内閣委員会 第21号
- 発言数
- 124 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1973/04/26
会議録
○三原委員長 これより会議を開きます。 経済企画庁設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 他に質疑もないようでありますので、本案に対する質疑はこれにて終了をいたしました。 —————————————
○三原委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。 経済企画庁設置法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○三原委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。(拍手) なお、ただいま議決いたしました法案に対する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○三原委員長 次に、防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を求めます。増原防衛庁長官
○増原国務大臣 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案の提案の理由と内容の概要について御説明いたします。 まず、防衛庁設置法の一部改正について御説明いたします。 第一は、自衛官の定数を、陸上自衛隊千人、海上自衛隊三千六十五人、航空自衛隊二千九百十八人及び統合幕僚会議五人、合計六千九百八十八人増加するための改正であります。これらの増員は、沖繩地域における防衛及び災害派遣等の民生協力の任に当たる陸・海・空自衛隊の所要の部隊を沖繩に配備することに伴うもののほか、海上自衛隊の艦船の就役、航空機の就役等に伴うもの、航空自衛隊の航空機の就役、ナイキ部隊の編成等に伴うもの及び統合幕僚会議の情報機能強化に伴うものであります。 第二は、自衛隊の部隊等で重要な役割りをになう医官をみずから養成し、自衛隊における医官の不足を抜本的に解消するため、防衛庁本庁の付属機関として防衛医科大学校を設置することであります。防衛医科大学校の修業年限は六年とし、入学資格、設備、医学教育の内容、教員の資格等については、学校教育法に基づき医学教育を行なう大学の例にならうこととし、この大学校の卒業生には、医師国家試験の受験資格を与えることとしております。さらに、防衛医科大学校においては、同校卒業生等に対し、医学に関する高度の理論及び応用についての知識等を修得させるための教育訓練等を行なうこととして、自衛隊医官に研さんの場を与え、その資質の向上をはかることとしております。 第三は、防衛庁本庁の付属機関として、自衛隊離職者審査会を設けることであり、これは、学識経験者を含めた五人の委員をもって構成し、自衛隊員の離職後の営利企業の役員等への就職について審査する機関とするものであります。 次に、自衛隊法の一部改正について御説明いたします。 第一は、沖繩地域における防空任務を空全に実施するために、沖繩に配備する航空自衛隊の航空機部隊、航空警戒管制部隊、ナイキ部隊及び基地隊等の有機的な運用をはかり、一元的に統括し得る指揮機能を現地に置く必要があるので、航空総隊の編成に、司令部及び航空隊その他の直轄部隊からなる航空混成団を加えることとし、新たに司令部の所在地を那覇市とする南西航空混成団を設けることであります。 第二は、防衛医科大学校卒業生は、卒業後九年間は、自衛隊員として勤続するようにつとめるべきものとし、九年以上勤続した場合を除き、離職者からは、原則として、所定の金額を国に償還させることとしております。これは、自衛隊医官をみずから養成し、自衛隊において医官を確保しようとする防衛医科大学校の設置の趣旨から見て、必要な措置であると考えております。 第三は、現在、離職した自衛隊員が営利企業の役員等へ就職しようとする場合には、防衛庁長官の承認を要することになっておりますが、この承認を、前述の自衛隊離職者就職審査会の議決に基づいてすることとしようとするものであります。これは、自衛隊員の営利企業への就職の際の承認について、部外者を含む特別の機関の審査にかからせることによって、その公正さを担保しようとするものであります。 第四は、自衛隊の予備勢力の確保のため、陸上自衛隊の予備自衛官三千人、海上自衛隊の予備自衛官三百人、合計三千三百人を増員するための改正であります。 これらの改正のほか、防衛医科大学校及び自衛隊離職者就職審査会の設置、南西航空混成団の新編等に伴い、防衛庁設置法、自衛隊法等について若干の規定の整備を行なうこととしております。 以上、法律案の提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げましたが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願いをいたします。
○三原委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 ————◇—————
○三原委員長 次に、恩給法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。加藤陽三君。
○加藤(陽)委員 今度の恩給法の改正につきましては、私、拝見をいたしまして、政府のほうでたいへん努力をしていらっしゃることを評価をするものであります。ただしかし、私、考えますに、恩給というのは、受けていらっしゃる方は大体みな老人であります。しかも昔は、国家公務員というものは薄給の代名詞のように思われており、しかもいまと違って、超過勤務手当のようなものもございません。無定量の勤務に服しておったわけでございまして、ただ一番大きな心のささえは、一生懸命働いてやめたら恩給をもらえるのだということにあったと思うのであります。社会情勢の変遷によりましていろんなこともございましたけれども、国が一ぺん約束をしてこれだけの給付をしてあげますということは、精神において守っていきたいと思うのです。私も大学で法律を習いましたときに、恩給権というのは一身に専属する既得権だということを大学の先生に教えてもらったことを覚えております。その精神が生かされているかどうかということから考えますと、まだまだ十分ではないと思うのでございます。そういう観点から若干の質問をしていきたいと思います。 第一の恩給年額の増額でございますが、今度は、国家公務員の給与の改善率にスライドをして、昭和四十六、四十七年度分を合わせて二三・四%増額をする、これはたいへんけっこうなことなんですね。いままで当委員会におきましても、たびたびこういうふうな趣旨の附帯決議をつけております。やっと実現をいたしたことは、まことにありがたいことだと思うのでありますが、これは今後定着をしたものと見ていいのでしょうか。その点を大臣からお伺いしたいと思います。
○坪川国務大臣 加藤委員が冒頭に御指摘になりましたように、かつて退職公務員の方々は、国家に奉仕され、生涯を国家の公務員としてささげられました各位ばかりであります。したがって、これらの各位に対しましての老後の保障を安定せしめるということは、国の重大な施策の柱とせなければならぬわけでございますが、こうした公務員の方々に対する恩給に対する配慮というものが、いままでも格差の是正等において十分漸進的には行なわれてまいったのでございますけれども、最近の公務員の給与の体系からかんがみ、あるいは物価の上昇等もかんがみまして、ここに抜本的なるところの対策を整えることが非常に重大な課題になってきたと私は判断をいたし、関係者各位の非常な御協力もいただきまして、御案内のような二三・四%という一つの画期的な上昇率をいたしましての予算措置ができましたことは、関係者各位の御協力のたまもので、深く敬意を表する次第でございます。したがってこれは、物価等の問題、あるいは給与等の問題も考えまして、そして恩給審議会方式をとっての措置でもございますので、今後はこれを安定した一つの制度といたしまして堅持いたしながら、事態に即応する恩給対策をさらに推進してまいりたいという覚悟でございます。
○加藤(陽)委員 ちょっと気にかかりますのは、恩給審議会の答申の趣旨でもある、こういうふうにおっしゃったと思いますが、私の理解しておるところではそうじゃないのです。公務員の給与のアップにスライドをするということはことしから始まった。恩給審議会の答申とは若干違うように思うのです。その点は、大臣、だいじょうぶですか。今後、ことし以降はこの方式でやっていくということをお答えいただけますか。
○坪川国務大臣 審議会方式ということではなくて、審議会の議論なども踏まえてそれを基礎にしていく、いま御指摘の線でまいりたい、こう考えております。
○加藤(陽)委員 了承しました。 次に、これは欲をいえば限りがないということになるかもわかりませんけれども、私、退職公務員の方々などにいろいろお目にかかって意見を聞いておるのですが、もし公務員の給与のアップにスライドするということになりますと、公務員の給与はことしから四月にさかのぼってアップしたわけですね。去年までは五月だったわけですけれども。恩給の改善はいつも十月からなんですよ。これは手続上のことなんですか。どうしても十月でなければいかぬのですか。もっとさかのぼるわけにいきませんか。お答えいただきます。
○平川政府委員 お答えいたします。 ただいまの御質問は、現在の十月実施しておる支給を四月までさかのぼれないかということでありますが、そういう趣旨を踏まえまして、実は今年度の改善におきましては、さらにもう六カ月さかのぼりまして、二年分を一挙にやったわけであります。したがいまして、四十六年度の一一・七%と四十七年度におきます一〇・五%の二年分を一挙にやったわけでございまして、御要望の線よりは六カ月早くなっておる。 先生の御質問は、さらに六カ月繰り上げてはどうかという御質問でございますが、実は十月実施という点が問題でございまして、これは恩給制度のみならず他の年金におきましても、十月実施ないしは十一月ないしは翌年度の一月が全部でございまして、それ以前の実施時期をとっている年金はないかと思いますが、それは一つには、御承知のように、ベースの改定は、現職の公務員に対して給与するという組織ではなくて、現在ばらばらにおられる方々に対する給付でございますから、手続上かなり時間を要する。結局、いろいろな問題から、実は他の年金との関連もございまして十月実施になっておりますけれども、この点につきましては、早めれば早めるほど受給者の利益になるということは当然でございますが、そういった点につきましては、今後ともいろいろの点から検討してまいりたい、このように考えております。
○加藤(陽)委員 いまのお答えにもありましたけれども、やはりこれはいろいろなほかの公的年金との関係もあると思うのですが、内閣審議室のほうの公的年金制度調整連絡会議、これはいまどういうふうに進んでおりますか。
○今泉説明員 お答えいたします。 公的年金制度調整連絡会議のこれまでの討議におきましては、経済的諸条件の変動によりまして、国民の生活水準、物価、給与等に著しい変動を生じた場合に、これらの変動を総合勘案いたしまして年金額の改定を行なう必要があるということについては、各省とも考え方は一致しているわけでございます。しかしながら、御承知のように、各制度は、それぞれ異なった目的、沿革等を有しているために、共通の年金額改定の基準を定めることはなかなか困難であるということが、諸般の検討の結果明らかになりまして、そこで、四十六年一月の第六回の総会で、今後の取り進め方をきめます中間取りきめを行ないまして、これを、各それぞれの沿革、目的等に類似性を持った幾つかの公的年金グループに分けたわけでございます。
○加藤(陽)委員 ちょっと、時間が少ないので、中間取りまとめ以後のことを……。
○今泉説明員 それで、その問題は御承知だと思いますので、昨年の四月以降どのような検討が行なわれたかということで、ございますが、まず、この会議といたしましては、総会なり幹事会等を四回開催いたしまして、各グループの審議状況を聴取するとともに意見交換等を行なっておるのでございますが、各グループのこれまでの検討状況を御説明いたしますと、民間グループにつきましては、厚生年金、国民年金及び船員保険の年金額改定の問題でございますが、これはこの制度全般についての審議の中での重要な一環として検討されてきましたが、さらに社会保険審議会なり国民年金審議会等の審議を経まして、次のように取りまとめまして、現在、制度改正に必要な法案がこの国会に提出されております。 すなわち、年金額の改定の指標としては、消費者物価指数が年度または継続する二年度以上の期間に五%をこえて変動した場合には、その変動した比率を基準として、政令で定めるところによって年金たる保険給付の額を改定するという、消費者物価によりますいわゆる自動スライド制をとることにいたしたわけでございます。なお、五年ごとの財政再計算期におきましては、国民の生活水準なり賃金の上昇などを含めまして、総合的見地から年金額全体について政策的改定を行なうということは従来どおりでございます。 次に、公務員グループの年金額のスライド問題でございますが、ただいま申し上げました、厚生年金保険におきます消費者物価による年金の自動スライド制が導入されることに関連いたしまして、公務員グループの共済法におきましても、消費者物価による年金の自動スライド制を規定することの適否について、公務員グループとして種々検討が行なわれましたが、いまのところ、その結論がまだ得られなかったという状況でございます。そこで、当面今年度は、従来どおり恩給年額の改定の方式にならいまして、昭和四十六年度及び四十七年度の公務員給与の改善率によって共済年金額の改定を行なうことにいたしておるわけでございます。なお、年金額のスライド問題は、公務員グループ内の各制度の相違点の調整などを含めまして、今後の共済年金制度のあり方について基本的な問題としてなお検討を続けるということにいたしておるわけでございます。 次に、私学、農林グループといたしまして、私立学校教職員及び農林漁業団体職員のグループにつきましては、これらの団体の職員の給付体系が公務員に準ずるということになっておりますので、公務員グループに準じまして検討が進められておるところでございますが、検討に際しましては、公務員との給与体系の相違に配慮しながら検討を行なっておるということでございます。 次に、労災補償グループでございますが、労災補償制度におきますスライドは、制度の性格からいたしまして、賃金水準の変動を基準とした自動スライド制をとるべきであり、その意味で現行制度はおおむね妥当であるとしながらも、本年一月に労災保険審議会に設置されました労災保険基本問題懇談会におきましても検討が行なわれることになっておりますので、これらの状況をも参考にしながら災害補償グループとしての検討を進めることにいたしております。 今回の結論としては、民間グループは一応結論が出たような状況でございますので、公務員グループの検討結果を待ってさらに本会議としての検討を進めたい、このように考えております。
○加藤(陽)委員 いままでのお仕事の状況はわかりました。そんなものだろうと思います。 問題は公務員グループですが、今度のこの恩給法の改正に準じて改正を考えるというふうないまお答えのようでしたね。これは財源の問題はどうなるのですか。だいじょうぶなんですか。
○今泉説明員 各グループの状況につきましては私どものほうは各グループにおまかせしておりますので、その辺ちょっと大蔵省の共済の担当官でないとお答えできないのでございます。
○加藤(陽)委員 それじゃ、大蔵省の方に来てもらわなければ答弁がいただけないので、きょうはいいです。これは次の委員会にいたします。 その次に、これは大臣にお尋ねしたいのですが昨年も一昨年も当委員会におきまして附帯決議をつけておるわけです。この第一項目の国家公務員の給与スライド制ということ、これは今度実現していただいて非常にありがたいことなんですが、第二項目としまして、「旧軍人に対する一時恩給に関しては、引き続く実在職年が三年以上七年未満の兵に対しても、前向きの検討を加えること」。これはおととしも大体同じような附帯決議を当委員会でつけておる。参議員の内閣委員会でも同じような附帯決議をつけていらっしゃるわけです。ことしこれは実現していない。これに対して長官のお考えをお聞きしたいと思います。
○坪川国務大臣 いま御指摘になりました問題につきましては、衆参両院の内閣委員会においてしばしば附帯決議が付せられているところでございますが、そもそもこの一時恩給は、国庫納付金の払い戻しという性格のものであり、納付金の給付がなかった兵につきまして、戦前においても一時恩給の制度はなかったものであります。したがって、兵に対しましての一時恩給を給するとすれば、一時恩給の性格を恩給法の上においてどう理解すべきであるかというむずかしい問題もございますけれども、両院の内閣委員会においてそれぞれ附帯決議が累次にわたってなされておる重要な問題でもございますので、その御決議を踏まえながら、目下、関係の当事者としましては慎重に検討を進めておるというような事態であることを端的に申し上げて御理解いただきたい、こう思います。
○加藤(陽)委員 これは、長官がおっしゃったような問題があることは、われわれ十分知っているんです。ただ、昭和二十八年の改正のときには、もう申し上げるまでもなく御承知と思いますけれども、七年以上在職の兵に対して一時恩給やっているんですよ。やはり兵と下士官以上に対する考え方が違ってきているんですね。昔は、兵隊は徴兵の義務で行ったんだから公務員でないんだという考え方であった。そうじゃないんだということで、二十八年に一ぺんおやりになっている。そのことも踏まえた上で当委員会でも二回にわたって決議をしている。これはやはり立法府の意見というものを行政府は尊重してもらわなければいかぬと思うんですね。前向きに検討するとおっしゃいましたけれども、具体的にこれは恩給局長さんにお聞きいたしたいと思いますが、どういうふうにやっていらっしゃいますか。
