農林水産委員会水産業被害対策小委員会 第1号
- 発言数
- 11 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1973/07/03
会議録
○仮谷小委員長 これより水産業被害対策小委員会を開会いたします。 このたび私が小委員長に指名されましたので、どうぞよろしくお願いいたします。 水産業被害対策に関する件について調査を進めます。 この際、水銀、PCB等の有害物質の排出及びこれに伴う魚介類等の汚染並びに被害問題について、現在までの経過、現状並びに将来の対策について、関係各省庁から順次説明を聴取いたします。環境庁企画調整局長。
○船後政府委員 PCBと水銀の汚染対策につきましては、関係省庁が多数にわたっておりますので、相互間の事務の緊密な連絡をはかるとともに、施策を総合的、効率的に実施するという目的をもちまして、それぞれ対策推進会議が設けられております。環境庁の企画調整局がその庶務を担当いたしておりますので、まず初めに私から各省庁の施策の概要を取りまとめて御説明申し上げます。 まず、PCBにつきましては、昨年四月二十七日に九省庁からなる対策推進会議を設けておりまして、昨年五月二十九日にPCB汚染防止総合対策を定めております。 まず第一に、PCB及びPCB使用製品の生産輸入は禁止するとともに、使用につきましても、開放系の使用はこれを禁止し、閉鎖系につきましても厳重なる管理、回収のもとにこれを規制することといたしております。さらにPCB及びPCBの回収処理につきましても、それぞれ業界を指導いたしまして、その処理に当たっております。また、排出規制につきましては、暫定的な基準を設けましたし、食品につきましても暫定基準をすでに設定いたしたところであります。このほか汚染土壌あるいは汚泥の対策、汚染メカニズム、人体影響等の研究も進め、さらにPCB汚染状況の実態調査を実施いたしました。昨年十二月に、昨年中に実施いたしました実態調査の結果、魚介類、水質、底質、土壌、取り扱い工場の排出につきまして、この対策推進会議において取りまとめ、発表いたしております。その概要は、お手元の資料にあるとおりでございます。 さらに、この一斉調査の結果といたしまして、十四水域につきましてさらに精密調査を本年二月に実施いたしまして、その結果は去る六月四日に水産庁から発表いたしまして、魚介類の暫定基準である三PPMをこえる水域、八水域が指摘されたのであります。 次に、水銀につきましては、去る三月二十日、熊本の水俣病判決がございまして、かねて熊本県及び鹿児島県で実施いたしておりました沿岸住民の一斉健康診断を、この判決を機会にさらに補完調査を実施する方針をきめておったところ、去る五月二十二日に、熊本大学医学部の十年後の水俣病に関する研究班から報告が提出されまして、有明海沿岸の有明町におきまして、定型的な水俣病と全く区別できない等の患者が存在していることが指摘されたのでございます。さらにその後、大牟田あるいは徳山等におきまして水俣病様患者の存在が新聞で報道されまして、たまたま六月四日に発表されましたPCBに関する実態調査の結果もあり、全国的にPCB及び水銀汚染に関する不安が生じたのであります。 このような事態に対処いたしまして、六月十二日に、水銀につきましても対策推進会議を設けることといたしまして、環境庁長官が議長となり、関係十二省庁をもって会議を設置いたしたのでございます。そして十四日に第一回の推進会議を開きまして、総合的な対策の基本方針を決定いたしたのでございます。それはお手元に資料として配付いたしました中に「第一回水銀等汚染対策推進会議議事要旨」というのがございますので、これによりまして、その概要を御説明申し上げます。 まず第一は、魚介類についての安全基準の設定でございます。これは日常の食生活の指針となるような指導要領も含めて、魚介類につきましての安全基準を設定することとし、すでに六月二十四日に厚生省から発表を見たところでございます。 第二は、有害物質関係工場に対する点検でございまして、水銀関係工場につきましては、通産省におきまして点検を実施し、七月末までにはその調査結果をまとめることといたしました。また、PCBにつきましても、まず水産庁の報告で指摘されました危険八水域周辺工場について実施し、全国的に点検を行なうこととしたのであります。さらに、今後は四半期ごとに関係工場から定期的に取り扱い状況等を報告させることといたしております。 第三は、水銀の排出規制でございます。