農林水産委員会 第27号
- 発言数
- 204 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1973/06/05
会議録
○佐々木委員長 これより会議を開きます。 開拓融資保証法の廃止に関する法律案を議題とし、審査を進めます。 本日は、まず本案について参考人から意見を聴取することといたします。 本日御出席の参考人は、全日本開拓者連盟委員長菅野仁一君、農業信用保険協会理事長齋藤誠君、以上二名の方でございます。 両参考人に申し上げます。 両参考人には、御多用中にもかかわらず、本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとう存じます。 ただいま本委員会におきましては、開拓融資保証法の廃止に関する法律案について審査をいたしておりますが、本案につきましては、両参考人のそれぞれの立場から忌憚のない御意見をお聞かせいただきたいと存じます。 なお、議事の都合上、まず御意見をお一人十分程度で順次お述べいただき、その後、委員から質疑があればお答えいただくことにいたしたいと存じます。 御意見の開陳は、菅野参考人、齋藤参考人の順序でお願いいたします。 それでは、菅野参考人にお願いいたします。
○菅野参考人 私は、全日本開拓者連盟委員長の菅野であります。 このたび開拓融資保証法の廃止に関する法律案の国会審議にあたりまして、当委員会では、私を参考人としてお招きいただき、われわれ開拓者の意見を聴取する機会をお与えくださいましたことを厚く御礼申し上げたいと存じます。 さらに、この機会に、はなはだ僭越でございますが、衆議院農林水産委員会におかれましては、戦後開拓政策の出発以来、終始一貫、各種の開拓関係法律案の審議はもちろん、開拓事業の全般にわたりまして、われわれ全国の開拓者のために御審議、御指導、御援助を賜わりましたことを、全開拓者にかわりまして深く感謝申し上げ、重ねて厚く御礼申し上げる次第でございます。 さて、私は、御指示に従いまして、現在審議中の開拓融資保証法の廃止に関する法律案に関連いたしまして、われわれ開拓者の意見を若干申し上げさせていただきたいと存じますが、すでに御承知のように、戦後の開拓政策はその発足以来幾多の変遷をたどって今日に至っておりますが、その長きにわたる開拓事業の推移と、内外にわたる社会経済諸情勢の激変によりまして、開拓行政もここに大きなる変革を余儀なくされ、政府は、数年来、その特殊行政を一般農政に移行させようとして、開拓者負債対策をはじめ諸般の対策を進めてこられ、その一環として、今回の開拓融資保証法の廃止に関する法律案が国会に提案、審議中と理解いたしております。 われわれ開拓者といたしましては、政府が現在進められております戦後の開拓行政を一般農政へ移行させるとの方向につきましては、開拓者に対する諸施策が、入植以来長期間にわたって、開拓行政という特殊行政のレールの上で実施されてきたこと、また、今日に至ってもなお相当の問題点が残されている実情等から見て、開拓行政のレールがはずされ一般農政へ移行することにつきまして、率直に申し上げまして抵抗感があることは事実であります。しかし、詳しいことはこの際申し上げる時間がないので省きますが、あらゆる総合的な考慮をした上から、原則的には、一般農政への移行はやむを得ないものと理解しておるところでございます。 しかし、今日全国の開拓者が最も心配しておりますことは、開拓行政が一般農政に移行されることによって、われわれの開拓農業と農民がその中に埋没し、いつの間にか消し去られるのではないか。すなわち、あとで申し上げまするいろいろの問題点が未解決のまま放置され、一般農政の中では解決されないのではないか。受け入れ側の一般農政の機構や制度仲人の中において、われわれ開拓農業や農民の長所、短所にわたる特性が十分理解され、消化されていくであろうか、このような不安であります。 われわれ開拓者は、入植以来、幾多の苦難や試練を乗り越えまして、今日全国にわたって十万戸余りが主として酪農、畜産、果樹、養蚕、野菜等畑作部門において、大部分が専業農家を目ざしてがんばっております。一般農家に比して多額の負債、道・水路等整備のおくれ、その他営農、生活環境の劣悪等、不利な条件はありますが、われわれ開拓者の営農意欲と努力の上にこれらの諸条件の不備を解消し、さらに積極的な金融その他の諸施策のよろしきを得るならば、十分開拓農業の特徴を生かし、わが国農業の中核として今日までの成果を維持することはもちろん、さらに発展の道を進むことができるものと確信しております。 つきましては、以上の観点から、今回の開拓融資保証法の廃止に関する法律案の御審議にあたられましては、単にこの法律によって開拓融資保証法と農業信用保証保険制度との統合による諸問題の解決のみならず、開拓連合会再編整理事業の円滑完全な実施、開拓道路、飲雑用水等補修事業の追加実施等による環境、基盤整備等、戦後開拓政策の収拾策の円滑かつ完全な処理につきましても格別の御配慮をお願いする次第であります。 なお、戦後の開拓行政は近くその終幕を告げることになりますが、私は、戦後長きにわたる開拓農民としての体験、及び現下の農業諸情勢の容易ならざる実情よりして、この際、政府が新しい農用地政策、特に、専業農家として生き抜こうとする農民の農用地防衛対策と経営規模の拡大策について積極的な施策を進められるよう、当委員会において特段の推進をはかっていただくようお願いいたします。 以下、簡単に個別の問題点につき意見と要望を申し上げます。 第一には、開拓融資保証制度と農業信用保証保険制度との統合についての問題でありますが、現在の開拓融資保証制度は、その発足以来、開拓営農の進展及び実態に即してきわめて有利に機能し、運営され、特に開拓者の短期資金導入の円滑を期する上に絶対必要なものとして、戦後の多くの開拓施策の中でも非常に開拓者に歓迎されているものの一つであります。一方、開拓農家の資金需要は大口化し保証残高が増大する他面、開拓農協組織は次第に整備されるに伴い、現在の保証制度の機能も現在のままでは十分機能し得なくなることも見込まれますので、この制度の取り扱いについては種々論議のあったところであります。 私たちとしては、従来の開拓保証制度が果たしてきた役割り、開拓農家の拡大する大口資金需要に対応する体制の必要性を十分勘案し、現在の保証制度の機能が統合後においても十分生かされることを前提とし、統合に伴う開拓者側の需要が実現するという見通しに立って、原則として統合には賛成の意を表するものでありますが、この際、さらに、統合に際し今後の開拓農家の資金需要に十分対応できる措置を講じていただくよう要望するものであります。 そのため、 一、一般保証制度への統合後においても短期経営資金に対する保証の円滑化が引き続き確保されることはもちろん、中長期資金については今後近代化資金を利用することとなるが、この場合においても、残る開拓農協組織への原資は、従来どおり農林中金より受けられるよう措置していただきたい。 二、開拓農家は、多額の資金を必要とする選択的拡大部門における専業大型経営を志向する農家であるので、これに対応する保証限度を設定するとともに、必要に応じ融資保険方式が適用できるように措置すること。 三、農林中央金庫が提供することとなる原資の金利は、現行同様の特別金利体系を継続して適用するよう措置すること。 四、一般保証制度との統合後における融資が引き続き開拓農家の実態に即して行なわれるよう、農業信用保険協会、県農業信用基金協会に相当数の開拓関係役員を参加させる等のことを特に留意すること。 五、今後の開拓農家の資金需要は、畜産、酪農、果樹等の経営資金が主軸となるので、常時継続的な審査業務がきわめて重要である。統合後における業務の円滑化を期するために、開拓関係部課の設置、県開運に対し基金協会の業務を委託する等、業務体制についても実態に即し具体的に配慮して措置すること。 職員の処遇につきましては、その身分の安定に特に配慮し、原則として承継時の職員全員を引き継ぐこととし、その処遇については既存の職員との均衡を失せぬよう十分配慮すること。 第二は、開拓地の基盤整備その他について申し上げます。 一、開拓地道路補修事業について。 政府は、昭和四十六年度末、開拓地道路等の最終的整備対策として、五カ年計画をもって開拓地道路及び飲雑用水の補修事業を実施中でありますが、この事業の総事業量は二百数十億円前後である。したがって、このまま完了することになれば、全国で七百カ所以上の地区が未整備のまま取り残されることになり、今後の経営の伸展及び生活に重大なる支障を来たすことが憂慮されます。戦後の開拓行政収束にあたって、開拓営農の基盤である道路、飲雑用水について国は総点検を行ない、その整備を追加事業として強力かつ早急に実施すること。 二、開拓地の登記促進について。 戦後の開拓行政に終止符を打つにあたって、国は登記促進費補助金を予算計上し、これが促進をはかることとしているが、開拓者の権利を確立し、かつ土地ブームによる乱開発から開拓地を守るためにも、登記未済の売り渡し済み農地の登記について強力な促進措置を講ずること。 三、現在実施中の開拓連合会再編整理事業については、十分な指導及び助成措置を講ずることにより、その円滑かつ完全な実施をはかるとともに、その育成についても格別の御配慮を願いたい。 以上でございます。よろしくお願いいたします。(拍手)
○佐々木委員長 次に、齋藤参考人にお願いいたします。
○齋藤参考人 私は、農業信用保険協会理事長の齋藤でございます。開拓融資保証法の廃止に関する法律案の国会審議にあたりまして、委員長の御指名に従いまして、参考人として意見を申し上げ、御参考に供したいと存じます。 まず、この機会に、はなはだ失礼でございますが、諸先生に厚く御礼を申し上げたいと存じます。 当委員会におかれましては、かねて、農業信用保証保険団体はもとより、系統農業団体の要望いたしておりました農業近代化資金助成法及び農業信用保証保険法の一部改正法案を去る四月二十五日全会一致で可決されましたことにつきましては、会員団体にかわりまして、この席をかりて厚く御礼を申し上げる次第でございます。 今回、政府においては、農業信用保証保険法の改正法案の提案との関連を考慮して、開拓行政の一般農政への移行の一環として、開拓融資保証制度を廃止し、その業務を農業信用保証保険制度に統合することとして、開拓融資保証法の廃止に関する法律案を提案されたと伺っております。 農業信用保証保険制度につきましては、諸先生には私から御説明するまでもなく御了承のことと存じますが、昭和三十六年、農業近代化資金助成法の制定とともに発足し、その融資の円滑化をはかるため農業信用基金協会による債務保証制度が設けられ、その後、昭和四十一年に信用補完機能の一そう強化拡充をはかるため農業信用基金協会の債務保証等を保険するために、農業信用保険協会による信用保険制度が設けられて今日に至っておるところでございます。 発足以来、農家の根強い資金需要にこたえて、農業近代化資金の融資も順調に伸び、農業信用保証保険制度も広く活用を見るに至っておりまして、今日では農業近代化資金の融資の約六割が保証制度を活用し、そのうち七割が保険に付されておりまして、私どもは経営の近代化に寄与してまいったものと確信いたしておるところでございます。 この間、農業近代化資金制度及び農業信用保証保険制度も逐次その内容と運用の改善がはかられ、両制度の利用も急速に普及を見てきましたが、今回、農業近代化資金助成法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案が国会に提案され、本委員会において可決されましたことは、最近における農業者等の資金需要の動向に即応し、かつ、農協系統資金の一そうの活用に資する意味におきまして農業信用保証保険制度の画期的な改正であると考えるものでございます。私どもは一日も早く本法案が成立、施行されることを衷心より希望してやまないところでございます。 この農業信用保証保険法の改正が成立、実施されました暁には、これまで保険対象は農業近代化資金と総合資金の運転資金のみでございましたが、新たに農業者等の事業または生活に必要な資金であって農業経営の改善に資する資金が保険の対象に加わり、保証機能が拡充強化され、広く農業者の保証に対する要望にこたえてその必要とする資金の融通の一そうの円滑化が期待されると考えるのであります。したがって、これまで開拓融資保証制度を通じ開拓農家が必要とする資金については、すべて農業信用保険制度により取り扱うことができることになるわけでございます。 政府においては、開拓行政について、開拓農家の営農の進展状況にかんがみ、開拓農家のすぐれた特性を生かしつつ、これを一般農政へ移行させるべく種々の施策を講ぜられてきたところでございます。開拓融資保証制度についても、これまで果たしてきた機能は大なるそのがあると思うのであります。今回、農業信用保証保険制度の改正の機会に、開拓農家の農業経営に必要な資金の融通を一そう円滑化するため、開拓融資保証制度を農業信用保証保険制度に統合することとし、これに関する法案が提案されましたことは、開拓農家の農業経営の発展のため必要な融資保証措置であるばかりでなく、農業信用保証保険制度の活用強化という見地からも、私どもはその趣旨に賛意を表する次第でございます。 私は、本法案の成立に伴い、地方開拓融資保証協会と農業信用基金協会、中央開拓融資保証協会と農業信用保険協会との間に権利義務の承継が円滑に行なわれ、開拓農家に対しこれまで同様信用保証保険制度が十分な機能を果たすことを期待するものでありますが、この機会に統合に伴う二、三の事柄について意見を申し述べたいと思います。 今回、農業信用保証保険法の改正によりまして、農業設備資金、運転資金も保険の対象となり、農業信用基金協会の保証能力の拡大が可能となったのであり、また、この改正を機に一被保証者の保証限度が大幅に引き上げられ、一そう保証制度は強化されることになるわけでございます。また、従来、農林中央金庫の開拓団体に対して行なっていた運転資金等の融資については、融資保険の道も可能となると思われますので、いずれにしましても、開拓農家に対する融資の円滑化には、統合の措置によって何らの支障は生じないものと考えております。また、統合後、開拓農家に対する融資保証措置が不利とならないように、保証料の減免のための措置として融資資金の交付、地方保証協会の統合前の整理による基金の減少を防ぐための出資補助等の予算措置が講ぜられており、この点からも統合に対し十分な用意がなされていると思われるのであります。 次に、受け入れ側の希望を申し上げますと、両制度の統合に伴い権利義務の承継に際しましては、現に存します開拓農家に対する求償権等の不良債権については、引き継ぎ時までにできる限り整理する方針のように承っておりますが、この点、農林省、都道府県の格別の御指導のもとに適切に処理されることを希望いたす次第でございます。 また、開拓融資保証業務の引き継ぎにつきましては、基金協会、保険協会とも同様の業務を行なっておりますので、開拓農家に対する融資保証業務の円滑な継続実施ができると確信いたしておりますが、両制度の統合にあたり、開拓保証業務の円滑な遂行のため、これまで従事しておりました職員については、その身分の安定に配慮し、必要人員を引き継ぐことも必要と存じます。しかし、この点に関しましては地方協会ごとにそれぞれ事情が異なっていることもありますので、各都道府県の実態に応じ、都道府県及び関係団体の十分な協議の上、それぞれの協会ごとに最も適切な措置を講ずるよう指導されることを希望するものでございます。中央保証協会の職員についても同様でありまして、行政庁及び中央保証協会と十分協議し、保証、保険業務の継続実施に万遺憾なきよう取り進めてまいりたいと考えております。 最後に、両制度の統合に際し、国においては開拓農家が不利益をこうむらないよう種々の特別措置を用意されておりますことは、きわめて適切なことと思いますが、今後、国の方針に従って農業信用基金協会、農業信用保険協会がその業務を承継実施してまいりますにつきましては、開拓農家に対する保証、保険制度が真に活用され、融資が一そう円滑に行なわれ、これによって開拓農家の経営の発展がはかられますよう、今後とも特段の御援助をお願いいたしまして、私の意見を終わりたいと存じます。 どうもありがとうございました。(拍手)
○佐々木委員長 以上で参考人からの御意見の開陳は終わりました。 —————————————
○佐々木委員長 参考人に対する質疑の申し出がありますので、順次これを許します。安田貴六君。
○安田委員 私は、今回審議中でございまするこの開拓融資保証法の廃止に関する法律案に関連いたしまして、全日本開拓者連盟委員長の菅野氏、並びに農業信用保険協会理事長の齋藤氏、いずれもただいま適切な意見の御開陳を賜わりまして、今回のこの法律案の審議にきわめて有意義な意見を御提供いただきましたことを深く感謝を申し上げたいと存ずる次第でございます。 そこで、私はまず菅野委員長に二、三お伺いをいたしたいと存ずるのでありますが、開拓行政は戦後今日まで二十数年間にわたって続けられてまいりました。わが国における人口政策あるいはまた食糧政策、あるいはまた、ある意味におきましては、戦後における引き揚げ者等の援護の目的と社会政策的な意味をも含め、また最近になりましては、わが国の農業振興政策というような観点から今日まで続けられてまいったのでありまして、私は、こういう過程の中で一番御苦労をなされたのは、いわゆる開拓者として非常に立地条件の悪い地帯に入植をされて、そして営々として今日まで農業に従事され、あるいはまた、途中で離農された方もありますが、その定着率は、大体、農林省の資料によると、四〇%ちょっとこえておる、こういう状態でありますから、私は、この開拓行政に対するいろいろな批判、あるいは功罪というものに対する意見等もたくさんあると思いますが、これを総じて、敗戦後におけるわが国の政策としては、非常に問題は残しましたけれども、今日になりますると、大体私はその成果をある程度評価をしてよろしい政策ではなかったかと、こう考えておるのでありまして、問題は、開拓行政が一般農政に移行するという現段階に至りまして、これからの開拓農家を一体どうしてやるのだということが基本だと私は思うのであります。現在の一般農家と開拓農家を見ると、いずれも、農家によっては若干の相違はありましょうけれども、総じて言うと、開拓農家のほうがまだ所得は低い、経営基盤は弱い、こういうことが一口に言って言われるわけであります。したがって、この一般農政に移行する段階におけるこれからの開拓農家の方々に対しまして、この段階においては後顧の憂いのないような万全の処置を政府においてもする必要がある。また、団体においてもする必要がある。また、いまいろいろと御意見の開陳がありました、いわゆるこの受け入れ側でありまする農業信用保険協会側、要するに一般農家の保証業務を扱っておる機関、あるいはまた、いまなくなろうとするところの開拓融資保証協会側の立場から見た十分な処置、こういう点についてきめのこまかい処置を講ずることが一番肝要だと思うのでありますが、私は、そういう中で第一点といたしましては、なお今後も、開拓者がいわゆる一般農家に移行をいたしましても、歴史的に開拓農家というものがなくなるわけではないのでありまして、依然として存続するわけであります。したがって、いま開拓農協については、一般農協に対する合併というような問題が現地において進められておりますが、しかし、北海道の例をとりますと、大体北海道には開拓農協が二百三十あったのですが、現在なお二十一の組合が残っておるわけでありまして、これが三千戸の組合員を持っておるわけであります。こういうなお今後も存続を余儀なくされておるような開拓農協に対する対策といいますか、配慮といいますか、これがやはり私は全日本開拓者連盟といたしましてもたいへん重大な問題だと思うのです。 きょうは委員長の意見開陳の中には、そういう面については、総括的にはお触れになっておるのかもしらぬが、直接的な取り上げ方がなされておらないように受け取りましたけれども、もし私の認識のとおりであるとするならば、これはやはり連盟としても、こういう問題に対しては十分な指導あるいは現地に対する配慮というものをやっていただかなければならぬのではないかと私は考えるのでありまして、そうしていま開拓農協関係の連合会ももう間もなくなくなるわけであります。そうすると、この開拓農協という名前は変わるかもしれませんが、実質的に開拓農協は幾つか私はこれはどうしてもしばらくの間は残るのだろうと思うのです。一般農協にも入らない、そういう形のものも残るのではないかと思うのですが、こういうものに対して、どういう形で中央または府県段階において今後特に、一口に言うと、めんどうを見るような機関というものを残していこうとしておるのか、そういう点に対するお考え方を第一点としてお伺いいたしておきたいと思う。そうしないと、従来の開拓農協というのは、大体財務事情も悪い、それから立地条件も悪い、したがって、私はこういうことはあまり言いたくないのですが、一般農協の場合でも合併をあまり好まない、受け入れ側が好まない、そういう開拓農協もあるわけです。あるいはまた、開拓農協の立場から言うと、別な事情で一般農協に入ることを好まない、こういうのもあるのでありまして、そういう事情を御考慮いただきまして、これからのこの開拓農協というものが残っておる間の中央段階、道段階あるいは府県段階におけるいわゆる指導体制、そういうものが私は必要だと思うのですが、そういうものに対してどういうふうな考え方を持っておるかという点をまず第一点としてお伺いいたしたい。 それから第二点としては、開拓農家の負債整理の問題であります。 これはすでに政府におきましても四十五年、四十六年、それぞれ制度資金に対しては制度資金なり、またプロパー資金に対してはプロパー資金なり自創資金等を活用して相当の整理が進められておることは、私も承知をいたしておるのであります。しかし、私はこのプロパー資金の面についてはまだ完全に固定化負債の整理が進んでおるとは考えておらない。われわれが開拓地を歩きましても、まだまだ農家は負債をかかえておりまして、われわれにその整理の必要性を強く強調し、要請されておるわけであります。