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71回国会衆議院1973/05/09

文教委員会 第16号

発言数
358
登壇者
16
会派数
3
開催日
1973/05/09

会議録

田中正巳自由民主党

○田中委員長 これより会議を開きます。  木島喜兵衛君外七名提出の学校教育法の一部を改正する法律案、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案、公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律の一部を改正する法律案、及び、教育委員会法案、以上の各案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、これを許します。山原健二郎君。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 今回提案をされております法案が四つあるわけです。養護教員の問題、小中学校の定数問題、高等学校の定数問題、それと教育委員会法の改正案、四つでありますが、私は、きょう主として義務教育における定数について質問をいたしたいと思います。  特に、今度のこの委員会におきましても、小中学校における定数問題はずいぶん問題になってまいりました。私のほうの栗田議員からも、かなりの時間をかけまして文部大臣に対する質疑が行なわれております。また、この定数問題は、現在学校教育に携わる者、教職員はもとより、父母にとりましてもきわめて重要な問題になっておりますし、これをまず解決をしてもらいたい、喫緊の問題として、世論は沸騰しているという現状にあると思います。そういう意味で、私は、この定数問題というのは、文部当局としても最も重要視しなければならない、しかも、最も早急に実現をしなければならない問題だということを、お互いに腹の中にしっかりと入れる必要があると思っています。そういう意味で、今度この法案が提出をされましたことにつきましては、これはきわめて時宜を得たものであるということと同時に、これに対する審議は、当然精密に行なっていくべきものであるというふうに考えております。その意味におきまして、今後定数是正の問題が起こっているわけでございますから、その定数是正をどのようにしていくかという点でも、当文教委員会としては相当の責任を持った論議をしていく必要がある、こう考えておるわけであります。まず私は、その意味で、いままでもしばしば出されましたけれども、現在学校教育がどうなっておるかという、その点で少し事例をあげてみたいと思うのです。  まず第一番に、これは一つの例だけを申し上げますが、これもしばしば当委員会において使われておりますけれども、もう一度記憶を新たにする意味で申し上げるわけですが、現在小学校、中学校における教育内容の理解程度の問題でございます。  これはもうすでに御承知でございますけれども、教育内容の理解程度について全国教育研究所連盟の調査が出されておるわけであります。これは学習指導要領に基づいて一クラス四十五名の生徒定員で授業をした場合、先生はどう判断をしているか、また指導主事はどう判断をしているかというきわめて重要な資料でございます。しかも、これは昭和四十五年に行なわれた調査でございまして、それからすでに三年を経過しておりますから、この数字は少しより悪く変わっておるのではなかろうか、こういうふうに思うわけですが、その四十五年の資料によりますと、学習指導要領に基づく授業の理解程度というのは、小学校におきまして約四分の三の子供が理解をしておるのが二八・九%、それから約半分の子供が理解をしておるというのが四九・二%、それから約三分の一の子供が理解しておるというのが一四・〇%、こういうふうになっているわけですね。そうしますと、学校の先生方の判断によると、みずから教えておりまして、学習指導要領に基づいて授業した場合、約半数以上の子供が理解をしていないという結果が出ているわけです。それから、中学校の場合も同じく理解程度が二分の一以上が五〇・二%でございますから、約半分の子供、四九・八%の子供が理解していない、こういう状態が出ております。  これは学校の先生方の判断の場合ですが、指導主事の判断によりましても、約二分の一の子供が理解をしておるというのが五〇・五%、すなわち逆にいたしますと、約半分の子供がわからない状態に置かれている、こういうきわめてショッキングな数字が出てまいったわけです。  おそらく文部当局もこの数字を見まして、先生方の判断と指導主事の判断ともほぼ一致しておるということになりますと、これはまさに日本の教育にとって最も重大な問題であろう。しかも、この説明資料を見ますと、先ほど私が申し上げましたように、「だが、この数字は未だ昨四五年度のものです。今年四月から、小学校では一斉に教科書の改訂がおこなわれましたが、新教科書になってからの学習理解の低下は、一段と激しさを加えているようです。「学習のわからない子がふえてきた」という声は、全国のどこからでも出ています。現場の教師は勿論のこと、子どもたちも、父母たちもみんな困ってしまっています。」というふうなこの説明がつくわけですね。こういう事態をどうするかということ、これはほんとうに重要なことだと思います。  この点について提案をされております木島先生、どういうふうにお考えになっておるか、またこの原因をどういうふうにお考えになっておるか、私ども一応の考えはありますけれども、先生のほうからもこれについての見解を伺っておきたいのです。

木島喜兵衞日本社会党

○木島議員 いま山原さんのおっしゃいました教育内容の理解程度の低さということは、いま御指摘のありました資料その他はもはやどこでも言われておるようなことであろうと思うのでありますけれども、いまの御質問は、その原因が一体いつ、どこから来ておるのかということであります。   〔委員長退席、内海(英)委員長代理着席〕  一つには、学習指導要領等による教育内容の量の多さ、したがって、批判力や判断力というものの養成が中心でなしに、詰め込み主義、そしてそのことが進学競争とからんでテスト教育になっていく、そのために、ものごとの判断よりもものごとを覚える、いわば雑多な無統一なものをとにかく数多く覚えてテストに通らなければいい成績にならない、いい成績でないと有名校に行けない、進学率の高い学校に行けない、そういうことが一つにはある。  それからもう一つは、いま、この法案とからみますけれども、定数の問題だろうと思うのです。学校教育というのは一体何か、せんじ詰めれば、教師が子供と接することが学校教育だろうと思うのです。学校教育行政というものがありますけれども、学校教育というものをせんじ詰めればそこにいくんだろうと思う。したがって、行き届いた教育をするためには多くの子供を受け持ったのでは、いい、行き届いた教育はできません。それから今日、先ほど山原先生の御質問の前段にもございましたけれども、本来教師が持っておる任務以外の授業がきわめて多いから、現場の学校へ行って、いま何が一番必要ですかというときには、どこでも異口同音に出るのは、定数是正ですと答えるのが現状であろうと思うのです。それは一体なぜか。一つには子供の数がよけいである、だからたとえば作文なら作文一つでも、うちへ持って帰らなければ読み返すことができない、あるいは雑務が多い、任務以外がきわめて多い。だから、本来ならば授業時間が終わったらあすの授業の企画、準備、そして授業が終わった後の整理、そのための教材研究なりあるいは研修なり、そういうものが元来本務であろうと思うのです。学校教育法二十八条によるところの教諭は教育をつかさどるといっておるものは、これは教育をつかさどるけれども、学校教育であって、社会教育とはいえない、限定されたものであろうと思う。けれども、その教育すら、教育という授業ではなしに、その授業のための準備あるいは教材研究あるいは整理、そういうことに対するところの準備ができないで、ほとんど雑務に追われておる。そういう立場では、一つには授業時間が長いこともあります。一週間におきますところの授業時間数の多いこともあります。あるいは生徒の数の多いこともあります。雑務があります。事務があります。本来の任務以外のものが多い。そのために教育に専念できないということが、いま御質問の理解程度が非常に低いということの大きな原因ではなかろうかと思います。したがって、このような法案を出したところのものでございます。自民党のほうでもたいへん御賛成のようでありますので、御賛同いただくことを期待しておるものであります。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 私どもの考えておることと一致するわけですが、まあ私ども、お互いに学校の現場におった者でもございますし、また現在学校現場を見て回りますときに、もうほんとうに何とも言えない忙しさといいますか、そういうものを感ずるわけですね。だから先生方も、産休とか、そういう病気にかかる、あるいは結核にかかるとかというような場合には休みもほぼとれるわけですけれども、その他の少々の病気はがまんをしていくというような実態を見せられる。休めば他の先生に迷惑をかけるというようなことが、教員の健康状態まで阻害しておるという状態まで出ています。ほんとうに子供たちが落ちついて勉強できるような状態をつくり出すということ、これがわれわれお互いに一番念願しておるところだと思うのですが、きょうは文部大臣おいでになりませんから、河野政務次官がおられますので、実はお聞きしたいのです。  いま提案者の木島先生からこの問題についての御回答がありましたが、現実に半分の子供が理解できないというのは、文部省にとっても実際深刻な問題だと思うのですね。その原因について文部当局としてはどういうふうにお考えになっているか。やはりここで伺っておきたいのです。

河野洋平自由民主党文部政務次官

○河野政府委員 山原議員、先ほどから御指摘をいただいております報告書に書かれておる理解度というものが、一体いかなるものであるか、私には十分理解できませんが、現在の教職員の定数等について、いろいろな議論があるということは私も承知をいたしております。文部省といたしましても、過去数回にわたり年次計画を立てて、教職員の定数を改善といいますか、数において少しずつ進めてきたわけでございます。今回、木島議員御提案のこれらの法案につきまして、私ども拝見をいたしておりますが、相当数教職員を増加させなければ実現できないわけでございまして、教職員の数をふやすために先ごろ免許法等についても御審議いただきましたし、あるいはまた教員養成のための制度的なもの等についてもこれまた皆さま方にお考えをいただきたい、こう考えておるわけでございます。教職員の数をふやすということを考えないで、ただ単に定数法の改正だけをすればいいということではない。これは山原委員も御理解いただけると思いますが、そうしたことをひとつ包括的に御議論いただけるとなお現実性が出てくるのではないか、こう考えております。  御質問の、理解度が低いではないかということにつきましては、私ども先ほど申し上げましたように、知識伝達についての理解度というものが、アンケート調査の結果そういうふうに出ておるというふうに御指摘でございますが、どういう種類のものであろうか、十分私掌握できません。と同時に、学校教育それ自体は知識の伝達だけが一〇〇%の目的ではなくて、それ以外にも幾つかの目的も備えておるものだと考えておりますので、いろいろな角度から御検討をいただきたい、こう考えております。

木島喜兵衞日本社会党

○木島議員 いま河野政務次官から、教員養成を考えないで定数だけをよけいにするということはいかがなものかという意味のことがございました。確かにそのことがあります。先ほどの御質問の理解度が低いということの中には、一つには数だけでなしに教員養成のあり方、そういう問題も含まれましょう。けれども、それでは今日まで教員養成についてどれほど政府はそういう意識を持ってやってきたかというと、私はたいへん疑問に思うのです。同時に、たとえば六・三制なら六・三制をやったときに、定数が、教員の資格者が少ないからということのために六・三制はやらないということにならなかったのです。先般、障害児教育のことについて私が大臣に質問したときに、なぜ義務制にしないのだと言ったら、障害児教育を担当する教師が少ないということを御答弁になりました。しかし、私はそう思わないのです。なぜなら、二十三年から盲ろう学校は義務制になりました。しかし、盲ろう学校のときには、決してその担当の心身障害児教育をするところの教師があったのではありません。むしろ制度をつくったそのことから、逆に政府は教員を養成されなければならなかったのです。だから、たとえば養護学校の場合もそうだと思うのです。ところが、教員養成がないから義務制をしないのだといって、心身障害児の教育権というものを、憲法二十六条の第一項にいうところの国民の教育権、学習権ということを保障しないということにはならないと思うのです。したがって、確かにいま政務次官もおっしゃったとおり、養成と無関係ではありません。しかし、養成をしなければ定数をふやせないということは、戦後の教育の歴史がそのことを否定しておるだろうを思うのです。そういうことだけをつけ加えたいと思います。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 政務次官の答弁に関連して岩間初中局長にちょっと伺いたいのですが、いま私が出しました全国教育研究所連盟の調査ですね。それで、この中には指導主事の判断も出ているわけでございますが、指導主事といえば、これは必ずしも民間の団体のものではありませんし、それから、この調査をした全国教育研究所連盟そのものも、かなり公的なものと私思っているのです。文部省事務当局として、この資料はどういうふうな把握をされておるのですか。これは理解度の調査ですからね。そこの基礎のところをちょっとはっきりさせておかぬと、これがあいまいだということになるとぐあいが悪いので、どういうふうに判断されていますか。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 これは、ただいま先生が御指摘になりましたようにアンケート調査でございます。教員がどう考えておるか、それから指導主事がどう考えておるか、そのこと自体を私どもは否定するわけでもございませんし、またその結果につきましては、私どもも深く反省しなければならない点を含んでおると思います。ただ、アンケート調査というのは主観的な判断の集積でございますから、これをいろいろ客観的に分析してみる必要があるだろう。つまり理解ができないということは一体どういうことなのかということ自体もあまりはっきりしないわけでございまして、その原因がただいま御指摘のように、教員の数の問題なのかあるいは教員の質の問題なのか、あるいはそもそも子供たちにはかなりの能力的な分布があって、やはり多数の人を教える場合には、そのどこかをねらって教育をしなければならない。そのために、それに追いついていけないという人も出てくるわけでございます。そういう問題をどういうふうに考えるか。つまり教育の内容、程度の問題ももう一つあるわけでございます。要するに教員の質と、教員の数と、それから実際に教育を行ないます内容の程度、その三つの面からこういう問題を反省していく必要があるだろうというふうに受けとめておるわけでございます。ただ、世界的に見まして、ただいま御指摘のように日本の教育の現状というものはその一端が示されているわけでございますけれども、世界各国の比較で申し上げますと、たとえば数学とか理科の国際比較の結果が出ております。これはテストによるものでございますが、日本は最優秀の成績を示しております。そういたしますと、世界各国との比較の中ではかなり優秀な成績をおさめているわけでございまして、そういうものとの関連をどういうふうに考えるか、いろいろな問題点を含んでいると思います。私どもはそのアンケート調査自体につきまして客観的な分析というものが行なわれていないという意味では、不十分な点があると思いますけれども、その結果自体につきましては、ある意味で謙虚に受けとめる必要がある、そういうふうに考えております。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 この調査はアンケート調査だということで、その信憑性といいますか、どの程度に判断をしたらよいかという問題は残ると思いますが、しかし現実にはかなり、この間も免許法のときに私が指摘しましたように、お客さまといわれる子供たちも連れていくということは、文部省がどう言われようとも、世間一般、また教育関係者の間では、確かに子供たちに対して理解さすことが困難になってきたということ、また今度の教科書改訂によってさらにそれが困難になっておる。半分というこの数字が出ておりますけれども、かりにそれを少し天引きをして半分ではないにしても、わからない子供がおるということは事実であり、しかも、それがふえておるということも、これは現場を知っておる者はみんな知っておるわけですね。それを何とか解決しなければならぬ。それがもういま教員にとっても父母にとっても一番の悩みになっておるという、この父母、教師の感情、原点に立ち戻らないと、やはりぐあいが悪いと思うのです。そういう点で、私は文部省においてもほんとうに学習指導要領あるいは改訂新教科書による教育の理解度がどうなっているのかということは正確に把握をされる必要があると思います。それを基礎にしなければその原因を明確につかむこともできないわけでございますから、そういう点では非常に衝撃的な調査が出まして、実際そうなんですが、これをいつまでも放置するのではなくして、これは四十五年になされた調査でありますから、そういう点ではさらにこの調査をしていく必要があると私は思うのです。  それで、先ほど政務次官のほうからお答えありました、確かに定数は順次改善されてきたことは事実です。ただそれは小学校の場合、ちょっと見てみますと、大体こういうふうになっておると思うのですね。学級編制基準の変遷ということでございますと、一九五九年、すなわち昭和三十四年に六十名、その次、翌年の昭和三十五年に五十八名、そして翌年の昭和三十六年に五十六名、それから次の年三十七年に五十四名、それから次の年の三十八年に五十名、それから一九六四年になるわけですが、一九六四年に四十五名になりまして、現在一九七三年、約九年間この四十五名という数字が——毎年毎年改善されてきながらこの九年間はそのままとどまっておる、こういうことになりますね。これは正しいですか、これは初中局長。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 数次の五カ年計画によりまして昭和四十三年に四十五人というのが完成して、それ以後四十五人というふうになっておるわけでございます。先生御指摘のとおり、戦後六十人からスタートをいたしまして徐々に改めてまいったわけでございますけれども、四十五人を据え置いたという理由、あるいはこれからもちょっとそれを改善するのがむずかしいという理由は、これは御案内のように過密の現象というのが進んでまいりまして、それに伴って深刻な校舎の不足等がございまして、そのために学級編制がなかなか手につかない。またこれから先になりますと、子供が第二のベビーブームになりまして約二〇%くらい増加するだろうということが見込まれているわけでございます。これが過密現象と相まって、実際問題として学級編制の改善というものはなかなかむずかしいというふうな実情になっているわけでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 この定数是正が年を追って改善されてきておるということばで多少私もごまかされてきたわけですけれども、いま初中局長のほうから四十二年という、私の計算では四十二年ではなくて三十九年からだと思うのですが、かりに四十二年にしましても、約六年間経過しているわけですね。その間定数は動いていないということは事実なんです。しかもそれは、人口過密その他がありますけれども、しかし子供にとってみたら、人口過密とか、そういうことは、これは問題にならないわけで、教育を受ける側から見ると、やはりほんとうに改善をしていくなら、いろいろな悪条件は重なろうとも、それを改善をしていくという文部省の決断というものが必要だと思うのです。これがいま停滞をしているわけですね。これを何とか変えなければならぬのじゃないかということで、いままでも論議されましたし、また、現在のこの木島先生をはじめとする提案になったのではないか。その意味で、この提案はきわめて今日の時点において歴史的な意義を持っておると私は思うのです。こういうことがなければ、どこで突破するかということになると、文部省の出方をいつまでも待っておってもこれはどうも解決しないという焦燥感がありますから、そういう点では、この法案について、こういう案を出されたことに対しましては私どもも敬意を表したいと思っています。  それから次に、もう一つ、提案者のほうにお待ちいただきまして文部省のほうにお伺いしたいことがあるのです。  それは、一昨年六月に出ました中央教育審議会の答申の中で、これは初中局長にお伺いしますが、御承知のように、長期教育計画の策定と推進の章があります。その中で、「予測計量に関する試算」が出ているわけですが、これは年次計画を追って、昭和五十年から昭和五十五年までに一学級生徒を四十人にする、こういうのが出ておると聞いておるのです、これは試算でありますけれども。これは、そういうことが大体中教審の見解として、どういう形であれ、出ておりますか。それをつかんでおりますか。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 手元にちょっと資料がございませんので、正確な御答弁はできませんが、たぶんそうなっていると思います。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 そうしますと、この中教審のそういう見解が出ておるとしますと、このいま出されております法案も、当面だろうと思いますが、一学級四十五人の学級編制を四十人とするということで、合致した形になるわけです。  それで、この中教審の答申の試算というものを考えてみますと、昭和五十五年までに四十人にすることがおそらく現下の教育情勢の中で適切なものだと考えてこれが出されたと思うのでありますが、そうしますと、昭和五十五年までに四十人にするとしますと、大体教員をどれくらい増員をしたらいいのかという問題でございます。私も多少試算はしておりますが、文部省、これは中教審の答申に基づいて試算をされておりましたら、その数字をあげていただきたいのです。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 これは中教審の答申に基づくものではございませんけれども、いまの時点で、ただいま御提案になっております法律案に基づいて私どもが試算をいたしますと、小学校でいうと二万六千五百名程度、中学校で一万六千八百人程度、合計いたしまして四万三千名ちょっとというふうな試算でございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 私どもは実は前々の選挙から、学級定数についての方針を出しているのですが、大体三十人以下というふうな考え方でやってまいりました。また、日教組なんかの見解は三十人以下というふうな数字も出ております。かりにいま四十名ということにいたしますと、四万そこそこの教員増ということになるわけですね。そうしますと、その経費というのはどれくらい要るものですか。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 私どもの大ざっぱな計算でございますが、大体、国庫負担金で五百億、それから地方負担分で五百億、合計いたしまして約一千億というふうな計算になります。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 私の計算も、大体五万人の増として、約一千億。それで、国庫負担が二分の一で五百億という数字が出てくると思っておりました。  この数字というのは、これはあっさりいえば、たいした数字じゃないわけです、やろうとすれば。そういう点で、ほんとうに改善をしようとすれば、いま提出されております法案をやろうとすれば、実際はできないことはない、不可能な問題ではないと思うのですね。  わが国の教育予算というものは、国と地方合わせまして、いま国民所得の大体何%になっておりますか。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 ちょっと正確な数字を申し上げられなくて恐縮でございますが、二%程度じゃないかと思います。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 これは昭和四十五年度で四・九%です。率直にいってこれは五%を割っているわけですね。まあ急に聞いたから、それはお答えできないのはわかりますけれども、五%を割っています。それで、イギリスの場合が六・四%、アメリカの場合が六・四%、フランス五・二%。せめてイギリス、アメリカ並みにするとなりますと幾らふえるかという試算をしてみますと、大体三兆五千四百億という数字が出てくるわけです、教育予算がですね。そうすると、現在の教育予算が二兆何がしでございますから、あと六千五百八十五億という数字になってくるわけでございます。そういう数字は、この予算というものは出るんじゃないかというふうに私たちは考えているわけです。これを確立をすれば、定数の是正ということがともかくできるわけでございますから、そういう点で、ほんとうにやるかやらないかという決意がこれにかかっておると思うのです。私は、これが昭和四十五年の試算でございますから、それを四十八年にいたしますとどれくらいの数字になるかということもお聞きしたいわけですけれども、おそらくその数字は出ないだろう。いま、四・数%もわからないというお答えでございましたから、ちょっと出ないだろうと思うのですが、そうたいした経費ではありません。  そこで、現在わが国の学級編制基準が、資本主義の国の中でも、率直にいって最低であるわけですね。それは、ここにあります、これは文部省からいただいた数字でありますが、主要国の学級編制基準、一学級当たり生従数は、日本が小中学校とも四十五名、アメリカ合衆国が初等学校二十名から三十名、中等学校が二十一名から三十三名、イギリスが初等学校が四十名、中等学校が三十名、フランスが初等学校四十名、中等学校三十五名、西ドイツが初等学校三十三名、中等学校の場合は実業学校が三十名で、高等学校が二十四名、ソ連の場合は初等学校が四十名で、中等学校三十五名、こういう数字が出ております。そうしますと、主要国における学級定数というのは、大体日本よりははるかにいいわけでございまして、そういう点で、国際的な現状から見ましても、どうしても改善をしていかなければならぬ段階を迎えておると思うわけです。  このことについて、この国際的な関連などから考えましても、これは提案者にお伺いしたいのですが、やはり喫緊の問題としてこの法案を出されておると思いますが、その辺についての見解をぜひ伺っておきたいのでございます。

木島喜兵衞日本社会党

○木島議員 先ほど初中局長から御答弁がございましたけれども、日本の教育が進んでいる進んでいるというのは、進学率であって、内容ではないだろうと思います。ことに定数問題でいうならば、日本の歴史をたどれば、明治十九年に小学校令でもって最初に出ました、これが八十名から出発している。そして昭和十六年の国民学校で六十名になって、それから今日に来ているわけです。それを先ほど、六十名から戦後出発したと局長が言ったのだと思います。  ことにわれわれが指摘したいのは、戦後のベビーブームが済んだとき、小中学校の児童生徒数が少なくなったときに、もっと思い切って一学級の定数というものを減少することが、あのときに一番必要であったろうと思うのです。ですから、確かに進学率は高い。けれども、先ほど山原さんの御質問の中にあるように、教育内容の理解度がきわめて低いというところに問題があるんだろうと思うのです。  このことの中でもって、教育費の問題をいまおっしゃいました。私は、一つは教育財政をどうするかということが大きな問題だろうと思うのです。教育基本法第十条の「教育は、不当な支配に服することなく、」ということは、一つには、形の上では教育委員会をつくって公権力からの独立を目ざしました。けれども、財政の政策では、これは戦前からの形がそのまま続いております。しかし形の上では、確かに地方自治体の負担ということに義務教育はなっておりますけれども、その財政の場合には、教育財政の独立制と分権制というものは必要なんだろうと思うのです。これがないために、文部省がたとえば予算を要求したとしても、通らないという一因もあろう。そういう面も確立しないと、政党政治の、その政党のそのときの予算編成の政策によって教育内容が規定されるということになってくる。そういう点では、教育基本法第十条の二項の、教育行政は、この自覚のもとに、教育の目的達成のために条件を整備せねばならぬということをまともに考えれば、いま御質問の、諸外国に比べても低い、この一学級当たりの生徒数をどう減少するかということば、教育基本法の第十条第二項の条件整備という政府の責任からも、私はあえて、やらない政府に対してこういう提案をせねばならないという出発点であったかとも思います。  いまおっしゃいますように、確かにお客さんがおります。しかし、この前、私申しましたように、子供の能力というものは一直線上なんです。ですから、どこからどこまでだ、たとえばどこまでは普通児で、どこまでは特殊学級で、どこまでは養護学校で、どこまでは施設だ、こういっても、一直線上でありますから、そういう能力のいろいろなものが存在するのが社会であります。その社会の構成員をつくるのが教育であります。したがって、知能だけで、知育偏重だけでもって進んでいるところの今日の教育に対する批判があると同時に、そういうものを含めた行き届いた教育をするためには、お客さんをお客さんでなくする、そのことは教員の定数増であり、一学級の子供の減少による、そういうことを通さなければ、いつまでたっても質的な高まりが出てこないだろうと思うのであります。  いま文部省に御質問の分も含めて、私の見解を申し上げました。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 提案者と文部省の考え方とが、私の質問の中からある意味で非常に鮮明に、見解の相違というものも出てくるわけでございますが、これは今後われわれが真に教育を考える立場で論議をし、煮詰めていかなければならない問題だというふうに思います。そういう国際的な情勢から見ましても相当の立ちおくれを示しているというこの現実は否定しようもないわけでございまして、それを改善をしていくという方向に立ち向かうためにも、ここのところの論議の煮詰めということが今後必要になってくるというふうに私は考えます。こういう貧弱な教育政策といいますか、そういう中でいま問題になっておりますのはこれは臨時教員、また一名非常勤講師と呼んでおりますが、これがいま全国的に非常に大きな問題になっておりまして、日本の教育の恥部とまでいわれておる現状にあるわけです。私はそのことについていままでしばしば質問をしてまいりました。またこれは一、二の例を申し上げますと、これは東京都の場合でございますけれども、東京都の非常勤講師の出されておる資料がございます。これはほんとうに切実な訴えがこの中に書かれているわけでありますが、たとえばこの初めにこういうふうに書いているわけです。「東京都の公立学校には、現在どの学校にも、とくに中学・高校には、必ずといってよいほど、「非常勤講師」(俗に「時間講師」)と呼ばれる人々が何人か働いている。そしてこれら講師全体をあわせると厖大な数にのぼる。彼らは全日勤務ではなく、週何時間という時間単位で雇われ、授業(教科指導)のみを担当する。その身分はきわめて不安定であり、不当に劣悪な待遇におかれている。非常勤講師が導入されて以来二〇年間、この状態はほとんど変わらず放置されてきた。しかし、その数が教えてくれるごとく、その存在は東京都の学校教育の円滑な運営にとって不可欠なものとなっている。いわば、自らの犠牲的労働において、学校教育を下から支えているのである。にもかかわらず非常勤講師の存在は、これまでどれほど問題にされてきたであろうか? 行政当局はおろか、職場の仲間である専任教員の間でも、ばく然と一時的な「穴うめ」として、便利な存在として受けとめられてきたのではないか。しかし講師の多くには、次年度から時間数が無くなったという理由で、やっと慣れ親しんだ生徒たちと別れなければならない時のさびしさ、くやしさ、職を失うという不安から病気の時も安心して休めない苦しさの経験が数々あるはずである。自らの労働・教育活動にかける秘かな誇りとないまぜになりながら。労働し生活する者として、教育活動にたずさわる者として、非常勤講師のありようが、そしてそのような講師を生んでいる制度が問われなければならないと思う。そのために、非常勤講師の実情を明らかにし、その主張と運動を伝える、」として、そしてこの小冊子をつくったというのが私がいただいたものでございます。これは中身を見ますとたいへんなものでございますし、また前にも坂田文部大臣に私は差し上げた、これは「嘆きを怒りに」という本がございますけれども、やはり臨時講師の手記でございます。これは六年も勤務をして、そして毎年三月三十一日に首を切られて、そしてまた五月、六月の時期に就職先がやっと見つかる、あるいは引き続いて四月一日からなるのもおりますけれども、その勤務は普通の先生方と全く変わりませんけれども、しかし、その待遇は全く違っておりまして、赴任旅費もなければ手当もない、こういう状態ですね。首切りも自由自在、そして勤務だけはクラス担任もやっておるというようなこういう人々によって日本の教育がささえられている。しかも、こういう先生方を放置してきたこの責任というのは一体だれがとるのか。実際私ども現場に立ちまして年末手当をもらうときに、数多くおられる臨時講師あるいは非常勤講師の方々に手当もわたらない。年末手当をもらうことさえ——何とも言えない気持ちになることを経験したものでありますけれども、こういう方々にささえられて日本の教育が成立しておる。この非人間的な取り扱いをだれが解決するのかという問題があるわけでございます。これはほんとうに私は怒りを持ってこのことを訴えたいわけです。こんなことをいつまでもおくのか。この前に、坂田文部大臣のときであったと思います。高見文部大臣に対しましても、また予算委員会等でも各党の議員の方からも発言がなされておりますが、少なくとも私の質問に対して、かつて文部省は、たしか四年前だったと思いますけれども、調査をするということをお答えになっているわけでございます。しかもそのとき、現在調査中でありますという答えもなされております。それは議事録を持ってきておりませんけれども、そのことは私ははっきりと記憶をしているのでありますが、この点についての調査結果は出ておりますか。大体全国に何人ぐらいそういう方がおられるか、これを伺っておきたいのです。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 四十六年度の調査によりますと、中学校の場合には、非常勤講師が三千百六十名おります。そのうちで一番多いのが御指摘のように東京でございまして、二千五百六十九名ということになっております。非常勤講師というのは、高等学校におきましては正式に認められておりますけれども、中学校の場合には一般的には認めるようなかっこうになっておりませんけれども、実際問題としてこういうふうな職員がおるわけでございます。その一番大きな理由は、産休職員の代替職員とかそういうふうなもの、あるいは新しく採用いたします場合に志願者が非常に多い、それから採用者の中で新卒をかなりとっているわけでございますけれども、いままで非常勤講師をしておられる者の中からいわゆる待機職員みたいな形でおられる者がある、全国的に見ますと。そういうふうな形だろうと思います。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 この数字が私はどうも納得できないのでございますが、この数字の中身を実は聞きたいわけですけれども、そうも時間もありませんから、これにつきましては資料をぜひ要求したいと思いますので、お願いをいたします。  この問題について提案者の木島先生に私はどういうふうにお考えになっておるか、実態も御承知だろうと思いますが、伺っておきたいのです。

木島喜兵衞日本社会党

○木島議員 たとえば多数教科を持っておる中学校の場合で言いますと、およそ二五%が無免許運転をやっておるわけです、実質的に。これをさらにこまかく言いますと、国語では二三・二%、社会では一二・九%、数学三二・三%、理科一六・四%、音楽三八・二%、保健体育四二・九%、技術・家庭が二三・一%、外国語一六・八%というように、たとえばそのような状態であります。これは先ほど山原さんおっしゃいましたように、免許法上からいうと、私は違法行為だと主張するわけであります。なぜかと申しますと、免許法の第五条の三項は「臨時免許状は、普通免許状を有する者を採用することができない場合に限り、第一項各号の一に該当しない者で教育職員検定に合格したものに授与する。」その検定は人物、学力、それから実務、身体、これは実際にはそのような検定がなされないで、申請者が申請をすることによって出される。したがって、これは明らかに違反であります。そしてこの違反は、免許法の二十一条の「一年以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。」とあるその罰則に該当するものだと考えます。そのことはなぜかというならば、少なくとも教員の免許というものの尊厳、そのことはまた逆にいうならば教師というものの意味の深さ、尊厳さ、そのことは教育に対する尊厳、そのことがこの法律の中にうたわれているものだと考えます。そのように法律がうたわれているにかかわらず、それが違法行為でもって、中学校の二五%、四分の一が無免許運転をやっておるということを今日まで放置したところに私はたいへん問題があろうと思うのであります。憲法二十六条は「能力に感じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。」また、このことは教育基本法もきめています。したがって、ひとしく教育を受ける権利があるとするならば、もし教員資格というものの尊厳を考えるならば、教員資格を持っておる教師に教わる子供と、持たないで申請で違法行為で行なわれている教師に担任される子供は、能力に応じてひとしく教育を受けるということをまともにいえるだろうか。だからこそ教育基本法第十条は、先ほど申したとおり、その目的遂行のための条件整備をやることが教育行政であると規定したと思うのです。そのことの今日までの怠慢というものは、私は何としても政府は免れないだろうと考えます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 いま提案者のほうから専科教員の問題も出されたわけですが、現在小学校などの実態を見ますと、小学校教員、一週二十五時間が標準になっています。それに雑務が加わる。事務職員がいないというような状態で、たいへんな状態でございますが、私どもの党も、クラス担任制を維持しながら音楽、家庭、体育等の専科教員を配置するということを考えておるわけです。  それで、いまの法案の提出されました中に一つ、ちょっとこれはどうなんだろうかという疑問があるわけですが、お答えいただきたいのですけれども、それはこの問題について提案説明には、二ページの第二でございますが、「第二は、公立の小学校及び中学校の教職員の定数の標準の改善であります。すなわち、その一は、小学校教育の指導密度を高めるため、専科担当教員の配置率を新たに定めること。」とこういうふうに説明されておりますが、「配置率を新たに定めること。」となっておりますが、法案の規定にそこがないように思うのです。それで、「新たに定める」と木島先生説明されておりますから、それがどこに該当するかということで調べてみますと、おそらくこの標準定数法の第七条の二号の改正の表ですね、このことを言っておられるのではなかろうかと思うのでございますが、そうでしょうか。そうであるとすれば、もう少し専科教員とするということを法案の中で明記したほうがいいんじゃないかという考えを持っていますが、その点ちょっと伺っておきたいのです。

木島喜兵衞日本社会党

○木島議員 いま御指摘のとおりです。第七条の二の次に三を挿入しまして、それが御指摘のものに当たるわけであります。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 その次に、本法案では事務職員をすべての学校に配置する、あわせて学校図書館事務担当職員を小学校十二学級、中学校九学級以上に配置できるようにしておりますが、この問題はちょっと問題を感ずるんですね。というのは、昨年の第六十八国会のときに、本委員会の理事会において学校図書館法の問題が出されましたときに、これはお互いにずいぶん論議をし合ったところでありますけれども、私どもは図書館担当職員は学校司書を当てることが適切と考えまして、その待遇については教育職か行政職かということについていずれにするかということが論議されたわけですが、そのときに、もっと関係職員や教員団体等と協議をして検討すべきと考えておったのでございますけれども、この案は事務職として、待遇はすなわち行政職になるという考え方でございまして、その辺、この点では見解が異なるような感じも持つわけでございますが、その真の意味というのはわかるようにも思うのですけれども、その辺こういうふうに書かれた真意というものを伺っておきたいのです。

木島喜兵衞日本社会党

○木島議員 いま山原先生おっしゃるように、図書館の職員をどう理解するか、図書館の職員というものはいかなる任務を持っておるかという認識の問題になってくると思うのです。たとえば子供が図書館を利用する。この本を借りたい、ああそうですかと言って出すのが職員であるか、先ほど申しますように、たいへん定数が少ないのでありますから、そして子供たちが自発的に自主的に学習をするために図書館を使います。そのときに子供たちが持っておる疑問、その疑問に答えるのにどのような図書がいいかということを選定しようとするならば、その図書館の職員というものはまさに教育職であろうと思うのです。それこそ教育そのものでありましょう。したがって、その限りでは教育職員が好ましいと思うのであります。これを今回行政職にした点についてはいささか問題があるのでありますけれども、なぜかと申しますと、いま御指摘のように、実は前国会で衆議院では満場一致で一応通したわけでありますが、これは参議院でもって審議未了になりましたけれども、したがってその立場を考慮して、実はこれは議員立法でございますから、各党と御相談の上でもって、教育職員にすることが好ましいならば、いつでも修正に応ずる用意がございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 いまお話がありましたように、審議の経過がありますから、いま言われたことを私どもわからぬわけでもありませんし、またとりあえず定数を確保して、その処遇についてさらに検討するということは、これは当然のことだと思いますし、またそれは今後論議になることだと思いますので、その意味では理解できるわけでございます。  それで、以上幾つかの点につきまして、養護教員の問題その他ありますけれども、きょうはこの義務教育の定数法について質問を集中しているわけですが、これから先、ちょっと河野政務次官に聞きたいのです。以上のようなやりとりを背景にしまして文部省の見解を伺いたいのですが、そのあとでまた提案者に伺いますので、もうちょっとごしんぼういただきたいと思います。   〔内海(英)委員長代理退席、委員長着席〕  それで、いま私が申し上げましたように、定数の問題は一つの教育上の焦点になってきておるということを考えます。そして、文部省のほうでも、定数法の是正、来年改定期を迎えておるというふうにみずから言っておられるわけでございますし、五カ年計画も本年で終了するわけで、四十九年度から新たな標準定数法をつくる、そういう改正をするとしばしば文部当局は言明をしてこられております。それで、ほんとうのこれから先の文部省の決意の問題でございますが、これはどういうふうにいま検討をされておるかということですね。そしてどの程度、あっさりいえば、相当大胆な構想を持って臨んでもらいたいという希望を持っているわけです。そういうことについて、いま文部省の最高指導部としてどういうことを検討されておるのか、ぜひ伺っておきます。

