農林水産委員会 第36号
- 発言数
- 202 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1973/06/26
会議録
○佐々木委員長 これより会議を開きます。 畑作物共済及び園芸施設共済に関する臨時措置法案を議題とし、審査を進めます。 本日は、まず本案について参考人から意見を聴取することといたします。 本日御出席の参考人は、元畑作物共済制度調査検討会座長橘武夫君、北海道農業共済組合連合会会長長畑博君、沖繩県農林水産部長比嘉行雄君、以上三名の方々でございます。 参考人の各位に申し上げます。 参考人各位には、御多用中にもかかわらず、本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとう存じます。 ただいま本委員会におきましては、畑作物共済及び園芸施設共済に関する臨時措置法案について審査をいたしておりますが、本案につきましては、参考人各位のそれぞれのお立場から忌禅のない御意見をお聞かせいただきたいと存じます。 なお、議事の都合上、まず御意見をお一人約十分程度で順次お述べいただき、その後委員からの質疑がありますので、これにお答えいただくことにいたしたいと存じます。 御意見の開陳は、橘参考人、長畑参考人、比嘉参考人の順序でお願いいたします。 それでは、橘参考人にお願いいたします。
○橘参考人 それでは、私、今度の法案につきましての意見を述べます前に、実は昭和四十年前後に、農林省でやはり畑作共済というものを何とかものにしたいということで、中で研究会を開いたことがございます。その当時、私も外部からその一員として——非常に小人数の研究者その他を主とした会議でございましたけども、参加したことがございますので、当時の議論の模様をまず申し上げまして、それと関連しながら今度の法案に対して考えておりますところを述べたいと思います。 当時、農業災害補償法で米、麦、家畜、蚕繭について共済をやっておりながら、畑作物につきましては麦を除いてやられていないということが、政策的に見て、畑作物について農業共済としてそこに穴があいている。これを何とか埋めて、畑作物をつくっております農家に対しても安定した経営ができるように保障すべきだという、一般論と申しますか、たてまえとしてはそれはぜひ望ましいことだということに対しましては、当時その検討会に加わった者全員、ほとんど異論がなかったわけでございます。 ただ、これを具体的に実施してまいるにつきましては、技術的ないろいろな面でむずかしい問題が非常に多いということが、当時いろいろな面から指摘されたわけでございますが、その点をかいつまんで申し上げますと、まず共済を実施いたしますほうからみますと、水稲のような非常に収量も多いし、全国的に規模も大きい作物に比べますと、畑作物というのは、全部取りまとめれば相当な量になりますけれども、一つ一つの作物をとって考えてみますと、収量からも作付面積からもかなり面積が小さくなりまして、しかも非常に多種多様にわたるわけでございます。そういうものにつきまして共済をやっていこうとしますと、やはりそれについて共済の前提となる、たとえばいままでの収量の統計をまず固めるとか、被害の統計を固めるとか、それによって基準となる収量をきめていくとか、いろいろな作業が伴うわけでございます。そういう非常に多様なものについてそういう作業を進めていくことは、技術的にも、経費の点からも、人員の点からも、いままで米については古くからの蓄積もございますが、そういう蓄積もないものとしては、その点で非常に技術的に手数がかかってむずかしい問題があるという点が一つございました。 それと関連いたしますが、畑作物の場合には、米のように同じ水田で毎年毎年米をつくるということじゃなくて、ある畑でことしは大豆をつくれば来年はそこで野菜をつくるというふうに、作付体系が変化してまいるわけでございます。そういたしますと、同じ作物を取り上げましても、前に何をつくっかということであとの作物の種類に変化があるとか、あるいは同じ大豆なら大豆をつくりましても、ことしつくった畑と来年つくる畑とは違うところにつくるというようなことから申しまして、基準収量などを固めてまいります場合にも、水田なんかに比べると、非常にフレが大きいというふうな難点がございまして、そういう点から実施の準備をするために非常に手数なり時間がかかるという点が一つございました。これが共済を実施するほうから見たおもな問題点でございます。 逆に今度は、共済を実施してもらう農家の側から見た問題点、まあこれはお互い表と裏で関連するわけでございますけれども、農家のほうか見れば、当然共済というものを実施する場合には、その掛け金というのは、農家がこれならば払っても損はないと思う程度の安い水準のものでなければならないし、それに対しましてもらう共済金というのは、これだけもらえばとにかく一応経営の安定ができるという程度のものでなければならないわけでございます。そういうことを考えます場合に、先ほど申しましたように、畑作物というものは一つ一つの作物を取り上げますと非常に多岐にわたりますために、その一つ一つの作物をとってみまと、米の場合に比べて、そういうものに対してぜひ共済をつけてもらわないと経営が非常に不安定になるとか、あるいはこれならば喜んで掛け金を出せるというような共済に対する需要の程度と申しますか依存の程度と申しますか、これが一個一個の作物ごどにばらしてしまうと、どうしても低くならざるを得ないという点があるわけでございます。ただ、これを畑作物全体に取りまとめますればかなり大きなものになるわけでございますけれども、それを取りまとめていこうとしますと、いままでの共済のように、一つ一つをばらしたやり方ではなかなか対応できないという面がございますので、その点をどうやって踏み切るかという問題があるわけでございます。 また、これと関連いたまして、所得補償なり経営の安定という面から見ますと、畑作物につきましては、ことに豆類ですとか野菜などにつきましては典型的なものでございますが、非常に価格の変動が多いわけでございます。ところが、農業共済というのは、いままで価格ということは一応度外に置きまして、もっぱら収量がどれだけ減収になったかということで共済金を出すというたてまえをとっております。その点で、そういう収量だけで見てまいりますと、所得の安定という面から見ると、価格の面を無視することは非常に不十分であるという点がございますので、価格の対策というものとそれをどうやってあわせて考えていくかとい面での配慮が、水稲の場合なんかよりももっと強く必要になるという面がございます。 そういうような面から、いまの災害補償の中でうまくこれを制度に乗っけていくためにはいろいろ考えなければいけない問題点があるというようなことから、当時小人数で、かなり自由な勉強会みたいなものでございましたけれども、いろいろ議論しましたときにも、こうやれば非常にうまくできるというような形がなかなかすぱっと出るところまでいかなかったわけでごいます。当時は、もう七、八年前のことでありますから、いまと事情もだいぶ違う面もございますけれども、たまたまそういう面で前から一番熱心にやっておられましたのが北海道でございまして、北海道の当時の農協の課長さんがやはりその研究会のメンバーということで参加いただいて、いろいろ事情なんかもお聞きしたわけです。そのときに北海道として、とにかく農林省が踏み切らなければ北海道だけでも何とかやってみて、次の段階につなげるのだということで、お進めになるいろいろな案をおつくりになって、その案をいろいろ私ども伺いながら、北海道のようなそういう非常に熱意に燃えたところでまずそういう実験が行なわれるならば、それが全般的に広げるにもいろいろな役に立つだろうということで、その実験を見守るということで、当時の議論はそのままになって、はっきりした結論を出すというところまでいかなかったわけでございます。 そういふうな点をとって今日とられております法律案を考えてみますと、当時と畑作の位置につきましてのいろいろな事情も変わってまいりましたし、農業に対する要請の度合いも非常に強くなってまいったと思いますし、それから沖繩が復帰して、サトウキビというものが当然考えなければいけない作目として大いに取り上げられてまいったというようなこともございます。それからやはり北海道でなされましたそういう実験の成果が、今度の法案を準備される上にかなりいろいろ参考になったのではないかと、私、想像いたすのであります。 そういうふうな点から、今度こういう法案が畑作物について初めて出たということ自身は、いままでそういうことでないがしろにされていた畑作物に対して突破口を開いたという意味では、大いに歓迎すべきというか評価すべきことだと思いますけれども、先ほどの価格との関連でございますとか、畑作物の体系がいろいろ影響し合って、収量なり作付体系のいかんによってお互いのその収量なり被害なりに相互に影響し合う、そういうものを一体としてどうやって関連づけて災害に対処するかというような点から申しますと、まだ解決できない面が残っているのではないかと思います。これはいろいろ統計も不備でございましょうし、実験しながらでなければわからないという面もございますので、これですぐに畑作の問題全部が解決つくというわけにはいかないかと思いますけれども、第一歩を踏み出したという意味では、大いに評価をいたしたいと思いますが、これで畑作としての万全な体制が整ったというふうにはなかなか言えないというのが、一言にして申せば、私の感想でございまます。 以上でございます。(拍手)
○佐々木委員長 次に、長畑参考人にお願いいたします。
○長畑参考人 北海道の長畑でございますが、若干意見を申し上げさせていただきたいと思います。 まず、北海道の畑作農家が長い間実現を望んでおりましたこの共済制度がいよいよ制度化されようとして、本日この委員会等で御審議いただきますことを厚くお礼申し上げる次第でございます。 北海道のことのみ申し上げましてまことに恐縮でございますけれども、御了承いただきたいと思います。 本日御検討いただきます畑作共済につきましては、北海道はかねてから要望いたしておりましたので、北海道独自で九カ年ほどの研究期間をもっていろいろと研究いたしてまいりました。その間三年間ほど農林省から委託調査という形での試験も行ないましたし、また大豆を中心にしての試験経過も持っております。しかし、それだけではどうしてもいい結論が得られませんので、今回実施されようといたしておりますような五作物を取り上げまして、しかもそれに掛け金が伴い、支払いが起きるというような本実施に似たようなかっこうの試験も三カ年やってまいりました。その経過は非常に農民の受けがよろしくて、ぜひともこれは法案化してもらって実施の段階に移してもらいたい、こういうような大きな要望があることをまずお伝えを申し上げておきたいと思います。 特に北海道の畑作は、御承知のように、大体三十五万ヘクタールといっておりますけれども、いま対象になっております五作物だけでも二十五万ヘクタール持っておる。非常にそのウエートが高いわけでございまして、畑作農家の期待は非常に大きいというようなことから、ぜひとも今国会で成立をしていただきたい。これはお願いでございますけれども、よろしくお願いを申し上げる次第でございます。 そこで、北海道が試験実施をかねてやりました経過等から考えてみまして、保険設計上になかなかむずかしい問題があるというようなことも了解をいたしております。たとえば水稲等に比較いたしましても、水稲の場合は食管法等がございまして、価格が安定しておる、また集荷も一元化されておる、さらに作物が単一である。こういうような一つのレールが敷かれた上に保険というものができておる。しかし、畑作の場合は全くそれと反対で、価格がきわめて不安定な要素を持っておる、集荷も、系統機関が全力を注いで集荷をしようとしておりますけれども、なかなかそうはいかない、多元集荷になっておる。また作物の種類が非常に多い、その上に、損害評価等にいたしましても非常に長い期間がかかる。まず豆類の八月末の収穫からビートの十一月まで約四カ月間この損害評価にかからなければならぬというようなこと等がございまして、なかなかこれはむずかしい問題を内蔵しておることも承知をいたしております。 しかし、私はここで申し上げるのはどうかと思いますけれども、平素の持論でございますのでちょっと申し上げたいと思いますけれども、私は共済をつくる以前に、畑作振興対策としての共済以前の問題がありはしないかということを実はかねてから考えておるわけでございます。それは、畑作を振興させる唯一の基本であるところの価格支持制度を強化する必要があるんじゃなかろうか、また輪作体系の確立、さらに経営規模の拡大、あわせて流通機構の合理化、こういうような畑作振興の基本的な要因がまず先につくられて、それをバックアップするような形での万一の災害に備える畑作共済制度があって、初めて畑作共済制度がその真価が発揮できるものであるというような感じを実はいたしております。したがいまして、前段のことにつきましては、いまそれがすぐ解決するとは考えておりませんけれども、試験期間を通じまして、それらのものも十分お考えをいただきながら、それらと並行して、畑作制度が本格実施の場合にはやりやすいような総体の仕組みをお考えいただきたいと、こういうことを考えておりますので、申し上げておきたいと思います。 次に、本論のほうを簡単に申し上げてみたいと思いますけれども、これは農林省の出されております案に基づいてちょっと意見を加えたいと思います。 まず対象作物につきましては、バレイショ、てん菜、小豆、菜豆、大豆というような五品目になっておりますが、これは私は本来なら畑作全体であってもいいと思うのでありますけれども、北海道の基幹作物が全部入っておりますから、まずこれでいいのじゃなかろうかというふうに考えております。 それからてん補の対象につきましては、これは共済責任期間が発芽期から収穫期までということになっておりますが、この発芽期のとらえ方を一体どうとらえるのか、この点が実は私よくわかりません。北海道の特にビート、バレイショ等は、植えつけしましてから、大体十日ないし十五日の間に発芽するのですけれども、発芽する以前の風害が北海道の特殊な災害として起きるわけなんです。 〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕 これをどうとらえるのか、その辺がわかりませんから、どうもきょうは正確に申し上げられませんけれども、これらが入らなければ意味がない。しかもビート、バレイショにつきましては、それ以後は徹底的な防除もできますし、冷害はあまり心配ございません。さすがは寒地作物です。したがって、冷害を受けての被害というものはございません。前段申し上げましたことが被害の一番大きな要素でございますから、これをひとつ入れていただきたい、こういうような考え方を持っております。 それから共済金額につきましては、実施の段階は六割ということが出ておりますが、これも私は一応試験段階の場合は六割でいいんじゃなかろうか。しかし、本格共済になった場合には、少なくとも果樹並みのものにしていただきたい、これは希望意見を申し上げておきたいと思います。 それから、てん補方式につきましては、いわゆる足切りについてのバレイショ、てん菜が二割、豆類が四割、そのほかにオール三割というような選択制がとられるようになっておると思いますけれども、私はいろいろな角度から考えまして、てん菜、バレイショの足切りは二割でもやむを得ない、こういうふうに考えておりますけれども、豆類の足切りが四割というのは非常に強いのじゃなかろうか、むしろこれは三割くらいにするのが妥当じゃなかろうか、こう考えております。 ただ、それに関連いたしますことは、基準反収にきわめて深い因果関係を持っておるわけでございまして、基準反収の適正なものがつくられない限りは、二割は三割になり、四割のものは六割にもなるというような結果が出るわけでございますから、基準反収については、特に政省令等でおきめになるわけでございますので、適正なものをぜひつくっていただきたい。特にビート、バレイショにつきましては最近の生産性が非常に上がってきております。従来使われておりますような七中五を使うにいたしましても、最近年次のものをつとめて多く取り上げていただいて、それにウエートを置いた基準反収の設定をしていただきたい、こういうようなお願いを申し上げる次第でございます。 それから、相殺関係、増減相殺という形になっておりますけれども、先ほど申し上げましたように、品目が非常に多い、面積も広い。この相殺につきましては、保険理論としては私は合うと思いますけれども、損害評価をする実務上に非常に困難な問題があるというようなことから、私は基準反収を上限とした半相殺にするのが適切ではなかろうか、こういうような、過去の経験等から意見を持っております。 それから、加入方式につきましては、私は本来は当然加入にするべきである。その理由といたしましては、農業保険というものは、農家個々がお互いに掛け金を出し合って、農家自体で共済をし合う制度であるというようなたてまえに立って考えるとするならば、全部が加入して危険分散をしながら、あるいはまた逆選択を排除しながらお互いに助け合っていくというようなたてまえで、当然加入にすべきであるとは思いますけれども、現段階におきましては規模も小さいし、中身としても十分ではない。試験の結果いいものを求めるための手段であるとするならば、やはり任意加入でやっておいて、将来は当然加入に持っていくべきであろう、こういうふうに考えております。 それから、国庫負担の関係につきましては、これは三割というようなことで支出がなされるようなことになっておるようでございますけれども、欲をいいますならば、少なくとも試験といえども果樹並みの国庫負担があってしかるべきであろう、こう考えておりますが、ただ問題は、こういうことは北海道に限らず、ほかの府県でも、お茶であるとかあるいはイグサであるとか、いろいろなものが出てまいろうかと思います。したがいまして、ローカル色を帯びるようなその地帯の特殊農産物を育成するための手段、措置にもなろうかというようなことを考えますので、これはやはり都道府県の助成等を得て、そして農家負担を軽減する方向に当初持っていくべきであろう。