農林水産委員会 第40号
- 発言数
- 208 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1973/07/04
会議録
○佐々木委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案及び湯山勇君外十七名提出、農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。 ————————————— 農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案(内閣提出)農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案(湯山勇君外十七名提出) 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○佐々木委員長 内閣提出、農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案について趣旨の説明を聴取いたします。櫻内農林大臣。
○櫻内国務大臣 農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 農林漁業団体職員共済組合制度は、農林漁業団体職員の福利厚生の向上をはかり、農林漁業団体の事業の円滑な運営に資するための制度として実施され、その給付内容も逐年改善を見てまいりました。 今回の改正は、その給付に関しまして、他の共済組合制度に準じて、主として次の四点につき改善をはかるため、これらに関係する農林漁業団体職員共済組合法等について所要の改正を行なおうとするものであります。 改正の第一点は、掛金及び給付の額の算定の基礎となる標準給与の月額の下限及び上限の引き上げであります。これは、当該標準給与の月額の下限を一万八千円から二万六千円に、上限を十八万五千円から二十二万円にそれぞれ引き上げようとするものであります。 改正の第二点は、退職年金の最低保障額等の引き上げであります。これは、国家公務員共済組合における年金の額の最低保障額等の引き上げに準じ、退職年金、障害年金及び遺族年金の最低保障額並びに通算退職年金の定額部分の額を引き上げようとするものであります。 改正の第三点は、遺族年金の受給資格要件の緩和であります。これは、職務上傷病によらないで死亡した場合の遺族年金の受給資格要件について、組合員期間十年以上であることを要するとされておりますものを、他の社会保険との均衡等を考慮し、組合員期間一年以上に短縮しようとするものであります。 改正の第四点は、既裁定の年金額の引き上げであります。これは、国家公務員共済組合の場合に準じ、農林漁業団体職員共済組合法の規定に基づく退職年金、減額退職年金、障害年金及び遺族年金について、その年金額の算定の基礎となった平均標準給与を、昭和四十五年度以前に給付事由が生じた年金については二三・四%、昭和四十六年度に給付事由が生じた年金については一〇・五%それぞれ引き上げることにより、昭和四十八年十月分から年金額の引き上げを行ないますとともに、通算退職年金についても、昭和四十八年十一月分からその額を引き上げようとするものであります。 以上がこの法律案の提案理由及び主要な内容であります。 何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○佐々木委員長 以上で本案の趣旨説明は終わりました。 引き続き、本案について補足説明を聴取いたします。内村農林経済局長。
○内村(良)政府委員 農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を補足して御説明申し上げます。 本法律案を提出いたしました理由につきましては、すでに提案理由において申し述べましたので、以下その内容につき若干補足させていただきます。 まず第一は、農林漁業団体職員共済組合法の改正であります。 このうち、第二十条の改正規定は、最近の農林漁業団体職員の給与の実態にかんがみ、掛け金及び給付の額の算定の基礎となる標準給与の下限を一万八千円から二万六千円に引き上げるとともに国家公務員共済組合の例に準じて、その上限を十八万五千円から二十二万円に引き上げようとするものであります。 第二十四条の改正規定は、遺族給付を受けることができる遺族の範囲に関する改正でありまして、組合員の配偶者については、従来は他の遺族の場合と異なり、組合員の死亡当時主としてその収入により生計を維持していたかいなかを問わず受給権を有することとしておりましたが、組合員期間が十年未満の者が死亡した場合にかかわる遺族給付につきましては、その死亡当時主としてその収入により生計を維持していたものに限ることとしております。これは、遺族年金の受給資格要件を組合期間十年以上から一年以上に短縮する改正とも関連する改正であり、国家公務員共済組合等の例に準ずる措置であります。 第三十六条、第四十六条二項及び第三項並びに別表第二の改正規定は、年金の最低保障額の引き上げのためのものでありまして、退職年金については十五万円を三十万二千四百円に、遺族年金については十一万五千二百円を二十三万五千二百円に、障害年金については、一級にあっては十八万三千六百円を三十六万九千六百円に、二級にあっては十五万円を三十万二千四百円に、三級にあっては十万五千六百円を二十二万八百円にそれぞれ引き上げようとするものであります。 第三十七条の三の改正規定は、通算退職年金の算定の基礎となる、定額部分の額について、十一万四百円を二十二万八百円に引き上げようとするものであります。 第四十六条第一項の改正規定は、遺族年金の受給資格要件を緩和するものでありまして、職務によらない傷病により死亡した場合において支給される遺族年金については、従来は、一般に十年以上の組合員期間を要することとしておりましたものを一年以上の組合員期間を有すれば足りることとするものであります。 なお、この改正により、遺族一時金の制度はその適用の余地がなくなるため廃止することとしており、第五十条の改正はこのためのものであります。 次に、第二は、農林漁業団体職員共済組合法の一部を改正する法律の改正でありますが、これは、すでに述べました措置に関連する改正でありまして、附則第四条の改正は、標準給与の上限の引き上げに、附則第六条の改正は、最低保障額の引き上げにそれぞれ伴うものであります。 最後に、第三は、昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律の一部改正であります。 まず、第一条の五、第二条の七及び第二条の八の規定は、退職年金、減額退職年金、障害年金及び遺族年金についての既裁定年金の額の改定でありまして、これらの年金の額の算定の基礎となっている平均標準給与の年額等を、昭和四十六年三月末日までに給付事由が生じた年金につきましては二三・四%、昭和四十六年四月一日から昭和四十七年三月末日までに給付事由が生じた年金につきましては一〇・五%それぞれ引き上げることにより年金額を増額することとしております。なお、この場合、平均標準給与の年額等の最高限度額、いわゆる頭打ち制限につきましては、これを緩和することといたしております。 第四条の規定は、通算退職年金についての既裁定年金の額の改定でありまして、昭和四十七年三月末日までに給付事由が生じたものについて、その額の算定の基礎となっている定額部分の額を引き上げ、また報酬比例部分にかかわる平均標準給与を退職年金の例に準じて引き上げることにより、年金額を増額することとしております。ただし、通算退職年金につきましては、その給付に要する費用は、原則として、組合にすでに留保されているものをもって充てることとなっていること等を考慮いたしまして、所要の調整措置を講ずることとしております。 なお、この法律の施行期日につきましては、昭和四十八年十月一日としておりますが、最低保障額等の引き上げに関する部分については、同年十一月一日としております。 以上であります。
○佐々木委員長 以上で本案の補足説明は終わりました。 次に、湯山勇君外十七名提出、農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案について趣旨の説明を聴取いたします。湯山勇君。
○湯山議員 ただいま議題となりました日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党、民社党共同提出の農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案につきまして、提出者を代表して、その提案の趣旨及び内容の概要を御説明申し上げます。 わが国の社会保障の水準は、西欧先進諸国に比べて低い水準に置かれております。その上、経済の高度成長によって福祉との乖離が顕著となり、殊に近年のインフレによって、高齢者世帯、母子世帯等の所得格差が拡大し、その生活はきわめて不安な状態に置かれております。いまや成長から福祉への転換期にあたり成長の成果を国民生活の充実に振り向けるべき絶好の機会であります。 農林漁業団体職員共済組合の現状につきましては、他の年金に比して低い給付に加えて、ここ数年来の異常な物価上昇のもとで、受給者の生活は極度に逼迫しております。この際すみやかに制度を充実強化し、本共済組合員及びその遺家族が、退職後あるいは遺族となって後、人間らしい生活を保障されることが、本制度の趣旨であり、それを実現することは、国の当然にして緊急の任務であります。 そのために給付の内容を大幅に改善し、年金額を給与額の変動に応じて自動的に改定するとともに、その財政については積み立て方式を賦課方式に移行させ、かつ、国の負担金の割合を引き上げる等この制度を改めることが重要な課題でありまます。 以上の立場から、本法案を四党共同して提出いたした次第であります。 次に法案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。 第一は、標準給与の月額の下限及び上限の引き上げであります。 掛け金及び給付の基礎となる標準給与の下限を一万八千円から二万六千円に、上限を十八万五千円から二十二万円に引き上げることであります。 第二は、退職年金算定の基礎となる標準給与については、従来退職三カ年の標準給与の平均額とされておりましたが、消費者物価の著しい上昇等によって年々ベースアップが行なわれている現状等を考慮して、これを退職時の標準給与をとることにいたしました。なお、従来のとり方が有利な場合にはそれによることもできることにいたしました。 第三は、年金給付の改善であります。 まず、退職年金については、組合員期間二十年の場合、年金算定の基礎となる標準給与の百分の四十であったのを百分の六十に引き上げ、最高支給の率は百分の七十を百分の八十一とし、さらに最低保障額十五万円を四十八万円に引き上げることといたします。 なお退職一時金、障害年金及び遺族年金の額を、退職年金の支給率に準じて増額することといたします。 第四は、遺族給付を受けるための要件の緩和と年金者遺族一時金の創設等であります。 遺族給付を受けるべき遺族の範囲につきましては、組合員の子、父母、孫、祖父母は組合員死亡当時、組合員の収入によって主として生計を維持していた者に限られておりますのを、一部でも組合員によって生計を維持しておればよいこととし、また、妻の場合十年未満に同様の条件がつけられているのはこれをはずすことといたします。 年金以外の給付を受ける遺族の範囲はこれを一そう拡大して、組合員の収入によって生計を維持していない者をも含めることといたしました。そして遺族年金の支給要件を満たしていてもそれを受けるべき遺族がないときには、組合員の収入によって生計を維持していなかった者に対して遺族年金の七・五年分の年金者遺族一時金を支給することといたしました。 次に、遺族年金の受給要件につきましては、現在、組合員期間が十年以上二十年未満である者に支給される遺族年金は、六ケ月以上組合員期間があれば支給されることとし、これに伴いまして従来の遺族一時金は廃止することといたします。 組合員期間が二十年以上である者が、職務上傷病によらないで死亡した場合に支給する遺族年金の額は、その者にかかる退職年金の額の百分の五十であるのを百分の八十に引き上げることといたします。 第五は、年金額の自動スライド制を採用することであります。 年金の額を大幅に改善いたしましても、年々消費者物価が上昇する中では、その価値は失われてしまいます。これを是正して年金受給者が一定の生活水準を確保できるようにするため、組合員の平均給与額が五%以上上昇した場合には、自動的にそれに見合った年金額を引き上げる措置をとることといたします。 第六は、従来の積み立て方式による財政方式を改め、これを賦課方式に切りかえることであります。 本法案によって給付内容を大幅に改善するためには、従来の積み立て方式では限界があるため、新たに賦課方式を採用することにしたものでありまして、三年を一期とする期間を単位として、掛け金、国の負担金はその期間内における給付に要する費用と均衡を保つよう定めることといたします。(なお賦課方式を完全にするためには将来において各種共済組合の統合を検討することが必要であると考えております。) 第七は、給付に要する費用につき国の負担割合を引き上げ、組合員の負担の軽減をはかったことであります。 現行は国が一八%を負担し、残りを農林漁業団体と組合員が半分ずつ負担することになっていますのを、国百分の三十、農林漁業団体百分の五十、組合員百分の二十の負担とすることといたします。 第八は、退職一時金からの通算退職年金の原資の控除を受けないことを選択することができる期限の延長についてであります。 この選択期限は男子については昭和四十四年十月三十一日に満了しておりますが、その期限をとりあえず昭和五十一年五月三十一日まで延長することといたします。 以上、四党提出にかかるこの法律案の提案の理由及び概略を申し述べました。何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
○佐々木委員長 以上で趣旨説明は終わりました。 —————————————
○佐々木委員長 内閣提出、農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。野坂浩賢君。
○野坂委員 ただいま農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案についてそれぞれ提案理由の説明を承りました。農林大臣は所用があるようでありますから、劈頭にまず考え方を聞いて、それからまたあとでお尋ねをしたいと思っております。 まず農林大臣にお尋ねをいたしますが、いままでそれぞれ法案が上がっております。その際にはすべて附帯決議がつけられておりますが、それを受けての大臣の所信表明は、その決議を尊重して誠意をもって善処するということばが必ず付されております。従来からそういうのが一貫して所信表明の中で述べられておるわけでありますが、その附帯決議というものは、いま申し上げましたように、具体的に誠意をもって善処する、そういうお考えであるかどうか、まず劈頭承っておきたい。
○櫻内国務大臣 附帯決議の扱いにつきましては、これはもう国会における意思表示のことでございまするから、これを尊重し、できる限り実現につとめることが私のつとめである、このように理解をしておるわけでございますが、ただ、その場合に、財政当局との間でいかにこれを説明し、実行に移すべく理解を得るかというようなことが、そのときそのときの事情に応じて問題になると思います。しかし、少なくともここで決議されたものを農林省内で十分検討いたしまして、そして実現できるものから適時適切に処理をしていくことは当然でもございますし、また決議の内容を尊重していくということにつきましては、ここで御発言を申し上げておるとおりでございます。
○野坂委員 昨年の第六十八回国会で、この委員会でそれぞれ附帯決議がなされております。そのときにも大臣は、いまおっしゃったようなことを所信表明の中で述べられておりますが、附帯決議は第一項から第五項まであります。この五項について若干の前向きになったものもあったとしても、総体的にこれが満たされていない、私はそう思っておりますが、それについてどのように努力をされ、どのように具体化をされてきたのか、御説明をいただきたい。
○櫻内国務大臣 前大臣当時に私と同様の御趣旨のことを申し上げておることと存じますが、もとよりその承継者である私として同様の御趣旨で対処することは当然のことでございまするが、当時の附帯決議をその後農林省内でどのように具体的に取り運んだかにつきましては、局長のほうから御説明をさせていただきたいと思います。御了承願いたいと思います。
○野坂委員 ちょっとその前に、農林大臣といえば農林省の最高の責任者でありますし、前大臣から引き継ぎ事項としてそれを検討して今回提案に踏み切った、こういう経過があろうと思っておるのです。だから、私は、農林大臣の考え方というものが内村農林経済局長等を通じて作業はさせられるわけでありますけれども、あなたの根本的な考え方と内容には若干の食い違いがある、私はそう思っております。そういう意味で、農林大臣から骨子は説明して、その後に細部にわたっては内村農林経済局長から聞かなければ、事務当局は事務作業はしますが、方針というものは政府・自民党の話し合いによってきまるわけですから、あなたがその責任者として答弁をされるのが私は順当であろう、こういうふうに思います。
○櫻内国務大臣 今回の一部改正をお願いするにつきましては、附帯決議の御趣旨をも尊重して内容に盛り込んだつもりでございまするが、中には十分御趣旨に沿っておらない面もあると思います。しかし、それは先ほど申し上げましたように、主として財政上の関係のことでございまするが、たとえば「給付に要する費用に対する国の補助率をさらに引き上げること」、一八%から二〇%に引き上げるよう要求された問題があると思うのでございまするが、これは当時私が自由民主党の政調会長をつとめておりまして、財源調整費補助として給付に要する費用の一・七七%を勘案いたしたことを記憶しておるわけでございまして、詳しく申し上げてまいりますればそのものずばりということにはなっておらない面もございまするが、相当勘案をいたしたことは記憶をしておるわけでございます。幾つかの決議事項のことでございまするので、この一部改正に盛り込んだ経緯というものは一つ一つを詳しく十分記憶はいたしておりませんが、要するに、附帯決議の趣旨を尊重していく、また財政的にどうしてもむずかしい面、不満足な点もある、こういうことだと思います。
○野坂委員 あなた自身が不満足なところもあるわけですね。不満足なところは一体どこなのか、これが一点。それから財政上の問題だというふうなお話がありますが、みんな財政上の問題ですね。第五項がやはり農業政策という問題にからむと思うのですが、その他は全部財政的な問題だと思うのです。それがあなた自身はどこが不満ですか。
○櫻内国務大臣 先ほどから申し上げておりますように、一つ一つまたお答えを申し上げていってよろしいかと思うのでありまするが、私はそれらの点については、むしろこの一部改正の立案にあたり、この趣旨を踏まえて作業に当たった局長からお答えするほうが適切だということを申し上げておるのでございまして、その最も根本をなす点についてははっきりと申し上げておるわけであります。御趣旨を尊重することについては当然のことであり、しかし、それをやっていく上に財政上問題点があったということを申し上げておる次第でございます。
