物価問題等に関する特別委員会大蔵委員会農林水産委員会商工委員会連合審査会 第1号
- 発言数
- 384 件
- 登壇者
- 35 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1973/04/23
会議録
○山中委員長 これより物価問題等に関する特別委員会、大蔵委員会、農林水産委員会、商工委員会連合審査会を開会いたします。 先例により、私が委員長の職務を行ないます。 内閣提出の生活関連物資の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律案及び松浦利尚君外三名提出の生活関連物資の買占め及び売惜しみに対する規制措置等に関する法律案の両案を一括して議題とし、審査を行ないます。
○山中委員長 両案の趣旨につきましては、お手元に配付の資料によって御承知願いたいと思います。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。塩崎潤君。
○塩崎委員 消費者物価は絶えず上昇するが卸売物価は安定という日本経済の特徴は、四十八年に至りまして一変したわけでございます。卸売物価が急上昇し、インフレ問題は絶えず国民の台所にまで忍び込んでたいへんな危機感をあおっておることは、御承知のとおりでございます。政府は、先般来公定歩合の引き上げ、預金準備率の引き上げなどの一連の金融施策から始まりまして、今回の買占め売惜しみに対する緊急措置法律案を出しまして、これに対処しようとしているわけでございますが、しかし、この事態はたいへんむずかしい、また予断を許さないと思うのでございます。世界各国の状況を見ましても、たとえばイギリスでは、去年の十二月からインフレーション対策緊急措置法を出しまして、賃金、物価を三カ月間凍結をねらっておるようでございますが、私は、これから日本の物価がどうなるかというのはたいへんなむずかしい局面だと思うわけでございます。 そこで、幸いに三十分の時間が与えられましたので、この法案を中心といたしまして三点ばかりの御質問を申し上げたいのでございます。 第一点は、当面の物価政策の目標をどこに置くかという問題でございます。それから第二点はこの法案の目玉商品と申しますか、急上昇する物価に対しまして水をかけようとする大きな武器でございます第四条、この第四条のあり方でございます。第三点は、私は原因はインフレーションだと思うのでございまするけれども、急激に増大いたしました企業利潤、これをどういうふうに考えていくのか、あるいは所得政策、このような問題をどういうふうに考えていくのか。この三つの点につきまして、企画庁長官並びに通産大臣に主として御質問を申し上げたいと思います。 第一は、当面の物価政策の目標あるいは目安をどこに置いていくのかという問題でございます。目標あるいは目安といってもいろいろございまするけれども、さしあたっては、政府は、この法律案を出すことによって、前年同月比消費者物価は九%、卸売物価は一一%も上がっておるこの物価水準を、どういうふうにしようというお考えであるか、これをまず伺いたいわけでございます。もうだれでも知っておりますとおり、昭和四十八年度の経済見通しは笑われるような数字で、消費者物価は五・五%、卸売物価は二%になっておりますが、企画庁長官、この関係をどういうふうに考えていくか、そうして、この法案によって物価の目標をどのあたりに持っていこうとされるのか、ひとつ、長官のほんとうのお気持ちを伺いたいと思うのでございます。
○小坂国務大臣 今日の物価の情勢が非常にたいへんな状況で、今後について十分警戒の要があるということはもう言われるとおりでございまして、私も実は真剣にこの問題に取り組んでおる次第でございます。 御質問の見通しでございますが、この見通しをどういうふうに考えるかという点は、これはおことばの中にもございましたように、この三月の時点をとってみますと、まさに卸売物価は一一%も上がっておる。消費者物価も九%も上がっておる。これはもう現実にそうであるわけでございますが、年度の見通しでございますので、まあひとつ大いに財政金融政策、それからいま御審議をいただいておりまするこの法律を有効に活用いたしまして、いまの異常な事態を押えまして、この目標値に近づける努力をするということが、いま一番大切なことではないかというふうに考えておりまして、さようなことで、全力を尽くしてみたいと考えております。年間の見通しでございますから、いわゆる一カ月の見通しはそのとおりでございまするが、この年の中ごろから後半にかけて物価をむしろ鎮静させるのみならず、現状より相当下げていくということを考えなければならないというふうに思っておる次第でございます。
○塩崎委員 私は、もう少し物価担当の長官として、ひとつ迫力を出していただきたいと思うのです。たとえば卸売物価の指数の動きを見てみますと、前年の十一月から一・五%くらい二カ月続けて上がり、その後二・五%くらい上昇して、たいへんな上昇を示したわけでございますから、長官、少なくともこの卸売物価を、異常な上昇を示した十一月以前の状態あるいは十二月以前の状態、それでも五%ぐらいなんです、これくらいのところに持っていくという迫力をお示しになっていただけないか。そしてそれを国民に示すことによって、国民をほんとうにひとつ安心をさせていただけないか、こういう御質問なんです。 一昨日の日本経済新聞を見ますと、トップに、四月上旬の卸売物価指数は〇・一%下がった、こんなような喜ぶべき朗報があるわけでありますが、私はこんなことから見て、長官のお気持ちの中、腹の中には一つの目標があると思うのですが、長官、それは出していただけませんか。
○小坂国務大臣 端的に申しまして、いま卸売物価は峠で、峠を下りつつあるというふうに思います。そしてこの状況を継続するためには、一つは、四十八年度予算が成立したわけでございますが、この実施を相当時期調整をやる。前半期は支出を大幅に繰り延べる必要があるというふうに思っております。いずれにいたしましても、今日のこのだぶつき、いわゆる過剰流動性をどうして回避するかということでありますが、金融的な引き締め政策はこれでようやく緒についたと思いまするが、財政の支出繰り延べ、これをやることによって、私は、いまの卸売物価の高騰はどんどん下降線をたどらせ得ると思います。ただ問題は、海外のインフレの影響でございまするが、これもさもなくばもっと上がるものが、円高の情勢でもって吸収されていくわけでございますから、問題のセメントとか鋼材とかそういうようなものは、公共事業の支出時期を延ばすということに相当かかることと思います。むしろ一般的な不況感をすら持つような情勢になるのではないか。そのときに、繰り延べておった財政支出を出していくというようなことによって、私はこの卸売物価の調整ができると思うのです。 問題は小売物価でございます。私が一番心配しておりますのは、卸売物価も含めて、ストであります。この三月のストの影響はセメントに相当大きく出たわけでございますが、この一般的なストがもし行なわれるということになりますと、これは相当に物価に影響するかもしれません。しかし、私どもとしては、何とかしてこのストを回避したいというふうに思っておるわけでございますが、その結果によって、私は、その点が平穏にいけば相当に変わってくると思いますし、小売物価の点は、やはり全体の情報不足からわりあいきておると思うのです。黙っておると、物価が倍にもなりますよ、洋服が倍になりますよという話が伝わりまして、非常に買い急ぎが行なわれた。ところが、実際わかってみると、従来のインフレ時代の問題と根本的に違うことは、供給はあるということですね。生産はできておるということです。その生産があるという状況を消費者が知らないで、買い急いでおるということでございますから、正確な情報を提供するということが非常に必要になってくるわけです。 四十八年度予算には、テレフォンサービスであるとかラジオ、テレビによる情報の提供であるとかいうようなことが出てきておりますから、私ども努力して、この消費者代表との間に懇談会をもう随時持っていくようにしたい。定期的に月一回ということはきめてあります。そのほかにもできるだけやってもらいたい。そういうことによって、一般の消費者の賢明な消費態度というものによって相当変わると思います。 いずれにしても、みんながこの状況ではだめなんだ、このままほっておいたら、ほんとうにスパイラルなインフレが起きるんだ、これはたいへんだという気持ちを持つことによって、私は、塩崎さんのおっしゃるようなそういう心配な状況を回避し得ると思うのです。しかし、それは政府だけではできません。幾ら私が迫力を持ってもできません。これは、やはり一般の国民大衆に、自分のこととして物価の問題は考えてもらうということにすることが必要であるというふうに思います。
○塩崎委員 長官はおそらく政治的な影響も考えられての御発言かもしれませんが、それでは、企画庁のエコノミストの小島生活局長は、現時点でいまの政策程度で進むならば、卸売物価並びに消費者物価はどの程度になるか、エコノミストとして推測がつかないかどうか、それをお尋ねしたいのです。去年の十二月あるいは十一月ごろ立てた経済見通しが五・五%あるいは二%ということだと思うのですが、そのような同じ方法論を使っていま立てれば、エコノミストとしてはどう見られますか。
○小島政府委員 私は、現在はエコノミストというよりはやはり生活局長でございますので、なかなかむずかしいわけでございますけれども、前に立てました卸売物価、消費者物価、特に消費者物価の目標数字というものは、まさに純粋の見通しではございませんで、やはり政策努力を加味して五・五%以上にはしないのだという宣言でございます。その意味では、作業いたしましたのが昨年の暮れでございますけれども、そのころの状況に比べて現在の状況が一そう悪くなっていることは事実でございまして、それだけに、政策努力というものが当時考えられていた以上により行なわれないと、五・五%がむずかしいということでございます。 したがって、先日、閣僚協で御決定いただきました柱が当面の政策の柱でございますけれども、さらに状況を見て、ああいう線では不十分だということになれば、第二弾を考えなければいけないというふうに考えているわけでございまして、純粋見通しの数字というものは、私どもは現在見通しとしては当時より悪くなっていることは認めますけれども、これを何とかして、政策努力を一そう強めて、目標の数字に達したいというふうに考えている次第でございます。
○塩崎委員 具体的な目標数字がつかめなくて残念でございますが、時間がありませんので、第二の法案の問題に移りたいと思います。 私は、長官が非常に力を入れております第四条の勧告及び公表の権限の留保、この問題について非常に心配がありますし、またこういった点が漏れておりはしないかという角度から御質問をしたいわけでございます。 長官、四条を見ていただきますと、確かに「買占め又は売惜しみにより当該特定物資を多量に保有していると認めるときは、」と書いてある。このときに、内閣総理大臣及び主務大臣は、当該物資の一部を売渡勧告をすることができるのだ、勧告に従わなかったら、その旨公表するのだという社会的な制裁まで用意しているのでございますが、私は、この規定がから振りに終わりはしないか、むしろ弱い者いじめになりはしないか、こういうことを心配するわけでございます。ほんとうにねらって書くならば、こんな条文じゃなくて、もう少し別な形にしなければ、いま心配されているところの物価上昇の問題は是正されないのではないか、こういう気がするわけであります。 先般、六商社の社長に来ていただきましたが、いずれも社長方が異口同音に言われますことは、商社の機能は水ぎわから水ぎわまででございます、ということでございました。したがって、商社の買占め、売惜しみによる特定物資の多量保有ということはないと言われておる。あるかもしれませんが、そういうふうなことである。確かにそれが大きな機能でございますれば、この適用対象は、さて羊毛がなくなるからとあわてて買った機屋さんのような中小企業が、この法律の適用を受けるかもしれない。なくなるから買えと言われて、ほんとうに小規模の事業者があわてて買って将来に備えておって、あるいは今度のこの措置で暴落した、暴落に苦しむのは中小企業になりはしないだろうか、こんなふうな気がするのでありますが、長官、この点をどう思いますか。
○小坂国務大臣 四条の中に「多量に保有している」という字がございますが、この多量というのは、一般の消費生活に大きな影響を及ぼすような量という意味で、いまお話しのような中小企業等は除かれるという意味でございます。そういう意味で、この多量というのが生きてくるように考えているわけでございまして、四条も重要でございますが、私は、四条と五条をひとつぜひごらん願いたい。五条は立入検査ができる、こういうことでございまして、これは、従来の行政指導の及ばなかった点をここで担保するわけでございますが、その点もひとつぜひお考え願いたいと思っておるわけでございます。 われわれはもうあくまで弱い者いじめなどをする考えは毛頭ございませんで、現に多量の買占め、売惜しみがあればこそ、こういう事態があるのだというふうに認識しておるのでございまして、また、そういう行為がよくないという前提に立って、これに対する社会的な制裁ということを放出勧告ということでもっていっておるわけでございますから、これは、この法律を通していただきまして、非常に機動的に、しかも迅速に行政庁が動く、また行政の首脳部が決断してその手足を動かすことによって、私は十分目的が達し得ると思うのでございます。 法律というのは、あまりこまかく書いていい場合と悪い場合が、まあ塩崎さんは専門家だから釈迦に説法になるかもしれませんが、何か法律に非常に厳格に定義づけたために、かえって全体が動きにくくなるという場面も考えられまして、私どもは、むしろ放出命令というようなことにしますと、それに対する行政訴訟を当然考えなければなりませんし、行政訴訟を受けても十分対抗できるということになると、非常に調査が綿密でなければならぬということになるので、かえって法律が動きにくくなるのじゃないか、かように思っておるのでございます。
○塩崎委員 私も、アメリカの影響を受けて、最近、日本の法律は法律をこまかく書き過ぎておると思うのです。したがって、この規定では、皆さま方が想像されているような事態に対処できないのじゃないかという点を御質問しておるわけでございます。つまり、当該物資を多量に保有しているのでなければ勧告ができないということなんですね。しかし、商社の商売のやり方から見ておりますと、これだけでは足りないような気がするのです。 たとえば三月十六日の日経新聞は、こんなことをいっております。これもすべての方々がたいへん心配された事柄でございます。日本商社のアメリカ産原木の買いあさりが米国内の値段を急激につり上げたとして、日本向け輸出を禁止する法案が議会に提案されるなど、大きな問題になっている。実情調査に訪日した米ワイヤット下院議員は、日本側に自主規制しようという空気が全くなかったことに失望した。こうなった以上、アメリカが法律で日本向け輸出を強制的に減らす以外はない。近く国会議員独自の禁止法案を提案する方針を明らかにした。こんなことをいっておるわけでございます。 先ほど長官は、日本の最近の物価には国際価格の影響がある。確かに輸入物価指数を見ますと、卸売物価よりも大きく上昇いたしまして、一三%の上昇を三月に示しておるわけでございます。しかし、この日本経済新聞が伝えておりますように、国際価格だからといって日本に責任がないわけではないのです。日本商社が、これは買占め、売惜しみという、あるいは暴利をむさぼろうという意識があると私は言うのじゃないが、これまでの過当競争の結果、あるいはまた想像もつかない大きくなった経済力、これで外国で買い進んだ、買いあさった。そして水ぎわから水ぎわへ持ってきて、自分たちのところに在庫になっていなくても、値段が上がって、そして早く買わなければたいへんだと言われた中小企業の連中は買い込んでおるのです。この四条では、そういった商社の買い進み、買いあさり、ことに外国においてこのような問題を起こしておりますところの買い進み規制と申しますか、買いあさり規制ということは、どうして考えられなかったのか。私は、この四条では十分対処できないと思いますが、いかがですか。
○小坂国務大臣 私は、四条と五条をパラで読んでいただきたいというふうに申し上げておるのです。まあ商社などが買い付けまして——これを買い付けて損するのなら買い付けないだろうと思いますが、買い付けた値段より高く売れると思うから高いものを買うのだと思うのであります。そこで水ぎわまで持ってきて、今度は卸だか問屋だかに卸すわけでございましょうから、そこに大量のものが滞貨されているかどうかということは、行政府の決断によってそこへ立ち入って調査ができるわけです。調査して、これは不当だと思えば、どこそこにこういうことがあって、放出の勧告をしましたよ、こういうことがわかってくるわけでございます。これは、聞かなかったら罰則まで用意しておりますということで、なかなかよう考えておるつもりなんでありまするが、商社が手持ちするということは、これはおそらくできないでしょう。商社は倉庫を持っているわけじゃないのでありますから、倉庫業者に入ってくる。倉庫業者は、これはどこか卸に、問屋筋へ持っていくつもりで持っておるわけでございますから、その段階で調査ができるわけです。従来、通産省、農林省がいろいろやっていただいておりますが、どうも書類による報告をとりまして、これが一体合っているかどうかということも、なかなか検査し得ないわけです。ですから、今度は直接立入ができる。立入検査というのは、私は今度の非常な新しい強力なこうしたものに対する対処策である、こう考えておる次第でございまして、四条も御意見がございましょうが、四条、五条と対にして、一固めにして御理解を願いたいと思っておる次第でございます。
○塩崎委員 私も質問する立場にあるものですから、四条、五条、十分読んでおります。しかし五条を見ても、「内閣総理大臣及び主務大臣は、前条の規定の施行に必要な限度において」と書いてあるのです。その限度という意味は、「多量に保有していると認めるとき」なんです。おそらく私は、皆さん方の頭には、局長の方々の頭には、外国でこのような影響を及ぼしておるものについての規制、これまで考えておられなかったと思うのですね。そして日本に到着して、何か大量に保有しておるから、そこだけ規制すれば、卸売り物価の上昇はチェックできるというふうなお考えでこの法律構成をされた。もちろん、私は一つの考え方は、人権擁護、国民の伸び伸びした経済活動を押えちゃいかぬという意味において、これにしぼったというふうに善意に解したいのでございますが、しかし、いま外国から見て、たいへんこれは影響を及ぼしておる、原木の輸出規制までやろうとしておるような日本の商社攻勢でございます。私は、悪意があるとかそういう意味じゃありませんで、当然そういうふうになってくるような経済体制であった。これまではそれで当然であった。日本の政策もそれが当然だったと思うのですが、四条、五条では法律論としてそのような規制はできないではないか、できないように読めるがどうかということを伺っておるのです。
○小島政府委員 確かにオーストラリアの羊毛とかアメリカ、カナダにおける木材等について、日本の商社が非常な過当競争をして、現地の値段をつけ上げたということはあると思います。しかし、やはり基本的には、私は羊毛の価格が上がりましたのは、向こう側の頭数が減ったとか、先行きの見通しが相変わらず暗いとかという基本的な事情がありまして、それに基づいて、日本の商社がわっと出て、値を上げたということはありますけれども、あくまでもこれは付加的な要因であったと思います。いま聞くところによりますと、むしろ日本の商社が非常に早く買ってしまったものですから、その他の外国のほうがあとから追っかけていって、大騒ぎして買おうとしているというような話もあるわけでございまして、私は、日本の物価という観点からだけ見ますと、海外の価格を多少つり上げたマイナスはありましても、日本にそれだけの物資を早く入れたという面で、日本の物価の面ではやはりプラスになっているというふうに思います。ただ、おっしゃるように、海外において逆の意味の非常にいろいろなマイナス、つまり外国の値段をつり上げることによって非常に日本の評判を落とすとか、こういう面があることも事実でありまして、これはやはり別途、むしろ国際協調の観点から、日本の商社の対外活動はどうあるべきかということを考え、必要あれば規制していくということが必要であると思いますので、これはやはり別途の政策体系に属するのではないかというふうに思います。
○塩崎委員 国民生活局長、商社の社長みたいなことをおっしゃるのですが、いつ商社の社長になられたのですか。いま外国がこれだけ心配しておる問題、これはだんだんに日本に大きな影響を及ぼしてくる、これはほんとうに真剣に考えてもらわなければならぬのです。 いま豪州の例を申されましたが、わずか一キロ百四十セントの羊毛が五百九十五セントまで上がったじゃありませんか。豪州の羊毛は日本が半分買っておった。だんだんこの影響が世界にまき散らされたら、日本の経済に対しては、たいへんな反抗、悪い影響が出てくると思うのです。しかしこのような問題は、この法律全体でもそうなんですけれども、何も法律をつくらなくても、たとえばいまのような情報をつかむ。企画庁が——企画庁かどうか私はわかりませんが、通産省、農林省、企画庁、経済担当官庁が外国の情報もつかみ、ほんとうにシカを追って山を見ない商社に警告する、こういうことがあっていいんだと私は思うのです。それは勧告であり、その勧告を聞かなければ、その旨を公表して世の中に信を問うことも私はいいんじゃないかと思うのですが、このような問題を長官どういうふうに考えられますか。アメリカが原木の輸出を規制しようというのです。豪州の羊毛も規制されるかもしれません。ひとつこの点について長官の政治的な御判断を伺いたい。
○小坂国務大臣 非常にむずかしい問題だと思いますけれども、私は、日本の国内の体制の問題が大きいと思います。ということは、非常な景気を出してきたのは、やはり日本国内の体制の問題である。非常に住宅が必要なことは、そのとおりでありますが、それによって木材が非常に需要せられるであろう、非常な羊毛の需要があるであろう、これは、みんなわれわれ日本がつくり出している問題であります。そこで大量の羊毛が消費されるであろう、大量の木材が要るであろうということで、いつかここへ商社の代表が呼ばれて、需要があるというから買ったのだという言いぐさをしたというふうに伝えられておりますが、そういうことができてくるのでございますね。ですから私は、商社のビヘービアを規制することももちろん必要でありますが、日本として一体どの程度に経済というものを持っていったら一ぺんに消費物資が需要されるということが——生産と消費のバランスがモデレートになるには、一体どのくらいの経済規模がいいのだということを、やはり経済企画庁はもっとやらなければいけないと思っているのです。統計もまた非常に不備でございますし、何といっても権限もない。今度、物価局をつくっていただくようにお願いもしているわけですけれども、どうもその辺が——昨年公定歩合を引き下げた、そこへ補正予算も大きく出した。そらうんと要るぞということで、木材もほかのものもどんどん買いあさった。これは商社がそういうことに踊るのもよくないと思いますけれども、国内の体制が非常なふくらみを見せたというところにも問題があるということを、私自身反省しているわけなんでございます。そこら辺をあわせてお考えいただけないでしょうか。 それから一つは、商社の活動も、これはこういうことだと思うのです。いままで海外貿易商社でやっておった。ところが黒字幅が大きくなったことで、だいぶ海外貿易というのは規制されてきた。そこで今度は内向きになってきたわけでございますね。内でもっていろいろ仕事をしてみて、国内でうんとたたかれたわけです。従来外国ですから、エコノミックアニマルとかなんとかたたかれても、そのことが直接商社の本社のほうへ響いてこなかった。今度国内でこれだけ批判の前にさらされて、もう心髄こりたと私は思いますね。この貴重な誤りを通じて賢くなるという体験を商社が持ってもらうことによって、私は、海外の活動というものもおのずからなる規範ができてくるというふうに考えているわけでございます。
○塩崎委員 時間がございませんので、いまの四条の問題は、今後の検討問題として、大量買い付けによって国際価格の高騰を現地においてもたらすような場合には、何らかの情報でも提供して、節度ある行動ができるようなことを企画庁長官が考えていただきたいと思うのでございます。 第三点、時間がございませんので最後の質問でございますが、第三の質問は、最近の非常なブーム、しかも、ブームということを越えてのいろいろのいやらしい宣伝等によりますとごろの、異常な企業利潤の増大をどういうふうに考えるかという問題でございます。そして、この企業利潤がいかに処分されるべきか、配分されるべきかという問題でございます。これは、通産大臣が鉄鋼の配当について言っておられることで、あとでまた通産大臣にお聞きいたしますが、まず、企画庁長官にお伺いしたいわけでございますが、おそらくノーと言われるに違いない。私は、各国とも所得政策は成功しなかったと思うのですが、日本に所得政策をやられる意思があるかどうか、私はだんだんと物価問題は深刻になってくると思いますが、どのようなお考えであるか、まず企画庁長官の御意見を承りたい。
○小坂国務大臣 これはおのずと西欧とわが国とは、国民の体験も違いますし、考え方も違うのでございますが、御承知のように、アメリカは八月十五日に所得政策に踏み切ったわけでございますね。これが第一段階、第二段階、いま第三段階ということで、賃金のほうを五・五%、物価を二・二三%に押える強行策をとってみたんですが、第三段階に入って、もうこれはいかぬということになって、いま御承知のように、アメリカは非常に消費者物価が上がっているわけですね。イギリスでも同様なインカムズポリシーをとったわけですが、こういう非常な苦労をしておりますわけで、わが国は従来、二けたの経済成長を見ており、生産性も二けた上がっておる、したがって賃金も二けた上がるということで、全体がバランスしてきておるわけですから、いまのところは、私は、その所得政策というものは、欧米でも成功しておらぬのでございますから、わが国において、いわんやこれをとる考えはないというふうに否定的に申し上げておきたいと思うのです。 ただ、いまの状況は、いままで生産性が上がっておったのでございますけれども、こういう一つのあらしのような物価のいやらしい異常な状態を経験しまして、この生産性の向上の体制がどのくらいまで続くか、やはり一つの転機に来ているように思うのです。やはりそういう、確かに働かないで、いわゆるキャピタルゲインというものがふえている時代ですけれども、今度はそういうことは不当なんだということを政府は政策でもって現実に示して、そして勤労意欲というものを一番大切なものに考えて、生産性の上がる体制というものをいつまでも持ち続けるようにしなければならぬというふうに思っているわけでございます。 御質問にそのままお答えすれば、所得政策をいま考えておらないということでございます。
○塩崎委員 私も所得政策はひとつ慎重に御検討願いたいと思うのですが、しかし、最近の状況は、特に企業利潤の面においていろいろと考えさせられる面があると思うのでございます。買いだめしたのは商社だけではありません。消費者も買いだめをいましつつあるといわれております。それも、踊らされて買いだめをしておるというふうにいわれておりますし、買いものはいまのうちだというようなことで、百貨店あたりは宣伝をしておるという。したがって、百貨店の売り上げの増加は、いつもなら一四、五%の増があれば普通なんですけれども、もうたいへんな売り上げの伸びを示しております。 三月の東京都の百貨店の速報値を見ますと、一月は二三%、二月が二四・四%、三月は二八・八%なんです。企画庁長官、これをどういうふうに考えたらいいんでしょうか。したがって、二月決算の百貨店の利益の増加を見ると、これはおそらくたいへん堅実な、保守的な、利潤を少な目に出しておる、私は控え目の数字だと思うのでございますが、倍の利益をあげたところがありますし、大きな百貨店では六五%、四六%、四三%、このような利益の増大なんです。百貨店あるいはスーパーだけではありません。中曽根大臣、もう御承知のように、鉄鋼会社は前期百億の利益が今期五百億になる。この利潤の性格をどう考えるかという御意見をひとつ承って、その処分について私はいろいろと考えていただきたいと思うのです。生産性向上による利潤なら正当化される、ジャスティファイされると思うのです。あるいは、イノベーションによる利潤は、もちろん私的な資本主義経営のもとですから、正当化される大きな拡張の源泉でございますが、最近のこの三月期のように、インフレあるいは買いだめ奨励というような形あるいは生産制限がまだ残りながらのブーム、利潤、このような場合に、企業利潤をどういうふうに評価していったらいいのか。私は、これはもうたいへんな問題だろうと思うのでございます。消費者がたいへん苦しんでおるといったときに、株主の配当率が引き上げられて、株主だけが喜ぶというような事態は、中曽根通産大臣が何か勧告されておるとかなんとか新聞に出ておりますが、まだ国会では伺っておりません。鉄鋼会社の五円の配当を四円にするのだというようなことも聞いております。いまは三円なんです。このような企業利潤をどういうふうに考えるか。消費者物価あるいは卸売り物価の安定のために、この企業利潤をうまく使えないかどうか、あるいはうまく使う方向に今後の政策で誘導できるかできないか、まず企画庁長官にお尋ねいたしたいと思います。
○小坂国務大臣 まさに異常な経済繁栄で、いまの御指摘のようなことで、新規求人倍率というのも一・六七でございまして、こういう統計始まって以来の数字を示しておるわけであります。結局、資金が非常にあるということで買いが進むわけでございますが、これを財政金融のほうから締めていこうというのでございます。そこで、非常な利益が出るわけですから、税金もうんと入ると思います。この自然増収は非常なものになっていいはずでございます。これは大蔵大臣の領分で、あくまでも私の私見でございますが、この大きな税収を従来のようなまた補正予算というような形に使わないで、当然国債の償還なり、もう一つはやはり物価の安定のための基金としてこれを消費者に還元する、これは直接還元するということばかりではもちろんございませんで、もっと流通機構というものを完備して、そうして正常な競争が行なわれるようにする、それから、変な、デマな宣伝、購買意欲をそそるような宣伝が行なわれないような体制をとる、あるいはもう一つ、流通の、物資のフローの状況というのは、統計に全くいまは出てない。東京都で一体どのくらいの青果物が消費されるか、それもわからないでやっているわけですから、東京都へ青果物が地方から入ってきて、今度は、転送といって地方へまた青果物が出ていくわけですから、そういうようなむだな状況というものを、この際増収で全部新しく整理し直すということを考える必要がある。日本がこういう妙な状態になったことは不幸でございますが、これを、ほんとうの意味の列島改造をする、ほんとうに日本の生産、流通、消費というものを近代化する面に金を使っていく、国民にこれを還元していくということをどうしてもせなければならぬと思いますが、これは大蔵大臣と御相談した内閣の方針ではございませんで、あくまで私個人の考えでございます。
○塩崎委員 通産大臣が鉄鋼会社の配当率を三円から四円ぐらいならよかろう、五円ではいかぬと言われたその御心境を承りたいと思います。
○中曽根国務大臣 われわれは、自由経済のシステムをとっておる考え方でございますから、企業が自分の危険負担で一生懸命働いて利益をあげた場合に、これを相当数税金で国家に納め、また株主に配当し、また企業の内部を充実さして、いろいろな積み立て金を積み立てる、公害等に備える、あるいは不況等に備える、あるいは賃金アップに回して従業員を喜ばしてあげる、そういう非常な弾力性のある自由を持った企業の運営というものが私は望ましいと思って、それを拘束するという意図はありません。しかし、鉄綱のような場合は、実はカルテルがかかっていたわけです。それで、十二月まで三カ月間、行政介入によってカルテルという形によって、鉄鋼の価格の下落を防いでおった。上昇というよりも、その下落を防ぐという不況カルテルでございますから、そういう意味があったわけです。そして、その後、景気が急速に回復して相当な増収になった。今度の増収はカルテルの力もさることながら、その後の景気回復による増収、販売量がふえた、それから生産量がふえた、それによるところが非常に多い。多いけれども、われわれは鉄綱価格が暴騰することは好ましくない。いまの現状を見ればわかり切ったことです。そういう意味で、価格の引き下げ、物価政策に協力してくれということは強力に鉄鋼業界にも申し入れいたしまして、そのためにフル操業して、大体二千八百万トンぐらいいま四半期にやってもらっている。今回さらに三十万トン増産してもらって、その分は一般市中の中小土建に回してもらって、セメントが上がっておりますから、そのセメントの分だけでも、せめて鉄鋼でカバーして引き下げてもらうように行政指導をやって、そのとおりいま実行してもらっております。ですから、棒鋼とか小棒という、主として市中の土建屋さんがほしいものは四万円で、かつて六万円、七万円まで暴騰したときから見れば、かなりそういう点では協力してもらっているわけであります。だから、鉄鋼のマヌーバーが悪いということではないのです。しかし、いま御指摘のように、三倍、五倍と利益が上がって、そしてその中にはカルテルが三カ月かかっていたという行政介入の事実も考えてもらって、この際、鉄鋼会社の社長さんとしてはひとつよく考えて利益金処分をやってもらいたい。 鉄鋼のようなものは、一般的に申し上げると、産業の米のようなものです。これが上がれば全産業に響いてきますし、これが暴落すれば、また全産業の従業員に、鉄鋼関係では響くこともございます。だから、わりあいに安定していて、あまり暴騰、暴落がないというのが、産業の米である鉄鋼等については好ましい形であります。だといって、政治権力で介入して、生産性とかあるいは企業の自由とか創意くふうとか、公正競争というようなものがそこなわれずにうまくいくかというと、この点もまた疑問な点もあります。 それで、六〇年代においては、過剰設備が非常に問題になって、鉄鋼会社の社長さんがシェアの問題でずいぶん論争したりしておりました。そのころ通産省も非常に心配して、鉄鋼業法みたいな単独立法の考え方もなくはなかったわけです。しかし、そういう過剰施設をかかえておっても、苦しい企業が必死の努力をして資金を手当てし、あるいは公害政策も進めて、ともかく現在のこれだけの大きな鉄鋼需要に備えるだけのキャパシティーを持った、これはやはり評価すべきものでございましょう。だから、長い目で見てみると、自由競争、公正競争、創造力というようなものは、非常に大事なバイタリティーであって、これがスポイルされるということは避けなければならない。短期的に見ると障害が起きることがありますけれども、長期的に見ると、そのために日本の鉄鋼業というものが世界的に伸びていった大きな導因もなしているわけです。 私は、そういう長期的観点で日本の業界全体を見る必要があるので、苦しいときだけを考えてもいかぬし、価格が上がったときだけを一時的に考えてもいかぬと思っております。 しかし、先般は和田議員から御質問がございましたし、その前に受田議員からも御質問がございまして、国会で御答弁申し上げました。それは、いまのような実情を述べて、こういう時代であるから、鉄鋼は不況のときに全部海綿の水をしぼり出すようにしぼり出して、それを利益配当とか、あるいは従業員の賃金に充ててだいぶやせているはずだ、だからこの際、海綿の水を吸収して、不況に備えるとか公害に備えるとか積み立て金を充実させておくとか、そういうことをまず考えてもらって、それから価格引き下げに協力してもらう、そしてカルテルがあったという事実を考えて、近ごろは経団連でも企業体でも社会的責任ということを非常に言っておるのであるから、実践してもらったらどうかという意味で、そういう要請を一般的に各社別に、この間、重工業局長をして行なわせました。その結果、各社の社長さんは社別に、わかりました、当社の株主とも相談をして協力したいと思います、そういう返事がありまして、具体的に結果かどう出るかということは、会社が自由な立場でやっていただくことですから、それ以上私たちはやりませんけれども、社会的にこたえるようないい結果が出ることを私は期待しております。 しかし、鉄鋼業法というような法律は、前に通産省に思想がありましたけれども、いまのような長期的観点から見るとまずいのです。将来を考えてみると——メーカーから蔵出しする値段はわりあい低いのですね。ところが、それが中間段階で、問屋とか商社とか小売店に来る間に抱かれたりして値がかなり上がってくるということがあるわけです。その点を押えないと、鉄の暴騰を押えられない。それをやるためには法律を必要とするかもしれぬが、現在は行政指導でやっているわけです。しかし、これはメーカーがやると再販指示になって、公取法違反になります。そこで、そういう部面を何とか考える余地はないかという意味において、その立法はどうかということを考え、また議員から質問がありましたから、研究に値するということを申し上げた。やると言っているのじゃない、考えてみますという意味で申し上げておるので、問題点として受け取って検討していきたい、こう考えておるわけでございます。
○塩崎委員 もう時間がございませんので、これで質問を終わりたいと思いますが、お願いだけ一つ申し上げたいのです。 企画庁長官のおっしゃられましたように、自然増収が、見積もりの誤差と申しますか見積もり違いで、もうたいへんなものだと思うのです。大蔵省の見積もりは、法人利益は三月期は一割しかふえない、九月期決算は二割ぐらいしかふえないといっておりますから、相当の自然増収が生ずるに違いない。しかし、その自然増収は不幸な事態であると思う。私は自然増収がないほうがいいと思うのですが、この自然増収は、いまおっしゃられましたように、全部価格引き下げのために使う。同時に、通産大臣にお願いしたいのですけれども、私は、いまのような配当という利益の処分のしかたは、世の中の人が納得できるような、節度ある行動が経済界の中に自然に出てくるような、何か通産大臣の政治力を背景とした行政指導というのですか、そういったものがなければたいへんなことになりはしないかと思うのです。鉄鋼業法みたいなものは、私は決していまの世の中でいいとは思いませんが、しかし節度ある行動を要請するにはどうしたらいいのか。たいへんな非難を受けるような要素のある今回の三月期決算だと思いますので、これをひとつ考えていただきたいと思うのです。 私どもは、自由民主党の今後の政策として、この企業利潤をどういうふうに落としたらいいのか、たとえば、いま配当すれば、法人擬制説というような関係で法人税が安い、こういった税制はひとつ根本的に考え直す、あるいはまた金融政策の問題としても、この利潤のうち配当に回す分があるなら借金を返す、その借金は日銀に返るような指導、こんなことで、いま最も国民が危機感を感じておりますところの物価政策をうまくリードしていただきたい。この点をお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。
