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71回国会衆議院1973/03/28

文教委員会 第7号

発言数
322
登壇者
14
会派数
4
開催日
1973/03/28

会議録

田中正巳自由民主党

○田中委員長 これより会議を開きます。  文教行政の基本施策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。有島重武君。

有島重武公明党

○有島委員 本日は、大臣の基本姿勢に関する質疑の時間を与えられまして、たいへん喜ばしいと思っております。これから法案の審議または一般的な質問するわけでございますけれども、同じことばであっても、それが使う人によってさまざまになる場合がございますので、ほんとうの基本的なことについて忌憚なく、あまりかたいことじゃなくて、腹を割ったお話をし合っていただけばたいへんありがたいと思っております。  それで、基本的な問題といいますと、教育そのものがたいへん基本的なことでございますので、まず、教育ということについて、いろんな人たちがいろんなことを言っているわけです。大臣は、多種多様な人材をどんどん育てていきたいのだというようなことをおっしゃっていました。教育というものは、こうであると一義的にきめるということもないと思うのですけれども、教育がそれ自体一つの目的であるというふうに思っていらっしゃる方と、教育というのは一つの手段である、一つの目的に従った手段である、そんな考えに大きく分かれるのじゃないかと思います。そこら辺のところがはっきりしないと、これから先のことが非常にごちゃつくのではないかと思います。大臣御自身が教育についてどんなふうに位置づけをされていらっしゃるのか、それをまず伺っておきたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 教育が、目的なのか手段なのかというお話がございました。りっぱな人間を育てる、りっぱな人が育ってくる、それが目的であって、それを達成するために教育という方法が用いられるのだということであろうと思いますし、またそれに携わる人としては、教育そのものをりっぱにやっていかなければならないのだから、それが目的だということにもなろうと思うのでございまして、考える立場によって、どのようにもなっていくのではないか、かように思います。

有島重武公明党

○有島委員 大臣御自身ではどういうふうにお考えになるのか、それを伺っておきたい。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 もちろん、教育基本法に教育の目的を示しているわけでございまして、平和な国家及び社会の形成者として、自主的な精神に富んだ心身とともに健全な国民を育てていくのだ、こう書いておるわけでございますが、教育の目的はそこにあるのだ、かように考えております。

有島重武公明党

○有島委員 非常に原則的なことでございますけれども、そういう目的がどの程度共感されているか、実感されているか。それによって、目的感といいますか、それから出てくる使命感といいますか、そういうことがきまってくるのだと思うのです。大臣が憂えていらっしゃるところの、教育界がいま荒れているということを言っていらっしゃるのでございますけれども、その目的がどの程度まで共感されておるとお思いになりますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 教育の目的そのものが、いろいろ誤解されているというふうには私は思わないのでございます。同時にまた、幼児の教育、小中学校、高等学校に入っての教育、大学に入っての教育、やはり人の発展成長、その段階に応じていろいろ違ってくるだろう、こう思っております。幼児の場合には手ぶり、足ぶりから先生を見習っていくんだ、こういわれてきておりますし、私もそう思っておるわけでございます。大学になりますと、むしろ先生と競争的に学問を競い合う学生の立場に立ってくるのではないだろうかというふうにも思うわけでございます。したがいまして、人の成長の段階におきまして、教育に求められる基本課題というものがいろいろになっていくのではないだろうかと思っております。

有島重武公明党

○有島委員 いま教育界が非常に荒れている、教育界がどうしてこんなにすさんでいるのか、深く見詰めていきたいというようなことを御発言になったと伺っているわけですけれども、これは一月の報道でもって私見たことでございまして、深くお見詰めになったところをひとつ教えていただきたい。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 私、いま申し上げましたように、各段階に問題があるように思うのでございます。一番人にわかりやすいのは、大学の構内で学生同士がゲバ棒を振り合っている。あるいはまた、先生を部屋に閉じ込めて、自分たちの示したものに署名捺印するまでは先生を解放しない。ちょっと私考えられぬような姿だと思うのでございます。大学に参りましても、たくさんな立て看板が林立している。これは一体学問をする環境だろうか、こう思うようなところもいろいろございます。また、現実の政治問題につきまして、いろいろな行動が行なわれているわけでございます。  大学においてそういう問題がございますし、また小中高等学校についてもたくさんな問題がございまして、私は全部だとは申し上げませんけれども、学校によりましては、校長先生、教頭先生と一般の先生方とが、教員室で背を向け合っているというようなところもないわけではないのであります。あるいはまた、かつて福岡県でございましたが、高等学校の校長先生が発令になって赴任しましても、学校の先生方がその校長先生を校長室に入れないというような事態もあったわけでございまして、私が一々こういうように拾い上げていきますと際限がございません。教育の場所としては考えられぬような事態が至るところでございます。全体だとは申し上げません。全体は私は正常だと思っているわけでございますけれども、こういうふうに取り上げてまいりますと、これはほうっておけないのではないかという気持ちがやはり深くいたすものでございます。

有島重武公明党

○有島委員 私もたいへん同感なんです。それで大臣が、どうして荒れているのか、そういうことについてこのよって来たるところを見きわめていく、こうしたところでもお話し合いをして、それで解決をしていくという、これはわれわれにも責任があるのではないかと思うのであります。それを伺いたい。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 これも私は、原因が非常に多方面にわたっているという気持ちを深く持っておるものでございます。  大学の問題を先に申し上げますと、大学当局も考え直してもらいたい、私はこういう気持ちを非常に強く持っておるわけでございまして、かつての大学といまの大学と、本質的に変わってきていると思うのでございます。戦前の大学は、国家有用の人材を育成していくんだということであったかもしれません。今日は、たくさんの人々がどんどん大学に入っていこうとする、それを迎え入れているわけでございまして、多方面の人たちを学校が受け入れてこれを育てていく、それに対応するような学校になっておるだろうかどうだろうかということ、あるいはまた社会に開かれた大学でなければならないということがいわれておりますが、どんどん社会が発展してきているけれども、一体それに対して学校当局がどれだけこたえているかといういろいろな問題があると思います。  同時にまた私は、過去に学校の中に政治が持ち込まれ過ぎているというふうに心配をしている人間でございます。学校は政治的に中立でなければならないといわれておるにもかかわらず、学校にいろいろな政治が持ち込まれておるわけでございまして、こういうことにつきましても私は学校当局が姿勢を正してもらいたい。いろいろ取り上げて一つ一つ申し上げてまいりますとこれみな議論のあるところでございます。私は大学を例にあげただけでございますけれども、小学校におきましても、中学校におきましても、高等学校におきましても、問題はたくさんございます。相互に信頼を欠き合っている、相互不信というような問題も取り上げていい問題だろうと思いますし、また先生に対する処遇がはたしてこれでいいのだろうかどうかという問題もございますし、数えあげればこれも私は切りがないと思います。同時にまた、一つ一つについて議論も分かれてくるところもたくさんあろうか、かように考えているものでございます。

有島重武公明党

○有島委員 多種多様な原因がある、これは一つ一つやっていかなければならないわけでございますけれども、その前に、教育に参加しているというのは、教わっているお子さんがいるわけです。それから親がいるわけです。それから教員がいるわけです。そして、そこにいらっしゃる方は行政の立場でいらっしゃるわけですね。それで、大臣は政治と行政の中間といいますか、両方をやっていらっしゃいますね。こっちは立法という立場でいるわけです。それで、もろもろの原因があるというわけだ。一つには戦前と戦後とのギャップがある。あるいは政治が持ち込まれやすいというふうに大臣は見ていらっしゃる。あるいは相互の不信感がある。まあその他ある。それから原因をどのようにきめていくかということはこれはまたあとの議論といたしましても、まあ望ましくないような事件が次々に起こっているわけであります。その責任をどこら辺に持っていくかということです。なすり合いじゃしようがないわけですね。責任というのは大体との辺まで——権限を持っているから、あるいは権利を持っているからそれに伴う責任があるというような議論もあるようでございますけれども、たとえば相互不信感が起こっている、この責任は一体どの辺にあるのか、そういったことについてはどのようにお考えになりますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 私は、やはり国民全体の問題としてこれを考えていく環境、雰囲気、これが生まれてこなければなかなか解決困難じゃないかというふうに思うわけでございまして、相互不信などという問題も、そもそもそういうところから始まっていると思うのですけれども、やはり国民みんなで考えていくという空気をぜひつくり上げたいものだな、こんな気持ちを深く持っておるものでございます。

有島重武公明党

○有島委員 国民全体、それはそれに違いないと思うのですよ。それじゃその相互不信感ということの根底、それは行政と教師の間にも起こっている、教師と学生の間にも起こっている、あるいは親と子の間にも起こっている、そういうことがありますね。この責任を大臣としては、国民の一人としてもけっこう、あるいは文部大臣としてもけっこう、そのお立場でどのようにお感じになり、その責任をとっていこうとなすっているのか。その辺はいかがですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 荒いことばで申し上げますと、政治が国の進むべき方向を示していくわけでございますので、政治の責任だ、こういうことになるかもしれません。政治の責任にしましても、やはり国民全体で考えるというふうな空気をつくる、これも政治の進め方だと思うのでございまして、そういう意味においては政治の問題として真剣に考えていきたい。だれの責任だということよりも、一番そういうことについて責任を負って進んでいかなければならない、これがまあ政治の役割りじゃないだろうか、こう思うわけでございまして、その場合にどういう進め方をするかということは、先ほど来申し上げましたような方向をつくり上げていく、それが大切であろう、こういう気持ちでおるわけでございます。

有島重武公明党

○有島委員 それじゃ責任とうらはらの、権利のほうからいきます。親は子供を教育する権利があるということになります。あるいは義務があるといってもいいでしょう。それから子供たちは教育を受ける権利があるわけです。また教育権ということをめぐって非常な論議がございました。そうすると行政の持っている教育権というものとそれから親の持っている教育権、子供の持っている教育権、こういったものについての区分、関係についてはどのようにお考えになっていらっしゃいますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 権利を考えます場合には義務を考えるべきであろう、義務を考える場合には権利を議論していいだろう、こう思っているわけでございます。教育の問題につきましては、親も子供の教育について十分努力していかなければなりませんし、社会も努力していかなければなりませんし、また政治の面におきましては、結局国民全体の問題、これをどう進めていくかということについては代表者を国会に送って、国会が立法を通じましてきめたことを行政当局に担当さしていくわけでございますので、行政当局が教育を行なっていく権利も持っておりますし、また義務も持っておる、こう考えるわけでございます。子供たちにつきましてもやはり教育を受ける権利を持っているし、みずから学んでいく責任も負っているだろう、こう考えているわけでございます。

有島重武公明党

○有島委員 それで、教育権の一番の主体はどこら辺にありますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 国民全体、みんなが社会のよき形成者になっていかなければなりませんし、またそうなっていくにはどうするか、国民みんなで考えていくわけでございますので、この教育というものをどういうかっこうで進めていくかということになりますと、これをきめていくのは、代議政治をとっておるわけでございますので代表者を国会に送っている、国会が最高の権威とされている、国会がその権限をどのような形において行使するかという方向をきめていく、そういうところに私は政治があるような感じがいたします。

有島重武公明党

○有島委員 そうすると、国会そのものは政党政治によって成り立っているわけですね、立法府のほうは。そうすると、政治がそのまま教育の中に反映していってしまう、これは当然のことになるんじゃないですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 政治ということばは非常に広い、こう思うのですけれども、政治の進め方、いろいろございます。また政党それぞれがいろいろな政策を掲げておられるわけでございます。国会でいろいろなことをおきめになる。その場合に、学校は中立でなければならないのだ、特定の政党を支持したり、特定の政党を支持しないようにしたりするようなことはしてはいけない、こう書いてあるわけでございますので、行政当局はそれに従って教育をしていくわけでございます。したがいまして、教育の面において政党の勢力を強くしたり弱くしたりするような影響を与えるようなことはすべきでない、していないということになるのじゃなかろうか、かように考えております。

有島重武公明党

○有島委員 さっきの話をひとつ前に戻しまして、教育を受ける権利というのが国民の側にあります。そうすると、その権利から国としては教育をしなければならないという義務を生ずるわけですね。そういうことになりますね。それで、その教育を国民にしていくための義務を履行する上に与えられた権限、それが文部省に与えられた教育権となるのではないかと、私はそのように考えます。ですから、国民全体にあるのだ、あれはこうだ、これはこうだといいますけれども、それが並列なものではなくて、一つのものからどっちが主体であり、どっちが派生的なものであるか、そういったことは見定めておかないと混乱が起こるのじゃないかと私は心配をするわけです。おわかりになりますか。いま文部省の持っている一つの権限というものは、国民の教育権から派生的に起こっている副次的なもの、第、灰的なものである、そういうふうに私は認識したい。大臣のお考えはいかがですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 これは説明のしかただと思うのですけれども、何といいましても、主権を持っているのは国民でございます。その国民の考え方に基づいて国会というものがあり、そしてまた国会によって定められた法を履行していく、執行していく、そのために行政当局というのはあるわけでございますので、行政当局というものが本質的にそういう権限を持っているということは少しもございません。あくまでも国会からの授権に基づいて示された方法に従ってそれは運営していく、執行していく、それが行政当局の役割りだ、かように考えております。

有島重武公明党

○有島委員 ところが、その行政当局が非常に力を集中してきて、それがあたかも教育全体を動かしているように、国民側もともすればそのように受け取っていくし、それから行政側もそのような教育を動かしていくのが行政であるというような錯覚にもしおちいれば、それはまずいことでありますね。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 おっしゃっていることは、あるいは主権在民の国になる以前の戦前のことがなかなか払拭しきれないで、どちらかというと、民主政治というものがまだ国民の地についていないということならわかるのですけれども、それ以上に、文部省だけが教育をわがもの顔に振るまって、それでいいのだというふうに国民が見ているというふうには私はよう思わないわけでございます。基本的には国民が主権を持っているわけでございます。その主権をどう行使するかということにつきましては、回り回りますけれども、教育の問題については文部省はしっかりやってくれ、やってくれなければ困るじゃないか、こう国民は思って見ている、こう考えていいのじゃないか、そう思っております。

有島重武公明党

○有島委員 教科書裁判というのがございました。あの教科書裁判について、あるいは行政側の越権だというような結論が出ましたね。それに対して文部省は、そうではないというようなことをいまもっていわれておるのでございますね。奥野文部大臣は、あの教科書裁判についてどのようにお考えになっていらっしゃいますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 家永さんがずいぶんたくさん文部省の注意に基づいて改訂しておられる。また改訂しておらなかったらずいぶんおかしい記事がたくさんありただろうと思います。それにもかかわらず、二、三カ所を取り上げてああいう裁判を起こしているのは、人間的に考えて私はどうかなという疑問は平素から抜けておらないわけでございます。  同時に、小中学校の子供さんたちに何を教えてもかまわないのだという無責任なことは、私は文部省当局としてはやれない。やはり教材については文部省も責任を持たなければならぬ。そうすると、使ってもらうについてはあまり変なことを書かれちゃ困る。第一教育基本法において、学校は政治的に中立でなければならぬと書いてあるにかかわらず、中立でないような教科書を使われてしまっては、文部省は責任は負えない。やはり教育基本法は守っていかなければならぬ。こんな気持ちがするわけでございまして、そういう意味におきまして、文部省が検定の仕事をやっていくのは、立法に基づいて与えられている権能でございますが、これは私は何ら違憲にわたるものではない、こういうふうに考えるものでございます。

有島重武公明党

○有島委員 いま変なことを書かれちゃ困るという話がある。それはどんなことが変なことでどんなことがいいことか、その辺の判断はみんなで考えていかなくちゃならないと思うのでございます。  たとえば戦争の絵がたくさん出ておる。これは変なことになるのかならないのか。あるいは私はこの委員会で言ったことか、ちょっと忘れましたけれども、たとえばこの前ぼくは予算分科会でもって緑の話をいたしましたですね。緑化の話をいたしましたね。緑についてはだれが考えても水が一番大切なわけです。ところが、日本のいまの街路樹は、水がほとんどいかないようなことになっているということに私は着目したことがあるのであります。いまもそう思っております。生物学の教科書を見てみました。ずいぶんいろいろなのが出ていて、みんな、中学の教科書を一通りいろいろな種類をずいぶん見てみましたけれども、植物にとって水が大切であるということを書いていないのですね。いろいろなカリであるとか窒素であるとか、そういうことは書いてあるのですね。これはずいぶん変だなと思ったのです。一番基本的なことです。こういったことは何だか変だなと思ったのです。   〔委員長退席、内海(英)委員長代理着席〕  それから、大臣のさっきおっしゃった変なことの中には、字句の間違いということもあるでしょう。そういうことはぼくは当然ある。ただ戦前と戦後という話がありましたけれども、その戦前の教育の考え、あるいは国家観の考え、それから戦後の国家観の考え、そこに混乱が起こるというようなこと、これはたいへんなことの一つでしょう。それから、純粋に科学的に見て非常に立ちおくれたこと、あるいは現在非常に必要になっているにもかかわらず、そのことが漏れているということ、たとえば公害に関しての、あるいは生命尊重そのものに対しての基礎的なこと、そういうことが漏れているというようなこと、これは変なことじゃないかと思うのですね。この前も教科書裁判のときに、特にあまり変なこととおっしゃったけれども、きわ立って変なことというのはやはり大臣としてはお気づきになったことがありますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 文部省が教科書の検定にあたりまして、これは書き直してくれませんと検定をパスさせませんというような態度をとる問題と、こういうような記述のしかたもいたしますよということがあっても自由だけれども、まあよくお考えくださいというような示し方をするのと、いろいろ分かれているそうでございます。いま御指摘になりましたように、明らかに間違いと考えられるようなもの、日本の人口の数字を間違っておる、これは直さないと認められないということになると思います。また教育基本法に学校は教育的に中立でなければならないと書いているにかかわらず、特定のイデオロギーを押しつけるというような式の教科書ができてきました場合には、世の中に著書をお出しになることは何ら差しつかえないけれども、小中学校に使わせるということになりますと、教育基本法を文部省は守っていかなければなりませんから、それはやっぱり困りますよと申し上げざるを得ないのじゃないか、かように考えておるわけでございます。あくまでも教材として使うものでございまして、一般に公に頒布されることを差しとめるわけではございませんので、したがって、検閲はできないにもかかわらず、検閲をやっているという式であの教科書検定問題を持ち出されていることにつきまして、私はたいへん不満があるところでございます。  おっしゃるように、いろいろな考え方、国定教科書のようなつもりで文部省の一方的な考え方に記述を統一させる、こういう考え方を持つわけではありませんし、それは重々注意していきたいと思います。また、現にそういう方法はとっていないように私は確信をいたしておるわけでございます。

有島重武公明党

○有島委員 特定のイデオロギーと言われましたけれども、産業第一主義というような考え方が戦後かなり支配的にあったようであります。それは自明のこととしてかつては国民に受け取られていた場合もあると思うのですね。食うや食わずでもって昭和二十年から二十六年、三十年までの間、いまはそれがみんな反省されているんじゃないかと思うのですね。教科書の中にもそういった産業第一主義的な流れというものがかなり書かれている。日本はかくかくこういう経過をたどって、それで日本は国力というものが非常に盛んになったということが述べられている。それは一つの認識としてよろしいかもしれない。その一方、今度は公害が非常に起こっている。国土の破壊が起こっている。あるいはこれは世界的に大きな問題である。その比重ですね。その比重がくずれるとやっぱりこれは一種のイデオロギー、産業第一主義というもの、そういうのがいまもってまだ支配的であるというふうに私なんかは感じます。産業第一主義というのもやはり一つのイデオロギーだと大臣はお考えになりますか。イデオロギーとおっしゃったけれども、産業第一主義ということもイデオロギーの一つに入れますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 それはイデオロギーでなくて、政策の問題ではないかと思います。政策の問題ではないかと思いますが、今日人間尊重、環境保全、これは非常に大切なことになっているにかかわらず、十数年前の経済優先のようなことばかり書いていましたら、これはやはり私は教科書編さん者に御注意を申し上げるべきだ、かように考えます。また、そんな記事ばかり書いておるならば、いま学校当局が採択するはずもないのでございます。  実は、私たちよく考えていかなければなりませんのは、明治初年、わが国は富国強兵、これを国是として進んできたわけでございます。私はあの当時、富国強兵を国是として掲げるのはもっともだったと思います。三百年の鎖国から開国をした。やはり富国強兵ということで努力しないと、当時の日本はあるいは先進国の植民地になっておったかもしれません。植民地にならぬようにするためには、富国強兵を国是にする。それがいつの間にやら富国強兵そのものが目的になっちゃってああいう戦争に突入していったし、非常に不幸な体験をせざるを得なくなった。私は富国強兵は一つの手段だと思います。基本的には人類の豊かな生活を確保していかなければならぬ、これが目的だと思います。いつの間にか大切な手段が、一生懸命やっていくうちには目的に間違えられてしまう。私は戦後の日本もそうだと思うのです。廃墟の中から立ち上がる。食えなかったのですから、あの際にまず経済的に豊かにならなければならない。しかし、これは目的じゃないのでございまして、手段でございます。人間らしい生活をするためにはまず食えるようにならなければならない。幸いにして、非常な成果をあげてまいりました。しかし、これは目的ではないのでございまして、手段でございます。今日こうなってまいりますと、いろいろな公害も目立ってまいりました。それを十数年前と同じような記述がありますと、私はこれは御注意を喚起していかなければならない、こう考えるわけでございます。

有島重武公明党

○有島委員 いまおっしゃった富国強兵ということ、これはおっしゃったように、手段のはずだったのですね。それが、戦争が終ってもまだしっぽを引いているということになると、これは明らかに教育上も非常に偏向と言ってもよろしいと思う。いまは強兵のほうはあまりあからさまには言えない。けれども、富国というのですか、産業第一主義ですか、そういったことは、非常に支配的に教育の中の各層にしみついているんじゃないか。たとえば教育投資そういった思想がございますね。これは文部省のほうでも教育投資論というものをかなりお用いになって、これからの日本の国はどのくらいエリートが必要なのか、中間エリートが必要なのかというようなことを計算なさっている。教育投資論ということについて、大臣、どんなふうにお考えになりましょうか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 これも私はことばの使い方じゃないかと思うのですけれども、いま国民のために国民全体のお金を何に一番重点を置いて使っていくのか。その場合に、教育によけい使えとか、環境保全によけい使えとか、いろいろあると思うのでございます。そういう意味で教育投資がたいへん大切なときだ、こういわれているのではないか、こう考えるわけでございまして、私も教育に思い切って金を使っていきたいのだという気持ちを強く持っているものでございます。ただ、営利的に投資ということがよく使われるものですから、そういうそろばん勘定でものを考えている意味において投資というようにとられますと、ちょっと使い方をくふうしなければならないなという気持ちに私はなります。私はなりますけれども、この際に何に金を思い切ってつぎ込んでいくべきだろうか。道路につぎ込め、港湾につぎ込め、工場につぎ込め、いろいろなことがあるだろうと思いますけれども、経済復興中心に戦後考えましたときには、むしろエネルギー、電力あるいは石炭、そういうものに力を入れたと思うのでございますけれども、今日の場合には、やっぱり環境の問題とか、教育の問題とかに思い切って金を使うべきだ、こう私は考えているわけでございます。

有島重武公明党

○有島委員 金を使っていけば、そこに一つの結果が出るだろう。あるいは結果を出すためには金を使わなければならない、必要な条件だと言ってもいいわけですけれども、さっきのいろいろまずいことが起こっているという話からいまの話に話が広がっているのですよ。それで深く原因を考えていきたいとおっしゃっていらっしゃるけれども、どんなふうにお考えになっていらっしゃるのか、ぼくはいま少しずつ伺っているわけなんですけれども、さっきの、大学紛争なんか起こっておる。ところが、大学紛争が起こったり、それから小中学校にもいろいろな不祥事が起こっている。そのもとにある相互不信感というようなもの、その相互不信感というものの中に、産業第一主義というようなものが上のほうから持ち込まれてきている、子供たちがそれが納得できない、そういうような一面が強くあるのじゃないかというように思うのですよ。それで、親がいま何のために子供たちをあんなに大学にやらせたがるか、また子供がどうしてあんなに大学に行きたがるか、その辺はどう思いますか。さっき、大学に非常にたくさん人が集まるとおっしゃいましたね。どうしてそういうことが起こるのだろうか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 親が子供さんたちを大学に進ませたいと考える、それは一体どうしてか、こういうふうにお尋ねになっているように伺ったのですけれども、やはり教育に目ざめるといいましょうか、そういう空気が国全体に非常に強く起こってきているわけであります。そういうところから、教育水準も非常に上がってきている、量的には非常にすばらしい勢いで拡大してきている、かように考えるわけでございまして、これは、基本的にはそういう空気がみなぎってきている。やはり戦後、教育は大切だということも、先ほど来経済優先、産業第一主義というようなことをおっしゃいましたけれども、当時やはり政治の一つの大きな課題であったと思います。だから六・三制の採用に踏み切ったわけでございまして、一体義務教育年限を三年も延長するということは相当な英断でございます。同時に、大学もどんどんつくったわけでございます。つくったというよりも、大学に衣がえしたというほうがいいかもしれませんけれども、やはりそういうことが、そういう影響といいましょうか、効果といいましょうか、そういうものをもたらしてきた、かように考えておるわけでございます。

有島重武公明党

○有島委員 量の拡大が、そこに一つの荒廃を生んでいるということはさっきも言われましたね。そうすると、ここでもって大臣のお立場として、いま一番何を考えてどういうふうにしていかなければならないのかということが起こると思うのですけれども、さっきの教育水準が非常に上がったというお話、これもちょっとばく然とした話なんで、ほんとうに水準が上がっているかどうか、これもまた問題だと思うのですけれども、大臣として、では、いまその荒廃にどのような手を打っていったらいいのか、それはどう考えていらっしゃいますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 私は、教育の問題につきまして、戦後量的に非常な拡充を続けてきた、反面、質的な面においてかなり十分でない面がいろいろな面に出てきている、こう考えているものでございます。そういう意味で、私は、教育の基本は教師にあるということを常に言っているわけでございますけれども、六・三制施行のときにも、義務教育年限を三年立て続けに延長したのです。その時分はみんな有能な男子は戦地にかり出されておったわけでございまして、先生どころじゃない。そういう働き手もなかった。しかし、義務教育年限を延長したわけですから、先生が必要なんでございまして、それでは、先生に相当するだけの能力を持った方々ばかりが一体教師という名前をもらったのかといいますと、私は非常に疑問を持っているのでございます。大学も同じだと思うのです。事実、大学がふえてきて、大学の教官に値する方々ばかりが教官だろうかという疑問を持っているのです。私は、一々そういうことを言いますと、先生を軽べつするような感じにとられたりするものですから、こんな席では言いたくないのですけれども、量的拡充は非常な勢いで進んできた。しかし、ここでほんとうに質的に考え直さなければならない。それでは何について一番考え直さなければならないかといいますと、私は教師だと思っております。教師の養成であり、再教育である、こう考えております。  いま、新聞をお持ちになっておられましていろいろお尋ねになっておるようでございます。私が、なおいろいろ突き詰めて考えていきたいのだということを言うておるところに、ひっかかりを持っておられるようでございます。そこで、ちょっと申し上げておきたいのですけれども、私が文部大臣になりましたときに、まず、日教組と会うのか、こういうお話でございました。ふしぎな話が最初に飛び出してくるものだなと私は疑問を持ったのです。私は、教育の基本は教師にあると考えておる。文部省は教育に責任を持って、教師とほんとうに手をつなぎ合って進んでいかなければならない。先生の組合の中で、一番大きいのが日教組でございます。その日教組と——日教組に限りません、先生のいろいろな組合とも文部省は手をつないで進んでいかなければならない。それにもかかわらず、会うのか会わないのかという話が出てくる。一体これが日本の教育界の姿だろうかという疑問を私はそのとき強く持ちました。その話が出ましたときに、文部省と日教組との関係、こんな話が出るくらいに問題が複雑にこんがらがってきておるようだ。だから私は、まずどういう経過をたどってきておるのかじつくり調べてもみたい、見詰めてもみたいのだ、こう考えたわけでございます。教育の世界が非常にすさんでおる。同時に、私はじっくり考えてみたいと思うのです、こう答えましたのは、主としてこの質問を受けての私の答えでございます。教育界がなぜすさんでおるか、どこが荒廃しておるか、しさいに調べていかなければならない。それは皆さん方からいろいろな答えを出していただいておるわけでございますので、それはそれなりにいろいろな答えが出てくると思うのでございます。私なりによく考えさしてほしい、こう申し上げたのは、この質問に対しての答えでございますので、御理解を賜わっておきたいと思います。

有島重武公明党

○有島委員 いまそちらからお持ち出しになったから聞いておきますが、日教組とはどのような交渉を持っていらっしゃいますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 日教組から会いたいという話がありましたけれども、いまのようなお話がございましたので、少し私に時間のゆとりができるまで待ってください、こう申し上げているので、まだ会っておりません。

有島重武公明党

○有島委員 いつごろお会いになりますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 これは相手のあることでもございますので、相手からお話がございましたらお目にかかりたい、かように考えております。

有島重武公明党

○有島委員 相手からお話があったのでしょう。それでもって、大臣が忙しいからとお断わりになったのですね。だから、今度は大臣のイニシアチブですね。いつごろお会いになりますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 私はいま、正直に言いまして、国会のことで一番時間がとられているわけでございます。とられていると言っては皆さんからおこられると思うのですけれども、国会で一番時間が占められておると思います。しかし、その間でもいいじゃないか、こうおっしゃるなら、それはそれで考えてみることにいたしますけれども、やはりそういう話がない限り、自分から国会中でもとにかく会いたいというだけの余裕を持っていません。しかし、お話がありましたら、よく相談し合ってけっこうだ、こう思っております。

有島重武公明党

○有島委員 お話はすでにあったわけなんです。今度は大臣がおこたえになる番なわけですね。国会中は忙しい。それはお忙しいでしょう。終わると予算でしょう。もっと忙しいでしょう。いつ終わるか。まあなるべく早く終わりたいということですね。いつごろお会いになりますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 いまも申し上げておりますように、いまこういうことで時間の余裕を持っておりませんので、私から進んでお目にかかりたい、こう申し上げるだけの余裕を持っていない、こういうことでございます。したがいまして、お互いにまたそういうことでよいきっかけができてきたら時間をつくり合ったらいいのじゃないか、こう思っておるわけでございます。

