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71回国会衆議院1973/03/06

内閣委員会 第7号

発言数
161
登壇者
15
会派数
2
開催日
1973/03/06

会議録

三原朝雄自由民主党

○三原委員長 これより会議を開きます。  この際、御報告申し上げます。  去る一日、人事院より国会に、国家公務員災害補償法の改正に関する意見の申し出があり、同日、議長より当委員会に参考送付せられましたので、御報告いたしておきます。      ————◇—————

三原朝雄自由民主党

○三原委員長 建設省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大出俊君。

大出俊日本社会党

○大出委員 おいでになる政府委員の方の御都合がおありのようですから、最初に、建設大臣の責任という意味で何とも納得しかねる問題がございますので、もちろんこれは金丸さんの時代ではありませんが、しかし、これは責任継承の原則もございますし、私も十年ばかり、機構、制度というものを相手に、議席をいただきましてやってまいりましたたてまえもございますので、黙っているわけにまいりません。  問題の中心は、きょうは、法務省あるいは警察庁関係の方にもおでかけをいただきましたが、昨年、東急建設の谷島さんという専務さんでございますが、東急建設にまつわる恐喝事件が新聞で報道されまして、金額にして八千万円。これはどうやら恐喝事件であったようであります。私は、この八千万円という金をおどし取られたとすると、八千万円という金でございますから、それなりの価値ある金である。つまり、おどしの内容というものに触れて、なぜ一体八千万円もの金を、天下の東急一族の東急建設の専務が、しかもはえ抜きの方が払うということになったのかという点について、非常に大きな疑惑を持っております。結果的に、起訴、不起訴、起訴猶予、いろいろあったようでありますけれども、このことがどうやら、これは私どもは別に捜査をするわけじゃございませんので、皆さんは皆さんで判断がございましょうが、世上のものの見方からすると、大臣の責任をと申し上げたのは、帝都高速度交通営団なる特殊機関との関連がある、こう実は私の調べた限りでも大きな疑惑を持っております、率直に申し上げて。したがってこれは、事の理非、善悪を明らかにすると同時に、建設大臣に監督権がございます。もちろん運輸大臣にもございますが、この特殊法人というものについて、どう一体、これは監督責任という意味で責任をお負いになるのかという点と、かつ制度的にどうしたらいいかという問題とございます。  そういう角度で、まずひとつ警察の皆さん、これは警視庁の捜査四課なり組織暴力取締本部等がかかわり合っておられる事件でございますが、そこらが一体どういうことになったのかという点。また、その結果として、今日法務省の刑事局長さんにおでかけいただきたいと思ったのでありますが、きょうは分科会のようでありますから、担当の方でけっこうなのでございますけれども、起訴、不起訴、あるいは起訴猶予というのはどういう色分けになったのか、今日一切落着をしているのかいないのかという点について、あわせてひとつ、経過に触れてお答えをいただきたいのであります。

中平和水警察庁刑事局捜査第二課長

○中平説明員 ただいまお尋ねの東急建設、当時の取締役の谷島さんにかかわる恐喝事件でございますが、この事件は、昨年の九月に警視庁の捜査四課のほうで恐喝事件として検挙したものでございます。事件の内容につきましては、昨年の二月から三月にかけて起こった事件でございます。被疑者の側に立ちますのは右翼の関係者、かなり戦前から名の通った右翼の人が背後におる。この方は事件後間もなく死亡されておるわけでありますが、あと二名の者について、警視庁として恐喝事件として処理をした。  恐喝の内容等につきまして若干申し上げますと、当時、東急建設の取締役をしておった被害者である谷島という方が、当該東急建設の株式を社長よりも非常に多く持っておる、これは会社を乗っ取るという魂胆であるのではないだろうか、あるいは、当時、東急関係の系列の会社がございまして、こういう下請の会社から多額のリベートを取って、そしてこれを自分の保身のために関係の向きに贈っておる、これはまことに背信的な行為である、こういうことを材料にいたしまして、被害者のいる会社に面会を強要しておどしたり、あるいはまた自宅のほうに押しかけていったり、あるいは本人が難を避けてホテルに逃げ込んでおるのを追っかけていっておどしたり、そういうことをいたしまして最終的に八千万円の金をおどし取った、こういうケースでございます。警視庁といたしましては、この恐喝しました二人の者を逮捕いたしまして、一応事件としては処置をいたしております。こういう次第であります。

大出俊日本社会党

○大出委員 ちょっと重要なことでございますから、もう一ぺん承っておきたいのでありますが、この八千万円の金の出どころというようなことにつきまして、これは銀行振り出しの小切手で手形を割っておるわけでありますが、合計八枚、一千万円の小切手であります。そして五枚と三枚、恐喝の内容といいますか、目的によって違ったふところに入っているわけでありますが、いま私が調べている過程で、いまお話がございました、戦前から名の通った、なくなった右翼の方、そこから、二千五百万円だろうと思いますけれども、たいへん多額の金が見つかった、これが一つ。皆さんのほうの耳に入っておったという事件であります。もちろん、私が調べるのでありますから、警察ではございませんので、警察のそういう情報をまた聞きでキャッチした人からの話であります。そこで場所というものが明らかになっている。つまり渡した場所、これは慈恵病院の廊下でありますが、いまおっしゃった二人、逮捕された一人の方のポケットに三枚入っておった。あと五枚が戦前から名の通った、なくなられた右翼の方のところにいっている。しかもそれは現金にかえられて、現金で持ち込まれておるというところまで私のほうでわかっておるわけであります。それがそういう経緯であったかどうかという点と、それからもう一つ、その八千万円の小切手の出どころ。どういう経緯で八千万円が出たか。一つは証券会社が介入をしている。つまり谷島さんが持っておられた株、これを扱っている証券会社ではないか、こう思っているのですが、そこから手形が出される、銀行で銀行振り出しの小切手になるということじゃないかと思いますが、そこらのところを、大事なところでございますので、ひとつお答えをしていただきたいと思います。

中平和水警察庁刑事局捜査第二課長

○中平説明員 そこら辺の詳細については、こまかく私ども承知しておりませんが、結果から申し上げますと、当時、本人が持っておりました株を、一応取引の証券会社を通じて処分いたしまして、それを自分の取引銀行を通じて八千万円の小切手にし、それを、当時、直接恐喝的な行為をした主役になっておりました片岡なる人物を通じて一応渡した。八枚渡っておりますが、そのうち五枚は、そのまま右翼の方のところへ行っているようでございます。三枚については、この辺はややあいまいとしておりますが、恐喝した同士の間で若干の取引が行なわれているのではないか、こういうふうなことでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 私も実はたいへん時間をかけてこまかく調べております。いまお話であいまいというが、あいまいじゃないのですよ。これは信用金庫に三千万円あったのをあなた方押えておる。だから三千万円は、あなたがいま口に出したから申し上げるのだが、片岡なる人物のポケットに入って信用金庫に——ある信用金庫にしておきましょう。その金庫が関係あるわけじゃないんだから。そこで皆さんが押えておられるから、はっきりしているのです。五千万円のほうは、一千万円の小切手五枚を、片岡なる人物ともう一人の森川という人と持っていって、佐郷屋嘉昭さんに見せて、あした現金にいたしますと言って帰ってきて、現金を持っていって、その席上で二千五百万円佐郷屋さんのところに置いていって、片岡さんが千五百万円、森川さんが一千万円現金をもらって帰っている。こういう経過ですよ。調べてみて明確なのです。  こういうことは、冒頭に申し上げた意味があって承ろうと思っているのですが、間違いがあるのかないのかということをはっきりしていただきたいと思うのです。

中平和水警察庁刑事局捜査第二課長

○中平説明員 その辺のこまかい詳細については、警視庁のほうから詳細な報告を正直なところ受けておりませんので、若干、その辺については明確な御答弁は……。

大出俊日本社会党

○大出委員 これは失礼いたしました。あなたは警察庁でございますから、警視庁の捜査第四課、組織暴力取締本部が手をつけたことですから、私の申し上げたのは、そちらのほうから入手しておりますから、概略大筋を言っているのですから、そういうことだったということでしょう。  そこで、いまお話しの八千万円の金をおどし取られたには、取られただけの理由がある。全く何でもないものを正常な人間がこんな金を払うわけはない。天下の大東急ですから。いまお話に出ましたのは二つある。一つはこの谷島という取締役かつ専務の方、谷島文雄さんとおっしゃいますが、この方が社長よりひょっとすると多い株を持っておった。ここに問題があるのですね。なぜそういうことになったかという点。  もう一つ、これは私のほうで申し上げておきます、時間がありませんから。三十九年の十二月に東急建設の資本金が五億だった。四十年の十二月に八億になった。四十二年の三月に十二億にふえた。四十四年四月に二十億になって、翌年、四十五年の六月に二十六億になった。翌年、四十六年の四月に二十八億六千万円、四十六年四月に二十八億六千万円にしておいて、十月に三十七億にした。そして六カ月たった四十七年の四月に資本金を四十億七千万円にした。こんなべらぼうな会社は世の中に存在しないです。これは官庁に強い会社ですね。かくて株数なんと七千四百万株になった。ここにひとつ大きな問題がある。いま協同飼料じゃありませんけれども、つまり時価発行増資という形でたいへんな繰作をやっている。ここに資料がございますけれども、七千四百万株にもふえている過程のその株は、一体どういう扱いになっていたかという問題。これは一つ間違うと、ちょうど日通事件のような、あのときに、大和造林ですか、やまと造林ですか忘れましたが、子会社をつくりましたね。あれはクッション会社です。これはこの下請関連のいろいろな会社からリベートの形で、その大和造林ですか、そこへみんな入れてきて、それがみんな新株、つまり有償、無償ありますから、新株に化けてきている。これが日通事件の中心。このいまの東急関係にも、ちょうどその日通事件と同じような形の下請の、つまりクッション役を果たしている会社が四十一年につくられている。報告を受けていますか。

中平和水警察庁刑事局捜査第二課長

○中平説明員 本件、恐喝に関する報告を受けておりまして、その辺のこまかい背後の問題については、詳細に承知しておりません。

大出俊日本社会党

○大出委員 それでは、私のほうから何もかも言ってしまうわけにもまいりません。したがって、いまの点は、あらためてもつ一ぺんこの委員会にお出かけいただきますから。いまの私が申し上げた日通事件に類する、同じようにクッションというふうに考えられる会社をこしらえている。この会社は一体どういう経営でできた会社であり、どういう役割りを果たしていたかという点についてお調べをいただき、お出しをいただきたいのであります。そのときに、株の問題その他についていろいろこれはございますから、明らかにさしていただきたいと思うのです。これも一つの大きな事件になると私はそう思う。あなた方がそこまで手をつけるかっけないかは別です。そのときに、資料もたくさんございますから、申し上げたいと思います。  いままでのところで、大体、今回の事件の概略はわかっているわけでありますが、はたしていま言われた八千万円の価値というのが——取締役専務谷島文雄さんという方が東急の五島昇社長よりもよけい株を持っていた。だから谷島建設といわれる。この事件のちょうどそのころに、当時は五島昇さんは東急建設の社長なんですが、会長におなりになって、前の副社長である馬淵さんに社長を譲っておられますね。そうでしょう。この谷島さんというのはおまけに東急プレハブの社長をやっておられる。東急プレハブの顧問に中村幸雄さんという方がおられる。御存じですか。

中平和水警察庁刑事局捜査第二課長

○中平説明員 直接には承知いたしておりません。

大出俊日本社会党

○大出委員 それもひとつお調べください。この方はさる局長さんのおにいさんですから。だから、そこのところもお調べおきいただきたいのであります。  そこらのところからすると、私の調べた限りでは、単に二つの事件だけではない、そういう疑いを警視庁の捜査四課持っておられた。したがって、いまの二つ以外の問題について、つまり帝都高速度交通営団にかかわる問題がある。世の中に、不起訴にするにしても、起訴猶予にするにしても、証拠不十分という場合はあり得るのです。事件は事件として、証拠がそろわないという場合があり得る。だから、そこらのところは一体どうなったのかという報告をいただきたい。あわせてそれもひとつお調べいただきたい。そのときに、資料に基づきまして私のほうから指摘をすべきものはいたします。  そこで、法務省に承りたいのでありますが、この事件の結果、もうすでに皆さんのほうからも片岡さんという名前が出ましたから申し上げたいのですが、片岡哲也さんという方は相模工業大学の事務局長、理事もやっておられます。この人は、白木屋乗っ取り事件のころに、東洋郵船の横井さんのところにおられたわけです。通称ボディガード式なことをおやりになっていたと称せられているものでございます。その横井さんがなくなられた五島慶太さんと親交があったという関係から、東急のほうにおいでになった。五島慶太さんがおなくなりになったあと、今日副社長になりましたが、前の東急建設の谷島さんと同じように、専務をやっておられた八木勇平さんのところにおられた、こういう経過です。ここらは、ひとつ念のために申し上げておきます、この片岡さんという人について。それから森川茂さんという方、これは二人とおっしゃった一人の方です。これは大和塾というのですか、ここの塾長さん。これが、先ほど、ホテルに身の安全をと思っているところに押しかけていったという方でありましょう。この方々について、あるいはその他の関係者、起訴猶予、不起訴を含めて、警視庁捜査四課、かつまた組織暴力取締本部等々が捜査をされた結果として、起訴、不起訴あるいは起訴猶予、こういうことになった方々の名前をあげておいていただきたいのであります。

根岸重治法務省刑事局刑事課長

○根岸説明員 ただいまお尋ねの片岡及び森川につきましては、恐喝事件で昭和四十七年九月二十九日に東京地方裁判所に公訴を提起しております。私の存じている限りでは、恐喝事件に関しましてはこの二名だけが被疑者として送検されまして、いま申し上げましたように、公判請求され、現在公判中でございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 そうすると、もうこの二人は現状は保釈か何かになっているのですか。

根岸重治法務省刑事局刑事課長

○根岸説明員 ただいまその点は調べてまいりませんでしたので……。

大出俊日本社会党

○大出委員 それでは、その辺がどういうふうになっているのか、それもあわせて次回に御報告を願いたいと思います。  そこで、建設省に承りたいのでありますが、この帝都高速度交通営団、これは一体どういう機関でございますか。

秋富公正運輸省鉄道監督局長

○秋富政府委員 帝都高速度交通営団は、帝都高速度交通営団法に基づきまして昭和十六年に設立されました公法人でございまして、現在、東京都におきまして、百十三キロの地下鉄になお三十キロの鉄道を建設中の法人でございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 これは言うならば戦時中の遺物でしょう。これは、国が公共事業の経営を管理、統制するという必要でつくられた特殊な企業形態を持っておりますね。いまちょっとお話がありましたが。そこで、いまの営団法、特別法でつくった。当時は住宅、食糧、産業設備、農地開発の各営団があったですね。戦争中でございます。これはいずれも戦後、住宅、食糧、産業設備、農地開発の各営団は廃止されました。どういうかげんかわかりませんけれども、戦前の遺物をそのまま今日に残しておるのはたった一つだけです。これは何でたった一つだけ残ったのですか。

秋富公正運輸省鉄道監督局長

○秋富政府委員 東京都におきますいわゆる交通企業と申しますものは、都民また一般国民の足としてきわめて重要なものでございまして、これをいかなる形態でもって行くべきかということは、いろいろと議論のあるところでございますが、地下鉄につきましては、ただいま御指摘の帝都高速度交通営団——私鉄は幾つかございますが、この私鉄は、戦後いろいろと幾つかに分かれたものでございます。それから国鉄、こういったもので東京の都民の足というものを確保しておるわけでございますが、こういった交通企業と申しますものは、利用される方からまいりますと、やはり、できるだけ手がたく、また一つの企業でやっていくということが能率的にも望ましいので、戦時中にできたものでございますが、今日まで引き続きいわゆる経営されているものでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 これは制度論としてはいまのお答えは成り立ちませんか、時間がありませんから先に急ぎましょう。  そこで、この帝都高速度交通営団ですけれども、目的、事業というのは一体どういうふうに書いてありますか、読んでください。——だれか調べておいてください。時間がございませんので先に進みますから。  ところで、この営団に対する資本、出資ですね。国鉄と東京都だけのはずでありますが、幾らぐらいどこからどう出ているのですか。

秋富公正運輸省鉄道監督局長

○秋富政府委員 御指摘のとおり、帝都高速度交通営団は国鉄と東京都でございまして、現在、国鉄が百六十億、東京都が百二十億、合わせまして二百八十億の資本でございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 いま東京都百二十億とおっしゃいましたが、百二十一億ですね。合計二百八十一億ですね。  そこでこれは、したがってこの営団は明らかに国鉄と東京都だけでございますから、公法人とおっしゃいましたが、名実ともに公法人ですね。間違いないですね。そこで補助金を出しておりますね。昨年、一昨年あたりどのくらい出ておりますか。

秋富公正運輸省鉄道監督局長

○秋富政府委員 帝都高速度交通営団に対しましては、東京都営地下鉄その他の公営地下鉄と同様に、工事費につきまして建設費の補助をいたしておるわけでございます。これは工事費の五〇%を国並びに地方公共団体が補助しているわけでございますが、帝都高速度交通営団につきましては、いわゆる四十六年度について見ますと五十五億でございます。それは国と地方が大体折半という形であります。

大出俊日本社会党

○大出委員 四十七年度はいかがですか。

秋富公正運輸省鉄道監督局長

○秋富政府委員 これは精算払いでございますので、現在まだ四十七年度の工事が……。

大出俊日本社会党

○大出委員 そんなことはないですよ。いいかげんなことをおっしゃってはいけませんよ。もう一ぺん調べ直してください。そんなに出ていませんよ。四十六年は三十三億ですよ。四十七年が三十九億二千五百万。それは明確なものをあとで調べて出してください、四十六年、四十七年あわせて。これはあとから、運輸省の場面もありますので、大臣の監督権という意味ではっきりさせたいと思うのです。  そこで、この営団設立以来今日まで国庫補助をどのくらい出しておるか、この次までに表で出してください。

秋富公正運輸省鉄道監督局長

○秋富政府委員 ただいま御指摘の点は、表にいたしまして後ほどお届けいたします。

大出俊日本社会党

○大出委員 つまりこの営団の性格は、資本はすべて国鉄と東京都でやる、そして年々三、四十億の補助金が、だんだんふえてきておりますけれども、支出されている。ほかからは一切金が入っていない、こういう性格の営団。特殊機関であります。  そこで、累積赤字を入れまして赤字がどのくらいございますか。これもあとで出してください。私のほうで言います。赤字は事業報告書によりますと、私のところにありますのは四十六年度の事業報告書ですが、赤字が五十二億円、前年からの繰り越し九十六億円、したがって、累積赤字は百四十八億円。これも事業報告書をお出しいただきたい。つまりこの営団の性格は国鉄が百六十億円の出資をし、東京都が百二十一億円金を出し、合計二百八十一億円の資本金を出している。そして年々三、四十億の補助金が出ている。にもかかわらずなおかつ赤字が出る。これは国民の税金ですからはっきりしておかなければいかぬのです。四十六年度、当年度で五十二億の赤字があって、九十六億の繰り越しを入れまして百四十八億の累積赤字。これはあとで報告書をいただきたいと思うのです。  そこで、この営団に子会社ができていますね。御存じですか。

秋富公正運輸省鉄道監督局長

○秋富政府委員 いま私が申し上げますのは、いわゆる営団法第一条に基づきまして、建設大臣、運輸大臣、両大臣の認可を得て出資している会社のことだと思うわけでございますが、現在、こういった子会社、出資いたしてあります会社が全部で九つございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 あげていただけませんか。

