文教委員会 第9号
- 発言数
- 227 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1973/04/04
会議録
○田中委員長 これより会議を開きます。 義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、これを許します。安里積千代君。
○安里委員 義務教育諸学校施設費国庫負担法を中心にいたしまして、若干それに関連をいたしまする問題にも触れて御質問申し上げたいと思います。 まず冒頭に、義務教育の公立学校の施設につきましては、これは単に文部省だけの関係でなくして、地方自治体の負担にも影響してくる、むしろ地方自治体のになう面が非常に大きいために、政府としての負担の問題は、地方自治体におきます財政負担にも大きく影響してくる問題でございます。 そこで今度の予算の中におきまして、施設整備のために各地方自治体から要望しました額と、文部省が概算要求をしました額、それから政府原案によります決定額、これを比較いたしてみますというと、非常に差があるということが数字の上でも明らかであります。これまでの委員会におきましても、教育費の負担の問題についての割りが少ないのだということが指摘をされておったわけでございますが、資料によりますと、地方自治体の要求額が金額にして千七百六十億をこしております。文部省の概算の要求で千百五十二億六千九百万円。で、決定をされましたのが七百八十五億六千六百万円、こういうふうに数字であらわれております。私がお伺いをいたしましたのは、施設整備要求のための地方自治体の要求額に比較いたしまして、文部省のこれに対しまする概算要求は六百億からも下回っております。そして最終的には地方自治体の要求額の半分にも達しておりません。地方自治体の要求する額というものは公立の学校教育を実施しまする上にこれはどうしてもこれだけ必要だ、地方財政のたてまえからも。そういうふうな必要に迫られるところの要求だと思います。そこでこれに対して文部省が概算要求をいたします。それも地方自治体からの要求より実に六百億も減じられた額しか要求されておりませんし、政府といたしましての決定がさらに要求額の半額だ。こういう事態を見ましたときに、政府といたしまして、教育の施設を充実させるために真剣に予算の上で努力されておるということも考えられませんし、またこのようなばく大な差があるということは、当然地方自治体の財政負担にも、あるいはまた施設の整備のためにも、非常に影響があるものだ、数字の上からこのようにうかがえます。 そこで、お伺いをいたしたいのは、このような地方自治体からの要求、これに対する文部省の概算要求、こういったものに相当の差がありまするけれども、これはどこから生まれておるのであるか。これは単に地方自治体が膨大な要求さえすればいいといった性質のものじゃなかろうと思っております。どうしてこのように文部省の概算要求と差があるか。それから、政府の決定が文部省の要求額の半額だ。この原因と申しますか、どこに考えの相違があるのか、その点を伺いたいと思います。
○安嶋政府委員 地方自治体の要望額と文部省の概算要求額ないしは政府の予算案との関連でございますが、自治体の要望額は公立学校施設期成会が関係方面にお願いした際の数字かと思います。これは、四十八年度単年度にこれだけの事業をやりたいということ、それが主ではあると思いますが、必ずしもそれだけではなくて、さらに後年度必要とするようなものを含めて要求しておるというふうに私ども推測をいたしております。 先般も申し上げましたように、公立学校施設整備の要請というものは非常に大きいわけでございまして、私どもが現在考えておりまする第四次の五カ年計画といたしましても、義務教育関係だけで二千三百万平米をこえるような需要を持っておるわけでございます。したがいまして、そうした大きな地方自治体の要請というものを反映して御指摘のような金額が要望額として出てきたものというふうに理解をいたします。したがいまして、これが単年度にどうしても必要な金額であるというふうには考えられないわけでございますし、また、私どもが実際に補助金を配分いたします際のやりとりから見ましても、ただいま申し上げたような受け取り方で正しいのではないかというふうに考えております。 しからば、文部省が計上いたしておりまする予算がそれで十分であるかと申しますれば、たとえば屋体の坪数でございますとか、学校統合の面積でございますとか、そうしたものにつきましては、やや地方団体の御要請を下回るという感がないわけではございませんが、全体として見ますと、計上予算でほぼ地方団体の単年度の具体的な御要望にも応じておるかと思います。
○安里委員 一応政府の原案といたしまして七百八十五億、文部省の概算要求は千百五十億、これでも相当の差があるのです。だから、地方自治体からの要求がそういう立場からの数字であるといたしましても、文部省の要求が千百五十億なんです。これに対して、予算においては結局七百八十五億。千百五十億も要求して七百八十五億、これだけしか決定されておらない。文部省とされましては、これでよろしいというわけでしょうか。地方自治体からの要求額との差はわかりますけれども、少なくとも文部省の概算要求と政府の決定と、あまりに差があり過ぎる。文部省とされましては、これで十分だというふうなお考えでしょうか。
○安嶋政府委員 ただいま主として面積に重点を置いてお答えをしたわけでございますが、御承知のとおり、概算要求の内容といたしましては補助率の引き上げというような課題があったわけでございます。たとえば急増地域につきましては、ただいま法案で御審議をいただいておりまするように、校舎の負担率の引き上げだけではなくて、屋体についてもお願いをいたしておりましたし、また僻地についての負担率の引き上げであるとか、あるいは危険校舎の改築についての負担率の引き上げであるとか、そうした要求もいたしたわけでございます。 〔委員長退席、西岡委員長代理着席〕 また単価につきましても、さらに高い単価を要求した。あるいは基準面積につきましても、ただいま小中学校校舎につきまして二〇%の基準アップという改定をいたしておりますが、要求の際は三〇%近いものを要求したというようなズレがございまして、御指摘のように金額だけを比較して議論をされることは必ずしも適当ではないのではないかというふうに考えております。そうしたいろいろな要素が中に含まれておるわけでございまして、その一々について大蔵省と協議をいたしまして、これは認める、これは次年度の努力目標にするというようなことで仕分けをいたしておるわけでございます。したがいまして、全体として見ますと、大体地方団体の御要請には応じ得る予算になっておるというふうに考えております。
○安里委員 私は、あんまり詳しい数字的な内容の問題よりも、少なくとも、率の問題もいろいろありましょうけれども、文部省が要求したのは千百五十億をこしておるんだ、ところが大蔵省において七百八十五億になったということでありますれば、文部省の考えと大蔵当局の考えの間には、非常な差があるんじゃないか、こう思うわけなんです。 そこで、なぜこんなに少なくなるかということでありますが、端的に結論を申し上げますと、文部省関係は普通の事業官庁と違って、文部行政、教育行政に対する専門の文部当局の要求が大蔵省にいれられないということは、結局大蔵当局、といえば政府全体となりましょうが、その中における文部当局の、そう言っちゃことばが正しくないかもしれませんけれども政治力というものが文部行政に働く面が非常に弱いんじゃないか。よく教育の中立性、政治から中立だというけれども、これが逆に、それなるがゆえに文部行政については政治力の働く点が非常に少ないんじゃないか。逆にいいますならば、文部当局はそういった問題に対して非常に遠慮しているんじゃないか、政府に対する発言力、政治力というものが非常に弱いんじゃないか、それがひいては、教育の中立性といったようなものが逆用されておるんじゃないか、このような気持ちがするのでありますけれども、これはどうでしょう。これは文部次官からひとつ政治的な配慮としてお答え願いたいと思うのです。
○河野政府委員 安里委員御指摘のとおり、文教予算につきましては、たとえばこれは全く一例でございますけれども、農林予算等のように、マスコミで取り上げられるような圧力団体の動きというものはそう目立つものはございません。ごらんいただきますと、文教予算については応援団が少ないのではないか、それがこういう予算の結果になってきているのではないかという御指摘だろうと思いますが、私ども文部当局といたしましては全力をあげて、財政当局には実態を理解させ、十分な配慮をさせるように努力をいたしておりますし、先ほど管理局長が御答弁申し上げましたように、公立文教施設の予算につきましても、金額の面では差こそございますが、その中身について、緊急度の高いもの、あるいはいままでどちらかというと落ち込んでいた部分については、予算の面でもずいぶんと手直しをしてございますし、その結果が今回の法律になって皆さま方に御審議をいただいておるわけでございます。一〇〇%十分とは決して私も申し上げませんが、御心配をいただいておるような、非常に悪いものではないかということではないわけでございます。
○安里委員 私が申し上げたいのは、はでな事業官庁におきましては、予算の獲得におきましては実に、もちろん圧力団体のこともありましょうし、あるいは目に見えるところの経済的な利益というものが非常に表面にあらわれますが、教育の面というものは、なかなかそれは表面にはでにあらわれない、端的に言いますればじみなものなんです。じみでありますけれども、国づくり、人づくりのために一番基本的な問題だと私は思うのです。経済でありましても、政治でありましても、結局は人が動かすわけなんです。ですから、経済も政治も、あらゆるものを人が動かす。その人をつくるところの教育の面、特に教育基本法には、国民に対して直接責任を負う。これはどの省にもないところの大きな問題だと思うのです。国民に対して直接責任を負う、真に教育行政が国民に対して直接責任を負うということを、文字どおり予算の面にあらわすといたしますならば、普通の事業官庁以上に、教育の面というものはもっと腹をきめてがんばるべきじゃないか。経済問題も大事でしょう、いろいろな問題、大事でございましょう。けれども、中心は人間なんです。だから、教育予算の占める割合、これは単に全予算の何%というようなことではなくて、それとはかかわりなく、あるいは国民所得の何%に当たるのだ、そういうようなことではなく、もっと基本的な問題として、人間教育に対しまする問題というのは、他の政治的な配慮やあるいはまた経済的な利益というようなものとは別に、はででないだけに、じみであるだけに、しかもそれが国民に対して直接責任を負う、こういう基本的な考えからしますならば、文部当局もそうでありますけれども、大蔵当局、政治全体としてもっとがんばってもらわなければならぬ問題じゃないか、私はそのように思うわけです。これで満足すべきものじゃないのだけれども、まあまあしかたがないというようなことではなくして、ひとつ文教当局とされましては、教育の重大性を自覚されますならば、やはりそれが具体的に予算の面にもあらわれるような政治力を私は閣内において発揮していただきたい。そうして地方の自治体からの、地方の末端からの要求が満足できるような措置を通すだけの政治力を発揮していただかなければならないのじゃないか。どうもその点、やはり文部当局はじみで穏やかであり過ぎるのじゃないか、このように思うわけですが、いかがでしょうか。
○河野政府委員 今回御審議をいただいております法案の中にございます屋内運動場の予算にいたしましても、昨年、当衆議院の文教委員会の委員の皆さま方に非常にお世話になりまして、財政当局に対する説得も超党派で当たっていただいた経緯がございます。そうしたことをいまもう一度思い起こしてみまして、これはひとつ皆さま方の御支援、御協力をいただいて、ほんとうに充実した文教予算をこれからさきもつくっていきたい、こう考えておるわけでございます。 内輪話をこういうところで申し上げていいかどうかわかりませんが、今回の予算案作成につきましても、御案内のとおり、大蔵大臣はかつて文部大臣をなさったことのある愛知大臣でございまして、文教関係の予算については十分に御理解がいただけて、文部大臣との間にそうした話し合いを何度か行なわれたということをつけ加えて申し上げておきたいと思います。 〔西岡委員長代理退席、委員長着席〕
○安里委員 施設の整備とあわせまして私はお聞きしたいと思いますけれども、施設はそこに収容しまするところの生徒学童たちの数と非常に大きな関係があると思います。施設を整備するということも、終局の目的はいかにして教育効果を大ならしめるかということがねらいである、このように思うわけです。 ところで、いつも疑問に思いますることは、特に小中学校におきまして、一体どれだけの規模の生徒数をもって——ほんとうに教育の効果をあげるためには、理想的な姿、これは一体どれだけの収容生徒を持つ規模のものが最も教育効果をあげるものであるかというようなことをお聞きしたいと思うのです。
○河野政府委員 教育効果をあげる規模のお尋ねでございますが、先生御案内のとおり、教育効果は、その規模があまりに大き過ぎるということも十分な効果をあげ得ないのは当然でございます。同時に、あまりに小さ過ぎてもその教育効果は十分にあがらないわけでございます。それからまた、学校の大きさ、これは物理的なものだけではもちろんございません。教職員の構成もそうでございましょう。いろいろなものが複雑に重なり合って効果を大ならしめるものであろうと思います。こまかい数字的な問題については政府委員から答弁をさせますが、私どもはできるだけ教育効果のあがる規模、構成、そういうものをこれから先も模索をしていかなければならぬ。それは児童が住んでおります社会的なバックグラウンドとの関係もまたあるであろうということを考えておるわけでございます。
○安里委員 数字的な問題は……。
○安嶋政府委員 一般的に望ましい学校規模についての規定というのはございませんけれども、御承知のとおり、学校統合に関して補助金を支出いたします場合には、十二学級以上十八学級以下が標準的な学校規模であるということを政令で定めております。したがいまして、これは学校統合の際の標準ではございますが、一般的な考え方として拡張して適用しても差しつかえない考え方であろうと考えております。こうした規模がとられましたのは教員配置、これはたとえば専科の教員を配置いたしますとか、事務職員の配置でございますとか、養護教員の配置でございますとか、そうした要素、並びに施設面におきましては、たとえば特別教室の配置でございますとか、それから設備の面におきましてもいろいろ問題があるわけでございますが、そうしたものを総合的に考えました場合に、やはり十二学級以上十八学級以下の学校が、人的にも物的にも適当な規模である、こういう前提でこの標準が定められておるわけでございます。
○安里委員 私が前提といたしましてそのことを、申し上げましたのは、特に沖繩の戦後におきまする実情のしわ寄せの結果ではございまするけれども、特に人口の稠密しました那覇市の状況というものを見まするならば、小学校が現在二十四ありまするけれども、その中には二千人以上、三千人に近いところの学校もございまして、一つの小学校だけで二千九百人から三千人近くのもございます。二千人以上収容しておるのが二十四の学校のうち六校、千五百人以上が十校、千人以上千五百人未満のが六校、千人に足りないのがやっと三校、いまの基準からいいますと、好ましい姿の数というものはたった三校しかございません。中学校になりますと、二千人以上が一校、千五百人以上が五校、千人以上千四百人台が三校、それ以下のものがわずか三校、これは全部で十二の学校のうちの姿でございます。これはいまの基準の好ましい姿から見ましても、これをこえたところの非常に大きな規模である、こういうふうに思いますが、この上実情はどうでしょうか。
○河野政府委員 先生からお話をお伺いいたしまして、常識的に考えまして規模が大き過ぎるように私は率直に感じます。ただ、先ほど申し上げましたように、教育効果をただ単に規模だけで判断するということも十分でないと思いますし、その他いろいろ社会的な背景あるいは教職員の配置その他も十分研究をしなければ、ただ単にその数字だけで教育効果がきわめて悪いかどうかということは十分な判断にはならぬと思いますが、数字を伺えば常識的に考えて教育効果はあまり高くないのではないかと私は考えております。
○安里委員 それはもちろんこれだけの人数に応ずるような教室もあり、また広さもある、そういうのがありますならば、あるいはまたそれに応ずるところのその他の条件もありますならば、これは多かろうが少なかろうがある程度間に合わせられると思います。しかし、ただ数が多いだけではなくして、これを収容する施設が狭い。だから間仕切り教室をつくるとか、これに応ずるだけの、施設が膨大になれば、屋外の運動場もあるいは教室も、それに相伴っておればいいんでありますけれども、実際上間仕切り教室でもって間に合わせなければならない。こういうような実態というものがあることは、これは私は認識を深めていただかなければならない問題だ、こう考えております。 そこで、必然的に単に現在あるところの教室をふやす、これはもう場所的にもあるいはまた既存の施設というものを増設するというのにも非常に支障を来たす。ですから、どうしても新しく別に学校をつくる、こうして好ましいところの施設、そして規模にしなきゃならない、これが特に要求をされておることでございます。文部省とされましては、こういう膨大なるところの、千五百も二千も三千にも近いような学校があるということに対しまして、できるできないは別として、こういう学校は単に増築する——増築するという余地もございません。増築するためには運動場をつぶさなければならなくなります。だからどうしても他に施設を分ける、新しい学校を新設するというような方向で行かなければ十分なる教育かできないんだというふうに思うのですが、文部当局としては、それは二千人おろうと、千五百人おろうと、いまの施設を何とか整備すればできるんだ、こういうようなお考えを持っておられるのでしょうか。それとも、いや、これは分けたほうがよろしいのだ、そのほうが教育効果をあげるのだというふうにお考えかどうか。現実に合うかどうかは別問題として、望ましいところのあり方に対しまして、文部省の皆さんのお考えをいただきたい。
○安嶋政府委員 ただいまお話がございましたように、大規模学校でございましても、施設設備がそれに対応して十分整備されておるということでございますれば、必ずしも分離しなければならないということにもならないかとも思いますが、しかし大規模学校であって、御指摘のように相当校地も不足があり、校舎面積にも不足があるというような場合、そこで整備することが適当かどうかということになりますれば、私どもとしては、やはり別に土地を求めて、そこに不足坪数の分の校舎を建築し学校を分離するということが望ましいというふうに考えております。
○安里委員 それは文部省としてはそう考えるのがあたりまえだと私は思うのですよ。いまの施設を、次官が言われるように、整備さえすれば大規模でもいいのではないかと言われましても、現実にはそれがなかなかできない。それは校地の関係もございます。そこで、いま特に私がこれを取り上げておりますのは、本土における都市地区にもあるいはあるかもしれません、あるいは急増都市ということによって、人口が急増することによって学校を新しくつくるという地域もございましょうが、沖繩の特に那覇市の場合におきましては、それとは若干違いますけれども、戦後のいろいろな事情、これはアメリカの土地開放の関係その他もございましょうし、それがために都市計画がなかなか基本的に手がつけられなかったという点もございますけれども、そういう実情がいまひしめき合っておるわけです。理想的には分けたほうがよろしい、こういうことになりますが、それをやるのは地方自治体ということになって、政府としてはそれに補助金もあるということになりますけれども、問題は地方自治体がその負担にたえ得るかどうかというところの大きな問題が出てくると思います。 そこで、そういう地方におきまして、どうしてもやはり新しく土地を求めて、そうしてそれに対して相応ずるところの学校を建てるというようなことをむしろ文部省として教育の立場から積極的に進めると申しますか、地方自治体に対してそうしたほうがよろしいという積極的なアドバイスをされることがむしろ必要じゃないか、こう思いますがどうでしょうか。それはしかし、地方自治体にまかせておくのだというようなことでしょうか。文部省としても、それはやはりもっと学校を分けてあれしたほうがよろしいのだ、こういうような積極的なアドバイスというものが与えられてしかるべきものじゃないか、こう思うのですが、こういうものに対してはやはり積極的にやってはいけないのですか。
○河野政府委員 もちろん私ども、教育効果があがらぬ学校があるとすれば、そういうものをそのままでいいのですというわけにはいかないと思います。したがいまして、地方自治体からこういうふうにしてみたいがというお話があれば、もちろんそれは私どもといたしましても分割なり新しい学校の設置なりということを御相談に乗るのは当然の仕事だと考えております。
○安里委員 都市が急激に伸びたというものに対しまして新しい学校をつくるということに対しては、援助その他に関しまする特別な配慮というものがなされております。そこで、沖繩の復帰前に、あのように秘密になりましたところの那覇市なら那覇市の状況を見ますならば、いまのような理想的な姿に持っていきますためには、やはりそこには地方におきます財政の負担というものが非常に大きな問題になってきます。そういう場合に、教育の面からいろいろ新しい学校をつくる、地方自治体もそれが望ましいと考える、しかし財政上の制約というのを受ける、こういうものに対しまして、これは沖繩の復帰前に構成された姿というのは特別な状況だと思います、それに対して、何か特別な配慮ができるような財政上の援助というものが、文部当局として、急増都市に対する配慮と同じような、あるいはそれに類する何らかの特別措置というものが、この隘路を打開するためにとられ得る余地があるかどうか、これをお伺いしたい。
○安嶋政府委員 沖繩の学校施設の整備につきましては、御承知のとおり、特別措置法の規定によりまして、補助率のかさ上げ等の措置を講じておるわけでございますが、土地につきましては、御承知の児童生徒急増地域に対しましては、本土と同様の補助をいたすことにいたしておりまして、沖繩の場合は浦添市がこれに該当いたしまして、すでにその土地購入費の補助が内定しておるような次第でございます。 もう一つは、沖繩の特殊な事情といたしまして、もとの校地が軍用地に接収されておりまして、現在学校があるその代替校地が借地である場合、それの買い取りを要求されておる、そうした場合には補助を出すというような制度もあるわけでございます。ほかに一般的な方式といたしましては、御承知かと思いますが、起債措置があるわけでございまして、沖繩県の小中学校用地の起債といたしましては、四十七年度は十四億円をワクとして予定をしたわけでございますが、実際の申請は二億円強であったようでございます。なお、四十八年度におきましては沖繩分という特別なワクは設けておりませんが、義務教育施設整備事業債の中の用地債といたしまして四百二十二億円を一応予定いたしておりますので、この中で沖繩の用地購入費の御要請にも対応することができるかと思います。そうした措置がとられております。
○安里委員 浦添市に対しまして、急増都市の特別なあれをされたということも承知をいたしております。ただ、確かにそれは本土にもあるような例として、急増都市としての配慮であると思いますが、これは那覇みたいな、復帰後急増したというより、復帰前におきまして、もうほとんどいまの満員状態と申しますか、急増都市になったような姿でございます。ですから、そういう地域に対しましては、やはり新しく急増都市になったと同じような観念を持って配慮しなければならぬ問題があるのではないかと私は思います。 そこで、先ほど私も御質問申し上げようと思ったのですけれども、お答えがございました、学校敷地の、借りておる、あるいは返還を求められる、あるいは買収しろ、こういうことの要求、あるいは必要性というものが相当膨大な数字になっておる。数字の点も御存じだと思います。そういう状況の中でございますので、単に学校が狭い、あるいは学校の規模が、何千人もおるといったような、あるいはまた中の施設というものが十分でないということばかりでなくて、現在地方自治体において負担しておるところの借地料その他、非常に膨大なるものである。あるいはこれは自治省に対して言うべきことかもしれませんけれども、そういう中でやりくりして、沖繩の義務教育がなされておるのだということをやはり文教当局は強く認識されまして、その打開のためには自治省に対してもよく働きかけて、配慮がなされるような積極的な姿勢を私はお願い申し上げたい、こう思うわけであります。 そこで、新しく学校をつくるにいたしましても、何でこうなったかといいますならば、先ほどちょっとお触れになりました、結局、軍事基地に那覇市のほとんど大部分のものを取られたということが一番大きな原因です。基地に関係ある問題であります。そこで次官、私は、前の坂田文部大臣のときにも、あるいはその後の大臣のときにも申し上げたのですけれども、沖繩の教育というもの——教育というのは単に学校教育だけではなくて、教育環境というものがよくならなければ教育の成果をあげることはできない。そのあらゆる教育環境というものが、いろいろな意味におきまして本土と違った悪い環境の中にある。そこで、ほんとうに教育基本法などにもありますところの、民主的な平和教育というものを実施するためには、沖繩全体の環境というものが変えられていかなければならない。そこで私は、教育の面から沖繩の軍用地の開放、それによるところの教育環境の整備ということを——これはいままで沖繩問題というのは、政治的な問題は取り上げられておりますけれども、文教行政の面から沖繩問題に対しまして、基地の問題であれ、いろいろな問題であれ、積極的に、これこそ政治に左右されない純真なる教育の立場から強く押して、教育環境をよくするばかりでなくて、学校をつくるための土地もこのしわ寄せを受けてきているのですから、そういうことを合わせて、積極的に沖繩の教育に対して、せっかく復帰しまして、日本国民としての教育を持続してきた復帰後の沖繩でございますので、この点について教育の面から沖繩の社会教育の環境を整備する。さらに軍事基地に取られておるがために、いろいろな施設も、公共的な施設も、特に教育の施設もできないというような状況に対しまして、ほんとうに教育の面から政府の意向がこれにあらわれるような、私はその意味における政治力を文部当局が発揮していただきたい、このように思うのですが、次官、いかがですか。
○河野政府委員 先生御指摘のとおり、沖繩における教育環境は、東京周辺あるいは大阪周辺とまた違った意味できわめて問題があるだろうと思っております。御指摘がございましたが、社会教育の施設一つとってみましても、まだまだ十分とはとても言えない状態でございますが、たとえば青年の家等も、逐次沖繩を中心に配慮をしていこうということで、予算措置ができつつございますし、あるいはまた学校教育の施設にいたしましても、一日も早く十分な施設が整うように、われわれといたしましてもできる限り努力をいたしたいと考えております。 さらにまた、教育環境全般についても御心配がございましたが、私も全く同感でございまして、これは基地の問題を、先生御指摘になりましたように、基地のあるべき姿というようなことをもっと明確に、正確に知らせる、あるいは知るということがまた大事なことであろう。見せない、聞かせない、あるいはそういうところは避けて通るということだけでは教育は十分なものではないと思いますし、むしろ正確に知らせる、十分に理解をさせるというための努力もまた十分やっていかなければならぬと考えております。いずれにいたしましても教育環境の整備は物理的な問題だけでなく、いろいろな方面にわたってこまかな配慮をした上で、その環境を整備してまいりたい、こう考えております。
○安里委員 一番希望がいれいいという、三千人近い与儀の小学校を、近くに敷地を求めてどうしても移転しなければならないということで、ずっと昨年から強く——昨年からというよりは、復帰前から要求しておりました、ちょうど近くにありまする軍用地であった与儀のタンク敷地というものを開放して、そしてそこに学校敷地として使わせてもらいたいという要求、もちろんこれが主体になって、復川前からガソリンタンクの撤去ということが、市当局も、また沖繩全体としても、非常に要求されてきたものでございますが、これは実現をいたしまして撤去されるようになりました。その撤去をした大きな力になったのは、どうしてもやはり教育の関係、学校敷地としてどうしてもそこにほしい、それ以外にはもうなかなか敷地というものは得ることはできないというこの要求というものが主体になりまして、あれは返還になった歴史的な経過を経ておるわけでございます。開放なりまして、そして学校敷地に、そこに持ってくるということで要求しましたし、当局もそのようなお考えであられましたが、そこにありまするのは国有財産が大部分でありまするために、大蔵省の関係からなかなかすぐに答えは出ませんでしたし、また、政府としては総合事務局の庁舎をあそこに建てるのだ、敷地の予定地だという話もございましたが、結局は、最近におきまして、学校敷地として払い下げるという方向がきまったということも承っております。それは非常にけっこうなことだ、こう思っておるわけでございます。その点、文部当局は御存じでございましょうか。
