物価問題等に関する特別委員会 第10号
- 発言数
- 183 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1973/04/21
会議録
○山中委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、生活関連物資の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律案及び松浦利尚君外三名提出、生活関連物資の買占め及び売惜しみに対する規制措置等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。近藤鉄雄君。
○近藤委員 まさに物価問題は、現在の政治の最大の問題であると思います。この物価について大ぜいの国民が非常な不安を、現在も、将来についても持っているわけでございますが、本委員会におきましても、公聴会を開き、また、この問題について真剣な討論を進めているわけでございますが、私は、この物価問題に対して一日も早く国民が安心をしていただけるような措置を早急にとる必要がある、そのためにも政府提出の生活関連物資の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律案、これの早急な実施を心から希望するものでございます。そして、この法律がほんとうに物価安定のために役立つように実施されることを心から希望するわけでございますが、なお、この法律に関しましていろいろ問題点を指摘して、私たちが納得のいくような御回答を得、また安心できるような実施をぜひやっていただきたい、かように考える次第でございます。 そこで、過日も、大手商社の代表の方々をお招きしたおりにも御質問をしたわけでありますが、昨年来の異常な物価の高騰、これは私たち、まさに戦後初めてといっていいくらいのいわゆる品薄現象、これまで日本経済、いろいろなものが余っておったわけでありますけれども、一夜にしていろいろなものがなくなってしまった、こういう品薄心理から買い急ぎが、これはいわゆる大手商社というだけじゃなしに、何か国民全体が一種のヒステリー状況に入ってしまって、いろいろなものを買いあさったということがあったと思うわけであります。しかし、あとで通産省なり経済企画庁のほうから御発表になった資料を見てみますと、羊毛や木材、あれだけ物がなかったように言われた商品についてすら、実は一昨年よりも昨年度においては多量に輸入をしておったということがあとでわかったような状況であるわけであります。 国民としては、ちょっとキツネにつままれたような感じを持ったわけでありますけれども、実際こういった物品の直接の輸入に関知しておったところのいわゆる大手商社の人たちは、前年に比較してことしは相当入ったんだというようなことが、やっていながらわかったんではないかというふうに私は思うわけであります。にもかかわらず、お客さんがあるから、需要があるからじゃんじゃん輸入をした。先日の公聴会でも、大手商社の代表の人が、決して買占めはしていない、需要があるから、お客さんがあるから自分たちは買いつなぎをしたんだ、こういう説明をされておったわけでありますけれども、結果として、じゃんじゃん買ったことが国際的な価格を追い上げてしまった。そして、その国際的価格の反響として国内価格を上げ、そして買い急ぎ傾向を強めてしまった、結果的にはこういうことになったというわけであります。そして、そういう形で、かりに大手商社の側としては、いわゆる買占めをした形で利益をあげたことがなかったかもしれないけれども、なかったにしても、将来取引量が増大することによって一定のマージンの利潤を得ることができるわけでありますから、結果として利益の増大をもたらしたということになったと思うわけであります。 このような、現実にはもう一部供給過剰状態であっても、品不足現象、品不足心理というものを、言ってみればある程度あおる形で十分利益を得るような商行為ができるわけでありますけれども、私は、先日も大手商社代表の人に申し上げたのでありますけれども、いわゆる日本国内におる無数の中小零細企業者であれば、まさに木を見て森を見ず、暗中模索で、ともかく何か物が足りなくなるらしいということでじゃんじゃん買いあさるということが許されるかもしれないけれども、国際的にすぐれた情報を持ち、国内的にもいろいろな完備した販売組織を持っておる大手商社であります。余談ですが、ニクソン大統領がアメリカの国際収支の経常的な赤字を何とかして解決したい、そのために何かいい名案がないかということで思いついたことが、場合によってはいわゆる日本の三井、三菱とか大手商社を使ってアメリカの商品を売れば、アメリカの輸出が伸びて、そしてアメリカの経常的な国際収支の赤字が解決されるかもしれないということを思いついたという、そういうような話すら私は聞いているわけでございますが、それくらいに国際的な影響力のあるこの大手商社が、単に国内的に注文がじゃんじゃんあるから買いつないでもうけるということが、はたして道義的に許されるかどうかという問題が私はあると思うのであります。 こういうような大手商社の、まさに国際的な影響、そして国内的な影響力という観点から考えて、大手商社として守らなければならない行動の規範というものが私はあると考えておるわけでございますが、これに関しまして、通産大臣及び経済企画庁長官はどういうようにお考えになっているか、御所見を承っておきたいと思います。
○中曽根国務大臣 いわゆる商社というものは、本来は貿易商社からスタートしたと思う。戦前におきましては三井、三菱あるいは五綿というものは、みんな貿易商社として令名をうたわれたものでありますが、戦後になりまして貿易が、戦争に負けてから閉ざされて、これらの膨大な商社が、人員を吸収し、あるいは食べさせなければならぬ、そういう面から、国内に主として力が入ってきて、そしていろいろ、いわゆるラーメンからミサイルまでといわれるように、貿易よりもむしろ国内的な産業に手を出すという、興味も持つという方向に変わってきた。それが、ある意味においてプラスもあったけれども、マイナスもうんと出てきた。株式とか土地とか、投機と思われるようなことが出てきたのは、そういう淵源から来ていると思う。 発生的に見ますと、戦後の事態というものは気の毒なこともあり、よくわかるところもあるわけです。しかし、元来、商社は、貿易商社という意味で商社といわれてきておったので、順次そちらのほうへ転換していくことが望ましい。やはり洗たく屋とかあるいは——ラーメンをやっておるかどうか知りませんが、国内の中小企業を圧迫するようなところまで手を出すことは、商社としては邪道である。なぜならば、彼らは膨大な金融力、海外情報網、それから人材を擁しておって、競争やったら勝つにきまっておる。そういう自由というものを考えると当然覇者になる潜在力を持っておるものなのでありますから、これが自由を乱用して、そういう国内の中小企業者のやるようなことまで手を出してくるということは邪道である。したがって、今回のいろいろな事件等を契機に、商社が本来の商社として貿易商社の方向に転換していって、国内のそういう中小企業その他と競合すると思われるようなことからどんどん手を抜いていってもらいたい、そして商社本来の、いままで尊敬されておったような機能に戻してもらいたいということを強く希望し、また、そういう方向に私たちは順次行政指導していきたいと思っております。 そうして、商社の行動基準につきましても、これを機に、これは商社全体としてまとまっておやりになっておると思いますけれども、各商社商社ごとに、自分の社が社会的にどういう機能を果たさなければならぬかということを職員に周知徹底させて、そして品格ある商社として再び力を発揮していくように、私たちは行政指導していきたいと思います。
○小坂国務大臣 通産大臣が言われたことと大体同じでございますが、やはり貿易商社として初心に返る。水ぎわから水ぎわまでの物資の扱いによって、資源の乏しい、貿易によって立国する日本の発展にふさわしいものになるということで考え直してもらいたいと思います。やはり商社のモラル、それを各社それぞれに全社員に徹底してもらいまして、いやしくも国民の指弾を受けてもうけるというようなことがいかに意味のないものであるかということを、よく骨身に徹してもらいたいと思うのであります。ことに投機などによってもうけるというのは、これはあまり高等なことではない。ことにから売りですね、そういうものによってもうけるのは知的にすぐれた人のやるべきことでないということを、よく考えてもらいたいと思うのであります。
○近藤委員 現在、通産省におかれましても通産省設置法の改正とか、これは戦後最大の改正でございますけれども、また経済企画庁においても物価局を新たにつくって、物価行政と真剣にこれからお取り組みになる態度でございますが、どうかひとつ、これまでややもすれば日本の行政の中で十分な配慮が払われていなかった流通の合理化、そしてあえていえば民主化についても、新しい機構の中で十分取り上げていただきたいと思うわけでございます。 ただ、これに関しまして、従来、日本経済で過当競争ということがよくいわれますが、商社の過当輸出競争ということがよく問題になっておりますけれども、今度の場合、むしろ過当輸入競争みたいなことが部分的に行なわれておって、いま私が申し上げておることが起こったわけでありますけれども、たとえば、こういった場合に、国内的に腹一ぱいなんだから、ある程度国内の需要を鎮静して、もうやたらに買うことをやめようじゃないか、輸入をやめようじゃないかということをかりに商社が考えた場合に、いま大手の話し合いというものがそういうことでなされていって、ある程度協調していくというようなことをしようとすると、これは独禁法でどういった取り扱いになるのか。しばしば問題になる過当競争という場合にも、ある程度話し合いをすれば当然独禁法上の問題になると思うのでありますけれども、いわゆる不況カルテルは認めておる、しかし、不況カルテルの原因である過当設備投資競争というものを放置しておいて、不況カルテルを結果として認めるということは、私はどうも片手落ちでないかというような感じがするのですが、そういった問題に関連して、商社の協調みたいなことが考えられるとすれば、それは独禁法上どういうふうな取り扱いになるのか、公取事務局長お見えでございますけれども、承っておきたいと思います。
○吉田(文)政府委員 商社の輸入面における、いわゆる過大競争を防止するために話し合いをして輸入量を押えるというようなことについてのお尋ねと思いますが、輸入業者の自主的な協定によりまして、ということは話し合いがあってということでありますが、輸入量の制限を行なう場合、これは輸出入取引法に規定します輸入カルテルを実施する必要があるのではないか。その輸出入取引法に定めるとおり一定の要件を備えております輸入カルテルにつきましては、これは独禁法の適用は除外されます。しかし、そういう手続を経ないでかってに行なうということになりますと、これは独禁法違反の疑いがございますので、きびしく取り締まらざるを得ないというふうに考えております。
○近藤委員 なかなかデリケートな問題でして、国内的に需要が依然として盛んなときに、逆に商社が話し合いをしてしまって輸入ワクを押えてしまうと、ますます国内の品薄心理みたいなものに、火に油を注ぐようなことになるわけでございますので、現実的に通産省なり経済企画庁で、ある程度の、相当あるのだというそういう商社に対する情報提供、安心感を与えるような措置と並行して、ある程度必要ないような輸入をしてしまって、そして結果として、すでに現在、一部の繊維なんかでも危惧されておりますけれども、値段の暴落みたいなことになって、それが逆に今度は買い控えになってしまう、売り急ぎになってしまう。そういうことで、また国内的に物資が少なくなってしまって、逆にもう一回品薄現象になって、新たな買い急ぎ、売惜しみが出てくる。そういう景気循環というものが起こってくるわけでありますが、結局これで迷惑を受けますのは、一般の消費者であり、そして中小零細な中間の業者である、かように考えますので、デリケートな問題でございますけれども、ひとつ十分に通産省とも御相談の上、そういった点についても、ただ、そのマイナスの面をおそれて消極的になるということではなしに、何かやはり、日本の悪名高き過当競争でありますので、どっちの側についても、商社の側ででも、また生産者の側でも問題があると思いますので、ひとつ十分お考えをいただきたい、かように考えるわけであります。 そこで、問題を進めますが、今度の法律によりますと、いわゆる特定物資について、買占め、また売惜しみにより多量にこの特定物資を保有していると認められるときに、勧告をする、こういうことになっているわけでありますけれども、私は、実はこの間本委員会において要求いたしました大手商社の資料を検討してみましても、木材については相当な利益が出ているようでありますけれども、それ以外については、必ずしもあまり買占めによってというような感じが出てない。むしろ私は、今回の買占めというものは、大手商社によって買い占められたことがあったかもしれませんけれども、しかし、異常に大きな影響を持っているのは、そういう特定の大手商社の買占めではなしに、先ほどから言っておりますように、中間的な段階の数多くの、たとえば紡績会社なり、産地の糸の問屋さんなり、卸屋なり、またその中間の業者、そして最終的には末端の、たとえばメリヤス業者なり織物業者の手元に相当な在庫になって残っている面が非常にあるわけであります。これは決して意図的な買占めだということじゃなしに、ともかく物がなくなるのだから、いま買っておかなければだめだということで、だんだん買っているうちに、気がついたら相当入っておった。現実に山形のメリヤス業者なり、また米沢の織物業者の話を聞いてみますと、前年よりも五割増し、ないし十割増しの在庫をかかえておる、こういうことであります。 そこで、今度の法律が、特定物資を多量に保有しているという場合に、勧告をして吐き出させよう、こういうことでありますけれども、その多量とは何を根拠にして言うのか。前年同期に対して幾ら持っているのか、ただ率で言うのか、絶対量で言うのか。それについて非常にむずかしい問題があると思うのでありますが、ひとつこの解釈について、長官なり、また局長から御説明を承っておきたいと思います。
○小島政府委員 おっしゃるように、多量という概念は必ずしも明確でございませんで、一律にその場合に、ある業種について、品目について何トン以上なら多量なのかという基準はもちろんございませんし、それから、一年前に比べて何割以上ふえていたら基準に当たるかというようなことも、一がいには申せないと思います。どうしても、そのときの一般的な需給状況、同業他社の保有状況等を勘案して、相対的に判断せざるを得ないということだと思います。
○近藤委員 いま、局長の御説明があったわけですが、私は、なかなかむずかしい問題であろうと思います。しかし、同時に、やはりある段階を越した場合に、これは買占めであり、売惜しみということが起こるわけでありますから、従来こういったものに対して、国として何ら監督なり規制する措置がなかったということであるとすれば、今度の法律によってそういう権限を政府に与えることは、どうしても必要だと思います。 しかし、繰り返し申しますけれども、大事なことは、特定の商社なら商社が、明らかにこれは買占めであり、売惜しみであるというような行為をすることもさることながら、まさに不特定多数の人が、異常な心理に基づいてわあっと買い占めてしまう、売惜しみしてしまうということが、結果として非常に大きな影響を物価に与えるし、物資の需要供給関係に与える、かように考えるわけであります。ですから、そういうまさに大衆的な基盤における売惜しみ、買占め現象の起こらないように、むしろ、そういう社会的な条件、経済的な条件といいますか、安心感、これを政府として今後しっかりとっていただくことが何よりも大事じゃないか、私は、かように考えるわけであります。 それから、とりわけて昨年からことしにかけての国際的な穀物の不足であるとか、また、ジャーナリズムその他で資源戦争といわれておりますような石油問題、こういった問題が、何か今回の異常な消費者心理に影響を与えておると思うわけでございますけれども、そこで、こういう重要な海外資源の国内に対する供給の安定確保、こういうことについて、最近、通産省や農林省でいろいろな構想をお持ちである、こういうことをわれわれ新聞で見ているわけでございますけれども、通産大臣いらっしゃいますが、通産大臣から、また、農林省からどなたか局長が見えておれば農林省から、簡単でけっこうでございますから、そういう海外の必要重要物資について、こういったことでこれから安定供給しようとしておるのだということを、ひとつここで、国民の前で納得いく御説明をしていただきたいと思います。
○中曽根国務大臣 世界的に資源が不足してきておる状況、特に農林水産物あるいは非鉄金属等が顕著でございます。そこで、でき得べくんば日本の外貨を活用する一環ともして、そういう物資の備蓄を兼ねた政府関係機関をつくって、そして政府が直接やる場合もありますし、あるいは利子補給等によって一般の民間団体にやらせる場合もありますし、自分で抱く場合もありますし、あるいは民間にそれを保有させておくということもあり得ましょう。いろんな商品別の機能によって、おのおの最も適切であると思うような方法を考えて、一面においては備蓄を行なう。そして、ある程度安いときに買っておいて、上がるときにそれを放出する。アメリカでは戦略物資についてやっていますけれども、私たちは、そういう戦略物資という概念でなくて、国民生活に緊要な物資についてそれをやっておく必要が出てくるのではないか。そういう考え方に立ちまして、輸入備蓄という意味の公団ないし政府関係機関をつくろう。それから、いま関係各省において事務レベルで、どういう構想でやるか、いろいろ協議しておるような次第であります。
○近藤委員 農林省から……。
○鶴説明員 流通企画課長でございますが、私の直接の所管でございませんのでたいへん申しわけございませんけれども、私が聞いておりますところでは、備蓄あるいは開発輸入等につきましては、小麦、飼料、穀物、大豆等の農産物が、大部分を輸入に依存しております実態もございますので、その輸入の安定的な確保をはかりますために、開発輸入あるいは輸入先の多角化を進めますとともに、備蓄問題についても、今後の国際的な食糧需給の動向を見守りながら検討を進めておると聞いております。
○近藤委員 繰り返して申しますが、一片の法律でできることには非常に限度があると私は思いますし、大事なことは、国民大衆が国の政策に対して安心を持ち、とりわけ、自分たちの生活に最も関連のある物価の安定については安心を持っていただくことが最大の問題でありますが、率直に言って、残念ながら現段階においては、ほかのこともさることながら、物価については全く信頼がないような状況であります。これはどうしても正していただかなければなりませんので、そういう通産大臣の新しい構想なり、また農林省のお考えなりが、当然いろいろな費用を含むわけでありますけれども、そういう費用がかりにかかったにしても、それは国民の最も大事な物価安定のための費用と考えれば、まさに数百億、数千億の金にもかけがえがないのじゃないか、かように私は考えておりますので、ぜひひとつ勇断を持って、通産大臣がお出しになった構想を進めていただきたい、かように要望するわけでございます。 と同時に、私は、先日のこの委員会で企画庁長官にお話をしたわけでございますけれども、ともかく今度の場合は、全く現状がどうなるかわからない、無我夢中で買いあさったという感じがございます。現実に、生活関連物資について、特に現在の需要供給の状態はどうなっているのだ、かりに供給が足りない場合には、時間を限定して一カ月後、二カ月後にはこういうことで、必ず必要な供給の確保をいたしますということを、新聞その他のマスコミ、特に直接的にはテレビを通じて、国民に説明をしていただきたい。すでに予算があっていろいろお考えであるということでございますが、私は、どうもテレビを見る時間がないせいか、いまだかつてこういう物価問題、需給問題について、政府が納得のいくような説明をしたというテレビ番組にぶつかったことがないわけでございますけれども、視聴率の高い時間帯をねらって、たとえばNHKの「スタジオ一〇二」だとか、場合によっては、そのあとで出ております「こんにちは奥さん」というような、非常に視聴率の高い時間帯をねらって、政府は国民に対して、納得ができる、積極的な説明をしていただくことが私は重要であると考えますので、先日も長官に強く要望しておったわけでございますが、特にこの際、さらに強力にお願いを申し上げたいと思います。長官、ひとつ……。
