P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
71回国会衆議院1973/06/22

文教委員会 第24号

発言数
91
登壇者
10
会派数
5
開催日
1973/06/22

会議録

田中正巳自由民主党

○田中委員長 これより会議を開きます。  文教行政の基本施策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木島喜兵衞君。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 きょうの朝刊の各紙は、昨日の国大協の学長会議におけるところの文部大臣の発言をたいへん大きく取り上げています。そこで、緊急質問を各党がやることになりましたが、十五分でありますので、あまり多くを聞くことはできませんけれども、まず一つは、あなたはソ連の教育について言及をしていらっしゃいます。どのような立場でもって国大協の学長の会議でソ連の体制を批判せねばならなかったのか、これが第一。  第二は、田中総理もこの秋に訪ソするという情勢の中で、ことにそういう情勢の中で、内政干渉的な批判を国立大学の学長の前でもって、閣僚の一員である文部大臣が、そのような批判をするということに対する閣僚としての見解を承りたい。  また、その趣旨は、国が教育を統制をしているということにあるようであって、ソ連におけるところの、政府が教育に干渉していることに対する批判だったようであるけれども、しからば、日本の教育基本法第十条は、「教育は、不当な支配に服することなく、」とあるが、「不当な支配」とは公権力である。自民党の政府がしからば、今日あるいは今日まで、いささかでも権力の介入を教育にしたことがないとあなたは断言できるのか、まず第一にそのことをお聞きいたします。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 私は、別にソ連を批判するという意味で申し上げておりません。私たちがものを考えます場合には、私たちがどんな社会をつくろうとしているのか。また、社会につきましては、社会主義体制もございますし、また、自由主義体制もあるわけでございます。その違いのもとに理解をして進めなければなりませんので、その違いという意味で申し上げておりますので、御理解を賜わりたい。決してソ連をあしざまに批判をするというような意図は、毛頭ございません。違いを正しく理解をしてもらいたい、こういうことでございます。  なおまた、日本政府が公権力を乱用したことがあるかないかというような御批判もございますが、いやしくもそのようなことはあるべきでございませんし、教育基本法の示しておりますとおりに努力していかなければならない、それはもう当然のことだ、かように考えております。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 違いを明確にするということは、批判が前提にならなければ対比ができないはずである。批判的立場というものを前提にして、だからこういうものは悪いから、われわれはこういうほうにいくんだということであろう。少なくとも新聞の記事を見ればそのように受け取れる。あなたはいま答弁でそうおっしゃっても、少なくともたとえば各社がこのように大きく取り上げるところの根底にあるものも、もちろん私はあなたの発言を聞いたわけではありませんから、この記事というものを前提にして質問をする以外ないのでありますけれども、その限りにおいてはそういう印象を私も受けるし、各社もそういう印象のもとにこのような大きな記事になっておると思うのでありますけれども、再度あなたの真意というものを承りたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 私は、常に両体制を並べまして、いずれの体制がいいか悪いか、これは人によって考え方が違うでしょうということをしばしば申し上げております。私が申し上げてまいっております従来からのことばをお調べいただきますと、その点はおわかりいただけるのじゃないだろうか、こう考えておるわけでございます。日本におきましても、共産主義、社会主義体制に変わっていったほうがいいとお考えになっていらっしゃる方、たくさんおられるわけでございます。あるいはまた、現憲法下で自由主義体制をぜひ維持していくべきだと考えておられる方々、むしろこれは圧倒的多数だと思いますけれども、やはり二つの考え方があるわけでございます。そういう二つの考え方があるわけでございますので、そういう考え方の違いを理解しながら、われわれはどういうあり方をしなければならぬか、こういうことを思っているわけでございます。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 いま、二つの考え方がある、二つの方向がある、そこで対比をしてあなたはそういう発言になったと言う。しからば、あなたの主張されるものは何ですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 私はあくまでも現在の憲法を守っていきたい、こう思っております。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 だから、批判ではなくて、十条を守れと言えばいいんである。不当な支配に服することなく、国民全体に対して直接責任を負うという、そのことを主張すればいいのである。日本の国内において、もしそうでない者があるとすれば、そのあなたの批判をすることによれば、十条の道を守るということを言えばいいのであって、閣僚として、田中総理が秋に訪ソする中でもって、そういう一国を例にあげる必要はない。あなたが十条を誠実に守ろうとすれば、これは社会主義でも自由主義でもない、教育というものは権力に左右されず、新しいあすはきょうの延長であるかもしれない、あるいは変革であるかもしれない、それは国民が決めること、したがって、十条を守ればいいということを主張すればいいのであって、他国をその比較に出すところの必要はない。そこにあなたの発言の軽率さがある。閣僚として、内政干渉的なことを意に介さないところにあなたの本質がある。あなたはさっき、いろいろ私の言っていることをお聞きになれはわかるとおっしゃったけれども、そうではなしに、あなたのいままでの発言を聞いておるから、なおさらわれわれがそういうことを言わなければならぬ。いままでも何回かここでもってあなたの発言に対するところの緊急質問がなされた。われわれはそういうことに対して警告をした。しかるに、その筋はあなたの一本の道である。あなたは変わらないところのものの考え方を貫いておると私は思います。だからこのように声を激しくしてあなたに言わなければならないのであります。  二番目、あなたは大学の教授会や大学等の批判の声明に対して、けちをつけるよりも勉強しろ、大学の先生方は筑波大学問題で他の大学にけちをつけるより、自分たちの大学のことを勉強してほしいということをおっしゃったそうであります。  教授会声明というものは、大学の管理機関の声明であるだけに、全員の意思の表明であるという意味では、署名や、個々の教授が名前を並べるよりも、もっと強い意味、強い意思の表現であります。  あなたは、岩手大学の問題で、岩手でもって発言なさって、教授会という名でもって、個々の教授の名前を記さないことは、学生運動の、ヘルメットをかぶって覆面をして顔を見せないことと同じだと言った。