水銀の排出は、水質汚濁防止法によりまして、すでに厳重に取り締まられておるのでありますが、水銀を排出するおそれのあるソーダ工場等につきましては、その工程をクローズドシステム化する、あるいは隔膜法へ転換するということを、それぞれ目標年限を定めて、きめたのであります。 第四は、各種調査の実施でございまして、一つは、全国的な規模で水銀、PCB、カドミウム等の有害物質につきまして、水質、底質、魚介類、プランクトン等について、環境調査を実施することといたしました。さらに、すでに熊大の報告によりまして指摘されております有明海沿岸につきましては、住民に対する健康調査を実施することといたしております。その他、環境調査の結果健康上の問題があると考えられます地域につきましては、環境調査の結果を待って、健康調査を実施することといたしております。 第五は、ヘドロ対策でございまして、水俣湾のヘドロにつきましては、すでにこれを今年度中に着工する方針を固めておったのでございますが、さらに全国的にヘドロ除去の暫定基準を定め、一般河川や海岸につきましても、来年度から建設省で浄化事業を計画的に実施することといたしました。 なお、水銀を含む底質の暫定除去基準は六月三十日にこれを設定いたしております。 第六は、漁民対策でございまして、とりあえずのつなぎ融資につきましては、天災融資法に準ずるような措置をとることといたしておりますが、これもすでに五十万円を限度として三分の利子でもって実施することに決定いたしたところであります。 第七は、関連企業対策でございまして、漁業者のほか、関連業者につきましても、中小、国民等の金融機関を通じて低利融資をはかる措置でございますが、これにつきましても、漁民とほぼ同じ条件でもってすでに決定を見たところであります。 第八は、原因者の追求でございます。これは環境調査あるいは工場排水の調査等の結果を総合いたしまして、汚染原因者というものを追求するということにいたしております。 第九は、水俣病等の治療対策でございまして、水俣病判決以来問題になっておりました治療研究センターの設立につきましては、専門家会議を設けて具体化を急ぐ。さらに大学における公害病の研究体制を整備し、また、国公立医療機関に対する補助等の体制の整備充実をきめたのであります。 第十は、監視体制の強化でありまして、海上保安庁等による監視体制の強化をきめ、第十一で、労働省におきまして、職場環境対策をはかることといたしたのであります。 このようにいたしまして、六月十四日に水銀等汚染問題につきましての基本方針を定めたのでございますが、二十四日に、先ほども申しましたように、厚生省から食品の暫定基準の発表があり、これを受けまして、さらに二十五日に第二回の推進会議でもって七項目の緊急実施すべき項目を定めたのであります。それはお手元のこの資料の三枚目にございます。 一つは、魚介類の暫定基準が定められたことに伴いまして、消費者が具体的にどのような魚を食べればいいのかということにつきましての不安がございますので、全国の魚市場におきまして食品衛生上の監視体制を強化する。特に、後ほど申し上げますが、九水域につきましては直ちに厳重なチェックを行なうということを定めました。 二番目は、このようにいたしまして、汚染がこの暫定基準値をこえておるということが発見されましたときは、直ちに地先と魚種を指定して漁獲の制限を行なう。 それから第三番目は、先ほど申しましたように、全国的な規模で環境調査を実施することはすでに決定したのでありますが、特に現地におきまして種々のトラブルがあり、問題となっております水域として、水俣湾、八代海、有明海、徳山地先、新居浜地先、水島地先、氷見地先、魚津地先、酒田港内の九水域につきましてはこの調査を急ぎ、おそくとも九月末までには調査を完了することにいたしたのであります。 それから第四は、これらの水域に立地する水銀関係工場につきましては点検を特に急ぎ、そして環境調査の結果とあわせまして、汚染源につきましての統一的な見解を出すことにいたしております。 それから第五は、苛性ソーダ工場等のクローズドシステム化につきましては、一般的には四十九年、来年の九月末を予定いたしておりますが、これらの地域につきましては本年末までに完了させることにいたしております。 第六は、ヘドロ除去のための浄化事業につきましては、今年度中に底質に関する除去基準を踏まえて計画を立てる。そして来年度から予算措置を得て実施するということをきめました。 最後に、第七に、魚介類の暫定基準の意義が正しく理解されるように、国民に周知徹底をはかることをきめたのであります。 このような方針によりまして、現在急いで実施に移しておりますのは、環境調査それから産地市場における魚介類の検査の二つでございまして、すでに七月から実施に移しておるところでございます。