○平川政府委員 実はこれはただいま大臣から答弁がありましたように、法律的には非常に問題がある制度でございます、率直に言いまして。ただ、先生が御指摘になりましたように、昭和二十八年の軍人恩給発足の当時におきましては、確かに引き続く在職年が七年以上というような者につきましては、兵についても在職恩給を給している。確かに三年以上七年未満の兵に対しても給してもいいんじゃないか、こういう議論も当然あると思います。 それで私が申し上げたいのは、実は二十八年当時の実情を申し上げますと、その当時加算という制度がなかったわけであります。したがいまして、兵で七年も在職年があるにもかかわらず、こういった人たちに対しまして加算制度がございませんから、普通恩給を給するわけにいかない。そういう人たち、すなわち長期在職の方であって、かつ普通恩給にならないような人に何とか給したいという考え方で、実は七年以上の兵に対しましては、いわば特例的な措置といたしまして一時恩給を給したわけであります。これが率直なところでございますが、それから二十年経過しておりますから、その間における社会的、経済的な考え方も変わっております。そういうこともわれわれは背景に入れながら検討しておるわけでございまして、実は二年間かけて検討しておりますが、いまだに結論に達していないわけでございますが、今後とも、そういう社会的な、あるいは経済的な考え方というものの変遷というものを考慮に入れながら検討はいたしたい。ただ制度的には、いま申し上げましたように問題がある点がないわけではない、こういうことを申し上げたわけでございます。
○加藤(陽)委員 これはまことに失礼な話だけれども、前向きに検討していらっしゃらないということなんですよ。加算年の問題は、これは政府のほうからそういうふうな趣旨の御答弁は聞いております。そのことを踏まえた上で決議をしているんですから、その理屈に返っての御議論じゃ困るんですよ。これはぜひ、長官お聞きになっておわかりになったと思いますが、ほんとうに前向きに検討していただきたい、こういうことを要望いたします。 その次にお伺いいたしますのは、今度格差の是正の問題が出ましたが、四号俸お上げになった。これはけっこうなんですが、四号俸お上げになった根拠をお聞かせ願いたいと思います。
○平川政府委員 この措置は、文官のいわゆる実在職年で十七年以上、警察官の職務につきましては十二年以上在職した者につきましての優遇措置でございます。実は文官等の在職年あるいは恩給年額等を検討いたしますと、あとで退職いたしまました者ほど恩給年額が実額において多くなってくる。これは実はすべて恩給のベースに乗っておるにもかかわらず、そういう現象があらわれているわけでございます。そこで、その原因を探求したわけでございますが、実は私のほうでいろいろ検討いたしました結果、次のような結果がわかったわけであります。 それは、たとえば同一官職でありまして、その職務の内容と評価が変わった場合におきましては、たとえば実例をあげますと、内局の筆頭課長補佐というものは、十数年前までは三等級であったが現在では二等級に格づけされておりますが、そういう人たちに対しましては格差を是正する必要はないけれども、そうでないほとんどすべての人に該当するであろうような、たとえば昇給の短縮でありますとか、あるいは特別昇給のワクの拡大でありますとか、そういった、たいていの人は何年か在職したならば、その割合に応じて恩典を受けたであろうような制度に基づく格差というものを、私のほうでいろいろ資料を集めまして一つの趨勢値を出したわけであります。そうしますと、実在職年が十七年以上の人、警察監獄職員等につきましては十二年以上の人につきましては二十年で約四号俸の格差が出る。その格差は実は公務員の給与と同じような性格を持つものであるから、これは是正すべきである、こういう考え方で是正したわけであります。 そういうことでございまして、実は恩給受給者の退職年齢というものは、統計的には五十歳から五十一歳までの間に出ております。そうしますと、いま申し上げましたように、二十年経過いたしますと大体七十歳、こういうことになりまして、理論的にも合うわけでございまして、老齢者・遺族給与という考え方も加味いたしまして、こういう措置をとった次第でございます。
○加藤(陽)委員 四号俸是正の一応の考え方は承りましたが、実際問題としてこれでいいというふうに思われますか。四号俸是正すればこれで足りるというふうに思われますか。
○平川政府委員 私のほうの資料としては、文官につきましては、四号俸是正することで十分補てんできる、このように考えております。 もっともこの考え方は、すべての職員それぞれについての差異を無視しまして、一律に四号俸上げるわけでございますから、個々の人につきましては若干問題はあるかと思いますけれども、こういう問題はやはり、趨勢値をとって、それに基づく理論的な根拠でやっておりますから、いわゆるマクロ的な考え方としてはこれで十分である、このように考えております。 なお、公務員に対する不均衡是正は、先生特に御承知のように、二十三年七月以前のものにつきましては、実はこれは率直に申し上げまして、恩給的な格づけにおきましてむしろ過酷であったわけでありまして、これを過去四回にわたりまして是正したわけであります。そういう意味における不均衡是正も、過去四回の不均衡是正によりまして完全に是正されておりますし、いま申し上げましたような、特別昇給とかそういった公務員給与のベースアップに準ずる、そういうものに基づく格差是正というものは今回の措置によって是正される、このように考えておるわけであります。
○加藤(陽)委員 私、小学校時代の恩師にこの前お目にかかった。その方は三十五年小学校の教員をやりまして、そうしてやめられたわけですよ。ところが学校の教員というものは、いまでも待遇が悪いと思う。今度法案を政府は出しておられますが。その三十五年教員をやって、校長を長いことやってやめられた方が初任給にも及ばぬということを言っておられましたね。 これはなかなか比較がとりにくかったので、軍人恩給のほうをとって調べてみたのですが、大将の仮定俸給は今度で四百八十万ですか。違いますか。——そうですか。それじゃ、この表がよくわからなかったものだから、そうかと思ったのですが、何ぼになるのですか、大将の仮定俸給は。
○平川政府委員 二百四十万円であります。
○加藤(陽)委員 二百四十万円ですね。四百八十万円というのはいまの陸将の金額ですよ。これは半分ですよ。兵が、兵のとり方については問題がありましょうが、今度の仮定俸給が二十四万四千百円ですね。いま自衛隊へ入った陸士の初任給が四十二万七千二百円です。これは半分です。まあいろいろな変遷があってここまで努力してこられたことはわかるけれども、仮定俸給のきめ方そのものがあまりにも差があり過ぎるというふうには、大臣はお思いになりませんか。格差の是正はこれでいいというふうに大臣はお思いになりますか。
○坪川国務大臣 御指摘の点は、私もやはり感をともにいたしております。
○大出委員 ちょっと一つだけ関連させて。坪川さん、そういう答弁はないでしょう。いま加藤さんの言っておられることはポイントである。中心なんですよ。二十三年以前の人は、四回是正しても、いま加藤さんがおっしゃるように、なお恩師の先生のほうが低過ぎるとおっしゃっているのです。初任給にも当たらない。なぜかと言うと、従前賃金という名称がついているけれども、二十三年以前の賃金をいまの世の中の賃金に当時からスライドさせてきていれば、つまり従前賃金がいまに引き直して妥当するように、そういうスライド制度が当時からできていれば、そういうことはないのですよ。また、そうなっていたとしても、なおかつ、戦時中などというのは、実は、一年たったって、二年たったって、三年たったって給料が上がらないときがずっとあったという制度なんですよ。天皇の時代なんだから。いまはそんなことは許されぬ。労働組合が発達しているのだから、昇給の速度も全然違う。女の従業員などはひどいものですよ。四年たったって上がらない人が当時たくさんいたのです。 だから、二十三年以前のものを確かに四回是正しているけれども、しかもなおかつ、いま加藤さんがおっしゃるようにたいへんな低さにあるのです。しかも是正するのに四年かかったときもあるでしょう、四十何年というやつは。そうすると、四年間低かったやつをそのときになって上げただけですよ。四年間というのはいまほっぼらかされていた。そうするとその不合理だってずっとある。四回ともその間何年か置かれているのだから。そうでしょう。そうなると、そういう不合理はこれは直さなければならぬ。基本的に恩給の思想の問題だ。さっき加藤さんがおっしゃっていた七十歳のところの問題と一緒だ。思想の問題です。そこをそう簡単な答え方をしては、せっかくの質問に対して御無礼ですよ、それは。
○坪川国務大臣 加藤委員また大出委員の御指摘の点、決して私は軽い気持ちでお答えしておるのでなくして、やはり私も福井県の公務員の会長をいたしております。そうした立場から、私は私なりに同じ考えを持っており、これに対して改正に取り組まなければならぬということに対して、私は善意をもって取り組みたいという気持ちを持ったものですから、感をともにいたしております、こう申し上げたことはひとつ御理解願いたいと思います。
○加藤(陽)委員 時間が少ないので問題を次へ移しますが、外国特殊法人の問題です。 今度、外国特殊機関職員の在職期間の通算条件が緩和されたことはいいと思うのですが、ちょっと私、疑問になりましたのは、準公務員の在職期間ですね。いままで二分の一通算だったのが全額通算された。いままで二分の一だったことが私どうもよくわからない。何か理由があって二分の一になっておったのですか。というのは、ゆうべ勉強しておったら、外国の特殊機関などはみんな全額通算ですよ。なぜいままで準公務員だけが二分の一だったのでしょう。なぜ今度変えられたのでしょう。
○平川政府委員 旧制度における恩給法におきましては、いわゆる準公務員という制度がございました。準公務員というのは、公務員に準ずるものでございまして、一例をあげますと、特定郵便局長でありますとか、あるいは准訓導でありますとか、あるいは高等文官試補、司法官試補、こういった人たちを公務員に準ずる者としまして、在職年を二分の一に通算するという制度がとられております。それもしかも、その人たちが引き続いて公務員になった場合にのみ通算するという制度でございます。 実は、先生いみじくも指摘されましたように外国の特殊機関の在職年はフル通算しておるではないか、こういう御質問でございますが、確かにそのとおりでございます。ところが、外国の特殊機関の通算においては一つ制約がございまして、日本の公務員から向こうの特殊機関になった場合にのみ通算しておったわけでございまして、特殊機関に初めから入りまして、帰って日本の公務員になった人は全く通算されていない、二分の一も通算されていないという一つの制約がそれなりにあるわけでございます。ところが、準公務員におきましては、やはり公務員に準ずる者であるから、いわば休職のときには、先生御承知のように半減になりますね、そういう考え方と相似ているかと思いますけれども、詳しいことはわかりませんが、とにかくそういう制度をとっておったわけであります。今回、いま申し上げました外国の特殊機関もフル通算するということになりますと、これは理論的には当然二分の一であったものを全部通算するという一つの結論が出てまいるわけでございまして、同時に改善しよう、こういうことでございます。
○加藤(陽)委員 わかりました。 その次にお伺いしたいのは外国特殊機関ですね。これは、通算をするものと、しないものとの標準は、どこに置いておられるのですか。 具体的に申し上げます。満州特殊法人の開拓保健団という方々から、私、陳情をいただいたのですよ。どうも、いま通算することになっておる機関と開拓保健団とは、性格的に違うところはないように思うのですが、これは入っていないのですね。どこに基準を置いて、入れるものと入れないものとをきめておられるのですか。
○平川政府委員 これは外国特殊機関の性格の問題でございますが、現在まで通算しておるものは、二、三の例示をいたしますと、たとえば、満州開拓義勇団の教員とか、上海共同租界工部局の職員、警察官ですね、こういう人たちはいわば行政機関そのものの内容にごく近いということで、実は通算しておるわけでございます。そのほかに、満州拓植公社等をはじめといたしまして七つの公社がございますが、この公社組織は実は一昨年の改正で全部入れたわけでございますが、基本的な考え方といたしましては、実は満州に、大同二年、昭和八年におきまして満州国経済建設綱要というのがありまして、それに基づきまして、いわゆる満州国の資源を画期的に開発しようというようなことでいろいろな特殊会社がつくられたわけでございます。私の資料によりますと特殊会社が全部で九十四ございますが、その九十四をシラミつぶしに当たりまして、われわれといたしましては、その性格をいろいろ検討いたしました結果、たとえば、その行なべ業務が非常に公共性が強い、あるいは監督権が非常に強いとか、主として満州国政府によって資本が構成されている、それから議決権の行使が制限されておるというような公共的な色彩の強い公社を取り上げたわけであります。そうしますと、結論といたしまして、要するに、外共的な公社と準行政機関的なもの、こういうグループを、いわゆる満州国における特殊機関といたしまして恩給法四十三条の政令で規定しておるわけでありまして、そういったものにつきまして検討したものを入れておる。先生が御指摘になりました開拓保健団等につきましても、われわれといたしましては検討はいたしましたけれども、その性格におきまして、あるいは機能におきまして、われわれといたしましては、いまの段階では特殊機関としてワクに入れるというまでには進んでいないわけでございます。
○加藤(陽)委員 お考えはわかったんですけれども、たとえば開拓保健団は、国民保健に関する国家計画に従い、開拓地における保健指導、予防衛生及び医療の普及徹底をはかるということで、いろいろな病院や診療所をつくったり、看護婦の養成をしたり、開拓地の予防衛生などをしておる。これが業務ですわ。これは一般の林業公社とか農林公社とか畜産公社と実体的にどれほど違うのだろうかという疑問を、いまのお話を承りながら感じたのですが、どうでしょうか、大臣。
○坪川国務大臣 いま恩給局長が申しました立場での問題の解明を表明いたしておるのでございますが、私も、こうした問題につきましてはどうあるべきか、いろいろの団体から陳情なども受けております。また、私みずからも北京などにおりました立場から、そうした特殊的な機関、特殊的な公社等につとめておられる方々のウェートがどうあったかということも身をもって経験もし、知ってもおるようなことでもございますので、これを通算する場合にどうすべきか、幾つの団体、幾つのなにもあることを考えてみますと、一つの基準をどこの線まで拡大するとかというようなことは、私、もう少しまじめにひとつ取り組みたい、こういうような気持ちでおるということで、また恩給局長等も、いろいろそうした点についてはそのつど意見の交換や協議もいたしておるような次第でございます。
○加藤(陽)委員 まだ聞きたいのですが、時間がありませんから一応御研究願って、その上でまた私ども意見を述べさせていただきたいと思います。 また、関連でこまかい問題ですが、昔の満軍の方から話を聞いたんですけれども、陸軍の軍人から満軍に、これはほとんど命令でかわらされたんだとおっしゃるのですね。ところが、通算はしてもらうけれども、日本軍をやめるときの階級で恩給計算がされておる。満軍の相当上の階級になってもそれが認められておらないということと、それから職務勤務地加算が全然ないんだということで非常に不平を訴えておられました。私もなるほどなという気がしたのですが、これはどうしてそういうことになっておるのでしょうか。
○平川政府委員 御指摘の点は、軍人のみならず、文官におきましても同じ問題があるわけであります。というのは、日本の軍人ないし官吏から、向こうへ行きまして満州国だけで終わった人がございます。そういう人は、実は文官におきましても、向こうの文官の俸給をとっていないわけであります。というのは、一つには資料においてもいろいろ問題点がございますし、やはりここは推定を用いまして、一年に四・五%の昇給を行なうものといたしまして、日本の公務員を退職したその階級に対しまして一年につき四・五%ずつ上積みしておる、こういうことでございます。だから、軍人につきましてもその点は文官と同じでございますから、たとえば軍人で大尉でやめまして、向こうへ少佐で行ったという場合におきましても、向こうの少佐という階級はとらずに、こちらの大尉の一年についての四・五%の上積みをしていく、こういうことをやりますと、場合によっては少佐より上になることもあるわけであります。だから、利益になる人もあれば不利益になる人もございますが、要するにわれわれといたしましては、文官、軍人を通じまして、一番最後が日本の公務員になりますと俸給のとり方はわりあいに簡単でございますが、終わりが満州国の官吏あるいは文官、軍人でありますと、そういう一つのフィクションをとらざるを得ないということでやっておるわけでございます。
○加藤(陽)委員 なるほどいまの考えはわかりました。満軍に行った方が階級がぐっと上がっておりますから、四・五%の加算がいいか悪いかという問題になると思いますが、これは私は研究をしてみたいと思います。 勤務地加算の問題はどうですか。なぜ勤務地加算は認めないのですか。
○平川政府委員 実はこれは、恩給におきまして在職年とはいかなるものかという考え方に基づくものであります。実は満州国軍あるいは満州国の官吏、先ほど申し上げました特殊機関の在職年は通算しておりますけれども、われわれ考えますのは、この在職年そのものを公務員の在職年だとみなしているわけではございません。日本の公務員に加えられるべき在職年としていわば特殊的な措置として考えておりますから、加算あるいはそういった問題につきまして、すべて全く同様に処置するということについては実は問題がある、このように考えております。これは単に軍人のみならず文官におきましてもそういう制度をとっておるわけでございます。したがいまして、その在職年そのものが公務員の期間であるというようには法律構成としてとっていないわけでございまして、結果としてそういったものが付せられないということでございます。
○加藤(陽)委員 一問だけ。恩給外所得による普通恩給の停止基準の緩和ですが、これはけっこうだと思うのです。これを引き上げられた。三十二万円を六十万円に、百六十万円を三百万円にされたのですが、この金額をきめられた根拠をひとつお示しいただきたい。
○平川政府委員 実は恩給審議会の答申は、われわれといたしまして一応履行したわけでございますけれども、その中にこの停止の緩和ということをうたっておるわけです。御承知のように、この停止の制度は、戦前におきましては、恩給年額が千円、恩給外所得が五千円の者について停止しておったわけでございます。われわれといたしましては、どういうめどでこれを引き上げるかということをいろいろ考えたわけでございますが、一つのめどといたしまして、その当時の恩給額の千円というものは、その当時における恩給の年額のランクでどの程度を占めておったかということを考えたわけです。その当時の資料を出しまして検討いたしますと、その当時の恩給年額千円というのは上から四%のところに位しているわけです。したがいまして、それを持ってきまして現在の恩給年額で上から四%のところをとりますと、大体六十万前後になる。こういうことで六十万円ときめたわけであります。 なお恩給外所得は、これは従来の考え方も同様でございますが、恩給年額の五倍になっているということでありますので、六十万円の五倍で三百万円、こういうふうに一律にきめたわけであります。