あなたは、教授会声明ということの本質をわきまえていらっしゃらないのではなかろうか。一つの学校にけちをつけるとおっしゃいました。これは一つだけの学校の問題だとあなたはいままで答弁の中で言っていらっしゃるけれども、それだけであろうか。一〇〇%そうであろうか。だったら学校教育法の、「数個の学部を置くことを常例とする。」の「数個」をとったことは、これは筑波だけの問題じゃないでしょう。その他にもいろいろあるでしょう。したがって、これに批判をする。法律であります。いま国会で審議されている法律であります。この法律を、国民の代表であるわれわれが審議する。主権在民の中でもって、個人であれ団体であれ、それを批判することが何で悪いのですか。もし批判することが、もっと勉強しろ、勉強不足だというならば、われわれ野党が批判していることも、これも勉強不足だと国会を侮辱するのですか。そのように受け取れました。もし教育に干渉してはならないというのであれば、しからば経済団体は十数回にわたるところの声明を出しているでしょう。報告を出しているでしょう。自民党諸君はそうでないというであろうけれども、私の理解では、その経済団体の教育に対するところの声明や報告に基づいて、大きく今日まで教育は左右されてきたと私は判断するのでございますけれども、そのようにいろいろな団体が、法律について、自分の意思や批判を加えるのはあたりまえである。もしそのことを否定するとするならば、主権在民を根本から否定するという立場なんだろうか。そういう疑念を多く持たせるところのあなたの発言の新聞記事であります。あなたの見解をいただきたい。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 大学の学部の教授会は、大学の自治をささえる基本的なものでございます。それだけに、大学の自治を守っていきますためには、教授会が常に厳正な姿勢をとっていただくことが大切じゃないだろうか、こういう気持を持っておるわけでございます。  同時に、寄せられてまいりますアピールの中心をなしますものは、学外者をもって参与会を構成する、これは大学の自治を破壊する。あるいはまた人事委員会を設けられる、それが大学の自治を破壊する。これが中心をなしているわけでございます。これを私は批判すること、何ら不届きだと思っておりません。問題は、教授個人個人が批判されるのじゃなしに、教授会という名前で批判されることについては慎重であってほしい、こう申し上げておるわけでございます。事実、多数決で教授会の決議をきめてアピールに使われている、私たちはそんな考え方は持っていないんだ、私たちの考え方をかってに教授会の名前で、あたかも筑波大学反対のような装いをされることが、憲法十九条の、何人も思想及び良心の自由を侵されないという条項に違反するものじゃなかろうかという意見さえも、教授から寄せてきておられるところもあるわけでございます。そういう意味で、批判されることを私は決して否定をいたしません、けっこうなことだと思います。思いますが、その場合には、具体の教授の名前でやってくださいよ。教授会の名前を使われることについては、これは大学の自治を守っていく基本的なものなんだから、分をわきまえて、そのらち外に出て、いろいろなまた教授会自身が批判を受けるようなことがないようにしてくださいよ。こういうような気持ちを込めて昨日お話しを申し上げておるわけでございます。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 批判をされることを否定するものではないとあなたはいまおっしゃった。しからば、批判をすることを否定しないならば、批判をする者は不勉強だという論理はどこから出てきたのでありましょうか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 いま申し上げましたように、教援会のアピール、それがもっぱら大学の自治を破壊する、大学自治を破壊する事由が参与会であったり、人事委員会であったりしているわけでございます。これは御承知のように筑波大学に限定をして立法をさせていただいておるわけでございます。決してそれぞれの大学に及ぼすような余地はないわけでございます。また余地を残そうとしますと、法律改正案を国会に提案しなければならないわけでございます。そういう事情はよく検討してもらいたいものだ、こういう意味で申し上げているわけでございます。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 だったら、なぜ一般法を改正せねばならないかという問題になります。このことは時間がありませんからあとの御質問の方々にお譲りしたいと思うのでありますけれども、同時にあなたは、個人ならいい、教授会が悪い、——教授会という意味を、教授会という重みを十分に理解しているとは理解できない。もう少し御勉強いただきたい。  第三番目、木田局長、あなたは、こういう声明を出しておるのは劣等感を持っておるところだ。堂々たる大学はやっておらぬ。——堂々たる大学とは一体どこを意味するのか、堂々たる大学とは一体どういう大学であるか。そして大学の格差を是正せねばならないときに、大学学術局長がその格差を是認し、同時にそのことが、この法案の批判と結びつけているところに局長としての大きな問題があると私は思います。局長の見解をいただきます。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 堂々たる大学というふうに記者会見で私も話したのでございますが、それは大学らしい大学ということも気持ちの上ではちょっと持っておりまして、大学らしい大学という気持ちでも言ったのでございまして、大学の規模の大小ということを私考えたつもりではございません。  で、大学らしい大学ということを考えましたのは、さきに大臣もお答えになっておりますが、大学というのは学問研究、思想、信条の自由というものを擁護する体制をとっていかなければならない。ですから、大学の中の構成員がどういう見解を持ち、どういう発言をするかということにつきましては、できるだけ自由な雰囲気を大学管理機関として維持していくということでなければいけないのではないか、大学管理機関としていろいろな見解を表明するということと、構成員個々人がいろいろな関係を表明するということとは、必ずしも同じではないのではないか、そういうふうに考えまして、そういう意味で大学の使命というものをよく考えてみる必要があるのではないかということから、しっかりした大学という気持ちを私としては申し上げたつもりでございます。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 では、時間が来ましたからやめます。答弁を聞いていて、ちょっと失礼ですけれども、ほんとうに笑っちゃいました。いずれにせよ、大臣に申し上げます。あなたはさっき申しましたとおり、たびたび——まああなたは高一点といわれる大臣でございますから、世評がいっているのです。ですから、それだけに、ことにそれは文部大臣であるから、われわれはいろいろとあなたのことばに、ときに失礼なことばも含めながら警告をしながら緊急質問をやってまいりました。きょう理事会でもって、一番困っているのは委員長だろうという話です、あなたのこの発言で。しかし、いずれにせよ、こういうあなたの発言が、国会の中でもって緊急質問というような事態になるこのことについては、深くあなたが反省をし、十分注意したところの発言を将来なされることを希望して、私の質問を終わります。