河野洋平自由民主党文部政務次官

○河野政府委員 先ほど来からやりとりを拝聴いたしておりまして、お答えをする前に、山原委員の御質問を聞いておられる他の委員の方々に誤解があるといけませんから、差し出がましい言い方、これは山原委員十分御承知の上での御質問でございますけれども、私、一言だけ申し上げさせていただきたいと思いますが定数法、現在文部省が規定をいたしております四十五人というのは、最高限をきめておるわけでございまして、実態は、現在の実際の学級編制の平均は、小学校で三十三人になっておりますし、中学校では三十七人という数字が出ておるわけでございます。最高限を四十五人ときめておる。その四十五人を改正しないのはなぜか、あるいは改正しないのは少し怠慢ではないかという御指摘でございますから、それは改正したほうがいいのかもわかりません。しかし、実態はそういうふうに平均にして徐々に下がってきておって、小学校では三十三人が実際の平均数値であるということを、これはたいへん差し出がましい言い方でございますが申し上げさせていただきたいと思います。  そこで、いま先生から御質問をいただきました、ことしで完了いたします年次計画のあとどうするのかという御質問でございますが、これはもう当然私どもといたしましても十分研究をしなければなりませんし、実際に検討に着手しておるわけでございますが、具体的には予算編成の作業までに取りまとめをいたしたい、こう申し上げるのが現時点でのお答えでございます。ただし、文部省政務次官としてはこうお答えする以外に現時点ではございませんけれども、私の個人的な見解をもしお許しをいただいて、全く個人的な見解を申し上げさせていただきますならば、先ほど来から御指摘がございました事務職員等についてはやらなければならないように私は考えております。そういう点をできるだけ整備をして教育効果を高めていくということが最も好ましい、そして早くやらなければならない問題点である、そうした点に特に配慮をしたい、こう考えておりますし、さらに特殊学級であるとか、養護学校であるとか、あるいは僻地の問題については、さらに十分な配慮をすべきものだ、このように考えております。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 いま、私の定数四十五名についての反論もありました。これはいままでも文部大臣からも答弁があって、前に栗田さんの質問に対しても文部大臣が、小学校が三十二・八人、「最高四十五人でございますけれども、平均では小学校は三十二・八人、中学校では三十六.八人、こういうことになっておるわけであります。平均ではそうなんでございますが、」とこういうこと、ここでいつも文部省はお逃げになるわけでございますから、しかし、ではGNP世界第二番とか第三番とかいっておるところが、国際水準の標準規定というものからいうならば低いものになっている。平均をしますと、それは小さな学校もたくさんあります。だから、今度の木島さんの提案されております法案の中では御承知のように、単に一学級四十五人の学級編制を四十人とするということだけでなくして、特殊学校の場合、僻地学校の場合、そういう点が配慮されて、そして全体を上げていくという法案になっているわけで、それが相互に関連をしてこの定数問題はあるわけですから、そこに、四十五人だけれども平均で三十二・八人だということだけで、それを根拠として言われますと、いつまでたってもこの問題は変わらないわけで、その点ちょっと提案者の御意見を伺ってみたいのです。

木島喜兵衞日本社会党

○木島議員 これは山原さんのおっしゃるとおりであります。ですから、四十五人を四十人にしたからといって、平均が五人下がるわけじゃありません。四十五人をこしたところが二学級というのが、四十人をこしたところが二学級になる。三十人のところは依然三十人だから、したがって、平均がマイナス五になるという数字ではございませんが、しかし、いまおっしゃるように、だからして僻地なりあるいは複式なり、あるいはいま法律でいわれる特殊教育、われわれは心身障害児教育といいたいのでありますけれども、そういうものに対するものとか、あるいは専科教員だとか、そういうもの全体でもって補っていくということでありまして、ことにいま政務次官からおっしゃいました事務職員をよけいにするということは、まさに緊急のことでありましょう。  そのことは先ほど申しましたけれども、同時に、養護教員もそうであります。今日、事務職員、養護教員ともに、学校教育法二十八条では必置制であります。必置制であるけれども、事務職員については特別の事情がある場合においては置かないでよろしいというただし書きがあり、養護教員については附則の百三条で当分の間置かないでよろしいとあります。そのただし書きなりあるいは附則は何で置かれたかというと、当時は資格者がいなかったからであります。しかし、もうすでに学校教育法ができてから二十五年以上たっておる。しかるに、まだなお両者は五〇%前後であります。したがって、各学校に一名ずつの事務職員、養護教員を置くとするならば、いまのスピードでいくならば、五十年たたなければ一つの学校に事務職員が一人ずつ置けないということになる、養護教諭が置けないということになる。まさに文部省の当分の間という法律のことばの解釈は半世紀を意味しているらしい。しかし、少なくともこのことは法律の解釈上の常識では許されないことばであろう。だからこそ、そういう意味では、ことに政務次官の言われた事務職員については期待をいたしますけれども、同時に、養護教諭もまた同じことだろう。法律の趣旨をもっとまともに受けて、その対策を——養護教諭の場合においては養成問題がきわめて重大であります。このことは、いま御質問にございませんから申しません。別の法律を出しておりますから、そのとき御審議をいただきたいと思いますけれども、このことについても基本的に討議をしなければならないことだろうと思っておるところであります。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 いまこういう現状の中で、各都道府県におきましてはいろいろな苦労をしておるわけですね。たとえば、ことしひのえうまに生まれた子供が小学校一年生に入るということで、僻地の学校におきまして複式に転落せざるを得ないというところも、私の県では相当数あるのです。それで、それをどうするかという問題が出てまいります。そうすると、県の教育委員会は教育水準をダウンするわけにもいかないわけで、それでいろんな苦労をして地方財政の持ち出しをやって苦労しているわけですね。こういうことからも、いわゆる教員確保の努力が地方自治体においてなされているわけでございますが、そういうことに対する文部省の態度ですね。そういう切実な問題に対しては、文部省として、県、地方自治体のその努力に対してこたえる体制がはたして実際にあるのか。これはほんとうにやむを得ざる状態の中でそういうことがなされているわけでございますが、これらの問題についてどういう態度をとられるか、伺っておきます。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 私どもは、全国的な規模におきまして一応基準を立てて、それを各県でそのために財政上もあんまり困難がないようにするというふうな考えでまいっております。したがいまして、個々の具体的な問題、また、ひのえうまのような、ちょっと予想できなかったような問題が、五カ年計画を立てました当時には、なかなか把握しにくかったという点もございます。しかしながら、一般的に、たとえば最低保障の制度がございますけれども、そういうふうにいたしまして、そういうふうな各都道府県が個々の事態に応じられるような仕組みというものを私どものほうで考えるというのが、国の責任ではないかという考えでございます。定数法をつくりましたときも、いろいろ御議論はございました。しかしながら、各教育委員会が財政的にもあるいは行政的にも困難が起こらないように全国的な基準ないしは仕組みをつくりまして、各都道府県がその他の具体的な問題につきましては、ある程度弾力的に配慮ができるように、そういう考えでいま臨んでいるわけでございます。したがいまして、個々の具体的な問題につきまして不都合があるという点は、先生御指摘のとおりでございます。また、そういう場合に、私どもは、ある程度府県のほうで弾力的にものを考えていただくということもこれはあり得ることでございます。ただ、全国的な基準をつくりますと、どうしてもそういうふうなこまかい点についての配慮が欠けるという点は、これは御指摘のとおりであります。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 いまの点について、たとえば具体的に救済といいますか、国のほうで何らかの手だてをする、あるいは地方財政にあまりな負担をかけないようなことをする、そういうふうな弾力的な姿勢は持っておられるわけですか。これは臨時教員の問題なんかも出てまいりますけれども……。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 先ほど申し上げましたように、たとえば最低保障などというのは、これはいわゆる過疎対策と申しますか、そういう県に対します一般的な配慮であるというふうに私ども考えております。  それから個々の県におきまして、御指摘のように県単と申しますか、単独で一時的に教員をカバーしていただくというふうな事態も起こっていることは事実でございますけれども、しかし、そのほかの複式学級の解消その他につきましても、現在の法律のたてまえから申しますと、これはある程度弾力的な幅をもちまして各都道府県がやれるというふうな状態になっておるわけでございます。そういうふうな一般的な基準でございますので、こまかいと申しますか、一時的に財政上の負担がふえるというふうなことがあるわけでございますけれども、これは定数法というふうな、法律上はやむを得ない問題でございます。しかしながら、御案内のとおり義務教育費の国庫負担法におきましては、これは実績主義をとっておりまして、各県である程度の弾力的な運営もできるようなぐあいになっているわけでございます。そういう点で私どもとしても、私どもがやり得る限度におきましては、そういうふうな点を十分考えていかなければならないというふうに考えております。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 きょうの新聞を読みますと、文部省と自民党の間に話し合いがかなりなされたといわれる学校五日制の問題が出ております。このいわゆる週休二日制という問題と教員数の問題でございますが、文部省がこういう発表を打ち上げられた背景には、当然教員数の問題が論議をされておると思うのですが、これを実行するために大体何人くらいの教員を確保しなければならないか、あるいはそれに要する経費はどの程度のものか、そういう試算がなされておると思うのでありますが、それについてお聞きしたいのです。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○岩間政府委員 週休二日制の問題につきまして、学校教育で具体的にどういうふうな扱いをするかという点については、大臣から、あらゆる角度から検討するように私ども命ぜられております。したがいまして、事務的にはいろいろ検討いたしておりますけれども、率直に申しまして、私どもいままでいろいろな仕事をやりましたけれども、こんなにむずかしい問題はちょっとほかに例はなかったように思います。それは特に教育的配慮をどうするかというふうな観点からこの問題を扱わなければならないということからでございますが、ごく単純に計算をいたしますと、結局先生が五日の勤務で子供が六日出るというふうに仮定しますと、教員が六分の一ふえる、それが教員のふえる最大限度であるというふうに考えるわけでございますけれども、まだこまかく具体的には試算をする段階まで行っておりません。そのもとをどうするかということで、ただいま大臣から検討を命じられておるような実態でございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 以上幾つか御質問を申し上げましたが、この問題は委員長もずっとおられてお聞きになっておると思いますけれども、最初私が申しましたように、一番最初に解決をしなければならない問題だと私は思うのです。実際これをやらずして文部省の仕事というのは一体何があるのか、管理運営ばかり力を入れて、実際に文部省に行政当局として与えられた任務というのは、そういうことを改善をして、真に子供たちが手の足りた教育を受けられる、そういう、学校というところが子供たちがほんとうに伸び伸びと勉強できる体制をつくる、このことに仕事を集中しなければならないときに、文部省のやっていることは、ほかのことをやり過ぎると思うのです。  そういうことにつきましてはいろいろ見解の違いは多少ありましても、実際に教員の定数をふやしていくという点については、これはおそらく教育を真に考えるものであるならば、与野党の違いはさほどないと私は思うのです。しかも、来年から定数是正の時期を迎えております。そうしますと、当委員会としてこれは今後の委員会審議の重要なポイントとしてこの問題が論議されて、あるいは今後政治的にこの問題を解決していく意味で、これは一致した体制をとっていくということが私は必要だと思っております。そういうことがなければ、いままで六年も七年もいろいろ計画は立ててきたけれども、標準定数四十五名からさっぱり解決しないというようなことではこれは話になりません。  そういう点でこの問題についてはさらに検討を深めていただきまして、相当腹の割った答申を出していくべきだと私は考えておるわけでありますが、この点について最後に、提案者のほうから、そのお考えあるいはどういう決意を持たれてこれを提案されたか、伺いたいと思います。

木島喜兵衞日本社会党

○木島議員 今回四本の法律を出しましたけれども、そのうちの三本が教員定数関係であります。ということは、いま山原先生おっしゃいますように、先ほど申しましたように、学校教育とは一体何かというならば、教師と子供の接触しかないとするならば、その行き届いた教育をどうするかということは、一にかかって定数であろう、しかも、その定数は単に教員だけではなしに、事務職員その他も含めて緻密に考えなければならぬことだと思うのです。  いま御質問がございましたとおり、ひのえうまとかそういう問題で、そういう意味ではたとえば特殊学級をつくるのに、過疎地では少なくなる、複式になる、複式になると先生が足らなくなる。そうすると、そのために事務の分担がよけいになってくるから、したがって、特殊学級をつくって、そこで教員を確保しようというような発想からの特殊学級すらある。そういうことはまさに邪道であります。むしろ心身障害児というものを、一生、ある学級の出身者といって格付けして、一生差別されて生きなければならないというような運命をしょわされることにすらなると思います。したがって、そういうことも含めるならば、本来定数のきめ方にはいろいろ議論があろうと思いますけれども、教育委員会というものができて、教育が地方分権である限りにおいては実員、実額を半額負担する、いまのことを前提にするならば。定数をきめなくて、教育委員会が地域の実態に即して必要な教師は、一定の標準があろうとしても、実員に対し実額を国が補助するという形が一番好ましいと思う。しかし、それが直ちにできないとしても、少なくともそういう弾力性がなければならぬのじゃなかろうかという気がします。そういう意味では、たとえば複式になるから無理な統合が行なわれる。そのためにいろいろな問題があり、このごろ田沼なんかでもずいぶん問題になっておるようなそういう悲劇が起こっておるわけであります。そういうことも含めると、教育の一番の基本は定数にありはしないか、そう思って御提案申し上げておりますので、皆さまの御賛同をお願い申し上げます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 最後に、私の質問はこれで終わりますが、教育委員の制度改正案などもありますけれども、そのことは本日は時間もありませんし触れません。しかし、この法案を全員で賛成していただけるように期待をいたしまして私の質問を終わります。

田中正巳自由民主党

○田中委員長 午後一時再開することとし、この際休憩いたします。    午後零時二分休憩      ————◇—————    午後一時九分開議

田中正巳自由民主党

○田中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  国立学校設置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。塩崎潤君。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 大学の進学率が四〇%にも達する見込みがあるわけでございます。そしてまた高等教育の大衆化がますます進んで、社会の声を聞く大学がたいへん要請されている今日であります。そのような今日に、国立学校設置法の一部改正が提案されたことは、私はたいへん意義が深いと思うのでございます。しかし、それだけに、この法案については問題点があり、さらにまた批判があるわけでございます。  奥野文部大臣、本会議でたいへん詳細な御答弁もございましたが、きょうからひとつこの委員会で、この法案のねらい、内容について、ほんとうに国民が納得できるような御答弁をぜひともお願いしたいわけでございます。  私は、序論的な意味で三つばかりの問題点について御質問申し上げまして、あとは同僚の上田議員から、なお詳細なこの法案についての御質問がありますので、そのほうに譲りまして、私は三つばかりの問題点を掲げまして、大臣に御質問申し上げたいと思うのでございます。  第一点は、きょうの毎日新聞でもたいへん問題になっておりますところの、この法案の構成の問題でございます。つまり、国立学校設置法のいままでの改正のしかたとは異質な筑波法案、筑波大学の基礎法、根拠法、組織法が、これまでの国立学校設置法の改正に見られました学部、学科の新設、増設にあわせて出されておる、この法案の形式の問題、これが一つでございます。  第二は、一番関心の的でございます筑波大学の組織あるいは仕組みが、いわゆる大学の自治に対しましてどのような影響を及ぼすか、この問題が第二でございます。第三は、今回の国立学校設置法の改正がもう天の声ともいうべき、国立大学の中でもありますところの格差にどのように影響を及ぼすか、この三つの点について、私は序論的に御質問申し上げたいのでございます。  そこで、まず第一点は、いま申しました、なぜいわゆる筑波大学法案と今回の国立学校設置法の改正が抱き合わせになったかという問題でございます。きょうほんとうに運よく毎日新聞の社会面に「受験生イライラ」という記事が出ておることは、大臣御承知のとおりだと思うのでございます。文部省にすらもすでに一万三千通の照会が来て、この試験はどうなるんだというような質問が毎日文部省をにぎわしておるようでございますし、もうすでに私のほうの選挙区の愛媛県のほうにも、受験生がやきもきというようなことで、たいへんな記事が毎日、新聞をにぎわしておるような状況でございますが、このような心配があるにもかかわらず、受験生の不安があるにもかかわらず、また父兄もたいへん心配していると思うのですが、大臣、なぜこの筑波の基礎法規を国立学校設置法の中に組み込んだかという問題、これをひとつお答え願いたいのでございます。この問題は、山原委員が本会議で御質問があったにもかかわらず、総理大臣も文部大臣もお答えがなかったのです。それだけにきょうはひとつ率直な御答弁をお願いしたいのです。簡単に言えば、それは国立学校だから、筑波大学も国立大学だからということでは、どうも一般の方々は納得しないような感じなんですね。私はいろいろ検討されたと思うのです。おそらく、国立大学でも、法形式とすれば単行法案の形もありますし、私はいろいろ考えてみましたが、国立学校設置法を大手術をして、この筑波法の法律の形式も見たんですが、別なしかたをすれば、私は二つの法案にもなったかとも思うのですけれども、おそらく、そこまで議論した結果、国立学校設置法の一本でいこうということにされたと思うのです。この問題はたいへん大事な問題でございますので、大臣から、率直な、すかっとした、胸のさわやかな御答弁をいただいて、皆さんを安心さしていただきたいと思うのでございます。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 現行の国立学校設置法には、学校教育法第一条に基づきます学校を全部網羅しているわけであります。筑波大学につきましてもいろいろな経緯があるわけでございまして、国立大学にしないで別な法人格を持たせたらどうだろうかという議論もあったわけでございます。別な法人格を持たせる、その経営にゆだねる場合には、当然別個な法律にすべきでございます。国立大学として規定していきます場合には、当然国立学校設置法に規定しませんと、従来と全く違った取り扱いをするということになってしまうわけでございます。いろいろな議論を経ながらやはり国立学校とすべきだという結論になり、自然また国立学校設置法に規定いたしたわけでございます。  同時に、大学につきまして、学部の組織以外には何らの別な組織を認めないといういまの国立学校設置法になったわけでございます。これはやはり大学についてもいろいろな型があっていいんじゃないだろうか。それぞれの大学にくふうしてもらっていろいろな組織をつくってもらうほうが、いろいろな多様な時代の要請に合うんじゃないだろうか。その一つとしてこれを規定することが、大学のあり方についての弾力化に一歩踏み出すことにもなる、そういうような将来への大学人に対する期待も込めまして、これは当然のことではございますが、国立学校設置法に筑波大学の規定を置かせていただいたということでございます。これに規定することにつきましては何ら特別な疑問もはさみませんでした。当然のこととして、こういう法律形成をとったわけでございます。それが別の法律規定にすべきであったじゃないかという議論が起こってくることに、実はたいへん疑問を抱いているのが率直な感じでございます。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 医学部の設置など、国民のたいへん要望しておる問題と筑波大学等を抱き合わせて、つまり砂糖をなめたければ塩も一緒になめよというような意図は、私はないと思うのです。しかし、それだけ皆さん方が心配しておる点は、この法案を見て気がつくのですが、たとえばいま大臣は、国立学校設置法というものは学部しか置けない、筑波大学の学群、学系というような新組織は置けないというようなことで国立学校設置法を改正する必要が起こったと言われましたが、確かにそうだと思うのですが、しかし私は、学校教育法を開いてみると、学部の組織は実は設置法じゃなくて学校教育法にあるんですね。そうすると、教育学部を置く、何とか学部を置くという具体的な設置について国立学校設置法に規定されておる。大臣、法律の立案についてたいへん御専門家ですから、私が言うまでもなくお気づきのとおり、これは根本的にここまで大臣が筑波法案の中で新しい組織を考えられるのなら、ほんとうは第二章の二というようなことで筑波大学の組織を、たとえば学群、学系を国立学校設置法なんかに書かない、むしろ学校教育法の中に堂々と学群、学系というものはこういうものであるというふうに組織を書いて、そして設置法のほうには筑波大学の若干の規定を入れれば済む。私は、第二章の二は、筑波大学の組織として学群、学系を書いておられる、こんなようなやり方じゃなくて、ほんとうに大手術をして、ひとつ奥野構想を大きく出して学校教育法を直すと同時に、どの大学も学群、学系を学校教育法の中から選び出せるような仕組みにするぐらいのことを考えたらどうかなと思ったのです。しかし、それまでやりますと、おそらく皆さんが、野党の方々が心配されるように、いや、筑波大学だけじゃなくて、ほかの大学にも学群、学系あるいは副学長とか、いろいろ新しい組織を押しつけるからというような心配を持たれるから、まあ筑波大学の設置法を、組織を国立学校設置法の中に入れたんじゃなかろうか、そこまで検討されてこうなったんではないか、いわゆるアウフヘーベンの形で持っていったんじゃないかと思うのですが、そんなことはなかったのですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 国立学校設置法に筑波大学を規定いたしましたが、全く何のためらいもなくそういう形式をとったわけでございます。国立学校設置法の中に大学がございますが、全部学部しか認めていないわけであります。一々何学部、何学部と書いてあるわけでございます。そうしますと、それしか認めないのじゃなくて、もっと弾力化して、筑波大学につきましては東京教育大学がそういう構想を打ち立てられて希望されてきたわけでございますから、それを取り上げてあげる。学校教育法の問題は、国立大学に関する問題だけじゃございませんで、私立大学等にも関するものでございまして、学部以外の組織を設けることができるのですよということを書かせていただいたわけでございます。国立大学に関する限りは、各大学の学部を改めません限りは筑波方式を押しつけようと思っても押しつけられないわけでございます。しかし、各大学にこれを機会にもっと積極的にくふうをしてもらう、新しい方式を編み出してもらう、編み出していただければそれを私たちが法律改正の形で国会で御審議をいただく、そういう機運をつくることができるわけでございますので、むしろこれを機会に各大学にそういう積極的努力を私たちとしては期待したい、また期待している姿がこういう法律改正を通じてわかっていただけるんじゃないか、こうも考えているわけでございます。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 私も大臣の誠実な御意図は十分評価できるのです。しかし大臣、私も実は自民党の医学教育プロジェクトチームの委員長を仰せつかったのでございます。もう一つは、私は愛媛出身ですから愛媛大学に医学部ができることにたいへんな関心がある。このいわゆる抱き合わせという理由から医学部の設置がおくれるということにはたいへん私も責任を感ずるので、詳細に私は法律を研究してみた。大臣がおっしゃるように学群、学系という新しい方式がほかの大学にとられるという場合、国立学校設置法が改正になるのじゃない。この法律を見てごらんなさい。学部の規定は実は学校教育法にある。ところが今度の学群、学系のほうは筑波大学の組織として国立学校設置法の中にある。こんなことを考えてみますと、皆さん方が学校教育法を直すとかえって新しい組織をほかのほうに押しつけることになるからという心配を持たれたからこういうふうな規定をしたんだ、その点もまた善意だ。しかし、将来だんだんと学群、学系をとるような大学ができれば設置法では不十分じゃないですか。一々筑波大学の学群、学系、奥野大学の学群、学系ということを規定することがおかしくなるから、また基本的なものとして学校教育法のほうに筑波大学にとられている組織が規定されるようになるのはもう近いものかどうか。しかし、これはこれからの大学の選択いかんによるのですが、こういった心配はなかったのですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 御承知のように、筑波大学は東京教育大学が筑波に移転地を求めて新しいビジョンの実現を期したい、そこに始まっておるわけでございます。東京教育大学の設置根拠も国立学校設置法にございまするし、またそれと関連して、これが発展的解消をして筑波大学になるわけでございますので、あわせて国立学校設置法に筑波大学を規定する、これが私は論理の筋道じゃないだろうか、そう考えておるわけでございます。同時にまた、国立大学につきましてはどういう組織をつくるかは一々法律に書くわけでございますけれども、私立大学その他につきましても何も学群、学系にとらわれないで、いろいろな形をくふうをしていただいていいんじゃないだろうか、そう考えるわけでございまして、そういう趣旨で学校教育法の改正が行なわれているわけでございます。国立大学について学群、学系以外の新しい仕組みも将来予想されないわけじゃないと思いますけれども、そういう場合にはそれとして、具体的なものとして国立学校設置法としてまた御審議をいただくということになるわけでございます。  なお、詳細なことにつきましては、事務当局から御答弁申し上げます。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 十分御承知のことでございますが、筑波大学は東京教育大学がこういう大学になりたいというビジョンを昭和四十四年に発表いたしました。それを受けて文部省としての筑波大学創設についての構想を考え始めたわけでございます。と申しますのは、東京教育大学が新しい筑波の大学をこういう形でつくりたいという大学は、従来の学部という形態をとらない大学にしたい、それを国立大学としてつくりたい、こういう御要請があったからでございます。その国立大学としてつくりますものは国立学校設置法でつくらなければなりません。しかしながら、従来学校教育法で示しておりました学部という形態によらないものをつくるということの関係上、学校教育法にもその関連の規定の整備をして、国立学校設置法の中で学校教育法による大学として筑波大学がつくれるように措置を講じなければならぬ、こういう考え方になった次第でございます。  そこで、筑波大学を国立学校設置法でつくるにつきまして、学校教育法に学部だけであるという大学の構成を今回手直しをするという措置を講じたわけでございます。その際に、なぜ学群、学系と規定をしないかということでございますが、学群、学系というのは筑波大学の場合の一つの考え方でございまして、他に学部によらないいろいろな弾力化をはかるべしという意見はかなり聞かれた意見でございます。そこで学校教育法の手直しをする際に、私ども大学設置審議会の基準分科会等にも御相談をいたしましたが、筑波大学だけが唯一の例外であるということでないようにする、それも含めて学部によらない組織ができるという措置をあわせて講じまして、国立学校設置法では筑波大学に学部によらないものとして学群、学系という新たな組織を明確にする、こういうことにいたした次第でございます。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 時間がありませんので、またこの問題はおそらく相当論議されると思いますが、しかし、いま現実問題としては、私はこの法案はすでに四月一日くらいに通って、愛媛大学の医学部は試験が終わっているくらいだと思ったのですが、このようにおくれている。旭川はもちろん、山形もそうでございますが、しかし現実にここまでおくれたことに対して、文部大臣はどのように考えておられるか。私は、いろいろと弊害も出ておると思うのです。きのうも旭川の市長さんをはじめたくさんの方々が陳情に来られた。私たち以上に心配されておるのは、先ほど申し上げましたように受験生でありその父兄なんですが、これはいつごろ試験をすれば入学ができて、ことし入る医学部学生は——月の満たない子供というのはよくないのですが、月足らずで産まないようなことになるのか。大臣はどのような施策を考えておられるか。私は、こうなったらこの対策を考えていかなければならぬと思うのです。きょうの毎日新聞を見ますと、一番おくれたのが六月二十日くらいの入学試験になっておりますが、これは夏休みにでもおそらくそのリカバリーをやるのだろうと思うのですが、このようなことについて文部省はどのような対策を立てておられるか。これは社会問題になっておりますので、ひとつ大臣から御答弁を願います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 国会に法案を提出させていただきましたのが二月でございましたから、特別な大きな反対がない場合なら十分三月に成立を見ることができた、かように考えるわけでございます。不幸にして非常に強い反対があるものでございますので、今日に至りましてなお成立を見ない。たいへん心配な姿でございます。私たちといたしましては、一日も早く審議に時間をかけていただきまして、そして決着をつけていただきたいものだ、かように念願をいたしておるわけでございます。  かなりおくれてまいってきておりますので、旭川とか愛媛とかいう大学につきましては、ある程度教官を予定する等のことをいたしまして教育に支障のないように配慮する。あるいはまた、すでに改正部分を提出させていただいたわけでございますけれども、この大学については一定期間在校しなければ卒業できません、進学できません、そういうこともございますので、四月から開校しておったとみなすという規定も置かせていただいているわけでございます。どちらにいたしましても、成立を見ましてから入学試験を行ないまして発表しますまでに、一カ月もかかるのじゃないか。それからまた最後の入学させるまでには一カ月はかかる。合わせますと二カ月はかかるのじゃないか、こう考えておりますだけにあとう限り早い法案の成立を私たちとしては期待する。同時にまた、成立をいたしました場合には、早急に入学試験、入学の手続がとれますようにあとう限りの配慮をしていきたい、こういう考え方でおるわけでございます。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 これはひとつこの法案をぜひとも与野党一致して早目に通していただいて、ことしの愛媛大学の医学部あるいは旭川の医科大学の入学者がほんとうに不十分な教育しか受けなかった、この年に入った人の手術なんか受けたらたいへんだということにならぬようにぜひともしていただきたいと思うのですが、いまおっしゃったように、通ってから一カ月後に入学試験、入学試験を終わったら一カ月後に入学式というようなことではたいへんなおくれ方になると思うのですが、このような問題をひとつスピードアップするようなことを文部省として考えていただけるかどうか、ひとつ御答弁願いたいと思う。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 いまの国会の会期中にすみやかに御審議をいただけることでございましたならば、私どもも最大限の努力をいたしまして、従来の例もあることでございますが、大体議了いたしましてから一カ月前後のところで入学試験も終わり、またその若干の日を見て開学にこぎつけるように、準備を万端整えていきたいというふうに考えております。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 この問題はこの程度におきまして、第二の問題です。  これは一番大事な問題で、皆さんが心配されておるこの筑波大学の基礎法、根拠法がいわゆる大学の自治にどのような影響を来たすか、私はまたこの問題について文部大臣の率直な御答弁を願いたいわけでございます。いろいろ新しい組織、たとえば特色のある組織といたしましては、学部、学科のかわりに学群、学系ができたこと、副学長の仕組み、それから学外者からなるところの参与会、さらにまた何と申しますか、学長の権限強化、こういった形で筑波大学は特殊な仕組みを持っておるわけでございます。これが大学の自治を侵害するのではないかというふうに心配されておるのですが、私はどうも杞憂にすぎないような気がするのですが、文部大臣いかがですか。この四つの仕組み、これが大学の自治に対してどのような影響を持つかという点について、まず簡単なお考え方を伺いたい。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 この筑波大学は、東京教育大学がビジョンを描いて、新しい構想を立てたい、こういうことで考えられたことでございます。これを実現さしてあげることが私は大学自治を実現させることだ、こう考えるわけでございまして、東京教育大学の希望を踏みにじることが大学の自治を踏みにじることだ、こう私は考えておるわけでございます。これが基本的な考え方でございます。  その次に、大学の自治をこわすというような議論がどこで起こってくるのかわからないのでございますが、少なくとも文部省と大学の最高責任者であります学長との関係は、ほかの大学との間に、何らの変更はございません。いまの東京教育大学の学長と文部省の関係は、まさに文部省と筑波大学の学長との関係でございます。  それから、副学長とか人事委員会とか参与会といったものがいろいろ議論になっているわけでございます。  そこで、まず人事委員会の問題がございます。これは先ほども申し上げましたように、大学には大体学部以外の組織をいままでは認めていない。しかし、教育と研究と一体にして行なうという長所もあるけれども弊害もある。研究のほうがだんだん専門分化して深みに入っていく。教育のほうは広く教えていく。これはマッチしない。だから組織を分ける、こういう話になってきたわけであります。いままでは人事は学部の教授会、ここできめていた。しかし、学部というものはなくなったわけでありますから、自然教育の組織と研究の組織とからそれぞれ人を出してもらって、そこで人事をきめる。そのために人事委員会をつくるわけでございます。でありますから、教員が主体になってきめることには何ら変わりはない。人事委員会という名前をつけますのでいろいろな疑問が起こってきているのではないか、かように考えておるわけでございます。  その次に、参与会を設ける。これはまた外部から大学の自治に干渉するのではないか、こうおっしゃるわけでありますが、参与会も、学長の申し入れに基づいて参与それぞれを文部大臣が任命するわけでございます。同時に、これは助言、勧告の機関でございまして、決定機関ではございません。大学当局が、外部の人の意見を聞きやすいようにする、これが社会に目を開いた大学として将来努力していくためには必要なことではないか。これはまた、東京教育大学が希望されたとおり書いているわけでございまして、このことは他の大学には規定をいたしておりません。人事委員会もそれから参与会も筑波大学に関するだけのことでございます。しかもこれは東京教育大学の希望に基づくものでございます。でありますから、これを認めることは、私はまさに大学の自治を実現さしてあげることではないか、かように考えているわけでございます。  副学長、これは「置くことができる。」ということにしております。したがいまして、他の大学が置きたいという場合には置けます。置けますけれども、希望のないところに押しつける性格のものではございません。現在は学生が一万人をこえている大学だけでも三十五大学に及ぶのです。この一万人以上学生がいる大学を学長一人で十分管理していけるかどうか。だれが考えても無理じゃないかと私は思います。それじゃ、副学長はいないのかといいますれば、しいていえば学部長だと思います。学部長というものはそれぞれの学部に足を引っぱられまして、大学全体の立場に立って学長を補佐することがきわめて困難であります。そのために、ほかの学部が紛争が起きている学部に対しまして関与できない。したがいまして、これがなかなか解決を見ない先例を繰り返しているわけでございます。そうすると、学部に足を引っぱられない学長の補佐機関、これを置きたいところには置かしてあげる。東京教育大学は苦い紛争の体験を経てこういう希望を持たれたのだろうと思います。そこで副学長を置くことができる。私に言わせますと、いまの大学は学部割拠の大学自治だと思います。それでも円滑にいっているときには問題がなくていくのかもしれません。しかし、一たん紛争が起きますと、一つの学部に起こっている問題に他の学部は何ら関与できませんから、一そう深刻化していくわけでございます。やはり全学的な大学自治も考えるべきじゃないか。そうすると、学長の補佐機関は、学部に足を引っぱられない副学長が補佐できるようにしてあげるべきじゃないか、かように考えるわけでございます。そういう意味で、学部割拠の大学自治はあるいはやりにくくなるかもしれないけれども、全学的な大学自治を達成しようと思えば、学長の補佐機関の副学長というものが必要になってくるのではないか。しかも、今日の大学というものは、膨大な組織を持っておるはずじゃないか、こう考えておるものでございます。しかし、これも他の大学に押しつける考えは持っておりません。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 確かにこれまでのと違った仕組みで、選択の範囲を拡大したことは進歩だと思うのです。しかし、二つの点について大臣に御質問したいのですが、一つは学長への権限の集中、権限の強化。少なくとも権限の集中、強化ということは、皆さんの心配の中にある。これまで学部、講座あるいは教授会の自治、自由が相当強くあった。しかし、今度学長への権限の強化によって、その自由、自治が侵害されはしないか、管理運営のための権限の集中が、目的をはずれて、別の学問の研究あるいは教育の自由の侵害になりはしないか、この心配が持たれているのではないかと思うのですが、いかがですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 大学の管理にあたりましては、協議会という存在がございます。各大学が学長をきめます場合にも、協議会の定めるところによって選ばれてくるわけでございますけれども、筑波大学におきましても、同じように評議会が審議機関として存在しているわけでございます。副学長が重要な問題をこういうところの議を経ないで独断することは何らできない。あくまでも学長の補佐機関であります。補佐する場合に、それぞれの担当を分かち合うわけでございますけれども、やはり評議会の議を経ないで独断できる性格のものではないわけでございますので、私はいまおっしゃったような危惧はないはずだ。同時にまた、学群におきましても学系におきましても、それぞれ教育審議会あるいは研究審議会というものを先生方の会議として持っていくわけでございまして、それぞれの事項に応じまして、こういう教員会議を経て上げてこられるという過程をたどるわけでございますので、一そうその心配はないのではないだろうか、かように考えているのであります。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 もう一点は、権限の強化される学長に関してと申し上げていいと思うのですけれども、この学長の任命について文部大臣は拒否権を持たれるかどうか。この点について時あたかも五月一日に、昭和四十四年にたいへん問題になった、この国会において議論されました、論議もされました例の九州大学の井上学長代行の問題、これについて判決が出たわけですね。その判決の理由の中に拒否権の問題が触れられたと思いますが、学長について文部大臣がどのような任命のしかたをするかによってまた大学の自治が大きく変わってくるおそれもあるし、その心配が持たれておるわけでございますので、この点についてお答えを願いたいと思うのです。  判決はこんなことを言っているのです。教特法十条の解釈としては、大学の学長及び部局長の任用について、文部大臣は大学管理機関の申し出があった場合には、「申出が明らかに違法無効と客観的に認められる場合、例えば、申出が明白に法定の手続に違背しているとき、あるいは申出のあった者が公務員としての欠格条項にあたるようなときなどは、形式的瑕疵を補正させるために差戻したり、申出を拒否して申出のあった者を学長等に任用しないことができるといわなければならないが、しからざる限り、」相当の期間内に任命しなければならないというふうに判決の理由の中で言っておるわけでございます。あの判決は文部省、国が被告になっておりまして、原告の井上教授が敗訴したわけでございます。判決の理由の中に非常に重要な大学の自治に関係する条項がございますので、これについて文部大臣の御見解を伺いたいと思っております。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 法理論的には別といたしましても、大学が申し出てきた人はそのとおり任命をしていくというのが私たちのとるべき筋道だろう、こう考えているわけでございます。大学の目的に照らしまして明らかに不適当と客観的に認められるような場合を除きましては、適不適でこれを拒否するという筋合いのものではない、そういうことはできないというふうに考えているものでございます。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 この問題はまたあとでおそらくどなたかたいへん質問になる題材だと思いますので、あとに置きまして、その次は、もう時間がありませんので、第三点の、この国立学校設置法の全体を通じて、私はもう世界でも有名になっている大学の格差、これを是正しようとする意図があるのかどうか、大臣ひとつお答えを願いたいわけでございます。もう日本の大学ぐらい格差のあるものはないというのは、OECDの教育使節団の報告のとおりでございます。富士山の二つの頂上、東京大学と京都大学がトップで、あとはたいへんな階層分化がある。日本には出生によって階級はないけれども、十八歳の入学試験によってそこに階級が生まれる、こんなことが言われているのですが、大臣はこの問題をどういうふうに考えられるか。国公私立間の大学の格差は、たいへん朝野の論議の関心になっておりますから進んでおりますが、国立大学間の格差を大臣はどういうふうに考えられるか。今度の国立学校設置法のたとえば医学部をつくるということ、あるいは修士課程の大学院を歯科大学なんかつくっておりますが、これは私は格差是正の意図があるようにも見えるのですが、大臣はどういう意図でこの国立学校設置法を直されたか、これについてお答え願いたいし、たとえばその中で筑波大学は格差是正なんという目的はないのかどうか、ひとつお答えを願いたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 戦後、一県一大学必ず賢くということで、必ずしも内容が充実していないものがそのまま大学になったところもあろうかと思います。こういうものの充実を積極的にはかってまいりませんと、御指摘のような欠陥が露骨に出てまいると考えるわけでございます。そういう意味で、内容の不十分な大学につきましては積極的にこれを充実する施策をとっていく、また国立大学であります以上は、できれば全部修士課程の大学院くらいは持たせたいな、こう考えているわけでございまして、そういうことを通じましてまた充実をはかっていくことができるのじゃないか、かように考えているわけでございます。格差をなくするというよりもレベルの低い大学のレベルアップを急いではかっていくということが緊急の課題ではないだろうか、かように考え、またそういう努力を払っておるところでございます。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 文部大臣はそういう努力を払っておると言われますが、予算その他で見ると、その努力が必ずしも実っていないのです。昭和二十四年にたとえば教官研究費をとってみますと、すべての大学は一人当たり同額であったのですが、ところが二十六年にはそれが二分の一になり、現在は三分の一くらいに落ちている。そしてもう学生定員の二八%の全国大学といいますか、昔の全国大学というのですか、帝大を中心といたしますところの全国大学は、予算の上では四七%を占めている。七二%の国立学校の学生の定員を占めておる地央の大学のほうは、五三%くらいの予算しかシェアを持っていないわけでございまして、とにかくその格差は、レベルアップと言われますが開くほうに走っているように見受けられるのです。たとえば今度私は医学教育プロジェクトチームの座長として、医学教育を未設置県の十五の府県につくろうとしている、これは私は格差是正だと思って非常に喜んだ。ところが、今度でき上がろうとする旭川、山形、愛媛大学医学部のたとえば講座数をとってみますと、三十一くらいの要求があったのですが、おまえのところはもう二十八くらいでいいじゃないか、新制大学というものは二十八くらいでいいのだ、東京大学式に四十四とか三十四とするのは大体高望みなんだというような思想があるのかどうか、二十八しか認めてくれない。私は大学の自治という定義は人事の自治、研究教育の自治と、それから財政の自治が入ると思うのです。財政の自治は、やり方はたいへん問題があると思いますが、少なくとも角度を変えて、大臣の言うレベルの低い大学を上げようとか、あるいは新制大学を、府県一つの大学を上げようとするのなら、三十一講座くらい認めてはどうしていかぬのであろうか。たとえば三大学は生化学第二講座、脳神経外科、それから歯科、口腔外科というのを要求したのですが、新制九大学というのですか、昔は新六とか言っておりましたが、それはもうそれくらいでいいのだというような意識が文部省にあるのか大蔵省にあるのかよく知らないのですが、大臣この格差の問題をどういうふうに考えられておりますか。私は医学部について特に痛感したものでございますので御質問を申し上げておるのです。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 いま医大のプロジェクトチームとしてたいへん御苦労いただいて増設に骨折っていただきましたが、その場合に一番問題なのが教官教育の充実であります。そういうことが一番のネックになっておるわけでございまして、大学をつくりますときに、一挙に大きな講座を予定するということがはたして将来不安のない教官教育を充実できるかどうか、私はやはり疑問だろうと思うのです。言いかえれば内容の充実した大学になるためには相当の年月をかけなければできないのじゃないだろうかというふうに思うわけでございまして、五年、六年で一ぺんに格差が是正できる性格のものでないことは、私はよくわかっていただけると思うのでございます。同時に、いまの大学院を置いている大学とそうでない大学、あるいは修士課程を置いておる大学、博士課程を置いておる大学というようなことで教官一人当たりの経費なんかにつきましても若干差をつけたりしているわけでございますけれども、それだけに、教育に研究に金をかけているというような面もあったりするわけでございます。御趣旨に沿うように私は努力をしていかなければならない、努力しているつもりでございますが、なお詳細につきましては事務当局からお答えさしていただきます。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 御承知のことでございますけれども、大学の経費の積算その他につきまして、大学院のあるところとないところで積算が違う、これはある程度やむを得ないことかと思っております。大学院のないところでことさらに区別があるということはございません。しかし、この大学院のあり方そのものにつきましては、いまこれまた新たな観点から考え直す必要があるのではないかというので、大学設置審議会に大学院及び学位に関して御検討をいただいておりまして、すでに中間的な見解の表明も出ております。その大学院の新しいあり方を考えながら、今後の施策を進めていきたいというふうに考えております。その際、お尋ねのございました筑波でございますが、東京教育大学には、現在、学部によりまして博士課程まであるところとそうでないところとございます。この点は、筑波大学に移します場合に、新たな筑波大学に修士の課程と博士の課程とを別々に並列をして設けたい。そして博士の課程はあらゆる学系、研究分野について博士の課程まで充実した大学にしたい、そういう趣旨から申しますならば、塩崎先生おっしゃった、充実した総合大学をつくりまして御指摘のような意味での格差というものをなくしていく方向に私どもも向けてあるというふうに考える次第でございます。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 最後の一問でございますけれども、私は、大臣の教官がなかなか充実しないから一挙にも格差の是正はできないんだというお話はよくわかるのですが、実は三十一講座でも教官も十分予定されておるのです。予定されておるのですけれども、新制九大学というのですか、それが二十八だからそういうことだというふうに聞いておるのですが、そこで、私は大蔵省の青木主計官がちょうど来ておるのでお聞きしたいのですが、どうも大蔵省にはエリート大学とマスプロ大学というぐあいに区別して、つまり大学院大学と新制大学とはこれから区別していこうという考えがあるのじゃないか。たとえば私はいま本を読んでおる、アメリカのデニス・ガボールの本を読んでみると、大体ハイタレントのリーダーをとれる人は人口の大体五、六%なんだから、大学の進学率が四〇%が行ったところで、そんなに全部が消化できるだけのものじゃないんだ。したがって、マスプロ大学とエリート大学とは区別してしかるべきだという考え方が示されておるのですが、大蔵省や文部省にこの意識があるのじゃないでしょうか。したがって、私は三十一は当然できるのに、おまえのところはこれでいいんだというふうになっておるのじゃないかと思うのですが、ひとつ青木主計官の御意見を承りたい。