有島重武公明党

○有島委員 では、国会の会期中はお会いにならないつもりですか。向こうから会いたいともうすでに申し込んできたのですね、さっきのお話でも。国会の会期中でも会いたい、会う、そういうことですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 私から会いたいということを申し上げるについては、やはり国会に専念しなければいけない、こう思っておるわけでございます。しかし、だからといって、そういうお話が出てきているにかかわらず、いや忙しいからとても会えないのだということをきめているわけではございません。

有島重武公明党

○有島委員 会うのか会わないのかと聞かれて、これは驚いたということから始まったというお話でしょう。そうすると、それを一番先にやらなければおかしいんじゃないですか。そこら辺から片つけていってもいいわけでしょう。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 先ほどもちょっと申し上げましたように、少し日教組と文部省との関係がこじれ過ぎてきている。だから私はほんとうによく勉強したいのだ、こう思っておるわけでございます。それでは勉強はもうできたかと言われますと、正直言ってできておりません。そんなに日教組のことを詳しく勉強するだけの時間的余裕を持っておりませんでした。しかし、だからといっていつまでも、もしそういう話が出てきた場合に、いや会わないのだと言える問題ではない。先ほども申し上げましたように、文部省と先生方と、ほんとうに手をつないでやっていかなければ、日本の教育の振興はできっこございません。そう念願しているわけでございます。念願しておりますけれども、やはりあまりにもこじれ過ぎてきているから少し勉強したいと思っても、正直言ってまだできてないわけでございます。できてないけれども、いつまでもほうっておけないから、そんな事態が出てくればよく考えたいという気持ちは持っておるのですよ、こう申し上げているわけでございます。

有島重武公明党

○有島委員 どうも解せないのですけれども、私は実は灘尾文部大臣のときだったか、お会いなさいませということを申し上げているのです。私は別に日教組の肩を持つわけではないのですよ。私は私なりにいろいろなことを考えておりますけれども、文部当局の総責任者が日教組の方とお話をし合わないというのは、非常にぼくは不用然だというふうに思うし、国民もみんなやはり不審な気持ちを持つと思うのですね。これは定例的にお持ちになるということは自然なことではないだろうか、そういうふうに私は考えるのだけれども、大臣は積極的に会おう、準備ができるまでということはないということをいま伺いました。いつまでも——勉強し尽くしたらさあ会おう、そういうものでもないとおっしゃったのですね。早い機会にお会いになる御意思があるかどうか。またあるいは定例的に話し合いをしてみようというお考えがあるかどうか、どうですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 いまおっしゃった事柄につきまして、いろいろな意見が私はあると思うのです。そういうかっこうになっているから、私はここで言いたいことはたくさんあるのですけれども、言いますと、私の気持ちが実らないと思うものですから、日教組批判はしたくないのです。いまおっしゃったことにつきまして、いろいろな意見が私はあると思うのです。文部省の態度についても批判があると思います。日教組の態度についても批判があると思うのです。私自身も、いろいろな考え方を持っているのです。持っているのですけれども、それを言いますと、私は元来手をつなぎ合って進まなければならないということを考えているために、ほんとうに言いたいことをあえて言わぬでおるのです。ほんとうに手をつないでいかなければならないということを考えているのです。日教組の方々が、中教審路線についていろいろなことを言っておられる。また私たちが給与の改善について立法を考えている、これについてもいろいろなことを言っておられる。あるいはまた一たん選挙になったらどういうことをされるかということについてもいろいろな問題がある。私自身いろいろな気持ちを持っておるのですけれども、言いますと、せっかく私が志していることがまたくずれていくと思いますので、あえて言わぬでいるわけです。その辺は政治家でございますから御理解いただきまして、日本の教育がよくなりますように、ひとつぜひお力添えをいただきたい、かようにお願いしておるわけでございます。

有島重武公明党

○有島委員 私、伺っているのは、ここでもって日教組論をやるとか何かそういうことじゃないのですよ。一度お会いになる、会期内なら会期内でも会うという御意思があるか、あるいは定例的に会っていこうという御意思があるかどうか、そのことを伺っているのです。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 私は、お互いに会えば、しょっちゅうそんなむずかしいことなしに、いろいろ絶えず話し合いをしていくような関係に持っていきたいという希望を持っているわけでございます。先ほど来申し上げたような事情で、いま私のほうから日教組に対しまして、国会中だけれども会いたいという余裕はない。しかし、そういうきっかけができてくるならそれはもう時間はつくらなければならなぬ、こう思っております、こう答えているわけでございます。

有島重武公明党

○有島委員 向こうからは、大臣が御就任になってから会いたいといってきている、そういうことはあったのでしょう。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 会いたいというお話がありましたので、いま時間的余裕がないのでもう少し先に延ばしてほしい、こう申し上げておるわけでございます。その事情はいまでも変わっていないわけでございます。変わっていないわけでございますけれども、もうかなり長くたっているにかかわらず、自分自身の勉強ができていないからそれで会わないというようなことは適当でない、こう思っているのですけれども、進んで自分から言うだけの余裕も持っていないのです、こう申し上げているわけであります。

有島重武公明党

○有島委員 そうすると、二回、三回催促を受けないと会わぬ、こういうことですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 その辺は政治家ですから、もう御理解になっているのではないかと思うのですね。それ以上言わせることは私は適当でないと思うのでございます。その辺はよく政治家として御理解いただけばいいのじゃないか、こういうぐあいに思っておるわけでございます。

有島重武公明党

○有島委員 あんまり政治家だからと言われても、結局わからないのだけれども、教育をよくするという目的に立って、それでもって会ってもらいたいと私は思うのですね。それで、一ぺん申し込まれている、それでもって大臣のほうにいまイニシアチブがあるのだ、こういうふうに言うのですよ。だから、お会いになったらいいのだと私は思うのです。大臣からごらんになれば、私は非常に単純過ぎて政治的でないとおっしゃるかもしらないけれども、私は政治的よりも教育的ということをむしろ思います。その行政の最高責任者と教員の大きな団体である日教組ですね。もう一つあるのです。定例的に会っていったらどうかと私は提案申し上げているのだけれども、一つは期間期間といって、いまちょっと忙しいから少し延期してくれ、その少しがどのぐらいまで少しになるのか。それからあと定例的になっていくという御意見があるかどうか、そのぐらいはおっしゃってもいいじゃないですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 先ほど来たびたび申し上げておりますように、もうしょっちゅう会ったらいいのじゃないかと思うのです。そんな定例とかなんとか言わないで、もっとざっくばらんに話し合えるようなかっこうに私はぜひ持っていきたい、こう思っております。  同時に、最初に新聞記者の方々からお尋ねを受けましたときに、そういう質問が最初に出ること自身非常に私は不自然さを感じるのだ、だからよく勉強したいと思っているのですが、その勉強が、ではできたかというと、できておりませんと残念ながら申し上げているわけでございますし、国会中でもありますから時間的余裕がない。だからしたがって、自分から今度は会いたいという時期に来ているというところまではまだないのだ、こう申し上げているわけであります。しかし、それだからといって、いつまでもほっておいても問題があるじゃないかとおっしゃれば、そういうきっかけがあればそのときによく考えてもけっこうです、こう申し上げているのです。おまえが前に会わないと言ったんだから、今度はおまえが言うべきだ、かりにそれをそのとおり受けましても、いま私には勉強がまだできていないのだ、国会中なんだ、こう申し上げているわけで、その後において必要があれば、私からお目にかかりたいと申し上げたらいいだろうと思いますが、いまは私にはそれだけの余裕はまだできていないということをたびたび申し上げているわけでございます。

有島重武公明党

○有島委員 こんなことで時間をつぶしたくないんですが、よくわからない。勉強ができるとかできないとかいうお話ですけれども、それも、これでもって勉強ができたということは、別に期限はないわけでしょう。だから、何となく会いたくないんだというお気持ちなんですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 もうわかっていただけると思うのですけれども、二十何年来この問題でこじれているのです。二十何年来こじれているんだから何とかしたいという希望を持っているものですから、私なりにいままでの沿革をよく勉強したい。どうやったらそれをほぐせるのだろうか、こういう気持ちを持っている。それをほんとうに勉強したいのです。いろいろな人から聞きたいのです。しかし、いま国会中なものだから、なかなかその時間的余裕がなくて、その目的を果たしておりません。しかし、お話があるのにいつまでも延ばすわけにいかぬじゃないかという気持ちも私は持っております。だから、そういうきっかけができたらよく考えるけれども、しかしいずれにしても、自分のほうからいまお目にかかりたいと申し上げるだけの時期には来ていない、こう申し上げているのです。

有島重武公明党

○有島委員 それは一つの基本問題だという認識を持っていらっしゃるんですね。  それで、さっきからいろいろな話をしていたけれども、相互不信というようなことですね。私は相互不信の一つのかなめになっているんじゃないかと思う、親と子供が、あるいはお子さんと教師か——教育者ですね。そういったこともありますけれども、文部当局と教師側とが模範を示しているみたいなことがあるわけですね。それは早急に解決しなければならない問題ですよ。  それでもって、五、六年前から考えれば、もうずいぶん変わってきているように私は思います。前の文部大臣の御努力もありました。あるいは政務次官の方々の一生懸命やったことも私は評価できると思うんですけれども、大臣として、重要に思っていらっしゃる、これは早くやらなければならないとも思っていらっしゃる。やはり大体いつごろとめどを立てて、それを目がけて勉強なすったらどうですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 私は、この問題は非常に重要な問題だと思っております。この問題が片づかないと、私は日本の教育の正常化なんてできないと思う。しかし、会ってすぐ片づく問題なら、もう二十何年前に片づいているんじゃないですか。なぜ二十何年来こんなにこじれているのか、そこを私はよく勉強していかなければならない。そして、どうやればこういう問題が解決できるのか、お互いに反省し合う、そういう機運もつくっていかなければならない、こうも考えておるわけでございまして、私が会ってすぐ片づく、それなら、いままで歴代の大臣がお会いになって、すぐ片づいていると思うのです。なぜこういうふうになっているのか、お互いがやはり反省し合う、相互不信の起こらないようにしていかなければならぬ。私はいろいろな研究、努力、くふうが必要じゃないか、こう思っておるわけでございまして、ほんとうに大事な問題だと思っております。大事な問題でございますから、私なりによく勉強したい、こう申し上げておるわけでございます。

有島重武公明党

○有島委員 勉強なさるのはたいへんけっこうなんですけれども、勉強ができたからこうするというのか、そうしたことの勉強の一環として行動に移してみるということですか。   〔内海(英)委員長代理退席、委員長着席〕 それならむしろ、学者じゃないんですから、研究が全部できてからじゃなければ発表しないというものじゃないわけです。さっき政治家とおっしゃったけれども、やはり行動して積み上げていくということが大切なんでしょう、と私は思いますね。それには、内閣そのものはとにかくいつまで続くかしれませんけれども、やはり時間ということもあるわけですね。だから早い期間に会ってみる、そういった行動に出るという御意思があるかどうかというんですよ。けれども、最後のところがはっきりしないんだな。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 国会中私から進んでお目にかかりたいということは言う状態にないんだとたびたび申し上げておるじゃありませんか。こんなにくどく申し上げておる。私からお目にかかりたいと言う時間的余裕もなければ、勉強もしていない、こう申し上げておる。ただ、そういうきっかけができておるのにかかわらず私が拒否する、それはとるべき策じゃない、それくらいの心も持っています。また、私たちがどういうことを考えているのか、これは日教組の方々もやはりある程度経過を見ながら判断されるでしょう。私たちが給与の改善を考えているにかかわらず、すぐ頭から反対しておられるじゃありませんか。こんなに真剣に考えているのに、何も理解してくれてないじゃありませんか。やはり理解してもらうためには日時が必要じゃないでしょうか。ほんとうにこれだけ真剣に考えている気持ちをどうして受け取ってくれないのだろうか、邪推ばかりしているじゃありませんかと私は叫びたい気持ちが一ぱいでございます。

有島重武公明党

○有島委員 それだから会わなければならないと言っているんですよ。いいですか。こっちがせっかく考えてやっているのに頭からそれを反対するとは何事かというようなせりふは、よく親が反抗期の子供に言うのですよ。あるいは大国が小さな国に対して、こちらはこんなに考えてやっているのにおまえたちこれをいやがるとは何事かというようなことも言います。そういう、とにかく力が強いほう、いま言ったのは、まあ客観的に見て力が強いほうが、比較的弱いほうに対して、こちらがこんなに考えてやっているのに頭から反対するとは何事かというせりふが出てくるわけです。これは重大だと思いますね。大臣は、もしもほかでそういうことが起こっていたら、まああなたもおとななんだから、その辺はよく話し合ったらいいじゃないか、そうおっしゃるに違いないと思うんですよ。こちらがこれだけ一生懸命というのは、教員給与の問題を示唆されたんだと思います。初めは五〇%とおっしゃっていたのが、二五%になり、一〇%になった、そういったことは大臣としても大蔵省に対して御不満を持っていらっしゃるでしょう。そういった、こちらの気持ちは、ほんとうに皆さんよくしてあげたいんだという気持ちで一ぱいだ、それはほんとうに額面どおり私は受け取ります。それが向こうに伝わらぬとか、向こうが反対しているとか、それを何事かという態度じゃ、わしは会ってやらぬのだ。それは私は間違いだと思うな。いかがでしょう。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 先ほど来たびたび言っているのですから、もう御理解になっていると思うのですけれども、私がここでいろいろなことを言いますと、それがまた批判を生むことになってしまうのです。言いたいことはたくさんありますけれども、私は黙っているのです、こう言っているわけです。そして相互不信が根深いのに、一ぺん会ったらすぐ全部氷解するんだ、そういうわけのものじゃないということの一例として私は申し上げておるわけであります。ですから、相互不信を解いていきたいのです。それにはやはりお互い努力している姿というものをお互いに見詰め合うことも必要じゃないか、私にはこういう気持ちもあるのです。だから、あなたの言われること、すぐ会ったらいいじゃないか、それで氷解するじゃないか、定例会見をやったらいいじゃないか、そういうかっこうになっていないところに今日の問題がある、二十何年来の今日の結果を来たしているのだ、こう思っているものですから、私は、どうやったらこれを解決できるかということを真剣に考えていきたいという希望を持っているのです。そのためにまず勉強したいのだということを申し上げているわけでございます。私は十二月暮れに就任したばかりでございまして、それからずっと国会でございます。相当時間をかけなければいかぬだろうと思うのですけれども、そんなことを言っていてはいけないという気持ちも持っておりますよということまで言っているわけであります。私は、ここであまり日教組問題に触れたくないのです。触れたくないということは、真剣に何か解決をしたいという気持ちを非常に強く持っているからでございまして、私がいま一つ言っただけでも皆さんたちのほうでいろいろ反発してこられる。まさにそのとおりだと思うのです。それぐらい相互不信が根深いのですよ。だから、そこからいろいろ解いていかなければならないだろう。そして、どうやったらお互いに理解しながら力を合わせて進むことができるかという道を真剣に考えていきたい。だから、会う、会わないの問題は、先ほど来くどく申し上げておりますことでぜひ御理解を賜わりたいと思います。

有島重武公明党

○有島委員 私は、会ったら全部解決するだろうなんということはひとつも言っておりませんよ。そんなことを言ったら、たとえばベトナム会談ですけれども、それはやらないよりかましだから、一生懸命やっているのでしょう。そして積み上げ、積み上げで、ときどきこうなったり話がこじれちゃったりして、それにもかかわらずまたやる、そういったようなことで双方からの努力が積み上げられなければならないのじゃないかと私は思うのですよ。大臣に御就任になってまだ幾ばくもないようなことをおっしゃるけれども、何年大臣をやっていてくださるかわからない。それはお互いにわからないでしょう。けれども、やはり具体的に踏み出すということはやらなければならないのじゃないか。会ったから全部うまくいくなんということは私は言っておりません。それは御理解いただけるでしょう。それからまた、ここでもって日教組の姿をお互いにぶちまけるということも言っているわけではないのです。…中総理も言っておられるように、非常にわかりやすい形でもってその積み上げの努力をしていくということは、早い時期にぜひとも必要である、私はそういうふうに思うからこの点を言いたかったのです。ですから、やはり早い時期にひとつお会いになったら  いかがですか。一つの国と一つの国がまだまだみぞが深い、相互不信感があるにもかかわらず会談を積み重ねるということが行なわれるわけですし、私たちだって、こうやっていろいろな会合がありますけれども、それ一ぺんでもって全部解決するだろうと思ってやっているわけではありませんよね。こういったお話しし合うチャンスを設けていただいたのはほんとうにありがたいと思うけれども、こうやってお互いに努力していくということが大切なんであって、これでさっぱりした、次からは法案は一瀉千里でもっていくだろう、そういうわけでもないでしょう。どう思われますか。大臣のほうから、ぜひお目にかかりたいから来てくれということじゃなくて、オーケーとだけ言えばいいのでしょう、向こうから会いたいと言ってきているのですから。だから、それは早い時期になすべきじゃないか、その御意思がないか、そういうように伺っているのです。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 御意見、私にはよくわかります。その御意見を私が十分承らしていただきましたということにさしておいていただけませんでしょうか。私のお返事は重々申し上げたつもりで、私の気持ちはもうわかっていただいておるはずだと思うのですけれども、ですから、それは十分承らしていただきましたということでひとつ御了解賜わりたいと思います。

有島重武公明党

○有島委員 それならこんな委員会を開かなくてもいいわけなんですよ。大体お気持ちを察することはできます。あえてここでもってやるのは、やはり形にあらわすべきだと思うので、気持ちはわかっているからもういいじゃないかということではないわけですよ。ですから、早い時期に会うという意思を漏らされるほうが当然なんです。それを、こうした場でも漏らされないということになると、またよけい勘ぐりが多くなるのじゃないかと思います。早い時期に一ぺん会うようにと私が言ったその意思は、わかりますとかなんとかそういうことじゃなくて、そうしますとか、それはできないとか——したいのだけれどもできないというような意味なんですか。そうすると、できないという結論ですね。どうですか、お会いになったらいかがですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 同じことを繰り返してたいへん恐縮でございますけれども、国会中に私のほうからお目にかかりたいということを申し上げるには、勉強もまだできておりませんし、また時間的な余裕もございませんのでそれはありません、こう申し上げておるわけであります。しかし、会ったほうがよいという結果が出てきたときに、国会中だと私が断わる、そうきめてかかるべきものでもない、それはよく考えてやればよいことだ、こう思っておるわけでございます。

有島重武公明党

○有島委員 会って話し合って長年の問題を解決していきたい、そういう御意思は十分あるのだ、そういうことですね。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 その点はそのとおりです。

有島重武公明党

○有島委員 その時期については、国会会期中であるから絶対に会わないということはない、そういうことですね。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 会ったほうがよいということが出てきました場合、それにもかかわらず国会中だからいやだ、こうはきめておりません。

有島重武公明党

○有島委員 ちょっと話題を変えます。  教員の質という問題、これはたいへん重要な問題です。教員をずっと突き詰めてまいりますと、大学の教授、あるいは大学の教授を育てていかなければならない大学院というようなもの、私は大学院は非常に着目しなければいけないのじゃないかと思っております。これは、大学院の問題を解決するんだというようなことを言われた文部大臣もいらっしゃいましたけれども、なかなか解決できなかったわけです。  非常に卑近なことでございますけれども、大学院生を学生として考えていくか、あるいは研究者として位置づけるか、この辺は大臣はどういうようにお考えになりますか。これは給与ないしは奨学金の問題にかかわるわけです。いま奨学金ということになっておりますけれども、あれはまだ学生なんだというふうに見るか、あるいは多少国民の中でも勉強ぎらいな者もいれば勉強好きな者もいるわけでございまして、ほんとうに勉強好きな人でなかったらああいうところにとても行かないわけですね。これを研究者としての位置づけを将来するというようなお考えがあるかどうか、その辺……。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 修士課程であろうと博士課程であろうと、その課程にある間は本質的に私は学生だと思います。学生として扱われていいと思います。しかし、実質的には生涯教育ということもいわれておるわけでありますので、社会で働いているその人たちが、また新しい科学を勉強して一そう技術を身につけようという場合もございましょうし、いや将来研究者として立っていく場合に四年の大学生活は不十分だ、さらに研究者として深いものを修めていこう、あるいは教育者になるについても、もっと広く勉強していこうとしていらっしゃる教育者的立場に立っている学生もあるわけでございまして、本質的には私は学生の身分には変わりないと思うのでございますけれども、その人によりまして、再教育的な立場の人もおるし、あるいは教育者としてさらに深いものを修めようとしている人もおるし、もうすでに研究の段階に入っているんだ、将来とも研究者として立っていくんだ、将来とも研究者として立っていくその課程を博士課程として履修していくのだ、こう  いう場合も、いろいろあるのではないだろうか、かように考えておるわけでございます。

有島重武公明党

○有島委員 現行法ではこういう扱いであるということなんですけれども、いまさっき政治家としてと、ちょっとおっしゃいましたけれども、教員の質、それから学問そのものは、日本に明治以来根づいた学問というもの、輸入的な学問といわれていますね。これから独自な基礎的なものを、日本の国はやはり文化国家として開拓していかなければならない、世界にほんとうに貢献していかなければならない、そういうような明治時代以来の状況、あるいは戦後の状況とはだいぶ変わってきているわけです。そういう御認識はお互いにあると思うのですね。あるいはアメリカのように、非常にいろいろな批判はあっても富んでいる国ともまた違うわけですね。日本は資源のない国だということもありますし、文化国家として成り立っていかなければならないのだ、そうした場合に、研究者の位置づけ、近い将来大学院に関係していく者を、研究者としての位置づけをなさるべきじゃないか、そういうことをひとつ御検討をなさるというか、ひとつお考えいただけませんか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 私も今後の問題としては、大学院のあり方、同時にこれの充実、これは非常に大切だ、私も有島さんと同じ気持ちでおります。大学院の姿を見ていきますと、四年制の大学、それでもう十分だというわけにいかない。もっと社会に出ていくについて身についた勉強をしていかなければならないという大学院の学生、これはまさに学生だろうと思います、もございます。また、社会に出ていく人たちが新しい科学を身につけたい、そういう意味で再教育を受ける、これはやはり大学院の任務だと思うのです。さらに、教育者になるとか研究者になるとかということになってまいりますと、まさに研究者の場合には学生とはいうけれども、もう学者生活を研究者として大学で送っているにほかならないと思います。まさにおっしゃるとおりだと思います。でございますので、大学院の使命といいますか、機能といいますか、そういうものもまた幾つかあるのじゃないだろうか。こう考えるわけでございます。  おっしゃっている研究者として扱う大学院の学生の処遇につきましては、それまでの大学生の学生としての扱い方から、もう一段深い処遇を頭に置いて考えていかなければならない、こういうお気持ちでおっしゃっているんだろうと思います。それは私も全く同感でございます。現在でも奨学金の運営の扱いも変えておりますし、また学生、名当たり、教官一名当たりの経費の見方につきましても変えているわけでございますけれども、おっしゃっている問題、非常に範囲の広い問題だと思いますけれども、これからの大きな課題だというふうに考えております。

有島重武公明党

○有島委員 大臣のおっしゃったのは、幾つか脈絡がちょっと一緒くたになっている面があると思うんですけれども、一般市民教育というものがございますね、これは戦後の大学の標榜したものですね。市民教養というような、そういうものの上に初めて大きな視野を持ってそこから人材が出てくるんだというような考え方、それから職業教育的に非常に寄った面ですね、再教育というような面、実用的な面、それからもう一つはいつ成果が出るのか全然わからないんだけれども、とにかく学問として追っていかなければならぬというような基礎的な研究がございますね。そういうような私は大体三つくらい高等教育の機能というもの、これは分離もしなければならない、分離した上でお互いに関連し合っていかなければならないと思うのですけれども、少なくともいつ結果が出るかわからないんだけれども、これは進めていかなければならないということには、ついお金が出ていかないわけですよ。それで産業第一主義ということがさつき話題になりましたけれども、産業に寄っているほうのことはお金が出ていく、研究が進んでいくということもありますね。国として、むしろほんとうに心配しなければならないのは、そういった基礎的なこと、これは財界のほうから応援があまり来ない。来ないけれども、やはりやっていかなければならないということは——こちらから考えても、学者のやることば、大体現体制を批判的に見るのが学者の常でございますから、大体行政側から見てもあまりお気に召さないようなことがあるかもしれない。にもかかわらず、そこには研究費を出していかなければならない。そういうことは、国がやらなければだれもやり手がないということがあると思うんです。ほんとうの大学院でなければできないというような一つの特徴は、むしろそういったところにあるんじゃなかろうか、私はそんなふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 大学院大学をつくったらどうだろうかという意見もずいぶんございまして、おっしゃっているような方向で大学院を充実していかなければならないと思います。  同時に、大学院のいまの仕組みは、御承知のように二年の修士課程、その上に三年の博士課程、こうなっているわけでございますけれども、二年の修士課程は社会人の再教育という方向で考える、博士課程は五年にして、最初から博士課程に入って五年間みっちり研究を続けるという仕組みをとったらどうかという考え方もございまして、筑波大学ではそのような方式をとることにしようとしているわけでございます。あるいは何も修士課程を二年に限る必要はないじゃないか、再教育という面においては、一年で大学院生活を送れるという制度をつくったらどうかという意見もあるわけでございます。私はいろいろな大学院のあり方を考えたらいいんじゃないだろうか、コースをいままでのように一つしかないというふうに縛っておく必要はないんじゃないだろうか、こういうふうにも考えているわけでございます。現在も大学の中に、大学院を置いているところと置いてないところとあるわけでございます。そういうことから考えますと、いっそ大学院大学という構想も十分考えられるわけでございますし、また大学院については特に充実した処遇をしなければならない、これも御説のとおりというふうに私も考えております。

有島重武公明党

○有島委員 大学院生と、それから無給研究員というのがお医者さんの中にもありますし、それから工学、理科のほうにもあるようですけれども、博士号を取って大学に入って、まだ就職できないから大学院で研究しておる、それで無給である、そういった人たちがいるようですが、これが研究していく上にいろいろな事故が起こった。この無給研究員の事故災害、これが全国的に見ますとかなりあるんじゃないか。これのお金の出どころがはっきりしておらぬわけですね。それから無給でやっているといっても——それじゃけっこうです。こうしましょう。たとえば大学、病院その他の研究所におけるこうした研究災害の補償制度が一体どうなっているか、これは検討しなければならない問題であると思います。それで、これは報告されないでもって、うやむやになっているところのほうが多いのじゃないかと思います。こういったことがさっきの不信感じゃないけれどもかなり恨みを買って、どうにかしてくれないか。事務局にたいがい握りつぶされちゃっているということがあるように思います。これは一ぺん調査していただきたい。私のところに入っているのは、一、三の例でありますので、一ぺん調査して報告をいただきたいのです。これは報告をいただくというのは——じゃ資料要求をさせていただきましょう。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 いまおっしゃっている方々が、学生の身分で災害を受けたことなのやら、あるいは研究員とか、助手とか、公務員という身分を持っておって災害を受けたのかによって違ってくると思うのであります。公務員なり、あるいは私立学校の場合の職員の場合もそうでございますけれども、職員についてはそれぞれ災害補償に関する制度ができているわけでございます。いまおっしゃっているのは、あるいは学生なのかなという気がするのですけれども、具体の例もちょっと参考にあとでお知らせいただきまして、それを受けて調査した上で御連絡させていただくようにいたします。

有島重武公明党

○有島委員 時間が来てしまって中途はんぱになりましたけれども、これは大臣の個人のことにかかわるつもりもないんだけれども、私はこう思っているんですよ。学園都市というような御構想があったようです。学園都市そのものについては、そういったものを郊外につくっていくということについては、私ども二年前であったか、まあこれは賛意を表しておりました。それで私は、大臣の奈良県ですね、奈良県というところは、それこそ産業第一主義で成り立つところじゃないと思うのですね、あそこは。どこを掘ってもいろいろな文化財が出てきてしまう。文化財の問題について、きょうも少し大臣のお考えをほんとうは聞きたかったのですけれども、私は奈良県のようなところこそ、日本列島の中であそこは文教県にすべきじゃないかというふうにかねがね思っていたわけです。大臣いかがですか、お考えは。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 たいへん私としてはありがたいお説を伺わせていただいたわけでございまして、県としてもいままでも、煙を吐くような企業は来てくれては困るという態度をとってきたわけでございます。昔はわりあいに文教施設があったわけでございますけれども、その後どんどんいろいろな施設をふやす場合に恵まれていない、こう思います。それだけに、私は奈良県のようなところにつきましては国の文教的な施設をもっと積極的に設立していくべきじゃないか、そんな気持ちを持っているわけでございまして、たいへん心強い御意見を伺わせていただいてありがとうございました。

有島重武公明党

○有島委員 これは御就任中でも、まあそんなことは別にして、その御構想をお示しになったらいかがか、私はそう思っています。  それから、文化財のことで少しまたやりたかったんだけれども、これは……。  それから国連大学ですね。国連大学の、まだ事務所だけなんですか。国連大学そのものを日本の国にどうしても招致したいというような意思表示をなさったらどうでしょうか。それはいかがですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 先ごろ国連事務総長ワルトハイム氏がお見えになりました際に、いまのような主張を強くいたしまして、事務総長からは同調的な御返事をいただいたわけでございます。ぜひそういうことで努力を続けていきたいと思っております。国連当局に対しましても、日本の強い意思を正確に表明をしているわけでございます。また四月の中ごろでしたか、国連大学についての国連側の調査団、これが日本に来ることになったわけでございます。また国連大学の建設草案がどういうふうに具体化していくか、その方向を見定めながら、それにこたえられるような答案を日本側で書けるようにしていかなければならない、こう思っているわけでございます。

有島重武公明党

○有島委員 じゃこれで終わりますけれども、先ほどの不信感の問題は、これはやはり非常に重要な問題だと思います。そこらじゅう不信感だらけでありまして、これもどこからでもいいからチャンスあり次第、とにかく解いていかなければならないわけです。政治の世界だってそうですし、それから行政でもそうです。特に教育というこの一つのフィールドの中でもって、これからこれを解いていく努力を積み重ねていかなければならないということを思います。先ほどの大臣の、ちょっと歯切れが悪くて、非常に私は不満です、あれは。またお答えをこれは示していただきたい。  以上で終わります。