しかし、本格共済になったならば、しかるべき国の補助金を出していただくことが共済をりっぱに完成するための農家への方向ではなかろうかというようなことを考えております。 それから、損害評価の問題でございますけれども、前段申し上げましたように、損害評価がこの山場であろう、これを採用する一番ポイントになるであろうというふうに私は考えておりますが、先ほど申しましたように、作物の種類が多いとかあるいは収穫期間が長い、さらに対象耕地が多いというようなことで、これを厳密にやりますと、多数の人員と経費がかなりかかってくる、したがってコスト高になってくる、こういうようなことが出てまいろうかと思います。しかし、いかにコスト高になるといいましても、保険の仕組みの上からいいまして、適正公平な評価が行なわれ、その上に立って支払いが行なわれなければならない本筋を持っておるわけでございますので、これをやるのにおそらく損害評価要綱等として十分お考えをいただいておると思いますけれども、十分この点については政令、省令の中でやりやすい仕組みの、あまりコストのかからない納得のいくような損害評価要綱をつくっていただきたい、かように考えておるわけでございます。 それから、責任割合の問題でございますけれども、これにつきましては、組合が通常の一割、連合会が九割、さらに再保険分については国が七割で連合会が三割、こういうふうになっておりますが、これは実は私はどの程度がいいのかということをいろいろの角度から検討いたしてみましたけれども、初めて出発するのであるし、過去のものを拾い上げて調査いたしましてもなかなか出てまいりません。したがいまして、結論といたしまして、私はこういう考え方を持っております。初めて出発する組合に、あまり大きな責任を持たしては組合が困るから、一割、九割はしかるべきであろうというふうに考えております。それから国の七、三の割合でございますけれども、それもどの程度がいいとは考えが実は出てまいりません。しかし、これは保険の仕組みからいいまして、単年度のことを私は申し上げません、長期バランスの中で保険収支が償えるような形の責任割合でなくてはならぬ。もし連合会が三割を持つのが少なければ四割になってもよろしいのですけれども、それは他の農作物であるとか、家畜のいわゆる収支を食うような形ででき上がったのでは困る、いわゆる畑作は畑作単独の経営の中で、保険収支の中でまかなえるような形のものを一つつくっていただきたい。したがって、それが那辺にあるかということについてはいまここではちょっと申し上げかねますので、十分お考えをいただきたい、かように考える次第でございます。 あとは試験期間が五カ年というようなことでのあれでございますけれども、これは北海道だけの言い分になるかもしれませんけれども、先ほど申し上げましたような九カ年の試験期間も持っておりまして、ある程度の資料等も持っておりますので、できることなら三年ぐらいに縮めて本格実施に踏み切っていただけないものかというような希望を申し上げるわけでございます。 最後に、一言申し上げたいと思いますことは、いろいろ北海道も共済制度ではたいへん皆さんのお世話になり、恩恵を受け、北海道の農業基盤もある程度確立の方向に向かっております。心からお礼を申し上げる次第でございますけれども、ただ、考えますと、最近の農業事情の変化、あるいは経済事情の急速の変化というようなものから、農家経営安定というようなことを目途に考えた場合には、従来の収穫保険では不十分じゃなかろうか。時代の変化、情勢の変化等によってさらにそれを一歩前進させまして、収量変動を従来どおりやることは当然でありますけれども、それに価格変動も加味された形の制度に発展させるべきじゃなかろうか。このことは単に畑作の共済だから申し上げるわけじゃございません。全共済ともそういう方向にすでに向かう時期に来ておるんじゃなかろうかというような考え方を自分の意見として持っておりますので、御要望を申し上げる次第でございます。 どうかひとつ皆さん方の深い理解と英断をもちまして、長い間北海道が待ちこがれておりました畑作共済制度が必ず今国会に成立するように格別の御配慮をちょうだいいたしますことを特にお願いを申し上げまして、意見の開陳を終わらせていただきます。どうも失礼いたしました。(拍手)
○山崎(平)委員長代理 次に、比嘉参考人にお願いいたします。
○比嘉参考人 沖繩県の農林水産部長の比嘉でございます。 沖繩県の基幹作目でありますサトウキビを共済目的に含めました畑作物共済及び園芸施設共済に関する臨時措置法案を御審議されるにあたりまして、貴重な時間を割愛されましてサトウキビの主産県であります沖繩現地のお願いを申し上げる機会を与えていただきましたことに対しまして衷心から厚く御礼、感謝申し上げる次第でございます。 御承知のこととは存じますが、沖繩県の農業の現状、主としてサトウキビを中心に申し上げますと、まず、県民所得に占める農業の地位を見ました場合、農業所得は昭和四十年度の百七十九億から昭和四十六年度には百九十八億となり、年率わずか一%の伸びしかなく、同年度間における県民所得の伸びが年率一七%にも及ぶ高い伸びであったために、農業の地位は一四・六%から六・四%に低下しております。 しかしながら、本県の輸出入に見るところの農業の地位は、一貫して五〇%以上を占めておりますので、きわめて高い地位にあると申せます。特に砂糖につきましては生産が停滞しておるにもかかわりませず、総輸出入額の四三%、これは昭和四十六年度でございますが、四三%を占めるなど、本県経済におけるところのサトウキビの重要性をうかがうことができると思います。 また、農業生産についてみますと、その生産額は野菜、畜産等の生産拡大によって、昭和四十年度の二百二十九億円から昭和四十六年度の三百三十億円と、年率六・三%で拡大しておりますが、基幹作目でありますところのサトウキビにつきましては、生産が近年停滞いたしております。そのため農業生産額に占めるところの地位は、昭和四十年度の五〇%から四十六年度には三九%に低下しておりますけれども、本県農業におけるところの重要性につきましては変わりがございません。 さらに土地利用について申し上げますと、耕地面積は昭和四十年度の五万ヘクタールから昭和四十六年度には四万七千ヘクタールと六%減少いたしておりますが、作付利用面積は野菜等の拡大によって横ばいに推移しているため、土地利用率は一〇五%から一〇九%に高まっております。なお、普通畑作面積に占めるところのサトウキビ作の割合は、昭和四十六年度におきましては八三%を占めておりまして、本県の耕地面積の大半を占める重要な作目であります。 また、農家の農業収入におけるサトウキビの地位についてみますと、一貫して四五%以上を占めておるなど農家経済においてきわめて高い地位を示しております。 以上、申し述べましたように、本県農業におけるところのサトウキビの地位は、本土の水稲にも匹敵しておりまして、本県農業の基幹的役割りを果たしてまいりましたが、今後においてもその地位に変わりはございません。 しかしながら、サトウキビ生産は、国際市場における砂糖に対する国の保護策によりまして生産が維持されてまいりましたが、一方、本県において無視できないのは、干ばつ、台風等自然災害によるところの生産の減退の問題でございます。本県のサトウキビ生産につきましては、価格支持政策と相まちまして、サトウキビ共済制度化につきまして再三にわたり農業団体から要請もされたのでございますが、復帰前のことでありまして実現できませず、サトウキビ共済制度化という問題は、沖繩農民の長年の宿願であったわけでございます。幸いにサトウキビを共済目的に含めました畑作物共済及び園芸施設共済に関する臨時措置法案が今国会に提出され、御審議の運びとなったことに対しまして、関係各位に深甚の感謝を申し上げる次第でございます。 沖繩県内における農業の立地条件も、沖繩本島と先島離島間ではかなり相違がございまして、農家の経済力におきましても格差が生じておりますので、この法案の御審議の節は、特に次の事項につきまして要望申し上げたいと存じます。 畑作物共済契約者に共済掛け金の三割にあたる交付金を補助し、加入奨励を行なうことにいたしておりますが、農作物共済においては国庫の負担が六〇%にもあたる手厚い助成を行なっている点からいたしまして、畑作共済におきましても国の助成を増額していただき、畑作物に加入しやすいよう共済掛け金の軽減をはかってもらいたい。 次に、無事戻しの方針を明確にしていただきたい。 次に、農業共済組合あるいは同連合会の事務費につきましても十分に助成をはかってもらいたい。 以上でありますが、この法案は沖繩農業史上一ページを画するほどに基幹作物であるところのサトウキビの共済制度の新発足をになうものであります。このような意義を持つ法案でございますので、多少の論議は別といたしまして、今国会で立法化が実現いたしますように切に沖繩県のサトウキビ共済制度の立場からお願い申し上げたいと存じます。 以上で終わります。(拍手)
○山崎(平)委員長代理 以上で参考人からの御意見の開陳は終わりました。 —————————————
○山崎(平)委員長代理 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。柴田健治君。
○柴田(健)委員 参考人の方は北海道から沖繩、また専門的に御調査いただいておる橘先生、各位、御遠路のところおいでいただきまして、貴重な御意見をお聞かせいただきましてほんとうにありがうございました。お礼を申し上げます。 私、与えられた時間に簡単に要点だけをお尋ね申し上げて御意見を聞かしていただきたい、こう思います。 まず沖繩の農林部長さんにお尋ねいたしたいのですが、沖繩が二十六年間の長い間アメリカの占領政策によって相当のギャップが出ておる、こういう判断を私たちしておるわけですが、その二十六年間、いろいろと異民族の支配下の中で沖繩の農民の皆さんが非常に苦しんでこられた、そしてその上に台風常襲地帯というような気象条件に長い間悩まされた歴史もこれあり、いろいろと苦しんでこられたことは重々承知いたしておるのですが、たまたまこの畑作物共済及び園芸施設共済に関する臨時措置法という法律が今度新しくできるわけですが、これによって沖繩のサトウキビというものを対象物件として私たちが取り扱うということになってまいりました。 この際、沖繩で、二十六年間のこの空白の中で何が一番おくれておるのか。いろいろあるでありましょうが、私たちから見れば、基盤整備がおくれておるのではなかろうかという気がいたします。この基盤整備について沖繩県としては相当の努力をされておりましょうし、また今度復帰に伴って日本の予算で重点的に取り扱う、投資するという考えを持っておるわけであります。しかし、二十六年の間のおくれというものはそう簡単に取り返しがつかない、こう思うわけであります。そういうことで、四十六年度は四万七千ヘクタールという耕地がある、こう言われましたが、その基盤整備の状態がどの程度いま進んでおるのか、どの程度まだおくれておるのか、そういう点をまずひとつお聞かせを願いたい、こう思います。
○比嘉参考人 お答え申し上げます。 基盤整備の達成の状況でございますけれども、基盤整備と申しましても、業種ごとにはいろいろのものがございますが、一番大事なのはかんがい排水施設でございます。で、かんがい排水施設の基盤整備の現状について申し上げたいと存じます。 沖繩におけるところのかんがい排水施設の整備の状況は、ほんとうに未整備の状況でございまして、例年干ばつ等の被害を受けて生産を低くし、それが他産業との格差を拡大させる要因になっております。昭和四十六年度までに実施いたしましたかんがい排水事業面積は二千九百三十二ヘクタール、これは要かんがい排水面積四万三千百二十ヘクタールに比較しましてわずかに六・八%という低い達成率を示しておるわけでござます。 さらに圃場整備事業でございますけれども、圃場整備事業も同様でございまして、四十六年度までに実施されましたところの圃場整備面積はわずかに一千七百五十二ヘクタール、この達成率はわずかに三・九%という低い率でございます。
○柴田(健)委員 お聞きすると、一番問題はかんがい排水事業だと思います。特に沖繩は離島が多いのですが、離島間の格差があるという御意見が先ほどございました。離島間の格差があることもわれわれ認められるのですが、離島間における格差是正、そして今度の制度ができた場合に、そういう格差についての、たとえば保険料率であるとか補助率であるとか、そういうものの格差がつけられるかどうか、それはむずかしい問題ですが、沖繩県としては、この制度ができた場合にはこれの裏づけに対して何か構想がありますか、お尋ねしたい。
○比嘉参考人 特にこの問題について目下法案が提案中でございますけれども、その格差是正の問題に関しましては、復帰直後から特に基盤整備事業に多額の投資をしていただきまして、これは初年度でございますけれども、特にかんがい対策あるいは用水対策あるいは圃場整備事業という面につきまして、全農林予算のおおむね四十億近い財政投融資額の中でその半分近くを先島地域に投入する方向で、同地域のいわゆる基盤整備を達成するよう全力をあげたい、こういうふうに先島地区に対する基盤整備を重点に置いて格差是正をはかっていきたい、こういうふうに考えております。
○柴田(健)委員 先ほど北海道の長畑会長さんから、とにかく試験期間をなるべく短くしてくれ、こういう御意見がございました。北海道のほうは長い歴史の中で畑作についてのそれぞれの営農、経営技術その他が相当進んでおる、私たちはそういうように考えておるのですが、沖繩と比べると相当の開きがある。沖繩としては試験期間を短くしてやったほうがいいとお考えになるかどうか、沖繩の農林部長さん、どうですか。それをちょっとお聞かせいただきたい。
○比嘉参考人 この法案は臨時措置法のたてまえから、おそらく五カ年という限度が試験期間だと思いますけれども、できますならば三年に短縮いたしまして本格実施に移っていただきたい、かように存じます。この農業共済制度の問題は、沖繩の場合も災害頻度が高いという観点から八カ年にわたっていろいろ被害調査を実施してきておりますので、専門家が見ましたらどうかと思いますけれども、一応こういった保険設計の資料にはこと欠かないのではないか、こういうふうに考えておりますので、できるだけ早期に本格実施に移っていただきたい、かように考えております。
○柴田(健)委員 長畑会長さんにお尋ねいたしますが、先ほど独立採算制方式を言われましたが、いまのような国庫補助率というか、いまやるとすれば、試験ですから、いまの形でいけば心配をされるというのは、どうも一般の農業共済の経費に食い込む可能性がある、何かこういう不安があって、やはり畑作共済の採算ベースは、あくまで独立的な、収支がまかなえるような、ほかの農業共済に食い込まないようにという、そういう何か心配があるから言われたのだと思いますが、そういう点について、もう一たび御意見を聞いておきたい、こう思います。
○長畑参考人 それでは、先ほどの責任割合のことで意見を申し上げたわけでございますが、先ほどは非常に失礼なことばかもしれませんけれども、幾らがいいかという結論づけはできないということを申し上げました。それは過去にデータもございませんし、これから始めるものですし、これからの災害がどうなるかわからないという実態に立って、一応過去の被害を参考にしながらこれをつくっていくのが通例であろうと思います。 〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕 したがいまして、私は七割、三割くらいが大体妥当ではあろうと思うけれども、一応これで試験実施をしておいて、そうしてその後の気候変動その他の災害の状態の変化等を見きわめながら、長期バランスの中で、一年や二年赤字になってもよろしいと思います、また黒字も出ると思います、長期バランスの中で均衡のとれる形の保険割合をつくっていただきたい。そのためには、他の農作あるいは家畜に食い込まないような範囲において設定をしていただきたい、かように考えまして申し上げたので、心配だからという意味ではございません。
○柴田(健)委員 橘参考人にお尋ねしたいのですが、今度施設園芸を対象ということで、この制度がこういうふうに歩き出すと、一番心配しておるのは、数が多いからむずかしいのでもありますが、この共済制度に加入できる施設として認定する場合、どうもこれはおかしい、これは小型で移動性が強いし、これはほんとうの施設としてはみなされないというようなぎりぎりの境目のところがある。それは大型か小型か、要するに簡易ハウスかトンネルハウスか、いろいろ地方では名称をつけておりますけれども、そういう固定的な施設、移動できるような施設、それの要するに認定というものを間違えば たとえば災害を受けた時分に、君は施設として認定されていないんだぞ、施設園芸共済にはいれない施設なんだから、災害を受けてもそれは天災融資法の政府の制度融資を借りられないんだよ、こう言われた時分にどうなるのか。それから、この際、この制度ができるんなら、この施設もこの施設もみんな入れてくれ、加入しようじゃないか、こういうときに、それを選別する、選択をするその権限、市町村農業共済がどういう認定をするかという認定の問題、評価の問題。要するに、損害の評価額というものも関連しますけれども、まず施設の問題、いま考えてみると一〇〇と二五ということになっているのですが、この一〇〇の場合は施設が一〇〇であって、中身の作物のほうは二五、こうなりますと、何だ、それならもう施設オンリーにしてしまって、建物共済に一本化したらいいじゃないか、何も施設園芸はいわなくてもいいんじゃないか、こういう意見も一方では出てくる。そういう点について、専門的にそういう認定の方法について何か考えがあれば聞かしていただきたい、こう思います。