青木英世大蔵省主計局主計官

○青木説明員 お答え申し上げます。  ただいまの医学部の二十八講座の問題でございますが、一応文部省の現在の医学部の設置の審査基準では、基礎と臨床合わせまして二十七講座ということになっております。それから既存の大学の医学部の講座数は大体三十前後でございまして、先生のお話に出ました東京大学あたりは四十とか、あるいは京都、大阪では三十四講座というような例もございますが、最近国立に移管になりましたものとか、あるいは新設されました秋田大学等は、大体二十七とか二十八とか二十九、こういうような状況になっております。  そこで御指摘のありましたように、四十八年度に開設を予定しております愛媛、山形、旭川につきましても、一応二十八講座というものを前提として、学年進行的に教官なり職員を充実していこう、こういう考え方を持っておりますが、先ほど文部大臣からお話もありましたように、教官の確保の状況とかあるいは充足の状況というものを見守りながら、なお弾力的に対処していきたい、このように考えております。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 まだ数多くの質問事項がございますけれども、同僚の上田委員に譲りまして、私の質問はこれで終わらしていただきます。

田中正巳自由民主党

○田中委員長 次に、上田茂行君。

上田茂行自由民主党

○上田委員 国立学校設置法等の改正法案、とりわけ筑波大学法案に関しまして若干の質問を文部大臣並びに文部当局の皆さん方にさしていただきたいと思います。何ぶん初めての質問でございますので、少し失礼な点があるかもしれませんけれども、その点はお許しを願いたいと思います。  このたび、東京教育大学を非常に自然環境に恵まれた筑波学園都市に移転されることを契機にいたしまして、そのいい点というものを踏まえながら非常に抜本的な改革というものをなされる大学として今回の筑波大学をつくられるという点に関しましては、基本的に賛同を表したいと思います。  私の年代の人間は四十一年に大学に入った人間ですけれども、特に大学紛争を非常に多く経験した人たちの多い世代であります。大学紛争のない大学は大学でないとまでいわれたような、そういう時期に学生生活を送ったわけなのですけれども、とりわけ学校が封鎖されたり、あるいはまた、異常な状態として入学式が行なわれずに、あるいはまた卒業式が行なわれない、そうして入学試験を警官の保護のもとにやらなければならないというような、そういう状態が非常に多くの大学で見られたのが、私たちの世代の人間であります。その中にあって私自身つくづくと感じましたことは、大学当局に対しまして、その管理能力がいま少しまずいのではないか、また管理能力が非常に悪い点があったのではないかという点なのですけれども、その点に関しまして、今回の法案がそうした管理能力というものに対して抜本的なメスを加えていらっしゃるということに対しましてまず賛同したいと思いますし、またさらに最近の大学を取り巻く諸情勢の変化はきわ立って激しいものがあると思います。教育の分野に目を向けてまいりましても、私たちのいまの大学生同世代の中で、去年は三〇%ですか、そのくらいの人たちが大学に行くといわれるように、おそらく、文部大臣が大学にいらっしゃった当時と比べますと、全く異なった教育の状態ではないかと思います。  またさらには、大学生が、いろいろな人たちが多種多様な要求というものを持って大学に入学するという、そういう状況というものが考えられてきた一方、研究分野というものに目を向けてみますと、世界の中にあって世界の第一線に誇るべき研究というものが非常に幅狭く非常に多くの学者によってなされている、そういう状況があると思うのですけれども、その一方での研究の分野と、そうしてまた教育の分野、そのギャップというものに対して、いまの大学生なりあるいは教官というものが非常に戸惑いを覚え、また失望を繰り返しているのが、いまの大学のもとにある大きな不満の原因ではないかと思うのです。  そういう中にあって、そうした教育と研究のギャップというものを埋めてみたいという大きな試みがこの筑波大学法案によってなされているということについて、私自身非常にいいことだと賛同の意を表するわけですけれども、またこの法案というものが、いわゆる東京大学をはじめといたしましてその他の大学の大学試案というものをある程度踏まえておる。それはやはり文部当局に、大学の自主的な改革というものは大学人の手によってなされなければならないという基本的な考えがあるのだと思いますけれども、そういうものを踏まえてこの大学の改革案を出されているという点について、私は非常に賛同の意を表するわけなんですけれども、しかしながら世間の一部に、あるいはまた、多くの大学人の中のある一部に、この大学法案に対しまして非常なる不満、そしてまた疑惑、そうしたものが非常に強くあるという点を感じますし、私はこの質問をさせていただくこの機会を利用させていただきまして、そうした世間の中にある不満あるいは不平というものを踏まえながら、確認すべき点あるいは再考すべき点というものについて、若干の質問をこれからさせていただきたいと思います。   〔発言する者あり〕

田中正巳自由民主党

○田中委員長 静粛に願います。

上田茂行自由民主党

○上田委員 まず、大学とは何かという問題から入りたいと思います。  私が大学に入る前と、そして紛争を通じて、大学というものに対する考え方というものは大きく変わりましたし、また世間の多くの人たちが、大学というものは一体どのようなものであるかということに対して、その考え方が大きく変わったと思うのです。  そこで私が文部大臣にお伺いしたいことは、文部大臣として、これからの大学がどうあるべきなのか。いろいろな紛争を通じて新しい大学像というものがまたできたと思うのですけれども、今後大学はどうあるべきかという点について、教員の役割りとか、あるいは大学と国家の関係、また、地域社会と大学の関係というような点について留意しつつお答えを願いたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 大学のあり方、戦前の大学が国家有用の人材を育成するというようなことに重点が置かれていたのに対しまして、すでに三割という大ぜいの人たちを大学に収容するようになってまいりましただけに、大学が大衆化しているとか、あるいは多様化しているとか、いろいろいわれてまいっております。しかし、大学自身の変化がそれに即応していけるかどうかということになりますと、いろいろ御指摘になりましたように、不十分な点がきわめて多い。それが紛争の大きな原因になってきているのじゃないかというふうにも考えておるわけでございます。  近年におきます大学紛争を直接の契機といたしまして、大学改革の必要性が広く認識されるに至っているわけでございますけれども、その基本的な要因として、いま申し上げました近年の大学進学者の急増に伴う大学の大衆化の傾向というものと、他方、学術研究の急速な進歩、高度化への適切な対応の必要性、この二つがあげられるのではないか、かように考えるわけでございます。  大学の大衆化という傾向は、基本的には、複雑高度化する社会に生きる国民がその能力を一そう開発する機会を求めているものとして積極的に評価すべきだと考えますし、今後ともその傾向に応じた高等教育機関の計画的な拡充を進めていく必要があると考えておるわけでございます。大学自体の性格が、いまも触れましたが、旧来の象牙の塔的色彩を脱しまして、広く社会公共の機関としての目的、使命を明確にしていく以上は、大学において教員の果たすべき役割り、学生の地位、処遇、大学と社会との関係等、さまざまな面におきまして、大学のこのような新しい性格に応じた柔軟な対応策を大学自身が確立していくことが急務であると考えるわけでございます。  基本的には、このような時代の要請に応じ、教育面においては、多様な資質を持つ学生のさまざまな要求に即応し得る教育内容と方法を備えますとともに、研究面におきましても、高度化しつつある学術研究を推進し得る柔軟性を持った組織に脱皮していくことが必要であると考えられるのであります。  筑波大学も、このような点に着目して新しい構想を東京教育大学が立てられた、それを私たち今回提案させていただいているということでございます。

上田茂行自由民主党

○上田委員 筑波大学が、そうしたいま大臣がおっしゃいましたような諸情勢の変化というものを踏まえながら、象牙の塔的な大学ではなくて、それ以外のそういうものを踏まえながらの新しい大学の試みだということはよくわかるのであります。  それではもう一つお尋ねしたいのですけれども、いわゆる大学の自治ということがよくいわれるのですけれども、諸情勢の変化によって、大学がどうあるべきかということは今後変わっていかなければならないという点についてはお伺いしたわけなんです。ところが、大学の自治という点について、非常にいままで多くの犠牲者を出しながら、大学は大学人の手によって管理運営されなければならない、それが学問の自由、また研究の自由というものを守ることによって終局的に社会の発展に役に立つという思想があると思うのですけれども、そうした中にあって、それでは大臣は、自治という問題に対しまして、こういう社会情勢の変化の中にあって自治自体は変わったのかどうか、あるいは変わっていないのかということについてお答えを願いたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 大学の自治は、大学における学問の自由を保障するために大学の自主性を尊重する制度として、慣行として歴史的に認められてきたものだと考えるわけでございます。大学における学問の研究とその成果の教授は、他のものの干渉を受けることなく自由にかつ自主的に行なわれることが必要でございます。これにより大学における研究と教育は最も効果的な発展を遂げるものと考えられるのでございますが、このような意味での大学の自治は、いつの時代にあっても十分尊重されなければならない、かように考えるわけでございます。  なお、この大学の自治は、これまでは学部の教授会が中心に運営してまいったものでございます。それがまた私の申し上げる学部割拠の大学自治で、全学的な大学自治になっていない欠陥も露呈しているわけでございます。   〔委員長退席、内海(英)委員長代理着席〕 教育研究に直接責任を負う教員及び教員の組織が教育研究に関する大学の自主的決定の基盤となります限りは、大学の組織編成や目的、使命の多様化に応じて妥当な大学自治の仕組みを考えることが可能だ、こう思うわけでございます。学部中心のものでなければ大学の自治がないのではなくて、その欠陥を是正する、そして教育研究に直接責任を負います教員及び教員の組織が基盤となっておりまする限りは、いろいろな大学自治のあり方をくふうすべきだ、かように考えるわけでございます。  特に私が申し添えたいことは、大学の自治というものは、あくまでも学問の自由が前提になっていることだということでございます。

上田茂行自由民主党

○上田委員 大学の自治という問題が、学部の自治という形ではなくして、もっと全体的な大学の自治であらなければならない、そしてまた、社会情勢の変化の上にこうした大学をつくらなければならいという点は非常によくわかるのですけれども、しかしながら、ここで一つ大きな問題になるのは、よく新聞等でいわれておりますように、国家権力が介入するのではないかというような疑いが非常に持たれていると思うのです。そこで私は、国家権力の介入という点にこれから問題をしぼりまして質問をしたいと思います。  筑波研究学園都市への移転準備が進められております東京教育大学の内部において、非常なる反対があって、そして非常に国家権力が介入しているということがいわれているわけなんですけれども、この点につきまして、東京教育大学におきます反対というものが、いつごろから、どの程度のもので、そして現在文部当局がそれに対してどのように対処していらっしゃるかということについてお答えを願いたいと思います。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 東京教育大学は昭和二十四年に新しい大学として発足をいたしましたが、キャンバスが大塚、駒場、幡ケ谷の三カ所に分散し、またそれが狭うございまして、かねてからその移転統合のことが考えられておったのでございます。教育大学は、昭和三十七年、五学部の統合移転候補地の調査を始めることを決定いたしました。そして筑波の地にその土地を希望するというようなことを決定をいたしました。これは昭和四十二年のころでございました。その際に、文学部を中心といたします反対の教官の動きが表に出てまいりました。現在も文学部教授会といたしましては東京教育大学の移転反対ということを表明をしております。またそのために、教育大学全体として筑波大学へのいろいろな構想その他を推進するにつきまして、文学部の反対派の関係者は参加しないという態度をとっておるわけでございますが、東京教育大学といたしましては、新大学の創設を強く希望して積極的に構想を検討し、そして私どもに対してもその実現を呼びかけてきておるわけでございます。最近、一部の教官にまた学長の評議会運営に対する不満の表明その他が行なわれた事例等がございますけれども、東京教育大学の移転と、これを契機とする筑波大学の創設そのものに対しましては、文学部の一部反対を除きましては学内における体制は十分整っておりますし、私どもも、大学としてのその方針に沿って、それを尊重しながら今回の御提案を申し上げておる次第でございます。

上田茂行自由民主党

○上田委員 私が聞いておりますところによりますと、昭和四十六年の十月に筑波新大学創設準備会というものが設けられたと聞いておるのですけれども、その中に東京教育大学からどのようにして代表が選ばれて、そしてどのようにして運営されているかという点についてお答えを願いたいと思います。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 筑波大学の創設準備会、これは文部省に設けられたものでございます。東京教育大学が筑波大学に関する基本計画というものを発表いたしまして、その実現を推進したいという意を受けて、これを実現いたしますために、東京教育大学の学長及び教官二人、さらに創設準備に当たっておられます三輪準備室長を加えまして、そのほか他の大学関係者、学識経験者を加えて、新大学としてどういうものをつくっていくかという準備をさしていただきました。そのほか、教育研究の仕組み、管理運営の仕組み、施設の整備等の専門部会には、いま申し上げました総会委員のほか十一人の東京教育大学の教官の参加を求めまして、筑波の新大学をつくるにつきまして、いろいろな領域にわたって教育大学関係者の意図を積極的に実現し得るような準備を進めてきた次第でございます。

上田茂行自由民主党

○上田委員 東京教育大学から非常に多くの教官の方々がこの創設準備会というものに出られているということを伺ったわけなんですけれども、それは教育大学というものを代表する資格でそれらの方々は出られているわけなんですか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 代表といいますと、ことばのとりようによっては非常に窮屈なことになるわけでございますが、この準備会は文部省に設けられたものでございまして、教育大学の関係者に御参加をいただいて、そしてその教育大学として考えておることが私どもの準備会で十分反映できるように、大学の関係者の御推挽を得てその十数名の方に御参加をいただいておるわけでございます。その意味では、教育大学の意向を十分代表し得る方だというふうに私どもは考えておる次第でございます。

上田茂行自由民主党

○上田委員 いま伺っておりますと、教育大学の中にあって文学部だけが反対をしておる、そしてまあまあ民主的な方法で大学の中からこの大学の移転についての準備会というものに多くの方々が出られておるというようなことをいま文部当局から伺ったわけですけれども、世間一般の評判とか、あるいは世間一般の方々が考えていらっしゃるのは、残念ながらそういうことがなかなか浸透していないのではないかと思うわけなんです。と申しますのも、文学部だけの反対というものが非常に大きく取り上げられて、あたかも文学部即イコール東京教育大学が全く反対しているのを、文部省が国家権力の介入によって無理やりに移転をさせているというような感じが非常に強いのは、非常に私自身残念だと思うのです。  そこで文部当局にお願いしたいことは、これからの宣伝あるいはこれから国民を納得させる上でどのような方法を考えていらっしゃるのかということについてお答えを願いたいと思います。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 先ほども塩崎委員の御質問に対しましてお答えを申し上げたところでございますが、東京教育大学が筑波の地に新しい大学を実現したいという御構想は、実はその当時文部省の関係者としてはびっくりするような中身のものがあったわけでございます。   〔内海(英)委員長代理退席、委員長着席〕 学部からなっております大学につきまして、学部組織をとらない新しい大学を考えたいという御要請でございました。それだけに、それを受けまして、私ども、教育大学の関係者だけでなくて、広く他の大学関係者からも御参加をいただいて、新しい大学のビジョンをどういうふうに国の制度としてつくり上げていくかという御論議をちょうだいした次第でございます。したがいまして、その間私どもはこの文部省で設けました創設準備会の報告等を関係方面にも明確に表示をいたしまして、また国立大学協会その他では配付をいたしまして、こういう新しい大学についての皆さんの御関心と御意見をちょうだいする努力をいたしてまいりました。しかしながら、私どもの努力が必ずしも十分でない点もあったかもしれませんが、反対の声が非常に大きいという御印象であることを申しわけなく思う次第でございますが、この東京教育大学が考えておる線を文部省としては多くの有識者にはかって実現をしていくというプロセスをとって今日まで来、その意見を取りまとめてここに国会に提案しているということは明確に御説明できますし、今回法案を提案するにつきまして、関係方面、広く多くの方々の御理解を得るために、そうした経緯のあります点も十分含めまして御趣旨を説明しておるところでございます。

上田茂行自由民主党

○上田委員 そうした努力をされることによってそうした誤解を一日も早く解くようにして、これらの施策を進めていただきたいと思います。  また次の質問に移らせていただきたいと思います。  この大学に関しまして非常に目新しい点でまず第一番目に目立ちます点は、副学長という制度を設けていらっしゃるという点だと思います。いままでの紛争大学を見ておりまして、学長というものに紛争を処理する能力というものがなかったと私は思っていないのですけれども、しかしながら、学長が十分に腕をふるえるような余地というものがいままでの大学にはなかった。そしてそれがために、こうした大学においては副学長という補佐機関を置くことによって学長は十分なる任務を遂行できるような体制というものを整えていきたいという、そういうことに関しましては賛成なんですけれども、まず第一に、この副学長の構成あるいは選任方法、そしてその職務の内容ということについて御説明を願いたいと思います。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 現在、副学長は予算の上では五名を予定いたしておりまして、教育担当、研究担当、学生の厚生補導、学生問題担当、それから医学、医療の関係を担当いたします、それから大学全体の総括的な部面を担当する者、五名という者を予算の上では予定をさしていただいておるわけでございます。  この副学長は、学長の申し出に基づいて文部大臣が行なうということになっておりまして、特例法第十条の規定によってちょうど一般の部局長、研究所の長等と同じような発令の手順にいたすことにしてあるわけでございます。

上田茂行自由民主党

○上田委員 学長の選考で、文部大臣が任命するということなんですけれども、それでは、文部大臣に、その選ばれた副学長というものに対する拒否権というようなものがあるのでしょうか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 学長の場合も副学長の場合も、法的には同じ用語を使っておるわけでございます。学校のあるいは学長の申し出に基づいて文部大臣が任命する。したがいまして、先ほどもお答えいたしましたように、そのとおり任命するということでございます。より以上に明確に申し上げれば、違法なものをこれは任命できませんけれども、大学の目的に照らし明らかに客観的に不適当だと認められない限りは、適当だ、不適当だということで拒否することはできない、そのとおり任命することだ、かように考えております。

上田茂行自由民主党

○上田委員 いま文部大臣のお答えを伺っておりまして、なるほどと思う点もあるのですけれども、そういうところから非常にいろいろな議論がちまたにあると思うのです。  そこで、もしこれが学長の補佐機関であるなら、学内教官の人たちに限定してもいいのではないかというようなことがあると思うのですけれども、そこで文部当局の皆さん方にお伺いしたいことは、学内教官から選ばなくても学外から選ぶんだというような積極的な意味というものがあるのでしたら、お聞かせ願いたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 副学長は、複雑多岐にわたる学長の仕事を分担整理して、大きな責任と負担のもとにあります学長を助けることを任務としておるわけでございまして、このような仕事の重要性にかんがみまして、学の内外を問わず最も適任者を選ぶことが、大学の適切な運営を確保する点において必要なことではないかと考えておるわけでございます。このような考え方は、現行の学長の場合も同様でありまして、たとえば金沢大学の中川さんは東北大学から迎えられた、こう聞いておるわけでございます。  なお副学長は、教育公務員特例法の規定からも明らかなように、その選考は大学自身の判断によって行なわれるわけでございます。文部省が別に、学外者からお招きなさい、こう申し上げる意思は毛頭ございません。大学自身の評議会が定める基準によって学長が申し出るわけでございます。したがいまして、学外者をおすすめするわけではありません。大学自身が学内外を問わず適任者をお選びになったらいいではないかということでございます。教授といえども、やはり新しく採用いたします場合に、学内の助手を上げることばかり考えないで、学外からも広く求めてきておるわけでございまして、私は、そういうように御理解をいただいたらいいじゃないか、あくまでも大学自身が選ぶことである、その場合に選ぶ範囲を限定する必要はないんじゃないか、学の内外を問わず広い範囲からお選びになったらいいのではないか、それは認めてあげたらいいのではないかというふうに考えるわけでございます。

上田茂行自由民主党

○上田委員 学長の補佐機関としてそういう副学長という制度を設けられるということですけれども、一般的に私ども大学の職員ということについて日ごろ思っておったことは、教授とか、あるいは助教授とか、助手とかというものが講座制の中にいるわけなんですけれども、非常に大学の職員の数とか、そういうものが不足しているということをつくづく感ずるわけでございます。と申しますのも、非常に豊かな教授ですと、大学の職員が十分回ってこなくても、自分たちでお金を出し合うことによって大学内に職員を雇うというか、それは個人的な部面で秘書という形でしょうけれども、そういうものが非常に多くあるのです。ところが、そうではなくて非常に貧しい教授なんかですと、自分の助手をそうした個人的な役割りに使うということがしばしば見られるわけなんです。  そこで私は文部省当局にお伺いしたいことは、そうした現状に対しまして、いままで概して教授とか教官ということに対して非常に大きな目を向けられていらっしゃったのがいままでの文部行政ではないかと思うのですけれども、今後そうした職員数とか、あるいはそれに対する財政的な裏づけということについて、大学に対してどういうふうにお考えになっていらっしゃるのですか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 御指摘のように、教官を助けて大学の教育研究の機能を十分に発揮させ得るような職員、教務関係の職員もございますし、技術関係の職員もございますし、事務を管理する職員もございます。国立大学だけとってみましても、国家公務員のほとんどの職種が大学の中には含まれておると申すほど、たくさんの職種のものを大学は必要とし、かかえておるわけでございます。とかく、大学が教育研究の場でありますだけに、その教育研究者だけに目が向けられて、下積みのこうした職員たちに対して十分な意が用いられてないというような御印象も与えておるかと思うのでございますが、私どもといたしましては、国立学校だけとってみましても、定員の半数をこえるものがこれらの職員でございまして、これらの職員の資質の向上、充実のためにいろいろな努力もし、また処遇の改善その他にも配意をいたしておるところでございます。現在必ずしも十分というわけにまいらない点もあることは十分承知いたしておりますので、これらの点につきましては、今後も新しい大学の創設のために、筑波もそうでございますが、事務処理の体制等にも改善くふうを講じまして、必要な充実整備をはかってまいりたい、このように考えておるところでございます。

上田茂行自由民主党

○上田委員 大学におけるそういう一般的な職員の充実というものをぜひはかっていただきたいと思いますし、また同時に、文部当局がこの副学長の制度というものをより充実したものにするためには、やはりこうした一般の職員の中からスペシャリストというようなものを養成することによって、そして副学長が十分に腕をふるえるようなそういう余地をつくっておかなければ、やはり前と同じような管理運営に対する欠陥があらわれてくるんではないかという、私自身懸念を持っておるわけなんです。  そこで、そうしたスペシャリストの育成ということについてもしお考えでしたらお聞かせ願いたいし、そういうことについて今後どう考えていかれるおつもりですか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 大きな研究設備、あるいは学内共同で使いますような教育用のコンピュータの運営その他のことを考えてみましても、また、研究者の研究を助けるライブラリーマンでございますか、図書館のそういう専門職員の養成その他を考えてみましても、御指摘がございました点はわれわれ十分今後留意していかなければならぬことだと考えておりまして、それぞれの担当セクションを通じましてそうした関係者の教育訓練と、また充実につとめておるところでございます。

上田茂行自由民主党

○上田委員 いま言いました大学副学長の補佐機関といいますものを、私がどうしてこういうことを言うかといいますと、いわゆる大学試案というものは、非常に多くの大学でつくられているわけなんです。ところが、そのつくられた過程なんかをある人から伺ってみますと、それは大学の統一的な見解というような形で一応は出されているんですけれども、実際のところは、大学の学長が、自分の信頼すべき教授を幾人か、大学内から、あるいは大学外から選ぶことによって、そうしてあたかもそれを大学の統一した見解のような形で出されているという例が非常に多いと思うんです。そういう面で、やはり統一した見解、大学全体の自治ということをもう一度強化する必要があるのでしたら、大学の副学長のもとにそうしたものをつけることによって、副学長、学長というものがしっかりした体制でもって臨むような管理体制というものを充実させていかなければならないんじゃないかと思うわけです。そうした意味でのこれからの文部当局の努力というものをひとつお願いしたいと思います。  副学長の問題はそれくらいにしておきまして、次に、参与会というものの機構についてお尋ねしたいと思います。これもその構成、機能、そしてその積極的な意味ということについてまずお答え願いたいと思います。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 参与会は、これも予算の上での人員でございますが、十名予定しております。これは大学が積極的に地域社会の声を取り入れるためのアンテナにすべきであろう、こういう考え方を持っておるものでございます。大学自体の機能が、冒頭に御指摘もございましたように、大衆化した社会の中の非常に幅広い層に対する教育だけでなくて、社会の各関係層で必要とする新たな研究ということを進めておるわけでございます。そのためには、大学自体がその地域の関係その他に対して十分な関心を払い、留意を持つということが必要でございまして、そうした大学関係のそのような地域関係者を参与として大学に迎え入れて学外の声を吸収する、こういう組織としてこれを考えていきたいという次第でございます。で、大学の運営に関します、また重要事項について、この参与会に助言を求め、また大学の年次計画や年次報告を参与会にも提出をいたしまして、大学全体の動きをまた多くの人にも知っていただく、こういうパイプの役割りにしたいというふうに考える次第でございます。

上田茂行自由民主党

○上田委員 社会の中にあって、まあアンテナという形で社会の情勢を的確にとらえる上で、この地域社会の中から、あるいはそのほかのところから各界の有識者の意見というものを聞くということ、そういうことについてはよくわかるのですけれども、できましたらもう少し具体的にその大学内においてどのようなことをやるのかということについてお聞かせ願えないでしょうか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 一応規定の上では、大学の運営に関する重要事項について学長が助言を求める、また、学長に対して勧告を行なうこともできるというふうに規定をいたしてございます。あくまでも学長の諮問機関でございまして、大学として広く、先ほども申しましたように学外の意見を吸収し取り入れてくる、また、その御批判を得ながら大学の運営の反省にするというのがこの役割りでございます。したがいまして、先ほど、年次計画とか年次報告等を提出して御意見を聞く等のことを申しましたが、あまり細部にわたってこの議論が起こるということではなくて、大学の社会におけるあり方との点で、大学が参考になる意見を吸収し、また反省をする、こういう役割りを持つものと考えておる次第でございます。

上田茂行自由民主党

○上田委員 そうした重要事項について学長の諮問に応じてそしてやられるということですけれども、その学外から求められるということでまたいろいろな批判があるのですけれども、たとえば産業界から招かれた場合には、産業界は非常に財政的な力があるということで、学問の自由とかあるいは研究の自由、そういうものが、その産業界の力が入ってくることによってゆがめられるのではないかとか、あるいは文部省の方々が入ってきた場合には、国家権力の介入というような形で学問の自由がゆがめられるのではないかというような懸念を持つ方がいらっしゃるのですけれども、そういう点について文部当局はどうお考えですか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 参与会は、大学があくまでもその地域社会の意見を吸収しようという大学の積極的な意図のもとに運営されるべきものというふうに考えるのでございます。今日の大学が社会の各方面に広くつながった存在であるということは否定できません。昔のような象牙の塔ではない現実、その大学の運営を適切にいたしますために大学自体が関係者の声を聞くべきである、私はそのように考えるのでございます。そういう関係者の声を聞くこと自体が大学の自治を侵害する、こういう考え方は当たらない。むしろ積極的にいろんな意見を聞き、声を聞き、そしてみずからの大学運営の反省の資料にして、大学を適切に運営していく、これが今日の大学の進むべき道ではないか、こう考える次第でございます。