田中正巳自由民主党

○田中委員長 山原健二郎君。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 大臣は、しばしばいろいろな発言をされまして、そのつど委員会でも問題になってまいりました。しかも、筑波大学の問題についての審議が、いままさに慎重に行なわれておるこのまっ最中に昨日の発言がありまして、本日新聞を見まして、実は私どもだけでなくて、かなりの多くの人たちが驚いておるわけです。しかも、その発言というのが、筑波大学についてけちをいうより勉強せよという、きわめて次元の低いそういう発言が国立大学学長会議において行なわれておる。この大臣の姿勢ですね。これに対して、また最近のあなたの発言、昨日の発言について、いささかも反省がないのかどうか、最初に伺っておきたいのです。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 私も、ある新聞がけちよりも勉強というような見出しがあったので、ことさらに問題をつくり出そうとする意図があるんじゃないかという誤解さえも抱いて、ひとつ中身を読ましていただきました。別に中身は間違ったことを書かれてなかったわけでございますが、私が申し上げましたのは、東京教育大学が真剣に考えておられる。それが大学の自治を破壊するのだ、こうおっしゃる。しかし私から言わせますと、そういうことは毛頭ない。だからそういう場合には、よく中を検討してから言うてくださいよ。こういう意味で申し上げているのです。そういう意味で申し上げたわけでございますので、誤解のないようにぜひお願いをしたいと思います。  同時に、国立大学学長会議というものは年に一回でございまして、年に一回しかないわけでございますので、私なりに私の真意を述べさせていただいたわけでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 反省をしておるのかしていないのか、一言言ってください。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 私の申し上げたことが、どうしてそんなに誤解を生んでいるのだろうかなという気持ちを持っております。誤解を生んでいるとすれば、それは私の不徳のいたすところであります。しかし、内容については、反省をしなければならないというようなことは私はないと思っております。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 一部の新聞が書いておるんじゃないですよ。きょうの朝の新聞をごらんになったでしょう。全部の新聞があなたの言われたことを書いているのですよ。しかも、けちをつけるよりも勉強しなさい。全部出ているじゃないですか。一部の新聞じゃないですよ。しかもいままで、たとえば大学臨時措置法なども出まして、それに対する各大学の教授会その他がいろいろの声明を出された。しかし、いままでの大臣の中で、あなたのようにこういう挑発的な発言をした人がおったですか。いないのですよ。しかも、あなたのいまの発言ですね、私の真意をためにするために書いたんだという、こういう感覚、あなたの性格上の問題、あなたの持っておる体質の問題、私はここに問題があると思っています。  それは一つは、教授会に対する敵視です。たとえば、これは大学学長会議だけではありません。先ほど木島先生も少し述べられましたけれども、岩手におきまして六月十八日に、これも各新聞が出しているわけでありますが、ここでもあなたはたいへんなことを言っておられるわけでございます。こういうことなどたび重なっているわけですね。たとえば、まるで覆面学生並みの行為だ、こういうことですね。大学の教授が教授会で議決をし、あるいは教授会有志として批判をし、意見を出す、当然のことなんです。教授会というのは重要な事項について審議をする。しかも、教授会は大学に置かなければならない。これが法律の規定です。その法律の規定によって大学人の方たちがお互いに討議し、これからの大学の将来について検討していく、それがけちなことであり、あるいは覆面をしたゲバ学生のような態度だという敵視感ですね。これがあなたの中にあるんじゃないですか。それはどうか、伺ってみたいのです。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 教授会は、それぞれの当該大学の重要な事項を審議する機関だと、こう考えるわけでございます。そうでありますから、そういう場合に多数決でどんどんおきめになる、何ら差しつかえはないと私は思うのでございます。しかし、それをこえまして、今度のような筑波大学に対するアピールをきめる。これは多数決できめて、そして教授会の名前でアピールしていいものかどうか。事実、大学の教授の方々が私に意見を寄せてきておられまして、憲法第十九条の何人も思想及び良心の自由を侵されない、こう規定されておる。私は、自分の思想及び良心の自由を侵されているように考えるのだ、こういう話であります。私はそれはよくわかるのであります。そういう意味では、個々の大学の教授が自分の名前を連ねてアピールをする、こういう方法をとるべきではなかろうか、そう考えて私はこんな話を申し上げているわけでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 国大協が出されておる声明もあります。これは少なくともあなた方賛成だと言っておりますけれども、この国大協の声明の中には危惧の念が書かれている。いわば批判的な立場もその中には含まれているわけですね。あなたは国大協に対して、名前は全部出せと言ったのですか。多数決はこういう問題について悪いのだということも言っているわけですけれども、東京教育大学ではどうですか。この間から参考人も呼んだりして、私たちここで慎重に審議した。東京教育大学において筑波に移転をするという問題、あるいは筑波新構想について四割五分の反対者もおる。そこで多数決でやっているわけでしょう。そういうことがあるわけですよ。教授会というのは、そういう権限がこの法律によってあるわけですからね。大学の進路について見解を表明する。岩手大学なんか、多数決じゃないですよ。ちゃんと学部長の名前をつけて、あなたに対して、この筑波大学については批判をせざるを得ないという、こういう文書を出しているわけですね。それに対して、ゲバ学生の覆面だ、こういう挑発的な態度、そういうことば、これに対して一切あなたの反省がないとするならば、これは重大な問題です。私はこの、けちをつけるよりも勉強しなさいとか、ゲバ学生の覆面と同じというこのことばについて、あなたはいささかも反省をしないのか、もう一度伺っておきます。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 私が、大学の教授会、これは大学の重要な事項を審議する、当該大学の問題について多数決でどんどんおきめになること、それはもう当然けっこうです、こう申し上げておるわけです。同時に、大学の教授会は、大学の自治をささえる基本的なものでございます。全く政府としても教授会の決定におまかせします、こういう態度をとっておる教授会でございますだけに、教授会がその本来の任務を越えまして、いろんなことにくちばしを入れていく、そして批判を受けるようなことになりますと、大学自治に影響を及ぼしかねない。ですから、そういう問題については、個々具体の教授の名前でアピールしなさいよ、こう申し上げておりますので、この点はぜひ誤解のないようにお願いを申し上げたいと思います。  また、私の具体の発言につきまして、いろいろ御注意をいただくことはありがたいことでございまして、常に反省を怠らないようにしてまいりたいと思います。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 そういういいかげんな答弁で文部大臣がつとまるかと私は言いたいのですよ。あなたのような姿勢を持っておるから木田発言が出てきたのです。  木田さん、いまの木島さんに対する答弁なんですが、コンプレックスを持っておる大学とはどこですか。堂々たる大学とはどこですか。堂々たる大学とは何かと言えば、大学らしい大学、——大学らしくない大学とはどこですか。さらにそう言うと、しっかりした大学だ。私はここではっきり伺っておきたい。具体的に堂々たる大学はどこか一つでもあげてください。いいですか。それからコンプレックスを持っておる大学、どこか言いなさい。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 堂々たる大学、そういう表現を使いましたのは、どういう大学が抗議を出しているかというお尋ねに対して、個別の名前を一々申し上げることもどうかと思って、考えながら、やはり大学らしい大学という表現を使いたいと思いながら、堂々たる大学ということでくくった次第でございます。その意味は、先ほど御答弁申し上げましたような趣旨でございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 答弁をしなさい。どこですか。堂々たる大学はどこですか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 一般論としてお答えを申し上げたわけでございまして、特定の大学を特にどうというふうに申し上げたわけではありません。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 あなたは大学学術局長ですよ。日本の国立大学に対して責任をもって行政に当たっている方でしょう。そのあなたが、こういう言い方をしているわけですよ。だから、いま全国の大学人が、一体どういうことだとみな思ってますよ。大学らしい大学、堂々たる大学、どこですか。反対声明を出したところがコンプレックスを持っておる大学であって、反対声明を出さなかった大学これが堂々たる大学、こういう基準をあなた、持っておられるわけですか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 大学は、学問研究の場でございますから、そこでいろいろな考え方が自由に述べられるように、そういうことを大学管理機関としては考えて対処すべきものだというふうに考えるのでございます。でございますから、大学が当該大学の重要事項を審議するために教授会を持ち、当該大学として学問研究の自由が保障できるような体制を保持しておくということが大学として一番大事なことだ、その大学の構成員が、一つ一つの事案につきましていろいろな見解を持ち得る、賛成も反対もいろいろあり得る、それはけっこうなことだと私は思うのでございます。ただ、大学の管理機関も、個々人と同じように、いろいろな見解を管理機関としてきめて発言し得るかという点につきましては、当該大学内の問題と当該大学を越えた問題につきましては、私は必ずしも同じでない。大学管理機関が、個々の教官と同じように、その考え方をきめていくというような態度をとりますことは、学問研究の府としての大学の管理機関として問題があるのではないか、そういう気持ちを持っておる次第でございまして、そこで、大学らしい大学ということを念頭に置いて御答弁いたした次第でございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 あなたは、大学らしい大学とか、コンプレックスを持っておる大学というようなことを頭にいつも考えておるんですか。そうして大学局長をやっているんですか。いささかもあなた方反省ないわけです。大学の中には学部があって、ある学部はこの筑波大学問題について批判的な声明を出している、ある学部は出してない、大学にはそういう抗争があるわけでしょう。それをあなた、堂々たる大学、大学らしい大学——大体国が設立した大学を、堂々たる大学とかあるいはコンプレックスのある大学とかいうそんな区分をあなた方、しているんですか。そういう行政をやっているんですか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 どういう大学からいろいろ声明が来ておるかということのお尋ねに対しまして、一般的な私の受けておる感じとしてそのような御答弁を申し上げたわけでございます。やはり学問研究を大切にするという大学であれば、そのことに対しては、やはり管理機関として慎重な態度をとるべきである、その中での発言が自由に行なわれ得るような態度をとる管理機関でないといけないというふうに考える次第でございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 全く答弁になっておらない。管理機関が何を決定しようといいんですよ、教育の問題に関して。それをあなた方、かってに奥野、木田になってからそんなことを言い出したんじゃないですか。いままで幾つかの教育に関する法律が出てくる、それに対して各大学人あるいは教授会がいろいろの声明を出したりすること、いままでの大臣の中でそれにけちをつけて、いろいろ勉強せよとかあるいは覆面をかぶったゲバ学生というような悪罵を浴びせた文部大臣や大学局長がいままでおったですか。あなた方だけですよ。ここにあなた方の体質があるのだ。だから、あなた方はいささかも反省もしていない。これは大問題ですから、私ども、これから皆さんの姿勢を追及しますよ。さらに、いささかも反省していないということを確認をいたしまして、文部大臣、適格性を持っていないとはっきり申し上げて、私の質問を終わります。

