法務委員会 第11号
- 発言数
- 96 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1973/03/27
会議録
○中垣委員長 これより会議を開きます。 おはかりいたします。 本日、最高裁判所安村事務総長、田宮総務局長、矢口人事局長、西村民事局長、裾分家庭局長、牧刑事局長から出席説明の要求がありますので一これを承認するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中垣委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○中垣委員長 内閣提出、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の通告がありますので、これを許します。稲葉誠一君。
○稲葉(誠)委員 法務大臣が来られたので、その関係を先にお聞きしたいと思うのです。 最初に、この法案の提案の責任者というか、これは法務大臣になっておるわけですが、施行期日が昭和四十八年四月一日になっているわけですが、その四月一日に施行できなかった場合に、実際問題としてどういうふうな具体的な結果が生じるのか、こういうことをお聞きしたいわけです。法務大臣が提案の責任者でしょう、だからあなたからやはり聞かないと、ちょっと無理ならば無理でもいいのですけれどもね。
○田中(伊)国務大臣 間に合わぬということになりますと重大事態でございますので、そういうことにならぬように格別の御配慮をいただきたいという念願でございます。あとは裁判所から……。
○矢口最高裁判所長官代理者 単純な増員ということでございますと、それだけ仕事がおくれるということでございますけれども、裁判官の場合が一番問題でございまして、このままお通しをいただかないということになりますと、先般も当委員会で申し上げたかと思いますが、別段の手続をいたしまして、判事補本務の裁判官につきまして本務と兼務を切りかえるというような困難な作業をせざるを得ないということに相なるわけでございます。
○稲葉(誠)委員 修習生から判事補になるのは発令が四月十日でしょう、四月九日が終了式で十日が発令なわけですよね。それがどうして四月一日に発令するようにしないわけですか。四月一日に発令しなくても間に合うということならば、今度の法案というのは単にワクを広げるというだけの問題であって、実際的な効果というか、それがないんじゃないですか、だからそれは場合によれば四月末でもいいし五月末でもいいということになるんじゃないですか。
○矢口最高裁判所長官代理者 先般も御説明申し上げましたように、裁判官の充員計画の大半を占めますのが修習生から裁判官に任用される方でございます。こういう方を、その時点におきまして欠員がないようにできるだけ多く採りたいということで、いろいろ充員計画をきめておるわけでございます。そういう関係上、今回の増員を見込みまして、判事補本務の方を何名採るかというようなことで全国的な充員計画をきめているわけでございます。その点にそごを来たしてくるということでございます。
○稲葉(誠)委員 それはわかるのですが、この法案が四月一日からの施行ということなら、判事補に対する任命も当然四月一日、あるいはその前にやるようにするのが普通だし、かりにそうでなくて四月十日任命ということになればこの法案自身もそれほどの緊急性というふうなものがないのじゃないかということが、ちょっと常識的というか、しろうと的に考えられるので、なぜ判事補の任命を四月十日にしているのか、四月一日にしないのかということをお聞きしているわけです。それは結果としていろいろな問題が起きてくるかと思いますけれども、ただ、この法案が一週間、十日あるいは二十日おくれたって、現実の問題としてはたいして影響ないんじゃないですか。どうもそこのところがわからないのですが。
○矢口最高裁判所長官代理者 御承知のように裁判官の任命をお願いいたしますのには、その前に裁判官会議の議を経なければいけないわけです。裁判官会議の議を経まして、その結果で内閣に対して名簿提出と閣議を経て内閣で任命されるという状況でございます。 そこで問題は、裁判官会議をお願いする時点あるいは閣議をお願いいたします時点で、おそらく法案が通って御発令いただくまでには余裕ができるのじゃないかというような形でやることができませんので、やはりきちんと定員をお認めいただきまして、欠員があるということで充員計画をつけて、定員の範囲内であるということがはっきりいたしまして裁判官会議をお願いし、あるいは閣議をお願いするということになるわけでございます。したがいましていま御指摘のようなふうにはまいらないわけでございます。法案が成立いたしまして、それからはっきりとした定数を前提にいたしまして裁判官会議をお願いし、閣議をお願いするということをせざるを得ない状況にあるわけでございます。
○稲葉(誠)委員 法務大臣、いまこの委員会でも問題になったんですけれども、訴訟の遅延の問題等大きな問題になって、裁判官やあるいはその他職員の人数が非常に少ない、そのことが訴訟の遅延を生じているということがいわれているわけですね。このことに対して、あなたの所管の中でといいますか、法務大臣として、その原因とそれからそれを解消するための対策といいますか、そういうようなことをどうお考えになっておるか、こういうことをお聞かせ願いたいと思うわけです。
○田中(伊)国務大臣 この訴訟遅延、遅延とこう皆さんが仰せになるのですけれども、実態をよく調べてみますと、一般事件はそんなに非難を受けますほど遅延はございません。そこそこいけております、民事も刑事も。ところが大型の特殊事件になりますと、事件の様相が複雑であるというようなことからまま非難を受けるほどの長い期間がかかっておる。それは立証一つを考えてみましても、証人喚問一つを考えてみましても、事案自体が複雑であります場合においては、どうしても時間をかけざるを得ない状態となってくるのでございます。そういうことでありますので、裁判所は非常な苦心をしていただいて訴訟指揮をしていただき、訴訟の進行ということに民事も刑事も、ことに刑事については苦心をしていただいておるのでありますけれども、なおかつ訴訟が遅延するという理由はどこにあるのかと申しますと、いま申しますように事案自体、事件の内容そのものが複雑多岐にわたるということが根本の理由でございます。その次には裁判官が訴訟指揮をやっていただくにかかわらず、これに協力する側の協力においても不十分なものがあるのではなかろうか。もっと、以上に裁判所に協力をしまして、たとえば刑事事件で申しますというと、検事がこれに協力する、弁護人がこれに協力をする。民事事件で申しますと、民事訴訟当事者が協力をするという、協力をもっと積極的に努力をいたしまして、訴訟遅延に対してこれをできるだけ促進をしていく、こういう努力をしたいものだ、こういうふうに私は法務省の私の立場において常にそう反省をし、また会同その他の席においても急速なる訴訟、訴訟の促進ということには協力をしてくれよということを、常に口ぐせのように申しております。そういうふうに私は見ておるのでございます。事件の中身ということが一つある。それからもう一つは、裁判所に協力するという協力体制が、促進に合うようにできていかなければうまくいかぬのではなかろうか。そういう方法で今後はやっていきたい、こう考えております。
○稲葉(誠)委員 きょう衆議院の法務委員会としてこの法案に対する附帯決議をするということで、案ができておるわけですね。もうごらんになっておるかどうかわかりませんけれども、それは最初に「近時における訴訟遅延の現象は、裁判官その他の裁判所職員の不足と裁判所の施設の不備によるところも大きい。」こういっておるわけです。いっておるといってもまだこれからですけれども、これはあなたの考え方とは違うのですか。どうも違うように私にはとれるのですけれども、あなたのことばはいつも非常に微妙なのですが、これはどうなのですか。
○田中(伊)国務大臣 私の舌足らずでございます。先生仰せのとおりにもう一つの理由は、いまおっしゃるように各部の裁判官の受け持っておる受け持ちの量が多過ぎるので、勢い遅延をしておるということも事情はございましょう。そういう場合においては、これに対する対策は立てなければならぬということで、そういう理由も確かにある。先ほど申し上げましたほかに、裁判官の人数が足らぬ、こういうことから、一裁判所の担当しておる事件の量が多過ぎるということから、訴訟遅延の原因の一つにもなっておるということをつけ加えておきます。