田中正巳自由民主党

○田中委員長 この際、午後一時まで休憩いたします。    午後零時八分休憩      ————◇—————    午後一時十六分開議

田中正巳自由民主党

○田中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山口鶴男君。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 私も国会に何年かおりますが、文化のかおり豊かなこの文教委員会で質問させていただくのは生まれて初めてでございまして、たいへん光栄に思っております。たまたま文部大臣は、かつて自治省の財政局長御在任時代、地方行政委員会でいろいろ議論をいたしたことがあるわけでありまして、そういう意味で今度地方行財政、わけても地方財政に最も詳しい奥野さんが文部大臣になりました機会に、教育財政についてひとつ抜本的な施策を打ち立てていただくことを、心から私期待いたしたいと思います。  振り返ってみますと、六・三制が発足をいたしましたころ、戦後の窮乏の中で、当時は全国一万有余あった市町村が、非常な苦労をして新制中学を建設をしたわけです。当時、この新制中学建設のための資金繰りがきわめて困難であり、そういう事態に直面をした市町村長さんの何人かが自殺をしたというような実例もあったわけであります。そういう戦後のまさに地方財政の窮乏のさなかに六・三制が発足をし、当該地域住民の血のにじむ努力で今日の六・三制というものが確立したのではないかと思います。とにかく、そういった画期的な制度の裏に、先ほど申し上げたような市町村長の何人かが自殺をするというような、非常な大きな犠牲が払われた。そればやはり教育に対して財政的な措置というものがきわめて不十分であったというあらわれだったと私は思うのであります。その後、そのような悲惨な事態というものは解消いたしたと思いますけれども、しかし、いまなお地方財政を議論する場合に問題になるのは、超過負担の問題であります。特に超過負担の中心をなすものが公立学校の建設費であることも、これは奥野さんよく御存じのとおりだろうと思います。  そういった過去の経過というものを踏まえまして、しかも地方財政の最もベテランであります奥野さんが文部大臣になったという機会に、この際、公立学校の施設に対して超過負担などというものが一切ない、また地方財政法で禁止されているところの寄付の割当などというものは一切なくなる、そういった好ましい教育環境というものを整備をしていただきたいものだと私は願っているわけであります。この点、まず文部大臣の御決意を承っておきたいと存じます。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 山口さんのおっしゃっていること、全く同感でございます。ただ、戦後間もないころを振り返ってみますと、あのころは国民経済も回復していない、財政も十分でない、しかし、日本の将来をおもんばかれば教育に力を入れるべきだということで、六・三制を発足させ、教育の充実に取り組んでまいった時期でございますだけに、財政的にはかなり国、地方を通じまして無理をし続けてきたわけでございます。それを考えますと、今日では相当に経済力もついてきましたし、財政力も充実してまいっておりますので、国、地方、それぞれ負担の分野を明確に守って、そのとおりに実行していくということでなければならない、かように考えるわけでございます。そういう意味におきまして、負担区分が明定されているものにつきましては、超過負担というようなことの起こらないように、制度の改正もさることながら、運用にあたりましても留意していかなければならないところだ、かように考えているわけであります。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 大臣のおっしゃること、よくわかります。ただ残念なことは、その後わが国が、経済の成長——最近経済の高度成長の問題につきましてはいろいろな角度からの議論はございますけれども、それはさておきまして、わが国の経済が戦後驚異的な速さでもって復興してまいった。戦前の水準を抜き、非常な経済の成長というものが達成をされた。それに比例をいたしまして、わが国の一般会計の予算規模というものも、年々非常な勢いで増加の一途をたどりました。地方財政もまた国の一般会計の伸びとほぼ同じ比率をもって伸びてまいったことは事実でございます。  そういう中で、それでは教育予算というものが、国の一般会計の伸びと比例をして伸びていった、あるいは地方財政の中における教育予算の比率というものが、地方財政の伸びと比例をして伸びていったということであるならば、私はまだいいと思うのですけれども、残念ながらその数字をとってみますと、こまかい数字は私ここであげませんけれども、国の一般会計における文教予算の比率、地方財政の中における教育予算の比率というものは、年々低下の一途をたどっているということは、これは大臣もお認めになると思うのですね。本年も国の一般会計が三四・六%ですか、という伸びの中で、文教関係予算の伸びは一七%程度、まあ自民党さんの一部の方々が非常に御熱心で、百三十五億については大いに獲得をされたようでありますけれども、しかし、そのようなものを百三十五億とってみたところで、教育の予算の比率というものは明らかに低下している。こういうことは私ども目をおおうことはできないと思うのですね。そういう点に対する御反俗はいかがですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 国の予算の中で、文化関係の占めるウエートが高くなっていく、そして文化豊かな国に発展していくこと、私たちの念願しているところでございます。   〔委員長退席、松永委員長代理着席〕 ことしの国の予算が二四%以上ふえているのにかかわらず文部省の予算が二〇%余りしかふえていないじゃないか。そうなりますと、自然国の予算の中に占める文教予算の比率は下がるわけでございます。これも御指摘のとおりでございまして、私たち残念なことだと思います。ただ、国の予算が一三%、一四%という時代にはむしろ文教予算がふえまして、比率が上がっているわけでございますけれども、二〇%をこえるようになってまいりますと、文教予算の伸びはそれよりも下がって、比率は下がる、そういう傾向をたどっておるわけでございます。これは理屈を言いますと、われわれ弁解がましいことになっちゃうものですから、あまり言いたくないわけでございますけれども、人件費が何ぶん多いものですから、思い切って公共事業とか社会福祉とかいう点にウエートを移すということになりますと、そういうものの文教予算に占める割合が低いものだから、自然国の予算の伸びよりは低くなるという経過をたどっているわけでございます。しかし、いずれにしましても、もっともっと文教関係の予算にウェートを置いた財政運営が行なわれるように、私ども今後一そうの努力を続けてまいりたい、かように考えているわけでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 年々文教予算の比率が低下している事実については、よく御認識のようであります。せめて財政に明るい奥野さんの時代には、そういった傾向に歯どめをかけるくらいのことはあってよろしかったんではないだろうか、こういうふうに思います。それは意見でありますから、お尋ねをこれ以上いたそうとも思いません。そういったつもりで今後対処いただくように、強くお願いをいたしておきましょう。  そういう中で、義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案についてお尋ねを逐次いたしていきたいと思うんですが、最初に要務当局に聞きましょう。  文部省からいただきましたこの「義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案資料」、文部省でおつくりになったものですね。これを見ますと、法律案要綱がございまして、法律案があり、提案理由がございまして、新旧対照表があって、参照条文が次についております。この参照条文を私はずっと拝見をいたしまして、文部省のお考えというものが実はわからなかったのであります。この中に、地方財政法の抄がございます。第十条の規定がここに書いてございます。十条がこの法律に関係深いことは私もよくわかりますが、先ほど来奥野さんと私の間で議論しておったことを局長もお聞きになっておったろうと思うんですが、いま教育の施設について国民が関心を持つということになれば一体どこか。そうすれば当然地方財政法の強制的な寄付を割り当ててはいけないということ、それからさらに地方財政法の二十七条の四、市町村が住民にその負担を転嫁してはならない経費、そしてそれを受けた地方財政法施行令の第十六条の三、市町村が住民にその負担を転嫁してはならない経費、こういうものがこの公立学校の施設負担の法律について、お役人のほうから見れば別ですよ、国民の側から見た場合に重要な規定だということは、私は局長さんもおわかりいただけるだろうと思うんですね。そういうものを、せっかくこの参照条文として幾つかの法令をお引きになるとするならば、地方財政法を当然私は載せてしかるべきじゃないかと…思うんです。そういった国民の側から公立学校の施設について一体どう考えているかという観点が、残念ながら文部省にはないということを、この法律案資料は告白をしている、こう私は言わざるを得ないと思うんですね。いかがですか、その点は。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 山口先生御指摘の点は、私ども日ごろ問題点というふうに意識をいたしまして、そうした学校施設の経費が住民に転嫁されることがないように留意をいたしておるわけでございますが、資料として差し上げましたものは、これは法改正と、密着した部分だけに限ったわけでございまして、それに御指摘の条文が入っていないからといって、そうした問題意識を私どもは持っていないということではございません。その点はひとつ御理解をいただきたいと思います。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 密着しているものについて、関係する法令についてのみにとどめた、こういうのですね。それじゃお伺いしましよう。  今度の法律改正の内容は、小中学校の国の負担割合を改めたものですね。それから、まあ屋内体操場についてもそうです。そうすれば当然、この公立学校の施設に関して国の補助の特例をきめている法律というものは、密着したものを並べるというなら、当然並べてしかるべきじゃありませんか。ところがこの中に、私ずっと見たのですが、落ちているのがありますね。たとえば過疎地域対策緊急措置法、これについては小中学校の負担の特例を定めているものでしょう。載っているかと思ったら載ってないじゃありませんか、密着しているものが。あなたのおっしゃったことを私は繰り返しているのですよ。とすれば、この過疎地域の公立学校の施設について文部省というものは関心ないということを告白していることになりませんか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 過疎地域の学校施設整備の問題につきましては、決して私どもはこれを軽視するということはないわけでございまして、ただいま先生御指摘のとおり過疎地域の対策緊急措置法の規定によりまして、過疎地域における学校統合につきましては、三分の二の高率補助ということが行なわれておるわけでございます。これに対応いたしまして、四一八年度の予算におきましても、学校統合関係が中心でございますが、事業量といたしましても七十一万、平米を七十七万、平米に増加をする。あるいは負担金の金額について申し上げますと、前年度の百四十三億円を百五十六億円に増額をするというような措置を講じておるわけでございます。これは過疎地域のほかに、離島関係それから一般の僻地関係を含む数字でございますが、そうした方面にもこうした努力をしておるわけでございまして、御指摘のように参照条文にこれをあげたほうがよかったと私いま思いますけれども、参照条文にこれをあげなかったということでもって私どもがこの問題を重視していないというふうなことではないわけでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 まあ言いわけはあまりいたさぬほうがいいんじゃないかと思うのですが、第一、いまの内閣は田中内閣でしょう。日本列島改造論というのをお書きになった。何が基本ですか。過疎と過密の同時解決ということをうたっているじゃないですか。しかも、この義務教育の公立学校の国の負担の割合を改めようとする参照条文、関係するものというのは、そんなに幾つもないのですから、それぐらいのことは、この私ども立法府が審議する際に参照条文として載せるのは、私はあたりまえじゃないかと思うのですよ。そうでしょう。過密についてこういう措置をとりましたということになれば、当然過疎についてもこういう措置をとっておりますと。しかも、あなた方の親分の田中さんが、過疎過密同時解決、こう言っているのですから、何とかの一つ覚えのようにいつも言っておられるのですから、ということから見たら、どうも田中内閣のもとにある文部省としては、不親切だというそしりを免れないのじゃありませんか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 ただいま申し上げましたように、今回の法律の内容には、いわゆる児童生徒急増地域における学校施設の負担率を引き上げるという内容が含まれておるわけでございますから、それとの関連から申しまして、山口先生御指摘のような過疎あるいは離島等における補助率の関係条文をあげたほうがよかったと思いますが、しかし、まあ言いわけになるかもしれませんが、あげてないということは、私どもはその問題を重視していないということではないという点を御理解いただきたいと思います。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 だから恐縮でした、その資料を出しますと答えたらどうなんですか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 さっそく提出いたします。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 大臣、私の議論を聞いておって、どうなんですか、結局私どもとすれば、しろうとなんですからね。そうでしょう。あちらのほらは専門家なんですから。そうして、立法府に対して法律案の審議を願うときに、せっかく参照条文というものを並べるんだったら、やはり局長のことばにすれば、これにぴったりしたものについてぐらいはお並べになるのが、私は立法府の審議権というものを尊重するゆえんじゃないかと思うのです。今後文部省は、そういう点では親切な法案資料を出すようにひとつ指導をいただきたいと思うのですが、いかがですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 山口さんがしろうとじゃなくて、山口さんがくろうとであるからこんなことをお伺いになるのかと伺っておったのでございますが、しかし、お話しのような資料をあわせて出すほうが審議に都合がいいことは当然のことでございますから、そういう配慮をしていきたいと思います。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 さて、そこで若干お尋ねをしたいと思うのですが、まあ過疎の問題ですけれども、過疎地域へ参りますと、過疎法によって小中学校の統合校舎については三分の二に国庫補助をかさ上げをするということが法律できまっていますね。そうしますと、この補助を目当てという点もあろうかと思うのですが、学校統合というものが非常な勢いで全国進んでいると思うのですね。私は、適正な規模で学校統合が行なわれ、教育基本法にもありますように、教育については機会均等だ。都会であろうといなかであろうと、そう著しい教育環境の格差というものはないようにするんだという意味で統合がある程度進むことについて、私どもは一〇〇%否定するものではありません。ところが、結局地方財政困難な点もあるわけでありますが、その点はまたあとでいろいろ質疑で述べたいと思うのですが、結局いままでの公立学校の施設に対する国の補助、補助単価、それからこの基準坪数、さらにその裏負担であります起債の手当て等々、必ずしも十分ではありません。とすると、少しでも補助率のいいものをという傾向が残念ながら市町村にあることは否定し得ないと思うのです。そういう中で、非常にむちゃな統合というものが行なわれているという現状があることは、文部省も否定しないでしょう。統合の場合、その生徒児童があまりにも遠い距離から通学するというようなことは、私はやはり避けるべきだと思うのですよ。それからまた、町村合併で幾つかの町村が合併して、一つの人口数万の市になった。区域は非常に広い。そういう場合に無理な統合をやるために、学級の数というものが非常に多くなるという傾向があることも私は否定し得ないんじゃないかと思うのであります。したがって、文部省は学校統合というものについて、生徒児童の通学の距離あるいはその学級数等については、一定の歯どめというものを私はやはり指導方針として持つ必要があるんじゃないかと思うのです。指導方針があるやに承っているわけでありますが、ここで念のために承っておきましょう。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 学校統合につきましては、昭和三十一年に中央教育審議会から答申がございまして、それに基づきまして三十二年に、学校統合の手引きというものを文部省は発行いたしております。その内容は、義務教育施設費国庫負担法の施行令の中に具体的に掲げられておる点でもございますが、まず学校の適正な規模といたしましてはおおむね十二学級から十八学級までであること、それから通学距離でございますが、徒歩で小学校にあってはおおむね四キロメートル以内、中学校にあってはおおむね六キロメートル以内である、この二つの条件を基本にいたしておるわけでございます。  そのほか統合に関する実際上の指導といたしましては、ただ単に学校規模を大きくするということや、あるいは経費の合理化をはかるという観点にとらわれることなく、真に教育指導上の効果をあげるという観点を重視すべきである。あるいはまた学校統合という問題は、町村につきましては非常に大きな問題でございますから、地域住民の理解と協力を十分得て実施をするようにという指導をいたしておるわけでございます。ただ遺憾なことには、最近統合をめぐりまして、地方におきまして若干のトラブルが生じておるということは、非常に私ども残念だと思っております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 十二学級ないし十八学級、通学距離につきましては、小学校が四キロ、中学校が六キロ以内、これをはるかにオーバーする統合というのが現にずいぶん行なわれているんじゃありませんか。そういう実情については、文部省は具体的な数字を把握になっておられますか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 ただいま申し上げました小学校四キロ以内、中学校六キロ以内というこの距離は、徒歩の場合でございます。最近多く問題になっておりますのは、スクールバスを運行いたしまして、そして相当遠距離から児童生徒を学校に通学させるということがございます。私どもは、スクールバスによる場合の具体的な基準というものを示してはおりませんけれども、そういう統合が適当であるかどうかという点につきましては、まずは町村の教育委員会が具体的な判断をし、それに対して府県の教育委員会がまた適切な指導を加える。そして関係者の間で、問題がない、適切だという結論を得たものが文部省に上がってきておるわけでございます。それに対しまして私どもは補助をする、こういうことでございますが、実際のケースといたしましては、補助申請の際、あるいは私どもが補助金の交付決定をいたします際に、問題が表面化していない、私どもとしては関係者の理解が十分得られたと思っておるものが、事後におきまして問題が表面化する、非常に長い距離の通学であって、教育的にも、あるいは児童の心身に対する影響という観点から考えても問題があるというものが、ただいま申し上げましたように若干出てきておるわけでございます。私どもは、機会をとらえてはそういうことがないようにということを指導しておる。組織的にどういう状態であるかということを調べた資料はございませんけれども、問題になったケースにつきましては、私ども大体の実情は承知しておるつもりでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 どうも、申請が来ましたものに対しましての文部省の調査というのが、だいぶ不備なようですね。きのうもテレビを拝見いたしておりましたら、松本医科歯科大学の認可に関しまして不正があった、検察庁が摘発もせねばいかぬような遺憾な事態があった。私もまた筑波大学法案の際に、幾つかの私立大学のそういった問題をお尋ねしたいと実は思いまして、資料もだいぶ調べておりますけれども、それはここでは議論することはやめておきましょう。  同じような意味で、せっかく文部省がこの徒歩の場合の基準、それからスクールバスの基準はまだないということだそうでありますが、スクールバスがあればまだいいんですが、通常のバスを利用している地域もあるでしょう。ところが最近、文部省も御存じのように、過疎地域のバスが、経営が赤字であるということから、ずいぶん廃止の方向にあるということもこれは御存じのとおりだろうと思います。運輸省が出しております、年間、ことしたしか四、五十億だったと思いますが、その程度の国庫補助をもってしてはどうにもならぬわけでございまして、過疎地域のバスというものがどんどん廃止の傾向にあるというようなことも踏まえまして、やはり徒歩の場合だったら何キロ、当該の市町村の教育委員会が努力をしてスクールバスを確保して運行しておりますところについてはどのくらい、それからまた民間のバス、しかも一日の本数はごく少ない、しかもそれが逐次廃止の傾向にあるというようなことを踏まえましたときに、おのずからこの程度の距離という、ものさしというものもつくって、そしてそれが申請のときには問題ないようだったけれども、あとで問題になるというようなことのないように、私はやはり生徒児童の立場に立って、無理な通学をしいるような学校統合というものは極力押えていくということが必要ではないかと思います。そういった考え方並びに基準について、さらにどのようなお考えであるか、お尋ねしておきたいと思います。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 ただいま申し上げましたように、バス通学の場合の基準がないわけでございますが、最近の事例を見ますと、そうした関係のトラブルが多うございます。ぜひ何らかのめどを立てたいというふうに考えております。それに従って適切な指導を加えてまいりたいというふうに考えております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 せっかく地方行財政に明るい奥野さんが大臣になったときですから、そういう点についてもいままでの不備をひとつ是正して対処されますように、これも強く要請をいたしておきましょう。  そこで、公立学校の建設に対して、超過負担というものがたいへん問題になるわけであります。超過負担解消の問題につきましては、年々地方議会からも、もちろん内閣総理大臣や自治大臣あてのものもあるでしょうが、直接この公立学校の補助を担当しておられます文部省に対して、地方自治法第九十九条二項に基づくところの地方議会の意見書というものが、相当数参っているんじゃないかと思うのでありますが、ここ最近一、二年の例でけっこうでありますから、一体どのくらいの意見書が文部省に参っておられますか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 超過負担の問題につきましてはいろいろございますが、全国公立学校施設整備期成会、それから地域的でございますが、北海道東北六県議会議長会、近畿市長会、全国積寒地帯対策協議会、全国都市教育長協議会、町村会、市長会、社会増対策全国教育長会議、全国都道府県議会議長会、町村教育長会、知事会、人口急増都市協議会、これは全国団体が主でございますが、そうしたところから超過負担解消についての要望が参っております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 いまのは地方自治法第九十九条二項による意見書じゃありませんね、そういう全国的な団体ですから。自治体からの地方自治法第九十九条二項による意見書というのは、どのくらい参っていますか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 実は、統計的な処理はいたしておりませんが、かなりの数が参っております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 かなりの数参ってきているということなんですが、私はそれはたいへん遺憾なお答えだと思うのです。実は私、議事録を持ってまいっておりますが、第六十三国会予算委員会の一般質問で、私は議会の意見書の問題についてお尋ねをいたしました。国会に数多くの請願が参ります。請願につきましては、その請願がどのように処理されたかということに対して、紹介議員になりました議員あてに、この請願はこのように処理をいたしましたという通知が国会から参ることになっております。ところが、地方自治法第九十九条二項による意見書、自治体とすればずいぶん議論をしてこの意見書というのは関係の官庁に出されると私は思うのです。ところが、この法律に基づく意見書というものが一体どうなっているか。いま文部省のお答えのあったとおり、たいへん数が来ているだろう、こういうことなのでありまして、幾ら来ているかということについて明確でない。そういうことでは地方自治体というものを軽視するものではないか。また、法律の九十九条二項による意見書というこの自治法の条文自体を官庁が軽視することになるのではないかというふうに私は考えまして、このことについて実は国会でお尋ねをいたしました。  当時、秋田自治大臣が、政府全体の統一した見解としてお答えをいたしております。どういうお答えをされたかといいますと、確かにそういうものが適当に扱われているということについては残念なことだ。したがって、一々返事を出すというのもたいへんだから、せめてそれぞれの官庁が機関として持っている広報、PRの雑誌等を通じて、このような請願についてはこのような状況になっております、このような処理をいたしておりますということを載せるという措置をとるようにいたしますと答えておるのです。私、文部省のPR雑誌がどのくらいあるのか知りませんけれども、私の手元に来たものをずっと拝見をいたしました。意見書についてこうなりましたなんということを、実は全然拝見することができなかったのであります。文部省は一体何の広報誌に意見書についてどうなったかということを記載をいたしておるのですか、お伺いをいたします。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 広報誌あるいは文部時報等の出版物で処理状況を明らかにした事例はないと思います。ただ、部内の扱いといたしましては、これは局長、次官あたりまで内容は供閲をするという手続をとっております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 武藤さんがおられますからね。私が予算委員会でそういう質問をしたという事実については御存じでしょう。またその際、当時の秋田自治大臣は、自治省としてはこうしますというのではなく、政府全般の機関としてこういたしますということを、政府を代表してお答えになっているということも御存じだと思いますが、いかがですか。

武藤嘉文自由民主党自治政務次官

○武藤政府委員 お答えいたします。  私が議事録を読ましていただきましたが、私としてはそう解釈いたしております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 そうすると、奥野さん、おかしいじゃありませんか。意見書が来たものについては、PR雑誌等を通じてその処理については明らかにいたします、そういう親切な行政をいたします、こう政府を代表してお答えになった。ところが、いま文部省のお役人に聞きましたら、意見書自体が何通来ているかもはっきりしていない。しかも、PR雑誌に載せたということもない。これでは私は、文部省は国会を軽視している、かように言わざるを得ないと思うのですが、いかがですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 地方団体から上がっていきます意見書、私はわりあいに真剣にこの問題を取り上げているのです。いま管理局長は次官までと言っておりましたが、おそらく全部大臣まで上がっておると思います。ただ、そのあとの手続はやはり親切を欠いているなということを、私もいまお話を伺いながら感じておりました。検討中であれば検討中でもいいから、やはり御返事すべきだなという感じを私は持ったところでございます。   〔松永委員長代理退席、委員長着席〕 今後それをどう処理していったらいいか、私としても十分考えさせてもらいたい、かように思っております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 実は私も文教委員一年生でありますから、せっかくいただいたPR雑誌を拝見しました。教育委員会月報というのを拝見いたしますと、やさしい訴訟法講座とかいうようなことで、職員団体が一斉休暇闘争等をやった場合の人事委員会等の提訴があったら、それを受けて立つにはどうしたらいいかというようなことが非常に親切に書いてある。そういうことは親切に書いてある。しかし肝心の、私は教育というものはやはり教育環境を整備することから始まるのだろうと思うのです。中の先生方の資質をりっぱにすること、もとより当然だと思いますが、私は両輪だろうと思いますね。しかも職員団体が提訴したことについて、受けて立つにはどうしたらいいかということをお書きになる。それはそういう任務が文部省におありになるから、私どもとしてはそんなことにあまり力を入れてもらいたくないと思いますが、しかし、そういうことをやりたいというお気持ちも文部省にあるのでしょうから、そういうことも若干お書きになることはいいでしょう。しかし、問題は、市町村が公立学校の施設について超過負担に悩んでいる。それに対して、法律にある手続に従って意見書を出す。その意見書の数すらも把握をされていないし、また、せっかく予算委員会で政府を代表して閣僚からの御答弁があっても、それが実施されていない。こういうものを幾ら拝見してもその影すらないということでは、私はどうも文部省の視点というものが、少し一方に片寄り過ぎているのではないだろうかというふうに思わざるを得ないわけです。奥野大臣の御答弁を聞きました。地方自治、地方行財政について長い間タッチしてこられました大臣の御答弁、さすがと思って拝聴いたしたわけでありますが、今後はひとつそういう自治体の意見書、これを大切にするということは地方自治体を尊重することであり、その地域の地域住民の意向を尊重することだろうと思うのです。民主主義の世の中として私は当然だろうと思う。そういう立場に立っての教育行政というものを、これからぜひやっていただきたい。あわせてお答えを承りたいと思います。局長からも聞いておきましょう。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 ただいま大臣から御答弁を申し上げたとおりでございます。私は管理局長でございますが、この問題は管理局だけの問題じゃなくて、全省的な問題かとも思いますので、官房等と連絡をとりまして、御趣旨に沿うような方向で対処してまいりたいと考えます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 そこで、今度は中身の問題で幾つかお尋ねをいたしたいと思うのですが、地方自治法九十九条三項による意見書のことについてお尋ねをいたしましたから、これに関係ある問題として、いま一つの意見書について承りましょう。  地方財政法二十条の二による意見書というのを管理局長は御存じですか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 ただいま御指摘の意見書につきましては、条文をいま拝見をして承知をいたしました。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 いま拝見して承知したのでは、どうも少し残念だと思いますが、この地方財政法二十条の二による意見書というのが文部省にきたことがあると思いますが、御記憶はございませんか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 私も担当課長も、所掌事務の範囲内でこの書面にお目にかかったことはございません。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 これはだれに御質問していいかわからぬが、やっぱり公立学校の施設費国庫負担法を議論するということになれば、当然超過負担が問題になるというのは常識なんであって、とすれば、この超過負担に対して自治体が文句を言う道というのは二つしかないのですよ。自治法の九十九条二項による意見書と、それからいま管理局長さんが、拝見してわかったと言われた地方財政法二十条の二による意見書と、二つしか道がない。とすれば、こちらの担当の方が、見ないと言うのも少し間の抜けた話じゃないのですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 いま問題になっております条文、私が関係した者の一人でございますからお答えさしていただきます。  地方財政法は、国、地方の負担区分を明確にしたい、これも一つの大きなねらいでございました。なかなかそれが当時履行されないきらいが強うございましたので、何か歯どめをつくりたい、そういうことからそういう規定を置いたわけでございまして、地方団体から出してもらうことを期待するよりも、ちゃんと守られる、そのことを期待して実はその規定を置いたわけでございます。地方自治法のほうに、いまおっしゃるような建議の規定がございますので、もっぱらその規定を基礎にして地方団体からいろいろな意見が寄せられてきております。この負担をめぐる争いとして地方団体側が意見を出してくるというのは、おそらく今日まで一例もないのじゃないかと思います。あるとすれば非常に例外だと思います。ですから、いま管理局長が見たことないと答えましたけれども、私はそれはそのとおりだろうと思います。私は非常に少ないと思います。地方自治法を基礎にして——またこんな規定をあまりつくられますと、せっかく地方財政法をつくりましたのにあまり意味がないのであります。やはり地方財政法をつくったのですから、それを守ってもらわなければならない。意見がどんどん出てくるということは、守られていないということであります。それが守られていないということです。その辺は地方団体もよく心得えておりますから、わきまえておりますから、地方財政法は使わない、別の形で意見を出してくる、それが従来の経過だ、かように考えております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 さすが奥野さんですからよく御存じだと思いますが、しかし、これはおっしゃるとおり、奥野さんが言われたような意味をもってできた条文だろうと思うのです。これはいわば自治体にとっては伝家の宝刀であって、めったに抜くべき問題ではないと思います。「国の支出金又は前条の国の負担に属する支出金の算定、支出時期、支出金の交付に当って附された条件その他支出金の交付に当ってされた指示その他の行為について不服のある地方公共団体は、自治大臣を経由して内閣に対し意見を申し出、又は内閣を経由して国会に意見書を提出することができる。」こうなっておりまして、さらに「内閣は、前項の意見書を受け取ったときは、その意見を添えて、遅滞なく、これを国会に提出しなければならない。」こういう規定です。ですから、大臣おっしゃったように、これが発動されるというようなことはないように運営することを期待して地方財政法ができている、まさにそのとおりだろうと思います。ところが、現実にそれじゃ支出金の算定が十分かといえば、きわめて不十分であるという現実があるわけですね。ですから、自治体としてはあまりこれを使って文句は言いたくはない。ないけれども、あまりにひどいので、やむにやまれず幾つかの自治体が実はこの意見書を出した例があるわけです。昭和四十四年、当時の国会に釧路市、仙台市、酒田市、栃木市、大宮市、習志野市、国立市、田無市、調布市、武蔵野市、河野政務次官もおられますが横浜市、三島市、新居浜市、このような自治体、奥野さんに言わせるとみな革新自治体だと言われるかもしれませんが……(奥野国務大臣「共同謀議だな」と呼ぶ)共同謀議というのはだめですよ。それは取り消してください。これを出しているのですね。それで、これが内閣を経由して当時の国会にも参りまして、地方行政委員会で議論をいたした経過があるわけであります。ですから奥野さん、これは全く使われることはないだろうという御認識はひとつ改めていただきたいと思うのです。奥野さんが自民党総務局長でお忙しいころだったので、たぶん気がつかなかったのだろうと思いますが、この意見書を見ると、公立学校、小中学校の建築費の単価基準があまりにもひど過ぎるじゃないかという意見が全自治体共通なんです。もちろん保育所もありますよ。その他の公共施設の問題がありますけれども、これは大宮市の例でありますけれども、小学校の建築費、中学校の建築費について、当時は三分の一負担でありましたから、法定の負担率は三三・三%だ。しかし、あとで問題にしたいと思いますが、この補助単価が低過ぎる、あるいは基準坪数というものが非常に少な過ぎる。あるいは、かつてはその少ないもので計算をした上に足切りというのがありましたね。そういうこともあって、実際の負担率は二六・二%にしか小学校の建築費の場合になっていないということが、この昭和四十一年の例の数字として出ています。昭和四十二年に至っては、建築単価が上がったせいもあって、三三・三%であるべきものが、実質負担率が二〇・八%、昭和四十三年では驚くなかれ一七・五%という低率にとどまっているということが、この決算の状況を踏まえて意見書として出ております。また横浜市も、同じような意味で超過負担額は、補助基本額に対して実に四〇%もの膨大な超過負担がある。このほか新設学校等の用地費について、当時用地費についての補助はありませんでした。従来から全額市単独事業で行なっており、昭和四十三年度見込みでは十八億五千万円という膨大な経費を負担せざるを得ない状況であるというようなことを切々として述べておるわけであります。決して共同謀議というようなものではなくて、その自治体の率直な実態を踏まえた上で、これではいかにもこの国の支出金の算定基礎が間違っておるじゃないか。奥野さんも御存じだと思いますが、地方自治体の長がこれは出すわけですね。長とすれば、交付税や特別交付税でお世話になっておる自治省に向かって、こういうことを率直に言うのはきわめて言いにくいということは、奥野さん一番御存じだろうと思うのですね。それをあえておかしてまでこの意見書を出しているという自治体の実情というものに対して、大臣、一体どうお考えでありますか。認識は改めていただいたろうと思うのでありますが、いかがでしょうか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 いまお教えいただいて、私も思い出しておったところでございます。私自身、地方財政の責任を負っておりましたころああいう規定を思いついたわけでございまして、自来、負担区分を守ってもらうために、地方団体側に対しまして意見書を出しなさいよとずいぶんハッパをかけてまいりましたけれども、どの団体も出してこなかったのであります。いまお読み上げになった意見書、やはりどこかから相当圧力をかけて出させられたのだなということを、私自身推測にかたくない感じがいたします。しかし、いずれにいたしましても、負担区分が守られていないということは残念なことであります。しかし、そのころから考えますと、ずいぶん国の財政当局も注意をしてくれるようになったなというふうに思います。もうこれで十分だとは言いませんけれども、それまでは、どちらかといいますと、やはり背伸びした施策をかなり強くやってきたために、両方がかなり苦労してきた、これは事実だと思うのであります。国の財政といわず、地方の財政といわず、かなり苦労してきた。結果的にはどこかにしわが寄ってきている。場合によっては住民の税外負担にまでしわが寄っている。それが幸いにして経済もよくなり、財政も充実してきましたから、無理が漸次解消されてきた、かなりよくなってきていると思うのでありますけれども、なお一そう適正を期するように努力していかなければならない、かように考えております。いずれにしましても、そういう意見書を出さざるを得ないような状態にすることは、これは当然避けるべきだ、またそういう状態にしないために意見書の道を実は考えついたわけでございまして、将来ともそういう事態にならないように留意していきたい、かように考えます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 大蔵省代表として、辻主計局次長さんに来ていただいておるわけでありますが、どうですか、こういういわば自治体としては、奥野さんのことばじゃありませんが、ほとんど例のない意見書まで出さざるを得ないというような状況に過去において置いた。文部省の予算につきましては、あとでまた具体的な数字をあげて議論をしたいと思いますけれども、過去においてそういう状況があったということについて、大蔵省の代表としてはどのような御感想がございますか。それからまた同じ神奈川県の御出身である河野政務次官の御感想もあわせて承っておくことにしましょう。