田中正巳自由民主党

○田中委員長 有島重武君。

有島重武公明党

○有島委員 昨日の全国の国立大学学長会議での大臣の発言、また、その後の記者会見における木田局長の発言について、非常にこれは不信の念をいだかざるを得ないわけでございまして、まず第一番目に、奥野文部大臣がほんとうにこんなことをおっしゃったのか。若干の学部、教授会から出ている反対というのを読んだが、他大学のことにけちをつけるなら、もう少し勉強をしてほしい、——けちをつけるというような表現をほんとうにお使いになったのかどうか、このことについてお聞きしておきたい。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 先ほど申し上げましたように、東京教育大学の新構想が即大学の自治の破壊だ、こういうアピールの内容でございます。それが、私はそう思わないものですから、そのことについてはもっと検討、勉強した上で言うてくださいよ、こう申し上げたわけでございます。そういう批判について、けちというようなことばを使った記憶が私にはございます。

有島重武公明党

○有島委員 ことばがわからなかったのですけれども、けちをつけるというようなことをおっしゃったのですか、おっしゃらなかったのですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 東京教育大学のことについてけちをつけた、けちをつけるという表現を使ったように私は思います。

有島重武公明党

○有島委員 けちをつけるということは、批判を寄せつけないということになりますね。われわれいま大臣のきのうの発言について、こうやって言っています。これは不当であろう、反省なさいと言っております。これはいま私が奥野さんにけちをつけているんですか、どうですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 御注意をいただいているのだと思うのでございます。私が申し上げましたのは、東京教育大学の考え方、それに対して大学の自治の破壊だという欠陥の指摘、いまおっしゃっていただいているのとはちょっと違うように思うのでございまして、たいへん御注意いただいている。そういう点じゃなくて、欠陥の指摘、それをけちをつける、こういうのじゃないかと思うのでございます。用語は人によってそれぞれそれについての感じ方が違うものですから、いろいろ御注意をいただいておりますこと、率直に受け止めていきたいと思います。