○加藤(陽)委員 わかりました。 以上で質問を終わります。
○三原委員長 大出俊君。
○大出委員 今度の恩給法の改正は、この十年間何とか恩給を前に進めたいということで、私はずいぶん一生懸命やってきたつもりなんです。矢倉さんの時代なんかでも、そういう意味でずいぶんやりとりしてまいりました。かつまた昭和二十四五年ごろにマイヤース勧告が出されまきて、マイヤース勧告を受けて、人事院の所管である公務員法の中に、恩給というものを研究してその成果身明らかにせよ、勧告しろ、こうなっていたので、ついに勧告をしたのですけれども、このとき以来実は根本的な問題がある。ところが、ここまで来ると、これだけ物価が上がってくる中での恩給というのは一体どうあるべきかという、加藤さんの先ほどの質問なども、掘り下げていくとそこにぶつかる。そういう基本的な問題が一つある上に、もう一つまた最低保障という問題がある。だからいいかげんなところがたくさんある恩給だけれども、当面、最低保障というものを重視しなければならないと思っていたのです。なぜならば、生活保護法によって生活保護されている方よりも低い恩給をもらっている人がざらにあるという、こういうばかげたことになっているわけです。したがって、最低保障というものは深刻に考えなければならぬ問題なんですけれども、今回の場合どうも据え置きになっているのですね。そういう点などを考えまして、私はどうも納得いたしかねる。 そこで、まず承りたいのは、現在の公務員恩給をもらっている方の平均受給額というのは一体幾らになるか。それからあわせて地方公務員の恩給の受給者の受給額の総平均というのは一体幾らになるか。まずここからひとつ明らかにしてください。
○平川政府委員 恩給年額の平均額でございますが、恩給は御承知のように、在職年と俸給が八十二号に分かれておりますので、非常に組み合わせが複雑になっておりますが、単純平均したものを申し上げます。 文官の中で、いわゆる本来の文官と教育職員と警察監獄職員、待遇職員とございますが、今回の改正におきまして、これは普通恩給だけ申し上げますと、教職員が四十七万八千円ぐらいでございます。それから文官が三十九万二千円、待遇職員が二十八万七千円、それから警察監獄職員が二十二万六千円ということでございます。
○大出委員 これを十二で割ってください。一カ月幾らになりますか。
○平川政府委員 年額が三十九万円でございますから、これは十二で割った計算はしておりませんが……
○大出委員 だれかそこでちょっとやってください。一カ月で幾らと出してくれぬと、ぴんとこないでしょう。
○平川政府委員 文官が約三万三千円でございます。それから教育職員が約四万円ということでございます。
○大出委員 待遇職員は二十七万ですから、これを十二で割りますと、二万二、三千円ですな。そうして警察が、さっき二十二万とおっしゃいましたな。そうすると一万八千かそこらしかない。それで、いま生活保護が、これは六十歳男子というふうに特定してみましょう。長官、六十歳男子で生活保護を受けている人は一カ月幾らですか。ランクがございますが、最高と最低を言ってください。東京都における六十歳男子、これは最低をとっても一カ月二万三千円ですよ。 それから、二十年間もかけ続けた厚生年金。これは今度、社会保険審議会の答申に基づく改正案を政府が出しておりますが、この政府が出しております法案を計算すると、厚生年金の対象者が八十万なんですね。八十万のうちで四十二万が二十年以上かけている。三十八万は全部二十年以下だ。それを三十八万をどけちゃって四十二万というのを対象に、二十年以上というものを計算して、二十七年というところをモデルにすると五万円になるのですよ、政府の出しているのは。二十年というところを計算すると二万二千円なんです。 そうすると、二万二千円というと、いま申し上げたように、二万三千円が六十歳男子の生活保護を受けている人の最低である。選択制があるのだから、そうすると逆に生活保護のほうから千円もらわなければいかぬことになる。 ところが、公務員の場合には、まだ低いのだ。警察職員なんというのは、一カ月一万八千何ぼでしょう。待遇職員というのは二万三千円ばかりでしょう。そういうことになると、これは平均なんですから、平均だということになると、平均である限りは低いのと高いのと適当におのおのいるわけだ。そうでしょう。そうすると今度は、低いところというのは生活保護基準より低い人がさらにいる。一体生活保護基準より低い人がどのくらいおいでになりますか。 かつてこの委員会で永山忠則さんが、もう昔でございますけれども、ずいぶんこまかく計算した数字をお持ちになったことがある。以来どのくらい変わったか伺いたいのだが、生活保護基準よりも低い、それを特定いたしましょう。私がいま申し上げた一カ月二万三千円以下の人、何人くらいおりますか。公務員、文官だけでけっこうです。
○平川政府委員 実は、ここの場におきまして二万三千円以下の人が何人いるかということについては、ちょっと資料がございませんが、私のほうで、生活保護費の関係で、ある条件を設定いたしまして、恩給受給者で生活保護の適用を受けている者は何人ぐらいあるかということを調べてありますので、それをお答えいたしますと、実はこれは推定でございますけれども、恩給受給者二百七十三万人ございますけれども、結論として申し上げますと、これは推定でございますが、約九千五、六百人ではないかというように考えます。と申しますのは、その根拠は、現在あらゆる年金を含めまして、年金受給者で生活保護を受けている者は二十三万人ぐらいおられるようであります。実はその四%が恩給受給者だということは大体わかっております。二十三万人の四%といいますと、大体九千五、六百ということが推定されるわけでございまして、先生いま言われました数字は、私は資料はいま持っておりませんので……。
○大出委員 だいぶもう年月は前でございますが、永山さんのお持ちになった数字というのは、私は明確に記憶しておりますが、当時、恩給をもらっていて生活保護の方が八千。いま承ると、九千五、六百と、こうおっしゃるならば、そうすると、この六、七年の間に八千が九千五、六百に、千五、六百ふえた、そういうことになる。昔の議事録をお調べになればわかります、永山さんが質問されておりますから。こういうことになっている。いまの恩給というのはなぜこうなるかという基本的な問題、長官どうお考えになりますか。
○坪川国務大臣 大出委員が深い御討議をされた数字上から出てまいるところの重要な御指摘でございます。ほんとうにきびしいものを感じております。われわれといたしましては、そうした不幸な現象を思いますときに、やはり政府といたしましても、こうしたかつての国家公務員としての国へささげられました功績のある方々の老後に対する安らぎ、またこうした給与に対する喜びというものを、やはりもっと積極的に取り組むべきであるという気持ちは一そう深くいたしております。
○大出委員 答弁になりませんけれども、こういうことなんですよ。欧州の退職年金なり老齢年金なりというものの思想は、いま長官がおっしゃったように、長年働いてこられた方々が一定の年齢に達して職を去る。しからばその方は、その長い年月働かれて世の中に価値を生み出した。いかなる職業でも何らかの価値を生んでいるわけでありますが、じゃ、その人が働いて価値を生んだその価値に当たるものを俸給としてもらってきたかというと、その人が生み出した価値の三分の一、学者の推計では大体そのくらいのものしか給与になっていない。俸給としてもらっていない。だから、かりに半分もらったとしても、その方が働いた価値に匹敵する半分だけを俸給としてもらって、半分は世の中に置いてきちゃったことになる、簡単に言えば。それがいわば今日の文化であり文明であるというふうに規定すれば、次の世代はそれを今日受け継いできているはずだ。そうだとすれば、その先輩の方々の、人間的に考えれば、権利があるはずだ、文化、文明という形で置いてきたんだから。それは何かというと、休息の権利である。だからその休息の権利である限りは、その休息の権利を完全に充足させる責任が次の世代にはある。つまり国家を形成している限りは国にあるこういう形になるという思想があるんですね。フランスのかつての労働大臣の銅像ができておりますが、この思想を強調した人です。だから、いまでも神さまのごとくいわれているわけですね。ビバリッジあたりのビバリッジ・プランだってアトリーがあとを継いだわけですけれども、チャーチルさんの時代の話です。御存じのとおり、第二山大戦をやる。ドイツと戦争するのだから、イギリスは荒廃に帰するだろう、だがしかし、戦後は揺籃から墓場までということでこういうプランを立てるのだといって明らかにして、だから一緒に戦おうじゃないかといって戦ったわけですね、イギリスの場合は。戦後、社会情勢の変化の中で労働党内閣ができましたが、まさにこれを歴代内閣が受け継いでこなければ選挙民の信を失ってしまう。同じことです。だから、そういう意味から早くからスライド制というものがどこの国でも取り入れられているわけですね。 そこで、スライド制が取り入れられているから、ずっとそのいにしえの、従前賃金といわれておりますけれども、つまり古い時代の賃金、いま加藤さんがいみじくもおっしゃった、二十三年以前の方々のような古い方々の賃金がスライド制を完全にとられていれば、ほんとうはいまの世の中に妥当するんですよ。ところが、していない。こういうところに、従前の賃金というものが今日保障されていない、仮定俸給表の中で。それを日本政府というのはごまかしてきたわけだ。これはわれわれを含めて重大な責任ですよ。そこに二十三年以前の方が大多数なんだ、かつてりっぱな官吏として働いて、あるいは公務員として働いて。二十三年というのは公務員法ができたときですから、官吏俸給制度という形のもの、公務員俸給制度という形のものが分かれたのは二十三年なんだ。私は二十三年の十二月から官公労をこしらえて、官公労事務局長を長い問やってまいりましたが、つまりこれはその分かれ道だ。その従前の従前賃金が保障されていない。そこで実は今日のこういうばかげたことになっている。りっぱな仕事をしてきた方々が、今日生活保護を受けている老人よりなお低い。その方々が、いまのお話で、私はこれはもっとあると思いますけれども、いまの平川さんのお話だけでも九千五百人から九千六百人おるとおっしゃる。こんなばかなことをほうっておける筋合いじゃない。 そこで承りたいのですが、欧州各国、イギリス、フランス、西ドイツあるいはスウェーデン、デンマーク、ノルウェーあるいはイタリア、こういう国々は、スライド制というものを一体何年ぐらいから導入されておりますか。
○平川政府委員 先生の御質問は、スライド制を何年くらいから導入しておるかという御質問でありますが、実はスライド制そのものがどういうものであるかという……
○大出委員 それも含めて答えてください。時間かかってけっこうですから。それも含めて、こういうスライド制に何年ころからどう変わった、これは基本ですからおっしゃってください、けっこうですから。
○平川政府委員 それでは、時間もかかりますけれども、簡単に申し上げますが、大体欧米の先進国をとりますが、まず、イギリスにおきましては、これはスライド制そのものが確立しておりません。政策的な配慮でそのつどそのつどやっておる。結果として見ますと、何を基準にしてやるかといいますと、主として物価を基準にしておるようでございまして、スライド制はそういう意味において確立しておりません。なお、この年金の内容でございますが、実はイギリスが一番低悪な条件になっております。一年につきまして八十分の一という低い率でございますから、これは日本の恩給法に直しますと八十分の十七というふうになります。これは実は恩給法の百五十分という分母に直しますと、百五十分の三十二でございます。日本の恩給は百五十分の五十でございますから、十八くらい低いということになる。 それからアメリカでございますが、これはスライド制は確立しております。これは先生も特に御承知のように、過去三カ月におきまして三%以上の消費者物価の上昇率がある場合においては、それに応じてスライドするということになっております。したがいまして、これは物価スライド方式と考えていいと思いますが、実はこの年金の内容が日本より若干落ちておるわけであります。といのは、最初の五年間が一・五%、次の五年間が一・七五%でございますが、それから十年をこえると二%になりまして、これはたとえば十七年をとりますと百五十分の四十五という数字になります。日本よりは五低いということになります。 西ドイツは、実は公務員給与にスライドをしております。ただスライドのやり方は、これは五、六年前になりますが、私が行きました当時においては、公務員給与にスライドしておりましたけれども、スライドの措置は、法律措置あるいは予算措置等におきましては数年おくれておるようで、ございます。たてまえとしては公務員給与にスライドしておるということでございます。内容的には、恩給法と同じ十七年をとりますと百五十分の七十三となりまして、わが国よりは二十三だけいい、 こういうことになるわけであります。 次にフランスでございますが、フランスは、先生、給与で非常にお詳しいように、点数によって給与があらわされております。実は退職者もこの点数の移動によりましてスライドするということになっておりますが、処遇の内容といたしましては、恩給に直しますと百五十分の五十一ということになっておりまして、わが国の恩給制度とほぼ同じようになっております。 このようになっておるわけであります。
○大出委員 それしかおっしゃらぬのですか。私はまだほかのことも言ったのですがね。イタリアにしても、スウェーデンにしても、その国その国の歴史があっていろいろな形の恩給をつくってきております。それでは、あなたのほうでひとつこれを資料にして出していただきたい。というのは、 いまここであなたの言うことを反論すると、またあなたのほうの資料をさがさなければいかぬですからね。 英国でも選択権がございまして、たとえば郵便労働者年金は一般の年金より高いほうをとる選択権がある。私は郵便労働者の一人ですから、自分で行って調べてきているのですからそれは百も二百も知っておる。したがって、いまのような簡単なことを言われたのではまことに迷惑なんで、そんなことを言うなら、社会保険の中に占める年金のウェートはどのくらいか、これはお調べになるとおわかりになるので、ついでにそれもお答えいただきたいのです。ILOの資料がございますね。どんな資料でもけっこうですが、つまり社会保険給付等の支出に占める年金給付支出の割合、これは一つの基準です。それから年金給付費の国民所得に対する比率、これはILOにもございます。各国別に全部出ております。ただしこれは年次からいきますと、一九六六年ぐらいまでがいまILOにあります。その中には日本も入っておる。したがって、そのウェートがどのくらいであるか、これはけたはずれに違う。どのくらい違うかというのを、いま皆さん方のほうでお持ちでないからあとで資料として出してください。これは基本的な問題で、私もいろいろ調べております。したがいまして、今回社会保険審議会でございますか、その出した答申の中身で一体なぜ六〇%というようなものの考え方が出てきているかというところにも論拠がある。つまり職業についておられたときの俸給、だから停年でおやめになる前の経済的収入のおおむね六〇%というものを一つの目安にしているのですね。そうなると、なぜそういう答申が出てきたか。また一体なぜ五万円年金なんてことを、その中身は別として政府は言い出したか、欧州とアメリカとの関係において。実はここらに問題がある。したがって、いまあなたがお話しになったのはどういう資料に基づいておっしゃったかというその出所を明らかにして、資料でお出しをいただきたい。その上でいまの点は少し掘り下げて聞かしていただきたい。委員長、よろしゅうございますね。 そこで次に、いまのお話の中に関連をいたしますけれども、従前賃金というものを保障していない。だから、これだけ多くの生活保護を受けなきゃならぬような人がいる。その歯どめをじゃどうやってやるかといえば最低保障しかない。いま現行どうなっておりますか。
○平川政府委員 現在の最低保障の額を申し上げますと、六十五歳以上の者につきまして、実在職年が最短恩給年限以上のものにつきましては十三万四千四百円を最低保障としております。六十五歳以下につきましては十一万四百円がその額になっております。
○大出委員 それは一体どういう根拠に基づいてそういうふうになさったのですか。
○平川政府委員 これは特に根拠というものを明確にスライド的に考えておるわけでございませんが、一応めどといたしましては、国民年金、厚生年金等の定額部分をめどにしながらやってきております。
○大出委員 特に根拠としているものではございませんがなんて、ずいぶん用心深い答弁に変わってきましたな。いまあなたお話しになったように、特に根拠としているものではないんだそうですけれども、これはそこをめどにしているんだというわけですね。 そこで、いまお話しをなさいましたが、現行の厚生年金でいいますと定額部分が十一万四百円ですね。そしてこの定額部分が今度は改正をされるんじゃないですか。どのくらいになりますか。厚生省の方お見えになっていますか。お見えになっていればそちらで答えてください。
○平川政府委員 二十年勤務いたした者につきましては二十二万と聞いております。
○大出委員 二十二万八百円です。八百円抜けていますな。出ている法律ですから正確に言ってくださいよ、議事録に残りますから。そこで、現行十一万四百円が改正をされてこの国会で二十二万八百円になりそうである。なるかならぬかまだ通りませんからわかりませんがね。間違いないですな、これは。厚生省の方、よろしゅうございますな。 そこで、六十五歳以上の方は十三万四千四百円、これが去年改正をした現行ですな。そうでしょう。で、厚生年金の定額部分の十一万四百円と、厚生年金の報酬比例部分がありますね。これが二万四千円ですな。そうでございましょう。この合計額、これがつまり最低保障額になっている。特に根拠としているものではございませんがめどとしている——めどじゃなくて、そっくりそのままです。違いますか。
○平川政府委員 めどというのは私の考え方を申し上げたわけでありまして、というのは、これは先生、御審議の過程でいろいろ御存じのことかと思いますが、実は向こうの最低保障が上がったからといって直ちに本法を改正しているわけではございません。それは恩給制度と最低保障というものをどうかみ合わせていくかということについてやはり若干の時間が要るということでございまして、実は過去の経過等におきましても、御存じのとおり即応して上げているわけではない。そういう意味においてめどということを申し上げたわけであります。
