農林水産委員会 第45号
- 発言数
- 113 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1973/07/17
会議録
○佐々木委員長 これより会議を開きます。 この際、参考人出席要求に関する件についておはかりいたします。 すなわち、農林水産業の振興に関する件について、来たる十九日、木曜日、午前十時、全国農業協同組合中央会会長宮協朝男君、全国農業会議所専務理事池田斉君の両君を参考人として出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐々木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○佐々木委員長 内閣提出、森林法及び森林組合合併助成法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。渡辺美智雄君。
○渡辺(美)委員 私は、自由民主党を代表して、森林法及び森林組合合併助成法の一部を改正する法律案を議題として質疑をしたいと存じます。 年々林野庁は、三月からいまごろになりますと、大体仕事が手につかないというのが通例であります。それは、終戦後、林野庁長官というのは参議院に立候補をするというならわしがありまして、歴代長官は必ずといっていいくらい参議院に立候補する。したがって、その準備もありますから、なかなかこれは思い切った仕事ができないというのが残念ながらいままでの林野庁のあり方でなかったかと私は存じます。ところが、今回風のたよりに承ると、林野庁長官は、そういうような長官の地位を利用して参議院に立候補するなんということは夢にも考えない、ひたすら林野行政の改革のために一命を賭しておやりになるというように聞いておるのでありますが、その点はいかがでございますか。風聞のとおりであるかどうか、まずお伺いをしたいと存じます。
○福田政府委員 お答えいたします。 ただいま参議院に立候補しないかどうかというお尋ねでございますけれども、最近林野行政に対しましていろいろな点から、国有林、民有林を問わず、森林の保全対策あるいは木材価格対策、従来にないほどのいろいろな懸案事項が堆積をしておるわけでございます。特にまた国有林につきましてもその経営の合理化を要請されております。私はこういういろいろな要請を受けまして、誠心誠意この難問の解決に努力してまいりたいとただいま考えているところでございまして、参議院等の問題につきましては、ただいまのところ全然考えておらない次第でございます。
○渡辺(美)委員 やはりこれは風聞のとおりでありまして、私はそのような林野庁長官のほんとうにまじめな態度に対して敬意を表する次第でございます。したがいまして、この林野行政の改革の一端である森林法の改正等についても、その真摯な態度を買ってこれから審議を進めてまいりたい、かように考えます。 今回の森林法の改正は、言うならば、大きく二つに分かれておる。一つは、いわゆる森林の計画を立てて全国森林計画というものをつくって、現代に合うような森林の利用、保存、活用というようなことをやろうというものと、もう一つは、森林法を改正して、森林組合が協同組合のような実体を備えておるにかかわらずそのような事業ができない部門がかなりある、したがって農協法の改正などとあわして、それを最も現実的な近代的な方向に改正をしよう。言うならば、この二つに尽きるだろう、こう思うのであります。 そこで、今回この森林計画制度の改善ということがうたわれ、全国森林計画の内容を充実する。そこで、その計画は、流域別に全国の区域を分けて定める区域ごとに計画をつくるのだということや、その計画項目としては、森林の整備の目標その他森林の整備に関する基本的な事項、森林の土地の保全に関する事項等を加えるということをいっておるのでありますが、森林の整備の目標というのは、具体的な例示的でもけっこうでございますが、どういうようなものを整備の目標として考えておるのか、一口にわかりやすく御説明をいただきたいと思います。
○福田政府委員 全国森林計画の中におきまして森林の整備の目標ということを具体的に示すようにとの御質問でございますが、これをまとめて申し上げますと、一つは、国土保全に関する機能がございます。土砂の流出あるいは崩壊を防止すべきものが森林でございます。第二点は、水資源の確保という水源涵養の機能があるわけでございます。それからもう一つは、環境の保全、たとえばレクリエーションの場を提供すること、そういったような機能がございます。森林法の中でそういったものをこまかに分けますと、保安林としての機能がございますが、それが十一種類あるわけでございます。大きく分けますとただいま申し上げました三つの機能でございます。それが全国で約六十ないし七十という大きな流域ごとに区分けしますと、その中でいま言った水の確保の問題、国土の保全の問題、環境の保全の問題という機能を重点に置きまして、具体的にそれぞれの地域で、これをどういう樹種を植えてどういう保育をするかという目標をきめまして、また基準を策定する、こういう考え方でございます。
○渡辺(美)委員 現在、森林の規制ということが、森林法の中で保安林その他で規制をやっておるんでありますが、現在、全国で民有林が一千六百万ヘクタールあるといわれております。そのうち大体千百万ヘクタール程度がいわゆる白地地区と申しますか、何ら規制の行なわれておらない地域である、こういうことがいわれておるわけであります。私は全国の森林面積のうち民有地約千六百八十六万ヘクタール、このうちで当然山岳地帯もあれば平地林のようなところもあるんでありますが、この牧畜等も含めていわゆる農耕用に利用可能な地域というものはおよそ民有林で何ヘクタール、国有林で何ヘクタール程度あるか、お尋ねをいたします。
○福田政府委員 お答えいたします。 農耕用に使います場合は、およそ十五度未満というふうに考えられておるものでございますが、そういういわゆる緩傾斜地あるいは平地というものを取り上げてみますならば、およそ七百万ヘクタールぐらいあるというふうに推定しておるわけでございます。
○渡辺(美)委員 国有林についてのお話はなかったんですが、民有林千七百万ヘクタールのうち七百万ヘクタールあると私は思わないのですが、間違いありませんか。
○福田政府委員 いま申し上げました約七百万ヘクタールというのは、国有林、民有林合わせてでございまして、国有林はそのうち約二百万ヘクタール、民有林は約五百万ヘクタールというふうになっております。
○渡辺(美)委員 いまおっしゃったように、民有林のいわゆる平地林的なものは大体五百万ヘクタールである、しかしながら、その五百万ヘクタールで、ただ十五度未満のところだというだけであって、それが全部放牧あるいは農耕地に利用できるというようなところだと私は思いませんが、いかがでしょうか。
○福田政府委員 御指摘のとおりでございまして、この中には保安林であるとかそういったような制限を受けておる森林もあるわけでございます。
○渡辺(美)委員 この五百万ヘクタールの民有林の中で、そういうような自然公園法とかあるいは保安林とかその他の規制を受けてない面積は大体どれくらいありますか。
○福田政府委員 概括的に申し上げますと、およそ半分くらいがそういった御指摘のような保安林あるいは自然公園法等の制限を受けているものでございます。
○渡辺(美)委員 やたらに伐採をしたり、他に転換をされたりしては困るのが約半分くらい。そうすると、残りが約二百五十万ヘクタール。二百五十万ヘクタールの中で、さらに実質的に農耕地や牧場には、土地の性質その他の条件から、なれないものがかなりまだあるんではないか。正確なことはわかりませんが、私は二百五十万の何の規制もない十五度以下の平地林の中で、かりに牧場等をこしらえるとしたら、全部牧場にはできないんでしょうから、かりに二百五十万ヘクタールの中で森林以外に転用できるだろう、森林以外に転用しても差しつかえないと思われる面積はどれくらいありますか。
○福田政府委員 なかなかむずかしい質問でございますけれども、私たちの立場から申し上げますと、原則といたしまして、日本の森林面積は現在より減らさないように実は持っていきたいという考え方が一つあるわけでございます。ただし、やはり畜産振興あるいは農業というようなことは大切な問題でございますので、先生御承知のように、国有林野の活用に関する法律に基づきまして、必要な場合におきましては、森林経営上支障ないということも十分考慮しながら、積極的にこれを活用してまいりたいと考えておるところでございます。 〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕
○渡辺(美)委員 国有林についてはそういうお話でありますが、民有林の二百五十万ヘクタールの十五度以下の規制のない平地林で、このうちかりに森林以外に転用すると仮定したならば、全部転用していいというふうに林野庁は思っていないと思うのです。これは詳しいことは調べてみなければわからないかもしれませんが、おおよそのところどれくらいならば森林以外に転用できるというように推定をされるか、これは大ざっぱな話でありますが、もしそういうふうなお考えがあれば、お示し願いたいと存じます。
○大河原(太)政府委員 お答え申し上げます。 先生御指摘のように、国有林の農業的利用、特に牧畜的利用の問題でございますが、これにつきましては、私ども土地改良長期計画の第二次改定をいたします際に、土地改良総合計画補足調査を行ないました。その調査によりますと、草地開発可能面積は九十四万ヘクタールということになっております。もちろん、これにつきましても、先ほど先生のお話がございましたように、権利調整の見通しについて非常に難易の度合いもございますし、自然条件の制約についても程度の差がございますが、大ざっぱに申しますと、九十四万ヘクタールというのが草地開発可能面積という調査の結果が、国有林、民有林合わせまして出ております。
○渡辺(美)委員 そのうち国有林は何ぼ。
○大河原(太)政府委員 国有林はラウンドにいたしまして二十三万ヘクタールでございます。
○渡辺(美)委員 そうすると、いま大河原畜産局長の話では、土地改良の計画で調べたところが、大体国有、民有両方で牧場に転用できるような面積が約九十四万ヘクタールある。そのうち国有林で二十三万ヘクタールだ、残りの七十一万ヘクタールが民有林ということになりますね。そうすると、二百五十万ヘクタールの民有林の規制のない平地林があるわけですから、そのうちの約三分の一弱が要するに転用可能なところである、こういうのだけれども、私はどうも食い違いがあるのではないかという気がするのです。二百五十万ヘクタールぐらい民有地の中で平地林がありますと林野庁は言っているわけですね。そうすると、農林省のほうはその平地林の中で牧場になりそうなものは七十万ヘクタールぐらいしかないというのですけれども、もっとあるんじゃないですか。
○福田政府委員 先ほど私、申し上げましたのは十五度未満と実は申し上げたわけでございまして、平地、緩傾斜地両方を含んでの数字でございますが、その中でいま畜産局長のお答えしたのは、十五度未満を含んでいるということでございます。
○渡辺(美)委員 どっちも十五度未満なんですよね。十五度未満の平地林で、規制のないところが二百五十万ヘクタール、片一方の九十四万ヘクタールというのは、国有、民有両方を言っているんならば、これは規制のあるところも含めて言っているのか、規制のないところだけ言っているのか。
○大河原(太)政府委員 お答え申し上げますが、法令に基づく規制のあるところも含めて、たとえば保安林の地区とかその他も、草地造成の視点からだけで可能性というものを見た調査でございます。
