文教委員会 第34号
- 発言数
- 36 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1973/07/25
会議録
○田中委員長 これより会議を開きます。 この際、一言申し上げます。 日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の委員は、いまだに御出席になりません。そこで、この際やむを得ず委員会を開会いたすことにいたします。 西岡武夫君外五名提出、学校教育法等の一部を改正する法律案を議題とし、提案者より提案理由の説明を聴取いたします。藤波孝生君。 —————————————
○藤波議員 ただいま議題となりました学校教育法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 まず第一は、専修学校制度の創設であります。現行の各種学校制度は、その対象、内容、規模等においてきわめて多様なものを、学校教育に類する教育を行なうものということで、一括して簡略に取り扱っております。 よって、この際、当該教育を行なうもののうち、所定の組織的な教育を行なう施設を対象として、新たに専修学校制度を設けようとするものであります。 第二は、私立幼稚園の振興であります。 私立幼稚園は幼稚園全体の六割強を占め、幼稚園の普及発展に大いに貢献しておりますが、そのうち三分の二は宗教法人立と個人立であります。これらのなかには施設、教員組織など教育を行なうための条件が不十分なものがあり、一般に財政事情が苦しいために父兄負担が過重になる傾向があります。一方、現行法のたてまえは、公の助成は学校法人立のものに限られています。そこでこの際、学校法人以外の者によって設置された私立幼稚園の健全な発達をはかるため、これについても公費による助成措置を講ずることができることとし、あわせて、その学校法人化を促進する必要があります。 次に、法律案の内容について申し上げます。 その一は、学校教育法第一条に掲げる学校以外のもので、職業もしくは実際生活に必要な能力を育成し、または教養の向上をはかることを目的として所定の組織的な教育を行なう施設は、これを専修学校とし、他の法律に特別の規定があるもの及び外国人学校は除くこととしております。その二は、専修学校には、高等課程、専門課程または一般課程を置くこととし、その三は、専修学校の名称、設置等の認可、設置者等に関する規定を整備しております。その四は、国または地方公共団体の助成対象となる学校法人のうちには、当分の間、学校法人立以外の私立幼稚園等の設置者を含むものとし、さらに補助金を受ける私立幼稚園等の設置者は、補助金を受けた翌年度の四月一日から起算して五年以内に、当該学校が、学校法人立になるように措置するものとしております。その五は、日本私学振興財団の貸し付け等の対象に、当分の間、学校法人及び民法第三十四条の法人以外の私立幼稚園等の設置者を加えることとしております。 最後に、この法律は、公布の日から起算して一カ月を経過した日から、専修学校関係は公布の日から起算して六カ月を経過した日から施行することとし、この法律施行の際、現に存する各種学校で専修学校の教育を行なおうとするものは、その設置認可を受けることにより、専修学校となることができることとしております。 以上が、本法律案の提案理由及び概要であります。 何とぞ、十分御審議の上、すみやかに御賛成くださるようお願い申し上げます。
○田中委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 本案に対する質疑は、後日に譲ります。 ————◇—————
○田中委員長 次に、内閣提出の学校教育法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山崎拓君。
○山崎(拓)委員 学校教育法の一部を改正する法律案の質疑を行なわしていただきますが、その前に、本委員会のメンバーの一人といたしまして、一言申し上げたいことがございます。 それは、本国会第二回目の会期延長の初日におきまして、従来の陋習を破り、直ちに国会の審議を再開されました委員長の英断に対しまして深甚の敬意を表したい、かように考える次第であります。 私も一年生議員といたしまして、七カ月にわたって国会審議の実態に触れてまいったわけでございますが、その間、野党は反対のための反対、審議引き延ばしのための審議を繰り返してまいったわけであります。本国会、この文教常任委員会に提案されております重要法案のうち、筑波大学法案がわずかにこの衆議院文教委員会において成立したのみでございまして、まさに会期再延長の責任は野党にある、私はこのように考える次第であります。その意味におきまして、われわれは、国会は審議の場であるという大前提を踏まえまして、延長後も実のある審議を重ねてまいりたい、このように考える次第でありまして、まず所見を申し述べまして質疑に移らしていただきます。 この学校教育法の一部を改正する法律案、いわゆる教頭法は、すでに数次にわたりまして国会に上程された法案であります。