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71回国会衆議院1973/06/20

農林水産委員会 第34号

発言数
44
登壇者
4
会派数
2
開催日
1973/06/20

会議録

佐々木義武自由民主党

○佐々木委員長 これより会議を開きます。  畑作物共済及び園芸施設共済に関する臨時措置法案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。櫻内農林大臣。     —————————————

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 畑作物共済及び園芸施設共済に関する臨時措置法案につきまして、その提案理由及び主要な内要を御説明申し上げます。  農業災害補償制度につきましては、制度創設以来、農業経営の安定のため多大の寄与をしてまいったことは、御承知のとおりでありますが、最近における農業事情の変化に対応して、本制度の対象範囲を拡大し、新しい部門にもこれを適用することが関係各方面から強く要請されるに至っております。  政府におきましては、このような情勢にかんかみ、果樹について五年間の試験実施を経たのち、本年度から果樹共済事業を本格的に実施することとしておりますが、農業生産の適地適作を推進していくためには、さらにその他の畑作農業等についても、適切な災害補償制度の確立が強く望まれているのであります。  このため、政府といたしましては、従来から主要な畑作物及び施設園芸に関し、種々調査検討を続けてまいったところでありますが、本格的な共済制度を樹立するのに必要な諸種の資料がなお十分整備されていない状況でありますので、まず試験的に事業を実施し、その過程において共済掛け金率算定のための基礎資料の収集、損害の評価等事業通常上の諸問題の検討を行ない、適切な災害補償制度の確立に備えることといたした次第であります。  以上がこの法律案を提出する理由でありますが、以下その主要な内容につきまして、御説明申し上げます。  第一に、今回試験実施を行なおうといたしております共済事業は、畑作物共済と園芸施設共済の二種類であります。その対象としましては、畑作物共済におきましては、主要な畑作物のうちから政令で定めることといたしておりまして、当面、バレイショ、てん菜、大豆、アズキ、インゲン及びサトウキビの六品目を予定しております。また、園芸施設共済におきましては、温室その他の施設園芸用施設を予定いたしております。なお、園芸施設共済におきましては、内容農作物もこれに含めて対象とし得ることといたしております。  第二に、事業の実施につきましては、特定の農業共済組合等及び農業共済組合連合会をその申請により都道府県知事または農林大臣が指定し、その指定を受けたものが共済事業及び保険事業を行ない、さらに政府がこれに対する再保険事業を行なうことといたしております。  第三に、事業の内容でございますが、畑作物共済におきましては、対象畑作物につき、自然災害、病虫害等による損害が一定割合をこえた場合に、また、園芸施設共済におきましては、対象園芸施設等につき、自然災害等によって損害が生じた場合に、それぞれ、共済金額及び損害割合に応じて共済金を支払うことといたしております。  第四に、国は、農業共済組合等及び農業共済組合連合会がこの法律による共済事業または保険事業を行なうのに要する事務費を補助するほか、共済事業の円滑な実施をはかるため、畑作物共済及び園芸施設共済に加入する者に対して、交付金を交付することができることといたしております。  このほか、農業共済基金の融資措置等事業の円滑かつ適正な運営を期するために必要な事項についての規定を設けることといたしております。  以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。  何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決いただけますようお願い申し上げます。

佐々木義武自由民主党

○佐々木委員長 以上で本案の趣旨説明は終わりました。  次に、本案について補足説明を聴取いたします。内村農林経済局長。

内村良英農林省農林経済局長

○内村(良)政府委員 畑作物共済及び園芸施設共済に関する臨時措置法案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。  本法律案を提出いたしました理由につきましては、すでに提案理由において申し述べましたので、以下その内容につき若干補足させていただきます。  この法律案は全六章及び附則からなっておりますが、まず第一章におきましては、この法律案の趣旨等を定めております。  この法律は、農業共済組合及び市町村による畑作物共済事業及び園芸施設共済事業、これらの共済事業による共済責任についての農業共済組合連合会による保険事業並びにその保険事業による保険責任についての政府による再保険事業を試験的に実施するための必要な措置を定めることによって、畑作物の栽培及び施設園芸に関する適切な災害補償制度の確立に資することをその趣旨といたしております。  また、畑作物共済の対象とします畑作物は、政令で定めることとなりますが、政令では、畑作物のうち相当規模の栽培実績があり、保険設計も可能なものを選ぶこととし、当面、提案理由説明で申し上げた六品目を予定いたしております。  次に、園芸施設共済の対象とします施設は、施設園芸用施設のうち、温室その他のその内部で農作物を栽培するための施設といたしております。  第二章におきましては、農業共済組合及び市町村が行ないます畑作物共済事業及び園芸施設共済事業につきまして、その実施の手続と事業の内容を定めております。  実施の手続といたしましては、畑作物共済事業または園芸施設共済事業を行なおうとする農業共済組合または市町村は、農業共済組合にあっては総会または総代会の議決、市町村にあっては議会の議決を経て、その行なおうとする共済事業の基本となる事項についての共済事業計画を定め、農業共済組合連合会の同意を得た上、都道府県知事に申請して、その指定を受けなければならないこととしております。  次に、事業の内容でありますが、まず畑作物共済におきましては、共済契約ごとに、被共済者が対象畑作物につき、自然災害、火災、病虫害、鳥獣害等によって政令で定める一定割合以上の損害を受けた場合に、農業共済組合または市町村が共済金額及び損害の程度に応じた支払い割合により共済金を支払うことといたしております。  園芸施設共済におきましては、共済契約ごとに被共済者が対象施設につき、畑作物共済と同様の災害によって損害を受けた場合に、共済金額及び損害割合により共済金を支払うことといたしております。なお、対象施設の内部で栽培される農作物及び付帯的な施設につきましても、あわせて共済の対象とし得ることといたしております。  その他、共済約款、共済金額、純共済掛け金率、資料の提供についての協力要請に関する規定を設ける等事業の適正かつ円滑な運営を期するために必要な規定を定めております。  第三章におきましては、農業共済組合連合会の行ないます保険事業につきまして、その実施の手続と事業の内容を定めております。  まず、実施の手続といたしましては、畑作物共済または園芸施設共済にかかわる保険事業を行なおうとする農業共済組合連合会は、農業共済組合等の場合に準じ、農林大臣の指定を受けなければならないこととしております。  次に、事業の内容でありますが、保険契約は農業共済組合または市町村の段階で共済契約が成立したときに当然に成立することとし、共済責任のうち政令で定める割合の部分を歩合で保険することとする等所要の規定を設けております。  第四章におきましては、政府の再保険事業について規定しております。  農業共済組合連合会が負う保険責任については、政府がこれを再保険する事業を行なうこととし、この場合の再保険契約は当然に成立することといたしております。  再保険の内容は、いわゆる超過損害歩合再保険方式によることとし、再保険金額、再保険料率等につき所要の規定を設けております。  第五章におきましては、国の助成及び農業共済基金の融資等について規定しております。  国の助成につきましては、すでに提案理由説明で申し上げましたとおり、事務費の補助及び共済契約者に対する交付金の交付に関する規定を定めております。  次に、農業共済基金は、農業共済組合等及び農業共済組合連合会に対し、共済金または保険金の支払いに関し、必要とする資金の貸し付け等を行なうことができることとするとともに、印紙税の非課税措置等について所要の規定を設けております。  第六章は、罰則に関する規定であります。  附則におきましては、この法律案の施行期日及び農業共済再保険特別会計法の一部改正について定めております。  この法律の施行につきましては、事業実施のための諸準備に要する期間を考慮して、昭和四十九年四月一日からといたしております。  次に、農業共済再保険特別会計法につきましては、政府の再保険事業の経理は、農業共済再保険特別会計に臨時畑作勘定を設けて行なうことといたしております。  以上をもちまして畑作物共済及び園芸施設共済に関する臨時措置法案の提案理由の補足説明を終わります。

