としてもあるいは引き受け証券会社としてもそのときのめどというものは持っております。しかし御承知のように、昨年のように株価が一般的にどんどん上がります。したがいまして、三カ月、四カ月前あるいは長いものは半年前に時価発行の計画をきめますけれども、そのときから実際に払い込みが行なわれるまでの間、株価水準というものは非常に上がってしまうわけであります。したがって、これがもし株価が異常に高くない、平生の年であるならば、おっしゃるようなこともある程度わかってくると思います。また逆に、一般が下降にあるのにその当該銘柄だけが横ばいであるとかあるいは上がったとかいうことであれば、これは直ちにわかる問題でありますが、全体がかなり急スピードで上がっておるというときに当該銘柄がはたして問題があって上がったのか、一般傾向として上がったのかというようなことについては容易にわからない現状であるわけであります。ところで、しからばほっておくのかという御質問に対しましては、取引所において毎日、毎日の価格形成を監視しております。売買審査室というものがございまして、一定の値幅以上動いたものあるいは価格形成に不審のある銘柄につきましては、取引所において審査をいたしましてその原因を追及しております。またもう一つのやり方は、私どもの局に株価監視班というものがございまして、小さな機構でございますが、個別銘柄で問題のありそうな銘柄について監視をいたしております。もう一つのやり方は、事後になりますが、証券会社の検査の際に、引き受け証券会社等が株価に関し何らか人為的なことをやっていなかったか、あるいは発行会社から引き受け証券会社にそういった特別の注文というものがなかったかというようなことを調べております。 そういうやり方でチェックいたしておりまして、問題のありました協同飼料銘柄につきましても、ある時期において、取引所において、若干価格形成に問題があるというようなことを発見したことも事実でございます。したがいまして、野放しではございませんが、言われますような、一定の限度からはずれたら必ずわかるはずだという点は、どうも残念ながらそういうことにはなっておりません。
○横山委員 第二の質問は、協同飼料というのはそんなに大きな大会社ではない。したがって、証券会社としてはまあまあとにかくということなんで、結局協同飼料側でいろんなことが行なわれ、証券側でそれに対して協力をしたということだと私は思うのです。これが大会社ならば、証券会社自身がやってしまってわかる。協同飼料は適当な規模の中小だから、事の問題がよく処理ができたと思うのです。 私が疑問に感じますのは、これは本社の知らなかったことだという論理です。ほんとうに本社が知らなかったのであろうかということと、もう一つは、こういうことはいままでの事態から考えればありがちなことで、協同飼料のこと自身については、かりに本社が知らなかったとしても、包括的には本社はいつもありがちのことだと理解しておったのではないかという疑問なんで、この点はどうですか。
○坂野政府委員 協同飼料事件に関しまして、私どもの存知する限りでは、三社とも本社は知らなかったということであります。検察御当局のほうでどういうふうに認識しておられるかは別であります。また、一般的にそういうことについて本社は知っておるのではないかという御質問に対しましては、私どもが先ほど申し上げましたような諸方法でチェックしております限り、本社も存知してそういう操作をやったというようなことはいまのところでございません。
○横山委員 これはあなたに聞くのはやぼな話ではありますが、今回両罰規定は適用されなかった。しかし、かりに適用されても、せいぜい数十万円だ。野村なりどっかにしてみれば、全然そんなものは問題にならぬ。言うならば、社会的信用ということだけである。したがって、庶民感情からいうならば、両罰規定ごときものは何にも意味をなさない。したがって、本社のトップ、社長なり代表取締役個人が責任を負うようにしないと、ほんとうの両罰規定の意味をなさないのではないか、こういう意見が随所にある。これは庶民感情ですから。その会社にしてみれば、起訴をされたということは確かに信用を失墜することではあろうけれども、こういう社会的信用を大事にしない中小会社なり何なりは、罰金さえ払えばいいだろうということになる。それではだめなのではないか。これからは、いわゆる三罰規定とでも私は言っているのですけれども、行為者、法人、法人の責任者たる個人、三つを追及しないと、こういう普通のノーマルな時期じゃありませんので、いま非常に混乱しているときには、罰則強化はそこまでいかなければいけないのではないかと思いますが、今回の経緯にかんがみて、あなたは将来の問題をどうお考えになりますか。
○坂野政府委員 今回証券三社に関しまして両罰規定が適用にならなかったことにつきましては、検察御当局でなされた措置でありますので、私からお答えする限りでないと思います。ただ、言われますように、会社自身あるいは社長というものがもっと責任を感じ取るべきではないかという御質問に対しましては、私どもは、それは十分制裁がきいているというふうに判断しております。 と申しますのは、申し上げるまでもなく、証券会社は金融機関と並びましてたいへん信用を重んじなければならない公的な業務でありまして、大蔵省において特に免許企業としてこれを扱っておる。こういうものが法的な制裁を受けるということは、たとえその本社が両罰にならなくても、あるいは社長に対して特別な処罰がなくても、たいへんなものでございまして、そういう意味において、その信用失墜ということに対して三社の受けました社会的な制裁というものは、かつてない非常に強いものであったというふうに私どもは考えております。
○横山委員 最後に法務大臣に聞きますけれども、私は、今回はほんとうに悪い例を残したと思っているわけであります。つまり本社が、知らなかった、悪かったと言っている。そして行政当局、大蔵省も措置をした。したがって起訴猶予にしたいということは、これからもそういうことがあれば起訴猶予にしますかという質問なんです、私の質問は。私の言わんとするところはおわかりだと思うのです。あれだけやったんだから、これからはそうはいかないよ、三条件そろっておって起訴にしてしまうというおつもりなんでありましょうか。
