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71回国会衆議院1973/09/19

農林水産委員会 第55号

発言数
189
登壇者
12
会派数
4
開催日
1973/09/19

会議録

佐々木義武自由民主党

○佐々木委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、森林法及び森林組合合併助成法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小沢貞孝君。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)委員 森林法及び森林組合合併助成法の一部を改正する法律案について、若干の質問をいたしたいと思います。  冒頭に、全国森林計画を、従来のやり方から、地勢その他の条件を勘案して、流域別に全国の区分を分ける、これは全国森林計画の重要な一つの変更だと思います。  そこで、お尋ねしたいことは、従来は全国森林計画はどういうふうに区分しておったか、今度は流域別に分けるとすれば、幾つぐらいな流域でどういう区分に分けるか、そういうことから、これは長官から御答弁をいただきたいと思います。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 民有林につきましては、地域森林計画は都道府県知事がこれを樹立することになっておりますけれども、数からいたしますと、全国で二百五十六ございます。  今回の改正案におきましては、全国におきましてそれぞれの知事が立てます民有林の地域森林計画と、それから国有林におきますところの計画とを合わせまして、流域ごとに国有林と民有林を一つにしまして、一つの目標とその基準を定めようとすることから出発したものでございます。従来のように、国有林は国有林、民有林は民有林という考え方でなしに、これを一本にして流域計画を立てるというところに大きな特徴があるわけでございます。  流域の数は、一応現在のところでは、七十ないし八十ぐらいの数になるものと想定いたしております。ちなみにまた、国有林の地域の施業計画というのは、ちょうど八十ございます。  その前に、全国森林計画というのがございまして、これは民有林と国有林を一緒にいたしまして、大臣が定めることになっておるものでございます。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)委員 こういうように全国森林計画を基本的に、計画区分というか、それを変えた根本の理由はどういうところにあるでしょう。いままでどういう欠陥があったからこういうように流域ごとに変えようとしたか、ずばりとひとつそこを御答弁いただきたいと思うわけです。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 今度全国森林計画に即しまして、民有林の場合におきましては地域森林計画、国有林の場合におきましては地域施業計画、この国有林と民有林を一緒にいたしまして、その経営を大きな流域ごとに、たとえて申しますならば、木曽川の例をとりますと、木曽川の場合には、地域は長野県、岐阜県、愛知県にまたがっているわけでございます。この三県にまたがる木曽川の流域の中におきますところの国有林と民有林というものを一緒にいたしまして、その流域の中において上流から下流にかけまして、国土の保全あるいは水資源の涵養あるいはまた木材の生産、いろいろな機能があるわけでございますから、そういった総合的な機能を完全に発揮できるような森林の状態というものは、樹種の点からあるいは作業種の点からあるいは伐期林の点から、どういう状態が一番理想的であるかということを、民有林と国有林を一緒にして森林全体としてこれを定めて、その指標を立てようとするものでございます。それに基づきまして、国有林はそれぞれのまた地域——この三県の中に、それぞれまた国有林の場合には地域施業計画がございます。あるいは民有林の場合は地域森林計画というのがございます。今度はそれぞれの場合につきまして、国有林の場合は営林局長、民有林の場合は都道府県知事が、いま申し上げた一つの基準に従って、さらに詳細にその場所における樹種であるとかあるいは作業種であるとかあるいは伐期林とかいうふうなものを具体的に定めてまいります。そうしますと、その森林の、国有林、民有林を一緒にしてその地域の総合的な機能が完全に発揮できるという目的が達成されるものと考えるわけでございます。  従来の場合は、その点非常に個々ばらばらであった、非常にこまかくつくってはあるけれども、全体としての目標達成については総合性が欠けておったというところが遺憾であったわけでございますが、そういう点について大きな変更をもたらすというふうに考えております。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)委員 いまの長官の説明で、今度は総合性を発揮しよう、こういうことはわかりました。ただ、全国森林計画で、いま長官から木曽川の例を言われましたが、上流は長野県木曽谷、それから岐阜県、愛知県、木曽川流域はそういうように分かれているわけです。それで、全国森林計画がそれでつくられて、長野県における地域森林計画、岐阜県における地域森林計画、それから愛知県における地域森林計画、これは行政区域がそれぞれ違うわけです。三県に分かれているわけです。そこの問の調整はどういうようにするか、こういうことなんですが、具体的にどういうようにやるでしょう。長野県、岐阜県、愛知県、地域森林計画は具体的に別々に知事が林政審議会に諮問してつくっていこう、こういうことだと思うのですが、行政区域の違うのを一体どういうようにして調整をしていって、全国森林計画の意図する流域別の総合性というか、そういうものを発揮できるようにしようとしているか、こういうことであります。  それから、まだどうも私も地理的なことがよくわからないのだが、たとえば木曽川筋でも、岐阜県なら岐阜県で全然違う県のほうに流域がいっているような場合には、またこれ、ちょっとややこしい問題になるが、その辺はどういうことになるのでしょう。その二つ。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 木曽川の流域は、いま御指摘のように三県にまたがっておるわけでございます。木曽川の流域の全体の計画というのは、先ほど申し上げました地域のいわゆる流域というか、一つになるわけでございます。七十ないし八十と申し上げましたその一つになるわけでありまして、その三県にまたがる木曽川全体としての流域の森林を、どのように施業していくかという基本的な方針というものは、この流域計画にまさに立てられるわけでございまして、その流域計画の中でそれの基準に照らして、今度はこまかい点をそれぞれの三県がこまかい基準をつくっていくわけでございますから、その総合調整というような御質問の点は、その流域計画の中ですでに調整されるというふうに考えるわけでございます。  なおまた、つけ加えて申しますけれども、そのほか、その森林地帯には、たとえば環境庁が計画いたしますところの自然公園法に基づく計画もございましょう。他官庁に属するいろいろな計画事項がございますが、それらの総合調整というようなこともその全体の計画の中で策定していくわけでございます。  それで、各県がつくります前の段階のつまり流域計画ということは、そういう意味で、最初に総合調整されるものというふうに御理解いただければよいかと存じます。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)委員 これは長官、ちょっと大臣も聞いておいていただきたいのだが、そういうようなぐあいになっていくと、従来の営林局の管轄の営林署に若干の手心を加えたほうが、流域別の計画をつくる場合に好都合だというようなことになりはしないか。たとえば、長野県ばかり例にとってあれなのですが、信濃川は長野県を通じて新潟県まで流れていくということになると、長野営林局の管内に新潟のほうも入れたほうが都合がいいとか、木曽川でいうならば、長野営林局の管内に岐阜も愛知も入れたほうがよくはないかというような考え、あるいはまたその逆に名古屋のほうへ長野県の木曽谷を入れたほうが都合がいいとか、そういうような流域別にするということは、局の適正配置というか、合理的な配置というか、統廃合というか、そういうようなことを、これは農林省設置法にまで発展していったり、それからその管轄の営林署をあっちにくっつけたりこっちにくっつけたりというようなことにも発展していく、そのほうが一面合理的な面がありはしないか、こう思うのだが、そういう問題については御検討をいただいたか、どういう考え方を持っているか、こういうことなんです。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 最初に、全国森林計画について先ほど申し上げましたけれども、これは農林大臣がつくるわけでございますけれども、これには都道府県知事の意見も聞かなきゃならぬというふうに実はなっているわけでございます。それを最初に、先ほどのお答えの中で落としておりましたので、申し上げておきます。  ただいま御質問の営林局あるいは営林署との関係はどうかということでございますけれども、現在の営林局のつくっております地域施業計画、これは八十あるわけでございます。営林局は十四で、営林署が三百五十一ございます。この八十の地域施業計画というものは、行政区画ということもある程度参考にはいたしますけれども、原則的にはやはり自然条件に立脚してつくられておるものでございます。また、全国森林計画の中におきますこの流域計画というのも、原則としては、先ほど申し上げました公益的な機能あるいは経済的な機能、それらを総合いたしまして、最高度にその森林の機能を発揮できるような状態というものを考えまして、それに持っていくためのいろいろな施業の方法を考えて、それに従って伐採なり造林をしていくわけでございます。どこまでもこれは自然条件というものあるいは地理的な条件ということを原則にした区分でございます。営林局なりあるいは営林署というものは、どちらかというと、そういう自然条件ということも考慮はいたしておりましたけれども、これはやはり行政機関でございますので、都道府県等との連絡等も考慮し、市町村界等も考慮してできたものでございますから、関連はございますけれども、いまの地域施業計画あるいは地域森林計画、その元締めをなします全国森林計画というものとの直接の関連はないわけでございます。  今度の森林法の改正によりまして、この全国森林計画の中で流域という問題を取り上げたわけでございますが、これは冒頭に申し上げましたように、国有林と民有林を一緒にして理想的な森林をつくってまいりたいということから出発しているものでございます。いまの国有林の場合の八十の地域施業計画というものと民有林の場合の先ほど申し上げた七十ないし八十の流域計画というものはおおむね合致するというふうに考えております。大体手直しをしなければならぬ点もあるいは出るかもしれませんけれども、それによって直接営林局の境界あるいは営林署の存在というものをそれに其づいて直ちに修正していこうというふうに直接的には考えておらないところでございます。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)委員 私、ここで確認をしておいてよろしゅうございますか、大臣。いま長官の答弁のように、今度は全国森林計画を流域別にやる、七十ないし八十でやる、そういうことは、局の統廃合、署の管轄の変更、統廃合等に発展をしないか、こういう質問をしたわけです。そうしたら長官は、いままでの八十の区域、民有林でいえば今度は七十ないし八十、そういうものと合致しているし、自然的、地理的条件をすでに考慮に入れてある。そういうようなことから、局の統廃合とか署の管轄の変更、統廃合ということには発展はしない、これは新しい流域別の全国森林計画をつくっても変わりはないんだ、こういうように断定に近いことを言っておるのですが、大臣、それでいいわけですか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 かりに営林署とか営林局を統廃合するような事態が起きましても、それはただいま長官がお答えしたとおりに、今回の全国森林計画あるいはそれに伴う新しい流域計画、そういうものとの関連でないということははっきり申し上げられると思います。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)委員 ちょっと長官と大臣の答弁にニュアンスの違いがあるんだが、私は、全国森林計画を流域ごとにやろう、こういうことになった場合に、局の統廃合には変更なし、そういうことはやらない、あるいはまた局の下の署をあっちへ持っていったりこっちへ持っていったりするようなことや何かはない、こう長官は言っているんだが、大臣、それでいいわけですか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 それはそのとおりでございます、しかしながら、そのことによって営林署の統廃合は全然ない、他の理由で行なわれることもないということがあってはならないので、私がそのところを明白に申し上げたわけであります。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)委員 それじゃ大臣、直接的には流域変更をもとにするものではない、そういうように理解していいわけですな。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 その点は長官からお答えをいたしたとおりであります。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)委員 この流域的観点で全国森林計画をする理由に、さっき説明が長官からありましたが、提案説明の中には、公益的機能の重視と、それから一方、木材生産の経済的機能とを総合的に高度に発揮しようとするためにと、こう補足説明だが提案説明にうたわれております。だが、公益的機能を追求することと経済的機能を追求することとは、往々にして矛盾撞着に遭遇すると思うのです。これはもう矛盾があると思うのです。そこの相互矛盾する機能をそれじゃどういうように調和さしていくか。ある程度の基準、ある程度の考え方、そういうものがあるでしょうか。これは流域ごとにやろうとした提案理由の説明にそういうようにうたわれているわけです。公益的機能は林政審議会の答申にもあるとおり、いよいよ今後重視していかなければならない、尊重していかなければならない。一方、この木材生産のほうの経済的機能もまた大いに今後やっていかなければいけない、そのためにやるんだ、こういうようにいっているんだけれども、二つの中には相互に矛盾する要素がたくさんあると思うのです。だから、それを調和させる基準というか、めどというか、そういうものは何を考えているんでしょう。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 経済的な機能と公益的な機能との調和ということが一番技術的に問題になるところでございます。具体的には、いま申し上げました資源の基本計画に基づきますところの全国森林計画というものがございます。これが今後の日本の森林というものをどういう状態に持っていくかという一つの考え方を示しているものでございますが、この全国森林計画は一応十五年間の計画を五年ごとにつくるものでございます。ですから、いつでも十年の計画があるわけでございますが、この中で現在の日本の民有林の場合におきまして、あるいは国有林の場合におきまして、現在の森林をどの程度の森林に今後十年後に持っていくかという一つの目標をつくります。その目標に従いまして、それでは伐採量はどれくらいにするのか、あるいは造林量はどれくらいにするのか、あるいは林道の量はどれくらいにするのかというふうな一つの具体的な計画がそこに出てくるわけでございます。それに基づきまして、国有林の場合あるいは民有林の場合それぞれ具体的に、国有林の場合におきましては経営の基本計画に基づく業務計画というものをつくります。この業務計画は五カ年ごとにつくるわけでございまして、毎年これをつくります。五カ年間の初年度というものがそのまま予算で組まれるわけでございまして、具体的には、将来そういう優秀ないい資源を持った内容の山をつくるために毎年どれくらい切ってどれくらい植えるか、そのためにはどれくらいの林道をつけるか、あるいは治山事業も含めまして、これに必要な経費も入れて、それぞれ具体的に明示されるわけでございます。そういうふうに、国有林の場合におきましても民有林の場合におきましても、具体的な一つの目標に向かった毎年実行する仕事の量というものが定められてくるものでございます。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)委員 どうもあまりはっきりした基準も示されないようだが、時間の関係ではしょって、さらに次の質問に移りたいと思います。  今度この法律が通った場合に、流域別の全国森林計画というものをつくるには、根本から立て直さなければいけないので、うんとひまがかかるのかどうか。この激動する社会になるべく早くやらなければ意味がないんじゃないかと思うんだが、流域別の全国森林計画というものは根本から立て直してくる、こういうように理解すると非常にひまがかかりそうな気がするわけです。これはどういうことになるでしょう。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 おっしゃいますように、非常にむずかしい問題ではございますけれども、この森林法が通りますると、来年の四月からこれを実施に移していくという考えでございまして、それに必要な一つの基準というようなものの作成を現在急いでいるところであります。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)委員 それは基準をつくるはいいんだが、一体いつでき上がるか、流域別の森林計画というものは、もう来年の四月一日からできるわけですか。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 ちょっと失礼いたしました。法律が通りました一年後にこれを施行するというふうになっております。ですから、法律が通りますれば、一年のうちにその準備を完了して、直ちに実施するというふうに持っていかなければならぬわけでございます。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)委員 そこで、お尋ねをしたいが、まだこれはこの国会では審議未了になるか継続審議なるかよくわからないんだけれども、国土総合開発法との関連についてお尋ねをしたいわけです。  国土総合開発法の第六条には、土地利用基本計画を設けて、都道府県知事は、当該都道府県の区域について、都市地域、農業地域、森林地域、自然公園地域、自然保全地域の区分及びこれらの地域についての土地利用の調整に関する事項、主要な公共施設の整備の見通しに関する事項等を内容とする土地利用基本計画を定めるものとする、こういうようにあるわけです。  いまこの森林法が通って一年以内に全国森林計画を流域別に作成するということと、国総法六条の関係というものはどういうように調整をしているか、どういう見通しのもとにやってきておるか、こういうことをお尋ねしたいわけです。われわれしろうと考えの質問なんだが、全国流域計画というものを早くつくります、しかし、国土総合開発法のこの第六条の土地利用基本計画というものがまたできて、あとから法律ができてくる。こういうようなことになると、これはもう全国の都道府県知事がその中を都市地域だ、農業地域だ、森林地域だ、自然公園地域だ、自然保全地域、こういう五つのものに全部区分してしまいたい——これは一体どういう関連性を持つわけですか。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 国総法にいいますところの森林地域と、森林法の地域森林計画の対象森林とどこが違うかということでございますけれども、国総法でいいますところの森林地域というのは、いま御指摘ございましたように、全国土を森林といろいろな都市地域とか、それに区分するわけでございます。これはマクロ的な考え方でございます。この森林地域の中にはたとえば道路もございますし、河川もございますし、あるいは小さな部落とかいうふうなものも一緒に含んだ一つの地域を考えているわけでございます。地域森林計画の対象としています森林は、これは今後森林として永久に経営するということを前提としたものでございまして、厳密な意味での森林でございます。したがいまして、そういう道路であるとか、部落であるとか、田畑とかいうふうなものは除かれるわけでございます。また現に森林の状態をなしておりますけれども、このものが非常に小面積で分散的な森林、たとえば〇・三ヘクタールぐらいのそういう分散的な森林というものや、はっきりした公共的な計画に基づいて、これがたとえば住宅地になるということが公にされておるというふうなそういったもの、つまりこれは森林としては今後持っていかないんだというふうなものは除外されるというふうに考えております。したがいまして、この地域森林計画でいう森林というのは、国総法でいう森林と比べますと、片や非常に総括的なものでございますけれども、これは林業の森林として今後永久に持っていき、それを林業として経営していくんだというものを一切含めた厳密な意味での森林というふうに御理解いただければいいかと思うわけでございます。いずれにしましても、その具体的な取り扱いにつきましては、国総法全体の運用とも関連させながら検討を急いでいるところでございます。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)委員 国総法のいう森林と森林法でいう森林との使い分けからいま長官は答弁されたようなんだが、しかし、これは全く矛盾しなくやっていける見通しがあるのか、こういうことなんです。これは林野庁としては流域別に全国八十に分けてなるべく早くやって一年以内ぐらいにやっていきたいとこういう。