内閣委員会 第26号
- 発言数
- 235 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1973/06/05
会議録
○三原委員長 これより会議を開きます。 国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大出俊君。
○大出委員 災害補償法の問題、数々と中身がございますが、前国会でこの災害補償法改正問題が出ましたときに、実は、銀座の町かどで車にぶつかってぽっくり死んだ人がいる、人事院の中庭でぽっかり死んだ人がいた場合に、もらう金はどうなんだという質問をしたことがある。たとえば通産省なり人事院なりという官庁でぽっかり死んだ、これは実はもらう金のたいへんな相違になる、結果的に。それは一つは公務員の賃金の絶対額が少な過ぎるのだということを言ったのですけれども、そういう意味で、災害補償法、これもっと詰めねばいけませんが、やはりどうも、かくのごときインフレ高進きわまりないこの段階でございまして、ことしの賃金というのは、よほど早くものごとの処理をしていただきませんと、三月期における東京都の消費者物価上昇率は異常でございまして、前年対比何と九%であります。これは総理府の統計局の調査でありますから。四月期どのくらいになるかと思って注目しておりましたら、一〇・六%。ところが五月期はと思っておりましたら、一一・六という。このテンポで消費者物価が上がったのじゃ、ちっとやそっと公務員が金をもらったって焼け石に水、三文の価値もないということになる。私は非常にその点、国家公務員災害補償法で何をきめたって、災害というのは先にいくんでしょうから、そうなると、これまた、きわめて異常な消費者物価の上昇の中で、焼け石に水的なことになりかねぬという気がする。 そういう意味で冒頭に、民間の組合その他公労協等含めました春闘の結果に基づいて、どう一体今年度の公務員の賃金を考えていけばよろしいのかという点、私ども非常に大きな責任を感じている一人でございます。という意味で、総務長官にまず承りたいのでございますが、総務長官は、公務員の職員の賃金の問題につきまして、今年四月十四日のいわゆる三大臣交渉といわれるもの、ここでお答えになっておられますね。この三大臣交渉の中で、特に公務員賃金について大体どういうふうにお答えになりましたのか、あらためて直接ひとつ私、承っておきたいのであります。いかがでございましょう。
○坪川国務大臣 公務員の給与につきましては、政府といたしましても、また給与担当の私といたしましても、やはり公務員の立場から、また現在の物価高あるいは民間給与の状況等も勘案いたしまして、最善の配慮を経済的にいたすべきである、経済上の配慮を最大にいたしたいという立場で、過般の春闘におけるところの折衝の場合にも、それを一つの中心課題として話し合いの場を持ったようなわけでございますので、これから人事院におかれまして、これらに対して適切なる調査をされておることを期待もいたし、かくあること信じてもおります。したがいまして、人事院から答申が出た場合には、これを全面的にそんたくいたしまして、政府といたしては十分な配慮をいたす形であることをはっきり申し上げておきたい、こう思います。
○大出委員 いまの御発言は、民間の賃金等に見合う、そういう立場で経済的な配慮を最大限にいたしたい、こういう趣旨の御発言でございますが、このときは、当時の記録がここにあるのでありますが、もう一つ、総務長官は公労協を取り上げておられるわけでありまして、ちょうどあのときは、民間、公労協の舞台が、中労委、公労委と違いますけれども、当時並行的に進んでおりましたが、いまそこにお触れになりませんが、公労協賃金というのは、歴年、人事院総裁のなかなか含蓄のある御答弁がありますけれども、結論的にやはり身分法としての公務員法というものが存在する組織がございますから、また官庁という意味では公務員というのは公労協と非常に近い立場にある、そういう意味でひとつもう一ぺんお答え願いたいのですが、民間、公労協の賃金に見合った適正な改善が行なわれることを期待している、こういう趣旨の御答弁がございまして、その前置きに、経済現象をながめてみて、この時期になれば経済的な配慮が非常に重要であろう、こういう趣旨でお答えになっておると思うのであります。もう一ぺん念のために承りますが、民間、公労協の賃金に見合う適正な改善が行なわれることを期待したい、こういう趣旨の御発言がございました。お認めになられますか。
○坪川国務大臣 いま御指摘になりましたような立場、またそうした気持ちを持って民間、公労協の給与の改善がなさるべきである、また期待もいたしたい、こう申し上げたことは事実でございます。
○大出委員 多少の言い回しはかまいませんですが、これは四月十四日の三大臣交渉の席上でございまして、大かたたくさんの人がおりましたから記録をとっておりますので、民間、公労協の賃金に見合った適正な改善が行なわれることを公務員に対して期待したい。もちろんこれは人事院が、他の干渉によらず独自な立場で官民比較をおやりになり、勧告をお出しになるわけでございますが、そういうふうに理解をしてよろしいですね。
○坪川国務大臣 はい。
○大出委員 そういうことでございますから……。 そこで、もう一つ承りたいのですが、ここでいま長官がお認めになりましたような、民間、公労協のこの春における賃金改定に見合った適正な改善が行なわれることを期待したい、こうお述べになっておりますが、そうすると、四月二十七日の公労委から示された公労協の引き上げ率、これ、大体どのくらいにしぼって、どのくらいに見ておられますですか。
○坪川国務大臣 私はその時点での判断では、まあ適切といいますか、という気持ちで何したわけでございます。
○大出委員 まあまあ今日の経済情勢から見て適切なところであろう、こういう御認識をお持ちになった、こういうわけでございますね。となりますと、公労委から示されました公労協の賃上げ率はおおむね一四・七四%、これが計算の結果で、たいへんこまかい計算をいたしておりますが、おおむね各方面意見の一致しているところでございまして、集計いたしますと、まん中のワクに入っておりますのが一四・七四になる、こういう数字。各官庁ございますけれども、こういうわけであります。加重平均等いたしてまいりますと、一四・七四くらいになる、こういうことになると思うのであります。 そうしますと、ここから先は専門的にわたり過ぎますので、総理府の人事局長さんに承りたいのでありますが、旧来の人事院勧告をめぐる公務員の引き上げ額あるいは率、そういうものと公労協の側のとを比較してみますと、大体〇・一%ぐらいちょっと人事院のほうが上回っている。これは歴史的にそういうことが言えると思うのでありますが、したがいまして、そこらのことを少し考えてみますと、一%まではいかぬと思いますけれども、ときによって違っておりましたが、まあ欲をいえば一%近い差が、公労協と公務員の間には、人事院勧告を介在させてあったわけであります。そうすると一四・七四というのは、公務員にこれを振りかえてみますと、おおむね一四・八ぐらいのことになる。これは別に人事院勧告がどうのというのじゃないので、さっき総務長官がおっしゃった、つまりいまの経済状態から見て適正なものだというふうに公労協に対する公労委の仲裁裁定をお考えになるなら、それを公務員に引き直しますと、一四・七四が大体一四・八ぐらいのところにおさまるのではないか。これは計算上そういうことになるんじゃないかということでございますが、人事局長、この辺どういうふうにお考えになりますか。
○皆川政府委員 いま数字を手元に持っておりませんので、正確なことは申し上げられませんが、大体、最近の傾向では、いまお話のございましたように、若干一般職の勧告のほうが高いということに結果的にはなっておるようでございます。その幅も年によってかなり違いますけれども、また公労協のほうが高かったことも若干はあったかと思います。いずれにしましても、過去の実際の例から見ますとそういう形になっておりますが、御案内のように、これは公労協の水準を基礎にして勧告なさるわけじゃございませんので、結果的にどうなりますか、これは人事院の公平な民間給与調査から数字が出てくるものであろう、こういうふうに考えております。
○大出委員 もちろん、私がいまここで申し上げているのは、せっかく本年は、使用者としての政府という意味で総務長官が前面にお立ちになって、公務員共闘その他の方々と話し合いをされている。私はこれは、労使関係を正常に維持する意味ではたいへん大事なことだと思っているので、そこから引き出されてまいりましたものを概括的に取り上げてみると、いま言った経過であり、私も長年やっておりますので、公労協、また人事院勧告との間のいろいろな数字を知っておりますから、それでいま、〇・一%くらいのときもあった、だが概括的にいえば一%足らずの差を持っているという傾向になる、その点はお認めになったようでありますが、ただ基本となるべきものは、制度上、当然、人事院の独自な御見解、独自な判断、独自な手法を持って勧告をお出しになる、こういう趣旨である、そのとおりだと私は思っているわけでありまして、その前段の、つまりこれは労使間のやりとりでありますから、そこをあらためて聞かしておいていただきたい、こういうことで申し上げたわけであります。 そこで、人事院総裁に承りたいのでありますが、独自な御判断でおやりになるわけでありますけれども、このことしの経過をごらんになりまして、旧来に比べてたいへん高いところに数字が落ちついている、ことしの春闘と申しますのは。だがしかし、それにはそれなりの理由があるはずでございまして、物価の急騰等を含む周囲の経済的な条件というものがそうさせたんだと私は思うわけであります。そこらを踏まえて、ことしの賃金傾向というものを総裁はどういうふうに判断をなさっているか。もちろん独自な御見解でけっこうでありますが、承りたいのであります。
○佐藤(達)政府委員 先ほどのおことばにありますように、私どもは独自な手法、独自な判断によって適正な勧告を申し上げる立場にございます。その独自な手法の一つは、御承知の民間給与調査、大規模な給与調査、これを基礎にして勧告を行なうわけであります。 いまお話にありましたように、周辺の事情というものは、これは新聞を見ておっても、何を見ておっても、よくわかるわけであります。給与関係は、ことしの場合においては、相当目ざましい上がりを示しておるということも事実であります。私どもの調査がそれに反するような結果が出れば、むしろ調査のほうがおかしいではないかということです。それが常識的なものでありますから。これは例の私どもの勘と実績とを比べてみますと、大体一般の相場に反するような結果は出ておらぬ。したがってわがほうの調査は、まことに正確な権威のあるものだという気持ちでおるわけであります。大体ことしの場合は御想像のようなことで、まさか去年より下がることは絶対にないということで、それで大体安心していられるようであります。
○大出委員 それにしては、総裁、私はどうもちょっとふに落ちないことがあります。それは、私ここに幾つか新聞を持っておりますが、かつて、人事院総裁の最近における言動についてなんという不遜な質問をしたことがありますが、どうも最近の言動がこれまたおもしろくない。これは公務員初の五けたベースアップかなんて記事がある。中身を読んでみると、どうやら二二%から一四%くらいにいくのじゃないかなんて、冗談じゃないですよ、あなた。二二%から勘定されたのじゃ迷惑しごくだ。これはどこの記事も同じように書いてあるから、私は人事院総裁が言ったのだと思うのですよ。あなたはいまぬけぬけと、人事院の調査というのは正確でとおっしゃる。民間が上がってきたという勘で、いまお隣の皆川人事局長がおっしゃっているように大体人事院が独自におやりになるのだが、まあ一四・八くらいのことにはなる。つまり理詰めで詰めていった人事院と切り離してありますから、片方のほうは。ところが総裁はしらばくれて、一三%から一四%なんてなことを言っていたのでは、これはちょっと人事院は、こんなにいい空気にあるのに、ばっさり上のほうをこぎっていくのではないかと心配です。しかも同じことが書いてあるのですよ。だれかがどこかで言わなければ、新聞社というのはみんな違うのですから、新聞社が違う限りは記者の方は違うのですから、言っていることは全部一緒になることはない。こういうことになると、これは人事院は予防線を張って一三から一四くらいだろうなんてなことでは、総裁、衛生上よくないですよ。
○佐藤(達)政府委員 これは四月二十五日の記者会見のときに、給与勧告の仕組みというものを詳細にわたって説明したことは事実でありまして、それから先、今度の上げ幅はどうなりますかということは、記者クラブの諸君も、もちろん口のかたいをもって天下に響いておる私のことでありますから、そういうやぼな質問をする人は一人もございません。そのかわり、クラブの皆さんはそのほうのベテランでございますから、大体自主的な独自の観測をなさって、そういう数字をお打ち出しになったのじゃないか。私もなるほどと思って、各種の記事を全部切り抜いて参考のために持っております。しかし、これは参考にはならないので、先ほども申し上げましたように、わがほうの民間調査の結果がものをいうわけです。真相はそういうことでございます。
○大出委員 それじゃ一三%が切れたわけでございまして、私も各種の記事を全部切り取ってみたけれども、実は参考にはならぬわけです。一三%なんて書いてあるのでは参考にはなりません。そうなると、総裁自身が参考にならぬ数字だと言うわけですから、一三%じゃない、つまり一四%をこえる、こういうことになる。総裁のいまのおことばでもそういうことでしょう。
○佐藤(達)政府委員 そういうことをお答えしますと、あしたの新聞に、一四%をこえることは絶対に確実だと言明したというふうに出まして、非常に不確定な情報をまた流すことになりますので、その辺は慎みたいと思いますけれども、相当いい線をいくだろう。いつも私はいい線ということばで包括的にお答え申し上げておりますけれども、そのくらいの期待を持っておりませんと、これはわれわれとしてもたくさんの問題をかかえておりますから困るのです。そういう気持ちでおります。
○大出委員 つまり、一三から一四と書いてあるのは参考にならぬと総裁がおっしゃったのだから、そういう数字が出ることはない。長年の経験に基づいた人事院の官民の比較というものはきわめて正確なものである、また長年の経験に基づいた勘というものもきわめて正確になっているとさっきおっしゃいましたね。だから、民間の上昇の度合い、あるいは公労協の上昇の度合い、これをながめて、ことしはいい線にいくとあなたはお答えになった。ところで、一三から一四というのは人事院が流したのじゃないかと申し上げたら、私も切り取ってみたけれども、中の数字からいってたいして参考にならぬという。いまずばり一四%以上ではないかと言ったら、一四%以上と流れるとこれはぐあいが悪いとおっしゃる。しかしいい線いくでしょう、と、こういうわけですから、一四%以上と言い切らぬけれども、まあこれはいい線だというのだから、一三%というのは参考にならぬと言っているのだから、そうすると、言い切れぬけれども、一四%以上くらいのところ、いい線だろうということでよろしゅうございますね。――口をきかないで首を大きく縦に二回お振りになりましたから。しかし、人事院総裁は口で言うと舌禍事件が起こるので、腹のうちを首を縦に二回振って表現をした、こういうことですね。よろしゅうございますね。
○佐藤(達)政府委員 半分斜めに振りましたから……。
○大出委員 まあ大体総裁の勘というのが、これから具体的調査をお進めになるのですから、黙ってすわればぴたりと当たるのも総裁ですけれども、そこまで言っちゃぐあいが悪いということで二回首を縦に振ったが、ことばで言えば、少し首を曲げておいたということでございまして、大体いい線だと思いますから、どうかひとつ、経済情勢あるいは物価上昇等の昨今の事情をながめまして、あまりといえば急激でございまして、家庭の主婦の立場の皆さん方、公務員の皆さんの御家庭の方々も、たいへんにことしの勧告は期待するところ大であろうと私は思います。いまから勧告が出るのはいつかわかりませんけれども、その間にまた総理府統計局調査というのはまだ上がる。財界でも破局的なインフレ傾向を非常に悩んでいるという記事がけさの新聞に載っておりましたが、実はもう財界もそこまで隠さずにそう言うようになっております。どうかひとつ、そういう時期に見合う、公務員の皆さんが安心できる勧告をおまとめいただけるようにお願いを申し上げておきたいのであります。 そこで、一つ非常に大きな問題は、つまり勧告の時期と処理のしかた、それから中身の配分という問題なんですけれども、いまの時期に配分の問題まで触れることは避けたいと思います。ここに私の計算もございますが、昨年はいまごろの時期に全部申し上げたことがありまして、そう違っておりませんでしたが、避けたいと思います。 そこで、時期について伺いたいのございますが、私は一つ希望があります。山中さんがかつて総務長官のときに、五月実施を勧告するにせよ、四月実施を勧告するにせよ、それが十二月ぎりぎりの臨時国会なんということになると、その間四月から十二月まで九カ月もたなざらしにしておく、九カ月間の物価の上昇というものはじゃどうしてくれるのか。利子を払って差額をくれるのではあるまい、限界価値計算をして貨幣価値の損耗に見合うものをプラスアルファでくれるわけではあるすい。だとすれば、価値のあるときに支給できないということは、これはやはり政府の責任ではないのか。だから、そういう意味で総務長官どうかと言ったら、たとえば臨時国会がいま開かれればいまでも、あるいは来月開かれればそのときでも、つまり勧告さえ出れば法は間に合わせて出したいのだと、ずいぶん率直な山中さんの御答弁でございました。また御本人が真剣にそう考えて臨時国会の時期なんかも非常に心配されたようでございます。 私は、たまたま幸か不幸か、六十五日も会期が延長になって、七月の二十四日まで会期があるのでございますから、人事院の方が、肉体的な条件を含めて御苦労なさることはたいへん遺憾なことでございますが、しかし、人事院が所管するあまたの公務員の皆さんのために、またそれが基準となって準ずる地方公務員の皆さん方のために、でき得れば、これは何とかこの国会の幕切れあたりまでに間に合わせ得るならば間に合わしてあげたいという気がする。だから、八月の十何日かに勧告をなさるものを、できれば七月の初めにでも勧告願えるならば、何とか各党全力をあげて協力をして、ほかのことはともかくとして、公務員の皆さんについては通すものは通すということができないことはないと私は実は思っている。一にかかって、人事院の皆さんの作業の実態と、それにかかわる個々人の方々の肉体的な御苦労と、そこらを判断される総裁のお立場、こういうことになるわけでございまして、できれば、私はこの際、かくのごとく急激な物価上昇という中でございますから、それをまた延々半年余にわたってほっとくわけにまいらぬと思いますので、できればそこらの御見解を聞かしておいていただきたいと思うのでございます。
○佐藤(達)政府委員 かねがね申し上げておったと思いますけれども、私どもの立場だけからの率直な考えとしては、とにかく重大な給与勧告でございますからして、勧告が出たら、給与勧告国会というような臨時国会をすぐ開いていただいて、そしてそれを二、三日ででも上げていただくということが本来望ましい姿ではないかというようなことを、かってなことかもしれませんけれども、われわれとしては真剣にそういう希望を持ってきておるわけであります。しかし去年は、わりあいに早く臨時国会を開いていただいてまあまあと思いましたけれども、なかなかそう思うとおりにいかないので、したがっていまのお話のようなことになる。ことしはたまたま七月に入って会期が続く。それで、給与局長あたりにはひそかに、何とかお座敷を開いている間にいかぬものだろうかということを、まあ半分は雑談でありますけれども、延長がきまりましたときに実は話し合ったことがあります。 ただ、従来のあれを申し上げますと、御承知のとおりに、民間調査の集計が完全にできますのが七月の末ぎりぎりになってからで、それから作業を急ぎに急いで八月の半ばには勧告を申し上げるというたてまえ、またその順序になっておりますために、この集計の仕事は、実は統計局その他に御迷惑をかけて、それも最新鋭の機械器具を使ってのことで、短縮しようにもそう極端なことはできないということが一つのネックになっているのですけれども、しかし気持ちは、いまおっしゃるとおりの気持ちを実は私、持っている。おそらく給与局長に答えてもらえば、とてもむずかしい話だということを申し上げるだろうと思いますけれども、そういう気持ちを持ちながら、何とか方法はないものかということはひそかにまだ考えておるようなことでございます。
○大出委員 私も実はずいぶん深刻にこれを考えまして、ことしの政治情勢と申しますか、私ども微力でございますが、やっている一人といたしまして、この国会が終わったあとの、つまり総理の外遊予定その他ずっと考えてまいりますと、こういう荒れ方といいますか、こういう性格の国会になりましたので、しからばすぐ臨時国会が開けるか。なかなかそういうわけにもまいらぬ。拙速では、臨時国会を開いて政治的にいまの政府が何をお考えになっても、そう簡単にはいかない。まして途中に東京都議選なんかも入ってまいります。そういうことを考えると、案外予測としては臨時国会をおくれるかもしれぬという気が実はする。来年の参議院選挙もありますから不用意な開き方はできない。不用意な開き方をしてものをかければ、これは政治的な余波が大きいことはだれにもわかる。だから、そうなりますと、そう簡単にすぐあと臨時国会を開けるという見込みは不可能ではないかという気がする。だとすれば、七月二十四日まであるのですから、何とかこの間の処理をしなければならぬ。私も実はずいぶん個人的に考えておりまして、知らぬわけではございません、長いおつき合いでございますから。 さて、人事院の段取り、総理府の段取りというものは一体どうなるのか。コンピューターを入れてやっておられますけれども、それだけにまた、やりにくい面もあるようでございます。しかし何とかここらを、皆川さんもおいでになりますが、尾崎さんのところと皆川さんのところと両方でこれを御相談いただいて、つまり作業手順、道筋を何とかひとつ能率的にということを御勘案いただいて、でき得れば、私は欲を言えば六月のぎりぎりの末ぐらいに、おくれても七月の初めぐらいに、それもぐあいが悪いというならばおおむね七月の中ごろにというようなことで出れば、政府はすぐ態度をきめられると思います。いままでの懸案である四月か五月かということがあるわけじゃございませんし、そうすると、あとは国会の中の扱いになりますが、そこらはあらかじめ、事、公務員の給与であり、悪い意味でいえば勝負はついている。つまり民間、公労協の数字が出ているわけですから。それで、ことしは春闘が意外に早く決着をいたしておりますから、積み残しと称する部分は非常に少ない。賃金台帳の載り方まで調べておりますが、非常に早い。だから、例年のような積み残し調査にたいへんな労力を使うという面は、多分に軽減されているのではないかという気がする。だから、そこらまで御勘案をいただいて、何とかひとつそういうことにしていただけるならば、そこらに合わせて私どものほうも、各党おのおの国対を通じて、人事院勧告の出る時期は七月の初めだぞ、あるいは七月の十日ごろだぞというふうなところを押えて、そのかわり法律で出てきたら、中心点は幾つかあろうけれども、何としてもこれは通すという各党のコンセンサスをいただければ、これはやってできないことではない、そういうふうに思いますので、どうかひとつそこのところは、くどいようですけれども、手順、道筋について少しお話しいただいて、われわれもそれなりの対応をしたいと思いますので、できればもう一言、手順、道筋は一体、総理府のほうと人事院のほうとで、尾崎さんのところを含めて、どんなことになっていくのか、お考えを聞かせていただきたいのです。