佐々木義武自由民主党

○佐々木委員長 以上で本案の補足説明は終わりました。     —————————————

佐々木義武自由民主党

○佐々木委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鳥田琢郎君。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 畑作地帯におきます農民の皆さんの長い間の待望であります畑作共済が、試験実施とはいえ、今回日の目を見よう、こういうことで本日提案になったわけでありますが、私どもはこれら畑作共済制度の問題につきまして、長い間政府当局にも農民の立場でお願いをし、また相談もしてまいったわけでありますけれども、今回出されてまいりました実験共済の内容を見ますと、私は非常に多くの失望を禁ぜざるを得ないわけであります。  現地におきますそれぞれの畑作農民の期待というのは、今日のように非常に災害のひんぱんに起こる状態の中、さらにはまた農薬の制限の中で病虫害の発生など、なかなかにしてたいへんないわゆる経営上のネックをかかえているわけでありますし、さらにまた大きな問題としては、これら今回出されました六品目の中におきましても、特にそれぞれ特徴と個性を持っている畑作物ばかりでありますから、それだけになかなかこの制度の発足にあたっては難儀をされたであろうということについては十分想像をいたしますし、それだけに期待が非常に大きく持たれていたわけであります。労作に対して、冒頭からいちゃもんをつけるようで悪いのでありますけれども、せっかく待望久しかった共済制度の発足でありますので、この機会に私は若干の問題点を指摘しながら、本格実施に移る過程におきます素材として、十分ひとつ、この共済制度を通して現地で苦労しております畑作農民のそうした苦労に報い得るような制度を確立する、そういう前提に立って質問をしてまいりたいと思っております。  今回は、畑作物のほかに施設共済が加わっておりますけれども、わが党としては、それぞれ地域におります者の立場から、私は、主として北海道の五品目の畑作共済制度のあり方を中心にひとつ議論をしてまいりたい、こう考えております。  さて、前置きが少し長くなりましたけれども、この制度が発足をする前に、すでに北海道においては自主的に地方自治体あるいはまた共済連、こういう立場で実験の共済をやっているわけでありますが、これらの試験結果をどのように政府当局としては評価をされているのか、これをまずお尋ねをいたします。

