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71回国会衆議院1973/03/08

内閣委員会 第8号

発言数
149
登壇者
11
会派数
3
開催日
1973/03/08

会議録

三原朝雄自由民主党

○三原委員長 これより会議を開きます。  通商産業省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますのでこれを許します。木原実君。

木原実日本社会党

○木原委員 通産省のかなり大幅な機構の改革が行なわれるわけで、通産行政につきましては、多くの分野でそれぞれ問題を持っておるように思うわけであります。  ただ、きょうは、新しくエネルギー庁というようなものがつくられるということになっておるわけですが、このエネルギー庁、これは従来のエネルギー関係の部局を統合した、こういう形になっているのですが、ここで基本的に追及しようとするものは、エネルギー庁設置をいたしまして、機構上のこともさることながら、いまエネルギー問題は、まさにさまざまな分野から大きな問題を提起をされているわけでありますが、それに対応する姿勢といいますか、ことばをかえて言いますと、御承知のように、エネルギーの危機であるとか、あるいは石油の将来性の問題であるとか、さまざまな問題が出ておるわけなんですが、問題をしぼりまして、石油部門の危機ということがしきりに伝えられているのですが、これは通産省としてどういうふうに認識をしておるのか、状況について端的にひとつ考え方を示してもらいたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 おそく参りましてどうも失礼いたしました。  このエネルギー危機、特に石油危機という問題は、確かに私は起こりつつあるものだろうと認識しております。いまもアメリカのピーターソンと話した一つの大きなポイントはその点でもありましたが、世界じゅうが経済的に成長してきておりまして、その燃料源、動力源というものに石油が非常に重宝なものでありますために、石油に対する需要というものは加速度的にいま各国とも増大してきております。発展途上国においてもそういうスピードで成長しておりますから、石油の需要というものは非常に大きくなっているわけでございます。特に、石炭が公害で使えなくなりつつある、そういう状態からして、石油またはガスに対する需要は急速に伸びておるわけであります。  一番大きなファクターはアメリカの動向でございますけれども、アメリカは一九八〇年ごろになると約五〇%は輸入しなければならぬ。現在は二五%以上のはずです。それが五〇%以上は輸入しなければならぬという状態になってきますと、アメリカの消費量というものはばく大なものでありますから、それが消費者としてここに出現をしてくる。それから日本が、経済成長をある程度の率で出ていきますと、これまたかなりばく大なものが出てくる。ECも同じであります。そうなると、たとえば中近東に対する石油の金の支払い額というものがどれくらいになるかと考えてみますと、ある試算によりますと、日本がたしかいま六、七十億ドルくらいでありますが、これが百五十億ドルから二百億ドルくらいになるのではないか。アメリカも二百億ドルから二百五十億ドルくらいに伸びるのではないか。それからECがやはり二百億ドル以上になる。そうすると、五百億ドルから六百五十億ドルくらいの石油のパーチェスが出てくるという可能性があるという数字が出てきておる。これだけのばく大な金が使われるということは、金額的に見ますと、かなりの世界経済に対する影響を持ってまいると思います。  ソ連圏はわりあいに自給自足で、需要増というものが外に対してはあまり起こってこない。ソ連あたりは供給する側に回ってくる。中国も供給する側に回ってくるかもしれませんが……。  ともかくそういうことで、ほっておくと、日本、アメリカ、ECの間に石油争奪戦が相当起きてくる。それから石油を持っている側の立場から見ますと、八〇年にはいわゆるパーティシペーションレートというものが五〇%になってきます。そうすると、いままでメージャーのBPとかシェルとかガルフとかというものがとっておった油が半分に減るわけです。もちろん増産するかもしれませんが、半分に減る。持っていた残りの半分というものは、王さまとか、そういう国家が握ってきて、それをどの国に売るかということは、彼らの選択の自由になってきます。そうすると、いままでのメージャーの国に売るか、あるいは日本みたいな後発の国に売るか、その間に非常な投機とかあるいは市場撹乱的行為も起こり得るわけです。しかし、日本の商社あたりにすれば、これはチャンスだと思うかもしれませんね。しかし、長い目で見て、石油価格を高騰させないで、恒久的に秩序ある供給ということを考えてみると、そういう板の間かせぎみたいなことを日本でやることは適当ではない。やはり秩序をつくるということが非常に長い目で見て大切だと思うのです。でありまするから、消費国と生産国が会議をつくって、そしてその会議の中で、消費国は消費国で相談し、生産国は生産国で相談して、両者でまた相談をするという形でいくことが好ましいと思います。しかしまた一方、生産国の側にしてみますと、一ぺんにそんなに大きなドルが入ってきてもしようがないから、長い間一定の恒常的収入が入るという配慮から、生産制限をするかもしれないわけです。それで毎年国家経済計画をつくって、そうばく大でなくてもいいから、コンスタントに石油収入を得て、国家財政を運営をしていく。それが国の長期計画になる。またそれの入ってくるインカムに応じて、社会資本の投下とか社会改革をやっていくわけです。しかし、社会資本の投下とか社会改革をやっていくのは急激にはできませんから、やはりある程度の伸び率で伸びていくということになりますと、石油の生産制限ということも考えられないことではない。しかし一方において、それだけ大きなドルが産油国に入ってきますと、このドルを何に使うか。社会資本や社会改革に使われないものがかなりばく大なものがあって、それがスイスの銀行あたりに貯金されて、それがユーロダラーになって今度は国際通貨の問題を直撃してくるということも考えられないことはない。いまユーロダラーは八百億ドルといいますが、三、四年で千二百億ドルにふえるという計算が立っておる。その一割の百二十億ドルがマルクや円を直撃してもがたがたになりますのは、今度のマルクの場合を見ればわかるわけです。マルクはあのとき六十億ドル買いささえましたね。  そういうことを考えてみると、この石油資源の問題とお金の問題は、やはり先進国と発展途上国とがうまく計画的に経済運営をやっていくという協調の会議が、どうしても世界的に必要になってくる。日本は、そういうような意味の会議を訴えていく、そうしてそういう国際会議や国際機構をつくる方向に主導していくべきだと思いますし、私らはそういう政策をとっていきたい、そう思っているわけでございます。

木原実日本社会党

○木原委員 いずれにいたしましても、御指摘のような状況がある。国が介入をしていくといいますか、政府が介入をしていく分野というのは、好むと好まざるとにかかわらず広がっていくと思うのですね。介入のしかたはいろいろあるでしょう。つまり、大臣のお話の中にもございましたけれども、いましきりに、一晩に一つずつ会社ができるような形で石油にアタックしょうという動きが国内でも非常に盛んなわけです。あるいはまた、先般ジ・ラインに対して通産省のほうはかなりきびしい行政指導を行なった。話がちょっとちぐはぐになりますけれども、ジ・ラインに対する行政指導は、新聞報道によりますと、制裁的措置であった、こういうようなことがいわれているわけなんですが、これについては、いま大臣のおことばで言えば、明らかに秩序を乱した、こういう判断で措置をされたわけですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 いまのように、パーティシペーションオイルの獲得をめぐりまして、各国の企業がいわゆるアブダビの政府と折衝を持ちまして競争したわけであります。しかしその取得価格において、一般的に国際的に期待している価格よりもかなり高い価格をつけてともかく落とした。初めは二ドル三十セント以内。もっと初めは安かったのです。二ドル前後という話でありましたが、それが二ドル三十八セントという値段をつけまして、そのために、いままでの水面をかき乱して大きな波紋をつくったわけで、これはある意味においては、ほかの国々から非難される、石油価格を世界的に騰貴させる要因をつくった、そういうようなこととか、日本のマナーについて非難を受けるという危険性もあるわけです。  そういうようなことが今後陸続として起こってまいりますと、日本の石油政策というものは、国際的にも国内的にも成り立たなくなりますし、結局それは石油価格の騰貴を招いて、消費者にかぶってくるわけです。ですから、そういう意味からも、暴挙を戒めるという意味もありまして、結局、日本へ入ってくる油というものは国際価格でやらなければいかぬ、それからその受けざらというものは最終のエンドユーザーを中心にしてつくる、それから入ってきた油の使用先というものは通産省の指示に従う、そういう三つの条件を承認させまして、そして認めたわけであります。

木原実日本社会党

○木原委員 ジ・ラインが直接産油国と取引をした、こういう面についての戒めの意味もあるわけですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 直接話をしたり取引をすることは必ずしも悪くないと思うのですけれども、値段の問題がどうも国際的な基準からかけ離れておるものがあった、そういう点が問題になったわけであります。

木原実日本社会党

○木原委員 そういうことであるならば、私は予算の分科会でもちょっとお伺いしたのですけれども、海外石油の御存じのような取引、これもやはり、価格計算をしてみるとかなり高いものについているのではないですか。どうですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 それはADMAのほうですか。あれはジャパン・ラインがやったものよりも安い、そういうふうにわれわれは聞いております。

木原実日本社会党

○木原委員 これも私はかなり問題があると思うのですね。御承知のように、アブダビの問題がいろいろな意味で正面に出ているわけですけれども、この場合には、御存じのように、いわゆる政府の融資上の措置もかなり行なわれているし、それからおそらく政府と緊密な相談の上でやったことだと思うのですけれども、しかしあの取引、いろいろ計算のしかたがあるのでしょうけれども、ざっと計算をしてみますと、価格という面から見ればかなり先物を買っているのではないか、あるいは将来の値上げを予想をするようなことで、少なくとも現在の国際価格からいいますと高いものについている。それからまた、そのことについて、すでに一、二の海外からのかなり手きびしい批判がある。ドイツが交渉して失敗をした。ドイツが交渉をした価格などを調べてみますと、かなり安かったからそれは成立をしなかったのでしょうけれども、それにいたしましても、現在の国際価格からすればかなり高いものがはね返ってきているような感じがするわけです。安いと言われる根拠はどこにあるのですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 御指摘のADMAの問題は、ジャパン・ラインのものと性格が違いまして、あれはBP及びフランス石油等が持っておったメージャーの株を三分の一日本に渡す、そういう意味で、日本はある意味においてはメージャーに参加するということになったわけでございます。  それで、七億八千万ドルあのとき払うことを認めたわけでございますが、私も七億八千万ドルはちょっと高いというような感じがしました。そんなことは、率直にBPの社長にも、ちょっと高かった、そういうことを言っておきましたが、これは、いままで日本はメジャーのクラブには入れなかったのが、イギリスが黒海に石油を開発する、その他のほうへ向かっていく、そういう意味で資金も要るというので、日本に肩がわりするというので、かなり日本に好意的に持ってきてくれたものであります。そういう意味で、世界の石油情勢を知るためにはメジャーの側の事情もよく知らなければならない。そういう意味ではメジャークラブ入りしておくということも大事なことで、その第一歩をこれでやった、そういうことが一つございます。それから、イギリス、フランス、日本が一つの会社の中に入ることによって、EC諸国との協調という別の次元の大事なものがここで生まれてくるわけです。ECの、特に英仏という国が、日本の輸出に対してかなり批判や抵抗が中にある情勢ですから、そういう機会を通じて、日本がEC諸国の中のフランスやイギリスと仲よく親善関係を維持していくということは、別の面でかなりの政策的意味もあります。そういう考慮も含めて、まあいいだろう。値段その他、最終的な価格もあのときちょっと聞いてみましたが、それほど高いという情勢ではないようでした。そういう意味で、それに供給量が相当なもので、大体年平均千三百万キロから二千万キロの原油を獲得する、それで三十年間で合計二十五億バーレルから三十七億バーレル、つまり三億九千三百万キロリットルから五億八千七百万キロリットルくらいのものが入るわけです。三億ないし五億キロリットルというものは、日本の石油を入れる非常に大宗をなしてくるわけで、それを自分の固有の石油として獲得できるわけです。そういう意味において、日本の燃料政策の上からもこれはまあよろしいと、そう判断をしたわけでございます。

木原実日本社会党

○木原委員 政策的なメリットがあるということなんですが、ただ、そうなりますと、さしあたって対応策を聞きたいわけですけれども、ともかく海外石油開発ということで、ここのところ、それぞれ銀行系列あるいは商社系列、さまざまなグループが資本を持ち寄って、大臣のことばじゃないですけれども、板の間かせぎ的なことが予想されるほど、ある意味では石油開発会社が乱立をしている傾向があります。そうなりますと、まあジ・ラインというのはタンカーですから、少ししろうとの失敗という面もあったかもわかりません。しかし一方で、いまおっしゃったように、海外石油ADMAにつきましては、政策的メリット、こういうものを重視をしながらメジャーズのクラブ入りをするんだ、こういうような面がある。そうしますと、いまの国内の姿勢ですね。私どもしろうとから見れば、やたらとここぞとばかり会社が乱立していく、さてこれから先どうなるんだろうということになりますと、結局、国の海外に対する石油確保の姿勢なり、あるいはまた、開発についての基本的な対応策なり、こういうものが問われるわけなんですが、一方では価格面で、たとえばジ・ラインに対してそういう制約を加え、他方では、多少の価格の問題よりもやはり政策的メリットを重視していく。ちぐはぐな感じがするわけなんです。  私はお尋ねしたいことは、ともかく国内の対応策について、これは第二のジ・ライン的な行為を起こす可能性のある会社というのはやたらに生まれていくような感じがするわけです。これらについて、やはり冒頭大臣がお述べになりました石油の現況を踏まえて、国内体制をきちんと整備をしていく。その上で必要なところには、いまおっしゃったように、かなり総合的な対応策をもって出かけていく。産油国と、たとえば開発について、工業化について協力をするものもあるでしょうし、さまざまな分野があると思うのですが、国際的な機構をつくるにいたしましても、まず国内の体制ですね、そういうものについて何かお考えがあるのでございますか。どうですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 確かにおっしゃいますように、国内で雨後のタケノコのようにいろいろな企業が石油に関して生まれて、それが乱売をやるという形になると、非常に秩序も乱れますし、むだも起こります。そういう点で通産省としては、今度はジャパン・ラインのああいうケースは、ある意味において懲罰的な見せしめの要素もあります、そういうことをやったものは必ずしももうからぬぞという。ジャパン・ラインの場合は、あの油を運ぶというメリットは認めてやる、そういうことでありますが、石油の企業自体としては、そういうことをやったものは必ずしももうからぬぞと、そういうことを見せつけてやらなければならぬ、そういうことでやったわけです。  しかし、石油の消費量や将来の需給を考えると、もっと上がっていく可能性は十分ある。だから三年、五年の将来を見ると、いまかなりの努力をして手当てをしておくということは、三年、五年たってみれば、その当座は少し高かったなと思ったけれども、そのときになってみればそれが普通になってくる、そういう可能性が非常にあるわけです。それで、日本の石油の手当てを考えてみると、ある程度、東西南北、世界各地にその手当てをしておくということもまた、非常に重要な要素でもあるわけです。アメリカやそのほかのように、一定の原油を国内生産で取って持っている国と日本は違いますから、そういうセキュリティの意味からも、東西南北にわたってその資源の手当てをしておくということは、非常に重要なファクターでもあります。そういう面もありますから、そういう活動をあながち拒否すべきものでもない。ただ問題は、撹乱的要素があまり多くなってはいけない。それから政府のそういう一定の指示や統制、方針に従ってやるということが非常に大事です。  ジャパン・ラインの場合は、言うことを聞かなかったということがありました。そういうことでああいうことをやったわけですが、大体われわれが考えているのは、今度、資源エネルギー庁ができますが、資源エネルギー庁にそういう中枢を一つ置きまして、その下に手先として石油公団を置いて、石油公団と資源エネルギー庁によって交通整理をしていく。その交通整理に従ったものについては国家的な便宜も供与する、そういう形で強く出ていきたいと思っております。

