農林水産委員会 第12号
- 発言数
- 79 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1973/04/03
会議録
○佐々木委員長 これより会議を開きます。 農業近代化資金助成法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。櫻内農林大臣。
○櫻内国務大臣 農業近代化資金助成法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 農業近代化資金制度は、昭和三十六年に制定された農業近代化資金助成法に基づき、農業者等に対する長期低利資金の融通を円滑にするため、主として農業協同組合系統資金の活用をはかりつつ、運用されてきておりますが、現在その融資残高はおおよそ四千七百億円にのぼっており、農業者等の資本装備の高度化及び経営の近代化の推進に大きく寄与しているところであります。 また、農業信用保証保険制度は、農業者等の信用力を補完し、農業近代化資金等の融通の円滑化をはかるために創設されたのでありますが、現在農業信用基金協会の債務保証残高はおおよそ三千六百億円、農業信用保険協会の保険引き受け残高はおおよそ二千四百億円にのぼっており、この制度創設以来今日まで、農業の生産性の向上と農業経営の改善に大きな役割りを果たしてきたところであります。 これら両制度につきましては、制度創設以来、逐年制度の内容及び運用につき改善をはかってきたところでありますが、最近における農業者等の資金需要の大口化、多様化の動向等に即応して、農業近代化資金その他農業者等の必要とする資金の融通の円滑化をはかり、あわせて最近における組合系統金融をめぐる諸情勢のもとにおいて組合系統資金の一そうの活用に資するため、農業近代化資金制度及び農業信用保証保険制度について、所要の改善措置を講じて制度運営に遺憾なきを期することとし、本法律案を提出した次第であります。 次に主要な改正点について御説明いたします。 まず、農業近代化資金制度の改善でありますが、これは農業者等の資本装備の高度化及び経営の近代化を推進するために行なうものであります。 改正の第一点は、貸し付け対象者の範囲の拡大であります。すなわち、農業者等または地方公共団体が主たる出資者、構成員または基本財産の主たる拠出者となっている法人で政令で定めるものを貸し付け対象者に加えることといたしております。 改正の第二点は、貸し付けの最高限度額を現行の五倍に引き上げることであります。現在、貸し付け限度額については、個人農業者は二百万円、農事組合法人等は一千万円、農業協同組合等は五千万円とされておりますが、これらについて、個人農業者は一千万円、農事組合法人等は五千万円、農業協同組合等は二億五千万円にすることといたしております。 次に、農業信用保証保険制度の改善でありますが、これは農業近代化資金等の融通の円滑化をはかるために行なうものであります。 改正の第一点は、農業信用基金協会の会員資格の拡大であります。今回農業近代化資金助成法の改正により新たに農業近代化資金の貸し付け対象者とされる者に、同基金協会の会員資格を付与し、同基金協会の債務保証を受けることができることといたしております。 改正の第二点は、保証保険制度の改善でありますが、その一は、農業信用保険協会の保険に付することのできる資金の範囲の拡大であります。現在、同保険協会の保険に付することのできる資金は、農業近代化資金及び総合資金制度にかかる運転資金に限定されておりますが、今回、この資金の範囲を拡大して、農業者等の事業または生活に必要な資金であって農業経営の改善に資するものもその対象とすることといたしております。 その二は、保証保険にかかる保険価額の範囲の拡大であります。すなわち、現在保証保険にかかる保険価額は借り入れ金元本に限られていますが、これを改め、借り入れ期間が政令で定める期間以上である借り入れ金については、借り入れ金元本のほか遅延利息以外の利息を含めた額とすることといたしております。 改正の第三点は、融資保険制度の改善であります。 その一は、保険の対象となる資金の範囲の拡大であり、融資保険の対象となる資金を保証保険の場合と同じく拡大することといたしております。 その二は、保険の対象者の範囲の拡大であります。現在、融資保険の対象者は農林中央金庫のみとなっておりますが、新たに、信用農業協同組合連合会も融資保険の対象者とすることといたしております。 その三は、保険方式の改善であります。融資保険の対象となる資金の範囲を拡大すること等に伴い、現行の包括保険及び選択保険の区分を廃止し、選択保険方式に統一することといたしております。 改正の第四点は、融資資金制度の改善であります。今回、農業近代化資金以外の資金で農業経営の改善に資するものを保険の対象に加えることに伴い、農業信用保険協会は農業信用基金協会に対して同基金協会のこれら資金にかかる保証業務に必要な資金の貸し付けを行なうことができることといたしております。 以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。 何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○佐々木委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 引き続き本案についての補足説明を聴取いたします。内村農林経済局長。
○内村(良)政府委員 農業近代化資金助成法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。本法律案を提出いたしました理由につきましては、すでに提案理由において申し述べましたので、以下その内容につき若干補足させていただきます。 まず、第一に、農業近代化資金制度の改善措置について御説明申し上げます。 その一は、農業近代化資金の貸し付け対象者の範囲の拡大であります。これは、近年農作業の省力化、農業投資の効率化などをはかるため、農業協同組合、市町村、都道府県などが一体となって公益法人を設立し、高能率の農業機械により農作業を行なったり、乳牛等の育成などを行なったりする例が見られますが、これらは農業経営の近代化に寄与するところが大きいと認められますので、これらの公益法人を貸し付け対象者としようとするものであります。 その二は、貸し付け限度額の引き上げであります。貸し付け限度額は、農業近代化資金制度の創設以来据え置かれたままになっておりますが、近年経営規模の大きい農業者等に対しましては、現行の貸し付け限度ではその資金需要に十分対応できない場合が見られますので、現行の貸し付け限度額を五倍に引き上げることとしております。 第二に、農業信用保証保険制度の改善措置について御説明申し上げます。 その一は、農業信用基金協会の会員資格の拡大であります。今回新たに農業近代化資金の貸し付け対象者とされる者に対しても農業近代化資金等が円滑に融通されるようにするため、基金協会の債務保証を受けることができることとする必要があり、このためその者に基金協会の会員資格を与えようとするものであります。 その二は、保証保険制度の改善であります。農業信用保証保険制度は、御承知のとおり、都道府県段階の農業信用基金協会が農業者等の融資機関に対して負う債務の保証を行ない、その保証につき全国段階の農業信用保険協会が保険を行なうという仕組みになっております。この場合、保険協会が保険をすることができる資金の範囲は、農業近代化資金と総合資金制度にかかる運転資金に限られております。このため、農業者等が必要とする農業経営のための運転資金などは一般に保険に付する道がありませんので、農業信用基金協会の円滑な保証業務の遂行上問題があり、このことが農業者等に対する資金の融通の円滑化にも影響を与えております。このため、農業近代化資金以外の資金であっても農業経営の改善に資する資金については、保険に付することができる道を開こうとするものであります。 また、現在、基金協会の行なう債務保証は借り入れ金元本のほか利息も含めてその対象としておりますが、農業信用保険協会の保証保険においては、借り入れ金元本のみしか保険の対象になっておりません。しかしながら、長期の借り入れ金については利息部分の占める割合が大きいので、今回、長期の借り入れ金については借り入れ金元本のほか遅延利息以外の利息をも保険価額に含めることにより、当該借り入れ金にかかる資金の円滑な融通をはかることとしております。 その三は、融資保険制度改善であります。融資保険制度は、現在農林中央金庫が貸し付ける資金について農業信用保険協会が保険を行なうものであります。