内村良英農林省農林経済局長

○内村(良)政府委員 畑作物の共済につきましては、昭和三十三年度以降北海道を中心に農林省の委託によりまして被害率及び保険設計上問題となる事項について調査を行ないまして、学識経験者の意見等もあわせ聞くということで、検討を続けてきたところでございます。  この間、北海道におきましては、先生御承知のとおり、農業団体及び畑作農家から強い要望がございまして、昭和四十一年度から四十三年度までの三年間道単独でバレイショ、てん菜、大豆、小豆、インゲンを対象に共済事業の実験実施を行ないました。その実験は五地区百戸を対象に行ないまして、三年間で年間掛け金総額の約一・五倍に当たります三百八十八万五千円の不足金を出しまして事業の実験が終わったわけであります。  このような不足金が出ました原因としましては主としてアズキとインゲンの赤字によるものでございまして、バレイショ、てん菜は黒字を生んだわけでございます。     〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕  そこで、この調査の結果を通じてどういうことが問題になり、今後の検討事項として認識されたかということでございますが、まず第一に、畑作物につきましては、作物によりまた地域によって保険需要に格差がございまして、危険分散に必要な多数加入者の確保についてなかなかむずかしい事情があるということが明らかになったわけでございます。  第二に、災害の態様から見て、一部地域では危険分散をはかりにくいこと、さらに畑作物については作付耕地が年次により変動することが多いほか、収量変動の大きいものあるいは価格変動の大きいものなどがあって、共済事業の制度化についてはさらに検討する必要があることが痛感されたわけでございます。  したがいまして、そういった認識に基づきまして、本格実施を行なうのはまだちょっと早いというところから、今回試験実施に関する法案を御提案申し上げたところでございます。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 ただいまの自主共済実施にかかわる農林省の一応の評価というものが出されたわけでありますが、最後に局長がおっしゃった、危険分散が非常にむずかしい作物である、それから作付収量、価格の変動が非常に激しい作物であるだけに、非常に畑作共済については取り組みにくい、こういう意味のことをおっしゃったと思うのでありますが、その中で、特にバレイショ、ビートを除くほかの三品目については、三百八十八万五千円という赤字を出すに至った、こういう一つの経過が報告されたわけでありますけれども、私は、それぞれこれら実験に当たりました町村の意見などを聞いておりますと、単独でごく一地域にわたるようなやり方ではやはりこの共済制度というものは十分生きてこない。したがって、全道的にあるいは全国的にできるだけ広くこの制度が取り入れられるということでなければならない。また五品目に限るということにも問題があるのではないか、こういう意見などもこの試験実施の中からわれわれ聞いていたわけであります。  今回はこうした自主実験の経過といいますか、三年間の一つの成果を踏まえて、さらに充実したものとして本格実施を直ちにするのかと実はわれわれ期待をしていたわけでありますが、いま局長からお話のありましたように、こうした問題がさらに解明されなければならないので、引き続いて五年間の試験実施をする、こういうふうに考え方をまとめたのだという話でありましたけれども、私はそうした一つの実験の結果を踏まえて、問題点というのが明らかになったわけでありますから五年間もさらに試験をやらなければならないという必要性はないのではないかというふうにこの期間については考えておりました。  この五年間の間においてもいろいろと問題がたくさん出てくることは想像にかたくないわけでありますけれども、農林省が一応出しましたこの案と、主産地であります北海道が一応考えております案との間にもかなりの開きがあるわけでありますので、これらの問題点をひとつ比較しながら、思い切って試験実施であっても中身を変えていくという考えがあるかどうか、その点をまずひとつ冒頭に承ってからそれぞれひとつ御意見を聞きたい、こう思っているわけであります。  局長いま申し上げた点はおわかりいただけなかったかもしれませんが、いろいろと団体からの要求やあるいは農民からの要求があったわけであります。それはもう十分承知をされていたと思うのでありますが、これに対して今回の農林省案というのはかなり後退をしている、こう思うのでありますけれども、これはどこにそういう現地の声を十分反映することができなかった原因があったのか、それをひとつ明らかにしていただきたい、こう思います。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 今回の法案には、現地での検討調査や農業団体との意見交換等を通じまして、農家や団体の意向をできる限り反映させるようにつとめたところでございますが、一つには保険技術上の問題、それから他の共済事業とのバランスの関係、それから試験実施としての制約などからいたしまして、すべて要望どおりになっていないという点のあることは私どももそのように存じておるわけでございまするが、いま申し上げたような点については、この試験実施を通じての検討をまちまして、本格実施の段階でさらに改善につとめてまいりたいと考えております。  なお、先ほど五年間の問題についてお触れになっておりましたが、一応五年間という予定にはしておりますが、法律上は特に試験期間を定めておらず、試験実施の状況を見ながら、早期に結論が得られるようであれば、それに応じて弾力的に対処してまいりたい、このように思っております。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 それでは、この今回出されました法案の中の問題点をひとつ指摘をしたいと思うのであります。  この対象作物については、現段階においては、いろいろと現地にも意見はありますけれども、まずまずバレイショ、てん菜あるいは豆類、こういうふうな限定の中で実施をされるということについては、これは実情としてやむを得ない、こういうふうに私は考えます。  そこで、共済責任期間の問題でありますけれども、この法律の中では発芽期から収穫期までときわめて抽象的に書かれているわけであります。というのは、発芽期といいましても、確かにそれは発芽期といえば具体的でありますけれども、実情から見れば、発芽した後において災害が多く発生するかというと、必ずしもそうはなっていないのであります。  たとえば私のところの斜里郡、網走郡の実態の中では、きわめて恒常的に起こってまいります災害としてきわめて特徴的なのは、御存じの風害であります。これは種をまいたらもうそのときから災害防止を考えておかなければならぬという地域であります。この地域を視察されあるいは調査された方の中では十分御理解をいただけると思いますけれども、発芽以前にたいへんな災害が起こるのであります。昨年も斜里三町を襲いました春先の風害はたいへんな被害をもたらしました。これはビートの種にしましてもあるいはバレイショにしても豆にしても、発芽する以前に風で吹き飛ばされてしまった。こうした災害が、実はこの地域には、昨年度だけではなくてことしもまた起こっておりますし、毎年恒常的に起こっているということが言えると思うのであります。  これは災害対策を進めなければならぬという議論がそこに出てくると思いますけれども、これはまた別におきまして、こうした災害の常襲地帯といわれているところの共済制度のあり方としては、この発芽期からということでは、実は実態にそぐわないという面があります。この辺をどのようにお考えになっているのか、これがまず一点。  それから収穫期ということでありますけれども、これも収穫をするというのは、畑から抜き取って畑に堆積をしたところまでをいうのか、あるいは脱粒をするところまでをいうのか。これは雑穀類であります。それからビートやイモにしても、畑に小さく堆積をするところまでをいうのか、あるいは完全にそこから撤去される日までのことをいうのか、この辺をもう少し具体的にひとつ聞いておきたい、こう思うのでありますが、これは局長からひとつお答えを願いたいと思います。