したがって、これは全国的にもそうではないかと思いますが、北海道の場合におきましてはもうはっきりしておるのであります。こういうような、四十五年、四十六年と実施せられた開拓農家の負債整理のあと、なおかつ未整理になっておる固定化負債、あるいは農林中金の資金についても同様な問題が残っておると私は思うのです。そういうようなものを今後早急に整理をしてやるということが必要だと思うんだが、こういう面に対して、この開拓者連盟という、開拓者のお世話役といいますか、指導に今日まで御苦労されながら尽くしていただいてまいりました連盟として、どういう姿勢で臨もうとするのか、これを第二点としてお伺いいたしたいと思うのであります。 それから第三点としては、この地方開拓融資保証協会の基金が現在非常に欠損をいたしておるところが多いと思います。というのは、これは代位弁済等によってすでに基金を相当食い込み、なしくずしになくしてしまっておる、特に北海道等におきましてもそういうような例が明確になっておるのでありますが、時間の関係からこれを詳しく申し上げませんが、こういうものに対して、北海道の場合は、道のほうにこの欠損分の既存基金というものを固定してもらいたいということを道に対していま要請をいたしております。四十九年度の予算で何とかしてくれぬかといっておる。ところが、これは私は単に都道府県の開拓融資保証協会と都道府県との関係において解決すべきものだとは考えておらないのであります。やはりこれは中央の融資保証協会の立場、あるいは農林省、言いかえれば国の立場、そういう立場において行き届いた手当てをやる、こういうことが完全に果たされなければ、先ほど齋藤理事長からはきわめて確信に満ちた、自信に満ちた、移行後の円滑なる運営についての御意見の開陳がありましたが、私はその御決意に対しては敬意を表しますけれども、事実問題としては、こういう問題の解決を十分にしておかなければ、開拓農家の保証業務というものは、農業信用基金協会のほうに移行いたしました後におきましてもうまくいかないような結果になりはせぬかということを心配いたしておるのであります。こういう面に対しては、やはり国あるいは中央のいわゆる保証協会、そういう面から相当の配慮、手当てをして、それでなおかつ不足なものについては都道府県の協力をも求める、私はこういう姿勢が必要ではないかと思うのでありますが、こういう面について、どういう考え方に立ってこれから対処しようとするのか。これは私どもの立場からいえば、政府に対しても申し上げたいことであり、また中央開拓融資保証協会のほうにも申し上げたいことでありますが、きょうは参考人としては菅野委員長と齋藤理事長のお二人でございますから、したがって菅野委員長にこの点をお尋ねいたします。開拓者のほんとうの親身になったお世話役としての開拓者連盟に有終の美を飾ってもらいたい、こういう意味で申し上げるわけでありまして、この三点について御質問申し上げたいと思います。 時間がないようでありますから、私は最後に齋藤理事長さんに一点だけお伺い申し上げておきたいと思います。 いまの御意見の中では、開拓者農家がこれから農業信用基金協会に移行いたしました後も、信用保険協会の立場からいえば、あらゆる面において十分な配慮をするという力強い御意見でございますので、私も安心いたしておるわけでありますが、ただ、先ほども申し上げましたように、開拓農家はやはり弱いのでありまして、一般農家に比較いたしますると非常に弱い、そういうような実態にありまするので、こういう面に対して、特別な指導態度といいますか、指導の姿勢を、農業信用保険協会の立場、農林省の立場、そういうところから府県段階、市町村段階あるいは開拓農家段階にまで徹底的に明確にして、この方針を各農家に示達しておいてもらう、それからまた、運営の衝に当たる府県の基金協会に十分に示達してもらう、そういうような措置をなされておらなければ、運営上どうしても欠陥が出てくる。開拓農家の立場からいうと十分な手厚い保証業務の円満なる遂行は期しがたい、こういう要素を多分に含んでおると私は思うのであります。こういう面について、たいへん御自信のある御意見ではありましたが、そういうような徹底した、遺憾のない御指導をとるような通達なりあるいはその他の方法によってこれを各機関に対しまして十分に御指導いただきたい。また、農林当局と十分なる連携をとって、これを政府の姿勢としても御示達をいただきたい。そうして開拓農家が今回のような一般農政移行に伴ってみじめな立場に置かれることがないように十分の御配慮をいただきたい。これは要請でありますが、これに対し御意見があれば、齋藤理事長さんより御意見を承りたいと思うのであります。 以上、きわめて簡単な内容ばかりでありますが、私御質問申し上げますので、よろしくお願いいたします。
○菅野参考人 それではお答え申し上げます。 第一番の存続開拓農協の点でございますが、大体、存続開拓農協というのは、従来とも経済事業をやっておった農協が多いわけでございます。したがって、残る開拓農協というのは、従来とも経済事業をやっておりましたので、それを継続していくという意味においては自立をやっていける開拓農協が大方でございます。それからまた、特色といたしましては、大方が専門農協的性格のものでございます。北海道においても東北においても大体酪農、それから九州、関西等においては果樹、こういうようなことで従来の優秀農協が今後も存続していく、大体そういう傾向でございます。 それから今後の指導といたしましては、存続開拓農協に対する指導はますます強化していただきたい、こういうことを政府にも要請しておりますし、県段階でも、調整事業等において、存続農協に対する指導方については私たち要望しておるところでございます。しかしながら、現在蓄積がありませんので、今後どの程度発展するかは、今後の政府並びに私たち機関の協力と指導、こういうものが大いに問題になろうと思いますので、御質問の点については十分心に銘記していきたいと思います。 それから負債の点でございますが、これにつきましては、開拓負債法によりまして、一応政府資金については公庫のほうへ移管した。それから公庫資金につきましては、政府資金に準じた緩和措置をとったわけでございます。それからプロパー、系統資金については、自創資金によって借りかえ措置をとられたわけでございますが、これで大方の開拓者の現在の重圧は緩和されたことにはなっておりますけれども、たとえば自創資金にいたしましても上限がありまして、それからはみ出た大型負債者、それから政府のいろいろの緩和基準にいたしましても、その基準に乗らない大型のもの、こういうものが取り残されたままでございますので、この点につきましては、今度の私たち連盟の総会におきましても、この負債問題のそういうものに対するきめこまかな——いわゆる基準をはみ出したものが放置されたままでおる、こういうものについては、いわゆる債権者、開拓者、政府においても関係者が十分相寄って協議をして、それごとのこまかい、ケース・バイ・ケースと申しますか、そういうことで、負債整理についてはさらにそういうものの措置を講じていただきたいということで政府に要請中でございます。その点につきましては、政府のほうでも、そういうことを総点検をやる、こういうことを言っておるようでございます。 それから基金の不足につきましては、地方基金協会のいわゆる代弁等、不良債権が出たために、今度地方基金協会と合併する場合に基金がなくなる、こういうことにつきましては、今年度の、いわゆる四十八年度の予算におきまして国の基金造成に対する補助が出ておりまして、これは国と県で二分の一ずつそれを基金協会に持っていく、増資をする、こういう形で一応残る開拓農協の資金需要には応じることになっておりますけれども、これはまだ実際には発動しておりませんので、一応四十八年度の予算では政府はその基金としてたしか今年度七千万円前後の基金の造成分の予算の措置を講じておると思いますが、その点については、十分でありますかどうかわかりませんけれども、今年度としてそういうふうに、それから明年もそういうことで政府の基金造成に対する予算措置をとる、こういうことを申しておるのでございます。 以上のとおりでございます。
○齋藤参考人 弱い開拓農家の立場におる者に対して十分不利にならないような措置を講じろ、こういうお話でございますが、全く同様の考えを持っておるわけでございまして、すでに基金協会におきましては、一般の総合農協に二重加入した開拓農家に対しては、普通の農家と同じように保証制度の活用について指導いたしておるわけでございますが、いまお話もありましたことでありますので、私どもとしては、この法案が通りまして統合の際に際しましては、遺憾のないよう措置をしてまいりたいと考えております。
○安田委員 時間がございませんから、重ねて質問はいたしません。 いまそれぞれ御答弁、御説明がありましたが、要するに、委員長さんのおっしゃっておった最後の基金の不足分ですね、これを国の予算のほうで処置できるのだという御説明がありましたが、それはそれとして、いま北海道の場合の開拓者の保証協会では、道のほうに相当の金額のいわゆる助成をお願いしておる、要請しておるという状態でありますから、これは国からの分だけで十分な手当てができるとは私は考えておらないのであります。そういう面についても、今後ひとつ委員長さんのお立場で、われわれもやらなければならぬことですけれども、十分にひとつお力添え、御努力をいただきたいと思います。 以上をもって私の質問を終わります。
○佐々木委員長 井上泉君。
○井上(泉)委員 開拓者連盟の委員長の菅野さんにお尋ねしますが、菅野さん、私ごとをお尋ねして恐縮ですけれども、どこの開拓地で組合員が何人ぐらいの規模でどういうふうなものをやっておられるのか、簡単にお尋ねしたいと思います。
○菅野参考人 それでは、私、自分のところを申し上げたいと思います。 〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕 私のところは、福島県の西白河の西郷村という、旧軍馬補充部あとでございます。戦後四百戸ばかり入植したのでございますが、その後、いろいろ事情がありまして、先ほどいろいろ話がありましたように離農その他がありまして、現在では三百戸前後に滅っておりますが、ここの経営は、大体国からもらった面積、配分された面積は、耕地二町歩、それから付帯地として山林三町歩の五町歩が標準でございました。その後、これは旧軍馬補充部でありましたので、下のほうはもとからの畑がありまして、台下といっておる。それから馬を放牧しておったところは、台上といって山のほうですが、一応開拓者は上と下ともらって五町歩だったのですが、その後三十三年ごろになりまして、営農がどうしても上と下に分かれておるのではやりづらいということで、山のほうの人と下の平地の人と土地の再配分をやりまして、下のほうではその後開拓ダムというのをつくりまして、大体自分の保有米はとれるという程度の百町歩ばかりのたんぼをつくって、大体一人平均六反歩ぐらいのたんぼを持って、その他は酪農、いわゆる混同農業をやっております。大体二町歩前後です。それから山のほうの方は、耕地を四町歩、こういうふうに広くしまして、人数が減ったり何かしまして、これは酪農専門ということで、酪農と、下は混同農業ということで、最近ではいろいろ土地買いが入りまして、おもに山のほうに入植した方は付帯地等は相当売り払った、こういうような状況もございますけれども、一応私たち当初入植した当時に目的とした自給自足はやっております。それから食糧も余ったものは売るということで、大体生活は、既存農家に比べて蓄積がありませんから、これは既存農家よりか低いわけですけれども、一応戦後専業農家として六〇%ぐらいは農業専門でやっておる。県内全部と申し上げますと、会津のほうとか中通りとか、いろいろ形態は違いますけれども、入植地の立地条件としては私のところはいいほうではないかと思っております。 大体そういうような状況です。
○井上(泉)委員 菅野参考人のところは、ほんとうにお話しのとおり、私は開拓農家としては全く恵まれたところだと思います。そこで四百戸が三百戸ということになっておるわけですけれども、つまり三〇%ほどぐらいの離農者であったが、全国的に見れば定着率四〇%、こういうことになっておるところから見ても、いかに開拓農家というものが苦しい状態の中で苦闘して農業を見放したかということを証明しておると思います。 そこで、菅野参考人のところは、そういう苦しい開拓農民の代表者としてのお仕事をなさっておるわけですが、こういうように、開拓農民に対する特別の法律、融資保証法を廃止をして一般保証、いわゆる農政へ移行するということは、何か開拓農民がもう恵まれてきたから、だからもうこれからは、資金需要もいろいろ変わってくるんだから、開拓融資の保証法をやめてそして新しい保証の中へ組み入れる、非常に開拓農家がよくなったような評価を政府当局はしておるわけですけれども、全体的に見て決して開拓農家がよくなっておるというようには理解できないわけでありますけれども、あなたが見られた全国の開拓農家の状態というものは、政府が見ておるがごとくよくなっておるでしょうか、どうでしょうか。
○菅野参考人 よくなっておるか悪くなっておるか、これは、先ほど申し上げましたように、開拓地は何といっても入植地の立地条件がきめ手でございますので、その関係で一言には申し上げられませんけれども、他産業、特に農業以外の他産業の伸展度に比べて、開拓農業は、今日まで二十七、八年やってまいりましたけれども、その速度は非常におそかったのではないか。特に負債を相当しょっておりますので、今後まだ長きにわたってこれが重圧となっていく。それから、先ほど申し上げましたように蓄積がないということで、そういう意味では非常に苦しい状態がまだ続く、そういうふうに言えるかと思います。
○井上(泉)委員 参考人の言われるように、蓄積がないし、負債を多くかかえておるし、そして、参考人のところは比較的立地条件が恵まれておるけれども、全国的においては恵まれていないところが多いわけで、むしろこの際私は、開拓農民としては、融資法が——そういう特殊な農家でありまするので、あるいはやはり法律の中でも一般法律の中へこれを移行するではなしに、開拓融資法という特別の法律を置いておいて、そうしてその開拓農民を守っていってやるのがほんとうにけっこうなことだと思うわけです。 そこで、参考人の意見の中にも、これはもうやむを得ず開拓融資法を廃止して新しいこの体制の中へ繰り入れるということについて賛成をした、つまり一〇〇%賛成をしてやられたのではない、こういうふうに御見解を述べられたわけですが、現実に離農者の負債というか、それをかかえておる開拓農協というものも相当あると思うわけですが、そういう点は全国的に、菅野参考人は、そういう、つまり離農者の負債を開拓農協がかかえて持っておる、こういうところがあるかどうか、そういうことを承知をしておるかどうか、お尋ねしたいと思います。
○菅野参考人 離農者の負債を開拓農協がかかえておるために、たとえば解散してもそれが実際には整理しきれないでおる、こういうような例が私たちの全国的な会合でもしばしば話は出るわけでございますが、そういうものも含めて今回総点検をしようじゃないかというような段階で、一応、制度としては、そういう離農者のものについてはもう取らない、償却する、こういうことでいたんですけれども、実際はそうなっておらないというのがしばしば出てくるわけです。そういうことで、そういうものも含めて今度総点検をしようということで、政府におかれてもそういうものを含めた点検をやる、こういうふうに承知しております。
○井上(泉)委員 総点検をして、そういうようなものは現在残っておる開拓農民には負担がかからない、そういうふうになるようにせねばならないと思うわけですが、開拓農家は融資の負債金額なんかは非常に大きい。 〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕 これは制度融資等の負債金額が出ておるわけですけれども、町の一般金融機関から制度融資に乗っていない生活資金で、子供が結婚をするためとか、あるいは学校へ行くためだとか、あるいは病気とかというようなことで、この面に出ていない、いわゆる制度資金以外の借り入れ金というものを開拓農家がかなり持っておると思うわけですけれども、さきに当委員会で聞くと、そういうふうな負債は持っていないと思います、こういう農林当局の管弁であったわけですが、委員長さんは、そういうような負債をみな持っておるということはない、こういうように推測ができるかどうか、承りたいと思います。
○菅野参考人 今回行なわれました負債整理で自創資金によってそういうものは借りかえ措置ができたことになっておりますけれども、本人が申告しない問題これは幾らかあると思いますけれども、大方は自創資金によって借りかえ措置をしたことになっております。それから、これは二年にもなりますので、その後にさらにいろいろな不幸等によっていろいろそういう系統資金でないものを借りた者があるかと思います。そういう程度ではないかと思います。
○井上(泉)委員 菅野参考人は非常にはきはきとした御意見をお持ちになっておられる方でありますが、この際開拓者の農民の気持ちとしては、むしろ、いわゆるすきくわ一本で未開の地へ乗り込み、そしてときには電灯のないところで非常に悪戦苦闘をされた農家の方であるわけだから、この際こういうふうな開拓農民を対象とした融資法が廃止をされるなら、いっそのこと、思い切って現在開拓農民がかかえておる借金はもうこの際開拓農家の経済基盤が安定するまで一切たな上げをしてもらいたい、こういうふうな気持ちというものがないんだろうかどうか。何かしら、一般農政の中へ移行されることによって開拓農民の位が一級上がったぐらいにお考えになっておるのじゃないか。上がっておればけっこうですけれども、制度だけ上がって中身が上がってなければ何にもならぬから、上がれば、ついでにもういままでの開拓農民に対する負債は棒引をせよというくらいの要求というものがあっても不都合ではないと思うわけですが、それについての御見解を承りたいと思います。
○菅野参考人 開拓者負債の棒引き問題につきましては、私たち十年前ごろまでの毎年の開拓者大会では事実出ておりました。これは非常に出ておりましたけれども、その後いろいろな点におきまして、一つは、開拓者の中でも非常に進んだ開拓者、いわゆる階層分化ができまして、何といいますか、非常に素朴な、天引きとか棒引きとか、そういうものの意見が、全般としてはやはりいろいろのあたりの情勢に応じて変わってきたということは言えるのではないかと思います。しかし一方、そういうことをほんとうに真剣に望んでおる恵まれない低位にある開拓者が相当数あることは承知しております。しかし、これは開拓者全体としての世論にはなかなか現在ではなり得ないというようなことで、具体的に、負債を返せるまで待てというようなことで、長期低利、こういうようなことで一応条件をゆるめてきておったというのがこの七、八年の傾向ではないかと思いますけれども、御指摘のようなことができればけっこうだと思っておりますけれども、全般としては開拓組織の中でも全体の空気としてそれが現在では盛り上がらない、こういうような状況でございます。
○井上(泉)委員 これは開拓農家は十万戸という、日本の農家の戸数から見れば非常に少ないわけですから、そういう点からも政治的にも私は非常に力が弱いのじゃないか、こういうふうに考え、今度あたりのこういう開拓農民に対する特別な立法措置というものが廃案になって一般農政の中へ移行するということ、ことばとしてはけっこうなような表現ですけれども、実際の運用面においては私はこれから開拓農民としてはきびしいものがありはしないか、そういう心配をするわけであります。 そこで齋藤参考人に、開拓融資法が廃止になっても、開拓農民に対しては従前とは何ら変わりない、従前よりももっと大きい機構の中でやるんだから、もっと潤沢にして、そうして低利な、場合によっては利子も免除のできるような条件の中で開拓農民に対して融資ができ得るような状態をつくるだけのお気持ちがあるかどうか、ひとつその辺の見解を承っておきたいと思います。
○齋藤参考人 お答えいたします。 開拓農家に対する保証措置につきましては、今回政府においても用意されておりますように、経過的には特別の軽減措置がとられておるわけであります。私はこういう経過措置が必要であろうというふうに思っております。しかし、保証業務そのものにつきましては、私どもの信用保証保険制度というのは、本来小農民に対して、受信力がない、担保力がないというものに対して、十分その農業経営がやれるという可能性がある場合においては何とか資金援助をしたい、そのために、われわれは機関保証といっておりますが、機関保証をすることによって融資の道をつけたい、こういう考え方を持っておるわけでございます。開拓農家といわず、われわれの取り扱っておる一般農家につきましても、非常に零細な資金需要と、他方において非常な大口化しつつある資金需要と、両層がございます。それらに対しまして、下層の零細農業者に対しては、まさにいまも申し上げましたように、何とか必要な資金が融通できるように機関保証の使命を果たすべきである、こういうことを念願いたしておりますし、また、開拓農家においても先進的な経営をやっておられる農家も多々あるわけでありますが、これら既存農家以上のりっぱな経営をやっている方、十分の担保力を持っていない、しかも相当の資金を必要とする、こういう農家もあるわけであります。これらに対しては、担保力を補充して、この機関保証によって資金の融通ができるようにしたい、こういうのが私どもの方針でございます。したがいまして、いまお話しになりましたような開拓農家におきましても、この保証制度の使命からいいますと、当然十分カバーしていくものであるというように考えております。ただ私どものほうは融資というものが前提になりまして、それのいわば保証補完措置でございますので、融資機関のサイドと十分その点は協調しながらやっていくということになろうかと存じます。 いずれにいたしましても、零細な農家といえども、必要な資金需要に対して、信用補完措置によって資金需要に円滑にこたえられるように、こういうことにいたしてまいる、こういうことでございます。