○佐藤(達)政府委員 先ほどのような気持ちをもって雑談程度で給与局長と話し合ったことはございますけれども、まだしかし、とことんまで詰めた研究はしておりません。いまのおことばもございますし、われわれとしても、何か方法はないか、ひとつ真剣に検討してみたいと思っております。
○大出委員 総務長官に承っておきたいのですが、いまここでるる申し上げましたように、ことしは異常な消費者物価の上昇を迎えておって、これは数字が出た結果でございますが、三月期、四月期、五月期という東京都の消費者物価上昇なども、やれ九%、一〇・六、一一・幾つという上がり方でございます。だから、三カ月間ながめてみても、前年対比で相当な上昇率を続けているわけであります。だから、八月に勧告が出た、十二月まで臨時国会がよしんば開けぬとすると、四月遡及でございますから、八カ月にわたるたいへんなズレを生ずる、こういう結果になります。わずか三カ月で前年対比の上昇率がかくのごとく巨大でございますから、差額が出るころになったら、物価上昇でどうにもならぬことになる。せっかくの人事院の御努力も何割か減殺される。これではならぬ、こう思うのでございます。 だから、その意味では、人事院に御努力をいただいて、勧告をできれば六月ぎりぎりなり七月のごく初めなりにお出しをいただく。その際一番最後に残るのは、人事院が官民比較をおやりになった調査諸表その他を総理府に持ち込む、統計局がこれをコンピューター処理なさる、そこらの問題がひっかかってまいります。だから、そこのところを総務長官の御配慮で何とかいまからひとつおぜん立てをしていただいて、早急にその処理が技術的に進めていけるように、そういう結果が得られれば、この国会の会期中に法案にしてお出しをいただく。四月、五月の実施月の争いがあるわけでもございませんから、私は当然この国会で、そう長い日時はもちろんかからない、すぐ決着がつく。そうすれば、この国会の幕切れに公務員の皆さんに決着をつけて差し上げることができる。 さらにまだ問題がある。地方議会の状況を、これは総裁、ながめてみますと、地方公務員は地方人事委員会の勧告がまず必要です。その上で処理をする。私、長らくやっておりまして、調べております限りでいえば、地方はおおむね九月議会なんです。これは予算議会になりましょう。あとは地方議会というのは十二月なんですよ。そうすると、地方の自治体の議会が十二月ですから、九月議会をはずしてしまうと、これはとてもじゃないが、にっちもさっちもいかないことになるから、七月勧告をしていただけるとすれば、八月中に地方人事委員会の勧告は出てしまう。これは八月中にちゃんと出せます。私もいろいろ連絡をとっておりますが。そうすると、大体この九月議会に間に合うことになる。年を越して、やれ二月だ、三月だというのが地方公務員の先例でございますが、あまりといえばこれは気の毒でございます。 だから、そこらも含めて、ひとつぜひ人事院の皆さんの御努力で、何としても七月、早い時期に勧告をお願いをできないかということなんですが、総務長官、ひとつそこのところを政治力をお含みをいただいて、個々の方々にたいへんな過重な御労力をお願いをすることになりますけれども、よし、そこは前向きでやろうという御決意を持っていただきたいのでございますけれども、いかがでございますか。
○坪川国務大臣 先ほどからの大出議員の、公務員の方々の立場を思うときに、いまの物価上昇のテンポ、率その他を考えてなるべく早くという御指摘は、私も心情的には全く同じ気持ちでございます。 ただ、いま佐藤総裁もおっしゃったように、よりよき線を出すのには、いろいろと正確な結論を得、またよりよき線に近い結論を出したいという誠意のあるお気持ちで取り組んでおられることを思うときに、そのよりよき線を出すのにはいろいろの作業上の問題がある。これにはやはり物理的にといいますか、そうした作業を、結論を急ぐことはちっとも差しつかえはないし、そんな方針であることは当然であるけれども、そうした事務的な正確な線を出すのに用意がないものもある。しかし、コンピューターをもっていろいろと作業と調査を進めたいというお気持ちがそのまま出ておる答弁を聞くにつけましても、私は、そうした立場もやはりそんたくをしておるわけでございますが、いずれにいたしましても、期待をいたし、そしてその答申がなされた場合に、もとの山中総務長官が意見として述べられたと同じ気持ちをもって、私はこれに対する態度をまた申し上げてきめたい、御相談させていただきたい。いまから前もって私が、延長国会のあり方、あるいは臨時国会の召集というようなことは、私ども行政府の責任者としては遠慮せなきゃならぬ、慎まなきゃならぬと思いますので、その点について触れますことはひとつお許し願いたいが、心情的には、いま大出議員が御指摘、御要望になった点を十分踏まえて、これに対処してまいりたいということで御了解願いたい、こう思います。
○大出委員 経済情勢その他を踏まえて、かつ民間、公労協等の決着がついているということを踏まえて、それもことしの春闘は非常に早く決着がついておりますから、春闘の積み残しなどを調べるのにずいぶんいつも時間をかけておられますが、そこらもことしはだいぶ軽い面もある。したがって、勧告を早める、そして独自な御見解でお出しになる勧告でございますけれども、出れば事務的な処理を急いでいただいて、この会期に何とか間に合わしていただきたいというのが私の気持ちなんですが、そこは同じ気持ちにお立ちになる、こういういまの御答弁で、したがって、いまここで確と言い切るわけにまいらぬけれども、心情的には十分わかるからその方向で検討もし努力もしてみる、こういう御発言だと受け取りたいのですが、よろしゅうございますか。
○坪川国務大臣 そのとおりでございます。
○大出委員 それでは、ひとつ尾崎さん、たいへんでございますが、何とか前向きで御努力をいただきたいのですが、いかがでございますか、一言……。
○尾崎政府委員 現在調査中でございまして、この調査はたいへん精密に行ないまして、その精密さによって信頼を得ているという状況でありますことは、御承知のとおりでございます。そのためには、いろいろ集計の段階、あるいはその処理という形で従来なるべく詰めるところは詰めてまいっておるわけでございますけれども、ことしは、御指摘のようなお話につきまして、職員団体の方々からもいろいろ伺っております。総裁からも、何かそういうことにこたえる道はないかというようなお話で、私どもとしましては、作業上の精密さを維持して、そしてなおかつ、いまのようなお話にこたえる道はないものかということでいろいろ検討、苦慮しているところでございます。
○大出委員 本年は公務員の皆さんに対して、一四%以上の高額勧告か、しかもこれは今国会中に間に合うかもしれない、そういう御努力をいただけるというようなぐあいで、公務員の皆さんが、ことしはたいへんな異常な物価の上昇もあるので何とか早くもらえるかもしれないという、そういう気持ちになれるように、ひとつこれはぜひ御努力をいただきたいわけでございまして、それだけ申し上げまして次の問題に移らしていただきたいのでありますが、どうかいまの点は、ずいぶん地方からも私のところに手紙が参りましたり、電話で頼まれましたり、ことしはこんなに物価が上がるので何とかひとつ会期中に、というようなことがございますから、くどいようでございますが、お願いをしておきたいわけでございます。 それから、もう一つ人事院に承りたいのですが、週休二日という問題、これはことしの勧告でもどこかにあらわれてこなければならぬ筋合いでございまして、この間、私ちょっと触れさせていただきましたが、昨年はどうも、少し私どもからすると不納得な表現の触れ方でございました。だが、ことし人事院の側でいろいろお調べになっておるようでございますから、人事院調査ということで人事院が調査なさったのは、どういうふうに調査をおやりになり、結果的にどういうことになっているのか、まずもって人事院のほうからお知らせをいただきたいのでございます。
○中村(博)政府委員 人事院のほうで調査いたしましたのは昨年の十月でございます。そこで、これは勤務条件全般についての調査でございますが、その調査を一昨年の八月現在の調査と比較いたしてみますと、何らかの形で週休二日制をとっておる企業、これは一昨年八月の調査では一二・七%でございましたが、昨年の十月では二一・九%というふうになってございます。そのように相当程度の普及度の向上というかっこうになってございます。しからば、そのように何らかの形で週休二日制を実施しておるものの中でどの型が多いかということを申し上げますと、まず基本的に完全週休二日制をとっておるのは総体の二%でございます。それは四十六年の調査では〇・八でございましたが、これもある程度の伸長をしてございます。それから、何らかの形で週休二日制をとっておりますのはいま申し上げましたとおりでございますが、なおそのほかにも、週休一日半とか週休一日制というのは相当残ってございます。それから二日制を実施しておるものの中で、いま申し上げましたように、完全週休二日制をとっておるのは総体の二%でございますけれども、月一回から始まりまして二回、三回、それから完全と、この分布を見てみますと、二日制を実施しているものの中で完全は九・三、月三日が一・二、月二回というのが三六・八、月一回が約五〇、こういう姿になってございます。
○大出委員 昨年は勧告の中にどういうふうに週休二日をお入れになりましたか。人事院何とおっしゃいましたかな、昨年は。
○尾崎政府委員 給与報告の一番最後におきまして、「さらに、本年、給与の調査と関連して、民間における勤務時間および週休制度の実態を調査したところ、これらの勤務条件については、官民の間に見るべき差異のないことが明らかとなった。しかし、本院としては、これらの問題について、今後の情勢の推移にも留意しつつ、なお検討を続ける必要があると考える」ということを付言してございます。
○大出委員 実はここにも、これは新聞でございますが、人事院の昨年の勧告が引用してございます、いまおっしゃられましたように。どうもこれは気の抜けたようなことになっているわけですがね。私はこの前、そんな情勢ではないではないか、たいへんなテンポで進んでいるのではないかと申し上げた。いまのお話でも、一昨年の六月一二・七が昨年十月二一・九と、こういうわけですから、たいへんなテンポでこれは進んでいるわけですよ。職種別あるいは企業の規模別に見たときに、人事院調査が新聞に出ておりますが、中身に確かに問題は幾つもあります。だがしかし、これじゃ、とてもとてもというようなものではない。 ここで私は一つ注文がございますが、人事院調査の結果を資料としていただけませんでしょうか。いかがでございますか。
○中村(博)政府委員 御提出いたします。
○大出委員 これは前に、私、労働省の、つい最近のものがございませんでしたから前のものを取り上げて、特に品川の周辺の中小企業等を含めましての労働省調査まで触れて申し上げたのですが、ここでも非常な進行ぶりを見せているわけであります。 ここに幾つか資料がございまして、通産省がおとりになった調査の概要、「週休二日制に関する実態調査報告」。それからごく新しいところで、労働省がおまとめになったものがございます。「昭和四十七年労働時間制度調査結果の概要について」、これは労働時間制度、つまり時短その他を含めて調査しております。しかも週休二日制問題を労働省なりに相当おとりになっている。そこでこの際、これは労働省の新しい調査でございますから、この概略のところを労働省の側から、ぜひひとつこの席でお述べおきいただきたいのですが……。
○廣政説明員 昨年の九月の調査いたしましたものを発表いたしておるわけでございますが、それによりますと、全体では、企業数で一三・二%、労働者数でまいりまして三五・九%の労働者、これが何らかの形で週休二日制の適用を受けております。ただ、規模別にこれをながめてみますと、千人以上規模の場合で一三・二に当たるものが五二・〇、三五・九に当たりますものが六二・六%、それから百人から九百九十九人規模で企業数で二一・一%、労働者数で二四・三%、三十人から九十九人で企業数で八・八%、労働者数で九・六%、概要そのような状況でございます。
○大出委員 この千人以上規模というところでは過半数にいっている。つまり、いまの電機産業その他ながめてみてもそうでございますが、どんどんその方向に進行している。さらに、この労働省調査の中を見ましても、この調査時点ではやっていないが、いま話の俎上にのぼっている、近い将来やりたい、あるいはその方向で検討しているなんというのがずいぶんある、この中身というのは。つまり、いまそれが俎上にのって、来年からやりたいとか、近い将来やりたいとか、あるいはその方向で検討しているとか、これはたくさんあるのですね。そこらの傾向を、せっかくお見えいただきましたので、あわせてひとつ。私これをさらっと読ませていただきましたが、当事者の労働省ではございませんので、おたくのほうで概括的に、そういうところが非常に多いのですけれども、どんな傾向を持っているかという全体としての動きですな、ここのところをもう一言お答えいただきたい。
○廣政説明員 週休二日の問題につきましては、昨年九月はただいま申し上げましたようなことでございますが、今次春闘を控えましてかなりな進展を見たということは、まだ数字的には私どもつかんでおりませんが、言えるかと思います。たとえて申し上げますと、特に目立ちましたのが、繊維産業関係が、この七月から隔週週休二日を取り入れるという協定、協約になっております。それからさらに自動車関係、造船重機関係あるいは織物の問屋の関係が、ことしの四月からすでに東京、大阪、京都といったようなところで始めるというふうに聞いております。なお、私どもいろいろ各企業の動向調査ということで、その企業の推測を求めた形での調査をいたしておりますけれども、何ぶんにもこれは、ただやりたいという希望を表明したということでございまして、協約、協定でこのようにしよう、あるいは業者間で申し合わせてこのようにやろうという具体的なところまでのぼってきているというのは、ただいま申し上げましたような動向になっているかと存じます。
○大出委員 繊維であるとか、あるいは自動車、造船重機、織物問屋、それから最近顕著にふえてきているのは百貨店などというのがございます。ことしの春闘の前段交渉という形の中で百貨店などは、三越百貨店をはじめその方向に続々進んでおります。三越本店などの場合は、年間土曜日が五十日ございますが、そのうちの三十六日休みにするというような協定になったわけでございます。ですから急激にその方向に向いている。調査というものが実は全くズレだなという感じのするぐらいの進み方なんですね。ですから、これはことしの春闘を契機に、春闘の交渉の中でおおむねその方向がよかろうということになっている。こまかく人員の配置がいつも問題になるのですね。デパートなんかもそうなんですね。そういうふうなことで、つまりあとの人員の配置その他を固めなければというので、概略、春闘で週休二日制の方向をきめていますけれども、それをいまいろいろ詰めているところが多い、そういう状況でございますから、人事院がおとりになった昨年十月という時点とは非常に違っている急激な変化がある。ここらのところをおとらえにならぬで、いまの御答弁に出てまいりました一昨年の六月、昨年の十月という時点での人事院の調査でございますから。 これは一昨年の六月といいますと、労働組合の傾向を見てみますと、総評にしても、中立労連にしても、同盟にしてもそうでございますが、この各期の交渉のときに、夏期は夏期、年末は年末、春は春というときに、ほとんどいま週休二日制問題が出ているのですね。目標に入っている。その中で進行していますから、これは非常に大きな差が出てくる、こう私は思います。したがって五十年度などという間延びした――間延びというと、あなたはおこるけれども、そういうことは言わぬで、いまはやはり世の中はテンポが速いのですから。テンポがおそいのは明治の世代の人ばかりでございまして、最近の昭和の御代の方々は非常にテンポが速い。だから品川周辺の中小企業でも、明治は遠くなりにけりというのじゃないですよ、昭和の世代にぴしゃっと合わせぬと。明治は五%しかいない。われわれ大正デモクラシーが二五%欠けるのですから。残り七〇%以上は昭和の世代ですからね。この方々の顔色を見なければ企業はやっていけないのです。だからどんどんふえるのです。五十年なんという人が笑うようなことを言わぬで、やはりいまは四十八年ですから。このところはやはり、一カ月に一ぺんとか、あるいは隔週とか、いろいろなとり方はございましょう。ございましょうが、しかし、少なくとも各省がサンプルケース、モデルケースあたりはつくってみる。 私のところの日曜配達廃止がそうです。私は全逓の出身ですが、巨大郵便局の日曜配達廃止問題でずいぶんもめた時代がある。このときに新聞社の皆さんが、日曜夕刊廃止で乗ってこられた。日曜夕刊廃止は、あとから一緒にやろうと言ってこられた、新聞社の方々が。日曜夕刊廃止と抱き合わせになってきた。実はいろいろなことをやりました。ところが結果的に日曜夕刊廃止のほうが先になっちゃった。だから、その辺を契機に郵政省なんかも、大都市の大きな局を中心に試行局をつくって、人員配置その他に入っていって、いま片っぱしからやっています。日曜配達廃止、早い話がこの種のものは、どこかにそういうところをつくらないと、窓口を云々から始まりまして、人事院の言っておられる新聞の中身からすると、なかなか現業部門その他にむずかしいところがあることをとらえておられる。わかるのですよ、人の配置ですから。二日制にしたんだが、しかし労働密度がその間非常に高くなれば問題が起こるのですから、わからなくはない。わからなくはないのですけれども、天下の趨勢ですから、したがってそういう方向に端緒をつくる、こういうことくらいまで積極的に前に出ていただきたい。これは月一回なら一回、各省でこの辺の規模のものはやってみろとか、やはりそういうことくらいまでは言っていただきませんと、早いテンポに合わなくなるという気がする。そっちを進めませんと、逆に今度は、その間の労働時間の問題、密度の問題、あるいは休むことについてのレジャーセンターの問題とか、これはアメリカあたりにも例がありますけれども、そういうところを国家的施策でつくるとかいう方向に進んでいかない。だからそういう意味で、この際この早いテンポに合わせて、確かに国民全体の公務員に対するものの見方がありましょうが、人事院がそういう意味で一歩前に出ることがいま一番必要だと私には思えますので、ぜひひとつ総裁、そこのところをおくみ取りいただきたい。いかがでしょうか。
○佐藤(達)政府委員 全くおっしゃるとおりの意気込みでおるわけでございます。それで、ことしも四月の民間給与調査とともに、あわせてこの週休二日制問題を調べる予定にしております。また最近のデータが出てまいります。それからさらに本年度は、相当予算をちょうだいいたしまして、秋にもっと深く探り下げた民間のあり方の調査をやろうというので、大張り切りで張り切っておるわけでございます。したがいまして、昨年の報告では、私自身ここで白状したのですが、ちょっと消極的だったと申し上げたはずですけれども、しかしこれは、そのときの数字が数字でございますから、これはしようがない。あれで張り切ったらまたおかしなものです。しかし、それはもう今日の情勢じゃありませんから、ことしはまた勧告の際に、この間も申し上げたと思いますが、ひとつ新しいデータに基づく意思表示をしたいものだな。とにかく現実に、おっしゃるようないろいろな問題がありますので、これはこれとして、各省のそれぞれのお家の事情も勘案しながら、各省の当局者と緊密に連携をとって、どういう方法でいくべきかという検討はもちろん続けております。 もう一つ自慢話をさせていただきますと、そのためには、現在五十時間をこえるような勤務時間の職場がある、五十一時間、刑務所なんかそうなんですが、こういうようなところをほうっておいて週休二日も何もあったものじゃありませんので、まずその辺から地ならしをしていこうじゃないかということで、これはたいへん当局側とお互いに知恵を出し合って、交代制勤務でありますけれども、これは四十八時間におさめるということをことしの四月から実施しております。そういうわけで地がためのほうは着々やっておる、そういうことをひとつおくみ取り願いたいと思います。
○大出委員 とにかく私も、町の働く皆さんと接触が多いせいもございまして、若い労働者の方々の意見がずいぶん出てまいりますけれども、ほとんど休みが多くなければもう行かないというのですね。 これはこの間、私、高校の先生といろいろ話しておりましたら、高校を出てそのままつとめる方もある。その若い方々が、すでにながめてみて、休みが何日会社はあるのだという、それから検討するというのですね。近ごろは、その会社の資本金なんて言わないのですよ。 それから、もう一つ話がその先生から出てまいりまして、あなたの御子息さんが卒業した時代とは違うのだ。何だと言ったら、もう高校生で机配置から違うというのです。男生徒、女生徒で仲のいいのがたくさんできちゃって、同棲時代の影響かどうか知りませんが、みんなグループでまとまっちゃっている。配置を先生のいないうちにまとまって、みんな了解して、彼と彼女が仲がいいからくっついている。質問をして当てると、二人で共同作業である。高校生がいまから将来の生活設計まで考えている。とてもじゃないが、大正デモクラシーのわれわれは全然ついていけないのです。職場で若い諸君と、昔は、一ぱい飲みにいこう、割り勘でなんてことも、最近は全然ないでしょう。そうなってくると、全く感覚が違うので、日本人は働き過ぎるのだというのだな。このムードというのは否定できないというわけですよ。 そうすると、いろいろなことがあるのだけれども、人の差し繰りや何かで困るのだけれども、そうしなければ若年労働者はどうしても入らない。その時期に、官庁だけはあとからついていけばいいのですからと、のんきなことを言っちゃいられないという気がするので、ますます、若年労働者、いい人が入ってこなくなっちゃう。初任給を思い切って上げてもらいたいと思っても、総裁、自分で言っているけれども、民間の大企業の初任給はだいぶいい。ますます若手が公務員になり手がなくなりはせぬかと思うのですけれども、そうかといって、ことしの勧告にあたって、そんなに初任給を上げるわけにもいかずなんて言っているわけでしょう。だから、そこらあたりはぜひとも踏み切っていただいて、思い切って前へ進むということをお願いいたしまして、あと災害補償法問題で端的にひとつ承ってまいりたいので、この席で早急な決着をひとついただきたいのであります。 今度の災害補償法改正の中心課題は、通勤途上災害をどう扱うかという問題なんでございますが、ここで実は私は、非常に不満足であり、かつふんまんにたえない点が一つある。一体なんで準公務という思想をここに持ち込んだか。準公務災害、これは私はどう考えても納得のいかないところでありまして、何が一体準公務だ。それならば準公務というものはどういう性格のものだ。その中身もさっぱり明確でない、こう私は実は思うわけであります。そこで一体、なかなかこれは問題になりました公務災害を、特に通勤途上の災害、これを入れるについて、準公務だ、公務災害だと見ていない、これはなぜかという点をはっきりしていただきたい。