○野坂委員 私は内村農林経済局長を否定しておるわけではありません。御説明はいただきたいと思っております。ただ、農林大臣が、いわゆる姿勢の問題として農林水産委員会、この権威ある委員会が附帯決議をしたものを十分検討して、さらに尊重して、誠意をもって善処をすると約束された一国の大臣が、それらの関係については財政上にいろいろ支障があったというようなことで逃げるということではならぬと思うのです。だから、どこに問題点が出たのか、やろうとしたけれどもできなかったのか、それは大臣折衝で当然やれると私は思っておるのです。それまでは局長段階でやられたとしても、問題があれば大臣折衝でそれらの問題は解決する。だから、問題点というものをあなたはよく把握しておるはずです。だから、第二項の財政の整理資源の問題等を踏まえて、いわゆる財源調整費といいますか、それが一・七七になった、こういうことは私も認めます。その他について具体的にどれが農林大臣としては一番頭が痛いのか。何をやろうとしたのか。ただ単に財政上、財源上ということでは、大蔵省との折衝の段階はわからぬのです。大臣がやるべき段階のところではどのような対処で最終的にあなたはおおりになったのか、こういうことを私は聞いておるのです。
○櫻内国務大臣 私のお答えは当時の経緯から正直に申し上げておるのでございまして、当時の自民党の政調会長として記憶があり、またこの一八%から二〇%に上がる問題については大臣折衝に残りましたから、そこで私も記憶があって一応申し上げておるのでございます。 大臣折衝は 野坂委員も御承知であろうと思いまするが、あらゆる問題が最後に残るのではないのであります。これは局長段階あるいは次官段階というようにものごとが解決すると申しましょうか、大蔵当局との話し合いが済んで、最後にどうしてもむずかしい問題で、また国会の要望も強かったというような事項が何点か残っての大臣折衝になるのでございまして、私がすみからすみまで全部承知すべきことではございましょうが、私が全部承知をしておると言うことのほうが不正直だと思うのです。そこで、私としては先ほどから申し上げるように、決議を尊重するということについては間違いないんだが、しかし財政上むずかしい点がございました、そこで具体的な一つ一つについては担当者からお答えをさせる、私の記憶のあったことはお答えを申し上げておる、こういう次第でございます。
○野坂委員 私は農林大臣が不正直だとは思っておりません。正直な方だと尊敬をしておりますが、あまり中身はよく知らぬということであるわけですから、これから事務当局といろいろ話し合って、それらについては問題点があるところは農林大臣として善処されるわけですね。
○櫻内国務大臣 それは当然今後考えられるべきことについては考えていかなければなりません。 それで、この共済制度は、私からいまさら申し上げるまでもなくいろいろ種類もございまして、それらとの間の関連がございます。だから、いま御審議を願っておる農林省の関係だけが先行するわけにもいかない場合がございまして、他との均衡上の関係もある。普通の場合とは少しむずかしい点があるという事情もひとつ御了承いただきたいと思うのであります。
○野坂委員 陳情団がおいでのようでありますからもう一点だけ言いますが、いま大臣の御答弁では、他の公的年金あるいは厚生年金、そういうものと公平を欠くようなことはしない、他の公的年金にならって善処したいというふうに御答弁があったように了解をするわけですが、そういうことですね。他の年金と均衡を保つように努力する、こういうふうに確認してよろしいか。
○櫻内国務大臣 ただ単純に他の各種の年金と均衡をとらなければならないと申し上げておるわけではございません。これは野坂委員のほうがよく御承知のように、それぞれの年金の仕組み、経緯等がございまするから、その辺はやはり私としても十分頭に置かなければならない点かと思いまするが、しかし、できるだけ均衡のとれるように進んでいくことが好ましいということは当然だと思います。
○野坂委員 他の年金と均衡を保つことは望ましい、しかし財政上のそれぞれの仕組みがある。何かカッコ書きの、ただし書きの中ですっきりしないものを感じます。言うなれば、私が農林年金の受給者、これが厚生年金、これがあるいは公務員、いろいろあります。そういう方々は人間としてもらうのは同じですし、たとえば最低保障金額というのは三万二千四百円でしたか、それが今度は、厚生年金はたしか定額部分は九百二十円が、自民党の修正によって千円になった。あれがたしか三十万二千四百円が三十二万一千六百円、その程度になっただろうと思っております。そういう面では保障としては最低が同じという、そういう公平の原則に立っておるわけですから、単純とか複雑とかということではなしに、そのような均衡を保つということについては、まずそういう精神から間違いないことだと思うのですが、そのとおりなんでしょう。
○櫻内国務大臣 年金制度のそれぞれのおい立ちもいろいろございましょうし、単純にお答えしにくい点もございまするが、少なくとも最低給付については均衡が保たれておる、このように思います。
○野坂委員 単純には答えられない、均衡は最低のみだ、こういうことではなしに、同じ労働者なり同じ農民として、受給というものについては、いろいろな掛け金率というような問題はありましょうが、公平の原則を社会保障というものは貫く、公平の原則を貫くのか、貫かないか、この点どっちですか。単純にお願いします。
○櫻内国務大臣 原則論として公平の原則を貫く、それについて私としても十分理解のできるところでございます。
○野坂委員 それでは、農林大臣はまた御出席をいただくとして、何か御用があるようでありますから、次に、内村農林経済局長にお尋ねをいたします。 いま問題になりました最低保障の問題でありますが、厚生年金の抜本的な改正によって各種の年金の保障額が引き上げられた。この農林年金の受給者の場合三十二万一千六百円と、いま提案理由は、これは皆さんのほうから、政府のほうから修正をすることはできないわけですから、議員修正ということができてくると思いますが、それにしても三十二万一千六百円、これは月に割ると大体二万六千円強ということになろうと思うのです。これは野党四党が提案をしております最低四万円、年四十八万、私たちはそれが当然だと思っておりますが、二万六千円で一カ月の生計費というものはまかなえるだろうか、こう私は思います。経済局長はどのようにお考えですか。
○内村(良)政府委員 お答え申し上げます。 今般の最低保障額の改正によりまして、先生御指摘のように、厚生年金の定額部分が九百二十円が千円になりますと、年額三十二万一千六百円になりまして、月額二万六千八百円になります。 そこで、これで生活が維持できるかできないかという御質問かと思います。そういうことを考えます場合に問題になりますのは、まず、年金とは何であるかということではないかと思います。御承知のとおり、年金の場合には所得格差というものを無視しまして、一定の年金額がそれぞれの年金のやり方によって支払われるわけでございます。たとえば一例を申し上げますと、月給十万円の人がいて、その人が何らかの年金に加入しておりまして、一例でございますが、七万円の年金をもらえる。その人には十万円の所得があるにもかかわらず七万円の年金がいくわけでございます。したがしまして いわゆる完全なる社会保障とは多少年金というものは性格が違うのではないか。過去の勤労に対して報いられるという部分もあるのではないかというふうに考えました場合に、年金の額というものが、いわゆる最低生活の保障と必ず結びつかなければならぬかというところについては、若干問題があるのではないかというふうに考えるわけでございます。 そこで、それでは最低保障額とは何であるかということでございますが、共済年金の最低保障額につきましては、厚生年金で受け得る退職年金の最低とのバランスをとって最低保障額というものがきまっていることに制度上なっております。
○野坂委員 それでは、年金の性格論をいまお話があったわけですが、私は、二万六千円では食えるか食えないか、こういうことを聞いておるわけです。だから、それで食えるとか食えぬとかお話しをいただきたい。さらに、たとえばいまの状態で、年金で生活全体を見るわけではないというようなお話ですけれども、私たちの一般的な考え方としては、六十にも六十五歳にもなって、社会で一生懸命働いて、そして国なりあるいはその他の仲間の諸君たちがそれを見てやる、そして安心して老後の生活を営む、福祉資金だけで十分生活ができるようにする、そのことが私は最も望ましいだろうと思うのです。だからこそ先ほど私たちが提案をした百分の八十が保障できるならば、それだけで最低生活は保障できるだろう、こういう考え方に立っておるわけです。この二万六千円というものでは安過ぎるのではなかろうか、こういうふうに思います。 さらに、生活保護家庭というのがありますが、これは観点が違うといいますけれども、これについては、大体二級地で、同じようなところで大体どれだけおもらいになっておるのか、それとどのような差があるのか、伺いたいと思います。
○内村(良)政府委員 二万六千八百円でめしが食えるか食えないかという問題でございますが、その前に、先ほど御答弁申し上げましたように、共済年金における年金の最低保障額は厚生年金における給付額の最低を基準として定められているわけでございます。したがって、これは共済年金制度における社会保障制度としての相互間の均衡を考慮したものでございます。繰り返して申し上げますけれども、共済年金の年金というものは、相当期間にわたって職務に従事した者の退職後の生活のささえとして支給され、受給者の生活の安定に寄与することを目的とするものというふうに私どもは解釈しております。したがいまして、その給付は年金以外の収入や資産の有無等を問わず支給されるというところが、いわゆる憲法二十五条の最低生活の保障とは違うのではないか、生活保護とは違うのではないかというふうに考えているわけでございます。そうしないと、先ほども例を申し上げましたけれども、五十五歳でやめて五十六歳から年収三百万、四百万の所得がある、その人に百万なり百五十万の年金がいくというのは一体どういうことであろうかという議論が出てくるわけでございます。そこで、生活の安定に寄与するということを目的とするということで、必ずしも最低生活の保障というものと結びついたものではないというふうに解釈しておるわけでございます。 そこで、御質問の生活保護のほうでございますが、これは厚生省の所管でございますので私ども必ずしも詳しくはございませんけれども、二級地で男子五十五歳無職の場合には、生活扶助、住宅扶助を入れまして一世帯当たり三万一千七百五十円、一人当たり一万五千八百七十五円、こういう数字になっているようでございます。これは月額でございます。
○野坂委員 五十五歳二人世帯で三万一千七百五十円、共済は仕事を終えてもらう人が最低保障が二万六千八百円、こういうことになるわけです。だから、生活の安定に寄与する度合いですね。確かに五十五歳でおやめになって六十五歳までお働きになるという場合に矛盾もありましょうが、その方々は、全部とは言えないと思うのですね。六十歳程度になれば大体これで生活をしていかなければならぬ、そういう面では非常に生活の安定に寄与する、だからこれは一部分だ、こういうふうな考え方は私は甘いと思う。また年金の性格、社会保障の考え方からして、生活の安定の寄与の金額にしても若干安過ぎるのじゃなかろうかと思うのですが、どうでしょうか。
○内村(良)政府委員 安過ぎるか高過ぎるかという点でございますが、農林年金の場合をとってみますと、もちろんやめてから、たとえば農協関係の中央機関にいたというような人は大都会で暮らすわけでございますが、農林年金の年金の支給を受ける人の場合には、いなかに住んでいる方が多いわけでございます。そうすると、生活保護でも四級地のほうはそれだけ安くなっているということもございまして、たとえば老人二人、六十五歳になって奥さんと二人ということを考えますれば、いまの農林年金の年金の給付額のほうが——もちろん私は生活保護と比較する気はさらさらございませんけれども、生活保護と比較した場合に高くなっている数字になっていると思います。
○野坂委員 時間がありませんから、その問題は時間があれば議論をするとして、それでは現在の農協及び関係農林漁業団体の職員は、何割ぐらい最低保障のところになるということでしょうか。
○内村(良)政府委員 これは政府提案の場合の最低保障の数字に基づいて計算したものでございますが、新法による年金受給権者で四十八年度改定を受けてもなお最低保障額未満である者は、退職年金で全体の五六%、障害年金で全体の三七%、遺族年金で全体の六六%に当たると見込まれております。
○野坂委員 これは三十万二千四百円の場合ですね。したがって、三十二万一千六百円ということになります。一応、なるということになると、もっと引き上がるという可能性が実はある。だから、六〇%程度が、私が聞いておりますのは三十二万一千六百円になれば七〇%にもなる、こういうことだというふうに伝え聞いております。だから、なぜこういうふうに多く最低が——普通は最低保障というと、それが一番最低で、平均というのはもっと上がるということですが、五〇%もなるというのは、農林年金の場合はほとんど平均値だということが言えると思うのですね。なぜこのようになっておるか。それはどういうわけですか。
○内村(良)政府委員 その点につきましては、私どもかねがね農林年金の年金受給権者の給付額が低いということは承知していたわけでございますが、今般厚生年金が大幅改正になってこのような数字になっていることは、私ども、はっきり申しまして非常に驚いたわけでございます。そこで、どうしてこんな実態になっているのかということを調べたわけでございますが、いろいろ調べた結果、やはりこのことの基本的な理由は、農林漁業団体職員の給与の水準が低いのだというところにあるのではないかというふうに考えているわけでございます。先般も農協法の審議の際に農協職員の給与の問題が出ましたけれども、残念ながら現実の姿は役場あるいは郵便局に勤めている人よりも低い、こういうことになっております。したがいまして、こういった点の改善につきましては、今後とも農協合併の推進等を通じて農協経営の基盤を強化し、なるべく高い賃金水準を確保していくということによって、さらにやめた後の年金の額もふやすというふうに持っていかなければならないのではないかというふうに考えているわけでございます。
○野坂委員 いまの答弁で明らかになりましたように、この給付水準が低いというのは、いわゆる農協労働者の賃金が安い、この一言に尽きる、こういうことであります。したがって、私は先ほど冒頭に農林大臣に説明を求めましたように、この附帯決議の中の五項ですね、「農林漁業団体職員の給与が他の職域のそれに比し低水準にある実情から、これを是正するため適切な指導を行なう」、こういうことが附帯決議として出されておりますが、これについてどのように適切な御指導になったのか、伺いたい。
○内村(良)政府委員 農林漁業団体職員の給与を改善するため適切な指導を行なうこと、という附帯決議が先国会の附帯決議についております。そこで、この点につきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、農協合併の推進等を通じ組合の規模拡大による経営基盤の強化につとめる必要があるという認識のもとに、四十八年度予算では組合合併の推進等に対する指導補助経費を組んでいるわけでございます。と申しますのは、国として農協の職員の賃金そのものに補助を出すというようなことはできかねますので、そういった経営基盤の強化、合理化を援助するという面の経費を計上したわけでございます。
○野坂委員 この問題につきましては、やはり農政の問題に関連をいたしますので、農林大臣がおいでになりましてからお尋ねをいたします。これは別におきます。あとで必ずやらしていただきます。 そこで、この最低の保障は非常に安いということはお認めいただいたわけですが、これよりもまだ安い人たちが農林年金にはおるわけですね。三十九年の十月一日から施行されたいわゆる新法の適用者の皆さんはこれでありますけれども、それ以前の皆さんについてはこれより安い。いうなれば十一万円程度だ、こういうことになっているわけです。その方々は——先ほど農林大臣は公平の原則ということでありますが、厚生年金の改正によって厚生年金の受給者たちは三十二万一千六百円が支給されるということになるわけです。これについても農林年金の場合は非常に公平の原則を欠くと思うのですが、これについては国家公務員の場合は三十四年から実施をされるということであります。だから、それについてこれを是正すべきである、公平の原則からいって適当でない、こう私は思うのですが、それについてはどのようにお考えですか。
○内村(良)政府委員 新法のいわゆる最低保障額、旧法の最低保障額の問題はかねがね問題になっている問題でございます。そこで、問題は、要するに、新法と旧法の扱いにつきましては、それぞれの年金の中で同じように新法は新法、旧法は旧法のバランスをとっているわけでございますが、御承知のとおり、新法の始期が不幸にして違っているわけでございます。国家公務員共済は三十四年一月、これは雇用人につきまして新法ができまして、またいわゆる恩給公務員については同年の十月から国家公務員共済になった。私学共済は三十七年一月、地方公務員共済は三十七年十二月、農林年金は三十九年十月から新法に切りかえられたということで、新法に切りかえられた時期がまず違うという問題がございます。と申しますのは、それぞれの年金共済の発足の時期が違いますので、農林年金ができたときは公務員共済はたしか新法に切りかえの年であったというようなことがあってスタートがおくれた。それから、スタートしてから新法に切りかえますまでに一定の準備期間が要るということで、このようなズレができているわけでございます。 そこで、先ほど大臣から御答弁もございましたが、最低保障額についても各年金間のバランスはとるべきではないのかというのはそのとおりでございますが、現在のところ、旧法年金のものは旧法年金で、新法年金のものは新法年金でそれぞれ共済年金間のバランスをとるという原則をとっておりますので、そこのところに、農林年金の発足がおくれたというところから非常にむずかしい問題が発生している。これはなかなか解決の容易ではない問題になっているわけでございます。
○野坂委員 解決がむずかしいというのは政府の考え方だと思うのですね。社会福祉という立場、ことしは社会福祉元年といわれているわけですから、そういう意味で、抜本的な厚生年金なり国民年金の改正が行なわれた。その趣旨にのっとって、そう私はむずかしいことであるとは思わないのです。公的な年金、公務員の場合もそうです、厚生年金も全部適用になる。この農協の職員あるいは農林漁業団体の職員だけが、この三十四年から三十九年の方たちは全部半分以下、三分の一にもならない、こういうところはやはり大きな矛盾だと思いますね。言うなれば、皆さん方が提案をされました一七ページの七項の六字ばかりを削ればそれは済む。むずかしいということですけれども、その人たちはどのくらいの金額になるのですか、何名いらっしゃるのですか。
○内村(良)政府委員 四十七年十月末現在の既裁定年金者は、退職年金が二万三千七百九十七人、障害年金が八百五十二人、遺族年金が五千九百四十一人、合計三万五百九十人でございます。 このうち、新法年金者で四十八年度改定を受けてもなお最低保障額未満であるためその額までの引き上げの対象となる者が、退職年金については二万三千三百九十人、先ほど申し上げました五六%の数字に当たるわけでございますが、障害年金が三百十六人、遺族年金が三千九百三十七人、合計一万七千六百四十三人と見込まれます。 なお、旧法年金者で最低保障額未満である者は、退職年金で百九十八人、全体の八%、障害年金で三百三人、全体の三六%、遺族年金千五百二十七人、全体の二六%、合計二千二十八人でございます。