そのあとで国総法が通過して、これはこの法律を見る限りにおいては一、二、三、四、五色に知事が自分の管轄するところの都道府県を分けていってしまいたいと、こういうわけです。たとえば、これは地域施業樹立の際に経営規則の第九条かなんかに、国有林の中においては第一種とか第二種とか第三種とか、こういうように区分されているようになっているわけです。が、しかし、国総法のほうでこういうものがあとから出てきた場合にそういうところまで国総法というものと森林法の基本計画というものとが矛盾なくやっていけるかどうか、私はこういう疑問を持つわけです。こっちはこっちで先通過さしてもらいたい、われわれも急いでやらなければならない要因もたくさんあろうかと思いますから、それはいいとして、国総法との関係がそう簡単にいくものか、こういうことなんです。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 森林法に基づきます地域森林計画と国総法に基づく森林地域というものとの関連においてどうだというお尋ねでございますが、私どもといたしましては、国総法の担当官庁であるところの企画庁のほうとも事務的な打ち合わせをいたしておりまして、大体先ほど長官からお答えを申し上げましたように、国総法の森林地帯とそれから私どもが森林法の中で考えております森林計画の対象である民有林とそれから国有林というものが大体同じようなところで落ちつく。ただ、違いますのは、国総法の森林地帯のほうが多少幅が広うございまして、先ほど長官からお答え申し上げましたように、道路であるとか田畑であるとか、そういうようなものが包含されるというようなことでございまして、共通の目的を追求していくというふうな形で打ち合わせをいたしておりますので、かりに国総法のほうがあとから追っかけてまいりましたとしても、その間には矛盾なく運用できるのではないかというふうに考えておるわけでございます。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)委員 またこれは国総法の審議のときにいまの答弁を聞いて十分審議しなければならないと思いますが、開発規制で一町歩以上ぐらいのものについてはいろいろの許可条件でやるとかなんとか、たいへんこれは森林を守るためにいろいろ条件が出ています。が、しかし、あとから出てきた国総法でそこはでっかく網をかぶせられてしまって、これはもう都市の地域だとかなんとかというようなことにしたならば、苦労してそんなことしたって意味ないような法律があとから、もし通過するとするならば国総法ができてくると、こういうことになりはしないか、こう思います。それが一つなんです。  もう一つは、この国総法と森林法との間に相互で調整する機能、そういうものは具体的に何かあるかどうか、こういうことなんです。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 先ほどもお答え申し上げましたように、国総法の法案作成の過程及び私どものほうの森林法の改正法案の作成の過程で、両省で十分調整済みでございまして、両省の間に考え方の食い違いと申しますか、そういうものはない、今後もまた両者で打ち合わせをしてまいりまして、食い違いがないように運用してまいりたいと考えておるわけでございます。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)委員 時間の関係で、また国総法の審議のときにお尋ねをしたいと思います。  第五条ですが、民有林の地域森林計画は知事がやろう、それから国有林のほうは、これは地域施業計画は局長がつくる、こういうようになって、同じ流域の中に民有林と国有林が混在しておるわけです。混在しているんだが、その相互の調整、これは民、国相互の調整というものがうまくいくかどうか、私はもう冒頭から結論を申し上げると、もう少し調整機能というものを、一条を起こしてきちっとした調整機能をつくらなければ、経済の激動のときに、大山林地主は、たとえばもっと木材が上がるだろうというと、施業計画の中にどういう計画で切ろうというぐあいになっておってもその伐採に従わないというような問題が出てきたりいろいろすると思うのだが、これは一体その相互調整というものはどういうようにしてやっていこうとしているか、そこがこの問題の基本だと私は思うのですが。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 国有林と民有林の調整が絶対必要であることは御指摘のとおりでございまして、この点については、先ほど全国森林計画の段階におきましてこれは調整するのだと申し上げたわけでございます。この全国森林計画をつくります際には、地元の市町村の意見であるとか、あるいは学識経験者で構成しますところのそれぞれの県にあります森林審議会の意見を聞くということになっているわけでございます。国有林の経営の場合におきましても、これはこまかい地域施業計画をつくります場合におきましても、やはり地元の意見を十分聞かなければならぬというふうに定めておるものでございます。基本的には、いま申し上げた、まさに御指摘のように、国有林と民有林との相互調整というものが絶対必要だということから、全国森林計画の中に流域計画の考えを入れたわけでございまして、それの運用につきましては、いま申し上げましたような制度がいろいろございますので、それを運用してまいりまして、この相互の連絡というものが完全にいくように運営してまいりたいと思うわけでございます。また中央におきましても、全国森林計画をつくる段階におきましても、農林省としましてはそれぞれの関係する省庁の意見も聞くというふうにいたしておりまして、それぞれの地域の段階におきましても、中央の段階におきましても、独善にならぬような考え方は導入しておるものでございます。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)委員 抽象的にはなるほどそのとおりです。ただ、流域別にしようとしまいと、民有林と国有林とをその地区において調整がうまくいくか。民有林を切らなければならないというときに切らない場合はたとえばどうしよう、あるいは切ってはならないときにどうしても財政上切らなければいけない、こういうような場合にどういうようにやっていくか。もっと私権の制限というものに一歩踏み入れて、そして国の財政援助というものを十分うしろ立てとして、そして公益的機能を国、民一体に発揮するような体制を整えなければ、ここだけ直したところで、こういうような方法を講じたところで、私はそれはざるみたいなもので漏っていってしまうのではないか。もっと具体的な、民有林に対してどういう私権の制限なり何なりまで一歩踏み込まなければできないと思うのだが、その辺はどうでしょう。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 民有林の場合だけを考えますと確かに御指摘のように、森林の機能というものは最近特に公益性を尊重するという声が非常に強くなってまいりました。今度の改正の中にも、それを受けて、公益性を重視する考え方が入っておるわけでございます。普通林の場合におきましても、そういう意味で一つの基準をつくって、それに基づいて伐採なりあるいは造林なりをするという点の指導をしておるわけでございますが、具体的には、要するに、個々の山を持っている人たちが計画に基づいて伐採し造林することが必要だと思うわけでございます。  ところが、個々の山林所有の人たちというのは非常に零細なことは御承知のとおりでございます。その人たちが計画的に施業するためには、やはり共同して一つのまとまった単位として、このことばは属地的な、いわゆる共同施業ということばを使っておりますけれども、そういうふうにまとめて、具体的には少なくとも三十町歩ぐらいまとまった単位で、この計画制度を導入していきたいというふうに考えております。そういうふうにまとまった単位で計画制度をつくった場合には、税制なりあるいは融資なりあるいはまた補助なりについての優遇措置を講ずるということを制度的に考えているものでございます。  そういうふうにいたしまして、山を持っておる人たちが計画的に一つの目標に向かって——目標と申しますのは、いま申し上げたこの流域計画の中にも入っているわけでございます。それに基づいて個々の山持ちさんがそういった計画をつくって、それで知事がそれがよろしいと思って認めた場合には、いま申し上げたいろいろな優遇措置を考えるわけでございます。そうして育成してまいりたいというふうに考えるわけでございます。  なお、もっときびしくこの森林に対する規制をしていこうという必要がある場合におきましては、保安林の指定という制度もございます。それによって保安林を指定してまいらなければならぬというふうに思います。そういう場合にはまた一つの補償措置ということも考える必要があるわけでございまして、そういった点も考慮しているわけでございます。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)委員 私は、こういう問題をやっていくと、当局は、保安林制度でと、こういうぐあいにやはり御答弁があろうかと思ったら、案の定あったわけですが、一体、保安林制度は、いま大体の面積と、それから民有林、国有林の面積の比率と、それから年次的に、だんだんふえてきているようだが、どういう経過でふえてきているか、概略でいいです。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 保安林の四十八年三月三十一日現在の状態でございますが、合計いたしましておよそ六百九十四万ヘクタールでございます。  その内訳を簡単に申しますと、国有林がトータルで三百五十九万ヘクタール、民有林が三百三十四万ヘクタールでございまして、五二%、四八%、こういう比率になっておるものでございます。これはここ数年来相当ふやしてまいったものでございますが、今後も保安林につきましては、水源涵養保安林あるいは土砂崩壊、土砂流出防備保安林、特に今後は保健保安林といったようなものを増強してまいりたいというふうに計画いたしております。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)委員 私は、やはり私権の制限まで及んでいくということになっていくと、長官、だんだん、保安林制度を十分活用してと、こういうように答弁がたぶんなるだろうと思っていたのだけれども、まさにそのとおりです。ただ、最近の傾向をいま聞かしていただかなかったのだが、国有林についての保安林の面積はウエートは高くなって、民有林のほうは逆に面積はうんと減っているのじゃないか、解除のほうが最近は多いのじゃないですか。その最近の傾向はどうですか。概略のことでいいです。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 保安林の比率から見て国有林が多いという理由は、これは国有林は大体脊梁山脈地帯にございます。したがいまして、水源涵養はもちろん、土砂流出防備保安林、土砂崩壊防備保安林、そういったような、一号から三号までの重要な保安林が多いわけでございます。全体の傾向といたしましては、保安林は解除される場合、指定される場合、含めまして、ふえてまいっております。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)委員 それが国有林のほうはふえていく率は多い。いま林野庁からもらった数字でも、国有林は二十九年のときには八十八万六千ヘクタール、四十七年には三百五十八万ヘクタールと、これは国有林のふえ方は四倍にふえている。ところが、民有林のふえ方は、当時、二十九年は百六十三万ヘクタール、それが四十七年には三百三十万ヘクタールというのだから、民有林は二倍にしかふえていかないということは、私は、こういう数字から見て、民有林に私権の制限も加えてまでやらなければいけないという方向は、困ったときには保安林制度でやりますと言うが、民有林に対する保安林の網のかけ方は少ないのじゃないか、その傾向だけを聞かしてもらいたい、こう言っているわけで、事務当局でもいいわけです。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 失礼いたしました。  昭和三十八年度末と昭和四十七年度末と両方比較いたしますと、国有林は百九十四万九千ヘクタールが三百五十九万五千ヘクタールになっております。民有林が二百十二万八千ヘクタールが三百三十四万五千ヘクタール、こういうふうになっております。民有林のほうもふえておるわけでございます。ただ、ふえ方から申しますと、国有林のふえ方のほうが御指摘のように多くなっておるように見えます。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)委員 最近の解除の傾向はどうですか。そうしておもな理由は何ですか。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 解除の状態はどうかという御質問でございますが、ここは四十二年と四十七年とを面積で対照いたしてみます。国有林におきましては四十二年に解除されましたものは千百八ヘクタールでございまして、四十七年が千五百四十三ヘクタールというふうになっております。この中間におきましても大体以たような数字でございます。民有林におきましては、四十二年の解除面積は三千七百四十ヘクタールでございます。四十七年が四千六百六十七ヘクタールでございまして、その中間におきましては千六百から二千四百くらいの面積となっております。これを合計いたしますと、四十二年は四千八百四十八ヘクタールでございますが、四十七年六千二百十ヘクタール、その中間を申し上げますと、合計で四十三年が二千四百二十四、四十四年二千四百六十九、四十五年四千四十、四十六年三千八百六十六というぐあいになっております。四十七年が合計いたしまして若干従来より多いというような数字が出ております。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)委員 この森林法の改正の際に保安林制度というものも手をつけないでいるわけなんですが、改正をしたいというような案があって、どういう経過を経て保安林制度には手をつけなかったか。この森林法を改正する場合に保案林関係のものをやろうじゃないかという案があったわけですか、なかったか、これは保安林制度についてはは何の改定も加えていないわけです。その辺の経過はどうでしょうか。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 御存じのとおり、保安林につきましては保安林整備臨時措置法というのがございまして、来年の三月三十一日までが法の有効期間でございます。そういうふうなものもございますので、私どもといたしましては、保安林の中に保健保安林という制度を導入いたしまして、最近の森林に対する公益的機能の保持、ことに都市の環境整備というふうな形についての要請にこたえていくというようなことを検討いたしておるわけでございまして、そういうふうな臨時措置法の失効期限までに保安林制度全体についての検討を加えてまいりたいというふうに考えておるわけでございまして、今回の森林法の改正の中には織り込みませんでしたけれども、来年の三月三十一日までの間に保安林制度についての検討を終了してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)委員 そうすると、保安林制度をより強化する方向で来年の三月三十一日までに法改正その他をやっていきたい、こういうことですか。それが一つと、その方向はどういう方向でしょう。どういうことをどういうように評価をしていこうという方向でしょう。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 保安林整備臨時措置法を延長いたしたいと思っております。従来十年ずつ二度延長されてきておりますが、今後もおおむね十年くらいは少なくとも延長いたしたいと思っておりますが、その方向といたしましては、御承知のように、保安林の種類は十七種類あるわけでございます。法律では十一に区分いたしておりますけれども、この保安林の中で一番大事な、先ほど申し上げました一号から三号までは指定なり解除なりは大臣の権限になっております。つまり水源涵養保安林、土砂流出防備保安林、土砂崩壊防備保安林この三種類につきましては、さらにこれを強化すると同時に、特に今後は森林の持つ公益的機能の中でも一番国民的な要請の強いいわゆる保健保安林としての機能を持っているもの、これが従来非常に少なかったものでございますから、この保健保安林を少し大幅に充実してまいりたいということは大きな目標の一つと考えておるところでございます。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)委員 これは林野庁で出したのか、どこから出てきた資料か、それを見せてもらうと、保健保安林の、これは保安林制度の改正の方向というものをすでに方向づけを出してあるわけですね。それにア、イ、ウ、エ、オ、この五つ載っているわけです。その一つだけ長官がいま言われたのだけれども、「風害、潮害、干害」云々「のための保安林の拡充」、これもその一つですか。それから「都道府県の保安林買入制度の創設」、これもその改正の方向でしょうか。それから「保安林の指定施業要件の改正」、それから「保安林の解除の厳正化」、こういうようにア、イ、ウ、エ、オとあるのだが、この次の保安林の措置法の延長のときにはこういうものを含めて改正の方向で提案をしよう、こういうわけでしょうか。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 ただいま先生御指摘の「保安林制度の改正方向」というのは、林野庁で昨年来検討いたしました一応のまとめとして考えておる中身であることは間違いございませんが、いま先生あげられました事項の中には、法律を要しないような事項もございますし、また法律を要するものについては、先ほども申し上げましたように、保安林整備臨時措置法の失効の時期とあわせて保安林制度の根本的な改正といいますか、改正のあれをやっていきたいというように考えているわけでございます。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)委員 それじゃ、こういう方向でいいわけですね。     〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕  それで、大臣、お帰りになる前にちょっと聞いておかなければならないが、私は、公益的機能を十分発揮するためにはもっと私権制限までして民有林に制約を加えるようなことをしていかなければならない、そういう質問をしておったらば、保安林制度というものでやっていこうじゃないかという、まあ概括的に言うと長官の御答弁であった。ところが、この森林法の改正の中に保安林制度には手を加えていない理由は何かと言ったら、来年三月三十一日で切れる措置法をさらに延ばして、その中でいま私が申し上げたようなことを強化していこうというのが大体事務当局の考えのようです。だから、私は、この森林法の改正で公益的機能を重視していこうという時代の要請にこたえるためには、ほんとうはこの法律の中で、一つは、もう少し民、国の調整機能を法文化しなければいけない、それから私権制限のためにもう少し財政措置をしなければいけない、そして保安林制度もこの中で一項設けて法を改正しなければいけない、この三項目を——私は欠陥がある、こう考えておったのだが、まあその問題はあとにして、保安林制度はいま言う方向でいこうと、こういうわけです。これは社会的な要請で、いま言う保健保安林等の新しい創設以下、この改正の方向というものは、私は非常に重要なことじゃなかろうかと思います。  もう一つ、この保安林にあまり指定したがらないのは、何か地方財政上の問題もあるわけですか、保安林にしてしまうと地元に税金がこないか、何かそういう問題もあるわけですか。それもまた私は改正の方向の中に入れなければならない。もっと保安林制度の指定というものをたやすくして、厳正にし、解除をきびしくして、こういう方向でなければいけないと思うのです。  ところが、きのう林野庁からもらった資料によると、保安林の損失補償金、これは八百万ヘクタールもある保安林の損失補償なんというのは、三十五条か何かでいっておるのは、もう少し大きな金額で損失を補償するというような方向だろうと思ったら、たった一億円ぐらいな予算しか実際には使われておらないということは、これは私は、もう少し公益的機能をこれから拡充しようとする方向としてはたいへん心もとない話じゃないか、こう思います。  そこで、大臣に、要は、来年保安林のこの措置法の延長の方向、改正の方向、そういう場合にもっと公益的機能を十分発揮できるような方向をとること、それから予算にあたっては当然、これだけの経済事情のいろいろの変動のときですから、補償というものをもっと十分出して、私権をある程度制約するわけですから、もっと出していかなければいけない、こう思うわけです。大臣、どうでしょう。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 森林の有する公益的機能というもの、これがますます重視されてきておるということは、御指摘を待つまでもなく、私どももそれを認識しておりますし、また重視しておるわけでございます。そういう上から、特にその保安林についての今後の考え方、ちょうど法律の期限が参ってこれを延長する、その機会に保安林について検討を加えようということを先ほどから長官なり部長のほうからお答えを申し上げておるわけでございますが、また同時に、小沢委員からも種々御意見をちょうだいしております。これらは今後検討をしよう、こういう段階でございますから、いまの御意見は十分その面で取り上げてまいりたい。そのいずれをこの法改正の中で取り上げるかということをいまここで私から軽率にお答えはしかねますが、種々御意見のありましたことは承りまして、たいへん有益に受けとめておりまするので、検討の際によく私としても考えたい、こういうふうに思うわけであります。  特に、私権制限あるいは補償というような点についての御意見がございました。