秋富公正運輸省鉄道監督局長

○秋富政府委員 これを投資いたしました順序で申しますと、第一が国際観光会館でございます。これは二十六年三月。それから二十六年五月に日本ホテル株式会社。それから二十七年に日本信号株式会社。二十八年に京三製作所。三十三年に日本交通技術株式会社。三十七年に電気技術開発株式会社。それから三十八年に地下鉄ビルディング株式会社。三十八年四月に株式会社交通建築設計事務所。それからもう一つは株式会社はとバスでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 この地下鉄ビルディングという会社ですね。いまお話しになりましたが、上野の地下ビル。ほかにも問題たくさんありますけれども、一、二取り上げます。昭和三十八年二月十一日に、東京都台東区東上野三の一九の六、ここに地下鉄ビルディングというのがつくられている。社長さんは牛島辰弥さん。前の営団の総裁です。運輸省関係の方です。この方は運輸省の偉い方です。資本金五千万円、これは全額営団出資ですね。  これは発記簿謄本によりますと、「営団に協力して地下鉄新宿駅西口駅施設及びこれに隣接する運輸機関との連絡施設などを包含したビルディングを建設し、次に定める事業を行なう」、中身は、「貸し室、飲食店の経営、食料品、酒類の販売、たばこ、印紙、郵便、切手などの販売、その他の売店の経営」、これが一つ。「二、土地、建物の所有及び賃貸料」、不動産業です。つまり三十八年二月十一日に設立された地下鉄ビルディングという会社は、新宿駅ビルをつくることが目的なんです。駅ビルできたでしょう。すでに小田急に貸しておるでしょう。小田急ビルがそうでしょう。あの大きなものがやっているのは、全く一般企業と同じです。これは、飲食店の経営から、食料品から、酒から、たばこから、その他の販売店から、こういうわけでしょう。本体の営団自体が全く公の機関から出資を受けている。補助金ももらっている。そして累積赤字が百四十八億円もある。みんな国民の税金ですよ、負担しておるのは。その上営団が五千万出資をした。前の営団の総裁が天下ってきて社長になった。これは、上野につくった地下鉄ビルディング株式会社が何をやるといったら、新宿に駅ビルをつくるのだ、駅ビルつくって中身は何をやるのか。中身は、関連施設と称して何でもかんでも、飲食店から売店までやる。おまけに不動産屋もやることになっている。これは純然たる全くの民間の会社じゃないのですよ、第一条できめているのは。これは全額営団が出資しているのですよ。そうでしょう。こういうものをあっさりきめてやらせておいて、小田急に貸して、おまけに本体は大赤字というままにほっぽっておいて、そういうばかなことは国民の常識で通りますか。いかがですか、こんなふざけた話は。  これは大臣に監督責任がある。念のために申し上げておきますが、営団の役員は運輸大臣、建設大臣連名で任命しているのですよ。建設大臣、運輸大臣の監督下にこの公法人はあるのですよ。こんなことをやるなら、どこへでも、駅のそばに、近いから関連があるのだといって、どんな買収をして、どんな建物を建て、どんな金もうけをしたって、一向にかまわないことになってしまうではないか。そんな公法人を一体国会は認めたのですか。国民の常識で許しますか、こんなばかなことを。

金丸信自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○金丸国務大臣 大出先生のお話承りまして、私も、公の機関であり、また国の助成をいただいておるという会社がこのような姿であるということは、まことに好ましくない姿であるということは認めざるを得ません。そういう上から考えてみまして、十分に監督し指導もしなければならぬ、こう思っております。

大出俊日本社会党

○大出委員 世間の常識が許さぬことをなさっちゃいけませんよ。私はさっき八千万円のことを聞きましたが、あえて建設省と結びつける気があって質問したのではないのですよ。私だって疑いを持ちますよ。建設省の局長さんのおにいさんが東急プレハブの会社の顧問をやっておって、その東急プレハブの社長さんはさっきの矢島さんでしょう。矢島さんという方は何かといえば、この八千万円を恐喝された御本人で、東急建設の取締役であり専務でしょう。五島昇さん、五島慶太さんの御子息さん、御曹子が当時社長でしょう。兼務でプレハブの社長をやっている。そこに建設省の有力な局長のおにいさんが顧問でいるなんということは、だれが考えたって疑問に思うじゃないですか。そういう人事をやっちゃいけませんよ。そういうことは整理しておかぬと……。そうでしょう。  しかもこれは戦前の遺物ですよ。ほかの営団というのは一つもないじゃないですか。戦後、いかに地下鉄が公共の足だからといって、新しい法律制度の体系ができているでしょう。ではほかの地下鉄は、そんなこといえば、どういうふうにしているのです。横浜だって地下鉄はやっているのですよ。それなりの新しい制度をつくる、当然じゃないですか。しかもそれを温存しておいて、ここに集まる総裁以下の方々というのはほとんど国鉄でしょう。運輸省の次官をやった方、いまの総裁だってそうでしょう。現職の営団の総裁だって前運輸省の事務次官でしょう。そういう形になっている、理事の方々だって。これは、いまの地下鉄ビルディング、駅ビルをつくる目的で設立をされた。登記簿を見たって、でき上がるまで、いつからいつまでというならまだ話はわかる。この会社が、営団が新宿に駅ビルをつくる目的で設立をされたとすれば、全額出資にしても、これは大臣、駅ビルができる期間なら期間だけにする、それならまだ私は話はわかる、それなりに。ここは直してくれとは言いますけれども、こんな大きな声は出しやしない。ところがこれは期限がない。しかも、この駅ビルをつくるにあたって、わざわざ不動産の事業までとっている。定款の中に入れている。ここで入れているのですよ。だから、この地下鉄ビル株式会社というのは、不動産業もやれる。これを永久に置いておくなら、設立の趣旨は駅ビルをつくることだった。できちゃって、小田急に賃貸ししているのでしょう。そういうふざけた話はない。  しかも、この里見富次さんというのが専務です。この方も営団の前理事です。この里見さんという方も、言っていることはふざけているのですね。なんならば参考人に引っぱり出して、里見さんと話した人をぼくはここに連れてきていい。純然たる民間の会社で何の拘束も受けない。何で、駅ビルをつくるための会社ならば、期限を付して設立のときにやらないのですか。せっかくつくった会社を、このときに不動産の許可もとった、こういう会社をそんなに簡単につぶせますか。冗談じゃない。やっていくのですよ。幾らももうけていく。そんなふざけたことを、運輸大臣、建設大臣が連名で監督をし、かつ役員も任命をする。公法人であり、出資は全額国鉄と東京都である。国が年々何十億もの補助金を出している。しかも累積赤字が山のようにある。そこが、全額出資でございます、前の総裁、前の理事が天下りで社長と専務になっています、そんなふざけた話はないでしょう。やる仕事の中身もまるっきり無制限なんだと言っている。こういうことが大手を振ってまかり通る世の中にしてはいけませんよ。何と言われてみても納得いたしかねる。  もう一つ聞きます。こういうふざけたことになっているのに、実は渋谷に地下鉄ビルをつくろうという計画をお持ちだ。これもいまの地下鉄ビルディングです。牛島総裁です。これは営団の役員が天下りしてつくったと見られる上野の地下鉄ビルディング株式会社なんです。前の理事の里見富治さんが来て専務をやる。今度はこれが、公法人の営団の全額出資でやっていて、四十一年の九月に完成して小田急ビルになってしまっているのです。そうでしょう。小田急ビルと名がついているけれども、これは賃貸しです。小田急に貸している。  私はここで一言注文しておきますけれども、一体幾らで、どういう形で契約をして賃貸ししているのですか。正確に見ないと私は気が済まないのですから、どういう契約書を取りかわしているのですか、写しをくださいよ。監督権が大臣にあるのですから。幾らで貸しているのか、契約書の写しを付して出してください。まるっきりこれは不動産会社じゃないですか。  そのあとまた四十六年三月に、営団の厚生施設をつくっていますね。そうでしょう。営団の厚生施設。赤字、赤字で大赤字の営団の青山メトロ会館、そうでしょう。東京都港区青山二の二十七の二十四、加藤敏次という方が館長です。そうでしょう。加藤さんというのはどういう方か知りませんけれども、メトロというのは地下鉄ビルとどういう関係になっているのか、これは詳細な資料を出してくださいよ。  それから、いま私が申し上げている地下鉄ビル、これは渋谷駅の西口、宮下公園と明治通りをはさんだ真向かいの営団所有地、面積は二千六百平方メートルあるのですね。登記簿にある。その二千六百平方メートルは渋谷区渋谷一の六、これは渋谷の一等地です。あそこはちょうど神宮のところの明治通りと宮下公園、あそこをはさんだところです。これは時間がないから私のほうで言っておきますが、以前営団の資材置き場だった。あなたのほうは深川に倉庫ができたので、あくことになった。そうして営団は地下鉄ビルに貸したのです。そうでしょう。地下鉄ビル会社が借りた。  何をやっているかというと、地下鉄ビル会社が三千万円の全額出資して、今度はメトロ高架という会社をつくっている。おまけにこれは何と、地下鉄ビルディング株式会社の専務、さっき申し上げた里見富次さん、この方は本来営団の理事でした。理事から天下って牛島さんと一緒に、地下鉄ビルディング株式会社、新宿の駅ビルをつくる会社に専務として来られて、この方が営団の所有の資材置き場になっている渋谷の一等地二千六百平方メートルを、営団から地下鉄ビルディング株式会社が借りた。借りてメトロ高架という会社を設立して、地下鉄ビルディング株式会社から三千万円全額出資をした。そうして事もあろうに、地下鉄ビルディングの専務の里見さんがメトロ高架の社長でしょう。これは違いますか。全くこれは乱脈きわまる。こんなばかな話はない。牛島さんと里見さんがすべて牛耳っている。メトロ高架というのは何をやっているかというと、駐車場でしょう。そうでしょう。駐車場にしているメトロ高架のその敷地を、東急が買却を申し入れているのじゃないですか。証拠がありますよ。そうでしょう。いかがですか。

秋富公正運輸省鉄道監督局長

○秋富政府委員 いろいろと御指摘いただきました点で、われわれも十分に反省しなければいけない点が多々あると思います。  一番最初の新宿の地下鉄ビルをつくったときのいきさつでございますが、……

大出俊日本社会党

○大出委員 時間がなくなるからいいですよ。東急から買収の申し入れがあったかどうかを聞いて、いる。

秋富公正運輸省鉄道監督局長

○秋富政府委員 私はそのことについては、直接は承知いたしておりません。

大出俊日本社会党

○大出委員 調べてみてください。もしおわかりにならなければ、私のほうから資料を出します。まずあなたのほうから、この次までに出してください。時間がありませんから、決着をつけますから。  この二千六百平方メートルを、メトロ高架の会社にして駐車場を始めた、里見富次さんという地下鉄ビルディング株式会社の専務さんが社長になって、三千万円全額出資をして始めた。この土地に東急が売却方の申し入れをした証拠があります。調べてみてください。  その結果どういうことになったかというと、メトロ高架ということになっておって、里見地下鉄ビルディング株式会社専務が社長をやっている。これは営団の土地ですから営団から借りているのですよ。その場所に十三階建ての建物を建てる。随意契約で東急建設に一切まかせる。八月三十一日起工式ということですね。こうなると、国鉄との共同出資によって、運輸、建設両大臣が監督をしていて、年間三十数億の国庫補助を受けている。これはくどいようですが、国民の税金です、それを使っていて、なおかつ累積赤字が百四十八億もあって、こんなにたいへんな赤字をかかえている営団が、全額出資をやって子会社をつくって、地下鉄ビルディング株式会社が、営団財産の倉庫になっていたやつを——駐車場だなどというのは事業目的以外だ。それが営団の財産である土地を利用してここへ貸しビルを建設する。一等地に十三階建ての貸しビルですよ。その貸しビルの建設を特定の民間業者に全くの随意契約で発注をする。ここまでのことをおやりになれば、ゆすられる材料なんて、こんなものは山ほどあります。これで目をつけなからったらほんとうにおかしいよ、右翼だろうとどこだろうと。ぼくだってゆすりたくなる。  こんなべらぼうな話は、話にも何にもならないじゃないですか。八千万円じゃ安いよ。ばかみたいな話だ。国民がこれを聞いたらおこりますよ。そうでしょう。恐喝事件が起こるのはあたりまえだ。一体ほんとうに、運輸大臣なり建設大臣なりは何をしていたのですかということになる。そこにおいでになるが、金丸さんが悪いのじゃない。前の大臣が悪い。こういうばかなことを、どこがどういうふうに釈明するのですか、この問題は。

秋富公正運輸省鉄道監督局長

○秋富政府委員 いわゆる営団が赤字であることは、われわれといたしましても十分承知いたしておりまして、何とかこれをさらに建設もしていくし、赤字の改善ということもやっていきたいと思っております。そのためにいろいろと企業努力をしているわけでございます。その一が新宿駅の改築の問題でございまして、いわゆる丸ノ内線ができまして、当時、駅舎が非常にお粗末でございまして、一般の乗降客にも不便をかけましたり、あるいは国鉄その他の私鉄との連絡設備も悪かったわけでございます。で、帝都高速度交通営団自身が直接にこれを建設することも一つの方法であったわけでございますが、そういたしますと、地上の有効利用ということまではできないわけでございますので、地上一階から地下三階までを無償で営団に提供するということで、一〇〇%出資のいま御指摘の地下鉄ビルディング株式会社を設立し、それに出資することを認可したわけでございます。  地上の分につきましては、御指摘のとおり、小田急あるいは銀行等に貸しておるわけでございまして、後ほど詳細に資料をお届け申し上げますけれども、毎年これの収益が帝都高速度交通営団の土地の使用料という形で入っておるわけでございます。で、こういう形でいわゆる乗客の利便を改善する、同時にいわゆる休閑土地の有効利用ということで運輸大臣、建設大臣が許可したものでございます。この家賃につきましては、その後も更改いたしまして、現在の価格に出きるだけ合うようにいたしておるものでございます。  それからほかには、メトロ会館、これは御指摘のように、共済、いわゆる営団の職員の互助施設といたしましてつくったものでございます。  それから、いま最後に御指摘の渋谷の問題でございますが、御指摘のとおり、ここはかつて資材置き場でございましたものを、いかに有効に利用するか。これにつきましては、それを売却するということも、いわゆる営団の経営収支を改善する一つの方法かと思うわけでございますが、今回の場合は、それを貸しビルにして、そのことによっていわゆる土地の利用料というものを収益にあげていこうという考えでやったように私どもは承知をいたしております。  それから、どうして随意契約でやったかということでございますが、これも御指摘がございまして、私、調べましたものですから、必ずしも正確ではないと思うのでございますけれども、東急不動産自身が入るということと借家を世話をするということで、東急と随契をやったというふうに承知いたしておる次第でございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 だから問題なんだ。六億円もらっているじゃないですか、東急から。随契と同時にテナント料と称して。いいですか、これは出してくださいよ。これは里見富次専務が明らかにいたしております、テナント料ということで六億円はもらったんだと。地下鉄ビルディング株式会社に入っています。まるきりそれじゃ東急のいいようにさしていることになるでしょう。一体、地下鉄ビルディング株式会社と東急建設とは、どういう契約を結んでいるのですか。テナント料を六億円払っているのですよ。これはどういうテナントですか。新聞記者が聞きに行ったって、幾らでビルを建てて、地下鉄ビルディングに幾ら入って、営団との関係はどうなってということは、あなた方一切話していない。しかし調べる方法は幾らでもある。私は資料を持っていますよ。いまあなたが言っているのはきわめて不正確です。  念のために申し上げておきますけれども、これは累積赤字が百四十八億あるのだから、売り払ってせめて埋めなければならぬという考えもあったというが、あたりまえでしょう。これは時価で一坪三百万円なんですよ。これは八百坪あるのですよ。二十四億円なんですよ、普通に売って。年々補助金を三十何億ももらっていて、それでも足らないで赤字が百四十八億。補助金というものは簡単にもらうのじゃないですよ、国民の税金なんだから、これは。それなら二十四億あるじゃないですか。これは営団の理事会決定で、東急が建てる、土地は貸して建てさせるこんないいかげんなことはないですよ。めちゃくちゃでこれは話にも何にもならぬじゃないですか。随意契約をしたときに六億円入れている。テナントの保証金という名前がついている金がちゃんと入っています。そうすると、テナント契約というのはどういう契約を結んだのですか。テナントの契約金だというのだから写しを出してください。全くわからぬじゃないですか。  おまけに銀行融資の問題が出てきている。いいですか。世の中で、五千万円しか資本金がないのですよ、地下鉄ビルディング株式会社は。そうでしょう。土地は借りているのですよ、営団から。二十四億の価値がある土地だけれども、営団から借りているのですよ。担保物件はないのです。そこで、銀行から幾ら金を借りるのだといったら、銀行から十六億借りるとかなんとか言っている。いいですか、財産は五千万円しかない。土地は営団から借りた土地ですよ、子会社なんだから。五千万円の資本金も全額営団出資です。地下鉄ビルディング株式会社には何もないのです。何もないのに、特定の民間企業が二十数億出して、十三階のビルを自分のほうでつくって、その建物を担保にいただきますからよろしゅうございます。土地もないのに、預金もないのに、土地は借りもの、資本金は五千万円しかない。そういう会社に、民間のいかなる銀行でも、いかなる建設会社でも、二十億からの金を黙って出して建ててくれて、土地だって、自分の土地ならいざ知らず、借りた土地、それを建物担保でやってさしあげましょうなんて、そんなふざけたことはない。そうでしょう。大臣の監督権というものがあり、営団というものがあり、大きな赤字とはいいながら補助金が年々ふえている。土地を売って、たとえ二十四億でも返さなければいかぬのを返さないで、赤字のままにしておいたってどうということはない、親方日の丸だ、国民の税金なんだからということで、営利にからんで不動産業まで定款に入れて、そういうふざけたことを見過ごせないです。こんなことはいいかげんにしてください。これは運輸大臣と建設大臣が連名で営団の役員をきめている。監督権がある。何を一体監督したのですか、そんなこというなら。ふざけ切っています。これで八千万円事件が起こらなければこれはおかしい。そうでしょう。  某局長のにいさんが東急プレハブの顧問になっていて、谷島さん、東急建設の専務が東急プレハブの社長さんでしょう。株を山ほど集めて子会社をつくって、子会社がクッションになっている。そこへリベートというかっこうで金が入っていく。それが株に化けている。そういうシステム、これは日通方式だ。そういうことを平気でやっているという神経がわからぬ。国民の名において、こんなことは許せぬですよ。  これはいまの大臣、金丸さんの時代じゃないですから、私は大臣を強く責める気はありません。ありませんが、責任継承の原則もある。やはりこういうことは制度的にびしっとしていただきたい。国鉄というところはOBの皆さんがみんな力を持っている、日航の朝田さんはじめ。いまの現職の方々はみんな力がありません。理事なんというのはみんなOBで占めている。ここだってみんなOBだ。いまの荒木総裁、この方もこれは運輸次官です。こういうばかげたこと、まさに聖断をしているじゃないですか、国民の金を使って。  こういうふざけた話は許せませんよ。資料をお出しをいただいてあらためてやりますけれども、大臣、私はまだたくさん資料を持っています。ふろしきに入っているのです。これは事と次第によってはこのままでは済ませません。はっきりしていただきたい。

金丸信自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○金丸国務大臣 国民の税金を補助金に出しておるということ、普通の法人であれば別であります。そういうところにわれわれは十分な注意をしなければならぬ、御指摘のとおりだと思います。今後十分、私もこの問題につきましては、洗い直しまして監督していきたい、こういうふうに考えております。

大出俊日本社会党

○大出委員 ぜひひとつこれは洗い直していただいて、もう一ぺんお答えをいただきたい。これは実は運輸大臣の責任もございますから、あらためて運輸大臣には御質問したいと思っておりますけれども、納得いたしかねるので、ぜひそれまでに……。  恐喝事件は新聞に出ました。そのときに多少ひっかかりが新聞紙上にはございました。報道です。これは建設省の関係は、私も不用意なことは言いたくないので、気をつけてしゃべっておりますが、ぜひひとつこれは、事、国民の税金を使っているのですから、そういう意味で皆さんのほうで資料を整えていただきたい。いまの件はあらためて質問いたします。  次に、あと簡単にずっとあげていきますので、お答えをいただきたいのですが、昨日見せていただきました筑波山ろくの学園都市でございますが、委員長よろしゅうございますか。

