農林水産委員会 第21号
- 発言数
- 197 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1973/04/26
会議録
○佐々木委員長 これより会議を開きます。 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。竹内猛君。
○竹内(猛)委員 私は、きょうは農業後継者の問題を中心に質問をします。 まず、農林省のほうにお聞きしますが、今日まで農業後継者に対してどういうことをしてきたか、そうして、現在何をしようとしているのか、こういうことについて総括的に説明を求めます。
○櫻内国務大臣 基本的には、農村における後継者が農業に興味を持ち、そして生産意欲を持って居つくという必要性があると思います。そのために、農業振興のための基盤整備とか構造改善とか、あるいは価格安定とか、こういう基本的な諸施策が十分遂行されて、自分も将来農業をやっていけるんだという意欲が出なければいけない、こう思います。また、ただ単に、そういう意欲があるだけでは決してことが足りるわけではございませんから、そこで、いわゆる後継者の育成、こういうことになるわけでございます。 したがいまして、政府といたしましては、大体高校程度の教育までは受けてきて、そしてさらに後継者としての中核的な立場に立とう、こういうような相当意欲のある青年に対しましては、農業者大学校や各種研修施設の整備などによりまして、優秀な農村の後継者の育成につとめるということに努力をしてまいったわけでありまするが、同時に、資金面におきましても、農業後継者育成資金といたしまして、無利息の貸し付け限度額百万円の資金、償還期間は五年のものでございますが、こういうようなものを用意して、鋭意後継者の育成につとめておる次第でございます。
○竹内(猛)委員 それでは、もう一ぺんお飼いしますが、農業の就業の実態というものについて、これは農業白書の中にも一一三ページに若干出ておりますけれども、やや歴史的に、昭和三十四年ごろから四十七年ごろまでの間の就業実態、これがどういうぐあいになっているか、年齢と男女別に御説明願いたい。
○大山説明員 御質問のございました農業の就業状況でございますが、四十七年の農業調査の結果によって見ますと、いわゆる基幹的農業従事者は、男女合わせまして六百五十九万人でございます。このうち、男子が二百九十一万、女子が三百六十八万ということで、女子が五六%を占めているわけでございます。また年齢別に見てまいりますと、男女合わせて、十六歳から二十九歳までが六十四万、三十歳から五十九歳までが四百六十二万、六十歳以上が百三十三万ということになっておりまして、六十歳以上の占めるウエートが二〇%になっているような現状でございます。
○竹内(猛)委員 いま農林大臣からことしの農林予算について若干の説明がありましたけれども、ことしの農林予算の一兆五千億の中で後継者のほうに回るべき予算というものは十億もない。そういうことで日本の農業を今後ほんとうに守っていくことができるかどうか。一兆五千億の中でわずか九億に足りない予算ですね。これで一体十分だとお考えになっておるのかどうか。このことについてひとつ見解をお聞きしたいと思います。
○櫻内国務大臣 先ほど申し上げた農業者大学校の運営費とか農村青少年研修教育事業費について申し上げれば、ただいまのような予算程度になると思いまするが、御承知のように、農業者の資質向上をはかるための農業改良普及事業というのが一方においてあるわけであります。広域普及体制の整備を進め、地域担当の改良普及員と専門的分野を担当する改良普及員を併置いたしまして、農業者に対する農業技術と農業経営に関する総合的な指導を行なっておるのでございまして、これが農業後継者の上に寄与することは言うまでもないと思うのでございます。その農業改良普及事業費のほうをごらんいただきますならば、これが百二十億円を少し上回っておるというようなわけで、直接のことだけでなく、こういうような予算面もひとつ御勘案いただきたいと思います。
○竹内(猛)委員 私が先ほど統計情報部のほうに求めたのは、現在の農業就業の状態だけでなしに、三十四年ごろからの状態とそして四十七年の状態の比較についての説明だったわけであります。先ほどの説明は現在の状況だと思いますけれども、三十四、五年ごろは一体どうであったのか、そのことをお聞きしたい。
○大山説明員 御質問のございました三十五年当時ということになりますと、三十五年、四十年、四十五年とセンサスでございますので、センサス時における数字で申し上げます。 男女別の就業人口でございますが、基幹的自家農業従事者数は三十五年当時千百七十五万でございます。四十年当時は八百九十四万、そして四十五年時点で七百四万八千でございます。
○竹内(猛)委員 農業高校の問題について。 農業高校から農村のほうへ学んで帰っていく学生あるいは帰らない者というようなことについて、前回の委員会で社会党の馬場委員がかなり詳しい質問をしておりますが、もう一度確かめますけれども、現在の日本の農業高校の数それから生徒、それが卒業してどれだけ農業に従事しているのかということ、これをやはり三十五年と四十七年を比べてひとつ報告してもらいたいと思います。
○中西説明員 お答え申し上げます。 最初に生徒数でございますが、三十五年の農業高等学校の生徒数は二十一万五千六百三十人でございます。これは全高等学校の生徒に対しまして六・七%でございます。それから四十七年度の生徒数は二十万六千十七人でございまして、全生徒数に対する割合は五・〇%でございます。 それから農業高等学校を卒業しまして農業関係に就職をする者の割合は、三十五年度で四六・四%でございます。それから四十六年度は二八・四%でございます。
○竹内(猛)委員 ただいま総括的に農林大臣並びに農林省、そして文部省のほうから農業の諸般の実態についてお聞きしたわけですけれども、まず、農業学校を卒業した者の農業への就業の実態、量よりも質の問題です。そういう面から見ても、それから農林の予算の面から見ても、いろいろなものを合わせてこうだという説明がありますけれども、実際日本の農業の将来を背負って立つ後継者がほんとうに農業に喜んで残らないという実態がここに出てきておるわけでありまして、この傾向について好ましい傾向だと思うのか、この傾向はやはり心配だと思うか、このことについての見解を農林大臣に聞きたいと思います。
○櫻内国務大臣 それはもう言うまでもなく、後継者に事を欠かす、こういうことでありますれば、いかに私どもが農業の将来を考えて振興策を講じましても、そのにない手がなければ何らの効果を発揮しないのでありますから、農村における青少年が農業に生産意欲を燃やして、魅力を感じて今後に処していただくということの必要性は当然でございますから、後継者の育成に不十分な点がありますれば、それはつとめて改善をしていかなければならないと思います。
○竹内(猛)委員 先ほど文部省のほうからも説明があったわけですが、私どもの調査によると、昭和四十七年三月の新規卒業者の就業状況の中では、総数が百四万四千四百人のうち、進学する者が六十一万六千三百人、農業に残る者が二万二千、それは二・一%である。なお農業就業者は、中卒五十三万九千三百人の中で四千百人、〇・八%しか残らない。高校卒業者四十三万五千百人の中で一万五千九百人、これで三・七%しか残らないというのが私どもの調査から出てくるわけでありますけれども、この点について先ほどの文部省のほうの報告と若干違うのですが、これはどうですか。
○中西説明員 先生がいまおっしゃいました数字と先ほど申し上げました数字との間に多少調査の違いがございますので、正確にはお答え申し上げられませんが、農業高等学校には農業後継者の養成を行なう学科とそれから農業の関連産業の技術者の養成を行なう学科、それから農家を経営する婦人の養成ということで生活科というものがございますので、そういう点で違いがあるのじゃないかと思います。 なお、ちょっと正確にお答え申し上げられませんのは申しわけないと思います。
○竹内(猛)委員 この問題は先般馬場委員の質問の際にも農林省から答えがあって確認したところでありますから、今後なおこの問題は続けて私は追及をしたいと思いますから、文部省も農林省も違わないように、ひとつよく合わせておいていただきたいと思います。 そこで、三十四年、三十五年から四十年、四十五年というように三段階に分けて統計を見た場合に、農業基本法が三十六年にできて、それ以降極度に農村の人口の中で若い者が減っている。そうしてその若い人たちの就職状況を見ると、大体四〇・四%が建設業と製造業、二四%が卸売りと小売り商業に就職をしておる状態です。ほとんどが、六割五分というものが建設業及び卸売りという形でそこに就職をしている。農村に残る者はわずかに三二%という状態なんです。こういう状態が出たというのは、日本の農業というものに対して魅力がない、将来性がないということではないかと思う。したがって、農業高校で農業のことを教えてみても、実際農業に帰ってみると、魅力がないから農業を離れてしまう、こういう結果になっているんじゃないかと思うのですが、これはしたがって、この委員会の初めにも申し上げたとおりに、農業基本法ができて、高度経済成長のために農村の中から若い労働力を抜き取っていく、そうして農村は年をとった者によってこれが運営される、こういうことをしばしば指摘をしてきたけれども、そのことがこの統計によって、うそを言えないような状態になったというこの事実について、これは何といっても認めてもらわなければ困ると思うのです。これは、大臣、どうですか。
○櫻内国務大臣 農業の実態の分析というものは私はなかなかむずかしいと思うのです。竹内委員は、きょうは高校卒あるいは大学の卒業者の就職状況を一つの材料とされたりいたしまして御指摘をされておると思うのですが、この調査の方法によりますと、たとえば昭和四十六年の六月に、五十五歳以上の農業経営者に対して、あなたは一体後継者があるか、こういう調査をしたものがございますが、それによりますと、百六十四万人のうち百三十三万人、八一%は後継者を保有しておるという答えをしておるというようなことで——私はこのことによって後継者はあるんだ、安心できるんだという論拠で言っておるんではないのです。ただ、いろいろの角度から検討していかないと、一がいに言いかねるということを申し上げておきたいと思います。
○竹内(猛)委員 それではもう一つ、四十五年を中心にした農業の就業構造の実態について、私はやはりもう一つ確かめてみたいと思うのです。 日本の農村におけるところの就業構造の状態は、四十歳から五十九歳までが、八百九十四万六千四百人の中で男女合わせて五百九十九万一千人、こういうぐあいに、約六百万というものが四十歳から以上の者になっている、もう若い者がほとんどおらない、こういう状態。したがって、若い者がおらないということは、農業の後継者が続いておらないということを意味するわけでありますから、どう説明されても、農村において若いあと取りがもうこのままいったら絶えてしまう。 このことについて、これから今後の政策の問題で質問をしますけれども、今日までやってきたことが間違いはなかったかどうか、大きくいえば、世界の農業と日本の農業の関係、そして国内の工業と農業の関係、そしてまた、農村におけるところの教育上の諸問題あるいは予算上の問題、こういう点について、いままでのことがそれで正しかったと思うかどうか、もう一度ここで確かめてみたいと思うのです。
○櫻内国務大臣 これはコンピューターでも入れて分析をして、そして答えを求めなければならないようなむずかしい要素があると思います。予算の面におきましても相当な予算を投じて、そして農林行政をやってまいっておるのでございますから、その金が、ある短期の期間で見れば、あるいは御指摘のように、十分な効果があらわれてない、こういうことがいえるかもしれません。しかし、それが、長期にわたって考えれば効果をあらわすという場合もあるわけでございます。 それから、米の生産調整に伴います、農村における生産意欲の落ちたということについては、これは私も否定はいたしません。しかし、それに対する措置、対策を講じながら、しかも現在高度成長経済に対して種々批判も出て、農村や漁村やあるいは山村のことがいままた見直されるような、こういう情勢下に至っておりますから、短期的に見た場合と多少中期的に見、あるいは長期的に見る場合と、それぞれその見解や見通しが違ってくると思うのであります。 ただいま若い者がおらない、そしてそれは即後継者にことを欠く、これは心配しなければならない、その御指摘はそのまま受けとめまするが、ただ、現在のこの就業構造がそういうことだからどうだというふうに結論づけるのは少し早計ではないか。私どもの資料によって先ほど御説明申し上げたと思うのですが、三十歳から五十九歳の諸君が四百六十二万人おる。この三十歳の諸君が、あるいは三十五歳の諸君が、これから十年、十五年働いているうちに、その現在御心配されました若年の諸君が一体そのまま都市のほうにおるのかおらないのか、女房でももらって農村へ行って働こうということになるのかならないのかというようなことも検討してまいりますと、現に若い者が少ないから、すなわちこれでは後継者がない、たいへんだと、こういうふうに断ずるわけにもいかない。 〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕 率い、この三十歳から五十九歳までの諸君がいま農村を受け持っておる。その間にいろいろな変化があるということを私は想像をするわけでございます。
○竹内(猛)委員 私どもは別にその責任を追及して、大臣やめてしまえというふうなことを言っているわけではない。ここで言っているのは、この日本の農業の実態というものについてこの場所で議論していることを、やはりわれわれも農村地帯に持ち帰って、なるほど、櫻内農林大臣はほんとうのことを言っている、こういうふうに農民が、聞いたときに、議事録を渡したときに、なるほどこれはほんとうのことを言っているんだと、こういうふうに信頼を持ってもらいたいわけなんです。われわれは別に、よそのどこかから数字をとってきてごまかしを言っているわけではない。だから、農業高校の卒業生が二・一%しか残らない、中学は〇・八だ、こういう状態というものはもうすでに出ているんだから、そうだとするならば、やはりそれは率直に認めて、それならばひとつ、与党とか野党とかいわないで、みんな一緒になって、この現実をどういうふうに直すかということについて認識を統一してもらいたいと思う。われわれはここで何か政府を追及して心よしと思っているわけではない。何とか農業に若い人に残ってもらいたい、そのために農林省はどういう努力をするか、文部省はどういう教育のそれをつくるか、あるいは全体としてどうするかということについて、ほんとうに一生懸命になって真剣にこれを考えているわけだから、言いわけをするようなことは私はやはりぐあいが悪いと思う。したがって、追及する点については私は率直に追及します。だけれども、一緒に立ってやれる点についてはわれわれは十分に心を合わせてやっていきたいと思うからいろいろ質問するわけですが、どうもこの場だけで答弁をして、あとはそれでいいということでは、いままでずっとこの委員会を聞いていて非常に残念に思う。特に櫻内農林大臣は、先般は自民党の政調会長で、それも島根県という日本の最も過疎地帯から出てきているでしょう。だから、そういう意味で、農民の気持ちがわかるはずなんだ。もしわからぬというなら、おかしいじゃないですか。そういう意味で、私はほんとうに心を割った話し合いができないかどうか、そのことについてもう一度大臣のほんとうの気持ちを知りたい。
○櫻内国務大臣 私は、竹内委員の言われるとおりに、腹蔵なく私どもの立場からの見方も御参考に供しておるわけでございます。だから、端的に見れば、現在の卒業者がどうと私は一言も否定は先ほどから申し上げておらないのです。ただ、そういうことから、農村に対しまして、何か農業はもうだめなんだ、それからいまの農林省のやっていることももう全然対策がないんだという方向へ持っていってしまいますると、そのことによる影響のほうが大きい場合もございまするから、そこで、私は、短期的にあるいは中期的にあるいは長期的にものを見てもらいたい、それから現に農村をこれだけの人で守ってもらっておる、その間にまた御心配の若い諸君がどういう動向を示すか、一方における社会、経済情勢の変化も一言つけ加えながら、それに伴う農村における変化も期待ができるのではないかというわれわれのほうの見解を申し上げ、あなた方の御見解も承りながら、その間に当然いい方向が生まれてくる、また、そのことを私自身も期待をしておるということを申し上げておきたいと思います。