この場合の融資保険に付することのできる資金は、保証保険の場合と同様に一定の資金に限られていますが、今回、保証保険に付する資金の範囲を拡大することに伴い、融資保険についてもその範囲を拡大することとしております。 また、近年農業者等の資金需要は大口化してきておりますが特に信用農業協同組合連合会の貸し付ける大口資金については、基金協会の保証では対応しきれない場合が生じておりますので、信用農業協同組合連合会を融資保険の対象者として新たに加えることとしております。 さらに、いま申し述べました融資保険制度の改善に伴い、融資保険の対象者である融資機関の自主性を尊重することとし、融資保険の保険方式につき融資機関の貸し付けにより自動的に保険関係が成立する包括保険方式を廃止し、融資機関の選択により保険関係が成立する選択保険方式に統一することとしております。 その四は、融資資金制度の改善であります。融資資金制度は、基金協会の農業近代化資金にかかる保証債務の額を増大するために必要な原資となるべき資金及びその履行を円滑にするために必要な資金を低利で融通するものであり、この貸し付けにより、各基金協会の保証機能の拡充とその経営の基盤の強化に資そうとするものでありますが、今回、農業近代化資金以外の資金で農業経営の改善に資するものも保険の対象にすることとしたことに伴い、これら新たに追加される資金にかかる保証債務の額の増大等のためにも低利資金の貸し付けができるようにすることとしております。 以上、法律上の改善措置について御説明申し上げましたが、本年度におきましては、これらの措置にあわせ農業近代化資金について、その貸し付け金利を小規模土地改良資金及び団地関連資金を除き、〇・五%ずつ引き下げるとともに、農業信用保証保険制度についてその保険料率を最近における実績を考慮し、引き下げる方向で検討しており、これにより農業者等の負担の転減をはかることとしております。 以上をもちまして農業近代化資金助成法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案の補足説明を終わります。
○佐々木委員長 以上で補足説明は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 ————◇—————
○佐々木委員長 次に、農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 この際、政府より加工原料乳の保証価格等の決定の経過について説明を聴取いたします。櫻内農林大臣。
○櫻内国務大臣 加工原料乳の保証価格等についての畜産振興審議会に対する諮問につきましては、三月三十日に答申をいただきました。これは1から4まででございますが、「1、加工原料乳の保証価格については、酪農経営の困難な今日の状況にかんがみ、適切な値上げを行なうこと。なお、これとあわせて基本的な酪農総合政策を講ずること。」等1から4までの答申と、それから建議といたしまして、「1、酪農経営の健全な発展を図るため、経営の現状と実態に適合するよう適切な金融措置を講ずること。2、飼料価格安定のため所要の措置を講ずること。3、加工原料乳の市乳化を助長するとともに、飲用牛乳の流通合理化を促進すること。」こういうことでございました。 この答申に基づきまして慎重に考慮をいたし、財政当局と最終的な交渉をいたしました結果、加工原料乳の保証価格につきましては、諮問どおりの一キログラム保証価格四十八円五十一銭、加工原料乳の基準取引価格につきましても諮問どおり一キログラム四十円四十九銭、また生産者補給交付金にかかる加工原料乳の数量の最高限度として農林大臣が定める数量につきましては百五十万一千トン、その他諮問案のとおりに決定をいたし、三十一日に告示をいたした次第でございます。 なお、この決定に際しまして、緊急酪農総合対策の助成金約四十億円、酪農経営のための融資措置につきまして融資ワク百五十億円を財政当局との間で了解を得ておる次第でございまして、これらを今後具体的な施策として実施をしていく考えでございます。 以上が、今回の答申後における経過でございまするが、なお、詳細につきましては畜産局長より補足説明をいたさせます。
○大河原(太)政府委員 おおよその経過はただいまの大臣の御説明で尽きるわけでございますが、特に補足させていただきます点は、保証価格につきましては、審議会におきます論議といたしましては、酪農の現況から見ましてたとえば過去の一円なりあるいは七十五銭なりあるいは十五銭というような上げ幅ではなくて、ある程度の保証価格の水準の引き上げが必要であろうということについては認識を一にしたわけでございますが、それぞれの委員の方によりましては、相当大幅な値上げが必要であるという御見解と、政府諮問案自体が過去の政府諮問案の水準としては最高であって、まずこの程度で妥当であろうというような御意見がございまして、表現といたしまして、適切なる値上げというような表現になったことを御報告申し上げます。 それから、その論議の内容といたしましては、当委員会においてもいろいろ御議論を賜わりました自給飼料関係の家族労賃の評価がえとかあるいは償却費とか厩肥の減耗率とかあるいは配合飼料の値上がり分の見方とか、負債の実態から見ての金利の見方とかいうような点、あるいは逆に、副産物収入の見方として、今日の子牛価格の高い水準をもっと反映させるとか、製造業労賃評価がえ自体については農産物価格の全体の立場から見て必ずしも当を得ないとか、いろいろ相交錯するような御議論があったわけでございまして、総じてただいま申し上げましたような水準の改定については妥当とするけれども、その幅についての御見解が分かれたわけでございまして、特に、さらに今日の酪農の状況から見て、各種の施策を早急、適切に総合的に打てという点については各委員一致した御意見がございまして、それらが答申の本文なりあるいは建議という形に相なったわけでございます。 —————————————
○佐々木委員長 質疑の通告がありますので、順次これを許します。島田君。
○島田(琢)委員 われわれが夜を徹しての国会における論議を通して、置かれております日本の酪農の将来を憂えるという立場から論議を繰り返し行ないました中で、特に大臣から、前向きに保証乳価決定にあたっては取り組む、しかもかなり具体的に、大幅な考え方を持っている、こういうふうに明確に答弁がなされた経過があり、さらにまた審議会も、ただいま大臣からも説明があったように、今回の値上げにあたっては、置かれている現状のきびしい酪農情勢を考えて、諮問の三円三銭にさらに上積みをする考え方を出すべきである、こういう意味を含めて答申がなされた。こういう経過の中できまった保証乳価というのは、われわれにとっても非常に憤りを感ぜざるを得ません。もちろんたいへんな数の人が上京されて、この運動に当たった生産者の皆さん方の気持ちというのはふんまんやる方ないばかりか、依然として日本の農政の混迷を深めるばかりか、さらに酪農の大きな後退をさえ心配されるような結果になっていることについては、失望の色を隠しておりません。私どもはそうした立場で、ほんとうに日本の酪農を救う大事な時期にいま来ているということを力説してまいりました一人として、私自身も腹の底から、出されました保証価格の内容についても非常に憤りを持っておる一人であります。一体大臣はこの答申をどのように受けとめたのか、その点をまず第一点としてお尋ねをいたしたいと思います。
○櫻内国務大臣 審議会においてどなたがどういう発言をしたかということについては、審議会の性格上それを申し上げるのはいかがかと思いまするが、審議会が長時間にわたって非常な論議をされ、また論議を尽くしたということは察するに余りがあるわけでございます。その間に今回の諮問の上げ幅につきまして、これは私もこの委員会で何回かその御答弁を申し上げたのでありまするが、過去において例を見ない大幅の引き上げと相なっておることは言うまでもないところでございます。また、この数年来の状況を考えましても、今回の諮問というものは思い切った措置でございまして、私が諸般の情勢からこの程度の上げ幅は必要であるという決断をしたことも申し上げたのであります。そういうことで、なるほどこの三円三銭を中心として、なおこれでは不足であるという議論をなされた方のあることも承っておりまするけれども、過去の上げ幅からいたしますならば、まさに大幅の上げ幅であるということは言うまでもないのであります。 なお、私として今回の最終的な措置にあたりましては、それらの御論議を通じての答申の中で、適正に価格は考え、総合農政をやれ、こういうことであり、さらに建議のほうには具体的な事項が盛られておりまするので、そのことを忠実に守って最終的な財政当局との詰めをいたした次第でございます。