○大出委員 そんなでたらめを言っちゃいけませんよ。十一万四百円の定額部分が今度二十二万八百円と倍になる。あなた方はまさか倍になると思ったわけではない。こんなに厚生年金が上がっちゃって、あなた方だって驚いた。だから、報酬比例部分の二万四千円、これが倍になる。そんなことになるとあなた方は思ったんじゃない。思ったんじゃないのに、いまのような答弁をするというのはどうなんです。 問題はそこから一つ先にある。加藤さんがさっきおっしゃっておられましたように、二十三年以前の方々のような、たいへん不合理な目に今日あっている、生活保護までもらわなきゃいけないようになっている、そういう方々をどう救うかということを真剣に考えなきゃならぬ。そうすると、いま各国の例をあげようと思ったのですが、どうもあなたのほうは的確な御説明をなさらぬので、ちゃんと資料を出していただいてものを言わぬと、ちぐはぐな答弁をやりとりして議事録に残してもしようがないからあらためてやりますけれども、たいへんな矛盾ですよ。日本の年金制度の欠陥の最大の問題なんだ。非常に未成熟なんです、一般的に言って日本の場合の老齢年金というのは。成熟期に来ている欧州だからこそ、さてそこから先たいへん予算がかかるからどうしようかという、各国いま検討段階でしょう。日本のほうはのほほんとしている、幾らも金がかからないから。ILOの基準からいったって、ILOの調査からいったって、まるっきり話にも何もならぬ。ずいぶんそれは違います。 ここにその数字が出ておりますけれどもね。この年金給付費の対国民所得比、国民所得に占める年金給付の比率、日本はわずかに〇・三%です。これは権威あるのですよ。ILOの公式発表です。日本は国民所得に対してわずかに〇・三。ところがアメリカが三・四、十一・何倍ですよ。アメリカが金を使っているのは、一般的には老人年金に対してです。賃金は日本は三分の一、四分の一といわれているわけですから。にもかかわらずこれだけ違う。それからスウェーデンにおいて五・五ですよ。ずいぶん高いです、これは。日本は国民所得の中で〇・三しか使っていない。GNP世界第二位なんということをいわれているのですけれどもね。そしてイタリアはまだ高い六・九。西ドイツはまだ高い八・八、国民所得対比で八・八%の年金予算をかかえている。日本は〇・三ですよ。これはどうにもならない。〇・三、こんなべらぼうなことはない。これは低い低いとさっきおっしゃった英国でも四・九ですよ。アメリカは三・四ですが、それより多い四・九。四・九ということになると日本の十七、八倍です。そうでしょう。だから郵便局の労働者だって選択権があるのですよ。やめた年数によって、一般の老齢年金と違うんだから、郵便局の年金よりも老齢年金のほうが高ければそっちを選択するようになっている。だから、そう簡単な、あなたが言うような、こちらの有利なところだけとったって通用しない。その証拠にこれだけの金を使っている。フランスだって四・六%です。日本の十六倍くらいこれはある。そうでしょう。〇・三なんですよ、日本の場合は。 こういうことになっているのだから、せめて歯どめとして最低保障くらいはきちっとしてあげなければならぬ。生活の保護を受けなければならぬ、長年苦労した天皇の官吏といわれた時代の方々がたくさん受けておられる。そうでしょう。そうすると、その方々を救う方法というのは、不合理を是正して、従前賃金というものを仮定俸給表の中でいまに妥当させるということはやらなければならぬ。それをおやりにならぬということなんだから、四回ばかり是正しましたが、これもひとつ資料をいただきたいのですが、やめた年次に従って、大体平均俸給のところで属人的に、何野たれ兵衛という人はどういうふうになって、四回の是正でどうなって今日に至っているかという点をあげていただきたい。これも資料をいただきたい。いまここでお出し願えればいいのだが、実は恩給質問がきのうきまったものだから、私もとっさの質問をしているので、そうでなければ、私のほうで計算してきますけれども。あなたのほうでぽっと言っていただければいいけれども、その御用意もないと思うので、だからそれは、先ほど加藤さんの質問を聞いておりましたら、四回も是正いたしましたと、こうおっしゃるから、じゃ四回是正した結果どうなったかという具体的な中身がないと、先ほど加藤さんの御質問のようなことになる。 私もいまここに実例をあげて読み上げますがね。そこで、是正した年次は、昭和二十五年、二十七年、三十一年、三十六年、四十一年、四十六年、六回です、是正したのは。ちゃんと是正している。是正しているが、さっき私がここで関連質問いたしましたように、二十七年から三十一年の間には四年間ある。そうでしょう。三十一年から三十六年の間に五年間ある。三十六年から四十一年の間も五年間ある。そうすると、おおむね五年前後の期間を置いて上げたわけですね。その五年間というものは低いままだ。五年たって是正したのだから、その方の仮定俸給表のカーブというのはこうなってはいない。こうなっているわけです。そうでしょう。高いほうの人はこうなっている。そうでしょう。ここで一緒にしたって、この間五年間というものは低いものをもらっている。ここで上げた、また五年間。ここで上げた。片方の仮定俸給カーブを描いてみれば明確にわかる。そうでしょう。この間全部低く据え置かれている。そうすると、その人たちだって本来なら不合理是正で是正していくべきだ。そうでしょう。長官、これはどうお考えになりますか。
○坪川国務大臣 先ほどから、あらゆる角度から真摯に取り組んでおられる、それを踏まえての教々の御指摘また御批判、私も十分拝聴いたしておる次第でございます。要は、政府といたしまして、これらのかつての国に奉ぜられた公務員を含めての老人の、年を召された方々に対するところの根本的なる施策をどうすべきであるかということは、私はほんとうにお話のとおりの国民的重要課題であろうかと思うのであります。 そうしたことも踏まえまして、実は与野党のお許しをいただきまして、十二時半から、本内閣において老人対策問題の第一回の会議を持ちまして発足をいたしましたので、総理が本部長、私と厚生大臣が副本部長としてこれに取り組む段階になって、きょう各省庁を集めまして、総理も出席いたしまして、そうして今後のあらゆる老人問題に、ことに物的な問題、また精神的な問題を含めまして、具体的な対策をどうすべきかということがございますので、たいへん御理解ある御配慮をいただきましたので、やらしていただきますが、私はほんとうに、いまおっしゃったような問題を十分ひとつ政府は心に入れまして、真剣に取り組んで、こうしたほんとうに気の毒な九千五百名のまだ生活保護の対策になっておる老人の方々を思うときに、物的に、いわゆる制度上の上にも、行政上の上にも、財政上の上においても、ひとつ抜本的老人対策を打ち立てたいと、こういう熱願に燃えて、ひとつきょう発足の段階になりましたことを感謝申し上げながら、十分ひとついまの御指摘の問題を事務的にも真剣に取り組んでまいりたい。加藤委員もおっしゃったとおり、また大出委員もおっしゃったとおりのそうした問題に取り組んでまいりたい、こういう決意を表明申し上げてひとつお許しを願いたいと、こう思います。
○三原委員長 午後零時四十分より委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午前十一時二十九分休憩 ————◇————— 午後零時五十三分開議
○三原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 恩給法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。大出俊君。
○大出委員 先ほど、二十三年以前の退職者の問題についで、また恩給の基本的な問題に触れて議論をしてまいりましたが、私のところに、二十三年以前退職者で、何人か実は手紙などが参っておりますが、ここにございますのは鹿児島県の方でございまして、今吉助右エ門さんという方ですが、この人は、先ほどもちょっとお話がございましたが、学校の先生でございます。昭和二十三年以前の退職者、カッコして、特に学校職員の恩給算定の基礎になる給与額の合理的な改定を行なうことによって、二十三年後に退職した恩給受給者との不公平を是正していただくようにさらに御検討をお願い申し上げたい、こういうことでございまして、理由は、さっき私がすでに代弁をいたしましたが、二十三年の給料の改定時の在職者に対しては、学歴、経験年数などにより一律に給料改定を行なったんだ。その後、その改定された給料額を基礎として、昇給のベースアップなどが積み重ねられてきているんだ。しかし、二十三年以前の退職者に対しては、さっき申し上げましたように、いわゆる是正措置が行なわれてきたんだけれども、計算の基礎になる給与額がたいへん低いんだから、それが据え置きで、手をつけられていないということになると、単なる是正是正といっても、そのたびに表面を糊塗する結果にしかならない。実質的に、さっぱり改定をされたということにならない。だから、その意味では格差が開きっぱなしになってしまう。こういう意味の不公平を指摘しておられます。 それから、特に二十三年以前の、戦時中の勤務の状況というものをここに述べておられますけれども、何と、五円の昇給も三年かかったのですね。こういう時代だったというのです。特に女の先生は男の先生に比べて、二年ないし三年で昇給するところを、四年ないし五年かかった。この方の実際に勤務した時代の実情であります。七年間ストップされた実例がある。東京の師範学校の卒業と地方の師範学校の卒業とは、すでに初任給にたいへん大きな差を当時はつけられる事情にあった。いまはそんなことは全くない。出た師範学校の格によって昔は初任給がたいへん違う、実はこういう実情にあった。また、苦労をして上級の学歴を持っても、だからといって特別に昇給する道もない。先生をやりながら勉強して学校に通ってみても、やはり同じことだった。また、二十三年の給料改定の時期に在職していたとすればその恩典にあずかるべき当然な人が、その少し前にやめているというだけで、こんなに大きな一生にわたる格差を続けてくるというこの不合理を、数回の是正と称する——実際には、もとになる仮定俸給表、つまり在職時の俸給でございますが、これが是正をされない限りは、全く根本的な不合理の解消にはなっていない、こういうことでございます。 そこで、二十三年以前に退職をされた女の先生方が、東京で先般お集まりになったそうです。師範学校卒業者ですから、まあ古い同窓会でございましょうけれども、とたんにこの話が中心になってしまった。それで、私は乏しきを憂えず、ひとしからざるを憂える、こういう結びになっているわけでありますけれども、実際御本人の身になってみれば、皆さんは、さっき私も指摘いたしましたように、是正したではないかというけれども、自分のことですから、自分で計算ができるのですからね。だから、二十三年以後、同僚で退職した人もいるので、その方と比べてみても、たいへん差がついてしまうということを述べておられるわけであります。 ときに、昭和二十三年六月の改正ベースというのは一体幾らでございましたか。
○平川政府委員 三千七百円ベースでございます
○大出委員 当時は総平均賃金と、こういうたてまえをとっておりましたからね。浅井さんの人事院総裁のころでございますから、二十三年にできて、手をつけたばかりのときであります。したがって、この三千七百円ベースというのをひとつ基準にしていただきまして、それ以前のと、属人的にと私さっき申し上げましたが、このサンプル調査を少しやり直していただきたい。これはたいへん重要なことだと私は思っております。したがって、いろいろなケースがございますから、職種別に、学校の先生の場合、男の場合、女の場合、そしてこれは、二十五年の是正、二十七年の是正、三十一年の是正、三十六年の是正、四十一年の是正、四十六年の是正と追っていっていただいて、この間に教職員の方とか警察の方とか、いろいろ三十六年から四十一年の間にはございましたが、そこらのところも考えてひとつ属人的に追ってみていただきたい。そういうサンプルをつくっていただいて、はたして、さっきお答えがあったように、どれだけ是正しているとおっしゃるのか。私が具体的に幾つか指摘をいたしましたように、それが是正といえるものになっていないのか、そこのところを詰めてみたいと思うのです。 なぜならば、二十五年から二十七年までの間は是正されていないのですから、二十五年の是正でいっているわけでありますから、そうすると、六年、七年とこの空間がある。二十七年から三十一年までには、二十八年、九年、三十年、三十一年という期間がある。そして三十六年の是正のときには、三十二年、三年、四年、五年、六年という期間がある。四十一年のときには、三十七年、八年、九年、四十年、四十一年という期間がある。以後四十六年。ですから、その間はこうなっていくわけですから、そこらのところを計算してみると、はたしてどういう結果が出るか。私にひまがあればやりますけれども、ぜひ一ぺん皆さんのところでやってみていただいて、お出しをいただきたいのであります。その上で、先ほどの皆さんの答弁が妥当なものであるかどうかという結論を私は出してみたい、こう思っているわけでございますので、この点について御意見を承りたいと思います。
○平川政府委員 いま御指摘になりました点は、個々の属人的な点につきまして資料を提出いたします。一般論といたしまして、実は私、先ほど四回と申し上げましたが、これは私の頭の中にある昭和二十八年の軍人恩給以来のことを申し上げましたので、それ以後は四回でございますが、全部合わせますと六回でございます。具体的に申し上げますと、対象となる階層は、必ずしも同一人が六回受けたわけではございません。ある場合は六回受けた人もございましょうし、ある場合は一回しか受けていない場合もございます。特に短期在職の方は、その間一回しか受けておりません。その場合、いずれにしましても、昔の俸給でいきますと比較的低いところのほうを重点的に是正している。これは大ざっぱな話でございますが、そういうことで是正しておるわけでございます。われわれの資料は、現在資料は持ってきておりませんが、先生が言われました属人的なことも、かなりのケースを当たってやったわけであります。マクロ的な結論でございますが、六回の是正で、われわれとしましては、ほぼ是正されておる、このように考えております。 というのは、先生御承知のように、二十三年七月以降で逆に陥没是正というのがございまして、当初の法律では二十三年十一月までの退職者については陥没是正をやったのです。ところが、六回の是正をした結果、陥没是正の二十三年の時期をもっとずらさなければならないということになったわけであります。これは、内容的には先生御承知のとおりで、前を上げますとそれ以後の退職者が低くなる。やはりそれも伸ばしまして、これは無制限に、実は撤廃するようなかっこうになっております。したがいまして、二十三年七月以後の人は無制限に陥没是正をしなければならない。そういう一つの事態というものは、やはりわれわれといたしましては、二十三年七月以前の是正がかなり行なわれているもの、このように理解をしております。ただ、個々のケースをとりましても、いま言ったように非常に多いケースでございますから、どういう問題があるかということにつきましては、全部について当たったわけではございません。その点はわかりませんけれども、一般的についてはそういう傾向になるということでございます。 特に女子公務員のことについて言及がありましたが、私自身も女子公務員に実はいろいろ当たってみたわけであります。確かに恩給額が低いのは原因があるわけですが、その一因の中には、やはり俸給が低いということと、それからもう一つは在職年が非常に短いということでございます。御承知のように、学校の先生を最短恩給年限で恩給がつけばやめる、それで家庭に入るという人が多うございますから、結果としては在職年が短くなって恩給額が低いということはありますが、もう一つ、先生が言われました、女子なるがゆえにかどうかわかりませんが、一般の男子に比べまして少し押えられる点があるのでは、ないかという感じも率直にいたします。 これをどうするかという問題でございますけれども、突き詰めて形式論を申し上げますと、これは一般に給与の格づけの問題でございますから、実は私のほうは、現実的にどうかは別問題といたしまして、形式的には給与が妥当なものとして恩給のベースアップをしておりますから、そういう結果になるわけでございますが、しかし、恩給はすでに昭和三十四年に終わった制度でございますから、過去の問題について、結局手をつけるのは恩給以外にないではないかという御意見もあると思います。そういうことも踏まえまして、われわれとしてもいろいろな角度から検討してはまいりたいと思いますけれども、なかなかむずかしい問題を内在しているような感じがいたしますが、しかし、いま申し上げましたように、旧制度でございますから、いまから現職者の給与のように直す、そういう役所がございませんから、直すとすれば恩給局よりないということになれば、何か考えるべきではないかという御意見かと思いますが、そういう点につきましては、できるだけいろいろな角度から検討いたしたい、このように考えております。
○大出委員 いまから二十五年前が一つの節でございましたからね。そこで、その節以前に恩給受給資格を得ていた人でありますから、確かに今日相当な年配でございます。いまお話がございましたように、私も当時、昭和十四年に横浜の鶴見の郵便局につとめまして郵便配達をやっている時代でありますが、当時はどんどん兵隊に行きますので、半分女の人なんです。郵便配達までしまいには女なんですよ。地下たびはいて巻ききゃはんして一生懸命配達している時代なんです。学校だって次々代用教員ですよ。言うならば女の先生ばかりです。そういう時代だから、いまのように労働組合があって、こまかく男女差別なんていうのも指摘できる時代ではない。だから、この人が書いているように、ましてや鹿児島の、いなかというのではこの方に申しわけないが、このほうならばなおそうだ。だから、そういう時代の方々を、いまお話がございましたように、何とか新しい時代に即して考えてあげようということになるとすると、恩給しかない。しかもこれからの方々は何年も先がない。 とにかく二十五年前というと、私がまだ二十五歳何カ月で官公労事務局長をしていた。官公労百七十万。この下の広場で大演説ぶっている時代ですからね。そのときにマイヤース勧告などというのが出てきた。官公労事務局の隣が退職公務員連盟、野本品吉さん率いる団体ですから、一緒になって一生懸命人事院を攻めて、給与局長瀧本さんと仲の悪い慶徳さんをおだてたりけんかしたりしながら、やっと恩給勧告を出させたのだ。出させたらやらないのですからね。ふざけた話だ。マイヤース勧告というのは思想は無拠出なんですからね。その年に一体どれだけ恩給受給資格者がいるかというのを調べて予算を組めというのです。言ってみれば、これは税金で払うのだから賦課方式みたいなものです。そうでしょう。そういう思想なので、マイヤース勧告を実施していれば、いまこんな騒ぎをしなくたって済むとさえ実は言いたいわけです。 だから非常に残念なことで、ひとつ属人的に当たってみていただいて、そしていまお話のように、これは全部が該当しているのじゃない。給与というものは、恩給もそうですが、運の悪い人は妙なもので切りがなく運が悪い。どういうものか、しようがないのですな。一ぺんつまずくとどこまでもついてまわる人がいる。そういう妙な不合理があるので、ぜひひとつ、きめこまかくここのところを当たっていただきたい。老人対策で坪川さんがお出かけになるような時代になったのですから、これはぜひお願いいたします。 そこで、最低保障の話を先ほど私いたしましたが、この辺で少し大蔵省あるいは厚生省の皆さんに承りたいのでございますが、社会保険審議会で公的年金の問題、そのうちの厚生、国民年金等、三者構成で労使を入れていろいろおやりになっている。ここで意見書でございますか、出されたわけでございますね。それは一体大筋はどういうことでございますか。厚年なら厚年で厚生年金部会でございましょうな。中心点をひとつお述べ願いたい。