○竹内(猛)委員 どうもまだ意見がうまくかみあっておりませんけれども、時間の関係があるから前へ進みますが、なおまた別な問題でさらにこの問題については話をしていきたいと思います。大体この問題の認識についておそろしく違いはないと思うのです。 そこで、農林省のほうにお伺いしますけれども、農林省に農業大学というものがある。その農業大学というものは、どういう基準でどんな講師がどういう科目をどういう形でやっていて、その結果がどうなっているのか、農林省のやっている農業大学、おそらく大学令による大学じゃないと思う。その大学について。
○伊藤(俊)政府委員 お答え申し上げます。 農業者大学校という名前でございますが、四十三年九月に農林省が設立いたしたものでございます。この農業者大学校の目的は、地域農業振興の中核となるべき農業後継者の育成ということでございます。このために、高等学校卒業またはこれと同等以上の学力を有し、学校教育を終了して現在農業に従事しているすぐれた農村青年を対象といたしまして、講義、演習、派遣実習、在宅学習による独自の学習方法等、全寮制によりまして、農業経営に対する自信と包容力を付与しようとするものでございます。 教育期間は三カ年でございます。一学年の定員は五十名となっておるわけでございます。この教育課程は、最初の十五カ月は前期集合教育ということをやっております。それから次の六カ月は派遣実習ということをやっております。それからその次の六カ月は中期集合教育というようなことをやっております。またもとへ集めまして教育をする。さらに三カ月在宅学習、いままで得た経験なり勉強の結果を在宅で学習する期間を三カ月設けて、そしてさらに一審最後に後期集合教育ということをやっておる。先ほど申し上げましたように独自の学習方法をとっておるわけでございます。 これの講師の関係では、作物、畜産あるいは経済、社会、人文、特別活動あるいは特別講義というようなことで、各大学なり試験研究機関の方々をお招きし、また必要により農林省から各局長が出向いて話をするというようなこともございます。また、農業について特別の経験をお持ちの方の特別講義というようなことも開いておるようなわけでございます。 そういうようなかっこうで、いままでに三回生を農村に送り出しております。これらの卒業生の方々は、自分の家の経営に専念をいたしまして、地域の農村における集団活動のリーダーとして活躍をいたしておる。私どもこの人たちにたいへん期待をかけておるということでございます。
○竹内(猛)委員 その教育に対する予算とか、個人の負担とか、そういうものはどうなっておるか。そしてそういうものが一体何カ所ぐらいあるのか。これは一つのモデルであって、そういうことが非常にいいから、それでは各県でやれということで今後も大いに普及しようとしておるのか。とにかく何百万のうちの五十人くらいの者が出て事が足りるというようには私はどうしても思えない。やるなら徹底的にやらなければならないし、それはどうですか。入学試験なり何なりそういうものの予算はどのくらい組まれておるか。
○伊藤(俊)政府委員 農業者大学校の運営に必要な経費は毎年四千万組まれておるわけでございます。もちろんこういう農業者大学校、ただいま先生御指摘のように、ごく限られた人数の方々だけを教育いたしておりますが、私どもは、国としてはまずこういうものをやっておりますが、そのほかに高等農業教育施設として民間の経営のものもございまして、そういうものに対する助成も行なっておるわけでございますし、また各都道府県におきましても、やはり高等農業教育のための、ことに高等学校卒業またはそれと同等以上の学力を有するような方々の教育をいろいろやっておりまして、そういう方々がやはり農業の第一線で活躍しておるというように考えております。
○竹内(猛)委員 個人の負担は……。
○伊藤(俊)政府委員 農業者大学校の場合には年間三万六千円の自己負担ということになっております。あとは国と県が負担するということになっております。 〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕
○竹内(猛)委員 農業者大学の問題については、なお今後担当局から資料をいただいて十分検討して、いいものであればどんどん伸ばすべきであると私は考えるわけですから、こういう一年に五十人くらいでなくて、必要なものであれば、もっと堂々と大きくやってもらいたいと思います。四千万円の予算というものは、一兆五千億も農林の予算があって、その中の農業者の教育予算が四千万円だ、こういうとぼけたことでは農業者教育はできませんね、これはほんとうに。ただ、国会で答弁するだけのものになってしまっている。こういうことでは非常に心細い。そういうところに後継者の問題も育たないゆえんもあると思うから、農民に密着したものであるならば、思い切ってそっちのほうへ予算を回してもらいたいということを要望するわけであります。 次に、四Hクラブの問題です。 われわれが農民運動をやった全盛期には、四Hクラブというものは非常に各地で活発に活動していた。最近は四Hクラブというようなものはさがしてもあまりない。これは一体どうなってしまったのか。前には三十万といわれたものが、最近は四万人もいないといっている。これに対して、農林省は直接これを指導する義務があるのかどうかわかりませんが、やはり農村に関係のあることだから、農林省のほうから、四Hクラブの衰弱したその理由、これをひとつ聞かしてもらいたい。
○伊藤(俊)政府委員 四Hクラブ等の農村の青少年が組織します団体でございますが、ただいま先生御指摘のように、かなり減ってきておることは事実でございます。こういったものが減ってきたというのは、昭和三十五年以降の農村青少年の減少ということが一つございますし、また同時に、都市化が進行いたしまして、農村社会も大幅に大きく変わってきているというようなことで、そういう意味で四Hクラブというようなものが減ってきたのではないかというように考えておるわけでございます。 ただ、現在農村に残っている農村青少年というのは、農業に情熱を持っておられる方がかなりおられるわけでございます。そういった四Hクラブ等の集団活動は、私どもとしても非常に大切なことだというように思っております。それで、県におきましては、こういった集団活動というようなものを大いに振興しようとしているところもございまして、ことに農業県なんかではそういうことに特に努力をしておるようなこともあるわけでございまして、私どももそういった農村の青少年の集団育成というようなことについて、さらに努力を傾けてまいりたいと考えております。
○竹内(猛)委員 この点も農村における集団的な活動、いままで四Hクラブはそういう活動をやってきて、非常に模範であるといわれた。これは改良普及員などがいろいろ介入して、それで非常に農村で模範的な運動をしたものが、いまは全く姿が見えない。こういうことについて、これは農林省の窓口としては伊藤さんのところですか。それはどういう局とどういう課ですか。
○伊藤(俊)政府委員 農産園芸局に普及部というのがございます。普及部に普及教育課という課がございますが、普及教育課が担当いたしておる次第でございます。
○竹内(猛)委員 その普及教育課というのは何人おりますか。
○伊藤(俊)政府委員 いま二十五名の職員がおります。
○竹内(猛)委員 その二十五名で全国のそれを担当するわけですか。
○伊藤(俊)政府委員 全国の普及関係、もちろん生活改善を除きますが、普及関係を担当いたしております。各県は各県でそれぞれやはり普及担当の職員を置いております。もちろん地方農政局にも普及担当の職員がおります。
○竹内(猛)委員 私の承知する範囲では、だんだんとこの改良普及員というものも圧縮をして、それで活動の範囲を狭めていくような傾向があると聞いておりますので、この四Hクラブの会員が少なくなることと並行的にその仕事が減らされていく。これはやはり農村にいた後継者、若い活動家というものがだんだん減っていく一つのあらわれであると思う。こういう点はよろしくないから、こういう点についてもまたあらためて別の機会に意見を申し上げることにして、次に移ります。 次は、農林省が担当する農業高校の中で、約三億四千万ばかりの教育予算が出ている。こういうものはどういうような経路を経てこれを運営をしているか、文部省との関係はどうなっているのか、その点について文部省と話をやっているのかやっていないのか。
○伊藤(俊)政府委員 ただいまの先生の御質問の御趣旨がちょっとわかりかねるのでございますが、農林省の担当の農業高校というものは特にございませんが、どういう御趣旨での御質問でございましょうか。恐縮でございますが……。
○竹内(猛)委員 高等農業教育施設整備に対する補助金が出ているでしょう。それです。
○伊藤(俊)政府委員 高等農業教育施設整備費でございますが、これは先ほども申し上げました都道府県なりあるいは民間等の農業・教育を担当いたしております施設、そういったものの施設の整備費というものを中心に助成をいたしておるような次第でございます。
○竹内(猛)委員 これは直接に教育をしているわけじゃないのですね。
○伊藤(俊)政府委員 実践教育をいたしておりますいわゆる農業高校ではございません。
○竹内(猛)委員 それでは次に、この民間教育に関して二億一千万という金が出ているのです。これは農村青年研修教育団体事業費補助金となっておるのですが、こういう金は一体どういう団体で、どういう経路でどういう成果をあげているのか。
○伊藤(俊)政府委員 民間教育関係の団体といたしましては、財団法人の農村青少年教育振興会でありますとか、国際農友会あるいは農民教育協会あるいは農村更生協会、日本国民高等学校協会というような、こういう財団法人なり社団法人なり、そういった民間の教育機関で、それぞれ民間のよさを発揮しながら、国、県の教育機関と相まって、農村の青少年の研修、教育に大きな役割りを果たしておるわけでございます。私どもはこういった団体の教育につきましての教育施設の整備というようなことに助成をしてまいっておるわけでございます。
○竹内(猛)委員 私はいまの説明の中で、いろいろ末端に行ってみると、そういうものの影響がほとんどない。額が少ないのかそれとも熱意がないのか。 特に農民教育協会という話が出ましたけれども、農民教育協会は、予算を見ると、人件費が六十人分、それから事業費三千六百万、それから施設整備費が一億二千万、これを合計するとたいへんな予算になっていますね。農業後継者資金が八億九千万だとすれば、その中の四分の一に近いぐらいの額が農民教育協会の中に入っているけれども、農民教育協会というのは実体もそれから出版物もこのごろは見たことはないですね。これは何をしているのか。
○伊藤(俊)政府委員 これは高等学校卒業の方々を三年間収容いたしまして、二百八十人の定員でやっておるわけでございます。園芸、酪農等実習施設を持っておりまして、寄宿舎等の施設と農場が二十一・五町歩というようなことでございます。 こういった団体の行ないます教育につきましては、それぞれいろいろ特徴がございまして、こういったところを出た方々が先ほど申し上げましたような農村の中核としていろいろ活躍をしておられるというふうに私どもは承知をしておるわけでございます。
○竹内(猛)委員 まだほかにもこの農業教育についてはいろいろな意見がありますけれども、時間がありませんから、大体整理をしますが、あまりにも少額の補助金なり予算でたくさんの機関がある。そうして末端には十分にそれが行き渡っておらないという感じがします。ですから、まず予算の額が少ないということ、もっと徹底的に額をふやして教育というものについては熱を入れてもらいたいということを前提にして、農業者大学であるとかあるいは高校、それから青少年の研修、その次には農村青年活動促進事業補助というものがあります。教育協会、こういうものは一切目的は同じであるとするならば、もっと統合して大きく堂々とやっていくべきじゃないか、こういうふうに私は考えるので、この点はこの程度にとどめます。 次に、これは大臣にお伺いしたいのですが、先ほど後継者に対する貸し付け金があると言われました。百万円あるという。私の茨城県では、こういう金を借りるのが恥ずかしいと言っていますね。百万円ぐらいの金を無利子で借りて、そうして両親から離れて経営するということは全く恥ずかしくてやりきれない。それで、茨城では二百五十万の金を後継者のためには貸すようにくふうをしている。たとえば現在議論している中金の問題にしても、あるいはいろいろな助成の問題にしても、一千万というようなものが直貸をされるという段階の中に、わずかいまの金額で百万円というような後継者資金がありますというようなことはおかしいじゃないですか。私はこの委員会の初めに、現有の農業に関する法律はかなり古くなった、だからこの法律をもう一ぺん検討して古い法律は思い切って改めるべきじゃないか、こういう提案をした。まさに農業の後継者の金なんというものは七十億あるけれども、これで喜んで後継者になっていこうなんという人はあまりないと思う。だから思い切って額をふやすということ、そしてでき得れば、いま農村青年が集まっていろいろ討議した中から提案しているような農業青年の経営者の育成資金というようなものをこれに切りかえて、もっと農村の後継者に魅力のある金にできないものか。この点について大臣の見解を賜わりたいと思います。
○伊藤(俊)政府委員 このものの考え方だけ、ごく簡単に私からお話し申し上げさせていただきたいと思います。 私どもといたしましては、農村の青少年に対しますいろいろな助長のための事業というようなことをやっております。これは技術でありますとか経営というようなことについてのいろいろな指導をやっております。そういうようなことを通じて農村青少年の自信と希望というものを高めるように努力をいたしておりますけれども、それと合わせまして農業後継者の育成資金という制度を設けまして、ある程度の技術と能力を有するに至ったと認められます後継者に、その希望に応じて、みずからの責任において特定部門の経営を開始する資金を貸し付ける。実践的活動を通じまして、将来の経営費としての、高度な技術と経営方法の習得等の援助をする、こういうものの考え方に立っておるわけでございます。したがいまして、この資金は農業に意欲を持ちます青少年に対します奨学金的な役割りを持つわけでございます。また将来、総合資金等の借り受けによりまして本格的な経営活動に入りますまでの橋渡し的な役割りを果たす、そういうようなものとして考えておるわけでございます。 いずれにいたしましても、こういう育成資金というものは農業後継者対策としては非常に重要なものであるという認識は、私どもも全く同じような認識を持っておるわけでございまして、従来からその金額なり一人当たりの貸し付け限度額の引き上げというようなことにいろいろ努力をいたしてまいってきております。ただいま先生百万円というお話でございましたが、四十八年百万でございますが、四十七年から百万に上がっている。それまでは七十五万であった。四十三年当時は五十万円ということであります。貸し付け額も累年増加をしておるわけでございます。先ほど申し上げましたように、この資金の性質がそういう奨学金的なものの考え方に立っておるということをあわせ御了承いただきたいと思います。
○竹内(猛)委員 それはやはり返すわけでしょう、奨学金であっても。これは奨学金なら返すというか、卒業して就職したときに返していくわけなんであって、だから金額にして百万というのが茨城では魅力がないという。二百五十万ですね、茨城でやっているのは。そういう形でやっているわけだから、農林省としてもほんとうに後継者というものに対して、いま言うような形で教育もしてくる、それから新しい仕事もしよう、こういう情熱を持っている者についてはもっと貸し付け額もふやして、いま局長が言ったことを大臣の答弁と置きかえて解釈してもいいですか。大臣、どうですか。
○櫻内国務大臣 ただいまの御説明で、このことばは育成資金となっておりまするが、特殊の奨学的な意味の資金である。無利子、五年間、百万円というものでございます。これはこれなりに利用者があるようでございます。茨城県で二百五十万円の後継者育成資金が出ておる。これはこれでまたいまのような特殊なものでなく、一般的に後継者育成と考えられるものについてそういう制度を考えられたものと想像しておるわけでございまするが、この百万円が評判が悪くて、もう全然借り手がないというのであれば別でございまするが、農林省のほうの集計では、わりあいにそういう特殊なものに、私どもが言うのもおかしいのですが、評判いいのだということでございまするが、私としては、これはこれとしてそういうふうに利用者があれば、過去の経緯をごらんいただきましても、五十万、七十五万、百万とふやしてきておりまするから、これをさらにふやしながら、また別途御質問の御趣旨に沿うような制度があるいは資金がつくられることも、これも別に否定するものでございません。さらにそのような必要性が起きてくれば別途考慮してもいい問題かと思いまするが、この百万円の問題はいまの局長の御説明で御了承をいただきたいと思うのであります。