そのたびに廃案となってまいったわけでありますが、私は、そのことのために、どれくらい日本の教育の正常化がおくれてきたかということを、心から憂えあるいは返省をしておるものであります。 私は福岡選出の代議士でございますが、福岡県というのは御案内のとおり、日本の中でも最も教育現場の荒廃した県でございます。ここ二十数年にわたりまして、県教育界は常に闘争に明け暮れてまいりました。勤務評定の反対あるいは学力テスト反対、道徳教育反対闘争等々、常に福岡県は教育闘争で明け暮れてまいったわけでございます。 私もかつて福岡県議会の議員として籍を置いたことがございますが、県議会が開かれるたびに、議場の周辺をヤッケ姿で取り囲み、議事を妨害してまいったのは、まさしく福岡県の学校の先生方の姿であったわけであります。私はそのような姿を見まして、このような教師諸君が、ほんとうに日本の次代をになう青少年の教育を行なう資格があるのかということについて、憤激の念にたえなかった次第であります。福岡県の先生方にとどまらず、今日の日教組の実態というものを考えてみまするに、選挙や政治に血道を上げておりまして本来の職責を忘れておる姿が、あまりにも目に余るものがあるわけであります。 かつて昭和四十三年、福岡県におきましては、校長着任拒否闘争という未曽有の不祥事件が起きました。これは従来福岡県におきましては、校長先生を組合の推薦によって選んでおったわけでございますが、この年から県教委の決断によりまして、組合推薦ならずとも、校長先生としての資格を十分備えた、りっぱな先生がおられました場合には、校長に選任するということに踏み切ったわけでございます。このときに組合は、もちろんこの校長の選任に対しまして非常な反対闘争を起こしまして、現場において校長着任拒否闘争という物理的な、暴力的な妨害をあえてなしたわけであります。このような姿を私は見ておりまして、学校の管理運営と教育のあり方について、一体これはどうやっていったらいいのかということを、ほんとうに真剣に悩んだものでございます。 その点について、まず基本的にどういう考えをお持ちであるか、文部大臣にお伺いしたいと思います。
○奥野国務大臣 いろいろお示しになりましたように、福岡県におきましてはたいへん不幸な事態が続いてまいった、かように考えておるわけでございます。やはり先生につきましては、先生の人格そのものが児童生徒に反映していくのだという自覚を持ってもらいたい。ことに幼児の場合には手ぶり、足ぶりから先生を児童生徒は見習っていくのだという自覚に立って行動してもらいたいものだ、こう念願をしているものでございます。それだけにまた、先生方には高い使命観あるいは深い愛情ということが求められておるわけでございますけれども、そういう面についての自覚の乏しい先生方のいらっしゃることは事実でございますし、またそれがいろいろな意味において、今日国民の多くの心配の的になっている点でもあろう、かように考えておるわけでございます。 小学校、中学校、高等学校の教育をどう運営していくか、教育が充実いたしますように運営が進められていかなければならない、その運営の責任の頂点に立っておる者は校長さんでございますので、あくまでも校長さんの指図、決定するところに従って、先生の皆さん方が教育に当たっていただかなければならない、かように考えるわけでございます。にもかかわらず、教育の現場が、何か管理者と先生方とが対決するような姿に持っていかれておるところがかなり多いようでございます。あるいはまた、先生方が組合の立場において決定したことを、校長さんがのまなければならないというような仕組みをおとりになっているところもあるようでございます。しかし、学校におきましては、どう運営していくかということは、あくまでも行政の一環としてお考えいただかなければならない。労働組合の対決の場だというような誤解はいやしくもあってはいけないのではないだろうか、こう考えるわけでございます。また、そういう意味において、父兄の中においては、先生方が教育に血道をあげないで、組合運動に血道をあげておられるじゃないかという批判が、私のところへずいぶん投書が参っておるわけでございます。こういうことを考えますと、やはり先生方は教育に真剣に打ち込んでいただく、その運営はやはり校長さんが責任を持って当たっていただく、それに従って先生方が努力を続けるというような本来の姿をぜひ早く確立していきたいものだ、かように念願をしておるところでございます。
