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71回国会衆議院1973/11/09

農林水産委員会 第57号

発言数
313
登壇者
33
会派数
5
開催日
1973/11/09

会議録

佐々木義武自由民主党

○佐々木委員長 これより会議を開きます。  農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。  先般、農林水産業に関する実情調査のため沖繩地方に委員を派遣したのでありますが、この際、派遣委員より報告を聴取いたします。吉川久衛君。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員 沖繩県における農林水産業の実情調査のため、佐々木義武委員長、美濃政市君、竹内猛君、中川利三郎君、瀬野栄次郎君、神田大作君と私を加えた七委員よりなる調査団を編成し、去る十月二十一日から二十五日までの五日間にわたり現地の実情を調査してまいりましたので、その概要について御報告を申し上げます。  まず、調査の日程について申し上げます。  第一日は、空路、沖繩本島に入りまして、沖繩開発庁沖繩総合事務局において、局長、農林水産部長から沖繩県の農林水産業全般にわたる現況を聴取し、沖繩農林水産業の振興について意見の交換を行ない、引き続いて南部地区の農業地帯、糸満漁港等の調査を行ないました。  第二日は、沖繩県庁を訪れ、沖繩県の農林水産業が当面している諸問題について、知事、県農林水産部長から概況説明を聴取し、続いて、沖繩県の農林水産団体の代表者との懇談の場に臨み、数多くの陳情を承った後、空路、石垣島に飛び、大川地区で肥育牧場を、また川平地区で県水産試験場等を視察いたしました。  第三日は、はんな岳に登り、国営土地改良事業予定地を一望し、熱帯農業研究センターを訪ねた後、西表島に渡り国有林野の管理運営の状況をつぶさに調査し、石垣島に帰島いたしました。  第四日は、石垣島より空路本島に帰島し、本部半島の海洋博予定地、今帰仁村の土地改良地区、経済連のパイン工場を視察いたしました。  最終日の第五日は、経済連の市場、食肉センター、県農業試験場の視察を行ない、かなりの強行日程でありましたが全日程を予定どおり消化し、沖繩の美しい自然ときれいな海をあとにした次第であります。  すでに御承知のとおり、沖繩は、わが国最南端に位置し、大小七十余の島嶼からなる県でありまして、地理的、地形的にも不利な上、台風の常襲地帯という過酷な気象条件にさらされ、しかも、昨年五月の本土復帰まで二十七年間の長い年月、本土との隔絶があり、政治、経済、社会等各分野において本土との間に著しい格差が生じております。  復帰後、沖繩県ではおくれた社会資本の充実をはかるため、数多くの公共事業が行なわれ、また、今日では復帰記念の国家事業としての海洋博が予定されていることから、海洋博及びこれに関連する事業が急速に進められておりますが、このようなことから、物価、賃金、地価の高騰が見られ、また農業労働力が吸収され、農業経営の粗放化、サトウキビの収穫放棄等が見られるなど、農林水産業にも多大の影響を与えております。  沖繩県の農業を概括いたしますと、農家戸数六万戸、耕地面積四万八千ヘクタール、農業就業人口九万三千人で約三百三十億円の農業生産額をあげ、県経済の全体の中で農業就業人口比は二四%、純生産額比六%とその比重は小さいが、県内で消費される野菜八〇%、卵一〇〇%、肉類七〇%等を供給し大きな役割りを果たしております。  農業生産の特徴は、亜熱帯性気候に適した、サトウキビとパイナップルを主要作物とする単一的な農業と豊富な草資源を利用した畜産が営まれております。  サトウキビ、パイナップルは干ばつや台風に比較的強く、しかも沖繩産粗糖やパイナップルかん詰めに対しては特恵措置もあって、従来から安定作物とされてきたのでありますが、サトウキビについては、作付面積で六三%を占めているものの、近年、作付地の壊廃、労働力の流出と質的低下による長期株出しなど生産の粗放化が進行し、さらに土地基盤の未整備、収穫機械の開発普及がおくれていて、生産は停滞しているといわれております。  しかし、サトウキビは、沖繩の全島で栽培され、本土の米作にも匹敵する沖繩農業の基幹作物でありまして、その生産振興をはかることはもとより必要でありますが、当面の問題として、昭和四十八年産のサトウキビ最低生産者価格については従来のパリティ方式による算定方法を、米の場合と同様、生産費及び所得補償方式による算定方法に改め、現行価格トン当たり六千九百五十円を一万三千円以上とするよう、県、市町村、農業団体等からの強い要請を受けました。われわれは、その価格決定のいかんによっては沖繩農業全体に及ぼすものきわめて大であるとの認識に立ち、生産費調査の分析を行なった上で適正な価格を見出し、その引き上げに努力することを約束してまいったのであります。  パイナップルの生産については、主として本島北部、八重山で栽培され、優良品種の普及、開花促進剤の適正使用等につとめているとのことでありますが、古株園の増大や薬剤処理による樹勢の衰退、台風等によって近年は減少傾向にあるといわれております。  パイナップルは、国際商品として対抗できるだけの品質改良が当面の大きな問題でありまして、農業試験場等における試験研究の充実が大いに期待されるのであります。また、韓国人の導入等、パイン工場に働く女工さんの確保についての要望がありました。  畜産物の生産につきましては、旺盛な需要にささえられ順調に拡大し、中でも肉用牛、豚、鶏は、飼養規模の拡大を伴いながら、全体として飼養頭数は増勢を示しており、将来大いに有望視されております。しかし、草地の改良造成等粗飼料生産の基盤整備、家畜の改良増殖等の立ちおくれが見られ、また、干ばつ対策など問題も少なくないとされております。  このようなことから、導入牛の購入補助単価の引き上げ、草地開発事業に対する国庫補助率の引き上げ、あるいは牧野ダニの駆除等について、国は特別の配慮をしてほしいと要望されました。  また、昭和四十六年の大干ばつにより農作物等が被害を受け、家畜が大量に死亡したとの報告を受けたのでありますが、このようなことを繰り返さないため、ため池等の貯水施設の整備につとめ、水の有効利用をはかっていくことが沖繩農業の振興のため、特に必要であると考えた次第であります。  林業につきましては、戦災と戦後の乱伐により山は荒廃しているといわれ、林業生産の立場からは今後の森林生産力の高揚にまつほかはありません。われわれ一行は、西表島で国有林野の管理運営状況を調査したのでありますが、そこでは、島全体が国有林という状態でありましたが、国立公園の指定を受けている関係もあって、現状保存の管理がなされ、積極的施業の展開は見られず、派遣委員の中から、ここには林政がないのではないかとする意見が出たほどであります。  また、同島にはイリオモテヤマネコが生息し、また仲間川等の流域を中心にヒルギの原生林が繁茂し、すばらしい自然景観ではありましたが、地元住民から、現在、環境庁の意向などもあって、工事が中断されている西表縦貫道路の建設について陳情を受け、観光開発の必要性を訴えられました。自然保護の重要性は十分認識しながらも、わが国最南端の離島で過疎化の一段と進んでいるところでもあり、ある程度の開発を行なうことが同島で生活する人々にとって必要ではないかと感じた次第であります。  また、同島では、戦前強制的に入植させられた開拓農民から、当初の計画どおり無償で国有林の払い下げを行なってほしいとの強い要請と、行政当局に対する強い不満がわれわれ調査団に開陳されました。  しかし、この問題は沖繩県の置かれた行政の複雑さや歴史的経過もあり、熊本営林局に対し、よく調査し要望に沿う線で解決するよう指示してまいった次第であります。  漁業につきましては、われわれはすばらしい糸満漁港を見、さらにその将来計画の説明を受けたのでありますが、一般的には漁港の修改築等、漁業生産基盤の整備及び流通施設の整備が立ちおくれておりまして、沖繩の恵まれた立地条件を生かすためにも、その整備を重点的に推進する必要を痛感してまいりました。また、海洋博あと地の有効利用の方法として海洋開発センター的なものとして残すよう要望されてまいりました。  以上のようなことから、農林土木事業、漁港整備事業その他の公共事業の施行について予算の増額をはかるほか、基盤整備の補助率の引き上げ、採択基準の緩和、流通施設の整備等について沖繩の実情をしんしゃくして特別の配慮をしてほしいとの強い要請を受けてまいりました。  以上、簡単でありますが、御報告申し上げます。

佐々木義武自由民主党

○佐々木委員長 以上で報告は終了いたしました。  派遣香貝各位にはたいへん御苦労さまでございました。      ――――◇―――――

佐々木義武自由民主党

○佐々木委員長 この際、米穀の政府売り渡し価格及び麦の標準売り渡し価格の改定に関する諮問について、政府から説明を聴取いたします。中尾農林政務次官。

中尾栄一自由民主党農林政務次官

○中尾説明員 すでに御案内のとおり、七日から米審が始まっておるわけでございます。本日その答申の予定になっておるわけでございますが、その諮問に関しまして少しく総務部長をして説明を申し上げたいと思う次第でございます。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 総務部長でございます。  まず諮問でございますが、お手元にお配りいたしました資料の一番上でございます。諮問の本文を朗読させていただきます。   最近における食糧管理の運営の実情、家計の向上等にかんがみ、米穀の政府売渡価格及び麦の標準売渡価格を改定する必要があると考えられる。これについて米価審議会の意見を求める。     昭和四十八年十一月七日      農林大臣 櫻内義雄  次に、諮問についての説明でございます。これも朗読させていただきます。  米穀の政府売り渡し価格は、食糧管理法第四条第二項の規定により、家計費及び物価その他の経済事情を参酌し、消費者の家計を安定させることを旨として定めるべきこととなっております。  現在、米穀の政府買い入れ価格と政府売り渡し価格とは大幅な逆ざや関係にあり、特に昭和四十八年生産者米価の決定後におきましては、政府買い入れ価格と政府売り渡し価格との売買逆ざやはかってない大幅なものとなっており、これにより標準価格米をとってみた場合、昨年の政府売り渡し価格の改定に伴いほぼ解消された末端逆ざやもまた大幅に拡大しております。このような大幅な逆ざやは、本来の物のコストを反映しないひずみのある価格関係であり、米穀の自主流通の発展の阻害、不正規制流通の誘発等米穀管理の健全な運営に重大な支障を生ずるおそれがあり、また、米穀管理だけでも優に六千億円に達する財政負担を要することにより、財政面からも大きな問題を生ずることとなりますので、でき得る限りその是正につとめるべきものと考えられます。  一方、最近の消費者家計はかなりの伸びを示しておりまして、家計の負担力も相当に向上しているものと見られるのであります。  米穀の政府売り渡し価格につきましては、政府は当面の物価対策上の措置として本年度中はその水準を据え置くことといたしたわけでありますが、このような実情にかんがみますれば、少なくとも明年度からはこれを引き上げることが必要と考えられます。また、政府管理米の適切な売却を進めるとともに、米穀の自主流通の拡大と良質米の供給促進に資するため、昨年の政府売り渡し価格改定の際に導入いたしました価格調整措置につきましては、実態に即して若干の手直しを加えつつ、これを踏襲することが適当と考えられます。なお、社会保障的配慮を必要とする一部の消費者に対しましては、この引き上げの影響が事実上回避できるよう政府として別途措置を講ずることとし、検討を進めているところであります。  以上のような考え方に立って、米穀の政府売り渡し価格を改定してはどうかということであります。  麦の標準売り渡し価格について。  麦の標準売り渡し価格は、食糧管理法第四条ノ三第三項の規定により、家計費及び米価その他の経済事情を参酌し、消費者の家計を安定させることを旨として定めるべきこととなっております。  従来は、麦類の供給の大宗をなすに至っている輸入麦の国際価格が長期にわたって低水準で推移してきたことを背景に、家計費の年々の伸び及びたび重なる米の政府売り渡し価格の引き上げにもかかわらず、麦の標準売り渡し価格は長期にわたり基本的には据え置かれまたは引き下げられてきているのが実情であります。  しかしながら、昨年夏以来の国際穀物需給の逼迫に伴い、最近の麦の国際価格は、昨年夏ごろまでの水準と対比すれば三倍以上という著しい高騰を示しており、主要国における新穀の生産状況がおおむね明らかとなった最近においても、今後なお相当の高水準で推移するものと見込まれております。これに伴い、麦の輸入価格も著しく上昇して、売買の価格関係は逆転し、輸入麦の価格に、トン当たり三万円に近い大幅な逆ざやを生じている状況にあります。このような価格関係を放置することは、一千億円にも達する財政負担を要することになり、財政面からの問題を生ずるのみでなく、輸入農産物についての価格政策のあり方として、大きな問題でありますので、極力その是正をはかる必要があると考えられます。  一方、長期にわたり麦の標準売り渡し価格を据え置きまたは引き下げてきた間に、消費者家計は大幅な伸びを示しているのでありまして、この間における家計の負担力の向上は、顕著なものがあると考えられます。  麦の標準売り渡し価格につきましては、本年六月、国際市場の動向を見きわめた上であらためて対処いたすこととして、その決定を見送ったのでありますが、上記のような実情にかんがみまして、麦の標準売り渡し価格を改定してはどうかということであります。  なお、麦の標準売り渡し価格の決定について規定している食糧管理法施行令についてでありますが、供給の大部分を輸入麦に依存している状況でありますので、輸入麦の政府コスト価格を参酌事項として明確化するとともに、家計麦価の算式について、消費者家計と麦価との関係をやや中期的に見るよう改め、さらに対米価比の参酌のしかたについての規定を修正する等実情に即した改正を別に御説明申し上げますように行なうこととしております。  次に、米穀の政府売り渡し価格の改定内容について御説明いたします。  第一に引き上げ幅でございます。一ないし四等の玄米について平均一三・八%の引き上げを行なう。水稲ウルチ一~四等平均の包装込み玄米六十キログラム当たりの現行価格は七千八百六円でございます。これを一三・八%、金額にいたしまして一千七十七円引き上げる。これによりまして改定後の価格は八千八百八十三円となります。  二番目に価格調整等でございます。その(1)といたしまして、銘柄間の価格調整は、本年の銘柄指定の区分に即し、指定銘柄米にかかる加算額を玄米六十キログラム当たり五百円、特例銘柄米にかかる加算額を同じく三百円に改定する以外は、従来どおりとする。その現行と改定後の対比が下に表となってお示ししてございます。ごらんいただきますように、指定銘柄、それから特例銘柄、これは現行では一本で、一般の米の価格にプラス四百円ということになっております。それに対しまして改定後は、銘柄を二つに区分いたしまして、指定銘柄と特例銘柄に分ける。そして、指定銘柄の分については五百円、特例銘柄の分については三百円の加算とするということにいたしております。それから、一般非銘柄は標準でありますからプラス、マイナスなし。それから減額I、減額Iといいますのは、黒石を除く青森あるいは九州の西南暖地の十一月一日以降に売却されるそれらの米でございます。そのものにつきましては、二百円の減額措置、これを従来どおり改定後も二百円とする。それから減額II、これは北海道の米でございます。これにつきましては、減額六百円を改定後も同じく六百円にするということでございます。  (2)といたしまして等級間格差、これは従来どおりとすることにいたしております。  次に、三としまして標準価格米でございます。従来どおり銘柄米を除く一ないし四等米をもって標準価格米原料に充てることとし、その小売り指導価格は、精米十キログラム当たり現行対比二百二十円引き上げを限度として都道府県別に定める。一般的、平均的には二百二十円引き上げる。ただし、地域によっていろいろ事情もありますので、個別に若干の差を設けるという考え方で、これからその内訳を決定するということにいたしております。現在の標準価格米の指導価格は大都市、東京、大阪等にありましては、精米十キログラム当たり一千六百円ということになっております。これが二百二十円引き上げられるわけでございます。  それから四番目は徳用上米及び徳用米でございます。  徳用上米の小売り指導価格は精米十キログラム当たり一千五百円とする。現行が一千三百円でありますから、二百円の引き上げとなります。これは、一般の標準価格米が二百二十円引き上げられるというのに比べますと、若干上げ幅は小さいということになります。  それからこれに対応しまして、五等玄米の政府売り渡し価格は、小売り価格をそういうふうに一千五百円とすることによって、中間流通経費等を算定しまして、逆算して政府売り渡し価格が計算されるわけでございますが、その政府売り渡し価格は、平均包装込み、玄米六十クログラム当たり六千七百五十九円にするということにいたしております。現行は、カッコの中にありますように五千八百四十九円であります。  それから二番目に徳用米の小売り指導価格でありますが、これは精米十キログラム当たり一千百三十五円とするということにいたしております。現行一千二十五円でありますので、上げ幅百十円ということになります。これは、標準価格米におきます上げ幅二百二十円の二分の一という考え方でこの上げ幅にいたすことにしたわけでございます。  指定銘柄とか特例銘柄についてどういうものかということが佃で書いてございます。  参考といたしまして、いま申し上げましたようなことで等級別に、それから指定銘柄とか特例銘柄、一般非銘柄あるいは減額I、IIというように、米の区分によりまして、それぞれの個別の基準価格をお示しいたしますと表のようなことになるわけでございます。  それから平均引き上げ幅についての説明でございます。一三・八%という引き上げ幅についてどういう考え方に基づいているかということでございます。  これは、政府売り渡し価格の場合は、政府買い入れ価格の場合のように生産費、所得補償方式といったようなきっちりした算式によって算定されるというわけではございませんので、判断の基準となるような幾つかの考え方を求めまして、それらを総合的に勘案して一三・八%の上げ幅とするということにいたしたわけでございます。  そこで、まず現在の米価の逆ざやとこれを解消するのに必要な引き上げ幅はどうなるかということをアでもってお示ししているわけでございますが、いわゆるコスト逆ざや、これを解消する場合、水稲ウルチ一~四等平均包装込み玄米六十キログラム当たりでございますが、これを現在政府は一万三百一円ということで買い入れております。買いました米につきましては、当然政府が管理する経費がかかります。直接的な経費だけではなくて人件費だとかそのほかの固定経費もかけまして千四百四十六円という単価になります。買い入れ価格に管理経費を足しますと一万一千七百四十七円ということになります。これがいわゆるコスト価格でございます。全くコスト価格そのものを売り値にしよう、コスト逆ざやをなくそうということになりますと、一万一千七百四十七円という売り渡し価格にする必要があるわけでございますが、そういうことになりますと、現行の政府売り渡し価格が七千八百六円でございますから、この差額三千九百四十一円、約四千円近い引き上げを必要とするということになります。かりにその三分の二を政府が負担して三分の一だけを解消するとした場合は、千三百十四円の引き上げが必要であるということになります。それは、金額ではそういうことでございますが、率ではどれだけになるかということが一番下のところに書いてございまして、コスト逆ざや全額を解消するためには五〇・五%の引き上げが必要である、現在これだけのコスト逆ざやを政府が負担しているのだということになっているわけでございます。それから、三分の二は政府が負担するとした場合でも二八・八%の引き上げが必要であるということになります。  (「簡単に」と呼ぶ者あり)――簡単にというお話でございますので、あとできるだけ簡単に省略して御説明させていただきます。  右側のほうは、政府管理経費のうち直接的経費だけを売り渡し価格の引き上げに反映させる、いわば固定的な制度を維持する上に必要な管理経費は、これは政府において負担するというふうにして計算した場合どうなるかということを示しております。一番下にありますように、全額を解消するとした場合は四一・四%、三分の二を政府負担とするとした場合は一三・八%ということになります。同じようにして、いわゆる売買逆ざやを解消する場合はどうなるか、総額を解消する場合は三二・〇%、半分を解消するとした場合は一六・〇%、さらに、いわゆる末端逆ざやを解消する場合はどうなるかということでございますが、これは一九・五%の引き上げが必要であるということになります。  それから次の六ページへ参りまして、末端逆ざやでもことしの生産者米価の改定、それ以前に残っておりましたところの逆ざやは全部と、それからことしの生産者米価の改定に伴いましてふくらみました逆ざや部分、この三分の二に相当する額を解消するとした場合、こういう計算をいたしますと二二・八%の引き上げが必要であるということになります。いま申し上げましたようないろいろな逆ざやの全部解消、あるいは一部解消というような考え方に基づきまして、総合的に判断して一~四等平均を一三・八%引き上げるということで諮問の算定の内容といたしたわけでございます。  次は家計の伸びと引き上げ幅との関係でございます。家計の伸びの範囲内で、つまり家計の安定をはかることを旨として定めるということになっておりますので、伸びの範囲内でということでその検証をいたしております。  ここでちょっと御説明申し上げておきたいのですが、家計費に基づく精米価格上昇の上限につきましては、従来前年との対比におきまして、家計がどの程度伸びておったかということを見ておったのでありますが、若干期間を、こういう変動する時期でありますので、ブロードにとりまして、五年間平均で比較するという考え方をとっております。これにつきましての内容の説明は省略いたします。  いずれにいたしましても、こういう考え方でとりました家計の伸びの範囲内の上げ率にとどまっているということでございます。  次に麦の標準売り渡し価格とその算定の説明でございます。大麦、裸麦、小麦、外国産大麦、外国産小麦、このように分けまして、それぞれお配りしました資料のような価格で現行に比べて改定するということにいたしております。数値等はそこにございますので、一々読み上げることはいたしません。  それから標準売り渡し価格の算定の説明でございます。平均引き上げ幅と標準売り渡し価格との関係でございます。実際に政府が売りますところの個別の大麦あるいは外国産大麦、裸麦、小麦、外国産小麦につきましてそれぞれの種類、等級、これがございますので、その種類、等級あるいは銘柄、具体的に対照いたしまして金額を算定しますと二ページの表のような価格になるということでございます。これも表で数値等が示されておりますので、説明はその程度にいたしまして、次に三ページへ参りまして、輸入麦のコスト価格と平均引き上げ幅との関係でございます。これは三五%の引き上げで諮問をいたしましたその考え方のもとでございますが、これは今後の国際価格がどう推移するかと見ることにまず第一はかかってございます。そこで最近三カ月間の平均の国際価格を見てみます場合、一ブッシェル当たり五ドル十一セントという高値にあります。かりにこの価格で今後ずっと推移するとした場合には、政府は逆ざやとして二万七千百六十八円を負担する。これを解消するためには七八・七%の引き上げが必要である。その半分を解消するとしても三九・三%の引き上げが必要であるということを示しております。  今後の国際価格がどのように推移するかはいろいろな考え方がありまして、いまの見方は一番高いほうの考え方かと思います。最近半年かやや長期にその平均をとりますと、結論だけ申し上げますと五〇・九%上げなければいけない。それから最近二カ月と前年同期、つまり上がり始めのころ、上がりかけのころの比較的安定した時期、そのころの価格の半値ぐらいに戻るだろうという計算で、具体的にはブッシェル当たり三ドル八十七セント程度ということで計算いたしますと、逆ざやを解消するためには四二・四%の引き上げが必要である。  それから最近の単月、十月の相場と上がる前、四十七年の六ないし八月ということでございますが、その中間ぐらいに価格が戻るだろうというふうに考えますと、三三・九%程度の引き上げが必要である、こういう計算になります。これらの逆ざや解消、今後の国際価格がどう見られるかによって差があるわけでございますが、いろいろな見方を比較いたしまして全体としての判断、三五%程度、二分の一はなおかつ政府が負担することも覚悟して、二分の一程度の三五%を引き上げて、これを実需者を通じまして消費者に負担していただくということにいたしたわけでございます。大、裸麦につきましては同じような計算をいたしますと、実はもっと大きく、小麦以上に引き上げなければいけないという計算になりますが、この際小麦と同じ考え方にして小麦と同じ引き上げ率をとる、こういうことにいたしております。  それから次に、家計麦価と標準売り渡し価格との関係でございます。これも算式が示してございますし、先ほど諮問の説明のところで御説明申し上げましたが、家計麦価の算定のしかた、そのほか一部政令改正を行なうことにいたしておりますが、いずれにいたしましても、その考え方に基づいて算定いたしました家計費の伸びの範囲内で引き上げ率はおさまっているということになっております。  それから次に若干飛びまして九ページへ参りまして、4とあります米価と標準売り渡し価格との関係でございます。従来麦の売り渡し価格につきましては、米価との関係、いわゆる対米価比を考えなくてはいけない、しかもその考え方としては、算式で示すような形でこれを参酌しろと数値も示されておったのでございます。しかし、今回、今日の実情にかんがみまして、対米価比については、一義的に数式でこれを固定するということは改めたわけでございます。  大体以上が諮問の内容についての御説明及び算定についての説明でございます。あと付属資料が、いろいろ家計に及ぼす影響でありますとかそのほかお配りしてございますが、大体以上でございますので、資料を後ほどごらんいただくことにいたしまして、私の説明はこれで終わらしていただきます。

佐々木義武自由民主党

○佐々木委員長 以上で説明は終わりました。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。  國場幸昌君。

國場幸昌自由民主党

○國場委員 まず最初に、本日本委員会において発言の機会を与えていただきました委員長をはじめ理事の先生方、並びに委員の先生方に厚くお礼申し上げます。  時間が二十分しかございませんので、さっそく質問に入りたいと思います。  御承知のとおり、沖繩及び奄美列島の基幹農作物としてサトウキビの地位はきわめて高く、その盛衰いかんにより県経済に及ぼす影響ははなはだ甚大なるものがございます。しかしながら、最近における物価、賃金等急激な異常高騰と、他産業への転出の増大、加えて前期、前々期と打ち続く大干ばつ、暴風雨等により六万農家に一大打撃を与え、物価、賃金高騰に見合わぬサトウキビ価格の低迷は、サトウキビ原料の収穫放棄、農地売り払い、離農者の続出等に拍車をかける結果となり、サトウキビ生産の大幅な減少を来たし、製糖企業の操業度の低下を余儀なくされ、まことに憂慮すべき状況にあります。  このようなサトウキビ減産の要因は以上の理由にとどまらず、農地の基盤整備、かんがい設備、土地改良及び土地の構造改善事業、品種改良、機械化、合理化等の意欲を喪失させ、南西諸島の唯一の基幹作物であるサトウキビ作農家に及ぼす影響は大きく、今期キビ価格の決定いかんによっては、サトウキビ収穫も放棄せざるやむを得ない事態になることもあり得るという深刻な状況下にあります。  政府は、国内甘味資源確保のため、南西諸島のキビ作について、どのような政策をなさんとするものであるか、政府の御見解を賜わりたいと思います。

中尾栄一自由民主党農林政務次官

○中尾説明員 國場先生の御質問は、特に沖繩におけるサトウキビを振興していくに際して、政府の具体的方策と申しましょうか、そのような御質問にとってよろしゅうございますか。

國場幸昌自由民主党

○國場委員 そうでございます。

中尾栄一自由民主党農林政務次官

○中尾説明員 サトウキビはもうすでに御指摘のとおり、亜熱帯性気候の沖繩に適し、沖繩農業の基幹作物として重要な地位を占めているために、本土復帰後直ちに沖繩県を甘味資源特別措置法に基づく生産振興地域に指定して、原採苗圃の設置並びに栽培省力化のための栽培管理用機械の導入並びに収穫用機械の開発等、生産振興対策の推進につとめてきておるわけでございます。  さらに、最近の沖繩県における農業労働力の流出並びに賃金の高騰等のきびしい状況に対応するためには、栽培省力化パイロット事業による収穫機導入を推進する等、収穫作業の省力化に、これまた積極的に取り組んできたところでございまして、また来年度予算におきましても、収穫機械の大幅な緊急導入を要求中でございます。今後ともに生産組織の育成、土地基盤の整備、種苗対策等、総合的な生産振興対策を御意見等賜わりましてさらに強力に推進していく所存でございます。

國場幸昌自由民主党

○國場委員 甘味資源確保に対する特別措置法にはこういうことがうたわれております。「この法律は、適地における甘味資源作物の生産の振興及び当該生産に係る甘味資源作物又は国内産のでん粉をおもな原料として使用する砂糖類の製造事業の健全な発展を図るために必要な措置を講ずることにより、農業経営の改善と農家所得の安定、砂糖類の自給度の向上及び甘味資源に係る国際競争力に資することを目的とする。」こううたっております。しかしながらここに「農業経営の改善と農家所得の安定、」こういうようなことでありますが、御承知のとおり、わが国は工業によって大発展を来たし、いまでは自由経済陣営ブロックの中では第二位というだけのいわゆる経済大国になっております。しかしながら一次、二次、三次産業のこの所得を見ました場合に、これが偏在がある。その分配に対して偏在があるということは、農業がいまのような低迷をしておるということに対しまして、私は、あと三十年もすると、世界人口はいまの約倍、七十億になるということも聞いております。  そこで、私ども、いまのような、なるほど南西諸島の国内甘味資源として甘蔗糖というのは値段においてはずいぶん高いといえども、ことにこのサトウキビというのは、三百年に至るところの歴史を持つ唯一の甘味資源として今日まで国民に伝わってきたわけでございます。これをいかなる風雪にも耐え、わが南西諸島においてはこれを守り通してきた。いまさきも申し上げましたとおり、かようなる貴重なる甘味資源である甘蔗糖が、いま壊滅の状況に至らんとする、毎年毎年の生産を見ましても低下してきております。  かようなことに対しまして、御案内のとおり、いまネコの手も借りんというような忙しさの中でも、農民は沖繩から一千名、奄美大島から一千二百名ということで、大挙して陳情に参っておるのも御案内のとおりでございまして、この価格をはたしてどれだけ政府としては保証できるかということは、直ちにそれをこうだということは、はっきりそこで答弁しがたいということはよく存じつつも、その姿勢に対して、政府としてはどういうようなお考えがあるか。いまの農民を救うためには、政府としても抜本的な考え方を持ってやらなくてはいかないじゃないか、こう思うわけでございます。どうぞひとつその点に対して政府の見解を賜わりたいと思います。

中尾栄一自由民主党農林政務次官

○中尾説明員 先生の御指摘まことによくわかるわけでございまして、世界の人口がますます年々歳々ふえていくという中におっての沖繩の南方性、特に特性を生かしたサトウキビ、この問題をどうとらえ、並びにどのような態度でこの価格政策に臨むのか、こういう御指摘かと思いましたが、これは先生も御指摘のとおり、まだ値段の点あるいは価格の点といいますものは、私ども目下検討中でございますので、何とも具体的な示唆はここで差し控えたいと思うのでございますけれども、サトウキビの最低生産者の価格は、砂糖の価格安定等に関する法律に基づきまして、農業パリティ価格を基準として、サトウキビの生産費、物価その他の経済事情を十分参酌いたしまして、サトウキビの再生産の確保をはかることに重点を置いていこう、そう考えておるわけでございます。今月二十日までにきめることにもちろんなっておるわけでございますが、現在はその作業を御承知のとおり目下行なっておるわけでございます。ただ、サトウキビの沖繩及び鹿児島県の南西諸島の農業に占める基幹的役割り、並びに前年の価格決定以来の経済的諸事情の推移等は十分に考慮をしつつ、私どもは適正なそれに基づいた価格を決定してまいりたいという考え方に立っておる次第でございます。

國場幸昌自由民主党

○國場委員 いまさっき政務次官は、パリティ指数、こういうようなお考えのもとで今後決定していきたいというようなことでございますが、そのパリティ指数による値上げそのものでは、とてもいまの南西諸島の甘蔗糖を育成することはできない。これは私国会に出てきまして、過去三カ年有余にわたって、何とかこれに対してはお米と同様なる取り扱いをもって、沖繩及び奄美群島の農民を安心して農務につかせるようにと、こういうことをこいねがってきたわけでございます。  そこで、同じ農民といえども農産物に対して、お米でありますと、もうすでに昭和三十五年ですか、それを基準にして見ました場合に、約五〇%の生産者価格の値上がりがきておるわけでございます。ところが甘蔗糖に対しましては、年間よく上がって二%とかあるいはまた一%とかこういうようなことで、一トン当たり百円台、四、五百円をこしたことはございません。国民に対するいわゆる憲法の趣旨から申しましても、やはり同じ農業をするのであれば、沖繩で本土に比較すべき、米に相当するものは砂糖である、こういうようなことはよく御案内のとおりでございまして、法律において、パリティ指数をもってということでありますと、とてもとても要求には達しないわけでございます。でありますので、申し上げますように、何とかいまのピンチを切り抜けるべく特別措置を講じていただきたい、こういうようなことでございます。  それに対しまして、いまさっきパリティ指数をもってと、こういうことを聞いたのでありますが、それでは沖繩及び奄美群島の農民の意思にはほど遠いものがあるということを考えるわけでございます。  いままで沖繩においては、特別臨時奨励金というような形で、キビ代の補てん並びに離島工場とかこの経営に対しての補てん金として与えておったわけでございます。そのようなことにも今度は思い切ったところの措置をしていただきたい、こういうようなことも考えるわけでございますが、それに対しまして政務次官、農林省としましていかようなお考えがあるか、通常のやり方においてはとてもとてもこれは農民を救うことはできない、こういうようなきびしさがあるわけでございます。いかがでございますか。

池田正範農林省食品流通局長

○池田説明員 ただいま國場先生から御指摘がございました甘味資源法の第一条に、この法律が、非常に国際競争力を企業につけるところまで含めた、生産段階からの広範な目的を持った法律であると書いてあること、いまお読み上げいただいたとおりでございますが、そういう形で価格の安定をしようとはかっておるところに、いまの砂糖の価格安定制度の非常に特異な形が一つあるわけでございます。  したがいまして、御指摘のように、確かに従来、ここ数年来、二%ないし三%というきわめてわずかな値上げでございましたけれども、これはどちらかと申しますと、いわば工場に出す原料用の農作物の価格として、卸売り物価指数その他が非常に落ちついていた、そのことの反映からパリティが上がらなかった、同時に生産費も上がらなかったというふうな形から、結果としてあまり上がらなかったということでございます。ただ、前年度の四十七年産につきましては、毎々申し上げていることでございますが、ちょうどこのパリティ価格を決定いたしました時期以降の価格騰貴というのが非常に大きかった。特に沖繩におきましては、労賃のアップというのが非常に大きい勢いで上がってまいりまして、そのことが収穫時期における労働を非常に困難にしたということは確かに指摘できるだろうと思うわけでございます。そういう意味でパリティ指数というのは万能ではございませんで、生産性がサトウキビのように上がるときには、確かに生産性の上がった分は全部農家のふところに入るといういい面もありますけれども、そうでない、いまのような形の場合には、当然これは修正する必要がある。そういう意味から、実はこの糖安法のほうでは、先ほど政務次官から申し上げましたように、パリティを基準とはするけれども、経済事情その他を参酌してきめるのだということが書いてあるわけでございます。そういう意味におきまして、前年のサトウキビの価格がきまりまして以来の諸事情、経済事情、そういうものを十分勘案してきめると先ほど政務次官から申し上げましたけれども、そこいらを含めて御答弁を申し上げたというふうに御解釈をいただきたいと存じます。

國場幸昌自由民主党

○國場委員 ちなみに、この農作物の価格設定に対しての年次的な推移、ここにちょっと表がありますので、農林省としてもそれはよく御存じではありましょうが、三十九年から四十七年まで、たとえばサトウキビは、三十九年を一〇〇にした場合、四十年が一〇一・七%、四十一年が一〇四・二%、四十二年が一〇六・四%、四十三年は一〇八・九%、四十四年が一一一・五%、四十五年が一一四・三%、四十六年が一一七・四%、こういうようなことで、これは私は、幾らパリティ指数にしてもこういう数字が出るということはおかしいじゃないか、こういうことを考えるわけでございます。それからよくてん菜糖と対照しますので、てん菜糖から見ましたら、同じく三十九年の一〇〇%をもって基礎とした場合に、四十二年まではたいした差はございません。ところが四十三年からははるかにこれが開いてきております。一〇八%に対して一一二・六%、それから四十四年の一一一%に対して、これはあまり開きがありませんが、最近に至ってずいぶん開いてきております。四十五年に至りますと一一四%に対して一二〇%、一一七%に対して一二四%、昨年は一二七・九%でございます。それから同じような農作物にしましても、米は五〇%上がってきております。それは言うまでもなく、米というのは食管法に従ってやっているからということでございましょうが、そうすると、米が食管法に従って五〇%も上がるような計算基礎ができてくるのであれば、直ちに米のような方式にかえてしかるべきだ、こういうようなことを考えておるわけでございますが、これをいま申し上げましたとおり、食管法に従うところの――沖繩においては本土の米にかわるべき主幹作物としてはサトウキビしかないのでございますので、その食管法に従うと同等なる扱い、あるいは法律が必要であれば法律も立法するというような気がまえがありますかどうか、その点に対してお伺いをいたします。

池田正範農林省食品流通局長

○池田説明員 パリティの指数のやり方は、それぞれの農作物によりまして植物学的にそれぞれとれる時期も違ってくるわけでございます。したがいまして、パリティのいろいろの係数をはじき出しますまでのやり方そのものは、基本的には、実はたとえばてん菜あるいはサトウキビ等につきましてはそう差はないわけでございますが、御承知のようにサトウキビにつきましては、前年の三月から十一月までの平均パリティに対して、当該年の三月からその収穫と申しますか、価格を決定する直前までの九月までのパリティをとる、てん菜の場合には逆に四月-十月の前年のパリティ指数に対して、ちょうど四月にこれを決定いたしておりますので、この直前である二月をとるということでございますので、一般的なパリティの上昇率が前向きに上がっておりますときには、物価が前向きに上がっておりますときには、むしろてん菜よりもサトウキビのほうがパリティ指数としては若干高く出る可能性があるわけでございます。しかしながらそうは申しましても、現実にそうやって計算をいたしました結果というものが、二ないし三%であったという現実は当然あるわけでございます。  そこで問題は、一体米のようになぜできないかという問題になってまいるわけでございますが、御承知のように、これは本質的な差といたしましては、米はいわば国際商品ではない、日本の国でとれる一種の特殊の商品であることと、それから国民全部に対して、ほとんどの農家がほとんどつくっておるということと、ほとんどの生産者がほとんど消費しておるという、いわば完全生産完全消費というものが前提になった唯一の農産物であるということが言えようかと思います。  これに比べますと、確かに沖繩なり鹿児島の南西諸島におきますサトウキビは、その地域における農産物の生産のウエートといたしましては、御指摘のとおり、米に比肩すべきものであるということは疑いをいれませんけれども、しかし、日本経済全般から考えました場合には、あくまでもこれは地域作物である。それから自給率そのものにつきましても、これは全体として約二割前後のものであるというふうなことで、全体としての作物の持つウエート、品質というものは、現地にとりましては非常に大事であることは論を待ちませんけれども、国民経済全般から見れば、やはり同じものではないというふうに言ってもいいのではないかと思います。しかしそうは申しましても、私どもかねてから申し上げておりますように、砂糖の自給率というものは、現在の二〇%前後からどうしても二六、七%程度までは自給率を上げたいということで、長期の目標につきましても現在作業中でございます。  したがって、そういうふうな立場からいたしますれば、多少国際糖価水準との乖離はあっても、ひとつこの際この地域におけるサトウキビの生産を増強するという一点にしぼって、そして価格政策についても、いままでの御指摘のいろいろな問題点を十分勘案してきめるべきである。その意味では、今後の農林省としての価格政策の中でかなり配慮すべき転機点と申しますか、そういうものを含んだ時期にきておるのだということは言ってよろしいかと思います。  そういう意味で先ほどからいろいろと申し上げておるわけでございますけれども、何と申しましても、なおてん菜なりサトウキビというものは生産性をもっと上げなければいけない作物でございます。したがって、生産性が上がっていくという過程において、そのメリットを農民がとっていけるのだといういまの仕組みは、やはりある程度置いておいたほうがよろしい。しかしいまのようなパリティが不利である条件のもとでいろいろと問題点が起こるという点については、勘案事項でこれを政策的にカバーしていくというのが、むしろ長い目で見た場合の政策のやり方としては穏当ではなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。