○竹内(猛)委員 ともかく農業の問題に関しては前向きに問題を進めてもらいたい、こういうふうに思います。 次に、時間がありませんから、文部省のほうにお伺いをし、要望したいのですが、農業高校ですね。現在の農業高校の数が大体六百五十あるということを先般の委員会で説明をされている。その六百五十の農業高校の中で、農業に関する講座、たとえば農業協同組合論あるいは農業協同組合に関する講座がいままで組み込まれているかいないか、もしいないとしたら、なぜそういうものを農業高校で教えないのか、教えることがぐあいが悪いのか、その点はどうですか。
○中西説明員 農業経営という科目がございまして、その中で教えることになっております。
○竹内(猛)委員 農業協同組合に関する講座がありますか。
○中西説明員 農業経営という科目がございまして、その中でいろいろなことを教えるわけでございます。その一つとして、農業協同組合とまでいかないと思いますが、そうしたことに関する中身を教えるというふうになってございます。
○竹内(猛)委員 いま全国各市町村に農業協同組合というのは全部あるのですよ。その農業協同組合が非常に重要な役割りをしているということをいま議論している。これは通例であれば、農業協同組合法の改正をめぐってこういう議論をするわけだ。その農業協同組合というものがどういうものであって、どういう任務を持ってどういう機能を果たすかということについて、農業高校で科目を一つつくって、これに担任の教師を置いて教えられないという理由がわからないのですね。人間がいないのか、予算がないのか、そんなことをやらなくてもよいのか、農協というのは農業協同組合の事務屋がやればいい、そういうふうに考えているのかどうか、その辺はどうなんですか。農林省としては、農業高校というものが存在するからには協同組合の科目ぐらいはつくってもらいたいということを言えないのですか、この辺はどうです。
○中西説明員 高等学校は三年間でございまして、社会、国語、数学等一般教養も教えなければならないし、また農業に関する学科におきましては、農業の専門のことも教えなければならないというような時間的な制約がございますので、個々の具体的な、専門的な内容を教えるというのじゃなしに、基本的な事柄を教えるということになっておるわけでございます。そういうことでございますので、科目の数もあまり多くつくるというわけにはいかないわけでございます。しかし、農業経営という科目の中で、ただいま先生がおっしゃいましたような農業協同組合等についても教える、こういうふうになっておるわけでございます。
○竹内(猛)委員 もう時間がないから、ちょっとで終わります。 いままでのいろいろな実態から、あるいは予算の上から、運営から、いろいろ質問をしてみて、農業後継者というものを育てていくためにまだまだ熱が足りないような感じがします。ですから、この際農業後継者の問題についてはなお一そう強いあれをしたいと思うのです。 きょう総理府の皆さんにおいでいただいて、私は質問する時間がなくなって恐縮ですが、これは次の機会にします。 最後に農林大臣にお伺いしますが、農林大臣、最近中国の代表とお会いになられて、国会が終ったら中国に行かれるかどうか、そうして行ったときに、いま問題になっている肉の輸入等の問題についてはどのようにされるかということについて最後にお答えをいただいて、私の質問を終わります。
○櫻内国務大臣 私、いまのところ中国訪問の計画は持っておりません。私が戦後中国訪問をいたしましたのはすでに十九年ぐらい前になりましたので、興味は持っておりますが、なかなか時間の余裕がないわけでございます。 お尋ねの肉の問題でございますが、この問題については、技術的な面でいわゆる口蹄疫問題がよく取り上げられておるのでございます。この点につきましては、私の記憶では、昨年の十一月に民間レベルの訪中団によりまして、技術者の交流によってお互いに意思の疎通をはかろうというような機運になっておるということでございますし、また、その報告を受けました私といたしましても、できれば中国の皆さん方の訪日を期待し、日本の畜産の実情などを十分御視察いただきまして、その上にさらに腹蔵のない意見の交換をするというような順序を踏んで、食肉問題についてはこれからの行き方を考えてまいりたい、私としてはこのようにいたしておるわけでございます。
○竹内(猛)委員 終わります。
○佐々木委員長 柴田健治君。
○柴田(健)委員 改善局長はもう御承知だろうと思いますが、岡山県の児島湾、あの児島湖に関連をして、部分的な問題についてお尋ねを申し上げたいと思うのです。 この問題は農林省も頭の痛い問題で、長年、二十年以上にわたっての懸案事項だと思うのですが、その問題はいずれ次の機会に御質問申し上げるとしても、当面地元ではいま非常に迷惑をしているものがあるわけです。それは御承知のように、ホテイアオイというもので、私のところにもこういう写真が参りました。農林省にも行っておると思うのですが、ホテイアオイが異常発生して、これができたために水の汚染というか、もう魚もだめだ、奇形魚がどんどん発生して魚がふえないという状態で、これに関連して児島湾の漁業協同組合はてんやわんやの騒ぎをしておる。同時にまた、市のほうも県のほうも大迷惑をしておる。こういうことになっておるわけです。これに関して、農林省としては出先の農政局を使って実態の把握は十分できておると思うのですが、実態把握をされてその後どういうふうに取り組みをしてこられておるのか、まず見解を聞きたいと思います。
○小沼政府委員 先生御承知のとおり、昨年ホテイアオイが児島湖で——児島湾の淡水湖でございますが、そこで異常な発生をいたしたわけでございます。もともと上流の河川なり捷水路なり水田にホテイアオイは発生をしておりますが、その芽が下ってまいりまして、児島湾で爆発的に繁茂するというような形になったように思っております。特に昨年は高温であったことがその原因の一つでございますし、またその下地といたしましては、都市下水がだんだん流れ込んでおりまして、そのために湖自体が非常に富栄養の状態になりつつあるというふうなことがございまして、昨年異常な発生が生じたというふうに承知しております。そのために、これは児島湾関係の土地改良区ももちろん被雷者であるわけでございますし、漁業のほうでも影響があるわけで、非常にむずかしい問題でございますが、昨年いろいろと相談をいたしまして、とりあえずそのホテイアオイについて除去するという措置を地元を中心にやっていただいたということでございます。
○柴田(健)委員 水産庁の前田参事官見えておるようですが、水産庁ではこのホテイアオイから起きたいろいろな漁民に与えておる影響というものをどう認識されておるのか、簡単にひとつお答え願いたい。
○前田説明員 児島湖関係の漁業者からの陳情が昨年の十二月とことしの二月に私のほうに参りました。漁業者からの陳情もよく承っておるところでございます。先ほど局長のほうからお答え申し上げましたように、やはり基本的には生活排水と屎尿等によりますところの富栄養化に基づきます問題があります。その結果、ホテイアオイが異常発生したわけでございまして、湖内の漁業につきましては表面的には船の航行に非常にじゃまになる。したがって、漁業に出ました漁船がペラなどにホテイアオイがひっかかりまして、そういう意味での影響が特に湖内においては大きい。また、このホテイアオイが枯れまして、児島湾のほうに流出してまいります。その際に、ノリの網についておりますノリの芽が、そのホテイアオイの枯れた非常にひょろ長いものによってつみとられてしまうというふうに私どもは判断しておるわけでございます。 あわせまして、それらの話がございましたものですから、とりあえずことしの一月に埼玉県のほうへあっせんいたしまして、ホテイアオイを食べるソウギョという魚がございますが、このソウギョを五千と、それから内水面振興の意味におきましてレンギョを一万二千尾ほど放流したわけでございます。
○柴田(健)委員 農林大臣、写真だけでも見てよく聞いておいてください、質問はしませんけれども、どんなものか。 局長にお尋ねしますが、実態は十分把握されておりながら、国ではこれに対してどういう財政的な処置をしたのか。そして、県や市なり土地改良区なり、具体的にどういう指示をされたのか。ただ、おまえたちの地域で生活用水や工場用水その他が流れてきたんだから、それでもう河川から入ったんだから、おまえたちでやれ、こういう考え方に立って指導したのか。それとも一緒になって取り組んでこられたのか、その点を簡単に。
○小沼政府委員 さしあたり四十七年の異常発生につきまして、原因者が特定できないものでございますから、原因者にその除去を要求するという形がとれませんで、河川部分については県が処理をしたようでございますが、湖面に繁茂した部分については児島湾の土地改良区と淡水漁協等が協力をいたしまして、約二千万の経費を支出して、繁茂したホテイアオイを除去いたしました。 それをどういうふうに今後負担していくか、とりあえず立てかえ払いをしてあるというふうに聞いておりますが、それをどういうふうに処理をしていくかということは今後の問題として残されております。一般的に国が持てるかどうかという話もございますけれども、管理している土地改良区が、一般的な管理の場合には管理費について国が補助をしておりますが、こういう異常発生の場合にどうするかということについてはきめられておりませんで、今後どういうふうに扱うか、問題として残されているわけでございます。
○柴田(健)委員 あの児島湖にたまっておる水は、どういう認識を持っておられるのですか。あれはもう国には何も関係ない、こういうお考えですか。
○小沼政府委員 御案内のとおり、あそこの水利権は国が持っておりまして、あそこの全体の管理につきましては、国が土地改良区に管理委託をするという形でやっているものでございます。
○柴田(健)委員 水利権は国が持っておるはずですよ。法的から見ても、委託をしておるだけでしょう。それでそれぞれの責任の分野からいうと、河川から流れる河川の関係は、河川管理者である都道府県知事が責任を持つ。けれども、あの、児島湖にたまっておる水の権利者というものは国である。その国が何も考えないというのはどういうわけですか。その法的な根拠からいうと、どうも国がただ生活排水その他から流れてきたんだから知らないという姿勢では、私たちは納得できない、こういう気がするんですが、国が管理権を持っておる、その管理権者が何も知らないということはおかしい。その点をひとつもっと明確にお答え願いたい。
○小沼政府委員 水利権は国が持っておりますが、淡水湖の管理そのものは土地改良区にまかせてありまして、これは土地改良区が自由に使えるという形にしております。その意味でなかなかむずかしい点でございますが、第一義的には、直接の管理者は土地改良区ということになろうかというふうに考えております。
○柴田(健)委員 それならば、土地改良区が管理者なら、あの水を全部どんなにしてもいいといわれるのですか。国がもう一切干渉しない、そういうことの判断に立ってもよろしいか。
○小沼政府委員 土地改良区の仕事の範囲といいますか、農業用水用に使うという意味では自由にできるわけでございます。
○柴田(健)委員 児島湖のあれは国が直営でやった仕事なんですね。そして委託を土地改良区にさせた、県や市をのけて委託をさせたところにいろいろな問題が今日、二十数年起きているわけです。その点については、いずれあらためて論議をするといたしましても、現在ある水利権というものは、公有水面埋立法で国がやった仕事なんですよ。全部国が所有権者なんです。所有権を持っておる国が、ただたまたま現地に、ちょうどいなかでいえば、私の家がちょっと東京なら東京に移住してしまう、残った墓場は近所にちょっと管理してくれと頼むということで、所有権者は私であっても、一時管理をしてもらうのは別なんですよ。所有権者が何も知らないし、それに対して手を打とうとしないというのはおかしいんじゃないですか。そういう根拠はどこから出てくるのですか。どういう法律で出てくるのですか。
○小沼政府委員 御承知のとおり、土地改良区に湖面の管理委託をしているわけでございますが、むしろ土地改良区が実際にいろいろ農業用水として利用するということについては全く自由に近い形にしてございまして、土地改良区が行なうことについて、実態としてはもう全く土地改良区が所有しているのと同じくらいの形というふうにお考えいただいていいのじゃないかと思っています。形式的には一応水利権は国が持っているという形になっておりますけれども、実質的にはその利用形態等ごらんいただければ御了解をいただけると思いますけれども、土地改良区はその水を土地改良の目的、農業用の利用目的に全く自由に使うということでございますから、その意味では当然土地改良区が全体の管理をしているということでございますし、その面からも一義的には管理者としての管理責任があるというふうに考えております。
○柴田(健)委員 局長、昭和三十七年七月七日に岡山農地事務局長川戸孟紀という名前で岡山県知事に文書が出たのですよ。「児島湾淡水湖の水の使用について」という、これを一ぺん読んでみてください。農地事務局長は農林省でしょう。これについてあなたのほうにもあるはず、だから読んでみてください。
○小沼政府委員 いま手元に持ってきておりませんので、後に拝見いたします。
○柴田(健)委員 こういう公文書を出しておいて、いまになって——農林省に予算がありませんから出せないんです、金ができたら出しますと正直に言ったほうが早く解決するんじゃないですか。ないから出せないのか、そこが問題なんですよ。県は千三百万も出した。みな金を出し合って国が出さないというところに問題があるのだから、変な理屈をつけて、法律を曲げて答弁をするというのではなしに、金はこうこうこういうわけでつくって出します、それから県も市も国も一体となってこの処理に当たりますと言ったほうがすなおじゃないですか。局長、そのほうが私も質問時間が早う済むのです。
○小沼政府委員 土地改良法の施行令で六十三条というのがございまして、これも御承知と思いますが、管理費の負掛についてきめております。つまり「管理受託者は、受託に係る土地改良財産の管理に必要な費用を負担しなければならない。」ということになっておりまして、それは管理によって生ずる収入があった場合にそれは帰属しますので、その収入でまかなうことができるようになっているわけでございます。 ただ、先生御指摘の、一般的に言って国も見るべきではないかという点であろうかと思いますが、私どものほうといたしましては、四十八年度については県等の管理補助を県に出したいというふうに考えておりまして、一千万予算を計上しております。これは御承知のとおり、一般的な管理費に対する補助でございますけれども、それを考えまして今後万全の管理をしていただきたいというふうに考えているわけでございます。
○柴田(健)委員 法理論からいうて、岡山の農政局長というか、農林省の嘱託弁護士、それから県の嘱託弁護士、土地改良区の弁護士、この三つの機関の弁護士が同じ人間なんですよ。岡崎耕三さんというて、農林省がお頼みする弁護士も県がお頼みする弁護士も土地改良区が頼む弁護士も、同じ人間が兼ねているのです。この弁護士さんが国に責任がありますといって、土地改良区にも県にも国にも言うているのですよ。それで、私はおかしいと思うのですが、岡崎耕三という弁護士が三つでみんなに頼まれるわけですよ。だから、この人は三つから頼まれるのだからおそらく公平なんだと思う。公平な人だと思うが、これも明らかに法理論的には国の責任だと言う。結局、流れて入るところまでは河川管理者の県だ。ところが、施設ということになると、これは農林省、国の財産ですから、堤防であるとか護岸であるとか、関連施設ということは——水利権は国が握っている、施設も握っているが、たまっている水は完全に国が権利を持っておる。その権利者が中心にならなければならないのに、権利を持っていない者が、あなた、こうなさい、こうなさいと言ったって、それは何としても行政の立場からいうと逆な現象じゃないかと思うのですよ。もう少し農林省が目を開いて、そんな変な理屈を言わずに、——ただ一千万、四十八年度持っているというのは、別の施設の管理の補助だと私は思うのです。それでホテイアオイのために漁民の皆さんにたいへんな迷惑をかけている。そうでなくても瀬戸内海では環境保全というものを国をあげてやらなければならぬという時代です。それにもかかわらず、国が権利を持っておるところを何にもしない。要するに、私たちの判断から言うと、あそこは無過失の賠償責任という立場からいえば、国が完全に持つべきだ、こういう判断に立っている。その点を局長、変な理屈を言わずにすなおに答えてもらいたい。あなたが変な答えをすると、これはまだ今後いろいろな問題があるのですよ。堤防の問題、通行の問題、負担の問題その他あるのですよ。あなた、たいへんなことになりますよ。
