物価問題等に関する特別委員会 第15号
- 発言数
- 89 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1973/06/14
会議録
○山中委員長 これより会議を開きます。 物価問題等に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。渡辺三郎君。
○渡辺(三)委員 まず最初に小坂長官にお伺いをいたしたいと思いますが、長官は、OECDの閣僚理事会に行かれて帰ってこられたばかりでありますけれども、たいへん御苦労さまでございました。 ところで、今回の閣僚理事会の問題について若干詳しくお聞きをしたいというふうに思っておるのですが、言うまでもなくインフレ抑制策、これが中心課題の一つとしていろいろ各国の意見が出された、あるいはまた、これに関連をして声明の中にもうたわれておるわけでありますけれども、この中で各国がとっておりますところのインフレ抑制策、このそれぞれの抑制策の中で、特にわが国としてはこういう点がきわめて参考になるといいますか、重要である、このような点がもしあれば、長官としてはそれをどのようにとらえてこられたのか、その点をひとつ最初にお伺いをし、また、時間の関係がありますから、引き続いて、各国共同でインフレ対策を進められるような問題について明らかになった点があるのかどうか、その点もあわせてお伺いをしたいと思います。
○小坂国務大臣 まず、私の出張につきまして御理解いただきまして、深く感謝をいたします。 ただいまの御設問でございまするが、OECDの閣僚理事会、昨年度は、経済成長ということがおもな問題であったわけでございますが、今年は、加盟国に共通する問題としまして、インフレーションの問題が大きな問題となりました。これに対する討議というのが主要な議題であったということができると思います。 そのほかに経済成長の質的側面の問題、この中で私も特に、活力ある福祉社会のためにというわれわれの中期計画を示しまして、いわゆるクォリティー・オブ・ライフ、生活の量の増大よりも質の増大が今後の問題であるという点を指摘いたしました。 そのほか通貨の問題、貿易の問題、これも議題でございましたが、通貨の問題については、現在のフロートしている為替の状況というものが一応各国の実勢を反映しているというふうに了解して、十日くらい前からのドルに対する投機というものは非常に不当なものであったと考えるという点でみな一致しておるわけであります。さりとて安定的な、しかも永続的な通貨というものをつくるにはまだなかなか問題が多くて、できるだけこれを早くつくるのがいいという点は一致しておるわけでありますけれども、九月のナイロビの総会までにこれができるかという点になると、若干みなその点自信がないというような状況でございます。 それから貿易の問題に関しましては、これはガットの東京総会というのに非常に大きく期待いたしまして、そのときまでに、各国が案をそれぞれ持ち寄って、これから討議に入れる体制をつくっておこうじゃないかというようなことで一致したわけでございます。 それからエネルギーの問題、これも非常に大きな問題でございますが、これは石油に関する特別の委員会をあとに控えております関係もございまして、特に深く入ることなしに、いずれにいたしましても生産国も消費国も、それぞれの大事な問題について対立的な形にならぬようにしようじゃないかという程度のものであったわけでございます。 インフレ問題に戻りますけれども、各国がインフレについて非常な関心を持っておるわけでございますが、そこに幾つかの型が見られるわけでございます。 特徴的な型は、アメリカ及びイギリスにおいてとられておりまする所得政策、これが一つの型であろうと思います。アメリカの代表はシュルツ財務長官で、イギリスの代表はバーバー大蔵大臣でございましたが、いずれも、この所得政策は成功しておるというふうな考え方に立っております。ことにバーバー蔵相は、イギリスの所得政策の成功というものは、結局例外を置かなかった、一般によくこれを周知徹底せしめることと、シングルエクセプションも置かなかったということが成功の原因であるということを強調しておられたわけであります。 それからフランス等は、若干これと立場を異にしているように思われまするが、経済成長の面でまだやるべきことがあるというふうなニュアンスを漂わせながら、全般の需要管理政策というものについて、要するに景気がよくなってきたことによって入ってくる財政収入、それの支出についてのくふうが大事であるというふうなことを述べておったわけでございます。これはジスカールディスタン大蔵大臣が代表でございました。 それから西独の関係では、これまた一つのタイプのように思いますけれども、やはり需要管理政策の中で超過需要を管理することが特に重要である。そして特に大口の所得者の利益についての調整が必要である。また地方財政、国家もいろいろやるけれども、地方財政と国家の財政との間の歩調を一にしていかなければならないので、この関係が、非常に重要だということを言っておりました。ドイツの連邦政府と地方政府という関係は、われわれの国と県との関係と若干違うわけでございますけれども、その点非常に強く申しておったのが印象的でございました。さらにドイツの場合は、そういう需要管理政策をやる場合、統制経済になることは最も警戒しなければならぬことだという点を強調いたしておりました。 その他、各国いろいろと意見を述べたわけでございますが、日本の立場というものは非常に注目をされまして、私、自分のことを申し上げるのはたいへん恐縮なんでございますが、政府の代表という意味でお聞き取りを願いたいと思いますが、日本の発言は非常に注目されたと考えております。私はこういう種類の国際会議に出たのは実は十年ぶりでございましたけれども、十年間における日本の地位の向上といいますか、日本に対する各国の注目のしかたといいますかは非常な変化でございまして、会議はABC順に並ぶわけでございますけれども、他の、あるいは晩さん会であるとか午さん会であるとか、それに続くいろいろの打ち解けた懇談といいますか、そういうものにおける日本に対する期待というようなものは非常に大きいように感じたわけでございます。席次等も、メーンテーブルの一番中心に日本が据えられるというような状況であったわけでございます。ことに、日本の考えておりまする財政支出の時期調整であるとか、公定歩合、預金準備率の引き上げ、そうした金融からくる引き締め政策、さらに消費者に対しての告知方法、そういうふうなものがだいぶ注目を浴びておったように考えるわけでございます。 共通して何かあったかということでございますが、コミュニケにもうたわれておりますように、各国がインフレ抑制ということを経済政策のハイプライオリティーを持つものにするということが非常に特徴的でございました。 それから、全般的な考え方とすると、需要管理政策をどうしてもとる必要がある、しかもそれは超過需要を除くような方式がいいのだということでありますが、その方式については、単に財政あるいは金融ということだけでなくて、非常に多様化した政策をとる必要がある。これはあるいは輸入の拡大策であるとかあるいは労働の活用政策であるとかいろいろなものがあるであろうが、こうした多様な政策を非常に弾力的に、しかも効果的な時期を失せず行なうことが必要だというような点については、これは各国が一致した点でございますが、さらに所得政策というものについては、先ほど申し上げたようにいろいろ反対論もございますけれども、まあ相当に注目を浴びておるということは、その会議の中の発言で幾多そういう事例があったわけでございます。 ただ、わが国として、それでは所得政策というものができるかどうかということになると、やはり全般的な意思の疎通というものが十分でないわが国の現状においては、この所得政策というものがなかなか効果をあげ得ないのではないかというふうに思いますので、私は、アメリカ、イギリスがやっておるということによって日本も直ちにこれをとるのがいいと考えたとか、そういうようなことは全然ないわけでございます。 以上、簡単でございますが……。
○渡辺(三)委員 いま長官から、やや詳しく各国の事情なども紹介されたわけでありますけれども、採択をされましたコミュニケ、共同声明は九項目からなっておる、こういうふうに私たち知っておるわけでありますが、中身はいま長官のお話にもございましたけれども、いま言われたようなことが必ずしもこの共同声明の中には盛られておらない。それはそれなりの事情があろうかと思いますけれども、比較的一般論といいますか、抽象的に発表されておるのではないか、こういうふうに思うわけです。もちろん、長官もいま言われましたが、この所得政策の問題などについては、これまでも長官自身も、相当慎重な立場で発言をしてこられましたし、私どもも、この問題についてはいろいろな角度から慎重に取り扱わなければならない問題があると同時に、また一方、これについてはきわめて日本の場合に疑念を持って見られなければならない、そういう具体的な事情があると思うのです。ですから、これらがわが国に採用されるというふうなことについては、私自身も非常に大きな問題と考えますけれども、超過需要の問題について、いまいろいろ長官から言われました。日本の場合に、これは具体的な品目についてはあるいは通産省からお聞きすればよろしいかとも思いますけれども、長官の立場として、この需要管理あるいは需要抑制、こういうものについてどういうふうな展望、具体策を持っておられるのか、この点もあわせて、いまの問題と関連をしてお聞きをしておきたいと思います。
○小坂国務大臣 超過需要の中で、一番私たちが気にしておりますのは設備投資の最近の状況でございまして、われわれ、設備投資は、御承知のように四十八年度の見通しで一四%というふうに見ているわけでございますが、この一−三月の設備投資は四十数%になっておるわけでございます。これが確かに自動車等に見られるような非常な大きな需要を背景にしておることは、そのとおりでございますけれども、さて、それじゃ自動車がいまのようなことでいいのだろうかということになりますと、どうもオキシダント公害一つとってみましても、これ以上にガソリンが東京の空気の中に充満することが耐えられるのかどうかという点もございますし、道路の状況等もそうでございますし、そういうものから見ますと、自動車一つとってみても関連産業が五十七社あるわけでございます。これは、その中でもガラスとかそれからシート用の布をつくる工業とかそういうものを除いて、いわゆる関連産業としてそれだけある。しかも、それに要する設備投資の金額が四千五百億円くらいと見られておる。そういうものを設備をさらにして、そして国内でも一ぱいになったということになれば、また輸出に向けざるを得なくなる。そういうことになると、またもとの繰り返しになっちゃうということの問題が一つございます。 それから、一般の設備投資の中で、公害であるとかあるいは廃棄物処理であるとか、これから必要な仕事のための設備投資は当然なければならぬわけでございまして、そういうものとの選別をどうしていくかということが大事な点ですが、みそもくそも一緒にしていかぬのだという気持ちは私は実はないのでございますけれども、どうもその点の分析をもっとやってみていかなければならぬ。 それから、やはりこういう状況でございますので、税収というものは非常に上がってくるわけでございます。六千四百億とかいうふうな、四十七年度の税収だけ見ますと増徴を見られるわけでありまして、そういうものをただ、いままでのようにすぐ補正予算で使っていくということが、これからの一つの研究課題だというふうに思います。現に、参考になったという点で申し上げますと、フランスあるいは西独等はそういう増徴は凍結しておる、これを景気調整資金に使っておるというようなこともやっておるわけであります。 その超過需要そのものの分析も必要でございましょうが、その後の景気が上昇したことによって政府に入ってくる財政資金をどう使うかという問題も起こってくる。そういう今度はむしろ積極的なといいますか、従来予算執行上に公共事業、御承知のように五九・六%上期に支出することにしておりまして、これは昨年度が七三%でございますから、その意味からいいますと非常に切り詰めたことになりますけれども、三年くらい前はやはり六二、三%でございましたのですから、五九といってももう少し切り詰める余地があるのじゃないか。そうすると、そういう公共事業の支出とセメント等の資材との調整を見て、セメント価格が上がらないようにするにはどのくらい支出したらいいのかとか、いろいろな調整の方法はあろうと思うわけでございまして、そういう点もこれから少し手を染めていかなければならぬじゃないかというふうに思っておるわけでございます。