○島田(琢)委員 答申の一項に「今日の状況にかんがみ、適切な値上げを行なうこと。」この「適切な値上げ」とは、いわゆる三円三銭ということに大臣としては理解をしているということですか。
○櫻内国務大臣 まさにおっしゃるとおりでございまして、この上げ幅について上げ幅が多過ぎる、少な過ぎるという論議の結果、「適切な値上げ」という答申に相なったように仄聞をするのでございまして、「なお、これとあわせて基本的な酪農総合政策を講ずる」ということに意味合いがあると私は承知をいたし、その意味合いが建議のほうに具体的に示されたということで、答申を忠実に実行いたしたことを申し上げておきます。
○島田(琢)委員 大臣、私はその審議会の論議の経過というものはいろいろあったでしょうけれども、まさに三円三銭が適切だというふうに判断をされることばとしては、これは理解が違う。三円三銭適当だ、こういうことであれば、今日の状況にかんがみ諮問案の三円三銭——まあ三円三銭と具体的に明記はされぬでしょうけれども、諮問案は適切なものと思うという答申が出たときに、初めて三円三銭が適切であるという大臣の判断が出てくると私は思うのです。そうではなく、「適切な値上げを行なうこと。」という、こういうことばというものは、しかもその前段で「酪農経営の困難な今日の状況にかんがみ、」とあるわけです。これを長時間かけて論議をし、三円三銭では今日の困難な酪農情勢を打開していくことはできないという審議会委員の皆さんの判断が「適切な値上げを行なう」という、このことばになって表現されていると私は理解をしております。その辺どうです、もう一度。
○櫻内国務大臣 これは先ほどから御説明と答弁で申し上げておるように、私はその審議会における一つ一つの論議をどうこうと言うことは審議会の性格上いかがかと存じまするが、それを総合的に判断をいたした場合に、今回の上げ幅は、実際上その過去の経緯からごらんになりましても、最高の上げ幅であり、この数年間の上げ幅から見れば格段のものであるということは間違いのない事実なんであります。それで、それに伴っての多くの論議が行なわれて、そして「適切な値上げを行なう」という答申を受けたのでありまするから、それと同時に、「あわせて基本的な酪農総合政策を講ずること。」これは「講ずること。」こうなっております。そして建議がございまするので、この答申を忠実に検討いたした結論によって処理をしたということを繰り返し申し上げておるところであります。
○島田(琢)委員 大臣は、現状の酪農の事情というもの、置かれている状態というものの認識が足りないと思うのです。したがって、大臣がせんだってからの答弁の中で繰り返し繰り返し言っておりますのは、過去の上げ幅を例にとられている、比較されているが、過去の例なんて、そんなものは問題にならないのです。去年一円上げたから、ことしは三倍だ、だから大幅なんだ、これは数字の上で言うことであって、置かれている酪農の今日の状況を判断しているというふうには私どもは理解できない。 端的に聞きますけれども、これで日本の酪農の将来、心配ありませんか。
○櫻内国務大臣 御質問の中で、過去のことを云々と言われておりまするけれども、これも委員会の審議で私、何べんか申し上げました。過去の値上げ幅につきましても、その結果過剰になった場合もあって、そのことをよく考えなければならないということは私、申しておるのであります。それは御専門でございまして、私がこれ以上申し上げることもないと思うのであります。それで、現にその当時の買い上げたものを手持ちにしておるという実情もあるのでございまするから、これは何十銭とか何円とかいっても、非常に微妙な作用をきたすということは、私よりもむしろ専門のあなたのほうがよく御承知だと思うのです。私はその意味におきまして、この価格の決定というものは微妙に今後の酪農政策に響くということを考えながら慎重に対処したつもりでございます。 いま、これからの酪農政策についてどうこうという御質問でございましたが、私はこの答申を忠実に実行するということにおきまして、融資措置あるいは緊急対策措置等をあわせて行なうことによりまして、酪農政策についての前途は打開されていくものと信じております。
○島田(琢)委員 心配ないというふうに受け取っていいわけですね。酪農はこれでだいじょうぶだ、三円三銭上げたから主産地帯である北海道の酪農も心配ない、どうですか。これは端的なお答えをいただきたいと思います。
○櫻内国務大臣 端的に申し上げれば、私としては今回の答申に基づく措置によりましてこれらの酪農の面に光明を見出すことができる、こう信じております。
○島田(琢)委員 北海道の酪農の実態を御存じない。大臣、私は大臣が出席されておらない、政務次官がおいでになったときにこういうことを申し上げました。今回の加工原料乳の保証乳価の決定にあたって、特に異例の措置として亀長事務次官、さらにはまた佐野牛乳乳製品課長を北海道の主産地帯に派遣をされた、酪農の現状を調査に派遣されたと私は理解しております。それで、この二人の報告は、大臣のそういう判断をするにふさわしいようないわゆる復命がなされているのですか。
○櫻内国務大臣 ただいまのお尋ねのことにつきましては、事実とちょっと違うようでございます。そこで、畜産局長からお答えさせます。
○大河原(太)政府委員 お答え申し上げます。 ただいまの農林省の関係者の北海道への現地視察につきましては、事務次官につきましては一般農政事情で、その中に当然北海道では酪農を拝見したということだと思いますが、さらに現地の意見を聞くために、責任課長が二月に北海道におじゃまして、関係者からいろいろ話を聞いたわけでございます。それらの報告を受けまして、先ほど大臣がるる申し上げましたように、やはりこの二、三年来の保証価格の水準改定というような方向では必ずしも十分ではないということで、今回の諮問等についても慎重な検討をした上で諮問案を策定し、政府案を決定したという経緯でございまして、それで現地における事情その他については十分お話を承りましたし、大臣が申し上げました生産面、経営面に対する施策もあわせて行なうことが必要であるということについても、現地の方々からいろいろな御意見を賜わって帰ってきたことを今回の緊急対策なり負債整理等に反映したわけでございます。
○島田(琢)委員 この負債整理の問題と、それからいまの飼料が暴騰しているというその措置とは、これは本質的に違うんです。当然これは国の施策としてやらなければならないものでありますが、当面起こっている飼料の値上がりの問題については、これをいま措置することが将来の酪農に向かって安定する材料になるという判断は、そんなものは違うのですよ。負債整理の問題は、一部そういう考え方が入るということを私は認めましょう。したがって、いまの乳価決定にあたって、当面値上がりしている飼料を押えることをもって酪農の恒久対策などという考え方は、これはセットにならぬ話であります。 時間がありませんから先に進みますけれども、今回のこの保証価格の決定が、せっかく日本の酪農の、特に加工原料乳地帯の酪農百年の大計の中で非常にいい制度として歓迎されてきた不足払い制度というもののその意義を根底から失う結果になった、私はこういうふうに判断いたします。 それはなぜそういうことが言えるかというと、四十一年の不足払い法の発足当初飲用乳価と加工保証乳価との差というものは、価格面において七円二十三銭の開きであったものが、今度の三円三銭を入れてみましても、四十八年度の両乳価の価格差というものは、御承知のとおり十八円四十三銭という大きな開きになったのであります。もう少しこれを詰めて言えば、飲用乳価では自由取引でメーカーと話し合って乳価をきめる、そういうことができるのに、不足払い法という法律があるために、逆にそれが壁になっていわゆる乳業メーカーの保護におちいってしまう、こういう制度に堕してしまったというのが今回の決定によって明らかになりました。 本来、この不足払いの法律の目的とするものは、漸次加工原料乳のシェアを飲用乳のシェアに振り向けていく、そうして適正ないわゆる価格の操作によって、飲用乳と加工原料乳との価格格差ができるだけないようにするというところに一つの目標を置いているはずであります。そういう法律の精神も全く踏みにじってしまった。私は今回の、大臣はそれは過去に例のない大幅な値上げ幅であるということを力説いたしますけれども、反面そうした一つの大きなひずみというものを今回つくった。そういう意味で、四十八年度の加工原料乳の価格決定は、まさに歴史に残るいわゆる悪事である、私はそういうふうにきびしく判断をいたしております。この辺の考え方について、将来ともこういう格差が当然だと大臣はお考えでしょうか。これをひとつ明らかにしていただきたい。
