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71回国会衆議院1973/07/18

農林水産委員会 第46号

発言数
327
登壇者
10
会派数
4
開催日
1973/07/18

会議録

佐々木義武自由民主党

○佐々木委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、森林法及び森林組合合併助成法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中川利三郎君。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 現在、大手不動産などによって森林の乱開発は目に余るような状態になっておるわけでありますが、今回の森林法の改正はこのような乱開発を規制する歯どめになる要素がある、こういうふうにいわれておるようでありますけれども、いずれにしても乱開発はどんどん進んでおりまして、何かおそ過ぎるきらいがあるように考えるわけであります。いまごろになってああだこうだというようなきらいがないでもないのでありますが、このような批判に対しまして、大臣の率直な御意見をお聞かせいただきたいと思うのです。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 林野が土地買い占めの対象になる、またその買い占められた土地が無計画に開発が行なわれる、そういう事態が随所に見られるわけでございます。ただいまそのようなことに備えるについては少しもう手おくれではないかというような御趣旨の御発言でございましたが、私も、いわゆる乱伐、乱開発はすみやかにやめるような措置がとらるべきである、こういう考え方については就任以来強く持っておるのであります。  保安林制度を活用しながら、それに備えてまいったのでありますが、民有林における乱開発については現在までのところ規制措置がなく、今回の森林法改正の中で開発許可制度をとることによってこれに対応するという次第でございますので、本来申しますと、この森林法一部改正については、もっと早くお願いをしたいというのが私の偽わらざる気持でございまして、この点御理解をいただきたいと思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 いままではそれを規制する何らの歯どめがなかった、したがってこういう事態を招いた、こういうことのようでありますが、それにしてももう全国土の何十%というものが買い占められた、こういうふうなことまでいわれておりまして、従来森林計画を進める上で、当然、法的規制はなくとも、行政的な指導なり勧告なり、そういうかっこうである程度こういう事態を防ぎ得たのではなかろうか、こう思うのでありますが、そうすると、従来全くそれを野放しにしてきたのかどうか、この辺について御意見をお伺いしたいのです。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 いままででも地域森林計画を立てておるのでございますから、行政面から乱開発を把握することも全く不可能である、そういうことではなかったと思うのであります。しかしへその乱開発の実情というのは、まず土地の買い占め、すなわち林野の買い占めが行なわれる。その林野の買い占めがどのように行なわれておるかということは、買い占めの事実が明白になりまして、登記でもされるという事態がないと明白に把握ができないというのが実態ではなかったかと思うのであります。そのために、農林省の関係からすれば、各地方農政局ででき得る限りそのような情報の把握につとめる。そして乱開発のおそれがある場合におきましては、御指摘のような行政上の面で何とかくふうしようというような行き方で本日に至っておるのでございまするが、それらの方法ではきわめて不十分でありまして、実態としては相当な乱開発が進行しておる、こういうことでありまするので、今回の法改正については、一日も早く成立を見るようにお願いをいたしたいと思う次第でございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 それでは、今回の森林法の改正によって、そういうものに対する十分な歯どめができるんだ、こういうことのようでありますが、具体的な問題についてお伺いしたいと思うのです。  一つの例は、これは事務当局のほうへ一応御連絡申し上げておるわけでありますが、群馬県の桐生市の場合であります。群馬県の桐生市の桐生グリーンタウンの造成予定地域というやつでありまして、ここに東レによる大規模な土地造成が行なわれまして、一部はすでに分譲中であります。この場所はかなりの傾斜地でありまして、しかも山のすぐ下には市街地が控えておる。この場所はまた、雨の降ったときに、洪水防止で大きい役割りをいままで果たしてきたわけでありますが、地元民の反対を押し切って開発が進み、すでに分譲しておるわけであります。しかし、この分譲地の青葉台というものはそういう土地条件でありますので、鳴りもの入りの宣伝にもかかわらず、ほとんど買い手がない。地元民は、こんな傾斜地で雨が降れば道路が川になる、付近一帯が水浸しになるといっています。すでに入居した人たちも、急な坂道で新聞屋も入ってこない、また道路も十分でないから買いものもできない、こういう怒りをぶちまけているようでありますが、これが現に進行しているわけでありますね。このような状況の開発は、いま地元でたいへんな問題になっておりますけれども、あらためて規制対象になるのかどうか、これはひとつ担当のほうからお答えいただきたいと思います。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 いま御指摘ございました群馬県桐生市の山林、こちらの調査によりますと約八十ヘクタール余りあるわけでございますが、ここの場所につきましては、結論から申し上げますというと、規制対象になるというふうに考えるわけでございますが、一応規制から除外します場合の条件としましては、非常にその土地が小面積であって、しかも分散しておるとか、あるいは他の法令等によって、あるいはまた公的な計画に基づいてその開発の計画が裏づけられておるという具体的な例を除きましては、すべてこれを規制の対象と考えているものでございます。ここはいま御指摘のように、相当のまとまりのある森林でございますし、また災害を惹起しているなどから見ましても、問題になる場所であるというふうに考えております。したがいまして、地域森林計画の対象にすべき森林であるというふうに考えておりまして、当然開発規制の対象になるというふうに判断しておるものでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 当然開発規制の対象になるということでありますが、桐生市では、この地域について一年前に都市計画の線引きが終わり、県に指定許可申請を出していますけれども、県ではまだそれの許可を出しておらないので、これは東洋レーヨン側がこの地域を都市計画法に基、つく市街化区域内に組み込ませるために県に圧力をかけているからだといわれているのです。したがって、お聞きしたいことは、本法改正によりましてこのような不当な問題が解決できる、このように考えてよろしいかどうか、お伺いしたいと思います。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 ただいま先生お尋ねの、都市計画区域における線引きにつきましては、いろいろ利害が錯綜するということから、なかなか進まないという実情にあるように承知いたしておりますけれども、そういう線引きが進んでいようと進んでいまいと、森林法に基づく開発規制というものは、この改正法案が可決成立いたしました暁には、森林法の立場で規制をしてまいるということになりますので、先生御懸念の、森林の乱開発という観点からの当該地に対する規制というものは行ない得るというように私ども考えておる次第でございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 もう一つお伺いしますが、同じく群馬県の藤岡市に、郷土開発グループという会社がありまして、この会社が三名湖ゴルフ場を計画しております。この場所は直接貯水池につながっていて、付近のたんぼに水を供給し、同時にいわゆる鉄砲水を防いでいる森林、こういう役割りを果たしているのですが、この場合も規制の対象になるのかどうか、ここに図面もありますが、ちょっとお伺いしたいと思います。これもあわせて皆さんのほうに通告済みです。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 ただいま先生御指摘の案件につきましては、具体的な事案を精査したわけではございませんけれども、いま先生お話しのような形で過去に鉄砲水が出たというふうなところでございますと、災害の防止という観点、国土保全という観点から、当然規制の対象として考えていくということになるべき性格のものであろうと思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 くどいようでありますが、もう一つだけお伺いします。  これは私の郷里の秋田県でありますが、御承知のように、鳥海山という東北の名山がございまして、ここの六合目までいまその両側が大資本によって、東カンという会社でありますが、四千ヘクタール買い占められた、こういうふうなことをいっているのですね。   〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕 そこでいろいろなスキー場や別荘地の分譲だとか、ゴルフ場だとか、そういうものをつくる段取りになっておりまして、もうこれは大問題になっているわけですが、そういうものを買い占めても、この規制の対象になりましたならば、当然そういう施設をつくるとか、そういうことはブレーキをかけられる、こういうように了解してよろしいですか。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 鳥海山の例の御指摘がございましたけれども、この場所につきましても、一応今度考えております規制の対象になると考えられます。ということは、その判断をいたします場合に、その地域が災害関係、つまり国土の保全上支障があるかないか、あるいは水資源確保に支障があるかないか、あるいは環境の保全に支障があるかないかということの三つの大きな基準に基づきまして、さらにそれを具体的にいろいろ細部の指導通達を出したいと考えておる次第でございまして、そういう山岳地帯における大きな開発については当然規制がかかってまいるというように判断いたされます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 この法改正の案によると、具体的な規制の面積が指示してありませんけれども、一応聞くところによりますと、開発規制面積としては一ヘクタール程度が妥当というようなことがいわれているのですが、この条文には書いてないのですね。そういうふうに理解してよろしいですか。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 法案には書いてございませんですけれども、知事の許可制にいたします場合には、一応一ヘクタールというふうに考えておるわけでございます。これは面の点でございますが、もう一つ、たとえば道路をつくりますような場合につきましては、これは線の考えでございますけれども、ある一定の幅以上のものにつきましてはこれを規制するというふうに考えておりまして、それは山の地形あるいは場所によりましていろいろ差がございますので、細部の指導基準については、ただいま検討中でございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 いま面と線の問題が出ましたが、たとえばこういうことですか。開発面積が、一ヘクタールが一つの基準になるのだ、こういうことになりますと、一ヘクタールのちょっと手前の〇・九九ですか、そういうものが何カ所もできていく、これで法をのがれるのだという考え方もあるわけです。こういう場合どうなるのか、あるいはそういう場合、個々の開発者自体の名義が違う場合は一体どうなるのか、こういうことについてはどうですか。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 一ヘクタールというのは一つの目安でございまして、現地に行きまして見た場合には、その山の傾斜度であるとかあるいは土壌の条件であるとか、そういったようないろいろな基準がございます。また、その場所におきましては、地下水の関係がどうなっているかとか、いろいろの条件がございますので、面積の点ではおおむね一ヘクタールというふうに考えておりますけれども、その具体的な、土地におけるいま申し上げたようないろいろな基準をもとにしまして判断させたい、こういうふうに思っておるわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 そうすると、そのことは何かあらためて政令か何かで出るのかどうか、そういうことをきちっとしていただきたいと思うのです。その点もいまお伺いしますが、規制基準について、この法案の中には、水源滋養機能に著しい支障を及ぼすおそれがある場合云々ということを書いてございますけれども、その危険度をどう判定するのかということです。著しい支障の判定の基準は一体何なのか、また、開発したあとに、そのときは何でもなかった、あとからそういう非常に支障が出てきたというような場合、そういうものも遡及して効力が及ぶのかどうか、こういう問題が当然あるだろうと思うのです。これらについてはどうなんでしょう。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 著しい支障を来たした場合というふうな形で一応考えておるわけでございますけれども、その判定の基準といたしましては、ただ森林の開発を行なうと、当然水源に支障を来たす、水資源の涵養上支障があるというふうな形で解釈をするということでなしに、地下水の水源になっておるとかあるいは地上流水の経路に当たっておるとか、そういうような形のことをいろいろ判断をいたしまして、それが、その水を給源といたしておりますところの地域の水に対してどの程度の影響を持っておるか、そういうようなことをいろいろ総合勘案しながら、判断を下していくということになろうかと思います。  先生御指摘の、許可をした後にそういう支障が起こったときはどうするかという問題でございますけれども、そういうふうな問題が起こらないように、慎重に対処してまいるというふうなことで処理をしてまいるということであろうと思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 間々これはだいじょうぶだという中で、あとでいろいろな障害が起こっているのが現状だと思うのです。せっかくこういう法律をつくられたあとでそういうものが起こる場合は当然想定しなければならないので、そういう事態がないように慎重に配慮するということは、お役人の答弁としては成り立っても、実際の場合はなかなかそのとおりいかないわけです。したがって、そういう場合の損害賠償責任などは一体何となるのか、こういうことはやはりはっきりしてやらなければならないと思うのです。この点についてひとつもう一回確認しておきたいということが一つ。  もう一つ、時間の関係でどんどんやります。保安林の場合、たとえば貯水池の建設をしますと、指定理由が消滅になるわけですね。そういうことで解除が行なわれますが、普通林の場合はどうなるかということです。わかりますか。たとえば代替の貯水池をつくれば、保安林はその部分はいいのだ、こういうことになりますが、普通林の場合はどうなるか。そういうことで、何かそういうものの規制が、代替物をつくるとか、条件がなくなったということでどんどんやられていく危険性がないかどうか、この点お伺いします。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 先ほど答弁いたしました際に、そういう結果が起こらないように措置をしてまいるということを申し上げたわけでございますけれども、万一結果といたしましてそういう事態が起こりました場合には、原因者負担というような形で、当然民事上の責任が追及されるということになりましょうし、またそういう可能性が万が一でも考えられるというようなものでございましたならば、許可条件にそれを付していくという形になろうかと思います。  保安林の解除の場合につきまして、代替施設と申しますか、懸念される事態に対して対処するための施設をつくるということで、保安林の解除が行なわれております。今回の規制についてはどうかというお話につきましては、たとえばいまの水資源の確保というような観点からのものでございますと、水資源が確保されるというふうな形での措置が十分行なわれるということでありますならば、その点の懸念は解消する。ただ、そういう場合にもまた別途環境の保全とか、その他国土の保全とか災害の防止とかいう形のものが考慮の要素に入っておりますので、それらの問題も十分配慮の上で対処してまいるということになろうと思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 いまの規制基準については、災害発生の危険あるいは環境悪化云々の問題もあるが、いずれの表現も法案そのものにあるのはきわめて抽象的であいまいなわけです。これはそれなりに別途にそういう規制する細目をつくるのかどうか、水源滋養機能の著しい支障も同じ意味ですけれども、この点をはっきりさせていただきたいと思います。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 法案に出ておりますのは基本的な考え方でございまして、いま先生御指摘の、細部の基準についてはどうかという御質問でございますが、これにつきましては、一応こまかな、先ほど申し上げた三つの原則のさらに細部の基準というものをつくりまして、それぞれの都道府県に指導してまいるという案を持っておるものでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 最近、開発に対して住民の反対運動が非常に起こっておりますが、地域住民の声というものはどのように反映されるのか。今度特にこの森林法が改正になりますと、そういう点で一応の疑義を持つということは、逆にこの法改正は、それに該当しないものは許可するというような、そういう明言規定というか、こういう場合許可しないというのではなくて、こういうものに当てはまらないときに許可する、こういうことになっておりますから、これに対しては、それ以外のやり方によっては何ぼでも買い占めできるんじゃないとかいうような意見もあるわけです。したがって、地域住民の声がどう反映されるのかということで、いまの森林法に対する懸念もいろいろあるわけであります。そういう点でどうお考えになっているか、お聞きしたいと思うのです。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 基本的には、県知事がつくります地域森林計画、これに基づきまして、将来にわたって計画的に森林を造成していくという考え方でございます。その場合にも必ず地域市町村長の意見を聞くということにいたしております。また、開発許可をいたします場合におきましても、相当規模のものにつきましては、先生御承知と思いますけれども、それぞれ県に森林審議会がございまして、その審議会の意見を聞くという形で、地元住民の声を尊重するというふうに考えているものでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 大体民有林についてはそういうことですが、きょうの私の質問したい本番はこれからでありまして、まず国有林のことでありますが、いま民有林についてはいろいろのあれがありますが、国有林の開発規制は一体どうなっておるのか、何か民有林に比べましてあまり熱心でないようにお見受けいたしますけれども、国有林は一体どういう方針で、どういうふうにやっているのか、まずそこからお聞きしたいと思います。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 全国の森林の約三分の一は国有林でございます。国有林の開発規制につきましては、御承知のように、保安林につきましてはきびしい基準を設けておるものでございます。それからまた、保安林以外の他の自然公園区とかあるいは鳥獣特別保護区とか、その他学術参考林とか、いろいろな規制をしているものもございますけれども、それ以外の森林につきましては、まず全国森林計画、これは国有林と民有林を一緒にいたしまして、流域ごとに計画をつくっているものでございますけれども、その中で、全国の国有林につきましては八十の地域施業計画というものをつくっておりまして、その中でこまかに各流域ごとに森林の伐採なり造林なりあるいは林道の工事なり、あるいは治山工事というこまかな計画をつくっているものでございまして、もし民間からこの国有林を利用するというふうな要請があった場合におきましては、いろいろの法令に基づきまして、その計画をよく審査しまして、これをきびしく査定いたしまして、間違いのないようにこれを指導しているところでございます。その他いろいろこまかい法令はございますけれども、やはり国有林はみずからこの点を正していかなければならぬという考え方に立ちまして、今後ともさらにきびしく、審議会等の意見に基づきまして、法令等の改正もする予定をいたしておるところでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 国有林はみずからその範を示さなければならない、こういうことでありますので、私は具体的な問題についてそれではお聞きしたいと思うのです。  それは栃木県の日光市、奥日光国有林野内にあります国設日光湯元スキー場の問題でお尋ねいたします。ここでは既設の日光湯元スキー場がございますが、今度これを新たに拡張して、同じ区域内にもう一つのスキー場をつくるといわれておりますが、そういう事実関係はありますかどうか。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 通常奥日光といわれておりますところに現在スキー場があるわけでございますけれども、そのスキー場だけでは日光のスキー客を収容できないということもございますし、また、先生御指摘の、現在新しいスキー場というふうに計画されておるものにつきましては、非常にかっこうのスキー場であるということから、当該場所にスキー場を開設するという計画がございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 この新しい日光湯元スキー場として追加指定を受けました国有林の面積はどのくらいなのか、総面積とその内訳をひとつお知らせいただきたいと思います。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 新しいスキー場の対象地といたしまして大体二十九ヘクタールほどでございまして、そのうちの二十五ヘクタールが国有林、それから残り四になりますけれども、四捨五入の関係で五ヘクタールくらいになると思いますが、これが民有林という区分けになっております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 その計画によれば、つまりその面積の中にどういうかっこうで、たとえばスキー場のリフトがどれだけの面積であるのか、あるいはゲレンデの面積が何ぼなのか、保残帯が何ぼなのか、いろいろあると思うのですよ。これを明らかにしていただきたい。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 現在のところ手元に資料を持ち合わせておりませんので、後刻御報告いたしたいと思いますが、まだおそらくは、スキー場の計画の段階でございまして、具体的にこまかな計画はできておらないと思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 まだスキー場の計画の段階でこまかなあれが出ておらない、こういうことでありますが、私の手元に、昭和四十六年の十二月二十四日付の林野庁長官から前橋営林局長あての承認するという公的文書があるわけです。「四六林野管第五七四号、昭和四十六年十二月二十四日、国有林野内に設置するスキー場の追加指定について昭和四十六年十月十一日付け四六前管第二〇〇九号で上申のあったこのことについては、申請のとおり承認する。」こういうことになっておりまして、昭和四十六年に承認したものがいままだ計画中というのはどういうことですか。   〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 私の申し上げましたこと、ちょっと舌足らずで恐縮でございましたけれども、詳細な点といいますか、こまかな点につきましてはまだ未定の部分があるという意味でございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 詳細な点については未定だと言うけれども、前橋営林局長から林野庁長官にあてた「国有林野内に設置するスキー場の追加指定について」という、日光湯元スキー場のこの申請によれば、ちゃんといろいろの計画がここに出ているのです。たとえば総面積は二十八・九七ヘクタールで、この中でコース・ゲレンデ敷が十二・〇六ヘクタール、リフト外施設敷が二・七二ヘクタール、保残帯が十四・一九ヘクタール、こういうふうに書いてあるでしょう。これがまだ中身がわからないというのはどういうことですか。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 そういう大きな数字につきましては、いま手元に資料がございませんので、後刻御報告申し上げますが、あとの詳細な点については未定の分があるということをお答え申し上げたわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 詳細な点については未定の点があるということは、そのこと自体私にはわからないのです。昭和四十六年に承認されておるものに対して、しかもこれで見るならば、一応詳細に、前橋営林局長からこういう文書を林野庁長官に出しているのですから。あなた方がこれを許可承認する場合には、詳細な点について全く除外して、昭和四十六年以来、承認してから何も手をつけてこなかった、こういうことですか。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 予定地ということで調査をいたしておるわけでございます。私が申し上げましたことは、確定的なという意味においてのあれでございまして、まあスキー場の設定という意味においての先生の御指摘でございますれば、ほとんどきまっておるということでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 スキー場の設定ということであればほとんどきまっておる、そのスキー場のことで聞いておるわけですから、あなたあまりむずかしく言わないで、ひとつわかりやすく答弁していただきたいと思いますが、すでに四十六年にこういう承認が出ているのですね。  そこで、私、お伺いいたしたいのは、この場所は国有地であり、国有林でもあり、国立公園でもあるわけですね。自然公園法による特別地域であり、また保安林でもあるわけですね。このような場所に施設をつくる際に、林野庁としてはどういう手続が必要なのか。まずその手続関係について知らせていただきたいと思います。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 ただいま先生御指摘のように、保安林でございますので、保安林解除の手続と、それから自然公園法第二種特別地域でございますので、自然公園法の四十条に基づく環境庁長官との協議というものが必要になると思います。また、民有林の分につきましては自然公園法に基づく許可が必要かと思われます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 それではお聞きしますが、保安林については、保安林解除の申請をして、それが許可にならなければそれの指定解除はできないと思うのですが、いつ指定解除になったのですか、お聞きします。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 保安林の関係につきましては、四十七年三月三十一日付の書類で、宇都宮営林署長から栃木県知事あてに、国有保安林と民有保安林の保安林解除の協議を行なっておるところでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 私が聞いたのは、いつ解除になったかということを聞いているのです。何年何月何日に解除されたかということです。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 至急調査いたしまして、御返事いたします。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 至急調査して返事というと、もう少しでいいわけですね。私の調べでは、これは保安林の指定解除になっていないと思うのですよ。この点をはっきりしてください。そうすると、いまこれをどうしますか。この点をはっきりしないと、質問を続けられないのですよ。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 ただいま御答弁いたしましたように、いま協議のことははっきりいたしておりますが、解除の正式の資料が手元にございませんので、至急調べるということにいたしたわけでございますが、おそらくいま先生御指摘のように、解除にはなっていないのじゃないかというふうに推定されますけれども、推定でお答え申し上げるのはなんでございますから、いま本庁のほうへ至急調査の電話を入れておりますので、すぐ回答はできるかと思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 農林大臣にお伺いしますが、このような重要な、しかも範を示さなければならない林野庁が、みずから行なう事業について保安林の解除ということも何もそれはわからない。いま至急調査するというけれども、私の調査では解除されてないのに、そういうスキー場の指定をしている。こういう事態が、いま追認するようなかっこうで御発言がありましたが、こういうことについて農林大臣はどういう御所見をお持ちですか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 保安林が保安林の解除なく使用されるということは、これは違法の行為でありまするから、取り締まらなければならないと思います。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 念のためにお答えを申し上げておきたいと思いますが、このスキー場につきましては、国設スキー場として指定をするということでございまして、現実にスキー場になる、つまり立木を伐採してゲレンデのていをなす、あるいはリフトを設置するという状態にはまだなっていないという状況にあることをお答え申し上げておきたいと思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 あなた、そういう答弁をして、あとたいへんなことにならないですか。つまりあなたの言うのは、まだ具体的にそういうものを設置していないから、保安林解除はしてなくたって差しつかえないんだと、こういう意味ですか。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 ただいまお答え申し上げましたのは、一般的にスキー場といわれますと、もうすでに木が切られてスキーですべれるというような状態になっておるというふうに理解されますので、ただその意味において事柄の正確を期する意味で、まだ調査のための支障木の伐採以外にはスキー場というていをなしていないという現状にあることだけを申し上げたわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 だから、スキー場のていさいをなしていなければ保安林が解除してなくたってかまわない、こういうことですかと聞いているのです。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 保安林の解除の問題につきましては、保安林解除の申請が行なわれて、その保安林の解除が行なわれた時点で、保安林解除を目的としたいろいろな作業が進められるということになろうかと思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 私が聞いておるのは、あなたは、いままだスキー場としての具体的な実体がないから、保安林解除がまだ具体的になっておらなくても、いまのところはかまわないのだ、こういう意味ですかということを聞いておるのです。どういうことですか。そこだけ答えてください。言い回しをほかにしないで。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 保安林が保安林のままの状態で存在するというようなことでございますならば、その点については問題はないわけでございますが、現在保安林を保安林、森林でない状態にするという計画を持っておりますので、その点について保安林の解除の申請をいたしておるということでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 だから、私が聞いていることにだけ答えてください、言い回しをほかにしないで。つまり、いまはまだスキー場の実体がないから、保安林でなくてもいまのところはかまわないのかどうか。それとも、そのこと自体が違法なのかどうか。ここのところだけ答えてください。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 現在進行しております事態につきましては、先ほど申し上げましたように、調査のために支障木の伐採をしたということでございますので、その点についてのみ森林の状態についての変更を行なったということでございますので、その点が保安林のままであるということと何らかのかかわりを持つかどうかということが問題であろうかと思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 何回も聞くけれども、保安林の機能が現実にそこなわれていないから、指定したことは何でもないのだ、ここをスキー場に指定したということは何でもないですかということを聞いているので、何回聞いても、あなたは何でわかりにくくしゃべるのですか。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 スキー場としての機能は保安林の解除なりあるいは自然公園法に基づく環境庁長官との協議というものが終わった後に実施されるというふうなことでございますので、現在の事態においては、まだそういうようなスキー場開設のための伐採等は、調査のために支障木の伐採以外には行なわれておりませんので、現在の状態では保安林の解除の申請をいたしておりますけれども、国設スキー場の設置ということについては、国設スキー場に指定するというふうな形の意思の伝達が林野庁長官から前橋営林局長に対して行なわれたということであろうと思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 あなたは意思の伝達が行なわれた——公文書がちゃんと承認を受けて、それぞれの計画が前橋営林局長から林野庁長官に出されて、そうしてだれそれにやらせるということまでちゃんと書いてあるのでしょう。意思の伝達というようなことばでおかしく問題をはぐらかさないようにしていただきたいと思うのです。  それでは、私、お聞きしますが、何回言っても切りがないので、あなたのほうの林野庁は「国有林野内に設置するスキー場の運営について」という通達を出しているんですね。「昭和三十五年六月二十二日、三五林野政第三一九四号、林野庁長官より各営林局長あて」、この通達というのか何というのか私はわかりませんけれども、それの第五に「保安林にスキー場を設定する場合の取扱」というのがある。そこを見てみますと、「保安林の公益性等をも充分検討のうえ選定し、スキー場の指定上申と同時に、別途これらの指定解除の上申手続をとらなければならない。なお、当該地域のスキー場の指定は、保安林もしくは保安施設地区の指定の解除をまって行うものとする。」そうすると、どういうことですか。あなた方やったことを自分で破壊しているでしょう。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 御指摘のとおりでございまして、保安林を解除いたします場合には、相当きびしい条件を付しているわけでございます。ですから、国設のスキー場をここにつくる場合にはちゃんと事前に保安林の指定の解除の手続が完全にできて、その保安林の機能に支障を来たさないような代替施設なり、ほかの保安林を続けてつくるということによって、そこにある保安機能、水源涵養保安林でございますから、その水源涵養保安林としての機能は阻害されないということが確実になって、初めてスキー場の実施を行なうというのが御指摘の順序でございます。したがいまして、ただいま御指摘の点につきましては、保安林の機能に支障を来たさないということを確認した上でその解除をいたしまして、その次に国設スキー場というものの実行に移るというふうにしてまいりたい、かように思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 そのようにしてまいりたいと言ったところで、昭和四十六年にあなたが承認を与えているのです。そしていま保安林の解除が終わっていてそういう承認を与えたかというと、そうじゃないでしょう。保安林の指定の解除を待ってそれをやらなければならない、スキー場の運営についてはこう措置しなさいというあなたみずから、林野庁長官から出した通達があるのですよ。そのこと自体守られていないということは、国有林の場合は民有林も含めて模範でなければならない。特に保安林の場合はこういうふうに厳重にやるということをあなた先ほどおっしゃっているのですけれども、そのとおりやられているかどうかということを聞いているのです。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 国設スキー場につきましては、全国八十幾つ、約百近くありますので、そういった保安林にかかります場合は、御指摘のとおり、保安林の解除ということが確実に行なわれて、そのあとで国設スキー場の実施ということをしてまいりたい、こう思います。その保安林の予算面におきましても、毎年各営林局ごとに国設スキー場はどこにどのくらいつくるかというおおよその計画はあります。たとえばそこは前橋営林局管内でございますので、前橋営林局管内の日光にすでにあった国設スキー場に追加してまたそこを広げるという計画でございますので、そういった意味で、この前橋営林局の日光の国設スキー場の拡張計画は年度の初めに一応指示したものというふうに考えておりますけれども、御指摘の点はまことに当然でございますので、なおその点につきましては、内容をもう少しこまかな点まで厳重に調査いたしまして、確実に保安林の解除をいたしました上でこれを実行するようにしてまいりたいと思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 そこに現実にスキー場がつくられているかどうかということが問題ではないのです。「なお、当該地域のスキー場の指定は、保安林もしくは保安施設地区の指定の解除をまって行うものとする。」ということであるので、これは明白な違反でしょう。その違反の事実を認めますかどうかということを聞いているのです。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 国設スキー場の指定という意味でございますね。私は、スキー場の実行計画ということと切り離して考えて、先ほどたとえば四十八年度なら四十八年度にはどこの営林局に何カ所国設スキー場を実施するかという計画を指示するわけでありまして、そういう意味に解釈いたしております。  そこで、最初に出しました通達の趣旨はまことにそのとおりでございまして、保安林の解除ということが確実に行なわれたあとでそれを実施するようにしております。実は、従来の取り扱いといたしましては、保安林の解除をいたします場合には、その計画を実施する前に確実である場合、こういうふうな規定がございますけれども、今後は、その確実である場合ということでなしに、ちゃんとそういう代替施設をしたあとでそれを行なうというふうにしてまいりたいとも考えておるものでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 大臣にお聞きしますが、こういう状況が現実にあるということですね。ましてや「スキー場の指定上申と同時に、別途これらの指定解除の上申手続をとらなければならない」というこの事実も、私の調べたところではないのです。もしあったとすれば、その日にちとそれを出してください。こういうことがいま現実に行なわれているということについて、農林大臣の御見解を承りたいと思います。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 いま一問一答をお聞きしておりまして、私にはその国設スキー場の実体というものがこの一問一答の範囲ではつかみ切れませんでした。特に保安林がどのような実態にあるのか、保安林の機能を喪失してしまってスキー場がつくられておるのか、そうでなく、保安林の機能は機能として働いておってスキー場になっておるのか、そういう実体がいまの一問一答の中から私には掌握ができなかったわけであります。私としては、保安林は保安林の目的があるわけでございますから、それがその機能というものをほとんど停止するような状態である、それを放置しておるということであれば、これは問題であると思うのであります。しかし、その機能はちゃんと果たしておるということになってまいりますと、おのずから違うのではないか。しかし、これは、いまの一問一答の中での私の感じを言っておるのですから、どうぞそのようにお聞き願います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 大臣は少しピントはずれでものを考えているのですよ。こういうことなんだ。新しくスキー場を追加指定する。その部分の面積に対しては保安林を解除しなければならない。そうして指定しなければならない。奥日光全体は国立公園で自然公園法の特別地域ですから、その部分に対して指定解除を行なってからスキー場を指定する、こういうのが林野庁の基本方針なんだ。ところが、そういう手続が何らとられないでスキー場の指定だけを行なっているということです。スキー場はもちろん悪いことではない、いいことですよ。そういうあり方自体、その部分についての保安林の指定解除を行なってからやらなければならないのに、行なっていない。それはどういうことか、このことを聞いているのです。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 正しく手続が行なわれることが至当であることは当然だと思うのです。ただ、私は、先ほどから申し上げるように、一問一答の中では、実態的にその部分にしても保安林の機能が残っているのかいないのか、保安林は保安林のままでスキー場として使われておるのか、あるいはスキー場をつくるためにごく一部予備行為的なことがあった実態にあるのか、とにかく手続は正しく行なわれるべきだと思いますね。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 これはまだやられていないけれども、手続としては、先に保安林の指定解除をして、それからスキー場の指定をしなければならないというのがおたくの基本方針なんです。だから、そこに保安林の実態があるとかないとかということは関係ないことなんです。だから、そのことについてどうかということですが、大臣は実態がわからないからそういうとんちんかんな答弁をしていると思うのですが、このことについては厳重に警告しておきます。  それから、先ほど来、そういう施設をつくる際にはどのような手続が必要かといった際に、皆さんのほうでは、たとえば自然公園法の特別区域ですから当然環境庁その他と協議しなければならない、そういうことを言っていますね。また、皆さんのスキー場の運営についてという通達によっても、国立公園地域にあっては林野庁長官が厚生大臣に協議の上「公園事業として営林署長が実施するものとする」というふうになっていますが、いつこのような協議をしたのかどうか。きょうは環境庁も来ておるようでありますが、まず林野庁長官から先にお伺いします。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 御指摘の自然公園法の関係でございますが、環境庁と林野庁との間できめられました覚え書きに基づきまして、地域施業計画樹立の際に森林施業について昭和四十五年三月十六日、林野庁長官から環境庁長官あてに協議しているものでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 それらの具体的中身はどういうことかということもあわせてお聞きします。協議したというけれども、協議した中身はどういうことですか。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 その協議は、自然公園の中は、御承知のように、特別保護地区、それから特別地域の一種、二種、三種、それから普通地域というふうに区分されておりますが、この地域は自然公園法の第二種の特別地域でございますので、ここの地域における伐採の方法について協議したものでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 つまり自然公園区域内における森林の施業について、こういうことで処理したからその点は協議になっているのだ、こういうことですね。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 御指摘のとおり、地域施業計画に基づきまして、自然公園の中においては環境庁長官と伐採の問題については協議しなければならぬということになっています。ここは第二種でございますので、原則としましては択伐、ただし場合によっては二ヘクタール以下の皆伐はできる、こういう問題でございます。