○渡辺(三)委員 それぞれ、これからさらに会議に出された内容を詰めていただいて、そして効果があるものがあれば、わが国における物価動向あるいは経済事情と十分にかみ合わせながら対策を緊急にやっていただく必要がある、こういうふうに思うわけです。 ところで、国内の物価の動向でありますけれども、経済企画庁がまとめました月例報告、これに明らかなように、依然として非常に高い、異常な高騰が続いておるわけです。数字はあまり詳しくは申し上げる必要はありませんが、四月の卸売物価が前月対比で〇・五%、それから前年同月比では一一・四%、このような上がり方を示しております。これは八日の経済閣僚会議で確認された数字でありますけれども、さらに、一昨日ですか日銀が発表したものによりますと、五月にはこの騰勢が一そう顕著になってくると思うのです。五月の場合で見ますと、前月対比で〇・九%、それから前年の同月比では実に一二・三%というふうに上がっておる。これはまさに異常な状況だと思うわけです。全国消費者物価について見ますと、これは四月は前月対比で一・九%、それから前年の同月対比では九・四%、それから東京都の五月における消費者物価、対前月比二・一%、前年同月対比で一一・六%いずれもはね上がっております。 一体、こうした物価の連続高騰の結果、これは長官もこの委員会でも繰り返し言われておりましたけれども、五・五%という物価上昇を見通したこの今年度の一つの見通し、これを維持するといいますか、それを守っていくということは非常に困難である、非常に困難ではあるけれども、全力をあげて努力をするのだ、こういうことを長官、繰り返し言っておられるわけですが、四月の初期に一時鈍化した、こういうふうに言われましたけれども、その後、いま数字をあげて申しましたとおり依然として続騰、こういう状況になっているわけです。こうなりますと、きわめて残念ながら、五・五%という見通しはここに来て全くくずれてしまった、こういうふうにもいわざるを得ないのじゃないか。残念ではありますけれども、現実はそういうふうにいわざるを得ないのではないか、こういうふうに私は思うわけですけれども、これに対する長官の考え方をお伺いしておきたいと思います。
○小坂国務大臣 経済見通しをつくります作業は、御承知のように前年の七−九ぐらいの数字が基礎になり、だんだんその後の予測が加わっていくわけでございますが、昨年の十−十二あたりから非常に全般の様子が変わってきて、御承知のように、本年になりましてからたいへん大きな伸びを示しているわけでございます。 実は、それについて私は、参議院で、これはたいへんなことになった、えらいことになったと思うということを申しました。実はたいへん閣内でたしなめられまして、まだ予算も通らぬのに何を言うかということで——。それはまことにごもっともなことでありますので、できるだけその予定の数字に合うように努力するということを、従来申し上げ続けてきておるわけでございます。これはいま御指摘のとおりでございます。まことに私としては内心じくじたるものがあるわけでございます。 しかし、非常な異常な状況でございまして、まことに心を痛めておるのでございますが、この際は、やはり私としては、何としても異常な騰勢の燃えさかる火を消しとめる、これがいまの最大のやるべきことであって、それを落ちつかせたあとで、ひとつ見通しについて十分また検討させていただくということしか申し上げられないように思うのでございます。政府の見通しというものは、単なる見通しではなくて一つの政策目標を申し上げておるということを、繰り返しいろいろな席で申しておるような次第もございますので、この際、御質問に対するお答えとしましては、やはり全力をあげて、燃えさかる物価高騰の火の手を食いとめることに目下努力しているというふうにお答えする以外にないかと存ずる次第でございます。
○渡辺(三)委員 時間があればいまの問題、相当詰めて聞きたいという気もするわけですけれども、政府の立場としては、五・五%はもう完全に見通しとしてもくずれてしまった、現実には。だから、あるいはそれを六%に修正するとか七%にするとかということは、この物価抑制という立場をとる場合に、なかなかそういうふうには言いにくい、あるいは言ってしまえば逆効果があがるというふうな懸念も、察せられないことはありません。察せられないことはありませんけれども、しかし、現実にもう今年度に入ってからのこの異常な連続高騰、そういうふうな状況の中で、いつまでもいま言ったようなことだけにこだわるというふうになりますと、国民の物価に対する認識といいますか、そういうふうなものもやはり非常に違ったものになりましょうし、あるいはまた政府に対する不信感というかっこうでもあらわれかねないと思うのです。ですから、そういう点については、いまこの段階において直ちに何か違った回答を求めようとはしませんけれども、しかし、ひとつ慎重に、しかも早急にきちんとした見通しを立てていただいて、そしてそれに伴う一つの政策指標、目標というものを立てていただかぬと、これはもう全体的にくずれてしまうんじゃないか、こういうふうに思います。これはあとで、もう少し具体的に質問を申し上げたいと思います。 公正取引委員会に御質問を申し上げたいと思います。 公取が十一日行ないましたセメントメーカー十四社に対する販売価格引き上げ決定破棄の勧告、これにつきまして、それぞれのメーカーから何らかの正式な意思表示が行なわれましたでしょうか。その点をまず最初にお伺いいたしたいと思います。
○高橋(俊)政府委員 新聞の報道にはありましたけれども、私どものほうには、正式の意思表示はまだ何ら来ておりません。
○渡辺(三)委員 セメント業界の場合には、昭和四十年にも、これは社団法人セメント協会でありましたけれども、第八条第一項第一号の規定に違反をして、四十一年の四月に勧告を公取委がお出しになっている。このときは四月の六日に勧告をしまして、同月の十八日に勧告を応諾した。二十二日には審決になっている。こういうふうな経過がありますけれども、いま委員長から御答弁ありましたように、これは新聞の報ずるところでありますけれども、今回については、公取の勧告措置は事実誤認に基づくものだ、だから異議の申し立てを行なうことをきめた、こういうふうに報ぜられておるわけであります。事実誤認であるかどうかというような問題については、もちろん、そういうふうな立場で異議の申し立てがあれば、これは審問されることになりますから、この点についてはいまここで議論をする必要はありませんけれども、先ほどのお答えにありましたように、これは単に新聞社に対して、あるいは記者会見などを通じて十四社のそれぞれの担当者が発表された、意思を漏らした、こういうふうなことで、公取としてはそういうことは正式に何ら受け取っておらない、こういうことですか。
○高橋(俊)政府委員 私のほうには何らの正式な申し出はありませんけれども、まあ巷間伝えられるところによると、あるいは審判請求に出てくるのではないか、これは一つの予測でございますので、ここで申し上げるのはいかがかと思いますけれども、全然あり得ないことではない。しかし、もちろん事件がまだ未解決ということになりますので、ここで私がいろいろ当事者として申し上げるのはいかがかと思いますが、いやしくも破棄勧告をするにあたりましては、その事実について相当究明したつもりであり、相手方はあるいは否認しているものもあるかもしれませんけれども、証拠としても十分自信がある、こういうふうに私どもは考えております。
○渡辺(三)委員 ここで、ちょっと通産省のほうに確かめておきたいと思いますが、昭和四十七年度におけるセメントの生産能力、これはどれほどであって、そして需要の実績は正確にどうだったのか、このことが一つ。それから本年度の設備投資、いわゆる生産能力、これをどのように通産省としては把握しておるか。さらにまた、四十八年度の需要の見通し、これについて、ひとつ数字をあげて明らかにしてもらいたいと思います。
○原野説明員 昭和四十七年度のセメントの需要につきましては、国内需要が約六千八百七十三万トン、輸出が約百七万トン、合計六千九百八十万トン、対前年度比で約一六%の増という状態で経過をいたしました。 これに対しまして四十八年度の需要見通しでございますが、四十八年度の需要見通しにつきましては、私どものほうに、セメントの需要業界並びに公共工事等を発注しております官庁その他の関係者からなりますセメントの中央需給協議会というのを設けておりますが、このセメントの中央需給協議会の中に設けられております関係四省小委員会の検討によりまして、四十八年度の需要は約八千八十万トン、対前年度比約一八%増というふうに見込んでおります。その内訳は、官公需が約四千八百九十万トン、対前年度比二〇・三%増、民需が約三千百九十万トン、同じく前年度比二八%増という計画を立てております。 なお、これに対しまして生産設備能力の増加のほうは、四十八年度じゅうに約一千三百万トンの増を予定しておりまして、合計約九千八百万トンの生産能力に達するものというふうに見込んでおります。
○渡辺(三)委員 もう一つ、いまの問題に関連してお聞きしますが、いま四十七年度の需要の実績はわかりましたけれども、四十七年度の生産能力ですね、この数字はちょっといま聞き漏らしたか、あるいはお答えにならなかったかと思うのですが、これがわかれば、これも明らかにしていただきたいと思います。
○原野説明員 たいへん失礼いたしました。四十七年度末の生産能力は約八千五百万トンというふうに見ております。
○渡辺(三)委員 これはやはり通産にお聞きをしてみたいと思いますが、いま政府が出しております国鉄運賃の改定案、これでいきますと、セメントの場合には現行の何%値上がりになりますか。
○原野説明員 これはあくまで私どものほうで試算をいたしております範囲のことでございますが、鉄道運賃の値上がりが幾らになるかということもまだ決定していない段階でございますが、大体セメントトン当たりに対する影響は九十五円程度ではないかというふうに試算をいたしております。
○渡辺(三)委員 もちろん運賃はまだ上がっていないわけですよ、審議の最中ですからね。ですから、今度政府が出している国鉄運賃の改定案によればどれだけ上がるかということでお聞きをしているわけです。トン当たり九十五円、これだけ上がるというお答えであります。 そこで、質問を公取に戻したいと思いますけれども、このたびセメントメーカーに出された勧告書の「事実」の二の(一)で次のように書かれております。「前記十五社は、昭和四十八年一月十六日、東京都中央区所在の社団法人セメント協会会議室における各社の営業担当役員らが出席した会合において、同年四月以降、運賃、人件費等の諸経費が大幅に上昇することが予測されたことから、前記一の(二)の事実を前提として特約店のセメントの販売価格について検討し」、以下ずっとあるわけですが、このセメント協会の会議室において各社の営業担当役員が出席した会合で、値上げの理由というものを運賃、人件費等の諸経費の大幅増大、これに明確に置いて、そして販売価格について協議、決定をした。それからもう一つこの文言から考えられることは、ことしの四月以降にはおそらく運賃やあるいは人件費が大幅に増大するだろう、こういうことをいわば彼らが考えて、そういう気持ちがあったのでこの販売価格の協議、決定をした、こういうふうに、これは公取側の心証なのか、あるいはこの会議室において担当重役が具体的にこういう協議をしたのか、この点はちょっと両方にとれるというふうに、私はこの文章を読みまして考えますので、どちらなのか、ひとつ公取委員長のほうから明確にしていただきたいと思います。
○高橋(俊)政府委員 その点は、これは十五社側の予測でございます。公取の考えでないことはむろんでございまして、十五社が協定をするにあたって、四月にこうこうこうなるであろうということを推定した相手方の言い分をそのまま取り上げて「事実」の中に入れておるということであります。
○渡辺(三)委員 わかりました。 そこで、やはり公共料金の問題というものがこれから非常に大きな問題になってくると思うのです。運賃の問題あるいは健保料金の値上げの問題等が、いまの国会の中で非常に議論されておりますけれども、ここにも明らかなように、四月以降になれば運賃が上がるんだ、だからセメントも上げなければいかぬ、こういうふうな考え方が、これはセメントの場合に例をとって言っておるわけでありますけれども、出ておる。これはセメントのみならず、どういう業種においてもやはり同じように、国鉄運賃の値上げというふうなことを想定して、あるいは悪くいえばそれに便乗して、ものをつり上げなければならぬ、こういうふうな考え方になってきておる。しかもセメントの場合などは、私どもの資料によりますと二九%弱の国鉄運賃の値上げになるわけでありますけれども、現にいま国会で議論をされておるわけでありますから、当然まだ改定にはなっておらないわけです。にもかかわらず、四月からは上がるんだ、こういう絶対的な前提で各社で協定をしてセメントの価格を引き上げる、こういうふうになってきている。 このことから見られますように、いわゆる公共料金の引き上げというものの全体の物価に対する影響、はね返り、非常に顕著なものがあるのではないか、こういうふうに私は思うわけです。 もちろん、どういう理由があれ、今回セメント各社がこういう協定をされたということについては、もうきびしく公取がおとりになったような措置を進めていただかなければならないことは当然でございまして、この点については、別にこのことがあるから公取の措置がどうだこうだということではございませんで、これはこれできちんとして進めていただかなければなりませんけれども、物価の問題でいえば、いま言ったように、セメントの例に見られますように、他の諸物価に直ちに波及する、そういうふうな状況になっていることは否定できないと思うのですね。 そういった状況の中で、運賃の問題は国会で議論をされておりますから、さらにこの物特で取り上げようとは思いませんけれども、これから特に公共料金の問題に関していえば電力の問題、これはこの委員会の中でも相当きびしく議論された経緯があります。議事録にもそれが明らかになっております。当時は関西電力あるいは四国電力、この問題が取り上げられました。しかし、最近の事情を見ますと、今度は東京電力でも値上げの問題が出てきておるのではないか、こういうふうにいわれています。そうしますと電力九社——これは五月八日に私も本会議で、いろいろ電力料金の問題について質問をしましたけれども、これについて、たとえばこの物価特別委員会における小坂長官の答弁あるいは中曽根通産大臣の当時の答弁は、まだ現に値上げの申請がないのだ、ないから、想定で議論をしてもどうにもならぬというような繰り返しの問答であったようであります。 しかし、私は、近々中にこの申請が行なわれる状況にきておる、こういう事情の中で、やはりこれに対する、公共料金の一般物価に与える影響というものをどのように考えておられるのか。もう将来の問題ではなくて、間もなくこの問題が現実の問題になろうとしておる、こういう状況の中でどのように基本的に考えておられるのか、あるいは具体的に対処されようとしておるのか、この点あらためてもう一回、小坂長官のほうからお伺いをしたいと思います。