有島重武公明党

○有島委員 基本的なことを聞きますけれども、権力主義ということと、それから民主主義ということとの根本的な違いはどこにあるのですか、その御見解を承っておきたい。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 それは私もよくわかりませんができる限りいろいろな人が自由に考え方を述べ合える民主的な社会、それを押しのけて、一方的に特定の考え方を押しつけるという意味で権力主義ということばをお使いになっているのじゃないかと思います。そういう程度に存じております。

有島重武公明党

○有島委員 いろいろの考えがある。それを受け入れない。いま伺っているのは民主主義の基本というのはどこら辺にあるのか。民主主義と対比して権力主義というものがある。その根本的な違いはどこにあるのですか。どのようにお考えになっているのか、その辺をよく承っておきたいのです言ってください。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 人によってものの解釈いろいろ違うのだろうと思うのですけれども、民主的な社会というものはお互いに相手を尊重し合う、人格を尊重し合う、人権を尊重し合うということだろうと思います。権力主義といわれるのは、一方的に自分の特定の考え方を押しつけていく場合に使われるのじゃないだろうか、こう思っている、こう申し上げているわけでございます。

有島重武公明党

○有島委員 自分の特定な考え方を人に押しつけることは民主主義的でない。したがって、極端にいえば憲法にもかかわるような問題になる、そういう御認識ですね。自分の考えを押しつけるということは非民主的な態度である、こういう御認識ですね。もう一ぺん承っておきたい。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 具体のケースでございませんと、一がいにきめつけることもいかがかと思うのでございますけれども、基本的にはそういう姿勢のもとに民主主義ということばが使われている、こう思っております。

有島重武公明党

○有島委員 けちをつけるというような表現は、いやしくも文部大臣のお立場であり、どういう場合であったかというと、それは大学の教官、先生方を相手にしてそう言っていらっしゃるわけですね。大学の先生を一人育てるためには、たいへんな年月と労力と、それからまた御自身方の研さんもありましょう。あるいは国家全体としての援助もあるでしょう。そうして存在しているいまの大学人たちの意見に対して、けちをつけるというような表現、このことについては適当であると思っていらっしゃるのか、これは非常に不適当であった、その発言は取り消さなければならないとお思いになっておるのか、その辺のところはどのように考えていらっしゃいますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 東京教育大学がたいへん苦労して新構想をつくりあげておられるわけですから、お互いにそれを尊重し合うべきだ、こういう気持ちが基本にございます。それをあえて大学の自治を破壊するものだときめつけてかかるなら、よく研究して検討してからにしてもらいたい、こういう気持ちで申し上げているわけでございます。それが私のけちという表現になっているわけでございますけれども、ことばの使い方は人それぞれによって違うもんですから、いま適切でないようなお話がございましたので、それはもうそのとおり受けとめて、謙虚に反省をしてまいりたいと思います。

有島重武公明党

○有島委員 その点は不適当であったとお認めになるわけですね、そうじゃないとその次の話にならないから。もう一回はっきり言ってください。これは不適当でございましたとはっきりおっしゃったほうがよろしいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 いま申し上げますように、私はもうすなおに、ざっくばらんに、そういうつもりで申し上げているわけでございますけれども、有島さんがたいへんいやなことばのようにおっしゃっているわけでございますので、そういうこともよく考えて、今後私なりに反省をしていきたいと思います。

有島重武公明党

○有島委員 木田さんに承っておきますけれども先ほどからの劣等感のある学部ということなんですけれども、たとえば私のところにもたくさん来ておりますけれども、静岡大学の教育学部教授会というのがあるわけです。あるいは東京教育大学の文学部というのもあるわけなんです。こういうのはつまり劣等感を持っているということになるわけですか。そのほかにも今度は個人個人として大学問題研究会発起人代表、有倉さん、小西さん出口さん、山崎さん、こう出ております。梅根さん、末川さん、松本さん、こういう構成です。これはみんな劣等感を持っていらっしゃる方々というわけですか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 私、昨日インフェリオリティー・コンプレックスということばを確かに使ったと思うのでございますが、これはことばとしてはいま考えますと適切ではなかったかなと思うのでございます。なぜそういう大学から来るか。どこかに不満があるであろうということを言いたかったつもりでございます。不満のあるところ、いろいろな不満を感じておることの多い大学から来ているんじゃないかという意味で、私は記者の方々にお答えをしたつもりでございました。いまおあげになりました個々人の方が御反対になることについて、私は一つもとやかく申し上げているものではございません。大学の教授会としてそのことについての意見を昨日私はお答えを申し上げたわけであります。そういう教授会で反対をしておる大学についてなぜかという御意見がありましたから、不満があるという気持ちを的確にどうも伝えにくかったと思うのでございますが、どこかに裏返しにしたような意味で、インフェリオリティー・コンプレックスがあるのではないでしょうかということばを確かに使ったのでございます。個々人の方に対してのインフェリオリティー・コンプレックスということを考えておるわけではございません。

有島重武公明党

○有島委員 これについても、インフェリオリティー・コンプレックスとしゃれたことをおっしゃったわけですけれども、それは不適当であったとはっきりここでもってお認めになるのか。なお、これは確かにそうなんだと思い続けていらっしゃるのか。その辺のことはよく聞いておかなければならないと思うのですね。  それから何らかの不満があるならば、これは劣等感だと言ったんだということでお使いになったらしいけれども、いまここで取り上げておりますのは、筑波大学の法案審議として言っているわけじゃないのですね。いまそういった態度を問題にして特別に質問させていただいているわけですけれども、そういうような論法でまいりますと、いま不満を持っていないのはどこか、満足しているのはどこか、そういうことになります。それから、おそらくそんなことは、どこでもいろいろな不満を持ちながらそれがひとつ向上心につながっていくんだと思うのですけれども……。それから不満を持っておるのは劣等感、これは非常に乱暴な言い方であろうと思うのですね。  で、学問のこととやや離れるかもしれないけれども、たとえばいま大もうけをしている大手商社なんかは、あれは堂々たるものであって、それに対して物価が上がって困っておる国民は全部劣等感である、そういったような使い方となってしまうんじゃないですか。そういうような言い方がこういう大切なところでもってまかり通るということは、ほんとうにけしからぬことであると私は思いますけれども、木田さんはやはりそのおことばを撤回するというお気持ちがあるか。撤回なさるべきだと私は思いますけれども、いかがですか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 インフェリオリティー・コンプレックスということばは、私の主観的なことばであまり適切なことばでなかったかなと思います。どういうところから来ておるかという印象論を聞かれたものでございますから、そのようなことばを使いましたが、基本的に何か不満の多い大学、不満の多い学部から、こういう反対の意見というのがたくさん来ておるのではなかろうか、こういうことをお答えを申し上げた趣旨でございまして、別に他意はございません。