○中村(博)政府委員 通勤災害を公務災害と見なかったという点につきましては、先生御承知のように、通勤という行為は使用者の支配管理下にないわけでございます。したがいまして、そのような支配管理下にはないけれども、現在の情勢におきましては、通勤というものが、モータリゼーションその他の社会情勢によりまして非常に社会的危険を含んでおるという点に着目したのが第一でございます。それからいま一つは、通勤はあくまで勤務に非常に密接不可分な関係にある。この点に着目をいたしまして、したがって、その勤務との密接なる関連性並びに社会的危険の具体化、この二つの点を中心といたしまして、使用者の支配管理下にはないけれども、そのような災害を受けられた職員の方々に対して現行制度とほぼ準ずる補償をいたそう、こういう思想に出ておるわけでございます。したがって、観念といたしましては、官の支配管理下にあるのかないか、この点が一つのメルクマールになっておるわけでございますので、そのような考え方で、かつ御提出申し上げておる法案の中でもそのような定義がなされておる、かように考えております。
○大出委員 そこが思想的に、中村さん、大きく違うのですよ。あんた方、そんな古いことを言っているから、さっき私は古い世代の話をしましたが、若い諸君というのはそこは割り切っているのですよ。給料をもらっているのだから、家を出るときから職場で働く意思で行くのだというのですよ。そうでしょう。そうすると、一つ間違えると、四六時中使用者の支配管理下にある。行かなければならぬ。民間企業に行ってごらんなさい。かってなことばかり私は言うけれども、厳格なんです。横浜駅前の高島町の横浜ドックなんて、ぱっとかけ足で来ますよ。最後はカシャンカシャンとなってくるのだから。それでおくれればその日は給料不払いなんですから。そうでしょう。おくれたら入れないのですから。そこはいまははっきりしているのですから。だからどんな苦労したって行く。横断歩道なんていうのは全く私は不賛成なんです。ラクダの背みたいな横断歩道を向こうからかけ上がってくる。まん中で一ぺんおりて、またかけ上がって、それでも飛び込んで、すべり込みセーフでカシャンとやらなければ金をくれない。過酷な職場支配。通勤途上支配から家庭支配まで出てくる。うちで何かあったって、かあちゃんそう言うな、行かなければならぬ。勤務時間、三交代だから。 現に公務員を見てごらんなさい。あなたはそうおっしゃるけれども、カッコの中にあるでしょう。午後の十時から翌朝午前七時三十分までは今日公務災害なんです。そうでしょう。あなた、じゃあ何で一体午後の十時から翌朝の午前七時三十分までを公務災害にしたのだということになる。通常、人がつとめない時間帯だからというならば、じゃあ三交代制というのはどのくらいあるか。夜勤、深夜勤、オールナイト、世の中にどのくらいあるか。山のようにある。官執の方々がのんきで知らないだけで、やったことがない人が多いのだから、それじゃ話がつかぬですよ。だからこそ何とか十時に間に合わなければいかぬと思って家を出た。まあうまく道順がいって電車もぴしゃっと来てうまく行った、十時と思ったら九時半だ、ところが九時半に着く寸前にそこで事故が起こって災害を受けたという場合に、これは十時からなんだから、九時半というのは十時からの時間帯に入らないからと、年がら年じゅうごたごたしている。今度は残業というものがある。あとへ残って、実は七時半という形になっているけれども、七時五十分、八時に近づいた。仕事があるんだからしようがない。そうしたら、さあそこから帰ったら事故が起こった。起こったら、これは七時半過ぎているからだめですよ、とこういうことになる。そのための争いというものは山のようにあるのです。今日まであり続けた、何で三十分違ったから公務災害にならぬのかといって。そうすると、今度はあなたのほうは、準公務災害だといったら、じゃあ今度何が起こるかといえば、七時三十分を過ぎた、残業終わって三十分の差で何で準公務だと、やっぱり同じ争いは絶えない。 だから、通勤途上を取り入れるからには思想を変えて、つまり通勤途上というものは職場管理者の、一つの会社なら会社の管理体制の中の――最近は、管理体制を広げなければ労務対策にもならぬから広げているのだから、来なければ迎えに来るところまであるんだから、そういう思想を取り入れて、通勤途上災害というものも合わせて、準公務ではない、公務災害だというふうに踏み切らなければならぬですよ。これは労災との関係もありますよ。ありますが、念のために申し上げておきますが、労災にはいまは夜の十時から朝の七時三十分なんというカッコの中はない。公務員だけですよ。それじゃ一体公務員の既得権をどうしてくれるんだ。いまの新しいこの思想でいけば、中身は、何とか認定については考えましょうなんということをおっしゃっているようだけれども、あなたの思想からいけば、通勤途上というのは準公務なんだ。そうすると、いまの夜の十時から翌朝の午前七時三十分までは公務災害になっているのはどうしてくれるんだ。その矛盾があるから、認定上はこの既得権を喪失するようなことはしないと言っているのでしょう。根本的な思想の問題。だから、そうならば通勤途上というものは明確に公務災害に見るべきなんです。いかがですか。
○中村(博)政府委員 確かに大出先生御指摘のように、通勤途上の災害をどういうふうに見るかという点はいろいろな御意見がおありのことと思います。しかし公務員が、現在、御指摘のように十時以降について公務上といたしておりますのは、これはやはり公務員の勤務の特殊性からどうしてもそういうふうに出なければならぬという点に着目して、その点を公務上の災害と持ち込んできておるわけでございます。そのような公務員の勤務の特殊性を除けば、労災保険あるいは労働基準法、こういうものとの均衡をとることが必要でございます。 たとえば、通勤途上災害を特別な理由なくして公務上の災害といたしました場合には、戦後二十数年にわたって営々として積み上げられてまいりました公務災害概念、労災でいえば業務災害の内容、こういうものにも非常に影響を及ぼすことにもなりますので、したがいまして、先ほど申し上げましたような理論の上に立って、一歩前進して通勤災害というものを公務災害と同じような内容において取り扱っていこう、こういう思想に発しておるわけでございます。
○大出委員 それは中村さん、少し違いはせぬですか。あなた労働省の御出身で、また労働省にお帰りになるのですから、労働省の方がそんなことじゃだめですよ。労働省の御出身なんだから民間の実情を御存じのはずだ。何も夜十時から朝七時三十分までが公務員の特殊な勤務条件、そんなばかなことありますか。私は総評本部の副議長を長年やっておったのだから。夜中だって三交代、四交代のところもある。民間企業へ行って、一生懸命入り口に待っててものを言ったこともある。民間企業のほうがもっと過酷ですよ。労災の中に夜通勤途上というのが入ってないということが間違っている。公務員のほうに入ったのには入るだけの理由がある。この間ぼくのところにある人が飛び込んできて、頑迷固陋な局長がいる。頑迷固陋な局長とはどこの局長だと言ったら、人事院がという。どの局長だ、人事院の職員局長の中村博さんだ、頑迷固陋もいいところだ。頑迷固陋の話はこの辺でやめますけれども、おそらく頑迷固陋でないと私は思うから。 あなた、いまの世の中の管理思想というのは、郵政省を見たってわかるじゃないですか、ブラザー制度から始まりまして。このブラザーというのは家まで行くんですよ。わざわざ通勤のときは一緒に出てくるんですよ。三十分か一時間早く出て、新規採用者のうちの近くにブラザー、兄貴で住むのだから、それがその人の家に行って、奥さんおはようございますといって職場まで連れていくのだから、まさに通勤途上は全部管理されている、職兄を任命して。任命行為ですよ。任命された兄貴が職場へ連れていくのですよ。明確な通勤途上管理をやっている。世の中の労務管理というのはそう進んできているのです。そうすると確かに、その職場につとめた限りは、家を出るときには働くという明確な目的意識を持たされて管理されていくわけです。そうだとすれば、これだけ交通が煩瑣になっているのですから、管理支配が明確に及んでいる。そういうことになるとすれば、やはり通勤途上災害というものは明確に公務災害と割り切らなければならぬ思想的な段階に来ているということなんです。労災のほうでそれはやっていない。夜のやつがないのはおくれているのです。公務員は夜の十時から朝七時半まであるのだから。ところが、準公務にしてしまえば、じゃ十時から七時三十分まで何だということになれば、正しくいえば準公務です、通勤途上ということになれば。だからあなたのほうでは、旧来ある既得権だからこれに対する認定は損をするようなことはしない、ということを言わざるを得ぬのでしょう。それは矛盾なんです。だから私は、この際明確にこれは修正をしていただきたい。でないとこれはめったに通せぬ。 そこで、次にこの問題は、それならば一体金のほうはどうなっているか。公務上災害、私傷病。通勤災害というのが今度はもう一つ出てくる。準公務災害としての通勤災害が出てくる。三つになる。私傷病でいうならば、結核性疾患の場合もあり、あるいはそれ以外の私傷病がある、こうなるわけです。そこで公務上災害のほうでいえば国家公務員法七十九条第一号、「心身の故障のため、長期の休養を要する場合」、これは休職にすることができる、こうなっているわけですね。御存じのとおりであります。それから、公務上の災害による休養中は休職とぜず病気休暇とすることができるという規定もある。休職した場合にも期間三年という期限がついている。公務災害ならばかくのごとく優遇をされていることになる。ところが、私傷病の結核性疾患の場合には、給与法の十五条関係でいえば、給与法の運用方針というのがございます。これによりまして一年間は病気休暇とすることができる。これは百分の百もらえるわけです。そうでしょう。それから一年をこえたときは休職とすることができる。期間は三年間です。この場合は百分の八十ですね。それから私傷病の中で結核性疾患によらざるもの。これは結核は長いからですが、その他の私傷病は、休日、日曜を含めまして九十日以内、これを病気休暇とすることができる。それから九十日をこえたときは休職とすることができる。期間は三年。こうなるわけですね。こう三つに分けられている。そこで一体、通勤災害というのはどこの中に入るのですか。私はいまここで修正をしなければならぬと申し上げている。つまり公務上災害、どうしてもこれでいってもらわぬと不合理だからです。だが百歩下がって、いまこの席で修正をせぬにしても、公務災害というこの中身、損失を与えないというこの中身ですね。管理支配体制というものは通勤途上に及んでいる、こういう思想を私は持っています。だからそういう意味では実質的に落ちないようにしてもらわなければ困る。公務災害並みの手当て々してくれるかどうか、これを承っておきたい。いかがですか。
○中村(博)政府委員 種々御指摘のようないろいろな問題は生ずるかと思います。しかし、今度通勤災害補償制度を実施いたしますれば、たとえば現行の公務災害による補償と同じ内容の補償が行なわれるわけでございます。その間には径庭はないわけでございます。 〔三原委員長退席、藤尾委員長代理着席〕 したがいまして、その他の処遇をどうするか、こういう問題があるわけでございますが、たとえばいま御指摘の給与の点につきましては、これは休業補償で百分の六十は確保されるわけでございます。そういうような点もございますので、御見解はいろいろおありと思いますけれども、私どもとしましては、次善の策としてそのような制度を講ずることは、現在の状況においては許されることではないか、かように考えております。
○大出委員 そうはいかぬですよ。これは私傷病だというのなら共済だって一緒ですよ、百分の六十なんだから。共済から出してきても、国が出してくれても同じです。こんなのを出す必要はない。共済でたくさんだ。 問題は、法改正しようというのは、そこに中心があるのじゃないと思う。つまり通勤途上というものを公務と見るか見ないかの問題なんです。いまの話でいえば、百分の六十でございますというんだから、国でもらわなくたっていいんですよ。共済でたくさんだ。ふところ勘定は何も変わりはせぬ。国が出そうが共済が出そうが一つです。そんなくだらぬことできめられたら迷惑です。おやめください。そういうものの考え方では話にもならぬ。通すわけにまいらぬです。これは所管はどこになりますかな。総務長官ですか。人事院総裁ですか。いまの点は重大な問題です。総務長官どうお考えになりますか。
○皆川政府委員 通勤途上の災害の性格、実態は、災害補償の点については公務災害に準じた扱いになっているわけでございますが、それ以外の点につきましては、いま御指摘になったような点があるわけでございます。この点は、この問題が提示されました過程におきましても、いろいろ御意見があったように伺っております。しかし、いろいろな議論の結果、民間の場合には、業務災害にはしない、これに準じたものをつくる、こういう結論に相なったわけでございます。その点いろいろな議論の余地は残っていようかと思いますが、私どもといたしましては、国家公務員の災害補償につきましては、民間の労災保険なりあるいは労働基準法の取り扱いに準じて、公平を失しないようにしろという規定もございまして、問題を意識しながらもさような取り扱いにしたわけでございまして、現在の段階におきましては、私たちはこれが適当な措置ではなかろうかと考えておるのでございます。
○大出委員 冗談言っちゃいけませんよ。公平を失しないようにしようというなら、現在の午後十時から朝の七時三十分というのは何ですか。ほかのどこにもないじゃないですか。国家公務員災害補償にしかない。これはどうしてくれるのですか。
○皆川政府委員 これは制度の運用の問題でございまして、いま御指摘になりましたほかに、実質的に、通勤途上の災害に類する問題でも、これを公務災害補償の中に含めて解釈、運用すべきであろうということがあるわけでございまして、これは、制度のたてまえというよりも、実際の運用において実態に合うようにする、こういうことから取り上げてきたものであろうと思います。したがって、勤務のいろいろな態様によりまして若干のその辺の違いが出るのは、必ずしも法律の趣旨に反しないのではないか、かように考えているわけでございます。
○大出委員 だから質問しているのじゃないですか。私は、準公務ではない、公務である、この思想に立つべきであると申し上げている。それなら修正だ。だが、それはそれとして、実態は、ふところ勘定はどうなんだ、三つあるじゃないか。三つあるが、この中のどこに行くんだ。つまり通勤災害というものに対してはどこに行くんだと申し上げたら、あなた方は、そうなれば労災並みだとおっしゃる。そうなると、公平の原則だ、百分の六十だという。そうならばこれは共済だって一緒じゃないか。当然そうなるじゃないですか。それならば、一体公務員は何でこんな特殊な運用が行なわれているのか。さっきちゃんと申し上げましたよ。運用基準の扱いでとうなっている。だから、それじゃこっちのほうはどうしてくれるんだと私は聞いているのです。運用基準の面で許されるとあなた方はおっしゃる。おっしゃるなら、あなた方は運用の通達なり運用の規則をつくるのでしょう。そこで当事者間の話し合いをするのでしょう。運用でこうなっているんだとするならば、それじゃ、あと先ができたのだけれども、含めてどういうふうに運用するのかという問題になるでしょう。それは許されるというのでしょう。それならその面で何とかしなければならぬじゃないですか。そうでなければおかしいじゃないですか。それじゃそこから先の両端はどうなるかということになる。いまの解釈では運用の面。そこで承りたいのですが、どこでつくるのですか。運用通達でもおつくりになるのですか。何か規則でおやりになるのですか。これは十月ですか。
○中村(博)政府委員 この運用は人事院規則で、それから通達もございます。
○大出委員 通達と規則と両方ですか。
○中村(博)政府委員 はい。
○大出委員 施行日は四十八年十月でしょう。そうすると通達と規則とどういうふうにかみ合うのですか。もう少し詳しく説明してください。
○中村(博)政府委員 規則で定めるべき事項は規則で定めまして、その規則はできるだけ大幅に取り入れたいと思いますが、ただ、実際上変動し得るもの、ないしは規則の解釈的な部分は通達でいく、こういう関係になります。
○大出委員 それでは、あとの方の質問もありますし、私がここでこれ以上ごねると、切りがなく時間がかかりますから。私は思想に触れているわけで、基本的な問題ですから。 そこで、しからば十月というこの時期を目途に規則を書いて、細部的なもの、実行的なものは運用でというたてまえになる。この件について、これは現行の非常に長い争いがあったわけです。これはいろいろ各関係の職場ごとに問題のあるところですよ。さっきいみじくも中村さんおっしゃっている勤務時間帯のいろいろな入り組みがあります。そこにいつも、十時から七時半までというのは問題になっているのですから。たくさんの先例があります。そういうことでございますから、これはやはり、何とか納得し得るような形にしてくれぬとまたあとで争いは絶えないですから、そこのところはぜひあなた方のほうで御配慮をいただいて、まさに頑迷固陋でなしに、これはひとつ割った話を運用の面で……。さっき皆川さんも、運用の面でということならばこれは許されるというおことばもあったのですから、そこらのところを含めて、一ぺん話し合っていただけぬですか。これは附帯決議か何かの形で将来に問題を残すということも、そうなってくれば可能なことになる。そうなれば、この法案の処理のしようが出てまいります。そこらを含めて、現に争いがあるのですから、そういうふうに扱っていただきたいということをこの際申し上げたいのですが、話し合っていただけますか。
○中村(博)政府委員 御指摘のような点につきましての話し合いは進めたいと思います。
○大出委員 そこで、死亡一時金、死亡一時見舞い金という問題が一つございます。さっき冒頭に私、触れましたように、強制にしろ任意にしろ、自動車なんかの事故の場合も、賠償の責めを負わなければならぬというたてまえでの保険制度もある。だから、虎の門のかどでどかんとぶつかって死んだ人もいるし、人事院に入って中庭で車にぶつかって死ぬ人もいる。いろいろな人がいるのだけれども、官庁の中でぽかっと死んだ人がいた場合に、五百万円頭から金が違うというばかなことをほうっておく筋合いはない。そうすると、ここらも一体どういうふうに処理すればいいかという大きな問題がある。民間の場合にだって、死に方によりますけれども、つとめていて死んだ場合に、中には七百万円出すところもある。私の知った方で、案外大きくないところだけれども、黙って一千万円払っているところもある。そうすると、公務員として何もないということになって、気の毒千万なことになる。 そこで、なくなられた場合のいわゆる法定外給付になると思うのでありますけれども、このあたりを何か統計的に、民間企業はこうこうこういうふうな実態にあるということを、労働省にせよ、あるいは人事院にせよ、総理府にせよ、おとりになったことはございますか。
○中村(博)政府委員 いま先生御指摘の、特に死亡に関しましての法定外給付、これにつきましては、先ほど週休二日制のところで御説明申し上げました勤務条件調査の中でやっております。それもいま鋭意集計中でございますけれども、その状況を申し上げますと、やはり労災保険以外の法定外給付を死亡に関し行なっておる、これが、私どもの調査は中間集計でございますから、変わるかもしれませんが、九五%に相なっております。 その中身でございますけれども、中身は遺族補償とか弔慰見舞い金とか香典とかいうように、いろいろな名称がついてございます。それからまた、給付の性格は何ぞやという場合に、法定補償の上積みだと答えられる場合もございますし、弔慰見舞いの意だとか、その両者をあわせ持ったものだとか、いろいろな答えがあるわけでございます。それからさらに、給付額の決定方法はどうなっているかということにつきましても、これは大きく分けまして、定額制、定率制、勤続年数別、扶養家族別といういろいろな要素があるわけでございます。したがいまして、それらいま三つ申し上げました点が相互にからみ合っているわけでございまして、実態的にはどういうことになっているかという点は、さらにその集計結果を詰めなければ十分なお答えを申し上げかねるわけでございますけれども、大体いま申し上げました線に沿うて申し上げますと、その遺族補償は約三百万円積んでおるのが平均でございます。それから弔慰見舞い金が百四十万円等々と相なっております。 このような給付の性格がいかなるものであるかという点が一番先生の御指摘に沿う問題だろうと思うのでありますが、昨年の十月の調査ではその点まで十分突っ込んでおりません。したがいまして、先ほど総裁からお話申し上げましたように、この条件につきましては、本年幸いに予算もいただいておりますので、さらに突っ込みまして、御指摘のような意味での災害補償の体系の中で取り入れられるものかどうかという点も含めて、さらにその点、詳細に調べたい、かように考えております。
○大出委員 これは中村さんに恐縮なんですが、その資料をいただけませんか。実は私もいろいろなものを調べてみますけれども、大づかみな見当はつきますけれども、きめこまかな中身でない、どっちを見ても。どこにもない。たいへん残念なことなんです。せっかく御調査いただいたならば、傾向は総裁もわかると思いますから、ぜひひとつお出しをいただきたい。たとえば公労協関係の組合の中なんかでも、御存じと思いますけれども、障害等級の一級をつかまえまして、一級一千万円を出せというような要求を出しているところもある。実際団体交渉をやっている。これも実はその根拠というのは、聞いてみると幾つか中身は重なっているわけですね。いまの遺族補償みたいなものは三百万から四百万が必要であろう、そんな傾向にある。それから弔慰金みたいなものが百万とか百五十万必要であろうというようなことで積んでいっているわけですね。だからそれを大ざっぱにいったら、障害等級の一級を支払うなら一千万なら一千万にしよう、こういうことなんですね。きめが荒い。荒いけれども、見当としては、言っていることはわからぬわけではない。何かそういう根拠になるものが必要であろう、ここまでくると。特に殉職警官などに対する賞じゅつ金というのがございますね。これなんかも、例の浅間山荘事件がありまして閣議決定しておりますが、私のところに時の警察庁の官房長がお見えになって、いろいろとお話を聞いてみた。ごもっともなことでございますから、どこをどう直せば一番いいのだろうかというと、やはり国家公務員の災害補償法か何かを手直しをするよりしようがないじゃないか、そのかわり、これはほかのことでないから、なるべく早くひとつ国会で決着をつけてお通しするようにしようというふうなことで処理をしたこともございます。 ただ、このときに私、心配で申し上げたのだが、小学校の生徒を預かる先生の方が海水浴に行った。その日は日課として学校できまって行ったのだけれども、たいへん波が荒い。しかしやれるだろうといって水泳をやったら、一人おぼれたというので、先生は血相を変えて飛び込んで助けたはいいが、本人が死んでしまったという例はたくさんあります。だがこれは、どこからもびた一文出ない。浅間山荘でああいう天下の事件になったということで、これは内田二機隊長がおなくなりになった。こちらのほうには何か考えている。だがしかし学校の先生はどうか。きわめてケースとしては大事なこと、それは先生に手を合わせたい気持ちになる親の気持ちもありましょう。そういう殉職の学校の先生などには、どうもたいしたことになっていないということでは困る。だからやはりそこらのところは、もう少し皆さんのほうできめこまかに当たっていかないと、世の中のものの見方で軽重がついたりするのじゃ、職務の性格上、人の命を失った場合にそういうものじゃなかろうという気がする。そうでないとするならば、そこのところを皆さんのほうでもう少し、なるほどこれならば公平だという、さっき皆川さんのおっしゃった公平の原則は必要です。そういう形にできるのじゃないかという気がするので、ここらのところは、ぜひひとつ何かをおつくりいただかなければだめじゃないかという気がするのですけれども、いかがですか。