○稲葉(誠)委員 舌足らずは大いに歓迎するのですけれども、いまお話を聞いておりますと、法務大臣の話は、本来裁判所が独立している、そのことと法務省あるいは法務大臣の役割り、それがごちゃごちゃになってしまって、何か裁判所の分野にまで介入して話をされているような印象を持つわけですね。司法権の独立、裁判所もまた独立、ことに予算の面については全く法務省はタッチしないというふうなこの前のお話でしたね。そうなってくると、訴訟の遅延あるいはその他のそういうふうな問題に関連して法務大臣あるいは政府として考えておるその対策とか、こういうふうに問題が分けて限界づけられなければいけない、こう思うのです。いまおっしゃったことは何か裁判所の中にまで入ってきているような印象を与えるのですが、法務大臣として、政府として、これに対して司法権の独立というものを害さない範囲においてどういうことをしなければならないか、それを聞いているのです。
○田中(伊)国務大臣 それはたいへんありがたいおことばで、そのとおり考えております。介入していくつもりはございませんが、裁判所の独立、独立といいましても、独立の裁判所が独立のたてまえで独立の訴訟指揮をやっている。あたりまえのことなのであります。それを介入するわけではないけれども、弁護士の立場においても促進に御協力をいただきたい。これを期待する。また刑事事件について申しますれば、検事の立場においてその訴訟の指揮に従って促進に協力するという協力を申し上げたいというふうに、私はその限度を考えておるわけでございます。 それから後段で仰せになりました予算等をめぐりましても、なるほどおっしゃるとおりほとんどノータッチでございます。しかし、このごろは裁判所もなかなかしっかりしておりまして、予算はしっかり取ってくる傾向に、昔と比べるとその技術もよほど上達しておる、たいへんよろしい。それを持ってまいりましたときに最終的に国務大臣としてこれにサインをいたしまして、大蔵省予算を最終的に決定するのは国務大臣の会議できめる、閣議できめることになるわけでございますが、その場合はそこに大蔵大臣もおる、隣同士の法務大臣もそこにおるわけでございますが、予算の問題等につきましてはもっと積極的に大蔵省にも進言して、裁判所の訴訟遅延の原因はここにあるのだよ、ここを頭に置いて、増員その他の関係においては四の五の言うなという話をもっと積極的に——それはしていいのですから、そんなことはしたら介入というわけではないのですから、介入でも何でもない、判こをついて決定するのですから、それを介入などということは気にしないで、もっと積極的に裁判所を声援する、こういう態度が望ましい。ほかの大臣ももちろんですけれども、法務大臣という隣同士の立場におります私の立場は、もっと積極的に裁判所を支援する、介入にならぬようにうまいこと支援する、そういう態度を必要とするように存じます。
○稲葉(誠)委員 先日熊本で水俣病の民事の判決が出たわけですね。これについて法務大臣としての意見ではなくて感想を聞くということは、これは畑違いになるのですか、どうですか。もし畑違いでないとお考えでしたら、意見は別ですが、感想があれば述べていただきたい。
○田中(伊)国務大臣 感想の述べようによりましては、私の立場で申します場合には司法権の侵犯ということが起こると思います。侵犯にならない限度で私の信念どおりの答えが、この場合はできると思います。そこで申し上げますと、私はたいへんりっぱな裁判であった、こう判断をいたします。
○稲葉(誠)委員 一審の判決ですから確定したわけではありませんけれども、上訴を放棄したから確定したわけですか、送達になっていないからどうですか、その点は別として常識的には確定したわけですが、そうするとあの判決の中でも、相当たくさんの方がなくなった、あるいは障害を受けた、この間に因果関係を認めておられるわけですね。そうなってくるとなぜ検察庁としてこれを刑事事件として取り上げなかったのかということが、国民の間で一般的な一つの議論というのですか、一つの声として上がっておるわけです。どうして検察庁はやらなかったのだろう。聞くところによるとある程度やりかけた、これは警察だったか、検察庁もやりかけたけれども、証拠がどうのということで全然やらなかった。いまは公訴時効になってしまっておる、こういうことが現実出てきておるわけですね。この点についてはどういうふうにお考えですか。
○田中(伊)国務大臣 これはたいへん複雑なむずかしい御質問をあそばされたのでございますが、これも答弁をしないわけにいかないので申し上げますと、一口に申しますと事件がむずかしいのです。刑事事件としてどこが一体むずかしいのかというと、これは理屈を言うわけではないから、ありのままの検察の立場を申し上げるのでありますが、この事件を刑事事件として立件していくというためには、流れ出た毒物を含んだ廃液によって住民を殺すという故意があるか、殺す故意はなかったが、この廃液をこのままほうっておけば人が死ぬかもしれぬ。しかしまあ死んだっていいわ、こう考えたということになるならば、これは未必の故意が成立をするわけでございます。故意もしくは未必の故意が成立するか。もう一つの場合は、注意をすればちゃんととめることができたのにかかわらず、不注意で、過失で廃液を流しておったのだ、こういうことが立証できるとするならば、過失致死罪、過失傷害罪、一口に申しますと過失致死傷事件が事件として立件できることになります。しかし、立件のためには、いま言うとおり、故意か未必の故意か過失かを立証しなければ立件はできない。しかし、検察庁が立件しようと思えば、それは一ぺんに立件はできるわけでございますが、大ざっぱな立件をいたしますと、公判廷において公判を維持することが困難になるおそれが出てくる。検察の立場というものはたいへんむずかしい立場でありまして、裁判所の裁判は、証拠なしと見れば無罪の判決をしておけば、ちゃんと判決はできるのです。けれども、検察庁はそうはいかぬ。起訴をする以上は公判で維持をする責任がある。公判で維持ができないものを、時の感情、社会感情だけでやってしまえということでやって、それが無罪になるということは重大なことになるわけでございます。そういうことでございますから、立件をする以上は有罪の判決を受ける確信がなければならぬ。その確信を受けるためには、故意か未必の故意か過失というものを立件と同時に立証する確信がなければ、これはやれないという困難性があるわけでございます。言いにくいことを簡単に申しますと、そういう事情が法務省が担当しております検察陣の苦悩の中にある。こういうことから申しますと、なかなか、先生、これは簡単に手をつけるわけにはいかぬ。何しておるかといわれたときには言い方がない、こういうことでつい時間的経過を見のがさなければならぬようなことになるわけでございます。この点はどうぞ検察の立場を御了承いただきたいと思います。
○稲葉(誠)委員 一般論としてはいま大臣の言うとおりです。それはあくまでも一般論、抽象論であって、この場合、裁判所のほうで過失の認定、これは民事の過失と刑事の過失とは違うし、違うといっても普通の場合はむしろ民事の過失のほうが広いですね。違うという議論はあるとしても、少なくとも裁判所のほうで過失が認定できておるのに——認定されたと見てもいいでしょう。検察庁のほうでできなかったということ。結果としてそうなんだけれども、やるだけのことをやって結論が出たというなら話はわかるけれども、本件の場合は、最初からやるだけのことも何にもやらないで、だめだ、だめだといっているのではないですか。公害事件というものの世間的な関心というか、ことばは悪いですけれども、重要性というか、それがまだ当初の段階ですから、いまのようじゃなかったという弁解はあるかもしれませんけれども、やるだけのことをやったのですか。やったとしたら、何をやったのですか。そこらのところをはっきりさせて、それだけのことをやったけれども、なおかつそういう証拠が集まらなかったというのならいいですけれども、そこまでいかないで、初めからだめだというのじゃ、検察としては公平ではないという印象を受けるのではないですか。