辻敬一大蔵省主計局次長

○辻政府委員 ただいま御指摘のございましたいわゆる地方の超過負担の問題につきましては、私ども財政当局といたしましても、従来からいろいろと配慮してきたところでございます。問題になっております公立文教施設の整備につきましても、あとからいろいろ御議論があると思いますけれども、私どものほうと自治省と関係の文部省当局と、三者共同で実態調査をいたしまして、十分検討いたしまして、その調査結果に基づいて、いわゆる超過負担の解消ということで単価の引き上げをいたしておりますし、これも後ほど御説明申し上げることになると思いますが、面積の問題につきましても、基準面積の引き上げということで措置をいたしております。  それから、ただいま御審議をいただいております法律案におきまして、補助率の引き上げということで、小学校の屋内運動場の補助率の引き上げでございますとか、あるいは児童生徒急増地域における校舎の新増築の補助率の引き上げでございますとか、それらの補助率の引き上げの措置も講じておりますので、これらも合わせまして、義務教育諸学校の施設整備に伴います地方負担は著しく軽減されるのではないか、かように考えておるところでございます。

河野洋平自由民主党文部政務次官

○河野政府委員 神奈川県の出身でございますが、現在文部政務次官をいたしております。  山口先生、先ほど来御指摘のとおり、神奈川県は特に社会増、いわゆる人口急増の地域でございますから、財政的にもきわめて苦しい部分があるだろうと思っております。そこで、今回ただいま御審議をいただいておりますこの法案によりまして、数歩前進するであろうということを私も期待をし、そういう願いを込めてこの法案を御審議をいただいておるというところでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 私のお尋ねしたかったのは、本年度の措置はこれからあとでお尋ねするといたしまして、本年度改善されたことは、私も、河野さん、辻さんのおっしゃるとおり認めます。また大臣の御努力もあったろう、この点は評価をいたすことにいたしますが、昔からあすではおそ過ぎるということばがあったわけでありまして、結局昭和四十一年、四十、一年、四十三年非常な——それ以前にもあったでしょうし、それ以後もあったと思いますが、膨大な超過負担があって、地方自治体が非常な苦労をしておった。当時昭和四十一年、四十二年のころから、横浜は、政務次官おっしゃるような社会増、人口急増の著しい地帯であったことは言うまでもありません。この意見書の中にも次のように言っています。「国庫補助事業における超過負担を本市財政の」、横浜市のことですが、「財政の実態からみると、このうち、例えば小学校建設については、昭和四十三年度においては、四十校、三百三十五教室、四万八千六百五十五平米の建設を行なうが、これに対する超過負担の実態は次のとおりである。」一年間に四十校の学校をつくらなければならなかったというほど非常な人口急増、超過負担に実は当時から横浜市はあえいでおったわけでありまして、四十四年にこの意見書が出ましてから今日まで数年間放置されて、やっと今回、昭和四十六年から実は人口急増については措置の前進があったわけでありますが、これではやはり、あすではおそ過ぎたという気持ちを自治体の皆さんはお持ちになっているのではないだろうか。これに対する御反省のことばを河野さん、辻さんから実はお聞きしたい、こういうつもりでお尋ねをいたしたわけでありますが、まあいいでしょう。  とにかくそういう意味で、せっかく奥野さんが苦心してつくられた地方財政法二十条の二というものも、こういう形で使われ、そしてまたおそ過ぎたうらみはありますけれども、逐次国の施策の中に生きてきたということについて、私も御同慶にたえないと思っておる次第でございます。  さて、同じような意味で、全国知事会が超過負担の調査をいたしております。昨年全国知事会として超過負担の実態をおまとめになったわけでありますが、これは管理局長さん御存じでありますか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 承知いたしております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 この内容を私も拝見をいたしたわけでありますが、「公立文教施政整備費補助金について 小学校校舎新増築平米当り平均建設費(単価差)」、鉄筋の場合、実績単価が三万九千五十二円、これに対して補助単価が三万二千九百円、したがって、超過負担額が六千百五十二円、超過負担率が一八・七%。それから「中学校屋内体育館新増築平米当り平均建設費(単価差)」、鉄筋の実績単価が三万三千五百九十二円、補助単価が二万七千九百円、超過負担額が五千六百九十二円、超過負担率が二〇・四%という実情は御存じですね。今度超過負担解消の措置をおとりになった、こう言っておるわけです。この知事会の単価差というものに比べてあまりにも隔たりがあるのじゃありませんか、いかがですか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 知事会の出しました数字は、これはかなりわずかなサンプルから導き出された数字のようでもございます。そのことが一つ私どもの出しました結論と違う点の前提でございます。  それからもう一つは、知事会は、これは実態と補助金の単価を比較してそうした議論をなされておるわけでございますが、私どもが超過負担の解消に当たりました基本的な考え方は、国の負担金というものは、標準的な仕様を前提とする標準単価、それから標準的な面積、坪数というものが前提でございます。したがいまして、実態そのとおりということではなくて、国が補助金の内容として考えた標準的な仕様あるいは坪数というものが前提になっておるわけでございます。  やや具体的に申し上げてみたいと思いますが、従来の単価でございますと、たとえば床でございますと、これがモルタル塗りということでございます。窓でございますとスチールサッシということでございます。こうした前提で従来の単価ができ上がっておるわけでございますが、今回は床につきましてはアスファルトタイルにする、あるいは窓ワクにつきましてはアルミサッシにするというような形で、標準仕様の内容を引き上げまして、そのことによりまして単価差の一部を解消したいというふうに考えたわけでございまして、その部分が六・九%ということでございます。これを二カ年で解消したいということでございます。  それからもう一つは坪数でございますが、これは平均二〇%の基準面積の引き上げを考えております。内容といたしましては、特別教室あるいは特別教室の準備室、それから若干ではございますが管理室、こういった従来認められていなかったものを新たに補助基準に加えて、平均的に坪数を二〇%引き上げる、こういうことでございます。  そういう考え方が前提でございますが、その結果、小学校の鉄筋の校舎について申しますと、一〇・一%の改善が行なわれたわけでございまして、そのうち超過負担解消分といたしましては三・四五%、それから物価上昇に見合う分といたしましては六・六二%、これを含めまして一〇・一%の改善を行なうということでございます。  それから小中学校の屋体について申しますと、同じように三・四五%の超過負担の解消と、物価上昇分といたしまして、同様六・六二%、計約一〇%の単価の改定を行なったということでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 そういう措置をおとりになったことは、資料をいただきましてよくわかっているわけでありますが、さてそこで、自治省の方にお聞きしたほうがいいと思いますけれども、森岡さんがおられるからお尋ねいたしましょう。  「地方超過負担の実態調査およびその解消について」、先ほど管理局長が言われたように、あるいはまた辻さんが言われましたように、大蔵省、自治省その他の関係省庁、公立学校施設に関していえば当然文部省ということになるでしょう。共同調査をいたしまして、この超過負担の実態をお調べになった。これによりますと、公立文教施設整備事業予算額と実支出額、その差が出ておりまして、四四%実に予算額と実支出額との間に差がある。数字でいえば、予算額が五百五億円に対して実支出額が七百二十八億円、したがって、超過負担がその差でありますから二百二十三億円、比率にいたしますと四四%、それに対する措置といたしまして、補助単価要措置分として七%、補助基準引き上げ分として一七%、計二四%、残りの二〇%はさっきのスチールサッシがアルミサッシとか、床がどうであるとかこうであるとかいうことで、いわばぜいたく分だから単独で二〇%は見ろ、したがって、二四%について措置をいたしましょう、その場合、単価の改善による措置が七%で、補助基準の引き上げが一七%、こういうことだろうと思うのです。森岡さん、そのように理解してよろしゅうございますね。

森岡敞自治大臣官房審議官

○森岡政府委員 お答えいたします。  おおむねただいま御指摘になったとおりでございますが、ただ、こまかい問題でございますが、サッシなどはこれは単独ということではなくて、スチールサッシからアルミサッシにするのは補助基準の改善ということでやっております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 そうすると、単独分というのは一体どういうものが含まれておるということになりますか。どなたでもけっこうです。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 ただいま申し上げました例で申し上げますと、床につきましては改善されたものがアスファルトタイルということでございますが、実際の工事は、たとえばフローリングブロック張りになっているとか、あるいは一部じゅうたん張りになっているとか、あるいはモザイクタイル張りになっているといったような事例があるわけでございます。また、窓ワクにつきましては、私どもアルミサッシというふうに申し上げましたが、実際はオーダーメイドのアルミサッシになっておる、こうした部分があるわけです。それから坪数について申し上げますと、たとえば屋体等の場合でございますと、ただ単に在校生のための面積だけということではなくて、町村住民がそこで集会ができるようにというために、やや広い目につくるといったような部分があろうかと思います。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 最近バレーボールが盛んです。あるいはバスケットボールも盛んでしょうが、屋内体操場をつくるときに、基準坪数をつくって——大体バスケットができるというのは最低の基準なんですね。ところが、それにいかないものは、あとは単独分、こういうことなんだろうと思いますが、私は、そういうことは機械的に過ぎると思いますし、その点はあとで議論をいたしましょう。しかし、フローリングの床がぜいたくであるというようなことはいかがかと思うのです。じゅうたん張りに全部しろと私は言っているわけではありません。国会とは違うわけでしょうからそれはいいわけですが、ともかく二〇%はぜいたく分というか、単独分、二四%については補助単価並びに補助基準の改定で見ましょうということなわけです。  さてそこで、先ほど管理局長が御説明になりました、文部省の「昭和四十八年度公立文教施設整備費予算案の概要について」にございますところの資料を拝見いたしました。そういたしますと、さっきも御答弁の中にあったわけですが、超過負担の解消分が、この小中学校の校舎、幼稚園も入っておるようですが、鉄筋につきましては六・九%、そして二カ年間、本年度は超過負担解消として地方財政計画に二百八十三億円でしたか、半分措置して、いわば超過負担を一ぺんに解消するのでなくて二カ年間だから、ことしは半分ということなのでしょう。したがって六・九%かける二分の一、したがって三・四五%を措置した、こういうことですね。そうしますと、超過負担の解消だけについていえば、昭和四十七年度の予算単価が三万八千六百円、三・四五%乗せるわけでありますから三万九千九百三十二円、したがって、その割合は一〇三・四五%ということですね。そういたしますと、先ほど、全国知事会の調査はサンプリングの数が少なくて、それから基準坪数の他の関係があるというような趣旨のことを局長さんお述べになりましたが、この全国知事会の調査、これはその単価だけについて私は指摘をしたわけです。基準坪数の問題については、小学校の校舎建築についても、中学校の屋内体操場についても、基準のことは別にしてあります。単価だけですね。単価だけが小学校の鉄筋の校舎建築で一八・七%、それから屋内体操場が二〇・四%、こういうことなんです。だから、ここに奥野さんもおられますが、全国知事会の調査ということになれば、これは全国各都道府県の財政局長とか、そういう方が大体中心になって調査をするのでしょう。全国四十七都道府県の主要な県庁の課長さんのポストは、かつて奥野さんもそうであったように、自治省から出向の方がずいぶん多いわけですね。だから、現実には国家公務員であって、いま地方公務員に出向しているという方が、大体その都道府県の財政の中心を握っているということは大臣も御否定にはなりませんわね。だから、全国知事会の調査というのは、いいかげんな方がやった調査というふうに見るのは私は間違いだと思うのですよ。むしろ国家公務員の方が、皆さん方と同じ仲間の人が調べたものであるというふうに私は理解するのが当然だろうと思うのです。そればサンプリングにとった資料が多かったか少なかったか、私はそこまで全国知事会の事務局に聞いたわけじゃありませんから知りませんが、とにかく単価だけでこれだけの差があるという資料が出ておるのに、まあ二年分で措置するから半分に割り落としたということは、これは認めましょう。それにしては、鉄筋の場合、超過負担の解消分の比率、これでいえばベータですが、ベータが六・九%というのはあまりにも低過ぎるじゃありませんか。いかがですか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 そこのところが、先ほど申しましたように、私どもが今度改善しようとしている標準仕様の内容が、はたしてそれでいいかどうかということになるわけでございます。先ほど申し上げましたような内容改善を今回行なっておるわけでございますから、私ども差しあたりのところはその程度で一応満足すべきであろうというふうに考えております。問題は中身の問題であろうかと思います。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 武藤さんもおられますが、直接、都道府県の主要な課長さんにおたくの子分を出しておる森岡さんのほうから聞きましょう。どうですか、全国知事会の調査というのはそんなに当てにならなぬものですか、いかがですか。

森岡敞自治大臣官房審議官

○森岡政府委員 ただいま文部省の管理局長さんからお話がございましたように、知事会の調査も市町村分につきましては非常に数も多うございますので、限られた抽出調査しかできない、そういうことで推計をしておるわけでございます。県につきましては、自分のやっておる事業でございますから、かなり精度の高い資料が出ておると思いますけれども、そういう意味合いで市町村分については、やや幅があるものというふうに考えざるを得ないのではないだろうか、こんなように私どもは実は考えております。しかし、その幅もそれほどめったやたらに違うものではない、かように思います。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 わかりました。まあ幾らか精度は落ちるかもしれぬが、そう著しく変わるものではない、めったやたら違うものではない、こういう御表現でございましたが、とすると六・九%とそれから一八・七%、二〇・四%というのは違い過ぎるじゃありませんか。どっちかが間違っておるということですよ。かりに一〇%と七%、あるいは九%と六%ということなら私は理解をしますが、しかし一八・七ないし二〇・四%とそれから六・九%では、これは違い過ぎる、かように言わざるを得ないと思うのですが、いかがですか。

森岡敞自治大臣官房審議官

○森岡政府委員 知事会の調査は、御承知だと思いますが、四十五年度分の調査でございます。それから政府で調査いたしましたのは四十六年度分でございます。その.年の違いがどういうふうに働いておるかという問題、これは見方はいろいろあろうかと思いますが、その違いが一つございますことと、それから市価差とかあるいは数量差とか対象差とか称しておりますが、それと振り分けてみますと、知事会の調査二〇%に対応いたします政府調査は、二二%程度というふうに見られておるわけでございます。その中でいわば過剰施設分と申しますか、そういうものを除いて、おおむね七%程度の単価というふうに、締めくくりになっておる、こういうことでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 どうも納得できませんけれども、それほど自治省は、全国知事会または都道府県に出しているみずからの自治省採用の職員の方々を、信用しないわけではないと思いますが、その辺は私も納得いたしません。しかし、具体的にどうだというものをとらえての議論でしたらぴちっとお答えが出るのかもしれませんが、お互いに資料同士の話し合いでございますから、これ以上やっても水かけ論でございますから、一応おきましょう。  とすれば、次の問題は物価上昇に伴う増加分です。これはこの調査ではアルファとして、このR、鉄筋については六・四%というふうに見ております。具体的に小中校舎、幼稚園の鉄筋については六・六二%と見ております。この数字は一体どういう形で押えたわけですか。物価上昇による増分というのですから、何件何月の単価と何年何月の単価との比でございますか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 四十七年六月と四十六年六月との単価の上昇率でございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 まあ予算編成上はそういうふうな見方をとらざるを得ないのだろうということは、私もわかります。わかりますが、しかし本国会でたいへん問題になっておりますね、円対策の問題でも緊急質問がありましたが、商品の投機、買い占めの問題につきましても、衆議院本会議を開きまして緊急質問があったということは、御存じのとおりだろうと思います。それからさらに、政府・与党におきましても、商品投機規制法を立法されて国会に提案をされた。また野党側も、野党四党が話し合いをいたしまして、野党四党としての商品投機規制法案も国会に提案する作業を進めておりますことも、これは御案内だろうと思います。私は、やはりあすではおそ過ぎるということで、実は先ほど横浜の例について指摘をいたしましたが、四十七年六月以降建築資材がどのような状況にあるかということは、私は常識だろうと思います。まあ建設省の方がおりますから、本職の方に聞いておきましょう。大体どれくらい上がっておりますか。この小中学校の校舎、鉄筋の建設にあたって資材等の値上がりの影響が、昭和四十七年六月以降、現在一体どのくらいの数字であると見込まれますか。

吉田公二建設省計画局宅地部宅地開発課長

○吉田説明員 ただいま御指摘の点でございますが、申しわけございませんが、私どもの直接の担当でございませんので、ただいま日本銀行の主要建築資材の卸売り物価指数によります数字を御参考に申し上げますと、四十七年十二月現在で前年同月比が、木材でプラス一〇三・六%、それから形鋼でプラス一九・四%、丸鋼でプラス四一%、セメントでプラス二・三%、かような数字でございますが、直接私どもの資料をお持ちできなかったのは申しわけないと思います。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 そういう状況ですね。木材は、この場合鉄筋を議論しているからあれですが、小学校建築はこれでいくとまだWですね、木造のものもある。それは一〇三・六%、倍以上も上がっておるということですね。鋼材につきましては四一%と言いましたか、とにかく異常な値上がりであることは間違いない。とすれば結局、昭和四十八年度は大いに改善いたしましたというお話でございました。確かにそれ以前に比べれば補助率も上がった、補助基準も二〇%改善した、超過負担については全国知事会の資料とはずいぶん著しい差はあるけれど、まあとにかく六・九%と押えてその二分の一を措置した、物価上昇については四十六年六月から四十七年六月に至る一年間六・六二%見まして、結局超過負担解消分と物価上昇による増分を合わせまして一〇・〇七%、こうした単価分だけで、約一〇%の改善措置をした、補助基準についてはさらに別に二〇%があるということはようわかります。しかし、ただいまのお答えを見れば、今回の改善措置は、現在の経済情勢に照らした場合に、きわめて不十分なものだということはお認めになるだろうと思いますね。どうでしょうか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 御指摘の点は、確かに問題でございます。特に昨年の後半以来木材の値段が異常に高騰しておるわけでございます。これは文部省の事業だけの問題ではなくて、各省の事業に共通する問題点でございます。したがいまして、この予算の実際の執行の時期までには若干の余裕もあるわけでございますので、その間の物価の動向等を十分見きわめまして、実施の段階におきまして、これは各省共通の問題でもございますので、大蔵省とも十分相談をいたしまして何らかの措置を講じてまいりたいというふうに考えております。ただ、御承知のように、木材につきましては、林野庁が中心になりまして各種の対策も講じておるわけでございます。それの効果がどういうふうにあらわれてくるかということも、やはりここしばらく様子を見なければならぬ事柄ではないかというふうに考えております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 しかも、先ほどの日銀の資料というのは昭和四十七年十二月と言いましたね。したがって、十二月以降、投機、買い占めがさらに進んでいるわけであって、わが国経済はまさに投機経済ではないか、こういうふうにいわれているわけでありますから、この数字がまだまだ甘いものであるということはお互い共通の認識ができるだろうと思います。したがって、この法案審議中にこれら小中学校校舎の建築単価に影響あると思われる物資の上昇の最も新しい統計数値、それを基礎にいたしました場合、建築単価がどの程度動くかという資料をひとつお出しをいただくようにお願いしたいと思いますが、いかがですか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 提出するようにいたします。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 その資料が出ました上でまた議論をしたいと思うのです。  そこで、私は大蔵省、自治省、文部省、それぞれにお伺いいたしたいと思うのですが、そういう形で結局国の——それは直轄事業も同様でしょう。全く予算の単価では措置し得ないという事態もあるかもしれません。特に沖繩等におきましては、安里先生はお見えではありませんけれども、特に海洋博の影響で非常な物資の値上がり、人件費の異常な上昇、そういう中で、この校舎建築などは、やりようによっても全くできない。入札を幾らやっても全く落ちない、こういう状況であることが報告もされておるし、また政府部内、総理府でもそういう状況については承知をして、わざわざ総務副長官、最近は総務長官も現地を視察したというような話を聞いておりますが、そういう状況もあるわけです。国の場合は、その辺はどういう操作をやっておるのか知りませんけれども、聞きますと、結局いろいろな各方面の予算を流用して何とかじょうずにやっておられるようであります。自治体はなかなかそういうわけにはまいらぬわけでありまして、結局この資料にありますように、予算全体は四四%伸びました、事業量は一〇%伸ばしました、それから単価につきましては一〇%ふやしましたというふうに言っていますけれども、これで公立学校の施設整備が十分いくとは私は思われないわけであります。とすれば、何らかの措置をとらざるを得ない。一つは、年度途中において当然ある補正予算その他において、この予算単価その他を是正するという方法もあるでしょう。それからまた、比較的安易な方法といっては恐縮でありますが、必ずしもそれがいい解決方法だとは思いませんけれども、奥野さんも御案内のように、起債の充当率を引き上げることによって措置するという方法もあるでしょう。またこれらの問題については、当然大蔵省としても何らかの措置をとらざるを得ない、またとる必要があるという御認識もあろうかと思うのであります。まあいま私がお尋ねする意図というのはおわかりいただけると思うのでありますが、大蔵、自治、文部、三省のお考え方をこの際聞いておきたいと思います。

辻敬一大蔵省主計局次長

○辻政府委員 ただいま御指摘ございましたように、現在は経済変動が非常に著しい時期でございますけれども、物価の見通しは、申すまでもなくなかなかむずかしい問題でございます。政府といたしましても、御承知のように物価対策につきましてはかねて努力をいたしておるところでございますので、必ずしも現在のような物価の上昇傾向が続くとも限らないわけでございます。もう少し実績を見まして判断させていただきたい、いまの段階ではかように考えております。

武藤嘉文自由民主党自治政務次官

○武藤政府委員 自治省といたしましては、いまのお話の極端に上がった場合には、これは何らかの措置をしないと、山口先生のお気持ちとしては、地方自治体は非常に困るんではないか、こういうお気持ちからおっしゃっていただいていると思いますので、われわれもぜひその点はお願いしたいわけでございますが、ただ起債につきましては、御案内のとおり補助金の出ておるものについてはなかなかむずかしいわけでございますので、単独分についてはわれわれも起債をぜひ考えさしていただきたいと思いますし、それ以外の分については、いまは御指摘のように年度途中で単価補正をするというのも一つの考え方でございますが、また一面からいけば、それではその前にすでに工事したものと、その年度から以降に工事するものと、その辺の不均衡というものも出てまいりますので、われわれといたしましては今後やはりこの辺は市町村ともよく協議し、また各関係省、文部省とも協議したい、かように考えております。  なお、私先ほどちょっとお答えする時間がございませんでしたので、先ほどの議論の中で、ちょっと私聞いておりまして、一つは、あすではおそ過ぎるということでございましたが、私の承知をしておるのでは、あればたしか四十二年と四十三年に超過負担の実態調査をいたしまして、そして四十三度では九十四億、四十四年度では三十五億、四十五年度では七十七億と、不十分ではございますけれども、全くしていなかったということではない、こういうことでございます。  もう一つは知事会と三省の調査の問題、これは先ほど御指摘のとおり、単独分二〇%ということでそれだけ削ってしまっておりますので、その辺のいろいろ食い違いも私は出ておるのではないかと思いますが、あわせてこの点お答えさせていただきたいと思います。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 先ほど申し上げましたように、事業の実施までには若干期間のあることでもございますので、林野庁その他におきまして対策も講じられておるところでございますから、そうした施策の効果あるいは物価全体の動きを見きわめた上で、この単価では対処し得ないということが明らかになりますれば、関係省庁とも十分協議をいたしたいというふうに考えております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 過去において超過負担の解消措置をとったということはよく存じております。過去すでに二回超過負担解消の措置は、これは奥野さんよく御存じのとおりですが、とってきました。とってきて、なおかつ昨年調査いたしまして、ここにございますような超過負担の実態が出まして、そうして昭和四十八年、四十九年二カ年度にわたって措置をするということになった。それほどやはり超過負担解消というものは非常にむずかしい、困難な問題であるということだろうと思います。したがいまして、ただいま三省のお答えをいただいたわけでありますが、辻さん、政府の経済の見通しというのはそれはまさか違うでしょうと辻さんのほうから言うわけにいかぬということはわかっておりますが、政府の経済見通しはよく的中をしておったかというと、必ずしもそうではなかったという例もなきにしもあらずだろうと思います。したがいまして、決断と実行の内閣だ、こういうのですから、農地の宅地並み課税にのみ決断と実行というのではなくて、こういった公立学校文教施設、特に田中総理大臣は、義務教育の振興については非常な御熱意を持っておるやに承っているわけでありますから、その肝心の校舎がどうも建たぬというようなことではどうにもならぬわけでありまして、この点はひとつそういう際にこそ決断と実行を大いにやっていただきたいものだと思います。そういう際には、辻さんのほうもあまりけちけち言わぬで、機敏に対処していただくように、これは自治省、文部省の応援団の一人として申し上げておきましょう。  それでは、このことはその後のデータが出ました際にさらに議論するといたしまして、一応これでおかしていただきましょう。

田中正巳自由民主党

○田中委員長 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

田中正巳自由民主党

○田中委員長 速記をとって。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 それでは、次の問題に移りましょう。松永先生もおられますから、人口急増の問題についてお尋ねをいたしましょう。  昭和四十六年度の措置といたしまして、昭和四十五年の十二月三十日に文部省は「児童生徒急増市町村義務教育施設整備に関する特別措置について」という一つの措置要綱を御決定になりまして、昭和四十六年度の措置といたしまして、生徒児童急増市町村の校地取得に対して三分の一を補助するという措置をおとりになったことは承知をいたしております。また自治省といたしましても、うしろ向きの措置といたしまして、従来取得いたしました校地の経費につきまして利子補給を行なうという措置をとりましたことについてもよく承知をいたしております。この児童生徒急増市町村の対象ですね、これはどうも不十分ではないかという感じがするのであります。三年間の増加率が一〇%以上で、かつ小学校の場合は五百人以上、中学校の場合は二百五十人以上増加した場合ですね。それからまた三年間の児童生徒の増加率が五%以上で、かつ小学校の場合が一千人、中学校の場合は五百人以上、こういう縛りがかかっているわけでありますが、この縛りによって対象となる市町村の数は現在どのくらいでありますか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 四十八年度の推計でございますが、小学校につきまして三百四十八市町村、中学校につきまして百三十一市町村、四十七年度を申し上げますと、小学校につきまして二百三十一市町村、中学校につきまして八十二市町村でございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 自治省として、別に人口急増市町村というものを調ベておりますね。これは一体どのくらいあるわけですか。こちらのほうが対象が広いのではないかと思いますが、いかがですか。

森岡敞自治大臣官房審議官

○森岡政府委員 人口急増市町村といいます場合に、どういう範囲でとらえるかというのが一つの問題でございますが、一応基準を国調人口したがいまして五年間の増加率が一〇%以上でかつ増加数が五千人以上というふうに押えました場合には、二百三十市町村というふうに私ども見ております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 それは四十八年ですか。

森岡敞自治大臣官房審議官

○森岡政府委員 四十六年でございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 そうすると、自治省の場合には、昭和四十年国調と昭和四十五年国調との伸びによって押えるから、四十六年の数値が三百三十市町村で、したがってその後変化はないという理解でよろしいわけですね。