○野坂委員 たとえば退職年金者は旧法適用はたった二百人程度、そうですね。それから障害年金、これも三百人程度、あとは遺族ですからこれはわずかです。金額として私が算出をしたのは千六百三十五万六千五百四十円。これだけあれば、そういう方たちを救うことができ、他の公的年金なり公務員なり厚生年金受給者と同じような措置ができる。千六百万円というのがそれほどむずかしいのですか。政府の部内で、この旧法の既裁定年金者を是正するというのはそれほどむずかしいのですか。わずかそれだけの、財政的な問題ということを先ほど農林大臣は何回も言っておりましたけれども、この程度であれば、むずかしくないでしょう。
○内村(良)政府委員 非常に重要な問題でございます。そこで、まず旧法適用のものにつきましてどれくらい額がふえるかという先生の御計算がございましたが、私どもの計算では約八千七百三十九万円ふえる、こういう計算になります。それぐらいの財政上の額じゃないか、それを改正したらいいではないかというのは、これはあるいは大きな政治の問題であるのかもしれません。 ただ、事務的に申し上げますと、農林年金だけでは済まないわけでございます。先ほど申しましたように、その他の共済年金につきましても、新法適用者、旧法適用者の問題がございます。そこで、新法は新法、旧法は旧法でそれぞれバランスをとっておりますので、その辺の数字がどうなるか、もちろんその場合におきましても大きな政策の問題として、そこのところは政策的に決定すべきではないかという御議論はあるかと思いますけれども、事務的に申しますと、農林年金以外に他の年金につきましても同様の問題が起こってくるということで、財政上要する額はもっとふえる、こういうことになるのではないかと思います。
○野坂委員 私は退職年金、障害年金、遺族年金というのを計算をしてみて、いわゆる補助費としての性格、何か年金額が二億七千二百六十万九千円になって、その補助費としては千六百三十五万六千円になる、こういうふうに理解しているわけです、これで積み上げるとして。そういう計算になるはずだと思っておるのです。いまおっしゃるように、私立学校の問題が一つ出てくる。これは三十七年からだ。だから、それと二つぐらいは、三十四年の公的年金の一元化という問題もわれわれ提起をしているわけですから、そういう点については法律があとからきまったからやむを得ぬ、法律が先にきまっておったから得だ、こういうことをできるだけなくすることが私は政治だと思うのですよ。これをやらなければ、福祉年金という意味、年金という意味が、あなた方がおっしゃるように、大きな矛盾なり問題点が出てくるだろう、私はそう思うのです。どのようにお考えでしょう。
○内村(良)政府委員 政策論としてはもちろん先生の御指摘のような点はあると思います。けれども、事務的にはやはり農林年金は農林年金だけということは、やはり国全体の年金制度の中のバランスということはあるのではないかというふうに考えます。
○野坂委員 いま御出席になったばかりでありますから農林大臣にはあとでお尋ねをせざるを得ないと思いますが、もう一点遺族年金について、これに関連してお尋ねをしたい。 遺族年金については最低の場合は年額五万五千二百円ということになりますね。この計算でありますと。 〔委員長退席、渡辺(美)委員長代理着席〕 五万五千二百円というと、日額換算をすると大体百五十円になりますね。百五十円で一体何の活生の安定に寄与するということになるだろう、あなたの御答弁を櫻内農林大臣と同じように正直に受け取って、百五十円が生活の安定にどれだけ寄与するものか、これを私は聞きたい。
○内村(良)政府委員 これも年金の性格の問題になるわけでございまして、百五十円が一体どれぐらいの寄与になるかということでございますが、私どもはやはり生活の寄与にはなるというふうに考えているわけでございます。
○野坂委員 事務的に御答弁になったようですが、もらわぬよりはいいでしょうが、百五十円で大きく生活の寄与になる、こういうふうに国民の皆さんに政府は責任をもって宣伝をして、一日百五十円あれば生活に十分寄与できるというふうに自信をもって答弁することができますか。農林大臣に聞きたい。
○内村(良)政府委員 旧法の遺族年金のお話だと思うのでございますが、農林年金の旧法の仕組みがそうなっておりますので、その範囲内で給付の改善をはかっていかなければならぬということはもう先生の御指摘のとおりでございます。私どもも具体的には予算編成の際には大いに努力はしているわけでございますが、現在の農林年金と他の共済年金との均衡その他から考えて、まことに遺憾でございますが、そういうふうになっているわけでございます。 そこで、百五十円がどの程度の役に立つかということでございますが、そう申してはあるいはおしかりを受けるかもしれませんけれども、もちろん生活には多少寄与することにはなると思います。
○野坂委員 私の見解はあなたと違って、全然生活の寄与にならぬと思いますね。百五十円程度では子供にやっても喜びませんよ。あなたも人の親でしょう。子供に百五十円やって欣喜雀躍して喜ぶかというと、そうではない。それは二歳以下程度の子供たちにやればあるいは喜ぶかもしれませんが、遺族という相当の年齢の方々に百五十円やって、それで得々として生活に寄与できるというような、それが政府・自民党の政策とすれば、私は大問題だと思うのです。これはあとで農林大臣に聞かなければならぬ、こう思います。 それから、同じく遺族年金について十年以上のものが一年以上になった、こういうことについてはいいことなんですが、厚生年金は今回六カ月ということになったわけです。やはり他との公平の原則からいって、六カ月程度にしたほうが妥当ではないか、こう思うのです。 もう一点は、配偶者の生計維持の関係について、十年未満のものは十年、それ以上の方たちはいま条件はついておりませんし、この問題については四十六年度に一ぺんはずしたのですね。はずしたけれどもまた戻すことになった経緯を御説明願いたいと思うのです。
○内村(良)政府委員 今度十年を一年以上にした点はいいけれども、厚生年金は六カ月以上じゃないかというお話でございます。確かに厚生年金は六カ月以上のようでございますが、これも他の共済年金とのバランスで一年以上になっております。それから農林年金その他の共済年金の場合には、たしか退職一時金も一年未満のものは払わぬという形になっておりますので、そうしたこととのバランスがございます。 それから今般の改正案において十年未満の組合員にかかわる遺族年金の範囲について、配偶者についても生計維持関係があることを要するものとしているという点でございますが、これは遺族年金の受給資格を、ただいま申し上げましたように、他の年金と同じように十年以上から一年以上に短縮する措置を講じたことに関連しまして、他の制度との均衡からそのようになっているわけでございます。 それから、その結果、職務上の傷病により死亡した場合の遺族年金または職務上の障害年金の支給を受けている者が職務外の傷病により死亡した場合の遺族年金については、組合員期間十年未満でも該当者があるので、従来の取り扱いと比べて形式的に不利になるのではないかという問題がこれに関連して生じるわけでございますが、しかし、現実には生計維持関係の有無の認定については、配偶者の所得の額の許容範囲を拡大いたしまして、年間二百四十万円程度にするということを国家公務員共済でとるように聞いておりますので、そういったものとのバランスをとって措置すれば、実質的に関係者が非常に不利になることはないのではないかということで、この改正も他の年金制度とのバランスを——しょっちゅう使いましておしかりを受けるわけでございますけれども、現実の問題として他の年金制度を無視して農林年金だけというのはなかなかやりにくい面もございますので、これも他の年金制度とのバランスをとってやった措置でございます。
○野坂委員 それでは、主として配偶者の生計維持関係の問題は、言うなれば、他の公的年金二百四十万円以上、それ以下の場合は関係ない、こういうふうに理解していいわけですか。そういう意味でのバランスですか。
○内村(良)政府委員 そのように運用するつもりでございます。
○野坂委員 まあ、こういうときにはバランスをとる、ほかのときには法律の出し方がおそかった、こういうかっこうで、この年金の審議過程においてバランスとアンバランスが非常にひどいですね。そのことを申し上げておきます。 もう一つは、事務的にお尋ねをしておかなきゃなりませんが、通算退職年金の関係です。時間がありませんから簡単に申し上げますが、この場合は今度は、まあ厚生年金関係に十年つとめた、農林年金関係に十年つとめた、それで他の会社に行った、だからそれをカッコから出す、こういうことになったわけですが、これは厚生年金の関係につとめられておるのと農林年金関係のところにおつとめになったのとでは、農林年金の場合は退職一時金のワクに縛られますから、他に職場を求めて通算をした場合は、農林年金関係のところにおつとめになった方は非常に不利だ、こういうことになると思うのですよ。それについては厚生年金並みにすべきじゃなかろうか、こう思うのですが、いかがでしょう。
○内村(良)政府委員 共済年金の場合の通算退職年金の支給額は、厚生年金の基本年金額の計算方式によって算定した額を基準としてきまるわけでございます。そこで、厚生年金に入っていれば原資をとられないじゃないか。ところが、農林年金に入っている場合には、退職一時金から通算退職年金の財源を留保されてしまうということは農林年金のほうが不利ではないかという御質問でございますが、実は農林年金の場合には、通算退職年金に要する財源を料率計算上組んでいないわけでございます。したがいまして、それを差し引きませんと払えないということになります。ところが、厚生年金の場合は、料率計算の中に入っておりますので、それは引く必要がない。それから退職一時金という制度が厚生年金の場合にはたしかなかったと思います。そういうような関係がございまして、実質的にはアンバランスにはなっていないというふうに私どもは了解しております。
○野坂委員 それはもらう者にとっては大きな影響がありますよ、出すは別としてですね。厚生年金の場合は、たとえば千円プラス九万円、同じ九万円として千分の十をかけてやれば二十一万八千四百円になりますね。しかし、農林年金の場合は、計算をすると八万二千四百円にしかなりませんよ。そうすると、ワクの関係で、金額的には非常にアンバランスが出てくる、こういうことがはっきり言えると思うんです。だから、もらう者にとっては、これほどの大きな違いがあるから矛盾がある、こう言っておるんです、私は。
○内村(良)政府委員 通産退職年金の給付につきましては、厚生年金と同じやり方で計算するわけでございます。そこで、一つの計算例を申し上げますと、農協に十一年間つとめて、三十四歳でやめたあと、厚生年金に入ったという場合には、まず農林年金の給付額につきまして、千円かける百三十二カ月、これは十一年でございます。それに月給が五万円だといたしますと、その五万円に千分の十をかけて、さらにこの十一年間の百三十二カ月をかけますと、十九万八千円になるわけでございます。それをさらに同じように厚生年金でつとめたあとを計算いたしまして、通算退職年金の給付がきまるわけでございます。ところが、この場合には、農林年金の場合にはいわゆる退職一時金、これは法律の三十八条できまっておるわけでございますが、退職一時金がございます。それで計算いたしますと、四十四万九千九百九十九円になる。しかし、今後その人の給付をやっていく財源を考えますと、五十万九百四十円いただかないと退職年金の給付ができないという場合には、それを全部とりまして、さらに若干の調整をかけるということになるわけでございます。しかし、そういった給付の基礎は同じようなやり方でしておりますので、そこのところは、たとえば逆になりますと、退職一時金の払い戻しをたくさん受けるケースも出てくるわけでございまして、必ずしもアンバランスがあるとは言えないのではないかという気がいたします。
○野坂委員 これを論争いたしますと、もうあと十分程度しかありませんから、これはいずれいまの問題についてはあなたと議論させていただきたいと思います。 それともう一つ、事務的な問題でございますが、スライド制の問題ですね。これは今回公務員の上昇率の二年分二三・四%、こういうことですね。この上昇率というのは、まあ固定をしたと私たちは考えておるんですが、そのとおり受けとっていいんですか。
○内村(良)政府委員 自動スライド制の問題でございますが、御案内のように、厚生年金につきましては、今回の法律改正で自動スライド制を採用することになったわけでございます。そのスライド制の指標は物価でございます。そこで、共済年金につきまして、スライド制をとるかどうかということは、かねて議論のあるところでございまして、政府部内においてもいろいろ検討しておるわけでございますが、まず第一に、基準を物価にするか、賃金にするかという問題がございます。物価でいきますと、一定の生活水準がございまして、それに基づいて物価が上がっていく場合に、その生活水準が維持される。ところが、賃金がどんどん上がってきまして、国民全体の生活水準が上がっていくという場合に、物価だけにスライドしていきますと、昔と同じ生活しかその人は維持できないということで、質金をとったほうがいいという面もございます。そこで、共済年金につきましては、今般は国家公務員のベースアップというものを基礎にしてやっておることは御承知のとおりでございます。そこで、これを制度化するかどうかということでございます。現在も年金法の中に訓辞的な規定がございますが、はっきりした形のスライド制というところまでまだ制度がいっておりません。そこで、ただいま申し上げましたように、物価にするか賃金にするか。それから、スライド制をとった場合におきましても、やはり年金の経理の問題がございます。とにかく、スライド制なんだから、穴があいてもかまわないんだというのではないのでございまして、そこで、年金の経理をどうするかということになりますと、財政方式の問題も出てくるということで、年金制度全体の中でスライド制の問題を検討しなければならないということで、政府部内におしても現在鋭意検討中でございます。
○野坂委員 農林大臣もいまの局長の御答弁をお聞きになったと思うのですが、物価に合わせるということになると、それが生活の水準の向上ということにはならない。十年前と同じだ、こういうふうになります。しかも賃金の上昇率というのは、物価の上昇率よりもはるかに上回る。これが通常でございます。したがって、今日の二年間の公務員の上昇率をかけたというのは、賃金のベア分をかけたわけですから、今後自動的にスライド制というのは、賃金上昇率というのが当然の姿だと、局長もそういうふうなお考え方のようですが、農林大臣、これは附帯決議になっておるんですよ。附帯決議について、自動的に賃金上昇率というふうに考えていいか、固定化したと考えていいか、今後それをやるかどうか、それを農林大臣に聞きたい。
○内村(良)政府委員 ただいま私が賃金のほうがいいというふうにあるいはおとりになったかもしれませんが、それと同時に、賃金をやった場合には、年金の経理なり財政方式をどうするかという問題も詰めてかからないといかぬ問題があるということだけ、ちょっと申し上げておきたいと思います。
○櫻内国務大臣 ただいまの賃金上昇率に応ずる自動スライド制、これは一つの考え方であり、妥当性があるように承っておるのでありますが、何ぶんにも私として、この年金関係に深く知識を持っておらぬ君が、いまこの場で、そのとおりですとも、そうでありませんとも言えない。私としては、やはりこれは、公的年金制度連絡調整会議というようなものがございまして、そして相互にでき得る限り均衡を得る、あるいは公正にするという、そういう場があるということでございまするから、むしろ私のような立場の者はそういうところにまかせて、よき結論を得るということが至当である。もとより決議があって、決議を守る立場で君はそう言っているじゃないかと言われれば、それはそのとおりでございまするけれども、しかし、ここで私として一番穏当なお答えとしては、やはりそういう場で結論を出していただくということでございます。
○野坂委員 それは大臣、逃げ腰ですよ、あなたのあれは。ここだけでとにかく逃げる。農林大臣というのは、田中さんのように思いつきでやらないにしても、これは一年間の検討の成果なんですから、そのときに農林水産委員会は、いわゆる「経済変動に応じたスライド方式を確立すること。」と書いてある。これを一年間かかってあなたは勉強されたのですから、去年のいまごろはもう大臣になられたのですから、少なくともこれは検討して、何も知らぬというようなことは通らぬ。それならば、二年間で二三・四%の上昇率を今回入れたというのはどういうわけですか。これは上昇率をあげているんですよ、賃金の。それはどうなんです。農林大臣、勉強しておらぬじゃないですか。
○櫻内国務大臣 これは改定という趣旨で今回とられた措置である、まあ、こういうことであったことでございまして、スライドでいったというふうには——部分的にそういうことはないのじゃないかというふうにおとりでございまするが、改定でいった、こういうことでございます。
○野坂委員 改定を上昇率二三・四でやっているんですよ。これは公務員の上昇率なんですよ。物価上昇率をかけているんじゃないんですよ。賃金の上昇率をかけているから、それが基礎になるものじゃないですか。これが将来一つの足場になる、こういうふうに理解していいじゃないですか、どうです。
○櫻内国務大臣 ですから、そういう点について、よく詰める上においては調整会議などの結論を得るほうがいい。今回の場合は、最初から申し上げておるように、もう最初にはっきり原則を申し上げたんですね。これは、決議は尊重していきたいけれども、しかし財政上の問題なんかで十分ではございませんでした、と。そのことに……(「つなぎの原則がちゃんと法律に書いてあるじゃないか、どうしてやらぬ。」と呼ぶ者あり)それは附帯決議についての御質問でございますから、それに沿ってのお答えを申し上げておるのでありまして、私としてはこういう——いま第一条の二について御指摘なんだと思うのです。これは、いわゆる訓示規定の条章と思うのです。この表現は……(「スライドの原則はどうなんだ」と呼び、その他発言する者あり)
○内村(良)政府委員 法律解釈について御説明させていただきます。 確かに第一条の二に「この法律による年金たる給付の額は、国民の生活水準その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情に応ずるため、すみやかに改定の措置が講ぜられなければならない。」というふうに書いてございますが、これはスライド制そのものを意味しているわけではないわけでございます。スライドというのは、自動的に、たとえば物価が五%上がる、五%以上上がった場合には年金はこういうふうに変わるというのがスライド制でございます。そこで、今般の場合にも、物価、賃金、生活費が上がっておりますので、予算上の措置をとって年金額の改定はやっているわけでございます。 その場合に、それではなぜ物価じゃなくて賃金をとったのかという御質問になってくるかと思いますが、これは諸般の事情を考慮して賃金をとった。従来は、御承知のとおり、物価と賃金であったわけでございます。それが賃金になったということは、一つの側面から見ればよくなったわけでございます。そういうことは逐次改善されていくということの一つの証左ではないか。ただ、これ自体が法律上スライド制を意味するものではないということを申し上げたわけでございます。