○橘参考人 いまのその施設がどの程度になれば対象になるかということの認定するいい方法があるかというお尋ねでございます。 私、施設のことを必ずしも詳しく存じませんので、明確なお答えをいたしかねますけれども、やはり制度として、どんな小さいものでもはいれるというわけにもまいらないので、やはりそれの復旧なり再建に相当な費用がかかって負担になる、その負担をできるだけこれで埋めていくというような政策的な見地から、どこかで線を引かなければならないと思いますけれども、ただ、その場合に、それが非常にこっちの組合とあっちの組合でやり方が違うとかあるいは県と県とで違うとか、それから農家のほうではこれだったら当然共済の対象になると思ってつくってみたら、いやおまえはだめだと言われるとかいうふうな、事後になって、しまったということになるということでは、非常にいろいろな点で差しさわりも起きましょうし、摩擦も起きましょうと思いますので、やはりそういうものをやる基準というものを、規約の上なり何なり、文書の上でできるだけはっきりするように、あらかじめ事前に明確にしておくという努力は、それぞれの組合なり県なり、もちろん農林省も当然のことと思いますけれども、はっきりした線を引いておいて、あとになってから、そこで、いや、そんなつもりではなかったということが起きないようにということをよほどやっていかないと、いま御心配のようなことがいろいろな面で起きるんじゃないかというふうに思います。
○柴田(健)委員 どうもありがとうございました。
○佐々木委員長 諫山博君。
○諫山委員 比嘉参考人にお伺いします。 沖繩ではキビの収穫放棄ということが行なわれているようですが、どのくらいの面積について行なわれたのか、また全体のキビ収穫予定量の何%を占めていたのか、おわかりでしょうか。
○比嘉参考人 お答えいたします。 昭和四十七年期のサトウキビの収穫が放棄された、これは一応市町村報告に基づいた調査資料でございますけれども、総面積にしまして沖繩全域で四百二十二ヘクタール、かりにその十アール当たりの予想収穫を平均的に見まして二・七トン前後で、原料として予想されるのが一万一千六百五十トン、こういうことになっております。
○諫山委員 せっかくキビを栽培して収穫できるようになったのに、それを収穫しないというのは、全く異常なできごとのように思われますが、どうしてそういう事態が起こったのか、参考人はどうお考えでしょう。
○比嘉参考人 お答えいたします。 四百二十二ヘクタールについて厳密に調査したわけではございませんけれども、きわめて立地条件の悪いところで、非常に従来から肥培管理をされないで放置されておる点もございますし、なお通勤農業によってなかなか手が回らないといった点もございます。また一般農家におきましては、労賃の上昇といったような面から、刈り取りに手が回らなくなったといったような面も、いろいろ沖繩におけるところの最近の物価事情あるいは労力の事情、そういった面が重なり合いまして、これだけの未収穫面積が出たもの、かように存じております。
○諫山委員 ずばりお答え願いたいのですが、遠慮は要らないと思います。収穫してもキビの価格が引き合わないから収穫が放棄されたと言えるんじゃないでしょうか。
○比嘉参考人 先ほども申し上げましたように、そういった面も非常に大きくございます。これはどの程度、何割程度になるか知りませんですけれども、やはり労務賃金の上昇、それに伴うところのいわゆる労働力の不足の問題、いろいろな現象がからみ合ってかような未収穫面積を残したもの、かように存じます。
○諫山委員 私は沖繩の農民の発言といまの参考人の答弁のニューアンスが幾らか違っているように思います。沖繩の農民はキビが引き合えばもちろん収穫する、しかしキビの値段が安過ぎて引き合わないから収穫しないんだということをみんな言っておられます。その点では参考人の認識と農民のなまの声に幾らか食い違いがあるんじゃないかと思うのですが、前年度のキビの生産価格が一トン当たり幾らくらいかかったのか、これは農林省の数字と別に沖繩県として調査しておられましょうか。
○比嘉参考人 お答えいたします。 生産価格と申しますけれども、これは生産費のことをおっしゃっておられるんじゃないかと思いますけれども、この生産費につきましては、復帰前は県の統計資料で調査いたしておりましたのですけれども、復帰後は国のほうで調査いたしておりますので、その点、厳密な意味で、県で調査した事例はございません。
○諫山委員 私が沖繩で農民の声を聞きますと、いまのキビの価格では生産費を償うことができない。むしろ生産費のほうが高くつくというふうに口々に言っておられましたが、実情はどうでしょうか。
○比嘉参考人 お答いたします。 現在沖繩におきましては、目下収穫が続行しておる離島地域もございますけれども、全般的には現在収穫が済んだところでございまして、その具体的実例についてはまだ十分に調査いたしておりません。
○諫山委員 いま沖繩県の農民団体は、農林省がやっているような方式でキビの価格を計算されたのではとてもキビの価格は引き合わない、だから新しい計算方式でやり直してもらいたいという要求をしています。そして沖繩県農協の中央会なども生産費及び所得補償方式を採用すべきだと要求しているようですが、御承知でしょうか。またそれに対して沖繩県当局としてはどういう理解を持っておられるのか、お聞きしたいと思います。
○比嘉参考人 お答えいたします。 キビの昨年度の生産者価格につきましては、確かに復帰後における物価の上昇、地価の高騰あるいは労働力の流出といったようなもろもろの外圧のもとにこの収穫作業が難渋をきわめたことはそのとおりでございます。そこで、昨年度のキビ価格の設定につきましては農民の要求が十分にかなえられていない、こういうふうなのが農民の切なる要求でございます。 今回はわれわれ、県の各種農業団体等を含めまして、先ほどおっしゃいましたように、生産者価格がいわゆる米並みの生産費・所得補償方式をとってもらいたいという強い要望が出ておるところでございます。そういうことでございまして、現在のサトウキビの原料価格の水準は非常に低いので、これは大幅な価格引き上げをすべきであるという要請が各群島間から強い要望が出ております。したがいまして、今度の価格設定にあたりましては、キビの生産所得が十分に償えるような価格に設定してもらうように県としても国のほうに強く要望していきたい、かように存じております。
○諫山委員 沖繩ではすべての農業団体が本土の米並みのキビの価格補償をしてもらいたいという要求をしているようですが、そういう立場で計算すれば、前年度のキビ価格は幾らぐらいの計算になっていたのか、お調べになっていましょうか。
○比嘉参考人 お答えいたします。 昨年度のサトウキビ原料価格につきましては、中央会の試算によりますと八千四十円というふうになっております。
○諫山委員 その金網は米並みの労働報酬をという立場での計算ではないんじゃないかと思いますが、これはあとで御検討いただきたいと思います。 いずれにしましても、沖繩のサトウキビが沖繩の農業の中心だということは明らかです。しかもこのサトウキビが急速に衰退してきたということも否定できない事実です。共済制度というのはそういう事態を解決しようというのがねらいでなければならないと思います。しかし、キビの価格の問題を根本的に解決せずに共済だけで沖繩のキビが守れるかというと、私はそうはならないと思います。その意味ではやはり十分に償うようなキビの価格を補償する。その上で農民の負担にならないようなりっぱな共済制度をつくり上げていくということが大切じゃないかと思いますが、この点、比嘉参考人、いかがでしょう。
○比嘉参考人 お説のとおりでございまして、原料生産価格は、現時点において考えますときに、諸物価、労賃の急上昇を前提にいたしました場合には、やはりキビ価格は大幅に引き上げるべきでございますが、同時に共済制度は、一昨年の大干ばつにおきまして、特に宮古、先島地域におきましては、たとえますと宮古におきましては三十五万トンとれるのがわずかに一〇%、四万トン前後、八重山におきましては十四、五万トンとれる原料がわずかに二万トンと一〇%前後の収穫で、キビ依存の先島農家は非常に困苦したわけでございます。そういう意味からおきましても、災害頻度の高い沖繩におきましては、やはり農業共済補償制度の裏づけを強力に行なうことが同時に必要であると思います。
○諫山委員 いま農家が一人の労務者を雇うとすれば、一日幾らくらい払っていますか。
○比嘉参考人 これは今期のキビ収穫時の労賃でございますけれども、地域によっても差がございますけれども、おおむね男子の場合が二千円から四千五百円、女子の場合が一千四百円から二千五百円、これは一般労賃と比較いたしましてもかなり高い水準にあるようでございます。
○諫山委員 昨年きめられたキビの価格は安過ぎるから、同じ年度内であるけれども、キビの価格を再検討してもらいたい、上げてもらいたいということを沖繩の農民団体が決定したし、沖繩県としても同じような立場で政府に要請したと聞いていますが、そうでしょうか。
○比嘉参考人 お答えいたします。 昨年の十一月二十日にキビ価格が告示されまして、この価格が要望どおりの価格でなかったということでの問題でございますけれども、これにつきましては、ことしの一月初旬に生産者代表と製糖企業者側との砂糖キビの実際取引価格の協議会が持たれました。そういうことで、分みつ糖原料におきましては一律七千円、含みつ糖原料につきましては十九度、六千九百五十円といたしまして、上下にスライド方式で実際的な取引価格がきめられました。この取引協議会の構成団体である生産者代表並びに企業代表は、当時製糖開始を目前に控えておりまして、取引価格を早急に取りきめる必要があったわけでございます。そのような状況の中にあって、国に対しましては来期に向けて対策を講ずることが得策であるとの意向がございましたし、また一般には再告示の要求の声も強うございましたけれども、当面の製糖開始という事態を控えまして、再告示を要求するまでには至りませんでした。
○諫山委員 終わります。
○佐々木委員長 瀬野栄次郎君。
○瀬野委員 橘参考人、長畑参考人、比嘉参考人には忙しいところ本法の審議にあたっておいでいただきまして、冒頭感謝申し上げます。 本法の審議にあたっていろいろ参考にしたいので、要点をはしょってお伺いいたしたいと思います。 まず橘参考人にお伺いしますが、先ほど畑作物共済及び園芸施設共済に関する臨時措置法案に対しては第一歩を踏み出したということでは評価しているというお話がございました。まことにそうだと思うのですが、橘参考人は将来の本法のあり方についてはどういうふうにお考えであるか、葉菜、根菜等もあるわけですが、その点も含めてこの際御意見を承っておきたいと思います。
○橘参考人 将来こうあるべきだということは必ずしもはっきりしたものを持っておるわけではございませんけれども、いま考えておりますことを簡単に申し上げますと、やはり畑作共済ということであるためには、いまの六品目ですか、五品目ですか、そのほかに園芸施設共済ということだけで、これで畑作共済足りたということはやはり不十分なんで、今後さらにその対象となる農産物の種類というのを準備が整うに従ってできるだけ広げていくという考え方がやはりあるべきだろうと思います。 ただ、その場合に一番問題になりますのは、ことにそれを野菜まで広げていきました場合には、先ほどからもいろいろ皆さんの御議論がございますように、価格の問題、価格変動が非常に大きい作物であるということが大きくそこに考慮せざるを得ない問題として出てくると思います。たとえば三割増収いたしましても、値段が半分に下がってしまえば所得としては減ってしまうというような問題がありますし、逆に四割減収になっても値段が二倍なり、さらに三倍に上がると、所得としてはふえる。そういうことになりますと、所得がかなり減っても共済金がもらえないし、所得がふえた場合にも、場合によっては共済金がもらえるというような事態も、もっぱらいままでのようなものの減収ということだけで考えていくと起こってまいるわけでございます。 その問題が一つと、それからもう一つは、先ほどもちょっと申しましたが、一つ一つの野菜で、たとえばホウレンソウであるとかキャベツであるとか、一つ一つを取り上げて、一つ一つの何割減収ということで非常にこまかく仕切りをつけて共済金を払うということでは、事務も非常に繁雑になりますし、農家としては、むしろそういうもの全体を考えての収支を考えております場合に、その一つ一つでもって何割減った何割ふえたというようなことでやっていくのは、むしろ共済の政策的なねらいとしても達成できないので、そういうものをできるだけひっくるめてやっていく方法は考えられないだろうかということが当然議論になると思います。たとえば今回におきましても、北海道におきます品目は全部対象作物を一括加入するということを前提として引き受けるというふうな点では、そういうものをできるだけ合わせて一つの輪作体系の中で考えて処理していこうというふうな考え方が出ていると思いますけれども、そういうふうにして加入いたしました場合にも、結局、損害評価をいたして金を払うという段階になれば、やはり個々の一つ一つの作目ごとに何割被害ということで評価していかざるを得ないのがいまの仕組みだと思います。これがさらにお互いが、たとえばてん菜の一キロというのはバレイショの何キロに当たるというふうな換算のものさしみたいなものがもしできれば、そういうものをひっくるめたものとしてのたとえば点数制みたいなことで——これは思いつきですけれども、もしそういうことでの被害というものができれば、それは畑作共済としてはより目的にかなうようなものになるのではないか。だから、そういうことができると、初めて野菜段階にもこれを拡充していくような糸口が開けるのではないかというふうに思うわけでございます。そこまでいけばいっそのこと価格変動を全部取り込んでやったらいいのではないかという、先ほどの北海道の会長さんの御意見にもございましたが、そういう議論も起こり得ると思いますけれども、ただ、この場合に、もしそういうことになると問題になると思いますのは、いまの農業共済というものは、いろいろ被害が起こるけれども、その被害というのは、ある局地的な、あるところで起こった被害もほかの場所では——あるところで凶作が起こっても、ほかの場所では豊作になる、それからことしは凶作でも来年は豊作ということで、それを広く地域を広げて見るあるいは長い間年間を通して見れば、大体プラスマイナス、バランスするのだという、そういう前提を一応置きまして、そういう前提のもとに大体被害率何ぼで、これだけ掛け金を払えば大体これだけの共済金がまかなえるというような一応の計算をしておるわけでございますね。ところが、価格変動の問題ということを取り上げてまいりますと、ことし価格が下がったから来年は上がるだろうというふうなことは簡単には言えないし、北海道で値段が下がったから九州では上がるというようなことも言えないというふうな意味では、なかなか場所的に見ても、長い年間を通じて見ても、そういう意味での保険設計の上でのバランスがとれるというたてまえをとりにくくなるので、そうなると、いままでの保険とはかなり違った、全く——それを保険というかどうかは別といたしまして、むしろいわば不足払いとかという別のものに近くなるのかもしれませんけれども、そういうことで、もし、この農業共済の中で価格の変動まで見ていくということになると、そういうことを考えざるを得ない。そういうことでいくのがいいのか。これはこれで、一応先ほど言ったように、幾つかの作目を関連さして考えるような方向はできるだけ考えながらも、一応価格というものは別にして考えていって、たとえば米については別に食糧管理法で買い入れ価格というもので価格も補償しておりますように、価格安定の面は、また政策としては、もちろんこれだけでは足りないので、価格の不安定な変動に対する対策というものは必要になりますけれども、それを共済制度の外で別に考えていくという方向でいくか、一応考え方としては二つあると思うのでございます。これは議論で両方ともあると思いますけれども、私といたしましては、どちらかといえば、まずこれは、一応価格の問題は別のところで考えられるだけ考えるということで、まず収量の保険というもののいままでの政策を残しながら、いろいろな作目というものをお互いに関連させながら、それを通じた被害というものが何か計算できるような方法にいければ、今後のさらにこれを広げていく道が開けるんじゃないかというふうに考えております。
○瀬野委員 長畑参考人にお伺いしますが、先ほど試験期間は三年に縮めて本格実施をしたらどうかというふうな御意見がございました。早期に本格実施に移っていただきたい、こういうふうに参考人からお話がございましたが、私は、長期に実施してきた試験実施であるので、手直しはともかくとして、本格実施が可能な作物もあるわけでありますので、直ちに本格実施を行なったらどうか、こういうふうな考えを持っているのですけれども、その点について若干御意見がございましたら、この際承っておきたい。
○長畑参考人 それではお答えいたしたいと思いますが、先ほど五年を三年に短縮してもらいたい、こういうことを申し上げましたが、これは理論的には、私は非常にむずかしい問題だと思います。ということは、三年、五年経過して初めて三年、四年のものが使える。三年しか経験しないと一、二年しか材料が使えない。したがって、本格実施に移るのには非常にデータが足りないであろうということを前提に思っておりますけれども、北海道としては、先ほど申し上げましたような過去の経験した成績を持っておりますから、これを使うとするならば、私は五年が三年でもやれるんじゃなかろうか、こういうふうな考え方で三年を主張したわけでございます。ただ、それが直ちに本格実施にしたらどうかということについては、私は、これはいままでいろいろな角度から御検討はいただいておると思いますけれども、少し無理じゃなかろうか。やはり調査機関が何がしか必要でなかろうか。こういうふうに考えております。
○瀬野委員 次に、沖繩から遠いところを比嘉参考人においでいただきましたが、若干お尋ねしておきたいと思います。 共済法以前の問題として、私は沖繩は、しばしば現地をたずねて調査をしてまいりましたけれども、沖繩を見ますると、いわゆる圃場整備という問題がたいへんおくれている。この問題を解決しなければ、今後の沖繩の農業はあり得ない、こういうふうに私は言いたいくらいおくれております。沖繩の玉城村の愛地という部落があります。ここは特に農業の熱心な、しかも圃場整備をずいぶん計画して、数年来やってきたところでありますが、いよいよ実行の段階において、沖繩の方も、本土も同じでありますけれども、特に沖繩は、土地に執着が強い門中というようなことがよくいわれておりまして、なかなかこれがうまくいかないということを現地で承りましたが、沖繩の圃場整備についてはどういうふうにお考えであるか。現況と将来計画について、ひとつお答えいただけば幸いであります。