上田茂行自由民主党

○上田委員 そういう、いま文部当局の方がおっしゃったようないい点があります。にもかかわらず、一方ではそういう疑惑があるということは厳然たる事実だと思うのですけれども、もしそういう疑惑を取り除くのでしたら、そうしてまた、大学人というものを、ある意味で社会に目を開いた大学人も非常に多数いるということについて信頼を置くのでしたら、学内教官というものに専門会議というものを持たせることによって、そうして逐次そういう会議をやらせることによって、そうしてその中で出てきたことを自動的に参与会が承認するというようなことも考えられるのではないかと思うのですけれども、どうお考えになっていますか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 大学自体の運営は、大学の教官の中から選ばれてまいりました評議会を中心にして学長が運営することになるわけでございます。その大学の運営が適切に行なわれておりますならば、また大学に付置されました参与会の御賛同も十分得ることができるであろうと思います。  上田委員も十分御承知でございますが、イギリス、アメリカ、フランス等の大学におきましては、この評議会自体にたくさんの学外者が入って大学の運営をやっておるわけでございます。日本の大学はそこまでの伝統を持っておりません。大学自体の運営は直接には評議会を中心に学長が取り進めていくというのがいままでの国立大学の姿でございまして、これをもう少し部外の意見をいれて運営するということでございまして、大学関係者が責任と自信を持って運営します限り、自治の侵害というようなことは全く当たらない。もっと大学の教官は自分の大学運営について自信を持つべきだ、こう考える次第でございます。

上田茂行自由民主党

○上田委員 こうした真新しい、いままでなかったような新しい制度というものを十分に機能させるように文部当局としての努力をお願いしたいと思います。  次に、この管理運営についての第三の特徴ともいうべき人事委員会という制度についてお尋ねしたいと思います。これには総会と専門委員会というものが設けられるということを伺っておるわけなんですけれども、それぞれの機能あるいは役割り、そしてその構成なんかについてお答えを願いたいと思います。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 この筑波大学におきましては、教育の仕組みと研究の仕組みを、それぞれ最も適切な教育を行なうためのシステムとして教育の仕組みを考える、研究は研究として最も効果があるような研究のシステムを考える、そのために学群、学系という組織をそれぞれ設けた次第でございます。  そこで、ある学群で教育上必要な教官をさがさなければならぬというような場合に、その学群関係者からの発議によりまして専門の人事委員会に話題が移ってくるわけでございますが、人事委員会は、その専門領域について十分経験の深い専門家を集めて人事委員会の専門委員会としての審査をしてもらうということになるわけでございます。また、学系に必要な人員を加えたいというようなお申し出があります場合にも、学系の教員会議からその任用についての意見が上がってまいりますので、これをその専門家を中心にした専門委員会で検討の上で人事委員会にかけるという構成にいたしてございます。  人事委員会は、そのような意味で総会と専門委員会とに分かれておりますが、総会は、副学長と、それから研究、教育の各審議会から互選によって選ばれました委員で構成をいたします。約十数名を予定しておる次第でございます。また専門委員会は、そのつど必要な専門者の会議を構成するわけでございまして、数名あるいは十名前後必要に応じて加えることになろうかと考えております。したがいまして、この人事委員会に発議されてかかってまいります過程は、現在学部内の学科あるいは専門家のグループで人事の発議がされて学部教授会に上がってくるというのとほぼ同じプロセスをとる次第でございます。

上田茂行自由民主党

○上田委員 たとえば具体的に政治学の教授を選ぶというような場合についていえば、初め専門委員会というところで政治学の教授を選ぶ。その関連の学類とか学系とかの非常に専門的な、政治学に対して詳しい方々が審査をなさって選ばれるというようなことはよくわかるのです。それを上に持ってきて、総会では、そうした関係学群、学類の政治学に詳しい人ばかりでなくして、そのほかの方々が非常に多く含まれる。たとえば副学長もそうですし、また教育審議会の互選とか、あるいは研究審議会の互選とか、そういうところで互選された人たちが来られる。その人たちには政治学について専門的に詳しくない方が選ばれる。その人たちが政治学の教授を選ぶときに、政治学の上でのその人の業績ということの重視が十分にできないで、それ以外の要件で選ぶというような危険性があると思うのです。だったら、下の専門委員会の意向というものを十分に重視して、専門委員会で選ばれたことは総会では自動的に承認する、よほどのことがない限り承認するというような体制でこの人事委員会というものは持たれるのですか、どうですか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 現実の運営といたしましては、いま御指摘のようなことがほとんどではないかというふうに考える次第でございます。しかし、人事委員会は、個々の教官の人事ということだけでなくて、学内の教育研究者全体の人事について、必要な基準、運営方針等を考えて、そしていま申しました研究者の学系あるいは教育者の学群の要請というものを適切に判断し得るような専門家のグループ、専門委員会を適切につくっていくということが人事委員会の重要な職責になると私は考えます。実際の運営は、御指摘のようなことが多かろうと思う次第でございます。

上田茂行自由民主党

○上田委員 時間が迫ってまいりましたので、管理運営、国家権力の介入という点についてはそれぐらいにしたいと思いますけれども、最後に一問だけぜひとも質問させていただきたいことは、学生の参加という点についてであります。この法案においては学生の参加ということは全く触れられておらないわけなんですけれども、その意味は、学生には学生としての権利あるいは義務、学生をどのような方面で参加させるかということについて、文部当局としては全く認められないという趣旨でこういうことが書かれていないのかどうかということについてお答え願いたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 学生も重要な大学の構成者だと思います。したがいまして、大学の中にありまして学生もそれ相応の役割りをになうべきである、こういう考え方を持っておるわけでございます。どのような役割りのになわせ方をするかということは、それはそれぞれの大学が自主的におきめになったほうがいいのじゃないだろうかということで、他の国立大学についても触れておりませんし、筑波大学についても触れてないだけのことでございます。課外活動やカリキュラムなど、適当な領域の問題につきまして学生の希望や意見が十分反映し得るように配慮すべきこと、これは大学の将来の正しい発展の可能性を確保する上からも必要なことだと考えているわけであります。  このような観点から、筑波大学におきましても学内規則で定められると思うのですけれども、教育審議会や厚生補導審議会などの上に学生の声が十分取り入れられるよう、東京教育大学において検討されておるようでございます。これらはいずれも、法律に定めるよりも、むしろ大学の運営上の措置として大学自身が定めることが適当だ、こう考えているわけでございます。ただ、教職員の人事でありますとか、学業成績の評価でありますとか、あるいは大学財政などの分野を学生参加の領域に含めることは適当ではない、かように考えているわけでございます。

上田茂行自由民主党

○上田委員 ほかの大学のように大学の当事者の意見にまかせる、また、法律に載せるよりもそうしたほうがいいのではないかという意見だと思うのですけれども、少し調べてみたのですけれども、たとえばフランスなんかにおいては、各評議会というものに教員とか研究員と同様に学生というようなものが含まれているということもございますし、また、西ドイツの学内最高議決機関であります協議会の中に学生が含まれております。またイギリスにおいても、学生の福利厚生の領域についてだけは学生の参加を認めているという分野もございます。またアメリカについても、やはりカリキュラムとか進級制度、身分規則の制定などの領域について、制限的にではありますけれども、学生の権利というものを認めている例が非常に多くあると思うのです。  そこで私は、先ほどから文部当局の皆さん方が、開かれた大学として、社会情勢の変化、それを十分に吸収していけるような体制、地域社会の人間を入れることによって、また学外から人を入れることによって、社会の中の大学としての自覚、責任を持つ大学としてやっていかなければならないということを述べられたと思うのです。その点につきまして、私は、学生自身もやはり社会の中にあって、社会の中の存在として大学内において学生としての地位というものが十分に認められないかと思うわけなんです。社会の要望、社会の変化、そういうものはただ単に学外の副学長あるいは参与会の人員だけが吸収するものではなくて、そういう人たちの意見というものも十分大切だと思うのですけれども、しかし一方では、大学を構成する学生というものもまた、その社会の情勢を非常に敏感に受けとめて、そして意見を吐く一つの存在ではないかと思いますし、また同時に、そうしたある意味での領域を設けて、そこに学生を参加させることは、学生としての自覚を促す上でも、また教育成果の上でも、ひとつ十分に考えてよいことだと思うのですけれども、その点についていかがお考えですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 学生の参加を考えます場合に、私は、何といいましても、基本的に、学生自身が自主的に勉強していくのだという意欲を持ってもらう、これが非常に大切なことだと考えますだけに、カリキュラムの編成などにつきましては学生の意見を積極的にくみ上げていく努力を学校当局がすべきである、積極的に学生がそういうことについて意見を表明して、できる限りこれをくみ上げる、一緒になってカリキュラムを編成するくらいの気持ちで当たるべきものだ、私はこう思っております。  第二に、学校におきましてやはり学生自身が自治活動を通じて自分の責任を自覚していく、そういう訓練もあってしかるべきじゃないかと思います。でありますだけに、学生の自治活動を認める分野、これを明確にして、そこでは自治活動を許していくべきである。文化活動でありますとか体育活動でありますとかいうような面におきましては、私は、それが適当な分野ではないか、かように考えるわけでございます。  先ほど評議会の構成分子にしてもいいじゃないか、そういう国もあるじゃないかというお話もございました。私は、日本の場合には大多数の大学においてそうだと思いますが、適当でないという判断をしているわけでございまして、人事でありますとか、あるいは学生の評価でありますとか、そういうものについては学生の参加は適当でない。ことに今日の大学におきましては、学外の勢力と学内の勢力とが政治活動を通じて結びつき合っている、学内においてそういう意味の政治活動がかなりひんぱんに繰り返されておる。そういうような形の中にいろいろな問題が引きずり込まれるということは避けたほうがいいのじゃないだろうか。したがいまして、また大学の実態というものは大学によっていろいろ違うわけでございますから、学生参加をどの程度にするかということにつきましては、やはり大学自身が自分の大学の内容をよく見きわめながらお考えになったらいいだろう。私自身はいま申し上げましたような三つの内容に分けて考えておるわけであります。

上田茂行自由民主党

○上田委員 学生の参加について、人事とか財政という面はほかにして、カリキュラム、研究内容についての要望というものをくみ上げるようなものは少しぐらいいいのではないかということを大臣から伺ったわけなんですけれども、カリキュラム一つにいたしましても、ただ単にカリキュラム、研究内容を要望するということは、やはりそれは人事とか財政面にもかかわってくることだと思うのです。私は直接的に人事とか財政面に介入せよとまでは言いませんけれども、しかし、研究内容というものについて十分に学生の意見というものを反映させようと思うなら、やはり人事とか、あるいはまた財政面についてもある程度の間接的な方法で学生の意思というものを反映させるような道というものをさがしていただきたいと思います。  非常に時間が迫ってまいりましたので、これで終わらせていただきますけれども、現在の大学の非常に大きな問題、そうした大問題というものに対処しながらこの法案をつくられたということにつきましては非常に評価をしたいと思いますけれども、一部の国民の不満、不平というものがいまなおあるということについて、文部当局の、大学学長をはじめといたしまして、そういう人たちに対する説得の方法を忘れないでこれらの政策を実行していただくことをお願いいたしまして、質問を終わりたいと思います。

田中正巳自由民主党

○田中委員長 次に、大原亨君。

大原亨日本社会党

○大原委員 国立学校設置法の一部を改正する法律案につきまして、これから順次質問をいたしたいと思います。  この質問に入ります前に、この法律案の中身はもちろん筑波大学の問題ですが、設置法改正の中には、いま問題となっておる医科大学、医学部の増設の問題がかなりのウエートを占めておりますし、あるいは医療従事者の教育についても若干の問題となる点が出ております。パラメディカルの養成の問題ですが、いま社会労働委員会におきましては、健康保険の改正問題をめぐりまして、医療の供給体制をどうするかという問題があるわけです。これは数年来の大問題であります。  それから、大体今回の改正案が出てまいりました一つの動機は、いわゆる大学紛争にあることはもちろんであります。それで、東大の紛争も実は東大の医学部から出ておるわけであります。ですから、東大の医学部から東大紛争が拡大をいたしまして全国的に波及いたしましたし、あるいは各大学の医学部におきましてもこれはかなりのウエートをもって紛争の原因になったわけであります。このことのそれぞれの大学における、あるいは学生運動全体の問題のとらえ方の問題については私はきょうは触れませんけれども、しかし問題は、日本の医学教育に非常にたくさんの問題があるのではないか。特に東大の医学部の封建性、こういうものが今日の医療の荒廃や破壊を導いておる大きな根源ではないか。だから、そういう面において、そういう実態の認識とそういう政策との関連において、国民的な立場で医学教育の改革を考える、こういうことがやはり非常に大切な点であるし、それを無視いたしまして全体の大学構想を抽象的に議論をいたしましても、これはかなり浮き上がった問題ではないか。申し上げましたように、紛争の根源は東大の医学部にあった。そのとらえ方についてはいろいろあるだろう。また、今日医療の荒廃という問題が大きな問題になって、健康保険の改正をめぐりましては、そのしわ寄せを保険料の値上げや患者の負担に課すことはけしからぬ、こういうことの議論があるわけであります。この実態認識についてはほとんどコンセンサスがあるわけです。国会における議論を通じましてコンセンサスがあるわけです。しかし、何をどこから改革をしていくかという問題になりますと、それこそ田中総理ではないが、決断と実行がないわけです。関係のない周辺をぐるぐる回っているのがいまの実情であります。  そこで、私はきょうはこの医療の改革の問題と、そして医学教育のあり方について論点を集中して質問をいたしたい、こういうふうに思います。  その質問に入る前に、いままで議論が若干あったと思いますが、今回の法律改正案におきまして筑波大学の構想が突然出てまいりました。これはいろいろと論評されておるわけですが、私は私の質問に入る前にちょっと聞いてみたいのですが、これはほんとうにモデルなんですか。それとも突然変異的にここにぽっと出した問題なのか。大学のあり方、管理法以来——管理法はたな上げになっておるも同然でございますが、その問題を議論したときの当時のことを思い出しますけれども、具体的な内容を盛ってここへ出たわけでありますけれども、これはモデルなんですか。それとも特殊なこういう構想をここに法律の改正で出してきたのであるか、こういう点について私はちょっと大臣の見解を承りましょう。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 東京教育大学がピジョンを立てて新しい構想をつくられた。それを法律の上で認めてあげようということでございます。これを直ちに他の大学へ押しつけていこうというような考え方はございません。同時にまた、他の大学におきましても、そういうくふうをこらして新しい構想を打ち立ててもらいたい。改革案をつくってほしい。それに応じてまた必要な規定は国立学校設置法等に加えさせていただきたい、こういう考え方であるわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 これは他の質問者がそれぞれやりますから、私は立ち入っては質問をいたすつもりはないわけですが、しかしあなたの御答弁を聞きますと、これはモデルではない。この例を他の大学に及ぼしていこうという、こういう考えではない、こういうふうにお答えになりましたが、そのとおりでありますか、もう一回お答えいただきたい。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 筑波大学に関します限りはそのとおりでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 私は、法律の体系としまして——私はこれをちょっと読んでみましておかしいと思ったのは、そういうことであるならば、それは特別立法でこの問題だけを取り上げて、筑波大学に関する法律について特別立法でやればいいのであって、国立学校設置法の一部を改正する法律案として、あれもこれも全部一緒にしてここへ突然そういうものを出すということは、法律のつくり方や体系からいっておかしいのではないか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 先ほど塩崎さんにお答えをしたわけでございますが、国立学校設置法の中には、学校教育法第一条の学校を全部網羅して掲げておるわけでございます。筑波大学を別な法人格を持ったもので設置したらどうかという意見もあったわけでございまして、そういう場合には、おっしゃるとおり別法律が望ましい、また別法律でなければならないと思います。しかし、国立大学として、先生方も全部国家公務員として運用しようということになったわけでございますので、これはまた国立学校設置法に規定しませんと矛盾をする、こう考えるわけでございます。同時にまた、現在の大学は全部学部組織をとっておるのでありまして、これ以外には何も認めていないわけでございます。そこで、筑波大学は学部の組織をとらない、学系、学群の組織をとるわけでございますので、そのことを国立学校設置法に規定をする、また違ったものができれば、国立学校設置法にそういう大学として規定をする、したがって、組織がいろいろ多様なものが生まれてくるということに進んでいく、かように考えているわけであります。

大原亨日本社会党

○大原委員 私は、こまかな議論をするつもりはないですけれども、何々大学の医学部なり法学部なり経済学部なりというふうに、それぞれ設置法で書いておるわけです。それとは全く言うなれば異質のような学群の制度等を取り入れました。学群の善悪について私はいま議論する意思はありませんが、そういうものについて、いままでのそういう法体系と相いれないような、氷炭異なるような、みそもくそも一緒にしたような、そういう法律をつくるのは、この設置法の改正としてのそういう手続をとるということは、法律的に疑義があるのではないか。法律上の常識に反するのではないか。こういうのはこの法律だけをつくればよろしい。それならば法律の議論としては議論になるでしょう。なるでしょうけれども、この中に、あなたは、教員の身分なんかのことについて言われましたけれども、それは教育公務員特例法やその他組織法があるでしょう。だから、国立学校設置法の一部を改正する法律案という中へ、突然異質なものを入れてくるというような考え、しかも、あなたの御答弁のように、モデルでもない。これをよく先導型というけれども、そういう意思もないのに、突然ここへ出てくるというふうなことは、法律をつくる常識からいって問題ではないか。というのは何かというと、大学管理法の問題以来、大学問題は非常に議論になった。そしていよいよ具体的な問題を出すというときに、そういういびつなかっこうで法律を出すということは、私は問題ではないかと思う。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 先ほどもちょっと申しましたように、国立学校を全部これに網羅しているわけでございますので、学生の立場から考えましても、自分はどの大学を選ぶか、やはり筑波大学もこれに網羅的に書いてありましたほうが検討しやすいのじゃないか、かように考えるわけでございます。その場合に、ほかの大学は全部いままでは学部組織でございますので、それしか認めておりませんでしたから、何学部、何学部と、みな大学の下に書いておるわけであります。筑波大学の場合は学部組織でございませんから、学群を書いておるわけでございます。でありますから、私の常識からいいますと、むしろ網羅的に書いてあるのだから、その中へ入れるのだ、入れるのが普通だ、妥当だ、こう考えるわけであります。工業高等専門学校にしましても、全部網羅的にこれに書いてあるわけでございます。要するに、学校教育法第一条の国立学校を、全部国立学校設置法に網羅して書いてきておるということだけは御理解を賜わりたいと思います。

大原亨日本社会党

○大原委員 それは議論をすれば、特別法と一般法との関係の議論で、一般大学との関係についてきちっとむだなく整理できるのではないか、これは立法技術の問題です。それを特別法と一般法の関係でなしに、言うなれば異質なものをここへ持ってきて、そして国立大学の設置法について、あれもこれも一緒にして改正するというふうなことは、ちょっとここにいまないけれども、この表現のしかたはおかしいというふうに私は思う。その点は、特別法と一般法の関係でわれわれは常識的に考えたならば、立法上整理できるのではないか。何もここへ持ってくる必要はないのではないか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 繰り返し申し上げるわけでございますが、国立学校設置法の中に、組織も管理も書いてあるわけでございます。その組織としては、大学については学部しかいままでのところはなかったわけでございまして、それを今度は筑波大学について新しい道を設ける、また他の大学の改革構想が具体化しましたら、第三の構想もここに規定したらよろしいのではないか、こう考えておるわけでございます。  管理の問題につきましては、先ほどおっしゃいましたように、かつては大学管理法を制定しようとする動きもあったわけでございますけれども、結局若干のものが国立学校設置法に書かれておるだけのことでありまして、あとは省令等にゆだねられているわけでございます。したがいまして、管理の問題につきましても、必要なものはこの国立学校設置法に書かれている。筑波大学についても同じ構想をとって特別不穏当だということにはならない。一般法と特別法の関係ではないというふうな気持ちを私ども持っておるわけでございます。学部だけではなく、学群、学系、またその他のものが生まれてきていいのじゃないだろうか、こういう気持ちでおるわけでございます。一般法と特別法の関係ではなくて、国立大学は全部この国立学校設置法に網羅していくという立場を継続させていただきたい、こういうふうに考えているわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 表現だけ見まして私どもおかしいと思ったのは、茨城大学の隣に筑波大学を入れているわけです。それで学部を全部ずっと書いてあるわけです。これはずっと入れているわけです。そして本文で特殊な、そういうあなたが言われるような構想について書いてあるわけです。あなたが答弁されたように、これはモデルでも何でもないんだ、他に及ぼすのではないんだ、こういうことを言われたわけですから、私は、法律の常識や形式からいっても、特別立法として、筑波大学については特別法で規定をしておいて、そしてその他の問題は一般法で規定をするというふうな形というのが法律の常識ではないのですか。おかしいですよ。ちょっと見ただけでもおかしいと私は思っておる。これは中身に入る前の議論なんですよ。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 筑波大学だけが学部組織でない、それが加えられたものですからそういうお気持ちになったんじゃないか。たびたび申し上げますように、大学紛争の経過を顧みてまいりますと、一つの組織を押しつけているばかりでは解決しない。もう少しいろいろなくふうをしてもらう。筑波大学としては、幸いさっそくに新しい構想が固まってきたわけでございますから、したがって、それを取り上げたわけでございます。今後もなおそういう大学が出てくれば加えたい、こう申し上げておるわけでございます。そのほうが、学生の立場その他から見ました場合に、網羅的に書かれているわけですから、筑波大学だけはよその法律でありますと、わからないのであります。むしろ一貫して書かれているほうが便利ではないか、かように考えるわけでございます。おそらく大原さんは、管理の問題が入ってきているから一そうおかしいじゃないかという気持ちを持たれたのかもしれません。私たちは、いま大学管理法というようなものをつくる意思は持っていないわけでございます。しかし、筑波大学について開校をお認め願いたいと思っておるわけでございますから、それは国立学校設置法の中で、管理も、不十分でありますけれども扱っているわけでございますから、したがって筑波大学の問題として書き加えたというわけでございます。管理法という法律でもありますならば、それは手直しするわけでございましょう。しかし、国立学校設置法の中で全部扱っているというたてまえをとっておりますし、また大学管理法をつくる意思もございませんので、その分も国立学校設置法の中に書かせていただいているということでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 私は、経営管理とか、教授の身分とか、そういうものもずっと問題があるわけです。あるわけですが、法律の形式とするならば、いままでの国立学校、特に大学の設置に関する原則や方針というものを変えるのですから、これはあとで議論になるでしょう。私は、そういう議論をする時間はありませんけれども、これはあなたはモデルでもない、こう言うのですから、であるならば特別法で別に単独に法律をつくって、特別法と一般法との関係で一般的な問題については規制をしていくということで筋が通るのではないか。あなたの答弁を聞いておりましても、そういう点は、あなたは私が触れぬうちに管理の問題に触れられましたけれども、国立学校設置法の中へそういう異質なものをばっと入れて、そして全体を律するような、そういうことがいわれている点に、モデルでも何でもないというあなたが言うことばとは逆の効果をねらったかのごとく思われるようなことを裏づけるようなあなたの答弁ではないか、これは時間をとるつもりはなかったのですけれども、あなたの答弁は私は全然——あなたは法律にかなり詳しい役人出身だと思ったけれども、案外つまらぬ議論をしていると私は感じておるのですよ。おかしいですよ、そんなことは。国立学校設置法のカテゴリーの中で特別な分野について、あるいはモデルにもならぬようなものに持っていって、そして全部一緒にやるなんということだけで法律をつくっていくというふうなことは、おかしいじゃないですか。特別法と一般法の原則で、特別法でつくって、そして一般法の規制を受けるようにしたならば議論もしやすいし、あるいは制度としてもすっとあなたの意思が通っているし、それをぎゅっとひん曲げたようなかっこうでやっているということは、あなたは案外法律の常識がないんじゃないかと私は思うのですが、いかがですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 先ほど申し上げましたように、筑波大学、それを他に押しつけるという考え方は持っておりません。しかし、これを参考にして各大学が積極的に改革案を具体化してくれること、これを私たち大いに期待しているところでございます。したがいまして、また国立学校設置法の中に各大学がどういう組織をとるか、いままでは学部だけでございますから、何学部、何学部と規定をしているわけでございます。同様に、筑波大学の項が入りましたが、今後もまた国立大学につきましていろいろな具体的な構想が生まれ、それを書き込む、そして網羅的に、従来どおり国立学校設置法を見れば国立学校全体の姿がわかるというほうが、法律を見る者から見れば便利じゃないか、こう考えるわけであります。おっしゃるとおり、審議する立場から見た場合には、あるいは抜き出してあったほうが便利だという御意見、それなら私はよくわかるわけであります。しかし、国立学校にはどんなものがあるのか、どこを自分たちが選ぼうかというようなことを考えます場合には、設置法に網羅的に書かれている、筑波大学も国立大学なんだから網羅的にそこに挿入される、そのほうがいいのではないか、こう考えるわけであります。検討する立場によっていろいろ意見が分かれてくる、こう思うわけでありますけれども、一般法と特別法の関係からそうする意思はない、これだけはひとつ御了解を賜わっておきたいと思います。

大原亨日本社会党

○大原委員 これ以上は議論しませんが、私はあなたの答弁を聞いてみましても、どうも奥歯にもののはさまったような議論はすっきりしないですよ。これは議論すればするほど問題が出てまいりますけれども、この問題は一応おいておきまして、出ておる法律案についてやるわけです。  あなたは、日本の医学教育の欠陥はどこにあるというふうにお考えですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 医学教育の欠陥、問題はたいへん広いと思うのでございます。国立、公立、私立の医学教育機関がございます。私、医科大学等におきまして入学にあたりましてたいへん多額な寄付金を徴収している、純心な青年の心をゆがめている、これに大きな疑問を感じている、これが一つでございます。  それから、もう一つは、医学教育において特に人事の閉鎖性ということがいわれております。学閥とか門閥とか、いろいろなことがいわれております。これにも私自身大きな疑問を感じておるわけでございます。  さらにまた、これは医学部だけのことじゃございません。今度六年の医学教育を一貫して行なえるように法律を改正させていただいているわけでございますけれども、二年の一般教育、四年の専門教育というような分け方、これは大学に入ってきた学生の気持ちに対しまして、そぐわない面を映し出しているという面があるというふうに思われるわけでございます。その他いろいろございましょうけれども、そういうような問題を中心にぜひ改革を考えていかなければならない、こういう気持ちでおるわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 東大の医学部で起きました紛争がいろいろいわれております。その端緒を見ても、教授間の争いだともいわれておる、しかし、これは全然本質を見ていない議論です。東大医学部でああいうふうな問題が起きてまいりましたその根源はどこにあるというようにお考えですか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 いま御指摘になっておりますのは、東大医学部で学生の処分問題、処分が適切であったかどうかということが東大紛争の引き金になったような事件でございましたので、そのことを御指摘になっておるのだと思います。そうした処分問題の前にいろいろな問題があったという点は、先ほど大臣も答えられましたように、医学教育一般の問題、大学における学生指導のあり方の問題、いろいろとあろうかと思いますが、東大紛争自体の直接の引き金になりましたのは、処分問題に端を発したというふうに理解をいたしております。

大原亨日本社会党

○大原委員 大臣も、いま局長のほうもお答えになりましたけれども、私は医学教育の問題と医療の改善の問題に焦点をできるだけしぼりたいと思います。  文部省は、医師やその他の医療従事者を養成する際には、日本の国民医療の中における欠陥が何であるか、国民の医療の中でどういうことが医学教育に期待をされておるか、こういうことについて責任を持って検討して、そして、ここへ新しい大学の設置案がちょっと出ておりますけれども、私立大学その他の問題、全体の問題を含めて医療従事者の教育の問題について、総合的にそういうことを議論をし、あるいは方針をきめる、そういうふうなやり方をやっておるのですか、どうなんですか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 今回の国立医科大学をつくるに至りましたのは、医学教育につきましての調査を進めていく調査会を四十五年でございましたか設けまして、広く厚生省の関係者も入っていただきまして、私ども通称黒川委員会と申しておりますが、黒川委員会で今後の医師養成の方向というものを、大学の教官、国立病院の院長さん等にも御参加をいただいて御論議を願った次第でございまして、厚生当局とも十分な意見の交換をはかりまして、医学教育拡充についての施策を進めておる次第でございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 その調査会の決定いたしました内容を答えてください。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 これは四十六年十二月七日に黒川委員長からこの報告をちょうだいいたしたわけでございますが、厚生省が当時示唆をしておられました人口十万人につき百五十人の医師の確保をはかるということを目標にいたしまして、これを昭和六十年に達成するというめどを立てますならば、昭和四十七年から五十一年までの五年間に、少なくとも千二百人から千三百人程度の入学定員の増をはかる、その際に国公立の医科大学を中心にして考えるべきである、こういう御意見をちょうだいいたした次第であります。

大原亨日本社会党

○大原委員 それならば、昭和四十五年以来、文部省が私立の医科大学、医学部の設置を認可をした経過を発表してください。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 昭和四十五年には国立一校、私立三校、四校の設置を見た次第でございます。四十六年には二校、私立の医科大学が設置されました。四十七年には七校の医科大学が私立で設置をされた次第でございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 その私立の医科大学、歯科大学を設置をするにあたって、そういう調査会の答申の時期との関係はありますが、その答申との関係はどうなりますか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 この答申は、今後の医療需要に対しまして、先ほど御説明ありましたような目標を立てた次第でございますが、私立大学の認可制度は、現在の学校教育法に基づきます学校の設置認可の制度で取り扱われております。申請主義をとっております関係上、申請そのものを押えるということもできませず、医師の需要増を見込んだ医科大学の申請が出てまいりました場合に、それに対して慎重な審査をするということで進めてまいる、この申請主義をとっております関係上、調査会の答申の数字とはかみ合っておりません。

大原亨日本社会党

○大原委員 これは国立でも私立でもそうですけれども、特に私立の医師の養成等については、あるいは医療従事者の養成については、非常に医療という特殊性があるわけです。卒業して国家試験を通った人はみな医者になるわけです。ですから、私立の医科大学は申請主義をとっているから、全体の医師の養成計画とは、そういう構想のワク外で私立の医大の設置が進んでいる、こういうあなたの答弁でありますが、そういうふうに理解してよろしいかどうか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 現在の大学の設置認可制度は、必要な数に見合って大学を認可するというたてまえになってございませんので、設置申請に基づきまして審査をするというたてまえをとっておる次第でございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 それではいまの調査会の答申は、私立大学から卒業するところの医師や歯科医師や薬剤師、その他医療従事者、そういうものとの関係外でなされておる、申請主義によって条件が適用したものについては許可する、こういう仕組みにになっておる、こういうことなんですね。そういう方針でよろしいのですか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 大学の設置認可の取り扱いが申請主義だけでいいかどうか、この点については、御指摘のように論議のあるところでございます。私どもも、今後の大学の設置認可のあり方としてどういうように取り扱うべきかということは、確かに考えなければならぬ点だと思います。しかし、学校教育法が制定されまして以後、大学その他の学校でございますが、特に大学は、大学の基準に合致しておるかどうかについて審査をいたしまして認可をするという運びを長くとってきた次第でございます。でございますから、申請のありましたものについて、それが大学としての基準に合致しておるならば認可をするという方針で進めてまいりました。

大原亨日本社会党

○大原委員 あなたの答弁は、すらっと答弁しているようだけれども非常に重要な問題があるのです。そういう文部行政でよろしいのかどうか。たとえば私立大学全般についてもそうです。そうですけれども、私立の医学部や医科大学についてどういう方針で臨むかということについては、非常に重要な問題がある。  一つは端的にお尋ねいたしますが、はしなくも、文部省の辻田君が理事長をつとめて設立を進めてきたというふうにいわれておる、現実にそうでありますが、長野県の松本歯科大学、それは合法的な申請に基づいて許可を与え、そしてその後いろいろな問題が起きたけれども、この問題のあと始末は一体どういうふうにしているのか、いかがですか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 松本歯科大学の設置につきまして、関係者の一部が公正証書不実記載並びに行使という容疑によりまして、起訴あるいは起訴猶予の処分を受けましたことは、私ども審査に当たった者といたしましてまことに遺憾に存ずるところでございます。  松本歯科大学の設置の申請にあたりまして、大学側から資産といたしまして約三十億のものが用意されたという内容の申請がございまして、これにつきまして事務的な審査を行ない、かつ、大学設置審議会、私立大学審議会等の審査も経まして認可をしたわけでございますが、その後東京地検の手によりまして調査が行なわれました結果、三十億という資産があるということで申請をいたしましたその内容は、ほとんど資産がないという実態であったということでございます。これにつきまして申請者の説明を徴しましたところ、申請者のほうは、全くない、あるいはむしろマイナスであったということでなくて、数億は資産があったんだということを申しておりますが、いずれにいたしましても、三十億資産があると申しておりましたことが虚偽であったことは事実でございます。そこで、私どもといたしましては、いろいろ検討をいたしまして、閉鎖、解散といったようなことも含めて考えてみたわけでございますが、現に相当数の学生がおり、かつまた相当数の教職員がすでにつとめておるわけでございます。したがいまして、この段階でこれを閉鎖する、あるいは解散を命ずるということは、全般の状況からして適当ではないというふうに考えまして、これを健全な方向で再建させるという方針のもとに現在指導をいたしているわけでございます。  内容といたしましては、現在の理事者のうち、こうした不正に直接間接関係をいたしました者は、すべてこの際その責任を明らかにして辞職をしていただくということを先方に申し渡しまして、これはただいまそうした手続がとられております。欠員につきましては、広く適任者を求めまして、早急にこれを補充をしたい、そして再建の方向で進めてまいりたい。また、資金の面につきましては、相当額の寄付をしたということで、文部省に各種の資料等を提出した者がおるわけでございますが、この関係者を呼びまして、当初の予定申請どおり、現実に寄付をこの段階においてでもけっこうだからやってもらいたいということを強く要請をしておるという状況でございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 設立をして、入学にあたって入学生から三千万円以上の寄付金を取っておるという事実を知っていますか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 松本歯科大学につきましては、私はさような事実は聞いておりません。

大原亨日本社会党

○大原委員 昭和四十五年以来、戦後それまでにはずっと医学部や医科大学は設立されていなかったのに、四十五年、健康保険の問題や大学紛争が起きましてからはたばたと私立の医大、歯科大学ができだした。私は、私立の医科大学、歯科大学は悪いと言っているのじゃないのですよ。ないのだけれども、医師の供給、医療の従事者を出していくという、そういう特殊性や社会的な任務やあるいは国民に対する責任からいってみてでたらめじゃないか、文部省がやっていることは、大体。何回も国会においてわれわれは議論を重ねたけれども、それを守っていないのじゃないか、最近に至るまででたらめをやっているのじゃないか、そういうことを言っているのですよ。私はこんなことで、これはもちろん公立の医科大学の設置に関係しているし、同様の法人にも関係しているけれども、実際でたらめじゃないか。これは普通常識ですよ。一千万、二千万、三千万、ひどいのは五千万円もあるという……。  それではお尋ねいたしますが、申請主義と言ったけれども、虚偽の申請で許可を与えたものについては、虚偽ということはこれはわかっているでしょう、うそということはわかっている。これはここだけじゃないですよ。大体私立の医科大学、歯科大学は、きちっとした財政上の基礎がないのに、営利行為のためにやっている。たとえばその背後には土建屋がおったり、あるいは医療機械を売り込む商社がおる。ここだってそうだ。そういう議論は半ば公然とやられているわけだ。そうして見せ金をつくっておいて諸君をだましておいて、その場合には文部省の役人も理事長になって行って、そういうことで医者をどんどんふやしていって日本の医療がよくなるのか。文部省は医師の養成について責任を負っているのか。これは東大の医学部の中身の問題と本質は同じだ。そういうことで医学の教育ができたり大学の改革ができるのか、こういうことを私は言っているのですよ。虚偽の申請をしておるのでしょう。虚偽の申請とわかっている、あなたが言ったとおり。三十億円、つまり三分の二を今度四分の三にしたのでしょう、法律で。この資産については設備費の四分の三にしたのでしょう、法律で。しかしながら、それが全部うそだったということをあなたは言っている。うそだということをわかっていても、その認可した行為は正しいというふうに思っているのかどうか。あなたのほうの責任はどうなんだ。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 申請内容が虚偽であるということは、これは東京地検の捜査によりまして初めて明らかになったわけでございまして、私どもが虚偽という事実を知りながら認可したということは絶対にございません。昨年の例でございますが、浪速医科大学の事件があったわけでございますけれども、この場合は、私どもがその申請内容に虚偽があるということが幸い発見できたものでありますから、それを不認可ということにいたしたわけでございますが、文部省は、御承知のとおり、強制的な捜査権がございません。したがって、適正な信ずべき書類その他が提出され、あるいは関係者から間違いがないという証言がございました場合には、これを事実と信ずるよりほか方法がないわけでございます。しかし、そうした方法によって厳重に私どもやってきたつもりでございますが、なおかつこうした事件が発生したということにつきましては、これはきわめて遺憾なことであると考えております。したがいまして、四十七年度の申請からは、御承知のとおり、二段審査という方式をとりまして、初年度は資金計画の内容について審査をし、その段階におきまして不可とされなかったものについては施設設備等の整備に着手し、その後教員組織等の審査をした上で許否を決するというような方法をとったわけでございます。かつまた、法律ではございませんけれども、自己資金の額も四十六年度以前は必要資金の三分の二ということでございましたが、これを四分の三に改めるとか、あるいは設置者も、全く新たに大学をつくるという学校法人ではなくて、四年制の大学の良好な設置経験十年以上の学校法人に限って、これは原則としてでございますが、原則として四年制の大学の良好な設置経験十年以上のものについて認可をするというような改善措置も講じまして、四十七年度の申請以来そうした前提条件のもとに審査を進めておる次第でございます。  私立医科大学の認可の問題につきましてはきわめて遺憾なこうした事例が生じておりますし、かつまた事柄自体は私ども、非常に困難な課題だと考えておりますので、今後さらに厳重に審査をしてまいりたいというふうに考えております。