○山崎(拓)委員 ただいま大臣が御指摘をされましたとおり、福岡県におきましては、従来校務運営内規によりまして、職員会議が最高の議決機関とされてきたわけであります。この根拠につきましては、日教組は、学校は人間教育の場であって教師一人一人が直接生徒に対して責任を持って教育を進めなければならない、そういう観点から、全部の先生がお互いに平等の立場で意見を述べあって、自主的、民主的に学校運営をやっていく必要がある、こういう論拠をもちまして、職員会議が学校運営の最高の議決機関である、このようなたてまえをとってまいりましたし、そのように実際に動かされてきたわけであります。このために校長先生が実際に管理者としての機能を果たし得ないできたわけでございまして、いろいろな弊害を生んでまいったわけであります。 そのことに関連をいたしまして、去る二月一日福岡県教育委員会は「校務運営の適正化について」という通達を出しまして、福岡県立学校規則の一部を改正したわけでございます。その中身についてはすでに御存じと思いますが、職員会議は校長の諮問機関であるということを明確にいたしますとともに、職員会議は校長が招集し、主宰するものである、このように通達を出したわけであります。 この学校規則の一部改正をめぐりまして、また教育現場で非常な衝突が起こってまいったわけでございますが、この措置につきまして文部省はどう考えるか、岩間初等中等局長に御答弁をお願いしたいと思います。
○岩間政府委員 私どもは、これは当然の措置であるというふうに考えております。学校の責任は校長が持つべきものであって、しかし、教員の方々と意思の疎通ということは、もちろん必要でございます。そのことを否定するわけではございませんけれども、あくまでも校長が責任を持つべきものであって、職員会議は、校長が学校の運営の一環といたしまして、先生方の意見を吸い上げあるいは校長の意見を伝えるというふうな場であるべきものだというふうに考えております。 なお、職員会議が議決機関であるというふうな考え方、これは国の政治全体における国会あるいは大学における教授会というふうなものを理論的な根拠にしておられると思いますけれども、これは高等学校以下の学校につきましては、そういう仕組みはとられていないわけでございまして、福岡県の教育委員会がとりました措置は、きわめて当然のことであり、妥当なことであるというふうに考えております。
○山崎(拓)委員 今日もなお福岡県下の二十数校で、管理職、これは教務部長、生徒部長、総務部長等々という肩書きがついておりますが、管理職の選挙を組合管理下の職員会議で行なっておる。しかも、職員会議は、即、実態的に組合の分会である、こういう実情であります。こういう実情ではたして学校の管理運営ができるものかどうか、あるいはこの組合の分会というものが学校の管理運営に関与することができるのであるかどうか、この点についてお答えをいただきたいと思うのであります。
○岩間政府委員 ただいまも申し上げましたように、学校というのは校長先生を中心として実際の運営が行なわれるというのがたてまえでございます。また組合が人事等に介入をするということはこれはあくまでも差し控えなければならないことでございます。そういう意味からいいまして、ただいま御指摘になりましたようなことは、きわめて不適当なことでございまして、教育委員会のほうでも、その点につきまして従来から努力をしてこれを改めるという方向でまいっていることは、これは当然であるというふうに考えております。
○山崎(拓)委員 このたびの県教委の通達によりますと、教頭は「校長を直接に補佐し、校務を整理するもので、校務運営上重要な地位にあり、各校務組織間の連絡調整を図るとともに、各校務分掌組織の運営について指導助言するものであるから、校務運営組織上、その地位を明確に位置づける必要がある」、このように教頭につきましても付言をいたしておるわけでございます。しかし、今日までの実情につきましては、組合側は教頭を管理職とみなしてないわけでございまして、現実に教頭は、校長の職務代理を行なえない状態で推移してまいったわけであります。 今日、教頭の地位につきましては、すでに「教頭は、校長を助け、校務を整理する。」という施行規則の規定がございますが、この規定で、はたして校長に事故あるとき、校長の職務代理を行ない得ると考えることができるかどうかにつきましてお答えを願いたいと思います。
○岩間政府委員 ただいま先生から御指摘になりましたように、学校教育法の施行規則におきまして教頭の職務内容が規定されているわけでございます。また、いま御引用になりました県の教育委員会の定めは、これは施行規則の範囲内での定めでございまして、適切な定めであるというふうに考えています。 ただ、ただいま御指摘になりましたような校長の職務代理というものが法的にできるかどうかという問題になりますと、これは事実上、いろいろ校長先生にかわってお仕事をされる、あるいは部外者等に接せられるというふうなことはございましても、法的に校長の専権でございますたとえば入学でございますとか、そういった問題につきまして、その職務代理権限があるかと申しますと、これは疑問な点が多いわけでございます。まあ消極的に解するというほうが、むしろただいまのところでは適当じゃないかというふうに考えているわけでございます。したがいまして、今回のような法律をもって教頭の地位あるいは職務内容を明確にするということがなければ、そういうふうなことはできないというふうにお考えいただくほうが正確ではないかというふうに考えている次第でございます。