○仮谷小委員長 次に、岡安局長。
○岡安政府委員 それでは、先ほど企画調整局長から全体の内容について御説明申し上げたわけでございますが、環境庁が実施いたしました事項につきまして御説明申し上げます。 まずPCBでございますが、先ほどの御説明のとおり、まず昨年の五月から十二月にかけてPCB汚染の実態調査をいたしたわけでございます。これは公共用水域、事業場の水質それから底質、魚介類並びに土壌の農作物等について調査をいたしまして、すでに公表いたしております。その内容はお手元に御提出いたしました資料のとおりでございます。なお、この結果によりまして、水産庁におかれましては細密の調査をいたしたということになっているわけでございます。 それから二番目に、PCBの排出規制でございますが、昨年の七月十七日にPCBの排出等にかかる暫定的指導方針というのをきめまして、通達をいたしております。この通達いたしましたのは、汚水中のPCBの分析の方法がいまだ確定されておりませんので、他の分析方法を準用するということになっております関係から、水質汚濁防止法に基づきます有害物質の指定をいたさないで、通達によって指導をしておるというのが現状でございます。その内容を申し上げますと、廃油処理施設、屎尿処理施設等を有する特定事業場の排水中のPCBの濃度については、その処理原水に含まれるPCBの濃度と比較して定量限界、これは〇・〇一PPMでございます、をこえて変動させてはならない。また、その他の特定事業場の排出水のPCBの濃度については、取水口における用水に含まれるPCBの濃度と比較して定量限界をこえて変動させてはならない、というような内容になっております。 それから三番目は、汚染ヘドロの除去でございますが、実態調査によりまして、暫定的ではございますが、ヘドロ中に一〇〇PPMをこえるようなPCBが含まれておったような場合には、早急に埋め立てまたは除去をするということにいたしまして、都道府県その他に指示をいたしてございます。すでにその大部分は処理済みでございます。 それから次に、水銀について申し上げます。 水銀につきましては、かねてから水質汚濁防止法に基づきまして、水質につきましては定例的に検査をいたしております。その結果も資料として御提出いたしてございます。ただ、ヘドロとか魚介類等につきましては十分な調査資料がございませんので、七月から全国的に魚介類及び環境の総合調査を実施いたすことにいたしまして、現在都道府県に指示をいたし、その実施にかかっております。その内容は、水質、底質、魚介類、プランクトン、土壌、農作物、海象、流況、それから水銀取り扱い工場等でございまして、調査検体並びに調査項目は、有明海、八代海につきましては一万二百検体、六万七千項目に及んでおり、全国につきましては二万八千検体、九万八千項目に及んでおります。 それから二番目といたしまして、最近中央公害対策審議会の水質部会から、水銀を含む底質の暫定除去基準につきまして答申がございました。これは、昨年の六月から水質部会の底質専門委員会におきまして、前後八回にわたりまして御審議をいただいた結果が六月三十日に水質部会から正式に答申が出されたということでございます。この内容は、当該水域におきます平均潮差、それから底質の溶出率、さらに安全係数等を勘案をいたしまして、一定の方式によりまして水銀を含む底質の暫定除去基準が算出できるように仕組んだものでございます。これによりまして近く各都道府県並びに関係官庁に御通知いたしまして、別途行なわれます全国総点検の結果によりまして細密調査を行ない、必要なヘドロは早急に除去いたすというようなことを考えている次第でございます。 以上でございます。
○仮谷小委員長 次に、厚生省浦田環境衛生局長。