新谷鐵郎環境庁自然保護局企画調整課長

○新谷説明員 ただいま林野庁のほうから御答弁がありましたとおり、国立公園内の特別地域の伐採につきましては、自然公園法の第四十条に基づく協議をいただくことになっておりまして、この地域につきましても、四十五年の三月に第二種の、特別地域として、択伐と申しておりますが、一部の森林を切るということで協議をいただいております。  ただ、私どものほうの立場では、この第二種特別地域の森林施業につきましての協議は、あくまで森林施業としての協議というふうに理解をいたしておるわけでございますが、スキー場建設のための前提といたしまして測量のために伐採をするという性格のものでございますと、私どもは、それは森林施業の範囲内の問題というふうには理解をいたしておらないわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 いま環境庁のほうからそういう御発言がありましたが、宇都宮の営林署では、当該地区の新スキー場のリフトライン測量のため、昭和四十七年四月十日から五月十日にかけて保安林内の立ち木伐採を行なっていますが、これはしかるべき手続がとられているのかどうか、この点についてお聞きします。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 私は、一括協議の中でそれができているというふうに考えております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 いま環境庁も、測量のための伐採というようなものについてはこれに該当しないんだ、こういう意味の御発言があったわけですよ。あなたのほうと環境庁は見解が違うんですか。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 森林法に基づきまして、自然公園法の中の問題はいろいろ環境庁とは協議しているものでございますけれども、測量のための伐採については、これは、私、もし間違っておれば訂正しなければなりませんけれども、先ほど申し上げました自然公園の中の一種、二種、三種、普通地域、それぞれ伐採規制しておりますが、同様に測量につきましても包括協議ができているというふうに私は考えているものでございます。もし間違っておれば、もっとよく調査して訂正いたします。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 それにいたしましても、環境庁の御意向とあなたの御意向が、見解が違うということはどういうことですか。協議自体の中にも測量の問題は書いてないでしょう。特にこの場合は森林施業じゃない。リフトの建設のための測量のための伐採なんです。森林施業というものは、本来そこからすれば、新しく木を植えるとか切った分を植えるとか、それが営林局の本来の仕事でしょう。この場合は何ら再生産もしない、ただの切りっぱなしなんでしょう。しかも、これは第三者のためだか第四者のためだか知りませんが、ほかの人のためにこういうことをするわけですから、どうして測量のための伐採がこの協議の中に該当するかという、それ自体おかしいじゃないですか。これを森林施業計画の中に当てはめるという根拠は何ですか。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 自然公園法の適用につきまして、環境庁と私どものほうで一応森林施業に関する件については包括協議をするということで了解が成立しておりまして、いま環境庁からの御答弁では、スキー場のためのいろいろの施業は森林施業ではないというふうに理解するというようなお話でございますけれども、私どもといたしましては、一応国有林野のスキー場につきましては、地域施業計画の中でスキー場として設定するということもはっきりいたしまして、そこについてのいろいろな事柄も地域施業計画の中で明らかにするというようなことでございますので、そういうふうな国有林の施業に関するいろいろな計画というものにつきまして、一応環境庁との間で協議を行なうということで、私どもは包括的な協議は整っておるというふうに理解したわけでございますが、先ほど環境庁のお話がございましたので、その点についてあらためて環境庁と話をする必要もあろうと思いますし、また行政管理庁の勧告もございまして、今後は施業計画の中身についてある程度こまかに協議をするというふうな態度で臨もうかというふうに考えておるところでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 実に歯切れの悪いあれですが、あなたのほうでそういう認識の上に立って、つまり環境庁と協議が、森林施業の中に包括的に該当するんだ、こうおっしゃっていますけれども、それならなぜ、この測量のための立木の伐採について、環境庁にこれだけ切りたいんだけれども何とかそれを許可してくれという連絡をしたのですか。これは環境庁にあまり幅広いからだめだと断わられているのですよ。そういうことまで包括的にきまっておるものだったら、何で、環境庁のほうへ文書でそういう依頼をする必要があるのですか。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 奥日光のスキー場の拡張の問題につきましては、地元の営林署と環境庁の出先でございますところの公園管理事務所との間にも十分話し合いが行なわれたと承知いたしておりますし、スキー場の拡張の最終的な決定の段階につきましては、両者の間に見解の相違はないんではないかというふうに考えております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 何を言いたくてそういう答弁をするのか、私、頭が悪いからわからないわけですが、いずれにしても、環境庁の言い方と皆さんの言い方が違うわけです。そういうことは本来あってはならないことなんだが、このことについてまず農林大臣から見解を聞きただしておきたいと思うのです。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 いろいろ御答弁を申し上げておりますが、中川委員の御心配の点については、私はいまはっきりしておったと思うのです。申し上げておることに食い違いがあれば、その点についてはよく協議する、こう申し上げておるのでございますから、御了解いただきたいと思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 では、次の問題にいきますけれども、いずれ環境庁と協議云々ということを言っておっても、ここは保安林ですから、保安林伐採のためのしかるべき手続が当然とられなければならないはずですが、これはとられましたか。これは保安林解除じゃなくて、測量のための伐採だけれども、伐採するためには栃木県知事の許可が要ると思うのです。そういう許可をとって測量のための伐採をしたかどうか、その点をお聞きします。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 保安林内の立木伐採でございますので、森林法の規定に基づいて作業許可の申請をいたしまして、作業許可をいただきまして伐採をしておるところでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 その作業許可を栃木県知事からいただいた月日と、その文書を提示できますか。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 後刻提示いたしたいと思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 私の調査によれば、これの栃木県知事からの許可は来ておらない。あなたの答弁がそういう答弁だったとなれば、重大な問題だと思うのです。  そこで、参考までに私、申し上げますが、確かに保安林内立木伐採届出書というものが宇都宮営林署長から栃木県知事へ、四七宇治第五六号、昭和四十七年三月三十一日として出ています。しかし、これに対して栃木県の今市林業事務所長から宇都宮営林署長に今林第四五五号、昭和四十七年四月十三日に保安林内立木伐採届出書の受理通知書がきています。本文は「昭和四十七年三月三十一日付けで届出のあった保安林内立木伐採届出書を受理しました。」許可しましたのではなくて、受理しましたという書類、公文書が私の手元にありますけれども、それをあなたは許可したということを言っているのですが、これははっきりしてください。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 先ほど来のいろいろ先生からのお尋ねの趣旨もございましたので、私のほうで作業許可を得ているかどうかということについて本庁のほうに問い合わせまして、一応作業許可を得ていると赤いうことでございましたので、そのように答弁申し上げたわけでございますが、いま先生御指摘のような事情でありますれば、精査いたす必要があろうと思いますので、至急精査をいたしたいと思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 非常に国会の答弁があいまいなままで、何か請負のまた請負みたいなかっこうで、下のほうから言われればそれを口移しにしゃべるというようなかっこうで、上司が責任をもって答弁をしているとは、とうていいままでの経過から申しましても思えない。あなたの正式な答弁は、まずそれはちゃんとした許可を得ている。そこで、その文書を出せ、私はこう言ったのですから、もしこれが間違っておるならば、そうでなかったとするならば、重大な問題だと思うのですよ。そういうふうに簡単にぽんぽんと次から次へ答弁がひっくり返るということでは、国会の質問並びに答弁の権威にかかわることだと思うのですね。こういう点について、大臣、どう思いますか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 いまの中川委員の御指摘の点は、書類を受理したという段階までではないか、それに対して林政部長のほうからは、もしそのようなことがありますれば問題であるから精査いたしますと、このように最終的にお答えをしておるのでございますので、精査の結果をお待ち願いたいと思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 先ほど来のいろいろな問題でありますが、森林施業計画によって環境庁とは話し合いがついているから、それが包括的に効力があって、こういう部分的な問題は何も相談しなくてもいいんだ、こういうことになっているのですね、あなた方のやり方は。ところが、実際の経過を調べてみると、たとえば皆さん方は、環境庁に、リフトをつくるために幅十五メートルの立木を切る過程で、営林署から書類を出しているのです。ところが、十五メートルじゃだめで六メートルなら受け付けるから六メートルの書類をつくれといわれて、かってに六メートルに訂正して、書類上は何もやってないわけです、かってにやってしまった。こういうことを全体として合理化するためにああいういい方をしている。私は非常に遺憾だと思うのですね。  そこで、先ほど申し上げました栃木県知事にあてた保安林内立木伐採届出書によれば、リフトライン測量のため、面積十九ヘクタール七百五十、百五十本の立ち木を切るということになっておりますが、それがそのとおり行なわれたかどうか、お聞きしたいと思います。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 先ほどから先生に御指摘を受けまして私ども非常に恐縮いたしておるわけでございますが、精査した上でお答えをいたしたいと思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 あれも精査、これも精査のわけですか。じゃ、私のほうから申し上げましょう。  おたくの公文書によりますと、これは宇都宮営林署長から栃木県知事に出した届出書の写しです。森林の所在地は日光市湯元奥日光二四八二の一番地。伐採の目的がリフトライン測量ですね。伐採の期日は四十七年四月十日から四十七年五月九日まで三十日間、伐採面積及び伐採立木の本数は、面積十九ヘクタール七百五十、百五十本。伐採の方法は択伐、ツガ外四、こういうふうに書いてある。図面その他はここにあります。  ところで、おたくのほうで百五十本の木を切るといいながら、実際は七百本切っている。このことは地元の新聞なんかでもいろいろ問題になっているところだと思うのですよ。それをあなたのほうは何もわからないのですか。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 御指摘の点につきましては、もしそういう百五十本の計画で七百本切られたということになると、これは重大な問題でもございます。私、ただいま伺ったもんですから、さっそく十分調査いたしまして措置したいと思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 ここに写真がある。全部切った写真、口径何センチからこういう太い木がたくさん切られて、ここに全部写真を持ってきています。そうしてそのほかに切られた木を一本一本ごとに私は番号をつけて、その樹種から、根の直径から、七百本の木全部についてここに資料がある。第一リフトが五百二十メートル、その間の一本一本について全部ここに資料を持ってきています。第二リフトについても同様であります。一本一本について全部口径をはからせました。写真もとりました。ここにあります。百五十本ということを出して七百本切っている。しかも測量のために切るということですから、測量のためなら、見通しができればいいわけでしょう。これに対して七十センチも八十センチもある木をどんどん切っているということです。いまあなたは重大な問題だから精査してというけれども、こういうやり方がいま堂々と行なわれているということについてはどうなんだ。もう一回これは念を押したいと思うのです。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 冒頭申し上げましたように、国有林としては特に自然保護、環境保全のことを考えて森林の経営をするということに切りかえまして、従来の木材生産機能から脱却してさらにこういった公益を重視するという立場に立っております。御指摘の点につきましては、そういう考え方でいきますと、事務的な手続あるいはその他の仕事のやり方についていろいろと御指摘をいただきましたけれども、私たちきょう伺いまして重大な問題だと考えますので、さっそく調査いたしまして、その事実をよく調べた上で厳重な措置をとりたい、かように考えます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 さらに重大なのは、国有林野管理規程によれば、木を切った場合にはその根元に極印を押さなければならないことになっている。根本に押さなければならない。これが押してないということですよ。これはどういう経過かというと、これは先ほど言いましたけれども、この公文書は四十七年四月十日から五月九日までの間三十日で切ったことになっていますが、大体やられたのは五月に入ってから本格的にやられたわけですね。そこで、山極印をどれだけ押してあるかということですが、私が調べた時点で、この中に山極印をろくに押してないというのが出ていますから、これをあなたのほうへ全部差し上げます。山極印を七百本の半分以上も押してないというのはどういうことを意味するものですか、お知らせいただきたいと思います。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 立木を伐採いたしました場合には、必ず山極印、またこれを売り払いました場合には払い極印、これは官払いとかあるいはそういったいろいろ名前がございますけれども、極印を必ず押さなければならぬということになっております。これはあと地検査と申しまして、必ず担当の係官が現地に行きまして、適正にそれを伐採されたかどうかということを必ず確認する意味で極印を押すわけでございます。御指摘のような問題、それが予定どおりに押されてないということになると、いろいろと疑いが持てるわけでございます。この点につきましてもさっそく調査いたします。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 そうすると、山極印を押すためには、たとえば時間的にいえば、何カ月もおくれてから山極印を押すなんということは許されんですか。これに対して、たとえば五月十日にみな切った、七月ごろに山極印を押す、そういうことはいいんですか。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 極印はいま申し上げましたように二種類ございますが、山極印は調査の時点で打ちますし、それから売ったものにつきましては、払い極印を打ちますけれども、これは原則としまして伐採直前、それが伐採されましたあとはその直後に必ず打たなければならないということになっておるわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 私が申し上げるのは、七百本切って山極印を押したのがこれはいま勘定すればわかりますけれども、ほんのわずかなんだな。ちょっと調べればわかりますけれども、いずれこの山極印は、これは測量のための伐採ですから、販売のための伐採ではない、すぐやらなければならない。それをこういう経過なんだ。私が調べに行って、一本一本印つけたんですよ。そして極印のあるものはどの木、どの木と全部分析してみたんだ。分類してちゃんと表にしたんですよ。そのときは確かに半分以下しかないけれども、私がやってからあとであわてて残ったものについて極印を押しに来ているのだ。そこで、この調べた時点での極印のあるのもないのも含めて一本一本についてここに書いてありますが、こういうのは明らかに特定の意図を持ってやられたというふうに疑われてもしかたがないと思うのですが、この点の御意見はどうですか。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 払い極印にしましても、山極印にしましても、これは非常に管理をやかましくしているものでございます。御指摘のような点がございますれば、おっしゃるように、疑いをもたれてもしかたがないということになるわけでございますが、まことに事実とすれば遺憾でございます。さっそく私のほうでもこれは厳重に調査いたしまして、その事実を確かめて厳重に措置をとりたい、かように考えております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 明らかにこれは届け出を実際した、たとえば保安林の立木伐採届出書、こういうことは全く林野庁の体質というか、おれは山のだんなだということで県までなめているし、しかも法違反のやり方だし、おまけに山極印を押さないというのは明らかにそういう林野、森林の管理規程の違反ということも事実だ。こういう管理規程がたくさんあるということで、りっぱな模範的なやり方をしているとおっしゃるけれども、そうじゃないんじゃないですか。  そこで、さらにお聞きするが、先ほど申し上げましたように、スキーリフトの測量をするというような場合は特にそうですけれども、見通せる範囲内に最小限に下枝を払うとか立木を切るとか、そういうもので済むものだと思うのですが、どうですか、そこら辺は。何メートルもの幅を切らなければならないということになるんですか。そこら辺はあなたは専門家ですから、ちょっとお聞きしたいと思います。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 測量いたします場合に、コンパスなりあるいはレベルをもって実測するわけでございますが、見通しができる範囲内に最小限度に支障木を伐採するのがたてまえでございます。ですから、必要以上に広く切るということは、これはもし事実とすれば、まことに遺憾な点でございまして、その点もあわせて調査しなければならぬと思っております。これは最小限度の見通しさえあればいいものでございます。それはおっしゃるとおりでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 いま最小限度切れば測量できるのだとあなたおっしゃているけれども、私もそう思います。それが一般の常識です。ところが、実際に切った幅が六メートル切っているのです。二荒山のほうはずっと十一メートルも切っているのです。その切った幅がどれだけ広いものかということは、ここに写真をとってありますから、いまこれもお渡しします。こういうことをやられた。これはだれのためにやるのか知りませんけれども、これはあとで質問しますが、まことに遺憾だということでは済まない問題があるように思うのです。  それで、先ほど森林施業計画によって、林野庁と環境庁と十分話がついてこうだと言っていながら、この問題についてこれは自然公園法違反ではないか、こういう環境庁自体おそらく不愉快な思いをしておったでしょう。そこで、この件について、昭和四十七年七月二十二日に宇都宮営林署長の小林国雄という男が環境庁の日光事務所の浜中所長にあやまりに行っているのです。このこと自体包括的にこうだなどということは、あなたのさっきのあれと、測量伐採については協議が整って何でもないならば、あやまりに行く必要はないでしょう。そういう事実があるのです。これはどう思いますか。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 ただいま先生御指摘の七月時点の宇都宮営林署長の書状というのは、先ほどお話申し上げましたスキー場予定地の中に民有地が入っているということでございまして、民有地の分の調査といいますか、そういう点については自然公園法の四十条に基づく包括協議の中に入っていないわけでありますから、当然二荒山神社から環境庁のほうに許可申請が出て、それで処理をされるべきものについて、その分について営林署長のほうへ二荒山神社の了解を得たということでその間の手続が行なわれておったという、非常に即断でございますけれども、そういう即断をして実施をしたということについて、自然公園法違反の事実があったということで、営林署長が管理事務所のほうへ書状を提出したというふうに私ども理解をしておるわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 特にリフト測量のためといいながら、たとえば二荒山の施設に対して幅十一メートルも切るわけです。こんな測量は聞いたことも見たこともない。これは二荒山そのものをだましたというよりも、私有林の盗伐ではないですか、私はそういうふうに疑問に思うのですが、どうですか。営林署が私有林を盗伐したというようなそういう言い方は言い過ぎかもわかりませんが、そういうことにはなりませんか。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 二荒山の神社の土地について測量線としては非常に幅が大き過ぎるという問題の御指摘でございますが、この点についても、どういうことでそういう幅の広い伐開をしたのか、これはわかりませんけれども、その点につきましても、よく調査いたしまして、厳重な措置をとりたい、かように思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 二荒山の民有地については昭和四十七年四月一日にここの宮司の喜田川清香という者が宇都宮営林署長の小林国雄あてに許可書を出している。この許可書というのはどういうのかというと、前文は省略しますが、「土地測量のための入林の件左記により許可します」ということで、いろいろ条件があるわけです。これもここに全部ありますけれども、その中で問題になるのは、第三項に「作業の性質上小口径木の伐採を行った場合は右同様作業終了の際必ずその旨神社に届出ること」というのがあります。小口径木というのは、普通の雑木のようなものだと私は思うのですが、こういうものを切っているわけです。   〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕 それを届けてちゃんと許可を得てやったのかどうか。そうでないと、私は盗伐だと思うのです。だから、とんでもない。ちょっとした許可を、自分のほうでこれは許可を得たんだとかってに解釈をして、こういう事態を引き起こしたということにはならないですかな。そういう営林当局自体の体質が大きい問題になると思うのですが、この点はいかがですか。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 小径木というのは、常識的に言いますと、灌木類というふうに考えなければならないと思っております。あるいは造林地でしたら、せいぜい間伐程度の木かと思います。測量のために小径木だけという条件であったのに、大径木を切ったということになると、これはやはり問題があろうと思います。その点については十分早急に調査をいたしたいと思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 時間の関係があるから、次に進みます。いまの点については、これは先ほど言いましたように、資料、写真その他みんなそろっていますから、これはひとつ十分に徹底的に納得できるように、お調べの上、御回答いただきたいと思うのです。  今度はスキー場の問題に移るわけですが、国有林野内におけるスキー場の取扱要領についてというもの、昭和三十四年十月九日、そういう各営林局長あてに通達というか連絡というものがいっています。そこの第三のところに、「スキー場敷は、国が直接管理するものとする。」こうあります。この日光湯元スキー場についてはだれが管理するのか、この拡張する新しいスキー場についてはだれが管理するのか、ひとつお聞きしたいと思います。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 国設のスキー場につきましては、主として国有林内にございます。場合によっては、先ほどお話の二荒山神社の土地というような場所にあることもございましょうけれども、原則として国有林内でございます。したがって、その管理は、営林署長に管理をさせておるものでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 この日光湯元スキー場はA級のスキー場であって、年間利用者も日本でも有数のところなわけですね。当然国が直接管理することになるだろうし、そういうふうにうたっているわけですよ。ところが、国が管理するといった場合、このいま拡張を予定しておるスキー場の管理は、だから国がやるのか、それともほかの人にまかせるのか、それはどうなっているのかを聞いているわけです。具体的に聞いているのですから、具体的にお答え願いたいと思うのです。今度予定した新しいスキー場はだれが管理するのか。国であるなら国である、あるいはだれかほかの人にやらせるならほかの人だ、あるいは国が管理するなら国が何を管理するのか、そこら辺を少し明確にしていただきたいと思うのです。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 国設スキー場内の管理につきましては、ただいま長官から御答弁申し上げましたように、署長が管理するということでございますが、これは署長が総括管理をするということでございます。スキー場には通常リフトがございまして、リフトでスキー客がのぼってゲレンデをくだるということでございますが、スキー場における安全の確保その他の点につきましては、営林署長が営林署員を指揮して、直接という形にはなかなかまいらないものでございますから、スキー場の関係者等でスキー場の運営協議会というものをつくらせまして、そういうものを通じて営林署長が安全の確保と管理運営の適正を期しておるという意味において、総括管理をするという意味で署長が管理をするということを申し上げたわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 この日光湯元スキー場についての林野庁の承認の申請書、前橋営林局から出された申請書の写し、ここにありますが、これを見ますと、乙種索道事業二基、同じく一基、休憩所一棟、駐車場一カ所云々ということが書いてあります。索道事業というのはもちろんリフトだと思うのですが、これらについては林野弘済会にやらせると書いてありますね。  そこで、林野弘済会という有名な、悪名高いというか何というか、札つきといいますか、そういうものにやらせるということの理由は一体何ですか。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 いま林政部長からお答えしましたように、地元の運営協議会というようなものもございまして、その管理の委任をさせておるわけでございますが、リフトそのものについては、場所によっては弘済会等にその経営を委託している場合もあるかと思います。  林野弘済会というのは、先生ただいま悪名高きとこういうふうにおっしゃいましたけれども、実は林野弘済会の職員というのは、林野庁に長年つとめておりまして、二十年、三十年つとめてから入っておるという者が大部分でございます。したがいまして、この林野弘済会は財団法人になっておりまして、退職者あるいは職員の福祉の向上をはかるのが目的でございますが、長年山の仕事の経験を持っておる人たちが大部分でございますので、林業、山関係の仕事に適した仕事については、そういう公益的な仕事を達成する目的の範囲内でいろいろな事業活動を行なっているものでございます。たとえば測量の関係であるとかあるいはそういったスキー場の運営その他いろいろな仕事の一部を弘済会に受け持ってやっていただいている場合はございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 この前橋営林局長から林野庁あての申請書を見ますと、「国以外の者に行なわせる施設計画の概要」という欄がございまして、この中には索道事業は全部弘済会がやる、休憩所もやる、つまりレストハウスでしょうね。駐車場もやる。これはスキー場外となっています。そうすると、そのスキー場の中の金もうけをするやつは全部林野弘済会がやる、また管理するということになるわけでございますが、この場合、国はどこを管理するのですか。特別に、これ以外何があるのですか。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 いま御指摘のありましたたとえば売店の問題であるとか、そういうふうないろいろなサービスの仕事は弘済会がやっておりますけれども、たとえばスキー場の滑走面の刈り払いであるとか、危険な石、岩等があった場合にこれを除くとか、そういったようなこと、あるいはその他人ってくる人たちに対して危険の防止についてのいろいろな指導であるとかいうふうなことが、営林署職員が直接に指導管理する面であろうと思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 この拡張するスキー場のこれらのリフト、休憩施設あるいは駐車場、これらの所要経費の見込みは一億二千万円であると書かれています。そうすると、国がこういうものをつくって林野弘済会にやってもらうのか、林野弘済会がこれを自分の金を出して、自分でやるのか、そこらはどうなるのですか。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 たとえばリフト等については国設スキー場の中で国が直接施設する場合もございます。あるいはまた売店とか休憩所とか スキー場にはございませんけれどもキャンプ場とかあるいはトイレとか、いろいろあるわけでございますけれども、公共的な施設については国が直接施設を行なってあとの管理を委託するという場合もございますけれども、国が直接やる場合はできるだけそういういま申し上げましたような公共的な面についての施設を実施し、その運営については国が直接行なうかあるいは他の適当な経験のある民間その他の公共団体に経営を委託するとか、いろいろの場合が考えられると思います。原則としては、国が直接行なうものについては、ただいま申し上げましたように、基本的な設備であるとかあるいは公共的な面におけるいろいろな施設ということで考えておるものであります。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 この場合は、原則的云々じゃなくて、林野弘済会にやらせると書いてあるのです。事業者は林野弘済会とこう書いてある。お客さんから金をとって金もうけになるほうは林野弘済会なんです。あなたのほうは、だからちゃんとつくってやるというだけの話なんですね。この場合は、そうすると、林野弘済会のほうにあなたのほうで委託するのですか、貸し付けするのですか。今度は林野弘済会が使う部分、リフトだとかレストハウスだとか駐車場だとか、敷地の貸し付けの料金だけ取るわけですか。それとも、そういうものをつくってやって、あなたのほうで委託して請負的にやらせるのか、そこはどういうふうに考えているのですか。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 国有地につきましては、施設に対しては貸し付けをするものでございますが、あとの運営等につきましては、その設備をどの程度に国がやるか、あるいは民間の人にやってもらうか、あとの経営はどうするかというのは、先ほど申し上げたとおりでございます。土地につきましては、貸し付け料を徴収するのが原則でございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 この際もう一つ、残された問題として、いま建物、施設、それは国がつくるのか、林野弘済会がつくるのか、どっちですか。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 ただいまの御指摘の施設の範囲でございますけれども、いま申し上げましたようなリフトなんかは、八十幾つの国設スキー場の中でリフトを設定しているのは、国が直接やったのは二カ所だけでございます。そういうふうに見てまいりますと、地元にそういったことができる能力のあるものであるとか——これはリフトだけに限りませんけれども、いろいろな施設について地元の市町村あるいはその他県との関係といろいろ打ち合わせしまして、どういう人にそれをやってもらうか、とにかく国有林でございますので、土地は提供いたしますけれども、施設は国みずからやるか、あるいはその他の方にやっていただくかは、地元のいろいろな意向等も尊重して決定しておるものでございます。ただいまの日光の場合につきましても、弘済会に対しては土地の貸し付けはしているはずでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 だから、私は具体的にお聞きしたわけですが、この場合は、林野弘済会にこれこれの事業をやらせると書いてあるから、やらせるための施設ですね。たとえば第一リフトは五百五十メートル、第二、六百七十メートル、三番目は五百五十メートルということがちゃんと書いてある。これはだれがつくるのか。林野弘済会がこの場合つくるのですか、それとも国がつくってお渡しして貸し付けするというか、委託するのですか。どちらかということを聞いているのです。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 施設については林野弘済会がつくる予定になっているものでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 林野弘済会が自分でつくる。そうすると、貸し賃だけが問題になるわけですね、土地だけ借りるから。そうすると、お伺いしますが、このスキー場の拡張予定地のところに、おれのほうにやらせてくれ、林野弘済会からこういう申請が出されて、あなた方は林野弘済会にきめたのですか。申請が出たのかどうか。申請が出ないで林野弘済会にやらせるなんということはあり得ないと思うのです。そこら辺、はっきりしてください。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 申請は出ておるものでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 林野弘済会にやらすといつ、どのようなかっこうで事業計画なり資金計画なりそろって——それがあるとするならば、それはいま出していただけますか。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 さっそく林野弘済会のほうに連絡いたしまして、提出させるようにいたしたいと思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 私の調査によりますと、このスキー場拡張については、昭和四十二年当時、日光市の地元の日光湯元スキー場運営協議会から、ぜひおれたちが地元としてやりたいからひとつ何とか許可してほしい、こういう申請が出された経緯があるわけでありますが、地元の非常に関連の深い人々からそういうかっこうのものを出されたので、突然林野弘済会——それが却下されたかどうか、私よくわかりませんが、そのいきさつはどうなっていますか。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 地元の意向を十分尊重してきめなければならぬということは、先ほど申し上げたとおりそう考えているものでございます。いまの先生御指摘の点につきましては、ただいま私、詳細には承知しておりませんので、さっそく調べて、また御回答申し上げたいと思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 先ほどの問題も問題だと思いますが、林野弘済会からそういう書類が出ておるということですが、私の調べた範囲では、そういう書類がないように記憶しておりますので、これもひとつ重要な問題だと思いますから、ぜひともこの質問の時間中にもお知らせをいただきたいと思うのです。  昭和四十二年当時、地元の日光湯元スキー場運営協議会が申請して、却下されている——却下されているというよりも、むしろ環境庁にはこの書類がいま出されたままになっていると思うのですが、環境庁、どうですか。