大原亨日本社会党

○大原委員 三十億円の、これは私は例で言っているのですが、全部同じですよ、医科大学も、いままでの設置のことは、四十五年以来。つまり寄付金や授業料で設備費をカバーしているのです。二千万円や三千万円出して入学してりっぱな医者ができますか。そんなことはできない、これは常識なんです。これは申請主義だと言ってほったらかしておいた。ほったらかしておいたことを国会で議論をしなかったわけじゃないのです。何回も議論しているのです。私も、高見文部大臣のときに議論している。これは決算委員会でも予算委員会でも議論があったのです。四十七年の三月二十一日ですけれどもね。それでたとえば慶応大学の工学部をつくるときに、藤原銀次郎さんが私産を投げ出して、器付して藤原工業大学をつくった、そうして工学部に合体した、こういうことがある。そういう資産のきちっと基礎があるものであって、一たんつくったものについては政府が責任を持つのだ、やはりそれぞれの卒業生の仕事や任務に従って責任持つ、こういう考え方できちっとしなければだめではないか。健康保険の問題についてどんな議論をしたって、その根底になる医師の供給が腐っておったのではだめではないか。私は、武見日本医師会長とは議論がたくさん違う。ほとんど違う。ああいうとっぴな意見ではないけれども、しかし、彼が言っていることで、医療の改革をしようと思ったら医学教育にメスを入れなければだめだと彼が言っていることがある。このことは私は一致している。   〔委員長退席、森(喜)委員長代理退席〕 これは国立の大学であれ私立の大学であっても、医学部の医師の養成については、全然国民の要求やそういうモラルとは関係なしに、文部省が独走するというふうな文部行政に問題があるのではないか。これは高見さんはこういうことを言っているのですよ。私の意見に原則的に賛成である、だから私立の医科大学についてはできるだけ助成をして、その公共性を保持したいということを言っているし、各都道府県一件以上の国立の医科大学をつくっていくという、そういう点についても同意をしているわけです。それは私どもの方針も、姿勢も、最近きめたのかきめないのかわからないが、非常に最近激しい運動もあるようだけれども、あれだってあとで問題を申し上げたいと思っておるけれども、今度この設置法を変えて三医科大学の医学部をつくることだっていいのですよ。問題があるけれども、そういう議論は何回もしているのです、これはわれわれは。政府はそのつど、文部省がやっているのだけれども、そういう医療の供給、医療の特質と医療の公共性と営利性の根本の問題と、医療従事者、医学教育の問題について何ら見解や責任を持った措置をとっていない。何回国会で議論いたしましても、これは意味がないことです。  いまの御答弁の中で、たとえば資産が三十億円あると思ったところがなかったということです、松本歯科医科大学の場合において。そんな答弁も私はそらぞらしいと思うけれども、しかし、そういう事実がわかっておるのに、審査を厳重にしたと言うけれども、たとえば三分の二を四分の三に率をあげていくと言ったところで、そんなことは形だけじゃないか、そんな改正は形だけじゃないかと私は思うのです。  いままでの質疑応答を聞いて大臣はどう思われますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 松本歯科医大の問題が起こりましてから、私も四十五年以来の認可いたしました私立医大、どうなっているかということに対しまして深い疑義の念を抱きまして、現在あと追い調査を続けてもらっておるわけでございます。  そういうような過程を経まして二つの事実を知ったわけでありますが、寄付の申し出があった、これだけの金ができましたというのが単に書類の上だけであって、事実を伴わない面が一部にある。これが一つでございます。もう一つは、認可申請にあたっては、比較的規模の小さい設備で申請をして、認可を受けてから後に設備の拡大をやる、そのためにまた新たな財政需要が起こってくる、それを寄付金に求める、こういう二つの事実を発見いたしました。同時に、医大の運営につきましては経常的な経費だけでも一人当たり年間二百万円ぐらいかかるようでございます。そうしますと、私立の大学で医師の養成に当たってもらうということについてはよほど問題がある。したがって、この認可は将来は慎重にしていくべきだ、反面国公立の増設等をはかっていくべきだ、こういう方針を立てたところでございます。  しかし、それにしましても、現実の私立の医科大学があるわけでございますので、この運営をどう改善していくか。一般的な経常費助成、その充実をはかっていかなければならぬわけでございますが、さらに調査した結果に基づいて一つ一つの大学と相談をし合って、どう改善していくかという道を一緒になって求めていかなければならないという気持ちを私自身抱いているところでございます。いま、大原さんが予算の分科会で御指摘になっております点を拝見させていただきまして、全く同感でございまして、ぜひいま申し上げましたような方向で積極的に努力を払い、いままでの問題を改善していかなければならないという決意を強く抱いているところでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 いままで文部省が認可をいたしました四十五年以来の、御答弁があった医科大学、歯科大学の新しい設置については、これはやはり一つ一つを吟味しても吟味する価値のある問題だというふうに私は思います。というのは、そこから卒業して出てくる医者がどういう医者であるかということについては、国家試験等との関係で国民としては関係のないことではないわけです。ですから、他の理学部、工学部、一般の文学部で大学の就学率がふえてくる、大学はふやしていこう、そうしてその受け入れ体制をとっていこう、こういうようなことと同列にこの問題を置いて考えて、形式上書類が整ったならば申請主義、文書主義でこれはパスせざるを得ない、こういう考え方ではいけない。皆さん方が今回若干の規制措置についてやられたけれども、私はそれで解決できるとも思わない。それはいま御答弁の中でおのずから明らかな点であります。ですから、その医師の養成の公共性ということに着目して、そして現在まである私立の医学部、医科大学については、それに対する国家的な助成の措置をとっていって、そしてその卒業生、医者や医療従事者が背負っておる社会的な任務にふさわしいような政策をやらなければならない。  ただ、そのことに関係をして、はしなくも政府委員のほうから答弁があったわけでありますが、辻田理事長等を含めて役員の辞任を勧告しているわけですね。もうやめたわけですか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 すでに辞職をいたしておりまして、登記手続中と聞いております。

大原亨日本社会党

○大原委員 文部大臣はそういう人事に一々介入できますか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 権限的には介入できませんが、指導助言という形で申しております。

大原亨日本社会党

○大原委員 それは一体どういうことなんですか。指導助言であるならば、一々全部できますか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 指導助言でございますから、強制権はございません。したがいまして先方がどうしてもやめたくないと申しますればこれはそれまででございますけれども、ただ今回の場合は、関係の理事が責任を感じまして自発的に辞表を出したということでございます。つまり文部省の指導助言を受けて自発的に辞表を出したということでございます。  なお、この不正事件に直接関係のないと見られる四人の理事は残っておりまして、これを核にいたしまして新しい理事組織を発足させたいということで、これまたいろいろ御相談をしておるわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 それは虚偽の申請書を出したのですからね。監督官庁、そういう認可を与えたものとしては取り消しができない場合にはそういう点を注意するということはあるかもしれない。これは社会的な問題として処理されるだろう。それについては本能的に自分を守ろうというようなことからこの問題を処理されちゃだめですよ。お互いの立場だけ守ろうということで、ここに至った文部省全体の非常に不見識というか——インチキな大学はどこにもあるのですよ。  一つの医科大学を設置するのに文部省は大体どのくらいな資産とどのくらいな一年間の運営費が要る、こういうふうに考えていますか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 大学を設置いたしますのに、一応私ども国立大学の場合で考えましても百億前後の設置費を要するというふうに考えております。いま御提案を申し上げております旭川、山形等につきましては一応百二十億の規模を考えております。

大原亨日本社会党

○大原委員 つい最近三十億円で見せ金でやった。その見せ金を商社が持ち込んだか、建設会社が持ち込んだか、暴力団が持ち込んだかわからぬが、そういうことがいわれておるわけです。  そこで私は、医師の養成については非常に今日まで議論してきたのですが、その中で秋田自治大臣がアイデアを出しましたね、自治医科大学、あれは設備費は幾らかかったのですか。それからその財源はどこから持ってまいりましたか。自治省からひとつ答弁してください。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 自治医科大学でございますが、設立当初の資金計画は総額で百五十八億でございます。そのうち百四十八億円ばかりが全国知事会からの寄付、それから国庫補助金が十億、その他ということになっております。

大原亨日本社会党

○大原委員 それで、これは学校法人つまり私立大学ですね。かなりこれは金がかかっておるわけですね。これはどういう条件で入学をさせておりますか。それから入学者については授業料あるいは寄付金等はどうなっておりますか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 自治医科大学は、医学部の入学定員が百人でございまして、一応全寮制ということになっております。入学者の選抜は、都道府県段階の第一次試験と大学本部での第二次試験によって行なうことになっておりまして、第一次試験では入学定員の約三倍にしぼるとともに、人物考査につきましては公立病院へ勤務する熱意等の観点を重視して選考が行なわれておるようでございます。結果的には一府県二、三人程度の入学者が入るということになっておるようでございます。学費につきましては、学生納付金の全額、一応六年間で一千七十万円見当を積算しておるようでございますが、その学生納付金の全額と生活費、これも月額三万円程度で積算をしてあるようでございますが、千二百九十万円前後につきましては、別途この自治医科大学の学校法人で貸与制度を設けておりまして、学生が希望すればこれを貸与し、卒業後一定期間、原則として九年というふうに聞いておりますが、公立病院等に勤務すれば返還が免除される、こういう仕組みに相なっております。

大原亨日本社会党

○大原委員 当初の構想は、僻地のお医者さんやそういうものを充足するということでやったわけですね。各都道府県が百数十億円出すというのは、これは出資なんですか、それとも貸借関係なのですか、それはいつか返ってくるのですか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 寄付ということでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 その百数十億円を、まあ税金から寄付したわけでしょうが、寄付いたしまして、そして九年間ほど卒業した学生が公立病院に勤務する、こういうのですね。九年間ほど公的医療機関に勤務するというのでしょう。それは守られるのですか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 いま管理局長が答弁いたしましたように、設置費で知事会から出ておりますものは学校に対する寄付でございます。私が先ほど学費の貸与として、一人当たり千二百九十万円前後につきまして貸与制度があるというのは、この学校法人が持っておる貸与資金の中から出るわけでございまして、これは返ってくるわけでございます。ただ、卒業後九年僻地に勤務する等の勤務条件を満たしますならば、返還を免除するという制度になっておるわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 それは卒業した人を拘束することはできないでしょう。僻地とかそういう当初の目的を達成するのでなければ、私は公共団体が寄付したということが全く無意味になると思うのですよ、これは。これを私立学校でつくるというふうな、こういうお金を出しちゃって学校法人でつくるということ、これは、奥野さんは自治省出身だけれども、大体そういうことで大学を、医科大学をふやすのですか。これはどうなんですか。これもモデルですか。筑波大学みたいなものですか。違うのですか、これは。どんどん広めていこうというのですか、これも。この方式というのは、自治医大というのはどんどんふやすのですか。大体何をやっているのかということが、焦点が一つも、口で言うだけではっきりしないじゃないかということを私は申し上げたいのですがね。これは将来どうするのですか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 さきに自治医大に関する御指摘がございました。秋田大臣のときの問題指摘以来、自治省の関係者が僻地の医師の養成ということを目途として知事会と相はかって創設に取り組まれたものでございますが、学校としては一つの私立の学校でございます。  将来どうするかという点につきましては、当初は西のほうにもお考えがあるやに仄聞をいたしておりましたが、今日の段階では、次の予定が具体的にきまっておるというふうには承知をいたしておりません。今後の運びとして地方公共団体の関係者が資金を持ち寄って私立大学をつくるということも一つの考え方だろうと思いますが、これを将来どこまで広げていくのがいいかということは、これからの大学全体のあり方として私どもも慎重に考えてみなければならない課題だと思っております。

大原亨日本社会党

○大原委員 文部大臣、文部大臣は国立の医科大学あるいは学校教育の体系の中の私立の医科大学、医学部、そういうものについては、それぞれ軽重はありますが、権限を持っておるわけですね。それから医師の養成については、これは今日非常に政治的な問題の焦点ですから、その国民的な要請にこたえるような措置をとるべきであると思うのです。国立大学をない県に計画的につくっていくことも、一つのこの法律の問題に関係いたしますから。それから私立の医科大学についても、五億円の見せ金をぐるぐる回して何十億円にも見せるようなそういう仕組みで、申請主義だけでこの問題を処理すべきでは絶対にない。第二はその問題。しかし、一たん認可いたしました私立の医大については、これは国が、その使命の公共性にかんがみて、やはり寄付金等についての規制をどうするかということは別でありますけれども、私はやはり医師の養成の公共性から考えて、国は特別の助成をすべきではないか。これは世界各国の医師の養成について国立や私立についてそれぞれやっておるし、アメリカは私立が発達いたしておりますけれども、日本のような、昭和四十五年以来日本の政府が医療の混乱期にやっておったようなでたらめなことをやっておるのはないのじゃないか。私立の医大の多いアメリカを含んでないのではないかと私は思うのです。申請主義だからしかたがない、若干形式を整えるというふうなことだけではいけない、私はそういうふうに思いますが、その問題についての見解を文部大臣からお答えいただきたいことと、それから外国の私立の医科大学に対する助成措置、こういうものについても、日本のように寄付金と授業料から巻き上げているところはない。それでもうけていこうというような商売、医科大学、歯科大学、これじゃ営利行為だ。そういうでたらめな国は世界じゅうにないですよ。ほとんどが、九〇%はでたらめですよ、最近新しくやったやつは。材料を出してもいいけれども、そういうでたらめなところはないですよ。自治医大の問題だって、私は悪いとは言わないけれども、安易に国民を欺くようなそういう実効のない措置はないと思うのです。根本的に私は考え直すべきであると思うのでありますが、文部大臣、いかがですか。外国のそういう私立の医大に対する助成措置等についての皆さん方文部省が調査していることがあれば、ひとつこれもあとで御答弁いただきたい。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 学校は公のものでございますだけに、認可いたしました以上は、国も一半の責任を当然負っていかなければならない、そういう考え方を持っておるわけでございます。そういう気持ちで先ほどお答えさせていただいたわけでございます。同時に、責任を負う場合には、どうしても私立医大に医師養成をたよっていくことは困難だ、やはり国公立を中心に医師の養成を考えていかなければならない、こういう結論を出しているわけでございます。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 外国の事例をお尋ねでございましたが、一般的に大学は国立あるいは公立が多うございます。日本のように私立が学生数の七割も八割も占めるという国はほかにはございません。これは先ほど来御指摘がございましたけれども、戦後のわが国の学校制度のあり方からきた一つの流れでございまして、私学のある意味で自由設立主義ということをとってまいりました結果が、こういう状況に相なっております。私立の学校がある程度の数ございますのはアメリカでございます。アメリカにおきましては、私立で医学系をやっているところもございますが、これらの授業料は必要な経費を十分学生から取るわけでございまして、日本の授業料その他と比べて非常に高いということは指摘できます。また、そうした医学教育のためにどのような補助政策がとられておるかについてここでお答え申し上げるだけの詳細な知識を持ち合わせておりません。研究費等の形でアメリカの場合にNIHからかなり出ておるというようにばく然と承知をしておる程度でございますが、アメリカにおきましても医科大学の創設を行なうべきであるということで努力が続けられておるということは承知をいたしておる次第でございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 私も的確には知っていないのですが、私立の学校が多いのはアメリカですね。そのとおりです。たとえば功なり名遂げたある人が、財産がある、そういう場合には私立の学校法人に寄付する。寄付に対しても特例を設けている。特別措置を設けている。そして、それを基礎にして学校等が運営されるのが常識のようになっているわけです。こんな日本のようなでたらめなところはないのだ。しかも、あなた戦後の流れだと言ったけれども、昭和四十五年から始まったのですよ。私立の大学をじゃんじゃん認可したのは、戦後の昭和四十五年になってから始まっているのですよ。しかも、医療問題がこんなに大きな問題になってはっきりしてきてから始まっているのだけれども、第一、医科大学や大学行政を担当する資格が一体文部省にあるのかということを私は言いたい。当事者能力があるのかということを言っているわけだ。それからアメリカでは最近も公立や州立やその他の医科大学をどんどんつくり出した。こういうことも一般的な常識でしょう。ですからこれは日本のような形でどんなにりっぱなことを言ったってだめですよ。  厚生省お見えになっておりますか。厚生省は医師の養成——あとで医療従事者については言うが、医師の養成についてはいまの現状についてどのような見解を持っているか、ひとつはっきり御答弁いただきたい。

信澤清厚生省医務局次長

○信澤政府委員 先ほど来いろいろ御論議がございましたように、私どもも直接医療を預かる立場から、今日の大学における医学教育につきましては、一応それなりの意見を持っているわけでございます。これにつきましては、先ほど大学学術局長からお話がございましたように、常に文部省と連絡いたしまして、そういった私どもの考え方なり、あるいは私どもが持っております将来の見通しについて逐一御連絡をいたしまして、できるだけ医学教育の中に取り入れていただく、こういう努力をしてまいったつもりでございます。そういう意味で、やはり端的に申し上げまして、私ども政府部内の一員でございますので、批判がましいことを申し上げるのはいかがと思いますが、やはり現場で医療を行なう、地域で医療を行なう医師の養成ということをぜひ医学教育の中で実践できるような、そういう教育をしていただきたいということをかねがね文部省にお願いしておりまして、おおむねそういう方向でカリキュラムの編成その他についても御検討いただいているというふうに承知いたしておるわけでございます。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 いままでの医師養成についていろいろと御批判を賜わりまして、甘受しなければならぬ点は多々あろうと思います。文部省といたしましても戦後、特に昭和三十年代の初めごろから理工系の学生増ということに勘案いたしまして、昭和二十年代に医学者、医師養成の定数をしぼり過ぎたのではないか。また、他の分野の拡大とあわせて医学系の定員増その他も考えるべきではないかということで、国立大学の医学部の定員増その他を進めようといたした時期もございました。しかし当時は医師会あるいは厚生省当局におきましても、医師が過剰であるということのゆえをもって医学系につきましては理工系倍増の措置をとりました際にも、非常にきびしい抑制意見をちょうだいしてまいったのでございます。そうした雰囲気がございましたために、理工系倍増その他の際に、多くの大学の新設の要求はございましたけれども、医科大学の新設要求は出てこなかった。設置申請主義をとっておりました現状から見て、このことについてやりようがなかったのでございまして、かろうじて国立大学の医学部の定員を、若干名ずつ昭和三十年度の後半からふやしてまいったのでございます。それがいま御指摘がございましたように、ある時期せきを切ったように出てまいりまして、私どももその応対に苦しむという事態が起こりました。しかし、その昭和三十年代の大学の拡充の際に私学関係者からいろいろと指摘されましたことは、文部省は設置後のいろいろな審査についてあまりやかましいことを言うなという御指摘でございました。最小限の規模でつくって、あとで学校をふくらませていく、こういう形で私立の大学の拡大ということも行なわれてきた次第でございます。そのようにこの法律の運営その他をするべく私ども求められた記憶を持っておるのでございまして、今日の段階になって考えますならば、数年来大原委員が御指摘のございますように、設置後何らの措置をとれないでいいかということは確かに問題もございます。今後医学のみらず、私立大学全般のあり方について考え直し、また国立だけでなくて公立大学のあり方についても政策的な方途を考えるべきではないかというふうに私どもいま鋭意検討を急いでおる次第でございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 最近になってせきを切ったように医学部や歯科医学部の設置の申請がなされた、こういう事情です。医者が過剰だというので抑制する措置をとっているときには出てこなくて、最近わっときた、こういうことだな、簡単に言うと。それもおかしな話であって、それならばいまだってそんなでたらめなことを認可を許すようなこともおかしいじゃないか、国民から見ればこういう議論になるわけです。いま大学学術局長が答弁されたことは、厚生省としてはそのとおりかどうか。

信澤清厚生省医務局次長

○信澤政府委員 正確な状況につきましては承知をいたしておりませんが、ただいま木田局長から御答弁のありましたような経緯のありましたことは事実でございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 大体そういう答弁するのだったら健康保険とか何とかいうのは、つまり保険はあっても医療なしといっているんだ。大臣、いま日本はそういわれているんだ。そういうことででたらめなことをやるのだったら、そういう政府の手で健康保険なんかは通すことはできない。保険あって医療なしです。その実態を裏づけるようなことを、経過はいま言われたとおりです、そんなでたらめなことをそのまま許しておいて、それで日本の医療がよくなるはずはない。その犠牲は国民が全部かぶることになる。大体厚生省も、医務局の次長だから位負けしておるから言えないだろうと思うけれども、言いたいことは言わなければだめだよ、そんなことはでたらめだということを。だからきみたちは資格はないというのだ。  今度四十八年度に三つの医科大学をつくることになったわけですね。あと一県一つの医科大学もないという県はどこですか。   〔森(喜)委員長代理退席、委員長着席〕

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 四十七年までの段階で医科大学のない県が十五ほどあるわけでございます。四十八年度に旭川、山形、愛媛を設置を希望いたしておるわけでございますが、北海道には一つございますから、これで十三県に減る予定でございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 残っているのは十三県ということですが一県に一つ以上の医科大学をつくる、国立医科大学をつくる、こういうことは政府の方針なんですか、いかがですか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 先般経済社会基本計画を経済審議会の答申を受けて閣議できめました際に、医科大学については計画期間中に医科大学のない県を解消することを目途として整備を進めるというふうに政府としての方針をきめてございますが、これは全部国立大学という意味では必ずしもございません。これからの大学のつくり方につきまして、なおいろいろな公立大学その他の大学のつくり方もあろうかというふうに考えておりますが、政府といたしましては、経済社会基本計画の中でそのような見通しを立てておる次第でございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 経済企画庁いかがですか。

山本純男経済企画庁総合計画局計画官

○山本説明員 直接の担当でございませんので、内容をこまかいところまでお答えをする能力がないわけでございますが、経済計画の中では医学部あるいは医科大学のない県を計画期間中に解消するということを書いたのは、ただいま文部省から答弁のあったとおりでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 ここに書いてある、そういうよそごとみたいなことを言っているけれども、これは書いてあるだけで実行をしないの。これは文部大臣いかがですか。いつもいつも書いては政府は無視してきたんだけれども、いつも計画をつくっては何もやったことはありはせぬ。物価だって何だって、やったことはない。しかし、社会保障については五カ年計画をつくり、その中の一つの柱は医療である。医師の供給はやはり一番大きな問題だ。そういう計画の中にはまっているこの問題については、それをちゃんと受け入ればちであるところの文部省は、きちっとした考えを持っておるかどうかということですね。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 四十八年度三校、四十九年度四校国立の医科大学をつくるわけでございますけれども、これで昭和六十年度には人口十万人に百五十人といわれている目標は達成できるわけでございます。しかし、今後さらに医師の需要は私たちは増加していくんじゃないだろうか、こう考えておるわけでございます。そういう見通しにつきまして、やはり責任のある省のほうで的確な目標を立ててもらいたい、こう考えておるわけでございます。同時に、いま話が出ていますように、五十二年度までに医大のない県の解消を目途にして、医大の一そうの整備をはかっていく、こういう方針を立てているわけでございます。両者合わせまして五十年度以後の医大の設置計画を考えていきたいと、こう思っておるわけでございます。四十九年度はいずれにいたしましても四校つくる。五十年度以降もいま申し上げました二つを踏まえながらどのように増設をはかっていくかということを今後具体的に協議していきたい、かように思っておるわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 この基本計画は、福祉優先と、こう言って銘を打っているわけですけれども、こういう関係で医科大学の関係が非常に深いからということで、いままでの論議を踏まえて言っているのだが、私どもそういう建設的な議論をしているんだけれども、十三校残っておる、内定しているのも、準備なんかもあるかもしれないけれども、だから、それは答弁が間違っていたら修正をちゃんとやりなさい。それは基本計画を見ると、昭和五十二年度までの五カ年間に少なくとも一県一校国立の医科大学あるいは医学部をつくるんだ、こういうふうにかなり具体的に書いてあるわけです。それはどこが大体、一体責任を持ってやるのか。厚生省が責任を持ってやるのか、文部省がやるのか。文部省はいまの医学教育の実態から考えて、今回三校やったのですけれども、それを五十二年までにその問題を解決するのかどうか、いかがですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 医師の需要をどう考えるか、これは厚生省の責任だと思います。医大を設置していく、これは文部省の責任だと思います。同時に、医師の需要が今後なおふえていく、こういう見通しも立てておるわけでございますし、同時にまた、先ほど来たびたびお話になっている無医地区を解消していく、僻地医療の充実をしていかなければならない、そういう要請にもこたえていかなければならないわけでございますので、医大を増設したい、この基本的な考え方は変わっていないわけでございます。  四十九年度四校をさらにつくりますので、医大のない県は九県に減るわけでございます。九県を減らすことを、これを解消することを目途にするわけでございますけれども、完全に解消するか、させるかしないか、この辺の問題はなおいま申し上げましたようなこととにらみ合わせながら明確な決定をしてまいりたい。いまの段階で九校つくりますと、こう申し上げるのは少し早い。厚生省のほうでも正確にそういう数字を立ててもらいたいという希望を文部省としては持っているところでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 厚生省はどうなんですか。

信澤清厚生省医務局次長

○信澤政府委員 昭和四十五年の九月に、私ども医師の数をもっとふやさなければならぬということで文部省にお願いいたしました際には、先ほどの御答弁の中にもございましたように、人口十万対百五十、こういう数字を目標にしてお願いをいたしたわけでございます。しかし、半面その後の医療需要の変化、それから医療技術の高度化、こういうような問題を考えました場合に、はたしてこれでいいかどうか、たいへん私どもとしても疑問があるわけでございます。幸い、これまた御答弁の中にございましたように、現状でまいりますれば、この目標はおおむね達成できる、こういう見通しでございます。  そこで、私どもは医大ができることによって医師の数がふえるということと、あわせてやはり医大のある県とない県では診療に従事する医師の数にかなりのばらつきがございます。率直に申しまして、医大のない県は医師数、人口十万対率で申しますと、すべて全国平均を下回っている、こういうふうな状態にございます。したがって、でき得べくんば医大をつくっていただくことによって、先ほど来僻地医療の問題も出ておりますが、そういう問題を解決するためにもやはり全県的に医大をつくっていただくという方向で考えていただくことが適当ではなかろうか、基本的にはそのように考えております。  ただし、一体今後の医療需要に対応してどのくらい医師数が要るかということについては、現在のところ、先ほど来申し上げている人口十万対百五十以上の数字は持っていないわけでございますが、かりに先ほど来お話の出ている十三県に定員百名の国立の医科大学を逐次つくっていただくということになりますと、テンポにもよると思いますが、その百五十の目標が百六十くらいになります。したがって、おおむねそこらあたりのところは今日の医療需要から申しまして、当然必要になってくるのじゃなかろうか。決定的にそうきめているわけではございませんが、おおむねそこいらをめどに今後文部省と相談をしていきたい、このように考えております。

大原亨日本社会党

○大原委員 厚生省は、あなたと質問しておったってだめだったら、厚生大臣の出席を要求するよ。あなたとやって時間つぶしだったら、そんなことを審議するのはあほくさいからね。社会保障の五カ年計画をつくると言っている。その中で十万人について百五十人なり百六十人医師を確保する、そういうことを言っているわけでしょう。それをきちっとやらなければ、無医地区の解消とか、救急医療の問題とか、保険があっても医療なしというふうな実態の解消はできない、こういうことを言っているのでしょう。そういう意見というものが文部省に反映しないような政府の仕組みが問題じゃないか、大体それがいままで問題を起こしているのではないか、それが国民に開かれていない大学ではないか、そういうことが問題じゃないのか。口先だけでべらべらしゃべったところで、こんなものでは文部行政も何も進むわけはないのだ。だから、そういう計画をやるのであるならば、きちっと政府は責任を持ってやりなさい。計画的に少なくともこれだけは一県については一カ所以上の国公立の医科大学をつくって、医師の養成についてはやはり筋を通していく。ここでまず営利主義を克服していく。そういう点についての意識統一がなしに、漫然と陳情その他に基づいてつまみ食いのようなかっこうで三校やり、二校やるというようなことではだめじゃないかということを私は議論しておるのです。そういうことについて、文部省にきちっと発言したらどうなんだ。あなたがだめならば厚生大臣を呼ぶ。厚生大臣がいないとこの問題は議論できやしない。大体厚生省は言うべきことを言っていなんだ、国民のために。文部省は、漫然とその現象だけを追っているのじゃないか。こういうことがいままでの審議の結果ではないか。これは五カ年のうちに、経済企画庁がこの基本計画で——これは閣議決定だ。この基本計画の中で、ぴしっと具体的に目標を書いているんだけれども、学校については文部省、学校を卒業してからの再教育その他については、国家試験その他を含めて厚生省、しかし、国民の医療需要に対応するそういう措置をとっていくのは厚生省、それが何か無責任な官僚機構の中でいまのようなでたらめな現状になっているというふうなことを、国会審議を通じて黙視することはできないと私は思う。あなたに答弁ができなければ厚生大臣の出席を求めますよ。

信澤清厚生省医務局次長

○信澤政府委員 大原先生のおっしゃることはごもっともでございます。いろいろな機会に厚生大臣がしばしば申しておりますように、先般政府が決定いたしました経済社会基本計画、この中の社会保障の部門につきましては、いわばその各論的部分について社会保障五カ年計画とも申すべきものをただいま厚生省で作業いたしておるわけでございます。したがって、多少いま私、たいへん煮え切らない御答弁を申し上げたかと思いますが、具体的にはその計画の中で明らかにする。その場合の考え方については、先ほど申し上げたように、やはり各県に一校程度国立の大学をつくっていただく、こういう方針でいきたいという気持ちを申し上げたわけであります。

大原亨日本社会党

○大原委員 必要であるし、厚生省はそういう態度である、こういうお話ですが、文部省はいかがですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 先ほども申し上げましたように、無医大を解消する、その目途で増設をしていきたい。四十九年度四校ということも計画決定しているわけでございます。五十年度も増設していきたい。その数字を完全に解消するについては、それだけの医療需要を厚生省が責任をお持ちになるわけでございますので、その辺の詰めを押していきたい、こういう気持ちで先ほどからお答えしているわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 厚生省は、十三県、いま四十九年で四県、こういうふうに言いましたが、医大のない県を解消していく。そこで、医者を養成するということは、これが医療サービスの拠点になっていくわけだから、地域医療の拠点になっていくわけだから、そういう特殊事情があるわけだから、最低はそういうことを確保するということが——今日の疾病構造はどんどん変わっている。治療と研究と教育、養成、再教育を含めてそういう問題に対応するということだから、そういう議論は私どもの社会保障基本法にも方針として出しているのであって、その議論は一つの国民的なコンセンサスだと思うのですね。そういうことが文部行政にぴんぴん反映しないところに問題があると私は思うのですよ。厚生省としてはそういうことを言っているんだから、文部省としてはかなりこの問題ははっきりした議論として、計画的に県としての医大のないところを解消するんだ、こういうことについて議論をしなければこの医科大学の問題は議論できない。そんなことは全体のことを見たって、いままでやってきたことを見たってわかっているんだから、そのくらいのことははっきり言ったらどうですかと言っているんだ、国会審議の過程で。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 先ほど来厚生省の医務局次長から御答弁もありましたように、人口十万対百五十人の医師を昭和六十年度を目途に養成すべく御要請を受けまして、私どももその要請に応ずるだけの措置を講じておるわけでございまして、四十八年度の三校、四十九年度に向かって準備を進めております四校の新設を見ますならば昭和五十九年には人口十万対百五十一という数字まで持っていけるのでございます。でございますから、厚生省の見通しに対しまして私どもも養成数の拡大ということについて十分の留意をいたしております。また、先ほど大原委員が御指摘のように、医科大学のない県に医科大学があるということは、地域の診療体制のある意味で研究、教育の中心になり得るということがあり得るわけでございますから、この養成数とは別にいたしましても、そうした問題を考えていく必要があろう。先ほどの社会経済基本計画におきますお考えも、そうした意味で私どもも目途として考えていける筋のものだというふうに考えておるわけでございまして、その間に何らそごがあるとは考えておりません。

大原亨日本社会党

○大原委員 これはしつこいようですが、一県に一つ以上の国公立の医科大学をつくるという方針をこの基本計画の年度の中にいまのお話しのように実行していくのだ、そういうふうに私も理解しておきましょう。  そこで問題は、やはり地元の負担というのがあるわけですね、国立の医大をつくるときの。地元の負担は事実上どういう状況になっておるのですか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 地元の負担という形で特別のものをお願いしておるつもりもございませんですが、先ほど来御指摘がございますように、医科大学は地域の診療体制の整備あるいは医師の需要との関連もございまして、設置を希望いたします地元でその場所その他の選定をしていただくようにお願いをいたしております。また、四十八年度の三校について申しますならば、地域の人口との関係から見まして百人の定員の大学をつくります場合、いままでの大学の基準で申しますと八百床の病院を必要とするという基準になっておるわけでございます。この八百床の病院をいきなりつくるということについては、地域の現存の医療体制との関係その他のこともございますので、この点は六百床に縮めまして、縮めた分につきましては地域の医療機関の整備等、御協力を願いたいという考え方でございます。その点で地元にございます公私立の病院を、大学の関連病院として整備をしていく。これは地元自体の問題として整備をしていただき、それに対して私どもも、大学教育のための関連病院としての強力なネットをつくっていく、こういう考え方をいたしておるわけでございます。この整備につきましては、教育上の設備費について設備の補助を地元に対しても出すという措置を四十八年度予算上きめさせていただきました。このようにいたしまして、医科大学をつくりますことにつきまして、地域のほうでも現在あります医療水準を高め、必要な看護婦その他の職員の養成等に御努力をいただく、そこに国立大学として必要なものをつくっていく、こういう考え方で協力して仕事をしておるというのが今日の考え方でございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 これはたくさん問題があるのですけれども、いまのお話では土地は地元が提供するということですが、付属病院を含めて一つの医科大学、医学部をつくるのにどのくらいの土地が要りますか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 医学部の場合に病院を含めまして二十万平米の土地を必要といたします。   〔委員長退席、森(喜)委員長代理着席〕

大原亨日本社会党

○大原委員 一坪十万円として幾らですか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 どうも計算がうまくできませんで——六、七十億になるそうであります。