○比嘉参考人 お答えいたします。 圃場整備がおくれているということにつきましては、先ほどもお答えいたしましたとおりで、要圃場整備面積に対して、非常にその達成率は低い状況でございます。そういうことでございますので、われわれとしては、この圃場整備対策を重点に、復帰後十カ年計画をもって圃場整備事業を進めていきたい、かように考えております。 達成目標としては二万二千三百ヘクタール、資金といたしましては五百三十一億五千六百八十万円。これでいきますと、十カ年間でおおむね五四%の達成率になりますので、国の援助を得まして鋭意圃場整備に努力いたしていきたい、かように存ずる次第でございます。 なお、圃場整備にもいろいろ問題点がございますけれども、やはりいわゆる地形的な条件、土地的な条件が悪いということ、あるいは農家の方々が先祖伝来の農地であるということによる土地保有の精神が非常に強いということ、なお、農家の労働力の流出によりまして、非常に就業人口が老齢化する、あるいは婦女子化しておる。こういったことで、圃場整備へのいわゆる近代化の意欲が足りない面もあるのじゃないかと思います。 なお、零細規模でございますので、事業実施上のいろいろな負担額についての、非常に過重であるという認識も強いようでございます。
○瀬野委員 時間があとわずかしかございませんが、簡潔に次の諸点についてお答えいただいて、私の質問を終わりたいと思いますから、よろしくお願いします。 この沖繩におけるサトウキビは、内地の米にかわる農産物であることは、もうこれは先ほどから言われたとおりで、基幹作物であります。生産費・所得補償方式によってやっていただきたいということは現地の声でありますが、そういう点については、先ほどいろいろ御答弁がありましたので省略しまして、サトウキビの刈り取り機の問題でこの機会に承っておきたいのです。 労働力が不足して、いま省力化をいろいろ検討されているらしいのですが、テスト的にやっているけれども、本格的に早くやるべきだという意見が現地では強いわけですけれども、その現状、効果、将来計画等を簡潔にお答えをいただきたい。 それから、現地では、カメムシとかいっておりますけれども、病害虫の発生がものすごく多くて、葉腋にアリみたいなカメムシがつくために糖価がずいぶん低下するということですが、これの状況等を、駆除をどうしておられるか、簡潔でけっこうですから、お答えをいただきたい。 なおもう一点、海洋博があるために、キビ作がアルバイトみたいになって、海洋博が本業ということで、労働力の問題が相当問題だそうですが、その点もあわせて、時間がわずかしかございませんので、どうか要点だけお答えいただければけっこうですので、よろしくお願いします。
○比嘉参考人 お答えいたします。 第一点は、サトウキビの生産者価格の問題でございますけれども、冒頭にも御説明申し上げましたように、沖繩県のサトウキビ作は、その畑作面積に占める割合、戸数あるいは農業収入の中に占める位置から見ましても、本土の米作に匹敵するものであるという考え方を持っております。非常に沖繩農業経済にとっても重要な作目でございますので、そういった点から、農家全体の声といたしまして、生産者米価同様、生産費・所得補償方式に基づく価格決定を強く主張しております。県といたしましても、このような一般世論を踏まえまして、生産所得が十分償えるような価格を設定していただくよう政府にお願い申し上げたいと思います。 次に、サトウキビの刈り取り機の問題でございますけれども、サトウキビ生産上、一番問題は、この収穫機の機械化の開発と普及の問題でございます。これは、ちょうど収穫期の一月から四月にかけて労働力が集中して必要になってまいります。で、従来は、人力によってまいりましたけれども、この現状のような労働力の不足の中では、どうしても収穫機の開発と普及が必要になってきております。そこで、現在、昨年来われわれは大型収穫機を四台、小型刈り取り機を七十台、脱葉機を四十七台、搬出機を六十九台、積み込み機を七百三十七台導入して現状に備えておるわけでございますけれども、この収穫機を使いますと、人力の約三倍ぐらいの能率アップになるわけでございます。 それで概算でございますけれども、刈り取りから積み込みまで人力でトン当たり四千八百五十円、小型機セットで三千五百円、大型機で一千九百円とそのコストがダウンできるわけでございます。 しかし、現在、一昨年来導入したこれらの機械につきましてはふなれのこともありまして、必ずしも十分活用されておるという状況ではございませんけれども、今後はオペレーターの養成あるいは基盤整備も並行いたしまして年次的に導入を進めるとともに作業能率を高めたいと思います。この機械導入には非常にばく大な資金が必要でございますので、特に国の御指導、御援助を得まして、早急に数百台の刈り取り機の導入をはかっていきたい、かように考えているところでございます。 それから最後に、病害虫の問題でございますけれども、やはり気象的な条件からいたしまして、沖繩のほうは病害虫の発生が非常にひんぱんでございます。昭和四十六年度におきましては野鼠の被害が七千四百五十二ヘクタール、カンシャコバネナガカメムシが二万二千三百十七ヘクタール、カンシャワタアブラムシが二千六百七ヘクタールに発生いたしております。このような異常発生対策といたしまして、防除費として四百三十七万円の予算措置をいたしております。多少数字が違いますけれども、昭和四十七年度も同様な状況でございます。昭和四十八年度では、この異常発生対策としてさらに予算を増額いたしまして、一千七百六十四万三千円、こういうふうに増額して対処いたしております。 その防除対策でございますけれども、カンシャコバネナガカメムシ及びカンシャワタアブラムシ、これは五月に全琉に一斉防除週間を設けて防除実施をいたします。地域によっては二回防除することになっておるわけでございます。特に地理的な条件から農作物の被害に対する病虫害対策につきましては、その他の特殊病害虫を含めて特に念を入れて対策を講じております。
○瀬野委員 どうもありがとうございました。
○佐々木委員長 稲富稜人君。
○稲富委員 すでにもうほかの同僚各位から詳細にわたって質問あっておりますので、なるたけ重複を避けまして要点だけ御質問申してお答えを願いたいと思うのでございます。 まず比嘉参考人に沖繩の問題についてお尋ねをいたしたいと思うのであります。 先刻からも参考人の御説明にもありましたように、私たちの承知いたしておりますのは、沖繩の農業におけるサトウキビの生産量というものは、沖繩の全農産物のうちのほとんど六三%を占めておる、かように聞いておるのでありまして、沖繩農業の基幹作物であるということは先刻からもお話のあったとおりであります。このサトウキビをいかに振興するかということがひいては沖繩農業を振興するというこういう大きな問題につながると思うのでございますが、そのサトウキビの最近の状態というものは、これも先刻からお話がありましたように、生産量はだんだん減少をたどっておる、こういうことを聞いております。これはもちろん人手不足等からくる生産の粗放化、こういう問題が大きな原因になって、その粗放化の原因というのは農業従事者が転出した。こういう問題が大きな原因であると思うのでございます。 そこで、私ここで特に参考人にお聞きしたいと思いますことは、農業従事者がさように転出してサトウキビの生産の状態というものが粗放化するという結果になったということは、やはり労働賃金が高くなったというようなことと同時に、先刻からも御質問があっておりましたように、サトウキビの、要するに、砂糖の価格というものは、海外価格も非常に安過ぎるということだと思うのでございます。これは先刻も希望がありまして、昨年度の価格等のお話もあったのでございますが、これは日本の米のようにやはり生産費を補償するような価格できめなくちゃいけない、これが沖繩のサトウキビを振興するゆえんであり、沖繩農業を発展せしめるゆえんであると思うのでございますが、この点について、それじゃ沖繩のサトウキビというものを幾らぐらいで買い上げたらいいか、生産費を補償するその価格というものはどのくらいが妥当だということを県としてお考えになっておるか、率直にひとつ承りたいと思うのでございます。
○比嘉参考人 お答えいたします。 現地では、このサトウキビ原料価格につきましていろいろ要望価格が出ております。宮古、八重山、本島それぞれ各市町村ごとにもいろいろ異なった意見が出ておるようでございます。そういうことでございますので、これらの問題を今後十分に検討して、その適正妥当な要望価格はどの程度であるか、十分に検討して一本にまとめる必要がある、かように考えます。
○稲富委員 これはこういう席上ではなかなか部長さんとして言いにくいかと思うのでありますが、適正妥当な価格であるということは、これはだれでも希望することなので、ただ、最近沖繩の労働賃金等が非常に高くなっている、こういうこともあると思うのでございます。特に海洋博等の関係等もありましょうし、そういう点から見て、それでは本年度のサトウキビ価格というのは幾らぐらいにしたならばもっと生産というものが上がるような、従事する者が希望するようなことになり得るかということを、端的にひとつ承りたいと思うのでございます。これがこういう席上で言いにくいというなら別でございますけれども、大体生産費補償をするというような方式から考えまして、どのくらいならば妥当じゃないかというような案がありましたら承りたいと思うのでございます。もう率直でようございますから。
○比嘉参考人 お答えいたします。 先ほども一般労賃と比較いたしましてキビ収穫期における労賃のアップは相当高い水準を示しておるということをお答えいたしましたのですけれども、それぞれ地域間にも格差がございますし、まだ実際に来期のいわゆるキビ作の収穫は早くて十二月、おそくて来年の一月から始まりますし、その付近の経済変動がどうなるか予測がつきませんが、いまのところ、実際は検討はしておりますけれども、具体的にこうなるだろう、ああなるだろうというようないろいろな因子の分析につきまして、ちょっといまのところはっきりした数字を持ち合わせておりませんが、これはしかし農民の側からも価格につきましていろいろの要望が出ておりますので、十分検討していきたいと思います。
○稲富委員 これは機会があればはっきりひとつ言ってもらうと実はいいのだが、おそらく砂糖の価格というものを幾らぐらいにしてもらいたいという生産者の希望があります。各団体等からも承っておりますが、県当局としてはそういういろいろな意見を勘案しながらどのくらいまでは持っていけるのだ、こういうような点をお聞かせいただければ非常にけっこうだと思うのでございます。何も政府側の答弁じゃございませんので、それをあなたの責任を問うとかなんとかでございません。私たち沖繩の農業を発展することにはサトウキビの価格を上げなくちゃいけない、サトウキビの価格を上げるとするならばどのくらいにしたらいいのだ。私、あの沖繩の状態を見まして、沖繩のサトウキビがだんだん粗放化してきます、人手が足らなくなってくる、この実情を見まして、はたして沖繩の農業はこれでいいかということを私たち非常に憂慮しております。この点から私は、今日まで沖繩が日本の農業の中で一番おくれている、長い間ほとんど沖繩は農政というものが行なわれていない、そのことから一日も早く本土並みの農業に引き上げることが必要だ、そうするとサトウキビをどうするかということは真剣に考えなくちゃいけない問題、それがためにはやはりサトウキビの価格をどのくらいにしたらいいのだということは当然考えなければいけないと思う。その意味から参考に聞いているのでありまして、決してあなたの責任を追及するとかそういうのではございませんし、今後私たちがこれに対する対策を検討する材料になるわけでございますので、もしよかったら、その点をひとつお聞かせいただきたい。
○比嘉参考人 先ほど来申し上げていますけれども、今期の価格は従来の価格よりは大幅に引き上げなければならないという大前提に立っております。それで、キビの生産所得が十分償えるような価格は一体どの線かということにつきましては、先ほど来申し上げているいろいろな因子の分析を検討しての最終的な決定はいたしておりませんので、ちょっと数字的にどうするということは申し上げにくいと思います。
○稲富委員 それじゃ、もうようございます。部長さんとしては県会で答弁するような気持ちで御答弁なさっているだろうと思うのです。県会の答弁じゃございません。その点はしかたございませんけれども、この席上で言わなければ、いつかの機会にその問題は率直なところを聞かしていただきたい、かように考えます。 さらにその次にお尋ねしたいと思いますことは、何と申し上げましても、サトウキビを振興する上において沖繩農業として考えなければいけないことは、土壌の改良というものとかんがい排水対策というものが一番大きな問題じゃないかと思うのであります。土壌改良に対しては、先刻からも議論があっておりますような基盤整備というものが当然行なわれなくてはいけない。かんがい排水の問題等も当然考えなくてはいけないけれども、現在の沖繩の経済状態では、地元負担等の問題に非常に大きな問題があると思うのです。私たちは沖繩農業というものを本土並みの水準まで持っていくようにするためには、国がいままで何十年の間放任しておった沖繩農業でありますから、この際、国は特別の考えをもって、特別な尺度をもって沖繩農業に対する対策を考えなければいけないと思うのであります。おそらくこれに対しては、全額国庫が負担いたしましてもこのかんがい排水の問題あるいは基盤整備の問題等は取り入れなくてはいけないと思う。さらに、現在人手不足からくる、先刻もお話がありました省力化をするための機械化の問題に当然取り組まなければいけないと思うのでありますが、これに対しましては沖繩県としてどういう希望があるか遠慮なく——これはあなた方いままで何十年も日本の政府から放任されておったんだから、この際強く政府に要望することがあると思うのでございます。この際、遠慮なくあなた方の希望を率直に開陳できるならば、この機会にひとつ希望を述べていただきたいと思いますが、いかがでございますか。
○比嘉参考人 お答えいたします。 要するに、沖繩のキビを中心とする農業生産の生産性が非常に低いということは、基本的な基盤整備にこの二十七カ年間行政分離の制度下の中で財政投資がなされなかったという一点に尽きるかと思うわけでございます。貧弱な琉球政府の財政ではそれはなし得なかった。これが今日低い達成率にとどまっている証拠か、かように存じます。沖繩が昨年復帰いたしまして、特別措置法によりまして、特に他府県と比較いたしまして、この基盤整備事業には高率の補助率が付されております。たとえて申しますと、かんがい排水計画は国が八〇%というふうな高率な補助率ではございます。特別措置法による補助率は高率補助で指定されてはおりますけれども、なおしかし、農業所得は他府県に比較いたしまして六一%以下というようなきわめて低い所得。こういった格差の中におきましては、農民の切なる声といたしましては、全額国庫負担でもって特にこの基盤整備事業の要望がございますことをこの席上お伝えしておきたいと思います。
○稲富委員 私はそういうことは当然遠慮なく沖繩県としても要望されていいと思うのであります。 次に、時間がございませんからお尋ねいたしたいと思いますことは、将来沖繩のサトウキビを発展させるということと、さらに沖繩の農業をどう盛り立てるかといいますと、このサトウキビとつながる畜産というものがやはり考えられると思うのでございます。そうなりますと、バガスをいかに飼料化するかということは、将来沖繩農業をやる上において、しかもこれと関係のある畜産を取り入れる上からいくと、非常に大きな問題であると思うのでございます。ところが、このバガスの飼料化に対しては、今日糖密の加入とかあるいは発酵するとか、いろいろな方法でやっているということを承知しておるのでございますが、これに対していまどういうような状態になっておるのか。バガスの飼料化の問題、この実情をひとつ承りたいと思うのでございます。
○比嘉参考人 お答え申し上げます。 バガスの沖繩における生産量は、キビの蔗茎の量の約二五%でございます。かりに四十八年度の百五十万トンといたしますと、まあ実績は百四十万トンですけれども、百五十万トンといたしますと三十七万五千トンのバガスの生産が見込まれるわけでございます。 これは従来はそれぞれの工場におきまして燃料として使用されておりましたのですけれども、これをいわゆる糖業合理化の一環といたしまして、先ほど先生がおっしゃいましたように、効率的に処理する方法として、家畜の飼料化というものがこの数年それぞれの製糖工場関係者内で実験的研究が重ねられてまいりました。そこで、すでに昨年度、経済連の具志川の製糖工場におきましてバガス工場が設立されておりますし、なお次年度におきましては南風原の農業協同組合におきまして、近くの琉球製糖のバガスを原料にして、このバガス工場を設置するような計画がなされておるわけでございます。 そこで、畜産との結びつきでございますけれども、特に沖繩の場合は気象的な条件から、今後の畜産の振興課題としては肉用牛の増産計画がなされております。振興計画におきましては、五十六年度におきましては現在の二万頭有余のわずかな数から、十万六千頭というように飛躍的に増産する体制が考えられております。その意味におきましてバガスの家畜飼料化が現在進行しております。これらを利用することによって糖業と畜産との結びつきが十分に考えられることができる、かように考えておりますけれども、こまかい計画は抜きにいたしましても、かりにいま経済連の工場で生産されているキビの処理量が二十万トンですから、それの二五%といたしまして約五万トン。かりに五万トンのバガス飼料の家畜飼料化ができますとするならば、これでおおむね二万五千頭分の維持飼料が可能になるわけでございます。その点からいたしましても、バガス飼料による畜産との結びつきには県としても十分に関心を持っている次第でございます。 ただ、この工場の設置につきましては、資金的に非常に大きな額が必要でございますので、国の積極的な助成策も必要でございますし、なお、これらのバガスの家畜の飼料化への普及といったような面あるいはコストの面について、なお検討する余地を残していることをお話し申し上げたいと思います。