○大河原(太)政府委員 お答え申し上げます。 島田先生、今回の乳価改定、保証価格の決定で、先般行なわれた飲用乳等の原料乳価格の決定の経緯から見て、一段と格差が出てきたというようなお話でございますが、先生もまさに申すまでもなく御案内のとおり、飲用乳につきましては、地域、地域の需給を反映した自由価格で形成するたてまえになっておるわけでございますが、一方加工原料乳につきましては、主要な加工原料乳地帯におきます再生産を確保する、それを補償するということで、一定の方式によって価格が形成されておるところでございまして、それぞれ価格形成の原理と申しますか方式が異なっておるわけでございます。 ひるがえって、飲用乳価格と保証価格との間にいかなる程度の差が——用途別の価格については、これは単に日本だけでなく西欧諸国におきましても用途別価格の差はあるわけでございますが、一体どの程度であるべきであるかという点についてはいろいろむずかしい問題があるわけでございまして、この点についてはその加工原料乳の固有の生産事情によりまして、保証価格を引き上げる需要が生ずれば当然それを引き上げていくということ以外にはそのプリンシプルはないと思うわけでございまして、またある程度その水準をいかにするかが先生御議論の的と思いますが、格差が多少ありまして市乳化が促進され、生産者の手取りが、市乳価格の手取りが確保されていくような方向も、本制度のたてまえからいっても望ましいのではないかと思うわけでございます。
○島田(琢)委員 私の時間が参りましたからあとは美濃委員にかわりますけれども、私は今回のいわゆる保証乳価の決定が将来に向かって日本の酪農を安定せしめるというふうな、だいじょうぶだというふうな大臣の判断については、きわめて甘っちょろいものであるということをきびしく指摘をしておきたいと思います。もちろん農家は正直ですから、与えられた四十八円の乳価でがんばります。みんなそれは自分の経営を犠牲にし、労働力を犠牲にして、ほんとうに食うや食わずでがんばっていこうというそういう努力というものは、これからも農民自身の中から行なわれていくでしょう。しかし、それを踏みにじるような乳価の決定が今回なされたのですから、これはもういまの農政に対してさらにきびしいいわゆる批判というものは、国の内外から私は起こってくるであろう、こういうように考えております。 したがって、きょうの論議だけではなくて、私もこの場において年間を通してこうした農政の問題についてはひとつ議論を続けていきたい、そういうふうに考えております。ひとまず終わります。
○櫻内国務大臣 たいへん酪農経営の実態を御心配しての御注意を込めての御意見で、私としてもただいまの御意見を十分身に体して今後に処してまいりたいと思いますが、重ねて申し上げるようでございますが、今回の諮問また答申に伴っての三円三銭というものは、近年その例を見ない大幅なものであったということは事実なんであります。諮問としては一番思い切ったつもりでやったのでございまするし、またこれに伴う各種の施策というものの効果と相まちまして、これからの酪農経営の上に寄与できるもの、このように考えておりまするが、なお一そうの御叱責を賜わりたいと思います。
○島田(琢)委員 時間がありませんから答弁は要りませんが、今回の答申無視、国会軽視、私はこの事実はぬぐい去れるものではないということだけは最後に一言さらに申し添えておきます。
○佐々木委員長 美濃政市君。
○美濃委員 いま島田琢郎君の質問と答弁を聞いておりましたが、これは大臣は錯覚をしておると思います。それは、この統計表を見ましても、ハリティは大体前年度パリティが主体になっておりますから、まず最近のえさの高騰、それから従来と違った商品投機に基づく物価の高騰、それに伴って賃金を上昇しなければ再生産が確保できないということ、それからもう一つは、土地買い占めによってものすごく地価が暴騰してきておる。ですから、規模拡大が停とんしてしまった。ここに酪農の危機感を訴えておるわけです。それらの要素がこの乳価には入っていない。大幅値上げではない。現状から見た場合、全く再生産不可能な乳価である、こう申し上げておきます。決定した後でありますから、時間の関係で答弁は要りません。はっきりそれを申し上げておきます。 そこで、それから起こってくる現象です。私は悪くすると、これからことしの十二月までの間に、先ほど申し上げた、特に地価高騰によって草地を求めて規模拡大をすることはもう不可能な条件になってきておりますから、そういう関係で、まだ頭数が経済頭数に達していない農家、こういうのがかなりやめると思います。 そこで、異例な、再生産可能な適正な乳価だ、こう言っていますが、ただいま私が危惧しておる状態が起きた場合に、責任はどういうようにとってくれますか、責任問題をひとつお尋ねしておきたいと思います。
○櫻内国務大臣 私はいつもこの責任問題論議では、正直に申し上げまして、この責任をとるということは、考えようによってはそれはやすきにつくことのようにも理解されるわけであります。でありますから、こういう御質問のときは、私はもう最後まで努力していく。現在こういう状況で皆さん方は非常に御心配される。私は打開ができる。その打開ができるというのは、それを短期で見ていくのか、ある期間をもって見ていくのか、いろいろそのとり方もございます。責任のある者としては、こういう場合に、あっさりおっしゃるとおり、もしうまくいかなければ責任をとりますと言えば、それは答えとしては簡単でございますが、私はそうではなく、御指摘はほんとうに真剣に将来をお考えのことでの御質問であり責任の追及、こういうふうに思います。でありまするから、私はそれについてはあらゆる困難を打開しながら最後まで努力をする、それが私に与えられた使命である、このように思っております。
○美濃委員 日本の大臣はたらい回しでありますから、そういう答弁しかできないと思います。胸を張って責任をとると言っても、大臣をやめれば、その起きた現象は個人責任で大臣が弁償すべきものではない。したがって、大臣もさることながら、大臣よりも農林省の全体の政策としてこれはやはり重大な問題でありますから、責任の所在についてはいまの答弁ぐらいしかできないと思いますが、こういうことではならぬということだけを申し上げておきます。 それで、それから起きてくるもう一つの問題であります。飲用乳は自由な市場によって自由に価格が形成されるのだから全く別なんだ、こう言いますが、現在の飲用乳と加工原料乳は、これだけの格差になりますと、さっき畜産局長の答弁を聞いておると、一面加工乳が飲用乳に変化することもいいだろうと言うが、飲用乳と加工乳とがこれだけ格差が出てきますと、やはり率直に申し上げて、都市周辺のたとえばヘイキューブなんか牧草の一部も買って食わしておるというようなコストのかかっている酪農から見ると、加工乳地域におけるある程度の規模頭数を飼っておるものは、コストは安いわけですね。そうすると輸送費に対する対応性を越えておりますから、これは悪くすると、かなり熾烈ないわゆる市乳合戦が起きるのではないか。これは局長に言わしたら、一部そういうことが起きることもいいだろうと言うのですが、それを期待しておるのですか。 それから時間の関係でもう一つ。そういうことが起きると、これは全国の略農民同士の争いになりまして、乳量は減少すると思います。たとえば飲用乳だって、ことしの需給計画を見ても、そう伸びるわけではございませんから、横ばいにちょっと毛をはやしたぐらいの伸び率でありますから、そこで加工乳地帯からどんどん売り込んでくるということになると、結局はいま飲用乳をやっておるコストの高い酪農がその戦争によって崩壊していく。そうすると、酪農全体の後退につながってくる。それを農林省としての基本政策として期待しておるのですか。それが起きた場合にどうするのですか。ある程度奨励しようと考えておるのか、どうなんですか。
○大河原(太)政府委員 お答え申し上げます。 先生御案内のように、内地の市乳地域、大都市圏におきましては、市乳生産が、各種の逆条件によりまして需要に対して供給が不足する、特にその程度が強くなっておることは御案内のとおりでございます。それで、われわれといたしましては、加工乳地帯から市乳化を促進するという施策を打っておるわけでございますが、この場合、まさに先生が御指摘のとおり、内地の市乳地帯の生産者と加工乳地帯の生産者との間の協調、調整、十分なる広域間の調整という点が必要であることは申すまでもないわけでございます。 この問題につきましては、それぞれ広域間の需給調整を行なった上で、その市乳化を進めるということは、先生御懸念の点から見ても当然かと思うわけでございます。われわれといたしましては、たとえば四十八年度の予算におきまして濃縮乳の工場を、モデルプラントを北海道におきまして二工場助成をいたすというような点につきましては、大都市におきます普通牛乳の需要が大きく伸びておるのに対しまして加工乳の伸びは若干伸びが落ちておりますが、この加工乳における還元乳に濃縮乳——生乳をそのまま濃縮した濃縮乳をもって置きかえるというような方針で市乳化も、そういう内地酪農と北海道酪農との調整というものを配慮しながら進めていくわけでございまして、われわれといたしましても、単に市乳化をしていれば問題が解決するんだというようなふうに安易な問題の理解をしておるわけではないわけでございます。