○渡辺(美)委員 規制のあるところを除くと何ぼですか。
○大河原(太)政府委員 これは、われわれのほうといたしましては、ただいま申し上げました九十四万ヘクタールのうち、権利調整の見通しと申しまして、それは法令によって現状変更が制約を受けている程度によっておりますが、非常にむずかしいという面積が三十四万ヘクタールというふうになっております。それで、権利調整法令等の規制がないとか、あるいは権利調整入り会い権の錯綜していないとかいうようなものを含めました比較的容易な面積が、残りの数字でございます。
○渡辺(美)委員 残りの数字とは。
○大河原(太)政府委員 九十四万ヘクタールのうち、三十四万ヘクタールを除きました残りの数字が……。
○渡辺(美)委員 それは、民有、国有両方か。
○大河原(太)政府委員 民、国両方でございます。
○渡辺(美)委員 そのうち、民有は。
○大河原(太)政府委員 残念ながら、この調査では先生の御質問の民、国別の統計数字が出ておらないわけでございます。
○渡辺(美)委員 これはどっちの数字がほんとうなのか、あまり開きがあってわからないのです。かりに二百五十万ヘクタール、十五度未満の平地林がある。畜産局では、その中で民有林は七十万ヘクタール程度だ、しかし、その七十万ヘクタールの中でさらにどれくらいむずかしいのがあるかよくわからぬと、こう言うのですが、畜産局の説明からすると、かりに半分ぐらいむずかしいのがあれば三十万ぐらいしか草地造成できるようなところがないということになるわけだ。また、林野庁のように、大きく見てかりに二百五十万ヘクタールあっても、そのうち全部草地造成用に向くと思わない、半分ぐらいじゃないかということだと、最大限に見て百二十五万ヘクタールぐらい。大河原さんの言うように見ると約三十五万。百万ぐらいズレがあるわけです。畜産局の見方からすれば、草地造成用に向く土地というものは民有林の中では三十万か四十万ということになりますね。いまの数字からいくと、そういうことになる。 そこで、問題になってくるわけですよ。いま日本のえさ問題というのが非常な騒ぎになっておる。米は自給をいたしておりますが、その他の作物は、小麦にしても大豆にしても、みんな輸入にたよっておるわけです。かりに——かりにの話ですよ。かりに大豆と小麦とそれからえさ用のトウモロコシその他を全部国内で自給するとすれば、どれくらいの面積が必要か。かりにの話ですが、小麦、大麦、大豆、そういうもの一切含めて、面積に換算したら、大ざっぱにどれくらいの面積が必要か。それをお答え願います。
○大河原(太)政府委員 お答え申し上げますが、四十五年度におきます、先生御指摘の濃厚飼料の輸入量は千二百万トンということに相なっております。したがいまして、平均収量の見方にもよりますが、三トンといたしまして四百万ヘクタールということに相なるわけでございます。
○渡辺(美)委員 四十万じゃなくて四百万ヘクタール。そうすると、いま濃厚飼料だけの話をしたので、小麦の話や大豆の話はしてないわけですが、四百万ヘクタールの中にはそれも入っているのですか。
○大河原(太)政府委員 お答え申し上げますが、私ども濃厚飼料と申しておりますのは、いわゆる飼料作物等の粗飼料以外の、小麦とか大豆かすとかトウモロコシとかマイロ等を含めました濃厚飼料、先生御指摘の濃厚飼料を総括して申しておるわけでございます。
○渡辺(美)委員 小麦は入ってないの。
○大河原(太)政府委員 小麦も入っております。
○渡辺(美)委員 主食のものは。
○大河原(太)政府委員 主食は入っておりません。先生御案内のふすま増産用の飼料用小麦でございます。
○渡辺(美)委員 そうすると、ともかく濃厚飼料、えさだけで四百万ヘクタール、日本でつくればそのくらいの土地が入り用だ。まして牧草畑にするともっと広くなるわけですね。そういうことになると思うのですよ。牧草畑にしたならば、その何倍か必要になる。まして小麦や大豆も国内で自給させるということになったならば、少なくとも四百万ヘクタールより多くなることは間違いないですね。そうでしょう。違いますか。
○大河原(太)政府委員 お答え申し上げますが、小麦その他主食用のもの等も増産いたしますとさらに大きくなるわけでございます。 なお、粗飼料につきましては、先生御案内の土地改良長期計画等におきましては、現在の二十七万ヘクタールに四十万ヘクタール、プラスいたしまして、六十七万ヘクタールにいたすということになっております。
○渡辺(美)委員 詳しい数字の中身は私はわかりませんが、米は千三百万トンくらいとれて、たんぼが幾らあるのですかね、五百万ヘクタールくらいだな。ですから、えさだけだったらやはり四百万ヘクタール、千二百万トン買っていますからそれくらいになるでしょう。そのほか小麦や大豆を入れると、六、七百万ヘクタールくらいなければ日本では自給体制はとれないということになるわけですね。現に一五度以下の平地、緩傾斜地の森林面積というものは、二百万ヘクタールの国有林と五百万ヘクタールの民有林しかないということですから、かりに七百万ヘクタールが全部濃厚飼料に適するとしても、やっとやっとの面積だということになるわけですな。ところが、実際には、不向き地もおそらく半分くらいあることは間違いない。そうすれば、日本の飼料自給なんということは、口ではいろいろなことを言っても、面積の上でできない。最初からわかっている話ですね。飼料の完全自給をやれ、大豆の自給をやれあるいは小麦の自給をやれといって幾ら金を出しても、つくる場所がないですね。ほかは市街化になっておったり、工場用地になっておったり、水田や畑になっておる。それはそれで除いてあるわけですから、新しく自給体制を立てて増産をするとすれば、だれかのどこかの土地でつくらなければならぬ。そういうことになれば、平地林または原野のようなところでやるほかない。その原野はすでに自給をまかなうほどの面積は持っていないという結論がここで出たわけです。 そこで、それほど日本の土地というものは日本人の生命を保つ上においても貴重なものである。全部はどうせ自給できないにしても、その六割でも七割でも自給させるとすれば、それだけに土地は大切である。いま世界的に食糧不足なんていって増産ムードが出ておりますが、どこでやれというのかといえば、平地林か原野しかない。しかるに、一方、平地林や原野は規制がないからといって、不動産業者あるいはゴルフ場の建設業者等による大量な買い占めが行なわれてどんどん変更されておる。これを一日も早く何とか規制をしなければ、口では幾らりっぱなことを言ってみたところで、ほんとうに日本の農業のために、あるいは国土の利用のために、私は、幾らりっぱなことを言ったって、何らかの規制をしなければだめだろう、こう思います。 この間、田中総理が来て、イギリスは二千ゴルフ場があるのだから、日本は三千ぐらいあったって日本の人口からいってもいいじゃないかと言ったけれども、私は田中さんにメモを渡して、それは田中さん間違いですよと言ったら、ああわかった、わかったと言っていましたが、とてもそんなわけにはいかない。確かにイギリスには二千ゴルフ場があります。アメリカには一万五百ゴルフ場がある。日本には六百八十ぐらいいまオープンしているのがある。しかし、このままぶん投げておけば約三千五百ぐらいのゴルフ場ができてしまう。私はこの比較においても、土地利用というようなものを考えないで、ただその国の人口とゴルフ場の数だけでは比較にならぬと思うのです。イギリスは二千ならば、ドイツは何で四十しかゴルフ場がないのか。ドイツの四十から比べたら日本の六百八十はいまだって多過ぎるんじゃないか。イタリアの六十から比べたらもっと日本は多過ぎるんじゃないか、フランスの九十から比べたって日本は六百八十で多いじゃないかという議論は当然出てくるわけだ。 私は、ゴルフ場なんというのは、余談になるかもしれませんが、日本は農耕地の面積が国民一人当たり六・二アールですね。イギリスでは三十五アールです。アメリカは二百十八アールです。国民一人当たりの農耕可能面積というのは。そうすると、イギリスは国民一人当たりにして農耕可能面積は日本の六倍持っている、アメリカは三十五倍持っているということになれば、それもゴルフ場のほうで土地の利用というものを平等に考えると、日本は、土地利用という点からすると、イギリス、アメリカ並みにすれば、アメリカの一万五百のゴルフ場の三十五分の一、約三百くらいあればいいじゃないか、あるいはイギリスの二千というゴルフ場の六分の一、大体三百くらいあれば、アングロサクソン民族並みのゴルフ場の数じゃないのかというふうに私は思っておるのですが、それがいま黙っていてもすでに着工されているやつを入れると、もう千五、六百をこえておって、計画中のものを入れるともっと多いという状況なので、何とかこれは、野方図にそういうふうにゴルフ場という名前でどんどん化けていくことを押えたい。 それには一刻も早く何らかの規制措置をとらなければならないのだが、国土総合開発法は、これはけしからぬ、だめだというようなことで、まだ審議にもろくに入っていない。これはできない。じゃ森林法はといえば、これは賛成だか反対だかまだわからぬということで、慎重審議しなければならぬというような状態では、これはまた困ることになっちゃう。何が何でもこれは与野党の御理解をいただいて、森林法の規制というものは一刻も早く私はやらなければいかぬじゃないか、こう思うわけであります。県の条例でやったらいいじゃないかという人もありますが、しょせん条例は条例で、なかなか実際問題できつい罰則というわけにはいかない。だから、私はこの森林法の成立というものを、農林省も急いでいるのだと思いますが、きょう政務次官来ていれば聞こうと思ったんだが、だれもいないからその点はようございますが、ともかく役所も、もっと農林省一体になって、われわれもつとめますが、そういうような乱開発を防止するために一刻も早く成立さしてくれということを与野党に対してもっと積極的にPRをしてもらいたいと私は思うのであります。 かりに森林を買い占めて、ゴルフ場にするということで買ったものをゴルフ場にしないという場合には、いま何も手がないのでありますが、何か、森林を買い占めちゃってただ値上がりを待つというものに対する規制措置は何かありますか、林野庁長官。
○福田政府委員 ただいまのところでは、先ほど御質問の中にありました民有林の約一千百万ヘクタール、こういう白地につきましては現在これを規制する法制はないわけでございます。
○渡辺(美)委員 これは、乱開発されるについても規制がない。そればかりじゃなくて、かりにこの法案を通しても、今度は乱開発しないでじいっとしていられたら、また規制がないんだ、これは。ですから、まずこれは通して乱開発をとりあえず押えるということが必要なんです。ですから、私は、ゴルフ場をかりにこしらえたものは、今度は転用する場合、ゴルフ場から分譲地に転用するのか、ゴルフ場から農場に転用するのか、ゴルフ場から何に転用するのか、その人でなければわからないことなんだが、もうゴルフ場をつくっちゃったのはいまさらやめさせるわけにはいかないと思いますが、それを転用する場合は、ゴルフ場をやめる場合は、これは牧場に転用する以外には転用を認めないというような法律をつくったらいいんじゃないかという気がするんだけれども、大臣がいないとちょっと固るんだがね、どうですか、農林省にだれか同調者いませんか。その考え方に対して、どうですか、林野庁長官と畜産局長、ちょっとこう、賛成か反対か、できそうか、あるかないか、頭のいいところで一ぺん答弁してもらえませんかね。