○持永説明員 厚生年金審議会は、先生おっしゃいましたように、三者構成の審議会でございますがその審議会で一昨年の十一月からずっと懇談会をやっていただいたわけでございます。ことしの予算の確定いたしました段階で、正式な審議会に御諮問申し上げて御答申いただいたわけでございますが、その懇談会の中で言われておりました大筋、ちょっと私、記憶で申し上げて、資料を持ってきておりませんのであれでございますが、一つ片は年金額の水準について大幅な引き上げをするということで、その水準としては、厚生年金は御承知のように標準報酬制をとっておりますが、現業労働者の賃金、労働者の賃金は標準報酬にリンクしておるわけでありますから、そういったリンクいたしました標準報酬の六〇%相当分をいわゆる年金水準として年金の制度を設定しょうということが一つだと思います。 それからもう一つは、特に厚生年金の場合には、従前五年ごとに財政再計算をやりまして、そのときに現実の経済実勢なりあるいは国民の生活水準に見合う年金制度の改正を行なってきておりましたけれども、非常に日本の経済実勢のテンポが早いわけでございます。最近、特に物価の上昇もかなりの勢いで進んでいる関係で、そういった動き、経済社会に対応できるような年金制度にする必要があるといったようなことで、それに対するスライド制の導入ということをいわれておったと思うのです。その場合に意見が二つに分かれておりまして、被保険者側の方々の御意見は、賃金にスライドさせるべきだということでございました。事業主、公益の方々の御意見は、当面は物価スライドすべきだというような御意見であったと記憶いたしております。 それから、大筋はそういったところでございますけれども、あと国民年金審議会のほうでもいろいろ御意見いただきまして、大体それと似たような御意見でございますが、国民年金審議会では特に福祉年金について当面大幅引き上げをはかるというようなことをいわれておったと思います。あとは、遺族年金その他についてもう少し、妻の座の問題でございますとか、そういった点について抜本的な改正が検討されてしかるべきだというような御意見もいただきました。 それから財政方式でございますけれども、財政方式につきましては意見が二つに分かれておったと思います。それは、被保険者側の方々の御意見は、当面、即刻賦課方式への移行を検討すべきだというような御意見だったと思うし、それから使用者側なり公益側の御意見は、将来、賦課方式への検討をするといたしましても、現実の時点で、わが国の人口老齢化が今後急速に進み、かつまた年金制度が未成熟の段階では一挙に賦課方式に移行することについては問題があるので、段階的にそういった方向に向かうべきだというような御意見だと思います。 それから厚生年金の標準報酬でございますけれども、標準報酬につきましては、労働者側の委員は、たしか最低二万円、最高限二十万円というような御意見だったと思います。それから使用者側は、最高限につきましてはもう少し上限を検討してもいいのではないかという御意見だったと思います。 それから保険料率につきましては、政府の出しました諮問案は、現行の千分の六十四を千分の七十九に、男子の場合でございますけれども、するという案だったと思いますけれども、それにつきまして労働者の側は、できるだけ低く押えるべきだ、使用者側もできるだけ低く押えるべきだと、そういうような御意見だったと思います。 詳細につきましては、私、手元に資料を持っておりません。したがって恐縮でございますが、記憶で申し上げているような次第でございますが、以上のような大要だったと思います。
○大出委員 あわせてひとつ大蔵省の方にお願いをしたいのですが、国家公務員の共済長期、そちらのほうの最低保障は現行十五万でございますね。これはどう変わるのでございますか。
○鈴木説明員 国家公務員の共済組合法の最低保障のお尋ねでございますが、従来は、退職年金について申し上げますと、先生御存じのとおり十五万円が最低保障額としてきめられておりますが、この十五万円をきめておりますもとになりますのは、厚生年金の老齢年金との関係を考慮いたしましてきめられておる関係がございますので、このたび御提案申し上げております厚生年金の改正におきまして、定額部分が相当大幅に引き上げられるということとの関連も考慮いたしまして、三十万二千四百円という金額に改定することで御提案申し上げて、御審議をお願いしておる次第でございます。
○大出委員 共済年金、これは公務員ですね。そうでございましょう。公務員でございますな。
○鈴木説明員 はい。
○大出委員 これは平川さん、公務員なんですね、共済長期は。さっき申し上げましたが、二十三年以前でいえば恩給国庫納金を払っている方々、つまり当時任官ということばを使っておりましたが、この方は十七年勤続で三割三分三厘ですね。百五十分の五十ですね。ところで、共済長期の方々は二十年で百五十分の五十、つまり三割三分三厘、三三・三三なんですね。だからこれは、当時同じ職場にいて、共済長期を払っている人、恩給国庫納金を払っている人、こうなっていたわけですね。だからこれは何も変わったシステムではない。 私ども実は、電電公社まで含めて三公社が共済年金のほうにいきましたから、私のほうは、岸本大蔵省給与課長がおられるときに、私のところで立案をして、参議院議員永岡光治、横川正市連名で参議院から議員立法で出した。その際に参議院で大騒ぎになって、人事主任官会議が開かれて、岸本大蔵省給与課長から全逓の提案これありという前書きをつけて、とうとう五現業一緒に年金共済にいっちゃった、こういう経過がある。 そこで、からみ合っている経過があるわけでありますが、このいまの共済が十五万円が三十万二千四百円になる。そうでございますね、いまの御答弁は。三十万二千四百円で、この計算の基礎は厚年とからんでいるとおっしゃる。どうからんでいるかというと、十三万四千四百円プラス扶養家族ですね。つまり扶養家族の分を一・五人分と見ている。これが一万五千六百円になります。だから、十三万四千四百円と一万五千六百円を足しますと十五万円になる。これが現在の計算の基礎なんですね。おわかりだと思います。そこで、厚年とからんでいる。厚生年金の十三万四千四百円の扶養家族の丁五人分の一万五千六百円を足した、だから十五万ということになる。これが現行の最低保障なんですね。 これが、今回は厚生年金が、先ほど私、申し上げましたように改正をされる。二十六万八千八百円。この内訳は、定額部分の十一万四百円が二十二万八百円にはね上がる。報酬比例部分が二万四千円でございますが、これが四万八千円にはね上がる。二十二万八百円と四万八千円を足しますと、二十六万八千八百円ということになる。これが厚年の最低保障なんですね。そうなると、これを基礎にいたしまして、厚年の二十六万八千八百円、これに先ほどの扶養家族一・五人分、つまり三万三千六百円になりますから、これを足しますと三十万二千四百円、こういうことになる。これがいまお答えの中身。省略をされましたが、私が補足をすると、いまお答えの共済長期、つまり共済年金は三十万二千四百円になる、厚年とのからみである、こういうわけであります。 ここまで改正をされておるのに、国家公務員の恩給部分のことについて、これは関係がないとおっしゃられるとすると、これは私は、そうでございますかとは言えない。さっきのような説明で、うんとは言えない。だから念のために私は冒頭に、一体恩給受給者はどのくらい平均額で今日もらっているのか、という質問を用心深くしてあるわけでありますが、これに対してのお答えがさっき警察まで含めましてございました。そこで最低保障をするとして、かりに、共済年金に基づく共済長期、国家公務員の共済組合に基づく三十万二千四百円、ここまで引き上げたとすると、これは今回提案をされている恩給法にかかわる、あるいは文武官の仮定俸給表の改正、具体的に恩給受給者との関係ということで、どういうことになってまいりましょうか。あなた方提案されておりませんけれども。一体どのぐらい金が要りますか。まず順番に承りたいのですけれども、この大蔵省からいま御答弁をいただいたところまで、三十万という台に最低保障を乗せる、共済の三十万二千四百円、こういう最低保障をした場合に金は幾らかかりますか。それから、先ほどの議論の中にございました、六十五歳以上が十三万四千四百円、厚年の定額分プラス報酬比例部分を足したもの、これが六十五歳以上十三万四千四百円、これは現行であります。ここでいま議論されている現行の最低保障であります。六十五歳未満は十一万四百円、これは厚年の定額部分だけであります。こういうことになっているのでありますから、筋からすれば、先ほど、めどということばを使った。くどいようですが、そこにめどがあるならば、そのめどが変わったのだから次のめどにしなければならぬことは理屈であります。しかも、共済年金の場合と、先ほど私が職場の例をあげましたように、恩給国庫納金をかけてきた諸君との間には何も変わっていない。同じ仕事をしてきた。これまた疎外はできない。できないとすれば、三十万二千四百円というところまで持っていったってふしぎはない。理屈は成り立つ。そうすると、そこまで持っていったら幾らかかるのか。そして該当者がどのくらい出てくるのか。おのおのの分野に分けてどのくらいの該当者があって、どのくらいの予算がかかってどうなるのかということを明確にしていただきたい。いかがですか。
○平川政府委員 ただいまの御質問でございますが、この席におきまして、三十万円で計算すると該当人員は幾らになり、金額が幾らになるかということについては、実は資料を持ち合わしておりません。それで、実はわれわれが検討する段階におきまして問題になりましたのは、率直に申し上げますと、現在、先ほど申し上げましたように、六十五歳以上の最低保障額十三万四千四百円になります。それ以下のものが十一万四百円ということになっておりますが、いろいろ情勢が変化いたしましたので、実は検討しだしたわけであります。ところが、普通の恩給法上における文官というのは、いろいろ種類がございます。一番在職年の長い人で十七年でございます、最低恩給年限。ところが一方、国家公務員共済は二十年。掛け金率も違いますし、ふえる率も違います。そういうことをいろいろ考えまして、現在のままで最低保障をやるということは、どうも壁にぶつかったわけでございます。 というのは、実は十三万四千四百円と十一万四百円自体におきましても問題があったわけであります。というのは、御承知のように、恩給制度の中には軍人恩給もございます。それから文官恩給もございますが、文官恩給でも、在職年が非常に長い教職員、あるいは短い警察監獄職員、それから軍人の中でも在職年の長い人もございますし、短い人もございます。そういう非常に多種多様の在職年あるいは俸給のばらつきがある中で、このままの形で最低保障制度を一つの額にするということになりますと、本来、最低保障の果たすべき、公平にどの職種にもある程度の底上げをするという目的が達し得なくなるのではないか。それで基本的に、最低保障という考え方を、従来の最低保障のやり方ではなくて、いわゆる端的に申し上げますと、職種別の最低保障を恩給としては考えざるを得ないのではないかというように実は考えたわけであります。そうでないと、このままの形で上げますと、ある特定の職種の人が利益をこうむり、極端なことを言いますと、ある職種の者につきましては一人も該当者が出なくなるのじゃないかというように思うわけであります。そういう最低保障がいいか悪いかということは、やはり恩給的に反省してみる必要があるということで、実はいろいろ資料を集めつつあったわけでありますが、本年度におきましては結果として間に合わなかったということでございまして、そういう点につきましては、われわれとしては、先生の言われた趣旨は十分解しておるつもりでございますから、今後そういった資料を集めまして、方向はそうなるかどうかわかりませんが、とにかく、いまのままの形で最低保障を上げていくということは、どうも私自身としてはまずいのではないか、やはり方向を少し変えて最低保障というのを考えていかなければならぬのじゃないかというような考え方を持っておる次第でございます。
○大出委員 いまの答弁は私の質問に対する答弁になっていないのです。別にまだ最低保障のあり方をどうするかという論議をしているのじゃない。あなたのほうは何にもうたってない、この中には。こういう考え方でやめましたという説明もしていない。資料も何にも出していない。かかわり合いが明確にあるのに。しかも坪川さんがわざわざ出ていって老人対策に顔を出す世の中に、恩給受給者について見れば、文官にしても、軍人にしても、片方は目の前で厚生年金のほうのそれが基準になっている、最低保障の額は倍額にはね上がる、今度は厚年が基準になっている共済のほうがはね上がる、三十万をこえるというのを黙って見ていなければならぬのだから、それならば納得し得る理由を明確にしなければ、こんな不親切な提案は受けられませんよ。それならばまつ正面から反対しますよ。そこで私は、あなたにちゃんと初めに、これも正確かどうか知らぬけれども、私に時間がなかったから、きょう審議することをきのうきめたのだから、だからぶっつけの質問になっているので、それはしかたがない。一人しか人間がいないのだから。そこで冒頭、念のために、一体文官の平均の恩給受給者の受給額は年額幾ら、月額幾らかということを聞いたはずですよ。あなたのほうは、文官の中の教職員をまず取り上げて四十七万八千円とおっしゃった。文官と、こういうことで、何が入っているか説明もなさらぬけれども、文官が三十九万二千円とおっしゃった。待遇職員二十七万八千円とおっしゃった。警察職員二十二万六千円とおっしゃった。そうでしょう。あなたさっき答えたこの中に、しからば、最低保障を三十万に上げて該当者がありませんか。平均である限りは下と上とあるのだ。そうだとすると、あなたは共済と違うと言うけれども、だから念のために申し上げたように、共済長期をかけた人は二十年で百五十分の五十なんだ。恩給国庫納金は十七年で百五十分の五十だ。当時、共済長期のほうが不遇だった。逆に見れば条件は悪かった。悪いほうに多く最低保障がついたとすれば、三十万にはね上がったとすれば、よかったはずのほうとの関係は出てくるでしょう。当然じゃないですか。そうなれば、当然あなたはそういう計算をはじいてみて、かくかくしかじかのところに線を引いたら、文官の中でこれこれの該当者がある、あるがしかし最低保障の考え方としてはと、あなたは口の先でそこで抽象的に言うのじゃなしに、数字というのは正直なんだから、恩給というのは数字を扱っているのだから、だから職種別に全部出してくださいよ。片っ方、厚生年金、片っ方共済長期、共済年金がはね上がっているんだから、そのおのおのを基準にして見たら、六十五歳以上、六十五歳以下、共済との関係で三十万というところを基準にして、この公務員の中で該当者が一体どれだけいるのか、各職種別に全部はじいてくださいよ。そしてそれを全部引き上げたら、最低保障をしたら予算は一体幾ら要るのか。これこれの予算を使うのはもったいないということになるのか。あなたが言うように、特定のところだけに、たとえば軍人恩給にしわが寄るのか。そこらを全部出してみていただいて、その上で、こういう数字になるんだから、どこが不合理だからこうだという理由なり、意見の対立でもいいけれども、何の準備もなさらぬで不親切きわまりないじゃないですか。恩給受給者の身になってごらんなさい、軍人恩給にしたって。そんな恩給局長どこにありますか。だめですよ。長官、これは早急に全部試算をしてもらってください。この国会で片っ方でやっているんだから。そうでしょう。それはやってください。だめですよ。長官、どうですか。
○坪川国務大臣 いま御指摘になりました問題点非常に大事な点でございますから、必ず提出させたいと思っております。
○大出委員 委員長にお願いしておきますが、資料が足りないのだから、大きな疑問がある。同じ国会の別な委員会で、大蔵委員会と社会労働委員会で改正案をやっているんだから、その中で最低保障がはね上がっているんだから、その基礎がこっちの最低保障となっているんだから、それが倍になるんだから、それを黙って腕組んで見ていてもできないのだから、したがって、それを恩給に引き直してみたらどうなるかということを出していただいた上で、あなた方の理屈を聞きましょう。そうでなければ、数字もなくてやりようもないじゃないですか。特定のほうに寄りますといっても、どこに寄るかわからないでしょう。おまけに平均数字なんだから。退官職員一つ見たって二、十七万八千円でしょう。平均が三十万以下だ。文官恩給といっても三十九万二千円なんです。だからそこのところを全部試算をしていただきたい、それをお願いいたしておきます。あらためてそのときに意見を申し上げます。 次に、三公社五現業、それから地方公務員、これがおのおの共済年金に切りかわったのは何年でございますか。
○鈴木説明員 公企体共済につきましては、先生御存じのとおり三十一年でございます。地方公務員の共済が現在の共済制度にかわりましたのが三十七年でございます。国家公務員は御存じのとおり三十四年でございます。
○大出委員 これが切りかわるまでは、さっき申し上げましたように、共済長期と恩給国庫納金の関係というのは、同じ職場で一緒だったんですけれども、それを切りかえてこっちに取り込んだわけでありますから、そこらのことも考えていただきまして確たる数字をいただきたい、こういうふうに思います。もしそれがいけなければ資料をお出しください。そんなものは幾らでも計算します。 ところで、念のために大蔵省の方に承っておきますが、千分の二十というようなことで恩給国庫納金を当時払っていたわけでありますけれども、当時の積み立て金と申しますか、掛け金と申しますか、どういうことばで言ったらいいか忘れましたが、この財源、つまり恩給財政といいますか、そういう面で今日ではどうなっているんですか。国庫納金になっていたんだと思いますけれども、それはどういうふうな経過を今日まで経ておりますか。
