農林水産委員会 第39号
- 発言数
- 165 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1973/07/03
会議録
○佐々木委員長 これより会議を開きます。 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。島田琢郎君。
○島田(琢)委員 きょうは大豆問題について質問をいたします。 たいへん大事な問題でありますから、大臣の出席を要請していたところでありますけれども、参議院との関係でそれが許されないそうでありますから、ひとつ局長中心に御答弁をいただきますが、置かれております天下の情勢については的確に把握をしたいというのが国民の熱望している点でもありますから、洗いざらいきょうは御表明をいただいて、ともにわれわれもこの対策、どうしなければならないかを考えてみたい、こういう趣旨で発言をいたしたいと思います。 まず、六月二十七日に起こりましたアメリカの大豆輸出禁止をめぐります問題は、国内において非常に大きな衝撃と、かつまた波紋を巻き起こしていることは御承知のとおりであります。昨二日のアメリカ当局の発表は、さらにまたこれらに対する的確な回答というのには受け取りがたい面がたくさんあります。したがって、政府当局として、この二十七日以降昨日のアメリカの発表に至るまでの経過について少しく詳細に承りたいと思います。
○内村(良)政府委員 お答え申し上げます。 六月十三日、ニクソン大統領は、食料品等の価格騰貴を抑制するために、穀物等の輸出規制の権限を議会に要請することを含む新インフレ対策を発表いたしまして、この一環として、六月二十日までに六月十三日現在の穀物等の輸出状況について商務省に報告するよう求めたわけでございます。そこで、そういった穀物の輸出制限がとられるかもしれぬということになってまいりましたので、日本政府といたしましては、外交ルートを通じまして、わが国の立場を擁護するような措置を要請したわけでございます。それで、アメリカ側で二十日現在の輸出契約状況について報告を集計いたしましたところ、大豆につきましては予想外の輸出増加が見込まれまして、これを放置すれば米国内の需給が逼迫すると懸念されましたので、輸出許可制に移行するための暫定措置として輸出の一時停止ということを六月二十七日に発表いたしまして、その詳細の措置を七月二日に発表するということを発表したわけでございます。 その発表がありました直後、農林省といたしましてはインガソル駐日米国大使を農林大臣の三番町の公邸に招致いたしまして、わが国の要請、すなわち七−九月分の輸出六十六万トンはこれを確保するようにしてほしいということを強力に要請したわけでございます。 なお、本日の発表につきましては、現在公電が入りつつあるところでございますが、私どもが電話等で聞いたところにつきまして御報告申し上げます。 アメリカ政府は、七月二日午後三時三十分国務省におきまして外国の大使館員を招き、さらに午後四時三十分商務省において一般記者団に対して大豆等の輸出規制方法を発表したわけでございます。これは日本時間では今朝の午前四時半になると思います。ただいまも申し上げましたように、発表文その他は現在公電が入電中でございまして、まだ入手しておりません。したがいまして、以下の情報はワシントンの大使館よりの電話連絡による情報でございます。 まず第一に、大豆につきましては、七月及び八月積みの外国向けの輸出既契約について一律五〇%カットする。日本について計算いたしますと約千百万ブッシェルになるということをアメリカが発表しております。これは約二十九万トン程度でございます。それから大豆かすにつきましては七月及び八月積みの外国向けの輸出既契約は一律六〇%カットするということを発表しております。 そこで、輸出規制のやり方は、国別割当数量はきめないで、輸出許可証は各契約ごとに、すでに商務省が把握している輸出契約ごとに五〇%これを切ったもので発給するということになっております。具体的なやり方といたしましては、輸入国の買い手から五割切った数量で契約を提出すればそれをそのまま認めるというようなやり方でやるように聞いておりますが、まだ詳細はこの辺はわかっておりません。それからその契約の転売は認めないということで、はっきり目的に沿ったルートで目的どおり輸出されるということを期待しているようでございます。 以上がただいままでに入手している情報の概要でございまして、公電がどんどん来次第、また必要があればそれについて御説明いたします。
○島田(琢)委員 そこで、ただいままでの大豆の国内における確保の状況が知りたいわけであります。最も近似値でお答えいただきたいわけでありますが、大豆は国内でどれくらいの量を確保されておりますか。
○池田政府委員 現在の国内におきますところの在庫量は、七月末推定在庫量で四十七万トン。五月末におきましては約四十万トンでございましたが、その後の入荷と消費を両方差し引きまして七月末推定の在庫が四十七万トン。それからその間に米国以外から約四万トン程度の輸入見込みがございますので、したがって七月末現在における総供給量は約八十一万トンというふうに見込んでおります。
○島田(琢)委員 八十一万トンというと、どういう数字なんですか。七月末で四十七万トン、アメリカ以外から四万トンというと五十一万トンという計算になりませんか。もう一度説明してください。
○池田政府委員 七月末現在の在庫が四十七万トン、それから八月中に到着をいたしますものが約十六万トンございまして、そのうちでアメリカから到着をいたしますものが約十四万トン、その他が二万トンでございます。 それからついでに申し上げますと、八月から九月までの大豆の輸入量は到着ベースで約三十万トン弱がアメリカのほうから入ってくる予定でおりますので、したがってこの期の供給量が八十一万トンということになるわけでございます。
○島田(琢)委員 先ほど経済局長から報告を受けました内容で、アメリカはいままだ五〇%の輸入ということについても明らかになっているとは言い切れないと思うのです。それをいま池田局長はそれらも含めての見通しを述べておられるようでありますけれども、私はそうじゃなくて、的確にいま在庫しているのは幾らなんだということを聞いているわけであります。それは四十七万トンと理解していいですか。
○池田政府委員 いわゆる今回のアメリカの措置が正式に発動しません以前の私どもの数字といたしますと、もう一ぺん申し上げますと、五月末が四十万トン、六月末が五十一万トン、七月末が四十七万トンといったような形に推移するというふうに推定しております。
○島田(琢)委員 アメリカの大豆の輸出の状況というのは、先ほどの説明にありましたように、大体通常ベースの半分、五〇%の供給についてはほぼ約束できるという趣旨の公電を得ているという説明でありました。 〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕 したがって、これらが確実に入ってきた場合に大体何月までの国内消費をまかなうことができるのか、池田局長、その点明らかにしてください。
○池田政府委員 先ほど経済局長から申し上げましたように、まだ正式の公電が入っておりませんが、非公式で私どもに伝えられておる五〇%カットというものをかりに前提にいたしまして、現在の需給から考えて御質問の趣旨に沿ってお答え申し上げます。 そういたしますと、この七月末の在庫が四十七万トン、八月中に到着をいたしますのはアメリカその他を含めまして十六万トン、それから九月中に到着をいたしますのがさらに十八万トン程度見込まれておりますので、九月末の在庫はおおむね二十一万トンというふうに見込んでおるわけでございます。
○島田(琢)委員 そうすると、八月中に入ってくる大豆十六万トンと九月中の十八万トンが入ってこないとすると、この大豆はいつ底をつく勘定になりますか。
○池田政府委員 これは今回のアメリカ側の規制というものを前提にして考えておりますので、もし八月、九月というものが全然入ってこないということになりますと、七月末在庫の四十七万トンで食いつないでいかなければなりません。それにあと国内における流通在庫というものが若干ございますけれども、それを含めまして食いつないでいかなければならぬということになろうかと思います。しかし、月間での消費量がほぼ三十万トンでございますので、この二カ月間で約六十万トンということになります。したがって、全然入ってこないという前提をとりますれば、この八月、九月の間に在庫は底をつくということになろうかと思いますが、いまの私どもの得ております情報では、日本政府に対しましても各国に対しましても、すべて七、八月のアメリカ積みの定期契約量に対して一律五〇%のカット、五〇%を輸出の許可対象にするということでございます。したがって、私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、九月末の在庫は二十一万トン程度の余力を持ち得るであろうというふうに考えておるわけでございます。
○島田(琢)委員 ただいまの答弁は、アメリカ側が五〇%の輸出をしてくれたときを想定して計算するわけでありますから、おっしゃるように、八月中に四十七万トンの七月末在庫以外に入ってこないとすれば、底をついてしまう。重大なピンチに立つわけであります。したがって、政府としてもアメリカに輸出要請は必死になってやっているんだろうと思うのでありますけれども、ニクソンはこういうことを言っておりますね。人の国の食糧のことまで心配して、自分の国の在庫がなくなって困ることがみすみすわかっていて、いかに友好国日本でも、そういうことはできない。しかも今回の政府からの要請に対しても、第一次の話し合いのときには、日本だけを例外にしてものを考えるわけにはまいらぬとはっきり断わられているわけであります。これは、今回アメリカに対して、日本ばかりじゃなくて、世界の大豆の主要輸入国がこぞって異議を申し立てたので、こうした国際世論の前にようやく五〇%という妥協をしてきたというふうな印象を私どもは持っているわけであります。したがって、アメリカの大豆の在庫等を考えますときに、私はこの見通しはかなり暗いというふうに分析をしておりました。いまの両局長の説明を聞きますと、アメリカに対してきわめて安易に期待をしているふうな節があります。そのように、大豆の問題については、あなた方がおっしゃるような考え方で進めていっていいのかどうかという点は、非常に心配のある点であります。 次官、あなたもアメリカにいらっしゃって、こうした穀物の事情というものについても触れてこられたと思うのであります。承知をされて帰られたと思うのでありますが、この大豆のアメリカの国内事情は端的にいうと、ニクソンが言っているようなことですべて尽きるのですか。在庫量などが非常に危険な状態におちいっているというふうにわれわれは聞いているわけですけれども、この点はどうですか。
○中尾政府委員 確かに先生の御指摘のような問題点もあろうかと思いますけれども、同様にまたニクソンは、九月以降はこの問題については積極的に解決する用意があるとも言っているわけでございます。私は先生と農林省との当初のやりとりは聞いておりませんでしたけれども、私が出席してからのやりとりの中におきまする農林省側からの回答というものは、私も妥当なものである、こういう考え方に立っておりますので、この問題は、もちろん、何といいましょうか、非常に悲観的に考えるならば、悲観的に考える要素もないわけではございませんけれども、必ず打開の道はあるというように心強く解釈しておる次第でございます。
○島田(琢)委員 悲観的なことだけを追及しても、これは問題の解決にならないことは私もよく承知しております。しかし、今日こういう大豆問題が起こってきた背景はきわめて根深く、しかも歴史的に非常に問題の経過を経ながら、今日の国内生産の異常な落ち込みが、こうした異常事態に備え得る機能を完全に失っているということが一つ大きく指摘できると思うのです。第一、これは個人の間で考えたってそうでありますけれども、相手のうちに物があるときには、少々足りない部分については、売る場合でも値段なんかについてはお互いにかなり規制し合うわけでありますが、今日のように、いまのままでいったら日本の大豆の在庫量は八月一ぱい持たないぞということがわかっている、こういう状態でアメリカからいま五〇%というものが出てきた。五〇%の規制がかりに行なわれてそのとおりに進んだとしても、大豆の先行きは必ずしも明るくないというようなことがいわれている。特に最近の、こうした大豆がなくなったということによって起こっているアメリカのシカゴ相場だって、一つにはやはり、ない国に対しては、経済の原則からいえば、いつまでも言い値で売ってくれるようなものではないということは、今回の値の動きを見ても明らかであります。それは、アメリカの国内事情から見ても、大豆が非常に少なくなっているときでもあるから、そんなに簡単に要請に応じて安売りはできないということが出てくるのは当然であります。 最近の輸入大豆の仲間相場の動きをひとつお知らせ願いたいのでありますけれども、中国大豆が六千六百円になったということで、私どもはこれから派生するところの国際的な大豆の価格に及ぼす影響というものを憂慮しておったわけでありますが、アメリカの大豆というのは、いまのシカゴ相場なり、あるいはもっとわかりやすくいえば、日本の港に着いたCIF価格というものが一体どれくらいになって、どのような経過を経ているのか、ごく最近の値動きでけっこうでありますから、ひとつお示しをいただきたいと思います。
○池田政府委員 御指摘のように、現在仲間相場といわれて扱われておりますのは、輸入大豆の中でも中国大豆でございます。これはしばらくの間約六千円見当で推移をしてまいりましたが、最近、この二十六、七日ぐらいから値上がりが始まりまして、七月二日現在では一俵当たり八千七百円というようにやや高くなってきております。 それからアメリカ大豆でございますが、アメリカ大豆につきましては、オハイオ大豆と称するいわゆる高たん白大豆と、オーディナリーと称せられておりますところの搾油用大豆と、それぞれ用途によって区分をされまして若干の値開きがございますが、従来、オハイオ大豆におきましては、一トン当たりおおむね十万円見当でずっと推移をしてまいりましたのが、最近では十三万円から、きのうあたりたしか十四万円見当に上がっておるようでございます。
○島田(琢)委員 そこで、少し話をもとに戻しますが、先ほど、六月末現在における大豆の国内在庫量は五十一万トンというように発表されましたけれども、これは主としてどういうところに確保されておりますか。農林省としては、この大豆の行くえについて、数字の上だけではなくて、どこにどれくらいあるということについて的確につかまえているはずでありますけれども、大手だけでけっこうでありますから、大まかに、五十一万トンはどこどこにあるというように、ひとつ発表をしていただきたいわけであります。
○池田政府委員 御承知のように、大豆は自由取引でございます。したがいまして、流通は無碍に行なわれておりますので、ある段階でどこでだれが幾ら持っておるかということを、現在の仕組みのもとでつかまえることは、ほとんど不可能に近いというふうに考えております。ただ、私どもはこの需給推算を時期別にはじきますに際しましては、御承知のように、搾油用、食品用等についての需要別に、それぞれ原材料の消費量の計画があるわけでございますので、そこでそういう実需者団体を通じての搾油用、食品用別の数量を把握し、かつ食品用につきましては選別済みの大豆の在庫量を聞き取ったり、あるいは製油メーカーからの在庫量の報告を基礎にいたしまして、これにたとえば通関量との格差から一定の推定を当てはめましていわゆる流通在庫の推計をするというふうな形で一応の推定をいたしておるわけでありまして、したがって、これはどこのだれが幾ら持っておるかということを厳密に現在調べるという形はとっておらないわけでございます。
○島田(琢)委員 実は、私はなぜそういうことを言うかというと、中国からの輸入大豆の仲間相場がすでに八千円をかなり大きく上回って九千円に近づいている。アメリカ大豆も十四万、たいへんな値上がりであります。品薄で値上がりをする。しかも、先ほど発表になったとおり、アメリカの五〇%の大豆輸入がないとしたら、八月一ぱいを待たずして国内産のいわゆるストック大豆は底をついてしまうという、言ってみれば、経済の面から見ればきわめて投機の性質を持っております。大豆がいわゆる絶好の投機商品になりかねない幾つかの要素がそろっているということが雷えるわけであります。品物がない。値段はどんどんいま国際相場が値上がりしている。しかもアメリカから入ってくるやつは必ずしも確約されているものでない。これは普通の豆類ですと、商品取引所あたりでは絶好の値上がりの要素になる条件ばかりであります。そういう中にあって、私は当面政府の打たなければならない手としては、こうした条件に対して値上がりを抑制する、いわゆる投機の対象にさせないという努力が今日非常に大事な手段になると思うのであります。そういう段階において、実は大豆の行くえについてはわからない、どこにどれぐらいあるかわからぬ、発表した数字は推定である、こうなってまいりますと、大豆というものはかってに投機の対象にされ、売り惜しみがなされる、あるいは値上がりがされる、こういう状態になっていくわけで、大豆に関しては全く政策的に野放しだと言ってもいいような受けとめ方になるわけであります。そういう点については、当面アメリカに対して輸入を促進するような働きかけというものは精力的にやってもらわなければならないけれども、国内における大事なとうふや納豆やみそやしょうゆの食品、あるいはまた油が国民経済に及ぼす影響というものは、いまさら私が申し上げるまでもないたいへんな重要な位置を占めておる大豆であります。これが物価騰貴につながるようなことがあったとしたらたいへんなことになるわけでありますが、その手当てなり対策というものをどのようにお進めになろうと考えておるのか、明確にひとつお示しを願いたいと思います。