木原実日本社会党

○木原委員 一番大事なところだと思うのです。ただその際に、幾つか問題があげられると思うのですが、一つは、いま海外の石油確保を目ざしていろんな会社ができているのですが、一番大事なことは、これから起こっていくということですね。あるいはまた、いまのでき方を見ておりますと、大臣のおことばにもありましたけれども、将来の多少の値上がりを見込んでということになりますと、いまちょうど土地の買い占めをやっているのと同じようなことで、必ずしもジ・ラインのやったことを責められない要素が一ぱい出てくるわけです。ですから、石油を確保するという場合に、特に中近東、東南アジア方面——これからの問題ですけれども、そういうところについて積極的に開発をしていく。開発というのは、しかしリスクが多い。しかも石油というのは、一方では戦略的な物資だという国防上の問題などもからんでくる政治的な商品である。ですから私がお尋ねしたいのは、そういう性格の石油を確保していく上で、やはり国がきちんとした確保の方針みたいなものを持って、そして、公団の話も出ましたけれども、公団の機能する分野、それから乱立する商社についてのそれぞれの一種の交通整理をやる基準、そういうものをやはり明確にすべきじゃないのか。それがなければ、きのうの予算の分科会では大臣は、われわれは自由主義の国だからと、こういうふうにおっしゃいましたけれども、この商品自体は、自由主義だけではどうも取り押えようのない姿で存在をしているわけです。ですからいま一番大事なのは、国内体制を何とかきちんとすべきじゃないかという私の意見があるわけですけれども、それに対応して国として安定的な石油を確保するための対応の基準みたいなものを持たないと仕事ができないのじゃないですか。

外山弘通商産業省鉱山石炭局長

○外山政府委員 先生も御指摘のように、やはり自主開発原油の確保というのが将来の安定供給のためには一番重要度の高い性質の確保策だと思います。それに対しては、確かに今度は残された可能性の高い油田はなかなか少のうございますが、それらをまた適当に選択しながら進めていかなければならないというむずかしい情勢にございますが、そういった限られたものに多くのものが殺到するということは、御指摘のように、たいへん問題がございます。  開発につきましては、やはり石油公団が中心になりまして、適当なプロジェクトがないかということで、技術と金融と両面から見まして、そうしてそれを判断するということを必ず先行してきております。場合によりましては、技術調査だけが先行して、そして埋蔵量もよく見る、そういったことが先行していかないと金がついていかない。採掘と金融は一体となってやらなければならぬ、こういう性質のものだと思います。したがいまして、開発につきましては、いま御指摘のように、いろいろな会社ができますけれども、これはむしろ統轄会社でございまして、資金の動員力とか情報の収集力の上で、従来の三十ぐらいあるプロジェクトごとの会社よりは強力な会社として指導力を持ったものになるだろうと思います。それらをじょうずに指導することによりまして、先ほどのような石油公団の機能をあわせて、開発については秩序化ができるんじゃないか、またいままでもできているというふうに私ども思っておるわけでございます。  ただ、もう一つの問題である直接取引の問題、これは確かに御指摘のような、全然精製に関係のないタンカー会社が買い付けに走るということも可能な状態であったことは間違いございません。しかしこれも、今度これを機会にそういう指導をしているわけでありますが、リファイナリーの関係なしに対外的な行動が出てくるということはとかく問題が起こりやすい。一方リファイナリーも放任していてはだめである。したがって、リファイナリーの国内体制をもっと確固としたものにすることが大事ではないだろうか。民族系の石油会社がそういったダイレクトディールの重要性に目ざめて、その辺の国内体制に一つの考え方を示すことが大事ではないだろうかということで指導している次第でございます。今回の機会に、精製会社自体にもそういう問題を訴える、かつ同時に、今回のケースに基づく反省を業界にも伝え、そして今後ダイレクトディールについての秩序化についても、私どもとしては、従来にも増して強力な指導をやってまいりたい、こう考えている次第でございます。

木原実日本社会党

○木原委員 精製会社というものは弱いですからね。公団を強化されるというお考え方はありますか、金融面もしくは技術指導の面で。

外山弘通商産業省鉱山石炭局長

○外山政府委員 強化につきましては、その行動の多様化をどの程度はかるかということと、その行動を実行するための資金措置をどうするかということ、両方あるかと思います。  後者につきましては、逐次予算でもお願いしておりますように、年々ふえてはまいりました。しかしなかなか十分な額とは申せません。今回の中東石油の開発参加に対しましては、今回初めて公団債を発行するということを認めてもらいまして、そうして資金量についての手当てを豊富にしたわけであります。そういったことも含めまして、今後、石油公団の資金量については、できるだけこれを確保するということを努力したいと思っております。  一方、行動の多様化につきましては、いま許されている範囲をどのように拡張するかということだと思います。これは一つは、現在の業務方法書を改正することによりまして、現実に合った改善が若干の点でまだできるわけでございます。その点は、プロジェクトがございましたら、それに応じて石油公団が法律の許す限りどの程度多様な形態がとれるかということを検討いたしまして、そして関係当局ともお話しをして、プロジェクトの成功に持っていくように努力したいと思っております。  なお今後の発展いかんによりまして、石油公団の法律自体を改正して、新しい情勢の中で石油公団の動きをもっと活発化するということが必要だと認められれば、その際は法律の改正を検討しなければならない、こう考えておる次第でございます。

木原実日本社会党

○木原委員 大臣に特にお伺いしたいのですけれども、先ほどお話のございました消費国側の国際機構の問題。近くアメリカのほうで大統領のエネルギー教書が出るということが取りざたされておる。そしてそれをめぐっていろいろな話を聞くわけですけれども、国際的な機構をつくって対応していくという姿勢、これは、アメリカのほうからもいろいろな話が出ているように、新聞報道その他では聞いているわけなんですが、実際、具体的にはどういう形で提案をし、見通しはどうなんですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 これはまだ私の頭の中にあることで、とつおいつこれをどう政策化していくかということは考えておるところでございます。しかし、そういう必要性があることは、もう各国とも認識してきておると思いますので、いまもピーターソンと話しましたら、彼も同じような認識を持っておりました。したがいまして、これは外務省当局と相談をして、それをどう具体化していくか、よく検討してみたいと思っています。

木原実日本社会党

○木原委員 これもなかなか利害がそれぞれ相克する分野が多いわけですから、それこそ総論賛成、各論反対みたいなことが出てくる要因というのがかなりあるわけです。その場合に問題の出し方にもよるでしょうけれども、消費国側の国際機構をつくって対応していく。あるいはメージャーズの地位が比較的落ちてきたという評価があるわけですけれども、そういう錯綜する中で私どもの一番気になりますことは、国際機構をつくって対応していくということはいいんですけれども、これが絵にかいたようなものができれば、これはおそらく理想的な、テーブルについて話し合いができる場所があるわけですが、それがなかなかできないというのが、従来の石油をめぐっての困難なところでなかったかと思うのです。大体の見通しとして、何かタイミングをとらえて、あるいはまた時期を見て、機会を見て積極的に日本側が提案をしていく。その根回しというとおかしいのですけれども、頭の中にあるとおっしゃいましたが、日本としては努力をしていく、あるいは可能性についての見通しというものは、何か頭の中にあるのでございますか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 必要性はみんな認識しておりますし、おそらく各国とも、そういう話し合いを寄り寄りしていけば、そういう方向に賛成する国・が多いんじゃないかと私は思いまして、これはアメリカ、EC、日本あたりが一つの中心でございましょう。そういう意味で寄り寄り相談してみたいと思うわけです。

木原実日本社会党

○木原委員 もう一つ、先般もちょっと伺いましたけれども、社会主義国との関係。一方にはチュメニの問題がかなり前向きになってきたという報道があります。あるいはまたシベリア開発におきましても、そのほかヤクートの問題その他があるわけですが、一方、中国からは大慶の油田から油が来る、こういう話もあるのですが、東西南北にわたって石油の手当てをしていくのだ、燃料の手当てをしていくのだ、こういう話がございました。そこで、シベリア開発について、チュメニの問題は先般もちょっと伺いましたけれども、サハリンの大きな開発の問題、あるいはヤクートの天然ガスの問題など含めまして、シベリア開発についての大臣のお考え方ですね。全体的に前向きに進んでいく条件があるのかないのか、この際あらためてお伺いいたします。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 前にも申し上げましたように、日本は五年、十年後のことを考えてみますと、相当量のエネルギーが要るので、いまから東西南北、海に大陸にそういう手当てをしておくべき責任があります。そういう面から、アラスカであろうが、シベリアであろうが、われわれの話に合致する、そういうところがあれば、私は手当てをしていくべきだと思っているわけです。ですから、シベリアの問題にいたしましても、両国の国益に合致して、そうして経済取引条件の合意が民間しベルにおいてできれば、政府は積極的にこれに対して協力していく、そういう態度で前向きに進んでいきたいと思っております。

木原実日本社会党

○木原委員 中国との関係はどうなっているのですか。この二十万トンばかり油が来るのではないかという報道があり、あるいは民間サイドがどこか交渉をしておるという報道を聞いておるわけなんですが、何かいまは話が進んでいるのでございますか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 この問題は、関西方面がわりあいに話の糸口をつくりまして、関西財界が中心になっていまその受けざらの機構をつくっておりまして、そして中国側といろいろ経済条件の話し合いをしているようです。値段の点とか、あるいは取引量の点とか、そういう問題についてまだ話し合いがまとまったとは聞いておりません。現在進行している最中だろうと思います。

木原実日本社会党

○木原委員 これは進行しているのですか。多少ネックに乗り上げているのですか。聞くところによりますと、価格問題その他について何か折り合いがむずかしいという話を聞いているのですが、どうですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 御指摘のように、価格問題で少し難渋しているということを聞いております。

木原実日本社会党

○木原委員 中国もまだ多くの資源を含んでいる国ですし、また、これからの日中関係を考えましても、油の面での取引が進むということは、私はかなり意義のあることだと考えているわけです。したがいまして、この分について政府のサイドでアプローチをしていくという考え方はございませんか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 日本の方式が、大体民間の企業ベースで話し合いをして、それを政府が援助する、そういう形をとっておりますので、中国の場合も同じパターンが好ましいのではないかと思います。特に中国の場合には互恵平等で、政府借款を非常に歓迎いたしません。そういうことで、政府レベルのそういうローンとか何かという関係についてはきわめてシビアな態度を向こうはとっておると思います。したがいまして、民間の商談としてこれは成立する、そういうことが望ましいのだろうと思います。

木原実日本社会党

○木原委員 可能性としてはどうなんですか。将来性、可能性ですね。これはまあ中国側のほうにもいろいろな事情があると思いますけれども、中国との油の取引の将来性についてはかなり期待が持てるのですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 よくわかりませんが、大慶油田や勝利油田の油の出よう等を見ますと、かなり有望のように思います。

木原実日本社会党

○木原委員 それに関連いたしまして、問題の東シナ海の大陸だなの開発の問題が、沖繩返還、あるいは日中国交回復その他の問題のときにも、若干出たわけですか。東シナ海の大陸周辺の開発について中国側と交渉するというお気持ちはございませんか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 これも中国側にしてみれば、いまのような経済の運営原則もございますし、また安全保障ということもいろいろ考えておるだろうと思います。したがいまして、政府関係が乗り出していくということよりも、民間レベルのそういう協商という関係で進んでいく、それを政府が必要に応じて協力する、援助する、そういう形がいいんではないかと思うのです。私が周首相と会いましたときにも、合弁会社はとらない、そして技術的な協力については、中国の主体的立場をとってその協力については話し合いができる、そういうような態度でありましたから、やはりこれは民間レベルの話で話を進めていくことが賢明である、そう私は思いました。

木原実日本社会党

○木原委員 中国との間に、領土問題その他、島の部分がございましてまだ多少問題が残っておるわけですが、幾つか東シナ海の開発についての申請みたいなものが通産省に出ているんでございますか、国内もしくは外国から。