○鈴木説明員 当時の恩給国庫納金は、一般会計職員につきましては、当然一般会計の歳入として受け入れられたわけでございますが、御存じのとおり、恩給につきましては保険のシステムをとっておりませんでしたから、これは歳入に入ったということで終わっているかというふうに承知しておりますが、一方、恩給の受給者に対します年金額の支給につきましては、毎年度の予算によりまして措置をして支給してまいっております。国家公務員の共済組合が三十四年に発足いたしました以降につきまして、いわゆる新法の共済年金の受給者として発生いたします受給者に対する年金は、当然に、恩給の期間分と三十四年以降の共済の期間分との計算をいたしまして、その合算額が支給されるわけでございますが、三十四年以前のいわゆる恩給期間に相当する分につきましては、毎年度の予算措置によりまして、前年度の支給金額のうち恩給期間相当分を翌年度の予算で措置する、実額を負担するという方式でただいままでやってまいっております。
○大出委員 そうしますと、三十四年以降になりますけれども、国家公務員共済の四十七年度決算、これは見込み額になりましょうが、その収入と支払い、組合別負担金、掛け金、利息、計ということでの区分、支払い、積み立て、給付金、計、こういうことで一体どういうことになっているのか、お述べいただきたいのです。
○鈴木説明員 四十七年度の見込みについてということでございますので、四十七年度の見込み額で申し上げますが、連合会関係について申し上げますと、これには二十組合が入っておりますけれども、負担金、掛け金、それから利息等を含めまして、利益の部が千二百九十億という金額になっております。一方、年金、一時金等で支給されます金額が約四百億でございますので、差し引き準備金の繰り入れ額は八百九十億という金額になっております。 ところで、積み立て金の関係でございますが、長期の積み立て金の金額は総額で五千九百四十七億というのが四十七年度の見込み金額でございますが、その中身について申し上げますと、短期性の預貯金について約百十八億ほどの金額になっておりますが、その他、資金運用部への預託、有価証券等長期の資金運用に回っております分が約二千八百五億ほどの金額になっております。さらに組合員への福祉還元という立場から、病院、宿泊施設等の福祉経理への運用がそのほかで千百七十億、あるいは組合員への貸し付けで千八百五十三億という金額でこれが運用されておる内容でございます。
○大出委員 間違いがあるかないかということを含めてひとつ承りたいのでございますが、共済組合連合会は二十組合でございますね。それから郵政、印刷、造幣、林野、建設の現業五組合がございますね。そこで、この二つに分けまして、二十組合のほうは、収入が負担金として六百四十億円、掛け金として三百九億円、利息として三百四十億円、合計千二百八十九億円。ここで一億円いまおっしゃったことと違っておりますが、その違いはあとからおっしゃっていただけばけっこうです。それから支払いは、積み立て八百九十億、給付金三百九十九億、この計は当然のことでございますが千二百八十九億でございます。それから五現業の収入、負担金で三百七十六億、掛け金で百六十五億、利息で百九十一億、計七百三十二億。支払いが、積み立て四百二十三億、給付金三百九億、計七百三十二億、こういう数字でございます。これが間違いかどうか。 そこで、いまその先までお話になりましたが、積み立て金の運用、総資産額ですね。連合会と現業に分けまして、連合会は資金運用部へ千六百四十八億円入れておりますね。宿舎の建設など七百五十五億、生活資金に貸し出し千八百五十三億、不動産投資四十五億、病院その他四百八十九億。証券を買っておるわけでしょう。証券、預金千百五十七億。現業は、資金運用部へ八百七十八億、宿舎の建設など十六億、生活資金に貸し出し八百十九億、不動産投資、病院その他が合計六百九十四億、証券、預金などが八百六十六億円、計三千二百七十三億円。この数字は間違いございませんか。
○鈴木説明員 私、いま手元に五現業のそれぞれの分については持っておりますが、先生いまお話しがございました五現業の分の計を実は出してまいっておりませんで、逆に五現業を加えた合計額のほうでいま数字をお持ちいたしておりますので、その金額を申し上げまして、その差し引きになっておれば、それで合っておるというふうに御了解いただきたいと思います。 合計の金額で申し上げますと、まず利益の部につきましては、二千二十二億という金額になっております。これから申し上げますのは、いずれも四十七年度の見込み額でございますが、それに対しまして、年金等の給付金額が七百八億、準備金の繰り入れが千三百十四億、合わせまして二千二十二億という金額が合計の金額ということになっております。 さらに資金の運用の面について申し上げますと、総額が九千二百二十億という金額になっておりますが、それぞれにつきましては、ただいま先生おっしゃいました金額のうち、連合会関係については、私、申し上げようと思った内容と一致いたしておりますので、差額につきましては、おっしゃる金額についてなお確かめてみたいと思います。
○大出委員 これは、いまの数字でいえば間違ってない数字だと思いますから、資金運用部へ入れたものについては運用計画に載せているわけですな。
○鈴木説明員 運用部への預託につきましては、一定の率によって毎年度の決算上出てまいった金額を預託することになっておりますが、その運用につきましては、理財局のほうで実は担当しておりますので、私、詳細について申し上げるあれを持っておりませんので、御了承いただきたいと思います。
○大出委員 預託利子をもらっているというわけですな。 そこで、この不動産投資というのは何を買っているのですか。それから証券、預金、これは中身、内訳はどうなっているのですか。これはいまここでお述べいただくのは時間がかかりますから、先ほど別掲というのをお持ちでないようでございますから、これを分けていただきまして資料を出していただきたい。そして、ここでいうところの証券、預金の千百五十七億、この証券というものはどういうものか具体的に知りたいのです。預金というのはどういうものか。それから不動産投資というのは四十五億というのですけれども、一体これは何だというところ。つまり積み立て金の運用の細部にわたって詳細にいただきたい。 ということは、もう一つ意図がありまして、三十一年に五現業が移行いたしますときに、例をあげれば、アルコール専売みたいなところもございましたが、数が少なかった。印刷なんかもそう大きな数じゃない。そういうようなこともありまして、再保険の必要があるということの論議さえございました。したがって、今日共済組合というものはどういう運営をやっておるのかということを明確にしておきませんと、将来問題が起こる。したがいまして、そういう意味で、どういう運営をやっているのかを知るためには、この中身がわかりませんとわかりません。そういう意味で、ひとっこれは資料を詳細なものをお出しをいただきたいのでございますが、その上でひとつ議論をさしていただきたいのでございますが、いかがでございましょう。 〔委員長退席、藤尾委員長代理着席〕
○鈴木説明員 先生の御要望のございました内容につきまして、できるだけ事項を区分いたしまして、資料を整えて御提出申し上げたいと思います。
○大出委員 次に、いままでやってまいりました恩給局の仮定俸給表の改定の方式、物価というものを入れてお考えでございましたものを、本年は公務員の給与に合わせたわけでございます。この点について、物価の時代からそうでございますが、まず幾つかに分けて申し上げますが、平均額、平均値を使っておられるわけですね。ですから、先ほどもちょっと質問の中でございましたが、今回の提案の法案の仮定俸給表の上限、下限がございます。この仮定俸給表の一番低いのは十九万七千八百円、これに直に二三・四%をかけて二十四万四千百円になすった。計算は間違いないと思います。それから、この仮定俸給表の一番上限は二百八万三千五百円ですね、これを二三・四%アップした。それが下の欄にございます二百五十七万一千円で、ございますね。そうでございましょう。 さて、そうすると、二三・四%をかけたわけでありますから、これをひとつ立証してみたいのでありますが、十九万七千八百円という最低のランク、これに二三・四%をかけて出てきたのがここに、ございます二十四万四千百円。二百八万三千五百円に二三・四をかけて出てきたのが二百五十七万一千円。そこで十九万七千八百円と二百八万三千五百円、つまり上下の間差はどのくらいあるか、差をとってみますと百八十八万五千七百円ある。そこで、二三・四をおのおのかけて出てまいりました今回の仮定俸給表、十九万七千八百円が二十四万四千百円になった、二百八万三千五百円が二百五十七万一千円になった。なった結果として、法律が通ればこれから実施をされる上下の最下限と最高限の差をとりますと、二百三十二万六千九百円になる。ということはどういうことを意味するかというと、いまならば、上下の一番てっぺんと一番下の差は百八十八万五千七百円。ところが二三・四%増額したために、一番下と一番上の差は、百八十八万五千七百円が二百三十二万六千九百円にはね上がって、たいへんな格差の拡大であります。幾ら拡大したか数字をあげますと、四十四万一千二百円格差が拡大をした。これは一番下と一番てっぺん。そのまん中はおのおのの率によって格差は全部拡大をしている。つまり言いかえれば、次官クラス等でやめた高い人は、うんと大幅に上がっている。下のほうは同じ二三・四%だけれども、たいへんな割りを食う結果になっている、格差の拡大という意味において。これは矛盾ではないか、私はそう思います。 私どもは、この委員会で附帯決議を何回かつけました。物価スライドではよろしくない、公務員給与を基準として上げるべきである、こう言ってまいりました。附帯決議をつけてまいりました。だがしかし、その中身は平均値を使ってくれとつけたんじゃない。平均値を使ってくれとは言ってはいない。こういうふうに年々恩給の仮定俸給表の引き上げのたびに格差がどんどん拡大してしまうというこの不合理。こんなに物価が上がる世の中に、よけいもらえる人はいつでもどんどんよけいもらうようになって、それでいいというばかげた話はない。ここのところはあなた方どうお考えでございますか。
○平川政府委員 確かに先生の言われたとおり、上の高い額に二三・四%をかけ、低い額に二三.四%をかけますと、要するにアップ率が同率でございますと金額の格差が出てまいることは当然でございます。 実は恩給の改善といたしましては、従来、物価あるいは公務員給与を取り上げるとすべて一律のアップをしておりまして、この考え方は、先ほどちょっと申し上げましたように、恩給は、三十四年で一応国家公務員は共済に移ったわけでございまして、過去の制度もございますから、三十二年以前にやめた当時のいわゆる通し号俸的な秩序をある程度保持していく、それをスライドといいますか、改善する手法といたしましては、その問いろいろございましたが、国家公務員給与にとりますといわゆる一律の手法をとらざるを得ない。というのは、御承知のように、国家公務員の給与と恩給の給与とは、昭和三十五年を契機どいたしまして、同一号俸をその中に見出せないということになってきておるわけでございまして、したがいまして、通し号俸的な恩給の給与体系と、職階別といいますか、たとえば四等級の五号俸のほうが五等級の水準よりも低いというような組み合わせになっておりますから、通し号俸になってございません。したがいまして、そのままの形でのっかることが不可能でございますので、恩給の形といたしましては、通し号俸的な秩序そのものを現在の形において維持していくというスライド方式をとってきておるわけでございます。結局、われわれといたしましてはそういう考え方をとっているというのは、三十五年を契機といたしまして、恩給と国家公務員給与は技術的にばらばらになったという一つの事実に着目してやってきたわけでございます。 やはり、いま先生が言われたような結果は生じてきておるわけでございますが、それではどうするかということが問題になるわけでございまして、これは実際われわれとしても、課題としてはいろいろ検討はしておりますけれども、収斂のしかた等につきまして非常にむずかしい問題が生じておるわけでございまして、われわれといたしましては、従来の経過をそのままの形において維持したい、こういうことで現在こういう同じ平均率を使っているということでございます。
○大出委員 こういうことばかりやってくるから、ますます、下級公務員ということでやめた方、あるいは先ほど例をあげた二十三年以前にやめた方は、生活が苦しくなるのですよ。ハイペースで十三、四年で次官まで行っちゃったような人は、ますますよけいにもらうことになる。だから、平均というところをとって上下ながめてみると、恩給のほうは、上のほうはどんどんよけいもらうことになっている。下のほうは、物価が賃金に比べたって追いつかないから、苦しい苦しいということになっちゃって生活保護までいっちゃう、そういうばかげたことになっている。だから最低保障をしなければならなくなってしまう。こういうばかげたことをいつまでもやっているんじゃ、国が金を払うたって意味がなくなってしまう。 そこで、長橋さんお見えになっておりますか、人事院に承りたいのですが、四十六年、四十七午の人事院勧告に基づく現職公務員の賃金の引き上げが今度の恩給の計算の基準になっていますね。そこで、これはまた人事院には、公務員法上恩給があるのですから、お答えをいただく義務がある。そこで承りたいのですが、四十六年の、人事院の勧告に基づいて俸給表をおつくりになったときのこれは一一・七%。このときの全部といってもたいへんですから、行政職の(一)、この行(一)は一等級から八等級までありますね。この一等級から八等級までの人事院が計算をして俸給表にしたときのアップ率の平均は一一・七%でありますが、アップ率は各等級別になっております。もう一つは、四十七年の一〇・五%のベース改定をなさいましたが、このときの同じ行(一)の一等級から八等級までのアップ率、これがどういうふうになっておりましたか、おあげをいただきたい。
○長橋説明員 四十六年の行(一)の俸給表の各等級別の改善率を申し上げますと、一等級につきましては九・〇%、それから二等級につきましては九・七%、三等級につきましては一〇・四%、四等級は一〇・七%、五等級は一一・一%、六等級は一一・八%、七等級は一四・二%、八等級は一六・二%ということであります。 四十七年につきましては、同じく行(一)について申し上げますと、一等級につきましては八.三%、二等級につきましては八・八%、三等級九.四%、四等級九・七%、五等級一〇・〇%、六等級一〇・六%、七等級一二・九%、八等級一五.七%ということでございます。
○大出委員 いま長橋給与局次長さんに人事院の計算を御説明いただきましたが、私はここでもう一ぺん申し上げますと、四十六年の給与改善のときには行政(一)表というのは一一・八%上げておるのです。そうして行政の(二)表が一二・六%、税務職が一一・四%、公安職は(一)表が一一・六%、公安(二)表が一一・三%、海事(一)表が一一・七%、海事(二)表が一二・六%、こういうことになっておりまして、行政職(一)表の一等級から八等級を申し上げますと、一等級はわずかに九%でございます。二等級が九・七%、三等級が一〇・四%、四等級が一〇・七%、五等級が一一・一%、六等級になって一一・八で、人事院の平均の一一・七を〇・ 一オーバーしたことになる。七等級で一四・二%、八等級で一六・二%、こういう数字になっている。 四十六年の改善のときには、まだ俸給表で言いますとございますから、あわせて、記録の必要がございますからあげておきます。教育職の(一)表が一〇・四、教育職の(二)表が一一・一、教育職の(三)表が一一・四、教育職の(四)表が一〇…四、研究職が一一・二、医療の(一)表が九・七、医療の(二)表が一二・二、医療の(三)表が一二・九、指定職は何と七・五です。それでさっき申し上げた行(一)から指定職までで一一・七になっているわけですね。 四十七年は行政職の(一)表が一〇・八、行政職の(二)表が一一・二、税務が一〇・四、公安(一)表が一〇・六、公安(二)表が一〇・一、海事(一)表が一〇・四、海事(二)表が一一・四。教育職の(一)表が九・三、(二)表が一〇・一、(三)表が一〇・九、(四)表が九・四。研究職が一〇・一。医療の(一)表が九・〇、医療の(二)表が一〇・九、医療(三)表が一一・八。指定職八・一。八・一しか上げていない。そこで平均が一〇・五%という結果になっている。 そこで問題は、この四十六年の一一・七%と四十七年の一〇・五%の人事院のアップ率をかけまして出てまいりましたのが二三・四、こういう数字なんです、今度の計算は。そうすると、現職の公務員について、長橋さんのほうからおあげになりましたように、たいへん上簿下厚なんです。上のほうが簿い、下のほうが厚い。四十七年を申し上げますと、一〇・五%の上昇でございますが、一等級、本省の局長さんクラス八・三%。指定職です。いま申し上げましたように、指定職は四十六年は七・五、四十七年は八・一なんだ。なお低い。そして行政一等級の八・三、二等級の八・八、三等級の九・四、四等級の九・七、五等級で一〇、六等級で一〇・六、七等級で一二・九、八等級で一五・七、こういう数字になっている、アップ率は。 そうすると、なぜ一体恩給だけは平均でやるのか。人事院の例年のこのベース改定というものは、賃金引き上げというものは、現職公務員に対しての考え方は、一等級、本省の局長さんのような方々、ここは九%しか上げていない。だが八等級、八のたしか三号だと思いましたが、高校卒、初任給でしょう。その一番若い、入ってきて一番給料の少ないところに一六・二%も上げているんですよ。七等級、入ってまだ何年もたってない、こういう方のところは一四・二%も上げている。六等級でやめる人もたくさんあるんだ。この六等級でやめる人、こういうところに一一・八%上げている。ここがまん中なんです。ここから上は五等級、四等級、三等級。学校の先生だって、校長、副校長、教頭ぐらいしか役職がないから、悲しき四十歳ということで、四十歳になってまだ五等級でふらふらしている人がたくさんいる。だからこそ人材確保法案が出てくるのでしょう。大蔵省が百三十何億認めたのでしょう。そうすると四等級というのは、一般公務員だって四十歳になったら四等級に渡っている人はだいぶいる、最近は。そうでしょう。そういうところは一〇・七%しかないのですよ。にもかかわらず、下級公務員のところも大きなところもかまわず平均でぶっかけるから、さっきのようなことができ上がる。それを長年やってくるから、格差は開きっぱなしになってしまう。 なぜ一体、人事院がおやりになったのに合わせて、仮定俸給表の——通し号俸に違いない。通し号俸に違いないが、人事院がやっているんですから、合わせて上簿下厚の形にして、下の人をなぜ救わないのか。そういう配慮もしない。しかも最低保障も吹っ飛ばしてしまう。計算書きも出さない。ほかの委員会でやっているのに説明もしない。そんなばかな恩給局がありますか。総務長官いかがですか。