○池田政府委員 先ほど経済局長からお話を申し上げました公文が入っておらないということは、五〇%カットかどうかまだわからないということではございませんで、現実にはすでに内報が入っておりますから、したがって既契約がすでに前提としてあって、そして五〇%は確保するということをアメリカ政府は言明しておりますから、全然入ってこないという想定は私どもしなくてもいいんではなかろうかと考えているわけでございます。したがって、私どもの需給推算はあくまでも五〇%を確保した場合における今後の需給推算がどうなるかということに実は重点を置いて作業しているわけでございます。 それにいたしましても、ただいま島田委員から御指摘ございましたように、確かに新穀年度に食いつなぐ時期においてはかなり窮屈になることはいまから想定しておかなければならないと思います。特にことしの一月におきますところのあのとうふの値上がりをはじめとした仮需要と申しますか、それのふくれ上がりが、実は当時における大豆の実態の需給を大きくオーバーして価格面にはね返っていったという苦い経験を私ども持っておるわけでございますので、したがって今回は、少なくともこの需給の上に仮需要がのることによって価格が一人歩きすると申しますか、非常に高い思惑ではね上がるという形だけは何としても食いとめたいと考えるわけでございまして、アメリカ側の具体的な提案を待ってその数字固めを現在やりつつありますけれども、その数字固めが終わり次第、私どもとしては一両日を待たず関係の業界を昨日あたりから個別に呼びまして、それぞれの実需について現在調査中でございまして、この需要の見込み等を含めて、今後業界別の、この数カ月、新穀に食いつなぐまでの需要量を早急にかつ時期別に厳格に算定をいたしまして、そして少なくとも入ってまいります大豆が実需につながらないで思惑の対象となる、いわゆる流通在庫で動き回るという形はどうしても防ぎとめたい。これは現在の通常の法律のもとではなかなかむずかしゅうございますけれども、幸いにして近く例の買い占め法も公布の運びになるわけでございますので、したがって、売買の目的をもって買い占め、売り惜しみをするといったような体制がもし流通段階で起きますれば、総力をあげてこれをたたくという体制で現在準備を進めつつあるわけでございます。
○島田(琢)委員 これは非常に重大な点でありますから、さらにお尋ねをしますけれども、私はさっき幾つかのファクターをあげましたが、決定的な投機商品としての条件をそろえている大豆であります。したがって、お尋ねの前に私の一つの提案でありますけれども、かりにいま局長が言われるように、五〇%は確定的だ、そういうことであれば、私はアメリカから入ってくる大豆は全量政府がチェックして、その行くえを追跡できるような体制に掌握するべきだと思うのですが、この点はどうですか。政府としてそこまでお考えになりますか。
○池田政府委員 御案内のように、現在の制度の仕組みのもとで全量強制的にチェックするという形は、法制的にはちょっと無理かとも思われますけれども、しかし、御趣旨のような意味で実質的にこれを政府の——これは臨時の問題でございますし、行政の影響下に置くように、これは最大限の努力をしなければいかぬ、そういうふうに考えておりまして、実は私どもも先ほど申し上げました業態別の需給計画を早急につくる母体といたしまして、仮称といたしましてたとえば需給協議会のようなものを緊急に臨時に設置をいたしまして、そしてこれに広く実需者あるいは供給側の代表を参画させて、そしてそのもとでやっていく。この計画を立てましたものに対して、そのワクの外で流通在庫等に思惑を働かせるというようなことになれば、これは今回の買い占め法等の法律の手段を講じて、できるだけそれらを排除するのに努力するというふうな、二本立てで現在考えておるわけでございます。
○島田(琢)委員 最後に池田局長に一つだけお尋ねをして、次は生産対策に移りたいと思いますが、現在国内の大豆の値の動きはどうなっていますか。
○池田政府委員 手元に実は確定した資料を持っておりませんけれども、一時この一月、二月ころには大体一万円から一万一、二千円くらいしておりましたけれども、そのころにおきますところの中国大豆が約七千円見当でございまして、それがずっと下がってまいりました。現在は、つい先般申し上げましたように六千円台に落ち着きました当時は、御承知のとおりに、六千円から七千円くらいの見当で推移していたのではないかというふうに思いますが、最近また、いま申し上げましたように、中国大豆自体が八千円に近づいておりますので、現在国産大豆は、先生も御承知のように、北海道ではおそらく生産量も少ないし、そろそろ端境期ということもございますから、あまり量としてはないと思いますけれども、大体七千円を少しこえる見当で推移しているのではなかろうか。量が非常に偏在しておりますことと、用途が非常に特殊向けで高級な菓子用原料といったようなものが主体でございます。したがって、通常の流通相場というものがなかなか成り立ちませんけれども、中国大豆と大体拮抗しているくらいのところ、あるいはもう少し高いところというふうに考えております。
○島田(琢)委員 きょうは畜産局を呼んでおらないけれども、次官、もうあと二十日くらいで例の臨時措置法、特別立法がなくなるのでありますけれども、そのとたんに、アメリカの大豆ショックが起こったとたんというわけでもないでしょうけれども、以前からぶすぶすとくすぶっていたのでありますが、再び八千円から一万二千円くらいの配合飼料の値上げがささやかれております。これは大豆かすも無縁なものではありませんで、これらから受ける影響などもあるんだろうということが一面考えられますが、こうしたたん白飼料をはじめとする値上がりが直接的にファクターとなって、飼料の再び大幅値上げが要請されるような段階に近づいているというのが一般的な常識でありますけれども、この飼料対策はこうした面でどのようにやろうとお考えになっていますか。大豆との関連でだけお尋ねをしておきたいと思います。
○中尾政府委員 お答えいたします。 具体的なことはひとつ事務局のほうにおまかせいたしますが、大体現在の段階では、八月は据え置きというように、そのような方向に全農は理事会できめたようでございます。具体的な措置につきましては、またひとつ事務局にまかせたいと思います。
○島田(琢)委員 時間がありませんからこの問題はまた後に譲りますが、そのように飼料に端的に影響が出てきた。私は、大豆かすが非常に発火点になるという心配を一つ持っておりますだけに、大豆問題の国内におきます経済ベースの正常化をはかるということは、当面きわめて緊急を要する問題であるというふうに考えます。 そこで、時間的にもう少しこの大豆の国内のこれからのとうふとか納豆とか、そういう食卓に及ぼす物価対策上の問題についても触れたかったわけでありますけれども、これはまた後ほど各党から代表が立って質問をされるようでありますから、そうした皆さんに譲りまして、私は生産対策、これもいままで口をすっぱくして言ってまいりました。この問題に触れないで質問を終わるわけには私の立場としてはいかぬわけでありますので、ひとつ伊藤局長、前のほうに出て腹を据えて御答弁いただきたい。 私はこの大豆が、大豆ばかりではありませんけれども、穀物対策がほんとうに今日、腹を据えた政策として、発想の転換をはじめとして、思い切った政策措置がなければたいへんな事態を招くということを、この大豆の問題で質問をしたときにも申し上げました。しかし、局長は答弁のたびに、きわめて私の言い方がオーバーである、決してそんなものでない、こういうふうな印象で受け取られるような答弁に終始しております。しかし、ごらんなさい。私はざまあ見ろと言いたいのであります。こういう状態が必ずやってくるということ、わずか四、五日の間でありましたけれども、大豆は一つも国内に入ってこないという事態は起こったのであります。現実に起こったのであります。私は三・八%なり四%の国内の大豆の自給率は、これは早急に思い切った手段をもって自給率の向上をはからなければならないということを、再びここで声を大にして強調したいわけでありますが、この期に及んで、まだ先般お答えになったような大豆の生産の振興策しかお考えになっていないとしたら、これはどうも許せないと私は思うのであります。思い切った発想の転換でおやりになる決意を最近において固められたかどうか、まずその点をお伺いいたします。
○伊藤(俊)政府委員 国内の大豆の生産の問題、先生御指摘のように、最近ずっと減ってまいって十二万トン台になっております。自給率もかなり低下をしておりまして、この際に自給率をもっと引き上げるべきではないか、引き上げるための努力をすべきではないかという御指摘と存じますが、私どもも国内で消費される食料をでき得る限り自給をするというための努力を傾けなければならないということでございます。 ただ、大豆につきましては、先生御案内のとおり、生産性にかなり格差があるということが事実としてあるわけでございます。そういう意味で、私どもとしては国内の生産につきましては、その生産性を引き上げるというような努力をどうしてもしていかなければならないということでございまして、従来から生産対策として、大豆につきまして、特に集団的に大豆が生産されるような努力を傾けてきておるわけでございます。これは特に北海道のようなところに比較的やりやすいような点もありまして、北海道での大豆の奨励を特にやってきたわけでありますが、さらに米作転換というようなことにつきましても、大豆に集団的に米作を転換できるようにという指導もして、従来やってきました大豆の集団転作というようなものにつきましても、基準をある程度緩和をいたしまして、やりやすいようにして努力をいたしておるわけでございまして、そういうようなかっこうで大豆の合理的な生産というものを伸ばしていくことが第一かと思っておるわけでございます。そういったこととあわせまして、いまの法律に基づきます価格の適正な決定ということに努力をしていかなければならない。こういうようなことによりまして、従来から申し上げておりますけれども、食品用大豆の大部分を国内で自給できるようにということを私どもは考えておる次第でございます。
○島田(琢)委員 私は再び大豆の必要性を強調するにあたって昨日、一昨日と、くにに帰りまして畑作専業地帯といわれるところの若い人たちと二時間半にわたって懇談をいたしました。実は懇談の目的はイモの問題であったのでありますが、たまたま現地に種イモの問題が非常に深刻に起こっておりまして、昨日は半日がかりで圃場を全部調査をいたしましたが、たいへんな事態でありますので、私はそのときに若い農村の春年諸君に申し上げたのは、イモ一辺倒、ビート一辺倒といういわゆる選択的拡大というようなことに力を入れて、団地経営ばかりに力を入れると、将来に向かってたいへん問題がある、それは皆さんもわかっているとおり、輪作方式をくずして今日の畑作経営を考えるということは、これは昔からいわれていた一つの正しい経営のあり方の上からいって非常に問題があるから、この際思い切ったバレイショ、ビートの作付を転換して、ローテーションに大豆あるいは小麦を入れるべきではないかということを言ってまいりました。彼らも当然そういう方向で考えていかなければならない大事な時期に来た。たとえば今日起こっておるバレイショのこういう問題にいたしましても、地力が必ずしも正常な、いわゆる健康の状態にないということに大きな原因があるということが一ついわれております。これはローテーションが大きくくずされて、イモの連作が続けられているところに非常に大きな問題があるということを彼らも悟っているわけであります。したがって、今日有機質の肥料を加えながら土地を健康状態に戻すということは非常に大事な急務だというふうに、これはお互いに確認をし合いました。その中で、当然それでは作物の中にそういう健康を取り戻す作物として取り入れていかなければならぬものは何かというと、いわゆる大豆であり、麦であるということになるわけであります。彼らも、大豆はつくりたいし、当然つくらなければならない。しかし、今日のような五千八百円の価格で、流通相場がせいぜい六千四、五百円では、とても大豆をつくっても合わない、こういうことをこもごも訴えているのであります。私はそのときに約束しましたが、こういういろいろな実情は私が承知しただけで、農林水産委員会で幾ら言っても、農林省の伊藤局長はわかっているようなわかっていないようなことを言うから、今度は局長を引っぱってくるという約束をしました。どうか、あの青年たちのまなじりを上げて、農業を守らなければならぬ、土壌をどうしてもわれわれは回復させなければならぬという真剣な気持ちにこたえる意味で、早急に国会の合い間を見て現地の諸君と話し合ってもらいたいということを、いまお願いします。 しかし、私はいままでも繰り返し言ってきましたから、もはや問題の焦点は明らかになりました。耕作的条件というものは、まさしくいまの段階では価格以外にない。あとは省力化の努力も、そのほかの土壌の問題の解決も、現地のわれわれがやる。つくらせてくれるという条件だけつくってくれ、これが結論であります。したがって、端的にいえば、私は、そんな法外なことを、皆さん方に言っておりません。一万円を補償してくれと言っておるのであります。それも長くではない。急いで品種改良が進められて、かつて三百キロ、五俵、六俵とれた時代に急いで品種改良を進める中で戻してくれれば、そのときには、値段は一万円などということには固執をしないということを言っておる。これは私は、十何町歩の畑作経営の中のローテーションの問題を、小麦のときにも出して、局長に理解を求めました。局長は百も承知しておるのでありますが、釈迦に説法で話をしたのであります。そのことは理解しながらも、価格問題についてはうしろへずってしまう。私は、もっと思い切った発想の転換、政策的にやらなければならない、大豆の生産振興はこの一点に尽きる、あとは品種改良を直ちに手をつけて、三百キロを目標にしたいわゆる反当収量の向上に努力をすれば、大豆は正常な状態に、自給できる状態に戻るということを私は確信を持っておる一人であります。それをおやりになるということが、私は今日の農業政策のキーポイントであるというふうに、いままでも重ね重ねて力説をしてまいった。思い切ったこういう生産振興策に、私の言っておるようなことをおやりになる決意をまだ今日持っておられぬようでありますが、重ねて御答弁を願いたい。
○伊藤(俊)政府委員 大豆の主要生産地でございます北海道の畑作地帯におきまして、大豆及び小麦がローテーションの中で非常に重要な役割りを持つということは、ただいま先生御指摘のとおりでございます。私どももそういうものの考え方に立って北海道の畑作は振興していかなければならぬというように考えておるものでございます。先ほどからも申し上げておりますように、大豆というものをこれからもどうしても振興をしていかなければならない。ことに北海道の畑作地帯においても、大豆というものをほんとうにローテーションの中に組み入れて、四年一作とか五年に一ぺんというようなかっとうで大豆が入ってくるわけでございますから、そういった大豆を確保していく。 同時に、大豆はほんとうに量をふやしていくということで、畑作だけではどうもぐあいが悪うございます。水田地帯、水田になったところをもう一回畑作に戻していかなければならない。水田地帯というものを頭に置きながら、やはり大豆の増産をはかってまいらなければできませんわけでございます。そういった米作転換の場合の集団的な生産というようなこともどうしても頭に置かなければ、大豆のほんとうの伸びというものは期待できません。両々相まってこれをいかに伸ばしていくかということがわれわれが苦心をいたしておるようなところであるわけでございます。先生御指摘の価格の問題も含めまして、私どもとしては大豆の生産振興に一そう努力をいたしたいと考えておる次第でございます。
○島田(琢)委員 ようやく価格についても前向きに取り組むというお考えが示されたから、私はここで質問を終わります。 ただ、最後に言だけ政務次官に申し上げて終わりたいと思うのでありますけれども、いまお聞きのとおり、北海道の畑作の若い諸君は、自分たちがやっている経営のあり方について十分きびしく反省をしております。分析しております。そういう中から、やはり北海道は、何のかんのいっても、大豆、小麦の生産、いわゆる増産についてはその責任の大半を持たなくてはならないだろう。大豆において、いま一万二千ヘクタールしかありませんけれども、そういう条件がそろえば、われわれは六万ヘクタール、七万ヘクタールを引き受けると言っております。現にアズキは七万ヘクタールであります。これはそれだけの条件が、三年に一ぺん、四年に一ぺんの冷害がありながら、投機商品であるといわれながらも、アズキはふえていくわけであります。七万ヘクタールになっております。私は、アズキほどの投機性を大豆に持たせるということは考えておりませんけれども、今日的課題として、国内の生産、いわゆる自給率を高めるということが、アメリカに対する、あるいは中国に対しても、価格の上でも、量で規制された場合でも、その果たすクッションの役割りはきわめて大きい。これなくして今日、対等に外交を進めることは絶対にできない、またむずかしいということを力説してきた立場からいえば、いま局長がおっしゃるような考え方に立って大豆の生産振興をお考えくださるならば、北海道は五万ヘクタール以上の大豆を引き受けてもいいということを若い諸君は言っておるのであります。どうかひとつ、今日のこうした事態が再び、日本の国内において大豆のショックだなんという、こんな新聞のでかい見出しを出されるようなことは、農林省の農政の大きな反省しなければならない点であり、私は恥ずかしいことだと思っているのであります。私は農水に所属をして、こういう議論を進めながら、今日のような状態は、これは政府、与党ばかりの責任ではなくて、われわれも一緒になって考えなければならない責任であると考えているからであります。どうかひとつ決意のほどを承りまして、私の質問を終わりたいと思います。