○佐藤(達)政府委員 まことにおっしゃるとおりで、これも殉職警官については特別公務災害の御審議の際にも御意見を承りましたし、私どもも大きな問題としてこれをいままでつかまえてきておるわけであります。いまの職員局長からお答えしました調査なども、そういう点にもやはり関連がある。ただ先ほどのお答えにもありましたように、この災害補償法系統のものとして扱うか、別建ての一種の賞じゅつ金制度というようなものを考えるかという、これは根本の問題でございますが、まずそれよりもデータをたくさん集めて、それを分析して本格的にとりかかってみようという気持ちを持っております。
○大出委員 総裁、災害補償法の手直しなのか、それとも賞じゅつ金なのかといういろいろな問題。根本の問題というけれども、根本の問題だ、根本の問題だと言うているだけで何も片づかないというのでは、根本も入口も出口もないのです。片づけなければいかぬのですから。気の毒なんですから。また公平を欠くのですから。特別公務というものだけがかくて考えられたのだが、それはワクを限定されてきている。何かそこに一つぶら下げなければならぬような人々がいるということになると、やはりこれは世の中、通っていきませんよ。だからいずれになるにせよ、形あるものにしてくれなければ困るということですから、これはぜひお急ぎ願いたい。そこらのところは、この法案を決着つけるにあたって、ぜひひとつこれを各党の皆さんにお願いしたいのですが、これは委員長にも御了解いただきたい。矛盾もお認めになっているんだから。そこらは附帯決議か何かをつけていただいて、つまり公平の原則を通せるような形にしていただきたい、こうお願いをしておきたいのであります。 そこで、特別公務ですが、これは先ほどの問題とからむんですけれども、中村さんにこれはお願いしたいんだが、国家公務員、地方公務員という形の中で、人事院の所管は国家公務員である。だがしかし問題は、地方公務員の方々がほとんど右へならえをしているわけですね、準ずるということで。だから総裁の守備範囲というのは、確かに法律上は国家公務員だけれども、実は地方自治体を、全国を相手にしていることになる。だから、そこらも含めてものを考えていただきませんと間違いが起こる。 そういうたてまえで申し上げますと、各県、市町村ではそれぞれ条例その他で、しかたがない、それらしいものをいろいろ考えている。高知県の土佐山田町というところがございまして、集中豪雨がございまして、災害出動をした役場の職員二名の方々が殉職をされた。これは一人は四十七歳になる課長さんだ。民間協力者ということで消防その他の方々。これは、県、市町村というところで、百五十万、百五十万、百五十万、合計四百五十万積み上げて何とかこれでということでやっている。あるいは消防のなくなっている方に三百万を三カ所から出して九百万だ。役場職員方でも、百五十万ずつ県、市町村が出して四百五十万積み上げて差しあげている。そういう例があるんですね。つまり、災害救助に直接当たっていたのではなくて、連絡用務でそこへ行かなければ仕事ができないんだから行った。行ったっら巻き込まれた。災害対策本部の規程で、救出、救助に携わる任務の者、つまり警察、消防のみとなっているのですね。警察、消防のみ。そうすると、警察、消防でない方は、どうしても必要な事務連絡に行った、救援物資の手配も必要であると行ったら、そういう危険なところに行ったんだから、巻き込まれまして命を落とした。ところが規程上は警察、消防のみだからない。だから、この規程を厳密に解釈すれば、裏を返せば、警察、消防以外の役職の方は行かないでよろしい、一切行きなさんな、金がついてないんだから、そういうふうにしなければいけないということ。警察消防の方が行けば、そういう手当があるんだから職務上行く。しかし、のみとなっているのだから、そうすると警察、消防以外の方については、そういう手当も何もないのだから、行く義務もなければ、行ってはいけない、こういうことに明確にする。それなら話は別ですよ。そうすれば行かないんだから。だがしかし、それが行かなければ済まないのだとすれば、警察、消防だけではなくて、それらの方々に対しても何らかの措置があらかじめとられていなければならないことになる。これは何も地方公務員に限らず、中央の場合でもそういうことは言える。起こった事件によって違う。中央官庁から飛んでいく場合だってたくさんある。だから、そこらのところを明確にしておきませんと、これはまたそのケース、ケースでたいへんな社会問題になってしまう。ここらのところはどういうふうにお考えになっていますか。
○中村(博)政府委員 いま御指摘のような点につきましては、たとえば民間の場合について申し上げますと、鉱山爆発の災害の救助隊とか、あるいはコンビナートなどにおける自衛消防隊、いろいろな方がいらっしゃるわけです。そういう方々には労災上どのような取り扱いをしていくかというのが一つの問題になるわけでありまして、そういった問題と、それから国家公務員の職務の問題その他いろいろ考え合わせて、確かに御指摘のように検討を要する事項だと思います。したがいまして、これはがんこだとおしかりを受けるかもしれませんが、労災との平仄も考え合わせながら、そういう点はほんとうに検討していきたい、こういうふうに考えております。
○大出委員 時間の問題もございましょうから、申し上げれば数々の例がございますけれども、ほんとうのかけ足で大筋を申し上げたわけなんですが、それでもこれだけたくさんの問題がございます。これは人事院総裁、先ほどお答えになりましたように、何らかこれに関する基準めいたものを、御調査の結果、資料に基づいてかくあらねばならぬ、こうすべきであるという、人事院の権限の範囲でぜひひとつ政府に対してものを言っていただきたいのです。そして一日も早く、はたして国家公務員の災害補償法のワク内で片づけるべきものなのか、そうではない、何か賞恤規程のようなものをつくらなければならぬのか、それはどういう所管でやっていくのか、そこらのことまで、日常起こることですから、ぜひひとつ皆さんのほうで検討課題に値するように、そしてそれがことばの上のみならず実施に移されていくように、ぜひお進めいただきたいと総裁にお願いしたいのですが、これは総裁いかがでございますか。
○佐藤(達)政府委員 先ほど申しましたような心がまえでおるわけでございますので、ただいまのお話、全く了承いたします。
○大出委員 総務長官、この通勤途上災害準公務云々という今度の立て方に大きな疑問を私は差しはさみますけれども、かといって、この限られておる国会の日数で処理しなければならぬものは処理しなければならぬ。大きな問題があとに残るという気がいたすのでありますが、どこまで附帯決議その他で救済に向かっての糸口をつかめるか、あわせてそこらを受けていただいて、総理府の立場から、問題は非常にきめこまかでございますが、事、個々人にとりましてはたいへんなことでございますから、そういう点を前に進めるかどうかという重要な問題でございまして、聞いておられてお気づきだろうと思うのでありますが、そこらについてひとつ御決意のほどを承りまして終わりたいと思いますが、いかがですか。
○坪川国務大臣 先ほどから御指摘になりました点、しかも災害補償法の、いわゆる労働基準法あるいは労災等の関連事項において非常に重要な問題を御指摘になりました点については、中村職員局長も、皆川人事局長も、そういうような問題点の解明には前向きで事務的にも検討したい、こう言ってくれてもおりますので、給与担当の総務長官といたしましては、その点を十分理解しながら促進をはかり、また私といたしましても、人事院の立場も十分配慮いたしながら御期待に沿うような検討をさらに促進させてまいりたい、こう思っております。 また、後段で述べられました、いわゆる四十七年度に指摘され要望されましたあらゆる問題の三項目にわたる御要望、附帯決議の点についても、先ほどから大出委員の非常な配慮があり、またもっともな御意見もありますので、これなども、人事院の集計その他の結果を見ながら、人事院と連絡を密にしながら御要望の附帯決議にひとつ取り組みたい、こういう気持ちでおりますことを御説明申し上げて御理解願いたい、こう思います。
○三原委員長 この際、暫時休憩いたします。 本会議散会後、委員会を再開いたします。 午後零時四十分休憩 ――――◇――――― 午後二時二十一分開議
○三原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木下元二君。
○木下委員 このたびの法律の改正案の内容を見ますと、労災補償給付とほとんど違っていないのであります。違っているのはただ一つ、通勤途上の災害を受けたときは一定の自己負担をすることでありますが、この初診料に相当する額の自己負担をかけておるのはなぜでしょうか。 これは、初診料負担を健康保険法がとった理由というのは、おそらく、ちょっとした病気については乱診乱療を防ぐということであったと思います。しかし、通勤途上災害でありますと、病気というのはまれでありまして、ほとんどは負傷でありますから、乱診乱療といったおそれはほとんどないのであります。しかも通勤途上であったかどうかをめぐって認定という行政上の手続もあるわけでありますから、なおさらのこと、そのおそれはないと言えます。どうもあまり必然的な理由はないのではないかと思うわけでありますが、この点はなぜなのか、理由を伺いたいと思います。
○中村(博)政府委員 通勤災害につきましては、午前中も申し上げましたとおり、官の支配管理下にない通勤という事態を、これは職務との密接な関連性及び通勤に内在する社会的危険というようなことに着目いたしまして、これに公務災害に準ずる補償を行なおう、こういう制度でございます。 したがいまして、そういう観点から、一応原則としてこれに要しまする経費は使用者たる国が持つ、こういうことになっておるわけでございますけれども、しかし、これはあくまで無過失賠償責任を前提とした公務災害ではないわけでございます。したがいまして、使用者たる国のみが負担するということは、これは公平を欠きますので、二百円以内というごく一部ではございますけれども、職員の場合にも負担をするということで相互の均衡を保っているわけでございます。 なお、先ほどの御発言の中で、労災と違っておるというような御指摘がございましたが、労災もこのような一部負担をいたすわけでございます。
○木下委員 従来の災害補償法によりますと、使用者側である政府の全額負担であったわけでありますが、この自己負担制度を通勤途上の場合にのみ組み入れておるわけでありますが、これは災害補償法全体のたてまえから申しましても、全体のたてまえと申しますか、体系がくずれるのではなかろうか、こう思うわけであります。実際にこの被災者が初診料の一部、二百円というものを負相したといたしましても、保険財政にどの程度響くのかということであります。これはもうほとんどゼロにひとしいのではないかと思われますが、その点はいかがでしょうか。
○中村(博)政府委員 いま保険財政とおっしゃいましたが、この場合は国はもう単独の給付で、国家公務員の場合に保険のシステムというのはとってございません。 それから、どのくらいかかるかという御質問でございますけれども、大体負担金の部分はおおよその見当で総額で五十万円くらい、かように推算いたしております。
○木下委員 まあ五十万と申しますと、全体から申しますとごくわずかな、まさにゼロにひとしい額であると思います。私はその意味では、この今回の自己負担という処置は、公務災害とは違って通勤途上災害は出勤する労働者にも責任があるんだ、このしるしのために二百円を取るという、まさに政策的なにおいがするわけであります。結局そういうことなのでしょうか。その二百円取る趣旨が、先ほども言われましたけれども、公務災害とは違うんだ、労働者に責任があるという趣旨で、そのしるしとして二百円取る、こういう意味ですか。
○中村(博)政府委員 この二百円は、先ほど申し上げましたように、公務上の災害ではなく、したがって官の支配管理下にない場所において行なわれた災害でございます。しかも同時に、したがってそれに伴うて無過失賠償責任を官のほうに課するという制度ではございません。したがいまして、先ほど申し上げました二百円以内の金額を一部負担していただくということが制度としては公平の原理にかなうのである。こういう観点でこのような制度をつくったわけでございます。
○木下委員 その保険料の負担をだれにさせるかという問題は、これはいろいろ方法があると思うのです。政府だけに負担させる方法もあるし、あるいは労働者だけに負担させる方法もあるし、あるいは政府と労働者、使用者、三者に負担をさせる方法。まあ一般的な場合から申しますといろいろあると思うのですけれども、使用者にだけ負担させるというのは、それが公平であるということでそういうことになっておるのだと思うのですが、この使用者に負担をさせる、そうして使用者負担の保険料から、現実の生活賃金を引き出すために、業務災害の場合と同じ平均賃金の計算方法で給付をするということになっておるのですけれども、これは一体どうしてこういうことになっておるのでしょうか。
○中村(博)政府委員 まず、国家公務員の場合は保険システムというものはとってございません。国が一方的に負担するわけでございます。今回の場合、通勤災害を取り入れまして職員に一部負相させまするのは、先ほど申し上げましたような考え方に基づいておるわけでございます。
○木下委員 結局、そういう政府のほうのお考えというのは、通勤途上災害をあくまで業務外だと言われながら、保護の面では公務上災害とほぼ同じ制度をとっておるということだと思うのですが、これはだれが見ましても不自然なものではなかろうかと思うのです。どこかに無理があるように思われます。通勤途上災害を公務災害並みの保護にするということに踏み切った以上は、通勤途上災害というのを公務上災害と見るのだというふうにするべきではなかろうかと思うのですがね。これはもう諸外国の例などを見ましても、西ドイツ、フランス、ソ連をはじめ四十数カ国、五十カ国近い国がこの通勤途上災害を公務上災害とみなしておる、あるいは同じような扱いをしておる、こういうことでありますが、公務災害とみなす規定を置けば、もうそれで私は事足りると思うのですけれども、その点は、先ほどの午前中の大出議員の質問にもいろいろお答えがありましたけれども、もう一度お聞かせいただきたい。なぜ公務災害とみなすことができないのか、ちょっと私はその問題の結論がわかりにくいのであります。
○中村(博)政府委員 このみなすということにしたらどうかという御質問でございますが、現在、公務上の災害は、労災保険で業務上の災害と申しておりますのと同じでございますが、官の管理下において起こる災害、あるいは公務に基因してと平板に申し上げてもいいと思いますけれども、そういう災害をいうわけでございます。しかし今回は、住居からその勤務場所までの往復という事実をつかまえまして、その間に起こる災害を、先ほど申し上げましたような職務との関連性、ないしは社会的危険という観点から公務上の同じような補償をしよう、こういうことで通勤災害の概念を入れまして、これを取り込んできたわけでございます。しかも、そのような災害にあわれた職員の方々は、やはり単に生活をするということだけではなくて、一日も早くなおっていただいて、職員として復帰していただくということが必要でございますので、その内容は公務上の災害と同じような内容にいたしたわけでございます。 なお、ILOに関する御質問がございましたけれども、百二十一号条約では、なるほどその労働災害の定義の中に「通勤途上の災害を労働災害とみなす条件を含む」と規定してございます。しかし、その七条の二項では、やはりこれは各国のいろいろな実情に適合することをお考えになったんだろうと思いますけれども、通勤途上の災害が他の何らかの社会保障の中で解決されておるならば、それはそれでけっこうだ、こういうことを申しておりますので、必ずしも、通勤災害を公務災害としなければならぬということは、ILO条約でもいっていないわけでございます。これが国際的な一つの見方である、かように考えます。
○木下委員 私はILOのことは特に質問しておりませんけれども、諸外国の例を言っているのですよ。先進諸国五十カ国近い国々が、公務災害とみなすような規定を置いておるということを言っているのです。 それから、公務員労働者の通勤時間は平均どのくらいになっておるでしょうか。また、十年前に比べまして通勤時間が相当延びておると思うのですけれども、どの程度増加しておるでしょうか。使用者であるべき総理府としては当然調査をされているとは思いますが、お尋ねをしたいと思います。
○中村(博)政府委員 先生の御質問につきましてどんぴしゃりの適当な資料はいま持っておりませんが、昨年の六月の人事院の調査によりますと、まずその距離から見ますと、国鉄を利用する場合には、半数以上の者が二十キロメートル以内、それから私鉄利用の場合には半数以上の者が十五キロメートル以内で、私鉄の場合のほうが通勤距離がやや短くなってございます。なお今度は、百キロをこえる者について見ますと、国鉄の利用者では〇・一%でございます。それから私鉄を利用する者の中で百キロをこえる者は〇・〇三%、ほとんどゼロに相なっております。 なお、通勤時間でございますけれども、これは人事院の職員について調べたものでございますが、一時間未満の者が約六〇%、一時間以上一時間半未満の者が三〇%、一時間半以上二時間未満の者が一〇%、二時間以上の者か二%、こういうような分布になってございます。 御質問の、十年前と比べてどうかという資料につきましては、あいにく手元にございませんけれども、これは大体延びておるんじゃないかと思います。
○木下委員 いまのお答えにもありましたように、労働者の通勤条件というものは決してよくなっていないと思うのです。特に従来からとり締けられてきたのでありますが、高度経済成長政策の中で労働者の通勤条件というものは非常に悪くなっている。公務員労働者というのは、労働力を提供するために出勤をいたします。そしてあすの労働力を養うために帰宅をするわけであります。しかし、数年前からの地価の異常な高騰、あるいは家賃の暴騰、さらには公務員住宅の不足など、政府の住宅政策の貧困から、一時間以上の通勤時間が非常に多くなっているということがうかがえると思います。特に首都圏、近畿圏など大都市周辺では、通勤時間に一時間半以上あるいは二時間以上要するというのはもう珍しくなくなってきておるわけであります。いまのお答えにもそれはあったと思います。 公務員労働者が公務につく場合に、通勤という行為は必要不可欠なものであります。特に最近の住宅事情であるとか交通事情というものを考えたときに、いわゆる交通戦争といわれる危険な交通事情の中を通わざるを得ない通勤というものは、公務と相当な因果関係があると思うのでありますが、通勤途上の災害を公務災害とみなすことはどうしてできないのか。この点はさっきからお答えがあるわけでありますが、なお私のほうは釈然といたしません。 労働基準局並びに労働保険審査会は、これは公務関係ではありませんけれども、一般的に共通しておりますので申しますが、通勤は労務を提供することに必然的に伴うものであるが業務そのものではない、このようにいいながらも、使用者の提供する交通機関による場合、これは労務災害あるいは公務災害だという考え方を示しております。また、寄宿舎と事業場の間の特定交通機関による場合、これも同じような扱いだとしております。あるいはまた、突発的な業務による休日出勤、早出出勤の場合、深夜、早朝の出退勤の場合、出張の場合、こういう場合については労務災害、公務災害という扱いをいたしております。 そこで具体的に聞きたいのですけれども、たとえば労働省労働基準局は、昭和三十四年七月十五日に、自宅から出張先におもむく途中の列車事故につきまして次のような見解を示しております。「出張業務の遂行については、その用務の時間的、場所的な事情により、事業所によらないで、自宅を出て、用務を果たし、また自宅に帰ることが是認されている場合には、自宅を出てから自宅に帰るまでが出張途上にあるものと考えられる。したがって、かりに、その順路の一部が、通常の通勤経路と重複していたとしても、すでに、出張業務遂行中とみるべきであるから、本件死亡は、出張業務遂行に起因するものと解され、業務上と認められる、」こういう判断を示しております。出張した場合に、自宅を出てから自宅に帰ってくるまで、これ全体が業務遂行中だ、こういう判断でありますが、通勤という行為は公務遂行と不可欠だと思うのです。公務員の場合、出勤、退勤時間がはっきりしておるわけでありますから、その時間までに出勤をしなければならないという業務命令が毎日毎日出されておるのと変わらないと思うのですね。労働基準局のいま申しました出張事故の見解と通勤途上災害とは、一体どこがどのように違うのか、お答えをいただきたいと思います。
○中村(博)政府委員 いま例をあげられました出張の場合でございますが、出張は、ある職務を遂行するためにある特定の場所に行き、またそこで何かをし、そして帰ることを命ぜられるわけでございまして、これは自宅を出ましたときからすべて公務遂行中になるわけでございます。したがいまして、現在、労災のほうも同じでございますけれども、これは公務上ないしは業務上として取り扱われておる、こういうかっこうになるわけでございます。 それから、先ほど御指摘の乗用車ないしは通勤バスを利用させる場合、利用強制をいたしております場合は官の支配が及んでおるわけでございますから、したがいましてこれは公務上になるわけでございます。したがいまして、通勤という形態、勤務場所への往復という形態のみを抽象的に取り上げますと、先生おっしゃるように、いままた御説明申し上げましたように、公務上の場合と、今度の通勤災害で取り上げる場合と、二つあるわけでございまして、まさしく御提案申し上げております改正法の一条の二では、要するに通勤の定義をいたしまして、しかもそのうちから「公務の性質を有するものを除く」ということにいたしておりますのは、いま申し上げましたような考えがその基底にあるから、かように理解していただきたいと思います。
○木下委員 ちょっとよくわからないのですが、いま二つの例について言われたのですけれども、たとえば、自宅から会社まで、あるいは事業所までバスで通う、それを乗り物、交通機関の使用を強制しておるような場合はという言い方をいたしました。その場合、二通りあると思います。その交通機関が使用者側のものである場合、それを知用する場合、それはもう言うまでもなく公務災害あるいは労務災害として扱われておりますが、そうでなくて一般の乗り物である場合でも、たとえば寄宿舎と事業場の間の特定交通機関による場合、そういう場合はやはり労務あるいは公務災害として扱われておるのです。 ここに、労働基準局の例があるわけでありますけれども、宿舎から工事現場に行く途中の渡し船転覆事故についてのケースでございます。これはこういうふうにいっております。「事業主が労務管理の必要上労働者のため特定の宿舎を提供し、しかもその宿舎と作業場との往復は渡船を利用しなければならない事情にあったことが認められる。したがって、かかる事情の下において渡船の利用に起因して発生した本件事故は、業務上と解するのが相当である」、こういうふうに言っておるのですが、これは別に渡し船でなくてもいいわけなんです。そしてまたこれは別に理論的に考えますと、寄宿舎でなくても同じことだと思うのです。自宅から会社あるいは事業場に徒歩以外に通勤の方法がないという場合、あるいは国鉄かマイカーによるほかないという場合、この場合だって同じように扱われて当然だと思うのです。 それからまた、さっき出張の場合を言われましたけれども、何か出張の場合は出張業務遂行中だというようなことを言われたのですけれども、一般の通勤の場合と比べて考えますと、出張の場合の事故についてだけ労務災害あるいは公務災害として扱うことの根拠がないように私は思うのです。たとえば、私は高輪に住んでおりますが、品川駅まで行きまして国電に乗って、かりに東京駅に行って丸ノ内のところで勤務しておるといたします。そして毎日通勤しておる。あるとき出張を命ぜられて新幹線に乗って大阪に行く。品川駅まで出て行くその途中で事故を起こした場合ですね。これは出張中の事故ということで公務災害ということになる。ところが、丸ノ内に出て行く通常の出勤の場合には、これは通常の出勤だから、出張ではないからということで、同じような場所で同じ事故にあっても、これは公務災害ではないという扱いになる。これはもうどう考えましても納得しがたいと思うのです。どうでしょうか、その点は。