内村良英農林省農林経済局長

○内村(良)政府委員 お答え申し上げます。  ただいま先生から御指摘がございましたてん菜の風害の問題でございます。私どもも北海道の斜里郡における風害につきましていろいろ実情等の数字を検討したわけでございますが、ただいま先生から御指摘がございましたように、非常に深刻なる風害であるということは私どももよく認識しております。  そこで、特に最近では斜里町で、てん菜風害相互共済というようなことを自主的にお始めになったということも伺っております。そこで、こういった風害が非常に大きな損害を与えるということは私どももよく認識しているわけでございますが、ただ、共済の場合には、やはり共済としての一つの災害対策としての手法と申しますか、やり方と申しますか、そういうものがあるわけでございます。すなわち、現在の農作物共済その他のいわゆる共済制度は、収穫共済といたしまして、収穫時の減収量に応じて共済金を支払うたてまえになっております。したがいまして、再播種によって一定の収量があった場合には、それを基礎として共済金を支払うというたてまえになっております。風害がございまして、もう再播種はできないということになった場合には別でございますが、さらにまだ適期の中にあって種がまける、種をまいたという場合には、いまの共済制度では、その前に風で飛ばされた損害というものについて補償するということが非常にやりにくい。保険の方式からいきますと、収穫保険というたてまえをとっております以上、それがなかなかみられない、こういう形になっております。したがいまして、そういったものにつきましては、共済制度の中でこれを救済しようということには非常に困難がございます。  それから第二の御質問の、収穫後圃場に積んであるものの事故はどうなるかということでございますが、共済責任期間の終期は、刈り取り後通常の圃場乾燥中までということになっておりますので、通常の期間における圃場堆積中の事故は共済事故になるわけでございます。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 共済の性格からいって、所得補償という意味合いを非常に強く持つ限り、非常にむずかしい、こういうお話でありますけれども、ひとつ斜里三町におきます風害の実態というのを申し上げてひとつ再考願いたい、こう思うのです。  四十三年から昨年までの五カ年間に、斜里三町といいますと小清水、斜里、清里、この三町でありますが、これが非常に強い風害の起こる地域であります。非常にひどかったといわれる昨年における三町の被害面積は、再播いたしました面積でいいますと、千五百七十七ヘクタールに及んでいるのであります。その作付面積に対する割合というのは実に二六・八%に及んでいる。五カ年間をとってみましても、延べ面積で四千六百六十六ヘクタールが再播あるいは再々播されるという実態であります。これら作付に対します割合も一六%を下らぬという状態であります。それから金額におきましては、この再播、あるいは天災によります被害、こういうものを全部まとめてみますと、いろいろこれにも試算の問題はありますけれども通常、種代とか肥料代とか機械代あるいは農薬、労務費その他等を積み上げてみますと、これまた金額においては反当たりで四千五百七十三円のいわゆる風害による余分な支出が行なわれた、損害を受けた、こういう数字になるわけであります。これを移植するあるいは再々播をするなどということになりますと、この再播だけで四千五百七十三円でありますから、もう一度被害を受けてまたまき直しをするというようなことになりますと、さらにこの上に二千七百八十七円、ビートの場合の移植では七千三百五十円と、たいへんな被害になるのであります。ですから、いまの制度の中ではなかなか救うのには問題がある、こういうことでありますけれども、この災害が終われば、あとビートやバレイショの被害あるいは病虫害によります災害なんというのは相当人為的にこれは予防することができるということで、三町におきますほとんどの災害というのは、まさにこの風害によるものがその大半を占めるという実態になっています。これがまるきり畑作共済で取り上げられないとしたら、実はこの斜里三町、さらに網走の一部を入れたこの地域における畑作共済は、待望久しきにもかかわらず、実はさっぱり役に立たなくて、せっかくつくってくれたけれども、どうもこれは絵にかいたぼたもちみたいになりかねないというのが現地の実は強い声なんです。  ですから、これを何とかひとつ、今回の畑作共済の中で、特に発芽期からという中で十分ひとつ処理していただけるような道を開いておいていただきませんと、せっかくの実験共済も実は軌道に乗らないのではないかという心配を持っているのであります。どうでしょうか、これは。

内村良英農林省農林経済局長

○内村(良)政府委員 先生御指摘の斜里三町の被害というのは、私どもよくわかるわけでありますけれども、先ほど申しましたように、共済制度の場合には、とれたもので損害評価をするということになっておりますので、収穫期がきてから損害評価をして共済金を払うということになりますので、種をまいて発芽の前に飛ばされたということをみることは、いまの共済制度のやり方の中ではなかなか入りにくいという問題でございまして、一応私どもといたしましては、検討はしてみたいと思いますけれども、目下のところでは、それについて共済制度のワクの中で解決するということは非常に困難な問題ではないかというふうに考えております。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 斜里郡三町におきましては、自主共済制度という一つの考え方を持っておるわけでありますけれども、こうした自主共済にゆだねるんだとしたら、実際には風害常襲地域におきまする畑作共済というものは、根づいていかないばかりか、受け入れられないという心配がございますので、ひとつ局長、いま明確にそれはそうしますということはちょっと答えにくいと思いますがしかし、実情はもう十分おわかりいただいていると思うのでありますから、少なくとも三町で昨年に起こった災害の総体の損害額は実に六千八百万円にのぼるのであります。種をまいて、種が吹っ飛ばされただけでですね。ですから、これはこんなたいへんな損害を受けているのに、いまのルールからいったらどうにもならぬというふうなことはほんとうに残念なんであります。ですから、これはひとつ試験実施期間中においても十分調査研究されるということを望みますけれども、この地域の実態を何としても救うという、そういう共済制度のあり方にひとつ全力をあげて取り組んでいただきたい、こう思うのであります。ただやりとりをいたしましても、なかなかいま明確におっしゃるとおりいたしますということをお答えにくいだろうと思いますから、これはひとつ課題として、先ほど何とか検討してみたい、こういう姿勢をお見せになっているようでありますから、その面に期待して、この質問を打ち切りますけれどもどうかひとつ検討願いたいと思います。  それから、先ほど収穫期の話がありましたけれども、通常いうところの圃場乾燥期間、この通常とは一体農林省ではどういうふうに見ているのですか。