國場幸昌自由民主党

○國場委員 質問をしたいことはたくさんありますが、時間の制限でございますので、機会を得ましてまたやることにいたします。ありがとうございました。

佐々木義武自由民主党

○佐々木委員長 西銘順治君。

西銘順治自由民主党

○西銘委員 糖業問題に集中いたしまして質問をしたいと思います。  沖繩にサトウキビが入ってまいりましてから約三百五十年経過いたしておるのであります。サトウキビは奄美群島、沖繩における基幹作目でございまして、農業粗収入における比率あるいはキビ作農家の全農家に占める比率から考えましても、いずれも四〇%、八六%という高い比率を占めているわけであります。したがって、本土における米作と同様、南西諸島にとりましてはかけがえのない唯一の作目であるわけであります。  しかも、サトウキビは単に経済価値を生むだけではなくして小森林でございまして、水源涵養林としての機能も果たしておるのであります。また、時と場所によりましては防潮林となり防風林となって、環境保全の機能も十二分に果たしているわけであります。したがいまして、南西諸島にとりましてはキビ作は米同様の基幹作目でございまして、これにかわる作目を考えてみろといっても、これはとうてい考えられるものではありません。少なくとも明治百年の風雪に耐えた唯一の作目であります。そういう観点に立って、サトウキビにかわる作目が考えられるのかどうか、まずその一点をお聞きしたいのであります。

岡安誠農林省農蚕園芸局長

○岡安説明員 お答えいたしますが、沖繩の気象条件その他土地条件あわせて考えますと、サトウキビにかわるような作物を大幅に導入するということはなかなか困難ではなかろうかというふうに考えております。現在、耕地面積の六〇%をこえるようなサトウキビというものは今後とも生産性を向上いたしまして、沖繩におきます農業の基幹作目といたしまして育てていく必要があるというふうに考えております。

西銘順治自由民主党

○西銘委員 現地からの要望といたしまして、従来のパリティ価格では生産費を償えない、そこでどうしても生産費所得方式でもって算定してもらいたい。したがって、それによりますと、トン当たり一万三千円の原料価格が現地側の要望として出ておるのであります。  御案内のとおり、平均いたしまして反収約七トン、少ないときでことしが約六トンと少しでございますが、この反収に加えて沖繩の農家、奄美の農家は本土とは違いまして経営規模が非常に小さい。五反百姓のことを貧乏百姓といっておりますが、沖繩の農家の経営規模は大体四反五畝であります。これで計算していきますと、農家の手取りはわずかに十アール当たり四万二千三百五十七円にしかならないのであります。いま物価、賃金、地価等の急激な高騰によりまして、従来支持された価格、告示価格ではどうしてもやっていけない、こういうことであります。  しかも、いまキビ一トンをキビの本数に換算いたしますと約千四百本から千五百本になるわけでございますが、このキビを刈るのに男が一日よく働いても〇・五トン、多くて〇・六トン、一トンのキビを刈るのに二人の人間がどうしても要るわけでございます。ところが沖繩におきましては、最近男一人一日雇うにいたしましても三千円から三千五百円、女の場合でも二千円から二千五百円出さなければならないということになりますと、せっかくパリティ価格でもってキビ代をちょうだいいたしましても、ほとんど人件費に食われてしまって取るものがない、こういう計算になるわけでございます。  したがって、私は、いわゆる支持価格制度というものができた当時の情勢等判断いたしまして、もうここらあたりでターニングポイントに来ているのじゃないか、支持価格制度をここであらためて検討し直す時期ではないか。もちろんキビだけでなく、パリティで計算されているほかの作目もありまするけれども、経済情勢、物価の情勢を取り入れて決定するということにはなっておりまするけれども、どうも実情にそぐわない。これについて政務次官の御見解をお聞きしたいのであります。

中尾栄一自由民主党農林政務次官

○中尾説明員 先ほど来の國場先生並びに西銘先生の御指摘はまことに同感の至りでございますけれども、サトウキビの最低生産者価格というのが砂糖の価格安定等に関する法律に基づいた、何しろ法律に基づいた農業パリティ指数に基づき算出される価格を基準としておるわけでございまして、生産費や物価その他の経済事情を参酌して、サトウキビの再生産を確保することを旨として定めることになっておるわけでございます。その点は御承知おきかと思うのでございますが、サトウキビのように今後さらに生産性の向上が必要であって、なおかつ期待される作物につきましては、生産性向上のための施策と相まちまして、その合理化のメリットを当該生産者に還元する現行のパリティ方式にかえて、最低生産者価格に、米価並みの生産費・所得補償方式に改めるということは、必ずしも適切ではないと考えておるわけでございます。したがいまして、このための糖価安定法の改正というものは、先ほどもその問題点の御指摘もございましたが、私どもは考えてはおらないわけでございます。  ただ、昭和四十八年産のサトウキビの最低生産者価格について、沖繩県及び鹿児島県の南西諸島においての価格の御要求も、これまた私どもは十分承知しておるわけでございます。いずれにしましても、サトウキビがこれらの地域における基幹的作物であるとともに、甘味資源としても重要であるということを十分考えまして、その買い入れ価格の決定にあたりましては、現在のいささかたいへんな物価騰貴並びにその他の経済事情を十分参酌いたしまして、その再生産が確保されるように十分に配慮してまいることをお約束申し上げたいと思う次第でございます。

西銘順治自由民主党

○西銘委員 生産費・所得補償方式、これはもちろん法律事項でございまして、法律を改正しなければなりません。すぐ間に合うものではないのであります。したがって、私がお聞きしたいことは、これはパリティ価格でもこの段階においてはやむを得ないと思いますが、こういった南西諸島の実情を勘案されて、物価、地価、賃金の高騰が非常に著しい、そこへもってまいりまして、国の主催で沖繩で海洋博覧会が開催されることになっておりまして、これが要因となってさらに物価、賃金の高騰を促進しているような現状でございます。したがいまして、少なくとも海洋博までのキビ作という場合を考えてみますと、農家労働報酬を計算してみましても、どうしても三千円以下ではやっていけない。いま申し上げましたとおり、二人がかりでやっと一日で一トンを刈り出すような現状でございまして、その点何らかの配慮というものが加算されなければならないと思うのでありますが、これについての所見をお伺いしたいのであります。

池田正範農林省食品流通局長

○池田説明員 サトウキビの価格は今月の二十日までにきめなければいけないということでございますので、目下は作業をしている最中でございまして、御趣旨は非常によくわかりますけれども、いまの段階でそれをどうこうというふうな数字の形になって御説明を申し上げることができないのを残念に思います。  しかし、確かにいまの海洋博等を含めて、小さな島の中で急激に起こった労働需要環境というもののもとで、非常に困難になっているという実情は認めないわけにはいかないと思います。ただ問題は、砂糖といわず、農産物価格を政策的に行政価格をきめます際に、それらの臨時的な事情というものを勘案しながらも、なお価格の政策の基礎に、一つの連続性というものを政策上は持たさざるを得ないという問題もあろうかと思います。そういう意味で、どの辺までを価格の問題としてとらえ、どこまでをそれ以外の補完的な対策としてとらえるかという行き方もあろうかと思いますので、あわせまして、総合的な効果をねらうということから、種々の対応策も検討しなければならないというふうに考えておる次第でございます。

西銘順治自由民主党

○西銘委員 キビを救済する方法としては、どうしても価格政策の面だけでこれを救済するというわけにはいかないのであります。特に沖繩の場合におきましては、離島各地、人の住んでいる島が四十八もあります。しかも、この離島は原料が増産できないので、どうしても分みつする工場が建たない。分みつ糖がつくれない。したがって能率が悪い、生産性が悪い含みつ糖しかつくれないということで、離島の格差が出ているわけであります。したがって、これを単に価格の面だけで検討していったのでは十分救済できない。そこに社会政策的な配慮というものが当然加味されてこなければ、南西諸島の離島住民は救済できない。これは政治の、農政の問題であります。米みたいになるほど全日本的な作目ではありません。しかしながら、南西諸島の住民にとってはサトウキビしかつくれない。これをどう救済するか。農政の問題としても、私は大きな問題だろうと思うのであります。  それだけではありません。私たちが今後物価対策を考える場合に、どうしてもそこには物資資源の自給体制の確立というものがその基礎に据えられなければならないと思うのであります。農産物の場合におきましても、その意味で自給率のある程度の向上をはかっていって、そこでもって農民を救済する、わが国の食糧体制を万全の自給体制の中に持ち込んでいくということが大事ではなかろうかと思うのであります。なるほど三百万トンの砂糖消費量に対しまして、北海道のてん菜糖を入れましてわずかに六十万トン、一九%足らずであります。甘味資源自給計画の中でもっとこれを二〇%、三〇%に引き上げていく目標がなければならない、そういう努力が農産物全般について言えるのではないか、かように考えておるのでございますが、一体砂糖の自給度というものをどの程度に押えようとされておるのかお聞きしたいのであります。

岡安誠農林省農蚕園芸局長

○岡安説明員 砂糖の自給率でございますけれども、昭和三十年当初におきましては一〇%程度でありました。それがその後の生産の増強施策によりまして、最近大体二〇%台というところまできているわけでございます。私どもは今後てん菜並びにサトウキビの生産の増強をはかることによりまして、五十七年の目標といたしましては、大体二六ないし二八%程度まで自給率を上げたいということで、諸般の施策を今後とも集中的にいたすということを考えておるわけでございます。

西銘順治自由民主党

○西銘委員 最後に、糖業の振興の上では、どうしても製糖工場の能率が上がるように、ある程度資金的な対策を考えなければならないと思うのであります。六千何百円で買えという支持価格をした。ところが最近は、南西諸島各工場とも、奄美十三工場約七千トン、沖繩十五工場約二万トン、このどの工場も赤字をかかえてまいっているんです。資材が上がる、賃金が上がる、輸送費が上がる。工場コストがだんだん高くなってきているわけであります。奄美群島を累計してみても、約十六億円の赤字をかかえておる。沖繩の場合は、分みつ糖が約十六億円、また離島の含みつ工場を入れますと三億円、約十九億円の赤字をかかえて戦後今日に至っているわけであります。したがって、支持価格はけっこうでございますが、工場コストの向上に対してある程度の補給をしてやらなければ、対策をしてやらなければ、これは農民、工場ともにつぶれてしまうのであります。  農業の場合にはいろいろ考えられますが、特にキビの場合は農工一体であります。工場がなければキビがつくれない、こういう関係にありますので、もっと資金的な対策を確立いたしまして、その面からの補強と申しますか、これが目下の急務だと思うのであります。現在借り入れている短期あるいは長期の資金を、長期低利の資金に肩がわりさしていくというような対策も、同時に考えられなければならない重要な施策ではなかろうかと思うのであります。特に離島工場、沖繩の宮古、石垣、本島を除きまして、離島各地にある工場は赤字をかかえて困っている。沖繩関係で運転資金だけを考えてみましても、今期で約十八億の運転資金がなければキビ代が払えない。十二月から操業が始まりますが、操業ができない。こういうことになるわけでございまして、その資金手当てをたとえば沖繩の振興開発資金から出すとか、あるいは農林中金の資金を出すとか、もし保証の取りつけが必要であれば県が保証するとか、何とかそこに指導体制というものが確立されなければならないと思うのでありますが、それについての政務次官の御見解をただしたいのであります。

池田正範農林省食品流通局長

○池田説明員 ただいま御指摘いただきましたように、沖繩、奄美合わせまして約三十億程度の赤字をかかえておるのは事実でございます。したがいまして、問題としては、それらの企業に対して長期資金、短期資金をどのような形で補てんしていくかということは、当面の運転の上で非常に大きな問題になっておるわけでございます。  長期資金につきましては、ただいま御指摘のような沖繩開発公庫の資金といったようなものを含めたり、あるいは奄美におきましては奄美の振興資金というふうなものをベースにして、長期低利の資金供給をしていくということは大事であろうと思いますが、実はこれも先生御案内のように、ただいま一番大きな問題は、御指摘になりました約十八億に及ぶ運転資金をどうするかということが、一番大きな差し迫った問題であるというふうに私どもも認識をいたしております。  その意味で、私ども先般来地元からもいろいろと陳情を受けておりまして、実は農林中金あるいは沖繩県との間で現在連絡をとりつつ、まあできますればこの資金ワクというものを――これは現実には最近銀行の資金供給源がかなり枯渇してきておりますので、それらを緩和するための措置の一環として、系統資金といったようなもののワクを拡大して、そして沖繩に流し込む。しかしながら、御承知のように相手方に非常に大きな負債が出てまいりますと、この返還能力というものにかなりの確実性がありませんと、金かあることと、金が借りられることとは別の場合か多いわけでございます。そこで、政策的な介入も当然必要になってくるだろうというふうなことで、何よりもまず国と県が間に入って、それらの系統資金が地元の琉球銀行なりあるいは沖繩銀行なり、従来からめんどうを手がけてきたそれらの銀行の知識というものを十分活用して、その系統資金の拡大されたワクが十分相手方に届き得るような措置を講じたいということで、現在実はせっかく努力中でございます。

西銘順治自由民主党

○西銘委員 次に、機械化、省力化の問題でございますが、御案内のとおり、最近農業関係の就労者がたいへん不足いたしまして、沖繩ではアメリカ統治の時代から、台湾からパイン女工、キビ刈りの農夫を入れておったのであります。これも国交断絶によりまして現在実現しておりません。そのかわり韓国からパイン女工が最近入っておりますが、そういった意味で機械化、省力化の点について、これはどうしても基盤整備と並行いたしましてやっていかなければならない問題でございます。  特に沖繩の場合には、早急にキビ収穫機の導入計画を実施しなければならない。これがサトウキビの問題を解決する重要なポイントになっているわけであります。刈り取り機にいたしまして四百八十三台、脱葉機にいたしまして千九十台、搬出機にいたしまして五百六十三台、積み込み機にいたしまして二百八台、サービスカー二十四台、計二千三百六十八台の機械が導入されないと間に合わない、こういう実情でございます。この資金総額が約十七億八千万円になっておりますが、これに対しまして現地側から八〇%助成してもらいたい、約十四億三千万円の助成をしていただきたい、こういうたっての要望があるのであります。これに対する次官の御見解をお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。

岡安誠農林省農蚕園芸局長

○岡安説明員 御指摘のとおり、サトウキビ作につきましては非常に多くの労働時間を要するわけでございまして、中でも収穫作業がその過半を占めるということで、従来から収穫作業につきましての機械化というものを進めてきたわけでございます。大体小型収穫機につきましては実用化の段階に立ち至りましたので、特に四十七年度からは、サトウキビ栽培省力化パイロット事業というものを中心といたしまして機械の導入をいたしてきております。  ただ、やはりおっしゃるとおり、緊急にさらに導入台数をふやすということも必要であろうというふうに考えまして、私どもは四十九年度以降、臨時緊急に相当多くの機械を導入いたすべく現在検討いたしております。しかし、将来やはり小型化よりも中型化といいますか、中型機械を基幹としました作業体系に持っていきたいというふうに考えておりまして、中型機械の開発につきましても、現在農業機械化研究所におきましても研究いたしておりまして、近く実用化の段階に達し得るであろうというふうに考えておりまして、それが明らかになりますれば、沖繩も中型機械を中心といたしました機械化体系として整備をいたすというふうに考えております。

佐々木義武自由民主党

○佐々木委員長 上原康助君。

上原康助日本社会党

○上原委員 先ほど来沖繩の糖業問題、特にキビ価格の問題について同僚議員のほうから御質問があるわけですが、私も限られた時間でございますので、キビ価格の問題を中心に、今後の沖繩の農業あるいは沖繩の農政の位置づけというものを政府がどう考えておられるのか、あらためてお尋ねをしたいと思います。  まず冒頭申し上げたいことは、キビ作農家の問題について、価格の問題について、与野党の議員を問わず深刻に受けとめているというこの事態を政府は理解をしていただきたい。沖繩の農業、当面するキビ価格の問題はもう単に政党政派の問題でない、イデオロギーの立場で考えられる問題でなくして、まさに沖繩の農民の死活の問題であるということ、そういう実情にあるがゆえに、これまで政府に対して農民代表あるいは農協代表県知事、県会、そして選出された国会議員、県民あげて当面するキビ価格の問題について、今後もキビ作が持続できるような打開策というものを何としても講じていかなければいかない、そういう立場でいま真剣に取っ組んできているということを申し上げておきたいと思うのです。  そこで、御議論を伺っておりまして感ずることは、まず政府として、いわゆるわが国の甘味資源政策というものに対する基本姿勢というものがどうも私はしっかりと腰を据えていないという感を受けるわけです。最近食糧の国際危機の問題等が出てきております。先ほど諮問の説明がありました麦の問題、あるいは最近の大豆の問題など含めて、もう従来政府が言ってきた分業論では国民の食糧そのものが確保できない、そう言っても過言ではないと思うのですね。そういう面からいたしますと、やはり甘味資源の確保、いわゆる国民に安心して砂糖というものを供給できる、そういう体制というものをこのあたりでもう一度考えてしかるべきじゃないかと思うのです。そういうことで、今後のてん菜糖や沖繩の砂糖、奄美も含めてのキビ作の問題について、国としてどういう基本姿勢で臨んでいかれようとしているのか、その根本的な問題が明らかにならないと、ただ価格の問題なり当面している問題だけを議論してもいかない面も私はあると思うのです。したがって、今後の甘味資源確保ということを、先ほども政務次官なり局長のほうから御答弁もあったのですが、あらためてその基本方針についてお尋ねをしておきたいと思います。

中尾栄一自由民主党農林政務次官

○中尾説明員 上原先生に御答弁申し上げます。  基本姿勢を示せ、特に甘味資源作物に対する基本姿勢を示せ、こういう御質問かと思うのでございますが、わが国における甘味資源作物でございますてん菜及びサトウキビは、北海道、鹿児島県並びに南西諸島及び沖繩県におきまして、地域農業の振興上重要な地位にございますので、従来から甘味資源特別措置法に基づいてその生産の振興を推進するとともに、これらの地域において生産されたてん菜またはサトウキビを原料とする国内産糖の糖価安定事業団による売買を通じて、これらの保護育成をはかってきたところでございます。今後とも優良種苗の供給、機械化を中心とする栽培の省力化等につとめることなどによりまして、生産性の向上と農家経営の改善をはかり、さらに甘味資源の生産拡大を積極的に進めてまいりたい所存でございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 おことばを返すつもりじゃないのですが、あまり機械的で形式的な答弁では理解できないわけです。  そこで、では具体的にお尋ねしたいのです。先ほどもお答えがあったのですが、いわゆる砂糖類の自給率の問題、昭和四十年以降どうなっているのかお尋ねしたいと思うのです。特に四十七年あるいは四十八年度においては、一体自給率というもの、自給度というものはどういう状況になっているのか。政府はこれまで長期生産目標などを立てて、昭和五十七年ですか、まあ長い話ですが、二七、八%ないし三〇%まで高めていくということも、私も何回かお尋ねしてみましたが、そういう御答弁もなさっております。しかし、現実にはどんどん自給率というのは落ちてきているということ。一方国民の消費量というのは年々上昇してきております。さらに現在の国民の消費量の点は、文化生活がますます向上していくにつれて、消費量というのは欧米先進諸国並みに遠からずなっていくと思うのですね。そういう面を考えると、いま政務次官が御答弁なさるように、甘味資源地域に指定をして、奄美や沖繩、南西諸島あるいは北海道のてん菜等を入れて十分確保していく方針だということですが、実際に言っておられることと政策の遂行面においては、逆な現象が出てきているということは、数字の上においても明らかなんですね。  そういう点をもう一度きちんと整理をして、政策的な方向づけをやって、ほんとに基幹作物であり、甘味資源の確保というものが国民生活の上から必要であるとするならば、当然その目標に沿った政策の遂行、予算的裏づけというものがあってしかるべきだと思うのです。  私は、それがないところに今日の価格の問題が出てきているし、自給率を一方においては高めたいと言いながらも、どんどん生産は減っていく、そういう現象、矛盾というものが出てきていると思うのです。それに対してはどういうお考えを持っていらっしゃるのですか。

岡安誠農林省農蚕園芸局長

○岡安説明員 自給率でございますけれども、お話しのとおり三十年、砂糖年度で申し上げますと昭和三十年の砂糖年度におきましては、国内生産が大体十三万トンということで、需要量に対比いたしまして当時は一一・一%、一〇%台というような自給率であったわけです。  その後国内生産は相当ふえまして、三十五年には二十五万トン、四十年には五十六万トンというように順調に生産量は伸びてまいりましたけれども、一方御指摘のとおり、需要量のほうも相当大幅に拡大をいたしまして、国内生産量が伸びたわりには自給率は上がっておりませんけれども、昭和三十五年には一七%、それから四十年には二九%というところにきたわけでございます。その後も国内生産量はふえておりまして、昭和四十五年にいきましては六十四万トン台というところまで伸びましたけれども、一方需要量のほうも伸びたということもありまして、四十五年の自給率は約二二%ということになっております。  ただ、四十六、七年は下がっているではないかという御指摘でございますけれども、これは先生御承知かと思いますけれども、主といたしまして、沖繩県が非常な干ばつにあったということもありまして、国内生産量が四十六年は五十四万トン、四十七年は推定でございますけれども大体六十一万トン程度でございまして、四十五年よりも下がっております。これは異常気象ということであろうというふうに私どもは考えておりまして、今後ともやはり国内産糖量の増加というものは期待もできるし、またそのような方向でもって努力をいたしたいというふうに考えております。したがって四十七年の自給率は、需要量を三百万トンといたしますと、二〇%ということになりますけれども、先ほど申し上げますとおり、五十七年度におきましては大体二六ないし二八%程度の自給率は達成いたしたい、かように考えているわけでございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 確かに一昨年の大干ばつのあったせいもありまして、生産量の減少というのはそういう影響もあったかと思うのです。しかしこれは後ほど議論をしていきたいわけですが、いわゆる今年度、四十八年度の生産量も当初目標とは大幅に落ち込みがあるということもおそらく知っていらっしゃると思うのですね。五、六十万トンの減になるわけでしょう。そういう現象だから、価格の問題がこれだけ社会的政治的問題になってきているわけですよ。私が指摘したいことは、昭和五十七年度までには、何とか二七、八%に持っていくということを、何回かこの点は、予算の分科会でも、私への内閣委員会での答弁でも、そういう御答弁をなさっております、会議録を見るまでもなく。しかし、現実にはそれは机上のプランにしかすぎないということ、空論にしかすぎなくなりつつあるということは、起きている現象そのものを考えていただければわかると思うのですね。したがって、じゃ五十七年度には二七、八%に持っていくという計画であるならば、当然年次目標というものもあっていいのじゃないですか、生産の計画目標というものも。そういう面は立てないで、ただ、いまから十年先の話をここでやってみても、現在の農政のあり方では、農民がどんどん切り捨てられていくことにしかならないわけですね。具体的な年次計画というのはあるのですか、このキビあるいはてん菜糖の生産目標について。

岡安誠農林省農蚕園芸局長

○岡安説明員 現状におきましては、まだ具体的な年度ごとの計画というものは設定しておりません。ただ私どもは、特に沖繩のサトウキビの問題について申し上げますれば、基本的な条件、これはやはり解決しなければならないというふうに考えております。土地条件もそうでございましょうし、最近の労働事情もそうでございます。こういうところを中心にいたしまして、土地条件の整備、それから省力化のための大幅な機械の導入というものを考えておりますので、私どもは五十七年目標というものは、相当努力を要するとは思いますけれども、到達不可能な目標であるというふうには考えていないわけでございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 これは政務次官にぜひ聞いていただきたいんですが、いま五十七年度には大体二七、八%に自給率を高める、そこまで持っていくんだというばく然とした計画はあるわけですね。しかし、年度別の計画はお持ちでない。私は、そこに根本的な、砂糖、いわゆる甘味に対する政府の姿勢が浮き彫りにされていると思うのですね。十年計画を持つなら、当然五カ年ないし年次計画というものがないと、そこに到達できないというのは、これは政策のイロハでしょう。したがって、二言目には省力化の問題、基盤整備の問題、あるいは機械化、いろいろおっしゃいます。確かに私はそれは否定はしません。その努力はやらなければいけないということは、だれも否定はしておりません。だが、つくっても引き合わない農作物をつくる農民というのは、いなくなるのはあたりまえなんですよ。なぜ今日の日本の農業問題がこれだけいろいろ議論されるかといいますと、いわゆるもう農業生産物というのは、単に経済ぺースで考えてはいけないということですよ。もし農業がほんとうにもうかるならば、大資本が農業経営をやりますよ。やらないでしょう。そういうこともあわせてこの甘味資源の問題年次計画というものを立てていかなければ、いつまでたってもこういう議論にしかならないと思うのです。もしそのことを根本的に現段階で手入れをしていかないならば、必ず食糧危機の問題、いま石油の問題だって、これを配給制にしようということになっている。戦時中日本が一番困ったのは砂糖がなかったからですよ。沖繩で生き延びたかつての日本軍は、キビをかじってようやく生きていた。それだけ砂糖というのは、国民の生活にとっていざという場合には欠かせないものです。そういう最悪の事態というものも私たちは政治の場において議論し、生産確保の問題と、価格政策の問題、支持価格の問題というのは私はやるべきだと思うのです。その根本的な方針というものが正しく位置づけられていないがゆえに、つくったはつくったが、次は自由化になる。あるいは買いたたかれる、立ち枯れさせるという現象が起きているわけですから、それについて、あらためて農林省として根本的なメス入れをやるお考えがあるのかどうか、その点をお尋ねをしておきたいと思うのです。

中尾栄一自由民主党農林政務次官

○中尾説明員 先生御指摘のとおり、確かに農業というのは歴史的にいろいろ問題点を含んでおると思います。特に最近に始まったことではない。従来から、これは何もサトウキビによらず、米の問題であれ、また昨今においては小麦の問題にさえ、日本の自給率という問題はたいへんな問題になっています。そこで、先ほどの御指摘にもございました、いまや農業もターニングポイントにきているのではないか。これは何もサトウキビによらず、先生の御指摘のとおり、全部農業がターニングポイントであることも間違いない、御指摘のとおりだと思います。それだけに、私どもも十分この問題点は腹をきめて、いろいろと示唆を行ないながら考えていこうという気持ちは十分持っておるつもりでございますが、何せ限られた農林省というワク内と予算の中におけるすべての行政でございますだけに、そこに問題があるわけでございまして、先生の御指摘は十分に踏まえておきたいと思っておるわけであります。

上原康助日本社会党

○上原委員 もう少し議論を続けていきたいのですが、大蔵省、時間の都合があるようですから、一点確かめておきたいのですが、今度の、四十八年産といいますかのキビ価格の決定については、最後に大蔵省にお尋ねしたかったのですが、時間の都合があるというので、一言お聞きをしておきたいのです。要するに、一万三千円というのは九〇%近い大幅値上げだからとてもという役人の考えもわれわれの耳にもちらちら入るのですね。やれ省力化せぬで株出しだけやっておって何が価格かと、そういう役人も実際いるわけです。まあそれはそれとしてさておいても、やはり価格の問題にしましても、先ほどから議論されている基盤整備の問題、省力化の問題にしても、沖繩の場合は、あとで数字をあげてもいいわけですが、本土の農地改革あるいは基盤整備とほとんど比較にならないわけですね、鹿児島と比較しても。二十七年の格差というものを取っ払っては、これはどうにも議論できないわけですよ。そういう意味で、私は、沖繩の基盤整備の問題についてはまず全額国庫補助でやるということ、あるいは価格の問題にしましても、この際思い切って財政措置を、農林省あるいは大蔵省、開発庁を含めてやるという前向きの姿勢でないと、とてもいまの県民の、農民の要求にはこたえ切れない、また沖繩の振興開発にはつながらない、そういう点があると思いますので、次年度の予算措置については大蔵省としても十分考えるという姿勢があるかどうか、その一点、確かめておきたいと思うのです。

宮下創平大蔵省主計局主計官

○宮下説明員 お答え申し上げます。  ただいま御議論のありますように、農産物価格の問題農産物の振興の問題につきましては、価格政策だけではいけないということはもうしばしば議論されていることでございまして、われわれも当然そのように考えておりますが、四十八年産のサトウキビの価格につきましても、十一月の二十日までにきめるということに相なっておりまして、目下農林省のほうで作業をしておりまして、いま私どもの手元にはまだまいっておりませんが、価格問題は、糖安法の規定によりまして、パリティ価格を基準として物価その他の諸事情を勘案ずる、しかもその上に、再生産を確保するということがうたわれているわけでございまして、われわれといたしましても、その法律の趣旨によりまして、また農林省の検討の結果を踏まえまして十分検討してまいりたい、このように考えております。

上原康助日本社会党

○上原委員 まあいまの段階では、十分検討するという御答弁しかできないかもしれませんが、予算措置においても単に――これはあとで申し上げますが、パリティなんというのはいいかげんなもので、数字はいじくればどんなにもなる。十分そういった前向きの考えで対応していくというお考えである、立場にあるという理解のしかたでいいですね。

宮下創平大蔵省主計局主計官

○宮下説明員 いろいろ議論されておりますところの諸点を踏まえまして十分検討してまいりたいと思っております。

上原康助日本社会党

○上原委員 そこで、私も時間があまりありませんので、先ほども価格決定の方法についてパリティ指数の点があったわけですが、お尋ねしたいのは、ここで数字なりいろいろ理屈をこね回したって、現に、従来政府がきめてきた六千九百五十円というサトウキビの価格ではどうにもならないということだけは事実なんですね。しかもこの六千九百五十円というのはブリックス一九度以上のことであって、それ以下は五千九百何ぼかでしょう。みんなが全部六千九百五十円ではなかったのです。そういう意味で、先ほども、では政府は法改正の意思があるかというお尋ねに対しては、現在そういうお考えを持っていないという答弁でしたが、いまの糖価安定法二十一条の規定からしましても、かりにやろうと思えばできないこともないと私は思うのです。  その議論は少し先に延ばすといたしまして、従来のパリティ方式でほんとうに生産費に見合う価格になってきたのかどうか。また、昨年の六千九百五十円に対しても、私たちは再告示をやれという要求もいたしました。何度か大臣にもお会いをして、沖繩の最近における物価の高騰、労賃の値上がり、その他の経済事情を参酌して云々ということであるならば当然再告示も必要じゃないかということもやりましたが、その点は次年度において十分考慮をするということで、現在に至って事態はますます深刻化をしてきているわけですね。政府がパリティ方式に固執をするということであるならば、ではほんとうにパリティで、農民がサトウキビをつくって再生産を確保し、さらに所得を補い、生活が維持できるような価格になっているのかどうか、そこがポイントだと私は思うのです。どういうお考えですか。

池田正範農林省食品流通局長

○池田説明員 パリティ価格が、いま御指摘のように十分再生産を確保し、農家がそれによって生産を継続していけるだけの水準にあるかどうかという問題点は、いまの段階では、確かに御指摘がございましたように、パリティの持つ一つの宿命的な弱点が出ている時期であるということは率直に言わざるを得ないと思います。物価が上昇過程にありますときには、当然パリティの分子にあたる部分の期限の限度を越えて物価がその後上昇いたしますと、その分については配意できない面がございます。しかし逆に、いまのパリティ価格は、必ずしも永久に物価が上昇し続けることを前提として、そういう状況下に法律をつくるということではございませんので、むしろ通常の安定した物価形態のもとでございますから、ある場合には物価は上昇し、下落をするということで、パリティ価格については生産者側にとってもプラスの面もあるしマイナスのこともあり得るということが当然出てくることは論理的帰結だろうと思います。  しかしながら、ただいま御指摘のような、ただいまの具体的な事態のもとでどうなんだということがむしろ問題点でございます。そういう意味からいたしますと、むしろ政府といたしましては、こういうオーソドックスな法律の制度としての問題点をその時期時期でいじくるということはいかがなものだろうか。むしろ法律はそういうことを予想して、再生産を確保するように事情を参酌してきめろということが書いてあるわけでございますから、もしかりに先生が御指摘のようにその価格で食えないとすれば、それはむしろその参酌のしかたに問題があるということに考えをいたすべきである。私どもといたしましては、先ほどから諸先生方の御答弁に申し上げておるように、その参酌については、こういう異常事態、特に沖繩では物価や労賃が異常に上昇しておるという実情もございますので、そこいらも含めて、この法律の趣旨に沿って十分参酌をしていこう、再生産が確保できるような価格をきめることに全力を傾けましょう、こういうことを現在考えて、せっかく作業中でございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 私は、いま御答弁のあった点も理解しないわけではありません。しかしこの価格の問題がこう年々議論されてくることは、もとが低いのですよ。私は、そんな数字は専門でもない、わかりませんが、前年度のものを基礎にするわけでしょう。今度も六千九百五十円しか基礎になりませんよ。その前は六千七百五十円。しかももう一つのパリティの大きな欠陥は、分母が九カ月ですか、であるにかかわらず、分子は七カ月でしょう。そこにも大きな欠陥があるわけですよね。分子は今年の三月から九月までの指数をとる。分母は前年度の三月から十一月までとるわけでしょう。そうなりますと、そこにもう一つの矛盾が出てきているわけです。あなたがおっしゃるように、永久に物価が上がらないかもしれません。いまの日本の状況では、永久に物価が下がると思う人は、国民だれ一人いませんよ。そういう面からやはり私たちは、こういうパリティ方式では現在の社会情勢、経済情勢、そして農民が一定の作物を栽培する、再生産するコストに見合わないから生産費・所得補償方式に変えるということを強く要求しているわけです。私は少なくともそういう方向に変えていかない限り、キビ価格の問題のみならず日本の多くの農作物というものは、農民がだんだん見捨てていく。その点を含めて、すぐ今年度、次にきめる価格からできないにしても、少なくとも次年度、近い将来においてそういう方向に持っていくということは検討する段階に来ていると思のです。その点については、政務次官、御見解いかがですか。

中尾栄一自由民主党農林政務次官

○中尾説明員 先ほど局長に答弁させましたが、確かにパリティ指数その他にもそういう問題点が往々にして見られる。とするならば、これはもうやはり将来にわたっては、この物価騰貴というものが未来永却のものでもないし、また半恒久的なものでもあるわけはない。あるいは下落する可能性もあるという安定指数に立ってパリティ指数があるとするという方向づけの中で、パリティという法律に基づいた、糖価安定法に基づいたものを基準にしているわけでございますけれども、先生の御指摘もありますので、あくまでもこの点は検討を十分したいと考えております。

上原康助日本社会党

○上原委員 ぜひひとつ御検討をいただきたいと思います。  そこで、ちょっとこまかな数字の点になって恐縮ですが、昨年の沖繩における生産費は八千一百四十五円、これは何か農林省に聞いてみると、琉球政府当時の資料を使っているので根拠はないというような話もあったようですが、そういうことは言えないと思うのです。総合事務局が出している資料においてもそういう数字が出ているわけですから。さらに御承知のように鹿児島は七千三百四十六円でしたか、そういう数字になっております。皆さんが再三再四再生産に見合う価格ということであるならば、少なくとも生産費を割るという農作物がいま日本にはほとんどないと思うのですよ、キビ以外は。これは何も所得でもない、利潤でもない、生産費なんですよ。ぎりぎり八千一百四十五円はかかったのです。しかしおきめになった価格というのは六千九百五十円。したがって、パリティも本来ならば、基礎数値というなら、少なくとも八千一百四十五円にならなければいけないはずなんです。ここに私は大きな欠陥がある。もともと低いものだから、どうしたってパリティの指数だけはじいておったのでは一万三千円にはとうていならない。そこに数字のごまかしがあり、皆さんのほうからいえば妥当だと言っているのだが、われわれから見れば、ほんとうにインチキだと言うのだ。この八千一百四十五円の生産費というのは、政府はどう見ておられるのか。先ほど、いろいろの対応策があるのだ、種々の対応策があるのだというようなことも言っておりましたが、ではパリティ指数ではじいたらこれだけなんだが、種々の対応策があるというならば、こういった生産費と六千九百五十円の格差の問題あるいは時間がありませんからもうまとめて言いますが、皆さんはパリティだけいままでずっと何年間削ってきたのだ、そうでしょう。パリティ指数をずっと削ってきている、はじいた数字さえも。そういう矛盾というものはこの際洗いざらい出して、是正をする意思があるのかどうか、ぜひその点については明確な答弁を賜わりたいと思います。