○山中委員長 次に、板川正吾君。
○板川委員 買占め売惜しみ法案に対して若干の質疑をいたしたいと思います。 まず、企画庁長官に伺いますが、この物価の異常な上昇の根本的な原因は一体どこにあったのか、お考えを示していただきたいと思います。
○小坂国務大臣 他の機会でも申し上げておりますように、根本原因は過剰流動性でございます。これがあばれ回っておる、表現は適当かどうかわかりませんが。これを押え込むことができればよろしいと思うのでございますが、そこにもう一つ、海外の物価高、この影響も無視できませんで、本来ならば円高を反映して相当デフレ効果が働くわけでございますが、これが働かない。もう一つは一種の心理、やはり買い心理のようなものがありまして、買い急ぎが全国民的な規模である。これを何とか鎮静しなければならぬ。これは、しかしおかげさまでたいへんよくなってきたと思います。過剰流動性のほうも財政金融でこれから相当効果をあげられると思いますけれども、根本原因は何かとおっしゃれば、その三点をあげたいと思います。
○板川委員 物価の異常な上昇の根本的な原因は、指摘されたとおり、過剰流動性に対する政府の対策が全くうらはらであった。昨年は輸入が二百億ドル、輸出が二百九十億ドルという通関実績でありますが、いわば九十億ドルという膨大な過剰流動性が発生しておる。にもかかわらず、大型予算を組み、さらに公定歩合を下げ、そしてインフレ政策をとった。こういう政府の政策の間違いというのが、私は第一にあげられなくちゃならないと思います。第二は、貿易の圧倒的な比率を占めておる総合商社、すなわち、輸入の六〇%以上、輸出の五〇%以上を占めている総合商社を中心とする企業集団の利潤追求第一の考え方、企業活動、これが今日の異常な物価高の原因であろうと私は思います。 こういう観点から、以下質問いたしたいと思いますが、まず、政府案の買占め売惜しみ法案の目的はどこにありますか。
○小坂国務大臣 従来、行政指導である程度効果をあげてまいりましたのでありますが、どうもそれで十分でない面がある。それをひとつこの法律で補完しようということでございます。
○板川委員 この政府案の目的は「国民生活の安定に資する」これにあるんじゃないですか。買占めとか売惜しみに対する対策というのは、いわば手段であって、目的は、国民生活を安定するところに目的がある、こう理解しなければならないと思います。国民生活の安定をはかるというのであれば、なぜこの物資の指定にあって、土地が指定の列外に置かれるのですか。土地をなぜこの指定の対象としないのか、その点伺っておきたいと思います。
○小坂国務大臣 土地の問題は、若干、一般の生活物資と性格が違っておる点がございまして、土地の問題が重要であることはもうおっしゃるとおりでございまして、これは何とかせなければならぬのですが、その性格の相違にかんがみまして、ただいま別途国会に御審議をいただいておりまする新しい国土総合開発法、その中においての土地の規制、それから土地利用計画、これも法案の中に入っておりますが、そういう点で処理いたしたい、こう考えておるわけでございます。両々相まってという考えでございます。
○板川委員 土地の買占めが全国土の一%に及ぶ、平地面積に比較すれば五%に達する、こういうように膨大な土地の買占めが行なわれておる。しかも土地の価格は戦前に比較いたして七千倍にも上がっておる。一般消費者物価は六百倍程度でありますが、土地は七千倍近く上昇しておる。しかも買占め、売惜しみというならば、土地という対象が一番実ははっきり証拠をつかみやすいわけです。しかも、一般勤労者階級からいうならば、この土地という買いものは一生に一度なんです。一生に一度であります。退職金の大半をかけて購入するというものであって、その経済的な影響というのは非常に大きい。取り締まりしやすい土地をこの対象から除いたというのは、私はどうも理解ができないのであります。その点で、この土地を対象から除外したことは、われわれとしてはどうも納得ができない。 それともう一つは、政府案には、買占め及び売惜しみということが悪とみなしてない。これは、生活に関連性の高い物資を買占めをし売惜しみをして巨利を博そうというのを、なぜ社会悪として規定しないのか、伺っておきたいと思います。 この野党案では、第二条で「(買占め及び売惜しみの禁止)」ということで、買占め及び売惜しみは悪であるという考え方に立っておる。政府案にはそれの規定がない。これは、売惜しみ買占めに対して、どうも政府の態度自体がはなはだなまぬるい、こういう感じがいたしますが、大臣の見解はいかかですか。
○小坂国務大臣 土地の問題については、いま申し上げ落としたのでございますが、土地税制というものでこれを吐き出させるような措置を考えておるわけでございます。 それから、いまの野党案における第二条の不当な利益を得てはならないという点でございますが、これはもう当然のことといたしまして考えておりまして、それであればこそ、この法案が必要とされるという前提と考えておるわけでございます。なお、法律的に申しますと——私は法律屋じゃないものですから何でございますが、法律的に考えますと、不当な利益を得てはならないということがございまして、そんなに不当な利益を得た場合にはどういう処罰があるということが続かなければならぬそうでありますが、野党案には、それはその点限りであって、全体との斉合性がないということを、私どものほうの法律専門家は言っておるわけでございます。
○板川委員 政府案と野党案の根本的な違いは、買占め、売惜しみに対して、これを悪であるという考え方に立ってないか立っているかの差が、第一の大きな差だと思います。大臣は何か税制をもって、土地の膨大な買占めが行なわれ、非常に土地の価格か上がっていることに対して——先ほど言いましたように、消費者物価は戦前比六百倍内外です。それから、土地の価格は七千倍近い、六千倍をこえております。だから税制で、しからば、土地の価格を消費者物価並みに引き下げることは可能なんですか。それはできない相談じゃないでしょうか。税制や国土総合開発計画などというのは、過去の実績をそのまま認めていこうという前提に立っているんじゃないですか。その点についての見解はいかがですか。
○小島政府委員 土地の価格と普通め商品の価格は、たとえば戦前に対する倍率を考えます場合に、やや性格的に違う面がございます。これは、一般の消費者物価といいますのは、品質の上昇ということをなるべく捨象して、これは非常にむずかしい問題でございますけれども、できる限り排除して、同質なものについてどのくらい価格が上がっているかというような、CPIでございますけれども、土地の価格になりますと、やはり各種の交通手段等が完備されて効用が高まりますと、これはそのままその土地の価格に反映されるわけでございまして、したがいまして、ある程度一般物価よりも高くなるのは当然だと思います。ただ、おっしゃるように、現在土地価格が、その点を考慮しても暴騰し過ぎていることは私も同感でございます。大臣がおっしゃられましたのは、戦前の同じような倍率に直すために税制を使うということではございませんが、やはり現在、譲渡取得税の問題とか保有税の問題とか、従来に比べますとかなり抜本的な税制の強化が行なわれて、これによって今後その面が是正されるという趣旨であると思います。
○板川委員 第二条関係で伺いますが、第二条で「生活関連物資の価格が異常に上昇し又は上昇するおそれがある場合において、当該生活関連物資の買占め又は売惜しみが行なわれ又は行なわれるおそれがあるときは、」政令で指定する、こう規定しておりますが、異常に上昇し、買占めが行なわれる場合に政令で指定するというのですが、この指定の基準というのを明らかにしてもらいたいと思います。どういう場合に異常に上昇したと認めるのか、指定する場合の基準を明確にしていただきたいと思います。
○小島政府委員 この物資の指定が、なかなか客観的な基準というのが申し上げにくくてたいへん恐縮なんでございますけれども、第一の要件は「価格が異常に上昇し又は上昇するおそれがある」ということでございまして、どの辺、何%以上が異常かという点は、必ずしも事前に客観的なメルクマールとして一定しがたいといわざるを得ないわけでございます。ただ、第二の要件といたしまして、価格の上昇がたとえば、海外の買入れ価格が非常に上昇したことを前提として計算をしてみて、合理的な範囲にとどまっていれば、これはかなり大幅な価格上昇でありましても第二条の発動にならないわけでございますけれども、それに加えて「関連物資の買占め又は売惜しみが行なわれ又は行なわれるおそれがあるとき」という要件が入るわけでございまして、ここはやはり各種の情報によって、どうも海外の価格その他合理的な上昇程度以上に国内の関連物資の価格が上がるというときに、初めてこの物資の指定が行なわれるということでございます。 〔山中委員長退席、井岡委員長代理着席〕 それから、これは第一条のほうの関連でございますけれども、生活関連物資でございますから、あらゆる生活に関連したものが全部入るような印象でございますけれども、一条のほうをごらんいただきますと、生活関連物資というのは、カッコいたしまして、「(食品繊維、木材その他の国民生活との関連性が高い物資をいう。)」と、この法律におきましては、生活関連物資というのは、そういうことで、生活に関連した物資は全部入るということではなくて、やはりCPIの構成品目であるとか、そういう意味で、ある程度のウエートの高いということが一つの物資指定の基準でございます。それからもう一つは、ウエートはそう高くなくても、非常に緊急性——まあガーゼなどがそうかもしれませんけれども、国民の安全とか健康に関連して非常に緊急性の高いもの、あるいはなかなか代替物資のないものというような点を考慮いたしまして、この物資の指定をいたすつもりでございます。
○板川委員 そうしますと、これは繊維とか食品とか木材、そうした生活関連物資関係に関連性の高いもの、主として外国から輸入されるもの、ウエートの高いもの、そういうものを、相手方の輸出先の価格、国内販売価格、そういうものをにらみ合わせて、これは適正な利潤を越えた異常な高値で売られ、あるいは売られるおそれがある、こういうときに指定をするということになりますか。
○小島政府委員 適正利潤をあらかじめきめておきまして、それを越えるとどうこうということは、非常にこれはむずかしいと思いますけれども、大きな意味においては、おっしゃるようなことだと思います。 それからもう一つ、先ほど申し忘れましたが、主としてこれは消費財が中心になりますけれども、生産財の中でもその大部分が消費財の原料になるような、まあ羊毛、繊維原料等のものがそうでございますけれども、生産財の中の、特にそういう意味で生活関連性の高い生産財を含むということでございます。
○板川委員 この第二項で前項の事態が消滅した場合には解除されるものと、指定を解除する規定がありますが、なぜ指定を解除する規定を入れる必要があるのですか。これはまた、消滅したときという判定の基準といいますか、これをどうお考えですか。たとえば木材なら木材が三倍にも上がった、ようやく二倍くらいになった。それで高原状態で落ちついたということになりますと、これを消滅したというふうに判定されるのですか、そういう場合に。この消滅の基準と、なぜ解除規定を入れる必要があるか。他の法令からいえばあえて、これは政令で規定するなら政令で廃止すればいいのであって、この二条の二項は入れる必要はない。なぜこれを入れ たかという点について伺っておきましょう。
○小島政府委員 おっしゃるように、二項は、厳密に申しますと必要ないという説もあると思います。ただ、私どもといたしましては、この法律はあくまでも、限時法ではございませんけれども、緊急措置に関する法律ということで、正常状態ならばこの法律の発動は必要ないんだ、買占め、売惜しみ等によって価格が暴騰したようなときに、緊急事態に対処するためにこの法律があるという認識でございますので、念のために、一項のような状態が消滅したときには、当然のことながら、同項の指定は解除されるということを書いてあるわけでございます。 それから実体的な判断といたしまして、どういう状態ならば消滅したと認められるかという御質問に対しましては、これまた、一項のほうの判断が、非常に客観的な指標を申し上げることがむずかしいのと同じように、消滅した場合につきましても客観的になかなか申し上げかねるわけでございますけれども、私どもの含意といたしましては、おっしゃるように、この法律が施行される時点においては、それ以前に非常に暴騰いたしまして、施行されたときには高原状態で多少ピークよりは下がっていたというような事態は、この二条の一項では厳密に解釈いたしますと、読めないような感じになりますけれども、これはやはり、もとの水準まで下がらなくとも、現実に買占めや売惜しみがすでになくなったと思われるほど価格が下がっていった場合には、これは当然新しく発動する必要はございませんけれども、ピークに比べて多少下がったにしても、なお正常と考えられる価格水準に比べて相当高い水準で落ちついていて、何らかの買占め売惜しみ的な事態があると判断される場合には、私どもといたしましては第二条第一項で読める、発動いたしたいというふうに考えておるわけでございます。
○板川委員 結局、二条の指定及びその解除というのは、行政当局の胸三寸だということになりますね。基準が明確ではない、客観性がない。行政当局の胸三寸で、まあその筋がしかるべき運動をするならば、解除してもいいしあるいは指定をしなくともいい。 〔井岡委員長代理退席、山中委員長着席〕 しかし、この規定によって、ある種の財界なり商社筋ににらみをきかすというだけであって、どうもこれは行政当局の胸三寸でどうにでもなる法律だという感じがいたします。どうも不十分であると思います。 第三条で伺いますが、ここで、総理大臣及び主務大臣は、価格の動向及び需給の状況について必要な調査を行なう、こう書いてありますが、なぜこれは価格の動向及び需給の状況だけをこの調査の対象としたか。たとえば、この法案名である売惜しみ買占め、これの状況について必要な調査をすると明白になぜうたわなかったのか、これを伺っておきましょう。
○小島政府委員 これは、第五条の立入検査等を行ないます前に一種の任意調査といたしまして、第三条で、指定された物資についての指定後の調査を行なうという趣旨でございますので、一般的に「価格の動向及び需給の状況に関し」といっておるわけでございまして、これは非常に広い意味に解しております。したがいまして、おっしゃるように、価格の内容となるいろいろな問題とか、あるいは需給に関連して買占めや売惜しみが行なわれていると思われるようなものは、立入検査をしないであるいは聞き取りなどをしないで、一般的なデーターによって調査できる限りは、この第三条で調査をいたすつもりでございます。
○板川委員 これも法律の規定としては不十分な感じがいたします。 それから第四条ですが、「(勧告及び公表)」とある。これは野党案ではさらに第六条で「(売渡命令)」というのがある。この政府案には売渡命令がない。ここがいわば政府案と野党案の大きな差だと思いますが、いまの企業モラルから考えますと、あるいは憲法でいう所有権という考え方からいって、政府の勧告に従わないものがあり得る、こう思います。従わない場合に「その旨を公表する」、政府案ではこういうことになるわけでありますが、公表した場合、私は、大正七年の米騒動ではないが、ああいういわば暴動的な状態が起こり得ると思うのです。かえって野党案のように売渡命令できちんとしたほうがいいのじゃないだろうか。もし勧告を聞かずにそれが公表された場合に、そういう、いわば米騒動に準ずるような騒動が起こる可能性があるのじゃないだろうか。いまの状態だけを考えちゃいけませんし、これが深刻な状態になればそういうこともあり得るのです。そういう意味では、私は、野党案のように売渡命令というのはあったほうが事態の解決が平穏にいくのではないかと思いますが、この点の見解はいかがでしょう。
○小島政府委員 おっしゃる意味はよくわかりますし、そういうお考えもあろうかと思います。ただ、私どもといたしましては、本法案は、中小零細企業までを含めまして、過当な多量な買占め売惜しみを行なったものをすべて対象にしようと考えておるわけでございませんで、あくまでも経済界、需給等に非常に大きな影響を及ぼすような大きなところを対象に考えているわけでございます。その意味から申しますと、もともと命令を出しますには非常にはっきりした基準というものかなければいけない。土曜日にも申し上げたのですけれども、たとえば大商社の場合には、割合からいうと過剰在庫の割合が相当大きいにしてもたいしたことはない。ところが、中小企業の場合は、割合からすると正常在庫に比べて非常に何倍もの過剰在庫を持っているということがありましても、経済に対する、需給に対する影響を考えますと、大企業の場合のほうがはるかに大きい。そういう場合には本条を発動するわけでございますので、もしその命令を出して聞かなければ、罰則という非常にハードな線を出しますと、その辺の不公平の問題ということもございますし、その意味で私どもといたしましては、明確な基準が非常にむずかしい以上、本法案の線が最も妥当である。特に零細企業と違いまして、大きな企業になりますと、やはり名をとうとぶということは当然ございますし、今回のような世間の指弾によって、商社のビヘービアもかなり変わってくると思いますけれども、社会的な制裁というものがむしろ非常に商社にとっては、大きな企業にとりましては大きく影響するに違いないというふうに思っておるわけでございます。
○小坂国務大臣 いまの御答弁でちょっと漏れておりました点は、公表されるとあと暴動が起きるのではないかという点でございますが、勧告したことは公表しないわけでございます。それに対してさからったものがあれば公表する。公表するぞとおどかせば、そういう危険があればあるだけ、実際これは相済まぬでしたということになるというふうに考えておるわけでございます。
○板川委員 先を急ぎますから……。 価格調査官というのを置くと第七条でいっておりますが、これはどのくらいの人数をそれぞれ置くのか、その人数はどのくらいか、ひとつ主務官庁ですか、わかったら知らせてください。
○小島政府委員 主務省のほうは別にお答えいただくと思いますけれども、経済企画庁といたしましては、物資が指定されませんと価格調査官を置けませんけれども、現在準備をいたしておりますものは、物価政策課の中で五名ないし十名くらいの規模で考えておるわけでございます。
○板川委員 通産、農林は……。
○山下(英)政府委員 企業局の調査課を主としまして、物価関係十名以内でございます。
○池田政府委員 物資の特性に応じましてそれぞれ設置する予定でございますが、全体としては五ないし六名程度だと考えております。
○板川委員 全体で二十名程度ではたして物価を押える役割りができるかどうか、はなはだ疑問でありますが、政府案を通読して感じることは、こうした政府案では、この目的である国民生活の安定をはかるということは木によって魚を求めるごとく不可能じゃないか、こういう感じがいたします。なぜなら、買占め、売惜しみという現象面だけを追うことであって、その根本にメスをふるおうとしない、こういうことがこの法案の大きな欠点じゃないかと思います。買占め、売惜しみの本体は、巨大な商社を中心とする企業結合ですね。総合商社が金融機関と手を結んで市場支配力を乱用している、こういうところに買占め、売惜しみの根本があると思うのでありますが、そういう点にほとんどメスが加えられていない。だから、結局はしり抜け法案であって、もしこの法律に多少の価値があるというならば——これは週刊誌の記事でありますが、こういっております。「「田中首相は、自らタネをまいた土地問題への世論の批判を、NHKの跡地問題攻撃へかわそうとしたが失敗した。インフレ問題を商社攻撃でかわそうとしたのが、こんどの立法規制。いや、もう一つ理由がある。これまで政治献金ご三家は鉄鋼、銀行、電力で、商社の献金は微々たるものだった。いま、商社は銀行以上に金をためこんでいる。ここで締めあげて政治献金を吐き出させるというハラなんだ」(ある財界消息通)こんな説がほんとうなら、立法は政府、自民党の策略ということになる。」 こうある週刊誌の記事にありますが、おそらくある種の役割りを果たすとすれば、こうした週刊誌の指摘に近いのではないだろうかという感じがいたします。私は、買占め、売惜しみをほんとうに規制しようというのであれば、独占禁止法というのをもっと強化する必要があると思います。独禁法でこの買占め、売惜しみというものを、いわば経済的な支配力を持った企業体を取り締まるということでなければ、こんな法律を幾つ出してもたいした効果がない、私はこう思います。 そこで公取委員長に伺います。大手商社、三井物産以下六社でも十社でもいいのでありますが、総合商社といわれる企業の実態を公取として調査したことがあるだろうか。企業活動の規模、企業結合の状況、市場支配力の実態について公取として調査をし、これを把握したことがあるかどうか、これを伺っておきます。
○高橋(俊)政府委員 独禁法は御承知のとおり、私的独占その他不当な取引の制限とか、不公正な取引の方法——不公正な取引の方法というのは、公正な競争を阻害するおそれのあるもののうち公正取引委員会の指定したものでございます。こういうことでありまして、商社の実態につきましては、株式を保有している状況については、これは商社のみならず一定の規模以上のものについてはすべて、毎期その状況の報告をとっておりまして、株式の保有を通じて他社を支配し、そしてそれが競争を阻害するということであればこれを排除するということになっておりますが、いままでのところ、公取としての調査は大体そういった範囲にとどまっております。そうして今回は、商品の投機の問題に関連いたしまして、四十条に基づいて独禁法違反の疑いを持つ端緒となるべき事項を調査しておりますが、その点をおきましては現在までは調査をいたしておりません。ただし、これから、総合商社は非常に複雑で巨大でございますが、特に上位にある商社の行き過ぎとも思われるものに対しては相当批判もございますし、独禁法上も、あまりにも強力になりますと、通常の場合であれば、不公正な、競争阻害のおそれがあるとはいえないものでも、総合商社の場合は独禁法違反になるおそれがあるのではないか、こういう考えを持ちまして深くその実態の解明につとめて、違反の条項が適用できるかどうか十分に検討したいと考えております。
○板川委員 公取委員長よく投機、投機と言うんですね。今度のことは投機的行為だと頭からかかっておる。これは買占め、売惜しみという商行為を通じて——まあ大企業がやっておる商行為であって、一般の国民が何か投機的にやっていたから急に上がったんだという考え方でこの状況をとらえようとしているのは、どうも公取委員長として認識不足の感じがしますよ。この前も投機、投機と言うのですが、投機じゃないです。 そこで伺いますが、終戦の財閥が解体された時代のときに、たとえば三井物産は当時百五十一の会社を支配しておった。これは持株会社で支配しておった。三菱は七十五持っておった。しかし今日では三井は国内で百八十一社を系列下に置いておる。昭和四十五年の実績であります。海外に百三十七社の系列会社を持っておる。三菱は国内に百三十六社、海外に八十四社、こういうように持っておる。さらに丸紅は国内百二十三、海外七十七、伊藤忠は国内百一、海外七十六、日商岩井は国内八十一、海外二十九、こういうように総合商社が、かつて財閥が解体されたとき以上に、今日国内においては企業の結合が行なわれておる。海外でも会社もこういうふうにたくさんでき、さらに海外ではそのほかに全く現地法人となっておる企業すら持っておる。こういう状態なんですね。ですから、終戦後独禁法の精神に基づいて財閥が解体された時代より、今日の三井、三菱、こうした大商社は、はるかに企業支配力、産業支配力を持っておる、こういう実態を公取としてはどうお考えでありますか。
○高橋(俊)政府委員 ただいま仰せのとおり関係会社の数は相当多数にのぼっております。ただ、これが私どもの現在把握しておるところにおいては、たとえば五〇%をこえる会社、戦前であれば完全に持株会社が全部を支配しているというふうなのが多かったのでございますが、これは大企業が非常に多かった。最近の状態におきましては、五〇%超の会社をとらえますと、その資本金総額が、一社の保有する五〇%超の会社の総額が数百億円の程度にすぎない。数は非常に多いのでございますが、資本金から見ると比較的小型の会社を多数直接支配している。しかしそれ以外に関係会社として五%であれ一〇%であれ、従来はそれほど深い系列関係等は見られないものでありましても、実態的には株式だけではなくて、融資の面等を通じて、金融的な面の支配等を通じて、それらと関係を非常に深く強めておるというふうな実態があると推定されます。 そういうことを今回はこれから十分に掘り下げて検討していって、戦前のそういった財閥の復活を思わせるような弊害ありということが大体はっきりわかるようになりますれば、これに対していかなる方途を講ずるか。いまの独禁法そのままではなかなか対応しにくい面もありますが、たとえば優越的な地位の乱用というふうなところにつながりますれば、これは不公正な取引方法としてこれをチェックしていけるんじゃないかというふうに考えるのであります。それはまだ一応の、研究の済まない段階で申し上げるのでございますが、なるべくそういった事態をはっきりさせることが先決でございまして、これに十分な力を注いでまいりたいと考えております。 なお、商品投機と私が申し上げましたのは、いわゆる普通にいわれていることばをそのまま使いまして軽率でございましたが、売惜しみ、買占めというふうに訂正させていただきます。
○板川委員 財閥解体時の資料を見てみますと、その当時十五社の財閥が合計して石炭の生産に対して五一%を占めておった。アルミニウム生産六九、紙及びパルプが五〇、レーヨン二〇、蒸気機関八八、蒸気機関車六九、絹糸五〇、火薬三〇、こういうような産業支配力を持っておった。 ところが、最近の大手総合商社十社を見ますと、たとえばこれは大豆の場合ですが、輸入の八七%、コーン、飼料ですが、八〇%、小麦八〇、大麦七五、羊毛八〇、外材九六、輸入の六〇%、輸出の五〇%、売り上げ高において二十二兆円、GNPの二八%、しかもそのほかに海外の現地法人の売り上げが膨大にある。こういう実態から見ますと、いまや戦後解体された財閥が完全に復活しているんじゃないか、こういうふうに考えます。この売惜しみ、買いだめということも、私は、いわば、この復活した財閥が経済的な優越した地位を乱用して大量買占め、売惜しみを、これは全部やっているとは言いませんよ、相当部分この大商社に関係がある。したがって、これが不公正取引ということで公取のいわゆる取り締まりの対象になぜならないか。たとえば、公取委員長はこの前私の質問に対して——私は、独禁法二条の七項の各号に触れないか。たとえば二号ではどういっているかというと、「不当な対価をもって取引すること。」、五号では「自己の取引上の地位を不当に利用して相手方と取引すること。」まあこんな規定がこの独禁法二条の七項に一から六までありますが、とにかくこの不公正な取引の方法を一般指定でやっておるわけでありますが、一般指定告示十一号というのは永久不変の法じゃないと思う。だから事態とともに独禁法の運用を拡大するということになれば、この二号なり五号なりをもって買占め、売惜しみは不公正な取引方法だ、あるいは経済的な優越地位の乱用に当たる、こういうことで私は公取としてはこの売惜しみ、買占めに対してもっと積極的に取り組むべきであろう、こう思う。ところが公取委員長はどうもこれは投機だ、一時の投機的な現象である。だから、これは公取の出る幕ではない、こういうように引っ込み思案になっておる、こういう点が私は公取の姿勢としてはなはだ問題だと思うのです。一体公取委員長は独占禁止法の基本的な理念というのをどうお考えですか。 たいへんむずかしいですから、私も正田教授の説をちょっとメモしてまいりました。これは公取も推奨している独禁法の解釈としては権威者ですから、おそらく反対はないと思いますが、 「私的独占禁止法の基本的原理とは、経済主体間の実質的平等への要求と結合する経済的従属者の基本権を確保することにその根抵的な目的をもつものと理解しなければならない。 一般の市民法の原理をなす契約の自由、所有の自由、営業の自由という自由権が、私的独占禁止法において保障されるべき基本的な権利と考えることはできない。これら市民法の自由権は、形式的平等の要求に基いて構成された権利概念であるのに対して、私的独占禁止法の領域においては、実質的平等への要求にもとづいて構成されたものでなければ基本的な原理として認められないからである。むしろ、このような市民法的自由権、とりわけ所有権が、単に物に対する支配を内容とする権利にとどまらず、実質的には他人を支配することをその内容とすることに対して、そのような権利を排除しようとすることが、私的独占禁止法を支える権利概念であるといわなければならない。 つまり私的独占禁止法は、経済的従属者の生存権、生活権の確保と実質的平等への要求に対して、対等取引、競争の確立という形で応えようとするものに外ならない。」 こういう独禁法の基本的な原理という解説があります。 この独禁法の基本的な原理からいうと、いまの経済的な非常に優越した地位を持っておる大商社、財閥が、これがいわば契約自由あるいは取引の自由、こういう市民的な法概念に基づいて買占め、売惜しみをやっておるんじゃないですか。そうだとすれば、独禁法がこういうことに対して介入して、これを排除しようという公取の姿勢を持つのは当然じゃないでしょうか。どうも公取委員長は当初から逃げ腰で、公取にはこれは関係ない、それは独禁法の領域外だ、こういう姿勢をとっておることは、はなはだ遺憾だと思いますが、公取委員長いかがですか。
○高橋(俊)政府委員 独禁法の考え方あるいは基本的な目標についてはいろいろな御意見があると思います。私はここで長々と弁ずることは避けたいと思いますが、とにかく要するに公正な競争を維持する、公正かつ自由な競争を維持するということに尽きるのではないかと思います。競争政策であることはもう万人の認めるところでございまして、競争をはばむような要因を取り除く。しかし、それだけではないので、その競争というものは公正でなければならぬ、必ず対等でなければならぬとは規定してありませんけれども、公正ということはフェアでなければならぬ、まず自由でなければならぬ、拘束的なものは、これは排除していかなければならぬ、そのように解しておるわけでございます。 現在の日本の経済、これは日本に限りませんが、すべての場合に、経済の上に力の差というものは実際に存在することは何ともいたしかねます。ですから、総合商社だけが力が強いのか、そういいますと、そうではなくて、たくさんございます。いわゆる大企業というものはそれぞれに自分の系列を支配しているといっても過言ではないでございましょう。そういうふうにして、じゃあ大企業とその系列に属するものとの間に、完全平等の取引があるかといいますと、そうも言いかねる。そういう系列というものの支配についてどこまでが限界として許さるべきか。これが行き過ぎますと、集団と集団との競争になっております。総合商社について私どもが懸念しております点は、お互いに競争は激烈な競争をしております。十社のみならずそれ以上たくさんの会社がございます。小は小なりに、早く言えば相当がめつい競争をしているのでございます。しかし、競争維持政策といいながら、そういう集団的なぶつかり合いの中に、実は不公正な取引方法が含まれてくるということが十分考えられる。そういう点におきまして、私どもは商社の実態究明につとめたいということを申し上げたのでございまして、なお、商品のいろいろな買占めとか、買いあさり的な行為というものについて競争政策上の見地からいえば、必ずしも独禁法の所管に触れる面は少ないのではないかと申し上げたことは事実でございまして、その考え自体は変わっておりませんが、しかし、その取引の中においていろいろと不公正な取引が行なわれ得る可能性はある、そういう点についていまなお検討を続けておる次第でございます。
○板川委員 その考え自体は変わらないというのは、一言よけいだね。 公取委員長に伺いますが、独禁法の三条で「事業者は、私的独占又は不当な取引制限をしてはならない。」という禁止規定がございます。違反者に対しては三年以下の懲役、五十万円の罰金が課せられております。未遂もこれを罰するといわれております。私的独占というのは非常にきびしくこれを禁止しておるのが独禁法であります。 そこで、この私的独占の予防措置として第九条で持株会社の禁止、十条、十一条、十四条で金融機関が持株を一〇%以上持ってはいけないという持株の制限、それから十三条では役員兼任の制限、十五条で会社合併の制限、十六条で営業譲渡の制限、こういう規定があります。これは御承知と思います。これは私的独占を防止する一つの予防的な規定だろうと思いますが、これはそうお考えになっておりますか。
○高橋(俊)政府委員 その点は私的独占を予防する措置であるということで間違いありません。
○板川委員 この総合商社十社の財務諸表を見ますと、非常に共通しておることは、自己資本比率が低いのです。三井物産が二・五%、三菱が三・一%、十社の平均が二・九%ということで、自己資本比率が非常に低い。これは産業界の平均が一八%ということでありますから、これまた六分の一というほどまことに低いのであります。総合商社の自己資本比率がこういうように低いということは、ある意味では借金によって経営を行なっておるということになるわけであります。大手商社六社の長短期の借り入れ高を調べてみましたならば、三井物産一兆五百億、三菱八千五百五十億、丸紅六千四十億、伊藤忠五千四百七十億、住友商事三千四百三十億、日商岩井が三千五百四十億、この六社で三兆七千五百三十億、こういうように膨大な長短期の借り入れを行なっております。 銀行の持株は一〇%以上持ってはならない、それは私的独占を予防する措置である、こういうことになっておる。ところが、銀行は持たないが、この総合商社が銀行と提携して株の持ち合いをし、企業支配を行なっている。こういうことに対して、これは独禁法のいわば合理的脱法行為である、私はこういう感じがいたします。 独禁法の目的というのは、さっき言ったように、大企業のいわば支配力をある程度チェックして自主的な競争力を確保しよう、こういうところにねらいがあるとするなら、商社が銀行と提携して持株会社的に企業支配をしておることは、私は独禁法の精神からいっても野放しにしておくことはならないという感じがします。これは、金融機関が一〇%以上の株を持っては悪いという規定からいえばそうなると思うのでありますが、こういう実態に対して、公取委員長は一体どういう考え方を持っておりますか。私の考え方は変わらないと言うんですか。
○高橋(俊)政府委員 おっしゃるとおり、総合商社の自己資本は比率としては非常に低いし、絶対額から申しましても、第一位、二位を争う三井、三菱のごときは、年間の売り上げ高でとらえればそれぞれが年間五兆円ベースであるのに、自己資本は五百億ないし六百億という程度でございます。そのうち資本金が半分ぐらい。大ざっぱに申しますと、いままでの内部留保が資本金とあまり変わらないというふうに御理解いただいてもいいんじゃないかと思いますが、そうしますと、あれだけの強力な資金調達力を利用して、したいほうだいのことをしているような総合商社がなぜそんなに蓄積が少ないのか、私は逆にその点も指摘したいと思うくらいでございます。 どうして売り上げに対してこんな薄利多売で、いわゆる三井物産とか三菱商事に戻ってからすでに二十年にもなろうかと思いますが、それらがこういう薄利多売で今日まで来たこと自体もおかしなことだと思うのですが、それはそれで一応おくとしまして、そういう資本力の小さなものが、御指摘のとおり、銀行からの調達においては抜群の地位にある。第一位であるとか第二位であるとかいうのが多うございます。それで、それが実際行動するときには、株をある程度持ち、株を持つばかりか借りた金をさらに融資する。まるで小型の銀行のような面がありまして、それが銀行と結託するとまでは私は申しませんけれども、商社自体の行動であるかもしれませんが、非常に好ましくない。御指摘のとおり、これは独占禁止法の精神からいえば、本来金融機関に禁じてあるものが、自己資本に比べれば二十倍にも相当するような借り入れ金を行なって、そのほかにも資本総額を見ますと一社が二兆五千億くらいになりますから、これはたいへんな量であります。そういう力を利していろいろすることに問題があるという点で、これは何らかの方法で是正さすべきじゃないかというふうに私は思います。
○板川委員 時間となってしまいましたから、またの機会に独禁法論争をやりたいと思っておりますが、いずれにしましても私は、この買占め売惜しみ法案に対して期待できないし、期待するほうが無理だと思います。もしこうした実態を何とか押えていこうというのであれば、公取という準司法的な機関で、しかも産業界から独立をしている、こういう公取の機能を整備して、そして独禁法の運用を強化して、大資本のいわば地位を乱用した買占め、売惜しみというものを押えていくことができれば、そのほかのもろもろの中小企業あるいは一般国民の買占めとか、そういう空気もなくなると私は信じます。 時間となりましたので、意を尽くしませんが、以上をもって私の質問を終わります。
○山中委員長 次に、武藤山治君。
○武藤(山)委員 先ほど企画庁長官は、売惜しみ、買いだめが行なわれている現状をそのように認識されたようでありますが、商社の六社の代表は、売惜しみ、買いだめやっておらぬという答弁を、新聞を通じての報道ではされているようであります。真実は一つしかないと思うのですが、大臣、現状は売惜しみ、買いだめが行なわれている、こう判断をされておりますか。
○小坂国務大臣 これは商社であるのか他の流通機構に関連する者であるのか、その辺のところはまだ正確につかんでおりませんけれども、いずれにしても買いだめ、売惜しみが行なわれておるということは現実であると思っております。
○武藤(山)委員 商社であるかメーカーであるかわからぬが、確実に行なわれている。しからば、その買いだめ、売惜しみがどういうところで行なわれているという御判断ですか。
○小坂国務大臣 メーカーとは申しませんで、流通段階にある卸売であるとか小売であるとか、そういうものの中にあるのではないか、こう思っております。
○武藤(山)委員 そういたしますと、この法律案では中小企業の売惜しみ、買いだめというようなものは対象でないと先ほど答えてますね。しかし、いまの企画庁長官の答弁でいくと、これは結局、お化けがつかまらなくなってわあわあ騒いでみただけで、心理的効果をねらうだけで終わり、こういう心配がありますね。商社ではない、流通段階で——流通段階でといえば、中小企業の問屋さんあるいは小売にいってしまう。とうとう犯人は見つからぬ、お化けにたぶらかされただけで終わり、こういうことになりそうですね。いかがですか。