○中村(博)政府委員 出張という行為は、家を出てからある職務を行なうためにある場所へ行く、そこにおいて職務を行ない家へ帰るという、全部これは一つの勤務であると見なしておりまして、したがって、そのことは同時に官の支配管理性が及んでおるわけでございます。したがって、その場合は官の支配管理下にございますので、出張途中における事故、これは公務上になるというわけでございます。なお出張中は正規の勤務時間を勤務しておるものとみなすというような制度もとられておりますように、これはまさしく官の支配下にある場合でございます。したがいまして、いまおっしゃったような事例でまいりますと、まあ経路において重複したところはあるわけでございますけれども、一般の通勤の場合は、出張の場合と違って、先ほど来申し上げておりますように、その官の支配管理性というものは及んでいないわけでございます。その差異がいまの御質問の中にあらわれておる、かように思います。
○木下委員 いま、出張の場合には、自宅から出て自宅に帰るまでが支配管理下にあるのだというが、じゃなぜ支配管理下にあるのか、通常の通勤の場合にはなぜないのか、ここが問題だと思うのですよ。もっと実質的に見ますと、たとえば大阪へ新幹線で出張する場合のことを考えますと、東京駅まで行って新幹線の一台に乗りおくれても、それはかまわぬわけですね、出張ですから。リラックスした気持ちで、一台くらい乗りおくれたって行けるわけですよ。ところが、通常の通勤の場合からいいますと、タイムカードの監視があるために、遅刻しないようにということで、時間どおりぴしっと、それこそ精神的な拘束も受けて通勤をしているわけですよ。だから、そういう点からいいますと、通勤の場合と出張の場合と、言われるように違った取り扱いをする理由が私にはわからぬのですよ。
○中村(博)政府委員 いま出張の場合について、一列車くらいリラックスしたかっこうでおくれて行ってもいいという御発言がございましたけれども、おくれて向こうでの仕事に間に合わなければ、これは職務の欠缺となって、懲戒処分なり何なりをもって問擬されることに相なるかもしれません。しかし通勤の場合には、やはりこの通勤災害で定義いたしますように、逸脱、中断というような場合を除きましてある程度のアローアンスが認められておりますけれども、それは先ほど申しましたように、官の支配管理下にないものであるという実態にも着目しておるわけでございます。
○木下委員 それから、その前に言われました交通機関による場合はいかがでしょうか。特定の交通機関による場合に、これを公務災害、労務災害として扱っておるということから言うならば、その趣旨をふえんすれば、一般の通勤の場合にも公務災害、労務災害として扱うべきじゃないかということについての御質問ですが……。
○中村(博)政府委員 非常に微妙な相違でございますけれども、先ほど申し上げましたように、使用者がたとえば特定の交通機関を提供いたしまして、自分の会社なり官庁なりでけっこうでございますが、その車に乗って通勤することを命じてお刷る場合、使用者の瑕疵によりまして、その車に乗っておるときに災害を受けたというような場合には、これは支配管理下に入ってございますから公務上。それから先ほど渡し船の例を申されましたけれども、その場合には、これはやはり、その宿舎に宿泊することを強制され、かつ事業場への往復を命ぜられておるわけでございまして、その間においてどうしても渡船を利用しなければならぬという立地条件にある場合には、それは宿舎への宿泊強制とその作業場への往復という強制、それからその間における渡船の利用の強制、この三つはこれはあくまでも支配管理下にあるものとして理解するのが最もすなおな見方ではないか、かように考えまして、その差異を申し上げておるわけでございます。
○木下委員 その点は議論になるわけでありますから詳しくは申し上げませんけれども、結局、何度も言っておりますように、出勤、退社の時刻というのは、これは私生活に復帰するまでの通勤時間を事実上支配していると思うのです。この支配というのは、これはもう交通地獄下の通勤に費やす多大のカロリーというものを考慮いたしますと、質的にも相当高度なものであります。たとえば通勤一時間半について一日六時間ないし七時間の労働量に匹敵する場合があるというふうにいわれておるのであります。まあ、国家公務員の労働条件というのは、これは申すまでもなく民間のモデルとなるようにしなければならないと思うのでございますけれども、民間の経営者側の圧力に屈するというようなことはなく、前向きに、準じるのではなくて、みなすというように改善すべきだ、私はこういうふうに思います。その点はもう何回も言われて御意向がかたいので、これ以上お尋ねいたしません。 そこで次は、本法案通過後の運用の問題について質問いたしますが、人事院が三月一日に出されました「国家公務員災害補償法の改正についての意見の申出について」という文書があるわけであります。この文書の中に、「通勤の範囲」としまして「「通勤」とは、勤務につくため、または勤務が終了したために、自宅と役所の間を、寄り道せずに往復することをいう」、そして、「通勤の途中で、麻雀屋やパチンコ屋に立ち寄ったり、道路上で手相、人相をみてもらったりした後は、「通勤」とはしないが、独身者が夕食のために食堂に立ち寄るときのように日常生活上必要やむを得ない理由がある場合は、その後は、「通勤」とする」、こういう解釈が出ております。私は、この問題については、基本的人権を認めた当然な措置じゃなかろうかと思います。これは人事院のほうの意見の申し出でありますが、政府のほうとしては当然こうした線に沿って、独身者が夕食のために食堂に立ち寄るというふうな、日常生活上必要やむを得ないという理由がある場合は、これは通勤というふうに見ていく、こう考えていいわけでございますか。
○皆川政府委員 人事院の申し出の趣旨に準じましてそのまま立法化しているわけでございます。ただ、これが法律として制定いたしました暁には、この運用につきましては人事院が中心になって進めていくことに相なるわけでございます。
○木下委員 そこで、具体的な事例が出ているわけであります、「独身者が夕食のために食堂に立ち寄る」と。そうしますと、昼食はどうなんでしょうか。たとえば事業所に食堂の施設がないので昼休みに近くの食堂に食べに行くというのが慣行になっておるような場合、まあこれは通勤途上の問題ではありませんけれども、そういう場合は労務災害、公務災害として扱われる、そういうことですか。
○中村(博)政府委員 職員が休憩時間中に昼食に行きます場合は、これは公務遂行性がございませんので、公務外でございます。
○木下委員 独身者が一日の仕事を終えて、疲れて、そして事業所を出て腹を減らして夕食を食べる、これは通勤途上だという扱いをして公務災害に準じるということになりますと、午前中は働いて、昼の休憩時間に、これはたとえば事業所に食堂があればけっこうですが、食堂がないので、その事業所の道路を隔てたすぐ隣の店に行って昼めしを食う。そうでなければ昼から仕事ができないわけですから、当然のことだと思うのですよ。そういう場合は、これは当然公務に準じた労務災害、公務災害として扱う、当然ではないでしょうか。
○中村(博)政府委員 通勤災害の場合に、先生御指摘のように、独身者が食事をする、そういう場合は通勤災害に入れるという御質問でございましたけれども、これはこの法案の一条の二に書いてございますように、通勤というのは、申し上げるまでもなく合理的な経路、方法によって往復することでございますから、その場合に合理的な経路を離れて逸脱、中断ということをきめてございます。その経路を離れて何かをする場合、そういうような場合には、その逸脱、中断いたしました以後は、これは通勤行為として認められないわけでございます。したがいまして、独身者が帰宅途上において食事をするような場合、それは逸脱、中断ではあるけれども、その合理的な経路、通常の経路に復した後には通勤と見て、そこで災害が起これば通勤災害と見ようということでございまして、その食事をすることそれ自体、これは逸脱中の行為でございますから、したがって、食堂に寄る行為は通勤途上災害、その間の行為は通勤途上災害にならない、こういうことでございます。
○木下委員 いまの通勤途上の問題として聞いているわけじゃなくて、昼めしを食う問題を言っているわけなんですが、これは昼めしを休憩時間中に食べるわけなんで、しかも食堂があれば食堂で食べるわけなんだけれども、食堂がないためにやむを得ず事業所のすぐ近くの食堂に食べに行くというのは、もう一日の仕事を遂行する上で必要やむを得ない行為だとこれこそ思うのですが、そういう場合を違った扱いをするというのはどうかと思うのですけれども、ひとつこの問題はよくお考えいただきたいと思います。通勤途上の問題ではありませんので……。 そうしますと、独身者がそういうふうに仕事を終えて夕めしを食べる。これは独身者でなくても、妻帯者でもやはり夕食をするわけですね。これはうちでする場合が多いでしょうけれども、しかし、そうでない場合もあるわけなんです。特に最近は共かせぎが多いわけでありまして、若い人の間では共かせぎが一般のパターンになっているわけです。そういたしますと、仕事を終えて夫婦がそれぞれ仕事の帰りに食事をする。これは独身者だけの問題ではないと思うのですが、どうでしょうか。
○中村(博)政府委員 独身者以外で夫婦でいらっしゃる場合には、通常その住居において食事なさるのが普通の形態でございまして、どっかへ食事に行こうという場合には、これは通勤の概念の逸脱、中断行為に当たると思います。しかし、たとえば奥さんが病気でどうしても食事をしなければならないというような、言うなれば独身者の食事と同じような事態になれば、そういう特殊事情の場合にはやはり独身者の食事と同じように考えていくべきである、かように考えております。
○木下委員 一般的には、確かに言われるように、独身者でない場合は家庭で食事をする。わかるんですが、特にさっきから言いますように、最近は若い人でも共かせぎというのが普通のパターンになっていると思うのです。そうしますと、二人が別々の職場で働いて別々に帰ってくる、おそい場合もあるということになってきますと、その仕事の帰りに食事をするというのは、これは独身者だけの問題ではなくて、夫婦の場合だって、別々にそういうふうに食事をするということが通常のケースになってきておると思うのです。だから伺っておるんです。
○中村(博)政府委員 いま先生御指摘の場合には、これは確かに法律上夫婦になっておるわけでございますけれども、いまおっしゃったように、おのおの別なところにつとめていて、どうしてもその間に必ず食事をして自分の住居に帰るというような場合には、その食事をすることが必然だと認められるような場合には、これは必ずしも法律上婚姻しているからということのみをもってきびしく取り扱うということはいたさないようにしたいと考えております。
○木下委員 それから、夕食のために食堂に立ち寄る場合のほかに、労働者はその仕事の帰りにいろいろ日常生活にとって必要なことをやっておると思うのです。たとえば次の日の食事の材料を買いに行くとか、こういう行為も、必要最小限度の必要やむを得ない理由がある場合、当然そういうこととして取り扱っていいように思うのですが、いかがでしょう。
○中村(博)政府委員 いま先生御例示の場合につきましては、これは法律にも書いてございますように、「日用品の購入その他」云々と、このようにございます。したがいまして、あすの米を買う、あすのパンを買うというために通常の経路から逸脱する場合には、復帰後は通勤途上とする、こういうことに相なると思います。
○木下委員 その必要やむを得ない理由がある場合というのは、通常は、これは特に一定のメルクマールといったものがつくられておるのかどうか知りませんけれども、労働力の再生産という観点から最小限度の必要な行為というものがきめられるのではなかろうかと思います。たとえば食事のようにですね。しかし、そういうふうな労働力の再生産ということだけで押えると狭いのではなかろうかと私は思うのです。この問題についてはいろいろ議論がされておるわけでありますが、もっと広く社会通念上許されるパターンかどうかということが問題になるのではないか、こう思うのです。 たとえば、私、具体的に聞きますが、小さな子供がおる、夫婦が共かせぎだという場合、保育所や託児所に預けておる共かせぎ夫婦が朝夕必ず寄るわけですね。預けにいく、またもらって帰るこの行為、これも当然、その中途において事故が起こった場合には労災あるいは公務災害だと思うのですが、いかがでしょう。
○中村(博)政府委員 子女を有する者が、託児所へその子供を預けなければ勤務を提供することができないような、いま先生がおっしゃったような場合には、住居から託児所へ寄って勤務場所へ行く、その行為が合理的な経路である、かように考えたいと思います。
○木下委員 それから、たとえば選挙の投票に行くのは、いかがでしょうか。
○中村(博)政府委員 選挙の投票に行くような場合には、これは公民権の行使でございますから、したがいまして、日用品の購入ではございませんが、「その他これに準ずる日常生活上必要な行為」この中へ読み込められる、かように思っています。
○木下委員 そういたしますと、選挙のような行為、これは日曜日が多いと思うのですが、しかし、日曜日だって勤務する場合もあるわけですから問題になると思いますが、選挙の投票のような公民権の行使に当たるような行為、こういうものは社会通念上も許容されるパターンとして含めるんだ、こう考えていいわけですね。
○中村(博)政府委員 これはあくまで、通勤途上災害における通勤行為というものは、自宅を出て勤務のために勤務官署との間を往復する行為でございまして、したがって、その間に合理的な経路、方法によるということ、それから逸脱、中断をしてはならぬとか、逸脱、中断後は通勤途上と見ないというような規定があるわけでございますが、勤務官署へ行く途中で公民権の行使として投票するような場合には、先ほど申し上げましたような「その他これに準ずる日常生活上必要な行為」ということの中へ読み込んでまいりたい、こういうふうに思います。
○木下委員 そういたしますと、選挙の公民権の行使といった行為も含む。労働者は勤務の帰りにいろいろなことをやっておる。特にたとえば夜学に通っておる労働者もいると思うのですよ。夜学に通って、夜学で何時間もやったそのあとのことをどうこうということは、これは私もこの場合聞きませんけれども、しかし、たとえば勤務先から勤務を終えてすぐに夜学に行く。当然、教育の権利というものは国民の権利としてあるわけでありますが、そういう場合に、これも一種の公民権の行使だと思いますが、特に最近は働く人たちでこのような夜学に行っている若い人たちというのが非常にふえています。こういう場合も、これは少なくとも仕事を終えて、それから夜学に行く、その間の行為、これは含められて当然だと私は思うのです。公民権の行使、選挙権の行使が含むとすれば、これも含まれると思うのです。いかがでしょう。
○中村(博)政府委員 夜学に通う場合には、これはたとえば研修のために通うことを命ぜられておるとか、あるいは官の負担においてあるものを修得するためにそのような学校に通えというように命ぜられております場合は、それは夜学に行くことは公務でございますから、その途中で災害を受ければ公務上になるわけです。しかし一般に、自己の意思に従って学校へ通っておるというような場合には、これは勤務のため往復する行為じゃございませんので、したがってその場合は通勤途上にはならない、かように考えております。
○木下委員 そうしたら、いまの選挙権の行使、これは、使用者から命じられてだれだれを投票せいといって投票に行った、その場合だけになるのですか。そうでなくて、いまあなたが言われたのは、全部公民権の行使として選挙権の行使はなるのだ、こう言われたわけでしょう。だから私は、それとの関連でお尋ねしているのですが、そういうふうな選挙権の行使が含まれるとすれば、夜学の場合だって含まれるのではないか。
○中村(博)政府委員 選挙権の行使の場合には、これは逸脱、中断を論じます場合の「その他これに準ずる日常生活上必要な行為」と見よう、こういうことでございまして、夜学へ通うという場合には、その学校はいかなる意味においても勤務官署ではございません。先ほど申し上げましたような例は別でございますけれども、先ほど申し上げなような例以外の場合は、勤務官署ではございませんから、したがって、学校から自宅へ帰る行為、この行為は通勤行為じゃないということを申し上げたわけでございます。
○木下委員 いや、私が聞いているのは、そのことは聞いていないのです。聞いていないことをあなたはお答えになるのですが、私が聞いているのは、仕事を終えて勤務先からその夜学校に行く行為、これはどうかと聞いているのです。
○中村(博)政府委員 それは通勤行為でもございませず、かつ、その公務上をもって論ぜられる官の支配下、管理下にある行為でもございません。
○木下委員 その問題についてはよくお考えいただきたいと思うのです。それはあなたは、選挙権の行使は日常生活だ。選挙権の行使というのを日常生活の範疇に含めることは、私はむしろ異な感じがするのです。むしろ若い者が夜学校に通うということこそ日常生活だと思うのですよ。特にこれは、憲法が保障しておる教育を受ける権利、この教育権の行使でありますから、当然な権利の行使であります。だから、選挙権の行使と特に差別をして、これだけを違ったものとして扱うという合理的な根拠、理由というものはないように思うのです。これはいろいろ言われますので、ひとつよくお考えいただきたいと思います。ちょっと疑問に思われるでしょう。どうですか。
○中村(博)政府委員 私は、その公民権の行使の場合と、それから二十六条の教育を受ける権利の行使といいますか、その後者の場合、夜学へ通う行為がそれに当たるかどうかは、私はやや疑問に思ってございます。しかしこれは個人的な見解でございますが、いずれにしましても、先生の御指摘のようないろいろなデリケートな事例があるわけでございます。こういう事例は、いま申し上げておりますのは、現在そう考えておるということでございまして、これはやはり、社会情勢の変化なり、あるいはまたいろいろな行政実例の積み上げなり、あるいは裁判例の積み上げというようなことによって、現在の公務上、外という概念が、そのような経路をたどりましてだんだんとはっきりいたしましたように、やはりある程度、いま申し上げましたような社会情勢の変化等々による実例の積み上げ、それによってだんだんコンクリートになるべきものであろう、かように考えます。したがいまして、現段階であるといっても、社会情勢の変化によっては通勤災害になるかもしれませんし、この辺は流動的なものであろうと思います。しかし基本的には、いま申し上げましたように、先例、行政実例それから裁判例の積み上げということによって解決されていくべきであろう、かように考えます。
○木下委員 大出議員から質問のあったことですが、通勤途上の災害による休業の場合の身分保障、給与上の取り扱い、あるいは職務復帰の場合の昇給延伸回復措置、期末手当の支給額、こういった問題についてどのような運用をしていくかということであります。午前中の回答を伺っておりますと、結局、私傷病並みの扱いをするというふうに聞いたのですが、私は、このような不当なばかげた措置というものをとらずに、公務災害並みの取り扱いをすべきだと思うのです。これはもう大出議員との間に問答が繰り返されておるわけでありますが、私傷病の場合は、給与法に基づいて、休日、日曜日を含んで九十日以内、俸給を減額しないで病気休暇をとることができる。さらに長引いた場合に三年間休職することができる。このうち一年間は百分の八十の俸給等を受けることができることになっております。二年目からは無給の扱いがされることになるわけであります。最近のモータリゼーションによる交通事故は深刻な被害をもたらしておるのであります。むち打ち症などの後遺症も起こる可能性が多くなりまして、九十日以内で完全に職務につけるという保証はないわけでございます。こうした問題について私傷病扱いというのはどうも合点がいきません。もう一度端的に、簡単でけっこうですから、私傷病扱いにするということの理由を言っていただきたいと思います。
○尾崎政府委員 今回、通勤途上の災害によりまして欠勤をしたという場合につきまして、従来、私傷病扱いであったわけですけれども、この法案によりまして準公務というような扱いになってくるということになるわけでございますが、そうなった場合に給与上の措置としてどうしたらいいかという点が一つの問題点でございます。そういう今回の性格づけから申しますと、直ちに公務というわけにはこれはまいらないと思うのでございますが、準公務という関係をどういうふうに扱っていくかという点は、全く初めてのケースでございますので、民間における状況等をよく見守りまして最終的な結論を出したいというふうに考えております。
○木下委員 それでは伺いますが、私傷病の場合は、その扱いというのは公務災害の場合に準じておるのでしょうか。質問わかりますか。私傷病の場合にどういう取り扱いをするか。これはちゃんとした制度があるわけでありますが、私傷病の場合には公務災害としての扱いに準じているのですか。
○尾崎政府委員 私傷病と申しますのは、公務的じゃなくて私的な傷病という意味合いで申し上げておりまして、公務的じゃないという概念で考えておるわけであります。
○木下委員 そうしますと、公務災害には準じていないわけですね。
○尾崎政府委員 したがいまして、全く私的な原因によるところの傷病ということでございますから、もちろん公務上の扱いではございませんし、一般の休んだというケースに相当するわけでございます。
○木下委員 そうすると、その通勤途上の災害を公務上災害に準じて扱う。私たちは、準ずるということは不当であって、これは当然みなすべきだということを言っているわけですが、しかし、あなた方の見解によっても、これは準ずるのだという立場でしょう。通勤途上災害は公務上災害に準ずる、そういうことを言われながら、一方において私傷病と同じ扱いをするというのはどういう意味なんですか。
○尾崎政府委員 いま申し上げましたように、従前から私傷病扱いとしてまいっておりまして、特にこれによってどうするという結論をまだ出しておらないわけでございます。これは民間におきまして、やはり、業務上に準ずるという扱いを今後どのようにやっていくかという点をよく見守りまして、それをよく調べまして、私のほうの関係も最終的にきめたいという気持ちでございます。
○木下委員 そうしますと、いまのところは、どのような扱いをするかということはまだきめていられない、民間等の扱いも見ながらこれからひとつ問題を検討していこう、こういうふうに聞いていいのですね。
○尾崎政府委員 当面は、先ほど申しましたように、従前、私傷病扱いということでやっておりますので、そのままの取り扱いとして一応してございますけれども、民間における扱いを十分調査いたしまして、それによって最終的な結論を出したいというふうに考えております。