大原亨日本社会党

○大原委員 大体土地問題を解決されなかったら、保育所だって学校だって全然だめよ、こんなことをやったって。だめですよ、こんなことじゃ。しかも、それを地元へ負担させるなんということは、これは一体どういうことなんですか、そういう地元に土地を提供させるなんということは。そして競争させるんですか。陳情合戦させるのか。条件のいいところをどんどん先にやっていくのか。そういうでたらめな政策だからいかぬ、こう言うのです。必要なところからやっていくというのが政策でしょう。国がやっていく場合に、そのくらいの措置ができないことはないでしょう、いかがですか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 先ほど御答弁をいたしましたように、一応医科大学のない県には、いろいろな形で医科大学を整備していくという方針はとっております。せっかくつくります医科大学は、やはり地域の医療政策とからみ合って、また地域の発展との関連でつくられるべきが至当だと考えております。したがって、その設置をいたします場所その他につきましても、地元の関係者の御努力、また希望というものを受け入れながら適地につくっていくということをいたさなければなりません。それが大学として設置するに適切な場所であるかどうかというような吟味を私どももいたしまして、適切な場所に医科大学を設置するということは、私どもとしてもどうしても考えていかなければならぬことだと思います。この点につきましては、地元からの御協力をいただくということがあって当然ではなかろうか。ただ、私どももそれを今回全部国にちょうだいをするという考え方ではございませんで、地域と一緒になって医科大学をつくるという意味で、その土地の確保とその提供をしていただきまして、相ともに医科大学をつくる、こういう考え方で進めたいというふうに思っております。

大原亨日本社会党

○大原委員 あなたおかしなことを言っちゃだめですよ。そんなおかしな答弁ないですよ。地域と密着しようと思ったら、金はちゃんと予算措置いたしますと、国立大学ですから五、六十億出してやればいい。そこでひとつ適当な地域を選んでください、こう言って話をすればいいんであって、協力する意思があるかないかは、その土地を提供するかどうかによって見てやるというあなたの答弁はおかしい。その答弁はおかしい。筑波大学は、土地はやはり地元が提供したんですか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 筑波以外のことでちょっと答弁を補足させていただきますが、地元に御提供いただきまして、国のほうで有償で借り上げるという考え方を持って進めております。筑波大学につきましては、筑波学園都市全体につきまして、これは住宅公団で土地の確保をいたしまして、筑波大学としては、でき上がりました際に住宅公団のほうにあとでその代金を支払っていくという考え方であります。

大原亨日本社会党

○大原委員 医科大学や医学部の場合は、五、六十億に相当するやつは借り上げて使用料を払う、地代を払う、そういう条件でつくっているわけですね。  それから……いまの点はいいですね。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 地元に用意していただきました土地を借り上げて地代を払うという考え方でございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 この十万人について百五十人とか六十人、こういう目標があると言ったんだが、私立の医科大学は、このワクの中に入っているのかどうか。計算の中に入っているかどうか。これは厚生省。

信澤清厚生省医務局次長

○信澤政府委員 先ほど私が申し上げました昭和六十年に人口十万対百五十人の医師数になるといいますのは、私立医科大学を含めての数字でございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 いままでの質疑応答を聞いていましたら、文部省は大体私立の医科大学はワクの中に入らないようなことを言っていたわけだ。国立大学でそういう計画を立てていくのだ、こうあなたは言った、そうじゃないですか。いままでは私立の大学については、昭和四十五年以来どんどんできてきて、申請主義だから、表面が整っていればしようがなかったのだ、こういうようなことも言っているし、当てにならぬようなことをいままで言っていたわけです。であるならば、ワクの中でやって、これだけは国民医療、地域医療を充実させるために医師が必要だということになれば、私立の医科大学であろうが何であろうが財政措置をとって、そして社会的な、公共的な任務を果たさせるようにすべきではないか。そしてそういう措置をとって、これからの入学者については、いままではしかたがないかもしれない、自主的な形やもぐりの形をとっているから。これからはそういうことは一切いけない、そういうことがわかったならば取り消しますよ、そういうきちっとしたかっこうをやらなければ、虚偽の申請でやっているんだから、その姿勢を正す道はそれしかないと私は思うのです。それでその学生はどこかに合併すればいい。しようがないから学生は他の医科大学に分散させるしかない。そういうきちっとしたことを文部省はとらなければいかぬ。そのワクの中で考えているのだったらそういうことをきちっととって、医師の養成の公共性にこたえるような、それを克服できるような、こういう点をぴしっと政府全体としてやらなければ、私は議論する資格がないのではないかと思うわけです。大臣いかがですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 私立の問題につきましても、当然医師の養成機関でございますので、医師養成計画全体の中で考えていかなければならない、こう思うわけでございます。とかく私立の医大の場合には、大都市中心に設置される傾向が強いわけでございまして、なかなか地方に積極的に行ってもらうことは困難なようでございます。しかし、りっぱな私立医大が、無医大県に設置しようと計画されることはたいへん好ましいことだ、かように考えるわけでございます。同時に、国立ばかり考えているわけではございませんが、僻地医療のことを考えたりいたしますと、医療行政とあわせて行なっていく意味において、国立医大の役割りを高く評価していきたい。したがって、国立医大が設置される場合には設置助成の道もぜひ考えていきたいという希望を強く持っているわけであります。ことしは特に国立医大につきましては、経常費助成を行なうという道を開いていただきました。その趣旨は、国立医大の役割りに大きな期待を寄せているからでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 国立の医大をつくっていくという方針は私どもは正しいと思うのです。しかし、私立医大の問題をこのまま放置しておいていいことはないわけです。そういうことじゃだめなんです。ですから、この点はひとつ十分厚生省と協議してもらいたい。これは後に時間があるだけ申し上げますけれども、この問題について文部省がいままでと同じようなことをするのだったならば、こういう法律案だって意味ないのですよ。そういう点の総合的な考え方というものを私は確立しなければならぬ、こういう議論をするならば。この問題は重要な問題として残しておきます。残しておきまして、またどこかの機会——ここでお許しがあればやるけれども、なければどこかの機会にこれは徹底的にやります。それから、これはひとつ運営上協議してもらいたい。  そこで問題は、十万人に私立の医科大学の卒業生を含めまして百五十人、百六十人の医師を確保しておっても、日本はその数字だけでは医師が充足したというかっこうにならぬわけです。国際的に比較をしてみますと、そう劣ってはいないわけですよ、人数からいいましたら。字づらからいいましたらそうなんです。それは形式上、統計の上で、文部省の机の上で、字づらを合わしたところでこれはだめなんだ、国民の立場に立ってみると。そういうことについての問題はどこにあるというふうに文部省は考えていますか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 いま医師が不足といわれておりますのは、僻地に医師が足らぬということをよく聞くわけでございますが、こうした医師の不足というのは、養成の面だけでは私は解決できないことがあるというふうに考えます。これは厚生省の御当局のほうで医療政策の問題としてもひとつお考えいただかなければ、いま御指摘のように、養成するだけで全部片がつく、こういうわけではないと思っております。

大原亨日本社会党

○大原委員 厚生省に責任があるという話だが、厚生省は責任を感じているか。

信澤清厚生省医務局次長

○信澤政府委員 医師の養成までは文部省の責任でございますが、そのあと医療の体制の中にその医師をどう迎え入れるかということは、厚生省の当然の責任でございます。したがって、ただいま先生からお話がございましたように、数だけ合わしてもだめだということは、いろいろの問題があろうかと思いますが、私はことばは適当でないかと存じますが、やはり一つ医師の偏在という問題があろうかと思います。やはりこれについては厚生省が責任をもって偏在の原因を探究し、それを解消するような対策を講ずべきである、このように考えております。

大原亨日本社会党

○大原委員 医師はどこへ偏在しているのですか。

信澤清厚生省医務局次長

○信澤政府委員 端的に申しまして医育機関に集中しているという現象が一つございます。それから一般論といたしまして、大都市中心に、その周辺に開業医その他が集中している、こういう実情があるように思います。

大原亨日本社会党

○大原委員 いま文部省は答弁を聞きましたか。文部省は関係ないか。いかがですか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 医育機関のありますところに医師が集まるという意味では、医育機関のあり場所というのが、全体の数字だけでなくて、関係があることは当然でございます。その意味で、どこに医科大学があるかということは、確かに関係はございますけれども、しかし、医育機関だけでその県内の医療需要が全部片がつく、こういうことではないであろうというふうに考えます。

大原亨日本社会党

○大原委員 あなた、医育機関のあり場所によって、こう言っているけれども、そういうことを言っているのじゃない、厚生省の言っているのは。そういう意味じゃないです。そうでしょう、厚生省。

信澤清厚生省医務局次長

○信澤政府委員 どうも私、的確に理解しかねているわけでございますが、物理的には医育機関のあるところにということになろうかと思います。医育機関に医者が集まってまいります理由につきましては、やはり卒後のいろいろの研究でございますとか、あるいは端的に申しまして博士号をとるとか、こういったようないろいろな関係があろうかと思います。おそらく先生は後者のほうに重点を置いて御質問されているのではなかろうかというふうに考えております。

大原亨日本社会党

○大原委員 それでは、日本には医学博士が何人いるか。全部の医者の中で何%を占めているか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 現在医学博士が何人あるかということは、端的にはちょっとお答えしにくいのでございますが、明治の初めから医学博士の学位号を授与してまいりました者のトータルが九万二千人ほどでございます。このうちすでになくなられた方もあろうかと思いますので、現存が何人かというデータはちょっと出にくうございますが、四十六年度の医師数は十三万六千人というふうに承知をいたしております。

大原亨日本社会党

○大原委員 博士になる道はいまは幾つあるのですか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 博士をとりますのは、大学で勉強をして、医学の大学院に進んでその課程を修了し、論文その他についての認定を当該大学から得たときに博士になるわけでございます。なお、そのほか、大学院に進みませんでも、いわゆる論文博士という形で、論文を提出いたしまして博士号の授与を受けるというケースがございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 大学院の博士と論文の博士がある、こういうことですね。論文をとるために医育機関にかなりの人が集まっている、これが日本的な特色である、そうですか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 確かに卒業いたしましていろいろと医師としての修業を積みます間に、なお勉強して、できるならば博士号もとりたいということを考えるのは自然だと思いますから、そういう博士の資格をとれるまで大学に残って勉強するということは、もちろんあり得ると考えます。またさらに、大学を出ましたあとでも、開業しておられる方々その他が常に最新の知識その他を大学で得るために、かつての教室に通う、あるいはその地域の大学に関係を持って勉強に集まってこられる、こういうことは十分あり得る姿だというふうに考えております。

大原亨日本社会党

○大原委員 大学の医学部の六年間の課程は、二年間が教養課程で、二年間が専門の課程で、あとが臨床でしょうね。それで六年間でしょう、大体が。それを今度の改正では少し変えてある。この法律によると中身を変えているのだけれども、その是非はまたあとにいたしますが、今回は少し法律を変えております。六年間についてワク組みをはずしているというふうに、率直にいえばなっていると思うのですね。   〔森(喜)委員長代理退席、委員長着席〕  そこで、これは去年以来よく議論をされているわけですが、医師の国家試験の問題、医学教育の問題について議論されているのですが、これは一昨年ですか、アメリカの外国医学卒業生教育評議会の試験で、日本の受験生の成績が世界で四十九番にランクされている。後進国並みだというわけです。医学博士をとるのに熱心なわりにはレベルが低い、こういうわけだろうな。一方では、東大で基礎医学教室への希望者が一人もいなくなるという状況だ。普通の常識からいうならば、医学教育というものは、基礎的な医学についてかなりエネルギーが集中されて、初めて医学の学術の水準が上がっていくはずなんですね。これはアメリカで各国の医学生についての若干の評価をしたのだと思うので、これが万能であるとは思わないが、日本の医学教育はどこか欠陥があるのじゃないか。欠陥車だ。日本は高度成長で全部欠陥車だけれども、医学教育については非常に大きな欠陥があるのではないか。これはどこにあるか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 先ほど御指摘がございましたように、二カ年間の進学課程、そして四カ年の専門課程、その課程の中で、いまいわれておりますことの一つに、臨床の教育というものが十分に行なわれてないのではないかという反省を医学教育の関係者は持っております。もっとベッドサイドティーチングを手厚く実施していくべきではないかというふうにいわれておるところでございます。これは医学教育の課程全体を二年、四年と区分して、二年間は一般教育だ、あと四年間で医学の専門教育をやるということだけではうまくないので、六カ年を通じて専門教育も取り扱い、早目に臨床研修その他のことができるように、ベッドサイドティーチングがもっと充実して早目にできるようにという御意見がございまして、今回、いま御指摘がございましたような六年間の一貫ということもでき得るようにしたいと思います。  なお、臨床の教育をいたしますためには、いままでのような付属病院のベッド数だけでは足りないという問題がございまして、もっと幅広くたくさんの教育病院、それに関連いたします病院でベッド数が二千、三千というふうにほしいということもいわれております。今回、そういうこともありまして、山形、旭川、愛媛の場合には、地域の関連病院を、大学の教育病院として十分御協力いただけるものに育てるという施策をとっていきたい。そうするならば、臨床例につきましても、大学病院に集まってきます患者の病例と、それから一般の病院あるいは普通の開業医が取り扱います一般の病気の場合とはかなり違うわけでございますから、そうした通常の医師の臨床例につきまして、もっと教育機関で実習ができるように、こういう方向を今後とっていきたいというふうに考えておるところでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 厚生省、厚生省は教育病院についての構想を先般答申を得て発表しましたね。これはいまの局長の答弁と関係あるのですか。

信澤清厚生省医務局次長

○信澤政府委員 基本的な部分におきましては、ただいま文部御当局から御答弁あったとほぼ同じような考え方でございます。ただ、ただいま文部省からのお答えは、いわば卒前の学生教育を中心にお考えのようでございますが、私どもはやはり医師になりましたあと、先生御承知のように、臨床研修を二年間やっていただく、こういうこともいたしておるわけでございまして、二年で足りるかどうか、また、教え方についてもいろいろ御批判のあるところでございます。したがって、そういったような病院に、いわば現在の病院に教育機能を持たせることによって、そこで医師が十分勉強できるようにする。同時に、その病院の一部が、いま文部省からお答えがありましたように、大学教育の一環としていわば教育関連病院としての機能も果たす、こういうものを考えてみる必要があるのではなかろうか。私どもの教育病院の発想は、いま申し上げたようなところから出ているわけであります。同時に、教育的な機能を持たせることによってよい指導者も当然必要になってまいります。多数の医師も集まってまいります。それが即地域の医療の向上につながる、いわばこういったような二つの面のねらいを込めまして教育病院構想というものを考えておるところでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 教育病院の構想は、大体どのくらいの病院を指定するのか、あるいはどういう計画で具体化するのかお聞かせいただきたい。

信澤清厚生省医務局次長

○信澤政府委員 これも、先ほど申し上げましたように、社会保障の五カ年計画の中に織り込んで、今後具体的に数字を詰めてまいりたいというふうに考えておりますが、現在臨床研修は、大学の付属病院のほか、厚生大臣の指定いたします研修病院でいたしております。この研修病院の数が約百三十ございます。まず、この百三十はすでに下地があるわけでございますので、これに対して物的、人的な投資をいたしますならば、かなり教育的なレベルの向上が期待できるのではなかろうか、このように考えるわけでございます。  そのほか、この教育病院制度を考えるにあたりまして、やはり私どもは最近の病院のあり方として、いわゆる総合病院から専門病院化への方向というものがあらわれてきていると思います。たとえば、ガンについて国立がんセンターをつくるとか、各県にそういったようなガンだけの診療を中心にする専門病院をつくる、老人病についてもそうだ、こういう専門病院の方向にも行きつつあるわけでございます。したがって、私どもとしては、総合病院だけではなくて、そういった専門病院を含めて、いわば群としてこれをとらえる、そうして専門のローテーションの中で教育的な機能を果たすようにしていく。特にそこであえて教育病院群ということばを使っておるわけでございます。  そこで、数にいたしましていま百三十の研修病院がございますが、そういった専門病院を含めまして、その構想を固めるにあたって約六百の病院に対してアンケートをいたしております。つまり、どういう点についててこ入れしたならば教育病院たり得るか、これについてどういうネックがあるか、こういうような質問をいたしたわけでございますが、たいへん熱心な回答をいただいております。そういう中から私どもなりに判断をいたしますと、さしあたり二百程度の病院について教育病院としての機能を付与してはかっていきたい、またそれができるのではなかろうか、おおむねの計画としては現在の段階ではそのように考えております。

大原亨日本社会党

○大原委員 教育的な機能を果たすのは、たとえば大学の教授の定員をふやすんですか、文部省。厚生省の教育病院の構想と大学付属病院あるいは関連病院等の関係は、皆さんはどう思っているのか、文部省は。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 いま厚生省から御答弁ございましたように、病院自体が教育的な機能を持ち得るように充実したものをつくるという御方針でございまして、これは大学病院だけでなくて、大学教育をいたします場合に、地域の関係病院の協力を得ながら大学教育をやっていくということにつきまして、非常に好ましいことであるわけでございます。今回三医科大学をつくるにつきましては、それぞれ大学の設置要件を地域病院にある程度肩がわりしてもらうということで考えておりまして、その協力病院として、教育関連病院として御協力をいただきますものにつきましては、大学教育の立場から、大体厚生省の教育病院のお考えとほぼ同じでございますが、一般病床数三百床以上の充実したものとの間に協力病院としての提携を御相談申しまして、そうして学生の教育その他に当たっていただくことにいたしたいと思っております。その場合に、病院の担当医師その他が、かなり教育力のある高い水準の方であるということを私どもとしては当然期待をいたし、また、そういうことでなければ教育病院としての御協力をいただきにくいわけでございますから、そうした基準その他も考えておりまして、病院におきます医師が大学の指導教官として適格性を有する、そういう方々のところに、大学としては何らかの形でこの大学教育を担当してくださる教官としての職責等もお願いをしながら進めていきたいと考えております。現在のところ、大学の教官を病院に配置するという考え方は必ずしもとっておりません。病院の教官を充実していただく、この病院の教官が大学教育に御協力をしてくださる、そういう形で大学の主任教授の指導等がまた病院における実習にも及んでいく、こういう協力関係を想定をいたしておるところでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 今度新しく三つの医科大学、医学部をつくるわけなんですが、それには付属病院なり関連病院の構想を考えておる、それには予算上の措置をするんですか、どう見ているのですか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 予算上の措置につきましては、四十八年度三千九百万円、とりあえずでございますが、教育用の設備につきましての二分の一の補助金を計上した次第でございまして、これは教育用の設備ではありましても、同時にまた診療にも使われ得る設備であり得るかと思いますが、年次計画でこれらの病院の教育設備につきましての整備充実を関連病院において進めていただきたい、こういう考え方でございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 これから関連病院の考え方を全国の医大、医学部に及ぼしていくというときには、そういうふうな教育の面においては文部省がある程度責任があるし、あるいは学生の臨床教育等をするわけでしょうから、ですからそういうことについては、文部省もそういう全国的な視野で予算措置をするんですか、いかがですか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 大学教育に必要な御協力をいただきます関連病院の教育部分につきましては、文部省としてもその関連病院制度を推進するために必要な予算上の措置というものは今後も考えてみたいと思っています。

大原亨日本社会党

○大原委員 厚生省はどういうふうに考えているのか、教育病院についてのこれからの人的なあるいは財政上の裏づけ。

信澤清厚生省医務局次長

○信澤政府委員 大学の学生教育の部分については、いま文部省のほうでお考えのように御配慮いただきたいと思っております。それを除いたいわば卒後の部分につきましては、医師の生涯教育も含めまして、厚生省の責任において病院の整備をはかる、ただし、これにつきましても、やはり相当数の指導者となるべき医師が必要でございますので、そういった面から申しますれば、大学との連携というものは、いろいろな形で今後もやっていかなければならぬ、このように考えております。

大原亨日本社会党

○大原委員 私は、いま一番議論になっている、たとえばその地域における自治体の病院、県立病院とか市町村立病院、国立病院、公的医療機関、そういうふうなものが、教育病院の機能を発揮するためには、させることが非常に必要ですが、やはりそういう指導者をきちっと確保できなければいかぬ、指導する資格のある人を確保しなければならぬ。在校生はもちろん、卒業後も滞留しておるわけです。学位制度もあるけれども、そのためにはやはり研究のためにかなり時間をかけなければならぬし、スタッフを充実させなければならぬと思うのです。そういうことは、単に医学教育とか卒後教育だけの観点ではなしに、いまの医療全体に要求されていることです。ですから私は、そのこと一つやろうと思っても、いまのようなたくさんの弊害が出てきた独立採算制というようなものは、付属病院を含めてやめていかなければならぬと思うのです。治療と教育と研究を一体化するためには、うんとゆとりのあるそういう制度を設けて研究できるようにしないと、いい人はこないです。いまのようにこき使っておって、勤務医には優秀な人は来ないで、優秀な者は開業医になるという傾向になっておる。私が神戸に行ったときに、阪大の心臓外科の先生が小児科を開業していたけれども、いままでやってきたことは何もならぬ、こう言っていた。やはりそういう指導医というふうな、研究というふうなことを言っても、実際はスタッフを充実させて、独立採算をはずして、研究費をきちっとやって、そういう病院自体の経営を発想転換していかなければ、いままでの弊害は除去できない。つまり大学の関連病院としてタイアップはできないですよ。大学のほうの教授、助教授の定員をふやして、指導医というか、そういうものの充実をはかるか、双方のどちらかからか、あるいは双方からかやっていかなければ、この問題は解決できない、こう思うわけです。医大をつくっただけではだめだ。しかもこの医大は、学校においては講座あるいは付属病院では何々内科とか何々外科といって、教授の名前がついているわけです。それが閉鎖的である、こういうことがいわれておるわけですね。ここにやはり一つの問題があるわけです。しかも、研究費がないから医薬品メーカーからもらうということになるから、研究がメーカーに従属する、だからサリドマイドであるとかそういうものがなかなか表面に出てこない。よほど良心的な医者でなければ出てこない。こういうふうに薬の弊害なんかも出てきている、資本に従属することもできている。だから、公私立を含めて医学教育については、ここから関連病院をつくっていくというふうないびつなことではなしに、別な構想を示すといった方向で、総合的な計画をやらなければいけないのではないか。筑波大学は一体幾ら金をかけてやるのか知らぬけれども、五千億円ともいわれている、一千億円ともいわれている。やはり医学教育の問題がここに関連をして、若干の提案がなされておるわけですけれども、私は、そういう面についての意識統一をしなければ、文部省はいままでもろくなことをしなかった、毒をばらまいておる、害毒をばらまいておる。まだ言い足りなければ幾らでも私時間をかけて言うけれども、私は、そういう点を計画的にやっていく、予算を先取りしてやっていくということが必要ではないか、こう思うわけです。文部大臣いかがです。

田中正巳自由民主党

○田中委員長 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

田中正巳自由民主党

○田中委員長 速記を始めて。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 大学全体に問題があるばかりでなしに、特に医学教育に問題が多いことも事実でございます。筑波大学につきましては、そういう見地で人事の問題につきましても、人事委員会構想を東京教育大学から出されているわけでございます。同時にまた、先ほど来問題になっております関連教育病院というようなシステムをとろうといたしておるわけでございますし、また六年制一貫教育をやろうというようなシステムになっているわけでございます。四十三年、四十四年の紛争当時には、かなり積極的に大学教育の改革に各大学当局で取り組んでもらったわけでございますけれども、今日になりますと、必ずしもそれらの成果が十分にあがったとはいえない、今後私たちも、この筑波大学を契機にいたしまして、それぞれの大学においてなお一そうの改革への熱意を燃やしていただきまして、りっぱな構想を立ててもらって、それを文部省としてはバックアップしていくというような努力をして、問題の解決をはかっていく、こういうふうな考え方でございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 つまりこういうことですよ。東大医学部の紛争でもそうです。やはり学生諸君が良心的に考えてみて納得できないというのは、講座制の中に閉鎖された教授のボスがおって、そしてそれが製薬会社等から研究費をもらう、そういうことで、正しいことが正しいとして主張できない、研究できない、こういうことが一つの大きな原因になっているのです。私立大学の教育自体もでたらめであって問題であるけれども、国立の大学においても、研究費を惜しむべきではないわけです。そういうことで、付属病院はもちろん、教授の諸君ももちろん、基礎医学の諸君ももちろん、勤務医の諸君も、そういう人的にも資金的にもいい条件のところで勉強できるし、そして良心的な仕事ができるということになれば、そこに人が集まるわけですよ。いまはそうじゃないわけです。公的医療機関の設備はあっても、医師や看護婦がいない、こういう現象が一ぱいあるわけです。だから、そういうことについては、研究体制や教育体制について、学位論文の問題は時間がないから議論をしないけれども、根本的に考えないと、文部省が言ったように、医師が偏在するのは医育機関と過密帯の開業医だと言っている。そういうことが、私も若干の行き過ぎがあったかもしらないが、しかし、だれが言っても事実は間違いない事実なんです。そういうことはやはり文部省の医学教育自体に問題があるのだ、こういうことです。この主張わかりますか。だから、それをしっかり踏まえて、財政的にも人的にもやると一緒に、あなたは自治省出身だけれども、たとえば公的医療機関その他についての独立採算をはずすべきだ。つまり一般の開業医よりも公的医療機関のほうが薬はたくさん出すのだ、大学の付属病院が一番多いというところもある。総医療費の、三兆円から四兆円に達しますが、四四%は医薬品ですね。潜在技術料が入っていると称するのだけれども……。イギリスだったら一三%でしょう。四兆円とするならばその半分近いのが結局は医薬品でしょう。国立の医科大学やそういう公立病院なんかに行ったら、薬は馬に食わせるほどくれる。ビニールの袋に一ぱい入っている。調べてみると半分しか飲んでいない。それで医療費が赤字だと言っている。だから、そういう独立採算の問題を含めて政府はきちっとした計画を立てなければ、ほんとうに国民の要求に沿うような、そういう医療従事者の養成にはならないのではないかということですね。いかがですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 いろいろ問題点を御指摘いただいたわけであります。特に講座制をもとにする人事の閉鎖性、私たちも非常に問題がある、かように考えておりますし、また紛争の相当大きな部分はこういう問題にかかわっておった、かように考えるわけでございます。やはり従来の学部、学科、講座、これが人事を閉鎖的にしてきた。筑波大学がその欠陥から対案を出しているわけでございますので、これが一つの改革の機縁になるんじゃないだろうかという期待を持っております。  それからもう一つ、企業と教官との結びつきを御指摘になりました。そういうことも考えまして、今後は産業界が研究のために金を出したい、それは国庫に受け入れましてから大学のほうに渡していく、そういうことにつきまして個々の企業と特定の教官との結びつきを避ける。しかし、産業界と教育界、これはやはりそれぞれ密接に関心を持ち合うべきものだと思いますので、その道は残していく、こう考えておるわけでございます。  また、研究費の増額をはかっていく、これも非常に重大な問題でございますので、今回もかなり充実をはかったつもりでございます。今後も一そう大学における研究費用、これの増額に努力を続けていきたいと、かように存じておるわけでございます。  なお、公的病院の独立採算制の御指摘がございました。公的病院といいましてもいろいろな種類の病院があるわけでございますが、私たちは、公費で負担する部分と独立採算でまかなう部分と明確に区分をする。そして公費でまかなう分については、それだけの財源を公費で補てんをしていく。それ以外の分野についてはやはり独立採算的な運営をはかっていく。ただ全部を独立採算ではかっていくというのじゃなくて、その区分を明確にして、責任をもって運営に当たってもらわなければならないということになるのだと思うのでございます。医療担当者から考えますと、できるだけ公費で負担すべき部分を多く、広くしていくということになるかもしれません。しかし、いずれにしましても、その分野を明確にすることが大切じゃないだろうか、こう考えておるわけでございます。自治体病院としましては、かなりそういう方向でだんだん明確にされてきたと思いますし、一般財源からかなり大きなものが自治体病院のためにさかれる慣行がだんだん確立してまいったというように思います。また、国の財政運営にあたりましても、そういう考え方で自治省が行なっているようでございまして、日赤とかあるいは農協等の病院につきまして、国が若干の財政措置を講じたことは御承知のとおりだと思いますけれども、今後ともそういう考え方で努力していかなければならない、かように思います。

大原亨日本社会党

○大原委員 厚生省、教育病院の構想の中に、つまり教育、実習、教育実験の中で、臨床実習の中で、たとえば救急医療等にも頭を突っ込んで経験を得るようなそういう条件をつくらなければいかぬ。大学付属病院だけではだめだ。大学付属病院というのは生活保護の患者を受け付けないのですよ、あなた、知っていますか。——なぜ知っておって続けるのですか。それはちょっと脱線ですが……。厚生省、そういう救急医療なんかについてもちゃんとできるような体制をとるというようなことがありましたね、どこかで。そうなんですか。

信澤清厚生省医務局次長

○信澤政府委員 本来の目的が、地域の医療に密着した教育をそこで行なう、こういう趣旨でございますので、おことばのように、救急医療その他現実に問題となっております医療の実践をその場でもって勉強してもらう、こういう趣旨のものでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 いまの保険あって医療なしというのは、僻地医療が一つあるんですよね、三千もあるわけですから。保険料を払う。強制徴収するだけですから、税金と同じように考えて出しているわけです。しかし、医療機関はないわけです。ときどき巡回自動車が来る程度ではいけないということですね。そういう問題について、夜は都会においても、過密地帯においても、たくさんあるのだけれども、これは無医地区だ、こういっている。それはなぜかといいましたら、いま大学の付属病院とかあるいは公的医療機関が、公的医療機関としての最後の医療サービスの保障というのを全部開業医にまかしているのです。民間医療機関にまかしている。これもやはりもうけになるとかならぬとか、頭ぶち割っても七万円くらいで、二人も三人も、看護婦もたくさんかかって、何時間もかかってやるんじゃかなわぬというふうなことがあるわけですよ。だから、教育病院の構想というのは、意図というものはいいのだけれども、そのねらいはいままで議論をしたことを消化しようとしているのだけれども、実際問題は、公的医療機関を含めてそういう実情にあるわけだ。  そこで、まあ問題はまだあるわけでありますが、もう一つ医療従事者の問題で、医師を含めて医療従事者全体の教育をどうするか。医師だけではない。歯科医師、薬剤師その他ずっとある。パラメディカルがある。文部大臣は御承知ですか。大体パラメディカルの種類、職種、どういうのがあるのか。どのくらいあると思いますか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 むしろ厚生省のほうから御答弁いただいたほうがいいかと思いますが、医療技術者として私ども承知をいたしておりますのは、保健婦、助産婦、看護婦、衛生検査技師、臨床検査技師、診療放射線技師、診療エックス線技師、歯科技工士、歯科衛生士、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、そして、先ほど御指摘のございました薬剤師あるいは栄養士等まで入り得るかと思っております。

大原亨日本社会党

○大原委員 文部大臣、わかっておりますか。——わかっていないような顔だな。それで私は、医者の教育だけじゃない。やはり分化、専門化と総合化ということは、学術が発展する場合にたどる過程ですよ。そこが日本は非常にはんぱなんですよ。そこが非常にはんばなんです。アンバランスなんです。ですから分化、専門化していく分野と、それから総合的にやる分野が医療の教育においても、実際の一般の医療行政においてもやはり非常に欠けているわけです。ですから看護婦を含めて、いまの各職種の医療従事者ですね、そういう教育をどうするかということを、これほど教育が専門化しているわけですから、教育全体の中であるいは大学教育の中でどう扱うのか、こういうことを除いて、いまや医学の教育を語ることはできないと私は思うわけです。いまのそういう医学教育の欠陥はどこにあって、文部省としてはどう取り組もうとしておるかということについて、これから文部省のお考えを逐次聞いてまいりたいと思うが、大体根本的な方針をひとつお示しいただきたい。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 パラメディカルの職員の養成につきましては、従来厚生省のほうで必要な養成者の確保という観点から、いろんな諸施策を進めてこられましたが、学校制度の中で、その養成ということについての着手が比較的おそかったというふうに考えております。最近高等学校に看護科等を設置いたしまして、現在百八校程度まで看護の教育をする高等学校もできてまいりました。しかし、その後の体制は、おおむね各種学校を中心にして行なわれておるのが実情でございます。それにいたしましても、今後の要員の充実した養成計画を立てますためには、正規の学校制度の中で、重要な部分につきまして基幹要員の養成等を考えていかなければならぬというふうに思う次第でございまして、現在、ごく一部の大学におきまして、看護関係の要員の教育その他をいたしておるところが国公私立ございますけれども、今後もう少し充実した体制をとりたいというふうに考えておる次第でございます。  なお、国立の大学の付属病院におきましても、パラメディカルの職員養成は各種学校で行なわれておるのでございますが、これもできるだけ整備につとめまして、正規の大学、短期大学制度で養成できるものはそのように養成の体制を充実してまいりたいというふうに考えておるところでございます。いま御提案申し上げております国立学校設置法におきましても、東北大学に医療技術短期大学部を設けるというのも、その一つのあらわれでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 大体、医療従事者は、大学を含めて学校教育で養成する、こういうふうに方針としては考えてよろしいですか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 医療従事者全体を学校教育で考えるということは、にわかに現実問題としてできにくいと考えております。しかしながら、その中心的な基幹要員を正規の学校制度の中で養成していくという点については、急がなければなるまいと考えております。

大原亨日本社会党

○大原委員 たとえば、問題は看護婦の例があるわけですね。看護婦も、たとえば医師会とか、あるいは公的医療機関とか、日赤とか、病院等で養成していますね。これは学校の経営や病院の経営からいうなれば、その経営の中から費用を出しているわけです。そのかわり、ある程度のサービスも提供させているわけですね。しかし、経営からいうなれば、これは持ち出しになると思うのですけれども、厚生省は実態をどう把握しているのですか。

信澤清厚生省医務局次長

○信澤政府委員 各種のパラメディカルの養成が、いわゆる病院付属の形で行なわれておりますことは御指摘のとおりでございます。したがいまして、その経営に要する経費が病院の負担になっていることも御指摘のとおりでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 若干のサービスを受けているじゃないか、こういう議論があるわけです。たとえば看護婦学校は、高等学校を卒業して三年間で正看護婦を養成する、資格を得るという場合に、学生時代から病院の手伝いをするからいいじゃないかという人があるのですが、しかし、その手伝いは足手まといになる場合もあるし、教育上の目的を達成できない場合もあるし、教育上の目的を達成する場合には、たくさんの期待ができない。メリットとしては、卒業して二、三年はそこにおってくれるだろう、こういうわけなんです。そのために看護婦の制度とか待遇とか、そういう再教育とかいうものを含めての制度のために、いま現在は看護婦の不足があるのです。臨床的な実習というものは、学校を卒業して一定の期間病院等でできるわけですから、私的な病院でもどこでもできるわけです。ですから、局長が御答弁になりました医療従事者については、これは学校教育という制度で行なうほうが近代的なんです、専門的だから。しかし、学校教育にも欠陥があるわけです。ですから、普通教育を終わった者について二年制、三年制の短大とか四年制の大学とかで逐次養成をしていって、そしてパラメディカルの各種の供給に応じていくような体制をとるということは、大学の就学率がずっと上がっているわけですから、そういう社会的な要請にもこたえる道ではないか。医療従事者に対してはきちんとした、看護婦の問題が一つのいい例でありますが、この体系の中でやっていく、学校教育の体系の中でやっていって、そして教育病院とか実習というものは、そういう制度でやるんだ、こういう計画全体を立てるべきではないか。いまの高等学校の看護学科を設けるというような、そういういびつなことではなしに、たとえば四年制の大学でも一年半か二年は教養科目をやっているわけでしょう。それを短大等で二年、三年だったら初めからできるわけですから、普通教育はみっちり高等学校でやっておいて、そこから専門的な教育を二年、三年、四年というふうに積み上げていくということになれば社会的な地位も向上できるし、そういう条件にも適応できるのではないか。本人も生きがいを感じて一生の仕事としてもやるのではないか。そういう点、いままでの考え方を変えなければ、医師の養成も大切だけれども、そういう医療従事者全体の専門化と水準の向上をはかっていくという方針が、もう少し明確に出されるべきじゃないか、こう思うのですが、いかがですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 学問の進歩、医療技術の高度化等を考えますと、やはり基礎的な学問を修めた人たちが医療従事者になっていく、そして応用の能力を備えていく、これは私、大切なことだと思います。そういう意味で、学校教育法第一条の学校でそれぞれの技術を修めていく、その道を拡大していくことがきわめて緊要なことだと考えております。  看護婦を例にとりますと、厚生省所管の看護婦養成所で養成されてくる方々が、看護婦さんの八〇%を占めているようでございます。したがいまして、これまた二元化を一元化にするという問題はたいへん議論のある問題でございますけれども、さしあたりは地域地域で都道府県等が中心になって問題の解決に当たっていただく。文部省といたしましては、高等学校の衛生看護科、専攻科あるいはまた各医大にあります各種学校を、先ほど局長が申しましたように、医療技術短期大学、準備の整ったところからどんどんこれに昇格させるという考え方をとっているわけでございます。そういう道を拡大していきたい。高等学校の衛生看護学科の設置にいたしましても、助成金を出しているわけでございます。また、県の必要な金につきましては、自治省のほうで基準財政需要額の中にそういう経費をできる限り算入していく。したがって、公費をもってそういうことが養成できる道を拡大していく。これも大切じゃないかと思うわけでございます。自治省もそういう方向をとってくれているわけでございまして、大きな方向としてはそういう方向に向かっている、こう考えるわけでございますけれども、現実的に、いま申し上げました趣旨からも御考慮いただきますれば、いろいろな意見があること等も加えていかなければならない、こういう状態ではなかろうか、こう考えるわけでございます。手っとり早く技術者を養成するなら、いままでの養成所方式でいいのかもしれませんけれども、やはり学問はどんどん進んでいく、技術が高度化していく。そういうことでありますと、そういう行き方では問題があとに残っていくのではないか、こう思うわけでございまして、お考えには全く同感でございます。