○川崎説明員 御指摘の小学校の用地とするということで話し合いがまとまりましたので、大蔵省といたしまして、直ちに文部省のほうに御連絡をいたしまして、どの程度の規模の学校を建てるということにするかという点でお話し申し上げてございます。
○安里委員 私は文部当局に、そのことを知っておるかどうかということを聞いたのですが、大蔵省のほうから先に答えてくれたのですが、それは文部省のほうからまっ先に答えてくださいよ。
○安嶋政府委員 そういうふうに内定したということを伺っております。
○安里委員 大蔵当局にお尋ねいたすのですけれども、学校敷地として払い下げるという基本的な方針はきまったということは承りましたし、また、総務長官が沖繩に行っても、そのようなことにきまったんだということを報告されております。お聞きしたいのは、その学校敷地として払い下げるということに対しまして、大蔵当局として、これは国有財産の処分になるわけでございますが、それに対して何か条件と申しますか、あるいは前提条件といったようなものがついておりますか。こういうことの条件のもとに、というような条件がついておりましょうか。
○川崎説明員 先ほどからお話しのように、私どものほうとしましても、総合庁舎の敷地の確保に非常に苦労いたしておりました。そこで、総合庁舎の敷地の確保に那覇市が協力するということで、いわばそれが条件になっております。 具体的に申しますと、那覇刑務所を移転するというお話が前々からございまして、しかし、これもなかなか簡単に適地が見つかるというものではございませんが、来年度と申しますか、本年度、四十八年度からそれを具体的に推進しよう。したがいまして、那覇刑務所の移転にまず御協力を願って、移転しましたあとに総合庁舎を建てる。その際に、公園指定になっておりますから、公園指定を部分的に解除していただく。そういった面の推進について那覇市が御協力を願うということがいわば条件になるかと考えております。
○安里委員 それもうわさには聞きました。刑務所の移転あと、そこが総合庁舎の敷地の候補地としてあげられておるということも聞きました。しかしこれは将来の問題として、あの問題は、復帰前から刑務所の移転という問題はずいぶんひっかかった問題でございまして、これは、私は、相当の日にちも、またあとの候補地といういろいろな問題、これはなかなか早急に解決できる問題ではない、こう思います。かりにそこを予定されたといたしましても、その実現というものは相当あとに延びると思います。しかし、学校の施設をつくるということは、これはもうそれが実現してから先というようなことでは間に合わないことでございますので、それは一応そのように協力するということで、具体的なあれはしませんけれども、いわば基本的な協力をするということだけで、それでその実現というものは、あとになっても、それまでの間、総合庁舎が現在のところで、そしてそれ以外に刑務所の移転がなるまでまた別に敷地を要求する、代替地を要求する、こういったような条件がついておるわけではございませんね。
○川崎説明員 そのような条件がついておるわけではございません。御指摘のように刑務所の移転というのは相当な大仕事だと考えますので、刑務所の移転、あるいは総合庁舎の建築、そういうものが実現しない前においても小学校の建築ということが実現できるように取り運びたいと思います。
○安里委員 そのほかに、たとえば無償で払い下げるとか、あるいは有償で払い下げるとかいったような、そのほうの金銭面の条件というものは……。
○川崎説明員 大蔵省としましては、無償で貸し付けするという制度か、無償で譲与するという制度のいずれかにしたいということで、関係方面と協議中でございます。
○安里委員 私が必配をいたしますのは、そういう配慮があって願わしいと思っております。というのは、それによって、今度はそのために那覇市は、場所は与えられるけれども、その場所に対しまして、さあこれを幾らで買い取れ、払い下げの額はどうだということになりますと、これはまた資金の非常な問題が出てくると思います。ただ、私が心配いたしますのは、国有財産の処分に関しまするいろいろ法令などの関係に一つの隘路ができておりはせぬかという心配がございますが、その点は、国有財産の処分につきましては配慮できますか。
○川崎説明員 御指摘の点につきましては、沖繩の復帰に伴う特別措置法というものがございまして、それによりまして政令をつくるということを考えなければいかぬわけでございますが、その主管官庁が沖繩開発庁になっておりまして、どういう政令をつくるかということを目下準備中でございます。 それからもう一つ、無償で貸し付ける場合、あるいは無償で譲与すると申しましてもこういう、建物を建てるための土地、まあ小学校でございますけれども、そういうものは適正規模という考え方がございまして、この適正規模の基準は、ただいま文部省からの御説明にありましたように、この程度の生徒数に対しましてはこの程度の校舎の面積が必要である、この程度の校舎の面積には、この程度の運動場といいますか、敷地が要る、こういう計算でございますが、したがいまして、与儀タンクと申しますのはかなり広い土地でございますから、市当局と文部当局が十分お打ち合わせを願いまして、その土地を使い切るだけの小学校を建てられる場合ならばそれが無償になるわけでございますけれども、使い切らないような小学校でございましたら、無償にできる範囲しか無償にできない、こういう形になるかと思います。それらの点につきましては、目下文部省で十分検討してくださっておると思います。
○安里委員 地方自治体に負担のかからないような処置をとっていただきたいと思います。おっしゃるとおり、沖繩の復帰に対しまする特別措置法のあの政令によって云々というあの規定が活用できるといたしますれば、法的にも合法的に処分ができる、こう思いますので、基本的には地方自治体に負担のかからぬように、ことに大事な教育の面、しかも必要に迫られておる状況でございますので、そういう基本的な線でひとつ御処理を願いたい、こういうふうに思っております。 そこで次に、ついてでございますので——ついでと申しまするよりは、いまのこの法案に直接関係がございませんけれども、前からいろいろ問題になっておりまする沖繩での教育の問題で、沖大の存続問題がございます。私は基本的に、この問題をこうした政治問題化したくございませんし、あくまでもこれは文部当局におきまする行政的な良識あるところの措置によって問題を解決をしていただくということを、非常に願っておるわけでございます。 そこで、この問題のこれまでの経過あるいはまた文部当局とされまして、これに対しまする御方針について、今日の段階においてわかっている点、あるいはまた方向づけの点がありましたら承りたいと思います。
○木田政府委員 いまお尋ねの私学沖繩大学の問題につきまして、いままでの経緯は安里委員もよく御承知のとおりでございますが、政府のほうでは、復帰時点におきましては沖繩、国際両大学の統合の上で新しい大学をつくるということでそれに対応いたしました。移転時におきまして、法律の規定に基づきました政令によって措置をいたしたわけでございます。その学生がなお新大学へ移行しない間、従来からの学生をかかえてきた沖繩大学が、学生が在学する通常の期間なお大学とみなされるという措置をとってきたところでございます。そのような大学として、みなされた大学として沖繩大学が復帰後継続をいたすことになったのでございますので、政令ではこのみなされた大学が新たな学生を募集するというような措置もとるべきでないという明示がございます。それに対しまして、この沖繩大学の設置者であります佐久川学長からは、政府に対してその政令の一部取り消しを求める訴えが出され、またそうした訴えを出すと同時に、ことしの、一月にかけまして新しい学生の募集の措置をとろうとされたことは御承知のとおりでございます。 私どもは、沖繩大学があえてそのような違法の措置をされますことについて、何回か関係者にも話もし、また書面におきましても差し控えられるように御注意を申し上げてまいりましたが、入学選考の手続だけは了されたようでございます。 その後、私どもといたしましては、違法の措置に基づく学生その他を学生として認めることもできないし、大学の関係者がそうした無法の行為をとられるということについて再三翻意を促してまいりましたところ、一応沖繩大学の関係者は訴訟をお取り下げになりまして、執行停止を求める訴えは一月三十一日に取り下げられたのでありますが、本訴は三月十二日に取り下げられたという連絡を法務省から私どものほうはちょうだいをいたしました。 そしてその後学生の取り扱い等につきましても、違法の行為をあえて強行するということでなくて、何とかこれからの取り扱いの御相談を、いままでとは違った方向でしておられるというふうに承知をいたしておるところでございます。 これも正式に責任ある方からの御通知ということでちょうだいしておるわけでございませんが、いまのところは沖繩大学は新たに大学の設置をしたいという、そういう方向で諸準備を進めたらどうかというお考えがありまして、そういうことで学内関係者の御相談が進んでおるというふうに承知をいたしております。一応事態を正常な状態に戻していこうという御努力をなすっておられることについては私どもも非常に喜んでおるわけでございますが、もし今後そうした方向で新たな大学として設置認可の申請等が出てまいりましたならば、そのときに一般の大学の設置認可と同じように取り扱わしていただきたい、こう考えております。 今日の段階におきましては、法令の規定等に違反する違法な措置を無理に進めるというようないままでの御方針はお取り下げになったものと、こう了解をしておるところでございます。
○安里委員 これまでのいきさつ、またいま御答弁ありましたことについては、私も経過はよくわかっておりまするし、また新しい方向にいこうという意向があるということもほのかに承ってはおります。問題は、理屈をこね合っておりまするならば、これは文部省としても確かに言い分がありましょう。また、いろいろな経過から考えてみまして、いろいろな問題があると思います。しかし、これは単に会社の合併だとかあるいは会社の引き継ぎなんというものとはもちろん違いまして、大事な子弟の教育の問題、ことにこれは教育全体にも関係する問題で、文部省の立場というものも私理解できるのではございまするけれども、私はこれもやはり戦争の落とし子と申しますか、戦後、沖繩の施政権から離れて、文部当局の手の及ばなかった中におって生まれてきたところの問題で、その点においては、ある程度というよりは、非常に差ができておった問題だということも私は理解ができるわけですけれども、問題は、そのよって起こった原因というものが、そのような異常な状況から生まれたところの大学であった。しかもそれは、過去において相当な貢献をしたところの、沖繩におきましては私大といたしまして由緒ある大学であった。ただ、復帰段階におきましてそれが基準に合わない。そういうことを、一つの型にはめたところの処理というものが、そのいきさつにおいて行き届かなかった点もあったし、あるいはまた理解の及ばなかった点もあったと私は思っております。しかし、大学問題の紛争、こういうことで紛争するということは——理屈の言い合いをしたりあるいは法律の条文をとらえて云々するというような問題を乗り越えて、これをどうして解決するかということは、これは学ぶところの学生たちにとりましても、父兄にとりましても、大事な問題でございますので、つとめてこれらの円満な解決と申しますか、教育の面に支障ないところのそういった方向で、ひとつ積極的に話し合いをされて、無理のないところに道を講じていただくことを特にお願いをしておきたいと思います。もちろん文部当局としても、長い間の懸案でもございまするし、またこのまま、あえて文部省の意向に反して学生を募集した、けしからぬ、こういった官僚的な立場でなくして、もっと高い立場からこの問題の処理に当たっていただきたい。単なる行政問題というよりも、そこにやはり政治的配慮が必要だと思いますので、次官からその点についてお伺いしたいと思います。
○河野政府委員 学生募集について文部当局から御注意申し上げましたのは、こうした問題に学生諸君を巻き込むということも十分考えなければならぬということもあったと思います。いま先生御指摘のとおり、高等教育の施設設備、その他十分に整ったもので、私どもが考えて十分教育効果のあがる、そういう環境のもとで勉強してもらいたい、こう考えておったからでございまして、決して、ただ単に感情論を振りかざして、沖繩大学の問題をどう処理しようというようなことは、毛頭考えておらないわけでございます。 先ほど大学局長からも御答弁申し上げましたように、いままでのいきさつにはいろいろないきさつがございますけれども、現在沖繩大学の関係の方々は新たな行き方を考えておられるようでございますから、新たに私立大学の設置認可申請ということで御相談がございますれば、私どもといたしましても、十分御相談に応ずるというつもりで考えております。
○安里委員 先ほどの局長のお答えで、いまの大学当局の考え方というのは、別に正式にお話を聞いたわけじゃなくして、何かあれですか、間接的にそういう方向だということを聞いておるというふうに承ったのですが、文部当風に対しましては、正式にいろいろな話し合いは何もされておらぬわけですか、いまのおっしゃったような方向は。
○木田政府委員 大学の関係者が見えまして、そして私どもの担当者、私自身は最近ここ一、二カ月のところ、ちょっと向こうの学長その他の責任者には直接お目にかかっておりませんが、私どもの関係者、課長等のところへも大学の関係の方々が見えまして、そして、まあいままでやってまいりました訴訟その他のことにつきましては取り下げたというようなお話、それからその後に続きますあとあとの考え方を学内で相談をしておるというお話は承っております。 で、新たな認可の申請ということになりますと、六月三十日までに認可の申請書を御提出を願うというのが一般のルールでございますから、そのときまでにいろいろな御書面の用意等があろうと思います。 私どもは、それをただ形式的に整えられるということよりも、いままでの沖繩大学の実態その他から考えまして、できるだけ事前に沖繩大学の関係者の御相談を受けて、十分整備をされた御申請をいただくことが望ましいというふうに考えておりまして、関係者の方々にも、もしそういう方向で学内あるいは沖繩大学の御関係の方々の御意見が進むとすれば、できるだけ早目に十分な御連絡をいただき、御相談を受けるようにという意見の交換等はいたしておるところでございます。 しかし、いずれにいたしましても、沖繩大学からの正式のと申しましたのは、ほんとうにそういうふうな御決意でこうであるというようなことを、私どもがいまこの席で申し上げられるような状態まで至っておるかどうかについては不案内でございますので、大学当局の中でいろいろ御相談があるという言い方でお答えをさせていただいたわけでございます。私どもも申請がもし出るといたしますならば、事前に十分な意見交換をさせていただいて、十分な御用意をいただくことが願わしいことだというふうに考えておる次第でございます。
○安里委員 いままでのいきさつから、私の想像するところでは、ずいぶんと文部当局のほうと感情的な、害した点もあったかもしれぬと私は想像しているわけですけれども、この問題でありますので、一切の感情的なものは抜きにして、冷静に、ほんとうにざっくばらんで、どうしたらいいかという建設的な立場で配慮を願いたいということを、私から申し上げておきたいと思います。 そこで最後に、私は先ほど与儀の学校敷地の問題を取り上げたわけてございますか——大蔵当局はもうけっこうでございますが、この問題の実現までにはずいぶんいろいろないきさつがございました。特に私は、当文教委員会がその直前に、沖繩の教育の実情を調査に、文教委員としては初めておいでになったと思っております。そうして委員会が調査の結果、これも具申をされたのです。当文教委員会等の行動というものが、文部行政その他を推進していく上において、非常な大きな政府当局に対する協力にもなった、私はこう考えておるわけであります。 そこで関連して、私はこの間から問題になっておりまするいまのいろいろな施設保全に対しまする問題と関連いたしまして、沖繩の物価高、特に本土におきまするもの以上に、狭い地域に、海洋万博が来る、団体が来る、そして膨大なる予算というものが、工事というものが集中をされる。これは非常に狭い地域であるだけに、その影響というものは非常に大きい。これは本土においても物価高のために、資材の入手あるいは請負い金額の予定額をオーバーするというようなことで、いろいろ問題がありましょうけれども、沖繩におきましてはそれ以上に深刻なものがある。これはこの間同僚委員から御質問があったような状況でございます。はたして予算を組んでもこれが実施できるかどうかという点は、非常に心配でありまするし、ことに地方自治体におきまする負担というものは、たいへんしわ寄せを食ってきておりますが、これは本土の場合とは違った形にあると私は思います。こういうことになりますと、文部省関係の若夏国体にも非常に影響してくるのではないか、こう思っております。そうして、もう目の前に控えましたところの若夏国体、これに対しましても、私は文教当局とされましても十分なるところの配慮がなければならない、こう思っておりますが、いま言われておりまする若夏国体の実施に対しまするいろいろな施設に対しましては、いまの状況から何ら支障なく予定どおり運ばれるような状況にあるかどうか、それはどうでしょうか。これは予定外のことでございますが……。
○河野政府委員 体育局が所管をいたしておりまして、担当者が来ておりません。私、責任をもって、後ほど体育局からその実態を調査をいたしまして、御説明、御報告に上がります。
○田中委員長 この際、川崎説明員より、先ほどの答弁に対し訂正の申し出がありますので、これを許します。川崎説明員。
○川崎説明員 先ほど答弁申し上げました際に、私、法律の名称引用を間違えておりましたのですが、沖繩振興開発特別措置法の政令でございます。訂正させていただきます。
○安里委員 何と言ったのですか。
○川崎説明員 沖繩の復帰に伴う特別措置法と……
○安里委員 私はいまの余儀の小学校の実情、三千人もの生徒を収容しておる。施設も間仕切り教室だ。そして保健室などもまるっきり、何ぞ物置きの部屋を利用しておる。こういうような実態を当委員会におきましても認識され、そうして、そういったことに関して、文部当局に対して委員会とされましても非常に強く意見を申し上げまして、あれが実現をしたいきさつもございます。 そこで私は、委員長にお願い申し上げておきたいと思っておりますが、前回の委員会におきましても、特に学校施設その他が、今度の沖繩の物価高あるいは資材の不足、それによって非常な支障を来たしておる。これは本土にもあるかもしらぬけれども、沖繩については特別な事情だ。ことに若夏国体など、いろいろな問題をいま控えておりまして、文教関係がまっ先にこの実態というものを御調査されまして、そうしてそれが他の委員会にも、あるいはまた他の問題にも解決の一つの大きなきっかけにもなろうかと思うので、私のほうからも、ぜひこれは当委員会とされまして沖繩の実地視察をしていただきたい。このことを念願してやまないわけであります。先ほどの理事会におきまして、自由民主党のほうがまだその必要性というものに対して消極的であられるように承っておりますけれども、文部行政というものをほんとうに推進する上におきましても、また当委員会の自主的な立場を堅持する立場からも、他の委員会がどうであろうと、ことに政治の面からは取り残されておる文教行政の問題でございまするので、私はこの点をさらに再考をされていただきまして、当委員会として沖繩の実態を調査されて、特殊な事情下にありまするいろいろな具体的問題につきまして、当委員会としても配慮を願うようなことをお願いを申し上げまして、私の質問を終わっておきたいと思います。 なお、終わりますが、私の質問に対して木島委員から関連質問をさしていただきたいということでございますので、お願いしたいと思っております。
○田中委員長 この際、木島喜兵衞君から関連質問の申し出がありますので、安里君の持ち時間の範囲内でこれを許します。木島喜兵衞君。
○木島委員 さっきの沖繩大学の問題ですが、時間もございませんから簡単に聞いておきます。 一つ、私、この問題の出発点とすれば、復帰前の私立の二つの大学が統合するということに合意したということが出発だと思うわけです。しかし、それは完全に合意したと言えるかどうか。少なくとも私立大学に対して、合意なくして統合ということは、これはたいへんな問題であります。確かにいろいろないきさつがあったと思う。あったと思うが、完全に一〇〇%合意の上でもって統合したという前提に立つのか。それはパーセンテージで何%かわからないけれども、これはいろいろな議論もありましょう、いろいろないきさつ、見方もありましょう。われわれは部分的に聞いておるかもしれませんけれども、いずれにしても私は一〇〇%だとは思わないのです。そのことがこの問題の解決の糸口になるのではなかろうか。そのことの認識がもし統一されるならば、この問題は、先ほど次官からは感情的にやらぬとおっしゃった。あるいは先ほど安里さんからは、官僚的にやるなとおっしゃった。私は、教育的にこの問題を解決するために、その完全なる合意なき統合というところから教育的な問題が出発すると思う。時間もありませんのであまり詰めませんけれども、その辺の見解が、どなたかおわかりでしたら御答弁いただきたいと思うのです。
○木田政府委員 以前の沖繩及び国際両大学の統合のことにつきましては、四十五年の春から夏にかけて両大学の関係者及び琉球政府、当時の琉球の私立大学委員会等で相談が始まりまして、統合整理の方針が進んだ次第でございます。そして四十六年の一月十四日に至りまして、新大学設立理事会が発足をいたしました。沖繩大学におきましては、四十六年四月の教授会及び理事会で、国際大学との統合に基本的に賛成するとの立場からこの問題に積極的に取り組むことを決議されまして、そうして四十六年十一月の教授会におきまして、四十七年四月一日から統合するという決議がございました。ですから、その中で一部、それは決議に全員賛成であったがどうかは、いまここに、手元に記録を持っておりませんけれども、正規の機関におきまして、そういう手順を経て統合のことが進められてきたということは、間違いなかったことだと思っております。そして、新設学校法人設立理事会の理事として、その設立理事会の決定にも参加をしておられました沖繩大学の佐久川学長が、最後の、そのすべての手続が終わろうとする際に、新設大学への就任同意書を提出しなかった。このところから問題がこじれたわけでございますけれども、両者の大学の統合及び新設学校法人設立の手続そのものは、それぞれ正規に進められた、このように理解をいたしておるところでございます。
○木島委員 あまり事実のことを究明しようと思っておらないのです。ただ復帰前に、一時そういう時期があった。しかし、復帰以前の中で、いまちょっと最後におっしゃった事態もある。だから、私が一〇〇%かどうかと言っているのはそこなんであります。そこの認識が明確にされないと、この問題の出発は教育的に処理されないと思うのです。まあそれはすべて、一〇〇%と思うかどうかとあまり詰めないでおきますが、そこはひとつ明確にお考えいただきたいと思うのです。 そこで、先ほどたいへん弾力的なお話がございました。新しい大学として申請があればいろいろと、ということは述べておりますが、それが実はないと——それは申請をすれば、それを認可をするかどうかはこれは文部省の一存でもいかない、審議会がありますから。ところが、それが明確に方針がきまらないと、それは好ましいか好ましくないかは別として、募集されたいまの学生をどうするかという問題の処置が実質的にきまってきませんね。みなし大学はあと三年で終わりますね。しかし、現に受験をしたところの二百何十名の学生がおる。教育的にというのは、一つ、そこがありますね。そこで、いま新しく申請されるならばということと、好ましいか好ましくないかはこれは別でありますけれども、現に受験をし合格され発表をされた人も二百何十名おる、これは四年でいかぬということになっております。しかし、申請をして新しい大学が出発をするとすれば、それはまたそれなりの処理のしかたが出てくるかも——河野さん、首を横に振ったり縦に振ったり——その辺の教育的な考え方、それかあまり過ぎると感情的になってくる、あるいは官僚的になってくる。教育的には、その要素を考えなければいかぬ。その辺が一番むずかしいところだと思います。けれども、私は、それをあまりしゃくし定木の、あるいは官僚的な、あるいは感情的でなしに、教育的に処理をせねばならぬという、焦点はそこだろうと思う。その辺は、先ほど次官や局長の話では、たいへん弾力的にお考えのようにも受け取れるけれども、そこの問題を詰めていくと、きわめてまた教育的でない解決の方向にいく可能性もありはしないか。これが一番問題だろうと思うのです。その辺も含めてこの問題の解決に当たるという努力をすることが、私はいまここで結論を言うのじゃありませんが、そういうことを含めた努力をするということがなければ、この問題の解決はあり得ないだろう。その点の方針だけでけっこうです。
○河野政府委員 先ほども申し上げましたように、学生募集は、それを中止させることがより教育的か、あるいはそれを横で見ながらあと始末をすることが教育的なのか、これは、考え方はいろいろあると思います。ただ、私どもといたしますと、現在学生募集を行なっております沖繩大学に対して、いま学生を募集したとしても十分教育ができないであろう、その施設設備、構成員その他いろいろ考えてみても、十分な教育はとてもできないであろう、さらにまた、法的に見ても、この辺は木島先生からは官僚的と言われるかもわかりませんけれども、どういうふうに見ても、この学生募集を認めて、十分な教育がなされていくとは思えないということもあって、学生募集をやるべきでないということを御注意申し上げた。しかし、それはそれとして、沖繩大学の将来については、沖繩大学の御関係の方々が沖繩で私立大学として高等教育を行なっていきたいという熱意があって、しかも、十分な準備が整っていれば、これは文部省としても、いままでの経緯とか、いきさつというものにかかわりなく御相談に応じて、むしろ私どもとしても十分なお力添え、というのは言い過ぎになるかもわかりませんけれども、でき得る限り一緒にものを考えて、高等教育機関を沖繩につくるということにはやぶさかではない。私、政務次官として少し言い過ぎになるかもわかりませんけれども、そのくらいに実は考えておるわけでございます。 ただ、ことし受験をした生徒について、いたずらにその生徒のことだけを考えて問題を処理するということはいかがなものであろうか、これはまだまだ研究をする余地がある、こう考えておるわけでございます。木島委員御指摘のとおり、官僚的、感情的に処理をするのではなくて、教育的な配慮を十分持ちながらこの問題の解決に当たりたい、こう考えております。
○木島委員 だから、私は三つしか言ってないのです。復帰前の私立大学に一〇〇%合意なきままに統合の措置が進められたということがこの問題の解決の上に一つある。そして、新しく申請をするその大学を認めるか認めないかということが一つ。それとからんで、もう一つ学生の問題がある。この三つを総合的に、それは文部省が学生募集に対してとられたことをとやかく言っておるのじゃないのです。しかし、そういう経過を通りながら、今日ここまで来ているという現実問題がある。この現実問題が処理できるかどうかは、私はこの三つのかかわりだと思っているのです。一〇〇%合意したものであるという前提に立てば、皆さんのお考えはきわめて論理的に進むかもしれません。しかし、一〇〇%合意がないとすれば、そして新しく申請するのは申請の基準によってやるとすれば、大学は言い分は残りますよ。一〇〇%合意しないところの私立大学を統合する、その辺の含みを考えて教育的に解決してくれということを申し上げたのであります。 以上、終わります。
○田中委員長 午後一時再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時四分休憩 ————◇————— 午後一時十一分開議
○田中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。山中吾郎君。