三原朝雄自由民主党

○三原委員長 けっこうです。

大出俊日本社会党

○大出委員 私、前に国土地理院にしても、あるいは無機材質にしても、ずっと私、長くこれを手がけました関係で、職場を歩ったこともありますし、懇談をしたこともございますので、おいでになった方から手紙をいただきましたので、本国会始まって最初の理事会に、筑波山ろくに委員会として御視察をいただけないかというお願いを実はしたのでありますが、参りまして、資料をいただきましたが、まさに私、心配しておりましたようなことが現地でたくさんわかりまして、これはぜひお直しをいただきたい。  結論を先に申し上げますと、人が住める状態にないところに人を持っていって住まわしている。つまり研究機関が移ってしまえば、そこの職員は行かざるを得ないのでございます。うちから通えない場所でございますから、したがって家族もついていかざるを得ないのでありますから、したがって、ほかにつとめを持っている奥さんも、つとめを打ち切って一緒についていっているわけであります。砂ぼこりは飛ぶ、ダンプは走る、水道は不完全、下水は不完全、寒暖の差というものも、筑波山ろくでございますからたいへん寒い、暑いというところであります。そういう地域で、さて子どもさんを小学校にやるにしても、あるいは中学にやるにしても、高校なんてものになりますと、とんでもないところに行かなければない。実はそういう事情にありますので、筑波山麓学園都市構想に私は反対の立場で参りました。しかし当面起こっている現実は、移っておられるのですから、まずそこから皆さんに手をつけていただきたい。おいでになったほかの委員の皆さんも、大なり小なり共通する点があって、これは人は住めぬなという実感が、当時、雑談の中でございました。  そこで、列挙的に申し上げますが、まず、三、四、五階建ての公務員宿舎が七棟平行配置のかっこうで建っております。棟間隔が非常に狭い。だから、奥さんの話によりますと、隣の住宅の中がお互いによく見える。プライバシーの侵害という意味では、非常に気分的にすっきりしないものが連日ある、こういう訴えがまず一つあります。その各棟の間に芝が張られている。ところが、芝は張られたけれども、その管理費は年間二十五万円、居住者負担、棟割り、世帯割りであります。三Kというのは、独身者及び単身赴任者が三人一組で入っているんだそうです。ここなんかもどうも人が住める状態でない。単身赴任者なんかを、三Kに一緒に三人ほうり込む。だから必ずしもこれは、世帯のある方々のみの不平ではない。研究学園都市というので、風光明媚なところというので期待を持って来たんだけれども、これはえらいところへ来たというので、連日ぐちばかり出るという嘆きでございますが、まず工事がきわめて雑で、壁がはがれた、中からコンクリートのかわりに埋められた紙が出てきた、手抜き工事ではないのか。急がせられたので、ずいぶん雑な工事である。規格品である公務員宿舎よりも、天井も低い、一回り小さくできていて圧迫感を感じるんですね。そうして、だから上の音も隣の音も、壁があるにもかかわらず、全部聞こえてしまうというんです。この人は前も公務員宿舎に住んでいたそうでございますけれども、前のところから比べると全く雑で、隣がしゃべっているのがみんな聞こえちゃう。だから年じゅう神経をとがらして、このお宅にはピアノがあるんだけれども、ピアノもひけないというんですね。隣からすぐ、うるさいと、こうなるから。前に住んでいた公務員宿舎から見るときわめてひどいもので、防音的な装置は全く考えられていない。今度はその住宅のすぐ横には騒音を出す汚水処理場があって、爆発のおそれのあるガスボンベ室がある。ガスボンベが一ぱい入っている部屋がある。そういうものはどこか遠くのほうに置いておいてくれぬと、子供が何するかわからぬし、非常に心配だという。  東京より寒い土地なんですけれども、これは委員長も言っておられましたが、暖房施設その他一切ない。集中暖房でもやっているのですかと委員長がお聞きになりましたら、いやそんなものは一切ありませんという。個々の家庭がやっている。たいへん寒いところですからね、筑波山麓ですから。どうも私も、行ってみて信じられぬ気がする。  交通機関ですが、ここにバスの時間表が書いてありますけれども、刺激がほしくて土浦に何とか出る。あるいは東京に行く。夜になると、十時五十四分というあとが十二時一分。一時間ちょっとの間隔です。反対方向の桜村のほうに行くのはもっと少ない。何とかもう少しバスなども考えてもらえぬかという希望です。土浦に行くのに二十分かかるのですが、この研究所の業務連絡用のバスというのが、最近になって日に四回往復するようになった。だけれども、白に四回ですから、これは研究所のバスですから、業務用ということでなければ使えない。したがって、しようがないから、自家用車の運転をやむにやまれずみんな習ったというのです。そうして、車を持ってみて、その補修料、維持費がかかるのに驚いたというわけです。これがたいへん家計を圧迫している。車なんかに乗りたくないというわけです。そういう場所ですから、奥さんが共かせぎしていた方々もやめてきているわけですから、そういう意味で非常に経済的に苦しい。性格上運転に向かない人も、習わなければ、子供が病気になったらさあ困るんだからというので、みんな習う。そうすると置き場がない。自転車置き場はあるのですけれども、そこには子供の三輪車、うば車が並んでいて、車となったらどうにもならない。だから、これができ上がって、みんなが車を持つようになったら、これはどういうことになるかというのですね。たいへん大きな心配をいまからしでいる。これは偽らざるお話です。  交通網の全体計画というものを、私はかつて、鶴海さんが首都圏整備委員会事務局長時代から、ここに十三省お見えいただいて、子供さんの学校その他を含めて交通体系、交通網全体をどうするのかということを承った。そういう点はもうきめこまかく配慮いたします。こういうわけです。きめこまかい配慮は何にもない。きめが荒過ぎますよ。一体、皆さんここで答えればそれでおしまいになっちゃって、それですぐ忘れちゃう特性があるんじゃないかとふしぎに思っている。あれだけぼくは念を押したんだから。  おまけに、いまは工事が始まりつつありますから、いろいろな人が入ってくる。若い奥さんが多いですから、からかわれちゃって、昼間出ていけない。そうすると、いよいよいるところは、殺風景な、前にいた公務員住宅よりも寸の詰まった、圧迫感を感じる、隣の声までみんな筒抜けちゃう、壁にひびが入って新聞紙が出てくる、そういう宿舎の中にしかいられないのかという話まで出る、こういうわけです。  それから水ですが、井戸水をろ過して調べてみた。これは研究機関がずらっとそろっているんですから、お手のものなんですね。そうすると、亜硝酸性窒素とアンモニア性窒素が同時に検出された。検査機関の判定によると、飲料不適という判定も出ている。まあ何とかこのぐらいならというのもあるけれども、飲料不適と両方出ている。だから、井戸なんですから、水道がないのですから、地質、水質の専門家による実地調査をやって、そこらをなぜ安心できるようにしてくれぬか、これはもっともな話であります。  私、実はきのう、一番最後の無機材質の前の高分子の研究所、物理学の研究所に行ったときに、この水飲めますかと聞いたら、しようがない、私ども飲んでいるのですけれども、という話です。こっち側にこうやってやる蒸留水などがあるのですが、それはこわれているのですよ。だから、心配して神経を使う人がいる限りは、きちっと調べていただかぬと困る。行った当時、子供さんがなま水を飲んで下痢をしたので、なま水を飲まないことというふうに話し合って、いまは蒸留水をちゃんとつくって飲ましていると奥さんたちは言っていましたがね。毎日不安を感じながら飲んでいる。蒸留水などをやったりしてですね。水の保守を業者に委託するとやらで、またまた居住者負担月額一万円だというのです。みんなが文句を言ったら、水の保守は業者に委託しようという話が出てきた。そしたら月額一万円ずつ保守料を払えと、こういうことになってきた。  それから新聞だけは何とか配ってくれるけれども、ほかの情報機関、映画も何もないのですね。あそこはほんとうに何もないのです。ショッピングセンターが、地主さんたち、土地を提供してくれた方々ということでつくられていますが、これもどうもひどいものです。あとから出てまいりますが。  ごみを業者に依頼して、週二回ごみを取りに来てもらっている。ときどきサボられると書いてある。ごみ集めの日は、ほんとうにごみの袋が山になる、週二日ですから。これでも地方自治体と半分ずつということで月額二万円居住者負担。もちろんこれは一人じゃありません。東京なんかの場合には、明らかにこれは都が責任を持っておりますからね。東京にいた人が行けば、たいへんな違いがありますね。だから、清掃法による政令指定市町村に指定してもらってちゃんとやってもらいたい、こう言っております。入居者もこれからふえてくる。飯場が立ち並ぶということになった場合に、粗大ごみなんかが、いまでも大きなごみは捨て場がないそうですけれども、一体どういうふうにすればいいのか、これはぜひ研究してもらいたい。焼却炉なんというものも、やはり公害その他も考えたものにしていただかぬと困る。そこらは何とかみんな考えてもらいたい。これは切実な要求です。  下水工事がこれまたおくれておりまして、つまり地面にしみ込み方式でしみ込ませる。すぐお隣のショッピングセンターには魚屋があるのですけれども、しろうとがやっているわけです。肉は一週間に二日売るというのですけれども、買い手がなくて残ると、あとは持ってこない。そうする一週間、肉にお目にかからぬというわけです。隣のショッピングセンター、魚屋もしろうとがやるものだから、鮮度が落ちる。落ちるから、つい買わない。いつまでも置いておく。ますます買わない。そうすると今度は仕入れてこない。こういう悪循環なんです。そうして、魚屋の流しの水がうまく流れないで、室内に流れている。子供がすべってころんだりしている。これもしみ込み方式だ。何のことはない、下水を土地にしみ込まして、それを井戸でくみ上げているようなものだ。こういうことで、研究学園都市どころの騒ぎじゃないじゃないかというわけです。  パンなんかでも、ショッピングセンターに午前中に行かないと買えない。よけい仕入れて売れなかったらというふうに考えて、仕入れてこないから。だから、あしたの朝パン食だというふうにして、うっかり買いにいくのに時間がおくれると、もうない。だから年じゅうその辺の心配をしなければならない。最近は、開発で仕事をする人が入ってくるものだから、一人で十袋も二十袋も買っていっちゃう。そうすると、やれやれ、仕入れたのだけれども、買いにきた人がいたもんだからなくなったとやられて、何とも情けなくなるのですね。  野菜なんかも、季節的に地元の新鮮なものが入る場合があるけれども、ああいう土地柄ですから。二年もいる人がいますからね。ところが売れ残りしか置いてない。売れ残りが売れちゃうまで仕入れない。こういう状態が続くという。  それから医者ですけれども、お医者さんがまたたいへんなんですね。大体土浦まで行かないと、歩いて行ける近くには医者は全くない。一時間に一本のバスで、三つ目の停車場から歩いて十五分のところに、内科、小児科が一軒だけある。午前中だけです。申し込みによって夜八時に見てもらえるというようなことにしてもらっている。しようがないから、病気の子は、かわいそうだからというので、御主人に休んでもらって、タクシーを呼んで、そして土浦まで飛ばす。そうすると、どうしても二千円くらいかかってしまう。だから、ここらのところも、小さい子供がたくさんいるんですから、何とか医者というものももう少し考えてもらえぬかと言う。  それから歯医者さんについては、これは全くどうにもならぬ。土浦まで歯医者に行くにしても、これはみんな予約なんだそうですよ、二、三カ月前の予約がみんな一ぱいになってしまっていて。つまり、歯が悪くなったら、これはあきらめるよりしようがない。耳鼻科へ毎日通院させろと言われても、通院のしようがない。病気のたびに、しかたがないから御主人が休んで、一日がかりで連れていく。そうすると、もう学園研究都市の研究どころじゃないという状態になってしまっている。  それから厚生施設。これは保健所。四十八年の春に一つ開所される予定だというんですね。これは桜村ですか、バスの便もないんだそうです。歩いてはとても通い切れない。ここらのところもどうしたらいいかという点。  それから学校ですが、幼稚園がたった一台の送迎バスで、桜村の村じゅう回るんだそうですよ、幼稚園の子供さんを乗せて拾って歩くのに。おかあさんも乗って行ってみた。そうしたら、端からずっと子供さんをバスに乗せて村じゅう歩くものですから、幼稚園に行ったら保育時間がもうなくなってしまっておしまい、こういう状態だというのです。一台のバスで、今度できた公務員宿舎まで含めて村じゅう全部回るんだそうです。  小学校は、私、行ってすぐ、あれが小学校だと言うから、公務員宿舎からどのくらいあるんですかと言ったら、千メートルです、歩いてもたいしたことはない。私がもらっている手紙では、四十分と書いてある。聞いてみると、直線では千メートルだけれども、子供の足では四十分かかる。悪くすると一時間かかる。それを何とかしてくれと言ったら、公団が立てかえて建てましょうということだが、これも確たるものにしてくれ。そうして、建てる場合には、その市町村に金がないからそうなんですから、建てたはいいが、市町村のほうはどうするんだということになる。ここらのところは、文部省の方にきょうお出かけいただくことになっておりますけれども、これはほっておけませんよ。  中学校ということになると、オール自転車通学を強要されておるというんですね、行けないから。工事の最中ですからダンプは通る、これまた何とかいい方法を考えられぬものかというんですな。高校に入る子供さんがもうすでにおいでになる。これから移る方の中には高校生もいる。そういう方々はみんな二の足を踏んで、いまいろいろなことを考えているわけですね。そうなると、筑波学園都市がこれが何とかかっこうがつくまで五年かかるんでしょう。筑波大学という、あの法案は簡単に通らぬと思いますが、よしんば通ると仮定しても、ことし一期生を募集をした、あとこの人が卒業するときにならないと学園都市はできないですよ。その間、いま高校一年になる人は大学に行ってしまうんですよ。そうすると、これはまたどうするかという問題が出てくるのですから、そこらもかつてここで念を押してあるはずです。これは文部省の皆さんのほうも、地元の市町村等と話し合って特別措置を考えて、小学校が建つように、中学校が何とかなるようにする。中学が満ぱいならば、寒いところだからプレハブというわけにはいかぬにしても、教室増設等は考えて何とかしていただかないと、たまったものではないですよ。ぜひそこのところはあとからお答えいただきたいし、お考え願いたいのです。  それから中学校の、いま自転車のことを申し上げましたが、道路があんなふうになっておりますし、これから相当たいへんな時期が続くと思いますから、そこらも研究していただきたい。  それから交通安全という面でも、やたら車が通りますからたいへんあぶない。横断歩道だなんだというものも、なかなか的確につくってくれないと言っておりました。  それから防犯。さっきすでに申し上げましたが、街路灯その他が全くないので、夜まつ暗で全く見当がつかぬという状態になってしまう。だから、夜はもちろんのこと、散歩が唯一の楽しみで——娯楽機関が何にもない原っぱのまん中です。関東平野のまん中ですから。そこに公務員宿舎七棟建っているだけなんです。あとはみんな工事なんですが、そこに、街路灯も何にもないところで何か事件があったら問題ですよ。さっき申し上げましたが、昼間でもめったに歩けないと言っていますから。だから警察をつくってくれるという話があった。少なくとも警部以上の方がそこに常駐するような警察にしてくれと言っているんですよ、現場は。非常に人里離れて危険な状態にあるのだからというのです。  それから役場までの交通の便が全くない。役場に行くのに交通の便なし。郵便局も歩けば約四十分かかる。  それから家計なんですが、うちのふところ勘定。いま私がここでずらっと申し上げましたが、幾ら倹約してみても、下水あるいは水道から芝生の管理からみんな取られている。子供の病気だとすぐ車を使う。そうそう亭主を研究室から呼んでくるわけにはいかないから、やっぱりタクシー、ハイヤーに来てもらって行く。だから、どんなに倹約してみても、こっちにいたときから見ると一万五、六千円支出はよけいかかっているというのです。もう筑波山ろく学園都市なるものは、確かに過渡的な段階だとはいいながらもひど過ぎるですよ。これにはすべて個人暖房その他をやっているわけです。寒いところですから、本来ならば集中暖房ぐらいは私は考えてあげなければならぬと思うんですね。  せっかく皆さんおいでになったので、いろいろ御質問あろうと思いますので、大筋だけ拾っていま申し上げましたが、ここらのところ、私は、筑波山ろく学園都市というものは、筋論で不賛成で今日まできましたが、すでに人が移っておられるのです。問題を解決することが焦眉の急ですから、いまの問題をとりあえずどういうふうにお考えになるか。もちろん調整手当に類するものが八%ついていることはわかるのです、この委員会に法案が出たのですから。だがそれで足りる性格のものではない。だからそういう意味で、やっぱり筑波山ろく学園都市の調整手当は八%ですが、これはもう少し、人事院なり総理府なり、総理府人事局の方もおいでになりますが、やっぱり現地に行って見ていただきまして、現地の方に聞いてみていただいて、実際にかかっているのは何とか特別に考えてあげないと。奥さんが共働きしようにも内職しようにもしょうがないのです、物理的に。だから、そこらもぜひひとつ考えていただいてはどうか。こういうことを言っていた奥さんがいました。つまり、学童保育までを含めた保育施設をつくってもらえれば、つとめに行きたいんだと言っているんですよ、前歴、前職があるんだから。ところがそういう施設もない。だから毎月苦しいのがわかっていても、しかたがないからがまんしている。内職もできなければ何もできない。そこらも含めて、ならば特別な手当をさらにお考えいただく、そういう多角的な角度から御検討いただきたいということなんですが、御答弁願いたいと思います。

林忠雄首都圏整備委員会事務局長

○林(忠)政府委員 ただいま御指摘いただきましたが、いろいろな問題はおおむね事実であろうと思います。  それで、個別の問題につきまして、関係省全部おりますので、それで御答弁いたしますが、全般的にいま申しましたようないろいろな現象が起きるのは、どういうところに原因があるかということでございますが、これは全く開発のおくれている純農村地帯にきわめて高度の都市を建設しようということでございますが、これがかなり長期にわたる計画でございますので、初期に移転をされました方は、どうしても都市施設が十分でないということから、いろいろ問題が起きるわけでございます。  私、昨年夏に着任いたしまして、研究学園都市のことを関係者からいろいろ御意見を聞いてみますと、移転をされる方、職員の方からいうと、都市施設、生活利便施設が全部整ってからにしてほしい、こういうことでございます。ところが、その都市施設をつくります県とか市町村とかいう公共団体になりますと、こういう巨額な財政負担をして公共施設をつくるのに、いつどれだけの人が来るかわからないのにとても投資ができない。それから生活利便施設というのは、先ほど御指摘がございました医療にいたしましても、ショッピングセンターにいたしましても、これは主として民間に期待するわけでございますが、こういう施設はやはり相当人口が定着しない限りはペイしない。こういうぐるぐる回わりの悪循環になっていたわけでございます。  そこで、こういうものを根本的に解決いたしますためには、やはり建設の何年にはどこが移るということを確定する。しかもなるべくまとまって短期間に移転をする。それに応じまして、これを受け付けます公共施設は、その移転よりも先んじて基幹的なものを整備をする。なお、最後に残る問題といたしましては、利便施設でございますが、これは純然たる民間だけにまかしておいてはなかなかできない点がございますので、住宅公団、県、公共団体等が出資をいたしました特別な会社をつくりまして、先行的な投資をして、そういう施設については手当てをしていく、こういうことでございます。  ただいまのスケジュールで申しますと、研究機関の移転は、大体昭和五十年度一ぱいには建設を概成をする、昭和五十一年中ぐらいには八割以上の移転を要する、こういう計画になっております。これを引き受けます公共施設でございますが、これにつきましては、道路、上下水道等の基幹的な公共施設につきましては、四十九年度中におおむね概成をする。四十八年度の公共施設関係の予算は、現在財政当局と詰めておりますが、われわれの考えでは、四十八年度中に全体計画の七〇%程度は整備をいたしたい、こういうふうに考えております。  以上が総括的な考え方でございます。個々の問題につきましては、関係省からそれぞれ御答弁をいたしたいと思います。

小幡琢也大蔵省理財局次長

○小幡政府委員 私のほうは、公務員宿舎の問題でございますが、本来公務員宿舎と申しますものは、公共施設その他の環境整備のめどが十分にできまして、その整備の一環として建設さるべきものであると考えておりますが、本件の場合には、特殊の事情がございまして、関係の省庁からの強い要請で、移転機関の職員宿舎を早くつくるようにということで、とりあえず、現在建っております百七十二戸を建築いたしました。むね数は七棟でございます。さらに、本年度末までに百二十九戸を、むね数は七棟でございますが、建築する予定になっております。  そういう事情がございまして、確かに先生の御指摘にありましたように、こまかい点におきまして不行き届きの点があったことは私どもも非常に痛感しております。ただ、中身につきましては、私どもは関係省庁の御要望もありまして、一般職員の方につきまして、筑波以外のところに建設いたしまして入居させますそれぞれの宿舎の基準、これを一格上げまして、かなり広いものを提供するようにしているわけでございます。たとえて申しますならば、一般職につきまして、筑波以外のところは三Kか二DKでございますが、筑波にいたしましてはこれは3DKと広くなっております。それから主任研究員クラス以上あるいは課長以上につきましても、それぞれ筑波以外の地区におきます基準よりも一格上げて広いものを提供するように配意しているわけでございますけれども、確かに御指摘にありますように、東京その他にあります規格品がまた筑波にできたということでは、これは済まないという問題がございますので、今後、建築いたします宿舎につきましては、やはりこういった研究学園都市にふさわしい宿舎に質を改善する必要があるということで、いまいろいろ検討しているところでございます。  それから、御指摘がありました単身ないし独身用の宿舎の問題でございますが、一部には三人入っているという問題がございますので、こういうものは、これからは単身、独身者といえども一人二月ということに改善しようと考えているわけでございます。  それから芝の管理の問題でございますけれども、これにつきましても、今後できるだけ環境整備費をつけまして、その辺を考慮したいと考えております。  それから水の問題でございますけれども、実は先生先ほど、これは不適のものがあったという御指摘でございますけれども、実はあれは四十七年十一月二十六日の土浦保健所の飲料水試験の成績でございます。滅菌前が飲用不適、それから同じ日の四十七年十一月二十六日に、滅菌後となっておりますが、それによりますと飲用適ということになっております。しかしながら、やはり井戸水でございますので、そうはまいりませんので、できるだけ早く上下水道をつけるということを、いま関係諸団体に働きかけまして推進しているわけでございます。  その他、ごみ処理施設、それから下水処理の問題、これも大蔵省だけではできませんものですから、いろいろ関係機関と折衡いたしまして、できるだけ早く整備するようにつとめたい、かように考えているわけでございます。