○木下委員 わかりました。私はもうすでにおきめになっているのだと思ってお尋ねしたのですけれども、けっこうです。 ただ、一つ要望いたしておきたいことは、これはもう通勤途上災害というものを公務災害に準ずるんだということで、あなた方のほうでは確定しておられると思うのです。そうすれば、そういう前提に立って考える以上は、当然これは公務災害並みの取り扱いをするべきだ、少なくとも公務災害に準じた取り扱いをすべきなんで、公務災害に準じていない私傷病の扱いをするということは、私は法制度のたてまえからいいましておかしなことになる、こう思うのであります。ひとつよく御検討いただきたい。 それからもう一つお聞きしたいのは、これも大出議員から聞かれたことでありますので簡単にいたしますが、公務災害に対する一時見舞い金についてであります。 現在、この公務災害による死亡または重度障害に対しまして、年金の前渡しとしまして四百日分の一時金を支給する制度をとっておるわけであります。民間で見られるような一時金支給制度ではこれはありません。浅間山荘事件で殉職しました警官に一千万円の見舞い金の支給が行なわれておりますが、これは警察庁と総理大臣の特別の見舞い金であるというふうに聞いております。公務災害制度とは違うものであります。公務員が危険な職務を遂行して、そのために死亡したりあるいは重度障害になったりした場合には、当然見舞い金を支給するのが筋だと思います。人事院としまして、一時見舞い金の制度化についてひとつ積極的にお進めいただきたい、特に要望をしておきたいわけであります。この点は午前中もお答えがあったわけでございますが、このことを特に要請いたしておきます。 公務員が公務遂行中に事故にあったり死亡したケースはたくさんあるわけであります。たとえば川崎での地すべり実験中の事故。このときは、民間の報道関係者は一千万円の一時見舞い金が出されておるのに、公務員にはこれに対応するものが全くなかったというふうに聞いております。新潟で起こった港湾しゅんせつのためのしゅんせつ船が機雷に触れて爆発した事故、こういうふうな事故が起こっております。そしてまた、労働基準監督官のように危険な職場に入らざるを得ないような業務の労働者、気象庁の職員のように台風の最中にも測候をやらなければならないような労働者、こうした危険を承知で日夜働いている公務員も多いわけであります。私は、労働者の命は金にかえられないにいたしましても、当然労災保険の法定給付のほかに法定外給付をしている民間の制度のよい面を公務員労働者にも当てはめて民間労働者との格差をなくすように、人事院としても早急に結論を出していただきたい、こういうふうに要望するわけでありますが、特に何かございましたらお答えをいただきたいと思います。
○佐藤(達)政府委員 大体午前中に私どもの気持ちを申し述べたのでありますが、現に民間における法定外給付の調査研究中でもございますし、それとあわせまして、午前中申し上げたような心組みでその解決に臨みたいと思います。
○木下委員 最後にもう一つ伺いたいのですが、あとでこれは中路議員のほうから行政職(二)の労働条件等についての質問をいたしますが、私は、いま神戸税関で問題になっておるのでありますが、輸出部の総括第二部内で働いております岩根勝子という人の問題について聞きたいのであります。 岩根さんは、昭和三十三年四月一日に入関しまして以来、今日まで十五年以上も行(一)と同じ仕事をして働いております。ところがこの身分は行(二)のままで置かれておるのです。これは人事院のほうも御存じのことと思いますが、一体なぜなのか。そしてこういう場合には当然行(一)としての取り扱いをすることができるのではないか、また、するべきではないか、こう思うのですが、いかがでしょうか。
○尾崎政府委員 どういう俸給表を職員に適用するかという問題でございますが、これは給与法に基づきまして、職員のやっている仕事のおもな仕事を中心にしまして、どの俸給表を適用するかということをきめるわけでございますが、この点につきまして、各俸給表の適用範囲というのがきめてございまして、それに基づきまして、各省庁におきまして、法律、規則の規定に基づきまして適切にきめていただくというたてまえになっておるわけでございます。そういうことで、この点は税関のお話でございますが、税関におきまして適切にきめていただくというのがたてまえになっておるわけでございます。
○木下委員 そういたしますと、いまのような扱いについては、神戸税関において神戸税関長がきめるべき権限を持っておるということですか。
○尾崎政府委員 法律には各省庁の長という形になっているわけでございますが、大蔵省部内において税関に委任しているかどうかという点はあろうかと考えます。
○木下委員 わかりましたが、いまも質問しましたもう一つの点ですが、十五年以上にもわたって、これはほかにこういう例があるかどうか知りませんけれども、もともと行(一)の仕事をしているのです。つまり事務職の内容の仕事をしているのです。この人は何回も配置転換になっているのですが、この人が配置転換になったあとの仕事というものはやっぱり行(一)の人が来てやっておるし、また、この人の行くところの仕事の前任者は行(一)の人だった。そういう事務関係の仕事なんですよ。ところがこの人だけは行(二)の職にとどめられておる。これはどうしても理解しがたいのです。また、どういう理由があるのかもわかりませんけれども、こういうのは当然行(一)に改められるべきことではないのか。これはいかがでしょうか。だれがやるかという権限はさっき言われましたけれども、もともとこういうものは行(一)として扱うべきものではないのか。
○尾崎政府委員 法律には、行政職俸給表(二)の備考に、「この表は、機器の運転操作、庁舎の監視その他の庁務及びこれらに準ずる業務に従事する職員で人事院規則で定めるものに適用する」、ほかに人事院規則の九-二というのが出されておりますけれども、これに相当しているかどうかという判断の問題になろうかと思います。実際にその方がどういう具体的な仕事をしているかという点によりまして、この俸給表の備考から判断していただくということになるわけでございます。
○木下委員 そうしますと、その問題はそういう判断の問題がありますけれども、行(一)の仕事であるとすれば、行(二)の職にとどまっておるのはぐあいが悪いということですね。確かめておきます。
○尾崎政府委員 文字どおり行(一)の仕事をしておれば行(一)の俸給表を適用すべきであるというふうに考えます。
○木下委員 けっこうです。これで終わりますが、最後に一つ。これも大出委員から要望のあったことでありますので、詳しく申しません。 人事院に対しまして、給与勧告の基礎作業につきまして、これは国公共闘をはじめとしまして公務員労働者のいろいろな要求や要請もあったことと思います。ひとつこうした要求や要請を十分に検討されまして、これに沿った勧告をされるように私からも要望をいたしまして、質問を終わります。
○加藤(陽)委員長代理 鈴切君。
○鈴切委員 私、国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案についての若干の質問をいたしたいと思います。 まず初めに、近ごろの都市を見てみるに、たいへんに超過密化されている現在、そしてまた土地の価格の暴騰によって非常に通勤の遠距離化という問題が大きな問題になってきておりますし、それからまた、交通事情の悪化という問題によって、労務提供のための通勤途上における危険度というものは日一日と増大をしている現状であります。通勤途上の災害の発生件数も相当な数にのぼってきている。これら通勤途上の災害については、国家公務員災害補償制度以外の諸制度によって若干カバーはされておりますけれども、被災者にとって、少なくとも業務上の災害の場合に比べて大きな差が生じているため、何らかの手段を講じなくてはならないということがたいへんに長くから論議されてきております。国会においても、昭和四十年の衆参両院本会議におきましてこれの質疑応答がされておりますけれども、その以前の昭和三十六年からこの問題が一つはとらえられてきております。各種の委員会において、附帯決議、あるいは労働大臣の諮問機関の通勤途上災害調査会の報告書をもとに、約十年間というものはこういう形でいろいろ論議をされながら一応の成果を見ようとしております。 そういう意味において、この問題についてはたいへんに前向きである、私はそのように判断をしておりますが、人事院が本年の三月一日に国家公務員災害補償法の改正に関する意見の申し出を行なうに至った背景には、通勤途上災害調査会の報告が大きなウエートを占めておったということは間違いのない事実でありますけれども、まず最初に、労働大臣の諮問機関である通勤途上災害調査会の審議経過についてお伺いいたします。
○石井説明員 通勤途上災害につきましては、先生御指摘のとおり、非常に長い間の議論がございました。労働大臣といたしましては、昭和四十五年二月に通勤途上災害調査会をお開き願いまして、そこで約二年半の非常に長い議論をいたしました。この調査会は、労災補償審議会の公労使の委員、それから労働基準審議会の公労使の委員、この方々に参加をいただきまして、すなわち公労使三者構成の調査会でございます。 そこで、この二年半にわたりまして非常な議論がございまして、その議論の大部分を占めましたのは、そのほかに調査研究もございましたけれども、先ほどから議論になっておりますような、いわゆる通勤途上災害を業務上災害という形でとらえるべきか、あるいは業務上外でとらえるべきか、この論争でございます。労働側は、現在の近代的な社会、あるいはこういうように交通が非常に遠隔化する社会におきましては、通勤がなければ労務の提供はあり得ないという観点から、これを業務上災害として位置づけるべきである、こういう議論を強調されました。これに対しまして使用者側は、現在の労災保険の業務上災害というのは、使用者の無過失責任の法体系を基盤にいたしまして、いわゆる業務の事由による、業務に基因する災害、さらにまた業務遂行中の災害に対して使用者の責任においてこれを補償をする、こういう体系でございますから、したがいまして、その裏には、使用者が災害を予防しこれをなくす努力ができ得る一つの基盤がその背景になっておるわけでございます。これに対しまして、通勤というのはなるほど業務と密接な関連はあるけれども、使用者の無過失責任の体系の中に入れることは、交通災害について使用者がこれを防止する手段というのは非常に困難でございますということから、現在の法体系のもとではこれを業務上とすることは相いれないものである、こういう主張でございます。これが約二年半にわたりまして延々と続けられた基本的な対決点であったわけでございます。 しかしながら、そういうことでなかなか進展をしなかったわけでありますが、先ほど先生から御発言がございましたように、国会においては附帯決議がなされた、あるいは通勤途上災害が非常な広まりと質的な深まりを示してきている、国民がそれを非常に要望しているという実態がございます。そこでこの調査会におきましては、この際、そういった基本的な問題はあるけれども、実際問題として現在通勤災害でけがをした、あるいは不幸にして命を失った方々をどういう水準でいかに保護すべきかがまず先決ではないか、こういう議論が出ておりまして、その議論が非常に進展をした契機になったわけでございます。 そこで、いわゆる業務上、業務外という問題については、ある意味ではたな上げというような一つの形をとったわけであります。その中で急速に進展をいたしまして、制度の中身あるいは法の内容、費用の負担といったような問題に議論が集中をしたわけであります。その結果、調査会におきましては大体四点にわたるひとつの理論づけを行なったわけでございます。 一つは、現行労災法上あるいは労働基準法上におきましては、通勤途上災害は一般に使用者の支配下にはないわけでありますから、これを業務上の災害としてとらえることは困難であるという一つの考え方であります。しかしながら現在の実態を見ますと、通勤はやはり大多数の労働者にとりまして労務を提供するというために行なう行為であります。それがやはり、一定時間あるいは一定の経路を必然的にとっているという一つのパターンが形成される、こういうことでございまして、いわゆる私生活上のレジャー的なものとは純粋に区別されるべき業務と密接な関連のある一つの行為である、この点についてははっきり確認をせざるを得ない、こういうことであります。それから第三の問題は、通勤途上災害の性格につきまして、現在の社会全体の立場から見ますと、産業の発展とか、都市化とか、そういったことからくる社会的な危険である、それは個人的な責任あるいは個人的な注意によって避けることのできない社会的危険であるという考え方であります。それから第四は、このような形をとります場合に、その水準、内容につきましては、やはり労働者でございますから、現在の労災保険と同じように、あるいは傷ついたりされた場合にはできるだけ早く社会復帰をする、あるいは職場につくということを目的とすべきであるということでございます。その意味におきましては、労災保険の水準、内容と全く同じにあるべきである、こういう四点の立論をいたしたわけであります。 したがいまして、業務上災害としてとらえることは困難でございますが、その内容あるいは水準につきましては、労災保険と全く同じ、あるいは準ずるものとして取り扱うべきである、こういう結論になりまして、公労使全員一致でこれが採択された、こういう経過をたどっております。
○鈴切委員 調査会の構成メンバーである労働者側と使用者側の意見が平行しておった、しかしその上に立って、言うならば、実際問題として通勤途上の災害を受けた方々は非常に不幸な状態にあるという見地から、調査会としては結論として全会一致でこの報告書を提出した。私これは非常に大きな前進だと思うわけですけれども、いまこのような状態で交通事情が非常に悪化しておる中で、それじゃ通勤途上の災害というものがどのような状況下であるということを知っておくということは、やはりたいへんに必要な問題ではないかと思うのです。 通勤途上の災害の実態については、たしか昭和四十六年度にその調査をされておるわけでありますが、その内容について少しお聞きしたいわけであります。その昭和四十六年度に調査されている通勤途上の災害の実態、すなわち通勤途上の災害を受けられた方々、その中で公務上の災害として認定された方はどのくらいいるか、その数について少しお聞きしたいと思います。
○中村(博)政府委員 私のほうで、四十六年の四から六月までの三カ月間をとりまして、職員数十人以上の官署に勤務する公務員につきまして通勤災害の状況を調べたわけでございますが、その期間中に通勤災害を受けられた方は五百十人でございます。これは出勤時が三百人、退勤時が二百十人でございます。職員千人当たりの災害発生率に直しますと〇・七でございます。これを補償法の適用職員の百十一万に換算して推計いたしますと、一年間の災害を受けられる方の数は大体三千人前後ではなかろうか、かように考えておるわけでございます。 なお、通勤の手段別に見てみますと、総体の四五%近くが原動機つき自転車または自転車の利用中でございまして、その次に自動車の利用中が三一%で続いてございます。そういうような状況であります。
○鈴切委員 出勤時と退勤時との災害発生状況は どうなっておりましょうか。
○中村(博)政府委員 いま申し上げましたように、出勤途上では五百十人のうち三百人でございます。それから退勤時が二百十人でございます。かようになっております。
○鈴切委員 昭和四十六年度の調査結果を見ても、いま一般職の国家公務員が七十二万七千人。四十六年の四月から六月までの三カ月間に受けた通勤途上災害の被災害者数が五百十一人ということになると、補償法の適用職員は約百十一万人いますから、換算すると、あなたも言われたように一年間約三千人、こういうことになるわけですけれども、これを考えあわせますと、公務上の災害か通勤災害かの認定によって、被災者の補償にあまりにも差ができてしまうと思うのですけれども、その認定基準となる通勤の定義というのは、どのように考えておられましょうか。
○中村(博)政府委員 通勤の定義につきましては、御審議願っております改正法の一条の二に詳細に定義してございまして、「「通勤」とは、職員が、勤務のため、住居と勤務場所との間を、合理的な経路及び方法により往復すること」、こういうことで、なお二項に中断、逸脱についてのこまかい規定があるわけでございます。したがいまして、その一、二項をあわせましたものが通勤という概念でございます。
○鈴切委員 この中に、「日用品の購入その他これに準ずる日常生活上必要な行為をやむを得ない事由により行なうための最小限度」ということがありますけれども、実際にこれを具体的に言いますと、どういうことになるのでしょうか。
○中村(博)政府委員 この点は、先ほど申し上げましたように、いろいろな問題があり得ると思いますけれども、私どもが現在考えておりますのは、日用品の購入の場合に、その日用品とは、先ほどちょっとお話し申し上げましたように、あすのパンとか米等々、それから下着とかシャツとか、そういったものを日用品というわけでございます。したがいまして、職員またはその家族が日常生活の用に充てるためしばしば購入するような物品をいう、かように考えておるわけでございます。「その他これに準ずる日常生活上必要な行為をやむを得ない事由により行なうための最小限度のものである」ということなんでございますが、「その他これに準ずる日常生活上必要な行為」といいますのは、先ほども御説明申し上げましたように、独身職員が夕食に立ち寄るというような場合であるとか、それからその場合さらに、「やむを得ない事由により行なうための最小限度」という場合でございますが、「やむを得ない事由」といいますのは、たとえば、きょうじゅうに退勤途上どうしてもそのような日用品の購入、ないしはこれに準ずる行為をしなければならぬという必然性があるというふうに解しておるわけでございます。ただし米などにつきましては、その日の夕食の米でなければいかぬというふうなことは申しませんので、必ずしもその日でなければならぬというようなきつい考えは持ってはございません。 それからなお、先生御指摘のように、「最小限度」という点につきまして、これは非常にきついという御印象をお受けになると思いますけれども、これは実質的には、要するに日用品の購入等のために必要な、合理的あるいは社会通念上妥当と認められる時間、距離等による逸脱、中断というふうに御解釈願えればよろしいんではないか、かように考えております。
○鈴切委員 それでは具体的に、ここの中にあります、職員が往復の経路を逸脱したり往復を中断した場合には、その逸脱または中断の聞及びその後の往復は、この法律案にいう通勤とはしないとしております。いわゆる「逸脱又は中断の間」というのですが、具体的にどういうことを「逸脱又は中断」というふうに考えておりますか。
○中村(博)政府委員 一般的に逸脱といいますのは、出勤あるいは退勤のため、つまり通勤の目的とは関係のない目的で合理的な経路からはずれる行為をいうわけでございます。 それから中断という場合には、合理的経路上におりますけれどもなお通勤目的から離れる場合、これを中断と称するわけでございます。 そこで例でございますけれども、たとえば逸脱の場合には、退勤途上において、夜桜見物とか、あるいは観劇等のために劇場へ寄った、あるいはそういう公園へ寄ったりする、これは完全な逸脱でございます。したがいまして、そのような行為がありました後は、通勤経路上に復しましても、これは通勤という概念にはならぬ、中断されてしまう、こういうことでございます。それから中断というのは、たとえば合理的な経路のところで、ちょっと例は悪うございますけれども、大道碁に興じたような場合、これは中断、かように考えております。
○鈴切委員 そうしますと、たとえばマージャンをしたり飲酒をしたりするということは、これは逸脱かあるいは中断ということに該当するわけですか。
○中村(博)政府委員 大体、さように考えていただいて間違いないものと思っております。
○鈴切委員 ところが、退勤途上において食事をする。しかし飲酒というものについて、常に晩さん的な飲酒ということも考えられるわけです。毎日一ぱい飲んで帰るという場合にも、やはりこれは、逸脱とか中断とか、そういうことに該当するのでしょうか、毎日の行為の中に含まれた場合。確かに、途中で飲んで酔っぱらってしまって、そして災害をこうむるということは、ちょっと私もそういうことは逸脱しておると思うのですけれども、しかし、毎日一ぱいひっかけては帰るという事態においてなった場合には、どうなんでしょうか。
○中村(博)政府委員 非常にむずかしい例をお出しになりましたのでございますけれども、これは先ほど申し上げましたように、基本的には、社会情勢の変化なりあるいは行政実例の積み重ねということでございますので、それを待って体系的に整理をしたいということでございます。したがいまして、その場合に、たとえば独身の職員が食事をする場合、そのときに酒を一ぱい飲んだからだめかということはちょっと考えないほうがいいんじゃないかな、かように感じてございます。
○鈴切委員 通常の通勤経路であればよいわけでありますけれども、通常の通勤経路以外の場所で物を購入して通勤経路で事故にあった場合、たとえば仕事の上で必要な物の購入をしてこい、こういうふうに命令をされた場合、これは公務災害になるわけですね。ところが、命令をされなくて私的に、日用品の購入は必要である、そのように判断をした場合において事故を受けた場合には、これはどういうふうになるのでしょうか。
○中村(博)政府委員 これは先ほど来申し上げておりますように、日用品の購入をたとえば退勤途上においてするという場合には、この法律案にも出てございますように、しかも先ほど申し上げましたように、たとえばテレビを買うとか冷蔵庫を買うなんという場合ではなくて、お米とかくつ下とか下着とかをお買いになるというような場合には、その合理的経路からの逸脱、中断がございましても、その合理的経路に復した後はこれは通勤と見る。復した後に起こった場合でございますね。そういうことでございまして、そのように現在では考えておるわけでございます。
○鈴切委員 仕事の上で必要な物を買うときに、命令によって買っていらっしゃいという場合には公務災害になりますね。しかし本人が、これは仕事に必要なものなんだという判断に立って買った。その途中で事故が起きた場合には、それはどういうふうなあれになりましょうか。
○中村(博)政府委員 先生のおあげになりました例のような場合には、これは明示の職務命令が出ておりますれば一番はっきりするわけでございますが、一種の善意行為的に、何かを仕事の必要がというので買いに行った場合、これは現在の例では公務外になります。
○鈴切委員 それは買った品物が確かに会社の必要品であった。本人の意思によって必要品を買った。会社のほうは当然、これは会社のほうで必要な品物を購入してくれたなと思っておったやさきの、いわゆる通勤途上における災害の場合にはどうなるのか。
○中村(博)政府委員 民間の場合は別でございますけれども、公務員の場合にはやはり予算の執行でございますので、物品購入等の場合にはその手続をしなければならぬわけでございます。したがいまして、そういう手続が事後といいますか、直近においてなされるような場合、この場合に事故が発生いたしました場合には、あるいは公務上と考えられる場合もあり得ると思います。しかし、やはり最終的には物品購入という成規な会計上の手続を経た場合が一つの大きなメルクマールになるのではないか、かように考えておるわけでございます。
○鈴切委員 このところ非常に交通事情が悪いわけです。電車の事故とか、あるいはストなんかがあった場合、通常の経路をたどっての通勤が不可能な場合も往々にしてあります。そうした場合に、ストとかあるいは事故とかいうことでどうしてもやむを得ない事由になるわけですけれども、それで別な経路をたどって、そしてその途中において災害をこうむったという場合においては、これはどういうふうな関係になりましょうか。