池田正範農林省食品流通局長

○池田説明員 サトウキビの価格のよって立つ基準は御指摘のとおりパリティでございますが、先ほどから申し上げておりますように、パリティで出てくる機械的数字が唯一のものではないわけでございまして、現実にはその他の経済事情、生産費といったようなものを総合的に勘案してきめるというのが法律の趣旨でございます。その意味からいたしまして、パリティそのものとしてきまらないということがあっても、それはそれでその時点における一つの判断であったというふうに私どもは考えるわけでございます。  ただ問題は、いま御指摘の四十六年産のサトウキビについて八千百四十五円という沖繩統計庁の数字から析出をいたしました生産費がございます。これは御承知のように、当時の沖繩統計庁が一ドル三百六十円という当時の移行前の一律的な換算相場で算出をいたしたものでございまして、正式にはその当時においては――私ども実は御承知のように、その翌年度のサトウキビの生産者価格をはじき出す場合には前の年の生産者価格の実績をベースにして、そしてこれをパリティアップして出すというやり方をとらざるを得なかったわけでございます。そういたしますと、当時の推定生産費として私どもが考えておりましたのは、沖繩の統計庁で出しました数字を、投下期別に、こまかくウエート別にその時期におけるドルと円との換算率で全部計算をし直しまして析出をいたしましたものと、それから四十六年産の、当時は日本では鹿児島だけが沖繩に匹敵するサトウキビをつくっておったわけでございますので、鹿児島におけるサトウキビの生産者価格というものを推計の基礎にいたしましてパリティアップいたしたものと、実はそれぞれ計算をいたしまして、それがほぼ七千円前後になったわけでございます。したがって、当時の算出をいたしました条件のもとでは、六千九百五十円というふうなものにさらにいわゆる積み込み費というものを平均いたしまして二百五十円ないし三百六十円積み上げましたこの数字というものは、決して当時私どもが推定をいたしておりました生産費に比べて大きい差のあるものではないという観点に実は立っておったことは事実でございます。それが、先ほど来申し上げておりますように、その後の物価の上昇というのが非常に大きく出まして、しかも収穫労働というものが現実に六割を占めております。その収穫労働が翌年の一、二月、三月というところにまいりますので、その時点における物価の上昇率というものが当然カバーできなくなってきた。そのことが実は農林統計情報部から出ております四十六年産の生産費実績七千三百二十六円から見てかなり下回る結果になって、そこに大きい政治問題になって今日先生方からいろいろ御指摘をいただくところにきたということは、私どももよく認識をいたしているわけでございます。  しかしながら、それらのことは実はどういうやり方をとりましても、その年にいまつくった価格を直ちに統計処理するということは不可能でございまして、何らかの形の約束でこれはやはり換算をして使っていかざるを得ないわけでございます。その意味からいたしますれば、前車の轍を踏まずと申しますか、やはり今回の事情というものを十分頭の中に入れて、このパリティその他の経済上の参酌面を含めまして総合的に参酌をいたします場で、私どもとしては最善の努力を尽くすべきであるというふうに考えているわけでございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 いまのはちょっと含みのある御答弁ですが、やりとりはあんまりしませんが、そうしますと、いま私が申し上げた、たしか鹿児島は七千三百四十六円ですか、沖繩は八千百四十五円。これは何も琉球政府のあれでないですよ。あなたは三百六十円なんて持ち出すが、皆さんが出している統計資料ですよ、沖繩総合事務局が。そうしますと、この八千百四十五円のあれも、事情の変化ということで十分参酌するということですね。それはぜひもう一度確認しておきたいと思うのです。  それと私が申し上げたいのは、パリティ、パリティと盛んにおっしゃっているのですが、私の手元にある資料でも四十一年の農林大臣告示価格が五千九百九十円。これは加重方式をとらない点も疑問なんですが、実に二百四十円切り捨てなんです。六千二百三十円のパリティの算出に対して二百四十円の切り捨て。四十二年は百二十三円の切り捨て、四十三年は百七十円の切り捨て、四十四年だけ実に五円だけ。四十五年が百五十五円の切り捨て、四十六年も二百十四円の切り捨て。四十七年、昨年も六千九百五十円なんだが、パリティではじいたのは六千九百八十四円。実に過去七カ年に九百四十一円の切り捨てになっているわけですね。ですから、これだけ切り捨てられたわけだから、パリティだけでとってみても、六千九百五十円に九百四十一円アップしなければいかぬのですよ。そうすると、数字の結果というものはかなり変わってくる。  さらにこれは皆さんがいまとっておられる法定方式、政令附録第二に基づいた数字なんですが、もう一つ疑問なのは、法定方式の修正累年パリティ、いわゆる加重方式。この加重方式でこの例を出してみますと、実に四千六百四十二円の切り捨てですよ。一万三千円の要求価格は、この四千六百四十二円を切り捨てないならば、実際一万三千円に余るのです、この加重方式をとれば。だからこの数字は六七%の農民切り捨てですよ。数字というのはいじくることによって幾らでもできるということが、私はこの数字を見ただけでも実証できると思うのです。  皆さんがおっしゃる過去のそういった弊害なり欠陥ということも十分参酌してということであるならば、ここで公式に出された数字の上から見ても、いかに低く価格が押えられてきたかということは明々白々の事実。政務次官、そうであるならば、こういうことも含めてパリティの指数に反映をさしていくということにならなければ、私はほんとうにおっしゃるように、十分参酌をして沖繩の基幹作物だから維持振興していくということにはならないと思うのですね。その点も、いま幾つかの例をあげましたが、そういう面も含めて今度価格を決定する上においては数字の洗い直しなり再検討をやる御意思があるのかどうか、あらためてお伺いをしておきたいと思います。

池田正範農林省食品流通局長

○池田説明員 まず最初に、八千百四十五円の沖繩統計庁の数字、これはその沖繩統計庁の数字をベースにいたしまして三百六十円という一律換算で計算した結果を統計情報部から発表したということでございまして、これがいわゆる農林省の生産費調査と連続するものであるという扱いはしていないはずでございます。そういう意味で、実は七千三百二十六円という統計情報部の鹿児島、奄美群島の生産費というものと、このいわゆる一律計算をいたしました八千百四十五円とはおのずから統計の位置づけとしては違う位置づけのものであるというふうに理解をせざるを得ないと思います。私どもといたしましては、実は近々に出ますところの生産費調査の実績というものが大切でございますので、この出ます実績を踏まえまして、ぜひ来年度以降の問題点を、やはり長期としてはきちんと考えていかざるを得ないだろう。ただ、当面きめる問題点といたしましては、こういうふうに沖繩における調査というものは参考資料としては十分考慮の中に入れなければいけない。ただ一律三百六十円という換算率で一体いいかどうかはもう少し検討する必要があるというふうに考えておる次第でございます。  それからパリティの端数切り捨てが累積して非常に大きな農民の損失になっておるということは、これはパリティそのものをとるということからいたしますと、御指摘のとおり計算はできようかと思います。そのことが累積いたしまして、農民サイドから見てかなり不利になっておるではないかという感じをお持ちいただくのも、これはある面で無理からぬ面があろうかと存じます。  しかしながら、先ほど来申し上げておりますように、これは八リティを基準とするものであって、パリティ価格できめるというものではない。むしろそれらの価格の裏には、たとえば農作物全体の生産性のアップというふうなこともあって、非常にわずかな単位の、たとえば五十アールとかあるいは四十五アールとかいった零細な規模ではあるけれども、やはり長い間かかってかなりの労働時間の節約、生産性のアップというふうなことも中で行なわれてきている面もございます。したがって、将来の再生産を確保するのに十分であったかどうかの御批判はいただくといたしましても、私どもといたしましては、パリティそのものが直ちにすぐ決定価格につながるものではないという立場から、切り捨てという考え方には立ち得ない。しかし、全体としての価格の水準が十分でなかったことが今日の生産の不振を招いた原因ではないかという御指摘に対しては、十分検討いたしたいと思っております。

上原康助日本社会党

○上原委員 時間が参りましたので、ちょっと労働費の問題について触れることができませんでしたが、結びとして……。  いま私は幾つかの矛盾点を指摘いたしました。それはお役所の立場からはどうとも反論なりあるいは理屈もつくでしょう。しかし、やはり今日の価格問題というのは、もとが低く押えられてきたがゆえに十分実勢に合っていないというのは、これも理論、理屈の問題じゃなくして実態ですよ。おまけに国の施策という立場での海洋博の問題がある。そういうことであるならば、先ほど来言っておりますように、ほんとうに再生産費を確保できる価格になるというのには、これはパリティの基準にプラスでなければいかないと思うのですね。むしろいままでは切り捨てられているかっこうなんです。その点を強く指摘しておきたいと思うのです。  そこで政務次官、結びとしてお尋ねしておきたいことは、これまで農林大臣も政治加算ということを要請団に対してたびたび口にしてこられました。これもパリティだけではとうていいかないわけですね。  いま一つ、沖繩の最近の物価高騰なり労働力のアップの問題等を考えました場合に、前年度六千九百五十円以降、特に労働費は七七%を占めているわけでしょう。収穫期において六〇%。生産費の全体の七七%は労働費なんだ。そういう面からすると、現在の実勢レートに見合うように持っていくには、どうしてもこの糖価安定法の二十一条の三項ということについても検討すべきだと思う。皆さんが法律改正をやらないということであるならば、告示してから、実際に実勢レートに見合っていない、その他の物価の変動があった場合には三項においては再告示もできるということがうたわれているわけですから、当面の価格の問題ということと、将来においてそういう重要な変更があった場合には再告示もするということでなければいかないと思いますね。これが一つ。  いま一つは、再三政治加算ということが繰り返されておりますように、やはり大豆の問題だって麦だって奨励金というのをやっているわけでしょう、栽培奨励金というものを。食糧需給を確保するにはそういう政策的な配慮、予算措置をやらなければいかないわけですから、少なくとも一万三千円に基本価格をきめていく、それプラスいま言った再告示の問題同時に農民に勤労意欲を持たして、農業を放棄させるのでなくして、農民を殺すのでなくして、やはり農業に意欲を持たす立場での栽培奨励金というものも基本価格にプラスをする、そういう価格の決定ということも私は政治的な配慮でやらなければいかないと思うのです。その点についてはぜひ明確に、すぐやりますというお答えはないかもしれませんが、少なくともそういう問題も含めて今回の価格というものは最終的に結論を出すということでなければいかないと思います。その点ぜひお答えをいただきたいと思います。

中尾栄一自由民主党農林政務次官

○中尾説明員 目下のところ御案内のように米審が開かれておりまして、このサトウキビの問題も大体二十日までということになっておりますので、十分先生のその基本的なお考えも承りましたので、そんたくしながら検討していきたい、こう考えておる次第でございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 もう時間が来ましたが、最後に申し上げた点ですね、あくまで基本価格を一万三千円の要求に持っていくということ、同時に沖繩の現在の経済状況を参酌するということ、いま一つは、やっぱり農民がつくらなければもうこれは振興もくそも、甘味資源の確保もあったものじゃないですよ、基幹作物でもなくなるわけですから。そういう総合的なものをぜひ御配慮をいただいて、特にもう農政には詳しい次官のことですから、私はぜひひとつそういう面で復帰後のいまの危機というものを農政の立場からもお考えになっていただきたい。これは何も私が野党だから申し上げるわけじゃないのです。ほんとうに県民あげての強い要求であるということは先ほどの西銘さん、國場さんのお話を聞いてもおわかりのとおり、これからもいろいろまた御議論もあると思います。その点ぜひひとつ農林省全体としてという立場はもとよりですが、政府全体の立場でこの問題については県民が納得する結論をこの際出していただく、その後に省力化の問題や基盤整備の問題いろいろ政府の立場でも文句も言ってください、われわれもまた努力します。そうでなければいかないと思いますので、特にその点を補足をしておきたいと思います。

佐々木義武自由民主党

○佐々木委員長 美濃政市君。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 サトウキビの問題で若干質問いたします。あと私は大臣が見えたときに十五分質問しますから今回は十五分でありますので、要領よく質問しますから要領よく答弁を願いたい。  私は朝からの質疑を聞いておって、局長も次官も奥さんが病気しても医者につけるという感覚のない男でないか、こう私は判断して聞いておりました。これは、パリティや参酌し、などというものでありません。この沖繩の今回のサトウキビの問題は、糖安法の上限価格を伸ばしたり縮めたりした範囲でものをはかるべきでないのです。なぜかというと、派遣委員報告書にも書いたでしょう。二十七年間異国の施政権下にあったということはやはり日本全体の責任ですよ。私は、同じ砂糖ですから北海道のビートとちょっとここで関連して申し上げます。  戦争が終わったときに、北海道のビートは十アール当たり二・二トンです。今日四・五トンになっております。労働時間でいうならば八十時間かかっておりました。今日、機械化されまして五十時間を割りました。相当の速度で品種改良も行なわれております。基盤整備も行なわれております。米について、労働時間でいうならば、戦争が終わったときには百八十時間、ことしの米価試算では十アール当たりの労働時間は百時間を割ったんじゃないですか、九十何時間です。沖繩は戦争の終わったそのままなんです。だから二百九時間かかる。私はここで二百九時間に対してどうあろうと、行ってみたら石垣島では復帰前は二十万トンのサトウキビがつくられておったものが、復帰後一年半たって行ってみたら四万トンだった。サトウキビをつくっておった畑の七五%は荒廃してしまっております。何のための日本復帰であったのか。  ですから、ちょっと局長、私の言うことを計算方式ですからメモしておいてください。どうあろうと、二百九時間の労働時間に対して五人から三十人規模は一時間当たり四百十円、これを今回決定してください。そうすると十アール当たり家族労賃が八万三千六百二十円となります。それに統調で計算されている生産費二万四千二百二十八円をプラスいたしますと、十万七千八百四十八円が十アール当たりの生産経費です。これを、ちょっときついけれども、七・五トンで割りまして、一万四千三百五十円です。これを決定する能力がなければ、前段に申し上げた子供さんや奥さんが病気しても医者にかけないという誠意のない人間だ、誠意のない政治になると私は申し上げておきます。ものさしではかったってそんなことは出ませんからパリティやそういうものさしではかるべきじゃないです。パリティのトン当たり百円がどうだ、二百円がどうだという問題じゃないです。それで計算して百四十億でないですか。分みつ糖をこのキビ価格で買い入れて、市価見合いで売り戻す差損は百四十億程度でしょう。私はここで、今回の調査で――きょうは時間がないですから、いずれ沖特なりこの委員会で申し上げますけれども、沖繩に対しては、価格の上置き、これから進める土地基盤整備も、本土以上におくれておるのでありますから、やはり特別補助率を適用しなければなりません。たとえば本土であれば六割の補助率のものを沖繩は九割くらいの補助率、このぐらいで十年間進めなければならぬと私は思います。農業だけでその計算を私は一応概算四百億と思っております。来年度予算からこれはやらなければならぬことだ。土地改良するにしても、本土の補助率の上積み部分だけですよ。  それからサトウキビをいま特別にきめて、そしてそのあとどうなるかということを申し上げます。これは北海道のビートと同じように、機械化をして基盤整備を進めていって労働時間は百時間にしなければなりません、十年間で。反収も十トンにしなければなりません。いいですね。労働時間を百時間にして反収を十トンにすればキビの価格は七千五百円で私が申し上げた一時間当たり労賃四百十円、一日当たり労賃三千二百八十円が保証されます。  私はここであえて申し上げておきますが。サトウキビとてん菜との含糖率からいけば一トン当たり千円の差がつくことは当然であります。しかし、私は今回一万四千三百五十円というものをここで提案いたします。一万三千円は内輪です。まだ遠慮しておるのですよ。一万四千三百五十円で決定する能力がなければ農林省と私は言えないと思う。とにかくいま戦争で弱って帰ってきたというところなんですから、自分のきょうだいや子供が戦争で弱って帰ってきたら医者にもかけんならぬでしょう。そら帰ってきた、あすから一人前の能力で、このノルマで働けというばかな話がどこにあるのですか。政治というものはそういうものじゃないと思うのです。弱っておる国民は弱っておるようにしなければならぬじゃないですか。この価格が決定したからといって、私は、二・二トンでビートを計算すると一万六千円になりますが、沖繩のサトウキビが一万四千三百五十円できまったから来年度のビートを一万六千円にきめろなどと、口が腐ってもそんなことは言いませんよ。こういうインフレですから、パリティだけは強く言いますけれども、北海道のビートはサトウキビと比較して一万六千円にきめなければ承知しないなんということは、腐っても言いませんから。私は、自分の家族やきょうだいが病気をしたり、あるいは今回のように戦争で疲れて帰ってきたら、おお、よく帰ってきた、ゆっくり休んでひとつからだをじょうぶにして、また働こうではないかと言うその能力がある男だと自負しております。ぜひそれをやってください。どうですか。パリティなんかだめです。聞きたくもありませんパリティがどうするとか、何を言っておるのですか。そんなものじゃないということですよ。パリティだとかそんなものさしではかってどうだこうだということは、疲れ果てて帰ってきた国民に対してそういうことが言える義理がわれわれはどこにあるのですか。そういうことは聞きたくありません。パリティなんというものはきょう限りやめてください。私の申し上げたことを計算してきめてください。どうですか。

池田正範農林省食品流通局長

○池田説明員 非常にきびしい口調でおしかりをいただいたわけでございますが、そのお気持ちの底にある気持ちは私どもも共通でございます。しかしながら問題は、いまのやり方自体の問題パリティの方式自体の批判ということから出発されておりますが、私どもは、パリティの持つ欠陥は、先ほどから申し上げておるように、その場その場の客観条件のもとでは、当然弱点が出ざるを得ない、それをカバーして総合的にしていくことが行政価格であるし、それにさらにいろいろな配慮が加われば政治問題にもなるだろうというふうに先ほどから申し上げておるわけで、別にパリティをとりでにして無理やりにサトウキビの価格を安く押えようなどという気持ちで申し上げておるわけでは決してございません。その底にある心情は、やはり沖繩の復帰したサトウキビ生産が安定した形で今後上昇できるようにという一点にしぼって、私どもも努力をしておるつもりでございます。なおいろいろと努力の足らざる面、その他さらに広範な政治的配慮その他の問題を含めますれば、これは私の答弁の範囲ではございませんので、御容赦をいただきたいと存じます。

中尾栄一自由民主党農林政務次官

○中尾説明員 美濃先生のおことばはもちろんきびしゅうございますが、その御心情は、私はむしろおやさしい気持ちだという気持ちで考えております。これは全く私どもも同じ気持ちでございまして、沖繩復帰に対する努力は与野党を問わずみんな一緒にやったわけでございまして、同時に、復帰した以上は、日本の本土並みということばがありましたように、その方向づけをわれわれが鋭意努力するのはごくあたりまえのことである、こう考えております。  私は法律的な問題はよく存じ上げませんけれども、問題は、法律に基づいた形のパリティ指数という形で先ほど申し上げておったわけでありますが、私もこんな数学的なことをとやかく言う気持ちは全くございません。当然執行部といたしましても、この問題を考えていくときには、先生のその御温情ある姿をそのまま反映したいところでございますけれども、御案内のとおり、やはり日本の限られた予算形態の中におけるそれぞれの問題における分配の問題でございますから、それだけに十分私ども勘案して、御心情の一端は私どももともども協力し合って盛り上げをつくっていきたい、このような気持ちでございますから、ぜひとも御賢察のほど願い上げたいと思います。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 私はこれで終わります。あと十五分、大臣にも同じことを言おうと思っておりますが、どうかひとつ病人は医者にかけるだけの能力を持った政治を――政務次官もこれを決定する立場にあるわけです。病人は医者にかけるだけの能力を持ってください。それをお願いして一応終わります。

佐々木義武自由民主党

○佐々木委員長 瀬長亀次郎君。

瀬長亀次郎日本共産党・革新共同

○瀬長委員 最初に事実関係を確認しておきたいと思います。  糖価安定事業団の収入と支出、収入は主としてどこからの収入であり、支出はどこへ出したものであるか、これを事務当局にお願いします。

池田正範農林省食品流通局長

○池田説明員 糖価安定事業団の機能は、現在の糖安法を実行してまいります際の一つのかなめになる機能でございまして、御案内のように、約八割のものが外糖、それから二割のものが国産ということになるわけでございますが、その外国から入ってまいります砂糖というものは、これは原糖で入ってくるわけでございますが、値段が相対的に安いわけでございます。最近はだいぶん上がってまいりまして、トン当たりで五万四千円見当になってまいりましたけれども、平均いたしますと、従来は大体四万五千円から五万円未満というところで長い間入ってきているわけでございます。ところが、これでそのまま国内に入れてまいりますというと国内のサトウキビやビートの生産が打撃を受けることから、それらの安く入ってまいります砂糖を一定の価格安定帯のもとで、その砂糖から一定の資金を吸い上げまして、そして国内でできてまいります高い砂糖といわばミックスして、そして同じような競争関係に直して払い戻すというふうにしておるわけでございますが、その際にこの安い価格、つまり安定帯を下回って入ってきた部分については、これを安定資金として、収入としてその事業団の中に積み立てるというのが一つございます。これは国際糖価が高くなりまして逆に上限価格を越えた場合には払い戻すという形で、長期にはバランスをするということになるわけでございます。  それからもう一つは、国内糖は要するに非常に高いわけですから、高く買って安く売らなければいけません。その安く売るのと高く買うのとの差額は、これは一つの計算の基礎でございますが、合理化目標価格というものを毎年きめておりますが、その合理化目標価格より上回ったものは国費で、交付金で事業団に交付をいたします。したがって、これは事業団の収入になるわけでございます。下回った部分につきましては、あらかじめ先ほどの安い外糖から積み立てました部分の一部を調整金勘定として積み立てて、これを交付金に充てる。こういう形で、いわば資金ソースとしては、輸入いたします砂糖と国内の生産というものとをうまく国内の市場の中でまぜ合わせて、競争できる価格でやるようにする。そのための資金操作があって、収入源としては、その輸入糖からの差益金とそれから一般の予算からの交付金と、その二つの種類が収入のおもなるものでございます。

瀬長亀次郎日本共産党・革新共同

○瀬長委員 四十年から四十八年九月までに糖価安定事業団の収益が百五十二億五千七百万円になっておりますが、そのとおりですか。約百五十三億――時間がございませんので、調査の上あとで御返事ください。  それから、砂糖にかかっている税金ですが、四十五年と四十六年の関税が合計して約二百億、さらに砂糖消費税二カ年間で九十三億、約三百億円税金が砂糖関係で取られている。これは一キログラム当たり消費税が十六円計算、さらに関税は四十一円余り。いま砂糖の中に約四二、三%の税金、すなわち半分は税金をなめているということになる。これはお認めになりますか。

池田正範農林省食品流通局長

○池田説明員 税金のほうから申し上げますと、確かに御指摘のように、現在一キロ当たり消費税十六円、関税四十一円五十銭ということでございまして、全体としての現在私どもが理論値として考えております約百四十円近い精製糖価の水準からいたしますと、そのうちで約五十七円五十銭というものが税金である、これは確かにそのとおりでございますが、しかしながらこれらは、この中で特にこの四十一円五十銭の関税につきましては、これは国際糖価が非常に高くなってまいりますというと、当然先ほど申し上げました、積み立てていた糖価事業団の資金がなくなってまいります。   〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕 そうしますと、枯渇をいたしました際の対応策といたしましては、いわゆる弾力関税制度というのが持ち込まれておりまして、この財源に関税を引き下げることによって対応するということで、必要以上に国際糖価が暴騰いたしました際のいわゆる上ざさえをするという仕組みが中に入っておりまして、したがってそれが発動されるまでにこれをはずしますと、逆に国内糖価に対しては猛烈な補助金を出すか、あるいは国内産糖が圧迫されるか、どちらかに追い込まれますので、それらを含めて長期的な安定帯の中の一つのささえにこの関税制度が組み込まれておるわけでございます。

瀬長亀次郎日本共産党・革新共同

○瀬長委員 私がこの二つを確認してもらったのは、いまのサトウキビの価格を引き上げると消費者に転嫁されるんだといった理論を組み立てているようでありますが、この二つからこのからくりをはっきりすれば、消費者に転嫁されないという事実が明らかになるから確認してもらったわけであります。  さらにもう一つは、いまの国内産糖と輸入量の関係、農林省から出した統計によりますと、三十九年、これが一番甘味資源として生産が上がったときであり、そのときの自給率は二六%。現在四十六年が一八%、こう落ち込んでおります。沖繩並びに鹿児島県の場合も、三十九年が一番最高値です。沖繩の場合、粗糖二十七万トン、鹿児島が八万トン。四十七年になると沖繩は実に十二万トン減って十五万トンになっている。鹿児島も七万八千トンになっている。こうしてだんだん自給率が減っている。ところで皆さんのいまおっしゃった甘味資源を確保するということは、二六%ぐらいがせいぜい目標にされている。ところで、三十九年すでに二六%に達していたのが現在一八%に落ち込んでいる。この事実は、現在まで自民党、田中内閣を含めて佐藤内閣時代から引き続き、農業と農民生活破壊の政策が行なわれているということを意味します。  この点は大臣が来られたときに、農業政策の基本問題は一体どこにあるのかお聞きしますが、端的に申し上げまして、事務当局は、あと十日ぐらいすると告示を出さなくちゃいかぬということになっておりますが、鹿児島及び沖繩県のキビ作農家がいま、絶対これ以下には下げられぬ、一万三千円要求しておる。これは一体妥当と思うのか、妥当としてパリティ方式などで計算しようとしているのか、これは妥当でないということでしておるのか、これが一点。  もう一つは、現在のパリティ方式でいって幾らぐらいまでは値上げできるのか。六千九百五十円から千円ぐらい上げて、せいぜい八千円ぐらいという見当であるのか、そのほかは政治的配慮という見当で進めているのか、この二点を明らかにしてほしいと思います。

池田正範農林省食品流通局長

○池田説明員 甘蔗糖の年次別の経過については、ただいま御指摘のございましたとおりでございます。私どももさように承知をいたしております。したがいまして、全体としての国産糖の構成割合が、甘蔗糖がだんだんに減り逆にビート糖がふえるという形で、全体としての自給率というものが非常に停滞しておるというのも、御指摘のとおりでございます。  そこで、そういう自給率が甘蔗糖について停滞ないし下がってきていることが、これが現在までのいわゆるパリティ価格の低さからもたらされたものではないかということから一万三千円の御評価を私どもに迫られているのだろうと思います。端的にいって、事務当局として現在作業段階でございますので、現在出ております一万三千円に対する判断というものは差し控えさせていただきたいと存じますが、しかしながら、こういうふうに客観的に甘蔗糖自体の生産というものが停滞ないし減少傾向にある中で、全体としての自給率を上げていこうという政策目標を同時に打ち出しておるわけでございますので、したがってパリティ基準とは申しますけれども、総合的にいろいろな対応策を練っていく必要があると考えておるわけでございます。  それからパリティ自身で現在計算をいたしますと、これはいわゆる法律上のやり方をそのまま機械的に当てはめますと、対前年で一五・四一%上がりまして、これをもとの値にかけますと八千二十一円というのが機械的には算出されるわけでございますが、しかしこれが出たからといって、これが即来年度の事務的な積み上げの基礎にそのまま使われるわけではございません。

瀬長亀次郎日本共産党・革新共同

○瀬長委員 あとは大臣に質問します。

山崎平八郎自由民主党

○山崎(平)委員長代理 次に、瀬野栄次郎君。   〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 消費者米価問題並びに沖繩及び鹿児島南西諸島のサトウキビ問題、この二点にしぼって櫻内農林大臣に質問いたします。  まず、今回の消費者米価問題から質問をいたしますけれども、やがて米審から大臣も帰ってくるように聞いておりますので、その間政務次官にお伺いいたします。  御承知のように十一月七日から米審が開始されまして、いよいよきょうは答申が出るという段階でありますが、今回の米価諮問にあたっては、消費者並びに消費者団体等の国民の強烈な反対にもかかわらず、米においては一三・八%、麦においては三五%の諮問がなされております。新聞紙上その他等を見ましても、すでに自民党内においてもこれらの問題をとらえて、引き上げの幅が大き過ぎるということで、諮問後相当これを検討するというようなことがしばしば報じられ述べられておりますけれども、こういった諮問をなされた背景、またこういうふうなインフレ、物価の値上がりのときにこのような大幅値上げの諮問をしたという、まことに時期的にも心理的にもこれは国民に及ぼす影響は大きいし、公共料金にもたいへんな影響を及ぼす、また物価値上がりにも相当な影響を及ぼすことはもう言うまでもありません。農林大臣にもきびしく後ほど追及いたしますが、政務次官、この諮問案に対してどういう検討をなさって今回の諮問をなさったか、この公開の場で正式にひとつ国民の前にその見解を承りたいのであります。

中尾栄一自由民主党農林政務次官

○中尾説明員 大臣も間もなくお見えになることと思いますが、これは今回の生産者米価のときに、その当時の雰囲気といたしましても当然のことではございますけれども、消費者米価というものはいささかなりとも上げなければならないということは、一つのムードとして当然そのときに勘案されておったと思うのであります。この委員会とてもそのような方向で語られておったことも記憶するのでございますが、この背景に至りましては、食糧庁の総務部長も来ておりますから、少しくそちらのほうから逐次答弁をさせたいと思っております。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 ただいま政務次官からお話を申し上げましたように、生産者米価の引き上げを行なったことによりまして、政府の米価の売買逆ざやあるいはコスト逆ざやというものは大幅にふえたわけでございます。一々の数字を説明することはいかがかと思いますが、現在末端逆ざやだけで見ましても、売り渡し価格の一九・五%ということに相なっております。先回の生産者米価引き上げによります分だけをその中から計算いたしますと、一七・三%という比率に相当するものになっておるわけでございます。こういったことによりまして食管の赤字が大幅にふえるということにもなっておりまして、逆ざやそのものは食糧管理の立場から見ましても、価格の正常なあり方、価格体系の上から食管運営の上で問題があるということだけでなく、財政負担の上からも、農林省としては非常に大きな問題となっているわけでございます。このような逆ざやをいつまでも放置するということは許されないと考えて、今回改定に踏み切ったわけでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 今回の改定がこのインフレの状況下において物価に相当大きくはね返る、またわれわれ国民の生活に重大な影響を及ぼすことはもう当然でありますが、米審会場にもたくさんの消費者団体、また主婦連をはじめ各団体の方が連日悲壮な叫びで訴え叫んでおります。大臣もしばしばその声を聞いていろいろ見解を述べておられますけれども、実際問題として大臣はあまりこの消費者米価の値上げは国民に影響しないかのように言っておりますけれども、その点農林省はどういうふうな見解をとっておられるのか。今回の値上げによって影響はない、こういうふうに見ておられるのか、その点当局の見解をまずお聞きしておきます。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 米価、今回は麦価も一緒に改定することといたしておるわけでございますが、その米麦価引き上げの物価、家計に対する影響の見方といたしまして、まず昭和四十七年九月から四十八年八月までの期間における一世帯平均一カ月当たりの家計支出、この状態を一つベースにいたしまして影響がどの程度であるかということを私どもで試算したところによりますと、米麦合計で、支出額の増加は全世帯一カ月当たり四百七十七円、比率にいたしまして消費支出総額の〇・五%程度になるということに見込まれております。また勤労者世帯にこれをとってみますと、一カ月当たり四百六十円の金額、比率にいたしまして消費支出総額に対し〇・四%程度であると考えられております。  それから物価指数の上でどの程度影響があるかということでございますが、総理府統計局の消費者物価指数、これは全国のものでございますが、それにおける精米と麦製品のウエート、それから米と麦の政府売り渡し価格改定の消費者物価指数に及ぼす影響を計算してみますと、精米の価格上昇の影響は〇・六%、それから麦製品の価格上昇の影響が〇・一%、これら合計いたしまして〇・七%程度の上昇になるというふうに考えております。  なおそのほか、外食そのほか関連品目の価格にも影響が及ぶわけでございますが、これらについても計算してみますと、〇・一%程度であるというふうに見込まれております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 農林大臣には七日から米審で三日間の審議にいろいろと多忙なことでございますけれども、国民がたいへんに心配している現在の消費者米価の問題でございます。さっそくですけれども、大臣にお伺いをいたします。  いま政務次官をはじめ当局に若干の質問をしてまいりましたが、今回の消費者米価はインフレ進行の中でまさに国民の生活に重大影響を及ぼすということは大臣も十分承知のところであります。そこで大臣は、今回の諮問にあたりましてこの諮問案を十分検討してお出しになったと思うのですけれども、まず大臣にお伺いしますが、諮問案の説明の中で、まず二枚目のところをあけていただきますと、「米穀の政府売渡価格について」というところの下のほうに、「一方、最近の消費者家計はかなりの伸びを示しておりまして、家計の負担力も相当に向上しているものとみられるのであります。」云々と、こうあります。もう一つの次のページの麦のほうですね、「麦の標準売渡価格について」の、最初から数えますと三枚目になりますが、下から三行目に「一方、長期にわたり麦の標準売渡価格を据え置き又は引き下げてきた間に、消費者家計は大幅な伸びを示しているのでありまして、この間における家計の負担力の向上は、顕著なものがあると考えられます。」と書いてある。  私はきょう諮問案をいただいて、先ほど当局の説明があり、これをずっと読んでみておりましたが、この二つを見ましたときに、これはことばのあやなのか、それとも同じ文句はおかしいとおっしゃるのかしらぬが、米穀の場合と麦の場合の同じ諮問の中の同じような意味を述べておられる中に、米のほうでは、最近の消費者家計はかなりの伸びを示し、麦のほうでは、消費者家計は大幅な伸びを示し、そうして次は、米のほうは、家計の負担力も相当に向上し、麦のほうでは、家計の負担力の向上は顕著なものがある、こういうふうになっておるわけですね。あえて諮問案で米と麦の場合にこういうふうにことばづかいが違う。かなりの意味が違うわけですが、これはどういうことでこういうふうに諮問されたのか、諮問をされた当局の、いわゆる農林大臣でありますので、どうか大臣からひとつこの意味をお示しいただきたい、かように思います。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 御指摘の点は、表現が同じ諮問でたいへん違っておるということでいろいろ御疑問が出るかと思いまするが、私の考えでは、麦は二十年間ずっと上げておりません。それでその二十年の経緯を踏まえての表現である。だから、その二十年間には家計も非常に増大したということからそういう表現を用いたのであります。それから米のほうは毎年諮問を申し上げておるわけでありまするから、ここ一年の家計の推移から考えた表現を用いた、こういうことで、御質問をちょうだいすれば、同じ諮問でそういう表現が違っておるのに御疑問が出るのも無理からぬ点だと思いますが、諮問をいたしました私どもとしては、ただいま申し上げたようなことからでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 それは理屈をつければ何とでも言えますけれども、同じ消費者家計で麦の場合と米の場合と――国民は麦も米も食べているわけです。それがこういうふうに表現が違う。それは麦の場合はかなり長い間据え置いてきたとかいろいろな問題もあろうと思いますけれども、こういうこと自体に、とにかくわれわれはこの諮問に対しても納得いかぬわけですよ。大臣、消費者家計というのは、麦の場合も米の場合も同じなんでしょう、違うのですか、その点どうですか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 ただいま申し上げたとおり、いまの時点で差があるわけはございません。ですから、御質問を受けて、そういう御疑問がお起きになったということもわかりました。しかし米と麦と、この諮問に際して、片方は二十年ぶりのことである、そして過去を振り返ってみていまのような表現になった、こういうわけでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 歯切れの悪い答弁で、これをいろいろ言ってもどうしようもありませんけれども、いずれにしても私はこの諮問案を撤回してもらいたい、こういう考えから言うわけです。  こういったことも納得いかないが、時間の制約もあるので、端的に聞きますが、米審の中でいろいろ大臣のごあいさつまたは説明等をわれわれ米審会場で聞いておりますと、今回の消費者米価の引き上げについては、インフレの中であるけれども、いわゆる家計に及ぼす影響は少ない。ないとはおっしゃっていないようですが、影響は少ない、こういうふうに言っておられる。それは事実か、どうして少ないか、その点はっきりしていただきたい。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 総理府の家計調査をもとにして考えまするに、全世帯一カ月当たりでどれぐらい影響があるのか、米、麦合計で〇・五%、一カ月当たり四百七十七円という数字が出るわけであります。また消費者価格に対する影響というのを見ましても、米麦で計〇・六八の影響がある、こういう見地から申し上げておるわけであります。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 家計にはあまり影響ないとおっしゃるけれども、これは精神的なもの、またこれがあらゆる意味で公共料金、すべてのものに影響することはもう明らかであります。米審の会場においても、各中立委員はじめ反対をしている委員は口ごとにこれを言って、いわゆる据え置くべきである、またこのインフレ下においてはますますインフレを助長する、中立委員のごときは、この値上げは今回は時期が悪い、心理的にも、またインフレ下だけに時期が悪い、したがってこれは延ばすべきであるとか、いろんな意見が取りざたされています。いよいよきょう答申が出ると思うのですけれども、大臣がそういう考えであったのでは国民はたいへんな迷惑であります。米価諮問にあたっては、与党自民党の中でもこれに対して相当議論を呼び、すでに次官会議等においては大幅引き上げに対して反対の声があがり、もっと下げるべきだということで、すでにいろいろと取りざたされておるとおりである。また、今回の諮問が、事実、政府決定にあたってはかなりの下回った決定になるということは、新聞紙その他でも想像できます。われわれは、もちろんこれは撤回すべきである、こういうふうに訴えておりますが、そういったことを大臣も耳にしながら、しかもこの諮問を出された。その点について、政府与党内においてもいろいろな声がある、そういったことはどういうふうに大臣は承知しておられるか、その点、この席で見解を承りたい。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 私としては、一方において生産を増加していかなければならない、また一方におきまして、国民に対する安定供給をしていかなければならない、こういう見地で食管会計の推移を見まするに、今回据え置いてまいりまするならば、米麦合わせて七千二百億円の一般会計よりの繰り入れをしなければならない。現に、御承知のように、農林予算の中で食管会計の予算が三五・二%にもすでに達しておるのであります。そういうことから考えまして、今回農林予算の最も効率的な使い方、生産も考え、安定供給も考える、こういうことからいたしますると、消費者の方々にも何とか御協力をわずらわさなければならない。  特に、われわれが何がいま一番大事な品物であるか、これはもう言うまでもなく、われわれの生命に関係ある生活上の一番大事な品物でございます。その品物について、本年当初来、国際需給関係もあって、いろいろ不安感が国民の中にあった。だから、その備蓄もしなければならない、生産もしなければならない、またその努力をしなければならない、そして、何とかそういう方向で生産の維持、獲得についてはつとめてきた。そうであるとすれば、これらの生産者の努力についても考えながらいくとするならば、最も必要な品物が、ある程度値の上がるということも御了解ができるのではないか。  こういうことで、本来ならば末端逆ざやのあるということは、いろいろ問題があるので、これを解消したい、これはもう昨年以来、私、申してきたところであります。しかし、昨年二・二%残りまして、今回の二二・八%の諮問からいたしますと、一九・五%の逆ざやが出るのでありまするが、諸般の情勢から三分の二程度の解消で、この辺でひとつ御了解ができないものであるかということで諮問をいたしたということでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 あと二、三点、大事なことをお聞きしたいので、簡潔にお答えいただきたいのですが、大臣は諮問の米審の中で、来年度も消費者米価を上げるということを答えておられますが、その真意を、また真相をここでお答えいただきたい。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 それはそういうふうにとられるようなお答えをしたことは事実でございます。それは末端逆ざやを私が解消したい、こう言っているので、それでは残っているものを解消するのか、こういうことで、それについては明年度、生産者米価がいまの情勢からある程度の手直しが行なわれる、それをも合わせてまいりましてもまだ末端逆ざやが相当残っていく。そうであれば、これを順次解消するようにつとめるということについては、私としては、そういう考えに立っておるということを申し上げたわけでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 政府はしばしば、食管法については食管堅持ということを言っておられる。われわれもまた食管は堅持すべきである。これは消費者あるいは生産者にとっても当然のことである。ところが、すでに自主流通米によって、どんどん米はこの食管がなしくずしになっていく。  さらに、現在、大臣が今回の米審においても話しておられるように、二重米価制というものを否定されていろいろと議論を呼んでおりますが、逆ざやというものは二重米価制においては当然あるのがあたりまえであります。もちろん国民の主食であるからこれは当然必要なことであります。にもかかわらず二重米価制を否定されておる。となりますと、いよいよ食管は根底からくずされていくということになるわけでございます。その点について、どういう見解であるか、簡潔にひとつ承りたい。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 私はこの委員会を通じてしばしばはっきり申し上げておるわけであります。現在の政府管理米、自主流通米、そしてこれが一定の計画の中で予約制度をとりながら行なわれておる、この現在の食管の行き方についてこれをくずすという考えはない、このいまのやり方になかなか妙味があるので、これをしっかり守ってまいりますということを申し上げておるわけであります。  また、現実に二つの価格があればそれは二重米価という表現ができるでありましょうが、いわゆる二重米価でなく、生産者価格は生産者価格として、消費者価格は消費者価格として形成されている。そうしてその間に、私もはっきり申し上げておることは、倉敷料であるとか金利であるとか流通経費について、主食について国が負担することは当然である、こういうふうに申し上げておるような次第であります。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 もう一点きわめて重要なことを大臣にお聞きしておきます。以下残余の問題は、また機会を求めて質問することにいたします。  御承知のように、米審会場には、消費者団体または主婦、あらゆる団体の方が必死の叫びを掲げて、大臣をはじめ各米審委員に訴えております。物価高にあえぐ庶民の気持ちをさかなでするように今回米麦の大幅値上げというものをなさった政府に対して、国民の怒りがいま沸騰しておるわけです。そして異口同音に国民が叫んでおることは、標準価格米を食べようということを、新聞であるいはまたちまたで叫んでおります。こういった運動が大きくいま盛り上がってきておりますが、標準米については政府は需要のあるだけ用意する、こういうふうに常々答弁をしておられます。また約束もしておられます。ところが米屋がいつでも店頭に用意しておかなければならないとなっておりますところのこの標準価格米が、全国の米屋で三%という店が店頭に依然として標準米がない。また、標準米はまずいですよと米屋さんが言うために、庶民はやはりおいしい米を買うということで、自然なしくずしになり、この自主流通米を食べているという傾向があることは御承知だと思う。またそのとおりであります。  そこで、このように自主流通米を買わざるを得ない、売りつけられるという状況でありますけれども、ここには一つの大きな問題がある。それはマージンが標準米の場合は七%しかないのに、自主流通米というものは二割もあるわけです。したがって米屋も、標準米を少なく、宿主流通米に片寄って売るということは当然です。こういったことが当然食管法をなしくずし、しかも二重価格制を否定するようなことになってきますと、ますますくずれていくことは明瞭でございます。消費者の負担をなくすためにも、また自主流通米の暴騰を防ぐためにも、こういった意味から標準米のマージンの改定をはかるべきである、私はかように思うわけです。米屋のマージンをふやしてやらなければならぬ。そうしなければ標準米はふえないんです。庶民は、こう高くなってくるインフレ下では、米が上がればあらゆる物価が上がってくる、こうなりますと、標準米を食べようと思う。そこで、標準米のマージンは七%だけれども、自主流通米は二割。標準米のマージンを上げてやれば米屋も喜んで売る、庶民もこれに飛びつく。そして標準米を食べる量が多くなれば、当然銘柄米もこれに導入して入れなければ米が足らなくなるから入れる、質も上がる。こういうことになる。こういったことが真の国民に対する農政であり、また農林大臣として国民のためにこたえなければならぬ施策である、政策である、かように思う。こういった面について大臣はどのようにお考えであるか。銘柄米を標準米に入れるということも当然なされていかなければならない。これらをあわせてひとつ最後に御見解を承りたい。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 標準米が四十九年の計画でまいりますると全体の四二%、三百十万トンの用意をいたすわけであります。過去の実績からいたしますると、これが現実に三五%程度の流通ではないか。四十八年度におきましては、四五%用意をいたしました。全体のワクが少し小さいので、量としては同じ三百十万トンであります。そういうことで、標準米についてはこれはもう極力確保するし、また必ず店頭に用意しなければならぬということを義務づけております。もしそれが履行されていなければ、具体的に店の名前を、私どもなり、食糧事務所なり、区役所なりに御通知願えれば、それはさっそくに調査をいたすことにやぶさかではございません。  ただいまマージンのことのお話でございます。今度千六百円ということでございますると、二百二十円加算しての千八百二十円で流通する、こういうふうに見込んでおりまするが、平均して現在上米、中米、並米等で平均のマージンが一七・四でございまするから、確かに標準米についてのマージンがあるいは低い、そのために流通を阻害しておるという点があるかとも思いまするが、一方において自主流通米もあることでございまするので、標準米についてはできるだけ消費者に安価に渡るようにという配慮の上からマージンのことも考えられておるわけでございまするが、ただいまの御意見よく検討さしていただきたいと思います。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 以上の点を指摘し、約束の時間がまいりましたので、私は今回の諮問案の撤回を要求し、一応質問を打ち切ることにいたします。残余は次回に譲ります。