外山弘通商産業省鉱山石炭局長

○外山政府委員 どこの会社がどこにという点は、いま手元にございませんが、若干の会社が出願中でございます。

木原実日本社会党

○木原委員 当然これにつきましては、いろいろな問題が解決するまで許可を与えない、こういう方針でございますね。

外山弘通商産業省鉱山石炭局長

○外山政府委員 そのとおりでございます。

木原実日本社会党

○木原委員 いずれにいたしましても、東南アジアや中近東とは違いまして、中国にいたしましても、ソ連の関係にいたしましても、これは別のさまざまな対応策が要ると思うのです。中国につきましては、国交回復が行なわれてまだ日が浅うございますし、講和条約もできていない、こういう状態ですが、ソ連、中国となりますとやはり国際的に複雑な関係があります。そういう中で、たいへん政治的な色彩の強い資源をわれわれは供給を受けよう、こういうことですから、やはり違ったむずかしさ、問題があろうかと思うのです。ですからこの際、私が主張をしお聞きをしたいのは、話は特に民間ベースで進め、あるいは民間レベルでの商談という形で進むということがあるわけですが、この際にも、これは外交政策の問題とも深く関連をしてくるわけなんですが、国としての対応策について、きちんとした原則というか、方針というものがなければならぬと思うのですね。たまたまそこに可能性がある、民間のプロジェクトが出ていった、そしてそれを積み上げてきたら、政府が判断をして援助なり協力なりをして乗り出していく、こういう一つのパターンだと思うのですが、しかし、はたしてそれだけでいいんだろうか、こういう感じがするわけです。これは、中国とソ連が不幸にしてたいへん対立的な状況にある、そんなような背景などを絶えず考慮に入れますと、社会主義国から油や燃料を入れる、そういう際には、いままでの他の国とは違った対応策なり原則、基準になるきちんとしたものを国として持たなければ、やはり不測の事態を招くことになるのではないか、こういう感じがするわけですが、どうでしょう。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 国によってみんな対応が違うと思うのです。ソ連と中国のこの問題に関する対応を見ますと、顕著な差異がございまして、ソ連の場合は、バンクローンなり、あるいは輸銀融資なり、そういうものに関する政府の態度を早く示せ、むしろ政府が積極的に介入するということを強く要望しております。中国の場合にはそれが逆であって、むしろ互恵平等の民間レベルのものでまとめていく、コマーシャルベースの話としてそれは取り運んでいく、そういう考えに立っております。ですから、みんな国によって違いますから、違う対応をしていかなければならぬと思っております。ただ通産省として、そういう対応を別にしていくということも一つの態度でありますから、そういうことも含めて石油政策をどう扱っていくかということについては、常に再検討を加えながら基礎を持っていなければならぬ、そういうふうに思います。

木原実日本社会党

○木原委員 チュメニ油田の交渉につきまして、何か四月に使節団が行くような話を聞いておるわけですが、この際には何か政府側からだれか参加をするわけですか。

小松勇五郎通商産業省通商局長

○小松政府委員 四月に当事者が、チュメニ油田の具体的な商談について、できれば本格的な基本的な契約を結ぶというような目的をもって渡航いたしたいという希望を持っているということは、先般もお答え申し上げましたが、具体的な商談の話でございますので、政府からは、おそらくついていかないことになると思います。

木原実日本社会党

○木原委員 そうすると、伝えられておりますように、官民合同の使節団を出していくのだということではないわけで、あくまでも民間ベースでの詰めを行なうというような代表が出る、それを待って通産省としては判断をする、こういうことなんですか。

小松勇五郎通商産業省通商局長

○小松政府委員 先生御指摘のように考えております。

木原実日本社会党

○木原委員 先般も話が出ましたけれども、政府側の出方というのをソビエトのほうは重視しておるわけでございますし、昨日も総理の書簡が向こうへ渡ったという報道がございましたけれども、ソ連側が求めてきておるのは、ああいう国柄であるというだけではなくして、かなり大きな仕事でもあるし、それから品物が品物だから、やはり政府側もきちんとした裏打ちというものを求めるというのは、ある意味では理解ができると思うのです。ですから、民間である程度詰めていくというのもそういうパターンなんでしょうけれども、最終的にはやはり政府が出かけていってきちんとした裏づけをする、そういうふうに了解していてよろしゅうございますか。

小松勇五郎通商産業省通商局長

○小松政府委員 四月に民間で基本契約の締結を目的といたしまして交渉をいたします場合に、当然借款の問題その他が出ると思います。その借款が大規模のものであれば、当然輸銀使用の問題その他が出ると思います。したがいまして、民間のミッションと政府とは、あらかじめいろいろなケースにつきまして十分意思の疎通をはかっておく必要があると思います。その上で基本契約ができますれば、政府としましては、積極的に必要な借款の供与その他につきまして処理をしていくと  いう方針でおる次第でございます。

木原実日本社会党

○木原委員 ヤクートの天然ガスについてどんな  ふうにお考えになっていらっしゃるのですか。

小松勇五郎通商産業省通商局長

○小松政府委員 ヤクートの天然ガスにつきまし  ては、現在日米ソ三国の共同開発という構想でございまして、うまくいけば、将来日本に年間百億ないし百五十億立方メートルのガスを二十年以上  にわたって輸入いたしたいというふうに話が進められておるわけでございます。ただし、これもまだ埋蔵量の確認が済んでおりませんし、そのためにまだ二年くらいはかかるだろうというふうに思っております。

木原実日本社会党

○木原委員 埋蔵量の確認その他のことが、かなり可能性として十分だということになれば、形としては、今度のチュメニのようなかっこうになるわけでございますか。

小松勇五郎通商産業省通商局長

○小松政府委員 先生御指摘のとおりでございます。

木原実日本社会党

○木原委員 もう一つ、シベリア開発に関連をいたしまして、サハリンの沖の開発の問題があるのですが、これの状況はどうなっているのですか。

小松勇五郎通商産業省通商局長

○小松政府委員 サハリンの問題につきましても、昨年の十一月に第一回の交渉が行なわれておりまして、その後まだ発展しておりませんが、やはり将来の問題といたしまして、予想埋蔵量が約五十億トンでございますけれども、なるべく早く詰めていきたいというふうに考えておる次第でございます。

木原実日本社会党

○木原委員 大臣にお伺いしますけれども、シベリア開発全般につきましてかなり前進をした、こういうふうに判断をするような余地がある感じがするわけですが、チュメニその他につきましても、アメリカの参加についてはどんなふうにお考えになっていますか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 チュメニ、ヤクート、サハリン、いずれにしましても、アメリカの参加をわれわれは歓迎いたします。

木原実日本社会党

○木原委員 そうしますと、アメリカの参加を含めまして、ソビエトと協力をして、かなり規模の大きなシベリア開発に乗り出していく。言うまでもありませんけれども、その際は、絶えず日本の政治的な姿勢が問われると思います。したがいまして、単に商取引上の手続を完了させるために政府が乗り出すだけでなくて、進んでシベリア開発についての日本側のアプローチの姿勢、こういうものが逐次問われてくると思うのです。そういうかなりレベルの高い段階での日本政府の態度というものをこの際明らかにしておく必要があるのではないか、こういう感じがするわけです。チュメニの問題を一つの窓口にしまして、将来にわたるシベリア開発について日本が協力をしていく姿勢、これこそ政治的に非常にある意味では画期的なことだと思うのですけれども、そういうことについて大臣のお考え方をひとつ聞いておきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 日本としては、先ほど来申し上げましたように、エネルギー資源の手当てということについて非常な関心を持っておるわけでございますから、シベリアも、ほかの国と同じように、非常に高い関心と、それを積極的に実らしたいという熱意を持っております。民間レベルのそういう経済取引条件がなるたけ早く合意に達して、政府レベルまで持ち上げてくれる日が早からんことを期待しております。そういう意味を込めて田中総理からブレジネフ書記長に親書が行ったわけでありまして、あの親書はそういう日本政府の熱意のあらわれであると考えていただいてけっこうであります。

木原実日本社会党

○木原委員 いろいろ石油のことについて聞いてまいりましたが、いま一つお聞きしたいことは、少し話が違いますけれども、国内の問題としまして、備蓄の問題。備蓄をふやしていくという方針はお持ちなんでしょうけれども、具体的に何かお考えがございますか。

外山弘通商産業省鉱山石炭局長

○外山政府委員 石油の備蓄につきましては、しばらく前にOECDの委員会でも、日本の備蓄がもう少しふえるように、欧米諸国は大体九十日くらいやっておる、日本はまだ少な過ぎるのではないかというふうな勧告を受けたこともございます。政府といたしましても、石油の備蓄は安定供給の一つの政策であるということから、これを重視いたしまして、昨年から備蓄政策を開始しているわけでございます。  現在の目標といたしましては、本年度中に五日ふやしまして五十日、そして六十日の水準まで三カ年計画で持っていこうということで、現在努力をしているところでございます。その措置といたしまして、企業がその備蓄をするための制度上の金融を与える。石炭・石油特別会計から援助いたしまして、安い金利で金融上の助成をする。それから、タンクを設置するにあたって、それについて開銀融資のお世話をする。できたタンクにつきましても特別償却の制度を採用する。こういつた応援をいたしまして、備蓄政策を各リファイナリーがやるように推進しているのが現状でございます。

木原実日本社会党

○木原委員 諸外国に比べまして、御指摘のように、従来たいへん備蓄の量は乏しかった。この主たる原因は、備蓄をするひまがなかったのか、あるいは場所がなかったのか、政府の熱意が足りなかったのか。備蓄をする側からすれば、たいへん金がかさんじゃって、それをかぶってしまうというあれもありますし、原因はどういうことだったのですか。

外山弘通商産業省鉱山石炭局長

○外山政府委員 私もまだ石油政策を担当して日が浅いわけでございますが、おそらくは、ここ十年くらい石油は完全な買い手市場でございまして、日本は輸入依存度が高いにかかわらず、むしろ有利な地位にあって石油の供給を海外から受けてきたという事情がございます。その点がひとつ備蓄政策に対する関心をそれほど強くさせなかった事情であったかもしれません。ということは、逆に申しまして、先般来、大臣がおっしゃっておるような事情から見ますと、備蓄政策の重要性があらためて指摘されてきている、こういうことだと思います。それからもう一つは、やはり備蓄する以上は、それに対する政策を出しませんと簡単にできるものではございません。したがいまして、それに対する政策もこれまでなかった、その辺が備蓄が進まなかったというふうな事情であったかと思います。

木原実日本社会党

○木原委員 まあ、金を出せば比較的買えたというのは完全に終わりを告げるという時期だと思うのです。それだけにまた新たな備蓄の問題というのが出てくるというふうに私どもは考えるわけなんです。したがって、いまお話がございましたけれども、三カ年計画で六十日に上げていくということですが、具体的にはいま、金融措置、あるいはタンクに対する補助、そういうような話も出ておりましたけれども、これは、たとえば備蓄公団というとおかしいのですけれども、何かやはり備蓄について政策を推進していく主体というものをもっとがっちりさせる必要があるのじゃないかと思うのですが、どうですか。

外山弘通商産業省鉱山石炭局長

○外山政府委員 備蓄につきましても、いま各企業が備蓄をするような政策を進めているのが、それがまだスタートして間もないということはございます。しかし、御指摘のように、今後の情勢を考えますと、備蓄の重要性はますます高まってくる。それからさらには、いま目標としておりまする六十日をこえて備蓄をする段になりますと、いまのような政策だけでいいのだろうかという点も出てくると思います。そういった点を考えまして、備蓄の問題についての今後の考え方というのを、実はいま勉強しているところでございまして、大臣からもいろいろな御示唆もございますので、いま中で検討しているところでございます。

木原実日本社会党

○木原委員 これは、特に日本のような国柄というのか、情勢の中では、たとえば外国で九十日も確保しているというようなことになれば、ある意味では、どうしても石油が要るというならば、もっとやはり国際水準以上に備蓄をしておかなければ、これは国民の不安というのは、最近アメリカから伝えられてきたような事情を聞くにつけましても、あらためて、これはたいへんだということになると思うのです。そうなりますと、海外からの資源の確保もさることながら、やはり国内で不測の事態に対して備えるということ、これこそ政府の責任だと思うのです。ですから、それについてのきちんとした政策なり方針なり、あるいはそれを推進していく主体なり、こういうものをはっきりさせるというのがいまの時期の問題ではないかと考えているのですが、どうですか。

外山弘通商産業省鉱山石炭局長

○外山政府委員 今後の検討課題だと思っております。

木原実日本社会党

○木原委員 あわせまして、石油の供給あるいは確保の問題について尋ねてきたわけですが、あらためてこの石油を含めましたエネルギー資源の規制という問題について、これは大臣にお伺いをしたほうがよろしいかと思うのですが、規制について考える時期にすでに来ているのではないか。どう考えましても、たとえば田中総理の日本列島改造論によりましても、おそらく一九八五年ごろには石油の必要量は七億トンにも八億トンにもなるだろう、こういうようなことを、ある意味ではまさに手軽に前提にして列島改造論を展開している節があるわけです。しかし、はたしてそういう状態になったときに、公害問題等の関連から見ましても、そんなにこの石油が確保できるのか、確保できたとしても使えるのか、使ったらどうなのか、こういう問題もあります。そこへもってきまして、エネルギー危機というような形で問題が提起をされてきた。こうなりますと、かなり広い範囲にわたって、エネルギーの消費の制限あるいは規制、もしくは節約といいますか、そういうことをかなり総合的に考えていく時期に来ておると思うのですけれども、これは総合的なエネルギー政策の、ある意味ではうらはらをなす重要なかぎだと思うのですけれども、大臣いかがですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 アメリカあたりではもうすでに節約運動が起きておりまして、そういう実行行為に入っております。日本もいずれそういうことを訴えるときが来るだろうと思います。現に電力関係においては、関西方面において、ことしの夏ぐらいは不足になるのではないかということすらいわれております。そういういろいろな面を考えてみますと、これらの資源を大事に使おうという一般国民に対する啓蒙、それから産業そのほかにおいても、資源を節約するという協力、そういういろいろなレギュレーションが必要である、そう思います。

木原実日本社会党

○木原委員 これはやはり総合的なエネルギー政策とちょうどうらはらをなすものだと思うのです。当然ですけれども、当面の問題と、しかしこのエネルギー政策は、長期にわたって十年とか二十年とか、あるいはもっと長い展望というものを絶えず踏まえながらやっておきませんと、車は走っているけれども、何かあればすぐとまってしまうというようなこと。あるいはかなり本格的な工場建設をして動き出したけれども、ある殴階で油が切れたというようなことになれば、これは混乱が目に見えてくるわけですし、そういう観点からさらにお伺いをしたいんですけれども、短期的な問題としての石油その他のエネルギーの消費の節約、それからやや長期的な観点から見たやはり規制の措置、いずれも必要な段階に来ていると思うのですけれども、そのようなことをそういうふうに分けて考えた場合に、やや長期的な十年とか二十年とかいう見通しの中で、かなりエネルギーについては規制をし節約をしていく、そういう問題を提起する時期が来ていると思うのですけれども、いかがでしょう。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 全く同感でございます。それを具体的にどういうふうに展開していくか、研究してみたいと思います。