○平川政府委員 先生の言われることは私なりによく理解しているつもりでございます。実はこの問題につきましては、国家公務員の個々の給与といいますか、各等級別の給与そのものを直ちに恩給のベースに持っていくことについての可否については、いろいろ議論があると思います。実はそれがあるからこそ、恩給審議会におきましては、 一つの試みといたしまして、物価と公務員給与との格差の六割を生活給的改善として見るということで、逆に言いますと四割を職務給としてカットしたという結果になっておるわけです。 われわれが恩給公務員を考えます場合に、かつての公務員ではあったけれども現職の公務員じゃない、そういう人たちに対しましてどういうものさしをどの程度に使っていくかということは、やはり基本的な問題としていろいろ苦慮しているわけであります。たとえば公務員給与全体を考えますと、いわゆる労働市場の不足でできるだけ初任給を上げるという場合もありましょうし、中だるみ是正をする場合もありましょう。それから上のほうの手直しをするということもあります。逆に上のほうを押えるということもありましょう。いろいろそういう形になっておる公務員給与のものを、そのままの形においてやはり持ってくることはできないのではないか。そうしますと、われわれといたしましては、恩給公務員の給与を上げる場合においては、やはり現在の形としては、昭和三十四年におきましては一応それなりの形として発足しておるわけでございますから、それにつきまして一つの数値の形でスライドするということは、一番均衡論としては、現在の時点におきましてはまあとり得る方法じゃないかということで、従来とってきたわけであります。 先生が言われましたような点につきましても、われわれとしてはいろいろ検討してはおりますけれども、具体的に、たとえば各職種によりまして学歴とか経験年数も全然違いますし、そういった格づけの問題もございますし、それからその当時のいわゆる経済的な条件。いま申し上げましたように、初任給をどうするかというような問題もございますから、そういったものを、直ちにそのものの形で波及させることがいいかどうか、というようなことについても議論しなければなりません。そういう形で、実はわれわれといたしましては、検討はしてまいっておりますけれども、三十四年に一応ワクをきめましたその当時の給与をそのままに置いてスライドするということでやってまいったわけでございます。
○大出委員 そんなものは言いわけにも何にもならぬ。恩給審議会のほうを出したって、恩給審出会答申。特に新居さんがここへ出てきて、年齢別の三本立て仮定俸給表というものは改めなさい、一本にしなさい、年齢というのは給与じゃないんだからと、私がかつてそう言ったら、あなた方は一生懸命へ理屈を並べ立てた。一生懸命あなた方はへ理屈を並べたんだけれども、矢倉さんの時代にだけれども、恩給審議会答申は、その部分は私の言ったとおり。年齢は給与ではないと、私の思想と同じことを答申したでしょう。そうして、だから一本にしなさい、した上で制度化しなさい、こう言っているでしょう。私がそこで、会長の新居さんに来てもらって質問した。政府が諮問したんだから、私が答申したものだから私の言うことを聞くのは当然じゃないかと言った。法律的にスライド制なんというのは、三本立て俸給表一本にしたって、何もやりはせぬのだ、あなた方。何もやらぬでおいて、いまになって恩給審議会答申なんてたわごとを言ったってだめだ。 つまり恩給というものの思想を変えなければならない。冒頭から申し上げておりますように、あまりといえば格差が開き過ぎて、下の諸君で生活保護の中にほうり込まれているのが九千五百人もいる。そんなことになっているのに、何で下のほうを手当てしないのですか。てっぺんのほうは上がりっぱなしになっている。 もう一つ例をあげましょう。事務次官で指定職甲の六号。現職のここの方がおいでになります。こういう方のやつをとると、四十五年五月にこの方の俸給月額三十八万円です。この方の一年分、つまり俸給年額は、十二かければいいわけですが、十二かけると四百五十六万です。この方は、四十六年の五月にベースアップがあって、また上がった。事務次官、現職の方は今度四十万円になった。月額四十万。年額を出すには十二をかければいい。十二をかけると四百八十万になる。四十七年にまたベース改定があった。月額四十三万円になった。十二かけますと年額は五百十六万になった。さてところが、この方の俸給年額、この方に匹敵をする方、つまりやめた方、四十五年五月でこの次官でやめた人と残って次官をやっている人と比べてみると、次官というのは各省にいるのだから、その年にやめている人もあれば、続けてやっている人もいる。この方に一・二三四、つまり今度の二三・四%をかけて、四十五年の五月に退官をした事務次官の方、この人を、この時点で恩給の年額という計算をしてみると、五百六十二万七千円になる。正確に言うと五百六十二万七千四十円になる。四十五年五月でやめた人のほうが、現実にいて四十七年まで来た人と比べてみて高い。やめないでいた次官は四十七年時点で五百十六万円。ところが、四十五年でやめた人の年額が五百六十二万七千四十円。これは何かというと、一番高いところが、さっき申し上げたように、こんなに開いているのですから、それは二一二・四%直にかけて平均値を上げちゃうからです。その間に現職の方は手当をもらったりなんかはありましょう。ありましょうが、これは計算上の一例だ。あなた方計算してごらんなさい、そうなるから。 これは端的に、あまりといえば、平均値をかけるから上の人はうんと高くなっちゃう。下の人との格差は開きっぱなしになっちゃう。このことをあらわしているのですよ。こんなばかげたことを十年一日のごとく恩給局がやっていたのでは、下っぱ公務員でやめた人は浮かばれやしませんよ、これだけ物価の上がる世の中に。現職の公務員ならば労働組合があって、人事院といえども、こんなことをすればただ置かれやしませんよ。そうでしょう。だから人事院は、さっき長橋さんがおあげになったように、配分は上薄下厚の形にずっとしてきているわけです。そうでしょう。五現業のほうは団体交渉で、幾ら幾ら、何%上がったというときに、一律パーでべたっとつけちゃう、金額で。上下の格差の開きを押えているわけです。みんな何べんもそれをやってきている。賃金上昇の一五%のうちの一〇%は一律べたで金額でつけちゃう。あと五%は俸給比。いまの世の中の労働組合は、多数はそうやっているのです。ただ一つだけ、恩給だけ相も変わらず、これだけ物価が上がるのに、平気で平均値をかけてくる。そういう無神経なことをいつまでもやっていて、検討をしたことはございますなんて言って通る世の中じゃありませんよ。 だから、あなた方がそこまで考えないというなら、この恩給法に残念ながら反対をして、通らなければ通らなくたって、なぜ通らなかったかということを天下に明らかにする必要がある。だから私は、冒頭に今度の恩給改正案にはめったに賛成できないと言った。最低保障も一つも出さなければ、計算もしないで、しらばくれてほおかぶりしている。そういうふざけたことで提案されても迷惑です。思想を変えなさいよ。長官、いかがですか。
○坪川国務大臣 先ほどからお話しのごとく、また御指摘のごとくに、いわゆる上薄下厚といいますか、上に薄く下に厚くということは、給与体制の基本であろうと私は思います。それを踏まえましての恩給との対照を考えますときに、いま大出議員が、非常な勉強といいますか、検討を加えられた上に対しての持論でございます。恩給局長もそうしたことをそんたくいたしながら先ほども答弁いたしておるのではございます。しかし、いろいろの事情といいますか、いろいろの立場のあること、また問題点のあることも御理解いただいておる大出議員でございますので、私といたしましては、そういうような問題もよく理解いたしながら、恩給のそうした問題点に対する解明をひとつ真剣に今後取り組んでまいりたい、こういう気持ちでいろいろの問題点を、いまおっしゃったような線にちょっとでも近づき得るような配慮も、私といたしましては、恩給局長その他給与関係の諸君とも連絡をいたしながらひとつ検討を積極的に進めてまいりたい、こう考えておる次第であります。
○大出委員 これは私も長い間恩給に携わってまいりましたが、ずいぶんがまんをしてきたところです。しかしこれだけ物価が上がってくる。物価が上がるということはどういうふうにはね返るかというと、賃金にはね返るのです。だから、佐藤人事院総裁が私の質問に、いい線にいきますというようなことを言わなければならぬようになる。たいへん高い賃金勧告が出ている。ことしもそうでしょう。春闘のさなかでございますけれども、どこに行ったって、みんな昨年の回答より四千円ずつ上がっているのです。黙って一二%こしちゃいますよ、ことしの人事院の勧告は。そういう勧告が出るのに、しかも今度は附帯決議のとおりに、公務員給与に合わせようというのに、その公務員給与のほうの中身はどうなっているかといえば、いま申し上げたような、上は少ない、下はうんとふえているという形の配分になっている。その賃金勧告を使って恩給を改定していこうという恩給局が、相も変わらず平均値をぶつけてくる。ここまで来てそういうことをやられたんじゃたまったものじゃない。 しかも、その最低保障をもう少し考えるならいざ知らず、そうでないとすれば、上の人は厚くする、四十五年にやめた次官のほうが現職の人より高くなっちゃうというばかなことが起こる。そういうことはほうっておけないですよ。だれが考えたって矛盾でしょう。不合理でしょう。いまいる人よりやめた人間が高いなんというばかなこと、そういうことじゃだめだ。だから、このあたりでこの辺は考え方を改めなければならない、こう私は考えたい。だから、そのことを皆さんがいいかげんな答弁で済ませようというならば、これはめったなことで上げませんよ。強行採決でも何でもやってもらいますよ。泣いているのですよ、たくさんの人は。 〔藤尾委員長代理退席、委員長着席〕
○平川政府委員 先ほど申し上げましたように、率直なことを申し上げますと、われわれといたしましても、いま先生が言われましたような考え方も十分検討はいたしたわけであります。御承知のように、実は率直に申し上げますと、四十六年度四十七年度の公務員給与のアップ率によって改善はしておりますが、実はその間、数回にわたりまして公務員給与にスライドしていないものですから、格差があるわけであります。というのは、恩給審議会の方針にありました結果、大体公務員給与の八割ないし八割五分程度でしか改善していないという結果になっておるわけであります。しかも恩給は御承知のように俸給の三分の一でございます。したがいまして、さしあたってとにかく公務員給与のアップ率によりまして改善したいということで、従来方式を踏襲してまいったわけであります。いま申し上げましたように、過去のいわゆる公務員給与と恩給審議会方針の格差もございますし、とにかく当面は、従来方式で補てんいたしまして少しでも上へ上げていきたい。しかも恩給額は御承知のように三分の一でございますから、そういう配慮もありまして、さしあたってこういう方式を使ったわけでございます。 ただ率直に申し上げまして、では、公務員の給与のように、あれでそっくりそのままでなくても、何か恩給的なモディファイしたものが可能かどうかというような意味だと思いますが、そういうものでひとつ検討する余地はないかといわれますと、確かに余地はあると思います。しかし実は、先ほど先生がたまたま二十三年以前のことについて言われましたように、あれは実は、給与の切りかえに際しまして、恩給を給与的に格づけする場合に起こった事故みたいなものでありまして、そのときに格づけの方法が非常にまずくて、四回あるいは六回ですかにわたって格づけを是正しなければならないというような結果が生じたわけであります。実は率直に申し上げまして、そういうことはできるだけわれわれとしては避けたいという一つの潜在的な意識もございました。 したがいまして、これは時間も相当かかるものでございますから、というのは、先ほど申し上げましたように、公務員給与のいま申し上げました階層別そのもののアップ率を用いるということがいいかどうか、これは恩給の場合にやはり問題があると思うのです。だから、やはりモデイファイしてやらなければいけませんが、そうしますと、かなり収斂のしかた等においても技術的な問題等も生じますし、そういうことでわれわれは検討はいたしたいと思いますけれども、すぐにこの場でそのとおりやれるのだというように、私、責任ある即答は、事務当局としましてできかねますが、検討の議題の一つとしてわれわれとしては十分考えておるわけでございます。いままでの経過といたしましては、さしあたって過去の穴埋めも、ございますし、恩給は三分の一だというようなことも考えまして、従来方式を公務員給与によって底上げした、こういう考え方でやったわけでございます。その点は御了承願いたいと思います。
○大出委員 了承などはできませんよ。いまの世の中の賃金だって、傾向として、職場で働いている、家族がある、だからその人の給与というものはきまる。職階もあるが、しかし扶養手当を上げていこうといういまの趨勢は、給与というのは現実は生活給という方向に動いているのです。生活給という方向に動いているからこそ、通勤の交通費なんというものも考えざるを得なくなってきているわけですよ。今度は住む家の問題だって、寮を建てているだけでは済まなくなって、住宅手当も、わずかなものだが、全くふざけた金額だが、私はつくれつくれといって人事院総裁を責めた手前、中身が少ないと言いにくいが、忘れたころにはまた責めるよということを言っていたのだけれども、しかし住宅手当はやっとできた。次々に生活給の方向に動いているのですよ。いまの世の中がそうさせるのです。だから年金ストなんというものもそこに中心がある。 ですから、先ほど私が厚生省の方に承りましたように、社会保険審議会の厚生年金部会の答申なんかも、確かに労使の意見はいろいろありました。ありましたが、おおむね現行俸給の六〇%ぐらいのところをねらっている。これは同盟あたりの組合のほうから出ている案もあります。四条件が出ております。大体、その四条件等からいきましても、退職をして生活をしていくというときに、どのくらいのものが一体必要なのかと検討している。日本にはそういう統計もなくはない。総理府だって統計をとっているでしょう。総理府総務長官、いまあなたは老人問題でお出になったが、現在、総理府統計で老齢夫婦の消費支出は一体どのくらいになっておりますか。
○坪川国務大臣 老人の生活上の非常に重要な問題でございます。統計局もこうした問題を取り上げて、それぞれの統計も示しております。詳しいことはいま記憶いたしておりませんが、すぐ指示したい、そしてわかり次第申し上げたい、こう思っております。
○大出委員 総理府のマルチというのがあるのですよ。それで計算すればちゃんと出るようになっている。老人世帯は、同盟が同盟のマルチを使って出している数字がここにあります。これはなぜかと言うと、総理府の統計でありますと高くなる。それで、老人世帯の消費支出は、基礎は総理府統計ですが、これによりまして大体四万八千円、ちょっとマルチを高く見ると五万から六万になる。だから、その辺が基礎になって年金の五万円、六万円という話が出てきているわけですよ。だから、労使いろいろあるけれども、先ほどのような働いたときの給料の六〇%を保障する、こういうことが計算の基礎に出てくるわけであります。昭和四十六年の総理府の家計調査に基づく世帯主収入、どうせ承ったって御存じないだろうから、私のほうから言いますけれども、これは十万八千円ですよ。だから、産業労働者の男子一人、この辺の十万円の給料を基礎にすると、その六〇%なら六万円じゃないかという数字が出てくるのですよ。やめて、では一体どうなるかというと、つまり老人世帯の消費支出をマルティプルを入れて計算すると、大体そのくらいに落ちつくのじゃないかというのが考え方なんですよ。そこまでいまの世の中の趨勢は変わっているのです。 そうだとすると、二十三年以前にやめた人もいるが、公務員をやめた方々の生活の実態というものを考えたときに、恩給というものを恩給らしく考えて手当する方法はある。私もしろうとじゃない。さっきから申し上げているように、恩給というのは昭和二十三年からやっているのですから。あなたのところの前身の人事院の坂中課長さんなんかともさんざんやり合ったのだから、知らないわけがない。方法は幾らでもある。あなたのほうとくらがえしてつくってあげたっていいですよ。だから、もうここまでくると、あなた方もそういう頭に切りかえていかなければいけないのですよ。 それにもかかわらず、七十歳以上の三本立ての俸給をつくって出してきた。くどいようだが、これは思想が違いやせぬか。年齢は賃金ではなかろうという言い方を私はした。言いにくいものですよ、年齢の高い人が上がるというのに私は反対するというのだから。しかし筋は筋なんだ。そうすると、恩給審議会の答申が私と同じことをいって、消しちゃった。あなた方はそうかといって、三本立て高齢者仮定俸給表を一本になさった、三回かかって。そうでしょう。あのときの意図が気に食わない。兵の十六号の一番末端を使うから年間十二万。一万円年金にするということを約束したから、兵の十六号のところで一番下をとって、それで一万円にした。逆算するとああいうことになる。そうしておいて今度は何かというと、七十歳以上の優遇措置だという。さっき加藤さんの質問を聞いていれば、四号俸ぐらい違うだろうという。これもずいぶんいいかげんなことを言う。違うなら違うで明確に数字を出してください。計算をしたら大体そうなるとおっしゃった。大体そうなった数字を出していただきたい。これは理屈はつけようなんだ。七十歳以上の優遇措置と書いてあるじゃないですか。七十歳以上だから優遇するのでしょう、簡単に言ってしまえば。そうすると、これは昔の思想に返るじゃないですか。七十歳以上を優遇したのがいけないということになって、恩給審議会がだめだといって直したのに、また七十歳以上の優遇措置を出したでしょう。出さざるを得ない背景があるから出したのでしょう。そうだとすれば、旧来のからをあなた方は破ったのだから、恩給審議会の答申にその部分は従わなかったのだ。恩給審議会がどうのこうのといったってだめだといっている。 だから、そういう時代が来たのだから、一番末端のほうの方々をどういうふうにして救うか。生活しているのですよ。給与の減収分の補てんなんですよ。だから給与なんだ。そうすると、現職の給与に関しては、あれだけ違って人事院方式になっているのに、現職のときの給与、経済生活の減粍を補てんするという思想、つまり給与である恩給なんだから、そうだとすれば、給与としてとらえて、生活給方式に流れてきているのだから、上を押えて下をもう少しめんどうを見る。それが最低保障ならいいですけれども、思い切って上げなさい、少なくともそういうことを考えなければならぬ時期に来ているにもかかわらず、片っ方で、厚年があります。国家公務員共済があります、最低保障がぽんとはね上がるという世の中に、こっちのほうは何も上がりもしないというようなことで、相変わらず平均値で割り振るなんということをやる。それでは一体恩給局は何をやっているのだということになる。事務屋だけそろえて事務の計算をするなら、局長なんか要らぬ。自分で手がたく政策をお考えにならなければ困るじゃないですか、世の中の流れに合わせて。そこを私は総務長官に申し上げたい。もう一ぺんそこを答えてください。