田中正巳自由民主党

○田中委員長 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

田中正巳自由民主党

○田中委員長 それでは速記をつけて。

大原亨日本社会党

○大原委員 厚生省、これ知ってる。高等学校の看護科、衛生科を出たら准看護婦ですね。そうでしょう。そのウエートが非常に高く、寄与していると言ったのですが、准看護婦の人は正看護婦になりたいのですよ。職場で差別を受けたくないのですよ、同じ仕事をやっているわけですから、雑務を一ぱいやっているのですから。そういう希望があるのですよ。准看護婦から正看護婦になるためにどういうことをしなければならないのですか、どれだけ努力しなければならないか、どのくらいかかるか、厚生省知っていますか。

信澤清厚生省医務局次長

○信澤政府委員 准看護婦がいわゆる看護婦になるためには、いわゆる進学課程なるものが制度としてございます。この進学課程の入学資格は、一つは准看護婦としての業務経験三年以上というのがございます。もう一つは高等学校卒業の資格を持っていること、この二つでございます。したがって、いまお話しの高等学校の衛生看護科を出た場合には准看護婦であり、同時に高等学校卒業の資格もあるわけでございますので、かなりの方が進学課程のほうへ進んで看護婦になる道を選んでいる、こういうふうに聞いております。

大原亨日本社会党

○大原委員 准看護婦の高等学校出身のそういう人は、いま話があったように、何を基礎にしてか、八割、こう言いましたね。准看護婦の八割かな。(奥野国務大臣「看護婦の」と呼ぶ)看護婦の八割。それはまあいい。そうだけれども、三年間の準備期間を終えて正看護婦になる、そこまでがんばる人がどのくらいあるかわかっていますか。

信澤清厚生省医務局次長

○信澤政府委員 正確な数字は存じておりませんが、多少途中で脱落者のございますことはおっしゃるとおりでございます。ただし、私ども直接持っております国立の進学コースでございますが、ここではむしろ定員をオーバーして収容しなければならないほど希望者がございますし、たいへん熱心に最後まで続けている例がだいぶございます。しかし、お話しのような点も聞いております。

大原亨日本社会党

○大原委員 進学の希望者が定員をあふれるというのは、それは日赤を含めて公的医療機関、そういう看護婦養成のところはみなそうなんですよ。みな殺到するわけですよ。看護婦になりたい希望者はあるのですよ。しかし問題は、希望者が、准看護婦で進学コースを選べる人は一定の条件の人しかないわけですよ。日本全体に広がりがないわけですよ。それもやはり一定のところに集中するわけですよ。通勤とか勤務とか、いろいろな条件があるわけだ。そこで、やはり結婚したらすぐやめるという問題もあるし、それは職業に対する熱意の問題でもあるけれども、これからは必ずしもそれをほっておくわけにいかない事情があるわけですよ。ですからやはり、普通教育を終わったもので二年、三年、四年のそれぞれの専門教育を施すことを学校教育の体系の中で、たとえばこれは看護婦の問題を取り上げたわけですが、これを取り上げたらかなりの希望者がある。そして差別なしに働きがいのあるような、そういう体制をつくることが必要なんです。そういう面においては厚生省の分野が、各種学校とか、そういうプライベートな形でパラメディカルのそれぞれの職種を充足しておるということであって、やはりその職業に対する安定度、その他から考えてみて問題があるわけです。ですから、前の看護婦法の改正で、田中委員長もよく御承知だけれども、これはつぶれたわけですよ。インスタントはやはりほんとうの水準を上げていく道じゃありませんし、個人の一生の職場を開拓する道でもない。こういうことでやったわけですよ。ですから、医療従事者のそれぞれの専門化、分化しておる実態と水準を引き上げる。それに待遇を改善していくということを全体としてやらないと、実際に医療機関の施設はあってもお医者さんが足らない、それから看護婦が足らないからベッドがあいておる。しかしながら、国民の需要は、ちぐはぐな形だけれども、非常に切実な需要が救急医療その他を通じてある。こういう国民に開かれた医療というか、医科大学というか、そういう医学教育というものがなされなければほんとうの教育にならないのではないか。そういうところに金を使っていくということが必要ではないか。きょうは筑波大学の議論をしておるのじゃないが、ここにはかなり潤沢な金を出す。しかし、全体の医学や医学教育の問題についてはどうかという、私は医学部と医科大学の問題について議論をしておるけれども、これを議論すると、こういう医療従事者の教育全体にかなり問題がある。私もできるだけ協力いたしましてはしょっていきますけれども、そういったことの理解と認識と政策がなければ私はいけないのではないかと思いますが、大臣、いかがですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 おっしゃったような方向で努力しているつもりでございます。したがいまして、四十八年度、四十九年度医科大学を七つもつくるわけでございますし、また、先ほども申し上げましたように、各医科大学に対しまして、各種学校を医療技術短期大学に昇格させる。これを準備が整ったところから、今後もさらにどんどんそういうところへ昇格させていきたいのだ、こう申し上げたわけでございます。ここでは看護婦だけではなしに衛生検査技師でございますとか、あるいは放射線技師でございますとかというようなものの養成もはかってまいってきておるわけでございます。同時に、看護婦の問題につきましては、高等学校衛生看護科、専攻科を通じましていろいろの助成策を講じておることも御承知のとおりでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 文部大臣、あなたの答弁は、何とかうまく言うて時間が過ぎればいいと思っておるのでしょう。あなたは、できるだけ迎合的な答弁をしながら、中身はないじゃないですか。(「質問もしつこいよ」と呼ぶ者あり)しつこいことはないよ。とにかく問題は、国民の医療の要求にこたえるような医学教育の体系がないということを私は言っておるのですよ、文部省。厚生省の肩を持つわけじゃないのです。私は肩を持って言っておるわけじゃないけれども、医学教育については文部省と厚生省の共管ぐらいにしたらいいのだ。共同責任を持てるぐらいにしなければ……。文部省はそんな資格はないですよ、いままでのことを見ていると、私立大学その他を見ていると。中央医療委員会とかそういうふうな行政委員会的なものがあってもいいと思う。あるいは保健省みたいなものがあってもいいと思う、この問題は。これは疾病構造がどんどん変わっておるのだから、難病奇病や正体不明の病気ができてきておるのだから、環境の外的な破壊だけでなしに、内的な破壊が進んでおるのですからね。三十年後には日本の健康な人口は半分になるという議論があるのですから。そういう事態に対応できる医学教育であるかということになれば、私は遺憾ながら、文部大臣は従来の経緯を脱皮できていない、あなたは。どういう意味があるかということは、あなた推測してもらいたい。ほんとうですよ。医学教育というものは医療改革の基礎ですよ。ですからこういう設置法を改正して三つの医科大学でいろいろな議論をして、これはひとつやろうということはいいことですよ。私も賛成です、私も従来から主張しておったし、議論してきたことですから。地域医療を充足させる、医療と研究と教育を一体化させるということですからね。ですから、私はそういうことで、いままでの質問では、これは議事録を整理したりあるいは質疑応答について問題点をやはり浮き彫りにして審議を進めて、時間がたったから審議が終わったという、そういうことではなしに、国会の審議というものが名実ともに役所や役人のセクト主義や官僚主義を克服して、政治的な判断ができるようにすることがわれわれの審議ですから、ですから私は、いよいよ本論に入ったところですけれども、きょうはそういうことで時間もかなりたってきましたし、私はここらで最後の文部大臣の所見を伺いたいと思います。これは文部大臣でなしにやはり総理大臣、厚生大臣も全部一緒のところで議論しなければならない。それはあなた無理ですよ。ですから、この答弁いかんによっては重大な決意があるけれども、文部大臣の決意を、ひとつお答えをいただきたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 たびたびお答えをしておりますように、医療技術関係者を学校教育法の第一条に基づく学校で養成する方向において整備充実をはかっていく、これはもう基本的な私たちの考え方でございます。同時に、先ほど看護婦に例をとりまして、厚生省所管の看護婦養成所で養成されておる者が八〇%を占めているということも申し上げました。今後も厚生省と十分話し合いをしながら、医療技術関係者の養成に文部省としても最善を尽くしていきたいと思います。その中で、学校教育法第一条に基づく学校で、こういう関係の医療技術者の養成をはかってもらいたいということがございますれば、それに対して全面的に協力をしてまいる考えでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 いままで私立学校の教育、医学教育を含めて、医学教育、大学教育を中心に医者の養成その他をやってまいりましたが、私は医療の問題は医学教育問題との関係で議論しましたが、やはり国民の間においては切実な問題です。健康や命に関係するわけだから、一番大切な問題です。ですから、そういう国民の要求に開かれた大学をつくってもらいたい。若干の努力のあとについては、私どもは否定するものではないのです、そういう問題だけについては。しかし、大体そのほうに力を入れるのはこれはちょっとつけ足しのようなものですから、あなたの心中というものは質疑応答を聞いてもわかる。ですから私は、そのことの議論を踏まえて真剣にこのことを考えて、そして文部省はその国民の要求にこたえるような教育をやってもらいたい。厚生省は言うべき点は主張して、そしてやっていくという観点がないと、いまの官僚行政のワク内では、縦割りの行政のワク内では、なかなか国民の要求に沿うことはできないだろう、そういう意味で、申し上げましたように、きょうの質問を、かわる委員によりましていろいろな議論をひとつ重ねて、そしてこの大臣が約束されたこと等を含めて、これが政治の場に具体的に実現をすることを私は強く期待をしまして、私の質問を終わります。

田中正巳自由民主党

○田中委員長 次、山原健二郎君。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 法案に人ります前に何点かお聞きしたいことがありますので、それを最初に伺います。  まず第一は、この国立学校設置法等の一部を改正する法律案についての本会議における私の質問に対する大臣の答弁でございます。これは他の部分は申し上げませんが、この法案に二つの異なった問題が混在しているという点につきまして、先ほど塩崎委員からも質問がありましたけれども、私はこういうふうに質問をいたしておるわけです。「性質を異にするこれら二つの問題を、何ゆえに混在させて提出したのか、その理由をはっきりと総理に聞きたいのであります。それは医大等の新設を求める国民に、筑波大学へ賛成を強要する魂胆なのか、また、筑波大学への批判を医大設置にまで反対するものと見せかけようとする政府・自民党のこうかつな謀略なのか、明確な答弁をいただきたい。さらにまた、筑波大学にかかわる本質問題を審議するためには、それなりに一定の期間を要することは当然でありますが、それが済むまで医学部の設置は引き延ばしてもよいと考えておるのか。それとも、医学部等設置の緊急性を理由として、筑波大学関係の諸問題についての徹底した討議や国会審議を回避する腹づもりなのか。いずれにしても、不明朗きわまる今回の提案のやり方について、政府の明確な答弁を要求するものであります。」こういうふうに、短い時間ではありましたけれども、この問題については私なりにかなり整理をして政府に答弁を要求をいたしました。  ところが、これにつきましては田中総理からも奥野文部大臣からも一言も答弁がなかったわけです。これは議事録がありますから、御記憶が不確かならば見ていただいてけっこうですが、これに対する答弁が全くなかったわけですね。これは塩崎委員も先ほど指摘をされたとおりでありますが、まずこれにつきまして、なぜ答弁をされなかったのか。これはもう簡単でけっこうです、あるいは聞こえなかったとか、あるいは十分把握できなかったとかということがあると思うのですが、簡単にまず大臣から御答弁をいただきたい。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 故意に答弁を避けるという気持ちは全然ございませんでした。そのときのことを正確に覚えておりませんが、総理大臣が答弁したものと重複しないようにつとめたことは事実でございます。しかし、いまのお話でございますと、総理大臣がそれに答えておられない、また私もそれに対してお答えをしていなかったという御指摘がございました。としますと、全くミステークじゃなかったか、こういうように思います。故意に避けようという気持ちはさらさらございません。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 先ほど塩崎委員のこの問題についての質問に対しまして、大臣の与党である自由民主党の塩崎委員からの質問でありますが、塩崎委員も確かにこの問題については疑問を持っておられるということを、私、お聞きしておってわかったわけであります。(「もう晴れた」と呼ぶ者あり)ところが、大臣の先ほどの答弁ですね、このことについて疑問が起こるのがおかしいというような御答弁があったように思うのです。さらに、全く何のためらいもなくこういう形式をとったという法案の提出のしかたですね、そういう御答弁がございました。これは私、この与党の中からも多少疑問が出ておる。いま、解決されたか知りませんけれども、おそらく腹の中では解決していないと思うのですね。そういう疑問が出ている。国民の間から疑問が出るのは当然でありますね。しかも、大臣はそれに対して、何のためらいもなく出したのだと言う。これは全く高姿勢な答弁で、与党の質問に対してこういう姿勢をとるのかなということで、いささかこちらで驚いておったわけでありますが、そういう姿勢なんですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 二月に提出したわけでございますので、三月中には成立するものだと思い込んでおりました。それがまた少し安易に過ぎるというふうにお考えになるかもしれませんが、しかし、塩崎委員の立場から考えますと、愛媛県に医大を設けるものですから、延びているだけに、そんなことなら早く医大ができたんじゃないかという気持ちを持ったんじゃないかと私はお話を伺いながら推測しておったところでございまして、国立学校設置法の中に、ほんとうに全部学校教育法第一条の国立学校を網羅しておるわけでございますので、同じ国立大学であるにかかわらず、筑波大学だけ別個の法律を提出しますこと自身がちょっと私たちには考えられないことだったわけでございます。先ほど大原委員にもお答えしましたように、どういう人の立場から考えるかということによって便、不便が変わってくるだろうと思います。なるほどいろいろ疑問を持っておられる方々からしますと、それを別ワクにして御審議いただいたほうが審議しやすい、これはよくわかります。しかし、国立の大学にはどういう大学があるか、どういう人にはどういう大学が都合がいいか、いろいろ議論します場合には、やはり網羅的に規定されておったほうが便利だ、私はこういうふうに考えておるわけでございます。そういう意味で先ほど来お答えを申し上げているところでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 おそらく塩崎議員は、いまの御答弁には不満だろうと思う。まさか愛媛出身だからといって、愛媛県の国会議員ではあるまい、日本の国会議員として論議をされておるわけだから。そのことは別にしまして、実際に現在旭川あるいは山形、愛媛と考えましたときに、切実な要求が出ておることは先ほどお話がありました。旭川の市長さんもしばしば来られておるようであります。また山形、愛媛におきましても深刻な事態が起こっておる。大臣は、通常であれば二つの法案を一つにしたこの法案が三月中には通るだろうといわれましたけれども、これも全く横着な話だと思う。予算委員会が開かれておるさなかにこういう重要な法案が上がるなどという観測を持つこと自体が、全く私は不見識だと思うのですよ。それから、いままでの国立学校設置法等の一部改正案でありますと、大体こんな筑波問題なんか入っていませんから、それでも四月の中旬まで審議はかかったわけですね。大学設置の問題だけでも四月の中旬まで実際には審議はかかっております。そういうことを考えますと、これを混在さしたことによりまして、先ほど答弁がありましたように、かりにいま衆議院を成立し、直ちに参議院で成立したとしても、一カ月の試験準備の期間が要る。さらにはまた一カ月かかる。二カ月必要とするという状態ですわね。そうすると、現在おそらく旭川、山形、愛媛の医大、医学部を受験しようとする学生は一万をこしているんじゃないかと私は思うのです。この間お聞きしますと、旭川の場合は何でも連休中に入学試験を行ないたい、しかも旭川には旅館があまりないものですから、たくさんの学生を収容することはできないので、民宿の準備までしたという話も聞くわけですね。ところが、これがずっとずれてしまう。ずれるということは、だれが考えたってこれは当然のことでありまして、そんなに短期間に審議のできるような内容のものではないわけですね。そういうものを持っておるにかかわらずこれを混在さしておる。さらにまたいま予備校に通っておる学生というのは非常に多いのです。私の知っておる近所の東京都内の予備校だけでも三千人の学生が通っています。これは大学学術局長に伺いたいのですけれども、現在予備校に通っておる学生で、あるいは一浪、二浪というような形で浪人までして受験をしようとしておる学生生徒というものがどれだけおるか、そんなこともお考えになったことがありますか。そういう学生生徒に対して、この法案の出し方がどれほど精神上あるいは経済上の大きな負担を与えておるかということを考えますと、これは笑いごとでは済まされぬ問題ですね。私はこのことは文部当局としては深刻に反省をする必要があると思うのですよ。第一、自民党の中にだってこれを分離すべきだという考え方があったんじゃないですか。それを文部省がどうしても混在させていくんだという強引な態度をとられたことも私たち聞いておるわけです。なぜそういうことをしてこんな問題を起こしておるのか。これはいまの数字と同時に、それに対してどういう反省をしておるか、一切の反省がないのか、まず承っておきましょう。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 山原さんと考え方が基本的に違っておるということだろうと思うのですけれども、山原さんは混在さしているとおっしゃる。私たちは筑波大学を国立学校設置法に規定することは本来の筋道ではないか、こう考えておる。基本的に違いがあるわけでございます。これは見解の違いということかもしれません。同時に、私たちから言わしてもらいますと、国会に法案を提出して趣旨の説明を聞いていただきますまでに四十日かかっておるわけであります。これもやはり従来の国会にそうない例じゃないかという気が私はするわけでございまして、それだけ急いでいただいておるわけでございますから、やはりもう少し早く設置趣旨を聞いていただけなかったかなという希望は私たちからは抜け切れません。おっしゃっているように、どうすれば早く御審議いただけますかという御相談を持ちかけて、御趣旨に沿うような提出のしかたもあるいはあるかもしれませんけれども、筋道を立てて考えますと、国立学校設置法の中に各大学を網羅的に規定するという従来のたてまえはとらざるを得ないというふうに考えておるわけでございます。  あとの数字の問題につきましては、事務当局からお答えさせていただきます。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 予備校の在籍数のお尋ねがございました。四十六年度の数字でございますが、約十四万人強が在籍をしておるのでございます。四十七年度は、大学を受験いたしまして合格に至らなかった者が十八万人弱ございます。その大部分が予備校に行っておるとしますと、同じ程度の数字があるのではないかと思います。  なお、文部省の事務当局のほうで国立学校設置法に無理に入れたというような御趣旨のお尋ねがございましたが、これは先ほど来大臣もお答え申し上げておりますように、国立学校設置法で個々の大学を設置するようにおきめいただいておるわけでございます。ですから東京大学も、茨城も、筑波大学も、一つ一つの大学を国立学校設置法で設置する。でございますから、同じ国立大学であります以上、旭川の医科大学も筑波大学も同じように国立学校設置法で設置させていただく、これがいままでの法体系の上から見てわれわれ事務当局が考えました場合の基本的な趣旨だというふうに考える次第でございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 いまだんだん重大な発言をされておるわけでありますが、大臣が先ほど便利というようなことばも使われました。また一面では、法律上から見てもこれに筑波を入れることがいいんだということを言われているわけです。かなり便宜的な考え方もあったんだろうということを予想するわけですが、それは別としまして、ただいまの大学局長の御発言、これは文部大臣も同じ見解ですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 大学局長が申しました、国立学校設置法で毎回提案させていただいているという話は、そのとおりでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 国立学校設置法の趣旨、これは明らかに設置を定めるものである、こうなっているわけです。しかもこれが成立しましたのは昭和二十四年だったと思うのですが、そのとき衆議院本会議においてこの問題についての論議がかわされております。当時の衆議院本会議における国立学校設置法の趣旨、これをいま少し例として私は引きたいわけです。  全部を申し上げるわけにはいきませんから少し書き抜いてまいりましたが、昭和二十四年五月七日の文部委員会におきまして、国立学校設置法案提案理由説明が高瀬文部大臣から行なわれております。その中に、「この法律は、國家行政組織法に基き、國立の新制大学及び高等学校並びに盲教育、聾教育の研究を行い、あわせて盲学校、ろう学校の教員養成を目的とする國立の各種学校の設置を定めるものであります。」こう言っているわけです。これは明らかに国立学校の設置なんです。これが法の趣旨なんです。  さらに、二十四年五月十一日、文部委員会におきまして、高瀬文部大臣はさらにつけ加えて説明をしております。「大学運営の自治方式というものはこれとは別途に、いわゆる大学法において規定される問題であります。この國会にはそれは間に合いませんが、十分愼重に檢討して、御意見のあつたようなぐあいに大学の自治組織ができるようにいたしたい、」こう述べておるわけであります。  さらに、五月十三日の文部委員会における高瀬文部大臣の答弁でありますけれども、「新らしい大学の運営方式、あるいは管理方式につきましては、今までたびたび申し上げましたように、今研究中の大学法においてはつきりと規定するつもりであります。」こう述べています。  また、同じく二十四年五月十二日の文部委員会におきましての日高政府委員答弁によりますと、「この法律は大学法とは立法理由が異なつておりまして、國家行政組織法に基いて、新制國立大学その他の國立学校を設置するために、必要な法的措置をとつたまででございまして、疑惑もしくは立ち入つた推測等のようなことは全然ありませんことを申し上げておきたいと思います。」こういうふうに述べておるわけであります。  そうしますと、今度出ております筑波大学は、明らかに管理運営の問題が出てきているわけですね。文部省が今日までとってまいりました、大学の運営については大学法を考えていた。そのこと自体について私どもは賛意を表明するわけではありませんけれども、少なくとも文部省の一貫してとってきた立場というのはここにあるわけです。いま大学局長は、いままで一貫してきた態度がこういうものだというふうに今度の設置法一部改正案を申しておりますけれども、明らかに違うわけですね。しかも、この法律ができましてから今日まで、私も本会議で指摘しましたとおり、国立学校設置法等の一部改正が実に二十二回行なわれているのですが、その二十二回にわたって、こんな乱暴な管理運営方式まで持ち込むような立法措置を講じたことは、いままでの内閣において一度もありません。今度の奥野文部大臣になってから初めてこういう形の法案が出ておるわけでございまして、文部省が当初国立学校設置法をつくられた趣旨、国会において答弁された趣旨、その一貫したものは一体どこでだれが変えたのか、どうなったのか、これをはっきりさしてもらいたい。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 当初、国立学校設置法が国会に提案されましたときには、別途に大学管理法を提案する予定であったわけでございます。いまお話のところからもそのことばが出ておるわけでございます。事実、大学管理法案が国会に提案されたこともあるわけでございますけれども、いろいろ反対があって、成立を見ていない。そこで、国立学校設置法の中で管理運営も扱うということになってきているわけでございます。したがって、援業料の問題が入ったり、あるいは管理及び運営については文部省令で定めるという規定もあるわけでございます。いままでは学部の組織だけでございますから、新たな管理方式をそこに規定する必要はなかったわけでございます。今度筑波大学が新しい方式を学部以外についてとるわけでございますが、その場合の管理方式をやはり規定せざるを得ませんので、この法律で規定をする、こういうたてまえをとっておるわけでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 全く矛盾した論理を展開しておるではありませんか。あなたは、大学法を予定したけれども成立しなかったと言っている。成立をしなかったこととこの国立学校設置法の趣旨とは別の問題ですよ。成立したとかしなかったとかいうことは、その中身が反動的であったから国民の批判を受けたとか、いろいろな問題があるでしょう。成立をしなかったからといって立法の趣旨を変えていいのか。変えているじゃないですか。そこに問題がある。そんなインチキな答弁では納得できませんよ。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 「この法律により、国立学校を設置する。」というのが国立学校設置法第一条の最初の規定でございます。国立学校はこの法律によって設置するという大原則にのっとりまして、今回の筑波大学をこの法律によって設置するということにさしていただいておるわけであります。そして、大臣が先ほど答弁されましたように、この国立学校設置法を提出いたしました際には、国立大学を通ずる管理運営のあり方につきましては、別途その法律の予定があったことも事実でございます。そこで、国立学校設置法の第十三条には「この法律又は他の法律に別段の定めのあるものを除くほか、」ということで、その予定のことが考えられていたものと考えるのでございますが、「国立学校の組織及び運営の細目については、文部省令で定める。」というふうに当初から規定してあるわけでございます。このことは、将来管理運営についての共通の法律ができるならば、それはそのときのことによるとしてという意味でございまして、学校の設置をいたしますが、設置した学校の組織、さらにその運営につきましては、授業料の問題その他につきましてもこの国立学校設置法に加えられておりますが、国立学校設置法で取り扱っていけるべき性質のものだ。現在この国立学校設置法の十三条の規定によりまして、「国立学校の組織及び運営の細目については、文部省令で定める。」というような扱いになっておりますから、授権命令の省令等も用意さしていただいております。  筑波大学は、先ほど私もお答え申し上げましたように、この国立学校の原則にのっとりまして設置をし、筑波大学の組織をきめておるわけでございます。参与会にいたしましても、評議会にいたしましても、人事委員会にいたしましても、大学の組織をきめておるわけでございます。大学院を置くということも大学の組織でございます。ですから、この国立学校設置法が原則といたします第一条の規定によって、この国立学校設置法でもって大学を設置する、これは当初から一貫して変わらざる態度、だと考えております。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 一貫していないんですね。国立学校設置法あるいは特例法二十五条の読みかえ規定までつくっているわけでしょう。そういう状態へ来ておりながら、いま法律の中に管理運営の問題を持ち込むというこの姿勢、これは一貫しておりません。しかも、いま局長の言われたことと最初大臣が答弁されたこととは違うのですよ。大臣は、いわゆる大学法をつくろうとしておったけれども、それをつくることができなかったからこういうふうにしたんだと、こう言っているのでしょう。一体その矛盾はどうなんですか。だんだんおかしくなってきたんじゃないですか。これは大臣に伺いましょう。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 国立大学を通ずる大学管理法があれば、その大学管理法の中で新しい国立大学についての特別な管理運営方式を規定すべきだ、私はこう思います。しかし、それができるまでは、いまも学術局長が申しましたように、国立学校設置法の中で管理運営の問題を取り扱うたてまえになっておるわけでございますので、そこでそれを規定したんだ、こう申し上げたわけでございます。もっとずるいことをいえば、組織及び運営については文部省令で定めるということになっておりますので、そっちで書いてもいいじゃないかという議論になるかもしれませんけれども、学部以外の組織をつくったわけでございますので、そういう組織を明確にする意味において、あえて国立大学設置法に規定しているわけでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 だんだんおかしくなってきましたね。では、これは大学法ですか。大学法の変形としてこれを出しているのですか。大学法があればそのほうにゆだねるのだけれども、大学法がいまできていないからこれに入れたのだというのは、この国立学校設置法の一部改正案というものは、まさに大学法を入れたのですか。そういう答弁ですよ。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 少し誤解をしておられると思います。あなたは国立学校設置法の提案されたときの、昭和二十四年ですか、そのことをおっしゃったわけでございますから、そのときにはあわせて大学管理法を制定しようと考えられておったのだ。また事実そういうことで、いろいろ国会で論議があったことも事実でございます。その場合には国立大学を通ずる管理運営の方式が定められるわけでございますので、管理運営に関することを新たに盛る場合には、私はそれに規定を入れることが筋道だろうと思います。しかし、いま私たちは大学管理法をつくる意思もございませんし、また国立学校設置法の中で、管理運営の問題については文部省令で定めるという規定まで置かれているわけでございますので、それで足りるじゃないか。同時に、筑波大学につきましては、ではあるけれども、やはり学部と違った組織をとるわけだから、これは省令よりも法律にさせていただいたほうがいい。そうしますと、国立学校設置法だということになってまいる、かように申し上げているわけであります。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 これはもうちょっと理詰めにお話をしていきましょう。  二十四年のことではないのですよ。二十四年に国立学校設置法ができましてから、いま昭和四十八年でございますから、二十四年間経過していますよ。その間にあなた方は何をしてきましたか。これは例をあげるまでもなく、幾たびか大学法を出そうという態度をとられたわけでしょう。それは具体的に申し上げますと、たとえば昭和二十三年の七月十五日に大学法試案要綱が出されているわけでございます。引き続いて二十六年の三月七日に大学管理法案が出されております。このときには、ちょっと思い起こす意味で申し上げたいのでございますけれども、我妻栄先生が委員長になられまして、そして教育刷新委員会等の各団体が入り、しかも二年越しに検討がなされて、その中でも関係者の意見も十分聴取されておる形態をとっているわけです。かなり民主的な運営がなされている。日教組の意見もこの中に加えられるというような状態まであったわけですね。しかし、これも成立はしておりません。それから三十八年一月に国立大学の運営法案、これもあなた方のほうでは提案される用意をされたわけです。しかし、これは日の目を見ませんでした。それが三十八年一月のことです。そして中央教育審議会答申原案が引き続いて出される。そういうことをずっとしてこられた。文部省の一貫した体系というならばこれですよ。二十四年に国立学校設置法ができて、あなた方は一貫して設置法以外のものできめなければならない、大学の管理運営の問題については大学法でやろうという意図をもって一貫してやってこられた。それが一体突然ここへ来てどうして変わったのですか。いま大学管理法というものを出す意思はないなどというようなことを突然言われたのですが、それも聞いておきたいのですが、意思はないのですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 現在大学管理法案を提出する考えは持っておりません。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 一貫してと申しましたのは、一貫して国立学校の設置は国立学校設置法で定めていただいておりますということを申したわけでございます。今回の筑波の問題は、筑波の大学の組織をきめておるのでございまして、ほかの国立大学の管理運営についてきめておるものじゃございません。組織をきめておるだけでございます。ですから、その意味では、大学の管理運営法をここに持ち込んだという御批判は当たらないと考えます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 ずいぶん違った答弁をされるのですが、ちょっと見解を統一してください。ちょっと質疑ができないのですが、どっちがほんとうなんです。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 先ほど御答弁申し上げましたように、今回の規定で国立大学を通じた管理運営の規定をこの中に持ち込んでおるということは申し上げませんでした。ただし、私もお答え申し上げ、大臣も申し上げておりますように、国立学校設置法は、その第十三条をごらんいただきますとわかりますように、この法律または他の法律に定めるものを除くほか、国立学校の管理及び運営については文部省令で定めると書いてございます。そのことは、国立学校設置法に管理運営についても書き得ることの余地がちゃんとあるわけでございまして、それを明確に法律で共通のものとしてやるかどうかというのは、問題として残っておることは御指摘のとおりでございます。しかし、今回筑波大学について書きましたのは、筑波大学の組織を規定いたしたわけでございます。これが一面で管理組織であり、運営の問題につながるということはございましょうけれども、大学を通じた大学法を出しているというふうな御指摘は当たらないということを私申し上げておるわけでございまして、大臣との間に食い違いはございません。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 あなたが大臣とは食い違いはありませんと言ったところで、私は大臣にもお聞きし、あなたにもお聞きしておるわけですからね。しかも、省令その他があるとおっしゃるけれども、一貫してとられてきたあなた方の態度は、大学法をつくるということを何べんか試みられてきたわけでしょう。これがあなた方の姿勢ではなかったのですか。そうでしょう。しかも、あなたは組織組織と言って逃げられておるけれども、これは細部についてはまたいずれ私は緻密な質問をいたしたいと思っているのでございますが、これは明らかに管理運営の問題であるということが出ているわけですね。だから、最初に申し上げましたように、この設置法が制定されたとき、高瀬文部大臣が提案をし、そして日高政府委員の答弁、国会において何べんも答弁をし、その疑惑をなくするために国会において答弁をいたしておる。その考え方と明らかに違うわけです。もう一回読みますよ。大学運営の自治方式というのはこれとは別途に、こうなっている。大学運営の問題とはこれは別途だ、国立学校設置法とは別途だと言っているわけでしょう。それが変わっているのですよ。そのことを私は言っているのです。大臣、どうですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 高瀬文部大臣はそういう考え方でおられたわけでございます。私がいま申し上げておりますのは、大学管理法案を提出する考えを現在持っておりません、こう申し上げておるわけでございまして、そこに違いが出てきているわけでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 だめですよ、そんな答弁では。文部省のとってきた一貫した姿勢とは何か。あなた方がこれは主張してきたのですよ。それがここにおいてばっと変化しておる。だから、それをどこでどういう見解のもとに変えたのか、だれが変えたのか、その一貫性を失ったのかということを私は言っているわけでございまして、高瀬文部大臣はそう言ったけれども、おれはいま大学法をつくらない気持ちだからこれをやるのだということになってくると、奥野文部大臣だっていつまで大臣をやっておるかわからぬでしょう。そんな一貫性のないことだったら、私たち不安で審議できませんよ。あなたがおる期間は七月か八月か九月か知りませんが、それまでは大学法をつくらないと言ったところで、それじゃ、大臣がかわるたびにその方針が変わるということになると、国会の論議なんというものは全く権威のないものになってしまうわけですよ。だから私は、設置法のつくられた原点に立ち戻って、いままでその原点に立って二十四年間もあなた方は続けてきた、その姿勢をここで変えているじゃないか。ところがあなたの答弁は、おれは大学法をつくるつもりはないから高瀬文部大臣と違うのだ、こういう答弁は、これは国会答弁ではありません。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 国立大学管理法案を提出したのは二十六年でございます。その間二十二年を経過いたしております。——————————————————————国会の論議を踏まえて、いまは提案をしないということを申し上げているわけです。やはり二十二年の経過というものをよく理解をし、国会に提出したときにおけるいろいろな論議というものを考えてわれわれは大学管理法案を提案をする、提案をしないということを考えるべきでございます。二十二年の経過を、どういう審議があったか、どういう議論があったかということを無視して、二十六年に出たのだから二十二年たっておっても同じような態度でなければならないということは、私は非民主的な態度だ、かように考えるわけでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 これは大臣の一感想とか大臣の気持ちとかいうことで論議をしておる問題ではありません。いいですか、二十六年だけじゃないのですよ。二十三年、二十六年、そして三十八年にも出されておるのです。だから一貫してこられた態度というのは、国立学校設置法に基づきまして、そして管理運営の問題については大学法によるのだというのが、私ども賛成するかしないかは別としまして、文部省のとってきた態度ではなかったですかと、それがお変わりになったのですかということを私は言っているわけです。しかもあなたの考え方のいまのお答えは、———————————————————そんな不見識なことを、日本の教育をいま考えようとする者が、私も声を荒らげては言っておりますけれども、しかし私は理に合わないことを言っておるつもりはありません。だから、法理論の面からも、また今日まで文部省がとってきた立場の面から考えましても、そこの変化が私はわからないので、聞けば聞くほどあなたのお考えが何か混乱をして出てきておると思うのですよ。そうでしょう。だから、もう一ぺん申し上げます。高瀬文部大臣のときは、そうであったかもしれない。昭和二十四年のときにはそうであったかもしれない。高瀬文部大臣のときには、これにかわる大学法というものが予想されておったというお話、しかし、私になってからは、私は大学法をつくるつもりはありませんからという、こういう態度ですね。これは全くおかしいのです。高瀬文部大臣が出されて趣旨説明が行なわれて二十四年間というもの、しばしばその大学法の問題がいろいろに形を変え、また一定の民主的な討議を経たり、あるいはかなり私たちに言わせればもっと悪い形で出てきたり、いろいろな形態はとっておるけれども、それは文部省のとってきた態度ではなかったのですかということを私は申し上げているのです。しかもいまあなたが言われたような━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ことばは、直ちに私はこれを取り消してもらいたい。これは許しがたいことです。