○美濃委員 もっと答弁は簡単に願います、時間がきょうは短いわけですから。 しかし、これだけの格差で、自由に形成されておる価格だからしかたないんだとあなたは言うのでしょう。これだけの格差が出て、これだけの格差を、あえて異例の引き上げをしたんだと、こう言っている。その異例が現実に異例であればいいけれども、今回きまった格差をもって調整するという能力はありますか。言うことを聞かぬで実力で入ってきた場合に、調整能力がありますか、農林省として。どういう根拠で調整しますか、実力で入ってきた場合。もう農林省の言うことは聞かない、われわれはこんな安い加工乳ではもう生活できないから、実力で市乳で売り出すんだと、そういう全国酪農民同士の熾烈な対立に入った場合、その調整能力がありますか。その調整をするにはもう少し上げておかなければ、そう言うなということは言えぬのでしょう。キロ二十円もの格差ができて、全国平均は確かに六十八円ぐらいになっているのでしょう。一キロ二十円の乳価格差が出て、その調整をする能力があるかどうか。単純に答えてください。どういう方法で、能力があるのかないのか。
○大河原(太)政府委員 内地の飲用乳はただいまも月に平均いたしまして一〇%以上の伸びを示しております。したがいまして、相当程度遠隔な加工乳地帯から市乳の原乳を期待するというような一般的背景になっておりますし、さらに生産者間の調整は、昨年もこの問題が起こりました際も十分な生産者同士の理解もございまして、これに行政の適切な指導によって先生御指摘の事態を回避できるものと考えております。
○美濃委員 回避できなければ、これは局長、一身上にかけてあれですよ。その問題は回避する——起きなければ幸いですけれども、起きた場合に、私はそういう能力はないと思います。農民が自覚して、起きなければ別ですが、これだけの格差が出れば、その状態に入ったときに農林省でそれをする根拠もなければ、また今回きめた価格をもっても、何を言っておるのかと言われたら返すことばもないと思うのです。そういう状態が起きたときにはそのときにやりますけれども、許されぬと思いますから、それだけ申し上げておきます。 それから次に、四十億の奨励金を出すというのは、これは一般会計から出すのですか、どういうふうにして出すのですか。簡単に頼みますよ、要点だけ。
○大河原(太)政府委員 先生御案内のとおり、四十二年、三年におきまして補給金等勘定の輸入乳製品の差益、これを助成事業に充てましたが、今回も年度の末でございますし、予算も成立しておりませんので、それらも考慮しながら、この助成勘定を創設する際の法律改正の趣旨にも基づきまして助成をいたすということにしたわけでございます。
○美濃委員 四月に入ったのですが、大体どのくらいの見込みですか。
○大河原(太)政府委員 畜産振興事業団の補給金勘定の決算を進めておりますが、四十八年度には約三十億程度はその財源が確保できるということでございますし、四十八年度の需給計画から見て、バター等を中心とする輸入乳製品の差益等を想定いたしますと、四十九年度には十億程度の確保は容易であるというふうに考えております。
○美濃委員 それは私はゆゆしき発言だと思います。確かに差益を畜産振興に使うという法律は、これはつくっておりますね。これは三月三十一日時点における八割ですね。それを限度として予算をしなければならぬのですから、それに不足分は四十億とおきめになったのですから、この四十億は、きめた以上はやらなければならぬ。一般会計からです。そういう予算の先食いは邪道です。もし出なかった場合はどうなるのです。それは一般会計原則からいっても、予算原則からいっても、四十八年度に差益があるだろうという見込みで金を費消するということは、私は許されぬと思います。法律にそういうことは書いてないはずです。ですから、一般会計ということになります。
○大河原(太)政府委員 お答え申し上げますが、先生御案内のように、四十二年、三年におきましても同様、補給金勘定の前年度の差益を決算の結果約八割を助成勘定に回してこれを充当するということでございまして、四十四年度は四十三年度の同様な決算を回すということで、酪農振興のために緊急の助成をしたわけでございまして、その前例にならいまして、総額四十億ということを予定しておるわけでございます。
○美濃委員 私はその答弁はきょうは了解できません。次にもう一問ございますから、きょうはこの程度にしますけれども、いまの答弁では、これはやはり予算の先食いでありますから、そういう助成勘定に繰り入れる——法律をよく読んでみなさい。その現年度の八割を繰り入れて振興費に使うという法律でありまして、その年度に出るか出ないかわからぬわけですから、出なかった場合にどうしますか。ですから、答弁は要らぬです。これは私は、会計法上の違反を犯しておると思います。疑いがあるということであります。私のほうももっと検討して、そういう法律無視の、行政は法律を越えることはできないのだし、政令をもって法律を拘束することもできないわけですから、法律違反の疑いがある、これだけ申し上げておきます。 きょうは時間がありませんから、次に、百五十億を融資するというのだが、これは大臣に聞きます。どういう意図なんですか。
○櫻内国務大臣 これは先ほどお答え申し上げましたように、今度の答申におきます「酪農経営の健全な発展を図るため、経営の現状と実態に適合するよう適切な金融措置を講ずること。」これを受けまして、財政当局との間に融資ワク百五十億円を確保する、こういうことにいたしましたが、局長より補足説明をいたさせます。
○大河原(太)政府委員 基本的な趣旨はただいま大臣が申し上げたとおりでございまして、各方面、生産者の関係あるいは諸先生なりあるいは現実の審議会におきましても、いままで伸びてまいりました北海道酪農において、設備投資その他規模の拡張から多額の負債が残っておって、これが前向きの発展の重圧になっておるというような御指摘がございましたので、ただいま、昨年来負債整理の実額なりあるいは融資の限度等について、これは酪農だけではございませんで、畑作とか水田、そういう点も含めまして農林当局と道庁と二度、三度のやりとりをしておりますが、その中で酪農の分としての所要額を推定いたしまして、自作農維持資金によって百五十億を用意し、それで従来の負債を借りかえるという措置をとったわけでございます。
○美濃委員 この対策は遊資で予算を計上して今週中にまとまるのでないかと私は思っておりますが、私の現時点における推定では、どうしても乳価の最終決定で百五十億、これは酪農だけですが、全体とすると私は四百億の規模を必要とすると思うのです。これは政策ですから、大臣から答弁を願います。百五十億は予想される酪農家の分だけで、それとあわせて北海道の負債が——私も北海道が持ってきたものをこえての要求はしないつもりですが、これは常識的に行政関連で北海道がまとめておるわけです。しかし、やはり推定四百億ぐらいの規模の負債整理はしなければいけない。これは養豚もありますし、養鶏もあります。ですから、今回きめた百五十億という推定額はとりあえず酪農だけで、それに養豚、養鶏その他あわせて北海道が要請する分はやるというお考えですか。その中身をここではっきりしてもらいたいと思います。
○櫻内国務大臣 百五十億円につきましては、酪農経営の負債を念頭に置いて財政当局との詰めをいたしておるわけでございまして、これは私から申し上げてえらい恐縮でございますが、大体負債の金利は九分ぐらいではないか、そして今回の自創資金による借りかえを五分、二十年にいたしたい、これによって酪農経営の負債整理に寄与いたそう、こういうことでございます。
○美濃委員 他の面を聞いておるのです。酪農も百五十億で適正であるのかどうか、もっとあるように思うのですが、私にはわかりません。他の面をどうするのか。たとえば北海道から四百億円の負債の整理をしてくれ、こういう要請が起きてきた場合、あわせてやるのか。やるという考えであればよろしいのでありますけれども、酪農だけやって、養豚や養鶏やそういう設備投資の過剰で苦しんでおるものは知らぬ、こういうことなのかどうなのかということを聞いておるのです。