○野坂委員 いまの経済局長がお読みになった第一条の二、年金額の決定は、スライド制の原則規定だとわれわれは思っておりますね。だから、農林大臣に聞いておるのは、この規定に基づいていわゆる諸事情に著しい変動が生じた場合、だから、私ども野党四党で提案しておるのも、そういうことになって、五%以上賃金が上がるような場合は変えなければならないというふうに代案を出しておるわけです。だから、農林大臣に聞きたいのは、そういうことを踏まえて、しかも去年の決議は順守するということですが、「既裁定年金の改定については、年金の実質的価値を維持するため、経済変動に応じたスライド方式を確立すること」と決議に書いてある。あなたは誠意をもって善処するということで、前農林大臣から引き継いだとおっしゃっておるわけです。だから、それを具体的には、二年間の公務員の賃金の上昇率というものをこの際に二三・四%を加えた。だから、第一条の二としてはそういうことを踏まえて処置したでしょう。だから、これが一つの足場になってこのとおり農林大臣としては考えるべきではないでしょうかと聞いておるのですよ。そのとおりでしょう。
○櫻内国務大臣 ですから、その点については今回は結論に至らなかったので、相互の調整を得て、なお結論を得たいということを申し上げておるのであります。 それで共済制度においては、物価変動等に応じ年金改定を行なうということが定着化されておるものと私は考えるのであります。
○野坂委員 全然わかっていない。もっと勉強してもらわなければならないし、あなたは去年の附帯決議というものを読んでいないのじゃないか。スライド方式を確立せよということについてどのように努力されたのですか。いまは検討して、それを待って農林大臣はきめればいいというめくら判方式の農林大臣じゃ困るんですよ。積極的に農民のことあるいは農林漁業団体の職員のことを考えてもらわなければならぬ。二三・四%というものは賃金の上昇率であるということは間違いないですからね。経済局長に言わせると、諸般の事情ということがありますが、これがたとえば厚生年金の場合は定額部分の千円というものがある、高い者は下の賃金の者にそれを出してやるというかっこうですね。言うなれば、平均化をはかっていくということです。これは標準報酬だけでしょう、農林年金は。それならば賃金上昇率を加える以外にないじゃないですか。政策ですよ、大臣。事務的の問題じゃないですよ。
○櫻内国務大臣 私はわからないながらお答えを申し上げておるのですよ。だけれども、私のことも理解してもらわなければ困るのです。これは厚生年金のほうでも自動スライド制を導入する場合に、その指標は物価であるかあるいは賃金であるかということは論議があったのですよ。それで今回の場合については十分その結論を得なかったから、なお今後その調整の場において検討したいということを申し上げておるのですよ。
○野坂委員 それは怠慢ですね。一年間勉強して何もしなかったということを暴露したにすぎないですよ。 それから、先ほどあなたがお留守中に経済局長といろいろ話した中で、最低保障に到達をしない人たちが約六〇%おるということがはっきりしたわけです。それの理由は何かというと、賃金が低いということなんです。なぜ賃金が低いかというと、そこに一番問題が出てくるわけです。たとえば農民が収入が少ないから、農協の経営がうまくいかない。経済局長は農協合併さえすればいいような話ですけれども、いままでは大豆の問題しかり、この間ここに出ましたサトウキビの問題で採算が合わないという問題しかり、麦の問題で生産費のほうがいわゆる売り値よりも高いという状況、したがって、農家は塗炭の苦しみにあるというのが現状ですから、農業団体の職員の賃金が安いというのはどこに責任があるかということを農林大臣に聞きたい。
○櫻内国務大臣 農協の給与が低い、これは一つ一つの農協の状況に応じて農協の経営状態にかかわる問題だと思うのですね。これはそれ以上の意味はないと思うのです。
○野坂委員 それでは、農協の経営が悪いから農業団体の職員の給与が安い、国は全然関係がない、こういう意味ですか。
○櫻内国務大臣 経営が悪いとかいいとか言っておるのではないのです。それぞれの農協の経営の状況によって、そしていま御指摘のような低い給与というものが現に行なわれておる、こういうことです。
○野坂委員 私は農協の職員の給与が安いというのは、ただ単に農協の理事の皆さん、経営者の皆さん、そういう経営が思わしくないという意味じゃないと思うのですよ。あなたに一番問題があると思うのです。農林省にその責任の大半がある、こう確信しております。それはいわゆる農政というものに問題点があるということです。先ほども言いましたように、きのうも大豆で論争されたでしょう、その前は共済法でサトウキビの問題が出たでしょう。だから、売り値よりも生産費のほうが高くついて、農民としては生活が苦しくなってくる、それで経営する農協はさらに苦しい状態に置いて、そのしわ寄せは労働者に来ておる、こういうことです。だから、幾ら考えてもこの辺で農政の大転換をやる以外に、これらの給付水準というものは上がってこないという結論しか出てこない。だれに責任があると思いますか。農林大臣、今日の農政はこの問題について責任が全然ない、こういうふうにお考えですか。
○櫻内国務大臣 これは個々の農協の経営の状況というものが反映しておるわけでございまするが、その個々の農協の経営の状況が農政全般の仕組みと関係があるかないかといえば、それは関係がないとは言えません。しかし、いま問題になっておる職員の給与が、風が吹けばどうとかというような回り回った論理をここで考えて申し上げることはどうかと思うのでありまするが、関係があるかないかということにお答えすれば、全然関係がないとはそれは言えない。
○野坂委員 私は時間がありませんから、またあとの質問者に譲りますけれども、考え方として農林大臣、やはり農政が一番の基幹になっておるということは、この一点を見ても私は明らかだと思うのですよ。もっと農林大臣に考えてもらわなければなりません。 さらに、大蔵省の主計官もおいでです。いまの論争を聞いておわかりになったように、いまの農林団体の職員は千分の九十六ですね。千分の九十六の掛け金率である。不足財源はたくさんあります。政調会長であった当時の櫻内農林大臣は、一・七七%、いわゆる財源調整費というものをつかみでやって、裏を返して計算をしてみれば一・七七だったということにすぎないのですよ、率直な話をすると。だから、不足財源というものについては、農協の経営者はもう見れないということですね。しかも安い賃金をもっておる農林団体の職員は、千分の四十八というのは最高です。公務員は千分の四十四ですよ。今度厚生年金というものは千分の七十六になりましたが、これを二で割れば千分の三十八だ。農林団体の職員は一番高いということですよ。しかもこれには公務員の皆さんは時間外手当等は算入されていませんが、このいわゆる農林団体職員は時間外も含めて千分の四十八を取っておるのです、内容は。そうすると、その負担はもうぎりぎりの限界に来ておるというふうに私は解釈をしております。それについてはぎりぎりかどうか、私はそう思っておりますが、どこよりも高い、しかも賃金は低い、こう考えておりますが、農林大臣はどう考えておりますか。全体の農政の問題はからみますから、ちょっと答えておいてほしい。
○渡辺(美)委員長代理 その前に野坂君に申し上げますが、申し合わせの時間が経過しておりますから、結論を願います。
○櫻内国務大臣 ただいまの御質問は、農協の職員の負担が高いかどうか、こういうことでありますれば、それは高いと申し上げる以外にはございません。
○野坂委員 そうすると、相当の金額というのが不足財源として残っておりますから、いま遺族の問題、たとえば日額百五十円は安い、これは政策上の問題だ。だから、これを埋めていくためには一八%で安いという結論が出ているわけです。だから、二〇%に最低していかなければ、修正積み立て方式をとっておる国家公務員と、あるいは完全積み立て方式をとっておる農林年金の場合は究極は大きな穴があくので、これをいまのうちに補てんをしておかなければたいへんなことになるわけです。それについては大蔵省はどのような見解で、農林省の二〇%を一八%に削ったのですか。
○辻政府委員 年金の補助率につきまして厚生年金の場合が二〇%であるのに対しまして、農林年金の場合が一八%でございますのは御指摘のとおりでありますが、これは御承知のように、制度的に見ますと、年金額算定の基礎給与のとり方が違っておる、あるいは年金の支給の開始年齢が厚生年金の場合は六十歳でございますが、共済年金の場合には五十五歳でございますので、五年間よけいに受給できるというような差異がございまして、制度的に見ますと共済年金の給付水準のほうが厚生年金よりも高いことになるわけでございます。したがいまして、補助率を厚生年金並みにいたしますと、かえってそこに均衡がとれないという問題が生ずるわけでございます。 なお、国家公務員共済組合の場合は御承知のように一五%でございますが、農林共済組合の場合には先ほど来御議論がございます給与面の差異がございまして、給付の水準面でも差異が出てくるという点を考まして、国家公務員共済の場合よりは三%上積みをしておるわけであります。 そのほか、先ほども御指摘のございましたように、財源調整費といたしまして本年度は二億一千二百万円計上いたしております。これは農林共済の場合、掛け金率が他に比べて高いというような事情を考慮したものであるわけでございます。
○野坂委員 時間がありませんから、委員長に協力して簡単に終わりますが、たとえば整理資源率なんかから考えてみますと、非常に既裁定年金者を引き上げ、さらに今後の問題を公平の原則に従ってやるということになりますと、たいへん問題が出てくる、こう思うんですね。しかも完全積み立て方式で、公務員のように修正積み立て方式をやる、今後これをやるということになれば、だれが責任を持つのですか。膨大ないまでも二千億の不足財源をかかえておるのに、これを完全にやるということになれば、掛け金率を上げる以外にないんじゃないか、ぎりぎりだということを農林大臣も認めたんですよ。そうすれば、どこが持つかということになるんじゃないですか。どうです、大蔵省。
○辻政府委員 ただいまもお答え申し上げましたように、農林年金の補助率につきましては、共済グループの中では最高でございますし、別途財源調整費も計上しておるわけであります。先般の財源率の改正の際にも諸般の事情を考慮いたしまして、補助率の引き上げ、財源調整費の検討等々の措置をとったところでございます。今後の問題につきましても、その辺のところも検討いたしまして、適正に対処してまいりたいと考えております。
○野坂委員 今後は、いまたとえば公務員の場合は一五%で、一八%よりも下回っておる、しかし、掛金率というのは千分の四十四だ、しかも最終的には国が責任を持つわけですから、だから修正積み立て方式になっておるわけです。そういう点を十分に配慮して、農協の現状、農林団体職員の現状というものを十分踏まえてもらわなければならぬと思っておるわけです。だから、それについては十分対処をしたいということでありますから、これで引き下がりますが、農林大臣に私は申し上げておきたい。いま農政の転換の時期です。農民は異常なほどの状況におちいっておる。大豆等の問題もあるように、飼料はたとえば八月ごろには二〇%程度も上がっていくんじゃないか、こういうような状況があると思います。農政の転換をしない限り、それに携わる農林団体の職員すらこの職場を去っていくという傾向すら見えるんではないかということを心配しておるわけです。だから、そういうことを私は強く申し上げておきたいと思うんです。 先ほど保留をしておいた旧法の最低保障の問題については、この際、内村経済局長からお話もありましたが、時間がありませんから、あとわが党の議員でその点については明らかにしてもらう、こういうふうにしておきたいと思います。 以上で終わります。
○渡辺(美)委員長代理 諫山博君。
○諫山委員 厚生省の方に質問します。 二週間前に、社会労働委員会の連合審査で、私は厚生大臣に質問したのですが、そのときの厚生大臣の答弁によりますと、退職年金というのは食える金額でなければならない、また、退職年金というのは、ほかに仕事をしていなくても、あるいは家族の収入がなくても食えるような金額でなければならないという指摘があったのですが、これは厚生省の統一した見解ではないのでしょうか。 〔渡辺(美)委員長代理退席、藤本委員長代理着 席〕
○大和田説明員 ただいまの御質問、年金の性格論というふうにお承りしたわけでございますが、年金につきましては、御承知のように、拠出制年金とそれから福祉年金、こういったものがあるわけでございまして、これらの年金すべてが食えるというような金額にするということになると、いろいろ問題があるかと思います。ただ、私ども、厚生年金につきましては、御承知のように、五万円年金、あるいは国民年金につきましては夫婦五万円年金、こういう年金を打ち出しているわけでございますが、それはこれらの年金によって老後の生活のささえになる、そういう年金額を保障いたしていこうというような趣旨から、このような今回の改正をいたしたということでございます。
○諫山委員 厚生年金について言いますと、年金だけで食えるようになるのが制度のたてまえだと聞いていいですか。
○大和田説明員 老後のささえとなるという表現で申し上げてまいりたいと思います。
○諫山委員 それは食える年金というのと同じ意味ですか、違う意味ですか。
○大和田説明員 申し上げましたのは、食えるということにつきましては、完全に生活保障というふうな意味合いに先生の御質問を受け取りますと、これでもって完全に全部が全部保障されるということになりますと、私どもといたしましては、そういったような年金額をこれで保障するということは、これはまだ申し上げられないと思いますが、少なくとも相当程度の老後のささえとなるということは、はっきり申し上げられると思います。
○諫山委員 厚生大臣はきれいごとを言われたのかもしれません。制度の趣旨としては、年金だけで生活できるようにするのが趣旨だということを発言しています。また、党の問題になりますが、昨年末の総選挙でも、いまの与党を構成している自民党の人たちはそういうことを言っていたはずです。ただ、実際にそうなっていないというところに問題があるわけです。 次に、農林省のほうにお聞きします。 農林年金中央共闘会議というのがありますが、ここで厚生年金適用労働者の平均月収と農林年金適用労働者の平均月収を比較して次のようにいっています。厚生年金適用労働者については、月収八万四千四百円、農林年金適用労働者の月収は平均五万八千九百六十二円、つまり農林年金適用労働者の賃金のほうが平均すすれば二万五千円も安い、こういう数字が公表されていますが、これは農林省の計算でも同様になっていますか。
○内村(良)政府委員 ただいま御指摘のあった数字が何年のどういう調査であるか、私どもはつまびらかにいたしませんが、私どもが四十六年度末で調べました給与の平均額の比較によりますと、農林年金は五万一千四百三十六円、厚生年金は六万四千三百一円で、約一万三千円くらいの違いがございます。それが、ただいま御指摘のございました数字がどういう調査であるかということによって数字が違ってくると思いますが、農林年金のほうが厚生年金の受給者よりも低いということは、これは事実だと思います。
○諫山委員 いま局長が指摘された数字は、農林年金共闘会議の数字よりか古いと思います。そこで、この問題について、たとえば農協合併をすれば農協労働者の賃金は上がるんだということを繰り返し繰り返し言われています。これは数字的に実証されているんでしょうか。
○内村(良)政府委員 農協が合併して経費の節減ができる、あるいは経営の合理化が行なわれるということになりますれば、それだけ賃金として支払い得る財源がふえることは事実でございます。 そこで、総合農協統計表によりまして、組合員戸数規模別の職員平均給与について調べた数字がございます。 それによりますと、これは四十六年度の調査でございますが、組合員が四百九十九戸以下の農協の職員の平均給与は四万五千二百六十五円でございます。それから五百戸から九百九十戸、この辺のところが農協としては相当多いかとも思いますが、それが四万五千六百六十九円。それから千戸から二千九百九十九一戸、これが四万六千百三十八円。三千戸から四千九百九十九戸、これが四万八千百三十八円。五千戸以上が四万八千二百八十八円。これは前年の数字におきましても、傾向としてはほぼ同じ傾向を示しておりますので、規模が大きくなればやはりそれだけ経費の節減等ができて、職員の給与は上げることができるという傾向は、こういった数字から見ても言えるのではないかと思っておるわけでございます。
○諫山委員 農林省は、農協の合併を進めれば賃金がよくなるんだということをきまり文句のように言われますが、それが全く根拠がないということがいまの数字で明らかになりました。農協労働者の低賃金というのは、いま言われているような程度のものではないのです。たとえば、私は幾つかの実例を調査してきましたから紹介したいと思います。 いま、福岡市農協というのがつくられています。昭和三十八年に十九の農協が合併して誕生した大型農協です。加盟戸数が五千八百十四戸、職員数が四百十五名、そして昭和四十七年四月現在の福岡市農協職員の賃金はといいますと、十八歳で三万三百四十四円。同じ時期に福岡市役所で働いている十八歳の職員の給与は四万二千五百円。つまり、福岡市農協の職員のほうが一万二千百五十六円安いのです。三十歳をとりますと、福岡市農協の職員が五万五百九十六円、福岡市役所の職員が七万四千百円、その差が二万三千五百四円。四十五歳を例にとりますと、福岡市農協が六万四千五百九十一円、福岡市役所が十一万五千八百円、その差は五万一千二百九円、これはあなたが言っているように、大型合併の完成した農協です。加盟戸数が五千八百をこしているというようなところです。それでもやはり同じ市の市役所で働いている労働者に比べて、三十歳の場合に二万三千円、四十五歳の場合に五万一千円違うのですよ。あなたがあげられた数字というのは一千円違ったり二千円違ったりというようなことですが、農協の合併でこういう差が解決すると思いますか。
○内村(良)政府委員 ただいま福岡市の総合農協につきまして先生から御指摘のございました数字は、農協と役場との比較の数字だと思います。私どもも、農協と役場を比較いたしました場合に、農協のほうが安いということは資料等を通じて承知いたしております。そこで、先ほど私の申し上げましたのは、農協の経営規模別に比べますとこうだということで、農協の中の比較でございます。したがいまして、農協の賃金水準自体が役場等と比べれば安いわけでございますが、その中でさらに農協の賃金水準の向上というものをはかるためには、合併が一つの手段であるということを申し上げているわけでございまして、それによって役場並みになるというところまでいけるかどうかというのは今後の大きな課題でございます。
○諫山委員 もう一つ私が似たような数字を紹介します。 福岡県に糸島郡の農協というのがあります。昭和三十八年に十四の農協が合併してつくられた農協です。組合農家の戸数が五千七百八十八戸、職員数が四百三十四人。昭和四十七年四月を例にとりますと、十八歳の労働者で糸島郡農協が三万一千百円、同じ町にある前原町役場が四万二千五百円、差が一万一千四百円です。三十歳を例にとりますと、糸島郡農協が五万三千百九十六円、前原町役場が七万三千九百円、差は二万三千五百円です。四十五歳を例にとりますと、糸島郡農協が六万七千二百八十七円、前原町役場が十一万三千二百円、差は四万五千九百十三円です。 局長は農協が大型化すれば給与もよくなるんだと言われて、幾つかの数字をあげられました。しかし、その差というのは、たとえば五百人ぐらいの農協と三千人の農協というのが対比できるわけですが、三千円そこそこしか違わないじゃないですか。だとすれば、大型化することによっていま私たちが指摘しているような本質的な問題が解決するとはとうてい思われないわけです。実質上解決されていないんです。これはどうですか。