○田中(伊)国務大臣 ただいま仰せになったおことばの中で、裁判所が民事的に行なった過失は、そんなものは刑事事件として立件する上の過失とは違うんだとかいうような事柄は、私は論及はできません。司法権は独立でございますから、これは大切にしなければならぬ。そういうことは言いませんが、法務省が立件をいたします場合の故意、過失の立証ということの見通しは検討をちゃんとしております。ほうっておるのではございません。立件はしていないが、立件すべきかどうかということについてはやっておる。それは告発はございません。告発はございませんが、新聞記事もございます。ラジオもあります。それから大体の想定もできておる。こういうことでございますから、検事認知事件として立件すべきやいなやということについては、これは詳細なる検討をしておる。検討をしておるが、それを立件にまで持ち込むに至らなかった事情であるということも御了承をいただきたいと思います。
○稲葉(誠)委員 その問題に対して検討したと言われるけれども、私はおそらく検討していないと思うのです。かりに検討したとしても、ほんとうの軽い検討で、具体的な本格的なものじゃないんじゃないか。(田中(伊)国務大臣「それはそうです」と呼ぶ)不規則発言をしてはだめです。こっちの発言が終わってから答えなければだめです。いま不規則発言されたけれども、きわめて軽い検討をしたという程度にお聞きしてよろしいですか。
○田中(伊)国務大臣 先生何もかも御存じでおっしゃっておるので、検察というものは、告発があるか告訴があるかということのほかに、警察から送致があるか、脱税事件ならば国税庁から告訴、告発があるか、警察で調べたものを送致してくるかという場合のほかにどういうことがあるかといえば、この事件についてそういうことはないのですけれども、それ以外にどういう場合に手をつけておるのかというと、新聞に出る、ラジオを聞く、雑誌に出る、投書が来る、人のうわさがあるということから、検事認知事件というものは立件するのですから、これをおろそかにして何もしておらぬ、そういうふうなおことばは聞きのがしにできぬから私が言うておるので、事実、認知事件として立件すべきであるかということについては検討を加えております。検討を加えておりますが、それでは検討を加えた内容はどういう理由で立件しなかったのか発表せよ、それは発表できる筋合いのものではございません。捜査の前提になることをやっておるわけでございますから、そういう点からいえば、それは非公式なものであろう。簡単なことをやっておるのだろうと言われると、そのとおりである。そんな、公式に発表のできる、筋道を立てて堂々と検討の結果を発表できるような捜査のできるはずはございません。ですから、一応の検討はしておる、検討はしておるが、確信が持てないので本式に踏み込めないんだ、こういうふうに御理解をいただくことが真相と思います。
○稲葉(誠)委員 それはそれとして、今後いわゆる公害犯罪と称せられるもの、おそらくいろんな形の中で業務上がつくのが多いと思いますが、あるいは業務上がつかない場合もあるでしょうけれども、いずれにしても、過失致死なりあるいは傷なりのこういうような公害事件に関連する刑事事件、これについて法務省はどういう態度をとっていくのか。刑事事件に当然なるべきものと見るならば十分な捜査をしてやる、こういうことなのか。あるいは最初から、相手は大会社だからむずかしい。むずかしいからまあこれはというようなところでほこをおさめてしまうのか。こういうふうな刑事罰としての事案に対する法務大臣の考え方というか決意、それをお聞かせ願いたいと思うわけです。
○田中(伊)国務大臣 先ほどくどく申し上げましたような意味で、立件すべきものかどうかということについて確信が持てます限り、立件いたしまして刑事事件として処理をしていく考えでございます。
○稲葉(誠)委員 具体的に各地の検察庁に公害係の検事というのを置いたはずですね。これはどういうふうになっているのですか。
○田中(伊)国務大臣 専門の刑事局長が来ておりますから、刑事局長からお答えをいたします。
○安原政府委員 稲葉先生御指摘のとおり、公害係検事を置きまして、公害犯罪処罰法の適用はもちろん、それからその事前の行政措置にかかわる大気汚染防止法とか水質汚濁防止法等の事件等を鋭意勉強し、かつ事件になりましたら処理していくという実情でございます。
○稲葉(誠)委員 法務大臣、あなたのお話を聞いていると、公害企業のいわゆる刑事事件としての公害犯罪というか、これに対しての法務省当局としての取り組み、何かあんまり積極性がないというふうにちょっと私には聞き取れるのですがね。もう少し積極的にやるというふうな気がまえ、そういうようなものはないわけですか。 これで終わります、質問は。
○田中(伊)国務大臣 それは積極的にと軽はずみに答弁ができないのです。積極性がないからじゃない。事柄がむずかしいから、ベトコンの入国みたいなわけにはいかぬのです、これは。いや、それはほんとうにいかぬのですよ。これは事柄がむずかしいのです。事柄がむずかしいので積極的なことばが出せぬというので、真相は先ほどから申し上げますような事情であるということをよく御理解をいただきたいと思います。
○稲葉(誠)委員 これで終わりますが、むずかしいのはわかるんですよ。これはむずかしいにきまっているので、いままでにない新しい形の犯罪だし、それから科学的な知識というか、そういうようなものも必要とされるし、従来の検察庁の体制ではなかなかこれは、いわゆるなじまないというか、ことばは悪いけれども、あまりやってないことですからきわめてむずかしいのはわかりますけれども、むずかしい、むずかしいということでしり込みするのではなくて、やるべきことはしっかりやるということの、もう少ししっかりとした考え方が大臣から聞けないものですかね。何かあんまり積極性がないように感じられるのですよ。
○田中(伊)国務大臣 やるべきはやるという態度に間違いはないのです。やるべきであるということの態度をきめるのにいま言うたような困難性がある。私の態度や意思の問題でなしに、事柄自体の問題がむずかしいんだということです。
○正森委員 いまの大臣の発言中、たとえ軽い気持ちとはいえベトコンというようなことばを使われたのは不謹慎だ。したがって今後そのようなことばを使われないように私から申し上げます。
○田中(伊)国務大臣 ただいまのベトコンという表現は取り消します。
○中垣委員長 横山利秋君。
○横山委員 これは法案の最終締めくくりの質問でありますが、ここしばらくの間に大臣の政治的信念、政治的姿勢という問題についてやはり議論が生じましたので、私の質問時間、短い時間ではありますが、項目的に簡潔にこの際承りたいことを申し上げますから、裁判官の法案の審議ではあるけれども、あなたの信念をひとつ明白にしていただきたいと思います。 まず第一の質問は、協同飼料関係についてであります。これは明らかに証券会社が証取法百二十五条に違反をして、会社と結託して株価をつり上げた疑い濃厚であり、それから商法二百十条によって、自社株の取得禁止条項に触れたこともまた明白な疑いがある。そこで、支店長は起訴をされた。しかし野村証券等の証券会社の大会社は、証取法二百七条、両罰規定があるのにかかわらず、検察陣としては起訴便宜主義、刑事訴訟法二百四十八条を適用されたと思うのであるけれども、裁量要件ありとして公訴提起をしない、こういう決定をされた。世間の常識として、きわめてこれは釈然としないものがある。事態明白であって、それらのことを証券会社の大幹部が知らないと言わせない。ああ悪うございました、これから何とか努力をいたします。大蔵省もこれから厳重に処理いたしますと言えば、それで済むのか。ああいうところだからそれで済むのか。それならば一般はどうなんだ。こういう起訴便宜主義が、かかる国民世論が高揚して、きわめて強硬なときに、どうして適用を簡単にされるのかという点について、検察陣に対して国民のごうごうたる非難がある。この点についてどうお考えですか。
○田中(伊)国務大臣 重大事件でございますので、第一線の検察庁の捜査に関する事件でございますので、専門の刑事局長から詳細にお答えを申し上げます。
○横山委員 簡潔に言ってください。
○安原政府委員 東京地検からの報告によりまして申し上げますと、この証券会社三社につきまして両罰規定の適用を受ける証券取引法違反に該当の事実があったことは明らかでございますが、三社とも実行行為に当たりました者が支店関係者のみでありましたこと、それから三社とも本件につきまして十分反省の意を表して、今後是正改善の措置をはかることを誓約している。それからこの監督官庁である大蔵省当局におきましても、この種事案の絶滅を期するための指導監督の一そうの徹底をはかるということを言っており、特に本件につきましては、この三社につきまして証券取引法上の行政処分でありますところの免許の取り消しとか業務の全部または一部の停止等の処分を行なう必要があるかどうかという観点からの調査を厳重、適正に行なうということを大蔵省当局で約束しておるということを考慮いたしまして、今回限り起訴を猶予するということにしたということでございます。