これらの点については、いままでにも保安林に対しての補償措置などあるわけでございますが、それは予算の面から、公益的機能が非常に重視されるのに少ないではないか、こういう御指摘でございますが、しかし、道は開かれておって、その該当した範囲というものが、従来ややもするときびし過ぎたんではないか、該当するものがあまりなかったんではないか、こういうことではないかと思いまするが、時代の要請に沿ってそれらの点も検討してまいりたい、かように考えます。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)委員 大臣、時間のようですから、どうぞ。  それでは、保安林制度については大臣からも答弁があったし、これから改正していこうという方向のようですから、次に進みたいと思います。  十条の伐採の届け出を今度は強化をしているわけです。いままでもこれはその義務を怠ったりなんかした者は五千円の罰金ですか、そういうように百九条でなっているわけですね。いままでの状況はどうだったか、いままでの十条の伐採の届け出というものは完全に行なわれておったか。これはたしか二百九条かなんかで罰金が五千円ばかり、怠ったりなんかした者は払わなければいけないみたいなことになっているが、この第十条というものはいままでどういうようなぐあいに実施されてきたか、これはもうあってなきがごときもので、実際は死文化しているものか、大体の実態を、事務当局でいいわけです。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 伐採の届け出につきましては、従来まで森林の適正施業を進めるという観点から林業改良指導員の指導とかあるいは森林組合の組合員に対する指導等を通じて励行をはかってまいったところでございますけれども、ただいま先生御指摘のように、必ずしもその成果は十分と言うことができませんで、四十六年末で調べたところによりますと、やっと過半を占めておるというふうな状況であるわけでございます。これは、大体森林の所有形態が零細でございまして、かつ兼業が多いというふうなことから結果しておるというような形でございますけれども、実績は年々向上してきている、かように言えようかと思います。  今回の森林法の改正におきまして、森林組合制度の改善であるとかあるいは計画制度につきまして、団地共同森林施業計画を制度化するとかというような形で集団的な森林施業を進めるということによりまして、伐採の届け出制を実行させるというふうなことにしますと同時に、実際の森林所有者が実際に伐採をいたします場合に、届け出た伐採計画が地域森林計画に適合していない場合とか、その届け出た伐採計画が地域森林計画に適合していても、現実にはその計画どおり伐採はしないというような場合には、必要な命令が出せるというようなことを今回の改正案の中に織り込みますと同時に、ただいま先生の御指摘のように、二百九条で、届け出ないときの罰則というのを五千円を三万円に修正するというような形にいたしまして、罰金の金額も高めまして、この届け出制の励行をはかっていくというふうな形で考えてまいっておるわけでございます。  ただ、こういうふうな制度につきましては、罰金を強化することによって励行させるというふうな考え方でなしに、できるだけ指導によって励行さしていくというような形でやっていくことが望ましかろうというふうに考えますので、罰金も増額いたしましたけれども、そちらのほうの指導をいままでに増して強化してまいりたいとこうふうに考えておるわけでございます。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)委員 少し勧告もできたり、命令も出したりできて、五千円の罰金を三万円にしたと、こういうわけなんだが、これはやはり私権の制約の問題にまで及んでいくような気がしてしようがないわけです。従来も、届け出も何も怠っていて罰金の五千円ぐらいのものはだれか納めておけぐらいのことでやっていた者は、こういうように第十条を整備したところでやはり同じではないか。そういうことになってくると、だんだん私権の制約というものにまで及んでいかないと、実際は効果を発揮しないんではないか、こう思うわけです  だから、次の開発許可の問題についても同じような問題が出てくる。これは罰金が二十万円で、少し高いだけのことなんだ。しかし、これも、怠っていこうという者にとっては、十万円や二十万円の罰金の額の多少なんというものは全然問題じゃなくて、私はそういうことをあえてやっていくような傾向がありはしないか、こう思いますが、その辺はどうでしょうか。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 確かに罰金制度だけで運用するということは問題はあると思います。罰金を高くさえすればそれで済むかというと、なかなかそれだけじゃ済まぬだろうと思うわけです。届け出制度に関連しまして、いろいろ問題が出てまいりますが、計画どおりにやらぬ場合にはこれを是正させるというような措置も講じております。また、従わぬ場合には、それを代執行するという制度も考えておるわけでございまして、そういう一つの経済的な制裁の制度も考えておるわけでございますから、むしろ罰金よりはそういった方面の効果というものが大きいんじゃなかろうかというふうにも判断されます。  いろいろそういった点を総合いたしまして、罰金だけでなしに、ほかでも、普及の面とかその他いろいろな面で、そういった制度に従っていくほうがいいんだということをよく指導してまいりたいというふうに考えております。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)委員 時間がないから先に進みたいと思いますが、開発許可の中で、「これを許可しなければならない。」という前提で、「土砂の流出又は崩壊その他の災害を発生させるおそれ、」「水の確保に著しい支障を及ぼすおそれ」、それから「環境を著しく悪化させるおそれ」があること以外には許可しなければいけない。「おそれ」ばっかりで出ているわけです。ただ、これは広範ないろいろの地理的条件があって、こまかいことは政令にゆだねておるようなんだけれども、これだけのことでもって、あとはみんな役所におまかせしようということになると、逆に乱開発のおそれのほうへ発展していくのじゃなかろうか、こう思うのです。そこで、いままでに具体的にこういうようにしたいと思うような意見のまとまった政令の項目があったら、急いでここで読み上げてもらいたいと思うわけです。政令はどういうことをうたうようにいままで合意が得られているか。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 政令で定める基準以上の開発行為について云々ということになっておりまして、現在私どもが考えておりますのは、一ヘクタール以上の開発行為というふうな形のものと、それから道路等につきましては、道路の幅員等で押えていくというような形のことを考えていきたいというふうに考えておるわけでございます。  この点につきましては、今回の開発規制のねらいといたしますところが、小規模の農民等が行ないますような開墾等を押えていこうということでなしに、現在問題になっておりますようなゴルフ場であるとか別荘地分譲であるとか、そういうような形のものを押えていこうということにねらいを発しておるわけでございまして、そういう点からいたしますと、ゴルフ場とか別荘分譲とかいうような形のものでございますと、相当な規模のものを押えていけばいいということになるわけでございますけれども、また別途、土石の採取といったような形のものにつきましては、一ヘクタール前後のところでも問題が起こっておるということでございますから、それ以上のものについては押えていこうというふうなことを考えておるわけでございます。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)委員 その問題はまだいろいろ論議したいんだけれども、時間の関係ではしょって先に進みたいと思います。  森林法ができたけれども、たとえこれが通ったあとでも、やはりそのにない手——これはもうたびたび他の委員から御発言があったと思いますが、にない手の問題、人の問題が、生かすも殺すも重要なことになっていく、こう思います。総理府の統計かちょっと見ると、昭和四十一年に林業労働者は三十四万人であったものが、昭和四十六年には十七万人、五年間におそるべき減少で、ちょうど半分になっているわけです。これは量の低下ばかりじゃない。時間の関係で私のほうでみんな申し上げるが、人の数の低下ばかりじゃなくて、高年齢化、女性化ということで、質の低下のほうにも発展をしていることは御案内のとおりであります。林業の生産活動に非常に重要な影響があると思うんだけれども、この労働力確保、林業労働者と都市労働者その他との所得の格差の問題、こういうことがいよいよこういうように拍車をかけているんではないか、こう思います。この問題については、参議院でも当委員会でもたびたび発言があったと思うんだけれども、この森林法が通って、森林法の改正の方向にりっぱにやっていくためには、民、国あわせてにない手が、十分な処遇をして、この森林法改正の目標に向かって進んでいかなければいけない、こう思うのです。それで、その辺の長官の基本的なお考えを先に聞かしていただきたい。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 御指摘のとおりでございまして、最近の林業労働力の推移を見ますと、昭和四十三年二十七万、四十四年二十二万、この年にちょっと統計法が変わりましたので、数字が大きく変わっておりますけれども、四十五年二十万、四十六年十七万、四十七年はちょっとふえまして十八万というぐあいになっております。しかし、この中身を見ますと、特徴といたしましては、確かに老齢化の現象がございます。男女の比率は、男性のほうが一時下がりましたけれども、最近では大体コンスタントになっております。  それから変わっている点は、常雇いがこの中で大体八万程度というのはここ四、五年動いておりませんが、臨時雇いであるとか自営者であるとか、そういったような人が非常に減少しておる。この原因の一番大きいのは、やはり薪炭に従事しておった人たち、これが急速に減少したということが大きい特徴でございます。ここ六年ぐらいの間に薪炭の生産量が七割減っております。当時の三割ぐらいにしかなっておりません。それとちょうど比例して、薪炭に従事する人たちが同じぐらいの比率で減っておりますのが、この減少の大きな傾向でございます。確かに労働力の減少というのは非常に大きい問題ではございますが、常雇いがふえて、つまり通年化の傾向がある程度出てきておるということには希望が持てますけれども、これで十分だとは決して考えていないわけでございます。  民有林の一つの対策といたしまして、現在のところは、いま申し上げた通年化ということに対して強力な施策をもっていかなければならぬ。御承知のように、ほかの労働者に比べましてこの林業労働の場合には、季節性が非常に強いということを何とか克服して、やはり常用的な方向に持っていきたいと考えておりまして、現在百八十日以上働いた者に対しましては、本人もある程度、一日当たり三十円出しますが、ほかの県なり市町村なり国なり森林組合がこれを助成しまして、やめた場合にはこれに対して手当を支給するということで、なるべくこの長期化をする施策も一つ考えております。  それからもう一つは、流動化の問題がございます。やはり自分のうちからあまり動きたがらぬという一つの特徴を持っておりますが、少なくとも隣村、場合によっては隣の県ぐらいには移動して働くということによって通年化を考えたい。そういうことをやるための一つの対策費ということで助成制度も考えております。  それから、働く場合のいろいろな設備、機械であるとかあるいは車であるとか、そういうものに対する助成ということも考えております。要するに、これらを含めまして特に社会保障制度が非常に欠けておる。賃金の水準の問題もございますけれども、昭和五十一年からはこういった林業労働に対しましても、たとえば失業保険のようなものが適用できるようなところまで持っていきたいということをいま検討を急いでいるところでございます。そういうための予算措置としまして、四十五年以降ずっといろいろな対策費を組んでおります。  民有林の労働について概略かいつまんで申し上げましたけれども、そういうことによりまして通年化、いわゆる安定化というようなこと、それから労働環境の改善というようなこと、そういうことに重点を置いて林業労働の減少を防止し、希望を持って働けるような制度を導入してまいりたいと思っておるところでございます。  国有林の問題につきましては、たびたび申し上げておったところでございますので、この席では省略さしていただきます。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)委員 時間の関係で簡単に国有林のほうから先にやらしてもらいますが、これは四月十七日の福田長官の答弁で、中村利次委員の質問に答えて、「林政審議会と先生おっしゃいましたけれども、これは一番重要な問題でございますので、なおその中に労働の部会を設けまして、そういった方面の御意見も聞く予定にいたしております」。これは例の常用、定期作業員の問題に関連しての質問であります。それでそのときの附帯決議には、「林野庁における非常勤職員の雇用条件についても実情にそって検討すること。」こういうことになって附帯決議ができております。これは一体、その後具体的に取り組むつもりで林野庁は取り組んでいるかどうか、こういうことであります。  たとえば定期と常用との間に、同じような形でありながら片方は退職金だか何かの積み重ねもできていくが、片方はこま切れのようなことだ。しかし、基本をささえている人はそういう人がやっているのだから、これはひとつ、いま言うように、民間も同じなんだから、国有林も同じなんだから、長期契約ができるようなぐあいに持っていかなければいけない、こう思います。ところが、長官は具体的にはそういうふうに参議院で答えているし、附帯決議にも「非常勤職員の雇用条件についても実情にそって検討すること。」あるいは林政審議会の労働の部会を開いて結論を出すようにいたしますと、こうあるが、進んでいるかどうか。国有林についてそれを一点だけ。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 国有林の作業員の処遇につきましては、いま先生からお話がありましたように、林政審議会に労働小委員会を設けまして検討を開始いたそうとしておるところでございます。  どういうことをやったかということをちょっとかいつまんで申し上げますけれども、従来定期作業員の常用化それから雇用の長期化ということにつきましては、実績を申し上げますが、四十一年度以降常用化しました者が一万一千百八十九名となっております。それから雇用の長期化ということで、四十一年度に平均雇用期間が七・五カ月でございましたけれども、四十七年度の実績をとりますとこれが八・一カ月というぐあいに、約一カ月近く伸びているわけでございます。  それから次の処遇の改善の問題でございますが、一つは休日、休暇の改善の問題でございます。これは常用と定期でございますが、内容を申し上げますと、国民の祝日の有給化、作業休日の改定、それから妊婦のための休暇、そういったものを制度化したものでございます。それから交通遮断等の場合の休暇の有給化、それから賃金の引き上げ、こういったことを実施したわけでございます。  次には諸手当の改善の問題でございますが、これも常用、定期でございますけれども、山泊、石炭、薪炭、寒冷地、通勤、それから船舶就航、期末、扶養手当の引き上げ、それから振動障害検査特別給等の手当の制度化を実施したものでございます。  次に賃金の水準の引き上げでございますが、これも毎年度引き上げておりまして、四十一年度以降平均日額にしまして二千百円の引き上げを実施したわけでございます。  今後は、この経営改善の進展にあわせまして、定期作業員の常用化、雇用の長期化につとめますとともに、常用作業員の処遇の改善につきましても、関係省庁の協力を得ながら常勤職員との均衡をはかる方向で努力してまいる考えでございます。具体的には先ほど申し上げました小委員会等で検討を急ぐということでございます。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)委員 この問題はもっと詳しくやりたいのだが、時間がないので、ひとつぜひありったけの努力をしていただきたい、こう思います。  それから、民有林の森林組合の労務班は、昭和四十一年には四万三千人、四十六年には六万五千人というぐあいに組織化された労務班というものがふえてきて、これは私は傾向としてはいいことじゃなかろうかと、こういうようにも考えます。考えるが、この傾向をさらに助長していくためには、さっき長官が言ったような三つばかりの、長期雇用化、それから流動化、それから社会保障、その他の問題等、もっともっと力を入れて都市勤労者との格差がないような方向に、十分高賃金で雇えるような方向に持っていかなければいけないのじゃないか、こう思います。  そこで答弁をいただく時間もございませんが、私はそういうような問題について全国森林組合連合会から陳情が出ているのをちょっと拝見したわけです。そういうこともやっぱり入っているように考えますが、この陳情の第一に、「林業基本法第七条に「国は林業者または林業者が組織する団体の自主的な努力を助長するよう施策を講ずる」という旨の規定がある。この基本趣旨に沿って、民有林に対する造林施策は、まず第一に、森林所有者ならびに森林所有者が組織する森林組合による自主的な造林を推進することを中心に考えられたい。一方的な国営分収造林には断乎反対する。」こういう陳情の一つの項目、この方向は林野庁としては考えられるか、それが一つ。  第二は、「国の造林予算は、漸次拡充されてきてはいるが、まだ充分ではない。新植についての思い切った、補助率アップ、保育に対する全面補助、さらに融資についても一挙に伐採時までの償還据置きなど抜本的改正をはかられたい。」これが第二項。  第三項、「民有林労働者に対する社会福祉の充実をはかるため、森林組合作業班員に対する長期退職共済基金の制度化、失業保険の当然適用等を早急に実施されたい。」  この最後の項目がいま私の言ったような問題と関連があるのだけれども、以上この三つの項目が出ておって、われわれもこれは全面的にいいことではなかろうか、こう思いますが、これにこたえられるような体制、方法、方針があるかどうか、端的にひとつお答えをいただきたい。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 ただいま先生御指摘の全森連からの陳情の内容でございますが、最初の、森林所有者の自主的な造林を助長するという方向で考えておるかどうかということでございますけれども、私どもも林業基本法の七条に書いてありますように、森林所有者が自主的に造林をやっておられる場合に、それをまず第一に助長していくことが必要であろうということで、従来補助なりあるいは融資なりという面で助成をしてまいったところでございます。  二番目に、その造林の推進のために補助体系を大幅に改善することというようなことがございましたが、及ばずながら私どもも造林関係の補助体系なりあるいは融資の関係なりにつきまして、条件の改善あるいは助成の拡大ということで努力をいたしておるわけでございまして、四十八年度につきましては造林関係について大幅に助成の単価なりあるいは助成の率をふやしていくというふうな形にいたしたわけでございます。  また保育の問題につきましても、徐々に保育を補助の対象の中に取り組んでいくというようなことも四十八年度から実施をいたしておるわけでございます。  四十九年につきましても基本的な方向としてはいままで申し上げたような方向をさらに拡大していくという形で努力いたしていく所存で、四十九年度の概算要求書を大蔵省へ送り込んだばかりでございます。  それから、社会福祉関係につきましては、退職手当関係の基金造成というような形でございますが、このことにつきましては、先ほど長官からお答えをいたしましたように、従来林業労務者は企業の零細性、兼業性、季節性ということから長期の就労ができなかったということで、失業保険の対象とならなかった、そういうことでございますので、長期就労化対策としまして、漸次百五十日から二百五十日まで上げていくという制度をいま予算制度として仕組みまして助長いたしておるわけでございますし、また労働省のほうで五十一年末までに失業保険が農林業者に適用になるような形で検討が進められておるというようなことでございますので、私どもといたしましても、その面に対して協力をして、両省共同でそういう方向が実現できるようにという形で努力をいたしておるわけでございます。  そういう面で、林業労務者が、先生が御指摘のように、非常に生活環境なりあるいは労働条件なりに恵まれない点につきましては、わが国の森林が零細所有のもとにあるということが非常に大きな原因であろうと思いますので、その面につきましては、今回の森林法の改正の中にも、計画の共同化というような形で協業が進められるようにというような形のこともまた、直接には労働対策をねらってないようでございますけれども、私は長期的に見た場合には、こういうことで協業が行なわれるということによって、あるいは季節性の消滅なりあるいは就労の長期化というものがはかられるのではないかというように考えて、その点につきまして今回の森林法の改正の中で改正をお願いいたしておるところでございます。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)委員 時間ですから、質問を終わりたいと思います。  最後に長官に特に要望しておきたいことは、私たち末端を見て歩いて、やはり管理職は管理者らしいその職場の管理体制、こういうものにもっと徹してやらなければいけない。職場の秩序が乱れているのを見て見ぬふりをしているような管理者がいる、たいへん嘆かわしいことだと思うのです。だから、管理者教育をしっかりひとつ徹底して、管理者はやはり管理者らしくやっていくというようなことを、特段の御配慮をひとつ最後に、これはお願いをしておきます。  以上をもって質問を終わります。ありがとうございました。