西崎清久文部省管理局教育施設部助成課長

○西崎説明員 文部省関係を御説明申し上げます。  学校施設につきましては、関係各省、公団といろいろ御相談をいたしておりますが、まず幼稚園でございます。幼稚園はスクールバスよりはやはり徒歩で通うほうが望ましいということで、私どもの試算といたしましては、五歳児が約七〇%、四歳児につきましては六八%の就園率ということで推定の大体の計算をいたしまして、大体十二園の必要があろうかというふうな計算をいたしております。それから小学校でございますが、小学校につきましては、同じような推定計算をいたしまして、やはり十二校の必要があろう。それから中学校につきましては六校の必要があるのではないか。これはおおむねの見当の数字でございます。これらにつきましての全体計画を立てる必要があるわけでございますが、やはり公団のほうで立てかえ施工をしていただくという方法になっておりまして、四十八年度は小、中、幼稚園のそれぞれ一校ずつ、一園ということで着工していただくことになっております。  買い取りにつきましては、四十九年は据え置きで、五十年から買い取るということに一応相なるわけでございますが、その際の国庫補助につきましては、現在の制度で申しますと、二分の一でございます。ところが、今回、国会に義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部改正を提案いたしておりまして、急増地域につきましては三分の二の補助を行なうことになっております。この急増地域の要件の問題があるわけでございますが、筑波学園都市はおそらくその要件に該当すると思われますので、この要件に該当した場合には、小、中学校の校舎については三分の二の補助を行なうことが可能であろうというふうに思われるわけでございます。それから高等学校でございますが、高等学校についてはいろいろ計算のやり方があるわけでございますが、全体計画としては、おそらく四校ぐらい必要ではないかというふうな試算をしておるわけでございますが、これは若干むずかしい問題がございまして、なお今後詰めてまいりたいと思っております。  以上でございます。

長橋進人事院事務総局給与局次長

○長橋説明員 特別手当の話が出ましたけれども、職員の給与問題につきましては、現在、給与法でそれぞれ既存の手当につきましていろいろ配慮しておるということでございます。筑波学園都市の移転手当につきましては、当時、特殊な事情がございましたので、四十六年に制度を新設したということでございます。もちろん、生活環境、勤務環境に即応いたしまして適正な給与というものは考えてまいらなければなりませんけれども、筑波研究学園都市につきましては、生活環境の整備その他いろいろございまして、給与面としてなおいろいろ検討しなければなりませんが、当面のところは、調整手当の最高支給割合、大都市並みの八%というところで一応あれではないかと考えております。ただ、筑波研究学園都市の移転手当新設のときに、今後研究、調査してやってまいりたいということでしたので、その辺の環境整備条件につきましては十分注意を払いたいと考えております。

林忠雄首都圏整備委員会事務局長

○林(忠)政府委員 ただいま治安の問題がございました。確かに、建設が進みますと、いろいろ現場の労務者がたくさん入ってまいりますので、非常に問題があるということで、茨城県警のほうで非常に心配をいたしまして、現在、花室の公務員住宅地区に六人ないし七人の警察官が常駐できる施設をつくっておりまして、来月あたりにももう常駐できるのじゃないか。なお夏までに機動隊三十五人を現地に派遣をする。そのための臨時の待機所等の新設に近くかかる予定でございます。なお、本格的な警察署は、昭和五十年に建設をするということに聞いております。  ただいま水の問題がございましたが、御承知のように、あそこは六カ町村ございますので、それもいろいろ財政的に弱いということがありますので、六カ町村集まり筑南上水道企業団という一部事務組合をつくって、現在上水道の建設に着手しております。四十八年度中には供給ができるようになると思いますので、おそらく公務員住宅につきましても、四十八年度には本格的な上水道の供給が可能になる見込みでございます。  それから、ごみの始末につきましては、同じく六カ町村で筑南地方広域行政事務組合、これも一部組合でございますが、ここで焼却場の位置を決定いたしまして、これも現在建設中でございますので、おそらく四十八年度中には稼働に入れる見込みでございます。  なお、ショッピングセンターにつきましては、日本住宅公団から四千万円の出資金を出資をする。それから茨城県では、これに応じた出資金を現在県会で提案中でございます。それで、本格的な大きなショッピングセンターにつきましては、中央地区に大きなものをつくるわけでございますが、とりあえず各住宅地区につきましてサブセンターを早急につくる予定にいたしておるところであります。

金丸信自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○金丸国務大臣 実は私も、国会が再開される前に筑波を視察してまいりまして、まだまだの感が非常にいたしたのでございます。先生のおっしゃるとおり、まさにこれでは喜んでここに赴任してくる人はない。住宅の問題にしても、あるいは日照権の問題にしても、こんなことでいいのかしら、こういうこともあります。また、土方もたくさん入っておる、ここで防犯関係はどうなるのだろう。街路灯も立っておらないというようなこともつぶさに見、また下水の問題等は非常に問題になった問題のようでございますが、一つの町をつくるといったら、下水道から水道から解決するというのが一つの政治のあり方だ、私はこう考えておるものですから、その話をただしたところが、ようやく解決ついたというようなことで、これも早晩着工になると思うのですが、道路にしても環境整備をして、東京から赴任してよかったという学園都市にしなければならぬ、こんなふうに考えております。

大出俊日本社会党

○大出委員 これは時間の関係もありますから、こまかく言えば切りがありませんが、一言で申し上げますと、世帯構成あるいは単身いずれを問わず、まだ人が住める状態でないところに移した、これはどういう責任をとってくれるのかと言いたいのです。だから前に私が念を押した。大蔵省の方がいまおっしゃいましたが、それは、公務員宿舎をこしらえるときには、環境その他一切整備してから移ってもらうようにしておるのだ、この場合は関係機関に急がれてしようがないと、実はいみじくもそうおっしゃった。まさにその意味ではいま行った人は被害者です。筑波学園都市をめぐっていろいろな賛否の意見がある。何でもかんでも急いで持っていって移さなければならぬということでやられたら、ていさいのいいことを言うけれども、実際言うと、上下水道はどこにもない、街路灯はできていない、道路等がない。医者だ、学校だ、幼稚園だ、何の設備もない。物を買うといったって買う場所もない。二年過ぎた人もたくさんいる。そして二年間そういう目にあってきている。まだこれから何カ月か続く、あるいは何年か続く、国がそういうことをやるのは一体どういうわけだというのです、正直言って。医者が間に合わなくて幼い命でもなくなってごらんなさい。だれが責任をとるのかということなんです。こういう便宜主義、御都合主義をやってはいけませんよ。  しかも建てた建物だって、どこでもやっているのかもしれないけれども、一番はじのところに色の違ったものをこしらえて、一等級の方だけが住むもので——おやめなさい。ほんとうにばかばかしくて話にならない。生活の実態に応じた宿舎というものを考えなければいけませんよ。一等級の子供さんと平の子供さんとはどうなるのだ。おれのところおやじは一等級だと、二つや三つの子は言わないかもしれないけれども、いい気持ちはしませんよ。それしかないのだから住んでいるのだけれども。一番はじにはでかいやつが三LDK、四LDKと言っている。ああいうものはやめてもらわなければいけませんよ。全く筋違いで、まさに官僚主義の典型みたいなものです。大きな間違いですよ。軍人恩給なんか見たって、いまだにいにしえの戦争中の階級がついて回る。軍人恩給なんか気に食わぬけれども、世の中は変わっているのですから、兵だって下士官だって、生活というものはあくまで生活なんです。そうでしょう。行ってごらんなさいよ。奥さんだって何とも言えぬ感じです。おまけに転勤。あの中に、事務だから異動がある。そうすると、こっちに移って、塗料を全部塗ったりなんかしてやらないと、明け渡しの許可がおりないという。だけれども、これは塗料がこれからすぐ色が変わるのですよ。これはみんな塗らなければ出られないというから、まさにこれも官僚的なんですね。とんでもないところにほうり出されて、政策の犠牲になって筑波研究学園都市にやられてしまう。皆さんが一生懸命無理してやられる。うそっぱち並べて、とてもいいところでなんていうけれども、ちっともよくないですよ。そういうことにしてはいけません。  これはおまけに、いまきわめて簡単なことを人事院の次長はおっしゃるけれども、これはそれでやれますか。いや当分の間研究するようになっているとなっているのだ。転勤にあたっての手当は、期限なんかついちゃいませんよ。そうでしょう。現実に苦心してきているんですから、やはりそれなりのことを考えなければ。さっき申し上げたように、東京にいた人がずいぶん行っているのですから、自分の生活が目減りしているのです。東京だって八%ついているんだから。筑池学園都市へ行ったって一つも変わりはしないのですよ。手当をつけたってあたりまえじゃないですか。東京にいた生活から一万五、六千円減っているわけです。家計費はそっちのほうでとられておる。それならば八%というのは東京でもあるんだから、東京にいた人間が行ったのだからつかぬと一緒じゃないですか。そうなれば、その分だけ別に見なければやっていけないじゃないか。月並みなことを言ってはいけませんよ。現実に行ってみましたか。行ってなければだめですよ。大臣しか行ってないでしょう。行った方はここにあまりいないのじゃないですか。事務局長は責任上行ったかもしれませんけれども、ほかの方は行ってない。行ってないでそんなことを言ったって、あなた、行く身になってごらんなさい。いやだと言うに違いない。冗談じゃない、行けるかなんて言うくせに、ここにいて、ていさいのいいことを言ってはだめですよ。次長なんか、行けと言われたらどうしますか。行けるものかといってそっくり返っちゃう。そうでしょう。やはり行ってみなければいけないのです。百聞は一見にしかずというのです。そこで、そう言わないで、行って調べてみます、こう答えてくださいよ。どうですか。

長橋進人事院事務総局給与局次長

○長橋説明員 筑波研究学園都市の給与問題につきましては、くどいようでございますけれども、やはり、生活環境の整備とか、あるいは施設状況の整備ということが、まず先行しなければならぬというように私は考えております。ただ、給与問題につきましては、やはり職員の給与ということでございますので、そういう実態というものを十分承知した上で考えなければならぬというように考えております。

大出俊日本社会党

○大出委員 公務員法に基づいて生計費、生活の実態調査をされたのでしょう。このマバ方式なんというのは人事院方式なので、法律上実態を調べなければしようがないでしょう、特殊な地域なのだから。大蔵省がおっしゃるように、無理やりやったのだから。なでたりさすったりして、いいところですよ、奥さんいらっしゃいということをやったのじゃないですか。だから期待に胸をふくらませてきたと言っていました。ひどいところへ来ました、二年間泣いていますと言っています。泣かした責任が皆さんあるじゃないですか。犠牲者だよ。  そこで大臣は、筑波研究学園都市はうまくいっていますなんて言いたいわけだが、行ってやっていますと言ったって、そこで生活している人はだまったものじゃない。だから、そこら辺をあなた方のほうで調べて、そのような措置をおとりにならなければ、現地の方が納得するようにしなければだめですよ。そんなことを言ったって、医者はほんとうにいつになったらできるんだといったって、医者だってぺイできなければ来やしませんよ。そうでしょう。患者もないところに家を建てて引っ越してきやしませんよ。診療所でもすぐつくるというなら別だ。いまの答弁の中にはそんな気もないでしょう。土浦まで一々おやじさんを休ませて連れていくのでしょう。おやじさんをそうそう休ませるわけにはいかない、えらい人がきげんが悪いからというので、子供を医者に連れていくのにタクシーを呼ぶでしょう、そんな費用も東京のまん中では考えられないじゃないですか。そういうことをあなた方は調べてみなければいけませんよ。事務局長、おいでになりましたか。

林忠雄首都圏整備委員会事務局長

○林(忠)政府委員 数回行っております。

大出俊日本社会党

○大出委員 数回行った人は話がわかる。大臣も話がわかっている。おまえたち、行かないでそんなことを言ってはいかぬと言って、早急に手を打ってくださいよ。ほかの方の質問もありますから、あまりこまかくは申しませんが、そこら辺、ぜひひとつさっき申し上げた線に沿ってお進めいただきたいわけでございます。  最後に住宅公団に関しまして二つだけ承っておきたいのであります。一つはこれは文部省との関連でございますが、まず文部省に承っておきたいのは、学校、特に高校進学は今日どのくらいの率になっておりますでしょうか。

西崎清久文部省管理局教育施設部助成課長

○西崎説明員 昭和四十七年三月、昨年でございますが、八七・二%でございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 私、横浜におりますが、横浜は進学率がおおむね九七%ですよ。百人のうち三人しか、高校へ進まないで働く人はないのです。これは、高校全入という思想がございましたが、ほぼそれに近いですね。ところが、過密地域でございますから、人はどんどん入ってくる。横浜という大都市、私は十年ここでごやっかいかけておりますけれども、十年前に百六十万市民、今日二百四十万市民ですからね。宮城県知事選挙に行ってみたところが、宮城県全人口百八十万。横浜市の人口は二百四十万あるのですから、この十年で八十万からふえたわけです。仙台が六十万ですから、この十年ばかりで仙台より大きな町が一つできた勘定になる。だからそれはどうにもならぬ状況にあります。校舎を建てるといってもまず場所がない。  そういう状態で、実はもうだいぶ前でございますが、住宅公団のお買いになった用地がある。こまかい説明は前に話してありますから深く申しませんが、横浜市磯子区丸山町というところの台地に丸山台というところがある。ここに約一万坪くらいの取得用地がある。ところが高いところでございましてどろの搬出について地域住民がまっこうから反対をする。戸田建設等二社くらいに発注はしたが、それきりになって、最近は契約を取り消しております。地元でお世話になる業者ですから、四の五の一切申しませんと言っている。PTAの方々を中心に、ここは高校建設に充ててくれ、こういう要望が引きも切らず。県議会でも再三質問が出る。超党派でございまして、教育長も、何とかこの磯子につくりたい、丸山台のこの住宅公団用地を買い取る。この間、知事に私、電話をかけて話しましたら、知事も、売ってくれるものならぜひ買いたい、こういう話でございます。これは地域を含め、周辺を含めて県なり市なりに、ある意味で長年ずいぶん迷惑をかけている公団ですし、年百年じゅう問題があるのですから、そのつど取り上げないで直接公団の総裁のほうにも言ってくれと住宅公団が言うくらいの問題ですから、こういうようなことは、私はあっさり神奈川県当局と話し合って、神奈川県当局に売ったっていいじゃないか、こう思っている。知事もそういう意向です。県議会のやりとりもそういう方向で動いている。超党派でそうなんです。九七%の進学率を持ち、年々十数万ふえてしまう地域ですから、そのくらいのことは考えていかなければならぬ。行く高校がないのですから。だから、県があとは全部負担してやるというのだから、土地を売ってくれというわけです。高校には一万坪は適地ですから。  だから、そこのところは公団の方々呼んで私聞いてみた。ところが、住宅公団法に基づいて用地を取得してうちを建てるのが本業でございますから、政治的な発言はできない、事務的な私の発言をもってすれば、建たない現実を知っています、だけれども、うちを建てたいので用地取得したのです、公団の側から積極的に売りますと言えないと言う。それでは建設大臣その他のところで私は申しましょう。そうすると、そうしていただければたいへん助かる、こういうわけです。私のほうからそれは言えないというわけです。だからそこのところは大臣サイドで——地元で話はまとまるのですから、公団だって、これからまだ横浜市内にたくさん建てるのだから。早い話が、国大のあと地にだって公団が土地を取得する。地域でいえばいろいろ問題はある、そこらは何とかまとめてくれぬかという話は逆に来るわけだ。だから、地域住民がこうしてくれというようなところはそうして悪くはない、こう思いますが、高校進学率の非常な高まりとあわせて過密都市の現状でございますから、大臣ひとつ御答弁いただきたいと思います。

沢田光英建設省住宅局長

○沢田政府委員 大臣の前にちょっと……。先生おっしゃいますこと、いろいろ経過がありまして、実際に神奈川県あるいは地元、こういうものに対して公団はいろいろとごやっかいをかけているし、今後ともうまくやっていかなければいかぬわけでございます。ただ、公団といたしますと、私ども住宅担当者といたしますと、なるべく計画はやったとおりにいきたい、こういう気もございまして、いままでは、地元のそういうダンプ公害等でできないという現実にありましたけれども、できるだけ地元とうまくやっていきたいと御相談申し上げておりました。しかし、御存じのように、工事がストップしてございます。そこで、県からなどはいろいろこれから御提案もあるかと思います。そういうことで、私ども県と御相談の上、いろいろ御相談に乗れることがあれば、私どももそれを受け入れるにやぶさかでない、こういう態度でまいりたい。大臣もその点たいへん御心配されておりますので……。

金丸信自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○金丸国務大臣 先生御案内のように、いま一番の問題は住宅問題だと思います。そのために、住宅公団、建設省の住宅局、われわれ命がけでこの問題を解決したいという気持ちでやっておるわけでございますが、その土地を高校に提供しろ、こういうことで、それも地域住民のためになることであるから、遊んでおる、絶対に建つことができないということであればそれも考えなくちゃならないだろう。しかし、魚心あれば水心ということですから、こちらの、土地をほしい、住宅を建てたいという考え方にも何かこたえてもらえるようなことができれば非常に幸いだ、こう私は思っております。

大出俊日本社会党

○大出委員 いままでも、実はずいぶんこたえてきたのですよ。実は神大寺というところ、ここなんかだって皆さん大きな住宅公団の計画を立ててやっておられるんだけれども、地元町内がまっこうから反対して、長い紛争でしかたがないから、私のほうで南部総裁に電話で話をしまして、ここでやるとまた大きな騒ぎになるから——所長がかわったら全然別なことを言う。亀裂が入ったなんというのはみんな減らしてしまって、おまけに、難聴状態になってしまってるのを工事中に全部直しますと言っていてやらない。大騒ぎになった。工事が進まなくなるから、地元の諸君が一生懸命、県、市会の方々など中へ入ったり、私なども引っぱり出されて、話は一々まとめているんですから、ずいぶん苦労させられているのですよ、ぼくら住宅公団の被害者だ。  今度は、ぼくらさんざん骨折って、横浜国立大学が校舎が分散しているから、保土ケ谷のゴルフ場あと地に全部一括集める。この集めるときだって、国は何もしょうとしない。しようがないから、ゴルフ場の経営者がたまたま国大の出身者であった。参議院議員の岡三郎さんはじめ、私どもみんなお目にかかって頼んで、建てかえまでしてもらっている。そうしたら今度は、それはけしからぬというので国会で質問まで出てる、ばかな話だ。それで移ることになったらこのあと地。それは、地域で超党派的にみんな動いてやったんだから、政治に首を突っ込んでる者全部がやった。横浜のために、地域のためにというので。だからあと地はせめて市民に返せという。あたりまえです。ところがそこへ、住宅公団がそれを買うという。おっしゃるとおり、住宅も必要なんだから、泣くべきところは泣こう、ほかならぬ公団だからというので、話をまとめて、買えたわけでしょう、皆さんだって。ぼくらも、住宅公団の性格、目的を知らぬわけではない。だから言っているわけですよ、将来とも関連はあるじゃないかと。その国大の用地の中にも、別に文部省とこれは話をしているわけですが、大蔵省財務部とも話をして、南区の高校をそこへつくる予定地も考えていますよ。県も積極的にやっています。横浜財務部なんかも、大蔵省関係も非常に親切に話に乗っているのですよ。公団は公団で、そういうところで用地がほしい。いろいろと出てくる、県下でも。  だから、何も一万坪も、地域の事情でできないんだから、その高校にPTAも先生もという大騒ぎになっているところで、そういうところで魚心水心の話をいきなりすると、ものごとえげつなくなるから、そういうところはしようがない、一万坪いいじゃないか、そのかわりこっちのときにはひとつ協力せいという話にしないと、やっぱりものごとどうもみみっちくなるからね。金丸さんともあろう、近来まれなる建設大臣がおいでになるんだから、そこのところはあっさり、魚心のほうはちょっと断っておいて、一ぺん口に出したんだから取り消せとは言いませんけれども、言ったということについて、ひとついまの話だけはつけてください。