○福田政府委員 基本的には、私どもは、今度の森林法を通していただければ、その中で御承知のとおり許可制になっております。そこで、その許可をする基準として、国土の保全あるいは水資源の涵養、環境保全という考えがあるわけでございまして、ゴルフ場をつくる場合におきましても、当然その規制につきましてはいろいろな条件を付して指導する考え方でおります。またゴルフ場から他の用途に転用するという審査をする場合におきましても、それがただいま申し上げました森林の保全であるか、あるいはまた公共的な、そういう農業その他の、いい意味において非常に公共的な面に転用されるということであれば、それはけっこうではなかろうかと思うわけでございますが、いずれにしましても、乱開発を規制しようというのが森林法の改正の趣旨でございますので、そういう御趣旨を十分尊重いたしまして検討してまいりたい、かように思います。
○大河原(太)政府委員 お答え申し上げますが、畜産のための土地の確保という問題は今日最も急務でございまして、これについては各種の現行の制度等について、たとえば農地保有合理化法人による先行取得なり、あるいは農振法による土地規制の諸般の施策の強化も必要でございますけれども、総合的な国土利用と申しますか、土地利用の一環といたしまして、畜産用途への優先的な充当のための土地規制というものについては、今後一段検討を要する問題であるというふうに考えております。
○渡辺(美)委員 規制の点は、時間がないからその程度にして、いずれにしても、一刻も早く——百の規制をしなければだめなんだ、九十くらいの規制じゃだめだといって、いまさら、森林法はまだ不備だからこいつはもっともっとよくしなければ通さないということは、やはりいかぬと思うのですよ。とりあえず九十なら九十で通してもらって——共産党や皆さんもにこにこして賛成しているようだけれども、これはやはり一刻も早く国会を通過させてもらうことに御協力を願いたいと私は思います。 その次、森林組合法の質問ですが、これだけ内容を変えて、大体農協並みのことが——農協並みと言っても全部じゃありませんが、それに近いことができるようにしてきたわけでありますから、森林組合の組合員は、森林法から切り離して、森林組合を森林協同組合法というようなことにして、信用事業とか、あるいは病虫害の共済事業というようなものもやらせてくれ、こういうことを言っておるんだが、私は、これは農協とダブるという点等もありましょうが、森林地域だけで、そんなに米麦に依存しないで、もう八、九割は森林収入によって食っておるという地域の森林組合等については、やはり何らかそういうように信用業務等も一緒にしてやったほうがいいんじゃないかという気がするのでありますが、それに対する林野庁長官の見解をお聞かせ願います。
○福田政府委員 森林法の改正の案をただいま御検討いただいているわけでございますが、その前の森林法の改正は昭和二十六年でございます。この間、ただいま先生の御指摘の点につきましては、森林組合から非常に強い要請があるわけでございます。ただいまの信用事業あるいは共済事業を含めまして、協同組合法として単独立法化をすることについての強い要請があるわけでございまして、私たちもこの件につきまして関係官庁その他と十分検討をしたのでございますが、何にしましても、先生ただいま御発言の中にありましたように、ほかの農業協同組合あるいは漁業協同組合と比較いたしますと、まだそういう職員の構成なりあるいは財務の状況なり弱い点がございます。二十年前に比べますならば、合併等によりまして相当大型化してまいりました。場所によっては、たとえば栃木県のようなところとか静岡県とか、非常に進んだ森林組合もございまして、こういったようなところにおきましては可能ではなかろうかという意見もあるわけでございますけれども、ただ、今回の改正の中に織り込まれております基本的な問題は、一つは、そういう協同組合としての強化をはかると同時に、森林に課せられました公益的な使命を果たす、そういう公共的な性格の強い要請を受けまして、これをになっていくのはやはり森林組合であるというような考え方もあるわけでございます。そうしますと、単独立法化するということになりますと、純粋なそういう経済団体とするにつきましては、いろいろなそういう問題が出てくるわけでございます。したがいまして、この信用事業、共済事業につきましては、単独法の問題を含めましてなお慎重にいま検討をしたい。それで、その間、できるだけいまの改正の中に盛っております趣旨を達成することによってさらに森林組合に力をつけていく、その次の段階で、ただいま御指摘の点について実現をはかる時期を得たい、かように考えておるところでございます。
○渡辺(美)委員 一口に言えば、組合はまだ中学校を卒業しないから大学に出せないという話ですね。そのうち大学もできるだろう、ちょっと力不足だ、全体から見ればそういうことが言えると思いますが、飛騨の山の中とか、あるいはどこか、全国ですからあるんじゃないですか、北海道とかあるいは九州あたりでも、奥地で水田地帯や何かがなくて、ほとんど村じゅうが森林を生業としておるというような地域の森林組合は、やはり平均的なものよりも私はおとなになって、大学くらいにいっているんじゃないかと思うのですよ。ですから、全国一律にそういうことをやらせようというのじゃなくて、そういうふうに条件がそろったようなところでそういう道を開くというようなことは考えられないですか。
○福田政府委員 まさに御指摘のとおりでございます。その地域によっては相当力のある組合もございます。ただ、その規模を見ましても、漁業協同組合、農業協同組合に比べますと、まだその資産の状況なり職員構成なりは相当問題があるということと同時に、森林組合に加入している人の大部分、約九割近くがやはり農協に加入しているというふうな問題もございまして、その農協との調整をはかっていくという問題もあるわけでございます。そこで、実はこの問題につきましては、ここ数年森林組合の問題の研究会で、各界の権威者に集まっていただきまして、討論していただいた結果でもございますけれども、ただいま申し上げましたように、もう少し時期をかしていただきたい、こういうように考えておるところでございます。
○渡辺(美)委員 まあ一般論からすればそうだろうけれども、米麦をつくってないというようなところは、森林組合が信用事業をやらないから農協に入っているということだろう。裏返しに言えばまたそういうことも言えるのだろうと思いますから、そこらはひとつよく検討を願いたいと思います。 それから次に、区画形質の変更の問題について、これは農協はデベロッパーのまねごとみたいなものをやるという話なんだが、これは、森林組合で平地林をたくさん持っているから、そこでゴルフ場をやる話じゃないでしょうな。その点はどうなんですか、森林組合にゴルフ場も経営させるのですか。
○福田政府委員 森林組合の今度の改正案の中で新しいいろいろな事業を計画してございます。その中に保健休養に関する事業を考えておるわけでございまして、遊歩道とかあるいはキャンプ場とか、一般大衆が、どんな人でも楽しめるような、そういう不特定多数の人のことを対象に考えております。 〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕 そこで、ゴルフ場というのは不特定多数の人のためにあるかどうかという一つの問題点があるわけでございまして、これはやはり慎重に検討してまいらなければならぬ、こう考えております。日本に現在ありますようなゴルフ場でなしに、もっと大衆の人が安く楽しめるような方法ができるならば、検討の価値はあろうと思いますので、なお検討してまいりたい、かように思っております。
○渡辺(美)委員 これはそういう答弁をしちゃうと、パブリックのゴルフ場なら森林組合にどんどんやらしていいような話にすぐふったかってきちゃうんですよ。片一方では森林を保存するんだといいながら、片一方ではパブリックのゴルフ場ならいい。まあこれもものの考えようで、やはり森林組合の事業としてゴルフ場の経営までは適当だとは私は思いません。 ただ、こういうのはあります。那須あたりでも、別荘分譲屋が入っちゃってかってにみんな切り売りしてしまう。そこで、数人の人が、森林組合でありませんが、共同で自分たちのところに金を借りてきて、山小屋をたくさんつくって、木は温存しながら、夏、貸し別荘にしているという例はある。ともかく先祖伝来の土地を売っ払っちゃって、多額の金を一時ふところに入れて、持ちつけない者が持ったものだから、それがじゃまして、ともかくよけいなものを、別な町へ二号をつくったり何かしちゃって、それでうちの中がけんかになったとか、脳溢血で死んだとかいう例もあるんですよ。 だから、そういうのから見ると、それは確かに、そういうふうな森林組合が中心になって、散財をしないように、その土地の有効利用を考えてやるということは私はたいへんいいことだと思います。 ただ、これを、たまたまこういう法律ができたからといって、森林組合の目的からまるきりはずれたようなことをやらせないように、御指導をいただきたい。行政指導を特にするか、あるいはそういう歯どめを、規則あるいは何か政令か省令でつくる必要がある、こう私は思っておりますから、あわせてよく御検討いただきたいと存じます。 大臣が来ておったらちょっと一言申し上げますから、呼んできてください。それでやめますから。 大臣に一言だけ御質問申し上げます。 結論を申し上げますと、いま自給飼料をたくさんこしらえろといっても、日本の自給飼料をつくるだけの面積が日本にはないという結論になったのです。したがって、少しでも自給飼料をふやそうとすれば、平地の山林原野しかないということになったのです。したがって、飼料の自給度を高めるということを大臣がおっしゃるならば、平地の山林原野をどんなに大切にしなければならないかということが一つわかったわけです。したがって、これを非常に大切にするようにしてもらいたい。これが一つ。 第二番目は、立法の話でありますが、いまどんどん買い占められてゴルフ場をこしらえたんだが、どうせこんなに二千もつくったらつぶれますよ。ちょうどボウリング場が一時のはやりであれだけ繁盛したが、ばたばたつぶれたと同じで、ゴルフ場も、ゴルフ銀座なんてできたら、五年か六年のうちにつぶれるのが出てくる。そうすれば、その土地は当然分譲地その他に切り売りに出されるということになるのです。だから、ゴルフ場に一ぺんしたものを転用する場合は、農耕地あるいは放牧地等以外には転用できないというように農地法を改正したらどうか。それなら何ぼゴルフ場をつくってもかまわぬから、つぶれたときは全部召し上げるし、あるいは食糧不足というようなときには強制買収をかけるという手もあるから、そういうような立法措置を研究してはどうかということを勧告して、御意見を承って、私の質問を終わります。
○櫻内国務大臣 私としてはたいへん意を強うする御所見を承りました。 確かに飼料の自給度を高めると申しましても、口先だけではできることではないし、それに見合う土地が不足することも考えられる次第でございまするから、御所見のような、平地の山林原野を活用するように大切にするということについては、私としてもそのような考え方で臨みたいと思います。 またゴルフ場の買い占めにつきましては、非常にゴルフ場がふえるということによりまして、ただいまのように乱立というのですか、たくさんできて共倒れする要素という御意見については、私としてもそのように見通しをつけて対処する必要があるというふうに思います。したがって、その転用に際して規制をすべし、それを検討すべしと、こういう御意見でございましたので、われわれとしても御意見に沿った検討をいたしたいと思います。 以上でございます。
○佐々木委員長 柴田健治君。