○中尾政府委員 六月十三日のアメリカの今回の規制措置というものに対しまする波紋というものは非常に大きいことは私もよく熟知しておるわけでございますが、これはまあアメリカの国内インフレ事情その他もいろいろございましょう。しかし、こういう問題が起こり得るという可能性というものは、もういまからの国際情勢の中で、ありとあらゆる場面で考えていかなければならぬことであるというように感じております。したがいまして、先生の、若い青年たち、生産者とひざを交えて話し合ったというその御意見を、参考資料といたしましても十分取り上げまして、そしてまた鋭意検討を進めてみたい、こう考えておる次第でございます。
○島田(琢)委員 それでは終わります。
○山崎(平)委員長代理 次に、瀬野栄次郎君。
○瀬野委員 大豆並びに飼料等の問題について米国政府が輸出規制を行なったことについて、主として農林省並びに大蔵省当局に質問いたします。 私は本件に関し、去る六月三十日、農林大臣に直接お会いしまして、緊急に重要な四項目の申し入れを行なったわけであります。あらためて本日は当局の見解を明らかにしたい、かように思うわけでございます。 冒頭申し上げますが、米政府は六月二十七日、日本時間二十八日に、自国内の肉類等の高騰対策の必要から、大豆、綿実並びにこれらを原料とする全製品に対し、既契約分を含め輸出規制を実施することを発表し、その具体的な規制方法、輸出割り当て量などについて、七月二日までに公表することにしております。本日はこれが明らかになっていると思いますが、この点については当局の公表に対する御見解を承りたい。 さらにこの事態に対して、わが国が対米交渉の上からも、あるいは国内における対処等の上からも、何ら有効な方策を講じないとするならば、大豆需要の約九割を米国に依存しているわが国にとっては、大手製油業界などの生産縮小が余儀なくされ、零細な畜産経営農家やとうふ製造業界を壊滅に導くことは必至である、かように思うわけであります。このことはさらに、世界的な食糧危機が叫ばれる中で、漁業資源の減少と相まって、国民の食料供給不足を一そう深刻化させ、ことに国民生活に密接に関係する食用油、とうふ、しょうゆ、卵、ブロイラー、牛乳、食肉などの価格暴騰を招くことも懸念され、国民生活に与える影響の甚大さははかり知れないものがあるのであります。米国が今回とろうとしている輸出規制措置は、今後予想される米国の農産物輸出規制の第一歩であるにすぎないと見る向きもあるわけでございまして、すでにこの事態は、国民に重大な不安を与えておるわけでございます。過去において米国は、わが国に対して大豆の輸入を強要し、政府はまたこれを受け入れて今日に至っているいきさつからも、今回米国がとろうとしている措置については、政府は強腰で臨むべきである、かように私は思うわけでございます。 そこで、先ほど申し上げました本日発表になる公表の内容と、さらに米国が昭和三十六年に大豆の自由化を日本に強要した際、それ以後の日本への安定供給を確約していたいきさつからしても、今回の米国の措置は日米間の信義に反するものである、かように思うわけです。したがって、政府は、今回の措置をとった米国の政治的、経済的背景の実情を詳細に把握検討し、今後ともわが国への大豆、綿実等の輸出に対しては安定供給が確約されるよう、有効かつ強力な折衝につとめねばならない、かように思っているわけですが、その点について、きょうは農林大臣が参議院のほうに出席されている関係もありますので、農林大臣にかわって、先般申し入れもいたしておりますから、政務次官から、また当局から、これらの問題について納得のいく説明をまず最初にいただきたい。
○中尾政府委員 質問は二点あったかと思いますが、第一問は、率直に、このような今回の米国の措置について、どのような感じを持ったかという御質問かと思うのでございます。 去る六月十三日に、ニクソン大統領は、食料品等の価格騰貴を抑制するために、穀物等の輸出規制の権限を議会に要請することを含む新インフレ対策を発表したところでございますけれども、この一環として六月十三日に、現在の穀物等の輸出契約状況について商務省に報告するように求めているのでございます。その後、同報告を集計しましたところ、大豆について予想外の輸出増加が見込まれて、これを放置すれば米国内の需給が逼迫する、こう懸念されましたので、輸出許可制に移行するための暫定措置として今回の輸出一時停止ということに踏み切った、このように考えられるものと思うのでございます。 このことに対しましては、実は私も、瀬野先生も御案内のとおり、ちょうど自由化阻止の問題をからめまして向こうに行っておりますときにも、輸出規制という問題については別の角度で私も言われたことがあるのでございます。そのニュアンスはわかっておりますが、これはあくまでもアメリカのインフレ対策の状況の中で、好ましからざる現象であるが、やむを得ずとった措置であるというアメリカの見解を、そのまま率直にとってやりたいという感じがするのでございます。その中においても、特に日本の国はパートナーであり仲間である、こういう意識のもとに立脚いたしまして、日本に現在の段階で迷惑をかけている点は可及的すみやかに解決の糸口をつけたい。そのためには、ニクソンが先般も発表いたしましたように、秋以降に御迷惑をかけることのない撤廃というものも考えておるんだという考え方に発展したものと思うのでございます。今回のアメリカの措置に対しましては、わが農林省の櫻内農林大臣は、すぐにアメリカのインガソル大使に向かいまして、これはまことに遺憾な行為であるという厳重なる発表をいたしたことは、瀬野先生も御案内のとおりかと思います。それに対しましてもアメリカ当局といたしましては、そのとおりである、それだけに私どもも特に友好国日本の消費者に対しましても迷惑をかけないように全力を注ぐつもりであるという明快なる回答を得たと承っておるのでございます。 さらに第二点の問題といたしまして、大部分がアメリカに依存しておるというこの問題点について、どういう見解をもってどのように対処するのか、具体的な対策はどうなのかということでございますが、わが国の大豆輸入先は、これは四十七年度の実績でございますが、米国が約九二%を占めてきわめて高いウエートとなっておることは、もうごく承知されている常識となっております。これは従来、米国産の大豆が品質、価格の面でわが国への供給におきましては比較的に安定していたことによるものと考えておるのでございます。 しかし、今回のごとき輸出規制の発動はわが国に対しまして大豆供給について大きな不安を与えるものでございますので、今後は積極的に輸入相手国の多元化にもつとめ、開発輸入の促進等をはかって、特に対象国としましては南米諸国を有望として考えておるわけでございますが、輸入農産物の安定確保に極力つとめていきたい。 確かにアメリカの今回の措置はきわめて一方的なような感じと同時に遺憾なことでございますけれども、これもまた一カ国の国家利益というものを各国が考えて対処している方策としましては、ある意味においては、アメリカにとってはまず自分の国を考えるのが最初だという意味はわからないわけではないのでございますから、その点は多元化していくといいましても、決して、ただアメリカのいうことをこれからは一切がっさい聞いていかないという形でなく、アメリカの言い分をも十分に承知した上に立っての日本の緊急措置としての多元化ということにも解釈を願い上げたい、こう思うわけでございまして、そういう意味におきましては、こういう国際的な問題でございますから、決して感情的にならずに、お互いに言い分だけは言い合って納得してもらう、同時にまた措置をとってもらう、こういう対策もこれまた政府の対策ではなかろうかと感ずる次第でございます。
○瀬野委員 冒頭御答弁いただいておいて、具体的な問題についていまから当局の考え方をただしていきたいと思います。 去る六月二十八日の物価閣僚懇談会で話したところを見ますと、日本政府が既契約済みの大豆は六月末で四十万トン、こういうふうに私、承知しておるのですけれども、これは間違いありませんか。
○池田政府委員 五月末の在庫で四十万トンでございます。
○瀬野委員 そうすると、政府は、在庫が五月末で四十万トンある、こういうふうにおっしゃるわけですね。
○池田政府委員 私ども、五月末で約四十万トンの在庫があるというふうに需給推算上推定いたしております。
○瀬野委員 ことばの最後が少しはっきりしなかったけれども、そうすると、契約分を在庫とみなしてのことである、こういうふうに理解していいですか。
○池田政府委員 これは契約分ではございませんで、すでに国内に入っている現物のことでございます。
○瀬野委員 そうすると、現物が四十万トン国内にある、そのほかに契約分が別にある、こういうことで理解するのですが、しからば、契約分は四十万トンのほかにまだ別に幾らあるのですか。
○池田政府委員 いま申し上げましたように、五月末の在庫は四十万トンでございますが、一方契約済みのものでいまおっしゃいました六月、七月に到着する見込みのもの、これが六十七万トンございます。これを先ほど申し上げました四十万トンの在庫に加えますと六月と七月の供給量は合わせて百七万トンになるわけでございます。これは六月、七月の消費がほぼ六十万トンというふうに考えておりますので差し引き四十七万トンということになりまして、この六、七という間に関して申し上げますと、仮需要が生じなければほぼ問題はないというふうに私ども見ておったわけでございます。
○瀬野委員 五月末で四十万トン、六、七月に六十七万トン入ってくる、百七万トンですから、確かに六、七月で消費が六十万トンだと四十七万トンは残る。仮需要が生じない限りは一応だいじょうぶだ、こういうことですか。ほんとうにこれは間違いないですか、くどいですが。
○池田政府委員 先ほども島田委員にも申し上げましたが、これは個々の業者の倉庫の中を調べ上げて積み上げた数字ではございませんで、いわば業務統計としてそれぞれの業界別に実需者別の団体を通じてそれぞれとったものと、それから一番確定的なものは通関実績でございますが、その通関実績と両方にらみ合わせて全体の数量をはじき出したものでございます。したがって、個々のだれが幾ら持っておるかという意味からいたしますと中身はございませんけれども、ほぼ間違いがない数字であろうというふうに推定いたしております。
○瀬野委員 いまの答弁を聞いていまして、これ以上詰めたときに、これがすぐに答えが出そうな感じがしないのですけれども、個々の業者の倉庫を調べたわけではない、業務統計で調べた、通関実績等をもってはじき出した。個々の中身についてはあまりはっきりした答えがないようですが、大体こういうことで推定しておる、こういうことなんですけれども、実際に自由化されている今日、掌握はむずかしい点があろうかと思いますけれども、ここらがたいへん問題なんです。 これにばかりこだわっていると時間がかかりますが、そうしますと、十月末換算で二十八万トンというふうに聞いておりますが、これはどうですか。確認しておきたいのですが、どういうふうに池田局長、考えていますか。
○池田政府委員 先ほど申し上げましたように、七月までの話は申し上げたわけでありますが、八月以降十月までに到着見込みと考えておりますのは、七月から九月までの船積みの成約済みであるというふうに通常の常識で考えられますから、これらが予定どおり到着をいたしますと、六十六万トン程度がこの間に到着するということになるわけでございます。したがって、それ以外の、たとえば中国等からその間約五万トン程度のものが入ってくるというふうに考えられますので、七月末の在庫を加えまして総供給量は百十八万トン、一方八月から十月までの間は需要量約九十万トン程度というふうに見込まれますので、総供給量との対比をいたしますと十月末の在庫は二十八万トン程度残るはずであるというふうに考えておった次第でございます。
○瀬野委員 私も、十月末換算で政府は大体二十八万トンというふうにお考えのようであるから、承知しておりましたのですけれども、そうしますと、これは契約したものがどの程度輸入可能であるかということがまた一つの問題になります。政府の答弁を聞いていると、帳面上から順調に輸入ができて心配ない、こういうふうな感じを受けるわけですね。公開の席だから、国民に不安を与えて、またとうふ騒動が起こるようなことがあってはたいへんだということはよくわかる。政府もまたいろいろ心配されておられるけれども、はたしてこの在庫があるかどうか、私は在庫がない、こういうふうに見ているわけですけれども、ほんとうにあればけっこうだが、なければまた問題だ。 大豆に関してアメリカはいろいろなことを言っておる。最近ブレジネフ書記長がアメリカに行ったが、日本は昔からのいわば古いお客である。戦後からずっと二十数年もお得意さんとしてきたが、ソ連はいわば新しいお客さんだ。昨年から買い付けを始めてきた。日本には優先的に大豆を輸出してもらいたい。田中総理もいずれ七月末には訪米する。農林省、われわれも強力に交渉に当たってもらうように申し上げておるわけでありますが、そういう意味でも田中首相を本席に呼んでいろいろ質問をしまた追及をするということにしておりますけれども、いずれにしてもアメリカの現在の状況は、新聞その他でわれわれはキャッチする以外にないのですけれども、われわれがあらゆる面から見てまいりましたときに、はたして契約したものがどの程度順調に入るかということがたいへん疑問になるし、また契約分についても規制をする、こういう考えのように受け取れてならない。農林省はあくまでも契約分は絶対入れる、また入れてもらわなければならぬけれども、それはあぶないということは言えないかもしれないが、どうも心配なんです。その点自信のほどを——政務次官もこの間わざわざ国会からアメリカにいろいろオレンジ、果汁の自由化問題で行かれたわけですが、そういう点を国民の前に、今後安心できるように、もしこれが間違ってくると、またぞろ昨年の十二月からことしの一月にかけてとうふ騒動が起きたように、油その他で問題が起きたように、ことしも年末年始から大騒ぎするということを繰り返してはならない。そのときになって大騒ぎをしては困るから、いま私もきびしくいろいろな問題を質問して政府の考えをただしておきたい、こう思っておるわけですが、その点まず政務次官、お答えいただきたい。
○池田政府委員 ただいまの瀬野先生のお話に対応して私が申し上げました数字は、今回のアメリカ側の輸出規制の措置が行なわれます前の当初の計画を申し上げたわけでございます。したがって、今回七、八月のアメリカ積みのものについてその五〇%だけを輸出許可するというふうな形になりましたけれども、五〇%だけカットするということが内報としてすでに明らかになっております。したがいまして、七、八月というのは、私どもの計算によりますと、約五十九万トンにあたります。したがって、その半分二十八万トン余のものが、大体当初の計画からいたしますと計画の中で欠減になってまいるわけでございます。したがって、その後の輸入が順調に入りましても、先ほど申し上げました十月の端境期におきましては、手持量が非常にかすれて、なくなる状態も想定しなければならぬというような状態でございまして、実は私どもも従来かなり契約ベースで積極的に対処をいたしましたので、世界的な需給が緊迫をいたしましても、成約分のものについては確保がなされますならば、あまり大きな不安動揺はなしに過ぎ得るというふうに確信をし、アメリカ政府に対しましても、これらの成約済みのものに対してまで行政的に政治的にこれをカットするがごときことはぜひやめてもらいたいということで、外交ルート等を通じ、すべての力をふりしぼってやってまいったわけでございますけれども、世界的に一律カットというような情勢が出てまいりましたので、私どもといたしましては、これらの端境期におきますところの需給に対して万全を期するために、さらにアメリカ側に対して供給力の増加を要請いたしますと同時に、あわせましてブラジル、中国等、他の国々からも大豆の輸入量につきましても一トン、十トンでも多くこれを確保できますように、引き続きあらゆる努力をいたしますと同時に、国内的な配給の分担につきましても、これがいわゆる思惑におちいらないようにあらゆる指導体制を固めたいと考えておる次第でございます。