○中村(博)政府委員 法律案にございます合理的な経路というものの見方でございますが、一番わかりやすいのは、たとえば定期券を利用しております者が、定期券に表示された交通機関を利用し、かつ経路をたどるというような場合が原則的なものであろうかと思います。しかし、さように狭く解しておるわけじゃございませず、いま先生おっしゃいましたような、電車事故とかあるいは道路工事等々のために、そういった通勤事情によって特例的な経路をとる場合、その場合も合理的な経路と考えます。それから、たとえばマイカー通勤者がガソリンが切れまして、ないしは足りなくなるおそれがあってスタンドへ寄るというような場合、これもいずれも合理的な経路と考えてよいではなかろうか、かように考えてございます。
○鈴切委員 たとえば、こういうことは少ないかもわかりませんけれども、日曜日に命令によって出勤をしてもらいたいということで、どうしても月曜日にはそういう資料が必要だから、日曜日に少なくともその提出するための資料をつくってもらいたい、こういうふうな要望があって、命令的に言われた場合、Aは自分がそれを遂行するにはあまりにも手不足であるためにBに頼んだとしますね。そうした場合、Bは命令を受けてないわけですけれども、命令を受けたAを通じてBにその話があった場合、A、Bが通勤途上において事故を受けた。そういう場合には、A、Bはどういうふうなあれになりましょうか。
○中村(博)政府委員 その場合に、まずAのほうにつきましては、これは勤務を要しない日曜日にある仕事をせいという、これは明示または黙示の命令があるわけでございますので、これは全部公務上でございます。その場合に、いま先生がおあげになった場合は非常にむずかしいのでございますけれども、Bの場合でも、そのような行為を黙示的に管理者が認めておると見られるような場合、この場合にはこのBの行為も公務上になるかと思います。
○鈴切委員 何だかんだとたいへんにむずかしい繁雑な作業が必要だし、また見解等が必要なんですけれども、結局は通勤途上の災害を公務上の災害と認めれば問題はないわけですけれども、しかし、その通勤途上の災害を公務上災害とでき得なかった理由というのは、どういうところにありますか。
○中村(博)政府委員 これは、先ほど労働省のほうから通勤災害調査会での御議論の御披露がございましたけれども、やはり結局、通勤という行為は使用者の支配管理下にない、したがって、たとえば危害防除いたそうにも、どの電車に乗ってくるかわからぬのですから、私鉄まで全部危害防止責任を負うわけにもまいりませんから、したがって、そういう点から支配管理性という原則でこれを断ち切って、一方は公務上にし、他方その支配管理性のないものでも、先ほど来御発言のような通勤事情その他勤務との密着性という点に着目して通勤災害というものがそれにつけ加わっておるわけでございます。そういう点の分け方じゃないかと思っております。
○鈴切委員 ただいまのお答えですと、使用者の支配下にある災害については使用者が補償をしましょうという考え方のようでありますけれども、通勤があって初めて労務の提供がされるわけです。通勤は即労務そのものではないかもしれないけれども、労務遂行の一つの流れの中に通勤があるのではないかという議論もあろうかと思いますけれども、そう考えてくると、通勤もやはり私は労務と考えるべきではないかというふうに思うのですよ。その点もう少し明確に……。
○中村(博)政府委員 通勤が公務そのものであるという観念はちょっとむずかしいのではなかろうかと私は思います。かりに勤務の提供というものと関係があるとしますれば、住居へ帰って寝ることも、これはあすの英気を養うためですから、労務の提供でございます。そうしますと全部広がってしまう。とてもそれはカバーできない、こういうことに相なりますので、やはり先ほど来申し上げておりますような通勤の定義を用いまして、その限度内において現在妥当と認められる範囲内におけるものを通勤災害として救済していく、こういうことがやはり一つの方法ではなかろうか、かように思います。
○鈴切委員 通勤による災害にかかる補償等の種類、支給事由及び内容については、提案理由の中に「公務上の災害に係るものに準ずること」としていますけれども、この「準ずる」ということはどういうことでしょうか。
○中村(博)政府委員 おっしゃるように「準ずること」になっておりますけれども、それは、「通勤による災害に係る補償等の種類、支給事由及び内容」、これが「公務上の災害に係るものに準ずる」、こういうように提案理由ではなってございます、したがいまして、たとえば、療養補償でございますとか、休業補償でございますとか、障害補償、葬祭料、遺族補償、そういったものは全部本条の災害補償の場合の補償、これと同じでございます。ただ違いますのは、一部負担金が職員の場合に二百円を限度としてある、この点だけでございます。
○鈴切委員 「公務上の災害に係るものに準ずる」によって、私は他の制度との差が著しく出てくるのではないかと思うのですけれども、たとえていえば、一般職の職員の給与に関する法律の第二十三条「休職者の給与」に記されているごとく、公務上負傷しての休職者には給与の全額支給が行なわれますけれども、公務災害と認められない場合には、種々異なった支給になっているわけです。 これらを考え合わせますと、単に補償法の一部を改正するということで「公務上の災害に係るものに準ずる」といって、あたかも公務上の通勤途上とはさほどの違いがないような考え方のようでありますけれども、確かに今度の提案された補償法に関していえば大差はないようでありますけれども、他の諸制度、すなわち給与法あるいは退職手当法との差はやはり歴然としておるわけでありますけれども、この点はどのようにお考えでしょうか。
○中村(博)政府委員 ただいまも申し上げましたように、補償の体系の中では、その種類、支給事由、内容を準ずる、こういうような理由説明になっておるわけでございまして、いま先生申されましたように、たとえば給与上の処遇をどうするかという問題は、先ほど総裁、人事局長から御答弁申し上げましたが、これは補償とはちょっと別になっておるわけでありまして、給与上の処遇をどうするかということで、そのような観点からいろいろ検討をすべきである、こういうことであります。
○鈴切委員 「通勤途上において職員が受けた公務上の災害の取り扱いについて」は、「午後十時から翌日の午前七時三十分までの間に開始する勤務につくことを命ぜられた場合の当該時間内における出勤途上及び午後十時から翌日の午前五時までの間に勤務が終了した場合の当該時間内における退勤途上」のほか、「次のいずれかの場合におけるそれぞれに掲げる日の通勤途上」というふうになっておりますけれども、特に勤務を命ぜられたときについては公務上の災害として認めるとしております。しかし、事業所へ勤務のために通勤するということでは、特に命令があろうとなかろうと、実際にこれは同じじゃないかという考え方のほうが正しいのじゃないかと私は思うのですけれども、その点についてはどうなんでしょうか。
○中村(博)政府委員 たとえば時間を示しましてその間に勤務につくことを命ぜられた場合とございますように、たとえば、早出したりあるいは残業を命ぜられた場合、そのような場合には、これは公務員は、緊急のために民間と違ったいろいろな仕事があるわけでございまして、しかもその公務員の場合には、超過勤務を命ぜられればこれに従わなければならぬという、公務の特性からくるいろいろな制約がございます。したがって、そのような特性を考えてこのような制度が現在行なわれておる、かように御理解をいただきたいと思います。
○鈴切委員 西ドイツの例をとってみますと、労働災害に関する責任は、もっぱら同一業種の事業主の団体である同業保険組合が負うというふうになっております。それでこの同業保険組合の労災補償責任は、個々の事業主の責任。保険者の責任としてではなく主として事業主の集団責任に基づくという西ドイツにおける通勤途上災害制度をどのように考えておられるか。またわが国でこういうふうなことを導入するという考え方はないのかどうか。それについて……。
○皆川政府委員 西ドイツの場合は、公務員について考えますと、いまいろいろと問題になっておりましたように、公務災害に準じた取り扱いになっているようでございます。その点は、先ほど労働省からこの答申ができます経過についてお話がございましたように、各国いろんな条件のもとにこういう制度ができ上がっているのでありまして、日本の場合には今日まだそこまできていない。これはやはり、いまのたてまえのもとにおいては、公務災害と全く同じにはできない、こういうことになったわけでございまして、お話のように、西ドイツの例があることは私たちも存じておるわけでございますが、現在の日本の公務災害なりあるいは労災のたてまえ上からすれば、ここに差別を設けるのもやむを得ないと考えておるわけでございます。
○鈴切委員 最後です。総務長官にお伺いしますけれども、このようにして、長い間、通勤途上におけるところの災害の問題については、労使の考え方の違いというものがずっと続けられてきたわけでありますが、労働大臣の諮問機関である通勤途上災害調査会、これに大体報告を得て、そしてなお衆参の国会においても、通勤途上の災害については何らかの適切な処置をとるべきであるという附帯決議等も加味してこの問題が大きく取り上げられてきたということは、これは私は非常に前進である、そういうように思うわけであります。しかし、先ほどから論議を続けてきた中に、かなり微妙な認定、あるいはそういう運用というものが、私はあろうかと思うわけであります。この運用、認定等については、ぜひともひとつ前向きに取り上げるという方向を考えながら、こういう不幸にして災害にあった方々に対して十分手厚い処置をしていただきたい、このように思うわけでありますけれども、総務長官はそれについてどのようにお考えになっておりますか、最後にお聞きします。
○坪川国務大臣 いま御指摘になりましたように、公務員の通勤災害補償の問題につきましては、過去にわたりまして、人事院からも、また労働省その他関係調査会等からも、累次にわたりまして適切な措置を講ずるようにとの要請を受けてまいったようなわけでございます。これを踏まえまして、今回提案をさせていただきました長年の課題でもございましたような次第でございますが、おかげをもちまして成案いたし、いま御審議をいただいているさなかでございますすが、先ほど来、午前中から各委員の御指摘になりました問題、またただいま鈴切委員が御指摘になりました運営上の問題点等、十分これからの御制定、議決を賜わりました後におけるところの問題点等について、私といたしましては配慮いたしながら、またそうした運営の問題点の解明に前向きの姿勢、御指摘のとおりの姿勢でひとつ取り組みまして、いま御指摘になりましたそうした問題点の完全なる運営と並び、適切な指導を積極的に講じてまいりたいという所存を表明申し上げておきたいと思います。
○鈴切委員 終わります。
○三原委員長 受田信吉君。
○受田委員 基本に関する総理府の権限関係の問題から、この法案につながる諸問題をまずお尋ねしたいと思います。 総理府設置法の中に「総理府は、左に掲げる国の行政事務を一体的に遂行する責任を負う行政機関とする」、これは坪川さん、あなたの御任務ですね。「一 栄典、恩給及び統計に関する事務二 人事行政に関する事務 三 北方地域に関する事務 四 各行政機関の施策及び事務の総合調整 五 他の行政機関の所掌に属しない行政事務並びに条約及び法律で総理府の所掌に属せしめられた行政事務」、こういうのが一つあるのでございますが、このたびのこの国家公務員災害補償法の一部改正案を担当しておられる総理府として明確にしておきたいことは、これは総理府人事局が御担当のようでございますが、総理府の任務の中にある「二 人事行政に関する事務」というものは、各行政機関の各機関との総合調整を含む人事行政ということが入るのかどうかです。
○皆川政府委員 人事局の所掌事務につきましては、総理府設置法の中で若干具体的に書いてあるわけでございますが、一つは「国家公務員に関する制度に関し調査し、研究し、及び企画すること」、それから国家公務員等の人事管理に関する各行政機関の方針、計画等の総合調整に関すること」、それから三番目としては「一般職の国家公務員の能率、厚生、服務その他の人事行政(人事院の所掌に属するものを除く)に関すること」、こうなっております。四番目は「国家公務員等の退職手当に関すること」、五番目は「特別職の国家公務員の給与制度に関すること」、それから六番目は「前各号に掲げるもののほか、国家公務員等の人事行政に関する事務(他の行政機関の所掌に属するものを除く)に関すること」、このように規定しておるわけでございます。
○受田委員 いま皆川局長のお話を伺って、ふと思い出したのですが、局長さんの事務の範囲の中に、国家公務員等の人事管理に関する各行政機関の方針、計画等の総合調整に関する項が一つあるわけです。これは各行政機関の方針、計画、人事管理に関するそれらの総合調整ということになりますと、各省のいま指摘した点をもとにした交流人事が当然想定されていいのでございまするが、それに総務長官は権限をお持ちかどうかです。
○皆川政府委員 私から一応お答え申し上げますが、これは各省の人事管理に関する基本的な方針であるとか計画というものの総合調整ということでございまして、各省独自に行ないます人事に、この規定を根拠に直ちに法律的に、総務長官のほうで総合調整的な立場からものを申し上げるということは、ちょっとむずかしいんじゃないだろうかと考えております。もちろん、現在の人事管理に関するいろいろな任用等につきましては、公務員法なりあるいは人事院規則等に基づきまして一つの基準があるわけでございますから、その基準に従えば大体そうおかしな形にはならないたてまえになっておりますので、御指摘の点はつぶさに存じてはおりませんけれども、この規定をあまり広く解釈するのは無理があるのじゃないかと思っております。
○受田委員 人事院総裁がおられるので……。この総理府の権限の中にある、人事管理に関する各行政機関の方針、計画等の総合調整に関する項の中には、人事院の果たす役割りがあると私は思うのです。いかがですか。
○佐藤(達)政府委員 それは平面的には除かれておると思います。しかし、私どものほうで根本基準なら根本基準について権限を持っている場合には、その根本基準に基づく各庁各省の行政事務の関係の取りまとめを人事局でおやりになる、筋としてはそういうことはあると思います。根本基準をわれわれがお預かりしておるということに着目して考えれば筋が通ると思います。要するに人事院所管そのものに入るものについては権限はお持ちにならない。
○受田委員 そこで非常にデリケートな問題が一つある。人事管理に関する問題として、人事院が持っている権限、総理府総務長官のもとにある人事局長が持っておる権限、これはやはり無関係じゃない問題ができてくる。人事管理のこの部分については人事院が、基本的な責任があるんだからといってがんばれば、もう人事局長のする仕事がない。現実に、この各行政機関の方針、計画等の総合調整に関する項として人事局長が持っている具体的な事象については何があるのかを、ひとつ局長さんのほうで説明をしていただいて、それから今度人事院総裁にお尋ねしたいと思います。
○皆川政府委員 先ほどの先生のお話では、人事交流の問題が一つありましたので、その点については、直ちにこれから出てくるのはいかがであろうかということを申し上げたわけでありますが、そのほかには、もちろん、服務上の問題、規律上の問題、あるいは職場管理の問題等々につきまして、総合調整を必要とする問題が出てこようかと思います。
○受田委員 私、この問題だけで相当論議をさしてもらいたい問題があるのです。せっかく総理府の権限の中、任務の中に、こうした人事局長を置いて、いま申し上げたような人事管理の総合調整という大役をお持ちになっておられても、人事院が諸規則をつくられるわけです、人事院規則で。そこで、人事院が握ったその権限をどういうかっこうで総合調整するか、これは非常にむずかしい問題が出て、結局、人事局長は名ばかりで、実をよう取らない傾向はないかと思うのです。たとえば人事交流について、総理府としては、この省にこういう適材がおるから、今度この省にこういうふうに持っていきたい。たとえば総理府の外局である庁と称するものの間の連絡調整はわりあいにやりやすい。ところが、独立の行政長官を持つ各省との人事交流、適材を適所に配置するという、国家目的のために国家の人材を適当に配置しようという仕事になると、これは総理府がなかなか思うように握ることができない。長官、それはおわかりになりますか。実際問題としてやりにくいんだということです。
○坪川国務大臣 受田委員御指摘のような実際上の人事運用の問題になると、そうした点が出てくるうらみは十分あるというような気持ちはいたしておりますけれども、それはやはり人の運用の問題でございますので、総務長官として、適切に各省庁との連絡を、また理解を深くいたしていくというようなことから、それが行ない得るものであるということも私は踏まえておるのでございます。
○受田委員 総合的な人事行政のうまみを発揮しようとすれば、各省間の公務員の待遇のバランスをとるという問題なども非常に大事なことなんです。つまり、人事交流の基礎になるという点で、各省でできるだけ公平な待遇がされるようにしなければならない。ある省は非常にテンポを早めて課長、局長と進む、ある省は非常にテンポがおくれていく、そういう問題になると人事交流に非常にやっかいな問題が起きる。たとえば特別昇給制度というものがあるんだけれども、ある省は特昇の制度を生かして、予算をどんどんぶんどって、どんどん特昇をやっていく、ある省は特昇の制度の活用の度合いが薄くておくれてくる、そういうものを今度人事交流をやろうというときにどう調整するかという問題などが起こってくる。人事院がそういうときに調整を十分とれるような規則をつくっておけばいいがね。ある省はどんどんテンポを早めて、時間切れが来たやつはどんどん進めていく、ある省は予算を節約してテンポがおそい、そういう場合には、何年かたったときには各省のバランスがとれるような規則を人事院がつくられればいいが、人事院は、級別定数などはきちっとやるけれども、それを最高に活用するほうと、活用の度合いが少ないほうとの調整などは、調整する能力がない、無能力者に近いかっこうになっておる。そういうようなことで、人事院は各省の待遇のバランスをようとっておらぬ現実がある。人事院はその点、各省の特別昇給の活用は、完全に各省が公平に人事院の命令どおりにやっておると思っておられるかどうか、総裁として権威ある御答弁を願います。
○佐藤(達)政府委員 何から何までわれわれのほうでしょって立とうというものでもなさそうに思いますけれども、たとえばいまの特別昇給のワクというものは一五%ということで、人事院でワクをきめてやっておるわけでございます。それを今度は、個々のケースについてわれわれのほうでとやかく、この人はいい、この人は悪いということまではいきませんけれども、大体ワクをきめて、それを基準にしてそれを各省にお示ししておる。しかし、ものによっては採用の際には選考をやります。試験はもちろん人事院でやりますけれども、選考をやります場合には、この人は適性を持っておるかどうかということも、われわれのほうで具体的にやるということもございます。それから給与の関係でも、特昇のみならず特別の特例措置をある人について講ずるというときには、その一人一人について、人事院でやはり承認なり何なりの措置をとらなければ動かぬということもございますけれども、しかし、何から何まで具体的な各省庁間の運用上の調整をわれわれのほうでやるということは、これは無能と言われればそのとおりなんです。人数をふやしていただけば別でありますけれども、そこまでわれわれがしょって立とうとは思っておりません。そのためにこそ人事局がおありなんで、われわれとしては、人事局のお仕事の幅というものは、いまのおことばにもちらちら出ておりますけれども、そういうことまで含めて人事局の仕事は相当広い、また大きな責任をお持ちのお役所だというふうに考えます。
○受田委員 総裁、私はあなたにほとんど全部敬意を表しておる議員なんです。ところがまれに手落ちが起こる。それは、非常に権威あるお方であり、また権威ある人事院の機関を握っておいでなのであるから、大体においては間違いなくやれるのですが、いま私が指摘をしました各省間の処遇の公平を期するということが、国家公務員の大事な人権に関する基本問題なんですよ。したがって、いまちょっと触れましたが、実際はそうした各省の待遇について特昇の公平まで事こまかくなかなかやれぬのだ、そこに人が要るのだというように受け取れました。それは人事局がやるべきことなんだということになってくると、局長さん、あなたの使命は非常に重いのでございますが、ここに明確にしておかなければいかぬことがあるのです。設置法でこういう規定をつくったり、各省間における人事の公平、適正なる人事の配置、待遇の公平、こういう問題はこれは行政責任者の最も大きな仕事の一つなんです。それが期せられておらない。現実に各省の特昇制度がどうなっておるかを、総裁、お調べになっておられますか。給与局長、公平になっていますか。どうですか。
○尾崎政府委員 特別昇給につきましては、各省庁に対しまして、定員の一五%の範囲内で適切にいい人について特別昇給をするようにということで毎年やっておりまして、この実情についていろいろ調べさしていただいております。
○受田委員 その結果はどうですか。
○尾崎政府委員 具体的にちょっと用意しておりませんけれども、やはり非常に成績のいい方についてやっておるという実情を把握いたしております。
○受田委員 非常にいい人の中には、ごますりもおれば、茶坊主もおる。そういうのが人事考課表の中で、勤務評定の上で点数かせいで、そして、そういう表面をつくらない、非常に誠実な勤務者が落後しておる、こういう問題も出てくる。これは非常にむずかしい問題でございますが、同時に、課長に早くなる省と、さっき申し上げたような課長になるテンポがおそいのとがある。そういうときには、各省間の人事交流をするのに、一方は課長になっておるのと、これから課長になろうとするのとどうするのかという問題があるわけです。そういうところは、昇格期間を十分厳重に守るように指示をすればその調整はできると思うのです。それから、現実に昇給昇格の際に、ゆっくりテンポをゆるめて各省の調整をはかるという目的を持つた措置というのも要るわけです。現にかつては人事院には三十代の局長がしばしば誕生されたわけです。頭をひねっておられるが、そうですね。かつて任用局長をされた松村清之君は私と同郷ですが、三十八歳のときに任用局長になっておる。大山正さんも三十代で局長になっている。しかしいまどきは三十代で局長になる人はおらぬわけです。そうして省によったら、外務省などはなかなか時間がかかっている。こういう調子です。そういうところの調整は、やっぱり人事院が行政機関間の調整をはかる。そうした人事院規則による調整というのがいいと私は思うのですが、そういうところは人事局長がやるんだと、いま重い使命を佐藤総裁が人事局長に付与されたのでございますが、ちょっと私はここで、人事局という局ができて優秀な局長さんを置かれておるけれども、人事課との関係というものは一体どうなっておるのか。総理府の中にもう一つ人事課というものがある。総務長官はいま、人事課長の任務はどんなのかおわかりですか。あなたは単独で人事課を握っておられるのか。あるいはどこかと共有しておられるのか。人事課長というものは一体どういう形のものか。あなたの手下に、総理府に人事課長がおるわけです。それと人事局長との関係はどうなっているのか。人事局長の指揮監督の範囲内にある人事課長でないなんて、これは非常にへんてこな機構になっているんですけれども、これは一体どうしたものであるか。御答弁願いたい。