新谷鐵郎環境庁自然保護局企画調整課長

○新谷説明員 いま御指摘のございました四十二年当時の申請につきましては、ただいま承知いたしておりません。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 私の調べでは、そういうことになっている。理由不明のまま、これが環境庁の段階で保留のままその後音さたないということになっています。そういうことで、地元の一番関係のある人方の、「利害関係を有する者の意見等を参酌し、具体的な事項を定めて行なうものとする」なんということをおたくは指導方針に書いてあるにかかわらず、それがだめなんです。  それから昭和四十六年の五月の初めに日光市松原町三百番地の日光総業株式会社というのが同じように申請を出しておるのですね。この新しい拡張スキー場によるリフトなどの申請を出しておりますが、前橋営林局はこの書類を受け付けなかった。そのため、当事者の間に若干のトラブルがあったわけですが、その事実を知っていますか。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 承知いたしておりません。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 私の調査ではそのような事実があるのですよ。つまり、そこで、私、言いたいのは、申請をしたものがみなだめで、しかも地元の人方がやったものはだめで、林野弘済会はおたくは親戚だかどうか知りませんけれども、そうして林野弘済会が、私の調べでは、申請もしていないのにこれにやらせるということになれば、完全に癒着じゃないかと思うのですね。そうなりますと、これらリフト事業にかかわる事業資金が一億二千万もかかるといっているんだな。そうすると、林野弘済会の資金計画にちゃんとこういう金を出すようになっている、そういう出どころだとか、全部あなたのほうでつかんでいますか。これも調査中ですか。調査しなければわからないのですか。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 ただいま詳細内容を、私、承知しておりませんので、さっそく調べます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 そのほかに、昭和四十七年五月一日、去年ですね、栃木県日光市湯元二千五百五十一番地先、国有林晃林荘内、株式会社奥日光森林観光公社、代表取締役社長 藤本和平という方より、栃木県知事を通じまして、環境庁長官あてに、日光国立公園スキー場並びに付帯施設事業執行認可申請書が出されていますけれども、これについては却下されたのですか、どうなんですか。これは環境庁にお伺いします。

新谷鐵郎環境庁自然保護局企画調整課長

○新谷説明員 環境庁に対しましては、四十七年十月六日付で株式会社奥日光森林観光公社から認可申請書が提出されておりますが、申請の内容等につきましては、湯元の地域におきましてスキー場に対する事業が多い反面、かなり自然保護の観点からもいろいろ検討すべき点が多いというふうに考えまして、現在のところまだ結論を出しておりません。この問題につきましては、いろいろ経緯がございますので、なお慎重に検討いたしたいというふうに考えております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 そこで、もう一度環境庁に聞きますが、そうすると、林野弘済会のそういう許可申請は、林野弘済会からおたくは受け付けましたか。それは許可になっているのだから。なっていなければできない勘定なんだから。

新谷鐵郎環境庁自然保護局企画調整課長

○新谷説明員 林野弘済会からの申請は私どものほうは承知いたしておりません。ただ、それとは別に国設のスキー場でございますので、昭和四十七年の四月十四日付で前橋営林局長から自然公園法に基づく協議がございまして、その協議の内容は、自然公園法四十条に基づく協議ということで、通常の開発行為を行なう場合の協議の手続をとられてまいりましたので、私どもといたしましては、自然公園内に設けますスキー場でございますので、これは公園事業としてあくまで把握をする必要があるということで、四十条ではなくて、自然公園法三十九条に基づく協議に直していただきたいということを御通知をいたしておる段階でございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 そうすると、これまでに地元の日光市運営協議会が出してだめ、日光総業、地元の会社が出してだめ。しかも、いま聞きますと、この国有林晃林荘内にある株式会社奥日光森林観光公社代表取締役社長藤本和平の文書はいま検討中だ、こういう状況なんだね。そして林野弘済会からはそういう申請はもらっておらない。こういうことは一体あり得ることなのかどうか、どういうことですか、長官。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 日光は国立公園地帯でもございますので、特に環境庁との連絡は十分にとってまいりたいと考えておるところでございます。御指摘の点について食い違いのあります点については、さらに環境庁とよく連絡をとりまして、是正してまいりたいと思っております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 おたくでもうすでに許可しているんだよ。この林野弘済会を事業者にちゃんと指定しているんだよ、ほかの方々はいままだ申請中なんて言っているのに。  ところで、ここで私、なぜ奥日光森林観光公社のことを代表取締役の名前を含めてしゃべっているかといいますと、奥日光森林観光公社代表取締役社長藤本和平の本店は晃林荘にあるのですね。晃林荘というのはどこで経営しているものですか。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 林野弘済会の経営でございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 そうすると、林野弘済会と株式会社奥日光森林観光公社というものは、頭は同じだということだな。  そこで、お聞きしたいわけですが、藤本和平という人物、この株式会社奥日光森林観光公社取締役、晃林荘内のこの人物はどういう人物ですか。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 最近まで林野弘済会の会長をしておった人でございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 最近まで林野弘済会の会長をしておった。そしてその本社のあるのが晃林荘、林野弘済会の建物だ。そのほかに、この方は、私が調べると、元林野庁の業務部長ですね。そうなりますと、何か癒着もいいところじゃないか。林野弘済会が新スキー場の事業関係施設を一切やる。そういうことになりますと、ある時点のところで、それを株式会社奥日光森林観光公社に名義変更してしまう。そうした場合に、林野庁、ぎゅっと歯どめできますか、法的に規制できますか。シャッポは同じなんだな。林野弘済会は法的な公益法人だから許可した。ところが、そのシャッポがぐるになって、株式会社がもう一つうしろに控えておる。こうなった場合、スキー場は整った、そうすると、べんと売ってしまったり、あるいは名義変更した場合、あなたは法的に追及できますか。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 林野弘済会は、いま申し上げましたように、そういう地元のいろいろな関係の人たちとかあるいはいろいろなそういう事業をやる人たちと競争してまで利益をあげるという目的の会ではございませんで、申し上げましたように、長年林野庁、営林局、営林署につとめた人たちで構成しておりまして、退職者あるいは職員の福利向上あるいは森林林野事業の向上に寄与するという目的を持っております。その大きな目的を達成する範囲内でいろいろな林業に関係する事業を行なっておるということでございます。御指摘の点伺いまして、いろいろ検討しなければならぬ問題があるというように十分考えますので、なお詳細至急調査いたしまして、実施してまいりたいと考えております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 私から言いますと、株式会社奥日光森林観光公社は、いまの藤本和平さんが取締役社長、この方は元林野弘済会会長、その前は林野庁業務部長。そのほかに荒木一郎、ここの役員で取締役、この方は元函館営林局長、現在は林野弘済会理事。そのほかに吉成一郎さんという取締役がいます。これは元宇都宮営林署管理官。そのほか監査役に鳥生真夫さんというのがいる。この方は元高知営林局の局長、現在田中内閣の林政審議委員。こういう方々が——林野弘済会に長年勤続された方が一生懸命公益のためにやるなら私はわかるのですよ。林野弘済会と同じ場所におって、同じ事務所の中で、一方では株式会社奥日光森林観光公社——公社なんという名前をつけておるが、株式会社です。そしてそこに全部巣くっているのです。そういう事態の中で、あなた方は厳正とか何とか言うけれども、古手官僚が林野弘済会を表看板にして国有林を食いものにするということを、皆さんが容認するということにならないか。だれが見たって、こういう状況ではそういうことになるわけですよ。こういうことを許しておくこと自体が問題だと思う。まだまだ私は証拠をあげることはありますが、重大なことではないかと思うのです。一方では、表のつらは林野弘済会で、裏は株式会社ということになると、これは一体どうなんですか。国有林の私物化であり、食い荒らしでしょう。それを皆さんは認めるのですか。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 御指摘の点については十分指導監督を私たちもしてまいらなければならぬと思っております。具体的にいろいろ事例をあげて糾弾いたされましたけれども、確かに弘済会が現在やっております仕事の内容については、御指摘のとおり、反省しなければならぬ問題が多分にございます。弘済会の目的に沿うた仕事ができるように私たちも厳重にこれは指導監督してまいりたい、かように思っております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 こういうやり方を野放しにしてきたところに、いまの営林局の体質があると思うのです。だから、たとえば林野弘済会に皆さんが指定した、そしてそれを名義変更して一年後にべろっと株式会社のほうに移した、その場合、あなた方はこれを規制する方法は一つもないのです。そういう道をちゃんとつけておる。あなた方は道を開いておる。こういうことで、国有林が民有林の模範になるようなかっこうで運営されていくのかどうか、その点の見解はどうです。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 ただいま御指摘を受けましたような点について、多くの方から疑惑を持たれるような態度、これは厳重に反省いたしまして、徹底してこれを直していくように努力してまいりたい、かように思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 つまり、この新しい拡張を予定したスキー場の舞台の演出者は、表向き林野弘済会であっても、裏にはこういうような営林局の古手官僚が束になって林政審議委員を含めて巣くっている。したがって、私が言ったように、林野弘済会がほんとうに申請を出しているかどうかわからないけれども、こういうものが許可を得て、ちゃんと道筋をつけておる状態があるのだと思うのですね。  そこで、お聞きするわけでありますが、先ほども質問したわけですが、たとえば敷地を貸し付ける場合、おたくではこういう方針を出しておるわけですね。国有林野の貸し付け料金は、スキー場のような場合、この「算定にあたっての時価の算定は、単なる山林における時価でなく、他のスキー場、行楽地、観光地等における当該施設の用に供している場合の土地価格等を参しゃくし」云々ということをいっている。つまり特別安い料金でやっているわけです。あるいは貸し付け料金の算定については、なお、この場合、当該施設の用に供する敷地は貸し付けとして処理するものとするが、この貸し付け料金の算定要領は追って指示するというかっこうで、そこには入れないで、別ワクにして何か特別こそっとやるような状態をつくり上げている。このようにすれば、国民の財産、国有林を食い荒らしている、こういうふうにしか言えないわけです。そこで、もし貸し付けとした場合、あるいは施設は向こうがつくるわけですから、わずか二十ヘクタールそこそこのものだったらおそらくそうたいしたことはない、何千万円にはならないと思う。貸し付け料だけでやるのですから、せいぜい五十万くらいなものでしょう、百万かからないでしょう、ほんとにわずかなものですから。しかし、そこを利用する人は年間何人あるのか。たとえばスキー場でも奥日光の昭和四十五年の数字では二十三万人の人が利用しているのです。スキーのリフトで一回上がれば、あれは回数券が大体三百円ぐらいです。三百円だって二十五万人とすればリフトだけで七千五百万円入るわけです。ほかに駐車場その他レストハウス等で一億円以上入ってくるのはあたりまえでしょう。おたくに払う分はわずか五十万か三十万か知らないけれども、おそらくそんなものだ。こういうことは特権的な地位を与えることになるわけです。そうであればこそ慎重にしなければならないのに、あなた方はわざわざいいかげんなやり方をしているということが今日の問題なわけです。そういう事態に対してもう一回これを根本から再検討するのかどうか、いまの許可の与え方について、この点をはっきり大臣からお聞きしたいと思うのです。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 この土地の貸し付け料につきましては、御指摘のとおり、非常に安いではないかという、特にそういう観光に関係する地帯とか住宅の関係のところはそうでございます。逆にまた畜産用に供する草地その他については、これは高過ぎるという両方の非難があるわけでございます。したがいまして、従来は一定の土地の価格の基準を算定する場合には、いろいろな機関を設けて客観的に慎重に検討しているところでございますけれども、今後は、こういった場所につきましては、売り上げ高を一つの基準にしまして、それにある一定の歩合に応じた料金をいただくということを検討しておりまして、これが成案を得ますれば、直ちにそれを実施してまいりたいというふうに考えておるところでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 いずれどこだって、収入から見ますれば、たいしたことはない。不当な利権と結びつく、ものすごい利権と結びつく事業だということだけわかっていただけばそれでいいわけです。しかもその背後には、弘済会が表向きには出ておるけれども、そういうかっこうのものが控えておる。さらにその背後にだれがいるかということについてあなたがお気づきのことはありませんか。さらにその背後にだれが控えておるのか。大手の私鉄資本がいまいろいろと画策している。私は二、三の証拠をあげることはできますけれども、時間がありませんから、これはこの次の機会に譲りますけれども、大手の私鉄に対して最後に全部道を開いて、山林を彼らにかき回させる、そういう状況が指摘されているということについて、いまでありますとまだ間に合うのですから、皆さんのこの許可を含めて、全部このスキー場の事業執行の当事者についてあらためて再検討するという御意思はないかどうか、お伺いしたいと思うのです。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 いろいろ御指摘を受けましたので、さっそく検討しておきたいと思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 それでは、時間でありますから、私の質問を終わりますけれども、いずれ国有林がこういうかっこうでやられているということは、私はゆゆしい重大な問題だと思いますし、場所は国立公園の中であり、自然公園として特別区域であり、日本の誇るべき景観を持つ地域であるわけです。  最後に、きょう二時間にわたって質問したわけでありますが、これらのあり方について農林大臣の基本的な反省なりあるいは今後に臨む態度なり、こういうことをはっきり出していただきたいと思います。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 国設スキー場に対しての各種の疑惑について御解明をいただいたわけでございます。御審議の経過からいたしまして、われわれとしても国有林の経営のあり方につきまして幾多貴重な御意見を拝聴いたしました。今後の反省をいたしたく考えた次第でございまして、よくこの事態については究明をいたしたいと思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 終わります。

山崎平八郎自由民主党

○山崎(平)委員長代理 この際、午後一時三十分再開することとし、暫時休憩いたします。    午後零時三十六分休憩      ————◇—————    午後一時三十六分開議