○山中(吾)委員 公立学校の施設設備の補助に関する一般的なあり方についていろいろと疑問がありますので、補助行政の一般的な問題をまず大臣にお聞きして、あと各論的なことをお聞きいたしたいと思います。 全体の義務教育諸学校の補助行政を見ますと、その前提になる教育思想といいますか、教育方針との関係がどうも私にははっきりしない。教育思想、教育方針と全然無関係に便宜的に補助率、補助対象がきめられておるんではないかという疑点が非常に多いのであります。そういうことを考えてお聞きいたしたいと思うのでありますが、たとえば義務教育関係の内部の施設の補助についても、従来私は主張してまいりましたが、小学校の補助と中学校の補助に差別をしておる。中学校は原則として二分の一、小学校は原則として三分の一、同じ義務教育で国の補助率を差別するということはおかしいじゃないか。論理的にどうしても合わぬじゃないかということを主張してまいりました。ここにおる青木主計官とも昨年はいろいろ論争したのでありますが、幸いにそういう論議の中から、中学校、小学校の同じ義務教育で補助率の差別をするというのは正しくないということが本年度の予算にあらわれて、小学校の屋体、それから小学校の施設補助も同じく二分の一にそろったということは一つの進歩であり、当局に心から敬意を表するものであります。ただしかし、そういう論理がまだ十分に貫徹しておる、一〇〇%貫徹しておるとは思いません。 そこで、その関係を頭に置いてお聞きをいたしたいと思うのでありますが、たとえば文部省から出していただいておる資料を見ましても、危険校舎については小学校の補助率はまだ三分の一ですね。これはどうして二分の一にしないのか。財政的な問題ではなくて、教育思想として、義務教育という教育に対する補助率としてこれだけが三分の一でまだ残っておるということが論理的にわからない。どういう思想のもとに危険校舎の場合に三分の一にしておるのか、それをお聞きしておきたいと思うのです。
○奥野国務大臣 山中さんも、戦後の進んできた道、十分御承知のことでございますけれども、戦前の日本の地方行政のあり方、地方団体の首長を中央政府が任命するというような形において、さらに補助金行政を通じて自由に支配をしてきた。それを打破すべきだということが戦後の改革の基本だったろうと思います。そういう意味で、補助金の手綱を地方公共団体の首に巻きつけて、自由自在に振り回しているじゃないか。だから補助金行政をやめてしまって、そのかわり地方公共団体に必要な財源を確保するような仕組みをとるべきだ。地方税も充実すべきだ。それだけで十分でなければ、国がまとめて税金を徴収して、その中から何に使ってもよい、一般財源として地方公共団体に与える。そのような形において地方公共団体が住民の活発な意思に基づいて民主的な運営が行なわれるような配慮をすべきだということからシャウプ勧告というものが出てまいりまして、いろいろな補助金がぶった切られたわけでございます。文部行政における補助金が一番大きく廃止された部類だったろうと思います。その後に必要なものはまた復活してまいって今日に至っているわけでございます。どのようなものについて国が経費の一部を分担することがいいか、いろいろな考え方があるわけでございますけれども、一応地方財政法の十条はこう書いておるわけでございます。「地方公共団体又は地方公共団体の機関が法令に基いて実施しなければならない事務であって、国と地方公共団体相互の利害に関係がある事務のうち、その円滑な運営を期するためには、なお、国が進んで経費を負担する必要がある左の各号の一に掲げるものについては、国が、その経費の令部又は一部を負担する。」こう書いてあるわけでございまして、この中に義務教育諸学校の建物の建築に要する経費をあげているわけでございます。 沿革的に申し上げますと、六・三制が始まりました当時は、建物に対しましてはいまのような補助金制度がございませんでした。しかし、義務教育年限が三年延長された。津々浦々にわたりまして新しく中学校を建設しなければならない。なかなか大事業だというようなことから、中学校の建設に対しまして補助金制度をとった。これが始まりだと思います。その場合に、新設校舎だから国が共同負担をしようということでございまして、したがって改築、自然また老朽、改築、こういわれているわけでありますけれども、差をつけまして、二分の一にしたわけでございます。小学校は従来からあったわけだから補助としての差をつけて三分の一、したがってまた、新制中学もできて改築しなければならないときは三分の一、こういうことで始まったわけでございまして、いつかも申し上げたと思うのでありますが、私は国と地方が共同で負担していくなら折半負担が一番いいのじゃないかと思っております、こういうことを申し上げたわけであります。 そういう沿革を経てきているわけでございますけれども、その後同じ中学校でありましても、離島であるとか、僻地であるとか、今度人口急増の地域につきましては、三分の二という国にウエートを移した負担が行なわれるようになってまいったわけであります。そういう経過を経ているわけでございますけれども、御承知のように、私もやはり改築の場合も同じように半分に持っていきたいな、こういう気持ちを持っているわけでございまして、だんだん変化があるわけでございますけれども、よい方向に改善されてきている。またそういう方向にぜひ努力していきたい、かように考えているわけでございます。
○山中(吾)委員 大臣の言われた経過は私も承知いたしておりまして、六・三制という経過をもって出発して二十数年たっておりますから、すでに経過という時代は過ぎて、義務教育として中学校と小学校を差別する段階は過ぎた。その経過というものを踏まえたまま小学校は三分の一、中学は二分の一という差別の論理はなくなった。二十数年たった今日、義務教育として国が幾ら持つという場合には、小中学校平等に持つべきだという思想でこの補助率をきめるべきだという論理を主張しておるわけです。これは大臣も同じだと思う。そういう意味において、今度小学校のほうも二分の一になったことは、もう経過にかかわって差別をする時代は過ぎたということで一歩理論的に進歩した、義務教育に差別はしないということで進んだので非常に喜ばしいと申し上げたので、同じ意見だと思うのです。 ただ危険校舎だけは、三分の一というやつはこれはもう三分の一にしていいのではないかということを、いま大臣の御意見を聞いたわけなんですが、どうなんでしょう。
○奥野国務大臣 いまも申し上げたところでございましたが、すでにあったもの、それを改築するから三分の一でいいのだというたてまえで発足したと思うのでございます。しかし、おっしゃいますように、義務教育施設につきましては、国と地方が折半するのだというほうが筋が通っているのじゃないか。もうそういう時代に来ているのではないかと私は考えておるのでございます。
○山中(吾)委員 そういうことで来年以後の予算にひとつ前進されることを御期待しておきます。青木主計官もよく聞いておるようでありますから、来年は変わるそうでありますから……。もうそういう時代になっているのだと思います。 それから、義務教育の中で、特別教室については補助の算出といいますか、基礎が非常に低額ではないか。そこで、私、施設に対する補助のあり方というものは教育思想が反映するものだと考えておるのです。単なる教室の読み書きそろばんの教育でなくて、実験、実習その他を通じてほんとうの意味の科学教育をし、判断する能力その他をつけるのが教育だということを歴代の大胆が言っておる。そういう思想を今度は施設の補助に持っていくときに、普通教室がありさえすればいいのである、特別教室は財政的に許された範囲内において徐々に拡大をしていくという思想がまだ補助思想の中にあると思うのですが、これは間違いだと思うのです。絶対必要なものは、学校の規模にかかわらず、理科実験室、音楽教室その他必要なものは、その大規模、小規模にかかわらず必要であり、差別をしないで補助対象にすべきだと思うのですが、これは大臣いかがでしょうか。
○安嶋政府委員 基本的には山中先生がおっしゃいましたような考え方に基づきまして、今回、小中学校の校舎につきまして、一〇%の基準改定をいたす予定にしております。 内容的には特別教室の関係が主でございまして、十八学級の小中学校の場合について申しますと、理科、音楽、図工、家庭科等の特別教室に準備室を新設するということを考えております。これは実験の器材器具、楽器の保母収納、授業の準備のためのスペースでございまして、大体一教室の半分程度のスペースをそうした準備室に充てたいというふうに考えております。 それから、視聴覚教室、図書室の面積の増でございますが、現在は器具器材の置き場あるいは図書の収納スペースという広さしか考えられていないわけでございますが、それぞれこれを多人数で使用できるような教育のスペース、あるいは閲覧のスペースを確保したいというふうに考えております。 それから小学校の児童会等、児童生徒の特別活動を推進いたしますための連絡室あるいは資料の保管室、そういうようなものを一教室の半分程度スペースを用意をしたい。実際的には特別活動室、児童生徒の更衣室ということになろうかと思います。 それからさらに中学校の場合でございますが、中学校段階で特に必要な生徒の生活指導、進路指導あるいは教育相談、あるいは高価な楽器等を収納いたしますためのスペースといたしまして、教育相談室、器具器材庫等を新設したいというふうに考えております。 それから、特に小規模学校における特別教室につきましては、現行基準では、小中学校六学級の場合、図工それから美術教室が盛り込まれていないわけでございますが、これを新たに算入することといたしております。また図書室につきましても、スペースを設ける。また、五学級以下の小学校につきましては、従来音楽教室が算定されていなかったわけでございますが、これを算定したいというふうに考えております。 ほかに、管理関係の諸施設といたしましては、教員のための更衣室のスペース。これは非常に要望が強いものでございますから、教室の半分程度を用意をしたい。ほかに便所、洗面所等につきましても、保健体育審議会の答申等も勘案して面積の増をはかりたい。 こうしたことが、ただいま私どもが考えております基準改定の内容でございまして、大体御趣旨に沿った改善が行なわれているかと思います。
○山中(吾)委員 局長の説明聞きますと、なかなか前進しておると思います。ただ、その背後にある思想について、少し疑問に思うのです。 これは文部省からもらったパンフレットですが、その負担法の施行令ですね。施行令の第二条に「教室の不足の範囲」がありますね。これで、一学級から五学級までは理科教室が一、ほかはみなゼロになっている。六学級から十一学級までは、理科教室一、音楽教室が一、残りの図画工作教室がゼロ、家庭科教室ゼロ。規模の大小に基づいて特別教室を多く、少なくという思想が私はわからない。六学級であろうが十一学級であろうが、こういう教育に必要な教室は規模によって差があるのでなくて、必要なものは、大規模の学校でも小規模の学校でも必要なんだ。大きい学級の場合には特別教室四教室を前提として補助対象にし、そして少ない学校は一ないし二ないし三にしておるという思想が、この補助思想と教育思想というものとの間にバランスがとれない、断層があるような気がするのです。いま、前進をした場合についても、やはり規模に応じて特別教室を多く、少なくしておるのがわからない。それがおかしくないですか。やるんなら全部やるべきじゃないですか。小さい規模だから、その小さな学校に通っておる子供については音楽教育は軽くていいのだ、理科教育は軽くていいのだという思想、この延長線にいまのような補助のしかたが出てくるのではないか。それがどうもおかしいじゃないかというのです。それはどうですか。
○安嶋政府委員 ちょっと大臣のお答えの前に私から申し上げたいと思いますが、いま御指摘のございましたその義務教育諸学校設備負担法の施行令の二条のこの表でございますが、小規模学校の場合の音楽教室のところは、さっき申し上げたような趣旨でいま改正をしたいというふうに考えておるわけであります。 それから、図画工作、家庭科につきましては、これはさっき申し上げましたように、ある程度のスペースは算入するということでございますが、まあ共用というような趣旨も考え合わせまして、合わせて一教室というような、いまは大体算入されていないわけでございますが、合わせて一教室といったような改正をはかりたいというふうに考えております。 まあ基本的な考え方は山中先生おっしゃるとおりだと思いますが、小規模学校の場合は若干の程度の多目的使用と申しますか、共用ということは、それはまあお許しをいただきたいと思います。
○山中(吾)委員 その思想がどうもおかしいんではないかとぼくは言うんで、ことに小規模学校の僻地の小学校あたりにおいては、教室の中の知識の量よりも、もっと図画工作とかあるいは家庭科というふうな、実習を含んだ教育を重視をしていってやったほうがいいんだ、だから幾ら少なくても理科教室、音楽教室、図画工作教室、家庭科教室というものが、文部省で予定しておるのは一、一、一、一、全部一ずつやるんだという考え方でないと、教育思想と補助のあり方が一致しないと私は思うのです。
○奥野国務大臣 山中さんおっしゃっていることは、理論的にまさにそのとおりだと思います。たまたま財政とのからみ合いで、小規模学校にどこまで必要な特別教室を認めていくかということになってしまっているのじゃないか、かように考えます。理論的にはそのとおりだと思うのですけれども、非常に小さい学校に教室をつくる場合には、逆に人数から考えますと、ちょっと過大な教室になると思うのです。逆にまた、特別教室をつくっていきます場合に、人数が少ないと、三つつくらなければならないところが二つになったり、三つつくらなければならないところが一つにならざるを得ないということになっているのじゃないかと思うのです。ですから、補助対象基準を二割上げました機会に、できる限り山中さんのおっしゃったような方向に近づけるということじゃないか、かように考えておるわけでございます。
○山中(吾)委員 私は、小さな学校の場合、財政的に安上がり教育思想にあまり賛成はしないが、現実問題としてよくわかる。だから、普通教室にプラス四つの特別教室というのは小規模にはできなければ、特別教案をむしろ普通教室に兼用するんだ、特別教室の設備はしてやる、しかし、それを普通教室にも使うんだ、普通教室をつくって特別教室を省けば、特殊教育はできないでしょう、実習が。逆にすべきだということなのです。私は、財政的に考慮するならば、そうすると教育思想と補助思想が一致する。だから、家庭科設備をしておる教室を普通教室に使い、音楽教室の設備をしているものを普通教室に使っていい、たくさん教室がつくれなければ。そうでなくて、文部省の思想は、普通教室をまずつくって、小規模だから特別教室二つ省く。設備がないでしょう。家庭科教育もできないでしょう。音楽教育も十分できないでしょう。だから、そういう思想に切りかえるべきではないかというのです。現在の予算でも施行できないですか。そういうやり方はいかがですか。
○奥野国務大臣 お話を伺ってたいへんいい話だな、こう思いました。管理局長も、そうです、こう言っています。ですから、そういう方向に指導するように努力していきたい、かように思います。
○山中(吾)委員 わかりました。そういうことで苦心をしていただきたいと思う。そうでないと、教育の機会均等という思想が僻地の子供にとっては私は保障されないことになるので申し上げるのです。 次に、この法案は、屋体中心の法案で、屋内体操場を補助率を二分の一にしたわけですね。それはけっこうだと思うのですが、講堂と屋内運動場とはどういう関係に文部省は考えていますか。
○安嶋政府委員 どういう関係かというお尋ねで、ちょっとよくわからないのでございますが、屋内体育飢、屋内体操場は、これは体育という教科に必須な施設でございますので、これは負担対象として扱っておるわけでございますが、講堂につきましては、これは屋内体育館兼用で講堂の役割りを果たさせるということも可能でございます。現に多くの学校では、折りたたみのいすを持ち込むというようなことによりまして、それを講堂として使用しているような例が多いわけでございます。現在のところは、講堂という形のものは補助対象にはしていないということでございます。
○山中(吾)委員 私もそう思うので、ちょっとわからなくなって聞いたのですが、国庫負担法の第二条の二項に「この法律において「建物」とは、校舎、屋内運動場及び寄宿舎をいう。」講堂はないのですね。講堂という特殊の名称は、補助行政の中にはないわけですか。——ない。ところが、実際は一般に通俗的には、屋内体操場というのは戦後の新しくできた概念で、講堂という概念がずっとあるわけですね。 そこで、屋内体操場というものはすべての学校に必ず置くことを前提として予算を計上しておりますか。
○安嶋政府委員 そのとおりでございます。
○山中(吾)委員 いなかに行きますと、屋内体操場をつくってくれという学校が非常に多いのです。しかし、いわゆる講堂というものはあるのです。屋内体操場をつくってほしいということが、各学校に行きますと盛んに要求がある。一体どういうことだろうと思って私も分析してみましたけれども、狭くて運動ができない、講堂ということなんです。バスケットボールも何もできない。したがって、文部省として屋内体操場として計算をするならば、小規模学校においても、バレーとかバスケットをやれなければ屋内体操場にはならぬと思うのです。ところが、生徒数に基づいて坪数をきめていくものですから、小さな学校においては講堂にしか役に立たない。屋内運動場には坪数が足らない。そこで、法律的に見ますと、講堂がなくて屋内体操場がみなあるはずです。あるはずだけれども、学校側からすれば、運動する屋内体操場がないということになるわけです。何か矛盾があるんじゃないですか。
○安嶋政府委員 その辺は執行上もしばしば問題になるところでございまして、私どもは中柱がありますとか、あるいは固定いすがありますとか、あるいは天井が著しく低くて球技その他が行なえないというような建物の場合は、屋内体操場とは考えない。つまりそういう屋内体操場の保有がないということにいたしまして資格面積を算定して補助対象にする、こういう考え方、扱いにいたしております。
○山中(吾)委員 結局は、いわゆる運動のできる屋内体操場は、現実には全然小中学校にないということになるでしょう。
○安嶋政府委員 ですから、固定いすがない、中柱がない、天井も相当高いというような施設がございました場合には、これは屋内体操場と認める、つまり屋内体操場の保有があると認める。したがって、不足坪数が出ないかあるいは若干しか出ない、こういうことになりますから、補助対象にはならないということでございます。具体的に建物を屋内体操場として認めるか、屋内体操場として使えない講堂として認めるか、その辺のところは執行上個々に判断をしていきたいということでございます。
○山中(吾)委員 ちょっと私の質問の趣旨と答弁が違うのですが、屋内体操場として役に立つだけの坪数の申請があれば全部補助を出すのですか。生徒数その他によってそれ以上の補助は出せないというので、小さくなって、屋内体操場の役に立っていない、それを聞いているのですよ。
○安嶋政府委員 ちょっと質問の御趣旨を取り違えておりました。屋内運動場の必要面積でございますが、小学校の場合でございますと、八学級から十三学級の場合が、温暖地で四百二十二平米でございます。それから中学校の場合は六学級から十学級の場合で五百十平米でございます。この程度でございますと、バレー、バスケット等の球技が可能でございますが、それ以下の規模、小学校で申しますと、学級から三学級の場合に、温暖地が二百十七平米ということでございます。また中学校の一、二学級は二百二十平米ということでございますが、この程度でございますと、リズム運動とかマット運動とか体操とか、そういったことが可能だということでございまして、その点若干問題があろうかと思います。
○山中(吾)委員 したがって、それより学級の少ないところは、屋内運動場の役割りを果たしていない小さなものを建てざるを得ないということで、屋内運動場という名称で補助を出しておるのですから、規模が小さくても、少なくとも室内バスケットボールその他やれることを基準にして補助すべきではないか講堂ではないのですからね。そういうことは改善すべきではないのか。ことに岩手のような僻地に行きますと、雪が多い。そして小規模が多い。校長さんが話をする講堂はあっても、屋内運動のできるものはほとんどない。それで、どこへ行っても、屋内体操場をほしい、ほしいと言っている。文部省では、講堂は補助対象ではない、屋内体操場しかない、そういう矛盾が現在ある。これはいまのような算出のしかたから来ているのじゃないか。文部省がその矛盾を感じながら毎年大蔵省と折衝しているのか。屋内運動場としては、小規模の学校においても、少なくともバスケットボールがやれる広さが必要だというので要求しているが、主計官のほうで、そういう思想を理解しないで削っておるのか、どっちなのか。
○安嶋政府委員 御指摘のように、屋体の基準も私ども改善をしたいと考えておりますが、本年度は、さっき申し上げましたように、教室、特に特別教室を中心とした基準改定を行なったわけでございまして、山中先生御指摘の問題点につきましては、今後の課題として十分努力してまいりたいというふうに思っております。
○山中(吾)委員 今後の課題だといっても、見通しとしては、おそらくこの習慣はなかなかなくならないと思うからわざわざ話題に出しているのです。主計官のほうで思想を変えてもらわなければと思って申し上げておるのだが、文部省自身そういう出し方をしていてはだめだと思うのですよ。ことに、いまの文明社会において、体格は進んでも体力は低下しておる。これからの教育のあり方においては、体育は非常に重要であることは、大臣が言い、いかなる場所においても言っている。そういう教育思想の変化に応じて、学校建築の補助思想も変えていくべきだ。そして、そういう思想の中に屋内運動場という思想が生まれてきた。これはどんな学校でも、ことに雪国とかいう、数カ月室内運動をしなければ子供たちの体育というものは継続できない、健康教育は継続できないという条件であるならば、最低の運動のできる屋内体操場の坪数は確保すべきだ、それに対して補助すべきだという要求をしなければならぬのじゃないか。その要求をして、まだ大蔵省の思想がそこまで切りかえられなくて、一年、二年とおくれておるならわかる。皆さん方の出し方を変えなければ、これは変わるはずがないじゃないですか。来年そういう考え方に変えて要求されますか、削られても。これからの課題として検討しますという問題じゃないと思うのです。それなら最初から屋内運動場ということばを取りなさい。運動のできない建物を前提として補助を要求し、そして運動のできない講堂みたいなものを建てて、ことに東北、北海道付近の小中学校については、冬は利用できないというふうなことは、法律の思想からいってもおかしい。
○河野政府委員 現在行なわれております甲子園の野球を見ましても、北海道、東北という、いわゆる冬の間になかなかスポーツのできないような地域の学校も非常に健闘をしております。あれを見まして、私は冬季の体育の施設というものが、やっぱり基礎体力を養う上で相当貢献をしてきたなというふうに考えております。山中先生御指摘のとおり、バスケットボールに十分な広さがあるに越したことはないと思いますし、できるだけそういう方向でいきたいと思いますが、とにもかくにも基礎体力をつける、冬季の運動が十分にできるだけの面積をまず確保するということのために、まず第一段階努力をしなければならぬということでいままでやってきたわけでございます。御指摘でございますから、私ども屋内体操場と講堂との関係について、もう一度再検討をする必要があると私も考えますので、省内でもう一度検討を命ずるようにいたしたいと思います。
○山中(吾)委員 補助率三分の一を二分の一にするというせっかくのいい法律であるから、その屋内体操場そのものはどうあるべきかということも、同時にこの法案の施行とともに検討される必要があるというので問題を取り上げたのですから、御検討願いたい。次官が検討するということでありますから、御期待をいたします。 次に、教育政策と補助との関係ですが、高等学校の施設の三分の一補助の思想と、義務教育だから小中学校については二分の一という補助の思想、幼稚園は三分の一ですか、三分の一と二分の一の補助率の差を義務教育とそうでない教育とによって大体分けておるようであります。これはどういう根拠によりますか。
○安嶋政府委員 義務教育であるかないかという考え方の違いということも一つはございますけれども、義務教育の場合でございますと、御承知のとおり、設置義務があるわけでございます。市町村なり都道府県に設置義務があるわけでございますから、特に負担率を高くしておる、こういうことかと思います。
○山中(吾)委員 義務があるかないかということで補助率を差別するという思想が、どうもあまり形式的過ぎるのじゃないかという感じを最近痛感をしてきたわけなんです。たとえば幼児教育の重要性ということは、いま盛んに文部省も主張して、むしろおとなの性格形成の基礎だ、この時代にしつけをしなければ意志訓練も入らなければ、十五歳以上になって手段を選ばない、理性の乏しい青年ができて、いろいろの学生問題まで及んでいるのじゃないかという論さえあるのですから、教育思想からいえば、義務教育であるかいなかにかかわらず、幼児教育の重要性というものは、義務教育以上に、文部省の思想もわれわれの思想も、そこにいっておるのじゃないかと思うのです。それから高等学校については、進学率はすでに都市においては九〇%、全国平均八十何%ですか、そこまでいっておる。それから、高等学校教育を考えるときに、地方の県立高等学校にしましても、卒業生はその地域の開発に貢献する人材ではない。卒業生の大部分は、京浜地方その他の大都市の労働者あるいは技術者として、ことに東北、北海道は質実剛健なる資質のいい労働者として他県に貢献をしておる。そうすると、税金の使い方について、その地域の開発、人材をつくるための教育費でなくて、その地域にかかわらず、全国的な国民形成のための教育費に高等学校はなっておると思うのです。だから、貧乏な県において教育費を負担するという思想を越えて、国民の税金の再配分という姿で高等学校までは施設の補助その他を考えるべきではないか、財源理論としては。そういうところから私は、義務教育だ、そうでないんだという論理でなくて、社会構造の変化あるいは教育の重要性という上に、実質的な論理で補助率を考えるべきだと思う。そうすると、幼稚園、高等学校と、小中学校の補助率の差別は、そういう形式的な義務教育であるかいなか、設置義務があるかいなかということを越えた、実質的な教育政策論できめるべきではないかと思いますが、いかがでしょう。
○河野政府委員 幼稚園と高等学校は、私は若干違うように思います。これは少し私見にわたって恐縮でございますけれども、幼児教育については、まだつまり学校制度という確固たる制度になっていないというと少し言い過ぎになるかもしれませんが、十分に成熟し切っていない部分があるのではないだろうか。しかし、高等学校はどうかといいますと、これは小中学校、義務教育の延長線上にあって、学校制度としてきわめてきちっとしたものがもうすでにでき上がっていると思います。この二者を同列に考えて補助問題を論ずるということは、私は少し飛躍があるように思うわけでございます。 高等学校につきましては、山中先生御指摘のとおり、私も、すでに地域的には進学率九十数%を示しておる、大部分が高校へ進学をするという実態を見ますと、いまのままでいいといつまでもいっておれないような気がいたしております。ただ、地域的にはまだ七〇%前後の進学率の地域もございますし、これを全国的にとらえて、いま補助率について直ちに云々ということは少し早過ぎないだろうかという感じを持って見ておるわけでございます。
○山中(吾)委員 幼稚園の関係は、次官の論理も一つの論理だと思うのです。それはそれとして学校制度を含んでの論議ですから当面の論議としては残したいと思いますが、高等学校の場合は、たとえば何々県立高等学校というものが設立された場合にも、地域の開発のために必要な優秀な人間をつくるんだという趣旨で学校を設立するが、卒業生の大部分は県外に行くんだ、岩手と言わない、僻地のほうを見ますと。そうして、いわゆる過密県のほうに優秀な人材を供給するために貧乏県が教育費を負担しているという、いわゆる地域の社会構造が変化してきておるんだという論理をもう少し私は深く考えるべきだと思います。そうすると、国民全体の税金の使い方で、高等学校の施設も国が出すべきではないか、その府県にやらすというのは内容があまりにも実態に合っていないじゃないか、府県が負担をして高等学校を建てたが、卒業生は他県にみな貢献をしているんだという、いわゆる生産共同体の性格がなくなってきておるならば、国全体の税金で高等学校の施設を三分の一程度負担をしていくべきだということが実態に合うのではないか、そういうふうに社会構造が変化してきておるのじゃないかということを、こういう補助率をきめるときに有力な資料にすべきだと私は思う、進学率ばかりでなくて。そういうことから考えると、高等学校の施設については、新設のときは全然補助はないでしょう。ゼロですね、起債は認めても。これはすでに貧乏県が高等学校をつくっても、卒業生がみな外へ行っているんだから、国の税金の再配分という思想で、三分の一ぐらいの補助を出すということはもう来年ぐらいからすべきじゃないか、これはもう当然の論理じゃないか。これは、大蔵省だってこの論理は論駁できないのじゃないか。次官、どうですか。