○瀬野委員 大蔵省からも山口主計官がおいでだと思うが、いまのようなことをよく聞いていただいて、あとで大蔵省に質問するわけですから、十分承知だと思いますけれども、ひとつ聞いておっていただきたい。 いま答弁ございましたが、そうでしょうが、だから輸出規制前の数字をあげられて、結局二十八万トン、これがアメリカの既契約済みの中から規制を受ける、そして世界一律にアメリカは考えておりますから、日本は外交的にもいろいろ手を打たれるでしょうけれども、相当これがあぶなくなってきているわけですよ。そうでなければ、畜産農民やら農民団体が、先日もきょう亀大会を開いております。そういったことで、私はたいへん心配するわけです。端境期にはたいへんな問題だと思う。もうすでに御承知のように、アメリカのミシシッピーの洪水によって作付がおくれた、いろいろと心配されております。またアメリカ自体も、インフレ抑制のために、国内の需要に安定供給をし、また国内の安定をはかるために、日本が頭を下げて高くてもいいから売ってくれということを待っているともいわれた。高くなってから規制をはずして、わずかずつ出していくということもいろいろ言われている、これは常識です。こういうふうなことになったときに、たいへんな問題になってくる。当然なことです。そういったときに、供給の増加を今後東南アジアその他に求めて考えていくといわれておりますけれども、それは当然のことでありまして、政務次官、いまの論議を聞いておられまして、実際に九月、十月、十一月、年末にかけて端境期、こういったときにたいへん心配になっていくんですが、どうですか。農林省当局ではいろいろと検討しておられると思うのですが、そういう点、率直にこれを受けとめてアメリカに対して相当強力なことを言わなければ、日本だけやると、よその国からもよけいよこせということになるならば示しがつかないことになるということで、結局、アメリカは、また日本のアメリカ大使館なんかもずいぶん日本だけは特別に、こういうようなことを新聞で報道されておりますけれども、そうはうまく参らぬという気がしてならないわけです。こういったことを公開の席であまり論議をしてはどうかと思いますけれども、国民一億の問題でもありますし、たいへん心配する問題でありますので、はたして契約済みのもの、これが入ってこないということになると、重大な問題になってくる。現に飼料なんかももうすでに八月で底をついて、いよいよ油かすなんかを薄めて飼料なんかやらなければならない、そしてまたそういったようなことがいろいろ起きまして、いま飼料問題で奇型児が出ている。これはあさってまた質問する予定にしておりますが、そういったようなたいへんな問題が起きてきている。こういったことを懸念したときに、日本のたいへんな食糧の危機である、こう思うわけです。魚にしても、ああいった水銀汚染でたいへんな問題になっている。農業も危機にある、こう思うのです。そういった意味からも、この契約に対してはほんとうに確保できるのか、その見通し、政務次官はアメリカに行かれたがどう思っておられるか、その点、政務次官、ひとつお答えいただきたい。
○中尾政府委員 私は本質的にはアメリカの契約履行という問題に対しては、非常にりっぱな行為をする国だという解釈をしておるのです。そういう意味におきましては、ちまたにアメリカそのもののいわゆるばり雑言というものがよく流布されるのでございますけれども、私は契約履行という点においては、むしろアメリカの国というのは非常にりっぱな行為をする国であるということは、いままでの歴史が証明しておると思うのです。そういう意味においては、カットされたものは別問題といたしまして、カットされた以外のものにおける契約というものは必ず履行する。履行することがいままでのアメリカのいわゆる信義、契約における履行というものがいままでの信条として結びついているわけでございますから、その点は私は信用して差しつかえないと申し上げておきたいと思うのです。 そういう意味において、先ほど局長が答弁いたしましたように、二十八万トンの在庫というものが十月末にも見られるという確信にも似た気持ちで言われたわけでございますが、私もあえて断言するわけではございませんけれども、その点についてははっきり申し上げておけるのではないか、国民もその点については十分安心していただきたいということを申し上げたいと思うのでございます。その問題点はそういうことでございますから、先生にもよく御理解を願い上げたいと思うのです。 そういうわけで、いわゆる在庫がなくなっていくということにおける御心配は、先生が先ほどからるるいろいろな問題点をあげて申されております。これは私も同様でございまして、特に農林省を担当しておりますだけにその問題は痛切に感ずるわけでございますけれども、先ほど申し上げたように、これは日米間の交渉問題もいまから出てくるわけでございますから、存分に先生の御意向を反映いたしまして、ちょうどミカンジュース問題で私も渡米させていただいたように、この問題については契約履行というものに基づいた方向で考えてくれということだけは申し上げておきたいと思うのでございます。
○瀬野委員 政務次官もいまの二十八万トンについてはあまり詳しく理解しておられぬようですけれども、またあとで当局と打ち合わせていただいて、端境期の問題、十月末換算で二十八万トンの問題、これについては重大な問題でございますので、公開の席であまりこれを言って国民に不安を与えてもどうかと思うのですが、いずれにしても、既契約ものについても世界一律の方針でアメリカはかなり規制をするということであるので、そうなってくると、農林省が規制前にいろいろ数字をあげて先ほどから答弁しておられますけれども、われわれがよく調べておるところによると、そうはまいらぬのです。かといって、いま足らぬからたいへんだと言っては、国民も動揺すると思いますので、これ以上ここで言うことは私はどうかと思うのですが、十分わかっていただいておると思うので、再びとうふ騒動が起きたりいろいろな大問題が起きないように、商社なんかに情報を先取りされて、そして政府が後手後手することのないように、特にいわゆる大使館、公使館の農務員を督励されて情報をキャッチし、そして触覚を鋭敏にして、国民のためにこの大豆問題について対処される、このことを強くお願いしておきたいのです。またこういったことで質問したことが、それみたことかということにならないように私はお願いしたいのです。 時間の制約もあるが、あと通告した問題をはしょって質問申し上げておきます。 次に政務次官にお尋ねしますが、このアメリカの輸出規制、これはわれわれは新聞その他でしか承知しておりませんが、大体農林省はいつごろまで続くというふうに現時点で理解しておられるか、その見通しと同時に、来年以降も続くというふうに思われるのか。また、さらに大豆から小麦などにも広がるという懸念を持つのだが、その点はどうなのか、この三点を簡潔にお答えいただきたい。
○内村(良)政府委員 ただいまアメリカの大豆の規制につきましての公電を入手いたしました。それによりますと、この措置をことしの収穫後続けるかどうかについては、アメリカの大豆の収穫高、輸出需要の水準及びアメリカにおける価格水準いかんによるというふうな発表をしております。ただいま私どもが聞いておりますところでは、アメリカの大豆につきましては、正確な発表は七月十日に発表になるわけでございますが、いろいろな情報によりますと、かなり作がよくて収穫量がふえるということがいわれておりますので、そういった状況である限りは、新穀についてはこういった輸出規制がとられないのではないかというふうに観測しております。しかし、いずれにいたしましても、これは作いかんでございます。 それから、小麦でございますが、これも私どもが現在まで把握しておる情報によりますと、アメリカにおける本年産の小麦の生産高は史上最高の水準になると予想されております。さらに、アメリカ国内における需給事情も大豆等とは異なって、余裕があるように思われますので、小麦までこういった輸出規制措置が波及することはまずないのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○瀬野委員 ただいま公電が入ったということで御答弁をいただきました。収穫高、輸出需要の水準、アメリカにおける大豆の価格いかんによる、これは当然のことだと私は思うのですね。それによって、七月十日に発表するということのようですが、現状では、作が明るい見通しである限りはというふうにおっしゃったけれども、いずれにしても、作いかんということになってまいりますが、実際にあらゆる文献、情報、あるいはニュース等を聞いても、アメリカの作付の状況は必ずしもよくない。生産調整していたアメリカが急に大豆の作付に変わるということも、幾ら大国といえどもそう簡単にいかないというきびしいものがあるというふうに見ておるわけでございます。それについては農林省ももっと十分に把握をされ、検討をされていかないと、いまのような答弁ではどうも不安でしようがないという感じがしてならないのですよ。答弁するほうも何か心配しながら答弁しているような感じをはだで受けるのですけれども、十分ひとつそういったことは、ここでいろいろ言ってみたところでどうしようもないのですけれども、早く情報を入れて見通しを立ててやっていただきたい。一般のいろいろな情報等によりますと、アメリカの作付の問題なんかかなり具体的に考えられております。政府としてはっきりとこういったものを掌握されて、安心できるようにしていただきたいと思います。 小麦については史上最高だということでございますが、現在は、御存じのように、世界的穀物危機で、ことしは今世紀にはないという日食があったり、太陽にくまがかかって、いわゆる地球の冷却期に昨年以来入っているということがいわれており、アフリカにしても、各地で干ばつ、あるいは干ばつによる穀物の不作等がいわれております。台風も、ことしは一回もなかったのが、やっと第一号が発生して中国のほうへ台風が行く、日本自体も台風シーズンを迎えながら——台風が必ずしもいいわけじゃありませんけれども、何かこう変わった天候になっております。こういったことを見ましたときに、小麦の作付が、いまおっしゃるように、はたして十分期待できるか、期待したいけれども問題だと思うのです。そういったことを十分踏まえて、的確なことをおっしゃっていただかないと、ほんとうに幾ら論議しても論議にならないと私は思う。その点の情報を十分早くチェックし、次の委員会等でわれわれは次々と質問申し上げて、政府の見解を伺い、また政府を叱咤激励していきたいと思いますから、十分にひとつ検討していただきたいと思うのです。 次に、物価問題ですけれども、米国の一連の物価抑制凍結令でございますかね、これによっていろいろやっておるようでありますが、価格がどういう動きをするか、こういったことがまた一つの心配になりますけれども、農林省は現時点でどういうような見解をとっておられるか。
○池田政府委員 御案内のように、アメリカの大豆の価格はシカゴの取引所におきます相場に支配されておりまして、世界的な取引価格の基準もまたここに置かれているわけでございます。昨年の秋ごろにはシカゴ相場は一ブッシェル当たりで大体三ドル見当の相場がついておったわけでございますが、年末から四ドル見当に上がりまして、ことしの例の大豆騒動を日本の国内でやりましたころからじりじりと上がりだしまして、五ドル、六ドルというふうに上がりまして、つい最近では十一ドル五、六十セントという非常に高い水準で推移をいたしております。しかし、これはいわゆる旧穀でありまして、ニュークロップとは違います。この夏とれまして秋に供給されますニュークロップの相場は、シカゴ相場では非常に低い水準からじりじり上がりましたが、現在では約六ドル半前後のところで推移をしておる。したがいまして、世界的な需給の見方からいたしますと、同じアメリカの大豆でございましても、旧穀の端境期に対する逼迫感というものを非常に強く投機筋がはやして、それが十一ドルといったような、従来からいいますと予想外の高い相場をつくり上げておるというふうに考えられるわけでございます。 日本の商社筋の買い付けば、おおむね年末から年の初めにかけて比較的早くすべり出しを見せましたので、こういう十ドル、十一ドルといったようなべらぼうに高い水準のものは買っておらないはずでございまして、うんと安い、三ドル、四ドルといった低い時代における買い付けば進んでおらなかったようでございますけれども、大体年の初めから春にかけてかなり買い進んでおりましたので、最近の非常に高い水準の大豆というものは、現在の既契約分には、含まれておりましてもごくわずかであるというふうに私ども考えておるわけでございます。したがいまして、もしカットという非常措置が行なわれなければ比較的安定した価格で、むしろシカゴの相場の水準とは比較にならないほど国内の水準は価格的にも安定していけたはずであるということで、私どもその点では残念に思うわけでございますけれども、経済外的なこういう措置というものが行なわれますれば、これは先ほど政務次官からも申し上げました国際協調の問題もございます。乏しきを分かち合うという問題もあろうかと思います。したがいまして、私どもといたしましては、入ってまいります大豆、これを端境期まで有効に実需につなぐということで全力を尺くしていきたいと考えております。
○瀬野委員 次に、昭和三十六年十一月九日公布になっております大豆なたね交付金暫定措置法、これに基づいて毎年十月に政府は価格をきめておりますが、そのときの価格の算定がパリティ方式であるために、その算定方式を根本的に改めるべきだ。これを改めなかったら、国内の大豆の作付等は絶対進まない、だんだんと漸減していくということです。 いまから申し上げたいことは、先ほどから論議しましたように、アメリカに対しても強腰で臨む、あるいはまた、南米とか中国とか、各生産国に対しても輸出のワクを広げるよう交渉していくということは当然でありますと同時に、これはどうしても国内の自給を上げていくということが一つの大きな問題になってくる。これは再三質問もし、また政府を督励してきておるところでありますけれども、こういう機会であるから大蔵省当局もほんとうに認識していただいて、農林省の説明に対しても理解を示していただき、六、七月からすでに来年度の予算をいろいろ検討しておられるわけですから、十分検討してもらわなければならぬ。そして十月の告示のときまでには、何とかひとつ理解ある大蔵省の考えも示していただきたい、かように思うわけです。 いまから質問申し上げるわけですけれども、何といっても農家の実態が反映していない。そのために、大豆はだんだん、自家用なんかでも少なくなってきた。最近静岡県あたりが、せめて自家用だけでもつくろうということで、ずいぶん大豆に対する作付の意欲を増しておるようでありますが、再生産確保のため生産費所得補償方式でやる、こういうことは当然だと思うのですがね。これは、当局はどういうふうにお考えであるか、政務次官からでもひとつお答えをいただきたい。
○中尾政府委員 いまちょっと質問を聞き漏らしましたので、あと一回申し述べていただきたいと思いますが、担当局が聞いておるようでございますから、そちらのほうに答弁させます。
○伊藤(俊)政府委員 国産大豆価格につきましては、現行法上——現行法と申しますのは大豆なたね交付金暫定措置法でございますが、現行法上パリティ指数及び生産事情その他の経済事情を参酌して、再生産を確保することを旨としてきめる、こういうことになっておるわけでございます。そういう趣旨に基づいて決定をいたしておる、かように考えております。
○瀬野委員 そういう答弁ではお話にならぬわけで、御承知のように、現行の基準価格算定方式の基準年次の矛盾を申し上げますと、昭和三十一年から三十三年に三千二百二十八円、これを基準にしておる。こんな古いときのことを基準にして、これはけしからぬと思うのです。 そこで、大豆基準価格は四十六年が一六八・五%、米価が二一八・七%、消費者物価指数が二〇六・七%、農村賃金が六〇〇・三%で、この間のパリティ指数が一七九・五%になっている。政府次官もよく知っておると思うのですが、農林大臣はこれに対してどういうふうに考えておられるか知らぬが、こういった三十一年くらいのパリティ指数でやっている関係で、どうしてもいわゆる基準価格が上がってこない。以上のように他の価格に比べて低位にあるわけです。そして米価、消費者物価指数、農村賃金等が、私のは昭和三十一年から三十三年の間の平均を一〇〇として算出した例でありますが、お話にならぬ。こういったことをどういうふうに農林省はお考えであるか。また対大蔵省にこういったことをどういうふうに折衝しておられるか。時間も詰まってきましたが、どうかひとつ当局のお考えを説明願いたい。
○伊藤(俊)政府委員 先ほどお答え申し上げましたとおり、法律に基づきまして価格の決定をはかるということで、過去におきますパリティの上昇というものを価格に反映させて決定をいたしてきておるわけでございます。 なお、ちなみに、大豆問題は価格だけの問題でございませんで、やはり生産対策全体を結びつけて考えていかなければならないことだと考えております。