○大河原(太)政府委員 方針にわたりますが、百五十億は酪農に限るという内容でございますので申し上げます。 これは先生御案内のとおり、畑作とか水田とか養鶏、養豚等もろもろの分についても負債処理問題が道庁から出ていることは承知しております。先生がおっしゃったような四百億というのはその数字かと思いますが、その数字の見方その他については、なお念査をする必要があるということで資料のやりとりをしておるのが現状でありまして、酪農については特に早く負債の問題についての一つの解決の方向を見出すということで、今回保証価格の決定と並行してその総ワクをきめたわけでございます。ほかのものについてこれを見ないというような逆な方針をきめておるわけではございません。
○美濃委員 それでは、いずれ北海道の要請がまとまり次第、これは行政の不公平ということはいけないわけですから、全部をやるということを腹がまえにして、全部を処理するようにしなければならぬと思いますから、その時点でまた要求いたします。 時間でございますから以上で質問は終わりますが、いまのいわゆる四十億の問題と法律の関係は私のほうも十分調べてみます。いま疑いがあるという見解でおるわけですから、大臣、それから事務当局も検討して、後日法律違反ということがないようにしてもらいたいと思います。
○佐々木委員長 諫山博君。
○諫山委員 私もこのたびの乳価決定には非常に不満です。日本の酪農農民がどんなに悲惨な生活をしているかということを私もあるいは北海道の多田議員も詳細に指摘しました。またこの点は答申の中でもことさら指摘されております。 しかし、このたび決定された乳価では、この酪農農民の苦しみは解決されないし、日本の酪農自体が崩壊するのではないかという事態もとうてい解決できないと思っております。農林大臣は、過去に例を見ない大幅な引き上げだということを繰り返されていますが、しかし、現在の事態そのものが過去に例を見ないような深刻な状態になっているわけです。たとえば物価の値上がりを見てもあるいはえさ代の暴騰を見ても、いずれも前例のないような深刻な事態です。こういう中でこのたびの非常に不満足な乳価決定が行なわれたわけですが、これで生産費を償う乳価と言えると思っておられるのか。また私たちは、せめて米並みの労働報酬が補償されるような乳価ということも強調したわけですが、米並みの労働報酬が補償される乳価になっていると考えておられるのか、農林大臣の御説明を聞きたいと思います。
○櫻内国務大臣 現在、物価が上がっておる、またえさも上がっておる、こういう状況のもとに今回の上げ幅がどうかという御批判から御質問が始まっておるのでございます。三円三銭の上げ幅の試算をいたしますときの労働費のとり方につきましては、いま米並みに行っているかどうかということでございますが、私は米並みに行っておると思います。いろいろな要素が当然反映をして決定されるべきことでございまして、これらについては詳しい試算を審議会にも提示をいたしておるのでございまして、私は省内の検討の上におきましては、いまの諸情勢を含んで、その結果が近年であれば何十銭とか一円ぐらいのところで出たものを三円三銭といたして大幅の引き上げの諮問をいたしたということを申し上げておるようなわけでございます。 何べんも申し上げるようでございますが、保証価格の決定というものはなかなか微妙でございまして、過去において苦い経験もなめておるのでございますから、今回は答申を受けて、ただ単に価格だけから最終的な結論に至ったのではない。これまでにしばしば申し上げておるように、建議にいわれているところを施策に反映しながら上げ幅もきめた、こういうことで御了承いただきたいと思います。
○諫山委員 畜産局長にお聞きします。 前回の私の質問に対する答弁で、加工用原料乳の生産については、一日当たりの家族労働報酬は米並みに至っていないという内容だったと思います。今度の価格決定は米並みの労働報酬になっているという計算なのかどうか、結論だけお聞きします。
○大河原(太)政府委員 お答え申し上げます。 四十六年につきまして全国平均の家族労働報酬は、牛乳につきましては二千百十九円、米が四十六年度二千三百八円、これを申し上げたかと思うわけでございますが、四十八年の今回の保証価格によりまして家族労働報酬を推算いたしますと、三千円近い数字が出るというふうにわれわれは試算をいたしておるわけでございます。全国平均ではなくて、保証価格の価格から推算いたしております。
○諫山委員 いまのはおかしいという声が盛んに出ておりますが、これ以上この点については聞きません。これは別の機会にします。 いいですか、大臣、さっきの説明で助成金四十億円の話が出ましたが、これは結局輸入差益金をもって充当するということになりますか。
○大河原(太)政府委員 具体的な内容になりますので私から答弁をさせていただきますが、これは御指摘のとおり、制度の趣旨もそうなっておりまして、需給調整後の輸入乳製品の差益を酪農助成勘定から導入するという加工原料乳制度の本旨にのっとってやるわけでございます。
○諫山委員 きょうのこの場所における説明を聞いても、あるいは新聞なんかの報道を見ましても、保証価格が十分でないかもしれないけれども、四十億円も助成金を出すのだから、農家の皆さんはがまんしてもらいたいという趣旨を宣伝しているように受けとられます。しかし、いまの説明ですと、もともと酪農振興のために使うべき輸入差益金を四十億円出すというだけのことであって、このたびの乳価の決定と本来これは全く無関係だというふうに理解されますが、いかがでしょう。なぜこれを結びつけて説明され、なぜこれを結びつけて宣伝しておるのか。
○大河原(太)政府委員 宣伝のしかたでございますが、事柄を端的に申し上げますと、四十二年、四十三年におきまして生乳生産が今日のように停滞した事態がございます。その際は保証価格の改定と同時に、緊急に生産を刺激し、農家の生産意欲を伸ばすという趣旨で、輸入差益を活用いたしまして緊急事業を行なったわけでございまして、今回も、保証価格の水準についてはいろいろおしかりがございますが、政府諮問案としては相当な引き上げを行なうというような事態であるから、これは非常に酪農にとっても困難な事態である。したがいまして、これに対して、過去の例にならいまして施策をとって、一体として行なったわけでございます。
○諫山委員 そうだとすれば、このたび決定された乳価と本来結びつかないものでしょう。なぜこの二つを結びつけて説明されているのでしょうか。
○大河原(太)政府委員 お答え申し上げます。 先ほど島田先生からの御質問に大臣がお答え申し上げましたとおり、今回の保証価格の決定にあたっては酪農全般をめぐる困難な情勢を踏んまえ、一方においては価格の適切な改定と並行した総合的な施策を講ずるということでございまして、日本の酪農を困難な事態から前進させるためには、価格の面とあるいは生産、経営の面と、両者から推し進めるという総合対策でございまして、切り放せないものでございます。
○諫山委員 私はもちろん四十億円の助成そのものに反対するものではありません。ただ、このやり方に非常に不明朗なものを感じております。このたびの保証価格の決定が非常に低いということで酪農農民は憤慨しているわけです。その憤激をやわらげる手段として当然払うべき助成金をことさら農民を慰撫するために利用しているのじゃないかという疑いが非常に強いわけです。 このたびの価格決定をめぐりまして、これで乳製品の価格が大幅に上がるのではないかというようなことが新聞に報道されております。この問題について農林大臣としてはどういう対策を講ぜられるつもりなのか、御説明願いたいと思います。
○大河原(太)政府委員 お答え申し上げます。 御案内のとおり、今回の乳価の改定には安定指標価格の改定と保証価格の改定と基準取引価格の改定があるわけでございます。で、乳製品につきましては、簡潔に御説明を申し上げますと、最近の乳製品の実勢価格をにらみ合わせまして、過去四年の価格の推移をとらえて安定指標価格の決定を行なったわけでございまして、その安定指標価格から標準的な製造販売経費を見まして基準取引価格の二円七十一銭アップを行なったということでございます。したがって、そのような措置をとりまして現実の乳製品価格をとっておりますので、直接この点が乳製品の値上げに通ずるものではないことは制度に御案内の先生御承知のとおりと思います。なお、保証価格の値上げは、現実の乳製品なりの価格安定等と関係なく、再生産確保という意味で、保証価格は別途算定されることも御案内のとおりでございます。