金丸信自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○金丸国務大臣 私もこの問題につきましては、まだ詳細はつまびらかにしておりません。十分に話を聞き、また、委員会というところでなくて、相対のお話も承ったりいたしまして、ひとつ十分に検討してみたいと思います。

大出俊日本社会党

○大出委員 最後に、公団家賃の値上げというのは、最近どうお考えになっておりますか。

沢田光英建設省住宅局長

○沢田政府委員 公団の家賃は大体建設費に基づいて計算されております。したがいまして、古い時代のものと新しくできるものとの間に非常に大きな格差がございます。そういう格差の不公平の問題が一つ。それからもう一つは、その古いものにつきましては、維持修繕費も団地、ことには赤字が出てくる、かような具体の問題がございます。こういうことを事務的に考えますと、やはり古いものの公団住宅の家賃はやはりここいらで再検討する必要がある、こういうことは事務的に申されます。しかし、公団の家賃の値上げということは、諸物価政策にも関連いたしますので、これにつきましては、事務当局といたしましては慎重に検討しておる段階でございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 私、これは四十五年五月十三日の建設委員会、金丸さんがいみじくも委員長の時代の議事録なんです。ここにあるのは四十六年三月十日のこれは議事録です。これもやはり金丸さんが委員長の時代。ここに四十六年十二月二十二日の議事録がございます。ここで佐野さんがずっと質問しておられる中身を全部読んでみました。だから、ここであらためて説明をいただかぬでも、私のことですからこれはよくわかっております。したがって、住宅公団法施行規則の九条なり十条なりというものも知らぬわけではない。その上に立って、気になるのは、調査中、検討中ということばがひょっと入る。  そこで、つまり四十八年度という限定をして、大臣にひとつ手直しをする気がございますか。なければないとはっきりしていただきたい。

金丸信自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○金丸国務大臣 ただいま局長から話があったわけですが、物価という問題も考えてみますと、家賃値上げというものは相当慎重に考えなくちゃならぬ。ですから私は、四十八年度につきましてはやるつもりはありません。

大出俊日本社会党

○大出委員 終わります。

三原朝雄自由民主党

○三原委員長 午後二時より委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。    午後零時三十七分休憩      ————◇—————    午後二時二十二分開議

三原朝雄自由民主党

○三原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  通商産業省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより質疑に入ります。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。近藤鉄雄君。

近藤鉄雄自由民主党

○近藤委員 けさの新聞によりますと、先週から引き続いて東京為替市場は閉鎖されて今週一ぱい再開の見通しがない、こういったようなことであります。まさに最近の日本経済は非常にきびしい国際環境の中に立たされているわけであります。しかし、現在の私たちの立場が非常に深刻なものであるにせよ、私たちは、終戦以来の日本経済の発展、成長の成果、これを高く評価することにやぶさかであってはならないと思うのであります。そしてまさに世界の驚異といわれ、大ぜいの世界の人たちの羨望の的であり、場合によっては怨嗟の的にもなっておりますけれども、これだけ豊かな経済繁栄をもたらした基本にまさに官民一体の経済運営の妙があったことを私たちは認めなければならないと思うのであります。  私は、本日、この委員会で通商産業省設置法の一部を改正する法律案について御質問をいたします際にあたって、このような、戦後の驚異的なすばらしい経済成長のいわばかじとりであったところの通商産業省の皆さんの実績、そして熱誠、熱意に対してあらためて心から敬意を表する次第でございます。歴代非常に優秀な大臣を持たれ、そしてまさに非常に優秀なスタッフを持たれた通商産業省の非常に聡明な先見性のあった旗振りがあったからこそ、私は現在の日本の経済大国ができ上がった、かように考えるわけであります。しかし、同時にそのことは、新しい内外の情勢に対して、通商産業省が従来と同じやり方であっていいということを意味するものではないと思います。むしろ、一つの成功が新たな問題をいまや提起していることに思いをいたしますときに、今度の国会において通商産業省が設置法を改正して新しい体制で事に望まれようとしていることも、私たちは十分理解するわけであります。  そこで私は、最初に大臣にお聞きしたいわけでございますけれども、いま私たちが当面している経済諸問題は、これまでの諸問題とどのような形で質的に違ったものというふうにお考えになっていらっしゃるのか、そしてそれをどのような形で解決しようという意図で今回機構改革をお考えになっているのか、基本的なお考えをお聞きしたいと思う次第であります。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 一九五〇年代、六〇年代は、成長に重点を置きまして政策をやってきたと思います。そして特に五〇年、六〇年代においては、重化学工業中心に努力して、その目的に関する限りは成功したと思いますが、七〇年代に入りましてから公害問題そのほかいろいろな変化が出てまいりまして、価値観の転換と申しますか、そういう意味で成長中心から福祉指向の方向に日本経済のかじを少し変えていく。従来も福祉を無視しておったというわけでもありませんし、今日成長を無視しておるというわけでもありませんけれども、その重要な方向を福祉指向及び知識集約型に今度は転換をしていく、そういう方針をきめたわけでございます。それに伴いまして、国際協調、無公害社会の建設、中小企業の擁護及び技術開発、そういうことがそれと同じように付随して強調されてきているわけであります。  通産省の機構は、ややもすれば、成長といいますか、明治以来、やはり富国強兵、殖産興業という形で、行政指導系統で許認可を中心に流れてきました。戦争中は軍需省という形で、やはりこれ成長、生産増強。戦後は、日本国民を食べさせていくために、これまた成長指向型、そういう一連の形で通産省の機構というものはできておったと思うのです。だから、そういう機構の上に立ってドルも蓄積されましたし、大きな経済的発展もなされたと思うのですが、ここで思いをいたして、二十一世紀に向かっての新しい社会を建設していくという意味において、福祉指向型ということをはっきり定義いたしまして、それに伴う機構改革も行なう必要があるというので、今回の機構改革ということになったわけでございます。ただ、知識集約型産業とか、こういってもまだ全貌を策定しておるわけではないので、コンピューターとか情報産業とか、部分的にそういう徴候が出ているわけでございますが、方向としてはそれに間違いない。そういう考えに立って、非常に付加価値の高い、そして知識をその価値の中心にする体系に徐々に転換していく、こういう考え方に立ったわけでございます。  それから、現在当面するところの円の変動、国際通貨の変動というものに対しましては、私の考えは、これはアメリカのドルが意外に弱かった。それでこの前アメリカが約一〇%切り下げをやりましたが、あのときにマルクは何ら変化を持たないで、そのまま現状で来ました。ところが、実際はマルクが強かったのだろうと思うのです。そういう意味でマルクはフローティングをやらないでいた。その切り返しが今度マルクに来て、ああいう第二次の変化を呼び起こして混乱してきたのだろうと私は思います。しかしこれは、ドルが意外に弱いという世界的評価が背景にあるのだと私は思います。そういう意味において、この通貨問題を国際的に早く調和させるためには、ドルがもっと責任を持って、世界の基軸通貨としての自覚のもとに、アメリカの国内政策や対外政策を行なう必要があるのではないか、そう思います。基軸通貨というような性格を持っている通貨が幾らでもお札を印刷して出せるという体系で、その価値が保てるものではない。金との交換性の問題とか、あるいはアメリカの多国籍企業に対する外資への流出のチェックであるとか、あるいはおそらくアメリカの関係者も関係しているだろうと思われるユーロダラーに対する国際的規制であるとか、そういう問題を放置しておいてアメリカのドルが安定するということはなかなかむずかしいと私は思います。そういう点については、アメリカの政府当局の決意も非常に重要なのであって、われわれは、通貨並びに通商面においてドルの価値を回復するために協力する意思は十分にありますけれども、一方において、アメリカ自体が世界の基軸通貨国としての責任感をもってやるべきことはやってもらうということが非常に重要であると考えます。

近藤鉄雄自由民主党

○近藤委員 ただいまの通産大臣の御説明をお聞きいたしましても、まさに日本経済は、従来と全く違った新しい次元で新しい問題に対応していかなければならないことがよくわかるわけであります。私は最初に申し上げましたように、非常なすぐれた大臣とすぐれたスタッフを擁する通商産業省、国際的にもノートリアスMITIですか、非常に国際的にも聡明さと行動のすばらしさで有名な通商産業省が、この問題を巧みに解決して、私たちの日本経済をさらに高度の次元に持っていっていただけることを期待して、基本的には信頼をしている次第でございます。しかし、個々の問題につきまして、やはり国民としていろいろお聞きしておきたい問題がございますので、以下順を追って御質問をさせていただきたい、かように考えるわけでございます。  まず第一に、この為替市場の混乱にもあらわれておりますように、いま日本経済が当面している最大の問題は国際均衡の回復である、かように考えるわけであります。そして大臣のお話にありましたように、従来の成長中心、輸出傾斜型から、これからは内需を中心にして、さらには輸入もふやしていく、そういう方向に政策の切りかえをしなければならないということでございますけれども、具体的に申しまして、今度の通産省の機構改革で、従来の通商局、貿易振興局を通商政策局と貿易局という二つの局に編成がえになることになっているようでございますけれども、この編成がえによって、たとえばどういう形で輸入の増進が行なわれるようになるのか、輸入の増進によって国際収支のバランスの確保がこの新しい機構でどういうようになされることになるのか、御説明をしていただきたいと思うわけであります。

和田敏信通商産業大臣官房長

○和田(敏)政府委員 ただいま大臣からも御説明申し上げましたように、今後の通産政策の基本的な方向といたしましては、国内的には国民福祉の充実、国際的には国際協調の推進を目標といたしますし、また長期的にはわが国経済の置かれております基礎条件の変化に対応して、将来にかけて望ましい発展のための通商産業行政に転換をしていく必要があろうかと思います。  先生御質問の点は、おもに第二の国際協調の推進にかかわる問題ではなかろうかと思いますが、今回の機構改正におきましては、諸外国との市場摩擦を回避する等、国際協調を円滑に推進するために、総合的な対外経済政策の企画、立案機能及び国際交渉力の強化をはかることを目的とし、及びこれに対応して輸出入管理、貿易業務等を一元化して、国際経済政策の総合的、効率的実施を強力に展開するための整備をするという観点に立って、通商局及び貿易振興局を再編成をいたしたものであります。市場政策、多数国間経済政策、経済協力政策の企画、立案及び国際交渉を一括して所掌いたします通商政策局と、輸出入管理等貿易業務を一元的に行なう貿易局を設置することとなったものであります。  先生の御質問の中で、輸入の推進をいかがするかという点かと思うのでございますが、従来、通産省組織一般が輸出の振興ということに力点が置かれておりまして輸出入のバランス、あるいはここまでわが国が大国になったことに伴うところの、わが国の通商政策の世界各国に与えるインパクトに対するわれわれの認識が、必ずしも十分ではなかった点を反省もいたしております。そのような観点に立ちまして、今後は国際協調という形で輸入と輸出とをパラレルに扱ってまいりたいと思っております。通商政策局において立てられた政策に基づきまして、貿易局におきまして輸出入を総合的かつ効率的に実施していき、日本全体の輸出入の関係を調和あるような形に持っていきたいというふうに考えております。輸入の推進に関しましては、輸出の振興とあわせて貿易局においてこれを総合的に実施していくという組織を今回の設置法の一部改正において実現したいと考えておる次第であります。

近藤鉄雄自由民主党

○近藤委員 御説明たいへんよくわかるわけでございますが、実は私、予算委員会の分科会でもちょっと御質問をしたわけでございますけれども、四十八年度の通商産業省の予算の中でも「国際経済における協調の確保」という大きな項目がございまして、その中でいろいろまさに調和を確保するための施策をお考えのようでございますけれども、輸入だけがすべてだとは思いませんが、いわゆる輸出入の経常収支のバランスをとるために必要な輸入促進の予算を探ってみますと必ずしも大きくはない。予算委員会でも御質問いたしましたが、たとえば製品輸入促進対策費として六百万円。六百万円というのは全くわずかな金でございます。その他ずっと見てまいりましても、私は、必ずしも金額だけの問題じゃない、いわゆる輸入促進の政策はあると思いますけれども、ただ私は、これまであれだけ一生懸命輸出促進をしてきた熱意、努力と比較して、まだまだ輸入促進によるところの貿易収支のバランスをとるということについては、必ずしも通商産業省としても、完全に発想の転換、タイドの転換をし切っていらっしゃらない面もあるのじゃないか、かように考える次第でございます。  同時に私は、この際大臣にお聞きしたいわけでございますが、いわゆる通商産業省所管の商品だけが輸入の対象じゃない。通商産業省以外の省が所管しておる商品、たとえば農産物、食料品等も、当然輸出入バランスのために大事な項目であると私は考えるわけでございますが、各省そういうことをして、輸入行政というものが必ずしも統一されてないということに問題があるのではないか。言いかえますと、輸入行政の一元化というようなことについて何らかのお考えがおありになるかどうか、承っておきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 通商政策局におきまして、そういうバランスを維持するためのいろいろな政策を企画、立案するわけでございます。それでわれわれの方針としては、基礎的収支をゼロにしよう。貿易収支はある程度黒字でございますけれども、長期資本収支その他でマイナスがあって、そして主として対外経済協力に要する経費等を見積もって、大体これがGNPの一%という予定を立てております。それに見合う分の貿易収支、経常収支の黒字をつくって、それを大体の基準にしまして計画をつくって、その計画の実施について、貿易局のほうと打ち合わしてやる、そういう形になります。  それで、私は自分で考えてみるに、ある程度決心をしますれば、輸出を増大するということは非常に苦労が多いと思うのですが、しかし、輸入を増大するということは、ちょっとゆるめればばたばたと入ってくる可能性もありますし、経済の変動によっては意外に黒なんて消えてしまうという情勢が出てくると思います。現に最近の形勢を見ますと、輸出は停滞して輸入がきわめて増大しておりますけれども、そういうような傾向というものは今後ともやはり起こり得ると思うのです。ですから、関税政策とか、あるいは割り当て政策とか、そういうあらゆる面を活用して、そしていつも基礎的収支においてゼロにする、そういう考え方に立って政策局と貿易局が協調しながら進めていく、そういうことにいたしたいと思っております。

近藤鉄雄自由民主党

○近藤委員 おっしゃるように、まあ売るのはたいへんだけれども、買うのは、買う気になったらじゃんじゃん買う。これは私たち個人の生活を見ていても全くそのとおりだと思うわけですが、問題はやはり金があるからじゃんじゃん買うということではなしに、日本経済の今後の運営のために、また生産性を高めるために、さらに日本の民族の教育、文化水準を高めるために、そういう形の輸入のいわば開発ということも、私はこれから必要だという気がいたすのでございますが、実は、午前中商工委員会で機械類信用保険法改正に関する質疑を私がいたしましたときにも触れたわけでございますが、いまいろいろ大きな問題をかかえておる中小企業の体質改善のために、合理化、近代化のために、世界の先進国——もう日本は先進国ですから、世界の先進国という言い方は間違いかもしれませんが、アメリカ、ヨーロッパで使っているような高性能機械、高い賃金で、週休二日制でなおかつりっぱなものを生産しているような機械がたくさんあるように思います。私も商工委員会で申し上げたわけでありますが、メリヤスの機械にしても、一台二千万、三千万という大きな輸入機械で高い生産性をあげて、一般繊維業界の不況の中でなおかつ非常に採算をあげている会社が現に山形にもありますので、そういう中小企業の近代化機械というようなものを、これは大企業なら自分の力で世界じゅう回ってこられますけれども、中小企業の場合にはそういう力もございませんので、ひとつ通産省がそれについて大いに開発、研究をされて、そうして業界に対して指導されることが望ましい、かように私は考えている次第であります。  同時に、日本に参りますアメリカ人その他がよく言われるのですが、いまだに日本の輸入はいろいろ手続その他でこまかいことを要求してきてやりにくい、こういうことを聞くわけでございますけれども、もうちょっと輸入手続の簡略化、簡素化ができないものかどうか、通産省のお考えを承っておきたいと思います。

和田敏信通商産業大臣官房長

○和田(敏)政府委員 先生から輸入にかかわる予算六百万円という御指摘がございましたが、予算的にはまだ微々たるものでございますが、すでに先般、対英輸入の促進をはかりますために、商社を中心といたしましてミッションを派遣をいたし、何がどの程度買えるかという調査を始めております。このような措置は、従来当省のとってきました措置としては、あまり例を見ないものではなかろうかと思いますが、さように、輸入の振興に関しましては、予算の点では不十分ではございますが、たてまえといたしましては大きく踏み切って、先生の御指摘のような点には万般の努力をいたしておる次第でございます。  なお、輸入機械に関しまして先生より御指摘がありましたのは、今度の機械類信用保険法の観点ではなかろうかと思っておりますが、その法律におきましても、今般はその目的におきまして、正確ではございませんが、機械産業の振興ということのほかに、設備の近代化、中小企業の合理化と申しますか、そのような目的になっております点につきまして、輸入機械等に関しましても、これが機械産業への刺激、中小企業の近代化、合理化に大きく役立つようなものであるならば、新しい改正法のリースの対象になり得るかどうか。予算委員会におきましての先生の御指摘もありましたことでもありますし、検討をいたしておる実情でございます。  また、輸入手続の簡素化に関しましても、累次の国際交渉におきまして各国からいろいろな要求が参っております。したがいまして、わがほうも可能な限りこれを実施してまいり、すでに輸入担保金制度の廃止、あるいはいわゆるAAと称しておりました自動承認制の修正等、逐次これを進めておりますが、さらにわれわれとして、諸外国の要望にも応じ、修正し、あるいは改善し得るものがあれば、今後とも鋭意そのような方向で努力をしてまいりたいと思っております。

近藤鉄雄自由民主党

○近藤委員 輸入で私たちが一番心配をしなければならないのは、まさに資源エネルギーの輸入だと思うのであります。これはまさに日本の経済の基本的な問題であるわけでありますし、極端な言い方をすると、日本経済を麻痺させてしまうのは一番簡単なことで、石油を売らない、何をしないということが、もうあらゆる手段に先行して日本経済を麻痺してしまうことになる。現にいまの商品の投機の問題もございますけれども、これも海外の市況によって影響を受けるところが非常に多いわけであります。そこで、この通商産業省設置法の中でもこのことを十分にお考えになってのことと思いますが、鉱山石炭局と公益事業局を合わせて資源エネルギー庁をおつくりになっておるようでありますけれども、日本産業の重大ないわば原動力であるところの資源エネルギーの確保について、新しい資源エネルギー庁でどのように具体的にお考えになっていらっしゃるのか、どのような機構でそれをお考えになっていらっしゃるかについてお聞きしておきたいと思います。

和田敏信通商産業大臣官房長

○和田(敏)政府委員 輸出に関しましての制限にもまさりまして、輸入に関しましての制限がわが国経済に対しまして至大なる影響を持つことは、先生御指摘のとおりでございます。すでに現在、アメリカ西部海岸よりの対日木材輸出に関しましてはいろいろな問題が生起しつつあることは、御承知のとおりであろうかと存じます。これが御指摘の資源エネルギー等に関しまして起こるということになりますと、わが国経済に与える影響は多大なものがございますので、今般、御審議をお願いしております通商産業省設置法一部改正法におきまして、資源エネルギー庁におきまして、そのような観点から「供給の確保」ということをその任務の中に入れております。従来もございましたが、資源エネルギー庁創設に伴いまして、供給の確保ということは、他の諸種のエネルギー間の総合的な調整という問題と相並びまして、最大の観点ではなかろうかと思う次第であります。また具体的には、資源エネルギー庁長官官房に国際資源課というのを設けまして、世界における需給状況の推移、あるいは資源に関連のあります国際諸勢力間の勢力の消長等に関しまして、十分なる情報を集めまして、われわれのエネルギー資源に関します輸入の確保に遺憾なきを期したいと考えておる次第であります。