○小坂国務大臣 御趣旨は全くそのとおりであると思いまして、そのように努力いたします。まあなかなか政府の言うとおりやらしてくれる——いまのお話のような、「一〇二」に出たいからといっても、そうですかというわけにいきませんのです。こういうふうに思いますといっても、必ずそうならぬだろうというコメントがつくようなわけで、なかなかその辺は苦労が要るわけでございます。せっかく努力いたしまして、御期待に沿いたいと思います。
○近藤委員 小坂長官も中曽根大臣も、国民に対してはたいへん人気のある、説得力のある大臣でいらっしゃいますので、ぜひひとつお願い申し上げておくわけであります。 最後に一つお聞きしておきたいわけであります。 先ほど申しました大手商社の行動基準に関しての質問になるわけでありますが、某大手商社が地方に参りまして、ガソリンスタンドの適地を見つけて、この土地の所有者とガソリン販売の契約をさせる。必要なスタンドや店舗その他の設備は商社がつくってやるなり、融資をやってやる。大体日歩三銭前後の金利で金を貸し付けておいて、そしてそのガソリン代金のサイトは六十日にしておいて、結果として、代金の支払いが滞ってくると、その土地を担保に取っておるわけでありますから、取り上げてしまう。そういう形で地方都市のいいところを買収をしていく。こういう事例があるようでございますが、こういう事例について通産省としてお調べになっていらっしゃるかどうか。もしもその事実を御存じなら、これに対してどのような規制をお考えになっているか、最後に承っておきたいと思います。
○中曽根国務大臣 私、具体的なことはまだ聞いておりませんので、局長をして具体的な御答弁をさせたいと思いますが、ガソリンスタンドにつきましては、一面において消費者の便宜と利益を考えますが、一面においては保安上の安全性、それから乱売に基づく弊害、これは乱売で安値の競争が出てきますと、無鉛化ガソリン、そういうものがおろそかになりまして、鉛の多いものを安く売る、そういうことに走りがちでありますから、これは業界内部においても、検査所を設けたりして共同規制をやらしておるわけです。そういうようなことがおろそかになってはいけないということで、行政指導をもちまして、大体どの程度の距離に一軒、人口及び周囲の環境との調和、安全性も考えて、届け出制ではありますけれども、行政指導しているのが実態でございます。 それで、たしかいま全国に二万くらいだったか、二万から四万くらいスタンドがあると思いますけれども、それでもいろいろ過当競争の気味がありまして、場所によっては問題が起きているところがございます。しかし、いまお話しのように、商社がかなりの資金力を持って、土地を提供させてつくって、その間に滞ってきてこれを取り上げるというようなことは、これは考えれば、ないと断言はできないケースではないか、そう思います。しかし、そのこと自体が商業道徳にふさわしい行為であるかどうか、また、優者としての地位を利用した独禁法上の条項に抵触しないか、そういう問題もこれは検討さるべき問題であると思いますが、もし御指摘のような事例がありましたら、私らのほうに内報していただけば、調査もしますし指導もいたしたいと思います。具体的には局長から答弁させます。
○根岸説明員 ただいまの問題につきましては大臣から申し上げたとおりでございますけれども、取引の形態と申しますか、これは御承知のとおり、元売り、特約店、販売店という形で物が流通するという形になっておりますので、手続上では、先ほど大臣が申し上げましたとおり、この問題については、品質の確保というようなことから元売りとの関係を非常に重視しておるわけでございます。ただ、この間に特約店が入りました場合、それが地方の大きな石油販売店であるか、あるいはいま御指摘のありました商社が入るかという段階があるわけでございまして、これは届け出の段階では明確につかめておりませんので、私どもとしても、そういう事実がはっきりあるのかどうかということについては、明確にはつかんでおりません。
○近藤委員 いま担当の課長から御説明があったのですが、現実にそういう形でガソリンスタンドの系列化が行なわれている事例もございますので、その点については十分に調査をしていただいて、適切な処置をとっていただきたいと思うわけでございます。 最初に申しましたように、今度の物価問題についても、大手商社というものが俎上にのったわけでありますけれども、大臣の御答弁にもあるわけでありますが、大手だから何でもやっていいのだということじゃないので、やはり一定の社会的な責任というものがあるわけでございますから、これを十分に認識をして行動してもらうように、十分政府としても指導、説得に今後強力に当たられますことを希望いたしまして、私の質問を終わります。
○山中委員長 次に、金子みつ君。
○金子(み)委員 私は、このたび政府のほうで提出されておられます、この議題となっております法案ですが、この法案は、いわば大手商社の行き過ぎを押えて、そして国民生活に安定を来たさせようという目的のためにおつくりになったものだと考えられますので、国民としてはたいへんに期待を寄せていると思います。 そこで、私は、きょうはたいへんに事務的な質問をさせていただくことになるのでございますけれども、この短い法律の中に盛られております意図、それもございますが、その前に、各条文の意味を理解させていただきたい、このように考えるわけでございます。 まず第一条から逐条でやらせていただきたいのでございますが、「この法律は、生活関連物資(食品、繊維、木材その他の国民生活との関連性が高い物資をいう。以下同じ。)」ということになっております。さらに、「買占め及び売惜しみに対する緊急措置を定めることにより」云々となっておるわけでございますが、この一条の中で、私どもが理解ができないことばが幾つかございます。売惜しみとか買占めとかいうようなことばは一般用語だと思っておりましたが、法律用語としてお取り上げになっていらっしゃるということになりますと、その定義を明らかにしていただきませんと、何を一体買占めといい、何を一体売惜しみというのかわかりませんし、それから、どの程度のものなのかもわかりませんし、たいへんに主観が働いてしまうおそれがあると思います。これの定義をまず教えていただきたいと思います。 一条の中でもう一つは、生活関連物資の中で食品、繊維、木材というのはいま問題になっております物資でありまして、これは明らかに示されておりますけれども、あとは「その他」としてひっくるめているわけでございますね。この、その他というのが非常にあいまいでございますが、その他というのは、生活関連物資全部をさすものなのかどうか、その辺のところもあわせて御説明願いたいと思います。
○小島政府委員 まず最初の、買占め、売惜しみということばの定義という点についての御質問でございますが、この法案におきましては、物統令の場合と異なりまして、業務上不当の利益を得る目的というようなことが要件とされていないわけでございます。一般的に買占めとか売惜しみとかというものが認定できれば本法の対象となるということができるのでございます。したがいまして、買占め、売惜しみの具体的な認定にあたりましては、物資の特殊性、その時点における当該物資の需給関係等を考えまして、やはり相対的に判断せざるを得ないということでございます。 それからなお申し添えますと、買占めということばは、ごく一般的に狭い意味に使われることがあると思います。と申しますのは、そのものの全体の流通量の中で相当部分を独占的にまさに買い占めてしまう、そういう場合が非常に狭い意味の買占めでございますけれども、この法案における買占めと申しますのは、そこまで広い場合を意味するわけではございませんで、もっとわかりやすく申しますと、多量の買いだめというような意味に使っております。したがいまして、一つ一つの、かりに大商社が、全体の流通量の中で五割も六割もまさに買い占めるところまでまいりませんでも、ふだんの在庫量等に比べて非常にたくさんのものを買って持っていれば、それは本法における買占めということばに該当するというふうに考えております。 それから、生活関連物資の範囲はどうかということでございますが、この第一条、先生お読みいただきましたように、ことばの本来の意味から申しますと、生活関連物資というのは、われわれの国民生活に関連するすべての物資が生活関連物資ということでございますけれども、本法案におきます生活関連物資は、カッコの中にございますように、「食品、繊維、木材その他の国民生活との関連性が高い物資をいう。」という限定があるわけでございまして、したがって、生活に関連のあるものは何でも含むということでは必ずしもございませんで、やはり国民生活における有用度、そういうものが一つの基準になるわけでございます。具体的にはそのものの家計支出におけるウエート、これは普通はむしろCPIのウエートということで使われておるわけでありますけれども、CPIにも出てまいらないような非常に微細なものは少なくとも考えていないということでございます。 ただ、ウエートがあまり大きくございませんでも、もう一つの基準として、やはり日常生活にとって緊要性と申しますか、めったに使わないものではあるけれども、非常に欠かせない重要なものというものもあるわけでございまして、単純に家計支出の中のウエートだけで考えられないのではないかと思います。この間問題になりましたたとえばガーゼのようなものは、これはやはり生命の安全とか健康に関する非常に重要な緊要なものでございますので、そういう観点も必要であろうかと思います。
○金子(み)委員 御説明ございましたけれども、非常にむずかしいですね。そういう御説明で国民が納得できるかしらということなんでございますけれども、御説明なさるほうもむずかしいかと思いますけれども、相対的な観点からものを見るというふうになりますと、その時限時限でしょっちゅう変わるということになってまいりますね。ですから、非常にきめることはむずかしいのかもしれませんが、しかし、それならだれがそれを判断するかという問題になってくると思います。その判断が誤りますとまた狂ってくるということになるのでございませんでしょうか。 そこで、その判断基準というものもやはり考えられなければならないんじゃないかと思うのでありますが、その辺はどのように御説明いただいたらよろしゅうございましょうか。
○小島政府委員 現実に物資をきめます場合の問題は、この法律を発動いたしまして、まあ買占めとか売惜しみによって異常にそのものの価格が高騰して、国民生活に大きな悪影響を及ぼすようなものを排除するということが目的でございますので、初めから、ここからここまでが範囲ですということが必ずしも明確にし得ない。法律の目的とするところを達成するように、特に特定物資の指定に関しましては、指定してまいらなければいけないということだと思います。そういう意味から申しまして、私どもは、あとでも御質問出るかと思いますけれども、放出命令を出して、それを聞かなければすぐに罰則というような強い体系にいたしますことは、いろいろな意味で基準がむずかしいという点にからんでくるわけでございまして、したがいまして、生活物資の範囲が明確でないという御質問はごもっともなんでございますけれども、それだけ全体がやはりソフトな性格を持たざるを得ない面があるというふうに理解いたしております。
○金子(み)委員 第二条も同じような問題でございます。これもやはり定義が知りたいと思ってお尋ねするんですけれども、「生活関連物資の価格が異常に上昇し又は上昇するおそれがある場合」特定の物資を指定するということになっておりますけれども、この「異常」の問題なんです。この異常ということばは、前から非常によく使われております。ことにこの委員会では、質問者のほうもあるいは御答弁なさる側でも、このことばを簡単に使っていらっしゃるのですけれども、「異常」というのはやはり定義がなければならないんじゃないでしょうか。その辺どうなのか、御説明いただけますでしょうか。
○小島政府委員 やはり非常にむずかしい御質問でございまして、何%以上ならば、何割以上ならば異常かということも、一がいにどうも申せないわけでございます。やはり一般的な社会的通念に基づきまして、物資ごとにその物資の特殊性とかあるいはその時点における経済情勢等を考えまして、ケース・バイ・ケースに判断してまいるということしかお答えしようがないわけでございます。 ただ、一つの判断の基準といたしまして、国内の価格がパーセントとしてはかなり上がりましても、たとえば海外の輸入価格自身——海外の輸出価格、こちらからいえば輸入価格でございますけれども、こういうものは、海外市況の影響で非常に上がっているという場合には、これはある意味でやむを得ない上昇でございますから、そういう範囲内、合理的であると認められれば、パーセントはかなり大きくなっても、これはこの法律で考えている異常な上昇ということにはならないというふうに思いますが、いずれにいたしましても非常に相対的に考えざるを得ないということでございます。
○小坂国務大臣 ただいままでの御質問、いろいろごもっともな点があると思うのですが、根本的にこの法案のねらいというものを申し上げて、御理解を願いたいと思うのでございます。 この法律は、問題とされておる生活物資が、国民の必要としている物資が出回ってくるように、そしてその価格も安くなるようにということがねらいでございます。したがいまして、物統令のような、不当な利益を得ている者を罰するとかそういうことではなくて、国民が現に要望している物を行政庁として判断をいたしまして、そして、あると思われるところへ行って資料の提出を求めたり、これを出しなさいと言ったりするわけでございます。なお、これに立入検査をする。これは行政的に拒否できないような立入検査をする。その結果によって物が出回ってくるというところがねらいになっておるものでございますから、いまだんだんと御質問のような定義というものは、必ずしも一定不変のものである必要はなくて、そのときの判断に基づいて、行政的な責任において敏速果敢に行なって、国民の要望する物資を出回らせるというところにねらいがあるわけでございます。
○金子(み)委員 先に進めさせていただきます。 全部関連があると思っておりますけれども、次に四条、勧告と公表の部分でございますが、これが五条につながって一連の関連があると私は考えておるのでございますけれども、第四条の中ほどに、「当該特定物資を多量に保有していると認めるときは、その者に対し、内閣総理大臣及び主務大臣の定める基準に従い適当と認められる」云々、そしてこれを「売り渡すべきことを勧告することができる。」というふうになっておりますが、ここで「定める基準に従い」とございますけれども、この「定める基準」の内容はどういうものをお考えになっていらっしゃいますでしょうか。その基準は形として法律の中に出てきておりませんから、これは政令か省令かでお出しになるのでございましょうが、その辺のお考えをお知らせいただきたいと思います。
○小島政府委員 基準と申しますのは、私どもは告示で出すつもりにいたしております。 この基準の内容でございますけれども、現在検討中でございます。たとえば、全国的に非常にものの出回りが悪くて価格が上がっておるときには、これを排除するために、全国的に物が出回るような基準をつくるという必要がございますし、特に、ある地域に問題が顕在化して、先鋭化しているような場合には、その地域に対する出回りを促進するような基準をつくるというふうなことを考えておるわけであります。
○山中委員長 松浦君。
○松浦(利)委員 いまの金子委員の質問に関連して長官にお尋ねをいたしますが、内閣提出の法律では、マージン、商社が行なうマージン率、このマージンについても規制ができるのですか、その点ひとつお答えいただきたいと思います。
○小島政府委員 マージン率についての規制は考えていないわけでございます。
○松浦(利)委員 それでは長官、ちょっと私もきのう参議院の本会議で、野党提案の趣旨説明のために大臣席におったわけでありますが、その間、通産大臣がわが党の伊部議員の質問に、本会議場でこのように答弁をしておるわけであります。 読み上げます。「それから、流通の過程でマージンを審査する考えはどうかという御質問でございますが、一定の限度を逸脱した大幅のマージンについては、情勢により行政指導ないしはこの法律の発動によりまして、これを規制する必要があると思います」こういう答弁を明確に、通産大臣が本会議場において行なっておるわけです。 この点について経済企画庁長官、この通産大臣の答弁は正しいですか。
○小坂国務大臣 この価格ですね、あるいはその価格から生ずるマージン、そういうものにわれわれは干渉する気持ちを持っておらぬのであります。ただ、一般的に良識の線がございまして、買占めあるいは売惜しみによって非常に多額のマージンを得ておられるようなものについては、そういうものを得ないように行政指導をする。その行政指導の中には、もっと物資を放出させて、そして安い価格にするということももちろん含まれておるわけでございますが、価格そのものについて統制するという気持ちはございません。これは実は、私どもの自由民主党の基本的な方針でございまして、価格とか利益そのものに入っていって、利益はかくあるべきであるということを言わないことにいたしております。 かつて、戦後に、インフレ対策の一つとして、物価それぞれに入っていって、個々の物資の公定価格をつくって、そのマージンを考えて公定価格を考えるというやり方をやったときには、実は非常に膨大な人員を擁したわけでございまして、経済企画庁の前身である経済安定本部の場合を見ますと、五千八百人からおったわけです。そういうことは一般の市場メカニズムにまかしたほうがよかろうということで、だんだんこの方式を変更いたしまして、今日は物価局を申請しておりますが、物価局そのものには三十三人、経済企画庁全体としても五百五十三人ということでやっておるわけです。そういうことで、価格そのものに入っていきますと、いまの行政機構が膨大にふくれ上がってしまうというふうに考えております。
○松浦(利)委員 それでは、通産大臣がきのう本会議で答弁した内容と、いま経済企画庁長官が言っておられることには、たいへん大きな違いがあると思うのです。いいですか、もう一ぺん読み上げますよ。これは参議院の本会議場ですからね、ここで幾ら修正しても、私は問題は解決しないと思うのです。ここに持ってきたのは参議院の会議録です。(小坂国務大臣「いや、私の言ったとおりです。もっとお読みになってください」と呼ぶ)「一定の限度を逸脱した大幅のマージンについては、情勢により行政指導ないしはこの法律の発動によりまして、これを規制する必要があると思います」こう言っておられるでしょう。「思いますが、これは、この法律の制定を待ちまして、運用を行ないまして、推移を見たいと思う次第でございます。」明らかに、この法案がこれを規制する必要があると思いますがと、こういうふうに言っておられるわけでしょう。「これは、この法律の制定を待ちまして、運用を行ないまして、推移を見たいと思う次第でございます。」と言っておられるわけでしょう。どう日本語を解釈してみても、明らかにこれは、この法律でマージン率を規制するということを言っておられるじゃないですか。「情勢により行政指導ないしはこの法律の発動によりまして、これを規制する必要があると思いますが、」本会議でこう言っておられるでしょう。
○小坂国務大臣 よく聞いていただきたいのですが、いまやっておる政府の方針は、行政指導によってやるというわけですね。行政指導によって及ばざる範囲については、この法律を出して、そして立入検査等をやっていくということでございまして、ねらいは、それによって物資が出てくることをねらいにしている。物資がたくさん出てくることによって、利益の不当なマージンがあればそれはおのずから下がってくる、こういうことを考えているわけで、通産大臣のおっしゃることも、私の言うことも、そのとおりなのであります。
○中曽根国務大臣 私が答弁申し上げましたのは、行政指導またはこの法律の実施によりという、この法律の実施という意味は、勧告とか調査とかあるいはそういうことによって在庫の放出を促す、あるいは実態調査することによって商社が自粛をして、そして値下げを行なうとかあるいは放出するとか、そういうこの法律の実施による効果を援用して抑制する、そういう意味であって、この法律を直接適用して価格を引き下げたりなにかするということは、もちろん条文上もできないことであります。