○内村(良)政府委員 確かに農協の職員と役場の職員との間に給与の差があることは事実でございますが、われわれといたしましては、農協の職員の給与を逐次上げていって追いつく、そのためには現在の非常に経営規模が零細な農協ではいかに経営努力をいたしましても限界がある。しかも最近の経済の状況からいって、しかも交通の発達というようなことを考えれば、規模の大きい農協でも農協として十分やっていける。さらに出荷形態等を考えれば、大きいほうがいいんじゃないかということもございまして、合併を促進しているわけでございまして、それによって農協職員の給与の上昇をはかる。それを進めながら役場の水準まで追いつくというふうに持っていくべきでございまして、いきなり役場の水準に持っていけと言われても、それはなかなか無理であるというふうに考えて、それに向かって努力するためには合併は一つの手段であるということを申し上げているわけでございます。
○諫山委員 私は以前もこの委員会で農協労働者の賃金問題を質問したことがありました。そのとき農林省から出た答えも、農協の合併を進めればこの問題は解決するかのような答弁でした。さっきの野坂委員の質問に対する答弁も同じ趣旨になっています。ことばを変えますと、農協労働者の賃金を上げるという問題について、農協の合併以外に方針を聞いたことがないのです。ところが、唯一の方針として打ち出している農協合併によっても、上がるのかどうか知りませんが、とにかく局長の指摘された数字ではたいした違いはないということになるのです。ほかに何か農協労働者の賃金を向上させるために政策は持たないのですか。これは農林大臣にお聞きします。
○内村(良)政府委員 事務的な点を先に申し上げますと、もちろん合併だけが唯一無二の手段ではございません。要するに、農協の職員に対して農協がより高い賃金を払うためには、農協の経営の合理化を行ないまして、それだけ高い賃金が払えるだけの経営体質をつくらなければならないわけでございます。そうしますと、合併以外にたとえば事務の合理化をはかる。これは人減らしになるのではないかというような議論にあるいは進展するのかもしれませんけれども、事務に機械を入れまして合理化をはかる。そこで女性の人がやめていったあと補充しないというようなことになれば、そこで経費の節約ができて、その分を残った職員の給与の上昇に充てられるというようなことも現実に信用事業等ではあるわけでございます。さらに経営体質全体の改善、農協の収支をよくしていく。農協はもうけるために経営をやっておるわけではございませんから、職員の給与をよくし、さらに剰余が出ればそれを組合員に対して分配するのが農協の使命でございます。したがいまして、経営の合理化ということは、これは農協が当然取り組まなければならぬことでございまして、私どもとしてはそういう点については指導いたしております。しかし、これはあくまで当該農協がそういった態度で対処すべき問題でございます。したがいまして、指導にはおのずから限界がございます。補助金を出して経営の合理化をやるということはなかなかできにくいわけでございますが、合併の場合には合併の指導奨励費というようなものを出しまして、国としてそういった財政援助をしながら進めるわけでございますから、よくそういうことを申し上げられる。もちろん本質的には農協の経営の合理化、それによって経営を健全化し、剰余が出ればそれを職員の給与に充て、さらに余れば組合員に対する利益の分配をするというのは農協として当然のあり方でございまして、私どもはそういう点についてはもちろんそういうように指導しているわけでございますが、これはあくまで農協の当事者の取り組み方いかん、その姿勢も相当影響があるわけでございます。
○諫山委員 残念ながら一番肝心な問題に触れられなかったと思います。日本の農業を振興させる、農家の経営を安定させる、豊かにさせる、このことによって農協の経営も安定するし、農協の職員の労働条件もよくなる、こういう方法は考えていないのでしょうか。大臣、いかがでしょうか。
○櫻内国務大臣 農業経営全般がよくなっていく、その場合、協同組合の経営もよくなるのではないか、これはもちろんそういう関連があると思うのであります。ただ、先ほどから御説明を申し上げておるのは、現に経営されておる農協を考えますときに、どうしたら農協職員の給与水準の引き上げが行ない得るか、あるいは農協の経営基盤をさらに一そう安定せしめ得るか、こういう際の一つの方策として合併の推進を申し上げておるわけでございまして、ただいまの他の要因というものは全然ない、こういうことではございません。
○諫山委員 私は福岡市農協と糸島郡農協の二つの例をあげましたが、これを見て感じるのは、農協で働いている労働者の低賃金というのがあまりにもひど過ぎるということです。同じ年齢でありながら、二万円安い、三万円安いという状態が生じているわけですが、この問題について農林省当局がほんとうに身を切られるような痛さを感じているのか。私は感じてないように思います。ほんとうに農協労働者の苦しみをみずからの苦しみとして理解するなら、そういう答弁にはならないと思います。 たとえばいま生産者米価が問題になっているわけですが、農民の要求しているように、この生産者米価を大幅に引き上げる。そうすると、農家の経営も安定に近づきましょうし、農協労働者の労働条件も向上するということは子供にだってわかる理屈だと思いますが、そういう観点から農協労働者の賃金を上げようとは思っていないのですか。そこに重点を置くことこそがいま農林省に一番強く望まれていることだと思うのですが、どうでしょうか。
○櫻内国務大臣 給与との関連で農産物の価格というものを考えるのではなくて、農産物の価格というものが合理的にきめられていく、そういう中に、またそのことが農協の経営を安定せしめるとか経営の改善に寄与するとかいうふうな、そういう関係にあるのではないかと思います。
○諫山委員 それはわかり切った理屈です。農協労働者の賃金を上げるために生産者米価を引き上げろとは共産党は主張しません。そういう反射的な効果はありましょうが、やはり問題は日本の農業を安定させる。そしてその中で農協の経営もよくなっていくというのは当然です。しかし、農林省がそういう観点を第一に置いて農協の問題をとらえようとせずに、農業は破壊のされっぱなし。そしてその中でやれ合理化だとかいうようなことしか考えようとしないという点に私は最大の問題があると思います。 そこで合理化の問題に戻りますが、農林省が一番強調される農協の大型化、合併に労働者はそれほど積極的に賛成していないように見受けられるのですが、どうですか。(「そんなことはないよ。ぼくのほうでは賛成しているよ。」と呼ぶ者あり。)
○内村(良)政府委員 それは地域によって違う面もあるかと思います。しかし、私どもの承知しているところでは、最近は非常に——昔は、たとえば合併して、事務所がいままで通勤していたところよりも非常に遠いところにいってしまうというような場合には困るということもございましたが、最近はそういう点も改善されているという点もございまして、職員が反対しているということはあまり聞いておりません。(「共産党はいつでも反対しているじゃないか。共産党は主導権を持たなければ賛成しないじゃないか。」と呼ぶ者あり)
○諫山委員 ああいうやじは禁止してください。共産党の政策を読んだことがありますか。失礼じゃないですか。(「質問を聞いているから言っているんだよ。いつも反対しているじゃないか。」と呼ぶ者あり)
○藤本委員長代理 御静粛に願います。
○諫山委員 少し勉強してものを言いなさい。私が共産党の政策を読み上げます。共産党はこの間の第十一回中央委員会総会で農協の問題を議論しました。そしてこうい方針を出しています。「農村地域の産業交通などの変化に即して合理的な規模に農協を合併しなければならないときは、中小農民の利益と農協労働者の要望を十分考慮しながら民主的に合併を進めるようにする」、私たちはこの決定にありますように、何でもかんでも合併に反対とは言っていないのです。しかし、合併するためにはそれなりの考慮が必要ではないかということを言っているのです。自民党の議員席から、こういうことを知りもしないでとんでもないやじを飛ばすというのは言語道断です。(「共産党が主導権を持たなければ合併に賛成しないだろう」と呼ぶ者あり)委員長、ああいうやじは私は禁止してもらいます。
○藤本委員長代理 委員各位に申し上げます。質疑者以外の方の御発言は御遠慮願います。
○諫山委員 私も農協の労働組合が機械的に合併に反対しているものでないことは知っています。ただ、なぜ合併のことが労働組合でしばしば議論されるかというと、この合併に便乗しながら労働条件の向上どころか、かえってこれを引き下げるというようなことが行なわれているからです。たとえば私が調査してきたのですが、ことしの四月、門司農協など五つの農協が合併して北九州東農協というのをつくりました。ところが、従来門司農協の終業時間は午後四時半だったのですが、これが五時にされています。こういう例というのは、私の調査によれば幾らも出てきています。そしてこういう労働強化になるようなことに労働者は賛成できずにいるわけです。農協合併についていつも労働組合からこういう要求が出されていると思いますが、いかがでしょうか。
○内村(良)政府委員 合併によりまして労働条件が改善されているという面も多々ございます。ただいまの北九州農協の例につきましてはつまびらかにいたしておりませんが、私どもが承知しておるところでは、合併によって改善されているところが多いというふうに聞いております。
○諫山委員 さらに農協の労働組合に聞きますと、たとえば全中の労務問題基本調査会などの方針に従って合併を契機に職務給を導入する、あるいは退職金についても職階制を導入する、こういうやり方が半ば強制される。そこで農協で働いている労働者としては合併に伴うこういう労働強化あるいは職制支配に反対するということがしばしば起こっているはずですが、そうではありませんか。
○内村(良)政府委員 合併につきましては、合併後の組合の労働条件というものについて理事者は当然いろいろ話し合いをやっております。それから給与体系の問題等につきましては、やはり合併いたしますと組織として大きくなるというところから、組織として最も合理的な給与体系が導入できるという利点もございます。その反面、従来に比べて多少条件が変わるという点はあるかと思いますので、それについていろいろ不満があるというようなことは全然耳にしていないわけではございません。しかし、一般的には、給与体系も合理化されて労働条件もよくなっているというふうに聞いております。
○諫山委員 合併問題について、さっきやじが飛びましたから、共産党の立場をもう一ぺん明らかにしたいと思います。(「合併賛成なら賛成と言ってくれ」と呼ぶ者あり)委員長、ああいうくだらない発言は禁止してください。
○藤本委員長代理 不規則発言は御遠慮願います。
○諫山委員 組合員の意思と地域の実情を無視した農協合併の上からの押しつけには反対する。しかし、合併が必要な場合には中小農民の利益と農協労働者の要望を十分考慮しながら民主的にこれを進める、というのが私たちの党の正式な立場です。非常に頭の単純な人には反対か賛成かというような思考方法しかできないかもしれませんが、私たちはもっと緻密にこの問題は議論しています。 〔藤本委員長代理退席、委員長着席〕 だから、農林省もやはり民主的に進めるべきだ。そして押しつけはすべきじゃないというような点を十分考慮して合併問題は議論してもらいたいと思うのです。いかがでしょうか。
○内村(良)政府委員 いろいろ組合の合併の話を聞きますと、これはとても上から押しつけてやれるようなものではございません。農協というのは自主的な組織でございまして、過去二十数年の歴史を持っております。したがいまして、昔の農会のように行政庁の指導でどうこうということは全くございません。特にその組合がなくなるかなくならないかという問題でございます。そこで、合併につきましては、関係者が集まりまして長い時間をかけて論議をしてやるということで、合併しろというようなことを上から言ってみても、それによって合併が進むという性質の問題ではございません。あくまで自主的に行なわれていると私どもは信じておるわけでございます。
○諫山委員 きょうは合併を論ずる場ではありませんからこれ以上深入りしません。ただ、従来、農協労働者の賃金が安過ぎるじゃないかというふうに問題を指摘しますと、それなら農協の合併を進めてくださいというような回答しか返ってこなかったから、これは欺瞞だ、ほんとうの解決策ではないということを農林省に反省していただきたかったわけであります。 そこで、農林年金適用の労働者は、農協の労働者のほかにもいろんな種類の人がいます。たとえば漁業組合で働いている人の賃金はどうかということを調べてみると、東京の場合、大学卒で三十歳の人が九万一千七百八十九円、高校卒で六万八千八百七十八円。これも一般の企業に比べたらきわめて低いと思われますが、この点、いかがでしょうか。
○内村(良)政府委員 ただいま漁協職員の給与の数字のお話があったわけでございます。高いか低いかという点でございますが、賃金水準の比較というのは年齢、勤続母数、学歴等の要素がございまして、さらに本給以外にいろいろな手当もあるということで、機械的な比較はなかなかできがたい問題でございます。 そこで、私どもは大体初任給で比較をしておりますけれども、漁協につきましても農協同様、他のたとえば役場等に比べて安いということは現実だと思います。 ただいまの三十歳の方の勤務地は東京でございますか。——公務員に比べればちょっと高いのではないかと思いますけれども、正確な比較は数字を持ち合わせておりませんので、この際控えさせていただきます。
○諫山委員 農林年金にいろいろな問題点、矛盾があることは野坂委員の御指摘のとおりですが、私はその大半は、農林年金適用労働者の賃金が非常に低いというところから出発していると思います。そしてこの問題を解決しない限り、年金の制度だけをいじっても根本的に老後の生活がささえられるようにはならないというふうに思うわけですが、それにしてもいまの年金の仕組みそのものが非常に不十分だというふうに言わざるを得ません。 そこで、最低保障額と実際に支給されている年金の金額との関係、もっと具体的に言いますと、最低保障額の年金しかもらえない労働者の比率が問題になったわけですが、農林年金以外の制度ではこれはどうなっていましょうか。これは厚生省のほうで御説明できますか。
○大和田説明員 厚生年金の老齢年金につきましては最低保障という概念はないわけでございます。ただし、標準報酬の最低のもの、今回の改正では標準報酬二万円が最低でございますが、二万円の標準報酬で老齢年金が支給される場合に一体幾らになるのかといったようなことがございます。これが大体二万五、六千円というようなところではないかと思います。 そういたしますと、二万五、六千円以下の受給者がどれぐらいおるか、こういうたようなことがお答えとなるんではないかと思いますが、一応四十七年の十一月末裁定というもので抽出調査をいたしましてみた数字があるわけでございます。この抽出調査をいたしました中で二十年以上、要するに年金を受給し得る期間を有する者の中で二万五千円以下というものが約〇・四%という数字が出ておるわけでございます。一応そういうことでお答えといたします。
○諫山委員 共済関係であと一、二の制度、何かありませんか。
○大和田説明員 実は共済の関係は、ただいま申しました数字以外に私ども持ちあわせておりません。
○諫山委員 標準報酬額を下回る人が〇・四%しかいないということは、農林年金の不当性をあらためて浮き彫りにする数字ではないかと思います。最低保障額というのは、とにかくこれよりか下はいけないんだという金額だと思います。これよりか下はいけないという人が概算で六〇%もいる。これは農林省としては正常な状態と思っておられましょうか。
○内村(良)政府委員 ただいまの〇・四%という数字は今般の改正を前提にした数字かどうか、私、必ずしもはっきりいたしません。先ほど退職年金について、今般の最低保障額の引き上げの対象になる者が何人であるか、それは大体全体の五六%でありますという御答弁を申し上げたわけでございますが、〇・四との関係は、すぐ比較できるかどうか、私ちょっとつまびらかではございません。 そこで次に、このように最低保障額を下回っている者がたくさんいるのは遺憾ではないかという点でございますが、私もその点は遺憾だと思います。しかしながら、この点につきましては、先ほども御論議がございましたけれども、標準給与が上がるようにしなければならないということは、農協なり農林年金所属団体の職員の給与の問題ということになってくるわけでございます。
○諫山委員 農林年金適用者の賃金を引き上げるということが根本的な問題であることは賛成です。しかし、いまの農林省の態度から見たら、これは一朝一夕でできることではないと思います。むしろいまのような状態だったら、差はますます開いてくるんじゃないかということさえ心配されます。そこで、一応その問題はおくとして、それ以外に、局長が遺憾であると言われた問題を解決する方法はないんでしょうか。これは大臣にお聞きしたいと思います。
○内村(良)政府委員 これも年金の技術的な問題でございますから、私から答弁させていただきます。 そこで、それではどうやったらこれが解消できるであろうかということでございますが、これは非常にむずかしい問題がたくさんございます。 まず第一に、年金でございますから掛け金をかけ、それによって給付を受けるわけでございますが、給付を上げようとすればさらに掛け金を上げなければならない、こういうことになるわけでございます。そこで、それを避けるためには、たとえば財源調整費を増すとか国庫負担を増すとか、あるいはもっとさかのぼれば財政方式自体を再検討するというような問題も出てくるかと思います。 それから、給付の改善につきましては、やはり標準給与を上げる以外にただいまのところ方法はないのではないかというふうに考えられるわけでございます。
○諫山委員 一番現実的な方法で、政府の負担率を引き上げるという問題があると思いますが、この点について、農林省から大蔵省のほうに正式に要求されたことはありますか。
○内村(良)政府委員 昨年も、農林省の予算の大蔵省に対する要求では、給付に対する国庫負担を一八%を二〇%に上げるように要求はしております。
○諫山委員 その種の要求というのは、それぞれの年金についていつもなされていますか。
○内村(良)政府委員 私どもは農林年金を所管しておりますので、農林年金についてそのような要求をしております。
○諫山委員 私は、それは農林省だけの特別な要求だったのか、それとも各省ともやっている要求だったのかというのを聞きたかったのですが、それは別として、それに対する大蔵省の返事はどうですか。
○内村(良)政府委員 毎年その点については議論するわけでございますが、昨年は、四十七年度に一六%を一八%に上げた直後である。それから、先ほど大蔵省のほうから答弁がございましたけれども、厚生年金とのバランスを考えれば、財源調整費その他を考え、さらに給付の内容を考えた場合に、一八%をさらに引き上げることはむしろ不均衡をもたらすという見解をとっておるのでありまして、私どもも、昨年の場合にはと申しますか、四十八年度予算の場合には、現状から見て、諸般の事情を考慮し、一八%でやむを得ないというふうに考えたわけでございます。
○諫山委員 最低保障額を適用される人が六〇%もいる。これが全く異常な状態であることは農林省もお認めのようです。ところで、この異常な状態を解決するという問題について、結局いまのところ策がないという結論に到達するのでしょうか。
○内村(良)政府委員 年金制度はきわめて複雑な制度でございます。したがいまして、私どもも逐年、御案内のように、改善をはかってきてまいりまして、今後もそれに向かって努力しなければならぬというふうに考えているわけでございます。