近藤鉄雄自由民主党

○近藤委員 現在の外貨の蓄積の状況から考えましても、日本の外貨をどうも年々減価しそうなドルで持っているよりは、金にかえることもこれはあまり意味がないので、むしろ資源にかえていく。そういう形の外貨減らしといいますか、外貨活用政策を真剣にお考えにならなければならない時期ではないかと私は思うわけであります。チュメニのシベリア開発その他、従来、通産省も業界の指導をされて、海外資源の開発ということにいろいろ力を尽くしたというふうに思いますが、そうした外貨と資源確保の関係について、大臣のお考えを承っておきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 ドルをめたらやたらためて、それをながめていても、国民経済的にはそうプラスもないので、これをもっと富を生み出すものに使うということが為政者の責任だろうと思います。ただ、金を買ったという場合にしても、将来金が値下がりするというのでは、これはマイナスになります。金が横ばいである場合には、金は利子がつきません。それなら外国銀行に預金したほうが利子がつく。だから、利子以上に作用してくる、そういうことで金にかえておくということは、為政者として心がくべきことであったと思います。最近の金の暴騰ぶりを見ますと、この辺で日本の政治家はほぞをかんでいなければならない。アメリカとの協調という大きな代償が片一方にありますから、それで免責される点もあるかもしれませんけれども、純経済的に見ればやはり反省すべき点もあったと私らは思います。そういう意味で、ドルを価値あるように使うという点が非常に大事なことであります。政治家でも、金を集めるより金を使うことのうまいほうが政治家としては上等だといわれるそうですから、同じようなことじゃないかと思うのです。  そういう意味で、経済協力とか、あるいは民族の将来をおもんばかった資源に対する手当てであるとか、そういう点をこれからは思い切って前進させていくべきだと私は思うのです。経済協力にしても、そのときはペイしないように思っても、その善意とか好意というものはあとで子孫に至ってリターンしてきますし、それから資源の手当てその他にいたしましても、これは時間をかけてうまくやればプラスになって返ってくるものであろう。そういう意味で第二外為というような構想もございましたが、あなたの御出身の大蔵省がたいへん消極的であったのは私ははなはだ遺憾であります。ああいうような思い切った制度をこれからは実現していきたい、そして外貨を活用していきたい、そう思います。

近藤鉄雄自由民主党

○近藤委員 大臣からたいへんいいお話を承ったわけでありますけれども、まさに外貨をほんとうに国民のために活用する方法を官民真剣に考えなければならない時期であると私は思いますので、その点についてさらにいろいろお考えいただき、実行していただきたいわけであります。  同時に、先ほどちょっと申し上げました資源確保というのは、これから日本の最大の問題になると私は思います。大使館にいろいろアタッシェを出していらっしゃいますが、通産省として、また資源エネルギー庁として、いわば資源アタッシェみたいなものをおもな原材料の主産地国に派遣するようなお考えがおありかどうか、承っておきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 将来、必要に応じてそういうことが起こり得るだろうと思います。たとえば中近東の辺の石油の産地等については石油の専門家のアタッシェを置くとか、それによって情報を獲得するとか、あるいはネゴシエーションを補助するとか、そういうような役目も将来考えていきたいと思っております。

近藤鉄雄自由民主党

○近藤委員 資源確保につきましては、ぜひひとつ通産省として万全の施策をおとりいただきたい、かように考えるわけでございます。  次に、日本経済が当面する国際的な経済調整の最大の問題は、私は日中間の経済調整だと思うのであります。日本と中国がこれから経済的な交流を深めていく場合に、産業的に技術的に一体どういう組み合わせ方をするかということが非常に大きな問題でございまして、実は私の選挙区の山形などでも、日中交流についていろいろ心配する向きがあります。言いかえますと、いわば人民国家、いわゆるプロレタリア国家である中共と経済交流を進めて、得をするのは大資本であり大会社である、しかし、非常に困っておる、まさにプロレタリアに近いところの中小零細企業、そしてその従業員は、中共からの製品を輸入することによってかえって非常な危機に立たされる、こういう心配をする向きもあるわけであります。  私は、最近の日米間の経済通商上の摩擦を考えてみましても、終戦以来一貫して非常に近い関係にあったし、お互いの意思の疎通もあり、あれだけ日米双方の政、財界あらゆる人が交流をしてお互い了解していながら、しかも質的には必ずしも似ていない経済ですら、現在のような通商上の摩擦を生んで、そして非常にきびしい関係も出ていることを考えますと、日中間の経済交流というものは非常に大きな問題があるのではないかと考えるのであります。  私は、政治的に日本と中国が正常化し、そして友好を進めることは賛成でございますし、賛成しなきゃならないと思いますが、経済的な組み合わせ方がまずくいったために、逆にせっかくの友好関係がマイナスになってくるというようなことを危惧しなければならないようなこともあるんじゃないかと思うわけであります。通産大臣は最近中国にいらっしゃって、当然この問題についても向こうの首脳部といろいろお話をしてこられたと思うわけでございますが、この問題についてどういうお考えでいらっしゃるか。同時に、この問題を新しい機構の中で、どういう考えでどういうふうなことをお考えになっていらっしゃるか、政府の体制と同時に、いわゆる民間の体制についてもあわせて承っておきたいと思うのでございます。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 そのお考えには、われわれも非常に傾聴しなければならぬと思います。日中経済交流においてわれわれが一番戒心しなければならぬのはそのことでございまして、ややもすれば、大企業のほうには恩恵が非常に多いけれども、中小企業や農家については打撃のほうが多い、そういうような考え方もなきにしもあらずであります。  それで、まあ私の感じでは、やはり中国は共産主義国家ですから、自給自足経済をたてまえとし、自力更生をたてまえとしておるので、貿易というようなものは自力更生のための調節弁にすぎない。だから、日本みたいに貿易で生きていって、貿易を非常に重要な産業の中軸にするという国ではないですね。むしろ自力更生で自分でつくり、自分で満たしていくという主義を持っておって、貿易をやるという場合にはその不足分を調節弁として入れるか、あるいは技術を導入して自分で国産化をはかっていくための手段として使うかという点に主眼点があると私は考えております。そこでその辺もよくわきまえながら、過大な期待を抱くことはまたいけないし、国民経済全体としての調和を日中貿易についてとるということは、政府として非常に重要な部面であると思っております。  そこで、農業問題につきましては、先方と話し合いましたときに、日本農業と中国農業が衡突、摩擦を起こさないように、長期にわたって共存共栄の実をあげるように民間同士で話し合いをやらせよう、そういうことに先方も合意いたしまして、農協の宮脇氏以下が近く行ってくれるだろうと思います。これは、民間の専門家を中心にしてそういう技術的検討をしてもらったらいいと思ったのでありますが、先方も、日本の農民を圧迫したり痛めつける意思は毛頭ないから、そういう共存共栄のための民間的な話し合いをすることは賛成です、そういうことを言っておりました。  今度は中小企業の問題でございますが、中小企業の問題でわれわれが考えられることは、中国の所得水準が次第に上がっていくにつれて、将来は消費物資に対する要望が出てくるだろうと思うのです。現在のソ連あるいは共産圏が重化学工業に偏して、農業や消費物資が非常に不足している状況がございます。中国がそういう轍を踏むとは限りませんけれども、いままでの共産国家の例を見るとそういうことがございます。そういう面から、中小企業の技術を中に入れたり、あるいは中小企業が活躍する分野も、私は消費物資等においてはかなりあるんじゃないかという気もいたします。それで、企業の形態を見ますと、先方は合作社から人民公社へ上がってきて、次第に大きな人民公社になってきましたけれども、基礎には合作社的思想というものがあると思うのですね。そして効率的に経済を運営していくという形を見ると、そういう有機体的な考え方も成り立つのではないか。これは先方の考えですから、どうなるかわかりません。わかりませんが、そういう点から見ても、消費財その他において中小企業が活躍する部分もかなりあると私は考えられますので、そういう分野における提携等について大いに開いていきたい、そう考えるわけでございます。

近藤鉄雄自由民主党

○近藤委員 大臣からたいへん心強いお話を承って私も喜んでおる次第でございます。これは中国だけじゃありませんが、後進地域との経済交流を進めることによって、日本の中小企業のある程度の割合が打撃を受ける。それに加えて、昨今のような円のフロート、そして円の再切り上げというようなことになればなるほど、さらに中小企業に対する国際的な打撃というのは強くならざるを得ないと思うわけであります。しかし、この問題につきまして、予算委員会なり、また商工委員会で、中小企業庁長官が、中小企業の対策については過去にやったと同じことをやるし、いろいろ考えておるという話でございますので、私としては賛意をし敬意を表しておる次第でございますが、こういう国際的な変動に対する中小企業対策というものが、いわゆる滞貨融資的な消極的なものでは、しょせんは行き詰まってしまうわけであります。したがって、輸出入両方で影響を受けるわけでありますが、いわゆる影響を受ける限界業者に対して思い切って合理化、高級化投資をするか、もう一つは需要の拡大の予想されるような産業に産業転換をはかっていくということがどうしても必要だ、かように私は考えるわけであります。  この合理化、高級化投資に対してはいろいろ手当を考えていらっしゃるようでございますが、どうも産業転換ということについては、たとえば四十八年度の予算を拝見いたしましても、必ずしも十分出ておりませんし、出ておりますのは、繊維産業の産業転換については、前年度よりは相当下回っておりますが、一応手当をされるということであります。私はたまたま中小企業の問題をいま取り上げているわけでございますが、これからの中小企業政策の非常に大きな方向は産業転換政策だ、かように考えておりますので、この産業転換政策について、通産省当局としてどのようなことをお考えになっていらっしゃるのか、また新しい機構で、どういうふうに機構的にもお考えになっていらっしゃるのか、承っておきたいと思います。

和田敏信通商産業大臣官房長

○和田(敏)政府委員 産業政策転換に関しましては、基本的には今後のわが国の産業政策につきまして、産業構造の知識集約化の推進がきわめて重要な政策目標であろうかと考えております。このような意味合いにおきまして、四十七年度におきましても、すでに中小企業振興事業団、中小企業金融公庫、国民金融公庫におきまして、中小企業の産業転換のために必要な予算及び財投処置を講じてまいり、着々と、中小企業の会社別、あるいは共同化した組織体別の産業転換に関しましては、これに必要な対策は講じつつございますが、現段階においましては、これらの公庫あるいは事業団等におきましての産業構造転換のための資金需要というのはまだ緒についた段階でございまして、要求というベースはだんだん出てはおりますが、いまだそれほど激しい勢いとなっては迫ってきておりません。もちろん通産省といたしましては、要求に応じて手を打つというような体制では不十分かと考え、われわれの今後の知識集約化型産業構造の展開にあたりましては、これにすべての産業が乗ってこられるような形で積極的に指導と申しますか、助成を進めてまいりたいと考えております。

近藤鉄雄自由民主党

○近藤委員 産業転換と一口にいっても、当事者にとっては、これは非常に重大な決意の要ることでございますので、ほんとうに行き詰まってしまってからでないと切りかえをしないのがほとんどであると私は思うわけであります。しかし、ほんとうに行き詰まってしまったら、今度新しい工場を始めるにしても、全く資金も何もないし、本人自身が一つの精神的なショックを受けておりますので、なかなか立ち上がりができない。ですから大事なことは、行き詰めてしまわないで、ある段階で見切りをつけてもらって、新しい業界にかわっていくことを、通産省なり中小企業庁が、たとえば地元商工会議所とか商工会、その他いろいろ地元の組合の協力のもとに積極的にやっていただかなければならないのではないかと思う次第であります。  田中総理が本会議で、円の切り上げをしなければならないような経済は、円の切り下げをしなければならないような経済よりもいいんだとおっしゃられ、予算委員会でもさらにこのことを再確認していらっしゃるわけでありますが、私は理論的に考えて、まさに円の切り上げということは、日本人労働者単位時間当たりの労働報酬で諸外国からよけいの原料なり製品を買うことができるわけでありますから、まさに日本のように、特に資源を海外に依存する経済において、円の切り上げは理論的に考えれば望ましいことである。日本の労働者の生活水準向上のためにも望ましいと思うわけであります。しかし、総理の御発言についてすなおにわれわれが聞き取れないのは、円の切り上げは理論的にそうなんだけれども、それによって影響を受ける、先ほど申しました限界企業があるではないか。したがって、限界企業の産業転換というものをもっとスムーズに通商産業行政でお考えになっていただければ、まさに私たちはもろ手をあげて総理の発言に賛成していいと思うわけであります。  そういう意味から、いま官房長から御説明がございましたけれども、ほんとうにだめになって相談に行くのではなしに、通商産業行政をもっと積極的に一歩二歩踏み出して指導をし、誘導されることが必要だと考えるわけでございます。実は、今度の機構改革で中小企業庁の改組のことはお考えになっていらっしゃらないようでございますけれども、そういう観点から考えて、もうちょっと一歩踏み出した中小企業政策をおやりになるために、中小企業庁の改組ということをお考えになっていらっしゃらないのかどうか、承っておきたいと思います。

和田敏信通商産業大臣官房長

○和田(敏)政府委員 現在、通産省の機構改革は二十年ぶりの全面的な大改革でございます。二十一年前に発足以来の機構を、その後の経済社会の変遷とこれからの新しい時代の要請に応ずることのできる体制にするため、その整備を目ざすものでございます。  他方中小企業庁も、発足以来、四十八年には二十五周年を迎えるわけでございますが、現行の組織の原型は、御承知のとおり、昭和三十八年、中小企業基本法の制定に伴う大改正により整備され、今日に至っているものでございます。中小企業庁の機構は、現時点におきましても、その政策、使命の遂行上妥当性を欠いているとは考えておりませんが、もちろん、わが国経済の発展とともに、中小企業政策も新しい課題が増大しておりますので、今後とも現行組織の有効な活用をはかりますとともに、先生御指摘の中小企業の産業転換というような新しい課題も迫りつつありますので、常に中小企業施策実施のために必要な望ましい機構組織についても検討を怠らぬ所存でございます。

近藤鉄雄自由民主党

○近藤委員 どうにもならない状態に追い込んでしまってから助けるのじゃなしに、まだ担保力も資金力もあり、意欲もあり、労働力も逃げていかない段階で、新しい産業に多くの日本の中小企業が転換できるためのあたたかい措置を十分お考えいただきたいと思うわけでございます。  実は私、産業転換が通商産業政策のこれからの非常に大きな方向だと申し上げたわけでございますが、産業転換が必要なのははたして中小企業だけかどうかということだと思うのであります。先ほど来、知識集的型にかわるのだというお話がたびたび出ておりますが、日本の重化学工業がしからばこのままの状況でいいのかどうか。産業転換とかドル・ショックとか、そういったものは中小企業だけの問題であって、おれたちは将来ともこのままでいいのだということでいいのかどうか、私はいささか疑問を感ずるわけであります。むしろ、比較生産費の問題もさることながら、従来のように、この狭い日本の国であらゆるものをつくる、そして売りまくるという体制から、ある程度、日本はこれをつくるのだ、これは他の国にまかせるのだという、そういう選択をしなければならない。その選択に基づいて、中小企業だけじゃなしに、いわゆる大企業もそっちのほうに誘導していくだけの先見性を、これからは通商産業行政が持たなければならないと思うのであります。そういうようにしないと、日本列島はまさに、よくいわれます公害列島になってしまうおそれすらあると思うのであります。この点に関しまして、通商産業省として、将来の貿易構造、産業構造をどう考えていらっしゃるのか、そしてそれに対してどういうような具体的な誘導政策をお考えなのか、承っておきたいと思います。

和田敏信通商産業大臣官房長

○和田(敏)政府委員 大企業を含む産業転換、及び日本が今後担当すべき産業分野は何であるかというお尋ねであろうかと思います。  若干重複をいたしますが、すでに御説明申し上げましたように、今後のわが国の産業政策におきましては、産業構造の知識集約化の推進がきわめて重要な政策目標でございます。このような政策を進めますにあたりましては、もちろん、ただいま申し上げました中小企業だけではなく、大企業分野を含め、既存の産業分野にかかわる産業転換施策を推進する必要があろうかと思います。このような産業構造に関します望ましい形への追求を進めますにあたりまして、世界においてわが国の担当すべき産業分野といたしましては、技術水準、教育水準等は、世界的なレベルからいたしましても、わが国が非常に高いものがあろうかと思います。今後このようなポテンシャルを活用し得るものといたしまして、研究開発集約産業、高度組み立て産業、情報関連産業等のいわゆる知識集約産業を中核といたしまして、その他の産業につきましてもできるだけ知識集約化を進めるべきものと考えます。これによってわが国のポテンシャルを有効に活用することが可能となり、国民福祉の向上に資しますとともに、国際分業の実現にも寄与し得るものと考えます。  このような産業政策につきまして、今後は、全体としての産業構造ビジョンの策定等総合的な業務は、主として産業政策局が担当いたしますし、個別業種ごとの諸施策の実施は各業種の所管局、たとえば機械情報産業局が行なうことになろうかと思います。  なお、御説明申し上げました研究開発集約産業の例といたしましては、電算機、航空機、電気自動車、産業ロボット等々でございます。また高度組み立て産業の例といたしましては、通信機械、事務機械、数値制御工作機械等々でございます。また最後に、情報関連産業の例といたしましては、重複いたしますが、電子計算機、情報処理サービス業、情報提供サービス、ソフトウエア、システムエンジニアリング等を考えております。

近藤鉄雄自由民主党

○近藤委員 たいへんまくわかるわけでございますが、私はこの際大臣にも要望しておきたいと思うわけでございます。  日本には優秀な技術者がおり、そして優秀な労働者がいるわけでありますが、たとえばいまのカラーテレビならカラーテレビでありますけれども、あの色をもっときれいにするということだけに日本の優秀な技術者や労働者の能力を浪費してしまうのはもったいないような気がしてならないわけであります。確かに、いいカラーも必要だし、電気洗たく機ももっともっと便利なものがいいと思うのですけれども、しかし、この優秀な民族の優秀な技術者や労働者がそのことだけに、ことばが悪いのですが、うつつを抜かしてしまうのはもったいない気がするわけであります。もっと、世界の技術水準の向上なり、新しい科学技術の開発なり、そういったことに日本の技術者や知能労働者が全力をあげて働いてほんとうに生きがいを感ずるような、そういう経済というものが望ましいと私ども思うわけでございます。いま官房長からもお話がございましたが、前に科学技術庁長官も経験された大臣でございますので、どうかひとつ、日本の産業はこれだ、今後これを伸ばすんだということで、経済人、技術者、科学者、労働者に一つの目標を与えていただく必要がある気がいたしますが、大臣の御所見を伺っておきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 その点は全く同感でございます。中小企業に対する知識集約化産業ということは、非常に重要な、また急を要する問題であると思いまして、LD諸国の追い上げ等もあり、われわれとしては真剣に取り組んでいくつもりでございます。

近藤鉄雄自由民主党

○近藤委員 同時に、ちょっとお伺いしておきたいことは、現在、円・ドル相場がどの程度に落ちつくかわかりませんが、よく内に弱く外に強い円といわれますけれども、最近の卸売り物価の上昇傾向なども考えまして、さらにこれからいろいろ公害対策費を企業が取り込まなければならない、また地価が上昇してくる、さらには工場をつくる場合に建蔽率の問題、緑地地帯を確保していかなければならない、そういう条件が入ってくる。そして労賃の値上がり情勢、そういうものをどんどん取り込んでまいったときの日本の工業の生産単価というものが、国際的に比較して、いま市場で相場が出ております二百七十円、六十円、また五十円なりでいいのかどうか。最近の卸、小売り両物価の高騰傾向を考えてまいりますと、先行きもっともっと日本の生産費にかかってくる、いま申しました公害、緑地化、そのようなことを考えてまいりますと、そういうことでちょっと心配になる面もあるわけでございますが、これは計算的になかなかむずかしい問題かもしれませんけれども、もしも何らかの一つの目安みたいなものを事務当局でお持ちでしたら、お聞きしておきたいと思うわけであります。