○諫山委員 私は最後に二つの問題を農林大臣に要求したいと思います。 一つは、一応乳価が決定されたわけですが、暫定措置法の第十一条八項によりますと、「物価その他の経済事情に著しい変動が生じ又は生ずるおそれがある場合において、特に必要があると認めるときは、保証価格等を改定することができる」ということになっております。現在、物価が非常に不安定です、急騰の傾向にあります。また特にえさ代の価格がどうなるのかということも深刻な問題です。従来この条項が発動されたことは一回もないそうですが、もしそういう事態が起こったとすれば、直ちにこの低乳価を改めるという措置を講じていただきたいということが第一です。 もう一つは、今度の価格決定で乳製品が上がることはないはずだという説明がありました。しかし、新聞などではすでにそのことが公然とうわさされているわけです。この問題について、私は不足払い制度のもとで乳業資本がどのくらいもうけているのか、また乳業資本がどのくらい膨大な政治献金をしているのかというような点を数字に基づいて指摘いたしました。この点で、暫定措置法では二十三条で、乳業資本に対してもいろいろな事項の報告を求めることができるようになっております。それだけではなくて、企業に立ち入って調べる、帳簿その他を検査するというような権限も与えられております。この条項の活用というのは現在まできわめて不十分だったと思っております。この条項を活用し、今度の乳価決定を口実にして、一般の乳製品の値上げを行なうことがないような行政指導というのをぜひ強めていただきたいと思います。この二つの私の希望に対して農林大臣から御説明をお願いしたいと思います。
○櫻内国務大臣 第一の御質問の、経済情勢の大きな変化に伴う年間途中での価格改定の問題でございまするが、これはいまこうやって決定をしたこの段階におきまして、私どもとしてはそのようなことを全く予想をしておらないということを申し上げておきます。法律のそういう条章のあることは十分承知はいたしておりますが、いまここではそういう事態を考えておらない。 それから乳製品に対しての影響、これはただいま局長が御説明を申し上げましたように、また脱脂粉乳、全脂加糖練乳、脱脂加糖練乳等、この価格は実勢価格を考慮してのことでございまするが、これらの価格に対して、一体経費がどの程度であるか、そういうものを差し引く場合にその点は十分精査をいたしておるつもりでございます。 二十三条による報告を求める点や調査のことについてお触れになりましたが、この法律に基づくまでもなく、この安定指標価格の決定につきましては、十分それぞれの会社の実情を精密に調査をして反映をさせておる、こういうことでございまして、このたびの保証価格の三円三銭の引き上げが即これらの製品に対しての値上げになるような新聞報道は、これは少し実態を把握してない報道ではないか。私はこの点については経済企画庁とも連絡をとりまして十分説明もし、理解を求める考えでおります。
○諫山委員 終わります。
○佐々木委員長 瀬野栄次郎君。
○瀬野委員 乳価の保証価格について農林大臣にお伺いいたします。 三月の二十七日、二十八日、二十九日と三日間にわたって、当農林委員会で私も当局をはじめ大臣に前後七回にわたって乳価の保証価格について質問をしてきたところであります。特に三月二十九日は夜の十時近くまで審議をいたして、大臣にも出席を求めて再三論議をしたところでありますが、その中で大臣は、答申に期待している、また答申を尊重しながら私として努力しなければならない点が残っている、さらによく検討して、まだ努力が残っているので期待にこたえるというような答弁をしばしば行なわれたわけでございます。その節、私は多分にこれは政治加算を意味するのではないかということで追及したわけでありますが、大臣は意味深長な答弁をなさっておられたのでありますけれども、結局、結果的には今回のような処置になったわけですが、この辺のことについて大臣はどういうふうに弁解をされるのか、まずその辺からひとつお伺いをしたいと思います。
○櫻内国務大臣 弁解でなく、私は、答申を受けた、それに伴う私の行動については先ほどから詳細に申し上げておるのでございます。私の行動はすべて、審議会の審議過程を念頭に置き、また答申で明らかにされておる事項、これを踏んまえて最終的な結論を得るために努力をいたした、こういうことでございまして、答申書の上からの事項についてはそれぞれ酪農総合政策の上にあるいは負債整理の上に反映をさせての結論でございまして、私としては誠心誠意努力をいたした考えでございます。
○瀬野委員 農林大臣は誠心誠意やったとおっしゃいますが、それではあえてお尋ねいたします。 答申を見ますと、答申の第一項に「加工原料乳の保証価格については、酪農経営の困難な今日の状況にかんがみ、適切な値上げを行なうこと。」明らかに審議会の酪農部会ではこのように値上げを行なう、しかも適切な値上げ、こういうふうに明記してあるわけです。明確な値上げ答申をしたこの審議会の答申に対して、これを受けて政府・与党折衝では、これまた異例のこととして政府原案どおり決定する結果に終わっているという現状でございます。酪農部会の要求を裏切る決定であり、北海道農民をはじめ各地の酪農家は、暴挙である、こういうふうに言っている。しかも答申無視である、こういったことはいまだかつてなかったことであり、初めてじゃないか、こういっていろいろとふんまんやる方ないものを持っておるわけです。これに対して大臣は、酪農民あるいは農家に対してどういうふうにお答えになるのか、明確にひとつ御答弁いただきたいと思います。
○櫻内国務大臣 私は答申を全く忠実に履行をしておるのでございます。これは審議会の審議経過も頭に置かなければなりません。そういうことで三円三銭の諮問ということは、この数年をごらんになれば、一円とか何十銭とかいうことでまいりまして、諮問としては最高の上げ幅の諮問をいたしたのであります。そういうことで、このことについて審議会は異例の論議を深夜まで続けてきめた。こういうことから「適切な値上げ」ということになりまして、私どもとしては、この三円三銭の上げ幅でまずわれわれが決断をするならば、この適切な値上げということで御了解が願えるのではないか。そしてこの審議会としては、今回第一に、「なお、これとあわせて基本的な酪農総合政策を講ずること。」ということと、建議の三つの事項というものをやらなければならないということで、1、3については今回の措置で盛り込んでおりまするが、私としてもし責められるとすれば、いまこの段階では「飼料価格安定のため所要の措置を講ずること。」というものがおもてに出ておりません。これをどのように答申どおりに具現するかという問題は残っておること、これは言うまでもございませんが、必ず皆さまの御了解のできるような施策を近くいたすつもりでございます。
○瀬野委員 四十八年度の畜産物政府支持価格は、すでに御存じのように、加工原料乳で保証価格が四十八円五十一銭、三円三銭の値上げ、基準取引価格が四十円四十九銭で二円七十一銭の値上げ、生産者補給金が八円二銭で九十五銭の値上げ、こういうふうになったわけですけれども、大臣はこれは最高の値上げをした、しかも適切な値上げとして了解していただきたいというけれども、酪農農民は、これは失礼な言い方だけれども、自民党の代議士の先生にはひとつ脱党してでも戦ってくれ、またわれわれはあくまでも抗議を申し込む、こういう強い憤りで、乳価決定後もまだ農民は残って、私たちのところへ土曜、日曜にもかかわらず陳情に見えるというようなことで、ほんとうに今回の答申の結果に対してはふんまんやる方ないものを持っているわけです。大臣は前回から見ると最高の値上げとおっしゃるけれども、情勢が違うわけですね、前といまでは。全然時代が違っておる。いわゆる飼料の値上げ、また物価、労賃の値上げというような異常な状態になっているわけです。その点は何回も論議したことでありまして、そういうことを踏まえて、酪農民がほんとうに危機に直面している、これを大臣として何とかして救っていくというあたたかい思いやりが審議の端々にも出たわけですけれども、それを裏切ったということでまことに残念であるわけです。 そこで、いまいろいろ大臣から言われましたけれども、それでは私この際あらためてお聞きしておきます。これは畜産局長にお尋ねしたいが、畜産局長から審議会の審議の内容について、もちろん委員とかこまかいことについては公開の席でこれを言うことは当然差し控えるべきであることはよくわかっていますが、その審議の過程において大幅な値上げが必要だという意見がかなり多かったというような意味のことが、先ほどの審議会の経過の報告の中にありました。もちろん中には政府案が最高であるという人もあったというように言われたことも報告を聞いたわけですけれども、この「適切な値上げを行なうこと。」こういうふうに答申が出ておる、その裏には、私は相当多数の委員が大幅な値上げが必要であると言っていられたと思う。その辺の内容について、もう少し詳しくここで報告を願いたい、こう思います。