○小坂国務大臣 今回の国鉄運賃値上げの及ぼす影響につきましては、いつか本会議でもお答え申し上げたと存じますけれども、産業連関表等によって試算いたしますと〇・〇九%というような数字が出るわけでございます。ただ、いまお話しのように、運賃が上がるのだから価格にぶち込めというようなことで、現に上がってもいない国鉄運賃を、もう上がっておることにして価格に悪乗りさせるというような状況は、はなはだよくないわけでございまして、そういう状況こそ押えていかなければならないと思います。 関西電力その他の電力会社の値上げの問題については、いまお話にもございましたように、まだ申請も今日出ておらない段階でございまして、これが出てまいりましたら関係の省においていろいろ調整するわけでございますが、その会社の経理の内容であるとか、あるいはそのことの及ぼす一般産業への影響であるとか、その他民生に関係いたしまする影響であるとか、そういうものを十分精査して、私どものほうに合い議があるわけでございますので、そういう段階において十分話し合いをいたしまして結論を得たいと考えておる次第でございます。 原則的に申しますと、公共料金というものは、真にやむを得ざるもののほかは厳にこれを抑制するという原則を持っておるわけでございます。そういう原則にのっとりまして、いろいろ現実にどうであるかということをよく精査いたしまして結論を得たいと考えておる次第であります。
○渡辺(三)委員 この前、長官がこの委員会でも言われました内容と、変わっておらないと思うのですけれども、いまもちょっと触れられましたが、公共料金については、こういう時期であるだけに何としても押える、これをやはり基本にして——もちろんそれは具体的に、たとえば電力の場合でいえば値上げ申請が通産省を通じて出されてくれば、それは慎重に検討しなければいかぬでしょうけれども、しかし原則は、電力料金といわず公共料金については、特にこういう時期であるだけに、政府は相当思い切った決断をもってこれを押えていく、ここに基本を置いて進めていかなければいかぬというふうに考えられるのが当然だろうと私は思うわけですが、くどいようですけれども、もう一回、長官のその点についての考え方といいますか決意といいますか、それをお聞かせいただきたい。
○小坂国務大臣 物価が非常に高騰しておる、その際にこれに刺激を与えたくないという点は、私は全くそう思っておるわけでございます。しかし値上げの申請というのが、出てみないとわかりませんけれども、かりに申請があるとすれば、それには理由が当然あるわけでございまして、そういう理由をよく検討いたしまして妥当な結論を得たい、かように考えております。
○渡辺(三)委員 どうも月並みな答弁でして、これはもう政府が手を染めて押えるとすれば押えることができるのが公共料金であるわけでありますけれども、しかし、どうもその点については、私は、いま一歩政府の立場が弱いように思えてしかたがありません。 時間がほとんどございませんから、あまり長い質問はできませんけれども、先ほど私、五月の卸売物価の指数や全国消費者物価指数、さらに東京都の場合を申し上げましたが、特に卸売物価は、窯業製品あるいは一般機械、精密機械、化学製品、こういったものの騰勢が非常に大きな原因になっておるというふうにいわれております。この中で紙パルプ、これも値上げ率が相当高いというふうに思いますけれども、これについての在庫がどの程度になっておるのか、その点、もし数字をつかんでおられればお答えをいただきたいと思います。 それから全国消費者物価の連続高騰、こういう中で特に被服が三・七%、さらに食料、住居、光熱、雑費、これがいずれも一%、前月対比で上がっております。これは言うまでもなく、一般庶民大衆に対して一番影響力のあるそれぞれの物価であります。でありますから、こういうふうなものが上がるということになりますと、たとえば全体の消費者物価指数が激しい値上がりというふうな数字にあらわれなくても、いま言ったようなものが高いということは、即、国民の生活実感としては、たいへんな物価高騰が連続引き続いて行なわれておるというふうになるのは、これはもう当然なんであります。また、東京都の消費者物価の場合を見ましても、野菜の問題、これはこの物特では取り上げられました。被服、家具什器、こういったものがやはり非常に上がっておるわけです。いずれも国民の日常生活に欠かせない問題であります。 一体これらについて具体的な抑制の、きめのこまかい施策というものをお立てになれないのかどうか、どういうふうに考えておられるのか。時間の関係がありますから、一番最初申し上げました紙パルプの在庫の指数とあわせて、この点もお答えをいただきたいと思います。
○小島政府委員 最初の紙パルプの数字につきましては、企画庁としていま持ち合わせておりませんので、後ほど通産省のほうから統計をお出しいたすことにいたします。 それから、消費者物価についてのお尋ねでございますけれども、おっしゃるように、現在の段階でCPIの中で特に食料、繊維、雑費というものが値上がりが激しいことは事実でございまして、野菜については、卸売物価には入っておりませんで、消費者物価に入っている品目でございまして、特に五月の場合に一番高いところで調査されておるということも加わって非常に高いわけでございますけれども、その他の食料、繊維、雑費の値上がりというものは、まさに昨年末からことしの一、二、三月あたりの卸売物価上昇のしわ寄せがいま消費者物価に押し寄せておる段階であるというふうに理解しております。卸売物価が昨年の八月から非常に暴騰いたしましたが、その初期においては木材が中心でございまして、寄与率は木材が大きかったのですけれども、去年の十月からことしの一、二、三月あたりになりますと、卸売物価の上昇の一番中心が繊維原料、それから食料、雑費、これに移ってまいりまして、私の記憶では、一—三月の卸売物価の上昇の中で以上三品目の寄与率が八〇%くらいになっておるはずでございます。ごく最近は生産財的なものの値上がりがやや激しくなっていると思うのでございますけれども、一—三月の卸売物価上昇の内容がそういうものでありましたために、これが現在の段階で、ややタイムラグを伴って消費者物価のほうに押し寄せているということでございます。 それでは、当時なぜそういうものが非常に上がったかといいますと、これはやはり、当時問題になりましたいわゆる投機的な過剰流動性をバックグラウンドにした投機需要、仮需要の増大、もちろんそれは海外の相場が非常に上がったということも一因でございますけれども、そういうことで上がってまいりましたのが、どうやら金融引き締め、それから各種の投機対策の効果がありまして、そういうものの値上がりは一段落しておるわけでございまして、ですから四月以降は、そういう品目の卸売物価の上昇率はかなり鈍化をいたしておるわけでございます。ですから、これはしばらくたちますと、消費者物価のほうにもそういういい影響が波及してまいるというふうに思います。 それからもう一つは、特に繊維につきましては輸入の拡大というものが非常に重要であるとわれわれは考えておりまして、これは先日の閣僚協議会におきましても決定されましたように、特に特恵関税のシーリングワクを拡大するということで先般百五品目の品目指定が行なわれまして、そういう効果もこれから出てまいりますし、もともと現在の段階で非常に輸入の増勢が顕著で、先日も新聞に出ておりましたが、輸入承認統計でまいりますと、前年同月に比べて最近ではほとんど二倍近くにふえておるわけでございまして、特にその中で製品の輸入の伸びが著しい。これは繊維、特に後進国からの繊維が、先ほどの特恵対策等も効果がこれから出てまいりますから、これがやはりかなり大きく繊維製品の値上がりをさます効果を発揮するものと期待しておるわけでございます。
○渡辺(三)委員 いまの局長のお話ですと、今後の見通しとして、必ずしも消費者物価の続騰についてはそう心配しておられないように聞こえる節もありますけれども、これは政府、日銀の統計で去年の五月とことしの五月の消費者物価、特に値上がりの目立つ品目として私どもも拾って調査をしておるわけでございますけれども、食料品、これは必ずしも輸入の原材料とかなんとかいうこととは関係なく、日常われわれが食べておる幾つかの品目の中で、アサリやシジミやそういうものにいたしましてもたいへんな値上がりをしておるわけですよ。現実に上がっておるわけです。われわれが日常食べておる食料品なんかについてはほとんど二〇%から三〇%、間違いなく上がっておりますね。それから住居、家具、これも二十数%から大体四四、五%まで上がっておる、こういうふうな状況であります。それから被服の問題については、いま局長ちょっと触れられましたけれども、これもまた相当の値上がりです。 ですから、全体で見ますと、昨年の同月対比で一〇%とか一一%出てきますけれども、実際われわれが毎日毎日必要としておるもの、これらの値上がりは、一一%とか一二%弱というふうなものではなくて非常に大幅に上がっている。この点に非常に問題があるのですよ。その点を十分にひとつ、今後重点的な対策を進めていただきたい、こういうふうに思います。 それから、最後に申し上げ、一言お聞きをして、私の質問を終わりたいと思いますけれども、この物価問題では、繰り返しいままで言われましたように、何としても商品投機や買い占めの資金となっている過剰流動性を吸収する、こういう方針をさらに一段と強く明確にしてもらわなければならないと思っております。 さらにまた、大企業のもうけを抑制をする、こういうふうなことについても相当き然たる態度をとってもらわなければならないのではないか、こういうふうに思います。これはいまさらここで、どこどこの企業がこの一年間にどれだけもうけたかということを繰り返し申し上げようとは思いません。しかし、これは法務委員会なんかでも若干議論になったようでありますけれども、たとえば、あのような国民の指弾を受けた大商社、これの株主総会がわずか十分や二十分でシャンシャン大会で終わって、そうして何ら反省の気持ちがあらわれない。こういうふうな点についても、国民は非常に大きな怒りをもって見ております。こうしたもうけ過ぎを押える方法として、法人税の課税の強化あるいは大企業優遇の租税特別措置法の廃止の問題であるとか、それから株の配当優遇措置の廃止、こういうふうなものを大胆に検討をしていただかなければどうにもならないんじゃないか、こういうふうな気がするわけなんであります。 最後に、重ねて小坂長官のほうから所信を伺って、私の質問を終わりたいと思います。
○小坂国務大臣 最近の物価高騰の状況はまことに放置できないものでありまして、その意味で各種の施策をとっておるわけでありますが、なかんずく、いまお話しのような過剰流動性を吸収するという方向を強く打ち出してまいりましたが、さらにこれを各種の多様化した政策手段によってぜひその目的を達したい、こう考えておるわけでございます。 また、社会連帯の気持ちを失わしむるような、一部の非常に強い力を持ったものが力にまかせて自分の利益をはかるというような、そういう風潮については、それぞれの反省が行なわれておりますけれども、さらに制度の上からそういうことができるだけできないような形にしなければならぬ、こう考えまして、税制の改正等についても十分配慮してまいりたいと考えておる次第でございます。
○山中委員長 関連して、松浦利尚君。
○松浦(利)委員 渡辺委員の質問に関連して、今回公取が勧告いたしましたセメントの価格協定の問題について簡単に、長官並びに公取の委員長にお尋ねをしておきたいと思うのです。 御承知のようにこのセメント問題は、本委員会でも再三、売り惜しみあるいは買い占めがあるのではないかということで質問がありましたし、通産当局からも、これに対してはいろいろと事情説明がありました。暖冬異変だとかあるいはその他の需給見通しの誤りとか、そういったことが価格をつり上げておる原因だ、こういう発表があったわけでありますが、私たちが心配をしておったように、公取のほうで、現実に価格協定があった、しかもこれに対して勧告をしておるわけであります。 そこで、公取委員長にお尋ねをしたいのでありますが、実は昭和四十一年の四月二十二日にも、社団法人セメント協会に対する審決を行なっておるわけであります。このときも、このセメント業界はやみカルテルを結んでおった。また今度同じことが行なわれておるわけであります。ただ、価格が上がってしまって、いまかりにカルテル行為の破棄を勧告をいたしましても、結果的には価格までも引き下げるという勧告は行なうことができない仕組みであります。だとするなら、残されておるのは、こういった、一ぺん勧告して、しかも今日また勧告をしなければならぬというような業界に対しては、独禁法の手続に従って告発すべきである、そういう手続をとるべきだ、私はそう思うのです。ですから、公取の委員長が、この四十一年四月二十二日のこういったものと類似した行為がまた行なわれたということに対しては、そこまできびしく独禁法の運用を考えておられるのかどうか、その点をひとつお聞かせいただきたいと思うのです。