○山崎(拓)委員 全国の公立学校教頭会が、教頭の職務内容についての調査を行なっております。この調査の内容を見ておりますと、たとえばただいま申し上げました校長不在のときの代行権がはっきりせずに困っておるというようなお考えをお持ちの方が、非常に多い数字が出ておるわけであります。また同様に、先ほど申し上げました組合の考え方でありますが、組合意識が非常に強くて、教頭の管理的な立場を認めない、こういう点も非常に困った問題として非常に数多くの教頭先生が指摘をしておられるわけであります。 少し論点を変えますが、現在全国に教頭先生は何人おられて、その教頭先生の中で、組合に属してある方がおられるかどうか、お聞きしたいと思います。
○岩間政府委員 いま教頭先生の数は、小学校におきましては国立が七十一、それから公立が二万二千百五十九、私立が百六十一、合計いたしまして二万二千三百九十一の学校があるわけでございます。その中で、教頭のいない学校というものを見ますと、国立ではございません。公立で三千八十七、私立で五十九、合わせまして三千百四十六ということでございまして、大体六学級以上の学校にはほとんど教頭が置かれているというふうな実態になっております。 それから中学校につきましては、国立が七十六、公立が一万六百八十五、それから私立が五百六十七ございますが、そのうちで国立には全部教頭は置かれております。公立は四百九十一校が教頭が置かれておりません。私立では三百九十九校が教頭が置かれておりません。これは私どものほうで三学級以上の学校に教頭を置くということが原則だというふうな指導をしているかげんもございまして、三学級を下回る学校につきましては、教頭が置かれていないということであろうと思います それから、そのうちどのくらいが組合に入っているかというふうなことでございますけれども、現在教頭は管理職でございますから、そういうものが職員団体に入っておりますと、それが正規の職員団体ではないというふうなことになるわけでございますので、正規の職員団体には、そういう者はいてはならないことになるわけでございます。
○山崎(拓)委員 まあ教頭先生は管理職でございますから、組合に入っていないのは当然であるわけであります。教頭先生が管理職であるという考え方につきましては、今日まで非常に歴史的な経過があるようでございますが、戦前、昭和十六年制定の国民学校令におきましては、「教頭ハ学校長ヲ輔佐シ校務ヲ掌ル」このようになっておるわけであります。ところが、戦後の学校教育法の中では教頭の地位は定められなかった。この点について昨年の国会、文教委員会におきまして、野党の委員からそこに問題があるのではないか。そもそも戦後の学校教育法の中では、教頭は管理職としてその地位を最初から定められていないのであるという点の指摘が行なわれておるわけであります。この点についてどうお考えでしょうか。
○岩間政府委員 確かにそういうふうな御質問がございまして、私のほうからお答えいたしましたのは、これは学校教育法が占領下につくられました法律で、おそらくその当時の関係者といろいろ折衝したであろうけれども、向こうのほうが、これは教頭というものの存在がわからなかったのじゃないかというふうなことを申し上げたわけでございます。その後数字を調べてみますと、アメリカでは教頭が置かれておりますのはわずかに五%でございまして、ほとんど教頭というのは置かれておらないといってもいいぐらいなところであろうと思います。したがって、それについての規定というのはわからなかった、あるいは少なくとも必要がなかったと判断したことではないかということでございまして、そのときの事情を、その当時立法に参加されました方々の意見をいろいろ聞いてみたのでございますけれども、あまり明確な記憶がございませんで、よくわからないわけでございます。正確なことは申し上げられませんけれども、たぶんそうではなかったかということでございまして、私どもは教頭の、その必要がなかったからというふうには思っていない次第でございます。
○山崎(拓)委員 その後昭和三十二年に文部省令であります学校教育法施行規則の一部改正が行なわれて、第二十二条の二の第三項において「教頭は、校長を助け、校務を整理する。」という一項が入れられたわけであります。しかし戦前の国民学校令では「教頭ハ学校長ヲ輔佐シ校務ヲ掌ル」、今日の学校教育法の中の校長の職務というのは「校務を掌り、所属職員を監督する。」こうなっておるわけであります。この施行規則の一部改正によって、教頭は、明確に教頭の身分、職務の権限の規定が設けられ、管理職としての機能を備えた、このように考えて差しつかえありませんか。
○岩間政府委員 御指摘のとおりでございますけれども、これによって管理職としての形を整えたということは事実でございますが、私どもの考えておりますのは、従来から実質的に教頭というものがあって、学校の運営につきまして校長を助けてきたわけでございます。したがって、その事実を基礎にいたしましてこういう規定を設けたわけでございますから、その管理職であるという職務の性格につきましては、従来と変わりはない。しかし、明らかな法的な根拠というのはなかったわけでございまして、先生が御指摘のとおり、こういうふうなはっきりとした職務内容を規定することによりまして、その教頭の管理職としての地位をますます明確にしたということであろうというふうに考えております。