○柴田(健)委員 森林法及び森林組合合併助成法の一部を改正する法律案に関して御質問を申し上げたいと思います。 まず、一つの法律を改正する、または新しく法律をつくっていくという、そういう場合に基本的なものがなければならぬと思うのですね。私たちはやはり一つの法を改正するにしても、ただばく然と思いつき、場当たり主義、そしてまたどろなわ式というような発想では困る。やはり長期の展望、将来のあるべき姿を考えて、そのレールの上を走りながら悪いところは直していくという、そういう発想でなければならぬ、こう思うわけであります。私たちはそういう考え方に立って、この法案の審議にあたってひとつ大臣に対していろいろとお尋ねを申し上げてみたいと思います。 林業施策を進めるについては、やはり現在の林業に対する認識のあり方だと私は思うので、どういう認識をしておるのか、そしてどういう発想をしておるのか、そういうものを最高責任者である農林大臣が明確に持っていただかないと、私たちは、この日本の林業というものは発展もまた振興も十分とは言えなくなってくるのではなかろうか、こういう気がいたします。私たちは今日の森林に対しては森林資源という、資源の中にはいろいろの考え方がいま大きく入ってまいります。木材の生産または国土の保全、水資源の涵養、自然環境の保全また国民の健康保養林等の活用等々、こういうことを考えたときには、国有林、民有林全体を含めて、だれが所有権者であろうと、やはり日本の山は一つの民族の財産として位置づけをすべきではなかろうか。私たちは、山は日本の民族の財産だ、そういう考え方に立って論議をしていくほうが明確に、そして責任体制も生まれてくるのではなかろうか、こういう気がいたしますが、農林大臣の見解を聞きたいのであります。
○櫻内国務大臣 ただいま柴田委員からお示しの、森林の有する国土の保全とか、水資源の涵養とか、自然環境の保全形成あるいは国民の保健休養というそのような機能というものは、これは一口に申し上げまするならば、公益的機能というものだと思うのであります。これが重視されて、そうして経済的機能も考えていく、これは御発言のとおりだと思うのであります。特に私は、少し変わった言い方をいたしまするならば、森林の持っておる大きな機能としては、これは自然の浄化装置である、人間の生命を保持していく上において最も必要なそういう機能なのである、この浄化装置なくしては人間の生命を保たしていくことができないというような見方もいたしておるわけでございますが、お示しのとおり、公益的機能を重視して今後の森林対策を立てていかなければならないと思います。
○柴田(健)委員 私たちはこの民族の財産として位置づけて、そういう発想の中から、今回の法の改正においてもなぜ改正を余儀なくされてきたのか反省をしなければならぬと思います。反省というものがなければ前進しないという、そういううらはらでありますから、前進を求めるならば、十分反省をしなければならぬと私たちは思います。いままでの日本の林業行政がそういう発想がくずれておったのかどうか、私たちは皆さん方関係者に反省を求めたい。そこに乱売買、乱開発という、そういう予測もしない一つの社会悪に結びつくような、モラルがくずれてしまうということになったのではなかろうか。 そして、いままで自然林として日本の林業はある程度やってきた、そして人工林として手を加えてきた明治以来の歴史、明治三十年に森林法ができて七十八年の歴史をお互いに振り返ってみて、われわれの先輩がどれだけ山に配慮をしたか、努力してきたか、また手落ちがあったかどうかというものをいろいろと検討し、歴史を踏まえて新しい方向を歩まなければならぬと思うのであります。 私たちはこういう乱売買、乱開発が起きたということはどうしてかというと、収奪林業という、ことばではきびしい言い方をいたしますけれども、半ば収奪林業の道を歩んだんではなかろうか、こういう気がいたします。 それから、私たちはやはりこれからは国民の財産として、民族の財産として、受益者負担の原則——政府・与党の人は受益者負担の原則を常に振り回すのですが、受益者負担の原則からいっても、民族の財産、民族の資産として考えるなら、国全体が思い切った処置をとらなければならぬ。地方公共団体だとか林業団体だとかいろいろな関係の団体だけに強要やまたは責任を転嫁するのでなくして、国全体として責任を持って今後の林業政策はどうあるべきか、いままでの収奪林業から育成林業へ、そしてまた山を愛していく、愛護林業へという、そういう形でこの林業施策の大転換をはからなければならぬのではなかろうか、そういう気持ちが農林大臣にあるかどうか、お尋ねしたいと思います。
○櫻内国務大臣 森林行政のあり方について反省もしなければならないし、また建設的な施策を考えていかなければならないと思います。そのために、御所見では国が責任を負ってやっていくべきである、私はその趣旨について別段異存はございませんが、国が直接責任を負うのか、しかし、国は責任があるのであるが、ある程度のその趣旨の中における地方分担というものの必要があるのかどうかという点については、なお十分考えていかなければならないんではないか。末端の行政が十分行き届く上におきましては、国、地方との関連の仕組みというものもやはり大事ではないか。ただいまのお話を聞いておると、ちょっとその辺に私としての意見がございまするが、しかし、お示しのような乱伐を避け、乱開発を防ぎ、国民の貴重なる財産を守っていくということについては全く同感でございます。
○柴田(健)委員 大臣、国有林の制度ができた歴史をひとつ簡単に説明願いたいのです。——長官じゃないのです。きょうは大臣とやるのです。
○櫻内国務大臣 私のうろ覚えで申し上げてはあれでございますから、ひとまず長官からお答えさせます。
○福田政府委員 日本の国有林ができました経緯は、先生も十分御承知かと思いますけれども、明治維新ができましてから特に国有林に編入されましたのは、昔の藩有林それから社寺有林というふうなものが主でございまして、その関係もございまして、南のほうと北のほうとではその成り立ちも違うわけでございますけれども、主として北海道、東北に国有林が偏在しておるいきさつは、ただいま申し上げましたほかに、民有林の経営としては放てきされておったという地帯も含まれておるわけでございます。その基幹をなすものは藩有林とかあるいは社寺有林であるとかあるいはそういった林業の利用形態のおくれておった地帯が非常に多かったというものが主でございまして、国有林は面積では全森林面積の三分の一でございますが、その内容では老齢過熟な森林が多いために、蓄積で比較すれば半分ぐらいというふうに理解しておるわけでございます。 なお、御承知のように、昭和二十年の終戦の直後には国有林は特別会計制度が導入されたのでございますけれども、そのいきさつは先生も十分御承知かと思いますので、省略いたします。
○柴田(健)委員 日本の国有林、公有林、私有林、いろいろ段階別に違った経過はみなさん方もよく知っておられると思いますから、あえて私は言いませんけれども、当時は薪炭林というものが、火と水というものは人間生活の一つの基本だ、こういうことで、私有林、民有林というものはそういう薪炭林の面を十分考えておった。同時にまた、農業に山林原野は切っても切り離すことのできない関連がある。要するに、それは飼料として、草地としてそういうものを認めてきた。本質的には国が管理すべきというたてまえではあったけれども、そういういろいろな経過があるわけでありますから、いま薪炭林も化学燃料に押されて——いずれまた化学燃料がなくなってきたら薪炭林ということが出てくるかもしれませんが、どちらにしても日本の林業にはいろいろ紆余曲折がありますけれども、国が責任を持つということは、やはり当初から先輩はそういう判断に基づいていろいろな形でめんどうを見、処置をしてきたと思うのです。それが今日、先輩が残した財産を、どちらかといえば、恩恵を受けて売り食いをしてきた。そういう戦前、戦後というか、戦争中もそうだし、戦後においてもそうだし、このことが日本の山を荒らした一つの起点である。いま第二回目の山荒らしの作業が、この四、五年の高度経済政策の中で、最終段階で通貨政策の誤りから山を荒らしたということで、いまは明治以来二回目の山荒らしをやったわけです。この点は十分考えて、お互いに反省しなければならぬと私は思うのです。 そういうことから、私はこれからの林業施策を進めるためには体制づくりが必要だと思うのです。どういう方法で体制をつくっていくのか。私たちはまずいまの林野庁の機構がそのままでいいかどうか、林野庁のいまの機構で完全なる林業施策が進められるかどうか私は疑問に思っている。要するに、この機構改革を思い切ってやるべきじゃないか。国有林、民有林というふうに大ざっぱに二つに分けて、国有林局と民有林局と局を二つに分けるべきだ。そういう体制づくりの基本は林野庁の機構改革をやることだ、こういう気がいたしますが、大臣、どうですか。
○櫻内国務大臣 昨年の十二月の林政審議会の答申の中におきましても、林野庁の組織についての点につきいろいろと触れておるわけでございます。一般林政部門と国有林野事業経営部門とを明確に区分したらどうかという意見が入っておると思うのでございまして、その点からいたしますると、ただいま柴田委員のお示しになりました国有林局、民有林局を設置するのはどうかということについて、御趣旨は林政審議会の答申と大体軌を一にするように承ったわけでございまして、また、林野庁の機構につきまして、現在の諸情勢に合うようにすべきだということは、大かた常識としていわれておるところでございまするので、農林省といたしましても、この点につきましては十分検討をさせていただき、案をすみやかにつくりたい、このように思います。
○柴田(健)委員 まず、総元締めの、総本山の林野庁が、そういう体制づくりをこれからやるんだ、思い切って林業施策を進めていく、そういう体制づくりと同時に、まず私は、この林業関係の要するに技術研究体制をもっと強化すべきだ。いまの林業試験機関を見ておると、ばらばらだし、そして木材の品質の検査を研究するにしても、どうも外材を中心に合板の研究ばかりしている。国内産のほうは少しやっている。そういう日本の木材の価値観、そういうものを国民に理解を求めていく、そういうことを考えたならば、やはり自信を持つそういう技術者を養成しなければならぬ。 それから、技術研究機関の強化体制というものを整備する、これがもう第二点だと私は思う。 その次は、林業関係者のこの山に対する認識をもっと求めるという考え方に立つならば、林業関係者の幹部養成をやるべきだ。でないと、今度の法案で、いわゆる森林組合の合併助成、これはもう形式に終わってしまう。農業協同組合でもそうですが、合併をすればものごとがすぐ解決するというものじゃない。やはり幹部になる人は、もうこの辺で幹部の養成のそういう養成機関に入って、もっと山に対する自信と学習を身におさめてもらうというようなことも考えなければならない。 それからもう一つは、日本の森林資源の価値観というものを国民に十分知らしていく。そういうことによって、日本の山は大事にしなければならぬ、森林は大事にしなければならぬ、こういうことで、いま林家だけ、林業関係者だけの林業でなくして、国民的な林業として、国民的な重要な一つの課題としてPRする必要がある。そういう広報活動を思い切ってやるべきではなかろうか。 そのためには、幹部の養成、広報活動、林業技術研究体制の強化、できれば林業大学でもつくる、そういう考え方になってもらいたいということを、私たちは強い一つの意見として持っているのですが、大臣、どうですか。