○瀬野委員 農林省も大蔵省とこの辺がまだ詰めてないから、折衝してないので何か答弁があいまいなんですけれども、大蔵省なんかに遠慮せずに答弁してもらいたいと思うのです。 そして交付金を見ましても、近年、四十三年をピークに四十三年が一億一千八百万円、四十四年が一三・四%しか払ってないと思うのですが千六百七十万円、四十五年が五百四十万円、四十六年六千八百六十万円。すなわち、算定方式を変えると生産量がふえて、国内価格が上がれば交付金は増加するというのは当然のことであります。またちなみに申しますと、昭和四十六年十月三十一日の告示では大豆は六十キログラム五千四百四十円だったが、四十七年、昨年の十月三十一日の告示では六十キログラム当たり五千八百円。たったこの差が三百六十円。こういったことで、実に交付金にもアンバランスがあるし、基準価格が少ないために、パリティ方式によっているがために、農家が意欲を起こさない。だんだん国内の大豆は漸減していく。そして輸入にたよらなければならぬということになってきて、結局アメリカが自国の都合で規制をすると、痛手を受けてすぐまたとうふ騒動という問題が起きてくる。こんなことはわかり切っている。こういったことから生産費・所得補償方式に変える。むしろそれがすぐできなければ、パリティ方式にこだわらず、何とか考えてやらなければならぬ。そうしなければ日本の農業はどうなるかということになる。 〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕 そこで、大蔵省にお聞きしたいのだが、生産振興のための助成拡大をぜひやってもらいたいという意味から、大豆の関税収入を見ますと、昭和四十六年で四十二億八千一百万円あがっている。交付金として支払われているのは六千五百万円。この差はたいへんな差であります。これは生産振興に回すべきである。農林省からも大蔵省に相当な折衝をしておるだろうし、ことしの予算についてもいろいろ折衝してもらいたいと思いますが、大蔵省としても、日本農業はほんとうの危機、たいへんなときに来ている、そしてこれがもし既契約の分が来ないとすると、端境期にたいへんなことになる、家畜の飼料が上がる、とうふが上がる、納豆が上がる、みそ、しょうゆが上がる、牛乳、バター、チーズが上がる、またサラダ油なんかの油も上がってくるということになると、国民生活に重大な影響を及ぼす、こういったことは大蔵省もよく御承知だと思うので、十分こういったことを考えた上で、国民のために農林省の要求に対して大蔵省も思い切って基準価格に対する考え方を変えて、そして金を出してやる、こういったことを考えなければならぬ。ここに問題がある。幾ら声を大にして自給率を上げなさいなんて言ったって、農林省も十年後の計画を立てておりますけれども、今回こういうような問題が起きますと、この十年後の政府の目標もまた練り直さなければならぬというときにまできている、こういうふうに思う。こういったことに対して、大蔵省並びに農林省から御答弁いただきたい。
○山口説明員 先ほど農林省の方からもお答えがございましたように、大豆の問題は価格だけの問題ではございませんで、やはり生産対策も含めました総合的な話ではなかろうかと思っておりますが、この問題につきましては、農林省でいろいろ御検討いただいていることかと思います。いずれ予算措置を伴う話につきましては私どものほうに御要求があろうかと思いますので、私どもといたしましても真剣に取り組んでまいりたいというふうに考えております。 なお、関税でございますが、これは昨年の四月から無税になっております。
○伊藤(俊)政府委員 大豆の生産の振興ということにつきましては、私どもも大いに努力をしなければならないと思っておるわけでございます。先ほども島田委員の御質問にもお答え申し上げましたわけでありますけれども、やはり大豆がわが国で減少いたしました理由というのは、その規模が非常に小さくて、生産性が低いということがあるわけでございます。同時にまた畦畔大豆というものが昔あったわけでありますが、そういったものも農業の機械化の進展の過程でなくなってきておる。これが大豆が減産をした大きな理由でもあるわけでございます。私どもといたしましては、大豆の生産性が諸外国に比べて低いということがございますから、生産性の高い大豆をどうしてもつくっていくということから、大豆の生産を団地化していくという考え方を持っておるわけでございます。ことに米作転換というような対策の中で大豆の団地化というものに努力を払っておるような次第でございまして、先ほど申し上げましたように、やはり価格の問題についても大蔵省と相談しながらできるだけがんばりたいと思っておりますけれども、生産対策もあわせましていろいろ施策を講じていかなければならない、かように思っておる次第でございます。
○瀬野委員 昨年四月から関税が無税になったことは知っておる。四十六年で四十二億八千一百万円も関税収入が入るというのですけれども、こういったものを農林省も強く大豆の生産対策のほうに回すなり、いろいろなことに還元すべきだ、こういうことを言うのです。残念の至りであります。 時間が来ましたので、これは引き続きあさってまた一時間半くらいやりますから、こんなことでは承知しない。自給率の問題、飼料の問題、その他まだたくさんある。そこで、私はむしろ農林省が大蔵省にもっと強力な要請をして、また大蔵省も農林省の要求があれば十分に考えるというふうに言ったのですから、そういうことを考えなかったら、日本の農業はどうなりますか。きょうの問題は私は国民の前に明らかにしますよ。こういうところがはっきりしないから一つも——三十一年から三十三年のパリティ方式を固執して、基準価格も上げ切れない。交付金は四十六年は六千八百六十万円となっておりますが、また四十五年は五百四十万となっている。年間でずいぶん差がある。こんなことではどうします。こういうことをもっとやらぬと、だからいつも言うように、大蔵省農林局なんて言われるのだ。 あと残余の問題がたくさんございますけれども、時間が参りましたので、あとは別途譲ることにして、通告した問題は明後日質問する。明日は農林年金の問題を質問ということになりますので、きょうはこれで終わりますが、最後に政務次官、締めくくりとして、田中総理は七月二十四日に国会が終了したら、下旬には訪米するということをすでに公表されている。また、先ほども申し上げましたように、ブレジネフソ連書記長は先般アメリカに行った。まあいろいろ聞くところによると、ブレジネフ書記長の最後の談話によれば、友好親善を深めたとかいろいろ書いておりまして、こういった穀物の問題については触れておりませんが、かなりソ連のこういった穀物需要のことを交渉したということはもう想像にかたくありません。そういったことで、強力な要請を田中首相はやらなければ、これは先ほどからるる審議しましたように、既契約分についても今後の需要についても、特に端境期にこういったことがたいへんなそごを来たしてまいりますと、日本のいわゆる一億の国民は食生活上たいへんな問題が起きてくる、物価のつり上げがさらに起きてくる、重大な危機に当面してくるということは大げさではありません。 と同時に、畜産はますますたいへんな苦境に立たされます。いま全農でも、六月二十九日に全農連合会長会議を開いて、私のところにも強い要請があった。そこでいろいろ聞いてみますと、八月までに大体底をついて、今度はまた相当の値上げをしなければならぬ。これはあさってまた質問しますけれども、このえさに対して、相当大豆かすを薄めて、そうしていろんな抗生物質だとかあるいはアミノ酸だとか、こういうようなものをまぜたために、牛、豚、鶏の奇形が生まれてきている。こういったたいへん重大な問題が起こりつつあります。それらを明らかにしたいと思います。 そういったことで、本腰を入れてこの問題に取り組まなければたいへんなことになるといったことから、大臣にかわって、農林政務次官の答弁を、最後に決意をお聞きしてひとまず本日は質問を終わりたいと思います。
○中尾政府委員 先生の先ほどからの御指摘は、もう一々ごもっともでございまして、私どもも肝に銘じてその方向に邁進したい、こう思っておるわけであります。 田中総理の訪米の問題でございますが、これは私も先ほど申し上げましたように、まあブレジネフソ連書記長がアメリカに行きました際にも、またそのあとでも、アメリカのニクソン大統領が付言しましたように、今回の大豆問題をめぐりましても、古い友だちは大事にしたいのだ、新しい友だち以上に優遇したいのだということばをそのまま率直に私は表現したものだと思うものでございます。いまやブレジネフ書記長でもアメリカに行ってセールスマンのごとき立場をとるわけでございまして、各国がそういう方向に、ほとんど首脳会議の中でもそういう具体的な問題を取り上げているという傾向が顕著に見られる昨今でございます。それだけに、私はあくまでも今回アメリカとの友好促進というものを前提にして田中総理にも御活躍を願いたい、こう思うわけであります。総理訪米、日米経済合同会議、近く開かれるわけでございますが、これにつきましては、今後細目を含めきめられることになるであろうと思います。いずれにしましても、最近におきます農産物の国際需給事情にかんがみまして、十分農産物の安定的輸入の確保をはかるという観点に立って、必要に応じ話し合いを行ないたいと考えておる次第でございます。 なお、当面の大豆の輸出制限に関しましては、わが国は従来から米国大豆の伝統的なキャッシュバイヤー国として、現金取引国と申しましょうか、また同時に、一方的な顧客であるというたてまえから、安定したペースで米国大豆の輸入を増大してきたという点、大豆は、わが国国民にとりまして食生活に不可欠な油脂、先ほど先生の御指摘をいただきましたような飼料用の大豆かす原料としても大きな用途を持っていることから、今回の輸出規制の実施はきわめて遺憾であるという表現を存分にしていただいて、今後すみやかにこれを解除するような特段の努力を要請するようにいたしたい、このように考えておる次第でございます。
○瀬野委員 残余の問題は明後日五日に質問を留保して、質問を終わります。
○佐々木委員長 神田大作君。
○神田委員 同僚の皆さんから大豆の問題等についていろいろと御質問があったと思いますが、重複するところがあるかと思いますが、御了承願います。 まず第一にお尋ね申し上げますが、日本がアメリカと契約しておった大豆が、契約しておったにもかかわらず、途中で半分、六十万トンの輸入に対しまして三十万トンしか送らぬ、こういうようなことが国際信義上行なわれていいものであろうかどうであろうか、それに対して政府はいかなる措置をとっておるか、これは重大な問題でありますから、政務次官並びに担当局長からお答えを願います。
○中尾政府委員 米国政府は、御案内のとおり、七月二日現地時間におきましては三時三十分でございますが、日本時間では七月の三日の午前四時三十分でございますが、大豆の輸出に関しまして九月十五日まで船積みの既契約につき、各契約ごと一律五〇%削減という規制措置を発表したわけでございます。これはもうまことに先生の御指摘のとおり遺憾なことでございまして、この規制によりますと、八月から九月までの大豆の輸入量は約三十万トン弱となるわけでございます。これに、七月末の推定在庫四十七万トン、米国以外からの輸入見込み四万トンを加えますと、この期の供給量は約八十一万トンになるわけでございます。この数量は、この期間の通常の需要量の六十万トンを満たしてはいるけれども、期末在庫は二十一万トンになっていくであろう、このように考えるわけでございます。このような事態に対処しまして、あくまでも穀物の確保というものには存分につとめるということとともに、今後輸入されまする米国産の大豆の適正な配分に配慮することは申すまでもないことだと思います。 なお、大豆を買い占め及び売り惜しみ防止法の適用対象物資として指定をしていくということは、先ほど答弁を申し上げたとおりでございます。
○内村(良)政府委員 アメリカが穀物の輸出規制措置をとったことは、ただいま政務次官から御答弁がございましたように、私どもも非常に遺憾なことだと思っております。そこで、どうしてこのようなことになったのかということでございますが、やや簡単に申し上げますと、アメリカの大豆の生産は昨年は通常の年よりも多かったわけでございます。ところが、ソ連が百万トン新たに買い付けましたこと、それからアフリカ、インド等の落花生の輸出が低調であったこと及びペルーのアンチョビーというイワシでございますが、アンチョビーの不漁からくる魚粉の輸出の削減のため、国際的にたん白質の飼料の不足が明らかとなり、大豆かすの需要が逼迫したというようなことが、今回アメリカがあのような措置をとった一つの背景でございます。 そこで、日本政府といたしましては、六月の十三日でございましたか、アメリカがあのような輸出規制措置をとることを発表して以来、外交ルートを通じ、わが国の利益が十分に擁護されるようにアメリカ側にいろいろ要請しておりますし、さらに六月二十七日、大豆の輸出規制の発表のありました直後、櫻内農林大臣がインガソル駐日大使を呼びまして、わが国としては七月から九月まで六十六万トンの大豆が必要であるから、わが国の輸入を確保するようにやってほしいということを要請し、さらに本日、農林省の官房の澤邊審議官をヘッドとする農林省の各局からの担当官が入りました代表団がアメリカに出発して、わが国の事情を十分説明し、わが国の必要な穀物が確保されるように最大の努力を払うというようなことをやっている次第でございます。
○神田委員 これは、少なくともいままで余剰農産物を日本がアメリカから買い付けておった、そして国内生産よりも安い農産物であるというので、アメリカの農産物に依存しておった。こういうやさきにこのようなことが起きたということに対して、これは重大な、日本としても食糧増産——大豆ばかりじゃない、トウモロコシあるいは小麦その他の問題にも波及しないとも限らない。こういう国際信義を無視し、契約を破棄するような、そういうようなことを平然として行なうアメリカのえてかってなやり方に対して、私は、一農林省の調査官というようなことではなしに、外務省を通じ、あるいは通産省の責任者、外務大臣、通産大臣、農林大臣、あるいは内閣総責任において、この問題を厳重に抗議すると同時に、今後の対策に対して抜本的な対策を立てるべきだと思う。 一体その後の問題——三十万トン出す、その後は一体どうなるのですか。その後の見込みによっては、日本の食料事情、とにかくとうふ屋さんあるいはしょうゆ屋さんあらゆる食生活に影響し、あるいは飼料にも影響し、これは日本にとってたいへんな問題でありますが、これらに対して即刻少なくとも大臣級か閣僚が動き出す段階だと思うが、これに対して政務次官、どう考えますか。
○中尾政府委員 国の政府、特にホワイトハウスの措置発表でございますから、政府筋で動くのがごく当然だと思いますので、そこで、外務省、通産省、農林省、力を合わせまして、この問題については対処をし、対策を練っているわけでございます。同時にまた、先ほど内村局長が答弁しましたように、アメリカ大使を農林省にも招きまして、この問題では厳重なる抗議を大臣の口を通じましてしたというわけでございます。もちろん日に日にこの問題は動いているわけでございますから、当然いまからも、この政治的な積極的な抗議と同時に、打開策というものは前向きで処理をする方向で片づけていきたい、こう思っている次第でございます。
○神田委員 通産省としては、この問題をどう考えておられるか、通産省関係の係官にお伺いします。
○豊田説明員 通産省といたしましても、先ほど農林省のほうから御回答がございましたように、非常に深刻な事態と受けとめておりまして、大臣の命令のもとに、塩川政務次官に御出馬願いまして、今夕ワシントンに向けて立たれることになっておりまして、政務次官の御活躍を期待しておる次第でございます。
○神田委員 これは今後の日本の貿易の上からも、もし日本がこういうことをしたならば相手はどうやってくるか。少なくとも、長い間アメリカのお得意先として食糧の供給を約束しておった日本に対して、こういう不信義な行為を行なったことに対して何らかの、報復と言っては語弊があるかもしれませんけれども、これでは今後の取引が安心してできないことになる、あらゆる貿易に大きな影響を及ぼすことになると思いますが、こういうことに対して政府当局はどれだけ深刻に考えておるのか、その点いま一度政務次官にお尋ねします。
○中尾政府委員 これは政府の問題でございますだけに、いまのアメリカという国そのものの分析にもまたなるわけでありましょうけれども、やはり大統領がかわりますといろいろな体質が変わるものだなという感じを私は率直にいって受けたわけであります。アメリカはどだい歴史的に見ましても、契約違反ということはあまり歴史の爼上にのぼっておらない、なかなか契約は履行する、サインを非常に大事にする国でありますから、こういうことはいままではあまりなかったのであります。それだけに国内事情がこのようなインフレ傾向になったとたんに、このような問題を惹起するという点は、いささか私もニクソン政権のやり方に驚いたわけでございまして、これはニクソンそのものの性格から来るのか、あるいはやり方がこういう短兵急にやるという方法論から来るのか、全く理解に苦しむのでありますが、不満であることは間違いございませんので、この問題点は、私ども政府当局としましても、農林省は大臣とも一緒に詰めまして、これは善後策をとっていくと同時に、厳重な抗議をする、言うべきことだけはぴしっとアメリカの国に伝えなければならぬという考え方に立っておりますので、厳重な抗議は、先ほど来御答弁さしていただいておりますように、続けていくつもりでございますし、善後策並びに善処というものをはからしていくつもりでございます。
○神田委員 こういうことは、大豆のみならず、今後アメリカから輸入しておる農産物にこれを及ぼさないとは言い切れない。そうなりますと、いままで日本は外国から余剰農産物とかあるいは外国の農産物は安いから買っているのだというような、こういう食糧の根本的な対策を考えなければならぬ。国内自給を強めて、少なくとも日本の主要食糧は国内で自給するという、そういう方針を立てていくべき絶好の機会であるし、またそうしなければわれわれも安心して生活していけない。そういう観点に立って、小麦、大豆等をはじめとするアメリカその他の外国に依存しておる食糧自給についてどのような考えを持っておるかお尋ね申し上げます。