○山崎(拓)委員 その後昭和三十五年以来管理職手当が支給されております。また昭和四十一年のILO第八十七号条約批准に伴い、ILOの体制に入ったわけでございますが、人事院規則の別表改正によりまして、国立学校の校長、教頭が「管理職員等」と規定されたわけであります。それに伴って文部省はどういう措置をとられましたか。
○岩間政府委員 私どもは教頭の地位というものを明確化いたしますために、今回提出いたしております法律案、これを前々から準備をいたしまして、教頭の地位を一そう明確にし、その職務内容を規定したいというふうに考えたわけでございます。それが一番大きなことでございますけれども、その間におきまして、教頭の管理職手当の引き上げというふうなことにつきましても、私どもその地位の重要性から考えまして努力をしてまいったつもりでございます。この法案が成立いたしました場合には、さらにその待遇その他につきましても一そう明確な方向がとられるというふうなことも期待をいたしておるわけでございます。
○山崎(拓)委員 「管理職員等」というのは、どういう定義で説明できますか。「管理職員等」について説明してください。
○岩間政府委員 管理職員につきましては、実態的な考え方と、それから形式的と申しますか、たとえば管理職手当を支給される範囲と、やや違った面があると思いますけれども、それからまた労働法規関係でございますか、労働組合あるいは職員団体等にはいれるかどうかというふうな区分の問題、その三つぐらいから規定できると思います。 学校の運営上から申しますと、実際に教育を行ないます者は教諭でございますけれども、そういう人たちに対しまして適切な指導を与える、それから、その職務について監督をする職務、そういうものを持っておられる方々でございますから、校長、教頭というのは一つの線の引き方でございますけれども、しかしながら、学校の規模等によりましては、さらにいま言っておりますような学年主任でございますとか、教務主任でございますとか、そういう方々もある意味では管理職と申してもよろしいのではないかというふうに考えるわけでございます。その実態の上に立ちまして、こういう方々に対しまして管理職手当を支給するかどうか、これは給与上の問題としていろいろ問題があるわけでございますけれども、現在のところは校長と教頭が管理職手当が支給されているわけでございます。 その他の管理的な職務を行なっている者につきましても、これは管理職手当を支給するというふうなことが人事院等できまりました場合には、管理職手当の支給ができる。 それから、以上のような二つの実態を踏まえまして、そういう者が職員団体なり、私立の場合は労働組合でございますが、そういうものにはいれるかどうか、はいった場合に、そういうものが労働組合でなくなる、あるいは職員団体でなくなるというふうな労働法規的な考え方があるわけでございますけれども、現在のところは、学校につきましては、校長、教頭が入っているような労働組合あるいは職員団体というものは正規なものではないというふうになっているわけでございますが、これはさらにその実態とかあるいは手当の支給の関係、そういうふうないろいろな要素から規定されるべき問題でございます。やはりその基礎になりますものは、実態と申しますか、管理職的な職務を行なっているかどうか、これが一番大きな判断の分かれ目であろうというふうに考えられるわけでございます。
○山崎(拓)委員 管理職というのは、地公法によりますれば、「管理若しくは監督の地位にある職員」となっておるわけでありますが、日教組は、教頭は特に職員の監督者ではない、こういう解釈をいたしておるわけでありますが、その根拠といたしまして、学校教育法の中に明確な教頭の職務の位置づけがないということがございますし、また、一方の面では、教員は独立不鶴の存在である教育権を持っておるということ、それから、教育課程の自主編成権を教員が持っておる、あるいは教育の内的事項に関しては教育行政権は存在しない、これは教育基本法第十条の拡大解釈に基づいてこういう議論を展開しておるわけでございますが、このような、教頭は職員の監督者でないという議論に対しまして、どうお考えでしょうか。
○岩間政府委員 いま学校教育法の施行規則で教頭の職務内容等につきましては規定があるわけでございますけれども、ただいま御指摘になりました教頭はこれは教諭をもって充てるわけでございますから、教諭の連中は、私らの仲間だというふうな議論が出るということは、これはある意味では当然のことかもしれません。 そこで、そういうふうな地位を明確にするためにこのたび法律案を提出いたしまして御審議を願っているところでございますけれども、しかしながら、実際的な問題としましては、京都府におきましてすら、教頭は管理職だということをはっきりきめられているわけでございまして、いままでの沿革あるいはそういうふうな各県の規則等におきまして、その点は私は明確になっているのではないかと言ってもよろしいのではないかと思います。ただ、教諭の身分でもって教頭を発令されているというふうな点が、いかにも不自然といえば不自然なわけでございまして、そういう点につきまして御審議を願っている次第でございます。