○松浦(利)委員 伊部議員の、流通の過程でマージンを審査する考えはどうかという御質問に対してお答えをする、こういうことを言っておるわけですよ。そして、「一定の限度を逸脱した大幅のマージンについては」——わざわざマージンと断わっておるのです。「一定の限度を逸脱した大幅のマージンについては、情勢により行政指導」——マージンについても行政指導するということをあなたは言っておられる。「ないしはこの法律の発動によりまして、これを規制する必要があると思います」——そのことは明らかに、マージンを規制するということを言っておられるのですよ。そうでしょう。
○中曽根国務大臣 いや、私の意図は、もちろん法律を私は知っておりましたから、この法律の実施によりという意味は、いま申し上げた調査権の発動とかあるいは勧告とか、そういうことによって業者が品物を放出したり、そういうことによってマージンを抑制していく、そういう意味で物価抑制にも資する、そういう意図で言ってあるので、この法律によってマージンを直接規制するということは、もちろんできないことであります。
○松浦(利)委員 いまあなたが言っておられることは、本会議で言っておることを、いまあらためてことばを継ぎ足して言っておられるにすぎないと思うのですよ。 それでは、マージン率について行政指導なさるのですか。もっと具体的にお聞きすれば、通産大臣は、マージン率については、情勢により行政指導するわけですか。たとえば何%までが正しいマージンだ、それ以上は高いのだという行政指導をなさるのですか。
○中曽根国務大臣 それが暴利にわたると思われるような場合には、もちろん行政指導いたします。
○松浦(利)委員 先ほど金子委員も言っておりますけれども、それでは、暴利によるマージンに対して行政指導ができなかった場合、この後段で、この法律の発動によってそのマージン率の規制をするのだ、こう言っておるわけです。規制というのは明らかにマージンにかかっておるのです。そうじゃないですか。
○中曽根国務大臣 これは、発言者の意図が一番真実ではないかと私思うのです。もちろん、ことばが足りないところがありましたら、それは遺憾の意を表しますけれども、私の意図は、勧告とか調査ということが頭にあったので、そして、そういうことによって行政的圧力を加えることによって商社自体が自粛をする、あるいはそれによって物を放出する、そういうことによってマージンも下がっていくでしょうし、また物価も下がっていく、そういう意味で、この法律の援用という意味を実は申し上げたわけであります。
○松浦(利)委員 会議録をとってこられて援用ということばを使われておるのだろうと思うのですが、きのう、それからきょう、会議録をとった範囲内ではそういうふうにはとれませんね。現実に参議院の本会議では、あなたはそういう答弁をしておるわけでありますから、この問題については、いま言われたように修正なさるなら修正なさる、あるいは舌足らずだったら舌足らずだったということについての処理を明確にする意味で、ぜひ理事会その他でこれは処置していただきたいと思うのです。そうしなければ、あるところではこういう答弁をして、その答弁に対してそのような受け取り方をしておったところが、今度は逆のところではそれは舌足らずだった、これはこういうことですという表現をされていったら、私は審議は進まないと思うのですよ。ここで出たことがまた参議院に行って変わるというようなことではたいへん問題があると思う。そういうことも含めて、この際理事会で、この参議院の本会議における通産大臣の答弁というのをある程度処置していただきたい。そうして、その処置について、政府の見解をここで明確にしていただきたい。そうしなければ、金子委員が幾らここで逐条審議していきましても、それで了解したと思ったら、また違う問題が出てきたときにころっと発言が変わったら、何ぼ法律をつくっても、運用解釈でどうにでもなるという悪例を残すと思うのです。そういう面で、委員長のほうで処置してください。
○中曽根国務大臣 私の意図は、ただいま申し上げました、この法律の実施という意味は、勧告とか調査とかそういう行政行為を行なうことによって商社が反省し、あるいは品物を放出する、そういう結果が出てきて、それによってマージンも抑制されあるいは価格も引き下げられる、そういうことを頭に置いて、この法律の実施によりという意味を言ったのであります。この法律によってマージンを下げたり上げたり、直接規制するつもりは頭にございません。しかし、そういうふうな誤解を与えたとすれば舌足らずでございまして、それはこういう意図であったということをここで釈明申し上げる次第でございます。
○山中委員長 質疑応答を分析して、理事会で善処しましょう。 金子君。
○金子(み)委員 私の質問を続けたいと思います。 四条と五条の関係でございました。四条では、いま、主務大臣の定める基準を告示で出すのだということを伺いましたが、それに従って「売り渡すべきことを勧告することができる。」勧告というのは、命令ではございませんですね。お出しになったらいかがですか、売り渡したらいかがですかという、商社に対するおすすめでございますね。非常になまぬるいと思うのでございますけれども、もしこの勧告に従わなかったら公表する、こういうことになっているわけですね。しかし、それで問題は解決いたしますでしょうか。非常に疑問だと思いますけれども……。
○小島政府委員 この法案におきまして、買占めなどをしました者に対しまして勧告、公表という措置をとることにいたしておりますのは、勧告違反者に対する公表によりまして、その者に広く社会的制裁が加えられるということが期待されるわけでございまして、やはりこの法案は、毎々申し上げておりますように、非常にこまかい中小零細企業等を直接の対象に考えているわけでございませんで、もっぱら経済的な影響の大きい業者を主たる対象として考えておりますから、そういうところは、新聞その他に、勧告に従わなかったというようなことを公表されることは、非常に大きな社会的な制裁であると思います。すでに先ごろから、商社の方々も本委員会等に参考人として呼ばれまして、いろいろ社会的な指弾を受けて、かなりそれだけでも自粛しつつあるものと私は確信いたしておりますけれども、そういう意味では、大きな商社であればあるほどそういう意味の社会的な制裁をおそれる、なおおそれるという気持ちが強いというふうに確信いたしております。 それからもう一つは、命令を出して聞かなければ罰則というような強い線を出しますことは、先ほど来申しておりますように、ある物の買占めなり売惜しみの程度の、たとえばパーセントからいいますと、小さいところでもっと率としては大きな買占めをすることがあるかもしれないと思うのです。ところが、小さいところは、経済的な影響から見ますと、この法案の対象として一々対象に考えるということを考えていないわけでございますから、買占めの割合からいえば、小さいところよりも少ないかもしれないけれども、大商社がそういうことをやりますと、量が大きいために経済的、社会的に影響が大きい、こういうところでこういう措置をとったわけでございますので、きつい命令、罰則ということになりますと、やはり法律的にはある程度公平でなければいけないということが出てまいるわけでございます。そういう意味から申しますと、きつい法律をつくってそれを施行する場合、ほんとうに十分に公平でやっていけるかということになりますと、いろいろ問題も出てまいります。そのためにはやはり非常にきびしい基準をつくらなければいけない。そういう基準は、先ほど来申しておりますように非常にむずかしいわけでございまして、そういう点から私どもといたしましては、現在の体制におきましては、この法案の考えているところは最も妥当であり、これによって十分効果を期待できるというふうに考えているわけでございます。
○金子(み)委員 確かにこの法律の中に罰則の条文ございますけれども、この罰則は、四条の規定には適用させていないわけでございますね。全然違うものに対しての罰則ということになっています。ですから、四条は罰則が適用されないということがわかるわけなんですけれども、そうすると、勧告、公表だけで十分目的は達成されると政府側は考えていらっしゃるようでございますけれども、私は非常に疑問があると思うのでございます。 確かにいまお話しのように、大きな商社であればあるほど名前を重んずるから、公表されることのほうが、罰則を受けることよりもおそろしいのだというふうにおっしゃっていらっしゃいますが、その理屈もわからないわけではございませんけれども、昨年の秋以来のこの物価の高騰の問題などから考えてみますと、先般商社の方たちに来ていただきましたしいろいろやってみますと、はたしてこれで、あの方たちの考えていらっしゃること、あるいは商業道徳と解するのか、商社の方たちの行動が押えられるかどうかということは、非常に疑問だと思うのでございます。それはやってみなければわからないとおっしゃるのかもしれないと思いますけれども、私は、二度と再びあのようなことが繰り返されないためにこの制度がつくられるのだというふうに解釈するわけでございます。ですから、そうでございましたら、そのことの効果が確かにあらわれるということがはっきり見越せるような内容にしていただきたいのでございます。ですから、この勧告の場合でも、公表の場合でも、いま御説明がありました程度でいけるかどうかということは、私いまだに、まだ疑問を残しております。しかし、御説明を繰り返しお願い申し上げましても、御答弁は同じだと思いますから、先へ進んでいこうと思います。 第五条に関連させてお尋ねしたいのですけれども、五条では業者に対して業務に関する報告をさせるようになっておりますですね。この報告によっては立入検査をしよう、こういうことになっている。立入検査が行なわれるということは、この法案の中では一番山場になっているのだということも再三おっしゃっていらっしゃいますので、そのこともわかるのでございますけれども、立入検査をする前に報告させていらっしゃるわけですね、事前の行為として。 この報告は、いまのお考えでは、これは定期的に報告させなさるのでしょうか、それとも随時報告させなさるのでございましょうか。その辺はどうなんでございましょうか。
○小島政府委員 これはやはり随時ということでございます。問題になりましたものにつきまして、立入検査がうしろに控えておりますだけに、つまり報告についても正しい報告が自主的に提供されるということを期待しているわけでございまして、それによって正しい情報が確実に把握されれば、一々立入検査をしなくても済むわけでございまして、その意味では、立入検査がうしろに控えている場合の報告聴取とそうではない場合の報告聴取というものは、かなりやはり性格が違うというふうに私考えております。
○金子(み)委員 わかりました。ただ、私はこんなふうに思うのでございますけれども、これは報告するのは業者自体でございますよね。ですから、自分で報告するわけですね。たいへんに客観性に欠けるのじゃないかという心配がございます。こういう場合には、第三者の形で当該都道府県の知事に、投機の実態があるかないか、買占めあるいは売惜しみ等の状態が行なわれているかどうかというようなことについても当該都道府県知事の意見というものをあわせて出させるというふうなことは、お考えになりませんでしょうか。
○小島政府委員 これは、都道府県の知事さんが何か御意見ございました場合には、地方行政連絡会議を通しまして一般的に大臣に意見を申し出ることができるわけでございまして、個々のケースにつきまして、自分の県の中でこういうことがある、こうしてもらいたいというようなことは、これは別に法律に基づかないでもどんどん言っていただいて、われわれもその意見を尊重いたしたいと考えております。
○金子(み)委員 一連の行ないとして考えるわけでございますが、報告をさせて、そしてその結果によっては立入検査をする。立入検査をした結果はどうなるのでしょう。そのことはどこにも明らかにされていないのですけれど。
○小島政府委員 順序がこの法律の上では逆になっておりますけれども、立入検査をしました結果が、第四条の必要に応じて勧告及び公表ということになるわけでございます。
○金子(み)委員 そうだといたしますと、私はやはり、先ほどの勧告と公表というのは手ぬるいという感じがするのでございます。これは国民に公表するわけでありますからそれでいいということなんでございますけれども、同時にこれは国会に報告させるということは、お考えになりますでしょうか。
○小島政府委員 一般に公表いたしますので、その限りにおいては国会関係におきましても御理解いただけるわけでございますけれども、さらにその問題についてより詳しい御報告が必要だということになれば、これはいろいろこういう機会を通じて、もちろん御報告させていただくつもりでございます。
○金子(み)委員 先へ進みます。 第七条ですが、立入検査をするにつきましても、特定の価格調査官という任務を持つ人がこれを行なうというふうになっておりますが、この価格調査官の問題でございますが、「経済企画庁及び主務省に、価格調査官を置く。」と書いてございますが、そのほかのことが明記されておりません。価格調査官のことについて三点ほどお尋ねしたいと思います。 その一点は資格の問題でございます。どういう資格の人を価格調査官として任命なさるのかという問題。いま一つは、どれぐらいの人を、員数ですが、用意をする御予定でいらっしゃるか。それで、その人たちはどこへ配置なさるお考えでいらっしゃるか。本省だけに置かれるのかあるいは都道府県に配置なさるのかというようなことについて教えていただきたいと思います。
○小島政府委員 資格につきましては、係長以上ということを考えております。 それから、人数でございますが、これはまだ、法律が施行されませんと、特に物資が指定されませんと、厳密に法律的に申しますと価格調査官が置けないわけでございますけれども、当然この準備も必要でございますので、現在、企画庁及び関係省庁においては、価格調査官の一種の候補者というようなことで準備をいたしておるわけでございまして、明確な人数は、まだはっきりいたしておりません。特に、物資の数がどのくらいになるかということによって、かなり変わってまいると思います。 ただ、私ども考えますのに、ある物資が指定されました場合に、その物資の需給その他非常に詳しい専門家のグループというものが当然必要でございますし、それからそのほかに共通的に、やはり立入検査というのもいろいろなテクニックも必要でございますし、専門技術も必要でございますので、そういう共通部分を担当すべき価格調査官といたしまして、企画庁におきましてはやはり若干名、五名から十名の間ぐらいではないかと思います。それから各省のほうも、明確にはまだ承っておりませんけれども、本省の関係ではやはり同程度、場合によっては地方の局にも一名とか二名とかという共通的な価格調査官を置くことを検討しているように聞いております。 それから、どこへということでございますが、ただいま申しました共通的な、どの物資にも共通するような価格調査官というものは、企画庁の場合ですと、国民生活局の中の物価政策課というところに配置いたすわけでございます。それから、各省におきましても、おそらく総括的な局、物資全体を総括するようないわゆる横割り局に置かれるものと考えます。そのほか縦割りの物資特有の調査官のほうは、物資が指定されました場合に、それに応じて関係の部局に配置されるということになるかと思います。
○金子(み)委員 いまの御説明を伺っておりますと、いまの本省の現在の職員の人たちに兼務の形になるわけでございますね。(小島政府委員「はい、そうでございます。」と呼ぶ)そういたしますと、いまお話のように、特にだれをきめるということでなくて、その必要に応じて何名かをきめるということのように伺ったんでございますけれども、必要に応じてきめられた場合に、その人たちがすでに技術的に専門的に訓練されているかどうかということが次の問題として出てくるのでございましょうが、それは、差しさわりのないようにあらかじめ訓練をするというようなことはできるのでございましょうか。任務のきまっていない人たちに特定の任務のための準備をするというようなことが役所の中で行なわれることなんでございましょうか。
○小島政府委員 物資の需給その他につきましては、農林省、通産省その他に物資別の専門家がたくさんおりますので、これは特別の訓練は必要ないと思いますけれども、立入検査その他調査に関しましては、やはり一種の特殊技能も必要だと思いますので、これは企画庁でも現在訓練の準備を進めておりますし、各省もそれぞれ準備を進めていることと思います。
○金子(み)委員 全体として法律の運用にあたっては、もっぱら中央官庁が単独で行なっていかれるように、この法律を見るとわかるのでございますけれども、他の法律がそうでございますように、法律の施行に際しては、主務大臣の諮問機関としての審議会のようなものを設けて、いわゆる第三者の客観的な意見をまじえて施行するというのがたてまえになっているように私どもは考えているのでございますけれども、今回のこの法案では、第三者による客観的な部分というのが全然ございません。非常に主務官庁の主観が強いことがわかるのでございますが、こうなりますと、政府が独自の権限を行使するというようなおそれがないともいえないと思いますし、その点は、私は、今日の法律の運用のしかたとしては非常に行き過ぎの感じがいたします。その意味におきまして、第三者の客観的な立場からの意見を取り入れるための審議会あるいはその他の機関をお設けになるお考えはございませんのでしょうか。
○小島政府委員 本法案が施行されました場合に、物資を指定して調査をするというようなことは非常に緊急を要するわけでございまして、臨機に行なうという必要がありますために、この法案におきましては、特に審議会を設置して、物資の指定は適当であるかどうか、あるいはその他のことにつきまして御審議いただいた上で政府の態度を決定するというふうにはなっていないわけでございます。もっぱら臨機、緊急に行なう必要があるというためでございます。 ただ、主務官庁の独善になりませんように、特定の物資の指定等につきましては政令で内閣の合意の上行なうということにいたしておりまして、公正が確保されますように十分注意してまいるつもりでございます。
○金子(み)委員 事件を迅速に解決させるためという御発言がありましたが、そうだとしますと、当該都道府県知事の意見とかあるいは当該都道府県知事に権限の一部を委譲して行なわせるというようなことをなさったほうが迅速かつ的確にいく、ということを考えることはできないでしょうか。
○小島政府委員 全国の扱いがまちまちになるということもぐあいが悪うございますので、一元的な取り扱いをするという必要がございます。 もう一つは、先ほど来申しておりますように、非常に零細な企業等を直接対象にすることは原則として考えておりませんので——そういうものを対象にいたしますと、とても本省なり地方部局だけでは手に負えなくて、地方の団体の御協力を願わなければいかぬということになると思うのでございますが、本法案はもっぱら経済的な影響の大きい企業を対象として考えておりますので、そういう意味からはやはり中央官庁、本省を中心とし、必要に応じて、地方に通産省、農林省の地方支分部局というものがございますので、そういうところを使いまして調査を行なうということで十分であるというふうに考えております。
○金子(み)委員 私も十分まだ納得し切れない点もありますけれども、時間の関係もありますので、本案に対する質問を一応ここでとめさせていただきます。 最後に、公取委員長がお見えになっていらっしゃいますので、公取委員長、経企庁長官に一つずつ申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。 公取委員長には、前回のときに私質問をさせていただきまして、独禁法に抵触するのじゃないかということをお尋ね申し上げましたときに御回答いただいたのを覚えておりますけれども、公取委員会では、いまの商社の投機行為がどうも独禁法に抵触するのではないかということの疑いをお持ちになって、調査をなすっていらっしゃいますね、今月の初めごろに。その結果はいかがでございましたのでしょうか、それをお知らせいただきたいのです。もうずいぶん時間がたっておりますから、結果は出ていると思います。