○中尾政府委員 まあ基本的には、私は農業の基本方針というのは、やはり先ほど農林省をして答弁せしめておりますように、あくまでも日本は自給自足でいくのだということがたてまえでなければならぬ、各国もおそらくその哲学が基本精神であろうと思います。しかし、たてまえ論はそうでございますが、あくまでも、日本の国のこの狭隘な土地の中に七〇%以上の山林原野を擁して、一億の民があとの三〇%の中に工場を持ち、さらにこのような穀物を自給政策として生産するということは、これはわかり切った話でありますけれども、食糧不足であることは間違いない。やはり国際分業論ということばがございましたように、各国における特徴を生かしながら、足らざるものは補っていただく、そのことに対して日本の国はアメリカだけから買っていくということが、これではちょっといかぬなということであれば、国際的に見ましてもいわゆる多元貿易をやっていかなければならぬということにもなってきましょうけれども、そういう中にあって、日本の足らざるものは補っていくという形が今日の農林省のたてまえ論であり、またいままでやっておる農林政策の一環ではないか、このように考えておる次第でございます。
○神田委員 政務次官は、足らないものを外国から買う、それは従来の考え方と変わりはない。私の言うのは、足らないものを、食糧のような大事なものは外国から買うというのではなしに、少なくとも主要食糧は八〇%、九〇%は日本で生産するという、そういう体制を整えなくちゃならぬのではないかということを言っておるわけです。 たとえば、今日大豆にしましても、国内で十二万トン、輸入するものが約三百五十万トン。ほんのわずかしか国内生産はしていない。価格の面からいっても、本年度等は、大体日本の場合は六十キロ五千八百円。ですから、一反歩百八十キロで十アール当たり一万八千円そこそこ。これでは大豆をつくるわけがない。十アールで一万八千円ではどうにもならぬからつくるはずがない。ところが、ことしアメリカから入ってくるものは約八万円ですね、これはトン当たり。トン当たりにすると日本の場合は十万円くらいでしょう。そうすると、わずかな補助をすれば国内で生産しても合うわけです。ところが、価格支持政策でもって六十キロ五千八百円、こういうことになりますと、私は日本の価格支持政策を根本から検討して、つくっても引き合う、そういうようなものにし、その差額は国庫負担でもって補っていくという、そういう基本的な——大豆ばかりではありませんよ、これは麦類にいたしましてもあるいはその他の作物にいたしましても、そういう体制をとる必要があるのではないか。こういうときに右往左往して、あっちの国へ行っておじぎをし、こっちの国へ行っておじぎをして食糧をもらっている。これは卑わいなことばでありますけれども、土方殺すに刃物は要らぬ、雨の三日も降ればよいとよく昔はいわれました。日本を困らせ、日本をどうにもならなくするためには、食糧を送らなければ済むのだということになると、これはたいへんなことです。 そういう意味合いにおいて、国内における財政負担は高くなっても、これは少なくとも八割九割の自給を進めていく対策をとれということを私は言っておるのです。これに対して政務次官並びに担当局長から御答弁願います。
○伊藤(俊)政府委員 大豆につきまして、国内の基準価格が五千八百円であるということは御指摘のとおりでございます。それからまた最近輸入価格がかなり値上がりいたしまして、先ほど池田食品流通局長からお話がありましたように、六千円程度の数字も出ておると聞いております。しかしまた同時に、国内の実際の価格も、北海道産十勝小粒というような銘柄ものでございますが、これはかなり高い数字が出ております。これは三月ごろの数字でございますけれども、一万円をこす数字も出ております。そういうようなことで、基準価格というのは、あくまでも最低の価格の補償であるということでございます。従来輸入価格というものは大体三千円台で来ておりました。最近はたいへん高くなってきておりますけれども、それと同時に国内の実際上の価格もかなり上がってきておるわけであります。 いずれにいたしましても、大豆の問題につきましては、先ほど来お話し申し上げておりますように、国内の大豆の生産の振興をはかる必要があるということで、私どももいろいろ努力をいたしておるつもりでございます。大豆の生産のためのあるいは団地の問題、あるいは品種の問題、これは試験研究の問題にも関係がございますけれども、そういった生産対策を踏まえながら価格対策をやっていくというようなことで大豆の振興をはかっていくということが必要ではないか、かように考えておる次第でございます。
○中尾政府委員 私などは、個人的に見解を述べさせていただきますると、農林委員会などにも属しております関係で、もう少し日本が農業立国的な基本精神というものを求めるべきである、またそれを施行すべきであるというように考えておる一員でございますが、何せ日本の国の今日までの戦後二十七年の発展というものを見ますと、商工業に負うところも相当多いのであります。したがいまして、そういう観点で考えてみますると、やはり農業の問題だけが一律、米から麦から大豆に至るまで、すべて国の補助においてやっていくべきものであるということだけで一体済むべきものであるかどうかということも、グローバルな、大局的な見解から考えますると、政治上大きな問題があるだろうと思うのであります。 したがいまして、政治というものはあくまでもそういう総合的な、総体的な視野の上に立って農業政策というものも考えるべきであるというたてまえからいたしますと、大豆の場合、それは自給自足に基づいた行き方というものが一番理想ではあるけれども、現時点の段階の中では、国際分業にまってこれを求めていくということがベターである、よりよい方向である、ベストじゃないがベターであるという方向の中できまっていった水準であろうと思いますので、そういう方向で私どもは施行しておることを付言申し上げたいと思うのでございます。
○神田委員 政務次官、そういうことを言いますが、日本の国内のは十二万トンですよ。これはもうスズメの涙のようなものじゃないですか。これはあまりに少な過ぎるじゃないですか。これはやはり品種の改良とか生産の近代化とか何かの方法でもって——十数年間安いからアメリカに依存しておった、このしわ寄せが今日このような事態を招いた。少なくともこれが百万トンとかあるいは百五十万トン、半分ぐらい日本でできるということであれば、そうあわてふためく必要はないのです。それはしかしやればできることなんだ。実際もうりっぱな耕地が、整備された土地があいておるのです、つくらないでおるのです。価格さえ補償すればこれはできるわけなんです。あるいは合理化、近代化を推し進めていけばこれはできることなんです。それをやらぬで、安いからといって外国に依存しておるから、こういう結果になるのです。この根本的な考えを直す考えがあるかどうかをぼくは聞いているのだが、政務次官、相変わらず、そういう考えがないようなことを言っておりますが、これに対しては私らは絶対承服できません。 そういうことでもって、アメリカのみならず各国からもらうといったところで、世界的な食糧危機の状況なんです。これは気象庁からの発表によるとおり、ここ二、三年天候は不順であろうというようなことをいわれておる。こういうときに、どこの国に行ってもらってくるのですか。どこの国も自分の国で食べた余りを送るということになれば、食糧という大事なものをほかの国にほとんど九九%依存しておる、こういうばかな話がありますか。この点について再答弁を願います。
○中尾政府委員 いま日本が現実に十二万トンの生産量といいますが、以前、歴史をさかのぼってみますると、五十万トンぐらいの生産量があった、こう承っております。現実に日本が諸外国から輸入しておりまして、アメリカからも九〇%というお話でありますが、三百数十万トンの需要量があるといたしますと、いずれにせよ、日本だけで補うということは非常にむずかしいことであるということがわかるのであります。したがいまして、あくまでも日本は、先ほど私が冒頭申し上げましたように、自給自足の原則はたてまえ論としてやっていかなければならぬ、その方向に、いまの十二万トンで満足すべきものではない、さらにふやしていくということにおける努力は鋭意これは考えていっても、これで全部事足れりというものではないということをも、私ども率直に認めなければならぬという感じがいたしますので、その問題点について私は申し述べたというように御解釈願いたいと思うのでございます。
○伊藤(俊)政府委員 若干補足して御説明申し上げさせていただきたいと思います。 ただいま政務次官御答弁申し上げましたように、私どもといたしましては、大豆の生産を伸ばしていくというために、先生御指摘のように、どう合理的な、近代的な生産ができるかということを考えていく。それは畑作地帯についてまずどうということ、それから水田を転作する場合にどうということを考えながらやっていきたいというように思っておるわけでございます。そういうためのいろいろな努力をしてまいりたいと思います。なかなかむずかしい問題でございますけれども、私どもはやはり、できる限り自給度を高めるというようなものの考え方に立ちまして、農産物需給の展望と生産目標の試案の中にもお示しいたしておりますように、食品用大豆の大部分を国内で自給できるような目標を立て、その目標のもとにいろいろな生産対策あるいは価格対策というものを組んでいかなければならぬ、かように考えておる次第でございます。
○神田委員 これは私らこれでいいとは思いませんが、養蚕にいたしますと十アール当たり十三、四万になるでしょう、タバコにいたしましても十アール当たり二十万をこすでしょう、あるいは米にいたしましても、これは満足してはおりませんけれども、約十万をこしておるでしょう。ところが、大豆の場合は十アール当たり一万八千円ですね。これではどうにもならぬ。こういう問題に対して、やはり価格の補償がなければ、幾ら政府がつくれといったってつくるわけがない。この価格の支持政策に対して基本的な対策を立てなければこの増産はならぬ、幾ら太鼓をたたいても、引き合わないものをつくれといったところでつくるわけがない。このごろはもう、出かせぎに行けば一日二千五百円から四千円になるのです。それを、草をむしったりあるいは種をまいたり、耕したりしながら、十アール当たり一万八千円で、あなた、やるわけがない。この根本的な問題を解決せずして大豆の増産はあり得ないのです。この問題を政府全体として考えていかなくちゃならぬと思うのですが、それに対してどう考えますか。
○伊藤(俊)政府委員 大豆の価格問題についての先生の御意見でございますが、なかなかむずかしい。要するに、大豆の小規模な生産のもとではなかなか収益が上がらないということがあるわけでございます。私どもとしましては、やはり大豆の団地化というようなことを考えながら、労働報酬をそれによって高めていく、その機械化ということを考えながら労働報酬を高めていくというようなことに努力しませんとなかなかむずかしい。また同時に、ある程度まとまってまいりませんと、販売ということでもなかなかむずかしいわけでございます。 なお、もう一言つけ加えさせていただきたいと思いますのは、実際に価格、いわゆる基準価格というのは五千八百円にきめられておるわけでございますけれども、最近における内需の価格というものは五千八百円よりもはるかに高い価格で自由に取引されておるということでございます。
○神田委員 私は、強く価格支持政策を伴う大豆の増産を今後政府が強力に行なう。同時に、アメリカに対しましては約束を履行するように強力な措置をとるべきである。そうしないと、もうとうふ屋さんから納豆屋さん、みそ、しょうゆ業者、あらゆる大豆使用の油脂関係者は全部お手上げになってしまうと思うのです。同時に、国民生活に大きな支障を来たすばかりでなく、これは一つの日本の食糧政策の波綻につながってくるおそれがあるので、この点強く要請をいたします。 次に、飼料問題に入りたいと思いますが、飼料にいたしましても、大豆かすが今度は契約の四〇%しか行なわれない。魚かすに代用する大豆かすが入らなければ、一体これにかわるものがあるのかどうか。これに対して飼料の問題に対してどうするのか。今度六月まではこの価格は上げないということを全農系統あるいは商社系統ともきめておりますが、それを七月から九月、九月以降来年三月までこの飼料価格を安定させていく、そういう自信を持っておるのかどうか、この点について畜産局長にお尋ねします。
○大河原(太)政府委員 お答え申し上げます。 最初の、今回の規制措置に伴います配合飼料用の大豆かすの需給についてでございますが、この点につきましてはいわゆるオールドクロップとしての七月、八月、九月、この供給量を見ますと、輸入の配合飼料なりあるいは国内の搾油に伴う配合飼料の供給量と国内の在庫、並びに今回の削減を受けた後のなお国内での到着量等を見ました供給量と、一方におきまして、他方この期間におきます配合飼料の需要量をながめてまいりますと、ほぼ需給は均衡いたしておるということに相なっております。したがいまして、その点では、最も懸念されますこの時期におきます配合飼料用の大豆かすの需給はほぼバランスいたすということになっておりまして、むしろ用途別の適正な配分なり、あるいは原料大豆を輸入いたしまして搾油いたします搾油メーカーが、この配合飼料用の大豆かすの需要に見合った搾油計画を適切に立てる、また立てるように指導をいたすということによって需給の安定を期していきたいというのがわれわれの考えでございます。 次に、先生お尋ねの、今回の飼料等の大豆かすその他の規制措置に伴う値上げの問題でございますが、御案内のとおり、本年の四月の緊急措置によりまして、七月一ぱい配合飼料価格は抑制されておりますが、その後なお国際原料価格がまだ高い水準にあるために値上げの問題が出ておるわけでありますが、これにつきましては、基本的に、今回の規制措置自体の影響とか、あるいはすでに迫っております国際米穀等の新穀の作柄なり、それに伴う供給量というようなことによっていろいろ動いてくるわけでございまして、われわれといたしましてもその動向を慎重に見守っておるわけでございます。 なお、そのような情勢から、配合飼料の四割以上を占めます全農連等におきましても、とりあえず八月は値上げをいたさないという態度をきめたわけでございまして、今後それらの諸要素を勘案いたしまして、価格の抑制につとめてまいりたいというように考えておるわけでございます。
○神田委員 これは、全農の場合を見ますと、四月から九月まで配合飼料を据え置きにするというと二十余億の赤字が出てくる、これを十月からまた三月までということになると百億からの赤字が出る。こういうように飼料安定基金が赤字になってくるわけですね。こういうことを、政府としては何らの対策もしないで、飼料価格の値上げを押える気であるかどうか。これに対してやはり対策を講じなければならぬと思いますが、この点についてどう考えますか。
○大河原(太)政府委員 お答え申し上げます。 先ほどの御質問にお答え申し上げましたとおり、今後、九月以降の配合飼料価格については、各種の原料価格の動向を見て、その値上げせざるを得ない場合の幅等もかたまってくる場合もございますし、またわれわれはそれを極力抑制しておるわけでございますが、その上げ幅等を見まして、対策等についてもいかなる対策をとるかというふうに考えておるわけでございます。御案内のとおり、三月には緊急対策といたしまして融資措置並びに、先生ただいま御質問でお話にございました配合飼料価格安定基金の充実とか諸般の対策がとられておるわけでございますが、これらについても今後の配合飼料価格の動向ということによりまして具体的な検討をすべきものというふうに考えております。
○神田委員 今後の状況によりまして政府としては何らかの措置をとるというように私は聞きましたが、これはこの前、四月−六月の場合は利子補給というような形でもって一億五千万か六千万出したように聞いておりますが、利子補給では借り入れした利子を補給するだけで、問題はやはり基金というものは赤字でもってどうにもならなくなってくる。それは結局生産看並びに需要者並びに全農なりあるいは専門連なりあるいは商社なりがこれを赤字でもってかかえなくちゃならぬ、こういうことに対して、政府はこれに対する、利子補給じゃなしに、補てんとして助成金なり何なりを出す、そういう考えはあるかどうか、お尋ねします。
○大河原(太)政府委員 お答え申し上げますが、先生御案内のとおり、配合飼料価格安定基金は、あるサイクルをとりまして国際需給その他が変動いたします原料価格、そういうものによる影響を緩和するために、あらかじめ農業団体なりあるいは農民の拠出した金をファンドといたしまして、異常な値上がりの際に補てんをする制度でございますが、これは過去の事例でも明らかなとおり、あるサイクルをおきまして変動するわけでございます。したがって、非常に値上がりが激しい場合におきましては、一時すでに積み立てた拠出金では補てんできない部分について借り入れで泳ぐという制度に相なっております。したがいまして、そういう点ではある一定の期間をおきましてならしていくという機能も持っておるわけでございまして、その場合、そういうようなたてまえになっておりますので、直ちにその補てん金の財源を国が助成すべきかどうかという点については、慎重な検討を要するものというふうに考えております。