○河野政府委員 地方交付税その他によって、その点の矛盾は若干解消されるわけでございますが、私も山中先生御指摘のとおり、高等学校の問題は、先ほども申し上げましたように、放置できない問題であるというふうに考えております。ただ、地方から東京へあるいは大阪へ人が集まってしまうというこの流れをそのまま背定をして、だから国庫負担あるいは補助ということでこの問題を終わらせてしまっていいんだろうかどうだろうか、むしろ積極的に東北にもあるいは北海道にも九州にも大学を設置し、新たな知能集約型の町づくりを行なっていくという考え方、そしてそれが東北にも新たな文化を興し、新たな町をつくっていくということへつなげていくほうがいいのじゃないだろうかということも考えておるわけでございます。高等学校の問題は、小中学校に対する文部省のいろいろな補助その他がかなり進んでおりますだけに、手をつけるべき順番にはきておるというふうに私は考えておりますが、それをどこからどういう形でつけるか、もうしばらく御猶予をいただきたいと思います。
○山中(吾)委員 将来のロマンも含んで御答弁されたようでありますが、まあ普通教育、憲法二十六条の第二項の、保護する子女に対する普通教育は義務教育として無償とする、あの思想というのは、未成年の普通教育、いわゆる後期中等教育を含んでの思想ですから、一項の教育を受ける権利に対して、特別に義務教育に適する思想としてうたった第二項は、高等学校教育まで含んでおると私解釈しているのです。財政的に許せば、もう当然そうすべきだ。そういうことを考えても、憲法の思想からいっても、差別する何ものもないんだし、いまのように将来のロマンを含んだところまで考えないで、私は高等学校の施設の補助制度も原則的に確立すべきであると、憲法思想からいっても思うので、聡明なる次官の健闘を祈って、いまのような話をしておると河野総理大臣ができたときの話みたいになるから、それはそれとして御検討願いたいと思うのであります。 次に、この補助単価ですが、補助単価について、これは私は記憶間違いかもしれないけれども、六・三制の補助単価は、二分の一補助するという法律のたてまえからいっても、実際の単価より非常に少ない、そこで厳密にいえば法律違反ではないかといって若干の首長が訴訟を起こした問題ではないんですか、どうでしたか。それはないですか。——ないようだから、私が錯覚を起こしたのかもしれない。ぼく自身が、法律の範囲内ということばがあっても、二分の一補助という法律の明文があるときに実態の三分の一も補助がない、単価が少ないとすれば、私は行政訴訟の対象になり得るという思想を持っておるものだから、そういう錯覚を起こしたんだが、あまりにも少ないじゃないか。今度の予算で何ぼか是正されていますか。
○安嶋政府委員 御指摘のような問題がございまして、昨年度大蔵省、自治省、文部省三省でいわゆる超過負担の実態調査をやったわけでございます。その結果、単価差といたしまして一三・一%、面積差といたしまして三一%の超過負担があるという実態が明らかになったわけでございます。ただ、この超過負担でございますが、これは先般の委員会でも大臣が御答弁申し上げましたように、これは当然に国が負担すべきものという考え方はとっていないわけでございまして、このうちまず単価について申し上げますと、六・七%という質的な改善を行ないまして、これを二カ年間で行なうということでもって超過負担を解消する、こういう考え方を私どもはとったわけでございます。質的改善というのは、しからばどういうことかと申しますと、現行の単価は、たとえば床でございますとモルタル塗りということでございますが、今川改善をしたいと考えております床は、アスファルトタイル張りであります。こうした改善を行なうことによりまして六・七%の質的改善を行なう、それを二年でやる、こういうふうな考え方を前提にいたしまして単価の積算の是正をいたしておるわけでございます。 それから面積差につきましては、これは先ほど申し上げましたように、小中学校校舎につきまして二〇%の改善を行なっておるわけでございます。特別教室を中心とするものでございますが、そうした改善を行なうことによって超過負担の解消をはかっていきたい。そうしたことが本年度の単価に十分配慮されているということでございます。
○山中(吾)委員 土地の購入その他を考えると、どうにもならぬと思うのですが、補助単価は非常に低いという認識だけは忘れないでひとつ今後も努力してもらいたいと思います。 構造比率ですが、鉄筋は僻地、都市に関係なく現在は平等に対処しておりますか。
○安嶋政府委員 小学校の校舎につきましては、九五%が鉄筋、五%が鉄骨でございます。それから中学校校舎につきましては、鉄筋が九〇%であったものを五%ふやしまして九五%、鉄骨が五%というふうになっております。 〔委員長退席、松永委員長代理着席〕 それから小学校の屋体でございますが、従来鉄筋が二五%でありましたものを三〇%、鉄骨を七〇%にいたしております。中学校屋体につきましても同様でございまして、この小中学校の校舎と屋体につきましては、僻地であると一般地であるとを問わずこうした扱いをいたしております。 なお、僻地集会室につきましては、これは二五%が鉄筋、四五%が鉄骨、三〇%が木造ということでございますが、前年度に比べますと鉄筋、鉄骨というものが一五%の増ということになっております。これは建築の実態から考えてもこの程度でよかろうかと思っております。
○山中(吾)委員 地域差別のないことは非常にけっこうだと思いますが、むしろ山間僻地は全部鉄筋にしたほうがいい。災害の場合の一時的な収容場になるたった一つの鉄筋の建物になって、あらゆるものの応急のいわゆる収容場所とかということになるものですから、絶対焼けない鉄筋をむしろ奨励されることがいいんじゃないかと思ってお聞きしたわけです。 そこで、鉄筋の校舎についてお聞きしたいのですが、いなかでは統合して中学校をつくっておりますね。鉄筋の場合は暖房装置、ボイラーでみなやるようになっているのですが、民間の場合については一定の資格を持ったボイラーマンが雇われて、火災その他に心配のないように措置ができておる、これはどういう法律に基づいているのか私は調べてこなかったんですが。ところが、中学校を鉄筋にした場合に、ボイラーマンというのはないのですね。そんな金は市町村にないから、ボイラーマンを置かない。それで校長さんが管理責任を持たされて、ボイラーの知識もないのにいつも不安な状況において校舎を管理しておる状況である。ボイラーマンを置いてくれないと私は困りますと言う校長がたくさんある。その辺はどうなっておるのですか。私もあまり法的なものはわからない。
○岩間政府委員 実は私どもも実態はよく存じておりませんので、いま的確なお答えはできないわけでございますが、ボイラーマンにつきましては、高圧ボイラーについては特定の資格が要るようでございますが一般の小規模のボイラーにつきましては、これは技能講習か何かを受ければ簡単に資格が得られるというふうなことのようでございます。いままで石炭その他で暖房をやっておりまして、それに、要する人員を市町村で御心配いただいておったわけでありますが、こういうふうな職員についても私どもは市町村で適切な配慮が行なわれているというふうに考えまして、それに対する措置というものはやっておらないわけでございます。しかしながら、御指摘もございましたので実情等も調べまして、それに対して必要であればこれは何らみの措置をとるというふうなことで御理解いただきたいと思います。
○山中(吾)委員 実態を調べてください。それは実際校長さんは困っておるのですよ。ボイラーの知識はないし、といって市町村からそんなボイラーマンをよこすはずがないのです、金がないから。結局、暖房設備をつくったところが管理については何もない。文部省のほうでは市町村で何とかしてくれるだろうと言っておるけれども、するはずがないのです、貧乏ですからね。しかし、そういう原則を認めて補助をしておるわけですから、その管理について専門家が必要ならば、何らかの交付金に基づくか何か手当てをしなければこれはおかしくなるんだし、お調べ願って、必要ならば対処するということでないと、一種の気がつかない空白だと思うのですね、学校建築の鉄筋化に伴った。それを明確にしておいてください。
○河野政府委員 確かに御指摘のとおり、もしボイラーマンが必要だという、公的なものであってそういう処理がしてないとすれば、これは非常に危険でもございますし、不都合なことだと思います。実態をさっそく調査するようにいたします。
○山中(吾)委員 次にお聞きいたしたいのですが、沖繩返還のときに、沖繩の小中学校の緑化について質問をいたしました。向こうのほうでは軍用地にもともとの敷地をとられて、仮校舎なり、私も視察をしてみましたけれども、木が一本もない学校がたくさんある。殺風景な学校であって、教育環境としてはまことにまずい。そこで返還に伴って学校を緑化する、もっと完全なことばで言えば、小中学校の植物園化をするというふうな理念で予算措置をたしかしたはずでございますが、日本全国の小中学校を緑化をして、子供が育つ教育環境として、単なる建物だけでなくて学校全体を自然の中で子供が育つような環境にすべきだということも、前の高見文部大臣のときに私が提案したことが記憶にあるのでありますが、何か予算措置でこういうものが具体的にできておりますか。
○澁谷政府委員 先生御指摘のような趣旨によりまして、来年度から当面の五カ年計画といたしまして、まず市街地の学校と大気汚染地域の学校の校庭の周囲に植樹をする、それから芝張りをするための学校環境緑化促進事業費補助金というものを、初年度分として一億四百万円計上いたしております。
○山中(吾)委員 新規として芽が出ておるということでありますから、非常にけっこうだと思います。公害が発生したことを契機として、単に科学技術が進んでも人間の福祉につながらない。むしろ生存条件を破壊する。したがって、学校教育の中で、植物、動物、人類が共存の関係にあるという生態学的な人生観、世界観をつくって、科学的な基礎に基づいた人命尊重、自然愛護の世界観、人生観をつくるべきだということを痛感をしておるのですが、それにふさわしい学校教育環境といいますか、それを考えるとすれば、いまのような建物即学校でなくて、その学校周辺に植物があり、あるいはこん虫も飼われておる。その中で、植物と人類の共存関係を知らず知らずのうちに子供が知り、先生も教えていく、生態学的な人生観、世界観を教育すべき段階に来ているのではないか。そういう教育思想の延長線に学校の教育環境を改造する。そこに補助制度が出るべきだと思うのですね。そういう意味において、全国の小中学校を緑化するということは、教育理念からいって非常に大事だ。次官はいかがでしょう。
○河野政府委員 先生から再三御指摘、御指導をいただいておりますように、私どももいまの学校施設、教育環境はもっと有機的なものであってほしいと念願をいたしております。あまりに無機質な教育環境のようなものがわれわれのまわりを取り囲んでおるということでは、決していい教育はできないのではないかということを考えております。先ほど体育局長がお答え申し上げましたように、来年度約千校の学校の校庭の緑化を進めるための予算措置がお願いをいたしてございます。これらはいずれも初年度でございますから、気象条件、天然現象、その他まだまだ十分研究をしなければならぬものもあると思いますけれども、少なくとも私どもは、都内に見られますように、校庭がアスファルトでペーブされておるというような学校は、決して好ましい環境ではないんじゃないかというふうに考えておりますので、もっとみずみずしい環境の中で思い切って子供がかけて歩けるような環境をつくりたい、このように念願をいたしております。
○山中(吾)委員 私も、最近どうも学校環境についての日本の教育思想は、逆だということを痛感をしてきておるのです。大学になると、東大を見ましても、並み木通りがあって、入っていくとやはり植物園化しておる。実にすばらしい教育環境である。一番大胆な少年時代の学校は何かというと、大体兵舎と同じかっこうの学校があるだけなんですね。調べてみると、明治時代の軍国主義の教育思想のときに、兵舎に並んで、兵舎と同じかっこうで全国の校舎をつくったそうですね。考えてみるとあれは兵舎ですよ。それをわれわれが何ら変に思わないで、ただ学校というのはこういうものだ、兵舎が並んでおる。それで何とも思っていない。自然の中で子供は育つという思想が少しでもあれば、現代の小中学校の建築環境というものは何とかしなければならぬというものが政治家の中からでも生まれてくるはずだが、われわれは気がついていない。もうおとなになって、そんなに緑の中に育たなくたってどうにもならない大学生は、校舎だけでいいのじゃないか。むしろ少年時代にそういう緑の学校が必要だ。逆になっておるのじゃないかと私は思うのです。そういうことを考えてみると、こういう施設の補助思想というものも考え直すべきだ。大学を緑化するということばかりにあらゆる力を入れておる。一番大事な子供の場合の校舎は少しも考えていない。この逆の施設の思想というものを私は考え直していくべきではないか。なぜそうなったんだろうかということを考えると、やはりどこか安上がり教育思想で、小中学校は数が多いから、金がかかるのでこのままにしておくということぐらいしかどうも考えつかない。そういう意味において変じゃないか。そういうことからいうと、小中学校の植物園化、正門に至る五百メートルぐらいは並み木にするとか何かのことを考えるべきである。われわれの思想は逆になっておる。少なくとも教育思想と施設補助の関係は脈絡がないと思うが、いま大臣が来られたけれども、次官の途中だから、次官の御答弁を願います。
○河野政府委員 先ほど申し上げました有機的な教育環境ということを考えてみますと、私たちは木を植えるというだけでは十分ではない。植えた木をどうやってみんなが大事にかわいがって育てるかということもまた非常に大事なことであろうと思います。小さい子供のころには、木を大事にするという気持ちもまだわかっていないときもあるでしょう。そういったときには、やはり教育する立場の人たちがそういう点を教育をする、指導をするということが、教育の場として非常に大事なことなんだろうと私は思います。校庭の緑化、芝張り、植樹、これらも予算をもって、ただ単に木を持ってきて植えればいい、芝を張ればいいということではなくて、その植えた木をどうやって大事に大切に育てるかということを、むしろこれから皆さんのお知恵を拝借をして進めていかなければならぬと思います。 〔松永委員長代理退席、委員長着席〕 大学が植物園化しておる。これは先生も御承知のとおり、あれだけの面積と生徒数との関係もございましょう。小学校の面積と生徒数の関係と、大学の面積と生徒数の関係というものを見ますと、十分緑になる可能性がより高いということもあろうかと思いますが、しかし、基本的な考え方としては、子供のうちに、小さいうちにいい環境で伸び伸びと育てる、教育をするということが大事だという先生のお考えは、私もそのとおりだと思います。しかし、大学には大学として思索をする場というものもまた必要だということもあって、大学にはああいうものが私は決して不必要であると思いませんが、小学校にもっと緑を多くするということのために努力をしてまいりたいと思います。
○山中(吾)委員 次官、なかなかうまいことを答弁されますが、それでいいと思うのですが、そこで私は提案をしたいと思う。大臣が来られたのですが、いま申し上げたのは、大学ばかりが緑の学園になって、小中学校は建物だけで何にもない。これはどうも逆じゃないか。そして緑の中でああいう紛争が起こっておる。それでこれは手おくれになるので、やはり小学校、幼稚園のときに緑の中に育っていくという環境が与えられていない。根本的に学校環境を改造すべきだという主張を申し上げたのです。 そこで、いなかにいきますと、五十周年記念、七十周年記念といいますと、プールのない学校では記念事業としてプールをつくる。それでずいぶん父兄の負担になっておる。プールができた学校においては最近植物園を記念事業につくるというのがずいぶんあるのです。小学校あたりに植物園を運動場と隣接してつくるということは、やはりいまのような自然と人間の関係を再検討しなければならぬときには非常に大事だ。ところが、これは補助対象でないものですから、PTAに記念事業でずいぶん無理な負担をかける。二、三百万、三、四百万の金をかけて植物園をつくっておるようであります。これは私は国の補助対象として取り上げるべきではないか。体育施設としてのプールに対して、自然と人間の関係を生態学的に考える、人生観などをつくる教育理念も含んで植物園をつくる計画に対しては補助対象にすべきじゃないかと思うのですが、いかがですか。
○奥野国務大臣 たいへんけっこうなお話だという感じを持って伺っていた次第でありますが、環境が人間を育てるわけでありますから、まず環境の整備にかからなければならない。そういう意味において、私は日本の市町村は自然発生的に発展してきたものですから、きわめて醜い姿になっておる。市町村そのものを、学校をどこに位置づけるかというようなところから計画的につくられますと非常によい市町村ができ上がってくるのだな、こう思うわけであります。市町村の公園そのものからしてきわめて不備なままでございますので、公園整備から始めるのか、植物園構想から始めるのかということがあろうかと思うのでございますけれども、やっぱり社会全体が緑に包まれた社会になっていけば一番好ましいと思いますし、積極的に木を植えるところから始めていこうというのがいまの考え方であるわけでございますから、これがやがて発展してまいりまして、そういうようなことを積極的に行なえるようになりますと、たいへんしあわせだなという気がいたします。何ぶん土地がなくて困っておるいまの姿でございますので、一挙にはいかないのではないかと思うのでございますけれども、木を植えるいまの考え方をだんだん発展さしていきたいものだ、かようにお話を伺いながら考えておったところでございます。
○山中(吾)委員 途中で来られたものだからぴったり答弁は合わぬと思うのですが、学校の施設として小中学校で植物園計画がある場合、植物園というと大きく地域——いろいろの必要な植物を植えてそれを教えるために各学校ごとの植物園ですね、二百万か三百万くらいでできるのだと思うのですが、それに対して補助政策をお考えになってはどうかということで提案質問をしたわけです。町の緑化とかいうふうなことでなくて、学校施設として、そしてその中で一本の木を切った者は本の木を植える義務があるというようなやはり国民の思想をつくっていくという教育が大事だと思うので、単に体育のプールだけじゃなくて、そういうものの考え方を形成するために必要な施設が必要じゃないか、こう申し上げたのです。学校施設としていかがですか。
○奥野国務大臣 学校の緑化事業を四十八年度から始めようとしておるわけでございますので、これの進行を見ながらお話しのようなことを考えさしていただきたいと思います。
○山中(吾)委員 これ以上申し上げません。都市においては緑化、いなかにおいては小中学校は植物園ということがいいと思うので申し上げたので御検討ください。 なお、プールの問題ですが、いなかの市町村に行きますと、学校が八つ、九つあって、中心校にプールができる。周辺の小学校、中学校にはプールがない。子供たちが、他の学校にプールがあって、片一方がないというので、市町村行政としてはやはり全体にプールをつくってやらなければならなくなっていると思うのです。ある学校にプールがあり、ある学校にプールがないわけにいかない。しかし、小規模学校においては生徒数が少ない。りっぱなプールというわけにもいかない。そこで簡易プールといいますか、そう金をかけないで、川の水をせいて簡単なプール、そういうものをあまり金をかけないで設置をしてほしいという要望が僻地の小規模学校にある。体育局長どうですか、それに対する若干の、たいした補助は要らないと思うのですが、いわゆるプールに対して簡易プール構想というものはどうだろう。いかがですか。
○澁谷政府委員 プールは構造上非常にむずかしい問題がございますが、現在簡易プールとして外ワクをアルミニウムで、それから中に塩化ビニールシートを入れて、そういう簡易プールがいろいろな業者で開発されつつございます。耐用年数が十年ということで、特にこの中に入れまする塩化ビニールシートは、実績によりますと、三、四年でかえなければならないということで、結局現在のものですと、長い目で見ると、かえって不経済だ。それから国庫補助の対象事業でございますので、やはり相当の耐用年数が必要であるというようなことで、現在簡易プールは補助対象にいたしておらないわけでございますが、ただ、いろいろな大きな会社がいまそういう面で非常に鋭意研究いたしておりますので、その耐用年数がもっと長いものが開発されますれば、ぜひ補助対象にいたしたい、そう考えておるわけであります。
○山中(吾)委員 わかりました。技術が改善されて、少なくとも十年くらいの耐用年数があれば、簡易プール補助なんということも学校を差別しない点から非常に必要ではないかと思うので、検討してください。これ以上申し上げません。 次に、教員住宅、きょうはみな施設補助のことに限ってお聞きしますが、教員住宅について再検討すべきものがあるのじゃないかと私は思うので、お聞きしたいと思うのですが、僻地の教員住宅というものが補助対象として初めて制度ができた。僻地には教員住宅があちらこちらにできておるわけですが、どうも補助が少ないということもあると思いますけれども、市町村が貧乏だから非常に粗末な住宅を建てる。便所も外に行かなければならない。ふろも何かおけみたいなふろで、寒いところにいると、もう防寒装置がない。都市で育って大学を出て、そうしていなかに赴任をして、そうしてその教員住宅に住むについては、どうも教師の心理状態からいって合わないのですね。そのいなかのずっとそこで大体育った人々に合う住宅は、都市で育った教員がそこに赴任して住む住宅にならないのですね。したがって、行ってみると住宅がとても寒くて住めないというので、あいている住宅がだんだんふえてきている。そうして、自動車が一方において発達したために、三里四里はむしろ自動車で通うというふうなこともあって、最もひどい僻地の教員住宅はだんだんと住んでいなくなっている、あき巣になってしまっている。ところが、逆にそういう僻地でなくて、その中間的な農山村に行きますと、そこには住宅補助政策はないのですね。僻地指定校でないと住宅補助政策はないために、その僻地学校の指定をはずれた、しかしボーダーライン付近には住宅がない。ところが、そこの先生が一番住宅難におちいっておる。だから、教員住宅補助政策は再検討すべきではないかと私は考えておるのですが、教員の声を聞きますと、一つ一つの家はいいから、アパート式でいいから、アパート式で建てていただいて、一つの町村に数校学校があるが、そこから通うようにして、できれば、その中の都市部の都会育ちの先生も矛盾を感じないで、一軒一軒建てて、雨漏りがしたり、風が吹き通して寒くてしょうがないというふうな建物でなくて、わりあいに水準の建物を建てて、そのかわりアパートでいい、合宿、合同住宅でいい、そこから通うというふうにしてもらうことが一番望ましいという声がある。民間で下宿すると一万、一万五千、二万円取られるわけですから、そういうことからそういう要望が出ると思うのですが、これは検討に値するのではないか。文部省でそういうことにお気づきになって検討されておるならばお聞きいたしたいし、なければ実態の変化を調査される必要がある、そして対処される必要があると思うのですが、いかがでしょう。
○安嶋政府委員 僻地、離島、それから過疎地帯、豪雪地帯等におきます教員住宅の不足戸数、これはかなりの数にのぼっておるわけでございまして、四十七年度の不足戸数といたしましては約一万六千戸という数字が出ております。この中で町村独自の努力によって解消されるものも若干あるかと思いますが、補助計画といたしましては、そのうちの一万一千二百戸を対象にいたしまして、四十七年から五十六年までの十カ年計画で補助をしたいという計画を進めておるわけでございます。本年度予算におきましても、千戸分といたしまして八億二千百万円余を補助金として計上しておるわけでございます。この運用の実態から申しますと、最近この補助金に対する要請が若干下向きになっております。それから報告によりますと、この住宅だけではございません。公立学校共済組合におきましても、市町村に対しまして教員住宅の建設の資金の貸し出しをやっておるわけでございますが、それによって建設された住宅にもあき家がぼつぼつ出てきておる、あるいは学校教員以外の町村の吏員等が住んでおるような事例があるというような監査報告も出ております。実態としてはそういう問題点が最近やや目立つわけでございます。 ただいま山中先生御指摘の点でございますが、教員住宅は補助金といたしましては僻地、過疎地帯等の学校に勤務する教員の住宅ということでございますが、建築の場所につきましては、格別制限はいたしておりません。したがいまして、僻地の当該町村以外のところに町村が建てたいということでございますれば、私どもそれをチェックする考えはございません。
○山中(吾)委員 半分くらいはおわかりのようですが、せっかく建てた教員住宅に役場の吏員が入っているとか、あいているということ自体が、いま私の申し上げたとおりに、その住宅が粗末で入らないのですね。都市育ちの教員が住むには適切な内容じゃないのですよ。そして一方に自動車で通うという手があるものだから、だんだんあき巣になってきておる。したがって、いまのように僻地住宅という考え方もはずしたほうがいいのじゃないかと私は思うのです、むしろ中間僻地が一番困っているのですから。しかし、その考えを変える以前に、いま局長が言ったように、僻地の教員の住宅も、それより少し離れたところに建てることもできるというならば、合同住宅を建ててやるということが一番救われるのじゃないかと思うので、その辺はもう少し調査をされ、原因を調査される必要があると思います。そして喜んで活用できる住宅を、せっかく補助を出すのですから、建てることが必要であります。いままでの行き方では、もうすでに状況が変化しておると思うので、これは再検討してください。私は理想からいえば、国鉄の職員住宅のように、駅をつくるということは、同時にその内容に職員の住宅を当然含んでおる。駅の建つところですから、教員の僻地からいったら非常に便利なはずだ。教員の僻地というのは国鉄の駅から十里、二十里、中に入ったところに建てる。そこに住宅も与えないで校舎を建てて教員を赴任させるというところに教育政策の貧困があると私は思う。国鉄は明治の最初にそういういい習慣をつくって、駅をつくるときには必ず住宅をつくる。そして、そういう駅の計画といいますか、設計の費用の中に、すでに住宅が入っておるような習慣ができたのでいまのような日本の国鉄ができたと思うのであります。教員の場合については、校舎は建てるけれども住宅は建てない。僻地に行ったならば、部落の三分の一くらいしかふろはない。もらいぶろに行ってもそのふろは川の水を入れておるのですから、都市で育ったものはとてもたまらない。そこに行っても欲求不満があって、僻地の教師が教育に精神を込めるという条件がない。それに対する何らの同情もなく、理解もなくて、僻地に行った教師は使命感を持てという政治家は、てまえみそであり間違いであると私は思うので、少なくとも住はもっと考えるべきである。一応僻地の教員住宅制度はできたけれども、いまのように実態に合わなくなっておるので、教員住宅はぜひしてやらなければならぬと考える。実態に合うように再検討さるべき点が非常にふえてきたと思うのであります。思想としては国鉄と同じように学校建築の中に、その定員の五割あるいは七割くらいまでをめどとした教員住宅を充足してやるというような思想が理想だと私は思う。転勤をするのですから合同住宅でいいと私は思うので、とにかく喜んで住める住宅をつくってやるということをぜひ御検討願いたい、いかがですか。
○奥野国務大臣 いろいろお話を伺っていますと問題があるようでございますので、まず実態を私たちのほうでもっと明らかにしなければならぬのじゃないか、かように考えるわけでございます。僻地の問題につきましては、僻地全体の環境を整備して文化的水準を引き上げていく。その間に教員が安んじて教育に熱意を傾けられるようにその方々の住宅環境を整備するということが大切だということ、よくわかります。実態はそうなっていないというお話、これもよく調査をさせていただきたいと思います。私たち、教員全体の処遇の改善、これに最大の力点を置いておるわけでございますので、そういう考え方からもこの問題を取り上げることができればなという気持ちも持っておるわけでございますので、まず実態を明らかにしながら研究を進めさせていただきたいと思います。