山崎平八郎自由民主党

○山崎(平)委員長代理 この際、午後一時三十分再開することとし、暫時休憩いたします。     午後零時三十三分休憩      ————◇—————     午後一時三十七分開議

佐々木義武自由民主党

○佐々木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。美濃政市君。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 本日は、森林法あるいはいま提案されておる案件についてはあとから質問することにして、関連で長沼保安林の解除に伴う問題の点につきまして、しばらくの時間質問いたしたいと思います。  最初にこれは大臣にお尋ねしたいのですが、過去において日本は大東亜戦争というのをやりました。これは大臣としてどうお考えになりますか。この大東亜戦争という行為は公益に合致しておったものであるか、あるいは公共の福祉があの中から非常に守られたものであるか、それとも公共の福祉や公益が破壊されたものであるか、どういうふうにお考えになるか、お尋ねいたしたいと思います。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 農林大臣としてお答えをすることはいかがかと思うんですね。そこで、さらに私見を申し上げるというのも当を得ないと思うのです。まあ私は私なりに支那事変に従軍をしてその後大東亜戦争へと行ったので、当時一人の兵隊としてお国のために戦わなければならぬ、こういう、まあ自分自身でいえばおかしい話でありますけれども、純朴な気持ちで行ったわけでございます。それが敗戦という結果で、国際的にもまた国内的にもいろんな角度からの批判を受けておる、こういう事実であって、その批判は批判としてまともに受けていくべきである、こういう考えに立っておるわけであります。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 お尋ねしたのは、そういう考えに立って、結果としていまあの戦争行為というものが公益や公共の福祉に合致したものであったかどうかと聞いておる。これは農林大臣というよりも、田中内閣の閣僚として、常識問題ですから、直接農林には関係ないにしても、りっぱないま政府を担当しておる閣僚のお一人であります。公益に合致したものであるかどうか、公益に合致しておったかどうか、この結果を聞いておるわけです。過程はいまお話しのようなことであったと思いますが、結果がどうであったかということです。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 そこで、お答えしにくい問題であるので、種々批判を受けておる。その批判を受けておる中には御質問のような点もあるかと思いますが、それをまともに受けて考えておるということを申し上げておるわけであります。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 批判が多いということは、公益や公共の福祉に合致しないものであったと解釈してよろしゅうございますか。それもわからないのですか。どうですか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 それは私、お尋ねする必要はないのではないか、お考えいただいておればお考えいただいておることで、それでけっこうなんだと思います。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 しかし、これは大切なことですから私見でもけっこうなんですがね。おそらく閣議でこんなことを論議したことはないでしょう。日本の政府を背負っておる一人のりっぱな閣僚としての私見でもけっこうなんです。こういうものは公益に合致した行為であったか、それとも合致していなかったのか。批判は自由でしょう、かってにお考えください、私のほうは何か批判があるようでありますというものじゃないと思うのです。公益に合致しておったならおったでいいのです、していなかったらしていなかった、わからぬのならわからないと、もうちょっとはっきり言ってくれませんか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 私は、戦争が公益上から起こるものとは考えておりません。しかし、この戦争というものについてのいろいろな理論があることも承知しております。いわゆる国を防衛するということから始まって、それが一つの理由で攻撃をするという事態に発展していくというようなことから、そういう場合の戦争についての考え方というものはいろいろあるかと思います。しかし、私として、公益上戦争が必要であるかどうかといえば、公益上に必要な戦争というものは考えられない、こう思います。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 もう一つお尋ねしますが、最近大体終息をつげてきましたが、その後に起きたベトナムの戦争をどう評価しますか。ベトナム人のために非常に公共の福祉や公益が高まったと考えられるか、公益や公共の福祉のためには反対の現象が起きたと考えられるか、どうですか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 ベトナム戦争は、これはやはり専門家がよく検討しなければならない点があると思うのです。それは米軍が、あるいは国連との関連において米軍が介入したことについてどうだこうだということについては、これは種々批判があることは承知をしておりますが、しかし、南北ベトナム下におけるあの戦争行為というものは、いわゆる敵国を相手にして戦っておる戦争ということでなく、内乱的な要素もあると思うのですね。しかし、それにいろいろと第三国の関連ができて、いわゆるベトナム戦争という、そういう表現になってきておると思うのですが、それは本質はどうかこう言えば、いまの内乱的なそういう要素から始まっておるということも考えられると思うのであります。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 原因を聞いておるわけではないのです、私は結果を聞いておるわけです。大体終息をつげたが、戦いのあとに残ったあの悲惨な状況ですね、過程における状況、これはベトナム人の福祉や公益に合致したものであったかどうかということを聞いておるのです。原因には内乱もあるでしょう。いまそういう原因は別として、アメリカが介入したとかせぬとかというようなことは全然別にして、ああいう行動、行為が起きるということは、ほんとうにベトナム人のしあわせになったことなのかどうなのか。どうですか。公益に合致したことであったかどうかということを聞いておるのです。結果を聞いておるわけであります。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 行なわれた戦闘行為に伴っての被害が南北両ベトナム人に甚大な影響を与えて、それが幸福か不幸かといえば、不幸ということは当然であるし、いまお話しの公益上どうであったか、こういえば、そういうものには反しておると思います。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 大臣も、反しておる、こう言う。まあ大東亜戦争も反しておると私は解釈するわけです。  そこで、大東亜戦争のあと、これは人によれば押しつけられた憲法だなどと言っておるけれども、憲法九条で——これは歴史をひるがえってみると、戦国時代の戦いにおいても、戦争のあとはいずれも公益、公共の福祉は破壊されておるわけですね。単に、大東亜戦争だとかベトナム戦争というのは、近い戦争二つだけをいま時間の関係で言った。たとえばその前の日本の戦国時代における国内の大名同士のあの戦いの結果、戦ったあとにはものすごい破壊と、公益あるいは公共の福祉などというものはめちゃめちゃにされてしまうわけだ。これをやめたというのが憲法九条ですよ。押しつけられたものじゃないと思うのですね。そうして国民は主権です。国民の主権はあのとき完全に合意はととのったと思うのです。そう解釈しませんか、この憲法九条論というのは。そういう過程を経て憲法九条というものは、あのときのいわゆる国民主権の絶体的な合意で憲法九条というものができ上がっておる、こう思うのですが、その解釈はどうですか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 憲法が戦後新たになったその経緯は経緯として、いろいろ批判があると思います。しかし、憲法九条に盛られておる精神というものについては、あの戦争の惨禍を受けた国民としては、この九条の精神は貴重なものである、おそらくこれはだれにも異論はないと思います。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 それじゃ、大臣も、憲法九条の精神には異議がないわけですね。そうすると、大臣がこう各国をにらみ回して、軍というものを持っておる国は世界で——まあこれも世界の先進国、EC諸国のあるいはソビエト、アメリカ、中国、このぐらいに限定してよろしゅうございますと思うのです。世界の各国といえば大きいです。軍というものを持っておる国はどの国とお考えになっておるのですか。軍を持っておる国はこれこれだろう——持っておるのだと断定せぬでもいいですが、大臣がいまお考えになって、軍というものを設置しておる国はどことどこか、どういうふうにお考えになりますか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 いわゆる軍隊を持っておる国は軍を持っておると言えると思うのです。ただ、日本の場合は、いま国民は憲法九条の精神というものを持っておりますから、いまの自衛隊というものは軍でない。日本はそういう考え方だと思うのです。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 ここで国の名前を言うことはどうかと思いましたが、世界のうちには持っておる国はあるというふうに解釈してよろしいわけですね。主要国は大体軍を持っておる、こういうふうにお考えになっておりますか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 いまお答えしたとおりに、世界の国で軍隊を持っておる——それはもうみずから軍隊でないと言っておるのじゃないのですから、ほかの国はみな軍を持っておると見ていいと思うのです。ただ、日本は、持っておるものは憲法九条の精神から考えて軍でない、自衛隊だ、こう申し上げておるわけです。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 そこで、いま大臣の言われたことは、実際各国を歩いてみてちょっとあれなんですね。みずから軍だと言っておる国も当然あります。しかし、そういうことが私にはわからなくなってきた。それで大臣に聞いておるわけだ。こういうものは国民の常識としてどう考えたらいいか。これは長沼判決と最後は結びつくわけですけれども、どの国を歩いても、たとえば中国へ行けば、自衛軍だと、こう言います。自衛だ。将来とも中国は、他の国に侵略したり他の国に戦争をしかけるということは絶対ない、これは自衛軍なんだ。ソビエトへ行ってもそう言います。EC諸国のどこを歩いても、どこかの国を攻めるためにおれの国は軍隊を持っておるという表現をする国はありません。全部自衛です。またもう一歩ひるがえって、日本の国内において、先ほど申し上げました徳川幕府前のあの戦国時代の大名においても、さむらいを養って、刀をさして武装しておるというのは、やはり守るためという考えで、おれはどこかの国に戦争をしかけるのだから兵隊を募るなんというのは、戦いが起きてきてから起こる問題である。平時においてそういうことを言っておったものはないと思う、いまから一千年前の歴史を考えて。おれはどこと戦争するから軍隊を持っておるのだ、あるいはさむらいを養っておるなどと言ったものはないと思う。みんな自衛だ。大東亜戦争でもそうでしょう。いま大臣みずからも称された大東亜共栄圏。アジアにおける新しい秩序と公益を打ち立ててよくしてやるのだ。聖戦だ。言うことは何とでも言えるわけですね、そのときの表現として。  そこで、反対に、私どもが外国に出て、外国の政党人やなんかと接触していろいろ話をすると、向こう側から見ておるのは、やっぱり軍隊ですね。もう日本の自衛隊だけの数と——たとえばEC、デンマークを訪問しました。デンマークは三万人です。それでもデンマークは思い切って軍隊といっておりますよ。デンマークの軍隊は三万人だ。戦車も飛行機も持っていない、こういうわけです。全くこういう小さい国で、周囲に起きたときに敗残兵が逃げ込んでくる。敗残兵掃討用の軍隊を持っておるのだ。したがって、この軍隊は、軍と軍の戦いなどということは全然考えていないのだ。あの陸続きで戦争が起きたときに、敗残兵が、逃亡兵が逃げ込んでくる。それはもう殺伐たる気持ちで、無秩序な姿で逃げ込んできた者を掃討しなければならぬから、それだけのものを前から持っておるのだ。それは三万人なんだ。その掃討用だから、戦車だとか軍用機だとか、そんな大がかりなものは要らないのだ。それでも軍隊と称して三万人おると私どもに説明します。私どもは一歩日本から外へ出て他の国の人と接触してわが国を見返した場合には、他の国はみな軍隊だと考えておりますね。自衛隊というものと軍隊というものとどう違うのか、こういう疑問が私には出てくるわけです。  そこで、どの国に行っても自衛隊だ——自衛隊という表現は翻訳したりなにかしますからわからぬけれども、とにかく自衛軍だと、こう言うのですね。中国でもそう言っています。ソビエトに行ってもそういうふうに言われます。どこかの国を訪問して、この関係を向こうの政党の代表の人や何かと茶飲み話や何か、正式には話をしませんけれども、いわゆる晩さん会なんかに招待されたおり話を引っぱり出しますと、どの国に行っても、自衛だと言う。攻撃用だと言った国は私の訪問国に一国もありません。攻撃用に持っておると言った国はありません。ベトナムの戦争でもそうでしょう。やはりアメリカ側の言い分としては、自衛だと言う。自衛のために発動しておる。攻撃のために発動しておるとは絶対言いません。  しかし、それは自衛であろうと攻撃用であろうと、理由のいかんを問わず、軍隊の動いたあとには必ず破壊が起きている。公益や公共の福祉は全く破壊されて悲惨な状態になるということは、もう過去の歴史がはっきり証明しておるわけです。何回やってみても、大きい戦争でも小さい戦争でも、必ず公共の福祉に害するものが起きておるから、これはやはり憲法の九条の精神からいうと、そういう破壊が起きるものを備えるということは、すなわち公共の福祉に合致しない。いま日本の憲法は国民主権、基本人権、平和主義がほんとうの大筋だろうと思う。これに合致しないものは公益に合致したとは私は考えられぬと思う。どうですか。これに合致しないものを公益に合致するんだという解釈、それはちょっとおかしいんじゃないか、こう思うのです。いかがでしょうか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 私は、世界に戦争放棄の宣言をした新憲法を持っておる、その精神が非常に大事である、こう思うのです。もちろん持っておるものが、だれが見ても防御でない、攻撃だけのものであるというときには批判がございましょうが、そうでない限りにおきましては、国民の精神が非常に重要である、こういうふうに見ております。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 大臣は他の国には軍隊を持っておる国がある、わが国には軍隊でないのだ、こう言うのですか、それがどうも私にはわからぬわけですよ、そういうものの表現が。これは表現だろうと思うのです。どう調べても、自衛というものと軍というものの定義とか限界とかというのはないですよ。私の知り得る範囲ではないわけなんです。どの国を訪問しても、さっき申し上げたように、自衛だと言う。いわゆる大臣が言う日本の自衛隊をいうのと同じことをどの国へ行っても言います。ところが、日本へ帰ってくると、外国には、日本の自衛隊と違うものを持っておるのだ、軍というものがあるのだ、日本には軍はありませんよと言っても、外国の評価は全部、軍と評価しております。軍とは何ぞや。これは攻撃は別としても、外敵に対する実力的な戦闘行為を目的とする人的、物的手段の組織体である、これははっきりしておるでしょう、軍というものの解釈。これは判決にも出ておりますね。ここはどうも私には理解できないのですね。田中内閣を形成する閣僚の人は、こういう問題は防衛庁長官だけの問題じゃなくて、全閣僚の常識でなければならぬと思うのです。日本には軍隊はないのだ、自衛隊なんだ、外国には軍隊を持っておる国がある。その国へ行って聞いてみたら、中国へ行ってもソビエトへ行っても、同じことを言うわけです。自衛だと、こう言う。日本の憲法の解釈、あなた方の言う自衛隊を言っておることと同じことを言います。政党の首脳も大臣も、同じことを言うのですね。ところが、日本に帰ってくると、外国の連中は軍隊を持っておるんだ、わが国のは軍隊ではないのだ。外国へ行ったら、日本はすでにもう武装しておる、こう言うのですね。また、約三十万をこえる人間、人的ですね、それにいまの装備をそろえておれば、これを他の国がどう評価しても、軍隊と評価しない国はないだろう、こう思うのです。そこがどうしても私は理解できない問題が一つあるわけです。なぜそうなるのか。外へ出て、外国からわが日本を理解すれば、外国の人は軍隊と評価しておるし、私が考えても、他の国の装備やその他を見ると、やはり軍隊であります。これは自衛隊でありますと言っておる軍ということばを使っておる国よりもまだまだ大きい装備を持っておる。さっき申し上げたように、デンマークで、三万人でも軍隊といって、それは戦車も持ってなければ戦闘機一機も持っていないわけです。それでも自衛軍ですと言う。自衛隊ですとは言いません。自衛軍ですと、こう言う。どうして日本だけがそんなに、軍と自衛隊と違うんだということを、堂々とこれは全閣僚が言うわけです。これはどうなんですかな。全くそれは、国際的に見ても、現実を見ても、国際間の常識から考えても、変なことなんですね。軍とは違うんだ、こう言う。しかし、他の国はやはり軍だと解釈しております。こういう経済も国際化する時代になってきて、そんな、全然ちぐはぐなことばかりを言っておるのはおかしいと思うのですね。なぜそういうことを言わなければならないか、わからないわけです。  まず第一番に、向こう側からいう日本の軍だという評価は別としても、日本の国務大臣が軍隊を持っておる国があると言うことそのものを私は聞き捨てならぬと思う。どの国へ行ったって、軍ということばを使っておる人も、もちろんいわゆる自衛だと言う。軍とは何ぞや。自衛なのか、攻撃なのかという解釈が出てきます。攻撃用に持っておりませんというのは、どこの国へ行っても言うでしょう。軍と言うか自衛隊と言うかだけの違いであって、攻撃用にわが国は軍隊なり火器を設置しておると言った国は一国もありません。大臣、どこかで聞いたことがありますか、わが国は攻撃用の軍隊を持っておりますということを。聞いた国があったら、ここで教えてください。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 これは客観的に判断をする以外にないのです。しかし、私が先ほどから申し上げていることの御理解が得られないようですが、日本は新憲法のもとに世界に対して戦争を放棄しておる。国際紛争解決の手段に自衛隊を使うようなことを考えておらない。そういう姿勢を明白にしておるわけです。だから、日本においては自衛隊、そのほうが各国に対していいと思うのですよ。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 これ以上は水かけ論になるから、一応とめておきたいと思いますが、そういう点がやはりここの論争で、いま閣僚が統一して言っておることを、櫻内農林大臣だけがここで別の表現を使ったらたいへんなことになると思うから、そう言ってうそでも何でも、当たりさわりなく詭弁を弄して逃げざるを得ないという気持ちはわかります。ですから、これ以上言いません。言わぬが、おかしいのですよ。全くおかしいのです。憲法があるからうそを言っておるということになるわけですから。したがって、そういううそを言ってつくっていくから、私に言わせれば、やはり主権を侵し——たとえば、長沼問題に触れますけれどもあの聴聞会の経過を見ても、相当の——主権は内閣にあるわけじゃないわけですから、主権は憲法によって国民ですから、その主権者のかなりの数が反対しておるにかかわらず、権力の乱用で押し切ってしまう。合意ができたものと見なす、こう裁判では言っておるわけですね。裁判で言った政府の態度というものは、大体そういうことを言っておると思うのです。聴聞会については二回やった。意見を述べる権利を放棄したと認めざるを得ない——だれも放棄していないのです。認めざるを得ないという態度で裁判に臨んだところが、敗訴をしたという経過。どうですか。主権というものを全く冒涜して、こういう聴聞会の経過あたりを見ると、これは行政権力の乱用でないか。主権を全く踏みにじってしまっておる。政府には主権はないのですよ。主権は国民なんですよ。それを反対に考えて、政府の考えたこと、国が計画したことは公益に合致するのだ、保安林はどんどん解除しても政府のやることは公益に合致しておるのだという、全く主権を冒涜した、権力の乱用の姿勢というものが高まってきた。国とは何ぞや。主権じゃありません。国がきめたことは公益に通ずるという判断は、とんでもない判断だと私は思うのです。主権は国民じゃないのですか。政府に主権はありませんよ。主権のない政府、国がきめたことは公益に通ずるのだ、こういう判断は、とんでもない判断だと私は思うのです。どうですか。政府に主権があるのですか、国民には主権がなくて。その解釈を承りたいと思います。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 日本は国民に主権があるのは、もうここでいろいろ言う必要もない、当然のことであります。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 そうすると、国の行なうものは公益に通ずるというのは、うぬぼれじゃないのですか。権力の乱用じゃないですか。もちろん全部がそういうふうにはしません。たとえば国民全部が使う公道であるとか、もちろん国の行なう事業が公益に全部が通じないとは考えていません。いろいろな判断から見て、いわゆる憲法九条でそういうものを持つということは、やはりそれを動かしたあとは、とにかく公益に通じないわけですから、それは大臣も認めておるわけですから、軍というものが動いたあとには公益はなかったということは、前段の私の質問で認められておるでしょう。そういうふうにお考えになることは、私もそう考えるし、大臣もそう考えるのは、これは意見一致しているわけだ。ベトナムの戦争のあとも、結果からいえば、それは公益には何も通じていない。国民主権であるべき国民に対してはとんでもないいろいろの問題が起きている。公益であるとか公共の福祉には全く合致していない。軍というもの、そんな兵器というものが動いたら、演習で動くなら別だけれども、動いたあとには必ず公益は破壊されてしまうのだ。それが公益に通ずるという解釈はおかしいと私は思うのです。しかも、聴聞会でも相当数の主権者が困る、こう言って反対しておるにかかわらず、それを、国の計画したものは公益に通ずるのだ、国の計画はいやしくも公益に通ずる、公共の利益に通ずるという解釈に立って保安林解除を強行してしまう。あの聴聞会の速記を見ると、具体的な説明もしないし、半ば問答無用で、まあ、これは反対派のほうもある程度喧騒をきわめましたから、あの聴聞会が正常にいかなかった裏にはあの二つの両方に責任があると思いますけれども、それにしても、反対だからああいう騒ぎが起きるということをまず察知しなければならぬわけです。そうして議場は混乱し、正当な集約をつけるような意見の開陳は行なわれていない。それをさして放棄したものとみなす、こう言うのです、政府側の答弁で。この裁判だけでなく、今後国政にこういう姿勢で主権が侵されていくということになれば、日本の政治の形態、政府というものは全く主権無視である、権力の乱用である、逆行のさか立ちもはなはだしい、こう言わざるを得ないのですが、いかがですか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 だんだんお話を聞いておると、やはり私と大きく差のあるのは、自衛隊か軍かというところにあるようです。私は、防衛庁から保安林の解除申請がある、自衛隊は国の防衛に当たる公益上必要なものである、したがって、公益上の理由をもって解除を認める、こういう順序を踏んでおるわけです。あなたは、それを軍である、軍の動くところは公益はない、こういうことで、櫻内もさっきそれに同意したじゃないか、それはちょっと違うと思うのです。私は、戦争というものが公益上行なわれるというようなことはない、それを認めたわけであって、それからまた私は、日本の自衛隊が軍であって、そしてそれは公益上反するというようなそういう考え方には立っておらないのです。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 しかし、それは、私は、極端に憲法論からは持っていきません。常識論から私はお尋ねしておるのですが、自衛隊か軍かという問題は並行線をたどるから一応おいたとしても、ただ、将来動かすこともなければ、動かす必要のないものに、あの一基ばく大なあんな輸入機械を入れて何で練習をさせるのですか。一応練習用と、こう言っている。実戦用に使えぬのかと言ったら、装置をすれば使えますと、こう言うんですよ。実戦用のミサイルの発射は可能なものであります、しかし、現実は練習用にしか使いません、こう言うんだな。防衛庁から来ておるでしょう。そう言うんでしょう。そんなものを将来公益を破壊するような手段や方法で絶対使うことないんだったら、やめちゃったほうがいいじゃないですか。何のために国民の税金でそんなものを備えつけてやるんですか。やめて、老人ホームでもつくってお年寄りの世話でもやいたほうがりっぱな行政になるんじゃないですか。将来動かすこともない、使うこともないというんだったら、そんなもの要らぬでしょう。何のためにそんなものをつけて練習さすか。将来必要があって動かそうとするから、備えつけて練習をさすと、こう解釈せざるを得ない。そうでしょう。将来使う必要もなければ、動かすこともないのだというものを、何のために膨大な輸入ミサイルを入れてああいう設備をするんですか。動かせば破壊して公益を害する、だから公益的な施設ではないのだと私は言っている。動かすことがないのだ、使うことがないのだというなら、やめたほうがいいですね、国民経済上からいって。それは公益のためであろうと、防御のためであろうと、理由のいかんを問わずというんです、私に言わすと。理由のいかんを問わず動かしてはならない。動かせば公益を破壊してしまう。動かすことができない、動かす必要がないという定義に立つならば、何のために膨大な経費と膨大な施設に金をかけてそういうものをつくって練習をするのか。いま実戦用には使いませんと言うんですから、実戦用に使うだろうという表現は私は使いません。使わぬと言うなら、使わぬなりでいいんです。すなおに受けますよ。しかし、使わないものだったら、何のためにむだな金をかけて練習をする、こう言わざるを得ないわけです。だから、公益に合致しない。  その使うか使わぬかは農林大臣に聞きません。施設庁長官は来ておるでしょう。どうですか。私の言っておるように聞いておるんだが、解釈が違っておりますか。実戦用には使いません、練習用であります。どうですかな。