○高橋(俊)政府委員 確かに、その破棄勧告をいたしましても、あるいは審決に至った場合でも、その物価に及ぼす効果、会社に及ぼす効果というものについては、必ず引き下げが行なわれるというふうなことにはなり得ない。したがいまして、こういうものに対する制裁としては、前歴もございますから、告発によって対処すべきじゃないか、確かに一つの御意見だと思います。それは私どもも、全く考えないわけじゃありません。 しかし、今回の勧告案をつくるにあたりましても、四十一年にセメントの協会つまり事業者団体の側が審決を受けているわけでございます、これは応諾しておりますから確定しておるわけですが、それに対して今回の事件が、実際に申し合わせをした、価格協定を行なった時期は本年の一月、四十八年一月十六日である、そういうことでいろいろ議論があったのですが、発見をしまして、四十一年から四十八年、七年近く間があいている。実際にまた、私どもが勧告を行ないましたのは六月でございますから、七年の歳月がある。これを累犯行為として扱うかどうかということについては十分慎重に審議しましたが、少しその間隔があき過ぎているのじゃないか。ほかの事案につきましても、行政上の問題については、国税であれば五年で——これははっきりしておるのですが、五年で時効になるということなんです。こちらの側には、何もそんな時効なんというのはございません。ですから、かなり古い事件でも、再犯行為、再び犯罪を犯したというふうに扱ってもいいのじゃないかということはございます。 しかし、原則論としては、公正取引委員会が取り扱う事件、これは法律の上では犯罪——刑罰つきのものは、つまり告発が可能になるものは犯罪ということばも使っております。やはり経済事犯である。そういう経済事犯については、できるだけ行政的手段をもってこれを排除するのが正当ではないか。ただし、相手側に何ら反省の色がない。その結果が回数にあらわれてくる。つまり比較的、審決が行なわれて何年もたたないうちに再び同じことを行なうというふうなこと、つまりこれは頻度の問題でございますが、そのほかに、事柄がまず大規模といいますか、今回はそれに該当いたします。セメントの全社といってもいいのですから、これは規模の上では、小ものではない、相当な大ものであるということ。それから、そのやり方が悪質である。何が悪質であるかについてはいろいろございますが、とにかく相当悪質なものとみなされた場合に、これを検察当局の手にゆだねるといいますか、そちらのほうの力もかりてこれに罰則を適用していただくということが適当なのではないか、こういうわけでございまして、早く申しますると、今回の事件について、一応は告発をしないということになっておるんですが、私どもも絶対にそうだときめているわけじゃない。告発をするかどうかということをまだ保留してあるといってもよろしいんで、いま申しました中で一点だけ、四十一年の事件に続いて四十八年の事件であるという点が、前に一回同じことを犯しながら——これは事業者団体でありましても、それぞれの会社の協定でありましても、実態はあまり変わりませんから、そういう点では再犯扱いにしていこうかという意見もあるし、まだ決定はしておりません。 しかし、いま申し上げましたように、大体の基準としては三つの要件をあわせておる。しかし、中には大規模なものでなくても特に悪質なもの、それが何回も続けて、三回も犯すということになれば、それは告発に値する。日本のいままでの公正取引委員会の運用がそうである。いま私どもも、それを急に変えるところまでは考えていないというだけであって、しかし御指摘のように、もし反省の色がなくて——これは私は、セメントの場合に、実質的に摘発はされてないけれども、非常にカルテルの歴史が長いと思うのですね。実は昭和二十何年かの朝鮮動乱以来あまり好況期はなかった。常に設備過剰で、今日こそ設備不足で非常に強気一点ばりになっておりますが、不況が長く続いて、その間価格をささえる、数量を制限する等、おそらく、これは言い過ぎかもしれませんけれども、カルテルについてはかなりなれているんじゃないかと私は推量をいたします。推量でありまして、こういうことを申し上げるのはいかがかと思いますけれども、実際にはなかなかそういう点に抵抗力のあるような感じがするんですが、そういう点も考え合わせまして、今回の機会にどうするかということは、まだ最終的にはきめてないということです。
○松浦(利)委員 商社の問題でも、あれだけ国会で問題になってきたわけです。それで、セメントの問題もこんなに問題になった。現に住宅のセメントあるいは公共事業のためのセメントすら不足しておる。それにつけ込んでさらにカルテルによって価格をつり上げるというやり方は、明らかに私は公に対する挑戦だと思うのです。 現に四十一年の四月に審決を受けておる。いま言ったように六年たてば時効になるというようなことであれば、暗にサイクルを認めておると同じことだと私は思うのですよ。一ぺん審決を受けても、五年ぐらいたったらまたやる、そしてまた五年年たったらやる、常にこういうサイクルを、五年サイクルを認めるようなことになると思うのです。 そういった意味では公正取引委員会が——いま公取委員長は、検討中だ、まだ結論はしておりませんと、こういうことですから、やっぱりちゃんと手続があるわけでありますから、私は、見せしめのためにも告発をすべきだと思う。丸紅の米買い占めだって、食管法をしり抜けにしておったのは実は政府なんだけれども、これだけ世論が高まってきたから、丸紅を食管法というしり抜け法律で起訴に踏み切った。だとするなら、やっぱりそういった買い占めというもの、あるいはこういった不当な価格のつり上げというものに対しては、国民は相当な憤りを持っておるわけでありますから、私は、見せしめという意味でも告発というものに踏み切るべきだ、そうしなければまた行なわれる、そういうふうに思います。 ぜひ公取委員長でもう一ぺん、私の申し上げた点も考慮していただいて、告発するということはここでは言えないかもしれませんけれども、真剣にひとつこの告発という行為について検討を加えてもらいたい。そうしなければ、いまの独禁法というものを改めない限り、私はカルテルというものは縦横無尽にあばれ回ると思うのですね、価格引き上げのための不当な行為が。もう一ぺんひとつ公取の委員長の決意のほどを、公正取引委員会がコウノトリにならぬように——コウノトリというのは、姿があるけれども、もうなかなか、どこにおるか見つけることのできないのがコウノトリですね。公取がこれと同じように、公取というものはあるけれども、コウノトリと同じように、どこにおるのだろう、こういうふうに国民に違和感を与えないように、コウノトリにならぬように、もう一ぺん決意のほどを聞かしていただきたいと思う。
○高橋(俊)政府委員 商社の問題、商社が、たとえば食管法という、ほんとうのところを申しまして、そういうきびしい規定が厳然とあったのかと思われるような場合にも、やみの、検査を受けない米という問題で相当きびしい刑事上の措置を受けておる。そういうものとのバランスから申しますと、確かにいまのような——一月の十六日、その当時、これほどのセメントに対する需要の強さが出てこないと思ったかもしれません。だからこそ価格協定をやったのだと私は思います。協定しなくても、実はその後になってみれば非常に価格がつり上がるような原因はあった。しかし、あえてそこでやったということで、私は協定そのものを非常に問題にしておるわけです。 そういう点において、そういうものとの比較においてはそうですが、公正取引委員会としては、おことばを返すというわけではございませんが、何か時局によって便乗するといっては変ですけれども、その流れによって態度を変えるということはいたしたくない。つまり、一たんここでこういう種類のものは告発しますよときめたならば、そういうルールはあとまでも守らなければなりませんから。いわゆる社会的な目が企業の責任に対して鋭く向けられている、そういう時代であるからこれを告発するという考え方はとりたくない。そうではなくて、独禁法自体をいかに有効に守らせるか、守るかという見地からどうするかという点を十分考えたい。 実は、告発というのは長年使われてないのです。早くいえばなきにひとしい存在だったのです。実を申しますと、昭和二十四年の占領中からあとはたった一件しかないのです。それもあまり感心した事例ではないですけれども、そういう事情を考えまして、ここでこのやり方を変えることになりますから、そういう点で私はかなり前向きで取り組みたいと思いますが、決定については、ひとつもうしばらく私どもの検討にお時間を与えていただきたいと思います。
○松浦(利)委員 経済企画庁長官に最後にお願いをしておきたいと思います。 これから公正取引委員会が審決をする、あるいは勧告をする。ところが、実際には協定を破棄するだけでありまして、その価格は上がりっぱなしでもとに戻らないのです。現実に高いものを買わされておる消費者はたいへんな犠牲をこうむっておるわけです。やってはならない行為によって価格をつり上げられておる。 ですから、これは通産大臣が来ておられれば通産大臣にもお願いをしたいのですが、経企庁長官、物価担当大臣として、この際ひとつ、セメント業界の代表を呼んでいただいて、価格をもとの値段に下げる、それくらいの行政指導はやはりしていただきたいと思うのです。それがほんとうの物価対策だと私は思う。現にもう公正取引委員会のほうでこういう勧告をしておられるわけですから、この勧告を根拠にして、セメント業界に対して、引き上げた分の価格はおろせ、そういう行政指導をしていただく。そうしなければ、これは公正取引委員会が幾ら勧告したって同じですよ。勧告したら終わりですからね。それくらいの行政指導はやってもらいたい。公正取引委員会のほうではやはり告発を検討してもらいたい。 そういう点でひとつ最後に長官の御判断をお聞きして、私の質問を終わらせてもらいます。
○小坂国務大臣 担当省でありまする通産大臣とよく御相談をいたしまして、適当な措置を考えたいと思います。
○松浦(利)委員 申しわけありません、もう一ぺん——。 私が言っておることは間違いありませんでしょう。不当な協定によってつり上げた価格はもとに戻せ。現に公正取引委員会から破棄を勧告されたのだから、もとに戻しなさい。法的な拘束力はない行政指導ですから、するかしないかは相手の判断ですね。ですから、そのことはやってしかるべきだと私は思うのですよ。通産大臣であろうと何であろうと、ほんとうに消費者の立場に立って物価対策を考えるならば、やはりそれが行政だと思うのですよ。ですから、私の申し上げておることが間違っておらなければ、そういう提案を通産大臣とやって、経済企画庁長官としてしかるべく行動を起こされていいと私は思うのです、そう消極的じゃなくて。もう一ぺん、くどいようですが、ひとつお聞かせください。
○小坂国務大臣 松浦委員のお話はよく承っておるわけでありまして、その御趣旨に沿うて、通産大臣とよく相談して適切な措置をとりたいと考えます。
○松浦(利)委員 質問を終わります。
○山中委員長 次に、野間友一君。
○野間委員 まず物価、特に野菜の問題について質問を進めてみたいと思いますが、物価の問題については、何回も当委員会においても質問されましたし、私もやったわけですけれども、卸売物価あるいは消費者物価、いずれにしても一一・六%あるいは一二%、これは戦後の記録を毎月更新するといわれるほどたいへんなことだと思うのです。実は私の女房が、この間こんなことを言っておりました。たとえば夏物のワンピース、綿プリントですが、昨年は四千五百円で買えた。ところが、この間買いに行ったら八千円するというんですね。それからパンティーストッキング、これは一足百円で、私の女房がずっと使っているんですね。ところが、百円じゃないと言うんですね。ナイロンの原糸が三〇%くらい上がった。これはすべて買い占めの結果がこう出たと思うんですね。それから野菜の高騰、それから土地の買い占めによる高騰。衣食住について、全くすべてにわたってたいへんな事態がいま到来しておる、こういうふうに考えるわけです。 そこで、きょうは、まず野菜の問題について若干お聞きしたいと思うのですが、総理府の統計局の統計が出ておりますが、野菜については、四月現在で前年同月比が二二・五%、三月が三〇・七%。特に東京がひどい。五月は三七・四%、こういう異常な高騰ぶりを示しておる。この統計については、これは総理府の統計局の統計ですから、間違いないと思うのです。 そこで、野菜の高騰の原因について少し考えてみたいと思うのですが、これは内閣委員会で四月の十七日に、小島局長がわが党の木下委員に対して答えられておりますが、それによりますと嗜好の変化、これによって——これはおもしろいんですが、「女性はなま野菜をばりばり食べるというようなこともございまして、需要がかなり急増した」——これはちょっと子供だましみたいなことで、これで上がるというようなことは、とんでもない話です。ただ、次に問題になるのは、これは非常に大事だという前提を置きまして、「近郊の農家で野菜をたくさんにつくっておりまして、それが大都市に送られるということで比較的供給がスムーズでございましたのが、みな近郊農地というものが宅地化されるということに伴って、近所からの供給が非常に少なくなってきた」、これが無視できない。「最近のようにフェリーなどを使って非常に遠くから運んでこざるを得ない、」そこで、運賃が上昇する、「野菜の価格を構造的に高くするファクターである」、こういう趣旨の答弁をされておるわけです。 やはり野菜の高騰の大きな原因というのは、大会社の土地の買い占めですね。あるいは農地をつぶしてこれを宅地化する、こういうことの中で、近郊の農地が減り作付面積も減っていく、これが非常に大きな原因であるというふうに私も思いますし、小島局長の言われたことも、これはこのとおりだと思うのです。これはおそらく小坂さんも是認されると思うのですけれども、いかがですか。