○小坂国務大臣 商社でないとは申しておりません。商社であるか他のものであるかわからないと申しておるのでございます。ただ商社というものは、要するに物の仲介をするものでございますから、先ほどからもお話があったように、一つの力を持った、自分の息のかかった流通機構が他にもあるわけであります。総合商社もあると思いますし、いろいろな問屋筋もあると思いますが、そういう段階のどれかで、直接であるかあるいは間接であるか、その辺はよく調べてみないとわかりません、そう申しております。
○武藤(山)委員 中身についてはこれからお尋ねいたしますが、まずこの法第四条を読んでみると、「内閣総理大臣及び主務大臣の定める基準に従い適当と認められる売渡先及び売渡価格を指定し、期限を定めて、当該特定物資の全部又は一部を売り渡すべきことを勧告する」、そこまで書いてある。だとするならば、「主務大臣の定める基準」、このくらいは、本委員会でいま審議するこの過程で政令の中身が明らかでなければ、どういう基準で売渡先を勧告するのだかさっぱりわからぬ。異常な価格の上昇というのは何かという先ほどの質問に対して、異常な価格の異常という概念が明らかにされない。この「主務大臣の定める基準」とはどんな基準なのか、中身を明らかにしてください。
○小島政府委員 基準は告示で定めることにいたしておりますけれども、いま考えておりますのは、たとえば全国的に不足の事態が同じように生じている場合には、全国的に渡るような形で出してもらう必要がありますし、ある地域に特に不足状況が激しくて、ある地域の当該物資の価格騰貴が特に著しい場合には、その地域にまっ先に渡るような形を考えなければいけませんので、主としてそういう点をこの基準で定めるつもりでございます。
○武藤(山)委員 価格がいつを基準にして、どのくらい高騰したら異常なのか、全く目安がないということでは、この法案をせっかく出した意味がないのではないですか。皆さんのほうは、政令をつくる段階には告示をする用意はできているはずでしょう。ここまで議論して、世の中でこれだけ期待をかけられている商品の高騰問題について、政令の中身も告示の中身もまだ素案ができていないなんということでは、役所としての任務はつとまりませんよ。したがって、異常な価格の高騰ということが法律で書いてあるのですから、一体異常とはGNPの伸び以上の上昇率をいうのか、政府が経済見通しとしてきめている物価上昇率を上回った場合を異常というのか、異常の中身は何なんですか。これがきまらぬうちは、この法律をつくったって判断がまことにあやふやで、発動されないのではないですか。
○小島政府委員 この異常の内容をパーセントであらかじめ示しますことは非常にむずかしゅうございまして、ちょっとできないわけでございます。 ただ、一つの参考として申し上げますのは、私どもがこの法案を策定いたしました素案をつくりますという段階で、たとえば羊毛あるいは毛糸あるいは綿糸、ちょっと時期はおくれましたけれども生糸、その前に大豆、木材、これらのものを実は考えておりましたので、当時ああいう物資があれほどの勢いで価格が上昇いたしましたのは、私どもの感じでは、まさにこの法案にいう異常な高騰であるというふうに考えていたわけでございます。
○武藤(山)委員 そうすると、通産省が考えている異常とは、一カ月とか二カ月のごく短期間に、一挙に二倍とか三倍、そういう全くアブノーマルな事態を考えておるのであって、たとえば半年間ぐらいの間にじわじわじわと上がって、六〇%も七〇%程度も上がった、そういうような場合は異常じゃなくて、異常とは、異常に短期間のうちに極端な上がり方をした場合——大臣の考えはどうですか。価格の上昇の異常とは、大臣はどのような目安、きちっと言えなければ目安でいいです。どうお考えになりますか。発動するのは主務大臣、あなたでしょう。あなたのその基準のとり方によって——国民はいろいろいま関心を持っているわけですが、大臣いかがですか。
○小坂国務大臣 法案の中では総理大臣及び主務大臣でございまして、私の立場は、行政府の長としての総理大臣を補佐する経企庁長官という立場になっております。他の主務大臣は農林、通産両大臣、そのほか話があればまた加わることもございましょうけれども……。 そこで、この法案を出すにつきまして何%であるかということはむずかしゅうございますが、やはりおのずから、そのときの経済情勢に大きな変動を及ぼすような客観的な、妥当な基準というものがあるわけでございます。それを行政庁の判断によってきめる、行政府の長としての決断と実行によるということでございます。
○武藤(山)委員 その行政庁の客観的な基準、判断、これを私、聞いているので、あなたいま方法論しか答えないので、その基準とは何かということなんです。しようがない、ここで押し問答しても、四十分の持ち時間ですから、中身はとうとう明らかにせずに先に進む。まことに残念でありますが……。 そこで、ではお尋ねいたします。これは通産大臣になりますか。一例でありますが、絹織物の産地相場をちょっと申し上げてみますと、昨年十一月を一〇〇として、丹後の変り無地が一三〇、紋意匠一反について一〇〇が二〇〇、二倍であります。長浜の一越ちりめん一七一・九、七割の値上がり。こういう状態は異常でありますか、ノーマルでありますか、ちょっと見解を両方の大臣から発表してください。
○中曽根国務大臣 異常か異常でないかというのは、一般論的に申し上げると、通常の在庫あるいはいままで過去において取引した価格、利潤率、そういうようないわゆる通常という概念に、どの程度はみ出すかということによるだろうと思うのです。しかし、いまのように七割とか二倍とかいうのはかなり高いように思います。少なくも、そういう場合には調査をするということを検討する対象にはなり得ると思います。
○武藤(山)委員 さらに一例の綿糸、これを見ましても、いま綿糸の一コリ当りの私ども地元の業者が買う値段は、去年の十月、十一月に一コリ十九万円だった六十番手の綿糸が、この二月は二十四万五千円、三月は三十五万円。二十番手の綿糸、これが昨年の十月の七万三千円が二月は九万六千円、三月は十七万円。商品投機がわあわあ騒がれて、少々下がって四月が九万九千円、去年の十月から比較したら、まだたいへんな値上がりでございます。 これがやがて織物になり、消費者の手に渡ってくると、先ほど申し上げましたように、十一月と比較して二倍の製品になる。ガーゼにしても裏地にしても、無地のものはどんどん上がっている。柄物は柄おくれで売れなくなるという必配があるものですから、比較的上がらない。しかし無地のものはべらぼうに上がっている。絹織物にしても綿糸にしても羊毛にしても、こういうべらぼうな値上がりをしていることは、もう皆さんみんな数字を持っていると思うのです。 そこで大臣、綿花、綿糸、羊毛それから毛糸のこの六カ月間ばかりの卸売物価指数の推移はどのようになっておりますか。
○小坂国務大臣 政府委員から答弁させます。
○齋藤(英)政府委員 お答え申し上げます。 卸売物価指数の綿花でございますが、かりに四十七年の十月をとりますと九五・六という数字でございますが、四十八年三月は一〇九・三という数字でございます。綿糸につきましては、同じように四十七年の十月が一〇三・七でございます。四十八年の三月は一六八・〇。羊毛が、同じように十月が一七三・六、四十八年の三月が二九〇・三という数字でございます。
○武藤(山)委員 大臣、いまお聞きのように、卸売物価がこういう綿花、綿糸、羊毛についてもべらぼうに高くなっている事実は、政府のいまの発表で明らかです。 そこで私が疑問に思いますのは、輸入価格が上がったからかどうかということを調べてみたのでありますが、輸入価格は上がっておらぬのであります。担当官、生糸、毛糸、綿糸、その輸入通関単価を明らかにしてください。
○齋藤(英)政府委員 輸入通関の単価は、現在資料をちょっと持っておりません。
○武藤(山)委員 そんな不勉強は困りますね。私のところには通産省からちゃんと印刷した資料が来ているのです。それを読んでみると、生糸は去年の九月から十二月の輸入通関単価は全然上がっていない。毛糸も八月がトン当たり三千七百二十三ドル、それが十一月は三千八百九十七ドル、十二月は三千七百四十三ドル、横ばいですよ。綿糸に至っては、まさに横ばいよりも低いような状況である。輸入通関実績単価は、綿糸は去年の六月、トン当たり千七十九ドル、ずっと同じような状態で、十月、十一月、十二月は千四十三、千三十四、千五十七ドルというような状況である。したがって、これらの繊維品の輸入原価の単価推移というものは横ばいなんですね。ところが小売価格、卸売価格になると、先ほど申し上げましたようなべらぼうな上昇である。だれがもうけているのか、どの中間の流通過程に不備があり、不当な利潤を得ておるのか、両大臣のその辺の見解を明らかにしてください。
○小坂国務大臣 お話のように、大豆で見ましても輸入価格はほとんど動いておりませんし、生糸が大体五千二百円から五千九百円台で昨年十一月で五千八百円、このようにあまり動いておらぬわけであります。原毛だけはだいぶ豪州の状況が違っておりますが……。 そこで、だれがということになりますれば、全体の需要が非常に強いというのは一つの価格形成の要因でございましょう。ただ問題は、原料もあるし、輸入価格が上がっていないのに上がるというところに問題があるわけでございまして、それは先ほどのお問いにもございましたように、買占めあるいは売惜しみがあるということになると思うのであります。 それともう一つは、仕手筋というのですか、非常に相場をつり上げる者がおって、これがいわゆる過剰流動性のかたまりのようなものを持っておる。よく吉野ダラーというようなことを昨年の暮れごろからいわれておったのですが、そういうものも何かあるのではないかというふうに思うのでございます。その対策としては、全体に財政金融を引き締める、マネーフローをもっときびしくするということが何としても必要だということは、オーソドックスな考え方からそう思っておりますが、それに対する一つの現場的な措置、金融機関の貸し出しの制限とか、あるいはこれに関連して、現実に物があると思われるところを調査して、ここにあるということを見つけ出して、これを放出させることが必要なんだというのが、私どもの考え方でございます。
○中曽根国務大臣 小坂長官と同じでございますが、加工、流通各段階における過大仮需要の増加、商品取引所における過当投機、綿花価格における先高見通し、紡績コストの上昇ないし上昇見込み、こういうことが重なって、心理的な要因もかなり働いて、各流通段階において値上げを来たした、そう考えられます。
○武藤(山)委員 論争する時間がありませんから先へ進んでいきますが、いまそういう輸入価格、卸価格、小売価格の推移を私、政府から答弁を求めて明らかにしたように、まさに異常ですね。こういう状態を企画庁長官、大蔵大臣、通産大臣、経済閣僚が真剣に、しかも果敢に結論を出さないことには、名古屋の市長選みたいな結果になるのは当然であります。われわれは、政府のそういう怠慢から資本主義そのものがいま問われている、こう思うのです。そこでもう少し真剣な物価問題に対する取り組みが必要だと思うのです。 たとえば、中曽根通産大臣、四月十八日に消費者五団体の奥さん方とお会いしたと思いますが、新聞によると、三カ月以内にもとに戻るでしょうと答えたと報じている。ここに新聞を持っております。物価は三カ月以内にもとへ戻るでしょう、こういういいことを言ってくれた、もっとも、天気予報かどうか、当たるかどうかとは書いてありますが、いずれにしても、三カ月以内にもとへ戻るという、もとの価格というのはいつごろのものをさすのか、これを聞きたい。二月、三月の異常に高いときのもと、これでは消費者価格は全然国民の期待する水準にならないだろう。一体、大臣が言われる三カ月以内にもとに戻るというもとというのは、いつの時点をさすのか、明らかにしていただきたい。
○中曽根国務大臣 私が申しましたのは、高いものを買った人たちがそれをはき出す過程においては、まだ高いものは続くかもしれません。しかし、そのもとになっておる原毛とかあるいは紡績材料とかそういうようなものは、もう峠を越して安くなってきておる。それは上がる前の値段に、いまお話がありましたように綿糸でも戻してきているわけです。そういう意味で、それらのものが機能し始める段階になればもう下がっていくでしょう、そういうことを申し上げたのでございます。三カ月というめどを申し上げたのは、いままで在庫で手元に置いたものをはき出す期間がまず三カ月ぐらいはかかるだろう、そういう感じ、もう一つは、つゆから夏にかけてはわりに売れ行きが落ちるというときになります。そういう情勢も加味すれば、大体いま原材料関係の値は下がってまいりましたから、見通しは明るくなってきた、そういう意味のことを申し上げたのです。
○武藤(山)委員 行政指導がよほどうまく徹底して行なわれませんと、いま通産大臣が期待するような形にはいきませんよ。一たび上がった消費者物価、小売価格というものは、なかなか値下げはしない。一回値をつけたものは、大体それで高いなりに横ばいになっていってしまう。そういう確証もいま一ぱい持っていますが、時間がありませんから出しません。 そこで、異常な価格上昇ということの異常とは何かすらまだきめていないとか、政令の中身なり分析の中身がここで発表できないようなそんな状態で、物価が三カ月以内にもとへ戻りますなんて、そんなゆうちょうな態度で、国民の期待する物価安定はありませんよ。結局これは企画庁長官、上がったところの時点、昨年の十一月ごろの時点からの水準に戻ればまあまあ上々、昨年の七月ごろまでには戻れないと私は思う。企画庁長官、もし戻るとしたらどの辺まで戻ると思いますか。
○小坂国務大臣 ですから、私は、これは政策目標であるとは申しておりますけれども、何とかして持っていきたいのは、消費者物価は全国平均で五・五%、卸売物価は二%、これはもう大いに獅子奮迅の勢いでやってみようと思います。実はこれ、なかなか困難なことは承知しております。承知しておりますが、いまお話しのように、これはやはり非常な決意をもって当たらなければできぬ問題でありまして、何としてもそこまで持っていこう、こう思っております。 ことに、たとえばいまの大豆などにしても、昨年の七月の輸入価格のほうが安いのですから、高くなったといわれておる二月の価格より安いのですから、努力のしようによっては、そこまでいってもちっともおかしいことはない。 なお、私は、消費者運動というのは非常に期待をいたしておるのでありますが、やはり小売物価を下げるのはそれ以外にないと思うのです。卸売物価を下げることは相当な財政金融のいろいろな施策で下がりますけれども、小売物価というのは、やはり消費者が自分で、買う人がよく見て、そして自分の問題としてよく考えて買うという以外にないと思うのです。このごろは何か高い値段のほうがよけい売れるという笑い話みたいなのがあるわけでありますが、そういうばかばかしい考えでいたんじゃ、なかなか物価は下がるものじゃないというふうに思っております。
○武藤(山)委員 結局、消費者物価高騰の真犯人は大衆であると、大衆に責任を転嫁して、みずからの政策手段の誤りを反省していないところに今日の事態があるときめつけておきます。 それから先ほど、中曽根大臣、輸入価格、卸価格、小売価格等、私、一つの絹と綿糸の関係で明らかにしてみたのでありますが、この流通段階におけるどこが一番マージンをとったかという資料を、通産省で調べて御提出を願いたいと思いますが、いかがですか。
○中曽根国務大臣 できるだけ調べまして、お届けいたします。
○武藤(山)委員 次に企画庁長官、大蔵大臣は十二時から会合があってどうしてもということでおりませんので、あなたの認識のほどを伺いながら尋ねておきますが、十大商社が金融機関から借り入れた借り入れ残額、ごく最近わかる範囲でどのくらいあると認識されていますか。
○吉田(太)政府委員 数字にわたりますので、私からお答えいたします。 十大商社の金融機関の借り入れでございますが、借り入れ金全体といたしましては、昨年の九月末で三兆九千億弱でございます。内訳をざっと申し上げますと……(武藤(山)委員「内訳はよろしい」と呼ぶ)三兆九千億弱でございます。
○武藤(山)委員 昨年九月が三兆九千億、十二月が四兆百二十六億円、たいへんな十大商社の借り入れであります。しかも、その借り入れの中で、政府資金を使っている。特に売惜しみや買いだめをやって、反社会的行為と指弾されているこういう十大商社が、政府資金を使って不当な利得を得る、そういう行為はいいと思いますか、悪いと思いますか。好ましいと思いますか、好ましくないと思いますか、大臣。
○小坂国務大臣 その前に、私は、決して消費者に責任を転嫁するということはございませんで、もちろん政府のやるべきことについて、先ほどもお答えしたことですが、大いに反省しなければならぬ点があるという前提を置いて、しかし消費者の方にも大きにやっていただかなければならぬということを申したわけでございます。 それから、いまのお尋ねは、好ましくないと思います。
○武藤(山)委員 そこで、この法案では、制裁がほとんどないのですね。放出の勧告をした場合に、勧告に従わなければ罰するとか——政府のほうは売り渡す価格まで、売渡先まで法律で一応きめて、できるようにしてあるけれども、従わなかった場合に罰則がないのだな。これは守れませんよ、そうなると。せめて、そうなる場合に、行政罰的に、勧告を受けてもやらぬような十大商社なら十大商社、メーカーならメーカー、そういうものは今度政府資金の貸し出しをチェックする、そのくらいのきついことをきちっとやらぬことには、こういう法律をつくっても実効はあがりませんね。 私がいま言いたいのは、輸出入銀行から十大商社が借りている借り入れ残高は、いま五千四百四十六億円ある。もし商社がこういう勧告に従わないというようなときには、こういう輸出入銀行、政府資金は、国民の銀行だ、こういうものは利用させない、そのくらいな決断と実行がほしいのでありますが、大臣の見解、いかがですか。
○小坂国務大臣 輸銀の四千億からの借り入れの中で、いわゆる生活物資と思われるものにはどのくらい出ているか、必要があれば銀行局長からおっしゃっていただきたいと思います。 この法律の中に罰則がないという点でございますが、これは、私どもの一番中心問題と考えておるところでございまして、こういう反社会的な行動をこのものがしているということを公表することが、何よりの社会的制裁であるというふうに考えておりますわけで、体刑とかそういうようなものを加えるということになりますと、なかなか調査にひまどるわけでございます。また、例の黙秘権という問題もございまして、なかなかむずかしい。そして、そういうことでない、行政府の担当官が随時入っていって、そしてもう抜き打ちにいろいろな検査ができるということが、一番効果があるのではないか、かように思っておる次第でございます。
○武藤(山)委員 次に、大臣は、結局金融当局の政第の失敗だ、こういうことを反省しているんだということで、これの最終的結論を出してしまうような傾向があります。この考え方は責任回避でいささかいただけない考え方であります。大体十大商社が借りた資金の中で、土地の投資が幾らか、株への投資が幾らか、それから、繊維やそういう生活関連の必要物資に対する資金の動きはどうか、この程度の中身は現段階で把握をして、ここで発表できなければ、政府が真剣に物価問題と取り組むんだという姿勢を国民の前に明らかにしたことになりませんね。その辺はどうですか。 十大商社の四兆百二十六億円の借り受け残の中で、土地投資に幾らしておるか、株への投資が幾らあるか、いわゆる専業以外のそういうものに使っているもの、これはどうなっていますか。
○吉田(太)政府委員 商社でございますので私からお答えするのはいかがかと思いますが、私どもの調べましたバランスシートで見ますと、四十七年の六月で、土地が五千百億になっておるという状況でございます。それ以外には、私どもは金融機関を通じて調べている限りにおいては、しさいは承知しておりません。
○武藤(山)委員 土地が五千億、さらに株が、株だけでもって七千三百億、十大商社が買っているのはね。こういうような専業以外に金を使うために、政府資金の輸出入銀行まで使い、年四分や五分の安い金利の金が使える、こういうメリットを与えて、商社をぬくぬくとほっておくという手はないですよ。これはやっぱりきちっとしなければいかぬ。政府の金融政策が失敗したから物価が上がったのだということも一つの原因であるけれども、同時に、そういう商社や流通段階の経営者のモラルの問題、倫理の問題が、私はまず第一にあると思うのですね。通産大臣、この経営者のモラル——やはり資本主義の弱肉強食、強い者勝ち、資本力の強い者が伸びるという、いまの自由経済の最も大きな欠陥、これを通産省なり大蔵省なり企画庁が、もう少し姿勢を正して、経営態度に対する修正をさせなければいかぬと私は思うのでありますが、その点、通産大臣の御見解はいかがでございますか。
○中曽根国務大臣 商社の調査をやりましたあとで、商社の責任者を呼び出しまして、そういう社会的責任等について強く通産省も警告を発し、要請をし、商社側もまた社長会等で自粛の共同の申し合わせをしたのは新聞でもごらんのとおりでございます。われわれとしては、今後ともそういう商社の社会性、社会倫理性というものについて監視していくつもりであります。
○武藤(山)委員 銀行もそういう倫理性の規範というものを守らなければいけない。特に銀行がこの一年間ばかりに不動産業者に貸し付けた資金、どんな状況になっているか、企画庁長官は耳にしておりますか。——しておりませんか。おらなければ銀行局長にお尋ねいたしますが、全国銀行の総貸し出し額と、不動産業者に対する貸し出しの増加の状況でありますが、対前年同月増加率でけっこうですから、ごく最近でわかっている範囲で、総貸し出し額に対する増加率が幾ら、不動産会社に対する貸し出し増加額が幾ら、その増加率を明らかにしてください。
○吉田(太)政府委員 総貸し出し額の増加率は、四半期別に見ますと、一般に対するものは大体四・四%から七・九%という状況が昨年の状況でございます。そのうち不動産業種に対しましては、一五%が昨年の春の三月、六月時点におきましては一一%、九月は一六・八%、十二月末で一五・六%という状況でございます。
○武藤(山)委員 局長、ちょっともう一つ尋ねるからそこにいてください。 いまのでいくと、二倍から二倍半、不動産会社に対する資金の貸し付け率が高い。 それから、総貸し出し額の残高に対する対前年同月増加率、これはどういうぐあいになっていますか。
○吉田(太)政府委員 ちょっと御質問の御趣旨がよくわかりませんが、全体の貸し出しの中におけるシェアでございますか。それとも……(武藤(山)委員「二五・五と、幾らになっておるか、不動産のほうは」と呼ぶ)ちょっと調べまして、すぐお答えいたします。
○武藤(山)委員 それでは銀行局長、ぼくのほうから言うから、間違っておるかどうか。総貸し出し額の残高に対する増加額は、一般の貸し出しは二五・五%と大蔵省から聞いておる。不動産業者に対する貸し出しは七三・八になっている。三倍ですね。しかも、その傾向は昨年の田中内閣誕生以来がまことに目ざましい貸し出しの増になっている。日本列島改造論と無関係でないことをこのことは意味している。このいまの数字には間違いありませんか、銀行局長。
○吉田(太)政府委員 間違いございません。総貸し出しの対前年同月増加率が二五・五%、それから不動産業に対する対前年同月に対する、すなわち四十六年十二月に対する四十七年十二月の増加率は七三・八%でございます。
○武藤(山)委員 お二人とも同じ田中内閣の有数な閣僚、こういう金融機関が不動産業者に、通常の企業に貸し出す率よりも増加率はこんなにも、三倍も金を貸すという銀行の態度、その銀行の態度に何も手を打てなかった大蔵大臣、企画庁長官、責めは重いですよ。万死に値する。こういうようないまのモラル、態度、こういうものに対して、経済担当大臣としてどのようにお考えになります。
○小坂国務大臣 お答えする前に、先ほど私、大豆のことを申し上げましたが、あれは中国産の大豆でございます。念のために申し上げておきます。CIF価格で申し上げたわけであります。 それから、いまの銀行の貸し出しの増加の問題でございますが、これは他の機会に申し上げているところでありますが、四十六年にドルの買いささえをやったあのときに、外為会計の散布超過が四兆三千億くらいあるわけでございます。その翌年にもやはり同様のものが一兆七千億くらい、合計六兆円くらい、その面で円資金の散布があるわけであります。それで、これが一つの核になるわけでございましょうが、銀行貸し出しが非常にふえている。これは四十六年、四十七年で約三十兆ふえておるわけでございまして、私、この職につくようになりましてから、この点やかましく実は申しておったのでございます。それで預金準備率の引き上げとか、あるいはこれを二度にわたってやるとか、あるいは窓口指導で商社の大口の手形の割引率を非常に下げるとか、あるいは土地融資を非常に規制するとか、いろいろやったわけでございますが、私の努力の足りない点は大いに恥じております。
○武藤(山)委員 もう一つ、銀行関係のモラルをただすために尋ねておきますが、日本の都市銀行、大銀行の関係不動産会社というのは、都市銀行は全部不動産会社を持っているかどうか、出資をしているかどうか。この銀行系列の不動産会社が買いあさった土地面積、金額、どのくらいになっておりますか。
○吉田(太)政府委員 銀行は不動産業に対して、都市銀行の場合でございますとほとんど全部出資関係がございます。もちろん、公取の一〇%以下でございますが、出資関係がございます。なお、一〇〇%のものもございますが、これは土地を買ったり売ったりはいたしておりません。その一〇%以下のいわゆる関連不動産会社がどういう土地を持っておるかということは、四月末現在で報告を求めておりますので、いましばらくお待ちを願いたいと思います。
○武藤(山)委員 通産大臣も企画庁長官も、物価担当の関係深い大臣でありますから、ぜひひとつ、閣議の中で、政府自体でこういうものは直さなければいかぬということを肝に銘じてもらいたいのであります。 たとえば信託銀行も、三井信託はデベロッパー三信、三菱信託は菱信不動産、住友、安田、東洋信託、信託銀行もほとんど持っておる。それもみなごく最近つくった会社であります。四十四年ごろから始まって、五年、六年、このときに集中的にできている。もちろん、大銀行の東海銀行や第一勧銀、大和は、それぞれみな持っておる。興銀も長銀も不動産銀行も、日本地所とか興和不動産とか長銀不動産とか、みな持っておる。このように、公取からしかられるから資本金は一〇%しか出してないけれども、兄弟会社でありますからツーツーですね。おれのところでいい買いものがある、ちょっと金を工面してくれぬかと一言言えば、この金融機関から金が出る仕組みになっておる。こういう民間の不動産会社と銀行関係の系列の不動産会社で土地を買いあさった。そういう土地ブームが、他の諸物資についても心理的に全部引き上げの大きな牽引力になったと私は思うのであります。大臣は、こういうような銀行のいまの姿勢、政治献金をたんまり自由民主党に出している銀行でありますから、なかなかきちっと姿勢を正させることはできないのじゃなかろうかと思うのでありますが、しかし、国民はやはりこういう実態を見ると、いまの政治はどこか狂っている、いまの政府の姿勢は全く国民を無視している、こういう感じを持つのであります。大臣として、いまの日本のこういう銀行の姿勢、あり方について、どのようなお感じを持っておりますか。いまの私の質問や提起を通じて、感じていられることを率直にひとつ表明していただきたいと思います。
○小坂国務大臣 いまお話がありましたように、持株というより融資という面で、先ほども申したように三十兆からの貸し出し増があるのでございますから そういう面で非常に大きな影響を持つわけでございます。それからさらに銀行それ自身でなくとも、企業間信用というものがございますが、景気が悪いとき、これはなかなか手形が現金化しないマラソン手形というものがあるのです。景気がよくなると、たちどころにこれが現金化されるわけで、これがさらに次の投資を生むという問題もございまして、全体のマネーフローをやかましく言っておるのはそこなのでございまして、最近は、古い、古典派などといって問題にされておりませんでしたのを使うが、例のマーシャルの経済学というような、マーシャルのkというものを問題にしておるのはそれであったわけでございますが、やはり銀行というものは中立的なものだ、こういうあれがございまして、経済企画庁長官などは、その点では従来はなはだ微力なんですよ、ほんとうのこと言って。これはひとつ、私どもも今後遠慮しないで、責任はいまのところ——おしかりは私が受けるのですから、おしかりを受ける以上は、当然の問題として発言をもっと強力にして押しまくらなければいかぬと痛切に思っておるのです。だからわれわれはいろいろ反省しているのです。しかし、気がつかなかったかといえば、気がついておったというほうがむしろ正確かもしれません、これはほんとうは昨年の問題ですから。しかしどうも、はなはだその点はと思いますけれども、しかし別にそれだからといってもう手おくれになってどうにもならぬという問題じゃないのでございまして、私どもとしては、先ほど申し上げたように、今後の努力によって十分正常に返し得る、こう確信しておるのであります。また全力を尽くす考えでおります。
○武藤(山)委員 割り当ての時間でありますから、これは最後でございますが、大蔵省、先ほどの、銀行関連不動産会社がどの程度土地に資金を出したか、この資料はでき上がりましたらぜひ皆さんに配付できるように資料提出を願いたいと思いますが、よろしゅうございますね。 それから最後に、いまの日本の経済の状態を大臣はインフレーションと見るか、インフレではない、何だ、大臣の率直な、経済通としてのあなたの見解をひとつお聞かせ願いたいと思います。
○小坂国務大臣 これも申し上げると、実はしかられるのでございますが、経済学的な定義を言ってみても実はしょうがないじゃないかという感じはあるのです。私どもはお互い政治家として、この事態を深刻に見て、何とかしてインフレにならぬようにしなければならぬと思うのであります。いろいろ説がございまして、インフレと認めて真剣にやれという説もございますが、私は学問的な意味のインフレとは思っていないので、そうなっちゃ困る、スパイラルインフレになってきてどろ沼的なものになったらたいへんだから、そこで何とか食いとめようというほうに、私はそういう考え方に立って申し上げておるわけでございますが、本来インフレーションというものは戦後に起きるわけですね。戦時中に潜在した購買力が戦後になって顕現化する。ところが戦争中に資材ができていない。そこで購買力があって資材がないから非常なインフレーションというものが起きるということは、インフレーションの歴史がずっと示しておることでございまして、戦争も何もないのにインフレ、しかも悪性のインフレが起きるということは、これはもうたいへんなことであるわけでございます。 そういう意味で、私どもは何としてもそういう異常な事態にならぬように——いまそれになるおそれはあるわけでございますから、そのおそれがあってはいけませんから、それをどうしても断ち切らなければならぬという考えでおるわけでござ います。
○武藤(山)委員 その辺は愛知さんも企画庁長官もあいまいですね。やはり経済学の考え方が、昔の大学生だったから、古い論理でインフレーションを見ている感じがしてならぬのであります。 この間も愛知さんと一時間ばかり大蔵委員会でインフレ論争をやってみたのでありますが、愛知さんは物がない場合だけがインフレーションだという考え方なんですね。物があって物価がどんどん上がるという、こういう事態における通貨の面からのインフレーションというものに対する認識が、非常に古い経済学的な根拠に立っておる感じがしてならぬのであります。それが今日の日本のこういう不幸を招いておると思うのですね。政策立案の担当大臣がそういう感覚では——もう流通必要量を越える通貨の発行、その流通必要量を越える通貨、流通手段というものが過剰に発行された状況、それはやはり物価騰貴にはね返ってくるわけですから、そんなことは、いまの新しい経済学のイロハであるし、日銀券の発行量を見ても、一九七〇年が二〇%増、七一年が二三・八%、七二年が二六・二%と、GNPの伸びの倍ずつ通貨が伸びておるわけでしょう。だから、流通手段というものが極端に過剰発行されておるわけですよ。これはインフレーションですよ。この認識を誤るところに今日の物価問題お手あげ、まさに自民党政府はグリコの看板だと言われるのはそこらにあるのだよ。この点、企画庁長官、通産大臣、大蔵大臣は、もうちょっときちっと態度を正して国民の期待を裏切らぬように、経済担当閣僚として新しい観点から財政問題も——西ドイツは非常にりっぱだと私思うのは、西ドイツはインフレになりそうだと思ったら、直ちに法人税に対する付加税をぶっかける、法人税に対してさらに一割特別な付加税を取るぞ、さらに過剰流動性を吸収するためには、大蔵省証券を発行して、その資金を吸い上げて凍結する、非常に迅速果敢ですね、財政措置も。日本の場合は、公定歩合を六回も引き下げて超緩慢状態に去年の六月までしておいたわけでしょう。そして今度、ことしになってからあわててやろうというのですから、これは急激にやられるから、被害がまた国民にいくのです。気がつくのがあと過ぎるための被害は、大臣にいくのではなくて国民にいくのですよ。政治は強い者勝ちじゃないのです。政治はすべての者に公平、平等に与えなければいけない。経済は自由競争だし強い者勝ちだけれども、政治は常に公平を旨としなければならない、そういう立場から国民への被害を——物価問題にもうちょっと政府は真剣に取り組むべきではないか。早急にこの異常な価格の問題についての政令の内容、告示の内容をひとつ資料で明らかにしてください。政令で明らかに出せないようでは、この法案をつくっても意味がありません。早急にひとつ基準をわれわれの手元に出していただきたいと思いますが、最後に要求をして終わります。
○小坂国務大臣 インフレーションは実は私は非常、に得意で、これの講義をして十年以上やっておったわけでございますので、それは学問の話をするといろいろあるのでございますが、近代経済学はもちろん研究しておりまして、近代経済学の中におけるサミュエルソンの定義というのは、物価が継続的に大幅に加速をするというので、従来は卸売物価は上がってなかったわけです、今度は卸売物価が上がってきたので、卸売物価も上がり小売物価も上がるという状況が加速すると、まさにこの定義のようになってくるわけです。そこでマーシャルのkというのを申しましたのは、あれがもう三〇%以上に実はなっておるのですね。昨年暮れから、こういう状況ではいけないというふうに思って言っておったのでありますが、最近はケインズ全盛で、そんなマーシャルなどと古いことを言ってもなかなか通らぬのでありますが、日銀発行券の残高も二〇%以上になっておる。いままで数字をあげて一月から何回も言っておるのですが、ようやくということで、少しおそいのかもしれません。 そこでいまお話しのように、公定歩合などもイギリスは昨年六回やっておるのですね。西独も四回。ことしのを入れますとイギリスは実はこれで七回ですね。西独が五回、それからフランスも四回というぐあいに、日本が一回やっておる間にそれだけ動いておりますので、これは反省として私どももっと機動的に見る必要があるのではないかというふうに思っておるわけでございます。 それから、いまの政令の問題でございますが、なかなか法律というのは、私、法律はしろうとなんですが、聞いてみますと、専門家は、法律が通る前に政令をきめるということはいけない。こういう万古不易の考え方で、これはどういうものを政令に指定するかといえば、業種は、他の機会に申し上げているように、木材であるとか綿糸であるとか、あるいは羊毛であるとか、あるいは大豆であるとかいうものは、当然指定になりまするけれども、それはこの法律を通していただいたらその政令をつくる、こういう考え方でございまして、企画庁がそういうことをきめると言いましたら、法制局は聞かぬわけです。だからその点むずかしいのでございますが、お話はよく頭に入れまして考えるようにいたしたいと思います。
○武藤(山)委員 十分間超過して恐縮でありました。 いま大臣、政令は法制局がだめだなどと言うけれども、そんなことはないですよ。もしあれだったら、政令の要綱だけでもきちっとつくって、理事会なら理事会に出す。大蔵委員会では、ほとんど大蔵省は政令を、もう法案を審議の途中で理事会にちゃんと提案をして、こんなふうにいきます、たとえば、今度の土地の税制の場合でも、三七%の適正利潤率でいきます、こういう政令になります、それが親切ですよ。立法府に対してそこまでやるのはあたりまえですよ。ぜひそういうことを心かけていただきたいと思います。 私は、これで質問を終わります。
○山中委員長 次に、神崎敏雄君。
○神崎委員 まず初めに、中曽根通産大臣に伺いますが、あなたは十一日の参議院の予算委員会で、物価騰貴の原因についての見解を大要次のごとく言われておるわけであります。こういうふうに報道されているのです。 その一つは、貴金属では、趣味の問題で、投機とかなんとかという問題ではない、医者や弁護士は金が余っているから買う者が多いからだ、 また、輸入洋服地についても、金持ちの趣味であり、高くてもやむを得ない、多少上がるかもしれない。 今日、大商社の投機行為をはじめ、生活関連物資の異常な暴騰で、問題がこれほど重大化している際に、その政治責任の立場にある通産大臣のこのような発言は、私はあらゆる面から問題があると思うのです。 しかし、時間の関係がありますから、この二点だけお伺いしますが、あらためて責任ある所見を聞きたいと思うのです。
○中曽根国務大臣 あれは、予算委員会におきまして、山田議員から各項目について今後の見通しを客観的に聞かれたわけでございます。そこで、これは主観を交えずに、客観的な私の見通しとして申し上げた中に、いま、貴金属の一部とか、あるいは絵画とか、そういうものについて、わりあいにお医者さんとかその他が、特に絵画なんかお医者さんがかなり買っている、そういうことを聞いてもおりました。そこで、客観的に見て、そういうようなものは本人の趣味とかそういう関係が非常に左右をしておる。だれの絵を幾らに買うか、そういうのはみんな各人の好みとか趣味というようなものがかなり左右しておる。もちろん、財産保全という意味で買っている人もなくはございません。しかし、それにしても、やはり主観的動機が非常に強い。そういう意味において、綿糸とかあるいは毛糸とか、そういうものとは性格が違う、そういう意味のことを申したわけでございます。
○神崎委員 洋服地はどうですか。
○中曽根国務大臣 洋服地につきましては、原材料は大体一千万着分からあります。しかし、いままでは八百万着が年間の需要です。したがって、この事実が国民の皆さんにわかれば、買い控えなさるでしょうし、また、そうしたほうがいいと思う。しかし、英国もののような外国から入ってくるものは、そう急に下がるということは考えられない。そういう見通しを申し上げたのです。