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。瀬野栄次郎君。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 森林法及び森林組合合併助成法の一部を改正する法律案について、農林大臣並びに林野庁長官、関係当局に質問いたします。  農林大臣に最初、数点について、総括的な問題として質問申し上げます。  田中首相が、去る七月十一日当委員会に出席された際、私、数点にわたって質問をいたしたわけでありますが、それに関連してまず農林大臣にさらにひとつお伺いをいたしたいと思います。  最初にお尋ねしたいことは、国民生活の中で森林の果たす役割りということについてお尋ねをするわけでありますが、わが国の森林及び林業を取り巻く情勢というものが、いままでは国の森林、林業政策が木材生産等の経済的機能を発揮するようなことで傾斜をいたしてきておったわけでありますけれども、森林の持つ国土の保全、水源の涵養、自然環境の保全または形成等の公益的機能という問題が、国民的要請が強くなってきている、こういったことで調和をはかるということが最も大事である、こういうふうに現在なっておるわけであります。  そこで、国民的要請である森林の持つ公益的機能が強く叫ばれておるにもかかわらず、林業に対する財政投資というのが、御承知のように、農林省の総予算一兆五千三百四十五億円中、林野の予算が千三百五十六億円で八・八%というシェアでございます。国土の約六八%が森林である、こういうことから見ましても、国自体ももっと力を入れていただきたい、このことば田中首相にも強く迫ったわけでありますが、こういった状況では真に国民的要請にこたえるというような真剣な姿が見られない、かように私は思えてならないわけであります。毎回の国会を見ましても、森林関係の審議がいつもあと回しになって、なかなか十分な審議の時間がとれないということもあり、ないがしろにされているような感じがしてならないのを、私、国会に出ましてからずっと感じております。  今回の法律案を見ましても、真に森林をささえているにない手が明確でない、林業家不在の政策である、こう言っても過言ではないと思うのです。御承知のようにだんだん過疎が激しくなってまいりまして、農山村においては出かせぎに行く人または離村する人が多くなってまいっております。先般は田中首相に、列島改造もさることながら、農山村で林業のにない手をつくっていくことが真に大事ではないかというようなことを言ったわけでありますが、こういったことから見ましても林野庁また農林省当局の森材に対する施策というのが財政的に見てもなかなか十分でない、このように指摘せざるを得ません。もちろん、最近は若干の造林補助金の単価の引き上げ等がありましたけれども、従前とあまり変わってないということを私は指摘するわけであります。山村における林業家が希望を持って今後林業に取り組んでいく、こういった意味からも、財政的裏づけを、従来と違う抜本的な政策を樹立せなければ今後たいへんな問題になるんじゃないか、このように指摘せざるを得ません。  そういったことで、農林大臣は、林業に対して、新しい予算編成の時期にもなっておりますので、十分対策をとっていただかなければならぬと思うのですが、森林法の改正にあたって今後のそういった意味における腹がまえ、対処方針、こういったことについて冒頭見解を承りたい、かように思います。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 今後の森林行政のあり方につきまして、お話しのように、経済的機能に対し公益的機能を重視していくということは、基本的に当然のことだと思います。このために予算措置がどうかということで、本年度の農林関係予算の中で林野予算が八・八%という点で非常に予算面での見方が少ないのではないか、こういう御指摘を得たわけでございますが、   〔渡辺(美)委員長代理退席、委員長着席〕  この林野庁の関係では、一般会計の関係のほかに、御承知のように特別会計をもって各種事業の運営にも当たっておるわけでございます。一般会計の概算が千三百五十億円、特別会計の予算のワクは千九百五十億円になっております。この辺に林野施策をやる上にいろいろ配慮をしておるわけでございますが、今後行政の上におきまして、造林の推進あるいは林道の整備拡充などの生産基盤の整備、林業構造改善のための諸施策、林業従事者の福祉の向上、これらの諸点に積極的な予算措置を講じ、林野行政の拡充につとめてまいりたいと考えておる次第でございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 あまり自信のある元気のいい答弁ではありませんけれども、いずれにしても、もっと林野に力を入れていただかなければ、外材の輸入がどんどんふえている現状でありますし、また森林のサイクルが長いということもございまして国の力の入れ方がどうしても少ない、こういうふうに思われてなりません。農林大臣も、予算編成時期に入ってまいりますので、十分対処していただくようにひとつお願いしたい。先日も田中首相にも十分このことは申し上げたわけですが、ひとつ財政当局にも十分な予算要求をして対策を立てていただきたい、かように思うのです。  次は、森林の乱開発の防止対策の問題でございますけれども、御存じのように、この公益的機能の国民的要請については、いまも大臣から答弁があったとおりでありますが、保全だけでは機能を十分に果たせないということはもう当然でございます。そういったことから、国民の要請にこたえて、需要の増大に対応して木材の安定的供給をはかるということも、これは当然のことでございまして、流通対策とか、なかんずく価格対策が不十分であるということは、私は率直に指摘せざるを得ません。昨年来の商社の買い占めとか木材の値上がり等いろいろございましたが、林業に従事している方が安心して希望を持って今後働くことができるようにしてあげなければ、今後の林政というのはたいへんな問題をかかえておるということを申し上げるわけです。  そこで、今回の改正によりまして、森林組合がみずから森林の経営を行なうことができるという道が開かれておりますけれども、これだけではなかなか乱開発防止のためにはならない。森林組合自体は、林地の転用だとか林地造成、交換分合などいろいろ行なうべく森林を買って再配分しようということになっても、なかなか商社なんかに対抗できないのであります。先日も申し上げましたように、農地法では規制がございますけれども、森林の場合はいわゆる林業家以外の方でも林地を求めることができるということになっておりますので、今回の森林法改正等があるわけでありますが、そういったことから見ましたときに、やはり長い目で、サイクルの長いこの森林を経営するためには思い切った処置をしなければならない。そこで、適正伐期齢級に至るまでの、償還の長い、すなわち四十年償還十年据え置きというようなことを考え、さらに国が利子補給をするというふうな思い切ったことをやらなければ、今後の林政というものはなかなか永続的、安定的な供給をすることが困難になるんじゃないか、こういうふうに思っております。ずいぶん思い切った言い方でありますけれども、こういったことをよく財政当局に認識させて思い切った措置を講じていかなければ、いまのようなことだけではとても林業の経営は将来おぼつかない、かように思うわけです。そういったことで、森林組合等に対する思い切った施策、それからまた、四十年償還の十年据え置きというような金融問題、こういったことも十分考えてほしいと思うのですが、どういうふうに検討をしておられますか、この点についてひとつお答えをいただきたいと思うのです。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 この森林所有者の協同組織等、森林組合の役割りに対する期待はますます増大しておると思うのであります。その機能の一そうの充実と体質の強化をはかる上に、今回の森林組合制度の改正をお願いをいたしまして、事業範囲の大幅な拡大や管理運営体制の整備強化等をいたしたい、あるいは広域合併の促進をはかりたい、このようにお願いをしておるわけでございますが、ただいま御指摘のような四十年償還十年据え置き等の長期低利の融資をどうか、これは森林組合の活動をなす上におきまして現状のような融資制度ではいかがか、こういう意味合いにおける御意見であったかと思うのであります。今後の組合の林地取得資金あるいは造林資金などにつきまして、現行よりさらに長期低利の融資を行なうということにつきましては、御意見としてはよくわかるところでございまするが、林業金融全般との関係を考慮して検討していく必要がある、このように考えまするので、これからの私どもの検討にひとつおまちをいただきたい。まあ従来も徐々には貸し出し条件を緩和してまいっておるのでございまするが、御意見のように、大幅にやれるかどうかということにつきましては、いまここではっきり申し上げかねまするが、御趣旨につきましては尊重してまいる考えでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 もう一点農林大臣にお伺いしますが、国内林業の強化策ということについてですけれども、現在外材の輸入が五三・七%で、昭和五十六年が六三・二%、六十六年が六〇%、まあこういうようなことを当局では見ておられますし、またそういうふうに推移するように資料が出されておりますけれども、こういった長期見通しを見ましたときに、日本の林業資源というものは、森林の総蓄積が二十一億立方メートル、伐採量が昭和四十五年で六千六百方立方メートルとなっておりまして、標準伐採量が六千五百万立方メートルというところから見ますると、昭和四十五年でもすでに百万立方メートルの過伐となっております。  政府は、外材の開発輸入促進に積極的に力を入れておりますけれども、世界の木材は輸出を制限上する方向で、資源も少なくなりつつあることは御承知のとおりであります。もちろん、御存じのように、南方におけるラワン材その他の伐採あと地、こういったところが現地で問題になりまして、緑の侵害ということで、日本の商社がやってきて切り荒らす。林野庁は、試験的に現地に試験栽培をするとか、または造林をやるというようなことで、いろいろ研究をされ、経費も支出されるようになっておりますが、現地では、私、昨年九月東南アジア地方に二十日ほど行ってまいりましたけれども、オランウータンとかいう、いわゆるゴリラとサルの中間みたいな動物が、山を切ったために、里へ出てきて、いろんな農作物を荒らすというようなことで、家畜等食い荒らすというようなこともありまして、問題になっているということをしばしば聞いてきたわけですが、ラワン材なんかは天然にでないとなかなか生長しない、植林ではなかなか育たないということが現地でいわれておりまして、こういったことから見ましたときに、はたしてこれがうまくいくかどうか。まあいずれにしても、商社が切ったあとの林地に日本がある程度御恩返しをしなければならぬことはよくわかりますけれども、私は、もっと内地の、いわゆる日本の国土において植林あるいはまた森林造成をすることがたくさんあるんじゃないか、こちらに力を入れるべきじゃないか、こう思うのです。  大蔵省なんかに個人的に聞きますと、大蔵省が言うには、日本でつくるより外国から持ってきたほうがよいではないかとか、同じ金を使うなら、外国に投資したほうがより安い木材が入ると、こんなことを平気で言っているわけですね。私は、こういったことじゃ国土の林業政策というのは成り立たない、かように思うわけです。言うまでもなく、日本の林業資源も需要を充足できる木材は不足しておるわけでありますから、外材輸入に求めることは当然でありますけれども、世界の木材の動向を考えるときに、資源開発輸入に力を入れて国内の林業を軽視するというようなことになったのでは、これはたいへんだということを指摘せざるを得ません。同じ財源を使うならば、国内の林業振興に使うことが最も効率的であると思うわけでございます。もちろん、全然外国に投資することができないとは申しませんけれども、そういったことにもうちょっと力を入れるべきじゃないか、かように思うわけです。  また、北海道と九州と比べますと、やはり九州のほうは雨量が多いし、生長量も二倍から三倍近い生長を遂げているということも考え合わせますときに、何も雨量の多い九州あるいはまた沖繩に造林をというばかりにもいきませんけれども、いろいろそういったことを考えて、効率的にやはり国内の木材の安定供給ということを考えて、今後の林政に十分対処せねばならぬ、かように思うのです。  後ほど森林法の細部に入ってまた質問する際にもいろいろ触れますけれども、そういったことについて、日本の林業の将来、こういったことをあわせて農林大臣から御見解を承っておきたい、かように思います。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 日本の林業の将来を考えましたときに、先ほども申し上げましたように、この森林資源の持っておる公益的機能、すなわち国土の保全、水資源の涵養、自然環境の保全、形成、これらのことを十分念頭に置いておく必要があると思うのであります。そこで、現在の木材の需給関係を展望してみまするに、短期的に見ますると、外材の依存率が上がってまいります。この上がっていくのは、いまお示しのような一部の方が言われるように、国内で資金を使うよりも外国でこの資金を使って開発輸入でもどんどんやるがいいという趣旨でなく、むしろ長期展望の上に立って将来の日本の森林の状態をよくするという上におきまして、ある期間をとらえて見ますると外材の依存度が高くなる、こういうふうに御理解をいただきたいのであります。本年二月に発表いたしました森林資測に関する基本計画は、そういう考えに立っておるのでございまして、適正な森林施業の推進、造林、林道等の生産基盤の整備、林業構造の改善、林業労働力の確保対策等の諸施策の推進をはかりながら、次代の国民のために国内森林資源の培養に努力をいたしたい、こういうことでございまするので、根本的には瀬野委員のおっしゃる御趣旨に沿っておると思うのであります。ただ、短期的に見た場合に、やむなく外材の依存度が高まる、このように御理解をいただきたいと思います。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 次は、林野庁長官に若干お伺いしますが、日本の林業資源のいわゆる年間生長量、標準年伐量、また現在の伐採量、こういったことでお聞きしておきますけれども、国有林と民有林に分けまして、まず国有林のほうから、現在の年間生長量は、総蓄積が幾らで、どのくらいであるか、また、標準伐採量に対して、現在の、昨年またおととし等の伐採量が幾らで、どのくらいの過伐になっておるか、こういった点についてまず説明をいただきたいと思います。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 国有林の内容について申し上げます。  国有林の現在の——現在と申しますと、昭和四十六年でございますけれども、生長量が千百七十一万立方メートルになっております。この収穫量は二千四十三万立方メートルでございまして、生長量に対しまして収穫量は一七四%というふうになっております。なお、蓄積は八億二千五千五万立方メートルになっております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 そうすると、現在で、昨年の時点でもけっこうですが、一七四%ということになりますと、標伐に対して幾ら伐採量が過伐になっておりますか、数字にしておっしゃってください。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 国有林の標準伐採量は千六百五十二万立方メートルでございまして、四十六年度の実績が二千四十三万立方メートルでございます。   〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕 これが一応平均でございますが、傾斜配分をいたしております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 そうするとかなりの過伐になっておるわけですけれども、このまま推移していくと、いつごろこれが法正林となってバランスがとれるようになるのか。どういうふうに検討しておられるのか。御承知のように、日本の総蓄積があって、その生長量の範囲内で切っていけば、森林はいわゆるいつまでも持続できるわけですね。ところが、過去においては戦争があったりいろいろなことがありましたし、また経済の動向とかいろいろなことがありますので把握がむずかしい面もいろいろあると思いますけれども、しかし、計画きちっとこういったことを検討されてやはり長期としては見通しを立ててやっていかないと、林業はサイクルが長いのですから、そういった面で、いずれまたこれは会議録を見てから検討させてもらうのですけれども、このまま過伐でいっているけれども、今後何年後にこういったことがバランスがとれるようになるのか、標伐の範囲で切っていくように考えておられるのか、その点の見通しはどういうふうになっておりますか。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 いま申し上げましたように、十五年間平均では千六百五十二万立方メートルでございますが、四十六年度はさらにそれが多くなりまして一七〇%くらいになっておるわけでございます。この理由は、国有林は、先生御承知のように、非常に老齢過熟の天然林が脊梁山脈地帯にございます。四十年生以上のそういった天然林というのが八割以上占めているわけでございます。なおまた、逆に平地近くには戦後植栽しました非常に若い造林地が多いわけでございます。伐採できるような、いわゆる四十年生以下の森林というのはほとんど一割程度しかないわけでございます。したがいまして、現在、標準の伐採量あるいは生長量等を見ますと過伐という印象を持つわけでございますけれども、考え方としましては、ただいま申し上げました奥地林の老齢過熟の天然林を、つまりこれは生長がほとんどしていないものでございますので、これを若い林に切りかえて、生長力の旺盛な、つまり活力のある森林に切りかえていくということが一つの基本的な考えになっておるわけでございまして、そのための暫定的な措置として一応過伐という現象が見えているわけでございます。しかし、これは大臣からも申し上げました基本計画の線に沿って考えますと、いずれ昭和九十六年には先生のおっしゃった法正林の状態に近づくもの、こういうふうに判断して、その目標に向かって施業を進めておるものでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 農林大臣もいまお聞きいただいたと思いますけれども、気の長い話ですが、昭和九十年には一応法正林に持っていくというようなことで検討されておるということです。そういったことから考えても、これは国民の需要に対して供給の面で、日本の林業というものがサイクルが長いだけに、今後相当真剣に手を入れておかなければ、子孫末代これはたいへんなことになるということを考えます。また、いろいろな災害とか木材の需要が増大したというようなことが起きてきますと、この計画もまたいろいろ検討しなければならぬということになってまいりますし、こういったことを考えましたときに、これは気の長い話であるけれども、相当いま力を入れておかなければたいへんであるということを大臣もよく認識して今度の予算編成等にも対処してもらいたい、こういうふうに思うわけです。  同じ要領で、民有林の場合に、これは総蓄積をどう見ておられるか。私は手元に数字を持っておるのですけれども、公開の席でひとつはっきりおっしゃっていただきたい。年間生長量が幾ら、標準年伐量が幾らで、現在の伐採量は幾らになっておる、法正林に持っていくための今後の見通し等はどういうふうに計画されておるというようなことについて、ひとつ御説明いただきたいと思います。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 民有林につきまして申し上げますと、新計画におきましては、民有林の蓄積は十二億二千六百三万立方メートルでございます。それに基づきまして、なお、四十六年の生長量は八千百二十三万立方メートル、これをもとにしまして、収穫量は四千百七十三万立方メートルでございます。国有林とは逆に、生長量よりも収穫量が小さいのでございまして、生長量に対する収穫量は五一%というふうに相なっておるものでございます。これも同様にしまして、昭和九十六年、つまり、いまから五十年先におきましては生長量と収穫量のバランスがとれるという方針に向かって施業の指導をしているものでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 民有林の標準年伐量は幾らですか。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 全国森林計画に基づきまして、約五千万立方メートルとなっております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 全国森林計画の年伐量では、これは六千万立方じゃないですか。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 先般改正しました計画に基づきますと、十五年間で七億二千一百万立方でございまして、これを十五で割りますと、ただいま申し上げました約五千万立方メートルとなるわけでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 これはいっこういうふうに確認をされたのですか。いつごろのバックデータなんですか。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 六千万立方メートルは、これは御指摘のありました改正前でございまして、三月に改定したものでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 農林大臣にお伺いしますが、いまお聞きになったとおりですが、これをやっていても一時間ぐらいかかっちゃうのですけれども、実際にいま林野行政は国有林に大傾斜しておりまして、民有林のほうが影が薄くなってきている、こういうことで、いわゆる民有林関係者はずいぶんと批判をしておるわけです。したがって、林野庁の組織そのものも、もっと経営関係と指導関係と分けるとか、検討もするというようなこともいわれておりますが、事実、民有林の場合なんかを見ましても、これはなかなか掌握がむずかしいと思いますけれども、当然、こういったいわゆる総蓄積に対する標準伐採量というものをはっきりしておかなければいかぬ。今度三月に五千万立方メートルに一応設定したというなことで、全国森林計画の表を見ましても六千万立方メートルになっているわけです。また一説によると、四千四百万立方メートルというようなこともいわれておるわけでありまして、どうもはっきりしない。そういったことで、実際に幾ら蓄積があって、幾ら生長をして、標準伐採量は幾らで、年伐が幾ら、いまどれだけの過伐であるから、今後これをどういうように植林をして森林の造成をはかって、何年には法正林に持っていく、こういったことが明確でないために、どうも私たちもすっきりしない。そういったことがはっきりしなくて、ただいま三月にあらためて改正して五千万立方に年伐をきめたということでありますけれども、実態が明らかでない。そういったことをはっきりせずして、どうして行政ができるのか、今度の森林法の改正、または林野の行政がなされるのかというふうなことがどうしても心配でならない。そういったもとがはっきりしないために、やることがどうも砂上の楼閣みたいな感じがしてならない。そういったことをすっきりしてもらいたい。このために必要であればいわゆるプロット調査をするとか、いろいろな調査をしてそしてはっきりしたものを握って、経費も使ってそして一回総点検、洗いざらいして、こういったものをつかんで計画に乗せるなり、やっていかなければならぬと思うのです。今回森林法の改正が出ておるやさきにこういうことを言うことはどうかと思うけれども、しかし、こういったことをやらなければ、せっかくいろいろな改正をしてやっていっても、実態というものがはっきりしないと、われわれの今後のいろいろな方針、または今後の日本の林業というものがどうも実態を踏まえた上での将来展望ということができない、こういうような気がしてなりません。質問すればいろいろ数字をあげておっしゃいますけれども、なかなかこういったことがわれわれ自体がのみ込めないのです。そういった意味で、こういったものに対して、いま直ちにといってもこれは時間もかかるし、たいへんなことであります。五年ごとにいろいろ計画を編成してやっていかれるわけですけれども、十分こういったことを踏まえて検討していただいて、日本の林業の総蓄積、それからどれくらいを切っておるのだ、年間どのくらいの伐採量に持っていったらば標準伐採量になるのだ、そうしたならばいまから外材がこうして入ってくる——日本の林業も、戦後植林したものがいま二十四、五年たって間伐の時期が来ております。また間伐も見直すべきで、かつ販路を考えるべきであります。今後の日本の林業というものは、昭和何年ごろには政策上法正林になっていく、そしてまた緑が復活していく、そしてまた、山を戦時中切ったあの乱伐、こういったものが必ず直される、こういう明るい見通しがあるのだ、そのために林業産業に力を入れて、いま子孫のためにうんと施策していかなければならぬ、こういうふうに思うのですけれども、それについて農林大臣の明快な答弁をいただきたいのです。大臣も  いつまで大臣をやられるかわかりませんけれども、とにかく歴史に残る大臣をなさっておるわけですから、やはりいまの大臣でおられるときにはっきりとした答弁をなさって、強力に財政当局にも、必要であればそういった計画をするためにもいろいろな施業のための予算をとって十分対処してもらいたい、こういうふうに思うわけです。御見解を承りたい。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 先ほど林野庁長官からお答え申し上げた最も最近の全国森林計画、三月のもの、これは最近の諸情勢、私からも申し上げておる公益的機能を十分踏まえて新たなる計画をお示しいたしておると思うのであります。したがって、いま瀬野委員から、何か林野庁の発表する計画に心もとないようなお感じをお持ちになり、こういった森林法の改正を機会に全国的な総点検をもう一度やったらば、こういうような御意向も拝察できたのでありまするが、われわれとしては、この三月の、お示しした計画というものが、これが新しい時代、情勢も反映したしっかりしたものである、こういう認識に立っておりまするので、これをもとに諸施策の遂行につとめてまいりたい、かように考える次第であります。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 農林大臣、いまそうおっしゃるけれども、当局はよく聞いておられると思う。その専門分野で、林野庁長官をはじめ各職員を督励して、十分ひとつこういったことがわれわれ委員に明確に資料として出していただけますように、別途また資料もいただきたいと思います。正式の場でお願いしておきます。  いずれにしても、国有林のほうはまだしも、民有林のほうが実際に実態はなかなかわからない。これはなかなか経費と時間のかかることで、たいへんでありますけれども、いずれにしても、森林法の改正、また今後林野行政を推進していく上において、そういったものがはっきりしなければ、なかなか行政はできないと私は思う。そういった意味からも、かなり前のバックデータでもけっこうですし、また今後こういった民有林の伐採量、生長量の問題をどういうふうにいつごろ把握してやっていく考えであるか、どういうふうに思っておられるか。いまのままでは、とにかく実態をつかまぬままいくのではないかと思います。  後ほど質問いたしますけれども、林野伐採に対する届け出制、今回はかなりきびしいものがありますけれども、それにしても、実際に、従来もそうですが、今回かりに法改正をしましても、現地の実態は、私も現地に、長年山にいてそういったことを味わってきましたが、実際にこの伐採届け出制の励行ということはなかなか困難なものです。伐採したあとでなければ届けない。届け出したものも、しかし、へたに正確に届けると税金の対象になるというので、やらないし、今回の改正によって、届け出をしなかったり、あるいはまた届け出と違った、誤った伐採をした場合等は、いろいろ規制がされ、罰則が設けられておりますけれども、実際に、言うはやすく実行はむずかしいというようなことを考えましたときに、特に民有林のこういった掌握は困難なことも十分わかっているけれども、こういった木材のたいへんな需要供給の問題が起きているときに、やはりこういったことをあえてやっていかなければ、これはもう狭い国土、しかも六八%が森林であるという日本の林業資源を思ったときに、何としてもこれはやらねばならぬ問題である。こういったことにうんと力を入れて、もっとひとつ国内の林業の振興と蓄積の増加に努力してもらいたい、かように思えてなりません。林野庁、その点について何か……。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 御指摘のとおりでございまして、特に民有林の場合につきましては、零細な、つまり五町歩未満の森林所有者、最近は規模は少し大きくなりましたけれども、まだ九割ぐらいを占めているわけであります。  特に、いま御指摘の届け出制度の問題でございますけれども、この達成率がなかなか低いという問題がございます。確かに、届け出まして知事の認可を得た場合には、いろいろと補助あるいは融資、税制等の優遇措置はございます。しかし、御指摘のような点でなかなか達成率が低いという問題がございます。今回また森林法の中におきましてそれらのことも考えまして、従来の属人的な共同でなくて、属地的な、いわゆる団地としての共同施業計画というようなものについても改善をはかってまいりたいと思っております。指導を強化いたしまして、この届け出制度が信頼されてそしてそれが普及されますように念願しておるものでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 本論に入りますが、公益的機能の強化という問題について若干お尋ねをしてまいります。  まず、今回の森林法改正にあたりまして公益的機能が国民的要請であることは、さっきからるる申し上げたとおりでありますが、森林所有者の社会的義務感に訴えるだけで、はたして今回の改正の趣旨に沿って十分公益的機能の確保ができるかどうか。いわゆる森林所有者は、その見返りというものがなければ、ただ国民的要請がある、また国家的な要請があるからといって、自分がそれだけに甘んじておれるかという問題が大きな問題だと思う。そういった点については、本法改正にあたってはどういうふうに検討されてきたか、お答えいただきたい。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 公益性を重視するということは、今度の森林法の改正におきまして一番重きを置いた点でございます。  そこで、森林計画制度を改善いたしまして、森林の機能別の整備の目標、つまり、従来のように木材生産を主体とした考え方のほかに、機能別にいろいろあるわけでございます、いわゆる公益的機能には。たとえば、国土の崩壊を防止する、そういった国土の保全、あるいは水の資源——森林は水のダムでございますので、水資源の確保とか、あるいは環境の保全、そういったような機能別の整備の目標、それから森林の土地の保全に関する計画事項、こういったようなことを追加しますとともに、森林の計画はこの森林の持っています公益的機能の維持増進に非常に配慮してやらなければならないのだということを明確に法律の中に書いてございます。これは昨年の自然環境保全法案のときから、これを森林法改正の中で入れようと考えておった事項でもございまして、これはもう明文化してございます。  こういうふうにいたしまして、この森林の整備の目標を示し、そしてその森林の整備の目標を実施するための基準を明らかにするということを考えているわけでございます。   〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕  なお、森林が適正に保全されるように、これにつきましては、開発の許可制の導入、これは知事の許可制にする考えでございます。それから、いまお話の出ました伐採の届け出制度、これの変更の命令を追加するというふうなことも考えているものでございます。  こういうふうなことを中心にいたしまして、健全な林業活動を通じまして、そして適切な森林施業をすることによりまして、森林の施業の実行に伴う費用のかかる場所につきましても、この規制をするわけでございますから、公的な負担の拡大を含みましてこの適正化をはかる、たとえば補助であるとか融資であるとか、あるいは税制面でございますとか、そういったようなことをはかるとともに、それから造林の推進あるいは林道の整備、林業構造の改善、それから林業従事者の福祉の向上、こういった施策につきましても強力に進めてまいらなければならない、かように考えているところでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 それで林野庁長官、各種施業に対する助成だとか税制面の優遇措置、林道あるいは損失補償だとか、いろいろ当然のことですが、この公益性、公益的機能が国民的要請だからといって——御承知のように、最近レクリエーションがだんだん盛んになってきまして、年に一度か二度、都会の人が涼を求めて夏、山にやってくる。そのために、森林所有者は、伐採もせずに、あえて都会の人たちに提供するためにその森林を維持しておく——ということばかりじゃないけれども、そういうことになりがちでありまして、それではやはり、その森林所有者としては生活もしなければならないし、都会の人たちのために木を切らずに、ただ都会の人たちが涼を求め、自然を求めて来るのを待っておるということにはならぬわけですね。そういったことを思ったときに、森林法改正にあたってやはりそういった面を十分考えないといかぬ。そのために、その山林所有者に対してどういうふうに認識をさせたり、どういうふうにそういったことを徹底させたり、これは容易なことじゃないと思うけれども、いま言われた税制面の措置だとか、いろいろな優遇措置をなさると思いますが、そういったことはどういうふうに具体的になさるつもりでおりますか。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 ただいま申し上げました税制措置等につきまして、あるいは融資の面につきまして、あるいは補助の面につきまして、いろいろと優遇措置を、つまり、森林の施業に対する規制をしてまいらなければならぬものですから、特にその森林の所有者に対してそれを緩和する策として考えられるわけでございます。たとえばその税制の面におきましても、保安林あるいは普通林につきましても、規制をされた場合におきましては、その財産を譲る場合の緩和措置であるとか、あるいは融資の場合におきましては金利を低くするとか、あるいは補助にしましても、そういう規制をした場合においてはその率を高めるとか、そういうことを考えているものでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 そこで、いま論議してきましたように、公益的機能を林業振興という面から考えていきましたときに、この森林所有者に対して全面的に協力をしていただくということは、これはもう当然でございますけれども、今回の改正によりますと、林業活動の制約を受けるような森林施業の採用を内容としております関係から、従来からの林業の振興の諸施策等を十分これは再検討して、地方公共団体の強力な助成等によるところの新たな林業振興制度というようなことをも当然考えるべきじゃないか、こういう意見があるわけです。たとえば再造林の復活、造林補助の単価を上げるとか、林道の補助単価を上げてあげる、またはいろいろとこまかいめんどうを見てあげるというようなこと等も含めて林業振興制度ということを考えていかないと、裏打ちにならぬのじゃないか。一方的な公益的機能だけを押しつけても、実際に目的が達せられるかどうか、こういうふうに思うわけです。その辺の十分の配慮がないといかぬと私は思うのですが、林業振興制度というようなことについていろいろ御検討の用意があるのか、お答えいただきたいと思う。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 御指摘のとおりでございまして、ただいま御指摘のありました県の指導を強化するとかいうこともございましょう。国が直接補助すると同時に、県のほうでもやはりそういったようなめんどうを見てやるということは特に必要になってくると思うわけでございます。森林施業に対していろいろと、従来は保安林の制度、これにつきましては、先生御承知のとおりいろいろな助成制度がございます。税制あるいは金融、あるいは補助につきましても、他の一般の場合と違って非常に有利な制度を設けておるのでございますから、それに順じまして、保安林以外の問題につきましても、規制を強化する場合においては、それに順じたいろいろな制度を考えてまいりたいということで検討しているものでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 それと、この林道の場合ですね。林野庁は、この維持管理費等については、まだいまからつくる林道も多いので、なかなかその予算が回りかねるというようなこともあってか、現在できている一般林道等のいわゆる維持管理、こういったものに対してはなかなか経費のめんどうを見ていただかない。最近若干、その路肩の修理だとか、こういったことで芽を出してきたとはいうものの、事実、林道をつくったあと相当これはこわれておる。かといって、使用料を取るといっても使用料を取る人の人件費も要るし、なかなかそういったことはできない。かといって、市町村が管理をしているといっても、なかなか維持費には財政が続かないという問題があります。そういったことで、農道と違って林道は距離もかなり長く、奥山にわたる場合もありますので、この林道のいわゆる管理費、こういったものを見てもらうと同時に、いわゆる市町村道あるいはまた県道等から林道までつなぐところのいわゆる取りつけ道と申しますが、その間の補償という、こういったものについてはどういうふうに考えておられるか。農道の場合なんかは十分そういった補償費等が出てできますけれども、林道の場合なんかは、林道をつくるその林地の入り口まで、いわゆる一般道からいわゆる人家のあるところを通ったり、あるいは田畑のところを通っていく、その場合にどうしても取りつけ道までの林道のいわゆるつぶれ地の補償がなくてはならぬわけですが、これが林道の場合全然ないわけですね。そういったことでどうしても里山開発ができなかったり林道がなかなか進まなかったりする。それがまた過疎の原因にもなってくるということで、そういったところのめんどう見がなかなかないわけですね。そういったことをあわせてどういうふうに考えておられるのか。こういう森林法改正のときにあたって、そういったことも十分配慮して今後の林業振興に当たってもらいたいと思うのですが、御見解を承りたい。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 御指摘のとおり、林道は奥地の山岳地帯が主でございますので、開設費にも相当経費が要るわけでございますが、同時に、その後の管理は平地以上にやはり必要なものでございます。その点におきましては、従来、林道に関する維持管理費というものは非常に不足しておったということは、率直に認めざるを得ないと思います。それがゆえに、最近は林道の開設によって自然を破壊するというような批判も相当出ているわけでございます。四十八年度からは、この林道をつくりましたあとののり面の維持とか管理に要する経費の予算を初めてつけてもらったのでございまするけれども、四十八年度だけで十分だとは考えておりません。今後もやはり特に開設についての単価も十分に見ると同時に、やはり並行して林道の維持管理費というものを十分見ていくように努力してまいりたいと思うわけでございます。  なお、いま補償の問題につきまして御指摘がございましたが、これは最近非常に強い要望となって出てまいっております。林道におきましては、確かに御指摘のように、その辺のあれが不十分でございましたので、ただいま実は研究会を設置しまして速急にいろいろ意見をいただき、検討中でございますが、結論を得ました上でいまの御趣旨に沿った一つの施策を率直に講じてまいりたい、かように考えておるところでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 農林大臣、いまの点について大臣にもひとつここで答弁をいただきたいと思うわけですが、いまの問題は実際の末端においては切実な問題でございまして、農林大臣は農業、林業、漁業関係を主管しておられるわけですが、どちらかというと、農業関係には相当こまかいめんどうがある程度見られておりますけれども、林業にとってはそういったことが実に抜けておりまして、そういったことがとても地元ではたいへん困った問題になっているわけです。いまお聞きいただいたと思いますが、大臣も十分御承知と思いますけれども、なかなか林野庁はそういったことの予算折衝が弱いというか、取り方がへたというか、どうもそういったことはずいぶん昔から言ってあるのだけれども、なかなか実現しない。そういうた面でなかなか林野庁は気が弱いので、大臣、十分ひとつそういったことを踏まえて、農業に劣らず林業のほうも十分そういった取りつけ道等のめんどうを、また将来維持管理費などもできるだけ見ていただくように御配慮をいただくと同時に、十分ひとつ、研究会を開いていろいろ研究する段階になっておるそうですが、対処していただきたいと思う。大臣からもひとつお考えを承っておきたいと思います。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 林道が相当な距離になります。したがって、その維持管理について費用も要るということは承知をしておるところでありまして、これらの面に対する助成はつとめてやってまいりたいと思います。また、取りけ道路のお話がございましたが、農道のほうで農免道路、あるいは漁港の関連道路等、ガソリンの見返りの非常に高率の助成のものもございますが、林道の場合は峰越し林道にそういう例があるかと思いまするが、ただいまの瀬野委員の御意見に伴いまして、今後の林道の管理あるいは助成について、われわれとしてももっと助成のできるよう検討してまいりたいと思います。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 公益的機能の関係でもう一点お伺いしておきますけれども、森林所有者に、今回の森林法の改正によって、国民的要請に基づき強い公益的機能の要請がなされておる。森林所有者ももちろん、国土の保全の関係から、また国民的要請にこたえるために、これにこたえることは十分認識しておるのですけれども、先ほどから申しましたように、そればかりでは済まない面がある。やはり森林所有者であっても生活していかねばならぬ立場であります。そこで、森林所有者が、水源涵養とか国土保全上そういった林分を保って公益的機能を発動するとするならば、下流にあるところの、いわば電源開発にしても、あるいはあらゆる工場にしても、受益者であります。そうなりますと、当然、森林所有者に対してこれはお世話になっておるわけですから、受益者として負担をすべきであるということが当然考えられるし、こういった声が全国的にいろいろ起きておるわけです。そういった面で政府としても十分対処せねばならない、かように私は思うわけです。森林所有者のみに犠牲をしいて、そして下流は、のうのうとしておるわけではありませんけれども、受益者負担をせずにおるという現状では、今後はやはり森林所有者はかわいそうであります。持ちつ持たれつでいかねばならぬ、かように思う。そういった意味から、従来からいろいろ木曽三川水源造成会社とかいう例もありますし、山口県にもそういった例が現に起きて受益者負担をしておる。木曽三川水源造成会社はすでに七千三百万円も負担金を出しておるという例もあります。こういったことは全国各地に起こるわけで、今回の法改正で全国的にやはり強力な公益的機能を達成するためには、当然こういうことを制度化して考えなければならぬ、こういう段階にきておるのではないか、こう思う。林野庁としてもしこれを考えていなければこれは手落ちであり、また、考えておる、将来検討の用意があるならばあるで、どういうふうになさるつもりであるか。森林所有者のために、今後の日本の林業発展のためにも、こういった法案をつくってやるならば、その裏打ちとして当然こういうことも十分対処すべきであるということで、ひとつ林野庁長官の検討されておる内容を述べていただきたい。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 ただいま先生からお話ありましたように、木曽三川の例もございますし、あるいはほかにまた数件、そういったような電力関係から県の林業公社、これは造林をいたしておりますが、そこに還元されておる実例はあるのであります。基本的には、実は林野庁におきまして、木材生産機能以外の公益的な機能、先ほど来申し上げております国土保全、水資源の涵養、保健休養機能、いろいろありますが、そういった公益的機能の計量化調査を実はいたしておるのでございます。この結果を中間発表いたしましたけれども、十二兆八千億という数字が出ておるわけでございます。この中の水の部門を取り上げましても一兆六千億というふうになるのであります。この調査を四十八年度、四十九年度まとめまして、この結果をまちまして負担関係の方法なりあるいは基準なりを明らかにしてまいりたい、かように考えております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 現段階では負担なり基準をはっきりしていくということでありましょうけれども、これには将来やはり法制化するとか、何かそういうことも考えなければならぬと思うが、そういうことまではまだ現在考えておりませんか。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 ただいまのところでは法制化というところまでは決定いたしておりませんけれども、御意見を尊重いたしまして、どの方法に持っていきますか、早急に結論を出したいと考えております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 今後十分検討していただいて、こういったことをひとつ積極的にやっていただきたいと思います。せっかく公益的機能を要請しながら、片手落ちみたいな形になっております。当然こういったことに対して政府はきめのこまかい対策をやるべきである、かように申し上げるわけです。  