○小沼政府委員 おことばでございますけれども、国としてできますことは、先ほど申しました県に対する管理補助あるいは大規模な補修を要する場合に補助するということは可能でございますが、あとは先ほど申し上げました六十三条の管理費負担で、管理の受託者が必要な費用を負担するという、そういう規定に基づいてやることでございます。しかし、管理補助あるいは大規模な補修費の補助等、全体を合わせてみますと、間接的にはいま問題になっておりますホテイアオイの問題解決にも資することができるのじゃないかというふうに思っております。
○柴田(健)委員 私たちは国家賠償法の第二条を適用すべきだという判断に立っているのですね。私は、土地改良法の第九十四条の六、また施行令の五十六条ということによって管理委託の協定を結んだ、この協定書になぜ農林省はもっと具体的に書かなかったか。書かないところに私は問題が起きたと思うのです。なぜこの協定書に明確にしなかったのか。その点どうですか、局長。
○小沼政府委員 先ほど申し上げましたように、管理費の負担等については政令ではっきりきめられておりますので、具体的な内容は書いてないのであろうというふうに思います。
○柴田(健)委員 それなら協定書というものは何のために書くのですか、協定書というものは。その協定書に書いてないものは、管理者である、所有権者である国が責任を持つということになるのじゃないですか、法的には、裁判で。
○小沼政府委員 五十六条では管理の財産の所在、種類、移管の年月日、管理の方法、委託の条件、その他必要な事項ということで書くようになっておりますが、負担の問題については六十三条で、政令ではっきり明記してございますので、そこについて細部にわたって書く必要はないというふうに解釈しております。
○柴田(健)委員 だから、施設の負担区分や何かはちゃんと明確になるわけですから。それから国が水利権を持っておるところのそのホテイアオイの処理費についても、それの基準に合わせて国なり県なり市が、あなたも何%、土地改良区も何%出しなさいよという負担区分、それを基準にして国も負担すべきではないか。ここだけは協定書に、法的に、また施行規則においてこういう負担区分がきまっていますから、これだけですよ、あとは知りませんよ。 それなら、この所有権者である国は何をするのだ。財産の管理者としてどうなるんですか、その点は。それ以外はもう国の管理者としての責任はないという、そういう判断に立つのですか。どうですか、局長。
○小沼政府委員 管理費の費用の負担の問題につきましては、先ほど来申し上げているとおりでございます。しかし、全体として今後、ホテイアオイの問題を含めまして、児島湾のあの湖水全体をどういうふうに土地改良とつなげながら、あるいは地域の環境条件と関連しながら、どういうふうに持っていくかという問題については、やはり十分検討をしていかなければならないというふうに考えております。そのためにも現在特別に調査をしておりまして、御承知のとおり、水自体が非常に悪くなってきております。都市下水が流入しておるからかとも思いますけれども、そういう意味でも、今度、水をどういうふうに農業用水に使う場合にいい水にしていくかという問題もございます。いろいろの問題がございますので、これにつきましては現在農業用水合理化の調査費を組んで調査を進めているという状況でございまして、今後あの児島淡水湖自体の改善を全面的にくふうをしなければならない時期が来るんではないかというふうに考えて、いろいろと検討を進めているということでございまして、その意味で私ども十分あの淡水湖について考えてまいりたいというふうに思っております。
○柴田(健)委員 まあ、だんだんいい姿勢になってきているのですが、どうも私はこの児島湖の土地改良区に管理委託をした経過をよう知っておるだけに、今日いろんな面で尾を引いて、農林省もたいへんな迷惑をしておることはよくわかっているのですよ。わかっておるから、言いたいことも言わずに、こちらもある程度しんぼうして言うているわけですよ。ところが、問題は、いま瀬戸内海の水をどうしてきれいにするかというのは、これは政党の皆さんも精力的に検討しておるし、各省も一生懸命になって、特に環境庁も本気になって取り組んでおる。これから効果があるかどうかわかりませんが、そういうことで、一方では努力をしておる。そういう時の流れなんですよ。そういう時の流れの中で、皆さんがあそこを責任のなすぐり合いっこをして、住民感情としては割り切れないという。まあ漁民の立場からいうと、何をしておるのだということになる。ところが、県へ行けば、どうも管理者は国です。市のほうへ行けば、これも管理者は国です、こういう答弁ですね。行くところがない。東京へのこのこ出てくる、そういう余裕も経費もない。だから、土地改良区へ行くと、おれは知らぬ。おれのほうはそういう委託は受けてないんだというような無責任な言い方をする。漁民のほうは行くところがない。要するに、この管理者である、財産所有権を持っている国でやってくれるよりほかないわけですよ。その国があいまいなことを言うて逃げられたんじゃ、どうにもならない、こういうことにいまの時点ではなっている。だから、私は、あの水はまあ農林省の所管だ、国の財産だ。国の財産を、たとえばたまたまいま土地改良区に委託をしておるけれども、その土地改良区が解散したらだれが管理するのですか。やっぱり国ですよ。だから、解散させないように、またうまく協調をしながら、協力し合って解決するという姿勢が大事だと思う。それは委託を受けておる土地改良区に、みなやりなさい。この土地改良区はどうもあまりいい土地改良区じゃない。まあ、あの土地改良区も変な土地改良区ですよ、それは。とにかく大ボス小ボスがおって、いろいろな形で、たとえば新幹線が通った、あの児島湖へ汚水が流れてくるから約三千万出しなさい、こっちの建物、こっちからも二千万出しなさいで、金だけは取るが、さっぱりあの水をきれいにしようとしないところに問題もあるけれども、しかし、財産の所有権者である国がもっと指導性をきびしくすると同時に、この点については解決するという前向きの姿勢でやってもらいたい。この点について、簡単に、一生懸命やりますという答えをしてもらえさえすればやめますから、局長。
○小沼政府委員 ホテイアオイの除去の対策等もございますし、また、先ほど申しました湖面自体の今後の浄化の問題もございます。そういうものを含めまして、総合的にひとつ前向きに取り組んでまいりたい、かように考えております。
○柴田(健)委員 まあ、これでやめます。いずれまた実行の中でいろいろと農林省から出してこられると思いますから、それを見て、またあらためて質問することにして、やめます。
○佐々木委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後零時二十分休憩 ————◇————— 午後一時六分開議
○山崎(平)委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。湯山勇君。
○湯山委員 このたび政府のほうから、三公社五現業に対しまして第一次の賃金回答がなされておるわけでありますが、その内容は、新聞に発表にはなっておりますけれども、念のために、ひとつどういう回答をなされたか、長官から承りたいと思います。
○福田政府委員 お答えいたします。 月給制につきましては七千七百六円、日給制につきましては三百五十円、こういう回答をいたしております。
○湯山委員 新聞等ではそれへ定昇を加えて、林野庁の場合は一万百八十四円というようなトータルが出ておりますが、そういう定昇を含めてということになると、いまのはどういうことになりましょうか。
○福田政府委員 ただいま申し上げました数字は、月給制職員につきましては定昇はございますけれども、日給制職員につきましては、ただいまのところそういう制度がございませんので、先生御指摘のように、総額にいたしますと林野庁一万百八十四円、この中で有額回答額が七千七百六円、推定定昇額が二千四百七十八円、かようになるわけであります。
○湯山委員 三百五十円というものの内訳はどういうふうになりますか。
○福田政府委員 月給を二十三で割りまして昨年と同額ということになるわけであります。
○湯山委員 二十三で割って三百五十円にはちょっとならないですね。
○福田政府委員 実はただいまお答えしましたように、日給制につきましては定昇制度がございませんので、それによっていきますと非常に差が出てまいりますので、一昨年からその間の差を縮めるために、実は昨年十五円プラスしてございます。
○湯山委員 十五円というのには別に根拠はなくて、ただ昨年が十五円だったから今年も十五円ということでしょうか。
○福田政府委員 一昨年は八円でございまして、昨年十五円でございました。一応私たちのほうから提示しましたのは、昨年と同額というふうにいたしておるものでございます。
○湯山委員 この回答額がそのまま定着するというようにも受け取れませんししますから、特にお尋ねもするし、御要望も申し上げたいことは、日給の場合とそれから月給の場合と、これはだんだん差が拡大していく傾向にありまして、いずれも日給、月給を問わず、現在の林野庁においては基幹的な作業に従事している者に対してのあれでございますから、差を縮めていくための御努力をぜひお願い申し上げたい。 そういう点で見ますと、同じ種類、同じ技能的な作業に当たっておる人たちでも、日給の者と月給の者とでは、大体現在回答になっておられる分で計算しても、三千円近い差がその身分の差によってできておるという実情にあります。このことにつきましては、先般お尋ねいたしましたときに三百七十四名ばかりの技能職といいますか、技能的な作業に当たっておる者についての定員化ということはぜひ努力して実現したいという御答弁でございましたが、これの処理は現在どのようになっておるか、承りたいと思います。
○福田政府委員 先般御指摘のように、約三百幾ら、その後検討いたしましたところ約四百名近くございます。これは定員内の職員とそれから定員外になっています。いま申し上げました作業員と同じような仕事を実はやっておるわけでございます。したがいまして、私たちの考えとしましては、現在の定員をふやすわけにはまいりませんので、定員内の中で一応欠員補充という形でできるだけ努力してまいりたい、かように考えておるところでございます。
○湯山委員 大体見込みは現状ではどの程度でございますか。
○福田政府委員 実は、御承知かと思いますけれども、昭和四十七年、四十八年、四十九年、この三カ年にわたりまして五%の定員削減が一昨年閣議決定されておるわけでございます。したがいまして、この定員の中で欠員補充をしていかなければならぬということでございます。そういたしますと、現在おりますところの定員内職員の中ですでに技能職に従事しております者が全体で約四千人くらいございます。約四万人近くの職員の中でそれくらいの数。これはほうっておきますとだんだん減ってまいりますので、定員内からこういったものは確保してまいりたいと思っておるわけでございますが、この定員の中でいわゆるそういう技能職以外の人たちの退職と関連しまして、できるだけ拡充してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○湯山委員 この問題は、いまのところは一応行管のほうから、あるいは政府の決定ですか、五%削減がありますけれども、私は林野庁の場合は一律にそれを適用することに大きな問題があるというふうに思っております。 と申しますのは、前回も申し上げましたけれども、実際に国有林を守っていく基幹要員、しかも長期にわたって働いている、あるいは長期にわたって働く可能性を持っている、そういう人の半数が定員外にあるという形態に非常に問題があるのであって、それを是正した上で五%という一律適用ならば了解できますけれども、その本体をそのままにしておいてなおかつ五%適用という、そこに問題がありますから、この問題はなお、森林法等の審議の際に行管なり人事院なりを呼んで、そしてそういった不合理をなくするようにわれわれもやっていかなければならないというように思いますので、ただいま長官の御答弁のようにすみやかに是正するという姿勢でやっていただきたい。そうしないと、同じようなことをやっている人が、ただ欠員があるなしという運不運で、勤務年数も同じだし、それからやっておることもほとんど同じであって、しかも給料において三千円もの差があるということは、これは何といっても矛盾ですから、そのことについてはぜひ今後御配慮願いたいと思います。 それから、いまの問題と関連してやはり考えなければならない問題は、私は国全体で現業官庁の扱いというものがたいへん違っているのじゃないか。公社ではありますけれども、専売公社あたりはたばこを巻く人も箱へ詰める人もみんな定員になっております。それから同じような国の機関であっても、たとえば印刷局、これらもやはり印刷機械を扱っている人、それから印刷したものをとじる人、とにかく働いておる人はほとんどが定員内であるというようなこと、アルコール専売も同様だと思います。こういうことを考えてみますと、林野庁だけが、国有林を守っていくほんとうの基幹要員、それの半分にも当たる数が定員外で置かれているということはたいへん問題であって、いまちょうどこういう給与について政府が何らかの対策を出さなければならないという大きないい機会ですから、こういうときでなければいまのような問題を処理し解決するという機会もなかなかないと思いますので、ぜひひとつこれは政務次官にも大きい立場からそういう差別のようなものをいつまでも残しておかないで処理していただく。そうしなければ、たとえば定員内の人と定員外の人とでは与えられる権利に差がありますから、そうすれば、おのずから義務にも差が出てくる。そうなると、今度要求のしかたというようなものもこれは一律に考えられない。またやった行動に対する責任も一律ではなくなってくる。非常に大きい問題がこれはありますので、この際、今度の給与の問題に関連してそれらの問題の根本的な解決をはかるということに御尽力をいただきたいと思います。これは以前にも同様趣旨に対して努力するという御答弁をいただいておりますから、御答弁はいただかないでけっこうでございます。 それから第二の問題は、これも今度のに関連してですが、白ろう病で休業していろ人たちの休業手当ですが、これにつきましては、認定当時の基準賃金が固定されている。したがって、認定が五年も前であればそのままの状態で来ておるので、今度のようにとにかく積極的にか消極的にか、政府のほうで仲裁裁定を待たずにこうやって案を出されるということになればそういう配慮も当然なされなければならないわけであって、この認定が過去一年、二年、三年あるいは四年、五年と古い人については当然ベースアップも考えなければならない、こういうことを申し上げて、これも善処願うことになっておりましたが、もうすでに御配慮願って処置されたか、まだなのか。まだだとすれば、いつされるか。これをひとつお答えいただきたいと思います。
○福田政府委員 白ろう病につきましての休業補償の問題につきましては、この前お答えいたしましたとおり、そういった矛盾は是正してまいりたい、かように考えて、目下検討さしております。いつということの日にちまではちょっとここでは申し上げかねますけれども、速急に検討さしておりますので、できるだけ早期にこの問題を解決してまいりたい、かように考えております。
○湯山委員 これはもう当然、長官の権限でおできになることですから、ひとつ森林法を審議するまでぐらいにぜひ御処理願いたいというように思います。 それから、これもさっきの問題に関連してですけれども、出来高払いの場合の単価、たとえば、木を一本倒すと、一本について百八十円とか二百円とかという単価があります。それらについては、今度の場合は全然御配慮になっていないと思いますが、いないのが当然だとも思いますけれども、今度の回答の中ではそれらの配慮はないわけでございますね。
○福田政府委員 出来高払い制の場合におきましては、その賃金の差額につきましては、新しい別の仕事についた場合においては九五%補償ということになっておりますけれども、この点につきましてぜひ前向きに善処してまいりたい、こう考えております。