佐々木義武自由民主党

○佐々木委員長 美濃政市君。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 大臣に、今回決定されようとするサトウキビの価格について若干お尋ねいたします。先ほど、同様の趣旨の質問を十五分したわけですが、大臣がお見えになったので、大臣から政策的な見解を承りたいと思います。  まず第一に、今回農林水産委員会で国政調査をしましたけれども、何といっても沖繩は二十七年間異国の施政権下にあったわけであります。復帰前に私四回、五回行っておりますけれども、復帰後今回行ってみましたが、やはり何といっても農業面は、かなり施政権下における行政では放置されておりました。今日の本土の状態から見た場合には、たとえば基盤整備においても、あるいは省力体系においても、あらゆる面で大きな格差が出ておる。  一例を同じ砂糖でありますから北海道のてん菜と比較して申し上げますと、終戦当時のてん菜の十アール当たりの収量は二・二トンだった。今日それが基盤整備なりあるいは品種改良なりが行なわれて、四・五トンになった。平均収量は倍になっておる。労働時間においても、戦争が終わった直後においては十アール当たり八十時間の労働時間が、今日では五十時間を割っておる。この労働時間をちょっと米について申し上げますれば、米は御存じのようにあの戦争が終わったあと、しばらくは十アール当たり百八十時間。去年の米価試算では百時間を割って九十何時間。こういう状態から見ますと、沖繩の現況というものは依然として十アール当たり二百九時間かかっておる。収穫作業だけでも半トンしかできない。これを機械作業にすればずっと向上します。  そういうふうに考えますと、今回決定するサトウキビ価格は、勘案事項の生産費を、大臣の政治配慮で一〇〇%勘案してもいいわけです。ただ若干の勘案で、パリティ主体できめたのでは、これはもう沖繩のサトウキビ荒廃に帰す。たとえば石垣島を見ましたが、石垣島においては復帰前は二十万トンのサトウキビが生産されておった。ことしの生産予想は四万トンである。七十数%の減。復帰前に行ったときは全島サトウキビであったものが、ものすごく荒廃してしまっている。雑草が生えてですね。これでは何のために本土への復帰であったのか、私は今回行ってみて疑問を持たざるを得ないわけです。  そこで、今回のサトウキビの価格決定は、私の計算は、沖繩では島民の生活を守る重要農産物でありますから、どうあろうと五人規模以上最低三十人規模の労賃を適用して、これは大体ことしのベースアップで四百十円と私は承知しておりますが、そうすると家族労賃だけで十アール当たり八万三千六百二十円、それに生産物材投下が二万四千二百二十八円、十アール当たり生産費が一応十万七千八百四十八円は現実にかかっているわけであります。この生産費を一〇〇%勘案して決定する要がある。収量は、ちょっと実勢よりは無理なのでありますけれども、七・五トンで計算して一万四千三百五十円、これを今回決定する必要がある。その考え方については、生産費を一〇〇%勘案する。農業においてはとにかく戦争終結の状態そのものなのでありますから、これを人間にたとえれば、やはり疲れ果てて帰ってきた自分のむすこなりきょうだいなりには、よう帰ってきた、疲れておるだろうというあたたかい手を差し伸べないと島が荒廃してしまうと、今回の調査した状態で私は思うのです。  そこで、それから先の問題をどうするかということを一言ふえんしておきますけれども、私はやはりこの時点においての農林政策としては、これは他の面は別といたしまして農業面だけです、これから急速に基盤整備を進めなければならぬが、島民の置かれておる経済状態は負担力が少ない。ですから、現在本土で行なわれておる公共事業においても国の補助率を高めなければならぬ。あるいは今回、私の計算ではサトウキビを一万四千三百五十円にきめると、大体それで事業団に買い入れをさして、市価見合いで売り房すと百四十億くらいの差が出るのじゃないか。そういうふうにいたしまして、次にパイナップルその他の問題も出てきますが、とにかく基盤整備その他のいわゆる特別補助率部分それから価格対策の特別措置部分で一年間に四百億、これを十年間で四千億円くらいいわゆる回復経費として日本政府は見る必要がある。そういう観点に立って今回のサトウキビの価格を決定しなければ、単にパリティに何%か勘案したというようなものをトン当たり百円や二百円あるいは思い切って五百円だとかいういささかの勘案事項では、どう計算してみたってそれは一万四千三百五十円とはならないわけであります。まずサトウキビをつくる島民の生活を、所得を確保してやって、その上そういうことを進めていく。十年間の目標は、私はサトウキビは作業時間を百時間にしなければならない。そして収量も品種改良その他を進めて十トン収量にはしなければならぬ。百時間に労働時間を圧縮して、十トンの収量にすると、現在の経済ベースで一トン当たり一万四千三百五十円、一時間当たり四百十円で、一日当たりにすると三千二百八十円の所得を保証して、七千五百円でサトウキビの生産ができるということになります。労働時間が半分になり、収量は十トンにできると思います。それは一年や二年ではできない、そういう政策を沖繩にとる必要があると私は思う。どうしてもとらなければならぬ。それがやれないというのであれば、先ほど政務次官にも申し上げたのですが、戦争にくたびれて帰ってきた自分の子供やきょうだいのめんどうを見る能力のない人間ということになるのではないか、私はそう思います。ですから、これはさっきメモしてもらいましたから、ことしのサトウキビの計算はこの方式で計算をしてもらいたい。いかがでしょうか。そういう政策をとにかく十年間とる必要がある。農業だけで特別政策に大体四千億。この問題はきょう時間がございませんから、十五分ですから、いずれ機会を見て総合的な問題で四千億は何が必要かという問題を提示したいと思っております。十年間で四千億、一年間に四百億、これはやはり二十七年間異国の施政権下に置かれ、今回帰ってきたわけでありますから、よう帰ってきたという回復のための経費であって、言うならそれは日本政府が沖繩島民にそれをする義務があると私は思います。それなくして沖繩の復帰の意味はありません。何のために復帰したかという疑問を島民の方々は持つと思うのです。  私はもう一言つけ加えておきますが、たとえばそういう中で本土に出かせぎに来ておる、沖繩島には家族が残っておる、おばあさん、奥さんが残っておる。これらの条件を見て、あの島へ残って主人が不在でさびしい家庭というものは、ほんとうに復帰してよかったのか悪かったのかと疑問を持っておると思うのです。これは大きな疑問だと思うのです。片や私はあそこまで来たものをとめませんし、とやかくここで言いませんが、海洋博のあれを見ましたけれども、一面海洋博というものは島荒らしに通じておる面がある。ああいうものでほんとうの島民の――あそこまていっておるのですから、いま直ちにやめろとは言わないが、海洋博というものがはたして真に農民、島民の所得や経済の足しになるものかどうか。若干の、特定の足しにはなるかもしれぬけれども、特に農業なんかの足しには何にもならない、ああいう金をかけても。そして一面島荒らしの面がある。ああいうものにかける金があれば、ほんとうに日本の食糧の需給なり砂糖の需給をささえる、島が荒れない方向へ大幅に政府は力を入れて財源を投入して、ほんとうに復帰してよかったという沖繩島をつくらなければならぬ義務が私どもにはあると思うのです。その価格は、もう一回申し上げますが、一万四千三百五十円と私は計算をいたします。一万三千円はほんとうに沖繩島民は気がねして遠慮した価格だ、大臣の所信を承りたいと思います。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 最近における沖繩の実情を御調査の上、切々とおっしゃったことにつきましては、私も傾聴をいたしました。また先般来多数の皆さま方が上京せられまして、直接いろいろな点からお話を承っておるわけでございます。また美濃委員の私の不在中の御質問の要旨も手元にちょうだいをいたしております。したがって、私としては美濃委員の御趣旨は十分理解をしたつもりでおります。  もういまさらパリティ方式のことを申し上げるのもいかがかと思いますが、ただこのパリティ価格を基準とした場合におきましても、御承知の、その他の経済事情を参酌し、サトウキビの再生産をはかることを旨とする、こういうことになっておりますので、現に作業されておる数字が出ておりますが、この二十日までにきめなければならない問題でございますので、最終的には私が財政当局の責任者である大蔵大臣との間で腹蔵のないお話し合いをして価格の決定をいたしたい、このように考えます。  なお、あわせて沖繩のキビ生産の増強のための具体的な御意見も承りましたが、現に計上しておる栽培省力化パイロット事業や土壌改良用機械導入事業費やあるいは収穫機械導入についていろいろと現地に即応する対策というものが考えられると思うのでございまして、従来の施策でこれを拡充していく、あるいは足らざるものについて明年度予算の要求に際し取り上げていく、さらには補助率の関係とか金融の関係とか、各般の施策を講じまして、美濃委員の御指摘のような、復帰をいたしましたが全く期待とは離れた冷ややかな施策の中に置かれるということは、私ももとよりとらざるところでございまして、沖繩担当大臣の総務長官、またキビ産業につきましては奄美大島の関係もございまして、自治大臣等関係閣僚もおられますので、よく協議をいたし、善処をいたしたいと思います。

佐々木義武自由民主党

○佐々木委員長 瀬長亀次郎君。

瀬長亀次郎日本共産党・革新共同

○瀬長委員 沖繩と鹿児島両県のキビ作農民が、トン当たり一万三千円要求貫徹の請願隊を組んで東京にやってきた。これはキビ作農民運動で歴史的な事件です。ここまで農業が破壊され、農民生活が追い込まれた。これではいかぬということで、自費でもって両県で約八千万円、費用を自分で負担してやってきております。これは全国的な農民運動、各闘争の高まりが、いよいよ北から南から巻き上がっておる証拠なんです。  なぜそうなったのか。一例を申し上げますと、すでに今期のサトウキビが一万八千トン立ち枯れをしておる。サトウキビ一万八千トンといっても実感が来ないかもしれませんが、これを砂糖に直しますと、実に一千八百トンの砂糖の山が農林省の前庭に積まれて、つばを吐きかけられ、そして踏みにじられてなくなったことを意味する。だからこそ農民が立ち上がったわけなんです。これは従来の自民党政府、とりわけ田中内閣の対米従属、農産物の貿易の自由化政策、さらに大企業、大資本奉仕の高度経済成長政策、この政策が不可分に結びついて、農業とりわけ沖繩と鹿児島のサトウキビ農業を破壊し、農民生活をここまで追い込んできて、もう人間らしい暮らしは保障できないぎりぎりのところまでやってきておる。これに対して農林大臣はどう責任を感じ、さらにどのようにこれからいこうとするのか。いま大臣が来られる前に、自給率の低下の問題さらに関税や消費税の問題砂糖安定事業団の問題などを確かめました。だから結論として、いままでの政策が破綻して、そして矛盾がいよいよ激化したというように私は理解しております。大臣はこれに対する責任をどう果たさんとするのか、その方針を明らかにしてほしいと思います。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 ただいま美濃委員の御質問に私の決意のほどを申し上げた次第でございます。まことに遺憾なことで、昨年キビ価格設定当時から大きく情勢の変化があった。そのためにただいま御指摘のような一部立ち枯れのような悲惨な状況を出したということは、沖繩の経済事情の急変ということもさることながら、瀬長委員がいま御質問のとおりに、私としても大きな責任を感じております。  これにつきましては、いま皆さま方もそのために熱心にこうやっていろいろ御討議願っておるのだと拝察いたしますが、この二十日にはキビ価格を決定しなければならない。また、その後引き続き明年度の予算を編成しなければならない。こういう重要な時期に至っておりまするので、そういう際に一つ一つ、沖繩の農民の皆さま方の御期待に少しでもこたえるように私が努力すること、それが過去の経緯からしてまことに申しわけない点を何とか取り返えす意味においても、これから私としては精一ぱい努力をいたすということを申し上げます。

瀬長亀次郎日本共産党・革新共同

○瀬長委員 次は、現在の糖安法二十一条によってパリティ方式で計算すると、事務当局の話では約千円余り加算できるという。すると八千円程度になる。両県の農民の要求はぎりぎり一万三千円以上となっておる。その差額五千円。この五千円をどういうふうな処理で一万三千円という要求額にまで高めようとするのか。これは具体的な問題です。今度国会が開かれる場合に補正予算などで組むのかどうか、具体的に示してほしい。そのときに糖審にかけるのかどうか、こういった問題まで含めて具体的に御答弁願います。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 ただいま御質問のパリティによる算式での計算では、お話しのとおりに一一五・四一アップの八千二十一円、こういうことに相なります。  先ほども美濃委員にお答えを申し上げましたように、この方式で計算いたすとこういう結果でありまするが、その他の経済事情を参酌し、再生産を確保するを旨とする、こういうことでございまするので、この計算は計算として、いま申し上げたようなところを勘案しながら、どこまで御期待に沿えるか、こういうことになります。瀬長委員は、この機会に、一万三千円と丸めて八千円、その差額をどうするか、こういうふうに短兵急にお尋ねでございます。しかし、私が一切を握っておって、絶対権があって、ここでずばりとお答えができるか、その点については十分瀬長委員も御承知であられると思うのであります。したがって私としては、こういう大事な価格決定の際にあらゆる努力をして、御期待に沿うべくつとめたい、こういうことをお答えしておるわけであります。

瀬長亀次郎日本共産党・革新共同

○瀬長委員 農林大臣だけできめられない、それはわかります。ところで、いま農林大臣としてはどういうお考えであるのか、これを聞いているわけです。  もう一つは、米審はきょう終わるかどうかわかりませんが、糖審はいつ開くのですか。さらにその糖審の結果によっては、パリティ方式でいって八千円ぐらいだが、何とか一万円ぐらいにはできるのかどうか。そういったお考えであるのか、あるいは農民の要求どおり一万三千円にすれば、あと五千円はどういう政治的な配慮をもってやろうとするのか。これは農林大臣の意見として私聞いているわけです。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 お尋ねの審議会は甘味資源審議会のことにお触れであったと思います。これはいま当面開く考えは持っておりません。  それから農林大臣はどう考えるのか、こういう御質問でございますが、先ほど来申し上げるように、私としては最善の努力をはかりたい。これはかりに農林大臣はここまで計算ができるのだというようなそういう算式でもあるとか、あるいは農林大臣はこうこうこういう条件でというようなことになって、何か具体的な数字が出るようになっておれば、私としてこういうお答えを申し上げておるのはまことに恐縮なのでございますが、いろいろと事情を勘案してということになっておりますので、そこの辺非常に弾力もあり、かたがた私一人の考えでいけない、財政当局との協議の上で決定をしなければならない、そういう立場にございますので、まことに御質問に沿わない抽象的なことを申し上げて恐縮でございますが、お許しをいただきたいと思います。

瀬長亀次郎日本共産党・革新共同

○瀬長委員 御説明ようわかりましたと言いたいのですが、事実わからないのです。いまの大臣のお答えは一万三千円ぎりぎり、これ以下ではいかぬという農民の要求に沿うように努力したいというふうに考えてよろしゅうございますか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 そういう考え方に立って努力をいたしたい、こういうことを申し上げております。

瀬長亀次郎日本共産党・革新共同

○瀬長委員 最後に、現在のパリティ方式は変えなければならぬ、生産費及び所得補償方式に変えぬといかぬ、変えなければならぬというのはやはりキビ作農民の統一された要求です。統一されたというのは、鹿児島県のキビ作農民も沖繩県のキビ作農民もこの点では一致して統一しております。これは米価の場合に、三十四年までパリティ方式であったが、米価闘争、これが主力となって三十五年から現在の生産費及び所得補償方式に変えられたという農民運動の歴史が明らかにしております。したがって、現在通常国会ももう間近になっておる。その通常国会に現在の糖安法を変えて、パリティ方式を生産費と所得を補償する方式に変えていく方針があるのかどうか、この点をはっきりさしていただきたいと思います。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 この問題については私もたびたびお答えを申し上げておるのであります。くどくどしく申し上げませんが、サトウキビのように今後なお生産性の向上が必要であって、かつ期待される作物については、生産性向上のための諸施策と相まって、その合理化のメリットを当該生産者に還元する、こういうことでパリティ方式がとられておるのでございますので、生産費・所得補償方式についての強い御要望のあることも存じておりますが、私としては現在のサトウキビ生産の実情からいたしまして、この算式をにわかに変更する考えは持っておらないのであります。しかし、今後におきましても皆さま方の御要望についてはよく検討してまいりたいと思います。

瀬長亀次郎日本共産党・革新共同

○瀬長委員 時間が参りましたので以上の質問で終わりますが、資料の要求をいたしたいと思います。  これは現在までの大臣の御答弁でもわかりますように、この一万三千円の要求を実現するということは、これは国会内外の力をより以上に結集して激しい戦いを展開しないと、壁は実に厚いということが明らかになっております。したがって私、資料として糖価安定事業団の経営内容、これを詳細にわたって示してください。委員会に提出をお願いします。それから砂糖にかかる関税、一消費税、四十年以降の輸入量も含めて関税、砂糖消費税、これの実績。次に、いままで何べんも要求したが、これが出していない。それは工場経費であります。いわゆる糖業資本、生産費の調査、どんなに要求してもこれは出してくれない。農民がキビをつくる場合にどのぐらいの費用がかかるかといったことはよくわかるが、もちろん算定する場合には誤差がありますが、この資本の経営内容、いわゆる工場経費これはいかに求めても出してくれない。その三つの資料を委員会に提出をお願いします。これはぜひ約束してください。

池田正範農林省食品流通局長

○池田説明員 ただいま正式に資料要求をなさいました諸点の中で、事業団の経営内容等につきましては、これは資料もございますので、提出をいたしたいと思います。また関税、消費税の実績、それから四十年以降の輸入量等につきましても、整理いたしまして提出をいたしたいと存じます。それから糖業メーカーの経営内容につきましては、これは個々の経営の中身でございますので、企業にいたしましてはこれは個々に秘密事項に属します。したがって、これを私のほうの一存で出すということはちょっと現在の段階では御答弁申し上げかねる次第でございます。

瀬長亀次郎日本共産党・革新共同

○瀬長委員 これは出してもらわないと、ほんとうのキビ作農家を保護する具体的な政策が出ないから、私はこれをいま国会で要求しているわけなんです。これは、ぜひ出してもらいたいことを要望して、質問を終わります。

佐々木義武自由民主党

○佐々木委員長 安里積千代君。

安里積千代民社党

○安里委員 午前中からの各委員からの御質問に対しまする主として事務当局のいろいろ御答弁がございました。承っておりますと能吏の答弁ではありましても、政府の農政に関する立場からの御答弁にはほど遠いようなものがあったと思っております。  大臣の御在席の時間が限られておりますので、二、三の点について、基本的な問題についてお考えをお聞きしたいと思っております。  その前に、二月六日の予算総括質問で、私は、数年後には世界全体に食糧危機が来るといわれている、食糧を外国から輸入するものが多い日本にとって、食糧危機に対する警告と申しますか、国民に対する責任として、長い展望に立って対策を講じなければならないということを指摘をいたしておりました。これに対するいろいろな考えも承りたいと思うのでございますけれども、いま問題になっておりまする砂糖の問題、その原料でありまするサトウキビの問題でございますが、砂糖そのものは食糧とは違うものでありますけれども、これまた現在の国民生活に欠くことのできない問題であり、もしこれが欠乏するようになれば、相当な、食糧と同じような混乱も来たし、国民生活の安定を期することができない、こう考えております。しかも、それは現在外国に大きく依存をしておることは食糧と同じような状況であります。  そこで、こういう事態に対しまして、甘味資源の確保、いかなる事情があっても、国内においてある程度のものを自給するという、これは国の方針として大事な点だ、こう思うわけであります。サトウキビの生産者の立場というものをほんとうに考えておられるならば、こういう点から出発して、この問題も考えなければならぬ、こう思うわけでございますが、この糖業の振興に対しまする政府の基本的なお考えを承りたいと思います。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 安里委員のいまの御質問は、非常に私も現在の砂糖の国際情勢からいたしましても大事なことである、こう思います。先般も、国際砂糖会議が不調に終っておりまするし、日本は御承知のように、世界一の砂糖輸入国である、こういう立場からいたしまするならば、砂糖の自給度をできるだけ高めていくということは国民的要請であろうと思います。そういうことで、政府としては、従来、鹿児島県南西諸島、沖繩県をサトウキビの生産振興地域に指定いたしまして、毎年度県知事の立てる振興計画により、生産振興につとめてまいったわけであります。また、糖価安定事業団による国内産糖の売買等を通じ、てん菜及びサトウキビの保護、育成をはかってまいりました。その結果が、昭和三十年代の一〇%の自給率が現在二〇%程度に上昇をしてまいったのでございまして、さらにお尋ねの基本的な方針といたしましては、昭和五十七年――昨年から考えまして十年後には二七・八%の自給度には持っていきたい、こういうことで、せっかく努力をしておるわけでございまするが、事沖繩県の関係につきましては、遺憾ながら、本日種々きびしい御批判を受け、御質問をちょうだいしておるようなことでございまして、この自給度を高めていくという上から考えまして、今後の沖繩県のキビ産業について一そうの努力をしなければならないということは、政府としての方針でございます。

安里積千代民社党

○安里委員 砂糖の需要というのが、国際的な相場にいろいろ影響される、しかも国際的にも需要量というものは相当増大してきまするし、生産地域というものは限られたものである、しかも、ある場合には、政治的には不安定な様相を呈する地域も多いわけであります。現に、もう国際的な協定を結ぶことができないというような状況に追い込まれておる、したがって、輸入糖の価格も上がったというようなふうに承知いたしております。平常でさえもそうでございまするので、国際的相場である関係があればあるほど、生産地の状況によりまして、非常なしわ寄せというものが来ることは、もう目に見えておるわけであります。したがって、国内需要というものを確保しておる、国内生産を確保しておるという基本的な考えというものは、これは不動のものとして持たなければならぬし、私は、農業基本法あるいは甘味資源特別措置法、こういったものを通じて見ましても、この点は、精神があらわれておるじゃないかと思っております。自給度云々の問題も、あとで事務当局にも承りたいと思うのでございまするけれども、しかし、そのためには、自給度を高めるなら、生産者がそのために生産意欲を燃やし生産するだけの処置を政府としてとらなければならないはずであります。サトウキビ買い上げの問題この問題はまさにここに私は大きく関係すると思うのです。甘味資源の特別措置法などを見ましても、農家所得の確保、再生産の確保、これはもう目標として規定されておるのです。問題は、それに応ずるこの法律の精神を実際の上に生かすところの施策というものが行なわれてないじゃないか。その一つの例として、いまのサトウキビをまことに安い価格でもって買い取っておったという、このことが現実の問題として、農家がこれをもう放棄する、そういうことになっております。再生産を確保し、自給力を高めるということが基本的な方針でありまするならば、それに応ずるだけの買い上げ価格を設定しなければならない。これを単にパリティ方式がこうだからといったような単純な考え方や、あるいはまた物価云々というものを参酌するとは言いながらも、それに対する十分なる配慮がない、あるいは農林当局がそう考えておっても、財政上の関係で大蔵当局、政府全体としてはやらないのだ、こういうようなことでありましたならば、私は、この基本的な線を破壊してくるということになると思います。  そこで、今回の決定に対しましては、そういう再生産を確保する、農民の所得を確保する、この法律上でも政策的にもきめられたこの線を基本として、この価格を決定される考えがあるかどうか、これをお聞きしたいと思う。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 価格問題につきましては、すでに先ほどからお答えを申し上げ、私の決意のほどもここで披瀝をいたしたわけでございます。安里委員の御指摘のように、現在砂糖がほぼ八〇%ぐらいを海外に仰いでおる状況からいたしまして、私がただ単にここで自給率の向上を口にしておるだけでは事が足りないのでありまして、特にキビ産業では沖繩県が三七、八%をになっておると思うのでございます。したがって、沖繩県のキビ産業の動向というものは、また砂糖全般の自給率に大きな影響を与えることは申すまでもございません。ただ、従来われわれとして努力をしてまいったのでありまするが、昨年の収穫期以降本年にかけての沖繩の経済事情の急変というものが大きく響いて、立ち枯れのような状況も出た。こういうことで、まことにこれは遺憾に思っておるのでございまして、今回の価格決定に際し、また予算の獲得につきましては、そのような事態を繰り返さないように努力をしてまいりたい、かように考えております。

安里積千代民社党

○安里委員 昨年の価格の告示六千九百五十円を決しましたのは、ちょうど大臣が御就任になる前日だったか、あるいは少なくともその前だったと思っております。したがって、昨年の価格決定については大臣は直接関与はしておらなかったと記憶をいたしております。しかしその直後におきまして、いまおっしゃるように、年末、事実上収穫しまする時期に物価の重大な変動があった、非常にそぐわないところの状況になったということも、いまおっしゃったとおりであります。  そこで、大臣就任後間もなく、この前の予算総会におきましても、そういう事情を勘案をして、法律にありまするように、告示後であっても経済的な事情の変更、物価の云々、そういったことの場合においてはあらためてこれは改定して告示してもよろしいという法律がある。だからこれを活用して、告示当時において予想しなかった、あるいは事務的に見通しができなかった、その事態ができておるとすれば、あのときでも六千九百五十円という告示というものを値上げできたはずであります。その点、大臣就任後であったのでありまするが、これをわれわれが要求したのでありまするけれども、結局何らの配慮もなしていただけませんでした。その結果が、先ほどお話のありましたとおり、せっかくキビはつくったけれども、もう収穫もできない、放棄するというような非常な事態というものが起こってきております。自分でつくったものを収穫もしないでおるというほど農民にとって悲しい、せつないことはないはずであります。これは前回の告示は直接大臣の責任ではないかもしれませんが、とにかく一つの政府の方針、しかもそれは就任後におきましても改定をする機会があった、そのためにこのようになったものであります。私は、それは大臣も覚えていらっしゃると思うのでございまするけれども、去年きめられたところのこの額も、もうすでに去年の事態において不適当な額であったということをお認めになりますかどうか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 沖繩の実情からいたしまして、沖繩県の経済的な急変があったということを私認めておるのでございまして、この価格が、この時点から考えまするならば当を得ておらなかったと思います。ただ、いまの安里委員の御質問で、私が非常に処理に困ったことを申し上げておきたいのであります。  それは、キビ産業については、言うまでもなく鹿児島、南西諸島を含めてのことでございます。それで非常な激変がある場合という場合に、全体を見ておらなければならないというところにむずかしさがございまして、しかも収穫終了後における事態ということから、きわめて遺憾なことでありまするが、直接価格をいじるということについては私として踏み切れなかった、こういうことでございます。

安里積千代民社党

○安里委員 いま特に沖繩のことを取り上げておっしゃったのでありますけれども、今度のキビ代値上げの要求は、奄美大島を含めて最低一万三千円以上だという強い要求です。この点においては何ら変わりございません。  そこで問題は、従来、過去のこの告示された額、これを基準にして、これにパーセンテージをかけていく、こういうことでとられております。そこで、あの価格というものが不当であった、決して妥当でなかったということを考えられますならば、今回の算定について、計算方式というものを現在のとおりやるといたしましても、もちろん基準としてございまするけれども、この基準をとる場合におきましても、前回の不当に安かったところの金額をもとにしてかけ出していくというようなことでありますならば、これは是正は絶対にできない問題だ、こう考えております。しかもこれは累積されてきた問題でございます。今回の算定にあたっては、法を改正することがまだ間に合わない、パリティ方式を採用するにいたしましても、その点も考慮に入れて決定をされるつもりであるかどうか、それまでお伺いいたしたい。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 御指摘の点は非常に重要な点だと思います。私はそういうようなことも念頭に置きながら、その他の経済事情を参酌して、再生産確保をできるように措置するということをそのまま受けながら考えてまいりたいと思います。

安里積千代民社党

○安里委員 大臣はお帰りのようでございますので、事務当局に二、三お伺いしたいと思います。  先ほどの上原委員の質問に対するお答えだったかどうかと思っておりますが、米の場合といろいろ違う、それが一応、米は全国的なあるいは国際的な商品ではない、砂糖は国際的な問題がある、こういう趣旨のおことばもありました。   〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕  そこでお聞きしたいのは、国際相場というものは、砂糖に関してどのようにして定まるものであるか。いま一つには、その輸入価格が、事業団に買い取られるところの価格というものがサトウキビ生産者の買い上げ価格にも影響してくるものであるかどうか。もう一つには、キビ価格を上げることによって物価の上昇に直接影響してくるものであるかどうか。さらに、影響があるとするならば、これを避ける道があり得るはずである。この点についてお答えを願いたいと思う。

池田正範農林省食品流通局長

○池田説明員 国際価格を輸入価格に直します際の手続的なことは、大体上期、下期別に二週間ごとの平均の相場をとりまして、その平均値で事業団が精算をしてその輸入価格をきめて輸入し、その輸入した価格からさらに一定の割合で売り戻し価格をきめて売り戻すという形で、その売り戻しの水準は、先ほどほかの先生にも申し上げましたように、上下安定帯というものがあって、いまのように国際水準が高いときには上限価格で売り戻すという形をとっておるわけでございます。したがいまして、国際水準が変わってまいりますというと、当然事業団に対する売り渡しの価格が変わってまいりますから、したがって、売り戻し価格を安定帯として固定しておきますというと、その間の逆ざやというものの幅は大きくなったり小さくなったり、常に市場価格によって変わってくる。逆ざやが大きくなりますと、それだけ事業団の負担する額が多くなります。そこで、従来非常に砂糖の安い時代にためておりました安定資金を取りくずしまして、その差額の補てんに使うというのがいまの仕組みでございます。それがなくなってまいりますというと、いわゆる関税というものを弾力的に運用することによって、これによっていわゆる安定帯を守っていくというのがいまの水準であるわけでございます。したがいまして、これからもおわかりいただけますように、要するに国際水準というものが非常に変動する、その変動するのが、安く変動する場合、高くなる場合と両方あるわけでございますが、安い場合には、今度は国内産糖に悪い影響を与えないようにこれを防ぐ、高くなりましたときには、やはり国際糖価がじかに国民生活に影響を与えないように、安定帯の中に入れるという意味で、現在の糖安法というものは、内と外と両方から、国内の生産、国民の消費生活両方を守るという仕組みから現在の安定制度をつくっておるわけでございまして、したがって、理論的に申しますというと、外国の市況が高くなっても安くなりましても、国内には直接的な影響を与えさせないというのがいまの仕組みでございます。ただ、その場合の、何と申しますか、国家的な財政負担というような形が刻々変わってくる、こういうことになるわけでございます。

安里積千代民社党

○安里委員 先ほど大臣も甘味資源の自給力というものを向上せしめる方向の御答弁がございました。それは、サトウキビにいたしましても、てん菜糖にいたしましても、農業基本法あるいはこれに関連しまする甘味資源特別措置法によりまして、重要な農産物として政府が見ておられるはずであります。  そこで、自給度を高めるためには、その需要の度合いあるいは生産の長期見通し、これをはっきりしておかなければならない。先ほどの御答弁で年次計画もないということでございましたが、お聞きいたしたいのは、農業基本法並びに甘味資源特別措置法によりまして、特に甘味資源特別措置法には、政府は砂糖類を大事な甘味資源の作物として、農業基本法に基づきますところの需要及び生産の長期見通しを立てて、これを公表しなければならないということがございます。これは復帰後間もなくのことでございますけれども、この甘味資源特別措置法の第三条に基づきまする需要及び生産の長期見通し、これをどのように策定をされて、どのように公表されたか、その内容の概要について承りたいと思うのです。

岡安誠農林省農蚕園芸局長

○岡安説明員 いま御質問の甘味資源特別措置法三条の規定によりますと、政府は、農業基本法第八条第一項の重要な農産物として、これらにつきまして、農業基本法第八条第一項の規定によって需要及び生産の長期見通しを立て、云々と、こういうふうになっておるわけでございます。  そこで、政府といたしましては、昨年の十月に、試案ではございますけれども、農産物需給の展望と生産目標の試案というものを出しまして、砂糖について申し上げますと、五十七年度の国内生産の目標を一応百五万八千トンというふうに目標を立てたわけでございます。これに見合います需要量は、多少幅がございますが、三百八十二万トンから四百十一万七千トンというような需要量の見通しを立てたわけでございます。これは一人当たりの消費量を三十一・八キログラムないし三十四・二キログラムというような計算によってはじいたわけでございますが、その結果、自給率は五十七年度におきましては二六ないし二八%ということになるわけで、私どもはこれに向かいまして努力をいたすというふうにいたしておるわけでございます。  先般御質問がありまして、毎年度の計画はないのかということの御質問でございますので、毎年度の計画というものは設定いたしておりませんけれども、道府県におきましては毎年毎年の計画は一応立てまして、それで事業を実施いたしております。要すれば、私どもも中間目標というものもつくりたいとは思っておりますが、何せサトウキビ対策というものは基礎的な条件というようなものの整備も必要でございますので、それらの整備の見通しとあわせまして、私ども今後中間目標の設定等につきましては検討いたしたい、かように考えております。

安里積千代民社党

○安里委員 甘味資源特別措置法の第三条によりますと、これは重要な農産物として需要及び生産の長期見通しを立てて、これを公表しなければならないということがございましたが、いまの御答弁も、ただ一つの試案として需要量の見通し、将来どの程度の需要見通しがあり、それからこれの生産の見通しということでございますけれども、需要の見通しはわかりますけれども、生産の見通しということも、簡単なただ数字だけを書いておるだけです。しかもこれはただの試案ということになっております。そうしますと、まだこれは政府といたしましては試案の程度であって、一応そういう目標を試みに出したというだけでございまして、このためには甘味資源の審議会もあるはずなんですが、そういったものの審議を経たものでなくして、ただ事務当局段階だけにおける試案という程度のものですか。