次に、全国森林計画及び地域森林計画の問題について質問をしてまいります。  森林の持つ公益的機能を確保するという観点が、森林計画制度上も今回明定されたわけでありますが、現行制度では施業の勧告ができるだけであったのに比べて、伐採計画実行に変更命令が出せる等、制度上、森林計画の位置が著しく強化されてまいったわけでありますが、森林計画の中でも、いわゆる民有林を対象とした地域森林計画では、機能別の森林の所在、面積、整備の目標が具体的に定められることになっておりますけれども、どの程度まで個々の森林施業を規制できるような森林施業の基準を定められるお考えであるのか、その点、まず基準についてひとつお答えをいただきたいと思うのです。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 御指摘の全国森林計画におきましては、今後造成しようとする森林の目標、これを明らかにしようと考えておるところでございます。  具体的に申し上げますと、全国の森林を大体七十から八十ぐらいの区域に分けまして、そこで一つは流域別に、たとえば一例をあげますと、信濃川流域というようなものもございましょう、そういう一つの大きな流域を単位に取り上げる、あるいは場合によっては、福岡県の例のような場合ですと、工業地帯には幾つかの河川が流入しておりますが、これは一つの単位と考えられると思います。その他の場合は、行政区画等を参考にしまして、自然条件等を加味して一つの区域を考えるということで、その地域その地域の実態に応じまして、そこへ、いま申し上げた七十ないし八十、この地域ごとに、一つは、国土の保全の問題あるいは水資源の涵養の問題、あるいは環境保全の問題、そういう機能別に森林のタイプというものを目標としてきめたいと考えるわけでございます。そういう森林のタイプに持っていくために現状の森林をどのように施業していくか、つまり、作業種であるとかあるいは伐期齢であるとかあるいは更新の方法というようなものを明らかにしていくということを考えておるわけでございます。これが知事のつくります地域森林計画でございます。その計画に基づきまして、個人個人の山を持っている方々に森林施業計画をつくっていただくわけでございますけれども、これはその知事のつくりましたそういう地域単位の一つの方針に基づきまして計画を知事に出して、その認定を受けられるというふうになっておるわけでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 そこで長官、民有林対象の地域森林計画では、七十から八十流域に分けるということをいまおっしゃいましたが、国有林の地域施業計画や、または国有林の場合の行政区ともこれは合わないですね。そこで、こういうことをいまおっしゃったけれども、これはお題目だけで、実際にはむずかしいのじゃないか。現に国有林においても八十施業計画があるわけですね。ところが、国有林はいろいろ数県にわたったりしておりますから、ほんとうにこれができるかどうか、これは机上プランで、実際にはむずかしいのじゃないか、こういうふうに私は思う。技術的に問題じゃないかと思うのですが、私の言っている質問がわかるかどうかわかりませんが、その点は本法の提案にあたってどういうように検討されて出されたのですか。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 いま先生御指摘の点は、森林法改正の計画制度で一番重要な点でございます。  御指摘のとおり、ただいまは民有林について申し上げましたが、国有林の経営計画につきましては、先生御承知のとおり、全国を八十の経営計画に分けてございます。これは国有林の経営地域施業計画という形に計画ではなるわけでございますが、八十の計画に基づきまして国有林はいま申し上げたような内容での一つの具体的な計画をつくっておるわけでございます。  そこで、この流域別には国有林と民有林がございまして、場合によっては国有林が多い場合もございましょうし、反対に民有林が多い場合もございますが、それらが錯綜しておるわけでございます。そこで、従来の考え方でいきますと、森林法では主として民有林の計画制度に重点を置いておりましたし、国有林についてはこれに触れておりませんでしたし、経営計画でこれを定めておるものでございましたが、今回は、国有林と民有林とを一緒にしてそこで一つの流域別の計画をつくるということにしたものでございます。  そこで、営林局と県とが密接な連絡をとりまして、先ほど申し上げもした将来の森林の造成の目標、それを達成する一つの手段というものを検討するわけでございまして、これはばらばらではないかと先生おっしゃいましたけれども、実は反対に、その点に最も重点を置く計画制度を組む考えでおるものでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 そこで、この森林計画制度の体系、長官のところに目標があるようですけれども、これについて若干お尋ねをしておきますが、この国有林の経営基本計画は、五年ごとに編成する十五年の計画、民有林対象の地域森林計画については、森林計画別に五年ごとに編成する十カ年の長期計画、まあ私は私なりにいろいろ理解しておるのですけれども、公開の席で、なぜこれを十年と十五年にしたのか、その点、区別した理由をひとつお答えおきいただきたいと思います。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 ちょうどいま御指摘がございましたように、国有林の場合は五年ごとに十五年計画をつくることになっておりますし、それから県知事のつくります地域森林計画は、五年ごとに十年計画というふうになっているわけでございます。この全国の計画、これは先ほど申しました八十でございますので、国有林はこれを一本にしまして十年間の見通しを——十五年つくっておきますと、大体五年ごとに編成いたしますから、いずれの年におきましても、国有林全体の十年計画というのが見れるように実はなっておるわけでございます。片一方、県単位に個々につくります地域森林計画におきましては、これもやはり五年ごとに十カ年計画というふうになっているわけでございます。そのそれぞれの流域別に国有林とそれから民有林の計画がマッチしていく、それぞれのこれをあわせて見ますと、十年計画というのが見れるというふうになるわけでございまして、そういう意味で、大体この十年間を見通して、それぞれ五年ごとに重なって見れるように考えたものでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 そこで、この森林資源に関する基本計画、すなわち林業基本法の第十条の規定に基づいて政府が立てて、それの下に全国森林計画というものを立てるわけですが、農林大臣が全国の国有林及び民有林を対象に五年ごとに編成する十五カ年の長期計画、こうなっておりますけれども、先ほどから論議しておりますように、本年三月内容が改定されまして、公益的機能の要請によって八十流域くらいをつくる、こういうふうに政府は答弁されていますが、実際には地域によってかなり著しい差がある。北海道の果てなんかはあまり必要ないと言えるし、箱根だとか、こういったところでは環境保全を中心にやらねばならぬという問題があるだろうし、また長崎あるいは沖繩等においては、水不足のためにいろいろと森林を置かねばならぬという問題があるし、いろいろ地域差があるわけですね。実際にこういった編成をする場合に密接な施業の一体化ができるかどうか、こういったことが相当問題ではないかと思うのですが、その点はどういうふうに検討されてきているか、お答えいただきたい。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 御指摘のように、従来のように木材生産を主体として考えた場合におきましては、北と南では樹種の相違ばございましょうけれども、施業方法から見ますと、できるだけ早期に肥大生長させるということで、そうむずかしさはなかったのでございますけれども、今回の計画の中では、公益的機能を重視する、先ほど申し上げましたように、三つの大きな目標、国土保全、水資源の涵養、環境保全、こういうふうに見ているわけでございますが、さらにこれを細分いたしますと、保安林の種類別に見ますように、いろいろの森林のそれぞれの機能はあるわけでございます。保安林の場合は十七種類もあるわけでございまして、それが北から南までそれぞれ地域によって非常に差があるわけでございます。ある場所では主として木材生産を考えるけれども、あわせてレクリエーション機能を重視しなければならぬ地帯であるとか、ある場所は崩壊を防止することが一番重要な地帯であるとか、あるいは水源の涵養、これは全国的に一様でございましょうけれども、特に下流の問題を考えて水の問題を考慮しなければならぬ、こういう特色が機能別に見た場合に非常に複雑な組み合わせになってくると思うわけでございます。そこで、非常にこまかいそういった点につきましては、先ほどの全国森林計画というのは大きな計画でございますけれども、その下で地域森林計画、それから国営の場合は経営基本計画に基づきまして地域の施業計画、これらを組み合わせまして、きめのこまかい、先ほど申し上げた七十から八十くらいのブロックになると思いますけれども、そういう分類をいたしまして、分類された目標を達成するためにきめのこまかい一つの施業方法をとってまいるという考え方であるわけでございます。従来のように民有林は民有林、国有林は国有林ということでなしに、これを一本にしてこの計画の達成をはかるということが、特に今回の改正で重視している点でございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 そこで林野庁長官、全国森林計画が二つに分かれて、国有林は経営基本計画、さらにその下に地域施業計画、民有林は地域森林計画、その下に個別経営、こういった体系になっておりますけれども、いま申し上げたこともあるので、全国森林計画の下に国有林の経営基本計画、地域施業計画、また民有林の地域森林計画、こういったことを一体化したらどうか、こういうふうに思うわけです。ただでさえ国有林に林政が大傾斜して、民有林がないがしろにされている——と言ったら言い過ぎかもしれませんが、相当民有林では悲観しておりますから、そういった意味からも、また、流域別にやったのを国有林のいわゆる八十施業計画との関係等から見ましたときに、その関連性が問題になってくる、と同時に、労務関係等を見ても、一本化したらどうか、こういうような意見もあるわけです。  私この際聞いておくのですけれども、府県段階では、国有林、民有林とも一緒にやれば、知事がいわゆる国有林の地域施業計画にある程度関与するということもできてくる。そうすると、いろいろな面で公益的機能を達成する、また都合のいい面もたくさん出てくる、こういうようにも思うわけです。国有林の場合、特に国有林、民有林あわせた施業の一体化、こういったことを考えることはどうか、可能であるかどうか、そういったことも検討してこられたのか、こういったことについて、今後のこともありますので、この機会に林野庁の立場から承っておきたい。そういったことは可能でなければ、どういうところが問題であるからこういうように分けたのだ、こういうふうにおっしゃるのか、その点ひとつこういう機会に明確にお答えいただきたい。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 御指摘の点、まことに重要な問題だと思います。国有林の経営につきましては、ただいま御説明いたしました経営基本計画に基づきまして地域の施業計画、また、これをもとにしましてさらにこまかくは営林局業務計画、営林署業務計画というぐあいにおりているわけでございます。この計画をつくります場合には、従来もございましたけれども、地元の意見を聞かなければならぬという考え方は入っております。しかし、これは計画をつくってから説明したのでは意味がないのではないかという批判もいただく程度に、どうも形式的でありがちでなかったかという点が懸念されるのでございます。そこで、国有林の経営というものは地元の方々にとって非常に重大な影響もございますし、また地元の協力なくしては国有林の経営はできないのでございますから、特に緊急の場合、火災の場合とかあるいは病虫害が出たとかいう場合に協力をいただかなければならぬ場合が相当に多いということもございまして、この国営の計画につきましては、地元の市町村の意見とか、あるいはそういったいろいろな形で現在でも計画をつくる前にいろいろ現地においてそういった意見を聞いて、それを計画に組み入れていくということを指導いたしております。それから民有林の場合におきましても、地域森林計画でございますが、これはただ単に知事が県庁の中で部下を使ってつくるということでなくて、やはりこの計画につきましてはいろいろと公的な面で制約されますので、少なくとも市町村長の意見は聞く、なおまた森林審議会の意見も聞くというふうにこの法律の中では考えておるものございます。できるだけそういった第三者機関の意見なり地元の意見をよく尊重してこの計画をよきものにしていくという考え方は当然必要なのでございまして、そういう制度は考えておるものでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 私はただいままでいろいろ申し上げてきたことについては、いろいろ検討すべきこともたくさんあることもわかりますが、そういったことをかねがねわれわれも感じておりますので、十分検討をしていただいて、われわれが言うまでもなく、当局は専門的にずいぶん検討されていると思いますけれども、やはり林業が国民的要請にこたえるためには、いろいろと思い切ったことをしないと、従来から林野関係は封建性が強くて、型にはまったようなことがありまして、最近はずいぶん民主化されてきているけれども、まだまだその残りがずいぶんございますから、昔の例にならわずに、国民的要請にこたえる近代的なユニークな施策をどんどん織り込んで、要は国民的要請にこたえる、こういうことでひとつ、林野庁長官も、若い長官で、えらい張り切っておるところでございますから、ある程度思い切ったこともおっしゃる長官だと思って私は信じておりますから、こういったこと、いろいろ国会で審議また提案されたこと、また質問あったことなんかは十分ひとつ検討されて対処していただくようにお願いしておきます。  そこで、全国森林計画において計画事項であるところの森林の土地の保全に関する事項、及び地域森林計画の樹根及び表土の保全その他森林の土地の保全に関する事項というのがございますが、それぞれ林地が林地以外の用途に転用される場合の一般的順守事項であって、許可するかいなかの審査の中心となる事項が、全国及び地域森林計画のこの事項において当然示されなければならない、かように思うわけでございます。当局はその内容をどのように考えておられるか、まず御説明をいただきたいと思います。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 従来の森林法におきましては、保安林を除きましては、それ以外の森林については土地の保全に関する事項は実はなかったのございますけれどもも、今回は、伐採等の規制のほかに、土地の保全に関する事項を特に盛ったのが特徴的なところでございます。  森林の土地の保全に関する事項の内容としましては、森林の開発利用が増大している情勢に対処しまして、森林が開発利用されることによりまして、森林の持っておる国土保全、水資源の涵養の機能がそこなわれないように配慮する必要が当然あるわけでございます。そこで、森林を開発し土地の形質を変更することに伴って発生が予想される災害の種類、そういう災害の種類ごとに、災害が発生する危険性の高い森林の条件を、地質とか、あるいは地形とか気象等の指標を用いまして明らかにすることを考えておるものでございます。また、災害の発生の危険性の高い森林の土地の形質を変更する場合には、災害の発生を未然に防止するための留意をしなければならぬ一般的な事項についてもこれを明らかにするというふうに考えておるものでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 そういったことは、全国森林計画においても、また地域森林計画においても具体的に表現されると思うのですが、これはどういう手続によって表現されるのですか。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 いま申しましたことをやや具体的に申し上げますと、地質の条件と申しますと、よくあるあれでございますけれども、破砕帯とか、それから断層線などの地質構造線に沿った地域ということが一つ問題になってまいります。それから風化を受けた花こう岩とか、シラス、ロームとか、凝灰岩、泥岩といったようなくずれやすいものからできている地帯というのが一つの問題点でございます。それから地形の条件がまたあるわけでございます。たとえば地表水あるいは浸透水が集中しやすい場所であるかどうか。それからもう一つは、これは当然のことでございますが、傾斜が急な個所であるかどうか。もう一つは、気象条件につきましては、これは当然でございますが、豪雨の常襲しやすい地帯であるかどうかということ。それから、先ほど申し上げました一般的な留意事項ということは、切り取りを行なう際に、地質条件に応じて崩壊に対する安全な勾配とかあるいは切り取りの形状を確保する、切り取りの場合に一つのそういう地形なり地質に応じた注意を払わなければならぬということでございます。それから地下水の滞留で起こるような崩壊を防ぐための排水設備をしなさいといったようなことが一つの基準になると思います。  そういったこまかいことでございますが、これは一つの例でございますけれども、そういう一つの指標というものを明らかにして判断の基準にいたさせたい、こう思っておるものでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 その点はわかりました。  そこで、今度は地域森林計画において、自然的、経済的または社会的諸条件から、その周辺における土地利用の動向から見て、森林として利用することが相当でないという民有林を除いた民有林を計画の対象として線引きするということになっておりますが、このために規制のかかるのをおそれて、これは新国土総合開発法案との関係もございますが、地域森林計画の対象とされるのを森林所有者が渋るという懸念があるわけです。  そこで、国土総合開発法案においては、六条に、都道府県知事は土地利用基本計画を定めることとし、当該都道府県の区域を都市地域、農業地域、森林地域、自然公園地域、自然保全地域、こういうふうに区分しておるわけでありますが、地域森林計画の対象とする民有林と国土総合開発法の地域区分との関係はどのようになるのか、その点まずお答えいただきたいと思います。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 国土総合開発法におきます森林地域というのは、一口に申し上げますと、地域を限定して非常に大きな単位を考えておるものでございます。森林法でいいますところの森林地域と申しますのは、もう少し小さい単位で考えておりまして、知事のつくりました地域森林計画、これは御承知のように、現在二百五十六ございますけれども、非常に小さい単位でございます。具体的な森林をさしておる。前者の場合は非常に広い地域でございますので、その中には、道路であるとか集落であるとか、あるいは大きな河川、それがみな入っているわけでございます。森林法で今度考えております森林というのは、そういった部落であるとか道路であるとか河川敷のようなものを除きまして、未来永劫森林というふうに、森林経営していくということを非常に限定してきびしく考えている点が若干違う点でございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 そこで、森林として利用することが相当でない民有林というのは、具体的にどういうものをいうのか。また、この線引きの基準等についていろいろ問題になると私は思うのですが、その点も検討されてきたと思いますが、ひとつお答えをいただきたいと思います。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 大まかに申し上げますと、小さい面積でしかも点在しておるというものでございます。やや具体的に申し上げますと、〇・三ヘクタールくらい、しかも点在しているというのは基準から除く。それからもう一つは、公の計画に基づきまして、たとえば宅地造成計画ができておるとか、大きな道路計画ができておるとか、そういうことが公にはっきりしているというものを一応除外するのでございます。そこで、個人的にここを開発したいんだという程度の計画があるというものにつきましては、これは当然そういったものは考慮せずに一つの森林というふうに考えるものでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 林野庁長官、この点が法律の細部に対して疑問点がかなり多く出てくると私は思うのです。こういったものはケース・バイ・ケースでいかれるのですか、政令等で明確にされるのですか、その点はどういうふうに考えておられますか。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 長官の説明でほぼ尽きておると思いますけれども、補足して説明させていただきたいと思います。  国総法の森林地域でございますが、これは国総法の中に「森林の土地として利用すべき相当規模の土地があり、林業の振興又は森林の有する諸機能の維持増進を図る必要がある地域とする。」ということになっておりまして、私どもが考えております民有林の地域施業計画の対象とする森林とほぼ領域を同じくするというふうに考えておるわけでございます。地域施業計画の対象とする森林といたしましては、先ほど長官から御説明をいたしましたように、森林の有する機能が極端に低位である、ごく小面積、分散的な森林であるとか、あるいはその他の、他の法令等による公的計画、たとえば都市計画事業とかいうような公的計画に基づきまして、森林以外の用途に供することがすでに確実になっていること、単にマスタープランがあるとかないとかということでなしに、確実になっているというようなものを除外するということでございまして、森林として利用することが相当であるというふうなことでなしに、森林として利用するということが不適当であるというふうなもの以外は、大体対象として適用してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 大体わかったような気がするのですが、この点は実際問題としていろいろケースが出てくるかと思います。一応その点だけお聞きしておいて、また後日に譲りたいと思います。  先ほど申しました伐採届けのことで、ここでちょっとお尋ねしておきますけれども、従来から普通林の伐採届け出というのが十分に励行されていないことは先ほども申しましたが、これがきちんと行なわれないと、今後地域森林計画に従って施業していくということがなかなか誘導がむずかしくなるのじゃないか、こういうふうに思います。これは大切なことでございまして、ここであらためてお伺いしておきますけれども、今回の罰則強化の措置、こういったことでどの程度の届け出の励行が期待されるか。あまり期待はできないと思うのですが、法案審議の中で一応お聞きしておかなければならぬと思いますが、どの程度期待しておられるか。また、森林所有者の森林については、罰則ということよりも、実際には公共性の認識の徹底とか、伐採の届け出制度とその趣旨の徹底というようなことを十分やらねばなりませんが、現地の経営指導員とかの数も少ないし、なかなか広い範囲を見ても、はたして届け出のとおりに励行されているか、あるいはまた、計画外の伐採とか、伐採が済んだあとで見つかってから届け出るというようなケースも従来から非常に多かったわけですが、その点、これは言うはやすく実行はむずかしいというようにも思うのですけれども、農林当局はこれに対していろいろ指導強化をしていく、こういうふうなことをおっしゃっておるのじゃないかと思いますが、これはほんとうに真剣に考えないと、実際に法をつくっても励行されないということで、結局、法の軽視ということになりかねない、こういうふうに思うのです。その決意のほどを長官にひとつお伺いしたい。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 以前は伐採につきましては許可制でございましたけれども、御承知のとおり、森林法を改正いたしまして届け出制度にしたものでございますが、これはどこまでも自主的にそういった計画制度にのせていくということを考えたのが、一つの大きな問題点であったわけでございます。  御指摘の点につきまして、実は四十二年から五カ年間の届け出率をお話し申し上げますと、四四十二年は三八%、四十三年が四〇%、四十四年が四六%、四十五年が五二%、四十六年になって五三%、五〇%をこしておりますけれども、半分ちょっとだというふうな状態でございます。これはやはりできるだけこの計画制度を普及させていまためには、一つには林業改良指導員の活動にもくたなければならぬと思っておりますし、また森林組合の指導も強化していかなければならぬと思っております。相まちましてこの計画制度の普及につとめまして、できるだけ早くこの成績をあげていくように努力してまいりたい、かように考えております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 できるだけ成績をあげていきたい——できるだけじゃ困るわけですよね、これは、実際にこういったことがきちっとされていかないと、計画が成り立ちません。五三%くらいでは、結局半分だと思います。半分は不正の伐採が行なわれておるということでありますから、こういった法律をつくっても、実際にこれが励行されるかどうかということは必配なんです。  農林大臣、いまお聞きになったと思いますが、御存じのように、従来は届け出だったから、もう届け出なければいいということで、わかれば届け出るということで済んでいた経緯もあるんですけれども、今回からは普通林の伐採の届け出がはっきりと罰則をつけられたわけですね。ところが、広い山林で、われわれが山を歩いても、全然施業案で許可してないところも保安材を切ってみたり、あるいはまた伐採が行なわれている山の持ち主を、経営指導員等に聞きまして調べてみると、実は去年切ったということで、あと地はどうにもせずにそのままほってあるということで、わかってから、ああそうですかということで届け出を出すということがずいぶんあったわけです。だから、こういうように五三%くらいしかできておりませんが、これが励行されませんと、実際に法をつくっても魂入らずで困るんですね。こういったことに対してやはり大臣からもよく督励されて、林野庁、また末端、いろいろ経費も入れたり、また林政を推進する計画をつくる上にはぜひこういったことは必要なんですから、こういったことを少なくとも、全部はできなくても、七〇、八〇、九〇とパーセントが上がっていくようにしなければ、日本の林業の発展、また林業の基礎ということがなかなかつかめないということにもなりますので、十分こういったことには対処していただきたいと思うんです。こういう機会に、大臣もいろいろお忙しくて、範囲も広いんですけれども、こういったことが重大な今後の林政の発展のためには必要な問題になっているわけです。今回こういう罰則規定をつくってまで伐採の届け出制の制度をつくるわけですから、それだけの価値があがるようなことをひとつ十分対処してもらわなければ困ると思うんです。そういう意味で、大臣から所見を承っておきたいと思うんです。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 伐採届け出制が十分励行されるようにというお話でございまして、これはもう言うまでもないことでございます。ただいま五三%ということについての御批判がございまして、これを七〇でも八〇にでも引き上げるようにという御指摘でございますが、御発言の御趣旨を体して十分そのように努力をいたしたいと思います。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 第十条の二関係についてお尋ねします。  許可制の導入問題ですが、国土の乱開発に対して環境破壊に対処するために、一定規模以上の開発行為を都道府県知事の許可制にかかわらせようとなっておりますが、この一定規模というのは、聞くところによると、一ヘクタールと聞いておりますが、そうですか。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 非常にむずかしい問題ではございますけれども、ただいまのところでは、御指摘のように一ヘクタールというものを一つの目安と考えております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 そこで、この普通林の乱開発に何らかの規制がなされなければならぬということはもう当然でありますけれども、法第十条の二の二項の一から三号によりますと、開発を許可しない場合の判断基準については、一つ、当該森林の周辺において土砂の流出または崩壊その他の災害を発生させるおそれがある場合、二つ、水源涵養機能から見て、当該機能に依存する地域における水の確保に著しい支障を及ぼすおそれがある場合、三つ目には、周辺の地域の環境を著しく悪化する場合となっておりますが、これについて若干お聞きしておきます。  まず第一点の問題で、たとえば防災施設をすればよい、こういうことで、セメントで擁壁をつくった、こういうことでやられたならば、実際問題としてこれは規制にならぬ、解釈のしようによってはそういったことでも通るというように見受けられる。へたにこれを運用すると、いわゆる一番の問題は、利用されるということも起きるのですが、その点は、この三つの規制がある中で、第一番目についてはどういうように見解を持っておられるか、お答えいただきたい。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 いま御指摘ございました三つの基準でございますが、その三つの基準のうち一つさえよければいいというものではございませんで、それぞれ関連のある事項でございます。極端に申し上げますれば、土砂さえくずれなければそこへでっかいぶさまなコンクリートのへいをつくったっていいということになると、環境保全ということに影響いたします。そういう関連もございますので、この場合には三つの基準はすべて関連がございますので、一応区分して判断基準ということにいたしておりますけれども、三つとも大事な問題だ、それぞれ関連があるというふうに考えております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 それじゃ、関連があるならば、第二番目の問題は代替保安林をつくればよいということも起きてくるだろうし、また、条件によってはある程度そういったことができるとも考えられます。または小さいダムなんかをつくって抜け穴にする、こんな場合もあるだろうし、それから三番目の問題では、人間の見る目でありますから、これはよい、これは悪い、こういうふうに判断するという、人間の判断によってきめるという問題であるので、運用上も問題であるし、目をつぶれば通してやる、こういうようなことにもなりかねない。こういうふうに三つの基準には今後いろいろ派生する問題が考えられる。もっとこまかく規定すべきではないか、また、そういったことについて十分関連があるとおっしゃいますが、何かはっきりしたものがないといろいろ問題が起きるのじゃないか、こういう懸念が消えませんが、どういうふうにお考えであるか。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 ただいま先生御指摘の点につきましては、基準を示すということで、法令上にそれをはっきり示すということができればけっこうなわけでございますけれども、森林の状況というのは千差万別でございまして、そういう状況に完全に適応できるような基準を法令の上で示すということは、法令のスペースの制限と申しますか、法令で規定できる限度があるというようなこともございますので、法律に書いてありますのは以上のような範囲にとどまっておるわけでございますけれども、実際上の運用の点につきましては、先生御指摘のように、恣意的になる可能性もあろうかと思いますので、そういう点につきましては、事こまかに、学識経験者の意見を聞いたり、あるいは保安林行政の経験の蓄積、そういうものを参考にいたしましてこまかな指導要項をつくって都道府県を指導いたしてまいるということで運用していきたいと思っております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 学識経験者等を呼んでこまかな指導要項をつくってやるということなんですが、もうすでに法案が出ているから、検討しなければならぬ問題だと思うのです。こういうことをきちんとやらないで、ただ早く森林法を通してくれ、そればかりを言われて、もちろん、森林法については大事なことでございますけれども、こういったことをやらなければいろいろ問題が起きてくると思いますので、警告を発する意味でも申し上げたわけですが、十分に対処していただきたいと思う問題です。現に水源涵養保安林につきましても現在一部切られている事実があり、あとで伐根調査をして問題化した例がしばしばあったし、現にそういったことが国会でも論議され、問題にもなっています。にもかかわらず、今回の規制は三つだけ関連をもって設けてあるが、保安林でさえもきびしく言っておるし、そういった問題が随所に起きているという時代に、この三つの条項で実際十分規制できるかどうか。保安林よりもっときびしい規制をしないと、なかなか守れぬじゃないかというふうな気がしておりますけれども、その点はどういうふうに検討してこられましたか。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 先生御指摘のように、運用の面では非常にむずかしい問題もございますので、先ほど申しましたように、各方面の意見を聞きながら、恣意的な運用におちいらないようにという形で努力をしてまいりたい。現在まで、公益的機能の強い森林につきましては、保安林に指定をいたしまして種々の規制を加えておるところでございまして、保安林制度の運用のしかたについて、先生御指摘のような事案もないではないし、私どもは重々反省いたしておりますが、そういう反省の上に立ちまして今後の森林法の普通林の規制についても対処をしてまいりたい。  ただ、先生おっしゃいました中で、保安林以上の規制というふうなお話でございますけれども、私どもといたしましては、公益的機能の強い森林については保安林として指定をして、保安林制度の中で運用をいたしてまいりますし、それより公益的機能は軽いけれども、現在森林に対する国民の公益的機能の要請というものが高まっている段階でございますので、保安林には指定しないまでも、普通林として、普通林の所有者として受忍すべき義務の範囲内において公益的機能を発揮してもらうというようなことを、普通林の規制で期待をいたしておるところであります。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 都市に近い森林とばかり言いませんけれども、大企業がすでに林地を買い占めておる。そうすると、大企業はなかなかその林地をそのままほっておくわけにいかない。何か目的があって買っているわけですから、相当な圧力をかけて実際に運用の幅を広げる、開発を容易にするような動きをすることは、従来も現在もあっておるし、はたしていまのような林野庁の見解、態勢で、いろいろ圧力が起きていますけれども、抗し切れるものか。結局負けて、そういった規制を度外視したことになりかねないという心配があるが、十分圧力を排除してやっていける、こういう自信がありますか。ないとは言えぬだろうけれども……。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 いま林政部長から申し上げましたように、具体的な判断の基準につきましては、三つの内容について詳細に検討を急いでおるところでございます。速急にこの結果を出したいと思っておりますが、それに基づきまして都道府県知事が許可をする場合の一つの基準にいたすわけでございます。現在都道府県におきまして、そういう条例等によってすでに許可制を導入しているところは岡山一県だけでありますが、少なくとも届出制を出しているところは相当の県ございます。それほどやはり県自体もそういったような問題意識をもって条例等も盛んにつくっておるところでありますし、地元関係その他からの、つまり世論というものが相当きびしいものがございますから、基準というものにつきまして明確に指示してあげたならば、それをもとにして、私は、県の面におきましてもその趣旨は徹底できるもの、かように信じています。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 林野庁長官にもう一点、いまのに関連して農林大臣にも所見を伺いますので、考えておいてください。  今回の森林法の改正で、いまも申しましたように三つの規制がありますが、売買については自由でありまして、憲法違反になりますからこれを規制することはできません。今回は森林法の改正に触れておりませんけれども、そこで今度は、仮登記でどんどん買われる、買い占め防止にも全然役立ないということになると、そこでこの前もゴルフ場の乱開発とか、いろいろな問題が起きてくるという問題があるわけですね、これは七月十一日田中首相にも質問したとおり、農地法と森林法の場合と全然違うのですね。そこで直接買い占め防止には役立たない。また、これから企業が安い土地と労働力のあるようなへんぴな森林にどんどん進出してくるということは当然考えられます。やはり都市に近いほど値段が高いですから。そうしますと、許可制のきびしい運用は必ずしも期待できないという批判があるわけですね。そこで、地元の要請が強いとどうしても規制しにくくなってくるということが起きてくるのじゃないか。また山村地帯で開発するのを歓迎するという向きもございまして、いわゆる公共団体等においても、地元の固定資産税を増したり、あるいは観光資源によって地元に金を落とすためにやる、収入を上げるということからも歓迎するというようなこともあって、規制がなかなかできかねるということも懸念される、こういった問題があるわけでございますけれども、その点はどういうふうにお考えであるか、お答えをいただきたい。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 森林法におきましては、極端な乱開発を規制する、それ以上につきましては保安林制度等を導入する考えでございますが、売買についての規制というものは森林法の中では取り上げてはございません。これにつきましては、すでに地方税法の改正によりまして、一つは土地保有税制度をつくりまして本年七月から実施することになっていますけれども、またもう一つは、御承知のように、今国会に国土の総合的かつ計画的な利用開発、保全をはかることを目的としました土地利用基本計画の作成、それから土地売買の規制、特別地域における土地取引の規制、こういったものを内容とする国土総合開発法が提案されてあるわけでございます。そこで、この親の法律と森林法とも相まって、こういった極端な土地の売買ということはすでにまた森林法でも規制されるということがわかっておりますれば、この法律に基づきまして、森林法と国総法との両方で相まってこういったことの規制ができるものと考えておるところでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 農林大臣、いま民有林の開発行為についての許可制の導入ということで今この法案で出ておりますが、いろいろだくさんありますけれども、時間の関係もありますので、若干申し上げますが、こういったことが昨日来論議されております。ゴルフ場の乱開発とか、いろいろな問題、いわゆる日本の国土は限られている、森林を守らなければ、また原野を守っていかなければ、将来また再び食糧増産といったときにはもう余地はなくなってしまうぞというようなことでいろいろ心配をしているわけですが、こういったところがこの改正の大きな問題になるんですけれども、条文はできても、実際に運用の面できちっとしてもらわないと、たいへんなことになってくるんじゃないかと思います。せっかくの法改正でありますので、いわゆるこういった業者の圧力によって、あるいは地元からもまた歓迎してぜひという場合、これはいろいろなケース・バイ・ケースもありましょう、それから今後ますます大企業がへんぴな森林地帯に手を出してくる、こういったときに、どの程度の期待ができるか。地元の要請が強いとなかなか規制できない。現に先般審議しました開拓法の問題においても、開拓地なんかはかっこうのゴルフ場ですから、もう開拓者はどんどん離農していく、開拓地は残っていく、ブルでちょっと直せばすぐゴルフ場になるということで、宮崎でも二反野原の開拓地は、三十八ホールということで、すぐに大会社の所有となってゴルフ場建設に取りかかっておりますが、そういうふうなことを考えましたときに今後問題である。こう思うので、そういった面で、大臣、ひとつここはしっかり腹を据てやってもらいたいと思うのだが、ここらで御所見をいただいておきます。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 林野の乱開発について憂慮をしておることは言うまでもございません。また、一般的に土地の買い占め等についても、政府としては再三それらの事態を回避するよういろいろのことを申し上げ、ときに農地法の適正な運用、あるいは農政局を通じての情報の収集、それからこうやって法の改正をお願いするというようなことでございまするし、ただいま長官のほうからお答えを申し上げたとおりに、特別土地保有税制度の創設、あるいは関連のございます国土総合開発法案、これらを適正に運用してまいりますならば、ただいま御心配のような事態を大体回避し得るもの、このように存じておるわけでございまして、特に私どもとしては、この森林法の改正によりまして、しかもこの森林の開発行為による地域への影響ということについては、これはもう地方公共団体の責務であるというようなことでありまして、都道府県知事の許可制というようなふうにも考えたようなわけでございまして、この法案の改正その他のことによりましてわれわれは対処してまいりたい、かように考えるのでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 林野庁長官、そこで、今度はいまの許可制の問題で逆に薬がきき過ぎて、関係市町村等でレクリエーションの場をつくるとか、いろいろなことをやろうとした場合、許可をしないということになると困る場合も起きてくる。薬がきき過ぎてそういったことが起きることはなかろうとは思いますし、その辺はケース・バイ・ケース、いろいろ検討なさっていただくことになると思います。むしろ乱開発のほうが心配なんですけれども、やはり片方だけ聞いて片方だけ聞かぬということはいけませんので、市町村段階でレクリエーションをやる場合等に十分対処して、また検討して考えていただかなければならぬと思いますが、その点についての御所見も承っておきたいと思います。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 薬がきき過ぎて、地元関係で、特に過疎地帯におきましてはいろいろな計画が出ておることは私も承知しておるわけでございますけれども、都市近郊におきましても森林をレクリエーションの場に使いたいということでいろいろ計画は出ますでしょうが、その場合でも、最も健康的なレクリェーションというのはどういうものであるかというふうに考えますと、森林の機能、先ほど来申し上げています森林の機能を完全に発揮しておる状態は、やはりレクリエーションの場としてもまさに適切な森林であるというふうに考えます。そういう意味では、経済的な機能も公益的な機能も、究極の森林の姿においてはこれは一致するものだというふうに私は考えておるのでございますけれども、そういう森林の機能を害さない範囲内におけるレクリエーションのあり方というのはやはり大事ではなかろうかと思います。たとえば散歩道をつくるとか、あるいはキャンプ場をつくるとか、あるいはフィッシングセンターを置くという程度はいいのですけれども、そのほかに、どっかりと大きな旅館をつくって大騒ぎするというのは、ほんとうの意味でのレクリエーションではないと思いますので、やはり森林の機能を生かした、その中におけるレクリエーションということで調和をはかっていくという考え方でいくならば、決してこれは行き過ぎだということにはならないというふうに考えております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 第十条の二の一項の許可制の問題で、一定規模以上の開発行為ということについて、これは政令事項になっておるわけですが、その内容はどの程度検討したらいいか、またどういうことを盛り込むつもりか、いま言い得る範囲でけっこうですから、ひとつ見解を述べていただきたいと思います。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 許可基準の運用の問題でございますが、こまかな基準をつくって都道府県を指導してまいりたいと申し上げたその内容について、やや具体的に申し上げたいと思います。  一つは、開発行為によりまして土砂の崩壊等の災害の発生のおそれがあるかどうかということは、主として次のような観点から判断できると思います。一つは、その森林が土地に関する災害を防止する上で果たしている役割りの重要性ということでございます。  つまり、現在ある森林がどういう状態であるかということでございますが、一つは、過去の災害の実績、過去においてそういう災害を受けたかどうか、受けたとしても、それがどういうふうに回復されているかどうか。もう一つは、地形とか地質などの自然的条件から見た危険度、つまり、傾斜が何度くらいであるとか、それから地質が崩壊しやすい地質であるとか、あるいは崩壊しにくい巨岩がそこにあるか、それから谷の密度が多いか少ないかというようなことが、森林の役割りを判断する一つの基準になると思います。  それから第二点は、開発行為の施行方法から見た危険の度合いでございます。どういう開発行為をしているかということによってそれを判断しなければならないと思いますが、その一つは、土砂の切り取り方法、つまり、えぐり掘りというような場合、これは危険があることは当然でございますし、それから勾配が安定しているかどうかということも一つの判断の基準でございます。それから捨て土が適切になされているかどうか、そんなことは考慮なしに掘り出されているかどうかということでございます。いまのは切り取りであります。盛り土の場合には、たとえば土を層状に固める工法をやっているかどうか、それから締め固めの度合いはどうか、それからすべりどめのそういう工法を採用しているかどうかというふうなことが、開発行為の側から見たあれでございます。