和田敏信通商産業大臣官房長

○和田(敏)政府委員 円対策等を実施いたしまして、わが国経済の安定かつ継続的な発展を志向してまいっておりましたところ、今般のフロートという事態になったわけでございます。このような事態になりまして、基本的には輸出の減少、輸入の拡大という形で、わが国国際収支が均衡という方向に向かってまいることは明らかではあろうかと存じますが、反面、フロートの状況によりましては、わが国の円がその実勢として国際的に評価を受けるものが、実力以上な形になり得る危険も他方あろうかと思います。  反面、わが国経済の今後の当面いたすべき問題点を考えますと、公害関係経費の増加、過密過疎問題、そうして一般的な労働人口の減少、エネルギー価格の高騰、あるいは供給の確保の困難というような形で、それ自体といたしましてコスト上昇の要因がいろいろ出てくるのではなかろうかと思います。  他面、わが国の景気の動向に関しましては、これを国内財政その他の措置によりまして、なだらかな上昇を継続いたしますことによりまして、われわれは、現在フロートいたしております円が適正、妥当なところに落ちつき、かつその過程におきまして、われわれが現在志向しておりますところの福祉社会の実現、国際協調の確保、さらには望ましい形への産業構造の転換ということを確保してまいりたい、かように考えております。

近藤鉄雄自由民主党

○近藤委員 内には弱いけれども外には強い円が、内にも外にも弱くならないように、ひとつ通商産業省として適正な御指導を賜わりたいと思うわけでございますが、同時に私、今回の改正を見て非常に感じますことは、まず、従来は、重工業局とか化学工業局とか繊維雑貨局とか鉱山石炭局とか、いわゆる産業の名前がなまに出てまいりまして、言ってみれば産業べったりのような感じから、これが基礎産業局、機械情報産業局、生活産業局と、非常にすっきりした形にくくられてきていることを私はむしろ好感を持っておるわけでございますが、同時に非常に心配になりますのは、最初の大臣のお話にもあったわけですが、通産行政は生産優先であったというお話ですけれども、やはり依然として局の並べようを見ますと、名前だけ見てまいりますと、流通問題の取り上げ方が十分でないのじゃないか。通商政策局、貿易局、外へ向かっての流通というのは取り上げていらっしゃる感じがいたしますが、国内の流通問題について通産省としてどういう体制で進まれるのか、必ずしもこれだけでは明確じゃない。  そこで私はお伺いしておきたいわけでありますが、過去において通商産業省としては、この流通問題をどういう局なり課で取り上げてこられたか。そしてこれからどういう局なり課でお取り上げになるのか。特に御案内のように、これからの流通部門においても自由化という問題が入ってくるようでございますし、実際に通産省御自身として、百貨店法の改正などを含めて流通問題をお取り上げになる御様子でございますので、ひとつこの際承っておきたいと思います。

和田敏信通商産業大臣官房長

○和田(敏)政府委員 流通問題その他に関しまして御質問がございましたが、従来のいわゆる通産省の縦割り原局というものは、重工業局、化学工業局、繊維雑貨局、あるいは鉱山石炭局、公益事業局という形でとり行なわれていましたが、今般、公益と鉱山は資源エネルギー庁に、また重工業、化学、繊維の三局は再編成を見るわけでございます。従来は、物資の持つ性質の共通性、生産工程上の関連性、様態の類似性等によりまして編成をいたしておりまして、この考え方は、産業振興中心の産業生産行政にはきわめて適切なものであったと考えます。戦後四分の一世紀を経過いたしまして、通産行政をめぐります諸情勢の変化にかんがみまして、今回の機構改革では、こうした考え方を改め、各産業の問題の共通性、各産業の産業構造上に占める位置等を組織原理の中心といたしまして、各原局を再編成いたして新たな行政需要にこたえることとしている次第であります。  立地問題省資源、省エネルギー問題等の点で共通性を有しておりますと同時に、わが国産業全体をささえる基礎産業としての地位を占める基礎産業を立体的に所掌いたしますため基礎産業局を設置いたし、わが国産業構造の知識集約化の中核をなす機械及び情報産業を一括して所掌いたしますために機械情報産業局を設置し、国民生活に直結し、豊かで充実した消費生活の実現に直接的に関係する点で共通性を持つ産業分野を一括所掌するため生活産業局を設置することといたした次第でございます。  先生御指摘の、流通は従来どこで担当しておったか、あるいは今後はどうするのかという御質問の中の問題点でございますが、流通問題といたしましては、これら新しい三原局それぞれの局におきまして当然担当をいたす所存でございますが、特に現時点におきまして、わが国経済の当面をいたしております産業政策と国民生活、あるいは風土と申しますか、環境というような観点で、あるいは消費生活の充実化という観点で特に問題になりますのは、ただいま御説明申し上げました三原局の中でも生活産業局にかかわる流通問題ではなかろうかと思います。今後この生活産業局におきましては、国民の要望を端的に、俗語でございますが申し上げれば、衣食住、この食に関しましては農林省が担当いたしますが、衣と住とに関しまして、流通問題、あるいは消費者の要望に対しまして充実した回答を行政面からいたしたいというたてまえで新機構に臨むものでございます。  やや中身に、こまかくなりまして恐縮でございますが、流通対策といたしましては、従来の流通担当企業の体質強化、物的流通の合理化等のための施策を強化拡充をいたしますために、中小小売商業振興法に基づく小売り商の連鎖化、共同化の推進、都市内における新しい物流システムの開発、パレットプール制の確立等の諸施策を強力に推進する所存でございます。  また、消費者対策といたしましては、物価の安定のための指導、監督の拡充強化、今次国会におきまして御審議をお願いいたしております消費生活用製品の安全確保のための制度の新設を行なう所存でございます。これらの施策は来年度からは、ただいま申し上げました生活産業局におきます個別的な具体化と相まちまして、産業政策局を中心といたしまして、業種別対策につきましては生活産業局と一体になりまして、これを実施していく予定でございます。また、今回の設置法の改正によりまして新しく新設されまする通商産業審議官の活用をもあわせて検討いたしております。  なお、従来、流通・消費問題に関しまして担当いたしておりましたのは企業局でありまして、商務一課、二課、あるいは消費経済課におきまして流通・消費行政を担当をいたしておったわけでございますが、今回これを一そう充実することといたしております。

近藤鉄雄自由民主党

○近藤委員 いろいろ御説明を承ったわけでございますが、ぜひ実現をしていただきたい。ややもすれば、つくることは一生懸命だけれども、つくったあとは知らないというようなことでは困るわけでありますし、公正取引委員会は公正取引委員会としての非常に限定された役割りしか持っておらないわけでございますし、また片一方で、企画庁の物価政策課、国民生活局ですかにしても、従来必ずしも、何をするか権限がはっきりしない面もございますので、ぜひひとつ実際の実務実施官庁である通産省が、この流通問題についていろいろ政策をお考えになり、実行していただきたいと思うわけであります。  それに関連いたしまして、最近、特定商品の投機という問題から、商社の取り締まり、監督というようなことが問題になっておりますけれども、従来の通産省の行政の中で、商社の取り締まりとか監督という関係はどういうことをやったのか、この際承っておきたいと思うのであります。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 商社の取り締まりは、通産省設置法に基づく一般的監督権限から、報告を徴したり注意を与えたりということはやれると思います。しかし、明確に投機とか何とかいうことを対象にしてやるという場合には、やはり根拠権限をさらに明確に力強くバックアップしてもらったほうがやりいいと私は思います。今般の事案に対しましては、そういう意味で、政府立法あるいは議員立法にせよ、そういうある程度の焦点を明らかにしてあるということは、通産省としてはやりよくなると思います。それで、商社自体を目当てにするというやり方よりも、むしろ、投機行為あるいは買いだめ、売り惜しみ行為自体を相手にする、そういうほうが適当であろうと思います。

近藤鉄雄自由民主党

○近藤委員 この問題に関しまして、投機につきましても、従来からある程度の投機は商品取引所においても行なわれておりますし、株においても行なわれてきているわけであります。ですから投機全体が悪いということはなかなかむずかしい問題だと思います。  実は、現在この投機というものが非常に大きな問題となっておりますのは、本来、少数の投機者の間の取引、従来のほとんどの場合それで済んだわけでありますけれども、ごく限られた投機が、それが非常に渦を巻いて全体を巻き込んでしまっておるような状況です。これが問題であって、限られた専門家の投機業者が得をした損をしたということ自身は、それは本人たちのかってですからかまわない。国民が全部それに巻き込まれる形が私は問題だと思うのであります。  そこで、具体的に何という名前か忘れましたが、売り惜しみ、買いだめですか、これを取り締まる法律についてはまた別途の場でいろいろ御審議があると思うわけでありますけれども、私は通産行政として特にお願いしておきたい問題は、大豆にしろ木材にしろ生糸にしろ、もともとあった特定投機業者の取引が全部を巻き込まないような、どこかでカットする、影響をカットする、遮断することが必要じゃないかと思うのであります。その一つの方法として、これは思いつきですが、たとえば、いま大豆が高いからとうふが上がったということで、将来、今後ますます高くなるような気分になるから、商社がそれをまた買いあさってしまうということになる。だから、全体が巻き込まれることになるというのではなしに、たまたま大豆は高いのだけれども、しかしこれは国として大豆の緊急輸入をするなり何なりをやり、来週なり来月は安くなるのだという、そういうことを適当な形で国民にPRされることが望ましいのじゃないか。全く暗中模索ですから、将来、大豆も高くなるし、とうふも高くなるし、綿も高くなるし、今度は四月から新学期ですが、私の子供も今度一年生になるわけですけれども、ランドセルも高くなる、ズックも高くなるというように、関係のないものみんな全部上がってしまうのです。これは将来高くなると思うから買うだけのことで、半月後、半年後には安くなるのだということを、ある程度物量的に分析されて、それを適当な機関、たとえばNHKの婦人、奥さんの番組等を通じてPRされるということであれば、特定投機業者のいろいろな取引が全体を不安にかり立てて巻き込むようなことはなくなるのではないか、かように考えるわけでございますが、通産大臣いかがでございますか。

和田敏信通商産業大臣官房長

○和田(敏)政府委員 価格の先行きの見込みを国民にあらかじめ提示をしてはいかがかという御質問であろうかと思いますが、先生御承知のとおり、価格は、自由主義経済のもとにおきましては、経済活動の結果として、プライスメカニズムを通じまして形成されるのが原則でございます。政府が、ガイディングライト的意味を持たせるものであるにせよ、現在または将来の価格形成に影響を持つ価格を示しますことは、平常時においてはなかなか困難ではなかろうかと考えております。しかしながら、価格の先行きの見込みから来る思惑が原因となって投機が生じ、そのため一時的に価格騰貴が生じている品目につきましては、将来の長期的な需給動向及び価格動向について見通しを明らかにし、騰貴の鎮静化をはかることは有効ではなかろうかと存じますので、適宜、関係省に対しましても協議をいたし、そのような指導を行なうことを検討いたしたいと考えております。  また、国民生活と重要な関連のございます石油、電力等の基礎物資等につきましては、供給計画や需給見通しを策定いたしており、また、原則といたしまして年数回検討をいたし、物資需給見通しを作成をいたしております。さらに、今回生じております、特定物資に関しまして不意に問題が顕在化してくるという事態に対しましては、当該物資の取引に関連をしておるところの部面に対しまして調査を進め、そのよって起こりましたる原因に対しまして検討を進めまして、それに対応して必要な措置を講じてまいりたい、このように考えております。

近藤鉄雄自由民主党

○近藤委員 御説明いたしましたように、問題は特定の業者が全国民を巻き込むような条件をなくすることだと思うのであります。必ずしもその価格を指示するとかなんとかということでなしに、いわば騰貴というのは一種の伝染病ですから、その伝染病がさあっと広がらないように、ある段階で遮断するような条件を政府としておつくりになることが大事だと思いますが、いま御説明がございましたのですが、ひとついろいろ考えていただきたいのであります。  さらに、今度は、通産省として立地公害局をおつくりになって、立地政策、公害政策に非常に意欲を示していらっしゃるわけでございますが、私は大臣に特に伺っておきたいのであります。いわゆる公害という問題ですけれども、確かに、きれいな水、きれいな空、これも大事でありますけれども、私はやはり人間の心とか、しあわせな家庭生活とか、そういったことも大事なことであって、これが破壊されることは、ちょうどきれいな水がなくなり、きれいな空気がなくなると同じ意味の環境破壊である、かように考えるわけであります。率直に言って、日本の社会の工業化というものが、そういう水や空気だけでなしに、いわゆる人間環境、家庭環境というものを破壊して、たいへん不安定な子供をつくってしまうとか、かぎっ子をつくってしまうとかいう問題があると思うわけでありますが、通産行政のワクからはみ出るかもしれませんけれども、こういう問題についてひとつ大臣のお考えを承っておきたい。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 国家とか社会というものは人間の心で持ち合っているものであって、その人間の心を忘れて物ばかりを対象にしたら、これは荒廃たる社会になってしまうと思います。年金をどんなに上げてやっても、老人をいたわる心なくして老人年金を上げるということは、老人を喜ばせることではないと私は思います。最近、日本の社会にもそういう反省が出てきまして、老人を何でも金で片づければいいという思想から、住宅公団の建物等においても、老人と同居できるような建築構造が考えられてきておるということは好ましい現象である。  それからやはり、国家社会の基本を考えると、一番のポイントは教育であるだろうと思うのです。長年月の共同体の存続を考えると、精神のつながりということが非常に大きなポイントでございますから、やはり教育という問題であるだろうと思います。そういう面について、いまわりあいに物の面に人間の焦点が向けられておりますけれども、そういう共同体としてのあり方についてももう少し開発していく必要があるのではないか、そういうように思います。

近藤鉄雄自由民主党

○近藤委員 ひとつそういうことでいろいろお考えいただきたいと思うのであります。  立地問題につきまして、これはもう日本列島改造計画で地方に工場がどんどん分散されていくこと自身は私は望ましいと思うわけでありますが、今度、従来ございました工業再配置・産炭地域振興公団ですか、これを改組されて国土総合開発公団をつくられる。そして、地方の工場団地の造成なり宅地造成に対してもいろいろ努力されるだけでなしに、過密地帯から工場が地方に来る場合の融資を考えられる、またあと地が適当な価格で売れなければそれを買い上げてやろう、こういう分散促進政策をおとりになることになるわけであります。私は、これ自体としてはたいへん賛成をしておるわけでありますが、問題は、同じ地方でも、たとえば山形市と米沢市というようなところを考えてみますと、やはりそこにはそこなりの従来からの古い工場があって、しかもいわゆる工場街として過密をしているわけでございます。最近はそういったところでも公害というのがけっこう問題になるわけでありますが、たとえば山形市の鋳物工場なり、米沢市の織物工場なりが、せっかく山形市や米沢市周辺にりっぱな工場団地ができて、そこに移転しようと思っても適当な融資の対象にならない。また土地を売ろうと思っても土地を買ってくれない。税制上も特別に優遇されていないとすると、いわば東京の大都市でこれまでさんざん、言ってみればもうけてきた会社が、地方に行くのにいろいろ優遇してもらえる。これまで地元で苦労しておった会社が、せっかく地元にりっぱな工場団地ができたので、行こうとしてその土地を売るにも適当な相手が見つからないのでできないということになると、非常に地元住民の感情として何かすっきりしないものがあると思うのであります。  そこで、大臣にぜひお願いをしておきたいわけでありますが、そういう大都市から地方への分散に対するいろいろ優遇策もけっこうだし、ぜひお願いをしたいわけですが、同時に地元から地元の適当なところに移る場合についても、それに見合うような何らかの政策を、たとえば中小企業政策としてお考えいただく必要があると思うのでございますが、いかがでございますか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 その点は同感でございまして、非常に地域整備という面から見ても大事なことであると思います。最近は、近代化事業団でありますとか、ああいうものを通じて特別の利子で安く資金を供給したり、そのほか諸般の政策を講ずるようにしております。特に団地の造成等につきましてはそうでありますが、今後も積極的に協力してまいりたいと思うのであります。

近藤鉄雄自由民主党

○近藤委員 同時に、この工場分散が、いわゆる従来の地方の中核として、たとえば山形県なら山形市とか米沢市の周辺のたんぼをつぶして、そこに工場団地をつくって工場を持ってくる、また地元の工場を持ってくるということだけをしますと、そういうたんぼがつぶれてしまって、従来の農家は農業ができなくなってしまう。結局どこに行くかというと山に上がってしまう。農業が山に上がってしまいますと、まさにいまの近代化農業、合理化農業に逆行してますます零細化する、こういうことになってしまって、日本の農業が破壊してしまうようなことになるのじゃないか。  そこで私は、工場分散について特に大臣にお願いしておきたいわけでありますが、そういうふうに地方の中核都市の周辺に工場を持ってくるということより、むしろ本来農業として全く適さないような山間地帯を、そこを一つの工業基地として開発される必要がある。言ってみれば、そういう地方都市の周辺は、もう水もあり電気もありガスもありということで、そういう社会構造が進んでいるわけです。そこは農業もできるけれども工場もできやすい。山間地帯は農業もできないが、しかし国の適当な施策があれば、工業化することは、工場はそれほど平たん部の広い面積が要りませんから、可能ではないかと思うわけであります。再三、大臣及び官房長から御説明がありましたように、これからの日本の産業はいわゆる知識集約型だ、非常に高級な精密工業だとか、そういったものを日本の産業としてお考えであるとすれば、私は山村工業化というものは決して不可能なことではないと考えます。大臣いかがでございますか。

和田敏信通商産業大臣官房長

○和田(敏)政府委員 工場の地方移転等につきましては、農業と地元と調和した形で行なわれることが望ましいと考えております。このような趣旨からいたしまして、昭和四十六年に農村地域工業導入促進法が制定され、農村地域工業導入基本方針、基本計画、実施計画等を定めまして、農村地域において農業と工業との均衡ある発展をはかることといたしておりますことは、先生御承知のとおりであります。また、工業用地への農地転用の許可に際しましても、農業的な土地利用をはかることが適当である集団的優良農地の保全及び周辺産業への影響等、十分調整をはかりつつ運用をすることといたしております。  このような観点から、たとえば工業再配置促進法による移転計画の認定に際しましても、農村地域工業導入促進法等の計画に適合することを要件として法文上明定しておりますほか、移転先の地方公共団体の意見を十分聞いて行なうことといたしております。また、公団による中核団地の造成につきましても、地方公共団体の要請によりまして、地方公共団体等の土地利用計画に適合した形で行なうべきこと等を法律、公団の業務方法書に定めております。  ただいま申し上げましたように、それぞれの地域の実情に応じて農業と他産業との調和を含めまして、地域社会と融和した形で行なわれるよう十分配慮しているところでございますが、おっしゃいました御趣旨につきましても、さらに今後検討いたしたいと考えております。  また、山村のインフラ整備に関しましては、山村振興法が昭和四十年に制定を見ており、政府といたしましても、県道及び市町村道の改良事業に対する補助につきましては、山村ワクを設けており、優先的に取り上げることといたしております。

近藤鉄雄自由民主党

○近藤委員 山村振興という法律は悪い法律ではありませんけれども、言ってみれば、かぜを引いたときに注射するような感じで、大事なことはやはり、山村に所得造出の機会、条件をつくることだと思うのであります。あれは結局は、工業するか、林業するか、農業するかしかないわけでありまして、私は先ほどから言っておりますように、日本のこの工業力、技術力をほんとうに駆使すれば、山村地帯に世界にも例を見ないりっぱな工業基地をつくることは決して不可能ではない、かように考えております。国土の総合活用ということ、また環境政策という点を含めても、精密工業を日本のあらゆる山村に散りばめていくような、そういう立地政策をぜひ中曽根大臣のもとでとっていただきたいと思う次第であります。  最後に伺っておきたいことは、実は大臣も御案内のように、現在、政府には最高輸出会議というのがございます。これは総理が議長で通産大臣が副議長をやっておられて、そして関係閣僚も全部お入りになる。また関係業者の代表が全部お入りになるだけでなしに、いろんな部会がたくさんございまして、もう下のほうの幹事さんは商社の輸出部長さんとか特許部長さんとか、そういう部長さんクラスも入って、何千人という組織の最高輸出会議というのがあって、これが日本の輸出をここまで増大さしてくることに官民一致して実行する機関としては非常に有益だった、かように考えるわけであります。私は、現在輸出が伸びているからこれは必要ではないということは、決して申し上げない。これから輸出もますます、単に量ではなしに、質の問題とか、オーダリーマーケットの問題とか、いろんな問題がございますので、これは続けていただく必要があると思いますが、しかし同時に私は、まさに最初に大臣から、これからは福祉重点型であり生活充実型だ、こういうお話でございますが、この最高輸出会議と同じような構成で、総理が議長になり通産大臣が副議長になり関係閣僚がお入りになって、さらに関係業者が全部集まるだけじゃなしに、たとえば消費者代表とか労働組合代表とか、また農業者代表も含めてのたとえば最高国民生活充実会議といったものをつくられて、そして日本のこの世界に冠たる工業力、産業力をあげて、一致して官民ともに国民生活充実に注ぎ込むような、そういう体制をいまやおつくりになる時期ではないか、かように考えるわけであります。まさに内政充実の一種のシンボリックな行為としてもこういうことは必要であると私は考えるわけでございますが、大臣の御所見を承っておきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 国民生活を充実する、特に、物的にも、あるいは精神的にも充実するということは、これからの大きな課題であると思います。それは単に官庁が指導してやれるという問題ではなくして、国民の協力と参加なくしてはやり得ませんし、心ゆくものにはならないと思います。そういう意味において、そういう御構想も非常に示唆に富むものであると思います。ひとつ検討してみたいと思います。