○高橋(俊)政府委員 私どものほうの調査は、法律の四十条に基づく調査でございます。立入調査権等を含む四十六条の調査ではありません。四十六条は、違反の容疑がある場合発動するわけであります。 したがいまして、四十条による調査にはおのずから限界がございますが、ただいま、過去三年間における各月の買い入れ、売り渡し数量、金額、それから在庫等につきまして各月の在庫調査をとって、商社その他の会社からも調査はしております。 一応調査は済んだと言ってもいいと思うのですが、ただし、これは商社の複雑なあり方について究明するのにはまだ非常に不十分な点がありますので、それほど時間はかからないと思いますが、今度はその商社等の取引先について追及する、調査を必要とするということで、すでにやった部分もございますが、それを含めまして、なお独禁法違反の事実があるかないかという点について究明をしております。いままでのところで、四十六条を発動し、直ちに独禁法違反で取り上げるというふうな事態までに至ったものはございませんけれども、なお、その事実があるかどうかを深く問いただしをいたしております。
○金子(み)委員 二条の違反は御調査なさっていらっしゃらないのですか。
○高橋(俊)政府委員 いま二条の違反とおっしゃいましたが、どの二条……
○金子(み)委員 二条の五項・六項に関する部分でございます。不当な取引制限、「単独に、又は他の事業者と結合し、若しくは通謀し、」ここのところでございます。
○高橋(俊)政府委員 つまり、独禁法の二条の定義にある独禁法違反と認められるものでございますね。それにつきましても、それがあるかないかを究明するために、問いただすために、いま四十条に基づく基礎的な調査を行なった、こういうことでございます。
○金子(み)委員 経企庁長官に最後に伺いたいことがございます。 前回のときにも申し上げたのでありますけれども、今日のような非常事態になったインフレの問題でございますけれども、この事態をこれ以上深刻にさせないために、そうしてほんとうにインフレ——インフレとお考えになっていらっしゃるだろうと思います。というのは、政府では、消費者物価が上がっている間は別にインフレだと考えないけれども、卸売物価が上がるようになったらインフレなんだと解釈しているようでございますので、今日卸売物価が一一%も値上がりっぱなしになっておるのですが、これはまさにインフレの状態だといわなければならないと思うのです。このようなことがこれ以上深刻になって国民生活に不安を与えるようなことがないように、経企庁長官となさいましてはどのような対策をとりあえず、あるいは今後とも、将来性を見越した上で立てていかなければならないとお考えになっていらっしゃいましょうか、それをお聞かせいただきたいと思います。
○小坂国務大臣 まあインフレーションの定義には——そんなこと、ここで言ってもしようがないのですけれども、要するに物価が大幅に継続的に持続的に加速的に上昇するということを、最近、近代経済学というものではいっているわけでございますが、その意味で、卸売物価が上がったことも、これは継続的に上がっていくという前提があるんで——現に、このところ少し下がってきております。きょうの新聞などにもそれは出ておりますが、私どもとしては、何としてもインフレ、いわゆる悪性なインフレーションにしちやいけない、ことに物価、賃金のスパイラルが卸売物価にいく、消費者物価にいくというようなそういう形になっちゃいかぬということで、実は非常に心配して、できるだけのことをしようと思ってやっておるわけでございますが、どうも微力でございまして思うようにまいりませんけれども、全般的に申しまして峠は越したといいますか、そういう感じはしておるのでございます。 で、何といっても財政金融の措置というものは一番根本的に重要だと思います。たとえば、この間の七項目の対策でも一番先にいっておりますように、財政の弾力的運用、率直に言うて、年度を越えない繰り延ばしでございます。これについては、いまのところ一応の繰り延ばしの基準はしておりますけれども、これでいいかどうか、もう少し検討してみたいと思います。要するに、公共事業がうんとふえることによって鉄なりセメントなりがまた、やはり大きく需要されるわけでございます。そういう点をどう調整するかということを考えなければならぬと思います。 それから、金融もだいぶ引き締まってまいりまして、人によっては、この下期は相当不況感が出てくるだろうと言っておりますが、むしろ、不況感が出てきたときに財政的な支出をするということがいいんで、上期はもっと財政を締めてもいいんじゃないかというふうに私などは思っておりますが、いろいろ事情もございますから、その点に適切なことを措置してまいりたいと思います。 それから、この法律にも非常に期待しておるんで、そんなことを言うとお気にさわるかもしれませんけれども、私ども、三月に出しているのでございますから、議論していただいているうちに五月の声を聞いてしまうのではないかと、実ははらはらしているわけでございます。しかし、この法律はなくても、この委員会の皆さんがよく考えてくださいまして、先般来、商社を呼んでいろいろ御審議をされたということなどは、これは国民に与える影響が非常に大きいし、商社自身の反省にも大きくつながっていると思うのであります。現に、きのうの夕刊を見ますと、丸紅が形鋼を出したということが書いてあります。安く形鋼を放出した、これなどはだんだんそういう気分になってきたことの証拠である。 私ども、そういう情勢で、これは今後どんどん締めてまいりますし、それから情報の提供ということも、この間ちょっと笑われたのですけれども、みんな上がる上がると書くから、下がっているものもさがして出せといったら、四十九品目先月より下がっているものがある。それから、前年同期に比べて六十九品目下がっておるものがある。四百二十八品目からすれば、まあ微々たるもの。これを半分にし三分の二にし、そしてみな下がらせるというところまで持っていきたいと思っておるわけでございます。これなどはほんとうに真剣に立ち向かおうと思っている次第でございます。 実は、物価の問題というのは全国民の問題でございますので、いろいろとひとつ御支援を賜わりたい、党派を越えて御協力を賜わりたいと思っている次第でございます。いずれにいたしましても、この状況は非常によくない。これはどうしても国民のために、蛮勇をふるっても物価の問題を征伐しなければならぬと思うのでございます。 それから、この間、これは公取委員長が他の機会でおっしゃったことで、私非常に感銘を受けたのですが、一つの物資が急に上がる、たとえば生糸などの相場が急騰するのは、どうも商社以外にも——商社があるとかないとかいっておるわけですが、それ以外にも何かあるのではないか。私も、これは初めから非常に気にしているんですね。私は一月ごろからそう言っているんですけれども、たとえばヨシノ・ダラーであるとかナニワ何とかというような膨大な資金が動いておる。ちょうど過剰流動性のかたまりみたいなものがある。これは一体何であるかということですね。そういうところもやっぱり何か手を入れないと、無知というか、情報の行き届かない消費者に、上がるぞ上がるぞといってやたらに買い急がせて、そして今度は政府が乗り出して下がるときには、あわてて買った人が損をする、実に非常な社会的な悪だと思うんですね。そういうものをやっぱり国民の名において制裁するということを考えなければいかぬのではないかというふうに思っているわけでございますが、そんなことで極力努力したいと考えております。
○山中委員長 次に、野間友一君。
○野間委員 まず、食糧庁の長官にお聞きしたいと思います。 去る四月十一日、この物特の委員会で参考人調べをやったわけですけれども、そのときの丸紅の米の扱い量に関して、これはモチ米の自主流通ですが、御質問を申し上げたいと思います。 〔委員長退席、松浦(利)委員長代理着席〕 私どもが食糧庁の統計としていただいておる数字によりますと、四十七年度産のモチ米、自主流通米の扱い量は、丸紅に関していいますと七千八百トン、金額にいたしますと約十三億円程度だと思うのですけれども、こういう統計は間違いないかどうか。これはあなたのほうからもらったもので、その点の確認をまず求めたいと思います。
○中野政府委員 衆議院で御要求がございまして差し上、げましたものでございますが、これは全国農業協同組合連合会それから全集連、両方からの報告によっております。若干その後数字が動いておるようでありますけれども、大体間違いございません。
○野間委員 ところが、丸紅の檜山社長のこの間の証言によりますと、四十七年度産のモチ米の扱い量は、数量が二万四千トン、金額にいたしますと約四十億円、三十九億とも答えておるところがありますけれども、非常に大きな開きがあるわけですね。こういう開きについて、農林省では一体どう理解しておるか、どう考えておるか、この点を明らかにしていただきたいと思います。
○中野政府委員 農林省が報告を商社からとりましたのは、大体先ほど御指摘のような数量でございます。それ以上答えておるというのは、この前の物特の委員会でいろいろ御論議があったようでございますが、もしそういう差があるとすれば、それは未検査米を扱っておる、あるいはくず米を丸紅は昔から相当手広くやっておるようでございますが、これも入っておるというふうに想像ができるわけでございます。
○野間委員 想像で答えてもらっちゃ困りますけれども。これは、多少の数量の違いであれば、私は別に異論をはさむものではありませんけれども、あまりにも差が大きい。これはあなた方もお認めになると思うのです。ちなみにこれ計算してみますと、数量にして一万六千二百トン、金額にして二十七億、このような差があるわけです。ですから、単なる統計上の数字の誤り、計算上の誤りというのでなくて、あまりにも数量が膨大であるといわざるを得ないと思うんです。 〔松浦(利)委員長代理退席、委員長着席〕 こういうような事実を踏まえて考えた場合に、丸紅は、あなたのほうの統計に誤りがなければ、その全集とか全農の数字に誤りがなければ、この差額つまり一万六千二百トン、二十七億円程度、これらのほとんどがやみ米、あるいは自主流通米であっても全集あるいは全農を通らずに途中下車したもの、それから未検査米があると思うのですけれども、これらの総量であるというふうに理解する以外にないと思うのですけれども、どうでしょうか。
○中野政府委員 残念ながら、食糧庁が丸紅を呼びましていろいろ聞いても、未検査米を扱っているというのはなかなか言いにくいという問題がありまして、的確な数字を私たちも把握しかねておりますけれども、先ほど御指摘のような数字であるとすれば、その差は、先ほども御答弁申し上げましたように、モチ米と無検査米、あるいは無検査米でありましてもくず米、これは自由に流通しておりますから、こういうものが含まれているというふうには思えるわけであります。
○野間委員 くず米のことについては一言も触れていないわけですよね。自主流通米として丸紅が扱った数量の総量についてたしか聞いたと思うのです。あなたのほうでも、この前、十一日の丸紅の答弁は十分御承知だと思いますけれども、そうすると、このばく大なやみ米の扱いというものがこの数字の中から出てくるわけですけれども、食糧庁として、現時点で丸紅がどの程度のやみ米を扱って、その金額はどのくらいかということについて把握しておられるとすれば、それを明らかにしていただきたいと思います。
○中野政府委員 食糧庁として丸紅に、こういう問題が起きます前後に呼びましていろいろ伺ったわけでございますが、自主流通の数字は大体われわれのほうにも報告が参っておりますが、それ以上はなかなかわかりません。 それから、最近になりまして捜査を受けておりまして、それ以上書類を突き合わせるということがなかなかむずかしいわけでございまして、われわれとしましては、先ほど御指摘の二万三千トンというふうな数字を把握するまでに至っておりません。
○野間委員 しかし、事は重大なんですよね、これは。たいへんな事態で、しかも、いま何回も申し上げますけれども、七千八百トンという食糧庁の統計に比べて二万四千トン、金額にしてもべらぼうに違うわけですね。これらについて私たちが理解するのは、このほとんどというか、すべてがやみ米である、こう言っても過言でないと思いますけれども、こういう事態を踏まえて、これは主食ですから、食糧庁として適切な調査なりあるいは検査なりそういうものをするのが当然だと思いますけれども、いまにしてこれができていないということになりますと、事は重大だと思うのです。あなたのほうでもおそらく、これらのすべてがやみだというふうに理解しておると思うのですけれども、その点、もう一ぺん確認を求めたいと思います。
○中野政府委員 先ほど申し上げましたように、もちろん私たちも今回の告発されたものを見ましても、無検査米のモチ米を扱っております中には規格外米もございます。それからくず米もあります。それからもう一つは、代行の場合に融資だけをしているような数量もあるようでございまして、それで私が申し上げましたのは、全体の量がなかなか把握しかねておりまして、前回の物特の委員会でも二万三千トンという数字が出ておるという話は伺っておりますが、この中身はどういうふうになっているかというのはなかなかわからないわけでございます。しかも、いま書類が全部取られた——取られたというのはおかしいのですが、警察当局の手に渡っておりますので、なかなか向こうの事務当局も的確には申せないというようなことになっておるわけでございます。
○野間委員 しかし、コンピューターはまだ押収されておりませんし、あなたのほうでその気になって聞けば、この差額の解明ができると思うのです。それをいまの時点でまだしていないということは、あなたのほうの怠慢だということをいわざるを得ないと思うのです。特に、私が申し上げておりますように、これらがやみ米とすれば、これはたいへんな事態だと思うのです。あなたのほうでも、これはけしからぬとおっしゃられるのは当然だと思うのですけれども……。だから、こういう事態に対しても非常に対処がなまぬるい、ぐるじゃないかというふうに国民が疑うのも無理がないというふうに考えるわけです。 そこで、質問を続けますけれども、この間の物特で小林議員、わが党の議員のほうからも質問があったと思うのですけれども、小麦などのいわゆる輸入買い付けの代行、これについて新年度分の割り当てがなされた。ここに資料がありますけれども、私は理解に苦しむのは、こういう悪いことをしながら、違法、不正な行為をしながら、のうのうとまた新しい年度の輸入代行の認可を受けておる。なぜこういう者に対して、契約を解除するなりあるいは停止するなり、そういう措置をとらなかったのかということについてお答えを願いたいと思う。農林大臣、いかがですか。
○櫻内国務大臣 これは、新年度を迎えまして、事務的に従来の慣例に従って割り当てたということを聞いております。その場合に、お尋ねのように、一方において捜査も受け、あるいは農林省の立場から言えば、告発を受けておる商社にそういうことが行なわれるのはどうか、こういうことになりまするが、私どもはかねがね、司法当局の手にゆだねた問題でございまして、一応の今回の違反事項の明らかになった段階において適切な行政処罰をいたしたい、こういうふうに考えておる次第でございまして、見方によっては、これだけの問題を起こしておるときにどうか、こういうことでございますが、これはあくまでも、新年度を迎えて、従来の慣例に伴っての割り当てが行なわれた、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
○野間委員 事態が明らかになった段階で行政上の制裁を考えたい、こういうお答えのようですけれども、行政処分というのは、刑事処分とは全く違うわけですね。これは刑事的な処罰ですね。これを受けなくても、行政上の目的という観点から行政上のいろいろな措置が、各行政法の分野でずいぶんあるわけですけれども、いまの時点においても、農林省がやる気があれば、これは解除とかあるいは停止とか、こういう措置がとれると思いますけれども、どうですか。
○櫻内国務大臣 その点は、おっしゃることをそのままやれるかやれないかといえば、もちろんやれると思います。 ただ、この機会に御理解をちょうだいしたいのは、何しろ食管法でいままでにやったことのない捜査を断行する、それからその結果に基づいて告発をする、そうしてその告発にかんがみて、米の扱いはしないということの声明を会社側がした、これらの一連のことをお考えいただきまするならば、私は責任者として、まずこの範囲のことをして姿勢を正していこう。しかし、その司法当局にゆだねておりますもの、これには丸紅だけではない、そのほかの関係もございますし、これがただ一方的なこともできかねるということになりますれば、ある捜査の段階、たとえば警察当局から大体こういう経緯で事件の捜査は終わったというようなふうになってきませんと一もう言われておることは十分承知をしております。私も、この機会にもっとちゃんとした姿勢に正すことがいいとは思っておりまするが、そこのところが、責任者になりますとなかなかむずかしい点があるということを申し上、げておきたいと思います。
○野間委員 しかし、いま申し上げたように、その警察あるいは検察庁、裁判所が行なう刑事処分と行政上の処分とは別なんでしょう。行政上の特に農林省関係の責任者として、先ほど申し上げた四月十一日の時点で、この委員会でいまの七千八百トンとの差ですね、べらぼうな数量と金額、これは明らかになっておる。しかも、先ほどの大臣の答弁を聞いておりますと、何か情状酌量というような、たとえばもうこれから内地米を扱わないとか、そういうことを踏まえて情状酌量というように私はとれるわけですけれども、それは私は誤りだと思うのです。やったことに対しては厳正な制裁を加えるというのが当然だと思うのです。特に私は理解に苦しむのは、今度の割り当てについて、きょうは統計表持ってきておりませんけれども、その四月の十四日現在の第一次の買い付けですね、この数量を見ますと、たしか二番目にランクされておるわけです。商社の中で年間通しての数量、買い付けのパーセントはたしか五番目だと思うのですけれども、二番目にランクされておる。数量にいたしますと九万六千トンですか、だと思うのです。万一これが農林省として、たとえば解除とか停止がいまの段階ではないということであっても、あなたのほうで適当に自粛さすとか割り当ての数量を減らすとかそういうことがあってしかるべきだと思うし、また商社の側もそういう態度をとるのが、私はやっぱりモラルからいっても当然だと思うのです。しかし、いま言いましたように、第一回の買い付けば二番目にランクされておる。九万六千何トンかの割り当てを受けておるという事実から考えましても、全く反省の色がない。もっときびしい態度をとるべきだ。国民のすべてがいま大きな怒りで、商社やあるいは国会に対して非常に大きな関心を持って見守っているわけです。その中で農林省が、もっとえりを正して、き然とした態度をとらなければ、これはやはり適切な措置とは申せない、こういうふうに考えますが、この点について大臣の答弁をさらに求めたいと思います。
○櫻内国務大臣 これは非常に慎重に考慮をしてやっておるのであります。たとえば、このモチ米の捜査に始まって、そしてそのことがモチ米の非常に暴騰を来たすということであってもいけない。それから、今度の小麦の場合でも、何といっても国民の大切な食糧に関連をすることでございまして、これが不円滑になることに伴う影響ということも考えなければなりません。したがって、私は、このような行為を正すということについては、これは私から言うといかがかと思うのでありまするが、実際モチ米の暴騰に始まって、この機会にしっかりしたことをしたいということで捜査をする、告発をする、それから米は扱わないよう仕向ける、こういう順序というものは、相当なこれは、やはり私としては責任を感じてやったことでございます。 それからまた、新年度になって、ここで至急に小麦の手配をしなければならないというときにどうするかということにも私は配慮をいたしておるのでございまして、いまこういうときに自粛でもさせればいいんじゃないかというようなことにつきましても、まあすでにお聞き及びでございましょうが、二回目の場合については、これは自粛をいたしております。
○野間委員 じゃ時間ありませんので、最後に、この問題については一言つけ加えておきたいと思いますけれども、いまの時点でも、これは刑事上の処罰を受けなくても、いま申し上げたような制裁を加えることはできる。これは農林大臣も三月二十日の参議院の予算委員会で、わが党の渡辺議員の質問に対して、もし代行を利用して未検査米などを買いあさるとか自由米を買いあさるという事態があれば、商社の輸入代行を中止できる、こう言っておられます。おそらくこの点について、そのとおりお答えになると思いますけれども、その点をまず確認するのと同時に、できるということと、もう一つは、実際には丸紅に対しては今回は何らの措置をとっていないということをさらに確認を求めて、次に問題を進めたいと思います。