ですから、森林の態様と開発行為の態様の両方からこれを判断していこうというのが、この災害防止についての基準の考え方でございます。  次は開発行為によって一定地域の水の確保に著しい支障を及ぼすおそれがあるかどうか。それは次のようなことが考えられると思います。  その一つは、その森林が地域の住民に必要な水を確保する上で果たしている役割りの重要性はどうか。その一つは、ダム、ため池あるいはわき水などへの集水状況がどうなっているのか。それから地下水が確保されているその機能はどうであるか、これもやはり森林の一つの態様でございますから。  次は、開発行為の内容から見た支障の度合いということがまた一つの判断の基準になると思います。  一つは、現在の地形が変更した場合に、集水経路が混乱して地下水位の低下を来たさないかどうか。これは判断をすればわかるわけでございます。それから、必要に応じて集排水路、貯水池を整備すること。それから開発行為に伴う取水、排水によって水質汚濁等を来たさないかどうか。  これらが開発行為の態様から見た一つの判断の基準でございます。この場合も、森林の態様と開発行為の態様と両方からこれを判断していく。  第三点は、むずかしい問題でございますが、開発行為によりまして、周辺地域の環境を著しく悪化させるおそれがあるかどうかということの判断のしかたでございます。  その一つは、森林の周辺地域の環境を保全する上で果たしている役割りの重要性はどういうものかと申しますと、一つは生活環境の保全でございます。たとえば、じんあいあるいは騒音があるかどうかとか、そういう生活環境の保全に影響があるかどうかということ。第二は保健休養の問題です。そういうものに対して森林が果たしている役割りはどうか、その程度はどうか。それから自然環境の保全。先ほどは生活環境を申しましたが、自然環境の保全、たとえば、その中に住んでおる動物、植物一切を含めて、その環境の保全の度合いがどのようになっておるかということ。  それから次は、開発行為の内容から見た悪化の度合いというものがどういう影響を与えるか。それにはやはり一定の割合の森林を確保する必要があると思うわけであります。従来は、測量して森林を伐採する場合には、山を矩形に切っております。これは私の一つの参考意見でございまして、きめているわけではございませんが、山の形というのは尾根が曲線でございますし、沢筋も曲線でございます。遠くから見ますと、それを四角に切った場合に非常に目立つ。ある程度そこの作業が低下しても、風致とか、そういう点をもしかりに尊重する必要があるならば、その尾根線とか沢線に沿った一つの曲線の伐開の線が必要であろうということが一つございます。これは形の問題でございます。それから、それが風致を保全しなければならない森林であるならば、春夏秋冬いろいろな色とりどりの色が必要であるということで、春には新緑、秋には紅葉するような木もまぜることが必要だろうと思う。そういったことも一つの判断基準とするならば、いま申し上げた形とか色ということも、これはむずかしい問題ではございますけれども、そういうことも一つ考えてまいらなければならない。  それからゴルフ場なんかかりにつくった場合に、やたらにそのコースの中の木を切っちゃって、あとから植えて造成している場合が多いわけでございますが、これも逆なので、できるだけ当初からその地帯に、たとえば四割程度は森林を残すんだとか、あるいはコースとコースの間には二十メートルぐらいの林帯を残すとかいうふうなことも考えてそれを指導するということも、こういったような問題の内容になってくるかと思います。これは一つの例として申し上げておきます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 そこで、いまの件で開発行為の許可制に違反したものは罰金二十万円ということになっておりますけれども、たとえば大企業が違反をして開発をした、だれか一人を犠牲にして二十万円払えばおしまいということで、これじゃどうしようもない、こういうふうに思うわけですね。もっと罰則をきびしくすべきじゃないか。また、考えようによっては、六カ月以上くらいの体刑にする、こういうようなことでやるべきじゃないかというようなことも考えるわけですけれども、二十万円ではこれは全くどうしようもないと思うのですが、法制局との関係もあったろうと思うけれども、御承知のように、民有林の開発をした場合に、もし間違っていた場合は復旧するとなると、場所によっては数十億とかかる、また何億とかかることは当然考えられます。そういった面からどういうふうにこれは検討されたのか。これで十分足れりと思われるのか。少しきびしさがない、こういうふうに思うのですが、その点の検討をされてきた御見解を承りたい。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 確かに御指摘のとおり、罰金の額の問題については安過ぎはせぬかという御懸念があるかと思います。この罰則の規定につきましては、いままでに法務省とも十分協議を行ないました上で、森林法の制定をいたしました昭和二十六年以後の社会経済情勢の変化を踏まえまして、昨年の罰金等臨時措置法の改正による刑法上の罰金等の引き上げ額、それから自然環境保全法等他制度の罰金額との不均衡を生じないように、横目でにらみながらいろいろ検討して改正を行なったものでございます。  なお、森林法を守ることにつきましては、以上のような罰則の整備と相まちまして、むしろ事業者にとっては違反行為に対する社会的な制裁のほうがきびしく作用するという一面もあろうかと思います。勧告措置や、あるいは中止命令とか復旧命令などを出しましてそういう行政指導をするということは、いま申し上げましたように、これも一つの制裁ということになるわけでございまして、その効果もあろうかと思うわけでございます。  罰金につきましては、森林窃盗等については四倍といたしておりますし、それから伐採規制とか開発規制、保安林制度などは他の制度とのバランスはとってございます。この結果、たとえば保安林の無許可伐採は三万円から二十万円に引き上げました。それから普通林の無届け伐採は五千円から三万円の引き上げになっておりまして、無許可の開発行為は、保安林内の違反との並びで二十万円といたしておるものでございます。  いまごろ二十万円じゃ安いじゃないかという御指摘でございますけれども、ただいままでの検討の経過を申し上げたわけでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 一応了解します。罰則の問題については、ほかとのバランスとか、いろいろあるだろうと思いますが、林野庁がどういうふうな見解か聞いてみたわけですけれども、実際問題として、世の中によくありがちな、大企業で、一人犠牲にすれば、二十万円払っておしまいとなれば、どこまで歯どめになるか疑問なんですね。こういったことがあるので、よほど本法改正においては政令事項その他検討してみなければたいへんな問題だ、こういうふうに実は思っておるわけです。かといって、森林法だけ極端にこれを上げるというわけにもなかなか、ほかとのバランスで無理かと思います。しかし、そういったことも十分今後とも検討していただきたい問題だということで指摘しておくわけです。  次に、時間の関係もございますので、あとまだ二、三時間分あるのですけれども、はしょって、森林組合の問題もありますので、若干聞いておきますが、団地共同森林施業計画制度というのが規定されておりますが、政府はどういうような優遇措置等を考えておられるのか。今回は、法に定められた税制上の優遇措置が考えられておりますけれども、せっかく新しい数人共同の森林施業計画の認定を受けた者が計画どおりに森林施業を行なった場合には、当然これは税制上の優遇措置を見るけれども、これだけではちょっと足らぬ、もっと優遇措置を考えてもらいたいと思うのですが、その点、簡潔にお答えいただきたい。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 今回新しく属人のほかに属地、つまり団地としてまとまった場合には、自分の森林全部を提供しなくとも、一部を計画制度にのせて団地として形成した場合には、前にございました数人共同してやる属人的な制度と同じように優遇措置を考えておるものでございます。  税制上の優遇措置というのが一つございますが、先生御承知のとおり、森林計画制度の特別控除の制度、これは所得税でございます。それからもう一つは造林費の特別償却制度、これは法人税でございます。これも同様に優遇措置として考えられております。次は計画造林準備金制度、これも法人税でございますが、これの優遇措置も考えてございます。なお、計画伐採にかかる相続税の延納、これも同様に優遇措置を考えております。  税制のほかになお一つは補助でございますが、再造林につきましては、森林施業計画に基づきまして再造林したものに対して、四十八年度から補助事業が認められるということにしたものでございます。また次に拡大造林の補助率、これは、森林施業計画に基づく拡大造林の補助率は他の一般の拡大造林の補助率より約一二%増加いたしまして、五二%としたものでございます。  融資でございますけれども、これは農林漁業金融公庫からの資金でございますが、林業経営改善資金、これにつきましては、林業経営の改善を目的とする森林の取得に必要な資金、これは限度額二百万円で、この融資を受付けるためには森林施業計画の作成が必須条件、こうなっておるわけでございます。利子率は三分五厘、償還期限は二十五年でございます。また造林資金につきましても、大造林拡大造林、経営する森林が五百ヘクタール以上で拡大造林する場合、これの場合には森林施業計画の認定者に限って造林資金の融資を受けることができる、こういうふうにしておるわけでありますが、据え置き期間は二十年以内、融資利率は四分、こういうことでございます。  なお、森林施業計画作成林分については、優先的に林道の開設、林業構造改善事業の実施を行なうよう、これも優先的に考えるということを検討いたしております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 そこでいまの団地共同森林施業計画の制度で認定基準を定めることとなっておりますけれども、これはどのくらいを考えておられるか。いわゆる団地の大きさ、またその基準以外にどんな条件があれば認定されるか、そういったことについていろいろお考えになっておると思いますが、簡潔にひとつお答えをいただきたいと思います。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 おおむね三十ヘクタール共同という場合には、最小限二人以上ということを考えております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 そこで時間が迫ってきましたので、今度は森林組合合弁助成法関係を主体にひとつ質問をいたしてまいります。  七十九条の一号の問題からはしょってお聞きしますが、七十九条の一号では、施設組合に対する条文で、いろいろと十項目ぐらい事業ができることとしてうたってあります。二号は生産組合が規定されておりますが、前者は森林組合の必須事業であるわけです。すなわち、昭和二十六年の改正で森林組合の必須事業として今回も残ったことになっておりますが、これは他の組合にないものであります。いわゆる農協、漁協にないものでありまして、まずこれを残した理由を明確にひとつお答えをいただきたい。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 先生御承知のとおり、森林組合制度というのは、ほかの農協、漁協と趣を異にいたしまして、森林所有者をメンバーとする協同組織でございます。森林所有者という形で、農協、漁協のように、農業に従事し、漁業に従事する、農業を経営し、漁業を経営するということを資格としないで、森林所有者を組織の加入の資格とするということにいたしました理由といたしましては、森林の持つ公益的機能というものに着目いたしまして、森林組合というのは森林の生産力の維持向上ということが非常に大きなねらいとされておったのではないかというふうに考えられるわけでございまして、明治四十年からの森林組合というのは強制加入、強制設立というような経過を経てまいったわけでございますが、終戦後の経済情勢を受けまして、昭和二十六年に改正が行なわれたところでございますけれども、森材の持つそういうふうな歴史的な背景というものを受けまして、現在の森林法の中に森林組合が規定されておりまして、その中で森林組合の必須事業として、先生いまおあげになりました七十九条の一項の一号の規定があるわけでございます。  この点につきまして、今回の改正の際もいろいろ検討いたしたわけでございますけれども、終戦後の風潮が最近に至りまして多少変わってまいりまして、また森林の持つ公益的機能というものについての社会的な要請、国民的な要請というものが強まってまいっておるという情勢を受けまして、現在の段階では、施設森林組合につきましては、この必須事業をやはり必須事業としてやっていただくということが最も時宜に適したことではないかというふうに考えまして、今回の改正についてもその点については手を触れなかったわけでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 これは当局の怠慢で、これは避けて通っているのですね。そこで、国民的要請ということはわからぬでもないけれども、森林組合が希望する事業をやるべきであるにもかかわらず、七十九条の一号で縛っておる。ただ縛るだけで具体的見通しがない。これではいわばみんなありがた迷惑だ、こういうのですね。国は積極的にいろいろめんどうを見ているとおっしゃるかもしれないが、第二次林業構造改善、これは当然のことである。これは農協でもどこでもやっていることですから、あたりまえのことであって、それでめんどうを見たという。すべてではありません。一部であります。  そこで、これは必須事業であるならば、積極的に仕事ができる国の財政負担というものの裏づけがなくてはならない、そしてめんどうを見るべきだ、こういうように思うのですが、その点は、どう森林所有者にこの場を通じてお答えになりますか。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 先ほど御答弁申し上げましたように、森林組合の持つそういうふうな公益的な機能ということを頭に置きまして、従来も森林組合の強化ということについて当局としては意を用いてきたところでございます。  具体的に申し上げますと、森林組合の事業について農林漁業金融公庫の資金の融資についていろいろ配慮をいたしておることであるとか、あるいは林業構造改善事業の中で森林組合について相当な配慮をいたしておることとか、あるいは林業労働力対策というようなことでいろいろ配慮しておる。いわゆる七十九条の一項で経営の指導なりあるいは経営の受託なりというようなものの仕事をやっていく上について、森林組合の仕事が伸びていくようにというふうな形の施策を講じてまいっておるところであります。  今回の改正におきましても、さらに森林組合の事業範囲を広げまして森林組合の体質を強化する、そういうことによってさらにそういう機能が活発に行なわれるようにということを期待いたしておるわけでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 大臣、いまの件、こういった問題がありますので、大臣に一々お聞きしませんが、今回は避けて通っているわけですね。これは幾らもあるのですよ。ちょっとはしょって聞いてまいりますが、ひとつこれは十分検討していただきたい。財政の裏づけをしなければ何にもなりません。  それから、第七十九条の三で「組合員の生産する林産物の運搬、加工、保管又は販売」ということがありますが、この中に今回新しく「及び林産物以外の森林の産物」というのが入ったわけですね、新しい改正で。この条文についてどこまでこれは入るのか、具体的運用はどういうふうにするのか。たとえば石とか砂利とか高山植物とか、いろいろこういうことを当然考えるべきじゃないかと私は広く思っておりますが、その点、簡潔にお答えいただきたい。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 樹木以外の林産物というふうなことで、新しく事業範囲をきめたわけでございますけれども、これにつきましては、私どもといたしましては、先生ただいまおあけになりました庭石であるとかあるいは砕石であるとかいうようなものを考えておるわけでございます。  これらの事業につきましては、山村地帯において森林組合以外の事業体が盛んに実施をしておるということでございますが、森林組合としても、森林の機能を害しない、むしろ森林の機能を、そういうものを取り除くというようなことによって場合によると生かすことができるというようなものもございまして、森林組合の機能としてそういう機能を持ちたいというような希望もございますので、今回仕事の範囲に加えたわけでございますが、もちろん庭石とか砕石の採取につきましては、都道府県の条例であるとか、あるいは土石採取に関するいろいろな規制、あるいは今回の森林法の開発規制、そういうふうなものがかかってくるわけでございますから、そういう点の種々のそういう仕事に関する規制については、十分守ってまいるというように私どもとしては指導をしてまいりたいというふうに考えておる次第であります。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 これは政令事項ではっきりされると思うのですが、従来から考えると、役所というのは何でも狭く狭く考えていくようなことになりますので、森林組合の今後の発展のためにも、どうかひとつ幅広く検討されて、政令事項で明らかにしていただきたい。せっかくこういうような条文を設けられたのですから、石ばかりではしようがありませんから、ひとつ十分検討していただくようにお願いしたい。きびしくもっと聞きたいけれども、はしょって聞きますので、よろしくお願いします。  次は、七十九条の問題で、第二項でまず「組合員が森林所有者である森林で公衆の保健の用に供するものの保健機能の増進に関する施設」というところでございますが、森林組合利用施設は、本年度実際にはもう実施に入っております。それを明文化して今回制度化したわけでありますが、法律よりも予算が先行しているということが言えると思うのです。  そこで、森林組合のレクリエーションの施設、これに対しての要望はかなり強いものがございますが、国は積極的にこれを行なわせるというふうに考えておられるか、また施設としてはどんなものを考えておられるか、具体的にひとつ述べていただきたい。私は十ばかり考えておるのですけれども、林野庁はどのくらい考えておられるか、ひとつお答えいただきたい。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 ただいま先生御指摘のように、森林経営の付帯事業として、いま先生がおあげになったような事業を林業構造改善事業の一つとして実施をしてまいっておるわけでありますが、今後そういうものについての時代的な要請も強まっておりますので、森林組合としてもそういうものを正式の事業として取り上げてまいりたいというような話もございますので、今回の改正で取り上げることにいたしたわけでございますが、その事業の中身といたしましては、森林を生かしながら森林の中でレクリエーションの機能を生かしていくというような形のことを考えているわけでございまして、たとえば林間の遊歩道であるとか、林間の休憩所であるとかあるいは林間の渓流の釣りをする場所であるとか、そういうふうな形のものが考えられるのではないかというふうに考えております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 三つで簡単だったが、ほかにございませんか。たとえば、いわゆるハンターの事故から守るために事故防止と猟区を考えるとか、バンガローをやるとか、ほかに保健休養施設とかたくさんあるわけですが、たった三つしかありませんか。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 ただいま例としてあげましたのはほんの思いつくままにあげたわけでございますけれども、そのほかにたとえば林間の駐車場であるとかあるいは林間広場であるとか、あるいは休養施設であるとか休憩施設であるとか、そういうような形のものが考えられると思います。その他、いまあげましたことのほかに、健全な国民の娯楽のための施設であって、なおかつ森林を森林として生かしていくというふうな形のものは考え得ると思います。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 農林大臣がおるから、無理を言っているようだが、大臣ひとつ検討していただいて、正直なところ、ゴルフ場の問題があるけれども、国民に必要なゴルフ場は最小限は必要なんですから、ゴルフ場にさせるとかいうことも何カ所か起こる場合もあるだろうし、全然ゴルフ場をやってはいかぬということじゃありませんからね。リフトの問題もあるだろうし、先ほどあった共済会の日光のリフトのような問題を起こしては困るけれども、そういったことも考えなければいかぬ場合もあるだろうし、ハイキングコースなんかもありましょうし、ヤマメ等を釣らせる釣り堀みたいなことも考えられましょうし、いろいろあると思いますが、こういったこともひとつ考えていただいて、当委員会で指摘しておけばいろいろ林野庁も検討していただけると思うが、せっかくこういったことをやるのですから、十分対処していただきたい。  次に、林野庁長官にお聞きしますが、最近間伐材を見直さなければいかぬということを私は言っておるのですが、間伐材の生産利用ということについてどういうふうに当局は考えておられるか。木材はかなり足らないけれども、これは森林組合との関係があるのでここらで聞くわけです。長官も手持ちぶさたにしておられるから、ここらでひとつ間伐材の問題を若干聞いておきますけれども、間伐材は従来から生産コストがなかなか高い、かかり過ぎる、それから伐出したけれども、思うように販売ができない、または経費がかかる、採算がとれぬと、いろいろなことがありまして問題がありますけれども、北海道なんかではいま相当間伐材が問題になっておりまして、間伐ということについて見直さなければならぬと思う。その点、長官、どうお考えですか。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 御承知のように、造林地も国有林、民有林を通じまして相当ふえてまいりました。将来は造林地から出てきます量も天然林と逆に多くなってくるわけでありますけれども、現在のところでは、間伐の手おくれがあるではないかという指摘が相当国有林にもございますし、また民有林にもあるわけでございますけれども、この間伐というものにつきましては、私は原則的には、まず保育間伐から出発して、利用間伐になりましても、できるだけあとに残った木がいいものになるという間伐がほんとうの間伐の姿であろうと思うわけでありまして、これはいまさらここで申し上げるまでもございません。ところが、従来の間伐というのは、その点若干問題がなきにしもあらずであったと思います。むしろ利用できるものを切りまして、あとに残った木があまりよくないものが残ったという例なきにしもあらずであります。  そこで、この間伐を促進していくためには、やはりいま先生御指摘ございましたように、経費はかかる、切ったものはなかなか売れないという問題をどう解決していくかという問題でございますが、これはやはり基本的には、その間伐材の利用の問題になると思うわけでございます。現在、この間伐の対策といたしまして、間伐材の材質試験、それから小径木等、住宅の構造耐力に関する研究とか、いろいろこういった間伐材を建築の中に利用していく研究を試験場等でいま実施しておるわけでございます。現に間伐を相当やる山があるわけでありますから、いつまでもかかっているわけにはまいりませんけれども、建築材の中にこの間伐材をどう使っていくかという研究をただいまいたしております。  それから、現実にはパルプにも利用できるわけでございまして、ただあっちから何立方、あっちから何十立方というふうにまとまらぬところに一つの問題があるわけでありまして、これが相当まとまるならば、しかも計画的に生産されるならば、パルプ材としても利用できるわけでございます。それからもう一点は、いま新しくパーチクルボードの方法をやっておる場所が出てまいりました。それは群馬県でその施設をしているところがございます。機械はドイツから輸入したものでございますが、この間伐材を削りまして、パーチクルボードをつくって、建築にこれを利用するということも実施しております。  いずれにしましても、これを建築の構造材として使う、そういういま申し上げたパーチクルボードに使う、あるいはパルプの原料に使うということをできるだけ促進してまいりたいと思いますが、冒頭に申し上げましたいい意味での間伐をし、いま申し上げた販売の価格と生産費とのアンバランスを是正していくためには、なお研究の段階が多分にあると思いますので、これを促進してまいりたいと思っております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 農林大臣、こういうことは別にお聞きしませんが、いま長官が答弁しましたように、終戦の荒廃の中から、二十二、三年ごろから植林がどんどん始まって、いま天皇陛下も行幸されて、いわゆる緑の週間というものが設けられ、植樹祭というのが行なわれておりますね。そういうことでだいぶ緑化が進んでまいっておりますけれども、当時から緑化運動をしたその木が、やっといま二十年から二十四、五年ということになってまいりました。しかし、一方、林地で働くいわゆる労務者が少なくなって、だんだん手不足になってきて、木は間引きをしなければなかなか太陽光線が適当に入ってこないということで、生長がなかなかうまくいかないのです。そのため少し間引きをする、いわゆる間伐をするわけです。ところが、いま申しますように、全部切ってしまうと搬出が便利で経費が安いけれども、択伐とか間伐ということは、抜いて切りますから、なかなか作業もめんどうだし、時間や経費がかかるということで、また利用度も問題なんですね。昔は建築をするときに足場丸太といって丸太を使っておりましたが、最近はみな足場は鉄骨になりまして、丸太を使わない。サーカスのときにちょっと使うぐらいなことで、あまり使わなくなってきた。そういうことで、間伐材が、日本の木材が不足しているにもかかわらず、それが見過ごされている。しかも手入れをしなければあとの材木の生長がなかなか進まない。こういうところに林野庁ももっと力を入れて、群馬県の例もありますので、積極的にやっていただかなければ、せっかくの資源が活用されないまま眠っているということもある、あとの木が生長しないということもあるので、私はこれはあとの森林組合と関係があるので申し上げるわけでありますが、そういうことを十分注意して、大臣もおわかりだと思いますけれども、林野庁を督励して、そういったことに対してもう少し予算を出して間伐材の利用ということも、せっかくの貴重ないわゆる国土の資源でございますので、力を尽くしていただきたい、かように思うわけです。農林大臣、何かお考えがあればおっしゃってください。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 間伐の重要性、また間伐材の活用、これは御指摘のように、非常に重要なことだと思うのであります。特に大量の外材を買い付けざるを得ない実情にありますときに、この間伐材の活用ということをもっとわれわれが積極的に考えるべきだということはおっしゃるとおりだと思いますので、一そう研究をいたしてまいりたいと思います。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 よろしくお願いしておきます。  そこで、林産物の加工について、森林組合は製材工場を持つことが不明確になっているのですね。第一次林業構造改善事業のとき補助対象からはずされたといういきさつがある、いわゆる持つことはいいが、国が補助することは問題であるということで、これは財政当局といろいろ経緯があったと思うのですが、もう一度補助対象として第二次林業構造改善事業の中に入れてもらいたい、そしてその製材工場をしっかり育成してもらいたい。これは特に森林組合の製材工場等を主体に聞くわけでありますが、そういうことで、林産物の加工、製材工場について当局の方針はどういうふうに考えておられるか。もちろん一般的には、製材工場は全国に二万ぐらいあって過剰設備といわれておりますけれども、森林組合はそうではないのだから、ひとつもっと力を入れてもらいたいと思うのです。その点、御見解を承りたい。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 林産物の加工につきまして、森林組合が製材ができるかどうかということにつきましては、現在の条文にありますところの林産物の加工云々という森林法の文言で、十分製材の過程まで含んでおるとかように私ども理解をいたしておるわけであります。  ただ、第一次構造改善事業をいたします際に、補助対象の中に製材業を入れなかったことにつきましては、先生から御指摘のように、製材業については御存じのとおり、相当設備が過剰であるので、弱小の製材工場があるということから、製材業自身について構造改善が行なわれなければならないということもございまして、おそらく第一次構造改善事業を実施いたしました際は、補助の中から落としてまいったのではないかと考えるわけでございまして、今後の第二次構造改善事業につきましては、構造改善事業のあり方なりあるいは製材業全体の合理化というか、近代化というか、あるいは構造改善というか、そういうものとのかね合いというものを検討してまいりたいと考えるわけであります。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 ぜひひとつ検討して入れてもらいたい。大臣にお聞きしませんけれども、こういうことがあるので問題ですから、ぜひお願いしたいと思います。  それでさらに、現在製材工場は全国で二万の過剰設備だということが一般的にいわれており、製材工場を減らすということでいろいろ検討が進められておることは事実であります。ところが、片一方、一般業者は、北海道では、一部主伐もやっておりますけれども、最近間伐材なんかをたくさん出しておる。そして森林組合がこれを主体にやっておりますが、それは歩の悪いのは業者はしないということで、そういう利の少ないものは森林組合がやっておるということで、実に気の毒であります。そこで、森林組合に対しても、こういう製材工場を補助対象にして、第二次林構に入れてもらいたい。間伐材等の丸太を付加価値を上げて、森林所有者の所得を上げるという方向で、ほんとうに民有林にあたたかい指導をしてもらいたいと思うわけです。そういったことから、第二次林構に入れ、加工業者として消費者に近いところまで森林組合が進出していくということにもなるわけです。積極的にバックアップの姿勢をとっていただきたい、このことを強くお願いするわけです。それとも木材加工は専門家に、また森林の育成、保育は森林組合に、こういうふうに昔ながらの考えでいらっしゃるとは思わぬが、その点ひとつさらに当局のお考えを承っておきたい。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 森林組合の育成の基本的な考え方としては、この森林の育成ということが重要なことはもちろんでございますけれども、出てまいりますところの林産物の加工、販売、そういった点まで、木材外の林産物を含めて一貫して行なうということは、一つの理想と考えられます。それで、ただいま林政部長から申し上げたように、木材業については国内の問題としてはいろいろと重要な問題もございますので、なお検討させていただきたいと思っております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 そこで大臣、いまのような製材工場問題については、今後森林組合等も間伐を利用し、また製材工場をやろうという意欲に燃えているので、ぜひひとつ補助対象にしていただくように重ねてお願いをしておきます。  そこで次は、ちょっとはしょって聞きますけれども、これは七十九条の七項だと思いましたが、転用相当林地の問題で、転用相当林地の処分事業等について、転用相当とはどういうふうに解釈をしておられるのか。また、この運用の範囲を明らかにし、きびしい制約をして、森林組合がその果たすべき役割りから逸脱しないようにするためにはどういうふうに考えておられるか。こういったことについて、この法制にあたって検討されたことをお聞きしたい。要するに、転用相当林地の問題、これはどういうことをさすのか、また運用の範囲を明らかにして、きびしい制限を付して、森林組合がその果たすべき役割りを逸脱しないようにするためにはどういうふうにお考えであるか、このことを簡潔にお答えをいただきたいと思います。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 先ほどから議論が行なわれておりますように、最近におきまして林地のスプロール的な壊廃が進行しておるという情勢でございますので、こういうふうな情勢を踏まえまして、そういう地域の森林について有効な土地利用を確保するという観点から、やむを得ず林地転用を行なう場合も、合理的かつ秩序ある転用を行なうということが必要であろうというふうに、考えるわけでございます。  森林組合は、現在でも必須事業といたしまして林業経営の指導であるとか、あるいは林業経営の委託を受けまして林業経営をやるというような形になっておるわけでございまして、さらにまた今回林業経営の自営ができるというような形にもなってまいろうかと思いますので、そういう情勢を受けまして、森林組合は、地域の森林の適切な管理運営の確保に関係する各種事業の実施を通じまして、地域全体の森林の適切な土地利用のあり方というものが十分できるという、その地域においては最もそういう点についての適任者であろうというように考えるわけでございますから、そういう点で森林組合に転用相当林地の取り扱いを行なわせるということにいたしたわけでございます。  こういうふうな森林組合に取り扱いをさせるということによりまして、むしろ無秩序な開発行為を禁止する、森林開発に歯止めをかけることができるのではないかというふうに考えておるわけでございます。  ただ、転用相当林地の取り扱いをめぐりまして、森林組合が宅造業者みたいな形になるんではないかというような懸念もないではないと思いますので、そういう点につきましては、事業実施にあたりまして経営基準みたいなものをつくりまして、厳重な指導をしてまいるというふうなことで対処をしてまいりたいというように考えておるわけでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 私は四時半をめどにしておりますのであとはしょって聞きますが、八十七条の一項の生産組合について若干お尋ねしておきます。  生産組合は、私の調査では全国で、昭和四十五年で千百五十五、組合員数にして十二万五千六十六人、こういうふうに資料には出ておりますけれども、現に千五百組合くらいあって、うち六百は町村の合併により少なくなり、残りが九百組合というふうにも聞いております。まずこの数はどのくらいあるかということと、生産組合が今後どうあるべきかという問題、事業活動も、表を見ますと、植栽、保育、売り上げ等も漸増しておる現状にありますが、どうあるべきかということ。それから、環境緑化木の生産、森林を利用して行なう農業、それから前二号の事業に付帯する事業、こういったことを生産組合はやるようになっております。  そこで、この生産組合のあり方を見ましたときに、実際にこの法に沿わない生産組合がかなりあるんじゃないか。事実、実態と制度が離れておる。組合員の三分の二以上は常に協同組合の事業に従事をせなければならぬとなっているのに、実際は千人くらいいる組合でも三分の一くらいしか事業に従事していないという例もあるし、法令に違反する問題ではないか。今回これらの問題が検討されてない。それで私はこの八十七条一項は削除すべきである、はずすべきである、こういうふうに思っております。これまた林野庁は避けて通っておるのですけれども、これらについていろいろお聞きしたいわけですが、時間の関係もあるので、要点だけ申し上げましたが、見解を承りたい。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 最初に先生からお尋ねございました生産森林組合の現況についてお答えをいたします。  最新の統計資料といたしましては、四十六年度末の資料が最も新しい資料でございますので、それによってお答えをいたしたいと思いますが、組合の数は千三百五十九組合でございます。このうち調査票を提出したのが千七十九組合で、組合員数が十三万二千五百八人で、一組合平均百二十三人というようなことでございます。森林経営面積が大体十二万六千九百ヘクタール余に及んでおります。  それで、生産森林組合につきましては、組合員みずからの持っておる森林を持ち寄りまして、共同で経営するということを目的とする組合でございまして、先生御指摘のように、植栽、保育、売り上げ高とも逐年増加をしてきておるわけでございまして、今回環境緑化木の販売なりあるいは森林を利用して行なう農業、たとえば混牧林であるとかあるいは渓流の釣り場だとか、そういうような形のものができるということにいたしたわけでございます。  八十七条一項の従事義務について、実際法律上の要件とされておることがなかなか守りにくいんではないかというふうな御指摘でございますが、これは農事生産組合なりあるいは漁業生産組合にも同じような規定があるわけでございまして、こういうふうな農民なり漁民なり林業者の共同経営というものについては共通の規定でございますが、林業につきましては、林業労働の季節性あるいは林業労働の不連続性と申しますか、そういうふうなものがありますために、間々先生の御指摘のような事態も起こり得るというようなことが考えられますけれども、現在のところ、私どもが調査をいたしました組合の実態から申しますと、大体要件を満たしておるというふうなことではなかろうかというふうに考えておりますが、今後いろいろな要件を考慮しながら検討してまいりたいというふうに考えるわけでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 八十七条の一項、これははずすべきだというふうに思うのですが、いまにわかにできないというわけですから、十分検討してもらいたいと同時に、歯切れの悪い御答弁であるわけですが、いろいろこまごま聞いていたんでは、かえって公開の席ではどうかと心配する向きがあるので、私どもは遠慮して聞いているんですけれども、厳正に生産組合と施設組合の組合員を明文化しなければならぬと思うし、またそういうふうに団体からの要望が出ておるわけですか、法律上では森林所有者としているので、実際は容易じゃないというように林野庁も考えておられる向きもあるやに聞いておりますけれども、施設組合と生産組合と同等の並びになっておると、どうしても分裂の問題、事業上で競合する、また争う、またできない場合の不満が起きる、いろいろなことが起きてくるので、これは十分検討しておかなければならぬ。八十七条を残すなら残す。それは現在、組合員の三分の二以上は常に協同組合の事業に従事しなければならぬようになっていますが、これには相当該当しないわけですし、いわゆる戦後の二十六年にできたときのいきさつがあるわけですから、それはよくわかりますけれども、現在の実態と制度とが離れておる。今回林野庁が避けて通っておる問題、そこで協同組合の三分の二はあまりにもきつ過ぎる。現状ではきびしいので、残すならば次の機会に改正してやらなければならぬ、こう思う。そういった意図はどうなんですか。簡単に、明快に答えてください。あと一点質問して終わりにしますから。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 先生のお尋ね二点あったと思いますが、まず第一点は、生産森林組合と施設森林組合との間の法律上の取り扱いということでございますが、私ども今回の森林法の改正におきましてその点についての検討をいたしたわけでございますけれども、生産森林組合は、現在の森林法の規定に基づきまして、すでに連合会のメンバーになっておったりあるいは生産森林組合だけの連合会があるというような実情もございまして、今度法律改正をいたすということで先生御指摘のような整理をするといたしますと、そのことによりまして既得権を侵されるというような問題がございますので、むしろ森林組合の体系について基本的に検討をする際に検討を譲るということが妥当ではないかというふうに判断をいたしまして、今回はその面についての改正を見送ったわけであります。  それから、組合員の三分の二が生産森林組合の事業に従事しなければならないという点について、そのことが妥当であるかどうかという点についてのお尋ねでございます。その点は、先ほどお答えをいたしましたように、林業の特殊性から、ほかの農業生産組合あるいは漁業生産組合などと比べまして、その点がかなりきついというふうに考えられるわけでございますが、私どもが調査いたしました限りでは、一応要件を満たしておるというようなことでございますけれども、かなり苦しい面もあるようでございますので、今後の検討にまちたいというふうに考えております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 いまの件は十分検討してやってください。あとずいぶん苦しい答弁のようだが、実際はこれは大問題ですよ。  最後に、はしょって大事な問題を一つ大胆並びに林野庁長官、関係者に聞いて、ぜひ実現してもらいたいと思うし、かたがた当局に経過を聞いて終わりにしたいと思います。  七月十一日、田中首相に私は聞いたわけですが、当局が準備をしたものを読まずに、一人よがりで彼がしゃべったものですから、どうもぴんとした答弁ができなかった。ひとつはっきりと御回答いただきたい。  というのは、森林組合は森林法からの切り離して単独でやるべきである、このことを私は提案したわけです。森林組合及び森林組合連合会は森林法に基づく特別法人であって、森林所有者が協同組合原理を取り入れて組織する協同組織であることは御承知のとおりでございます。その行なう事業によって施設組合といま申し上げた生産組合に分かれております。現行森林組合制度は昭和二十六年の改正森林法によるもので、すでに二十二年を経過しておりますが、この間山村の状況も大きく変貌し、林業経営も従来の家族労働力中心の個別経営から森林組合中心の協業化へと急速に近代化の道をたどりつつあることは、これまた御承知のとおりであります。そこで、森林組合の山村地域社会における役割りを果たすため、この際、協同組合として農協、漁協と同様に単独法による制度化を行なうとともに、その事業内容も信用事業及び共済事業を含めた大幅な事業拡大を骨子とした抜本的な改正をすべきである、かように思うわけです。今回の改正を見ますと、このような方向に近づくべく相当前進をされた改正になっておることもよくうなづけますが、ぜひとも早い機会にこういった方向に踏み切っていただいて、国土の六八%を有する林業を守っていただくためにも、ぜひ森林組合にあたたかいお力添えをいただきたい、こう思います。まずこれに対して農林大臣それから長官から見解を承りたい。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 今回の改正にあたりまして、森林組合が公益的役割りを果たすという点を非常に重要視したと再三申し上げておるわけでございます。そういうことになりますると、これは御所見のような経済的な協同組合に持っていくということについてはいかがかと思うのであります。そのような措置というものは、なかなか法律制度的に問題があるのではないか、これは長官のほうからその点について御説明をさせます。  私としては、あくまでも森林法に基づいて森林施業の合理化と森林生産力の増進をはかるという公益的な役割りを持っておるということがむしろいいのではないか、こういう考えが非常にありますので、単独法で農協や漁協と同じように対処する——おそらく信用事業等をやらせるという意味合いをおっしゃっておるのだと思いますが、私は現状の森林組合の状況からいたしまして、今後なお現行の行き方がよいのではないか、このように考えておる次第であります。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 単独法の問題につきましては、ただいま大臣からもお答えいたしたとおりでございますけれども、先生御承知のとおり、昭和二十六年に森林法の改正をいたしまして以来、長年の森林組合全体としての切実な要望であるわけでございます。林野庁におきましても、この問題につきましては森林組合の問題の中でも一番重要な問題の一つと考えておりまして、林野庁だけでもなかなか判断しかねるということで、研究会を設けまして、数年にわたってこの問題を検討してまいりました。  いま単独法の問題ともう一つ重要な問題としましては、信用制度の問題がございます。もう一つは共済制度の問題でございます。非常に重要な三つの問題が法律の中に盛り込まれていないということにつきましては、先生御指摘のとおりまことに残念なことではございますけれども、ただいま申し上げましたとおり、長い期間にわたっての問題でございます。こまかい理由はここでは省略いたしますけれども、なお継続いたしまして真剣に検討してまいるという予定にいたしております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 まことに残念なことだとおっしゃったが、まことに残念なことであります。七月十一日、田中首相に御質問の際にも、終わってから総理大臣が所属しておる与党の、しかも林政調査会の方、名前は一々失礼だから申しませんが、与党の先生方も、前から問題になっておったが君はいいことを言ってくれた、ぜひやらなければならぬ、今度われわれのほうも検討して、必ず早急にこういったことを単独法でやるようにしようと考えておるから、ひとつ大いに応援してくれというようなことで、七、八人から力強い激励が私のところに大きくありました。私も意を強ういたしまして、きょうはかなり前進したお話があると思いましたが、田中首相に質問したときよりも後退したような感じがいたします。相当検討して前向きに考えておられることは事実でありますが、そういうふうにしていかなければ、ますます日本の林政はたいへんな後退をしていくということになります。そういう点から見て、どうかひとつ十分に検討していただいて、今後の日本の林政の大発展を考えていただきたい、法正林に一歩でも近づけるように。  あと質問が相当数残りましたけれども、次回また二時間、三時間やらしていただけますので、きょうは時間が参りましたから質問を終わらしていただきます。御協力ありがとうございました。