○小坂国務大臣 大体そういうことであろうと思います。
○野間委員 野菜の作付面積の減少については、農林省の統計情報にも、これは六月十一日に公表しておりますが、これによりますと、四十七年度が前年に比べて二%の減少である、こういう統計が出ているわけですね。作柄が良好に推移したこと、あるいは農家が一生懸命努力したり、あるいは農業技術が進むということで、収穫量は前年並みに落ちついているようであります。しかし、これにもやはり限度がある。年々歳々作付面積が減っていく。そうしますと、野菜の生産が減るのは当然なことなんですね。この作付面積を、特に近郊農地についてこれを減少させない、こういう態度をきっちりとらない限り、野菜の高騰というものは今後もやはりずっと急カーブを描くのじゃないかというふうに思いますが、作付面積の減少をとめるということについて長官はどのようにお考えになるのか、お聞かせ願いたいと思います。
○小坂国務大臣 やはり人口が都市集中をいたしますに関連しまして、どうしても近郊農地が少なくなる、これはもう近来の傾向であるわけでございますが、ここへきまして、やはり大都市における生活というものを考え直そうじゃないかということもまた、新しい趨勢として出ておると思うのでございます。こんな空気のきたないところよりも、もう少し住みいいところはないものかということになってまいりますと、日本列島改造ということも一つの意味を持ってくるわけでございます。私は、何もそれをここで言おうというわけではございませんが、そういう趨勢の中にあって、やはり近郊における農地は大切なんだという認識のもとに、そういうところにおける農業生産がペイするような、そういう施策をあわせて考えていくということも今後の問題であろうと思います。 御承知のように、産地、消費地の直結ということがいろいろいわれておるわけでございますし、政府といたしましても、そうしたものに対する助成策をいろいろやっておりますし、また野菜の冷凍装置ですね、冷蔵装置、こういうものについても財政資金を出していこうという考えでございますので、そういうこととあわせまして、都市における野菜の供給を確保するということは今後の農政の非常に大きな柱としたい、こう考えております。
○野間委員 なぜこの農地が減るかということですが、やはり一つは、これは農業では採算がとれないという、いままでの政府の農業政策、それに根本的な問題があると思うんですね。そこへ今度は宅地並み課税ということで、土地から二百倍、三百倍という高い税金を取って、そうして自主的に農地を手放さざるを得ない、こういうところに追い込めば、必ず、さらに作付面積の減少ということがひどくなるのじゃないかというふうに私は思うわけです。 いま長官の話の中に貯蔵庫の問題がありましたけれども、これについて具体的な構想があるのかないのか。これはたしか田中総理が青森でそのような構想をぶち上げておられたように思いますが、具体的な構想があればお聞かせ願いたいと思います。
○池田政府委員 具体的な問題でございますので農林省からお答えいたします。 冷蔵庫の問題につきましては、御承知のように蔬菜によりまして、たとえば俗に土ものといわれるようなイモ類のようなもの、こういうようなものは比較的貯蔵性がございますので、前々からこれに対して助成措置も講じましてやっておりますけれども、問題はいま御指摘の、特に最近問題になっておりますのはキャベツを中心とするいわゆる葉菜、これが五、六月の新しいいわば端境期に非常に暴騰したということでございます。現在、御承知のようにすでに下がっておりますけれども、一時的にああいう形で上がるのを何とかもう少し安定的に持っていきたいということで、実は野菜価格安定基金に四十七年度の予算を支出いたしまして、そうして現在、川崎の梶ケ谷に約三千平方メートルの冷蔵庫設置の準備をいたしております。また大阪でも、大阪の中央卸売市場の中に同じように約三千平米前後の広さの冷蔵庫を設置する。それから四十八年度の予算におきましてもさらに二カ所に冷蔵庫を設置するというような形で、一方において消費地サイドからの冷蔵庫の整備を進める。それからもう一つは、産地側の消費地におけるストックポイントをつくるという意味で、たとえば高知県とかあるいは宮崎県といったような、長距離をカーフェリーで輸送してきて大都会に野菜を供給するといったようなものにつきましても、東京及び川崎といったような主要都市にストックポイントとしての小型の冷蔵庫を設けるということで、これも四十八年度の予算におきまして現在準備中でございまして、そういうふうに全体として冷蔵庫の建設は進みつつございますけれども、問題は、キャベツ等にいたしますと貯蔵の技術がなかなかむずかしゅうございまして、特に期間はそう長期間もたないという問題がございます。したがいまして、現在私どもとしましては、いま申し上げたような、特に近郊の供給地域にたよらざるを得ない五、六月及び九月、十月の初めといったようなある意味での新しい端境期、この期間におけるキャベツを中心とする野菜を短期間だけ何とか冷蔵庫に保管することによって、急速な一時的な値上がりを押えるという方途を考えてまいりたいということで検討しておるわけでございます。
○野間委員 私が疑問に思うのは、はたしてそういうことで野菜の高騰を押えることができるかどうかということなんです。これはやはり基本的には、近郊農家で生鮮野菜、新鮮な野菜をつくって台所に送る、こういう仕組み以外に、たとえば遠距離で——遠距離においてもいま、とにかく土地の買い占めによって作付面積がずっと減っておるのは間違いない事実なんですね。しかもそこから遠距離輸送しなければならない。それだけではないと思うのです。減反あるいは転作については従前からいわれておったわけですね。それでもなおかつ作付面積は年々減っておる。特に減反政策の中で農民が生産意欲を失っていると思うのです。実は夕べも宿舎の中で、ある自民党の議員さんと話をしたのですが、いなかへ行ったら、もう農民は生産意欲がないというわけですね。そのことがやはり作付面積の減少につながってきておると思うのです。だから、遠距離に期待をかけて、そこから運んできて貯蔵してというようなことははたしてできるかどうかということが一点。 それから、いまの生鮮野菜の問題ですが、ああいうものは貯蔵に親しまないと思うのですね。やはり近郊農家から直接台所に早急に送るというような手だてでなければ、たとえばイモ類等についてはなるほどそうかと思いますが、生鮮野菜についてはそういうことははたして可能かどうか、私は非常に疑問に思いますが、どうですか。
○池田政府委員 野菜面積全体が非常に減りつつあるという御認識を前提にしておられるようでございますが、確かに先般統計情報部から発表いたしました数字は対前年で若干落ちておりますが、大きな趨勢でごらんいただきますとわかりますが、むしろ野菜は他のものに比べますと、平均いたしますとほぼ六十万ヘクタールというものを前後いたしまして、非常に安定した作付状態であるというふうに私どもは考えておるわけでございます。むしろ問題は、その六十万ヘクタールというところから生産されますのは年間で約千五百万トン。消費量といたしましては、世界で、イタリアに次いで最高の部類に属しますけれども、いわばそれだけの種類の野菜を安定した形で供給できるかどうかに問題がある。したがって、むしろ地域と時期に問題があるというふうに私どもは考えておるわけでございます。 その意味からいたしますと、私どもは、いまのこの端境期と——新端境期ということばを申し上げましたけれども、都市近郊の地価がかなり上がる、あるいは宅地化が進むといったようなことで、大都市の近郊の野菜作というものがかなり不安定な状態に置かれつつある。これは事実だと思いますけれども、これにかわる問題としては、やはり新産地の育成を積極的に進めていくというふうなことが大事であろう。特に大衆野菜でありますところの大根、キャベツ、ハクサイといったような、いわばかさがあって重みがあって値段が安いといったようなものにつきましては、積極的にこの新産地育成をやろうということで、四十七年以降四十地区につきまして現在積極的に進めておるわけでございます。 先ほどの貯蔵の技術の問題につきましては、お断わり申し上げましたように、葉菜類については、そう長いこともたせるものではございません。きわめて短期間に、しかも端境期をねらってそういうことができるかどうかということを現在検討中であるということを申し上げたわけでございます。
○野間委員 そういう小手先の細工で実際に野菜の高騰が押えられるなら、私は一ぺん見せていただきたいと思うのです。私は絶対それはできないと思います。 さらに、作付面積の減少について別の観点から質問を続けたいと思いますが、まず農林省に、東京及び周辺各県における農外資本の土地取得の現況はどうなっておるか、特に農地の転用の許可の問題でここ数年間の統計があると思いますので、ぜひお答え願いたいと思います。
○小沼政府委員 関東農政局管内の農地転用の許可実績でありますが、昭和四十四年が一万三千八百三十二ヘクタール、四十五年が一万四千七百十九ヘクタール、四十六年が一万二千六百四十六ヘクタール、四十七年は、確定ではございませんが一万二千九百七十三ヘクタールという状況でございまして、全体として最近動いておりますのは、農地よりもむしろ農地以外の山林原野のほうが非常に多く動いておるように見ておりまして、農地の部分は、業務統計にあがっておりますのはいま申し上げたような状況でございます。
○野間委員 いま四十四年から言われましたが、四十二年、四十三年は、故意か何か知らぬけれども抜けましたね。たとえば四十二年が八千二百十一、四十三年が八千八百四十五——全部ヘクタールです。ところが、四十四年になりますと急に一万三千八百三十二、四十五年が一万四千七百十九、確かにそうだと思います。これは四十六年にいわゆる線引きをしたわけですね。だから、その直前になってかけ込みで、それが四十四年あるいは四十五年の面積が以前に比べて急増しておるという原因だと思うのですね。ところが、しかもそれが落ちてないわけです。多少は落ちたとしても一万台で、四十六年が一万二千、今年度の推定が一万二千九百七十三ですから、落ちてないわけですね。横ばいなんです。こういうようにして年々歳々、特にいま申し上げた四十四年ごろから急激にふえておるという現実を、私はすなおに受け取らなければならぬというように思うのです。 それに関連してですが、全国農業会議所が六月十日に調査した結果を発表しております。これは農地、山林原野を含めてですが、全国で四十万ヘクタールが買い占められておる。四十万ヘクタールといいますと十二億一千万坪になるわけですね。これはたいへんな面積なんです。東京都の約二倍の面積ということになろうかと思いますが、特にここで問題なのは、この会議所が出しておる文書にもありますが、埼玉の場合には、いわゆる市街化調整区域が買い占めの七七・三%、こういうパーセンテージが出ております。これは私は事実だろうと思うのです。 一体、農林省はこういう事実をどう見るのか。こういうことになりますと、野菜の作付面積が減るのは当然だと思うのです。しかも企画庁も、野菜高騰の大きな原因として作付面積の減少ということをあげられた。これは是認されたわけですね。しかしながら、現実にこういう事態がずっと進んでおる。これに歯どめをかける用意があるのかないのか、そのあたり聞かしてください。
○小沼政府委員 御承知のとおり、農地法に基づきまして、農地の転用については規制をいたしております。この中で、市街化区域と市街化調整区域とはその扱い方を別にしておりまして、市街化調整区域につきましては、今後市街化を抑制するという考え方のもとに線が引かれているわけでございますから、そういう意味で、農地につきましてはできるだけ転用をいたさないようにするという考え方に立っております。ただし、水田の転用その他につきましては、米の生産調整の問題いろいろございまして、そういう点で転用を認める場合もございます。また、地域開発等におきましても転用を認める場合もございます。 そういう意味合いにおきまして、市街化調整区域内においてはできるだけ優良農地を確保していくという考え方のもとに規制をしておりますけれども、中には転用いたしておる、あるいは第二種農地であるとか第三種農地、そういうものについては、そういう事態も生ずることがあると思います。その点では、埼玉県の場合も、おそらく道路沿いの水田であるとか、あるいは第二種、第三種の農地ではなかろうかというふうに見ておるわけでございます。