○井上(泉)委員 時間がないのでこの質問もう打ち切るわけでありますけれども、最後に農林年金の関係で、農業信用保険協会はこの農林年金には加入していない、関係ないでしょう。開拓融資の保証協会は農林年金に加入しているが、これはどういうふうに取り扱いをされるつもりでありますか。そのことを最後にお尋ねしたい。
○齋藤参考人 お答えいたします。 お話しのとおり、農業信用保険協会は現在農林年金には加入いたしておりません。厚生年金に加入いたしております。したがいまして、今後中央開拓保証協会の職員が保険協会に引き継がれました場合においては、農林年金ではなくて厚生年金に加入されるということになろうかと存じます。
○井上(泉)委員 それによって、その差別が、損にならないように、そういう措置を講じますか、どうしますか。
○齋藤参考人 お答えいたします。 本人が継続して農林年金に入るということは可能な道が開かれるというふうに承知いたしておりますが、原則としては、農業信用保険協会に加入した場合においては厚生年金に加入していただく、こういう措置以外にはなかろうかと存じます。
○井上(泉)委員 終わります。
○佐々木委員長 中川利三郎君。
○中川(利)委員 開拓農政が一般農政に移行される、この最後の機会なわけでありますが、ここで先ほど来言われている一番の問題は、何といっても開拓農家の借金の問題であります。 いま前の質問者が借金棒引きという問題を出したわけでありますが、一般的にどの借金も全部棒引きということではなしに、たとえば開拓者資金の、つまり承継債務といいますか、かつて皆さんに政府がセットにして機械を現物で、押しつけたといえば言い過ぎでありますが、そういう使えない機械がいま負債の中で大きい比重を占めておる。これについては、大方の開拓農家の皆さん方は、当然こういうものは棒引きにすべきである、こういう意見がたくさんあるわけであります。したがって、先ほど開拓連の委員長さんは、一般的に借金の棒引きは世論になり得ない、こうおっしゃいましたけれども、そういうたとえばかつて現物出資した使えない機械、こういうものは当然開拓の中でも一般的な世論になり得るものだ、そういう棒引きの対象になり得るものだというふうに私は考えるわけですね。こういうことについて借金の解消方式がいかにあるべきかということの関連の中であなたの御意見を伺いたいと思います。
○菅野参考人 負債の中の、私たちでいういわゆる過去の無効投資のことだろうと思いますので、その点、いままでやってきたことを申し上げます。 入植当初は、農機具とか農村工業の搾油機とか、非常に実用にならないような、古くて当時としては役に立たなかったものが非常にあったわけです。これが負債整理をするまで開拓者の負債として額にのぼって、相当大きな金額になっておる組合もあったわけでございますが、これは一応私たちの要望によって、負債整理のときに、いわゆる無効投資扱いということで、ほんとうに使わなくて役に立たなかったようなものとか、そういうものは消したことになったのが相当あります。しかし、いろいろな関係でそれが無効投資に認定されなくて、まだ個人の負債に残っておるのがあるかと思います。そういうものだろうと思いますが、これについて非常に不条理なものですから、私たちは昔からその無効投資については免除しろ、こういうことを言って、一応原則的にはそういうことに政府もなっておりますけれども、実際問題として無効投資というものの判定とか判断、こういう関係もあろうかと思いますので、これがまだ負債として残っておるというのが実態だろうと思います。これについても、私たちは具体的に出てきますればその時点で政府と交渉する、こういうことになっておりますけれども、今度の負債のいわゆる点検運動の中にそういうものをもう一ぺん洗い直す、こういうことになろうかと思っております。 以上のとおりであります。
○中川(利)委員 いまのような問題が、私先ごろ開拓地を二、三回りましてひとしく出されたような問題でありますので、今後あらためてそういうことが出てまいりましたならば、せっかくのひとつ御努力をいただきたいと思います。 それから、同じように開拓地で聞いてまいったことでありますが、大きい借金をかかえておる開拓農民ですね。今度一般農政に移行になる、一般の農協に加入する、こういうことになるようでありますけれども、おまえのところは借金が多いからどうも農協には入れられない、こういうことで農協へはいれないという、そういう悩みが出されているわけですね。そういうことでありますとゆゆしい問題だと思いますし、そういう実態があるということについて御存じかどうか、また、どうしたらいいのか、指導の面を含めてひとつ御見解を承りたいと思います。
○菅野参考人 負債整理のときにはみ出した大型負債者が大方であろうということでございますが、特に北海道、東北ではそういうケースが多いわけでございます。先ほど申し上げました負債整理のときにこれは基準からはずれた大型の開拓者でございます。そのために、解散はしても一般農協で受け入れない、こういう例が特に北海道、東北にはあります。これは私たち承知しております。 現在まで数回、その方たちにも、特に東北については上京していただいて、いろいろ御協力申し上げたのですけれども、今回やはりこれも一応俎上に上げておりますので、債権者と開拓農協、それから県、こういう関係者が集まってそれの具体的な対策をやろうということで、いま始めようという段階にあります。 そういうことで、実際問題としては、これは一千万、二千万という開拓者、どうしようもなかったというのが実態でございますので、それらはもういつでも私たち訴えられておりますけれども、現在まで解決はしなくて、未解決の問題になっている。これはことしの私たちの運動方針の中でも大きく一項取り上げましてやっておりますので、何とかやりたいと考えておる次第でございます。
○中川(利)委員 いま開拓融資の保証制度の一般農政移行がもう具体的現実のものになっているわけですね。そうすると、一般農政に移行して、農協へ普通に入って、いろいろな同じような待遇を受けるといいましても、この方々がいまあなたおっしゃったように取り残される存在になるというわけですね。これについても、あなたの御誠意ある御発言についてせっかくひとつ今後御努力いただきたい、こういうことをお願いしておきます。 それから、開拓農政の負債、借金がなぜこんなに大きくなったのか、こういうことを考えてみましたときに、つまり、酪農であれば多頭化ということで、政府なりそういう指導機関のしりたたきの中で、最初五頭あればいいとか、その次は十頭だとか十五頭だとか、際限のないようなかっこうで多頭化を推進されてきた、その中で膨大な借金がつけられてきた。こういう経過があって、いまでは付帯地そのものを売って借金をどうにかしなければならない、こういう状態に追い込まれている開拓農家がたくさんあるわけですね。 そういうことについて、私はこの前もこの委員会で質問したわけでありますが、これは農家個々の経営のまずさだとか、あるいは自然的な、地理的な条件の悪さだとか、そういうことによってそうなったのじゃなくて、むしろやはり政府、指導機関のそうした重大な欠陥といいますか、施策の不備といいますか、そういうものに負うところが多いのではないか、こういうふうにも考えざるを得ないような感じがしてきたわけでありますが、こういうことについてあなたの御見解はどうなんでしょうか。
○菅野参考人 大型負債をかかえておる開拓者は、御指摘のように、従来、農政の方向を忠実に、政府の推進によって多頭化飼育したとか、どちらかといえば開拓者の中では熱心にやった開拓者が大きい負債をかかえた。しかもこれは特に言えることですが、開拓は畑作なものですから、非常に設備に金が要る、そういうことで、これは開拓政策といいますか、農政全般の問題でありますので、これは私たちも言っておるのですが、一口ことばで、開拓は一生懸命やった者ほど大きな借金をしているというのも、一面そのとおりだと思いますけれども、これについては、先ほど申し上げましたように、ケース・バイ・ケースで、一般農政の中に入っても、何らかじゃまにされないような方法を特に政府はとっていただきたいということをお願いしておるわけでございます。またそのつもりで、先ほど申し上げましたように、大型の負債者については何らかの措置をこの機会にどうしてもやってやらなければならぬ、こう考えておる次第でございます。
○中川(利)委員 いまそういう状況の中で、せっかくの付帯地を何百町歩と売らねばならない、そういうところへ追い込まれている開拓者がたくさんあるわけですね、自分の土地を売るということになりますと、いわゆる経営基盤の拡大そのものを自分でなくするということなわけでありまして、これは重大な問題だと思うのですね。 そこで、その開拓農民の皆さん方の御意見を伺いますと、それを大資本や大商社のいまのゴルフ場なんかに売るんじゃなくて、でき得れば政府に買っていただきたい、そうして自分たちが自立経営でき、経営が安定した際に再びそれを買い戻しできるようなそういう保証がどうしても必要なんだ、それでなければ、売れば売られっぱなしということで非常に困る、何かの対策がないだろうかということを口々に私は聞いたわけでありますが、いまいろいろな商社が開拓農家の土地をねらっているという状況の中で、ただそういう大資本に売られた場合、開拓自体、そこの地域の酪農自体もう変なものになっていくわけでありますので、この点をどうしたらいいのかということを私も頭を痛めているわけでありますが、ひとつその辺の御見解をお聞きしたいと思うのです。
○菅野参考人 これはほんとうに私たちも、土地を売られるという問題については、土地を守ろうじゃないかというようなことは言っておりますけれども、具体的にはどうしようもないという実態だろうと思います。これは、先ほど申し上げましたように、政府におかれて何か防衛策を具体的にとっていただかないと、どうにもならないのではないか。 一方、観光業者のほうの勧誘ばかりでなく、町村財政とも非常にからんでおりまして、開拓地は特に過疎の問題があります。町村の財政上、やはり過疎対策としても、業者の誘致というようなものともからみまして、そういうときに開拓者が非常にねらわれやすいわけです。弱みがあるわけです。一つは、開拓の特色ですけれども、開拓は戦後入ったものですから、土地に対する執着が一般農家よりないという面もあるかと思います。そういうものとからみ合って開拓が比較的多くねらわれておる。私たちその中で営農を非常にまじめにやっておる者が非常に迷惑しております。これはいつでも訴えられるのですけれども、まあ具体的にどうしようもないということで、政府のほうにお願いをしておるというような状況なわけでございます。
○中川(利)委員 おたくのほうの要望書というものを見ましたら、先ほどあなたの説明にもありましたように、開拓者に対する資金融通の円滑化と開拓地の基盤整備について、二つの問題がそれぞれ出されておりまして、今後そっちのほうへ移行いたしましても、これこれ、これこれといういろいろな項目についての施策は不可欠の要件であるからぜひこれをやってほしい、こういう御要望が先ほどの御説明にもあったわけですね。これに対して、保険協会の理事長さんから、それについてはこうするというような意味の話がまたあったわけですね。結論的に、いまそういうものに移行しても一つも障害がないんだという理事長さんの御発言もあったわけです。開拓連盟の委員長さんといたしまして、この不可欠の要件が、先ほどの理事長の御発言の中で満足すべきものというふうに理解しているのか、いまあすあさってにこの法案が通るとこれだけ残されるわけですから、そこら辺を含めてあなたの御見解をひとつお聞きしたいと思うのです。
○菅野参考人 先ほど申し上げましたように、この付帯条項が通らなかった場合には、実は開拓者、私たちの中では、この律法ができましても無効に近いものではないか、このくらいに考えておりまして、付帯条項はぜひ全部通していただきたい、こういうふうにお願いする次第でございます。これは一つが欠けても現実に非常に不安が目の前にありますので、その点については合併、解散そのものに私たちは非常に心配になるわけでございますので、どちらかといえば、付帯条項を政府がやっていただくことを条件にといいますか、そういうことで私たちは賛成するというような重大なものでございますので、付帯条項個々につきましてぜひとも全部現実に具体化されるようにお願いをする、こういうことでございます。
○中川(利)委員 時間がないから、これでやめますけれども、最後に保険協会の理事長さんにお伺いします。 いま開拓者連盟の委員長さんから、この付帯条項について、これはもうかけがえのない問題だというお話がありましたが、特に金融関係の問題について、あなた先ほどここで御答弁があったようでありますが、再度、いまの命と同じようにかけがえのないというその前提を踏まえて、あなたの御決意のほどを聞かしていただきたいと思うのです。
○齋藤参考人 お答えいたします。 先ほど申し上げましたように、両制度が統合された暁におきまして、融資保証業務の遂行につきましては確信をもって対処してまいるつもりでございます。 ただ、申し上げるまでもないことと存じますけれども、今後におきましても開拓行政あるいは開拓指導はまた別個に当然行なわれることと思いますので、いまお話しになりました中でも、たとえば付帯地の土地の買い上げとかといったような措置につきましては、開拓行政あるいは開拓営農指導の面において行なっていただく、われわれはそれを受けまして、保証業務の範囲内においては先ほど申し上げたように万全を期してまいりたい、こう思っておるような次第でございます。
○中川(利)委員 終わります。
○佐々木委員長 瀬野栄次郎君。
○瀬野委員 開拓融資保証法の廃止に関する法律案について、本日参考人に御足労いただきましたので、若干の点をお尋ねしたいと思います。 本法案は、御承知のように、開拓融資保証制度を農林信用保証保険制度に統合するための承継契約の締結、その他手続の方法等について規定しているものでありますが、御承知のように、戦後、マッカーサー指令等によって、失業対策また食糧増産ということで、希望によって開拓者が入植し、国民の食糧供給に大きな力を尽くして、今日まで二十数年間努力をされたことに対しては、私たちも敬意を表しております。したがって、国の責任において行なった開拓行政を、最後もりっぱに国の行政によって総仕上げしていただきたい、かように思っておるところでございます。 開拓行政を一般農政にいよいよ移行させるための制度上の措置ということになりますが、今回の法案で最後のものになるわけでございまして、この際開拓行政の総仕上げということになろうかと思います。先日も二時間近くにわたっていろいろ論議をしてまいりましたが、今回の開拓融資保証法については、残された開拓者もおりますし、また今後統合する開拓者もおるわけでございまして、これらのことを思いましたときに、何といっても、統合後における開拓者に対する資金融通を一そう円滑にするということが一番の問題である、かように思っております。 そこで菅野参考人にお伺いしますが、金利、保証限度額とか、保証決定の審査、融資保険の運用、それから保証業務の実施、こういったものについて今後問題になると思うのですけれども、あらためて菅野参考人からそれらについてこういうふうにぜひやりたいということを明確にこの場でお答えをいただきたい、このことをまず最初にお伺いしたいのであります。
○菅野参考人 前後いたすと思いますけれども、お尋ねの点は三点だと思いますので、申し上げます。 保証業務については審査機関のことだと思いますけれども、現在の開拓融資保証法は、県開連というのが業務委託その他やっておりまして、開拓組織と開拓春とが実際に一体になってやっておりますので、その点は非常にスムーズにいっておる。したがって、業務については、保険協会あるいは基金協会に移りましても、業務の委託とかそういうことをやって、少なくとも従来のやり方を踏襲していただきたい、業務のやり方についてこういうことをお願いしておるわけでございます。 それから金利については、特別開拓の場合にはたしか五厘前後安いはずです。中金から県開連に七分だと思います。一般は七分五厘だと思います。この点について、開拓の特別法でございますので、統合されても開拓者についてはその金利を踏襲していただきたい、こういうことでございます。 それから融資保険については、先ほど保険協会の理事長さんからお話がありまして、この間の農林水産委員会で実は通過いたしたようでありますが、融資保険の点につきましてここにうたってありますのは、一応いまの融資保険制度は、二県にまたがらないと融資保険がつかないというのですが、今度の改正によりまして、一つの連合会に対しても融資保険が適用されるというようなことで、その点については一般と同様でございますので、この点については一応解消になったんではないか、こういうふうに考えております。 以上のとおりでございます。
○瀬野委員 齋藤参考人にお伺いしますが、一切の権利義務の承継にあたりまして、今回統合するわけでありますが、受け入れ側の立場から申しますと、求償権その他の不良債権はできるだけ整理した上で統合してほしいというのは当然のことだと思いますが、その中には、求償権が二十年近いものもあるし、また延滞金についてもかなり不良なものが実はあるわけでございます。先ほど菅野参考人は冒頭いろいろ陳述されておりましたが、ちなみに申しますと、求償権残高が二億六百万円、中央保証協会の求償権は一億五千三百万円というように数字が資料としてあがっておりますけれども、こういったことについて受け入れ側としてはどういうようにお考えであるか。管野参考人のお話は先ほどお伺いしましたので、受け入れ側としての見解をこの機会に承っておきたいと思います。
○齋藤参考人 お答えいたします。 基金協会、保証協会あるいは中央保証協会と保険協会との間におきましては、保証業務、権利義務の承継が行なわれるわけでございますが、その間十分両団体において協議をしてまいることになろうと思います。この協議が円満にいきますためには、先ほども申し上げたところでございますが、求償権とか不良債権等はできるだけ整理していただきたい。大体政府におかれてもそういう御方針のように承っておりますが、具体的な引き継ぎにあたりましては、いま申し上げたように、何年も焦げついておるというような不良債権についてはできるだけ整理して、身ぎれいにして受け入れるようにしていただきたい、こういう希望でございます。
○瀬野委員 菅野参考人にお伺いします。 今回の統合によりまして開拓農協組織の再編整備事業についてでありますけれども、政府の提出資料によりますと、三千七百八十一の単協、四十五の県開連というものが、五十年三月の目標で、単協で百五十五、県開連で十になる、こういうふうに資料を提出しておりますけれども、開拓連盟のほうの御意向をいろいろ仄聞するところによりますと、県関連のほうももっと多く、しかも単協のほうもかなりこれよりも上回っておるように承知しておるのでありますけれども、こういう残る開拓については当然育成強化、指導をしていかねばなりませんし、先ほどからもこういったことについての育成、指導を強力に進めていただきたいという陳述がございましたが、この県開連と単協は開拓連盟としては大体どのくらい見込んでおられるのか。政府が言うこういった目標に落ちつくと見ておられるのか、その点の御見解も参考までに承っておきたいのであります。
○菅野参考人 存続県開連が十というのは、県開連という名前は十でございますけれども、県開連というのは適当でないかと思いますが、一県一単協という、こういうのは私たちは県開連扱いをしておるわけでございます。これは九州のほうではほとんど全部ですね。いままでの単協が全部合併して一つの単協になるということで、こういうのが六つ七つあります。これらは十のほかにあるわけです。 それから百五十二ですか、これは一応想定でありますけれども、これはことし、来年と、あと二年くらいまだ流動的でございますので、私たちが想像いたしますと、おそらく単協の数はもっと多くなるでしょう。ただ実数につきましては、一応個々の開拓者につきましてはあまり違わなくても、開拓単協というのは、三十戸のもありますし二百戸くらいのもありますし、そういうことで私たちとらえておるわけでございますけれども、いわゆる開拓農協というのは、あと二年たちましても百五十三よりはもっと多くなるのではないか、こういうように考えております。ただ、流動的でございますので、現在はまだまだたくさんあるわけでございますが、どんどん小さい単協が解散しておる、こういうような状況でございます。
○瀬野委員 菅野参考人のおっしゃることはよくわかるのですが、現在流動的だからもっと多くなるであろう、百五十五と政府は一応目標を立てておりますけれども、もっと多くなるとおっしゃるけれども、大ざっぱには大体どのくらいに見ておられますか。数字が言えなければけっこうですけれども、大体どの程度ぐらいにはなるだろうということをもしここで述べていただければおっしゃっていただくようにお願いしたいのです。
○菅野参考人 大体二百組合くらいになるだろうと私たちは考えております。
○瀬野委員 次に、開拓の通路等の整備事業でございますけれども、冒頭菅野参考人からも陳述がございましたが、なるほど、四十八年度以降の残事業として政府は約百三十六億円、飲雑用水で三十一億円、計百六十七億円を見込んでおりますけれども、五十年度までに完了すべく五カ年計画が立てられておりますが、開拓連盟のほうではこの開拓道路の整備についてはたいへんな問題としていろいろ要請もなされております。われわれも現地を見、また事実この道路問題が開拓にとってはもうたいへん重要なことは言うまでもありません。そこで、おそらく五十年度までにはこれらの開拓連盟が要望しておられるような道路は完成はむずかしい、こういうふうに思っております。政府にも先般質問したおりには、その時点でまたいろいろ検討する、こういうようなことも答弁があったわけですが、実際開拓連盟のほうでいろいろと考えておられるのは、七百数十カ所で数百億に及ぶ、こういうふうにおっしゃるのですが、農林害関係は小団地等を入れていないのじゃないか、団体側としては小団地なんかも入れておるからこういうふうに差があるというふうに私は理解しておるのですけれども、その点の内容について、そしてまた、五カ年計画で終わらないような場合にはぜひこれは将来ともやっていかねばならぬと思いますけれども、その点のお考えを明らかにひとつお答えいただきたいと思います。