○平川政府委員 先生の貴重な御意見を拝聴しまして、私も理論的にはいろいろ教えられるところがあると思います。率直に申し上げまして、われわれといたしましても、恩給のワクの中にばかり閉じこもっているつもりはございません。過去の経過を見ていただきましても、たとえば最低保障のような制度は、これは恩給にはなかった制度でございます。それからその他いろいろなやり方で、たとえば公務扶助料等につきましても、少尉まで増額というような考え方も出しております。それから傷病恩給につきましては、昔は、大将のほうで一本と兵のほうで一本では、うんと違っておりましたが、いまでは全く同額にしております。そういうふうに、恩給制度の中でも、理論的にあるいは社会的に考えて妥当だと思われるものは、思い切って入れているつもりでございますが、今後もそういう問題につきまして、われわれといたしましては、恩給制度そのものを根本から変えるというわけにはいきませんが、そういう範囲内で、ワクを破っても——ワクといいますか、是認し得る範囲で破ることがむしろかえって結果として受給者のためになるのだ、しかもそのことが現在社会的に考えて妥当性を持つのだということになれば、何もやることについてはやぶさかでないというつもりではおります。 しかし、実は恩給制度は複雑な仕組みになっておりますから、私といたしましては、従来までの努力が非常に足りなかったと思いますが、あの手この手を使いまして、できるだけ、たとえば老齢者とか遺族、傷病者というようなことが一応先にはなると思いますが、そういうことで処遇を厚くしてまいっております。しかし、いま先生が言われましたように、恩給の基本に返って制度的に何か考えることはできないかという御意見も、最近とみにいただいております。たとえば恩給の百五十分の五十という問題もございますが、実はそのほかに恩給は十八年目から非常にカーブが寝るわけなんです。共済は二十年経過しましても、一年について百分の二の率でふえていきますけれども、恩給のほうは、百分で直しますとその半分になるわけです。カーブが寝る、こういうような問題も実は提起されております。したがいまして、長期在職者になればなるほど共済より恩給のほうが不利だという点もございます。 いま一例をあげたわけでありますが、そういう基本的な問題を、実は恩給制度としては、老齢者あるいはそういった方が非常に多うございますので、そういうことを含めて基本問題として考えていく用意はあるわけでございますが、ひとつ今後ともよろしく御指導のほどをお願い申し上げたいと思います。
○大出委員 二三・四%もこの際平均値で上げた時点で、十三万四千四百円が六十五歳以上の最低保障だなんという、据え置きますなんというばかなことは出てこぬですよ。全体を二三・四%上げたんでしょう。上限、格差はまた開いたでしょう。だがしかし最低は保障しない、こんなばかなことはないのです。十三万四千四百円を倍に上げて二十六万八千八百円。つまり文官は平均四十七万八千円からという。それは四十七万八千円まで最低保障したら、平均まで全部上がっちゃうのだから、そんなことできないでしょう。最低保障なんだから。そうなれば、文官で二十六万八千八百円、最低保障の意味がない、そんなことをおっしゃるならば、共済のほうの三十万二千四百円になぜしないのですか。三十万二千四百円にすれば該当者はありますよ。平均が四十七万八千円しかないのだから。そうでしょう。間違いないわけです。それでいいじゃないですか。同じ職場で同じに働いてやめた人じゃないですか。共済の長期を払った人と国庫納金を払った人じゃないですか。これなら、最低保障を三十万二千四百円に上げたって、一つもおかしくはない。軍人ばかりに片寄るというなら、軍人のほうは、二十二万八百円なら二十二万八百円でがまんしてもらう。文官のほうは三十万二千四百円にすればいいじゃないですか。なぜできないのですか。金という話になるとすれば、大蔵省呼んできてやりましょう。筋の通らぬものは通らぬのだから。 だから私は、先ほど申しましたように、どのくらい該当するのかしないのか。それをあなのほうの資料がないのだから出していただいて、その上で総務長官にこれは御検討を願いたい。お年をとられて公務員でやめて、夫をなくした公務扶助料だって半分です。二分の一というのもずいぶんひどいですよ、ここまでくると。私は軍人恩給だって、兵と大将さんの両方とも夫をなくしていて、遺族の片方は、兵だからといってまさに赤貧洗うがごとく、片一方は、大将さんだからというので何とかやっていける、これは今の世の中の矛盾ですよ。兵だって大将だって人間には変わりはない。いま、恩給のからを破って最低保障したり何かいろいろやるというが、恩給そのものも、これは生活給与という方式に変わりつつあるのですよ。だから、ここまで来れば、突き詰めれば、兵も大将も中将もちょうちんもない。みんなが生活できるようにしなければいけないのですよ。生活保護なんか受けているような恩給受給者じゃいけないのです。そこまで行かなければならぬ時期に来ている。だから、せめてその片りんくらいは出しなさいと私は言っている。 それは計算は、あるいは大蔵省相手に時間がかかるかもしれないけれども、しかしそのことは、もう今回までに皆さんがやっておかなければならぬことなんだ、私が申し上げるまでもなく。計算の準備はしなければならぬ。そういう思想に立てば、こういうことがある、ああいうことがあると、あなた方がそれをむしろ提起すべき筋合いのものである。それなら内閣委員会に小委員会をつくって、恩給の検討をしたっていいのです。あまりといえばひど過ぎるじゃないですか、生活保護を受けている人が九千五百人もいたのじゃ。そうでしょう。最低保障もそれで引き上げない。そんなふざけたことじゃ世の中は通らぬです。片っ方で引き上げたじゃないですか。しかも一律に平均値を掛けています。それじゃ現職の給与の上げ方と違うじゃないか、あまりといえば。だから、そこらのところをおわかりを願いたい。ぜひひとつこれは資料をお出しいただくのですから、できるだけ詳細なものを出していただいて、それまでにいささか御検討いただきたいので、ございますが、いかがでございますか。
○坪川国務大臣 憲法にも明記されておりますがごとく、平等の人間的基本権を持つことは、国民に与えられた最も恵まれた新憲法の条件でございます。それを考えますときに、先ほどから申されつつある幾多の問題、ことに下の者に厚く上の半に薄くという、この正義観といいますか、倫理観を持ったこうした姿勢というものは、もう自民党であろうと、また社会党であろうと、与野党を通じましてこれに取り組む姿勢だと私は考えておるようなわけでございます。 ただ、決しておことばを返す意味じゃございませんけれども、そうした問題を十分踏まえてそんたくいたし、そして不幸にも、長年国家に奉ぜられた公務員の方々の切なる期待として要望されました大きな格差の是正に対して、政府はこのたび、そうしたときには御承知のとおりに、まあいばって言うのじゃございませんけれども、かなり画期的な、飛躍的な対策のスライド制をとりまして、公務員の方々からも不評は多くございますけれども、皆さんの手元にも、また私どもの手元にも、非常に喜んだ喜びの反響のあったことも事実でございますから、その辺は恩給局長はじめ関係の当事者も真剣に取り組んでおったということは、ひとつ価値を御理解願いたいと思うのでございます。 しかし、いま申しましたような、九千五百名にも及ぶところの不幸な生活保護法の対象者になっておる、まだ未解決のこういうような問題。あらゆる点につきまして、今後あらゆる資料を通じまして、それを基本にしまして、科学的に十分、行政的にも、法の上においても、またそれぞれの予算上の配慮にいたしましても、ひとつ総理府といたしましては、われわれ関係者一体となって、皆さまの御期待と、また内閣委員会の非常な平素の御協賛に報いるだけの努力をいたすことだけは、ここにかたく表明申し上げておきたいと思ます。
○大出委員 坪川さんは今回総務長官をおやりになってまだ幾らもないんだけれども、この委員会に伊能先生もおいでになりますが、ずいぶん長いこと恩給問題を取り上げて懸命にやった時代がある。受田先生も、きょうはおいでになりませんけれども、ずいぶんこれはお互い論議したところなんです。だから、公務員賃金にスライドをしてもらいたいといって、るるやりとりをして附帯決議までつけてきた。ようやくそこにきた。そのことはお互いに、これは退職公務員の方々のために、家族のために喜ばなければならぬ。そのことを私は初めから認めている。一生懸命お互いやってきたんですから。だけれども、こういうふうに大きく予算の取れた時期、大きく上げた時期でないと、恩給のからを少し破って生活給というものを中心にものを考えていくという方向に変わらないものなんですよ。人事院だってやりたいことは一ぱいあったって、相当大幅なベースアップをやったときでないと手は出ないのです。これは、わずかばかり上がったものを、いろいろひっちぎれないじゃないですか。最低保障の生活だってできないじゃないですか。だから、私はあえて、この問題はせっかくここまで来たということなんだから、ならば、なぜ一体最低保障なんかをぶん投げるんだ。また、一番末端にいる人は、みんなが喜んでいる世の中に、いろんな陳情の手紙がたくさん来るようになってしまうというのです。たくさん来ています、ぼくのところにも。不合理だという面をついているわけです。年をとって、中には、おそらくこんなめがねをかけて書いたと思われるような字が書いてある。そういうことをいつまでもさせておきたくないから言っている。だから、ぜひひとつ前向きにお考え願いたい。これは兵の末端の方々とてっぺんの将軍さまとを考えてみたって、一番気の毒なのは兵隊さんなのですよ。一銭五厘で召集を食って行ったのだから。職業軍人じゃないのですから。そうでしょう。だから、やはりそこらはお考え願わなければならぬ、そう思います。 ところで、あと何点か具体的に申し上げてお答えをいただきたいのでありますが、ここでさっきちょっと加藤さんからお話がございましたが、この七年という、これは兵の場合の一時恩給、これもさっきやりとりを承っておりましたが、もうちょっとこれはひとつ前向きにお考えを願いたいのです。二十八年にやった先例があるのですから、この辺でやはり兵の七年の方、この辺のところをお考え願いたいと思っております。 それからもう一つ、合わせて三年で一年以上の下士官という場合の一時恩給がございますね。これなんかもずいぶん気の毒な人が出てくるのですよ。ここにも私が持っておりますのは、一時恩給請求書というので、神奈川県横浜市南区弘明寺町五十四ですか、百五十四ですか、磯崎敏郎というのですか、この方が一時恩給の請求書を出した。これに対して、厚生省の援護局業務第二課長さんなどを経まして、この請求書を返したわけですね。第二十七号書式、第三十八号書式の二ですかで、恩給請求書類について返送ということですね。これは業務二、第一〇二三号の三千二百四十九、昭和四十七年十一月二十六日、厚生省援護局業務第二課長、恩給請求書類についての返送、海軍一等兵曹磯崎敏郎、こういうわけなんですが、これは実は本人の履歴を見るとどうも該当する。ところが、これは援護局の台帳なんでしょうけれども、そういうのと多少の違いが出てきている。途中で判こを押してありますけれども、これは援護局が本人の履歴に押したのだと思いますけれども、本人だって、これは何年もたつと記憶が薄れするのでしょうが、これを見ると、この方は横須賀海兵団に昭和十七年九月一日に入っているわけですね。そうして戦艦陸奥に乗っているわけです、十八年の一月十日に。まあ陸奥を退艦したのが十九年の九月の十日。陸奥は沈没しましたが、この人は助かったわけなんですが、横須賀に帰って海軍の海兵団に入っている。そして水兵長になったわけなんです。それから二等兵曹になった。二等兵曹が十九年の十月十五日、こういう記憶で書いてあるわけですね、御本人は。 ところが、援護局がここに赤ペンで入れておるのは、これが二十年の九月一日に二等兵曹になったというふうに入っているんですね。ここらは調べてみなければわかりませんが…。そこで二十年の十二月の二十八日に横須賀に帰着をした。ところが、これの計算を赤線その他で訂正してあるのを見ると、こういうことになる。二等兵曹に二十年の九月の一日になったという赤ペンが入っていますから、退職が二十年の十二月の二十八日だというから^この間、九、十、十一、十二と四カ月あるわけですね。二十年の九月から翌年の三月まで、それから十月から十二月まで、これは加算が違う。二十年の九月から三月までは、これは六カ月ですね。それで、十月から十二月各一カ月で計三回、だから、これで合計六カ月、二十年の九月一日から二十年の十二月二十八日までの四カ月、加算を入れてということで、したがって、実在職月、これは二等兵曹が二十年の九月一日から退職の十二月二十八日まで四カ月ありますね。それに加算が九月が加算三月ですね。そうして十月から十二月が各一カ月の加算ですから三カ月、だから加算が六カ月になる。九月の三カ月と、十月から十二月までの一カ月分の三つですから三カ月、合計六カ月。だから、下士官になってから実在職月の四カ月と加算の六カ月で合計十カ月。だから、おそらくこれは、十二カ月に足りない、こういう意味だと思うのですね。つまり下士官一年ですから、そういう意味でおそらく返したんだと思うのでございますけれども、そうすると、実在職年は三年四カ月だ。そうして下士官の実在職月が四カ月、加算が六カ月。そうすると、下士官になってから一年ないからという。これは下士官になった月日の幸、不幸ですか、運、不運ですね。二カ月違いということでだめだ。同じようなことは兵にもある。 だから私は、やはりこういう問題は、たとえば満州においでになった方で国会のどこか専門調査室長になった方がございましたが、終戦のときにいた、いないというわずかのズレでどうにもならない。ようやく何とか皆さんのほうでこれはお考えになった。と同じ意味で、やはりこれは何かきめこまかに、こういうすれ違いの不幸な人は、裁量の余地を残して救ってあげる。一日違いでもだめなんですから、そういう裁量の余地というものを残して、ならばこうしてあげるということですな。そうでないと、せっかく戦時加算がついているわけですから、危険なところに行っているわけですから、そういう人のまことに気の毒なところが救えないということなんですね。だから、先ほどの七年、それから下士官在職一年云々という問題がございますけれども、この一時恩給なんかも、もう一ぺんここで考え直してみる必要がありはせぬかという気がする。したがって、もう一ぺんそれはお答え願いたい。
○平川政府委員 ただいま先生が言われました事項につきまして、具体的な問題につきまして私よく理解いたしました。端的に申し上げますと、もし兵の一時恩給が実現しますと一挙にその問題も解決つくわけでございますから、これは問題ないということになります。それは将来の問題といたしまして、さしあたって現在下士官としての一時恩給を給付しておりますから、そのときの条件として、昔の制度そのものを持ってきたものですから、下士官としての任官が一年なければならないという付属的な要件がございます。その要件を満たしていない。したがって、いまのところ兵の一時恩給は別に置いておくといたしまして、それについて何か考慮する余地はないかという御質問でございますが、実は私も、その人のケースでありませんが、ほかのそういうケースを知っておりますので、一応よく検討させていただきたい。これは法律の問題じゃなくて解釈の問題としてやれるかどうか。もしどうしても法律を直さなければならないということになると非常に問題になりますけれども、解釈の問題としてやれるということになりますと、まあ、なるかもわかりませんけれども、そういったことについては検討いたしてみたいと思います。
○大出委員 それでは、時間のようでございますから、もう一点だけ長橋さんに承っておきたいのですが、実は休日振りかえの人事院規則をお出しになりましたので、そこで実は私もう少し確かめておきたいことがあったんですが、時間がないようですから、最初に調整手当の件につきまして、たしか四十五年の五月一日が基準になっておったと思いますが、まずそこらいかがでございますか。
○長橋説明員 仰せのとおりでございます。
○大出委員 そういたしますと、それ以来今日まで基準を変えていないわけでありますから、その後の情勢の変化で、たとえば町村合併のようなことで、ここに一つ例がございます。これは広島市でございますが、九町村合併になっております。祇園町、安古市町、佐東町、沼田町、安佐町、可部町、高陽町、瀬野川町等、これは三月二十日現在ですが、これは合併した町は広島市に入りました。行政区がそうなったわけですから、当然どこかでこれは調整手当を考えてあげませんと、同じ市内ですから、地続きなんですから、行政区単位ですから、いままで地続きであっても切れてくるわけでございますから、そうするとこれは、たとえば四十五年の何とかというものを、今度の勧告なら勧告のときにひとつ入れていただいて、何年何月の基準にするというようなことにしていただかぬと不合理であろう。一例ですけれども、この辺はいかがでございますか。
○長橋説明員 調整手当の支給地域区分につきましては、御指摘のとおり、四十五年にしたわけでございますけれども、そのときにやはり、四十二年のときの衆議院の附帯決議の趣旨を尊重いたしまして、原則的にはあまりいじらないということにしたわけでございますが、やはり同一市町村の中における支給区分が違っておりますので、人事異動上いろいろな障害がございます。かたがた都市とそれ以外の地域との賃金格差がかなり開いてまいりましたので、それを考慮してやったわけでございます。 いまお示しの広島市の問題でございますけれども、その後の市町村の合併問題につきましては、いわゆる調整手当が支給されている地域と支給されていない地域といろいろございます。したがいまして、問題になりますのは調整手当が支給されている地域における市町村の合併であろうと思いますが、いま御指摘の広島の問題等につきましては、いまちょうど民調で地域差関連手当の調査もやっておりますので、関係者の方々のお説も十分承りまして、その結果を待って検討したいと思います。
○大出委員 ではひとつぜひ総務長官、先ほど私、長い質問で恐縮でございましたが、私もこれ長くやっていて、実は平川さん、まあまあようやくここまで来たんだなという感じのするところまで持ってきたことについては、さっき総務長官が言ったことと同感なんですよ。みんなお互いに苦労したんだから、ようやく恩給らしいものになってきたな、そうなるとなおのこと、落ちこぼれが見ていられないという気がするものですから、それで実は長い議論になりましたが、真意のほどをぜひおくみ取りいただきまして前向きに御検討いただきたい、こう思うわけであります。
○三原委員長 次回は、明二十七日金曜日、午前十時理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後二時五十四分散会