○田中(伊)国務大臣 これも御理解をいただきたいのでございますが、第一線の捜査に関することですから、専門の刑事局長からお答えをさせますが、大事なことだけ申し上げておきますと、証券三社を罰則から省きました理由は——最初検察当局が捜査に着手するときの心がまえをいいますと、これは徹底的捜査をして、そして一罰百戒の効果をあげなければならぬということをねらった。私もそう思っております。捜査当局もそう思っておる。 そこで協同飼料並びに証券三社の責任者七名を逮捕いたしました。そして身柄を拘束して東京地検がこれを調べた。いま先生仰せをいただいております本社の責任ということに重点を置きまして、徹底的に調査をしてみたのでありますけれども、本社が了承してやったことだということの立証がどうしてもとれない。そういう事態が出てきたので、支店限りでやった、本社は了承しなかった、こういうことが明瞭になりましたものを罰則を適用して起訴いたしましても、非常に困ることを申し上げますと、公判延において公判の維持ができない。公判の維持のできないものを起訴するわけにいかぬ。残念だが起訴するわけにいかぬということで起訴はできない。 それが根本でございますが、それに加えるに、たいへん三社とも反省しておる。また大蔵省においても、別個のお立場で御調査措置がある。これは今後は根絶の動機に十分になる。こういうことを判断をいたしまして、証券三社というものを起訴することは猶予したという事情でございます。 肝心の証券三社を起訴しないで何をしておるかというおことばが参議院でもございました。先生のおことばと同じおことばが参議院においてもありまして同様のことを答えたのでありますが、そういうたいへん急所とも言うべきものの証拠がとれない、身柄を拘束して七人の者を取り調べた結果がそうであった、こういうことでございますので、私はその報告を聞きまして、検察の行動は公正であった、残念な結果であったけれども、公正な態度であった、公正な取り調べをやったということを私は信じておるわけでございます。その余のこまかいことは刑事局長からまた御答弁を申し上げます。
○安原政府委員 いま大臣のおっしゃいましたように、証券三社につきましてその幹部には共犯ないしは犯罪行為がなかったということで、行為者としての起訴はできなかったわけでございまするが、御指摘のとおり両罰規定の対象にはなったわけでございます。それを起訴猶予にしたということでございます。その起訴猶予の事情は、ただいま大臣が申されたことに尽きるわけでございまして、ただ、地検からの報告によりますと、それから発表によりますと、右三社については今回は起訴を猶予することとしたのでありますが、今後この種違反が再び行なわれるならば、当庁としてもその事柄の重大性にかんがみ、さらに厳正な態度をもって対処する所存であるので、関係者の自粛自戒を切に要望するということをあえて公表してその決意を示しておりますので、今後の検察当局としてはこういう方針で臨むものと思われる次第でございます。
○横山委員 この両罰規定というのは法律上も御存じのように監督責任が十分できなかった場合あるいはまた共謀しておる場合、あるいは法人の責任者が全く知らなかった場合、いろいろある。これは法律もいろいろあるけれども、私は一つの判決の中にこういう文章がありますから引用したいと思いますが、「両罰規定の根本理念を「事業それ自体」の中に見出したいと考える。思うに現代の国家ないしは社会において、経済活動がその大部分の分野を占めていることはここに多弁を要しないが、その経済活動の多くは事業主があって、その傘下に、多数従業者を包擁結合し、これを一定の有機的な組織機構の下において、あたかも、一個人の事業であるかのように運営されているのである。そして、それら従業員の個々の行動は事業主の業務に関する限り、善は善なりに、また悪は悪なりに、利益も損失も、約言すればその業務実施の結果は挙げて、悉く事業主に帰属せしめられているのである。従って従業員の当該業務に関して為した事実上の行為は同時に事業主自身の行為と看做して一向に妨げない。近代における事業というものはそうした性格のものと理解してのみ、現代の社会構造を把握できるものと私は考える。してみれば、両罰規定において、従業者の違反行為に対しては従業者個人の刑責を問うと同時に、事業主に対しても事業主としての刑責を問い得る筋合であってここに両罰規定の合理的根拠を見出し得るものと私は信ずるのである。」私もその気持ちに賛成なのであります。事業主が、おれは知らなんだ、おれは言うたけれどもあいつは聞かなんだという理屈は通らない。いまの近代社会において、知らなかったからあいつは手かげんしてやるとか、注意したけれども聞かなかったから法人の事業主に責任はないという理論があったのでは、これはいけませんよ。ですから、事柄について私はまことに遺憾なことだ、こんなことは社会の法務省なり検察庁に対する信頼を裏切った結果になるということだけ意見を申し上げまして、私の質問を終わることにいたします。 ————◇—————
○中垣委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。 すなわち、内閣提出、刑事補償法の一部を改正する法律案及び横山利秋君外六名提出、刑事補償法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案を審査するため、来たる十三日午前十時から参考人の出頭を求め、意見を聴取することとし、その人選につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中垣委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次回は、来たる十一日水曜日午前十時理事会、午前十時十五分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時五分散会