○菅野参考人 四十六年から政府が補修事業としてたしか二百八十億前後だったと思いますが、これはあと二カ年で終わるわけでございますけれども、このときにもすでにたしか五百カ所くらいが出ておったと思います。これが査定されまして減ったわけでございますけれども、その後いろいろ私たち団体で調査いたしましたので、金額の点については、設計その他までいっておりませんのでわかりませんけれども、一応の予想としては数百億、こういうふうに金額はいっておるわけでございます。これは当然、現実に政府が取り上げていただく場合には予算の点についても明らかになると思いますけれども、個所としては七百カ所、もちろん小団地も入ります。そういうことで、七百カ所前後ですが、これは大体私たちの資料では、地方別に申し上げましても御参考になろうかと思いますが、北海道で六十三地区くらいです。それから、愛知以西、西日本と私たち言っておるのですが、ここで四百カ所、東北で百八十カ所、関東で八十、それから東海で三十七カ所、これはおおよその数でございます。
○瀬野委員 では、最後に一点だけ菅野参考人にお伺いします。 開拓地の未登記問題、これも冒頭陳述がございましたが、事実一般の圃場整備等においてもなかなか登記が進まない、人手が足らないということで問題になっておりますけれども、いよいよ開拓行政の総仕上げという段階の措置である今回の法案の提出でありまして、登記問題は焦眉の急務である、かように思います。農林漁業金融公庫からの融資を受ける場合の担保等、いろいろ考えましたときに、開拓者がこれに対してたいへん悩んでいることも事実であります。政府としては、五十年度までに三カ年計画をもって整備促進をするために、四十八年度予算として一千六百八十万円を計上しておりますが、こういったことではとてもこの要請にこたえることはできないと思うんですけれども、この開拓地の未登記問題についてはどうしたらいいのか、またどういうふうにありたい、またどういうふうに政府には皆さん方強く要望しておられるのか、たいへんな事業でありますが、その辺、最後に具体的に政府に対する要請等あわせまして参考までにお伺いしておきたい、かように思います。
○菅野参考人 開拓地の未登記の問題につきましては、従来ともお願いして、政府でやはり整理のための補助を出していただいたのはこれで三べん目くらいになっておるのではないかと思います。一応済んだことになっておりますけれども、実際には済んでおらないということで、これは従来からいろいろお願いしておりまして、今回も予算化していただきましたけれども、これで解消するとは考えません。 それから、この未登記の問題は各県とも非常に悩んでおりまして、単独県費でもそれぞれの県でやっておりますけれども、やはり解消しない。そういうことで、これは県のほうでも機構改革等がありまして、登記をする職員が足りないとか、いろいろなことがありましておくれておるわけでございますけれども、付帯のところでお願い申し上げましたように、何といっても、政府がやはりもっと大きな予算を立ててそうして計画的にさらに継続してもう少し短期に解消していただきたい、こういうことをお願いするわけでございます。
○瀬野委員 以上で終わります。
○佐々木委員長 神田大作君。
○神田委員 まず菅野委員長にお尋ね申し上げますが、非常に立地条件の悪いところに行って営農を長い間続けておられる開拓者の皆さん方の御苦労は、これは並みたいていではなかったのでありますが、現在立地条件が非常によいところであっても離農が続いておる。そういう開拓地の立地条件の悪いところで農業をやっていくということは、これは容易なことではない。そのためにばく大な借金をしょって、いま働けど働けど全くにっちもさっちもいかなくなって離農していく方々がたくさんあるだろうと思うんです。これらの実態はどういうふうになっておるか、開拓者の離農の状況等につきまして、ひとつわかっておる範囲内においてお答え願えれば幸いだと思います。
○菅野参考人 離農につきましては、統計が示しますように、二十万戸前後入植したのが、いま十万戸前後になっておるわけでありますから、十万戸ぐらい離農しておるわけでございます。特に政府が取り上げまして離農補助を出すようになってからは、たしか数は一万戸前後ではないかと思います。これは離農補助も、最初よりだんだん補助金が上がりまして、現在ではもう終わっておりますけれども、六十万ということが離農補助金になっております。そして借金を返済して土地などを処分していくということで離農補助が出ておりましたけれども、これも終わったわけでございますけれども、現在これから離農する開拓者については補助はないわけでございます。一応離農補助の制度については終了した、こういうことになっております。
○神田委員 これら開拓者が離農するというのには、やはり日本の農業自体に問題点はありますが、酪農あるいは果樹その他園芸等、そういう問題についての国の施策が非常に微弱であると同時に、現在乳牛をやってもとても引き合わぬというようなこういう状態、これは一般農家にもいわれるのですが、開拓者の場合は特に多いと思うのです。これらに対しての借財の返済等については、土地を売って払っておるのか、それともその借財はそのままにして離農しておるのか、その点はどうなっておりますか。
○菅野参考人 一応離農補助と、それから土地の処分と、これは両方ありますけれども、離農される方は、離農補助だけでは借金になかなか見合わないものが多いものですから、土地を処分してその金も償還に充てて出ていく。それから離農補助の中に、次の地に行ってからの半年なら半年だと思いましたけれども生活費を、一応それには手をつけないということで、それから残った借金については、離農してからも借金に追われるというケースもございます。そういうことで、これはいろいろありますけれども、大体は土地とそれから補助金で借金の返済は済むというケースが多いわけでございますけれども、特にまた基準からはみ出たような大型の負債者については、離農してから後も借金があとを追いかける、こういうような状況もあるようでございます。
○神田委員 これらの離農してからも開拓地の借金を払うというようなことは、これは非常に酷なことであって、これらの問題をやはりいままでは開拓融資保証協会でもってめんどうを見ておったろうと思うのです。これらについて今後引き続いて、今度は農業信用基金協会で一般農業と一緒になる場合、これらについての引き継ぎ、あるいはこれらに対する対策等について、菅野さんと齋藤さんにそれらの見解についてお尋ね申し上げます。
○齋藤参考人 先ほどもお答えいたしたかと思いますが、保証協会の保証業務を基金協会におきまして引き継ぐわけでございます。その際、今後の開拓団体に対する新しい保証業務や、あるいは引き継いだ保証業務を引き続いて行なうことになるわけでございますが、開拓農家の、いまお話しになりましたようないろいろのむずかしい問題もあろうかと思います。そこで私どもといたしましては、開拓指導あるいは開拓行政というのはいつもこれまで同様今後もあるものと思っておるわけでございまして、そういう行政なり開拓営農指導と相まって基金協会の保証業務も行なわれるものであろう、かように考えておるものでございます。
○神田委員 次に、開拓融資保証協会が今度なくなりますと、それらの役職員の受け入れ等についてこれはどのようになっておるか。受け入れると、こう言っておりますが、気持ちよく役職員が入れるかどうか。特に役員の問題につきまして、農業信用保険協会としては、開拓保証協会の統合によって開拓者側から役員を任命する意思があるかどうか、この点をひとつ齋藤さんにお尋ね申し上げます。
○齋藤参考人 お答えいたします。 役員につきましては、職員と扱いが異なりまして、いずれも総会の選任ということになるわけでございます。それぞれ各基金協会におきましても、現在の基金協会の役職員も開拓の団体に関係するとか、いろいろの事情もございますので、私は、それぞれの各県の事情に応じまして両団体が御協議になり、また農林省なり県の指導によって円満にいくようにということを念願いたしておるわけでございます。中央におきましても開拓団体の意見を代表する役員をとってはどうか、こういう御要望のあることも承知いたしておりますけれども、やはり総会選任事項でもございますので、十分関係当局なりあるいは国会の御意思も体しまして、会員と相談した上で統合までに検討いたしてまいりたい、かように現在のところは考えておる次第でございます。
○神田委員 この点は重要な問題でありますので、開拓関係者の役員が一人も入ってない、そしていままでのことは優遇する、いままでのを引き継ぐといっても、何ら発言権のないところではどうしても冷やめしを食わされがちだ、そういう意味合いにおいて、この点はひとつ農業信用保険協会の理事長さんとしても最大の努力をして円滑にいくようにお願いすると同時に、開拓者関係の担当部課とかいうようなものをやはりこの中へ設置して、これを開拓者に迷惑のかからぬように処理できるような方策をとってもらいたいと思いますが、その点につきましてもひとつお答え願いたいと思います。
○齋藤参考人 開拓融資保証業務が円滑にまいりますには、いまお話のありましたように、担当部門を設けて対処したほうが適当かと考えております。
○神田委員 いま一つ齋藤さんにお尋ねしますが、開拓融資というものは特別な金利でありますね。これは前からお尋ねにあったかと思いますが、これらに対しましても引き続き優遇措置をとって融資保証をする考えであるかどうか、再度お尋ね申し上げます。
○齋藤参考人 融資の金利につきましては、先ほど菅野参考人からお話ししたことで御了承願いたいと思いますが、保証料につきましては今回政府におきましても特別に軽減措置をとる、こういう予算措置を講じておられますので、従来どおりの保証料が引き続くものと了承しております。
○佐々木委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。 両参考人に申し上げます。 両参考人には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、委員会を代表いたし厚く御礼申し上げます。どうもまことにありがとうございました。 —————————————
○佐々木委員長 開拓融資保証法の廃止に関する法律案について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。神田大作君。
○神田委員 まず第一に、開拓営農は近年、開拓者として既存の農家よりも非常にりっぱな農業を営んでおる開拓者が出てきました。これは養蚕あるいは酪農等において特に目立っておりまして、毎年全国一というような、そういう営農を続けております。そういう意味合いにおきましては、長い間苦労した、立地条件の悪いところでこのような成績をあげたことに対しまして、私はこれらの人たちに深く感謝の意を表する次第でありますけれども、一方においては、どうにもならぬ、もう借金で動きがとれない、こういうような開拓者もたくさんおるわけであります。しかし、現存の世界の食料事情その他の状況から申しますというと、私は、開拓行政というものをゆるがせにしてはならない、そういう意味合いにおいて、国といたしましても、これらに対しましてあたたかい手を差し伸べなくちゃならぬと思いますが、これら開拓行政に対する今後の振興対策についての基本問題をまず農林大臣にお尋ね申し上げます。
○櫻内国務大臣 開拓農家の方々がきびしい諸条件の中で営農に励まれまして、その大部分はこれからの農業の中における中核農家として今後の農業をになっていただけるものではないか。現存九万六千戸といわれておりますが、その九万六千戸の農家は、四五%が専業農家である、第一種兼業の農家が三〇・八%である、こういう状況、あるいは開拓者の経営する農地面積を見ましても、一戸当たり三・三五ヘクタールで、一般農家の場合に比較しまするならば、三倍程度の農地面積である。また酪農関係で見まするに、開拓農家は大体四分の一が酪農をやっておられると思うのでありますが、飼養頭数が約九頭というようなことで、非常な御苦労の上に順調な営農をされておると思うのであります。お話しのように、一部には引き続き営農のできないような悪条件下にある者もございましたので、それらにつきましては、離農促進をいたしたりしたのでございまするが、現在残っておられる開拓農家は、これからの農業の中におきましては非常に大事な地位を占めておると思うのでございまして、その辺を頭に置きながら、今後の開拓農家に対しての施策を行なってまいりたい、かように存じております。
○神田委員 現在の状況等を見ますると、主として酪農が開拓者の主体をなしておるようでありますが、年々酪農の農家が減っている。こういうような状態は、一つは外国からのいわゆる加工乳、そういうものが入ってきて日本の牛乳の消費を圧迫しておるんじゃなかろうかと思います。これにつきましては、私、前の大臣のときにもよく質問をして善処を求めたのでありますが、これら粉乳というようなものを外国から輸入して酪農家を圧迫する、そういう政策に対しまして大臣はどうお考えになりますか、お尋ね申し上げます。
○櫻内国務大臣 神田委員の御質問の御趣旨はわからないではないのですけれども、現実に外国からの乳製品関係、これが酪農されておる人々に直接どの程度に影響を与えるのか。影響がないとは言わないのでありまするが、どういうふうに具体的に影響を与えておるかということについて、ちょっと、私、把握しかねるのであります。そういうことによっていまの酪農というものが思うように振興されておらないのか、どうも私としてはちょっと判断に迷うのでございまするが、いま乳製品関係は、御承知のように、畜産振興事業団の一元輸入でもございまするから、その辺で相当酪農経営について配慮しながらやり得るものではないかというふうにも思えるのでございまするので、もう一つ問題点を御指摘ちょうだいいたしまして、さらにお答えをさせていただいたらと、こう思います。
○神田委員 酪農振興事業団で一元輸入しておると言いながら、それに牛乳とまぎらわしいようなものがそのらち外から入ってきている。この問題はいろいろ問題がございますから、私は後刻質問します。これは自由化の問題と関係があると思います。しかし、それらの酪農、牛乳あるいは加工乳とまぎらわしいものが、事業団を通じないで入ってきておる。この問題は重大な問題でありますので、これらについては農林省当局としてもひとつ検討をしてもらうと同時に、この問題は後刻私のほうからまた質問します。 ただ、問題は、なぜ日本の酪農が減りつつあるか、これは重大な問題だと思うのです。日本の酪農が減るということは、飼料の値上がり等ももちろんありますけれども、消費の拡大、こういうものに対して努力が足らないのじゃないか、それに対する配慮がないのではないか、こういうことも言われると同時に、酪農家を安定させるためにはばく大な資金が要るのだが、その資金が思うように融資されない、酪農の拡大強化がなされないために引き合わない。多頭飼育に対する基本的態度、これはやはり資金と大いに関係がありますが、こういうことにつきまして、今度資金の借り入れ等につきまして一元化されますけれども、これらに対しましてはどのような態度で臨まれるか、この点についてお尋ね申し上げます。
○櫻内国務大臣 ただいま御指摘になりました点で、開拓農家が酪農を四分の一はやっておる。また経営規模も相当大きいのでありまするから、したがって、借り入れ金につきましては、従来それが大きな負掛となりまして営農を困難ならしめた面もございまするので、御承知のような負債整理の対策をも講じたわけでございまするが、今後一般農家としての借り入れ金などにつきまして支障がないようにつとめるべきは当然であると思います。何と言っても、負債による営農への圧迫ということがあってはいけないのでありまするから、今後とも貸し出し条件等につきまして十分配慮をしていく必要がある、このように見ております。
○神田委員 どうもわかったようなわからぬような答弁でわかりませんが、一体開拓者の負債の現状はどのくらいあるのか、また、このような高額の負債を持っておる開拓者に対して今後どう対処するのか、これをひとつ御答弁願うと同時に、委員長にお願いをしたいのですが、この開拓者の負債の現況の資料をひとつ農林当局から提出してもらいたい、こう思うのでありますが、これらに対しまして、一応大臣なり局長から、この負債の概略の現況とこれに対する対策をお聞きしたいと思います。
○小沼政府委員 私からお答え申し上げますが、開拓農家の負債につきましては、昭和四十三年三月三十一日現在で開拓者負債の実態調査を実施いたしましたが、当時開拓者十万六千戸ございまして、その負債総額は九百三十七億円で、そのうち延滞額が百二十億円、一戸当たりにいたしますと借り入れ金が八十四万円、延滞額が十万円でございました。このような負債が開拓農家の経営に対して圧迫になっておりましたので、いわゆる開拓者資金特別措置法を昭和四十四年に制定いたしまして、四十五、四十六年度にわたりまして償還期間の延長等の緩和措置、あるいは自作農維持資金による固定化負債の借りかえ措置を講じたところでございます。開拓者は、御承知のとおり、個々の経営によって、また地域によって一がいには言えないのでございますが、一般的には経営規模も大きく、したがってまた負債も一般の農家よりも大きいという実情にございます。 そこで、最近におきます状況を申し上げますと、開拓農家が九万六千戸ございますが、その負債の状況を金融機関からの貸しつけ残高で推定いたしますと、その総額は約一千億円でございます。ただ、その中での延滞になっておる金額は非常に少のうございまして、一千億のうち十八億円という状況でございまして、特別措置を講じた効果が反映して固定化負債は大幅に減少してきているというふうに理解しているところでございます。 なお、今後の負債が、災害等いろいろございますし、また地域によっても差がございますけれども、今後の負債の状況等も一応現状に照らしてどういうふうになっているかを総点検をしてみたいというふうに考えまして、これはひとつ農林漁業金融公庫、系統機関とも十分協議をいたしまして、具体的にその総点検に基づきまして地域に即した措置を講じてまいりたい、かように考えているわけでございます。
○神田委員 総点検をするということでありますが、これはもう農林省では大体わかっておるはずだと思うのです。ひとつこれの資料を提出してもらいたい。 それから、この負債の重圧によって営農が拡大されない、そのためにまた離農もする、土地も売る、こういう状態になっておるので、今後農林漁業金融公庫等におきまして開拓者に対するいままでの特別な融資、特に金利の問題とか償還期限の問題、こういう問題については特段の配慮をしなければ開拓者が壊滅してしまう、こういうように考えますので、その点についてどうお考えになりますか、お尋ね申し上げます。
○小沼政府委員 開拓農家で、特に先ほど大臣からお答え申し上げましたように、酪農が多うございますが、酪農の農家は大規模な専業農家でございますし、その資金需要もしたがって大口のものが多いわけでございますが、今回一般の農政に移行することによって、その開拓農家に対する資金融通に支障が生ずるというふうなことがあってはならないというふうに考えております。 このことにつきましては、今国会に一般の農業信用保証保険制度について改正法案が提案せられておりますが、短期経営資金等も一般の営農資金について保険の対象にすることができるということに、これによりましてなるかと考えますが、その場合また開拓農家に対する経営資金についても引き続きそれがやれるということになるわけでございます。 なお、開拓農家に対する資金の融通ルートのいずれにも対応いたしまして保証または保険ができるようになるのでございまして、開拓農家に対する資金融通を大体従来どおり確保されるというふうに考えております。 なお、県の開連及び開拓農協を通じます農林中金を原資機関といたします融資については、従来どおりの融資条件によって必要な融資が行なわれるように措置いたしたいというふうに考えております。 また、一般の農協に所属するようになります開拓農家に対しましては、総合農協または信連からの融資の円滑化あるいは農業近代化資金の活用等によりまして末端負担金の低下について所要の指導を行なうというふうに考えております。 御承知のとおり、大口資金の需要者が開拓に多いわけでございますが、いま申し上げましたように、農林中金または信連の直貸を積極的に推進してまいりたい、かように考えております。
○神田委員 ひとつその点については、従来の開拓者に対する特別なる措置を続けていく、それ以上の資金需要等につきましては、この開拓地における営農というものが軌道に乗ってきた農家が多いですから、いま開拓地で農業をやっているという者は、いわば日本の農業の中心的役割りを果たしていると私は考えるので、そういう意味合いにおいて、特段の配慮をお願いしたい、このように考えます。 次に、開拓地の道路等の補修あるいは整備、これはまだ非常に不十分であると思われます。これらにつきまして、早期にこの事業の促進をはかる必要があると思いますが、これらに対しましてはどのように考えておられるか、お尋ね申し上げます。
○小沼政府委員 開拓地域の基盤整備につきまして、従来から一般の地域と同様に、開拓者の御要望に即しまして、できる限り整備につとめてきたところでございますが、特に開拓地域につきましては、大事な道路補修でございますが、その道路補修の事業を四十四年度から実施しているところでございまして、さらにこれに加えまして、四十六年度から緊急に整備を必要とする開拓地につきまして、新たに飲雑用水の補修を含めて進めたいというふうに考えておりまして、五十年度完了を別途に、補修計画を具体的に立てまして事業を実施している次第でございます。四十六年から五カ年計画の事業費は総額二百三十六億円ということを予定しておりまして、これらの事業につきましては、特に開拓者の方々から非常に事業規模拡大についての強い要望もございますので、事業の進展とあわせて積極的に対処していきたい、かように考えている次第でございます。