○湯山委員 いまの点はそれでけっこうでございます。 それから、また給与のベースのほうへ返りまして、今度の回答といいますか、林野庁の案では基準賃金日額が三千二百十五円になるかと思います。昨年が二千八百六十五円で、今度三百五十円プラスということでございますから、そうすると、日額三千二百十五円ということになると思います。ただ問題は、資料を見ますと、同じ人が出来高で作業しておる場合は、日額が四千円をこえるというような資料になっておりますが、これは間違いございませんか。
○福田政府委員 間違いないと思います。
○湯山委員 とすると、日額の人と月給の人とでは、定員内外では、今度の月額を比較すると、二万円近い差ができることになっておりますけれども、今度出しておられる三千三百十五円というこの基準賃金というものは、これは実はいまの出来高払いであれば、四千円以上の働きのできる者に対する給与ということになるわけで、実際は基準賃金でいけば三千二百十五円しかもらわないけれども、ほんとうに出来高払いで能力を発揮すれば、この人たちは四千円の仕事はできるんだということになるんだ、こう解釈いたしますが、そういう解釈は妥当とお思いになるか、そうじゃないということなんでしょうか。
○福田政府委員 御指摘の点、確かに日給制の場合におきましても、そういう基準というものと、それから出来高払いの場合の基準ということの比較をいたしますと、やはり出来高払い制度というものは、ある程度刺激的な要素が入っておりますので、当然開きが出てくるとは思います。ただ、そういうことが妥当であるかどうかということにつきましては、やはり賃金支払い形態の基本的な問題であると思います。できるだけ私たちは作業の流れというものを機械化しまして、そういったような差が出ないような方向に作業仕組みを考えていくということは、やはり私は基本的な姿勢でなければならぬというふうに考えておるわけでございます。相当機械化されてはおりますけれども、賃金の支払い形態はやはりまだ功程払いと、そういう出来高払いのかみ合わせのような形になっているわけでございますが、できるだけ安定した収入確保が得られるように、作業仕組みその他を今後できるだけ努力して変えてまいりたいというふうには考えております。 ただ、林業の仕事の性格上、普通の工場労働と違いまして、先生も十分御承知かと思いますけれども、問題として研究しなければならぬ点が多分にあるというふうに考えております。
○湯山委員 私もいま長官の御答弁と同じようなことをあとでお尋ねしようと思ったことでした。と申しますのは、おっしゃるように、出来高払いという刺激によってこれだけの働きができる能力を持っているということであれば、作業形態なりあるいは作業の管理、いろいろなことのくふうによってそういう能力をやはり十分に発揮できるようにすることが大事なんであって、こういうやり方をできるだけなくしていって、そしていいほうへ安定していくということが、当然林野庁としておとりにならなければならない点だということを申し上げようと思ったのですが、長官がいま御答弁でそのようにおっしゃいましたので、ぜひそういうふうにしていっていただいて、出来高払いならば四千円以上になる、それから基準賃金ならば三千二百円ぐらいにしかならない、こういったことを排除していただくというように、これもひとつ御配慮願いたいと思います。 もう時間がございませんが、いずれにしても、国有林だけではなく、民有林についても雇用形態の是正、条件の是正ということが大きな国の課題でございますから、当然林野庁としてもその範をお示しになる必要があると思いますので、これは非常に無理な御注文かもしれませんけれども、現在の、半分が定員外、半分が定員内というこういう異常な形態を解消していくためにはどういうふうにしたらいいかという、これはたとえば政府の案としてとかあるいは農林省の省議できまったなんというようなことでなくてけっこうだと思います。問題は、そういう状態にある、それから他の大蔵省関係のアルコール専売とかあるいは造幣、印刷、それらに比べても、とにかく林野庁の場合は、この雇用の形態というものが決して近代化されてはいない、これをどうすれば是正できるか、どう是正していったらいいかということについて、長官の私案のようなものでもいいと思いますけれども、できればひとつお示しいただければ、それをもとにして私どももいろいろ検討さしていただきたいと思いますので、そういう資料を御提示願いたいと思うのですけれども、それはいかがでしょうか。
○福田政府委員 いま御指摘の点は、国有林経営の改善をいたします場合に一番基本になる問題でございます。私は平素こういう場で申し上げておるのでございますけれども、林業の特殊性としまして、特に国有林の場合はもちろんでございますが、事務職を中心にしまして、定員内職員があるわけでございます。ところが、事務をとっておったのでは、これは伐採できるわけでもないし、あと地に造林がされるわけでもございません。やはり基本になりますのは、適正な伐採をし、そのあと適正な造林をし、あるいは林道をつけたりあるいは治山事業を行なっていくということによって、初めて山がよく改善されていくわけでございます。いま定員外の処遇をされておりますところのそういう非常勤の職員については、やはり基本的には、これを定員内に入れるというよりは、その人たちの処遇の改善なり労働条件の改善なり生活環境の改善ということを中心に考えていかなければならないのであって、諸外国の例もときどき申し上げるのでありますけれども、むしろそういった面で技能の優秀な者は定員内の事務職員よりは給与がずっと多いので、そういうような形に近い将来持っていかなければならないと考えておるわけでございます。それにはやはり国民の全般のコンセンサスを得られるような一つのルールがなければならぬと思います。たとえばこの人たちは十数年つとめている人たちが大部分でございますので、十分に技能はございますけれども、やはりある程度しっかりした訓練をし、あるいは場合によっては資格試験を行なうということによって、よりよいそういった処遇を考えていくべきであるというふうに考えております。そういった意味での私案をいずれ早期にまとめまして、しかるべき筋に相談をし、実現をはかってまいりたいというふうに、ほんの私案でございますけれども、考えているわけでございます。
○湯山委員 よくわかりました。ぜひそうお願いしたいと思うのです。残念なことには、いまは長官の理想はそういうところにあっても、実際には長官がいまおっしゃった一番中心になる伐採、造林、あるいは治山、林道、そういうほんとうの大事な仕事をしている人が形式的には定員外という形で雇用条件が安定していない。そういう状態にあって、むしろいま長官のおっしゃったのと逆な関係になっておるのが現状ですから、長官の言われるようになれば一番いいのですけれども、少なくとも現状を是正するというところまではやっていただきたいという気持ちでしたが、むしろ長官のほうがその点では積極的な御意見なので、そういうふうにお考えになった資料をお出しいただければなおけっこうだと思いますので、ぜひお願い申し上げたいと思います。 これで私、終わります。
○佐々木委員長 諫山博君。
○諫山委員 福岡県の大牟田市で問題になっている米のカドミウム汚染について質問します。 カドミウムが人体に入ってどんな悲惨な事態を引き起こすかということは、富山県の神通川流域で発生したイタイイタイ病でよく知られています。冨山地裁イタイイタイ病判決は、カドミウムにおかされた患者の苦しみをなまなましく描き出してございます。このイタイイタイ病が三井金属の土壌汚染に原因している、このことは富山地裁判決がすでに認めてございます。 〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕 大企業が排出するカドミウムによって農地がよごされ、そこからとれる米がカドミウムによって汚染され、それを食べる人がイタイイタイ病患者になる、こういうメカニズムが明らかになっている以上、カドミウムによる農産物汚染が再び起こらないようにすることは、農林行政のきわめて重大な任務といわなければなりません。ところが、カドミウムによる土壌汚染はイタイイタイ病で有名になった神通川流域だけではありません。私が問題にしたいと思っている大牟田地域のカドミウム汚染も、いまではきわめて深刻な事態に立ち至っているのであります。そこで、大牟田地域の土壌汚染の実情について環境庁にお聞きしたいと思います。 福岡県の調査によると、大牟田地域で行なった土壌検査の結果はカドミウムの含有濃度が最高で十六・九PPM、最低で五・二PPM、平均して十一・三PPMという数字が発表されています。富山県の神通川流域よりも土壌汚染の程度はひどいように見受けられます。そこで、現在判明している他のカドミウム汚染地域に比べて、大牟田地域のカドミウムによる土壌汚染はどの程度になっているのか、環境庁の御説明を聞きたいと思います。
○岡安政府委員 福岡県の大牟田におきますカドミウムによる土壌汚染の実態でございますが、私どもの入手いたしております資料によりますと、県は四十六年度に環境庁の予算によります細密調査を実施いたしたのでございますが、その結果によりますと、まず土壌でございますけれども、調査点数は百一点、カドミウムを最高含んでおるところの数値が二十六・七PPM、最低が〇・八PPM、、平均で六・七PPMということになっております。 なお玄米のほうの状態でございますが、これは調査点数が八十七点、一PPM以上のカドミウムを含む玄米の点数が七点、最高値が二・八八PPM、最低値が〇・〇九PPM、平均が〇・四六PPMということになっております。 この状態がほかと比べてどうかという御質問でございますが、やはり土壌汚染の程度はほかと比べて相当高いだろうというふうに考えております。 数字を申し上げますと、秋田県杉沢・柳沢地域が最高十・八PPM、最低一・九PPMで平均が五・一PPM、福島県磐梯地域が最高五十五・九PPM、最低三・二一PPMで平均が十五・二六PPM、群馬県碓氷川流域地域が最高二十八PPMで最低〇・一PPMの平均が六・四二、同じく渡良瀬川流域地域が最高三・三、最低〇・一、平均が一・二九、岐阜県畑佐地域が最高四・八、最低〇・三、平均が二・一八、兵庫県庄野鉱山周辺地域が最高十三・七、最低〇・六、平均が四・六八、同じく太子町地域が最高十・三PPM、最低〇・二三PPMで平均が一・二九PPMでございます。
○諫山委員 それから大牟田市でカドミウムに汚染され、要観察地域に指定されている水田が二百二十三・五ヘクタールあります。しかし、問題なのは、ここだけが汚染されているのではないということです。要観察地域とそうでない地域で、米がどのように汚染されているかを福岡県が調査しています。それによると、要観察地域からは〇・四PPMが三十三、一PPM以上が三という数字が検出されたことがあります。ところが、要観察地域外からは〇・四PPM未満が十九、一PPM以上が四という数字が出されたこともあります。これを比較すると、要観察地域よりも地域外のほうからはるかに濃度の高いカドミウムが検出されているわけです。これでは何のために要観察地域を指定しているのか疑わざるを得ません。要観察地域の外のほうがかえって危険だというのであれば、要観察地域を指定する意味というのはなくなってしまうと思います。こういう要観察地域の指定がはたして正しいといえるのかどうか、環境庁に御説明いただきたいと思います。
○岡安政府委員 先生御承知と思いますけれども、要観察地域の指定というのは昭和四十五年度になされたわけでございまして、厚生省が諸般の調査を行ないまして、地域の確定というような考え方からなされたわけでございます。私ども聞いておりますのは、その要観察地域の面積は全部で八百一ヘクタール、その中で農耕地は約二百ヘクタールでございます。おっしゃるとおり、昭和四十五年当時厚生省が指定したのはそういうようなことでございますけれども、汚染の状況等から見まして、このような地域だけに限定をするということはやはり問題があるということで、福岡県では細密調査を三カ年計画でもっと広範囲の地域にこれを行なうということになりまして、四十六年度におきましては水田二百五十ヘクタール、四十七年度におきましては水田三百九十ヘクタール、さらに四十八年度には約四百ヘクタールにつきましてそれぞれ調査をいたすことにいたしております。したがって、合計面積で千ヘクタールをこえるわけでございまして、そういうところにつきまして細密調査を行ない、対策事業を行なう必要があるということになれば対策事業を行なうというような手段を講じておるわけでございます。
○諫山委員 私の利用した数字と環境庁の数字が幾らか食い違うのですが、いずれにしましても要観察地域の外のほうが汚染度が高いというようなことはあってはいけないことだと聞いていいでしょうか。
○岡安政府委員 ことばで、いけないことだと質問されますと、ちょっとお答えしにくいわけでございますが、やはり要観察地域というのは、今後健康診断を含めまして、諸般の対策を講ずる必要があるかどうかということをきめるための調査を行なう地域であったわけです。ところが、四十五年当時は、八百ヘクタールくらいでよろしかろうということで指定したわけでございますが、おそらく、その後の知見によりまして、もっと広範囲に調査をする必要があるということがわかったために、県としましては広範囲に調査をするということになったのではなかろうかというふうに考えております。
○諫山委員 そうすると、いつごろ新たに要観察地域の指定がなされるのか、時期はわかりますか。
○岡安政府委員 要観察地域の指定、その他の対策につきましては、これは厚生省でやっておりますので、ちょっと私お答えいたしかねます。
○諫山委員 今度は農林省にお聞きします。 〇・四PPMから一・〇PPMまでの間の米は、政府米と交換できるという手続が大牟田でとられています。しかし、実際に交換されている米は、その中の一部分にとどまっているようです。大牟田で〇・四PPMから一・〇PPMまでの間の産米のうち、どれだけが政府の米と交換されており、どれだけが交換されずに農家の手元に保有されているのか、数字がわかりましょうか。
○森政府委員 お答えいたします。 ただいま先生の御質問の農家保有米の交換数量でございますが、四十五年産米におきまして八十トン、四十六年産来において四十九トンでございます。その他農家が現在保有している、あるいは保有しておった米が幾らあるかということは、私どもの調査の中では出てまいっておりませんで、食糧庁が交換した数字は、ただいま申し上げたような数字でございます。
○諫山委員 そうすると、〇・四PPMから一・〇PPMまでの間の米で、政府米と交換されずに農家に保有されている分が、相当多量にあることは間違いないでしょうか。
○森政府委員 多量かどうかの問題は別にしまして、あることは事実でございます。
○諫山委員 この米については、政府は流通に回さないという方針をとっていると思いますが、政府米と交換されずに農家に保有されている米がどれだけあるのか、またそれがどういう消費をされているのか、何らかの形で流通に回っているのではないのか、こういう点を食糧庁としては調査しなくていいのでしょうか。
○森政府委員 ただいまの御質問は、農家の保有米のことでございまして、農家自体の希望がございますれば交換をいたすということでございます。自分でつくったお米でございまして、流通規制の問題といたしましては、〇・四PPMから一・〇PPM米満のものにつきましては、食品衛生法上何ら問題になっておりませんから、一応食品としての問題は別にないわけでございましょうが、政府が買い入れをいたしました米につきましては、先年来からの国民感情等の問題もございまして、配給は一時停止をしておるという形でございます。
○諫山委員 政府が配給を停止している米が、実際はどういうふうにそれが使用されているのか全く掌握していないというのは、私は正しくないと思います。国民感情ということを言われますが、これは政府が配給する米であろうとあるいは何らかの形で農家から出ていく米であろうと、同じことのはずです。ですから、その点では、私は〇・四PPMから一・〇PPMまでの間の米に対してももっと厳格な態度をとる必要があるのではないかということを指摘して、次に問題を移します。 福岡県には、昭和二十七年に着工され昭和四十三年に竣工した三池干拓というのがあります。総面積は三百七十四ヘクタール。ところが、ことしになってこの干拓地について三億三千九百四十三万円を農民から徴収することが決定されました。福岡県は三月議会ですでに負担金の徴収をきめています。 ところが、この干拓地はすべてカドミウムに汚染されています。そのうち約百ヘクタールはすでに要観察地域に指定されているそうです。ここからとれた米は配給に回すことのできない米であります。将来もおそらく食べものをつくることのできない土地になるだろうと思います。その意味ではかたわの土地であり、きずものの農地だといわなければなりません。 ところが、このようなカドミウムに汚染された干拓地について、きれいな農地と同じような方法で負担金が決定され、徴収されようとしています。このことは、福岡県議会でも大問題になりました。共産党の高倉県会議員が口火を切り、さらに社会党、公明党の議員も同じような立場からこの不合理をついているそうです。 そこで、食糧庁長官にお聞きしたいと思います。肥沃な農地をつくるつもりで干拓をした。ところが、実際はカドミウムに汚染された農地しかでき上がらなかった。農地としてはきずものだ。おそらくこういうことを農林省は最初は予想していなかったと思いますが、こういう農地について、きれいな農地と同じような負担金をかけるのは、どう考えても理屈に合わないと思います。この点についてどう御理解いただいているのか、御説明願いたいと思います。