○稲富委員 いまのバガスの問題につきましては、現在あの具志川でやっている経済連の工場、実際上においてはもうあんなもうからぬことはやめたらいいじゃないかというような意見も経済連の中にあるということで悩みがある。経済連も三億か四億かの金をつぎ込んで困っているらしい。沖繩自体でこれをやれるかどうかという問題を聞きたいんですよ。しかもバガスの完全な研究ができているのかどうか。そして沖繩自体でできないとするならば、やはり国として、この問題に対しては積極的に取り組んで、バガスの飼料化というものをこの際考えなくてはいけないじゃないか、こういうような点から私はこれに対する考え方を承っているのであります。その点、非常に経済連としても将来続けるかどうかという悩みがあるようでございますので、その点の事情等も承りたいと思うのであります。
○比嘉参考人 製糖工場におけるバガスの効率的な利用策としてのこの飼料化の問題は、非常に今後の畜産振興のかなめをなすものだと思いまして、県としても積極的に推進したいと思います。総体的な設置計画といたしましては、沖繩本島に三工場、離島の宮古に一工場、八重山に一工場、合計五工場の設置が一応計画されておりますけれども、やはりこれには経済連工場におきまして先ほど申し上げた三億円の膨大な資金が必要だということでございます。 こういう点につきましては、やはり振興開発公庫金融あるいは国の長期低利の融資政策が必要かと思います。
○佐々木委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人各位には長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきましてまことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして、厚く御礼申し上げます。 —————————————
○佐々木委員長 引き続き政府当局に質疑の申し出がありますので、これを許します。野坂浩賢君。
○野坂委員 畑作の共済、園芸施設の共済に関する法案が説明をされたわけでありますが、私の持ち時間のうち、若干の時間を湯山議員が関連をして質問をいたしますので、よろしくお取り計らいをいただきたいと思っております。 この法律の目的は、お話がありましたように、農業経営の安定のための法律でありますが、この試験実施法案が今回提出されるまで昭和三十九年以来、畑作共済制度の検討会なりあるいは農業保険問題研究会等で検討をされたわけであります。検討された結果がこの数年間かかって出されておりますけれども、評判があまりよくありません。農林省が審議会にかけたそれまでの試案として「農産物需給の展望と生産目標の試案」の中にも今後の展望と計画がいろいろと述べられておりますが、この中でも野菜等については相当な伸びを期待されております。したがって、露地野菜等については今回この法案の中に適用作目として入っていないわけでありますが、将来これらについては共済事業の中に取り入れる考え方があるかどうか、まず伺っておきたいと思います。
○中尾政府委員 露地野菜はなぜ対象にできないかというようなお問い合わせだと思うのでございますが、露地野菜につきましては、その品種や銘柄が多様にわたっているだけでなく、一般に作付面積、作柄及び価格の変動がまことに大きいことは御存じのとおりでございます。また経営の格差も非常に大きく、危険の態様もさまざまであるというような理由から、引き受け、料率、さらにまた損害評価等の適正を期する上でいろいろ問題が山積するわけでございまして、これを対象として共済制度を組むということは、従来のような仕組みではなかなか困難なことである、こういうような考え方に立脚するものでございます。
○野坂委員 今回は、過去の検討の中でそういう格差の問題なり不安定の問題なり等があるために対象にならなかったわけでありますが、将来、あなた方がお考えになっております野菜等にしても、六十四万一千ヘクタールから約二〇%増の七十四万七千ヘクタールにも変わっていくわけでありますから、その方向で検討されることは必要ではなかろうかと思うのです。政務次官は、今日の農業の実態あるいはそういう葉菜等は特に伸びが激しいわけでありますから、それらについて将来にわたって検討する、こういう姿勢が必要ではなかろうか、こう思うのですが、どうでしょう。
○堀川説明員 露地野菜につきましては、ただいま政務次官からお答えしたような種々のむずかしさがあるわけでございまして、この問題につきましては、共済というような制度になじむことが可能であろうと思われるまず施設園芸の中における野菜作もあわせて、本体の施設に対する二五%という限定つきではございまするが、取り上げて実行をしていきたい。それもその結果を見まして、できるだけこれから早く本格実施に進めていくという段階でございますので、一般の露地野菜につきましては、橘参考人の御意見の中にもございましたような種々のむずかしさがございますので、この段階で将来取り上げるということをまだ申し上げるような段階に到達していないということでございます。
○野坂委員 この共済の損害評価等をこれから進められるわけでありますが、問題は基準価格ですね。基準価格は品目別に、単位当たりの共済金額をとられるわけですが、その中身としては、生産費・所得補償方式でいくのか、あるいは店頭価格をその対象としてとっていくのか、どういうお考えでしょう。
○堀川説明員 畑作物共済におきます価格についてでございますが、これには法第十条に規定ございますが、農林大臣が定める準則によりまして知事がきめることになるわけでございまして、その場合の方法といたしましては、行政価格のある作目がございます。バレイショ、てん菜、大豆、サトウキビがこれに当たるわけでございますが、これにつきましては原則といたしまして、直近の、最近年次におきます行政価格を採用する、その他のものにつきましては、過去の一定の年間におきます生産者価格を基礎といたしまして定める、こういうふうに考えておりまして、この算定にあたっての基礎資料につきましては、農林統計資料あるいはまた都道府県知事が毎年試験実施をいたします地域の平均価格、こういったものをもとにいたしまして算定をいたす、そういう考え方でございます。
○野坂委員 いまの話では、たとえば大豆等は基準価格が五千八百円あるいはバレイショ、てん菜等がそれぞれきまっておる。その行政価格でやるということですが、たとえばインゲン等は農林統計でやるということです。その統計というのは、北海道で試験実施して調査をする期間では店頭価格でやっておりますね。だから、それは店頭価格か、生産費・所得補償方式かはっきりしてもらっておかないと、これから知事がきめるにあたっても非常に問題が出てくると思うのです。
○堀川説明員 この共済は収穫共済でございますので、流通の店頭段階における価格ということでなくて、農家の庭先価格を基準にしてきめるということに考えております。
○野坂委員 それでは、価格についての考え方、庭先価格ということでありますが、その基準収量はどういうふうにしてきめるかというのはたとえば七年なら七年で一番上と一番下をとって中を五で割る、こういう関係が一つの基準の収量として出されておるわけですね。これについては災害も入る。たとえば四十年から四十七年までとって、四年間災害が続いておる、こういう場合には非常に基準収量について矛盾があると思うのですが、これらのときの措置、基準収量の算定のし方、こういうものはどういうふうにお考えなんですか。
○堀川説明員 これは他の共済の場合にも同様の考え方をとっておるわけでございますが、農作物共済と同じく、従来から平年収量というような観念で基準収穫量をきめるということになっておるわけでございまして、これを踏襲をしてまいりたいというふうに考えております。したがいまして、平年収量という概念を用います以上、そこに災害の要素というものが若干織り込まれてくるということは避けがたいわけでございますが、収穫共済の場合に、他の場合にも通常、平年収量というものを基準にして基準収穫量というものをきめる、こういう考え方を伝統的にとっておりますし、またそれがこの共済の趣旨から見て妥当であろうというふうに判断いたしまして、これによることにしておる考えでございます。
○野坂委員 私がお話を申し上げたのは、平年収量を基準収量にする、こういうことですが、将来も、これは検討期間でありますから、試験実施の期間でありますから変わることは予想されますが、連作で連年災害が続いた場合というのは、災害がなかったらこうなるのだという想定は立つと思うのですけれども、三年も四年も続いたら、一体どうなるのですか。それは平年ということにならぬじゃないですか。
○堀川説明員 これは最近に災害が続いたといいましても、一年、二年をとるわけでございませんので、極端な収量変動の年は除去をする。それ以外のものを平均をいたしまして、それが——災害が続いたということも織り込まれるかも存じませんが、それが通常その地域における大体平年において期待し得べき収量であるというふうに考えられるわけでございますから、これを採用するわけでございます。
○野坂委員 北海道の問題が畑作ですが、内地のほうはハウスなり温室、これが共済の対象なんですが、これは一棟ごとに入ることになっておりますね。この掛け金なんですけれども、先ほども話がありましたように、国の負担というのは、畑作の場合が三割で、ハウスの場合は一割ですね。これは水稲と比べてどういうふうになっておるわけですか。高いのですか、低いのですか。そして低ければその理由を教えていただきたい。
○堀川説明員 施設園芸共済につきましての掛け金についての交付金が一応一割ということを予定しておるわけでございますが、畑作共済に対しまして、これは三割と予定しておるわけでございますから、相当な格差もございますし、それから水稲等、現に農業災害補償法に基づいて実施しておりますものの掛け金率の国庫負担というものと比べて低率であるということも事実でございますが、この点は、実はこの畑作の前に試験実施をいたしました果樹共済につきましての試験実施期間中の交付金が一割であるという前例が一つございます。そういうことがございまして、施設園芸につきましては、やや俗っぽく言えば、果樹と施設園芸というのはやや似たところがあるという要素に着目をいたしまして、したがいまして一割ということにならったわけでございます。 ただ、畑作共済につきましては、これは北海道農業の、畑作農業の特殊性、そういったようなもの、あるいはサトウキビについての特殊性、こういうことを考えまして、まあ一割という議論もありましたわけでございますが、これにつきまして三割にしようと予定をしておるというのが現状でございます。
○野坂委員 施設園芸と果樹栽培とはどういうふうに似ておるのですか。私たちはよく似ておるというふうに理解ができないのです。それから水稲の場合は六割程度になっておると思うのですが、それが一割や三割ということになりますれば、畑作なりあるいはビニールハウス、温室等をやる農家というのはそう財政的に豊かでないというのは、あなたの大好きな農林統計表でも、非常に貯蓄率が低いということは御存じのとおりですね。それに対してあまりにも低過ぎるではないかというのが、三十九年以来検討された段階でも議論が出ておるはずであります。それについて、試験実施でこのような措置をする、あるいは北海道で調査の期間は非常に道が出して農民負担というものを軽減をしておった、これが実施をされることによって非常に高くなってくる、こういうかっこうになってくると思うのですね。それについては十分の配慮がしてないじゃないか。試験期間でありますから、農家の皆さんに負担が軽減できるような措置こそ必要ではなかろうかと思うのですが、どうでしょう。
○堀川説明員 掛け金の負担につきましてできるだけ農家の負担を軽減をして、そうしてこの事業が円滑にいくということを私どもも考えないわけでございませんが、試験実施でございますから、したがいまして、他の要素もいろいろございますけれども、掛け金についての負担を国がどの程度するかということによって、試験実施としての一応の成果が得られるということも考慮いたしたわけでございます。 なお、果樹と施設園芸の経営としての差というものはもちろんあるわけでございますが、いずれもこれは単位面積当たりの収益性がかなり高いし、また労働時間当たりの収益性も高いというようなことが似ている、そういう要素で似ているというふうに俗っぽく考えたわけでございます。
○野坂委員 あなたの考え方で果樹と施設園芸が似ておる、こういうことですから、その案に近寄ってお話をしますと、果樹の試験実施が終わってことしから本格実施になって、五割国が見るということになったわけですね。だから、今度は施設園芸は果樹並みでやるということになると、五割実施に、検討が終わると、なるということですか。
○堀川説明員 実は果樹につきましては本年度から本格実施に移行するわけで、ことしから本格実施の引き受けが始まるわけでございますが、実は本年度におきましても、過去に引き受けたものの実行が試験実施としてもまだ続いておるわけでございまして、全く果樹の試験実施が終わったわけではないわけでございます。そういうような意味におきまして、果樹の試験実施における一割の交付金というものも、現段階において完全に死に切っておるわけでございませんので、そういったこととのバランスや、いろいろ考えまして、一割、三割という交付金率にしたいというふうに考えておるわけでございます。
○野坂委員 農林省は初めからこういうふうに考えておったのですか。大蔵省にはどういうふうな折衝をしたのです。まあ、果樹の実験期間は法的には三月三十一日で終わっておるわけですね。臨時措置法は効力が終わったわけです。本格実施になるわけですよ。だから、その本格実施になる果樹が、五割になってきたというような姿から見て、初めから十分に措置をして、畑作を五割とか、あるいは施設園芸を三割とか、そういうかっこうにすることのほうがやり方としては望ましいし、実態に合っておる。また、農民の共済加入を促進する。これは言うなれば任意加入ですからね。だから、そういうことだったら入らぬというようなかっこうになれば、あなた方の志と違うし、この間も足立篤郎さんが強調をしておられるわけですから、そういう点について進める意味で、他の作目ということを十分配慮してやるのが至当ではなかろうか、順当ではなかろうか。農林省は初めから大蔵省に遠慮して、こういうふうな国の負担を一割と三割、こういうことでやったのかどうか、あなたの真意を聞きたい。やる気があるのかないのか。
○堀川説明員 この畑作共済につきましての交付金の予算化の問題は、実は四十九年度以降の話になるわけでございまして、もちろん予算要求の形で私どもこの法律を立案いたします段階で提出をいたしたわけではございませんが、あわせてこの法律の方針の説明ということで、いかようなる負担を将来において予定するかということにつきまして大蔵省折衝をしたわけでございます。その際、もちろん先ほど申しましたように、農家の負担を軽からしめて、そうしてこの実験事業の目的とする成果ができるだけ得られやすいようにという側面を十分考えたわけでございまするが、いろいろ折衝をした最終の、一応現段階における決着の姿が一割、三割であるというふうに御了解をいただきたいと思います。
○野坂委員 大蔵省は金を持っておって、いろいろ増額をするよりも削るほうが多いのですが、専門家としてはあなたのほうなんですから、もっと説得をしてもらわなければなりません。 それから、さっきお話があったように、たとえど果樹は五割になったけれども、いわゆる本格実施になったけれどもまだ残っておるということですが、それならば一割もらうところと五割国が負担するところとアンバランスになってくると思いますが、どういうふうにしてそれは調整するつもりなんですか。
○堀川説明員 果樹との関係につきましては、果樹は確かに本年から本格実施に入っておるわけでございまして、本年から引き受けをするものについて五割ということになりました。これは本格実施ものが五割ということでございます。それで試験実施は一割で続いてきたということでございます。
○野坂委員 あなたは、ことしから私が本格実施になりますねと聞くと、果樹については三月三十一日で法律の失効になります、だから本格実施です。そうして、よく似ておるけれども、果樹はことしは五割になるところもあるし、まだ試験実施も続いておるところだ、こういうような話であったわけですね。いまの話は、本格実施になったので、いままでは一割であったというような話なんですよ。話が前後して違うじゃないですか。間違っておったら、前は間違っておったと言ってください。
○堀川説明員 私がちょっとよけいな説明を申し上げたかも存じませんが、実は試験実施段階で、四十七年引き受けものは試験実施の関係において、法律関係は本年に引き継がれておるわけでございます。まだ試験実施としての共済責任期間が残っており、そういう仕事が続けられておるということを申し上げましたわけで、若干よけいなことを申して混乱を生じましたのは非常に恐縮に存じます。
○野坂委員 いや、あなたのお話ではこういうことになるのですよ。三年間なら三年間試験実施で、ことしは五割になる、去年その試験実施をやったところはまだ試験実施の期間だ、こういう印象を受けるわけですよ。私たちは、ことしから全部引き受けになるんだ、一割というのはないのだ、こういうふうに理解しておるのですが、それはどうなんですか。
○堀川説明員 新たに引き受けを開始するものについては、先生のおっしゃるとおりでございます。
○野坂委員 私の言うとおりですね。 それでは、この施設園芸のハウスの場合、トマトとかキュウリとかあるいはナスとかコショー、そういうものが対象になっておるわけですが、イチゴその他もありますが、これは内容物には適用しない、最高限〇・二五だ、こういうことになっておりますが、農林統計の調査表等を見ても内容物のほうが、ビニールハウスよりも非常に高いものがある。それが〇・二五に押えられるという理由は何です。 〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕
○堀川説明員 この園芸施設共済を仕組みますについて、私どもが検討した過程で、内容農作物を独立して共済の対象にするかあるいは付帯的に施設と一体をなすものとして共済に付するとしても、内容農作物は内容農作物としての共済金額を独自に定め、評価も独自にするというようなことでやれるかどうかという可能性についてずっと検討したわけでございまするが、これは橘参考人の意見にもございましたように、中で非常にいろいろなものがつくられる。たとえば一つの施設の中で多種類の作物がつくられるということ、また同じ種類の作物でございましても、一つの時期に、同じ種類のもので、生育段階の違うものが同じ地域に幾らもあるというようなこと、そういうものが同一の災害によって被害をこうむるというようなことがあること、あるいはまた、その損害評価にこれはかかわりまするが、被害の起きた時点におきまして、同じ種類の作物でございましても、収穫の初期である、あるいは中期である、もうほとんど収穫が終わった段階である、いろいろ複雑な様相があるわけでございます。こういった様相のある複雑なものを、一つの共済の独立した姿としてまとめることは非常に困難であるという結論に達しましたので、確かに先生のおっしゃるような、あるいは施設が相当耐用年数が経過をし、簡易な施設であって、しかも中に高価な作物が、しかも収穫段階を迎えまして、それ自体を評価すればかなり高価になるという事態もあろうと思いまするが、そういう状況もあることを考えますと、やや不合理な感はするわけでございまするが、やはり施設本体ということに重きを置きまして、そしてそれに付帯的な内容農作物も見るということで〇・二五を共済認可金額として加えるという仕組みをとったわけでございます。
○野坂委員 この共済は建物よりも農作物というところに一番の問題があるわけですね。だから、施設園芸は建物に対しての共済である、この法案を読むと、こういうようにとられがちですね。だから、建物よりも農作物なんだ、これが本法案の趣旨でなければならぬと思うのですが、それはどう思われますか。ただめんどうだからということにしか私には聞こえません。
○堀川説明員 これは確かにおっしゃるように、施設を主体といたしまして、内容農作物については施設に付帯した取り扱いになっているということは、先生の御指摘のとおりだと思います。しかし、これは私ども共済事業をいろいろ仕組む上におきまして、いろいろ検討した結果、単に、非常に複雑で手数がかかるとかめんどうだとかいうことだけでなしに、保険の設計としてとにかくいまの形ではなかなか成り立ちにくい。個別に独立して対象にするとか評価をするとかいうようなことにいたしますと、あまり実行可能なプランというものは立ちにくいということから、やむを得ず、内容農作物も今回のこのような形で、施設だけということでございますれば、これは任意共済でも取り上げ可能なわけでございまするから、内容農作物もできる限り、とにかく取り入れられる限りにおいては取り入れて仕組んでみようじゃないかということで、このような姿にしたわけでございます。
○野坂委員 これは納得できません。言うなれば、たとえばこれは一棟ごとに入るわけですから、一アール十四万なら十四万かかる、しかし中身は三十万も四十万もする、こういうものがたくさんありますね。それで風水害にあって、それが倒れれば一割は負担をし、連合会があとは持ち、そして、国は五〇%以上のものを七割しか持たぬ、こういうかっこうになっておるわけですね。そうすると中身というものはその〇・二五をかけたものでしかもらえない。非常に矛盾があると思うのですね。あなたがおっしゃったように不合理だと思うのですよ。いわゆる副大臣である中尾政務次官は、畑作共済なり園芸施設共済では建物に重点を置かれた、中身は一律に〇・二五だというのは不合理だと思われますか、中尾政務次官、どうでしょう。あなた、責任者ですからね。
○中尾政府委員 いろいろと討論のやりとりを聞いておりますると、これは私自身も少し勉強不足を感じますので、研究してみたい、こう思っております。
○野坂委員 まあ勉強はしてもらわなければなりませんが、責任をもって法案として出しておられるわけですから、政府案として。これがそのまま採決されて——もっと研究をするというふうな段階に入るのですね、あなたの御答弁なら。さらに継続として勉強するというかっこうになってくると思うのですが、そのことは、まずいまのところは、そういうことでいかざるを得ません。 それから時間がありませんから、いま言いましたように、この間、島田議員が足切り問題で質問され、非常に問題になりましたが、これはいま私が言いましたように、国の負担というのは五〇%以上でなければ持たない、こういうことになっておりますね。まず単位の共済が一〇%見て、五〇%以内の被害であれば全部連合会が見なさい、五〇%以上異常災害であった場合は国がその五〇%の中の七〇%を見よう、こういうことになっておりますね。言うなれば、たとえば百万円の品物で八十万円の、八割の被害があった。八割が対象ですから、そうすると一割の八万円を引いて七十二万になる。この七十二万のうちの三十六万円は県が見る、連合会が見る。この八万円を加えて四十四万になるのですが、それを八十万から引いて、実質には二十五万二千円しか国は見ない。こういうかっこうになっているわけですね、数字的に申し上げますと。計算をしてみたのです。そうすると、国の負担というのは非常に低い。連合会等はなかなか苦しくなってくる。 そうすると、これは赤字といいますか、危険負担の点についていろいろ国が配慮して、掛け金のうち再保険で配慮をしていくということになるわけですから、連合会の赤字と黒字の関係が出てくると思うのですね。たとえばよく風の当たる高知県等はしょっちゅうだめになる、こういうことになってきますと、あまり当たらないところはたいしたことないということになって、連合会自体においての五〇%あるいは五〇%以上であっても赤字、黒字が出てくると思いますが、その際には国はどのようにして措置をするわけですか。
○堀川説明員 先生の御指摘は、責任分担の割合について連合会段階について特に心配がないかというお尋ねであろうかと思いまするが、これは園芸施設共済が施設が重要な対象になっているというだけに、農作物共済などの場合に比べますと、連合会段階での、つまり県単位での危険分散がはるかにやりやすいという性格を持っておるわけでございます。またこの事業を進めますにつきまして、損害評価等につきましては組合等あるいは連合会という下部の、と申しますか、再保険特別会計につながっております団体の仕事を通してやられるわけでございますので、かような意味から、農業共済団体にも相当の責任を持っていただくということがより適切である、かような考え方から、国の再保険における支払いの責任というものはむねごとに五割をこえる被害につきまして七割持つ、連合会はその三割とそれから組合等が他の残りの一割持ちます、かようなふうに仕組んでおるわけでございます。長期均衡という観点からいたしますれば、これでまず問題はなかろうかと思いますが、一時的な支払い資金の不足、こういった場合につきましては、農業共済基金からの融資ということでつなぐというふうに考えております。
○野坂委員 時間がありませんからあとは簡単に申し上げますが、たとえば災害があって共済の金をもらう。大蔵省の税務担当官もおいででありませんが、これは税金の対象になっておるわけですね。少なくとも年金と同じように、災害があってもらう分でありますから、これは税金は共済についてはかからない、こういうような措置をぜひ大蔵省と折衝してもらいたい、こう思うんですが、その考え方はどうでしょう。
○堀川説明員 税金のことでございますから慎重に検討いたしますが、収穫共済でありますために、共済掛け金のほうは経費として算入をされるということになります。身がわりといたしまして、支払いを受けました共済金は収入に入れるということで、一応両建てになっております関係から、検討いたしますが、なかなか困難な問題があろうかと思います。
○野坂委員 最後に、田中総理も本会議等で答弁をしておるわけですが、豚なり鶏なりそういうものは自給率を八〇なり一〇〇なりそういうことに持っていくというお話でありましたが、この肉豚なり養鶏等についての共済は将来考えておるのか。それと、この試験実施はいつまでやって、本格実施にはいつごろ入るか、この畑作共済なり施設共済、これについて伺いたいと思います。
○中尾政府委員 田中総理も少しくこの問題点については本会議等でも言及なさった点でございますが、肉豚、鶏につきましては、過去数年間共済制度化の調査検討を続けてまいったわけでございますが、それぞれ防疫の普及によりまして特別の伝染病の発生が減少したこと等によりまして、共済需要が減退している傾向が見えるということ、また損害評価が技術的に困難であるということ等の問題がございまして、直ちに制度化に踏み切れない事情にございますけれども、なお先生御指摘のとおり、この問題点は非常に重要でございますので、引き続き検討していきたいという考え方でございます。
○野坂委員 いままでのお話を承っておりますと、政務次官みずからもまだ問題点がたくさんあるというふうに御指摘がありました。したがって、この法案はさらに検討を進めていかなければならぬというふうにも考えておりますが、この問題と別に、きょうは内村農林経済局長がおいででありませんから審議官にお尋ねをしますが、おたくのほうは、農協の金融機関あるいは農林中金なり全共連といいますか、共済組合連合会、こういうことについても指導監督をされておると思いますが、その指導監督にあたって、農民の金がそこに集中をしておるわけでありますから、農民のためになるような方向、ためにならざる方向というようなものの使途については厳に監督指導しておられると思いますが、そのとおりですか。
○堀川説明員 考え方としてはおっしゃるとおりでございます。
○野坂委員 あなたも知っておられると思いますが、この間水産三法のときにPCBなり水銀の問題でたくさん問題になりましたそういう会社にも資金は流れておりますね。どうでしょう。
○堀川説明員 お話しのような会社に、過去において融資をしたという事実はございます。
○野坂委員 一つの会社にどの金融機関よりも、たとえば最高百二十四億一千万円チッソ株式会社等に貸し付けられておる、これも知っておられると思うのです。 〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕そういう点については、今日の社会情勢から見てどのようにお考えになり、今後どのように御指導になるのか。多くの農民はこの事態を十分見守っておると思うのです。そういう点については厳に指導監督が必要ではなかろうか、こう思うのですが、あなたのお考えを聞きたい。
○堀川説明員 これから先の考え方といたしましては、農家から集まったお金を、かりそめにも農家の不利益に帰着するようなおそれのあるところにやるというような考え方で運用してならないのはもちろんでございまするけれども、もっと積極的に農業それ自体のために活用されることを主体にしつつ、かつ残りの資金の活用についても慎重な態度で臨むということであるべきだと思うのです。
○野坂委員 私がいま数字をあげたことは間違いありませんか。
○堀川説明員 いまお話しの数字は、チッソに対しまする全共連並びに県共連からの貸し付け金の額で、大体において一致しております。
○野坂委員 それでは、この問題なりについてはあらためて、時間がありませんから、さらに検討を深めて議論をしていきたい、こういうふうに考えております。 それでは、先ほど申し上げておきましたように、湯山議員の関連がありますので……。
○佐々木委員長 関連して、湯山勇君。
○湯山委員 簡単に一点だけお尋ねいたしたいと思います。 それはいま参考人からも述べられましたが、農業共済というものは、従来の収量共済、それから昨年のミカンの暴落その他価格変動による農家の被害というものが非常に大きいということから、橘参考人も収量共済と価格変動に対する共済と二つの考え方がある、橘参考人は、この際価格変動に対する共済というのは一緒に考えないことのほうに賛成のような御意見でございました。しかし、実際に現地で扱っておる長畑参考人は、今日段階では収量だけではなくて価格変動もぜひ対象にしてもらいたい、これは単に今回提案になっている畑作共済だけではなくて全共済、そういうふうにしてほしいという強い要請が述べられたことは、審議官もお聞きになったことだと思います。 そこで、さっき野坂委員の質問でも明らかになりましたように、果樹共済の試験実施は一応終わって、四月から本格的実施になった。その果樹共済の試験実施期中に、愛媛県におきましては、果樹共済について収量、価格両方兼ねた共済制度をいろいろ研究して、そして県も費用を出して愛媛方式というものを実施することにいたしまして、今日その段階に入っております。このことは農林省もよく御存じのことだと思いますが、きょうの参考人の御意見あるいは要望等も考えてみますと、こういう制度も試験実施という段階では考えていってもいいのではないか。そういうことがあってほんとうの試験実施というものが生かされてくるというようにも考えるわけでございます。 そこで、お尋ねいたしたいのは、この試験実施の中へそういうものが新たに出てくれば考慮の余地があるかどうか、畑作共済についてそういうことも考えてみられる余地があるかどうかということが一つ。 それから、この臨時措置法、これは果樹共済と同じように、どれかの段階で農業共済に吸収するのか、あるいは独立して畑作共済として恒久立法に直すということを考えておられるのか、将来の処理のしかた、これが第二点です。 それから第三点は、いま愛媛県がやっておる果樹ですけれども、いまの価格を収量と両方兼ねた共済についてどのようにお考えになっておられるか。それはひとつ農林省でも取り上げて、何かの形で試験実施をしてみようというのか、あるいはひとつ検討してみようというのか、なおいろいろ問題もあろうから研究してみようというのか、それについてのお考え、これをお聞かせいただきたいと思います。 なお、これについてはひとつ政務次官からも、審議官の御答弁があったあとで、一言御答弁をいただきたいと思います。
○堀川説明員 お答え申し上げますと、橘参考人の御意見にもございましたように、収穫保険に価格要素を取り込んでまいりますると、やはり所得の保険といいますか、所得の共済といいますか、あるいは経営の共済というふうにだんだんと性格が変わっていく性質のものではないかというふうに考えられるわけでございます。こういった問題につきましては、価格だけ独立的にどう取り扱うかということはなかなかむずかしい問題でございまするので、私ども委託研究で、経営の共済といいますか、そういうものの考え方についていろいろと研究してもらっておりますが、そういうものの一環としてなお今後は続けていきたいというふうに思っておるわけでございます。なお、北海道畑作につきまして価格要素を直ちに取り入れるかどうかの問題につきましては、私どもも、かなり価格の騰落の激しい作目もございまするから、そういったものについてどういう考え方で対処するかいろいろ検討したわけでございまするが、たとえば豆について考えてみますと、これは保険技術上の立場から見てかなりむずかしい点がございます。収穫した豆の全期間にわたって販売が終了してみないと結果が出ないというようなことでありますとか、あるいはまた価格というものは、一物一価と申しまするか、全国的にその危険がいろいろまちまちに出まして、それを分散して共済をお互いにするというようなことよりも、ある意味では、高いときには高く、低いときには低いという画一的な方向に動くという性格もございます。そういう意味からいたしますれば、むしろ他か時間的な差をどうやってならすかというような、つまり価格安定的な仕組みというものとの関係というのが非常に問題になってくるわけでございます。そういうことからいろいろと検討はしたのでございますけれども、現段階において価格を畑作共済について取り込むことは、まず非常にむずかしいというふうに判断をしております。したがいまして、いまのような形における試験実施がある程度の期間やりまして成果が出て、本格実施に移るということであれば、果樹共済と同様、農災法の一部に取り込んでやるということは可能であろうかと思いまするが、価格等を取り込んで、あるいはまた経営共済というような新たな形ということになれば、それはそれとして、新たな全く別の観点に立った立法が場合によれば必要かというふうに考えられます。
○湯山委員 愛媛方式については。
○堀川説明員 愛媛方式については私ども聞き及んでおるわけでございまして、それはそれなりに一つの地域における努力だと評価はいたしまするけれども、先ほど申し上げましたような、価格が全国的な危険分散ということになかなかなじみにくいという性格を本来的に持っておりますために、これを国の制度として取り込むということにはなかなか直ちにはむずかしい点があるというふうに考えております。
○湯山委員 研究はされますか。
○堀川説明員 先ほど申し上げましたように、経営の問題というようなことで、委託研究の中にそういった問題も含め、そればかりということではなくて、検討をなお続けていきたいというふうに考えております。
○中尾政府委員 大体審議官の言う要素に尽きると思うのですが、率直に申し上げまして、この問題は、私も、勉強不足でございますから、もう少し検討してみたいという考え方に立ちます。何と申しますか、先ほどの参考人の意見の模様等も私、聞き及んでおりませんが、価格の要素を十分取り入れていくという先生方のお考えに対しましては、私も、検討の余地があろうかと思いますけれども、存分に研究いたした上で御返答申し上げたいと思っております。
○佐々木委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後零時四十一分休憩 ————◇————— 午後三時五十三分開議
○佐々木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。諫山博君。
○諫山委員 私は、きょうの質問のために沖繩に出かけてサトウキビのことを調べてまいりました。キビ畑も見てきましたし、サトウキビを栽培している農民ともいろいろ話してきました。そして自民党政府の農業破壊政策が沖繩にまで及んでいるというのを知って、深い憤りを感じて帰ってきたものであります。 ことし沖繩では、たくさんのサトウキビがせっかく成長しているのに、収穫が放棄されているという事態が起こっています。現地の人たちは収穫放棄と称しているようですが、こういう事態が起こっているのを農林大臣は御存じでしょうか。