○坪川国務大臣 私のもとにある人事課長は、いわゆる内閣の官房三課長としての人事課長でもあるわけでございます。そういうような立場から考えますときに、内閣の官房長官としての仕事、また総理府の三課長としての仕事、それぞれございますので、そうした立場から、やはり内閣官房長官と私の総理府総務長官という立場で、両者がそれぞれ指揮をいたしているということでございますので、総理府の人事局長の配下においての人事課長というウエートは少ないといいますか、そうした面では、やはり内閣官房長官及び総理府総務長官の管轄の三課長としての仕事が多く占めておるということで御了承願いたいと思います。
○受田委員 そこに行政の混乱があるわけなんです。これは私、前から疑義を持っておった問題なんですが、ちょうどきょうは人事局長の担当の法案が出た機会に所管事項を明確にする必要がある。あなたの部下である人事課長は、同時に内閣の官房人事課長でもある、総務長官、官房長官共管課長、そう解釈していいですかね。
○坪川国務大臣 そう私も解釈いたしておる次第でございます。総理府の人事局長という立場からいいますと、いわゆる総理府の人事課長の立場は、一般の公務員としての給与という問題、またそうした関連する問題が所掌事務として一番多くのウエートを占めておると、こう解釈しております。
○皆川政府委員 いま長官がおっしゃいましたのは、具体的に課長が内閣官房の人事課長と総理府の人事課長を兼ねておるということの結果、実際上同じ人がやっておるためにこういうことになるわけでございますけれども、もちろん所掌事務は、内閣官房の仕事が官房長官の所掌、それから総理府関係の仕事については総務長官の指揮を受ける、こういうことになるわけでございます。
○受田委員 人事課長をちょっと呼んでいただけませんかね。来ておられますか。
○三原委員長 いま呼びます。
○受田委員 総理府総務長官、私はこの前の委員会で、総理府が人事と予算を握れば国政の円滑な運用は妙を発揮できると申し上げました、その意味において、総理府のあなたの部下である人事課長は、あなたの同じ部下である人事局長との間に、局長、課長としての間の――どうも、いま伺っても、読んでも、指揮監督権というものも、あるのかないのかちょっとわからぬ。つまり人事局長のやる仕事と人事課長のやる仕事のつながりは少ないのだということ。ないことはないのだということですね。ないことはないのだけれども少ないのだということですが、これは同じ総理府の中にある人事局長と人事課長と――あなたが半分ほど権限を持っている、指揮監督権を持っている人事課長と、あなたが全面的な指揮監督権を持っている人事局長との間には、半分の部分についても指揮監督権がどうなるのか。通常は人事局長のもとに人事課長があって、それが上下の関係で運営がされるということです。総理府には非常に奇妙な機能が発揮されておるような感じがするわけでございますが、せっかく人事局長というポストができて、そこでこういう任務が負わされて、各行政機関の連絡調整、総合調整をやるというような任務が負わされている以上は、その任務がりっぱに果たされるような何かひとつ……。もし任務の上で欠陥があるならば、もっと明確に任務をうたってこれをやるべきではないか。 そこで、これは任務で少し手直しをする必要はないか。人事課長のやっている仕事と局長のやっている仕事というのは、いま論議しているうちに非常にまたこれ疑義ができてくるし、そこへ人事院というのがあって、人事院が大体基本的な規則をつくって、基礎が一応かたまっている。その基礎工事の上の建築の妙味を発揮するのにも、基礎工事の任務だけにとどまらないで、基礎工事の上へも人事院の威光が輝きつつあるということになると、石原タケノコではないけれども、基礎工事の上にタケノコがなお建築の下を貫いて威力を発揮するという奇現象も起こってくるということになると、人事局長の任務と人事院の任務と、それから人事課長の任務との間に、どうも明確なものが欠けておる。もし欠けておるならば、これを法律の文章で明確にする必要がある。人事行政の各省間の連絡調整もやるんだということがうたってないじゃないですか。その欠陥が一つある。その権限を人事局長に与えるような改正をすればいいじゃないか。そうしたら、いま特別昇級、あるいは昇格にあたっての各省間のバランスがくずれておるような問題を、人事局で、あなたのほうで各省間の調整をはかる、こういうことで人事交流も妙味がある。これをひとつ、「人事局長は各省間の人事の総合調整をはかる」というのを一項入れておけば問題が解決すると思うのですが、長官、どうですか。
○坪川国務大臣 受田委員の内閣委員会において、絶えず総理府の立場から、いわゆる予算編成等、予算決定権を総理府が持つべきであるという先般の御論議、また御指摘、また本日の人事権のはっきりとした人事局長においての掌握の問題等の御指摘、心情的には受田委員の御指摘に私も非常に感謝もいたし、またそうした方向でありたいなという共感の意味もあるわけでございますけれども、私が所掌いたしております実際上の問題を考えておりますと、いわゆる総理府の中にある人事局長が各省庁の連絡調整といいますか、調整をはかるという意味においてはその推進は困難ではございませんけれども、しかし、各省庁におけるところの人事の異動から、あるいは昇格等、すべてを人事局長の管掌のもとに置いて行なうということは、なかなかその点はむずかしい点も多々あるのは事実でございます。 したがいまして、いまはいわゆる内閣官房の人事課長の所掌をいたしながら、事務的にはもう総理府のいわゆる人事課で一切の、たとえば大臣の辞令その他までの事務上は全部取り扱っているという現実でございますので、事務的の取り扱いはそうした仕事でやっておりますけれども、実際のそうしたいわゆる異動あるいは昇格というようなことになりますと、これはやはり連絡調整ではいたしておりますけれども、そうした細部にわたって、高度にわたっての権利は持っていないわけでございまして、それを持ったほうがよかろうというお気持ちは――私もそうした方向に進みたい。いわゆる国の行政の人事の一元化という姿を求めることは、人事行政の上においては私は非常にいいことだと思いますけれども、御指摘は御指摘、また現実は現実として非常に困難な点もあることはひとつ御理解おき願いたい、こう思っております。
○受田委員 人事院には総裁のような空前絶後ともいうべき人材がおられるわけで、私たちはその点は安心しておる。しかし、そういう規則をつくったりすることにのみ心を砕いて、各省間の人材の高度の比較検討による配置の妙味を発揮するというようなことへは、人事院はとても手が届かぬのですよ。だから、そういう基礎的な仕事は人事院にやってもらう。くしくもいま人事院総裁が、そういう人事交流の妙味などは人事局長にやってもらえばいいのだとはっきり言われておるのです。きわめて明白なお答えがいま出た。そういうバランスをとったりすることこそ人事局長のする仕事だという。 ところが、この規定を見ると、総合調整をはかること。各行政機関の方針、計画等、人事管理に関する総合調整をはかることだけでは、いまのような、給与のバランスがくずれているかどうか、人事の規則どおりにいっておるかどうか、バランスがへこんでおる、くずれておればそこを、あなたの省は少しテンポを早めよ、そして人材を発見して、この人材はここに置きなさいという、ここの総合調整ができればいい。新しい役所には人を集めることは簡単にできるけれども、既設の役所というものは、なかなか人事の交流を発揮しようということは骨が折れる。しかし骨が折れても、国家の大計から見たら総務長官が実力を発揮してもらわなければならぬ。そのためには、あなたのよき補佐役の人事局長に思い切り腕をふるってもらわなければならぬ。そこで、人事課長のなさっている仕事を――ちょっとあなたがおっしゃったが、人事課長のなさっている仕事、それから局長のなさっている仕事が重なっているというのは、どこが重なっているのですか。
○坪川国務大臣 御指摘になりました点でございますが、この内閣全体の人事行政のあり方、またそれの進め方あるいは調整連絡ということは、官房長官と総務長官である私と、また官房副長官と総理府の副長官が絶えず連絡をとりながらそうした点を決定はいたしてまいりますので、要は私は運用であろうかと思います。そういうような点ではっきりとしており、それによって内閣官房人事課長がそれぞれの所掌事務を扱うということになっておりますので、いま直ちに総理府の人事局長がそうした一切の人事権を持つということは、ひとつやはり段階的な揚を踏んでいかなければならぬのじゃないかということを申し上げる意味において、いまお答えいたしたのはそういう点でございます。
○受田委員 私が指摘しているのは、人事局長のなさっている仕事と人事課長のなさっている仕事が重なっているところはどこであるか。
○皆川政府委員 これは各省でもそうでございますけれども、官房の課長というものと各省の局長というのはたてまえが違っておりまして、官房の課長は、大臣あるいは次官というところに直結をする仕組みになっておるわけでございます。総理府の場合も、たまたま人事局、人事課という名前が似かよっているために、この系列に入るように解されがちでございますけれども、よその省と同じように、官房の課長と行政の局長というのは別建てになっておるわけでございます。 ただ、先ほども申し上げましたように、人事局の所掌事務は総理府のいろんな規定の中でもちょっと異色の規定だと思いますけれども、ここに書いてありまするように、各行政機関の人事管理に関する方針、計画というものに対する総合調整に関するものというのが入ってございまして、これがどこまでやり得るのか、具体的な権限というものはありませんので、なかなかやり方はむずかしいわけでございますが、この総合調整に関する限りにおいては、各省の人事当局と相結びつく問題が出てくる、相協力しなければならぬ問題が出てくる、こういう意味で長官が申し上げたのではないかと思っております。
○受田委員 局長さん、総理府設置法の第五条の二「特別の職」に入れてあるのですが、「人事局及び恩給局に、次長各一人を置く」、こういう規定があるのですが、人事局長の指揮下にある職員は、次長を入れて何人いるのか、お答えを願います。
○皆川政府委員 約三十名程度でございます。
○受田委員 その三十名の局員は主として役付的なものが多いのか、あるいは平が多いのか、お答えを願います。
○皆川政府委員 絶対の数から言えばもちろん平職員が多いと思いますが、ただ参事官制度をとっておりまして、比較的普通の職場よりは役付の職員が多くなっております。
○受田委員 三十人の中で局の下に課があるかないかです。
○皆川政府委員 課はございません。次長のもとに参事官制度をとっております。
○受田委員 局長の下には課長がない。ほかに総理府にそんな局があるかないか。これは大所高所から、局長でなくて、これを答弁する正式な任務があるのはだれになるのですか。
○宮崎(隆)政府委員 お答えいたします。 ただいまのお尋ねに該当いたします部局といたしましては、総理府の青少年対策本部というのがございますが、ここでは部長制をしいておりますので、次長のもとに参事官を若干名置いております。そういう役がございます。
○受田委員 交通の関係はどうですか。
○宮崎(隆)政府委員 お答えいたします。 仰せのとおり、交通の場合、室長以下、課長制をしきませんで、参事官を若干置いております。
○受田委員 しかし、この場合は人事局ですからね。そうした特殊の目的を持った機構とは違った、人事行政の総括調整任務を持っておる局となれば、その下に当然課があってしかるべきで、参事官で片づけている問題じゃないと思うのです。いま静かに機構の問題を考える時期が来ておる。各省間の人事の公正を期する上においてもっと……(「そうだ」と呼ぶ者あり)非常に御共鳴いただきまして、ありがとうございました。ひとつ総理府総務長官としても、これ以上は申し上げません、善処するとお答えいただけば、あとは追及いたしません。
○坪川国務大臣 総理府の構成、機構は、いま審議官が申しましたように、大体、本部とかあるいは対策というようなものの機構が多うございますので、御承知のとおりに、統計局などを見ましても、二千名の職員がおりますが、いわゆる部でございまして、課は総務課一課というような状態でございますので、そうした点について改正すべき点が出てきました場合には改正いたしたいと思うような次第でございますが、いま受田委員が御指摘になりましたような問題点は、漸次私は受田委員御指摘の方向に向かって取り組みいたしたい、こういうようなことを受田委員にはっきりと申し上げておきたいと思っております。
○皆川政府委員 先ほど私、総数をちょっと概数で申し上げましたが、女子事務補佐員そのほかタイピスト、運転手等も入れますと、人事局の総数は四十三人でございます。
○受田委員 次に、この法律にじかにつながる問題を一、二点お尋ねして質問を終わりたいと思います。 この災害補償法の改正の主眼点が、通勤による災害に対する新しい補償の道を開くというわけです。具体的な例を引いてお答えを願いたいのです。 学校の先生、これは一般公務員の中に国立学校の付属学校の先生などは、幼稚園から高等学校まであるわけですが、そうした教職員が家庭訪問をして子供の実情を家庭でよく相談をしようという意味を持って、学校の帰りに家庭訪問をやる。しかしその家庭訪問は教師みずからが立案計画をやって、それに基づいて、きょうはどこ、あすはどこと、こういうふうにやっていくわけです。その家庭訪問は学校教育の延長として見るべきものか、あるいは勤務を終わってあとの私的な行動と見るべきものか、お答え願いたいのです。
○中村(博)政府委員 いまの御質問でございますけれども、その場合に先生の職務の中の範囲に入っておるかどうか、そういう点がつまびらかでございませんので、あるいは間違っているかもしれませんけれども、あるいは入っておるとしますれば、その行為は公務上になるわけです。入っていないとしまして、善意、好意的にやられた場合には、これは通勤途上に、通勤災害になるかどうか、ちょっと検討を要すべきことであろうと思います。
○受田委員 検討を要する問題。そうした家庭訪問というような計画を学校長が決裁をして、あなたは何日にはどこへ行げ、こういうことをやる。しかし家庭訪問というものは、その場で時間どおりに五分や六分で済まぬこともある。新しい子供の状態が発生したらば、一時間でも二時間でもまたその子供のために別なところへ行って骨を折ってあげなければいかぬことも起こるというわけでありますから、勤務の時間は十時になるか十一時になるかわからぬことも起こる。学校では、五時から七時まで家庭訪問、何々方面、どの家と学校長が決裁をした。しかし、事実問題はその調子にいかないのが家庭との連絡をする教師の重い任務であり、そういうのが特殊の状態であることをわれわれはよく知っております。そういうときに、学校長が決裁をしたワク外の、八時、九時などは決裁をしてないということがあるときはどうなるのか。それから、一々家庭訪問を毎日毎日、きょうはどこへ行きます、あしたはどこへ行きますと言うて学校長が決裁をするということは事実問題として不可能で、学校では、五十人、六十人もおれば、先生に自主的に家庭訪問をまかせます。 そうしたときにどうなるかという問題は、実態に即するという意味で、家庭訪問の途中、ちょっとコーヒーを飲みに寄るとか、あるいは疲れたから映画を見ていくということも起こる。そうしてちょっとスナックバーへ行きますと、それから先、家庭訪問をやった分はもう計算に入らぬということになる。しかし、スナックで一ぱいやって、それから次へ行く場合も起こるわけです。そうでしょう。だから実際は、ほんとうに勤務しておれば、一々そんなしゃくし定木でいくべき筋のものではないと私は思うのです、学校の場合は超過勤務論議がいろいろとされてきているだけに。また、小中学校の人材確保という法案をお出しになっておられるわけです。いままでの先生方は人材でない、したがって、人材でない教師の上に今度は新しく人材を招くという法律案がいま出ておる。水準ということも出ておりますから、いよいよいまは水準以下だということになる。こういう法案があるのですが、これに関係しても、あまりしゃくし定木にぴしっときめておかれないで、そうした勤務と見られるときにはこれを全部包含する、命令が出ようと出まいと、という解釈をとられるべきだと思うのです。総裁、そうですね。
○佐藤(達)政府委員 おっしゃるとおり、しゃくし定木というやつはいかぬと思います。具体的な事情というものは、個別に非常な違いがございますから、それを克明にわれわれとしては追求して、そしてそれは、なるほど認めてよろしいというものは認める。これはもうあらゆる状況を総合勘案した上での結論でありませんと、ここで軽々しく、それは当たりますとか、当たりませんとか、、そう言えるような性格のものでもないと思いますので、いま申し上げたような趣旨によって、われわれとしては十分善処してまいりたい。 それからちょっと、さっき話したこととダブってたいへん恐縮ですけれども、私、しどろもどろの答弁をしたのですが、私の言い方が悪くて、何か、手が回らぬとか、人手をふやしていただければいいとか、そういうふうなお答えをした覚えがありますので、それをちょっとこの際訂正しておかなければいけないと思います。 たとえば、事務次官なり局長なりにこの人はすべきかすべからざるかというときには、必ず私ども資格選考を行なう。各省見ておりますと、あっちの省ではあれだけかかるのに、この省では若い人でなれるのだなという感じを持ちます。その場合に、しかしわれわれとしては、公務員法で厳然と命じておりますように、能力の実証に応じて的確に選考して、これを認めるか、認めないかをきめる。その人は早いとか、この役所は出世が早いとかということできめるということは、法律の立場ではないわけです。その点では、しゃくし定木といわれるかもしれませんが。しかし、ここはやはり早過ぎやせぬかなという気持ちを持つのは事実であります。それは非公式な一つのあれとして、早過ぎやしませんかということは申し上げますけれども、それはわれわれの職権としてではなくて、おやりになるとすれば、そういうことは事実としておやりになってもいいことではないかという意味で申し上げたのでございます。そういうことでちょっと訂正させていただきます。
○受田委員 だから、総裁もほとんど完全に近いほど優秀なお方であるが、何百分の一か人間的たところもあるとさつき申し上げたのはそこなんです。よくわかります。 そこで、もう一つ、特別職の公務員で国家公安委員というのがあるのです。国家公安委員の中には、まともに月給をもらっている公務員と、日額でもらっている公務員とがある。これは総理府は握っておるはずだ。藤井丙午さんの場合がそうです。つまりこの人は日額の手当しかもらっていない。勤務した日の手当しかもらっていない。あとの方は全部正規の給与をもらっておられる方々である。つまり、その給与の支給形態が常勤的な形であるのと非常勤的な形であるのとで、勤務の形態が違うと私は思うのです。そうした常勤的な国家公安委員は警察庁へ来さえすれば、全部月給をもらっているのですから、会議のある日でなくても毎日出れば通勤途上。出た日だけしかもらわない国家公安委員は、勤務で出た日以外の日は、出るのも間違うておるということになる。つまり、きまった会議の日以外に自発的に非常勤の国家公安委員が出た場合は、あなたはお帰なさいというわけにもいかない。会議がなくてもいろいろと部下とよく話したいということがあれば出る、そういうときの通勤はどうなるのか、ちょっとお答え願いたい。
○皆川政府委員 特別職の非常勤の公務員の勤務形態については、なかなかいろいろな形があろうかと思います。いまお話のございましたような者のほかにも、いろいろな委員の方で、正規の委員会のほかに、その仕事仕事に関連をしてお働きになる場合もあろうかと思います。したがって、非常に具体的な態様が区々でございますので、一律には申し上げられませんけれども、私たちはやはり、その仕事に来られた目的なり役割りを、公務としてお働きになったかどうかというところに重点を置いて考えたらいいのじゃないだろうか。実はそこまで詰めてはおりませんので、ここで断定的なことは申し上げられませんけれども、基本的な考え方としては、先ほど教員についてもお話がございましたように、実態に着目をして考えるようにしてまいったらどうかというふうに目下のところ考えております。
○受田委員 私はいま特殊の例を申し上げたのですが、その特殊の例の場合の問題が一つ起こるおけです。国家公安委員の中に、非常勤的な勤務だといって、出勤した日だけ日当をもらう国家公安委員が一人おるわけです。その他の国家公安委員は常勤的な性格として定められた給与をいただいておられる。毎日勤務の形態の常勤の国家公安委員と、出た日だけ手当をもらう公安委員と二通りある。その二通りある公安委員の一方は、常勤ですから毎日出たとして見られるが、一年のうち三十回か五十回しか会議がない、その会議に出た日だけ手当をもらう国家公安委員、これはどっちも特別職。そのような制度がいまできておるところに問題がある。つまり、常勤的な手当をもらうのと、非常勤で出勤した日だけもらうのと、同じ国家公安委員に二通りあるというところに一つ問題があるのです。だから、同じように連れ立って出られて出勤をされた。しかし一方は、きょうは出る日ではなかったので、途中で大事故があって死亡された、その日給をもらう方の公安委員はかってに出たのであって、これは手当がないが、常勤のほうは、常時出ても勤務とみなされるので手当が出る。こうなれば、同じ国家公安委員であって、通勤の途中で差別がきちっとつくということはおかしいじゃないかという特殊の例をいま指摘したのですが、これは人事局長、御答弁がむずかしければ御研究をいただくことにしておきましょう。
○皆川政府委員 これはいま御指摘のございましたほかにもたくさんあろうかと思います。また特別職以外にもあろうかと思いますので、十分に検討いたしまして、明確にいたしてまいりたいと思っております。
○受田委員 そういうのはあまりないのです。つまり同じ任務でそんなのはないのです。また学林医などが校医出勤日以外の日に自由に出た。これはいつか私ここで指摘したことがあるのですが、これは今度の法律も、進んで勤務に服した日は、勤務したらもう勤務したことで手当を上げるというような解釈にしておけば、すべて解決するのです。つまり、勤務の日でなくても、命令による勤務でなくても、自発的に勤務に服した者も含むといえばすべて解決するのです。その答えで私は満早しますから、規定がもしあいまいな点があれば、あいまいな点を法律で直していけばいいと思いすすからね。任務にあらざる、つまり出勤する日にあらざる日に本人が、たとえば学校医が子供の健康状態を調べに行きたいと思って進んで出勤した、その途中交通事故で死亡した、要らぬ世話やかねばよかったじゃないかという問題があるのだが、そういうふうにして、命令による出勤でなぐて、自発的に自己の任務を誠実に遂行しようという積極的意図をもって出勤日にあらざる日に出動するという誠実な人には、その壮たる意思を尊重して断固たる処遇をする、こういうことになれば問題は解決するのです。長官、私の指摘していろことはいいことでしょう。よければいいと言ってください。
○坪川国務大臣 受田委員の御指摘の、そうした特別の場合のことまでこまかく御配慮になり、また御叱正をいただいたことは、ほんとうに感謝いたします。したがって、これらの点にもやはり明確なるところの方針を立てて、事務的な運営に万遺憾なきを期したい、こう考えております。
○受田委員 質問を終わります。御苦労さまでした。
○三原委員長 次回は、来たる七日木曜日、午前十時より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時一分散会