○浦田政府委員 まず最初にPCBに関して御報告申し上げます。 PCBにつきましては、食品衛生上の観点から、昨年八月十四日に、食品衛生調査会の議を経まして暫定的規制値を設けて規制を行なってきたところでございます。その対象とするものは魚介類、乳肉製品等でございますが、その後十カ月余を経まして、さらに新しい問題に取り組むということで準備を進めております。 一つは、昨年答申を受けました段階におきましていろいろ条件、宿題がついておりましたが、それの整理、それに対するあとの意見の取りまとめということでございまして、その一つは多食者等の健康調査でございます。これは本年の二月、全国の多食者グループ、八道県、約四千名の方を対象といたしまして健康調査を実施いたしたのでございますが、近くこれらの結果が取りまとまります。それによりまして、その結果を見まして多食者等に対する特別な食生活の指導等が要るかどうかということがわかるわけでございますが、そのようなことの検討をする予定でございます。 それから、さらに妊婦あるいは幼児等へのこの暫定的規制値の適用という場合の考え方を御検討いただく、またさらには対象食品を魚介類あるいは乳肉製品等以外に広げていくかどうかということなどについても御検討願うことになっております。近くこのための食品衛生調査会の中のPCB特別部会を招集する予定になっております。 次に、水銀に関して御報告を申し上げます。 魚介類の水銀の暫定基準を先ごろ設定いたしたわけでございますが、その経過を簡単に御報告申し上げます。 まず、これは汚染源対策を的確に行なうためにということと、それからこれはいわゆる第三水俣病と申しますか、このような報告以来急速に広まってまいりました魚介類に対する国民の不安を一掃するために、魚介類の水銀の基準の設定ということが緊急の重要課題として提示されたわけでございます。厚生省といたしましては、これを受けましてわが国の斯界の権威者の方十二名にお集まりいただきまして専門家会議を構成し、近々一カ月の間でございましたが、非常な御努力をお願いいたしました結果、六月二十四日に魚介類の水銀の許容基準に関しまして意見の提出をみたのでございます。 お手元に資料としてお配りしてあると思いますが、この許容基準の考え方でございますけれども、まず健康が絶対に確保できる週間摂取許容量を定めるということが一点でございます。 それから、これを確立するために一定量以上の汚染魚については市場から排除するということが二点でございます。 さらに詳しく御説明申し上げますと、資料の二枚目に書いてありますとおり、週間許容量はメチル水銀〇・一七ミリグラムといたしておりますがこれの根拠は、一つは水俣病からの最近の研究結果に基づき、また二番目といたしましては、国立衛生試験所におけるサルの実験の結果、これはすでに国立衛生試験所におきまして、過去二年にわたりましてサルを対象としてメチル水銀の慢性毒性についての研究を続けております。 さらに精密に申しますと、今後一年以上の観察期間が必要であるのでございますが、幸いに二年を経ました現在におきまして、ある程度の中間報告としての知見が得られておりますので、これに基づきまする知見、それからWHOの専門委員会で報告した報告書の中に、メチル水銀の人体に対する許容摂取量の数字が出ております。 これら三つの根拠に基づきまして、これが三つとも実はぴたりと一致するのでございます。その数字がメチル水銀で〇・一七ミリグラムに相なっておるわけでございまして、この基準から考えられます限りにおきましては十分な安全率を見込んでおるものでございます。 次に、魚介類そのものの規制値でございます。資料の三枚目に書いてあるのでございますが、魚介類そのものの規制値といたしまして、総水銀として〇・四PPM、メチル水銀として〇・三PPMといたしております。この根拠はさきに述べました週間許容摂取量〇・一七ミリグラム、これをもととし、国民のうちで魚介類を最大量食べる人たちの平均摂取量を勘案いたしまして定められたものでございます。スエーデン、アメリカ、カナダなどのいずれの基準よりもきびしいものと言えます。 この二つの基準を守っていただけば、国民の皆さま方ほとんどがいままでどおりの魚介類の摂取を続けても健康をそこなうおそれはないものと確信されます。 また妊婦、乳幼児及び魚介類を平均最大摂取量以上に摂取するいわゆる多食者につきましては、その特性を考慮いたしまして、別途指導することが必要であると考えております。 なお、規制値につきましては、その特性にかんがみまして、マグロ類等、それから内陸河川の魚介類等はこの規制値はかけることはいたしておりません。総量規制という考え方で、先ほど申しました一週間の許容摂取量〇・一七ミリグラムの範囲内の考慮は必要でございますが、規制値は適用いたしておりません。 なお、厚生省といたしましては、これを受けまして去る六月二十九日、全国の食品衛生主管課長会議を開催いたしまして、この基準設定の趣旨を徹底いたしますとともに、流通市場における魚介類につきましての監視を一そう強化、充実するほか、早急に問題の九水域の産地市場において検査を行ない、規制値を越える魚介類を流通させないように措置するように強く指示いたしております。そのために、場合によっては他府県のほうからの応援をさせる、必要な器具については予備費を要求いたしまして、これらの検査が円滑に進めるように措置いたしたいと考えております。 以上でございます。