岡安誠農林省農蚕園芸局長

○岡安説明員 試案を発表した段階では、農林省がいろいろ検討いたしまして公表をいたしたわけでございますが、現在もその検討といいますか、その実現性その他の再検討をいたしておりますが、その段階におきましては、現在農政審議会のほうに御相談をいたしまして、その御意見も承りながら、早急にこれを確定をいたすというような作業をいたしておる段階でございます。

安里積千代民社党

○安里委員 私はあまり触れたくなかったのですけれども、この問題は、はたして政府当局が、法律において、基本法でも、それから甘味資源特別措置法においても、てん菜糖あるいはサトウキビの生産というものが、これは重要なものであるので、だからこの生産に関する需要の状況、それから長期見通しというようなものをつくって、しかもこれは単に事務段階において机の上でつくるばかりでなくして、これを公表しなければならないと、法律というものがきめられておるのです。法の上では非常に重要なものとしてあれしておるにかかわらず、これは試案の程度で、まだ検討中だということになりますと、この再生産云々という問題も死文にしかなってこないと思うのです。そしてまたこれを買い上げるところの価格を設定する上におきましても、こういうことではほんとうに真剣に、この法が命じておるような糖業に対する認識、重要性、国内生産を確保する、農民の所得を確保する、こういったことは法文の上ではありましても、実際のやり方につきましては、いいかげんと言ってはぐあいが悪うございまするけれども、どうもほんとうの意味における熱意が足りないのじゃないか、やる気がないのじゃないかということが考えられるわけですが、どうしていままで、この法が命じまするところの需給あるいは長期見通し、こういったものの策定がなされ、そしてこれが公表されないのですか。

岡安誠農林省農蚕園芸局長

○岡安説明員 事務当局が策定いたしました試案というと、非常に軽々しく聞こえるかもしれませんけれども、これはやはり私どもが専門家等の意見も聞きまして十分練った結果、少なくとも事務当局におきましては自信のある数字と思っております。ただやはりこれらを確定いたしますにあたりましては、農政審議会その他の御意見も伺うということが必要であるわけでございますので、現在その手続を踏んでいるということでございまして、私どもはこの案は決していいかげんに大ざっぱにつくったというつもりはございません。私どもは、従来ともこれらの目標に向かいまして各年度の予算その他も策定いたしてまいりましたし、今後ともこの目標に向かいまして十分な予算措置をするように努力いたしたい、かように考えております。

安里積千代民社党

○安里委員 いまおっしゃる農政審議会というのは、法に定められておりまするところの甘味資源審議会とは別のものですか。

岡安誠農林省農蚕園芸局長

○岡安説明員 別のものでございます。

安里積千代民社党

○安里委員 そうすると、農政審議会にかけて、これは甘味資源審議会にもかけるわけですか。かけなければならないのじゃないですか。そうして策定すべきものじゃございませんか。

池田正範農林省食品流通局長

○池田説明員 甘味資源審議会におきましても重要事項でございますから、したがって所定の手続を経まして、農政審議会でかなり議論が進みました過程で、大体年に一ぺんずつ、これはサトウキビだけではございませんで、全体を含めての審議会を開いておりまして、生産、流通、価格全般にわたる御意見をいただいておりますが、例年ですと大体四月前後でございます。したがって本年の四月におきましても、政府は、提出をいたしておりますこの長期需給見通しの素案につきまして御検討いただいたわけでございますけれども、なお農政審議会の決定を待って決定をするという現在の手続中のことでございますので、その間にさらに私どもとしては、甘味資源振興審議会のほうに対しましても来年度適当な時期にその御意見を伺う機会かあろうかと考えております。

安里積千代民社党

○安里委員 時間がございませんので、私これ以上追及したくございませんけれども、たいへんどうも割り切れないのですよ。法律の上においてはこれを命じて、しかもこれを策定して公表しなければならぬ、しかもそれは単に事務当局段階のものではなくして、甘味資源の審議会にも当然はからなければならぬでしょう。そういったものがまだなされていない。まだ試案、まだ農政審議会にかけておる段階だ、こうなりますと、政府は糖業問題に対して、甘味資源問題に対して真剣に取っ組んでおるとは考えられないわけなんです。したがってキビ代決定につきましても、単に政府の事務当局段階で数字をいじくるというだけの姿に私は終わってしまうのではないか。官僚的な、ただ事務段階における考え方で決定をされていく、そこに社会の実情にも合わない、農民の実情にも合わない、ただ数字的にはじき出せばいい、そういうような、事務的にはいいかもしれませんけれども、実情に合わないところの結果が生まれておるのじゃないかと私は思うのです。パリティ方式についてもいろいろお話があったのでございますけれども、これは物の値段あるいは役務費そういったものも内容の問題として算出されてくる農業。パリティだと思います。  そこで一言だけお聞きしたいのは、物の価格なりあるいは労賃なり、こういったものを基準にしていろいろ生産費を割り出していきまする場合に、その役務費とかその物の代金、物価というものは、日本全体の指数、日本全体の物価を基準として見られるのであるか、それとも現地における実情というものを主体にして基準にされるのであるか、この点をお聞きしたいと思うのです。

池田正範農林省食品流通局長

○池田説明員 パリティに算出されます際に用いられます物価の水準というものは、当然日本全体の水準が基準になるわけでございます。

安里積千代民社党

○安里委員 そこで、おそらく事務段階においての措置はそういう統計の資料に基づいてであることは一応うなづけるでしょう。しかし、この糖業の法によりまして沖繩全地域というものを振興地域に指定をされております。奄美大島もそのとおりでございましょう。そうすると普通の全国的なもののあれならいいのですけれども、これは地域的に振興地域に指定されました特殊な地域なんです。としまするならば、労賃の問題であれ、物価の問題であれ、その指定された地域を主体にして算出しなければ、そこにまたすぐ実情に合わない問題が生まれてくるのじゃないか。物価ならもちろん国家全体の物価でございましょうけれども、少なくとも振興地域として法によって指定されましたならば、そこから生産されるものを幾らで買い上げるかという問題を出した場合には、その地域を主体にして考えなければ、正しい数字は出てこないのじゃないか、こう思うのですが、それでもやはりそれは地域的の問題で、全国的な問題をいつも頭に置くのだ、こういうふうに考えられるのでしょうか。そのことは、なぜ特にそういうことを申し上げるかといいますならば、復帰後における沖繩のいまのドルの換算の問題もありまするけれども、海洋博その他いろいろな事情、日本本土に見られないところのものがみんなしわ寄せがきて、そこが異常な状況を来たしております。だから正式な計算の基礎にあるいは用いることができないにいたしましても、その実情というものが考慮されない限り、正しい算出はできませんし、また現実にこれによっては農民はとっても食えない。つくったってばからしい。つくらない。一たんつくらなくなりました場合には、これをまた回復するということはなかなかむずかしい問題であります。一度失った生産意欲というものを回復するということはむずかしい問題であります。そういうことが考えられますので、パリティ方式において考える場合におきましても、物価の点においては特にこうした指定された地域の実情というものがやはり主体になっていかなければいかぬじゃないか、こう思うわけですが、いかがでしょうか。

池田正範農林省食品流通局長

○池田説明員 非常に厳密な再生産を追求いたしますと、個別経営ごとに買う資材の金は全部変わってくるとか、あるいは個々に雇用する労働賃金もみな変わるというところまでいくわけでございますけれども、現在政府が行政価格として介入し得る限界というものは、いわゆる農産物でございますので、特別な干害があるとか、台風にあうとかいったような大きな災害を度外視いたしまして、平均的な生産条件のもとで日本の国内市場が現出しておる一物一価――これは一価でない場合が経過的にありますけれれども、それはだんだんにならされていくという経済原則がございますから、その一価に支配される形で農産物の購買力というものを農産物の販売と均衡させるという形でパリティを実現させようというのがねらいであるわけでございます。したがいまして、そう申しましても、たとえば地場労賃のごとき労賃については、非常に異なる労賃が出てくる場合もございますけれども、それらにつきましては、まさに実地においてでき上がっておる労賃単価というものをとるというふうな形は一部ございますけれども、一般的な物価の水準というものは国内市況の一本価格にたよらざるを得ない、こういうことでございます。

安里積千代民社党

○安里委員 ほかの問題もありますし、ことにキビ作に関係しまする畜産の問題その他の問題もございまするけれども、これは関連質問といたしまして神田委員にお願いをしまして、ただ一つだけ私は確かめておきたいのであります。  先ほど大臣にもお問いしたのでありまするけれども、今度の計算の場合におきまして、まず、パリティ方式でやるにいたしましても、その基準になるところの基礎になるもとをあくまでも昨年こう公表されたからといったことに固執されないこと、そして政治的配慮ということがよくいわれますけれども、その政治的配慮ということは、むしろ政治的配慮というよりは農業基本法、甘味資源特別措置法、糖価安定法、この法の中にありまするところの精神、農民所得の確保、再生産の確保、これが基本でありますので、この点を実際の面において数字の面においてもあらわすのだ、こういう配慮を特に要求いたしまして、私の質問は終わって、あとは神田さんにお願いします。

山崎平八郎自由民主党

○山崎(平)委員長代理 関連して、神田大作君。

神田大作民社党

○神田委員 時間がありませんから、関連いたしまして簡単に御質問申し上げますが、いまの政府の答弁をずっと聞いておりますと、私は過般沖繩の調査団の一行に加わって沖繩現地を見てまいりました。これは私たちの想像以上に農地は荒廃しておる。いままで内地における農業というものをわれわれは考えておりましたが、沖繩へ参りましたところが、いままで全然基盤整備をやってない。機械を入れようとしても機械も入らぬ。また水もない。自然のまま、神武以来改善してないといっても差しつかえない。こういうところで農業を振興しようというのに、一体政府は何をやっておったのか。これはもっとも占領下であってやむを得なかった点もあろうと思います。しかし、それだけ、これは沖繩だけに対する思い切った特別な対策を立てない限り、沖繩の農業あるいは沖繩の畜産というものはつぶれ去ってしまう、私は率直にこう考えました。  それで、さしあたってのキビの問題ですが、いまキビを六千五百円ぐらいで買い上げている、一万三千円にしなければどうにもならぬと大陳情団が来ました。これはもっともな話ですね。キビを刈るのに一日幾らかかりますか。とにかくキロ当たり二千円も三千円もの手間をかけ、六千円ぐらいで売ったって、これはどうにもならぬですよ。しかも、海洋博とかその他のいわゆるビルラッシュ、観光ラッシュでもって土地はどんどん買い占められている。労働力が足らぬ。賃金はどんどん上がっていく。それでもって原始的なキビ産業のような、手でものをやるようなことをやっていけといったって、だれもやらぬ。これはもう立ってキビが枯れていくじゃないですか。砂糖の資源を沖繩、鹿児島でわずかのところでもって確保している日本の農政、非常に大事な糖業を維持する農業がこのままこういうように放置されているということに対して私は憤慨せざるを得ない。だから、パリティ指数とか生産費所得補償によるところの価格などといっても、これはどうにもならぬ。思い切った生産奨励施策を特別にとって、暫定的に基盤整備かなる間、農民が何とかそれでもキビを守ろうかという気持ちを起こさせない限りどうにもならぬじゃないですか。今日政府の皆さんが、場当たり的な、考えますとか、何とかしますというようなことを言っていると、沖繩のキビ作は全滅しますぞ。そうなってからどうするのですか。私は、そういう点において大臣にきびしく追及したいと思いましたが、大臣おりませんから、政務次官として、この現実をよく見きわめて、特別な対策をとる政府自体の決意をしていただきたい、私はこういうように考えますので、御答弁願います。

中尾栄一自由民主党農林政務次官

○中尾説明員 神田先生の情熱を持った御叱正はよくわかるわけでございます。考えてみますと、先ほども私答弁したのでありますが、沖繩問題というのは長い間の日本の懸案でございましたし、与野党が血みどろになった声をあげることによって沖繩は返還されたわけでございます。つい先般までは沖繩は、日本の領土でありながら日本の領土として目されてもおらなかったし、同時にまたそういう行政指導が他面なされておったわけであります。それだけに、そこに大きなインバランスもあれば、まことにわれわれにとってはこれが日本の国だったのかと思い直さなければならないような問題点が先生御指摘のとおり多々あったかと思うのであります。それだけに、私どもはほんとうにこれに腐心をして、相当これに力を注いでいくということも、これまた先生の御指摘のとおりでございます。  私どもは、そういう観点の中で、沖繩が復帰した後、あらゆる面における基盤整備あるいは作物の振興政策、その他サトウキビ等の問題においても、われわれはなすべきことは一刻も早くやっていかなければならぬという気持ちはあるのでございますが、かてて加えて、先ほど言うたようなサイドの問題点、たとえば海洋博におけるビルラッシュであるとかなんとかいう問題も、これまた農業作物振興とかそういう問題とは別にして、これは日本の国としての行政指導の中で考えていかなければ相ならぬ。そういうものがすべて関連して沖繩の経済というものをいろいろな意味で逼迫させ圧迫もしておるわけでありますから、政治の要諦でありまするインバランスをなくしていく、こういう観点に立って私どもはやはり歩一歩と歩んでいかなければいけない。そういう観点の中でサトウキビの問題もとらえていくことにやぶさかではないという気持ちもここで私の気持ちとしても申し上げておきたいと思うわけでございます。

神田大作民社党

○神田委員 政務次官もそう認識されておれば、それに基づいてひとつ特別な対策を立ててもらいたい。強く要望いたします。  と同時に、私は、沖繩で今日振興させなければならぬことは畜産だと思う。畜産の適地でもある。年じゅう亜熱帯地帯でもって青草がはえておる。そこへ牛あるいはその他の畜産を振興させる素地ができておる。それに対する基本的な態度を固めて、それに対する施策をしていくことが非常に大事なことじゃないか、こういうように考えます。  同時に、畜産問題について申しますが、過般、われわれは、飼料のあのような値上げに対して、このままでは畜産農家、特に酪農における加工乳を主とするような生産者あるいは養鶏業者、これはどうにもならないところにまで落ち込んできていますね。非常にいま大事になってきている。ここへてこ入れしなければならぬが、加工乳に対する補給金は依然として変わらぬ、あるいはまた鶏卵価格は低落を続けておる、これらに対して政府は何を考えておるか、あれだけ委員会で各委員から強く要求された畜産審議会も開かずにそのまま今日まできておることに対してどのような考えを持っておるか、これに対して御答弁願います。

大河原太一郎農林省畜産局長

○大河原説明員 お答え申し上げます。  保証価格につきましては、本年三月決定後、賃金その他の上昇なりあるいは二度にわたります飼料の値上げというようなことから、この改定について検討すべきであるという点についての御論議を当委員会においてもしばしば賜わったところでございます。これにつきましては、当時大臣からも御答弁申し上げましたように、最も最近時点における各種の算定要素を勘案いたしまして検討してみたいということを申し上げたわけでございますが、御案内のとおり、配合飼料価格その他の値上がりという一方のコストを上昇させる要因とともに、他方では、現在の算定方式によりますと、副産物収入等の上昇がそのコストを引き下げるようになっておるというような事情もございまして、われわれが最近時点におきまして算定いたしました数字は、必ずしも三月の価格をこえるような価格は出なかったわけでございます。したがってわれわれといたしましては、年度内の改定ということについては、種々なる御論議を賜わったわけでございますけれども、困難であるという現在判断に立っております。ただ、この問題につきましても、審議会あるいは畜産振興審議会酪農部会あるいは懇談会等に相はかって検討してみろという御決議等も賜わりましたので、懇談会を十月中旬に開きまして、この間の事情を報告したわけでございますが、諸般の情勢から改定をしたらよかろうというような御議論もある一方、やはり算定方式自体について十分検討してそれに基づく改定をやるべきであるというような御議論もございまして、われわれといたしましては、むしろこれらの御論議を参考にいたしまして、算定方式自体についての問題点を改善するというような方向で現在作業を進めておるところでございます。  なお、卵価につきましては、恐縮でございますが、毎年十二月までに次の年の卵価をきめます。現在、今日のえさの上昇その他の要因を見きわめながら改定作業を進めておるというのが現状でございます。

神田大作民社党

○神田委員 私、時間がありませんから、あとで時間をたっぷりとってやりましょう。どうも畜産局長の話は、私の質問をそらすようなことを言っておりますが、大体においていま鶏卵の安定価格、基準価格キロ当たり百七十三円で経営できますか。そういう計算をしましたか。それから加工乳の価格、いま現在のような加工乳の補給金でもってやっていけますか。それはいま二万一千円も飼料が上がっているときに、その価格でやっていけるわけがないでしょう。局長がこれでもって引き合うというようなことをにおわせるようなことに対しては断じて私は許せない。どうですか、それは。

大河原太一郎農林省畜産局長

○大河原説明員 お答え申し上げます。  御案内のとおり、卵価安定期におきます基準価格は、本年、従来百六十三円でございましたものを、年度内に三月の値上げを見越しまして六月に十円上げて百七十三円でございます。これについて、やっていけるかどうかという点については、いかなる経営なりいかなる生産費をとるかということについでは、いろいろ御議論がございましょうが、われわれといたしましては、四十七年度の年間を通ずる卵価の生産費等を見ますと、この点については、今後その水準の改定は必要でございますけれども、えさの値上がりと生産費その他のコストアップを見て合理的な水準でこれをきめたいというふうに考えております。なお、保証価格等についてのおしかりでございますけれども、これについては一定の算定方式がございまして、最近のえさ価格等その他の諸要素を入れて計算した結果でございます。その意味におきましては、現在の算定方式を前提とする限り、その制度の趣旨を達しておるというふうに考えております。

神田大作民社党

○神田委員 だめですよ、そんな百七十三円で安定価格だなんて。飼料が二万一千円上がったのですよ。そうすると、卵はキロ当たりにすると六十五円上がっているわけですよ。それをわずか十円上げて、百六十三円から百七十三円にしてどうして引き合いますか。われわれだって、まさかばかではないのだし、現地におって養鶏家といろいろ話をし、現実に養鶏をやっているのですからね。そういうことで答弁をごまかしたってどうにもならぬことなんで、私は、いま時間がありませんから、あなたと議論する意思もありません。しかし、早くこの安定基金の価格の改定と加工乳の補給金の改定をやらなければ、養鶏家もつぶれるし酪農家もつぶれていくのですよ。これは議論じゃない。あなたの数字がどうとかということでなく、実際に現地においてやめていくのです。これをどうしますか。この問題をもっと真剣に考えてください。政務次官、それに対するあなたの答弁を聞きます。

中尾栄一自由民主党農林政務次官

○中尾説明員 十分検討いたします。

山崎平八郎自由民主党

○山崎(平)委員長代理 次に、保岡興治君。

保岡興治自由民主党

○保岡委員 各委員の先生方からサトウキビ政策についていろいろな角度から質問もあったわけでありますけれども、主として沖繩を中心としたところの質問が多いようでしたので、奄美大島の立場から若干御質問をさせていただきたいと思います。  御承知のとおり、奄美大島は沖繩のすぐ北にありまして、琉球弧と称する一連のつながった島でありまして、地理的、歴史的あるいは気象的条件が沖繩と全く同一であります。しかも人口のウエートからいっても、沖繩の六分の一の十五万八千人程度の人口をかかえておりまして相当のウエートがあると思うのでありますけれども、従来とかく沖繩に目が集中して向けられておりまして、奄美大島の存在がとかく忘れられがちであるということであります。ところが奄美大島のほうは、この分みつ糖、甘蔗糖の生産量も沖繩の約半分強の生産をしておる。人口が六分の一で半分以上の生産をしておるというのでございますから、人口比からいえば三倍の生産をやっておる。農業人口も全体の三三%で、その約八割がサトウキビの生産に従事しております。そういった意味では、むしろ沖繩より奄美大島のほうがサトウキビの実情というものは切実なものがあるわけであります。  ところが、先刻来委員の先生方がいろいろ質問もなさっておられましたとおり、奄美大島の黒糖が分みつ糖制度になって、製糖工場によって粗糖がつくられるようになりましてから、これが軌道に乗ったのが三十六年くらいでございまして、四十年から糖価安定法が施行されておるわけでありますけれども、この十二年間で価格が三四%しか上がっていない。端的に比較して、賃金が当時の三百五十円から三千円くらいに引き上がっておるということなどからも簡単にわかるように、非常に逼迫した状況になってしまっておる。出かせぎ現象が顕著である。そして、奥さんが大島つむぎというたった一つの二次産業に従事することによって細々と現金収入をかせいで生活をささえておる。そういった意味で、奄美大島のサトウキビの窮状というものは切実なものがあるのです。もしこれが一たんつぶれてしまうと、工場のほうも非常に赤字をかかえてたいへんだという状況でございますので、工場がつぶれることによって一挙にサトウキビ生産農家もサトウキビはつくれなくなる。そうすると、これだけのウエートを占めている農業でありますから、一挙に社会問題に発展するというような切実さがあるわけであります。こういった状況に加えて、とかく沖繩のほうは海洋博覧会の賃金高騰ということが非常に喧伝されておりますけれども、奄美大島でも事実この影響を受けて、相当労務者やいろいろな職人が引き抜かれて向こうのほうに連れて行かれる。沖繩の場合、一時的な現象で苦しいけれども、将来はそこに一つの実績が残って、いろいろな産業基盤の整備になるわけですけれども、奄美大島の場合は、そういう影響を受けるだけで、全くあとに何も残らない、後遺症だけが残るという現象が出てくるわけでありまして、そういった意味で非常にたいへんであるということが言えるのでありますけれども、その辺の事情について政府のほうでは十分認識をしていただいて、沖繩と同じように奄美大島のことも十分ウエートを置いて考えておられるか、その点についてまず伺いたいと思うわけであります。

池田正範農林省食品流通局長

○池田説明員 ただいま御指摘のように、奄美大島の場合には、ちょうど沖繩の本島を除く島嶼部に近い生産形態、そういう非常に恵まれない生産形態の中でかなりの生産量を従来からあげてこられたという実態があるわけでございます。しかしながら、非常にこの経済事情の変動その他からこうむる影響力というのは、今後ともかなりきびしいものがあるというふうに私どもも考えておりますので、先ほど来、大臣、政務次官等からも申し上げましたように、今回のサトウキビの価格の問題、これはサトウキビの価格だけでなくて、今後の生産対策を含めまして総合的に、いま御指摘のような点を十分頭の中に置いて対処してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

保岡興治自由民主党

○保岡委員 ちまたに聞くところによると、農業パリティで試算すると八千円ちょっとにしかならない、こういうことであります。ところが奄美大島並びに沖繩の農家の方々が、従来こういった窮状に置かれている状況から希望というものを見出して、さらに生産に意欲を燃やすというためには、相当これをアップしなければならないだろうという状況があるわけなんです。  そこで、従来いろいろな農作物の価格がきまっておりますけれども、大体それが六%前後で落ちついておる。奄美大島、沖繩が要求しておるところの価格要求は九〇%以上のアップを要求しておるということで、ほかの価格と比べると法外な要求をしているように一見見えるわけなんです。しかしながら、実際のところ、先ほどから申し上げたような窮状を打破するためには相当思い切った価格を上げなければならない。こういった他の作物と比べて違った状況にある、それらの価格がきまってきた状況と異なる政治性、政治的な加算、そういった必要がこのサトウキビにはたいへんあると思うのですが、その点についてなお決意を伺っておきたいと思うわけであります。

池田正範農林省食品流通局長

○池田説明員 ただいまお話がございましたようなパリティ価格のいわば事務的な算術をいたしますと、ただいまお話が出ましたような数字でございます。しかし、最近におきますところの経済事情、特に去年のこのサトウキビ価格をきめましてからあとのいろいろな経済事情の変化というふうなものを十分やはり頭に入れてきめなければいけないというふうに大臣からも御答弁申し上げましたとおり、それらの点も含めて、かつ、この鹿児島の南西諸島の中に占める基幹的なサトウキビの役割りというものを十分にやはり頭の中に置いてきめていく、そこには実務的な算術だけでなくて、そこに法律もきめております再生産に必要な考慮条件というものが当然働いてくる余地も出てこようかと思います。どういう形で働くか、その他の政治的答弁については、事務当局でございますので御遠慮申し上げますけれども、当然そういうふうな形で処理されることになろうかと思います。

保岡興治自由民主党

○保岡委員 パリティ方式の算定の基盤として、大体労働賃金の占めるウエートが五%ぐらいのように伺っておるのですけれども、サトウキビの場合はそれが六〇%以上の非常に高いウエートを示す、しかもこの十数年来の諸物価の一番高騰しておるのは賃金である、こういう状況からいって、従来のパリティで試算する方法がサトウキビの生産費補償あるいは農家の満足のいく算定にならなかったのは、そういった数字からある程度はっきりしているのじゃないかという感じがするわけなんです。  そこで、こういう農業パリティ方式そのものについては農林省令で定めることになっているわけですけれども、法改正以前に農林省としてこの省令の改正について検討する御意向がないかどうか、伺っておきたいと思います。

池田正範農林省食品流通局長

○池田説明員 パリティの出し方につきましては、御指摘のようにいろいろなやり方が理論としては考えられると思います。しかしながら、現実にはその決定時期において把握できるデータをベースにせざるを得ないという制約はあることはもう御承知のとおりでございます。そういう意味で、いろいろといまきまっておりますものを手直しするという考え方についての検討の努力は私どもも怠るつもりはございません。しかしながら、現実に直した場合に、どういう形に手直しされることが最も妥当かということになりますと、これは軽々になかなか判断しにくい問題がいろいろございます。その立場立場で、直すことによって有利な場合も出てまいりましょうし、不利な場合も出てくるというふうな、いろいろの点もございます。したがいまして、私どもとしては、先ほど政務次官からお答えを申し上げましたように、それらを含めて検討はするつもりでおりますけれども、何はさておきましても、当面の問題の処理が大事でございますので、これに対応する対応のしかたとしては、現在のパリティの計算方式というものを基準に置きながらも、十分対応できる余地があるのだと、いうふうに考えておるわけでございます。

保岡興治自由民主党

○保岡委員 よく奄美大島、沖繩のサトウキビとてん菜糖とが比較されまして、てん菜糖からできる砂糖は非常に割り安にできるのに、奄美大島、沖繩のほうは割り高にできるということで、てん菜糖が言うなれば優等生であれば、甘蔗糖のほうは劣等生だということで、財政当局も従来これにお金をかけることに非常に熱意がなかったというような感じがするわけですけれども、てん菜糖のほうは非常に基盤整備が進んでおって省力化がはかられておる。ところが奄美大島などは、非常に山あり谷ありで、基盤整備がなかなか多額の金がかかるというようなことで十分なされてなかったうらみがあるというふうに見られるわけです。   〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕  大体、農業基盤整備の予算額をいろいろ比較しますと、全国平均でこの二十年で一五・二一倍、離島関係が言下四九倍であるのに、奄美大鳥の場合七・二四倍にしかなっていない。一人当たりの額に換算しますと、離島の場合五千六百円、全国平均が三千三百円、奄美大島の場合千九百円しかないというようなことで、特にこういった省力化が強く叫ばれて、常に価格の上がらない一つの原因として省力化が進んでないことが指摘されながら、政府のほうで奄美大島に対するこういった基盤整備に対する予算措置が非常に少ないということが言えるのじゃないかと思うわけです。そういった意味で、ことしは十三億数千万の概算要求が農林省から出ているようでありますけれども、この要求には全力をあげて努力をしていただきたいと思うわけでありますが、その点についての政府の見解を伺いたいと思います。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 奄美の基盤整備につきましては、従前から本土に比べて立ちおくれているという事実もございますので、農道を中心にいたしまして積極的に基盤整備を進めてまいりたいというふうに考えているわけでございます。従前から奄振法に基づきまして復興あるいは振興計画をつくってまいったわけでございますが、四十九年でそれが時限法として切れる。切れてまた十カ年延長される予定のように聞いておりますが、それに伴います新たな事業計画におきまして大幅に農業基盤の整備を、従前からやっておりました補助率なり採択基準の緩和にあわせて、さらにそれを強化するようなことも含めまして基盤整備に尽くしてまいりたい、こういうふうに考えております。

保岡興治自由民主党

○保岡委員 省力化のためにもう一つ大きな問題は機械化であると思います。ところが、従来機械化に対する努力がこれまた非常に少ないような気がするわけでありますが、従来この研究開発が私企業に単にまかされておった関係やら、本格的に取り組む姿勢がどうも足りなかったことから、おもちゃのようなものばかり毎年できてまいりまして、農家はそれを無理して買っては使えなくてお蔵の中に入れてしまうということで、これだけ重要な意味を持つサトウキビ農業の一番大きな大切な問題が国の予算措置として非常におくれているということが言えるのではないかと思いますが、刈り取り機、脱葉機、積み込み機、搬出機、こういった一貫作業はすべて機械でできるようにすれば労働賃金の高騰、その他そういった問題で価格がいつも問題になるということもないわけでありますが、この価格を上げるのに、千円上げると二十億かかる。奄美大島だけでも六、七億かかるわけですが、私が試算したところによると、大体全機種機械化するのに五、六億円で足りるようなことを会社の人たちと話したこともあるわけなんですが、こういった意味でこの省力化のための機械化、機械の研究開発には国としても相当な力を入れるべきだ、そのように思うのですが、その点についての政府の見解を伺いたいと思います。

岡安誠農林省農蚕園芸局長

○岡安説明員 御指摘のとおり、省力化を進めるためには機械化ということでございます。いま御指摘のおもちゃのような機械というお話でございましたけれども、私どもとして、やはりわが国の地形の条件に適合したような機械ということで、小型につきましては大体実用化の段階ができましたので、すでに四十七年度からいろいろパイロットその他でもって入れているわけでございます。将来はこれは中型といいますか、中型の機械を導入しなければ能率も相当あがらないということで、四十七年から農業機械化研究所に委託をいたしまして研究をいたしております。来年度は大体これも目鼻がつくというふうに考えておりますので、奄美につきましては来年度から中型を含めました一貫作業体系の機械を入れるというようなことを計画いたしております。それによりまして私どもは相当程度省力化の実があげられるというふうに考えている次第でございます。

保岡興治自由民主党

○保岡委員 サトウキビについては、製糖会社がつぶれてしまえば一挙に農家もサトウキビはつくれないという関係では全く一体なんですが、先ほど来議論に出てくるとおり、沖繩、鹿児島で三十億程度の赤字をかかえて、すでに一昨年は瀬戸内町というところの拓南製糖という会社がつぶれてしまって、三百六十年続いてきた製糖業が終えんを逐げてしまう。また笠利の富国製糖あるいは種子島の新光製糖などはまさにつぶれんとしておる状況なんです。そういうことで、どうしてこういうふうに赤字がふえてくるかという原因をいろいろ考えてみますと、やはり製造コストをそのまま買い上げ価格で見ていないようなところがあるのではないかというふうに思うのですが、従来製造コストの中で人件費は一二・一%くらい毎年見ておるようでありますが、これとて賃金上昇の割合に比べると低い。あと製造資材費、原料運搬費、借入金の利息、こういったものの上昇分を買い上げ価格に従来見てこなかったというふうに伺っておるのですが、その点についてそのとおりであるか、まず伺いたいと思います。

池田正範農林省食品流通局長

○池田説明員 四十七年期の甘蔗糖企業の損益状況を見ますと、トータルでは約三十億程度の欠損、これが沖繩、奄美を通じての状況でございます。その中で鹿児島は約半分、十五億弱というところでございます。それに対しまして当期の損益は、その約一割強、三十三億四、五千万円というのが当期の損失でございます。  その計算からいたしますと、むしろ鹿児島、南西諸島の特定のいま御指摘になったような企業については、確かに赤字が出て、ついに操業を断念せざるを得ない面もございましたけれども、トータルの企業の収益といたしましては、四十七年期は大体とんとんであったというふうに私どもは考えておるわけでございます。しかしながら、何しろほとんどが島でございまして、集荷範囲というものが限られておる。したがって、合理化しようにもなかなかしにくい面もたくさんございます。そういう意味で国内一般の企業のような合理化がなかなかしにくい面はございますけれども、しいて申しますと、どうも昨年の経費の見込みの食い違いの中には歩どまりの食い違いが一番大きく最終的には響いていたのではないかという感じがいたします。それからあと人件費あるいは補助材料費それから原料運搬費、金利といったようなものをそれぞれ平均的な標準経費として見込んでおるわけでございます。これは生産者の価格をきめる場合とちょっと違いまして、企業の場合には企業コストの実績をそのまま全部見るという形はとっておりません。これをやりますと、企業のいわゆる努力目標というものは全部なくなってしまうわけであります。そこで、やはりここで見得るものは標準的経費である。したがって、標準的な経費をまかない得ないところが赤字が出てくるということは、今後ともこれはある程度はやむを得ない。やはり努力をある程度していただくという形をとらざるを得ないと思いますけれども、ただその見込みのしかたの中で、たとえば人件費の見方が会社側が要求をしておる見込み方と十分に見合っていたかどうかとか、あるいは副材料費はどうかとか、個々の項目に当たってみますと、まだまだ会社側から見れば不満な点もあるかと思いますが、一応私どもといたしましては、この標準経費というものを十分それらの不満を踏まえて頭の中に入れて計算をしてもらいたいと考えております。

保岡興治自由民主党

○保岡委員 そのおっしゃる点はよくわかりましたけれども、何といっても実情が、人件費が一二・一%の上昇、その他の物価の上昇を見ていないということであれば、非常に会社が実情に沿わないコストの負担を要求されることになるだろうと思うので、その点十分今後配慮を願いたいと思います。  それと、時間が来ておりますが、もう一点だけ伺わしていただきますが、現在工場があちこち閉鎖になりまして、がらんとしてあいておる、遊んでおる工場があるわけなんです。こういうものは、会社がただ使わないでかかえておるというのは、経営の面から非常に悪条件になっておるだろうということが容易に推認できるわけですけれども、これに対して何らかの合理化の特別な融資のような制度が認められないものかどうか、その点について最後に伺っておきたいと思います。

池田正範農林省食品流通局長

○池田説明員 御指摘の遊休施設につきましては、これが逆に企業採算の上に非常に重荷になっておる面もございます。したがいまして、できますれば、これらの遊休施設というものを一定の価格で地元で何らかの形で組織化された団体で買い上げるなり何なりをして、その買い上げる力をつけるための財政的な援助をするというようなことができるかどうか、いま真剣に前向きに検討中でございます。

保岡興治自由民主党

○保岡委員 終わります。

佐々木義武自由民主党

○佐々木委員長 野坂浩賢君。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 沖繩あるいは奄美大島等のキビの問題をめぐりまして朝来から討論があったわけでありますが、私は農林大臣に、今日のわが国の情勢を踏まえて、経済閣僚として、あるいは農林大臣としての見解を聞きたい、こういうふうに考えておりましたが、御存じのとおりの米価審議会のほうに行かれたというお話でありますから、中尾政務次官に――政務次官の中でも大胆にものを言うし、政策としても強く押し出すという方でありますから、あなたに具体的に聞いておきたいと思います。  まず最初に、あなたがよく政治というものは国民のためのものだとおっしゃっておるように常々お聞きをしております。したがって、国民が期待する、国民が願望する問題を解決をするという考え方で施策、政策をお進めになりますか、まず聞きたい。

中尾栄一自由民主党農林政務次官

○中尾説明員 そのつもりでおります。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 大胆にそういう政策を実施するということでありますから、おいおいに聞いてまいりますが、今日の物価の情勢、これは政府が当初考えておりました物価上昇率五・五%と比べて修正をしなければならないという状態に今日ある、こういうふうに考えておりますが、そのとおりですか。

中尾栄一自由民主党農林政務次官

○中尾説明員 パーセンテージからいきますと、そういう形になろうかと思います。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 当初の予定を大きく上回ってきた、それは即国民生活に大きな影響を与えておる、こういうことになろうと思います。そうすると、たとえば農林省、政府がやれることで物価抑制策をやる、こういうことを盛んに田中総理以下言っておりますが、具体的に抑制策が効果をあげた事例、そしてその施策を具体的に進めたものがあれば伺いたい。

中尾栄一自由民主党農林政務次官

○中尾説明員 私の記憶する限り、見当たりません。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 非常に明快に御答弁をいただいております。したがって、いまのお話をそのままとってまいりますと、今日の物価高は異常であるし、抑止政策というものはとられていない、しかも一つも成功していない、こういうふうに理解するわけであります。今日国鉄運賃その他私鉄あるいは電力料金、紙、特に灯油、石油、そういうものについては異常なほどの値上がりを見せております。これを押えていかなければならぬ。いま物価の値上がりをどうして押えていくか、こういうことが国民の願望でありますし、また政務次官からお答えいただきましたように、この願望を具体的に政策の上に反映をしていく、これがあなた方の使命であります。昔は、大臣とかあるいは政務次官、こういう方々を見ますと、大体偉い人だという通念がありましたが、このごろでは物価値上げの元凶であるというふうにうしろ指をさされるような社会情勢に変わってきたことは御案内のとおりであります。そういう中でいま米価審議会が行なわれて、農林省としては米一三・八%、麦三五%を上げるという諮問をした。この事実は、あなたが先ほど御答弁になった国民の願望を具体的に実施する、抑止策を農林省の手でできるもの、政府としてできるものはやるべきであるという決意と非常に矛盾をするではないかと思いますが、あなたはどうお考えですか。