森岡敞自治大臣官房審議官

○森岡政府委員 そのとおりでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 その点は自治省よりも文部省のほうが、毎年毎年生徒児童指定統計でとれますから、機動的に対処している点はけっこうだと思います。この点は高く評価しておきましょう。どうも自治省のほうは、人口が対象なものですから、国勢調査ですから五年ごとということですが、しかし、これは指定統計でとろうとすればできるわけですね。私はこの点は自治省もう少し反省してもらわねばいかぬと思うのです。昭和四十五年の国調以降、やはり急激な人口の増加という現象があらわれているのですから、田中さんの言うように、過疎過密同時解決で一切解決しておるというのなら話は別ですが、決してそんなことにはなっていないのですから、この点は自治省も文部省を見習っていただきたいと思うのですがいかがですか。   〔委員長退席、内海(英)委員長代理着席〕

森岡敞自治大臣官房審議官

○森岡政府委員 先ほども申しましたように、人口急増市町村というものをどういう形でとらえるかということで、そういういま申し上げたような基準でとらえればそうで、具体の施策といたしましては、私どもは、先生よく御承知のように、たとえば交付税の人口急増補正をいたします場合には、住民基本台帳登録人口を毎年毎年とりまして、それに基づいて所要の措置を講じております。また、児童生徒急増市町村の用地補助も、文部省と御相談いたしまして、三年間の児童生徒の増加数なり増加率というものを用いることが機動的で実態に合う、かように考えております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 その点、了解しました。  そして、本年度の人口急増市町村対策でありますが、小中学校用地取得費に対する国庫補助の拡充として本年度予算は九十九億円、昭和四十六年度に二十億円で発足をし、四十七年度五十二億、本年度九十九億になった。前進を見たということはわかります。わかりますが、問題は単価ですよ。昭和四十七年度の単価、平均一万六千円、それを四十八年度においては二万一千円に引き上げた。事業量を三百六十三万平米から三百九十七万平米に拡充をした。それはわかります。わかりますが、いま農地の宅地並み課税でいろいろ問題になっておりますが、田中さんのほうが野党の一致した案を蹴って宅地並み課税を三大都市圏についてはやりたいというようなことを新聞でもテレビでも盛んに言っておられるわけでありますが、それでは、問題はあのA農地ですね。昭和四十六年の評価額五万円、現在十万円、しかし、これは実際の価格の二分の一以下だということは、武藤さんよく御存じだろうと思うのです。とすれば、人口急増地帯、横浜なんかの場合は、一年間に二十校も三十校も学校を建てなければならぬというときに、拡充された、単価アップをしたとはいうものの、平均二万一千円という単価では、これは平米と坪との関係もありましょうが、それを同一にならしてみたところが著しく実態にそぐわない単価ではないかというふうに思います。この点、対象になります急増市町村の、建設省が現在逐次拡充している公示価格と比較した場合に、一体どのくらいの状況にありますか、ひとつ数値でお示しをいただきたいと思うのです。

吉田公二建設省計画局宅地部宅地開発課長

○吉田説明員 申しわけございません。きょう手元に資料を持ち合わせておりませんので、資料を後ほどお届け申し上げますが、それをお許しいただきたいと思います。ちょっと手元に持ち合わせておりません。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 じゃあ、それは委員長、あとで提出をいただきたいと思います。いいですね。

内海英男自由民主党

○内海(英)委員長代理 はい。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 宅地並み課税でいろいろ御苦労されておる武藤さんもおられるし、それから財政当局の森岡さんもおられるわけですから、人口急増、これらの地域、かりにA農地としてもいいですが、一体どうですか、この単価と比べてみて。

武藤嘉文自由民主党自治政務次官

○武藤政府委員 今度の単価が平米当たり二万一千円ですから、坪当たり七万円ぐらいということになりますと、いま御指摘のようないわゆる東京周辺のようなところのA農地、もうほとんど地価は、いま御指摘のように評価額の三倍よりも三倍近くなっておるわけでございまして、とてもこの点においては、上が打ち切られておりますので、これでは実態とは非常に合っていない、こういう感じであります。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 管理局長さん、実態とは合わないだろう。具体的な数字はまたあとで出していただきまして議論したいと思いますが、それは一応おきましょう。  単価も合わぬところに持ってきて補助率も三分の一、しかも三年間の分割交付、それだけならいいですけれども、五割足切りをやっておるわけでしょう。これでは実情に合わな過ぎると私は思うのですよ、いかがですか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 五割の足切りを御承知のとおりやっておるわけでありますが、四十六年度におきましてはこの足切りが五六%でございました。四十七年度におきましてこの五六%の足切りを五〇%に改善をしたわけでございます。この足切りの考え方でございますが、御承知のとおり児童生徒急増町村以外の児童生徒増加町村におきましても、急増町村と同じように小中学校を増設するという財政需要があるわけでございます。その財政需要が、急増であると通常の増加であるとを問わず、これは共通の財政需要でございますから、両者の均衡をはかるという観点から共通の部分については補助対象から除外をしたということでございます。その率が五〇%、一昨年に比べれば若干の改善になっているということでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 土地に対して補助を出すことの適否の問題については、ずいぶん議論があったことは承知をいたしております。しかし、これは先ほど冒頭、大臣に私がお尋ねいたしましたように、終戦直後のあのような、わが国経済もどん底の状態にあり、わが国財政も中央地方を問わず非常な困窮の状況にあったときはいざ知らず、わが国経済もこれだけ拡大し、また国の一般会計も非常な額に達しておりますとき、さらにまた、文教予算の国の予算に占める比率というものが同じように伸びているのならともかく、そうではなくて、スローダウンの傾向にあるということを考えましたときに、私はやはりこの人口急増——まあ全体校地の取得についても、補助しろといえばそういう議論もできないことはないと思いますけれども、しかし、人口急増の校地取得というものが非常に困難である。あとでまた五省協定の問題についても触れたいと思いますけれども、ああいう五省協定をして、大きな住宅団地ができたときには、住宅公団に対して何らかの措置も課さなければいけないという、これはやはりそこに対して、公共施設をするための用地というものが非常に取得が困難であるという状況があってそういう措置をおとりになっているのだろうと思いますが、そういうことを考えましたときに、もっと私は前進した措置があっていいのではないだろうかと思うのです。   〔内海(英)委員長代理退席、委員長着席〕 特に文部省さんは、こう言っては悪いのですが足切りがお好きなようでありまして、(「いや、大蔵省だ」と呼ぶ者あり)ということは、まあ松永さんが御指摘のように、もとは大蔵省だと思うのですが、大蔵省に対する姿勢がやや軟弱だったということかもしれませんが、与党さんもそう言っておられるから大蔵省も少し反省をいただきたいと思うのですが、昭和三十八年までは低い補助単価、それから補助基準、それで計算をした補助金から七〇%から八〇%に割り落とす、言いかえれば二〇%から三〇%の足切りをやっておった。三十九年になってやっと一〇%の足切り、四十二年度から五%の足切り、やっと四十三年度以降足切りを解消したということを見ても、私が先ほど指摘をいたしました横浜その他全国幾つかの市町村が、この地方財政法二十条二による意見書を出さざるを得ないほど不当な足切りのようなものによって地方財政が圧迫されておったということを、やはり示すものではないかと思うのです。そういう意味でこの足切り調整率が幾らが適当であるかということは、先ほどお答えがありましたように五六%ですか七%ですか足切りしておったものを、今度は五〇%にしたわけですから、逐次改善していって私はおかしいことはないと思うのですね。将来これについては逐次足切りを是正していくというお気持ちはございますか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 文部省といたしましては、改善してまいりたいというふうに考えております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 松永さんの要望がありますから辻さんに聞いておきましょう。いかがですか、大蔵省。

辻敬一大蔵省主計局次長

○辻政府委員 ただいま御指摘の児童生徒急増市町村の用地の問題につきましては、先ほど山口委員もおっしゃいましたように、四十六年に制度を始めまして四十八年度予算が約百億近くございますので、その間五倍という大幅な増額をいたしておるところでございます。そこで先ほど先生のお話もございましたように、土地の補助につきましてはいろいろ問題もあり御議論もあるところでございます。いまの補助制度のたてまえから申しますと、用地費につきまして補助をするのはいわば特例と申しますか、特例的な考え方に立っておるわけでございます。市町村といたしましては、普通の償却資産と違いまして、資産として残るものでございますので、そういうような用地補助のたてまえからの議論もございますし、足切り率の問題につきましては、管理局長から御説明申し上げましたように、他の市町村とのバランスの問題もございます。それから助成の方法といたしましては、これは自治省の所管でございますが、そのほか地方債あるいは交付税等の措置もございますので、そういういろんな措置との関連も考慮しながら、将来の問題といたしまして慎重に検討してまいりたい、かように考えております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 大蔵省らしい御答弁だと思って拝聴いたしておりました。  そこで私は、こういう措置がとられたことはけっこうだと思うのですが、一つの要綱によって予算補助のような形で実施をされる。予算補助というのはずいぶんたくさんあることは承知をいたしております。しかし、この人口急増地帯は、公共施設が非常に建設困難な状況をかかえている。また、きのう実はもっと新しい地方財政白書をもらったのですが、見やすいから去年のを持ってまいりましたけれども、この地方財政白書を拝見いたしましても、人口急増地帯におきまして市町村が投資的経費に充当します割合は、他の地域に比べて非常に高率である。過疎地域についても同様でありますが非常に高率であるという状況は、このデータにもよく出ております。したがいまして、人口急増に対する校地取得について一歩前進して、四十六年度から措置をとっていただいて、しかも足切り率も逐次是正の方向に向かっている、単価についても実情には合わないけれども、少しずつではあるが改善の方向に向かっている。わかりますが、やはり人口急増市町村における公共施設整備、公立学校のみならず他の施設も含めて、この際法律でもってきちっと、この特例的な措置を講ずるということがあってしかるべきではないか。そういう法律の中で公立学校の用地取得についてもきちっとした位置づけをする。幸い今度人口急増地帯の国庫補助率については、いま審議しております施設費負担法の中で小中学校とも二分の一を三分の二に引き上げた。それはそれでけっこうでありますが、なお施設費負担法の中に用地取得を書き込むということもむずかしい点もあろうと思いますので、人口急増市町村における公共施設整備の特例措置として、やはり法律を定めて、きちっとした法律的な補助にしていくことが必要ではないかと私は思うのです。自治省はそういうことをお考えになって、要綱案もおつくりになっていろいろ各省と折衝され、本年度の予算編成の過程においてもその努力をされたことは承知をいたしております。どういう努力をされて、どういうところに障害があってこの法律をつくることができなかったのか、経緯をひとつ御説明いただきたいと思います。

森岡敞自治大臣官房審議官

○森岡政府委員 人口急増市町村におきまして団地あるいはスプロール、各般の事情によって人口が非常に急激にふえてまいりまして、関連公共施設の整備がおっかぶさってまいるわけでございますが、それらにつきまして、全般的な財政需要の特別措置という、そんなものを考えたらどうかということで各省と協議をしてまいりました。また、それの指針となるような要綱もつくりまして各省と相談いたしまして、それについて見合った予算要求もしていただいたわけでございます。ただ、事業の内容をいろいろ検討してまいりますと、これは当然のことでございますが、何と申しましても義務教育施設の整備が最も緊急であり、かつ膨大な財政需要になっております。おおむねの割合で申しますと、人口が急増することによって必要となります施設のうちで、大体六割前後が義務教育施設の整備事業だというふうに見られます。かつ義務教育施設でございますので、その性質上、これは施設の整備の遷延を許しません。したがいまして、何といたしましてもこの義務教育施設の整備についての特別措置は、ぜひやりたいということで、各省といろいろ御相談を進めながら私ども考えを固めてまいったわけでございます。そういう意味合いで、文部省当局と予算の最終段階で十分お打ち合わせをいたしまして、最大の中心眼目であるこの義務教育施設の整備の特別措置に重点を置いた、かような経過をたどったわけでございます。かつまたそれによりまして、国庫負担法の一部を改正し、法律上その点を明確にしていく、こういう措置を講じているのでございます。以上が経過でございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 しかし、校地の取得については依然として予算補助にとどまっているという点もあるわけですね。辻さんどうだったのですか。私は予算補助というのはあまりいい制度とは思いませんので、率直に言うならば国会軽視にもなるわけです。たとえばいま大都市で問題になっている公営交通、地下鉄の助成についても、依然としてこれは予算補助ですね。やはりモノレールなんかの法律をつくるのならば、大都市の地下高速鉄道整備の法律をつくって、そしてきちっとした制度としての補助にすべきだと私は思うのです。辻さんのほうで、こういった人口急増市町村の特例措置については異論を唱えたんじゃないですか。その点はいかがです。

辻敬一大蔵省主計局次長

○辻政府委員 御承知のように用地の問題は、すでに四十六年度から大体五十年度ということで先行して取り上げているわけでございます。それから先ほども御説明申し上げましたけれども、土地の補助というのはいわば特例的な問題でございまして、校舎の場合と違いましてもとの補助というものがない。つまりかさ上げという性格のものではないわけでございます。そういう点から考えまして、必ずしも法律的に国に義務づけなければならない性格のものではないのではなかろうか。財政的に考えまして、児童の急増する市町村に対しまして予算補助の形で財政援助してまいることが適当ではなかろうか、かように考えておるわけでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 大臣は、地方財政の問題については非常によく理解が行き届いている。そういう中で今度文部大臣に就任をされた。私は文教委員一年生ですからあまりよくこまかい点はわかりませんけれども、たとえば大学等については、私立学校の補助、これは文部省が補助をお出しになっている。ところが、高等学校などについては交付税で基準財政需要額の中に算入をして、都道府県が管内の私立の高等学校については補助を出しているという形をとっている。それから同じ大学でも、公立の大学については私立の大学に比べてそれよりも非常に劣ったといいますか、不十分な助成しかやっていない。それから今回人口急増の問題については法律でもって、本法の中で二分の一を三分の二、もちろんこれは法律のていさいからいいますと、もとをずばり直したのではなくて、臨時的な措置としてとりあえず二分の一を三分の二にするという扱いをとったわけでありますが、校地については依然として予算補助である。文部省はたくさん補助の項目があると思うのですが、その扱い方全般について、今日までいろいろな経過があってできてきたと思うのですが、やはり同種類のものについては一つの法律でくくって、そして何か、一つは交付税で一つは補助金だというばらばらな姿、また私立と公立とで違いがあるとかいうようなものについては、ある程度整理をされたほうがいいんじゃないかという感じが私はするのでありますが、文教についてはしろうとでありますので、あるいは乱暴な議論かどうかわかりませんが、そういう気がいたします。いかがですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 いま人口急増市町村に対する施設の国庫助成、これを中心にして御議論になっておりますので、そういうつもりでお答えさせていただきます。  過疎地に対する対策でありますとか、離島に対する対策でありますとか、産炭地に対する対策でありますとか、そういうものが一つの法律体系をなしておりますので、私はできることならまとまった立法措置ができればいいなという気持ちは持っている一人でございます。ただ、土地の問題になってまいりますと、なかなか国庫助成の対象になじまないものだと年来考えておるものでございます。と申しますのは、町村間におきましても土地の値段というものは非常に差がありますし、一つの市町村の中におきましても、同じ宅地におきましても非常に差があるわけでございます。学校の位置をどこにするかによりまして、学校用地の値段はぐんと変わってくるわけでございます。同時にまた、土地は減っていかない。金が要るようなものの、永久に財産価値が保全されるわけでございます。そういうことを考えてまいりますと、五割だ、六割だというかっこうの国庫助成の対象にならないのじゃないか、こう思っておるものでございます。ただ、何といいましても、人口急増市町村におきまして、まずさしあたって必要なのは学校をつくることでございます。学校をつくるといいましても、まず用地を確保しなければならない。この用地は金の問題以上に、当該市町村は必要な面積の確保、これに困り抜いているのではないか、かようにも考えておるものでございます。またばく大な経費を要します。そうしますと、これはやはり人口急増市町村に対する一つの財政援助だな、こう思っておるわけでございまして、その場合に、その財政援助を、国の財政の責任でまかなうのか、地方全体の財政の責任でまかなうのか、これまた一つの考える問題があるわけでございます。ただ、何といいましても、人口急増市町村が土地対策で困り抜いていることはわかっていることでございますので、どうしても土地に着目して国が何らかの配慮をしていくということが必要だ、こう考えて、四十六年度のあの施策に際しましても、私もたいへん努力をした一人でございまして、そういう経過をたどって今日になっておりまして、法律でぴしっと書く対象にはなかなかなじまないのではないだろうか、こんな感じを持っております。ただ、おっしゃいますように、人口急増市町村に対します施策を一つの体系でまとめて示していく、これは親切なやり方じゃなかろうか。できるならそういう結果をもたらせたいなという気持ちは同じでございまして、私も同じように思っております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 この点は、私も今後とも勉強させていただきたいと思いますが、自治省として、人口急増市町村の公共施設に対する特別措置法というものをつくりたい。確かにいま過密地帯の公共施設をどうするかというのが大きな課題でもありまして、そういう努力をせっかくしたわけでございますから、そういうものが、できる限り早い機会に日の目を見ることが好ましいのではないだろうかという私の考え方を申し上げておきたいと思います。  それから次にお尋ねをいたしたいのは、この地方財政白書によりますと、「教育施設の状況」という表がございますが、それを拝見したわけでありますが、小学校におきまして昭和四十六年の五月一日現在、文部省のほうにはもっと新しいデータがあると思いますが、これで拝見をいたしますと、非木造校舎比率が四六・〇%、したがって、木造校舎が五四%まだ残っているということだろうと存じます。中学校におきましては非木造校舎比率が昭和四十六年五月一日現在で四九・〇%、したがって、木造校舎がいまなお五一・〇%残っているということだろうと思います。それから危険校舎比率というのがございますが、それを拝見いたしますと、小学校の場合、昭和四十六年五月一日現在で一〇・七%、中学校で五・三%、要改築校舎比率が同じ時点におきまして六・四%、中学校が三・三%ということのようであります。そうしますと、依然として木造の校舎が半分以上を占めている。危険校舎が一〇%以上小学校には存在し、中学校においても五%以上存在する、こういう状況だろうと思うのですね。  そこで、お尋ねをいたしたいのは、こういった危険校舎、あるいは要改築校舎、こういうものをどのような計画で解消しようとしているのかということが一つ。それから危険校舎を改築するにあたっては、危険度というものを計算してやっておられるわけですね。従来までは四千五百点という点数だったそうでありますが、これが本年度においては改善をされたのかされていないのか。将来どのような方向で改善をしようとしておられるのか、あわせてお聞かせをいただきたいと思います。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 昭和四十四年度から公立文教施設の整備の第三次五カ年計画というものを実施してまいったわけでございます。その実施の状況につきましては、お手元に資料として差し上げてあるわけでございますが、それが計画によりますると、四十八年度で終わるということでございますが、四十七年度でもって目標の大部分が解消できたわけでございますから、四十八年度から新たに第四次の五カ年計画を発足させたいというふうに考えております。その中でただいま御指摘の危険改築でございますが、六百十八万平米というものを将来五カ年間にわたって改築をしてまいりたいというふうに考えております。  改築の際の対象でございますが、これはただいま御指摘がございましたように、従来どおり四千五百点という点数で線を引きまして、四千五百点以下のものを補助対象にしてまいりたいというふうに考えておりますが、実施にあたりましては、たとえば鉄筋造のものでございましても、戦災によって火が入っておりまして、使用上危険であるといったようなものにつきましては、不適格建物といたしまして改築の対象にしてまいりたい。その他四千五百点という点数自体を今年度改善するということは考えてはおりませんけれども、実施にあたりまして、たとえば特殊教育学校でございますとか、あるいは豪雪地帯でございますとか、そういった特殊な地帯にあるものにつきましては、その点数につきまして弾力的な対処をしてまいりたいというふうに考えております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 四千五百点は変わらなかった、こういうことですね。しかし、第四次の計画を立てまして逐次危険校舎については対処していこう、こういう趣旨だと思いますが、本年度の予算要求にあたって、文部省はこの危険度を四千五百点をせめて五千点程度に改善すべきではないかということで予算要求をされ、第一次査定で切られた、あとの第二次査定の際に、復活折衝の対象として要求をされた、しかし、最終的にはこれが通らなかった、こういうことだろうと思うんですね。どうなんですかね、辻さん、そういうことぐらいは、危険度がどうだということだと思いますが、危険な校舎をいつまでも放置するということはよくない。また、四千五百点でなければ——四千五百点までは安心だというのかどうか知りませんけれども、現実に私なども各地域の小中学校を見る機会があるわけであります。相当いたんでいる校舎があって、何だ、こんなのをほっておくのかというと、残念ながら危険度の点数が四千五百点にならぬので、やむなく四千五百点になるのを待っておる、こういうような実情を聞くわけなんです。私はやはり生徒児童を大切にするという観点に立つならば、せめて危険度の点数ぐらいは是正をしていくというぐらいのことはお考えになってもいいのではないだろうかという感じがいたすのであります。文部省の御熱意が十分でなかったのか、あるいは大蔵省の抵抗が強過ぎたのか、その辺は私は知りませんけれども、どうなんですか、辻さんのお気持ちをお伺いいたしておきましょう。

辻敬一大蔵省主計局次長

○辻政府委員 ただいま御指摘の危険度の問題でございますが、四千五百点以下のものはただいまでも約三百五十五万平米残っているわけでございまして。このほかに年間約七十万平米が危険校舎に落ち込んでくるという実情でございます。したがいまして、私どもの考え方といたしましては、当面特に三千五百点以下の危険校舎の早期一掃を中心といたしまして、四千五百点以下の危険校舎の解消にまず努力すべきである、四千五百点以下のものをまず優先的に取り上げるべきだという考え方をとっているわけでございます。したがいまして、ただいまおっしゃいましたように、予算折衝の段階におきましては、いろいろな経緯がございましたけれども、一応危険度の四千五百点というのは従来どおりにいたしたわけでございます。しかし、先ほど文部省からも御説明申し上げましたように、予算の執行面におきましては、児童、生徒の教育環境として不適格なものがございますれば、それは四千五百点ないし五千点ぐらいのものでございましても、例外的にこれを取り上げていくというような問題につきましては、文部省当局とも実行の段階におきまして協議してまいりたいというふうに考えております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 私は、大臣にお尋ねしたいのですけれども、昨年景気がある程度落ち込んだといいますか、停滞した時期に、公共事業を拡充することによって需要を喚起するということで、大型の補正予算を組んだわけですね。その際、どういう公共事業をやることが適当かどうか、いろいろな議論があったと思うのです。問題は、公共施設をするにいたしましても、一番困難は、先ほど来議論しているように、用地の取得が一番困難なわけですね。とするならば、思い切って老朽の校舎については、用地はそのままあるわけなんですから、短期間のうちに集中的に改善措置を講ずるということが、景気対策としても、あるいは公共事業を一定の時期に集中してやるということについても、一番適切ではないだろうかというような議論が、学者の間からも、あるいは一般人の間からもあったことは、御承知のとおりだろうと思うのです。ところが、いまお尋ねをして驚いたわけでありますが、四千五百点以下の危険校舎がまだずいぶんある。それを逐次解消していこうということは、おそるべきことじゃないだろうか。そういった危険な校舎の状況に生徒児童をいつまでも放置をしていくということはいかがだろうか。しかも、公共事業をやる場合の一番ネックになっている用地については、ある程度改善をしているわけなんですから、こういう危険校舎の増改築等は、公共投資をふくらます場合、最優先的に措置してしかるべきではないだろうか。そういう意味では、文部省はもっとがんばってもいいのではないかという感じがするのですが、いかがでしょうか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 昨年の補正予算のときには、お考えのこともあって、学校建築にはかなり重点を置いて金額が計上された、こう承知をしているわけでございます。  そういう見地から言いますと、今度の場合には逆に建築を少し押えなければいけないという逆な状態に置かれていると思います。(山口(鶴)委員「ほかを押えればいいんだから」と呼ぶ)それは別にいたしまして、危険度ということばがはたして適当なのかどうなのか、私はこれは老朽度であろうと思います。危険であればこれはすぐにでも改築しなければいかぬと思います。危険であるにもかかわらず改築を認めていないということは、これはあり得ないと思います。また施設は整っているんだから、どれから先に手をつけていくのか、新築もございましょうし統合もございましょうし、いろいろなものがございますので、これはやはり全体の予算額をどう順序をつけていくかということになってきますと、老朽の校舎も早く改築しなければならぬと思いますけれども、人口急増のようなところは、やはり早く建ててやらなければいけない、人が来ているのに校舎がないわけですから。ないところから先に優先させるべきである、こういうことになると思います。いま文部省からも大蔵省当局からもお話がありましたように、あまり画一的にやりますと、一部老朽でないところが残っているために補助が受けられない、それがために全体の改築をおくらされてしまう。これはやはり早く総体的に取り上げてあげたらいいんではないかと私は思うのでございまして、やはり実態に応じた弾力のある運営、これが大切ではないだろうかと考えますし、またそういう見地で両省間で円滑に仕事を進めるように努力していきたいと思います。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 昨年の補正予算の際の論議からいえば、あるいは大臣の言われたようなことかもしれませんが、いまの国会の中での議論からいえば、結局円対策の一環として、だれも言っていることは、やはり経済の軌道修正をやらなければいけない、生産基盤の強化でなしに、生活基盤の強化を樹立すべきではないかということだろうと思います。その中で一番最初に行ない得るのは、用地の取得がすでになされておるこの老朽危険校舎の改築について、よりピッチを上げてやっていくことが、そういった経済の現代の要請にこたえる道ではないかということだろうと思います。そういう意味で、私も老朽校舎の第三次計画あるいは第四次計画、資料をいただいたというのですが、私うかつにしていま見て、手元にないわけでありますが、少なくともこの問題については早期に解消するように、これは強く要請をしておきたいと思うのです。しかも、先ほど来申し上げたような、わが国経済全般の現在における課題にもマッチする課題ではないだろうかということも、私は指摘をしておきたいと思います。  それから、そのほかいろいろお尋ねしたいことはあるのでありますが、次に文部省からいただきました「地方教育費の調査報告書」、これを拝見をいたしました。私のいただきましたのは、昭和四十五年度のものが何か一番新しいのだそうでありまして、昭和四十五年度の実態調査を拝見をいたしました。  まず一番最初に目につきましたのが、この表の第四十九表であります。「市町村の教育費の基準財政需要額に対する実支出額の比率」、「建築費分を含めた総額について比較した場合」と「建築費分を除いた額について比較した場合」、この表がやはり一番先にいままで地方行政をやってきたせいか目につきました。  これを見て、私、幾つか奇異に感じた点があるのであります。一つは、建築分を含めた場合における比較につきましては、実支出と基準財政需要額とが非常に乖離しているということです。全国の割合でいきますと、比率が一・七八です。これはもう大臣よくおわかりのように、実支出のほうが多くて、基準財政需要額の見方が少ないということですね。したがって、基準財政需要額の一・七八倍がこの実支出額だ、こういうことです。いまのは小学校です。中学校は、この数値が一・九九です。建築費を除いたもので比較をいたしますと、小学校の場合が一・二一、中学校が一・二二であります。そうしますと、建築を含めた場合における基準財政需要額の見方というものが著しく悪い。これは自治省にも聞いておっていただきたいと思うのですが、ということがこれでわかります。それが一つです。  それからいま一つは、この建築分を除いて比較した場合の数値が一・二一、中学校が一・三一でありますが、驚くことに、一を割っている都道府県が相当あるということなんです、この建築費を除いたら。ですから、大臣御案内のように、町村の場合は基準財政収入額は実際の収入額の七五%。二五%だけ、いわばゆとり分があるわけです。ですから本来ならば、基準財政需要額よりも二五%くらいは支出が多いのがあたりまえなんです。これはあたりまえだと思うのです。一を割っているということは、私はやはり、当該府県の市町村というものが、実際の財政運営として、あまりにも教育を軽視しているのじゃないかというふうに感じました。この点に対する大臣の感想をひとつ承りたい。  それからいま一つは、建築費を含めた場合、これは今度のこの法律に関係するわけでありますが、建築費を含めた場合の基準財政需要額の見方が、比較をしてみて、悪過ぎるのじゃないかという感じがするのです。  まず、この点に対する感想を承っておきましょう。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 私も、この数字を見ていまちょっとびっくりしておるところでございます。びっくりしていると同時に、一体実支出額というものをどう調査をしているのかな、これは私、疑問に思っております。建築費を除いて起債の元利償還額をどう扱っているんだろうかなという疑問が一つ起こりました。もう一つは、給食の扱いはどうなっているのかという疑問も一つ起こりました。だから、全く同じベースで調査されたものならこんな大きな開きは出てこないはずだ、何かやはり調査に欠陥があるのじゃないかなという感じを私自身は持ったわけでございまして、もう少しこの調査の基礎を調べた上で御返事させていただきたい、かように思うわけでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 やはり地方財政計画や交付税法にたいへんたんのうというか、奥野さんがみずからつくったようなものですから、専門家の御感想だと思って私は聞いておりましたが、いまの奥野さんの御答弁について、文部省、どうなんですか。この実支出のこの数値の中に、一体どういうものが含まれておるのか。それから、この建築費を含めたものと含めないものとの基準財政需要額の計算のしかたは、どういう形で整理をしてこの表をおまとめになったのですか、その点ひとつお聞かせいただきたいと思います。

奥田真丈文部大臣官房審議官

○奥田政府委員 文部省におきましては、地方教育費の調査というのを年々やっておりまして、その中で全市町村に対しまして教育費の基準財政需要額等に関する調査表というものを配付いたしまして、全市町村が小・中・高等学校別に、基準財政需要額の総額と建築費分を除いたものと、欄をとっております。それを書き込むことになっておりますが、その教育費のほうにつきましては、実際に市町村が学校教育費あるいはそのほかの教育費といたしまして支出したもの、これを積み上げております。大ワクの内訳で申しますと、消費的支出といたしまして、教授費、あるいは維持費、あるいは修繕費、補助活動費その他、それから資本的支出といたしまして、土地・建築費設備・備品費その他、そういうものの積み上げでもって市町村が出した分を調べております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 森岡さんおられますから、森岡さん交付税課長じゃないからどうかと思いますが、しかし、交付税課長より一格偉い人ですから聞いておきますが、この文部省の実態調査をするにあたって、実支出がどういうものをとる、それから基準財政需要額で建築費を含めたものと含めないものとはどういう形で整備をするのか、具体的に言えば、私もこれと見合うように昭和四十五年度の交付税制度解説を持ってきました。これを見たわけでありますが、結局建築分というのはこのうちの投資的経費の学級数を測定単位とするいわば投資的経費この部分を入れるか入れないだけで建築分を入れた基準財政需要額と除いた基準財政需要額というように整理をしているのか。これらについては文部省と自治省との間で私は打ち合わせがないと、この比較というものはきわめて不十分なものにならざるを得ないと思うのです。その点の連絡はどうなっておりますか、自治省と、それから文部省にお聞きいたしたいと思います。