○神崎委員 現在、この物価騰貴の要因が、一部の医者や弁護士や、あるいはイギリスものの洋服を着るぜいたく者に原因があるごとく言われるということは、私は、非常に問題があると思うのであります。しかも、市井の床屋政談というような場所で、お互いが話をしておるような感覚ではなくして、政治責任の当該者がこういう発言をして、そうしてこれが新聞報道されるということは、もってのほかだというふうに私は思います。国民は、この記事を読んだら、通産大臣は現在の物価騰貴の主因をこのようなところに転嫁をされておるのかという形で、あらためて自民党政治の物価対策に対する措置についての考え方を定めるというふうに思います。 そこで、卸売物価や消費物価の高騰の中で、輸入物資の果たしている影響と役割りはきわめて大きい。ことし一月の輸入物価は前月比の五…五%高という非常に異常な高値であります。しかし、さすがにドル問題の起こりましたあれからの問題がからんで、二月に入って一・七%は下落いたしました。しかし三月に入ると、また羊毛、綿糸ともに繊維品は一一・二%高くなっております。今日の円切り上げ幅から見まして、先ほども言われたが、外国品はまだ高くなるだろうと言われるが、これでは国民が納得できない、こういう指数になると思うのですが、この点、大臣はどういうふうに考えられるか、この点をお聞きしたい。
○山下(英)政府委員 お尋ねは、輸入物資の価格動向についての見解だと思いますが、これは政府全体としましては、非常に注目している点でありまして、一つは、海外の穀物その他の物資の値上がり動向があるという事実と、それからもう一つは、日本が円を切り上げいたしまして、フロートに入りまして、持にドル等につきましては一〇%以上の差ができてきておりますので、その分を消費者に還元していく。輸入物資の値段を消費者に利益なように値下げをしていく。この追跡調査をやっておるところでございます。また、実際政策面としましても、輸入代理店等の行政指導によりましてそれを実現していきたいと思っておるところでございます。
○神崎委員 そういうことを聞いているのじゃないのです。円の問題とからんで、なぜ輸入品が下がらないのか、逆に上がるのだ。それはぜいたくする人が外国の洋服を着るからだとか、買うからだとか、だから上がるのだ、そういう一般市井におけるところのいわゆる間違った常識論で、専門的な立場に立ったり、政治的な責任の立場に立った者が、そういうことでいいかどうかということを先ほどの大臣の発言とからんで聞いているのです。
○山下(英)政府委員 輸入品価格の引き下げ品目として私どもが特に拾っておりますのは、二十品目ございます。現在、私どもの調査で価格引き下げ効果があったという品物は、洋酒、時計、ライター、万年筆、かみそり、チョコレート、紅茶等がございますが、その他、今後ともこういう直接、円のフロートが影響するものについては、追跡調査をしていきたい。また半面、羊毛、綿花その他原材料の輸入が値下がりしました効果が、加工製品の段階で消費者にどういう値下がり効果を持っていくか。これは先ほども御指摘のございました流通段階の問題がございますので、いま私があげました直接消費財とは違って、簡単ではございませんけれども、その流通段階を通しても、さらにその効果が出るように努力していきたいと思っておるところでございます。
○神崎委員 時間の関係で深くは追いませんけれども、尋ねていることをひとつ正確に答えていただきたいと思うのです。 さきに申し上げた輸入洋服地の問題、これを実例をあげますと、これは金持ちの趣味で高くなったり、今後上がるかもしれない、そういう感性的なものじゃない、単純な嗜好的なものではない、明らかにこれはごまかしなんです。いわゆる当該の政治責任者である大臣からの発言は、先ほど、問題だ、許されないと言うのは、そうではなしに、いまあなた自身から流通機構についての話がありました。そこでその線に沿って質問を続けますが、輸入服地の価格が下がらない、さらに上がるというのは、その真の原因は何かといえば、輸入総代理店制による、ここでも大手商社の独占であります。たとえば輸入服地のベストテンに入っておるスキャバル、これは伊藤忠です。ウエイン・シールは丸紅、バークレーズ・ウールンは日商岩井、A・ガニアは三井物産というふうに、それぞれ一社で独占をしている。このルートは戦後一貫して変わっておらない。他の商生がこれに介入しようとすれば、あらゆる面で圧力をかける。わが国の輸入服地の全体の七〇%を、これらの大手商社が支配しておる、独占しておる、こういう実例が——公取委員長に伺いますが、たとえば丸紅は輸入服地全体の中で昨年は何%を占めたのか、こういうことをひとつ教えていただきたい。
○高橋(俊)政府委員 公正取引委員会は、輸入総代理店のあり方について基準を設けて、その契約を一々チェックしておりますけれども、いまお尋ねのように、丸紅がどれだけの服地を輸入したか、そういうところまでは、まだ調査しておりません。
○神崎委員 あなたは国民代表である各議員の質問に対して、ときどき非常に無責任な答弁をされるのですが、それで独禁法が守れますか。公正取引委員会の存在価値は、一体どこにあるのですか。一体、独禁法というものは守らすようになっておるのか。法律だけつくって、見のがすようになっておるのか、どっちなんですか。ほんとうに御存じないのですか。
○高橋(俊)政府委員 輸入総代理店契約というものは、非常にたくさんの数にのぼります。それぞれのあれについて、一々金額を報告させるというところまでは規制しておらないのでございますが、いまのお尋ねの輸入服地について申しますと、輸入量、昨年の実績総額、これは各社別にはとっておりません。これは輸入のうちで輸入総代理店を兼ねている商社も一、二ありますが、実質的に代行しておるといいますか、輸入総代理店は形の上であって、輸入そのものをするのは大手商社である。それで、さらにそれの一次卸の役割りを果たしておるのが八社、われわれのほうで見ている分は、服地取り扱い大手業者としては約八社と見ておりますが、その八社の輸入総額は、大体七割、八割程度になっていると思います。その輸入量の毛織物の総額については、金額にして百十四億円程度であるということはわかるのでございますが、これを各社別にこまかくそれぞれ届け出をさせて実績追及するとなりますと、これは数百、あるいはもっと多い総代理店になりまして、多品目であり、その金額を各社別に全部チェックするというところまではいっておりません。ただ、そのシェアが過大になっていくかどうかという点は、一応事前にチェックしておるということでございます。
○神崎委員 ぼくは全国のすべての問題について聞いたのじゃなしに、三井物産、伊藤忠、丸紅、日商岩井というように名前をあげて聞いているのですよ。数百、数千あるのを知っているかと聞いたのじゃない。四つ聞いただけだ。その四つもわからない。 それでは伺いますが、これはどういうことに理解したらいいのですか。「輸入総代理店契約等における不公正な取引方法に関する認定基準」、四十七年十一月二十一日、「国内市場における同一品種の扱い量が二五%以上又は一位の場合、不公正な取引方法に該当するおそれのあるものとする。」これはどこがおつくりになったのですか。こういうものを持っておってわからなんだら、どうしてこれで取り締まれるのですか。
○高橋(俊)政府委員 認定基準は、当然私どものほうでつくったものでございます。 その意味でございますが、その二五%は、代理店契約を認める場合の認定基準でございます。その後において二五%を少しでもこえたならばいけないというふうに解釈すべきものではない、そういうふうに考えております。つまり企業の活動というものは、あるワクを定めて、そのときにおいて、たとえば合併を認める場合もそうでございますが、ある認定基準がある。そのときにおいてこえていない。しかしその後、自由競争の結果としてシェアが若干それをこえたといたしましても、直ちに違法性を持つというわけにいきませんが、ただ、著しくそれが市場支配的になり、排他的になれば、不公正な取引方法としてこれを取り締まる、こういうことになっております。
○神崎委員 そういうような理屈を聞いているんじゃないのですよ。世の中に法律があります、どろぼうしたら引っぱります、そんなことを聞いているんじゃないのですよ。いまのこの法律に該当すると思えば、常に目を光らしておって、少なくとも二五%以上になった場合は直ちにこれを発動しなければならぬのと違うのか、責任当局として。それを聞いているのです。そうしたら、いまわが国には二五%以上のそういうものを占めているところは一社もございませんからこれを適用できませんというなら、話はかみ合うのですよ。それをあなたは答えてなかったから、私のほうから言いましょう。 たとえば昭和四十六年一月から十二月、わが国に英国から入っている服ですが、これは二千二百十トン、金額にして四千百十九万七千ドル。四十七年一月から十二月、全輸入量が千九百九トン、金にすると三千七百四万四千ドル。この八〇%がイギリス製であり、その八〇%である千五百トン、しかも金額にすると二千九百六十万ドル、これが八〇%もいまあげたこの特定商社に入っているのですね。そうすると、二五%から見た場合、直ちにこれに該当するのと違うのかどうか、もしこのことが事実であったらどうするのか、この点どうですか。
○高橋(俊)政府委員 輸入服地を実際に取り扱っております大手業者の八社、これは伊藤忠、三井物産、日商岩井、八木通商、垣内商事、丸紅、三興トレーディング、三菱商事、この八社でございます。先ほど申し上げましたように、この八社の分の取り扱いはかなり大きなシェアを占めております。八社としては占めておりますが、少なくともこの認定時におきましては、二五%に達するものは一件もなかったというふうに聞いておりますし、その後これらのシェアが著しく変動したというふうにも聞いておりませんが、ただし、もしも二五%をこえているものを私のほうが認定しちゃったとしますと、それはおそらく、昨年の十一月にこの認定基準をつくったのでございます。それまでは、早くいえば、この認定基準そのものがはっきりしてなかったのでございます。昨年の十一月から、新しくどういうものを輸入総代理店として認めるべきか、あるいは当初から是正さすべきかという基準をつくったわけでございまして、三十六年当時においては、そういう基準は明確にはされておりませんでした。ですから、現在の時点においてどうなっておるかはもちろんあらためて調査いたしますが、一応の推定といたしまして、これらの八社は、それぞれの銘柄ごとに代理店と結びついておるということから、まあまあ大体のシェアはあまりくずれていないのじゃないかというふうに推定されるわけでございます。しかし、これは責任ある答弁とは申しかねますから、さらに調査をいたします。
○神崎委員 みずから責任ある答弁とは申せませんといったようなことを言われたら、たいへんですよ。質問できないですよ。責任のある答弁をしてもらうために質問をしておるのに、みずから責任ある答弁とは言えないということは、日ごろあなたは何もやっておらぬということを言っていることになる。 それではまた、こちらから申さなければならぬ。伊藤忠はスキャバルというところから取り扱い量は六〇%、丸紅はウエイン・シールというところから取り扱い量は五九%、向こうから出しておるベストテンの中に載っておる。あなたの言われているのはこれなんです。これはあとで質問しようと思ったのですが、あなたがこんな無責任な答弁をするから、こちらは先に出さなければならぬ。ちゃんと自分のダミーもつくって、一社独占している。しかも、この中にある大阪のいわゆるクラウンというところは、丸紅が輸入元であるのに、ここでは社長が日商の部長であり、しかも日商が九〇%までここの支配権を握っている。こうしてこれが、いわゆるぜいたくをやって服が上がっているだけではなしに、今日のいわゆる輸入服地というものを下げるどころか、ドルの問題がこうなっておっても、通産大臣の言うように上げているのです。これでもまだ、ぜいたくをやっているから外国の服地というものが下がらないで逆に上がるのですかということですね。中曽根さんどうですか。
○中曽根国務大臣 輸入の経路につきましては、なるほど問題点もあるように思います。これからは値を下げるように大いにわれわれも検討を加えて改善していきたいと思います。
○神崎委員 そうすると、ぜいたくだから上がるということについての参議院の予算委員会でのあの発言は、訂正されますか。
○中曽根国務大臣 あれは客観的に見通しを述べろと言われたので、客観的にこういう要素も加わって下がるというわけにいかぬかもしれぬ、そういうことを申し上げたので、われわれが主観的に下げようということは、もちろん下げるように努力したいということであります。
○神崎委員 主観的あるいは客観的にどうあろうとも、基本がいわゆる円とドルとの関係から見て、われわれは輸出するときにはいわゆる差損金が出る、輸入した場合には差益金が出るというのはいまの状態なんでしょう。それにかかわりなく、一般通念だとか一般的な話題的な形でものを律していいのかどうかということですね。それじゃ責任ある立場でないということを指摘せざるを得ないのです。さらに、こういういわゆる大手商社の独占的なルートでどういうことができるかといえば、大手総合商社が輸入の服地のルートを独占していることでまず第一にできることは、輸入量をコントロールできる。第二番目に、再販価格の協定もできる。また、いまあげましたように、三番目には、円切り上げによる差益分を吸収することもできる。こうして暴利をむさぼることができる。これでも独禁法違反の疑いがないと言えますか。これは非常に独禁法に対する疑惑があると私は思う。公取委員長どうですか。
○高橋(俊)政府委員 かりに輸入総代理店がそれぞれ商社と結託したといたしましても、その品物については総代理店として輸入する立場を堂々と認められておるわけでございます。ただ、それが再販行為をするとか、あるいは輸入量をみずから調整して値をつり上げるとか、そういうことをいたしますれば、これは明らかに独禁法に触れますので、そういうことは規制いたします。 なお、先ほど申し上げました中で、この点は見解の相違かもしれませんが、私どものほうで認定基準として、たとえば外国製洋服生地の場合、これは外国製のうちで圧倒的に多いのはイギリスでございます。イギリスが非常に大きいシェアを占めている。しかし、イギリスばかりではなくて、他の国からも入る。イギリスが先ほど申し上げましたように八十一億円、イタリーが十五億円、フランス十三億円、西独一億円、その他合わせて百十四億円というのが昨年の暦年の通関統計になっております。 それで、この中で二五%のシェアを占めることとなる場合というのを、私どもが銘柄別に、たとえばそれは六〇%占める、それを規制するといいますと、総代理店というのは一切いかぬということになる。銘柄別ではなくて、たとえば外国製洋服生地の中で、全体として大きなシェアを占めるかどうかということを問題にしているのであります。銘柄がたくさんございますから、それぞれの銘柄についてすべて五〇%、六〇%占めれば、直ちにいかぬのだということにはならない。ただ、全体の輸入服地の中で占めるシェアとして多くなれば、これはよろしくない、こういう見解をとっておるわけでございます。 なお、もう一つ申し上げますが、ドーメルという代表的なものがございますが、こうした代表的なものが五億円余りでございます。
○神崎委員 委員長にお願いしたい。聞いているところにかみ合わないので、少し時間を御配慮願いたいのですが、いわゆるブランドで、どのブランドがよく売れるかというやつが向こうに資料があるのです。日本洋装新聞というのは、これは業者の新聞です。これに書いてあるのは、いわゆるスキャバル、伊藤忠商事が舶来取り扱い量がAグループに入っているのですが、これが六〇%、ウエイン・シールが五九%、もっと言うならば、ジョサイア・フランス二六%、バークレーズ・ウールンというのは、これは日商岩井がやっているのですが三九%、いかに公取というのは下世話にうといというのか、職務怠慢というのか、目的意識的にそういうことにさわらぬようにしているのかは別にして、あまりにも知らな過ぎる。われわれの手に入るようなものは、あなた方にはもっとたくさん手に入らなければならぬと思うのです。それを基準にして取り締まっていくさかいに公取でしょう。それでは公取じゃないですよ。とるほうじゃなしに逃げているばかりだ。それではだめだと思います。 そこで、時間がずんずん進みますので次に進みますが、いま申しましたように、さきに中曽根大臣は、大体一千万着生産されておって、いま八百万着が消費される。ところがいま一千万着ある、だからだいじょうぶで、ほっておいたら下がっていくだろう、こういう話でしたね。ところが、その言われている一千万着のうちで、外国から入っている輸入服地は全体の約一〇%だといわれている。そうして、先ほどからあげている大手商社は、これを独占するために年間約百億円の利益をあげている、これは業者の推定ですが。そうして業界ではこの傾向はこれからますます伸びていく。したがって、今後三年間では大商社の利益は大体三〇%ぐらいになるだろう、こういわれているのですね。そうすると、現在でも一〇%で百億なんだから三百億になる。こういう形のいわゆる暴利がやられ、さらにこれからそれが拡大していこうというのですが、これでも通産省や公取は、高くなるのでやむを得ないんだ、ぜいたくするやつが舶来品を買うからだ、こういう形で放置されていかれるのかどうか、もう一回伺いたい。
○小坂国務大臣 公取のお考えもそうでございますけれども、われわれはそういう総代理店というものが価格支配をするということによって高くなることはいかぬということでありまして、それに対して並行輸入を認めるということでございますから、ただいまのような点の御指摘で、もっと他に輸入を許可して、そのために服地は安くなるということであれば、それは少しも拒むことではないのであります。
○神崎委員 小坂さん、いまの答弁と関連して、これは二十一日の日経ですが、「個人輸入安いと人気」というこの記事は、お読みになったですか。
○小坂国務大臣 ええ、見ました。
○神崎委員 そうしたら、いまの答弁とは矛盾しませんか。
○小坂国務大臣 われわれは並行輸入というのは大いにけっこうだと言っているわけでございますから、個人で輸入しようと一向差しつかえないということで、いわゆる総代理店のブランドというものがあって、総代理店というものがその店以外に扱えないということであると、いま御指摘のような点が間々懸念されるわけでありますから、そういう点を排除する意味において、並行輸入というものを奨励している、許可している、むしろ奨励的な意味において許可しているということであります。
○神崎委員 私は総代理店をふやせと言うているんじゃない。そこへ問題の焦点を当てているのではない。総代理店制を認めて大手にこういうかって気ままなことを許しているがために、国民がこれほど被害を受けているんだ。ぜいたく者が買うからものが上がるんだというような観点ではないんだという反証をあげているのです。 これにもこう書いてあるのです。「有名ブランド商品の独占販売をやっていた総代理店の中には、あわてて値下げで対抗したり、いやがらせをするケースも目立つなど、さまざまな波紋をよんでいる。」これが問題になろうとしたら、すぐこういう形で、あなたの言うようにストレートにうまくいかないのです。一般の洋服屋さんがたとえば香港に行って、そして少し買ったということが漏れたら、もう漏れただけで大手は圧力をかけて、その他のものを何も持ってこない。これは実際の業者の声です。小坂さん首を振りましたが、否定されるために首を振られたのか知らないけれども、あなたインフレ学の権威であるかもしれないが、法律に弱いとおっしゃったが、こういう流通機構もあまり専門じゃないと思うのですが、あなたがおつくりになっておる洋服屋さんに一ぺん伺ってみなさい。そうしたら私の言っておることが事実かどうかということはすぐわかるのです。 そこで、時間も経過しましたのでどんどん行きますが、この輸入総代理店制による大手商社の独占は、服地に限らない。消費財についても広くあります。問題は、このシステムが、あるいは流通過程において中小卸問屋を非常に苦しめる、あるいは末端の小売店に好きかってな取引条件を押しつける、そして一般消費者は非常な高値で買わされておる、これが事実なんです。 先ほどからあげておる場合を言いますと、流通経路を見ましたら、イギリスからアングロテックス・ジャパンという会社に来る。それから丸紅に入る。そして丸紅がいわゆるダミーのようにしておるこの六社に行って、そこから卸問屋へ行って、小売店に行って、消費者に来る。だからこの流通過程では、買占めも価格のつり上げも、たとえばアングロテックスと丸紅だけが話をすれば、全く自由にこのパイプを広げたり締めたりすることができるのです。公取は、こういうことになっておるのに、これを知らないのか。 さらに、これは時間の関係で続けて言いますけれども、先日来から非常に大きな問題になっている土地や木材あるいはモチ米、こういう代表的なもの以外に、あらゆる物資に、よくラーメンから自動車までといいますけれども、今日は、経済面だけでなく、わが国の政治全体を買い占めようとしている、また買い占められている、こういうふうに言っても私は過言ではないと思う。そうして、その犠牲はあげて一般消費者がかぶって、そして国民の生活が破壊され、非常に苦しんでおる。こういうのが今日の実態なんです。これについてひとつ国民の前にはっきりと、これからどうやる、取り締まりはこうする、そしてルートはこういうふうに改正する、何年何月ごろまでにはこういう形でひとつ責任のある処置をとりますということを、通産大臣あるいは小坂さん、公取委員長、ひとつそれぞれに責任ある立場からお答えを願いたい。
○中曽根国務大臣 わが国の政治が買い占められているということはないと思います。それはあなたの誤解であって、そういう発言をわれわれ自由民主党員に対して言われることは、はなはだ遺憾であります。われわれは、やはり国民政党として、全国民の福祉のために懸命の努力をしているのでありまして、そういう発言を公式の場でやられることについては、はなはだ遺憾でございます。われわれは物価を引き下げるという点については、内閣一致して、あらゆる手を通じていまやっておるのでございまして、この努力は国民監視のもとに行なわれているのであり、われわれは、その国民のいまの切実な要望を体して、国民の代表として懸命な努力を今後も続けていくつもりであります。
○小坂国務大臣 私も、中曽根大臣の言われたと全く同様な感じを持ちます。自民党が何か買い占められているというような、そういう御発言は、きわめて遺憾に思います。
○高橋(俊)政府委員 総合商社の問題につきましても、深くこれから実態を究明して、一時的な問題としてでなく、もっと広い範囲で、また長期的な観点に立って、これをいかにするかという問題を十分検討いたします。また、そのほか、独占禁止法の厳正な運営について遺憾なきを期したいと考えております。
○神崎委員 当然、中曽根さんや小坂さんからは、私の発言に対する反論が出ることは予期していますよ。われわれは、あえて言い過ぎでないということは、具体的にいろいろなところで言われてみても、責任のある答弁ができない、それは主観的にどうあろうとも、客観的にも、社会的にも、そういうふうな形に受け取られるのは現実であるということの立場から言っている。だから、私たちは、ここで言っている本案には——いわゆる野党の共同提案である生活関連物資規制審議会、これを設けて、総理大臣及び主務大臣に意見を述べることができる、しかし、政府案にはそういうものはない。主務大臣に意見を述べることを認めてない。何も触れてないのですね。また、都道府県知事の権限についても、政府案では何も触れておらぬ。こういう点から見たら、これほど社会的な大問題になっている問題についても、ほんとうに規制しようとする腹があるのかどうか疑わしい。だから、われわれは、大量な政治献金をもらったりいろいろなことをするからできないのか、こういう観点に立って発言をしているのです。 しかも、通産省は、昭和四十五年の九月に、流通システム化推進会議というものを設置された。そうして四十六年四月、昭和五十年を目標とする流通システム化基本方針というものをまとめられた。そうして、推進会議の委員をおきめになった。私は、その推進会議の委員というのはどんな人かやってくれるのだろう、こういう人たちがやってくれるなら国民も安心できるだろうなと思って、その推進会議のメンバーの表を見てあ然とした。ここには、先般来国会にまで参考人として呼ばれた丸紅の楢山さんも入っている。それから新日鉄、最近話題になっております永野さんが議長なんだ。ほとんどが、いま問題になり、されようとするような人たちばかりで流通システム化推進会議委員というのが構成されている。これはどれぐら いの機能と活動をやっておられるのかと聞けば、まだ一ぺん集まられたぐらいで、それからは何にもしておられぬということを聞きました。 こういうような形であるからして、私は国民の立場に立って——現在の重要なこの問題を真剣に取り上げようとせない、したがって野党が共同提案をしておる、物価を引き下げるためにはこうあるべきであるということについて、国民の立場に立って、自民党の皆さんもあるいは所管大臣の諸君も、真剣にひとつ考えていただきたい、このことを申し上げて、時間がオーバーしているので、これで終わります。 委員長、どうもありがとうございました。
○山中委員長 次に、松尾信人君。
○松尾委員 私は、非常に時間が限られておりますので、御答弁を要領よく簡潔にお願いしたい。 いろいろの論議を通じまして明らかになっておりますのは、買占め、売惜しみ、長官のお答えも、商社にある、また流通機構にあるというようなことでありまして、明確を欠くわけであります。こういうものをはっきりさせていくのが、物価上昇を押えていく基本だろうと思うのであります。そういう点における今後の長官の決意なりやり方。 二番目には、需給の不均衝にこの物価高騰というものが起因しておる、そういう面におきまして、それぞれの所管大臣が、どのようにその需給の不均衝を勘案してこれを解決していこうとするのか。 また三番目には、政府の行政指導力と申しますか、そういうものが非常に欠けておる。でありますから、流通段階におきましても、不当と認められるようなマージンというものの掌握ができない。これはそれぞれ、この買占め、売惜しみ、また需給のアンバランス、また流通段階におけるマージンの吸収、消費者に還元できないというものは品目別に明らかであります。このような点につきまして、簡単でけっこうでありますから、今後政府はこのようにやるということを、一言ずつお答え願いたい。
○小坂国務大臣 政府は従来、経済を成長させて完全雇用を達成するという方針でまいりましたが、ここで大いに福祉行政に転換する、福祉中心の社会をつくろうということに転換しておるわけでございまするが、この過程におきまして出てまいりましたこの問題に対しては、やはり全体の総需要というものを抑制して、そうして物価の問題というものを適正に処理していかなくちゃならない、こういう段階に来ているというふうに思うのでございます。そういう意味で、何としても物価を押えて、これ以上上げないのみならず、漸次これを下降させて、国民の要望にこたえるという方針をとりたいと考えております。 それから、物資等につきまして、ことに生鮮食料品などをどうするかということについて、もう少し統計を整備して、そうして全体の流通の近代化とともに、全体の需給の関係をうまく調整することが必要であるというふうに思います。 それから、一部投機の対象となっておりますようなものについては、根本的には情報の不足ということがあげられますので、さような点に留意いたしまして、健全なる、確実なる情報を流すことによりまして、国民のむだな仮需要の発生することのないようにしてまいりたいと思います。 それから、政府の指導云々の問題でございまするが、私どもは国民とともに行くというふうに考えておるのでありまして、何か非常に役人がたくさんできて、物資の価格を一々統制するというような、そういう考え方はとらないという現在の方針をそのまま行なってまいりたいと思っております。 何か先ほどもいろいろな話がございましたのですが、ああいう、はなはだこの場所にふさわしくない、品位のないお話は別といたしまして、私どもは漸次——経済企画庁の前身を考えてみましても、経済安定本部の時代にどのくらい役人がいたかと申しますと、五千八百人おるのです。それで物価庁の当時を見ましても、その担当官が千二百人もおる。今日、経済企画庁というものは五百四十人そこそこでやっておるわけでございまして、そういう体制はやはり持っていこう、政府の権威というものについては、おっしゃるとおり権威ある政府というものを持ちつつ、しかも国民とともにいくという考えでいきたいと思っております。
○中曽根国務大臣 従来から各物資ごとに需給協議会等をつくりまして、まず需給の流れを円滑にする、そういうことと同時に、商社等に対する監視の目も強めまして、御期待に沿うように順次引き下げていくつもりでございます。
○櫻内国務大臣 経企庁長官、通産大臣の言われたことに尽きておることでございますが、特に私の所管では食糧等の安定供給ということが重要でございますので、一そう細心の注意を払ってまいりたいと思います。
○松尾委員 いまお答えのありましたことにつきまして、品目別にいろいろ政府の施策の不足の点等をついてまいりたいと思うのでありますけれども、これはなかなか時間の関係で不可能であります。きょうはセメントと合板の問題に限りまして、私は二、三の所見をただしていきたい、このように思います。 日銀の卸売物価指数から見ましても、セメントの価格は四十七年十二月、ことしの一月、二月と、逐月これは高騰を続けております。また、末端における建材店小売価格、そこの取引価格というものは、はるかにこの日銀指数、そういうものによらない高騰を続けておりまして、一袋千円といわれるような、これは非常なやみ価格と申しましょうか、そういうことまでして袋物の入手につとめておる。このような価格の高騰というものが続いておること、こういうことにつきましてどのようにお考えでございますか、大臣。
○中曽根国務大臣 セメントの需給につきましては、かねて各委員会で申し上げてきたところでございますが、暖冬による需要の膨大化等の原因によりまして、特に市中の袋物が暴騰しましたことは遺憾でございますが、政府といたしましては、大体四十八年度の需要量八千八十万トンと策定いたしまして、これに見合うだけの十分な生産体制をいま整えつつあります。 しかし、大体市中の情勢を見ますと、大口の需要、つまり工場から直接いくのが八〇%ぐらいでございまして、二〇%ぐらいが袋で出てくるわけでございます。その二〇%の中で、市中の土建屋さんやその他に袋で出てくるのは一五%ぐらいでございまして、全体の総生産量の三%程度が市中へ出てくる。これが需給が逼迫してきましたから、仕事をやるについて最後の仕上げの十袋、二十袋が要るというときに、かなり値が上がったという面があるわけでございます。 私、先般セメント会社を視察いたしまして、まず第一に、その市中の中小土建等にいく分について二%ふやしなさい、つまりことしは五%にしなさい、そういうこととか、いまの流通関係につきましても、セメントの需給あっせん所をつくりまして、そして県及び特約店等を通じて、御要望に応じて低い値段でその品物を出すということを始めておりまして、いまこれが機能し始めたところでございます。今後とも、各県別に需要の激しいところ等をよく調査いたしまして、需給のバランスをとっていくつもりでございます。
○松尾委員 この需給の問題でありますけれども、いろいろ御検討ですが、その中でどうしても考えていかなくてはいけないのは、国民大衆につながっておるのは建材店であります。でありますから、いまお話しの小口の袋物、これを増産していくということでありますが、それに対しても具体的な指示がなされるのかどうか。もう検討段階から実現の段階に入らなくてはいけません。さらに公共投資と申しますか、住宅のそのような予算というものも、四十七年度の分もまだ残っておりますし、四十八年度の分もいまからどんどん出ていくわけでありますけれども、これをきちっと押えなければ、また別のことばで言えば、予算面上のこのような公共投資というものは資材の面で行き詰まってくるであろう。現在すでに行き詰まっておりましょうし、今後ともそのとおりたどるわけでありますが、そういう点を勘案されて、そして国民大衆の一番必要とする小口もの、袋物をどのようにやっていこうとされるのか、そこのところをもう一回はっきりおっしゃってください。
○中曽根国務大臣 先ほどのように、ことしは二%の増配を行ないまして、まあいままで三%だったところへ二%の増配がいけば、かなり率としては響いてくると思います。 一方、先ほど申し上げましたあっせん所をつくりまして、四月十六日に袋詰めセメントあっせん相談所を全国で七十九カ所開設いたしました。そして中央及び通産局単位で新聞発表等を行ないまして周知させたのでございますが、まだ発足後日が浅いために、必ずしも十分周知徹底されておりませんので、今後とも、都道府県の広報紙等を通じてさらに広報してまいります。報告のあった二十七県についてみますと、開設日の十六日が百五十四件、十七日が三百六十件、十八日が五百四十件というふうにあっせんの依頼が来ておりまして、それぞれあっせんをしておるところでございます。今後とも、この小口の需要については、われわれとして対応できるように極力努力をいたします。
○松尾委員 いま小口のあっせん所のお話が出ましたけれども、これは長崎県の実態でありますが、このあっせん所の店開き初日には、たった十三名の大工、左官が来たばかりであります。これはいま大臣が言われたように、周知徹底というものがまだでき上がってなかったのかどうか。 それから、これは一人一口十袋以下というわずかな数量だけしか受理いたしません。そして、それがはたして実需に基づくかどうかいろいろ調査をやられまして、間に合わない。ですから、そのような小口袋物に対する対策をせっかくお立てになった以上は、これが実効あるように速急に持っていかなくちゃいけないと思います。普通の家一軒の土台だけでも袋物で三十袋は要る、こう言われているわけです。それを十袋でいいのかというわけです。申し込んでも中途半ぱだからというようなことにもなりますね。もう一回こういう点を考え直すお考があるかどうか、そういうことですね。まず十袋ということを考えなくちゃいけないと私は思うのです。 それと、もう一つの隘路は、急に袋物をふやすといまおっしゃいますけれども、現実には、これはセメントの袋をつくっている業者の製造能力が、いまとてもバランスがとれない。大臣がそうおっしゃいますけれども、現実には、袋自体ができていかぬのじゃないか、このように考えますが、そういう点における配慮というものをどのように考えられますか。
○中曽根国務大臣 袋関係のあっせん状況を見ますと、全国的に十六日が百五十四件、千四百四十八袋、十七日が三百六十件、二千九百十一袋、十八日が五百四十件、三千七百十八袋、この三日間で千五十四件、八千七十七袋、三百二十トンのあっせんをしております。だんだんわかるにつれて、これらのものは申し込みも多くなるだろうと思います。 それから、袋の需給関係でございますが、先般、私がセメント会社に参りましていろいろ懇談した際には、袋の需給心配ないかと聞きましたら、袋は間に合っております、心配ございません、そういうことでございました。しかし、その点、私も気にかかっておったところでございますが、最近の情勢よく調べてみます。 十袋は少な過ぎるのではないか、こういうことでございますが、なるほど十袋は少な過ぎるような気もいたします。しかし、需給関係がタイトでありましたから、そういう一応の基準をつくりましたが、今後の成り行きを見ましてふやしていくように努力いたしたいと思います。
○松尾委員 いまの問題は、ほんとうに建材店というのが国民生活につながっているわけですね。そこで袋ものが手に入らないで上がっている。これがセメントがやんや騒がれている大きなところです。そこに力を入れれば、セメントの問題はある程度解決するんじゃないか。これは急に生産の増強もできません。台湾等からの輸入も、韓国等からの輸入も、そうたいして大きく期待できません。そういう点からいえば、何としても需給の調整というものを考えて、官公需のほうをうんと考えていくというようなことが基本的に必要であろう。大衆が消費する少ない量の袋ものというものをしっかりやっておく。いま袋自体はだいじょうぶだとおっしゃいますけれども、だいじょうぶではありません。もう一回これは早急に深く検討されまして、対策が必要だろうと思います。 時間もなくなりましたので、次に合板の問題に入ります。合板は四十五年、四十六年、四十七年上期まで、非常に低迷期でありました。ところがやっと四十七年八月からどんどん上がってまいりました。特に昨年十二月、これは卸売物価で見ましても一一〇・六、四十八年一月一三〇・四、二月一五四・三、三月上旬一六〇・七と、このように、最近も非常に上昇の傾向は著しいものがあります。前年に比べて二倍でありますが、こういうことから、合板というものは、過去二、三年の不況というものをいま一挙に取り返しておるんだ、もっけの幸いで企業自体が大きな利益をあげておるんだというような、いまそのような考え方が定着いたしております。 もう一つは、合板自体のこのような価格の変動、最近における価格の高騰というものは、合板企業自体の体質の中にある、このように考えられるのであります。 企業自体はどうかと申し上げますならば、韓国、台湾からの追い上げを食らっておりまするし、何としても体質改善をやらなくちゃいけないというので、三十八年から近促法の指定を受けて、そして体質改善を始めた。おまけに四十四年からは構造改善事業として適用を受けることとなってまいったのでありますけれども——もう時間がありませんので、私のほうからどんどん言いますけれども、このような近促法の指定または構造改善事業としての適用を受けながら、いまだに合板企業というものの体質が国際競争力をつけて、もうだいじょうぶというような点までいっていないということをどのように反省されるかということ、今後どのように体質というものを改善して国際競争力をつけるかという点につきまして、農林大臣の考えを聞いておきたい。
○櫻内国務大臣 四十四年のお示しの二次構造改善事業、これは比較的順調に成果をあけておると私は思います。昨年末で、集約化事業については、これは企業合同あるいは業務提携では合計で一〇〇%になっております。設備の改善、これは六七・六%、それから二次構造改善の目標生産に対しては八六・二と、こういうことでございますから、四十四年に実施をしたわりには、私はまず順調であろうと思いますから、この二次構造改善をこのまま推進をしていきまして、目標年度には何とかその成果をあげたい、このように考えておる次第でございます。
○松尾委員 いま大臣からお答えになりましたけれども、内容は、この構造改善事業として一体何をやったかといえば、共同倉庫の設置と技術開発面におけるお互いの協力でありまして、二百何十社もあるこの合板会社が、ほんとうに国際競争力に耐えるような体質になったか。この構造改善事業は来年で終わりですから、残りはもう一年しかないというときに、ここまできてこれらが、いま大臣はだいじょうぶだ、このようにおっしゃいますけれども、ほんとうですか。それと同時に、来年で打ち切られた場合に、今後は日本の合板事業というものは、価格の変動等から、また韓国、台湾の追い上げ等にもだいじょうぶだというように思われますか。