○大河原(太)政府委員 お答え申し上げますが、先ほどるる大臣がお話し申し上げているのに尽きるわけでございまして、審議会の委員の皆さまには、酪農情勢の従来からと違った情勢という点については認識は相違はなかったわけでございますが、価格水準につきましては、政府の諮問というものは過去の諮問案としては最高であり、価格の水準としてはこの辺が適当であろうというような御意見を持つ方々もございましたし、また、ただいま先生がおっしゃったように、事態が違うから相当諮問案以上に引き上げることが適切だろうという議論をなされた方もございまして、それらの審議会の性格上、従来の運営からも、いずれにあれするかというような決をとるわけではございませんで、それぞれの代表なさいました起草の責任者の皆さんが深更にわたりまして御議論をいたしまして、この「適切な値上げ」ということに相なったわけでございます。
○瀬野委員 「適切な値上げ」という異例のこういった答申にもかかわらず、政府は原案どおりということで、いままでかつてない無謀な、いわば一方的な決定をしたということについては、これは将来のためにも禍根を残すことになりますし、一つの例をつくったということで、重大な問題として今後これをいかにして検討していくかということが残されております。十分今後われわれも検討していくことになりますけれども、ほんとうに残念な決定だった、かように申し上げる以外にないわけです。 そこで、先ほど大臣からも建議の問題で若干話がありましたが、123の建議が出ております。すなわち「酪農経営の健全な発展を図るため、経営の現状と実態に適合するよう適切な金融措置を講ずること。」これに対してはどういうようにこれを受けとめていかれますか。 また「飼料価格安定のため所要の措置を講ずること。」これが当面たいへんな問題になっております。古々米の払い下げ、あるいはまた政府操作飼料の払い下げ等もありますが、四−六月の手当てができても、そのあとがまた問題であるということも踏まえて、世界のいろいろな食糧危機等を思い合わせましたときに、これは問題であります。これに対してはどういうふうに受けとめて今後具体化していかれるのか。 三番目の「加工原料乳の市乳化を助長するとともに、飲用牛乳の流通合理化を促進すること。」これも今後たいへんな問題になるわけです。 これらについて、この建議を受けられて、大臣としてはどう対処していかれる決意であるか、ひとつこの機会にお伺いしておきたいと思います。
○櫻内国務大臣 建議の第一につきましては、御報告を申し上げましたように、酪農経営のための融資措置、すなわち相当高利の負債をかかえておられる酪農民の方に、自創資金によりまして金利五分、二十年償還の資金を百五十億円融資をしようと、こういうことでございます。 飼料価格安定のための所要の措置につきましては、これは国会でもしばしばお取り上げ願って、古々米や政府麦の払い下げについて思い切った価格措置をするようにということでございます。これについては近くその措置をとる、こういうことで全農の四月の値上げについてはしばらく見合わしてもらいたいということを要請いたしました。これを受けて全農としては一応価格引き上げを中止しておるという現状にあるわけで、近く所要の措置は講ずる考えでございます。 第三の加工原料乳の市乳化の助長については、先ほど畜産局長のほうから具体的にその施策の一部を申し上げた次第でございまするが、こまかくなりまするので、畜産局長よりさらに御説明を申し上げさせます。
○大河原(太)政府委員 簡潔にお答え申し上げます。 市乳化促進につきましては、現在も、先ほど美濃先住の御質問にございましたが、北海道における濃縮乳のモデルプラント工場等は市乳化促進の一つのタイプでございます。さらに畜産振興事業団から、乳業のリース会社という法人がございまして、これに出資をして、コンテナとかタンクローリー、こういうものの施設を備えさせまして、これは主として内地でございますが、内地の岩手、福島等の——東京市乳圏をとりますと岩手等の地域から市乳化を促進するというような措置をとっておるわけでございます。それらについて一そうこれを進める。 なお、飲用乳の流通合理化については、最も基本的な問題でございまして、ワンウエイ容器の普及、促進、これについて今後適切な措置をとっていくということが、われわれのこの建議にこたえる方向であるというふうに思っております。
○瀬野委員 最後にもう一点お伺いしておきますが、またいずれ近い将来の委員会において一般質問のときにいろいろ審議をすることにしたいと思いますので、大臣の御見解を承っておきたいと思う。 保証価格とは別に、今回四十億円のいわゆる酪農経営改善のための補助金、それから北海道酪農民の負債整理のための低利融資ワク百五十億円を出すことになっておりますが、現在の酪農民の意見または団体等の意見をお聞きしましても、このような従来の乳価政策ではこれらの資金を十分に活用する者はいない、ほんとうに借金に追われてたいへんである、おそらくこれらの資金を利用する者はもうわずかであろう。それよりもむしろ、いわゆる基本は価格を決定してもらうことである、そのほうが先なんだということを強く叫んでおられるわけなんですが、こういったことについては大臣としては、この四十億円、それから百五十億円の融資についてどういうふうに見通しておられるのか、またどういうふうに分析しておられるか、見解を承っておきたいのであります。
○櫻内国務大臣 加工原料乳を扱っておる酪農農民の方々の中心は何といっても北海道でございます。この北海道の酪農されておられる方々にこたえる上に百五十億円の融資措置を講ずると、これはいまの御質問のようなことではない、相当な利用者があり、効果があると私は思うのです。それは先ほども御説明の中で申し上げましたが、大体の実態が、現在九分の利息の資金を使っておられる。それが五分ということになれば、これはそれに当然借りかえていかれるという情勢になるのは、これは常識的に判断のできることではないか、こう思います。 四十億の具体的措置は、これから詰めるのでございまして、その検討はどうかということでございますれば、局長のほうから御説明を申し上げさせます。
○大河原(太)政府委員 お答え申し上げます。 先ほどもしばしば答弁中お答え申し上げましたとおり、四十二、三年度の措置に準じて行なうということでございまして、ただいま酪農農家の最も要望しております育成牛、素牛の育成資金の低利融資の利子補給あるいは乳牛導入事業、これは稲転地帯にだけ一般会計では限られておりますが、これらを規模拡大したりあるいは多頭数飼育農家に対してその要請が非常に強いということで、これに対する助成を行なうというような点、その他バルククーラーその他最近における末端の御要請の非常に強いものをメニューといたしまして、地域の実情に応じた特殊的な要求もこれ配慮してきめるのが筋だと思いまして、ただいま財政当局と内容を検討中でございます。
○瀬野委員 以上で質問を終わるわけですが、いま局長からも答弁がありましたように、四十億については、育成牛の低利の助成または乳牛の導入事業の助成とか、いろいろお考えのようでありますけれども、先ほどから言いましたように、現在の低乳価では、基本の価格がこういう決定では意欲が出ないといって、今回の答申後も北海道または九州の酪農民の農家の方たちがおこっておる。ほんとうに蒼白な顔で今回異様なまでにも興奮してこの価格を見守っておったわけです。そういうことから、おそらくこんな金、出ても意欲は起きない、借りる意欲も起きない、こういったことを言っておりました。百五十億については希望が若干あろうかと思いますけれども、四十億については全くそういう金ではどうにもならないんじゃないかという、こういうように憤激をしておったわけです。そういう点もよく大臣も耳に入れていただいて、今回の、いままで前例のない価格決定、いわゆる答申無視の決定、こういうふうにわれわれあえて言っておりますが、こういうことが今後酪農家にたいへんな影響を及ぼす、そのために生産が低下してもこれは一方的に政府の責任である、こう農民は叫んでいるわけです。 いろいろ申し上げたいこともありますが、十分にこういう点を踏まえて、今後また、これは問題を残すわけでありますので、今後酪農民を守るためにひとつ十分な当局の検討と、また大臣に今後のいわゆる農家に対する心あたたかい政治を、行政をやっていただくようにお願いしなければならぬ、こういうことを私は強く要求して、また派生したいろいろな問題等については、たとえば四十億の問題が、はたしてこれは一般会計からあるいはまた法律に適応しているのかどうか、いろいろな問題等も若干疑義があるわけですけれども、それを踏まえて次回の一般質問等でまた論議をすることにしまして、本日は時間が参りましたので、一応質問を終わることにいたします。
○佐々木委員長 次回は明四日、水曜日、委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時五分散会