○櫻内国務大臣 技術者の養成あるいは幹部職員の研修、広報活動と種々御意見を賜わったわけでございます。私はいまお示しのことはすべて積極的にどんどんやるべきだと思います。政府としては、ことしの予算面におきまして、たとえば技術者養成については、林業技術実習指導施設を昨年から三カ所ずつつくりつつあるわけでございますが、もとよりこれは十分なものとは言えません。しかし、御所見に沿っての技術者養成ということには手がついておるということはお認めをいただきたいと思うのでございます。 また、林業団体の幹部の養成につきましては、中央研修を実施するとともに、都道府県を通じての研修もいたしておるところでございます。 広報活動につきましては、十分というわけではございませんけれども、新聞、テレビ、広報紙等による活動をいたすべくある程度の予算をつけておるわけでございまするが、最初に申し上げましたように、お示しの点は、今後の森林行政の上からも、また森林施策を実施する上においての技術者や幹部の養成という具体的な面からも、いずれも必要なことである、今後の予算措置におきましても十分考えてまいりたいと思います。
○柴田(健)委員 大臣、私は漁業も大事、一般の農業も果樹、畜産全体も大事だし、林業もこれはもう忘れてはならない。今度の国会中でも、この東京都内に林野庁直轄の林業試験場がある。私はこの林業試験場ぐらいは、農林水産委員を全部農林大臣が案内して、一ぺんあすこで昼めしでも食うて、現地でいろいろ研究でもさせてもらえると楽しみにしておったのですが、何にもしない。もう少し林業関係に大臣が——行政府にわれわれが引っぱられるということはどうもメンツもないのだが、しかし、立法府の皆さんに行政府の皆さんが、山をちっとは勉強してくれ、もっと林業関係のことを研究してくれ、こういう強い姿勢があってしかるべきだ。それが一つも出てこない。どういうわけだ、大臣。
○櫻内国務大臣 全く申しわけない次第でございますが、林業のみならず、他の面においても、ほとんど勉強するとか視察に参るという余裕もなくこの半年間を過しておる次第でございまして、みずからおさめることができずにおるのでありまして、したがって、皆さま方におこがましくいろいろ申し上げるような立場になかなかなれないわけでございますが、目黒に国立林業試験場がある、そういう認識はいまあらためてしたようなわけでございまして、さっそくに国会の皆さんとともに勉強する機会を持ちたい、そのことによって林業問題に対するお互いの見識を深めたい、このように存ずる次第でございます。
○柴田(健)委員 もう少し大臣が林業に強い推進力になってもらわなければ困るのですよ、ほんとうは。だから、私はそういうことを考えて楽しみにしておりますから、ひとつ機会をつくっていただきたい。なぜ私がそういうことを言うかというと、もっと日本の木材の品質の価値観というものを思い切って研究していく。先ほど渡辺委員から飼料の問題で、いやコウリャンやトウモロコシや大豆、実際面積がないんだ、つくろうにもつくれぬじゃないか、自給飼料はできないじゃないか、こういうことを言われましたけれども、米でも昔は三斗五升俵の米がせいぜい、昔は四斗俵はなかった。明治初年のとき、われわれはおやじやじいさんに教えてもらったんだが、三斗五升俵また三斗俵というように、せいぜい三俵半から四俵しか取れなかった。いまは倍以上取れる。大豆だろうと何だろうと、少ない面積でも技術を研究すれば、水稲、米でも品質改良に改良を重ねてあそこまで来たが、努力すれば少ない面積でも多収穫方式がとれる。私は努力すべきだと思う。何でも、山でも、土質の関係も雨量の関係もある、いろいろあるけれども、努力すればいまの面積で、自給の見通しの計画が、だれにも笑われないように、絵にかいたもちのような計画案でなしに、もっと活用の効率が生まれてくるように、そういうことを考えながらもっと日本の林業に対して財政投融資も思い切ってやる、こういう考え方をわれわれは持っておる。 それから、この自給計画というものをいろいろ林業白書で読んでみるけれども、そのときそのときの文章のことばのあやというか、そういうことで、どうも現実には前進してないけれども、文章だけは進んでいく。それから文章は進むが、じいさんの中風つきと一緒で、足のほうが一つも動かない、もたもたもたもたしておる、そういう感じを持つのであって、やはりそれは何か基本的なものが欠けているんじゃないか。 私は、奥山、里山いろいろ名称をつけて表現をしておるんですが、やはり利用計画を立てるための、日本の林地、山地に対してもう一ぺん診断をすべきではなかろうか。山に対する診断、それが国有林であろうと民有林であろうと、公有林であろうと私有林であろうと、会社林であろうと、もう一ぺん山の診断をやるべきではなかろうかという気がします。そういう診断をすることにおいて住民参加の林業施策というものが進められるんではなかろうか、こういう気がいたしますが、この自給計画ということから山林の利用、そういう抜本的な基本的な計画というものを立てる基礎をまず確認する必要があるのではなかろうか、こういう気がいたしますが、大臣、どうですか。
○櫻内国務大臣 現在、森林資源に関する基本計画によって、都道府県知事がより具体的にするための全国森林計画による地域森林計画を立てておると思うのであります。また昭和四十三年からでございますか、個別の森林所有者がみずからの経営指針としての森林施業計画を作成して都道府県知事の認定を受けるという森林施業計画制度が発足をしておるわけでございまするので、この御趣旨の、すべてを診断するというのにまあまあ近いようなことはやってまいっておるとは思うのであります。しかしながら、今回の森林法の改正によりまして三十ヘクタール以上のものについて、従来の属人の森林施業計画に加えて、属地の共同の森林施業をも推進することにいたしたのでございまして、これらのことを総合してまいりまするならば、御所見にそう遠くない山林の個人有林あるいは公有林、会社の所有林等利用計画が立てられるのではないか、このように見る次第でございます。
○柴田(健)委員 たとえば国有林の中で文部省管轄の国有林があるわけですね。文部省に管理さしている学術研究としての研究林があるわけですね。これらのものはどういう指導をしておるのか、診断しているのか。 それからもう一つは、全国の会社がたくさん持っているが、特に製紙会社、大昭和製紙が六億一千二百四十五万平米、本州製紙が二億九千五百五万平米、十条製紙が五億八千六百四十四万平米、山陽国策パルプが三億二千四十万平米、王子製紙が八億五千百九十三万平米というように、各商社から、たとえば東京電力、関西電力というような電力会社でもたくさんの山を持っていますが、こういう山でも日本の民族の財産として、ただ会社林だからほっとけばいいのだとか、彼らは彼らで資本投下をして付加価値をあげる、活用の効率をあげる、それのことばだけ聞いて、それに対する診断もしない。診断のないところに助成も指導も生まれてこない。やはり助成と指導、要するに、監督権の強化だとか、権力の乱用というのでなしに、やはり助成、指導というものが一方でなければ、ほんとうの山の育成というものは私はできないと思う。そういうことを考えるときに、もっと綿密に診断をやっていく、それは国だけでやるというてもできないのだから、やはり国が県なり、市町村とタイアップして、もう一ぺん山を見直していく、反省の上に立ってもう一ぺん山を見直していくという、そういう形。こういう点で、今度だけはあすからすぐやって何日にすぐ済むというものではないので、計画的にそういうものも取り組んでいく、そういう姿勢がほしい。 私は日本の木材資源が非常な貴重なものだということで、ぼくらも植林を長い間やってきた、造林もやってきた、作業もやってきた。いま私はできぬから、家内にやらせるわけですが、下刈りから何からみんなやらせる。日本の木材資源ほどりっぱなものはないと思っている。皆さんは外材、外材と言うて外材を本気でほめて、国際分業論かどうか知りませんが、安いから入れるかどうかしりませんが——まあ歴代の林野庁長官は参議院に出る。今度の長官は、先ほど渡辺さんが質問したら、参議院に出ずに林業を一生懸命やるのだ。そういう平穏なときじゃない、山林を取り巻く諸情勢がきびしいから、おれは一生懸命山に全力投球をやるというその姿勢に私は敬意を表しているのですが、歴代の林野庁長官が参議院に出て、何ができたかというと、貯木場が少しできたのと外材が入ってきたのがふえただけです。私はそういうことを糾弾するとかいやみを言うわけじゃないのですけれども、もう少し国民の財産として日本の木材の価値というものを国民に知らせることが大事だ。指導者はそれだけ自信を持たなければならぬ。 私は、火災でも、火災の現場を見て、消防団長をしておるからいつも言うのですが、外材で建った家はだめだ、こういう燃え方をするのだ。日本用材で、国内産で建った家はこういう燃え方をするのだ。私は現地で常にPRをしてきた。燃え方が違うし、耐久力が違う。外材はもう早く燃えてしまう。仕事がしやすい、美観論からきれいにでき上がるから、消費の経済のあおりで、消費も美徳なり、売るためには紅をさせ。商品価値を高めるためにはきれいなのがいいでしょう。日本の用材はきたないかもしれない。見ばえがしないかもしれない。けれども、日本の木材がどれだけ質がいいかということをみんなが知らぬ。そういうことを国民に理解させるためには、まず指導者が、林業関係者がもっと真剣に勉強してもらいたいと私は思う。大臣、どうでしょうか。もっと勉強してもらえませんか。
○櫻内国務大臣 これは先ほど指導者の問題やあるいは技術者の問題のところでお答えしたのと同趣旨のことを申し上げることになると思うのでありますが、これからの林業施策を遂行する上におきまして、もっと真剣な努力、研究、こういうものの必要であることはもとよりでございまして、そのための努力、すなわち林野庁において技術者の養成とかあるいは幹部の研修とか、そういうようなことをやる。われわれもまたおっしゃるとおりにもう少し突っ込んで勉強をする必要があることは言うまでもないと思います。
○柴田(健)委員 文部省と長官に。
○福田政府委員 文部省のいわゆる大学の演習林でございますけれども、これは文部省の所管に属しておりまして、文部省が指導しております。文部省のほうから要請を受けまして、大学等の増設に伴いまして、演習林としてこれを所管がえしてほしいという希望が出てまいりますれば、それに応じて、こちらの経営の状態等を勘案しながら文部省に所管がえをしているものでございます。 これは御承知のように、大学の先生が学生を教育するための施設でございますので、林野庁としましては、文部省の指導にこれをまかしておるわけでございますけれども、協力を要請された場合においては、できる範囲内で協力をいたしておるわけであります。 先ほど大臣からもお答えいたしましたように、大会社の山と大きい山持ちさんと零細な山持ちさん、いろいろございます。計画制度をつくっておる達成率から申しますと、比較的大面積を持った森林の所有者、それから大会社、これは地域森林計画に基づきまして、それぞれ森林施業計画をつくっております。ただ、やはり御承知の五町歩未満、現在約九割を占めておりますけれども、こういった人々もやはり共同して施業できるように、そういう施業の計画をつくっていただきたい、こう思っておるわけでありまして、それで従来森林法の中にございました属人的な施業計画を属地的な施業計画に切りかえる制度もつくったわけでございます。要するに、そういった大会社所有であろうと、あるいは大きい山持ちさんであろうと、零細な山の持ち主さんであろうと、すべてこれを計画制度にのせまして、そして森林資源基本計画に基づく全国森林計画、それの内容をなしております地域森林計画の目標が達成できるようにしてまいりたいというのが念願でございまして、そういった人たちがすべて計画どおりに伐採していき、計画どおりに造林していく制度を早く達成したいというふうに考えているものでございます。