○山崎(拓)委員 先ほどの公立学校教頭会の調査によりますと、教頭先生が、教頭の職務の中で特に重要と考えておる項目の中で最大のものは、校長の補佐、その次は管理運営、さらに職員指導、こういう順序になっておるわけであります。これらはいずれもいわゆる管理者として最も重要な職務でございますが、その管理職としての職務を全うせしめるために、やはり法の整備はもう少し徹底させなければならない、これはもう常識であろうかと思うわけであります。 そこで今般、学校教育法の一部を改正する法律案の中で「教頭は、校長を助け、校務を整理し、及び児童の教育をつかさどる。」とともに「校長に事故があるときはその職務を代理し、校長が欠けたときはその職務を行なう。」こうなっておるわけでございまして、このことによって教頭の職務の内容というのが明確に位置づけられるものと考えますが、いかがなものでございましょうか。
○岩間政府委員 法律上の文句でございますからまだ意を尽くさない点が多々あることは、ただいま先生御指摘のとおりでございますけれども、しかしながら、法文としてあらわせば、教頭の現在の地位、それから職務内容、まあまあこの表現で一応余すところなく表現できたというふうに私どもは考えておる次第でございます。
○山崎(拓)委員 時間が参りましたので、これで私の質問を終わらしていただきますが——それではもうしばらく続けさせていただきます。 この教頭の職務上の権限について少しお伺いしたいのでございますが、教頭は職務命令を発する権限あるいはただいまのこの法律案の中に明確に出ておりますように、校長の代行を行なう補佐の権限あるいは指導、助言の機能等あると思うのですが、教頭の職務権限につきましてどのように考えておられるか、お伺いしたいと思います。
○岩間政府委員 校長の職務権限につきましてはただいま先生が御指摘になりましたようないろいろなものがあるわけでございますけれども、まず「教頭は、校長を助け、」ということでございますから、校長の補佐機関としての役割りが一番大きいわけでございます。 それから「校務を整理」するというふうなことがございますから、先ほど来先生が御指摘になりましたように、いろいろな管理的な職務あるいは教員の指導、そういうものをやっていただくということになるわけでございます。 ちなみに、現在普通の行政官庁におきましては次官の職務内容の規定が、やはり同じように大臣を助けて省務を整理するというような書き方をいたしております。そういう意味では、役所の次官の役割りと申しますか、そういうものが頭に浮かぶわけでございます。やはり学校の場合でも同じように校長先生を助けて、実際に校長先生にかわっていろいろ職員の監督等もやっていく、あるいは指導もやっていくというふうなことであると思います。しかしながら、法律的に申しますと、少しかたくなるものでございますから、たとえば稲葉前文部大臣あたりは、これはお世話役だというふうな表現を使われましたけれども、実際に一般の先生方と校長先生の間に立ちまして、その橋渡しと申しますか、をやる潤滑油的な役割りというのもこれは無視できないものであると思います。しかしながら、法律上の表現としては、そういうものは「校務を整理」するというふうな表現でしか出ていないわけでございますけれども、私は、そういうふうな潤滑油的な役割りは、非常に大きなものではないかというふうに考えておるわけでございます。 なお、やはり法律の文章の中に書いてございますように「教育をつかさどる。」ということも、一つの職務としてあげられておるわけでございます。現在、教頭先生の職務内容の実態を見ますと、やはり教頭先生も一週間に十六時間くらい——これは小学校でございますが、それから高等学校の場合には十七時間当たり、それから中学校になりますと、これは小さな規模から置いておりますので教科の関係がございまして、教頭先生もお手伝いをしなければということで、二十時間くらいの実際の教育を行なっているというふうな実績があるわけでございます。したがいまして、大規模の学校では、そういうふうな教育から離れまして、実際に校長先生を助け、また所属の職員につきまして、いろいろ指導等も行なうというふうなことでございましょうけれども、小規模の学校につきましては、やはり教育をつかさどっていただく機会が多いのじゃないかということで、今度の法律案にもそういう規定を入れさしていただいたような次第でございます。 それから、法律上の権限として一番重要なのは最後に先生から御指摘ございましたような、校長に事故がございますときに、その職務代理を行なうということであろうと思います。これは法律上どうしても規定がなければ、そういうことは実際にはむずかしい点もあるわけでございまして、校長先生にかわっていろいろやっていただく事実行為というのは、いままでもありましたけれども、今度は法律上、晴れて校長先生の職務代理を行なうというふうなことでございまして、これは法律的に見ますと、なかなか重要な規定ではないかというふうに考えておる次第でございます。