○諫山委員 最低保障額しか受けられないたくさんの人が、実際はその給付額は生活保護を下回るという事例が起こり得ると思いますが、そういう点、どのくらいそういう事例が起こり得るか、調べておられましょうか。
○内村(良)政府委員 生活保護の給付は地域によって異なります。したがいまして、生活保護との比較で、どの程度生活保護を上回っている人がいるか、下回っている人がいるかということを調査したことはございません。
○諫山委員 一級地についてはどうですか。
○内村(良)政府委員 残念ながら調査をしておりません。
○諫山委員 厚生省のほうでこの点説明できますか。
○中野説明員 お答え申し上げます。 農林年金との関係での具体的な金額の比較はいたしておりませんが、たとえば金額だけを御説明いたしますと、生活保護は御承知のとおりに、世帯人員とか年齢、性別によって差がございますので、かりに七十歳の男子と六十五歳のその配偶者の女子が一緒に暮らしております二人世帯でありますといたしますと、生活保護の金額は、町村部の四級地では二万六千七百五十六円、逆に大都市地域の一級地で三万七千三百三十三円という数字は申し上げることができます。
○諫山委員 これは社労委での連合審査でも問題になったのですが、確かに年金と生活保護は性格は違います。しかし、食える年金というような立場をとるなら、また、生活のささえとなる集金というような厚生省の立場に立つとしましても、長年掛け金をかけてようやくにしてもらう年金が、生活保護の金額よりか安いというのは、どう考えても正常とは思えません。何のために掛け金をかけるのかというような疑問さえ出てくるわけです。もっともそれはほかに収入があっても返さなくていいんだからというような議論があるかもしれませんが、これでは生活のささえとしての年金という観点から見て、私は回答にならないと思います。実際の年金が生活保護よりか安い場合があるという点を農林省としてはどう理解しておられますか。
○内村(良)政府委員 確かに先生御指摘のように、一級地その他の地域におきましては、年金の最低保障額のほうが生活保護よりも低い地域があることは事実だと思います。その点につきましては、先ほども御論議がございましたけれども、基本的には年金の性格論から議論しなければならぬ問題でございますので、先ほど御答弁申し上げましたから省略させていただきますが、先ほども申し上げましたように、農林年金の受給者というのは大都会よりも地方に住んでいる人が多いのではないかというふうに推定されるわけでございます。そういたしますと、私どもの見ている数字では、そういった四級地、五級地におきましては、農林年金の最低保障額のほうが生活保護の額を上回っているということは言えるのではないか。しかし、それだからいいということで考えておるわけではございません。あるいは生活保護と比較するのが根本的に間違っている問題かもしれません。いずれにいたしましても、私どもといたしましては、最低保障額の引き上げにつきましては、繰り返し繰り返し努力してまいりましたし、今後もまた努力をしなければならぬ問題であるというふうに思っておるわけでございます。
○諫山委員 考えてみますと、年金問題を議論するときに、生活保護を引き合いに出してこれと比較しなければならないというのは情けないことだと思います。生活保護というのは、憲法第二十五条で、これ以下の生活は憲法違反だというぎりぎりの線を規定していると思うのです。そうして年金の額がその前後を右往左往しているというのではお話にならないと思うのです。そうしてこの問題を解決する一番大きなかぎは、やはり国庫負担を大幅にふやすことだと思います。きょう四党提案の法律案も出されたわけですが、共産党独自としては国庫負担は百分の四十であるべきだということを主張しています。こういう点で、農林省だけではなかなか結論が出しにくい問題でしょうが、これからもっと抜本的に検討するというような意向はないのかどうか、お聞きしたいと思います。
○内村(良)政府委員 年金の制度の検討につきましては、従来からも制度の検討をやってまいりましたし、さらに、四十九年末の料率改定をさらに繰り上げてやろうじゃないかというような考え方も一部にございますので、農林年金の制度改善につきましては、なお一そう努力をしたいということで、いろいろ準備等もしているところでございます。
○諫山委員 私の手元に農林年金中央共闘会議がつくった「農林年金を改善する私たちの要求」というのがあります。ごらんになったことがありますか。——ごらんになられたそうですが、この中に労働者としての具体的な要求がずっと盛り込まれています。ごらんになってどう思われましたか。
○内村(良)政府委員 私は、農業協同組合の労働組合の代表者と数回にわたり年金問題について議論をした経験がございます。私どもといたしましては、現在の農協労働者の置かれているいろいろな勤務条件その他については十分理解できるものがございますが、その要求の中には、これはかなり非現実的であるというようなものもあったように思いまして、そのような批判をしたこともございます。
○諫山委員 初めに戻りますが、いまの農林年金の現実あるいは農林年金適用労働者の労働条件というのは、抜本的に検討しなければどうにもならないところまできていると思います。農林年金という制度がつくられた一つの背景には、なるべく農協や漁協などで労働者が長く働いてくれるようにというようなねらいもあったはずです。しかし、こういう状態では、よほど精神主義に徹した人でないと、ばかばかしくてこういう職場にはとどまっておれないという気持ちになるのではないかと思います。しかし、先ほど来の農林省の答弁を聞いていますと、どうも私はこういう状態を根本的にどうしようというような意欲が感ぜられないのですが、これは個々の農協の問題であって、直接農林省の責任ではないというふうな立場に立っているんでしょうか。これは大臣に御説明願えないでしょうか。
○櫻内国務大臣 農林漁業団体の共済制度が、その職員の皆さん方の福祉向上の土に考えられておることは基本的に申し上げられるところでございます。したがいまして、これらの制度がより改善をされ、より給付内容が増大することが好ましいことは言うまでもないのであります。しかし、年金制度のそれぞれの仕組みから考えまして、保険料率の関係、国庫の補助の面、それらのことから考えますときに、種々御批判がございましょうが、御批判のある現在の制度ではありますけれども、これまた逐次改善をして本日に至っておるのでございまして、今後におきましても、これをより一そう改善をするという方針については間違いがないのでございまして、これからさらによりよいものにしていこう、このように私も考えます。
○諫山委員 農協や漁協で働いている労働者の賃金が驚くほど安いということは議論の余地がありません。この問題について、従来の説明は、それは農協合併だというようなきまり文句がいわれていたんですが、きょうの局長の数字をあげての説明では、それがきめ手ではないというふうに私にはうかがわれます。もっとほかに解決すべき点があるように思うのですが、農協合併ということが労働条件向上の中心的な問題でないという点は、局長、お認めになられますか。
○内村(良)政府委員 先ほど御答弁申し上げましたように、合併の推進以外に経営の合理化、近代化ということも一つの労働条件改善の財源を生み出し得るもとになるということを申し上げたわけでございまして、合併が唯一無二のものではございません。そういったことも考えて総合的にやらなければならない。 それから、労働条件につきましては、私の見ているところでは、合併組合になりますと職員の数も大きくなりますし、労働条件自体は合併前よりも改善されているのではないか。もちろん、労働条件と申しますのは賃金も入るわけでございますが、賃金以外の点につきましても改善を見ているのではないかというふうに考えております。
○諫山委員 農協の合併に対する私たちの党としての基本的な立場はさっき指摘したとおりですが、実際に労働者の話を聞いてみますと、合併は非常に評判がよくないというのが実情です。それは合併に便乗していろいろな締めつけを要求してくるからです。私は就業時間のことを一例紹介しましたが、そのほかに、たとえば労働組合の活動家を遠いところに転勤させることだとか、あるいは労働組合の活動にいろいろ制約を加えてくるとか、そういう労働者としてとうてい賛成できないような問題が持ち込まれるから、いつも合併が問題を呼び起こすというふうに私は思います。この点、農林省としては当然指導監督する立場にあると思いますが、いかがでしょうか。
○内村(良)政府委員 ただいま御指摘のあったような事実が絶無とは私も考えませんが、逆に合併の結果非常に職員の力が強くなってやりにくくなったというようなことを申している理事もございます。私はそのことがいいか悪いか別にいたしまして、そういうことを言う理事もございます。したがいまして、具体的な場合によっていろいろ違うと思いますが、やはり労使関係の健全化、組合経営の合理化、組合の発展のために私どもは農協の指導をやらなければならぬというふうに考えております。
○諫山委員 最後に大臣にお聞きします。 あなたが監督する立場にあるたくさんの労働者が劣悪な条件の中で働いているんだということをはっきり認識することが第一だと思います。これは人ごとではなくて、あなたが責任を負うべき立場の労働者が非常に苦労しているんだということです。そしてこの問題を前向きに解決しなければ、農協の健全な発展というのもなかなか期待しにくいんじゃないかと思います。そしてこの問題の解決というのは、日本の農業を自主的に、民主的に、総合的に発展させていくという課題と切り離せない問題です。先ほど来の答弁を聞いていましても、この一番肝心な点が完全に農林省から抜けていたんじゃないかという気がしてしようがありません、たとえばいま魚で汚架問題が起こっています。やれ水銀だ、やれPCBだということで魚が売れなくなった、こういう問題が起これば漁協の経営に影響し、漁協で働いている労働者の賃金がよくならないことは当然です。農産物についても大豆だ、サトウキビだあるいは米だというような深刻な問題が次々に起こってきました、この問題をほんとうに解決して農業自体を発展させる、その中で農協労働者の生活や権利も守っていく、漁協労働者についても同様という立場になるのが、農林大臣として正しい姿ではないかと私は思いますが、いかがでしょうか。
○櫻内国務大臣 この点は先ほどはっきりお答えを申し上げたと思うのでありますが、いまの農協や漁協の経営状態が農業や漁業の状態との関連が全然ないというようなことはもとよりないのでありまして、したがって、農業、漁業が発展をしてまいりますれば、それに伴ってその地域にある協同組合に好影響があるのは当然でございます。したがって、農政全般と申しますか、農林漁業行政全般が発展をしていくことはそれぞれの地域の協同組合に好ましい影響を与えることは言うまでもありません。
○諫山委員 終わります。
○佐々木委員長 瀬野栄次郎君。
○瀬野委員 農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案について、農林大臣、当局に質問をいたします。 まず最初に局長にお尋ねしますが、衆議院の農林水産委員会で昨年五月十八日、私たち本法の審議をいたした際に、五項目の附帯決議を付しております。先ほど大臣からも若干の答弁があったようでありますが、まず局長から具体的にこの附帯決議にどのようにこたえて今回本法案を出したか、かいつまんで冒頭お答えをいただきたい、かように思います。
○内村(良)政府委員 昨年の附帯決議につきましては、五つの事項についての決議があったわけでございます。 まず第一に、「年金財政の健全性を確立するための対策として、給付に要する費用に対する国の補助率をさらに引き上げること」、これは昨年一六%から一八%に引き上げる法案を提案申し上げたわけでございますが、それの関係でさらにということばが入ったのかと思います。そこで、農林省といたしましては、四十八年度の予算要求の際、一八%から二〇%に引き上げるよう要求いたしましたが、他の共済組合制度との関係もあって、引き上げを見送ったわけでございます。しかし、財源調整費につきましては、給付に要する費用の一・七七%に相当するものを予算で獲得いたしましたので、これを加味して考えれば、補助率はおおむね二〇%になっておるというふうに考えているわけでございます。 第二に、「本制度が多額の整理資源をかかえている現状にかんがみ、これに対する財政援助の方途を検討すること」ということでございます。 〔委員長退席、藤本委員長代理退席〕 そこで、この点につきましては、ただいま申し上げましたけれども、一八%の定率補助のほか、財源調整費として前年度より五千二百万円増額した二億一千二百万円、すなわち率にこれを直してみますと一・七七%に相当するものを予算に計上したわけでございます。 それから第三の「既裁定年金の改定については、年金の実質的価値を維持するため、経済変動に応じたスライド方式を確立すること」というのにつきましては、先ほどもいろいろ御論議がございましたけれども、スライド原則に基づく改定方法の確立については、公的年金制度調整連絡会議においてなお検討が進められているところであるので、その結果を待つことにしたわけでございます。しかしながら、昭和四十八年度の既裁定年金の額の改定については国家公務員共済組合に準じ、国家公務員給与の上昇率にスライドした改定率によって行なうことといたしたわけでございます。 四の「遺族年金の受給資格期間の要件を引き下げること」、これにつきましては、今般の改正におきまして、職務上傷病によらないで死亡した場合の遺族年金の受給資格要件について、組合員期間十年以上を一年以上に短縮したわけでございます。 それから第五番目に、「農林漁業団体職員の給与が他の職域のそれに比し低水準にある実情から、これを是正するため適切な指導を行なうこと」、これにつきましては、ただいまも議論があったわけでございますが、農林省といたしましては、農協の合併の推進等を通じ、経営規模の拡大、経営基盤の強化につとめるとともに、経営の合理化をはかることにより妥当な賃金水準になるよう指導しておりまして、合併推進につきましてはそれに要する指導推進費を四十八年度予算に計上したわけでございます。
○瀬野委員 厚生年金から分離独立した公的年金制度として、御承知のように、昭和三十四年一月から農林年金ができたわけでありますが、御存じのように、この年金は足どめ年金、こういうふうに私たちは言っておりますけれども、厚生年金が今回改善されるとそれに負けないだけの改善をして、常に厚生年金より有利な給付を組合員に保障をする、このことに最も農材年金の存在意義がある、こういうふうに言わなければなりません。 そこで、今回厚生年金等が政府から提案されておりますけれども、これらの改正と本法を比べてみた場合に、どういったところが有利な給付になっておるか。この点、農林省はどういうふうに農林団体の職員に説明をされるか、この点は厚生年金より有利であるという点を逐一御報告いただきたい。
○内村(良)政府委員 厚生年金と農林年金と比べました場合に、給付につきまして違います点は、御承知のとおり、農林年金は二十年勤務いたしまして五十五歳になれば給付を受けることができるわけでございます。それから給付の額の決定でございますが、農林年金の場合には退職直前三年間のもらっていた給与の平均で標準給与がきまるわけでございます。厚生年金の場合には、これは全勤務期間の賃金の平均でございますから、現在の日本の賃金体系からいけば、退職直前三カ年のほうが全期間よりははるかに有利になっているというような点がございます。
○瀬野委員 具体的な問題は後ほどまとめていろいろおお伺いすることにして、次に農林大臣にお伺いいたしますけれども、わが国の農林年金の水準、こういったものは諸外国等に比べて、また今回の改正等を審議するにあたりましてどういうふうな位置づけにあるか、その点は大臣はどういうふうに理解をしておられるか。その点お答えをいただきたいと思います。
○内村(良)政府委員 ちょっと数字的な点をその前に申し上げておきます。 厚生年金と農林年金の比較でございますが、農林年金の財源率計算に用いた基礎数値、これは死亡率だとかいろいろな率があるわけでありますが、それをとって数理的保険料率によって給付の水準を比較してみますと、農林年金の一〇〇に対して厚生年金はおおむね八四ないし九一くらいになっておりまして、給付水準そのものは農林年金のほうが相当高いということになっております。
○櫻内国務大臣 たいへん恐縮でございますけれども、農林年金についての諸外国の例との比較を私自身はしたことがございませんので、ただいま資料等もございませんから、お答えをいたしかねる。お許しいただきたいと思います。
○瀬野委員 また検討していただいてけっこうです。 そこで、私、次のことをお聞きしたがったので、その前段にそういったことをお伺いしていたのですが、今回農林年金に対しては、いま上程されている厚生年金等、充実強化するようにいろいろ検討されて提案されておりますが、これが参議院を通過する云々ということについてはまだ時間がかかるわけですけれども、農林年金については抜本的な改善が今回は見送りとなっておるわけでございます。これは抜本的な改善をすべきである、私はかように思うわけでありますが、来年度は抜本改正をするのかどうか、その点の見通しについて、農林大臣または当局から冒頭お考えをお聞きしたいと思うのです。
○櫻内国務大臣 抜本的な改正をするかどうかということでございますが、現在私どもといたしましては、まず第一に厚生年金との比較におきまして、今後どういう点を改善したらばいいのかというところが一番肝心であると思うのであります。今回、厚生年金が、定額部分の額の引き上げ、過去の報酬の再評価措置、扶養加給額の引き上げ等により給付水準の大幅な改善をはかっておりますが、厚生年金制度は、共済制度と比較しますと、老齢年金の支給開始年齢について五歳のおくれがあり、また報酬比例部分の計算に用いる報酬は共済制度の退職時からさかのぼる三年間の平均であるのに対して、全被保険者期間の平均であるので、これらの事情を加味し、農林年金の財源率計算に用いた基礎数値によって、数理的保険料率による給付水準の比較をしてみると、給付水準そのものは農林年金のほうがなお高いと言える事情にございますので、今回は厚生年金等との均衡上緊急に実施すべき事項について給付改善を行なうこととしたものであります。 しかしながら、共済制度においては、給与が低ければ低いほど定額部分の額のウエートが大きくなり、共済制度の年金額のほうが厚生年金の年金額よりも少なくなるという問題がございます。それから厚生年金は物価を指標とする自動スライド制を導入することとしていることと、さらに給付の改善を行なおうとすれば、これにあわせて掛け金率の再検討を行なう必要があること等の問題もありますので、他の共済制度との均衡に留意しつつ、農林年金の制度改善につきなお検討を続けてまいりたい、このように考えておる次第でございまして、問題点を二、三申し上げた次第でございます。
○瀬野委員 問題点を二、三点あげられましたが、毎年同じことを繰り返した論議になっておりますけれども、来年度は少なくとも抜本改正をすべきである、かように私たち思っているわけです。 そこで、これまた大臣にお尋ねしますが、今回の本法の提案にあたっては、例年の取り扱いと異なりまして、予算関係法案としての取り扱いがなされていない。例年予算関係法案として出されておるのに、今回だけはその扱いがなされていないということで、私たちは提案のときから疑問に思っておったわけですけれども、その理由について当局の見解を求めるものであります。