木原実日本社会党

○木原委員 石油にも、いろいろな努力をされておるわけですけれども、一定の限界がある。そうなりますと、すでに行なわれつつあるわけですけれども、たとえば電力に依存をしていこう、あるいは原子力発電に依存をしていこう。しかしながら、聞いてみますと、電力もそろそろ節約をやらなければもたない、需要増に追いつかないという状態がある。原子力発電につきましても、たとえば濃縮ウラン等についても、やや長期的に見ると限界があるのではないかという説がある。さらにまた、当面の問題としましても、この原子力発電についてはなかなか建設が進まない。その背景の中には、やはり公害の問題なり、あるいは使ったあとの燃料の措置等についての必ずしもきちんとした展望がない。いずれもネックがあると思うのです。エネルギーは、言うまでもありませんけれども、やはり総合的に推進していかなければならないと思うのですが、原子力発電や電力の見通しについては、一体どんなふうにお考えになっていらっしゃるのですか。

井上保通商産業省公益事業局長

○井上政府委員 電力の需給の問題でございますが、現在、電気の需要は大体年ベースで一〇%近く伸びております。そういうことでございまして、今後の電源開発計画は、大体四十七年から七カ年間に約九千万キロワットの開発をする必要があるのではないか。そのうち三千六百万キロワット程度は原子力発電、それからあと三千八百万キロワット程度は火力、あとは水力、こういうふうになっております。いずれもいま計画を立てて着々と進んでおるわけでございますが、先生御承知のとおり、最近におきましては、特に公害問題を中心といたしまして、電源開発の地点の設定が非常に難渋いたしております。ことしの例を申し上げますと、千二百万キロワット近くの着工予定でございますが、三百七、八十万キロワットしかいまのところ着工できないということでございまして、このままでまいりますと、五十年くらいまではそう問題なく推移できる見通しでございますが、五十年後半から五十一年にかけましては、相当電気の需給にアンバランスを生ずるおそれがございます。したがいまして、私たちといたしましては、国民生活あるいは経済の運営上、非常に重要な基礎をなしますものでございますので、そういう事態が起きませんようにいろいろな手段を講じまして、極力、電源開発を推進いたしてまいりたい。供給義務がございまして、正当な理由がないときは供給を拒めないということになっておりますので、そういう電気の規制ということがないように極力電源開発を推進してまいりたい、こういうふうに考えて鋭意努力をいたしておるわけでございます。  それから原子力の問題でございますが、原子力の燃料確保の問題は、ウランの鉱石につきましては、まだいまの段階では、石油とやや違いまして、解決しようと思いますと、わりあいにゆったりしたところがございます。ところが、御承知のように、濃縮の問題になりますと、供給源が非常に制約されておりまして、これは原子力協定によりましてアメリカから購入しておるというかっこうになっております。  それから確保の見通しでございますが、精鉱につきましては、これは五十五、六年ごろまでにつきましては大体、それから六十年ベースで考えますと、七〇%程度の手当てができておるというふうに考えております。これは、さっき申し上げましたように、まだ買う余地がございますので、今後のいろんな契約によりまして補充していくことが可能であると考えます。  それから濃縮の問題でございますが、これはアメリカとの間で、また原子力協定を改定いたしまして所要のウランを確保する、こういうことに相なろうかと思います。  それから、いろいろな安全性の問題等でございますが、これにつきましては、御承知のとおり、科学技術庁あるいは通産省で、日本の権威を集めまして安全性の審査を十分やっておりまして、いろんな世界の基準等から見ましても絶対に安全である、そういう確信をもってやっておるわけでございます。

木原実日本社会党

○木原委員 電源開発が伸び悩んでいる背景には、やはり公害に対する不安というものが依然として取り除かれていない、ある意味では根本的な問題があるわけですね。しかし、他方では電力を確保していかなければならない、こういう要請があるわけです。たとえば原子力発電につきまして、かつてこの委員会でも安全性の問題をめぐって論議があったわけなんです。しかし、推進をする側から見れば、絶対間違いないのだ、安全度が高いのだと、こういうことですし、そうかといいまして、発電所をつくられる側から見ますと、なかなかやはり納得のできない要素というものが次々出てくる。そういう状態のまま原子力発電所の建設がやはりおくれている。こういうふうにわれわれは認識をしておるわけなんです。そうなりますと、帰するところは、安全性について徹底的な追及をしていく以外にはないと思うのですね。そういう観点からしますと、安全性の問題について、言いにくいことなんですけれども、科学技術庁にいたしましても、あるいは通産省もそうではないかと思うのですけれども、安全性をだいじょうぶだと言う側だけの専門家や何かが多いと思うのですね。だから、安全性について絶えずかなり疑問を提出する側の専門家の声を聞きながら詰めていく。時間がかかりましても、そういう努力がいま必要じゃないかと思うのです。いまはもう完全にすれ違いになったままですが、住民にとりましては、たとえ一%の不安でも残りますと、いまどきですから、それは用地を提供することはならぬ、こういうことになると思うのです。ですから、その辺の打開策について、相当発想を転換をして対処していくという時期に来ていると思うのですが、何かお考え方ございますか。

井上保通商産業省公益事業局長

○井上政府委員 これは、原子力委員会に原子炉安全専門審査会がございますが、そこで安全性の確認をして認可をするという前に公聴会をやりたいということで、その公聴会のあり方その他こまかいことにつきましてはいま原子力委員会が中心で検討されている、こういうふうに聞いております。

木原実日本社会党

○木原委員 さらに石油以外にエネルギーを求めていきたい。たとえばアメリカあたりでも、石油危機に直面をしてそういう動きがあるやに聞いておるわけなんです。そうなってまいりますと、やはり電力の分野、あるいは石炭、液化天然ガスへの依存、そのほかにさまざまなエネルギー源の開発ということがそろそろ日程にのぼってきつつあると思うのです。これは必ずしも通産省の役柄ではないと思いますけれども、いわゆる総合的にエネルギー開発というようなものについて、これは大臣の御見解を聞いたほうがいいかと思うのですけれども、何かお考え方ございますか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 世界的なエネルギー不足の情勢にかんがみまして、石油、原子力、ガス、石炭、そういう各部門の手当てを、コンビネーションをうまくして、調和あるように獲得していきたいと思っております。今度できまする資源エネルギー庁におきまして、そういう総合的な計画を立てさせまして努力していくつもりでございます。

木原実日本社会党

○木原委員 その際に、先ほどの話に戻るわけですけれども、エネルギーの規制といいますか、節約といいますか、そういう面についてはかなり具体的な方針を持って、裏側の問題として対処をするお考えですか、どうですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 そのとおり対処する考え方であります。

木原実日本社会党

○木原委員 エネルギー問題についての質問はこの辺で終わりたいと思うのですが、いずれにいたしましても、一つの政策上の対応する問題としてはかなり転機に来た、こういうふうに私どもは認識をしておるわけなんです。したがいまして、石油の問題等につきましても、ただ出かけていって、あるいは金を使って買ってくればいいという時期ではなくなったと思います。せっかくエネルギー庁というようなかっこうで、役所の姿勢も何か前向きにやっていこうという姿勢が見受けられるわけなんですが、その限りにおきましては、新しい機構の中できちんとした対応の姿勢を確立をしてもらいたい、こういう希望があるわけでございます。困難な問題が多々あるかと思いますけれども、大事な問題でございますので、ひとつ誤りなきを期してもらいたいと思います。  もう時間がまいりましたので、質問をそろそろ終わりたいと思いますが、問題を変えまして、一、二あとお伺いをして終わりたいと思いますが、これは中小企業にかかわる問題なんです。すでに御承知のように、円の変動制移行その他の問題をめぐりまして、またしても中小企業分野の上にかなり冷たい風が猛烈に吹き始めている、こういう状態でございますし、政府のほうとしても、これに何か援助の手を差し伸べるのだ、こういう話を聞いておるわけですけれども、いまの経済変動の中で、中小企業に対して具体的に何をどうしようとしているのか、これは簡潔にあらましをお聞かせ願いたいと思います。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 通貨の変動に伴いまして、中小企業は現在困難な立場に置かれております。私どもといたしましては、現在、通貨の変動相場制移行に伴ってこうむります中小企業の現在の状態を救済する措置を、まず直ちにとりたいということであります。現在一部実行いたしておりますが、基本的なさしあたりの救済措置をとるということをまず考えております。  第二に、そういうふうにいたしましても、やはり中小企業の体質を変えなければいけないというように基本的に考えております。昨年の中小企業政策審議会の答申でも、産業構造全体が知識集約化の方向に向いているという点をさしまして、中小企業の構造全体を知識集約化の方向に誘導しようというような御指示をいただいております。私のほうも、そういう方向について中小企業を今後指導していきたいと思いますけれども、特に中小企業者のそういう方向に沿った事業転換等につきましては、いろいろな施策を準備してございますので、そういう施策を有効に活用して、その方向に中小企業を誘導してまいりたいというふうに考えております。

木原実日本社会党

○木原委員 これは、従来もそのようなお考え方があり、このような事態に直面をするたびに、当面の救済策と、それから構造改善を含めまして中小企業の体質改善、これはなかなかできなかったのが実情なんです。  それでは具体的にお伺いいたしますけれども、どのような業種について、特にいまの状態の中で一番打撃を受けている層が幾つかあるわけなんですが、そういうところについて何か具体的に転換なり、体質改善なりについての施策はお持ち合わせでございますか。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 今回私のほうでいろいろな産地の調査をいたしたわけでございます。こういうような産地の状況を見ますと、やはり労働集約性が高い産地において特に今回の影響が強くあらわれておるというように感じております。こういうような産地はやはり、加工度が低いために、具体的には後進国の輸出品と対米市場で競合いたしまして、そういうような結果、輸出が激減をするということで困っております。  一つの具体的な例といたしましてはクリスマス電球がございます。クリスマス電球は、御存じのとおり品川区に大多数おるわけでございますが、そのうちの一部の業者は秋田県に移りまして、そこでクリスマス電球の生産をいたしております。社数にいたしまして二十社強でございますが、クリスマス電球がここ二、三年対米市場でふるわないというようなこともありまして、秋田県も積極的にこれを指導いたしております。考え方の一つは、やはり国内の需要分野を開拓しようということでございまして、電子計算機と申しましても、もちろん初歩的な電子計算機ですが、その表示ランプに需要分野を開拓をするということで、現在、合同会社をつくってやっておるというようなことでございますが、さらに、そういうような類似の業務分野を開拓するということで、残りました会社が合同して生産会社をつくって、クリスマス電球からそういう方面に需要開拓をするということを努力中でございます。なお一部の業者は、韓国へ生産設備を持っていきまして、韓国で生産するというような海外進出を積極的に考えております。  おっしゃいますとおり、中小企業の構造転換はなかなかむずかしい問題でございます。したがいまして、やはり個々の産地の実情に応じまして、府県あるいは私のほうが、いろいろ業界の人たちと相談をして構造転換の方法を考えていかなければいけないというように思っておりますが、特に今回の通貨変動を契機にいたしまして、私どもは府県のほうに、現在、問題の産地について徹底的な産地診断を実施して、その結果に基づいて構造改善を行なうということで、すでに各都道府県にはその旨の指示をいたしております。そういう具体的な計画が出てきました場合に、現在の諸措置を有効に使って構造改善をやっていきたいと思いますが、先生のおっしゃいますとおり、非常にむずかしい施策でございまして、若干の日時を要するかと思います。

木原実日本社会党

○木原委員 いま一つ、これで終わりますけれども、下請の問題があるわけですよ。私どものところにも、このような経済変動にあうたびに、下請関係者のほうからいろいろな訴えや注文があります。今度の場合も、親会社のほうが実際そうなのかどうかわからないのですけれども、ともかくやはり下請のほうにしわ寄せをしていく、こういう形のものがあらわれているんですね。好況につけ不況につけ、波が立つたびに下請のほうにやはり持ってこられる。ある意味ではそういう構造になっているわけですね。また、下請というのはそういう立場に常に置かれていて、そうして親のほうが波を乗り切っていく、こういうことになっているのは御案内のとおりなんですが、またそれなりに下請関係については、法規上も、政策としても、いままでも多少のことがあったわけなんですが、今度の場合、下請関係について犠牲をしわ寄せをしていくというようなことについて、きちんとした防止の対応策なりなんなりというものはお考えですか。

森口八郎中小企業庁次長

○森口政府委員 二月十四日に変動相場制に移行いたしました直後に、先生御指摘のように、親企業が下請企業にしわ寄せをするというような傾向がございますので、そういう点について、親企業にそういうことのないように要望をいたしております。私のほうと公正取引委員会で所管いたしております法律に下請代金支払遅延等防止法という法律がございますが、その法律に基づきまして、問題の会社については検査をするというような体制を即時とっておるところでございます。  ただ、御指摘のように、なかなか下請関係の代金の問題というのは証拠がつかみにくうございます。下請のほうの特殊な地位もございまして、なかなか下請側の協力が得られないというような事情もございまして、したがいまして、そういうような事例がありましたら、遠慮なしに、通産省とか、通産局とか、県とか、あるいは関係団体に申し入れをしていただきたい。それに従って取り締まりをいたしますという趣旨のことをテレビ、ラジオ等を通じまして流しておりまして、そういう申し入れがありますれば、私のほうと公正取引委員会が協力をして取り締まりに当たりたいというふうに考えております。

木原実日本社会党

○木原委員 これで終わりたいと思います。  下請関係につきましては、おっしゃったように、われわれのところへは訴えてきますけれども、自分の名前が出ますとあとがこわい、何か仕返しをされるというような取引上のいろいろの難点があるのが実情なんです。したがいまして、きびしく責任のある親会社に対しての指導なり、あるいは規制の強化をする、あるいは取り締まりを強化をする、こういうことが前提になるわけですが、やはり下請のような構造の中で仕事をしておる中小企業の存在、この辺のかなり構造改善を進めていくという大きな前提を立てるということがやはり抜本的な対策だと思うのですね。特にこういうふうに経済変動がかなりテンポの速い形で次々出てくる段階の中では、やはりそのつど通産省としても相当思い切った問題の提起をして、わが国の特殊な産業構造だといわれる下請のようなものを、逐次それこそ構造改善をしていく、こういう配慮を持っていただきたいと思います。これは要望でございますので、これで終わりたいと思います。