○神田委員 次に、開拓地における学校あるいは社会教育とか医療、こういう問題は過疎地帯として、まあどこでも開拓地は過疎地帯が多いから問題が起きると思うのです。学校統合等の問題等につきましてもだいぶ問題が起きているところがありますが、これら開拓地に対する文化施設、学校、社会教育施設あるいは医療施設、そういうことに対しましてはどのように考えておりますか、お尋ねを申し上げます。
○小沼政府委員 開拓事業の初期におきましては、開拓地の多くが非常な僻地にありまして、開拓農家の子弟の教育、開拓者の保健衛生確保の見地からいろいろとくふうをしてまいりまして、開拓事業の一環として中小学校の分教場の建設に対する補助、それから開拓保健婦の設置による保健衛生の確保などをはかってきたところでございます。 最近におきます開拓者の営農の着実な進展状況にかんがみまして、また道路等の整備もかなり進んでまいりましたので、一般的に開拓者の僻地の状況はかなり改善されたというふうに見ておりますが、一応四十一年をもって分教場の設置などは終了しております。 また保健婦の問題につきましては、厚生省の所管の保健所の保健制度に移行させ、その中で保健衛生活動をやっていただくというふうに整理をしてまいっております。 今後におきましては、それにしましてもやはりなお僻地のところもございますので、学校、社会教育、医療問題につきまして厚生省、文部省と十分連絡をとって万全を期してまいりたい、かように考えております。
○神田委員 これはひとつ厚生省のほうあるいは文部省のほうとも連携をとりながら、過疎地であるから、開拓地であるからといって、学校の統合等をやって問題を起こしておるところがあるわけですが、そのために開拓者に大きな迷惑を現実にかけておるところもあるようです。この点はひとつ厚生省並びに文部省と連携をとって、これからの日本の農業の中心的役割りを果たす開拓者に対しまして、文化に浴せるようなそういう施策をもっと充実すべきである、こういうように考えますので、この点はひとつ特に強く要望いたしておきます。 次に、先ほど齋藤理事長にもお尋ねしましたが、今度開拓融資保証協会がなくなって、これらの役職員の就職あるいは統合等につきましては、職員の場合は問題ないといわれておりますが、職員であっても今度は違うところに行くのでありまして、非常に不安定だろうと思う。そういう問題。役員につきましては、特に開拓関係の役員が入っておらなければ実情というものはやはりわからぬのでありますからして、この点につきましても、ひとつ農林省としては十分に行政指導をされまして、開拓者関係から役員を送り込む、それから職員を完全に統合させる、そういう点について努力すべきであろうと思いますが、この点について当局にお尋ねを申し上げます。
○小沼政府委員 職員の問題につきましては、承継時の職員の全員を引き継ぐことを原則にして進めてまいりたい、かように考えておりますが、役員につきましては、先ほど齋藤参考人が申し述べましたとおりでございますが、統合までの間にひとつ個別にケース・バイ・ケース、いろいろ事情ございましょうが、ひとつ円満に、事務として引き継いだ後も支障のないようにしていく考え方で、審査とかいろいろの事務がございますが、開拓に明るい人がいなければ困りますので、そういう点から十分配慮してまいりたいということで努力いたすつもりでございます。
○神田委員 次に、私は、その役員の問題についてはこれは総会できめるというようなものの、少なくとも統合するのでありますからして、関係者から入れるということは常識であります。しかし、県によっては、どうもあれじゃ気に食わぬとか言って排除するおそれが十分あると思う。私はそれを心配するので、ほんとうはこの統合する条件の中に附帯決議か何かでひとつわれわれはこれは入れておきたいと思うのでありますけれども、そういう点は役員の場合に問題が出てくる。そういう点を十分指導されたい、こういうふうに私は考えます。 次に、開拓農協の現状、それから今後の開拓農協に対する指導、そういう問題についてお尋ねを申し上げます。
○小沼政府委員 開拓農協とそれから連合会につきましては、一般農政移行措置の一環として四十四年から再編整備を実施してまいったわけでございます。昭和四十九年度末には開拓農協は、単協でおおむね百五十五程度、連合会でおおむね十程度になるのではないかというふうに一応見込まれております。ただ、これらの開拓の単協なり連合会は、残りましたものだけに、比較的に経済的な基盤も強い、総合農協に決して劣らないようなものが相当数あるというふうに考えられます。それにしましても、今後の経済需要中心にその活動をするわけでございますので、政府といたしましても、その系統組織の事業が健全に伸展するよう特段の配慮をしてまいりたい、かように考えているわけでございます。
○神田委員 私は最後に大臣にお尋ねしたいが、開拓者のいままでの非常な苦労、それから開拓農業者の非常にりっぱな農業経営、これは既存の農家を超越した非常にりっぱな農業経営をやっておる方がたくさんおる。これらの方に対して思い切った融資をして、特に原野等周囲にあるわけですから、これらをゴルフ場や何かでもって買い占めされるというようなことではなしに、酪農なら酪農として、果樹園なら果樹園として、りっぱな日本の農業の将来の展望として、こういう農業が開拓地でもできるのだ、日本でもこういう農業ができるんだ、こういう酪農ができるんだというような、そういうものをやはり開拓地につくり上げるべきだと思う。そういうためには、やはりたくさんの金が要るわけですから、これを、ある程度のワクをはめることなしに、その規模に応じた振興すべき開拓農家の拡大強化についてひとつ思い切った施策を施して、日本の農業のあり方を示していただきたいと思いますが、これに対する大臣の考えをお尋ね申し上げます。
○櫻内国務大臣 後段のお尋ねである、開拓農家のためにさらに規模の拡大について配慮をする、これはできるだけそういうことでいきたい。現に開拓未利用地開発事業を行なっておるのでございますが、こういうことや、あるいは先ほどお尋ねの開拓道路の補修事業、このような事業をやりながら、現在非常な御努力をされておる開拓農家のために役立ってまいりたい、かように思います。 それで、この一般農政へ移行するために御承知のような措置をとりまして、一番問題であるのが負債対策であるということで、融資条件の緩和等をいたしてまいったのでございまするし、また、今後の所要の資金につきましては、先ほど局長からお答えを申し上げたように、支障のないようにつとめておるわけで、要するに、ただいま御質問の中にあるように、開拓農家が一般農家に比較いたしまして、中核ともなるべきりっぱな営農をされておるという現実でございます。さらに、そのような傾向を進めていくということによりまして多年の労苦に報い、これからの農業の中で開拓農家がりっぱに発展をするようにいたしたい、このように思います。
○神田委員 ひとつこれらについて実情をよく把握しながら、私たちは開拓地をめぐってみて、養蚕、酪農、果樹、これらについてりっぱな経営をやっておる農家、なるほど既存の農家では思い切ってできないことを開拓農家は思い切ってやっていけるのです。こういう点について、ひとつこれを振興させるための御努力をすることによって、日本の食料を確保していく、そういう点に御留意願いたい。 最後に、農協牛乳がだいぶ評判がいい。農協牛乳はなぜ評判がいいかというと、あれはしぼりたての乳を、何もまぜものを入れないで飲ましていく、そのために非常に好評を博しておる。ところが、市販乳においては、いわゆる加工乳をはじめといたしまして、あるいは脂肪分等において異種があった、異種混乳、あるいはまた水割り牛乳というようなものを私はたびたび聞かされる。こういう実例等について、私はこれをお尋ねし、実物をもってこれを追及するつもりでおりましたが、時間がありませんからできません。後の機会に申したいと思いますが、一体厚生省は、これらの牛乳等に対する内容の検査、あるいは内容の検査をしてこれならばこれは規格に合っているとか、これは合っていない、これは栄養分はどうなのであって、こういう価格ではこれは高過ぎるとか、これはインチキであるとかいう、そういうものをやはり国民に知らせるべきだろうと思うが、一体、厚生省のこういう牛乳等に対する行政はどうなっておるか、どういう結果がまた現在出ておるのか、その点についてひとつお尋ね申し上げます。
○岡部説明員 お答えいたします。 牛乳、乳製品等につきましては、食品衛生法できめられております食品の中でも、私どもとしては重点的に監視あるいは指導をやっておるつもりでございます。先生御指摘の現在の市販牛乳の中に、加工乳といろものと牛乳というものがございまして、そして牛乳につきましては、先生御承知のように、搾乳したなま乳をそのまま殺菌して消費者に配るものでございます。加工乳につきましては、乳製品を補強いたしまして、これを牛乳と同じような成分にしたものでございまして、これらにつきまして、本年の三月に省令等も整備いたしまして、これに使用いたします原材料も限定いたしまして、この品質の確保につとめておるところでございます。 なお、昨年の四十七年の牛乳、加工乳につきましての収去検査件数は、全国で約四万六千件でございまして、そのうち酸度あるいは脂肪不足というものが若干ございますけれども、一般的に他の食品に比べまして十分成分規格等が守られておる食品の一部と考えておりますが、さらに監視、指導につきましては強力にいたしたいと考えております。
○神田委員 たとえば明治牛乳でもって異種脂肪を入れた問題、これも過般だいぶ問題になったわけです。ああいう問題を長い間放置しておったわけですね。だから、こういう問題は、私は農協で今度直接牛乳販売を始めたというのは、消費者が加工乳やその他の牛乳に対して不信を抱いておる。こういう点については、今後酪農振興上大きな問題点になるのであるからして、厚生省としては十分にそれら検査の内容等を国民に知らせる、そして不良品に対しましてはどしどしと摘発する、そういう態度をとってもらいたい、こういうように考えます。そういう点についてお答え願います。
○岡部説明員 先生御指摘のように、悪質な違反等につきましては、今後発見次第これを公表し、さらに厳重な処分をする予定で、現在各都道府県に対しまして、これら悪質な違反につきましては直ちに公表等の措置をとるように通知しているところでございます。
○神田委員 この問題は、今後時間をあらためましてお尋ね申し上げたいと思います。 最後に、私はこの機会に、開拓地が、先ほどもだれからか質問がありましたように、ゴルフ場になったりあるいはまた土地値上がりの買い占めの対象になっておる。非常にわれわれとして残念でならないのであります。これはやはり日本の農業施策の貧困、これが原因であろう。そういう意味合いにおいて、せっかく開拓した土地が、土地の値上がりを待つ業者の金もうけの道具にされるというようなことのないよう、また、この機会に開拓者に対しまして十分な施策を施して、りっぱな農業経営がなされるよう十分指導監督されることを最後に申し上げまして、私の質問を終わります。
○櫻内国務大臣 開拓地がゴルフ場へ転用されていくという例が相当あるように聞いておるのでございまするが、言うまでもなく、公共投資の対象になった開拓地でございまするので、こういう地域については農地法の適切な運用によりまして、さような事態のないようにつとめたいと思います。 この買い占めは、わかったときにはすでに金銭の授受などが行なわれた時点でございまして、なかなかむずかしい問題がございまするので、先般全国の農政局に対しまして、事前にそのようなことを把握するように通達を出しておるところでございまするが、いずれにしても農地法を厳正に運用して、開拓地がゴルフ場などに利用されるようなことを未然に防いでまいりたいと思います。
○神田委員 終わります。 ————◇—————
○佐々木委員長 この際、参考人出席要求に関する件についておはかりいたします。 農林水産業の振興に関する件、すなわち、伊良湖水道における西独の貨物船メリアン号とタンカー日聖丸との衝突事故により生じた油の流出による漁業被害状況について、参考人の出席を求め、その意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐々木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、参考人の人選、出席日時及びその手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐々木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 この際、本会議散会後再開することとし、休憩いたします。 午後一時二十六分休憩 ————◇————— 午後二時二十一分開議
○佐々木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。柴田健治君。
○柴田(健)委員 開拓融資保証法の廃止に関する法律案に対して御質問を申し上げたいと思います。 同僚議員からこの法案に対していろいろと質疑をされ、もう具体的な論議が行なわれているわけでありますが、時間の関係もございますから、具体的にお尋ねを申し上げたいと思いますので、簡潔に要領よく御答弁を願いたいと思います。 昭和二十八年にできた二十年の歴史を持ったこの法律が終結をしようとしておるわけでありますが、戦後、開拓農民は、要するに、一般農家と比べて開拓農家は非常な苦しみの連続であったと思うのであります。それだけに国、地方公共団体をあげていろいろと援助をしてきたことも事実であります。しかしながら、二十万の開拓農家がいま九万六千幾らという減少を示したということは、時代の流れとはいえ、ほんとうに何か割り切れない感じがするわけであります。それぞれ思い思いの生活の基盤を求めて転職やまたは転廃業ということで方針を変えられた農家もあるわけでありますが、しかし、いろいろと歴史的な経過を私たちが振り返って、長い間ほんとうに御苦労であった、とともに、今後一般農家と同じように肩を並べて生きていく、日本の食料政策の一端をになっていくという農家に対しては今度思い切って保護政策をとるべきではなかろうか、こういう気持ちもするわけであります。 そういうことで、いままでの長い苦しみの中から、これから一般農家と開拓農家という差別なく日本の食糧政策の一翼をになう、そういう立場で農林大臣がこの辺で、今後もいろいろな苦しみがあるだろう、だけれども、できる限りいろいろな制度においてもまたその運用の面でも最善の努力をするという決意を表明していただいて、今後開拓農家が一般農家と肩を並べる、そこまでどう指導していくか、どういう心がまえでやっていかれるか、大臣の所信をまず聞いておきたい、こう思います。
○櫻内国務大臣 一般農政へ移行する上において各種の措置を講じながらきたわけでございます。そこで、その中では特に負債対策については十分考えてまいったわけでございますが、今後におきましては、むしろ今度は開拓農家が一般農政の中で前向きにどう営農ができるかということが問題であろうと思いまするが、開拓農家の実情からいたしますると、経営規模は一般農家よりも三倍程度にもなっておりますから、したがって、借り入れ金についても比較的大口のものの必要などがあると思います。そういうような点をよく勘案いたしまして、お世話を申していく考えでございまするし、また、開拓農協として残るものもございまするが、そういうところを通じての借り入れ金などについては、従来どおりの資金が得られるようにつとめるというようなふうに、せっかく多年の労苦の上に、また本日まで営々として努力せられた開拓農家のことでありますので、ただいまの御質問の御趣旨に沿って、できる限り今後においてもお世話を申し上げる、かように考える次第でございます。
○柴田(健)委員 たまたま法案が資金関係になっておるから資金の関係だけに焦点をしぼってお答えになったと思うのですが、私たちはそうではなくして、開拓農民のいままでの苦しみの中で、先ほど同僚委員からいろいろ質問がありましたが、道路の問題にしても生活用水なり農業用水の施設の問題にしても、各般にわたってまだまだ手おくれになっておるということが言えると思うのです。そういうことを考えたときに、ただ資金的な面でなしに、現行の制度の中で、今度新しく四十八年度予算の中では高福祉農村の建設といういろいろな名前をつけての予算措置がされておるわけでありますが、四十八年度の予算措置の中で、もう少し開拓地付近の環境整備という立場で、一般農家と変わらないような取り扱いを、特に、いままでの経過から見ると、おくれておる点に最善の配慮をするだけの気持ちがあるかどうかということを、ただ金融面だけでなしに、その点をひとつ見解を求めたわけであります。
○櫻内国務大臣 これは私どもとして当然考えなければならない点だと思います。一応開拓地区の環境整備の上に開拓道路等の補修事業やあるいは飲雑用水についての考慮もありまするし、あるいは開拓未利用地の開発事業も行なうわけでありまするが、同時に、一般農政の中における生活環境整備あるいは基盤整備、構造改善事業、いろいろとございましょうが、これはもう開拓地も一般もないのでございますから、必要に応じて御趣旨に沿っての十分なお世話をいたしたいと思います。
○柴田(健)委員 局長にお尋ねしますが、戦後ずっと、開拓地は全国に相当数あったわけでありますが、投資額はいままで総合計どのくらい投資をされたのか。それから、たとえば離農奨励金という形で出したその離農奨励金の総額。そういうふうに分類的に、投資額とそうした離農の奨励金、補助金の総額。そしてまた農地の転用の面積ということがわかっておれば、ひとつ御説明願いたいと思います。
○小沼政府委員 開拓に投資された金額でございますが、国営の工事、代行工事あるいは小団地の補助地区あるいは非補助の地区等ございますが、そういう全体の中でこれはなかなか計算がむずかしゅうございますけれども、昭和二十一年から四十六年までの国家の投資並びに融資の額というものを一応の試算をいたしますと、公共事業費で千九百七億二千二百万円の公共事業費。そのほかに開拓者資金が五百八十一億ということで、計二千四百八十九億一千七百万円という数字が出ております。これは入植者に対する分でございますが、物価換算をいたしておりません。長年の間でございますから、相当物価変動がございます。一般的には物価が上昇しております。かりに物価の上昇を含めて物価換算をいたしてみますと、いまの二千四百八十九億というのが六千四百五十六億にいまの値段ではなるのではなかろうかというふうに試算をしてみているわけであります。それは主として土地改良等の投資でございます。 離農の援助につきましては、三十五年から三十八年までが三千六百九十八戸に対しまして七億二百万、それから三十九年から四十六年までで一万四千八百六十四戸に対しまして四十八億五千八百万円、それから四十七年度は千百三十六戸で四億四千三百万円。合計で一万九千七百八戸でございまして、六十億三百万円、そういう補助額になっております。
○柴田(健)委員 農地転用の個所はわかりませんか、件数と面積と。
○小沼政府委員 失礼しました。 農地転用につきましては、開拓分だけといういうふうな仕分けがございませんので、全体の数字を申し上げますと、昭和四十六年で六万一千六十四ヘクタールが転用面積となっております。 その中で許可または届け出の用途別の転用面積で見てまいりますと、植林、それから住宅敷地が四十六年では非常に多うございまして、住宅敷地は一万七千四百四十一ヘクタール、植林その他が一万五千百五十二ヘクタール、鉱工業、発電施設用地が六千四百四十一ヘクタール、その他の建物施設が八千百九十ヘクタール、そのほかに道路、水路敷地であるとか、鉄道用地であるとか、公園、学校等が若干ずつあるという状況であります。
○柴田(健)委員 全体はわかっておるが、開拓地のものは確認されていないというのがちょっとわれわれには疑問があるところであります。それはそれとして、離農奨励金を出した。その後の農地の移動、転用を見ると、何か国も県も開拓農民の追い出し作戦にまんまとひっかかったというような、そういう懸念があるわけであります。そういう点について私たちはどうもふに落ちない点がある。まあ、開拓地はほかに転用したほうが経済効果というか、そういうものがいいんだということで、岡山県においても事実そういうことがあった。これらを考えてみると、どうも、戦後の苦しいときには一生懸命やらしたが、通貨の膨張政策、高度経済成長政策の過程の中で所得の格差というものが出て、早く土地を売らして借金を返させる、そうすれば県も国も楽になる、こういうことで借金返済のために離農奨励を出した。農民のほうに土地を売らしていく、結果論ではあるが、そういう道を歩んできたような感じでおりますので、その点についての反省というか、いままで取り組んできた点について、万全なものであったかどうか、局長、どういう見解を持っておりますか。
○小沼政府委員 確かに御指摘のとおり、土地条件が当時非常に悪くて、そのために営農がなかなかうまくいかないというふうな地域がございまして、それは離農していくというふうな向きもございました。中には非常に発展していく地域もございますが、地域によってかなりさまざまでございますが、御承知のとおり、農家を一類農家、二類農家、三類農家と分類をいたしまして、開拓については、離農したい人については離農の援助金を出すというふうな措置で、一般農政への移行措置をはかってきたわけでございます。非常にきびしい条件のもとに食料増産をやっていただいた経過がございますことは御指摘のとおりでございますが、緊急開拓以来二十八年を経まして、入植者二十一万のうち、その約半数の九万六千戸が現在残っているということでございます。離農円滑化措置あるいは営農を積極的に進める、両サイドの政策を進めてきたわけでございまして、現在残っている農家については、これはやはり今後規模の優位性を生かして発展する可能性が十分あるということで、その指導をしてまいっているわけでございます。離農そのものについては、離農したいという者については当然離農援助をいたしたわけでございまして、先ほど申し上げましたような数字でございますが、今後私どもこの開拓政策全体としては、やはり先ほど御指摘のございました環境整備また農地開発の事業も必要でございます。道路補修とかいろいろの面において開拓地の整備を進めていかなければならないというふうに考えております。同時に、離農をした人々については負債の整理をしなければならないというふうに考えておりまして、今後の一般農政への移行に際しまして、それぞれに適切な措置を講じてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○柴田(健)委員 戦後二十万戸の開拓農家があって、いま九万六千戸ですが、要するに、昭型三十六年農業基本法が制定されて、あの基本法で選択的拡大という非常にいい名前を使われ、規模拡大、専業農家の育成、それで規模拡大に対して、農業基本法の立場からいうと、開拓農家はどんどん減った。減ったのは、Bの農家の農用地をAのほうの農家に譲り渡した。一方では規模拡大した。それから開拓農家の戸数は減ったのだが、戸数の減少によってどれだけ面積が拡大されたのか。事実はどうですか、その点は局長。