○櫻内国務大臣 行政措置そのものをやってないではないか、これはそのとおりでございます。しかし、先ほどから御説明を申し上げておる経緯の中で、私どもが非常な決意を持って今回の問題に取り組んでおるということは御承知をいただきたいと思いまするし、また、告発をされておる各社の関係が明らかになってまいって、ただ一方的にやったということでない適切な行政処分が行ない得られる段階を早く得たい、このように考えております。
○野間委員 それじゃこの問題については、この程度で一応質問を留保して、次へ進めます。 これに関連して一言、食糧庁の長官にお聞きしたいのは、自主流通米は農協のルートと商業のルートですね。これは全集とか全農に集結されるわけですけれども、私たちが調査しますと、自主流通米、これは未検査米じゃなくて検査米ですけれども、検査米であっても、全農あるいは全集に行く前に途中下車する検査米が多い。こういうものを買い入れておるという事実があるわけですけれども、こういう事実をあなたのほうでは把握しておるかどうか。もし把握しておるとすれば、私はそういうルートそのものに非常に大きな欠陥があると思いますので、あなたのほうで調査して、その上でしかるべき方法を考えるべきだというふうに思いますけれども、その点についてお伺いいたします。
○中野政府委員 自主流通米は、いま御指摘のようにルートがはっきりしております。これにつきましては奨励金もいろいろ出しておりますので、これを全部、全農、全集に集まってきたものについて出しておりますから、途中下車することは手続上まずないと思います。(野間委員「ありますよ」と呼ぶ)ただ、もしあるとすれば、これは、途中で検査米がほかに流れたということは私はないと思いますけれども、御指摘もありましたから、あとでまた、どういうところにあるか伺いまして、食糧庁としてもよく調査をいたしたいと思います。
○野間委員 それでは、大豆の点について次にお聞きいたしますけれども、大豆が暴騰した時期ですね、これは統計などによりますと、昨年の十二月の初旬ないし中旬から一月にかけて、時期的に見ましてそういうふうに思いますけれども、そのとおりであるかどうか。 それから、それに関連してですが、この大豆の五万トンの放出要請ですね、これは製油会社、大手の十社にやったのは、たしか二月の三日だと思うのです。とりあえず二万トンを、これは六大都市向けに放出する、こういう要請をやりまして措置をとられたというふうに、私は経過から理解をしておりますけれども、これは間違いないかどうか、この点をお尋ねしたいと思います。
○池田政府委員 ただいま御指摘の大豆の価格でございますが、御指摘されたように、昨年十二月の半ば過ぎから値段が上がりだしまして、それまでは大体キロ当たりで三千円前後という価格でございましたが、それがだんだん上がり始めまして、そして四千五百円前後で十二月の後半を迎え、そしてさらに、最も上がりましたのはことしの一月の終わり、どんじりに一万五千円ということで最高値をつけたという実態でございます。 したがって、私どもといたしましては、その状態が非常に上がり方が早い。特に一月の二十日以降月末にかけての上昇率が非常に急ピッチであったというふうなこともございましたので、これは緊急対策を打たなければならぬということで、二月三日に緊急対策として、製油メーカーの持っております製油用大豆五万トンの放出を緊急にきめまして、これを業界側のあっせんに乗り出したという経緯でございます。
○野間委員 非常に措置が緩慢だと思うのです。私が都内のとうふ業者にいろいろ聞きますと、二月三日に放出要請があり、とうふ業界と製油業者との間に契約ができたのは二月二十七日。それから、これは未選別ですから、選別をして、それから輸送しと、手続が要るわけです。実際にとうふの小売業者の手に渡ったのは、三月に入ってからなんですね。十二月から一月の初めにかけて非常に暴騰が続いておる。ところが、あなたのほうでは、行政指導ということで緩慢なそういう措置をとったがために、その間四十円のとうふが六十円にもなる、こういうことがずっと続きまして、手に入ったのは三月になってからだ。 こういうことから考えますと、行政指導、こういうようなことを主にして、そしていまの法案、これは補完的な作用として機能するんだ、こういう考え方をとると、実際に暴騰して、そういうなまぬるい措置をする間、かなりあると思うのです。この間に、安く仕入れたものを高く売ってもうける、食い逃げですね。勧告とかあるいは公表という事態になれば、実際には大商社などが暴利をむさぼって、結局効果がぼつぼつ——これは公表だけでは私は不十分だと思います、あとで触れますけれども。しかし、効果が出るころには、すでにもう商社のぼろもうけは終わっている。こういうことになりかねないと私は思うのです。これは一例を申し上げましたように、行政指導を主にしたいまの大豆の放出から考えましても、そういうことが証明できると思うのです。 したがって、単なる勧告とか公表、これはなまぬるい。先ほど金子議員が言われたとおりなんです。やはり売渡命令、処罰をバックにしたこういう強力なことをしていただきたい。特にわれわれ野党から出しております買占め、売惜しみの規制、こういうものをきちっとやはり入れなければ、なかなか商社というものは、まあ長官などは商社性善説に立っておられるかもしれませんけれども、それじゃ決して動ずるようなものじゃない。新聞がいかに書いても、あるいはマスコミがいかに宣伝しても、動ずるものではない。やはり強力な措置をしなければ、これはざる法だ。これは国民の皆さんが言っておりますけれども、私もそう思うのです。長官いかがですか。
○小坂国務大臣 ざる法と思っておりません。必ず効果があると思っております。
○野間委員 もう少し丁寧に答えてください。私は、とうふの大豆の経過からずっといまお話し申し上げたわけです。もう少し丁寧に答えてください。
○小坂国務大臣 私の思っているとおり申し上げたわけでございますが、いわば、いまのお話は、行政措置が手ぬるかったじゃないか、だから、今度これの法律をつくっても、同じような思想に立つから手ぬるいであろう、こういうお話でございますが、いままでは、行政指導をやりましても立ち入りまでできなかったわけです。今度は立ち入って検査をするぞということになりますと、これは非常に効果が違ってくると思うのでございます。 それから、大豆の例でいろいろおっしゃっていただきましたが、そういう例が今後やはり非常な教訓になっておるわけでございまして、これほどのことになるまいというふうな気分があったのではないかと思いまするが、こういう事例にかんがみまして、今後は、そういう点は非常に迅速にいくようになるというふうに思っておる次第でございます。
○野間委員 やはり私が心配したとおり、商社性善説に長官は立っておられると思うのです。私は、商社は決して性善ではないということに関連して質問を進めてみたいと思います。 これは通産省の関係ですけれども、例の六大商社ですね。「大手商社の営業活動の実態調査について」、これは四月三日付の調査資料ですけれども、私は実は四月十一日の物特で——通産省が、三月中旬に六大商社の幹部を呼んで事情を聞かれたこの前の段階、つまり三月八日時点で、ヒヤリングの要領と題する文書を発行されましていろいろと資料の提出を求め、また資料を出しておるわけですね。私は四月十一日の時点で、通産省に出した資料は全部委員会に出せ、こういうふうに要請し、委員長からそういう要請がありまして、一昨日出てきたわけですね。ところが、通産省からもらった報告書のこの数字と、六大商社の出した資料——私が要求したのは通産省に出したものを出せと言ったわけですが、それを出したわけですね。ところが数字が全く違う。これは非常に面妖なことだと思うのです。この数字の食い違いから考えますと、通産省が虚偽の報告書をつくられたか、あるいは商社がこの時期になっても性こりもなしに虚偽の報告をしたか、どっちかだという以外にはないと思うのです。 そこでお聞きしたいのは、通産省は、商社から出された報告書を正確に分析して統計をとり、この調査資料にまとめられたのかどうか、通産省の誤り、手落ちはないかどうか、まずこの点をお伺いしたいと思います。
○山下(英)政府委員 公表をいたしました表がございますが、それにつきましては、私どもは六社から提出されたものを正確に集計し、そのまま発表したわけでございますが、いま御指摘の国会に商社が出した数字と違うものがあるかどうか、これは今後検討してみたいと思っております。
○野間委員 私が多少、これは商品用土地と国、公債、これについてそろばんをはじいた結果を若干申し上げたいと思います。 まず、商品用の土地ですが、四十六年の下、四十七年の上、下、これはいま申し上げた通産省の資料ですが、これの九ページに出ておるわけです。これは六大商社の出した書類を全部集計したものです。これと比較対照してみますと、次のような差がある。 たとえば商品用土地の四十六年下期について見ますと、通産省の資料によると合計八百三十一万平米。これが何と奇妙なことに、六大商社の出した資料を集計しますと、わずか三百三十四万五千平米しかない。この差が四百九十六万五千の差がある。こういうことは考えられない事実だと思うのです。四十七年の上期もそうです。通産省の資料によりますと八百十九万平米。ところが六大商社の合計をいたしますと百五十九万二千しかないわけです。四十七年の下期も同じように九十四万五千平米。これだけ、通産省の資料に比べて六大商社の合計のほうが少ない。 金額にいたしましても、四十六年の下期が十八億一千万円の差。四十七年の上期が四十六億五千万円、これは通産省の資料よりも六大商社が出した資料の合計のほうが多いわけです。三百十二億に対して三百五十八億五千万ですから。四十七年の下期、これも同じように、通産省の資料によりますと三百四十五億。ところが、六大商社の資料を合計しますと三百八十九億円。これは四十四億円、六大商社の資料の集計のほうが多い。 土地一つとりましても、こういうようなでたらめなことは考えられないと思うのです。 さらに国、公債について私計算してみたのですけれども、たとえば四十六年上期の購入代金、通産省の資料と六大商社の資料を集計したもの、これは時間の関係で数字だけ申し上げますけれども、四十六年上期の購入金額は八百三十七億八千三百万円の差があるわけです。四十六年の下期が六百十五億八千万円の差です。四十七年の上期が二百四十八億九千百万円の差、四十七年の下期が百七十六億四千三百万円。これは売却金額もそれぞれ違うわけです。このように違いがはなはだしいわけです。 こういうことは一体あり得べきことかどうか。通産省に出した資料と同じものを出せ、その結果出てきた。こんなに大きな違いがあるとは私は夢にも思わなかったのです。一体どのように理解されるのか。通産当局の責任ある答弁を求めたいと思うのです。
○山下(英)政府委員 通産省の公表資料は、先ほど申し上げましたように、正確に集計したつもりでございます。にもかかわらず違いがある。特にあとで御指摘の交付公債の金額に差があるとすれば、四十六年上期、下期等は、企業として有価証券報告書に載せた数字でございますので、私どももそれをとっておりますので、差が出てくるはずがないものでございます。どちらかの計算違いか、あるいはどちらかが報告を間違えてしたか。商品用土地につきましては、その概念のつかみ方と、それから報告者のあれによって少し違いが出る可能性もありますが、いずれにしましても、両方の数字を私どももチェックしてみたいと思います。
○野間委員 それは計算上の違いといっても、わずかの誤差ならば、私は何も言わぬわけですよ。いま指摘したように、これだけべらぼうな差があるということ、これは私は、通産省を信頼していいのかあるいは商社を信頼していいのか、どっちを信頼していいのかわからぬ。どっちも信頼できないということも考えられると思うのです。 そこで、私は通産大臣に要請を申し上げたい。これは商社が全部、通産省に出した資料を本委員会に出しております。実際、これが通産省の誤りなのか、商社の誤りなのか。通産省は潔白だとおっしゃるなら、商社が出した資料、これは通産省の手元にあるもの、この原本をぜひ本委員会に出していただきたいと思うのです。
○山下(英)政府委員 せんだって公表いたしましたのも、調査結果を検討しまして、六社の集計表の形で私どもとして提出し、皆さまに報告のできる最大限のものを出したつもりでございます。特に、現在の現行法のワク内で行政的な調査としてやっていきますには、御承知のように提出側の協力を必要といたします。今回の調査は、社長を集めまして協力するという約束をとり、そのあとで事情聴取という形で集計したものでありまして、その意味では、国会がおとりになりました報告の基礎と、私どもとは少し違いがございます。したがいまして、約束しました秘密保持は守らしていただきたいと思います。
○中曽根国務大臣 通産省が調べましたものは、法の権限もございませんから、業者の協力を求めて、われわれのほうで聴取して出したものであるわけであります。それは公表しないという約束でやっておるものですから、集計して、各社別には出さなかったわけであります。しかし、国会に出したものと数字のそごがあるとすれば、これは確かめる必要がありますから、通産省としてはもう一回、どうしてそういう数字上の違いが出てきたか調査してみます。
○野間委員 それじゃ私は不満なんです。通産省としては商社の協力を求めて資料を出さした、こういう話ですが、これについて商社は資料を委員会に出しておるわけです。同じものを通産省が委員会に出すのに、商社がいやだというはずがないわけです。私たちはいま申し上げたように、数字が合えば、何も通産省から出してくれということを言うはずがない。しかし、これだけ大きな違いがある場合に、いま申し上げたように、通産省がおかしいのか、商社がおかしいのか、どっちもおかしいのか、これしか考えようがないと思うのです。こういう国民の疑惑に答えるためには積極的に、商社が委員会に出した同じ書類ですから、通産大臣、ぜひここに出して、われわれの疑惑を晴らしてもらいたい。そうでなければ、われわれはこの問題についての議論が進まないと思うのです。どうしても出さぬというなら、私たちは、また証人を喚問して、ここでその違いを追及する以外にないと思うのです。どうでしょうか、大臣。
○中曽根国務大臣 ともかく当方がヒヤリングでいろいろ聞いたのと、それから商社が直接委員会のほうへ出したのと差があるということは、当方としてもこれを確かめなければならぬ筋のものでありますから、ともかくわれわれのほうで、商社に対してその違いはただしてみますから、その結果によってまた、いろいろ御相談に応じてやっていきたいと思います。
○野間委員 しかし、いやしくもこれは公文書と申しますか、調査資料を出しておるわけです。しかもこれは、計算の基礎に誤りはない、こういう答弁を得ておるわけです。これは自信を持って通産省は出したわけでしょう。それが商社の総計と違うわけです。これは、疑惑を持たない者はだれ一人ないと思う。こういう疑惑を積極的に晴らすために、ぜひ本委員会に出してほしい。重ねて要求したいのです。これだけではとうてい解明はできないのです。しかも報告の資料、これには商社別のあれが出ておりませんね。これの統計だけしか出ておりません。ですから、われわれは、これだけの資料では分析あるいは問題の解明のしようがないわけです。大臣、あなたのほうで、職務上知り得た秘密、こういうことをあくまでおっしゃるなら、どうですか、商社は委員会に出すことを承諾して出しておるわけです、あなたのほうで商社にさらに承諾を求めて、そうして本委員会に出す、そういう努力をするのが当然じゃありませんか。
○中曽根国務大臣 ともかく通産省が出したものは、商社から聞いて、それをそのままこっちに出しておるわけでございますから、通産省としても、もしその数字にそごがあればたださなければならぬ筋のものでありますから、ただしてみまして、そして、もちろん商社が同意すればこちらに提出いたします。しかし、通産省としては、あなたの言われるまでもなく、やはり確かめる立場にあるものでございますから、よく確かめます。
○野間委員 そうすると、商社が承諾すれば本委員会に出す、そういうことを約束されますね。
○中曽根国務大臣 けっこうです。
○野間委員 それじゃ、その点について、私はこれを正式に委員長に要請して、理事会でしかるべく検討していただきたいと思います。 これで終わります。
○山中委員長 次に、有島重武君。
○有島委員 昨二十日の参議院本会議で、わが党の柏原ヤス議員の質問に答えまして、公正取引委員長が次のような答弁をしているわけです。「輸出入取り引き、国内取り引きでも、一部、行きすぎとも見られる行動が認められる。いま、すぐ、営業面で独禁法に違反している点がある、とは考えていないが、系列支配が進んでいたり、好ましくない点もないとはいえない。複雑、巨大になりすぎた総合商社の実態の解明につとめ、これに対処する」と答えた、こういう報道が出ているわけであります。この報道を読みまして国民がどういうふうな印象を受けるか。公正取引委員会というのは一体何をしているのだろうか。独禁法の中には四十六条で、「調査のための強制処分」がある。立入検査もできる。にもかかわらず、いまどきまだこんなことを調べている、こうした態度について、国民は、公正取引委員会というのは一体何をしているのだ、そのような印象を非常に強く受けていると思います。公正取引委員長の御所見をここで最初に承っておきたい。
○高橋(俊)政府委員 柏原ヤスさんの御質問は、これは速記録にそのとおり出ておりますのでおわかりでございましょうが、今回のような商品投機そのものについては、独禁法はあまりうまく機能しないというふうなことを言っておるが、それでは総合商社というもののあり方全体について、公正取引委員会はどのように認識するか、どういう見解を持っておるか、また、その総合商社の系列支配等を通ずるそういう影響力につきましてどう対処するか、こういう御質問でございます。ですから、いま御指摘の商品投機そのものについては、早くわかりやすくいえば競争維持政策である独禁法が、買いあさり行為そのものについて、そのものずばり当てはまるケースはないと言っておるが、とこういう意味でございますから、私はかねがね、その点はやむを得ないのだということを申し上げた。 しかし、いまごろ何をしているかとおっしゃいますが、いまお答えを申し上げた趣旨は、その答弁で読んでいただければ十分おわかりと思いますけれども、総合商社の現在のあり方は、商品投機をめぐっても、事実かいなかはともかくとして、相当不当な行為をしているのじゃないかという批判に立たされているが、結局私どもの認識も、総合商社の営業活動を一つ一つとらえる、あるいは系列会社の状況等を一つ一つ調べてみると、それ自体が直ちに独占禁止法に触れるというふうには認定できない場合が多い。一つ一つの行動をとれば、なるほどそれは競争も非常に激しいものである。商社同士の競争というのも、これはまたたいへんな激烈なものでございますから、そういう意味においては十分に競争しているという事実は認めなければならぬ。系列支配につきましても、これは必要のある程度においては合法の範囲でありまして、そのことが直ちに独禁法に触れるわけではない。 しかし、全体として、いまや日本の総合商社は、私どもから申せば、本来の目的であるいわゆる輸出入貿易その他国内の商取引の範囲を越えて、国内の産業そのものに対する支配、産業の系列化も行なっておりまして、いろいろな面で影響するところが大き過ぎる。としますと、全体として見た場合に、総合商社のあり方にこの際メスを入れる必要がある。それでありますので、これはかなりむずかしくて、時間もかかると思いますけれども、いままでそれについてはあまり手を触れていなかったのを、今回、私どもは、御指摘を受けるまでもなく、自主的にも総合商社の解明をいたしたい。どういうふうにつながりがなっているのか、取引その他たいへん複雑でございます。そういう点を通じて、独禁法、独禁政策上問題のある点は表面に出していかなければならない。そして、それに対する政策をあわせて研究していかなければならない、こういう意図をあらわしたものでございます。
○有島委員 いろいろ言われましたけれども、国民経済の守り手であるべき公取が、また経済法規の番人であるべき公取が、警察権の介入があってもまだ調査実態の解明をなし得ない、こういうようないまの実態、これでもっていいんだと思っていらっしゃるのか。あなたは法規を守るのが目的なのだ。この法規の目的である、一般消費者の利益を確保する、国民経済の健全な発達を促進する、これがあなたの目的でしょう。それでいいと思っていらっしゃるかどうかということです。