三原朝雄自由民主党

○三原委員長 午後三時三十分より委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。    午後零時二十九分休憩     —————————————    午後四時十三分開議

三原朝雄自由民主党

○三原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  通商産業省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。  質疑の申し出がありますので、これを許します。鈴切康雄君。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 今度の通商産業省設置法の一部を改正する法律案を見てみますと、通産省は二十年ぶりに今度大々的に機構の改革をされることを計画されておりますけれども、内外の社会経済情勢をどのように通産省として認識をされておられるか。その上に立って通産行政を遂行するのに、なぜこれらの機構改革が必要であるのか。そして具体的にその機構改革によってどのように今後生かされていくのか。その点について明確なる御答弁を願いたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 歴史的に見ますと、通産省のいままでの指導精神といいますか、またそれに伴う機構というものは、成長優先、輸出優先、そういう考え方に立ってできたと思います。昔は、商工省あるいは農商務省、あるいは軍需省といった時代がございますが、いずれもこれは明治以来の殖産興業、富国強兵、そういう精神に基づいて指導行政が行なわれていたわけでございます。それで、先進国に追いつく牽引力として通産省は働いたと思います。戦争中は軍需省となって、これまた軍需優先、生産増強、そういった線で来たわけであります。戦後は、戦争に負けてから飢餓の中で日本を再建するために、石炭の傾斜生産をはじめとして、もろもろの増産、成長及び輸出優先、そういうことで通商産業省という名前までつけられて発足したわけです。そういうものの成果があがってきて今日の経済力、生産力が出てきたと思いますが、一九六〇年代から、公害とかそのほかの問題がここへ出てきまして、いままでの成長優先というところに大きな反省が加えられて、福祉優先あるいは経済の均衡、そういうことがいわれるようになってきたわけです。そういう観点に立って、国民福祉を中心にする通産行政へ転換する転回点に来たという自覚を持ちまして、それにはやはり機構からまず改革して、人間の心を改め、志を改め、あるいは官庁の機構そのものもそういう方向に向くように編成がえをして本格的に進めよう、こういうわけで今度の機構改革をお願いしたわけでございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 ヨーロッパから火の手が上がったドル・ショックでございますけれども、それはむしろアメリカの体質、政策、すなわち円対策ということを主とした問題が一番大きな焦点となってきているわけでありますけれども、政府はフロートに追い込まれた反省として、今後は従前の産業構造を改めて、福祉政策に転換をするということを、総理はじめ公約を国民にしておるわけでありますが、はたしてこの機構改革の中にあって、どの局が中心となって所掌し、具体的には改正前の場合とはどう変わってくるかということについて、ひとつ御認識をお聞きしたいわけであります。

和田敏信通商産業大臣官房長

○和田(敏)政府委員 機構改革に至りました基本的なものの考え方に関しましては、ただいま大臣から御答弁のあったとおりでございますが、ややこまかく御説明を補足させていただきますと、国民生活の福祉の追求という観点、並びに、ここまでわが国経済も大きくなりましたので、国際経済社会における調和、さらに、このような調和を遂げて発展をいたしながら、かつ福祉を追求していくためには、知識集約型の方向に通産省の組織を変えたい、こういう考え方に立っております。  いろいろな点が今回の改正に際しては考えられておるわけでございますが、すぐれて御指摘の点に関連の深いことは、まず第一は、現在の重工業局、化学工業局、繊維雑貨局といういわゆる縦割り三原局に関しまして、生産力の強化という観点から、従来は物の生産あるいは業態の類似性に従いまして、最も効率的な組織づくりだと考えておりましたが、ただいまのように福祉型社会への追求ということになりますと、産業、経済の発展もここまで高まってまいりましたので、一には、公害問題あるいは充実した消費生活の要請に対する対応という観点からの行政の振りかわりが必要となり、行政のニーズあるいは共通の問題点等の立場から、新たに三原局を改正をいたしたわけでございます。  と申しますのは、第一に基礎産業局というものをつくりまして、これは公害あるいは立地、総じてわが国経済を運行していくために必要な基礎的な物資の所掌を担当するものでございます。具体的に申せば、従来の化学工業局及び重工業局の鉄鋼部門がこれに統一されております。  第二の点といたしましては機械情報産業局でございますが、これは今後のわが国の知識集約化を推進していくための機構でございまして、電子計算機、あるいはそれに関連しますソフトウェア、航空機等をこの局において実施しようとするものであります。  第三は、生活産業局でございますが、これはいわゆる国民の消費生活に密接に関係がございます衣食住のうち、当省の所掌に属します衣と住を担当するものでございます。このような意味合いにおきまして、生産主体という観点から国民生活一般との関連性の追求というふうに、組織原理を大きく改めた点が福祉追求型の新しい通産省の姿勢をまず端的に示しておるのではなかろうかと思います。  そのほか、これは直接消費生活とは即には関連をいたしませんが、より間接的と申しますか、より基本的にこれに関連する意味合いにおきまして、資源エネルギー庁をつくりまして、国民生活が円滑に行なわれるよう、エネルギーの供給の確保等に関して、今後姿勢を改めて新しい事態に対処する機構として確立をさせていただきたいと考えております。  また、対外関係に関連いたしましては、従来の二局を通商政策局と貿易局に改めまして、対外経済政策の効率的な推進を心がけておる次第でございます。  かように、エネルギー関係、通商関係をそれぞれベースにいたしまして、国民の生活と密接に関係があります縦割り三原局を整備したわけでございますが、それの具体的な活動といたしましては、産業政策局がその頂点に立つものでございまして、その産業政策局におきまして、産業活動と国民生活との接触面を新情勢に対処させながら今後の国民福祉の向上につとめてまいりたいと考えておる次第でございます。具体的に申しますと、この局におきまして、四課、国民の消費生活と直接関連のある課を設けまして、その任務に邁進したいと考えておる次第でございます。なお、立地公害局におきましても、これはネガティブサイドからのチェックを行ないまして、国民生活の質的な充実を担保しようと心がけておる次第でございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 今日まで産業構造の改革というものはつとに必要であると叫ばれてきたわけであります。ところが、今日までそのことを果たせずして、ついに円の切り上げという状態に追い込まれてきた。輸出至上主義的な考え方から新しい経済情勢の変化に対応した七〇年代の産業構造のビジョンというものが、私はやはり必要ではないかと思うのです。そういう点について大臣はどのようにお考えになっておるのか、そのことが一点であります。  それからもう一つは、今後日本は、大企業優先、自国本位の経済成長から、やはり世界共同体として調和のとれた発展をしなければならないという考え方に立った場合、従来の通商局、貿易振興局、企業局はその分担が非常に不明確であって、それらが改組されるといっても、私は多くの疑問が残るのではないかと思うのですが、その責任体制をどのようにお考えになっているかということが二点。  それから、国際経済の多極化現象、南北問題の拡大する中で、従来どおりの産業経済の増大をはかろうとすると、国際経済から孤立することにもなろうかと思います。やはり世界に貢献する貿易構造に変えるためには、これまでの典型的な原料輸入、製品加工型の貿易構造を改め、製品輸入を促進して国際経済社会の発展に貢献し得る産業構造の確立を今後はかっていかなくてはならないと思うのですけれども、その点についてはどのようにお考えになっておるか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 具体的には官房長から御答弁申し上げますが、ビジョンと申しますと、やはり成長優先から福祉指向型、あるいは重化学工業から知識集約型、そういう方向に全体を整正として発展させ展開させる、そういうことがわれわれのビジョンでございます。  いまの三局の点につきましては、いままで貿易振興局と通商局との間に、ややもすると混淆するような感じのこともございました。今度は、通商政策局のもとに国際経済部や経済協力部まで統一いたしまして、大体貿易局は実務を主として担当するというようにより明確になってきておると思います。  それから、国際協調の面はお説のとおりでございまして、日本がこれから経済的な国として発展していくためには、資源やあるいは輸出貿易、あらゆる面において国際協調でやっていかなければ生きていけない国でございますので、その点についてはいままで以上に力を入れてやっていくつもりでございます。具体的には官房長から御答弁申し上げます。

和田敏信通商産業大臣官房長

○和田(敏)政府委員 先生のお尋ねは、今回新しく設置をお願いいたしております通商政策局、貿易局及び産業政策局の間の関連いかんというお尋ねだと承りまして、御答弁申し上げます。  通商政策局におきましては、今後は三本の柱でその行政を実施をしてまいりたいと思っております。と申しますのは、第一が現在通商局で担当しております各市場対策でございます。これはヨーロッパ、アメリカ、共産圏、後進国すべてに関しまして、二国間のわが国の対外経済活動に関しましてその責務を有するものであります。第二点は、国際経済部、これは現在通商局に設置をいたしておりますが、この国際経済部におきましてマルチラテラルな関係を担当いたします。たとえばガット等がさようでございますが、今後わが国の対外経済政策を遂行いたしてまいります場合に、このような多国間交渉がますます重要になっていくことは、現在の通貨の問題、あるいはその他新しい国際ラウンド等の経緯を見ましても明らかなところでございます。さらに、現在貿易振興局に置いてございます経済協力部をこの通商政策局に移しまして、今後、後進国の援助等に関しましてその任を果たそうとするものでございます。これらの三つの機能を総合的、一元的に通商政策局において担当してまいりまして、対外経済政策の遂行に遺憾なきを期さんと志すものでございます。  これに対しまして、貿易局におきましては、輸出入の一元的管理あるいは保険業務等を遂行いたしまして、通商政策局との対応におきまして、その政策を効率的かつ計画的に実施をいたさんとするものでございます。  また、産業政策局におきましては、わが国産業構造、産業組織あるいは企業構造等に関しまして、今後わが国が七〇年代において向こうべき、知識集約化、あるいは省資源、省エネルギー等の政策を担当するものでございます。  このようにして、外に向かいましては通商政策局、国内的な関連におきましては産業政策局がこれを担当してまいり、その総合調整機能は官房においてこれを実施せんとするものでございます。  また、先生より御質問のございました、わが国が原料を輸入し製品を輸出し、その原料の入手においても、また製品の輸出においても、わが国の経済の拡大につれてインパクトが大きくなるので、場合によっては世界経済においてわが国経済が孤立するのではないかというお尋ねを承ったと承知しておりますが、本件に関しましては、まさにそのような事態に立ち至ることを最大の努力をもって回避せんといたすものでございます。  御指摘の製品輸入等に関しましても、それに関連いたしましては、わが国国内産業に与える諸影響等が多々ございますが、今後は、製品輸入等の問題に関しましても、これを積極的に検討してまいり、わが国が調和のある経済的発展を世界経済の場におきまして確保せんといたすものでございます。そのような事態に対処するために、通商政策局及び産業政策局が、国の内外にわたりましての政策を統一的に遂行してまいり、国民の期待におこたえ申し上げたいというのが、今回の設置法の御審議をいただく際の基本的な立場でございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 今後、発展途上国に対する援助という問題がかなり大きなウエートを占めてくると思うのですが、発展途上国に対する援助の改善について、やはり国際分業体制を確立する上からも、経済協力強化をはかると同時に協力のあり方について改善をすべきではないかと思うのですが、その点についてはどのように考えておられますか。

和田敏信通商産業大臣官房長

○和田(敏)政府委員 わが国経済が世界経済において占めます位置が飛躍的に拡大いたしました時点におきまして、経済協力がうまくいくか、あるいはこれが挫折するかが今後の日本の将来の帰趨を決する非常に重大な問題だと考えております。従来、わが国の貿易構造上の観点よりいたしまして、発展途上国に対しての経済協力に関しましても、日本は真に発展途上国の立場に立っての経済協力であるか、あるいは日本国経済を発展させるための行為であって、発展途上国に対する思いやりがあるいはなかったのではないかという世論も、われわれは一部承知しております。今後は、真にわが国経済の発展をはかるためには、これら発展途上国よりのよい評価がなくては、われわれの経済発展もかなうまいという立場に立ちまして、真に経済発展途上国の国民のため及びその経済発展のための協力ということに、一そうの努力を傾注してまいりたいと考えておる次第でございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 今後、海外投資が急速に拡大されることが予想されますけれども、投資受け入れ国との無用な摩擦を起こさないような、投資ルールの確立というのが非常に重要になってくると思うのですけれども、その点についてはどういうことを考えておられるのでしょうか。

増田実通商産業省貿易振興局長

○増田(実)政府委員 ただいまの発展途上国に対する投資につきまして、たとえば韓国あるいはタイにおきまして、日本の投資というものが非常に殺到していると申しますか、非常に急速に最近ふえている。そこにいろいろの摩擦が生じておるということは御指摘のとおりでございますが、それにつきまして、投資をどういう態度でやるかということにつきまして、私どもいわゆるコード・オブ・ビヘービア、つまり投資にあたりましての行動基準というものをひとつつくろうということで、現在その作成を作業中でございます。ただ、これを政府の名前で発表いたしまして、そして海外進出される企業に守っていただくというのがいいか、あるいは、政府がこれの作成を援助しまして民間で取りきめて、そうして民間にこれを守っていただくことにするのがいいかどうか、この点につきまして、現在まだ関係の団体その他と打ち合わせ中でございますが、いずれにいたしましても、今後海外に出ます企業がどういう行動基準でやるべきかというコード・オブ・ビヘービアをつくろうということで準備中でございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 これからの産業構造の転換ということがはかられてまいりますと、それに即応できるのは何といっても大企業であります。しかし、そういう構造転換について即応できないのは、非常に弱い体質を持った中小企業、あるいは零細企業、基盤のないそういう業種だと思うのですけれども、そういうふうな中小企業、零細企業をどのように今後産業構造の中に位置づけをされていくのか。具体的にはどういう対策をお持ちであるのか。その点についてお伺いいたします。