○野間委員 そういう官僚的な答弁では、これはちょっとおまかせできない、正直言って。たとえば農業会議所のいまの文書ですが、非常に深刻に、「土地と農業をまもる運動」推進本部をつくりまして、現に調査をして、そこで農民の苦悩と農地の現状、実態、それを調べておるわけです。その中に、どこにもある、頭を痛めている問題もあるのです。いま言われたように農地法とかなんとか、許可とかあるいは届け出とか、一応のしぼる、チェックするところはあります。あるから、これは転用をチェックできるんだ、そういうことは法律に書いてあるだけの話なんですね。実態を知らないからそういうことを言えると思うのです。 たとえば、これには非常に深刻な問題として次のように書いてある。あなた御存じだと思うのです。「すでに資本によつて取得された土地」、これは農地ですから、「(その多くは売買予約、仮登記)の相当部分が、農地法、農振法、都市計画法等によつて開発、転用を許可できないはずのものであり、これらをそのまま放置することは土地の遊休化につながり、また、資本側としてもいつまでも資本を寝かせてはおけないという空気も生れてきている。これらが許可申請を出してきた場合への対処が問題である。」 私はそうだと思うのです。これは調整区域も含めましてすべての農地です。農振法とか農地法あるいは都市計画法によってチェックされておる。しかし、現に農外資本が大々的に買い占めておる。四十万ヘクタールに及ぶ土地を買い占めておる。しかもそれが遊んでおるわけですね。しかも農家が全部金をもらっておる、こういうことですよ。遊んでおるわけですよ。一体これ、どうしますか。 もしこれを許可すれば、農民は、百姓でめし食えぬから、売って外へ出ていくわけですね。現に出ていっております。これは許可できないということになれば、もらった金を返さなければならぬ、返す金はない、こういう現状ですよ。それじゃ一体、許可するのかどうかということでございます。これは既成事実をつくって、そして大会社、大資本に奉仕するという結果にしかならぬわけですよ。そうでしょう。売買予約、仮登記で買い占めて、そのまま遊ばしておる。一方、農民は土地を手放して、ほんとうに先祖伝来の土地を手放して金をもらって出ておるわけですよ。不許可になれば金を返さなければならぬ、許可になればこのような法の歯どめは何も役に立たぬということになるわけです。 こういう実態を御存じかどうか。これに対してどう対処されるのか。深刻に私たちは受けとめておりますので、ひとつ答弁を求めたいと思います。
○小沼政府委員 いま御指摘のように、全国におきまして土地を購入している事例がございます。四十万ヘクタールと申されましたですが、おそらくその大部分は山林原野ではなかろうかというふうに思っておるわけでございまして、昨年私どもで調査しましたところでは、ゴルフ場の場合、大体一割は農地、それ以外は山林原野という状況でございまして、農地法の規制等がございますので、おそらく規制のかからない山林原野にかなり多く進出しているのではないか、かように考えられます。しかし、いずれにしましても農地についての壊廃もございます。先ほど数字を申し上げましたが、大体全国ベースで四万ヘクタールくらい年々あるわけでございます。これは住宅地にしたり工場用地にしたりいろいろなものになっているわけでございます。 それでは今後どういうふうにするかというお尋ねでございますが、私どものほうでいまやっておりますのは、一つは、やはり事前にそういう情報を的確にキャッチするということであろうかと思うのです。この点については組織をつくりまして、農林省から地方農政局それから県、市町村というルートで情報をキャッチする。そういう情報組織網を整備をして、現にスタートをしております。 しかし、それで農地の移動あるいは山林等の移動についての情報がキャッチされた場合にどうするかという問題があるわけでございますが、今後やはり農地の転用については、優良農地を確保する観点から厳正に規制を扱ってまいりたい、かように考えているわけでございます。 また、農業振興の立場から農振地域の制度がございまして、その整備をはかっておりますが、地域指定を行ないましてそこで農業をやっていくということについても進めてまいる考え方でございまして、そういう点からこの優良農地を確保しながら農業生産を続けていくということを、地域の実態に即しながらやってまいりたい、かように考えておるわけでございます。 なお、すでに手付金をもらった、あるいはその契約をしたというふうなものがあるということでございます。契約自体については、農地法上違反ではございません。ただ、実際に売買をしてしまったという場合には、これは農地法上問題になります。したがって、おそらく正当な形としては停止条件つきの契約ということになるのであろうと思いますが、その実態につきまして、われわれもいろいろ個別のケースについて伺っておりますが、やはり今後転用許可については、地域の実態に合わせながら厳正に扱ってまいらなければならない、かように考えているわけでございます。
○野間委員 そういう抽象的なことで解決できますか。私の問いに対してあなたは答えてないですよ。しかも、この買収土地の相当部分は、実需を伴わない仮需要だ。これは会議所ではっきり調査の結果が出ているわけですよ。さらに、農地が買い占められておる実態について、私も何回も当委員会で、たとえば伊藤忠は青森の十和田町あるいは広島の三和町、これを中心にいろいろここで追及したわけですが、これによっても、あなたはいま厳正にしていくと言うけれども、実際には仮需要で買い占めている。形の上では、もちろん許可がなければ移転登記はできませんよね、本登記は。ですから、単に売買契約書あるいは売買予約、停止条件つき仮登記と、いろいろな手だてをやります。しかし実質は、すでに当事者間で売買を済まして、代金も受領して、土地を放すという実態があるわけです。 私が聞きたいのは、この場合に一体どうするかということです。では、厳正に法を適用して許可しないということになりますと、少ない土地を手放して代金を得て費消した、一体それでは農民に金を吐き出せということになるわけですね。そうでしょう。どうですかその辺は。具体的にこういうような許可とか何らかの歯どめがあるのに、歯どめがある土地について実質的にはもう売買契約も済んでおる、代金も受け渡しが済んでおる、そして仮需要でありますが土地を占有しておる、農民は金を使っておるという場合、どう措置しますか。
○小沼政府委員 現に売買予約をしている、金も相当もらっているというケースがございます。しかし転用許可の申請は出されていないというふうなことがございます。転用の許可がなければ農地については契約が無効でございますから、そういう意味で私どものほうは、やはり法に照らして転用許可ができるかどうかという判断をして進めてまいるというたてまえをとっております。 なお、農家がもらってしまった、あるいは支払ったというふうなことについては、これは私契約の内容の問題でございまして、それについて行政的にそれではどうするということは、私どもでできるわけではございませんで、農地法を適用いたしまして、この土地が転用して相当であるかどうかという判断をして、それについて処置をしていくということをやらざるを得ないということでございます。
○野間委員 そういうことじゃ困りますよ。何回も言いますように、買い占めて遊ばせておるわけですよ。私は、野菜の高騰との関係でいま問題にしておりますが、遊休地なんですよ。この状態がずっと続けば、これは野菜も何も栽培せずに、土地がそのまま遊ぶわけですよ。しかも、四十万ヘクタールの中にはこういうような農地が非常に多いと思うのです。私も一、二知っておりますけれどもね。だから、申請しなければ現在のまま放置されるだけの話ですよ。そしてどんどん買い占めていく。こういう既成事実をつくっている。農民は結局代金を返す能力もない。正直言って、既成事実が優先してそれを許可するということしかないと思うのです。結局、法があっても、実際には既成事実をつくった上で、そして法をくぐると申しますか、自分の都合のいいように許可をとるというような結果にしかならぬと思うのです。 あなたは、法のたてまえから云々と言われますけれども、実際これは違法な売買である、これは農民に戻すべきである、こうなっても、農民にはもらった銭を返すあれがないという場合には、具体的にどうしますか。そういうことを考えませんか。だから、抽象的な基準でなくて、具体的に——このような深刻なジレンマの中で悩んでおる。このことを農業会議所が非常に深刻に悩んでおるわけですよ。これについてできるだけあなたのほうでこたえるということは、私は義務だと思うのです。抽象的なものではなくて、どうですか、その点さらにお答え願います。
○小沼政府委員 一つは、やはり農地転用の許可の見通しのないようなところで売買を進めるということ自体に問題があろうかと思うのです。その点についてやはり指導が必要かと思いますけれども、現に発生しているからといって、それじゃ転用許可を認めるということにはおそらくまいらぬだろうと思います。場合によって違いますけれども、それが優良農地でない場合にはかなり転用の幅がありますけれども、優良農地の場合にはできるだけ農地として確保しなければならぬという考え方に立っておりますので、その点では、かりに契約をいたしましても、だからといって転用を許可するというふうにはなかなかまいらない。 しからば、もう金をもらったものについてどうするかというお尋ねでございます。おそらくケース・バイ・ケースでいろいろございましょう。いろいろな事情があろうかと思います。現に私も存じておりますけれども、金を返して土地を戻してもらったというふうなケースもございます。いろいろなケースがございますけれども、今後一つ考えられる方法は、それでは、転用許可ができないという場合に農地として活用する方法はあるか、その農家が使えないという場合にどうするかということで、これは他の農家が買うという形もありましょう。県に国がいろいろ指導しております農地保有合理化法人がございますけれども、その県の公社等がそれを買うというふうな形もあろうかと思いますが、これにつきましては、それぞれケース・バイ・ケースで処置をしていかなければならないというふうに考えているわけでございます。
○野間委員 納得できません。先ほども指摘したのですが、このうちで相当部分は実需を伴わない仮需要である、こういうような調査の結果が報告されております。仮需要の場合には、これは当然許可の対象にならぬと思うのですが、そのとおり間違いありませんか。
○小沼政府委員 農地転用の許可基準の細目では、具体的に何に、どういうふうに、いつごろ使うということがはっきりしている場合に許可の対象として扱っているわけでございます。
○野間委員 質問に端的に答えてくださいよ。仮需要ですよ。相当部分は仮需要だというふうに調査の結果出ております。仮需要の場合に、これは許可の対象にならぬと私は考えますが、どうですか。
○小沼政府委員 一般に仮需要自体の内容でございますけれども、全く用途がはっきりしてないということであれば、これは許可するというわけにはまいらないということでございます。
○野間委員 用途がはっきりしておるのですよ。仮需要ですから、安く買って高く売る、それだけなんです。 時間がありませんので、あともう少し進めてみたいと思います。 六月十日付のある新聞の大阪本社の記事ですが、大手不動産会社が、京都の田辺町の市街化調整区域の農地を、形ばかりの植林で地目を山林に転用する、こういう事態がかなりあるようですね。これは「四十六年末の“線引き”後急に目立ちはじめ、四十七年は十九件計約二万六千六百平方メートルに上り、ことしも六件の申請が出た。」こういう記事が出ております。しかもこの内容は、「申請のあった田畑が大手不動産会社が買収している同町南西部に集中している」、それから「申請書についている登記謄本に、地目変更後、大手不動産会社へ正式に転売することをはっきり示す仮登記のはいっているものもかなりあった——などから、同町農業委は“線引き後”申請のあった植林転用の九割は転売目当てとみている。」こういう報道がなされております。 これはまさに脱法行為ですね。事実を知っておるかどうか、まずお聞きしたいと思います。
○小沼政府委員 事実は承知しておりません。
○野間委員 こういうことが事実であるとすれば、私は許されないと思うのです。大手不動産が形だけ植林して地目を変更して——脱法行為ですね。農業委員会をあざむいて、知事の許可をもらって。市街化調整区域ですからね。こういう実態があれば、これを脱法行為で違法だと思うのです。その点についてのお答えと、現実に現地を調査して、この報告をぜひ当委員会に出してほしい、こういうように要求しますが、お答え願いたいと思います。
○小沼政府委員 山林にする場合も転用の許可が要るわけでございますから、その点については、実態を調査すればはっきりすると思いますので、調査いたします。
○野間委員 報告してくれますね。
○小沼政府委員 報告いたします。