森岡敞自治大臣官房審議官

○森岡政府委員 はなはだ申しわけありませんが、私自身は文部省といまの資料作成につきまして打ち合わせをしたという記憶はございません。ただ、担当課のほうであるいは打ち合わせをいたしておるかもしれませんので、その点については正確なお答えが実はいたしかねます。  それから、これもまことに申しわけないのですが、資料自身、私十分承知いたしませんので、さっき文部大臣がおっしゃられましたように、それほど大きな違いがあるということについては、いろいろ問題もあろうかと思いますので、精査をさしていただきたいと考えます。

奥田真丈文部大臣官房審議官

○奥田政府委員 調査票の説明が不十分でございましたので、あらためて申し上げたいと思いますが、市町村の書き込み金額は、純粋に市町村が負担した金でございまして、言うなれば市町村決算の中から、国や県でもらった金あるいは寄付等は全部除いた金が載っております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 ですから、私の聞いているのはそういうことではないので、結局基準財政需要額と比較をする場合の実支出額というものはどういうものを選ばなければならないのか。だから、基準財政需要額で算定しているその内容というものがあるわけですから、その算定していないもの、たとえば大臣が言われたように、給食費はどうなっているのか。設備費とか人件費については基準財政需要額、見ていますよね。ところが、子供たちの給食に、子供たちから徴収したお金以外に、自治体が一般会計で持っている経費というのは当然あり得るでしょう。そういうものを入れるとすれば、基準財政需要額が想定しているものと若干違ってくる、そういうこともあると思いますので、結局基準財政需要額で予定しているものと、それに見合う実支出をやはり調べてみることが一つは正確さを期するだろうし、また同期に、文部省がいっておられるような、すべての国庫補助金その他を除いた実支出をまた別に一ぺん調べてみる。そうすれば実際に教育予算を支出している市町村が、あるいは文部省なり自治省が、いままでやってきた教育費の基準財政需要額の見方が当を得ているものか得ていないものか、是正するとすればやはりこういうところを是正しなければいけないのかというデータとして私は生きるだろうと思うのです。また市町村も、少なくともこの基準財政需要額で見ているものよりも、国の補助金その他を除いた一般会計の実際の市町村の支出が、基準財政需要額を下回っているというようなことになれば、私はその町村は、もちろん交付税はひもつきでないことはよくわかっておりますけれども、少なくとも基準財政収入額を七五%に押えているわけですから、二五%ゆとりというものを持っているわけですから、そういうものがありながらなおかつ基準財政需要額よりも少ない〇・幾つというような数字が出ている町村については、やはり深刻な反省をしてもらわなければいけないだろうと思うのです。  そういうことについて私はさっき例を引きましたが、文部省のこういうPR雑誌等では、そういうことこそ積極的に書いて、そうして市町村の、あるいは市町村教育委員会の反省を求めるようなことをすることが、真に教育予算を充実する道ではないだろうかというように思うのです。だから聞いているわけで、いま言ったような打ち合わせを自治省と担当官の間でちゃんとやっているのですか。それを聞いているわけです。

奥田真丈文部大臣官房審議官

○奥田政府委員 この調査は、昭和二十四年来毎年同じような形式でやっておるものでございまして、連絡をしたかどうか、そのあたり私は承知しません。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 私はそういう意味では交付税制度、地方財政計画、地方財政に非常にたんのうな奥野さんが文部大臣に就任された機会にこそこの点については、昭和二十四年から機械的に繰り返してやってきた、実は私は市町村の教育委員会や市町村の学校に行きまして、どうもこの調査はめんどうくさくてというような話を聞いたことがあります。せっかくやっておられるわけですから、そういう意味でほんとうに当該市町村が、自分のこの村における、町における教育予算というものが、はたして十分なのかどうなのかと反省できる資料として、理論的にいっても十分そごのない、活用できる資料にいたしまして、そうしてそれを指針として市町村がより教育予算にお金をつぎ込んで、教育を大切にするような市町村財政運営が行なわれるようにすることこそが、私は奥野さんが文部大臣になった大きな一つの意義になるのじゃないかと思うんです。元文部大臣の坂田さんにも拍手をいただいておりまして、私も非常にうれしく思っておりますが、どうですか奥野さん、せっかくそういうりっぱな専門家がなったのですから、そういうことくらい、昭和二十四年以来機械的にやっているということでなくて、ひとつ、自治省には奥野さんの後輩もたくさん雲のごとくおるのですから、活用してやったらどうですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 御指摘まことにごもっともでございます。せっかく調査をするわけでございますから、その調査が生かされなければ何にもならないと思います。今後調査にあたりましては、十分結果が生かされるような調査になりますように私も努力していきたいと思います。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 そこで、ついでですからちょっと担当の方にお尋ねしておきますが、教育費を含む含まないというのは、学級数を測定単位とする投資的経費、これをこの基準財政需要の中に入れるか入れないかという形で区別をいたしておるのですか。どういう形でこの基準財政需要額の建築分を含めたものと、そうでないものとは、区別をしてやっておられるのですか。

奥田真丈文部大臣官房審議官

○奥田政府委員 調査票はこの本の三〇三ページでございます。丁表の付でございますが、下のほうにございます。まず、「教育費の種類」を小・中・高別に分けております。それから、「総額」と、「建築費分を除いた額」の欄がございまして、そして、「本調査による市町村支出金」というのは、この調査で、学校教育につきまして非常にこまかい詳細な支出項目別の調査をしております。その中で、市町村が支出した分だけをここにあげるということでありまして、先ほど申し上げましたように、国や都道府県の補助金は抜けておるわけでございます。それから、「差額」を出しまして、「昭和四十五年度の教育費の基準財政需要額」、これはきめられたものをそのまま書くことになっております。それから、それに対する市町村支出金の比率、これも各市町村ごとに出すわけでございます。それで、交付団体と不交付団体別に処理する、こういうことになっております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 だから、基準財政需要額はわかるわけですよ。その「総額」と「建築費分を除いた額」というのは、どこでどういう区別をして振り分けておるのかと、こう聞いておるわけですよ。

奥田真丈文部大臣官房審議官

○奥田政府委員 この表を書くにあたりまして、記入上の注意と申しますか、そういうものがこまかくできておるわけでございますが、まず小学校教育費についての例で申し上げますと、(山口(鶴)委員「それはここにはあるの」と呼ぶ)これは省略しております。この報告書に省略しておりますが、市町村が設置している小学校の、いわゆる学校教育費の集計表というものを別途につくっておりますから、それにつきましての市町村支出金欄というものを記入するわけでございます。それから、小学校費の「建築費分を除いた額」の欄というのは、この上記の金額から、資本的支出のいわゆる土地費とか建築費、及び債務償還費を除いた額を記入する、こういうことになっております。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 基準財政需要額の計算のしかたも、御承知のようにこれは四十五年の調査でございますから、かなり大胆に、建築費に対しまして事業費補正で思い切って金をぶち込んだ時代もございました。ですから、基準財政需要額と実支出額を対応させるためには、私は、両方に調整が要るんじゃないかという気がするわけでございまして、そういう問題、なおよく洗っていきたいと思っております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 その点は、大臣のほうがよくわかっておると思いますしするので、この表を見て私が疑問に思った点はおわかりいただいたと思うのです。その点、どういう形でこれを計算をしたのかわかるような資料をひとつ提出をいただきたいと思います。  それから、今後の問題として、事業費補正等の見方をどうやっておったのか、いままでの御答弁ではわかりませんから、それが、いままでの実態が明らかになれば、当然、将来こういうところを直したほうがこの実支出と基準財政需要額を比較する場合にはより正しいのだという方針も出ると思いますから、そのような方針に沿って、今後の調査はひとつ改善をするようにしていただきたい。  さらに、文部省はせっかくこういう調査をして、建築費分を除いたものについて実支出と基準財政需要額とを比べて、幾らか違いもあります。こういうものはやはり基準財政需要額に組み込んだほうがいいんじゃないかという希望があったら、自治省にどんどん言われたらいいんじゃないかと私は思うのです。それからまた建築費分について、いま言ったように非常に違いがあります。きちっと調査をした上で、なおこのような違いがあるということになれば、やはり自治省のこの建築費分に対する基準財政需要額の見方はこうすべきが正しいじゃないかということについても、率直に自治省に注文をすべきじゃないだろうか。そうして、少なくとも市町村の教育予算について、国が教育基本法あるいは憲法の規定その他からいって、十分ふさわしいだけの基準財政需要額を市町村に見てやるという姿をつくることが、教育を大切にするゆえんじゃないだろうか。せっかく奥野大臣の際に、そういう意味では画期的なこの措置をひとつとっていただきたいと私は思います。  さらにこの点は、いまお願いしたような資料が出ました際にまたあらためて議論をするとして、保留をしたいと思います。  最後に一つだけお尋ねしておきましょう。  昭和四十一年六月一日の五省協定というのがあります。人口急増地帯の公共施設の整備については、市町村が非常に苦労しているわけです。ですから、最近、市町村はもう住宅団地なんか来てもらいたくない、返上だというところが非常にふえているのも、やはりそういうところに欠陥があったためだろうと思います。  それで、文教施設につきましても、この項目の中に入っておりまして、さらに昭和四十七年度から学校プールとか、学校の給食施設も施設の対象になり、それから単に日本住宅公団の団地ばかりではなしに、住宅金融公庫の資金を受けてやるところの宅地開発等につきましても、この対象に含む。それから自治体の単独事業分の償還年数を逐次長期に改定しつつあるという状況については、私も資料をいただきましてよくわかります、自治省の資料等拝見いたしまして。時間がありませんから多くを申しませんが、せっかくのこの五省協定が十分に生かされていない。いろいろ地域によって問題があるということも指摘をいたしております。これらについて、住宅公団等を主管いたします建設省としては、そういう不備を是正するためにどのような努力をいたしてまいりましたか。  さらに、大蔵省もおられるわけでありますが、人口急増の市町村に対する施策の中にこの五省協定に基づく公共施設について、本年は次のように予算措置を講じたという資料についてもいただいております。ちょっと見つからぬので、数字を指摘するのは……。  保留をしようと思いましたが、資料が見つかりましたから申しますが、宅地開発等関連公共施設、公益施設の立てかえ施行の拡充という形で、昭和四十八年度は三百二十一億、昨年に比べて百二十七億、予算を拡充しているということも承知をいたしておりますが、せっかくのこの五省協定が、まだ不備な点がある、地域によっては十分生かされていないという点がありますので、この点については実情をどのように把握しており、将来どのように改善しようとしておられますか。建設省と大蔵省の御答弁を求めたいと思います。

吉田公二建設省計画局宅地部宅地開発課長

○吉田説明員 五省協定と申しますのは、御指摘のとおり人口が急増いたします団地の建設でございますとか、宅地開発を行ないます場合の関連公共、公益施設というものの整備を、本来の管理者の財政のワクでまかないきれないケースが非常にございますので、これに対処いたしますために、住宅公団あるいは住宅金融公庫の融資を受けて行ないます事業の事業主体に一応金を与えまして、これが立てかえをして、将来の収入で返してまいる、かような制度でございます。  ただいまの御指摘の点では、いまの五省協定自体と、現在の運営との間のギャップがあるかどうかということが一つの点かと思いますが、日本住宅公団と住宅金融公庫の融資によります宅地造成と、若干従来差がございました。たとえば償還期限でございますとか、あるいは立てかえの対象といたします事業の範囲でございますとか、これは若干差がございまして、四十七年度現在で申しますと、住宅金融公庫の宅造融資によります場合には五十ヘクタール以上の規模の宅地開発、こういうものに限定されているわけでございます。五省協定のほうでは三十三ヘクタール、約十万坪以上の宅地開発または千戸以上の集団的住宅建設というものを一応対象としておりますので、この点は一つのギャップでございます。  それからもう一つ、地方の負担分の償還でございますが、五省協定では十年以内ということに一応いたしてございます。これに対しまして、住宅金融公庫ではこの十年以内を四十七年現在七年ということで運営してございます。こういった点は一つの五省協定の線とのギャップではないかという点でございますが、四十八年度予算におきましてこの点は全部是正いたしまして、四十八年度におきましては、公庫貸し付けの場合でも三十三ヘクタール以上の宅地開発または千戸以上の集団的住宅建設、これを全部カバーすることにいたしまして、対象事業の範囲は非常に大きく拡大してまいる見込みでございます。  それから、償還期限でございますが、これも住宅金融公庫の貸し付けによります宅地造成、住宅建設、いずれも十年ということに延長いたしまして、特に大きな問題でございます学校につきましては、大規模な団地、人口が二万人以上ということが想定されますような団地におきましては、これを二〇年というふうに大幅に延ばすことにいたしておりまして、こういう点で非常に効果が期待できるのではないか。住宅公団のほうにつきましては、五省協定できめております線を全部完全に充足しておりますので、今後事業主体側のいろいろの希望その他をよく参酌してまいりまして、適切に運営してまいりたい、かように考えております。

辻敬一大蔵省主計局次長

○辻政府委員 児童生徒急増市町村に対します措置といたしましては、先ほど来御説明申し上げておりますように、校舎補助率の引き上げでございますとか、用地補助の拡充でございますとかをいたしておるわけでございますが、そのほかに、御承知のようにいわゆる三年先行整備の改善とか、ただいま御指摘になりました住宅公団等の立てかえ施工、五省協定の問題があるわけでございます。五省協定の内容につきましては、ただいま建設省から御説明申し上げたとおりでございまして、この実行につきましては、私どもといたしましては関係各省と十分協議いたしまして、円滑に施行できるよう努力してまいりたい、かように考えております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 逐次、資金についても拡充されてきた、わかっているわけですが、従来不十分だった。したがって、資金面の制約から、所要事業費を著しく実績が下回るという場合もあったことは否定できないと思うのです。  それから、さらに問題は、日本住宅公団やあるいは住宅金融公庫の貸し付けを受けて開発する一つの団地ができますと、その周辺に民間業者が宅地開発をやるということになりますと、そこの子供も当然学校へ行かなければならない、公共施設も必要だということになるわけでありまして、そちらのほうがいわばしり抜けになっているといいますか、そういう点は否定し得ないだろうと思うのです。そういう点は森岡さんのほうがよく承知をしているのじゃないかと思うのですが、そういう点で私はやはり日本住宅公団が宅地開発をやる、それから住宅金融公庫の借り受け資金を使った開発が行なわれる、その周辺に民間の資金による宅地開発等が行なわれるわけですから、そういうものと総合して、やはり私は当然、住宅公団の住宅に入った子供は学校に通うが、民間の開発したものは入れないというわけに実際としていくはずはないわけなのでありまして、そういった関連の宅地開発が行なわれた場合の施設を一体どうするか、あるいは資金量の不備な点を拡充するかということについて、さらに私はくふうが必要ではないだろうかというふうに思っているわけです。そういう点に対するお考えがあれば、自治省でも建設省でも大蔵省でもけっこうでありますから、ひとつお答えをいただきたい。  それから最後に、四十八年度の予算におきまして、確かにきわめて不備だと思いますが、三・四五%というような超過負担の解消のかさ上げでは私は十分ではないと思いますし、さらに物価の上昇の見方も、これはデータの出ました際、議論したいと思いまして、保留しておきますが、現状きわめて不備だ。したがって、両方で単価を一〇%ふやした、それから補助基準面積を二〇%拡充をした、そういう中で、去年の予算に比べて四四%伸びた、もちろんそのことは認めます。認めますが、事業量は一〇%しかふえていない。それから先ほど指摘したような不備もある。そういう中で、御苦心のほどはわかりますけれども、どうも今回の法律改正に伴う財源措置というものは、先ほど来私の強調した超過負担解消、自治体の今日までの非常な苦労というものに十分こたえるとは言いがたいということを、最後に申し上げておきたいと思うのです。

吉田公二建設省計画局宅地部宅地開発課長

○吉田説明員 ただいまの団地開発とその周辺部という問題でございますが、確かに団地を開発いたしました場合に、周辺部の市街化があとから追っかけてくるというケースもございます。また、団地の規模が、たとえば一つの学校をつくるだけの規模がない、千戸というのを最低の単位でいまやっておりますが、四十七年、例の五省協定の運用の一部拡充ということで、一つの市町村の中に、従来のものと合わせて千戸になるような場合には、最低単価五百戸まで公団住宅の場合下げることができるということにしておりますが、そういうケースと申しますのは、周辺部の市街化とあわせて一つの学校をつくるというような必要もあるわけでございます。そういった場合には、公団住宅なら公団住宅として、相当部分のウエートがあるもの、こういうものを周辺部をアロケートして、公団分については地元負担を立てかえるというようなケースもやっております。  それから、公民館でございますとか、その他周辺部とあわせて一つのコミュニティーをつくっていくために必要な施設というものも、四十七年からでございますが、新しく設けまして、周辺部の市街地と共通して使うものを、公団の立てかえ予算の中で行なうという道も開きまして、いま御指摘のような点に沿うように努力しております。  また今後もいろいろ検討してまいりたいと思っております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 それでは、先ほど何点かにつきまして、資料の提出を求めております点について保留をいたしまして、一応きょうはこれで終わっておきたいと思います。