○横山委員 これは時間の都合上私から言ったことと何ら変わりがないわけですね、御説明は。そこで法務大臣にお伺いしているんです。いまこの刑事訴訟法二百四十八条を適用した法的根拠はないとは言わない。しかし世間の常識が、国民世論というものがそういうものについて納得していない。両罰規定が明らかであり、そうして実際の事態というものもきわめて明白である。なぜそういうところだけが起訴便宜主義が適用されるのか。なぜ起訴をされないのか。起訴をして、それが裁判の結果において微罪であるというならともかくとして、検察陣がいま国民世論に対して、あやまっておるのでかんにんしてしまったというような説明で国民が納得するのかどうか。この点は法規の問題ではない。姿勢の問題である。だから私は法務大臣に信念を聞いている。
○田中(伊)国務大臣 いま安原局長から御報告を申し上げましたように、いま安原君の言いましたことは、当時、何日か記憶はいたしませんが、検事正談話の中にも、いま御答弁を申し上げたことが書いてあるように私は記憶しております。 その理由は、反省しておるからというだけじゃないんですね。もう一つ大事なことは、事件の捜査をしてみて明らかになってみると、支店限りでこの処置、行為をやったものである。本店は関知していなかったことが証拠上明らかになった。本店も今後ということを反省しておるし、支店限りでやったことであって、本店の知らない間に行なわれたものであるということが捜査上明白になった。こういう情状をくんだものであるということでございます。そういう情状があった場合に、一体そういう情状はくまねばならぬものかというお尋ねがございますと、そういう捜査上の重要な要素に関して情状が出てまいります場合においては、やはりやりにくいことであるけれども起訴猶予という、情状をくんだ処分をしなければならぬものだ、これが検察の原則である、こういうふうに私は思うのでございまして、姿勢としておかしいじゃないかと言われると、姿勢はおかしくないのです。この情状はくまねばならぬものでございます。この重要な要素について情状があったという場合は、これをくんで起訴を猶予すべきものである。起訴猶予は、罪はあるけれども、このたびは起訴を猶予するから反省せよというのが起訴猶予でございますから、そういう起訴猶予処分に付したということはおかしくない、私はこう考えます。
○横山委員 本店が知らなかった、そこが一番ポイントらしいようであります。知らなかったとは言わせない、私はそう思うのであります。内部監察制度があの大証券会社では発達しておる。これだけの重要な問題を知らなかったとは言わせない。しかも世間伝うるところによりますと、この種の問題はざらにある、めずらしいことではないといわれておる。かりに一つの事案について知らなかったとしても、全般においてこの種の問題がめずらしいことではない。そういう意味においても知らないとは言わせない。しかし、本件については、時間がございませんから、あとの刑事訴訟法なり補償法のときに私はじっくり腰をかまえたいと思います。 もう一つだけそれに関連してお尋ねいたします。かりに知っておった、両罰規定が適用されたといたしましても、現行法規におきましては法人が罰せられるだけですね。罰金です。罰金を数万円かそこら、数十万円でもたいしたことない、払えばそれで済むことなんです。それではこれからいろいろな意味においてのほんとうの両罰規定の適用というものについては効果をあげない。法人は若干の罰金刑だけに限られておりますから、法人が若干の罰金だけ払えばそれで済むということでは効果はあがらないと思う。したがって、ほんとうの両罰規定は三罰規定でなければならない。その行為者と法人と法人の責任者個人、その三罰規定でなければ効果はあがらないと私は思うのでありますが、この点についてどうお考えでありますか。
○田中(伊)国務大臣 先ほど申し上げたように、これは具体的事件に関する見解でございますから、やはり先ほど私が申し上げたように、この場合はこの処置をする以外に道はなかった。(横山委員「最後の質問は法理論ですよ」と呼ぶ)法理論ですけれども、この問題とこんがらがりますからね。この問題についての御発言だと思いますので、(横山委員「別の角度で質問しております」と呼ぶ)これ以外に道はなかった。別の角度から言いますと、これは妙な言いわけのような言い方になるのですけれども、具体的事案についてでなければ、この微妙な急所について私が一般論として答弁はいたしかねる。具体的な事案が出てまいりましたときに、これに対する所見を述べる以外にない。一般的に答える道はない、ことばがない、こういうふうにお聞き取りいただきたいと思います。
○横山委員 急に舌が引っ込んだり長くなったりするわけでありますが、私はこの事案に関係なく、一般的な法理論として両罰規定では十分な効果があがらないこれからの世相だ、だから三罰規定を検討したらどうか、三罰というのが適当なことばであるかどうかわからぬが、検討したらどうかと言っておる。お答えになりますか、なりませんか。
○田中(伊)国務大臣 せっかくの御意見でございますから、検討してみます。
○横山委員 その次の質問は、この間予算委員会で小林進議員の質問に答えられまして、いわゆる戦争中の海外における軍法会議の問題に触れて、あなたはこういう答弁をなさったそうであります。吉池事件に関して司法部で法制的にも根本的にも前向きで検討する、御記憶でございますね。一体それはどういうことなのか、ちょっと御意見を伺いたい。どういうことなのかということは、ほんとうにおやりになるのですか。司法調査部で法制的にも根本的にもこの種の問題はほんとうにおやりになるのですか。端的にいうと、そういうことなんです。
○田中(伊)国務大臣 ほんとうに現に検討しておるのです。ほんとうにやるのかどうかというが、ほんとうに現に検討をしておるのです。
○横山委員 わかりました。それでは、これもまた後日の具体的な質問に譲りたいと思います。 もう一つは、いま話題の問題であります。田参議院議員が、臨時革命政府のグエン・バン・チェン・パリ会議次席代表が訪日を希望しているので入国を受け入れてはどうかとただしたのに対し、田中法務大臣は、復興援助について入国を申請すれば受け入れる用意がある、これは各紙が一斉に報道したことであります。その後、二転、三転、何だかわからなくなっている。きょう法眼外務次官が新聞に語ったという発言要旨がきわめて大きく取り上げられておる。その中でまことにけしからぬと思われますのは、法相答弁を前進の方向ととるのはどういうことか、特定のアングルから見るからああいうことになる、そう言っておるわけであります。しかも、南ベトナム臨時革命政府は、北ベトナム、北朝鮮、東独など未承認国のケースと違う、ああいう騒ぎになることは好ましくない、そっとしておけばいい——ああいう騒ぎになることは好ましくない、そっとしておけばいいということは、逆にいえば、法務大臣が余分なことを言った、こういうことにも受け取れる筋合いであります。 私の短い時間であなたに聞きたいと思いますことは、綸言汗のごとし。あなたも国会議員として私にとりましては大先輩でありますが、いやしくも国会でおっしゃったことについては、綸言汗のごとし。したがって、参議院予算委員会の発言は、そのまますなおに私どもが受け取ってよろしいかということが第一の質問であります。