○小沼政府委員 構造改善局でございますが、お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、三池の干拓地区につきましても汚染の問題が生じているということでございますが、福岡県からの報告によりますと、同県におきましては、これに対処して、カドミウムを吸収抑制する土壌改良資材の投入をはかる一方、土壌汚染防止法に基づく地域指定及び一連の対策の実施を検討している模様でございます。 そこで結論でございますけれども、農林省といたしましては、本件については、干拓事業にかかる事業費の負担金の問題は、負担金は負担金ということで、従来の方法によって納めていただく。ただ、こういうふうに汚染の問題が出ているということで調査がなされておりますので、土壌汚染防止法に基づきましてこの汚染除去のための排土あるいは客土というような土地改良事業の実施が可能でございますので、地域指定をされ、改良の計画ができますれば、この土地改良事業によって解決をしていくという方法で進めていきたい、かように考えまして、この点についても県の当局とも十分協議して進めてまいりたいということで検討しているところでございます。
○諫山委員 私はごく常識的な質問をしたいと思います。 品物の売り買いで、きずがあったとすれば、当然それが値段に影響してくることは常識です。この場合もきれいな農地のつもりで干拓をしてみたところが、実際は米もつくれないようなところ、米をつくっても食べられないようなものしかできない、こういうかたわの農地ができてきたわけです。こういう場合には、もちろんそれをなくするいろいろな措置もあるでしょうが、その前に、値段をきめる場合に、当然割引というのが、個人と個人の間においてもおそらく常識だと思います。そういう常識は農林省では通用しないのでしょうか。
○小沼政府委員 無資力の場合にそういうことが出てくることもございますけれども、一般的には、こういう干拓地につきまして事業費の負担については、私がただいま説明いたしましたような方法で負担金を徴収するわけでございまして、そこが地域として作物が非常に問題であるというところについては、やはり土地改良事業を施行して使えるようにしてあげるという方法で解決することが適当であるというふうに考えているわけでございます。
○諫山委員 この問題は高度な政治的配慮を要する問題だと思いますから、局長に確答を求めるのは無理かもしれません。私はいずれ農林大臣にお聞きしたいと思います。なぜかというと、おそらくこれは法律の予想していなかった事態だと思います。ですから、こういう問題を解決する場合には、必要とあれば法律もつくる、必要とあれば相当思い切った政治的な配慮をする、これでないと被害農民の損害というのは救われないわけです。きずものを押しつけられておって、その被害を甘んじなければならないということは、個人と個人の間でも成り立たないし、まして国と国民の間ではとうてい許されない行為だと思います。この点はいまの法律でどうなっているというような技術論だけではなくて、いま農林省がやっていることは常識に反している、正戦に反しているという立場から再検討いただきたいと思います。しかし、いずれこれはもっと責任のある人に責任のある回答を得たいと思います。 次に、土壌の改良をしたいという話が出ておりますが、もちろんこの種の問題を抜本的に解決するためには、そこでとれた米をどうするかというだけではなくて、土壌自体を改良する必要があることは当然です。 ところで、私の手元に、昭和四十七年二月二日付で環境庁水質保全局長と農林省農政局長の名前で知事あてに出された「カドミウムに係る土壌汚染地域の対策について」という文書があります。これを見ると、米に含まれるカドミウムの量が一PPM以上の場合は生産を防止するのだという記載があります。カドミウム一PPM以上の米は食品衛生法上の食品でないというのですから、これは当然なことだと思いますが、そういう立場で行政指導しておられるのかどうか。これは農林省からでも環境庁からでもけっこうですが、御説明願いたいと思います。
○伊藤(俊)政府委員 四十七年の二月三日に、先生御指摘のように、環境庁水質保全局長と農林省農政局長名で米に含まれるカドミウムの量が一・〇PPM以上の米の生産防止の観点から、当該米の生産地域については特別地域として指定しまして、稲の作付の規制を勧告することになっております。
○諫山委員 そうすると、一PPM以上の米はつくるなというのが政府の方針ですか。
○伊藤(俊)政府委員 さようでございます。
○諫山委員 大牟田市では、こういう通達が出されていますが、現実には一PPM以上の米がいまでもつくられております。おそらくことしもつくられることになると思います。農民にしてみれば、全く張り合いのない、情けない気持ちだろうと思います。汗水流して米をつくる、しかしこの米は食べられない、こういう状態が政府の方針に反していまなお続けられているのですが、いつまでこれを続けさせるつもりか、御説明ください。
○伊藤(俊)政府委員 私どもといたしましては、福岡県の大牟田地域につきまして、できるだけ早く農用地の土壌の汚染防止等に関する法律の規定に基づきまして対策地域の指定を行なうためのいろいろな手続をとるように知事に慫慂をいたしておるようなわけでございます。この指定ができますと、それに基づいたいろんな対策ができてくる、こういうことになります。
○諫山委員 さっき私が申し上げた通達の中では、「法に基づく対策地域の指定、対策計画の策定、特別地区の指定等の手続をとられるよう、その促進方につき、特段のご配慮を願いたい。」と書かれております。福岡県はこの中のどれか一つでもすでに手続を始めていますか。
○岡安政府委員 福岡県は四十六年度に調査をいたしました。それから四十七年度にもあわせて、別の地域でございますけれども、調査いたしましたが、四十七年度の分につきましては、一PPM以上のカドミウムを含む米というのは発見されなかったので、四十六年度の調査に基づきまして、現在対策地域の指定の線引きの作業をいたしております。したがって、近く対策地域の指定がなされるものというふうに考えております。
○諫山委員 全国ではすでに地域の指定がなされているところが幾つかあるようですが、福岡県としてはいつごろその手続が完成するのかわかりますか。
○岡安政府委員 全国で対策地域の指定がございますのは八地域でございます。福岡県におきましては、現在鋭意作業を進めておりますので、五、六月ごろには対策地域の指定がなされるというふうに私どもは見ております。
○諫山委員 何しろ農家が汗水たらして米をつくる、これが食べられない、しかも〇・四PPMから一・〇PPMについては農林省自身もそれがどういうふうに動いているのかということは全くつかんでいないというような状態でありますから、この問題の解決というのは急を要すると思います。そしてこの問題の責任者が三井金属であることはもう争えない事実です。その点でいま大牟田地区の農民は、とにかく自分たちに何の責任もないのだから、農家に一切の被害が及ばない方法でこの問題を処理してもらいたい。特に土壌の処理を急速にやってもらいたい。この場合も一切の負担が農家にかからないようにということを希望しております。一切の負担がかからないようにというのは、農民が金を出さなくて済むようにということは当然でありますが、むしろそういうことよりか、たとえばその間農業がやれないような期間があるとすれば完全な補償をしろ、また、その間仕事ができないような状態も出てくると思いますから、そういう場合には農家の人たちを優先的に働かせろというような、非常に身近な要求で運動を起こしています。この点について、食糧庁のほうから、どう処理されるのか、御説明いただきたいと思います。
○小沼政府委員 御承知のように、この公害防除の特別の土地改良事業では、まず原因者でございます企業者が負担をする部分がございます。それを除きましてその残りを、施設の場合には国が三分の二、県が三〇%以上、また農地の場合には国が五五%持ち、県が三〇%以上を持つということで、ほとんど直接農家には負担がかからないような仕組みになっておりまして、できるだけ早く地域を指定し、計画を立てて進めることが大切であろうというふうに考えております。
○諫山委員 直接農家に負担がかからないようにするのは当然のことです。そんなことはもうわかり切っております。むしろ間接的な負担もかけないようにしてもらいたいということが中心です。たとえばその間農業がされなかった場合の補償とか、仕事ができなかった場合の補償とか、つまり直接間接一切農家には損害が及ばないようにということを期待しているのですが、いかがでしょうか。
○小沼政府委員 土地改良事業の事業の内容によっていろいろ差があると思います。客土あるいは排土あるいは施設の場合もございます。いろいろございますので、それによってかなり差があると思いますが、できるだけ農家の負担がかからないように配慮すべきものというふうに考えております。
○諫山委員 終わります。
○山崎(平)委員長代理 次に、瀬野栄次郎君。
○瀬野委員 農林大臣並びに林野庁当局に対して、去る四月十九日当委員会で私が追及いたしました田中総理の発言問題並びにマツクイムシ防除対策等について質問をいたします。 農林大臣にまず最初にお伺いいたしますが、本日も物価問題等に関する特別委員会が開かれて、生活関連物資の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律案が審議されております。御承知のように、商品投機、土地暴騰が非常に問題になって、当委員会でも過日連合審査を開くと同時に、たびたび委員会で明らかにしてきたところでございますが、去る四月十九日、当委員会で私がお尋ね申し上げました田中総理の発言に対して農林大臣に伺うわけでありますが、去る十六日に、新潟の同郷人の会合の席で田中首相が、トンネルを通ればゴルフ場だ、新潟にはどんどんゴルフ場を造成するがいい、国会答弁と違ってこれが私の真意だ、こういった発言をしたということがいわれておりまして、まことにこれはけしからぬ問題である。国会軽視もはなはだしいし、またこれが総理の真意ではないかということで追及したわけです。この首相発言は、政府のこうした環境破壊、土地騰貴に拍車をかけるゴルフ場造成を規制しようとしている方針に逆行するばかりでなく、国会答弁云々という発言は、裏を返せば、国会の発言そのものが真実ではなかったということをいみじくも総理自身が認めたことになるということで重大な問題である。先日中尾政務次官に質問した際も、リラックスして言ったんだろうとか、いろいろ言っておりましたが、直ちに四月十九日農林大臣にもこのことを報告し、大臣から総理にも申し上げて、至急これに対する総理の弁明また回答を報告するというように言われておりましたので、冒頭まずそのことを御報告いただきたい、かように思うわけです。
○櫻内国務大臣 ただいま瀬野委員から、御発言の趣旨を重ねておっしゃられまして、政務次官のとられた処置についてのお尋ねでございますが、政務次官は私に、瀬野委員より総理発言についてただされた、そのときに、大臣が総理にその真意をただすようにということであった、こういうふうに、いま瀬野委員の言われた御趣旨のように大体私に話がございました。私はそれを聞きましたときに直ちに——実はいまのお尋ねを聞いて、これは私がちょっと真意をつかみかねたなというふうに思いましたのは、私の記憶に、その日か、その前の日に、毎日新聞の社説の中に、いまのお話とは若干違いまするが、引用した文言がございましたので、私は瀬野委員がそれを前提にして委員会で御発言になったと判断をいたしまして、直ちにその社説を取り寄せてよく読んでみましたが、それは明白に総理がかくかくの席上でかくかく言ったということではなく、そのようなことが言われたとか、いまとっさの御質問でありまするから私はちょっとはっきりしたことが言いかねますが、その社説の中で引用はされてはおったが、その引用のされ方がはっきり責任を持ったような書き方でないように思えましたので、私は政務次官から、瀬野委員にそういう答えをしたということは承りましたが、私がさらにそのことを総理に言う以上、自分としてもよく調べての上ということで社説を読んでみた結果、これは特に総理のところへ足を運んでこれこれという性格でなく、機会があれば総理に、こういうことがありましたよということでいいのではないかと私自身は判断をいたしたわけでございまして、政務次官はただいまお尋ねのとおり、私に対して、お答えしたとおりのことを実行したと思いますが、私自身がそういう念を入れましたので、私が総理にただしたか、こう言われますと、いまのところただしておりません。
○瀬野委員 農林大臣はえらい歯切れの悪い、全く何を言っているかわからぬようなことを言っておりますが、さっきまで政務次官がおられたのですけれども、だいぶ裏のほうで打ち合わせもしておったと思うのですけれども、結局、委員会で問題になったことを、正確に伝えて対策を立てて回答しないということは怠慢である、かように思うわけです。この問題はいずれ総理を呼んで当委員会で審議するということになっておりますので、いずれ機会をとらえますけれども、大臣もまた機会を見て言えばいいのだという、そういう軽いものじゃない。かりに軽い気持ちで言ったとしても、こういういわゆる生活関連物資の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律案が提案されて国民が重大関心を持っておるときに、しかも自民党からも多々質問があって、ゴルフ場の規制の問題が出ておるときに、軽率にも自分の選挙区であるからといって、新潟県で一国の総理がかりそめにもこういうことを言うことは、これはたいへんなことであると私は思うのです。農林大臣としてもこれはたいへん重要視すべき問題であると思います。いずれ機会を見て回答していただきたいと思うのですが、大臣、このことについては、あなたも責任をもって返事してもらわなければいけない。中尾政務次官も、責任をもってすぐ大臣に伝えて、すぐ釈明するなり報告するなりする、こう言っておったのです。中尾政務次官の言われたことが、意思の疎通を欠いておるということでは困るのです。議事録を見てもらってもそうなっておるわけです。これに対してどういうふうに対処していただくか、次の質問はたくさんあるわけですから、大臣から再度簡潔にお答えをいただきたい。
○櫻内国務大臣 えらい歯切れが悪いように言われますが、私は事の重要性にかんがみまして明白にお答えを申し上げておるわけであります。私が、少なくとも閣僚の一人としてものごとをただすという以上におきましては、私自身がその真相をつかまなければならない。ただ、私がいまあなたにお断わりを申し上げておるのは、私は社説が前提になった、こう思ってその社説を読んだところ、私としてはその社説にも明白にこれこれこういう場所で総理がこう言ったと断定されておらないから、したがって、私のような立場にあるものが総理にわざわざただすということについてはいかがかという、そういう判断に立ったということを申し上げておるわけであります。したがいまして、私自身が真相が十分つかめ、お尋ねのとおりのことであるというようなことがわかってまいりますれば、それはまたおのずから問題は別だと思うのであります。
○瀬野委員 農林大臣、この新聞の社説を見られたと思いますが、いわゆる農林関係に携わっている主管大臣として、いまここでこういった問題が真剣に取りざたされ、当委員会でもしばしば与党議員からも発言があって、ゴルフ場の問題、いろいろ乱立が問題になっておるときに、こういったことは、中尾政務次官も、慎むべきである、これはほんとうならばたいへんだ、自分は現場にいなかったから即答はできないが、という発言があった。それで、農林当局としては農林省の考え方でいくべきだという発言があったわけですよ。このことについてはどう思いますか。大臣はこれから真意をたださなければわからないかもしれませんが、総理の真意はうかがうべくもありませんが、こういうことを軽率に言われることは、これは問題だと思いますけれども、こういったことは農林大臣としてはどう思いますか。