○柴田(健)委員 私は、林野庁長官、国有林の払い下げ、素材、立木、どちらにしても、払い下げをする。製紙会社などに払い下げを長い間してきたのですが、自分が持っている山、効率が非常に低いのですよ、調べてみると。自分が持っておる山は手入れも何もしないでほったらかしにしておいて、サボって、国有林だけ払い下げを安くしてもらおうという。払い下げをしてはならぬとは言いませんよ。けれども、自分の山を効率的にその付加価値をうんと高めるようなそういう山の活用計画をして、足らないから国有林のやつを少し立木を分けてもらえるか、こういう考え方なら私は理解ができる。けれども、彼らが持っておる各製紙会社の山の効率を調べてごらんなさい。非常に低いですよ。こういうものを指導もせずにほったらかしにしておいて、国有林の立木や素材を分けてもらおうという、競争入札の原則をやめて随意契約だなんてやっているのですが、分けてはならないとは言いません。けれども、自分の山の持っておるやつをもう一ぺん振り返れ、もっと見直して、山に投資をして、活用率を上げる、効用率を上げるという指導をすべきではなかろうかと思うのですが、長官、どうですか、この点は。
○福田政府委員 まさに御指摘のとおりでございまして、国有林の販売制度の問題につきましては、いろいろと批判をいただいております。特にいまお話の出ましたパルプ会社に対する販売のあり方ということについては、公売あるいは指名競争、随契、こういう販売方法がありますけれども、こういう方法と同時に、量的な問題、いろいろ批判がございます。確かに会社自身が持っておる山自体をよくするということが先決だと私は思います。そういう方面の指導はさらに強化してまいりたいと思いますし、販売制度の問題につきましては、いま、従来のいきさつを少し抜本的に改善したいということで検討いたしております。
○柴田(健)委員 この販売の問題、いずれ申しますが、まずこの次は防災対策。大臣、山に対する防災対策というものは、いまの時点でわれわれの立場から判断をして申し上げると、十分とは言えない。それから、どうあるべきかということも、これも基本的な問題でありますから、防災対策を、ただ保安林の指定をして土砂流出、水源林、それだけではいけない。先ほど言ったように、相当山の利用価値が変わってきたと言われたんだから、いま大規模林道だとか、そういうスーパー林道とか、いろいろ林道をつけられて、その目的というのは文書でうまいことが書いてあります。それでやられるわけです。けれども、私は防災というものを皆さんもう少し認識を変えてもらわないと困るという考えを持っています。要するに、資源の活用というものを考えて、林道も必要でしよう、当然やらなければならぬと思います。けれど、防災を忘れてもらっちゃ困る。 たとえば防災の一つの機関としては、森林保険制度があります。森林保険制度でこと足りると思っておるのだろうかどうか。いまの加入率を見ると、もうお粗末だ。ただ造林をやる、補助金をやる、五ヵ年の掛け金を先に天引きするというような、殿さまのやり方だね。これがいいと思っているのだろうか、こういう気がします。 それから、皆さんが矛盾を感じておれば、ひとつこの保険制度の活用を、制度としてはいいのですから、これをもっと活用してもらう、そのPRをどうするか、やり方をどうするか、再検討する必要が私はあると思う。 病虫害対策にしても、先般マツクイムシの問題を言いましたけれども、たとえば広島県の宮島の裏の山がマツクイムシでだいぶいかれている。どうしたのだ、こう言うと、まあ学校の先生がマツクイムシでちっとは山が枯れたっていいと言ったからほうっておきますわ。そういう病虫害対策に厳然たる姿勢が林野庁にない。相手が何を言おうとかにを言おうと、法定伝染病というようなものに対しては即座に対策を開始しなければならぬ。だから、病虫害対策一つを見てもまだまだ十分とは言えない。 その他、土砂の流出や山林火災についてもそうですよ。いま大規模林道や大規模林業圏の中で林道をつける。南アルプスのほうでも、あるから申しますけれども、山に道をつければ自動車も入るだろう、人も入るだろう。そういうことを考えたら、危険度が非常に高くなって、山火事も起きるかもしれない。せめて林道をつける場所には防火水槽くらいは一カ所や二カ所や三カ所は距離に合わせて設置すべきじゃないか。百立方メートルぐらいな防火水槽をつくっておく。道をつければ、昔は、きがまと、よきを持って、山火事やと言うたら走っていきよった。 そういう山林火災から見る防災対策、病虫害から見る防災対策、林道をつけるための防災対策、いろいろこの防災対策を考えなくてはならぬと思うのですが、いまのやり方を見ておると十分とは言えない。この点を改める必要があると思うのですが、どうですか、大臣。
○櫻内国務大臣 防災対策を現実の山林地帯について考えてみまするに、過疎化が非常に進んでおる、また人口層が老齢化しておる、こういうような面からも問題があると思うのであります。また火災に対しましてりっぱな林道をつける。そのために相当な人数が山に健康のためとか観光の上で入ってくる、それによって火の始末が悪いとか、山火事の原因もつくる。そういうことであれば、せっかく林道をつけるならば、防火水槽をある間隔をもってつくれ、これも必要な点であると思います。また乱開発に伴う土砂くずれ、地すべり等の場合、さらにはいまマツクイムシをあげての山林に対する病虫害についての取り組み方に対する御批判をちょうだいいたしました。幾つか問題点をあげてまいりまするならば、現在の森林に対する防災体制が決していいものではない、不十分であるということは認めざるを得ません。そのためには国としての予算措置もし、国、地方を通じてのこれからの防災体制をどうするのかということで見直していく必要性はあることは当然だと思います。したがって、従来とられつつある対策を強化していくとともに、問題点につきましては十分検討してまいりたいと思います。 病虫害の関係で、マツクイムシのお話がございましたが、これは先般来しばしば問題になり、私も中国地方でございまするから相当関心を持ちました。幸いに原因が非常にこまかい線虫によるということで、それに対する予防措置も講ぜられるということでありまするので、これは努力さえいたしますれば、そう蔓延をせずに済むことではないか、このように思いまするので、マツクイムシ対策については万全を尽くしたい、このように考えております。
○柴田(健)委員 防災対策が基本的に明確になっていないから山の監視体制がおろそかになっている。たとえば立木を伐採する、へぼぎ——皆さんどう言うか知らないが、私たちはへぼぎと言う。へぼぎが切り離してほったらかし、それが谷間に流れて落ちてくる。それが集中豪雨で災いをして山くずれを起こす、土砂を流出させ、河川をはんらんさせる、堤防を崩壊させるという非常に副作用を起こすわけですが、そういう山の立木を伐採したあとどういう処置をさしていくのか、そういうものはばらばらなんですね。 〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕 いま見ていると、それを切ったらどの程度の期間で整理をさせていくというような指導というものは、多少はやっておるけれども、十分でない。 それから、山の防災監視体制をどうするか、同時にまた、防災をやらなければならぬ国なり地方公共団体、これは今度大規模林道のやつを中国山麓と四国山麓、岩手山麓に三つの大規模の林業圏という形の中で、幅員七メートル道路として舗装する。地元で聞いてみると、林道じゃない、観光道路としてやるのだ、下のほうではそういうPRをしている。われわれが文書を見ると、非常に懇切丁寧に書いて、文書だけ読むと文句を言えないけれども、やっている中身は違う。しかし、やってもよろしい。やってはならぬとは言っておりませんが、私が言うのは、この付近でも、この沿線でも、防火用水槽を何カ所かつくっていく計画が入らぬのですか、これは、林野庁長官。それからいまの防災体制。あわせて大臣に聞きたいのですが、防災体制の監視官制度をつくるか。どういう方法でこの山の防災体制を強化していくか。この点は大臣の見解なんですから、大臣と、具体的には施設については長官。
○福田政府委員 御指摘のありましたように、山林の保護体制につきましては、山火事の場合であるとか病虫害が出ました場合とか、いろいろございます。気象災、火災、それに対しましては、治山事業あるいは保険制度等を適用してまいっているわけでございます。また病虫害につきましても、できるだけこれは、激しいところは国営でやるとか、制度を強化してまいりたいというふうに思っておりますが、基本的には、いろいろなそういった面を一括してどうするかという問題がございます。これはやはり私は森林の、何と申しますか、監視の職員の充実も必要だと思っております。ことばをかえて申し上げますと、森林パトロールと申しますか、常時そういった火災の見張りとか、危険なところあるいは病虫害の出そうな時期には、そういった見張りを強化するとか、あるいは台風等が来た場合にはその林道の見張りを強化するとか、そういう森林の管理のためのパトロール事業と申しますか、そういったものを強化してまいりたいというふうにも考えておるところでございます。 いまおことばの出ました防火水槽等につきましては、確かに火事が出ますと、一朝にして数十年たったものが台なしになるわけでございますので、消防庁等とも十分の連絡をとりながら協力してまいってはおりますが、防火水槽等についても検討してまいりたいと思います。
○柴田(健)委員 大臣、どうですか。
○櫻内国務大臣 いま監視制度の問題につきましては、パトロール制度を考えたいということを林野庁長官のほうからお答えをいたしたわけでございまするが、私もそういう制度を強化していく必要があるのではないか。森林事業の施業関係者によってパトロールをするとか、あるいは警察とか消防団とかいうような関係についての森林防災についての教育というようなこともあわせ考える必要があると思うのでございますが、諸外国と申しても、私の記憶では、アメリカなどに森林監視隊員パトロール制があるようでございますが、まあそこまでいかなくとも、とりあえず施業関係者によるパトロールの強化、その必要を認めますし、またそういう施策を進めていかなければならないと思います。
○柴田(健)委員 私は、民族の財産として、そういう発想の中からいろいろ具体的に政策を考えなければならぬ。それから、山を守っていく、管理していく、指導していく、そういうことを考えたならば、やはり地方公共団体の任務が大きいんだから、自治大臣と農林大臣がそういう防災関係を含めて山に対する話し合いをしてもらいたい。そして人が要るものなら地方公共団体に人員をふやしていく。そこで、職員の問題になれば、交付税の財政需要額の中にもっと山のこの職員をふやしていくような話し合いをすべきじゃないかと思うのですね。基準財政需要額の中に算定をしてふやしていくような、そういう話し合いをして煮詰めていくべきではなかろうか。それには大蔵省も関係ありましょう。そういう点の気持ちがあるかどうか、大臣に聞きたいんです。
○櫻内国務大臣 たいへん有効な御提案だと思います。現在、消防庁に林野庁から職員を派遣しておりまして、御趣旨の線に沿うような連絡と申しましょうか、現にやりつつはあるというふうに聞いておるのでありまするが、さらに、そういうようなことでなく、もっと基本的に根本的に考えていくということにつきまして、自治大臣とも話し合いをするということについてやぶさかではありません。