内村良英農林省農林経済局長

○内村(良)政府委員 通常の乾燥期間というのはどう見るかということでございますが、これは水稲を例にとりますと、地域によって乾燥期間が多少日数等に若干の違いがあると思います。その地域の通常の農作業の慣習から見て、大体この程度乾燥に日数を要するという、すなわちそういう常識的な線で考えているわけでございます。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 それでいいんですかね、常識的な線で。これは非常に議論になるところでないかと思います。常識的というのをお互いに解釈し合うと、これは非常に幅の広いものになるのですけれども、これはそういう範囲でかなり幅広いものだぞというふうに理解していいのですか。

内村良英農林省農林経済局長

○内村(良)政府委員 常識的ということで申し上げたのであるいは問題があるかもしれませんけれども、やはり地域によって作物によって違いますので、大体何日だというようなことをここで明確に出すほうがかえって現実から遊離するのではないかと思います。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 それではわかりました。内村局長と私と実際に当たったときに、いやおれはそういうつもりではなかった、おれはこうだという議論がきっと生まれると思いますから、それをひとつ腹に据えておいてください。  それから、いわゆる圃場堆積をしておいてかなり品質低下をするのです。インゲンなんかに至っては、菜豆類の中でも特に赤色のベニキンとかアズキとか、こういう原色に近いものは、色流れというものによってかなり商品価値を落とすものなんですが、これはどういうふうにお考えですか。

内村良英農林省農林経済局長

○内村(良)政府委員 これもなかなかむずかしい問題でございます。豆類が色流れ等によりまして品質が低下して、その結果、食用には供し得るけれども値段が下がるということがあるということは私どもも重々承知しております。  そこで、そういった場合に色流れ豆の損害をどう評価するかという問題でございますが、現在の損害評価のやり方では、品質低下を評価するということはなかなか困難でございます。そこで、それではどういうふうにしたらいいかということでございますが、技術的なことを申し上げますと、品質低下粒を収量から除くということでやればいいわけでございますが、その場合、こういうことがはたして技術的に全部やり切れるかどうかという問題がございまして、現在のところ、これもなかなか困難な問題でございます。こういったことにつきましては、試験実施の段階で私どもといたしましても十分検討はしていかなければならぬと思いますけれども、直ちに色流れ等による品質低下を十分に見れるかどうかという点についてはなかなか困難な問題がございます。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 次に、基準収穫量の問題でありますけれども、今度の法案によりますと、一応七年間、豊凶二カ年を除いてこれを基準収量として見るという考え方を出しているようでありますけれども、実は基準収量のとり方についても非常にむずかしいものがあるでしょう。これは実情は私もよくわかります。特にアズキのような非常に収量の豊凶の差の激しい、ことしは非常によかったけれども来年になったら収穫皆無、こういうふうに非常に豊凶の激しいものがある。さらにはまたビートやイモのように、地域によってはたいへんな収量をあげている地域、さっき名ざしいたしました斜里郡三町、網走郡の一部については、最近のビートやイモの反収というのが著しく向上しておりまして、これを基準反収にとっていく場合には、このとり方ということによっては非常に違ってくるわけであります。この辺の考え方についてはどういうふうにお考えですか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大鹿 指定畑作物の農家ごとの基準収穫量は、農林統計の過去一定年間の収量を基礎として一定の手続により組合が定めることとしておりますが、てん菜、バレイショについては、最近の栽培技術等の普及に伴い反当収量が増加しているので、その設定にあたっては、過去の実績のほか、最近の趨勢値も勘案して適正な基準収穫量を定めるようにしたい、こういうことにいたしておるわけであります。     〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕  なお、過去一定年間につきましては、北海道が四十一年から四十三年まで道単独で実施した実験実施が過去七年中の中庸五年の平均によっているので、それに準じた方法によることを考えております。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 常識的にはそういうふうにお考えなんでしょうけれども、実はビート、バレイショについては、それでは非常に現状とそぐわないものがある、こういうふうに実は考えます。たとえばバレイショでありますけれども、バレイショについては、いまおっしゃったいわゆる過去中庸五カ年の平均のとり方が、とり方いかんによっては収量にたいへんな変化を生じます。たとえばバレイショで十勝を見てみますと、七年のうち中庸五カ年をとる、こういうことで見ますと、反当収量は二千三百七十キロであります。ところが、四十六年の統計調査によります平年反収によれば二千五百九十キロ、こうなります。それから五年のうち三年をとりますと二千四百八十三千口となります。これらの増減割合から見てまいりますと、七年のうち五年、それから統計調査の平年反収と比較してみますと、いま申し上げましたとおり、その差において二百二十キロの差があります。その割合は九二%になるわけであります。ところが、五年のうちの三年というごく最近の数字をとりますと、さっき申し上げましたように、十勝においてはバレイショは二千四百八十三キロで、これを統調収量との比較で見ますと、片や九二%に対して一〇五%ぐらいの開きになる。だから、大臣、いまおっしゃったようなとり方で言いますと、九二%でしかないのであります。基準収量というものはそれぐらい。裏を返せば、私がさっき申し上げたように、収量が年々非常なカーブを描いて上昇しているということが言えるわけであります。これは五品目全部についてではありませんけれども、ことにバレイショ、ビートについては著しいそういう傾向を持っているわけであります。だから、趨勢値を加味してというふうにさっきおっしゃいましたから、その点については私は理解をするのですけれども、しかし、過去の七年間のうちの中庸であるというのであれば、そっちのほうが何か具体的なように聞えますので、そうじゃなくて、いわゆる趨勢値を十分加味した基準収量のとり方に考え方の重点を置いていただきたい、こういう一つの考え方を私は持っております。どうでしょうか。