中尾栄一自由民主党農林政務次官

○中尾説明員 米の問題を少し離れまして、実は昨日政務次官会議を私どもで持ちました際にも、私の口からも現在の物価高の問題については付言申し上げたのであります。この物価問題というのは、いろいろな形で、ある者は公共投資をもっと抑制することであるとか、その他種々論点をあげられる方がおります。しかし基本的に物価の問題というのは、このようないささかなりともエスカレートしている現象の中で単にどのような施策を打とうともなかなかむずかしい場合がある。歯車が回っているような場合に水をさしても、それが水ではなく石油をさしているとさえ考えられるような場合がよくあるわけでございます。それだけに、このような非常にレジャーブームになれ切り、なおかつ消費ムードが定着している昨今、二十八年前のあの非常時体制、すなわち終戦直後の状況を思い出して即応しろといってもなかなか無理な場合がございます。それだけにむしろ私どもは、政治家も民間も一体になってこの非常事態を乗り切るんだという意味合いからも、これほどの悪性的な上昇というものは非常事態宣言でも発布して考えていくべきではないかとさえ話し合ったことをも、ひとつここで報告は申し上げておきたいと思うのでございます。  そこで、現今の米の問題でございますけれども、たとえで言うならば、ちょうど今回の生産者米価がきまる中に、たまさか生産者米価と消費者米価とが相バランスを持ちながらきめたという状況下にはございませんで、あくまでも生産者米価という一律の叫びの中に米価決定が見られたことはすでに御承知のとおりでございます。その背景といいますのは、御承知のように生産者米価が据え置きで長引いておった今日、上げざるを得ない物価水準であるというところのたてまえから、相当根強い声が盛り上がりまして生産者米価にはね上がったわけでございまして、そのときのいきさつからいきますと、これほど生産者米価はいままで据え置いておったのだから上げるのも無理からぬことである、同様に、生産者米価が値上げになった限り消費者米価も上げざるを得まいという一つのムードがあったことも否定できないかと思うのでございます。そういう背景等の中で今回の米審が行なわれておるということをも、ひとつ御認識のほどを願い上げたいと思うわけでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 消費ムードが定着をしたとか、こういう悪性的な物価高、それはやっぱり国民の責任ではなしに政治家の責任だ。これが安定をする成長の姿であれば、国民は買いだめもしないだろうし、消費者物価高ムードというものは出てこない。基本はやっぱりわれわれだ。いま与党の皆さんは責任政治とかいろいろ言われておりますけれども、われわれは、いまイデオロギーを超越して、どこかでせきとめて、国民の精神的な問題も物質的な問題も安定をする体制をつくることが必要なんだ。しかもその抑止政策というものは一つも効果をあげていない、これがあなたの答弁でもあったわけです。  そこで、この米の問題は、当然、生産者としては引き合わないということになれば、いまの農業を見直す時代に入って、食糧の自給率を高める、また他の物価から比べて当然上げていかなければ生活ができ得ない、こういう状況にありますから、生産者米価は当然上げなければならぬ、これが再生産に見合う食糧管理法の精神だと思うのです。そうして消費者の家計及び物価その他経済事情を十分参酌をしなければならぬというふうに書いてあります。だからその家計にも響く。〇・六、あるいは麦が〇・一、その他関連商品が〇・一、こういうことになってまいりますと、〇・八%程度は家計に響いてくるというこういう状況でありますから、当然食糧管理法の精神からして米価は二重価格にすべきだということが定説でありますし、法の精神から当然だと思いますが、そのとおりでありますか。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 食管法の規定では、生産者米価につきましては米の再生産の確保をはかることを旨として定める、それから消費者米価につきましては家計の安定をはかることを旨として定める、こうそれぞれ規定がございます。生産者米価につきましては、確かに生産費所得補償方式ということで積み上げて、算式に基づいて米価を算定してまいったわけでございます。また消費者米価につきましては、それなりに家計米価といいますか、家計の伸びの範囲内でもって従来それぞれ定めてまいったわけでございます。その結果、それぞれ今日の生産者米価なりあるいは消費者米価、現在では政府売り渡し価格をきめて、それから消費者米価が自然に中間の経費を経て形成されるということになっておりますが、米価がそれぞれ定まってきておるわけでございます。そのことが確かに、生産者米価が高くて政府売り渡し価格が低いということから逆ざやになっておって二つの価格がある、その現象を二重米価と呼ぶならば、それはそう呼ぶこともできるかと思います。しかし、それはいま申し上げましたように、それぞれ別の、それぞれの考え方に基づいて定めてきた結果生じている現象でありまして、食管法が当然に二重米価というものを予想して、前提としてそういうものを是認しているというわけではございません。もとより米も、商品とは申しませんが、物でございます。それなりに生産費もかかって、コストが考えられて政府の買い入れ価格というものがきめられるわけでございます。そういうそれ自体の値打ちを持っているものをどれだけに評価してどれだけに売っていくかということは、政府が国民に食糧を安定的に供給していく場合に、やはり家計の安定をはかると同時にそのコストの面を考えながら売り渡し価格をきめていかざるを得ないということになるわけでございます。もとよりこれだけ大きな食糧管理制度というものを維持していくためには、それに必要な基本的な経費というものは政府が負担すべきでありましょう。固定的な経費あるいは直接米の買い入れなり流通なりに必要な経費というのは、これは政府が負担してしかるべきかとも思います。しかしながら、売買価格に逆ざやがあるとか、特に末端価格に逆ざやがあるということは、これは食糧管理を安定的に維持していくという考え方のもとではまことによろしくない、ゆがんだ姿ではないかと私どもは思っております。そういうようなことから、現在逆ざやが大き過ぎる、少なくとも私どもといたしましては、末端逆ざやは解消いたしたいということで米価の引き上げをお願いしたわけでございます。  ただ、現在米審で審議願っておりますところの引き上げ幅も、御存じのとおり現在の売り渡し価格に対して一三・八%ということでございまして、末端逆ざやの全部を解消するというところまで至っておりません。なお政府は、コストはもちろん売買逆ざやも、さらには末端逆ざやの三分の一程度はなお負担して残っている、これがなお大きな食管の赤字となって財政負担となって残されるという状況にあるわけでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 今度消費者米価を上げたというのは、逆ざやと一般会計からの繰り入れを余儀なくされるというところにその背景がある、こうあなたはお話しになりました。逆ざやを解消するためには一九・五%というのが当初計算をされた。しかし、食管法四条に基づいて、家計に影響がある、物価にも影響がある、こういうことで一三・八%にしたということですからね。だから米価というのは、政府の買い入れ価格と売り渡し価格というものはこの食管法に従って実施をされておる、端的に言うと、世の中で言う二重米価、こういうことになるのじゃないですか。政務次官どうです。あなたらしく端的に答えてください。

中尾栄一自由民主党農林政務次官

○中尾説明員 本来これがたてまえではないことは先ほど答弁したとおりでございますが、結果的には先生の御指摘も当たろうかと思います。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 私が四月の十三日に本会議場で農林大臣にお尋ねをしましたときにも、食管法というものは堅持をする、こう言って大みえを切りました。しかし、今日その逆ざやが出て、この諮問にもありますように不正規な流通が行なわれる、こういうことを非常に、異常なほど心配をしていらっしゃる、また供出をするのじゃないかと。それは管理体制が薄弱であるという、ことを露呈をしておるわけですね。管理体制がなっていない、こういうことだと思うのです。その管理体制を、あなた方自身が物統令の廃止あるいは自主流通米のやり方、こういうことからなしくずし的にこの管理体制を破壊されて、そして逆ざやが起きてくる、だから管理ができない、こういう不正規な流通体系になることをおそれるというようなことが書いてありますが、そういう管理体制の強化をいまこそすべきだと思いますが、どう思われますか。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 末端逆ざやが存在することが特に今日のように大きいとき、不正規流通、生産者が政府に一たん米を売って、さらにどこかの流通過程でもって米を入手してこれを政府に売り渡すというようなことが行なわれ得るということは確かにあり得る話でございます。しかし私ども、それが一般的に大々的に行なわれるとは思っておりません。管理体制というお話もありましたが、今日の買い入れの仕組みは、それぞれ県別、市町村別、さらには個人別に予約限度数量というものを設けて、限度数量のワク内で買い入れまたは自主流通の流通を認めるということになっております。そういう仕組みでもありますし、それからいま御指摘がありましたように、そういうことについては厳に取り締まるべきであるということで、役所の体制も十分それの手当てをしているつもりでございます。今日までもそういう事例は全くなかったとは申しませんが、まあまあレアケースといいますか、ごくまれな現象であったと思っております。ただ私どもは、そういう価格が、不正逆流が起こるからこれはけしからぬということを言っているだけではなくて、およそ価格というものは物自体の値打ちに従ってきめられるべきではないか、いまのような政府が買っている価格は一万三百一円でありますが、それを約四千円も逆ざやを出して財政負担をして、これは売り渡し価格に比べれば大体半分、五〇%にもなりますが、それほどの負担をして物の値打ちを不当にゆがめた低い価格で売ることはいかがかということも含めて申し上げているわけでございまして、しかも、そのことが実際に起こるという話ではございませんが、制度的にそういうことを許容し得る価格であるということが問題である、それはやはり直すべきである、こう申し上げたわけでございます。財政負担を一切しないという考え方ではないのでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 それでは、諮問についての説明の、「不正規流通の誘発等米穀管理の健全な運営に重大な支障が生ずるおそれがあり、」という、これらのことはとったらどうですか。国民を非常に不信感を持って見るということになりますね。  それから、いま自主流通米が出て、きのう米審で、十キロ当たりの米を、これが四千円だ、こういう現物が示されました。日本経済新聞等をごらんになりましても、米の相場がすでに載っておる。こういうことになると何のための食管なのか、こういうことを疑わざるを得ないということになって、なしくずし的にこういうのがなくなって、また物価上昇、政府無策――いま政務次官が申し述べられましたが、物価が上昇する要因もこういうところに出てくるのではないか。これは政策的な問題ですが、そういう点についてはどうお考えですか。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 先ほども申し上げましたように、食管法の基本精神といいますか、たてまえといいますか、国民食糧の確保をはかりまして、これを安定的に供給する、そのために各般の施策を行なうということをやっているわけでございまして、その一環として再生産を補償するような価格で政府は米を買い入れ、家計の安定をはかることを旨としたような価格で売り渡すということをいたしておるわけでございます。まあ実際の流通過程で、個々にはいろいろ問題もあろうかと思います。ただいまの御指摘になりました十キロ四千円の米でございますか、その話、私も一昨日消費者の団体の方から伺いました。これは茨城県の事例だったわけでございますが、さっそく現地の事務所をして調査させました。調査させましたところ、八キロ入りの特別容器に入っているお米を、これを三千二百円で売っておったという事実がございます。確かに中身だけで計算いたしますと、十キロに換算すれば四千円とい ことになります。   〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕 ただ、これは容器が特殊な容器でございまして、熊本県産のイグサの俵、その中にプラスチック製の米びつがわりになるような容器を包み込んでおって、その中に米を八キロ入れておった。これは大体特例銘柄米的な、茨城県産で比較的いい米を入れておったというような事態でございます。容器の価格が幾らか、米の価格が幾らかというような問題がございますが、大体半々程度になるのかというくらいに思われるわけでございます。価格自体は、あるいは高いのかもしれませんし、あるいは安いかもしれない、それは容器の関係でよくわかりませんが、しかし、いずれにいたしましても、主食である米をそういう容器と抱き合わせて売るというようなことは、これは好ましくありませんし、ましてそれが贈答用を主眼として売られておったというような話もありますので、これはさっそく取りやめるように私のほうでは指導いたしたわけでございます。  以上のようなことでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 いま事務当局からいろいろお話を承ったのですが、きょうの質問の中にも、農林大臣は、この逆ざやを解消するために去年から実はこの消費者米価の値上げを考えていた、こういう答弁があったのです。それは米審の際に来年度も消費者米価を引き上げるという意味の発言をしたということからの発端であります。政務次官も御存じのとおりに、今度の生産者米価を上げる際にこの会議で議論をいたしました。その際に消費者米価は上げない、こう明言をされた。私たちは、米穀年度というものは、その年にとれた米は来年の十月ごろまでは上げない、こういうことが常識だと思っておるのです。常に農林大臣は私は正直者だと言っておりますが、結果的に国民はそう思っておったのです、その生産者米価決定のときには。それを四月一日から上げるというような、そういう諮問をされたことは、当時の議論とは非常に問題が出ておる、こういうふうに思っておるのです。これはどのようにお考えですか、先ほど議論があったのですから。

中尾栄一自由民主党農林政務次官

○中尾説明員 生産者米価がその決定を見る前後の模様だと思いますが、消費者米価というのはやはりいずれ上げなければなるまいという声があったことは、これはもう否定できないと思うのです。そういう背景の中で大臣がそういう言辞を吐露したということは、それはあくまでも現時点上げるということを即座には考えておらないという意味でお言いになったのではないかという解釈に私は立っておりました。私は、これは何も言いわけを言うわけではありませんが、そういう流れの中に御発言があったのではないかという解釈以外には、あの正直者の大臣がうそを言うわけはあるまいという考え方に立つわけでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 いま、国民のためにこの米価の議論がされておる。これは国民が上げるほうを望んでいなくて、上げないほうを望んでおるのです、率直に。それはよくわかると思います。生産者米価がきまったからいずれ消費者米価を上げなければならぬだろうという世論があったというふうにお話しですが、どこにそういうことがありましたか。聞いておりません。あなた方自身が上げようと考えた。農林大臣も去年からその逆ざやを解消しようと思って上げようと考えておったというようなお話でありますが、国民の中から消費者米価を上げるべきだという世論が大きくあるというようなことを新聞その他で私は見たこともありませんし、テレビで見たこともありません。そういう世論がありましたか。上げろというそういう運動がどこでありました。

中尾栄一自由民主党農林政務次官

○中尾説明員 私、ですからそういう声が単刀直入に記事面に載ったとか、そういう表現で言うたわけではございませんで、一つの流れのムードとしてそういうことを言うたことも聞いたことはあるということでございます。たとえば米審の中で言うたということの確定的な要素はございませんけれども、あくまでもそういう会合にお集まりの方々も、こういう生産者米価を引き上げていくという関係の中では消費者米価も上げざるを得なくなっていくなという言い方を聞いたことも私はあったわけでございまして、必ずしもそれを具体的に一つのマスコミに載ったとか、そういう表現で言うたわけではございません。ただムードとしてそういうことを感じておったということは事実でございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 私はね、政務次官、いま国民が一番望んでおりますのは、物価高で困っておる、だから物を下げるような政策をとってくれ、これは国民の声じゃないですかね。消費者米価でも、物価は上がっていく、そういうムードでやむを得ぬだろうというような、為政者の最高の責任者の立場にあるあなた方が、ムードによって物価を上げて国民のためになるというふうにお考えであれば、直ちにやめるべきですね。その責任からおりるべきだ、私はそう思いますよ。消費者というのは、国民というのは、物価をどうして下げるか、どうやってもらいたいか、こういうことを願っておるのに、いまそういうムードなんだからやむを得ないというような、為政者の最高責任者の立場の方々が軽々にそういうことを発言されるということは、政治不信をより以上招く、私はそういう結果になると思うのです。政治家として恥ずかしいと思うのです。そういう点についてはどうやってせきとめるのだ、どのような施策を打つべきか、こういうことを考えるのがあなた方の役目じゃないですか。どうです。これからもそういうムードでやられるのですか。

中尾栄一自由民主党農林政務次官

○中尾説明員 いま御質問がありましたから、その当時の模様を言うておるわけでございまして、決してその、何といいますか、消費者米価というものを急遽ここでもって思いつきで上げていったという形のものではなく、あくまでも逆ざやをなくしていこう、そういう形がどうしても農林当局といえども政府といえどもあったわけでございますから、そこにこの問題点が惹起していったのだというように御解釈願えればありがたい、こういう意味で申し上げたわけでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 だから、せきとめるということをお考えですか。

中尾栄一自由民主党農林政務次官

○中尾説明員 当然、この問題は、どんな形をもっても物価高というものはせきとめていかなければならない、これは私が冒頭に先生の御質問に対してお答えさせていただいた気持ちでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 逆ざやをなくして、家計にも響かないし、生産者もよくなるし、そういうことで一つの米価というものが生産者も消費者も同じようになって逆ざやがないということであれば、これは小学校の一年生でも考えることですね。保育園の三歳の童子でも考えることです。だれでもできることだ。借り方と、貸し方、右と左と合わせるということはばかでもできますよ。そこに政治があるんじゃないですか。そういう生産者のことも、そして消費者のことも考えて、日本の国を安定的に成長させる、そのために政治がある、私はそう思っておるのです。そういうことだと考えるならば、逆ざやを解消することが何よりも政治命題だ、農林省の課題である、こういう考え方は私は間違いであると思いますが、どうでしょう。

中尾栄一自由民主党農林政務次官

○中尾説明員 政治というものは、もちろん先生の先ほど御指摘のとおり、安定ということと、なおかつインバランスをなくす、不公平さをなくす、ここに主眼点を置いておかなければならないのはもう申すまでもないことだと思います。同様に、このような偏差がついていくということの姿勢を埋めていく、ギャップを埋めていく、逆ざやをこれまた埋め合わせしていく、これもやはり為政者として責任をとらなければならない、感じていかなければならぬこともあることも事実でございます。そういう観点の中で先ほどから逆ざやの問題が問題になっておったかと思うのでございまして、私どもは当然生産者に対しても上げていくという方向づけの中に大いにアップしていくことに努力を惜しまないと同時に、消費者にとっても一番苦痛である消費者米価のアップというものに対して極力押えていく、これまた私どもの責任である、これは先生の御指摘のとおりかと解釈しております。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 まだ私はすっきりしませんが、為政者としては国民生活の安定をはかるためにそれぞれ努力をしなければならぬ、逆ざやといいますか、そういうものがあってもやむを得ない、こういうふうに私は思っております。したがって、今度の消費者米価の値上げは、年率五・五%という物価上昇率がいまは一三%にもなって、政治が不信になっておるわけですから、どうしてもあなた方の権限で、政府の権限でできるこの問題はやはり見送るべきだ。しかも米穀年度という、一般的に自民党の代議士も含めて、生産者米価のときに消費者米価は上げませんというのは、少なくとも来年の十月までは絶対に上げないというのが通念ですよ。それを当時はそういうふうに正直者の農林大臣はそういうことの考え方ではなかったんだというのは、人にわかるようにものを言ってもらわなければ、自分だけその場は調子がよく逃げられるけれども、帰ってから別のことを考えておるというようなことでは、これは政治ができませんから、これは考え直してもらわなければならぬ、こう思いますね。それがまず一点。  それからもう一つ、ことしは天候等に恵まれて、私たちのほうには若干干ばつも出ましたけれども、米は相当収穫ができるようだ。しかし北海道等では刈り取ってみると粒は小さい、したがって十分でないというお話もございましたが、この七月でしたか、田中総理がここにもお見えになって、生産の制限といいますか、そういうことをやった、減反政策をやった、大体減反政策は予定どおりいった、その政策の中で、農民の努力によってできた米は、これは全部買い入れをする、こういうような示唆がございました。そう国民、農民は理解をしておりました。理解をしておりましたし、この米審で農林大臣は備蓄米というものをやりたいという発言をされております。したがって備蓄米等についてはやられる、今度の生産から見て、収穫から決定的なものはまだ出ておりませんが、備蓄制度を踏み切る、こういうふうに考えていいんでしょうか。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 本年産の米の収穫見込みは、私どもが見込んでおりましたより、結果の数量だけ申し上げますというと、大体約四十万トン程度はよけいにできるのではないかというふうに見込まれております。同じ日本の国内で流通される米であります以上、最終的には余ったものはどこかに在庫としてこれは蓄積されるわけでございます。その在庫がどこに残るかといえば、これは余りものを買うとか買わないとかいう議論がいまございますが、かりに買うにしてもあるいは買わないにしても、これはいずれ政府の在庫になって増加するということは間違いございません。いまの仕組みのもとでは、農家が売れば政府の売る分はそれだけ減って政府の在庫がふえるということにもなりますから、買わなくても買ってもこれは政府の在庫がふえます。その在庫がふえるのを何と観念するか。これは恒久的に過剰になるというようなことがかりにありますれば、何らかの形で処分せざるを得ない事態が生じてまいります。しかしこういういわゆる過剰米、これはいわば予定しないものが結果としてたまたま生じたということに基づくものでありまして、これを処分する場合に、従来のようにあるいは輸出でありますとか、あるいはえさでありますとか、いろいろな形が考えられることになります。しかし、当然にそのことを予定して政府が余分の米をつくっていただき、それを集めて備蓄する、そういう考え方は私どもにはございません。農林大臣もそこまでの意味を込めて言ったのではないと思いますが、食糧庁としてはそこまでの備蓄の意味では考えておらないわけでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 事務当局からのお話は、備蓄制度をやるという考え方はない、こういうことですか。それからいま質問のようになったのですが、減反政策をやり、それに農民は応じた。そして一生懸命働いてできるだけ収穫を多くして、みずからの生活を楽にし、あるいは国民にあるいは海外の皆さんに安定的に供給をしたい、こういう意味で努力をした結晶が出た。それは田中総理さえ言っておるわけですから、そういうものについては政府が全量買い入れをするということをそこで言ったのですよ。だからそういう点については政府がやはり責任を持つべきだ、こういうふうに思うわけです。そのためには、四十万トンや五十万トンのことでありますから、備蓄をして、海外的な問題等についても十分備えていく、こういうことが私は必要だと思いますが、政策的に政務次官はどう思われますか。

中尾栄一自由民主党農林政務次官

○中尾説明員 基本的にはその点に対して私も同感でございます。むしろ米がなくなっていく悩みよりは余る悩みのほうがよほどよろしい、そういう観点で考えますと、いまからフィリッピンであるとかあるいはまたタイ国、ビルマ、インドネシア、各ところから米の要求が昨年来続いております。そういう意味で、米外交というとおかしな表現でございますけれども、ときに足らざるものをむしろそういう点で補っていくという形は、少なくとも中進国から先進国に向かっておる日本としては当然の義務にもなろうかと考えておりますので、政策としては私は賛成でございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 非常によくわかるように答弁いただきましたが、そうすると、政府が責任をもって買い入れる。足らざるよりも余ったほうがむしろ政策的には当然だということでありますから、政府が責任をもって買い上げるということになれば、これは米価の格差がつかないということになるわけです。したがって、いま政務次官から御答弁いただきましたし、時間がもう来たようでありますから、私は特に強くお願いをしておきますが、備蓄制度は政府の責任においてやるということでありますから、米価は同じ値段で買い入れるのが政府の責任として当然だと私は考えております。したがって、そのような方向で処置をしていただきたい、こういうことを強く訴えておきます。  それから、あと五分間程度お願いをしたいと思いますが、この間政務次官にも電話等でお願いをしたところでありますが、大蔵省が、金利調整の関係で、資金運用部の金を、普通の融資については〇・三、特定のものについては〇・二五の利率を引き上げる、これは農業生産にも大きな影響がありますし、その他全部に上げるというような考え方を吐露しておったわけでありますが、農林省としては、農業の生産性の低いこういう現状を十分認識してもらって、ぜひこの点についてはがんばり抜く、大蔵省を説得するというようなお話を承っておりました。きょう閣議があったようでありますが、これについて、当面二十年も二十五年も償還をする土地改良資金の貸し付け金、農林漁業金融公庫から出される利息については、大蔵省の要求をけって、従来どおり、こういうふうになるというふうに私たちは要求し、承知をしておりますが、それらの点についてはどのように努力され、結果的にどのようになってきたか、こういうことが一点と、もう一つは、四十八年から米のいわゆる休耕奨励金というものが廃止されるわけでありますが、農業を見直す時代に入ってきて、具体的に農政の転換をはかっていくということが何回も議論をされました。したがって、この農政の転換のときにあたって、構造改善局長はおかわりになりましたが、休耕奨励金が廃止になって、この通年施行といいますか、圃場整備、土地改良をやる場合に、この休耕奨励金と同じように、土地の生産性を高めるためにも、これからの圃場整備は急ぐというかっこうになってきますし、十兆五千億も十年計画で組んでおるわけですから、何らかこれにかわるべき奨励金というものをつけるという話を承っておりました。四十九年度の予算にあたって、これらについては、従来どおり、名前は変わってくるかもしれませんが、農民が一生懸命に夏期施行で土地改良、圃場整備をやる、そういう姿になるような政策を当然とっていただける、とるべきだ、こういうふうに考えておりますが、それらに対する見通しと考え方を承っておきたいと思います。

内村良英農林省農林経済局長

○内村説明員 農林漁業金融公庫資金の貸し付け金利について御答弁申し上げます。  御承知のとおり、本年の十月十五日から郵便貯金の金利が上がりまして、これに伴いまして、郵便貯金の資金運用部への預託金利も〇・二五、十一月一日から引き上げられたわけでございます。その結果、資金運用部資金から各種政府関係機関へ、これには農林漁業金融公庫も入っているわけでございますが、貸し付ける資金の金利も、これに見合って十一月一日から上げられたわけでございます。そこで、そのように原資が上がりましたために、大蔵省としては、各種政府関係機関の末端借り受け者に対する金利もそれぞれ一律に〇・二五引き上げてほしいという強い要望があったわけでございまして、これについていろいろ政府の中での折衝があったわけでございます。  そこで、先ほど先生からもお話しがございましたように、農林省といたしましては、農林漁業金融公庫資金については、他の金利と連動するものは非常に少ない。これはまあ若干ございますが、ほとんど政策金利として定められているものであり、しかも、土地改良のごときものは非常に長い。それを金利情勢に合わせて一々動かすというのは非常におかしいし、農民は、土地改良の負担というようなものはまあ税金みたいなふうに思っているのだ、それを金融動向で動かすのはおかしいじゃないかということで、いろいろ折衝のあった結果、本日閣議で大蔵大臣から御報告があったわけでございますが、土地改良等の基盤整備その他構造改善等の資金につきましては、金利を据え置くということになったわけでございます。

岡安誠農林省農蚕園芸局長

○岡安説明員 土地改良の通年施行に対します措置についての御質問でございますが、農蚕園芸局の所管でございますので、私からお答えを申し上げます。  四十九年、来年度からは、私どもの考え方といたしましては、休耕奨励金は、これは打ち切りたいというふうに実は考えております。  土地改良事業をやる、通年施行する場合にどうかということでございますけれども、やはり、土地改良事業というものは、今後高能率な農業を進める場合には非常にその基盤になるわけでもございますし、また、多用途に耕地が使えるというようなことから、転作も促進されるのではあるまいかという考え方もございまして、来年度におきましても、土地改良事業通年施行をする場合には、休耕奨励金ではございませんけれども、奨励補助金の交付というものを考えたいということで、私ども、今後大蔵省とも折衝するつもりでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 終わります。

山崎平八郎自由民主党

○山崎(平)委員長代理 次に、竹内猛君。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 先般沖繩に調査に行ってまいりまして、本来沖繩の問題で十数項目にわたって質問をしたいというふうに考えておりましたが、多くの地元出身の皆さんからいろいろ質問があったので、かいつまんで、沖繩の問題については二点、それからあとは食管の問題と、それから高速道路のつくり方の問題について質問をしたいと思いますが、いずれにしても、時間があまりありませんから、できるだけ簡潔にお答えを願いたいと思います。  まず、最初に、沖繩の西表島の問題について質問をしたいと思います。  西表島は、沖繩においても第二番目の面積を持っている広い島であります。そうして、これは国有林がかなりの分野を占めておりますが、そこに現在二千五百人の人が住んでおる。そうして、それは、環境庁の指定によって、いま、国立公園になり、現在まで進められている開発がそこでストップをされておりますが、東と西を通ずる道が断たれておる。海岸も断たれておる。でありますから、東に行く者は石垣市に行って、それからまた船に乗りかえて西に行かなければならないし、西のほうは逆に行かなければならない、それから市の中に町の役場がある、こういう特殊な状態に置かれておりますけれども、そこを今度国立公園なり自然公園にするためには、ヤマネコというものがあらわれているが、これはたいへんとうといものであって、これは守らなければならない、あるいはマングローブの林があって、これも非常に珍しいものであるから守らなければならない、こういう形を環境庁としては主張されておるわけでありますけれども、これを守ることは私は反対ではありません。自然を守ることはけっこうでありますが、それを守るとするならば、この二千五百人の人間を一体どうするか。その二千五百人の人々は、現在まだ国から国有地を借りておりますが、その国有地といえども、現実にはかなりの面積がありますが、その貸借関係というものが必ずしも明確になっておらない。そういう関係があって、この国有地の利用の関係を明らかにするということと、その二千五百人の人々に本土並みの生活をどのように保障するのかという点について、これを環境庁から伺いたい。国有林のほうについては、国有林をいまどのように利用することを考えておられるかを林野庁から伺いたい。それから、沖繩開発庁については、この二千五百人の人々がいまどういう状態にあって、どうしたら一人前な生活ができるようになるのかということについての方針があるならば、それを出してもらいたい。

福田省一林野庁長官

○福田説明員 国有林の問題についての御質問に私からお答え申し上げたいと思います。   〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕  西表島の国有林は、面積にしまして二万五千ヘクタールございまして、また、ここには、本土にはないような珍しい亜熱帯性の自然植生が、比較的人為の加わらない状態で、大規模に保存されておるものでございます。また、そこには、ただいま先生のおっしゃいました、天然記念物のイリオモテヤマネコといったような動物も生息しておるわけでございます。このため、学術的な見地からも、自然保護の見地からも、適切な管理を行なう必要があるというふうに考えております。  他方、また、西表島は、林木の生育に非常に恵まれた環境にございます。雨量、気温等から見ましても、非常に適切な場所でございます。林業のほかに見るべき産業もないこの地域におきましては、住民の生活安定にとっては、森林の伐採なり、あるいは造林の事業ということは、非常に必要な役割りを果たしておるというふうに考えておるものでございます。したがいまして、この島の国有林の経営にあたっては、開発と自然保護の両者の要請を調和させた施業を行なうことが必要であるということは、先生御指摘のとおりであるというふうに私ども考えておるわけでございます。  このような観点からしまして、この国有林は、自然保護をはかるべき地域で、面積にしまして九千三百ヘクタールでございますが、これは国立公園になっております。こういう地帯と、森林の伐採、造林を行なうべき開発地域、面積にしまして九千八百ヘクタールございますが、それとに地帯の区分をいたしておるわけであります。前者は国立公園に指定されておるものでございますが、また、この開発をはかるべき地域につきましても、たとえば保護樹帯の設置等を行なって、そして計画的な施業につとめておるところでございます。これによって、住民の生活安定に必要な開発と、それから貴重な動植物の保存との調整は適正にはかることができるというふうに考えておりまして、地域の施業計画を組み直して、この両者の計画的な調整を具体的にきめてまいる考えでございます。

亀谷礼次沖繩開発庁総務局企画課長

○亀谷説明員 開発庁でございますが、西表島の開発につきましては、いま先生から御指摘がございましたように、二千五百名にのぼる住民がずっと生活をしておられるわけであります。一般的に、沖繩の振興開発にあたりましては、御案内のように、環境の保全というものを優先させながら、そういった基本的な考え方のもとに、特に西表島につきましては、計画の中でも必要な部分につきまして、国立公園としての貴重な自然資源を保全するとともに、国民の海洋性保養基地、それから学術研究の場として広く活用するということを開発計画の中にうたっておるところでございます。  西表島の国立公園の問題につきましては、したがいまして、今後、環境庁からも協議がございました場合には、以上のような基本的な方針を踏まえますとともに、先生も御案内のように、先般閣議決定がございました自然環境保全基本方針に従いまして、地域住民の生業の安定、福祉の向上についても十分配慮するよう話を詰めてまいりたいと思っております。  具体的な御指摘の一つとしまして、道路の問題が出たわけでございますが、実は、私ども開発庁としまして、復帰前から、西表島の住民生活上この道路が非常に重大な問題でございますので、縦貫道路につきましても建設をやっておったのでございますが、現在中断されております。しかしながら、道路の整備の重要性にかんがみまして、西表の島の生活、産業基盤の確立をはかる上で、先ほど先生から御指摘もあったかと思いますが、当面、われわれ開発庁の一括事業といたしまして、一周道路の完成を急いでおります。でございますので、この一周道路の完成を当面急ぐことにいたしまして、これが完成しました際には、縦貫道路等の建設の問題につきましても、なお自然環境の保全を優先させる見地から、そういう原則のもとに、地域の住民の要請等も十分勘案した上で、環境庁等とも慎重にこの問題に取り組みたい、こういうふうに考えておるわけであります。

仁賀定三環境庁自然保護局鳥獣保護課長

○仁賀説明員 西表島は、先生の御指摘のように、亜熱帯の照葉樹林におおわれておりまして、イリオモテヤマネコ、あるいはマングローブその他珍しい動植物かおります。わが国では人手のあまり入っていない、非常に珍しい自然が残っておるということでございまして、私どもといたしましては、できるだけその保護に万全を期してまいりたいと考えております。反面、ここには約二千五百人の住民が生活しておられます。そこで、これらの住民の方々の生活の向上ということは、当然考えていかねばならない問題だと思っております。つきましては、現地の調査を進めますとともに、地元の住民の方々の御意見も十分にお聞きし、また、関係官庁の御協力をいただきまして、保護と利用との調整をはかってまいりたいと考えております。  御指摘に出ました道路の問題につきましては、横断道路と海岸の道路と、二本過去に建設が進んだわけでございますが、現在は中止になっております。横断道路につきましては、土砂の流出等がございまして、下流に土砂が堆積し、あるいは川水を汚染する、そのため一部のマングローブ林が枯損をするというふうな現況もございまして、私どもといたしましては、自然保護上再検討を要するかと考えておる次第でございます。なお、海岸道路につきましては、東西を結ぶ部落間の道の必要性ということは十分わかりますので、関係機関の協力を得まして、その道路の開設の促進を希望しておるところでございます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 いまお答えをいただきましたように、自然を守るということについて反対をするものではありませんので、それは守らなければならないが、まず、何よりも、長い間島の中で生活をしてきたあの人々の生活をやはり大事にするという立場をとってほしいし、ともかく、あそこはまだまだたいへん手を入れなければならぬところであるから、特にそのことは要望しておきます。  続いて金融の問題でありますけれども、沖繩の農業の金融に関しては、いろいろ調査をしてみると、いろいろな形で、大体五千五百七十億が融資をされております。その中で、銀行が三千四百億、農林中央金庫が二百六十億という形で、圧倒的に市中銀行関係が多い。これは復帰間もないことだからやむを得ないと思いますけれども、こういう金融の形というものがこうなっておるということは、いろいろな事情からやむを得ないとしても、今後は、この金融というものを制度金融に切りかえていくために、農家と農協、そうしてその地方の金融機関との結合ができるように、今後調査をされ、農家の負担をなるべく小さくしていくような方向に努力されたい、こういうことを要望しておきたいと思います。この点は簡単でいいですから……。

内村良英農林省農林経済局長

○内村説明員 沖繩の農業金融につきましては、今後、農林中金に集まる金が極力地元に落ちると申しますか、地元で利用されるように、系統の貸し出しをふやすと同時に、さらに、インターバンクの金融を拡大するようにしたいというふうに考えております。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 今度は建設省関係にお尋ねをします。  これは、あるいは一般問題ではないかもしれないが、しかし、もしこれが一般問題であるとすれば許しがたい問題だと思うので、一般問題でないように私は願いながら質問をします。  茨城県のあるところを通る常磐高速道路の計画があります。そして、これは、現在売られている地図には、ここを通るのだということで、すでに点線で示されている。ところが、その地域の人々が、いろいろな話を聞くと、その図面とは違ったところを通るのだというようにうわさが出てきている。だから、地元の人々は、それに対して仲間をつくって、いままで家ができ、団地ができ、学校があり、農協があり、そういうところを通ってもらっては困る、図の原案のとおりにしてほしいということで、道路公団あるいは関係各機関に行くと、知らぬ存ぜぬといって、全然これは答えてくれない。ところが、これは十月十六日の全国版の毎日新聞でありますが、こういう記事が大きく出ております。知らぬ間にゴルフ場ができているということで、それには死んだ人まで署名をしておるし、反対した人までも署名がついておるのですね。三十九年になくなった人が四十八年の申請に判を押しておるという。あるいは反対した人の判が押されておるという。それは、ゴルフ場というものが、次にできるインターチェンジ、だれも知らないというインターチェンジがすでに予測をされていて、そこから五キロであるとか、何キロであるとかという形で宣伝されている。こういうかっこうになっているものだから、地元の人たちは非常に心配をして、これに対してまた請願をしてまいりました。私は、この間、十一月の六日の日に集会をして、いろいろ話を聞くと、今度はそこに道路公団が、飛行機が写真をとる標識を立てて、十二月三十一日までは手を触れるなといって、地権者に対して断わりなしにそれを立てた、こういうことになっている。新聞社はちゃんとそういうことについては予測をし、特定の人たちは、大体次のインターチェンジがきまるであろうということはわかっている。だから、前のインターチェンジと次のところを直線的に結ぶところが大体道路になるであろうということはだれだってわかることなんです。こういう問題があるのに、一体、なぜ、その地権者の人たちに相談をし、理解を得、そして、それに納得を得てやらないのか。そして、結局は、そうしたことを秘密にきめてしまって、あとは、反対をすればもう土地収用法で収用していくのだ、動かすことはできないのだというようなことは、徳川時代だってそんなことはやらない。この民主主義の時代にそういう形で権利が侵されていくということについては、これは許せない。これは農業の関係だからここでも申し上げるが、これは政務次官にも答弁を求めたいけれども、まず、建設省のこのやり方はいいか悪いか、こういうことをいままでもどこかでやっているかいないか、やっているとしたら、これは許せないことだと思う。この点について、ひとつ明確な答えをいただきたい。もし答えができなければ、大いに調査をして、こういうようなところについては、そのやり方はよくないということを明確にしてもらいたい。