○山中(吾)委員 御検討してください。御希望申し上げておきます。 次に、やはり僻地の教員の施設補助の一つの問題として託児施設の問題でありますが、いま女教師の一年育児休暇法を何としても成立せなければならぬといって、全党が賛意を表してこの法案がすでに準備されておるようでありますが、僻地に赴任をする小中学校の先生で、赤ちゃんが生まれますと、その地域に医者がないものですから、生まれたときから三、四歳までは非常に危険を感じてそこで育てるということができないと考えておる先生がだいぶあるわけです。その付近の小都市の医者のおるところに月三万円くらい委託費をかけて預けておる。小学校に入る時分に手元に寄せて、自分の分校、僻地の学校に入れておる。三、四歳までは預けておるというのが、実態なんです。のいなかのずっとそこで大体育った人々に合う住宅は、都市で育った教員がそこに赴任して住む住宅にならないのですね。したがって、行ってみると住宅がとても寒くて住めないというので、あいている住宅がだんだんふえてきている。そうして、自動車が一方において発達したために、三里四里はむしろ自動車で通うというふうなこともあって、最もひどい僻地の教員住宅はだんだんと住んでいなくなっている、あき巣になってしまっている。ところが、逆にそういう僻地でなくて、その中間的な農山村に行きますと、そこには住宅補助政策はないのですね。僻地指定校でないと住宅補助政策はないために、その僻地学校の指定をはずれた、しかしボーダーライン付近には住宅がない。ところが、そこの先生が一番住宅難におちいっておる。だから、教員住宅補助政策は再検討すべきではないかと私は考えておるのですが、教員の声を聞きますと、一つ一つの家はいいから、アパート式でいいから、アパート式で建てていただいて、一つの町村に数校学校があるが、そこから通うようにして、できれば、その中の都市部の都会育ちの先生も矛盾を感じないで、一軒一軒建てて、雨漏りがしたり、風が吹き通して寒くてしょうがないというふうな建物でなくて、わりあいに水準の建物を建てて、そのかわりアパートでいい、合宿、合同住宅でいい、そこから通うというふうにしてもらうことが一番望ましいという声がある。民間で下宿すると一万、一万五千、二万円取られるわけですから、そういうことからそういう要望が出ると思うのですが、これは検討に値するのではないか。文部省でそういうことにお気づきになって検討されておるならばお聞きいたしたいし、なければ実態の変化を調査される必要がある、そして対処される必要があると思うのですが、いかがでしょう。
○安嶋政府委員 僻地、離島、それから過疎地帯、豪雪地帯等におきます教員住宅の不足戸数、これはかなりの数にのぼっておるわけでございまして、四十七年度の不足戸数といたしましては約一万六千戸という数字が出ております。この中で町村独自の努力によって解消されるものも若干あるかと思いますが、補助計画といたしましては、そのうちの一万一千二百戸を対象にいたしまして、四十七年から五十六年までの十カ年計画で補助をしたいという計画を進めておるわけでございます。本年度予算におきましても、千戸分といたしまして八億二千百万円余を補助金として計上しておるわけでございます。この運用の実態から申しますと、最近この補助金に対する要請が若干下向きになっております。それから報告によりますと、この住宅だけではございません。公立学校共済組合におきましても、市町村に対しまして教員住宅の建設の資金の貸し出しをやっておるわけでございますが、それによって建設された住宅にもあき家がぼつぼつ出てきておる、あるいは学校教員以外の町村の吏員等が住んでおるような事例があるというような監査報告も出ております。実態としてはそういう問題点が最近やや目立つわけでございます。 ただいま山中先生御指摘の点でございますが、教員住宅は補助金といたしましては僻地、過疎地帯等の学校に勤務する教員の住宅ということでございますが、建築の場所につきましては、格別制限はいたしておりません。したがいまして、僻地の当該町村以外のところに町村が建てたいということでございますれば、私どもそれをチェックする考えはございません。
○山中(吾)委員 半分くらいはおわかりのようですが、せっかく建てた教員住宅に役場の吏員が入っているとか、あいているということ自体が、いま私の申し上げたとおりに、その住宅が粗末で入らないのですね。都市育ちの教員が住むには適切な内容じゃないのですよ。そして一方に自動車で通うという手があるものだから、だんだんあき巣になってきておる。したがって、いまのように僻地住宅という考え方もはずしたほうがいいのじゃないかと私は思うのです、むしろ中間僻地が一番困っているのですから。しかし、その考えを変える以前に、いま局長が言ったように、僻地の教員の住宅も、それより少し離れたところに建てることもできるというならば、合同住宅を建ててやるということが一番救われるのじゃないかと思うので、その辺はもう少し調査をされ、原因を調査される必要があると思います。そして喜んで活用できる住宅を、せっかく補助を出すのですから、建てることが必要であります。いままでの行き方では、もうすでに状況が変化しておると思うので、これは再検討してください。私は理想からいえば、国鉄の職員住宅のように、駅をつくるということは、同時にその内容に職員の住宅を当然含んでおる。駅の建つところですから、教員の僻地からいったら非常に便利なはずだ。教員の僻地というのは国鉄の駅から十里、二十里、中に入ったところに建てる。そこに住宅も与えないで校舎を建てて教員を赴任させるというところに教育政策の貧困があると私は思う。国鉄は明治の最初にそういういい習慣をつくって、駅をつくるときには必ず住宅をつくる。そして、そういう駅の計画といいますか、設計の費用の中に、すでに住宅が入っておるような習慣ができたのでいまのような日本の国鉄ができたと思うのであります。教員の場合については、校舎は建てるけれども住宅は建てない。僻地に行ったならば、部落の三分の一くらいしかふろはない。もらいぶろに行ってもそのふろは川の水を入れておるのですから、都市で育ったものはとてもたまらない。そこに行っても欲求不満があって、僻地の教師が教育に精神を込めるという条件がない。それに対する何らの同情もなく、理解もなくて、僻地に行った教師は使命感を持てという政治家は、てまえみそであり間違いであると私は思うので、少なくとも住はもっと考えるべきである。一応僻地の教員住宅制度はできたけれども、いまのように実態に合わなくなっておるので、教員住宅はぜひしてやらなければならぬと考える。実態に合うように再検討さるべき点が非常にふえてきたと思うのであります。思想としては国鉄と同じように学校建築の中に、その定員の五割あるいは七割くらいまでをめどとした教員住宅を充足してやるというような思想が理想だと私は思う。転勤をするのですから合同住宅でいいと私は思うので、とにかく喜んで住める住宅をつくってやるということをぜひ御検討願いたい、いかがですか。
○奥野国務大臣 いろいろお話を伺っていますと問題があるようでございますので、まず実態を私たちのほうでもっと明らかにしなければならぬのじゃないか、かように考えるわけでございます。僻地の問題につきましては、僻地全体の環境を整備して文化的水準を引き上げていく。その間に教員が安んじて教育に熱意を傾けられるようにその方々の住宅環境を整備するということが大切だということ、よくわかります。実態はそうなっていないというお話、これもよく調査をさせていただきたいと思います。私たち、教員全体の処遇の改善、これに最大の力点を置いておるわけでございますので、そういう考え方からもこの問題を取り上げることができればなという気持ちも持っておるわけでございますので、まず実態を明らかにしながら研究を進めさせていただきたいと思います。
○山中(吾)委員 御検討してください。御希望申し上げておきます。 次に、やはり僻地の教員の施設補助の一つの問題として託児施設の問題でありますが、いま女教師の一年育児休暇法を何としても成立せなければならぬといって、全党が賛意を表してこの法案がすでに準備されておるようでありますが、僻地に赴任をする小中学校の先生で、赤ちゃんが生まれますと、その地域に医者がないものですから、生まれたときから三、四歳までは非常に危険を感じてそこで育てるということができないと考えておる先生がだいぶあるわけです。その付近の小都市の医者のおるところに月三万円くらい委託費をかけて預けておる。小学校に入る時分に手元に寄せて、自分の分校、僻地の学校に入れておる。三、四歳までは預けておるというのが、実態なんです。合に、いままでのような考え方でなくて、よろず屋教育形態でいいから、知識の量を教えるよりも、勉強のしかたとか、勉強に興味を持つことを中心とした僻地の独特の教育原理を発見をして、残すべきものは部落に残すべきではないか、なくするときは部落全体としてなくすべきであるというところがあると思うのです。そういうふうに、統合についてもただ財政的な立場で画一的にやるのは文部行政としても間違いである。自治省のほうではそんなこと考えないかもしれぬが、文部省においてはそういう考え方でチェックすべきものはチェックをしてやってもらいたい。これは意見として申し上げておきます。非常に大事な問題だと思うので申し上げておきたいと思うのであります。 そのときに、統合について一番問題になるのは、子供たちの通学距離である。この通学距離の関係から通学バスを購入をする。これに対して文部省は補助を出しておる。非常にけっこうだと思います。しかし、通学バスに補助をしても、そのバスが安全に通る道路がない。市町村道路が大部分でありますが、路幅を拡大をしなければ、ときには橋をかけ直してやらなければバスは通れない。したがって、文部省のほうにおいて統合に対してバスの手当てをしておるけれども、私は市町村道路に対して、通学道路といいますか教育道路といいますか、そういう道路構想を立てて、文部省が市町村道路の改修その他の補助制度を同時に提案をすべきであると思うが、いかがですか。
○安嶋政府委員 実は二年ばかり前でございましたか、この委員会で山中先生から同じような御質問がございまして、私はその実態を調査するということを申し上げたわけでございます。その調査の結果、若干のことがわかったわけでございますが、四十七年、去年の三月三十一日現在のそれがまとまっております。通学用の自動車でございますが、市町村の教育委員会がみずから所有をして運行しておるものが九百五十一台、それから民間に委託して運行しているものが四百五十台、計約千四百台のスクールバスが運行されておるという実態が明らかになりました。それから、それが運行されておりまする道路の総延長でございますが、一万三千八百キロメートルということでございます。これはスクールバスが運行いたしておりまする道路のすべてでございまして、若干の国道、県道も含んでおりますが、大体は市町村道だということでございまして、そうした実態か明らかになったわけでございますが、建設省の道路局のほうにこうした実態を持ち込みまして、スクールバスが運行する路線につきましては市町村道の整備を特に優先的にやってもらいたいという申し入れを私どものほうの局からいたしております。建設省におきましては、これはまだ案のようでございますが、四十八年度から第七次の道路整備五カ年計画を発足させたいということでございまして、木橋のかけかえでございますとか、舗装率の引き上げでございますとか、あるいは路幅の改良でございますとか、そうしたことをスクールバスの路線については特に優先的に配慮していきたいということでございます。したがいまして、この通学バス路線の道路につきましては、そうした建設省の施策の進展に私ども期待をし、お願いをしていきたいということで、今後もこうした問題につきましては、十分連絡をとって進めてまいりたいというふうに考えております。
○山中(吾)委員 建設省の地方道課長来ておりますか。その辺のひとつ現在のお考えをお聞きしたい。
○高木説明員 中学校等の統合に伴いますスクールバス路線の整備の問題でございますが、これは従来ともそういった御要望につきまして十分承っております。特に地方道の整備がおくれたところが多いわけでございますので、県道等につきましては、従来もそれぞれの管理者でございます都道府県から出てまいりましたら、これを整備を促進しておるわけでございますが、問題の市町村道、これが約八千キロばかりスクールバス路線としてあるようでございます。これにつきましては従来、市町村道の国の補助事業というのは非常に規模も小さいわけでございまして、山村とか過疎等の特殊立法に基づくものをおもにやっておったわけでございます。最近はそれでは非常に困りますので、広域な生活圏を形成します上のいわゆる生活道路としての市町村道につきまして大幅にこれを補助すべきであるということで、市町村道の補助下業につきましても特にこの第七次の道路整備五カ年計画では大幅に取り上げていくということにいたしております。四十七年度からそういう特殊立法以外のいわゆるスクールバス路線等の生活路線につきましても、補助対象として若干進めております。四十八年度はさらにこれをふやしまして、この四十八年度からの五カ年計画で大体、問題の路線の木橋等は、スクールバス路線については優先的に取り上げまして整備を完了いたしたい。それから改良あるいは舗装等についてもできるだけ重点的に実施していきたい。それぞれの管理者でございます市町村より、都道府県を通じまして要望が出てまいりました場合は、できるだけ採択していくように努力してまいりたいと思います。
○山中(吾)委員 道路ですから建設省の予算というふうに常識があるのですけれども、私は農林省においては林道というものがあり、百分の五十から百分の六十五の補助がある、それから農免道路もあるし漁港関連道路もある。そういうふうに事業に結びついて他の省でも道路予算をその行政の範囲で要求しておりますね。最近厚生省に、自然歩道というものもあります。そういうことから文部省も学校教育の発展のためには学校を統合して教育道路という構想を持っていいのだと私は思うのですよ。そして教育予算として、三分の二の国の補助を受ける。市町村は国道と県道しか補助がないものだから、国道昇格、県道昇格にやっきになって困っている。その市町村をよくするにも、学校の通学道路というものは名目ができれば私はずいぶんと役に立つし意味があると思います。 ところで文部省自身は、これは道路だから建設省にお願いするという態度なのか、堂々と教育政策として市町村のバスの通るところ、バスは通らなくても子供が通る学校に近い千メートルくらいは歩道をつくって、並み木をつくってやって、並み木の中を、子供が通学できるような教育道路構想を持ってしかるべきじゃないか。こういうことを言うと、前にも私が提案をすると、道路ですから建設省の予算でありますと答弁したことがあるが、私は憤慨をした。なぜ教育政策としての着想を持たないか。いま地方道課長の話では、非常に理解のある話でありますから、よく相談をされて、教育道路として、教育行政予算として、農林省の林道と同じ構想で出してしかるべきじゃないかと私は思うのです。建設省ではどうお考えになりますか。
○高木説明員 先ほども申し上げましたように、道路というのは一般公共の用に供します場合に、やはり一元的にこれを整備することが一番いいわけであります。特に構造その他が同じでございますし、スクールバスも通りますようないわゆる自動車が通る道路につきましては、国道、県道とあわせまして、木端の市町村のものを一元的に実施するということが非常に理想的でございます。特にできましたあとの管理の問題等につきましても、道路管理者であります市町村、それから県道等につきましては、県の道路関係の担当部局が一元的にそういった組織も持っておりますので、この中で取り上げていくのがいいんじゃないかと思うのでございます。そういうことが時宜に適しまして、具体的に実施できるようにわれわれも末端の市町村の補助事業を十分ふやすように努力いたしまして、従来できなかったものが今後必要に応じて積極的にできるようにいたしていきたいと思っておりますので、私どもの立場といたしましては、やはり今後一元的な道路事業の中で十分取り上げてまいりたいと思っております。
○山中(吾)委員 建設省で通学道路というのを取り上げる場合は、どのくらいの補助をするのですか。
○高木説明員 改築事業につきましては三分の二でございます。 それから過疎地域の市町村に多かろうと思いますが、そういったところにつきましては、過疎対策の措置法で県の代行制度というのがございます。これに取り上げまして、代行制度でやりますと全額都道府県の負担でございますので、市町村の負担が非常に減るわけでございます。そういった方法で上実施可能じゃないかと思います。
○山中(吾)委員 なお、参考にお聞きしたいのですが、岩手でバスを購入したが、バスを通す道路がないので何とかしたいけれども金がかかって困る。したがって、せっかくバスの補助制度があるんだから、何か安全にバスの通れるための市町村道路の改修、橋梁その他について国の補助制度がないかという要望があったので調べさせたことがあるのです。 一つの例を申し上げますと、岩泉町という町は、小学校が本校で十六校あるわけです。分校が二十五校もある。岩泉町の面積は大体神奈川県近くあるんだと思うのですが、中学校も本校は十一校、それから分校が七校もある。それで、町では小学校は十六校を在校に、中学も五校にしたい、そしてバスでずっと運んでやろうという、まあ教育水準を上げることとかいろいろなことを考えて、これには細部の批判はありますが、そういう構想を持っておる。ところがこの町の総予算が四億六千四百万、これは四十二、三年で古いですが、道路を改修するのに一億四千万も要る。もうその市町村の財政からいいますとたいへんである。市町村道ですからないところは道路をつくってやらなければならない、これはとうていやれないですわね。教育政策からそういうことを考えますと、やはり通学道路という名目を明確にして、バスを持ち得る場合については優先的に教育道路として、国が三分の、補助であればいいと思いますが、これをしてやらなければ解決がないんだ。同じような部落はたくさんあります。 そういうことを考えますと、学校統合が適当であるとして市町村がやる場合、そうでなくても通学道路として改修する必要のあるものについては、あまりむずかしい条件をつけないで国が十分の手当てをしてやるということが非常に大事であり、市町村行政からいっても、教育中心の共同体が僻地においては一番いいわけです。産業などもう興こらないし、人を育てる以外にないのですから。そういう自治体のあり方も考えて、私は非常に重大な政治課題だと思っておるわけです。したがって、文部省がそういうビジョンを持つことが一番いいのではないか、そのくらいのビジョンを持たなければ文部省の資格はないと思うのだが、それはそれとして、建設省が道路行政としてそれを遂行していく場合については、文部省側が取り扱うのと同じように優先的に取り扱うことができるのですか。
○高木説明員 先ほどから申し上げておりますように、スクールバス路線の整備ということは、第七次の道路整備五カ年計画の中の市町村道の整備につきましては、特に最重点でとろうということで柱を出しております。したがいまして、全体の総ワクの中からもこれに必要なものにつきまして十分積み上げまして、そういった御要望の出ている路線につきましては優先的に採択していこうという基本的な姿勢でございます。
○山中(吾)委員 文部大臣、こういうやりとりをしておるのですが、これは建設省で取り上げるとは言っておりますが、ぜひ実現したい課題だと思うので、文部大臣としても御意見を聞いておきたいと思います。
○奥野国務大臣 学校の統合の場合を中心にしてお話しをしていただいておると思うのですが、総合的にそれができますように、文部省がバスの購入費に対して補助までもしているわけでございますから、バス路線の整備につきましても関心を持って統合が円滑に進むようにしなければならない。少なくとも全体計画をとりまして、道路整備の問題につきましてはかりに建設省に予算が計上されましても、文部省からも建設省に対しましてその旨を申し出る、そして全体の一画が円滑に達成されるように文部省も力を尽くしていかなければならない、こういう気持ちを持たせていただきまして、ぜひそういう方向で努力してまいりたいと思います。
○山中(吾)委員 最後に質問しますけれども、この文部省からいただいた資料の一番最後の「社会増地域の小・中学校の不足教室数とその応急措置状況」、これを見ますと、だんだんと不足教室数が減っておるのではなくて、小学校は四十年から四十七年にかけて、四十年の不足数が二千二百三十八教室が、四十七年には七千九百三十二教室にふえ、中学校は四十年の四百十六教室が、四十七年には千八百九教室にふえている。それで、年々不足教室が減っておるのかと思うとふえておるわけですね。これでは教育政策にはならない。子供の勉強する教室の不足がだんだんにふえておるのでは、社会増地域の教育政策、公立施設の補助政策は、後退しておると私はここからいわなければならないと思うので、これはずっと一覧表を見たうちの一番最後が一番頭に残っちゃった。これについてはどうなんですか。だんだんふえる政策、ふえる政策ではない、皆さんやっておるけれども追いつかないのでしょう。けれども、ずいぶんこれはふえておるのですよ。たった数年の間に三倍ぐらいふえている。これでは教育政策といえないんじゃないだろうか。これはどうですか。
○安嶋政府委員 遺憾ながらそういう実態かあるわけでございますが、ただ結論だけ見ますとそういうことになりますが、たとえば四十七年の五月一日現在におけるプレハブ校舎の数でございますが、小中合わせまして四千二百四十六教室ということになるわけでございますが、四十七年度当初予算でもちましてそのうち二千二百四教室が解消されております。四十七年の補正予算がございまして、これで千三百四十一教室解消されている。同時に、四十七年度の町村の単独事業で四百九十六教室が解消されまして、計四千四十一教室解消されております。したがって、四千二百四十六教室のうち二百五教室を除いては、四十七年五月一日現在にあったものは一応解消されたということでございますが、四十七年度中に実はかなりな増加がございまして、それが一千五百教室以上のものが増加をいたしております。それが結局後年度に持ち越されて、現在に持ち越されておるということでございます。現存するものは解消するということで進んでおるわけでございますが、新たにそうしたものがどんどん発生をしてくるという事態に追いつけないということが現状でございます。ただ、昨年度前向き整備の年限を一年半から三年に延ばしていただいたということもございますので、そうした方法を活用いたしまして、前向き前向きという形で整備してまいりますれば、御指摘のような事態は徐々に改善されていくはずだというふうに考えております。 なお、先般もちょっと申し上げたわけでございますが、適正なと申しますか、適当な工事量というものがあるわけでございまして、たとえば一教室プレハブ教室があるからといって、一教室改築する、あるいは増築するということは実際上はなかなかやりにくいわけでございます。ある程度工事量がまとまりませんと、それは解消という方向に動いていかないというようなこともございますし、それからかなり大きな規模の学級数になりまして、行く行くは分離をして本建築をしたいというような場合でございますと、これまたある程度プレハブ教室がたまってから分離新設をするというようなこともございまして、すっかりなくなるということは実際上なかなか困難かと思いますが、しかし、予算の事業量もふえておることでもございますし、さっき申し上げましたような前向き整備ということも認められてきたわけでございますから、そうした方法を十分活用して今後も解消につとめてまいりたいというふうに思います。
○山中(吾)委員 予算が足らないので教室不足数がふえているのか、予算は十分大蔵省でよこすけれども、物理的にどんどん人口が入ってくるから、幾らやっても不足するのか、どっちなんですか。
○安嶋政府委員 実は、小中学校予算の六割ないし七割を、児童生徒急増地域に充当しておるわけでございます。予算の額といたしましては、私ども要請があれば出すようなことにしておるわけでございますが、実際問題として、たとえば土地の手当てがつかないといったようなこともございます。そうしたことで、それからまたさっき申し上げたような理由もございまして、そういうことがいろいろ重なって、残るものは残るし、またそれ以上に人口の特定地域への集中が激しいものですから、またそれが解消した以上あるいは同じくらいふえている、こういうような事情があるわけでございます。
○山中(吾)委員 大体公立文教施設に関連をして、補助政策について現在問題になっているようなことをお聞きしたわけであります。何か全体としては、時代の進展あるいは教育の考え方とマッチして補助政策がずっと進展するのではなくて、別々に動いておるような感じがするのです。その点なおお互いに検討したいと思うのですが、最後に文部大臣にお聞きしたいと思います。 学校の施設、土地の購入その他も含んで、大学、幼稚園まで含んで、とにかく必要な教育施設をつくるについての財源問題として、教育の効果は未来にあらわれてくるのですから、いま税金で足らなければ、これこそ私は国債を財源に充当して、そして施設設備を完備して、効果の出る時分の国民の税金でこれを補うということが妥当じゃないかと思う。ところが、財政法では、何か道路関係その他以外は赤字国債といって、大企業の利益と結びつく道路関係その他の建設国債だけが赤字国債でないからこれは妥当であるが、学校施設などは赤字国債としてなかなか財源に用い得ない思想があるように思うのですが、私は、これこそ教育施設は、なければ国債を使って、そして未来に効果を期待するものとして妥当じゃないかと思っておるのです。なければ国債を要求して、建てるものはどんどん建てていったらいいと思うのですが、自治省出身の専門家の大臣ですから、これはどうですか。私の考え間違っていますか。
○奥野国務大臣 おっしゃるとおり、必要な学校建築に要する財源、十分なければ起債制度を使って積極的に整備していくべきだ、かように考えます。また地方債につきましても、そういう考え方で、小中学校、高等学校、幼稚園、起債によっているわけでございます。国のほうも国債を発行する対象に学校建築も入るわけでございます。したがいまして、制度的に学校建築が起債を使いにくいということはないわけでございます。
○山中(吾)委員 わかりました。終わります。
○田中委員長 小林信一君。
○小林(信)委員 この法案を出す文部省としては、私の想像するところ、相当な自信と誇りを持って法案を提出しておるのではないかと思います。そういう点では私は敬意を表するものでありますが、しかし、いろいろ考えてみればまだ問題点はたくさんあり、不満のあるところが指摘をされるわけでありますが、何といっても私たちの頭の中には、こういうものを評価する場合の基準というものが、昔ながらのものがあるような気がいたします。戦前の学校は、津々浦々校舎のないところはないんだという単純なものが日本の教育の誇りだったわけであります。それは確かに教育の普及という点で誇りだった。それで、したがって校舎だけあれば、教育はもう足りるんだというような考え方をもって、日本の教育は出発をしたように思います。 それから、戦争でもって校舎はあらかた焼かれて、あるいは荒廃して、これを建て直すためにずいぶん国民が苦労したわけであります。しかも、六・三制という新しい制度が出て、経済的にはどん底にある日本人が、まず校舎をということで非常に苦心をいたしました。 また今度は急増期に入りまして、校舎の増築、青空教室を解消するとか、すし詰め教室を解消するとか、考えてみれば、大臣は百年の日本の教育というのは非常に進展をした、こうおっしゃるけれども、ある面からすれば、校舎というものが教育の一つの概念になって、そのことでもって終始したとも言えるわけです。そういう点から見れば、校舎を建てることが、従来三分の一しか補助がなかったものが三分の二になる。あるいはそのほかいろいろな条件がよくなってきたというようなことを考えれば確かに大きな進展だと思います。また、いかに文部省が要求を高くいたしましても、大蔵省という壁があって、いつもその壁を突破することができなくておったのですが、そういうものが徐々に昨年度あたりから突破されてきておる。現在でも一つの喜びを感じながら、将来にますます希望が持てるような点からすれば、この法案に対して私は文部省当局は非常な自信を持ち、誇りを持っておると思います。そういう点は理解しなければならぬと思うのですが、しかし、先ほども大臣もおっしゃったように、教育環境というものはもっともっと充実したものでなければならぬ。おそらくそういう夢が文部省もあると思います。あまりにいままで、校舎があればいいんだ、机、腰かけがあればいいんだというようなものだけから教育が見られがちなんですが、もっと夢を国民自体にも抱かせるような、この際こういう法律を出すと同時に、私は文教行政という立場からこういう夢があるんだ、これの実現に向かって努力をするんだというものがほしい気がいたしまして、そういう点から質問をしてまいりたいと思いますが、われわれにはまだ知られておらない文部省の夢というようなものを基礎にして、ビジョンを基礎にして、文教施設の現状というものはどうであるか、この際、その点も御説明願いたいと思うのです。