○神田委員 結局こういうふうな基金でもってまかなえなくなってくるということになれば、末端の需要者がこれを負担するとか、あるいは価格が上がる、上げざるを得ない、そういうことになってこれが畜産価格に影響し、畜産の振興にも大きな影響を与える、こういう問題を真剣にこれから考えなければならぬ。これは大豆かすばかりじゃなしに、小麦あるいはトウモロコシあるいはマイロ等に及んだ場合は、日本の畜産は全滅してしまう。いまでももう養鶏家はほとんど赤字でどうにもならぬという、こういう状況になっておることは農林省関係はよく御存じだろうと思いますが、一番打撃をこうむるのは、ほとんど購入飼料でやっておる養鶏家、それから酪農並びに肉豚を飼育している農家は、これ以上えさが上がる、これ以上飼料が粗悪になるというようなことになれば、畜産農家はどんどんやめていきますよ。こうなった場合、日本の畜産というものは滅亡してしまう。私は前にも言っておるとおり、一回やめるとなかなか畜産というものは振興できないです。これは農業全般に言えるのですが、たばこ作にいたしましてもあるいは麦作にいたしましてもあるいは畜産にいたしましてもそうでありますが、特に畜産の場合は非常に技術を要するものです。ただ単に単純に畜産業というものはできるものではない。一つの専門知識を持っておる者がやっておるわけです。そうしなければ経営が成り立つわけがない。病害の問題あるいは子供をとる場合の情勢判断とか、あるいはいろいろの面において技術を要する。一たんこれをやめてしまって他の産業に転職してしまうと戻ってこない。いま畜産は非常に大事な時期に来ておる。いま畜産を守っていこうか拡大していこうかあるいはやめようかというので、動揺しておる畜産業家がたくさんおる。これを日本の農業を守るために拡大強化をするためには、政府の大きなてこ入れが必要なんだ。この段階に来て飼料問題がこういうふうに大きく圧力が加わってまいりますと、これはたいへんなことになるので、この点について抜本的にこれを守っていくぞ、政府は畜産家を守っていくぞ、そのためには飼料対策にはこういうことをやるぞ、安心して畜産拡大のために努力してくれというような基本政策をいま打ち出すべきなんだ。いま打ち出さなければ間に合わない。この点について政務次官並びに畜産局長、どう考えますか。
○大河原(太)政府委員 お答え申し上げます。 お話のとおり、畜産につきましては今日諸般の困難な問題が多々あるわけでございますが、特に一番基礎をなします飼料問題についての対応が重要であるということについてはお話のとおりだと思うわけでございます。飼料基盤につきましては、しばしば申し上げておりますように、全体としての大家畜等を中心といたします自給飼料、粗飼料の供給確保、この点が第一点かと思うわけでございまして、この点につきましては先般の土地改良長期計画の改定新計画なり等にも明らかなように、飼料草地の造成なり飼料畑の造成なりというようなことによりまして、自給飼料の率を高めるという基本方針を一そう強力に進めていくべきであるというように考えております。 一方、濃厚飼料の問題でございますが、この点につきましては、先ほどの御議論にもございましたように、農家が濃厚飼料作物についての国内の生産について一そう検討し、強力に進めるべきだというような点については、われわれも今後の大きな課題であるというふうに考えておるわけでございますが、一方、先生先ほどお触れになりましたように、マイロ、トウモロコシ等の濃厚飼料源につきましては、内外生産性の格差その他から申しまして、しかも表作であるというような関係から、にわかに国内で生産を確保するということについては多々困難があると思うわけでございまして、これらの点につきましては、先ほど御質問のやりとりにも出ておりましたが、輸入ソースの多元化とか開発輸入とかあるいは備蓄というような点、多様な方式を加味しまして、濃厚飼料源の供給についての安定化について具体的な施策を進めるのが必要であるというふうに考えておるわけでございます。
○中尾政府委員 大体ただいまの局長の答弁に尽きると思いますけれども、今日の大豆の輸出規制、これから関連する諸問題から、いままさにやっていけるかいけないかわからないという岐路に立っておる畜産問題、これに関連するのは当然のことと思います。そういう意味において、では私どもは抜本的にどう考えるかということになりますと、先ほど来答弁申し上げておりますように、これは当然私どもが力を入れてやっていかなければならぬという十分な措置の中で、目下一番問題になっております濃厚飼料、粗飼料の問題はただいま局長が答弁したとおりでございますけれども、さらにまた今回の飼料問題でも、買い占め、売り惜しみのおそれというものが当然ある場合には、今回成立いたしました生活関連物資の買占め及び売惜しみに対する緊急措置法に基づいて存分に対処いたしまして、万遺漏なきように期したいと思っておる次第でございます。
○神田委員 私は、そういう基本的、抜本的な対策を立てると同時に、まず第一に、今度のアメリカの大豆の輸出規制に伴うこのような事態にかんがみまして、飼料の安定を期するだめに、飼料安定基金に対する利子補給というようなことではなしに、これに対する抜本的な補助対策を講ずること、これを強くしかも真剣に考慮することをお願いするとともに、今後起こってくるであろう麦の問題、やはり大部分をアメリカから輸入しておるところの小麦、ビール麦その他、これらに対してどう考えるか。これはこの間、農林省が米審に諮問し、それに基づいて一四%の値上げをした。そうすると、小麦にいたしまして約六百円しか上がらぬ。六百円しか上がらぬというと四千ちょっとでしょう。こういうことでもって一体麦作の振興ができるのかどうか。麦作の振興は一俵当たり六百円ぐらいの値上げでできるわけがない。だからして、これを未然に防ぐためには、特別生産奨励金というようなものを支出して価格の補償をすべきであると思うが、この点についてどう考えるか。これをやらなければ日本の麦作は全滅していくと私は思うのです。こういう点についてお考えをお聞きいたします。
○伊藤(俊)政府委員 御案内のとおり、麦の作付がだいぶん減少してまいっておりまして、私ども憂慮をいたしておるわけでございます。ただ、麦の作付の拡大をはかりますためには、ただ価格の引き上げだけでなくて、栽培技術上のいろいろな阻害要因というようなものを解決いたしますとともに、作付規模の零細性を克服して集団による生産性の商い麦生産を進めることが必要であるというように私ども考えております。 こういったことから、私どもといたしましては、従来から栽培技術の改善の問題とかあるいは合理的輪作体系の確立、あるいは高能率の機械施設の導入、生産団地の育成というようなことに努力をいたしておるわけでございます。本年度からさらに麦作をも含めました集団的生産組織の育成というようなことを考えまして、それの予算措置も行なったようなわけでございます。なお、米価審議会の答申もございましたので、私どもといたしましては、この答申の趣旨に沿いまして、ことしの秋の麦の作付に間に合いますように麦の生産振興のための方策を検討いたしたいと考えておる次第でございます。
○神田委員 質問をする事項はたくさん残っておりますが、時間がないので私は次の機会に申し上げたいと思いますが、そういうおざなりの答弁をしておるから、日本の農業の危機というものは救われない。そういうおざなりの答弁では、これはどうにもならぬですよ。抜本的に農民が、それでは麦をつくろうあるいは畜産をやろうという気にどうにもならぬじゃないですか。そんなおざなり答弁をぼくは聞いているのじゃない。これは重大な危機に立っているという認識が足らぬのじゃないか、農林省は。この点、政務次官、しっかりしてもらいたい。 あなたの最後の答弁だけ聞いて、あとの質問は次の機会に譲ります。
○中尾政府委員 私は率直に申し上げまして、先ほどの大豆の問題、さらにはまた麦の問題、さらにはトウモロコシの問題、マイロというようなぐあいに、アメリカの輸出規制というようなものに関連して、大豆から始まって非常に危惧する面があろうと思います。しかし、こういう問題は、ただ単に、ではしからば日本の国内の生産をふやしていけばいいのかということに関連するわけでございますが、先ほど私が御答弁申し上げましたように、それだけで足りるものではございません。そういう意味では、価格問題だけを是正すればそれですべて事足りるという問題でもこれまたないものと思います。そういう意味においては、私どもはまず価格政策を論じ得るだけの素地というものを十分つくり上げなければならぬというたてまえを申し上げたいのでございますが、そういう方向で、いまここですべてをなげうって静観しているというわけではございません。一歩でも二歩でも三歩でも前進をするという角度で、先ほどの先生の御指摘などはむだにせずに十分に取り上げまして、しからば麦を一体どの程度まで持っていけるのか、あるいはそれに対してどのような補償ができるのか、あるいはまたトウモロコシにしてしかり、さらにまた大豆の問題にしてしかり、そういう方向で一歩一歩前進するつもりでございますから、その点はひとつ御配慮のほどをお願い申し上げたいと思う次第でございます。
○神田委員 この問題については質問を保留いたしまして、私の本日の質問を終わります。
○佐々木委員長 諫山博君。
○諫山委員 きょう野党四党の代表がそれぞれ大豆の問題を取り上げたというのは、私は非常に重大なことだと思います。現在、大豆に象徴される農業の危機がどのくらい心配されているかということを物語っているからです。六月二十九日の幾つかの新聞を拾い読みしたのですが、たとえば毎日新聞は「大豆、なぜ国産できぬ」、こういう見出しで論評しています。六月二十九日の日本農業新聞は「のんびり生産調整論議している段階ではない。安もの買いのゼニ失い農政の正体みたり。」、六月二十九日の産経新聞は「食糧政策大転換を」、これは一致して自民党政府の農政の失敗だというふうに批判しています。この点で政府としては、いままでの大豆に対する政策に誤りがあったということを認められているのかどうか、お聞きしたいと思います。
○中尾政府委員 これは見方があるわけでございまして、先生の御指摘でございますが、大豆の問題で失敗をしたという見方には私どもは必ずしも立っておらないことを明書したいと思います。
○諫山委員 農林省がそういう立場で現在の事態を把握している限り、私はこの問題の解決はきわめて困難だと思います。 そこで、現在の事態をもっと正確に把握したいと思うのですが、大豆を輸入しているのは日本の場合どういう会社なのか、上位三、四社を教えてもらいたいと思います。——わかりませんか。では質問を続けます。 今度の事態はアメリカ側が契約を違反したというふうに理解していいのかどうか、御説明ください。
○池田政府委員 先ほどの御質問からお答え申し上げますが、味の素、豊年、日清といったようなところが大体上位の三社でございます。 それから、今回の契約につきましては、これはなお詳細、先生の答弁に対してはもう少し現地の状態を詰める必要があると思いますが、いままで私どもが入手しております知識から申しますと、アメリカ政府は、現地における売り手と買い手との間の契約を自発的にアメリカ政府が要望する水準にまで引き下げて、そしてその引き下げた形で輸入申請を出させる、これを許可する、そういう形をとっておりまして、いわゆる権力介入をして契約破棄をやるというふうな形はとっておらないようでございます。したがって、形式論といたしましては、どうも自発的に、すでに契約したものを一部先へ商社によっては送る契約をする場合もあるいはあるかもしれませんが、少なくともいま一万トンなら一万トンの契約をいたしておりますと、それを五千トンなら五千トンに引き下げて輸入申請をするというふうに行政誘導をしておるというふうに聞いております。
○諫山委員 輸入、輸出というのは商売ですから、そうすると、アメリカ政府がそういう要請をするわけでしょうが、それは強制力を持っているものではないのですか。日本の輸入業者が、これは商売だからアメリカ大統領の干渉は受けないという態度をとろうと思えばとれるのでしょうか。
○池田政府委員 アメリカ側のシッパーがアメリカの国内から大豆を出そうとする場合に、アメリカ政府の許可が要るわけでございます。その許可が、いまのカットの基準に適合いたしませんと、アメリカ政府が許可をいたさないというかっこうになります。そこで、実質的にできないというかっこうになるわけでございます。
○諫山委員 輸出にしても輸入にしても商売でやっているわけですが、アメリカの法律では、そういう個人間の契約を大統領の権限で無効にすることができる仕組みになっているのでしょうか。ちょっと日本では考えられませんから、御説明ください。
○池田政府委員 ただいま申し上げましたように、形式論を申し上げますと、あくまでも自発的にシッパーとアメリカの中の売り手の間の契約数量が半分になって、その半分に削るところは業者の間の自発的な意思に基づいて削る。そして、その削った範囲内で申請をするものを許可するというふうな形に行政誘導しているということでございます。
○諫山委員 まことにずるいやり方をアメリカはとっているわけですね。禁止はしないけれども、実質的には契約どおり履行できないような状態を押しつける、こうなりますか。
○池田政府委員 実質的にはまさに御指摘のとおりだと思います。
○諫山委員 こういうアメリカの態度に対して、遺憾であるとか抗議するとかいろいろ言われましたが、何らか正式にアメリカ大統領に対して抗議の意思を通達しましたか。
○内村(良)政府委員 抗議の意思は通達しておりませんが、七月の十六、十七日に日米経済合同委員会がございまして、アメリカの農務長官も日本に来ることになっておりますので、その際、日本の櫻内大臣とバッツ農務長官の問の話し合いの際に、わがほうの主張は十分述べたいと考えているわけでございます。
○諫山委員 こういう緊急な事態に対して正式な抗議もしないというのは、私は独立国の農林省のとるべき態度でないと思います。正式に抗議をすることを求めます。 そこで、さっきの法律議論の続きですが、日本の法律では、売買の契約を結んだ相手方の事情で契約が履行できなくなれば、当然債務不履行に基づく責任追及というのが生まれてくるはずです。この点はどうなりましょうか。
○池田政府委員 日本の法律のたてまえ論からすれば、そのために帰すべからざる理由というようなものを契約の中で書いておりません場合に、通常自分の責任に帰すべき理由という範囲内で行なわれる契約破棄は、当然損害賠償の対象になるわけでございます。 しかし、いまのアメリカ側のやつは、先ほど御指摘いただきましたような自発的な形で両者が合意をするというふうな形をとることによって、おそらくその破棄ということではなくて、契約自体を両者の間の意思で変更する、あるいは引き渡し時期について、時期の変更をスリップするといったような形を両者が合意すれば、おそらく損害賠償の問題を引き起こさずに処理をするということに行政指導の力点を置いたというように、まだはっきりはいたしませんけれども、どうも思えるのでございます。 したがいまして、きわめて厳密に考えました場合に、シッパーとそれからアメリカ国内における大豆の売り渡し側の両者の間で、一体どういう契約内容のものが取りかわされておるか、その間にたとえば自分たちの責めに帰すべからざる、たとえば政府の都合とかその他の形で起こったような場合、契約変更についてはともに損害補償の責めに任じないのだということが書いてございまして、かつ政府に対しては、先ほど申し上げたような行政指導に対して自発的にやったんだ、こういうふうな措置がかりにあわせてとられたといたしますと、これはおそらく損害賠償の問題にならない公算が大きいというふうにいま考えられるわけでございます。
○諫山委員 私たち共産党は、日本はアメリカに政治的にも外交的にも経済的にも従属させられていると主張しています。いまのあなたの答弁を聞くと、まさに日本のアメリカに対する従属というのが象徴的に示されているように思う。またニクソン大統領が非常に腹黒い、あてにならない人物だということを、私はウオーターゲート事件でつくづく感じております。ところが、今度の措置を見ると、契約違反という形はとらないけれども、実質的には契約が履行できないような状態を大統領がつくり出していく、こういうことのようです。アメリカは農産物の輸入の相手国としては最大のものです。日本の農業がアメリカに支配されているというような状態の中で、アメリカがそういう態度をとっているのに、農林省は平気でおるのですか。どうしますか、これを。
○中尾政府委員 御指摘の意味は非常によくわかるのでございます。しかし、国際間というものは、そう四角四面にものごとの問題点をとらえて、したがってアメリカが非常に契約不履行な、ふまじめな、なおかつ大統領までも含めて悪い国民だというような判断は早計ではないかという感じがいたします。 〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕 これはもちろんいままでの前歴を見て考えていくべき、弾力的な考え方に立つべきものであって、いままでの前歴の中でアメリカがこういうことをおかしてきたということが積み重なっておるという段階のうちでそういう表現も言い得ようかと思いますが、現在までの段階までには、そのような形というものは、いままで戦後二十何年のおつき合いの中でそれほどひんぱんにあったわけではない。そういう観点で一時期をもってこのアメリカのやり方というものに批判、鉄槌を下していくというやり方は、いささか早計ではなかろうか。しからば、他の諸国においてそういう現実面がなかったかということになりますると、事例をあげますとこれまた数限りないものが出てくるわけでございまして、そういう点お考えいただきますと、この問題だけでその国に対する一つの決定的な判断の材料にするというものには当たらないという見方を私はしております。