山根孟建設省道路局高速国道課長

○山根説明員 ただいま御指摘の常磐自動車道でございますが、東京サイドの三郷から石岡間五十五キロメートルにつきましては、四十五年六月に整備計画が決定されておりまして、昨年六月末に路線発表をいたしまして、現在、中心ぐいを設置して、地元の方々にいろいろ工事の説明を実施しておるところでございます。  石岡から日立の間、六十八キロメートルでございますが、先生御指摘の区間はこの区間であろうと考えておるのでございますが、四十七年六月、昨年、整備計画が決定をされまして、現在、日本道路公団で、いろいろな観点から、どこに具体的な路線を設定するのがよろしいかということで、いろいろな総合的な調査をいたしておるのが実情であります。したがいまして、この石岡から北の区間につきましては、まだ路線が定まっておらないというのが現状であります。  ただ、この路線調査をいたします場合には、まず航空測量が必要でありまして、先生のお話しの航空標識につきましても、この現実の地形、地物、集落の状況、その他そういったことを把握するため、あるいは計画を設定するための調査の一環として実は行なわれたものでございます。  そこで、先ほどゴルフ場云々といったお話しがありましたが、いま申し上げましたように、まだ、いろいろな観点から検討をしている段階におきます過程でございますので、路線がきまっておりませんので、一体インターチェンジからどの程度の距離かということは一般にはわからないのでありますが、先ほど先生が御指摘のように、石岡から水戸間と申しますと、大まかな想像がつくわけでございますので、おそらく、そういったことから、想像で何キロといったようなことが出たのではなかろうかと思うのですが、これは推測でございます。  一般に、路線を具体的に設定いたします場合には、いろいろな公共施設、特に、圃場整備の問題でありますとか、文化財でありますとか、自然公園とか、その他、都市周辺になりますと都市計画、土地利用あるいは学校、病院といったような、いろいろなそういったことの関連を生じてまいりますので、非常に広範な調査をいたしまして、いろいろな観点から、高速道路の安全、防災といったことも含めまして最終的な結論を出すわけであります。その場合に、やはり関係の市町村の方々と十分御相談を申し上げまして、その結果を含めまして路線を設定をする、こういう考え方で現在まで進めてまいっておる次第であります。ただ、個々の住民の方々に直接お話しをするということになりますと、関連する市町村におきましても、やはり、それぞれ市町村の利害が相反するということもございます。同じ市町村の中でも、いろいろな利害が相反するといったこともございますので、われわれといたしましては、理事者の方々といろいろな角度から十分御相談申し上げて、将来計画その他と適合するような形で路線を設定いたしまして、それで地元におろす、こういう考え方でおります。  それから、具体的な路線が設定されましたあとは、たとえば横断構造物でありますとか、水路の切りかえとか、環境の問題でございますとか、いろいろございますので、そういった点は、住民の方々あるいは地権者の方々と十分お打ち合わせをして措置をしてまいる、こういう段取りで考えておりますので、ひとつ御了承いただきたいと思います。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 時間がないからあまり追及はしませんが、まだきまっていない、十分に話をするということでありますが、現在のところは、約三百六十名がすでに明確に意思を表示をしているわけですし、しかも、学校もあるし、農協もあるし、住宅のあるところですから、そういうところを避けていくように考慮を払ってもらいたいことをあらかじめ申し上げておきます。そうでないと、これはたいへんなことになります。そういうことをあらかじめ申し上げて、この質問について、なおその後に発展をすれば、また別な機会にやることにします。それではその点は終わります。  そこで、次には、時間がないけれども、食糧の問題でありますが、野坂委員のほうから食管法の問題についていろいろ話が出ましたけれども、現在の政府のやり方は、食管法の根幹について、どうも理解がおかしいのじゃないかという感じがするのですね。食管法というものは別なもので、それの技術的なやりとりだけが中心である。食管法というのは、一体基本的な精神は何かということについて、一ぺんこれを確認したいですね。その点について明確に答えてください。食管法とは一体何だということをずばっと言ってください。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 かつて、食管制度の根幹とは何かということがいろいろ議論になったことがございます。その当時の政府の見解といたしましては、食管制度の根幹とは、その一般的定義としては、「国民食糧ノ確保及国民経済ノ安定」という大目的――これはまあ食管法第一条に掲げてあるわけでございますが、それに沿うため必要な政府の食糧管理のあり方をいうものと考えるということでお答えしております。  なお、米管理の場合の根幹とは何かということでありますならば、それは、国民の基本的な食糧である米の必要量を確保して、国民経済の安定をはかるため、政府が米の需給及び価格を調整し、米の配給について必要な規制を行なうことであると従来申し上げてまいっております。この考え方は、いまでも変わりません。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 よくわからないですね。米はつくっておいて、全量買い上げをしていくということが一つの趣旨であるし、もう一つは、第三条、四条に関する関係で、生産者米価と消費者米価の間にかりに赤字が出た場合には、それは財政が支出をするということが基本的な根幹でしょう。どうですか、政務次官、そうじゃないですか。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 確かに、議論された段階でいろいろの御意見がございまして、全量無制限買い上げが根幹ではないかとか、本来の二重米価が根幹ではないかということもいろいろ言われたのでございますが、私どもとしては、そのようには考えておらないのでございます。先ほども根幹というところで申し上げましたが、食管法第一条の目的に、重ねて恐縮でございますが、「本法ハ国民食糧ノ確保及国民経済ノ安定ヲ図ル為食糧ヲ管理シ其ノ需給及価格ノ調整並二配給ノ統制ヲ行フコトヲ目的トス」とありまして、「国民食糧ノ確保」ということをいっております。この「確保」というのは、何のための確保かといえば、国民に安定的に食糧を供給するということで、そのことは、裏返しに言えば、供給するために必要な数量を確保するということであろうかと思います。したがいまして、当然に、この規定から、必要数量をこえて無制限に買い入れるということにはならないと思います。ただ、長い間にわたって、米の供給というものは、需要に対し不足しておったということから、むしろ、ある時期は、非常に強権的な、公権力を行使して米を集めたという実績はございます。しかし、そのことが当然に制度的、法律的に無制限買い入れを目的とした、意味したというものではないということでございます。  それから、これは二重価格が根幹ではないかということでございますが、現在、確かに、売り渡し価格と政府買い上げ価格との間には逆ざや関係が生じております。しかし、これは、食管法の規定に基づきまして、政府買い入れ価格は米麦の――これはまあ麦も一緒てございますが、再生産の確保を旨として、それからまた、政府売り渡し価格は消費者の家計の安定を旨として、それぞれ定めることとなっております。それぞれ定められてまいりました過去の結果が、今日のそれぞれの価格となって、大幅な逆ざやとなっておりますが、これはまさに結果としてそうなったのでございまして、初めから逆ざやを予定した二重価格制という制度があるわけではございません。ただ、いまの実態を、これを名づけて何と言うか、いろいろの呼び方があろうかと思いますが、そういう価格自体が二重価格ではないかというような表現をされるならば、それはそういうことばの使い方もあろうかとは存じます。  それから、そういう逆ざや関係、言われる二重米価、二重価格というものが許されるべきかどうかというような議論になりますというと、やはり、米は物でございます。経済物として、それなりの価値を持つ。それの物の値段につきましては、やはり、それなりの本来的な価値がある以上、買い入れ価格と売し渡し価格との間にあまり大きな逆ざやがあるということは不自然でもあると思っております。そのことが実際に起こるか起こらないかという御議論はございますが、不正逆流をも制度的には認めるというような価格体系にもなりますし、また、これは制度論というよりは財政論になりますが、財政負担の観点から、食糧管理の健全な運営を妨げるというようなこともありまして、私どもは、あまり大幅な逆ざやは妥当でないというふうに考えております。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 もう時間がなくなってしまったのですけれども、あと五分だけ伺いたい。  この食管の問題をやると、一日ぐらい議論しなくちゃほんとうは議論が尽きないわけですけれども、もう一点だけ私は明確に答えをもらいたいのは、いまの三条、四条の形で、いまのところ二重価格が出ていますが、これは生産者にとっての部分と、それから消費者の部分とあって、われわれは、これは一つの社会政策的なものであり、社会保障の肩がわりだというような解釈をしている。物価の上昇する中でそういうふうに解釈をしているわけであって、このごろ、中野長官は、食糧庁の赤字が出て、どうも農林省の廊下を風を切って歩けない、小さな顔をしなければ歩けないというようなことを言っておるようで、食糧庁は何か赤字ばかり出していて、ほかを圧迫しているのだというようなことを言われるけれども、これはそういう形ではなくて、そのものの考え方というのは、やはりそういうふうに考えていいのじゃないか。それから、財政法か、あるいは法律のどこかに、食糧庁の赤字は、これまでは出してもいいけれども、これ以上出したらいかぬのだという法律が一体ありますか。私は、寡聞にしてそういう法律は知らないのだが、あるとしたら教えてもらいたい。どこまでならいいけれども、どこまでならいかぬのだ、だから、したがって、たとえば一八、九%と言ってみたが、今度は一〇%くらい上げる、あるいは五〇%上げるというのを三十何%でいいのじゃないかという、そういうようなことは、すべて何か一つの基準があってそういうことを言っていると思うのですが、それは何が基準なのか。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 後段のほうからお答えいたしますが、財政法とか会計法に、食管繰り入れの額はこれこれをもって限度とするというような、そういう規定は全くございません。まさに、予算の問題でございます。  それから、そういう食管の赤字は、社会保障的な費用として処理したほうがいいじゃないかというような御質問のように承りましたが、確かに、消費者の家計の安定をはかることを旨として定めた価格で政府が配給を行なうことにしておりまして、さらに、生産者に対しては、米の再生産を確保することを旨とした価格で買い入れを行なっているわけでございます。そのことが農家の安定にも資する、消費者と農家の双方の安定に資するという意味では、食管制度に、実際に社会政策的な役割り、側面がないとは言えません。しかし、制度本来の性格からは、その社会福祉的な機能にはおのずから限度があると考えられます。  それから、何度も繰り返して申し上げることでございますが、物を扱って売買する価格というものがある以上、その価格は、物の値段としての筋があるわけでございまして、価格に社会政策的な特別の意味を持たせることは、正常な体係をゆがめるようなことになって、適当ではないというふうに考えております。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 農林省は、いままで、食糧管理制度というものが非常にじゃま者のようになってきて、何とかしてこれをくずそう、くずそうとして努力をされてきた。守るための努力よりも、これをいろいろな形でくずすために骨を折ってきたような感じが私はする。そうして、いまになって、国際的に食糧がまた不足してくると、今度は減反をやめ、休耕をやめ、いろいろな形で米をつくる形について奨励をしてくるという、こういう行き方をしている。米をつくる農家というものは、あれだけ長い間、米の品質改良や、土地改良や、いろいろなものについて一緒に研究をして努力してきて、そして、年じゅう中央のそれによっていじくられている。ほんとうに落ちつきがない。米にいままで費やしてきた研究費なりいろいろな費用というものは、ばく大なものになる。その米をまたここでくずしてしまっていくということについては、非常に許せないことだと思うし、特に、今度の場合、減反をし、休耕をして、休耕をやめてまたもとへ返そうという。そうすると、今度は、その返す金は、農家自体が負担をするのか、あるいは借金をするのか、国が持つのか。当然これは国の政策としてやったことなんだから、おまえら休耕の奨励金もらったんだから、それでやれと言う。それはいかぬ。こういうもりについては当然国が持つべきものである。また、限度米というものについては、これは限度米だから、その米は特別の価格で買う。一体何を基準にしてそういう価格がきまるのか。やはり、米は、さっきも野坂委員も言ったように、当然これは備蓄をし、将来食糧の不安のないようにしていくのが食糧庁の姿勢じゃないかというふうに考えるわけですけれども、これについては一体どういうように考えられ、どういうようにとらえられておるのか、伺いたい。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 農林省としては、食管制度をなしくずしにこわしていこうというような考えは全く持っておりません。ただ、時代の進展に応じて、一番端的には米の需給の変化ということでございましょうか、そういった新しい情勢を踏まえながら、その事態に即した運用をはかっていくということを考え、それを実施してまいったわけでございます。  それから、いまのお尋ねの中で、余り米とはおっしゃいませんでしたが、限度数量をこえる米、こういつたものが出た場合に、これを通常の買い入れ価格よりも低い価格で買い入れること、それは食管法のどこから出てくるのかというお尋ねでありますが、食管法自体は、先ほど私が御説明申し上げましたように、第一条の目的に従って、国民食糧の必要量を確保するために、第三条でもって米穀の買い上げの規定を置いております。「米穀ノ生産者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ生産シタル米穀ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノヲ政府二売渡スベシ」となっております。この命令でもって定めるときに、どれだけの範囲のものを定めるかといえば、それは、まさに必要量でございます。その必要量のものについて、これを政府に売り渡すべきだということで、政府が命令をかける以上は、その価格は、まさにこの三条価格ということで、生産費・所得補償方式によってきめられてまいるわけでございます。ただ、必要量をこえる米ということになりますと、これは、食管法のこの規定からではなくて、全体的、一般的な運用の中でもって、いわば任意の相対で、食糧管理の一環として買い入れるという形になるわけでございます。直接三条価格ではないということで、価格は相対のものとなるということでございます。法律的な性格はそういうことでございます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 委員長、もう時間がたいへん過ぎたので、私はこれは了解をしないが、了解をしないまま、あとで、いずれ別な機会において徹底的に議論をするということを申し添えて、終わります。

佐々木義武自由民主党

○佐々木委員長 次は、津川武一君。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 まず、経済企画庁ですが、けさ、私は、企画庁長官を要求しました。ところが自民党を通じて、長官はどうしても出られない事情があるから、そのかわり要求する局長をよこすということであったのですが、その局長もこない。こういうことなので経済企画庁の来ている人に、なぜこういうことになったのか、最初にその説明を願います。

有松晃経済企画庁長官官房参事官

○有松説明員 お答え申し上げます。  経済企画庁といたしましては、当初、農林省のほうから示されました原案はかなり高い引き上げの率であったわけでございますけれども、物価に及ぼす影響等を考えまして……。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 なぜ長官が来れなかったか。また、長官が来れないから要求する局長をよこすと言っていながら、その局長がなぜ来れないのか。いまのそういう返事ではだめだから、経済企画庁長官から正式な答弁を後刻私のところに持ってきてください。あなたはよろしいです。

有松晃経済企画庁長官官房参事官

○有松説明員 はい、わかりました。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 標準価格米として、農林省は、今度の米審にも、資料として、銘柄米を除く一ないし四等米をもって充てるとして、現行価格千六百円を二百二十円上げて、千八百二十円にしようとしていますが、いま、実際にはどんな標準米が売られていると思っておりますか。市販の標準価格米の内容について説明していただきたいのです。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 標準価格米は、物統令の適用廃止との関連で、いわば、その身返りの措置として設けられたものでございます。これが恒久的なものであるかどうかというような議論はいろいろございますが、現実にこれが定着してきつつあるという事情はございます。  そこで、その標準価格米としてどんなものが売られているかということでございますが、ただいま御指摘がありましたように、一等から四等までの非銘柄を標準価格米の原料として、政府はこれを売っているわけでございます。この米を原料として搗精された精米が、標準価格米として店頭で売られているという実態にあると認識いたしております。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 それは、書いてあるから、私も覚えております。質問は、実際に標準価格米として国民に届けられている米の内容、これを御存じでございますか、ということです。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 一-四等の非銘柄の原料米で搗精された精米ということで、先生のおっしゃる意味は、それ以上の何か特別な内容ということでございましょうか。私はそういうふうに理解したのでございますが……。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 いいです。そういう食糧庁の認識、これはとんでもないことだと私は思うのです。実際に配給されているものを見ますと、これが山種米穀株式会社米穀部から小売り商に出しておる売り渡し書ですが、内地米の数量として、四十八年産銘柄二〇%、四十七年産銘柄一五%これで合せて三五%、これが自主流通米として売られていくやつです。非銘柄米二七%、これは四十八年産、四十七年産の非銘柄米二八%、減Iの青森、これが四十七、八年で一一%、北海道米は、四十七年産で一一%、こうなっております。つまり、いま食糧庁が言った標準価格米として売られるべきものが六五%、自主流通米として売られるべきものが三五%、このほかに、いまあげた米の大体一〇%に当たる特用上米が配給されている。  これを実際に小売商はどんな形で配給しているかといいますと、先般来私は調べてみましたが、非常に良心的な小売商ですが、この方は、六五%非銘柄米を渡されて、一〇%近い標準特用上米を回されて、四〇%標準価格米を売っております。そうすると、六五%渡されて、四〇%売っているから、二五%は標準価格米でないものとして出ております。内地米ないし自主流通米、ここのところに問題がある。  そこで、実際の標準価格米ですが、一〇%渡されておる徳用上米の若干が標準価格米に入って、北海道のII減の一一%が入って、青森のI減の一一%が入って、そして今度は四十七年産の非銘柄米の一六%が入って、四十八年産の非銘柄が若干入っている。これが実際の標準価格米。そのために、標準価格米を買っておる人が、千六百円払って、価格に値しない米をどれほど食わされているかわからない。この実情を覚えているかどうか、重ねてお伺いします。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 いま先生のおっしゃられた比率は、全部はちょっとメモができなかったので、正確に一つ一つは記憶できなかったわけでございますけれども、全体の数量として、標準価格米として――山種とおっしゃいましたか、そこから売られている数量の割合が六五%、銘柄米が、あるいは自主流通米というものが三五%というお話しでございましたが、そのお店のある時期にそういうようなパーセントの米が売られておったのか。せっかくの御調査でありますから、そうだと思いますが、全国的に売られている割合で私ども見ますと……。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 いや、いいです。書類を差し上げます。だから、実際にと言ったでしょう。実際にいまどんな米を食べさせられているかということで……。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 はい。一つ申し上げたいのでございますが、先生の資料は後ほどちょうだいして、さらに勉強さしていただきますが、ただ、いまのお話しの中で、私、一-四等の非銘柄米と申し上げたわけですが、その非銘柄米の中には減額Iの青森の米も、これは黒石を除きますけれども、それから減額IIの北海道の米も含まれるわけでございます。ただ、正常でないのは徳用上米、その原料米が、これは五等の米でございますが、標準価格米として売られているということがあれば、これはまさにいわゆる格上げでございまして、これは正規のものではないというふうに考えます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 農林次官、この米審に出した資料、「米穀の政府売渡価格の改定内容」というのをちょっと見てください。次官に渡してください。――持っていますか、次官。その二ページ、上から二行目の「標準価格米」の、「従来どおり銘柄米を除く一-四等米をもって標準価格米原料にあてることとし、」というのが米審に対するおたくの説明です。いまの総務部長の説明は、うそをついているわけですか。青森の減II、I、北海道の減IIも「標準価格米原料にあてる」という、これは次官、どうなんですか。皆さんがきょうわれわれに配ったのは、これはうそですか。

中尾栄一自由民主党農林政務次官

○中尾説明員 総務部長の答えた方向のとおりかと、私どもは解釈しております。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 これは、いまは論争しません。後刻正確に文書をもってこの委員会に出していただきたい。それも、米審がきまる前に出してもらいたい。  こういううそをついたものは、これは、実際に標準価格米がこれだと、減青森のIが、減北海道のIIが入らないことになる。そういう点が一つ。  次の質問ですが、こういう形で標準価格米から回されたものが、内地米もしくは自主流通米の銘柄米として、二千二百円、二千四百円、二千六百円、二千七百円のほうに入って、高い米を買わされておる人たちも、その値段に合わない悪い米を持たされておる。これが現状ですが、こういう事実を食糧庁は御存じでございますか。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 その前に、諮問の改定内容の二ページで、標準価格米のこの定義で、減額Iあるいは減額IIの米が含まれていないじゃないかという御指摘でございましたが、北海道米にいたしましても、青森米にいたしましても、それぞれ等級はあるわけでございます。それは一-四等米であって銘柄米でなければ、これはやはり、ここにいう「銘柄米を除く一-四等米」に含まれるわけでございますので、売り渡し価格において、減額Iあるいは減額IIの価格で売ってはおりますが、標準価格米であることには違いないわけでございます。書面をもってということでございますが、もし、いまの説明でおわかりいただけるのでしたら、それでお許し願いたいと存じます。  それから、実質に合わない、よくない米を消費者は食べさせられているのではないかという御指摘でございますが、私、率直に、数多い米屋さんの中には、そういう格上げをやって不当な利得を得ているものがないとは言えないと思います。そういったものを防止するために、巡回指導とか監察などをいろいろ行なっているわけでございますが、それでも、数多くの中には何がしか出てくると思うわけでございます。全体の傾向でもって私どもが大局的に見ておるところでは、四十八米穀年度に、政府米のうち非銘柄米が……。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 実際にこういう事実があるのを知っているかと聞いているのです。正直に答えてください。知っていれば知っているでよろしい。知らなければ知らないでよろしい。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 個別的事例を具体的にということではございませんが、一般的にそういうことがあったという話、それから、また、あり得るということは承知いたしております。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 そこで、実際の小売り店で、標準価格米がありますと看板はかけておりますけれども、いま行ったときは、ない。したがって、その人は、実際に月間を通じて何も標準価格米を売っていないわけです。そういう形で断わっている。いまは切れていますと、ね。  それから、五%ぐらいしか標準価格米を売っていない店が実際にあったわけですが、これは御存じでございますか。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 私どもが調査したところでは、全国の小売り店の調査で、九七%は標準価格米を何らかの形で置いておった、三%ははっきり置いてなかった店があったという調査結果が出ております。  それから、その店の売却量の中で五%程度しか標準価格米を売ってなかったという店は、担当者に聞きましたが、いまのところ、ここでは個別に承知いたしておりませんけれども、置いてなかった店もあったということからすれば、あり得たことと存じます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 そこで、〇%もしくは五%という標準価格米のうちにも、いま山種のこの書類にあるように、非銘柄米が配給されているわけです。その配給されておる米がどこへ流れていると思っておりますか。これは調べたことがありますか。三%あったというが、どこへ流れていますか。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 それは、個別に調べても、全体の傾向から推定しても、ほぼ似たようなことになるのかと思いますが、私どもの売却量と、それから別途の消費者の家計のほうから調査したところの、それぞれの消費者が標準価格米としてどれだけのものを購入しているかという調査、それとのギャップを見れば、一応のところがつかめるというふうに思っております。その実績を見ますと、私どもの売却量は、全体の流通量の中で四五%に相当するものを非銘柄米として売却しているわけでございます。これは全国平均でございます。それに対しまして、個別にそういう家計を調べました平均は、おおむね三五・六%ということになっておりまして、一〇%程度がいわゆる格上げになっているというのではないかと推定されるわけでございます。  ちょっと申し落としましたが、実は、私どもは、標準価格米が完全に行き渡るようにするためには、必要な数量ぎりぎりでは標準価格米を円滑に供給し得ない。ですから、そこに若干のアローアンスといいますか、実際に確保するために必要な余分というものはある程度要るのではないかというふうに考えております。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 そこで、標準価格米からのがれた米はどこに行っているかというと、加工場に行っています。大衆食堂に行っています。大会社の寮に行っています。   〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕 しかも、それには徳用米も入っている。こういう形で、一番米を食う、働く国民のところにはまずい米が届いておる。それに対して、あなたたちの対策は、不足だといかぬから四五%もあるのに、三五%しか実際に行ってない、だから、余っているのはいいのだ、それでもっとやろうというのだ、標準価格米をもっと潤沢にしておけばだいじょうぶだ、こういうことなんだな。  そこで、実際にこの原因は三つあるのです。一つは、昨年の四月、米を物統令の対象からはずしたために、二つ目には、昨年の十月、消費者米価を七・五%上げたために、三つ目には、標準価格米を売ったのではもうからないような消費機構、流通機構にあるために、つまりもっと端的に言うと、小売り商人のマージンがたったの七・六%であること、こういうところに決定的な問題があるわけです。そういう点で非常に大きな問題があるのです。この問題を食糧庁はどう見ているかというのです。昭和四十八年二月七日にあなたたちから出た「四八食糧第二二五号」には何と書いてあるか。食糧庁長官が、「昨年四月消費者米価の物価統制令適用除外に関連して、小売販売業者の大巾な新規参入が行われ、その後の消費者米価の安定と消費者の利便に資する効果はあった」とうたつているのですよ。だから、問題の解決は認識なんだな。  そこで、内地米なり自主流通米が、昨年の四月米が物統令の対象からはずれて、昨年の十月一日から消費者米価が七・五%上がったために、どのくらいに上がっておりますか。お答えください。時間が迫っていますから、私から話しますよ。千九百円の自主流通米が二千二百円、二千四百円、二千六百円、二千七百円、いま二千八百円のものもあります。昨日は、米審の中に四千円の米が出されております。こういうことなんです。  そこで、問題は、どうすればよろしいかということになりますが、ひとつ、小売り商のマージンのことを問題にしてみましょう。小売り商の人が、ほんとうにまじめな人が、安くておいしい米を安定的に国民に届けたい、どうか、私に、標準価格米だけ扱って生活ができるようにさしてくださいという願いをしているのです。そこで、どのくらいやればいけるだろう、また、能力はどうかというと、十俵だ。十俵やると、買ってくる原料が七万七千五百七十四円。これをいまの法規どおり売ると八万四千八百円、残り七千二百二十六円。この中で、税務署が一四%だけ純所得と見る。そうなってくると一日千二百円。とてもとても食べられない。だから、勢い、標準甲、徳用甲を自主流通米にまぜて四〇%、あと、そういう形で内地米なり自主流通米を売らなければならなくなる。内地米をやると一四%、自主流通米をやると、よければ二〇%、これで食わざるを得ない。このまじめな小売り商の人たちを、ほんとうに国民に密着して流通機構に携わさせていくとすれば、いまのマージンがだめなんです。このことを御存じでございますか。いまのマージンでやっていけないことを。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 たいへん専門的に詳しいことを御分析でおそれ入るのでございますが、確かに、物統令の適用廃止後、政府の買い入れ価格を上げたというようなこと、さらには、引き続いて昨年政府の売り渡し価格も上げたということ、さらには、標準価格米だけを売っているのではもうけが少ないということ、そのとおりであろうと思います。そういったことは私どもも認識しておりまして、今回、売り渡し価格を改定し、標準価格米の指導価格もそれに伴って改定するという機会に、それらの制度的な対策面もあわせ、それから、小売りのマージンの問題もあわせて、個別具体的に――個別といいますのは、マージンというのは、むしろ地域別の問題でもありますので、解決してまいりたいと思っております。  なお、いまのマージンでもって営業が成り立っていくだろうかというお尋ねでございますが、率直に申し上げまして、それだけではなかなかむずかしいにしても、総合的に全体的な米屋の経営として考えればということが一つ、私は、条件として入ると思います。現在、標準価格米の小売り販売マージンは、精米十キログラム当たり百二十三円としております。これは、御指摘のとおり、標準価格米の価格千五百九十円に対しては七・七%でございます。平均的規模のもの、それから想定される必要最小限の経費、これを織り込んで算定しているのでございますが、ほかの商品とは違いまして、販路とか販売数量、それから価格も安定しているというようなこともありますし、それから、もうすでに御指摘の内容それ自体でございますが、自主流通米といったものの取り扱い等もあわせてやっておるわけでございますので、一般的にはきついながらも、おおむね採算がとれているのではないかと考えられます。しかし、地域によっては、標準価格米向けの原料米だけしか売らない地域もあるが、これは売らないというよりは、あるいは売れないと言ったほうが正しいのかもしれません。あるいは、経費これは、そういう原料米の構成なり、経費なり、あるいは消費者の対応なり、そういった事情に著しい差もあるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、標準価格米のマージンだけで、すべての小売り店が企業として採算がとれていると考えるのには若干の無理があろうかと、率直に認めざるを得ません。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 そこで、食糧庁も、あの標準価格米を扱うときの小売り商のマージンを上げなければならぬが、上げるつもりなんですか。そこのところを端的に答えていただければよろしい。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 いま申し上げましたような事情がだんだん累積してまいっておりますし、ことに、最近、物価、賃金の上昇が激しく、米の販売業者も強くこの影響を受けております。それらの実情にかんがみまして、地域ごとの実態を考慮して、これを是正するよう検討しているところでございます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 上がると解釈してよろしゅうございますか。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 よろしゅうございます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 そこで、もう一回お尋ねするが、山種米穀商、これで一カ月自主流通米が三五%なんです。非銘柄、それは減I、IIも入れて六五%なんです。これをこのまままっとうに売ろうとすれば、六五%が標準価格米なんです。この、受けた人に正直に売らせていただきたいということになってくると、このくらいやれるようなマージンの値上げをしなければいかぬと思うのですが、これは考えますか。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 日本全体、それから地域全体を考えますというと、一米穀商、卸売り商人が売っております割合が、そのまま、政府が全部に売る比率とは必ずしも適合しない。それから、いまの御指摘は東京の卸売りの話でございますが、東京全体としても、一般的には、それほど非銘柄米の割合は多くないはずでございます。しかし、いずれにしましても、相当に非銘柄米がある。それに相応して、そのまま正当な経営が成り立つようにマージンを見てはどうか、そういうことはできないかというお尋ねでありますが、実は、マージンそのものは、政府売り渡し価格なり、指導価格なり、さらにはいろいろ財政面の問題もあります。さらに、地域の事情というものは個別に違っております。そういった問題を全体として一つのワクの中で見てまいらなければならないという事情がありますので、端的にいまのことをそのまま――これはどの程度かという話になると思うのですが、一〇〇%実現し得るかどうかということについては、もう少し検討させていただきたいと思います。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 農林次官、ほんとうにあなたたちが企図したとおりやると、標準価格米もおいしくなる。ところが、マージンがこの状態だから、消費者のほうからはまずいといって文句がくる。そこで、自主流通米に移る。そこで、今度は、新規加入者が入ってきて、新規加入者が、お客さんがほしいから、そこでまた一時サービスする。またもとへ戻す。それでますますまずい米で、ますます米が高くなるということになっていく。この体制をしくならば、かなり消費者米価は下がります。  そこで、食糧庁として、農林省として、こういう標準価格米を売る人たちの営業が成り立つようにしてやると、値段に相応して、ほんとうにいい米が出ていく。したがって、全体が下がるが、次官、この点はいかがでございますか。やってみませんか。やるべきが当然なんだけれども、いかがでございますか。

中尾栄一自由民主党農林政務次官

○中尾説明員 先生の御商売はお医さんと聞いておりましたけれども、お米屋さん以上にお詳しいので、ほんとうに驚きました。ある意味においては非常に勉強になりましたし、喜んで勉強させていただきたいと思っております。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 次官、私は、ほめていただいても、何にもうれしくないのです。次官が、私が言ったみたいにきちんとやらせると言うならば、私は非常にうれしいのだが、いかがでございますか。

中尾栄一自由民主党農林政務次官

○中尾説明員 さっそく事務当局に検討させるつもりでございます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 そうすると、六五%の非銘柄米であるという実態に即する検討をするのか。いかがでございますか。

中尾栄一自由民主党農林政務次官

○中尾説明員 まだ非常に短時間の討議でございますから、まだ、実態的なものにそれほど私どもも触れているわけではございませんので、十分これは検討いたしまして、先生からも、さらにまた、この委員会以外にも御鞭撻、御指導を賜わりまして、そして、これは事務当局にさっそく検討の段階に入らせたいと思っております。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 私は、鞭撻も何も要りませんが、きのう、六日、櫻内農林大臣とこの話をしていたのですが、私の見たところ、ほんとうにこの人たちはまじめなんだ。この人たちは、四〇%だからこれは罰せられない、五%の人はみなさんからしかられるというわけだ。大臣が、食糧庁が、この人たちをしからない絶対の条件があるならば、私と一緒に調査することができる。調査する。ただし、調査に行ったときには、この四〇%を売っている人はいいですが、〇%、五%の人は、これはみなさんにやられるんだ。名前を出せっていうんだ。さっきも言っているんだから……。そこで、そういう絶対的にしないという条件があるならば、私は二時間だけこの人たちと一緒に仕事をしたいが、食糧庁は、私と一緒にこういう条件で調査する気概があるかどうか、これをひとつ答えていただきたい。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 先生のお気持ちは非常によくわかります。ただ、先生と一緒にすぐ直接に行って調査をするかどうかということになりますと、そういうことは特定の人だけとというわけにもなかなかまいらない事情もありますので、その店なり地域なりを具体的に御指摘いただければ、私どもの調査の行き届かないところもあろうかと思いますので、その点については、さっそく私どもの手で調査いたします。  それからなお一つ言わせていただきたいのでございますが、先生が、先ほどから、非銘柄米をいろいろ実質以上に高く売っているから米がまずくなる、まずくなるということをおっしゃられたわけでございますが、非銘柄米といえども、いま、米全体の水準としてはたいへんよくなっております。ですから、全体の上では、米の味はむしろよくなっているということをひとつ御認識いただきたいと思います。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 私のところは、問題の青森一のレイメイ、これが非常においしいのですが、この点は後刻別な場でやります。  そこで、政務次官、問題の解釈は、上げないことと、もう一回物統令の対象に米を返すことと、三つ目には、この小売り商の生活を、マージンを十分保証すること、この三つなんです。そこで、いま国民が一番困っている問題は、物価が高いことで、あなたが何回も答えているように、国政上の一番大きな問題は、物価を下げることです。とすれば、あなたが先ほどからるる言っているように、いま、田中内閣に、櫻内農林大臣に、小坂経済企画庁長官に、御自分の手で、物価を安定させて、国民を喜ばせることのできる能力を具体的に持っている。ここにちゃんとそれを握っているのである。消費者米価を押えるということ、これは、あなたたちがその気になればできる。現に、今度の一三・八%で、三千何ぼ上がるわけですが、三分の二国が持って、二千何ぼ国が持って、一俵で千何ぼというものを消費者に負担させる。この千何ぼというのを切ればいいのですよ。三分の二、二千何ぼで出したんだ。これがあなたたちの手でいま実際にできる一つです。米を物統令の対象に戻すことだって、あなたたちがやろうと思えばできることです。いま、小売り商のマージンを上げるということは言ってくれた。これはできることだから、できる。したがって、今度の消費者米価は、いままだ諮問してもめているそうですが、すみやかに次官が行って、これを撤回してきて、上げさせないことと、四月から、あの物統令の対象からはずした米をもう一回物統令の対象に返すことですね。この二つを次官に答えていただいて、私は、だいぶ時間が超過しましたから質問を終わりますが、次官、いかがですか。

中尾栄一自由民主党農林政務次官

○中尾説明員 先生の、非常に参考になる話を存分に聞かしていただきまして、ほんとうにありがとうございました。  物統令の問題は、これはまた別にいたしまして、とにもかくにも、先生から御教授賜わりました問題点を、さっそく事務局に存分に検討させまして、そして、また、お知恵もお力もおかりいたしまして、この問題にさっそく取り組んでみたいと考えております。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 次官、私は、参考に申し述べているんじゃないのです。国民の命と暮らしを守るため、に国政としてあなたたちに要求しているのです。それを参考として受け取るのじゃなくして、国民の要求として受け取って検討するということ、このことの気がまえをもう一回答えていただいて、終わります。

中尾栄一自由民主党農林政務次官

○中尾説明員 先ほどから決意のほどを申し述べておるわけでございます。同じでございます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 終わります。

山崎平八郎自由民主党

○山崎(平)委員長代理 次に、中川利三郎君。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 けさの読売新聞でありますが見ますと、昨日の「食管制度を守る連絡会議」との団体交渉で、食糧庁長官が、「四十八年産米が大豊作となったことから「余り米が発生すれば、生産者米価に二段米価を導入するのは当然と考えている」と語った。」と書いてあるが、その、「当然と考えている」という感覚が、はたして政府の公式な考え方なのかどうか、この際次官からお伺いしておきたいと思います。余り米の二段米価が当然だというふうに言っているわけですね。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 先ほども御質問にお答えしたのでございますが、現在定めている政府の買い入れ価格は、食管法第三条第一項に基づく買い入れ価格でございます。(中川(利)委員「そんなことを聞いているのじゃないよ。当然だという考え方がどうだということを言っているのです」と呼ぶ)ですから、三条に基づく価格は義務買い入れでございまして、まさに、三条の規定に従って、生産費所得補償方式というような考え方に基づいて算定してきめております。  それから、余り米については、買うか買わないかという議論は別でありますが、先生の御議論は、かりに買うとした場合、その価格はどうか、それから、それは通常の三条買い入れより安く買うということが当然かどうかというお話でございますが、これは、いまの段階で、私ども、買うときめているわけでもございませんのに価格のことを云々するのはおかしいのだと思いますが、ただ、お尋ねでございますから申し上げますならば、三条の価格とは別なものであるということでございます。かりに買うとした場合でも、それは、その三条の価格とは別のものであります。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 三条の価格と別のものだというのは、政府のきめ方であって、農民の責任によらないものなんですね。農民は、一生懸命に汗を流して米をつくったのですよ。農民は、余り米も差別なしに買ってくれということを言っているのです。だから、これは政府の都合によるものだということなら理解できますけれども、農民やら生産者の責任でないものを、あなた方の都合によってそうするということなんでしょう。それを、二段米価は当然なんだという言い方、感覚を押しつけるということは一体どうか、こういうことを聞いているのです。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 余り米、正しくは予約限度超過米と言うべきでございましょうか、それにつきましては、この取り扱いについて、元の農林大臣倉石さんと宮脇全中会長との間の話し合いができておりまして、これは極力生産者において販売をし、販売して、なおかつ、生産者の責任でなく売れ残ったものについては、その時点で相談するということを言っておるわけでございます。これが具体的にはどういうことになるかということにつきましては、いまの段階では、私ども、余り米の数量が、全体として最終的にどれだけになるかという見定めもまだついておりません。それから、必ずしもそれほど多くないのではないかというような観測もなされております。さらに、昨年も余り米がございましたが、二十四万トンほど、それ自体自主流通と同じルートで売られて、政府買い入れにはならないで済んだという実績もございます。そこで、できるだけ売っていただくということにして、農業団体等ともいまいろいろお話し合いをしておるところでございます。まさに、売れ残って、それをどうするかというときに価格の問題は議論になるかと思いますが、ただ、そのことがけしからぬとかなんとかと御批判は受けるのでございましょうが、私ども、やはり、生産調整をやって、それから必要限度数量というものを設けた趣旨からすれば、それを根底からくずすようなことにもなりかねないということで、価格の点については十分慎重に扱いたいと考えております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 だから、生産者が汗水たらしてつくった米を、いまそういうふうに差別した値段で買い入れるということになりますと、農民は売らないから、どこに行くかというと、やみ米になるのだ。そして、そういうものがだぶつくということになると、丸紅の買い占めをまた再び奨励するようなことになる。あれはモチ米ですが、今度は、ウルチのこういう米まで手を伸ばしかねないような状況を政府がつくってやるということだと思うのです。こういうやり方について、私はこれを論議するのが本意でないので、これは厳重に指摘しておきたいと思います。  それから、単純休耕の腹元補償の問題について、これでも申し上げたいのは、来年から奨励金がなくなるといって、その理由は、いままでの休耕奨励金に対して、管理費は含んでおるものと理解するから要らないのだ、やめるのだと、こういう言い方なわけですね。ところが、現実を見てものを言えば、いま、米産県の青森であれ、秋田であれ、これはもう復元しなければならないということから、それぞれ所要の助成なんかしてきているわけですね。ところが、また、御承知のように、全国都道府県の議会の議長会でも、十月十一日に政府に要望決議を出している。つまり、農民がみずからたんぼを復旧するといったってなかなかできないのだということで、こういう現実から出発すれば、政府のそのような管理費がこの前やった中に含まれておったなんということは通用しないと思うのです。これはへ理屈だと思うのです。そういう点で、単純休耕だから、もう来年からやめだということではなくて、この農地を復元させるために政府が何らかの誘導施策を講ずべきであると私は考えますが、これに対する考えがないかどうか、お伺いします。

岡安誠農林省農蚕園芸局長

○岡安説明員 休耕田の復旧につきまして、国が何か助成する考えがないかという御質問でございますけれども、先ほど来御論議がありましたように、米につきましては、潜在的な過剰生産のおそれというものはまだあるわけでございます。政府は、来年度も、休耕奨励金は出しませんけれども、転作は大いに奨励をいたしたいというふうに考えているわけでございますので、休耕田はなるべくならば転作のほうに持っていっていただく。そのためにはいろいろ政府として助成措置は考えますが、休耕が、米をつくるために戻るというための助成はなかなか困難だというように考えております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 つまり、政府の考え方は、いままで国会で答弁してきたようにことしまで出された休耕奨励金の中には管理費が含まれておるから、来年から奨励金が出なくても、当然自分の力でたんぼを起こせるんだという理解で説明してきたわけですが、ほんとうの腹は、いまおっしゃったように、これ以上米をつくってもらっては困るんだということが本音だということと理解してよろしいんですね。