莊清中小企業庁長官

○莊政府委員 中小企業は企業数で全企業の九四%、製造業の出荷額でも約五〇%を占めております。それから輸出でも、徐々に比率は下がっておりますが、総輸出の約三分の一というものを占めております。これはヨーロッパ等においても大体似ておるものと存じますが、産業の中で占める中小企業の比率というものは非常に大きいわけでございます。ただ、業種、業態が非常に多岐にわたっておるということと、中小なるがゆえにどうしても企業力が弱いというハンディキャップがございます。しかも国民経済の中で占める全体のウエートは非常に高いし、これなくして国民経済の全体の均衝ある発展ははかれないというわけでございます。  そこで、内外の経済事情、社会事情の変化というものは昨今非常に強いわけでございますが、こういう内外の条件変化に対応して、中小企業が今後も的確にそれに対応していくということが国民経済全体の健全な発展のために不可欠でございます。従来からも戦後一貫して、中小企業はもろもろの内外情勢の変化に非常に努力をして対応してきたからこそ、今日のわが国経済がここまで復興したということがよくいわれるわけでございますが、一昨年来の一次、それから今回の第二次のドル・ショックというものはまことに大きな環境変化でございます。そこで、いろいろな輸出比率の高い、しかも労働集約性の高い商品を主としてつくっている輸出産地では、非常な困難に直面しております。  私どもは、来年度予算とか財投とか、税の中でも、中小企業の事業転換、これを極力お助けするという意味で施策は一応用意してございますが、今回の事態でも、事業転換を含む近代化構造というものを成功させていくことが、当面の緊急対策と並んでぜひ必要だと思います。産地によって、また業種、業態によって事情が一律ではございませんので、やはり企業も考えてもらわなければなりませんが、企業からの計画が出てくるのを待っているだけでは、私はこれは機を失すると思います。そこで、やはり通産省が中心となりまして、関係都道府県と一体となりまして、たとえば重要な輸出産地には企業の診断チームと申しますか、そういうコンサルティングチームを派遣して、やはり産地の今後のあり方というものについて徹底的な分析を行ない、方法をひとつ考えてあげる。業界のほうでもまた、それを見て自主的に考え、意見の一致したところで、いろいろな法律、制度もございますし、予算、財投の措置もございますから、その上に乗せていく。これを四十八年度の中小企業政策の重要な柱に私どもはいたしたい、かように考えております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 いまはからずも、再度のドル・ショックに対する中小企業の問題のお話がありました。実は私のところにも、このところ毎日のように、中小企業の輸出をしておった方々から、再度のドル・ショックによって受ける影響の大きさということを物語るように、陳情あるいはそういうお手紙をちょうだいしているわけです。このままでいきますと、零細企業の輸出業者というものは、ほんとうにあと一月もつかもたないかというような状態に追い込まれてきているんじゃないかと私は思うのです。そこで私、先ほどは通産省の機構についていろいろ御質問申し上げましたけれども、きょうは特に中小企業対策、すなわちドル・ショックによる中小企業対策に問題をしぼりまして御質問を申し上げたい、こう思います。  そこで、昭和四十六年の十二月の初めの円の切り上げ、これは一六・八八%であったわけでありますけれども、それと今回の四十八年一月の円の切り上げと、二回にわたって行なわれたわけでありますが、私は、これは本質的な違いというものがたいへんにあろうかというように思うのです。それでまず、前回のと再度の円の切り上げとの違いをどのように認識されているか、それについてちょっとお伺いします。

莊清中小企業庁長官

○莊政府委員 一言で申しますと、第一回目は文字どおり第一回目でございます。今回は、第一回目で相当痛手を受けた中小企業が、一生懸命努力して新しい事態に対応しようとしておるやさきに、また重なってきたということでございます。もちろん一部には、比較的恵まれた条件下の業種もないわけではございません。しかし、第一次のドル・ショックで相当痛手を受けた労働集約性の高い業種というものは、今回は二倍ではなくて二倍プラスアルファの打撃を受けておる、これが基本的な点だろうと思います。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 私もその点は同感なんですが、要するにダブルパンチを受けたということ、ドル・ショックを受けたその立ち直りが、ようやくつくかつかないかの時点においてまたこういう問題が起きたということは、先ほどあなたがおっしゃったように、倍どころの騒ぎではない、私もそう思うのです。  それから前回は、三百六十円で変動相場制になったときに、これで円の切り上げがあるということが大体予測されておったために、業者のほうでは三百十円ぐらいの輸出ということできめておったわけですが、実際には三百八円になったわけであります。それは、当然円の切り上げに伴うところの打撃というものは大きかったでしょうけれども、今回ほどの打撃とはいえないのじゃないかと私は思うのです。ところが今回は、御存じのように二百八十円から二百九十円で輸出契約をしていたが、ドルの切り下げでもうすでに二百七十円になってしまった。そして、そのように採算を割り、変動相場制になって、実質的には二〇%にもなんなんとするような切り上げがあるのではないかというふうになれば、これは当然かなり大きなパンチになろうかと思うわけでありますが、その点の認識ですね。あなたがおっしゃったこともさることながら、今度再び行なわれたドル・ショックというものは意外と大きいということで、中小企業庁のほうでは、おそらくこの問題は相当深刻に受けとめられておるんではないかと思うのですが、もう一度認識をお聞きします。

莊清中小企業庁長官

○莊政府委員 今回のドル・ショック以前に、企業は自衛措置と申しますか、中小企業でも二百八十円くらいのレートで取引をしておるというものも相当ございます。問題は、それが余裕をはき出したぎりぎりの線が非常に多かったということでございます。三百六十円から三百八円に下がったとき、金額では非常に大きな下がりでございますけれども、三百六十円レートではわりあい楽であったものもございますから、今回の二十円、三十円の下げは、実質的には非常に大きくからだにこたえるわけであります。すでに相当荷物を背負っておるところに少し載せられたという場合と、ほとんど背負ってないところに初めて少ししょわされる場合と、この差でございます。そういうように私どもは認識しておりますし、またそれが業種、業態によって非常に大きく明暗が分かれるようになってきておる、ここがまた第二次ショックの非常に問題な点だと思います。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 前回の第一回のドル・ショックのときに、中小企業の対策といたしまして、緊急な金融措置、外貨預託制度等いろいろの措置を講ぜられたわけでありますけれども、昭和四十六年ですからもうかれこれ二年有余になるわけですが、それはどういうふうな効果があったというふうに認識をされておりましょうか。

莊清中小企業庁長官

○莊政府委員 簡単に申し上げますと、第一次ドル・ショックの際、政府関係三機関から約千八百億の緊急融資を特利で行なっております。また、保険制度を改正いたしまして、特別の有利な条件で約八百億円程度の民間からの借り入れが可能なような保険制度を行ないました。それが国内の金融措置のおもなものでございます。それともう一つ大きな施策として為替予約制度を実施いたしました。それによって、本来ならば予約できず、したがって輸出契約ができなかったであろう輸出が八億ドル契約できた。しかもそれは二、三カ月の短い予約制度をやっておった。二、三カ月の短い期間ではございますけれども八億ドルというものがその間に契約されたということでございまして、その後、業界の人に直接会って私聞いたことがございますけれども、この予約制度と緊急融資なかりせばわが業界は壊滅しておったろうということを、いろんな業種の方から伺ったわけでございます。  これは数字的にも非常に分析しにくいと思いますが、その後わが国経済は、幸いにして昨年一年間ゆるやかな上昇過程に入ったわけでございます。金融もゆるみ内需も振興されたというふうな恵まれた条件が重なりましたので、それらの緊急措置や緩和措置と経済全体の基調がいいほうに行ったということが重なりまして、中小企業は全般としては比較的平穏裏に推移したと思います。中小企業の鉱工業生産指数は昨年一年間で五%上昇したし、輸出は円ベースで一・五%の減少、ドルでは十数%の増加。したがいまして、緊急措置なかりせば、国内経済がいかに安定的に伸びても、中小企業はそれに乗り得なかった産地などが非常に多かったろう。私どもは、そこを非常に重視しておるわけでございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 今回は、先ほどから論議をしている中で、非常なダブルパンチでドル・ショックというものは大きいという判断をされておるというわけでありますけれども、私も、中小輸出業者の打撃というものは予想以上に大きいというように思っております。ゆえに政府のほうも、万全の措置を講ずるというふうに本会議あるいは予算委員会等で言っておりますけれども、具体的にはどういうふうな対策を講じられるのか、その点についてお伺いいたします。

莊清中小企業庁長官

○莊政府委員 すでに実施済みの措置でございますが、金融も、第一次ショックのときと違いまして、全般的に引き締め基調に移りつつありますので、この際最も重要な事項として、大蔵省と一緒になりまして、全国の金融機関に対して、中小企業向けの融資を弾力的に行なうようにという強い要請を行なったわけでございます。これを受けて市中銀行も、中小企業向けの貸し出し残高を減らすのじゃなくてふやすという決議をしていただいております。  それから、第一次のときに非常に混乱がございましたので、輸出の現物の為替の買い取り、これは特に中小企業に重点を置いて必ず励行するということも同様に措置いたしております。それから、前回行ないました為替予約制度、これは二月二十日に閣議了解がございまして、すでに発足いたしております。  このほか、中小企業関係の政府系の三機関がございますが、そこに対しても、とりあえず、中小企業向けの金融に不安なきよう弾力的な措置を講ずべき旨すでに通達をいたしております。  さらに、下請企業への支払い代金の悪化というふうな事態を未然に避けまするために、親企業団体に対しまして、通産大臣及び公取委員長の名前で厳重な通達をいたしておりまするし、事務的にも、下請企業を対象に二千数百社に対して、その後の支払い条件の推移がどうなっておるかということについて、いま調査表を送りまして調査をしておるということでございます。  これらはすべていままでに講じた措置でございますが、今後とるべくいま大蔵省と検討いたしております措置は、一つは緊急融資の第二回目の実施でございます。もう一つは、第一回目に行ないました緊急融資の返済期限が来ておりまするので、それの返済猶予を実施するという点でございます。この二点に重点を置きましていま大蔵省と検討をいたしております。さらに、ややこまかくなりまするが、政府から県を通じまして貸し付けております設備近代化資金というようなものの返済猶予についても、前回同様の措置を講ずべく、いま財政当局と細部について打ち合わせをいたし  ております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 その問題については、またこまかくお聞きいたしますけれども、円の切り上げによって一番大きな打撃を受ける産地産業あるいは業種について、政府として、今度のこのドル・ショックについては、どういう業種であるかというふうに調査をされておりますか。

莊清中小企業庁長官

○莊政府委員 業種別の調査表はいまちょっと手元にございませんが、通産局を使いまして、とりあえず九十八の代表的な輸出産地について調査を行ないました。さっそくの調査でございましたので、業界のほうでも、とまどいぎみと申しますか、海外の事情等十分わかりかねるということで、その後何回か現地とも打ち合わせを続けておりまして、その実態の把握につとめております。  先ほど来何回も申し上げておりまするように、今回のショックの最も強いグループというのは、やはり輸出比率が非常に高くて、かつその産業の性格上労働集約度が高いという業種、これがやはり、後進国の追い上げ、あるいは生産性向上に限界があるというふうなところから、非常に苦境に立っておるということでございまして、業種によりましては、輸出が五〇%から減ってしまうだろうというふうなこと、あるいはバイヤーとの話にまだ入れずにおる、こういう非常な窮状を訴えておる業種がございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 昨年のドル・ショックで実質的な円の切り上げによるショックを受けた業種というものは、今度のこのダブルショックによってかなりの被害を受けることはもうきまっているわけです。いまあなたが、九十八社に対して実態を調べているけれども実際にはまだ正確なそれは出てこないというふうにおっしゃっても、もうすでにいま契約ができないというような状態の中に追い込まれながら、金融もつかないというふうな状態に置かれているところの産地産業というものは、実際においてたくさんあるわけです。私は、それに対して一日も早く政府の手を差し伸べてあげなくてはならないと思う。確かに調べることは大切であるでしょうけれども、もうすでにそういうふうなことが予想されているところの業種は、何らかの措置をいま手を伸ばして待っている。実際の業界ではそのように政府に願っていると私は思うのです。それに対して、すでに再度のドル・ショックを受けて日にちがたっているにもかかわらず、実際にまだその調査が行き届いていないということは少し怠慢じゃないか、私はそのように思うのですが、もう一度その点について……。

莊清中小企業庁長官

○莊政府委員 私ども事務当局としては最善の努力をいたしておるつもりでございますが、第二次緊急対策というものを政府全体としてきめるというまでにはまだ至っておらないわけでございます。ただし、先ほども申し上げましたとおり、第一次のときの緊急融資の返済猶予、それから第二次緊急融資の実施ということは、企業としてものどから手が出るということで、私どももよく承知いたしております。いずれ近日中には、政府としても具体的な財政措置を裏づけにいたしまして、方針をきめるつもりで努力しておるわけでございますが、それまでの間、政府関係の金融機関に対しましては、貸し出しを弾力的に行なうという指示をいたしております。いずれ正式の措置がきまりましたならば貸し付け条件等もはっきりするわけでございますから、金だけはとにかくどうしてもつなぎが要るという人には、将来の対策がきまる前提で、とりあえず現在の条件ということになりますが、とりあえず出してほしい。金融がショートして倒産するというふうなことはさせないようにということもやっております。それから、ドル・ショック後返済期限が来てしまった、そういうものにつきましては、どうせ返済猶予の措置を財政措置を裏づけに正式にきめるわけでございますから、その間、返済については希望があれば待っておるということも、弾力的な措置の中に含めて実は通達をいたしております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 実は私陳情を受けた方は、京浜工業地帯、しかも品川を中心としてのいわゆるクリスマス電球、これを輸出しているところは、初めのドル・ショックもかなり大きなショックを受けました。引き続いてダブルショックで、今度の場合においては、大部分の業種がこのままでいくならば倒産に追い込まれるのじゃないか、そういうことで悲壮な状態に現在あるわけでありますけれども、このクリスマス電球等の産地産業については、中小企業庁ではどのように実態を掌握されておりましょうか。