佐々木義武自由民主党

○佐々木委員長 稲富稜人君。

稲富稜人民社党

○稲富委員 本日の質問に対しましては、実ははなはだ失礼でございましたが、私の都合で私の持ち時間が非常に狭められておりますので、いずれ小さい問題につきましては後かた機会を見てお尋ねすることにいたしまして、本日は林政の基本的な問題にはしょりまして、二、三の点をお尋ねいたしたい、かように考えておりますので、そういうつもりでひとつ御答弁願いたいと思うのであります。  私、最初にお尋ねいたしたいと思いますことは、森林の意義をどう見るかという問題であります。御承知のとおり、林業基本法の第一条にも「林業及びそのにない手としての林業従事者が国民経済において果たすべき重要な使命にかんがみ、国民経済の成長発展と社会生活の進歩向上に即応して、林業の発展と林業従事者の地位の向上を図り、あわせて森林資源の確保及び国土の保全のため、林業に関する政策の目標を明らかにし、その目標の達成に資するための基本的な施策を示す」、こういうことに書いてありますし、また森林法の第一条におきましても、森林というものが国土の保全と国民経済の発展とに資するということがその目的であるという、森林というものの意義が、国民経済の発展と国土の保全ということに非常に主体を置いてあることは当然でございますが、これは先般総理大臣の出席のときも、総理大臣は、森林資源というものは水を非常に提供するんだから、そういう意味においても、森林に対して金を突っ込むことは水の費用を出しておると思っていればいいじゃないかというようなことも言っておったようでありますが、日本のすべての産業というものを開発しようとするならば、最も必要なものはやはり水資源であると思うのでございます。水資源がなかったら、いかに日本が工業立国でやっていこうとしましても、農業立国でやっていこうとしましても、その基本的な問題は水なんです。  ところが、御承知のとおり、最近は水が非常に減っております。私らが小さいときに泳いでおった川は、最近はほとんど水が流れない状態になっております。それで、人工的にダムをつくるとか、いろいろなことをやりまして、水資源の利用対策というものはいろいろ考えておりますけれども、何と申し上げましても、そういうような下流における水資源対策をやるということも必要でございますが、それと同時に、その水資源の根幹をなす森林事業、森林を振興せしめるということが何よりも最も必要じゃないか、ここに森林の意義というものが存在するんじゃなかろうか、私はかように考えております。  私の考えが間違いならばそれもいたし方ございませんが、私はそういう考えを持っておりますが、これに対して大臣は森林というものの意義をどうお考えになっておるか、まずこの点を承りまして逐次その他の質問に入りたい、かように考えておりますので、この基本的な考え方についてまず承りたいと思うのでございます。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 私どももしばしば森林の持つ公益的な機能ということをこの場を通じて強調してまいっておるわけでございまして、ただいまお話のございました、水との関連におきまして森林の重要性ということを強調された次第でございますが、私も全く同感でございまして、私どもの手元で森林の公益的機能計量化調査というのを四十七年の十月発表しておるのでございます。その中におきましても水資源の涵養がどの程度の評価額になるか、約一兆六千億円というふうに一応の計算をいたしておるようなわけでございますが、いずれにいたしましても、国民生活に不可欠の水というものの森林との関係というものはきわめて重要であるということは御指摘のとおりでございます。

稲富稜人民社党

○稲富委員 私、申し上げますのは、もちろん、従来は、いわゆる公益的機能という非常にばく然とした問題であるとか、あるいはただいま私、読み上げましたような国土の保全であるとかいうようなことばであらわしてあるのであって、森林の運用というものは、水資源をいかに確保する森林を造成するか、振興するかということを考えなくてはいけないんじゃないかと思うのでございます。  ところが、従来森林としてあります国有林におきましてもあるいは民有林におきましても、特に民有林のごときは、森林というものはただ商品としての木材を生産することが主体であるというような考え方で運営されたんじゃないか、こういうきらいを私たちは従来持っているのでございますが、これに対してはどういうふうな見方を政府はしていらっしゃるか、この点承りたいと思う。これは国有林の問題もそうでございますが、その点あらかじめ承りたいと思うのでございます。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 森林の持つ経済的機能としての木材との関連といたしまして、今回この森林法の一部改正を提案しておる中におきましても、全国森林計画において流域別の計画を作成し、流域の実態に応じた森林の整備計画の目標を定めて、そしてそれは水資源涵養等の諸機能の向上をはかりたいというようなことで改正をお願いしておる。この水資源の涵養ということの重要性については、全くおっしゃるとおりに認識しておるのであります。

稲富稜人民社党

○稲富委員 そういう点から、私、特にここに政府に今度の法改正にあたって要望したいと思いますことは、総合林政というものを強くわれわれは打ち出して、これを確立する必要があるのじゃないかということであります。特に国有林と民有林と、これも今度の立法の中にも実はうたってあるようでございますが、国有林と民有林とを一本化して、植栽計画でありますか、こういうものを樹立し、大きな意味の総合林政というものを確立することが、これが今日のわが国の森林をいかに意義づけるかということに対しての大きな問題じゃないか、そういう基本的な考え方の上に立ってすべての施策というものが行なわれなければいけないのじゃないか、こう考えますので、そういう点におけるこの法の改正にあたっての政府としての心がまえ、この心がまえがあってこそ、枝葉末節と申しますか、枝葉の下の計画というものがなければならない。何と申しましても、基本的に国有林と民有林を一体化した植栽計画、こういうような総合林政を樹立することが非常に大切である。これが基本的な問題である。この上に立ってすべての林業行政、森林行政というものはやっていかなければならないのじゃないか、こういう立場でやるべきじゃないか、こういうように考えておりますが、そういう点はどういうお考えでありますか、承りたい。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 先生御指摘のとおりでございまして、従来は国有林は国有林、民有林は民有林ということで連絡があまりよくいってなかった面もあるということは、率直に認めざるを得ないと思います。今回の森林法改正の大きな主眼点はそこに実はあるのでございます。  御承知のとおり、この二月に森林資源の基本計画を基本法に基づいて作成いたしまして、この三月には全国森林計画というものを策定したのでございます。これは五年ごとに作成する十五年計画でございまして、これに基づきまして民有林におきましては都道府県知事がつくります地域森林計画、これが二百五十六ございます。それから、これに基づきまして国有林は経営基本計画、それに基づきまして地域施業計画、これは全国を八十に分けてつくるものでございます。  そこで、従来と異なりました点は、この全国森林計画というものを非常に具体的にしたものでございます。流域別にこれを七十から八十の間に分けまして、その中には先生のおっしゃる、これは流域別でも水資源の涵養に非常に関係があるわけでございます。御承知のように、保安林の大部分、約八割以上は水源涵養保安林でございます。今度は保安林ばかりではなくて、普通林におきましてもいま申しましたような全国の流域を七十ないし八十に分けまして、そこの中には国有林もございますし、民有林もございます。その中で具体的にどういう森林を今後五十年の間に造成するかという目標を設定するのでございます。この目標は、具体的には、さらに、これを小さな森林、七十ないし八十の大きな地帯の中でそういう目標をつくり、それを達成する手段を決定いたします。どういうふうな森林をつくるか、それにはどういうふうな作業方法をとるか、どういう木を植えるか、何年くらいそこに木を置くかという、こまかい基準をつくりまして、大きな基本計画を県も国も一緒にしてつくります。それを受けまして今度は、先ほど申し上げました地域森林計画それから地域施業計画というものを民有林、国有林が連絡をとりながらここで設定することになります。今度の森林法改正の中におきまして大きな特徴は、まさに先生の御指摘のございましたそういう趣旨を盛っておるものでございます。

稲富稜人民社党

○稲富委員 そうしますと、将来やはり行政指導というものが強くなってこなくちゃならないと私は思うのです。従来の営林局や営林署におきましてもほとんど国有林が中心である。やはり民有林に対しても指導力をもって行政指導する、あるいは伐採から植林まで強力な指導の体制というものが当然必要じゃないかと思う。御承知のように、森林というのはあまり老齢化したきつい木はもう水のたくわえがないので、ある程度の年齢がきたならば、当然伐採をすることが妥当であると私は思う。こういうことも考えながらやらなければいけないんじゃないか。私は、現在、民有林なんかの地方の森林関係を見ておりますと、もうすでに樹齢は百年近くもなっている、これは実際上は水のたくわえ力がないわけだ。ところが、伐採しない。なぜしないかというと、伐採すると費用がかかるし、あとの植林をする人手がないんだということで、間伐をしながらそれによって小づかい銭だけとっておけばいいんだという、こういう山持ちもおるわけです。私は山持ちに言うのですよ。親から譲ってもらった森林を自分のときに間伐をして、そしてまた自分の子供にそのまま譲るなんていうのは、これは森林を所有する者の一番ばかなやりかたなんで、森林が一番機能を発揮するには、親から譲られたものは自分のときに伐採をして、ここに植林をして大きくなったものを次の息子に譲るというのが、森林を持った者のやるべきことなんだ、あんまり古くなったら、これは実際水のたくわえ力もないので、森林としての公益的な利益というものは少なくなるから、そういうことをやらなければいけないんじゃないかと言っても、なかなかやらない。これはそういうものに対する思い切った手を打てないということなんです。こういう点を考えます場合に、私は民有林の所有者に対してもそういう老齢化した木は伐採する、あとは植林するんだ、こういうような行政的な指導力というものを、いま言った森林の意義というものをそこに求めるとするならば、強力にやらなければいけない。かように私たちは思っておりますが、これに対して行政を担当している政府としてはどのように考えているか、承りたいと思います。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 御承知のとおり、国有林につきましては林野庁の業務部、その下部組織としまして営林局が全国に十四、営林署が全国に三百四十一ございます。民有林の指導につきましては、現在は林野庁の指導部が担当いたしておりまして、一部林政部に関連するものもございます。その下部には都道府県がございまして、都道府県にはそれぞれ林務部あるいは林務課という組織がございまして、そこで民有林行政を担当いたしております。   〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕  なお、その中にもいろいろ林野庁で考え、あるいは指導しようとする事項につきましては、御承知のとおり、指導員の組織もございますし、専門技術員の組織もあるわけでございます。  そういうふうに、従来は一応指導してまいっておりますけれども、従来のままでそれはよろしいんだというふうには考えておりません。なお、この点につきましては、そういう指導の面のほかに、特に最近、特徴的なことは伐採と造林の関係でございますが、造林意欲が非常に停滞してきてるということの原因には、一つには、伐採するには相当伐採する意欲がなくなってきた。ということは、経費もかかるし、もちろん労働力が足りないという問題もございます。せっかく出して売っても、価格が安かった、高い場合もございますが、そういうふうなことでございます。そこで、これをケースケースによって伐採するのではなくて、先ほど申し上げました計画的に施業していく必要があるということは、将来の森林造成に必要なことでございます。  そこで、計画的な伐採をするものに対しましては、いろいろと助成をしてやる必要があると思います。たとえば補助金を考えてやるとか、あるいは金融については金利とか償却年限等の優遇措置を考えるとか、あるいは税制面についての優遇措置を考える、これを強化していく必要があると思うわけでございます。それらのことにつきましても今後は相当強化することを考えているわけでございます。  なお、民有林のそういった組織活動をいたします場合には、現在のところ森林組合の制度がございます。この森林組合は、従来の考え方からいきますと、指導業務を主にいたしておりましたけれども、今後は森林組合の強化のためには、合併促進を従来以上にやりますと同時に、仕事の内容をもっとふやしてまいる考えでございます。森林組合の活動を通じまして、いま申し上げたようなことをさらに強化してまいりたいというふうに考えておるところでございます。

稲富稜人民社党

○稲富委員 私はこの際長官に特に申し上げたいと思いますことは、ややもしますと林野庁は国有林のための林野庁だというような悪評のあることをおそらくお聞きになっておると思うのでございます。私は日本の森林資源というものを確保し、日本の森林事業というものを、いま言うように水資源を確保すめるための森林計画をやるというならば、やはり林野庁みずからも、国有林そのものに閉じこもっていないで、民有林との関係を密接にし、民有林に対する指導もあわせてやるのだというくらいの気魄を持って将来の林業行政に当たらなければいけないじゃないか、私はかように考えております。  そういう意味から、民有林に対しても行政指導を強くするということになりますと、いまも長官が言われたような。あるいは今日山持ちが山を切るとすぐ税金がくるから切らないのだと言って、老齢化した木を切らないでおるという問題もある。こういうような行政指導、あるいは先刻言ったような、木というものはただ商売のためにつくっているのだというような商品化した木材政策だけじゃなくして、やはり大きな意味の水資源を確保するのだ、いわゆる公益的機能を発揮するのだ、こういう意味からの伐採計画あるいは植林計画というものをともにやらなければならないとするならば、一体となった一つの行政指導が必要じゃないか。そこに森林行政の総合的な一つの機関というものが必要じゃないかということを特に私は要望するのもそこにあるわけです。  こういうことに対して、ひとつ従来のいろいろな陋習というものをやめて、この機会にそういうことに踏み出してやる、こういう情熱を持って将来の森林の公益的指導に当たってもらいたい、こういう考え方から私は言っておるのであって、これに対してどういうように前向きで取り組もうとしておられるのか、この点を重ねてお伺いしたいと思うのでございます。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 御承知のとおり、林野庁は国有林の問題を主に取り上げておって民有林については非常に熱意が足りないのじゃないかという御指摘を受けております。私も十分それは承知しているわけでございまして、日本の森林の三分の二は民有林でございますし、民有林に従事する人たちあるいは民有林を持っておる人たち、非常にたくさんの方々がおる。これに対する行政指導の強化は、御指摘のように、非常に重要な問題でございますので、組織の問題等もございましょうけれども、いろいろな制度の改善等につきましては、国有林はもちろんでございますけれども、なお一そう民有林の指導行政に力を入れてまいりたい、かようにに考えております。

稲富稜人民社党

○稲富委員 長官がそれほど民有林の指導行政に強く当たるという決意でありますなら、小さい問題でありますが、この際触れたいと思いますのは、聞くところによりますと、営林局とか営林署というものを統廃合するというような計画も何か林野庁の中にはあるということであります。こういうことを聞いております。しかしながら、私はこういう森林事業というものは非常に大事なだけに統廃合すべきじゃない、もっと重視すべきじゃないか、私はこう考える。いまおっしゃるように、一方には森林事業の行政的な指導を強くやらなければいけない。そして林野庁はそれに乗り出さなければならないんだという熱意を持っておりながら、一方においては営林局あるいは営林署を統廃合するというような、こういうことを考えられておるということは、どうもその点が矛盾するんじゃないかと私は思う。それは統廃合することによって充実するというなら別ですよ。その点は私は、今日やたらな統廃合じゃなくして、もっと営林局並びに営林署というものを充実した指導体制を樹立すべきじゃないか、こう私は考えますのですが、これに対して、長官、どうお考えになるか、承りたい。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 営林署の業務の中には営林の指導に関することという一項がございまして、民有林に関しましても相談を受けて指導する仕事もございますけれども、現在の営林署の仕事は、国有林の管理経営が主目的でございます。民有林に関する指導行政は、ただいまのところでは各都道府県知事がこれを所管しておりまして、その直接の指導の担当業務はSPなりAGなりという人が回ってやっておるわけでございます。それらに対しまして、林野庁におきましては、直接指導いたし、それから国有林の管理経営につきましては、業務部がこれを担当しているわけでございますけれども、ただ、先ほど申し上げましたように、国有林と民有林というものはばらばらじゃいかぬという問題もございます。そこで、営林署の仕事は国有林だけやっていけばいいというわけでもございませんので、民有林のそういった指導業務についても、業務の中にございますので、意を用いていかなければならぬと思っております。  そこで、数の問題でございますけれども、数の問題の前に、国有林は従来やっております仕事は御承知のように、先ほど来先生おっしゃいましたように、主として伐採の能率をあげ、木材を増産するのが戦中戦後の主目的であったわけでございます。その点から本来的に私たちは公益的機能を重視した伐採方法に努力しておりましたけれども、批判を受けたいきさつはございますけれども、今度は自然保護を重点といたしまして、伐採なりそれに伴う新植造林の仕事というものは減ってまいります。減ってはまいりますけれども、逆に今度は公益的な面についての管理の仕事は相当ふえてまいるわけでございまして、そういう面に対しての仕事の中味というものが今後変わってまいりますので、その点を十分に考慮いたしまして、適正なる組織の配置なり、人員の配置というものを考えていかなければならないということが林政審議会の答申の中にもあるわけでございまして、合理化ということは営林署を減らすのが主目的ではございません。中味としてはただいま申し上げたようなことでございますので、慎重にただいまこれは検討しているところでございます。  そういうことで、現在の営林署の組織というのは、古く大正年間につくった組織でございまして、その後交通事情その他変わっておりますので、検討しなければならぬ問題もございます。ただいま申し上げたような内容を十分検討いたしまして、慎重に対処してまいりたい、かように考えておるところでございます。

稲富稜人民社党

○稲富委員 ひとつ申し上げたいのは、今回の法改正におきましても、民有林に対しても相当の指導力を持っていこう、こういうことも見受けられますので、そうすると、地方の営林署、並びに営林局というものが、単なる国有林のみだけにとどまらないで、やはり民有林に対しても指導力を持つというような、こういうようなことで進むべきが妥当ではないか、こういうことを考えますので、かえって営林局、営林署というものの内容を充実すべきじゃないか。もちろん従来の古いものがあって悪いところから改革しなければならないような点はわかります。しかし、要は、指導力をつくるという、増大するためには、やはり内容を充実するということが必要なんだから、こういう点から統廃合というようなことをもしもやるとするならば、あるいはこれが非常に古いときにできたので内容等検討しなければならないとするならば、検討はけっこうでございますが、要は、これをもっと充実する、そして指導力を持つものにする、こういう基本的な考え方の上に立っての改革というものをやるべきである、こういうことを私は申し上げておるわけでございますから、この点に対してひとつ長官の腹がまえを聞きたいと思います。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 御指摘のとおりでございまして、国有林と民有林との連携をよく保ちながら、先ほど申し上げましたように、民有林の指導の面ではこれは強化し、営林局署の問題につきましても、その内容を十分に検討いたしまして遺憾のないようにしてまいりたい、こういうように思っております。御趣旨の線に沿いまして十分慎重に考えてまいりたいと思います。

稲富稜人民社党

○稲富委員 それから、今日の森林事業において特に困っている問題は、林業従事者がないということです。これは国有林も困っておりますし、民有林も困っております。この林業従事者をいかに確保するかということ、これを確保するためにはやはり林業従事者に対する所得の増大をはかってやらないと確保できないだろうと思うのでございます。やはり林業従事者の確保と所得をどうして増大してやるかといったことも当然考えてやらなければ、森林資源をほんとうに確保してこれを充実するということは困難であると思いますが、こういう問題に対してはどういうような見通しと考え方を持っておられるのか、承りたいと思うのでございます。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 確かに今後の森林の充実、林業の発展ということを考えますと、林業に従事する人たちが喜んで働けるような環境をつくるということが一番大事だと思うわけでございますが、その中で特に一番問題でございますのは、林業の特殊性からいたしまして、通年雇用ができないという問題が一つございます。このために、林野庁におきましては、最近、通年働きました者につきましてはできるだけこれを助成してやるという制度も開いております。一年間に百七十日以上働いた場合には、国も県もそれから町村も組合も分担しまして、本人のために退職手当を出すということもやっております。  それからもう一つの問題は、林業労働力というのはなかなか流動性にかけております。そこで、ある場所からある場所へと移動することによってこの通年化もできるわけでございますので、そういう流動措置に対しましても一つの助成措置を講じているところでございます。  それから、いま冒頭に申し上げました環境が非常に悪い。山の中で働くというのは非常に危険な作業でございますけれども、それに対しましては最近いろいろと、たとえば通勤用のマイクロバスを考えてやるとか、あるいはチェーンソーなんかについて白ろう病の問題もございますので、それの防止装置のつけたものをやるとか、あるいは宿舎を考えるとか、そういう環境の問題がございます。そういうふうにいたしまして、通年作業ができるための環境整備をまずしておくことで、いま一番問題なのは、林業労働者というのは社会保障が一番おくれているわけでございますから、そういうことができるような基盤をつくってやることが必要なことではないかと思います。そういう点におきまして、ただいま申し上げたことをさらに強化してまいることが絶対必要だというふうに考えております。  国有林の労務関係と民有林の労務関係と比べますと、まだ国有林のほうは、常用作業員というのは先生御承知のとおり、これはまずほかの建設業並みのところまでいっておりますけれども、特に民有林の労働力の供給ということは、こちらから見れば供給でございますけれども、働く者の側から見るならばやはり環境をよくしてもらいたい、若い者は特にそう思うだろうと思います。最近はだんだん減ってまいっております。去年は十七万、一万ふえて十八万でありますが、この数年間は非常に減少しております。その理由は、若い者が山に入って働く意欲がなくなっているということでございますが、まずそこから直していく必要があるかと思います。そこら辺のことは、いま若干の例を申し上げましたけれども、これはぜひ強化してまいらなければならぬ、こういうふうに思っております。