○山中委員長 ちょっと待ってください。農林大臣を正式に呼んでおられるのですけれども、何か予定があるそうですから、先に何かあればお聞きしてもらいたい。
○高橋(俊)政府委員 簡単にお答えいたします。 参議院本会議における答弁にもありますとおり、単に個々の行為ではなくて、総合的に見た場合、わが国の経済の健全で自由な発達をはかるという見地から好ましくない点があると見られます。そういうことでございます。
○有島委員 いま商社のことについて好ましいとか好ましくないとかそういうことではなしに、公取がそれでもっていいと思っているのか。これでは公取は国民の期待に十分こたえられないじゃないか、そういうことなんです。あとでまたやります。 法案の審議に入るわけでありますけれども、本法案の提案理由に、こういう問題が掲げてあるわけですね。政府としては、緊急輸入の促進、政府在庫の放出、商品取引所の規制、それから過剰流動性の吸収等の諸施策、これらを補完するものとしてこの法律を出した、そういうお話ですね。 ところで、この新法案の各条項についての多くの疑問が、いままでにも提出されております。私も、これから時間の許す限りさせてもらいたいと思うのだが、その質疑に入る前に、この法律にある補完と称せられているものを一つだけ取り上げてみたいと思うのですけれども、商品投機の問題です。 こういう事例があるんです。私どものほうの調査でいろいろな投書が来ておる。これをかいつまんで申しますと、この投書している本人ですけれども、私のようなずぶのしろうとを戸別訪問して、絶対にもうかると言った。それで少し損が出て、びっくりして解約を申し込むと、いま短気を起こしてはだめですよ、そのうちに損した以上に取り戻しますから、そういうことを言う。それから、相場がまた逆になっているから追証拠金を出せということを言ってきた。こうしたことでへそくり全部をつぎ込んで、三カ月の間に、この方は主婦なんですけれども、四十万円というものがすっかり消えてしまった。そういう事例があります。また、これはゴムと毛糸の問題でございますけれども、やはり家庭訪問をしてきて、それで、このチャンスは十年に一度くるかこないかの絶対の好機だ、そういうようなことを言って、これは二百七十万円の損害を受けている。そういうことがあるわけです。 これについて、通産大臣、それから農林大臣、こういった事実があり、こういったしろうとの方々の参入によって、結果としてしろうとの方々が、消費者の方々がだまされた結果になっているということがいまたくさんあるんだということ、これは御承知ですね。事例を幾つか御承知だろうと思うのですけれども、通産大臣、いかがでございましょうか。
○中曽根国務大臣 そういう事例が前にもありました。そのことは私も聞いております。 それで、そういうしろうと筋、あるいは婦人とか老人とか、わりあいに情報の薄い、判断、思考力の弱いそういう人につけ入って勧誘をするというようなことは、必ずしも適当でありません。そこで、取引所に対しまして、また会員に対して、そういうことを厳重に行なえないように通産省としても何回か指示して、そうしてまた監視をしておるところでございます。そういうひどい現象があったところについては、営業上のいろいろな処分もまたいたしております。
○櫻内国務大臣 一言で言うと、これは過当勧誘と申し上げることができるかと思うのでございます。そのことは商品取引所法の九十四条で取り締まられますから、過去におきましてもそのような幾つかの事例がございますので、厳正に取り締まってまいりたいと思います。
○有島委員 厳重に取り締まっていきたいと申されたのか——取り締まってまいりますですね。 そこで、厳重に取り締まった例がほんとうにいままであるのかどうかという問題。本来は、この人たちはほんとうにだまされたわけでございますから、いかに業者のほうで合法的であるとしても、結果としてほんとうにだまされたという事実がたくさんあるわけでございますから、この点については全額、ある場合には利子までちゃんとつけてその被害者に返させるというところまで持っていく。それが処置じゃないかと思うのですね。それから、業者に対しては、従来二日から一週間くらいの営業停止ということなんですが、実際は三日くらいでしょう。三日というのは土、日、月とこうなれば、これは何ら痛痒を感じないようなものであります。そして、これに対して厳重に注意、戒告等をやっているというけれども、こんななまぬるいことではなくて、一つの事業所でそういった不祥事が起こったら、その事業所を管理する親会社に関する全国の営業所全般に一カ月とか二カ月とか、あるいは一年くらいの営業停止ということを公表するようにして初めてこれが処置をしたということになろうかと思うのですね。一つ二つのことは、これは交通事故みたいなもので、それじゃ、あやまっておいて、またやりましょう、そういうことが依然として何年も続いている。このいまの時代になってもまだ続いているということは、これは非常に所管官庁の——ことばを強くいえば、まるでこれは、そういった取引所のほうのずるがしこいやり方の共犯者である、そのようにさえ、被害者の側からは見えているわけです。これは営業免許の取り消しだとか、いま申し上げました営業停止の公表だとか、そこまで及ぶよう、そうなさるべきだと私は思うのです。通産大臣と農林大臣のお考えを伺っておきたい。
○中曽根国務大臣 過去にどういう処分をしたか、企業局長から御答弁を申し上げますが、確かにそういう相手の無知や弱味を利用した不当勧誘をやるということはよくないことでありますから、今後の情勢もよく見まして、厳重なる処置をしていくようにしていきたいと思います。
○櫻内国務大臣 具体的な一つ一つの事例につきましては、私どもいまつまびらかではございませんが、少なくとも過当勧誘等の事例があげられておる以上、その事実があり、またそれに伴うところの措置が講ぜられておると思うのであります。これはなかなか一言で申し上げにくいことでございますが、しかし、先ほど申し上げているとおり、法九十四条に照らして、そのような行為につきましては取り締まってまいりたいと思います。
○有島委員 いまの数々の例、これをいまの時間の少ない中でもって御報告いただくと時間がなくなってしまいますので、ここ一年間の、昨年四月からでけっこうでございますけれども、事例を資料にしていただきたい。その処理の結果どのように消費者が救われたか、そこまで出していただきたい。農林省も同じであります。 それから、通産省にしても農林省にしても、苦情処理の窓口が全国にあるわけであります。これから苦情処理の窓口をつくろうというようなことをちょっと言われたように伺いましたけれども、すでにあるわけです。すでにたくさん来ておるはずなんです。それが事実上握りつぶされたと同じ結果になっておるということは、非常に遺憾なことであろうと思います。ただいま両大臣から、厳重に取り締まっていくというお話がありました。これはいままでの事例を資料としていただくということを委員長にお願いいたしまして、それを一つずつ私どもも検討していきたいし、今後のこともしっかりやってもらいたい、そう思うわけであります。 次に、警察庁来ておられますか。——この種の問題に対しまして、具体的な捜査の結果が国会の中では公表されていないようであります。神奈川県、兵庫県、最近では町田市で、警察が取り締まったという事例があるように私は聞いております。それを御報告いただきたいと思います。
○相川説明員 お答え申し上げます。 先生から商品取引をめぐる事件の検挙の事例を具体的に示せということでございますが、御指摘の兵庫県警がやりました事件は、A商事の事件と申し上げておきますが、中身について申し上げますと、A商事と申しますのは、正規の商品取引員であるわけですが、社長を中心としまして、役員幹部が共謀いたしまして、未登録の外務員を使って商品相場に対する知識の乏しい一般家庭の主婦等を対象にいたしまして、その勧誘の手口ですけれども、元金は保証します、あるいは利益は確実に上がります、あるいは絶対有利ですというような甘言、詐言を用いまして、私どもそれを詐欺的手段であったと見ておりますけれども、いわゆる不当な委託勧誘をいたしまして、大体委託者二百名以上の者に総計で三億五千万円余の損害を与えたという事件がございます。これを兵庫県警が中心になりまして、昭和四十五年の一月から一年半余りの捜査期間を設けて、被害者、先ほど申し上げましたように二百七人、それから被疑者としましては、そのA商事、一法人でございますが、それから関係役員等二十二名を検挙した事例がございます。被害額は、先ほど申し上げましたように二億五千万円余にのぼったという事例です。 それから、もう一つ申し上げますと、同じく兵庫県警が扱った事件ですけれども、捜査期間は、大体昭和四十六年の七月から四十七年の二月までかかっております。これも八カ月に及ぶ事件ですけれども、これも大体同様の手口でありまして、商品取引に無知な家庭の主婦あるいはサラリーマン等に不当な勧誘をいたしまして、これも大体二百九名くらいの者に総計二億円余りの損害を与えたという事件がございます。その事件を捜査いたしまして、会社とそれから役員あるいは外務員等二十三名の者を検挙いたしております。 ただ、この事件はすでに済んでおりますので、二つの事件について申し上げましたわけですが、先生御指摘のように、そのほかにも、現在捜査を進めつつある事件が一、二ございます。これはいろいろ捜査中でございますので、この席でお話し申し上げることを控えさせていただきたいと思います。 なお、この二つの事件を通じて、私ども、全部商品取引所法違反ということで検挙したのかといいますと、実は委託勧誘等の制限違反につきましては、商取法にございます。あるいは受託場所の制限違反というのも商取法にございまして、それぞれ罰則が設けられております。しかし、先ほどからお話の出ております不当勧誘あるいは一任売買ないしは無断売買等九十四条の違反につきましては、実は罰則がございません。そこで私どもは、ケース・バイ・ケースですけれども、不当勧誘の事例は、それがはたして詐欺になるのかあるいは背任になるのか横領になるのか、一々刑法の各条文を適用して捜査をいたしたような次第でございます。
○有島委員 先ほども公正取引委員会に伺いましたけれども、警察権がこのように動いておる、公取ではそれにタッチしない、こういうようなことがありますと——ここでは小坂経済企画庁長官は、政府を代表して、いまこの種の法律を担当していらっしゃると思いますけれども、まるで経済問題に、警察が介入するまでは野放しにせざるを得ないような法体系にしておくなんということは、いまの政府は警察国家を目ざしておるのじゃないかと勘ぐられてもしかたがないと思うのですね。その点についてはっきりと態度を承っておきたいと思うわけです。これはそういった声があるわけです。経済の話は警察が出ていかなければ何にも手がつけられないなんということはけしからぬことじゃないか。小坂大臣、お願いします。
○小坂国務大臣 全く私どもはその反対でございまして、警察国家などというものは、ゆめゆめ考えておりません。やはり個人の良識というものを基礎にし、個人の活発な創意くふうというものを中心にして経済活動を営んでいくということが、いまの日本の経済体制として一番よろしいのであるというふうに考えておるわけであります。ただ、そこで経済的にたいへん強い力のものが、その力にたよって恣意的な行動をすることは許されないから、そういう意味の行政指導をやってまいりたいというふうに思っているわけでございますが、この行政指導によっても足らざるところは、ただいま御審議いただいているような法律をもって規制してまいろうということを考えておるわけであります。警察国家などということは毛頭考えておりませんから、さように御承知を願いたいと思います。
○有島委員 公正取引委員長に申し上げておくけれども、警察国家なんということは毛頭考えておらぬ、ほんとうに私もそう信じたい。しかし、結果としてそのようなことが起こっているということは、公正取引委員会の怠慢である。法体系がまずいというならば、これは年来、各野党からさんざん、独占禁止法というものはざる法だといわれ続けてきたのに、こういうふうに経済法規のほうを骨抜きにしてしまった。そして、やはり結果としてその方向に持っていっているということは、これは重大な反省をしていただかなければならないと思うのです。除外例ばかりある、こういうことをもう一ぺん考え直さなければならない。 それからもう一つ、企画庁長官に消費者保護という立場から……。 しろうとが強引にこういうふうにだまされているという事例がたくさんあります。このことに対して、一般消費者に知らされる、あるいは選択できる、こうした権利を保障するということが、消費者保護基本法の基本的な問題だと思うのです。こういうことが年来ずっと続いていながら、なおこれがやまないということは、これは強くいえば経済企画庁の怠慢であるといわざるを得ないと思うのです。この面についてもっとしっかりしたPRをしなければならないと私は思いますけれども、いかがでございますか。
○小坂国務大臣 客の意思をそのままに尊重しないで、取引等を自分の考えのほうに強引に誘導して、そして害を与えて顧みないということは非常に困ったことでございまして、そういうことは欲と申しますか、下等な欲からもきておるわけでございますので、投機にはしろうとはなかなか手を出してはいかぬものなのだということをよく考えていただくようにもお願いしなければならぬと思っております。全般的に申しまして、私どもは、情報の不足ということが確かにございますので、情報化社会であるだけに、正確な情報をできるだけ消費者の皆さま方が漏れなく知っていただくようなことに心を砕いてまいりたいと考えておる次第でございます。
○有島委員 もう一つ、独占禁止法についてですが、公取のほうは、独占禁止法の中にあってこれを守らなければならない立場で、つらい立場だと思うのですけれども、国民の側から見れば何をしているということになると思うのです。独占禁止法がもっと有効に働くように考え直さなければならないときがあると先ほど申し上げたわけでありますけれども、そのことについてのお答えですね。現時点に立ってどうかということです。
○小坂国務大臣 独占法を有効に厳正に運用していくということは、公取委員会に課せられた職務でございますが、私見を申し上げますと、私は、高橋委員長、非常によくやっていらっしゃる、こう考えておる次第でございます。
○有島委員 それでは、国民一般の感じていることと経済企画庁長官が感じていらっしゃることは、全く違うということなんです。こうした経済危機の中にあって、国民生活が圧迫されておる、危機に瀕しておる、それを守ってくれるのが公取だ、そういうことになっているわけです。それが守れない。それでもけっこう、いいのだ、そうおっしゃるわけですか。それでいいと思っていらっしゃるわけですか。
○小坂国務大臣 公取が悪くて国民が危機に瀕しておるというふうには、国民の皆さま、思っていらっしゃらないと思います。これは見解の問題でございます。私もさように思っております。
○有島委員 警察のほうが動いて公取が動けない、こういったことは、先ほどもおっしゃられたように、決して望ましいことじゃないんでしょう。そのような公取の機能しか発揮させないような独占禁止法自体に問題があるとはお思いにならないか。だから、公取自体はよくやっていらっしゃるとおっしゃるかもしれないけれども、いま伺っているのは二段がまえに伺っているわけです。私は経済企画庁長官から伺いたい。
○小坂国務大臣 どうも私と有島委員のお考えと少し違うのでございますが、警察は、犯罪行為があれば当然出てもらわなければなりません。現に、犯罪行為がないようにするということは、これは国民の間の相互のいろいろな、経済行為に限らず、諸種の行為によってそういう犯罪行為が出てこないようにお互いに考えてもらう以外にしかたがございませんが、どうも公取というものは、一つの巨大な経済的な力、私的独占、そうしたものの活動する余地をなるたけ狭めていく、そうしてその意味で公正な競争を確保して消費者のために計らうということでございますので、警察は、犯罪行為があれば警察が出るんで、警察が出たようなことがあるから、これは公取が何もやっていないことになるんだ、したがって独禁法は機能していないというふうには私は考えないわけでございます。 この点、どうも意見が違うので、あなたのおっしゃるとおりに言えと言っても、私はそう思いませんから、これ以上申し上げることはないと思います。
○有島委員 では、いま時間が非常に限られておりますから、その議論はここでは保留します。 それで、経済問題について警察が出ていかなければおさまらないというような状態というのは、政府としても非常に不本意なことであろうと私は思ったわけです。 もう時間がありませんから、法案の中身に少し触れます。 この対比表を見ますと、「目的」の次に、「買占め及び売惜しみの禁止」というところがある。野党案には、第二条として「生活関連物資の生産、輸入又は販売の事業を行なう者は、当該生活関連物資の買占め又は売惜しみをし、不当な利得を得てはならない。」ということが入っているわけなんですけれども、政府案はどうしてこれ入れないのですか。
○小島政府委員 政府案も、基本的な考え方はまさに同様に考えておるわけでございまして、本法がそもそも、買占め者等に対しまして放出勧告などをすることにいたしておりますのは、価格の高騰を招来するような買占め等をすべきではないということを当然の前提といたしております。ただ、内閣提出の法律案は、原則としまして法律事項を極力しぼるというような原則もございますので、考え方は同じでございますけれども、原法案としては取り入れないということでございます。
○有島委員 これはどうして法律事項にならないのですか。
○小島政府委員 それに従わない場合に罰則をかけるとかいうことがあとございますと、法律的行為を生ずるわけでございますけれども、これは一種の訓示規定というふうに理解しているわけでございます。
○有島委員 売惜しみをしたり不当な利益を得ても、罰則がないのですか。
○小島政府委員 先ほど来説明申し上げておりますように、多量に買占めをしたり売惜しみをした場合には、放出すべく勧告をいたすわけでございます。勧告、公表という措置にとどめておりますので、直に罰則がかかるということではないわけでございまして、質問に対して虚偽の答弁をしたり、立入検査を拒否したりする場合には罰則がかかるわけでございますけれども、買占めないし売惜しみの行為自体について罰則をかけるということにはなっていないわけでございます。
○有島委員 よくわかりました。 生活局長、これでよろしいのですか。売惜しみ、買占めはしてもよろしい、その調査をしたときにうそをつけばこれは罰則になる、そういう法律なんですか、これは。
○小坂国務大臣 よろしいなどとは毛頭考えておらないのですが、どういうのが不当であるかという基準をつくって、その不当なことをした場合に罰則をかけるということになると、これはなかなか客観的に妥当な結論が出し得ない、むしろ時間がかかるということでございまして、この法律の所期するところは、多量にあるべきものが市場に出てこないのを出させるということが、この法律の主目的でございます。したがって、行政府が、これは売惜しみ、買いだめがあると考えれば、随時、機動的にそこに行って、放出の勧告ができるというところがみそなわけでございますね。これはむしろ、罪人をつくるというような警察的なものじゃなくて、一般的に消費者の要望する品物をいかにして放出させるか、そういうところにねらいがあるわけでございまして、おっしゃるように、不当なことをしては不当だということは、これはもうあたりまえなことでございます。だから、そこの基準を、おっしゃるようにこの法律に書けという話になりますと、たいへんこれはむずかしいということであります。現に野党案の中では、第二条に、不当なことをしちゃいかぬと書いてありますが、いかなるものが不当かということはあと出てきていないわけでございますね。そこで、いま訓示規定という話が出たのだと思いますが、むしろそういうことはこの際は書かぬで、実効をあげるほうがこの法律の所期するところを満たすゆえんではないか、かように私は思っております。
○有島委員 三月一日の本会議のときに、私の質問に対して田中法相が、これは物統令の、買占め、売惜しみに対しての懲役五年以下または五万円以下の罰金が課せられているから、この規定を活用すれば取り締まれる、新法律は必要ないということを言われました。これについてはどういう御意見、御見解ですか。