有島重武公明党

○有島委員 私が聞いておるのは、そういうことばというのはこれは撤回なさるべきではないか、どのようにお考えになるかと聞いたのですけれども……。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 インフェリオリティー・コンプレックスということは適切なことばでなかったと思いますから、かえさせていただいてもけっこうだと思います。

有島重武公明党

○有島委員 文部大臣に伺いますけれども、木田局長が劣等感のある大学とか学部とかあるいは堂々たる大学とか、こういうことを新聞の記者会見でもって言われました。このことについて、これは文部大臣の配下にある局長の発言として適当であったとお思いになっていらっしゃるのですか。これは不適当であったとお思いになっていらっしゃるのですか。大臣はいかがなんですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 不適当なことばであったと思います。

有島重武公明党

○有島委員 それからいまことばの問題を申しましたけれども、そうした態度そのものについて、ひとつ大学をそういうふうに自分でもって一つの格差をつけていくというような、そういうような態度についてはこれはいかがなものでしょうか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 格差は当然つけないように努力をしていかなければならないと思います。いずれにしても、ざっくばらんにものを言いながら、いろいろな批判を受けて前進させていくという姿勢だけはひとつ御理解を賜わりたいと思います。

有島重武公明党

○有島委員 時間ですので、最後のことは、法案審議の中で、私に与えられたときにもう一ぺん詰めさせていただきたいと思います。

田中正巳自由民主党

○田中委員長 受田新吉君。

受田新吉民社党

○受田委員 文部大臣、大学学術局長の昨日の国立大学長会議における発言、これは非常に軽率であったと私は思います。少なくとも一国の文部大臣が、こうした国立大学の学長という良識を持った方々の会合で不用意なことばを使うなどということは、国会の審議が重大な段階にあるだけに、よけいな伴奏が入ったわけで、この点非常に私は残念に思います。  大臣、いま他の野党の皆さんの御質問の中にもあなたの発言の中に、けち、勉強してほしい、というような、ちょっと良識の線を逸脱した発言があった、これは率直に反省すると言われた。また大学学術局長も、これはあなたはまだ反省のことばがないようです。  ちょっとあなたに聞きますが、あなたは堂々たる大学ということを言われたのですが、御出身は京都大学でしたか。——京都大学は堂々たる大学かどうかを御答弁願います。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 特定の大学がどうだこうだということを申し上げるつもりはございませんが、学問研究の場としての大学を維持していくということを、大事に考えている大学というのは堂々たる大学と、こういう気持ちで使った次第でございます。

受田新吉民社党

○受田委員 筑波大学に反対声明を出している大学、これが国立大学で三十七学部、全体の一一%である。これは発言されたことですか。——そうしますと、その発言されたとおりの大学は、劣等感を持った大学と断定してよいかどうかです。全体の一一%。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように、劣等感ということばは適切でなかったと思っておりますが、何らかの御不満があって、そういう不満のある大学から、こうした反対の御意見が多いのではなかろうかという意味のことを私感じてお答えをした次第でございます。

受田新吉民社党

○受田委員 三十七学部というその学部を、具体的にお示しできますか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 これはあとで個別の名前はお答え申し上げられると思います。

受田新吉民社党

○受田委員 私は、ここで政務次官にちょっとお聞きしたい。  あなたは若くて正義感のあふれた人材であると期待しておる。こういう重大なときに、文部大臣は少なくとも国立大学協会、国立大学長に対しては筑波大学をぜひ通していきたい、実験学校をつくりたい、皆さん御協力を願いたい、いろいろな御批判もあろうが、何とかひとつ成立するために御協力を願いたいというような、もっと教育の中立性を念願して、自民党の手先の文部大臣でなくて、筋の通った、教育の重大性、次の世代を背負う人材を育成する大学のそれを担当する文部大臣らしく、また大学学術局長らしく、信念を持ってこういう会合で発言すべきではないか。あまりにも軽率な発言として、私はここに残念でならぬのでございまするが、私が文部大臣だったらこのようなばかげたことは、発言はしない、このような自信を持って、河野さん、答弁してください。

河野洋平自由民主党文部政務次官

○河野政府委員 御審議をいただいております法案を、いろいろな角度から御理解いただくために、いろいろな表現を使う、そうして何とか法案の真意をできるだけ大ぜいの方に御理解をいただくために、大臣以下私ども努力をいたしておるわけでございます。  それらのいろいろな表現、いろいろな角度から大ぜいの方々に御理解をいただくための表現が、あの場面でああいう発言になったというふうに、ぜひ受田先生に御理解をいただきたいと思うわけでございます。私どももいろいろな会合に出まして、その会合の性質、お集まりいただきます方々のお顔ぶれ等によってできるだけ理解を深めていただくような説明のしかたをするわけでございまして、昨日は国立大学の学長さんのお集まりでございましたから、学長さんにできるだけ具体的な例を引いて御理解をいただくということで大臣、御発言であったと思います。  大学局長の発言については、先ほど来局長から申し上げておりますように、表現に適切を欠いた点があった。局長も申しておりますし、私どももそのように考えておるわけでございます。

受田新吉民社党

○受田委員 文部大臣、あなたはせっかく文教の府の最高責任者をやっておられるわけですが、文教というものは一党一派の手先であってはならない。国家百年の大計のもとに立つ文教政策という意味からも、自民党のかいらい的存在になってはならないという意味からも、あなたは常に高い観点から教育を考えていただかなければならぬわけです。したがって、古いタイプの文部官僚の指揮監督権を行使するという、そういうタイプで発言をされる危険が多分にあると思うのです。残念です。せめてもう少し権威ある民主的な行政機構の責任者として、皆さんに協力をいただくような謙虚な気持ちで常に発言をされるように注意したいと思いますが、すなおに注意を聞きますかどうかお答えを願いたい。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 文教行政のあり方につきましては、受田さんと同じ気持ちを持つわけでございます。いまの御注意を率直に受けとめて努力してまいりたいと思います。