上野隆史防衛庁防衛局運用課長

○上野説明員 御承知のとおり、長沼に配置いたしますナイキの部隊は第三高射群の一隊でございます。これは道央地区の防空の任に当たるわけでございまして、もしかりに万一侵略がございますすれば、これは実戦に当然使うわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 そうでしょう。そういうことなんです。それを動かせば公益が破壊するから公共の利益には合致しない、これも申し上げておきます。  あと時間の関係もありますから、ここで大臣と並行線をたどった話をしても困るのでやめますけれども、おそらくきょうの私の質疑の記録を公正に——日本の大臣諸公に見てもらっちゃこれはだめなんです、頭が少し狂っておるんですから。しかし、公正な国際の、たとえば国際連合なんかのところにあれしたら、とにかくちぐはぐな答弁をしておると思う、そうなると思います。そんな話はないと思うのです。全然支離滅裂な答弁だけれども、それと水かけ論争をしてもこれは決着がつかない問題ですからこの辺でやめますけれども、最後に、最高裁でこれは取り消せという——いま第一審で敗れて二審に行っております。最高裁で最終判決が出た場合にどう措置をとりますか、同様の判決が下った場合。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 三権分立であるその立場からいたしまして、最高裁の判決を予想してここで云々することはいかがかと思うので、差し控えたいと思います。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 それはちょっと変じゃないですか。第一審が取り消せ、こういうのですから、第一審が最高裁で支持された場合、大臣としてどう措置をとりますか。予想しての答弁はできませんと言ったって、予想は第一審で出ているじゃないですか。おかしいんじゃないですか。第一審が最高裁まで支持された場合、大臣としては最終措置はどうとるかということを聞いておる。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 法律の規定、裁判上の手続によって現に上訴いたしておるわけであります。それは、第一審の判決というものについてわれわれは当を得ておらないという立場で上訴をしておるのでありますから、その上訴をしておる私が、第一審を少なくとも妥当とするか、あるいはこれを認めるがごとき立場において、しかも最高裁までの判決を予想して云々するということは、やはり私としては適当でないと思います。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 以上で終わりますけれども、終始これは行政権の乱用ですよ。私は、櫻内という閣僚はもう少しりっぱな人だと思ったけれども、きょう御意見を伺って、内心やはり行政権乱用の張本人である。きょうの答弁は全く了解することができない。しかし、これ以上水かけ論争をすることも無益でありますからやめますけれども、そういう考えで国政を担当してもらうということはありがた迷惑です。もう一ぺんよく真剣に考えてもらいたい。立場もあって言えないこともあったでしょう。腹ではそう考えておっても、これを言ってはまずい、いま言ったらば食い違う、こういうこともあるかしらぬが、十分これは注意をしてもらいたいということを申し上げまして、質問を終わります。

佐々木義武自由民主党

○佐々木委員長 次に、多賀谷真稔君。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 長沼ナイキ基地に対する判決が出、また、福岡県の遠賀郡岡垣町において、対地射爆訓練場の撤去を要求する大集会がこの十六日に開かれました。この機に私は、岡垣町における対地射爆場の問題について、まず農林大臣にお聞かせ願いたい、こういうように思います。  この岡垣町の保安林というのは、徳川吉宗時代に黒田藩の吉田六郎太夫という家老から次のような墨つきをもらっております。すなわち、「定」として「浜村の砂吹き上げ年々田畑が荒れてきた。すべて地所の損亡は極めて重大なことであるので、砂除けのため、当元文三年より浜辺に松の植立を仰せつけられたから、常に手入れ等を行ひ、下草迄も伐りとらないよう、後年に至り如何なる事情でも浜辺砂除けの松諸木は伐ってはならないという定めは、たとへ後々当時の詮議で役人が伐ろうともこの書付を示し断ること。  右の通りである。百姓として伐り荒すことがあっては重科に処せられること。   元文三年四月」こういうように墨つきが来ておるわけです。そして、一枝一死といいまして、一枝切れば一人の人の生命がなくなる、こういうように防風林としてあるいは塩害の防止林として、地元住民が二百年余にわたって育ててきたものであります。そういう中でずっと防風林として、保安林として、そうして地元の住民のためにいろいろ役立ったこの保安林が、戦後、昭和二十三年にアメリカ占領軍がいわば射爆場として使った、こういうことであります。それから幾多の非常に大きな災害が起こっておるわけですが、それが今年になって返還をされました。ところが、自衛隊のほうでそれを使用したいということで、これを県知事に対して、経過はいろいろありましたけれども、いわば保安林の一時使用ということで作業許可を求めてきた、こういう経緯を私は承知しております。  それで、その間農林省としてはどういうような措置をとられたのか、これらについてお聞かせ願いたい。     〔委員長退席、坂村委員長代理着席〕

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 岡垣の防風保安林についての自衛隊の対地射爆撃場としての使用について、福岡県知事が作業許可を与えた件についての経緯は、先生ただいま御指摘のとおりでございます。昨年の三月に返還されまして以来、自衛隊のほうからは、その地域を引き続き自衛隊の射爆撃場として使用させてほしいというふうな要望が福岡県知事及び私どものほうへも伝えられましたので、そのことの当否について、福岡県知事には森林法に基づく機関委任で、私どもは指導官庁であるという立場で、両者で協議を重ね、なおかつ防衛庁ではどういうふうな形で使用をされるのか、私どもとしては保安林の機能が最高度に発揮されるようにという考え方で対処するという前提で、いろいろ協議を重ねてまいったわけでございますが、本年五月に、閣議了解で防衛庁に五年間を限って使用させるというふうな了解が出たわけでございますので、その線に沿いまして福岡県知事とも協議を行なって、福岡県知事が作業許可を与えたということでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 きわめて事務的な質問ですが、作業許可という三十四条の二項の、保安林における作業許可の許可権、これは機関委任なんですか。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 ただいま先生御指摘の三十四条の第二項の規定でございますが、第二項におきまして、「保安林においては、都道府県知事の許可を受けなければ、立竹を伐採し、」云々「その他の土地の形質を変更する行為をしてはならない。」というふうな規定がございまして、これは法律によりまして都道府県知事に委任をしておるということでございますから、通常こういうふうな場合を私どもは機関委任と称しているわけでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 これは四十条の、「この節に規定する農林大臣の権限は、政令で定めるところにより、その一部を都道府県知事に委任することができる。」この機関委任と、最初から三十四条の二項のような、いわば都道府県知事の権限を法律で明記しておる、こういう場合と同じですか。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 森林法の規定の中で、行政機関の権限という形で、農林大臣と都道府県知事との間にどういうふうな権限の配分を行なうかということを原則として規定をしておる。その中の一つとして、三十四条の二項でも先生御指摘のようなことが出ておるわけでございますが、四十条で規定しておりますのは、そういうような形で原則的な配分をいたしました中に、政令で、場合によると都道府県知事に委任したほうがよろしいという場合があるであろうから、それは農林大臣が別途都道府県知事に委任していいよというふうな権限規定であろうかと思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 そうすると、主務大臣は機関委任をした事項については、いわば指導監督あるいは取り消しとか、いろいろな監督権、指揮権があるわけです。そうすると、この最終責任は農林省ですか。今度の作業許可の最終責任というものは農林省が持っているのですか。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 作業許可という行政行為そのものは都道府県知事の行為でございますから、都道府県知事が最終責任を負うということでございます。ただ、都道府県知事がそういう決意をされるに際して、農林大臣に協議をしてこられるというふうな形のことは、機関委任でございますから、当然ございますし、また、都道府県知事の行為が必ずしも国の意思と一致しないという場合には、地方自治法なりあるいは国家行政組織法なりに救済規定があるわけでございまして、そういうふうな形にならない場合は、通常、都道府県知事が行政行為者として責任をとるという形になろうかと思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 それでは、当然に指導監督、しかも権限があり、機関委任であるということですから、私は農林省に続けて質問をしたい、こういうように思います。  そこで、まず私は、この岡垣射爆場の保安林の作業許可を与えたというのは、法律の規定からいえば、その三十四条の二項を適用するのは非常に無理があったんじゃないか、こういうように思うわけです。それはそこに例示をしてありますこの場合、すなわち「立竹伐採し、立木を損傷し、家畜を放牧し、下草、落葉若しくは落枝を採取し、又は土石若しくは樹根の採掘、開墾その他の土地の形質を変更する行為をしてはならない。」この例示規定と飛行機が射爆をするという行為とは非常に異質なものですね。ですから、いわば作業許可のような性格のものではないということですよ、まず第一に。法律の適用が非常に無理をしているんじゃないか、こういうように考えるわけですが、それについてお聞かせ願いたい。     〔坂村委員長代理退席、山崎(平)委員長代理着席〕