○小坂国務大臣 この点も、他の方に何回も申し上げておるのでございますが、物統令十四条の規定に従います場合は、まさに価格の上で不当なことをしてやっておるということが明瞭になれば、これは物統令の適用があって、刑事責任が生じてくる、刑事罰の対象になる、こういうことでございます。
○有島委員 ここに田中法相を呼んでも私は伺いたいような気持ちがあるのでございますけれども、大体、この物統令というのはほんとうに生きているかどうかという問題が一つあります。これは「本令ハ終戦後ノ事態ニ対処シ物価ノ安定ヲ確保シ以テ社会経済秩序ヲ維持シ国民生活ノ安定ヲ図ル」とこういうことですね。これはいま生きているのですか。
○小島政府委員 物統令は厳然として生きておりまして、現在でも統制価格的なものにつきましては、アルコール専売の価格とか入浴料金等が物統令に基づいて統制されているわけでございますが、それ以外にも、一般的な暴利取り締まり等の観点から、前にもお話し申し上げましたように、ダフ屋の取り締まり等につきまして、警察当局が本令に基づいて摘発をいたしておるわけでございます。
○有島委員 いまの話があったわけですが、結論として、これ、どうしてこれに入れちゃいけないのかということです。それをもう一ぺん伺っておきたいですね。(小坂国務大臣「これって何でございますか」と呼ぶ)この「買占め及び売惜しみの禁止」ということです。この法律の一番のみそは、そういうことがないようにしたいということであったわけなんです。そのことをずばりと言えばいいじゃないか。それはさっきおっしゃったように、法律というのは非常にしろうとわかりがしにくい。これ、入れちゃいけないんですか、どうしても。どうしてもいけないのか。
○小島政府委員 どうしてもいけないということではございませんけれども、基本的には同じことを考えておるわけで、特に必要がないということでございます。
○小坂国務大臣 ちょっと私、補足します。 ちょっと誤解を生じますので御説明を申し上げますが、売惜しみ、買だめをやっちゃいかぬということは当然のことでございまして、それは不当なことであるということにすると、それに対する罰則というものも出てくるわけですが、この罰則の基準がなかなかむずかしいのでございましょう。どれくらいやったら不当であるとかいうことは、そのときどきによって違ってくるわけですね。これは行政府の責任者の判断によってやる。すると、罰則とによって刑事責任を問うということになるよりも、そういうことをするよりも、不当なことはやっちゃいけないのだから出しなさいというほうが実態に合う、こういうことであるわけであります。
○有島委員 もう時間が来ましたから、これはもうできませんけれども、入れてはならないという根拠はないわけですね。これは入れなさいませ。いまの小坂さんのお話だと、入れておくと、あとになって、そのかげんでもって困ることが生ずるからというのですね。では、だれが困るのか。政府が困るのですよ、そんな話は。いま国民のほうが困っているんです。
○小坂国務大臣 困るのは政府でも何でもないのでございまして、法律が動かなくなるという点が困るわけです。有効に法律を機能させるという意味からいいますと、そういう訓示規定はなくもがなであるというのが私どもの見解でございまして、入れて間違いだということを言うつもりもないのですけれども、入れて効果がないのみならず、そういうものが入ると法律が機能しにくい。効果はないですね。これは、入れる以上は罰則ということになるし、罰則を発動する根拠が、客観的にそういうものを積み上げていくのに非常に技術を要するし、それによって機動的な行動というものがとりにくくなり、したがってこの法律がかえって非常にぎくしゃくしたものになり、動きにくくなる。したがってこれはないほうがよろしい、こういうことです。
○有島委員 そういう論理から申しますと、さっきの独占禁止法に戻りますけれども、独占禁止法には強制立ち入りのことまで書いてある。しかし、それが機能しにくくなっておる。そういうことについて、さっきの商品取引の法規についてもそうです。その運用についてもそうです。あるいは独占禁止法の法律についても、その運用についてもそうです。こういったことが全部しり抜けになっておる。それでまた新しいこういうものを提出して、それもいまおっしゃったように、こういうふうにすると困るとかなんとかおっしゃるけれども、そんなものを出して——では、政府のいうような法律をつくれば、それでほんとうに国民生活は守れるのですか。
○小坂国務大臣 これ一つでと言っているわけじゃございませんで、財政金融政策、いろいろございますわけですが、これは長くなるから省きますが、これをぜひやらせていただいて今度の時期というものを何とか乗り切ってまいりたい、非常に物価の上昇しているこの時期を何とか乗り切ってまいりたいということを言っておるわけでございます。なお、お願いできれば、これは早いほどいいのです。早くそういう立入検査ができるようにしていただけるほど有効である、こう思っておるわけであります。
○有島委員 あと野党案のほうの八条の問題、それから十一条の問題、このことは特に触れておきたかったわけですけれども、また次の機会に譲りたいと思います。 終わります。
○山中委員長 次に、和田耕作君。
○和田(耕)委員 法案の審議に入る前に若干お伺いしたいと思いますけれども、今回の買占め及び売惜しみ問題を通じましていろいろ問題が浮き彫りにされてきたわけですけれども、一つの重要な点は、大商社だけでなくて、流通過程にずっと入り込んでいる系列下の商社を使って総合的な働きとして、売惜しみあるいは買占めの悪い弊害が、ずっと国民生活に悪い影響を及ぼしてきたということではないかと思うのですね。 そこでお伺いしたいのですけれども、通産大臣、通産省で六大商社をお調べになった最後のところで、対策として、これは私、十一日の日もごく骨子を申し上げたのですけれども、「問屋、小売店を含む流通段階の実情把握等」という項目があります。この報告には、「今回の調査の結果、その実態を把握するためにはさらに問屋段階、小売段階などの流通段階に突っこんで調査することが必要と考える。たとえば商社はその系列下または関係取引先に多くの問屋(場合によっては小売店までも)をかかえていることが多く、本当の実情はその段階までほり下げて調査しなければ明らかにできない場合が少なくない。」したがって、今後はそのような問題を各業種別に懇談会等を開いて検討をしていくのだということを、対策として結論ふうに書いているわけでございますけれども、こういうふうな結論を書かれる場合には、お調べになった過程で幾つかの系列、あるいはその他の流通過程に入り込んだ部面について問題のある業界があるからこういうふうなことになったと思いますけれども、その問題にどういうふうな含みでこのような結論をお出しになったか、そのことを大臣からお答えいただきたい。
○中曽根国務大臣 調査の過程におきまして御指摘のようなケースが若干ありました。繊維とかあるいは鉄鋼とか、そういうようなものにつきましては、メーカーから出た場合の値段と、それからその流通経路を経て最終消費者に届くまでの値段とかなり開いておるものがあるようでございます。これは日本特有の現象のようでございますけれども、たとえば鉄鋼のような場合にはメーカーから出て、それが商社へ行き、それから問屋へ行って、それから小売りの系列へ入っていっている。その段階段階ごとに手数料と申しますか、顔料と申しますか、通過料、トンネル料、そういう性格のものがかなりあるようです。そういうものが末端価格を引き上げることにもなる。そういうことも、それらの流通の何段階かの過程において一割ずつでも品物のストックがふえたら、全体では膨大な数になるわけです。もし五つ段階があれば五割ふえてしまう。そういう現象が見られましたので、単にメーカーと商社だけ調べたのでは価格問題の真相を究明できない。したがって、そういう流通系路全部についてトレースする必要がある。今回鉄鋼につきまして三十万トンの緊急増産をやってもらいまして、そして値を抑制して、安く一般の市中の土建等に放出してもらう措置を講じておりますが、これらについては、的確にそれが行なわれるように各段階をトレースしてやっていく。大体造船とかあるいは自動車のようなものは、メーカーから直接その工場に行くわけですから、値段はもうはっきりしているし、上がる余地がそうないわけです。市中に放出されるものについてそういう現象があるものですから、その点を監視の目を光らせようと思っているわけです。
○和田(耕)委員 いま通産大臣から、幾段階もの流通過程を通じて値段が引き上げられていく、その点、点でいろいろな話し合いが行なわれるというような問題の示唆があったと思いますけれども、今回の問題は、やはりそういう流通過程の幾段階のところでいろいろな話し合いが行なわれて、そして大商社そのものはやらなくても、その系列下の人たちがその意を陰に陽に含んでそこで買いだめをするというようなことをやったというようなことが問題になっているわけですね。 そこで、私、不況カルテルの問題をちょっとただしておきたいと思いますのは、不況カルテルというものはあまり安易にやってはいけないと思うのは、今回の場合は、これは鉄鋼だけではありません、かなり多くの業界に不況カルテルがありまして、それが解除した直後にこの問題が起こってきた。ですから、不況カルテルの当時に話し合いをすることになれておる。習熟しておる。この、現在からいえば悪い経験が、このまま今回の新しい事態に入り込んできて、そして流通過程のところで、鉄鋼の場合も若干そうだと思いますけれども、木材の場合のベニヤ業界とか、いろいろな形でそういう話し合いが行なわれてきているという状態が一般的にあると思うのですね。 そこで、鉄鋼の例が出ましたけれども、鉄鋼の場合は、不況カルテルを解除した直後に急上昇してくるわけです。そしてかなりの大きな利益を鉄鋼大手メーカーは得ておる。その利益をすぐ株式配当を、増配する形でこれをしようとする動きもあった。こういうふうな場合に、つまり、もうけられるときにもうけて、損をするときもあるのだからというのが一般商社のこの前の言い分でもあるのですが、これはまあ商社の今後のビヘービアというのですか、正当な行動基準というようなものにも関連してくると思うのですけれども、こういう問題について、もうけられるだけもうけてそれを株の増配にするというような場合には、大臣は、その増配する部分を、やはり値段を下げるとか消費者に還元するとか——佐藤総理のときはしょっちゅう言っていたことですから、そういう値段を下げるとかあるいは社内に保留して不況に備えるとかいうようなことについて有効な行政指導をすることが必要だというふうに私は思うのですけれども、そういう問題、大臣はどういうふうにお考えになりますか。
○中曽根国務大臣 われわれは自由主義経済の原則を持っておりますから、できるだけ企業の内部経理あるいは企業の活動等については、企業がみずからの自由な判断で、しかも社会的責任を考えて実行されるようにして、なるたけ介入することを避けることが賢明だろうと思います。これを不用意に介入しますと、一波万波を呼んで、結局役人をうんとふやさなければ追いつかなくなるという現象が出てくる危険性が日本の体質にはあるからでもあります。 しかし、御指摘の鉄鋼のような場合は、今回見ておりますと、鉄鋼は昨年の秋、十二月、十一月、十月と、三カ月はカルテルのもとにあったわけです。それで、鉄鋼のカルテルをかけておくについてはいろいろ議論がありました。のけろという議論もありました。しかし、当時の状況では、まだ需給ギャップがかなりあるということ、それから原価コストを割っているということ、操業度が低いということ、そういうようなことから見て、まだカルテルをはずす段階ではないというので、十二月まで延ばしたわけでございますが、その過程で、十二月ごろから急に景気が回復してまいりまして、一月、二月、三月とかなり需要増が出てきまして、販売の数量は非常に増大した。主として景気回復によるために利益が非常に上がりまして、まあ少ないところでも二倍くらいはあるということ、多いところは四、五倍くらい利益が上がってきておる。 さて、その場合に、この利益をどうするかという問題に逢着するわけでございます。しかし、私らは、たとえば鉄鋼の場合については、やはり一つは基幹産業であるから、鉄鋼価格が暴騰したり暴落したりしてあまり波乱を起こすことは国民経済的にもまずい、できるだけこれは長期安定した値段でいくことが望ましい、そういうことも考え、かつまた鉄鋼価格の騰落がほかの産業にもかなり影響するということから見て、できるだけその体質を強化しておいて、そして不況時にも耐え得る、不況時にすぐカルテルにかけ込むというようなことをなるたけ避ける用意をふだんからしておく責任がある、そういうことも考え、それから公害問題がだんだんきびしくなってまいりますから、公害に対する対策をいまから十分内部で充実してやっておく必要もある。それから、やはり消費者に還元してもらって、物価抑制、鉄鋼価格の騰貴を防ぎ、できたら下げる、そう、うことに協力してもらうこと、そういう方面に利潤を使うということはどうであろうか、これは社会性を持った、思考し得ることではないか、そういうふうに私たちは、また一面に考えたわけでございます。 それで、先般、受田議員から、この問題について国会で御質問がありました。私はそういう情勢にかんがみて、鉄鋼各社に対して、企業に介入するという考えはないけれども、現在の社会情勢全般を見て、企業が社会的責任を持たなければならない、特に鉄鋼のような指導的、産業中の中核になるものについては、このビヘービアは非常に大事な影響をほかにも持つし、それから、いま申し上げましたようなカルテルのもとにあったという現実をよく考えてもらって、そうして利益金の処分については、みんなが納得するような処置を考えてもらうことを要請したいということを、国会で答弁いたしました。 特に値下、げについては非常に大事な問題で、いま上がろうという気配があるわけです。そこで三十万トン緊急増産してもらって、大体船とか自動車に行く分はメーカーから直接行きますから、そう上がる余地はないけれども、市中の土建業者、中小土建に渡る分が上がる気配がありますから、これについて上げないように、できたら下げるように、そしていまおっしゃいましたように、各流通段階においてこれは通産省自体が監視しよう、そういうこともやり、鉄鋼のメーカーも監視をしてもらって、そうして物価引き下げに協力してもらうということを要請いたしまして、引き下げ及び三十万トン増産については協力を得るという回答を得ました。 そこで、第二の配当の問題、配当といいますか、正確には利益金の処分という問題については、受田議員に答えました私の答弁を文書にしまして、これを持って重工業局長が鉄鋼の六社の社長に対して、大臣は国会でこういう答弁をしたので、各社の社長におかれては、この答弁の趣旨をよく考えて善処してもらいたいという申し入れをいたしました。その結果、各社の社長は、各社それぞれ別個に検討いたしまして、それではその要請にできるだけ従うように株主とも相談の上処理いたしましょう、そういう答弁がつい届いたところでございます。 それで、それをどうするか、具体的に何分にするかとか利益金をどう処理するかということは、各社おのおの固有の事情がございますから、各社がかってにやることであり、かつ株主の了解を得なければできないことでございます。しかし、われわれのほうのそういう要請に対して、各社の社長が要請の趣旨を尊重して協力すると言ってきてくれたことは非常にけっこうなことでありまして、それが実行されることをわれわれは見守っていきたい、こう思っておるわけであります。
○和田(耕)委員 受田議員はよくその旨は熟知しておりますけれども、たいへんいい処置だと思います。ただ、そういうふうな御主張の裏には、いま、自由主義の経済は大事にしなければならないけれどもということで、後半で公共的な問題をお述べになりましたけれども、鉄鋼だけじゃないんですけれども、鉄鋼は現在、たとえば電気、ガスの持っている公共性と比べてまさるとも劣らぬくらいの公共性を持っているわけで、いまのような複雑になってきた自由経済を守るけれども、しかし公共的な他の産業あるいは国民経済への影響を考えてというくだりが、非常に重要性を増してきたわけですね。したがって、鉄鋼なんかでも、そういうことを盛り込んだ効果的な国の一つの関与ができるように、単独事業法的なものを考える時期に来ておりはしないかという感じが私はするんですけれども、感じとしてどうでしょうか。
○中曽根国務大臣 この点は公取委員長の御所見も伺っていただくといいと思うのですが、私は、鉄鋼のようなこういう基幹産業で、国民経済の基盤をなしておるものが、価格があまり暴騰したり暴落したりすることは決して好ましいことではない、ある一定の利潤率のもとに、長期的に安定している値段をつくっていくということが最も賢明であり、国際的にもいいと思います。 おっしゃるとおり、まさに鉄鋼のような場合は、電気料金あるいは汽車の値段、運賃とか、そういうものとやや似てきている性格も産業的にはあると思うのです。だがしかし、いまの独禁法のもとで、そういうような価格の協定を一緒に集まってやったりすることは禁止されておりますから、いまの法律の体系ではできません。したがって、お説のとおり特別立法をやって、そういうことを可能にするかどうかきめなければならないということでございますけれども、しかし、一面において、あまり規制的なことが過ぎると自由性がなくなって、そのために企業の自由活動が失われた結果、生産性とかあるいは国際的な競争力とか、そういう面においてデメリットも出てくる危険性もあります。しかし、何らかの形で、そういう特別立法によってある一定の弾力性を置いた措置を持ちながら、そういう措置を考えていくということは、いまの段階になってみると、私は考慮に値し検討に値するアイデアだと思います。そういう意味においては、私たちはひとつ検討してみたいと思います。
○和田(耕)委員 公取委員長、いまの通産大臣のお述べになった問題について御所見をお伺いしたい。
○高橋(俊)政府委員 公取委員会の立場から言いますと、たいへんむずかしく、また、いま即答いたしかねる問題でありますが、鉄鋼のようなものがいま基幹産業である、これはいわゆる普通の用語としてはそのとおりだと思います。鉄鋼にのみ焦点を当てて、それを一つの規制物資として価格を凍結するのはどうかと思いますが、上下の幅を用いるとか一種の合理化カルテル的なことを価格面で認めていくか。くず鉄にはあるのです。ふしぎなことに、くず鉄にはいろいろな事情がありまして、合理化カルテルで価格に幅を持たせ、安定帯を設けているというようなのが実はあるのです。 いま私どもが非常に問題にしなければならないのは、鉄鋼のメーカー価格そのものよりもむしろ末端価格なんです。この流通段階における鉄鋼の価格の変動率というものは、前にカルテルを行なっておりまして、私どもが認めておりました当時からたいへんやっかいな問題、いかにこれを冷やそうとして、当時の状態で増産を要請いたしましても、上がるばかりでなかなか下がらない。結局、私どもあとから見まして、確かにもっと増産体制を早くとらすべきであって、不況カルテルは十二月の段階は余分であったといいますか、むしろ大いに増産をさせるという方向でやるべきだった、現にやったのでございます。当時も百万トン一カ月で増産してくださいというような要請をいたしましたが、なおかつ市中価格は下がらないわけで、問屋相場と称するものが、実際に取引がないというような名目相場ではございますが、著しくつり上げられて、それが実際は、地方の末端で需要する者の実際に買われる相場にそのまま影響しているわけです。ですから、メーカー価格のほうは、高炉メーカーは全く上げておらない。最近でも私はほとんど上げていないと思います。これはそういうふうに責任者が申しております。ところが、中間段階から末端にいくに従って、非常に値開きが大きくなっている。 こういう問題に対してどうするかという点は、おそらく立法をもってしましても、そういう流通段階まで全部規制する法律というのはなかなかむずかしい。これはしかし、流通段階そのものについて、いろいろこれからの対策、流通対策をがっちり固める。そして違反的不当な値段のつり上げが行なわれないようにする。鉄鋼のみでない、ほかのものにもたくさん見られます。流通段階でうんと引き上げられるといったことがございますが、独禁政策上私はかなり弾力的にものを考えていきたいと思いますけれども、いま言ったような、末端価格を実際に上げてしまえば何にもならない。大手のユーザーだけはあまり変わらないのですが、小さな土建業者等がたいへんな被害を受けているといいますか、そういう事情でありますので、その辺について考慮を払わなければならないと思います。