○小沼政府委員 離農した農家は御承知のとおりと思いますが、調査によりますと、それぞれ一次産業、二次産業、三次産業に就職をしておりますが、大体九〇%はそういう就職をしております。そこで、その離農したあと地を残留の開拓者に譲渡しているわけでございますが、パーセンテージで申しますと、離農者で、あと地を残留の開拓者に譲渡した者は、五六・九%という実績になっております。
○柴田(健)委員 この規模拡大のほうに移籍したのが五六・九%、残りは現存何になっているのですか。残りはどういう状況になっているのですか。分類してみて、どういう形になっているのですか。
○小沼政府委員 五六・九%以外の残りのものにつきましては、開拓者以外のものに売られたとか、あるいはほかのものに転用されたとか、いろいろなケースがあるようでございまして、その方向として必ずしも全部が規模拡大に結びついているということではないようでございます。いろいろな用途に向けられているというふうに聞いております。
○柴田(健)委員 昭和三十年に補助金適正化法という法律ができて、その後、この開拓地にいろいろな国、県の補助がいっておる。そういう他に転売、転用された場合には、国からの補助金については、この法律からいうと、返還しなければならぬ。それで、補助金の返還の件数と額はどのくらいになっていますか。
○小沼政府委員 補助金を返還する要件は、補助金を受けて事業をやったときからの年限がそれぞれきまっておりまして、その年限以前にほかに用途を変更するなり売ってしまうというふうな場合うに、補助金の交付要項でそれぞれの場合についてきめております。その後については、それぞれ地域、事情によって異なりますけれども、実質的に返還を要求する場合もございます。 そこで、いまお尋ねの全体の数字としてどういうふうになっておるかということでございますが、ちょっといまその数字についてはここに資料を持っておりません。 〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕
○柴田(健)委員 これを具体的に言うと時間がかかりますから、やめます。 次に、今度の代位弁済、求償権というものの償却にあたって、それぞれ見込み額を出されておるわけですが、求償権残高の見込みが二億一千六百万、代位弁済見込み額が二億八千三百万、出資払い戻し見込み額が三億五千六百万という、この見込み額を出した実態調査の数字を見ると、昭和四十六年十二月末の現在ということになっております。これは農林省の説明なんですが、昭和四十六年十二月末現在の実態調査の結果でこういう一応の見込み額を出した。その後の変化というものはないのか。この辺、局長、どうですか。
○小沼政府委員 いま御指摘の数字は、昭和四十六年十二月末の現在の実態調査の結果でございます。御指摘のとおりでございます。 その後変わっているかどうかということでございますが、若干の変動はあろうかと思いますが、統合にあたりましての処理としてこの計算をしました際には、大体いまの数字をベースにしながら整理の方針を立てたわけでございまして、ほぼこれで十分やり得るというふうに見込んでいる次第でございます。求償権及び代位弁済につきまして計算をいたしました結果、求償残高が三億八千三百万円、代位弁済見込み額が六億一千五百万円、それで合計九億九千八百万円になるわけでございますが、そのそれぞれについて処置をするということにつきましては、代位弁済、徴収停止、求償権の償却等の措置をこれに基づいてやって、大体事務的には差しつかえないというふうに見込んでいるわけでございます。
○柴田(健)委員 金に関することですから、やっぱり確認はしたい。昭和四十六年十二月という時点での押え方というのは、どうも昔の大福帳的な考えだ。法律をなくするのですから、事、金に関する限りはもう少しきちょうめんということばで一つの算定をしてもらわないと、どうもぴんとこないという気がします。この点については、手落ちのないようにやられておるだろう、また、やられるだろうという前提に立って、了承はしますけれども、どうも私たちに対する説明としてはおかしいという気がするわけです。この点は十分注意をしてもらいたいと思います。 次は、今後残存の開拓農協ですが、単協、連合会の統廃合で残る数字、要するに、残存する数字の見込みを出してある。連合会では十は残るだろう、単協は百五十五残るだろう、こういう数字を出しておるのですが、いま皆さん方が示しておるこの百五十五の単協の残るという数字はほんとうに確認されるかどうか、この点、自信があるのですか。
○小沼政府委員 開拓農協の推移を見てまいりますと、四十四年の三月三十一日に組合数が三千七百八十一ございまして、連合会数が四十五ございました。四十七年の三月三十一日には、二千二百二十七の単協数になりまして、連合会は四十四になっております。四十八年の三月三十一日には、組合数がぐっと減りまして七百三十、連合会数が二十八というふうに激減しております。 今後の見込みでございますが、四十九年、五十年と二年たちました後のことでございますから、見込みということになりますが、私ども、推移としては、百五十五の単協と、連合会数が二十八から十に減るというふうに一応見込んでございます。 なお、午前中にもございましたが、全開連のほうの見込みでは、県関連が十五、開拓農協が二百四十くらいになるであろうというふうに見込んでいるようでございますが、いずれにしましても、かなり大幅に減少するという見込みを立てた次第でございます。
○柴田(健)委員 参考人からの意見では、こんなに減らないという見通しを言われたのですね。それから農林省のほうは、これだけ減るということなんですが、万一これが食い違いが出た時分には、払い戻しの関係が違ってきますが、そのときはどうするのですか。
○小沼政府委員 先ほどの不良債権の場合でも、ピータ時の計算をいたしまして、それの二倍程度を見込んでおりますので、事務処理といたしましては、農協が二面四十の場合でも十分処理はできるというふうに考えております。
○柴田(健)委員 先ほど質問の中にもございましたが、単協は解散をした、まだ事務的に負債といろいろ農地の問題で未発記の問題がある。残っているのは相当の問題があるから残っておるんだ、その問題を一つ一つ検討した結果、こういうぐあいに時期はおよそこの程度でということの大体の見通しがないと、ただ解散を急がしてはこれは失敗するし、問題が新しいほうに入っていくと思います。それらの処理のしかたを具体的に、およそいつごろにそういう点については処理さしていくという、解散なら解散手続があるわけですから、その解散の手続の過程の中で全部解決する、こういう指導方針がなければいかぬと思うのですね。そのスケジュールはあるのですか。
○小沼政府委員 開拓農協と県関連についてでございますけれども、開拓農協の負債の面では、県開運または金融機関が処置をすることにしておりますが、不良債権に対応する措置といたしましては、離農着または徴収停止基準該当者の貸し付け金に対応する債務については、償却の減免または債務の個人分割等によりまして、組合の責任を免責するとか、いろいろの措置がございます。 いま御質問のように、これにつきましては、この保証業務の法律に基づきまして二年間の期間をおいて、その間にということでございますので、いまの御指摘の点は、それぞれその地域地域に当てはめてみて、その実態に対応した措置を個別にとらなければならないというふうに思っておりまして、先般も申し上げました負債の状況の点検なり、また開拓農協、県開運の資産内容等も十分検討いたしまして指導してまいりたい、かように考えております。
○柴田(健)委員 二カ年の余裕があることはわかるのですが、どんなに指導したって、借金が払えない、負債の整理ができないという場合にはどうするんですか。どうにもならない、どうにも払うことができないとした場合には、農林省、どうするのですか。
○小沼政府委員 開拓者の負債の中で、御承知のとおり、公庫資金が一番多くて約七百二十億円、農林中金が百六十億円、系統資金が百二十億円と見込まれておりますが、固定化しておりますのは大体十八億円ということでございます。そこで、四十五年から実施してまいりました負債対策では、償還期限の延長措置、貸し付け利率の引き下げあるいは徴収停止の措置等をとってまいりまして、現在の延滞額につきましても、いま申しましたように非常に少なくなっております。しかし、まだ、御指摘のように、多大の借り入れ金が残っておりまして、負債の処理がなかなかできないというものもあるやに聞いておりますので、この点については、公庫、中金、金融機関と、また県とも十分相談をいたしまして、徴収停止というやり方もありますし、また、この償還期限を延長するやり方もございますし、個別にその適切な措置を進めてまいりたい。また、北海道等でも出ておりますが、自作農維持資金で借りかえをしていくというふうな措置もやはりくふうの一つであろうというふうに考えております。 いずれにしましても、それぞれの地域に応じたそういう負債処理を総合的にやってまいる必要があろうかというふうに思っておりまして、この点、金融機関とよく相談をして処置をしてまいりたい、かように考えております。
○柴田(健)委員 適切なる処置と総合的な指導ということばを使われたのですが、適切なる処置や総合的に指導ということばはいつも使われるのですが、しかし、私たちは、公庫だとか農林中金というけれども、問題は農林中金のほうが多いのではなかろうかと推察ができるわけです。しかし、いよいよ払えないという、もうどんな手を打っても万策尽きた、これはもう金融機関へお願いをして棒引きにしてもらうほかないという事態に至った時分には、どうですか、農林省は責任を持ってそれだけの話をつけてやる。先ほど、金融機関ともよく相談をしてと、こう言われたのですが、相談はいつでもできるわけですが、けじめをつけなければいかぬわけですね。けじめがつかない相談はだれでもできるわけですから、けじめをつける。それからもう棒引きさせる。そのくらいな決意でなければ、私はその処置をしたとは言えないのですが、ここではっきり回答はできないかもわからないが、そこの辺まではやってみるという決意があるかどうか。
○小沼政府委員 実際に生じると思われます不良債権等につきまして、徴収の停止あるいは債務については償却、減免ということになりますが、そういう具体的な措置をそれぞれ県段階で協議会を設けまして、個別に当たって返せるものは返していただかなければなりませんけれども、とてももう返せないというものについては、その対応策をいま申しましたいろいろのやり方で措置をしていかなければならないというふうに考えておりますが、その条件緩和とか減免とか期間の延長であるとかいろんな段階がございますけれども、それについてひとつ県段階でよく個別に詰めて措置をしていくべきであるというふうに私ども考えております。
○柴田(健)委員 この点、肝心なことだから、大臣、一口ちょっと考え方をはっきりしてもらいたい。
○櫻内国務大臣 ただいま局長からお答えしたことで尽きるのでございまするが、若干重複いたすようでございまするが、主要な点につきまして申し上げますると、不良債権に対応する債務及び法人債務の焦げつき債務については、離農者または徴収停止基準該当者に対する貸し付け金に対応する開拓農協の債務については、償却、減免または債務の個人分割等により組合の責任を免責している。 それから、開拓者に転貸されていない組合債務については、事業休止組合に該当する場合また組合が解散する場合には、組合の理事の責任を追及することなく、組合の責任を免責しておる。 それから、在農者に対する転貸貸し付け金について、開拓農協が償還期間の延長、利息等の減免等の条件緩和措置を講じ、これに対応して開拓農協の債務につき県開連または金融機関が所要の条件緩和措置を講じる。 それから、開拓農協が離農者、徴収停止基準該当者に対する債権の償却、減免または法人債務の焦げつき等により県開連が弁済不能の超過債務を負担することとなったときは、金融機関の減免措置と、国、県の助成措置によって整理を促進する。 以上でございます。
○柴田(健)委員 そんな文書を読んでもらったって、問題は、役員の責任も追及しない、解散はする、不良債権は残る、その問題を言っているのですよ。もう取り立て不能じゃないか。それはいろいろな措置の方法はあるでしょう。延期だとか減免だとか、いろいろあるでしょう。実際もう完全にだれも払う能力もない、どうにもならないというものは、金融機関で結末をつけてやる。簡単なことじゃないですか。大臣、そういう点については迷惑かけません、国において責任を持って処理します、こう言うてもらえばいいんだから、一口それを言ってください。
○櫻内国務大臣 これはいろいろ影響するところがございまするから、私がお答えのできるのは、県、系統金融機関、公庫の関係者で協議会を設けて、個別に地域に即し十分協議して処理方針をきめてまいりたい、こういうことになると思います。
○柴田(健)委員 まあ、答えにくいだろうと思いますが、しかし、この点については十分配慮してもらいたいということを強く申し上げておきます。 次に、基金の問題ですが、増加の必要額に対して国と県とが三億二千五百万補助する。交付するというと補助金ですが、四十八年度では国は七千万円、四十九年度では九千二百万で一億六千二百万、半分は県ということになるのですが、この点ひとつ私は国の責任において負担をよけいかぶってもらいたいという気がするわけです。これはもう二分の一というのはおかしいという気がします。これを国が三分の二、県が三分の一にすべきではないか。どうですか。この点についてはこれはもう局長でなく、大臣に。
○櫻内国務大臣 御希望としてはそういう国がよけい見るということが考えられるのでありますが、これは四十八年度の予算の中ですでに措置がしてございまするので、いまここで方針を変えるわけにはいかないのであります。
○柴田(健)委員 処置は当局がかってに——かってにと言ってはいかぬけれども、一方的に開拓融資保証法の法律を廃止するのですよ。廃止する限りは国のほうが責任が非常に重くなってくる、これは当然のことなんですよ。その責任の度合いからいって、二分の一というのがおかしいのですね。県が半分国が半分というのは筋が通らない。予算措置はどうであろうとも、何らかの方法でこれは国が三分の二、県が三分の一ということにしてやらないと、あとの残務整理やその他で、県のほうがいろいろなことで金を使うわけですよ。それで金のほうは平等だ、権力だけは国が握っちゃうというようなところに問題があるわけですから、この点については是正してもらいたいと思うのですよ。ことし予算措置していけないものは明年度、四十九年度で埋める、カバーしていく。ことし、四十八年度でできないものなら、これは二カ年でとなっているのですから、四十九年度で措置する。大臣、どうですか。四十九年度は、もういまからそれを言えば、大臣、まだ留任していけますよ。——局長じゃない、大臣ちょっと。これは政策的な問題だから……。
○小沼政府委員 事務的な面でお答えを申し上げます。 統合にあたりまして、基金が不足すると見込まれる協会を全国調べてみたわけでございますが、現在の基金で充足できるという協会が十七ございます。それから不足するという協会が二十七という状況でございまして、三億二千五百万のうちの二分の一補助という形でございますから、その点では十分対応できるというふうに考えております。 なお、実際に動き出してから不足ということがさらに出てまいりますれば、その段階で考慮をしなければなりませんが、一応二年間でございますので、御心配の点は十分考慮におきましてひとつ措置してまいりたい、かように考えております。
○櫻内国務大臣 ただいま局長のお答え申し上げたとおりでございますが、予算の際に政府として一応考えましたのは、二年計画で行なうので、四十八年度予算で七千万円の補助金を計上し、四十九年度の補助金の予定は九千二百万円と、こう申し上げてまいったのでございまして、現在あらためて方針を変える考えは持っておりません。
○柴田(健)委員 どうも大臣は肝心なところだけは抜けている。一番最初私がお尋ねしたときには、開拓農民に対してはほんとうに思いやりのある措置を講じます、一般農民と変わらないようにやっていく、こういうお答えをいただいておるんだが、いま答弁を聞くと、まことに公式的で、どこに配慮や考慮ということが出ているのか。出てこないではないですか。この点についてはいずれ明年度の予算で措置してもらいたい。いま局長は、いろいろ考慮をする、配慮をする、こう言われたのですが、大臣のほうは、いまのところありませんという。そんなぶっきらぼうな答弁では困る。大臣は一番最初所信を表明されたですね。その考え方からいうと、この点については是正もやぶさかでない、こういう答弁ぐらいできるはずだと私は思うのですよ。どうですか、大臣。
○櫻内国務大臣 それは二年計画のことでございまして、今後もし不十分な点があるということで考えなければならぬ問題がございますれば、しゃくし定木に、もうこれしかできないと言うのもいかがかとは思いまするが、一応四十八年度予算で先ほど申し上げたような所要の措置は講じてありまするので、お答えを申し上げておる、こういうことで御理解を願いたいと思います。
○柴田(健)委員 次に、承継関係で、職員なり役員の問題ですが、同僚議員からいろいろ質問が出たのですが、職員の三十九名、これを地方で措置できるもの、中央で措置できるものに分類していくと、中央が九名措置しなければならぬ。中央段階で九名を引き継ぎするわけですが、私は地方、中央を含めて給与関係はあまり十分ではないという気がします。いまの給与の額で引き継ぎをする、まあそれぞれ措置されるわけですが、しなければたいへんなことですから、されると思うのですが、給与の関係についてはどうするのかということなんです。それぞれ引き継いでくれる機関にまかしておくんだというような考え方か、この際ひとつ給与を何ぼかよくして引き取ってくれ、こういう指導をするのか、との点について、局長、どうですか。
○小沼政府委員 統合にあたりましての職員の身分の安定については、特に配慮をいたさなければならないというふうに考えておりまして、原則といたしまして承継時の職員全員を引き継ぐという基本に立っておりますが、その処遇等につきましては、いまより悪くなるということでは困りますので、既存の職員との均衡を失しない形でやるように十分指導をしてまいりたいというふうに考えております。
○柴田(健)委員 それから中央で九人引き継ぎをされるわけですが、保険協会のほうは、いままでの中央の職員はどうですか、農業者の共済組合に入っておるんですか。
○内村(良)政府委員 お答え申し上げます。 現在、農業信用保険協会の職員は厚生年金に加入しております。
○柴田(健)委員 厚生年金に入っておる、一方、地方では農林年金に入っているということになるんですが、このかみ合わせばどうするんですか。
○内村(良)政府委員 農業信用保険協会のほうに職員の方が参りますと、厚生年金に加入することになるわけでございます。いままでは農林年金に入っていたということでございますから、これらの職員の方は、農林年金の組合員期間と厚生年金の被保険者期間と合算して二十年に達すれば、その時点で通算退職年金の受給権が発生するわけでございますから、いままでの組合員期間がそこで不利になるということは形式的にはないわけでございます。 ただ、先生御承知のとおり、農林年金と厚生年金では給付の条件が多少違う点がございますので、給付の内容は多少変わってくるということになるかと思います。
○柴田(健)委員 どちらか一本にまとまらぬのですか。地方は農林年金であるが中央だけは厚生年金である、これはどういうわけですか。どういう考え方でこういうことにしたのですか。
○内村(良)政府委員 その点は、農林年金の加入資格といいますか、組合員資格との関係の問題でございますが、農林年金の対象団体は、農林年金の基本が、自主的に設立された非営利法人であって、その直接または間接の構成員が農林漁業者であるかまたはその業務が農林漁業者の社会的、経済的地位の向上をはかることを目的として設立されたもの、こういうことでございまして、こういった趣旨からいたしまして、まず第一に、同じ農業関係あるいは漁業関係の仕事をしておりましても、公的色彩の強い公庫、公団、基金等は除いているわけでございます。 そこで、農林年金の対象団体の資格といたしまして私どもが考えておりますのは、まず第一に、設立が自主的な設立と申しますか、発起設立であるもの、それから役員の任命等につきまして、いわゆる農林大臣の承認とか認可とか、そういったような行政庁の干渉がないものというようなことで、現在の対象団体というものが法律上明記されている、こういう形になっているわけでございます。 そこで、農業信用保険協会でございますが、これにつきましては、設立は発起設立でございますが、役員の選任につきまして行政庁の認可というものが、主務大臣の認可というものがかかっておりますので、そういった面からかなり公的色彩が強いんだということで、現在農林年金の対象団体になっていないということでございます。