○田中(伊)国務大臣 その質問はお尋ねになる相手が違うのじゃないですか。私は綸言汗のごとしと違うということはどこにもない、私の発言には。私は去る二十四日、自分の信念に基づいて発言をした。その発言を何か取り消したような空気が、どこから出てきたかよくわからぬが、出てきた。新聞は食言だという。食言といっても、私の口で一回しか言うたことはない。二度は言わない。何が食言かということで、まことに明瞭でございます。 しかし、そういうふうな物議をかもしたことでございますので、私にも責任がありますので、私が中心となりまして、内閣官房長官、それから外務大臣を招きまして、三者の間で時間をかけて懇談をいたしました結果、田中法務大臣の答弁のとおりであるということがきまった。食言を取り消すとか、食言を訂正する、そんなことを言うた事実はない。田中の言った発言のとおりであるということをきめまして、そのことを単にきめただけではございません。官房長官が私たちの意向を代表して政府の立場で参議院の予算の理事会に出まして、理事会で正式に言明をした。しかし、理事会には速記録というものがございませんので、その重要な事柄は、委員長が理事会を代表いたしまして、正式の委員会の劈頭、速記録に載りますようにこのことを報告したということで、田中発言どおり間違いがないということに——地震は動揺しておるが、私は動揺しておりません。そういうことにきのうきまった。きまってどうなったかというと、基本方針は、そういう人物がそういう御用件でおいでになる場合においては、受け入れる用意ありということを、そのままそれでよいのだということにきめましたので、それは決定事項でございます。それを責任大臣以外の者がどういう発言をしたからといって、こわれるものじゃない。そんな制度にもなっておりません。私たちが取りきめまして野党各位に対して回答をいたしましたことは、動くものではない。 そこで、基本方針がきまったら、基本方針のとおりに事務はやればいいのですね。事務がやる場合においては、どの時期にどんな申請がどんな形式で出てくるかということについては、いろいろ御意見があれば、その意見は検討したらよろしい。検討したらよいが、結論は実体的に受け入れ方針をきめてあるのですから、実体的にきまった受け入れ方針に従って事務の手続手続をやりなさい、こういうことでございますから、決してきょう新聞に出ておることを気にしていただく必要はない。それがためにまたゆらゆらゆれているということはございません。どうぞこの点は御安心をいただきたいと思います。どこに行ってもこの答弁はするつもりでおります。
○横山委員 それはあなたと法眼外務次官との発言と同等に並べていやがらせをするつもりは私にはありません。いやしくも法務大臣と官房長官と外務大臣が三者集まっておきめになったならば、まさに磐石不動と私も思いたい。ところがそれをやったにかかわらず、外務省の次官が、明らかにだれが見ても聞いてもそれをぐらつかせる発言をするということは一体どういうことなのか、そういう疑問を持つのはあたりまえのことでございます。それが気に食わなければ三人の大臣が集まってきめたことをすぐにぐらつかせるような次官は首切るべきですよ。そして姿勢をきちんとしなければならぬではありませんか。おれたちがきめたんだから法眼が何と言おうといいとおっしゃるなら、そういうものを言う法眼なんかは、これはまさに首切ってもらう。法がんじゃない、法げんか。名前は法げんだそうですね、放言をしたやつは首を切ってしまえ。どっちが放言だとだれかが言うらしいけれども、放言したやつは首を切らなければおかしいですよ。 そこで、あなたにさらに突っ込んでお伺いをしますが、あなたはこういうことを言ったことはありませんか。二階堂さんのおっしゃるところによれば、あれは南の政府とそれからベトナムのあれと間違えたんだと、法務大臣は臨時革命政府のグエン・バン・チェンさんのことでなくして、南のベトナム政府が来たいといったら受け入れると、うっかりして間違えたんだ。最初の釈明はそうですね。間違えたんではない、そのままあなたは答えたんですね。
○田中(伊)国務大臣 そんなこと間違えるはずがないでしょう。あなた私の速記録読んだらわかる。あれが間違えで言えることばかどうか、そんなことはない。
○横山委員 わかりました。
○田中(伊)国務大臣 ちょっとお待ちください。あなた質問の相手間違っている。私に対する質問はぼくの発言についてやってくださいよ。
○横山委員 それがだめを押しているんだから。私も、そんなはずはないのに二階堂官房長官がどうしてそんなばかな、田中さんにあるまじきことを間違えたんだと言うのかという疑問が出たから答えてもらった。 その次の質問は、これもすなおに私どもは受け取っておるのですが、臨時革命政府のグエン・バン・チェン・パリ会談次席代表が訪日を希望しておるのに入国を受け入れるかどうか、それに対して入国を申請すれば受け入れる用意があると答えた。ところが、きのうのテレビを見ますと、三人で御相談になったときには条件がついておる。条件というのは、この臨時革命政府と南のベトナム政府が合議をして同意をしたらという条件がついておる、あるいはまた中立を含めて三者から構成される政府、そういう二者から入国があればという条件がついた、これは違うのですか。私はテレビを見て、新聞を見てあなたに質問しているのであります。
○田中(伊)国務大臣 そんな条件をつけたものであれば、官房長官がわざわざ理事会に出席して答弁をするのに法務大臣発言のとおりでよろしいなどということを言うはずございません。しかし、事務当局としましては、こういう場合はどうだろうああいう場合はどうだろうか、これでも入れるのかあれでも入れるのかということはいまから予想していろいろ検討することは、それは私はやってもいいと思いますよ。しかし、結論をいえば、実体的に受け入れ方針をきめたのでありますから、受け入れの方針に従って手続をとれ、これはあたりまえのことだ、それで心配はございません。手続的にはこの場合はどうだあの場合はどうだ、どんな人が来るんだ、チェンが来るのかチェンに似たような人が来るのかといろんなことを言うことは私はあると思います。チェンはチェンさんといってもいいんですよ、あなた方は何でもひっかかるのだから、私の言うことには。チェンさんが来るのか、似たような人ならだれでもいいのか、チェンさんでなければならぬのか、こういうことはいろいろと手続的には、またどういう申請が来るのだろうか、目的についてはどんなことを書いてくるのだろうかと、速記録によるというと、援助以外のことで来ることにおいては拒否できるようになりますね。そういう目的の場合に限る、こう言うているんですから、援助以外の目的で来るという場合には拒否になります。援助で来たら拒否できぬですよ。それはどういう事情であるということは、事務当局が心配していろいろいうことは無理はないと思いますが、結論は、実体的に受け入れ態勢がきめてあるからこれに従っていけ、両省相談でいく、こういうことであります。その点はどうぞ疑念をお持ちくださいませんように。
○横山委員 念のためにもう一ぺん一言。そうしますとこの質問は臨時革命政府のグエン・バン・チェンさんということになっておる。あなたの答弁は、事務当局がいろいろ考えるのは無理はないが、チェンさんが来るか、ほかの人が来るか、それはわからぬではないかということなのです。しかし援助の問題は、私が言っている臨時革命政府の人が申請をするということについて、いやそれは南ベトナム政府と合意をしてこなければだめだよということ、あるいは中立も含めて三者のでき上がったものがこなければだめだよという条件がテレビ、新聞で放送されて、それだともう変貌してくる。チェンさんなり臨時革命政府ではないのです。したがってそれは非常なかたい、ある意味では拒否的条件になってしまう。問題の質問を性格と別な人格、別な条件でなければいやだよということになっている。変貌を明らかにしていると思うのです。あなたのお答えはそうでなくして、そういうものを絶対条件にしている覚えはない、臨時革命政府のチェンさん、一応そうなっておるのだけれども、臨時革命政府が援助で来られるならば、それはすなおに受け入れる用意がある、こういうふうに理解してよろしいのですね。
○田中(伊)国務大臣 三者できめた事柄以外に私は発言の自由がないのです。
○横山委員 何をきめたんですか、三者で。
○田中(伊)国務大臣 いま言いますように、三者できめまして、その結論を二階堂君が持って理事会に出て話をしてまいりました以外の事柄を私が答弁する自由がないので、ここで申し上げるのでありますが、二階堂君が理事会で報告して了承を得て、委員長がこれを委員会に報告をして了承されたことはどんなことかというと、田中発言のとおりだということです。そういうことばは使っておりませんが、一字も訂正はないんだ、つけ加えるべきものもない、削るべきものもない、田中発言のとおりでございます、こういうことでございますから、私の発言の中にはいまあなたが仰せになったようなことが書いてありませんからね。そうでしょう。私がそれ以上のことを言うとややこしくなるのです。この話は速記録のとおり、速記録と一字でも違う事柄は責任は持てぬ、こうお聞き取りください、どうぞ。