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 当該森林の状況は、先生御承知のとおり、作業許可を与えました地点は無立木地でございまして、新たに森林を破壊するということではないというような状況でございますし、これを防衛目的のために使うということでございますと、長沼で起こっておりますような形で保安林の解除という方法もあるわけでございますけれども、現在無立木地であって、新たに森林を破壊するというものではございませんし、現在の森林の持つ機能をより低下するおそれはございませんし、また行為期間を五年に限る、五年済んだら造林をしてもらって森林の姿にするということのほうが、保安林を解除するということよりもより目的に適するんではないか、われわれの意図に合するんではないかというふうなことから、決して三十四条の二項でそういうような形のものを禁止しておるとは考えられませんので、三十四条の二項の作業許可を与えることということで、福岡県知事と協議をしたところでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 無立木地になったのは、アメリカ占領軍が伐採をしたから無立木地になったわけですね。ですから、その意味においては保安林を本来ならば修復をしなければならぬ、復元をしなければならぬ義務が農林省にはあるわけなんですよ。ですから、初めから無立木地であったわけではない、伐採をして約四十ヘクタールの無立木地をつくったわけですね。ですから、当然、私はそのことはあまり理由にならないのじゃないかと思う。いま無立木地だから、それだけ保安林としては機能を喪失しておるのだから、だから作業許可していいのだということは、私は理由にならないと思う。  そこで、まず質問したいのですけれども、占領軍それからその後アメリカ軍が昨年の三月返還するまでは、一体その無立木地の地域は国内法上どう扱っておったのですか。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 当該保安林は二十二年の六月二十日にポツダム宣言第七項に基づきまして米軍に接収されまして、以来対地射爆撃場として使用されてきたものでございますが、昭和二十六年の九月八日に安保条約に付随する行政協定が締結されまして、これに基づきまして国有財産を米軍に提供する際の根拠として、安保条約第三条に基く行政協定の実施に伴う国有の財産の管理に関する法律が制定されたわけでございます。林野庁といたしましては、この法律の六条と国有財産法の十五条の規定に基づきまして、当該国有保安林を防衛施設庁に対して毎年継続して使用することを承認すると同時に、防衛施設庁は、安保条約の第三条と行政協定の第二条の規定に基づきまして、米軍の使用する区域として提供して、米軍は四十七年の三月三十一日まで引き続き対地射爆撃場として使ってまいったというふうな事情でございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 それはいわば所有権者としての使用関係のお話ですね。私がいま聞いているのは、国有財産としての使用関係の契約のお話を聞いているのじゃないのですよ。保安林としては一体どういうように国内法的にその処置をしたのですか、こう聞いているのです。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 この米軍に提供されております間は、森林法の規定として、行政庁の権限を行使するということができない状態にあったというふうに私どもは考えております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 要するに、権利が停止しておったわけですね。ですから、いわば返還後新しい問題としてここに登場してきた。保安林に関していえばそういうことになる。  そこで、私は保安林についていうならば、それはやはり復元をする、修復をすることをまず第一に目的としなければならぬと思う。それなのに、いま無立木であるということを理由に作業許可を与える、あるいはそれが無立木でなかったら保安林の解除をしたかもしれない、こういうことは私はどうもその使い方が解せない。本来農林省としてはそういう使い方をすべきではないでしょう。要するに、権利は占領軍というもの、それから行政協定によって停止をされておったわけです。ですから、いわばこの法律、すなわち森林法が発動できなかったわけだから、いよいよ発動をするようになったら、もとの、昭和二十二年の六月三十日以前に返るわけだ。以前に返るとするならば、それは保安林として返っておるわけでしょう。ですから、保安林としての扱いをしなければならね。それがたまたまそこが無立木であったということで、それに差をつけるということは私は妥当ではないのじゃないか。それは当然木を植えて立木地帯にする義務がある。その立木地帯にするということを前提にものを考えなきゃならないのじゃないか、こういうように考えるのですが、どうですか。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 当該地点につきましては、私ども保安林の所管をいたしております役所としては、保安林の機能を回復するということに最大の眼目を置いて行動するということが必要であろうというふうに考えるわけでございます。ただ、当該地域につきましては、返還以前から米軍の許可を得まして自衛隊が射爆撃場として共用しておられたというふうなことがございまして、ほかに射爆撃場がないということから、そこを引き続いて使用したいというようなことがございまして、防衛目的上そこを使用したいんだという話でございますから、その間の調整をいかがするかということで、もしやるとすれば、作業許可という手法と保安林の解除という手法があるわけでございますけれども、保安林の解除ということをやるよりも、五年という期限を限りまして、その後保安林として復元ができるというふうな客観情勢がございますので、そういう情勢であるならば、射爆撃場の使用後保安林に復元するというふうな可能性の残っている作業許可のほうが適当であろうというふうに判断いたしまして、作業許可に踏み切ることにいたしたわけでございますし、また、無立木地は四十ヘクタールほどあるわけでございますが、最小限にとどめるということで、その中の二十ヘクタールを作業許可を与えて、残りの二十ヘクタールについては、作業許可の条件として、当該地域にクロマツの植栽を義務づけるというふうなことをいたしまして、できるだけ保安林の機能を発揮させるというふうな形で対応いたしておるわけでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 あなたのほうの森林法に基づく規則並びに運営についてちょっと質問をしたいと思うのです。  許可をしてはならないあるいは同意はしないものとするという例示事項の中に「立木の損傷については、当該損傷により立木の生育を阻害し、そのため保安林の指定目的の達成のために支障を及ぼすおそれのある場合」こういうことをいっているのです。ですから、爆撃というものは、立木の損傷によってその生育を阻害しますよ。それなのに、なぜ今度の場合はそういうような処置をとられたのか。大体あなたのほうで同意してはならないあるいは許可してはならない条件の中にまさに適合しておるじゃないですか。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 先ほどもお話し申し上げましたように、今回作業許可の対象となりました二十ヘクタールについては、現在、先生御指摘のように、米軍の射爆撃による火事の結果だというふうに承知いたしておりますが、そのために無立木地になっておる。無立木地でございますから、立木地区の損傷というふうな事態は起こらないんではないかというふうに考えておるわけでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 あなたは無立木地の話を一生懸命されていますが、立木をしている地域もものすごく損傷を受けておるのですよ。いいですか。あなたのほうが作業許可を与えてない周辺ですね。いままでの実績を見てごらんなさい。とにかく大きな災害だけを私があげましても、森林法に基づく問題に限りましても、非常に大きな事件が起こっておるのですね。これは四十ヘクタール立ち木を切った以外の地域ですよ、その周辺。とにかく防風保安林の十六ヘクタール、これが焼失している。それは三十四年の二月。続いて三十六年の八月にはやはり六ヘクタール焼失しておる。四十年の五月には十五ヘクタールですね。約三十七ヘクタール焼失しているのですよ。あなたのところは、二十ヘクタールは保安林の作業許可を与えたと言うけれども、そのほかに保安林の中で三十七ヘクタール現実に焼失しておる。だから、一体、こういう問題をどうするのかということですよ。それは、立木のないところだけを一時使用さす作業許可を与えたと言うけれども、問題は、立木のあるところが現実に三十七ヘクタールも、許可をしたところ以上に焼けておる。  そうして現実に立木しておる立ち木はどういうふうな状態になっておるか。マツクイムシにやられておるでしょう。それから模擬弾がばあっと根っこへ入ってくると、もう枯れますよ。そうしてあれだけの飛行機が飛ぶわけですから、排ガスで枯れていくのですよ。そういうものは依然として保安林として残しておる。そうして木のないところだけを作業許可を与えたと言う。一体これで理由になりますか。  農林省はまさに四十ヘクタールのアメリカ軍の伐採地のうちで二十ヘクタールだけ作業許可を与えたと言うけれども、現実に被害の場所というのはまさにその保安林全体ですよ。保安林全体だけじゃないのですよ。この保安林のほかにいままで薬きょうが落ちたりいろいろ落ちている。薬きょうの落下だけでも、その地域以外が八十七、約九十です。その薬きょうが落ちた地図がある。そうして現実に飛行機が昭和二十九年には墜落しておるのですよ。それから不発弾処理の爆風によってガラスが数万枚割れておるのですよ。さらに、十八歳の子供と十六歳の子供が、一人は死亡し、一人は重傷を負っているのですね。それから三十四年にはジェット機が墜落しておるのです。さらに三十五年には不発弾の処理の爆風によってガラスが数万枚破損しておる。それからさらに、結核の療養所、いま一般の療養所になっておりますが、県立の遠賀療養所の裏二百メートルのところにジェット機が墜落したのです。そういう事件がずっと起こっておるのですよ。  ですから、立木のないところだけを作業許可を与えたと言って逃げようとしても、現実はあなた方の周辺を取り巻く保安林が全部ばたばたとやられておるわけでしょう。一体これに対して農林大臣はどう考えておるわけですか。これは全部対象になるような問題なんですよ。これで保安林の機能が阻害するしないでやっていけると思うのですか。二十ヘクタールの作業許可を与えたところが、実際は過去において三十七ヘクタール焼けておるでしょう。私は農林省は一体何を考えておるのだろうか、かように考えるわけですが、大臣から御答弁を願いたい。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 過去における被害の事例を幾つかおあげになって、そのことは当時の米軍の行為としてまことに遺憾なことであったと思います。  それから、今回の福岡県知事の作業許可につきましては、先ほどからお答えを申し上げているように、農林省のほうにも御相談もありましたが、自衛隊が従来共用しておったということ、また今後五年でこれは保安林に復元するという前提でございまするから、そういうような経緯からいたしまして、福岡県知事の作業許可はやむを得ないものと私は了解したわけであります。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 大臣、じゃ、五年で返るんですか。五年たちますと、これは当然射爆場は撤去されるわけですね。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 大臣からお答えいただく前に私からお答えしたいと思いますが、当初から林野庁としましては、保安林の管理を、完全にこれを維持していくためには、早くこれをもとの状態に復旧したいという意思表示を強くしておったところでございます。今回閣議の了解に基づきまして、あの地区については五年に限り作業許可を与えるということになったわけでございまして、私どもとしましては、当然これは五年過ぎますと戻ってくる、そのあとは必ず造林させるというつもりでおるわけでございます。四十ヘクタールでございましたけれども、それも最小限度二十ヘクタールにしていただきまして、残りの作業許可が出ない二十ヘクタールについては、来春これを造林してもらうということもはっきり申し渡してありますし、ただいま御指摘のございました全体として約三百ヘクタールの保安林でございますので、中でいろいろとそういう事故が出た場合には、必ずこれは復旧していただくということを強く申し入れて、その点の了解を得ております。この地区は、三百ヘクタール全体については直方営林署の管理の責任でもございます。いろいろたとえばマツクイムシなんかの被害もございますので、常時その管理については適正を期するように指導してまいっておるところでございます。五年過ぎましたら、必ずこれは戻してもらうという約束になっております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 大臣もそうお考えですか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 ただいま林野庁長官からお答え申し上げたとおり、五年後には返されるものと承知しております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 林野庁長官はいいですよ。あと質問を部長にしますから。  そうすると、防衛施設庁にお尋ねしますが、これは五年したら必ず返るわけですか。

高松敬治防衛施設庁長官

○高松政府委員 私どもとしてはそういうお約束をいたしております。つまり、今年の五月十五日の閣議において、当時の増原防衛庁長官から、今後五年限り使用することについては、これを政府の統一方針として確認したい、こういう御発言がございまして、その旨了解されております。また関係の地元の町長に対しましては、八月十五日付で、岡垣対地射爆場の使用期間は使用開始後五年の間とするという覚え書きを渡しております。したがいまして、私どもとしては、五年間これを使用する、五年たちました時点におきましては、これは当然に返還する、こういうことになっているわけでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 五年間に限り使用さすというならば、初めから使用しなければいいじゃないですか。それだと、五年後はどうするという意味ですか。

高松敬治防衛施設庁長官

○高松政府委員 御承知のように、現在自衛隊が使用しております対地射爆場は、北海道の島松と青森の三沢と岡垣とこの三つでございます。  それで、私どもといたしましては、五年以内に岡垣は他に移転させるという方針でおります。ただ、移転先の選定あるいはそこにおけるいろいろは施設その他の問題がございまして、それにつきましてはやはり五年程度の時間が必要であろう、こういうことで五年という期間をきめたわけでございます。  五年たったら他に移転する、こういう予定でおります。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 これはそのときになってまた移転先がないとは言わぬでしょうね。移転先がなくたって、返還するのでしょうね。

高松敬治防衛施設庁長官

○高松政府委員 私どもは五年以内であっても、適当なところがあり、適当な設備が整えば、移転させる、こういう方針でおります。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 五年たって、移転先がないからやむを得ずそのまま存続したいとは、よもや言わぬわけでしょうね。

高松敬治防衛施設庁長官

○高松政府委員 五年間という約束は守ります。それに沿うように今後一生懸命に移転先につきまして努力をしてまいるつもりでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 私が聞きたいのは、移転先の有無にかかわらず五年後には返還をする、こういう意味ですかと、こう聞いているのですよ。私が一番心配するのは、五年たって移転先がないからそのままおりたい、こういうことはよもやないでしょうねと、こう言っているのです。それをはっきりしてもらいたい。

高松敬治防衛施設庁長官

○高松政府委員 そういうことは申しません。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 これは農林大臣は返してもらうほうですからね。あなたは農林大臣として、また国務大臣として責任ある地位ですが、それは絶対間違いないわけですね。それははっきり速記録に残るように答弁してもらいたい。これは重大問題ですよ。いままで板付の飛行場だってそうでしょう。総理大臣以下みんな事件が起こったときには約束をするわけですよ。移転しますと。ところが、移転先が見つからないからそのまま居すわっておる。これはいままで全部そうですよ。ですから、岡垣の場合は、移転先の有無にかかわらず絶対に農林省としては返還をしてもらう、それは閣議できまっておる、こういうように大臣のほうから明確に御答弁を願いたい。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 五年を限って作業許可を与えるにつきましては、事の重要性にかんがみまして、当時の増原防衛庁長官が閣議にはかり、関係省庁了解の上でこういう措置がとられたのでありまして、移転先の有無にかかわらず五年後におきましては必ず返還されるべきものである、このように考えております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 使用承認の条件とか、いろいろな書類を見ましても、更新はしないとは書いてある。しかし、再契約はわからないわけですよ。ですから、私は、政治的な問題として、絶対に移転先の有無にかかわらず事実上継続使用はない、こう考えていいかどうか、これはもう一回ひとつ答弁を願いたいと思う。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 文章上更新はしないということについて御疑念をお持ちのようでございます。私としては、先ほどお答え申したとおりに、事の重要性にかんがみて、閣議で、関係省庁の間で十分な認識の上に立って今回の作業許可になった、こういうことから、移転先の有無にかかわらず五年後には返還されるべきものと思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 私は、いま施設庁の長官が言われたように、五年を待たずしてぜひ返還をするように、あるいは移転をするように進めたいということに期待をいたします。  そこで、この地域について若干申し上げておきたいと思いますけれども、これは北九州と福岡のちょうど中間にございます。そうしていわば玄海国定公園の中で、雁ノ巣の部分とこの射爆場の部分だけがいわば取り残されておる、あとは国定公園になっておる、こういう形であります。しかも岡垣町は年々人口が急増しておるわけです。昭和四十年に三千九十四世帯が、四十八年の八月三十一日には五千九十一世帯になっておる。人口が一万三千八百七人から一万九千五百四十九人、月々人口がどんどんふえているのですよ。ところが、射爆をやりますと、北九州のあの騒音から、公害から離れて、ようやく公害のないきれいな空のところに家を建てた人々が非常に不安がっておるのです。これは引っ越してたいへんなことをした、こう言っている。ですから、残念ながら射爆をしておる間は町の開発ができないのですよ、あれだけ騒音に悩まされ、生命に危険があるわけですから。それで開発はストップするわけですよ。あなたのほうは、やがてだんだん人口が密集してそのときには移転をしようかと思っても、人口が密集しないのです。とまるのです。それは飛行機が来てばんばん、爆音だけでなくて、現実に射爆をしているわけですから、急降下をして射爆をしているわけですから、町の発展はとんと途絶される、こういう状態になりかねない。しかも生命の危険がある。しかも、これは私は時間がありませんから別の機会に質問をしたいと思いますが、これは飛行機の急降下爆撃をやるわけですから、かなり高度のところから飛んでくるわけです。ところが、その上空は民間定期航路のいわば幹線航路になっておるわけですよ。われわれがしょっちゅう郷里と東京とを往復する板付から羽田に行く飛行機は毎日そこを通っておる。ですから、ニアミスの問題が起こるのです。ちょっと高く上がれば定期航路にぶつかっていくわけです。これだって非常に危険な個所なんですよ。この問題については私は別に質問しますけれども、この問題は、ことに長沼判決が出た後において——長沼判決は御存じのように、現在の自衛隊は九条の戦力に当たるということで違憲訴訟を出し、それからこの保安林の解除については、公共の利益というけれども、土地収用法にも「公共の利益」の中から国防、軍事という字句を削った経過がある、だから公共の利益に該当しないというので、保安林解除の取り消しを認めた判決であります。ですから、私は、これらの問題についてもう少し質問をしたいと思いますが、残念ながら、本日は答弁をするほうの側の責任者がいらっしゃらないわけです。防衛庁長官もいらっしゃいません。運輸大臣もおりませんし、総理もいない。ですから、質問は、ごく限定をされて保安林の作業許可について質問をしたわけですが、これらの問題については質問を保留をしておきたい、かように思います。  質問を終わります。