田中正巳自由民主党

○田中委員長 栗田翠君。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 それでは御質問いたします。  この国庫負担法改正案を拝見しましたけれども、確かに公立小学校の屋体の負担率とか、それから人口急増地の小中学校の校舎建設の負担率は多少引き上げられております。ところで、いまこの引き上げが、ほんとうに部分的なものでありまして、私が地方の実情などを実際に行って調査してみた中では、実際にはこの程度の引き上げではとうていほんとうに学校建設も十分にやっていくことができないという実態が、ごろごろところがっているわけなんです。地方自治体は、そのために超過負担をはじめとしまして、いろいろな形での負担を負って非常に苦しんでおります。それからもう一つ、そのことによって子供たちの教育権が侵されているという実態が実にたくさんあるように思うのでございます。私はそういう具体的な実例などもあげまして幾つか質問させていただきたいと思います。  まず最初に、人口急増地の小中学校の校舎の負担率だけが引き上げられまして、そして屋体については負担率が引き上げられておりませんが、これはどういうわけなんでしょうか、その点を伺います。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 お手元に法案関係の基礎資料を差し上げてございますが、それの四ページをちょっとごらんいただきますとおわかりでございますように、小中学校の屋体の保有率でございますが、小学校につきましては保有率が七四・四%。したがって、未保有率が二五・六%ということでございます。中学校につきましては保有率が八三・六%、したがって未保有率が一六・四%ということでございまして、この屋体の整備が必要であるということは、これは人口急増市町村、児童生徒急増市町村だけの問題ではなくて、全国的な問題でございます。したがいまして、校舎の場合とはやや事情が違いまして、人口急増町村についてだけ補助率を二の際三分の二にするということを見送らざるを得なかった理由の一つでございます。  もう一つは、今回の改正法案でもお願いをいたしておりますように、小学校の屋体の補助率を三分の一から二分の一に引き上げるという措置を講じておるわけでございます。したがいまして、屋体に対する補助率の引き上げということは、小学校という一つの部分ではございますが、そういう形で対処し得たということでございます。しかしながら、屋体と校舎はいずれも教育上必須の施設でございますので、その間に差別があるということは必ずしも適当なことではないと思います。今後急増地域の財政負担の状況でございますとか、あるいは最初に申し上げましたような全国的な屋内運動場の整備の進捗状況、そうしたものを勘案をいたしまして、今後急増地域の屋体の補助率の引き上げの問題について検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 いまのお答えですと、急増地だけでなくて、全国的に足りないために一般的に引き上げたというお話なんですけれども、引き上げたとおっしゃいましても、小学校の率が中学校とやっと同じになったということでございますね。そういう点ではやっと並みになった、並みといえるのかどうかという実態だと思うわけです。  それからやはり特に急増地というのは屋体が足りないのではないかと思いますけれども、この資料にはその急増地についての資料が出ておりませんけれども、特に人口急増地ではどんなふうになっていますか、その辺の資料もありましたらちょっと出していただきたいと思います。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 実は、急増地と一般地域を分けた資料が手元にございませんが、私どもの一般的な感じといたしましては、急増地はむしろ校舎の整備に追われている状況でございますから、屋体の整備まではなかなか手が回りかねておる、そういう傾向はあろうかと思います。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 先ほどからもずっと質問で出ておりましたけれども、人口急増地、確かに校舎の整備にたいへん追われているわけです。それは用地の取得難あるいは財政難ということで非常に地方自治体が苦労しているわけです。ただ、いまのお答えを伺いまして私はふしぎに思うのですけれども、校舎の整備に追われているから屋体のほうを補助しなくてもよいというふうに聞こえます。そうではなくて、そのくらいに、屋体どころか校舎の整備にさえ追われている実態であるとしますならば、その校舎の整備の負担率ももっともっと引き上げなければならないし、あわせて屋体についてもたくさんの補助を出して、自治体の負担を少しでもより一そう軽くして、そして子供たちの教育権を保障していくために努力をしなければならないと思いますけれども、その辺についてはいかがでしょうか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 私は、児童生徒急増地域におきまして屋体の整備が必要でないとか、これのウエートが低いとかということを申し上げているわけではございません。最初に申し上げましたように、屋体の整備というのは、やはり全国的な残された課題でございますので、その辺の整備の全体の進捗状況というものとのバランスを考えなければならないということと、もう一つは、やっと中学並みというお話でございますが、小学校の屋体の補助率、負担率を三分の一から二分の一に引き上げた。これは実際の執行の問題といたしましては、急増地域に対する波及が非常に大きいかと思います、実際問題といたしまして。そういうことを考えますと、屋体に対する補助についての手当てというのは不十分だというお考えはあるかもしれませんが、本年度としては一応私どもとしてはできるだけのことをした。しかし、これは今後の課題といたしましては、さっき申し上げましたように諸般の事情を考慮して前向きでひとつ検討してまいりたいというふうに考えております。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 それでは文部大臣にお伺いいたしますけれども、いま中学校では特活が今後必修という科目になっております。特別教育活動、その中でスポーツなどもあるわけですけれども、そういうことからいいましても、一そう屋内体育館というのは使われる率が高くなってくると思います。学習指導要領によりましても、体育というものはたいへん重要視されているわけなんですね。これは急増地の問題だけではありませんで、いまもお答えがありましたように、小学校で二五・六%も体育館を持たないところがあって、中学校は一六・四%も平均して全国的に見て持たないところがあるというわけですけれども、体育館を持っていない学校で子供が体育をしていく場合に、一体文部省がきめておられます指導要領の中身を実施していくという立場から見まして矛盾が起こるのじゃないかと思うのですけれども、その辺で文部大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 学校の施設をさらに整備していかなければならないことは当然でございますし、いま管理局長からお話しございましたように、体育施設の整備がなお十分でない、したがって、これにも一そう力を入れていきたい、かように考えているわけでございます。  そういうこともございまして、今回私として一番強く主張してまいりましたのは補助対象面積二割引き上げ、できればもっと引き上げたかったわけでございますけれども、とにかく九年ぶりに補助基準面積を二割引き上げ、そういうことによりまして特別教室をつくるとかいろいろなことができる、教育内容を高めることができる、こういうことでございます。体育施設につきましてもさらに一そう整備が促進されるように努力していかなければならぬと考えております。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 体育館といいますのは、また講堂のない学校では講堂のかわりに使われております。最近は、大体講堂と体育館を別々に持っている学校というのはあまりありません。ほとんどその両方に使っているわけなんですけれども、それで体育館もない、講堂もないという学校で、子供たちがどういう実態になっているか御存じでいらっしゃいましょうか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 いろいろなくふうをこらしていただいているのだろうと思いますけれども、もちろん基本的には早く整備しなければならない、努力していくことだと思います。教室を使っているところもございましょうし、また昔はそこまで十分でございませんでしたので、教室の仕切りをはずして、そしてそれを講堂に使ってみたり体育館に使ってみたりした例もあったようでございますけれども、あるいはまた隣の学校、あるいは社会教育的な施設を使うとか、いろいろなくふうをしておられるだろうと思います。しかし、そんなくふうをさせるのではなくて、早く整備していかなければならない、これはもう全く同感でございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 いま子供たちは、特に都市部などでは、卒業式のときに公民館を使ってやったり、それから市の体育館なんかが一つくらいしかないわけですけれども、それを使いまして、交代で卒業式をやっているわけなんですね。だから十分な卒業式もやれないし、同じ日に一斉に卒業式をすることもできないというような実態が出てきているわけです。それからまた、私が実情を調査しました伊東市あたりでは、体育館のない学校で、雨の日があるわけですけれども、その雨のために一年間に三十日ぐらいは体育の授業ができないわけですね。こういう実態がいま現実に出てきているわけです。  それで、もう一度初めの問題に戻りますけれども、結局予算のワクが実に少ないということだと思うのです。小学校の屋体の負担率を二分の一に引き上げた、これは確かに部分的な改善ではありますけれども、私たちが教育の問題について考えますときに、特に義務教育が、全国の子供たちが最も基礎的な知識を同じように身につけていかなければならない、それを国民としても国としても保障していかなければならない、そういうふうな責任があると思うわけです。特に政府、文部省にはそういう責任があると思いますけれども、そういう中で体育館がないために、指導要領できめられております体育の授業を、実際にはやらないで済ませている何日かがあるのだとか、卒業式でこういう不便を忍ばなければならないとか、これは子供の教育権が侵されているという問題だと思います。ちょっとくどいようになりますけれども、もう一度そのような立場から文部大臣の御決意を伺いたいと思うのですが……。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 施設を整備していくこと、これは全く同感でございます。ただ、雨が降ってそのときに体育がやれないから体育の時間が削られていくんだというような教育をやってもらっては困る、逆に私はそうお願いしたいと思います。授業時間の振りかえもあるし、いろいろなくふうをやっぱりみんなが努力していく、すべて政策が悪いからだというふうには持っていかないで、ぜひみんなでくふうをしながら教育の実をあげるように努力するようにわれわれも協力を求めていきたいなあという気持ちを、お話を伺いながら強うさせられたわけでございます。しかし、そうかといいまして、私たちの責任をたな上げするものではございません。   〔委員長退席、内海(英)委員長代理着席〕 ただ一つ私、申し上げたいのは、補助率のいかんによって施設が整備される、されないという問題が、私はそれほど大きな問題じゃないような気がするのです。補助率の問題は、岡の責任の分野と地方の責任の分野、財政の責任を分け合っているわけでございますから、かりに補助率二分の一ということになりますと、地方債を計算します場合にも残りの二分の一を対象にしますし、地方交付金の基準財政需要額の算定をいたします場合も、残りの二分の一を対象にして考えていくわけでございます。三分の二になりました場合には、地方債にしましても基準財政需要額の算入のしかたにしましても、残りの三分の一を対象にしてどう扱うかということを考えていくわけでございます。でありますから、進む進まないの問題は、全体の年間の授業量をどう押えていくか、これが一番大きいのじゃないだろうかという気持ちもいたします。ただ、人口急増市町村については、いろんな面においてお困りになっておりますから、あとう限り国が積極的にめんどうを見ていかなければならぬと思いますけれども、財政の基本的なそういうけじめだけはぜひ御理解を得たいものだとお願いをしておきたいと思います。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 いまの文部大臣のお返事を伺いまして、たいへん私は残念に思いますけれども、まず現場の先生方がそれを聞きましたら、ずいぶんいろいろ感じるだろうと思います。現場ではずいぶん苦労しまして、いまもおっしゃいましたように、いわゆる振りかえとか何とかいろいろな形でやってはいるのですけれども、そういう苦労を現場にさせなければならないという問題ですね、それが第一にあります。  それからもう一つは、地方自治体はできる限り学校の施設を充実するためにたいへんな努力をしております。先ほども超過負担の問題がかなり出ておりましたけれども、実際には一般財源に実に食い込むような超過負担を負いながらも、学校の施設、設備を充実していくということで努力をしておりまして、そのために自治体が大きな負担を負いながらやっているというのが実情だと思うのです。ですから、特にこれが義務教育だということに問題があるわけでして、義務教育であります以上、国がこれを憲法、教育基本法の精神に沿って十分に実施させていかなければならないという、そういう責任がありますから、財政は半分なり幾分の一なり地方が持つものであるといって、実際に置かなければならないものについて十分な措置がとられていないという点はやはり問題だと思いますが、その点はお認めになると思います。——それじゃ、どうぞ。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 現場の先生方は、非常に御苦労いただいていると思います。ただ栗田さんが、三十日雨で、それで授業ができないのだと、こういうふうにおっしゃったように伺ったものですから、やはりその辺は苦労してそのようなことがないようにしてもらわなければいけないんじゃないでしょうかと、こういう気持ちで申し上げたわけでございます。義務教育でございますから、国も当然その責任を果たしていかなければなりません。同時に、地方公民教育でもあるわけでございますので、国と地方共同して義務教育を達成していかなければならない、こういう性格のものじゃないだろうか、こう思います。ただ責任の分野を明確にしているにかかわらず、国がそれを果たさない。したがって、それだけ地方によけい振りかかっていく、超過負担の問題が起こっているじゃないか、これもそのとおりでございまして、そういう問題の解消のために、今回におきましてもいろんな改革をやったのです。これで十分じゃないかもしれませんけれども、なお一そう努力を続けていきます、と、こうお答えさせていただいているわけでございます。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 先ほどもちょっと申し上げましたように、四十八年度を初年度とする第四次の公立学校施設整備の五カ年計画を立てたいというふうに考えているわけでございます。その内容といたしまして、小中学校の屋内運動場の新増築につきましては、現在屋内運動場を保有していない小中学校の全部、それから新設校の全部について屋内運動場を整備したいというふうに考えております。なお、小学校の屋内運動場につきましては、基準面積に満たないものについてもその改築の時期に不足する数を充足するというふうな措置を合わせまして、二百六十一万平米を五年間で整備をしてまいりたいというふうな計画を立てております。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 それでは次に、教室不足の問題について御質問しますけれども、ただこれは、先ほどかなり単価差の問題では全国的な実情も押えた質問がされておりますので、私がやりますとまたダブることになりますから、その辺のことはちょっと省かしていただきます。  ただ、あらためて伺いますけれども、基準単価に対しまして非常に現在、現実の問題として単価差があるということについてはお認めになっていらっしゃいますでしょうか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 先ほども申し上げましたように、実際の超過負担は文部省、大蔵省、自治省の共同の調査によりますと、単価につきまして一三・一%のズレがあるわけでございます。一三・一%の内容のうち平均六・七%の内容の改善をはかっておるわけでございますから、したがいまして一三・一%と六・七%の差額につきましては、御指摘のとおり依然として単価差が残されておるわけでございますが、その残された部分は何かと申しますと、これも先ほどお答を申し上げましたように、今回改善をいたしました床がアスファルトタイルであるのに、実際の床はモザイクタイルであったり、フローリングブロックであったりするといったようなことが、窓につきまして、あるいは天井につきまして、壁につきまして、いろいろあるわけでございまして、そういうものが重なりまして、依然として若干の単価差が残されている、こういうことになるわけでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 それで、続きまして、やはり先ほど質問が出ておりました資材の値上がりとの関連でございますが、これも先ほどお答えがありましたので、私は省かせていただきます。  ただ、地方自治体が負担を非常にするという立場ばかりでなくて、今度の資材の値上がりとそれから商品の投機によります買い占めの問題が子供たちに与えている影響について、一つ例をあげてお話しをいたします。私が調査に行きましたのは、静岡県の伊東市の旭小学校だったのですけれども、これは人口急増地としていま建設されております小学校です。いままで西小学校というところで子供たち勉強していたのですけれども、収容し切れなくなりまして、新しく建設をして子供を分けているわけなんです。ところが、いまこの商品投機によります買い占めとその影響によりまして、セメントがたいへん足りなくなっております。   〔内海(英)委員長代理退席、委員長着席〕 実際にはセメントの品不足で、値段がまず一俵三百五十円だったものが千円に上がっているということです。これは最初の請負単価に比べてもたいへん高くなってしまったという問題が出ているわけなんですけれども、もう一つは一日二百五十俵ぐらい必要なのに、実際に手に入るのが八十俵だということでした。これはもっともっとひどいところもあるそうでして、伊東あたりはまだ品不足はいいほうなんです。けれども、こういうふうな実態が出てきましたために何が起こったかといいますと、四月一日から閉校しなければならなかった学校の建設が、セメントが来ないためにおくれておりまして、先日調査に行ったときでも二十日くらいおくれるという状態になっております。その後もっと品不足になれば、一月くらいおくれる。ですからその間は、希望に胸をふくらませて学校に行こうとした新入生なども、いままでの西小学校に同居するという形になって一カ月くらいを過ごさなければならぬ、こういう事態か起こってきているわけでございます。これは伊東だけでなく、おそらく全国的にいま新増築をやっている学校などで起こってきている問題だと思うわけです。  こういうふうに建築の日程がおくれているという問題、それから自治体が非常に大きな負担を負わなければならない、業者も場合によっては負わなければならないという事態が出ているわけなんです。子供の教育権を守っていくという、そういう立場からいいましても、こういう事態についてどのような対策をお持ちになるかということを文部大臣に伺いたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 セメントの問題は、私もたいへん深刻な問題だと思います。こういうことになったにつきましては、いろいろな考え方、見方があろうかと思います。これは私、買いだめの問題じゃないと思うのです。買いだめで品不足になっている問題もございますし、あるいは国際的な影響を受けて品不足になっている問題もございますが、セメントの問題は、買いだめできるような性格のものではございませんので、これは買いだめの問題ではないと思います。これは私の個人的な見方ですけれども、カルテル行為を認めてきたのが時期として適当であったかどうかという一つの反省が私はあると思います。同町にまた、景気上昇期に補正予算でかなりセメントの必要な事業をふくらませてきた、これがよかったか悪かったか、これが一つの問題点があろうかと思います。あるいは天候がよくて、しかもあたたかかったものですから、非常に事業が進んだ、これも一つあったと思います。さらにはまた景気上昇で建築ブームが起こってきた、非常な需要の増大でございます。そういうことでセメントがほんとうに足りなくなってしまった。いろいろな問題が車なり合ってきていると思います。でありますので、国としても場合によってはでき上がりを若干待たざるを得ない。そうして、混乱が起きないように配慮しなければならないというようなこともいわれてきておるわけでございます。その影響が学校にも及んできている、これはそのとおりだと思います。ぜひこの問題、全体の事業量の調整もございましょうし、セメントの増産の問題もございましょう、セメントの工場をつくる予定をしておったところが、公害問題でそれが幾カ所か進んでいないわけでございまして、そういう計画ズレもあったようでございます。いろいろな問題が重なり合いまして今日の事態を招いておるわけでございまして、セメントの問題は非常に深刻な問題になっているわけでございます。いま申し上げましたような方向で解決をする、できるだけ混乱が起きないようにしていかなければならない、かように思っているわけでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 セメントの足りない原因は、確かに直接買い占めではないと私も聞いております。ただ、需要が非常に多くて供給が間に合わないということと、もう一つは燃料が何か不足しましてつくれないというふうに聞いておりますけれども、そういう間接的ないろいろな事情で不足しているわけです。その不足の原因は何にしましても、そういうことで実際には開校するべきときに学校が開校できないということが実に大きな問題だと思いますので、ここは文教委員会ですから、その問題について焦点をしぼっていかなければいけないと思います。  で、やはり田中総理は、列島改造ということをしきりに言われまして、GNP世界第、一位がいま誇られているわけなんです。けれども、その中でその影響を受けて、それからその他、セメントだけでなくて、木材などではやはりこれは買い占めによる値上がりがあるわけですけれども、そういう影響を受けまして、実際には子供たちにこういう影響が及んでいるということ、これをやはり重大なことだと考えなければいけないと思います。  特に子供の教育については一般的に見るのではなくて、これからの未来をつくっていく子供たちを直接国の責任として、また国民の責任として十分に育てていかなければならない。特に義務教育の中でこういう状態が出ているということが問題だということを私はやはり指摘したいわけなんです。特別な措置が必要ではないでしょうか。一般的な建築と同じような形で学校建設を考えるとかということではなくて、こういうおくれが絶対に起こらないようにやはり文部省としましても、特に大臣としては特別な措置をやはり提案なさる必要があると思うわけで、そのことを申し上げたのですけれども、もう、度その点について伺いたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 国として、文教施設に先にセメントを回せというような対応策をとる必要があるのかどうか、なお私も今後よく勉強させていただきたいと思います。  いずれにしましても、府県なり、市町村なり、たくさんな建築をやっているわけでございますから、セメントの要る仕事をたくさんかかえておるわけでございますし、必要だと判断したところに優先的にセメントを回して、必要と判断するところの工事を急いでもらう。これはそれぞれ自治団体でございますので、十分考えていただいていると思います。ただ、文部省として、いまそれを取り上げなければならないかどうかということにつきましては、今後の経過を見ながら考えさせていただきたいと思います。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 もう一度申し上げますけれども、実際に学校の建設がおくれていておそらくこれは全国的な状態だと思いますので、できましたら、その辺の調査もして、資料も出していただけたらと思うのです。こういう影響で一体学校建設がどんなふうになっているのかというものもつくっていただけたらと思います。そらしてやはり自治体まかせではなくて、こういう問題こそはやはり政府としまして特にてこ入れをしまして、子供たちの教育を守っていくということが必要ではないかと思うわけなんですけれども、結局、教育環境を整備するためには、文部省としては特に力を入れていかなければいけないし、これを地方自治体だけにまかして、こういう実態がそのままにされているということが問題だと思っているわけなんです。さっき大臣は、自治体にある程度まかせるようにおっしゃいましたけれども、その辺いかがなんでしょうか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 教育の大事なことはよくわかるのですけれども、いろんなたとえば建築が行われているその場合に、何が何でも学校が先だという判断には私は立てないのでございまして、やはりいろいろな事情があると思うのです。学校といいましても、人口急増地帯のように、ほんとうに教室がないんだというような学校もあれば、いま学校はあるんだけれども、新しく建てかえているんだ、とにかく勉強する場所はあるんだ、早くいい校舎をつくって移りたいけれども、とにかく何とかやりくりはできるんだという学校もあろうかと思うのであります。また当該市町村におきましての施設を早くつくらなければならない順序というものになりますと、いろいろな事情が私はあると思うわけでございます。そこでもうちょっと勉強させていただきたいと申し上げたのですが、重ねてのお尋ねでございますので、私なりのいま感じているところを率直にお答えさせていただいているわけでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 私は、何が何でも学校建設は急がなければならないというふうに考えているわけです。やはり文部大臣となさいましては、そのぐらいの姿勢でやっていただかなければならないと思うのです。会社のビルなんかを建てるのと、子供たちが勉強する学校を建てるのと、同列に考えるということはたいへん問題だと思うのです。その辺の教育についての考え方ですが、子供の教育をまず大切にして——児童憲章にも書かれておりますけれども、子供の教育環境というのは、「すべての児童は、就学のみちを確保され、また、十分に整った教育の施設を用意される。」こういうことが児童憲章でもいわれているという精神は、やはり一般的な建設とか、それから事業とか、そういう問題と同列に考えてはならないということを示していると思うのですけれども、その辺でいかがでしょうか。私は文部大臣のお答えとしてはたいへん残念だと思いますけれども……。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 私は、抽象的にはお気持ちを否定しているものではございませんで、むしろ同じ気持ちを持っていると思います。同時にまた、私は民間のビルと比較して申し上げたつもりはさらさらございません。地方公共団体が果たしていかなければならない役割りはたくさんございます。重症心身障害児を収容する施設もございましょう。お年寄りを収容している施設もございましょう。あるいは道路とか橋梁とかいうような問題もございましょう。事、セメントの不足についての問題の提起をなさっているわけでございまして、そのセメントの問題提起について何が何でも学校に先に渡さなければならないのじゃないかとおっしゃってくると、学校にもいろいろな学校がございます、学校とまた公共団体の果たさなければならないいろいろな施設との間に、その団体におけるいろいろな順序の差もございます、だから私はよく勉強させていただきまして、どういう対応策をとるべきかなお研究した上でどうするかを考えさせてください、こう申し上げたわけでございまして、それじゃ不十分だとおっしゃるものですから、あえてこんなことまで次々とお答えをしなければならなくなっているわけでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 セメントが足りなくなっているのは、施設などをつくっているからだということではなくて、一番の原因は、大企業の基盤整備のために公共投資に非常に多く使われているということだと私は思います。だから、それこそ一般的に同じだというふうに考えてはならないので、どこに一番使われ、どういう状態になっているのかということをもう少し見て考えていただきたいと思うわけでございますが、とにかくこの問題は一応ここでおくことにいたします。  もっとひどい状態のところがあります。それはさっきもちょっとお話が出ておりましたけれども、沖繩の実態でございます。きのう私が新聞を見ましたら、海洋博で沖繩では非常に建築資材が値上がりをし、その他の物価がたいへんに上がっているということが書かれておりました。この沖繩の実態について、特に学校建設、教育施設充実と資材難、物価高との関係で実情をつかんでいらっしゃいますでしょうか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 昭和四十七年度予算におきまする沖繩の市町村立の小中学校の校舎の建築につきましては、これはほとんど発注済みでございます。工事は進捗いたしております。   〔委員長退席、内海(英)委員長代理着席〕 ただ、県立学校につきましては、実は復帰後事務がふなれであったというような関係で発注の時期が多少おくれまして、そのためにその間物価が上昇する等の事情によりまして工事の発注がおくれておるというような事情にございます。しかしながら、沖繩県におきましては、一部翌年度へ繰り越すというようなことも若干出ておりますが、県立学校につきましても近く契約が完了できる見込みだというふうに聞いております。  なお、海洋博の影響によってこうした事態が起きておるのではないかということでございますが、このことにつきましては、御承知かと思いますけれども、総理府の海洋博推進対策本部のもとに関連施設部会というものが設けられておるわけでございます。これが中心になりまして、最近の物資、労務、そういった関係を総合的に調整したり、最近の沖繩の建設事情に対処して適切な手を打ちたいということで、これは総理府が中心になりまして目下その対策を進めておるというふうに聞いておりますので、ぜひこの対策、施策が奏功いたしますことを私どもとしては非常な期待をいたしておる次第でございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 たいへん資材が高いために、入札の応札者がないというところも学校建設で出てきております。その辺については調べていらっしゃいますでしょうか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 そういう事情も聞いておりますが、ただ応札の状況を見ますと、はたしてその工事をとりたいという前提で応札をしたのかどうか、多少疑問に感ぜざるを得ないようなものも中には含まれているようでございます。つまり予定価格を若干上回るというような入札ではなくて、予定価格の数倍といったような入札である場合、この入札がはたしてほんとうにその仕事をとりたいという前提で入札されているかどうか、多少疑問にわたるようなものも中には含まれているようでございますが、全般的な傾向といたしましては、先ほども申し上げましたように、県立学校につきましては発注の時期がややおくれたものでございますから落札がやや困難になっておるという事情はございます。しかし、さっき申し上げましたように、沖繩県におきましても予算措置その他手直しをいたしまして、年度内には大部分が落札できる運びになるというふうに聞いております。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 いまのお答えでちょっとわからないのですけれども、工事をとりたいという入札ではない場合があるというのはどういうことですか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 先ほど申し上げましたように、予定価格というものと入札価格というものは、もちろん一致しないわけでございまして、それの前後上下でおさまるのが普通でございますが、予定価格の数倍といったような入札がございます。それははたして応札をする意思でもって入札をしているかどうか疑問に思われるわけでございます。そういう極端なものが中に若干あるわけでございますが、それは別にいたしまして、全体の傾向といたしましては、さっき申し上げましたように、最近の物価、労務その他の状況からして、落札がやや困難になっておる状況はある。しかし、沖繩県におきまして、最近補正措置等も講じておりますので、年度内には大部分が落札をするであろうということでございます。   〔内海(英)委員長代理退席、委員長着席〕

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 いまのお答えは、たいへん抽象的な感じがいたします。私は、いまここに沖繩の学校建築の状態の資料を持っておりますけれども、これは「落札不調工事調査表」というのがあるわけなんです。確かに県立の学校でして、宜野座高校の校舎の増築、これが予定価格八百三十九万一千円に対して応札者がないということで出ているわけです。その以外にも、たいへん高い率で入札されておりまして、これは沖繩にとって大きな負担になるだろうと思っているわけなんです。先ほど近く契約が成立するというようなことを言っておられましたけれども、これは義務教育の学校ではないわけですけれども、この宜野座高校などの場合には、契約が成立するような実情にあったのでしょうか。また、小中学校の場合でもおそらく同じような実態があると思うのですけれども、その辺、いかがでしょうか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 個別の学校の入札の状況については、私ども承知をいたしておりません。  それから小中学校につきましては、さっき申し上げましたように、これは発注の時期が早かったものですから、ほとんど落札をいたしております。県立高校につきまして、さっき申し上げましたように、発注の時期がいろいろな事情でおくれたものですから、その間の物価上昇等いろいろな問題がありまして、落札が困難になった、こういうことになっております。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 たいへん高い、何倍という額で入札されているというお話がありまして、何倍というのはどうかと思いますけれども、しかし、実際には一般的に見ましてずいぶん予定価格と入札価格の比率が違うわけですね。確かに本部高校などは一・八倍、それから糸満が一・三、多いところになりますと二倍以上ですね、北部農林高校。こういうのは結局、五倍、六倍という場合にはどういうことなのか調べなければならないと思いますけれども、実際には物価が非常に高く、建築資材が非常に上がっているという実態が、かなり全体的にこういう状態を起こしているのだと思います。それで、先ほど予算措置をとったというふうにおっしゃいましたけれども、その中身をもう少し聞かせていただきたいと思います。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 では、具体的に申し上げたいと思います。  県立高校の入札の状況を見ますと、大体一・一倍から一・四倍というあたりが多いわけでございますが、中には二・三倍とかあるいは一・九倍とか、二・一倍とか、一・八倍といったような応札があるわけでございます。こうした応札は、やはりやや常識外だと私ども考えております。なぜこういう応札をするのかと申しますと、私どもの判断では指名をされて入札をしないということはやはり後々のためにもよろしくないわけでございますので、とにかく入札はする。しかし、とる気もない。手持ちの事業量も一ぱいだというような場合に、こうした非常に高い入札を故意にやるということがあり得るわけでございます。ですから、そういう入札は私ども必ずしも物価や労務費の形をそのまま反映した入札であるというふうには考えられないということでございます。ですから、一・一倍ないし一・四倍というところが通常でございますから、おそらくその辺が常識的な応札ではないかというふうに考えておるわけでございます。  それから、沖繩におきまして補正の措置を講じたということをさっき申し上げたわけでございますが、約六億円の補正を、予算を計上したということでございます。それによりまして、先ほど申し上げたように、県立高校につきましては大体が年度内に落札するであろう、こういうことでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 常識を越えた実態が沖繩に出ているというふうには考えられないでしょうか。たとえば昨日の読売新聞の記事などを見ましても、品不足もたいへんな状態になっているわけです。セメント百九十万トンの需要に対して地元調達五十万トン、政府あっせん百十万トンで三十万トン不足だとか、鉄筋が二十七万トンに対して十二万トン不足であるとか、杉材が七万五千立方メートルに対して地元では五万六千五百立方メートルしか供給できないとか、その他ずっとありまして、労働力の不足から、工事単価の値上がりなどは、二年前に比べて三倍から四倍というふうになっておりますし、その上に本土資本による景勝地の買い占めが非常にやられている問題など、そのために地価がぐっと上がっていることとか、いろいろあります。全部は読みませんけれども、こういう実態が出ていて、そのために二倍とか一・九倍、一・八倍というような比率になって応札することが出てきているのではないかと思うわけです。  もしこれが実際であるならば、さっき言われましたように、入札する意思がなくて応札しているのならば、それはそれでまた問題でして、学校は立たないということになるわけです。それから物価が高いためにこういうふうな比率にならざるを得ないということであれば、それはそれでまた非常に重大な問題だと思います。沖繩はいま本土に施政権が返還されているわけですけれども、沖繩の子供たちというのは、特に戦後二十六年町、アメリカ軍の占領下にあって、基地の中に沖繩があるという状態、基地の中に学校があるという状態でずっと教育を受けてきたわけでして、そういう意味からいいましても、もっともっと十二分な対策を国としても立てなければならない。太平洋戦争の犠牲者であるわけなんですから、そういう意味での責任があるわけです。しかも現在、復帰直前のたいへんな物価高と、そしてその後また本土以上の物価高、海洋博の影響が出てきているわけでして、これはどうしても私たちあげて調査をし、そしてまたよく実態を調べていく必要があると思います。委員長、いかがでしょうか。何か実態があまり、こうだと思うということにしかすぎないのですけれども、こういう調査をしていくのが政府としましても、また国会議員としましても、私たちの果たすべき責任だと思いますが、その辺いかがでございますか。