○野間委員 このようにして、作付面積の減少から質問を続けていったのですが、仮需要が、特に大手が農地、特に優良農地を含むたくさんの土地を買い占めて、そして投機をしてつり上げた上で転売してまたもうけていく。しかもこういうことの中で、野菜の高騰する大きな原因をつくっている、こういう実態が私は明らかになったと思うのです。 こういう点から考えまして、私どもは、どうしても仮需要、投機を目的としたこういう土地の取得、こういうものについては、公共用地として国あるいは公共団体が適正価格で収用できる、そういう仕組みをどうしてもつくらなければ、これはやり勝ち、やり得という結果に私はなると思うのです。したがって、こういう場合については適正な価格で収用する。同時に、今後の問題として、土地の大口売買、これについては自治体の許可制をとる。さらには大手私鉄あるいは大商社、これの買い占めが問題になっておりますが、金融機関などによって引き締めで土地の投機を抑制する、あるいは適正な事業用途と認められる以外の土地の売買は禁止する、こういうやはり強い態度で臨まなければ私はだめだというふうに考えます。 その点で、長官あるいは農林省の見解を最後にお聞かせ願いたいと思うのです。
○小沼政府委員 優良な農地を確保していかなければならぬということは、食糧確保の上からもたいへん大事なことでございますし、そういう点におきまして、農地については十分確保する方途を講じていかなければならない、かように考えております。 なお、先ほど来御指摘のような点につきましては、私ども、やはり一つの方向としては、県の公社でございますが、農地保有合理化法人等を活用いたしまして、そこが買うという形でそれを事業用途に使っていく、大規模に利用したいものに貸すなり売っていくという、そういう形で確保していくのも一つの方法であろうということで現に進めているわけでございますが、いずれにしましても、農地法を適用して、投機的な買い入れ等については厳に抑制していくという基本線で進めてまいりたい、かように考えております。
○小坂国務大臣 農地法というものは現にあるのでございますから、これが解除されるというような条件を考えまするならば、やはりいま非常に重要な野菜の供給であるとか、大都市近郊農村として必要な機能があるわけでございまして、そういう機能を十分頭に入れて考えなければならぬ、こういうふうに思っております。 それから、先ほどお話の中に市街化農地の課税の問題がありましたけれども、あれは、非常に大きな生産緑地とみなされるようなものについては残すという方針というふうに私は承知しているのでございますが、そういう点で、われわれはやはり近郊農地というものを大事に考えるという方針に変わりございません。
○野間委員 ちょっと、もう一度質問いたします。 いま申し上げたように、仮需要家が、しかも大手資本、大会社が、いまの農業会議所の調査によっても四十万ヘクタール買い占めている、こういう実態なわけですね。こういうような土地の買い占め、それによって作付面積が減って野菜が高騰するという、いろいろありますが、こういう点から考えて、大手の投機を目的としてすでに買い占めた土地については、適正な価格でこれを収用できるという手だてをする必要があるのじゃないか。と同時に、今後このような大口の土地の売買については自治体の許可制をとってきびしく規制していく、こういう方策をとらなければ、依然としてこのような投機を目的とした大会社の買い占めが避けられない、規制できない、このように私は考えますけれども、長官の考え方はどうなのかと、こういうことです。
○小坂国務大臣 やはり仮需要そのものを抑制する、そういう考え方をとっておることは御承知のとおりでございますが、すでにいままであったマネーフローのだぶつきによって大手の実力のあるものが土地を買い占めておるという点については、これは社会的な必要の面から見ましてこれをどうしていくか、今後のものについては規制をいたしますが、すでにそれのあるものについてはどうしていくかということについては、それが社会的な必要を満たすような方向で利用されるようにということで、いろいろ今後研究していきたいと思っておる次第でございます。
○野間委員 やはり私が最後に申し上げたようなことをしなければ、はれものにこう薬をはるようなそういう手だてだけでは、私は抜本的な解決にならぬと思うのです。やはり病原に、根本にメスを入れてやる、こういう立場をとらない限り、私は土地の問題あるいは物価高騰の問題というものは解決できない。大会社はやはりきびしく規制する、こういう態度をとられるように強く要請して私の質問を終わります。
○山中委員長 次に、石田幸四郎君。
○石田(幸)委員 経企庁長官にお伺いいたしますが、いまの農地問題、私もこの問題、若干やりたいと思っておったのでありますが、いま野間委員のいろいろな指摘がございましたから、補足的な意味で簡単に御質問をしたいと思います。 今回の農業会議所が調査をいたしました買い占めは四十万ヘクタールといわれているわけでありますが、先ほどもお話がありましたように、野菜生産用の耕地面積六十万ヘクタールというふうにいいますから、これは相当な面積であります。東京都の面積に匹敵するであろう、こういうふうにいわれておるわけです。こういったことからここ数年の間に買い占められているということは、農業の将来にとって非常に大きな危機を私も感じます。 こういうような農地転用というものは、届け出のときに十分チェックをするとか、あるいは農地法による規制があるのだから、これを厳正にやることによってある程度制限することができるのだ、これは確かに法律上のたてまえはそうなっているんですけれども、しかし、私たちが現地で見たり聞いたりしている範囲内におきましては、ある程度の時間をかけていわゆる農地委員会ですか、そういったところに執拗に働きかける場合、ほとんどの場合が許可になっておるわけですね。ここでは、そういうものはだめでございますというような結論の出る場合は、非常に少ないわけです。ですから、こういう農地法の規制というものは非常に弱い。 私は、そういった意味において一つ考えなければならないことは、いわゆるこの農地の買い占めによって、全国的な土地の高騰、大きなまた影響があるわけですね。そういう意味で、物価抑制の立場からも、これは何かの対策を考えなければならない、こう思っております。しかし、やはりこういった農業用地が転用される陰には、いわゆる土地というものは私有権が認められているわけでありまして、あるいは土地というものが売買の対象、いわゆる商品化しているところに問題があるわけでありまして、ここら辺のところから基本的にひとつ考えを変える、いわゆる発想の転換をして農業用地というものを考えていく、そういうようなことが私は必要じゃないかと思うわけでございます。特に、いままで農業用地としては税の優遇措置等が行なわれているわけでありますが、そういう土地の高騰に歯どめをするためにも、あるいはまた、そういう農業用地が他にいろいろと転換をされていくことの歯どめにするためにも、売買のときには、土地によってはもうからないのだというような高額の税を課するというような、やはり一種の私有権の制限になるかもしれませんけれども、何らかのそういう方向でものを考えていかないと、土地を売れば何百万、何千万入ってくるのだというような、そういう単純な論理が横行しているような方向ではだめではないか、こう思うのでございますが、そういう基本的な問題について一つだけ伺っておきたいと思います。
○小坂国務大臣 石田委員のいまお述べになりましたお考えは、私も全くそのように考えます。たまたま土地を持っていたがために、ある日突然に億万長者になるというこの現象が、社会的な公平感を非常に阻害している、これは何とかしなければならないということが大きな問題でございますが、それと同時に、いままでバランスのとれてきた農業と工業あるいは都市生活、そういうものの関係に大きな影響を持つのでございますので、全体の方向づけをしていかなければならぬ、こう考える次第でございます。 そこで、いま別の委員会に提案いたしております国土総合開発法の中におきましても、土地利用の規制については非常にやかましくいっておりまして、いまの農地法を強化する方向で考えておる、これは御指摘のとおりでございます。いまの点は、さきにもお答えいたしましたように、今後は、それができればかなり変わってくると思いますが、従来持たれておる、仮需要によってすでに所有権が移転されておる土地をどうするかという問題でございますね、こういう点がやっかいな問題の一つでございまして、実は私ども、言い始めましてあまり賛成がないのですけれども、何か課徴金のようなものを考える。税金ですとさかのぼれないわけでございますので、そういうことまで考える必要があるんじゃないか。しかも付加価値を生まない土地の移転によって巨利を博するということについては、社会的な通念からしてそういうことはもうからないという方向に持っていくことはどうかと言っているわけなんでございます。制度的にいたしましても、その他問題がたくさんございまして、これは緒についていないわけでございます。 しかし、私は、考え方といたしましては、ただいま石田委員の仰せになりましたようなことはそのとおりだと考えておりますので、できるだけその方向で努力したいと思っておる次第でございます。
○石田(幸)委員 この問題、もう少しやりたいのですが、きょうの主題ではございませんのでこの程度にいたしまして、それでは、物価の基本になる問題についていろいろお伺いをしたいと思うわけであります。 先般、世界環境の日にあたりましてワルトハイム国連事務総長が声明を発表されたことは、経企庁長官も御存じだと思います。この声明は、私たちの将来にとって非常に大きな示唆を与えているわけでございますけれども、その内容は、「地球利用の現在の傾向が変らずにこのまま続けば、人類は大きな不運に陥る危険性があると次のように警告した。」と各新聞に載っておりまして、いわゆる資源問題を取り上げて、 一、われわれは天然資源が無尽蔵ではないことを十分認識している。 一、われわれはまた、あらゆる代価を支払って向う見ずに成長を追求する場合、深刻な長期的結果が生れることも知っている。 一、われわれの目的は、人類が正しく保護される真の成長でなければならない。 一、人類の直接かつ正当な必要と、今後の世代の利益の保護を調和させる方法を見出す緊急の必要性がある。 こういうふうに国連事務総長は申し述べておるわけでございますけれども、私も、今日の物価の異常な値上がりの背景にあるものをいろいろと考えてみますと、物価の安定にとって原則的に欠くべからざるものは需要と供給のバランスである、こういうふうに思うわけでございます。 いまの日本経済はいわゆる大量生産、そして宣伝媒体がございまして大量販売、大量消費、そういう方向に流れているわけでございます。特に日本の経済の方向としては、あるいは政府の示されている方向としては、そういった需要の拡大については、当然そういう方向でいかざるを得ないであろうというような認識、たとえば田中総理が示されている日本列島改造論の方向は、いわゆる経済成長が一〇%以上続くならばという仮定のもとにそういう方向を示されておるわけであります。それによって道路も必要、いわゆる交通機関の充実も必要、こういうふうに需要の問題にはあまり触れずに、それに対応する供給を拡大しなければならないというような方向に進んでいるように私は思うわけであります。 その結果あらわれてきたものは何か。それはいわゆる大量消費という問題でございまして、戦争中におきましては、そういうような浪費は罪悪であるという考え方、また、ほしがりません勝つまではというような、耐乏生活をしいられるようなそういう思想、そういうものから戦後は大きく転換をいたしまして、いわゆる消費者は王さまであるというような感覚から、使い捨ては美徳であるという消費時代の方向へ大きく転換されました。 しかし、そうした消費生活が拡大をされるのに伴って、今日ではいわゆる資源問題があらわれてくるというようなことで、そういうような悪循環を繰り返して今日まで来たわけでございます。 そういった意味におきましては、物を生産するのは一体何のためかという目的を考えますと、これはやはり消費生活が基盤になることは言うまでもない。そういうふうに考えてまいりますと、いまや消費生活のあり方、いわゆる需要というものに対する考え方をもう少し明確にする必要が出てきたんじゃないだろうか、こう私は考えるわけでございます。 あるいはまた、最近のインフレ要因の一つに人件費の高騰という問題が取り上げられておりますが、これとても、付加価値の増大する企業、そういうところに労働力が吸収されているということは、これはまぎれもない事実であります。 私は愛知県でございますので、あそこにトヨタ自動車という自動車産業をかかえているのを知っております。最近のやり方を見ておりますと、農村にマイクロバスをどんどん出して、そして男の労働力だけでなくて婦人労働力も、一切がっさいかっさらってきてつぎ込んでおる。そのために、いまや農業は三ちゃん農業から二ちゃん農業に低下してきたというような、そういうような状況も見受けられるわけなんです。また、それに伴って、特に中学や高校を卒業した人たちが就職をする場合に、やはり生活環境のいいほうへと流れてまいりますので、これは大企業の方向へ流れてくる。したがって、中小企業では、どうしても人間を確保しなきゃならないから大企業並みの給料を出さなきゃならぬというようなことが、ずうっと悪循環として続いておるわけでございます。 あるいは海外のコストインフレの問題も、日本の場合少々買い過ぎじゃないかと思われるような状況もある。 そういうような問題まで含めて考えてまいりますと、私は、需要と供給のバランスという問題、いわゆる需要の拡大に伴って供給も拡大をしなければならないんだというような考え方に立ついまの経済体制というものは、いまこそ見直しをしなきゃならぬというふうに思うわけでございます。 で、具体的な例をあげるわけでございますけれども、いま自動車産業のあり方ということが非常に問題になっております。 これは玉井氏が書かれた「ゆっくり歩こう日本」という本でありますが、この中に自動車産業に対する問題点が指摘されておるわけでございます。一九七二年度の全自動車六百九万台、その生産に要する資材総量というものは、鉄が六百三十万トン、非鉄金属が三十九万九千三百トン、約四十万トン、それから非金属が百三万トン、合計で七百七十四万トン以上の資材を使っておるわけであります。そしてその資材は、原料にさかのぼればもっと多くの資源を費やしておる。おそらく、鉄鉱石の年間消費量は一九七二年で一億一千万トンぐらい使っているんじゃないか、こういうふうにいわれております。あるいは、御存知のとおり道路は、この十年間で七倍もの投資を、政府は毎年毎年しなきゃならぬ。 〔委員長退席、松浦(利)委員長代理着席〕 そのほかガソリンの問題もございます。石油資源は三十年ぐらいしかもたぬではないか、こういうようなことをいわれております。 そういうことがなぜ起こってきたかといいますと、これは確かに、一般の国民が生活の利便を得るために自動車がほしいというような要望もわかりますけれども、いわゆる広告宣伝等におきまして、大量生産してきたから大量販売をしなければならないんだという、そういう経済哲学の上に立って過度に需要をあおっている、こういうようなことを私は最近しみじみと感じておるわけでございますけれども、こういうような経済の流れ——大量生産、大量販売、大量消費、そういうところから消費の質的転換をはかることが、今後の資源問題をある程度セーブする意味におきましても、あるいは労働力のバランスをとるためにも、そこら辺からメスを入れなければならないんじゃないかというふうに考えておるのでございますが、これに対する長官の御意見を伺いたいわけです。