莊清中小企業庁長官

○莊政府委員 クリスマス電球業界は、典型的な第二次ショックでの打撃の大きい業種でございます。第一次のショック以来、企業数が約半数に減少いたしておりまして、転廃業が相次ぎまして、現在、全国で六十程度、東京に五十くらいのものがあり、あとは秋田のほうに団地をつくって移転をしておるということでございます。秋田のほうのものは協同組合をつくりまして、共同事業の形で韓国に進出するということがきまりまして、現在実行中でございます。また共同出資会社をつくりまして、そこで弱電部品等の下請を行なおうというふうな転換を進めつつございますが、東京にあります五十ほどの企業というのは、まだそこまで実は至っておりません。  先日も私、この代表の方に役所でお目にかかりましたが、その中で組合に所属しておられる方、これは近く組合の中でそれぞれ話し合いをいたしまして、一部は北海道のほうへ団地をつくっていって、そこで弱電部品を主として生産するという計画がございます。そういう計画も従来からあったのでございますが、三月の下旬に総会を開きましてきめようというような、自主的な努力をしておられます。これがきまりましたならば、政府としても金融面で最大限の援助をいたしたいと考えております。また、転廃業に踏み切らざるを得ないのじゃないかというお考えの企業も相当数あるようでございまして、せんだってお目にかかりましたとき、私どもは、転廃業の希望があれば、受注ルートを大きくする意味で、個々ばらばらでは非常に不利であるから、ひとつ組合にまとまって通産省に申し出てもらいたい。現に秋田では、転廃業の希望の者に対しましては、通産省が仲へ立ちまして、ごく近日中に、電機工業会と電子機械工業会の代表者とクリスマス電球の代表の方と会っていただく、そして具体的な商談の第一歩を始めていただくというようなことを実は進めております。東京でもそういうことをするから、組合の中でこういうことを前提にひとつ話をして意向を固めてみたらどうか、こういう話もしております。組合から具体的な希望があれば通産省として最大限の援助をいたしたい、かように考えております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 これもやはり、発展途上国である韓国、台湾、この追い上げが非常に激しいという状況下において、先行きなかなかむずかしい問題があろうかと思いますけれども、今後の輸出見込みといったようなことに関連して、今後のクリスマス電球の業界については、中小企業庁としてはどういうふうにお考えになっておるのか。またクリスマス電球の輸出状況はどういうふうになっていくのか。また、いままでわが国の経済に貢献してきたこれらの業種に対して、今後政府としては、どういう姿に持っていったらよいかという具体的な措置というもの、これはどういうふうにお考えでしょうか。

莊清中小企業庁長官

○莊政府委員 クリスマス電球の生産は、四十七年一年間で全体で五十三億程度でございます。このうち輸出が四十六億、ほとんど対米輸出であります。アメリカにおける日本のシェアというのが、いまお話がございました台湾、韓国に食われまして、四十五年には日本製品が八割であった、それが四十七年には五割になっております。その差は全部台湾、韓国が進出しておりますし、輸出価格では相当な差が今日出ておるようでございます。輸出でございますが、昨年一年間、つまりドル・ショック後は一年間で、前の一年間に対して金額で二四%くらいダウンになっております。これは輸出数量が八%ほど減ったことと、輸出単価が二八%ほど下がったという点でございます。これは切り上げの影響でございます。  労働集約性の高い商品でございまするし、またクリスマス電球というのは、宗教上の一種の制約があるようでございまして、単なる品種の高度化とか高級化ということでは逆に需要がなくなる。同じものをいつも向こうでは使うというふうな非常に不利な条件がございます。内需も、御案内のように、わが国では限られた数しかクリスマス電球としては使われない。したがいまして、この産業の伸びていく道は一つには海外進出でございます。すでに台湾、韓国に四社出ておりますし、最近では韓国に進出することがすでに確定済みで実施中というものが四社ほどございます。日本のすぐれた技術で海外の安い労働力と結んで、従来開拓した日本の輸出チャンネルを使いましてアメリカに出していくということは一つの行き方でございます。これは海外でクリスマス電球の需要というものは伸びておりますから、海外に出ればこれは見込みのある産業だと思います。  ただ国内では、クリスマス電球自体は内需にはあまり向きませんので、現在ある設備、それから長年の技術というものを活用いたしまして、より市場性の高い電球に伸びていくということがやはり転換を行なう際の基本だと思います。私ども今後、東京の業者の方にもそういう考え方でひとつ助言をいたしたいと思います。たとえば蛍光灯の横についておりますナツメ球という小さなパイロットランプがございますが、これなどは非常に国内で伸びている分野でございまして、これに向かって転業した企業もすでにございまするし、あるいは電子計算機の表示盤、これも非常な内外の需要があるわけでございます。電子部品でございますとか、こういうところに従来の技術、経験というものが相当に生かせるようでございまして、これに転業をして成功している企業もございます。その他、従来の技術、経験というもの、それだけではいけないと思いますが、それを基礎にまた新しい技術を加えてやっていくならば、クリスマス電球からそちらのほうへ徐々に品目を切りかえていくということが可能ではないかと思います。そのために必要な運転資金、設備資金等につきましては、政府関係の金融機関からなるべくソフトな条件で融資をするということが可能でございます。  また、個々の企業に対して、どういう企業の下請になるかとか、あるいは部品の注文をもらうかというふうなことにつきましても、たとえば東京都の場合でも、これは各県にございますけれども、下請振興協会というふうなものがございまして、そこに各県と通産省とで半分ずつ補助金を出して事業をやらしておる、こういうものもございますから、東京の場合には、私どものほうから東京の下請振興協会にさっそく話をいたしまして、業界の人たちと懇談もさせるというふうな手はずもいまやっておるところでございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 そうしますと、中小企業庁のほうの見通しといたしましては、労働力の安い海外に進出をする道が一つと、それからもう一つは、いわゆる労働集約的というような業界としては、今後はもう少し知識集約的なものになっていかなくなくては、クリスマス電球を含めて、たとえばグローブ、ミット、双眼鏡、洋がさ、あるいは金属洋食器や陶磁器、スカーフとか、そういうような産業の生きる道はないのだ、そういうふうにお考えになっておりましょうか。

莊清中小企業庁長官

○莊政府委員 基本的にさようでございます。また、そういう方向へ向かうことは、決して消極的な、先行きに何ら望みのないというふうなことではなくて、まあ過去においても、いろいろな産業分野で多かれ少なかれそういうことはございました。日本の中小企業は一人一人がやはりたいへん優秀な経営者だというふうに私どもは考えておるわけでございます。政府の施策よろしきを得て、そういう企業者のすぐれた資質と努力というものが実際に実を結びますように今後も努力をいたしたいと思います。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 これらの業界の方々は、長年いわゆるクリスマス電球にしがみついて、そしてその技術を今日までずっともってきたわけですが、ドル・ショックを受けた企業の転廃業というものはなかなかむずかしい問題であると同時に、それをそれなりに転廃業をするということは、かなりの金融的な対策等も必要になってくるわけであります。今度の対策については、一つは下請対策、それからもう一つは金融対策、あるいは為替差損、税制上の措置、業種転換の問題が考えられますけれども、先ほどお話がありました金融対策について、信用保証協会の保証、すなわち別ワクという特例を前に設けられたわけでありますけれども、あれは一年で一応暫定期間というものが置いてあるわけでありまして、もうすでにその期間は過ぎているわけであります。いまあなたのおっしゃる、信用保証協会の保証の特例がさらに新しくここで緊急に必要であるというお考えに立っているわけでありますけれども、実際にこの下請、ダブルパンチを受けた業種は、一刻も早くその緊急対策を必要とするわけでありますけれども、はっきり言って、いっその対策がとられますか。これはもう私がその業界になりかわって、いついつにそういうふうな措置をとるのだというふうになりませんと、それに対して、これからどういうふうにやっていくかというふうなめどがつかないわけですから、その点についてはっきりお答えいただきたい。

莊清中小企業庁長官

○莊政府委員 ドル・ショック対策としての信用保険制度の充実でございまするけれども、仰せのとおり、前回の措置はすでに切れております。したがいましてもう一度あの措置を復活させたい。このためには、いわゆるドル対策法のその部分の規定の改正延長が必要になりますので、財政当局と、そのために必要な予算措置につきまして、目下交渉いたしております。それがきまり次第、ドル対策法の改正というものを、国会のほうに通産省としてはぜひ提出させていただきたい、かように考えて、いま条文等も内部で検討をいたしております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 大体それはいつごろになる予定ですか。

莊清中小企業庁長官

○莊政府委員 財政当局との折衝は、予算時期に、ことしの春、お正月明けにやったわけでございますが、私ども中小企業庁は目下同じことの二回目を実はやっておりまして、大蔵省も私どももだいぶへとへとになってきておるわけでございますが、細部の詰めが若干残っておりますので、なお若干日は要るかと思いますが、私どもとしては、早急に国会にお出ししたい、かように考えて、法案につきましても具体的に法制局まで持ち込んで、実は先回りをしていろいろ審査もやっていただいておるというところまで努力をいたしておりますので、これはもう大蔵省と話がつき次第出す。何日にというところまでは実は私ここでまだお返事しかねますが、早急にということでございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 早急に出すというお話でありますので、それを一日も早く期待したいわけであります。いかんせん政府の緊急融資という問題がはっきりしませんと、ドル・ショックを受けている方々が今後どういうふうな方向に進んでいくかという見通しが、実際につかないわけですね。そういう意味において、これはもう早急にやっていただきたい、私はこう思います。  それから、現行普通保険が約二千五百万円、それから無担保保険が三百万円、特別小口が八十万円というように保証されておりますけれども、言うならば、保証つきの融資についても、民間の金融機関で保証されたからといって必ずしもすぐに金融を受けられないという、そういう例も実際にはあるわけですね。そればかりじゃありません。実際にドル・ショックを受けてまいります業界に対しては、金融機関自体も、経営の内容を調べるとか、あるいはそういうふうなことで、案外にわれわれが考えている以上になかなかむずかしい点があります。やはり私は、少なくともこのドル・ショックを受けた業界等に対してのあれは一日も早く救ってあげる。しかも、その調査をしているためにすでに手おくれであったというような状態が起こらないような行政処置というものが必要ではないかと思うのですけれども、やはり企業ペースにある民間金融会社は、選別融資ということをまだまだやっているというような感じを受けるのですが、その点についてひとつ。

莊清中小企業庁長官

○莊政府委員 ドル・ショック関係の企業に対する融資については特段の配慮を払うように、ごく最近も、大蔵大臣にじきじき金融機関のほうに行政指導をしていただいたということもございますが、なるほど先生お話のように、やはりこれは取引でございますから、市中の金融機関は、従来の取引があるとかないとか、クレジットラインをあまりこえすぎても困るというようなことで、保険制度があっても実際上は必ずしもスピーディに事が運んでないということが私はあると思います。そこでやはり、こういう緊急融資の際に中核になるべきものは政府の中小企業金融の専門機関でございます。国民金融公庫、これは零細な人専門にやっておりますし、あと商工中金、中小企業金融公庫がございますので、この三機関を通じて思い切って金融をつけていく。これは政府でございますから、民間よりも政策的な金融をこういう際にはやるわけでございますが、こういうことで前回も対処いたしましたし、今回も保険制度も改正いたしますけれども、それよりも中小三機関からの融資、これに私どもはより重点を置いて、政策的にこれが中心だという認識をもってきめていきたいと思います。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 私はやはりそれが大切だと思うのです。政府が緊急措置の金融対策をとるという姿勢がないと、どうしても町の金融機関というものはそれに追随してこない。政府がドル・ショックに対して、とにかく金融の面で、一人も倒れる者がないのだというような、そういう積極的な姿勢があってこそ初めて、市中銀行もそれについてくるようなかっこうになるわけですから、その点については、私はやはり、政府のその姿勢というものは一番大切じゃないか、こう思うのです。  前のドル・ショックのときにたしか千八百億くらいを予想されておったと私は思うのですけれども、今度はそれに対してのあれをどれくらい予想されておりましょうか。

莊清中小企業庁長官

○莊政府委員 現在、大蔵省と細部にわたって折衝中でございますので、ちょっとこの席で申しかねるのでございますが、前回のときは閣議決定しまして、千五百億円融資をしたわけでございます。それで半年ほどやりまして、四十六年度末に三百億円また追加をして、合計千八百億円ということでございます。私どもは、今回の融資規模は、その千五百億円に対しましては、相当大幅な増加というものはぜひ確保しなければいかぬと思っております。もちろん今回は前回と違いまして、企業がこれだけのショック緩和のための緊急の資金繰りが要る、それに対して融資していくわけでございますが、企業がその資金繰りの第一にあげるものは、返済するつもりでおった第一回の融資、これをひとつしばらくたな上げにしてほしい、そうすれば息がつける、なお、それで足りないから第二回目の緊急融資を新たに準備して貸し増しをしてほしい、こういう両方の合計が資金需要として私どもの手元に出てきております。したがいまして、新規の貸し出しだけでなく返済猶予というものが、第二回目は一回目と違って出てきております。その返済猶予も新規の分も両方含めまして、これは当然に二千億以上のものを確保しなければ、私どもの調査した結果に対してこれは足りない。大蔵省にもそこのところを強くお願いしておるということでございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 先ほど、前回のドル・ショックに対しては千五百億で、さらに必要があったために三百億追加して千八百億になった。千五百億に対しては、今度は大幅ないわゆる財投の手当をするという話でありますけれども、いまお話の中にちょっと出た二千億という線、これは巷間伝えられるところの数字ですけれども、二千億を大幅に上回るというようなことはありませんか。

莊清中小企業庁長官

○莊政府委員 私ども三千億、四千億というふうなことは、これは調査の結果も、政府関係機関からの融資の問題としては、実際に必要はないものと考えております。返済猶予分を含めまして、資金繰りを緩和すべき政府系三機関からの総額というものは、二千億を上回る規模のものをぜひ確保する必要がある、私どもはそう考えていま大蔵省とこまかく折衝いたしております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 信用保証協会が信用を保証することによって代位弁済が出てくることも考えられるので、政府としてこの保証協会に対して何らかの考慮をしなくてはならないんじゃないか、私はこういうように思うのですけれども、その点についてはどうお考えになりますか。

莊清中小企業庁長官

○莊政府委員 全く御指摘のとおりでございます。これは一般会計の問題になるわけでございますが、信用保証協会に対しましても補助金を出すとか、あるいは基金を信用保険公庫に入れまして、そこから貸すようにするとか、何らかの助成手段を講ずる、そして信用保証協会が動きいいようにするということは絶対必要でございます。この点もいま大蔵省と折衝中の事項に入っております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 前回、保証協会は、中小企業が支払い不可能なときには全額保証協会から銀行に返済をする、そういうシステムをとっているわけであります。返済をした額の八〇%が保険公庫から保険金として支払われるようになっているわけでありますけれども、実際には二〇%保証協会の持ち出しになっているわけですね。ドル・ショックの場合には、性質上、保証協会の持ち出しが非常に多くなる、このように私は思うわけであります。そうなると保証協会は、いわゆる自分の持ち出しが多くなってまいりますと、手持ち資金というものがだんだんと少なくなっていくということになって、結局は貸すことを渋ってしまうというようなことが考えられるわけでありますけれども、そういう点から、それはぜひとも補助金を出すべきではないか。また保険公庫の融資基金を増額するという考え方ですね、これに立たなくちゃいけないと思うのですけれども、大体どれくらいの金額を予想されておりましょうか。