○仮谷小委員長 次に、通産省、公害防止指導課長。
○松村説明員 通産省の水銀及びPCBの汚染対策について申し上げます。 先ほど環境庁のほうから全体として汚染対策についての御説明がございましたが、通産省といたしまして最近に行なっております調査あるいは排出源対策について若干補足的に御説明をいたします。 まず水銀についてでございますが、水銀についての調査といたしましては、先ほど環境庁のほうからお話がございました有明海、八代海の沿岸に立地する関係企業につきまして、当該地域の調査の一環として通商産業局において立ち入り調査を実施いたしております。これは対象項目といたしましては排水、土壌、廃棄物等について調査いたしているわけでございます。またアセチレン法によりアセトアルデヒドを過去に製造していた工場、また塩化ビニールモノマーを過去にアセチレン法によって製造していた、あるいは現在でも製造している工場、さらに水銀法電解ソーダ工場については担当官を派遣いたしまして調査を実施中でございます。さらに第三番目といたしまして、上記以外の水銀使用工場等についても調査を実施中でございます。なお、水銀を使用する使用工場について、水銀の購入量、使用量また水銀の回収量、保有量等を定期的に報告をさせるということで準備を進めているところでございます。 汚染防止対策といたしましては、第一番目に電解ソーダ工場につきましては昭和四十九年の九月までに水銀使用工程の排水を工場外に出さない、工程中で循環させる、いわゆるクローズドシステムに切りかえることに指導いたしております。この点につきましては、特に先ほどお話のございました九水域については四十八年中にこれを完了するということで指導いたしております。また抜本的対策として、昭和五十年九月を目途に水銀を使用しない工程に極力転換させることとして指導中でございます。アセチレン法の塩化ビニールモノマー工場についても、四十九年九月までにクローズドシステム化を進めることといたしております。 次に、PCBでございますが、PCBについての調査といたしましては、第一番目に、水産庁が発表されました汚染八水域にかかわる関係府県のPCB使用工場については、各通産局が関係府県と協力して現在調査を実施中でございます。第二番目に、いま申しました八水域以外のPCB取り扱い工場についても、工場リストの整備とともにこれら工場の実態調査を実施中でございます。第三番目には、PCB取り扱い工場について、水銀と同様に、現有保有量、回収量等について定期的な報告をさせることといたしております。 PCBの排出源対策といたしましては、PCBそのものの製造はすでに全面的に中止されており、その開放系あるいは密閉系の用途についても、先ほど環境庁から御説明がありましたように、その使用を中止あるいは限定いたしておるところでございますが、熱媒体としての使用についてはすでに八割程度転換を終え七おり、現在使用中の工場についても四十八年末までに転換するよう指導中でございます。また、PCBを使用いたしました製品の回収処理についても、これを一そう促進することとして現在指導中でございます。 最後に、これら水銀及びPCBの汚染によって影響を受けた鮮魚商等の中小企業者に対して、その経営の維持安定に緊急に必要な運転資金について国民金融公庫、中小企業金融公庫等から低利の融資を行なうことといたしておりますが、この点につきましては、お手元に差し上げました資料のとおり、第一番目に、水銀またはPCBの汚染による被害中小企業者に対し、その経営の維持安定に緊急に必要な運転資金の融資を行なうことといたし、貸し付けの対象者は、水銀またはPCBの汚染により漁獲に著しい支障を来たしている水域に近接している地域において事業を行ない、かつ当該水域から漁獲された魚介類を取り扱うことを主たる業としていた中小企業のうち、売り上げが著しく減少した者を対象といたします。 三番目に、その主要な貸し付け条件といたしましては、第一番目に、貸し付け限度は原則として二百万円以内。貸し付け金利は通利とする。ただし五十万円までについては、通利と三%との金利差につき地方公共団体が利子補給した場合に国はその六五%を補助することといたしております。償還期限については、据え置き一年を含めまして五年以内。融資機関といたしましては国民金融公庫、中小企業金融公庫、商工組合中央金庫といたしております。 なお、あわせて、本制度の融資対象者であって現在前述の三機関からの借り入れ残高を有する者についての返済猶予措置を行なうことといたしております。 以上でございます。