○奥野国務大臣 いまお話しいただきましたように、校舎が整備された、これだけでは学校の内容は充実していない、まことにそのとおりだと思います。しかし、いずれにしましても、量的な発展、これは相当なものだと思います。義務教育でございますだけに、どの地域にありましてもナショナルミニマムは確保しなければならない。この国庫負担制度がそれに大きく役立った、かように私も考えておるわけでございます。しかし、かりにそういう設備の問題にいたしましても、内容的に十分整ったかどうかということになってまいりますと、校舎はできたけれども、特別教室、教材その他の面につきましても、今後なお一だんと努力しなければならない。そのことが、施設の点につきましても基準を二割引き上げるというような措置をとったというところにも出ているわけでございます。 同時にまた、何といいましても、教育の基本は教師にあるわけでございますので、教師そのものの内容、意欲、そういうものについて全きを期していかなければならぬ。そういう事柄が、私たちが今後さらに大きく努力をしていかなければならない中心点ではなかろうか、こう考えております。
○小林(信)委員 大臣というのは、どの大臣も抽象的な答弁で終わりがちで、だからあまり大臣の答弁に私は期待をするものじゃないのです。決してあなたを評価していないわけじゃないのですが、これはまああたりまえのことだと思うのです。私は決してきょうは教育の内容とか教材とか、そういうものでなくて、施設という面で、文教施設という面で——最初申しましたように、教育というのは学校だ、校舎だというふうな概念さえあるくらい、日本の教育というものは非常に進展はしておりますけれども、大かたの人たちには非常に素朴に考えられておるのですよ。そういうものをやっぱりここでもって改めさせなければいけない。どうもいままで三分の一を二分の一にするというようなことだけが、文部省の施設設備の努力点であったような気がするのですが、そういうものではいつになっても勉強する、教育をする環境を、よくするということが盛り上がってこない。だからもう施設の問題に限って、私は文部省にどういうふうなビジョンがあり、そしてそのビジョンからすれば校舎のあり方はどうであるとか、そういうふうな専門的なものをお聞きしたい。いまのような大臣の答弁だというと、何にも生まれてこないわけなんで、ひとつそういうものをきょうは十分承りたいと思うのです。
○安嶋政府委員 基本的な方向といたしましては、大臣からただいま御答弁申し上げたとおりでございます。具体的にそれをどうこなすかということになりますと、私ども、施設関係といたしましては、第四次の五カ年計画を設定をいたしまして公立学校の施設整備を推進してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。公立学校施設も、補助制度が始まりましてから相当な年月たつわけでございますが、依然として問題点が多く残っておるわけでございます。小中学校校舎について申しますならば、やはり児童生徒の急増に伴う不足という問題が大きな問題でございまして、ただいまも御指摘がございましたように、プレハブ校舎がむしろ漸増する傾向にあるといったような社会的な大きな問題もあるわけでございます。 それから屋内運動場につきましても、まだこれを保有しないという学校がかなりあるわけでございます。また保有をいたしておりましても、坪数が十分でないというような学校があるわけでございますが、将来の計画といたしましては、現在屋内運動場を持っていない学校については全部屋内運動場を整備する、また新設校につきましても全部整備する、また中学校につきましては屋内運動場の不足坪数を充足させるというような施策を進めていきたいというふうに考えております。 それから、学校統合につきましては、これは最近いろんな問題が起こっておりますが、教育効果を高めるという見地からさらにこれを推進してまいりたいというふうに考えていますが、毎年二百校程度の統合は今後とも申請があるという前提で、これに必要な坪数、面積を第四次計画に算入してまいりたいというふうに考えます。 それからまた、危険校舎の改築ということも大きな問題でございます。四千五百点以下を現在対象にいたしておりますが、今後四千五百点以下に落ち込む面積というものも相当数あるわけでございまして、そういったものも含めまして約六百万平米程度の改築が将来五年間に必要であろうと思いますが、そうした課題に積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。 また、その内容の面でございますが、これは今回基準坪数、基準面積の改善を行なって、特別教室等の充実をはかったわけでございますが、さらに屋内運動場の基準改定という問題等とも取り組んでまいりたいというふうに考えております。 単価につきましては、本年度物価上昇分等も含めて、一〇%の改善をしたわけでございますが、この問題も将来ともやはり大きな課題であると考えますので、そうした問題にも十分対処してまいりたいというふうに考えております。
○小林(信)委員 私はわざと具体的なものを示さずに、ひとつ文部省に何かあるだろう、そういうビジョンから現在の施設状況というものを説明してほしい、こう言ったのですが、やはりどうも数字にとらわれ過ぎておって、これは御無理ないのですが、どうも国民全体を感動させるような施設面での教育行政というものが感ぜられないのは遺憾でありますが、質問のしかたが悪かったと思いますが、ただ一つ、いま局長のおっしゃった屋体はあらゆる学校に一日も早く設置するんだ、私は、それが現状に対しての文部省としての一つの夢ではないか。しかし、その屋体も、これもどういう程度の屋体、いまはただがらんとした屋体なんですよね。更衣室もある、あるいは休憩室もある、そういうふうなものを十分持った屋体であるべきで、いたずらに生徒数というふうなものに基準を置いて、屋体はあるけれどもバレーもできない、バスケットもできない、そういう屋体であってはならないのです。そういう屋体のあり方等について、これはただ一日も早く必置させるというふうなことでなくて、私はこれに対して一つ意見を持っておりますが、いま屋体が未設置の学校のパーセンテージがおわかりだったらお知らせ願いたいと思います。
○安嶋政府委員 屋体未設置の学校数でございますが、小学校で六千百七十二校、全体の二五・六%でございます。中学校では千六百四十三校、全体の一六・四%でございます。これが昨年五月一日現在の状況でございます。
○小林(信)委員 続いて、その米設置の学校は日本全国のどういうところに、何か片寄って存在しておるとか、あるいはその散在のしかたというものは不規則なものであるとか、山間僻地に多いとか、貧弱町村において多いとか、こういうふうなものがおわかりになっておれば、お伺いしたいと思います。なければいいのです。私の言いたいことを聞いてください。というのは、いままで屋体をつくるという場合に、大かたは必置でなくてもよろしいというふうな考え方が自治体にはあったのでしょう。こういうものを建てるからには、父兄が相当負担をしなければ設置できないというような印象を出して、父兄負担が大部分の形でもって屋体というものがつくられてきた。だんだん最近そういうことは二重課税であるということが父兄にもわかってきて、市町村の負担でもって屋体というものをつくられるようにはなってまいりましたけれども、そういうものが残っておりますとすれば、貧弱な、経済事情の悪い町村に未設置校が多いのではないかというように私は判断をするわけなんです。先日も私、中国地方を回りましたときに、漁村の、これは瀬戸内海に面した市でありますが、そういう市でありながら、屋体がある学校が少ない。いろいろ市長さんに話を聞いてみたら、いままで漁業が盛んであったけれども、埋め立てをしてしまったり、あるいは公害があって漁業というものが十分にできない。そういうことから、市がいままでの漁民に対して失業手当を出している。そういうようなことが原因で屋体が建てられないんだという話を聞いたのです。とすれば、いまから、残されております未設置校を解消するためには、ただ解消しますだけでなく、もうこういうところはできるだけ国の財政負担を多くしてやらなければ、文部省が考えております未設置の学校はなくなるんだということは、だんだんむずかしくなるのじゃないかと思います。したがって、いままでの二分の一とか三分の二ということにこだわらず、財政事情を見て、国が令部背負っても未設置校を解消するというふうな段階に屋体などは来ておるのではないか。そういうところまで文部省が積極的に施設を充実する、こういうものを持っておるかどうかということを実は聞きたかったわけであります。 さっき山中さんがプールの問題を質問しておりました。この法律にはプールの問題はございませんから、私も質問をする予定ではなかったのですが、はからずも話を聞いておりまして、あれでは文教施設の夢というものは出てこないような気がいたします。いかに安くプールをつくるかということでなく、プールのない学校はたくさんあります。このプールは、危険だから子供たちにプールで水泳させるというよりも、もう川の水が水泳に適しない。かえって教育委員会から川で水泳をやってはいけませんよという禁止命令が出て泳いでいないのです。ところが、禁止命令が出ておっても、プールの設置がない学校がたくさんあると思うのです。したがって、プールを設置するということにも努力をしなければならぬけれども、もう一ぺん子供たちが水泳ができるようなきれいな川にするという、それも、文教施設の充実という立場からすれば、ほんとうに子供のことを考えるならば、文部省あたりが公害でどんどん川の水がよごれていくのを見ているのでなくて、川の水をきれいにすべきである。これは文部省が直接行なうことじゃなく、環境行政の中でやることでしょうが、そうして子供の天国をもう一回復活させる、そういう夢を持っております。学校の周辺に木を植え、芝生を植えて公園的な環境にいたしますというだけでは私はほんとうじゃないと思うのです。そこまでいかなければならぬ。そういう夢をこの施設に持っていっていただきたい。三分の一から二分の一になり、今度は三分の二になる。確かにいままでの文部行政の中ではこれが大きなイバラの道であって、それを突破するあなた方とすれば、大いに自分たちの努力を評価してもいいと思います。いいと思いますが、大臣が所信表明の中で言われておりますように、日本の今日の発展というものが、日本の教育百年の成果であるとするならば、それほど効果のあったものだとするならば、私は教育にもっと投資をするような積極的な施策がなされなければならぬのじゃないかと思う。 この際、私は大臣に一言聞いてもらいたいと思うのですが、功罪はともあれ、今日の、経済成長を謳歌しております、その経済成長の力というものは何であるか。企業家の金の力とか、あるいは科学技術とか、あるいは諸政策、政治的な力、こういうふうに簡単にとらえておりますが、教育に関係する者が、あの終戦直後全く荒廃した中でもって、まず校舎を建て、国民ひとしく教育するのに努力をした。そうして高等学校に進学する率なんというものは、全くわれわれが想像できなかったところまで及んできたのです。それは決して経済成長の計画したものじゃありません。今後日本は文化国家で行くんだという大号令を国民が出したから、ああいうふうに人間育成ということに努力したわけであります。そうした人間の素質を高め、人間の教育を充実してきたことが、私はちょうど経済成長政策に合ったのじゃないかと思うのです。人間を利用したか利用されたか、そういうふうなことは問題外として、決して将来の経済成長政策というものを考えなくても、そういう常時の備えがあったからこそ経済成長というものが私は出たと思うのです。私は、そういうふうに教育の評価をしていかなければならぬと思うのですが、そういう面から見たら、今日のような施設に対するまことにつつましい欲望でなく、大きな夢を持って、あなたが所信表明の当初にこう書く以上は、私はいまのような考え方を、施設を充実する面でたくさん持っていただきたいと思うのです。全国の経済的に不如意な市町村もあるいは豊かな市町村も同等に見た三分の一適用、二分の一適用では、私はもういけないと思うのです。もっと財政事情に応じて配分をするような、そういうことが施設充実の政策の中に出てこなければいけないのではないか。いつかもこの法案に対してのだれかの質問の中に、この法律の名前を変えろという人がありました。というのは、これは補助をする、何かこの法律から受ける印象では、この法律によって全部施設を充実してくれるようなことになっておるけれども、わずかな補助を出すことをきめる法律ではないか、だから、補助をする法律というふうに名前を変えろという皮肉を言った先生もあります。全くいまの教育事情と教育の力というものを考えるならば、私はもっと、全国一律に三分の一を適用する、二分の一を適用するのではなくて、状況に応じては、それは急増地域に対して三分の二というものは出ておりますけれども、それぐらいにしなければ、ほんとうに恵まれた、機会均等の教育行政が出てこないのではないかと思うのです。そこで、いまのような夢をもっと持つべき時期ではないかということを私は忠告など言って申しわけないのですが、そういう点を申し上げまして御理解を願いたいと思います。 しかし、そうは言っても、教育の施設充実のための予算というものは、たいへんに最近ふえてきておると思いますが、ほかの公共施設の費用のふえ方、経済成長の中でほかのものはずいぶんふえているような気がいたします。しかしへ教育もそれに負けることなくふえておるのか、私はそういうところに一つの基準を置いて施設費のあり方というものを検討したいのですが、資料がありましたらお話し願いたいと思います。
○奥野国務大臣 お話のように、公立文教施設の整備は、教育環境の改善をはかり教育水準の向上に資するという見地から、年来努力も重ねてきておりますし、したがって、相当な成果をあげてきておる、かように考えておるわけでございます。児童一人当たりの保有面積によってその実情を見ますと、十年前に比較して小学校で三〇%、中学校で七七%の増加になっておりまして、大幅な改善が行なわれているわけでございます。また、建物鉄筋化の状況について、十年前との比較で見てまいりますと、小学校では一五%であったものが五二%になっております。中学校では二三%であったものが五七%になっておるわけでございまして、鉄筋化も大いに進捗しているということができると思います。 もう一つ、他の公共事業との関係ではどうかというお話がございました。やはりこれも三十八年度と四十八年度、過去十年の予算の伸び率をとらえて申し上げますと、治山治水では五・一五倍、道路整備では四・五八倍、港湾漁港空港では五・九八倍、住宅対策では八・二六倍、生活環境施設整備では十八・〇八倍、農業基盤整備五・二六倍、林道工業用水等で四・四一倍、調整費で六・四八倍、こうなっておりまして、その平均が五・四五倍、一般の公共事業は五・四五倍でございます。 他方、公立文教施設費を同様過去十年について調べてみますと、昭和三十八年度が百三十億円でございましたが、四十八年度は千八十、一億円となっておりまして、八・三三倍の伸び率を示しております。一般の公共事業と比べますと一・五倍になっているというわけでございます。平均の伸び率を五割上回っているわけでございまして、特に四十七年度には対前年度三七%、四十八年度には対前年度四七%と逐年きわめて大きい伸びを小しておるわけでございまして、近年公立文教施設費予算は著しく充実してきているということが言えると考えておるわけでございます。
○小林(信)委員 いまの数字を承っても、教育施設の充実のために努力をしたあとというものはよくわかりますが、しかし、いまのように、私が申し上げるような、欲を申し上げれば、まだまだ十分でないし、しかも、そこには地域差というものがいまあって、この充実をどうするかという一つの課題が出てきておると思います。そういう点に今後努力をしてほしいと思いますが、いまも大臣が、鉄筋のことを具体的にお話しになりましたが、これなども、ただ地方自治体の考え方にまかしておくのではなくて、鉄筋にすることが奨励すべきことである、そのためにはどういう施策をするかというふうなことを、実はあなた方が施設の政策に対してどういうふうなお考えを持っておりますか。いまはあなた方があまり口がきけないのですね、金を出すのが少ないから。だから地域の事情にまかして鉄筋あるいは鉄骨、木造というものがなされておると思うのですが、そういうところにも、今後全国の施設を少なくとも鉄骨にするのだ、鉄筋にするのだというようなことが、あるいは木造が好ましいという地域もあると思いますけれども、そういう一つの夢を私は持っていただきたいと思うのです。しかし、いま局長のほうからお話がありましたが、プレハブの校舎というものがまだある。あるいは私の聞いた話では、屋体を間仕切りをして教室に充てておるところもあるとか、青空はないでしょうが、そういうところもある。それほど急増過密地帯が、間に合わないような状態になっておる、そういう点が、夢どころじゃない、いかに最低限度のものを確保するかが問題になってきておると思います。そういうところのまず第一番に考えられることは土地の確保でございます。こういう点について三分の、にいたしますというだけではたして可能であるかどうか、こういう点も伺いたいところでありますが、さらにそういう中で僻地集会所の予算が減っております。それから高等学校の定時制の校舎建築の費用が減っております。寄宿舎の費用も減っております。これはその必要性がなくなってきておるから減っておるのか。そういうふうに全体が、量的にふやしていく率を上げていくという中でこういうものが減っております。その点をこの際お伺いしたいと思います。
○安嶋政府委員 幾つかお話があったわけでございますが、最初の構造比率の問題でございますが、小中学校の校舎、屋体につきましては、全部が鉄筋鉄骨造になっております。その他僻地集会室、学校統合、危険高校、幼稚園等を含めまして公立文教施設の九八%が鉄筋鉄骨造でございまして、木造は二%ということでございます。木造で積算をいたしておりまするのは、僻地集会室と定時制校舎と幼稚園の三つだけでございまして、その他の事項はすべて鉄筋鉄骨造ということになっております。そうした改善が行なわれておるわけでございます。 それから用地につきましては、これは御承知かと思いますが、単価を従来の平米当たり一万六千円から二万一千円ということで、約三一%強引き上げております。また買収面積も前年度三百六十三万平米を三百九十七万平米というふうに増加をいたしておる次第でございます。 なお、僻地集会室と定時制高校の予算の減額についてのお話がございましたが、僻地集会室につきましては、前年度六万五千平米という積算でございました。四十八年度はこれが五万平米ということでございますから、約一万五千平米の減になっておりますが、これはこの事業の補助申請が年々減少いたしておりまして、実は四十七年度においても四万平米の申請しかなかったということでございます。したがいまして、四十八年度におきましていま申し上げましたように五万平米の積算をいたしておるわけでございますが、これで十分助成が行なえるというふうに考えております。
○小林(信)委員 どうも話がうまく合わないのですが、鉄筋の問題も私は決して屋体だけをさしたのではないのです。あらゆる小中学校の校舎、こういうものを鉄筋にするとか、あるいは木造を希望するところはこれはしようがないのですが、そういうふうなことが何か考慮されておられるかどうかをお伺いしたのですが……。
○安嶋政府委員 屋体だけではなくて、校舎につきましても一〇〇%鉄筋鉄骨造でございます。一そう予算の配当をいたしております。
○小林(信)委員 それはいまやっているところでしょう。いま全国の校舎が一〇〇%だというように私は聞いたのです。だから、したがって、いまの木造建築を、そういうふうに鉄筋にするような指導をしておるのか。そのためにいま局長がおっしゃった坪単価をどうという話がありましたが、その坪単価を三十何%引き上げてあるけれども、現実の各地域でもって請け負われる場合の坪単価というものが、はたして考慮されておるかどうか。これも相当地方自治体では問題にしておる。おそらくもっと上げてほしいという要望があると思うのです。これは相当調査もされたようでございますが、これなんかも、何かそこに将来はこういたしますというふうなものがあったらお聞きしたいし、それから土地の購入の問題も、ただ量を上げたりあるいは補助をするというだけの問題でなく、要するにここに団地ができそうだ、そういう場合には優先的に、校舎をつくる場所というものは、その地方自治体が優先的にそれを確保することができるというような、そういう条件まで備えてやらなければ親切なやり方じゃないと思うのですが、そういうことも問題になっておると思いますが、何かお考えになっておいでになるならばお聞かせ願いたいと思います。
○安嶋政府委員 ちょっと御質問の趣旨を取り違えまして、恐縮でございます。 建物のこの鉄筋化の現況でございますが、小学校の校舎、屋体、寄宿舎につきましては、四十七年五月一日現在で鉄筋化されておりますものが五二%、中学校の場合はこれは五七%でございます。 それから木造校舎は、御指摘のように依然として残っておりまして、小学校の場合は、全体の保有面積が六千百九十三万平米あるわけでございますが、そのうち二千九百九十万平米がまだ木造でございます。中学校は保有面積が三千五百八十四万平米ございますけれども、そのうち木造が千五百二十二万平米ということでございますから、いずれにいたしましても半分近い木造があるわけでございます。この木造は、いずれ老朽危険校舎ということで改築の時期になるわけでございますが、危険改築の場合の構造比率といたしましては、鉄筋が九〇%、鉄骨が一〇%ということでやっておりますから、逐次この木造は改築の際には鉄筋化される、改築の際にはその令部が鉄筋化されるという予算措置になっておるわけでございます。 それから建築の単価でございますが、超過負担というような問題もございまして、小学校、中学校の校舎の単価について申しますと、四十七年度、平米当たりでございますが、三万八千六百円であったものを四十八年度は四万二千五百円というふうに、約一〇・七%引き上げておるわけでございますが、この内容といたしましては、三・四五%が超過負担解消分の一年分の一でございます。また物価の上昇に伴う分が六・六二%ということでございます。この超過負担の解消に伴う分は次年度分が残されておるわけでございますし、また今後物価上昇という問題もあるわけでございますので、将来の四十九年度単価につきましては、当然そうしたものが反映されて新しい単価が策定されていくものと考えております。 それから学校用地につきましては、先ほど申し上げましたように単価それから取得坪数、それぞれ増加をいたしておるわけでございますが、御指摘のとおり、やはり先行取得ということが一番大きな課題かと思いますので、そうした方面につきましては地方債その他でもって措置が行なわれておるわけでございます。文部省の補助金としては、先行取得という関係の補助金は現在は出ておりませんが、地方財政サイドでそうした措置が行なわれておるわけでございます。
○小林(信)委員 そういう一つ一つの問題も、こういう機会にわれわれの要望というものを強く訴え、御検討を願いたいわけでありますが、時間がありませんから、問題点であるというような、そういう問題について、十分この際思い切った予算措置やあるいは便宜をはかる制度をつくるようなことが必要ではないか。そうして従来の一般国民が持っております、教育とは校舎であるというふうな単純なものから、もっとよい環境が、それが教育の場であるという、そういうものを持たせるようにしなければいけないと思います。 もう一つそこで問題をお聞きいたしますが、先ほど高等学校の寄宿舎の要望が少なくなってきたというお話でありますが、一体その高等学校の寄宿舎というものはどういうところの生徒が使うのですか、どういうふうに文部省としてはこれを把握されておりますか、お伺いいたします。 〔委員長退席、森(喜)委員長代理着席〕
○安嶋政府委員 補助要綱によりますると、内容といたしましては、僻地出身の高等学校の生徒または僻地学校に勤務する教員の子弟である高等学校の生徒を収容するための寄宿舎の新築または増築に要する経費というのが補助の対象でございます。
○小林(信)委員 まあ、高等学校も相当にふえておりますので、普通のところの子供たちは寄宿舎に入る必要がないことは当然でありまして、御説明がありましたように、僻地の子供だと思いますが、寄宿舎をつくるというからには、相当そういう対象になる生徒が多いということですけれども、私どもが調べたところでは、寄宿舎に入って高等学校に通うような場合には、大学に行くのと同じくらいの費用がかかるのですよ。そういう点も考慮しなければならぬと思うのですが、これは特別、文部省として考えることであるかどうかわかりませんけれども、とにかくそういう子供たちです。その子供たちが、まだ大学生でない状態で、親のもとを離れて高等学校に通うような場合に、何でも寝泊まりできればいいわというようなものであってはならないと思います。そこで生活をするのですから、多少家庭的な雰囲気があったり、潤いのあるものでなければならぬのですが、私、行ってみまして、かつての軍隊生活を思わせるような、ほんとうにがらんとした中で寝泊まりしておるのですが、こういう点、施設を充実するために大いに考慮をしてほしいような気がいたします。 私の調べたところでは、この僻地の子供が高等学校に行くのに、父兄から食べものや日用品を送ってもらって、いまのところ大体月一三万くらい現金で持っていかなければ寄宿生活ができない。それは寄宿の費用ばかりじゃありませんが、そういうふうに、僻地の子供たちは高等学校に行くにもなかなか至難な道だ。だから、私の県あたりで調べますと、僻地の子供たちで中学校を卒業して高等学校に行く者が、ややよくなりまして五〇%です。全国の平均のパーセンテージから見ればはるかに低いわけですが、そういうところに支障があるわけなんですよね。教育の機会均等ということが叫ばれておりますけれども、そうした不遇な子供もあるのです。せめてもっと施設の整備された、そして費用のかからない寄宿というものが考慮されなければならぬのじゃないか。この際、文部省は施設に対する考え方を一段高くして、整備充実に当たっていただきたい。私は第一番目にそのことをお願いしたいわけであります。 第二番目には、この法案審議の中でたいへんに話題になりました例の補助基準面積二〇%の問題ですが、これがどういう面に実際使われておるのかお伺いしたいと思います。
○安嶋政府委員 今川、小中学校の校舎につきまして二〇%の基準改定を行なったわけでございますが、内容といたしましては特別教室の関係が中心でございまして、理科、音楽、図工、家庭等の特別教室の準備室を新設する。それから視聴覚教室、図書室の面積の増加をはかる。特別活動室、児童生徒更衣室を新設する。それから中学校の場合でございますが、教育相談室、器具器材等の収納スペースを確保する。また小中学校の小規模学校におきましては図工、美術等の教室を新設する。図書室については新たにスペースを設ける。それから五学級以下の小学校につきましても音楽教室を盛り込む。こうした関係が特別教室関係でございます。 次に、管理関係といたしましては、教員の更衣室のスペースを増加する。便所、洗面所の面積についても、保健体育審議会の答申を考慮してその改善をはかる。こういうことが内容でございます。 やや具体的に申しますと、小学校の十八学級の場合でございますと、従来二千九百七十平米程度であったものが、今川の改定によりまして三千五百五十平米程度に増加をする。約二割増でございます。中学校でございますと、従来の基準で約三千七百六十平米でございましたものが、今回の改定によって四千四百九十平米程度に改善される。こういうことが十八学級の場合の内容でございまして、それぞれ学級規模に対応した改善を行なっておるわけでございます。