山崎平八郎自由民主党

○山崎(平)委員長代理 次に、諫山博君。     〔山崎一平)委員長代理退席、委員長着席〕

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 私は、このたびの森林法改正の審議にあたりまして、民有林の実情あるいは森林組合の実情をつぶさに調査いたしました。静岡県の天竜林業その他の森林なども視察してきたのでありますが、そこでたいへん私が驚いたのは、わが国の林業がいま破滅の危機に瀕しているのではないかということを知った点であります。木を伐採したらそのあとに直ちに植林するというのは常識でありますが、この新しい植林計画が民有林についていま予定どおり、計画どおり進んでいるのかどうか、林野庁のほうから御説明願いたいと思います。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 民有林の造林につきましては、戦後造林をするいとまもなく伐採の要請が強かったということから、伐採あと地が非常にふえた、伐採あと地で全然造林をしないものがふえたというような状況でございまして、非常に憂うべき状態であったわけでございますが、二十六年ごろから造林計画を相当な熱意を持ちまして進めてまいったところでございます。  最近の年次について申し上げますと、四十三年で、再造林につきましては九万ヘクタール、拡大造林につきましては二十三万五千ヘクタール、合計三十二万五千ヘクタールという計画であったわけでございますが、実績といたしましては、再造林が四万五千ヘクタールで拡大造林が二十一万九千ヘクタール、合計二十六万四千ヘクタールという数字になっております。四十六年について申し上げますと、計画では再造林が九万ヘクタールで拡大造林が二十二万一千ヘクタール、合計の三十一万一千ヘクタールに対しまして、再造林が三万二千ヘクタール、拡大造林が二十二万四千ヘクタール、合計二十五万六千ヘクタールということでございまして、進捗率から申しますと、八割程度ということになるわけでございますが、この中で拡大造林はおおむね当初の計画どおり進んでおるわけでございまして、再造林が予定を下回っておるということでございます。  再造林が計画を下回っておるという点につきましては、最近、まきや木炭についての需要が燃料革命の結果落ちたということから、従来の広葉樹林がそのままということも一つございますし、それから人工林について伐採をするということにつきましても、林齢が低いということから伐採が進まないということがございまして、伐採が予定どおり進まないために再造林のほうが進まないということで、造林全体としては造林の実績は計画量を下回っておるという状況でございますけれども、いわゆる低質樹林を人工林にして用材を確保するという意味におきます拡大造林についてはおおむね計画どおり進んでおるというふうに私ども考えております。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 山や森の緑が人間の生活にとってどんなに大切なものであるかということは、最近の環境破壊の中であらためて再認識される状態であります。  林野庁も、昨年四月に、森林の公益的機能計量化調査の概要というようなものを発表したようです。この中では、森林の経済的な機能のほかに公益的な機能というのが大いに論ぜられています。林野庁としては、なぜこういう調査あるいは計算をされたのか、御説明ください。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 ただいまも御説明いたしましたように、戦後、経済の復興とともに木材の需要が非常にふえてまいったということから、森林を木材の供給源というふうに見ることが一般常識的であったわけでございます。他方、国民経済の伸展に伴いまして、工業化、都市化が進むということで、われわれの生活環境が破壊されてきたということがあるわけでございます。  その前者の木材の供給というふうな点から考えますと、この点につきましては、現在世界的に木材の供給が不足するような状況になってきておるということで、森林の木材供給源としての資源という面は相変わらず存在すると思いますが、われわれの生活環境なりあるいは国土保全という意味において、災害の防止なりあるいは水資源の涵養なりというふうな機能というものが、あるいは工業用水、飲用水の需要の増大あるいは都市化の進展に伴う災害の度合いの増加というものからまいりますところの災害防止に対する需要の強まり、こういうことがございますので、従来のような形の木材生産の場としての森林というふうな森林の評価はそれといたしまして、他方、最近非常にそういうような形で要請の強まっております国土の保全であるとかあるいは水資源の涵養であるとかあるいは環境の保全であるとか、そういうふうな面での森林の機能というものを一応評価をして、またそういうことによりまして森林に対する国民の皆さんの認識を得ていただいて、でき得れば森林についてのいろいろな財政投融資というものの誘因にもしようかというふうなことから、公益的機能の計量化を始めたわけでございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 私も森林を経済的な機能という面からだけではなくて、公益的な機能の面からもとらえるということには賛成です。そして調査によりますと、森林の公益的機能を金銭に換算すれば、年間十二兆八千二百億円にのぼるということが出ております。この数字について、全林野労働組合などのパンフレットでは、正確な見積もりとはいえない部分もあるというような批判は加えながらも、やはりいろいろな面で活用しております。森林の公益的機能が経済的価値に換算すればこんなに膨大なものであるということを自信を持って発表されたわけでしょうが、それにしては、森林に対する保護政策が弱過ぎるという感じを私はぬぐい去ることはできません。  現在、民有林についてのみいいますと、どういう保護政策、助成措置がとられているのか、項目だけでけっこうですから、列挙してみてください。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 森林に関する国の施策ということで、どういうふうな施策があるかということでございますと、非常に広範にわたるわけでございますけれども、まず森林につきまして、森林の生産基盤という意味において林道の造成というものについて補助をするというようなことをいたしておりますが、そのほかに森林開発公団による大規模林道、スーパー林道の造成というものがございますが、生産基盤としての林道の造成をやる。  それから造林事業の推進ということでございまして、これは造林について補助金を出す、それから公庫の融資をやる。森林開発公団で水源林造林をやるというような形で、造林を助成するという形で仕事をやっておるわけでございます。  また林地が荒れることを防止するという意味におきまして治山事業を進めるということでございまして、これは治山治水五カ年計画に基づいて対処いたしておるわけでございます。  以上のような森林基盤の造成と申しますか、林地についてあるいは森林資源についての助成制度のほかに、まず林業経営を確立させるという意味におきまして、林業構造改善事業を第一次、第二次と続いてやっておるわけでございますし、また林業の生産のにない手であるところの林業労働力の対策ということでの施策を講じておるところでございます。  また、森林の計画的施業ということをねらいといたしまして、森林計画制度についてのいろいろな助成をやっておるわけでございますし、また民間の森林施業についていろいろな改良をはかっていくという意味におきまして、林業に関する技術の普及とか試験研究の助成とかそういうようなことをやっておるわけでございます。  また、森林につきましては、病害虫がつくというようなこともございますので、病害虫の防除というふうな形のものもございますし、さらに優良な種苗を確保するというようなことをやっておるわけでございます。  また、林業者の団体でございますところの森林組合を助成、強化していくというための施策も講じておるわけでございます。  以上、非常に大ざっぱでございましたけれども、申し上げたところでございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 以上の中の二、三について質問します。  まず造林補助金でありますが、これは昭和四十四年度ごろまでは全部予算が使われていたようですが、四十五年、四十六年、四十七年には予算が余っています。なぜ予算が余っているのか、また四十八年度の見通しはどうなのか、御説明ください。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 造林事業の推進につきましては、森林資源の充実とその多面的な機能の向上をはかるためきわめて重要であると考えまして、その推進につとめておるところでございますが、ことしはちょっと事情が変わったわけでございます。去年、おととしと材価が低迷したあるいは自然保護の要請が強まってきたというふうなこともございまして、伐採が停滞をするというふうなことがございまして、先ほど申し上げましたように、再造林の停滞というものがございますが、そのほか造林を取り巻く事情といたしましては、労賃の高騰等を含みます伐採事業費等の高騰による旧薪炭林等が、伐採が経済的でない、非経済的だということでやめるというふうなことが起こりがちである。あるいは造林事業費が、これも労賃が高まっておるということが原因でございますけれども、造林事業費が高騰するということによって造林資金の調達が困難である、あるいは山村が過疎化するということによりまして造林労働力が不足する、あるいは林地の乱開発等によって林地価格が異常に高騰するということで造林が停滞するというようなことがございまして、四十六、七年の造林の助成金につきましては、ただいま先生御指摘のように、四十六年について申し上げますと、百八億五千万円程度の予算に対して生産額が百五億七千万ということで、約二億八千万ほどの使い残しをいたしております。また四十七年は百三十七億程度の予算に対しまして百三十三億ということで、約三億八千万円程度の使い残しをしておるということで、はなはだ申しわけなく存じておるわけでございますが、以上申し上げました事情というのはなかなか解消いたしておりませんので、四十八年度の百七十五億の助成金もなかなか消化は困難な状況ではないかというふうに考えておりますけれども、私どもといたしましては、四十八年度につきましては、保安林であるとか重要水源地域等公益性の強い地域においては、造林の助成を強化するとかあるいは計画的な森林造成とその効率化をはかるため、森林組合の労務班を育成強化しまして、それによりまして小規模保有層を対象とした計画的な集団造林を助成していくということ、あるいは保安林等の制限林における育林、下刈りとか雪起こしでございますが、そういう育林の補助というものを新規に四十八年度から始める。それから補助単価がかなり低うございましたので、実勢に合うような形で補助単価を引き上げるというようなことで、補助内容の大幅な改善をはかってまいりましたので、かなり改善されるのではないかというふうに考えておるわけでございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 せっかく予算の中に補助金の額を組んでおきながら、それが使い残しで余るというのは、私たちから見れば、一面ではもったいないし、一面では不健全な感じがするわけです。このことの中にいまの民有林の直面している困難性が象徴されているのではないかというふうにも思います。実際いま植林してみても、三十五年か四十年しなければそれが金にならないという実情でありますから、そろばん勘定だけではなかなか植林する気にならないというのは、いまの経済情勢の変動の激しい中では当然予想されることです。私はこの問題を解決するためには、もっと政府が、森林の公益的な機能ということを強調しているぐらいでありますから、手厚い保護を加える必要があるのではないかというふうに考えております。その点で、たとえば補助金の率を引き上げるとか、あるいは零細な森林所有者に対してもっと有利な融資方法を考えるとか、そういうことは構想にないんでしょうか。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 先ほど申し上げましたように、造林を取り巻く事情というのはなかなか困難な情勢にあるわけでございますので、先生御指摘のような方向で私ども努力をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 私がある県の森林組合で調査したんですが、昨年一年間の植林面積が千百二十一町歩、造林補助金が六千八百二十三万円、そうして、以上の植林に対して正式に森林組合を通じて造林資金を借り入れた額がわずかに三百九十二万円という数字が出ています。森林組合の名前を発表していいかと聞いたら、それはかんべんしてくれという話ですから名前は言いませんが、とにかく一年間に、一つの県の森林組合で三百九十二万円ぐらいしか造林資金が利用されていない。私はこの事実を知って驚いたのでありますが、そういう実情になっているんですか。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 造林資金の借り方という点につきましては、いろいろその地域の実情に応じまして違っておるというふうなことがあろうと思います。たとえば人工林化の進んだところで、もうすでに伐期齢に達して造林をするというようなところは、森林伐採による収入のほうから借り入れるということもございましょうし、先ほど御説明いたしましたような形で、薪炭林等を人工林に切りかえるというような地域につきましては、造林資金の調達が非常に困難であるというようなことがあろうと思います。そういう造林資金の調達が困難であるというところにつきまして森林組合が借り入れるということにつきましては、森林組合がみずから造林をするという点では、資金を借りるというふうな形にはおそらく現在の森林組合ではなっていないだろうと思います。いま先生がお調べになった案件も、森林組合を通じて組合員が借りたということであろうと思います。けれども、造林資金の調達についてはいろいろな方途がございますから、組合によっていろいろの姿であって、いま先生がおっしゃったものだけが、そういうふうなことが全国すべてであるかどうかということについては、私どもそうではないのではないかというふうに考えております。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 私、林野庁の人にいろいろ説明を受けたときには、新たに植林をする場合には造林補助金も出ますし、二十年間据え置きぐらいの低利の融資制度もあるんだから、ほとんど手出しをしなくても木は植えられるのですよという話を聞いたのですが、どうも現地で調べてみると、そんななまやさしいものじゃないということを私は知ったのです。私がなぜきょうの初めに森林の公益的な機能という問題について質問したかというのは、ほんとうに公益的な機能というのを政府が自覚しているのであれば、もっとこういう点であたたかい保護措置がとれないのかということを考えたからです。きょうは農林大臣もおられますが、いかがでしょうか。私はそろばん勘定だけにまかしておったのでは、山は裸になってしまうと思います。やはり公益的な機能という点を強調する限り、それにふさわしいような助成措置を政府が強化する、そうしないと、日本の緑、とりわけ個人が所有している民有林の緑は守られないのではないかと思うのですが、いかがですか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 いま御質問を承っておって、まことに私としては残念に思います。実は手元にある資料からいたしますると、造林関係の予算の推移を見ましても、前年比一二八という指数になっております。それから四十七年度、四十八年度と造林助成制度の改善をずっとやっております。たとえば団地造林事業の採択基準を二十ヘクタールを十ヘクタールに改定するとか、普通林における再造林を補助対象化するとか、それから農林漁業金融公庫造林資金の貸し付け条件は、貸し付け対象林で八年を十二年に延長するとか、都道府県有林造林を新たに貸し付け対象に追加し、これは四十七年であります。四十八年には保安林重要水源地域等公益性の強い地域における造林の助成強化あるいは計画的森林造成とその効率化をはかるため、計画的集団的造林の助成強化、また森林の持つ公益的機能に着目し、保安林等における育林事業の新規補助対象化、これは四十八年度でございます。なお、標準単価、ことしよりこれはヘクタール当たり再造林におきましては四十七年十万八千円のものを十三万六千円に、拡大造林については十三万五千円を十九万五千円に、四十八年度からは育林で下刈り、雪起こし等、これがそれぞれ二万三千円、四万六千円と、こんなふうにいろいろと措置をいたしておるのでございます。そういう立場から、いまの御質問を聞いておって、該当の組合がどういう組合であるか御発表にはなれないということでございまするので、調査の方法がございませんが、私ももっと具体的に個々の森林組合に当たって検討してみたい、かように存じます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 造林補助金の対象として、五百ヘクタール以上の山林は対象にしないということになっているのだそうですが、実際は五百ヘクタール以上というような大きな山林にも補助金が支払われているということを聞いていますが、実情はどうなっているのでしょうか。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 大規模な森林所有者層につきましては、規模の利益を活用するということによりまして、一般に小規模な所有者層に比べますと経営が安定しておるというようなことがございますので、大規模森林所有者の造林事業は制度融資によってやってもらうということにいたしまして、三十九年度以降、造林事業の実施要領ということで、保有規模が五百ヘクタール以上層の大規模森林所有者につきましては、保安林等の法令による施業制限を受ける森林における造林であるとか、あるいは災害復旧のための造林であるとか、あるいは農林漁業金融公庫の融資を受けられない場合等における造林を除きまして、原則として補助対象から除外するという方針でおるわけでございます。  ただ、北海道につきましては、特例といたしまして、普通林の造林についても補助を行なっておりますけれども、これは北海道は御存じのとおり、土地生産性が非常に低いし、またきびしい気象条件のもとにあるわけでございますから、林木の生長が悪うございますし、造林事業の採算性がきわめて悪いというような特殊事情がございますので、実施要領の規定に基づきまして、林野庁長官の承認を受ければ、造林の補助ができるというような形になっておりますので、北海道知事からの申請が出てまいりまして、その申請を受けまして、普通林の造林に対し補助を行なうことを承認しているという実例があるわけでございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 昨年度、一昨年度、北海道で五百ヘクタール以上の大山林地主で何件ぐらい補助を受けたのか、補助の金額はどのくらいだったのか、御説明ください。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 北海道における拡大造林について、五百ヘクタール以上の大森林所有者に特例措置として補助を行ないました対象者数が、四十六年には二十三件、四十七年には同じく二十三件。面積で、四十六年が千七百十七ヘクタール、四十七年が千八百九十三ヘクタールというふうな数字になっておりますが、この数字はいずれも保安林等も含んでおる数字でございまして、普通林だけという数字は、ちょっとあいにく数字を持ち合わせませんので、ごかんべん願いたいと思います。  なお、金額につきましても、ちょっと、件数と面積だけで押えておりますので、いずれ後刻先生にお知らせいたしたいと思います。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 私の調査では、北海道で造林補助金の適用を受けたのは、たとえば三菱だとか、三井だとか、国策パルプだとか、王子製紙だとか、とんでもない大企業がずらっと並んでいるというふうに聞きました。こういうところは特別な助成金措置をしなければならないような対象であるのかどうか。どうでしょうか。助成措置をとらなければやっていけないような脆弱な企業ですか。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 確かに先生御指摘のように、北海道で特例として認めた中には、大企業と称すべきものもあるわけでございますが、先ほどお話し申し上げましたように、北海道の特性といたしまして、寒冷地であるということから、土地生産性が非常に低い、造林の経済性が低いということでございますので、やはり大森林所有者が所有しておる林地でございましても、樹木が生育しておるという姿が森林の姿としては望ましいという観点に立って、助成をいたしておるわけでございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 それは制度の趣旨に沿わないのじゃないですか。政府が特別な助成措置をしなければなかなか植林がしにくいというような場合につくられたのが造林助成金の制度でしょう。ところがそれをなぜ三井とか三菱にやるのですか。なぜ王子製紙とか国策パルプのような、もうけてもうけてしようがないような会社にまでやるのですか。それだけの余裕があるなら、なぜもっと中小零細の森林業者にそれを回さないのかと私は言いたいわけです。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 私どもといたしましては、もちろん中小零細の所有者に対してはできる限り助成をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。  ただ、先生御指摘の北海道における大森林所有者につきましては、やはり私企業で、ございますので、採算の合わないというものについては手を加えないということになりますと、森林の姿としては望ましくない状態になるということが危惧されますので、そういう意味において、採算が合うような形のところまで助成をするということが必要ではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 農林大臣にお聞きします。  農林大臣は、いまの事実を御承知だったでしょうか。三井とか三菱とか国策パルプというのは、金もうけのために運営されている会社です。そして金を借りようと思えば幾らでも金を借りることのできる会社です。こういうところに特別な助成措置がいまなお続けられているということは、私には納得できません。中小零細企業にあり余るような手厚い措置がとられて、その上にというのであれば、また話は別かもしれませんが、一方ではきわめて不十分な措置しかとられていないのに、損をするような事業をするはずがないような大企業に対して、こういう助成がおそらくいまもなお続けられているという問題について、再検討の必要はないのかどうか。大臣、いかがでしょうか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 中小の経営者であっても、あるいは御指摘のような大きな経営者でありましても私どもが言っておる林野行政の中の公益的な面、これは大企業であっても持っておると思うのです。そういうことでありますから、これが非常に過度に行なわれておるということであれば、御批判ののようなことであると思いますが、先ほどから御指摘のように、造林予算が残るぐらいな傾向のときでございまして、私としては、大中小を問わず林業経営の上に役立つことでありますならば、特に御批判を受けるには当たらない、このように思います。     〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 私は、大臣から意外な答弁を聞いて非常に失望しております。この助成金というのはほってあったらなかなか植林ができない、裸になるかもわからぬというので、そういう立場からつくられた制度ですよ。三井とか三菱がこういう助成をしなければ木を植えませんか。また、補助金が完全に使われていない、余っている、だから大企業にも回してやっているのだというような立場をとっているのですか。だとすれば、事はきわめて重大です。私は農林大臣に突然こういう問題を提起いたしましたが、これはその場限りの答弁で済ますのじゃなくて、やはり農政の根本的なあり方という点から検討し直していただきたいと思うのですが、いかがでしょう。助成金が余っているというのだったら、大企業に余っている分を回すじゃなくて、もっと困っているところに助成の率を高めたらいいじゃないですか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 私の答弁を、残念ながら、余っておるというところをお取り上げになっておるようでありますが、私としては、最初に申し上げておるように、大中小を問わず林業経営の面で公益的なものを持っておるのでございまするから、助成が行なわれても特に御批判を受けるには当たらないのではないか。もちろん御質問になっておるように、中小の経営者に十分やるべきである。それはもう私はそのとおりに受けとめるわけでありまするが、たまたま大企業についての助成に御批判がございましたから、私の所見を述べたのでありまして、おっしゃっておるような方向に重点を置くということは、私としてもこれは異論を申し上げる考えはございません。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 次に、問題を変えまして、民有林で働いている労働者の問題に触れてみたいと思います。  森林組合の労務班に組織されている労働者の数も、ずいぶんふえたようです。もっとも最近は、ふえるどころか減少傾向も出てきたというふうに聞いていますが、それでも相当な数の労働者が労務班に組織されて仕事をしています。     〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕 ところが、この人たちの労働条件を見ると、お話にならないくらいひどい状態です。第一、森林組合が雇い主になっているようでありますが、通年雇用とはほど遠いような実情になっております。一年間に八十日働く、百日働く、一番いい人で二百五十日くらいしか働かない。あとの期日は仕事をしようにも山の仕事がないような実情のようです。こういう実情を林野庁としてはそのまま放置しておくつもりなのか、それとも労働者が求めている通年雇用の実現に努力をしているのか、お聞きしたいと思います。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 先生御承知のように、山林における労働というものにつきましては、林業の特殊性という点から非常に季節性があるということは一つあろうかと思います。それから、わが国の森林の所有者の所有規模が非常に零細である。同時に施業がまたその零細な規模で所有しておる森林を幾つの年次にもわたって造林をしていくわけでございますから、その零細な所有規模の対象の森林が、森林の作業としてはさらにまた零細な規模になるというようなことがございまして、山林労働者してはなかなか通年就労するというような環境にないという事実があるわけでございます。  私どもといたしましては、そういうふうな状態というのは決して好ましい姿ではない、また、そういうふうな姿をそのままにいたしておきますと、林業労働者が減少してしまうというふうに考えられますので、まず森林組合で労務班を組織して森林組合で施業の受託をするというような形で、ある程度の施業の統合といいますか、ある規模まで施業を高めていくというようなことを考えておりますし、また、今回の森林法の改正でも改正条項としてお願いをいたしておるわけでございますが、共同施業計画というふうな形の制度を持ち込むことによりまして、分散所有されておる森林についての労働を集団化、協業化するような形に持っていく。そういうふうな形のものがまず就労の通年化あるいは就労の長期化というものをはかるための基盤であろうというふうに考えるわけでございますので、そういう点について努力をいたしたわけでございますけれども、なおかつまだ客観的な条件なり、われわれの努力の不十分さから、必ずしも満足すべき状態ではないという実情にあろうかと思います。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 林野庁としては年間何日ぐらいの就労を実現するように努力しているのか。また、そういう完全な通年就労が実現できない労働者に対しては、仕事ができない間労働者はどうして生活をしていけと考えているのか、御説明ください。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 林業労働者の通年労働というものの最低のめどをどこに置いているかというお話かと思いますが、その点につきましては、午前来のお話の間にも出ておりましたけれども、林業労働者に対する社会保障制度の適用が不十分である、失業保険の適用を受けておる者が非常に少ないというふうなことがございますので、少なくとも失業保険の対象になり得るような形にまで就労を長期化するということが最も望ましいのではないかということで、最低二百五十日というところまで持ち込みたいというふうに考えているわけでございます。  この失業保険の対象につきましては、失業保険制度の対象に農林漁業者を包含するような形で制度改正を行なえということが、失業保険法の改正のときの附帯決議であったかと思いますが、それに織り込まれておりまして、大体五十一年の三月までに何らかの具体案を練るようにというようなことがございますので、私どもといたしましては、労働省と力を合わせましてそういうような形のものが一日も早く実現するような形に持ってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。  そういうふうな形で通年就労ができないような林業労働者がどういうふうな形で生活をしていくと考えておるのかというお話でございますが、林業労働者につきましては、おおむね農業なり、まれな例でございますが、漁業というようなものと兼ねておるというようなことでございまして、おそらくはそういうふうなものとの兼業収入と両方合わせた収入で生活をしておるというような形であろうと思いますけれども、そういう形のものが望ましいかどうかという点につきましては、私どもとしてはやはり林業の常雇いがふえておるということともにらみ合わせまして、林業労働で相当な生活費の分がまかなえるというような状態が望ましいのではないか、そういう方向に向かって努力をしてまいりたいというふうに考えております。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 二百五十日就労を実現したいというお話ですが、いつごろまでに何名ぐらいの労働者に二百五十日が確保できるとお考えですか。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 この点につきましては、先ほどから申し上げておりますように、林業の経営者というのが非常に零細でございますし、また労務者を組織化するという意味において森林組合の労務班というものができておるわけでございますけれども、その親玉であるところの森林組合自身が非常に経営基盤が弱体であるというふうな状況でございますので、二百五十日就労というふうなかっこうの経営基盤の造成ということは、先ほど来申し上げておりますような所有規模の零細性、経営規模の零細性、その他の条件の克服ともからみますので、いつまでにどうだというふうな数字は持ち合わせていないわけでございますが、できるだけそういうふうな姿が実現するような形で最大限の努力をしたいというふうに考えているわけでございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 森林組合の労務班の労働者になるべく長い就労期間を保障するというのはいま緊急な課題だと思います。それをいつまでに何人実現するか計画がないというのでは、かけ声倒れになるのではないかと心配するのです。  もう一つの問題は、賃金が非常に安いことです。これは国有林で働いている労働者の賃金も非常に安いわけですが、それよりかもっと安い。さらに地場賃金に比べても非常に安いというのを、私、感じてきました。たとえば同じ場所で労務班の人たちが山仕事をしておる。近くでは民間会社に雇われた労働者が道路作業をしておる。道路作業をしておる人のほうが賃金が高いという実情のようですが、この実情はおわかりですか。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 ただいま先生ご指摘の民有林労働者の賃金の状況でございますが、私どもが調査をいたしました民有林の木材伐出業、造林手の賃金と、同年次における農業労賃なりあるいは作業形態がわりあいに似ているのではないかと思われます建設の屋外作業というようなものの賃金の水準を比較してみますと、昭和四十三年の段階では、木材伐出業の平均が千八百六十五円、それに対しまして造林手の平均が千五百四円ということで、これは作業の難易ということで木材伐出業のほうが高いということになっております。これに比べまして農業労賃のほうは千二百四十一円、建設業の屋外作業のほうは千七百五十六円というような数字でございまして、木材伐出業よりは建設の屋外作業のほうが賃金としては低い。造林手のほうは建設の屋外作業よりは低いという数字になっております。これを四十七年の数字で見てみますと、木材伐出業が三千三十八円、造林手平均が二千五百十五円、これに対しまして農業労賃は二千二十七円、建設の屋外作業は二千九百三十三円ということでございまして、建設の屋外労働と木材伐出業は大体作業種として似ておるのではないかというように考えられますが、その意味におきましては賃金も大体似たところにある。国有林のほうは、確かに先生御指摘のように、民有林の労働者よりは相当水準が高いようでございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 私は、静岡県の竜山村森林組合に行きまして、そこで労務班の労働者からいろいろ話を聞いてきました。また、作業の実情も見せていただきました。仕事はたいへんな重労働ですが、労使関係というものはまだ近代的な労使関係にはなっていないというふうに感じました。たとえば雨が降れば仕事がない、仕事がなければ賃金がもらえない、お昼から雨が降れば半日しか仕事ができない、そうすると半日分しか賃金がもらえない、こういう実情です。竜山村の労務班というのは全国の森林組合の中では非常に進んだところだと聞いているのですが、そこでもやはりそういう実情です。私は、労使関係がもっと近代的になって、そこで働いている労働者が一生を託する仕事としてその仕事にずっと続いてつけるという状態をすみやかにつくり出さなければならないと思うのですが、林野庁としては、そういう労使関係あるいは労働者をもっと人間として尊重するというような行政指導はしていますか。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 先生も実地でお話をお聞きになったということでございますから、おそらく先生のお耳にも入っておると思いますけれども、森林組合の労務班の労働者というのは、大半が森林組合の組合員あるいは組合員の家族というような形だろうと思います。そういう意味におきまして、通常の場合の使用者と労働者というふうな関係にはない。たとえば森林組合が労務班の作業によってある程度の益が出るというふうな形でございますならば、事業配当というふうな形で組合員にそれが配当されるというふうな形で、その作業に従事した労務者に配分されるというふうなことがあるわけでございますから、普通の労使関係ということで律するのは無理ではないかというように私ども考えるわけでございます。  ただ、結果として労働者がどういうふうな所得を得ておるかどうかということにつきましては、先生御指摘のように、私どもがいまお話し申し上げましたように、建設の屋外労務者と大体同じような数字になるわけでございますけれども、決して労働者がその職域に魅力を感じてほかからも入ってくるというほどのものではないということは考えられるわけでございます。そういう意味におきまして、林業労働者が恵まれるような形になるということは私どもとして非常に望ましい姿であるというふうに考えますので、そういう意味においての努力をいたしたい。  そのためには、やはり林業経営そのものがそういう労賃が払えるというふうな姿になるということが必要であろうと思いますので、そういうことのためには、ただ単に労働対策ということだけでなしに、林業施策全般を通じて林業の経営基盤を強化していくということもまた必要であろうというふうに考えられるわけでございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 労務班で働いている労働者は森林組合の組合員の子弟が多いというのは事実のようです。また森林組合で仕事がないときには、家で農業をしておるという人もたくさんおります。しかし、それと近代的な労使関係というのは別ものです。そういう関係だから近代的な労使関係でなくてもいいというような思想があるとすれば、これはたいへんな問題だということは承知していただきたいと思います。  そこで、さっき失業保険の話が出たのですが、労働省では昭和五十一年を目途に失業保険の強制加入を実現するように研究しているというお話でありますが、その調査研究はどこまで進んでいるのか、また五十一年までじっと待っておくというのは、労働者にしてみれば非常につらい話だと思いますが、もっとそれを早く実現できる見通しはないのか、そういう問題について御説明ください。