○横山委員 それは大臣の心情、私察するに余りある。御同情申し上げる。御同情申し上げるけれども、それは野党だから、いやらしいことも聞かなければならぬです、悪いけれども、申しわけないけれども。それはあなたの立場というもの、あなたは、今日おれが言ったことはあくまでおれの政治責任をもってやって見せると言うておるけれども、あなたを取り巻く外務省なりあるいはそのほかの筋では、まあまあこのところは田中があれだけ言ったんだから、あれを取り消させるのはかわいそうだから、ひとつあれはあれにしておいて、具体的、現実的な問題になったらあれやこれやかっこうをつけ、条件をつけ、そうして筋は筋として実際はそういうことのないようにしよう、そういう雰囲気が流れておるのですね。それをあなたもお考えにならぬとはおかしい。そして新聞紙上は、もう実際問題としては、素朴な田中発言は行なわれ得まい、こういうふうに踏んでおるから、私は、いやらしい話であるけれども、だめを押している。そしてあなたが、とにかく男として、法務大臣として、一たん言ったことはあなたが全責任をもって、閣僚として、そういう放言をするようなやつは首を切れと大きな声で言うくらいでなければ、この問題については釈然としない。実際そういう雰囲気ですよ。どうです。
○田中(伊)国務大臣 理事会に報告し理事会で了承をされ、委員会に報告され委員会で了承をされたのは、法務大臣の発言のとおりということでございます。一字も違わぬことを実施する、責任を負う。あなたのおっしゃるような、この場合はどうだ、あの場合はどうだという事柄については答弁はしない。答弁をするとややこしい。ややこしいです。 法眼の首を切れというのは、私の部下ならば私が言います。うちの部下が言ったならば私が言います。外務省の次官です。何をあなた、そんなことが言えますか。しゃんとしなさいよ、そんなことが言えますか。外務省の次官の首を切れなんということが言えますか。おれがきめたとおりを実施せい、手続的には、いろいろ意見があれば検討してよろしい、大いに意見も言うてよろしい、結論はわしの言うたとおり実施しなさいよ、これでいいんです、静かで。ものはきまっているんだから、荒立ててじゃんじゃん言うことはないでしょう、私はそう思うのですよ、ありのまま言いますと。
○横山委員 時間が参りましたから質問をやめますけれども、それはあなたがここで、おれの言うとおりになるから静かにしておれと言っても、あなたが心中で放言をした法眼に対して烈火のごとくおこっていなければ、私はおかしいと思うのです。それは何も、あなたが事務次官を首切ることはできない。けれども、大平外務大臣に対して、おまえの部下は何だ、おれとおまえときめたことについて、おまえの部下がこういうばかなことを言っている、こんなことがあるかとおこらなければおかしい。おこっておってあたりまえだと思う。まあ時間がございませんから、あなたの政治家としての出処進退を私どもはきわめて注目をしておる。いままで質問をした幾つかのことは、これでなおざりにならないのです、今後事実があらわれるのですから。あらわれたときに、法務大臣としての真価を私は見守りたいと思います。 一分でこの法案に関連したことを、注文だけ申し上げておきます。これはもうお答えにならなくてもいいです。私の締めくくりについての注文であります。 一つは、こまかいことでありますが、国選弁護人の謄写料の問題。いま謄写料は法律に基づいて支払われることになっておりません。そこで謄写料については、かっこうは弁護士の自費負担ということになっておる。そんなばかなことはない。したがってこれは法律改正をしても、国選弁護人が使った謄写料については支給をすべきである。 第二番目には、この附帯決議をつくりましたときに、理事会でずいぶん議論になりました。それは最高裁裁判官の任命について、今日までの経緯等も含めて、きょうの新聞にも出ておるようでありますが、五、五、五という比率構成について、最善を尽くしてもらいたい。 三つ目は、これも附帯決議調整の際議論になりました、裁判官の再任と新任については、不安を抱かせないように身分保障をきちんと確立すべきである。 四つ目は、これは私の質問の機会がございませんでしたけれども、裁判所職員の公平審査機能であります。 最高裁判所というところは、行政をし、そして公平審査をし、そして裁判をする、三つの機能を持っております。その中で、職員が悪いことをした、あるいは法に触れたといって首切り処分をする、そこで職員が裁判に訴えると、首切った裁判官が自分のやったことがいいか悪いか自分で裁判する、こういう論理的な矛盾が生ずるわけであります。そのために公平審査機能、一般の公務員には人事院がございます。最高裁判所にも公平審査機能があるにはある。けれども、この公平審査機能というものを、この際より第三者的な能力を充実しなければ説得力がない。こういうことが私の第四番目の注文であります。 それから第五番目は、家庭裁判所をこの間見てまいりましたが、家庭裁判所の機能というものは非常に庶民的であり、雰囲気も一般の裁判所と違いまして、非常に能率的、能動的であります。たいへん私も勘考いたしました。この家庭裁判所の機能というものを思い切ってもう少し充実をする必要がある。本日調停委員の答申が出ておりましたが、それも大事かもしれぬけれども、家庭裁判所における機能というものは充実する必要がある。何か最近管理者だけ重視されるような傾向がありますが、実務家、実際やる人間を重視する必要があります。注文をいたします。 時間がありませんので、ほんとうはお答えをいただくところでございますけれども、機会を改めてお答えをいただくことにして、注文だけ五点申し上げて私の質問を終わります。
○中垣委員長 次は青柳盛雄君。
○青柳委員 田中法相にもお尋ねしたいことがありますが、最後にいたしまして、その前に最高裁にお尋ねいたします。 二十五期の司法修習生の裁判官志望の者に対する採否の決定はいつ行なわれる予定ですか。
○矢口最高裁判所長官代理者 今月の末、具体的には明日から三日間でございますが、採用の面接をいたす予定にいたしております。それが終わりまして可及的すみやかに裁判官会議で御決定をいただきたいと考えております。
○青柳委員 すでに十五期の判事補が判事採用希望を出した、それが今回は全員採用になったようであります。それは非常にけっこうなことだと思いますが、ところで、その同じ日に、問題の宮本康昭裁判官が熊本簡易裁判所の裁判官を辞退したいということで、辞職願いを熊本地方裁判所の所長に提出したということでありますが、これはその後どういう扱いになっておりますか。
○矢口最高裁判所長官代理者 熊本簡易裁判所の宮本裁判官が三月十四日付をもちまして辞任を申し出られたわけでございます。これは所属の簡易裁判所、地方裁判所、高等裁判所を経由いたしまして、最高裁判所に申達されたわけでございます。最高裁判所といたしましては、裁判官会議におはかりしました上で、内閣に送付するということに相なるわけでございます。
○青柳委員 そうすると、具体的には最高裁判所の裁判官会議での承諾といいますか、辞職願いの採択といいますかが決定されるのはいつのことですか。
○矢口最高裁判所長官代理者 書類が申達されましたので、先週の二十二日の裁判官会議におはかりいたしまして、内閣に送付することのお許しを得ております。
○青柳委員 その辞職願いには、辞職をしたい理由について何か文書上明らかにされておりますか。
○矢口最高裁判所長官代理者 一般的には宮本裁判官の個人的なものでございますので、その理由を申し上げるのもいかがなものであろうかという感じがいたしますが、差しつかえない限度としてお許しを得て申し上げるといたしますと、一身上の理由により退官いたしたいということを理由にしておられるわけでございます。
○青柳委員 その内容は別に本人が公表されて困るというような内容にはなっていないと思いますが、その辞表を出した三月十四日の日に新聞記者に会ってそして理由を述べたようであります。ですからこれは文書ではないわけでありますが、それは時間の関係上あまりくどく申しませんけれども、要するに自分が簡易裁判所の裁判官として二年間残って働いてきたことは、二度と再び自分のようにいわれなく判事任官を拒否されることのないように役立てばという気持ちであった。昨年は金野裁判官が自発的に判事任官希望を撤回したので任官拒否ということはなしに済んだわけであるけれども、実質的には一人拒否された形になっておる。しかしことしは事実上も拒否された人はないようなので、自分も一応の目的が達成されたと思うというようなことを言っております。それはそれなりに私どもよくわかるのでありますが、しかしもう一つの方面では、やはり自分に対する扱いが十分目的を達したということでやめるわけではないんだ。自分は野におりるけれども、引き続き任官を希望し、それが実現することを望んでいるんだ。望んではいるけれども、いまの段階では最高裁の態度というものは決して根本的に変わったようには思えないというふうに言っているわけであります。このほうが非常に重要だと思うわけですね。新聞の解説などを見ましても、この問題についての関係方面の人々の意見なども報道されておりますが、これでいわゆる青法協問題あるいは司法の危機といわれるようなものが解消してしまったわけではない。むしろこれは形を変えて、はでな形ではないけれども、隠然たる形で存続するであろう、そういう危惧の念が表明されているわけであります。私は、宮本裁判官がやめたということについて最高裁はどういう考え方、これについての感想といいますか、教訓といいますかを考えておられるのか、述べていただきたいと思うのです。