内村良英農林省農林経済局長

○内村(良)政府委員 私も農蚕園芸局等の関係者から最近における栽培技術の進歩については十分なる情報を得ておりますので、趨勢値等を十分勘案したいと考えます。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 次に、てん補の方式でありますが、これが非常に問題になる点であります。すなわち、足切りという問題です。今回出されましたてん補の方式は、バレイショ、てん菜において二割、豆類においては四割といういわゆる二四方式であります。さらにB案によりますと、各作物五品目を一律三割という考え方が出されているわけであります。しかし、これも現地あるいは農業団体の要請が強く行なわれた点でありますけれども、ただいま申し上げました基準収量あるいは平年の収量等を見てまいりましても、バレイショ、てん菜でいわゆる二割の足切りあるいは豆類で四割の足切りというようなことになりますと、これはとても災害の対象なんかになりっこない。この点の説明をひとつお願いしたいわけであります。

内村良英農林省農林経済局長

○内村(良)政府委員 ただいま先生から御指摘がございましたこの足切りの問題、これにつきましては、この法案をつくります前にいろいろ議論があったところでございます。  そこで、現在実施しております農作物共済あるいは果樹共済などのいわゆる作物共済の場合におきましては、農家の自家保険能力とか、あるいは損害評価の問題ということから足切りを設けておりまして、大体三割になっておるわけでございます。  そこで、今回試験実施いたします畑作物共済も作物共済として同様の性格を持つものでございますので、今般の実験については一応原則として足切り三割ということでやりたい、こう考えたわけでございます。ところが、てん菜、バレイショの場合には三割という被害はほとんどないというような話もございますし、私ども現実のデータに基づいて検討してみましたところ、確かにそういった面もございますので、組合の選択で、てん菜、バレイショにつきましては二割、それから豆類については、豆類は非常に被害が高いということがございますので、四割ということで、三割でいくか、あるいはバレイショ、てん菜二割、豆類は四割という選択を組合がした場合は、それでやるというようなことにしたわけでございます。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 選択方式にしても、一律三割ということになったら、とてもバレイショやビートなんかは話にも何にもならぬのです。豆類では四割ですから、三割になれば、これはだいぶ低くなります。しかし、この際、私はこの選択方式を改めて、バレイショ、てん菜は一割だ、豆類は三割だ、もっと要求したいけれども、当面三割だ、こういうことで試験発車させるべきじゃないですか。もう明らかに、とてもこんな二割、四割なんというようなことでは話にならないですよ、これは。せっかく前段でも、いろいろな幅を持ってこれから十分ひとつ、試験実施とはいえども、本格実施するまでの間に考えていこう、こういう考えをお示しになったのだけれども、この足切りでこれを固執されるのであれば、このいわゆる実施については私は非常に危ぶむ気持ちになります。これで実際に試験に参加してくれるとお考えでしょうか

内村良英農林省農林経済局長

○内村(良)政府委員 足切り一割という御提案があったわけでございますが、一割ということになりますと、やはり損害評価の場合の誤差というものが非常に問題になるのじゃないかということでこれまでの共済事業は長い歴史があるわけでございますけれども、一割足切りという事業は、実験といえどもやったことがないということになっております。そこで、確かに被害が低いことは事実でございますけれども、どうも技術的な問題もあって、てん菜、バレイショ一割というのはなかなかとりにくいのではないかというように考えます。  また、豆類につきましては、これは収穫保険の外の問題であるというようにあるいはお考えになるかもしれませんけれども、価格が減収の場合は上がるということがございまして、ある程度価格騰貴によって農家の所得がカバーされるという面もあるのではないかということで、これも一応三割方式、あるいは組合の選択した場合には四割で実験してみたいというように思っているわけでございます。  ただ、実験の結果、それが非常に無理があるということであれば、本格実施の場合にあらためて考える必要があると思いますけれども、私どもといたしましては、ただいま申し上げましたような理由から、試験実施については一応三割、組合が選択した場合には二割、四割という方式でやりたいというふうに思っておるわけでございます。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 いまの足切りの比較は、私がここで申し上げるまでもない一つの基礎被害率の比較というようなことをなされたと思うのでありますけれども、これによってもたいへんな数字の差があるのです。こういうふうになりますと、これはやっても意味がないし、被害もほとんど救済されない、こういう状態にいまの二割、四割ではなってしまう。これはひとつ、やはり考え直していただかなければならぬと思うのです。ちょっとできないという、いまたいへん冷たい返事でありますけれども、どうですか、これは直ちにいまここでそういうことにならぬのかもしれませんけれどもしかし、これらを十分想定していわゆる試験実施をしてみたいというお考えくらいは持っていないですか。これは全くだめですか。

内村良英農林省農林経済局長

○内村(良)政府委員 先生の御指摘の点、よくわかりますけれども、やはりこれは一つの共済制度としてやるわけでございますから、一割の足切りというのははたして技術的に可能であるかどうかという問題があると思います。そこで、試験実施といたしましては、二割、四割ないしはその三割の選択制でやるというのが一番現実的でないかというふうに考えておるわけでございます。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 どうしてもいまの二割、四割を固執されているようでありますから、これは一つ課題として、これから実際に試験実施される段階でそれを少し見守りたい、こう思います。  そこで、次でありますけれども、これら試験実施にあたってどれくらいの戸数を、北海道の場合でけっこうです、施設あるいはサトウキビの関係については除きまして、北海道におきます畑作の五品目の試験実施の予定地域といいますか、さらにはまた予定町村を、お考えの中にありましたら発表願いたいと思います。