○柴田(健)委員 農林省の一方的な解釈でそういうことになっておると思うのですが、いやしくも地方では農林年金に入れておる、中央では違うんだ、制度的に違うんだ、こういうことなんですね。それでは農業という名前をとったらどうですか。東京都なんか、おる者は全部農業なんかしてないでしょう、ほんとうは。農業関係はない。ただ制度的に公団や公庫だ、そういう政府の主務大臣の影響力によってできた機関は農業団体としての中身が違うんで、基盤がどうあろうとも上だけは違うんだと、それであなた方は押し通すつもりか。そうすると、われわれはちょっと見解が違ってくるから、この保証制度の廃案についてもちょっと問題がある。信用保険協会に入ると、これは農業団体でないんだ。九人は農業団体から農業団体でない団体に入る。なぜそんな統合するのか、この点についての見解を一つ聞きたい。なぜ農業団体でないものが統廃合するんだ。
○内村(良)政府委員 農業団体であるかどうかという問題でございますが、ただいまのはいわゆる共済と申しますか年金と申しますか、社会保障の問題でございます。先生も御承知のとおり、現在の農林年金は、厚生年金に入っていた人たちが農林年金の共済組合をつくろうということで、昭和三十四年に厚生年金から分離してできた一つの制度でございます。そこで、そういった分離の際に、一体農林年金の対象団体をどうするかという問題が出たわけでございますが、その際、ただいま申し上げましたような振り分けをしたわけでございまして、決して農業信用保険協会が農業団体ではないということではなくて、共済年金と申しますか、社会保障上の扱いがそうなっているということでございます。
○柴田(健)委員 局長が結局説明を農業団体ではないような言い方をする。だから、そういうことになるのです。その問題はいずれあらためて論議することにして、農林年金のときに論議しますが、とにかく九人は厚生年金になって給付率もいろいろ違ってくる。その点の差が出てくる。そうすると、平等にこの身分を完全に保障したとは言えない。うそを言うことになるのですか。身分に関することですよ。個人の身分に関することで、身分に差が出てくるようなことをしておいて、差のないように身分を保障いたしますと言って、先ほど局長が答弁いたしましたが、どうですか、大臣、この点は。 〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕
○内村(良)政府委員 ちょっと事務的な御答弁をさせていただきます。 引き継ぎの職員は九名でございます。男子が五名、女子が四名でございます。そこで、それらの人々の具体的な状況を見てみますと、三名については農林年金の退職年金の受給資格を得ております。したがいまして、この人たちにつきましては農林年金が出るわけでございます。他の一名の男の方につきましては、国家公務員共済による年金の受給資格を有する方でございまして、この男子五名のうち四名の男子の方については退職年金の受給資格を持っておられる方でございます。そこで、問題は、残った男の方一名、それから女子の方でございますが、これらの方々につきまして、厚生年金と農林年金、給付の違いでどっちが有利かということにつきましては若干問題がある問題でございます。そこで、これは農林年金の審議の際にいろいろ御論議をいただくことになる問題でございますが、四十八年の厚生年金の制度改正で、非常に給与の低い人につきましてはむしろ厚生年金のほうが有利だというようなことになっております。この点について今後いわゆる共済年金についてこれとの制度の調整をどうするかということは今後の大きな問題でございますが、そういった事情もございますので、こういった若い女子の方々についてどちらが有利であるかということについては、なかなかここで一がいに農林年金が有利だということも言えないような問題がある。それから、この方々はまだお若いわけでございますから、今後この方々が受給資格ができたときに、一体年金の構造がどうなっているかというような問題も、厳密に言うと、あるわけでございまして、この段階でどっちが有利ということは、こういった若い女性の方々についてはなかなか論議しがたい問題があるわけでございます。やや事務的な問題でございますが、実態はそうなっております。
○柴田(健)委員 この年金については、また農林年金でやります。時間がございませんから、次に進みます。 次に、利子補給をいままでやってきた経過がありますが、これはいままでの〇・二一、一般の率にすると〇・二九%、こういうことになるのが、当分の間〇・二一でいくということになっています。当分の間というのですが、これもやはり二カ年なら二カ年だけですか。その二カ年で一般と同じようにしてしまう、こういう考え方に立ってよろしいのですか。
○小沼政府委員 保証料のお話かと思いますが、開拓保証制度で利子補給つきの中長期の資金は〇・二一%保証料を徴収しておりますが、従来の一般の率は〇・二九%でございます。そこで、承継する短期資金及び利子補給のない中長期資金につきましては、当分の間保証料を徴収しないこととするというふうにいたしております。利子補給つきの中長期資金につきましては、従来の〇・二一%との差額を当分の間減免するということにしておりまして、また新規の短期資金の保証料は当分の間これを減免することにいたしまして、大体五年間にわたりまして漸次これを徴収していく、五年後に一般と同様の扱いにするという考え方でございまして、この保証料減免の財源に充てるために融資資金二億五千万円を保険協会に交付して、運用益で助成を行なうという、そういう優遇措置を講じてまいりたいということでございます。
○柴田(健)委員 二億五千万円の融資資金で、この運用益でまかなっていくというのですが、これはある程度見通しがあるのですか。
○小沼政府委員 十分まかなっていける計算でございます。
○柴田(健)委員 終わります。
○佐々木委員長 美濃政市君。
○美濃委員 私が最後の質問でありますが、若干質問いたしたいと思います。さらに、いろいろ質疑の中である程度明確になっておりますが、確認もいたしたいと思います。 まず第一に、私が見ておるところでは、今回の開拓農政を一般農政にするにあたって、全国的にはいろいろ条件は調べておりませんが、少なくとも開拓者のあり方及び北海道において私が見ておる範囲では、開拓者の平均と既存農家の平均の差は、入植条件のよろしい町、村、一例を私どもの村で申しますと、私のところの村の開拓地はもと畑でありまして、そこが戦時中陸軍飛行隊の演習地に買収され、戦後そこが払い下げになって入植された。ですから、条件は一番いいところです。そういう条件のところへ入植した者といわゆる山間僻地、その当時まだ一回も畑になっていないところ、開墾されていないところに入植させられた者、この条件はものすごい差があるわけです。ですから、そういうきわめて条件のいいところへ入った開拓農家で大体一〇%程度はまだ格差がある、構造的にも、あるいはまた、二十年ちょっとでありますから、入植当時からの負債条件、それから経営規模条件、こういうものを比較いたしまして、最も条件のいいところで一〇%の格差がある、開拓者のほうが弱い。それから、先ほど申し上げました劣悪な条件の地域へ入ったところは、最も悪いところはその町なり村なりの農家の総平均に比べて五〇%くらい弱いところがあります。まだその力が半分くらいにしか達していない、総平均して二〇%ないし二五%開拓農家の経済能力は弱いと私は見ております。これは間違いないと私は自信を持って見ておるわけですが、その格差をもって一般農政に移行しようというのでありますから、けさほども開拓の代表者からいろいろ意見の開陳がございましたが、やはりそこに不安があるわけです。 少なくともいまの時代から見て、いつまでも開拓政策が独立しておることもどうかと思うので、やむを得ない。一般農政に移行するから、そのことには抗しきれないがということだと思うのでありますが、賛成はしていないと思うのです。抗しきれないが、少なくともこれだけの条件は満たしてもらわなければならぬ、これはけさの参考人の御意見だったと思うのです。主としていままでの質問はこの条件をめぐっての質疑であったと思うのです。今度あらためて政府としてこの条件をどこまで満たそうとお考えになっておるか、また条件は、大体九項目の条件がついておるわけですが、この九項目についてどこまできちんと承知して、そしていろいろ質疑の中でも応答はかわされておりますけれども、最終の締めくくりとして、明快に、この条件についてはこうする、こういうひとつ御見解がほしいわけです。
○櫻内国務大臣 たいへん恐縮なんですが、団体の要望あるいはきょう予定されておる決議による要望、九項目というのが、どの分に該当するのか、ちょっと、私、見当つきかねるのでありますが、御質問の中の一般農家と開拓農家とにまだ非常に差があるという点については、農家所得として見た場合に、開拓農家が収入百三十三万円、一般農家百五十三万円と大きく差があるわけでございますが、農業所得だけで考えていけば、一般が四十七万円、開拓農家のほうが九十五万円ということになっております。 そこで、言うまでもないことでございますが、一般農政に移行するためには、御承知のような各種の従来施策を講じてまいりまして、第二次開拓営農振興対策の中で振興対策の対象とすべき開拓農家、それから最も悪条件の中にあって、そういう施策をやってもとうていどうにもならないという場合を第三類対策として離農助成をいたした。それから負債の問題については、たびたびお答えを申し上げたような償還条件の緩和等の措置を講じて、そして大体準備のできたところで、ここで一般農政へ切りかえよう、こういうことでございますから、開拓農家が非常な悪条件の中で今日を築かれた、そのことについては十分了解をして、そしていま申し上げたような施策をとりつつ一般農政へ移行するということで、御理解をちょうだいいたしたいと思います。 なお、一般農政のほうへ移行いたしましても、たとえばこれからの所要の資金について事を欠かないように、また一般の農政の中の各種の施策に加えまして、開拓農家の農道であるとか飲雑用水の問題であるとかあるいは未開発地の開発というようなことを講じていこうという次第でございますから、これらの諸点を御理解を賜わりたいと思います。 なお、九項目につきましては、後ほどさらに御質問に応じてお答えを申し上げたいと思います。
○小沼政府委員 私から午前中の参考人からの御要望のございました点について、事務的なことでございますが、若干お答えを申し上げたいと思います。 一つは、開拓融資保証法の廃止についての場合の開拓者に対する資金融通の円滑化ということでございました。その際に、第一点は、統合後も短期資金に対する保証の円滑化が引き続き確保されるように要望が出されております。これにつきましては、そのように措置をいたす考え方で整備をしておりまして、御承知のように、信用保証の法案がいま提案されておりますが、それに引き継がれるということになるわけでございます。 それから二番目に、大口の車業農家の資金需要が開拓の場合には多いわけでございまして、これについては保証措置も十分講じ得るようにやってまいりたいということで、従来のルートを通じながら進めていくという考え方をとっております。 また、中金が直接の原資機関になっております金利につきましても、従来と同様ということでございます。保証業務だけが統合されるという原則に立って今回お願いをしておるわけでございますから、従来の資金ルート等については大体変わりなく進められるというふうに御理解いただきたいわけでございます。 それから四番目に、保険協会等に関係の職員、役員を参加させる。職員につきましては大体原則として全員引き継ぐ、そういうたてまえでございます。個別の事情がいろいろあるようでございますが、大体円滑に引き継ぎできるというふうに考えております。役員につきましては、いろいろ御議論がございましたが、十分開拓関係の事情に精通している方がやはり実質的に審査にも参加しなければいけないであろうということでございまして、この点については、中央の段階、また県段階での個別の事態に即して十分な処置をしてまいりたいというふうに考えているわけでございます。 それから、審査業務につきましても、開拓の関係の部課の設置ということでございまして、これについては、中央の段階については午前中に参考人がお答え申し上げましたとおりでございます。地方では非常に小さい規模でございますから、必ずしも部課を設置することにはならないかと思いますが、大きなところ、中央ではやはり考慮すべきであろうというふうに考えております。 それから、職員の処遇の問題でございますが、これについても特段の配慮をし、現在の保険協会の者とつり合いがとれないようなことでは困りますので、その点は均衡のとれるようにはかってまいりたいということでございます。 開拓地の基盤整備でございます。道路補修事業それから飲雑用水については、全国で道路補修等は七百カ所というふうな希望が出されておりますが、現在五カ年計画が進めておりますので、その線で実施しながら、情勢を見てまた措置を考えてまいりたい、かように考えております。 それから、開拓地の登記の促進の問題でございます。これにつきましては、登記促進の補助金を計上して進めておりますが、もう一歩、私ども法務省と相談をいたしまして、都道府県知事なりあるいは農業委員会から申達があれば登記所で職権登記できる、そういう道を開いたらどうかということで、現在協議をしているところでございます。
○美濃委員 御説明を聞いておって、まだもう少し明確にしてもらいたいと思うのですが、第一の短期融資の確保ですね。これは一般農政に移行すると選別融資という線が強くなってくるわけです。いまの開拓農協を除いた、いわゆる県農信連を中心とする金融の流れも選別融資がきつくなってくる。しかし、先ほど申し上げたように、まだ格差があります。特に劣悪条件地帯の融資、これはもう少し振興融資を続けぬと、たとえば短期融資であっても、いま選別融資の体系でそろばんをはじかれると、営農資金もなかなか簡単に貸せぬのではないか、こういう問題が出てくるわけです。しかし、私どもが見ておるのには、やはりそれなりの理由もあり、営農を継続する以上、営農資金を出して、もう少し長い目で、特に入植条件が劣悪条件で入っておる開拓者には、本人が営農希望を捨てない限りまだ資金のてこ入れが要るわけです。それを一般融資の選別融資の線で測定すると、短期資金といえども問題が起きないとは言えないわけです。それでは困るわけですから、そこは振興融資をまだしばらく続ける、ここをひとつ明確にしておいてもらわねばならぬ。円滑化をはかりましたと言う。円滑化はわかるのですよ。それをまず開拓者の皆さんは心配しておると思うのです。それは一般農政というと選別融資がきつくなってきますから、それではちょっと困る地帯があるわけです。それは何も開拓者御当人が甘えておるわけでもなし、いわゆる条件の悪いところへ入っていままで二十何年間苦労をしてきておるわけでありますから、それでもまだ選別融資の線には乗れない、しかし、経営は逐次よくなってきておる、一人前になるのだとがんばっておるのでありますから、そこはやはり振興融資的な措置がまだしばらく必要である、こう思います。そこをもうちょっと明確にしておいてもらいたいと思います。
○小沼政府委員 たいへん適切な御指摘でありますが、先ほども申しましたように、開拓連、開拓農協の線でいく開拓農家と、それから開拓農協が解散をして、一般農家と同じ総合農協に入っていくという場合と、二通りあろうかと思うのです。開拓農協が残って、中金、開連、開拓農協、開拓農家というラインにつながるものについては、大体従来と同じやり方で融資がされるということになるから問題はないと思うのです。 一般の総合農協に入っていくという開拓農家の場合には、いま御指摘の選別という問題もあるいは生ずるかと思います。ただ、これにつきましては、開拓の農政が全部なくなっちゃったというわけではございませんで、その地域での営農の状況なりを見ながら適切な指導が要ると思いますし、やはりその事態に応じた融資を考えてやらなければいけないということで、一般的に選別をして借りにくくなるというふうなことはされてはならないと思いますので、これについては十分指導をし、また信用機関とも協議をしてまいらなければならない、かように考えております。
○美濃委員 資金ルートの流れは、開拓農協で存続するものには変わらない、こう御説明があったのですが、近代化資金の中金ルートの継続、それからいま行なわれておる特別利子の適用、これは当面継続すると解釈して間違いございませんね。よろしゅうございますか。
○小沼政府委員 そのとおりでございます。
○美濃委員 それでは次に、統合機関に対する、特に保証協会その他の統合機関に対する役員の選任の問題についてもう一歩前進をしてもらいたいと思いますが、これは私は農業団体系統ですから中身を覚えておりますが、大体の県が役員は、選挙制じゃなくて、選考委員をあげて選任制をとっているわけです。ですから、現定数の中へ割り込めと言ったら、おのおのなわ張りがありまして、北海道であれば理事長は道庁から出すとか、それから、いま開拓と二つになっておりますから、単協の代表が何名とか総合農協の代表が何名とか、こういうふうになってなわ張りがありますから、現定数の中へ今度統合するんだから一名入れろというと、やはりなわ張りがあって役員選考がうまくいかぬわけです。ですから、農林省としては、今回の統合で事業分量がふえるんだから、役員定数を一名なり二名ふやしなさい、そして、統合して事業量もふえてくるし、特殊要件もあるんだから、当面開拓代表をその中へ入れて運用してくれ、こういうふうにきちっと指導してもらいたい。それは十年も十五年もこれから先経過すればそれなりの自主的な選任方法でいいと思うけれども、当面この統合にあたってはそういう措置をとってもらいたい。とれと命令するわけにもいかぬでしょうが、団体というものはわりかた農林省の言うことはよく聞きますから、はい、わかりましたということになるのです。そこまで突っ込んで指導してもらいたいと思うのですが、いかがですか。
○小沼政府委員 一律にはまいらないかと思いますけれども、やはり積極的に、新しい業務分野がふえるわけでございますし、その審査等も必要でございますので、私見でございますけれども、むしろ役員の数をいまの御指摘のようにふやしていくというふうな指導のほうがいいのじゃないかというふうに考えておりますが、よく相談をしまして、いまの線を考慮に入れて具体的に考えてまいりたい、かように考えております。
○美濃委員 次に、職員の引き継ぎ問題ですが、これはだいぶ前に、もうこの法案が出るということがわかっておりましたから、私は特に局長さんに、この法案審議に入るまでに引き継ぎのめどをつけてもらいたい、このようにお願いしておいたのですが、現時点で職員のいる該当県なり地方なり、全部きちっと話がつきましたか、それとも、どこまで話がついたか。
○小沼政府委員 職員の現状でございますけれども、引き継ぎの見込みで、現在職員全部合わせまして地方保証協会三十九名、男が十八名、女が二十一名でございますが、四十八年五月二十二日現在での状況を申し上げますと、引き継ぐ者二十二名でございます。男十一名、女十一名でございます。それから六十歳以上でこの機会に自発的に退職するという者が三名ございます。これは男でございます。それから結婚その他の理由で自発的に退職する者が四名ございまして、これは男が一名、女が三名でございます。それから県が責任を持って他に就職をあっせんする者というのが七名ございまして、これは男一名、女六名、それから現在なお県において協議中の者というのが三名ございますが、これは男二名、女一名でございます。 以上が地方でございまして、中央の保証協会の職員は九名おりまして、男四名、女五名でございますが、これにつきましても、保険協会と協議中でございまして、その引き継ぎは円滑に行なわれる見込みでございまして、これについては午前中に参考人からもお答えがあったとおりでございます。
○美濃委員 その協議中は、いつごろまでの見込みになりますか。
○小沼政府委員 職員の身分安定の問題でもございますので、できるだけ早く話をまとめたいというふうに考えております。
○美濃委員 じゃ、この項は、そのお話のようにできるだけ早く決定してもらいたいと思います。これはもうずいぶん開拓制度の中で苦労した人ですから、不幸にすることは私どもとしてはできませんし、できるだけ早く、もう大半が話し合いができたようでありますから、ここで約束したことが実行してなければ、もっと進まなければ採決できないという問題も出てきますが、ここまで来ておれば、一応努力したあとは了解します。しかし、残った問題は、法律が通ったからもういいんだということではなくて、誠意を持って短い期間で指導、処理をしてもらいたい。 それから次に、開拓道路の総仕上げの問題ですが、いまの七百カ所、五カ年計画と言っておるが、これは総体計画は、一応七百カ所なら七百カ所、五カ年として、七百カ所の総延長は何ぼなのか、それに対して五カ年の年次計画はどうなのか。七百カ所全部五カ年に入っておればけっこうでありますが、入っていなければ、それはどういう理由で入らないのか、ひとつお聞きしたいと思います。
○小沼政府委員 五カ年計画で私どものほうでは四十六年から五十年までで二百三十六億円を予定しておりますが、その中身は、道路補修は、大規模の国営それから国営代行地区は補修の延長が千五百メートル以上、その他の地区は五百メートル以上で、五カ年計画の実施地区数は三百四十二地区でございます。補修の延長千五百八十三キロメートルということになっております。 それから、飲雑用水施設補修は、受益農家戸数が二十戸以上の地区で五カ年計画の実施地区は二百四十六地区ということになっております。 団体のほうの要望も承知しておりますが、一応これでやってまいりまして、またさらに足りないというふうなことがありますれば、その点についてはよく考えて前向きに対処をしてまいりたい、こういうふうに考えておるわけであります。
○美濃委員 その七百カ所というのは、各県から希望のあった地区ですね。
○小沼政府委員 団体から七百という要望が出ておりますが、その中身については私どもは承知しておりませんです。
○美濃委員 それに対して、いまお話がございましたように、三百四十二、それから二百四十六というのは、個所として考えてよろしいですか。