○櫻内国務大臣 私は二次構造改善事業の推移を申し上げたのでございまして、ただいま御質問のように韓国、台湾との間で競争力がどうかということになりますれば、なおまだ非常に心配な点が多いわけでございます。 言うまでもなく、労働集約的な事業でございまするし、自己資本率も少ない。そこへ変動相場制移行、ドルの切り下げが行なわれたというこの現実からいたしますならば、さらにもう一つ突っ込んだ対策を考えなければならないかと思いますが、当面この二次構造改善事業を明年度までに遂行いたしまして、その上に適切な施策をしてまいりたい、このように見ております。
○松尾委員 もう時期的にも非常に余裕がありませんし、適切な指導をするとおっしゃいますけれども、三十何年から近促をやり、四十四年から構造改善をやっておって現在の状態ということは、反省なされまして、そうして基本はやはり労働力の問題それですから、これを高度化するとかなんとかいうことは、製品において、断固発展途上国との間に差があるというものをつくる以外にない。ですから、同じ競合するものは競合するように、今後の行き方というものは企業の中で考える。そうして日本では、何としても海外に追いつくことのできない技術開発をしまして、高度化して、ほんとうの体質改善をしていくということが、国民大衆の物価というものに及ぼす点からいけば大きな効果があると思いますので、しっかり考えていただきたいと思います。 最後に、関税の問題でございます。これは基本的には、何としても国民大衆につながった建築資材というものは関税を取るべきじゃないというように考えます。 幼稚産業の育成、これはどうしても日本として必要なものであるという考え方であれば、近促をやり、構造改善事業を過去やってきての現状というものは、よほど合板企業については考えを新たにしなければ、これはどんどんつながっていくと思うのですね。そうして国民大衆としては、すでに価格の高騰その他で困る。あわてて輸入する。輸入した結果がどうなるか。いろいろまた低迷に入っていくとかいう問題を山ほどかかえております。 そういう点におきまして、関税は下げるべきであるというような要望は非常に強うございます。基本税率を下げるということは非常に問題があると思いますが、せめてこのように価格高騰が昨年から続いてきておるこういう段階において、緊急関税的な、暫定的に、価格暴騰のときに関税を安くしていくという考えはありませんか。そういうふうな基本的な関税に対する考え方、基本税率についてはいろいろ問題がありましょうから、私はいま触れません。せめて、価格暴騰しておる外国からどんどん、一年分の輸入をもう二カ月間でやっているというようなときには、そういうことを考えて、苦しんでおる国民大衆のために少しでも安くしていこう、これはいかがですか。
○櫻内国務大臣 確かに松尾委員の御指摘も一つの考え方でございまするが、松尾委員も前段に、いまの日本の合板事業の置かれておる実情を御心配になって御指摘になったわけであります。そこで、その関税問題もさることながら、一−二月に昨年分ぐらいの輸入を促進したということで、三月上旬をピークにいたしまして、その後ずっとだんだんに価格は鎮静化してきておるわけでございます。そういうわけでございまするので、一つのお考え方であるとは思いますけれども、私としてにわかに、大蔵当局に対して合板の関税は考えろというのには——やはり私として、合板工業のほうを守っていきたいという気が先に立ちます。
○松尾委員 それは基本税率、基本税に対する考え方は、それでよかろうと思います。しかし、このように、長年、政府もうんと力を入れてきて、近代化をやり構造改善をやってきた、それでもいろいろ問題がありまして、どんどん上がっている外国から、去年一年分の輸入をことし二カ月でやっちまったというようなときにおいて、結局物価か上がって、国民大衆が全部苦しんでおるのでありますから、せめてそういう時期には緊急関税的に、関税をある時期に限って当然引き下げていくのがあたりまえじゃないか、こう言っているのです。
○櫻内国務大臣 私はその御意見はよくわかるが、私どもとしては、ただいま御指摘のように、量を相当に集中的に入れることを促進して、その面で価格が鎮静化しつつあるということで、御意見は御意見として、にわかに私として賛成しかねるということをお答えしたわけであります。
○松尾委員 たくさんの輸入をしたからやっと鎮静化しておる、これはどうなるかよくわかりませんけれども、そういう段階だから明確なお答えはできないんだという考え方はありますけれども、かりに、今後どんどんこれが下がっていくということだったらけっこうです。けっこうでありますけれども、もう合板事業自体は、いつまでも関税で保護していく企業でなかろうというのが、基本的な考え方なんですね。ですから、速急にことし、来年度で構造改善をやり遂げて、りっぱな国際競争力をつけていく、この方針は堅持すべきである、すみやかにやるべきである。そういう時代を迎えて、関税は撤廃の方向に持っていくべきである、私はこう言っているわけですね。そして、いま、このように物価が上がって困っているときに、せめて関税の面だけでも、そういう緊急時期だけでも下げたらどうか。いま効果があがったらとおっしゃいますけれども、今後のこともあります。いろいろの問題もあります。牛肉の問題かありますが、牛肉の問題はきょう触れません。触れませんけれども、今後の問題として当然お考えになっておくべきであろう、こう思うのですが、いかかです。
○櫻内国務大臣 御意見はよくわかるということを申し上げておるのでございまして、今後、そのような緊急事態に対処いたしましては、検討さしていただきたいと思います。
○松尾委員 以上、終わります。
○山中委員長 次に、神田大作君。
○神田委員 まず、私は、物価かこのように上昇いたしました責任について経済企画庁長官にお尋ね申し上げます。 本年一月二十六日に閣議決定された四十八年度の経済見通しでは、卸売物価上昇が二%、消費者物価上昇が五・五%程度にしたい、そういうことを閣議で決定されたようであります。ところが今日、本年三月におきましては、卸売物価においては一一%、消費者物価については九%、こういうような急上昇をしておりますが、これははなはだしい政府の見通しの誤りであり、政府は国民大衆に対しまして、これに対する大きな責任を持たなければならぬと思いますが、この点について、簡単でけっこうでございますから御答弁願います。
○小坂国務大臣 この三月の時点では仰せのとおりでございます。しかし、これは年間の見通しでございますので、私ども、政府の政策努力と相まちまして、何とか目的の線を守るように努力を今後続けたいと考えておる次第でございます。
○神田委員 一年間の見通しであると申しますけれども、今日、もうすでにこのような大きな差が生じておる。長官としては、それでは一体、閣議決定された卸売物価二%、消費者物価五・五%を、年間を通じまして押し通せる自信を持っておりますか、その点をお伺いします。
○小坂国務大臣 自信というより、最大の努力を続けたいと申し上げておるわけでございます。
○神田委員 これは最大の努力をすると言うけれども、私はとうてい不可能であろうと思う。そういう不可能であるようなことを申して国民を惑わせるというようなことは、これは政治の姿勢ではないと思う。この物価の上昇はあげて田中内閣の責任である、私はこれを大きく自覚をしてもらいたい。 と同時に、公共料金を押えるべきであるにもかかわらず、ここに通産大臣はいないようだが、郵政大臣おるようでありますが、公共料金を値上げをしておる。われわれが、これを据え置きをして公共物価の値上げを押えろということを再々申し入れているにもかかわらず、電報、電話あるいはまた郵便、今度は国鉄法案でもって国鉄の大幅運賃の値上げをしようとしている。あるいはまた、あらゆる公共物資の値上げをはかっておりますけれども、これら公共料金の値上げに対しましてどのように考えておられるか、これは経済企画庁長官と郵政大臣にお答え願、います。
○小坂国務大臣 政府といたしましては、しばしばの機会に申し上げておりますように、公共料金については、真にやむを得ざるもの以外は極力これを仰制するという考えでおります。
○久野国務大臣 御指摘の郵便料金、電信電話料金の値上げの問題につきましては、現在、当分の間これは値上げをしないという方針でございます。特に郵便料金につきましては、本年度収入が赤字でございますから、そこにやはり問題があるわけでございますが、経営努力によってこの赤字を克服をいたしまして、郵便料金は値上げをしないというふうに私は考えておるような次第でございます。
○神田委員 電話料金等は値上げをしております。電話というものはだいぶ普及をされまして、相当合理化もされておりますし、この点においては、私は、むしろ値上げどころか値下げをすべきであろうと思う。公共料金は合理化の精神によって値下げをして、そしてほかの物価をそれに見習わせるというような態度をとるべきが政府の態度であろう。にもかかわらず、今日このような値上げをやっておることに対して、われわれは納得がいかないのです。 また、NHKのあと地の問題は、新聞紙上等においても知られるとおり、膨大な価格でもって売買された。これに対して、郵政大臣は、NHK会長と話し合いをしたようでありますが、これはその権限ではないというので会長から突っぱねられて、そのまま引き下がっておるようでありますが、監督官庁であるところの郵政大臣が、一たんこの問題に口を出して、引き下がって、そのままそれが地価上昇のきっかけとなり、あるいは諸物価の値上げともなったといわれておる。これに対して大臣はどう考えますか。
○久野国務大臣 東京放送会館のあと地の売却問題、いわゆるNHKのあと地の問題につきましては、世論のきびしい批判があったことは私はよく承知をいたしておるところでございます。何らかの形でこのあと地問題を処理をいたしたいということで、いろいろ話し合ってみたのでございますが、法制的には、やはり私自身としてはこれに介入する権限がございません。 そこで、御存じのとおり、このNHKの収支予算につきましては、三月三十一日、両院で皆さんに御承認をいただいたような次第でございますが、この承認の中身を簡単に要約して申し上げますならば、あと地の売却代金は三百五十四億六千万円でございますが、このうち五十四億六千万円を事業安定化資金に使う。そうしてNHK会長は、この事業安定化資金を流用して三カ年間はNHKの受信料の値上げはいたさないということを、国会でもって数度に及んで答弁をしておられるのでございます。 しかし、私は、この収支予算につきまして、私自身が意見を付しました。その意見の中に、私は、今後経営努力によって長期にわたって値上げをしないように措置すべきであるという意見をつけたのであります。でありますから、NHKの会長が三カ年間は値上げをしないと言っておられますが、三カ年間という期間を区切らずに、やはりNHK自身の経営努力によって、そうして受信者の皆さんに御迷惑をかけないように努力すべきであるという意味で、私はこのような意見をつけたような次第でございまして、どうかこの点を御了解をいただきたいと存ずる次第でございます。
○神田委員 NHKは多額の未収金と申しますか、いわゆる徴収すべき料金を徴収せずに放漫経営をやっておったと聞いておりますし、実際われわれはそれを知っております。このような放漫経営をやって、あと地をばく大な価格でもって売り渡して、これがあと、都会のみならず、全国の土地値上がりの大きな原因になっておる。私は、むしろNHKの料金は引き下げるべきである、三年間据え置きどころか、これは経営改善をしてもっと引き下げるべきである、そうして物価の抑制に役立たせるべきであろうと思う。 そういう意味合いにおいて、大臣の今後の努力を私は望むと同時に、こういうような問題を政府がやはり厳重に監督し、行政指導するところに、私は、政府の今日における物価問題に対する責任体制というものを明らかにすべきではなかろうか、こう思います。これに対するお答えを願います。
○久野国務大臣 神田委員の御意見は、私も理解できるところでございます。しかしながら、やはり現在の法令のもとにおいてはあのような措置をせざるを得なかったわけでございまして、私自身といたしましても、何らかの措置はでき得ないものかとたいへん苦慮をいたしたような次第でございまして、これは国会においても、数回にわたって皆さんから、御疑念として私に質問された点でございます。御意見のところはよく理解できるわけでございますから、今後、私は、NHKに対しまして極力、先ほど申し上げましたように、受信料の値上げをしないように指導をいたしていきたい、かように存ずるような次第でございます。
○神田委員 通産大臣にお尋ねしますが、政府は繊維の不買運動をやろうというようなことを言われておりますが、これは、私は主客転倒であろうと思う。政府が主張すべきじゃない。国民が、これはどうにもならぬから不買運動をやろうというならわかるのであるが、この不買運動をやるという前に、現在あらゆる物資は、われわれの調査したところによりますと、国内にある。あるにもかかわらず、これを買占めし、売惜しみをしておるのだ。この買占めをし、売惜しみしておるものをどうして吐き出させるか、消費者に手渡させるか、こういうことが一番問題だろうと思う。 私は病院に参りましたところが、ガーゼが足らぬ。しかし、ガーゼというものは、交通事故等において重大な死ぬか生きるかという病人に対しましては、血がたくさん出る、それにばく大なガーゼを使わにゃならぬものであるからして、入手はします。入手はしますけれども、いまは三倍する、こういうようなことであります。また、ある主婦は、子供を嫁にやるので縫い糸を買う。この縫い糸の価格は、小さな一束のものが七十五円であったものがもう百五十円になっておる。倍になっておる。しかし、ありませんからと言って一つずつ売っておる。行けば売ってくれる。中のほうに入っていっては売ってくれる。だから、これは必ずどこかにあるのです。ただ、持っていれば上がるから持っているだけだ。 この問題を政府は買うなと言ったところで、必要なものを買わないわけにはいかぬ。そういう意味におきまして、現在、国内にあるところのこれらセメント、木材、羊毛、綿糸、生糸とかそういうようなもの、あるいはまた食料品等に及んで買占め売惜しみが行なわれておりますが、これは、この法案が出る前にすでにもう大もうけをしておるのがたくさんあるわけでありますけれども、この法案ができるころはもうほとんど終わってしまう。そういうことに対して通産大臣として、いかなる考えといかなる方法をもってか、国内にあるこの物資を末端の消費者に行き渡らせるくふうはないか、また、そういう対策を行なったかどうか、お尋ね申し上げます。
○中曽根国務大臣 御指摘のとおりであると思います。繊維関係の需給調査を一応やりましたところいかなり各段階において手持ちはある。それが一部の商店等によって、いま買わないとなくなりますよ、そういうような宣伝がましいことに消費者が巻き込まれる、そういうことが多少見えましたものですから、通産省といたしましては、よけいなことかもしれませんが、品物はあるのですから消費者のほうでも考えてください、そういう意味で暗示をしたということでございますが、これはまさに主客転倒であると思います。消費者のみずからの自発的運動によってそういうことが行なわれることが望ましいし、将来はそういうような声が起こらないように、われわれ自体も事前にいろんな措置をしてまいらなければならぬと思います。 いま御指摘のいろいろな衛生材料や繊維製品等につきましては、それぞれの需給協議会を設けまして、メーカーあるいは問屋、各段階における需給関係を中央並びに各通産局ごとに設定いたしまして、そして在庫その他の照合をやり、値を引き下げるため、また流通を促進するために目下努力しておるところでございます。今後もこの監視の目を強めて、お客さまに迷惑をかけないように努力してまいるつもりでございます。
○神田委員 最後に私は、時間がありませんからお尋ねしますが、運輸関係についてであろうと思いますが、ぜひ大臣にきょうは来ていただきたかったのでありますが、どうしても大臣はあすからのスト等の関係で来られないというが、明二十四日からストは行なわれる。これはもう重大な物価、物資に対しても影響を及ぼす問題であります。この連続ストに対しまして、政府当局としていかなる対処をするか。国民にも大きな問題を及ぼすのでありますからして、国鉄当局に、これらに対する考え方、これをどう善処するか、その点についてお尋ね申し上げます。
○住田政府委員 本日、すでに御承知と思いますが、三公社五現業の当局から、十一時半でございますが有額回答をしております。有額回答の内容は、昨年の仲裁裁定額と同一額ということで、有額回答をいたしたわけでございます。 御承知のように国鉄につきましては、昭和四十一年以来有額回答をしたことはなかったわけでございますが、今回踏み切りまして有額回答をいたしたわけでございます。現在、国鉄の財政状況というものは非常に悪化いたしておりまして、このような現状で有額回答をするということは、きわめて困難な立場にあったわけでございますが、一方、国鉄の財政再建のためには、労使が十分理解し合って正常化をはかるということが必須の要件でございます。そういうことを考えまして、今回、国鉄当局が有額回答をいたしたわけでございます。 運輸省といたしましても、組合が、当局が勇断をもって有額回答をしたということを十分理解し、賃金改定について誠意を見せたいということを考慮して、賃金問題は違法なストによって解決するのではなくて、正規の手続、公労法に定めております調停あるいは仲裁というような正規のルートによって解決されることを期待いたしているわけでございます。 不幸にしてあした以降順法闘争あるいはストに入った場合に備えまして、運輸省といたしましては緊急対策をいろいろやっております。緊急対策の中身といたしましては、ストに入る前にできるだけ生活必需物資を消費地に繰り上げて輸送しておくということで、繰り上げ輸送を本月の初めからやっておりまして、十七日のストで若干滞りましたけれども、全体といたしましては繰り上げ輸送の成果はあがっていると考えております。 それから、二十四日以降順法闘争あるいはストに入りますと、かなり輸送力が減退することになっております。大体三割以下に落ちるのではないかというように考えておりますが、その間、いわゆる急送品列車、これは野菜とか魚とか、そういう生活必需物資を運んでおります列車でございますが、それがいま十九本毎日動いております。それからコンテナ輸送、フレートコンテナ、これか大体一日七十五本くらい動いておりますが、そういうものを、ただいま申し上げました三割の輸送力の範囲内で確保したいということでいろいろ検討しておりますが、しかし、実際問題といたしまして、ストに入りますと貨物輸送ができない場合もございますので、大体一日、生活必需品の輸送か二千八百トンぐらいと考えられるわけでございますが、これを八トントラックで運ぶといたしますと約四百五十台必要であるわけでございます。その四百五十台のトラックによりまして二千八百トンの生活物資等を運ぶ手配をいたしております。ただ、そういう物資につきましても、物資官庁である通産省、農林省と十分話し合いをいたしませんと円滑な輸送ができませんので、現在話し合いをいたしているところでございます。
○神田委員 まあ国鉄は特に、当事者能力がないといままでいわれておる。それはやはり労使関係に対して国鉄の能力といいますか、そういうものか国民から疑われているわけです。この際このようなストを続け、長引かせれば、国鉄に対する信頼はますますなくなってくると思う。国民にも大きな迷惑をかける。これはぜひ政府の責任において、ここで政府の責任といえば企画庁長官がおるから、長官が代表して、政府の責任においてこれを回避する努力をすべきであろうと思いますから、一言、経済企画庁長官から、この問題についての御答弁を願って、私の質問を終わります。
○小坂国務大臣 この問題は、国民経済に与える影響も、また国民の日常生活に与える影響も非常に大きいわけでございまして、何とかこれを回避するように努力したいと考えております。実は、この委員会におりまして私は出なかったのでありまするが、政務次官が出ましての報告でございまするが、これについては政府声明を出すということであります。 その内容は、国鉄が、その財政的危機状況にもかかわらず、あえて他公共企業体並みの有額回答を行なうということは、労使関係の正常化に勇断をもって当たろうとしている決意のあらわれである。そこで政府としては、すみやかに法律の定めるルールに従って賃金改定問題が解決されるとともに、国鉄の労使関係が正常化されることを熱望する。 なお、公労協関係の組合が、賃金改定問題のほかにスト権奪回などの政治的目的を掲げて違法なストライキを実施しようとしていることはきわめて遺憾である。こういうことの結果、国民に多大の迷惑を及ぼしたり経済に影響を及ぼすということは、国民の激しい批判を免れないところであろう。そこで関係者、ことに公労協関係組合が、当局の誠意をくんで、良識をもってすみやかに計画を中止するよう希望する。万一このような違法行為が行なわれた場合は、法律の定めるところに従い、厳正な態度で対処せざるを得ない。どうぞ自戒、自重をお願いしたい。 こういう趣旨の声明を出すことになったという報告を受けております次第でございます。
○神田委員 時間がありませんから、私の質問は終わります。
○山中委員長 午後三時から連合審査会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後二時二十九分休憩 ————◇————— 午後三時六分開議
○山中委員長 休憩前に引き続き連合審査会を再開いたします。 質疑を続行します。渡辺美智雄君。
○渡辺(美)委員 いわゆる買占め売措しみ法案に関連して、自由民主党を代表して質問いたします。 伝えられるところによると、国鉄の春闘で二十六日から七十二時間ストライキが行なわれるというようなことが報じられておるわけでありますが、これはきわめて重大なことであって、この間、約一日近いストライキが行なわれただけで、非常な混乱を起こしたばかりでなくて、一部に暴動的な問題が起き、なおかつ、これに便乗していろいろなセメントやあるいは石油の値上げ、こういうものが行なわれたのであります。今度ほんとうに七十二時間もやられたら大混乱を起こすのではないか、私はこういう気がしてならない。 聞くところによると、一日ストライキをやると十日半くらいはいろいろな物資に影響するということがいわれております。野菜を積んだまま車庫に入ったまま出てこない、こういうようなことになったのではこれはたいへんなことなので、実は労働大臣等に来てもらって、何が何でもこのストの回避、これをやってもらいたい、そのことを聞こうと思ったのですが、どうしても労働大臣来られないということでございますから、少なくとも政府においては、特に一番影響を受ける生鮮食料品対策、これはもう物がないとかどうとかという騒ぎになったらたいへんなことなんです。農林省池田食品流通局長、こういうことが予想されておるときに、農林省は、もし万一行なわれたときには、緊急に野菜や魚を、大都市のものをどうして確保するか、それをひとつ簡潔に承りたいのであります。
○池田政府委員 御指摘のように、野菜につきましては、当面タマネギとかあるいはエンドウとかあるいはバレイショといったようなものがとまってまいります。したがいまして、これらに対応いたします措置といたしまして、振りかえ輸送をまず実施するということでございますが、同時に、現在野菜価格安定基金が保管しております輸入タマネギにつきましても、これを約千トン弱、四月二十五日からちょうどスト期間の二十八日まで緊急放出をいたします。その予定で現在準備中でございます。 また、魚につきましては、現在全漁連が、水産物の流通改善事業といたしまして約一万一千トンほど、これはサバとかイカとかサンマを主体といたしまして保管をいたしておりますが、これも状況に応じまして京浜、中京、京阪地区等に放出をするという対策を立てております。 また、中央卸売市場におきましても、闘争の前後におきまして集荷対策に万全を期するために、特に事前の輸送というものに現在全力をあげるように指示をいたしております。 同時に、闘争期間中におきましては、さらにトラックの振りかえ輸送に力を入れる。それから、その他全般的に見まして、農協のトラックの動員等を含めて、近県の野菜につきましても、これをなるべくすみやかに、この期間に影響を与えないように緊急輸送したいというふうなことで、全般といたしまして、私どもといたしましては、野菜、果実、水産物、それから、いまちょっと申しおくれましたが米、それに飼料、肥料といった適期に間に合わせなければならぬものも含めまして、いまの影響力を最小限に食いとめたいということで現在いろいろな準備をいたしております。
○渡辺(美)委員 この間の国鉄動力車労組のストライキでは、二人乗務員制とかスト権奪還とかいろいろなことをいっておりますが、今回はさらに年金ストとかあるいはスト権奪還とか、言うならば組合員の利害につながることで組合員の利益を擁護しよう、こういうふうなことであります。そういうふうに、自分たちの利益のためならば、反社会で、暴動が起きるくらいに物価が暴騰しても、何でも思うようにならなければストライキをやってしまうのだということでは、これは商社も悪いかもしらぬが、そういうものの考え方で、しかも公共機関を独占をしておる国鉄等がそういうことをやるのは、言うならば重大なる反社会的な行為である、こういうふうに私は思う。したがって、単なる組合員のベースアップや何かという小さな問題じゃなくて——全然上げないといっているのじゃない。ベースアップ等も相当、きょうも回答を出しておるが、上げるといっておるわけですし、こまかい問題でそう短時間にきまる問題ではない。でありますから、これらは政府としては断固たる決意をもって対処をしてもらいたい。きょうは閣僚である企画庁長官がおいでになっておりますが、これは単に企画庁の長官というだけでなくして、国務大臣として、閣内でこれについては重大なる決意をもって回避のため臨む、そしてそれらの、国民の迷惑を省みない反社会的な行為に対しては、断固たる措置をとるということの決意のほどを企画庁の長官に述べていただきたい。 と同時に、いま生鮮食料品の問題かありましたが、そればかりでなくて、いま農家ではいよいよ田植えになって、たくさんの軽油や重油を必要とするというときでもあるので、そういうようなもの、あるいはセメントも足らぬといって、やっと何とかいま増産体制に入っておる。こういうときに、━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━国民に重大な支障を来たすようなことの絶対ないように善処をしていただきたいと思う。
○小坂国務大臣 渡辺委員の御心配は、また私どもの共通の心配でもあります。スト権のない者が違法ストをやる。しかもこれが全く団体的な利己主義によって走っているものでございまして、かかる政治ストを回避するように政府としては全力を尽くす考えでございます。御承知のように回答も出ておることでもございますので、その他の政治問題は別の問題にして、とにかく、国民の足を奪い、国民経済に非常な打撃を与えるようなストは何としても回避すべきであるということで、強い姿勢をもって組合側の説得に当たりたいというように、政治全体として考えておる次第でございます。 また、セメント等も、さきのいわゆる順法スト等の影響もあって非常に上がったわけでございますけれども、これはようやくまた安定の緒についておるということで、この際何としても国民経済に非常な打撃を与え、国民に非常な迷惑を与えるストを回避したいという強い熱意をもって当たりたいと考えておる次第でございます。 なお、生必物資のうちのあるものにつきましては、すでに運輸省と協力いたしまして、できる限り国民に不測な損害を与えないように配意をいたしたわけでございますが、何ぶんにもこれにも限度のあることでございますので、非常に私ども心痛をしておりまして、何としても良識をもってこの事態を乗り切りたい、こう考えておる次第でございます。
○渡辺(美)委員 ともかく、いずれにしても自分たちの一部の欲望のために、一部の利益のために国民を犠牲にしてもはばからない、こういうようなことでは絶対にいかない。そういうことが行なわれないように、これを善処をする必要があるということを私は強く要求をするのであります。ある新聞に書いてあったけれども、ともかくそれならやらしてしまって、大混乱が起きて、その結果うんと物価が上がったり大混乱になれば政府の責任になるのだからいいじゃないかということをいっているのを、私は新聞で見た。そういう考えでは私はいけないと思う。やはり政府は真剣に、これについて対処をしてもらいたい。 次に、私は投機の問題について質問をしたいと思います。 投機の問題がいま非常にうるさくいわれておるわけでありますが、このスペキュレーションの問題については、理由はいろいろあるわけであります。商業道徳の欠如の問題であるとかあるいは過剰流動性の問題であるとか、インフレムードあるいは一獲千金思想、こういうようなものがいろいろ原因をなしておるのでありますが、その中で、税金がかからない、税金が取られない、あるいは利息がかからない、こういうところに大衆を巻き込んでスペキュレーションが行なわれることが多いのであります。(発言する者あり)委員長、ちょっと静かにさせてください。質問できませんよ。
○山中委員長 静粛に願います。
○渡辺(美)委員 私は、そういうことで……(発言する者あり)ちょっと静かにしてください。 そういうことで投機というものは税金が取られない、あるいは税金か取りにくいといいますか、あるいは利息がかからない、こういうものが予想外の仮需要を生んでおることも事実なんであります。考えてみれば、国民一人当たり一万円投機をすれば一兆円の金が動くということでありますから、大衆をスペキュレーションに巻き込んだのではたいへんなことになる。これは金融の引き締めだけではなかなか押えられない。いままでの状況を見ると、株相場にしても商品相場にしても、なかなか税金が取れないようなことになっておる。そこで大衆は参加しやすいということなんでありますが、最近土地投機の一つの新しい形態として、ゴルフ場という名目の土地買占めが行なわれております。 自治省の調べによると、四十七年の十二月末現在で、全国で既存のものが六百八十一、造成中が二百十七、計画中が五百二十三、計千四百二十一のゴルフ場がいまつくられ、またつくられようとしておるということなんであります。栃木県のものも、その中で内訳になって出ておるのを見ると、既存が十五、造成中が十二、計画中が四で、計三十一つくられようとしておるのだというのだが、つい四月の二十日ごろの状況を聞いてみると、既存は十五で同じでありますが、造成中は、報告では十二になっているのがいまは三十四、計画中は四というのが四十三、合計は三十一というのが九十二になっておる。たった四カ月の間に、計画中四のものが十倍の四十三、造成中は十二が三十四。これはたいへんなことであって、こういうふうなことであるとすれば、栃木県ばかりではないから、福島県とか茨城県とかその他の県においても これと類似したような問題がたくさんあるのじゃないか。したがって、千四百どころか三千に近いものが目下計画をされておるのじゃないかという気がするのであります。 一体、ゴルフ場は、そんなに日本で必要なんだろうか。かりに世界の各国との例をちょっと比べてみると、イギリスには二千五百あるといわれておる。いや千だという人もあるのです。これは統計によって違うので、そうすると多いのと少ないのと足して半分くらいなら、千八百くらいが統計としてはいいのかどうかしりませんが、まあまあ二千弱だ。ところが、日本では二千以上になろうとしておる。 ところが、耕地の問題を見ると、イギリスの耕地は日本の約三倍近くあるのです。国土総面積では日本よりも小さいけれども、その八〇%が農用地域でありますから、農用地というものは約千九百三十六万ヘクタールある。日本はイギリスよりも国土面積はやや多いけれども、その一七%しか農用地になってない、したがって六百四十五万ヘクタールだ。日本では国民一人当たりどれくらいの農用地を持っておるかというと、日本は山岳地帯で平地がないから、農用地になるところは非常に少ない。したがって、国民一人当たりは、日本は六・二アール、イギリスが三十五アール、アメリカが二百十八アールということで、国民一人当たりの農用地面積というものは、イギリスが日本の六倍、アメリカは日本の三十五倍というようなことになっておるのであります。 イギリスのように六倍もの農用地面積を持っておるところでも、日本よりもあるいは少ないかもしらぬというようなことなんであります。したがって、これから比べてみても、イギリスでかりに二千近いゴルフ場があれば、ともかく土地利用という点から考えて、三百程度のゴルフ場で適当なんじゃないかという気がする。ところが二千もつくられようとしておる。これは投機であります。 この投機はどうして行なわれるかということを考えてみたときに、一番の原因というものは税制の問題にある、あるいは警察の問題にある、私はこう思っておるのであります。 ゴルフ場というものがどんどん大衆資金を集めてくるということから、栃木県の例をとるというと、いまから大体二年前には一反歩当たり二、三十万の原野山林が、去年の春ごろには四十万くらいになってきて、ことしの春にはもう百万あるいは百二十万、高いところで百五十万、たった二年半くらいの間で、三倍どころじゃない、もう四倍も五倍にもなっておる。こういうことで、ともかくほんとうにゴルフ場がつくられるのかどうか、非常に疑問なんであります。最初のうちは手持ちの過剰流動性でやっておったが、このごろは、その次は銀行の融資。ところが、銀行の引き締めがきちっとやるようになれば、今度は背に腹はかえられないから、会員募集で大衆資金の動員ということにだんだんなってくるのであります。 そこで、私はある例を見たのですが、最初は縁故募集が五百人で七十五万だ、一次募集がこれは千人で百万だ、二次募集が千人で二百万だ、三次募集は、これは何月何日とは書いてない、×月×日と書いてあったが、それは千人で三百万円ということになると、このとおり集まれば六十三億七千万くらいの金が集まっちゃう。ゴルフ場にどんなに金をかけたって、ゴルフ場のハウスから何から、宣伝広告費まで一切入れても、一ホール大体一億円というのが常識なんであります。そうすれば、二十七ホールというと、三十五億、四十億の金が余る計算になっちゃう。そんなに余らないけれども、二十億や二十五億余っている例はざらにあるのであります。 ところが、これは全然課税の対象にならない。ここらに一番の大問題があって、したがって、これはゴルフ場屋さんが一番いい。不動産屋からゴルフ場建設業に転業というようなことで、みんなこれから土地買占めは、ゴルフ場という名目で土地を買い占めるのは、法人税が一円もかからないから、やはりこれが一番いいというようなことがばっばっばっと広がってきたと私は思うのであります。 そこで私は、その前に警察庁に伺いたいのですが、大体預かり金禁止の法律がある。不特定多数の者から出資金を集めちゃいかぬという法律、出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律というのがある。第一条、「何人も、不特定且つ多数の者に対し、後日出資の払いもどしとして出資金の全額若しくはこれをこえる金額に相当する金銭を支払うべき旨を明示し、又は暗黙のうちに示して、出資金の受入をしてはならない。」あるいは「業として預り金をするにつき他の法律に特別の規定のある者を除く外、何人も業として預り金をしてはならない。」これは伊藤斗福事件のときにつくった法律ですね。保全経済会でわあわあ大騒ぎになった。だから金を集めちゃいけないという法律をこしらえた。ところが、どうも今回のものは、預かり金という証書を発行して金を集めておるのだが、この法律に全然該当しないのかどうか。ほんとうに許可もないうちからゴルフ場の計画をして、何千人も募集している。それは預かり金の法律には全然抵触しないのかどうか。結論だけ一口お答え願います。
○斎藤(一)政府委員 いまお尋ねの、ゴルフ場建設の際に会員証を発行して、そして金銭を受け入れるという行為が一般に行なわれておるようでございますが、結論だけ答えろということでございますので簡単に申し上げると、こういう行為がすぐに、いまお読みになった法律の一条や二条に反するかということになると、実態を見なければ一がいに論ぜられないのでありますが、一般的には、ゴルフ場を新設する際に会員券を発行して金を受け入れるということについては、この法の適用を消極的に解せざるを得ない。法の趣旨がそういう場合を考えておるのではないのじゃないかというふうに思っております。
○渡辺(美)委員 一般的にはこれは消極的に解せざるを得ないという警察庁らしい答弁なんですが、そこで警察庁としては、一万人も募集をするということは——ゴルフ場というのは二百人か三百人しかできないのです、二十七ホールくらいだと。一万人募集、五千人募集というのは、言うならば千人しか入れない映画館に五千人もの札を売ったような話になるのじゃないかという気がするのです。そのようなものを、これをきわめて消極的に解釈をしておるわけですか。
○斎藤(一)政府委員 先ほど申し上げたように、実態がいろいろあると思うのでございますが、非常に極端な例をとれば、初めから詐欺の目的でやるとかあるいは初めから出資金を脱法的に集めるというつもりで、要するに受信業務をくぐるつもりでやっておるというような極端な場合、そういうことが明確になればやはり法の適用も考え得る場合もあるかと思うのですが、一般的に申し上げて、先ほど言ったように、ならない場合が多いだろうということであります。
○渡辺(美)委員 そこで、一般的の問題とすれば、警察庁としては、ゴルフの預かり金という名目で金を集めておるけれども、それはプレーをする権利を売っておるんだ。預かり金という名目でプレーをする権利を売って金を集めておるから、なかなか預かり金にもなりにくいし、プレーができないようなものを最初からやれば詐欺になるかもしれないが、一般の場合はできそうなので、プレーをする権利、土地を利用する権利、それを売っておる、こういうふうに解釈しているわけですね。
○斎藤(一)政府委員 お尋ねのとおりでございまして、一般の場合には、ゴルフ場をとにかく建設しよう、あるいはまたゴルフ場を建設するに際して会員を募集するということを本来的には考えておって、初めから銀行まがいの行為をやって金を集めようというものは、一般的には少ないのじゃないかというふうに思っておりますが、最初から申し上げておるように、実態に応じてこれは違うように思います。