○柴田(健)委員 まあ大臣との論争ですから、大筋だけを申し上げてまいりたいと思いますが、次は労働対策です。 何としても、この山をどんなにしようとしても人がおらなければどうにもならぬわけでありますから、この労働対策をどうするか、山林労働力をどう確保していくか。人はたくさん日本にもう一億八百万人もおる。それから賃金配分、所得配分が不均衡だし、要するに、労働の雇用安定計画も日本にはない。手放しでありますから、やはり水は低いほうへ流れる、人は賃金の高いほうに流れる。これにいま大きくゆれ動いておるわけです。そういう中でこの山林労働力を確保するためにはどうしたらいいのか。この点は大臣を責めるわけではないけれども、私が大臣なら責任もってやりますけれども、まあそういうことも一つの夢ですから、大臣が山林労働力をどう確保するのか。山林労働者がだんだん減っていったのは何が原因か。いま国有林、民有林で働いておられる労働者の平均年齢は何ぼか。このままなら自然淘汰されてしまって、山林で働く人はごくわずかになってしまうんではなかろうか。それから、山に対する魅力というものがないんではなかろうか。だから、魅力を持たせるための、やはり国民の林業として位置づけて、山でみんなに働いてもらえるような、おれは無理に三菱や住友や大企業、そういうエリート工場では働かなくても、山で働くんだという使命感を植えつけるような、そういう魅力のある労働対策をしない限り集まらぬと私は思うのです。大臣、どうですか。労働力を確保するためにはどうしたらいいか。足らぬようになったのは何が原因か、あなたの認識と考え方を聞いておきたいと思う。
○櫻内国務大臣 第一には、林業労働者の労働条件の向上である、こういうふうに認識をいたします。その中では給与の問題も当然のことながら、福祉の向上ということがきわめて重要であると思います。特に民有林労働について、事業規模の零細性、林業労働の季節性等から見て、他産業に比し、就労不安定、福祉水準の低位であるということは、遺憾ながら認めなければならないと思うのであります。 そこで、いまちょっと林野庁の予算面で見てまいりますると、こういう施策が浸透してまいりますれば、問題点はある程度緩和するのではないか。たとえば林業労働者の通年就労促進とか労働力の流動化、林業労働環境整備促進、林業労働の安全施業基準、こういうようなことを予算面ではやろうということで、逐年若干ずつの予算がふえておるわけでございまするが、林業労働力対策予算を見ると、そういうものが載っておるわけでございます。そこで、今後におきましても、このような施策費を活用いたしながら、林業労働者の労働条件の向上につとめてまいりたいと考えます。
○柴田(健)委員 長官、国有林と民有林とそれぞれいま働いている労働者の平均年齢はどのくらいになっていますか。
○福田政府委員 国有林の平均年齢は、ちょうど毎年一歳ずつ上がってきておりまして、いま資料はございませんけれども、たしか四十二歳ぐらいだと思います。 民有林の平均年齢につきましては、一番多い階層は四十歳から五十九歳でございますので、国有林よりもまだ年齢が高いのじゃないかというふうに推定されます。
○柴田(健)委員 大臣、お聞きのとおり、国有林、民有林ともに高年齢層になっているのですね。樹木ならば古いほうが大きくなるわけで、年輪の多いほうがいいわけですね。しかし、労働力のほうはあんまり年齢が古くちゃいけないので、労働者の年齢というものはやはり均衡をはからなければいかぬですね。いまのようなやり方をしていって、今度山に一時に入れると断層ができるわけですね。まん中があいちゃう。だから、平均して毎年労働力を補充していく。役所でもそうでしょう。農林省だってそうでしょう。断層ができないように、毎年国家公務員試験をして何人か入れていきよるわけですからね。断層をつくったら、それだけ林業がおくれるということになります。だから、断層をつくらないように若年労働力を確保していくという施策がなければならない。 それから、大臣はいま今年度の予算でいろいろやると言われました。いまの予算額を見ると、どれほどのものができるだろうかという気がするわけですね。ところが、国有林だけの労働力ではいけない。民有林労働力を確保しなければいけない。皆さんは、林業といったら国有林だけを考えている。八百万ヘクタールの中で実際は七百五十万だ。実際は二千五百万ヘクタール日本にあるのです。そういうことを考えたら、労働力がどのくらい要るのか。林野庁のいまの計画を見たら、実際に国有林、民有林を含めてまあまあという。国民から理解されるような林業施策を進めるためには労働力がどの程度要るのか、長官、その数字を御説明願いたい。
○福田政府委員 正確な数字はちょっと申し上げかねますけれども、今後の森林経営の実態といたしまして、自然保護を重点にいたしました森林施業をいたします結果、従来のような伐採とか皆伐に伴う新値の人員は減りますけれども、先ほど申し上げましたように、森林管理の仕事とか、そういったような公益的な性格の仕事に対する職員の補充あるいは労働力の補充は必要になってまいると思います。それらを兼ね合わせまして、現在の労働力よりは若干下回る程度で将来は移行していくのではなかろうか。その質、量の点からいきまして、実はそういうふうに考えておるところでございます。
○柴田(健)委員 あなたらは基本的なものを十分はっきりさせないで先へ先へと行ってしまう。あなたはもう新幹線みたいなもので、とっとっとっとっと行ってしまうので、あとをついていくことができない。それでは困るので、もう少し基本的なものを積み上げていかなければ日本の林業というものはよくならないのですよ。五年、十年、二十年、三十年、五十年たって初めて木材資源として供給できるんだし、森林の果たしていく役割りというものは、そういう伐採するまでの間でも、人間生活に、国民のしあわせに結びつけなければいかぬ。 われわれは、高度経済政策がどうも人殺しの政策に結びついておるような気がするわけです。重化学工業を発展さして、そこに公害が出て、人間の健康を脅かしておる。ほっとけば人殺しになる。早く手を打たなければならぬ。その他公共事業をやっても、交通事故がふえて、一年に一万六千人も死んでいく。いろいろ見ておると、物質文明が人間のしあわせにならなければならぬのが、どうも逆になっている。 ところが、長官、これは大臣も聞いてもらいたいのですが、山はどれだけ力を入れてどれだけ投資をしても人殺しには結びつかない。どうですか、大臣、山に力を入れたからといって人殺しになると思いますか。人殺しにならないように山にもっと力を入れる。人も入れ、金も入れる。人と金というものは一体にならなければならぬ。予算は組まないわ、人は考えないわ、あなたは、口では林業施策をやるやると言うけれども、どうも基本的なものがはっきりしてない。労働力を確保するためにどうするか、きょうすぐと言ったってできることじゃないですから、今年中にでもやる。 いま林野庁長官の足元で、あなたらの手下として、子分として、身内として働いておる労働者がおる。その労働者の待遇さえ、雇用関係さえ解決できずに、民有林労働者をどう確保するか指導できますか。自分の足元を見なさい、あなたのやっていることは何ですかと言われますよ。まず、われわれはこういう模範的なことでやっているんだから、民有林のほうも、労働力を確保するためにこうしなさい、制度はこうしてあげましょう、こういう思い切った指導ができるような模範的な制度をつくっていく、そういうことはできないものですか、大臣。長官でもよろしいが。
○福田政府委員 御指摘のとおりでございます。私は先ほど仕事の量だけのことを申し上げたのでございますが、中身の問題といたしまして、やはり若い人たちが喜んで山に働けるような環境、あるいは将来、林業と限らず、日本の人口が老齢化していくというふうなことも考えますれば、場合によってはそういう年よりの人でも安全に仕事ができるような形、つまり林業をもっと濃密に入れるとか、あるいはもっと安全な作業のできるような機械を開発していくとか、中身の問題もあるわけでございます。そういった点を十分考えまして、今後の、特に国有林の問題につきましては年度内に——実は労働組合の関係とも話し合いをしておるところでございますけれども、目標を示したい、かように考えているところでございます。 そういうことにしまして、国有林はやはり日本全体の林業の一つの指導者である、労働問題においてはもちろんでございますけれども、そういう立場に立ちまして、民有林の指導にも重点を置いて熱心にやってまいりたい、かように考えているところでございます。
○柴田(健)委員 労働力については、いずれまたいろいろと論議が深まっていくと思いますから、その程度にいたしまして、次は財政投資の問題です。 財政投資もいろいろしかたがあろうと思う。創意くふうしなければならぬと思う。ところが、いま見ると、くふうが足らない。認識も足らないが、くふうも足らないという気がいたします。基本的には、国民の財産でありますから、国民全部が恩恵を受ける受益者ですから、国の予算を大幅に投資していくという姿勢がなければいかぬ。単年度投資、それから長期にわたる投資というものも考えていかなければならぬ。 それから、国の予算の大体——政府のほうはいつも言うのですが、防衛費は国民所得の一%前後です。われわれは、そのことをきょうここで申し上げる必要はないのですが、山に対して国の一般会計の予算で、国土の六八%、七〇%近くある林野に対して、どれだけの財政投資をするかというような、事業計画も基本にならなければなりませんが、およそ国の予算の何%はつぎ込むというある程度の基準をきめるべきではなかろうか。たとえば国の一般会計の五%は林業に、林業施策として使う。たいしたことはありませんよ。十四兆円の五%なら七千億だから。毎年五%、七千億くらいはつぎ込む、何ぼ悪くても三%をつぎ込むという、そういう考え方がなければならない。 それからもう一つは、この山に直接おかげを受ける機関がある。たとえば利水、治水という、そういう関係から申し上げると、電力会社だって水力発電所は水源涵養として山に多水な影響を直接受ける。上水道組合や下水道組合、その他いろいろな形でこの山に恩恵を受けておる、山を利用して利益をあげているいろいろな団体があるわけです。これらの団体にももっと山に投資をさせるという指導ができないものだろうか。そこに、民間資本の導入ということばも使ってもいいのですが、そういう民間資本の導入という形で投資をさせていく、国も思い切って財政投資をしていく。そういう財政問題を抜きにしてはならない、こう思うのですが、大臣、どうでしょうか。
○櫻内国務大臣 いま御質問を承りながら、いろいろ調べてみて、大体は、一般会計の予算で占める林野関係の予算は千三百五十億円見当ですから、一%と見るべきでございましょう。特別会計が千七百五十億円。この一般会計と特別会計で多少重複がございますが、まあ三千億円ぐらいの予算ということになるかと思います。四十八年度の予算では伸び率としては二〇六という指数になっておりますので、まあまあというところだと思うのでありますが、いまのこの財政面から見て、電力会社などの受益者が資本を林業経営に負担するというか、導入するといいますか、それをさせたらどうかということについての御意見がございましたが、この適正な基準というものが得られるかどうかという点の問題があるかと思うのであります。現在、受益関係が明白である、こういうことで、水源地域の造林について電力会社が協力するとか、下流の地方自治体などが費用を負担しておるという例はあるわけでございます。 そこで、こういう負担についての基本になるような森林の公益的機能の計量化調査というのを、現在林野庁が実施しつつあるところでございまして、これらの調査結果を得て、そして電力会社等の受益者がはっきりしているものにつき森林造成に参加させていく方策は、これは検討してみたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○柴田(健)委員 いろいろこの財政投資は知恵を使って、もっと国も——いま一般会計と特別会計を含めて言われたが、われわれは一般会計から出していかなければならぬ、こういう考えで、検討をしてもらいたい。 次に、造林や林道やその他の、いまのような補助政策でなしに、抜本的にこの補助政策を変えるべきではなかろうか、こういう気がいたします。そうすると、この林道計画その他、まあ計画はあとからお尋ね申し上げるとしても、林道法という一つの法的な措置を考えるべきじゃなかろうか。どうもいまやっておるのを見ると、多目的な林道が多い。森林資源の活用というのでなしに、それも主たる目的の一つに入っておりますけれども、観光林道のようなことになっておるし、いろいろとこの林道の役割りというものが多様化している。そうすると、一つ林道法という法律をつくったらどうかという気がいたしますが、大臣、どうでしょう。