田中正巳自由民主党

○田中委員長 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

田中正巳自由民主党

○田中委員長 速記を始めて。  この際、文部大臣より発言を求められております。これを許します。文部大臣。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 私たちは国会の審議の過程、これを尊重していかなければならない、こういうことを強く感じておりますために、その二十二年の変化にかんがみて大学管理法案を現在出す意思は持っておりませんと、こう答えたわけでございまして、山原さんのたいへん強い詰問に対しまして、そういう気持ちを持っておるものでございますので、国会で皆さん一致するのなら、その一致する方向に従って私たちも努力をしますという意味で申し上げたわけでございますけれども、多少刺激的な発言であったように思います。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━前の私のことばは、これを取り消さしていただきます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 少し問題を変えまして……(発言する者あり)いろいろお知恵をいただいておりますが、これは確かにはっきりさせておきたいと思いますね。それはさっき言われました大学法ですが、いろいろ呼び方がありましたから、大学管理法案ともいわれてきたわけですが、それを出す意思を持っておったんだけれども、それが成立しなかった、だからこの国立学校設置法にこの筑波の問題も含めた、こういう発言であったように思うのです。これは重大だと私は言ったのですが、この点もう一回大臣から、どういうことか。——ちょっと待ってください。大学局長が出てくると妙に私もごまかされますので、あなたは何か論議をくるくるとうしろへ回していくくせがある。だからその点は、文部大臣のほうがもっと正直にはっきり答えている。どうですか、これは。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 先ほど来の論議で明確に出ていると思いますが、第十三条を見ていただきますと、「この法律又は他の法律に別段の定めのあるものを除くほか、国立学校の組織及び運営の細目については、文部省令で定める。」と、こう書いてあるわけでございます。組織運営は広い意味の管理にも当たると思います。別段の法律が別にないわけでございまして、筑波については特別の方式をとろうとしているわけでございます。そうしますと、この法律で定める根拠が十三条等におきまして明確になっているわけでございますので、ここに入れさしていただいた、こういうことでございます。ただ山原さんが高瀬文部大臣のことを取り上げていろいろおっしゃるものでございますから、かりに高瀬文部大臣が考えられておられたような大学管理法というものがあり、国立大学に一律に押しつける方式でありましょうけれども、特別な管理方式をとる場合にも、そこへ規定するのが筋道になるかもしれませんので、そういう場合にはそういうことがあり得るだろう、こういう意味で申し上げているわけでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 これもおかしいんです。というのは、この法案の中には、人事委員会あるいは参与会等が出てくるわけですね。だから、あなたのおっしゃることは、結局大学管理法ができなかったので、こういう形に法律の中に入れたんですと、管理運営の面についてもこれをこれに入れたんですと、こういう答弁になるわけです。だから、これは大学法の変形としてあるいは変化球のような形でここへ持ち込んできたのではないか。あなたの答弁を私は正確に受け取ればそういうことになるわけですよ。これはちょっとその点では前へ進むわけにいきませんから、もう少しその点を明確にしておきましょう。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 たびたび申し上げますように、国立大学を通ずる管理運営の方式を規定するという考え方は持っていないわけでございます。筑波大学につきましては、新たな組織を今回とるわけでございます。それにつきまして、どのような組織をつくり運営をはかっていくか、そういうものにつきましては若干学部方式と違いますので、いままでの学部方式の上に立った大学と違ったくふうをしなければならない。それを筑波大学についてだけ、この法律に書かしていただいたということでございます。それを先ほど私が申し上げましたように、場合によっては細目は文部省令で譲られているわけですから、文部省令で善く道もあるかもしれないけれども、あえて特別な方式をとるのだから、この法律規定の中にあげさせていただいたのです、こう申し上げておるわけでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 私の疑念は消えないのでございます。特にそれが、いま触れることは避けますけれども、この筑波大学の法案と同時に、学校教育法、教育公務員特例法の改正をするという問題と関連をしまして、筑波、筑波と言っておりますけれども、これが他の大学に波及する要素というものははっきりあるわけですから、その点についてはなお今後他の党の方からも御質問があると思いますし、その点については私の疑惑は依然として消えていないということを申し上げて前へ進みたいと思います。  いままで文部省が出しました資料はどれどれでしょうか。これは法案には、まさに簡単な法案でございますから、法案を見てもわからない部分がたくさんあるわけですが、私がいただきましたのは、まず——これはいただいたわけではない、これは入手したわけですが、「文部広報」、これが一つです。それから「新構想をめざす筑波大学」、これは学術局が出しております。それから「新構想をめざす筑波大学」、これは文部省が出しております。いまの学術局のものとこれとはほとんど同じものであります。それから、これは最近積極的に文部省からいただきました「筑波大学の理解のために」、文部省大学学術局、言うならばPR資料ですね。これだけいただいておりまして、あとは私ども何もないわけです。それでいま文部省が、法案は別としまして、私どもに公表して出しておられるのはこれだけですか、そのほかに何かありますか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 それで全部だと考えます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 実はまだあったのです。この観光案内のようなのがある。文部省から出しておりますね。これはホテルの観光案内のようなもの。初めてですか。文部省です。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 ちょっとうかつにしておりましたが、いまお示しのありました資料も文部省のほうで出した次第であります。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 もうあるとは言いませんが、まだあるんじゃないですか。何かありはしませんか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 それだけだと考えております。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 これは正確にしていただきたいのです、私の質問のたいへん重要な中身になっておるので。  この間、本会議における社会党の嶋崎議員の質問に対しまして文部大臣が答弁をされておりますが、その中身はいま申し上げませんけれども、これにないことが答弁をされているのです。  それから、この最後にいただきましたいわゆる「筑波大学の理解のために」という一問一答でございますけれども、これについて少しお聞きをしたいのですが、その前に、一つの大学を設立するにあたりまして、これほどたくさんの資料を文部省が出したことがあるかという問題です。大体どれくらいこのPR資料などはつくっておられるか。ちょっとこまかいことですけれども、伺っておきたいのです。大体どれくらいつくっておられますか。

大崎仁文部省大学学術局大学課長

○大崎説明員 お答え申し上げます。  まず「新構想をめざす筑波大学」、これは御指摘のように大学局名のものと文部省名のものと両方ございますが、合わせまして約五万二千部でございます。これは各国公私立大学その他、大学関係を中心に出しております。それから「筑波大学の理解のために」という資料でございますが、これは二万二千部でございます。それから「文部広報」の筑波大学特集でございますが、これは通常の「文部広報」の配付分といたしまして十四万部でございます。それ以外に国公私立大学分を特に八千部ほど追加をしておりまして、全体で約十五万部程度でございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 このいただきました資料には、それぞれの誤差があるんですね、違いがあります、それを読んでみますと。その具体的なことは申し上げませんが、一番新しいのはどれでしょうか。

大崎仁文部省大学学術局大学課長

○大崎説明員 昭和四十八年四月付の文部省大学学術局名、「筑波大学の理解のために」というこの草色のものであります。   〔委員長退席、西岡委員長代理着席〕

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 この一番新しいといまおっしゃった「筑波大学の理解のために」という、これはまさに文部省のPR資料でございます。ところが、この中にはもう至るところに、こういうふうになっています、こういう方針です、特に配慮されている、などという断定的な表現が随所に出てくるわけです。この文書、PR資料の背景に何かなければ、原典がなければ、こういうふうになっています、とか、こういう方針です、とか、特に配慮されています、と書かれましても、私ども国会議員は何が何だかチンプンカンプンでわからないのです。だれがそういうふうにしているのか、だれがそういう配慮をしているのか、これはだれなんですか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 この筑波大学の準備をいたしますために、教育大学からの意見の開陳が四十四年にございまして、それを受けて文部省に筑波新大学創設準備調査会を四十四年十一月に設置いたしまして、その東京教育大学の考えておる線をどのように実現するかという論議をいたしてきたわけでございます。その構想ができまして、昭和四十六年七月に筑波新大学創設準備調査会から、「筑波新大学のあり方について」という文部大臣への報告がございました。それを受けまして、昭和四十六年十月に文部省に筑波新大学創設準備会を設置いたしまして、その創設準備会でいろんな御議論と検討をしていただきました。これは法律案に規定されておりますことのほか、細部にわたりましていろんな創設のための御論議がございまして、その御論議を踏まえて説明をいたしております関係上、いまのような御指摘になったかと考える次第でございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 私どもにはこのPR資料だけで、それでこの国会を済ますつもりですか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 先ほどの創設準備会のこのまとめました報告書は、別途表に出ておるものもあるわけでございますから、準備の段階の御議論のところで固まってないものはあれでございますが、いままでの御論議のありました点については御提示できると考えております。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 それを出していただかなければ——法案はきわめて簡単なものです。しかも、文部大臣の本会議における答弁は、法案にないことがずらずら出てくるわけですね。しかも、これは単なるPR資料。私ども国会議員でございますから、その背景あるいはその出典になるものが明らかにならないと、筑波大学のイメージというものは全然出てこないのですよ。やみくもでいま審議しているのですよ。だから私は法案に入る前に、そこらのところを明らかにしなければ、全く国民の負託を受けた国会議員としての精密な検討ができないわけです。どうしたのですか。しかも私は、この前の理事懇談会の席でありましたか、自民党の方々にも、資料があるはずだ、出さなければ審議できないですよと、こういうことを申しましたら、河野政務次官がおられまして、資料は出しますと言われたのです。それからもう十数日たっています。けれども私ども何も資料がないのです。中身に入れと言われたって、中に入りようがないのです。法案の第一条から何条かあるものを、これをいろいろやったところで、その背景に何か文部省自体の持っておるものがある。PR資料も出ておる。しかも、PR資料には断定的なことが出ている。その出典がわれわれには出ていない。これでどうして審議ができますか。私はできないと思うのです。これを直ちに出すかどうか、はっきり伺っておきたい。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 PR資料その他に、いままで国会その他で論議いたしてまいりました大事な点は、それぞれの考え方としてお示しをして、そこで十分な御審査をいただけるもの、こういうふうに考えまして、PR資料をつくって、法律案にないことにつきましても創設準備会その他で御意見をまとめましたものをそこでまとめて、こういう考え方で進みたいということをお示しをいたしておるわけでございます。  なお、いままで創設準備会で確定をいたしましたものにつきまして、なお必要だということでございますならば、部数をそろえましてまた御提示を申し上げたいというふうに考えます。   〔西岡委員長代理退席、委員長着席〕

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 そういう態度でどうして審議できるでしょうか。PR資料ですよ。これ、何万冊か、五万冊とか言われましたけれども、それを配られた。これは文部省が筑波大学をいわゆる宣伝をしたいということで出されたもの、これが国会議員のこの討議の場所の資料になるなどという不見識な話がありますか。私はこれは断じて許しませんよ、こんなことでは。  お聞きすれば、創設準備会には第一次まとめとかあるいは第二次まとめ、これは一部の新聞にも掲載されましたから、率直にいえば、うわさに聞くとか、そうして中身の精密なことは率直にいえばまだわからないわけですが、そんなものをあなた方うしろに隠しておって、PR資料だけ私たちに配って、これで筑波大学の今後がどういうふうになるとか、どういう構想であるとかというようなことが私たちわからないままで審議をするとするならば、これは何百時間、時間があったってこれは審議になりません。なぜそれを出さなかったんですか。なぜ出さないんですか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 決定をいたしておりますものにつきましてはごらんいただける状態にできるわけでございますが、いままで御論議をいただいて、その中で御説明を申し上げるに必要な事項を——PRとおっしゃいますけれども、やはりPRも説明資料でございまして、その意味でその中に書き加えてあるわけでございます。  なお、準備調査会その他で論議の途中の事柄等を除きまして、確定したものにつきましては、別途また御提示を申し上げることもできようかと思いますが、その中身はそこに御提示を申しておりますような内容のものを論議をいたしておるわけでございますから、それを踏まえて御説明資料をつくっておるわけでございます。

田中正巳自由民主党

○田中委員長 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

田中正巳自由民主党

○田中委員長 速記をとって。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 何があるんですか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 現在まで筑波に関連いたしまして出ておりますのは、文部省の筑波新大学創設準備調査会でまとめました「筑波新大学のあり方について」という会議用の報告資料がございます。これは四十六年七月十六日に報告を求めまして、当時外に出したものでございます。  そのほかは東京教育大学でまとめました「筑波新大学に関する基本計画案」等がございます。  その後、文部省に設けられました筑波新大学創設準備会でいろいろ会議用の検討資料はつくってございますが、これは部内の検討資料として、準備を進めるための会議用の資料でございまして、まだ審議の途中のものがかなりたくさんございます。しかし、法案を御提示申し上げる重要な事項についての輪郭は、法案とそれに関連いたします説明資料としていまお手元に届いておりますものを用意いたした次第でございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 では、いままで創設準備会で論議をされて合意を見たものについては、われわれ議員にも直ちに配付する用意がありますか。それはぜひ見せていただきまして、これがいままでのところほんとうの原典だろうと思います。それに基づいて私どもも審議をいたしたいと思います。  なぜそういうことに私はこだわるかと申しますと、こういうことがあるんです。これは昨年の六十八国会ですね。あのとき私も質問をしたのですが、筑波新大学設立の準備状況と発足時期の見通しについてということで、これはたしか高見文部大臣ではなかったかと思うのですが、ちょっと資料が不十分ですが、昨年のことですからね。筑波新大学の構想についてはすでに筑波新大学創設準備調査会で一応の青写真をつくり、これを具体化するため創設準備会を設けた。同準備会は現在教育研究の体制を整えるための分科会、施設整備のための分科会、学生、教官の生活問題を担当する分科会及び医学教育関係の分科会の四分科会でそれぞれ検討し具体案の作成に取り組んでいる、こう大臣が答えられております。これは一年前のことです。ちょうどいま一年目を迎えているわけでありますが、そういうお答えもありました。だからあれから一年たちました今日、われわれがこの法案を審議するにあたりましては、当然各議員に対しましてもほんとうに論議がかみ合うようなものが配付されるものだと私は期待をしておったわけですけれども、それがないものですから、しかもPR資料をいただきますと、先ほどもちょっと申し上げましたが、最初配っていただきましたものと少しずつ変わっているわけですね。だから、これは論議の過程で変わるんだろうとは思いますけれども、しかし、いまやこの法案が成立するならば、筑波大学というものができることになるわけですよ。そういうことを目の前にしまして、しかもこの法案審議にいまやまさに全精力を傾注して私ども論議をしようとしておるときに、その資料がないということは審議にとりましては決定的なことです。皆さんのほうは、背景にそれを持っておられるかもしれませんけれども、私ども率直にいえば、この「理解のために」というもの以外に何もないわけで、だから、そういう点で私どもたいへん大きなハンディキャップを持ってこの論議に参加せざるを得ないという、これは国会の正当な論議の面から申しましても決して十分な、当を得たものではないわけですから、その点で直ちに現在ある資料すべてを提出されるように特に私委員長に要請したいのですが、委員長のお考えを伺っておきたいのです。

田中正巳自由民主党

○田中委員長 できるだけ文部省に資料を提出するようにさせます。ただし、ものによってはあるいは公表のできないものもあろうかと思いますから、それ等については後刻理事会で御相談を申し上げることにいたしたいと思います。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 私は、時間も七時近くなりましたので、できましたらその資料をいただきましてから私の次の質問に入りたいと思っています。私は、いままでその資料の問題について申し上げてきたわけでございますから、この資料をぜひいただきたい。これは私はもう一生懸命これを読んでまいりましたけれども、その出所といいますか、そのことがどうもわからなくて自分で悩みながら、どういう、質問をするのかと実際困惑をきわめているわけです。その点、委員長、ぜひお願いをいたしたいのであります。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 ちょっと関連。一番新しいという、「筑波大学の理解のために」というこれの中に、これはPR資料ですから取捨選択したというならそれなりにわかりますが、関係団体の意見とか関係者の意見というところがありますね。これはおそらくPRだから比較的これに都合のいい意見だけを出したように思うのです。しかし、われわれが審議する場合は、文部省にはいろんなこういう関係団体、全部とは言いませんけれども、有力な関係団体がたくさんあるわけで、そういう意見を全部きちっと資料として整えて提出するのが当然の親切な審議のしかただと思うのであります。それが文部省としての責任だと思うので、これもあわせて、こんなものではないと思うのです、まだあるはずでありますから、それもあわせて出してください。

田中正巳自由民主党

○田中委員長 速記をとめて。   〔速記中止〕

田中正巳自由民主党

○田中委員長 速記を始めて。  この際、暫時休憩いたします。    午後六時五十七分休憩      ————◇—————    午後七時七分開議

田中正巳自由民主党

○田中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  国立学校設置法等の一部を改正する法律案について質疑を続行いたします。山原健二郎君。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 いま資料の問題でちょっと中断をしたわけですが、率直に言いまして、理事会も開かれましたけれども、このPR資料、これはいただいたものもあるし、私が積極的にさがしたものもあるわけですね。それから茗渓会などから配られておるものもあります。これは山原健二郎あてに送ってきたものでございますけれども、その中にも文部省の資料が入っている。これもちょっとおかしいと思うのです。それで、茗渓会というのは東京教育大学の同窓会だろうと思うのですが、それにも文部省の資料が入っているのですね。そんなものを紙袋破りながらさがしてみたわけでありますけれども、ただいま言いました資料につきましては、委員長のほうで提出を要請されると言われたと思うのですが、その点委員長、確認してよろしゅうございますか。

田中正巳自由民主党

○田中委員長 よろしゅうございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 どうしてこれにこだわるかということをちょっと申し上げますと、この資料が出ましてから私ども少し余裕がほしいような気もするわけですが、大学の設置認可の申請の手続等に関する規則というものを文部省令第三十六号で出しておりますね。これは昨年、すなわち昭和四十七年六月十七日のことでございますから、去年出されたわけです。それを見ますと、こういうふうになっているわけです。     大学の設置認可の申請の手続等に関する規則  第一条 大学の設置認可を受けようとする者は、認可申請書に次の各号に掲げる書類を添えて、当該大学を開設しようとする年度の前年度の六月三十日までに文部大臣に申請するものとする。 その中身は、  一 目的、名称、位置、開設の時期、職員組織、施設、設備等設置する大学の概要を記載した書類  二 学則(大学の学部若しくは大学院又は短期大学の学科を設置する場合にあっては、新旧の比較対照表を含む。)  三 学部、学科等の別に開設する学科目又は講座を記載した書類  四 職員の採用計画を記載した書類  五 学部、学科等の別に教員の配置計画を記載した書類  六 学長及び教員の氏名、担当授業科目、経歴の概要等を記載した書類  七 学長及び教員の履歴書、教育研究上の業績を記載した書類、職務の現況を記載した書類及び就任承諾書並びにこれらの者の就任に係る所属長の承諾書  八 校地の面積等を記載した書類、校地の図面及びその周囲の環境を示す書類  九 校舎その他の建物の面積、配置等を記載した書類及びその設計図  十 校地及び校舎その他の建物の整備状況及び権利の所属を明らかにする書類  十一 図書、機械、器具その他の設備の概要を記載した書類及びその目録  十二 当該大学を設置する学校法人の寄附行為並びに役員の名簿及び履歴書 などと、十六項目にわたりまして書かれております。  そして第二条には、「医学部若しくは歯学部を設置する大学又はこれらの学部の設置認可を受けようとする者は、」云々となって、実に詳細な書類要求をするわけですね。しかも、それが前年度の六月三十日に文部大臣に提出をされなければならない。これくらいまであなた方は昨年度決定をしてやっておられるわけですよ。だから、そういう意味では筑波大学という新しい大学をつくられようとするならば、私どもいま資料の問題につきましても執拗に申し上げているわけですけれども、そういう筑波大学の構想あるいはその内容というもの、これはわれわれだって当然国立大学として知る権利がある。そして審議していいんじゃないか、こういうことなんです。これだけのことをここでは要求しておいて、どうして筑波大学の問題についてはそういう具体的なものを資料としてお出しにならないのか、伺っておきたいのですが……。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 いまお示しになりましたのは、公私立の大学につきまして文部大臣が認可という行為をとる場合の措置でございます。国立大学につきましては、大学設置のことを国会で法律をもっておきめいただいておるわけでございまして、法律をもって、法律の要件とされております場所、学部等、基本的な事項についての御審議を賜わりました上で、その法律上の設置が起こりましてから事が進むというようなことなどもありまして、いま御指摘のありました規則によって設置をする公私立の場合とはおのずから手続が違ってくるわけでございます。筑波大学を御審議いただきます場合に、従来の学部の構成をとるものと違いますから、その点では学群、学系等について必要な御検討をいただきますために御参考になるべき資料というものを御提示申し上げたわけでありますが、国会の御審議と、それから文部省が認可をいたします場合のものとおのずから軽重あろうかと思って、取り扱いにもその差異がある次第でございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 この大学の設置認可の申請の手続等に関する規則というのは、学校教育法第八十八条の規定に基づくのですね。これは私学も国立も、この学校教育法八十八条というのは区別はないわけでしょう。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 学校教育法の第四条が、その規則をつくります基本のことにかかわっておるわけでございまして、「国立学校及びこの法律によって設置義務を負う者の設置する学校のほか、学校の設置廃止、設置者の変更その他政令で定める事項は、監督庁の認可を受けなければならない。」この規定を受けて、八十八条による施行規則がつくられたわけでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 今度の法案の第一に出ております旭川医科大学、山形あるいは愛媛の医学部の問題につきましては、かなり詳細な問題が出ておりますね。たとえば先ほど大蔵省主計局から答弁のありましたように、講座数あるいはおそらくもっと——いまここに資料を持っておりませんけれども、かなり詳細なものが出ておるわけです。そして筑波と——国立大学と私立大学の場合には差があるというお話をいまされましたけれども、私立大学の場合には、設置の認可申請書というのは、これだけ詳しく前年度出さなければならない。にもかかわらず、国立大学はそれよりもルーズであってよいというはずはないと思うのですよ。だから私はいま資料として要求したいのは、一つは創設準備会の最終報告書をいただきたい、どうですか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 最終報告書は、まだ最終まで至っておりませんので、できておりません。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 それがないのに法案が先行するのですか。私は、それがどうしてもわからないのですよ。筑波大学の創設準備会の構想というものがない。ないにもかかわらず、法案だけが先に出てくる。われわれは法案だけを審議して、その法案が成立した暁におきまして、それがどんな大学になるのかということになると、結局ここでその質疑をして尽くす以外には、私たちにはもう手がないわけです。だから創設準備会の最終資料もないのに、いつ出されるつもりかわかりませんけれども、それじゃお聞きしますが、いつ創設準備会の最終報告書というものは出るのですか、あるいは文部省、文部大臣は報告書を要求はしていないのですか。   〔「未熟児だよ」と呼ぶ者あり〕

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 法案の御審議に必要な事項につきましては、いままで論議のありました点をできるだけお答えも申し上げ、資料として御提示できますものにつきましては、御提示を申し上げるようにいたしたいと思います。  なお、いまお示しがございましたように、法律でおきめいただきますことは、その学校をつくるという基本の大綱をおきめいただくことになります。その内容の肉づけは、四十九年度以降年次を追って整備をいたしてまいらなければなりません。したがいまして、創設準備の仕事は、正式に法律案が成立をいたしまして、学校の設置を見るに至りますまで、なおいろいろな準備を詰めていくことが必要であろうかと思っておりますが、現在論議をいたしております現状について、いろいろとお尋ねがありました点はお答えを申し上げ、資料を提示したいと思います。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 これはまた重大な問題ですよ。法律は成立した。それからあとで筑波大学の構想が出てくるということになりますと、これは全く私どもどうしたらいいのですか。私立大学にはこれだけの要求をして、全部書類を前年度に出させておいて、しかも国立大学、筑波新構想大学とあなた方が銘打ってやっているものは、法律は先に出たが、そのあとの構想についてはまだいつできるかわかりませんが、最終の報告書が出てこないということになりますと、これは決定したらどんなものになるか。いま東京教育大学をはじめとして、全国の大学人あるいは受験生を含めて、おそらくいろいろな考えを持っていると思うのですね。そして筑波大学とはどんなものかということに対する期待もあれば、あるいはまたそれに対する不安もある。これは当然なことなんです。しかも前々から、高見元文部大臣も言ったように青写真もできるというような準備は一年も何年も前から進めておるのだろうと思うのですが、それがいまだにできないで法案ができた、法案ができたが、われわれが審議したことと別のことがぽかっと出てこないという可能性はないわけですよ。そんなことがないとだれが証明できますか。そういうあいまいなことでは私はほんとうに審議ができないと思うのですよ。そんなあいまいなことでやるのですか。新構想の大学を、そんなあいまいな資料に基づいて、法案が通ってしまったあと、何が出てくるかわからない、そんなことで責任のある審議が国会議員としてできますか。私はできない。直ちに出してもらいたい。審議はそれからだ。あたりまえのことです。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 お手元に差し上げてございます、あるいはお持ちになっておられます「新構想をめざす筑波大学」の三七ページに「筑波大学開設全体計画(案)」というものがあがっているわけであります。これは創設準備会で現在までにまとめました第一学群、第二学群、第三学群及び専門学群についての構想でございます。学生の募集のしかた、学系のつくり方、それぞれ具体的に計画を固めましてこういうものとして筑波大学の御審議をいただいておる次第でございまして、今日までの段階で、なお御指摘によりましてお答えを申し上げられるものは幾らでもお答え申し上げるようにしたいと思います。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 これは全く異なことを伺うわけでございますが、たとえば筑波大学が開設をされまして、初年度の学生の募集をする、あるいは来年度はどうなる、あるいはまた国立医科大学も設置されるわけでございますから、医科大学についての付属病院をどうするとかというようなことについては、それは問題によりましては年次を追ってやる場合もあるでしょうね。しかし、少なくとも学校開設という問題を目の前に控えて——法案が成立したらそれが出てくるわけでしょう。しかも、それはいまだに私どものところに——私どもという意味ではありませんが、審議をする国会議員にその最終報告書が出ていないということになりますと、決定はしました、衆参両院で成立をいたしました、こういうふうになりましても、それではその次に、創設準備会という構成はまたあとでお聞きをしたいと思うのですけれども、それが国会で議決した後においてその大学の、しかも新構想大学の中身が変わるとか、それは若干の変化があるということだって問題なんですよ。そんなことの起こることを予想しながら私どもはここで審議をするのですか。だれが保証してくれるのですか。私はどうしてもあなた方の態度がわからぬのですよ。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 今度御審議をいただいております筑波大学に第一学群、第二学群、第三学群、体育専門学群、芸術専門学群、医学専門学群という学群をつくり、大学院には博士課程と修士課程を置く、そして学系を二十六学系置く、そういうことをお手元の資料でも明らかにしておりまして、その第一学群の中を人文、社会、自然の学類に分け、第一学群の開設年度は昭和四十九年度、第二学群は昭和五十年度、第三学群は昭和五十二年度という予定で、そして入学定員、総定員をそれぞれ輪郭として相談いたしましたところをお示し申し上げておりまして、こういうものとして筑波大学をつくりたいという御審議を願っておる次第でございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 それじゃ、創設準備会の最終報告書はいつ出るのですか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 細部にわたってのいろんな論議がありますために、いままで最終という段階に至っておりませんけれども、今日までの段階でいろいろと論議の詰まっております点につきましては、御質問等に応じまして、私ども十分御説明を申し上げたいと思います。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 質問にお答えするといったところで、創設準備会というものをつくっておるわけでしょう。では、あなた方はまだ、筑波新大学構想と宣伝しておるものの構想全体を持ってないわけですか。また、その形の整っていないものを法案としてここへ出しておるわけですか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 先ほども御説明申し上げましたように、筑波大学の御審議をいただきますについて、基本的な構想につきましては、創設準備会でお取りまとめいただきましたものをお手元の資料にも入れてございまして、全体の場所、立地、そして大学のつくり方、そういうものについての御審議にたえるようにしておるつもりでございます。足りない点等があれば、またお尋ねに応じましてお答えを申し上げ、資料の出せるものにつきましては御提示を申し上げるようにいたします。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 どうも非常に審議がしにくくなってまいりました。まだ未熟児というお話もありましたけれども、実際には筑波新大学構想というのはないわけですね。まあ何%あるか知りませんけれども、骨格があるとかなんとか言われますね。けれども、先ほど言いましたように、旭川、山形、愛媛などでは中身はもうほぼ決定しておるわけです。しかも私立大学の場合は、あなた方も詳細にわたって一年前に要求されているわけでしょう。そういう点から考えると、国立という権威を持つ筑波大学、しかも新構想大学とあなた方が言っておられるこの筑波新構想大学のイメージ、構想というものはまだ六〇%か——何%できておるのですか。欠けた形でここへできておるのですか。あなた方は創設準備会における最終報告書もない形で答弁しておるのですか。もし創設準備会で未決の問題を私がここで質問をして、あなたが答弁をしたならば、創設準備会との関係はどうなるのですか。そんなことを含めて筑波新構想大学というものはまだ未熟児、まさにあなた方の頭脳の中にさえ構想はないということになるじゃないですか。そんなものを私ども一生懸命審議できますか。どうなんですか。入学時期までには出るのですか。法律が成立するまでに出るのですか。どっちですか。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 大学の基本的な構想は、お手元に差し上げてございます資料の中で、輪郭として骨格はほとんど固まっておる次第でございます。大学自体といたしますと、法律の段階を離れまして、個々の大学自体の運営、細部の問題が残っておりますために、創設準備会としてはまだ検討する、事項を詰めるという余裕を残しておる次第でございまして、筑波大学の当面の全体の輪郭が、学群におきましては三学群に三つの専門学群を要するものとして数年間にわたって年次的に計画を整備をしていく、大学院につきましても年次別に整備をしていく、こういう見通しをつけた法案の御審議をいただいておりますのは、いままでの国立学校設置法と違いまして、単年度の御審査をいただくのよりはずっと長い全体の計画を御提示を申し上げて、長期の全体の御検討をいただきたいということでしておるわけでございますから、その意味では大学の全体の輪郭につきましてお手元の資料の中でほぼ出そろっておるものというふうに考える次第でございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 あなたは大学局長ですよ。大学を設置するとかあるいは大学の管理運営などにつきましては、ほんとうに微細なところでも、たとえば私どもが主張してきた学問の自由の問題とかいろいろな問題に関係してくる。ところが、かりに全く微細な顕微鏡で見なければならないようなところでも大学の問題については非常に大きな問題になる場合があるわけですね。だから、そんな点をあいまいにしたまま私たちがここでその輪郭——輪郭なんといったって家を建てる柱ぐらいのこと、そんなものだけでほんとうに厳密な討議ができるのでしょうか。しかも、あなたはまだ答えていない。入学期までにつくるのですか、法律成立までにつくるのですかと言っても、それに答えられないでしょう。いま、かりに筑波新大学ができたならば、私は受験しましょうという学生諸君がたくさんおるわけでしょう。そういう時期を目の前にして、なおかつ輪郭ができていないままに大学局長が私の前にあらわれているのですか。輪郭といったって、あなた方は私立大学に対してはこれまで厳密なことを要求しておるわけでしょう。私もそれを要求します。この大学設立の認可基準に基づいて筑波大学の精密なものを出してください。出せますか。出さないままに審議さすつもりですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 大学学術局長はあまり詳し過ぎるものですから、若干お話の間に食い違いがあるようでございます。  大学の運営につきましては、大学の自治にゆだねておるものですから、こまかいことは全部学内規則できめさせておるわけでございます。あまりこまかいことを頭に置き過ぎるものですから、大学学術局長としてはきまっていないというお答えになるわけでございます。しかし、山原さんのお気持ちもわかりますので、現段階で準備会がまとめてきておりますもの、それを整理して資料として提出させるようにいたします。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 もう一度要求しておきます。創設準備会の報告書を直ちに出していただきたい。それから大学設置認可基準申請の規定に基づく筑波大学構想の中身を提出していただきたい。これを要求しておきます。  私は、非常に不可解なことがあるのでしつこく申し上げておるわけですが、やはり大学を一つつくろう、しかも、あなた方がいままで宣伝をしてこられた新構想の大学をつくる、大学の管理運営とか大学の改革について——私どもは大学改革について何もかも反対しておるわけじゃありません。しかし、大学の改革については、私たちは私たちなりに、大学を構成する全構成員によって民主的な自主的な改革を行なっていくべきであるという考え方を持っているわけであります。それにしましても、私どものような見解もあるだろう。また大学人の中にも、大学改革についていろいろな見解があるわけですね。そういう状態の中でございますから、今度の新構想大学については、みんなその中身を知りたいわけです。しかも、すでに国会に上程されて、先ほど四十日たって審議をされたなんと言われておりますけれども、そしてまさにいま審議が始まっておる。しかも、もしこれが成立するならば、法律は成立、そして第一年度の、初年度の入学生の問題も出てくるという段階において、なおかつあなた方がつくった創設準備会の最終報告書も出ていないなどということは、全く話にもならぬことなのでございます。  また、文部省は何を血迷っておるのか知りませんが、この間も東京教育大学の宮島学長から出されておる文書をもらった、これがその文書なんです。これがいつ出ておるかというと、二月十三日に宮島学長が配っているわけです。これを東京教育大学の先生方に全部ばらまいている。それにはもうちゃんと筑波大学ができたような書き方がしてあるわけです。しかも、その中にあるのは法案ですよ。いま私らが審議している政府作成の法案がそのまま入って配られている。内閣が国会へこの国立学校設置法等の一部を改正する法律案を提出したのは二月十七日なんです。その以前の二月十三日に、公人であるところの東京教育大学の学長が、政府がつくったと同じもの、印刷も紙も一緒なんです、これを大量にばらまいておる。こういうことが行なわれているのですね。  こういう一つ一つの例を見ましても、全く国会を軽視した考え方が筑波大学問題では一貫してとられてきておる。その不誠実な姿というものが、今度の創設準備会のまとめも出ないという形で私たちに審議をさしておる、こういう状態が生まれた要因だと私は思っています。  まだ申し上げたいこともありますけれども、だいぶおそくなりましたから、もうこれ以上は、私の本日の質問はおきますけれども、もう一つ資料要求をいたしておきたいのです。これは東京教育大学の練り上げた構想に基づいて文部省はやったのだということを盛んにいっておりますし、これにも書いてありますが、どう考えても東京教育大学の多数の合意に基づいたものはないのです。東京教育大学の評議会が決定をしておるのは、移転を決定しておるだけなんです。それをあなた方は、あたかも練り上げられたもの、あるいはそこで慎重に審議されたものなどという言い方をしておりまして、先ほど上田委員に対しても塩崎委員に対してもそういう答弁をされておるが、私は横から聞いておって、ずいぶんうそを言うものだなと思ったのです。ですから、東京教育大学と文部省との経過、日時を追って事実関係を明らかにしていただく意味におきまして、その資料を提出されるように委員長に要求をいたしまして、本日の質疑は終わります。また私は、この資料が出てきましたときには、筑波大学の問題につきましても、これはほんとうに新しい大学の問題をどう考えるかという意味で論議をいたしたいと思っておりますので、その資料を要求いたしまして、本日は終わります。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 最後に御指摘がございました東京教育大学の筑波新大学に関する基本計画案というのは、まとまって手元にございますので、これはすみやかに御提示を申し上げるようにいたしたいと思います。  なお、公私立の大学に設置認可の際に要求いたしております資料と同じものを筑波について出せという御指摘でございますが、これは国立大学の設置の手順が公私立とは違っておりますので、おのずから国会の御審議を経て準備すべき点もございまするから、いま御指摘になられましたすべての項目について資料を全部そろえるということはできないかと思いますが、御指摘になりました筑波の輪郭、構想が明確になるような御審議の資料は、すみやかに御提示をするようにいたしたいと思います。

田中正巳自由民主党

○田中委員長 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

田中正巳自由民主党

○田中委員長 速記を始めて。  次回は来たる十一日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後七時四十一分散会

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