関英夫労働省職業安定局失業保険課長

○関説明員 お答え申し上げます。  昭和四十四年の失業保険法の改正の際に、現在失業保険の当然適用とされていない林業をはじめとする農林水産業等につきまして、昭和五十一年の一月三十一日までに必要な調査研究をやって措置をとれというような附則がつけられております。それに基づきまして私どもただいま林業につきましては実態調査をやりまして、その結果を整理中でございます。  ただ、農林水産業がなぜ今日まで失業保険の当然適用とされていないのかと申しますと、先ほど来お話に出ておりますように、産業自体に非常に季節性がございまして、一年のある一定期間仕事をし、ある一定期間は仕事をしないという状態が大半でございます。その仕事をしない期間がもし失業であるとして失業保険でカバーいたすとしますと、毎年失業保険の受給を繰り返す、こういう実態になるわけでございます。いつ失業するかわからないからこそ保険制度として失業保険が成り立っており、多くの、産業の労働者というのは定期的に失業をするときまっておるわけではございませんからこそ、失業保険に強制加入させられている。そういったことと比較してみますと、そこに給付と負担の非常なアンバランスが生じてくる。そういった意味で、世界各国におきましても農林水産業等には特別の扱いをしておるところが多いわけでございます。そういう意味で、この問題は非常にむずかしい問題がございます。また、事業所の所在地も非常に通常の都市から遠いところにございますし、事業処理体制も、先ほど来先生からも御指摘のございますように、非近代的な面もございまして、必ずしも雇用関係なり賃金支払い関係が明確でないような場合もございます。そういう意味で、これを強制適用に踏み切りますには、それまでいろいろと条件整備をしていかないといかぬだろうと思いますし、また失業保険としてそういった毎年の失業というものにどう対処していくかというようなことも研究いたさねばならぬと思っております。  そういう意味で、私ども、林野庁とも密接に連絡をとりますとともに、現在労働省の中に研究組織を設けまして、農林水産業当然適用の問題ももちろんのこと、制度全般について研究を行なっております。できますならば、本年中ぐらいには結論を出して、所要の法案を国会に出したいと考えておりますが、現在のところはそういうところで準備を進めておる段階でございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 今年中くらいには結論を出したいというおことばですが、一番早く進むとして、いつごろ法案は出せる予定ですか。来年の国会ですか。

関英夫労働省職業安定局失業保険課長

○関説明員 本年中に研究等の結論が出ました場合には、私ども法案を作成いたしまして、関係の審議会等に諮問いたしまして、所要の手続を経て国会提出するということになれば、来年の二月ごろというのが一番早い時期でございます。ただ、その場合にも、農林水産業に失業保険を適用する場合に、ほんとうにいつからやるか、法案としてはそういうものを出しますが、適用月日をいつにするかということは、いろいろの準備等もございますので、法案成立後直ちにというようなことができるかどうかはいろいろ問題があろうかと思いますが、法案といたしましては、来年の二月ごろ提出するというのが一番早い時期になろうかと思います。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 私は、民有林で働いている労働者については、本来は通年就労を確保して、普通の労働者のような生活条件、労働条件をつくり上げるのが先決だと思うわけでです。しかし、さっきの林政部長のお話では、いつそういう状態が実現できるのかさっぱり見通しもつかないというような状態であります。だとすれば、その間労働者は仕事しないわけにはいかない、食わないわけにはいきませんから、やはり政府のほうでも十分社会保障的なあるいはその他さまざまな施策を講じて、林業労働者の生活を守ることが必要だと思います。  さらに、こういう森林の問題を考える場合に、どうしても私たちが避けて通ることができないのは、この前の札幌地方裁判所の長沼事件の判決です。この長沼事件の判決は、森林法の解釈についていろいろなことを述べています。特にきょうの審議で関係が深いと思うのは、保安林に対する考え方であります。これは、農林大臣は訴訟の当事者で、敗訴の責任者でありますから、おそらくいろいろ慎重に検討しておられると思いますが、あの長沼判決の保安林について述べた部分については、農林大臣としては一般論として反対なのか、それともああいう考え方自体には反対はされないのか、お聞きしたいと思います。具体的には、保安林というのは、ただ保安林の所有者の利益を守るためだけにあるのではなくて、地域住民の利益を守るためにあるのだというようなことを、いろいろ判決は説明していますが、これは農林大臣からお聞きしたいと思うのですが、いかがでしょうか。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 大臣がお答えになります前に、私から事務的にお答えを申し上げておきたいと思います。  保安林の性格につきまして長沼判決で触れられておる点につきましては、先般の委員会でもたしか先生から御指摘があったかと思いますが、保安林が、森林の持つ公益的機能ということによりまして、その関係の地域住民に利益を与えるということは、これは否定すべくもないことでございますけれども、ただ、森林所有のための制度でないという点につきましては、むしろ森林所有者については、森林所有者の権利を制限するというものでございますし、また、その地域住民の利益になるという点につきましては、地域住民の利益というのは森林の公益的な機能の反射として受けるという分がかなり多い、そういうようなもの、あるいは中には法律上の権利として保護されるものもあるわけでございますけれども、そういうようなものも含めて、保安林の利益を受けるという点にについてはそのようなことであろうというふうに考えておるわけでございます。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 私は、ただいまの御質問については、具体的に一体地域住民にこの保安林がどの程度の利益をもたらしておるのか、また、保安林の解除に伴って行なわれた施設が、保安林の持っておった地域住民に与えた利益とどう違うのか、こういうような点を私は詳細に検討してみました。その結果は、防衛庁の行ないました各種の施設、詳細はお尋ねがあれば申し上げますが、それらの点についていろいろ公判廷で御批判もありましたが、われわれとしては十分地域住民の利益は確保されておるものだ、こういうふうに見ておるのでございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 私は、むしろ長沼の実情について聞いているのではなくて、あの判決では幾つかの一般的な理論を展開しています。たとえば自衛隊は憲法九条で禁止した戦力だ、陸海空の軍隊だというようなこともいっています。自衛隊法やそれに関連する法律は違憲で無効だということもいっています。そういう一般的な命題の一つとして、保安林というのはかくかくの趣旨でつくられたものだということを述べているはずです。この命題には賛成できるのかどうかと聞いているのです。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 保安林は、言うまでもなく、それぞれの機能に応じまして農林大臣の権限で指定をいたすのであります。したがって、その機能というものが地域住民にとって必要なものであるということは言うまでもないと思います。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 農林大臣は、第一審の長沼判決に控訴を申し立てましたが、しかし、農林大臣が不服だったのは、保安林について述べた部分ではなくて、その他の部分だというふうに聞いていいのですか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 政府がしばしば自衛隊は違憲ではないということをはっきり申しておる国の最も大きな方針について、今回の判決が違憲を前提として、公益上の理由はないといたしておりますから、上訴を私自身が決意をいたしましたのは、従来の政府の方針からいたしまして、これはわれわれとしては違憲ということは認められないということで上訴をいたしたのであります。上訴についての理由書というものについては、現在、農林省あるいは法務省、緊密な連絡の上、検討中でございますので、いまここで申し上げられますのは、判決後に行なわれました政府を代表しての官房長官の声明に基づき、また私自身が違憲に対して不服で上訴いたしたのであります。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 私が憤慨にたえないのは、いまの田中内閣の政治の中で、防衛がすべてに優先しているという感じを受けるからです。たとえば、私はこの委員会で、岡垣射爆場の問題について二回質問しました。この質問のときに、林野庁長官は、岡垣の保安林として機能させたい、米軍の射爆で木がなくなったところは保安林の機能が回復できるように植林をしたい、二回にわたって答弁しました。そうして同席された農林大臣もその趣旨を肯定されたと思います。ところが、全く委員会と別なところで、閣議決定ということで、防衛上の立場から委員会での言明がじゅうりんされる。私はこういうことを経験してきました。委員会であれだけ林野庁の責任者、農林省の責任者が、保安林として機能させたいと言っているのに、どういう力がこの言明をひっくり返しているんでしょうか。私はいまの政府の政策の中で防衛最優先という立場から委員会での審議がどろぐつで踏みにじられたというふうに思えてしようがないのですが、なぜ委員会での答弁がひっくり返されたのか、御説明ください。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 いま速記録を取り寄せてよく見なければなりませんが、私がどのような発言をしたかにつきましては、どうも御指摘とは私の表現が違っておったんじゃないかと思いますが、しかし、農林省の林野庁長官の答弁のほうにつきましては、御指摘のように私も記憶をしておりまするのであえてここで御質問にさからう考えはございませんが、一応御質問に沿って考えまするならば、諫山委員は先ほどから多賀谷委員の御質問に私が答えておったことをお聞きになっておったと思うのであります。そこで、私の考えは大体おわかりであろうと思うのであります。自衛隊が共同使用しておったという事実に出発をいたしまして、福岡県知事のとられた措置について私は了承をしておる。しかも今回の措置は、きょう繰り返し念を押されたように、時限が限られておることでございまして、別に私は脆弁を弄するわけではございませんが、要するに、ある時期がくればいま御質問のような状態に岡垣の射爆場は戻る、こういうことには間違いがないのでございまして、遺憾ながらその代替の場所がまだないということから今回の措置になった。しかし、代替の場所も早急にこれを用意するということは施設庁長官のほうからお答えをいたしたようなわけでございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 私はいま岡垣射爆場の問題を蒸し返そうとは思いません。ただ、私が憤慨しているのは、農林水産委員会で責任をもって答弁されたことが、違った場所でひっくり返されているということです。そういうことがありますから、たとえば農林大臣が農産物自由化の拡大はいたしませんと幾ら言っても、田中角榮さんが言わない限りだれも安心しないのです。農林大臣の発言と総理大臣の発言が微妙な点で食い違っているからです。こういうことになりますと、すべての委員会に田中さんに出席してもらうほかありません。そうでないと、責任ある審議はできないからです。この場合も同じようなことが繰り返されたじゃないか。それは確かに総理大臣のほうが農林大臣よりもえらいでしょうが、それでは何のための委員会審議か、また防衛優先ということがまかり通るなら、防衛問題に関することは幾ら議論しても同じことになるじゃないか、こういうことを私は憤りをもって思い起こしているわけです。この点はもう答弁は要りせんが、福岡県の平和を愛する人たちは今度の措置に非常に憤慨している。日本じゅうの人がこういうやり方に反対しているということをあらためて胆に銘じて、この問題は長沼判決とともに非常に重大な問題として考えていただきたいと思います。  終わります。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 いまの御発言は私も非常に重大に受けとめました。私は少なくともここで答弁していることにつきましては最大の責任を持って実現に努力をしておるわけでありまして、私はあえてここで強調しないのは、岡垣の射爆場の問題にしても他の関係できまったとかなんとか言いますけれども、これは事の重要性から閣議の了承事項、増原長官の提案によって関係省庁の了承によって行なわれたということも申し上げておりまするし、また時期的にある期間が置かれておりましても、必ず回復するということについては間違いなく結論が出ておるのでありまして、そういう点でいろいろと御不満な点のあることはよくわかりまするけれども、しかし、それだからといって、それを前提にして委員会の審議なんかどうでもいいんだというふうにお導きになることについては私は非常に遺憾に思います。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 私ももう一ぺん発言させていただきます。  私は委員会の審議がどうでもこうでもいいんだとは思っておりません。非常に大事だと思っているんです。しかし、委員会の審議がどこか私たちの手の届かないところでくつがえされるようなことはやめてもらいたい、こう言っているだけです。  終わります。

佐々木義武自由民主党

○佐々木委員長 次回は明二十日、木曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後四時十六分散会

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