○小坂国務大臣 ただいま石田委員の仰せになりましたことは、まことに私としてはごもっともであると存じまして、失礼になるかもしれませんが、まさにわが意を得たりという感じがしておるところでございます。 私は、施政方針演説の中でも申しましたが、いまや環境の問題が非常に重要になっておる、われわれの消費態度も、環境をよごさない経済を考えなければならない、また浪費をしない経済を考えなければいかぬという生活態度に切りかえるべきであるということを申したのでございますし、また、例の経済社会基本計画の中に、あれを閣議決定するにつきましても特に一項目を設けまして、われわれは環境をよごさない、浪費をしない経済というものを考え直さなければならないということをつけ加えておるのも、ただいまお述べになりました御趣旨と符合するものがあると考える次第でございます。 日本という国は資源のない国でございまして、外国から資源を入れてこれに付加価値をつけて輸出して、そして経済の営みをしているわけでございますが、資源が何ぼでも日本の要するものが入ってくるという考え方そのものに反省を加えなければならないと考える次第でございます。 従来、日本の工業というのはむしろ再生工業、資源をいかにしてむだなく使うかということに日本の工業技術の特色があったわけでございますが、最近は全く様相が変わりまして、もう使い捨ての経済ということが普通のようになっております。また、経済ばかりではございません。消費態度におきましても、今日東京のゴミ戦争というものに見られますように、ゴミの増加というものがこの十年間に三倍になっておるわけです。これはやはり消費態度のあらわれであるというふうに思っております。 いまお述べになりましたように、われわれの生活態度を変えて、まず先に消費ありき、したがって生産はこれに伴うべしという考え方よりも、やはりお互いがクォリティー・オブ・ライフと申しますか、生活の質をよくするということがまず大事だと思います。よい質の生活をやるということのためには、環境の問題、資源の問題を考えていかなければならないんだというふうにいかないといけないように思う次第でございます。 先ほどから野菜の問題がいろいろございまして、これも非常に重要な問題でございまして、先ほど来傾聴いたしておりましたが、しかし、野菜が高くなるのは、これは消費者にとりまして確かに非常に困ることでございますが、反面から申しますと、その高くなった野菜の手取りが農家に入るならば、これまた、いまの農村の生活と都市の生活をバランスさせる上に、一つの新しい方向が出るということでもあろうかと思うのでございます。 私は物価の担当大臣として、最近こう考えているのでございますが、御批判をいただければ非常にしあわせであると思いますのは、いまの物価高というものは、結局、日本の従来の生産中心の体制から福祉中心の体制に切りかえるときの、切りかえにあたりまして生ずる一つの過渡期の悩みであるというふうにも思うのでございます。国民福祉の向上をいたすためには、何といっても国民の所得をふやさなければならない。国民の所得がふえれば消費がふえてくる、消費がふえれば物価が上がるということでございますので、そのふえた所得を国民が賢明に消費する消費態度が問題であって、ふえたからみんな使ってしまうということでは、どうしても物価問題というものは解決できないというふうに思っておるのでございましてただいま石田委員のお述べになりました一つの思想の転換、発想の転換ということがどうしても必要なように考えておる次第でございます。 簡単でございますが、お答えといたします。
○石田(幸)委員 そこで、消費の質的転換を行なうためにはそういうような思想に立たなければならないということは、これはだれでも気がついておると思うのでございますが、やはり具体的な政策を進めていかなければならないと思うのでございます。そういった意味におきまして、たとえば自動車あるいは家庭電化製品あるいは農機具とか、いわゆる耐久消費財というものが、これもいまや使い捨ての時代に入っている。自動車なんか完全にそうなんだ。大体二年ごとに買いかえるというのは常識であります。長くても三年、こういうような状態でございまして、その費した原資というものはどんどん使い捨てられるというような方向になっておりますので、これは私、一つの問題として、耐久消費財については、一つは耐久年数というものをもっと明確に政治の力で規制をしていく、あるいはモデルチェンジを行なう場合には価格が下がらなければモデルチェンジはさせない、それも最低三年ぐらいの間隔は置くべきだというような、そういうような誘導政策というものはとれないものかどうか、この点についてまず伺いたいと思います。
○小坂国務大臣 いま物価の高騰の原因をなしておるのが幾つかございますけれども、その中の一つの要素で、やはりスクラップの高騰も大きな原因になっておるわけでございます。これは結局、いまの国内生産耐久消費財、これが非常に鉄材を要することであるのでございますが、そういう点をいまのような精神論からいく以外に、御指摘のような一つの消費のガイドラインを設けるといいますか、そういう点を考えることも確かに一つの御見識だと考えます。よく検討させていただきたいと思います。
○石田(幸)委員 それからもう一点、この大量生産が行なわれているいろいろな商品というものが、一つは、申し忘れましたけれども、いまの婦人用のくつ下ですね。ストッキングですか。最近、男性用のストッキングは非常に耐久力がある。ところが婦人用のストッキングは、見ておりますと、まあおそらく二日に一ぺんぐらい買っているのじゃないですかね。そこら辺のお嬢さんに聞きたいところですが、とにかく二日か三日おきぐらいに新しいものを買っておるわけですね。非常に質が悪い。そういうような問題にもう少し行政措置等において勧告するような、そういう対策というものはできないものですか。
○小坂国務大臣 これもよく検討いたしたいと思いますけれども、どうもなかなか、いまは批判精神が旺盛でありまして、くつ下がよく破れるのは国電の込むせいだという議論もきっと出るのだろうと思いますけれども、しかし、よく検討させていただきたいと思います。
○石田(幸)委員 それからもう一つ、大量生産は、いわゆる販売につながる一つの媒体として広告宣伝を使うわけでございます。私、いま具体的な数字を持ち合わせておらないわけでございますけれども、そういったテレビあるいは新聞、雑誌等の広告宣伝、これは全産業界を見ますと、ある程度メーカーに限定されておる、そういうようなところがあると思うのです。たとえば家庭電器メーカーあるいは自動車メーカー、あるいは月販会社、土地会社、薬品メーカー、食品メーカーというように、これにもいろいろな種類がございましょうけれども。 私は長い間広告関係をやっておりましたので、よく知っておりますけれども、たとえば、ある酒のメーカーが広告をする、そうすると、それと競合しておる会社が必ず追っかけて、その裏番組あるいはまたそれに追随して、その宣伝効果を相殺させるために続いて宣伝を打つというようなことが、常時行なわれておるわけです。そういったところからテレビ——現在の広告効果というのはテレビが非常に大きいと思うのですが、占有率というような問題を考えますとそう大きくは見えないのでございます、いろいろな産業がございますから。しかし、そういった問題もやはりある程度誘導政策をとらないと、資本力のある、大量生産を必然的にやらなければならないそういうようなメーカーが、各社の番組を買いあさって、そうして次から次へと打ってくるというのが実情であろうかと思うのです。 こういうような占有率といいますか、そういう問題についても、現在のような基準ではだめなんであって、これは大幅に下げていかないといかぬのじゃないか、私はこういうような考え方を持っているわけでございますが、この点に対する長官のお考えを承りたいと思います。
○小坂国務大臣 私、今度ヨーロッパへ参りまして、飛行場などで待ち合い時間にテレビを見ますと、イギリスあたりのテレビの広告というのは段違いでございますね。日本のほうがはでで、はるかに購買力をそそるように、その点じょうずで、もう問題にならない。と同時に私が思いましたことは、何であんなに日本のように、広告に金をかけて奇抜なことをしなければならないのか、さなきだに購買力が多過ぎて困っているこの際にああしなければならないのか、これは全く過当競争のなせるわざであるということを痛感いたしました。 これはやはり行政指導と申しますか、そういう業界との懇談と申しますか、そういうことを通じて、いまのようなことについてどの程度できるかを打診してみる必要もあると思います。しかし、そういうものでむだなものがかけられないように、また全体のシェアを低下させることができれば、そういう方向に持っていくことは、たいへんいいお考えだと思います。
○石田(幸)委員 次に、大量消費の問題でお伺いをしたいわけでございますが、いま私が申し上げたような、耐久消費財にしてもどんどん使い捨てというような感覚が強くなっておる今日、これを法律で規制するとかいうようなことはなかなかむずかしいということは、私もよく承知いたしております。しかし、日本の各官庁あるいは地方自治体、そういうようなものが、たとえば自動車は二年おきに買いかえはしないんだ、少なくとも五年なら五年というもの使用するんだというような、そういうような行政措置を講じたら、それだけでも私は大きな波及効果を生むんじゃなかろうか、こう思うわけでございます。そういうようなところから、たとえば大手企業についてもそういうような傾向も出てくるでありましょうし、そういう措置ができないものだろうかということを感ずるわけでございますけれども、この点はいかがでしょうか。
○小坂国務大臣 官庁は一般の民間に比べまして、自動車等の使用はかなり旧式なものを用いておるように思いますけれども、しかし、やはり役所が率先してそうした傾向に馴致するような行動を起こすということは、これは非常にけっこうだと思いますし、また、全般にやはり緊縮的な気持ちを——緊縮というとなかなかいろいろな反発もございますけれども、浪費をしないというそういう考え方を徹底することが必要だと考えます。私は実は二宮尊徳に学べということを言っておるわけなんでございます。少しきわ立った言い方をしましてそう言っているわけでございますが、一流会社等においても、いまのお話のような点をできるだけ取り入れますように、おりに触れてそういう指導をしてまいりたいと考える次第でございます。
○石田(幸)委員 最後に一点だけお伺いいたしますが、来年になりますとまた施政方針演説がございまして、来年度の経済政策というものが示されてくると思うのでございます。 〔松浦(利)委員長代理退席、委員長着席〕 そのまま現内閣が続くかどうか私わかりませんけれども、しかし、経企庁の長官がそのままとどまるといたしますれば、来年のそういう経済政策の中に、そういった消費生活の質的転換といったような問題をお入れになってしかるべきではないかというふうに思うのでございますけれども、この点についてはいかがでしょう。
○小坂国務大臣 私であるかないかは別といたしまして、経済企画庁は厳としてあるわけでございますから、いまの消費生活の質的転換の必要を説くということは、ぜひやってもらいたいと思っております。
○石田(幸)委員 それでは、あとの人の質問もありますので、以上で終わります。
○山中委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時六分散会