○小沼政府委員 開拓の地区数でございます。個所と同じようなものでございますが、地区数でございます。
○美濃委員 国営の長い延長のものもありますから、地元から要請があった七百カ所がこの地区数の中へ、たとえば要求するときには七百だったけれども、何カ所か統合されて入っておるのかどうか、そういう経過はわかりませんか。表面から見ると七百カ所の要求に対して五百八十八しか満たされないから、まだあと残っておるということになる。この関係はどうなりますか。
○小沼政府委員 団体のほうのその七百カ所というのがどういう積算でされたかどうもわからないのでございますが、おそらくこの中のものももちろん入っていると思うのでございますけれども、その突き合わせをするだけのデータが要望にはついておりませんので、ちょっと比べようがないのでございます。
○美濃委員 これはやはりいまの時点ですから、五年間やってみて残ればまたやるというのは、それを待っておる地区としてはちょっと困ると思うのですね。この関係をもう少し明確に調べる方法はございませんか。農林省のほうで、七百という関係とそれから今度の五カ年計画の中で落ちておるものはどうなのか。五カ年計画をもう少しここでこれを拡大して、五カ年間で、大体七百という個所の要求があったものの中で、率直に申し上げて、検討した結果、これはひとつがまんしてくれというところも多少出るかもしれません、しかし、やるところは五カ年間の中であとで落っこちたということがないように、落っこちたが必要があればまたやりますというんじゃなくして、五年やれば七百の申請があったところで理由のあるところは全部やりました、こうなりませんか。そういうふうにできませんか。
○小沼政府委員 この点につきまして、団体のほうの七百の御要望の点は、もう一度よくその中身を、どういうふうな積み上げであるのか伺ってみて、私のほうのと突き合わせをいたしてみたいと思います。それによりましてどういう措置を講じたらいいかもまた相談をしたい、かように考えます。
○美濃委員 いませっかく突き合わせをしてみたいという局長のことば、これは大臣もお聞きになっておるのですが、どうでしょうか、大臣。いま局長が言われたように、これは早急に突き合わせをして、一応五カ年計画を立てると財政当局との折衝もたいへんだろうけれども、突き合わせをしてみて、どうしてもやらなければならぬところが五カ年計画から落ちておるようであれば、事業量をふやして五年間で総仕上げをする、こうしてもらいたいと思うのですが、大臣、どうですか。
○櫻内国務大臣 ただいま局長から団体側の要望とよく突き合わしてみる、こうお答えを申し上げておるのでございまして、なお、いま私どものほうの五カ年計画で二百三十六億円、三百四十二地区というのにつきまして、先ほど御説明申し上げたように、一応の採択基準を設けてそのようにお答えをしておるわけでございますが、この採択基準を変更して考えてみるのか、いずれにしても具体的な団体側の要望と突き合わしてみて、その上で考えさしていただきたい。なお、一般農政に移行するのでございまするから、この開拓道路等の補修事業という以外に、一般的な農道としての扱いもできるものではないか、こう思いまするので、いずれにしても開拓農家のためにわれわれとしては十分善処してまいりたいと思います。
○美濃委員 もう一つ残っております。どうして登記がこんなにおくれたのですか。これは少し行政の怠慢だと思うのですね。もう処分して、それぞれ成功検査も二十数年たった今日ではみな終わっていると思うのです。これは行政の怠慢、特に農林省、もとは農地局いまは構造改善局の怠慢が多いのではないかと思うのです。分筆ができておらぬとか、どうなっておらぬとかというのは理屈であって、そういうものを処理しなければならぬでしょう。まだどうだこうだと言っておるが、これは早急にやる方法はないのですか。
○小沼政府委員 開拓地について未墾地関係の登記が、地目変更等がなされてないということでございまして、売り渡しの登記について見ますと、北海道が非常に多いわけでございます。 〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕 全体一万九千八十四ヘクタールのうち北海道が一万三千三百二十四ヘクタールでございまして、相当数北海道が未登記の状態であるということでございます。 その原因につきましてはいろいろあろうかと思います。所有者の相続関係の問題だとか、いろいろな事情が入ってのことであろうと思います。また大量に事務を処理するというふうなことで生じたものもあろうかと思いますが、過去のことは別といたしまして、やはりこれは早く処理をしなければいけないということで、実は四十八年から三カ年計画で登記を何とか完了させたいというふうに考えております。 ただ、それと同時に、この開拓地が地目が山林原野というふうなことになりますと、不法な転売等が、現況農地でありながら地目がそうなっておりますために、買われるというふうな事態もございますので、都道府県知事なり農業委員会が現地を調査して地目変更に必要な事項を登記所に通知しますと、登記官が職権でこの地目を変更することができるようにしたい、そういうことを法務省といま相談をしているわけでございます。いずれにしましても、早くこの登記を完了しなければならないということで急ぎたいと思っております。
○美濃委員 農林漁業長期資金、構造改善資金とか、これからいろいろ融資を受ける場合の受信力という問題がある。こういう場合に、必要があればひとつ農林省のほうから指導して、いわゆる未登記で、近く所有権について登記を完了する見込みというような裏づけをすることはできますか。そういうことも必要になってくると思うのです。この要請事項の九つの中にも、大型資金需要という、需要に対する保証限度の設定という問題が出てきておりますが、こういうことを行なうようになりますと、受信力の関係から土地所有権というものが信用の裏づけとして必要になるわけです。われわれはたいして必要ないと思うけれども、金融機関はそれを求めるわけです。それがなければ貸すとか貸さぬとか言い出すわけです。金融機関というのはおもしろいもので、どうしても信用の裏づけというのを求めてくるわけです。そういう場合の措置は十分に手を打てますか。登記が終わるまでの暫定的な手の打ち方ですね、これを講じておいてもらわなければならぬ。
○小沼政府委員 構造改善事業とかいろいろな事業で融資を受けるという場合にも、その信用担保力等が問題になるわけでございますから、その場合に、地目が山林の場合と農地ではだいぶ違ってくるということになります。現況農地でありながら地目が山林という場合には、やはり信用機関としては、一応完全な農地、地目が農地になっている場合とは多少違うかもしれません。 そういうことで、実際そういう事情が出てきた場合に、やはりそういうものについてはできるだけ早く登記するということを進めたほうがいいだろうということでございます。御指摘のように、近く登記します、見込みであるというふうな行き方もあろうかと思いますが、私どもは、やはり健全な登記をして、そして信用力をつけるということを急ぐ場合には、そういうものを優先して扱うということをひとつ考えていきたいというふうに思っております。
○美濃委員 次に、けさほども参考人の方との間に質疑がございましたが、転用に対する——この場合は開拓地だけではなく、開拓地以外も含めてでありますけれども、特に開拓地にも関係があるわけであります。転用の基準に対する的確な措置をいまとっていかなければ、たとえば、基準はあっても、私どもからいうと、農林省の農地法に対する監督が非常にゆるんでおる。これは地域に起きておる問題ですから、ここで引き合いに出してそれをどうだこうだと、時間の関係もあるし質問はいたしません。しかし、御存じのように、新聞その他で、すでに農林省には報告が入っておると思いますが、北海道において、苫小牧の港の工業用地をめぐって司直が手を入れております。もう一つは、どこか日高のほうで手を入れております。農林省なり県なりの告発に基づくものであるのか。起きておる内容については地域問題ですからよろしゅうございますが、せめて告発してやっておるのであれば了解できるのですが、農林省がぼやぼやして全然監督しないから、農地法違反として、土地登記やなんかにからんで警察が見るに見かねて司法権を発動してきたというんであれば、農林省の面目はどこにあるかと私は言いたいのです。告訴に基づくものであるか、それとも、見るに見かねて警察権が、司法権が動いてきたのか、どういういきさつになりますか。
○櫻内国務大臣 司法当局が摘発をしておる場合もございまするが、実は私としては、農地の転用規制については原則があると思うのですね。 〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕 優良農地を確保し、農業経営の安定と農業生産の維持、増大をはかるために適正な運用につとめる、したがって土地の投機的取得や無秩序な開発については、農地法を厳正に励行する、こういうことで臨んできておるわけでございまするが、なかなか実際上にはそれが把握しかねる。いよいよ問題になったときにはすでに金銭の授受が行なわれておる、あるいは仮登記などのことによってわかるというようなことでありまするから、そこで、私としては早期に情報を把握する以外にないじゃないかというので、四月に地方農政局、都道府県、市町村による情報収集をつとめてやってもらおうということで通達をいたしまして、現在そういうことによって未然に農地の不当な買い占めを防ぐ。当然言うまでもなく転用の許可願いが出てくるのでありますが、しかし、そのときにはもうおそいという事態なんですから、そこで、情報収集を徹底するということで現在対処をしておるわけであります。 なお、農地法違反に対する是正のための勧告その他指導を積極的に行なうとか、あるいは農用地または農用地開発適地の確保のために農地保有合理化法人による土地買い入れを積極的に行なうとか、農業振興地域の指定及び農用地区域の設定を促進して、農用地を計画的に確保するというようなことも行ないつつある次第でございます。
○美濃委員 ちょっと私、農林大臣の話を聞いておって、転用の許可が出たときにはおそいという解釈がわからないのです。それは情報収集といっても、やはり農民も具体的に農地法の理解をしていない者もおる。手金が入って売買契約ができた段階、たとえば農地法で、転用じゃなくて、三条の許可であっても、契約が前提になって申請が出るわけです。契約のない申請が起こるなどということはあり得ないことである。ですから、農地法三条の許可についても、契約した段階では法違反じゃないでしょう。その契約に基づいて三条の許可が起こる、五条の転用申請が起きる。それを審査して法違反であれば、これはだめですといって断わって却下して、それに従わなければ、法律に従って告訴すればいいんじゃないか。そうして秩序を守らなければ、転用申請が起きたときにはおそいんだという大臣の解釈は私にはわかりません。 どうして申請に対して的確に処理しないのか、その指導を農林省はやらないのかと私は言っておるわけです。やれるんじゃないですか。三条の申請でも五条の申請でも、申請した段階でその適否を審査して、それは不許可となるわけですから、不適正なものは不許可にして、従わなければ、農地法違反で告訴すればいいのです。そこまで腹をきめなければ農地法は維持できないと思うのですよ。申請が起きたときにはもうおそいんだという大臣の解釈は、これはあなたは農地法の番人ですから、大臣として農地法に対して忠実でない、法律を守るという意識に欠けておる、こう思うのですが、どうですか。
○櫻内国務大臣 監督行政の上から、また農地転用の許可を与えるか与えないかという法律の規定に従う上からいえば、それはお話しのとおりで、また私どもはそれを厳正にやっておるのでございまするが、ただ、現実に金銭が動いたということでありまするから、これは法の解釈とかそれから権限とかじゃなくて、現実の問題を私は若干申し上げたのでございます?ですから、美濃委員のおっしゃるとおりのことを、もとより私どもはそれをやり、またそれによって起こる問題問題で処理すべきだとは思います。
○美濃委員 そこをやはり市町村農業委員会をさらに指導強化をするなりして、未然にそういうことができないようにすることも一つの方法です七それからまた、そういうことをしようという場合に、農業委員会があるわけですから、すぐ相談をして事前審査を受けるとか、そういうことを徹底しなければならぬと思います。 次に、これは調査をしてもらいたいと思うことでありますが、実はいろいろ県会議員の人も来ておりましたり、市会議員の人も来ておる、そういう方から話を聞いただけでありますから、多少中身は違うかもしれませんが、そう大きく違わぬと思うのですけれども、ひとつ農林省で調べてもらいたいことがある。それは過般国有林払い下げ予定にからんで、私は軽井沢に調査をしました。これは私の任意調査であります。 これは開拓地であります。軽井沢の開拓農民の持っておる開拓地を県の企業局が買収して、それを別荘地、宅地に転用して処分した。これは正当な手続を経ておると思うのでありますが、現地はまだ別荘宅地には完全になっておりません。しかし、安いものですから、相当広く取得をした者もありますから、そういうふうになりまして、県の企業局がその処分で差し引き二億の利益をあげた。たいした造成なんかしていないのですよ。あの辺に行くと、私も初めて別荘地というのを見ましたけれども、普通の宅地割りをして、市街宅地に割るのと違って、やはり山間別荘というようなのをつくって、木を植えたりなんかして、金のある人は広く取得しますから、あまり市街地域の宅地のように少さく割らないわけです、希望面積を売っていくというような方法をとりますから。そういう売り方をしております。それで三億の利益をあげた。 おそらくこの開拓者の買収の間には、開拓者は負債も多いですから、開拓者資金なんか、やめた時点で土地代金で払えなければ、あとから働いてでも払うなどという条件を付せるわけですから、十分借金も払えないような状態で県が取得したのじゃないか。これは率直に申し上げて、土地会社がしたのであれば言えぬけれども、いやしくも県であります。片や弱い開拓者の農地を買収して、短い期限、一年か一年半ぐらいの、買収してから売ってしまうまでの期間は全く短い期間で、二億の利益をあげておる。そういう金で県の福祉をはからなくたって、もう少しやりようがあると思うのですね。 ですから、それは事実かどうか。事実とすれば、開拓者の売った条件や立場が、まだ開拓者資金あたりが土地を売った金で払えぬで残っておるということがあれば、二億も黒字があれば、県はもっと開拓者のめんどうを見るべきだ。もう宅地に処分しておりますから、それは法的な手続は終わっておりますから、それがいいとか悪いとかというのじゃなくて、どうもちょっとおかしいじゃないか、長野県ともあろう県が。長野県企業局ですから。いやしくも弱い開拓者から土地を買い取って、特にたいした造成もしないで別荘地に売った。そうしてその地目もちょっとおかしいのですね。 この現地がどうなっているのかどうか。私は写真もとってきているのだが、この中身もいろいろあるのではないか。あるいはないかもしれませんが、買ったときは農地ですね、開拓者が開墾しておりますから。そこで五百坪、千坪買うと、自然の木がはえたりなんかしてくる。売るとすれば一坪五万とか六万とかで売れるところを、バラ線を回して占有して、家を建てたところは宅地だ、こうなっている。建っていない分は原野だ。原野に返るのですよ。どうも私は、あの宅地並み課税なんかから考えて、常識的な判断に苦しむのです。売ればどなたでも買います。私でも買いますよ。 参考に申し上げますならば、田中角榮さんの別荘地は五千坪、佐藤榮作さんの別荘地は三千五百坪、建っておるところは宅地で、その固定資産税を払っておるけれども、坪十万で何ぼでも売れますよ、佐藤榮作さんは、それを原野だと称して、いささかの固定資産税しか払っていない。それは開拓地ではないのです。例を申し上げたのです。参考を申し上げたのです。 開拓地でも、多く買った人は、別荘を建ててしまったら、別荘の分だけ宅地にしてしまって、あとは原野にしてしまう。これは原野だと言ってがんばるわけです。これは地目に対する解釈ですね。農地から転用するときは別荘宅地としての転用をして、終わったらそれは原野に返っていくのだ、こういう行為が私は正当な行為だとは思いません。これは問題はまた別にあります。税法上の問題ですから別にありますけれども、そういうことが開拓地をめぐって行なわれておるということですよ。 さしあたり県企業局のやった経過、取得価額、取得した人の名前、面積、二億ももうけた経過をひとつ調べて報告してもらいたい。それによって私どもは判断をしなければならぬことがあると思います。 以上で質問を終わりますが、あとはこれは資料要求をしておきたいと思うのです。資料作成に時間がかかると思いますので、まだ法案のお経読みがされておりませんけれども、お願いをしたいと思うのであります。 これは畑作共済法に関する資料であります。最近七年間——五年間でもよろしゅうございます。統計上の米の被害率、それから同じく果樹、麦類のこの五年ないし七年間の統計の被害率。 それから制度上の現行の足切り、現在の国庫負担の割合。大体は覚えておりますけれども、きちっと資料にしてそろえてもらいたいと思います。 それから、同じく米、果樹、麦類、現行共済制度が適用されておるものの五年ないし七年間の統計上の収量。 それから共済が適用されておるこれらのものの基準反収、この資料をお願いしたいと思います。 それからさらに、今回共済を適用しようとする畑作物並びにサトウキビ類ですね、この適用しようとする作物の過去五年間ないし七年間の被害率の統計表です。 それから、今回の法案を先行してちょっと見せてもらいましたが、どうなったのか、保険設計がついておりません。この法案に伴う予定政令と保険設計の具体的な内容の資料です。どういうふうに被害率を見て、どういうふうに設計をしてこの法律をつくったかということですね。この保険設計の内容の資料、これをお願いしたいと思います。 これらの資料は、いまから頼んでおきませんと、この法律はそう長い時間は審査にかからぬと思うので、法案がお経読みされてから資料要求したのでは間に合いませんので、いまから要求しておきます。出してもらえますか。
○櫻内国務大臣 ただいまの資料は、畑作共済の関係だと思います。いま直ちに全部応ぜられるかどうか、万一のことがあってはいけませんから、できるだけ御希望に沿うようにいたします。
○美濃委員 以上で終わります。
○佐々木委員長 本案に対する質疑はこれにて終了いたしました。 —————————————
○佐々木委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 開拓融資保証法の廃止に関する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○佐々木委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決されました。 —————————————
○佐々木委員長 この際、本案に対し附帯決議を付したいと存じます。 案文を朗読いたし、その趣旨の説明にかえたいと存じます。 開拓融資保証法の廃止に関する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行にあたつては統合の円滑な推進を図るため都道府県ならびに開拓融資保証協会、農業信用基金協会および農業信用保険協会等の関係団体を十分に指導し、特に開拓融資保証制度の特性を生かしながら統合が開拓者にとつて不利益なものとならないよう十分配慮するとともに、開拓行政の一般農政への移行にあたつては開拓事業の完全実施を図るよう左記事項に留意して遺憾なきを期すべきである。 記 一 統合にあたつては、開拓融資保証協会において事前に所要の代位弁済、不良求償権の償却を的確に行なうよう措置すること。 二 統合にあたつては、開拓融資保証協会の職員については、原則として農業信用基金協会または農業信用保険協会が引き継ぐことによりその身分の安定を図り、また役員については、開拓者の意向が十分に今後の保証保険に反映するよう開拓関係者の農業信用基金協会および農業信用保険協会の役員としての参加等、その取扱いについての指導に努めること。 三 統合後における開拓者に対する資金融通をより一層円滑にするため、金利、保証限度額、保証決定の審査、融資保険の運用、保証業務の実施方法等について十分配慮すること。 四 開拓地の道路等補修事業については、開拓地における営農基盤整備の必要性にかんがみ、追加事業も含め、その一層の推進を図ること。 五 開拓者に対し売り渡された土地のうち売渡登記が未済のものにつき、その登記の促進に努めること。 六 都道府県開拓農業協同組合連合会の再編整備事業については十分指導および助成措置を講ずるとともに、その育成について配慮すること。 七 内外の農業情勢の変化にかんがみ、食料の国内自給度の向上をはかるため、農用地の拡大等各般の施策の充実強化に努めること。 右決議する。 以上であります。 本附帯決議案を本案に付するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○佐々木委員長 起立総員。よって、本案に附帯決議を付することに決しました。 この際、ただいまの附帯決議について政府の所信を求めます。機内農林大臣。
○櫻内国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、十分その趣旨を尊重いたしまして努力をいたします。 —————————————
○佐々木委員長 なお、ただいま議決いたしました本案の委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐々木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
○佐々木委員長 次回は明六日、水曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十四分散会