○櫻内国務大臣 一部に労働力不足のためにそういう事態が起きていることは承っております。
○諫山委員 サトウキビといいますと、きょうの午前中の発言にもありましたように、沖繩の農産物の中では中心をなすものであります。沖繩の農民は、サトウキビのことを本土の米と同じものだと言っています。 そこで、サトウキビの一部分について収穫放棄がなされていることを農林大臣も御存じのようですが、昨年度のキビでどれだけの数量、どれだけの価格のものが収穫放棄されたのか、またそれは沖繩の全体のサトウキビの何%を占めているのか、御説明ください。
○伊藤(俊)政府委員 私ども聞いておりますところでは、四十七年で四百二十二ヘクタールでございます。全体の収穫面積二万四千程度にしまして、約一・五%程度ではないかと思います。
○諫山委員 サトウキビについて収穫放棄された理由を農林大臣は労働力不足ということばで説明されました。しかし、その実際の理由というのは、サトウキビの価格が安過ぎるからであります。私は沖繩に行って二カ所で農民と座談会を持ちましたが、みんな口々にこう言っています。価格が七千円ではとても追っつかない、刈り取っても、刈り取る費用にもならないぐらいだ、ばかばかしくて刈り取る気になれぬ、こういうことを農民は言っております。サトウキビの価格が引き合うのであれば、収穫放棄というようなことが起こるはずはないと思います。私は価格が十分補償されてないことが、せっかくキビが成長したのに、それが収穫されない最大の原因だと思うんですが、農林大臣、いかがでしょうか。
○櫻内国務大臣 昨年の収穫の分につきましては、相当大幅な価格の引き上げあるいは運送費の会社持ち、いろいろと対策を講じてまいったのでありますが、ただいまの価格の面で収穫放棄がある、こういう前提に立って考えてみますならば、その後の労働費の急激の上昇、これが影響したものと思います。
○諫山委員 労働費の急激な上昇が影響して、結局昨年度のキビの価格は安過ぎる結果になったという御説明でしょうか、途中で説明が切れたようですが、いかがでしょうか。
○櫻内国務大臣 昨年度価格を決定するときには、従来よりも思い切って価格も引き上げ、また運送費を会社持ちにする等の施策を講じたのでありますが、収穫期における労働力不足、したがって雇用者に労銀を払わなければならないというような事態が、おっしゃるように、価格からの問題とするならば、そういう影響があったのではないか、こういうことをお答えしているわけであります。
○諫山委員 私が聞いているのは、収穫放棄という異常な事態が起こったけれども、その一番大きな原因は、価格が安過ぎたからではないかということです。御答弁ください。農林大臣にお答え願います。
○櫻内国務大臣 それは収穫期の労働費が高くなった影響があったと、そのとおりを申し上げておるのであります。
○諫山委員 いまの答弁では私は納得できません。労働者の賃金が高くなったというのは、要するに、ことばをかえれば、キビの収穫のための経費が高くつくようになった、こういうことでしょう。違いますか。
○櫻内国務大臣 私は正直にお答えを申し上げておるのですよ。価格決定時におきましては、大幅に引き上げもしたし、また輸送費を会社側が負担するような措置も講じた。しかしながら、収穫期において労働費の向上というものが影響したのではないか。 なぜこういうふうに申し上げるかといえば、全部放棄をしたということになれば、それはあなたのおっしゃるような方向のお答えになるかもしれません。しかし、先ほど、一・五%強の地域がそういう影響を受けた、こういうことから私は正直にお答えを申し上げておるのであります。
○諫山委員 事務当局にお聞きします。 昨年度、サトウキビ生産費がどのくらいかかったのか、調査していましょうか。調査しているなら、説明してください。
○池田政府委員 生産費は、鹿児島と沖繩と分かれておりまして、鹿児島のほうが七千三百二十六円、沖繩のほうが八千百四十五円、いずれも第二次生産費でございます。
○諫山委員 鹿児島県と沖繩県と分けて説明されましたが、昨年サトウキビの最低保証価格は生産費を上回っていましたか。下回っていましたか。
○池田政府委員 最低生産者価格が六千九百五十円でございまして、ただいま申し上げましたように、生産費が七千三百二十六円でございますので、三百七十六円だけ生産費のほうが高いという事態が出ております。
○諫山委員 農林大臣にお聞きします。いまの数字がおわかりでしょうか。農林省の計算した生産費のほうが、農林省がきめた最低生産者価格よりかはるかに高い。つまり、つくればつくるほど赤字が出るような仕組みになっているわけです。この事実をお認めになりますか。——農林大臣にお聞きしております。 〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕 数字の具体的な内容は事務当局に聞きました。
○櫻内国務大臣 いや、具体的な内容をいま申し上げます。額だけだったですから。
○池田政府委員 御承知のように、サトウキビの最低生産者価格は、パリティ価格を基準といたしまして、それにその生産費、物価その他の経済事情を参酌してきめるということでございます。したがいまして……(諫山委員「私はそんなことは聞いておりませんから、やめさせてください」と呼ぶ)したがって、この四十七年度の最低生産者価格が六千九百五十円で、ただいま御指摘の実生産費が七千三百二十六円で、そのほうが高いという形にはなっておりますけれども、これはその時点で、四十七年の推定生産費を推定いたしました際に、収量のアップ分が見込まれましたために、生産費が低減するということを参酌の際に考慮いたしましてきめたものでございます。
○諫山委員 農林省の言いわけはけっこうです。とにかく農林省のきめた生産者の最低価格よりか生産費のほうが高いというのは、これはどういうことですか。つくればつくるほど損をする計算になりましょう。あなたたちがどういうもっともらしい説明をつけたところで、生産すればするほど赤字が出るという事態を農林大臣はどう理解されますか。
○櫻内国務大臣 ただいま、したがって詳細の説明をさせたわけでございます。
○諫山委員 この状態を正常だとお考えですか、それともやはりどこかが狂っていると思っているのですか。
○櫻内国務大臣 これはいま御説明をさせましたように、根拠あって数字が出ておるわけでございます。しかし、その生産費が幾らかかったかというのは、今度は結果からおっしゃっておることでございまして、そこのところは、ただいまの御説明でどうしてそういう差ができたかということを明白にいたしたわけであります。
○諫山委員 私は日本の農政の責任者である機内農林大臣に、農民の手取りよりか生産費のほうが高いという現実を是認するのかと聞いているのです。お答えください。
○櫻内国務大臣 これは重ねての御質問でございますが、ただいま申し上げたとおりに、結果的に見てそういう差ができたということをはっきり申し上げておるわけであります。
○諫山委員 生産者の価格をきめるときに予想しなかった事態だと言われるのですか、それとも予想していたんでしょうか。——私、大臣に聞きます。こまかい問題は事務局に聞きますから。
○櫻内国務大臣 詳細は事務当局からお答えをさせますが、先ほどから私がお答えしておるとおり、収穫の結果出た数字と、この価格を予測する場合の数字との、そこに差がある、こういうことでございます。
○諫山委員 大臣は人ごとのように言われますが、サトウキビというのは、何回も言うように、沖繩県の農業の中心です。そして、いまの数字ではっきりしていることは、サトウキビをつくったのでは生活できないどころか、赤字が出るということがはっきりしました。こういう状態というのはいけない状態でしょう。これでいいと言われるのですか。
○櫻内国務大臣 いいとか悪いとかは言っておりません。事実関係を私はお答えを申し上げておるのであります。したがって、もしここに問題があるということ——私は問題があると認識はいたしました。そのことは私も頭に置いております。そうすると、その次の政策を立てる段階において、あるいは価格をきめる段階においておのずから判断をすべきものであって、私が、前任者当時に計算されたものは計算されたように正直に申し上げることが、これが通常のお答えだと思います。
○諫山委員 私は農林大臣に事実を聞いただけではなくて、農政の責任者としての評価を聞いておるのです。これでいいのか、このままで農民はやっていけると思うのか、評価を聞いておるのです。いかがですか。
○櫻内国務大臣 これはそういう事実に直面をしておるのでありまするから、私がこれからの施策を考える上におきましては、十分そのことを頭に置いておく必要があると思うのであります。 そこで、申し上げておきまするけれども、サトウキビ生産というものが沖繩県で重要である、こういうことから、サトウキビの対策としては、ただ単に価格対策だけではなくして、もろもろの施策が講ぜられておるということは、諫山さんもせっかく沖繩へ行かれたのですから、それらのことは十分御認識いただいておると思うのであります。ただ単純に価格の面だけの問題ではない、その点を責任者としては考えていく必要があるわけであります。
○諫山委員 いまのは問題のすりかえです。ほかにいろいろな問題があることは知っています。しかし、価格の問題で安心できるようにならない限り、ほかの問題に手が伸びるはずがありません。そうすると、あなたは、ことしの春、衆議院の予算委員会で瀬長亀次郎代議士からいろいろ質問されたときに、七千円の価格は安過ぎるようなことはないと言われておりますが、いま考えてもその答弁は正しいと思われますか。それとも、いまの時点から考えれば、七千円というのは安過ぎたということになりましょうか。
○櫻内国務大臣 私は諫山さんがおそらくそのことを言われると思うから事実関係だけを明らかに言っておるのであります。予算委員会当時にはそういうデータが出ておりませんで、六千九百五十円として計算されておるものであったのでございまするから、そこで、私としては先ほど来のお答えを繰り返しておるわけでございます。しかし、現在ものごとがはっきりして、当時農林大臣の考えとしてはそれは違うのじゃないか、こう言われまするが、それはその後この計数というものがはっきりいたしたこの段階で、数字がもう明らかに示されておることでありますから、私がここでとやかく言うべきことでなく、皆さんの御批判にまつよりいたしかたない、こういうことでございます。
○諫山委員 そうすると、価格決定のときには間違っているとは思わなかったけれども、当時予想しない事態が生まれてきたから、いま脅えれば、この価格は安過ぎたということになるのですか。
○櫻内国務大臣 その当時は当時の算定の基礎の上に立っておるから、それは安いとか高いとかじゃないのです。そのときにちゃんとデータが出 ておれば、それはまた別の問題でございまするが、だから、そういうことじゃないと思うのですね。結果から見て、当時の価格が安いのじゃないかというお尋ねならば、それは比較論でございまして、その結果については私がとやかく言うものではない。しかし、当時の計算は計算で根拠があってやったことだということは、先ほどからその計数的な御説明をさせておるわけでございます。
○諫山委員 さっきの数字の繰り返しになりますが、サトウキビを一トン生産するのに沖繩の場合には八千百四十五円、ところが農林省のきめた価格は六千九百五十円、これでサトウキビ農民がサトウキビだけで暮らしていけたと思いますか、みんなどうしたと思いますか。
○池田政府委員 ただいま御指摘の八千百四十五円、トン当たりの価格でございますが、これはあの当時における琉球政府が行なったものを三百六十円レートで換算をいたしたものでございます。現実にはそれが生産をされました時期別に考えますと、たとえばこれが沖繩の返還時点のドル換算は三百五円でございますので、これで計算をいたしますと六千八百二十二円になります。それから、この時点におけるそれぞれの費目ごとの投下時期によりまして、その後フロートいたしておりますので、そのフロートによって時期時期の円換算に当てはめて一応計算をいたしますと約七千円ということになっております。
○諫山委員 サトウキビの値段というのはもともと生産費を償うだけではいけないわけですね。生産費を償って同時にまた農民の家族が生活できるような価格でないとだめなわけです。ところが、生産費さえ償えないというような事態が生じたわけです。しかし、それにしましても、砂糖の価格安定等に関する法律の第二十一条は、サトウキビの価格をきめる基準を規定しています。そして一たんきめた価格を一年じゅうずっと最後まで貫かなければならないというのではなくて、「物価その他の経済事情に著しい変動が生じ、又は生ずるおそれがある場合において、特に必要があるときは、改定することができる。」という条文があります。農林大臣は価格をきめる当時に予想しなかった事態が生じてきたからと言われておるようですが、この条項を適用してくれという要求は現地から出ませんでしたか。
○櫻内国務大臣 その点につきましては、いま私の記憶には、当時沖繩の議員のどなたかということははっきり記憶いたしませんが、いまお示しのような条文があるので改定できないかという、私に対しての御要請があったことは記憶しております。しかし、正式には当時、たしか予算委員会ではその後困難であるということを事務当局からお答えをしたように思いますが、いま私に局長のほうから説明がございましたが、かわって詳細説明をさせます。
○池田政府委員 申し上げるまでもなく、最低生産者価格、これは鹿児島、沖繩県を通じて一本としてきめられておるわけでございます。御指摘のように、沖繩本島におきまして価格決定後、特に収穫時点において、去年の十一月以降物価、労賃が非常に上がってきたということでございますが、サトウキビ生産コストの相当部分を占めております栽培管理の費用とかいうようなすでに投下済みの分もございます。しかも前年価格につきましては一応期間を区切ってパリティアップをしておるという、これは一つの方式でございますけれども、そういう形で見込んでおる部分もございます。したがいまして、糖安法二十一条三項の解釈の問題ではございますけれども、これを改定するかどうかはやはりケース・バイ・ケース、特に対象となる全生産地域、この場合には鹿児島、沖繩県全部ということになりましょうけれども、それらの全般を通じて経済事情に非常に大きな変動がある、そしてもはやこのままでは生産を継続することが困難であるというふうな事態を一応想定しているものというふうに考えられますが、しかしながら、それらを勘案いたしまして私どもといたしましてはこれをその時点において改定をするとは——いずれにいたしましても、しかし、沖繩の物価上昇というのは特に最近に至って非常に大きくなっておりますので、したがって、特に問題の御指摘の点は収穫労働時期における物価の騰貴ということが非常に大きいじゃないかということを御指摘になっておられるのだと思いますし、そのことについては私どもも十分認識をいたしておりますので、したがって、これらの効果は、次年度の価格算定にあたって御指摘の事情等を十分反映させて検討してまいりたいと考えておる次第でございます。
○諫山委員 私は沖繩の問題を中心に聞きましたが、鹿児島県のことを少し聞きます。鹿児島県の問題でも生産する費用が七千三百二十六円だというのですね。これは明らかに最低生産者価格よりか高いでしょう。こういう場合にサトウキビ農民はどうして生きていけという方針を農林省はとっているのですか。
○池田政府委員 サトウキビの最低生産者価格は、申し上げるまでもなく、パリティ方式というものをとっておるわけでございます。したがって、前年の最低生産者価格に同年の三月から九月までを分子といたしまして、分母に前年の三月から十一月までということで計算をいたしておるわけでございますから、パリティの適用の限度といたしましてはほぼ一年分のパリティ変動は反映されておりますけれども、その時点の終わりよりあとに価格決定後物価が下落するあるいは高騰するといった変動がございましても、それは価格決定時点で既知となっておる数値で安定させるというのがこの方式の一つの思想になっておるわけでございます。したがって、今回のような価格決定後に急激に変動するというふうな価格の場合には、確かに論理的にも実際的にもいま御指摘になられましたような欠点というものが出てくる方式であることは間違いございません。しかしながら、すでに大半の収穫というものも終わっておりましたあとでございますし、一部についても組み込み済みであるというふうなこともございますので、当然その後の値上がり分というものは、このパリティでは、次期の価格の中に反映していくということになってまいりますので、この際最近の物価の動きというものを来期の価格の中では十分考えていくということで対処したいと考えておる次第でございます。
○諫山委員 私が聞いたのはそんなことじゃないのです。農林省は何で生きていけと考えていたのかと聞いているのです。サトウキビをつくればつくるほど損するでしょう。生活費はそこからもちろん出てこないでしょう。そういう場合に、農民はどうして生きていけばいいのですか。どうでしょうか。
○池田政府委員 ただいま申し上げましたように、パリティ方式というものを採用して現在やっております。その方式の適用の限界というものがあることは事実でございます。しかし、つくっておりますほうの生産者側といたしましては、毎年ずっと続けてつくっていくわけでありまして、生産者価格決定後の変動というものはプラスにもマイナスにも、長い期間には出てくるわけでございまして、したがって、それが非常に大きく飛び離れて全くパリティ価格でやったことがあと直ちにやっていけなくなるという形につながる場合は、むろん先ほど申し上げましたような法律によって改定をするという形が方法としては与えられてあるわけでございますけれども、今回につきましては、先ほど申し上げましたような考え方で次年度のパリティ価格の算定にあたって十分考えていきたいと考えておる次第でございます。
○諫山委員 いまのような答弁で農民は納得すると思いますか。口ではいろいろ専門的なことを言われますよ。しかし、農民がどうして生きていけばいいのかという質問には答えていないじゃないですか。そうすると、あなたの説明では、その間農民は借金していけということになるのですか。大臣、いかがですか。