受田新吉民社党

○受田委員 教育基本法、この中にはあなたが指摘された点が、一応ここに書かれてある点があるのです。第八条は政治教育の限界がはっきりうたってある。したがって、ここに「法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。」と一項がある。これは非常に大事なことなんです。と同時に、第十条に教育行政の責任者が「不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである。」同時に、その目的を果たすために、必要な諸条件の整備確立を目標として行政を行なわなければならぬとうたってあるのですね。これを常に念頭に置いて、りっぱな環境を整備確立するという努力をされることがあなたの重い使命なんです。この二つを兼ね合わせていくならば、ここに今度の筑波大学法案などで当然行なわれる学問の自由と大学の自治、どっちが重みがあるのか。大学の自治は学問の自由のためにあるのか、大学の自治の陰に学問の自由が隠れるのかという問題もひそんでくると思うのですが、これに対して御答弁を願いたい。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 学問研究の自由を保障するための大学の自治であって、それ以上の大学の自治はない、こう考えているわけでございます。同時にまた、私昨日も、おっしゃいました十条でございますか、教育諸条件の整備をはかっていく。今日ほど大学に期待の寄せられているときはないのだそれだけに私たちも、皆さんたちがしっかりやっていただけるように予算その他の面で懸命な努力を払っていきます、そのかわり国民の信頼にこたえられるような大学であるべくひとつ整備につとめてくださいよ、こういうことも申し上げたわけでございます。そういう前提で申し上げたことを御理解いただきたいと思います。

受田新吉民社党

○受田委員 文部大臣、政務次官、大学学術局長お三人文部行政の権威ある責任者である。ここに私たちが、すでに提案している筑波大学も、できれば国民の合意の上に大多数の国民が賛成する形にこれを修正したいという念願を持ってきておる。そういうようなものについては、国大協などは修正意見まで持って用意しているのですから、そういう意見も尊重するという、大学の学長の会議などでは、皆さんの御意見も十分伺っておるという前提で、ほんとうに謙虚に学長たちの意見を承るという会合であってほしいと思ったのです。行政権の責任者の権力を押しつけるというタイプのもので、絶対に許せないような発言であったことを残念に思うのでございます。したがって、こういう大事な法案は、政府が出される、お互い野党ができるだけよい法案にするために修正案を出す。すでに委員長のほうへうちの修正案も提出してある。そういうような、まじめに教育問題を検討し教育制度を改革するという態度をとっていただきたい。力をもって推し進めるという文部行政であってはならない。私しみじみお二人のきのうの御発言で残念しごくに思いました。今後十分な御注意をされて、われわれが願っているような、教育の世界は国民の大多数が納得できる形でその場が展開できるようにしなければならない。これに対して文部大臣、筑波大学法案をめぐって、それに対する発言からきょうは特別緊急質問という形態ができたのでございますが、大事な段階で、権力の当事者として、不用意な発言で審議が遅滞するということがないように、また野党の良心的な意見も十分耳に入れて、できるだけよい法案にする、そういう配慮をもってやらないと、原案一本で推し進めていくという政府の態度は好ましくない。この点について、あなた御自身、修正案を出して戦っておるわれわれの党の立場、他の野党の公正な意見、それも十分採用する雅量があるかないかもあわせて御答弁願いたい。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 昨日、決して私が権力的に国立大学の学長さんの会議に臨んだことはございませんし、むしろお互いに率直に言い合いたい、学長さんたちもそうおっしゃっておりました。文部省もざっくばらんに言うてくれる、自分たちもざっくばらんに言えるようになった、気持ちが通じ合うようになった、こういう姿でいきたい、こうおっしゃってくれていました。どうも書いたものに出てまいりますと、私のあいさつだけしか載りませんので、全体の雰囲気が載っているわけじゃございませんのでそういう誤解を受けているようでございますけれども、そういうことのないように今後とも一そう努力していきたいと思います。  法案につきましては、政府から提案をいたしておりますので、国会の場においていろいろと修正その他の問題については御審議いただけるようにお願いをいたしたいと思います。

受田新吉民社党

○受田委員 それじゃ、もう一問だけ。  きのうの大臣の発言の中に、学外者の圧力によって学生の自治が破壊されておるというような御発言があったわけでございますが、学外者の、外部からの勢力で、大学の自治、学生の自治が破壊され、ひいては学問の自由が侵されるということがないようにするためには、公正な学生の意見が十分反映されるような学生協議会などは、あなたのきのうの御発言からいっても当然私は設置したほうが筋が通ると思うのです。一握りの暴力学生に支配されないりっぱな学園をつくるための学生協議会なるものは、当然あなたのきのうの御発言からも、これをむしろ採用されるほうの御発言をされてほしかったと思うのですが、御答弁を願いたい。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 学生協議会のあり方が、今日の学園紛争から見ますと基本的な課題である、私も同感でございます。これをどう組織立てていくかということになってまいりますと、いろいろな客観情勢なども考えながら慎重な配慮をしていく必要があるだろう、こう思っておるわけでございます。本質については、私は何ら意見の違いはございません。

受田新吉民社党

○受田委員 終わります。

田中正巳自由民主党

○田中委員長 速記をとめて。     〔速記中止〕

田中正巳自由民主党

○田中委員長 速記を始めて。  木島喜兵衞君。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 理事会では、十五分ずつ野党四党が質問をする、その質問の終わった後に、民社の修正案の提案をする、そしていままで質疑が続いておったところの問題点であった政府と教育大学あるいはその他で食い違いのあるもの、矛盾のあるものについての質問が行なわれ、その次に、先般質疑の途中で切れております公明党の高橋さん以降、私、共産党の山原さん、社会党の小林さん、公明党の有島さん、社会党の長谷川さん、民社党の受田さん、こういうように質疑が続いてまいります。そういう中であるだけに、いまわれわれは、大臣の答弁でもって食い違いがあったから、理事会を要求いたしましたけれども、そういう日程が組まれておりますから、そこでいま理事は相談をして、いま質問をいたしました四人への答弁の中で、態度やあるいは答弁のしかたがだんだんと変わってきておる、そういう問題について、大臣から総括的に統一的な発言をいただくことでもってこのことに終止符を打って、そして次のこの議案の審議に十分な時間をかけて入りたいという立場から、いま私はあらためて大臣に、あなたの昨日の国立大学の学長会議におけるところの発言を——ここにはいろいろありますから、私は長く申しません。申しませんけれども、全体としてのあなたの見解を最後にまとめて承りたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 きのうの国立大学学長会議における私の発言の中で、表現に適切を欠く点があり、皆さんにたいへん誤解を招いたことは遺憾に存じます。今後はかかる誤解を招くことのないよう十分注意をいたします。      ————◇—————