田中正巳自由民主党

○田中委員長 本件については、後刻理事会においておはかりをいたしたいと思います。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 それではこの件は、ぜひはかっていただきたいと思います。  それでは、次の問題に移ります。  先ほど、基準単価が非常に低くて単価差が出たという問題で山口議員がずっと質問されました。また、面積からいいましても、基準面積との差で自治体はたいへん負担を負っていると私どもは考えております。ところで、いまの基準単価と基準の面積で、文部省自身もし学校を建てるとお考えになりましたら、建てられると思っていらっしゃるでしょうか。その補助基準どおりに建っている学校が全国でありますでしょうか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 標準的な仕様、標準的な面積であれば、建つはずだと思っております。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 実際に建っている学校はありますか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 それは町村が学校建築に対してどういう態度で臨まれるかということでございますから、したがって、さっきからもしばしば申し上げておりますように、床はアスタイルじゃなくて、わが町においてはモザイクタイルにしたいということであれば、それは町村の御判断としてそういう建築をなさって差しつかえないわけでございますから、そういう建築が現にあるということであれば、それはその限りにおいてやはり国の補助単価を上回った建築にならざるを得ないということでございます。ですから、実際に建築物が、これは各種各様のものがあるわけでございますから、このとおりの建築がはたしてあるかどうかということは私ども承知はいたしておりませんが、しかし、この単価で、この坪数で小中学校施設を建てることは可能なはずであります。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 それでは伺いますが、文部省は学校を建てる場合に、基準単価と基準面積以内で建てろというふうに指導しておられますか、どうでしょうか。御指導の点を伺います。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 それは基準でございますから、また補助の限度でございますから、実際の建築がこれを上回りましても、それはいけないというふうに申すことはできないかと思います。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 いけないかどうかということを伺っているのではなくて、学校を建てる場合に、なるべくその範囲内で建てるように指導していらっしゃるかということなんです。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 特にそういう指導はいたしておりません。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 実際には、先ほど、地方自治体に超過負担をさせることはあってはならないということを文部大臣もおっしゃっていたと思いますし、言うまでもなくこれは地財法の立場からいいましても、そういうことがあるような実態をつくり出してはならないと思うわけです。  ところで、そのように指導をしているわけではないとおっしゃいますし、じゃ実情としてその範囲内で建て得るものかということがたいへん問題になるわけなんです。  ところで、私は先ほどもちょっと出しましたが、静岡県伊東市の旭小学校を見てまいりました。この学校が建つについての経過を聞きましたところが、文部省にどのような学校を建てたらよいかということについて、県を通り越してでありますけれども、再三足を運びましで指導を受けたそうでございますが、その辺の経過、御存じでいらっしゃいますか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 実は、個別のケースにつきまして私ども承知いたしておりませんが、補助事業につきましては、一般的に町村の建築設計、建築計画につきましては、都道府県の建築担当の課で審査をし指導するということをいたしております。さらに、管理局の教育施設部の出先といたしまして工事事務所というのがあるわけでございますけれども、その辺も技術的な指導はいたしております。あるいはそういう指導はいたしたかと思いますが、本省で直接どういう学校をつくったほうがいいというような指導はいたしておりません。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 私が直接行って聞きましたところでは、とにかく県を飛ばして文部省へ来たそうですが、何しろ東京に近いものですから来たのだと思いますけれども、その結果、文部省の施設部の指導課の北原技官が、こんなふうに建てたらどうだろうかという設計図をかいてくださって、それに沿って建設をしたということなんです。そしていろいろと指導があったと心うことを聞いております。いかがでしょうか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 ちょっと先ほど申し上げましたことが、私、舌足らずでございまして、関東地区につきましては実は工事事務所がございませんので、文部省の工営課が工事事務所の任務を果たしております。工営課がそうなんでございますが、実際上は指導課で指導をするようなこともございます。あるいはそういう場合に何か御相談があって、それに応じていろいろ御指導をしたということはあろうかと思います。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 私そういう形で指導なさるのも別にいけないと思いませんし、けっこうなことだと思っております。  ところで、この文部省が指導されました旭小学校といいますのが実はたいへんな超過負担でいま悩んでいる学校なんです。それは基準単価でも、ここにありますけれども、単価差による超過負担千八百六十九万円、また面積差による超過負担が一億三千百十六万円かかりまして、総計しまして一億四千九百八十五万円という、この旭小学校一校を建てますのに単価差と面積差のいわゆる純粋な意味での超過負担だけでこれだけの負担が自治体に負わされているわけです。そしてこの面積差がどのような形で出てきているかといいますと、たとえば基準面積で、これは一応十九学級の学校ですけれども、実際にはこれからの人口増を見込みまして三十六学級建てておりますけれども、その余分の七学級分は入れずに十九学級の基準で計算をしますと、文部省の基準ですと、一学級当たりの面積が百四十五平方メートルになるわけです。これはきめられました基準を学級数で割った数です。ですから文部省の基準を学級で平均したという形になるのですけれども、実際にその旭小学校が使いました面積は一学級当たりで二百三十七・三四平方メートルになりまして、基準の一・六三倍になっております。これは言ってみれば理想的な学校建築、このような学校を建てるのが現在望ましいという形での指導の中で建った学校なんですね。しかも、市当局が言いますことには、初めの設計どおり建てるとあまりに大き過ぎて、ますます負担が重くなるので、多少持ち帰って切り詰めたと言っておりますから、実際の設計よりは小さくなっておりますし、省かれているものがあるわけでございます。それがこういう実態になっているわけですが、面積でいいましても、あり得べき望ましい姿としては文部省の基準の一・六三倍ということになっております。この辺御存じでいらっしゃいますか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 ただいまのお話につきましては、私は全く承知をいたしておりませんが、一般的な指導の方針といたしましては、平面図、平面配置についての指導だけを行なっておるということでございます。単価につきましては指導は一切していないということでございます。それから平面図につきましては、たとえば教室の配置の関係であるとか、あるいは日照の関係であるとか騒音の関係であるとか、そういった点からのいろいろな指導はしておるそうでございますが、特に面積についてかくかくの面積がなければいけないといったようなことは申していないと聞いております。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 ちょっと栗田さん誤解しておられるんじゃないかと思いますので、あえて私答弁させていただきます。  純粋な超過負担がこれだけあるんだ、こうおっしゃった。その超過負担が、その分についても国が二分の一なり三分の二なりの割合に基づいて分担すべきものを分担していないんだという意味で純粋な超過負担はこれだけあるんだ、こうおっしゃったんじゃないかと思いますけれども、そうでなければ引っ込ませていただきますけれども、そういう意味でおっしゃったのなら、ちょっと誤解があるんじゃないかと思うものですから、お話しさせていただきます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 その点について申し上げますと、いま純粋といいましたのは、単価差と基準面積差だけでいま計算するとこれだけあるのですね。もう少し詳しく言いますと、四十七年度の単価差が、千七百五十平米に対しまして、一平方メートルが七千五百七十一円でありますので、これをかけて千三百二十五万円と出まして、四十八年度の単価差が四千二十八円出ておりますので、千三百五十平米、これは二年にわたって建てるようになっているのですが、それをかけまして、五百四十四万円という計算で千八百六十九万円、それから面積差による超過負担が一億三千百十六万円、それでこれ以外に——ですから何もかもひっくるめまして、学校を建てるのに必要だった費用との比較で言いましたら、まさにこの補助金が一割くらいになっちゃうのです。つまり用地費とか、それから専用通学路なんかもつくっておりまして、これは、その旭小学校というのが丘の上にあって、その上にもう全然住宅がありません。ですから、その子供が通うためにどうしても通学路が必要だった。これなどが二千五百万円、それから浄化槽をつくりますが、これはやはり川へ流しちゃうというわけにいかないので、こういうものを入れますと約六億三千万円くらいになりまして、ですから、純粋なという意味は、そういう意味でございます。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 どういう学校をつくるのかということについて、別にこちらは強制はいたしません。地方団体が学校をつくるのですから、りっぱな学校をつくろうと、切り詰めた学校をつくろうと、それはもう地方団体が選ぶところでございます。国が、学校をつくる場合にどのくらい負担をするかということにつきましては、経費の種類、算定基準、割合、こういうものを法令で定めることになっているわけであります。その法令で定められたところに従って計算をされたものの二分の一なら二分の一、三分の二なら三分の二を負担しなければならないわけであります。先ほど来管理局長がるる申し上げておるのは、単価の問題については標準仕様というものがあると思うのです、標準仕様に従って計算した額の二分の一なら二分の一を負担することになっているのです、その仕様をそれよりももっと質のよいものに持っていかれた場合には、それは地方団体の負担がよけいになってきますけれども、これはやむを得ないですよと、こう申し上げているわけです。それから補助対象面積、これも生徒数、学級数に応じまして何平米ということをきめているわけでございまして、それ以上もっとりっぱな特別教室をどんどんおつくりになっても差しつかえないわけですけれども、それは自まかないですよという立場に立っておるわけでございます。しかし、だんだん世の中もよくなってきたわけですから、質をよくしていきたいというところが、補助対象面積を今度二割上げます、こう申し上げているわけでございまして、これはもっと上げていくことが理想でございましょう。でございますから、地方団体が、つくった額の二分の一とか三分の二を負担するたてまえだとお考えになっては困るのでございます。そういうたてまえをとっているものもあるのです。それは義務教育教員の給与費については、地方団体がおきめになればいいのです。おきめになりましたら、お支払いになりましたら、国でその半分を負担していくような、こういういき方もあるし、いま申しましたように、負担区分をきめておるものにつきましては、経費の種類、算定基準、割合、こういうものは法令できめていきますよ、それに従ったものの二分の一、三分の二を持つのですよ、こういうたてまえをとっておるものにつきましては、これはやはり、超過負担超過負担、しかも、純粋なということばをつけておっしゃいますと、これはもっと財政のたてまえもお考えくださいよと私はお願いを申し上げる以外にありません。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 私が申し上げたいのは、その標準仕様というのが、文部省が考えられるあるべき姿から見ましても、あまりに低いのではないかということを言いたいわけなんでして、それが結論なんですね。結論を先に申し上げますけれども、そこを言いたいのです。  それで、大体望ましい学校建築のあり方として指導なさった。そのなさいました基準になっているものを調べてみましたところが、どうもこれは学校施設指導要領ということになっているようでございまして、これに沿って建設の指導をなさったようなんですね。ですから、たとえばその基準面積が超過した内容などを見ましても、視聴覚教室とか、保健室、それから多目的室、それから低学年のプレールーム、ワークスペース、教材室というようなものがつくられております。これは全部がこの指導要領に出ているわけではありませんけれども、こんなものがあったら非常に望ましいし、またいまの発達しました文化、経済の実態の中ではこういうふうにあるべきだということだと思うのです。  それでは私、ちょっと方向を変えて伺いますけれども、この文部省のお出しになっています学校施設指導要領というのは、一体どういう立場でつくられているのですか。これに沿ってできているものが、何かいかにもぜいたくであるかのようにいまおっしゃられますので、私はたいへん変だと思うのですけれども、その辺いかがでしょうか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 先ほど申し上げましたように、補助原則につきましては建築上の指導をしておるわけでございますが、その指導の一つの基準といたしましてつくりましたものが、いま御指摘の建築の指導要領でございます。これは現行基準から比べますと、約三割に近い面積が上積みされた基準になっております。したがいまして、それに基づいて指導されたものが、その文部省基準の一・六倍とおっしゃるのははなはだ理解できないわけでございますが、それはいま申し上げましたように、現行基準の一・三倍程度のものでございます。  そこで、これが従来はその建築の際の指導の基準ということになっておったわけでございますが、これは望ましい基準ということではあったのですけれども、法的にこういう形で指導の基準にしてまいりますと、いかにも超過負担をしいるような、そういう印象を与えるものでございますから、今回、この小中学校の教室につきまして基準面積が二〇%引き上げられることになっておりますが、この際にそれを廃止いたしまして、その補助基準一本で指導するような方向で現在検討をいたしております。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 いまのお話を伺っていますと、超過負担をしいるといけないから建設の基準を下げるみたいに聞こえるのですね。百歩譲りましてその一三〇%ですか、ということになりましても、いまの基準面積の引き上げでは足りないということになりますしね。そうしたら、どうしても超過負担をしいることになると思いますね。これは地財法の精神からいって、矛盾すると思います。しかも、私はいろいろ聞きましたけれども、学校の先生方、校長先生まで含めましての悩みは、いまの学校の建設基準が、明治時代の教育内容をそのままに、ちょっと毛がはえたぐらいで押えられている。しかし、実際には、指導要領その他にもいわれていますその教育内容というのは、以前に比べて非常に発達してきているわけでして、それをその内容どおりに実施して子供たちに教育をしようと思えば、必然的にその施設設備が足りなくなってくるということなんですね。  私、伺いたいですが、この学校施設の指導要領というのは、何も根拠なしに、さっきのあり得べき姿、理想的なというか、望ましい建築の基準というものをお出しになったのではなくて、おそらくその指導要領の内容を教育の現場で実施していくために必要な施設としてお出しになったのだと思いますけれども、その辺はいかがですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 私は、常に目標は高く掲げて、そうして最低限度のものは国全体で保障していく姿勢、これが大切じゃないかと思うのです。管理局長たいへん遠慮したような、補助基準一本でいきたいというようなことを言いましたけれども、私はやはり、いま目標を掲げたらいいじゃないか、それをだんだん全体に押し及ぼすように持っていったらいい。しかし、いま全部一挙に全国をそういう姿に持っていくことは、あるいは財政的にも、あるいは施設的にもできないことかもしれませんから、それは一つの理想なんだ、しかし補助金は現状においてはここまでなんだ、だんだんそれを毎年努力しながら、われわれ補助基準も引き上げていかなければならないと思います。しかし、補助基準と努力目標とが必ず同じでなければならない、これは私はそういう必要はない、教育に思い切って金を投ずるところは投じてもらったほうがいいと思うのです。場合によっては、そこまで財政が不如意だからいかない、もう補助基準一ぱいしかできない、こういうこともあると思います。やむを得ないと思います。だから、みないろいろ競い合いながら、よい自治体の風格を出してもらったらいいじゃないか、こんな気持ちでおるわけでございます。文部省の補助基準、これで十分だとは考えておりません。努力はしておりますけれども、まだまだ理想から言ったら、私も遠いと思っております。しかし、努力していることは認めていただけるのではないだろうか、こんな気持ちで、先ほど来お答えをしているわけでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 超過負担を承知の七でこの補助基準を低くされるのか、そうでなければ、いわば予算を節約するために子供の教育施設を押える、そういう結果になるんじゃないかと思うわけですね。やはり子供の教育施設といいますのは、ほんとうによい水準で高い水準を保っていくように努力しなければいけないし、またそのためにあらゆる力を傾けていかなければいけない。特に文部大臣は、政府部内でそういう条件を獲得するために、大きな力を発揮していただかなければならないというふうに思うわけなんです。よく大臣は、いま日本の経済が世界的に見ましても実に発展しているのに、日本の教育は荒廃しているということを嘆いておられます。教育の内容が非常に荒れているということをおっしゃっておりますけれども、教育の荒廃の原因はこういうところにあるんじゃないでしょうか。経済的にずいぶん発展しながら、GNP世界第二位になりながら、教育予算が年々下がっていって、子供の教育施設は、つくれば可能であるのに押えられている。文部省が理想とする学校建築の基準にさえも文部省の基準が到達しないという状態の中で一つは起こってきている。施設だけの問題ではもちろんありませんけれども、しかし、施設の面から見ても、ほんとうだったら経済的、財政的にもっともっと保障できるだけの財力を持ちながら、それを非常に押えて、理想とする施設の整備さえも国として整えることを努力していないというような面からも教育の荒廃というのは出てきていると思うのです。私、はたしてすべて荒廃していると言えるかどうか、その辺も疑問だと思っておりますけれども、しかし、そういう経済と教育とのアンバランスというのは、一つばこういう中からも出ているんじゃないでしょうか。いかがでしょう。文部省が理想とされる施設の基準にさえ文部省の基準が到達していない、その点です。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 こういう点になりますと、私は栗田さんと正反対であります。いま問題になっているのは義務教育施設でございます。一体、地方自治体なり国なりが、義務教育施設の整備に力を入れてこなかったんだろうか。どうでしょう。農村に行ってごらんなさい。私は農村が一番りっぱになったと思いますよ。やはりあらゆるものに先がけて小中学校の校舎の整備にかかったと思います。これを手抜かりしたとは決して私は思っておりません。しかし、教育全体が荒廃しているという点について私は心配しております。施設の整備が十分でないから荒廃しているといういまの栗田さんのお説に私は納得できません。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 地方で学校の施設が非常によくなったというのは、地方自治体がたいへんな苦労をしながら学校建築その他に努力しているからだと私は思います。それは国が努力しているからでなくて、言ってみれば超過負担を負いながらも地方自治体がそれをやっているということなんだと思います。伊東市などを見ましても、四十六年度の義務教育関係の超過負担額は全部で二百五十九万八千円。これは社会福祉、公営住宅建設に次いで三番目に多い超過負担でありまして、市の超過負担総額の二二%を占めているというのが出ていますが、伊東などはまだまだ学校建設費は全体の超過負担額の中では低いほうだと思います。横浜その他のたいへんな人口急増地は、もっとたいへんな状態になっていると思うのですけれどもね。こういうことが実際には各市町村で起こっていると思うわけです。私はやはり、さっきから繰り返し言いますけれども、文部省が理想だとされる施設の状態、それも何もぜいたくなものを文部省が学校の施設指導要領に書かれているわけではないと思いますから、せめてその基準に到達するような基準をおつくりになるべきであるというふうにもう一度思います。そのために地方自治体がばく大な超過負担を負うことをあえて黙認するようなことがあったら、これはたいへんである。実際にはその先生たちが現場で指導要領に沿った教育をやっていこうとすれば、いまの基準の範囲内で学校の施設、設備をつくった場合にはやれない状態であるということがあります。そういうことを申し上げたかったわけです。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 どうも栗田さんは、財政の理論を誤解しておられるのじゃないかと思うのです。みんな超過負担超過負担とおっしゃっている。しかも、それについて国が負担をしないんだから悪いのだというような言い方をしている。私は、地方自治団体は、いろいろなところにいろいろな形で力を入れてもらっていいんじゃないかと思うのです。教育に特別力を入れる、そこでは、栗田さんの理論で言えば超過負担になるのですよ。超過負担でいいじゃないか。また、ある団体については道路をうんと整備する、栗田さんの理論では、そこでは超過負担が出ている。それでいいんじゃないかと思うのですよ。文部省も理想的な姿を示していけばいいと私は思うのです。国は全部補助対象にしなければならないということは、私は納得できない。教育の水準について最低基準は保障する、これは国の役割りなんですよ。個々の団体がいろいろおやりになる、それについて全部国が責任を負っていく、それは私は適当でないと思いますね。個々の団体が思い思いの努力をしていく、それが自治だと思います。そういう中から国の発展は生まれてくる、こう考えておるわけでございます。国の補助基準をあたかも全部の実施の基本のような考え方をとったのでは、私はそうやってものが進んでいくという姿勢は生まれてこない、こう思うわけでございまして、ぜひそこは超過負担という場合には地方団体が特別なカラーを出していく。その結果みずから負担を背負ってもやり抜くんだ、これはとうとぶべき姿だと思うのですよ。それを全部国の財政責任だと持ってこられるところに少し飛躍があるような感じが私はいたしますので、ここはぜひもう少しお考えを賜わりたいと思います。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 いまのお答えはたいへんおかしいし、私は納得できません。さっきから私が言っておりますのは、何も金のことを言っておるのではなくて、文部省が理想的だと指導された学校で、実際にその基準単価、基準面積をオーバーしているということを繰り返し繰り返し言っているのでありまして、しかもその中身がいいとおっしゃるわけですね。そうなりますと、つまり基準が理想に達していないということですね。理想といったってたいへんぜいたくなら切りがないのですけれども、そうではなくて、施設指導要領に述べられているような水準にさえも基準が達していない。そうなりますと、それでよいということだと思いますね。地財法の十八条を見ますと、「国の負担金、補助金等の地方公共団体に対する支出金の額は、地方公共団体が当該国の支出金に係る事業を行うために必要で且つ充分な金額を基礎として、これを算定しなければならない。」というふうになっているわけですけれども、この「必要で且つ充分な金額」という立場から考えまして、それではいまの基準ですね、これはよいというふうにお考えになっていらっしゃるのでしょうか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 おっしゃったような議論になっていきますと、管理局長が述べたように指導要領を引っ込めます、こういうことになってくるのです。私はその必要はないと思うのですよ。力を入れるならこういうやり方がありますよ、視聴覚教室をつくるならこういうような材料も持てるのですよ、こういう教室のつくり方があるのですよ。ぜいたくだといわれるかもしれませんけれども、私はこれは教えてあげたほうがいいんじゃないかと思うのです。しかし、それを全部補助対象に持っていけといえばいけない。やはり財政当局が猛反対してくるでしょう。しかし、国がここまでは補助していきますよ、その場合の計算としていまお述べになりましたこと、これは守らなければいけないと思うのですよ。単価も実際基本額は必要にして十分なものでなければなりませんよ、このとおりだと思うのですよ。しかし、さらに十分なものをどこまで持っていくかということになってきますと、私は個人の家を考えたって学校を考えたって、いますぐ冷暖房までなければいけないと考えるのか。あるいは冷暖房までつくるのはいいですよ。しかし、いますぐには補助対象にはできませんよ。二つの形があってもいいんじゃないだろうか、こう思うのですよ。個々の団体、いろいろ理想的な資質を目ざして努力をされたらいいんじゃないか。そのかわりそれは白まかないでする決意を持ったらいいんではないか。自まかないですればしわ寄せが来ますよ、どうせ限られた金ですから。場合によっては、いやそうじゃない、増税をしても金を生み出すのだ。これも自治体としてとる通なんです。いろいろな方法がとれるわけですから、私はやはり消極的な文部省の態度じゃなしに、理想的な形を示してあげる。しかし、国はここまでしか負担できませんよということを明確に示していく。その間にギャップがあることはやむを得ないのじゃないだろうか。しかし、補助基準もだんだんと毎年引き上げていく努力はしなければいかぬ、これは当然だと思うのです。そのためには、われわれを鞭撻していただいてけっこうだと思うのです。しかし、その二つの性格だけはぜひ御理解をいただきたいと思うのです。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 管理局長が一度出した指導要領を引っ込めるとおっしゃったわけですけれども、私たいへん正直におっしゃったと思います。実際そういうように詰めていくと、こういう矛盾がいまの中にあるんじゃないでしょうか。それで何度も同じことになりますけれども、子供の教育というのはやはりできる限り理想的な状態の中でしていくように努力する、この点では文部大臣も否定なさらないと思うのですけれども、そのためには最大限の努力をしていく、そのこともしなければならないことだと思います。それで、限られた財源といいましても、それじゃその予算の使い方をどうするかという予算の編成の問題にまでなりますけれども、そこにまでわたる問題だと思いますけれども、そういう点でも二四・六%も予算規模がふえた中で、教育予算だけが年々下がって一〇%も割って九・九六%になったという問題、ここら辺に実は大きな問題があり、大臣がもしほんとうに子供の教育のことをお考えくださるならば、もっともっと政府部内でその予算を獲得して、そして理想的な状態の中で予供が育てられるようにしていただかなければならないというふうに私は思います。  それで、あと人口急増地の問題で、三年前向きの先行取得の問題だけ最後に一つ触れさせていただきたいと思います。  先ほどの伊東の旭小学校でも、実際には当面ことしの四月からの児童は十九学級で足りるんだけれども、二十六学級つくっております。それはなぜかといえば、一年後、二年後、三年後に、もう確実に生徒数がふえるということはわかっているからです。しかし、三年前向き先行取得の場合には三百戸以上の集団住宅、団地が建たなければ適用されないことになっていると思いますけれども、そうなりますと補助対象からはずされまして、地方自治体はあえてそれを承知の上で負担するわけなんです。なぜそういうことが起こるかといえば、実際問題考えてみても、三百戸以上の集団住宅がなかったとしても、実際に人数がふえていくということがわかっている場合に、毎年毎年学校を増築していくということはいかにも不経済だし、また教育環境としても適当でありませんので、こういうことがやられているわけなんですけれども、この先行取得の適用範囲拡大について、そのような方向で進めていかれるという御予定、御意思はありますでしょうか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 三年前向きの制度につきましては、昨年の法改正でお認めをいただいたわけでございますが、それには御指摘のとおり限定がございまして、一団地三百戸以上の集団住宅の建設の場合ということになっております。その運用上私どもも問題があるというふうに考えておりまして、もう少し実際に即した取り扱いができないかということで検討いたしております。ただ、前向きというのは、これは将来の事態を予想するわけでございますから、やはり予想といたしましては、確実な予想が立つものでないと補助対象として非常に扱いにくいということがございます。現在こうした集団住宅の場合だけに限っておるのもそうした趣旨からでございますが、しかし、課題といたしましては、バラ建ちの問題でありますとか、あるいは学年進行によって——すでに子供が生まれており、幼稚園に行っておるというような場合には先々の予想が立ちやすい、こういう場合がございます。バラ建ちの場合は、予想が非常につきにくいわけでございますが、すでに学齢前の子供として生まれておる場合には、比較的予想がつきやすい。いらいろな事情があるわけでございますが、予想が確実につき得るというものにつきましては、三年前向きの条件がもう少し緩和できないか検討してみたいというふうに考えております。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 検討してみたいとおっしゃられましたけれども、ぜひ検討をお願いしたいと思います。  ここに社会増対策全国教育長会議の要望書がございます。これは昭和四十五年十一月、ちょっと古いのですけれども、全国の人口急増地の教育長が名を連ねております。こういう要望書が出ているのは御存じでいらっしゃいますか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 ちょっと記憶にはございませんが、私は見たと思います。係のほうには参っておると思います。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 この内容を見ましても、北海道、東北地区、首都圏、中部圏、近畿圏、中国地区、四国地区、九州都市、その教育長が名を連ねておられまして、この中でやはり先行整備の問題で強い要望を出しておられます。「大規模宅地開発事業者等に対する小、中学校用地提供義務の法定化および国有地の無償貸与」、それから「義務教育施設先行整備のための財源措置の拡大」、そしてその一年半先行を三、四年先までやってほしいというようなことが出ているわけです。これは四十五年です。  それから、ここにもう一つ、これは最近ですが、四十八年の一月に全国町村長大会の決議がやはり出ております。これも御存じでしょうか、やはり先行取得その他についての「人口急増対策の強化拡充に関する要望」でありますけれども……。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 参っております。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 この中身を見ますと、公共用地の先行取得制度を充実強化してほしい、それから年度内の児童生徒急増に対応する緊急財政措置を確立してほしいということ、その他ずらっと並んでいるわけでございます。これはたいへん切実な要望でありまして、私が地方へ行って聞きましても、教育委員会から学校の現場の先生、校長先生まで口々に言っておられることです。先ほども人口急増地の問題でやはり要望書が出されておる問題が社会党の山口先生からも出されておりましたけれども、決してこれは下部のある特定の民主勢力が押し上げてそういう要望書を出させたというだけでなくて、もう地方自治体そのものの悩みになっているという問題です。それは私が実際に行ってみてたいへん熱心に要望される口ぶりを伺いましても、たいへんな問題になっているということをひしひしと感ずるわけでございます。伊東あたりでは市議会あげての問題になっていますし、私の住んでいます静岡市でも、同じようにたいへんな問題になっております。それで、各地の市町村長だとか各地の教育長が、こういう熱心な要望をあげておられますことについて、どのようにお考えになりますか。今後この三年先行取得をはじめとする急増地対策について、どのような御決意があるかということを伺いたいと思います。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 一貫して児童生徒急増町村の問題をどう処理するかということでございますが、私どもといたしましては、今回法改正でお願いをいたしておりますように、補助率を二分の一から三分の二に引き上げる、あるいは用地の購入費を大幅に増額するというような措置を講じておるわけでございます。ほかに国有財産特別措置法の一部改正によりまして、国有地の貸し付け等につきましても特例的な扱いができるような施策が現在進められております。そうした各施策が、全体としてただいま御指摘の問題の解決に役立つということを期待しておるわけでございます。私ども本年度かなり前向きな措置を講じたつもりでございますので、かなり事態はよくなるというふうに期待をいたしております。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 それでは次に、三月十九日の読売新聞に神奈川県が学校団地をつくる計画があるというような記事を出しております。この計画とかこの記事について御存じでしょうか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 新聞の記事としては見ましたけれども、神奈川県の当局からは特にまだ説明は聞いておりません。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 これはやはり用地取得難の苦肉の策ということでやられているわけですけれども、幾つかの小中学校を一カ所にまとめて建てるということで、運動場などは共有にもするわけですね。そういう計画のように見受けられます。まだ正式に決定していないのかもしれませんけれども、こういう状態は望ましいのかどうか、私などはこれはたいへん問題だと思いますけれども、ちょっと御意見を伺いたいと思います。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 望ましいかと言われると、これは私も望ましいとは思いませんけれども、しかし横浜市の実情あるいは神奈川県の実情というものをじかに見てみますと、そういうくふうもあるいはやむを得ないのではないかという感を深くしております。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 一そう用地の取得その他に抜本的な対策を立てていくことこそが、子供の教育権を保障する問題を解決していくだろうというふうに思います。  それでは、私はこれで質問を終わりますけれども、私はきょうの質問を通しまして、やはり子供の教育というのは、施設におきましても環境におきましても、ほんとうに最上の状態で守っていくように、政府また国民の全部がやっていかなければならないと思うわけです。教育基本法の精神に沿って考えても、その立場こそが正しいと思いますし、児童憲章が、別にあれはただ美辞麗句を並べているということではないのであって、やはり子供の教育というのはそういう形で守られるべきであるということがきめられているわけであります。ですから、やはり最大の努力をして、最上の状態で施設設備も拡充できるようにしていくことこそが国の責任であって、そのためには国庫負担法の改正にしましても、もっともっと地方の実情をくみ入れまして、子供の教育権を守るという立場で充実させていくべきだと考えます。  では、私の質問はこれで終わります。

田中正巳自由民主党

○田中委員長 次に、高橋繁君。

高橋繁公明党

○高橋(繁)委員 きょうは、ある一つの問題だけに限らしていただいて、次回に質問を譲らしていただきます。先ほども質問がありましたが、今川の法案の中で、特に私は小中学校の統合問題について質問をいたしたいと思います。  この第三次における五カ年計画の進捗率及び昭和四十八年度計画並びに予算措置額というものを見ましても、かなりこの五カ年で統合が推進されているやに私は理解をするわけです。したがって、統合することによって過疎化というものが推進されてきたのじゃないかというように私はある程度理解いたしますが、大臣はどのように考えますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 御承知のように、人口の移動はかなり激しいものがございました。その結果、一学校の児童生徒数が非常に少なくなる、それでは充実した教員組織を持てない、教育の効果があがらないというようなことで、おっしゃっている過疎地においてむしろ統合が進んだ、こう思うわけでございます。統合が過疎化を誘発したのではなしに、過疎地になったものですから、自然、教育の効果をあげるためには学校統合をはかってきた、こういうことじゃないか、かように考えております。

高橋繁公明党

○高橋(繁)委員 それは考え方の持ち方によってそうもなると思うのです。しかしながら、ちょっと古い統計でありますが、四十一年の国民生活白書を見ますと、なぜ村を離れていくかということを見ますと、やはり大きな理由の三つ目に子供の教育のために離村をするのだということがあるわけです。そういう意味で、私はやはりこの統合という問題で過疎化が推進をされてきておるということは、いなめない事実であろうと思うのです。  そこで、さらに昭和四一八年度の中で、統合の問題の予算もつけられておる。さらにまた、先ほど第四次五カ年計画を四十八年ですか、九年ですかからやっていこうというその中で、一体統合計画はどのように具体的に計画をされておりますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 政府委員からあとで答弁してもらいますが、統合のために過疎になったのかならないのかという問題、同時にまた、教育のために移っていくこともあると思うのでございます。その場合、多くは小中学校じゃなしに、むしろ高等学校、全体の教育水準が上がっておりますので、高等学校以上の学校教育、そのために居住地を変えるということが多いのじゃないだろうかなという気がいたします。しかし、おっしゃっているようなことも絶無ではないだろうと思いますが、どちらかといいますと、原因はそれが先であろう、かように思います。そういうことをいま政府委員から申し上げます。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 四十八年度の統合関係の予算でございますが、金額といたしましては百二十三億円が計上されております。前年度が百十四億円でございますから、約八億二千四百万円の増、七%の増でございます。坪数は前年度が五十五万六千平米でございましたが、これが六十一万五千平米ということで約一〇%増加をいたしております。  なお、その第四次五カ年計画の内容といたしましては、学校統合の関係といたしまして三百五十六万平米の事業量を予定をいたしまして、これを、五カ年でこなしていきたいというふうに考えておりますが、この考え方といたしましては、最近の学校統合の実態からいたしまして、大体二百校程度の統合が行なわれるという前提で、これに必要な校舎、屋内運動場を整備する、こういう考え方で計画を立てております。

高橋繁公明党

○高橋(繁)委員 学校統合の問題については私は地方議会にもいましたので一応、全国的にはどうか知りませんが、大体一段落をしたというふうに考えるわけです。そこで、先ほども御意見がありましたように、田中総理の過疎過密を同時に解消するという点からいきまして、これ以上、統合ということを進めていくことはどうか。ただ、地方でなぜ統合を進めるかという最大の理由は財政的な理由からです。ほんとうに教育の効果を期待し、あるいは将来の子供の教育ということを考えて統合しているのじゃなくて、地方財政の緊迫、そうしたことからこの統合を進めていくというように私は理解をするわけですが、この辺の統合についての文部省の見解はどのように理解しておりますか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 学校統合についての文部省の基本的な考え方は、やはり教育水準、教育内容の向上ということでございます。小規模学校でございますと、教員の配置も非常に不十分、不完全でございますし、また施設設備の整備も十分ではないわけでございます。かつまた、経常費の支出の状況から申しましても、ある程度まとまった規模でやることのほうが効率もいいわけでございます。そうした観点から学校統合を進めておるわけでございますが、私どもはその経費の合理化という点に重点を置いて統合を進めるということは、これは避けなければならない。やはりあくまでも学校統合のねらい、趣旨というものは、ただいま申し上げましたように教育水準、内容の向上である、そういう観点から事柄を処理すべきであるというのが私どもの基本的な考え方でございます。

高橋繁公明党

○高橋(繁)委員 そういう基本的な考えが文部省にあるならば、この統合についてはほとんど市町村自体で決定してしまうんですよ。それについて、県教育委員会なりあるいは先ほどの学校施設のパンフレットにもありましたように、統合については最終的に文部大臣がこれを認めるということになっておるわけですが、そうした財政的な理由で統合するのが最大の理由であるにもかかわらず、そうした教育効果をねらった統合と相反するような統合がなされておるという場合について、一体文部省としてそういう面を指摘して統合を中止をさしたことがございますか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 統合中止ということでは直接にはございませんけれども、統合について補助金の申請がございました場合に補助金を出さなかった、そのために統合が行なわれなかったという事例はございます。

高橋繁公明党

○高橋(繁)委員 やはり最大の理由は、地方財政の過重負担から統合が推進されていることは、市町村へ行けば明らかにわかると私は思うのです。ところが、住民を説得するには教育効果をあげるのだというように説得をしているわけですが、それでは一体文部省がそうした過疎化と教育、こういう問題で、実際そうした実情といいますか、問題についてのデータなり、あるいはそうした問題について、ある程度の説得力のある資料というものをおつくりになったことがございますか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 特に過疎と関連してそうした資料をつくったということはございませんが、先ほど山口先生にもお答え申し上げましたとおり、教育効果をあげるということから、学校統合の場合にはおのずからその望ましい学級数、つまり標準的な学級数があり、それ以上こえる場合は、これまたマイナスの効果が出るわけでございますが、それをこえないように標準的な学級数でとどめてもらいたいということと、そのことに伴って通学距離が不当に長くなりまして、児童生徒の心身に悪影響を与えるようなことがあってはならない、そういったことを中心にして審査をし、指導をしておるということでございます。特に過疎化と関連をして特別な指導をした、あるいは基準をきめたということはございません。

高橋繁公明党

○高橋(繁)委員 適正な規模あるいは通学距離、六キロ以内ですか、ということでありますが、それ以上の遠距離児童生徒というものがかなりあるわけですね。この前資料をいただいたのですが、小学校で一万六千四十八名、それから中学校で二万八千六百二十三名のいわゆる適正な通学距離以外のところから通っている児童があるわけです。そういう児童に対して、二分の一ですか、ある程度の通学補助費を出しておるということからいって、その遠距離通学をしておる児童生徒が私鉄のバスを使ったり、あるいはスクールバスを使ったりしているわけですが、山村へ行きますと、かなり危険な場所を通学しておる。もしこのバスがたいへんな事故にあった場合、その子供に対する補償といいますか、そういうものについては一体どのようにお考えになっていますか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 実は私直接の所管ではございませんが、体育局の所管に学校安全会という特殊法人がございまして、ここでは児童生徒の通学途上における災害につきましても補償の対象にいたしております。御指摘のような場合は、そうした救済措置の対象になろうかと思います。

高橋繁公明党

○高橋(繁)委員 そうした遠距離通学児童を、補助を出してここで認めているわけですね。もちろん学校安全会で出しますが、それは微々たるものなんですよ。考えようによっては一村の子供たちが一ぺんにバスの事故で、極端な例を言えば、死亡することも考えられる。そういう危険が非常にこの統合問題によって起きておる。私はこの統合問題について財政問題もさることながら、やはり教育という問題に関する限り、義務教育であるこの小中学校の環境がどんなに劣悪であっても、財政が緊迫しておっても、子供の教育という問題について、特に義務教育については、ただ単にそうした簡単な理由で統合されるということは絶対に許されない、こう思うわけです。したがって、最近統合問題でずいぶん住民の反対があって統合されていないところがかなりできております。そう進んでいない、こういうふうに理解をいたします。したがって、そういう統廃合によって子供の教育に一体どのような点でプラスになり、あるいはマイナスになるか、そういう点を検討をされたことがございますか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 子供の教育に対するプラスということでございますと、たとえば小規模学校でございますと、音楽だとか、図工だとか、体育だとか、そういうものは専科の先生について教わることができないわけでございますが、標準規模以上の学校になりますと、それぞれ専門の先生からそうした教育が受けられる。それから実験、実習の設備にいたしましても、小規模学校ではなかなかその整備が行き届かないのが通常でございますが、ある程度規模がそろいますと、そうした諸設備も比較的よく整備されておる。あるいはチームによるいろいろな運動とか作業とかいたします場合にも、小人数ではできないことが、ある程度人数がまとまれば可能になるといったようなこともございます。また町村で、合併町村の場合には、もとの町村の住民の対立意識、といってはことばが適当ではないかもしれませんが、そういう意識が同じ学校に学ぶことによって徐々に解消され融和されていくというような点、いろいろな利点があろうかと思います。

高橋繁公明党

○高橋(繁)委員 利点は多少あると思うのですが、私はやはり先ほども申し上げたように何万の人が遠距離、いわゆる適正な通学距離以外のところから通っておる。そういう子供の生命の安全とか、あるいは単なるそうしただけの問題でなくて、義務教育という立場からこの統合問題についてはよほど真剣に考えていかなければならないのではないかと思います。だから地方で統合問題を反対することが起きてくるわけです。なかなか文部省のいうようには進んでいかないと思うし、それが日ごろ申し上げる過疎化の推進をしているという現実もあるわけで、今後の統合問題についてはよほどひとつ——市町村、県教育委員会、文部省と三つがそろってこの問題についてやるのだということを先ほど文部大臣も言っておったわけです。その意味でどうか慎重に進めてもらいたいと思います。  そこで、昭和四十八年度の公立文教施設整備費の中で僻地集会室の整備費が減額になっておる。なぜこれは減額になっているのか、お尋ねしたいと思います。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 僻地集会室の予算でございますが、これは寄宿舎の建築費等と一括の計上になっておりまして、昨年の十億九千七百万円が今年度九億七千二百万円というふうに減額になっておりますが、執行の現状から申しますと、実は申請が漸減をしてくる状況でございまして、それに合わせて予算額を減らしたということでございます。

高橋繁公明党

○高橋(繁)委員 それと合わせて、今度統廃合によるものも二分の一から三分の二になったわけですね。違いますか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 過疎は前から三分の二でございます。

高橋繁公明党

○高橋(繁)委員 三分の二ですね。ところが、今度小中学校の屋体については二分の一になったわけですね。しかし、そうした過疎地帯における地方財政というのはたいへんなんです。先ほどからいろいろ意見が出ておりますように、屋体も同じように三分の二に引き上げるべきだ、こう思うわけですが、どのような御意見をお持ちですか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 過疎地帯におきましてその三分の二の高率補助をいたしておりますのは、これは学校統合の場合でございますが、その場合はその校舎だけではなくて、屋内運動場につきましても三分の二の補助をいたしておるのでございます。

高橋繁公明党

○高橋(繁)委員 そうしますと、今回の四十八年度の面積におけるところの統合の量はわかりますが、学校数でどのくらいをお考えになっておりますか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 ただいま各府県と打ち合わせをしておるわけでございますが、具体的な申請が上がってきてみないとわからないわけでございます。

高橋繁公明党

○高橋(繁)委員 四十八年度について、先ほどから申し上げておりますように、統合の問題についてはある程度私は現段階において目標を達した、こういうように感じておるわけで、いろいろ住民の反対もありますし、単なる市町村まかせにしないで、この統合の実情についてよく調査をされて、どうかひとつ推進をするなり、あるいは住民が納得いく統廃合を進めていただきたい、このように思います。  あとは次の機会に譲りまして、きょうは統廃合の問題だけで終わりたいと思います。

田中正巳自由民主党

○田中委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後六時十三分散会

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