○櫻内国務大臣 これは一般的に考えます場合に、他の作物の場合でも不作の場合があり、それが引き合わないという結果になる場合がありますね。これはお認めいただけると思うのです。したがって、今回の場合、干ばつ等の影響があったと思うのでありますが、結果的にはサトウキビが合わなかった、赤字になった、こういうことでありますから、これがもし全体的に考慮ができるものであれば、それは法律の上から考えられるが、そうでないという先ほどの事務当局の説明でございまして、これからの次年度のパリティ方式による価格決定の際に考慮すべきことではないかと思うのであります
○諫山委員 私は価格の問題についてこんな押し問答をしようとは思いませんでした。ただ、答弁が一方ではあまりに事務的だし、一方ではあまりにも農民に思いやりがありませんから、私は黙っておれなかったのです。私は最初の価格決定が間違っていたと思います。同時にまた、その後の経済事情の変化があっているわけですから、最初の価格決定の間違いというものはますます拡大してきました。このことを農林省当局は率直に認めて、やはりあれは間違っていたのだ、何らかの是正措置をとるべきだったという立場から、価格の是正、改定という手続をとるのが当然ではなかろうかと思うわけです。ところが、いまの説明を聞いておりますと、農民に対して気の毒だという反省はないようです。また、次年度にはという言い方はありましたけれども、しかし、いままで苦しい思いをして生きてきた農民に対する思いやりがあるだろうかということを、ほんとうに憤りを持って私は受け取りました。 ところで、農林省は沖繩のサトウキビというものはつぶすつもりですか、さらに発展させるつもりですか。
○櫻内国務大臣 これはしばしばお答え申し上げているとおりに、沖繩の基幹作物であるということは言うまでもないのでありまして、サトウキビの生産増強の上に、あるいは省力化のための機械導入の上に、各種の施策を講じておるということは、これは御承知であろうと思います。
○諫山委員 ことしの農業白書の中に沖繩のサトウキビの問題が出てきます。そしていま農林大臣が言われたようなことばがそこに並べられているのです。しかし、たとば基盤整備だとかあるいは合理化というようなことを言ってみたところで、肝心の価格が補償されていなかったら農民はそういうものに乗ってこないと思います。農林省はもう沖繩のサトウキビを見捨てたのだとたいていの農民が理解しています。そういう中で幾ら基盤整備をしろといってみたところで、機械を導入しろといってみたところで、とても農民は乗ってこないと思います。私も沖繩でいま大臣が言われたような問題が必要な状況になっていることは認めます。しかし、そういう問題を解決する前提として、引き合うサトウキビという価格が確立しなければすべては成功しません。この点、いかがお考えですか。
○櫻内国務大臣 諫山委員のきょうの御質問の中心は、価格について非常に問題とされておるのでありまするが、従来沖繩のサトウキビの価格問題については、今回のような問題は起こしておられないのであります。また四十八年に講じようとしておる、ただいま御批判をもって御指摘になっておりますが土地基盤整備事業費は、前年度を大幅に上回る十二億円が計上されておるのでございまするし、また、その他の施策の上におきましても、七千六百二十九万円の各種の施策を講ずる予算を計上しておるわけでございます。 また、価格につきましては、昨年においての価格計算の時点においては、そのときのデータをとって、それが結果的にはきょう御批判のようなことになっておりまするが、ことしの価格決定につきましては、最も近いデータをとってパリティ方式できめるのでございまするから、それに伴っておのずから今後の新しい情勢が出てくると思うのであります。
○諫山委員 サトウキビについては、法律によって生産振興計画の作成が知事に義務づけられています。そして、これは農林大臣が承認するということになっているようですが、もちろん、これに従っていろいろ生産計画が過去においてもつくられてきたと思います。どれだけの生産をするつもりかという生産計画と、実際にどれだけが生産されたのか、生産実績、これはどうなっていましょうか。この数年間について御説明願いたいと思います。
○櫻内国務大臣 四十五年から申し上げたいと思いますが、四十五年は、収穫面積は二万七千七百五十八ヘクタール、十アール当たりの収量は七千百四十一キログラム、生産量は百九十八万二千トン。四十六年には、二万三千三百六十五ヘクタール、十アール当たりの収量は五千四百十五キログラム、生産量は百二十六万五千トン。昭和四十七年については、これは見込みでございまして、若干の狂いがあると思いまするが、収穫面積は二万四千七十七ヘクタール、十アール当たりの収量は六千三百キログラム、生産量は百五十一万七千トン。逐年増加をいたしてまいっておるのであります。——ちょっと間違えました。逐年と申し上げましたが、四十六年には、先ほどから申し上げておる干ばつの影響を受けておりまするので、その影響がただいま申し上げた数字の上にあらわれております。
○諫山委員 生産量についていいますと、生産実績は生産計画をはるかに下回っているように見えるのですが、どうでしょうか。
○伊藤(俊)政府委員 先生御指摘のとおり、ただいままでのところでは、生産実績あるいは生産見込みというものが、私どもが考えている長期の目標に比べますと、下回っていることは事実でございます。
○諫山委員 私が、沖繩のサトウキビは守るつもりかつぶすつもりかと聞いたのは、この点があったからです。せっかく法律に従って生産計画を立てた。ところが、この何年かの生産実績というのは、生産計画の六割から七割から八割という状態にとどまっています。これでは、幾ら口で、サトウキビは沖繩の基幹産業だからと言ってみたところで、とてもサトウキビを大事にする政治がやられているとは思えません。特に、ことしの場合は、キビ価格が極端に安かったというので、深刻な打撃を受けているわけです。 そこで、お聞きしたいわけですが、こういう事態が出てきた一番大きな原因というのは、物価が上昇した、あるいは人手が足りなくなった、こういう点にあるんだと農林省はお考えになっているのでしょうか。
○伊藤(俊)政府委員 沖繩におきます最近の農業労働力というものがかなり減少いたしておりまして、それに農業労働力の流出というようなことが、やはりサトウキビの、ことに一番労働力を要します収穫という作業に影響が参りまして、サトウキビの生産が停滞をいたしておるということでございます。
○諫山委員 午前中の沖繩県農林水産部長の御説明では、沖繩の農業労働者に払われる賃金が、高い場合には四千円をこすという説明がありました。私の聞いたところでは、サトウキビを一反収穫するのに、一人の労働者が二日間働かなければならぬという話です。だとすると、農林省のきめたキビの価格というものは、収穫に要する労働賃金にも足りないのじゃないかというふうに思われるし、事実、現地ではそういうふうにみんな言っていますが、農林省は、その点どういうふうに把握していますか。
○池田政府委員 ただいま、先ほど御説明申し上げましたように、サトウキビの価格の算定方式は、パリティによっております。したがいまして、基準時におけるそれぞれの生産費目が、このパリティの倍率の中に生かされておるというふうに考えますので、厳密には幾ら入っておるということを申し上げることはできませんけれども、現在、御指摘のように、沖繩の現実の労働賃金が、最近に至って特に上がっておりまして、私ども手元の労賃でも、三月、四月は二千四百円以上というような形になっておりますので、したがって、参考といたしておりますところの農村地場労賃というものが約千五百二十六円ということになっておりますので、これと比較いたしますと、かなり現実の最近の労賃は高いということは言えようかと思います。
○諫山委員 私の質問に対して、パリティ、パリティということばがしきりに出てきました。おそらく十回以上出てきたでしょう。しかし、沖繩で、このことばぐらい人気の悪いことばはありません。これでは、農林省のほうではいかにももっともらしい説明をするのですが、実際は生産費を償っていないわけです。 そこで、いま沖繩なり鹿児島県のほうでは、キビ価格のきめ方、算定のしかた自身を根本的に改めてもらいたいという要求が出てきています。たとえば沖繩人民党の政策の中では、サトウキビ価格について、当面少なくとも米作農民と同じ労働報酬が得られるようにすることということを掲げています。また、沖繩県農協の中央会では、本土の生産者米価同様、生産費及び所得補償方式によってサトウキビの価格を算定するように要求するというふうに言っています。県農協中央会がその理由としてあげているのは、沖繩におけるサトウキビは、本土の米作に匹敵する作物だからという点のようです。つまりパリティ方式というのは、いろいろもっともらしいことを言うけれども、実際は生産費を償わないのだ、違った方法でわれわれのサトウキビの価格を計算してくれ、本土の米の生産者価格のような方法でやってくれという要求が農林省にも届いているはずですが、そういう要求を御存じかどうか。またそれに対して、農林省としてはどう考えているか。御説明ください。
○池田政府委員 御指摘の最低生産者価格を米価と同じような労賃評価として、生産費・所得補償方式でやってくれという陳情は聞いております。 それから、従来のパリティ方式が常に生産費を下回るということではございません。先ほど大臣からも申し上げましたように、たまたま沖繩につきまして大干ばつ、あるいは鹿児島について非常に大きな被害がございまして、当初算定時期に見込みました推定生産費が狂った。このために現在は非常に不幸な事態が特に起こった。それより以前のパリティ時期におきましては、大体生産費よりも決定価格は上回っていたという事実はあるわけでございます。 なお、最低生産者価格の算定に米価並みの方式ということでございますが、これは御承知のように、現在の砂糖と米とは需給構造が全然違う。特に米の場合は、おおむね一〇〇%を国内自給をベースにして生産体制をとっておりますが、砂糖の場合には、現在約二〇%程度の自給である。また、鹿児島とかあるいは沖繩産の甘蔗糖の価格水準は、国際水準から見て相当の割り高であるというふうなこともございまして、長期的に見て、国際価格の傾向を考えながら、目標生産費を五年ごとにきめるというふうなことで、国産糖全体の合理化を、同時に価格安定制度の中の仕組みではかうているということにリンクしているというふうな仕組みもあるわけでございます。したがいまして、全体の生産基盤の整備その他、機械化等を含めまして、全体の生産構造を高度化していくという労働生産性向上の見込みにつきましても、米のように一つの時点まで達したものとは違って、なお努力いかんによっては十分生産性をあげ得る余地のある作目であるというふうなことも含めまして、総合的な所得確保対策として、この価格問題もその中の一環として考えていくべきであると考えておる次第でございます。
○諫山委員 沖繩県農協中央会などが私に強く訴えたのは、やはり計算方式の問題です。そうすると、農林省としては、沖繩県農協中央会とかその他たくさんの農民団体が現在要求しているような価格算定方式は、考慮していないということになりますか。
○池田政府委員 ただいまの実態から考えて、生産費・所得補償方式をサトウキビに直ちに当てはめることについては、なお問題があろうかと考えております。先ほど大臣からも申し上げましたように、しかしながら、沖繩と申しましても、たとえば本島と離島の間には生産基盤の差も非常にあるわけでございます。したがいまして、臨時糖業振興費といったような形で、砂糖全体の、消費者までつながる価格安定の仕組みというものをこわさない範囲で、しかも農民からサトウキビを高く買い得る形の臨糖費の補助ということで、弾力的に対処してまいりたいと考えておる次第でございます。
○諫山委員 大臣にお聞きします。 前年度のサトウキビの最低生産者価格が非常に低くて、現実には生産費さえ償えなかったということが明らかになりました。そして、この問題が正常な状態でなくて、何らか是正を要する状態だということは、農林大臣もお認めになったと思います。そして、その是正は次のサトウキビの価格をきめるときに考慮するのだというふうに私は理解したいのですが、そう聞いていいですか。
○櫻内国務大臣 現在のパリティ方式の計算によりましても、沖繩における御指摘のような実勢というものは当然反映していくと思います。
○諫山委員 価格のきめ方がいろいろ論議されているわけですが、どういう方法できめようとも、サトウキビの価格は、第一にサトウキビの生産費を償う、さらにサトウキビを栽培している農民が生活できるような水準の価格、これが要件になると思いますが、この点は、大臣、いかがでしょうか。
○櫻内国務大臣 これは御説明するまでもないと思うのですが、一応サトウキビ農家の経営規模というものが問題になると思うのですね。私の記憶では五反が基準ではないかと思いますが、それよりも小さい面積でサトウキビをやられるという場合は、必ずしもおっしゃるようにいかない場合が出てくると思います。
○諫山委員 そうすると、サトウキビの価格というのはどんなことがあっても生産費を割るようなことがあってはいけない。これはお認めになりますか。これはもちろん平均的な生産費のことを言っています。
○櫻内国務大臣 このパリティで計算をするときに、平均農家にありましてはおっしゃるようになると思います。
○諫山委員 さらに、サトウキビの価格というのは、生産費を償うだけではなくて、平均的な農家の生活を維持できるような価格でなければならないという点はお認めになりましょうか。 〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕
○櫻内国務大臣 生活維持というのが非常に幅が広うございますから、現在どういうふうなデータをとっておるかは、事務当局からお答えさせます。
○諫山委員 だから、私は平均的なということばを使いました。非常にぜいたくできるような生活とは言っておりません。サトウキビの価格というのは、本土における米の価格に匹敵するものですから、やはり生産費を償う、同時にまた農家の平均的な生活は維持できるようなものでなければならないというのが最低限の要求だと思いますが、違いましょうか。
○櫻内国務大臣 やはりこれは専門的に事務当局が答えるほうがいいと思うのですが、平均的といっても、諫山委員の御質問からいうと、稲作農家の場合を頭に置いておられるのか、あるいはどういう場合を頭においておられるのか、日本全国の平均でお聞きになっているのか、沖繩の場合で言っているのか、なかなかそこはとりようによってお答えしにくくなりますので、現にとられておるやり方について説明をさせます。
○池田政府委員 たびたびの引用で恐縮ですが、パリティ価格という方式をとっておりますので、一応そのパリティ価格の基準とされる、総合パリティ価格の中に含まれておる農家の生計費あるいは参考とされるところの生産費、その中に一応含まれている諸コストからはね返られる通常の生計費、労賃その他、そういったものは当然この中では考えられるということでございます。
○諫山委員 沖繩県も、あるいは鹿児島県の南西諸島も、台風が非常に激しいところです。干ばつもしばしば起こっています。ですから、現地の人たちの話を聞きますと、やはり何らかの共済制度はほしいと言っています。しかし、私は、ほんとうに沖繩や南西諸島のサトウキビ栽培が発展するためには、その前に解決すべき問題がある。それはサトウキビの価格だと思うのです。もちろんそのほかにも基盤整備とか合理化とか、たとえば農業白書がいっているような問題も残っています。しかし、こういう問題を前向きに処理していくためにも、サトウキビの価格が保障されているということが大前提になるわけです。ところが、実際は、沖繩が昨年祖国に復帰した、そしてサトウキビ農民の生活は楽になるのじゃなくて、ますます窮迫化した、収穫放棄さえ出てきたというような事態が起こってきております。沖繩の祖国復帰によってサトウキビ経営がますます苦しくなるというようなことでは、これはたいへんな問題だと思う。私が幾らか感情的なくらいこの問題を執拗に質問したのは、そういう観点があったからです。 私、農林大臣に最後にお聞きしたいと思います。共経制度をつくり上げるためにも、また沖繩の農業をほんとうに発展させるためにも、やはりキビの価格を確立する。そして安心して合理化がやれるようになるし、安心して共済制度の適用を受けられるというような状態をつくってやらないとだめだと思います。祖国復帰後非常に深刻な事態がサトウキビ農民に生じてきているという事実を認識しながら、これから行なわれるキビの価格の決定などについてどういう方針を持っておられるのか、御説明願いたいと思います。
○櫻内国務大臣 諫山委員のきょうのサトウキビについての御質問については、私は現実を踏まえておっしゃっていることはよくわかるのであります。ただ、私の立場上、現にお答えのしようによってはすぐ具体的な措置を講じなければならないというようなことになって、それがまたできないというようなことに相なりますれば、これは不本意でございまするので、私としてはすべて正直に受けとめて、正直にお答えをしておるわけでございまして、今後のサトウキビ対策として価格の問題について十分配慮するようにということについては、これも先ほどからのお答えの中で申し上げておるように、現在の実情というものを反映させてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○諫山委員 繰り返しになりますが、ことしの春ごろのサトウキビ農民の状況が非常にきびしいということは御運解いただけたと思います。そして一たんきめたサトウキビ価格だから、なかなか年度内には改められなかったという事情も説明されました。だとすれば、当然次のサトウキビ価格でこういう問題は十分考慮するというお答えが出てしかるべきだと思いますが、どうでしょう。
○櫻内国務大臣 これはいま申し上げたと思うのです。そういうもろもろの指標、データというものは計算の上に当然反映をしてくる、こういうふうに見ております。
○諫山委員 終わります。
○佐々木委員長 次回は明二十七日、水曜日、午前十時委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十四分散会