田中正巳自由民主党

○田中委員長 これより国立学校設置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  ただいま委員長の手元に、安里積千代君より本案に対する修正案が提出されております。

田中正巳自由民主党

○田中委員長 提出者より趣旨の説明を求めます。安里積千代君。

安里積千代民社党

○安里委員 ただいま議題となっております国立学校設置法等の一部を改正する法律案に対します修正案について、御説明を申し上げます。  案文はすでにお手元に配付されておりますので、朗読を省略させていただきます。  政府の提案にかかります本改正案につきましては、多くの疑問点があり、たとえば設置法になじまないところの異質の内容を持ちます筑波大学の組織を抱き合わせた立法手続にも疑義がありまして、野党からその分離の審議を求めたのでありますが、否決になりましたので、原案をもとに本修正案を提出するものであります。  本改正案の全体を通じてどうしても同意できない点の第一は、筑波大学という新しい大学構想だとはいえ、大学の管理体制があまりにも強化されていることからして、大学における研究の自由、教育の自主性をそこなうおそれが濃厚であるということであります。  特に、政府が実施にあたりまして予定しております具体的な構想によりますと、副学長が実務的な面での管理に当たり、しかも五名もの副学長を設けることになっておりまして、このような強力な管理体制下で、教育担当及び研究担当の副学長を専任させることは、ただいま申し上げました教育研究の自由をそこなうことになると思いますので、本修正案では、教育研究担当の副学長を置かないという趣旨から、筑波大学の副学長を三名以内として、これを法定せんとするものであります。  第二に、自主性が要請されますところの大学の評議員に対し、文部大臣がこれを任命するというのは、常識の域を脱しておると思いますので、この規定を削除することにいたしております。  第三に、現在の諸大学では、社会に開かれた大学の役割りは十分果たされておりませんから、新構想大学としての筑波大学にあっては、この趣旨が十分生かされるべきだと思うのであります。  このためには、地域住民の大学に対します要求あるいは住民の意見が反映されることこそが先決でありますから、学長の諮問機関たる参与会に地域住民の代表が必ず任命されるべきだとの趣旨からいたしまして、これを法律において規定することといたしているのであります。  第四の理由は、大学は単に教える者と教えられる者との場と見ることは適当でないのでありまして、学問を修め、社会に出て貢献する人物を養成する場と考えるべきであります。そこに学ぶ学生は大学という社会で正しく位置づけられるべきであります。すなわち、大学においての学生の人格的存在を評価することであります。  過去数年間にわたり激しく展開され、現在もなおやむことのない大学紛争、そして学生問題の根底にある重要な一面は、学生の人格的存在が認められていない大学社会に対する反抗と見るべきであります。  かつて東京大学の教授でありましたエドモンド・ブランデン氏は、学生に対し、諸君は青年紳士なりと言われ、学生の人格を尊重されたことは有名であります。したがいまして、氏に対する深い尊敬の念は、いまなお氏の教え子である方々が堅持するところと聞いております。  この意味から申しましても、大学における学生数が多くなった現在は、それだけに教授等の個人的な方針や態度だけでは補い得ないものがありますから、全学生の加入する学生協議会を法的根拠のもとに設け、大学の管理運営等一切の事項に対し意見を表明し、または建議することができるようにすべきであります。  もちろん、学生協議会は、学生の総意に基づき運営されるようにするため、協議会代表の選考方法、会議の運営、協議会の財政その他必要な事項が民主的ルールによって行なわれるような制度を大学全体の良識をもって設けることといたしまして、本修正案のうち最も重要な修正事項として提案いたしているのであります。  最後の修正案は、このような民主的なルールによって選出された学生協議会の代表が、大学の管理運営に全責任を持つ学長、また一面から申しますならば、その大学の象徴ともいうべき学長の選考に参加することは、民主主義の原理に照らしてけだし当然のことだと考えるのであります。  したがいまして、本修正案では、このような学生参加の方法を明らかにして、政府案によります学長選考権者のほかに、学生協議会の代表を新たに加えることによりまして、全体の四分の一を下らない選考権を学生協議会に与えようとするものであります。  以上、きわめて要点のみにしぼって提案の理由を説明申し上げた次第でありますが、筑波大学が真にわが国の大学教育に新機軸を開くのか、それとも政府原案によって世上の非難するような大学とするのか、重大な岐路に立っていることを思いますときに、高いステーツマンシップに立って慎重な御審議を賜わり、委員各位の御賛成をお願いして、提案の説明にかえます。

田中正巳自由民主党

○田中委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。     —————————————

田中正巳自由民主党

○田中委員長 原案及び修正案について質疑を行ないます。

三塚博自由民主党

○三塚委員 委員長。

田中正巳自由民主党

○田中委員長 三塚博君。

三塚博自由民主党

○三塚委員 動議……(発言する者、離席する者多く、聴取不能)

田中正巳自由民主党

○田中委員長 三塚博君……(発言する者多く、聴取不能)動議に賛成の諸君の起立を求めます。——よって、さよう決しました。  討論の申し出もありませんので、この際、安里君提出の修正案を採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。——起立少数。よって……(聴取不能)さよう決しました。  続いて原案について採決いたします。  原案に賛成の諸君の起立を求めます。——起立多数。よって、原案のとおり可決いたしました。  なお……(聴取不能)委員会報告書の作成は、委員長に御一任願います。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時十一分散会      ————◇—————     〔報告書は附録に掲載〕

国会会議録検索システムで原文を見る ↗