○櫻内国務大臣 事は総理の発言ということが前提でございまするから、私としては慎重な態度にならざるを得ないのであります。ただ、一般的な論議として、かりにそういうことが言われたということでありまするならば、それは瀬野委員御指摘のように、いま真剣に問題になっておることについてそういう発言がかりにあったとすれば、それは芳しくないことだと思います。
○瀬野委員 この件についてはまた後日あらためて答弁をいただくことにしまして、通告しておりますマツクイムシの被害の問題についてはしょって質問をいたしたいと思います。 最近のマツクイムシの広がり方はかなりのものがございます。全国の被害状況を宛ても、年々累増しておる状況であります。特に、熊本県の林業は地方の重要な産業となっております中の大きなウエートを占めておりますが、中でも林野総面積の四〇%を占める松林が短期伐採林業地として全国的に有名であるばかりでなく、最近マツクイムシが相当ひどいものですから、私も三年前からしばしば熊本県の現地調査をいたしました。特に今年になりましてから、先般植樹祭のおりにも現地に参りましたし、三回にわたって現地を見る機会がございましたから、調査をしてまいりましたが、熊本県の芦北町一円のいわゆる短期伐採林業地の松がほとんど九〇%もやられているということで重大な問題になっております。 そういったことから現在マツクイムシが四十四年度以降どのような被害状況で、被害数量、被害額はどのくらいであるか、概略説明いただきたい。なお、その中で民有林関係はどのくらいあるか、簡潔にお答えをいただきたいと思います。
○福田政府委員 お答え申し上げます。 昭和四十四年度からどうかという御質問でございますが、昭和四十四年度は全国で見ますと、被害額が四十万立方メートルになっております。四十五年度が三十九万立方メートル、四十六年度が五十万五千立方メートル、四十七年度、これは推定でございますけれども、六十万立方メートルくらいになろうかと思われます。このうち民有林は、四十四年度は三十万八千立方メートル、四十五年度が三十万一千立方メートル、四十六年度が四十万立方メートル、四十七年度は、推定でございますが、五十万立方メートルでございます。 なお、被害額がどうかという御質問でございますが、不動産研究所の調査による山元の立木価格を基礎として推定いたしますと、四十六年度の被害額はおおよそ二十億円というふうに推定されます。このうち民有林の被害額は約十六億円くらいと推定いたしております。
○瀬野委員 マツクイムシはかなりの被害で、四十七年度もうなぎのぼりにのぼって、いまお話がありましたように、五十五万ないし六十万立方メートルに達するというようなことでございますが、このマツクイムシの元凶は、マツノマダラカミキリの成虫のからだに寄生して、移動伝播するところの材線虫で、これが松の導管をふさいで枯死させるということを熊本県の林業試験場のプロジェクトチームと農林水産技術会議の共同研究で病理学者が発見したということであるが、このような例は諸外国にもなくて、学界未知の記録、こういうふうにいわれております。この最近の研究成果では、材線虫が松の枯損の原因だといわれているわけでありますけれども、材線虫と松の枯損の関係を御説明いただきたい。
○福田政府委員 ただいま御指摘ございましたように、最近日本の林業試験場の研究の結果判明しましたところによりますと、御指摘のように、松の材線虫というのがこの原因でございます。これは従来と違いまして、松の材線虫というのは、マツノマダラカミキリのからだに一万から二万くらいついている一ミリくらいの小さい線虫でございます。この線虫がマツノマダラカミキリについておりまして、マツノマダラカミキリが春先に松の葉っぱを食べるわけでございます。その食べた傷あとからこの松の材線虫が松の木の中に入ってまいりまして、松の木が水とか養分を吸い上げますところの導管の中に一ぱいたまってしまうわけであります。それで松が非常に弱ってくるということが直接の原因でございまして、このマツノマダラカミキリというのは、これはひんぱんに飛び回りまして、あちこちの松の木にこれを伝播するというような作用があるわけでございます。これが原因で松の木が枯れるということが最近判明したものでございます。
○瀬野委員 結局過去三十年、私の記憶では、昭和二十年、いわゆる終戦後、一部には長崎県では戦前、昭和十七年ぐらいからマツクイムシが入ったように記憶しておるのですけれども、過去約三十年間の研究を通じてわかったのは、マツクイムシは一種類でなくて、ゾウムシ科とかカミキリムシ科など約四十種類の穿孔虫類であるというようにわれわれは理解しておったのでありますけれども、ただいま長官から御答弁がありましたように、松の枯損の主原因がマツクイムシによる食害といわれてきたにもかかわらず、材線虫が枯損の原因とすれば、主として病理現象が原因となり、従来の認識を大きく変えることになりはしないか、かようにいえるわけですが、その点について林野庁の見解を承りたいのであります。
○福田政府委員 御指摘のように、過去におきまして非常な被害を受けておりまして、最近もふえておるわけでございますが、この原因が判明いたしました。それでは従来と非常に見解が違ったのかどうかということでございますけれども、マツノマダラカミキリが材線虫を伝播する役をするわけでございます。ですから、やはりマツノマダラカミキリが元凶でございます。松の衰弱、枯損の直接の原因は材線虫でございますが、これを伝播するのはマツノマダラカミキリでございますので、このマツノマダラカミキリを徹底的に退治するということが一番大事なのでございます。御指摘のように、従来松を食って、それに穴をあけて枯らすといわれておったいろいろな虫がございますけれども、今度はマツノマダラカミキリであるということがはっきりしたわけです。ですから、これをまず退治するという基本姿勢におきましては、やはり従来の防除技術とは基本的にはそう変わるものではございません。
○瀬野委員 そこで、現在用いている防除方法及び駆除薬剤並びに最近行なった予防試験の結果等について御説明いただきたいと思います。
○福田政府委員 お答えいたします。 現在マツクイムシの防除を実施しています方法につきましては、一つは、被害木を伐倒しまして、それの皮をはいで焼き払う、または、皮をはいで焼却するかわりに、薬剤を散布する、こういう方法でございます。次に、幼齢木とか根株につきましても、やはり皮をはいで焼却するというふうにいたさなければなりませんので、それを実施してきております。次に、健全な成立木に薬剤を散布しまして、マツクイムシの侵入による枯損を防止するということがございます。これが一つ新しく出てきた問題点でございます。従来はすでに枯れたものを退治するということに重点を置いておったのでございますけれども、原因がはっきりいたしましたので、生きて、まだ元気なうちの松の木に対しましても、予防するために薬剤を散布するということでございます。この薬剤は、低毒性の有機燐剤スミチオンと申しておりますが、これが主でございます。それからそのほかにカーバメート系のデナポンとかいろいろ薬剤がございますけれども、スミチオンが主でございます。 最近行ないました予防試験の結果によりますと、散布後の被害率は非常に減少しておりまして、たとえば例をあげて申し上げますと、香川県の屋島におきましては、散布前は二一%でございましたが、散布後は一〇%にも落ちておりますし、大分県の例をあげますと一六%が一%に、鹿児島県の例では八一%あったのが二%に減ったというふうに、顕著な効果が出ておるものでございます。
○瀬野委員 主として材線虫が被害の原因とすれば、今後の駆除方法はどういうふうにするのか。国が県に委託していろいろ駆除を考えておられるようだが、その点を明らかにしておいていただきたいと思います。
○福田政府委員 今後の駆除方法はどうするかという御質問でございますが、松の材線虫は、いま申し上げましたように、マツノマダラカミキリによって伝播、媒介されまして、松類に侵入しまして松を枯死させる元凶になっているわけでございます。マツノマダラカミキリが飛び回りますところの時期は、五月から大体六月ごろが一番盛んでございます。この時期をとらえまして薬剤を散布しまして、マツノマダラカミキリを駆除するとともに、成立木を予防する方法が、ただいま申し上げましたように、現在研究されている防除方法の中で最も適切な方法でございますので、この方法でまず防除を行なうということにしているわけでございます。 〔山崎(平)委員長代理退席、委員長君席〕 五月、六月、八月ごろまでは大体効果があるものでございますので、この時期に年に二回くらいはできれば散布をして予防するというふうにしております。 なお、この防除方法によって防除の漏れがございますマツノマダラカミキリにつきましては、やはり同じようにして、秋口にはもうマツノマダラカミキリは飛び回りませんので、秋口にもしそういうふうな被害木があったということが見つかりましたならば、やはり従来のように早期に伐倒しまして、駆除することによってその防除の徹底をはかるというふうにしておるものでございます。 なお、薬剤の防除につきましては、被害の激甚な県におきましては、保安林とかあるいはその他の重要な制限林につきましては国営の防除、これは全額国庫負担でございますが、これによって実施することにことしはしておるものでございます。その他の森林につきましては、補助事業によって防除の万全を期することにいたしております。
○瀬野委員 最近の研究で、航空写真等によって赤外線カラー写真でマツクイムシの伝播状況がキャッチできるようになっておりますが、こういった被害を予知するその考え方について、当局の見解をひとつお伺いしたいのであります。
○福田政府委員 御質問の赤外線カラー写真の問題でございますが、この赤外線カラー写真は、人間の目には見えない近赤外線を色であらわすことができる特性を持っておるものでございます。御参考までに申し上げますれば、可視光線の波長というものは〇・四から〇・七ミクロンでございますが、いま申し上げました近赤外線の波長というものは〇・七から一・五ミクロンというふうになっております。元気のよい樹木の葉っぱは多くの赤外線を反射するために、あざやかな赤が強くあらわれております。病虫害なんかの被害を受けた活力が低下した樹木は水分が非常に少なくなっておりまして、肉眼ではとらえることができませんけれども、わずかな変化でも赤外線の反射が減るために、写真の色は青みがかって出てきます。樹木の健康度を的確にとらえることができるものでございます。この特性を利用しまして、マックイムシの被害木を早期に発見する方法が可能となったのでございます。 そこで、昭和四十八年度から三カ年計画をもちまして、被害の発生予察の方法を確立しまして、効率的な防除システムを体系化するために、赤外線カラー写真を応用したマツクイムシ被害調査事業を実施することにしておりまして、四十八年度は約四百八十万円計上しているところであります。
○瀬野委員 環境庁にお伺いしますが、いま林野庁長官からマツクイムシの元凶といわれるマツノマダラカミキリ、これに材線虫が寄生して樹木の導管をふさぐのが原因であるということで、いわば三十年間のマツクイムシに対する考えが大きく変わってきたわけです。むだといえばむだ、むだでないといえばむだでない、まあ、いろいろ語弊はありますけれども、新たに見つかったということは画期的なことである。いままで傷ついたものがあったことは残念ではありますけれども、今後これによって相当駆除されるということで、林野庁もかなり自信を持ったような答弁でございます。 そこで、国立公園、国定公園または川内のあの松原、熊本の天草松原、長崎の九十九の島々あるいは北九州の壱岐の松原とか佐賀県の松原とかいろいろあります。この名勝旧跡あるいは国定公園、国立公園の得がたい松がどんどんマツクイムシにおかされて、ほんとうに金で買えないような松が枯れていくのは見るにしのびない状況であります。こういったことに対して成果があがる研究ができておるということでございますので、環境庁としては、林野庁とよく協議をして、徹底した駆除を今後大いに進めていくべきだと思いますが、それにつきましては環境庁はどういうふうに理解され、どういうふうに検討されておるか、お答えをいただきたい。
○新谷説明員 御指摘のとおり、松はわが国の風景樹として代表的なものでございまして、私ども自然保護の行政を行なっております立場では、マツクイムシの防除対策はきわめて重要な問題であるというふうに考えておるわけでございます。先ほど来お話を伺っておりますように、マツクイムシの防除対策につきまして新しい有効な方策が見つけ出されたということでございまして、従来から現地の管理事務所等におきまして、林業試験場の指導を受けまして、直轄等におきまして防除対策を講じておるわけでございますが、今後もますます連絡を密にいたしまして、特に最も新しい有効な方法を直ちに導入できるようにいたしたいと考えております。
○瀬野委員 林野庁ともよく連携をとって、ぜひ有効な対策をとっていただくようにお願いをしたい。時間の制約もありますので詳しくは申しませんが、ひとつ相互連携を積極的にやっていただくように、そして国民の期待している松の保護に十分環境庁も対処していただきたいということを強く要望しておきます。 次に、林野庁長官にお伺いしますが、保安林等法令等により施業制限を受けている松林の被害防除費は全額国庫負担とすべきであると思うが、どうかということが一点。 なお、このような森林のための薬剤駆除事業については、徹底駆除を確保するため、大幅な国庫補助をすべきと考えるが、この点について御答弁いただきたい。
○福田政府委員 昭和四十八年度におきましては、新たに保安林等重要な制限林における被害の激甚な地域につきましては、国営による薬剤予防の実施を全額国庫負担とすることにしたものでございます。なお、今後被害の実態に即しまして、国営防除事業を拡充する等の措置によりまして、その防除の徹底を期してまいりたいというふうに存じております。
○瀬野委員 今度のこの真犯人ともいうべきマツノマダラカミキリの発見によって、この虫にだけ特別なにおいがするから材線虫が寄ってくるということであります。そのほかの虫ももちろんあるわけですが、いずれにしても画期的な発見をしたということで、これが元凶だ、そしてまた先ほど言われたスミチオン系の乳剤、油剤を散布する。BHCの禁止に伴って代替品としてこういうスミチオンを散布するということで、相当徹底した駆除ができると思うのですが、これでマツクイムシが絶滅をするという自信があるのか、その点ひとつ決意を長官にお伺いしたい。
○福田政府委員 極力努力いたしまして、絶滅させたいと考えております。 御参考までに申し上げますけれども、いま民有林と国有林と合計いたしまして、実は松の蓄積を全部調べたのでございますが、約二億一千万立方メートルくらいございます。そのうち現在被害を受けていますのは、昭和四十六年度の統計によりますと、五十万五千立方メートルで、〇・二六%という数字が出ております。ただし、これは全国一斉でございますので、特に黒潮地帯と瀬戸内海地帯が被害が大きいのでございます。その辺を重点に国営の直接の防除事業を実施していきたいと思います。この辺は全国平均に比べますと被害率は約二倍になっております。これを重点にいたしまして、マツクイムシの絶滅を期していきたいと思います。
○瀬野委員 最後に農林大臣、年間百億円ほどのこういうすごいマツクイムシの被害であります。いまお聞きになったように、新しい材線虫というのが発見されて、これがいよいよ五月から成虫となって飛び出すということで、五月を期して駆除しなければ、これは一年間たいへんなことになります。相当林野庁も決意を新たにしておるようですが、大臣としても、日本の松を守るためにぜひこれに力を入れていただきたいと思いますが、最後に大臣の決意を伺って、質問を終わります。
○櫻内国務大臣 瀬野委員のマツクイムシの被害に対しての御熱心な御質問は、この前にも承りました、きょうまた詳細承った次第でございまするが、私もその原因となる線虫の試験管に入っておる状況を見て実に驚きました。ほんとうにこまかなものが導管をふさぐんだ、なるほどこれではやられるわいということを痛感いたしましたし、また瀬戸内海筋は、中国山脈沿い一帯で松の非常に多いところでございまして、私も関心を持っておる立場でございまするので、御趣旨を踏まえて、対策に万全を尽くしたいと思います。
○瀬野委員 以上で終わります。
○佐々木委員長 小宮武喜君。