莊清中小企業庁長官

○莊政府委員 実は第一次のときには、信用保証協会に対して、一億円だったと記憶しておりますが、補助金が支出されたわけでございます。今回もそれの同額以上の規模でいま大蔵省と折衝をいたしております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 前回のときには、外国為替資金特別会計から外為銀行にどれだけ預託をされておりましたか。またどれくらい活用されたのか。今回はどれくらい外貨預託をする考えなのか。対象になる中小企業の範囲についてはどう考えておられるのか。同じ規模であるか、それとも範囲を拡大するつもりなのか。その点についてはどのようにお考えですか。

莊清中小企業庁長官

○莊政府委員 為替予約のために必要な外貨預託は、第一次の場合には約八億ドルでございました。現在はまだスタートしたばかりでございまするので、金額は、これは大蔵省が管理いたしておりますのでは、一億ドルないし二億ドル程度の規模ではないかというふうに考えております。現在、外国為替市場が閉鎖になっておりまするが、再開になりまして今後も予約の実需が出てきましたならば、それに対しては支障のないように、金額には歯どめをつけずに外貨のある限り預託をする、こういう前提であの制度は閣議了解されておる、さように私どもは了解いたしております。  それから、対象になります中小企業者の範囲でございますが、実は今回の閣議了解では前回よりも若干の拡充をいたしております。前回のときには、産地の協同組合それ自体、あるいは商工組合それ自体というものが対象にならない形になっておりました。そのために実は若干の産地で支障を生じた経験がございますので、今回は、組合自体も中小企業として扱う、組合自体も予約が利用できる。これは組合が共同で輸出をする事業主体になる場合でございまして、それも対象にすることを今回きめたわけでございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 今回通産省は、昭和四十八年二月十四日付で通達を出されたというふうに聞いております。その通達の内容は、円の切り上げによる影響というものは、親企業も、また下請企業も同じである、特に親企業は、下請企業に対しての支払いをおくらせるとか、あるいは単価を切り下げてはならないという内容の通達を出されているというふうに私は記憶しておりますけれども、ただ、その通達だけではたして下請が圧迫を受けないかどうかということは、これは私は非常に問題だと思うんです。私は、むしろ下請を圧迫しないという新しい方向を何らか見出さなくちゃならぬのじゃないか、ただ通達だけの問題では済まされないんじゃないかというふうに思うのですけれども、その点についてはどういうふうにお考えですか。

莊清中小企業庁長官

○莊政府委員 この下請の問題は、下請代金支払遅延等防止法という法律まであるわけでございますが、昔からよくざる法といわれておって、経済の実勢に応じまして、非常な不況に落ち込んでいくというふうなときには、国全体でどうしても企業間の支払いが遅延してくるということが避け得ない面がございまして、今回も、ドル・ショックで大企業の輸出が非常に困難になるというふうなこととか、あるいは金融が全般的に引き締め基調に向かっていくというふうなことから、そのしわが下請企業にまず寄せられるということでは、中小企業政策としていかにドル対策、緊急対策を講じましても、どうにもなりませんので、この点、親企業の協力というものを非常に強く要請しておるわけでございます。  同時にまた、国全体のこれからの経済運営の問題でございますが、わが国経済も非常にむずかしい内外の事情に直面しておるわけでございますけれども、中小企業のドル対策を円滑に軌道に乗せていくためには、やはりわが国経済全体の姿を安定成長路線の上にしっかりと据えていく、これが基本的に大切だということを常々非常に感じておるわけでございます。この基調がくずれて非常にデフレ的な状態にでもなっていくということがかりにありましたならば、中小企業対策というものもなかなか所期の効果をあげにくくなってくる、こういうことを憂慮いたしておるわけであります。これは政府全体の経済のかじ取りの問題でございますが、政府としても、中小企業対策は万全を期するということでございますので、財政金融政策、それから為替管理政策すべての面にわたって、いまも大蔵省で相当こまかい配慮をしていただいておるというふうに了解をいたしております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 実は三年前に、たしか下請中小企業振興法というのができておるわけでありますけれども、実際にこれが十分に活用されていない、そういう向きがあろうかと思います。下請中小企業振興法というものによって、現在それでは幾つの企業がそういうふうなシステムをとっているかということになりますと、おそらく三年たった今日、まだまだ数えるほどしかないんじゃないかと私は思うのです。こういうふうなものについて今後行政指導をどんどんやっていかなくちゃならぬのじゃないか。それによる一貫した親企業と下請企業との間の問題を解決していかなくちゃならないということが一つと、それからまた、このいわゆる下請中小企業振興法に適合できないような零細企業、これもたくさんあると私は思いますけれども、そういうものに対しても、私は、ただ単に親企業のほうに対しての通達、それからまた、下請企業としていうならば、もしそういう被害があったならばいつでも言っていらっしゃい、こういうふうなただ単なる通達では、実際にそれが行なわれているかどうかということは非常にむずかしい問題であり、また下請にしてみれば、親企業あっての下請けでありますから、そういう点で、たとえそういうような状態が繰り返されるような状態になっても、上のほうへ、こういう状態でありますというふうに言うことは、なかなかむずかしい問題ではないか。そこで私は、通達を出したというので、それでよいというのでなくして、やはり実態を調査すべきではないか。それと同時に行政指導というものを適所にこれをやっていかなければならない。また、言うならば、そういう苦情相談所というものをどこに窓口を置いてやられるのか、その点についてひとつ。

莊清中小企業庁長官

○莊政府委員 下請中小企業振興法は、私は政策としては非常に進んだ思想のものだと思います。いま先生は、親企業あっての下請ということをおっしゃいましたが、実は機械工業などでは、下請あっての親企業ということが十分また同時にいえると思います。日本の自動車工業があそこまで伸びたのは、アメリカに次いで優秀な下請企業が十分整備されたからでございます。そこで下請法では、親と子が一緒になって組合をつくる、そして下請の発注を幾らするかというふうなことを組合の中で一緒になってきめなさい、それから親と子が一緒になって組合の事業として下請事業者の共同設備などをつくるようにしなさい、決意をしなさい、そうすれば政府が資金的な援助をいたします、こういうことでございますから、考え方としては、私は非常に進んだ考え方に立っておるりっぱな政策だと思います。  ただ、不幸にして法律ができたとたんに不況に入りました。親企業の下請に対する長期の発注計画をなかなか明示しにくいという状態が一年あり、その後は第一次ドル・ショックの一年でございます。また第二次になったということで、あまり組合が結成されておりません。ただ最近、行政指導の結果、造船関係の下請でございますけれども、二つの組合がいま認可申請をいたしてきております。合計三つになるわけでございます。三つというのは非常に少のうございますが、電気機械等では相当必要だと思いますので、実は各業界ごとに下請振興組合の結成推進に関する推進委の制度というのをつくりまして、業界の代表者も任命いたしましたし、通産省の担当の課長も任命いたしました。その委員会をつくって、各業種ごとに、法律の説明から下請と親企業の会合というふうなことまで、これは最初のことでございますから、役所が実際に前面に出て推進を昨年の秋以降続けております。名前はまだ具体的にはちょっと発表いたしかねますけれども、他の造船所でもいまかなり話が進んでおるようでございますし、重電機関係でも、幾つかの会社で、これの組合の結成を行なうべく相当突っ込んで話がいま進行中でございます。なかなか実際上、取引の関係でございますから、むずかしいのでございますけれども、すぐれた政策でありますので、今後もさらに努力をいたしたいと思います。  下請代金の支払いの問題でございますが、これは御案内のように、独禁法上の不公正競争になる、支払い遅延ということで。公正取引委員会が最終的には審判でさばくというふうな構成になっております。したがいまして、そういう特殊な仕事でございますから、民間機関その他で苦情を取り次いでくれというふうなわけにもなかなかまいらないと思いますし、私どもは、従来、調査する場合にも、調査表だけ送るとほとんど回答がない、これではいけないということで、実際に会って、秘密を守るということで実情をよく把握する、こういう努力を今後は相当強化すべきではないか。調査のほうも拡充いたしたいと思いますが、そういう足でかせぐという努力を、下請代金支払い遅延というのは本来非常にむずかしい行政でございますので、やりたいと思います。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 四十八年度の予算を見ますと、転廃業の資金として、中小公庫に五十億円、国民金融公庫に十億円、中小企業振興事業団に約三十億円ですか、予定しておられると思いますが、これは予算が通ってから使う金であって、その間において転廃業者に対してはどういう処置をお講じになるんでしょうか。

莊清中小企業庁長官

○莊政府委員 これは四十七年度も実は予算が計上されております。いままでのところ四十七年度のワクというのは実はあまり使われておりません。全然ゼロじゃございませんで、七億円程度の貸し付けはたしか行なっているはずであります。その後の申請も同等金額くらい相当のものが目下審査中だと思います。来年度も計上いたしておりますので、これは七年度、八年度つながっておりますので、いつ出てきてもこの金融はワクがある、こういう状態でございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 今度の場合における転廃業者というのは、前回よりもかなり大きなダブルショックだというような業種もたくさん出ていると思いますけれども、もし転廃業者が続出した場合にはたしてこれだけの金で足りるかどうかということは非常に疑問であるわけですけれども、その点の見通しはどうですか。

莊清中小企業庁長官

○莊政府委員 私ども、転廃業計画というのは企業にとってたいへんな問題でございますし、産地などでは、産地の業者がみんな集まって計画的に進まないと効果がないので、ある程度時間が必要かと思います。直ちに一度に出てくるとも思いませんが、四十八年度において相当転廃業が進み資金需要が強いようでありましたならば、これは年度の途中においても必要な額は必ず全額融資をするという考え方で財政当局とも折衝してワクの確保を行なう、こういうつもりでおります。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 輸出産業の転廃業者に対する今後の指導ですが、どのようにされていくか。中小企業というものは円の切り上げに対しては非常に弱い体質がありますので、転換先の選択とか、あるいは転換する際の資金の調達方法、そういうものに対する行政指導を確立していかなくてはならぬと思うのですが、具体的にはそういう点をどこに相談に行ったらいいのでしょうか。

莊清中小企業庁長官

○莊政府委員 一番身近なところとしては、大都会でしたら商工会議所、地方でしたら商工会というふうなところにも、そういう相談の窓口をすでにつくっておりますけれども、一番総合的な相談に乗ることができ、また力を持っておるというのは、各県につくっております総合指導所だと思います。これは各県にございます。これは県の機関でございまして、外郭団体ではございません。相当な人間もおり、かつもっぱら中小企業の診断指導も行なっておりますので、私どもも今後、各県ごとに、産地の構造改善とか転換問題は、各県の商工部及び指導所というものとタイアップをいたしまして進めるつもりでおります。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 先ほど中小企業庁長官が、前回の緊急融資がちょうど返済時期に来ておるわけですけれども、返済を繰り延べるという考え方を明らかにされているわけですけれども、どういうふうな繰り延べのしかたですか、その点について。

莊清中小企業庁長官

○莊政府委員 前回、一年間据え置くということで、据え置き期間一年を含めまして三年ないし五年の期間の融資を行なうということでございました。三年ないし四年のものが多かったようでございますが。その一年がやってきて、三分の一ないし二分の一の返済をしなければならないわけでございます。したがいまして、これはやはりもう一年延ばしてもらいたいという御希望が、実際聞いてみて非常に多いわけでございます。一年たてばまた見当がつくだろう、一年たってまだ見当がつかない場合には、私どもはそのときの問題としてまた考えるべきであると思いますけれども、とりあえず一年は延ばさなければいかぬということで、三カ月、六カ月というふうな小刻みのことでなく、私どものほうから大蔵省に話しております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 中小企業にとっては金利負担の重圧ということはたいへんなことだと私は思うのですけれども、借りた金利を下げるような処置をとる必要があるのではないか、私はこう思うのです。前回たしか六・五%であったというふうに思いますけれども、今度はどういうふうにお考えになっておりますか。前回の分の金利も下げるというお考え方はないでしょうか。

莊清中小企業庁長官

○莊政府委員 金融の常識と申しますか、証書貸し付けになっておりますので、据え置き期間一年であったのをもう一年延ばすというふうなことはさておきまして、金利を根っこから変えるというふうなことは、今回も実は考えておりません。考えておりませんが、そのかわりに、新規の第二次ドル・ショックの融資の金利は、六・五%じゃなくてもっと下げるということでいま検討いたしております。政府関係機関としては、実は六・二%というのは、御案内のとおり預金部資金の裸コストでございまして、したがいまして、私どもはその裸コストの線でどうかというふうに思っておりますが、相当な逆ざやになるわけでございます。三機関に対しての出資とか、そういう措置というものが相当必要になりますので、いま大蔵省とその点の詰めをやっているということでございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 最後に通産大臣にお伺いいたします。  いま私、ダブルショックの問題におきますところの産地、産業の被害が非常に大きな範囲にわたり、かつ深刻であるということを、いろいろ中小企業庁長官との間に質問もいたし、また答弁をいただいたわけでありますけれども、その中小企業、零細企業のダブルパンチを受ける方々に対して、担当大臣としてどのような対策と御決意がおありになるか、最後にお伺いしておきます。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 前回に引き続いて今回ということであり、しかも今回の変動の幅及び時間的な経過というものは、前よりも非常に深刻でございます。したがいまして、前回にまさるとも劣らないだけの決意と政策を用意して、中小企業の皆さんの御苦難に相こたえようと思いまして、いま中小企業庁を中心にいたしまして、大蔵省といろいろ交渉いたしておりますことを御回答申し上げたわけでございます。われわれといたしましては、さらに事態に応じまして政策を深める場合があり得れば、最も勇敢に前進してどんどんやっていくつもりでございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 けっこうです。

三原朝雄自由民主党

○三原委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時四十五分散会

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