○櫻内国務大臣 ちょっと私に御質問の御趣旨がわかりかねたのであります。というのは、現在林道に対する補助制度が法制上ございまして、またその補助アップについても努力をしておるところで、ことしも引き上げたと思うのであります。そういうことで、林道の補助体系については五ないし一〇%の改定をことしはしたわけで、その林道の整備については努力をしておるところでございますが、言われる林道法というものが、内容的に、ただ単にそういう林道開設に伴う補助だけでなく、先ほども防火水槽のことなど御指摘でございましたが、そういうようなものも林道法の中で明示してやられるとか、あるいはそのほかの何か具体的なお考えがあることで御質問だ、こう受けとめているわけでございますが、その内容的な面などについてもよく承りまして、よく検討してみたいと思う次第でございます。
○柴田(健)委員 なぜ私がそういうことを申し上げるかというと、林野庁、農林省のほうは自然保護だとか環境保全だとかいろいろ森林の果たす役割り、任務というものをことばでは言われます。けれども、現実にはみずから林野庁が林道をつけることによって山を破壊しているのですよ。全部破壊しているとは言いません。けれども、破壊している率が多い。 〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕 なぜならば、そういう林道は昔のままの発想だ。現時点に立っても、山持ちにその辺の山をひとつおまえらいいように活用しろよ、林道つけるなら補助をしてやるから。まああてがいぶちの補助なんですね。いま多少考え方が変わりつつある。けれども、依然としてそこに流れているものはあてがいぶちですよ。それで市町村のほうでは、補助はくれないけれども、地元がここをやれというからやるかということで、ブルを入れてどんどん押しまくる。側溝もまともにつかない、土どめも十分できない。それが山地崩壊につながる。集中豪雨を受ければ土砂、山くずれがある。そういう弊害が起きているところが多いのです。なぜそんなことになるのか。私はこの間もある林道の現場を見たら、こんな山ののりのきついところを切らなくともいいだろう、もう少しあだに出したらどうかと思ったら、単価がないのです。補助単価が非常に低いのです。建設省のは道路をつけるとブロックでも一平米が一万二千円から一万三千円だ。林道のほうは七千円です。同じブロックを積んでもなぜそんな平米を安く押えるのか。それから、法律で林道法の基準をきめたら、大蔵省のほうから予算を取りやすかろう、こういう判断を私はしているわけです。昔のような考え方を改めるなら、この機会に法的措置を講ずるべきだ。そうすると、大蔵省との折衝がしやすいだろうし、建設省がする道路も農林省がつくる農道も林道も同じだ、道路としての位置づけ、格づけをはっきりする。そのほうが筋が通る。予算の取り方にも、折衝においてもしやすいだろうし、いまのようなやり方は、大蔵省が従前どおりの考え方で、そういうことであてがいぶちで一メートル何ぼだ、ことしはそんなら一キロやっておくか、千メートルやっておくかというような、仕事もずさんになるし、補助も少ないしということになってくる。そういう矛盾がいまにあるわけです。 それで、林道法という法律をつくって明確にしたら、予算の折衝のしかたも楽だろうし、そういう補助単価の基準も明確に出てくる、こういう気がいたします。どうですか、大臣。
○櫻内国務大臣 立法措置をするのが適当であるかどうかということにつきましては、先ほど申し上げましたように、これは十分検討させていただきたいと思いますが、いまの御意見を承っておりますと、きょう冒頭の御質疑にありましたように、公益的機能というものを十分認識しての林道の開設の必要がある、こういうことのように受けとめたわけでございます。林道が必要である、その開設が山の荒廃につながるというような事態を起こすのであってはならないのでございますし、また、本来、林道が林業経営並びに森林管理にとっての基幹的施設である、また林産物の搬出のみならず、森林の有する多面的機能の発揮のための、きめこまかい森林施業を実行する上に必要なものである、こういう基本的な認識を十分に持ちますならば、ただいま御心配をされたような事態を引き起こすというようなことがあってはならないことでございまして、立法措置のことは別として、今後の林道開設にあたって、御所見を十分反映してつとめてまいりたいと存ずる次第でございます。
○柴田(健)委員 長官、どうですか。いま建設省でやっておる単価、林野庁の単価、何であんな差をつけるのですか。あなたらの頭が固定しておるのですか。林野庁は力が弱いのですか。見解を聞いておきたい。
○福田政府委員 力が弱いじゃないかとおっしゃられればそういうことにあるいはなるかもしれません。ただ、私は、林道というものは道路法でいう道路や何かと違いまして、従来の林道の概念というものは木材の搬出に重点を置いたものでございました。しかし、最近の林道に対する考え方は、御指摘のように、ただいま大臣からも申し上げましたように、自然保護を配慮した林道でなければならぬということは、やはり森林というものは木材生産のためだけでなくて、本来の森林の機能はもっとほかに大事なことがあるのだという観念に立っております。したがいまして、私は、この林道の概念が変わったものですから、山岳地帯の林道であれば、平地林道よりももっと単価がかかると思うわけであります。平地であれば、メートル当たり何百万かかる用地費があるでありましょうから、同じ比較はできませんけれども、山岳のほうは用地費は安いとしましても、工法というものはもっと吟味されたものであって、もっと単価がかかると思うわけでございます。そういう趣旨からいくならば、御指摘の林道法の問題についても、大臣からお答えしましたように、これを検討する時期にきていると考えます。それらを含めまして、予算の面ではひとつ遠慮しないで大いにがんばりたいと思いますし、その辺につきましても基本的な問題でございますので、検討を進めてまいりたいと思います。
○柴田(健)委員 きびしく言いませんけれども、ここまで言うたら長官も大臣も賢明な方だから、今後の実行行為で、実績というか、そういう面で評価してまいりたいと思います。 大臣ももう時間がないようですから、いつお席を立ってもけっこうです。いずれまたあらためてお尋ね申し上げたいと思います。大臣が席をはずされても、長官以下おられればけっこうです。 次に、全国市町村の中で、山林面積を七〇%以上持っておる市町村が何カ市町村あるのか、まずそれをお聞きしたい。
○福田政府委員 ちょっとお待ちを……。
○柴田(健)委員 それでは調査をやっておいてください。 全国各都道府県にある林業公社の数、三十五とも聞くし、三十六とも聞くし——三十六ですか、三十六の林業公社で、名前は各県によっていろいろ違いましょうが、この職員数、それから事業量はどういうことになっていますか。職員の身分、そういうものの実態をつかんでおられますか。
○福田政府委員 事業量は最近は大体一万八千ヘクタールくらいになっておりまして、職員数はちょっとお待ち願います。
○柴田(健)委員 あとで一括して答弁願います。 それから、造林単価は年々多少改正されておるようでありますけれども、やはり単価が低いという意見が強いわけですね。造林単価をもう少し上げてやらなければ、ほんとうに造林できないのじゃないか。いま造林単価の補助基準の中の労働賃金の見方が非常に安いということです。 それから、ごまかしができるのじゃないかという気がするのですね。たとえば、補助基準では二回下刈りをしなさいよ、こういう。ところが、低い賃金で押えられているから、そこにごまかしが出てくる。一回にしてしまう。それで報告は二回してあるということになる。やはりごまかしのようなしかたをしないように、まじめに、正直にでき得るような造林単価のきめ方をしてやらなければいかぬのじゃないか、こういう気がいたしますが、長官、この点についてどうですか。もっと良心的に考えてもらいたいという気がします。
○福田政府委員 御指摘のとおり、造林単価につきましては、過去においても毎年実勢単価と違うということで問題になるのでございます。大蔵省との間におきましても、四十八年度は造林の補助体系をいろいろ改定いただきましたけれども、特にいま御指摘の労賃につきましては、四十五年度が千十円でございましたが、四十六年千百五十円、四十七年千四百十円、四十八年二千十円と、四十五年度に比べますならば、ちょうど二倍になっているのでございますけれども、実勢単価等からして、先生はそれじゃまだ低いとおっしゃられるかと思います。できるだけ実勢単価に近づけるようにしてまいりたい、かように思っておるところでございます。 なお、新植ばかりではなくて、ただいまちょっとお話になりましたけれども、造林した後の手入れの関係の補助も大事な問題でございます。四十八年度からは、一部ではございますが、保安林、それに準ずる場所については、この保育の補助も認められたものでございます。 先ほどお答えする中で、調べてからと申し上げましたが、造林公社の役職員の数は九百九十三人であります。
○柴田(健)委員 山林面積七〇%以上の市町村の数。
○福田政府委員 ただいま調べております。
○柴田(健)委員 もう大臣がおられないから、資料要求だけして、きょうは終わりたいと思います。 治山事業計画の年次計画があると思いますが、それから林道事業計画、それから国有林の立木の払い下げの資料がほしいのですよ。それから作業で素材として国有林野の労働者がやっておる払い下げ数量。なぜかというと、会計検査院が出した資料の指摘事項を見ると、いろいろ問題点があるようなんです。このことについて払い下げ金額を見ると、四十六年度、立木の単価が非常に低い。それは立木で向こうが切って出すのだから、労務費や運賃、運搬費が相当要るから原木が安くなっているということはわかります。けれども、それだけの数量を立木で売ったほうが財政的にいいか悪いか、損か得か。それから国有林野の労働者の手において素材として売ったほうが特別会計としては損か得かということの問題になると私は思うのです。 それから、もう少し売り方を考えてみる必要がありますから、国有林の立木の払い下げの実態をはっきりしてもらいたい。そのための資料を年次別に、各営林署単位、そして随契の分と競争入札というか競売にしたのと、数字をはっきりしてもらいたい。 以上をもって、資料要求をして、質問はきょうは一応保留して、打ち切りたいと思います。
○福田政府委員 さっそく提出いたします。 先ほどの一市町村当たり二千ヘクタール以上の市町村数でございますが、二千十八。これはちょっと古いのでありますが、昭和四十五年度末現在でございます。
○佐々木委員長 次回は明十八日、水曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時十九分散会