○山崎(拓)委員 ただいまお話のありました点ですが、教頭先生が、今度の改正案の中にもありますように、児童生徒の教育をつかさどるという教員の仕事を実際やっておられる。この調査によりましても一時間から五時間やっておられる方が四二%、六時間から十時間やっておられる先生が二六%、したがって五時間から十時間くらい授業に出る教頭先生が七〇%程度いるということであります。 このことはどういうことであるかというと、教頭は管理職として専念しようとすると、授業に十分力を入れることができない。逆に授業を全うするためには、管理職としての職務におざなりな点が出てくるという、そこが教頭の悩みであるということが報告されておるわけでございますが、この点についてどうお考えですか。
○岩間政府委員 ただいまも申し上げましたように、小さな規模の学校につきましては、たとえば三学級の中学校でございますと、先生が七人しかおられません。ところが教科の数が九つございまして、どうしても二つの教科は穴があくというふうな実態がございます。それからあと研修でございますとかあるいは事務連絡でございますとか病気でございますとか、先生が御不在になる機会もあるわけでございまして、そういう際にはどうしても教頭先生にも授業をやっていただくということが必要になる場合があるわけでございます。しかしながら、ただいま先生御指摘のように、大きな規模の学校におきましては、そんなことはやっておられないというふうな実態があるわけでございます。 その上にまた授業までやるということはなかなか酷だといえば酷な場合もあるわけでございまして、この点につきましては、解決の方法は二つあろうと思います。 一つは、教頭先生が完全に授業から離れて専念をしていただくというふうなことであろうと思います。それからもう一つは、教頭先生一人じゃなくて、もっとたくさん置いてもいいじゃないか、それぞれ職務分担いたしましてやれば、そういう道もあるのではないかということがあるわけでございます。 この問題は私ども今後の非常に大事な検討課題であろうというふうに考えておるわけでございますけれども、ただいま御指摘になりましたような事実がある、それに対してどう対応するか。これにつきましていろいろな考え方がございますが、そのうち、大きく二つに分ければそういういま申し上げましたようなやり方があるということでございまして、これは先生方からもいろいろお教えを願いまして、これにつきまして正しい方向をとるということが必要ではないかというふうに考えておる次第でございます。
○山崎(拓)委員 ただいまの問題は、たとえば教頭の研修の問題これにつきましても、研修は先生にとって非常に大事なことでありますけれども、教頭先生はなかなかその時間がとれない、実態的には一時間から、二時間の研修しか行なっていない教頭先生というのは二〇%も存在する、あるいは全く研修が行なわれてない教頭先生も存在する、こういう指摘があっておるわけであります。そういう点から考えましても、すでに今日までの本法案の審議の中で、教頭先生の定数はワク外に置くべきでないかという議論がしばしばなされておるようでございます。したがって、この点についてはぜひ重要な検討課題としてお考え願いたいと思う次第であります。 さらに、このようなたいへん荷の重い教頭先生の手当の問題でございますが、管理職手当につきましてももちろん全国一律でないわけでございますし、また一等級の格付けがなされておる県も何県かあるやに聞いておりますが、大部分は二等級のままに据え置かれておる、こういう待遇の実態でございます。したがいまして、もちろん本法案が成立をすることを熱望いたしておりますが、同時に、この処遇の面におきましても、その裏打ちをしてあげなければならないのじゃないか、このように考えるわけですが、局長のお考えを聞きたいと思います。
○岩間政府委員 この問題につきましては、非常に基本的な問題でございますので、大臣からお答え願ったほうがほんとうはよろしいかと思うのでございますけれども、私からいままでの経過等を申し上げますと、ただいま御指摘のとおり、教頭の待遇につきましては管理職手当というふうなものが一つあるわけでございます。これは東京都あたりでは、教頭につきまして一三%というふうな手当があるわけでございますけれども、ほかの県では大体八%ということになっておるわけでございます。また、御指摘を受けましたように、ほんの一部の県で校長と同じように一等級に格付けをしている県がございますけれども、これはもうほんとうの例外でございまして、私ども教頭先生の職務の重要性、それから繁雑性、そういうものから考えまして、何らかの待遇の改善ははかるべきじゃないかということで、従来人事院等にもお願いをしてきたわけでございますが、しかしながら先生の御指摘になりましたように、いまのところは学校教育法の施行規則に根拠があるという程度でございまして、根本的な解決をはかりますためには、やはり法的に整備をするということが必要ではないかというふうに、従来から考えてきたわけでございます。しかし、今後のことにつきましては、大臣も非常に御心配になっておられますので、私どもも今後十分検討を重ねまして、何とかそういう先生方の御労苦に報いたいというふうにも考えている次第でございます。