○矢口最高裁判所長官代理者 宮本裁判官が御指摘のように辞表を出されまして、記者会見をされていろいろとおっしゃっておるということは私どもも新聞紙上等で拝見いたしたわけであります。また一方、その辞任の理由として一身上の都合ということを述べておられますこともいま申し上げたとおりでございます。そういうことでございますので、宮本裁判官の今回の辞表の提出という問題につきましては、私どもはいまこの段階で考えを申し上げることはお許しいただきたいと考えております。
○青柳委員 それが宮本裁判官の個人的なことにわたる。採用しなかったことについても本人の希望があろうとなかろうとを問わずとにかく述べない。やめたことについてもいろいろ考えはあるけれども述べない。最高裁は、こういう事態について世間ではいろいろ注視しているにもかかわらず、こういうものから何らかの教訓をくみ取って、今後はどうするとかこうするとかいうことを言わないのか。それをはっきり言うべきではないか。それでこそ人事が公正に行なわれているということを国民に積極的に知ってもらうことになるのではなかろうかというふうに思うわけであります。私は、宮本裁判官が二年間簡易裁判所の裁判官という地位に甘んじているというと、いかにも簡易裁判所の裁判官のほうが他の判事裁判官、判事補裁判官に比べて見劣りするというふうにとられると困るわけでありますけれども、本人の希望は判事に任官してくれというのを、それはかなえられないで、たまたま任期が残っていた簡易裁判所の裁判官としてのつとめだけをやらなければならないという状況の中で、いろいろの苦しみを味わったと思うのです。それは本人の口からは新聞記者には語られていないようですが、しかし新聞記者のほうではこの点について、たとえば朝日新聞の三月十五日の朝刊によりますと、「同裁判官は「簡裁というものが司法全体の中で極めて冷遇され、まま子扱いにされていることを痛感した」と語ったが、「私生活上の困難や迫害も大きな動機になっているのでは」との見方も強い。」と書いている。これはラジオか何かでも解説されたのを私聞いたような気がするのです。あるいはテレビだったかもしれませんけれども、給料が据え置かれていたというようなことがあったようであります。これはほんとうでしょうか。
○矢口最高裁判所長官代理者 簡易裁判所の裁判官として約二年間おつとめになったわけでございます。その間昇給等が行なわれなかったということは事実でございます。
○青柳委員 それ以前から通算すると、二年ではなくてもっと長かったというふうにも解説があったように思うのですが、どうしてその間上げなかったわけでしょうか。
○矢口最高裁判所長官代理者 宮本裁判官は、簡易裁判所判事の専任におなりになります前は兼判事補として、実際上は判事補、しかも職権の特例のある判事補としての職務をおとりになっておったわけでございますので、簡易裁判所判事専任になられてからはいわゆる簡易裁判所判事専務でございます。したがいまして、簡易裁判所判事の方の問題として取り扱ってきておるというだけの理由によるわけでございます。
○青柳委員 この新聞の記事によれば、「同裁判官は、昨年十月開かれた裁判官懇話会の席上1四年近く給料が固定され、家族は精神的にこたえている」と漏らしたというふうに書いてあります。四年も同僚の、判事に任官された同期の裁判官がストップされているかどうか。そうでないとすると明らかに差別がそこで、簡易裁判所の裁判官というだけの理由によってされたことにもなるわけですが、同期の裁判官で判事に任用された方の給料はこの二年間に上がっているのでしょうかそのままでしょうか。
○矢口最高裁判所長官代理者 判事補から判事になりますと、これは俸給も判事の俸給の適用を受けるということに相なります。また判事となった以上、一定の年数がたちますれば上の号俸に昇給するということも考えられるわけでございます。宮本裁判官は簡易裁判所判事ということで、御承知のように判事、判事補と別個の体系による給与を受けておられるわけでございます。簡易裁判所判事として一般の方と同様の取り扱いがなされたというだけのことでございます。
○青柳委員 そのほか裁判所内のいろいろな待遇についても差別があるというのですが、たとえば宿舎などについては従来どおり判事補の宿舎にとどまっておったのか、それとも簡易裁判所の宿舎に移されたのか。またとどまっていたとした場合に移るように要求したような事実があるのかないのか。また簡易裁判所の裁判官には電話がついている宿舎はないようでありますけれども、まあ首席の方はどうかしりませんけれども、宮本裁判官の場合、簡易裁判所のほうの裁判官であるから宿舎の電話は取りはずすというふうにされたのかどうか。そういうような点はいかがでしょう。
○田宮最高裁判所長官代理者 宮本裁判官の宿舎の問題でございますが、宮本裁判官は昭和四十五年五月に熊本地裁に赴任されまして、その当時におきますところの特例判事補の規格でございます六十七・七六平米の宿舎に住んでおられまして、その後簡裁判事になられた時点におきましても、この特例判事補の規格は四号以上の簡裁判事の住まわれる規格でもございますので、そのまま住所は変わっておりません。それからまた電話の架設の問題でございますが、これも内部的には事務用電話の架設基準すなわち公用電話の架設基準というものをつくっておりまして、簡裁の判事さんの場合でも架設基準の中に当然入っておりまして、宮本裁判官が簡裁判事専任となった場合でもその電話を取りはずすということはなく、従前どおり使っていただいております。 以上でございます。
○青柳委員 時間がありませんので、この問題は一番聞きたかった点をはずされてしまいましたが、宮本裁判官がもうやめたからこれでやれやれというような考え方が、新聞でも最高裁判所側はこれでほっとしているんじゃないかというようなことまで書いてあるわけで、まあもう一年たったときにどうなるかという問題が自然に解消したような形で、ほっとしたというのもあるいは実感かもしれないと思うのですけれども、ほっとされてしまってこれだけの重大な世間を騒がした問題が、ときがたつに従って治癒してしまい、そして隠然たる形で司法の危機あるいは司法の反動なるものが続いていくことは、われわれとうてい許すわけにいきませんので、この問題は今後もまた最高裁に真意をただしたいと考えますが、きょうはこれでやめて、法務大臣に一点だけお尋ねします。 去る三月六日の予算の第一分科会で、私は名古屋高等検察庁の川口光太郎検事長が新聞記者会見にあたって公害問題について明らかに失言というか不届きしごくな発言をしたわけです。つまり公害問題が反体制運動に利用されているということは無関心でいられないようなことで、しかも青法協があちらこちらで被害者の人たちと会って相談をしたりしているのはまさに反体制運動をやっているのだみたいなことを言っている。この公安関係の、公害じゃありませんよ、公安関係の検察官として長いキャリアを持っていた人間らしく、相当反体制なんということについてうんちくでもあるかのごとくに言い、そして人道問題であるところの公害問題を扱うのは、それが社会的な関心の的になれば当然住民運動といいますか、大衆運動になるのはあたりまえだ。個々的には解決できないからどうしても大衆運動になる。大衆運動即反体制運動だ、こういうふうに即断をして、そして個々の被害者はお気の毒だけれども、これが反体制運動なるものに利用されてしまう、こういうことを言っている。田中法務大臣は、これは確かに舌足らずであって失言であるというふうにお認めになって、そしてこの失言を大臣に向かっておわびをするというのではなくて、むしろこの被害者を含む関係者に謝罪をすべきではないかということを意見として申し上げまして、結局大臣も文書で、公開質問状を出されたのだから文書にして差し上げる。