○小林(信)委員 これとても、この法案を出すにあたっては、文部省の御自慢のところだと思います。確かに、いままでから考えれば、こういうような施設を補助の対象にするということは非常に進展をしたことでありますが、それはやはりわれわれがどこに基準を置くかという場合に問題になるわけでありまして、高い基準を考えておるなら当然のことなんですね。しかし、かつては、小便室も便所も教員室も——教員室はどうか知りませんが、とにかくどこでも、必要なものすらも補助の対象にならなかった時代があります。廊下さえ考えられなかった時代もあるのですよ。こんなのは、日本は財政的に苦しいからというふうなことで過ごしてきたわけでありますが、義務教育は無償であるというふうな誇り高い憲法を持っている国としては、考えれば情けなかったわけであります。数多い学校を整備するためにはこれもやむを得なかったのでしょうが、いま局長が申されましたように、それが補助の対象になったということは、従来から見れば非常な発展である。しかし、それは当然のことであるということから考えれば、もっとこれをふやすべきではないかということもいえるわけであります。 と申しますのは、いま、これは一般の考え方ですが、音楽教室、理科教室は一つあればいいんだ、こういう考え方がまだ強く残っておるんじゃないかと思います。十八学級の学校であれば、私は音楽教室は一つじゃ足りないと思います。しかし、そんなことをいま言ったら、地方財政の面からもあるいは従来の考え方からしても、それはぜいたくだと言うかもしれませんが、音楽教室を必ず使うとするならば、私は一つじゃ少ないと思います。あるいは理科の準備室、これもいままでの、最低限度のものがあればという概念からすれば気がつかないのですが、一つじゃ足りないのですよ。そういうふうに複数が要求されるのは当然なんですよ。そういう段階にも来ておるわけで、これに満足することなく、私はさらに充実をしていく必要があると思うのです。 そのほか加えてもらいたいものとして、こんなことは考えられるかどうか。最近女の先生が非常に多くなってはおりますけれども、女の先生が子供におっぱいをやるというようなことは非常に少なくなりました。しかし私は、いままでの学校のあり方からいって哺乳室というふうなものを備えるべきではなかったかと思うのですが、その必要がないというので入れないのか、まだそこまでいかないというのか。あるいは先生たちの会議をする部屋あるいは先生たちが休む部屋とか、そういうふうなものなどはこれに加える必要はないのか、そういうところまでまだいかないのか、お聞きしたいと思いますし、いま私が前段に申し上げましたようなことも、御意見があったら承りたいと思います。
○安嶋政府委員 実は、文部省の当初要求は約三〇%の基準の増ということでございました。予算のワクその他の関係からして二〇%ということになったわけでございますが、そのときの選択の基準といたしまして、やはり特別教室関係を優先させたいということで、管理関係が圧縮されておるわけでございます。 〔森(喜)委員長代理退席、委員長着席〕 したがいまして、小林先生御指摘の会議室でございますとか、そうした管理関係の部分が従来とあまり変わっていないという点が、やはり今後に残された課題であろうかと思います。
○小林(信)委員 私は、この補助基準面積二〇%というものは、校舎を建てる人たちからすればたいへんうれしいことで感謝しておると思いますよ。しかし、私の考え方からすれば、これは一般校舎建築の中に当然含まれるべきで、これから特別抜き出して二〇%という新たな存在にすべきではない。それくらい思い詰めて考えてもいいじゃないか。そしてもっと一切、いろんな教育活動が十分満たされるようなものにしなければいけないと思います。いま更衣室なんかを文部省でもってことさらに声を大にして言うならば、私は異議があります。女の先生が体操の服に着がえるような場合に、小使室に行って小使室でもってやります。赤ん坊におっぱいをくれる場合に、これも小使室でもってやる。おしめを取りかえるのも小使室でやる。そういう想像もつかないような状態でもって先生たちの生活はなされておったし、それから理科の実験をする場合の準備室なんというものもなかったわけですよ。そういう中で仕事をしますから、実験をするようなことが非常におっくうになって、薬品もある、器械もある、そして当然図解でなくて、実際実験をして子供に教えなければならぬものも、図解説明で終わってしまうというようなことになってきたわけであります。さらに要求するならば、こういうものをその生徒数に応じて二つも三つもほしいというところはそれを充実さしてやらなければいかぬと私は思います。 屋体だってそうですね。屋体をほんとうに必要とするならば、生徒数が五百人、六百人あるようなところが、あの規定された屋体一つでもってほんとうに雨天の体操場になるかといえば、私はならないと思うのです。いままで屋体を一般の人たちが見る場合に、集会所的な考え方をしておって、それがまだ抜けておらぬ状態なんです。ほんとうに生徒の雨天体操場、屋内体操場という形にするならば、まだまだ考慮する余地がたくさんあると思うのです。しかし、くれぐれも申し上げますが、こういうところに努力をされた、発展をされた、施設のための努力というものは私は評価いたしますが、しかし、それに満足すべき段階ではない、こういうふうに思います。 それから、さっきちょっとお話が出てまいりましたが、さらに第四次の計画をされるというふうなお話でありましたが、いままでの五カ年計画というものを資料でもって見ますと、五年分を四年間に達成しておるというふうな実績が出ております。これは一面、よく考えれば文部省の努力があったから、あるいは地方の自治体の要望というものが強くて、そういうものが合わさってそういう成果をあげたとも考えられるし、最初の見込みというものがそういう見通しがあまりなくて粗末であった、過小に評価しておったというふうなことも考えられるのですが、この第三次の計画というものがどういうふうに推移したか、まずお伺いして、そうすると今度は第四次の計画になりますが、その第四次は、ことし出発するのかあるいは新たに予定どおり来年から出発するのか、ここら辺もお伺いをして、もし本年度から出発するというなら、何かそういうふうな計画があるかどうか、お伺いしたいと思います。
○安嶋政府委員 三次計画の進行の状況でございますが、資料の三ページにもございますように、四十七年度末で九三%、四十八年度まで入れますと一二〇%という達成率になるわけでございます。この点については、ただいま御指摘がありましたように、当初計画に見積もりの不足があったのではないかという点が確かに一つ問題点でございます。私ども、小中学校校舎の新増築事業につきましては、御指摘のような傾向があったと思います。これは再々問題になっておりますように、児童生徒の急増関係の需要がこの中に相当な部分を占めておるわけでございますが、その推計がどうもうまくいかなかった、結果的にはそれがやや過小であったということが理由で、したがいまして目標が一年早く達成できた、こういうことに結果的にはなったわけでございます。そうした現実でございましたので、私どもは四十八年度が最終年次ではございますが、これを四十七年度で打ち切りまして、四十八年度から新しい第四次五カ年計画を発足させたいということで、今年度の予算をそういう前提で積算をいたしておりますし、今後もそうした全体計画を前提にして事業を進めてまいりたいというふうに考えております。 四十八年度以降の五カ年計画につきましては、将来の推測がかなり入るわけでございますが、各町村ごとに個々の調査票を依頼をいたしまして、見込みではございますが、何年度にどういう戸数の増加があって、それに対応して児童生徒の数がどういうふうにふえるかということを、五カ年間分を先取りをいたしまして数字を積算をいたしております。しかし、これも推計でございますから、そのとおり推移するかどうかということにつきましては、完全に自信があるわけではございません。これは事態の進行を見ながら、必要に応じて修正を加えてまいりたいというふうに考えております。
○小林(信)委員 ほかの委員からもこの問題についてはいろいろ論議をされて、全国知事会等の要求はもっと高いんじゃないのか、それを低く見たところにこの第三次計画というものは甘かったというふうなお話もございまして、いまあらためて局長から、急増地域に膨大な予算をとられたということも一つは達成年度を早めたということがあるというようなお話でございます。そうなると、今度は文部省が予定をした急増地域を除く地帯が、その間非常に冷酷に取り扱われたことにもなると思いますが、したがって、平等を欠くことにもなるわけでございまして、第四次計画に対してもう少し、早く達したからいいということでなくて、要望も強いわけでありますから、そういうものを満足させるような御配慮を願いたい、こう思うわけでございます。 私の時間が一時間半くらいだと思ったら、私と前の質問者を合わせて一時間半でございまして、私にはそういう時間が許されないそうでございますから、もう一つだけ申し上げます。 危険校舎の問題ですが、ここに新しい委員長がおられますが、いい時期でございますのでお話し申し上げますが、前の前の委員長が昨年この法案を取り扱うときに、委員の意向というものを取り上げまして、委員長が修正案を出そうじゃないかというえらい積極的な意向を示されたことがあります。おそらく今度の委員長もその点では人後に落ちない方でございますので、そういう委員会の盛り上がりをしていただけると思いますが、確かに昨年中学校の校舎建築を二分の一にした法律を出しましたね。それに伴って、そんな一つのものばかりではいけない、小学校にも、あるいは屋体にも、危険校舎にも適用すべきであるという強い要望が委員の中から出てまいりまして、それを委員長が取り上げて、それではひとつ超党派でもってこの委員会では修正案を出そうじゃないか。自民党さんのほうからはだいぶおしかりを受けながらも委員長が決意をかたくされまして、断じて引かないという状態があったんですが、そういうことが今回この法律が出される一つのきっかけをつくったと思います、全部とは申しませんが。そのときに大蔵省のほうから責任者を呼んで、あなたのところが理解がないからこういう状態なんだ、どうだというきつい質問をいたしましたときに、来年度、屋体につきましては必ず二分の一にしますというような思い切った回答をしましたし、屋体につきましても考慮するという話があったんで、文部省の予算要求の中には確かに十二分の五というきわめてはんぱでありますが、要求が最初はあったと思うのです。と同時に、四千五百点も五千点にするという要求もあったように私は聞いておりますが、そういうものがあったのか。そして、それを要求したけれども通らなかったのはどういうわけであるか、この際まずそこからお聞きしたいと思います。
○安嶋政府委員 まず、小学校の屋体につきましては、ただいま御指摘のとおり、今回法改正をお願いしておりますように、三分の一負担を二分の一負担にするというふうに決定を見たわけでございます。 それから、危険改築につきましては、この文教委員会の決議は、二分の一負担にすべきであるということでございました。私どもその決議の趣旨に従いまして、二分の一にしたいというふうに考えたわけでございますが、実は予算の要求総額が前年度予算の二五%増以内というふうに限定されておったような事情等もございまして、実は二分の一で要求をいたしますと、金額的にはかなり大きな金額になるものでございますから、中間的に一つステップを踏みまして、三分の一と申しますと十二分の四でございます。二分の一と申しますと十二分の六でございまして、その中間の十二分の五ということで四十八年度は要求をいたしたわけでございますが、予算全体の折衝の過程におきまして、これは明年度に見送らざるを得ないということになったわけでございます。その点につきましては、先ほど大臣からもやはり危険改築につきましても折半負担が原則であるというお答えもあったわけでございますが、かつまたこの委員会の御決議の趣旨もございますので、私どもそういう方向で今後も勢力をしてまいりたいというふうに考えております。 それから、危険点数の四千五百点を五千点に引き上げるということでございますが、これも多年の課題でございますが、現在四千五百点以下の危険面積が小中学校で四百八十万平米ある、年々約七十万平米というものが健全坪数から危険坪数に落ち込んでくるというような事態もございますので、当面はそうした四千五百点以下のものの改築に主力を注いでいきたい、こういうことで基準点数の引き上げはこれまた見送ったわけでございますが、ただ実行上の問題といたしましてはケース・バイ・ケースで、個々に五千点までのものを認めることも検討してみたいということでございます。従来は特殊教育学校あるいは豪雪地帯の学校につきましては五千点までを認めている例もあるわけでございますが、今後はたとえば学校の、ある部分が五千点である、しかし大部分は四千五百点である、改築する場合は一緒にやらなければならないというような場合等、実行上やはり考慮しなければならないケースがいろいろあると思います。そういう場合には弾力的にケース・バイ・ケースで処置をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
○小林(信)委員 まず第一番に私は要望を申し上げておきますが、将来三分の一と三分の二の間をとるなんて、そんなけちくさい要求を文部省の権威にかけても私はやっていただきたくないと思うのです、十二分の五なんという。そうしなければ文部省の要求は通らないのかというふうに、文部省がますます軽視されますよ。いかに文部省が施設の問題で努力しておるかという、そういう熱意からも、私はこんなものは堂々と十二分の六、つまり二分の一を要求すべきじゃないか。通らぬものを、十二分の五なんというはしたのものを出して、かえって文部省が恥をかいたということになるでしょう。ひとつそういう弱い、何というか、いくじのない文部省でないように、私は気をつけていただきたいと思うのです。 それから、この問題はもっと堂々と要求してもらいたい点は、先ほど大臣も、鉄筋化する。おそらく危険校舎であるということは、木造建築であるということですよ。そうして四千五百点にはならないが、五千点ぐらいのところを行ったり来たりしておるというところはかなり古い校舎なんですね。古い校舎だけれども、その地域の人たちが教育熱心のあまり、いい材料を使っておる。土台だとか柱だとか、そういうようなものがじょうぶであるために、残念ながら危険校舎というものに入らない、残念ながらというのはおかしいですが。というのは、やはりそういう古い校舎というのは採光だとかあるいは風通しだとかいうふうなものが非常に不十分なんですね。だからもっと近代的な建築にして、子供たちの環境をよくしてやりたいという父兄の熱意が幾らあっても、昔の先祖がじょうぶなものを使っておるから危険校舎に指定されない、こういうふうなふしぎなものがあるのですよ。 稲葉文部次官のときに、こういう話があったんです。私の県から、僻地ですよ、わら屋根の校舎の町村長さんが来まして、助成課長のところへ行って、山梨県では危険校舎にしてくれないけれどもこの状態だ。フットボールを教室のすみに置きますとまん中へみんなころがっていくのです、どこのすみからやっても。床にもそういうふうに波を打っている。ところが、危険校舎にならないというのは、わら屋根で屋根が軽いからだという、これが文部省の理屈なんですね。たまたま稲葉文部次官がいましたから、次官にその話をした。そうしたら何とか考慮したいと全く熱意のある、しかも、ほんとうに僻地の学校でありますのでよけいに関心を高めてもらって、何と判断したかといったら、雨が降ったり雪が降ったりするとわらがぬれるから、それだけ重みがふだん査定をするよりももっとよけいにかかる、したがって、これは調査の手落ちであるという理由でわら屋根の校舎を改築してもらったことがあるのですが、わら屋根であるがゆえに危険校舎でないというのは、全く情けないことなのです。こういうようなものが、この制度ある限り放置されて、依然として五千点というものがじゃまになっているような状態なのです。これはひとつワクをもっとはずすか、あるいは点数をふやすようにして、危険校舎というものの改築を可能にしていただきたいと思うのです。そして、全国の子供たちが一律に鉄筋校舎の中で十分安心して勉強ができるという状態にすべきだと思うのです。 だいぶ時間を苦にしておるようでございますが、私は、どちらかというと中心からはずれた、全国でも東京に遠いところには危険校舎が多いような気がいたします。先ほども申し上げましたように、そういう地域的に差異が出てきているという点も考慮してもらいたいと思うのですが、ある学校で、運動器具の設備が悪かったために、子供が落ちて死んでしまった問題があります。その学校へ私行ったのですが、そういう、子供の危険性というのは、校舎の中に一ぱいあるのです。たまたまその子供はすべり台の上から落ちたのですが、そのすべり台は鉄板でつくってある。コの字形につくってある。その屈折をする部面は溶接してある。ところが、その溶接がはげているのです。だから、刃物がそこにあると同じことなのです。それを子供たちがすべっているのです。そのことでけがをしたのではなく、たまたま上から落ちてやられたのですが、しかし、私は校長先生とその校舎を回ってみましたが、危険校舎であります。危険校舎でありますけれども、市の財政がないから改築することができない。たまたま本館から便所へ移る廊下がありますが、その廊下の屋根にシートがかけてあった。あれは何ですかと言ったら、もう雨が漏ってどうしようもない、だから、これ以上雨が漏りますと柱が腐りますからシートをかけておりますと言う。そんな危険校舎で全国の子供たちは勉強しておるのです。文部省がもっと国民全体に、この際、数字の二分の一、三分の二などということにとらわれずに、そういうものは一日も早く解消するのだ、危険校舎は解消するのだ、そして、もっと明るい、通風や暖房や、冷房までいけるかどうか知らぬけれども、そういう施設も十分にするのだ、あるいはまあとにかく勉強さえできればいいでなくて、プールばかりでなく、子供がおふろへ入るような施設も一つの条件の中に入るような時代を文部省は考えておりますよ、それに向かって努力しておりますよというような、そういう法案を一日も早く提案してもらいたい。この法案も努力をした成果ということは私は十分に認めますが、さらに一段と飛躍をしたものをこの際つくっていただいて、大臣の所信表明を名実ともに充実をしたものにしていただきたい、こう思うのです。 それから、これもほかの委員からも問題になりましたが、建築と一緒に考えられるものは、セメントを確保する問題、木材を確保する問題です。ところが、こういう問題が非常にいまむずかしい状態になってきておる。そういう場合には優先的に確保できるというふうなことも、ときには文部省が責任を持たなければならぬようなこともあると私は思うのです、今日のような経済事情の中ではですね。現に全国で、校舎が仕上がる段階に入って、セメントがないために当分待ってもらわなければならぬというような情勢もあるやに聞いております。その場合に、文部省が三分の二あるいは二分の一という数字だけでもって私の責任はもうないのだということでは許されないと私は思うのです。そういう点を大臣は十分考慮されるように私はお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきますが、できるならば大臣にひとつお考えのほどをお聞きして終わりたいと思います。
○奥野国務大臣 私は、いずれもごもっともなことでございますので、その方向に向かって最良を尽くしていきたいと思います。
○田中委員長 有島重武君。
○有島委員 義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案の審議にあたりまして、まずこの法律の目的でございますけれども、これは、施設を整備するため、これを国が負担することによって義務教育諸学校における教育の円滑な実施を確保するのが目的である、こうございます。そこで、この法第一条のこの目的を達するためには、学校施設につきましていまどれだけの不足があるのか、どれだけの施設を充足すれば、この義務教育が円滑な実施を確保することができるか、こうした目標をまずしっかりと設定してから審議をさせていただきたいと思うわけであります。お願いいたします。
○安嶋政府委員 最初に、現在学校施設にどれだけの不足があるかという話でございますが、何回か申し上げましたように、四十八年度を初年度とする第四次五カ年計画をつくりたいということで、文部省としても計画を立てておるわけでございますが、これは、特に児童生徒急増地域等につきましては、その増加の見込みをどの程度で押えるかという、なかなかむずかしい問題がございまして、これは町村からの回答を基礎にして積み上げました結果、小中学校校舎につきましては、これは今後発生する不足分も含めての数字でありますが、約一千万平米の新増築が必要である。屋内運動場につきましては約二百六十万平米の新増築が必要である。僻地集会室等につきましては約二十五万平米の整備が必要である。学校統合につきましては約三百五十万平米程度の整備が必要である。それから危険改築につきましては、これは将来危険校舎になると予想されるものを含めまして約六百万平米の整備が必要である。こうしたものを合わせまして、これは文部省の計画でございますが、義務教育関係では約二千三百万平米の整備を必要とする。そのほかに高等学校関係が約百二十万平米整備をする必要がある、こういうことでございます。
○有島委員 大臣に伺います。 いまの数字は、この委員会でたびたびお話があったと思うのですけれども、これだけのことをやれば、これで施設としては教育が円滑にいくのだろうか、こういうような大臣のお考えをまず伺っておきたいと思います。
○奥野国務大臣 円滑という内容も、時代の発展とともに深みを増していかなければならぬわけでございますが、さしあたりはこれだけをやらなければならない。それがいまの円滑という意味かもしれませんけれども、さらに内容を高める、施設の水準を引き上げていかなければならぬわけでありますから、それに加わって必要な施設もふえていくということでございますので、常に高いところを目標にしながら整備を進めていきたい。いまの説明は、さしあたりこれだけが必要だと考えているのだ、こういう趣旨に御理解をいただけばいいと思います。
○有島委員 これは、先ほど小林委員からのお話もそういった趣旨ではなかったかと思うのですけれども、この審議の出発点にあたりまして、最低これだけはやらなければならないんだというお話からいくか、現在であってもこれだけのことはどうしてもやりたいんだ、ましてや五年、十年後にはこういうことをしたいんだということが、これが一つの前提にならないと、この審議はきわめてみみっちい話になるのじゃないか。それが心配なんです。そういった構想を聞きたいわけです。構想と申しますか、現在において、いま三千三百万平米、これでも足りない、これはわかっております。これは、それだけの校舎、屋体その他を確保すればいいんだというわけではない、それじゃどうなんだ、そのことをまずお示しいただきたいわけです。
○安嶋政府委員 「教育の円滑な実施を確保する」ということの意味でございますが、この条文は、昭和二十八年に公立学校施設費負担法が成立いたしましたときにも、第一条に「教育の円滑な実施を確保することを目的とする。」というこの条文があったわけでございます。この「円滑な実施」の実質内容でございますが、これは大臣からただいま御答弁申し上げましたように、その時代時代の経済社会の水準あるいは教育的な要請その他によって相対的に決定されるものかと思います。やや具体的に申し上げますと、この国庫補助制度が始まりました当初は、御承知のとおり、一人当たり〇・七坪、二、三平米ということが補助の基本であったわけでございます。そういう時代が二十四年から二十七年まで続いております。それから二十八年から三十八年までは一人当たり〇・九坪、二・九七平米という時代が約十年続いておるわけです。それから三十九年から四十七年まででございますが、これは十八学級の場合でございますが、一人当たり四・六平米というその坪数が補助の基本になっておったわけでございます。これを、先ほど来申し上げておりますように、来年度からは小中学校校舎につきまして約二割上げたいということでございます。この間、すべて「教育の円滑な実施を確保する」ということの具体的な内容としていま申し上げたようなことが、その時代時代の要請なりその状況下において定められてきたわけでございます。 同じようなことは構造比率についても申し上げ得ることでございまして、昭和二十五年でございますと、鉄筋比率がわずか五%というような時代があったわけでございますが、今日はこれが九五%、いわゆる鉄骨を入れますと一〇〇%が耐火造ということになっておるわけでございます。また、その標準仕様でございますが、これも今回六・七%の改善をはかることによりまして、質的な改善をはかっておるわけでございますし、また暖房につきましても、これは四十二年から初めて補助対象になったというようなことでございます。 したがいましてもとに戻りますが、「教育の円滑な実施を確保する」ということの意味は、これがその円滑な実施を確保する方法だという特定のものがあるわけではないわけでありまして、その時代時代の経済社会の経済社会状況の発展、向上、あるいは教育の内容、方法の変化に対応いたしましてきめられるものであろうかと思います。先ほど申し上げました義務教育関係で約二千三百万平米要整備の面積がある。高等学校も含めるとそれが約二千四百万平米ということを申し上げたわけでございますが、これは現段階におきまして私どもが考えておりまする基準面積というものを前提にして算定をすると、こういうことになる。現段階におきましては、私どもはこの程度の基準面積なりあるいは要整備坪数、目標を持って公立学校施設を整備すれば、これは一応教育の円滑な実施が確保できる、こういうふうに考えておるわけでございます。
○有島委員 局長のお立場からのお話はよくわかります。大臣のお立場から現在、時代時代において違うんだというお話です。それじゃ現段階において、現段階というよりも、たちまちこれは二年、三年、四年、五年と年がたっていくわけでありますけれども、どれだけのものがほんとうに理想なのであるか、そのことをまず、この審議の一番最初の設定としてぜひとも承っておきたい。
○奥野国務大臣 義務教育施設国庫負担法はナショナルミニマムとしてこれだけは確保したいということでございまして、個々の団体がさらに熱意を向けましてより充実した施設をつくってくれる、これは私どもとしても期待したいところでございます。そういう意味で、義務教育施設国庫負担法として円滑な義務教育遂行のためにこれだけはぜひ確保したいというのが、先ほど来管理局長が申し上げています新しい第四次計画、この程度のものはやりたいということを達成するということじゃなかろうか、かように考えるわけでございます。私たちの願っていますのは、さらに一教室当たり、現在四十五人にしておるわけでありますけれども、時期を見てこれをさらに引き下げたいという希望を持っているわけでございまして、そうしますと、当然、施設の分量ももっとふえてくるわけでございますけれども、しかし、いろいろなことがございまして、すぐにはそこへはいけないのですということを申し上げたことがございますが、そういういろいろな事情にかんがみながら、この際われわれは、五年間にさらにこの程度のものを確保したい。それをいまの法律の趣旨を頭に置きながら考えておるわけでございます。理想はさらにもっと大きなものを持っているわけでございますけれども、順を追うて実現をしていきたい、こういう気持ちでおるわけでございます。
○有島委員 いま、ナショナルミニマムだとおっしゃいましたけれども、大臣のお考えになっているナショナルミニマムというのはどういうものなのであるかということを伺いたいわけなんです。いまのは局長さんのお話とあまり質的に変わっておらぬわけであります。どのような意気込みでもってこの法律を設定してこれを実施していくか、その意気込みの問題ですね、それが最初に伺いたいわけなんです。
○奥野国務大臣 理想をいえば際限がないわけでありますけれども、教室の問題にいたしましても、特別教室の問題もございましょうし、あるいはまた教材の問題もございましょう。そういう点につきましても、先ほど、規模の小さい学校につきましてもみんなそれが整っておる、それが理想的であるべきじゃないか、全くそのとおりだという感じがいたします。屋内運動場のないような学校では教育的に何もできないじゃないかということを思っているわけでありますし、プールは各学校が全部備えていなければならぬ、これも当然のことだと思うわけでございます。同時に、緑化のことも進めているわけでありますけれども、学校の環境全般、学ぶにふさわしいような環境が整わなければならない、これももっともなことだと考えるわけでございます。そういう方向で全体を進めていきたい。いろいろなことを考えながら、義務教育施設国庫負担法、その線に乗ってさしあたりわれわれが実現するのはどこをねらっていくべきかということになってきますと、やはり数字的には事務当局が申し上げているようなことにならざるを得ないのではないか、こう思うわけでございます。しかし、いま申し上げますような考え方で努力していきたいと思います。
○有島委員 半分わかって半分わからないのですが、先ほど前段でおっしゃったお話は、こちら側が望んでいるわけです。国民がみんな望んでいるわけです。お役所としては、局長さんはいままでのしきたりでこうだと言っているわけです。大臣のお立場であれば、将来にはこれだけのものをほんとうはやりたいのだということを数字的にはっきり示していただきたい。にもかかわらず、そこから今度は、いろいろな事情があるからというのは、次の話になるわけですよ。目標を立てるときに、いろいろな事情があるからと言って、そこで薄められては、ほんとうにお役人ペースということになるわけです。そういうものを示していただきたいのだけれども、示していただけませんか。