○山崎(拓)委員 最後に、もう一つお聞きしておきたいのですが、校長先生、教頭先生というふうに、学校の管理運営の体制について整備を進めておられるわけでございますが、さらに学年主任、教務主任等、中間管理層と申しますか、そういった管理体制の整備につきまして、これをどのように考えておられるか、お伺いしたいと思うのです。 教頭会の調査によりますと、これはもちろん教頭先生のサイドからのお考えでございますが、それが必要とする者は三〇%、その必要がないと考える者が一八%、方法によってはいいと考えておるのが五三%である。このような結果が出ておるわけでございますが、これについて文部省の考えをお聞きしたいと思います。
○奥野国務大臣 学校におきまして教育の効果をあげてまいりますためには、それなりに組織を整備して、それぞれの責任の分担を明確にすることが大切じゃないか、私はかように考えておるわけでございます。同時に、日教組などが言われますのには、人材確保法案につきましても五段階給与を目ざしているじゃないかというような話がありまた今度の教頭職の法制化について、俸給表を一つ加えるつもりじゃないか、そういうように差別を持ち込んで、職場の空気を何か立身出世を競い合うような感じにされることは困るのだ、こんな話をよく聞くわけでございます。私は、そういう気持ちもわからないわけじゃない、こんな感じもいたします。同時にまた、少し幻想を抱いて反対し過ぎるなという感じも持っておるわけでございまして、人材確保法案につきまして五段階給与など考えておりませんし、また、教頭職を法制化したからといって、教頭職の俸給をつくらなければならないと私は考えていないわけであります。そういう意味で、いま初中局長もお答えしておったわけでございますけれども、私は給与というものは、職務の複雑と責任の度合いを中心にしてきめられてくるのじゃないか。そう考えてまいりますと、大きな学校の教頭さんは、小さい学校の校長さんよりも高く処遇されるべきじゃないか、こういう感じを私は日ごろ抱いておるものでございます。 そうしますと、教頭さんの人によりまして、どういう学校の教頭さんであり、どういう職務、経歴を経た教頭さんであるかによって、二等級の俸給を使ったり、一等級の俸給を使ったりすべきものではなかろうか、かように考えておるわけでございます。いま二県そういうやり方をしているところがあると御指摘がございました。私はこれを一般的なものにしたい、こういうことで人事院当局に対しましてもそのような方式を求めているところでございます。教頭さんによりましては校長さんの俸給表を使ってしかるべきじゃないか、そういう教頭さんはたくさんいらっしゃるじゃないか、かように考えておるわけでございます。人によって二等級であり、一等級であっていいじゃないか、決して俸給表を四本立てにし、五本立てにしなければならないことはない。 同時にまた、組織を明確にして職務分担をはっきりさせる、お互いにそのような中で協力し合うそして教育の実をあげていくことが大切じゃないか。そうしますと、いま御指摘になりましたように、教務主任とか学年主任といったものも明確にしていくべきではないか、こういう議論が出てくるわけでございます。私もそうすべきだという感じを持っておるわけでございます。そういう意味で、いまは各学校が、学校の規模その他によってどう定まっているだろうかというようなことも調査をしているようでございますけれども、これが必ずしも適用がなされていなかったということで、文部省当局は明確にしてこなかったようでございますけれども、私はやはり職務分担を明確にする、そしてその中でお互いに力を合わせ合う、そして教育の実をあげていく、これが大切じゃないか。そういう意味においてはいま御指摘になりましたようなものを明確にしていく必要がある、こういう判断に立っておるわけでございまして、そういうような方向で努力をいたしまして、真に父兄の期待にも沿えるような教育の現場につくり上げていきたい、こんな希望を強く抱いているところでございます。
○山崎(拓)委員 時間が参りましたのでこれで終わりますが、今日の教育界の実態を考えてみますと、まさしく教育の現場に組合管理の弊害が著しく出ておる、私はこのように感じるものでございます。そもそも、職員団体が、学校の管理運営に容喙することが許されないわけでございまして、この実態につきましては、できるだけ早急にこれを正していかなければ、日本の教育の正常化というのは行なわれない、そのように確信をいたすわけであります。その意味において、今日校長先生が孤軍奮闘の形であり、福岡県のように教育現場の荒廃したところにおきましては、しばしば校長先生の病気やけが、刑事事件、そういった問題まで発生するようなすさみ方でございまして、学校の管理運営については、これを積極的に厳とした態度で正していかなければならない時期が、もうとうの昔にやってきておったわけでございまして、今日までこの教頭法が成立しなかったということについて、私は非常に遺憾の気持ちを持っておるわけでございます。そのことを申し述べまして質疑を終わらせていただきたいと思います。
○田中委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時二十分散会