内村良英農林省農林経済局長

○内村(良)政府委員 どの程度のものを見込んでいるかということでございますが、予定地域といたしましては、上川、十勝、北見等の主要畑作地帯を考えております。  そこで予定の対象面積でございますが、私どもが考えておりますのは、大体バレイショが七千ヘクタール、てん菜が五千四百ヘクタール、大豆が千三百ヘクタール、アズキが五千四百ヘクタールインゲンが五千六百ヘクタールで、合計二万四千七百ヘクタール。戸数といたしましては、一万一千戸程度の戸数で実験したいというふうに思っております。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 相当の面積と戸数を予定しているようでありますけれども、今回の加入方式、これも議論の分かれるところでありましょうけれども、この任意加入あるいは当然加入、こういう一つ意見があろうと思います。私は、この当然加入できる、あるいは任意でないにしても喜んで加入できるという、そういうものでなければ、ほんとうは共済制度としては不備なんだ、そう思うのです。それはいろいろ考え方や置かれている条件が違う農家の中では、選択をするにあたって当然こちらは、この制度は非常にいいもんだし、入ってくれる、こういうふうに思っても、そうした条件を異にする場合にはいれないという場合もあるでしょうけれども、私は一般論として、この制度ならわれわれはひとつ進んで実験に加わろうじゃないか、あるいは本格実施になっても、当然だの任意だの言わないったって、皆さんはこれを選んで入るわけですね。そういう点を考えますと、任意加入としたことはきわめて民主的なやり方でありますけれども、しかし、はたして任意にまかしておいて一万一千戸の農家が参加をするかどうか、私は非常に心配を持っております。  というのは、さっきの足切りの問題あるいは基準収量の取り方いかんによってはたいへん差が出る。それから風害の常襲地域における取り上げ方、こういうものが一連して整備をされませんと、なかなかにして実験といえども、これは一万一千戸の農家を選ぶにあたっても難儀をされるんではないかと思います。もちろん私はこれに歯どめをかうつもりはありません。おまえらこんなものはだめだから入るななんていうことは言うつもりはありませんけれども、やはり実験する以上、しかもたいへんな長い期間待望しておりましたこの畑作共済でありますから、皆さんが喜んで入れるというものを私どもはつくってほしかったというのが私の真意であります。  このままでいきますと、私はどうもこの面積の達成、戸数の達成はむずかしいような気がするのですが、その見込みは確実で、自信を持てますか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 これは将来の本格実施に備えて関係農家の協力を得て試験的に事業を実施するたてまえでございますので、そこで任意加入方式をとったのであります。しかし、畑作物共済事業の健全化と安定的な運営を確保して試験実施の目的を達成するためには、関係農家の継続的な加入を確保し、任意加入ということで逆選択などが起きる、そういうことではならないので、これらの防止をはかる必要もございますから、そこで対象作目の一括加入方式の採用をいたしておるわけでございますが、掛け金についての助成等を行なうこととしておりますほか、運用面においてもこの点に十分配慮をいたしまして、この試験実施が目的に沿って十分に成果のあがるように心がけてまいりたいと思います。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 次の問題にも大臣は触れてお答えになりましたが、私は次にその問題を実はお聞きしたいと思っておったところであります。私はいま当然だ、任意だあるいは強制だなんてことを言わなくても入れるような共済制度をつくっていくべきだということを重ねて申し上げておきます。  いま大臣のお話にありました共済掛け金の国庫負担の問題でありますけれども、これは水稲の半分にも満たない三割しか国は負担しない。北海道では道が一割を上積みしようということの動きがあります。これは御承知になっていると思うのであります。しかし、それにしても四割ですね。私は試験実施ならもっともっと高い国庫負担率が出されてしかるべきだと思っておりました。せめて最低限水稲並みの六割二、三分ぐらいは私は国庫が負担して当然だというように考えていたのですが、この辺の考え方はどこにあったのでしょうか。

内村良英農林省農林経済局長

○内村(良)政府委員 米並みの掛け金の国庫補助が必要じゃないかということでございますが、私どもといたしましては、試験実施でございますから、過去の例がございますのは、果樹について御承知のとおり試験実施をいたしまして、ことしから本格実施に入ったわけでございます。果樹の場合には保険料の一〇%、一割の補助であったわけでございます。それで実験をやって、本格実施になってからかなり国庫負担をふやした、こういうことになっておりまして、実は関係方面等との折衝の際も、もう果樹の先例がございますので、実験の場合は大体一割程度でいいのではないかということで、われわれも実はずいぶん苦労したわけでございます。その結果、北海道における畑作の重要性あるいは沖繩におけるサトウキビの重要性ということを考えまして、三割という線で実施することにいたしたわけでございまして、実験でありますからあまり高い、たとえば水稲並みあるいは水稲以上の掛け金負担をして実験が行なわれたら、確かに料率をつくるにはそれでいいかもしれませんけれども、将来の保険事業というようなことを考えました場合には、三割程度が実験で一番いい線ではないかというふうに考えておるわけでございます。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 これはいま果樹共済のことが出ましたが、確かに試験中は一割。しかし、ことしから五割になったわけですね。それはやはり根拠があったから五割になったわけですね。だから、試験は一割でいいんだ、三割でいいんだといういまの内村局長のお話は、私は少しばかり理屈じゃないかと思うのです。現実に果樹を一割でやってみたら、本格に移る場合にはこれを五割にせぬとならぬ、こういうことで五割に上げた。明らかに試験結果を踏まえてそうなったわけだ。畑作共済においては果樹共済と同じような問題あるいはそれ以上の問題をかかえているということは、いままでの議論の中から明らかになりました。だとしたら、少なくとも五割ぐらいの負担をされるべきではないですか。すでに果樹共済において実験済みなんです。ですから、三割ぐらいが適当だと思うと、これは少し自信のないようなおっしゃり方だから、何も突っ込むわけじゃありませんけれども、果樹共済が一割でやったら、これはやはり五割にせにゃならぬということでなったわけでしょう。そのあとにことしから始まる畑作共済は、少なくとも水稲並みがだめなら、この五割の果樹共済並みの国庫負担をすべきじゃないでしょうか。どうでしょう、これは。