○仮谷小委員長 次に、水産庁増満漁政部長。
○増満説明員 魚に対します消費者の不安、魚価の低落等によります漁業者等の経営、生活の不安定の状況に対しまして、これを解消するために、水産庁といたしましては関係各省と連携のもとに、第一に、汚染の魚種と漁場を明確にして、その汚染魚の流通を防止するための漁獲の自主規制をする措置を講ずる。第二に、緊急対策としましては、関係漁業者及び中小企業者等に対しますつなぎ融資の措置を講ずる。第三に、基本対策といたしましては、関係省庁との連携のもとに公害関係諸法の厳正な実施、監視体制の確立をはかることによって汚染を防止する、こういう考え方によりまして対処してきているところでございます。 これまで御説明がございましたことと重複するところがございますが、順を追いまして御説明申し上げます。 六月四日に、先ほどもお話がございましたが、PCBの精密調査の結果を発表いたしました。本日手落ちで資料をお届けしてございませんが、後ほどさっそくお届けをいたします。この調査によりまして、全国でPCBの暫定規制値三PPMをこえるものは、まず大分川の川口の天然ウナギ、高砂地先のボラ、コノシロなどの八水域であるということを明らかにしたわけであります。 続きまして、その発表と同時にこの地域の漁獲の自主規制の指導を各県あてに行ないまして、同時に被害の補償、汚染魚介類の処理、ヘドロの処理排除等について、原因者負担の原則によって解決がはかられるよう指導をしたところでございます。 同時に、発表後直ちに六大都市の卸、仲卸、全国小売り団体等に、発表いたしましたPCBの精密調査の結果を詳細に説明をいたしまして、いたずらな不安を持たないように、また消費者に対して正確な通知ができますように徹底方を要望いたしました。 六月十四日、水銀の汚染対策会議の決定に基づきます漁業者等に対するつなぎ融資の決定が六月二十日に行なわれました。天災融資法に準じまして、末端金利三分の融資を行なうことといたしまして、貸し付け対象者は、水銀またはPCBの汚染によりまして漁獲または漁獲物の販売が困難になったことにより、収入が著しく減少し、生活に支障を来たしている者にする。主要な貸し付け条件といたしましては、金利三%、貸し付け限度五十万、償還期限五年以内、うち据え置き一年。融資機関の基準金利八・五%と末端金利三%との金利差について地方公共団体が利子補給をしました場合には、国はその六五%を補助する。なお、原因者が明確になったときは原因者負担となるという融資措置をきめまして、直ちに各県に通達いたしまして、資金需要を報告するように措置しておるところでございます。 水銀につきましては、六月二十四日に厚生省の暫定規制値の発表がございましたが、これに対応いたしまして、水産庁の長官談話といたしまして、環境庁を中心に関係各省庁の協力のもとに、問題があると見られる海域に対しましてすみやかに調査分析を実施することを発表し、次いで六月二十五日、第二回の推進会議で、九つの水域につきまして七月から九月末を目途に早急に点検を行ないまして、白黒の決着をつけるということをきめたわけでございます。九月末を目途にということでございますが、早急に実施をいたしまして、検査ができるように指導しておりまして、早ければ七月中にも発表できるというようなものもあるかもしれないという覚悟で指導をしておるところでございます。 六月二十九日に、関係省との折衝の結果、先ほどお話がございましたような鮮魚商等に対するつなぎ融資の措置がきまったわけでございます。 それから六月二十九日、全国の公害関係の課長会議を開催いたしまして、水銀等の汚染状況の調査の早期実施を指示した。 現在までのところ、こういうような経過になっております。
○仮谷小委員長 以上で説明は終わりました。 質疑は後日に譲ることにいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時三十三分散会