○内村(良)政府委員 これは非常に事務的なお話でございますから、私から答弁させていただきます。 今回の法律案は、御案内のように、標準給与の引き上げ、遺族年金の受給要件の緩和、最低保障額の引き上げ、既裁定年金の額の引き上げ等を内容とし、したがいまして、もちろん予算の執行を伴うものでございますが、今回の法改正に伴う経費は、予算または予算参照書に特に記載されず、経常分の中に包括して処理される扱いの性質のものでございます。また、年金の改定率については、すでに国家公務員共済等と同率をとる、一応それがルール化されておるというふうに考えますので、今回特に予算関係法律案として提出することはしなかった次第でございます。
○瀬野委員 農林大臣に質問したん、だが、村長からいまそういうような答弁を聞きましたけれども、大臣は職員を叱咤激励して、予算関係法案にすべきだということをどうしておっしゃらなかったのですか。それとも知らずにそうされたのか。いま言ったようなことを承知した上で、今回このような措置をとられたのか、大臣はどうでしたか。
○櫻内国務大臣 ただいま局長から御説明を申し上げたとおりでございまして、農林省内におきまして予算関連法の取り扱いをきめる場合におきまして、予算または予算参照番に特に経費が掲記されずに、経常分の中に包括して処理される扱いの性格のものである、あるいは、この年金の改定率については一応のルール化を見ておる、こういうことで予算関係法案としての提案をしなかったわけでございます。
○瀬野委員 素朴な質問であるけれども、年金で予算がないというのはこれはおかしいと私は思うのです。こういう公開の席で質問すれば、いま申されたようなことをおっしゃいますけれども、いままで例年予算がついてきたのに、今年だけついてない、こういう素朴な農業団体の職員の質問にはどう答えますか。いまのようなことではちょっと納得しかねるのです。
○内村(良)政府委員 四十八年度なぜ予算関係法案にしなかったかということでございますが、四十四年度に予算関係法律案として提出したのは、農林年金法に基づく既裁定年金について初めて改定を行なうものであるというようなことを考慮したわけでございます。それから四十五年、四十六年については、今後国家公務員共済等と同様の改定を続けるという方針を示したものである。この方針は、先ほども御答弁申し上げましたけれども、すでに定着しているということから、今回はそういったことも考えて予算関係法律案として提出しなかったわけでございますが、四十五年、四十六年の場合にはそういうことがあった。それから四十七年につきましては、御承知のとおり、昨年は相当の改正がございまして、国庫補助率が大幅に引き上げられたということがあったわけでございます。それに比べて、ことしは大体先ほど申し上げましたようなことで予算関係法律案として提出しなくてもいいのではないかという判断をとったわけでございますが、類似なものといたしまして、私学共済も同様の取り扱いをしております。
○瀬野委員 私学共済のことをわざわざ引き合いに出さなくてもいいのですがね。全くおかしいと私は思うのです。われわれがいろいろ推察するのに、例年二月の十五、六日ごろには予算関係法案を出すというのに本法の提案がおくれた、間に合わなかった。結局いろいろな整理に忙殺されたのかどうか知りませんが、間に合わなかった、こういうふうにわれわれは率直に見ているのです。と同時に、十月施行であるというようなことで、一応の予算は計上されておるから、農林当局が気がゆるんでおったのではないか。法制局のほうとしても、いろいろの準備が結局間に合わず、ずるずるになったまま例年予算関係法案として出しているのを出さなかった、こういうように私たちは見ているのですけれども、農林大臣は職員の監督指導をよくやっていただかなければならぬが、こんなに農林関係は給付水準も少ない、また低賃金に甘えて、このたいへんな農業の曲がり角にあたっていま悪戦苦闘して農政の大転換をはかろうとしているときに、こういったことであるから、農業団体の職員は人材がなかなか集まらないし、なかなか定着しないというようなことも起きてくる。こういったことで、第一線でがんばっているこういった農業団体の職員のために、こういうあたたかい血の通ったことを考えてやることが一番である。そういった意味からも、こういったことは積極的に予算化して出すべきである、こういうふうに私は思うわけでありますが、いま私が幾つか理由をあげましたように、率直に言ってそういうことが私は重要じゃないか、こう思うのです。どうなんですか、大臣。全然そういうことでなかったとおっしゃるのですか。もっと当局の指導監督をしていただきたい。おそらく大臣もこういったことについては、早くやれ、予算関係法案として出すべきだということでおっしゃったのだろうと私は思うが、一言もそういったことはおっしゃらなかったのですか。農林大臣、ひとつお答えしていただきたいと思います。
○櫻内国務大臣 現に予算または予算参照書に掲記をされなかったというこの事情をよくお考えをいただきたいのであります。 ただいま御意見でございますが、従来の例と比較いたしまして、国共済等と同率をとるということが一応のルール化しておるというようなことを頭に置いて見まして、今回の措置が非常に間違ったものである、こういうことではないと思うのであります。 そういうことで、農林省内の検討に際しましても、十分論議をいたした結果、今回は予算関連法としての扱いをしなくてもよいという結論になったのでございます。
○瀬野委員 ここで何ぼ繰り返しても平行線をたどるような話ですけれども、私は冒頭申し上げておきたいことは、こういうような姿勢であるから、結局この農林年金の改善も、少しずつは前進するといいながらも、抜本改正になかなか踏み切っていけない、厚生年金、国民年金の改善によってあとを追うようなかっこうで改正がなされていく。もう少し農業の発展のために、職員の意欲的な勤務を促進していくために、福祉のためにも、積極的な農林独自の抜本改正をしてやっていく、こういう姿勢が生まれてこないんじゃないか、そういうふうに思うわけです。そういった意味で、ほんとうに、こういったことが農林当局の姿勢としてわれわれは批判せざるを得ないのですね。そういった意味から、来年はもっと抜本改正をするなり、思い切ったことをやらなければならぬ、予算化もしなければならぬ。こういった姿勢を改めるべきであると思うのですが、大臣のお話を聞いておると、全然反省の色がないようですけれども、これはだれが聞いてもおかしいわけですよ。皆さんも、ここでなかなか苦しい立場で、こんなことを聞かれるといやだということで、何とか時間を費したいという気持ちでは困るのです。そういうようなことは、また農林業団体の職員にも一番必要なことでありまして、ほんとうに真剣に考えてもらいたい。この姿勢について、来年度本気に取り組んでいただきたいし、また今後前向きにこれは検討してもらいたいと思うが、大臣、もう一度見解を承りたい。
○櫻内国務大臣 ただいま御主張されておるような抜本的な改正を行ない、それが予算に関係をする場合は、もう当然予算関係法案としての扱いを受けるのでございまして、今回の場合は、いろいろ御批判の点もございますが、十分検討した結果、予算関連法でなくてもよい、こういう結論を得たのでございますので、御了承いただきたいと思います。
○瀬野委員 大臣、ひとつ、いま指摘したことについては、もういまあらためて認識をしていただいたと思うのですが、そういうことでございますので、われわれ関係委員でも、こういったことが問題だ、こういうふうに指摘しておるわけでございます。これは与野党あげて、何も党派にかかわらず、この問題はおかしいと言っているわけですから、十分検討していただきたい。あなた方のお考えもわれわれの考えも、そう違うわけがないのですから、十分当局を督励してやっていただきたい。二月十五日、十六日のいわゆる予算提案に間に合わない、政府が間に合わぬ。法制局のほうと相談しても、ここにいろいろと問題があっても、十月一日施行だからというようなこともあって、つい気がゆるんだというか、極端に言えば怠慢じゃないか、私はこういうようにも言いたいのです。きびし過ぎるかもしれませんが、今後こういうことが二度とないように厳格にひとつやっていただきたい、かように思います。 そこで、そういうことであえてお聞きしたいが、この農林年金の扱いは経済局の農業協同組合課でやっていますけれども、これは職員は何人でやっているか、大臣、御存じでございますか。
○櫻内国務大臣 現在農協課におきまして四名で年金関係事務を担当しておりますが、農林年金の抜本的改善を控え人員の拡充をはかるべきだ——これは失礼いたしました、この人員拡充につきましては現在考えてはおらないのでございます。四名で担当しておる、こういうことでございます。
○瀬野委員 ついに農林大臣、本音をはいていただきまして、来年度抜本改正をするために今後ということがありましたので、あとのくだりは、四名でこと足りるということで、人員の拡充は考えていないということですが、それはそれとして、来年抜本改正をするということが出ましたので、その点は大いに歓迎して、私も了とします。 いまの答弁を聞きまして、大体そういう方向で真剣に考えておられるということがわかりましたので、その点はけっこうでございますが、ぜひひとつ抜本改正してもらいたい。 と同時に、いま農業協同組合課で係員が四名、これは男子だけ四名でやっておる。従来は女一名に男三名だったのですが、数年前から男四名ということでございますけれども、農林省は有能な職員ばかりで、相当少数精鋭主義でございますから、十分仕事をやっているということはよく聞いております。また職員に聞いても、何とかこなしている、こう言うけれども、これだけの膨大なものをやっていくのに、定員の関係もあるとはいいながら、日本農業のいわゆる第一線でやっている農業団体の職員のいわば元締めであります。それにしては、これはほかの課と比べてあまりにも少ないのじゃないか。いま直ちに人員はふやさないにしても、いま大臣がおっしゃったように、来年度抜本改正を考えてやっていくという上から、ぜひひとつこの職員等も十分考えて、あたたかい、けさほどから論議してやった問題等を踏まえて今後対処していただきたい。このこともあわせて大臣にさらにお願いをいたしておく次第です。 次に、農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案で、「等」というのがございます。これはすでに提案説明でもいろいろ問題がございましたごとく、現行法それから三十九年改正法、四十四年の改正法、このときはベアの改正であったわけですが、三つの法をまとめて改正しておるという意味が含まれて、今回の「等」という字が盛られておる、こういうふうに理解しておるのですが、そこで、三十九年改正法で——国家公務員共済組合法は三十四年新法からですけれども、農林年金は三十九年改正からでございましたので、この三十四年と三十九年の間五年六カ月間の開きがある。この五年六カ月間の開きがあるために、そこに救われない谷間の人がおるわけですな。これはどのくらいの数になるか。また、この人たちを、最低保障という法の精神からいけば、当然適用して救わねばならない。私は、旧法、新法なんということばは、これを使うべきことばじゃないと言いたいわけですが、わずかの人だと聞いておりますけれども、どのくらいの人で、この人たちはどういうふうに救うのか、どういうふうに考えておられるのか、この点、お伺いいたしたい。
○内村(良)政府委員 旧法の年金者で最低保障額未満であります者は、退職年金百九十八人、障害年金三百三人、遺族年金千五百二十七人でございます。合計二千二十八人でございます。 そこで、こういった旧法年金者の最低保障をどうするかという問題でございますが、これは、先ほども前の御質問で御答弁申し上げましたけれども、現在の共済年金の中におけるいわゆる新法、旧法のそれぞれの横のバランスというものがございます。したがいまして、この問題は、事務的には解決の簡単な問題ではございませんが、先ほど大臣から御答弁がございましたように、制度の改正を検討する場合に、いまこういう問題も改正する、そこで抜本的と大胆から御答弁がございましたが、私どもも、こういったことも含めまして制度の改善をはかるということで、こういうことはその中に入るのではないかと思いますが、いずれにいたしましても制度の改善につきましては前向きに取り組みたいというふうに考えおるわけでございます。
○瀬野委員 ところどころ少し歯切れの悪いところがあったけれども、抜本改正の方向で制度的に考えるということで、来年はおそらくそういったことになるというような答弁でございますので、一応了とします。ぜひそういうようにしてもらいたい。十分検討しておられる意思が答弁の中に見えましたので、そういうところで、ほんとうにわずかな人間ですから、二千二十八人であればわずかな金額でやれますので、そういう人々はぜひ救ってあげていただきたい、このことをお願いするわけです。こういったことも含めて、私、いろいろこういった日の当たらぬ方たちに対してこの際抜本改正等をやって救っていただきたいということを申し上げるわけでございます。 次に、これまた抜本改正に関係してぜひ考えてもらわなければいかぬ問題なんであります。農林中央金庫でございますけれども、御存じのように、今回農協の金融四法等も先般ずいぶん長い期間をかけて審議をしてまいりました。いよいよ中金時代の体制に現在変わってきていることは事実であります。そこで、農林中央金庫は、農業団体のいわゆる上部団体としてますますその位置づけが明確化され、密接になってきたことも事実でございます。そこで、農林中金は、農林年金にやはり加入をして、そして農業団体の一員であるという姿勢をとるべきである。現在厚生年金のほうに入っておりますけれども、もちろん発足当時政府から出資を受けたり、いろいろな理由があることもわかりますけれども、また、あの当時は制度発足当時でありまして、いろいろな条件があって厚生年金のほうに加入するというふうなことになったわけですが、時代が変わってきた。いまにして農林中金も農林年金のほうに入らなければチャンスがなくなってしまうのではないか、いわゆる農業団体の上部団体として当然のことじゃないか、こういうように思うわけです。当局はこういったことに対しては関知しないのか、それとも検討しておられるのか、それとも国会で追及しなければずるずるにほっておかれるのか、だれかが発言をして明確にしておかなければならぬと思うので、この機会に大臣並びに局長にあえてお尋ねをしたいのであります。内村(良)政府委員 農林年金が政府機関的と申しますか、そういう色彩を薄めてきていることは事実でございます。そこで、農林中金が農林年金ができましたときに加入しなかったことにつきましては、ただいま先生から御指摘のございましたようなもろもろの事情があったわけでございますが、その条件が多少変わっておるということは事実でございます。しかし、農林中金が農林年金に加入するかどうかということは、現に厚生年金に農林中金が加入しておるという事実がございます。そこで、その関係をどう調整するか、さらに農林中金自体が農林年金加入の意思を有しておるかどうかということも、やはりこれは職員の将来のことを考えますと大きな問題でございますから、やはり中金が機関として農林年金に加入したいという意思表示があるかどうかというような点が問題になるわけでございまして、そういう点を今後慎重に検討すべき問題であるというふうに考えております。したがいまして、私といたしましても、この席で、農林中金は農林年金に入る資格がないのだというようなことを申し上げる意図はさらさらございませんけれども、ただいま申し上げましたようないろいろ歴史的な背景もございますので、慎重に検討すべき問題であるというふうに考えておるわけでございます。
○瀬野委員 農林大臣、いま局長からこうお聞きになって、大臣はここで初めてお聞きになったかどうか知りませんが、こういう問題が実はあるわけですね。やはりこれについては、農業をやっておるわれわれその守備分野におる者としては、やはりおかしいな、こういうふうに思うわけです。やはり農林漁業と関便が深い農林中金は、ともどもに今後の日本農政をますます発展していくという意味からも一緒にやっていう、こういう気持ちからも、当然これは農林年金に入っていただくべきものじゃないか。来年度抜本改正してやろうというような意向もあるようですが、今回やらなければまたチャンスがなくなっていくのではないか、だんだん格差ができてくる、こういうふうにも思うわけです。それで、どうして農林年金に農林中金が移行できないのか、大臣はどういうふうに踏まえておられるのか。現在農林中金には約二千九百名の職員がおられるわけですね。もちろん農林年金に入っても格差がなければ問題ないと思うし、従来農林年金が発足した当時は給付率その他も悪かったために、いまさらということがあってもいけないし、かといって農林中金がエリート意識があって、農業団体のいわば上部団体でありながら、農林中金がおかしくてというわけじゃないが、農業団体の農林年金には入りたくない。仕事は農業団体の仕事をし、そして農業団体のおかげで中金が今日成り立ってきておる、そして今後も大いに発展していこう、しかも先般の改正で、抜本改正とまでいかなかったけれども、抜本改正に近い法案を永久法案として審議して、いよいよ今後ますます農業団体に密接な力を尽くしていこうという農林中金であります。そうしたときに、いよいよ体制も変わってきた、またこの農林年金をことしは予算の関係で出せなかったけれども、ほんとうに重大なミスをおかしたが、来年は万々そんなことはないと思うし、来年は、大胆や局長のことばを聞いておると、抜本改正を何とかしょうということをありありと言われておりますので、そういうことを踏まえたならば、今回バスに乗らなかったら乗りおくれてしまうということが考えられるわけですが、その点はどういうふうにあなた考えておられるか、率直にひとつ大臣のお考えをお聞きしたい、こういうように思うのです。
○櫻内国務大臣 これは冷静に考えまして、農林年金の対象団体であるかないか、いまにわかにはっきり申し上げかねる点があると思うのであります。そもそも農林年金の対象団体を見まするに、農林漁業者による自主的なものであるということは否定ができないと思うのであります。そして農林中金の過去の経緯からいたしまして、特殊法人であったとかあるいは現に政府機関的な色彩は薄れたとはいいながら、なおそこに実質上たとえば金融引き締めなんかの場合に農林中金を中心に考えるというよなことなどもございまして、なかなかこれはむずかしい御質問をちょうだいしておると思います。私としては農林中金自身がよく検討いただきまして、いま御質問のような御趣旨で農林中金もいこう、こういうことで農林年金対象団体だというような結論が出てくれば出てきたでこれを否定する要素はないと思うのでありますが、いまこの際に右か左かはっきりお答えするには、少しくまだ条件が明白でない、このように見る次第でございます。
○瀬野委員 厚生省年金局企画課長にお尋ねしますが、いまの論議を聞いていただいたと思うのですが、率直に言って、これも公開の場で言うことはどうかと思うけれども、この機会をはずしてはまたということがございませんのであえてお聞きしますが、いまのようなことで、われわれは農業のたいへんなときにきておりまして、農業の関係の職員、これも上部団体に農林中金があることは御存じのとおりで、ますます農林中央金庫と農業団体が今度の法改正で密接になってきた。そしてまた今後つながりがずっと持たれる。ことし農林中央金庫が永久法として改正になった。年金も来年は抜本改正をする。こうなりますと、このチャンスをはずしてはもうなかなか考えられぬと思うのです。やはり率直に言って、農林中央金庫は農業団体上部団体としてやはり農林年金に加入をする。その間いろいろお金の問題等あるだろうと思いますが、この場でいろいろ詰めることは私いたしませんけれども、厚生省側にしてみれば、自分の中へ入ってるのが今度ここが抜けると二千九百名も穴があくというので、なかなか放したくないというような、こういう気持ちがあるのではないかと思うのですけれども、厚生省は農林中央金庫が農林年金のほうに条件が整って、職員の意見も聞き、中金側の意見がまとまった上で移る、こういう場合は当然喜んでひとつこちらに入れてもらう、こういうように思っておられるか、どうしても放せない、こういうふうに思っておられるか、答弁できる範囲でお答えをいただきたい。 〔藤本委員長代理退席、委員長着席〕