○奥野国務大臣 私、いまここに数字は持っておりませんけれども、私の基本的な考え方としてはナショナルミニマムについて国があるきめられた分量を負担していく、それ以外に個々の市町村が積極的に施設を充実する、それはどういう姿であるべきか、私は積極的に文部省が示していったらいいじゃないか、それができるように財政的な配慮もしてあげるべきだ、基本的には市町村が責任を持っておるわけでございますので、それができるように、金がなければ借金の道を考えてあげたらいい、資金のお世話もしてあげたらいいじゃないか、こういう気持ちも持っておるわけでございまして、できますならば、そういうような理想の姿を遠慮しないで文部省は出したらいいじゃないか、これについて国の負担すべき部分と地方団体が責任を負う部分、これは明確にしてその個々の地方団体が責任を持っておる部分につきましても、できる限りそれができるような財政的な配慮を、地方財政の面で、文部省もそういうことにタッチして協力していけばいいのじゃないだろうか、そういう気持ちを持っておるわけでございます。
○有島委員 その気持ちをあらわしてちゃんとわれわれにわかるように示していただくということが、この法案の審議の前提になるのじゃないかと私は申し上げているわけです。いかがでしょうか。
○奥野国務大臣 先ほども申し上げましたように、数字的なものを私は持っていないわけですけれども、皆さんたちの御論議の中からも先ほど来も出ておるわけでございまして、プールの問題も出ておりましたし、あるいはまた環境を整備するというような問題も出ておりましたし、いろいろあるわけでございますけれども、理想の学校はどういう学校であるか、やはりそういうものを示したらいいのじゃないだろうかという気がするわけでございます。同時に、それにつきまして地方債の対象になるものをできるだけ広げていったらいいじゃないだろうか、地方債計画の中にそういうものも取り入れられるようにしていったらいいじゃないだろうか、進んで国が将来国庫負担する対象にすることができそうなものは、積極的にそういう対象に持っていったらいいじゃないだろうか、こう思うわけでございまして、ただ遺憾ながら、いまおっしゃいましたように、全国を見ておまえが理想を描いた場合どういう数字になるのかと、こうおっしゃられますと、そういう数字はいまのところ持っていない、よく勉強さしていただきたい、こう申し上げざるを得ないわけでございます。
○有島委員 大臣がこの一番前提になることをこれから勉強なさるということになりますと、それは速急に勉強していただいて、そういう一つのやはりビジョンを、数字的なものを示していただいて、そこからこれはもう一ぺん審議をし直してもいいのですよ。そうしましょうか。
○奥野国務大臣 そういうお話になりますと、私はやっぱりいまの施設法に限定してものを言わざるを得ない。ものを言いますと、御不満があるから。数字の問題を離れて、、個々の団体が積極的に理想を持って努力すべきではないか、それをわれわれは助けていくべきではないか、こう申し上げたわけであります。 その理想の数字を全部出さないと審議できないではないか、こんな話になりますと、それは話がやっぱり無理というものじゃなかろうかと思います。私は国の経済なり、財政なりというものを頭に置きながら、いまはここまでできますということで、私は円滑な実施の限界じゃないか、こう思うわけであります。それに対しまして、いま数字とおっしゃいますから、やはり個々の団体、(発言するもの多し)全体の数字というものはなかなか簡単に理想をすぐ財政経済を離れて言えるかということになっちゃうものですから、無限大の問題なら別ですけれども、そういうこともございますので、私は先ほどのようなお答えをしておるわけでございます。さしあたりはあの法律の責任を果たしていく。それについては、いま管理局長のお答えしたことを目標にしていきたい。それが円滑な施行、円滑な運営ということにならざるを得ないのだろう、こう考えているわけでございます。 将来は、さらに教室の問題についても申し上げたわけでございますけれども、あるいはまた一教室当たりの人数のことにも触れたわけでございますが、そのほか特別教室などの内容についても前進さしていかなければならない、こう思っているわけでございます。
○有島委員 私の言ったことは無理なんですか。
○奥野国務大臣 個々の団体が理想に掲げること、それを全部いま数字に出してあらわせと、こうおっしゃいますと、私、一年間に勉強してその数字を出しますと言う勇気は持ち得ない、こう申し上げたわけであります。
○有島委員 私が、勇気がないということと、おまえの言うことは無理だということは違う話なんだ。さっきおっしゃったのは、あなたの言うことは無理だとおっしゃった。(発言する者あり)いま、こちらの方々みんなでそうだ、そうだとおっしゃったのです。大臣は、全部おまえらの言うことは無理だ、理屈が通っていないとおっしゃったのです。これは重大だと思います。
○奥野国務大臣 それはちょっと誤解があるようでございますけれども、あるいは私の表現が悪いのかもしれませんが、私にいまそれを要求されても、私はいまこれを出すということは無理だ、こういう意味で申し上げているのですからと言っているのですから……。
○有島委員 それはことばのお用いになり方が不適当であったかもしれませんね。だけれども、おっしゃることは無理ですというようなふうにおっしゃったですよ。その私の力の限界以外ですというお話とは違っているのですよ、さっきのは。違うのですよ。こちらの言っているのは無理ではないですね。それをはっきりしておかないと、初めから無理だという、理屈が通らないという人と幾ら話してもしようがないのじゃないかということになりますからね。
○奥野国務大臣 私に理想的な数字を、おまえはそういうふうなことを言っているが、数字を出せといわれても、無理ですと、私は一年間にそういう数字を勉強してもとてもまとめる自信がございません、しかし、そういう努力はしていきたいと思っておりますということを言っているのです。 〔発言する者多し〕
○田中委員長 静粛に願います。
○有島委員 私はへ理屈を言いたいわけじゃないのですよ。無理ですという話と、力がちょっとないという話とはずいぶん違うのですよ。無理ですというと、理屈が通らないという、そんなことはできっこないという話でしょう。そういうことになるでしょう。これはことばじりをとらえたわけじゃありません。しかし、われわれはそれを望んでいるわけだ。やってもらいたい。できればそういう審議に入る前にそういったものを話し合って、そのワクの中のこれだけのものを、しかも、これだけなんだという話がしっかりしていれば、それでみんなでそろって大蔵省にかけ合うことができるのじゃないですか。初めから縮んじゃって、諸般の事情、諸般の事情で、それでおっかなびっくり大蔵省に折衝しているようじゃ、これはそれこそ非常にみみっちい話になるのじゃないか。 具体的な話はあとにして、それじゃ近くとにかくそういうものをお示しください。ビジョンをお出しくださいませ。それは各地方でいろいろな理想を持っているようですね。それを集めてきて、それでもってこういうことはほんとうはしたいのだ、それこそここまで、こんなめちゃめちゃなことを言われても、これはそれこそできない相談であろうというようなことがあるかもしれない、国全体としての教育を円滑にならしめるに足るだけの、これだけの施設はつくりたいのだということを、それを大胆にお出しになるということが、これはぼくは大臣としては非常に大切なことだ、大切というか、おつとめじゃないかと思うのです。私は、その内容については必ずしも賛成ではありませんけれども、田中総理が日本列島全般にわたっての一つのビジョンをお持ちになったですね。そういったことを土俵にして、また話が進んでいくのじゃないか、そう思う。
○奥野国務大臣 先ほど管理局長から、生徒一人当たりの坪数もこう変わってきております、それを踏まえて今後の五年間、こういう事業分量を考えているのです、こう申し上げたわけでございます。そういう過程で、九年ぶりに補助対象の基準面積も二割上げたわけでございます。二割上げたことを基礎にして数字を出しているわけでございます。お互いの住宅につきましても、だんだん内容を充実してきていると思います。公営住宅も同じでございます。しかし、われわれはもっと、公営住宅の規模にしましても、理想をいろいろ持っていると思うのでございます。しかし、現在の段階においてはこういうことで五カ年はいきたいということで計画を立てざるを得ない。学校につきましても、とにかく二割上げよう、そういうことで計画を立てているわけでございます。 おまえの理想を数字にしてあらわせと言われますと、これを基礎に申し上げること以外には私はないのじゃないか、こう考えているわけでございます。しかし、今後の市町村が給食施設にしましても、体育施設にしましても、その他環境全体にしましても、できるだけ努力をしていかれる。これをわれわれはできるだけ助けていかなければならないじゃないか、またそういう理想の学校はどういうところにあるかということを示していったらいいじゃないか、こう申し上げているわけでございまして、それをまた数字に、こうおっしゃっていきますと、これはちょっと数字にはできないのですと、こう申し上げておるわけでございます。
○有島委員 局長がそういうお答えであれば、私は十分であると思うのです。 それで、平米というのですか、そういったことの数字が出ておりますけれども、施設の内容ということは今後の時代の問題になるのじゃないかと思うのです。みんな同じような四角の箱に入れておいて、それが教室でございと、それでいいのかどうかということが、文部省あたりの一番の課題であっていいわけなんですね。何ぼどうする、幾ら金を配る、どうのこうの、そういうことはむしろそういった事務に属することですね。あるいは、そうしたこれからの学校施設のあり方についての研究をしているのが幾つかあるでしょう。そういったところに研究費をお出しになるとか、そういうことがむしろ大切になってくると思うのです。とにかく、いままでこうだったのが少しよくなった、よくなった、実際よくなった、それだけの話は局長からでけっこうです。なるべく任期中にそういうようなビジョンを、いま大臣、大体おっしゃった、その内容についてはいろいろおっしゃった。いま直ちにはそれはできない。少なくとも、それじゃ直ちにじゃなくてもいいから、私は、ほんとうはそういうものを示していただけるかと思ったのです。そういうものを前提として、この審議を始めたいと思っていたのです、ほんとうは。しかし、それができないから、ひとつそういうものを近日中に御提案というか、おつくりになってお示しになる、それはいかがでしょうか。
○奥野国務大臣 先ほど来申し上げたことで尽きていると思うのです。先日もどなたかから超過負担がある、文部省の施設指導要領で計算すれば、もっと国が金を出さなければならぬはずだ、にもかかわらず、それだけ国は出していないじゃないかというふうな式のおしかりがあり、それに対しまして、事務当局のほうから、施設指導要領を撤回します、将来あれはやめます、こう言いましたから、私はそうすべきでない、文部省は理想を示していったらいいと思っているのです、こうお答えした場面がございました。それが私の気持ちでございまして、そのうちのここまでは負担しますよ、しかしそれ以上も、個々の市町村でりっぱなものをつくってくださいよ、しかし、それは自分が負担して出すのですよ、こうあっていいのじゃありませんか、こう思っているものだから申し上げたわけでございます。法律に基づいて私たちが努力していこうというのは、先ほど管理局長が申し上げたところでございます。それ以外におまえたちのビジョンを出せ、そうして数字を示せと言われても、それはできないことで、私はよけいなことを言わなければよかったなという感じがいまいたします。あまり正直に言ったものだから、数字で出せ、出さなかったら審議できないじゃないか、こういう話になってきますので、ちょっと振り分けてみなければいけないのじゃないか。やっぱり現実に政治、行政について責任を持っておる者が、やはりそれだけの財政的な手当てもでき、そういうことについて全体の数字を出していくのが筋道だ、こう思うのです。個々の団体が努力目標にしてもらいたいものを、いかにもどこの団体でも全部できるようなことを、全国でこれでございますということで数字を出して、市町村を混乱におとしいれるようなことを私たちはすべきではない。しかし、個々の町村が教育に熱を入れてもらう、そのためにどの行政が若干落ちるかもしれない、それはあってもいいのじゃないかと思う。大いに力を入れてもらいたい。どこの市町村もできるようなことを、全国的な数字を出して、こういうことでございます、これが理想でございます、これは市町村行政を混乱させるもとになるのじゃないかと思います。しかし、そういう目標は文部省として示してもいいのじゃないか、こう思うのです。それをすぐに、それなら全国の水準にしよう、こうしろと、こうおっしゃっているところに、お互いの気持ちの間に食い違いがあるのじゃないかという気がするのです。そういう点でひとつぜひ御理解を賜わっておきたいと思います。
○有島委員 努力目標ということをおっしゃった。努力目標ということがはっきりしている。だけれども、それにはいまの財政規模ではこのように及ばない、はっきりすればいいのですね。財政規模を今度から努力目標まで下げましょうという、この考えは、はなはだ非教育的ではないかと私は思うのですね。ここのところに教育を持っていくとおかしいかもしれませんが、しかし、文部大臣の姿勢として私は非常に不満で、私もいまもう一ぺん考えてみます。大臣も考えてください。またもう一ぺんこういった話題、出すかもしれません。 次に、第四次五カ年計画というお話がございました。第四次五カ年計画の概要を、ひとつきちっとお示しいただきたい。なお、この立案の根拠になっている要素ですね、それも。断片的にいままでの委員会でずっと第四次計画の話があったように思うのですけれども、第四次五カ年計画の概要、大綱といいますか、それをお示しいただきたい。
○安嶋政府委員 個々の事項につきましての計数は、先ほど申し上げたのであります。次にその考え方を申し上げてみたいと思います。 それは、小中学校の校舎の新増築につきましては、児童生徒の急増に伴う新設校の設置、既設校の学級増による不足面積、それから既設校の不足面積、そうしたものを内容にいたしまして、先ほど申し上げましたように約千三十七万平米の整備が必要である。それから屋内運動場につきましては、現在屋内運動場を保有していない学校及び今後の新設される学校の屋内運動場を整備する。また、中学校の屋内運動場については、現在保有している学校で基準面積に満たないものについてもその充足をはかる。こうしたことで約二百六十一万平米の整備が必要である。学校統合につきましては、従来の実績から推定をいたしまして、毎年約二百校程度の統合が実現されるという前提で、約三百五十五万平米の整備が必要である。それから危険改築につきましては耐力度点数を四千五百点という前提で、現にございます危険校舎と、今後危険校舎として落ち込んでまいりますものを合わせまして、約六百十八万平米の整備を行なう必要がある。その他高等学校の整備等を含めまして、総体で約二千四百五十万平米程度の整備が必要であるというのが文部省の第四次の五カ年計画の内容でございます。 なお、この推算の根拠でございますが、これは個々の市町村ごとに調査の個票をつくりまして、これでもって推定をいたしておるわけでございます。五十一年の四月一日現在におきます標準学級数を推定いたしまして、そして五十一年の四月一日における不足面積というものを推計させておりますが、その前提となるものは、すでに出生をいたしております幼児につきましては、その学年進行と申しますか成長があるわけでございますが、そのほかに各町村におきましては住宅の新増築等が行なわれるわけでございますので、それの建設戸数の推計等も各町村にお願いをしてやってもらいまして、その住宅に対応する児童生徒の数を幼児の成長する年次進行にプラスをしまして、そして町村ごとの児童生徒の全体数を推計し、それに対応する標準学級を推定し、現有との差し引きでもって将来の不足面積を推定する、こういう個々の積み上げをやっておるわけでございます。先ほど申し上げましたようにこれは推計でございますから、実態との間にズレを生ずることもあり得るかと思いますが、それはその事態の進行に応じて、そのつど修正をしてまいりたいというふうに考えております。
○有島委員 いまのお話で、小学校、中学校、それから高校の校舎の新築と増築、その問題が一つですね。特に過密による児童生徒の急増に伴う新設校の設置ということですね。第二番目が屋内運動場の新増設ですね。三番目が学校統合に伴う校舎の整備ということですね。四番目が危険建物の改築、この四つにわたって五カ年計画をお立てになっているわけですね。それで、現在これだけ足りないのだという話ではなしに、これは四十八年から始まるわけですね。それで五十二年の時点でこのようになっているであろうからここまで持っていこうという話ですね。そういう目標の立て方ですね。いまおっしゃった二千四百万平米、トータルしたものですが、これは現在足りないものということですか、それとも五十二年度の時点で足りないということか。この五カ年計画の最終目標としておあげになったのですか、それとも現在、昭和四十八年四月度においてすでにこれだけ足りないというお話なんですか。
○安嶋政府委員 現在足りないものに、将来不足が累積をしてまいります、それを積み上げたものの全体でございます。
○有島委員 それが二千四百万……。
○安嶋政府委員 さようでございます。
○有島委員 ここに私は希望をつなぎたい気持ちなんですけれども、この前に第三次五カ年計画というのがあったはずですね。これはどういう状況のもとで、どういうことをその目標として計画されたのか。それで私は、五カ年計画そのものが内輪に見積もられていたのじゃないかとも思うわけです。資料を拝見いたしますと、もうすでに九〇%終わって、今年度建てるわけですから、四十八年度が入ると一一〇%も実施されるということになっておるけれども、にもかかわらず現状は非常に不足だということになりますと、第三次五カ年計画をお立てになったときの目標の立て方はどうであったのか、それを伺っておきたい。
○安嶋政府委員 実は御指摘のとおり、この見込みはやや過小であったというふうに考えます。その結果、四十七年度末における達成率が九三%、四十八年度を含めますと一二〇%ということになりますが、実はどこでそういうズレが出たかと申しますと、やはりそれは小中学校の新増築の当初計画、資料として差し上げてあるものの三ページでございますが、この当初計画で五百十四万平米という計画を立てたわけでございますが、この推計が過小であったというふうに考えられます。そうした結果、四年次をもってすでに九三%に到達した、こういうことであります。
○有島委員 そうなりますと、誤算は人口増の予想が狂っていたということになるわけですね。トータルとしてはよかったのですが、人口増といっても、人口増の狂いというのは、人口は一ぺんに死んでしまうわけでも、急にふえるわけでもないでしょう。これはどうですか。
○安嶋政府委員 人口の総体につきましてはそのとおりでございます。ただ、これが非常に急激に移動をいたしますと、ある地域ではつまり単純に申しますとあいた教室ができる、ある地域ではたいへんな不足ができるということでございまして、あいた教室を足りない教室に持っていくということは、実際上できないものでございますから、人口のトータルが同じでございましても、教室の不足総数というものはかなり多く出る、そこの推計のしかたにこの三次計画は問題があった、こういうことでございます。
○有島委員 そうなりますと、今度は計画を立てるにあたっては、急増地帯であるといわれるものが全国でもって何カ所であるか、そういったことを基礎的に資料としていただかないと話ができないのじゃないかと思うのです。いまいただいておるのはトータルの話なんです。それで、人口急増地帯についていま現在の不足なら不足についても、トータルではなしに、どの地域に、何々県何々市といったふうに、特にそういったものについて、ここがこれだけ足りないのだ、そういう資料をいただきたいと思って私はお願いしたのですよ。そうじゃないと、次の話はできないのじゃないかと思った。それを出していただけないのですけれども、出していただけますか。
○安嶋政府委員 実はこの調査は児童生徒急増町村の調査だけではなく、全国悉皆調査でございます。個々の町村の個々の小学校についての調査でございますと非常に膨大な資料になるわけでございますので、それはちょっとたいへんな量の資料でございます。
○有島委員 それで、私たちが要求いたしましたのは、全国の膨大なものを出してくれというわけではないのです。その中の特に急増都市について、ここで問題になっているのは過密急増、そういったことなのです。それはごく数えるほどしかないわけです。幾つございますか。
○安嶋政府委員 児童生徒急増町村につきましては、御承知のように定義があるわけでございますが、その定義に従って算定しますと、四十八年度、小学校につきましては二百四十八市町村、中学校につきましては百三十一市町村という数でございます。
○有島委員 それだけのものなら、それほど膨大なものじゃないんじゃないですか。
○安嶋政府委員 それでも相当なボリュームでございますが、概要のわかるようなものは差し上げるようにいたしたいと思います。
○有島委員 たとえば東京、神奈川での急増市町村というと幾つぐらいになりますか。
○安嶋政府委員 東京、神奈川でございますと、これちょっと読み上げましょうか。
○有島委員 はい、言ってください。
○安嶋政府委員 東京の場合は特別区といたしまして、江東、世田谷、中野、杉並、練馬、足立、葛飾、江戸川でございます。ほかに八王子市、立川市、三鷹市、青梅市、府中市、昭島市、調布市、町田市、小金井市、小平市、日野市、東村山市、国分寺市、国立市、田無市、保谷市、福生市、狛江市、東大和市、清瀬市、東久留米市、武蔵村山市、多摩市、稲城市、秋川市、羽村町。神奈川県では横浜市、川崎市、横須賀市、平塚市、鎌倉市、藤沢市、小川原市、茅ヶ崎市、逗子市、相模原市、泰野市、厚木市、大和市、伊勢原市、海老名市、座間市、南足柄市、寒川町、綾瀬町、愛川町、これが小学校の急増市町村でございます。それから中学校の急増市町村でございますが、東京の場合は世田谷、中野、練馬、足立、葛飾、江戸川の特別区。それから八王子、立川、三鷹、調布、町田、小金井、小平、日野、東村山、国分寺、…無、保谷、狛江、東大和、清瀬、東久留米、武蔵村山、多摩、秋川の市。神奈川県では横浜、川崎、鎌倉、藤沢、茅ヶ崎、逗子、相模原、大和市、座間市、綾瀬町、こういった町村が該当市町村でございます。
○有島委員 こういうものの中でもって特に特徴的なものを五つか六つあげて私たちは要求したはずなんですね。それで、それを出していただけないということですが、これは出してください。あしたじゅうに出していただければあさってまたやりますから……。
○安嶋政府委員 提出をいたします。
○有島委員 それで、私はそういうことを申し上げるのは、今度の計画そのものがまた内輪になったのだ、修正はなかなかむずかしいのだ、計画としてはまた一二〇%できたけれども、要求にはほど遠かったということは、繰り返さないようにしたい。そのことを憂えるがゆえです。 それから、補助基準の単価の問題を、これは大臣に承りたかったのですよ。この基準はA、B、C、Dとあるそうだけれども、何%上がったとかそんなことはぼくはいいですから、現在幾らですか、校舎、屋体の金額は。
○安嶋政府委員 単価は資料として差し上げてございますものの一ページの備考にございます。備考の一番上にございますが、小中学校校舎の鉄筋につきましては、四十八年度は平米当たり四万二千五百円、それから鉄骨につきましては三万五千百円、木造につきましては二万六千七百円。ちょっと一例だけ申しておきますと、小中学校の屋体につきましては、鉄筋が四万三千円、鉄骨が三万六千円、木造が二万八千百円ということであります。
○有島委員 経済企画庁来ていますか。いま東京でもって鉄筋の家を建てると、坪当たり大体幾らぐらいですか。
○垣水説明員 実は私ども標準的なものについての単価を把握しておりませんのでこれは建設省が建築基準法に基づきまして届け出たものを建築着工統計としてやっておりますが、その床面積の合計額と届け出工事費の予定額、これを単純に割って平米で出しているわけでございますが、単純と申しますのは、住宅と非住宅、あるいは二階建てと十階建てというようなものまで実は区分ができませんので、単純に割ったものでございますと、木造につきましては、四十六年に平米当り三万一千二百三十三円、四十七年で三万四千二百六上二円。鉄筋コンクリートづくりでございますと、四十六年四万七千二百二十六円、四十七年五万二百二十二円。鉄骨でございますと、四十六年三万三百十八円、四十七年三万二千四百六十八円という数字が出ております。
○有島委員 鉄筋コンクリートでもって平米当たり五万二百二十二円、そうすると坪当たりでもって十六万くらいですか、鉄筋で、現実に。
○垣水説明員 この数字は、ただいま申し上げましたように、実は何か標準的なものではございませんで、届け出のもの全部を平均いたしておりますので、たとえば二階建ての鉄筋と四階建ての鉄筋、あるいはエレベーターつきか、あるいは化粧のタイルが張ってあるかどうかというようなところでずいぶん違ってくると思いますので、ただ大数的に見たということでございますので、その点がただいま御議論の学校の校舎とうまく比較できるかどうかというところは問題かと思います。
○有島委員 経済企画庁には、われわれ日常生活の中でもって、大体いまどのくらいが相場なんだかという、そのことを伺いたかったのですよ。そのことを経済企画庁でもって知らないとすると、大体坪二十万円というのは、去年の暮れぐらいじゃないですかね。いま建てようとすれば坪三十万円というのがあたりまえなんじゃないか。鉄筋でもって大体三十万円といわれるんじゃないですか。いまのその実勢価格ですね。そういったことについては経済企画庁は御存じないのか。だとすると、どこに聞いたらわかりますか。そういった世間の実勢価格ですね。
○垣水説明員 残念ながら経済企画庁では把握しておりませんので、最もそれに近い数字を把握しているとすれば建設省になるかと思います。私どもも、こういうただいま申し上げた数字も、建設からいただいた数字をさらに面積で予定価格を割って計算したということでございます。
○有島委員 経済企画庁にこんなところで別に申し上げるということ、ちょっとおかしいみたいだけれども、国民生活のごくあたりまえのことを知っていてくださって、いろいろ統計をとっていてくださるんじゃないかと思うのですけれども、ほんとうは。それを国民は期待していると思うのですよ。おっしゃったことがずいぶんとんちんかんなように思います。それで、もう少し実生活に近い話を伺いたかったのです、そちらにいらしていただいたのは。 平米五万円という線でしょう、これはいろいろ合わせても。私も、平米について四万二千五百円でもってこれは鉄筋コンクリートができるんだそうだけれども、これは四十七年には三万八千六百円であったわけですね。三万八千六百円でもってほんとうにできたところありますか。あったら実例をいただきたいんだ。見に行きたいと思うのですよ。
○安嶋政府委員 四国、九州にはたくさんあるそうでございます。
○有島委員 じゃ、それは資料を要求します、たくさんあるとおっしゃったから。さっきのもたくさんあったそうだけれども。もしあるとすれば、私もほんとうに見に行きたいですよ。行って、それを請け負った業者は、ほかのところで何かもうけているんじゃないかということを探らなければいけないですよ。これはだれかに損かけてしわ寄せしてでなかったら私はできないように思うのです。これは全国的にこの三万八千六百円の単価でもってほんとうにつくったところがあれば、これはぜひとも教えていただきたい。
○安嶋政府委員 文部省に報告がありました書類によりますると、ございます。たくさんありますと申し上げたのは、ちょっとこれは、かなりと申しますか、若干と申しますか、それは私は具体的な数をいま承知しておるわけではございません。いまちょっと聞きますと、相当あるということでございましたからそう答弁申し上げたわけでございますが、ちょっとその数につきましては、調査の上ひとつ御報告を申し上げたいと思います。
○有島委員 もしあればこれはほんとうにたいへんなもの、宝ものみたいなものです、そこの大工さんは。その大工さんに全国やっていただければたいへんいいように思う。文部省推薦だ、これは。それは、じゃその資料を下さいね。どのくらいなんだか……。 じゃ、いろいろ宿題出ちゃいましたから、きょうはもうこの辺にして、あとのことを留保させていただきたいと思います。(「まだ時間あるよ」と呼ぶ者あり)あと、大臣に伺いたいんですよ。
○田中委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○田中委員長 速記を始めて。 次回は来たる六日開会することとし、本日はこれにて散会いたすます。 午後五時四十三分散会