○渡辺(美)委員 どうも、時間があと十分くらいしかないので詰められないのですが、警察庁のほうは、それは権利を売っているとも言っていないのですね。何のことを言っているのだかさっぱりわからない。これで、警察庁と大蔵省のキャッチボールにそこからなってくるわけなんであります。これは結局権利を売っておるのだという見解なら、そのような方法もまだあるのですね。ところが預かり金ではない、借り入れ金でもない、出資金でもない。そうかといってプレーをやる権利の代償としてもらっておるわけでもない。一体何のためなのか、私はよくわからないのです。わからないからきょう聞いているのですが、聞かれているほうもわからないのじゃ、全く何ともしかたがないことで、さらにこれはもう少し詰めて勉強してもらいたい。きょうはこれは第一段で、またあとでやるからそのつもりでいただきたい。 それからその次は、預かり金の問題について、プレーをする権利を預かり金という形で実際には売っておるんだというように私は解釈をしておるのであります。ところが、大蔵省のほうはなかなかそうは言わない。国税庁長官どうですか。これはおたくのほうでは、預かり金、たくさん金を集めて、もう何千億と金を集めておると思うのですが、その集めた金に課税したことありますか。
○近藤(道)政府委員 課税をいたしたことはございます。
○渡辺(美)委員 それは役人的答弁でありまして、入会金を返さないというものについてだけ課税したことが四件ぐらいあるそうであります。その統計、私もわかっておる。一般的には課税をしていないということでしょう。そうですね。うなずいておるから間違いないと私は思うのであります。 そこで問題は、こういうふうなことをむずかしいむずかしいといって放任しておくということになれば、次に波及しますよ。いいですか。それは預かり金なんだ。預かり金は課税できないということになれば、不動産屋は、たとえば別荘地はこれからは預かり金、会員権でやります。特定な部屋を指定しない、百なら百部屋をつくります、どの部屋に入ってもけっこうです、百万円出せば一生あなたは自由な日に来てその部屋を使うことができます、しかし掃除料一日千円だけちょうだいします、こういう問題。これはすぐ計画して現に始めたのがいますよ。なかなか頭のいいのがいるんですよ。 その次は駐車場だ。駐車場も、区画を区切ってだれのだれべえとすればまたむずかしいから、区画は区切らない。ともかく駐車場は会員権募集で、そして駐車場は五十万円出せば一生涯使えますよ、あるいは毎月の料金はもうほんとうにごく微々たるものでいいですよ。——法人税は払わない、税金は払わない。こんなうまい商売ばない。そこに発展することを読んでごまかしているわけですが、国税庁はどうなんですか。
○近藤(道)政府委員 先ほど来御指摘のようなスペキュラティブな風潮というものに対しましては、現行法制上課税できるものにつきましてはできるだけ積極的に課税をしてまいりたいと考えております。 それから、現行法制上課税できるかどうかの判定基準も、ただいまの御趣旨を十分尊重いたしまして、前向きで検討いたしてまいりたいと考えております。
○渡辺(美)委員 結局、それは現行法制では課税できないんだということを言ったのでしょう。正確に言う人のことばはよくわからないんですがね。 ところで、現行法制では非常にむずかしいんだということだろうと思うのですが、実は政府がやる気になったらできるんですよ。いまから十年ぐらい前に銀座のほうで、だれかが土地を売ったのです。土地を売ったけれども、土地を売り上げにしちゃうと税金がばさっとかかってくるから、これも困る。権利金でもらうと、これまた課税になるから、これも困る。そこで、保証金でちょうだいいたします。何億円か知らぬが、保証金をいただいて、権利金は要らぬ。保証金は五十年たったら返す。そのかわり地代はお安くしておきます、ただぐらいにお安くしておきます。そこで大蔵省は知恵を出した。そういうような場合は、五億なら五億ちょうだいすれば、そのちょうだいしたものは無税である。無税といいますか、無利息でいただいておる。五十年たったら返すという約束で無利息で受け取っておれば、五十年間で通常ほかから金を借りたと同じように、金を借りれば当然金利がかかるんだから、それを無利息の金を預かっているんだから、当然その無利息の利息相当分については、その二分の一を複利計算で逆算をして課税をする。それで結局、五億なら五億のほとんど全額が課税になるようなことを政令改正でやったでしょう。そういうことを記憶ありませんか、主税局長。
○高木(文)政府委員 そういう規定は現にございます。そういう規定ができますにつきましてはいろいろ経緯があったわけでございますが、一般に、借地権の取引が行なわれますときには権利金が支払われるのが通常の場合である。それですと、税金がかかるということから、無償の金を権利金を受け取るかわりに受け取った場合に、この経済的利益を課税しましょうという制度ができたわけでございます。 そこで、御指摘のように、先ほど来のゴルフ場その他の場合についても何かそういうことができないかということは、確かに研究課題であると思います。 ただ問題は、借地権の場合には、具体的な土地を借りまして、その上に大きな鉄筋のビルができてしまうということで、権利設定が許されたほうの一方当事者がそこを専有的に利用するという形の場合だけ、いまのところは課税対象になるような仕組みになっておりますが、いまのゴルフ場であるとか別荘であるとかいうような場合に、どうもそのゴルフ場のクラブのメンバーであるとか別荘のメンバーであるとかいうような方々が、どのような具体的な権利を持っておるのか、そしてそれが専有的なものかどうか、よってもって土地の権利の一部を手に入れたというふうに認識してよろしいのかどうかというあたりがむずかしいところになっております。 御指摘のように、租税回避がいろいろ行なわれますから、あまり一般的に行なわれるようになりますれば、次々と手を打っていかなければならないわけでございますが、そういう心配が最近、地価の値上がりに応じまして出てきたことは事実でございますので、私どもも、土地にからんだそういう問題は絶えず見守っていくと同時に、必要があれば何らかの措置を将来において講じなければならぬのではないかと思っておりますが、現在の段階では、まだなかなかそこまで踏み切れないというところでございます。
○渡辺(美)委員 必要があれば将来考えるなんて、そんなこと言ったらだめですよ。たった四カ月に五倍も六倍も件数がふえるということは、機を見るに敏な人がみんなやっておるのですから。だから、そんなことをしておくと、大蔵省が地価つり上げの張本人ということになりますよ。これは当然適切な手を打たなければならぬ、私はそう思う。こういうふうなことはもう、近い将来だなんて言わないで——特にゴルフ場なんていったら、政財界の人がうようよして、会員募集ということや、変えられたんだかかってに変えたんだか知らないけれども、みんな変えておるから、遠慮しておるわけでもないでしょうが、どうなんですか、その点は。
○高木(文)政府委員 いまのゴルフ場の事例の場合には、確かにゴルフ場は土地を持っておるわけでありますが、そのゴルフ場でプレーする権利を得るのに金を提供しているということでございまして、その提供した金と土地の最終的な利用権とがうまくつながってないところから、先ほどの御指摘の不動産借地権についての課税の場合とは直につながらないので、そこが技術的にも非常にむずかしいというところから、率直に申し上げてなかなか踏み切りがつかない、弱っておるところであるということを申し上げたわけでございます。
○渡辺(美)委員 主税局長が弱っちゃったんだからこの辺にしておきますが、これは弱らないで、そういうようなことが現実にあるのですから、大蔵省は頭のいい人がそろっているのですから、全部で至急検討してもらいたい。 それから、もう一つ最後に、今回会員権については、これは出資をもとにした会員権であっても課税しますよ、株をもとにしたものは課税しますよということになった。ところが、預かり金のほうについてはまだ課税にならないというふうに思っている人が多いですね。預かり金で預かり証をもらった会員権のほうはまだ課税にならない。株主会員権のほうは、法律改正でことしから課税になる。だから預かり証発行が一番いいんだといって宣伝している人もありますが、預かり証の会員権の売買をした場合はもともと課税をすべきものであったと私は思うのだが、その点、主税局長どうですか。
○高木(文)政府委員 従来は、会員組織のゴルフ場の会員権の譲渡については課税になっておりまして、株式組織の形態をとったものの譲渡は課税にしておりませんでしたので、そこでどうもぐあいか悪いというところから、今回、株式形態をとっておりますものも、譲渡の場合に課税をいたしますというふうに改正するということにしたわけでございます。 そこで、いま御指摘の、さらに次に預かり証の形式をとったらどうなるかという問題があるわけでございますが、預かり証で預かっている場合の権利を他に譲渡したという場合の譲り受け人のポジションかどういうことになるのか、つまり本来なら預かり金ですから一ぺん返すべきであって、その預かった状態、預けた状態のまま譲渡が行なわれるというのは、言ってみれば非常に奇妙な形になっておるわけでございます。そこでおっしゃるように、この譲渡の問題につきましても、先ほどの点につきましても、預かり金形態をとった場合に、それを何らかの形で、預かり金であっても一種の資産の処分というふうに資産性を認めて、そして譲渡すれば資産の処分だというふうに認めて処理するかどうか、これは一にかかって預かり金形態をとったものについてどう法律上あるいは税法上概念構成するかという問題でございますので、先ほどの問題と同様に、一ぺんよく考えてみなければならぬと思っております。
○渡辺(美)委員 私は国税庁から前に説明を聞いたのですが、ちょっと主税局長と違うのですよ。国税庁のほうは、預かり金形態のものについてはたてまえ上課税をいたしております——これは違うのです。部下がよく教えているから、よく教わったほうがいいです。課税をしておるというのがたてまえなんだけれども、現実には微々たる実例しかありません、これが正解なんです。わかりましたか。
○高木(文)政府委員 失礼いたしました。その点については訂正をいたします。預かり金の形のものであっても、権利の譲渡と見て課税をしておるというふうに訂正をいたします。
○渡辺(美)委員 主税局長が間違うぐらいなんですから、一般国民大衆は、預かり金の会員証を売買したときには課税にならないと思っちゃうのです。それが実情なんです。だから、宣伝して何十億という金が集まるということです。専門家が間違うのですからね。いいですか。したがって、国税庁でも課税した実例はほとんどないのです。数件程度——十件ぐらいあったか、何十万件のうちのごくわずかなんです。数十万件という会員権の売買が行なわれた中で、課税をされたのは数十件程度というのですから、顕微鏡で見るような話なんです。たてまえがそうなっておって、法律がそうなっておってなぜやらないのだという話がその次に出てくるのだけれども、いままではちょっとルーズだった。したがってこれからはこれらの点については、少なくとも会員権で——その会員権が家庭の中にまで入り込んで、十万、十五万という会員権によって、奥さんまでも会員権を五枚も六枚も買って値上がりを待って、それが土地の投機ブームに使われる。あげくの果てはどこかにドロンをきめ込まれて、紙くずをつかまされて泣くというのが、これまた大衆なんですよ。ですから、もう預かり金の会員証によって金もうけをした者は無税じゃないのですよということを、この席ではっきり国民に言ってください。そうすると、国民が間違うのが少し訂正されますから。
○近藤(道)政府委員 ただいまの御趣旨、まことにそのとおりでございまして、ことしの確定申告期にはその点を力を入れてPRいたしたのでございますが、まだまだ不足の面もあろうかと思います。 それから、ゴルフの会員権が値上がりいたしましたのは昨年の五月前後くらいからでございますので、それまで四十万円を差し引いて残りの二分の一ということでございますので、従来比較的少なかった。それからまた、いまおっしゃいましたように、いままでゴルフの会員権に対する課税が不十分であった点は確かにあろうかと思います。今後充実を期してまいりたいと思っております。
○渡辺(美)委員 以上をもって終わります。
○山中委員長 次に、柴田健治君。
○柴田(健)委員 農林大臣にお尋ねを申し上げたいのですが、土地に関連をして、いろいろと角度を変えてお尋ねをしたいと思います。 土地の買占めについて、それぞれの委員会また予算委員会等でつぶさに質疑が行なわれたわけでありますが、私がきょうお尋ね申し上げるのは、総論的から具体的に各論に入ってまいりたい、こう思っておるわけであります。 まず、農林大臣にお尋ねしたいのですが、農地法というものはどういう趣旨で生まれたものか、その点をお尋ねしておきたいと思います。
○櫻内国務大臣 私の率直な考えを申し上げますならば、農地法の中にいろいろ考えが出ておりますが、農民に対して優良な農地を確保していく、そして農業を安んじてやってもらうということ、これが一番根本ではないかと思うのであります。この法律によりまして、転用などの規制措置などもございますが、むしろ農民にとってのもっと積極的な、ただいま申し上げたような趣旨のほうが肝要ではないかと見ておる次第でございます。
○柴田(健)委員 私たちの判断から申し上げると、農地法の精神は、日本の農業を守る、前進させる、同時にまた、耕作農民の権利を守る、そして社会的なり経済的な地位を守っていくという、この基本精神から農地法というものは生まれておる、こういう判断に立っておるわけであります。その点、いま農林大臣も申し述べられたのだから、反論はいたしませんけれども、そういう考え方に立ってものを見たならば、今日の土地買占め等に、地方公共団体なり農林省、国が農地転用に対して、その精神に立脚して農地転用の許可を出しておるとは思えないという気がいたします。 そういう点で、今日、農地の買占めまたは土地の買占めが行なわれたのは何が原因か。私たちの判断から申し上げると、まず、経済企画庁が昭和四十四年に新しい国土総合開発計画を立てて、新全総といわれるあの計画の中に、それぞれのブロック別の地域開発の方向というものが書かれておる。特に中国山地は将来観光、レジャーの基地としての位置づけが書かれておるわけです。これが昭和四十四年に政府が出した構想であります。 同時に、新幹線並びに中国縦貫高速自動車道の建設、そして、そのインターチェンジのつく付近というのは、もう上層部では、どこにインターチェンジがついてどういう形ということはちゃんとわかっておる。昭和四十四年にはわかっておる。知らないのは、土地を持っておる地権者、農民である。何も知らない。 一方では、四十二年、四十三年、四十四年にかけての豊作ということで、米の過剰生産ということで生産調整、減反に入る前であります。農民の精神構造を変える運動をやった。もう農業という産業はだめなんだ、もう米もつくってはならないのだ、農地は荒らしてもいいのだという。農民が土地を放すときの気持ちというものは、精神が変わらなければ土地を放さない。 そういう一連の国の施策の中で、一方では、過剰流動性といわれるくらい金融の緩和政策を思い切ってとった。郵便貯金の金利まで下げた。第一次のドルショックで不景気を論じながら金をだぶつかせた。 こう考えてまいりますと、土地の買占めの仕掛け人は政府だということが言える。現場の現行犯としての犯人は商社や不動産屋その他の大企業であるけれども、しかし、仕掛け人は政府だということが言えると私は思うのですが、農林大臣、あなたの見解はどうですか。
○櫻内国務大臣 四十四年当時からの経過にのっとっての御意見を述べられたのでございますが、私はいま御意見を承っておりまして、ちょうどそのころからぼつぼつ過密過疎の問題が取り上げられてきた時点ではないかと思うのであります。そして、お示しの縦貫道あるいは新幹線という問題も、私も中国の関係者でございまするからよく存じておるわけでございまするが、そういう土地買占め等をあおるという意味合いよりも、この過疎の解消のために何とかこれを早くしてもらわなければならぬというような、そういう傾向を持っておったということも事実でございまするから、ただいまの御指摘のように、政府みずからが何か土地の買占め等の先ばしりをしたようなことには、私は感じない次第でございます。
○柴田(健)委員 四十四年は新都市計画法の実施計画、また農振法、この農振法を逆手にとって、この農振法という法律ができた、その農業振興地域として指定を受けたらもう土地は売ることができませんぞ、指定を受けない前に早く売りなさいということで、そこに、先ほど大臣が言われたように過密過疎という問題も悪用して——過密過疎が起きたのも、これは政府の責任です。何も一般の住民が過密過疎をつくったわけじゃない。たとえばこの十年間よく見ると、日米安保体制で日本とアメリカが仲よくして協力、協調していけば日本が繁栄するんだ、そのために太平洋ベルト地帯というものをつくって太平洋側を根本的に開発したというのが、過密過疎をつくった最大の原因であります。 そういうことから考えて、一方では都市計画法の改正、農振法の新設というように、土地を売らなければならぬようなムード、そういうものを悪用したというか、そういうことから土地の買占めというものが起きた。特に縦貫道に関連して、ふたをあけてみると、インターチェンジがつく付近は一番多く買い占められていたというこの現実です。インターチェンジのつく付近だけが大企業、大商社か来てやっておるわけでありますが、購入をするそのやり方を見ておると、どうも上層部ではちゃんとわかっておる、どこにインターチェンジがつくか。そこに丸紅が出てき、三菱が出てき、三井物産が出てくる、三井不動産西武鉄道、みんな出てきた。ちゃんと上層部にはわかっておる。下の者は、どこにインターチェンジがつくのやら何らわからない。 だから、こういうことを考えますと、いま、どうも仕掛け人は政府だということは、住民のほうがよく知っている。皆さんがどんなに弁明してみたところで、昭和四十四年前後を起点として、一連のそういうものが極端に出てきた。 ところが、この農地転用、それから保安林の解除、こういうものを見ますと、保安林の解除をするときには、ちゃんと規定の正式な申請をつけなければならない。その申請をつけて、それによって審査をして解除をするわけです。林野庁は告示までする。異議の申請はない、それならば許可をおろすわけでありますが、その申請どおりを守らしていくならば、今日農民が騒ぐ必要はないと私は思うのですよ。なぜ転用のまたは解除の申請どおり守らせないのかということが、私は問題だと思うのです。農林大臣、その点どうですか。
○櫻内国務大臣 お尋ねの点では、私は、農地法による転用あるいは保安林の解除については、それぞれ規定に従って適正に行なわれておると思うのであります。 ただ、御質問で私が率直に認めなきゃなりませんのは、そういう届け出のない前にすでに契約ができておるとか、あるいは場合によると仮登記などが行なわれておるというような、そういう現実の姿、これが問題だと思うのですね。これは遺憾ながらわからないうちに行なわれておるという、そういう事実があるということを認めざるを得ないのでありまするから、そこで、現在私どもは、こういう事態にかんがみまして、何とかして早くその情報をとり、また、事前にそのようなことのないように適正に指導をしてまいりたいということで、鋭意つとめておるような次第でございます。
○柴田(健)委員 保安林の解除の条件というものは、事業の実施が確実であるかどうかということを確認する、内容が具体的であるかどうか、また、土地の権利の取得はどうなっているのか、他の行政庁との許認可はどうなっているのか、事業の実行に十分な信用と資金力というものがどうなのかという、ちゃんと条件がきまっておるはずなんですよ。これを守らしていけば、土地を買うたそのままで二年も三年も四年も、買うただけは買うたが将来どうなるのか——それから、土地を買うときの青写真というか、地権者にどういう説明をしておるかというと、こういうところにゴルフ場をつくりますとか、また、ここに子供の遊園地だとか、また、工場をつくって土地を放した農民の完全雇用をしてやるとか、いろんな条件を示して、農民はそれをまともに受けて土地を放すということになっておる。ところが、いつまでたってもやらない。いつまでたっても工事には着工しない。いろんな理屈をつけていま逃げ回っておるというところが多い。こういうところにこの保安林の解除なり農地の転用、こういう許可を出した官庁が、もう出したら出しっぱなしで事足れりという姿勢が、私は問題だと思うのですよ。なぜ監督しないのか。事後処理についてなぜ責任を持てないのか。法治国家ではないのか。とにかく書類だけ整えておけばあとは社会的責任も何もないんだという姿勢が、今日、国民の間から不信を買い、また疑問を持たれておる重要なポイントだと私は思うのです。なぜ責任持てないのか、農林大臣もう一ぺん……。
○櫻内国務大臣 ただいまのお話のような事例はあると思います。ただ、この場合に、国で保安林の解除の場合につきましては、大体面積も広いことでありまするし、町とか県とかが協力をしておるとかあるいは誘致をするとかいうようなことでもってきておる場合がございます。したがいまして、相当な信頼性のあるものという前提で、これは許可をしようというような結論になっておるような事例が多うございまするので、その点からいたしますると、これはもう間違いなく事業の遂行ができるものというふうに信じておったという面があるかと思います。 お話のように、許可のしっぱなしで監督も十分でないじゃないか、そのために地域住民はそれによってだまされてしまっておるんだ、あるいはもう一つ勘ぐって考えれば、ただ単に土地買占めのような事実になっておるんじゃないか、こういう御指摘でありますれば、そういう場合もあり、その点については今後よく反省しなきゃならないと思います。
○柴田(健)委員 農林大臣、御承知のように、日本の森林法は明治三十年にできました。三十年に森林法ができ、砂防法もでき、そしてそこから保安林制度が確立されてきた。ちょうどもう八十年近くの歳月を経ている。八十年間、日本の政府なり地方公共団体が、どれだけこの保安林に対して力を注いできたか。相当助成措置をしてきた。その中で私たちが国土保全の立場から申し上げると、水源涵養林という保安林、土砂流出防備という保安林、この二つが国土保全にとって一番大事な保安林であるということで、国をあげて取り組んできたこの八十年の歴史、この歴史を考えた場合には、保安林全体——そのほかの名義のついている保安林もございます。けれども、この二つの保安林の中でどちらが大事だか重点的に考えた場合に、水源林も大事だ、けれども、今日災害の多発列島といわれるこの日本の国の中で、土砂流出の防備保安林のほうがより大切ではなかろうかというのが、地域住民の考え方なんです。 ところが、保安林解除を見ると、土砂流出の防備保安林の解除率が多い。農林省はどちらに力を置いておるのだろうか、どういう認識をしておるのだろうか、われわれはちょっと疑問を持っておるのですが、どちらの保安林に力を入れて取り組んできたのか、今後どれに力を入れて取り組んでいこうとするのか、その点の見解を聞いておきたいと思います。
○櫻内国務大臣 私は、いまの地域住民の実情からいたしまするならば、万が一にも土砂流出の事態がありますれば、それは直接の生活の脅威でありまするから、地域住民としてはその点を非常におもんぱかっておる、またわれわれも考えなければならぬということは事実であると思います。しかしながら、お話のごとくに、水資源涵養についても、これは将来を考えてまた重要な点でもございまするし、このことはまた土砂流出にもからんでくる。両々相まってのことと思いまするが、直接的な住民の関係からいえば、土砂流出についてその点をおもんばかるということは、地域住民の気持ちとして当然であろうと思います。
○柴田(健)委員 いま農林省の姿勢そのものから、土地の買占めというものが大きく国民の不信感を買うところに来た。責任は農林省、政府にあるという気がいたします。 それは別として、今度は具体的に入りますが、そういう農地なり山林の保安林解除というものから考えて、土地を買った商社なり不動産会社なり大企業というものは、いろいろ数多く買っている。全部申し上げては時間がございませんから、一つの例を今度は申し上げていきたいのです。 丸紅という商事会社が岡山県の備中町の西山地域に、初めの計画では千四百町歩、村ぐるみで全部買うという構想だったのが、いま中途で変更して約千町歩くらいというのです。いま大体八百町歩、八百ヘクタールほど購入し、それが登記は完了しておりませんが、仮登記、未登記分が五〇%余りあるのです。こういう丸紅が村をこぞって買うという村ぐるみの買占めなんです。 まじめに開発をするならいいのであるが、いや登記がおくれておるとか、いや計画どおりの土地の面積が確保できないので計画変更をするんだとか、すっぺこっぺ言うてやらない。土地を放した者は、山林においては坪百円だ。坪百円、反三万円。農地は少し高いがたいしたことはない。坪百円、要するに三・三平米が百円であります。それで、その隣の東城に縦貫道のインターチェンジをつくる。これはもう買うた者は、いまたいへんに相場が上がってきた。売った者はばかを見て、いま出かせぎをやっている。農地転用は、あの農地法の精神から言うて、農民の権利を守る農林省が、その権利を剥奪する許可を与えたんだから、農民の今後の生活保障というものは、許可を与える限りは農林省は責任持たなければならぬ。それを企業に守らせるべくどうするのかという問題が起きておる。 その中に構造改善で、昭和四十一年から四十四年にかけて、三カ年で構造改善をやっている。クリ園をやっている。百四十一町歩。それもひっくるめて売ってしまう。これに対して、この構造改善の九千四百四十一万円という総事業費約九千四百四十万余りですが、その事業費で三カ年でやった。完成したときに会計検査院は検査をしておるわけです。会計検査院、見えておるでしょう。どういう実態だったか、会計検査院、答弁願います。
○田中会計検査院説明員 ただいまの備中地域の検査でございますが、四十二年とそれから四十四年の二回に検査を行なっております。この四十二年と、四十三年はまだ事業の執行中でございまして、私どもといたしましてはクリ園の造成、それから農道の整備、それからブルドーザーの購入、こういうものが設計どおり行なわれておるかどうかという点について検査をいたしたわけでございますが、検査の結果は指摘するような事態は見受けられませんでした。
○柴田(健)委員 会計検査院は二回にわたって適正にやっておるという判断、しかし、会計検査院にお尋ねしたいんですが、こういう検査が済んだ直後、他に売買をしていいのか、そういうことが許されていいかどうか、まず見解を聞いておきたいのです。国の補助事業としてやったその土地を直ちに民間に転売できる、してもいいんだというような判断に立てるのかどうか、その見解を聞きたいのです。
○田中会計検査院説明員 お答えいたします。 せっかく補助金を交付して造成いたしました農地が他目的に使われておるというような事態につきまして、私どもは、四十四年度以降の新規に着工したものと四十三年以前のものとでは分けて考えておる次第でございます。 と申しますのは、四十四年度以降に着工いたしましたこういう補助事業につきましては、目的外に転用いたしました場合には補助金を返還するという条件が農林省において付せられておるわけでございます。したがいまして、こういう他目的転用という事態が私どもの検査の結果判明いたしました場合には、第一次的には、私どもは、農林省の行政指導によりまして当初の補助目的が達成されるということを期待するわけでございますけれども、どうしてもそれがうまくいかぬという場合には補助金の返還という事態になるというふうに考えております。 それから、四十三年度以前分につきましては、補助金返還のそういう条件がついておりませんので、私どもといたしましては、補助金を交付して事業に着手されたわけでございますので、農林省におかれて、できるだけ補助の目的を達成するように適切な行政指導を講ぜられることを期待しているわけでございます。 なお、私どもは、こういう他目的転用とかあるいはせっかくの造成した農地が有効に利用されていないというような事態につきましては、従来から関心を払って検査をしてきたところでございます。たとえば、昭和四十三年度におきまして、かんがい排水事業の受益地が目的外に転用されているという事例が全国的に見られましたので、こういう事態に対しましては補助金返還の処置を講ずる必要があるんじゃないかという旨の意見を農林省に対して表明しておりますし、さらに昭和四十五年度におきましては、開拓パイロット事業の事業効果について検査いたしましたところ、目的外の転用とかあるいは有効利用がはかられていないという事態が、これまた全国的に相当数認められましたので、会計検査院法第三十四条によりまして是正改善の処置を要求いたしておる次第でございます。 以上でございます。
○柴田(健)委員 農林大臣、会計検査院のほうの御意見聞かれたと思うのですが、農林省としてはこれはどういう取り扱いをするのですか。その補助金適正化という法律に基づいて補助金だけ返させたら、いつよそへ転売をしてもいい、たとえばどろぼうしてきた、盗んだものを返したらしまいじゃないか、これと一緒になってくるんだが、そういう処置が適正であるのかどうか。そういう考え方が将来あるとすれば、構造改善事業その他農林省が助成措置をする事業に対して、われわれは考え方を変えなければならぬ。どうですか。
○櫻内国務大臣 具体的な事例でございますので、詳細は担当者から御説明を申し上げさせますが、私の手元にございます資料では、この件につきましては、十月二十日に転用の申し出がございまして、ただいま審査中ということでございます。 問題になりましたクリ園は一・七ヘクタールでございまして、転用の申し出は農地十三ヘクタール、転用目的はゴルフコース十八ホール、こういうことでございますが、審査の経緯につきましては、担当者から御説明を申し上げさせます。(柴田(健)委員「それは内容はわかっておるんだ、どうするかということだけ言ってくれればいいんだ」と呼ぶ)
○小沼政府委員 国といたしましては、岡山県及び備中町におきます地域開発の計画関係農家に対する措置等に特に留意いたしまして、十分指導をいたしたいと思っておりますが、農地法の規定に照らして、この転用申請については厳正に判断をしてまいりたい、かように考えております。
○柴田(健)委員 どうも農林省の態度があまりにもずさんであり、いいかげんなことをするから、こんな問題が起こるのですよ。 それからもう一つは、市町村長なり県の態度が非常に悪いということです。 もうとにかく、土地を売れ売れという、この姿勢の中から生まれてきた。それから、市町村長の任務というか、職権乱用というか、そういう面が非常に強い。たとえば、市町村長は公共用地の買収、その土地の売買あっせんとか買収に直接タッチするとかいうことは、それは道路用地、河川用地は当然のことです。けれども、民間で工場誘致にしても何を誘致するにしても、市町村長は不動産業者の登録業者でもないんだから、その土地の売買あっせんをするというところは、やはり地方公共団体は成規の手続が要る。たとえば特別会計制度を設けて、議会の同意を得て別途会計でそうした処置を講ずるのがほんとうだと思う。そういう町村もある。それは法律を守って、議会の同意を得て、委託事業としてちゃんと正式の機関をつくってやっている、そういう法律を守る町村もあるが、守らない町村もあり、とにかく個人で職権乱用しておるんだろうか、わけがわからぬ、こういう市町村長が全国至るところにおる。 こういう点において自治省は、そういう市町村長にどういう指導を強めておるのか、しておるのか、自治大臣にひとつ——大臣おらぬのか、次官。
○武藤政府委員 いま先生のおっしゃいましたように、市町村が公共用地その他を取得するためにいろいろなあっせんをすることは、これは当然のことだと思います。ただ、御指摘の、民間のいろいろの業者が土地取得をするために市町村がそのあっせんをするということは、たとえばそれが住民の福祉のためになるとか、何かはっきりとした目的がある場合、そういう市町村としても当然と思われるようなときは別でございますけれども、それ以外にそのようなあっせんをすることは決して好ましいことではない、こう私どもは考えております。
○柴田(健)委員 好ましいことでないことが平然として行なわれておるから、今後自治省としては誤りのないように、ひとつ指導を強めてもらいたいと私は思います。 それから、そういうことで不動産業者として登録が、知事の認可がなければならぬ。それを平気で、いまごろは、土地の売買の話をしなければ市町村長がつとまらぬような錯覚を起こして、何でも、ここを売らぬか、ここを売らぬかということで呼びかけて回る。こういうことは自治省の責任でもあるし、私はもっと警察が、そういうことの誤りのないように、住民から誤解のないように、平素から、民主警察というぐらいなら、やはりいろいろな話し合いの場で助言なりまた指導なり——指導と言うたら大げさだけれども、助言ぐらいは警察はすべきじゃなかろうか、そういう点考えるのですが、あとからまた警察のほうから一括御答弁願いたいと思います。 農地なり山林の転用許可をしてゴルフ場にする、このゴルフ場になった場合には雑種地になるわけだ。先ほど渡辺君から、会員権の問題で課税対象、いろいろ言われましたが、ゴルフ場をつくれば一ホール一億はかかるといわれる。相当の建設資金がかかる。それができ上がったら雑種地として、固定資産台帳には地目は原野になっておる。原野ということになれば固定資産税が安い。農民が草地改良すると農地になる。畜産振興で草地改良すれば農地になる。片一方は農地になり、片一方は原野になって税金が安くなる、こんなばかなことは許されないと私は思う。この点について農林大臣と自治大臣、どういう見解を持っておるか。
○櫻内国務大臣 ゴルフ場で雑種地になり、そして固定資産税はそれによって安くなるということは、ただいまの御質問を聞いておって、一方においては草地を改良して農地になれば、農地のほうが若干税金がふえると思うのでありまするが、確かにこれは矛盾を感ずることは事実でございます。この辺はよく検討させていただきたいと思います。
○武藤政府委員 土地の評価につきましては、それぞれの地目に応じてきめられることは御承知のとおりでございますが、私ども承知をしておりますのは、ゴルフ場というものは、いま御指摘のございました原野ではなくして、雑種地として土地の評価をしておるわけでございます。それはどうしてかといいますと、不動産登記法上に地目の分類がございまして、この中にゴルフ場というものは雑種地と規定されておりますので、固定資産税におきましてもこれを援用いたしまして、原野や山林とは別の評価方法をとっておるわけでございます。
○柴田(健)委員 これは私は、地方税法の思い切った改正をして——土地を取られた側の農民は非常に矛盾を感じておる。われわれはささやかな農地の固定資産税を取られ、片一方は雑種地として評価されて固定資産税は安い。雑種地というのは原野なんですよ。あなた、よく勉強してもらわなければ困る。とにかくこれはもう至急に税法の改正をして、思い切って税金を取ってもらいたい。そうしなければ、住民感情としてこういうことを許すことはできない。 農林大臣、もう一つ、私は新しい問題として提案したいのは、今度の土地買占めで考えさせられたのですが、やはり市町村の議会の議決だけ、農業委員会だというだけじゃなしに、県議会で、山林についても農地にしても、そういう新たな何百町歩、百町歩以上という、まあ大体基準は百町歩以上じゃないとゴルフ場はできませんか——五十町歩でもできるわけですけれども、とにかくそういう大きな、広い面積をやる場合には、地方公共団体、県議会を含めて議会の議決を申請書につける、こういうきびしさがあってほしいと思う。農地転用なり保安林——この保安林については、たとえば固定資産税は免除、それからいろんな助成の方法がいままでとられてきた。もう八十年から税金一切は免除してきた保安林ですよ。それから相続税にしても贈与税にしても、七〇%だとか二〇%だとかいろいろ差はありますけれども、とにかく保安林の地域については減免処置なり、またまた税率の差をつけて、相当の特典を与えてきた。今度は民間に入り、大企業に入り、大商社に入る。そういう場合に、いままでの保安林を解除するのですから、いままでの国や地方公共団体に税金を一切払ってない保安林に対して、思い切って税金をかけたらどうだ。一銭も払わずに、税金をかけずになぜわれわれは、いままで保安林を育成して守ってきたか。それは国土保全ですよ。国土保全という大義名分がある。今度は国土保全にならない。解除したらゴルフ場になってしまう。いままで八十年の非課税措置なり減免処置をとってきた地域だ。ゴルフ場になったとたんに、いままでの八十年のものを全部払ってもらうというぐらいのきびしさで思い切って税金をかける、こういうことを私は考えてしかるべきだと思う。自治大臣、どうですか。
○武藤政府委員 先ほどのお話と関連いたしますが、ゴルフ場は、先ほど申し上げましたように、雑種地として課税をする、こういう姿勢をとっております。 そこで、雑種地として課税をする場合に、ゴルフ場の場合にどういう形で課税をするか。いま御指摘のように、保安林である場合には、あくまでこれは非課税になっておりますけれども、保安林が解除されましてゴルフ場となりますれば、そのときの時点で、そのゴルフ場をつくるのに要しました造成費、それにその保安林を解除して取得しましたときの価格、いわゆる取得価格でございます、これを合算をいたしまして、そしてそれに対して課税をする、こういう形をとっております。ですから、先生御指摘のようなケースにおいて、たとえば今日のように土地が上がってしまってからゴルフ場ができましたときには、取得価格は高いはずでございますから、そういう点においては、これは相当高い課税になると私は思います。 ただ、先ほど御指摘のように、たとえば相当前に取得をしておいて、そしてゴルフ場の造成をしないで長い間ほうっておいた上で、最近においてもし造成がなされておるとすると、この取得価格というものが非常に低いところにございますので、そういう点においては、何かこの点については考え直さなければならないのではないか、こう考えておるわけでございます。
○柴田(健)委員 これは政府の構造改善事業を含めていろいろ問題が今後尾を引くであろうし、まだ一ぺんに解決しない。ただ、早く土地を買って、早く工事に着工してやるという姿勢でない。買っておけばいいのだという、そこに私は問題があると思うのですよ。だから、買ったほうは、丸紅でもどこでも、のんびりかまえておる。なぜ早く着工しないのですか、こういうことを言えば、いや、埋蔵文化財がありますから、なかなか文化庁がやかましくいうのですよ。こちらへいったら、いやあ、まだ農地の転用の許可がおりませんからできませんのですよ。そんなら、県や農林省はやかましく言っておるのかというと、一切言ってない。まあ、転用はいずれおりてくるだろう、二年先か三年先におりてくるだろう、土地だけ買っておけばいいのだという姿勢である。そこが住民から見ると買占めという判断に立つわけですよ。会社のほうはひとつもせいてない。許可がおりようとおりまいと、いずれおりるだろうとのんびりして、県庁にもあまり頼みに行かない。農林省にもあまり頼みに行かぬと思うのです。一切行かない。じーっとしておる。黙っておる。こういうところに土地の買占めだという意見が生まれてくる。そういう世論が起きてくる。この点については今後問題になると思いますが、あらためて機会を得てまた論戦をしてまいりたいと思います。 私は、今日の商社のあり方を見ておると、非常にえげつないというか、土地を含め、いろいろな食品産業、医療産業、あらゆる産業に、金融機関でもないのに金の貸し付けをやる。とにかく八分九厘だとか、いや、九分だとか、金融機関より金利が高い。その高いのを、なぜそんなところから借りたのだ。たとえば兼松江商から金を借りた。何ぼ借りたんだ。一億四千万借りた。そんなところで借りたら乗っ取りやられるぞ、こう言うと、いや、そんなことはないと思うけれども、銀行は貸してくれない、政府資金の医療公庫から金を借りようと思えばあまり貸してくれない、しかたがないから兼松江商へ金を借りにいったら貸してくれた。金融機関でないそういう商社、企業がいろいろなところに金を貸している。こういうところを見のがすところに、私は政府の大きな誤りがあると思うのです。それが乗っ取り事件になる。それがいろいろな形であらゆる産業へ首を突っ込んでくる一つの糸口になってくる。 なぜ、こういう金融機関でないものが、銀行法に違反し、金融法やいろいろな法律に違反してまでやってくるのか。それを見のがしておるのか。こういう点については警察庁はどう考えるか、先ほどの市町村長の登録関係とあわせてひとつ見解を聞いておきたい。