岡安誠農林省農蚕園芸局長

○岡安説明員 説明といたしましては、やはり、先生がおっしゃったとおり、休耕奨励金の中には管理費に相当する部分も含まれておると私どもは考えております。ただ、今後の問題といたしまして、米が過剰ぎみであるということの基調はやはり変わっておらないものですから、転作を奨励する時期に、米に復帰する水田にそのための助成をすることは困難だということを申し上げたわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 これから質問の本題に入るわけでありますが、米が、たとえば鉱山から流出したカドミウムだとか、あるいは鉛だとか、銅だとか、そういうものに汚染される、そういう新しい公害の被害がどんどん起こっているわけでありますね。いま、秋田県の中でも、政府が買い上げるところの、〇・四PPMから一PPMの間のカドミウム米が九千俵凍結されて倉庫の中に入っているんです。この中には、昭和四十四年度産の米も入っていて、もうすでに四冬を越しておりまして、もう袋がほころびて虫がはっているという状況の中に、そのままで倉庫の中に眠っている。こういうことでありますが、全国では、こういうカドミウム米なんというものは、政府保管米として何俵ぐらい倉庫の中に眠っているんですか。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 カドミウム米は四十四年以前からございますが、年産の区分はちょっと繁雑でございますから省略いたしまして、一PPM以上のものが全国で一千八百トン、〇・四PPMから一・〇PPMまでのもの、一・〇PPM未満のものが二万六千九百トン、合わせて二万八千七百トンございます。  なお、そのほかに、それ自身は確実に一・〇PPM以上とか、あるいは〇・四PPM以上ということではありませんが、安全度を見て売却を留保したもの、それから、消費地に持ち込んだ分で売却をやはり留保したもの、これが総計で一万四千四百トンございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 これは一体どうするのですか。毎年毎年倉庫で保管料をかけておるわけでございますが、農協も迷惑だと言っている。あるいは、国の税金がただそういうつまらない状態の中にかかっている。こういうことでありますが、特に、準汚染米といいますか、この点について、あなたのほうで措置しなければならないと思うのですね。この方針なんかはっきりしているかどうか、お伺いします。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 汚染米の中でも、一・〇PPM以上のものにつきましては、従来から、染色のり、接着のり等の原料として、売却先をはっきり限定して売ってまいりました。そして、食料等への横流れ防止措置を講じておったわけでございます。  それから、一・〇PPM未満のものにつきましても、現在までのところ、売却措置はいたしておりませんけれども、民間学識経験者のお集まりを願って、処理に関する検討会を設けて検討を進めておるところでございます。これは私どもの立場から言いますと、食品衛生法上は、一・〇PPM未満のものは食用に供して差しつかえないというふうに理解はいたしておりますが、いろいろな経緯がありまして、〇・四PPM以上の米につきましても、消費者がお好みにならないものを売られたら因るというお話もありますものですから、全体が不足でもない今日、供給量は十分確保されているものでございますから、留保しているわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 いまあなたが発表した準汚染米と汚染米ですね。これは、いかにも汚染米を買っているような言い方ですが、一PPM以下から〇・四の間に買って、そのあとに、汚染米のほうに、一PPM以上に進行したものだというのが、汚染米としていまあなたが言ったことだと思うのです。あなたのほうで、食品衛生法によって汚染米を買っていないんだからね。したがって、汚染米というのは、別にあとで質問しますけれども、それだけでも何万トンというものがあります。私はトンというのはよくわからないのですが、たとえば一俵一万円に換算すれば、これは何万俵くらいあるのか、ちょっとお知らせしていただきたいのですよ。金も、何億円くらいなのか。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 いまお尋ねになりましたのは、何俵かというお尋ねでございますか。金額でございますか。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 何俵でも、どっちでもいいが、はっきりするから、何俵ということでいいです。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 二万八千トンのほうの数字でかりに申し上げますと、これは、トン当たり現在十六万円くらいのコストでございます。これはまあ……。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 俵で言わないと、われわれちょっとわからない。理解できないから……。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 すみませんが、ちょっと換算して、すぐ申し上げます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 それはあとでいいです。  もともと、食品衛生法によりまして、汚染米、つまり一PPM以上の米は政府は買わないわけです。したがって、もう一回繰り返しになりますが、政府がいま現に保管している一PPM以上の汚染米といわれるやつは、これは、〇・四から一の間のものが、保管中にそこへ進行していったというふうに私は理解しているんですが、それを聞いているのではないのです。純然たる汚染米、これは皆さんが買わないが、たとえば、いま、秋田では、米代川流域の小坂鉱山だとか、西仙北町だとかいうようなところで――これは雄物川の流域でありますけれども、たいへんなカドミ公害が出まして、仙北郡の西仙北町というところでは、二つの部落から一PPM以上の米が、つまり、政府が買わない米が二千俵以上も出ているんですね。ところが、きょう私のところへ届いた地元の新聞によりますと、能代鷹巣、田代など、洪水で重金属が堆積して、ここでも、また新たに、そういう政府でさえも買ってくれない米、つまり、米でない米がまだ千俵くらい出るということが書いてあるわけです。そうすると、これなんか、政府が買わないと、一体だれがどう処分してくれるんですか。処置してくれるんですか。ここをひとつお伺いします。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 だれがどうしてということになりますと、政府が買わない場合は、汚染源にかかっていく問題になると思います。これは民事的な問題で、それなりに、所管している別な役所からの御見解もいろいろあろうかと思います。ただ、政府としては、一・〇PPM以上のものは米として適当でない、これを食用に供するわけにいかないということならば、それは買わないということはやはりはっきりしているわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 一PPM以上のものは政府は買わないということがはっきりしているわけですが、そうすると、農民になぜそういう米をつくらしたんですか。たとえば、西仙北町の杉沢、柳沢という二カ所の部落では、三年も前からカドミが出るために、いろいろな指導を受けて、出ないような段取りをしてきたんだ。しかも、そういうカドミが出るということが明らかになっている中で、県の指導もあり、国の指導もあって、いろいろと皆さんがやってきたんだ。しかし、ことしはこれだけになるよということをだれも言わない。つくれとも言わないし、つくるなとも言わない。だれも注意する人がいないのです。そうして、いまここで出てきたから、それは会社なり何なりと民事でやれと言ったって、それでは政府は要らないということになるのではないですか。この点はどうでしょうか。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 これは、それぞれほかの関係のところで、所管するところでお答え願ったほうが適当でございましょうが、私どもの関係するところでは、正規の米なら買うということだけでありまして、そういう正規でない汚染米をつくらしたことはどうかとか、汚染米をつくることについて、十分事前に防止の手を打たなかったではないかと言われれば、私ども、食糧庁としては、何ともそこはお答えのしようがないわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 いまの話は重大な問題ですね。政務次官、これは大臣がおれば大臣に聞くわけですが、農民が汗水をたらしてつくった米が、米でないものができたというのですね。しかも、そのことは、事前に、三年も前から、ここはカドミが出るからということで、十分注意しながら、水管理やら、その他一生懸命やった。その結果、農民の泣き寝入りになるというようなことが最後的に出てくるということは、これはどういうことですか。それで済むのですか。

岡安誠農林省農蚕園芸局長

○岡安説明員 汚染米の生産防止ということのために、現在、制度といたしましても、環境庁の所管しております土壌汚染防止法によりまして地域指定をする……。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 そんなことを聞いているのじゃない。この米を何とするのか。

岡安誠農林省農蚕園芸局長

○岡安説明員 いや、ちょっと待ってください。計画できる対策事業を実施するという手段があるわけでございます。ところが、その指定がなされるまでの間におきましては、農民が米をつくるというときに、県等と相談をしまして、なるべく汚染米が出ないような営農方法を選択する。その指導を実はいたしておりまして、土壌改良資材その他を投入いたしたわけでございますが、今回は、たまたま天候のかげんもあったかと思いますが、汚染米が出たということでございまして、これは一日も早く地域指定をいたしまして、対策事業を早く実施するということが望ましいと実は考えておるわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 現実に、昨年よりことしのほうが――去年は準汚染米かものすごく出ておるのですね。ことしは、準汚染米が、ここに資料がありますが、時間がありませんから説明しませんが、一千六百俵以上出ておるのです。今度、汚染米が、一PPM以上の米でない米が二千俵以上一つの地域から出ておる。しかも、これに対して、加害者というのは、先ほど原因者負担云々というようなことを農林省が言いましたけれども、ここには原因者がおるにはおるのです。しかし、これはもうとっくにかまどを消したというか、倒産して、休廃止鉱山になっておるのですね。そういう場合は、一体、だれがその責任を持って、どうしたらいいのか。ここをはっきりしてもらわなければ困る。国の責任なり何なり、どこにその責任があるのか。ここに農林次官がいらっしゃいますから、これを何としたらいいのか、私も困ってしまって、頭に来ているわけですが、教えていただきたいと思います。

岡安誠農林省農蚕園芸局長

○岡安説明員 おっしゃるとおり、公害の対策としましては、PPPということがございます。しかし、御説のとおり、休止は別ですけれども、廃止鉱山とか、資力のない事業体等に対しましては、実際問題として、損害賠償が取れないという事態がございます。そこで、そういうような事態に対処いたしましては、何らかの措置が必要であろうということで、先般、健康被害につきましては、それに関する制度ができたわけでございますが、財産被害につきましては、現在、関係省庁相寄りまして、至急対策、制度を樹立いたすべく検討中というのが実情でございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 いま相談中だと言うけれども、そうすると、これはどうしてくれるのですか。さしあたって、その、あなた方が検討したやつが法制化するなり、立法化するまでには、一年も二年もかかるでしょう。現実にこういう問題が起きて、農民が結果的に泣き寝入りしなければならなくなるのじゃないですか。そこの部落の、両方の部落の、ほとんど全域が侵されているわけですね。ここに資料がありますけれども、両方の部落合わせて五十二戸の農家数がございますが、一PPM以上出た農家数が四十三戸です。それから、六十一ヘクタールの両部落で、面積がありますが、このうち、一PPM以上出たのは二十八・五九ヘクタールです。予想生産量は二千二俵です。これは、もうその部落が全滅するということでしょう。いま話を聞けば、国も責任を持たないし、だれも責任を持つ人がいない。法制化されてもいないし、原因者もわからない。そのうち相談してということで、これが済みますか。もう一回はっきり返事をしてください。

岡安誠農林省農蚕園芸局長

○岡安説明員 この西仙北町の具体的な事態につきましては、早急に解決を要する問題でございますが、ほかにもそれに類する事項がございまして、公害による財産被害に対処する方法は、簡単に国その他が補てんをするという考え方もございますけれども、しかし、公害対策といたしまして、そういうことが将来とも妥当であるかどうかということは非常に問題があるわけです。そこで、やはり、何らかの制度を別途樹立いたしまして、それによって措置をいたしませんと、公害の責任その他があいまいになるということはございます。そこで、なるべく早くこれらの対策を樹立いたしたいということで検討を進めておるというのが実情でございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 あなたは一言で財産被害とおっしゃるけれども、明らかにこれは農民の米なんだな。担当は環境庁のほうかもわかりませんが、こういうことについては、農林省も等閑視しておるわけにはいかないと思うのですが、農林次官の御意見を伺いたいと思います。

中尾栄一自由民主党農林政務次官

○中尾説明員 公害問題というのは、とらえ方が、ある意味において非常にむずかしい場合があるわけで、これは、やはり、被害者にとって、あるいは国民にとって、そういうことを言うことがすべからく一番安易な道であり、ある意味において、免罪符になりがちなものは、政府の責任であり、国の責任であるということに通ずる表現が一番よくなされるわけでございますが、ときに、これがだれの責任であるかということを明確にした場合には、そこの明確な責任体系の中でこれをリペントする。そして、これに対して補っていく、いわゆるコンペンセートするということが大事なことだと思うのです。しかし、この場合、いま先生からお言いつけでございますから、私もこの問題点を深く存じ上げておりませんでしたので、本省に早速命じまして、すぐにこれを研究してみたいと思います。その上に立って、しかるべき御返事も差し上げられるのではないかという感じがいたします。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 いま、万やむを得ないので、県がこれを買い上げるというようなことを言うているわけです。しかし、県だってそう財政があるわけではありませんし、しかも、こういうものは次から次へ出てくる。先ほど説明したように、また、きのうの新聞でも見るように、新しいものが発生しているわけですね。買い上げない汚染米そのものがこれだけ出ているということですから、準汚染米というのはどれだけ出ておるかわからない。しかも、この原因が全部鉱山公害だ。そうしますと、いままでの鉱山に対する通産省の監督なり、指導なりというものか――原因は全部そこの企業の責任でありますけれども、この場合は、鉱害が出そうになればみんな逃げていってしまうとか、鉱山をもう全部閉鎖してしまうとか、休廃止になっちゃうんだな。そういう事後に対する措置なんかも必要だと思いますが、通産省のこういう点に対する監督、指導の甘さなり、そういうことが今日の原因を来たしたものじゃないか。このことをいま痛切に、骨身にしみて感じられる。こういうことだと思うのですが、いまそこを論議する時間的余裕がありませんから、次の問題に入っていきます。  先ほどお話しのように、農用地土壌汚染防止法という法律がありまして、これによって、具体的な防止対策を、県の申請があればやっていく、こういうことであるわけですが、この農用地土壌汚染防止法のたてまえからいきますと、たとえば、土地改良のために金がかかり過ぎるから、どうかすると、あれは、珪カルだとか溶燐を入れて、抑止剤でごまかすというような行き方もあるわけですけれども、根本的には、表土をはぎ取って、あるいは新しい客土を入れて、大がかりな土地改良をしなければならないし、また、水源も転換しなければならないという問題に、現実の問題として、当然いまぶつかっているのですね。そういう場合、地方自治体の指導なんかは、政府がめんどうを見ないものだから、自分のほうで大きく金がかかるものだから、なるべく金がかからないようにということで、たとえばほかの転作を奨励していくとか、宅地化を進めるとか、そういうことをやられる危険性があるわけですね。したがって、この法のたてまえから申しますと、私は、あくまでも復元が前提だと思います。もとの耕地に戻すということが最前提にならなければならないと思うが、環境庁の考え方はどうですか。

遠藤茂環境庁水質保全局土壌農薬課長

○遠藤説明員 お答え申し上げます。  先生がいま御指摘のとおり、土壌汚染防止法に基づきまして地域の指定をして、それに基づいての対策計画は、その主体は客土というような方法によることが最善であろうというふうに考えております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 土壌の復元ですね。ところが、往々にして、これから実際に工事にかかるとなれば、先ほど言ったように、ほかのものに転用させていくとか、あるいは縦貫道にするとか、いろいろほかの地区の例なんかあるわけですね。そういう場合は、農民の納得を得ない限り、耕地のほかに転用するというようなことはすべきでないと思いますけれども、この点も御見解を伺っておきたいと思います。

遠藤茂環境庁水質保全局土壌農薬課長

○遠藤説明員 農用地土壌汚染防止法の精神からいきますと、やはり、土壌を前の状態に戻す、しかも、その上で農民が安定した生産を続けるということが本来の目的でございますので、転用その他は、やむを得ないというような場合に限って行なうべきではないかというふうに考えております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 はい、わかりました。  時間が来たようでありますので、まとめてちょっと申し上げますと、これをやる場合に、非常に経費がかかる。しかも、それをやるのに地元負担もかかる。県は耐えきれないから市町村にこれを押しつけるというかっこうになるわけですね。ところが、たとえば秋田県の小坂町なんかは、鉛害によるところのカドミウム汚染であり、しかも、明治以来の蓄積された結果としてあらわれておるわけですから、土の層の下のほうであればあるほどそういう蓄積がひどいという状況が実際にあるわけです。したがって、単に土地改良をやるといったところで、五センチや十センチの表土をはがしたところで、十分な効果を期することはできない。まして、珪カルだとか溶燐の抑止剤を投入したって、全く効果が出ないということがはっきりしたわけですね。ところが、一メートルも掘ればどうにかほんとうのたんぼになるのじゃないか、こういう状況なんですが、一メートルも掘るような土地改良をやるとしますと、反当にいたしまして二百万円もかかってしまう。こういうことは当然出てくるわけです。しかし、あくまでもこれはやらなければならないという決意の中での法の趣旨なのか、また、そういう農林省の考え方なのか、その点もひとつ明らかにしておきたいと思うのです。  もう一つは、汚染防止法で指定になった、さあこれから事業をやるんだという場合、実際にそこにたいへんなものが発見されてからいろいろ調査をして、市町村長の意見を聞いたり、審議会の意見を聞いたり、そうして、まとめて政府に承認申請をして、それから政府がまた調べて、いよいよ事業実施だなんということになりますと、二年も三年もかかるのですね。そうすると、毎年同じ被害が出ているという状況が出るわけですね。そういうことで、そういう期間的なものが、そう長くかかるなんということがいいのかどうかという問題があるわけですね。これはたいへんなことですよ。せっかく法ができたって、これだったら、地域を小さくして、一般の土地改良でやってしまえなんということを県当局あたりが考えないとも限らないわけですね。これは何しろ財政がないものだからね。それから、そういうふうになって、ここでいよいよ事業執行になりますと、当然、当該農民が仕事をやめなければならないという問題があります。そうなりますと、その休業中の補償の問題なんかはどうしてくれるのか。あるいはつくったらいいのか、つくらないのがいいのかとかというような、錯綜した問題がたくさんあるわけでありますが、これに対しては、明白な答えをしてくれる人が、現在のところ、だれもいないのです。そこで、ここで、いま、関係当局からそれぞれお伺いしたいわけであります。  この問題は、相当深刻な重大問題として、秋田県でいま起こっておるわけでありますが、時間が来たので、また後日あらためて詳細に詰めることにして、私は、いまのお答えをとりあえず聞かしていただきたいと思います。

岡安誠農林省農蚕園芸局長

○岡安説明員 先ほどもお答えしたかと思いますけれども、やはり、農民の意思に従いまして防止対策を講ずるわけでございます。ただ、かりに、農民が従来のような耕作を続けたいといった場合に、事業を実施いたしましても、なお汚染米が発生するということでは何にもならないわけで、私ども、慎重に、その地域地域におきます環境等を検討いたしまして、どういう事業を行なえば完全に防止できるかというような試験田というようなものを置きまして、その結果を見て対策事業を策定をいたすというような手続を踏んでおりますので、若干時間がかかるということはやむを得ないというふうに実は考えております。その間におきましてもし汚染原因者があれば、当然その間の財産的損失はカバーをしてもらうということになるわけでございます。それからまた、その期間どうしても耕作をやめるわけにいかないという場合には、いろいろ土壌改良資材の投入その他営農改善方策を講じまして、極力汚染米が発生しないような措置を講じながら、注意深く耕作を続けさせるということもあるわけでございまして、私どもといたしましては、なるべく早く完全な対策事業を実施されるように促進はいたしたい、かように考えております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 これで終わるわけですが、一言だけ――自治省来ていますか。  いまのところ、先ほどちょっと言いましたように、法を実施しても、地元負担が、たとえば国が五五で、残りの四五は地方で持てなんということになっているのですね。これはあくまでも県が持ったり、ましてや市町村が持つ次第のものではないと思うのです。このことは、一つには企業にも負担させるということになりますが、企業の負担を非常に甘くしているということがあると同時に、やはり国の持ち分を非常にふやすべきだと思うのです。そういう点で公害費用負担のかさ上げ法というおたくのほうでつくった法律がありますが、これを抜本的に改めてもっと大幅にすべきではないか。とりあえず一つだけ追加して、これで終わらしていただきますが、この点お答えいただきたいと思います。

栗田幸雄自治大臣官房参事官

○栗田説明員 お答えいたします。  現在の公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律では、三分の二ないし二分の一といったような補助金のかさ上げの措置が講じられているわけでございまして、現在のところ一般の補助よりも高くなっておりまして三分の二ということでございますので、この程度ならば一応適切なかさ上げの措置ではないか、このように考えております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 終わります。

山崎平八郎自由民主党

○山崎(平)委員長代理 次に林孝矩君。

林孝矩公明党

○林(孝)委員 きょうの質問は私で最後でありますが、午前、午後の議論を通して同僚議員が指摘した点、私が指摘する点、非常に共通点があります。したがって、ほとんど問題が出尽くしているような考え方に私も立つわけでありますけれども、あえて質問しなければならないほど事は重大である、そういう認識に立っているわけであります。  先ほど政務次官が答弁されている中に、非常事態宣言をすべきであるというほどの気持ちで取り組んでおるという話がございました。その非常という概念、これを現在の経済情勢の中で具体的にどういうふうにとらえておられるのか、確認しておきたいと思うのです。

中尾栄一自由民主党農林政務次官

○中尾説明員 物価の上昇というのにはいろいろの要因がありましょう。しかしその要因と同時に、私どもが基本的に持っておらなければならぬのは、これは政府だけがどんなに力んでも、あるいは勇み足になっても、物価対策には全部解決でき得るめどにはならない。一つのソリューションにはなっても全般のソリューションにはなり得ないという形から、どうしても政府並びに与野党問わず同感でございましょうけれども、同時に、国民の総意にまつということが一番基本線になくてはならない。その国民の絶対値の協力というものは、これはやはり単なる唯物的な考え方においてなされるものではない。唯心的な、むしろ基本的な素朴な、人間としてのあり方、あるいは人間として、この社会生活の中に営む、その基本的な哲学というものを本質的に再検討すべきときがきたのではないか。そういう意味において、ただ私どもはかけ声だけで、いまここに石油が三〇%足らない、三〇%減になるであろう、中東問題にからめてたいへんな問題になり得るであろうというようなことを国民に警鐘乱打しても、それは何にも取り柄にならない。そこに買い占めあるいは売り惜しみというものが出てくるわけでありますから、もう少し原点に返ったモラリティーというものを基本的に考慮する必要があるのではなかろうか。二十八年前の終戦直後の概念を思い出せといっても、これはかけ声だけに終わってしまうから、お互いにやはり事は大事であり、ここまできたぞという非常的な態度というものをやはり政府みずからがとっていく必要があろうという発想から、非常事態宣言ということばも出たのであろうと私は思うのでございます。

林孝矩公明党

○林(孝)委員 ことばを言いかえれば、それほど現在は未曽有のインフレ状態を呈している、そういうことだと思うわけであります。だからこそそうした原点というものが要望される。そのインフレ状態を呈している中で、今回消費者米価、そして麦価の値上げという問題が起こってきているわけであります。で、先ほど同僚議員からこの問題については三つの点に関して指摘がありました。私も全く同じ立場に立つものでありますけれども、なぜこのような時期にあえてインフレを高進するような大幅な値上げというものを行なわなければならないか、こういう点に関して、きょうの議論は、消費者米価値上げ、また麦価の大幅な値上げに対しては反対という意見が、次官も共通して感じられた点だと思うのです。そして具体的には、小売り店のマージンが現在の状態で、はたしてやっていけるかどうか、そうした点についてもやっていけない。これについては、先ほど上げるという方向の答弁がございました。さらに、物統令を再び適用するという提案があったわけであります。これも共通のわれわれの意識にあるわけなのです。そういうふうにすべての委員の口から出ることは同じ問題の指摘であって、そしてそれは何かといいますと、国民の、世論を代表した声である、そのように思うわけであります。そうしますと、先ほど御答弁がありましたように、非常な事態であって、そしてそういう非常ということは、経済面でとらえれば悪性インフレといわれるようなそういう状況にきておる。そういう中であえてそれをやらなければならないということは、私は自語相違をしておるのではないかと思うわけです。   〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕  それから、もう一つ、いまや、与野党問わず、国民の総意ということで取り組まなければならない。これは、結果論としてはそうだと思うのです。しかし、こういう社会をつくり出してきた、経済構造をつくり出してきた原因はどこにあるかというと、これは、やはり、田中内閣にある。その行政責任というものは重大であると私は思うのです。そういう立場に立ってみた場合においても、今回の消費者米価の大幅値上げというもの、麦価の値上げという問題に対しては、ほんとうにそういうふうに同じ認識に立つならば、政務次官としても答えはわれわれと同じではないか、そのように思うわけでありますが、いかがでしょうか。

中尾栄一自由民主党農林政務次官

○中尾説明員 ここでるる私も答弁の中で、何ゆえに値上げをしなければならないかという論点はいままで数多く述べさせていただいたような感じがするのでございますが、趣旨は全く先生と同感でございます。そういう意味におきまして、このような非常時の中において、何ゆえに消費者米価を値上げしていくのか、これも全く先生の御指摘のとおりでございますから、私どもも、この問題点には、鋭意神経を注ぎまして考えておるということだけは申し上げておきたいと思うのでございます。あくまでも、先ほど申し上げました逆ざやの問題その他の問題、これも解決していくことも、これまたわれわれ為政者、特に行政を担当する者の責任の一端にはなるわけでございますから、そういう問題も踏まえまして、先ほど来討議が続いておったものと解釈するわけでございますが、先生の御趣旨は十分に理解しておるつもりでございます。

林孝矩公明党

○林(孝)委員 共通の土俵の上で話ができるということでありますから、次の段階は、じゃどのようにしてそうした国民の要望にこたえていくかという具体的な行動になると思うのです。いま米審が行なわれておって、非常に難航して、結論がまだ出ていないという状況だそうでありますけれども、ここで最終的に今回の米審の結論が出、そして政府として最終的な結論を出すまでに、ぜひともわれわれとしてやらなければならないことは、今日、この委員会で議論されたことをむだにしないということだと思うのです。そして、そのためにも国民的立場に立って、今回の大幅値上げというものに対して、国民の生活を安定させるために戦わなければならない、そのように考えるわけであります。政務次官は、そういう具体的な行動を今後どのようにとられようとしておるのか、お伺いしたいと思います。

中尾栄一自由民主党農林政務次官

○中尾説明員 端的に申しまして、先ほど申し上げたように、生産者米価は上がる、さらに消費者米価は据え置くという形で、あるいはまた延期をするという、先生の御指摘のような方向でいきますと、どうしても逆ざやの問題が出てまいるのであります。かというて、逆ざやをそのまま放置するということは、当面の物価指数に対する影響という意味では効果があることは事実でありましょうし、また、あるように見えるわけでございますが、その反面、また食管会計の巨額な赤字を累積させることも、これまた事実でありますし、同時にまた、財政の、何といいますか、あまりにも行き過ぎた、過度な状況をもたらすことも事実でございましょうし、長期的視点からは、インフレにつながっていくということも、これまた考えられないわけではない要因にもなり得ようという考え方もあるわけでございまして、その点、十分勘案いたしまして、財政負担によって政府の管掌物資の価格を据え置くことには、物価対策としても本来限界があるというわけでありますから、その点、私どもも、今回の場合の異常なる物価値上げ、物価騰貴という背景の中では、この問題はあくまでも慎重の上に慎重にという形で考えていくつもり  でございます。  同時にまた、先ほど先生が御指摘になりましたように、きょうここで約一日をかけまして討論を重ねたわけでございますが、その甲論乙駁の話し合いの中に、与党、野党の先生を問わず言われておりますることは、ほとんど一つの基本線が貫かれておるという感じがいたします。これはもう御指摘のとおりでございますから、これも出席しておりまする大臣にもさっそくお伝えしたり、さらに、私どものいままでの考え方の中にもこの考え方を注入いたしまして、そしてこの問題に処していきたいと考える次第でございます。

林孝矩公明党

○林(孝)委員 逆ざやの問題がいま出ました。きょうこうして議論していることが、来年同じ議論が行なわれないために、私たちははっきりしておかなければならないと思うわけです。政府の買い上げ価格、それから売り渡し価格の、この二重構造というものがある限りにおいて、逆ざやというものはなくならないと思うわけです。きょうの議論の中で、逆ざやの解消ということが大臣の答弁からも盛んに出ておりましたが、はたして解消できるものかどうか、この点が一つ疑問になります。また、現在の逆ざやという問題に対する解消という考え方、そういう考え方のままでいいのかどうかという問題が二つあります。  こういう二つの点について、もう一歩突っ込んで考えますと、同じことをまた繰り返して、生産者米価値上げという経済情勢が生まれてくると値上げしなければならない。そうすると消費者米価もまた値上げ、ことし生産者米価の値上げのときに議論した問題、またこうして消費者米価値上げのときに議論した問題これをまた来年繰り返す。私はここで指摘しておきますけれども、現在の政府の行政力、それから日本の経済の構造に対するたとえばインフレ対策というものを考えても、ここ一年や二年でこうした経済情勢というものが解消されていくか、方向転換されるかということは、私は、非常に望みがないと思う。長期経済展望というものがどれだけ日本の国の経済情勢というものを変更させていくかということは、そういう展望の中からも見当たらない。   〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕 ここのところで将来起こるべき問題というものをよほど考えて対処していかなければならないということを考えた場合、同じことを繰り返すという可能性が十分あるわけです。したがって、この逆ざやに対する考え方は、現在のままでいいのかどうかという疑問がそこから生まれてくるわけです。そうしたら、今回の大幅値上げの理由に、逆ざや解消、食管赤字を解消するためにという、これもことしだけ言われている問題ではなくて、去年だって同じことが言われておりましたし、その前の年だって言われているわけですよ。これを一体どういうふうにしていこうとされておるのか、その基本的なものの考え方、政府の考え方というものをはっきりとしておいていただきたいと思うのです。   〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕

中尾栄一自由民主党農林政務次官

○中尾説明員 米につきましては、農業基盤の整備、農業構造の改善等を通じまして、その生産性の向上と生産費の低下をはかることが基本的に重要でございます。その成果は急には、まさしく御指摘のとおり期待はできません。これだけ経済が成長して、物価、賃金が年々急速に上昇していく中で、米価だけを据え置いて、農民にだけ安い所得に甘んじて米をつくれというのは、どだい無理でございますし、このような状況のもとでは、食糧生産の安定をはかるには、一般物価、賃金の上昇を適正に反映した生産者米価をきめることは必要なことである、こう考えております。また生産者米価が上がれば、米といえども物の価格としても、筋を著しくゆがめることはできないので、そのコストの上昇をある程度消費者価格に反映させるということがやむを得ないという考え方の中に立った逆ざやであるというように私どもは考えておるわけでございます。したがいまして、先生の御指摘の観点は、逆ざやを別の形で考える方法はないのか。これはおそらく先ほど来繰り返されました討論を聞いておりますると、社会保障というような観点で考えたらどうかとか、そういう御意見かと思いますが、これは一つの考え方、理論として、私どもは非常に傾聴に値するものであると考えておるわけでございます。

林孝矩公明党

○林(孝)委員 それでは、先ほど具体的な問題として出ておりましたが、現在のマージンではやっていけないということがありましたですね。それを上げる。この一つのことをまず例にあげてお伺いしたいんですが、これはどういう見通しがある話ですか。どういう裏づけのある話ですか。そして、日程にのぼっていて、具体的に実現していくのはどういう時期になるのか。  また、もう一つは、物統令の適用という問題があります。先ほど検討するという話がございました。これはどういう日程で検討されていくのか、裏づけがある話なのかどうか。これも再び同じことを議論するということを何とか避けていくために、改善していくために確認しておきたいと思うわけであります。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 マージンの話でございますが、これは、最終的に今回の米価の引き上げがどのような姿になるか。これは平均でもって一三・八%ということでございますが、等級間格差の問題もありますし、価格調整という問題もありますし、さらにはこれを地域別に開いて個別にきめていくというようなことで、平均の上げ率はきまりましても、これを地域別にこまかく具体的にきめていくということになりますと、非常にむずかしい作業があとに控えております。  それからもう一つは、消費地におきますところの標準価格米の指導価格を、政府の売り渡し価格との関係でどの水準できめて指導をしていくかという、もう一つの問題があるわけでございます。この両者を関係させて検討していく。この中にマージンというものが実現されていくわけでございます。  私どもは、先ほど申し上げましたように、やはり一般の物価、賃金が上昇している中でございますから、マージンのある程度の引き上げはやむを得ないと考えております。その中に当然織り込むわけでございます。その場合問題になりますのは、かつて物統令のありましたころは、全国一律の統制価格で最終末端を売らせるようにしておったというようなことから、非常に簡単な計算でございましたが、いまは地域別の、まさに先ほど津川先生御指摘になりましたような原料米の構成の事情でありますとか、経費のかかり方のぐあいでありますとか、それから、その地域だけでなくて、いろいろよそから米を運んでこなければならないというような地域もあるわけです。そういう地域のどういう米をどういう形で持ってくるかというような、非常に個別、具体的なことを見なければならないわけでございます。これは相当膨大な作業になりますので、私ども、米価審議会の答申を得て、できるだけ早目に米価の決定をいたしたいわけでございますが、その決定も若干の時間をかけてきめていくということに考えております。できるだけ早くということでございますが、何といいましても相当の作業量でございますし、それから、実際に米価の引き上げを実施するのは四月からのことでございます。できるだけ早くということで、ちょっと具体的にいつということは申し上げられませんが、ただ、手順はそういうことで進めたい、かように考えております。  それから物価統制令の適用廃止を復活する考えはないかというお尋ねでございますが、物価統制令の適用を廃止するに至ったいきさつは、これはまさに米が豊富になって、需給関係が緩和した、一般に生活水準も向上した、そういう中で消費者の嗜好も高度化してきた、そして、また、それに応ずるように米自身がいいものがつくられて、これは生産者の段階でもそうでございますが、販売店の段階でもいい銘柄のものをよりすぐって、これを十分丁寧に搗精するというようなことで、いわばコストをかけて売るというような経済の流れが必然的に出てまいったわけでございます。そういう実態に即しまして、いろいろな品質差がある米を無理やり画一的な価格でもって押えつけることには問題がある、そういうことで、物統令の適用廃止ということに踏み切ったわけでございます。私、この基本的な事情は、現在といえども変わっておらないと思います。やはり、自主流通米あるいは政府の売る米の中でも、銘柄米といったようないい米、これはどうしても、標準価格米よりも、物自体として高く評価されざるを得ません。それを銘柄別にずっと価格を統制価格できめるということは、これは実際問題として全く不可能だと思います。価格差というのは、やはりそれなりに市場において形成されるものだというふうに考えておるわけでございます。では、その価格について、全く野放しでいいか、統制物資であるのに自由市場と全く同じような考え方でいいかとなりますと、それはそういうことであってはいけないと私は思います。  そこで、物統令の適用廃止を復活するというようなそういう極端な形ではありませんが、やはり、標準価格米を中心といたしましていろいろな価格指導を行なう、標準価格米の常置義務を課しておるわけでございますから、そういったものの励行を監督指導するというようなこと、各般の措置を講じて、価格安定のための方策を考えてまいりたい、かように思っております。

林孝矩公明党

○林(孝)委員 いま御答弁のありました価格指導あるいは監督の件でありますけれども、本日の委員全でも具体的な現実の問題として指摘された点は、まさしくこれらの価格指導、監督というものが不行き届きであるという前提に立って指摘されたと私は認識したわけであります。したがいまして、今日まで行なわれてきたような価格指導あるいは監督で、はたしてよかったのかどうかということについては、大きな疑問を私は抱いたわけです。では、今後、農林省として、あるいは食糧庁として、こうした価格指導あるいは監督というものをほんとうに効果あらしめるために行なうという具体的な案をお持ちなのかどうか、お伺いしておきたいと思うのです。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 価格指導の問題は率直に申し上げまして、東京とか大阪とか――まだ大阪はよろしゅうございますが、大都市、特に東京が問題になろうかと私は思います。そういった地域に、重点的に、各自治体の――これは農林省だけの力では個々の末端まで十分浸透させるということは必ずしも十分ではございませんので、自治体の協力といいますか、力も得まして、十分具体的な指導をやってまいりたい 思っております。いろいろな形が考えられますが、やはり、標準価格米を必ず置いているかどうかを監視する。そして、先ほど津川先生のお話にもありましたが、具体的な店がわかれば、その公表、これは相当思い切ったことでありますから、いままでそのことは行なうことができるぐらいの考え方ではあったのでありますが、実際に公表も辞さないくらいの態度で臨む。それから、地方地方にそれぞれの米穀流通適正化協議会というものもございます。これは地方自治体、食糧事務所、関係官庁、さらには消費者代表、それから業者というような者が集まって相談をする場でございます。そういった場も有効に使ってお互いに情報を十分持ち寄って、価格形成に遺憾なきを期したい。さらには、東京あたりでは、米穀店の経営の合理化という観点から大型精米――大型精米ということになりますと、集中袋詰めというようなことも可能になりますし、経費の節減にも役立つ、不正の防止にもなる いうことで、これを本格的に推し進めることにしてはどうかというようなことも考えております。そのほか、これから私どもの政府の売り渡し価格も上げまして、米価も上がることでありますから、そういう点で消費者の皆さまにいろいろと御迷惑をかけるといいますか、非難をこうむることのないよう十分措置を講じたいと思っております。

林孝矩公明党

○林(孝)委員 最後に重ねて指摘をし、また、答弁をいただきたいわけでありますが、今回の麦価の大幅値上げにしても、いま一番心配されていることは、先ほど政務次官もおっしゃったように物価問題です。すでに、学校給食への影響はどうなんだろうとか、総理府から発表されておる家計の中での消費支出の中で何%を占めるだけだからというような単純な問題ではなしに、多方面にわたって複雑多様化した形で影響を及ぼし、消費者物価をさらに値上げ、高騰させていくということになることは火を見るよりも明らかなわけです。したがいまして、こうした麦価の大幅値上げの問題も、また消費者米価の大幅値上げの問題も、この物価の高騰している現在において、国民が非常に関心を持ち、また、何とかいまの時期を乗り切るために必死になって抵抗しているというこの現実を見ても、今晩、そしてあす、政府が最終的に決定するまでに、農林省の幹部として、政務次官もまたそうした国民的立場に立って、ほんとうに最大の努力をして、国民のそうした要望にこたえるような行動をとっていただきたい。そのことを重ねて要望して、それに対する答弁をいただき、私の質問を終わりたいと思います。

中尾栄一自由民主党農林政務次官

○中尾説明員 確かに、米価並びに麦価の値上げというものが、いまの物価上昇にさらにアクセルを踏むようになっていくという御指摘は、私ども全般に非常に憂慮しているわけでございまして、ともかく、その値上げが非常にスライスなものであっても、これが個々の一人一人にとりますると非常にわずかな値段のアップということであっても、米とか土地とか麦とかというのは、やはり物価の基本水準になるというたてまえからも、相当関連して便乗値上げというものが行なわれる可能性があるわけでございます。そういうものを含めまして、その便乗値上げの防止にも全力を尽くして考えていくということをかたくお約束申し上げておきたいと思うわけであります。

林孝矩公明党

○林(孝)委員 終わります。

佐々木義武自由民主党

○佐々木委員長 本日は、これにて散会いたします。    午後六時五十一分散会

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