○大和田説明員 ただいまの御質問にお答えいたしますが、私どもといたしましては、一般論といたしまして、年金制度、厚生年金保険の所管庁という立場からお答え申し上げたいと思いますが、年金制度につきまして現在いろいろ批判されておりますのは、年金制度が一元化されていない、一元化の方向で検討すべきである、こういうような議論が国会等でも論議されておるところでございます。また年金制度は、御承知のように、年金制度の基礎といたしましては年金財政問題がある。そういたしますと、年金財政の基盤というものを強固にいたしますためには、やはり大集団であることが必要である。そういった事柄からいたしまして、一般論でございますが、厚生年金保険というものがやはり被用者年金制度の中心となるというようなことを私どもは考えておりまして、厚生年金保険から被用者でありながら外へ出ていかれるということにつきましては賛成いたしかねる、こういうようなふうに考えておるわけでございます。
○瀬野委員 いま農林中央金庫の問題を申し上げましたが、経緯とそれからまた現在いろいろ問題があって、いま直ちにということは問題がかなりあるので、すぐにすることはできないとおっしゃる点は十分理解できますけれども、農業団体の立場からいえば、いま私が質問したようなことは率直に大臣も受けとめていただきたいと思うわけです。それで今度の機会をはずせばチャンスがなかなかこないというような気もするわけです。だんだん長くなりますと、ますます掛け金とかいろいろなことがかさんできますし、利子の問題とかいろいろありますから心配をしているわけであります。抜本改正を中金がやったし、農林年金もいずれ改正をするという時期が来年あたりくるわけでございますので、こういう機会が一番チャンスじゃないかと思って、私あえて質問申し上げたわけです。こんなことを言うと、農林中金の職員たちも動揺したり、またいろいろ言う人があるかもしれませんが、しかし、農業団体をやっているわれわれとしては当然こういったことは考えるべきだ、こういう機会に政府の考えをただすというのは当然のことだ、こういうふうに私は思いまして、あえて御質問申し上げたわけです。 そこで、大臣にこのことでもう一度お聞きしておきますけれども、この問題をひとつ検討の材料にしていただいて、いずれまたお伺いする機会もあろうかと思いますが、中金側にも、大臣のほうからも、こういったことを国会で論議されたということで、意向を正式に聞くなりまたこういったことに対しての検討をぜひひとつお考えいただいたらどうだろうか、そういった気持ちがあるのか、中金の出てくるまで全然手を出さずにまかせっぱなしでやらずに置く、こういうふうに考えておられるのか、その点もう一つ大臣のお考えをお聞きしておきたい、かように思います。
○櫻内国務大臣 せっかく衆議院の農林水産委員会においてこういう御論議もあることでございますので、いい機会ですから、この論議をありのまま農林中金のほうに伝えて農林中金側の反応を見たいと思います。
○瀬野委員 農林大臣のおっしゃったように、ぜひそういうようにして御検討いただきたい。重ねてお願いしておきます。 次に、若干具体的な問題をお尋ねしますけれども、この給付に要する費用について国の負担割合を引き上げて、組合員負担の軽減をはかるということで、私たち四党でいろいろ検討しまして四党案というのをつくって、先ほど提案理由の説明をしたわけでございますが、例年問題になっていることでありますが、現行では国が一八%負担し、残りを農林漁業団体と組合員が半分ずつ負担する、こういうことになっておりますが、国は百分の三十、農林漁業団体は百分の五十、また組合員は百分の二十、こういうふうな負担に将来していただきたい。当面一八%から二〇%、こういうふうに言っておりますけれども、先ほど局長の冒頭の説明では、実質二〇%ぐらいになっているというふうにおっしゃいましたが、三〇%にすべきである。また団体が五〇、組合員が二〇%、こういうような割合にやるべきであるとわれわれは提案しておりますけれども、ぜひこういったことも検討していただいてお願いしたいと思うのですが、あまりにかけ離れた数字だというふうにおっしゃるのか、検討の中に入れていただいてなるべくこれに近寄るように早くしてもらいたい、こういう希望を申し上げるわけですけれども、当局のお考えをあらためてひとつお聞きしておきたいと思います。
○内村(良)政府委員 現在社会保険に対する国庫補助率につきましては、先生御案内のように、厚生年金二〇%、農林年金、私学一八%、国家公務員共済、地方公務員共済及び公共企業体共済一五%になっておるわけでございます。そこで、共済組合について国庫補助率を三〇%にしてはどうかという御質問でございますが、先ほどからるる申し上げておりますけれども、この共済年金の改正問題につきましては、他の共済年金との均衡というのが常に問題になるわけでございます。したがいまして、抜本的改正もそれを無視してはできないというような非常にむずかしい問題があることは御承知のとおりでございます。そこで、現在のところでは、先ほど御答弁申し上げましたけれども、財源調整費を入れますと、補助率はほぼ二〇%になっている。そこで、 この財源調整費につきましては、財政当局との話し合いでも相当のものをなるべく考慮したいというようなことになっておりますので、私どもは今後もこの程度のものは財政当局からもらえるというふうに期待しているわけでございます。したがいまして、現実には二〇%程度になっている。それを三〇%にするということにつきましては、やはり他の共済年金全体との問題を考えて検討しなければならぬ問題であることは、先刻からるる申し上げているとおりでございます。それから次に、負担割合でございます。 これは現在、先ほど御指摘がございましたように、労使折半負担ということになっております。これもかねがね問題のあるところでございます。社会保険制度として、もうちょっと事業主の負担をふやしたほうがいいんじゃないかという議論ももちろんございます。しかし、これも他の共済年金制度との均衡という問題がございまして、今後慎重に検討してまいらなければならぬ問題でございます。先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、私どもも本制度の充実につきましては前向きに取り組むということはもう御指摘をまつまでもないことでございますが、やはり現実の壁といたしまして他の共済年金とのバランスというのが常に出てくるわけでございます。過去、まだ私、これを扱って二年でございますが、いろいろな経験をしております。そうした経験を生かしながら前向きに取り組んでいきたいということは常々考えているところでございます。
○瀬野委員 ぜひひとつ前向きに検討をさらにお願いいたしたいと思います。 そこで、この年金額の自動スライド制についても私も一、三点触れておかなければなりませんが、局長にお尋ねしますけれども、公的年金連絡調整会議、これはまだ結論が出ていないことは承知していますが、結論は出ないまま、どういうようなことに現状ではなっておりますか。結論が出てないところをひとつお聞きしたいわけです。
○内村(良)政府委員 この連絡会議は昨年二回総会を持ちまして、御承知のとおり、共済制度によってグループ別に分かれております。農林年金は私学共済と一緒になっておりますので、文部省とは課長レベルで昨年も五、六回いろいろ話し合いをやったわけでございます。その場合、問題になりますことは、先ほども御議論ございましたけれども、指標として物価をとるか賃金をとるかという問題がございます。それから、そういう自動スライド制を規定として入れていきました場合に、その財源をどうするかという問題が出てまいります。これは従来過去勤務債務ということで整理資源率の中に入っていってしまう問題でございますが、といって、整理資源率が幾らふえたってかまわないという話ではございません。当然料率改定のときにはそれについて手当てをしなければならぬという問題もございます。そうなりますと、どうもこの問題は共済の経理、年金の経理、それから財政方式等ともいろいろ関係がございますので、なお非常に類似の制度をとっております私学共済を担当しておる文部省とよく話を詰めてみたいというふうに考えておるわけでございます。
○瀬野委員 文部省と詰めたいということでございますが、ぜひひとつその点お願いします。 そこで、年金額の自動スライド制については、今回厚生年金が物価五%以上の変動に応じて法改正によらない自動スライド制を導入しておるわけですけれども、農林年金についても自動スライド制による改定の道をぜひ開いていただきたいということは、各委員からも、また例年これは申し上げてきているわけですね。大臣はこの自動スライド制に切りかえるという、こういったことを導入するということについては、ぜひこうしたいというふうにお考えでおられますか、率直にお聞きしたいと思うのです。
○櫻内国務大臣 自動スライド制については、先ほどから御質問があり、また衆議院の決議の中にも盛り込まれておるのでございまするが、今回は結論に至らず、他のこの種の年金との間の調整をとりたい、こういうことでございまして、私はその結論に従って今後の推移を見守っていきたい。決議があってその御趣旨はよく了承しておりまするが、遺憾ながら今回はその実現を見なかった、こういう次第でございます。
○瀬野委員 時間がわずかになってきましたので、ちょっとはしょって聞きますが、標準給与の月額の下限、上限の引き上げの問題ですけれども、今回の引き上げで救われない方が約五千人くらいできるように私感じるのですが、何名ぐらい救われないというふうに見ておられるか。それと、そういった方はどういうふうに今後考えておられるのか。質問の趣旨がおわかりかどうかわかりませんが、上限、下限の問題で積み残しができるのじゃないかと思っておりますが、その点、簡潔にお答えをいただきたいと思うです。
○内村(良)政府委員 まず最初に標準給与の下限につきましては、昨年一万八千円に引き上げたばかりであるのに、また今回二万六千円に引き上げるということで、これが低所得者にとって負担になるのではないかというような御質問かと思います。 そこで、まず最初に、昨年の法改正におきましては四十五年度末の実績に基づきまして、標準給与が一万六千円以下の人数は全体の〇・七%にすぎないということを考慮いたしまして、一万八千円に引き上げたわけでございます。そこで、昨年十月の実態を見ますと、標準給与が二万四千円以下の人数は五千三百九十六人でございまして、全体の一・二九%でございます。従来からの改正におきまして標準給与の下限を定めるにあたりましては、その分布累積割合が一%前後のところをめどとするのが例であったわけでございますが、今回は私学共済における標準給与の下限、すなわち二万六千円でございますが、それとのバランスを考慮して二万六千円に引き上げたわけでございます。そこで、そうなると、従来二万四千円以下に位置づけられていた者がすべて二万六千円の標準給与になるために掛け金が高くなるのではないかということでございますが、反面このように掛け金がふえましても、実際に年金をもらいますときには、今度はそれが給付の基礎になるわけでございますから、確かに一時的に組合員のさいふということを考えれば、多少実際に払う金がふえるということもございますが、そのかわりもらうときにはより多くのものをもらえるということになるわけでございまして、現在の給与等から見れば、そうひどい負担になるのではないというふうに考えております。
○瀬野委員 あと大臣に一点聞いて、厚生省、呼んでおりましたので、二点簡単に質問しまして質問を終わりますが、農林大臣には、これは従来からわれわれも昨年もいろいろ要求してきたことですが、農林年金の積み立て方式を、早い機会に財政方式を改めて賦課方式にしていただきたい、こういうことをわれわれは要求しておるわけでありますが、いま直ちにまいらぬにしても、将来の考え方として、早い機会にそういった方向でぜひしていただきたい。こういうふうに考えておりますので、当局はどういうように検討しておられるのか。困難であるか、また見通しは明るいのか、その点ひとつこの機会にお答えをいただきたい、かように思います。
○櫻内国務大臣 積み立て方式か賦課方式かにつきましては、ただ単にこの委員会だけでなく、広く論議の行なわれておるところでございます。私どもとしては、現在の積み立て方式をこのままでまいりたい。賦課方式によるその時代の方々の負担によってやっていくということにつきましては、非常に大きな負担を課するような状況が出てくるのではないか。それよりもいままでとっておる積み立て方式のほうが穏当ではないかというふうに見ておる次第でございまするが、なおよく検討させていただきたいと思います。
○瀬野委員 厚生省呼んでおりましたが、一番最後になって恐縮ですけれども、二点だけお伺いしておきたいと思うのです。 通算年金制度の改善問題でございますけれども、御承知のように、昭和三十六年国民皆年金制度確立の一環として通算年金制度ができたわけでありますが、今日まで改善されないためきわめて不合理な形になって推移してきております。この制度は、一つの制度で退職または老齢年金の受給資格期間——これは二十年または二十五年になっておりますが——を満たせず、他の制度に移らざるを得ない者に、他の制度との期間を合算して所定の年数を満たせば支給するという制度でございます。趣旨そのものは是認されましても、それぞれの制度からそれぞれの期間に応じた年金が支給されるために、受給権者は少なくとも二以上の制度に請求手続をとって、ひどいものは千円にも満たない年金を所定の手続により受給するというケースさえあるわけでございます。 先般六月二十日の年金三法の連合審査のときにはいろいろ大臣に伺いたかったのですが、時間がなくて詳しくはお聞きすることができませんでしたけれども、年金の年とことしは言われておる今日、このような日の当たらない制度を放置しておることは問題である。直ちに一元的な支払い機構を設けて、各制度から支払われる年金を一元化して、本来的な年金の意義を持たせる、こういうふうにぜひしてもらいたいと思うのです。大和田年金企画課長、きょうおいでですけれども、厚生省がやる気があればこれはできる、怠慢ではないか、こういうふうにわれわれは言っているわけです。事務的にかなり複雑であるという問題があるのじゃないかと思っております。そういったことを克服して、ぜひやってもらいたいと思うのです。当局はどういうふうに検討されておるか、この点お伺いします。
○大和田説明員 ただいま御質問がございましたように、現在通算老齢年金、これの受給者が約十五万人ばかりおるわけでございます。それに対しまして、支払い機構の一元化をすべきだ。これは通算年金通則法の十三条にも「政令の定めるところにより、政令で定める者に行なわせることができる。」という規定がある。まさしく御指摘のとおり、まだこの政令の制定を見てないわけでございますが、これまた先生御指摘のように、事務的にいろいろ検討すべき点が多いわけでございます。たとえば支払い者の一元的な支払いといいましても、その支払い者をどこに帰するか、新たに独立の支払い機構を置くというようなことをするのか、あるいはそうでないのか、あるいは原資の移管をどのようにして行なうかといったような問題、あるいはその他の幾つかの問題もございます。受給者の記号番号というものが一貫しておりませんと、こういったような事務というものが非常にたいへんである、記号番号を一貫したものにするかどうかといったようなことが出てくるわけでございますが、そういったようないろいろな事務的な問題がございますし、またこれにつきましては、私どもの厚生省だけでは御承知のように解決できない問題でございます。これは各省にわたっておる問題でございますので、非常にむずかしいわけでございますが、今後ともひとつ関係各省とも御連絡をとりながら検討してまいりたいというふうに考えております。
○瀬野委員 最後にもう一点、厚生省に通告しておりました問題をお聞きしますが、農業者年金基金の問題に関連してお聞きするのですけれども、これまた年金関係三法案の連合審査のときお尋ねしたのですが、これもはっきりしなかったのですけれども、農業者年金基金は四十五年十月、農政の総合的施策の一環として設立された。すでにこの農業者を含めて国民年金に上乗せする国民年金基金がつくられておるわけです。片方には農業者年金基金がある。そこで結局、国民年金から農業者年金基金のほうにはずいぶん入ったけれども、現在国民年金基金のほうは、法はあっても実際これが発足してない、政令もできてない。結局、一人も加入してない。こういう現状で、結局、空文化みたいなもの、こういうように私は理解しておるのですけれども、結局、国民年金から農業者年金基金のほうへ移ったわけですから、この国民年金基金のほうは一般の農業者以外の自営者等に道を開く以外に方法はないのじゃないかと思うのですが、このままほうっておくのか。何とかこれはするのか。この国民年金基金制度はもう廃止するのか。どういうように検討しておられるか。せっかく法ができていても一人も加入してない、ほったらかしになっている。全く盲点みたいなふしぎなことが現にあるわけですが、その点、どういうふうに検討したらいいか。厚生大臣にもこの間ずいぶん申し上げたのですけれども、はっきりした将来の見通し等出なかったように思いましたので、当局の考えをお聞きして、質問を終わりたいと思うのです。
○大和田説明員 お答え申し上げます。 所得比例年金という制度ができましたのが昭和四十四年の十二月の法改正でございます。さらにこのときに先生御指摘の国民年金基金という制度が法律上できたわけでございます。これができましたが、その後ただいま先生御指摘がありましたように、農業者年金基金制度というのが、翌年昭和四十六年一月一日——昭和四十五年五月の法改正で実施が四十六年一月一日施行でございますが、農業者年金基金ができまして、この国民年金基金の主要な対象である農業者につきましてはそちらのほうでカバーされるということになったわけでございます。残りがいま御指摘の自営業者、これがこの国民年金基金の対象としてメリットがあるということになったわけでございますが、ただ、これにつきましては、やはり幾つかの、事務的ではありますけれども、非常に重要な問題がある。たとえば被用者年金、厚生年金につきましては、厚生年金基金という制度がございまして、これは雇用という実態に着目いたしまして、雇用が継続している間は被保険者期間が続く。雇用がなくなりました、つまり解雇あるいは退職というような状態になりましたときに、この厚生年金基金の資格もなくなるということで、非常に資格がはっきりしておる。ところが、国民年金基金の対象となるべき自営業者につきましては、そういったはっきりしたけじめというものがない。となりますと、この保険の関係で非常に重要でございます逆選択の防止をどうするかといったような問題であるとか、中途脱退者をどういうふうに扱っていくかという問題であるといったようなことが、事務的に——事務的と言いますか、かなり制度の基本に触れるような問題が出てまいります。 同時に、この点につきましては、具体的な要望というものの高まりが私どもまだそれほど感ぜられない。そういったようなこともございまして、今後こういったような問題の検討、さらに要望の高まりというようなものを見まして、私ども検討に着手したいというふうに考えておるところでございます。
○瀬野委員 時間も参りましたので、以上で質問を終わります。
○佐々木委員長 次回は明五日、木曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時散会 ————◇—————