○斎藤(一)政府委員 先ほど、大規模な土地の売買について警察の基本的なあり方をお尋ねでございますし、また、ただいま、それに関連して商社の活動等について警察がどういうぐあいに考えておるかというお尋ねでございます。 私ども警察の立場では、土地を大規模に売買するということが直ちに犯罪になるというふうには、もちろん見ておりません。また、商社の経済的な活動がすぐ犯罪になるというものでもないと思っておりますが、ただ、御承知のように、これらの活動について、土地の売買についてもいろいろな行政的な観点から、農地行政あるいは建築行政、あるいはその他いろんな観点からの行政的な制約がございます。そして、それに関連して、その行政効果をあげるために罰則がついておる。この罰則に触れる行為があった場合にこれを警察が取り締まるということは、これまた当然警察の責務だというふうに思っております。ただ、その場合に、刑法だとかそういった一般的な犯罪行為と違って、いま申し上げたように、行政目的を達するための罰則である、いわゆる行政罰でございますので、警察が当該行政庁の考えとは無関係に極端な取り締まりをするというのも、かえって行政効果があがらない場合があるということを考慮して、よくそれぞれの行政官庁と連絡をした上で、警察として当然取り締まるべきもの、取り締まりの必要のあるもの、こういうものに対しては、一般の国民の方が期待されておられるところにこたえ得るようなしっかりした取り締まりをやりたいというふうに考えております。 それから、先ほどちょっとそういうことにお触れになったのですが、取り締まって処罰をするというだけじゃなくて、事前に具体的にそういう処罰に触れる行為が見聞される場合には、警察として、もしそれを承知し、当該行政庁の意見がそういうことであれば、十分警告的な、予防的な措置をとるということも考えてまいらなければならぬというふうに思っております。
○柴田(健)委員 金融機関の関係はあまり答弁なかったのですけれども、まあ時間もないですから、いずれまた……。 それで、私は、もう時間が来ましたから最後にお尋ねしたいのですが、これは農林大臣、よう聞いておっていただきたい。 いま軽油と重油がない。農繁期を迎えておる。特に油の生産を見ると、石油精製はもうフル運転ですプル運転だから、軽油がなくなったり重油がなくなったりするはずはないのです。これはもう石油精製する過程でみんな出てくるのですから、これがなくなるということはどう考えてもあり得ない。それが、軽油や重油や灯油がなくなるという事態がおかしい。だれが買い占めたか。だれがどこでその操作をやっておるのか。いま私たちは過疎地域に住んでいるのですが、過疎バスということで、過疎対策の町営のバスがいま動かない。一カ月三十キロリットルの重油が要る。一々申請書を出して石油の販売店にお願いして分けてもらう、こういうやり方。われわれは調べてきた。もう農繁期で農機具を使えない。ヤンマーディーゼルのエンジンは軽油ですが、軽油がなくなってきた。もう入らない。だれがこんなことをやっているか調べた。一番悪いのは昭和石油だ。流通操作をやっている。 私は参考にセメントのことを申し上げるが、岡山県のある町村が、セメントを使ってどうしてもやらなければならない仕事がある。横浜に取りにきなさい。上げます。これは日本セメントだ。横浜へ取りに来た。運賃は膨大だ、トラックだから。それから横浜の業者に今度はどう言ったかというと、広島県の福山にセメントがあるから持ってきなさい。またトラックで、今度は広島の福山に行って横浜に積んで帰る。こんな輸送操作をやっている。石油だってそうだ。輸送操作をなぜ解決できないのか。 これは、軽油や重油が足りなくなったというのはベトナム戦争の結果だという。何だというと、それはアメリカ軍がみんな日本へ車を持ってきた。引き揚げてきた。それに軽油や重油か要るから、防衛庁がみんな買占めをやった。みんなこういうことを言っている。うそかほんとうか知らない。こういうことが国民の声に広がっておる。それは事実かどうか調べておりません。けれども、軽油と重油がなくなったことは間違いない。われわれ困っておる。この点について通産省はどういう見解を持って、どういう処置をして迷惑をかけないか。 岡山県の水島の石油のコンビナートや何かで、一方では瀬戸内海をよごして、公害で県民をこれだけ苦しめた上に、また軽油や重油を売惜しみをして迷惑をかけるのか。もう言語道断だ、許せぬという気がしたんです。 こういう点について、石油メーカーの流通、輸送の面でなぜあんなかってな操作を認めておるのか。これは農林大臣、農政に影響してくるから、よう聞いておいてください。通産省、ひとつ答弁願います。
○根岸説明員 お答え申し上げます。 ただいま御指摘の軽油とA重油の非常に逼迫しております状況は、われわれとしましても、当初予定しておりました需要計画よりはるかに需要が伸びたというために、御承知のとおり、二月、三月におきまして月末の在庫というものがわりあい少なくなってまいりました。そういう状況のために、われわれとしましては、まず生産の増強ということで、これも先生から御指摘のありましたように、各製油所ともこの三月からフル生産という形で、幸いにして原油の輸入状況も好転してまいりましたので、フル生産という形に入ってまいったわけでございます。 それからもう一つの問題につきましては、先ほど申し上げましたように、在庫状況がそういうことで二月、三月に悪くなったというために、輸送の重点的かつ計画的な配送ということでいろいろ指導してまいったわけでございますが、一時的な混乱がありまして需要家に迷惑をかけたということは、確かに申しわけない問題だと思っております。 先ほど、時期的に農耕用の燃料の確保とかそういうことについて御指摘がありましたけれども、これも農林省のほうから正式にお申し入れ、御依頼もございまして、できるだけ重点的にそういうところに配送いたしまして、遺漏のないようにしてまいりたいと思っております。 なお、ただいまの増産計画が順調に進みますれば、われわれとしましては、十分な供給ができるのではないかというふうに考えている次第でございます。
○柴田(健)委員 農林大臣、よう聞かれたと思いますが、丸紅は、時間がありませんから、いずれ機会を見てやりますが、この点、取り扱いに誤りないように、ひとつ苦言を呈しておいて終わります。
○山中委員長 次に、諫山博君。
○諫山委員 丸紅のモチ米買占めは、この委員会でも大きな問題になりました。北海道、茨城県、福島県などを中心にして、膨大な資金を使った大がかりなモチ米の買占めが行なわれております。そして、食管法に違反するこの行為がモチ米の価格をつり上げたということは、もう現在ではほとんど議論の余地がないと思いますが、農林大臣、この点いかがでしょうか。
○櫻内国務大臣 昨年十一月以降需給の逼迫、そしてタイ国を中心とする外国よりの輸入の手配がおくれるというようなことでモチ米が高騰いたしたということは、間違いのない事実であります。
○諫山委員 私がここで再びこの問題を取り上げたいのは、この丸紅の買占めにおける食糧庁、警察当局の不可解な動きについてであります。もう一つは、これに符節を合わせたかのような丸紅、日通の許すべからざるもみ消し、擬装行為が行なわれたという問題であります。 そこで、私は、福島県における一連の動きを分析してみたいと思います。丸紅によってモチ米が買い集められた。それが食管法に違反するということは、昨年の十一月ごろから新聞で取り上げられておりました。農林省や警察は何をしているのか、なぜこの状態を放置しているのかという声が、新聞などでもしばしばあらわれております。ところが、農林省も警察も、なかなか動こうとはしませんでした。この間にも買占めはどんどん進行して、モチ米の値は急上昇したのであります。そして福島県で食糧事務所が初めて立入検査をしたのは、ことしの三月初めであります。私の調査では三月の二日、三日、五日となっているようですが、そのとおりであるかどうか、食糧庁長官に御確認願いたいと思います。
○中野政府委員 モチ米の主要生産県、消費県につきまして、全国の所長を集めまして私のほうで指示いたしましたのは二月二十四日で、いろいろ準備を整えて各事務所が調査したわけでございます。その時期だと思います。
○諫山委員 福島県で食糧事務所が最初に立入検査をしたのはいつでしょうか。もう一回お答えください。
○中野政府委員 各事務所の調査の日付を手元に持っておりませんが、おそらく御指摘のような時期だと思います。
○諫山委員 この福島県における食糧事務所の立入検査は、いつごろ、だれだれの間できめられたのか、御説明ください。
○中野政府委員 先ほど申し上げましたように、二月二十四日にモチ米の主要生産県、消費県の事務所長を集めまして、食糧庁において所要の調査の指示をいたしたわけでございます。
○諫山委員 その指示というのは、立入検査をすべしということも含まれていますか。
○中野政府委員 当時私のほうで指示いたしましたのは、調査対象の倉庫をどこどこやれ、それから未検査米、それからやみ流通していると思われる検査米についての調査をやれ、それから調査の方法につきましては、現物を倉庫に行って確認をしろ、そしてだれが所有者であるかということを確認をしろ。それからなお、食糧庁の調査は行政的な調査でありますので、調査を拒否された場合には直ちに本庁に報告しろ、というようなことで指示いたしております。
○諫山委員 福島県を中心に質問を続けます。 私の調査では、福島県で立入検査が行なわれたのは三月二日、三日、五日、そして食糧庁長官はこれを否定されませんでしたから、この前提で質問を続けます。 福島で食糧事務所が立入検査をしたときに、日通の福島支店の倉庫の中に約六十四トンのモチ米があった。このモチ米は丸紅のものであったけれども、二月二十日付で谷口商店の谷口元右衛門のものに変わっていたということが新聞などでも報道されておりますが、そのとおりかどうか、食糧庁長官に御説明願います。
○中野政府委員 先ほどから私が申し上げておりますように、二月下旬から調査に入っておりまして、御指摘のようにもし福島が三月の初めであるとすれば、福島県の場合、われわれの調査によりますと、谷口商店が持っておるということになっております。
○諫山委員 昨年の十一月ごろからことしの二月二十日までは、丸紅のモチ米になっていた。しかし、二月二十日を境にして谷口商店名義に変わった、こういうことではありませんか。
○中野政府委員 先ほど申し上げましたように、現在の所有者について在庫確認をやったわけでございまして、以前の所有者まで私のほうの事務所がつかみ得なかったということでございます。
○諫山委員 この問題について、所有者が二月の二十日付で変わったか変わらなかったか調べませんでしたか。あなたのさっきの説明では、米が出てきたら、それはだれのものかも明らかにしろという指示をしたそうですが……。
○中野政府委員 谷口商店を調べましたときに、谷口商店が私が所有者であるということでありまして、谷口商店自身が正規の登録の集荷業者でもありませんし、販売業者でもありません。これは谷口商店がいわゆる未検査米を扱っておるというふうに、われわれは、調査をいたした結果わかりたわけでございます。それ以前の所有者までは追及しておりません。
○諫山委員 本件を食糧庁なり食糧事務所は告発したそうですが、福島県の場合は何日付で告発しましたか。
○中野政府委員 三月十五日付であります。
○諫山委員 この問題は、その後、福島県警が刑事事件として捜査しております。そしてそこで明らかになったことは、丸紅が谷口商店に米の買い付けを頼んだ、それに従って丸紅の米としてモチ米が買い付けられ、こういう経過が明らかになり、丸紅の小山田米穀課長や谷口元右衛門氏が被疑者として現在も取り調べを受けておるということのようですが、そのとおりかどうか、これは警察のほうに御説明願いたいと思います。
○斎藤(一)政府委員 ただいまのお尋ねのことは、三月十五日に警察に対して告発状が出ておりまして、谷口元右衛門名義の七十三トンの米について告発されました以後捜査を進めておって、この前所有者丸紅の関係者についても聞いておるという状況です。
○諫山委員 いま、前所有者ということばが使われましたが、これはさっき私が質問したように、二月二十日までは丸紅のものになっていた。二月二十日からあとは谷口商店のものに変わっていたという意味でしょうか。
○斎藤(一)政府委員 丸紅から谷口に名義を書きかえたという疑いでいま取り調べておるところでございます。
○諫山委員 そうすると、私の質問したとおりですか、それとも違いますか。
○斎藤(一)政府委員 日付その他についてまだ確定するに至っておりませんので、先ほど申し上げた筋で調査しておるということであります。
○諫山委員 二月二十日ということは新聞などでも報道されておるし、私の調査でもすぐわかりました。この点は明らかじゃないですか。何も秘密にすることはないでしょう。違いますか。
○斎藤(一)政府委員 先ほど申し上げたように、いま捜査中で、最終的には、確定しておりません。
○諫山委員 最終的には起訴するかしないかというところできまるかもしれません。しかし、これは詳細な調べをしなければ明らかにならないような事実ではないでしょう。二月二十日に名義が変わっているはずです。このことまで説明ができないはずはないと思います。
○斎藤(一)政府委員 先ほどからお答えしておるとおり、関係者の供述、書証あるいはその他の参考人の証言、そういうものを総合して、警察として何日であるということを自信をもって申し上げる段階になっておりません。
○諫山委員 なかなか答えられませんから、事柄を特定して聞きます。この米は、日通の福島支店の倉庫に保管されていたはずです。そして日通福島支店の保管者の名義は、二月二十日付で谷口商店に変わっているでしょう。これは証言云々ではなくて、帳面の記載がそうなっているんじゃないですか。
○斎藤(一)政府委員 重ねて同じお答えになりますが、先ほどから申し上げておるように、大体そのころのようですけれども、私どもが確信をもって申し上げる日付は特定しておりません。
○諫山委員 私は、供述の内容を聞いているのではありません。日通の書類ではそうなっているのではないかと聞いております。いかがでしょう。
○斎藤(一)政府委員 必ずしも全部が全部同じようになっているわけではないので、先ほど来申し上げているところでございます。
○諫山委員 そうすると、警察のいま説明できる範囲では、丸紅から谷口に名義が変わったことは明らかだとすれば、それはいつごろだと見ておりますか。
○斎藤(一)政府委員 いまお尋ねのような容疑について、いま警察が捜査しておるところでございます。
○諫山委員 これは新聞なんかもいろいろ書いておりますよ。新聞記者には情報がわかるような状態にしておきながら、この場では正確に説明できないのですか。
○斎藤(一)政府委員 新聞記者には情報がわかるような仕組みにしておりません。刑事訴訟法によって、捜査上支障のないようにしろということでございますから、私どもは新聞記者に情報を発表するということはいたしておりません。
○諫山委員 いま警察側にいろいろ具体的に質問しましたが、この点は、もちろん食糧庁でも無関係ではあり得ないわけです。食糧庁の調べはどうなっておりますか、重ねて質問します。
○中野政府委員 先ほど申し上げましたように、食糧庁といたしましては、現在の所有者を確認をいたしております。その所有者が実需者の場合は、前所有者がどういう人であろうかということは、この範囲ではやっておりますけれども、現在の所有者が自由米業者の場合にはそれから先を追及しませんで、そのこと自体を食管では主として追及しておりませんので、われわれといたしましては、先ほどからお話がありましたようなことは確認をいたしておりません。
○諫山委員 それでは、さらに警察庁に質問します。この問題で日通側が、証拠隠滅の被疑者として取り調べを受けているはずです。どういう嫌疑で日通は、証拠隠滅の疑いをかけられておりますか。
○斎藤(一)政府委員 先ほど申し上げたように、福島県に食糧庁から告発がございまして、それに基づいて現品が日通の倉庫に入っておるということで、日通の関係者に倉庫に入るまでのいきさつ、あるいは先ほど来お尋ねのような前の所有者がだれであったか、あるいは前の所有者が別な者であれば、名義の書きかえがあったのかということを尋ねて調査をした結果、日通で証拠隠滅をやったという疑いがあることを私ども発見して、その結果を疎明して裁判官の令状を得まして、四月の十一日でございますか、例の丸紅を捜索したときと同じ日に、日通の本社を捜索しております。
○諫山委員 日通側が証拠隠滅の疑いで調べられていることはわかっております。どういう被疑事実で調べられているかを聞いているのです。そして、私がもっと説明しますと、これは二月二十日付で日通が架空に名義を丸紅から谷口に変更した。これが証拠隠滅の中心になっているのでしょう。
○斎藤(一)政府委員 被疑事実は、丸紅が谷口商店から買い受けた未検査のモチ米を日通の福島支店倉庫に寄託しておいたけれども、その間において寄託申し入れ及び倉庫保管料など関係書類を、食糧事務所が立入検査の直前に、これが二月の下旬ごろ——先ほどからのお尋ねのことでございますが、二月下旬ごろ丸紅名義のものを谷口商店名義のものに書きかえたという関係の疎明をして、捜索をしたわけでございます。
○諫山委員 丸紅名義を谷口名義に書きかえただけでは犯罪にはならないはずです。どういう場合に犯罪になるかというと、実際は所有権が移っていないのに、真相をごまかすために架空の名義変更をしたときに初めて証拠隠滅の疑いが出てくるはずです。日通に対する疑いはそういうことではありませんか。ただ名義を変えたから証拠隠滅ということはないでしょう。
○斎藤(一)政府委員 丸紅が食管法違反であることについての証拠隠滅をしたというふうに私どもは疑いをかけております。
○諫山委員 そんなしろうとだましの説明ではなくて、丸紅から谷口に名義を変えただけでは証拠隠滅にはならないと言っているのです。これはそのとおりでしょう。ごまかしをするから証拠隠滅の疑いが出てくるわけでしょう。どういうごまかしをしたという嫌疑ですか。
○斎藤(一)政府委員 先ほどお答えしたように、丸紅が食管法違反をやっておる、その証拠を日通の関係者が証拠隠滅をしたというふうに私どもは疑いをかけて、捜査をしております。
○諫山委員 私たちは子供のやりとりではないですよ。どういう方法で証拠隠滅をしたという嫌疑かと聞いているのです。これはどんなに聞かれても答えられませんか。わざと説明をそらしているとしか思われません。 そこで、それなら質問を変えます。 運輸省の方にお聞きします。あなたは日通を指導し取り締まる立場にあると思いますが、明らかにやみ米と思われるものを丸紅が日通に預けた。そういう場合に、日通はこれを正規に保管していいものでしょうか、どうですか。
○高橋説明員 いま先生の御質問でございますけれども、私たち、倉庫業者である日通を指導監督してございますが、倉庫法によれば、米を寄託者から受託するということは、これは適法に行なわれておる、このように思っております。
○諫山委員 米を取り扱うことのできる人と、取り扱うことのできない人があります。丸紅は、そういう意味では正規の食管法上の販売業者ではないと思います。そういう場合でも、日通は米を預っていいですか、丸紅から。
○中野政府委員 運輸省のほうからあるいはお答えがあるかと思いますが、食管法との関係といいますか、食糧という面から申し上げますと、丸紅が米を取り扱えますのは、自主流通米につきまして、酒米なりモチ米のいわゆる代行業者ということでは取り扱えるわけでございます。
○諫山委員 そうすると食糧庁は、この場合、丸紅が代行業者としてモチ米を取り扱ったと見ているのですか。
○中野政府委員 いや、そういうふうに申し上げたのではありませんで、米を丸紅が取り扱えるかどうかというお尋ねを運輸省にされましたものですから、私が申し上げたのは一般論として、米が取り扱えるのはそういうことだけでございますということを申し上げたわけでございます。
○諫山委員 本件は、代行業者として丸紅が処置したものでないことは、一連の経過から見て明らかです。そうでしょう。だとすれば、日通が合法的にこれを預かることはできるのですか。——どちらからでもけっこうです。
○高橋説明員 倉庫業法上申し上げますと、倉庫業者である日通は、寄託者から預かったものを適法に受託すれば法律違反にならないと私は考えております。
○諫山委員 それは説明になっていないでしょう。適法な品物を適法に扱うのだったら、だれも文句は言いません。食糧庁長官、どうですか。これは明らかに、丸紅が自分のものとして米を買い集めております。そういう場合でも預けていいですか、あるいは正当に預かっていいですか。
○中野政府委員 倉庫業法との関係で、あるいは私のお答えすることが間違っているかもわかりませんが、先ほどの御答弁は、その預かりました貨物の保管が法令の違反でないときは預かれるというふうにおっしゃっているようにうかがえるわけでございます。そこで、倉庫業者としまして、それじゃ一々これが違反のものであるか、そうでないものであるかというところまで見当をつけた上で預かるか預からないかということになりますと、非常に大量のものでございますので、おそらくそういうふうに一々倉庫業者が義務づけられているのではなかろうというふうに思えるわけでございますが、これは、私自身が倉庫業法の解釈がなかなかできませんので、私の感じを申し上げたわけでございます。
○諫山委員 日通と丸紅というのは、ただならぬ仲ですよ。きのうきょう取引が始まった仲ではありませんし、丸紅がどういう仕事をしているかということを日通が知らないはずはございません。 私はいま、農林省側と運輸省側と警察側に、一連の証拠隠滅について聞きました。そして非常にはっきりしたことは、わかり切ったことをすべての関係者がごまかそうとしていることです。私たちは、この問題で事実はつかんでおります。二月の二十日付、丸紅からの要請に基づいて、日通が架空に丸紅の名義を谷口に変えたでしょう。これを警察庁は、証拠隠滅としてとらえているじゃありませんか。そして、こういうことが行なわれたというのは、日通が、丸紅の名義でやみ米を預かっておってはぐあいが悪いことに気づいて、谷口に名義を変えた、そして丸紅にも傷がつかないようにした、これはすでに、だれでも知っている事実じゃありませんか。警察は違うと言いますか、私のいまの要約は違っておりますか。説明してください。
○斎藤(一)政府委員 先ほど来お答えしておるように、丸紅が食管法違反をやっておることを、その証拠を日通の関係者が隠滅する疑いがあるという容疑で、私どもは日通を調べております。
○諫山委員 いまの説明を聞いておりますと、何とかの一つ覚えというふうに、同じことばかり繰り返しておって、私は憤慨にたえません。これはまじめな答弁とは思えません。私が、すでにしばしば論じられた丸紅のやみ米問題をなぜいま取り上げたかというと、こういう問題が起こる背景が、農林省や警察庁がきわめてゆうちょうな取り扱いしかしていない、国民の要求にこたえる立場に立っていないということからです。現在の立場を見ると、ますますそれが明白じゃありませんか。たとえば食糧庁はなぜ米の買占めを取り締まらないのかということは、昨年の十一月ごろから新聞でいろいろいわれております。そして本格的に動き出したのは、ことしの三月ということが明白になったわけです。そして、この間に買占めはどんどん進んだ。 この問題について、農林省の最高責任者である農林大臣は、何らかの反省をされているのかどうか、また、どういう改善策を講じようと思っておられるのか、御説明ください。
○櫻内国務大臣 御承知のように、私は十二月の下旬に就任をいたしたのでありまして、就任早々から、国際的な食糧需給の逼迫ということで問題が起きてはならないということで、省内を督励してまいったのでございます。 これにはいろいろと御説明申し上げたいこともございますが、大体御承知のことと思いますので重複を避けます。そして、モチ米の高騰に伴いまして食管法による調査にも踏み切り、また、大口の違反についてはこれを告発をするという、一連の姿勢をただす仕事に私どもは努力をしてまいったわけでございまして、その間に御指摘のように立場を変えて見れば、あるいは不足にお思いになる点もあるだろうかと思いますが、しかし、私としては誠意をもって努力をしてまいったつもりでございます。
○諫山委員 警察庁にもう一ぺん聞きます。 警察が丸紅に対して強制捜査に踏み切ったのは、四月十一日の朝ということになっております。ところが、四月五日の朝日新聞には「丸紅(東京本社)今週中にも捜索」という記事が出ております。早ければ今週中にも強制捜査の方針。また、茨城県警本部長の談話が四月五日の朝日新聞に出ております。「今週中にも丸紅に対する強制捜査に着手したい」四月十日の朝日新聞、「丸紅捜査一両日中に」「令状の執行は一両日中と見られる」こういう記事が出ておることは御承知だと思います。強制捜査がされた四月十一日の朝日新聞の朝刊には「きょう丸紅本社捜索」「十日午後から捜査員を上京させ、十一日早朝食管法違反容疑で同社を家宅捜索する。捜索するのは同社三階の食糧本部食品農産部米穀課など数カ所で、ヤミモチ米取引を記録した電算機のデータなどを押収する予定。」こう書いてあって、朝日新聞の予告どおり、十一日の朝、強制捜査なるものがされております。こう いう経過になっていることはお認めになりますか。
○斎藤(一)政府委員 警察が十一日の朝丸紅本社を捜索したことは事実でございます。ただ、それまでのいろんな新聞報道は、朝日新聞がどういう経過で取材されたか、私ども存じません。独自の取材をおやりになって、そして記事にしておられる。特に本部長が談話をしたということでございますが、茨城県警本部長はそういうことは言っておりません。 申し上げたいのは、先ほど来お尋ねのようないきさつでもって農林省が調査をし、それから三月の中旬ごろに北海道、茨城、福島に告発があって、その後着手するまでに十五カ所の捜索をやっております。そういうあとにすぐ取材活動が行なわれて、関係者からいろいろ報道関係独自の取材をされております。また、その間において関係者百人近くの人間を調べております。これはできるだけ身柄を拘束しないで——末端の名義人だけのような人たちを初めから拘束するということも妥当を欠くかと思って、できるだけ任意の捜査でやっておったといったようなことから、私ども警察の事前の活動がある程度予測できるのではないか。ことに今回の場合は、たいへんな世論の関心の中で、報道関係、マスコミ活動も非常に、私ども予期しない大きなものがあったのでございます。そういった一連の関係から、ただいまお読みのようなマスコミ活動があったのでございますが、私どもとしては、積極的にそういうことを発表するということは絶対にしない。ただ、私どもが、捜査員が東京に集まってくるといったような外形はさとられないようにしても、どこかでやはりわかってしまうといったようなこともございます。その一つの私どもの努力のあらわれは、日通の捜索については一切だれも予知できなかったということを申し上げておきます。
○諫山委員 そうすると、丸紅本社の捜索について二点質問します。 捜索したものは、丸紅本社三階の食糧本部の米穀課など数カ所でしたか。 もう一つは、電算機のデータなどを押収しましたか、答えてください。
○斎藤(一)政府委員 捜索の場所は食糧課のところと、そのほか関係のところ数カ所をやっております。 それから、電算機関係は押収しておりません。関係の書類を、必要なものを押収しておりますが、そのものずばりは押収しておりません。
○諫山委員 私は電算機を押収したのじゃありませんかとは聞いてはいないのです。データを押収したのじゃないかと聞いているのです。 そこで、要するに朝日新聞の予告どおりのことが行なわれたということになっているわけですが、しかし、考えてみますと、いま捜査の中心になっているのは、証拠隠滅です。丸紅と日通がどういうからくりを仕組んだかというのが捜査の中心であるはずです。証拠隠滅を調べているのに、強制捜査を予告しながら取り調べる、これはわれわれの常識からいったら理解ができません。私は、電柱にビラ一枚張っただけで逮捕された労働者のことを知っております。こういうことを考えますと、何という温情あふれる取り扱いだろうか、これでは本気に丸紅や日通を捜査してしているといえるのかという疑いが強くなるのであります。 そこで、この問題について一応の結論が出た後に、農林省としては丸紅に対する態度をきめると言っているそうですが、いつごろ起訴するのか、起訴しないのか、結論を出すつもりか、御説明ください。
○斎藤(一)政府委員 警察は、ただいまの事件については、国民の期待されているところでございますし、私ども全力をあげてこの捜査をやっております。ただ、仕組みがなかなか複雑でございまして、米の数だけでも相当な量にのぼっております。二千数百トンになる可能性があります。そういうことがございますので、そうすぐにはなかなか出しづらい。なるたけ早期に結末を出して、そうして国民の御批判の前に判明するようにいたしたいと思っております。
○諫山委員 強制捜査をする場合には、ちゃんとスケジュールを組んでおります。あと何日したら強制捜査である、何日したらどういう方法でどこを強制捜索するのだということを、新聞記者にわかるような方法でスケジュールを立てた。ところが、国民が期待している、どういう処理をするのかいうことには何ら見通しは立てていないのですか。
○斎藤(一)政府委員 捜査は刻々に状況が変わってまいりますので、四月十一日の捜索も新聞にいろいろ報道されておりますが、私どもが方針をきめたのは、ごく捜索に接着をした時点でございます。これからも、刻々に状況が変わってまいりますから、あらかじめいつまでの見通しを立てて、どういうスケジュールでやるというわけにはまいりません。事案の真相を明らかにする懸命の努力をしてまいりたいというふうに思っております。
○諫山委員 事は証拠隠滅罪を調べている事件です。いまのような捜査のやり方では、日通なり丸紅との間で話し合いをして証拠隠滅がされるというおそれは、警察は全く持っていないのですか。罪名はけんかとかどろぼうじゃないのです。証拠隠滅罪というデリケートな事件です。いま、あなたたちの捜査で証拠隠滅されるのじゃないかという心配を持っていないのですか。
○斎藤(一)政府委員 先ほど申し上げたように多数の証拠を押えておりますし、それから日通と証拠隠滅をやったところも捜索をして資料を得ておりますので、関係者の間で具体的な通謀をするおそれは予知しないでもないのですが、関係者の間でどういうぐあいに今後やっても、相当な資料を持っておるという確信を持っております。
○諫山委員 私は、この問題について福島の警察署の署長さんとも話し合いをしました。ところが、なかなかいいことばを吐かれました。捜査は任意捜査が原則です、私はこのことばを聞いて、かって吉田茂氏が、汚職事件についてそういうことばを吐いたのを思い起こしました。あなたたちがすべての事件で、捜査は任意が原則だという立場をとっているのだったら、私もあまりこの問題にこだわりません。しかし、労働組合運動なんかに対してはどうですか。捜査は任意が原則だという立場をとっておりますか。また、私があえていまの時期にこの問題を取り上げたのは、一番悪いのはやはり商社ですが、しかし、このようなことが起こるような背景をつくっているのは、農林省と警察と、さらに運輸省ではないかという疑いを強く持つからです。たとえば農林省は、もう食管法なんか要らぬのだというようなことをしばしば公言した人がおります。こういう背景の中でやみ米の問題が起こっているはずです。また、農林省や警察がもっと国民の要望にこたえて機敏に事を処置すれば、こんなに問題が拡大することはなかったはずです。 最後に、私は、この点について農林大臣はどう考えておられるのか、御説明いただきたいと思います。
○櫻内国務大臣 先ほど私が、農林省でとった措置については御説明を申し上げたのであります。私といたしましては、モチ米の需給事情からいろいろ問題が起きてきた、これは姿勢を正さなければならないということで、鋭意努力して本日に至った。見方によっては御不満の点もあろうかと思うのですが、しかし、私としては誠意をもって事に当たっておるということを重ねて申し上げる次第でございます。
○諫山委員 終わります。
○山中委員長 次に、林孝矩君。
○林(孝)委員 私は、小麦の問題について質問したいと思います。 今日まで商品の値上がり、特に消費物資の値上がりというものが問題になってまいりました。その中で商社等の買占め問題が中心に論議をされているわけでありますけれども、私が今日取り上げる問題は、政府みずからが物価安定に寄与すべきであるのにかかわらず、物価安定に反するような行政を温存させておる、非常に重大な問題だと思うからであります。 〔山中委員長退席、井岡委員長代理着席〕 パンだとかあるいはうどん、あるいはみそ、しょうゆ、そうしたものの原料になる小麦、それを扱う業者でつくられている法人、公益法人並びに業者団体、そうしたところに農林省あるいは食糧庁から役人が天下りしておる。そして、その役人のそうした団体が温床になって、役人を養うがための事業しか行なわれてない。そして、小麦の流通に関して起こってくるところの値段から、約三十億近いピンはねが行なわれておる。そうした事実を明らかにしながら質問を続けていきたいと思うわけであります。 最初にお伺いいたしますが、輸入小麦並びに内麦、この流通ルートに関連している、先ほど申し上げました各種団体、これを列挙していただきたいと思います。
○中野政府委員 食糧庁で把握しております公益法人、それから任意団体等もございますが、それは十一ございます。しかし、いずれの団体も直接小麦の売買には関与しておりません。
○林(孝)委員 十一団体の名前をあげてください。
○中野政府委員 全国米麦改良協会、社団法人でございます。それから社団法人食糧保管協会、社団法人日本パン工業会、社団法人日本ベーカー協会、社団法人日本パン技術研究所、財団法人日本穀物検定協会、財団法人製粉振興会、財団法人日本パン科学会、あと任意法人が三つございまして、日本麦類研究会、輸入食糧協議会、製粉協会、以上でございます。
○林(孝)委員 その十一団体の中で、農林省並びに食糧庁から天下っている役人の人数は、合計何名になっておりますか。
○中野政府委員 食糧庁の本庁の部課長、それから食糧事務所長、以上で勘定いたしますと、十一団体への再就職者は十六人でございます。
○林(孝)委員 私はいまその中の一、二の団体に焦点を当てまして、いかに農林省並びに食糧庁が、こうしたパンだとかあるいはめん類の物価高騰に寄与してきたか、そのことについて明らかにしたいと思うわけであります。 まず、いま食糧庁長官が発表いたしました団体の中の一つ、全国米麦改良協会に焦点を当ててみたいと思うのであります。 この協会の役員数は二十六名、うち非常勤二十一名でありますから、五名が実質的に役員をしておる。職員数が七名、そのうち顧問、嘱託で二名おりますから五名、いわゆる実際働いている人員は役員五名、職員五名、こういう協会でございます。間違いございませんか。
○中野政府委員 食糧庁で承知しておりますのは、常勤は専務が一人と常務が三人、職員が七人でございます。
○林(孝)委員 私の質問は、役員の内訳を聞いたのではないわけです。この全国米麦改良協会の役員数は総数が二十六名、うち非常勤が二十一名ですから、五名が常勤だ。そして職員は七名で、そのうち顧問、嘱託が一名、一名おりますから、実際は五名、合計十名が実際に働いておる。
○中野政府委員 私、先ほど申し上げましたのは、役員はお話のように全部で二十六名、理事が二十三名、監事が三名おりますが、その中で常勤をしておりますのは、専務が一名と常務が三名ということを申し上げたわけであります。職員七名の中に顧問等があるというのは、ちょっと私、現在承知しておりませんが、あるいは御指摘のようなことかと存じます。
○林(孝)委員 私が読み上げた資料は食糧庁からいただいた資料でございます。自分のところから出ているわけですから、長官しっかりしてくださいよ。その五人のうち五人とも天下りした役人で占められておる、この点も間違いないですね。
○中野政府委員 五人の意味がわかりました。これは会長は非常勤でございます。したがいまして、非常勤を除けば四名でございます。お話のように、時の前後はございますが、元食糧庁におりましたことは、御指摘のとおりでございます。
○林(孝)委員 この協会はどういう事業をやっておるのですか。
○中野政府委員 この協会は昭和三十四年にできたわけでございまして、当初は米につきましての品質の改善等をはかるための協会でございました。特に戦後からだんだん米を良質化していかなければならぬということになってまいりまして、この協会が設立されまして、産米の乾燥、調製方法の改善、商品価値を高めるということでスタートをしたわけでございますが、昭和三十七年になりまして、麦も取り扱うということにいたして、今日に至っておるわけでございます。
○林(孝)委員 この協会の定款並びに決算書、事業内容の中身を見ますと、まず一つ、契約生産奨励金のために積み立てる積み立て金を集めておりますが、その四十六年度の金額、それから四十六年度に繰り越しされてきた金額、幾らになっておりますか。——私のほうから言います。四十六年度繰り越し収入十三億二千七百万、奨励金収入八億三千五百万、端数を除きますが、これで間違いないですね。
○中野政府委員 間違いございません。