差し上げるのはいいけれども、それを郵便で送りつけるとかあるいはほかの者に持っていかせるとかいうようなことでなしに、自分でその文書を関係者にお渡しするということがいいのじゃないかということをくどく申しまして、大臣もそれが一番礼儀にかなったことだと思うというふうにお答えになった。その後、翌日でしたか、当日でしたか、またこの川口さんが名古屋で新聞記者会見をやりまして、結局は失言とは思わない。失言というのは言い過ぎることなので、今度の場合は言い足りなかったのだから失言じゃないのだというようなことを、これこそ全くの詭弁だと思いますが、この点は大臣は言い足らなくても言い過ぎても失言ということになるのだとこの前の分科会ではっきり分析しておられたのです。それにも反するようなことを言って、あやまるつもりはなさそうなことを言っている。回答は次席検事に渡しており、次席を通じて回答するのだ、たいへん忙しいからいまのところ質問を提出した人たちに直接会って文書を渡すなんということは考えておらない、こういうふうに記者会見で開き直りをやっているのですね、これは世間で聞いてみると。国会で法務大臣が非常に遺憾であると言われているのに、なにくそ首にするならしてみろと言わんばかりの開き直りの態度とすら私は思えるのでありますけれども、その後どういう状況かお調べになったことがありますか。
○田中(伊)国務大臣 本件はたいへん恐縮に存じます。 そこで、私が前回委員会で御質問に対して申し上げましたように、文書で究明をされておるのだから、公開質問状といわれるものをもらっておるのだから、口頭よりは文書で責任ある回答をさせるほうがよかろうと存じますということを申し上げました。その文書の渡し方でございますが、これは礼儀を尽くしまして、御無礼にならないようにということを留意させますということをたしか私委員会で申し上げた記憶がございます。その後、私同様のことを、慎重にえりを正してやれよということをよく申し聞かせまして、それでたいへん丁重な文章ができまして、その文章を本来ならば本人が持っていくべきでありましたが、だんだん情勢を探ってみましたら、とても本人が持っていったって受け取ってもらえる筋のものではないという情勢がございまして、そこで次長がまずこの文章を丁重に持っていっておわびのことばを述べ、文章を一人一人別々に受け取ってもらいたいということを訪問をいたしまして懇請をしたのでありますけれども、はねつけられた。それは無理もありません、そうかそうかとおっしゃるはずもありませんが、ずいぶん丁重に持っていきましたが、受け付けてくださらないので、それを持ち帰りまして、そうして北村利弥様、これは公害訴訟弁護団の代表者団長でございますが、北村利弥様、弁護士さんと思いますが、この人を含めまして外十二名、合わせて十三名の代表者の皆さま方に郵便をもってこの文章をお送り申し上げたという経過になっております。それで、おまえ礼を尽くしてないのではないかというおことばがあると私がまた恐縮をするわけでございますが、どうもいろいろおわびを言うてみたが受け取ってくださらぬということで、しかしとにかく届けなければなるまい、文章をいただいておることだからということでそれをお送りをしたという事情でございますが、どうぞ御了承をいただきたいと思います。
○青柳委員 それは礼を失するじゃないかと言われるとまた申しわけないと言って先回りをされたのですが、その前提に、お会いしてお渡しするようなことは受け入れてくれないだろうというふうに大臣いまおっしゃったけれども、そんなことはないのです。一々持っていって渡すという、そういうことまで私どもとしては期待してなかった。最初から、お返事をいただけるのはいつでございますか、それをあらかじめお知らせいただければ参りますというので、三月の二十二日にいらっしゃい、午後三時にいらっしゃいというので、みんな、イタイイタイ病は富山のほうから、それから四日市ぜんそくの人は三重のほうからわざわざ名古屋に行って、そしてお目にかかれると思ったところが、急用だという理由ではあるけれども、岐阜に出張してしまったからいないと言って、次席が何やら書いたものを渡そうとした。これではまずいわけなんで、私は、今度こそお会いできると思いますからいつ幾日にお越し願いたいと言えばみんな集まるに違いないのですよ。それを何かお会いするような状況ではないと一方的にきめ込んで、そして新聞記者には、やることがたくさんあるから当分そんな考えはない、着任後間もないのでやるべきことが済んでいないから会えないのだ、こういう逃げる態度、自分の非を追及されるのがこわくて逃げる、役人の最も悪いやり方を露骨に出していると思うのですよ。だから、いま言われるとおり結局は書留郵便か何かで送りつけて、これで一件落着だというふうにでも思わせようとする、これは適格審査の対象になるような行為ではないかと私は思います。 それだけで終わりにします。
○中垣委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○中垣委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がございませんので、直ちに採決に入ります。 採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○中垣委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○中垣委員長 本法律案に対し、大竹太郎君外四名から、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党、民社党、五党共同提案にかかる附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 この際、提出者から趣旨の説明を求めます。大竹太郎君。
○大竹委員 私は、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の五派共同提出にかかる本法案に対する附帯決議案について、提出者を代表してその趣旨を説明いたします。 まず、案文を朗読させていただきます。 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 一、近時における訴訟遅延の現象は、裁判官その他の裁判所職員の不足と裁判所の施設の不備によるところも大きい。 よつて政府並びに最高裁判所は、裁判所職員の増員と裁判所の施設の充実等について予算の増額その他適当な措置を講じ、もつて裁判に関する国民の信頼にこたえるよう努力すべきである。 一、政府は、最高裁判所裁判官国民審査の方法等について検討すべきである。 一、政府並びに最高裁判所は、可及的すみやかに執行官法附則及び同法に関する附帯決議の実施を図るとともに、執行官制度の根本的な改善を図るべきである。 以上であります。 本案の趣旨については、委員会の質疑の過程で明らかになっておりますので、詳細は省略をさせていただきますが、何とぞ本附帯決議案に対し賛成されんことをお願いいたします。
○中垣委員長 これにて附帯決議案の趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 大竹太郎君外四名提出の動議のごとく決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○中垣委員長 起立総員。よって、大竹太郎君外四名提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。 ただいまの附帯決議に対し、田中法務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。田中法務大臣。
○田中(伊)国務大臣 ただいまの附帯決議の御趣旨を尊重いたしまして、努力を重ねてまいる所存でございます。 —————————————
○中垣委員長 おはかりいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中垣委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○中垣委員長 次回は、明二十八日水曜日午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時五十八分散会