内村良英農林省農林経済局長

○内村(良)政府委員 これはなかなか議論のあるところでございます。私どもといたしましてもいろいろ考えたわけわけでございますが、畑作物の被害の実態その他が今後どう試験実施の結果出てくるかということもございますけれども、実験で、先例といたしまして果樹で一割ということもございましたので、諸般の事情をいろいろ考えまして三割ということにしたわけでございます。北海道庁のほうでも、北海道における畑作の重要性にかんがみまして、さらにそれに一割程度の上のせをしたいということも考えられておるようでございますけれども、ともかく実験はそういうことでやらしていただきたいというふうに考えているわけでございます。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 名にし負う内村局長といえども、どうも財政当局の力に屈した、だから、向こうが一割といったやつを、やっとこさ三割にしたのだから手柄を認めてくれ、こうおっしゃりたいんだろうけれども、これはいままでの議論の中でも、足切りが譲れない、ほかもたいへんきびしい。そうであるならば、私はせめて国庫が負担をするのは五割は負担すべきだと思うのですよ。  大臣、これは再折衝されるお考えはありませんか。ひとつ大蔵省農林局なんていわれないように、大事な長い間の懸案である畑作共済の実施がことしから試験というもので行なわれるのですから、胸を張ってひとつこれは大蔵省と折衝してもらいたいと思うのです。われわれも応援しますよ、これは。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 先ほどから内村局長から苦心のほどを申し上げておるのでございまして、その実験が済んで果樹が五割、だから畑作物のほうも五割でいいじゃないかと、御主張はわからないでもないのでありますが、また大蔵省のほうが、実験が一割だった、一割にせい、とは言わなかったのでありますが、今回の実験を三割でということについては、御質問の中でも触れられましたように、農林省としては大蔵当局と相当やったつもりでございまして、いまここで五割にできるかどうかということはお答えができかねるのでありまして、折衝をしろというのでありまするから、しないというわけではございませんけれども、しかし、こういう法案を出す以上におきましては、やはりそこは話がまとまってのことでありまするので、この段階ではたいへんむずかしいということを率直に申し上げておきます。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 これは私は、自民党の皆さんも私の言っていることは無理ないと思うのですよ。ですから、大臣をひとつ激励する意味で、この法案の上がるまでの間に理事会でも十分にひとつこの取り扱いを検討していただいて、場合によってはこの部分だけ議員立法——そんなわけにいきませんが、ひとつ財政当局をこの際屈服をさせなければ、いつもいつも金の出し惜しみで、せっかく櫻内大臣が一生懸命日本の農政をやろうと考えていらっしゃってもいつも財政問題で、いままでの法案の大半はこの財政問題が引っかかってきて、法案は全部通ってきましたけれども、しかし、どうも私どもは釈然としない。なぜこんなに農政に対して金の出し惜しみをするんだろうという感じじが強いのです。  今回の畑作共済というのは非常に落ち込みました価格政策の一つの裏づけといいますか、裏からのささえをするという意味が非常に強い制度でございますから、それだけにそういうものが満たされないとすれば、私は前段でおどかしでなく申し上げたように、試験実施といえどもたいへん現地としては受け入れにくいのではないか。もっと端的に言えば、とてもこんなものではだめだということで参加をしないのではないかというふうに、すでに私どもはこの法案をかなり早く手に入れたときから現地の意見を聞いておりました。非常にそういう意見が強いのであります。  ですから、法案審議を通してその点を明らかにしていかなければならない責任も私どもにあります。せっかく出された畑作共済、もう幾度も言いましたように、久しくわれわれが待望していた制度でありますから、せっかくのこの制度がほんとうに生きてくるように期待をするのは当然であります。頭からこれをつぶすなんという考え方に立って私はいま議論をしているのではありません。ほんとうにこれが生きていくようにわれわれがしなければならぬ責任がある、そう考えますときに、一つ一つの問題をやはり俎上にあげて、政府当局ができない面はわれわれ議員もひとつ与野党あげて力を合わせて、この畑作共済制度の実現をしなければならぬ、こう思うものですから、いささかしゃべり過ぎる意見も申し上げるわけですけれども、ひとつしっかりがんばってほしいと思うわけであります。  持ち時間がなくなってまいりましたから、私の質問はこれで終わりますけれども、きょうはごく一部の問題点のみを議論の対象にいたしました。全体を通じて、どうかひとつ園芸施設共済あるいはサトウキビに至るまで、この共済制度が五年を待たずして一刻も早く本格実施に移されるようにひとつ本法案を通じてその中身を充実させる、そのための議論を私どもはしたい、こういう願いを込めて、私の持ち時間を消化したわけであります。どうかひとつ腹を据えて、この共済制度を農家に非常に喜んでもらえるような形にしていただくように最後に希望を申し上げますが、大臣から一言決意のほどを承って、私の質問を終わりたいと思います。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○櫻内国務大臣 せっかく北海道で実験をされましたのを本格的な実験に今度は取り上げていこうというこの際でございまして、先ほどもお答えを申し上げましたように、五年のめどをつけておりまするが、この実験が早急に成果をあげまして本格的なものに推移していきたい、その間にいろいろ御意見を賜わって、それらをよく検討して実のあるものにいたしてまいりたい、かように思っておる次第でございます。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 以上、終わります。

佐々木義武自由民主党

○佐々木委員長 次回は明二十一日、木曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後三時三十五分散会

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