○小宮委員 最近の飼料の値上がりの原因について、農林省が一月二十三日に発表した「配合飼料原料の当面の需給状況について」という資料を読んでみますと、結びに、「以上のように、基調としてはアメリカの供給力に期待し得るにもかかわらず、一時的に」云々ということで、「今後とも仮需要は別として、必要量を確保することは可能である」といっておりますが、これからいきますと、飼料の値上がりはあくまで一時的な現象であるというふうに農林省は見解をとっておるようですが、はたして一時的な現象かどうか、その点について農林省の所見をひとつ聞いておきたいと思います。
○大河原(太)政府委員 お答え申し上げます。 先生がただいま取り上げられました資料は一月二十三日当時、国際需給関係が急変いたしまして、配合飼料の原料用穀物が急騰した際の問題でございます。事実、本年の上半期におきましては、そのような需給状況を反映いたしまして、配合飼料価格の相当な値上がりを見、これに対する各種の対策がとられたことは御案内と思うわけでありますが、むしろそれとの関連で申し上げなくてはなりませんのは、下期の関係がどうなるかということでございます。 この点につきましては、実は御案内のとおり、トウモロコシ、マイロ等のわが国に対するアメリカに次いでの供給国でありますアルゼンチンあるいはオーストラリア等におきましては、昨年相当不作でございましたが、本年度は平年ないし平年以上の作柄が見込まれておるということでございます。 それから供給の大宗を占めておりますアメリカにつきましては、これは秋の収穫でございますが、国際需給を反映いたしまして、大幅な作付制限措置の解除とか作付面積の伸びというようなものが予想されておりまして、これにつきましては、現在の生産見込み量というものは、このままでいきますと、非常に豊作でございました四十六年水準の見通しが立てられるのじゃないか。もちろん今後の天候その他の一切の条件があるわけでございますが、そういう状況があるわけでございます。 一方では、昨年の非常に大きな撹乱要因でございましたソ連等の買い付けがどうなるかという問題が不確定要素としてあるわけでございまして、主原料でございますマイロ、トウモロコシ等につきましては、今後の下期の状況は、ある程度それらの新穀出回りのときの状況というふうになると思いますけれども、現在のところ非常に悪い要因が特に出ておるわけではないというふうに考えております。 それからもう一つ、今回の配合飼料関係の値上がりの大きな要因になりました魚粉等につきましては、ペルーのアンチョビーの解禁がございましたが、これは昨年ほどの、不漁ではないけれども、必ずしも平年の状況ではないということも伝えられておりますが、なおこれについては各種のソースから確認を急いでおる。 もう一つ、三月、四月の値上げ問題が起こりました大きな原因であります大豆かすにつきましては、大豆油関係の市況が好転してきております。したがって、大豆かすへのコストの割り掛け分は若干は低下し得るというような一つの見通しも出ております。 したがいまして、これら諸般の不確定要素がまだ多々ございますが、これらの要因というものについての見通しをしておるということでございます。
○小宮委員 局長、農林省の見解は少し甘いのじゃないですか。いま言われたように、たとえばソ連にしても中国にしても、ことしの収穫はどうなるのか、あるいはオーストラリアにしてもアルゼンチンにしても、ことしあたりもまだまだアメリカに依存しなければならないというような現状の中で、この仮需要というのは、またことしも続くんじゃないかというような見方さえされておるし、しかも、世界の人口が急激にふえておるというようなこと、あるいはまた気象異変というようなもの等も考えた場合に、私はやはりそういった考え方だけでは甘いのじゃないか。こういうような状況でいつも日本の飼料というものが不安にさらされておるという現状の中で、現在のわが国の飼料は九〇%を外国に依存しておるという状態では、やはり政府はこの飼料の外国依存から脱皮して、国内での飼料の自給度を高めるようにもっと政府は積極的に取り組むべきだ、こういうように私は考えますが、これは大臣せっかくおられますから、大臣の答弁を願います。
○櫻内国務大臣 これはおっしゃることに私は同感でございます。できるだけ国内で自給率を高めていくという必要があると思います。現在、私どもの考えでは、少なくとも粗飼料についてはそういう方向で解決ができる。ただ、濃厚飼料の原料は、いかにも生産性の格差がございますから、したがいまして、国際協調のこの時代でありまするので、ある程度の輸入というものはやむを得ないのではないか、また、そういう政策を加味することが畜産全般に好影響があると思います。 先ほどからの御質問を承りまして、確かに先々の不安もございまするが、一年前のことを考えてみますると、飼料はどんどん下がっておったというようなことでもございますから、この辺は多少長期的に検討しながら、不安要素があるかないかということをしっかり確かめて、そうして対策を立てていくべきだ、このように見ております。
○小宮委員 それでは、国内飼料の自給度をどう高めていくかということについて具体的なものは何もないのですね。たとえば二月一日に発表した飼料の需給対策を見ても、抽象的なことだけで何ら積極的な前向きの姿勢が見受けられないのですね。ただ、こういうような問題が起きた時点だけで大騒ぎをして、当面の一時的な対策だけを立てておるけれども、こういった将来の問題を考えた場合に、やはり国内の飼料の自給度を高めていくというために長期計画を立てて真剣に取り組むべきだ、いまの九〇%も外国に依存しておるこの状態を改善して、国内で飼料の自給を高めていくためにはどうするかという、もっと具体的な、長期的な計画を立てるべきじゃないのかというように考えるのです。そのために、たとえば将来は自給度を飼料については何%くらいに持っていくのだというくらいの長期計画を立ててやってもらわないと、いつもそういった外国に依存しておるから、たとえば天候が悪かったとか、そのことでまたアメリカからの輸入が日本の思うとおりにいかなかったとかということで、いつも大騒ぎをする。こういったことがことしあったからまた来年もないとはいえません、再来年ないとはいえません。そういった大騒ぎをしないような対策を立てるべきだと思うのです。大臣、どうですか。
○櫻内国務大臣 それはもうお話のとおりでございます。四十八年度におきましては、御承知の生産調整に伴う転作について、特に飼料に重点を置いていこう、あるいは一方において、先ほど申し上げた粗飼料の点につきましては百五十億円の公共事業をやろうというように進めておるわけでございます。そうして、おっしゃったような点については、これは担当の局長のほうから御説明が必要があればさせますが、実は昨年十月の試案からまいりますると、私も同じような感を深くしております。この試案というものは、非常な豊富な見識のあられる方によってつくられたが、どうも昨年の下期以降の国際食糧需給の逼迫から見ると、飼料については考え直さなければならぬということを申してまいったわけでございまして、それらの点については四十九年度予算のときには特に考慮いたしたいと思っております。
○小宮委員 もう時間がないのでちょっと急ぎます。 それでは、農林省は二月二十四日に全国の鶏卵生産調整会議を開催して、約五%の生産調整を強力に指導しておりますね。この五%の鶏卵の生産調整を行なうことによって卵価はどう動いていきますか。生産調整と卵価の関係についてひとつお答え願いたい。
○大河原(太)政府委員 時間がございませんので端的に申し上げますが、御案内のとおり、鶏卵の伸びは、他の畜産物に比べまして消費の伸びは頭打ちでございまして、一方では多頭飼育に伴いまして生産が伸びておるということでへ需給の調節をとりながら卵価を安定させるということについては慎重な配慮が要るところでございます。したがって、昨年から生産調整等におきまして、需要に見合った生産をいたしまして、適正な卵価を維持するように考えておるわけでございます。 そのため本年二月におきましても、各県の生産見込み数量を十分見まして、ひなの導入頭数等と生産量との過去の関係等から見まして、やや県の見込みが過大であるということで、五%程度の生産量を低く見るのがしかるべきではないかということに相なったわけでございまして、この生産数量によりまして、いろいろ後ほど御指摘があると思いますけれども、えさが高くてしかも卵価が安ければ、養鶏農家に非常に大きな負担になるというようなことで、その辺の需給の事情を十分見て、適正な卵価を維持するようにというふうに考えておるわけであります。
○小宮委員 結局その五%の生産調整をやるということは、いま言われたように、一つは卵価の安定、維持をはかろうということにもねらいがあると思うのですね。そうした場合に、五%という数字を出すならば、これによって卵価がどう動いていくか、どれぐらいまでに安定するかというような見通しがなければ、ただ単に鶏がこれだけおるから頭から五%生産調整をやれというようなことでは、これはあまり無定見な話です。したがって、将来、養鶏経営をやる場合に、そういうような生産調整も当然これはある程度必要になってまいります。そのために、どうしたら養鶏農家の経営が安定するかということを具体的に考えてやってもらわないと困りますが、時間がないから、またあとで論じます。 それで、今度の生産調整にあたって、私が地元で聞く話では、五%の生産調整を各県に指示してきたけれども、しかし、実際は養鶏業界というのはなかなか一本化していないのですね。組織に入っておらぬ人もある。そういうような中で、具体的にどういうふうにその五%、たとえば各県に五%の生産調整をやるのだといってみても、どういうふうに実際やったらいいのか非常に困っておる。それに対して農林省としてはどういうふうな生産調整対策、指導をやっておるのか、その点をひとつお答え願いたい。
○大河原(太)政府委員 生産調整の方式、これはあくまでも指導でございますことは申すまでもございませんが、農林省といたしましては、地域ブロックあるいは県、さらに末端の数町村を地区といたしました各段階において、関係者の話し合いで大体その地域の生産の目標をきめて、それに従って生産をやっていただくというふうに指導してきておりますが、先生御指摘のような問題が出てまいりますのは、昨年から発足したばかりでございまして、その点で十分地域によりましては、関係業界の意思の一致とか話し合いの方向とかについて不円滑の面があるかと思いますが、それらについてはわれわれのほうとしても県を通じまして話し合いの場をつくり、その地域の適正な生産が行なわれるように現在指導しておるところでございます。
○小宮委員 きょう張り切って来ましたけれども、どうも予鈴が鳴ったので……。 いま現地の養鶏農家の間では、今回のこの飼料対策にせよあるいはこれまでの政策にせよ、非常に場当たり的で、しかも何かと言えば融資措置をやる、こういうようなことでは、ほんとうに養鶏農家の抜本的な経営の安定をやっていただくことには一つもつながってこぬ。これは必ずしも正しい表現かどうかは別として、こんなことを言うわけです。たとえば労働者が賃上げをやる場合に、その金が要るならば金を貸すからひとつ賃上げをがまんしてくれと言うことと同じではないのかというような不満を訴える人もいるのですよ。したがって、彼らが一番切望しているのは、たとえば現在の卵価安定基金の基準価格が百六十三円になっております、これに対して全く魅力がないということで、この基準価格を何としても引き上げてほしいというようなことが非常に強く叫ばれておりますし、これこそが養鶏農家の経営を安定させる方法だということで強く訴えられておるのですが、時間がないから、引き上げますと言ってもらったらいい。どうですか。
○大河原(太)政府委員 結論を申し上げます前にちょっと申し上げますが、御案内のとおり、卵価安定基金の基準価格は、暴落時の下値ささえの価格でございます。これも生産費の動向、特に今日における飼料費の価格動向というものを見て合理的な改定は必要かと思いますが、逆に先ほどの生産調整の問題が出てくるような背景がございまして、この基準価格を引き上げる一方で措置いたしますと、過剰生産の問題が起こるというようなこともございまして、諸般の情勢を加味しながら適正な水準について検討していきたいというふうに考えております。
○小宮委員 これまでの飼料の価格の値上がりによって、その鶏卵一個に対する生産コストはどれだけ上がっておるのですか。
○大河原(太)政府委員 お答え申し上げます。 飼料価格の値上がりについては、これも時間がございませんで恐縮でございますが、三月まで工場建て値として八千円上がったわけでございます。これにつきましては安定基金とか、先生いまおしかりがございました融資措置とかいうことで、実質的な養鶏農家の飼料支出はそれほどではないということを考えておるわけでございまして、計算上は配合飼料が六割生産費に占めておりますので、それが八千円上がったら一〇%上がるというような、キロ当たりそれが二十円になるとか十五円になるとかいうような計算は出ますけれども、末端への値上がりの進行状況、逆にこれに対する対策措置というようなことを見ませんと、現実に幾らかというようなことについては一がいに申し上げにくいわけでございます。
○小宮委員 いまの卵価安定基金にしても、やはり赤字経営が許されないということで、その中で基準価格をきめておるから、やはり低い線で押えられているわけです。だから、その意味では、この基準価格というものはいま養鶏農家にとって非常に魅力はない。したがって、魅力のあるものにするためにはやはり基準価格を上げるべきだと私は思います。 それから卵価がもし基準価格以下に暴落した場合には、液卵公社あたりで買いささえをする、買いささえをやって卵価の価格安定を維持していくということも考えていいのじゃないか。こう言うと、また局長は、生産調整をやっておることであるから、生産を刺激するようなことになると言われるかもしれませんが、生産調整はそういうことでなくても現在でもやっておる、すでにいまでも各県でやっておるわけだから、これは各県に指示して、一応今後の生産調整の問題に関連して、そういうような新しく増設するとかいう場合には、知事あたりの認可制というのはいかぬけれども、その程度でやれば、そういった問題は心配ないのですよ。いままでいろいろ、たとえば豚にしてもあるいは牛にしても、そういったものから比べれば鶏が一番冷やめしを食っておる、残飯を食っておるというような感じがしてなりません。 こういうように養鶏農家は非常に苦しんでおるから、ひとつ基準価格について現行百六十三円、これを何とかする。するといっても、また一円か五十銭上げたってどうにもならぬのです。これは明快に、ひとつ大臣からも答弁をもらいましょう。局長はごまかすから、ちょっと大臣から……。
○大河原(太)政府委員 大臣がお答え申し上げる前にちょっと申し上げますが、基準価格は暴落時のささえでございまして、その点はもう先生も御案内のとおりでございます。私の申し上げたのは、これについての合理的改定を一切考えないという点を申し上げているわけではないわけでございます。そういう点で御意見をもろもろ承りまして、次の改定等については検討いたしたいということを申し.上げているわけでございます。 それから液卵公社の活用につきましては、これはせっかくの畜産振興虚業団等の出資による価格安定措置でございますので、これについては、安いときに相当買い上げ、割卵いたしまして液卵として所有し、さらに値上がりの際に、やはりある程度の調整量を持っておることも必要でございますので、放出するというようなことで検討を続けていきたいというふうに考えております。
○櫻内国務大臣 ただいま局長から次の改定の機会によく考えるということを申し上げておる次第でございまして、私もそのおりに本日の御意見を十分踏まえまして考えさしていただきたいと思います。
○小宮委員 局長にしても大臣にしても、答弁する場合はいつも検討するとか研究するとか、こういうようなことでその場をお茶を濁して、実際は結果はたいしたことない。それがいままでの、官僚というものの悪いくせかもしれぬが、いつも、必ず検討しますとか研究しますとか、そういうことばかり言っておる。しかし、現実にはそれが形となってなかなかあらわれてこぬ。今回の場合は、せっかく大臣も局長も言ったわけだから、皆さん方の良心を期待して、少なくともちっぽけな、またこのくらいかというような、そういう農家の期待を裏切るようなことでなくて、ひとつ名畜産局長といわれるくらいに思い切って農家の方々の期待に沿うように努力をお願いします。 もう時間がございませんから、私、また次に農林水産委員会に来ましてやりますから、私の質問をこれで終わります。(拍手)
○佐々木委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後二時五十八分散会