稲富稜人民社党

○稲富委員 林業従事者を確保することは非常に大切でございます。いま長官もこれに対しては非常に頭を悩ましていらっしゃるようでありますが、やはり林業従事者が山の中で生活できるような方途を講じてやることが必要じゃないかと思います。変な話でございますけれども、私のほうの山の中にこういう民謡があるのです。木びき女房になるなよ娘、花の盛りを山住まい、という歌があります。要するに、木びき女房になるなというのですよ。こういう民謡があるごとく、山住まいの林業従事者というものは、あらゆる社会の環境から離れた特殊な生活をしてがまんしているのだから、これに対しては国が行政的な指導をして、いろいろ環境をよくしてやるとか、こういうことによって確保するということが必要であると思いますので、この問題に対しては、頭を使って、将来の所得の増大と林業従事者の確保のために、ひとつ特段に力を尽くしていただきたいということを、私、この際、特に長官に希望申し上げておきたいと思うのでございます。  時間がありませんのではしょっていきますが、この機会にお尋ねしたいことは、最近国有林の財政が非常に悪化しておるといわれております。その国有林の財政悪化の理由というものはどういうようなことからきておるのか、また、これに対して、国有林の機構をどうすればいいということになるのか、この点をあわせてひとつお考え方を承りたいと思うのでございます。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 国有林が戦後特別会計制度をしきましてから相当の年数になるわけでございますけれども、最近、木材価格が低迷した時期から一応悪化の状態が始まったのでございます。国有林の経営は、御承知のように、主として木材の販売代金で一切の支出をまかなっておりまして、従来そうでございました。そこで、木材の伐採量が減ったり価格が下がりますと、当然収入が減ってまいります。一方、支出の増はやはり人件費でございます。人件費は、これはもうほかの企業も同じように、年々ベースアップ等で上がってまいります。そのバランスがとれなくなったことが収支が赤字になった大きな原因なわけでございます。  しかし、今後は、赤字、黒字の問題よりも、先ほど来申し上げておりますように、まず理想的な森林をつくるということが、国有林、民有林を通じて総合した基本的な姿勢でなければならぬ、こう思うわけでございますから、国有林のいま申しました赤字を埋めるために、伐採量をふやしたり、支出を切るためにいろいろ無理な手段を講ずるということは避けなければなりませんけれども、やはり国民の皆さんに御納得のいただけるような国有林に改善いたさなければならぬ問題は幾つかございます。それは当然のことといたしまして、公益的な機能の面における経費の分担については、一般会計の財源を導入するということは当然私たち主張していいと思うのでございます。その意味で、四十八年度は一般会計から治山費の大部分を入れていただきました。四十九年度におきましても、そういった意味では公益的な負担をお願いしなければならぬ問題、まだまだあるのでございます。内容は省略いたしますけれども、やはり企業的な面と公共的な面とを分けまして、企業的な面におきましては経営の改善をはかっていきますが、公益的な面におきましては一般の財源負担をひとつお願いしたい、こういう姿勢でまいりたいと思っております。

稲富稜人民社党

○稲富委員 私が述べようと思ったことを長官が言ってしまったのですが、国有林が赤字になるということは、それほど国有林が公益的な機能を発揮するために森林を確保しておるということにもつながると思うので、私は、国有林の特別会計が赤字になったからといって、これを気にする必要はないと思う。それよりも、最初に申し上げましたような森林の意義というものを十分考えて、公益的な森林の存在意義のために進むんだ、こういうことでひとつ進んでいっていただきたいというのが私の考え方なんで、いま長官も、そういうことで公益的な機能を発揮するために赤字が出た場合は一般会計から補うのは当然だと言われましたが、私もそうだと思うのでございます。そういう方向で国有林を守っていっていただきたいということを、特にこの際大臣に申し上げたいと思います。そして、私がただいま申し上げました森林の持つべき意義というものが非常に重大であるという観点から、森林の総合的な計画、水資源その他を求めるという幅の広い意味からの法制化の必要があるんじゃなかろうか、こういうことを私は考えるわけでございますが、これに対してはどういうふうにお考えになっておりますか。   〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 ただいまいろいろ御指摘いただきました内容は、まさにそのとおりと考えられます。そう言っちゃなんでございますが、それは森林法改正の趣旨そのものでございまして、ぜひひとつこの森林法を早急に達成するように私どもも努力してまいりたいと思います。先生の御意見のとおりだと思っております。

稲富稜人民社党

○稲富委員 そうすると、この森林法を通しさえすれば、私はいま長い時間申し上げたのでございますが、それが完全に達成されるということになるわけでございますか。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 森林法の改正の目的には、実は先生がただいまおっしゃったことが十分に入っておるというふうに私、判断するわけでございます。これが通りますれば、御趣旨を体して実践するように全力をあげてまいりたい、かように考えるものでございます。

稲富稜人民社党

○稲富委員 これに対してもいろいろ申し上げたいことがありますけれども、時間がありませんから、先に進みます。  私、ただいま申し上げましたような考え方から申しまして、民有林の公益的な機能というものがややもしますと無視されておりましたので、それを十分発揮させていかなくちゃいけないと思っております。そういう点からの強い行政指導が必要だと思っておるのでございます。  そうなりますと、林業基本法第七条の趣旨というものを達成しなくちゃいけないと思うのでございます。ここで私が特に申し上げたいことは、これは先刻瀬野君も申しておったのでございますが、こういうことになりますと、民有林を造成するために必要なのは、やはり森林組合等がその先頭に立って協力をしていかなくちゃいけないと思うのでございますけれども、この森林組合法というものが森林法の中に入って、単行法として法制化されていない。これはやはり森林組合法というものを単行法化することによって、先刻瀬野君も言っておりましたような、いろいろな森林発展の、協同組合式の、共済から何から一切含めたそういうような方向に行くことが必要である。先刻瀬野君の質問に対して、これは検討しているんだという答弁でございましたから、それはけっこうでございます。そういう意味で、森林組合の法制化の問題に対しては、将来十分検討していっていただきたいということを私からも特に申し上げたいと思うのでございますが、いかがでございますか。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 御指摘のように、基本法七条では、林業に従事する者あるいはそれに関する団体等の自主的な努力を助長してやるのが国の役割りということになっておりますので、そういう趣旨で日本の特に民有林の造成につきましては、森林組合がそのにない手となっておるわけでございますから、御趣旨の線に沿っていろいろと努力してまいりたい、こう思っております。

稲富稜人民社党

○稲富委員 時間がありませんから次に入ります。  今度は別な問題でお尋ねしますが、最近国有林と民有林との境界、こういうものの台帳がはっきりしていないのですね。これがために係争中のものが非常に多いのでございますが、いまその係争中のものはどのくらいありますか。資料がありましたら、この機会に承りたいと思うのであります。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 ちょっと係争中の件数は、ただいま資料がございません。

稲富稜人民社党

○稲富委員 係争中のものがあると思うのでございますが、要は、この機会に山林の土地台帳というものを整備する必要があるんじゃないか。これは長官も御存じだと思いますが、民有林と国有林との境がはっきりしていない、あるいは民有林と台帳にあるから民有林だと思っておったところが、事実は民有林でなかった、こういうようにいろいろな問題があります。これがためにいわゆる山ブローカーというものが暗躍しまして、被害者が続出しておるというような事実がたくさんあることは御承知のとおりだと思うのでございます。これは長い間いわれておるけれども、この山林の土地台帳の整備というのは一つもできておりません。なぜこれができないのであるか。また、この土地台帳の整備をやる必要があるんじゃないか、こう考えますが、これに対してはどういうような考え方をお持ちであるか、承りたいと思います。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 先生御指摘のように、森林につきましては、山奥であるということから、明治の初めに民法に基づく所有権制度ができまして後も、境界がはっきりしないまま、これは国有林と民有林だけでございませんで、民有林と民有林との間の境界がはっきりしないまま、最近だんだん地価が上がってくるということから、その境界についてのいろいろな争いが出てまいっておることは、御指摘のとおりでございます。国有林につきましても、境界の整備ということで、鋭意、民有林と国有林との間の境界の計測ということについて努力いたしておるわけでございますけれども、何ぶん非常に広大な面積をかかえておるものでございますから、まだその両者の境界が必ずしも全部確定したということになっていない、そのことが先生のおっしゃるような形で紛争を起こしておる、かような状況でございます。  現在、森林につきましては登記簿もございます。また、保安林については保安林台帳、保安施設地区台帳がございますし、また都道府県段階では、地域森林計画の策定に際して、森林の小班ごとに、位置、面積、樹種、林齢等の現況を整備したいわば森林台帳を整備することが必要であるということで指導いたしておるわけでございますから、その点についての整備もおいおい進んでまいると思います。また、企画庁のほうでやっております土地調査のほうも進んでおりますので、このことからもまた、国有林と民有林との境界の整備も行なわれてくる、かような形になろうと思いますし、国有林につきましても、現在やっております国有林と民有林との境界整備について大いに努力してまいりたいというふうに考えております。

稲富稜人民社党

○稲富委員 この問題はずいぶん前から問題になっておりまして、鋭意整備していくんだということを常におっしゃるけれども、一つも進まないのですよ。進まないのがどこに原因があるかわからないのです。あまりにも台帳が狂っておるということが事実であるのかどうかわかりませんが、何とか結論だけは出さなければ、これは非常に困る問題が次々と出てくると思う。ことに最近のように、山というものが非常に価値が高くなってくると、ますます争いが多くなるし、そういう問題は紛糾してくると思うのでございますから、これは鋭意ひとつ整備をやるのだではなくして、急にやらなければならぬと思うのでございます。これは鋭意調査するんだ、整備するということは、約二十年前から聞いている話なんですよ。まだ同じ、二十年たっても鋭意の話じゃ、これはどうも進んでいると思われないので、これはどういうことでおくれているのか、一体いつごろできるのであるか、そういう作業がどういうふうにできておるのですか。そういう点、あるなら承りたいと思うのです。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 私、営林局長をしておりますときに、一番最初この国有林と民有林との境界の問題に気づきまして、どういうふうな形でいままでやっておるんだということを、前のことを問いただしまして、進捗するように督促いたしたわけでございますけれども、何ぶん境界設定の問題につきましては、事柄が権利関係でございますので、非常に慎重を要する。また測量については技術を要するという問題でございますので、にわかづくりの人で測量に当たるというわけにはまいらない。古文書その他を参照しなければならない問題もございますし、それから昔の境界についてのいろいろな事跡等を調査する必要もある。それから測定を要するというようなことでございますので、心はあせれども実際にはそれがなかなか進まないというような実情でございます。私の在任中にも鋭意努力さしたわけでございますけれども、なかなか進まなかったという実情でございますが、先ほどもお答え申し上げましたように、事柄は、だんだん地価が高くなってまいりまして、ことに山の地価の騰貴率が高くなっておりますので、その点についての紛争はできるだけ避けるべきであるという観点に立って努力いたしたいと思います。

稲富稜人民社党

○稲富委員 この点は、部長、こういう問題があるのですね。たとえば、土地台帳にある、そして税金は納めているのですね。それで、今度は売るほうは、ちゃんと地図を持っていきまして、ここに私の土地があります、税金は納めてありますと言うから、買い手のほうは買ってしまう。ところが、事実その土地はなかったという、こういうのがあるでしょう。これは御存じだと思います。こういうような例がそのまま何十年とさらされている。ここに山ブローカーが暗躍して被害者がふえているという問題、があるのだから、すでにないものに税金を納めているという、こういう事実ぐらいは何とかならぬものでございますかね。税金を納めているということが人をだます材料になるのですよ。知らない人は、税金まで納めているのならだいじょうぶだろうと思って買ってしまう。こういうものぐらいは、——事実ないならば、税金の問題とかそのくらいは何とか解決しないものでございますか、土地台帳を変えられないというならば。どうでございますか。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松説明員 私どもが山林全体を所管しておるという立場と、それから国有林の所管官庁であるという立場と、それからまた、私どもとは別に租税の所管官庁——自治省の所掌事務でございましょうか、そういうようなところで、おのおの気ばかりはあせっておるところでございますけれども、なかなかその整理が進まない。私は、企画庁で行なわれておりますところの土地調査が進みますと、大体それが基本で土地関係の整理はほとんど済むという形になろうと思いますけれども、その関係も、私どもがにない手であってもなかなか進まないのと同じように、進捗度が思うにまかせないというような実情でございますが、確かに先生おっしゃるような形の問題は、林野庁にもときどき参るというような状況でございますので、課税の所掌庁とも連絡をとって、できるだけそういう紛争が少なくなるように努力をいたしたいと思います。

稲富稜人民社党

○稲富委員 この問題はひとつ急に何とか処置をとるように、林野庁として努力をしていただきたいと思うのであります。  次にお尋ねいたしたいと思いますことは、一昨年でございましたか、国有林野の活用法というものが制定されまして、そのときに、里山を売ったもので奥地民有林を買い上げるということもできるというような法律ができたのでございますが、その後の活用法の実施の状態はどういう状態であるか、この機会に承りたいと思うのでございます。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 活用法ができましてから、法律の第八条に基づきまして、国有林野の活用による収入を民有林野の取得に要する経費に充てることを義務づけているわけでございます。  この結果を簡単に申し上げますと、昭和四十六年に国有林野を売りました面積が四十七ヘクタールでございます。四十七年が三百八十四ヘクタール。逆に、民有林の買い入れをいたしました面積は、林野整備と保安林整備の両方で、四十六年は五千二百十六ヘクタール、四十七年が二千六百九ヘクタール。それから、農林業のための活用を決定したものが、農業、林業両方で、四十六年は面積で千九百八十二ヘクタール、四十七年が千九百十三ヘクタール、かようになっております。

稲富稜人民社党

○稲富委員 いささか実績があがっておるならけっこうだと思いますが、ますます実績をあげていただきたいと思います。  時間がありませんから、最後にいま一点だけお尋ねいたします。  最近、これは林野庁が御指導になりまして、日本緑化センターというものを設立されることになっておるようでございます。これはあなたのほうの行政指導だと思うのでございますが、この目的等に対してこの機会に承ることができるならば、考え方をお教えいただきたいと思うのでございます。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 これは事業費で二千二百万円、それから基金の補助に二億円、これだけの補助をいたしまして発足を見るようになっておるわけでございます。  これは緑化に対する国民的な要請が非常に高まっておりまして、また、緑化については、その目的、規模、地域等、広範かつ多様な形で増加する傾向にある。そういう傾向から、こういうセンターか必要ではないかというので、民間中心のものでございますが、いま申し上げたような助成措置をとることにいたしたわけであります。  そこで、目的でございますが、望ましい緑化計画の策定及び展示モデルの造成、緑化に関するコンサルティング、緑化用樹木を含めた緑化に関する情報の収集、提供、緑化に関する調査研究、緑化技術者の養成、こういうような目的を持っておる次第でございます。概略申し上げた次第でございます。

稲富稜人民社党

○稲富委員 承るところによりますと、これに対して政府が十億の金をお出しになる、民間から十億金が出る、こういうことも承って、すでに政府としては二億円本年度支出なさっておるということを承っておりますが、私がなぜこの問題に対して非常に疑義を持つかといいますと、これが悪いというのじゃございません。ただいま農林大臣が言われたように、今日緑化が必要であるし、こういうセンターをおつくりになるということはけっこうだと思うのでございますが、この創立発起人というものを見ますと、ほとんど経済同友会が中心となって財界の人が多いのです。ここに私は非常に問題点を感ずるわけなんです。しかもこの代表的なものは三井物産株式会社の代表者がなっているし、実際の事務をとっているのは経済同友会の専務理事がやっているというように、経済同友会を中心とする財界がこれに非常に顔を出してきている。そしてもちろん農協であるとかそういったものは入っておりますけれども、実際こういう人たちは農業団体には携わっているけれども、樹木の生産なんか、植木の生産なんかされている人ではないのですね。最近、すなわち、私たちのほうは植木の生産地でございますが、緑化運動が起こってまいりますと、商社が非常に生産地に来まして大量買い上げをするのです。最近非常に商社が植木の大量買い上げをやっていくのです。買い占めをやるのです。生産地は大恐慌を来たしているのです。こういう財界の人が中心に緑化センターというものができれば、あるいは生産地に対してのそういう材料の大量買い上げ等やられるのじゃないかという、非常な心配も生じているというような状態なんです。特にこういう緑化運動のための買い出しが来ますと、そういう現象が起こっているのです。  これはおそらく、林野庁としても警戒してもらわなければいけないことは、われわれは緑化運動というのは、山林の樹木というものが多いことはけっこうなんです。それをつくらなければいけないと思うのです。ところが、緑化運動が出ますと、山林の樹木を持ってきてこっちに植栽するのです。それを売るのです。緑化するならば、緑化用木そのものを生産して植えつけなければいけないけれども、従来、山にあるものを持ってきて、それを緑化植木として売るというような、こういうことをされれば、こっちには緑化運動になるかもしれないけれども、別なほうは緑化がこわされるということになるのです。こういうことになれば、緑化センターでもつくるということならば、よほど専門的な指導をしてもらわなければいかぬのじゃないか。  しかもいま申しましたように、代表発起人というのが、これはいま取り寄せられてごらんになっていると思いますが、ほとんど財界、しかも経済同友会が中心になってしまっている。これでいいかどうかということです。これに私は大きな疑惑を持っておるわけなんです。将来どういうような指導をやっていこうと考えていらっしゃるのか。そういう経済同友会を中心の緑化運動をやっていこうと考えていらっしゃるのであるか。それに政府は十億の金を出すのであるが、はなはだ失礼なことを言うと、経済同友会を盛り立ててやるために政府は十億の金を出すのじゃないか、こういうことさえもわれわれはひがまざるを得ないわけなんです。この点どういうふうにお考えになっているかということを承りたい。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 御指摘の点はごもっともでございます。そもそもこの緑化センターというものができました始まりは山から木をとってきてそれを売る、こうおっしゃいましたけれども、実はそれは真実なのでございます。というのは、山を伐採しまして、そのあとに造林をいたします場合、あるいはまた択伐、いろいろございますけれども、切ってあとに造林をいたします。切った木の中で山から持ち出しますのは、大体パルプ材とかあるいは建築材に向くものでありまして、あとは除伐その他として捨てるわけでございますが、その捨てる木の中に案外そういった緑化木として適当なものがあるのじゃないか。どうせ切って捨てるならばそれを出そうじゃないかという話が起こったのが、実はそもそもの始まりなわけでございまして、これは一つの山取り木の考え方でございます。おっしゃるように、そういったことを一気にやりますと、これまた山の斜面の土壌をいじって崩壊の原因にもなるということになりますので、これは慎重を要する問題でございます。  基本的には、やはり工場とか高速道路、学校あるいは住宅、いろいろな方面から大量に規格のそろったそういう緑化木の要請が出てまいっているわけでございます。この点が従来の庭木とは違ったところでございまして、やはり山取り木では間に合いませんので、場合によっては外国の種子とかあるいは国内のいろいろなそういう適種適地にみな種から養成するということも各地で始められておるわけでございます。一方、供給者の側では、国有林ばかりではありません、民有林のほうでもそういうものを養成したいし、売りたい。それからまた需要者の側でもいろいろあるわけでございます。だから、そういった面で苗木を生産する側の、いま先生おっしゃいましたそういう大資本家でなくて、生産者のほんとうの声というのは、少なくとも四万人くらい、約一万ヘクタールくらいの苗畑を持っている苗木を生産しておる人がおるわけでございますから、そういう生産者の人たちの側と、それから需要者の側を結びつけるところがどこにもないわけでございます。そういう情報の交換。生産の情報とそれから需要の情報と交換しまして、そこで一つの価格形成も告示するとかなんとか、いろいろな方法を考えまして、値段の問題でそういった買い占めがないようにしていきたい。そういう生産の情報と需要の情報を結びつけて適正に流通を整理していくということがセンターの目的でございます。  もう一つは、そういった新しい事業でございますので、技能者を養成するとか、あるいはいまちょっと高速道路の例を申し上げましたけれども、高速道路のまん中に木を植えてあります。あれは車がカーブしてくるとヘッドライトで目がくらむので、やはり遮蔽林が要る。そういうものに向く木はどういうものがいいのか、北と南で違いますし、そういうモデル林をつくるというのも一つの目的でございます。  いま申し上げましたように、そういった需要と供給の情報の交換と、適切な価格の形成、それからそういうモデル林を養成して、一つの見本を示してやる、その技術者を養成する、あるいはその他のいろいろな調査でございますとか、そういったことをやるのがこのセンターの目的でございます。  そこで、一部には政府だけでやったらどうか、いや民間資本でやったらどうかという議論もありましたけれども、農林省といたしましては、半分は政府が出資し半分は民間から出資しましょうということで成立したわけでございますが、世話役に出ていますのが、おっしゃるように、確かに財界の経団連の方が入っております。これはやはりそれぞれの供給者なり需要者の側の代表として入っていると思うのでございますが、いま申し上げた四万人のそういった層もあるわけでございまして、主として林業農業に関するそういう団体の代表というものはぜひ入れなければならぬと思います。資金の、いま申し上げました十億、十億、初年度は二億、二億でございますが、この資金の集め方につきましても、各層から全部協力していただくという方針で、ただいま相談しているところでございます。

稲富稜人民社党

○稲富委員 そうおっしゃるならば申し上げますがね。これには植木の生産者代表が入っておらぬですね。農協というのは別に生産者じゃないですよ。植木というものはこれは農協の仕事とは別個なんですよ。それから、もちろん、公害に対する植木はどういうものが必要であるかということは、これは十分研究しなくちゃいけないと思うが、元来わが国におきまして一番行政よりも技術が進んでいるのが植木であって、一番行政のおくれているのが植木対策なんですよ。これはあなた方も十分考えていただかなくちゃいけないと思うのです。従来、植木というものは御隠居さんが庭づくりにやっておった。だから、植木というものはあまり大きな問題として取り扱ってなかったのです。非常にこれはぜいたくな仕事だとなっておった。農林漁業金融公庫法をごらんになってもそうでございますが、植木は農林漁業金融公庫の貸し付け対象にはあがってないのです。苗木はあるのですけれども、植木はないのです。植木というものは農林漁業金融公庫の貸し付け対象になっておりません。昨年からこれを拡大解釈して何とかしょうということを農林漁業金融公庫がやっておりますけれども、そういう状態であります。あるいは建設業法の中におきましても植木の造林業というのは建築業界の中にもないのです。これも二、三年前、ようやく建設業法改正になって入った。  これはなぜかというと、建設省の所管であるか農林省の所管であるか——農林省の所管はどこにあるかというと、これは農林大臣に聞いてもらいたいのですが、花木に入っている。それだから、植木といいましても、いかにも花木みたいに扱おうとする。それだから、どうしても植木というものは大きなものとして取り扱えないのですね。これは園芸花木ですか、何かそういう問題で扱っている。これがためにこういうことがある。  かつて私は議長と一緒にイランへ行きました。イランに行きまして、イランの総理大臣に会いましたら、イランの総理大臣が山口議長に文句を言うのですよ。何かというと、こちらのほうで庭園をつくりたい、植木をつくりたいので、日本政府に何べん要請しても、日本政府は応じてくれないのだ、われわれの国をあげての要請をなぜ日本政府は聞かないかと言って、イランの総理大臣が文句を言うた。イランの大使が横におりまして、実は困っております、私も外務省にこういう技術者をよこしてもらいたいと言うけれども、どうしても外務省は応じてくれないのだと言って、悔やんでおりました。帰って外務省に聞きましたところが、一体所管は農林省でございますか建設省でございますか、どっちかわかりません、こう言っている。こういうように、行政が分かれておるがために、非常に取り残されておる。  ところが、植木というものは、今日、時代の要請におきまして、道路の緑化であり工場の緑化であり、あるいは団地の緑化というように、非常に緑化事業というものは進んでおります。ところが、進んでいないのがお役所だけなんですよ。それだから、たとえばこういう大規模なものをつくっても、ほんとうの植木の生産者の代表がここに入っていない。ほんとうの植木というものを中心として緑化運動をやらなければいけないというならば、植木の代表も入れておかないといけない。ただ、農業団体というのは、農協が入っておりますとか、あるいは全農が入っておるとか共済連が入っておりますとかいうが、これは実際には植木には関係ない農業団体なんです。  こういうような事実もある。植木業というものは非常に盛んになっているのです。それは御承知のように、日本でも植木の生産というのは、埼玉県の安行であるし、愛知県の稲沢、あるいは兵庫県の宝塚、さらに福岡県の田主丸というのが四大生産地。ところが、これは、ほかのところがだんだん住宅に侵食されております。こういうような状態があるのでございまして、やはりこの植木業の需要というものは非常に多いのです。しかもこういう緑化運動のために、植木の生産が非常に多くなっている。  そういう中に、植木業者は、それで植木の重大性を考えて植木の生産に非常に当たっておるのに、今度は大商社が何万と一緒に買い占めに来るのですよ。それで植木業者は、それがために非常に不安を感じているのです。大きな業者に大量買い占めをやられるならば、われわれ小さい生産業者はどうなるんだ、こういう不安になっておる中に、この緑化運動というものが農林省の指導でできて、しかもこれを見ると、ほとんど財界の人がやって、この緑化運動を推進するとなってくると、何かそこに一つの思惑があるのじゃなかろうかといって、生産者が非常に不安がるという問題が起こってくるわけなんです。それだから、こういうような将来の指導に対してよほど慎重に考えてもらいたい。  あなたのほうは、緑化運動をやるために民間から金を出すならば、財界から金を出したほうが簡単にいくのだから、公害を発生したのは財界の連中だから、経済同友会に金を出させればいいじゃないかということで、経済同友会方面を引っぱり込んで、そうして金を出させる。こういう連中が金を出すからといって、政府も金を出そうということになったんだろうと私は思う。聞くところによると、政府が十億、民間が十億でこれをつくるとおっしゃるのですから。ところが、そういうところに非常にこの生産者の不安がある。  あなた方はほんとうにこれはまじめに緑化運動をやっていくんだ、金を出させるために、財界の人あるいは公害を与えたようなこういう業界も協力しなくちゃいけない、それがために金を出させるんだというならば、金は出さしても、実際の指導というものは、生産者の困らないような指導体制を立てた緑化センターをつくらなくちゃいけない、こう私は考えます。私、これに反対するわけではございません。今後のこれの運営にあたっては、十分そのことを考えて運営に当たらなければ、せっかく農林省が率先して指導してつくった緑化センターというものが変なものになってくるというと、またこれは災いを来たすようになりはせぬかと思うから、私はこの機会にこの性格なり、どういうつもりで将来運営されるかということを伺ったのは、それがためでございます。この点に対する心がまえを十分承っておきたい、こう思うわけでございます。大臣からひとつ。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 この緑化センターは、御承知であろうと思いますが、事業開始は大体八月ごろを目標にいたしておるわけでございます。ちょうどきょうここでいろいろ御高見を承りまして、たいへん参考になりました。私もおっしゃっておることはよくわかりますので、今後の指導に役立てていきたいと思います。  なお、私のほうから申し上げるのもおかしいのでございますが、日本植木協会がこのほど社団法人として農林省の許可を受けられておる実情にございます。また、緑化センター設立にあたりましては、この日本植木協会とも話をして進めておるということでございますが、ただいま御意見で、この協会のお考えが十分反映するように、また私どもの指導の上にただいまの御意見をよく参考にいたしたい、このように考えます。

稲富稜人民社党

○稲富委員 いま植木協会の意見を参考にするとおっしゃった。これはまた、植木協会そのものをもっと検討してもらいたい。この間できた植木協会というのは、ほんとうの植木業者の代表じゃないのですよ。大阪でできているのでしょう。何人か、ちょっとつくられている。これはほんとうの代表は入っておらぬですよ。そういうものをぱっとつくって、そのできたものが唯一の生産者の団体であるからと、その意見を聞いてやっておったら、これこそまたとんだことになるんですよ。それで、植木協会というものの性格をもっと検討しなさらぬと、ほんとうに生産者の団体が全国でないとするならば、これは農林省ももっと指導して、ほんとうのその生産者の団体というものをもっと——現在できている植木協会とかああいうものじゃない、ほんとうの生産者を代表した団体を、指導してつくるようになさらぬといかぬ。この間大阪で植木協会を、ちょっとあなたのほうで指導してつくられたという話を聞いたのでございますが、あの植木協会というものは、私からこう言うと、またはなはだ失礼でございますけれども、十分内容を検討していただかなければ、そういうものの意見を聞いてやっておられると、また結果がどうなるかということは、ひとつ十分考えていただきたい。こういうことを私から念のために——何もせっかくあなた方がつくられた植木協会にけちをつけるわけではございませんけれども、内容をもっと検討しておつくりにならぬと、何人か集まって植木協会ができたから、これが生産者の代表だから、この意見さえ聞けばいいんだというようなことを考えておられると、的はずれだということだけを十分考えて対処していただきたいということを、特に私はここに申し上げておきたいと思うのであります。  この間おつくりになった植木協会というものを再検討なさることを、この機会に特に私は申し上げたいと思うのでございますが、ひとつ長官、これに対する御見解を。

福田省一林野庁長官

○福田政府委員 生産者の代表として非常に重要な問題でございますので、御趣旨の線に沿いまして十分検討してまいりたいと思います。

稲富稜人民社党

○稲富委員 いろいろと聞きたいことはありますけれども、時間がありませんので、本日は私の質問をこれで終わることにいたします。いずれまた機会を得まして、いろいろな問題をお尋ねしたいと思います。

佐々木義武自由民主党

○佐々木委員長 次回は明十九日、木曜日、午前十時委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時四十九分散会

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