○和田(耕)委員 この問題は、単に政府だけではないと思います。この段階で業界も含めて、今回の経験をもとにしながら真剣にひとつ討議してみることが必要だと思うのです。 それと関連した問題ですけれども、一昨日、家具工業連合会副会長が参考人としてお見えになりまして、木材の問題について、ベニヤ業界が話し合いをして、一月から三月の段階で五〇%以上も値段を上げていった、これははっきり文書でそういう報告を出してきているわけですけれども、このベニヤ業界の場合も不況カルテルがあって、その直後なんですね。不況カルテルで十分話し合いの基盤ができておる。いつでも、アと言えばカと言うような関係ができておる。これが今回の木材価格の暴騰の陰の大きな主役を演じた、そういう感じなんです。 その前に、木材輸入協会の会長の郡司さんから伺ったときには、郡司さんは大手の三井木材の人なんですけれども、この人の言うには、私どもは何も買占めあるいは価格のつり上げをやったのじゃないのだ、末端の価格が上がってきたから、それに従って私どもは売っただけのことだという御主張を最後まで変えなかった。その後ベニヤ業界の人の話を聞き、そしておととい家具メーカーの話を聞くと、その中間のベニヤ業界のところで事実上の話し合いをして価格を引き上げたという事実が次第に明らかになってきた。 そこで、問題なのは、大きな商社とベニヤ業界の人たちとの系列化がずっと深まっていった。いままでベニヤ業界の人たちは、自分の製品の販売先の大部分を問屋筋を通してやっておったけれども、この数年間に大部分、これは七〇%と言う人がありますけれども、少なくとも五〇%以上は商社の手を通じて売るようになった。商社からも金を貸す、そしてできた製品を商社に渡すという、非常に強い系列的な状態が進んできておる。このことを考えますと、ベニヤ業界のカルテル的な価格のひとり占めということと、大商社の系列を通じての影響という問題が重なり合って、今回の木材価格の暴騰を引き起こしてきたということになるわけです。その間、家具をつくるメーカーの人たちが末端の価格でどういう役割りを演じたかということはわかりませんけれども、少なくともその過程はわかってきておる、こういうことですから、この問題について、公取は当然、ベニヤ業界に対して調査の手を進めなければならないし、また林野庁としても、業界に対して必要な措置をとる必要があると私は思うのですけれども、この問題についてのお答えをいただきたいと思います。
○高橋(俊)政府委員 ベニヤの問題は、すでに私どもの審査部で調査を開始しております。全国家具工業連合会から一月の下旬にすでにあったのですが、資料が何もありません。そこでその提出を待っておりましたが、三月九日に一応の資料の提出がありました。それを私ども見まして、ベニヤの業界、合板業界がカルテル行為をやっておるのではないかという疑いで一応予備調査をしておるのです。それの中身については、ここで申し上げるのはちょっとまずい点がありますので控えておきます。 確かに一面、いまおっしゃいました大手商社とベニヤ業界とのかかわり合いは、たいへん深いものが見られます。原料の多くを大手商社が提供いたしまして、製品の七割、おっしゃるとおりでございます。七割をその商社が買い取って販売しておるというふうに、相当密接といいますか密着した関係があります。これらについては、別の各角度からも調査をしなければならぬと思っております。 特に、一方で調べてみますと、原料となるラワン材の価格が、日銀のほうの統計では、一、二月に至るまでほんのわずかしか上がっておらないのです。一万三千円台の間で千円程度の騰貴しかしていない。他の木材につきましては、これは御承知のとおり、相当高い騰貴がございました。ラワン材は必ずしもそうじゃない。これから先上がるかどうか、私はわかりません。しかし、そういうふうに、原料であるラワンが比較的安定しているのだ。原木を製材いたしましてベニヤ業界に売り渡すその値段は、かなり上がっておるのでございます。これははなはだしきは二倍ないし二倍をこえているというふうな状態でございます。しかし、製材されたラワンの状態においては、ちょうど昨年の十一月の終わりごろが木材の騰貴のピークでございますが、それに合わせまして相当高くつり上げられてしまった。 そこで、合板業界としては、コストの面では、原料そのものは二倍以上に上がったという口実はございますが、そういうこともありまして、おのおのが自分の意思で上げたのだと業界は称しておりますが、ですから、いろいろその辺の事情について問題がありとみて、調査は十分やっておるつもりでございます。
○和田(耕)委員 林野庁のほうから……。
○福田政府委員 林野庁といたしましては、昨年の十二月の中旬まで、十一月に相当上がりましたもので、特に合板関係の商社関係、あるいは卸売関係、各代表を呼びまして注意をし、あるいはまた文書等によりまして適正な価格形成についても要望いたしておったわけでございます。 最近は、全体の趨勢を見ますと、全体的に十二月中旬以降下がってきておりますけれども、合板につきましては下がらずに、異常に価格が上がっておった。最近、四月に入りましてからの調査によりますと、小売価格も徐々に下がってまいっております。 私たちのとりました行政措置としましては、そういう注意のほかに、合板メーカから建具業等需要者のほうに直接販売のあっせんをいたしまして、東京地区、それから名古屋地区におきましてそういうあっせんをしたのでございます。ただいまではそういう効果も出たものと考えております。ただ、中間の問屋あるいは小売りから非常な反対もございましたけれども、思い切ってその点は指導してまいったところでございます。 そういうことで、今後は落ちついてまいるというふうに私どもは観測しておりますが、四月に入りましてからも、合板以外の木材につきましては、目下追跡調査を実施中でございます。
○和田(耕)委員 そこで、通産大臣と経済企画庁長官にお伺いしたいのですけれども、いまのベニヤの例は一つの典型的な例だと思うのですけれども、この前、三井物産の会長さんは、こういう話を私の質問に対してしておりました。需要が大きくふくらんでいるし、生産は大きくふくらんでいる中の流通過程が非常におくれている。したがって、このパイプを大きくしなければならないのだ、われわれが直接中小企業の過程に手をはめてやったのは、これを大きくするメリットもあるのだ、こういうお話もしておりました。確かに生産のほうは大きくふくれ上がった。需要のほうもまた大きくふくれ上がってきておる。その流通の過程がわりあい細かったり、いろいろな回り道をしたりという過程になっておる。これは確かに合理化という面から考えると、一国の経済としては大事なことだと私は思います。そうだからといって、いまこの自由経済制度のもとで、自由に大商社が入り込んできておる。そこで系列化をしておる。そこで生産、流通、消費の各段階において買占めなりあるいは売惜しみが行なわれ、あるいは多大の独占が行なわれてきておるという状態ですね、こういう事態を考えますと、やはり経済全体として、自由放任の一つの経済システムというものに対して、これは部門別ではなくて、やはり全般的なこれに対する、これの弊害についての是正の措置も考えなければ、一つ一つをとって考えてもなかなからちがあかないという問題が出てきているという感じがいたします。 こういう問題について、私自身も、どうしたらいいかという考えは固まって申し上げることはできないのですけれども、両大臣の、この実情に対しての施策の基本的な態度について御所見をお伺いいたしたい。
○小坂国務大臣 確かに一つの転機というような感じがするのでございまして、商社というものは外国でいろんな物資を買い集めあるいは売りさばきをやっておった。外国のほうの状況がちょっと変わってきた。円の切り上げ等によって状況が変わってきた機会に、ここに内需の非常に拡大した市況が待っておるということで、何かわけがわからずに突っ込んできたというような実は感じがするのであります。ところが、非常になれぬことをやってたたかれて、どうしていいかわからぬというふうに思っているのじゃないかと思うのでございます。 そこで、私どもは、ここに商社に対する秩序をどう考えていったらいいかということは、私どもは私どもなりに考えまして、商社もまた商社で非常に反省して、考えてやっていくといっておりますものですから、その間の状況をよく突き合わせていきたいと思います。 何といいましても膨大な資金を持ち、しかも好況で会社間の信用というものが非常に楽になっているわけですね。流通手形がなかなか落ちなかったのが、すぐにでも現金化される、資金がふえる。そこに優秀な人材と情報がある。ですから、それが大きく入ってくれば勝つに決まっておる。これは先ほども通産大臣おっしゃった。私も、全く勝つにきまっておると思う。そこで、その商社、必ずしも勝つことでないようにしていかなければならぬ。そこにおのずからなる秩序というものを与えなければならぬということは、非常に必要だと私は思うのでございます。 ただ、私は、やはり商社だけのそういうマーケッティングに対する介入が、この異常な物価高を一体生んでおる全部であるかどうかということは、ずいぶん問題があると思うのであります。ことに、投機筋が大きく値を走らしている生糸なんかにしても、八千円台のものが一万円になりあるいは一万四千円にもなる。大豆なんかは特にひどく、四千二百円だったものが、あれよあれよという間に一万五千円になる。これは商社だけでなく、何かそういうスペキュレーターが介在しているのではないか。ベニヤなんかにしてもそうですね。ことしあたりは予算の時期に、北海道のベニヤ業者が、あすのこともわからぬから何とかしてくれということをさんざん言ってきたわけです。ところが急にこういう状況になった。何かそこに——これが何であるか私はつかめないのですが、皆さんのお知恵を拝借しつつ、国家の行政機能を動員して、何かそこにある過剰流動性のかたまりのようなものを見つけることができないかというふうに、ちょっとこれはいまの御質問とは別のことでございますが、考えております。
○中曽根国務大臣 流通のパイプを太くするという名のもとに商社の系列化を進めるというのでは、これじゃまた意味がないと私は思います。だがしかし、いまの錯雑した流通の形そのままでいいかというと、これも一つの問題点があります。 それで、やはり一億の人間が生きていくのですから、商社だけが食っていっていいという問題ではないので、その間にある問屋でもあるいは仲買い人でも、それぞれの機能は果たしてなりわいをやっている国民なんですね。問題は、その間に投機が行なわれたり買占めが行なわれたりするという倫理性の問題であって、それが極端なロスを招かない限りはみんな共存していく措置をとってあげることは、これは正道だろうと思うのです。 そういう倫理性という面を考えてみますと、やはり国家がここで介入してくる余地があるので、だれがやるという問題よりも、何をやろうとしているかということが問題だ。そういう意味で、今度この法律を提案いたしまして、政府に権限を与えていただいて、それによって価格を指定してまでも売り渡しを勧告するとかあるいは調査をするとか、そういうことによって国が公平と国全体の調和を保とうと出動してくる、これは許されることであると思うし必要なことであると私は思うのです。ですから、先ほど、カルテルにかんがみまして立法のお話がございましたが、これはメーカーだけでは日本の場合きき目がない。末端とかあるいは問屋とかまである程度網にかけなければ、実効があがらないという気がします。しかし、それがはたしてどういう法律で可能かという点も大問題で、これは大いに検討を要するところであろうと思います。しかし、ともかくこの法律を施行してみて、そして運用してみて、その結果の推移を見て次の段階を考えたらどうか、そういうふうに思います。
○和田(耕)委員 時間もありませんので、いまの質疑と関連をさせて、若干法律の問題について一、二ただしてみたいと思うのです。 長官、先ほど同僚委員のいろんな質疑の中で、どうも定義が明らかでないということがあったのですが、これは明らかにしろといってもなかなか明らかにできない性質のものだということも、御答弁でよくわかったのですけれども、しかし、それではあまりばく然としておって、大事な、しかも緊急な事態に対してこの法律を効果的に実行することは非常に困難だ、主観的な範囲だけに。 そこで、お聞きしたいのは、この半年間に起こっている異常な事態があるわけです。この法律によって、たとえば買占めあるいは売惜しみの商品だと特定まる、指定するわけですね。商品を「指定する」、こうなっているわけですけれども、この半年間に起こった事態を見て、どの業種、どの業種、どの業種はこの法律の特定の品目に当たるのか、長官はどうお考えになりますか。、つまり、この法律の精神から見て、いまいろんな買占め、売惜しみという状態が起こってきている。いまあなたが指定する場合に、どの品目、どの品目、どの品目は当然指定すべきだというふうにお考えになりますか。
○小坂国務大臣 これはまだなかなか──御意見があろうと思いますが、私、いまとっさに考えまして羊毛、毛糸、綿糸、木材、大豆というところは当然入れていいと思います。先ほどいろんな意見の中で、不当なということが問題になっておりました。不当であるということはなかなか客観的に──どろぼうにも三分の理ということがございまして、訴訟になったり何かするということもございます。いまのお話を伺って、私、非常に啓示を受けるのですが、異常な値上がり、こういうものは入ってくるという感じがいたします。
○和田(耕)委員 それで大体考え方というものがわかる感じがするのですが、土地をどういうふうにお考えになりますか。
○小島政府委員 ただいま大臣が申されましたのは、法案の作成過程において一応予定しておりましたものでございまして、やはり法律の施行されます段階で、そのときどきの一番新しいデータに基づいて判断せざるを得ませんので、そういう事情であるということを御了解いただきたいと思います。 それから、土地につきましては、やはり普通の商品とかなり性格が違います。現在新しい国総法が提案されておりまして、やはり土地に関しましては別途の体系で考えるべきであるというふうに考えます。
○和田(耕)委員 いろいろ情勢の変化によって特定する商品の選別のしかたも違う、これはよくわかります。わかりままけれども、それだけではあまりばく然としております。現在一つの典型的な事態があるわけです。あるから、この事態という条件を前提にしてこの法律を適用する場合にどれを特定するかということを参考までにお聞きしたわけですけれども、法文の解釈が、いまの品目だけだと非常に狭い範囲になりはしないか、私はそういう感じがしてならないのですけれども、その問題はひとつその点をよく御検討いただくことと、もう一つは、おととい参考人を呼んだとき、私、非常に痛切な感想として抱いたことは、そのときの情勢に応じて品目を選んで、そしてこれを調査をして、そして勧告をするというたてまえにこの法律はなっているが、実際の異常事態に対して間に合うかどうか。それは、今後起こる事態に対しては一つの教訓的な意味は持ちますよ。あるいはこんなことはいいかげんにやったのではたいへんだというあれは持つけれども、実際起こってきた事態に対してこの法律が効果的に機能できるかという問題ですね。私は非常に不安を感ずるのです。また、おととい見えた参考人の方々も、ほとんど大部分の人がそういう感じを持っておられる。とすれば、これは、野党案にありますように、売渡命令という一つの項目があるのですけれども、緊急な中にも特に緊急な問題については売渡命令を出すことができるというような、限定された範囲ででもそのような条文の修正ができないものかどうか。そうしないと、起こってきた事態に対して、これは調べてみます、調べた結果、これはどうですかと相談が行なわれる、そしてそれに対して、これは勧告をする、そして公表をするということになると、全く緊急事態に間に合わないという感じが私は痛切にするのです。したがって、緊急度合いはいろいろありましょうけれども、特に緊急な事態については売渡命令を出すことができるというような項目は、これは野党だから何とかだからというわけではなくて、この法案の趣旨から見て、そして起こってくる異常な事態を考えて、効果的なものにするためにはそういう項目がどうしても必要だという感じがするのですけれども、大臣、いかがですか。
○小坂国務大臣 私は、実はその点は、この法案の中に盛られておる内容のほうが緊急性に対処し得るというふうに思っております。といいますことは、価格調査官というのは非常に迅速に立入検査をする。調査し資料を要求するとかいうようなことは必ずしも立入検査の前提ではございませんで、いきなりやれるわけでございますが、そのほうは、緊急に法律命令を出すということになりますと、命令をするからには、やはり今日のこの情勢でございますから、当然行政訴訟を考えなければなりません。そうすると、必要な調査をする、そのために手間どって必要な法律命令が出せない、放出措置を勧告することができなくなるのじゃないかという点を、私、むしろ逆な点で懸念いたしております。 いかがでございましょう、やはり行政的な決断と行動によって調査官が入っていって、そして出しなさいということのほうが、むしろ、命令というような重々しい、非常にかた苦しい形よりも実効があるのではないか、私、心底からそう思っておりますので、お答えを申し上げます。
○和田(耕)委員 最後にこのことで質問を終わりますけれども、私が申し上げておるのは、指定した、特定した全部の品目に対して売渡命令ということを言っておるのじゃないのです。特に必要な緊急度のものに対しては売渡命令というような即効的なものができるような余地を法律の中に入れたらどうなんだ、そういうことを申し上げておるわけであって、私どもも、この法案はベターな法案だと思います。したがって、これは連休前には何とかやろうということで、野党の皆さんも一生懸命、土曜も月曜もやっておるわけです。ベターな法案だと思うからそういうようにやっておるわけですけれども、しかし、いろいろの過程で、いまの問題は何とかひとつ御検討をいただけまいか。今後ともいろいろ相談をしてまいりますけれども、率直に考えてみて、やはりこれだけはという、例外的な規定ででも売渡命令を出すという項目が必要だと私は思う。これは実は行政当局の判断によるわけですから、それは御判断でいいですけれども、法的な根拠として効果あらしめるためには、その項目は何とかひとつ考えていただく必要があると私は思います。 そのことだげ申し上げまして、質問を終わります。
○山中委員長 この際、中曽根通産大臣より発言を求められておりますので、これを許します。中曽根通産大臣。
○中曽根国務大臣 四月二十日の参議院本会議における伊部議員の質問に対する私の答弁を速記録で調べましたが、先ほどの御質問の問題に関連しまして調べてみましたが、「一定の限度を逸脱した大幅のマージンについては、情勢により行政指導ないしはこの法律の発動によりまして、これを規制する必要があると思いますが、これは、この法律の制定を待ちまして、運用を行ないまして、推移を見たいと思う次第でございます」とあります部分について、ことばが不十分で誤解を招くおそれがありますので、次のとおり説明をいたします。 この法律は、価格または取引業者のマージンを直接規制するものではないことは明瞭でありますが、不当に大幅なマージンが取られている場合には、従来どおり、行政指導によってその正常化をはかるのみならず、この法律の実施後は、この法律の規定に基づいて、たとえば法第四条により売渡価格を指定して在庫の売り渡しを勧告したり、あるいは第五条によって、買占めあるいは売惜しみの疑いがある場合には立入検査をすることなどによって、不当なマージンを是正していく考えを申し述べたものであります。 ————◇—————
○山中委員長 この際、連合審査会開会に関する件についておはかりいたします。 ただいま審査中の両法律案につきまして、大蔵委員会、農林水産委員会及び商工委員会から連合審査会開会の申し入れがございます。 つきましては、これを受諾して連合審査会を開会することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 それでは、来たる二十三日月曜日、午前十時から連合審査会を開会いたしますので、さよう御了承願います。 本日は、これにて散会いたします。 午後二時二十三分散会