○林(孝)委員 それがどういう形に使われておるかということでありますが、この協会の人件費二千四百三十二万、事業費二千八百七十一万。 そこで、あれだけの金を積み立て金として集めている。 〔井岡委員長代理退席、山中委員長着席〕 その集めてくる先はどこから集めてくるかといいますと、製粉協会だとかそういう協会、あるいは実需者いわゆる製粉業者、そういうところから集めてくるわけです。その集まってきたお金を、契約生産奨励金という名前で集めてくるわけでありますから、いわゆる契約生産奨励金のために使うということなのでありますけれども、実際、最近の小麦の生産、こういうものは輸入にたよっておるわけでありまして、日本でできる小麦なんというのはごく少量であります。したがって、そうした生産奨励金というものが二十一億で、集まった金はこんなに多いわけでありますけれども、しかし、支払われていくお金というものはごく少量なんです。この協会にはお金がどんどんどんどん余ってくる。そして実際事業費には二千八百七十一万しかかからない。そして何に使われておるかというと、二千四百三十二万という人件費であります。 なぜ私はこの金額をあげたかといいますと、一つの問題はこうした制度そのもの、生産奨励金という制度、こういうものをつくったわけでありますけれども、この制度がはたして適切であるかどうかという問題が一点。 それから、事業費と同じくらいの人件費。その人件費は農林省、食糧庁から天下ってきた役人に支払われておる、こういう関係。したがって、こうして集められた金が天下ってきた役人のために支払う人件費として使われ、そして一方、生産奨励金として支払われるわけでありますけれども、その額は非常に少量だ。当然だぶつきがあらわれる。こうしただぶついたお金は消費者に還元されなければならないと私は思うのですけれども、こういう協会においてはそういうことは考えられておらない。そうなってくるとなぜこうした制度をつくったのか、またこうした制度そのものが現時点において適切かどうかという判断をどのようにされておるのか。これは農林大臣の認可団体でありますから、農林大臣に伺いたいと思います。
○中野政府委員 大臣からお答えいただきます前に若干経過を申し上げますが、一つには、なぜこういう制度をつくったかということでございますが、麦がだんだん減産になってくる、しかし、めんや何かには、やはり内麦が実需者としましてはほしいわけであります。そこで生産者と実需者とを結びつけて、いわば契約栽培と申しますか流通契約を結ばせる。それには実需者から生産者に契約奨励金を払ったほうがよろしいということになりまして、小麦は四十三年から、大・裸麦は四十四年からスタートしたわけでございます。そのために、食糧庁といたしましては、米価審議会にかけてきめまする売り渡し値段の中から値引きをいたしまして、実需者はその値引かれた部分についてそれを積み立てるということにいたしたわけでございます。 その後の経過につきまして、先ほどいろいろ御指摘がございました。確かに当初予定をいたしましても、麦が国内産で年々大体二割程度減ってまいりますので、当初前の年に予定したものが余ってくるということになるわけでございます。そこで四十六年、最大のときの御指摘があったわけでございますが四十七年にはその年の積み立て額を十億から六億九千万円に減らし、四十八年、現在やっておりますのはそれを一億二千万円に減らしました。一方、支払いのほうも、人件費に相当するというようなお話がございましたが、それはそうでございませんで、四十五年は五億円、四十六年八億円、四十七年は六億八千万円の支払いをしておるわけでございまして、やはり減ります内麦を少しでも減らないように生産者のために契約奨励金を払うという仕事は、これは意義のあることだというふうに思っております。
○林(孝)委員 食糧庁長官のいまの答弁に対してさらに質問したいと思いますが、大体、生産奨励金というのは政府が払うべきものではないのか。米の生産奨励あるいは品質改良に対する振興、そういうものに対する資金、米の場合なんかは全部政府が払っておるわけであります。そしてこの団体に対しても、年間五百万の交付金も政府から出ております。いわゆる政府の行政として生産奨励というものをやるのが筋だと私は思うわけであります。ところが、四十二年に食糧庁長官は通達を出しまして、食管法の中にあるこの麦の流通に対してこういう制度をつくることにした。そして、この協会をもってこの任に当たらせた。そしてさらに、関係地方団体あてに食糧庁長官は、この積み立て金を支払うことを強力に指導するように通達をした。これを業者の側から見てみるとどういうことになるかといいますと、食糧庁長官のそうした通達をそのとおり受けていかなければ、小麦を業者は売ってくれない、そういう圧力となって結果的にあらわれたわけなんです。 これは非常に問題だと思うのです。一片の通達で食管法をなしくずしにして、そしてこの協会に生産奨励金、そしてその生産奨励金は業者から集めてそれをもって充てるということです。政府が出資しているのじゃないのです。業者は、その生産奨励金に対する積み立て金を出さなければならないから、どういうふうに言ってきているかといいますと、結局、その金額を利幅の中で計算して利潤にしなければならない、そういう計算をするわけです。そうすると、その小麦粉は、結局、パンだとかめん類、さらに学校給食に至るまでそうした積み立て金を支払わなければならないということが遠因となって、物価値上がりという形になってあらわれた。 なぜ政府がそうしたむだなことをするかということです。そしてこの協会は、先ほどから申し上げましたように役人の天下った協会で、事業費と人件費がまるきりとんとん、そうした団体なんです。いわゆる天下る役人を受け入れるためにそうした団体をつくって、そこに生産奨励金という制度の管理をまかせて、そして消費者が負担をしなければならない。そこから集まってくるところの積み立て金というものによって経営をし、いまどうなっているかというと、二十数億のお金が集まってきておる。いわゆる使い道がないわけです。十四億をこえるお金がだぶついてどうしようもなくなっておる、これが実態であります。 こういうことが農林省のそうした行政の中で実際行なわれているということ、物価の安定といっても、こうした役人が天下った協会で、それが消費者の負担によるところの積み立て金、そういうものによって生きておる、こういうところにメスを入れなければ、ほんとうの物価の安定というものがはかられないのではないか。非常に重大な問題として私は提起しているわけであります。農林大臣の答弁を伺いたいと思います。
○櫻内国務大臣 需要者側ですね、すなわち製粉工場その他がございますが、それが生産者側との間で流通契約を結ぶ、そしてそれに対する契約奨励金が払われる、こういうふうに考えれば、そういう契約を結んでの契約奨励金の支払いというものについて、まあ見方によっていろいろ御意見も出ましょうが、これが不当だというふうには私にはとれないわけであります。 それから、その契約奨励金は、政府売渡価格より、現在であれば三十円の値引きが行なわれる。その三十円の値引きしたものが積み立てられて、一俵当たりにつき、小麦は二百円、大麦は百円、裸麦は百円というふうに支払われていく。これも私は、とやかく言うべきものでない。 きょうお話を聞いておって、私が、なるほど御批判が出そうだと思いますることは、その協会の常勤職員が農林省の出身者がほとんどだ、こういう点。それから、過去からの積み立てが相当余っておる。それについて御批判があるが、しかし、これが何か不正に使われておるというのであれば別問題。また、それが非常に積み立てが多くなる、こういうことは、そのことが反映いたしまして、従前でありますと百七、八十円、あるいはもう少し値引きをした場合もございまするが、現在は三十円にした、こういう経緯にあるのでございまするから、私は、いろいろなお話は十分参考にはしてまいりまするが、決して批判だけされるべきものでない、これはこれとして効果をあげてきておるものであるというふうに見ておるわけであります。
○林(孝)委員 そういうものの考え方だから物価が安定しないのです。困るわけです。いいですか、実需者が出している積み立て金というのは、一トンについて二百円。そうしたものを出さなければならないというのは、生産奨励金制度というものをそうした協会にまかせた。生産奨励金の制度というものは政府がやるのが筋じゃないか、少なくとも食管の中に小麦が入っている以上は。それをそうしたところにまかせたら、どこからその資金を出すかということで、実需者から出さなければならない。実需者というのは、製粉工場だとか、いわゆる業者です。そうしたら、それだけのものは結局、今度それを売るときにマージンとして取らなければ、出せない。それが結局、どういう形に消費者に影響を与えるか。あくまでもそうしたものは政府がやるべきものであって、そうしたものを協会に新しい制度としてやらせだからこそ、そうした消費物資、いわゆるパンだとかめん類だとか、みそ、しょうゆ、そういうところの業者が今度小麦を買うときに値上がりしているから、そのことは結局商品の値上がりとなってあらわれてくる。さらに、いまそのように、協会がどうしようもなくだぶついたお金を持っておる。それにさらに、まだ生産奨励金を取っていかなければならない、取るというわけでしょう。使いようのないお金を持っておるわけです。どうしてそれを消費者に還元しないのか。その還元のしかたはどうかというと、そうした奨励金というものは政府が実際やることであって、そうした業界がやることではない。業界に肩がわりをさせているんだ。そこに問題がある、私はこういうように思うわけです。どうでしょうか。
○中野政府委員 先ほど大臣もお答えになりまして、私も先ほど申し上げたつもりでございますが、この額は、食糧庁の売り値から、百七十八円の年もあり、三百円の年もありましたが、現在はわずかに三十円を値引きをいたしまして、その部分を積み立てるようにという指示をしておるわけでございまして、先ほど御指摘のように、実需者の利幅の中から出せということではございません。 それから、政府がそういうことをやるべきではないか、それは一つの御議論だと私も思います。一般会計から奨励金を支出をいたしまして生産者に交付するということは一つの筋だと思いますが、現在やっておりますのは、麦が、米と違いまして間接統制で、本来民間流通が原則でございます。たまたま内麦が高くて、売り値が非常に安いものですから、実質的に政府にみな集まってきておるということでございますので、食管特別会計で麦の生産奨励に寄与するとすれば、やはりそういう値引き政策をやった上でやるということになるのでありまして、いまおっしゃいましたように、利幅を業界から取り上げてということではないつもりであります。 それから、うんとたまってそれをどうするのかというお話もありましたが、これは私、先ほど申し上げたつもりでございますが、そういうことが四十六年に起こってまいりました。それは先ほど申し上げましたが、麦が、われわれの見込みよりもはるかに減産になったということで、たまり過ぎたことは御指摘のように確かでございます。そこで四十七年、四十八年と、積み立て額を減らしてまいりました。現在四十八年度では、積み立て額は、過去の分が残っておりますから、わずかに一億二千万円だけ集めて、そして支払いは約八億であろうという予定を立ててこれを運営しておりまして、どんどん積み立てるということをねらってやっておるわけでは決してないわけでございます。バランスをできるだけ合わしていきたいと思っております。
○林(孝)委員 食糧庁長官がいま、制度上の問題としてそれは考える必要があるというような意味の答弁をされたわけでありますけれども、農林大臣は、そうではない、そういう意味の答弁であります。私は先ほどから繰り返して申し上げておりますように、こうした生産奨励というものは政府の行政の一環であります。したがって、こうした実需者から金を集めて生産奨励に充てるというのじゃなしに、政府があくまでも責任をもって生産を奨励する、そういう態度でなければならない。その証拠に、四十八年度において、これは生産奨励とはまた別でありますけれども、実際一億八百五十万の予算が、こういう生産改善のために政府としても組んでいるわけです、麦の生産の。片一方ではそうした予算を組んで、政府みずからが生産の奨励を行なっておる。片一方では生産奨励金という制度をそのまま温存して協会にまかせてしまって、政府の肩がわりをさしておる。こういうふうな現実が実際あるわけであります。 そしてもう一つの点は、この協会から出てきました決算報告の中身を見ますと、先ほど人数をあげましたいわゆる天下りした役人あるいは職員、そういう人たちの行なう事業というものはごく少数の費用でありまして、こういうことならば、当然政府がやれることなんです。わずか十名の協会員。そのやっていることを農林省がやれないはずがない。 もう一つ例をあげますと、こういう団体があります、日本穀物検定協会。これは穀物の検定を行なうわけでありますけれども、非常に多い人数でやっておりますが、やることは非常に簡単なことなんです。職員が千八十五名、役員の総数が五十四名、こういう協会であります。実際、こういう検定協会のないところにおいては、食糧事務所の人が検定をしておるわけです。そういうふうなことを考えていきますと、こういう、形でだけあって中身が乏しい、むしろ農林省の中で操作できるという、そういう職域。これがこうした法人をつくって行なわれておる。そこに一つの問題を私は発見するわけであります。 したがって、こういう公益法人は大臣が認可される認可団体でありますけれども、必要ないものはやはり少なくして、農林省あるいは食糧庁からの官僚の天下りというものをなくしていく方向に持っていくべきではないか。まして物価の問題については非常に議論をされているところであり、こうしたところの改善が物価の安定という方向に寄与することは大きい、私はそのように思うわけでありまするけれども、これは経済企画庁長官にお答え願いたいと思います。
○小坂国務大臣 従来、生産者保護という立場でいろいろな補助金、助成金を出しておりまして、そのことが従来の頭からいえば当然であったことでも、物価の問題がこうなってまいりまして、ことに外国からの輸入をふやして、そうしてしかも円高による物価の引き下げ効果、デフレ効果を考えるという場合には、従来やっておったことが必ずしもそのとおりでいいということでもない場合も相当あると思います。ただいまの御指摘はその点であると思いますが、私どもはこれからそういう点を謙虚に考え直していくということは必要だと考えております。
○林(孝)委員 いま経済企画庁長官から答弁があったわけですけれども、農林大臣もその精神でやっていただきたい。いかがですか、農林大臣。
○櫻内国務大臣 企画庁長官とはおのずから立場が違うわけであります。農林行政を担当しておりまして、そして必要に応じてこの種の団体がつくられていった、中にはお話のように検討すべきものもあるかと存じまするが、みな創立されるときには一応の経緯があるということは、私ども承知をしておらなければならないのでございまして、これが先ほども申し上げたように、あまりにも天下りで、そして不必要な面があるではないかというふうな面で御批判があって、それに当たるものがもしあるといたしますれば、それはわれわれとして十分検討し、反省をしなければならないと思いますけれども、きょう御指摘の二つの事例につきましては、先ほど来お話を申し上げておるように、それぞれ必要性があって現にある団体だと思います。
○林(孝)委員 天下りがあって問題がある団体でありますればなんということは、全然、さっきからの話わかってないわけですね。具体的に数字をあげて、この協会にこれだけ天下りがあるということははっきりしているじゃないですか。ありますればじゃないですよ、現実にあるわけですよ。食糧庁長官も、あるということは先ほど認めたじゃないですか。そのこと自体を農林大臣は、ではどういうふうに思うのですか。いいことなのですか。
○櫻内国務大臣 私から詳細御説明を申し上げたじゃないですか。そして、しかも、その資金は政府の売渡価格の値引きを積み立てておって、過去においてそれが多過ぎるということで、いま三十円にして、そしてだぶついておるとするならそれはそれとして考えなければならぬが、それが不正に使われておるとかどうとかいうのじゃない。それから、実需者と生産者との間で流通契約を結んでやるというのは至当であるというように、ちゃんと説明を申し上げたじゃないですか。ただそのときにも、おっしゃるように、まあぎらつくといえば農林省出身の常勤理事がおります。しかし、それがいいとか悪いとか言っておるのじゃない。至当に業務がされておるとするならば、それはそれなりの価値を持っておると思うのです。
○林(孝)委員 農林大臣の答弁からすれば天下りけっこう、こういうことになりますよ。それでいいのですか。
○櫻内国務大臣 いわゆる天下りという問題につきましては、あなたも御承知のように、人事院がそういうことの弊害のないようによく見ておるわけであります。しかし、食糧庁の経験者が、ある年限が来て民間団体に行って有効に働き得るとするならば、それもまた認めてよいと思うのであります。しかし、あなたの言われるような点について私は全然顧慮せずに言っておるのではない。そういう点で、もし問題があればいけないから、その点は私も謙虚には聞いておるけれども、この協会については、これは長官と私とからよく御説明を申し上げたとおり、それなりに有効に働いておる、その点からよく見ていただかなければならない、こう思うのであります。
○林(孝)委員 先ほどの長官の答弁は、四十六年まではそういう状態にあったから有効に働いてないということで、四十八年に向かって改善してきたというわけでしょう、長官。四十六年の決算書においては有効だったのですか。
○中野政府委員 確かにその前の見通しからしますと多く集め過ぎたのですけれども、全然払わぬじゃなくて、そのときどき相当程度の、たしかいまさっきの資料で申し上げますと六億だか八億を払っております。集まり過ぎたものですから、その分を後年度で調整をしておるということを申し上げたわけでありまして、四十六年そのもので事業がこれは非常にむだであったというふうには私は考えておりません。
○林(孝)委員 それでは、この協会の業務内容について私は資料を要求したいと思うのです。よろしいでしょうか。
○中野政府委員 後ほど差し上げたいと思います。
○林(孝)委員 いま私が二つの協会に焦点を合わせて質問をしてきました。その論点はもうおわかりになっていると思いますけれども、こういう協会が、いわゆる公益法人でありますけれども、高級官僚の天下り先になっておる。そしてその事業内容が、その協会を必要とするかどうかといいますと、十分農林行政の中でできるという内容のものです。そして、その中で行なわれている生産奨励金なるものへの積み立て金、これを業者から集めている。これはむしろ政府が奨励金として出すべきものであって、業者から集めるということは筋ではない。業者から集めるということになりますと、当然それは消費物価にはね返る、こういうことを申し述べてきたわけであります。 これにつきましては、経済企画庁長官のほうからは、この意見に対して謙虚に受けとめて、流通経済の安定という面から考えていくという答弁がありました。しかし、農林行政を担当する農林大臣のほうからは適当であるという答弁があって、二人の国務大臣の答弁に差のあることがはっきりしたわけでありますが、これは、今後の問題としても非常に重要な課題を残しております。といいますのは、こうした公益法人が、いま私は食糧庁の小麦に関するものであげましたけれども、これ以外にも食糧に関するこうした協会が多々あります。やはり類似の中身を持つ性格のものがたくさんあるわけであります。あくまでもそうした公益法人が体質を改善し、そしてほんとうに庶民が物価の安定に神経をびんびんさせている時代に、そういう庶民の感情というものを敏感に受けとめて、そして農林大臣も食糧庁長官も、そうした全体的な考え方というものを身につけていただいて改善の方向に努力されることを強く要望する次第であります。 したがいまして、この議論はさらに今後別の委員会で行なうことといたしまして、先ほどの米麦改良協会並びに穀物検定協会、この二つに関しての業務内容の資料を要求いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○山中委員長 次に、玉置一徳君。
○玉置委員 大蔵大臣に御質問申し上げたいのですが、現在わが国の政治で一番やかましい問題が物価の騰貴の問題だと思います。そういう意味で目下、巨大な総合商社に焦点がしぼられてきておりますけれども、過剰流動性というものがその基調にあったと考えますと、やはり銀行も同罪であり、その監督を適切に行ない得なかった大蔵省もまたそれにつながるといわざるを得ないと私は思うのです。 そういう意味で、全国銀行の総貸し出し額で見てみますと、前年対比の増加率は四十六年三月ごろが一八・七%ぐらいでありましたものが、四十七年の三月には二四・二%、それから十二月には二五・五%になっております。四半期の増加率を見ましても、四十六年三月に四・三%であったものが、四十七年の九月には七%、十二月には七・九%になり、不動産業の貸し付けに至りましても同様な伸びを示しておるわけであります。 こういう意味で、物価騰貴の基調でもあり元凶でもございます過剰流動性に対して、政府はこの一年間どういう手をおとりになってきたか、それから今後なお尽くすべき手があるのかどうか、これにつきまして、大蔵大臣から簡単明瞭に御説明をいただきたいと思います。
○愛知国務大臣 過剰流動性、投機の問題等々金融機関の関係でございますが、御指摘のとおり、一昨年及び昨年にわたって異常な輸出増加から、外為会計を通しましておよそ六兆円ぐらいの円資金が散布されました。これが率直に申しましていわゆる過剰流動性のもとである、こういうふうに考えるわけでございます。 それからその次に、しからば当時の金融政策は間違いでなかったかという御指摘でございますが、あの当時は一面において、ニクソン・ショックから通貨調整の非常に大きな試練に当面いたしまして、たまたま不況であったというようなことから公定歩合の引き下げをはじめ、どちらかといえばかえって緩慢な金融の政策がとられた。そして景気を浮揚させようという努力が払われましたから、私は率直に言って、メリット、デメリットはあると思いますけれども、まあ当時としてはそれなりのメリットもあったと思います。 しかし、昨年の末ごろになりましてからこの状況が、ただいまも数字的にお示しがありましたように非常に憂慮すべき状態になりましたので、具体的に申しますると、昨年の秋ごろから金融政策は引き締めを始めてきたわけですけれども、一月の九日に預金準備率の引き上げをいたしたわけでございまして、それからは二回にわたって準備率の引き上げをする。それから公定歩合も四月に入りましてから引き上げました。同時に、預金準備率の引き上げを背景にいたしまして対象別の融資規制を相当きびしく行ないました。その対象の中心は証券であり土地であり、もう一つは商社という具体的な問題でございますが、これに対しましては、たとえば特定の商社の手形の買い入れ限度を設定するというようないまだかってないようなことも行ないまして、それなりの効果はあらわれてきつつあるように思われます。 一例を申しますと、今月から六月までの四半期におきましては、都銀については貸し出しの増加額が前年に比較して一六%減になるというような相当なきびしさを展開しておりますから、自然——何といいましても日本のいわゆるマネーサプライの中には、全国銀行についてみれば、昨年末あたりの状況を見ても六十兆あるいは七十兆といわれるような圧倒的な金融機関の貸し出しの総額でございますから、これが徹底的に引き締められてまいりますと、いわゆる商社等の過剰手持ち資金というものも締め出されてまいりますから、相当の効果が期待されると私は考えております。ただ同時に、たとえば輸出関連の中小企業あるいは国民的な要望であります住宅ローンといったようなものにこのしわが、影響が及んでは困りますから、そういう点につきましては従来どおり、あるいはそれ以上の対策を展開しておる、これが現状でございます。 今後はどうするかというお尋ねでございますが、今後もこの情勢の推移を十分見守ってまいりまして、金融政策は財政政策とあわせて機動的に、緩急よろしきを得るような配慮をもった対策を講じていきたい、こういうふうに考えております。
○玉置委員 むずかしい問題で、過剰流動性は締めていかなければいけない。だからというて平均化されたままでまいりますと小さいものはほんとうに参ってしまうというので、それにはそれの手当てをしていかなきゃならぬ。お話しの緩急そのよろしきを得なければいかぬわけでありまして、非常に困難な問題だと思うのであります。しかも効果は徐々に浸透していくのでありまして、おっしゃるとおり、ある程度見守っていかなければならないと思いますが、ひとつこの相反する二つの点に十分御注意をいただきまして万全を期していただきたいと思うんです。 そこで、私がさきの本会議の緊急質問のときに申し上げたわけでありますが、そうして大臣はその他の機会にそれを肯定するような御答弁をなすったと思いますが、このように社会性、公共性の非常に大きな銀行金融業務、その日銀の政策委員に役所から四名とほかに銀行屋さんから二人お入りになっておるだけでは、今回の例を見ましてもはなはだ当を得ないんじゃなかろうか。銀行屋から二名入れるんだったら、当然産業屋さんから、中小合わせまして四名くらいの比率はなければ、銀行そのものの政策を述べるわけでありますので、そのほかになお消費者その他を入れました意味の国民の学識経験者というものも若干名を加えなければいけないのだ、こういうようにあのときに要請をしたわけであります。現在大臣の心境はどのような御心境か。当然日銀法の改正のときでないとでき得ないのかもわかりませんけれども、なお違った方法でも、オブザーバーの形式でできぬこともないと思います。どのようにお考えになっておるか。見解を重ねて承っておきたいと思うのです。
○愛知国務大臣 私は、御見解はまことにごもっともだと存じます。したがいまして、先般大蔵委員会で御質疑がございましたときにもお答えいたしましたが、中立的、民主的に学識経験のある方々で日銀政策委員会は構成されるべきものである、この本旨については私も同感でございます。これは、日本銀行法に規定されておる政策委員会のことでございますから、日本銀行法改正のときにはそうしたことを考えたい、こういう御答弁を申し上げました。 なお、日本銀行法の改正ということになりますと、相当これは基本的な問題だから、時間もかかるであろうという御趣旨であろうと思いますが、同時に私いろいろ考えまして、日本銀行には参与というような制度がある。日本銀行法の改正は、とっくり基本的に考えなければなるまいと思いまして、前向きに取り上げなければならない問題であると思いますけれども、これには相当な時間がかかると思いますが、場合によりましたら、そういった、現在活用されていない制度もございますから、そういうものを活用することも一つの方法ではなかろうか、こういうふうな考えを実は持っているわけでございます。
○玉置委員 お話のとおり、日銀法の改正ということになると、いろいろな問題点があると思いますので、現在の制度もしくは運用のいかんによりまして実効をあげることは可能だと思いますので、すみやかに善処されることを期待したいと思います。 時間もございませんので、次に御質問申し上げたいのですが、今回の過剰流動性の問題です。十一月の木材から値上がりが始まったわけでありますけれども、そのもとはやはり土地だったと思います。いよいよインフレだというので、換物思想と申しますか、一番手がたい土地に、それから株式に、こういうようになってきたのだと思います。そこで、一般大衆のお金を預かる銀行屋さんが、今日一番タブーでございます土地を、自分のところの会社をつくることによって、子会社によりましてそれを取得し、販売し、分譲しておるということは、一体銀行として、金融機関としていかがなものか。それがしかも、たとえば第一勧銀でございますと勧銀土地建物というような形、協和銀行は協銀不動産という形、大和銀行は大和不動産、長銀は長銀不動産という、まるきり銀行が主としてやっておりますということを国民にわからすような名前をつけておやりになっております。しかも運営は、そこの銀行から定年等になられた方がかなり多数をお占めになっておるというようなことでは、今後いよいよ土地問題が——国会で、法案も出尽くしてまいりまして、これから審議をすることになります。土地だけは、限られたものに大きな資本を持っておるものがいかに有効に造成し、いままで無であったものを有にするのだ、これはかえって国民のために非常にいいことを積極的にやっておるのだという言い方もでき得るとは思いますけれども、逆に、大会社、大銀行等がほとんど庶民の不動産を買い占めているのだということにも通ずると思います。庶民の土地の投機に対する恨みは、私はここに集中する可能性もあり得ると思うのです。こういう意味から、金融機関が不動産業を、別会社にしろ扱うことは好ましいのかどうかということを、この際大臣からはっきりひとつお答えをいただきたい、かように思います。
○愛知国務大臣 第一に、銀行自身は、申すまでもなく銀行法で不動産の売買というようなものは業として認められておりませんから、銀行自体にはそういうことはございませんが、御指摘のように関係会社と申しましょうか、銀行と関係のある不動産会社というものは大体四十社くらいございます。ただ、銀行からの出資は一〇%以下ということで押えてございます。しかし、まことにごもっともな御指摘であって、こういうことが広がることは好ましいことでございませんので、先般来の融資規制におきましても、この点については特に厳重以上の規制をいたしておるわけでございますが、今後の問題といたしましてはさらに十分の配慮をいたしたいと思いますし、たとえば一〇%という制限につきましても、今後はこれをもっと低めるようにするということを実行いたしたい、かように考えております。
○玉置委員 たとえば一〇%というのは、何業の会社でもいいのだという一〇%だと思うのです。そこで、たとえば銀行が、不動産業をやるから、おいちょっとつき合いをしてくれぬかということを言いますと、銀行さんの言うことですからみな相当の出資をいたしますから、私は一〇%とか八%という問題と問題が違うのじゃないか。しかも、ただいまも指摘しましたように、それぞれ長銀不動産であり、あるいは大和不動産である、信託においても同じでありますが、銀行そのものの名前を冠してやること自体が好ましくない。だから、まず私はそういう名称を変更すべきである。それからもう一つは、すぐにということになかなかむずかしい問題があると思いますけれども、役員等を今後はもう送り出さない、いまの方でも任期が来たときにはおやめいただくというような措置がいいのじゃないだろうか。三つ目は、できれば一〇%のあれを〇%にすみやかに、つまり撤退することが好ましい。ただし、これは役所からいうべきじゃなしに、会社そのものは法人でやっておるわけでありますから、そこまでくちばしを入れることはできないかもわからぬけれども、そういうことを、国会の場で論議があったし、われわれもそう思うから、ひとつ考えてみろというようなことぐらいは、私は当然あってしかるべきだと思うのですが、最後の点は大臣の私見でけっこうですからお答えをいただきたいと思います。
○愛知国務大臣 名称の問題、それから人事の問題これも私は同感でございます。これは、法規的な規制ということではなかなかむずかしいことでございますが、行政指導と申しましょうか、国会での御意見も政府としてもまことにごもっともでございますから、そういう方向で指導してまいりたい、こういうふうに考えております。
○玉置委員 第三点の、でき得れば一〇%をもう少し、数%落とすという意味ではなしに、相なるべくは総合商社が食管法にあれする生活必需物資からは撤退する、これも道義の問題だと思います。そういうような意味で、事金融機関の問題ですから、私もここで問題にすること自体にちゅうちょをしておったのでありますが、その意味でははっきり、将来撤退することのほうが望ましいというような行政指導があったほうが好ましいのじゃないか、こう思うのですが、御意見を承りたいと思います。
○愛知国務大臣 不動産会社に対する一〇%の問題は、先ほど申しましたとおりで、今後の問題としてはぜひそういう方向へ持ってまいりたいと思っております。ただいまの御指摘の点については、私としても今後十分の努力をしてまいりたい。 念のために申しますと、たとえば信託とか生命保険とかいうものは、多少純粋の金融機関とは違ったところがございますから、そういう点にはまた適当な配慮が必要だと思いますけれども、お話の趣旨は私は全く同感でございますから、その方向へ頭を向けてまいりたい、努力を積極的にいたしたいと思います。
○玉置委員 生命保険会社並びに信託銀行等が純粋な銀行とは、事これに関しては若干意味合いが違うと思います。私もそのことは肯定いたしますけれども、別会社でそういうものをつくるという点では似たいろいろな問題点があり得ると思いますので、同様に御検討いただきたい、かように思います。
○愛知国務大臣 同様に考えてまいりたいと思います。
○玉置委員 大蔵大臣、もうお帰りになられてけっこうでございます。 お忙しい運輸大臣、国鉄の理事さんを引っぱり出しましてまことに申しわけないのですが、物特の問題でございますので、今回行なわれようとしておる国鉄のストというものは、御案内のとおり国民大衆の非常な関心事でありまして、特に物特から申し上げれば、いまやかましい物価の問題の、つまり国民の生活必需品の円滑なる運営ができ得ないので、少し物を買っておかなければいけないのじゃないかということまで各所でいわれておるというのが現状であります。 そこで、問題の第一点は、前に行なわれました動労のストにつきましては、何と申しますか保安の問題と二人乗りの乗務員制の問題であるということで、国民はそういうように理解しておるわけですが、今度の問題が、動労を含めまして、国労とその他一般的な運輸機関をあげてのストになるような気配がございます。それぞれ賃上げの問題だとかいろいろ重なっておるわけですが、国民はこれを何と何とが一体どうなっておるのだというように理解していいのか、争点は一体何なのかというような御解明をひとつお願いしたいと思うのです。
○新谷国務大臣 これは労働条件の改善の問題が一つでございます。そのほか全体の労働組合といたしまして、たとえば争議権の奪還とか政治的な目的を持った争議行為が入っておるというふうに理解しております。
○玉置委員 そこで国鉄当局にお伺いしたいのですが、今夕の各社の夕刊を見ましても、本日有額回答されまして、御努力のあとも見えるわけでありますが、こうしたストの予定が目前に迫りまして、一体今日までどのように交渉を積み重ね、争点として何が残っておるのだ。新聞にあまり出ておりませんでしたものですから、政府は回避して、逃げておるような感じすらわれわれ受けるわけですが、今日までの交渉のてんまつと、残されている問題は何であって、今後どのようにそれの努力を続けていかれるのか、ひとつ国民の前にはっきりしていただきたい。
○加賀谷説明員 ただいま争点につきまして大臣からお話がありましたように、大きく分けていまの二つになるわけでございますが、待遇改善、ベースアップの問題につきましては、各組合によっていろいろまちまちでございますが、これまで何べんも交渉を重ねてきておりまして、本日、各組合に対しまして、当局の最終的な回答という意味におきまして有額回答、去年の妥結額を回答するということでお話ししたわけでございまして、純粋な賃金問題につきましては、われわれ、これはもう労働組合の当然のあれでございますし、当然当事者としての交渉をやっていく、それで問題の解決をはかっていくということで努力しておるわけでございます。 ただ、もう一つの政治問題がございまして、これはスト権奪還あるいは処分はけしからぬというような話でも、現行法体制下においては当事者としてはどうしようもないというような問題でございますので、これにつきましては、特に私ども話し合いを持っておるというようなことではございません。そういう問題につきましては、政府方面においていろいろ話があるというふうに考えております。
○玉置委員 特に物価問題の生活関連物資の輸送については、万全の対策を講じていただいていると思いますが、国民に述惑をかけることはございませんか。当局からお答えいただきたい。
○新谷国務大臣 今日予定せられております交通関係の争議行為がそのまま行なわれるといたしますれば、おっしゃるように国民生活、国民経済に非常に大きな影響を与えることは事実であろうと思います。われわれは、前の動労のストの場合の例もございまして、そういう際にもいかにして国民生活を守っていくか、国民経済を守っていくかということにつきまして、いろいろ研究審議を続けまして、今回におきましても、もしそういうことがありましても最小限度国民生活を守れるようにということで、大都市圏に対する生活必需物資でございますとか、緊急度の高い産業関連物資につきまして、荷主の人たちとも十分協議をいたしまして、ともかく国鉄をしていままでに、可能な限り繰り上げ輸送を実行させてまいりました。前々からの争議行為によりまして、首都圏等におきまする大都市では、そういったものの貯蔵があるいは減っているものもございまして、それを埋めるためにもこれは必要でございまして、次の段階に対してもこれはもちろん必要でございますから、そういう対策を今日まで講じてまいりました。 それから、今後予定されておりますような争議行為が起こりました場合には、これは相当に大きな結果になると思います。おそらく国鉄関係で平常時の輸送力の三割程度しか確保できないであろうと推測されるのでございます。でございますから、生鮮食料品を中心にいたしまして、生活関連物資をどうして運ぶかということにつきましては、国鉄の力だけではまいりませんが、とにかく国鉄といたしましては、この緊急に輸送を要する急送品列車、これは平時でございますと野菜、果物、鮮魚等で大体十九本ございます。それからフレートライナー、これは主として雑貨でございますが、平常時でございますと全国で七十五本ございます。これは全部確保できるとは思いませんが、これを最優先的に確保するような輸送体制をとることにいたして計画を進めております。 また同時に、どうしても国鉄では運べないものがたくさんございます。そういったものは、トラックまたは海運によりまして代替輸送をするという手配をいたしております。その場合に多少問題になりますのは、運賃でございます。国鉄運賃との差額の問題が起こってまいるわけでございます。そういう問題に対しまして、関係閣僚の間でいま相談をいたしておりますが、その非常にむずかしい問題を乗り越えましても、いま申し上げたようなトラック輸送あるいは海運による代替輸送というものを、最大限に効果を発揮するような方法で実現をしたいと、いま準備をしている際でございます。
○玉置委員 これで終わらせていただきますが、簡単に最後に一言だけ、御質問なりあるいは要請と申しますか、お願いしておきたいと思うのです。 労使双方とも最後まで、この問題を未然に防ぐために粘り強く交渉なり努力をしていただきたい。田中総理大臣に会いたいと言っておられるならば、会わすようにやはり運輸大臣もつとめるべきじゃないか。そうして、どっちにしましても国民には非常な迷惑がかかることでありますので、お互いに国民の迷惑ということを十分に頭に入れていただいて、努力を回避しておると思われるようなことの万ないような万全の御努力を要請して終わりたいと思うのですが、所見だけをお伺いしたいと思います。
○新谷国務大臣 仰せのとおりに、最大限の努力をいたしておりますし、今後もいたすつもりでございます。関係閣僚とも毎日のように連絡協議をいたしておる際でございますから、できるだけのことはいたします。
○玉置委員 ありがとうございました。
○山中委員長 本日の委員の発言中、不穏当と認められる言辞があれば、後刻速記録を取り調べの上、委員長において適当に処理することにいたします。 以上で本連合審査会は終了いたしました。 これにて散会いたします。 午後六時三十三分散会