○諫山委員 きょうは政務次官から何回か、アメリカは契約を守る国だという、アメリカをほめることばを聞きましたが、しかし、私はこの事態にあらわれている限り、アメリカが称賛に値する国だとは思っておりません。また、私はアメリカ国民を批判したのではありません。これは念のために申し上げますが、私はアメリカの支配者を批判している。 そこで、大豆が非常に多量にアメリカから日本に輸入されているということが問題になっているわけですが、これに対する関税は年間どのくらいとられているのか、その関税が何に使われているのか、お聞きしたいと思います。
○内村(良)政府委員 大豆の関税は無税になっております。
○諫山委員 それからもう一つこの問題で非常に論議の焦点になったのは、価格だと思います。大豆の生産価格が実際に政府がきめた基準価格を上回っているということが指摘できるんじゃないかと思いますが、この生産価格と基準価格との関係はどうなっていましょうか。
○伊藤(俊)政府委員 先生の生産価格というおことばの意味がよくわかりかねるのですが……。
○諫山委員 生産費。
○伊藤(俊)政府委員 生産費でございますと、パリティ価格は、過去数年をとりますと、大体生産費よりも若干ずつ上回ってきているのが通例でございます。ただ、四十六年は冷害のために生産費が若干上がっております。その他の年は生産費を上回ってパリティ価格が定められているということでございます。
○諫山委員 昭和四十五年と四十六年は生産費と基準価格の関係はどうなっていますか。
○伊藤(俊)政府委員 四十五年は生産費六十キロ、五千十円でございますが、基準価格は——いまのところは、私が申し上げましたのが間違いましたので訂正させていただきます。四十六年は六千八百五円の生産費でございまして、基準価格は五千四百四十円でございます。
○諫山委員 この間沖繩のサトウキビの価格のときにも問題になったのですが、基準価格が生産費より安いというのは正常な姿でしょうか。農林省はどうお考えですか。
○伊藤(俊)政府委員 私どもがこの価格を算定いたします場合に、パリティの数字をはじきますと同時に、価格決定時の推定生産費というようなものもはじくわけでございます。そういったものを参酌しながら価格を決定いたしておるわけでございますが、ただいま先生のお話にございました四十五年、四十六年をとりますと、当時の推定生産費はさらにこのパリティよりも下回っておる、また六十キロの生産費、ただいま申し上げました生産費より下回った水準で推定生産費がはじかれておりまして、そういったことも勘案して生産費が上がっておる、こういうことでございます。
○諫山委員 農民はパリティ計算でめしを食っているわけじゃないのですよ。大豆の価格でめしを食っているわけですよ。だから、やはり農民の立場に立ってものごとを考えてもらわないと困ります。基準価格というのは、この価格で農民がめしが食える、再生産もできる、こういう金額でないといけないのでしょう。違いますか。
○伊藤(俊)政府委員 基準価格は、先ほどもお答え申し上げましたが、パリティの数値その他経済事情を参酌しまして再生産を確保することを旨として定める、こういう趣旨でありますので、そういう法律の趣旨に基づいて価格の算定をいたしておる次第でございます。
○諫山委員 重ねて言いますが、農民は法律でめしを食っておるのじゃないのです。自分の生産したものを売った金でめしを食っておるのです。昭和四十五年、昭和四十六年について基準価格でめしが食えると思いますか。
○伊藤(俊)政府委員 私、考えますのに、基準の価格を算定いたします場合に、参考となります推定生産費をはじきます。その推定生産費をはじいてそれを参考にするわけでございますけれども、生産費というのはあとから出てまいりますから、その段階では察知することはできない。したがって、推定生産費というふうな手法を用いておるわけでございます。私どもといたしましては、パリティ価格なりあるいはその他いろいろな事情を勘案して定められます価格、その価格がすべての農家の生産費をカバーするものだとは思っておりません。やはり同時に生産対策も講じながら、合理的な生産を片一方ではつくっていくというような努力も兼ね合わせながら、いわゆる生産費というものあるいはパリティ価格というものを参酌しながら価格をきめていく、こういうようなことになっております。
○諫山委員 私はあなたのそういう役人的な説明を聞いておるのじゃないのです。問題は、この基準価格で農民はめしが食えるのか、この基準価格で農民は再生産ができるのかと聞いておるのです。基準価格が生産費より安い、つまり、つくればつくるほど赤字が出る。これでめしが食えましょうか、政務次官、いかがでしょうか。
○中尾政府委員 先生の御指摘の限りではとてもめしを食える段階ではない、こう思います。
○諫山委員 そうすると、農民はどうして生きていけばいいのですか。結局、大豆をつくったのではめしが食えない、こういう結果になると思いますが、そう聞いていいでしょうか。
○伊藤(俊)政府委員 私の御説明が足りないのかもしれませんが、実際の取引価格と基準価格とは別でございます。たとえば十勝小粒というものの価格をとってみますと、基準価格よりはるかに上の価格で取引されておるわけでございます。先ほど池田局長のほうから御答弁がございましたけれども、最近の価格はすでにこれよりもはるかに高い価格で現実に取引がされておるというわけであります。
○諫山委員 いまの説明は私は非常に不当だと思います。実際はこれより高い価格で取引されておるから、基準価格は食えない価格でもいいじゃないかという立場ですね。そういう立場で基準価格をきめるのだったら、基準価格をつくった意味はないじゃないですか。基準価格そのものがめしが食える価格、再生産ができる価格でなければならないはずです。あなたは、基準価格をきめても、実際はもっと高い価格で取引されておるから、あまり関係ないと言われるのですか。
○伊藤(俊)政府委員 基準価格を下回ることがないような形になっておるわけです。先ほども申し上げましたように、基準価格につきましてはパリティ価格というものを参酌してやるということになっておるわけでございますから、そういうたてまえに基づいて価格の算定をいたしておるわけです。たまたまあとから計算いたしました第二次生産費を下回るような事態が出てきたということも事実でございますけれども、それはごく例外な年でございます。
○諫山委員 基準価格というのが法律できめられ、その基準価格が実際は生産費との関係でかえって低いというようなことは農政のあり方として許されないことです。あなたはパリティ、パリティということを言われますが、それでは再生産を確保して農家の所得を安定するという法律の条文は御存じでしょうか。あるいはまた経済事情をしんしゃくしてこういう価格をきめなければならないということは御存じでしょうか。おそらくこういう本質的な問題は抜きにして、そろばん勘定しかしてないんじゃないかという気がします。また先ほどからの農林省の説明を聞くと、価格問題がすべてではないとも言われております。それはそのとおりです。大豆の生産を振興するためにはいろいろ解決しなければならない問題が残っております。しかし、価格の補償なしにはすべての問題は前向きに前進しないということだけははっきりしているはずです。 そこで、農林省としては大豆の自給率をふやす、生産もふやすということを考えているようですが、そういう立場からこの基準価格を根本的に考え直していく、ほんとうに再生産が確保できるような基準価格をきめるという立場はいまとっていませんか。
○伊藤(俊)政府委員 私どもといたしましては、先ほどからもお話し申し上げておりますように、大豆の日本におきます生産性というものが諸外国に比べましてかなり低いわけでございます。したがいまして、生産性の高い大豆の生産というようなことを考えていかなければならないと思うわけであります。そういったためにはいろいろな各般の生産対策、その中心となりますものは団地といいますか、あるいは集団的生産組織といいますか、そういうような形での生産を考えていく、あるいは品種改良の問題を考えていく、機械化の問題を考えていく、そういうようなことと相まちまして大豆の振興をはかっていくというように考えております。
○諫山委員 大豆の自給率について閣議でいろいろ話し合われたときに中曽根通産大臣が、自給率七〇%でも低いと思う、自分は八〇%ぐらいは確保したほうがいいんじゃないかと思うと発言しているそうですが、これはいかがでしょうか。そういうことがありますか。
○伊藤(俊)政府委員 残念ながら私はまだ伺っておりません。
○諫山委員 通産省の方で知っている人いませんか。
○豊田説明員 先生の御質問のような趣旨の答弁は全く私、関知しておりませんので、残念ながら存じておりません。
○諫山委員 知らないというのですか、なかったというのですか、いまの趣旨は。
○豊田説明員 私、存じておらないという趣旨でございます。
○諫山委員 大豆の生産計画は計画どおり進んでいますか、進んでないでしょう。
○伊藤(俊)政府委員 ただいまのところでは生産が停滞をしておるというようなことでございます。
○諫山委員 その理由についていろいろいわれますが、その決定的な理由は価格問題だとは思っていないのですか。いまのようにつくればつくるほど赤字が出るというようなことでは、だれだってつくらないと思うのですが、その価格に対する考えはどうなんですか。
○伊藤(俊)政府委員 大豆につきましては、その生産が減退しました理由は、やはり大豆の日本におきます生産性が非常に低いということが一つございます。それからまたいわゆる共同出荷というようなこと、まあ販売でございますが、そういったことも単位としてまとまりませんとなかなかしにくいというようなこともございます。それから他作物、ことに畑作でございますけれども、大都市の周辺では野菜というようなものがかなり出てきておりまして、そういったものが大豆のかわりになり、国民食料を供給しているというようなかっこうにも相なっておるわけであります。また、いままで大豆をつくっておりましたところが水田化しておるというようなところも一方にあるわけでございます。 いずれにいたしましても、そういうような事態の中で大豆の生産を進めていくというためには、現在の畑地における大豆の振興、それから水田地帯における大豆の振興、両々相まってその生産の振興をはかっていかなければならない、かように考えまして、いろいろの施策を講じておる次第でございます。
○諫山委員 あなたの説明を聞いていると、やはり日本の大豆の栽培というのは将来も非常に悲観的だと思います。農林省が直接責任を負わなくていいような問題についてはいろいろ欠陥を指摘するけれども、農林省が直接責任を負わなければならない価格問題については頑強に責任をとる答弁をしようとしない。これでは大豆の問題は解決しません。 そこで、先日生活関連物資の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律というのが成立しました。非常に不十分な欠陥の多い法律でありますが、それでもこの法律の中には輸出入業者に対するいろいろな調査とか立ち入り検査とかいうようなことができるようになっています。現在、大豆に対して再び買い占め、売り惜しみが行なわれるのではないかということが非常に心配されているわけですが、この法律に基づく運用というのをすでに農林省は検討されましたか。
○池田政府委員 近くこの法律、それぞれ適用対象になります物資の指定を政令でいたすことになっておりますので、従来の経緯並びに状況から見まして、大豆をこの対象にするということは私どもとしてはすでに内定をいたしております。したがいまして、この買い占め法の対象として指定をいたしました上は、この法律の規定に基づく報告の徴取あるいは場合によっては必要なときには立ち入り検査、その他この法律によって与えられておりますところについてはこれは的確に実施することによりまして、少なくとも途中の中間段階でこの大豆の需給が曲げられることのないように前向きに検討したいということで、現在経済企画庁その他と協議中でございます。
○諫山委員 この法律の第二条に「物資の指定」ということがあるわけですが、大豆をこの第二条に基づく指定物資にすることは内定している。いつごろそれは正式にきまりますか。
○池田政府委員 この法律は六日公布、即日施行ということでございますが、御指摘の指定の日にちは、現在のところ、十日の閣議にはかりまして指定するということを一応目標に置きまして、準備中でございます。
○諫山委員 見通しとしては、十日の閣議で大豆はこの指定物資に指定される見通しでしょうか。
○池田政府委員 農林省といたしましてはぜひともそのようにしたいというふうに考えております。
○諫山委員 農産物がいろいろ買い占め、売り惜しみの対象になったわけですが、大豆以外に、指定すべきだという方向で検討されているのは、何かありますか。
○池田政府委員 この法律が国会にかかっていろいろ御審議をわずらわしました時期におきまして、大豆以外にも、生糸、あるいは綿糸とかいろいろあったわけでございますが、それらの、当時のいわば法律の制定の背景になりました重要品目についてもこれを同時にこの指定の中に移すか、あるいは重点的に当面問題となっておるような物資について指定をし、それに調査の全力をあげるというようなやり方をとるか、いずれがいいかというようなことも含めまして、現在関係省の間で事務的に早急に詰めつつある次第でございます。
○諫山委員 大豆が指定物資になるとすれば、この法律の適用第一号になるかもわからないと思いますが、指定物資になったとすれば、どういう措置を講ずるという準備をしていますか。
○池田政府委員 これは申し上げるまでもなく、今回のアメリカ側の措置というふうなことを考えまして、今後の当面の大豆の需給ということはかなり緊迫した形も考慮に入れておかなければなりませんので、したがって、同法の指定物資として指定する以上は、製油メーカーあるいは大きい問屋さんといったような、主として大豆を販売する業者に対しまして随時報告を聴取するというふうなことをやる、そしてその報告の結果に基づきまして、さらに問題があれば立ち入り検査もやるあるいは場合によって、きわめて思惑等を実施するようなおそれがございますれば、そういった大型の悪質の業者に対しまして勧告もするといった、ここで与えられた条件は動員してやりたいと考えております。
○諫山委員 ことしの初めに大豆の買い占めが問題になったときに、私たちは大企業あるいは大商社がどこに大豆を保管しているのか、もっと積極的に調査しろということを要求しましたが、いろいろ農林省としては弁解ばかりして具体的な措置はとらなかったようです。その間に大豆の価格はどんどんウナギ登りになっていくという結果になったわけですが、とにかく不十分ではあってもこういう制度ができた以上は、これを積極的に活用していくということが国民の期待しているところではないかと思います。 そこで、初めの問題に戻りますが、とにかく今度の大豆ショックの生じた根本的な原因というのは、各党からも指摘されましたように、日本の重要な食糧を外国に依存している、日本人の胃袋が外国に支配されている、こういうところから出てきているわけです。そこで、私は、この根源というのは安保条約の日米経済協力にあるというふうに考えております。アメリカの要請に従って、日本の農民を犠牲にすることはわかり切っているのに、どんどんアメリカから農産物を入れてくる、一方では農業から離れた農民が低賃金で工場に出かせぎに行かざるを得なくなる、これが日本の大工場にとっては低賃金の労働者の一つの供給源になる、こういうメカニズムがずっと進行してきたわけで、これが今度の大豆ショックを生む根本的な背景になっています。ですから、アメリカのこのたびの不当なやり方に対してはやはり厳重に抗議する、そして法律的にアメリカと日本の関係がどうなっているのか、これは十分な御説明もなかったようですが、私は契約が履行できないような状態がつくり出されているのに、泣き寝入りしなければならないというようなことはなかろうと思う。そういう点ではき然たる態度をとるということを要求したいと思いますが、政務次官、いかがですか。
○中尾政府委員 先生の御指摘する意味はよくわかりますし、同時にまた、考え方自体にも現実面を見ましてうなづく点も多々あるわけでありますが、基本的な考え方がやはり私どもといささか違う。これは私は政務次官の立場を離れましても考えるのでございます。むしろもっとはっきり言うならば、今日の戦後二十七年間の日本の自由貿易による繁栄、その裏には今日アメリカが日本に事あるたびごとに指摘しておりまする四十億ドル、昨今努力をして二十数億ドルといわれておりますが、インバランスにある。そういう日本の商工業が今日ここまで伸びてきたことは、農業と同様に日本の繁栄につながっていった道でございますから、それはやはり自由を基調にするところの国々との貿易に依存するところが大きかったわけでございます。そういう観点から考えますると、ただ日本の国のこの一点をもって日米安保条約云云という問題にまで飛躍発展するということには、私どもは納得のいかない点があるわけでございまして、もちろん私どもはただアメリカにたよって、アメリカ依存という先生の御指摘のような形でいつも考えているわけでは全くございませんで、アメリカには言うべきことは言い、するべきことはするという形でやっておりますから、今回もわざわざアメリカ大使をその翌日には農林省に呼びまして厳重に抗議をしたというところに発展したわけでございますから、その点は決して先生のように深刻にこの問題をおとりになったとらえ方だけでは要を得ないという感じを私はあえて御指摘申し上げたいと思うのでございます。
○諫山委員 終わります。
○山崎(平)委員長代理 次回は明四日、水曜日、午前十一時三十分理事会、午後一時委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時五十七分散会