近藤鉄雄自由民主党

○近藤委員 いろいろ申し上げましたのですが、まさに最初に申し上げましたように、通商産業政策は質的転換のときである、客観的な内外の経済、社会の情勢はまさに大きな転換を遂げつつあるわけでございますが、こういう状況の中で通商産業省が果たさなければならぬ役割りはますます重大である、かように考え、私も国民の一人といたしまして非常に期待しておると同時に、今度の機構改革には全面的に賛意を表する次第であります。  ただひとつ、最後に私大臣に申し上げておきたいことがございますが、それはせっかくのこのりっぱな機構でございますが、一つ大事なものがなくなっているような気がしてならない。それは従来、通産省の大臣官房に企画室というのがございました。この官房企画室というのは私も部外者でおったわけですが、歴代、通産省の最も優秀な方が課長、室長になられて、そのときどきの通商産業政策を書かれて、それを通産省の政策にされ、さらに国民、業界に示して方向を与えられた。有名な「七〇年代の通商産業政策」というりっぱな論文、提言もございますし、この非常にすぐれた役割りを果たしてこられた通商産業省大臣官房企画室が今度の機構改革でなくなっているということは、私は何か画竜点睛を欠くような気がしてならないわけであります。  ちなみに私、調べてまいったのでありますが、同じように大臣官房にそういうものがある省がたくさんございまして、ほとんどの省にある。たとえば経済企画庁には官房企画課がございます。外務省には官房調査部の企画課がある。大蔵省にすら官房調査企画課がございますし、文部省に官房企画室、厚生省に官房企画室、農林省にも官房企画室、運輸省には官房政策課、さらに政策計画官がいらっしゃる郵政省には官房通信政策課があり、建設省には官房政策課があって、しかも自治省にすら官房企画室がある。こういう状況の中で、私は通商産業省でたいへん長い伝統があり、いわばりっぱな仕事をやってこられた官房企画室がなくなってしまうということは、私にとっては非常に残念なわけでございます。その企画室の仕事を、今度は通商政策局ができたし産業政策局ができた、したがってそれぞれの局でやるんだというお話でございますが、通商政策局は対外経済をやり、産業政策局は対内の政策をやるということであるとしますと、私がきょうお話ししたことだけでもいろんな問題が山積しているわけでございますから、どうしてもこの際官房企画室を通産省に置いていただいて、そうして従来の企画室の仕事以上の充実した仕事をやっていただいて、われわれ国民にあやまたない通商産業政策の方針を打ち出していただきたい、かように考えるわけでございますが、大臣の御所見を承っておきたいと思うのです。

和田敏信通商産業大臣官房長

○和田(敏)政府委員 企画室に関しまして、その業績に関し高い御評価をいただき感激をいたしております。もちろん、通商産業行政の推進にあたりましては、産業・経済環境の変化を的確に把握いたしまして、長期的なビジョンのもとにこれを実施していくことが必要であることは御指摘のとおりでございまして、この意味合いにおきまして、過去の企画室の評価をいただきましたことは、あらためて感激にたえないところでございます。  このような産業構造をはじめとする基本的な政策に関する事務は、御指摘のとおり、従来大臣官房において担当してきたところでございますが、今後は産業構造と産業政策に関する企画立案事務は産業政策局において一元的に所掌させることとなりまして、これらの事務は大臣官房から産業政策局に移すことに相なったわけでございます。従来、企画室で実施しておりました業務の多くが、今後は政令ベースではございますが、構造組織課において処理されることになるのではなかろうかと考えております。しかしながら、改正後におきましても、なお通商産業行政全般にわたりまする企画機能は官房において所掌することとなっておりますので、新たに設けられることになっております企画担当参事官の機能等活用いたしまして、こうした事務を官房において分担してまいることといたしたいと思っております。  なお、企画担当官房参事官のもとに省令室を設けることもあわせ検討いたしておりますが、いずれにいたしましても、過去におきまして企画室が果たしてまいりました役割りは、今後一そうその充実強化を新しい組織のもとにおいてはかっていきたいと考えておる次第でございます。

近藤鉄雄自由民主党

○近藤委員 まさに、過去において通商産業省大臣官房企画室が果たされた役割りは、これから減るどころかますます重大になってくると私は思うわけでございます。企画参事官というお話でありますけれども、たいへん恐縮ですが、参事官というのは各省たくさんおりまして、しかも、えらい人からかけ出しの課長からなられた方まで、いろいろあるわけでございますので、対外的にも天下の通商産業省、たとえば各省企画室長会議とか各省企画担当課長会議、政策担当課長会議というような会議をやられた場合に、通産省代表のウエートが名前だけで相当かすむのじゃないかという心配、危惧を持ちますので、どうかひとつ賢明なる大臣のもとでこの官房企画室をひとつつくっていただいて、そして雄大な構想で通商産業政策を進められて、国民の期待に沿っていただきたい。激動する日本経済、内外経済の中でりっぱな通商産業行政の実現をはかられますことを心からお願いをいたしまして、私の質問を終えたいと思います。ありがとうございました。(拍手)

三原朝雄自由民主党

○三原委員長 次に藤尾正行君。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 ただいま近藤委員からいろいろときびしい御質問があったわけでありますし、また私のあとにも同僚委員から、今回の通商産業省の事務を改善する法律の内容がきわめて多岐にわたっておりまするので、いろいろの面から質問が多いかと存じております。私はその中で、ただいまの近藤委員の質問とも重復もし、あるいは場合によればそれを補足するという意味合いにもなると思いますが、二、三の問題について御質問をいたしたい、かように思うのであります。  まず、質問の最初にあたりまして、今回提案せられておりまする通商産業省設置法の一部を改正する法律案の中で、第三条に通商産業省の任務に関する規定の整備がございまして、「通商産業省の任務」の中で「輸出品の生産の振興」をはかるというところを削って、「商鉱工業の適正化」という一文字に変えておられる。その他云々とこうあるわけでございますけれども、この改正は、先ほども言われましたように、最近の産業情勢というものの変化に対応し、将来に対しまして適切な方向を定め得るということを頭に置かれて考えられたものだと思います。そうしますと、一体今回私どもがここに「輸出品の生産の振興」を削っていかなければならなかったということは、かつてわれわれがやってまいりました、輸出品の生産の振興という政策が一体間違いであったのかという誤解を国民に与えては一大事だと思うのであります。その真意はどこにございますか、それを御説明いただきたい。

和田敏信通商産業大臣官房長

○和田(敏)政府委員 先生御指摘の輸出の振興と申しますか、貿易の振興は、通産省が持っております幅広い任務の中でも最も重要な任務と考えております。設置法でも任務の第一に「通商の振興」を掲げておりますし、これと合わせまして第二号に「輸出品の生産の振興その他鉱産物及び工業品の生産の増進」という事項を掲げておる次第でございます。この場合「輸出品の生産の振興」は「鉱産物及び工業品の生産の増進」の例示として規定をしておるものでございまして、今回の改正案では、このうち「通商の振興」と「鉱産物及び工業品の生産の増進」はそのまま残しまして、例示となっております「輸出品の生産の振興」を削るわけでございます。したがいまして、通商の振興はもとより、輸出品を含む鉱産物及び工業品の生産の増進は、何ら変わりなく通産省の任務に残ることに相なるわけでございます。  先生御指摘のとおり、現在せっかく「輸出品の生産の振興」とあるのをなぜ削るのかという御疑問に関しましては、現在の規定は約二十年前につくられました通商産業設置法制定の当時におきましては、輸出に関しまして傾斜的な振興策をとっていた時代に生まれたものでございまして、輸出が良好な軌道に乗りました今日では、輸出が通産省の最も重要な任務の一つであるとは申しますものの、一般的な「通商の振興」と「生産の増進」という表現でこれをカバーしていくのが適当であろうという考えで改正を行なおうとするものでございます。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 いま一ぺん伺いますが、「通商の振興」の中に「輸出品の生産の振興」は入ってしまっておるのだから、そういう例示的なものは別に要らぬから削るのだ、こういう意味ですか。

和田敏信通商産業大臣官房長

○和田(敏)政府委員 御指摘のとおりでございます。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 まあ、それはそれなりにけっこうなんでございまするけれども、先ほど近藤委員の質問の中にありましたように、「輸出品の生産の振興」ということは、ただ量的なものを意味しておるだけではない、かように私は考えるのでございまして、これを知識集約型の新しい世界の最も優秀な輸出品の振興に当てていくんだということであれば、それは世界に対して主張の通っていくりっぱな政策である、かように私は考えるので、あなたのお考えはわからぬじゃありませんから、これに対してどうのこうのというような議論をするつもりはございませんけれども、しかしながら、ことばの用語の端々に至るまで十二分にお考えになって、削るものは削る、入れるものは入れるということをお考えにならないと、要らざる誤解を招くもとになる、かように思いまするので、御注意を申し上げておきます。  続きまして、いろいろあるわけでありまするけれども、第五条の関係で「通商政策局に国際経済部及び経済協力部を、基礎産業局にアルコール事業部を置く」というところがございます。ここで問題になりまするのは、国際経済部、これが主としてやりますることは、通商経済上の国際協力であろうと思いまするけれども、これはさよう読んでよろしいのでございますか。

和田敏信通商産業大臣官房長

○和田(敏)政府委員 通商政策局におきましては、通商諸問題に関しまして、三つの大きな柱からその任務が構成をされております。一つは、従来どおり市場対策を強化いたしまして、諸外国との通商関係の円滑化を推進していくという従来の任務でございます。二番目は、ただいま先生の御指摘のございました国際経済部でございます。この国際経済部におきましては、ガットその他マルチラテラル、多面的と申しますか、多角的な国際関係の調整あるいは推進を行なっていくところでございます。また、ただいま貿易振興局に属しております経済協力部を今後新たに通商政策局に移しかえることといたしておりますが、この経済協力部におきましては、後進国に対します経済協力等の任務の実施をいたしていくことになっておりますが、このように、二国間、多国間及び経済協力、この三者を、今後の通商政策の展開にあたりまして、一元的に把握して通商政策の展開をはかろうといたすものでございます。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 私は、私どもに与えられましたこの内閣委員会という場は、決して商工委員会じゃございませんから、ここでその政策内容をとことんまで詰めて議論する気はございませんけれども、しかしながら、そのアウトラインについて一応伺っておきませんと、いろいろな問題も生じますので伺いますが、そうすると、この国際経済部を置くということに関連をする事態の中に、最近のマルチラテラルな問題だとすれば、通貨の変動というような通貨制度の問題も入ってくると思うのであります。先ほど近藤さんの御質問の中にもそういったことがございましたが、私は私なりに考えてみまして、ややこの問題について突っ込みが足りないんじゃないかという気がいたしております。と申しまするのは、私は非学浅才でございまするからいろいろな誤解を持っておるのかもしれませんけれども、たとえばいまは、私どもの通貨、世界の通貨は決して金にリンクしておりませんから、金がどうなろうと通貨は通貨として別にあるのかもしれませんけれども、やはり経済の運営に当たっておられる、あるいは財政の運営に当たっておられる、金融の運営に当たっておられる当局者の立場から見れば、金という存在が頭から抜け切っていないんじゃないかという気がするのであります。そうすると、三百六十円当時の三十五ドルという金が、いつの間にか三百八円になって四十何ドル近くになってきた。あるいは、今回に至っては、アメリカが一〇%切り下げるということについて、かりに金の価格は四十四ドルに置くんだというようなかってはなことを言っております。そうして金の実勢といいまするものは、現実に一オンス八十ドルも九十ドルもしておるというのが昨今の情勢であります。もしその金の変動というものが、国際通貨といいまするものの価値をある意味では象徴的に示しておるものだといたしますると、少なくとも四十ドル台であった金が八十ドル、九十ドルになるということは、円を含めて各国の通貨が非常に大きく値下がりをしておるということにこれはつながっていくだろう。またそういう考え方をする人が中にあっても、おまえはずいぶん奇妙な話をするじゃないかと言われるほどのことではないであろう、かように考えるのでありまするけれども、この点はどうお考えになっておられますか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 お説のとおりであるだろうと思います。特にドルが非常に値下がりをして、それに対して各国通貨が切り上げをやれば、その分だけ値下がりを防いだ。しかし全般的に見たらみんな落下した、金は恒常不変として考えて。札というペーパーからできているものの値打ちが一斉に落ちた、そういうふうに考えていいんだろうと思います。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 そういうことになってまいりますと、ここに重要な問題が出てまいります。と申しまするのは、結局、世界の物価といいまするか、ものの値段が全部金にパラレルに比例しておるもの、リンクしておるものでない。したがって、金がそれだけ変動し、通貨がそれだけ下がっていっても、それはそれなりに、物価は物価としてまた別にあるんだ、こういう考え方もできるのでありますけれども、かりにリンクしておるという考え方になってまいりますと、たとえばそういった考え方で私どもが金を考えますときには、今日二百六十円とか二百五十円とかいうようなドル相場というものが、もしかりに今後安定的な相場になっていくということだとすれば、金の値段は六十ドルになってしかるべきであります。これがいま九十ドルもしておるということになりますると、物価といいまするものの水準が上がっていくということを想定しても、物価を上げていく人たちに対してわれわれは文句の言いようがない。これは私は政策決定者というものが相当お考えにならなければいけない問題じゃないか、かように考えますし、またその物価の値上がりが、かりに今後とも、卸売り物価並びに消費者物価ともにこれにリンクをしていく可能性があるということになりますと、これは暮らしに結びつく重要な問題であります。この点どう思っておられますか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 まず、金にドルがリンクしておるという形になりますと、ああいう放漫経済はできないと私は思うのです。できるだけドルの価格を維持しよう、こういう努力が続きますから、経済も緊縮にもなりますし、インフレもやめなければなりませんし、あるいは多国籍企業に対する資本流出というものもチェックするでありましょうし、そういうような努力がまず行なわれて、そしていまのような放漫的なドルの下落というようなことは起こり得ないだろうと思うのです。それをリンクを切ってしまいましたから、奔馬のように、あふれ出るという感じで責任感もなくなってきている。アメリカが出しておるドルの紙幣の量と、それからアメリカの持っておる債務というものを考えてみますと、かなり大きなものになってきておる、そういうふうに考えられまして、私は、リンクしているという事態がもしあるとすれば、今日のようなこういう放漫的なドルが妙に不安のもとに見られて、今度のような状態が起こるということは回避できたんじゃないかというふうに思っております。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 先ほど大臣の御答弁の中にもそういうお話があったのでありまするけれども、もしそうだとすれば、これをやはり金にリンクさしていくというような努力を、これは政府当局として最高の閣議でお考えにならなければいけないし、またそれが今後の国際金融政策の一つの大きな指標としてとられていかなければならないはずであります。これをどう思っておられますか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 方向としては正しいと思います。ただ、どの程度の水準で再びリンクし、それを維持していくかということは、アメリカの国内政策、あるいはアメリカの経済力等とも関係することでございますので、これはある程度国際間の協議によって、そのリンクのやり方、ぐあいというものをやはり相談するということになるだろうと思います。私らは一番基本的な点にそういう問題があると思いますので、この点については、アメリカ政府に対してもわれわれは要望すべきであると思います。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 大臣のお考えがさようでございましたならばけっこうなのでございまするし、また、せっかく通商産業省の新しい機構の中にこういう国際経済部ができるということは非常に歓迎すべきことでございますから、通産省の官僚諸公におかれても、こういったことにも関連をしてひとつ御勉強なすって、大臣の御補佐を十二分にしていただきたいということを御要望申し上げておきます。  続きまして、その下に経済協力部というものが出てきております。海外経済協力といいまするものは、これは非常に大切なことでございますが、従来ともすればこれを非常におろそかにしてまいったというきらいは、私は確かに否定できない、かように考えておりまするけれども、国際的ないまの南北問題をはらんでおります世界通商経済あるいは国際関係の中において、経済協力は今後わが国の地位をきめていく上に非常に重要なものを持っておる。  先ほど大臣からの御答弁で、われわれの持っておりまする年間のGNPの一%くらいまでこれを持っていかねばいかぬのだというお話がございましたけれども、私はそういった量的な問題だけでなく、これを質的な問題に置きかえても考えていかなければならないと思います。したがいまして、今後もまたこの部を通じて展開をされてまいります経済協力というものの理想が一体どういうものであったならば、国際的に非常に評価をせられ、日本の国際的地位が高まっていく上に大きな役割りを果たしていけるか、どういう姿が理想的な姿なんだということをひとつお聞かせいただきたい。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 確かに量のみならず質の問題が非常に重要であると私も思います。先般タイへ参りまして、日本品及び日本の商社に対する現地の反応等を見まして、量の問題もさることながら、質の問題がこれから非常に重要になる、そういうふうに痛感したことでございます。総じて日本のこれからの国際社会におけるセールスポイントを考えてみると、軍事でもなければ文化力でもない。これは経済協力のみにほとんど日本の国際社会におけるセールスポイントがあるように思うわけです。その大事はセールスポイントが外国から、特にアジアの国々から指弾を受けるという状態では、日本の青年の前途はふさがれてしまいます。そういうところも考えてみて、これは政治政策として国際協力というものを打ち出すべきであると思うのです。  そういう面から見ますと、まず量の中では政府間援助というものをもっとふやす必要がある。OECDでGNPの一%という一応の基準はきまっておりますが、そのうち政府援助というものは約〇・七%というものを期待しております。しかし日本は昨年は〇・二二%程度に落ちておる。その前は〇・二三%ということであります。若干数字はまた変動するかもわかりませんが、ともかくその程度である。依然として政府援助の〇・七%には接近しない。低迷しておる。これからまず考える必要があると思うのです。そういう意味で、道路には五カ年計画あり、防衛にも五カ年計画がありますけれども、経済援助について五カ年計画というものがない。〇・七%に届こうとする年次計画や年次努力もないわけです。これは非常に大きな欠陥であると私は反省しておるわけです。そういう中身の問題。  それから、現在行なっておるいろいろな商社活動等を見ましても、大体売らんかなというやり方で出ていくものが多くて、タイのような場合においても、たとえば、現地に商社が出ていっても利益はすぐ本国に送金してしまう。その金をタイの対日輸出の資本投下に使う、あるいは第三国輸出の企業を起こしてもらうという形になれば、非常に住民の感情も違うし、また喜ぶわけです。そういうような経済協力活動の実態についても改革すべき点が非常に多いと思います。御指摘のように、これからの通産省の仕事の中の非常に大きな部分にそういう部分があると思いまして、二つの部を大いに活用して働かしてみたいと思っておるわけでございます。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 まことに御示唆に富んだ大臣の御答弁でございますので、それでもよろしいわけでありますけれども、私はなお一そうその頭の中に飛躍を求めるならば、たとえばいま未来のことをいろいろ考えておられるいろいろなグループがあるわけでありますけれども、そのうちの一つにローマ・クラブというようなものがある。そして世界の人口がいま二・七%ずつふえていくのに食糧はだんだん足りないじゃないか、耕地もだんだんなくなっていくじゃないか、こういうような御指摘もございます。そういったときに、たとえばニューギニアならニューギニア、まことに未開の膨大な地域がそこに目の前に存在をしておる。こういったところにほんとうに何のひももつけない協力資金を投入して、世界の未来のために、あるいは国連協力のために、世界人類のために、日本の二百億ドル、あるいはそれをこえたかもしれませんけれども、そういった膨大な蓄積の外貨の一部を使っていくというような構想があってもいいではないだろうか。大臣、あなたのような構想力の豊かな方なんですから、そういうことをお考えになって、この経済協力というものを質的にももう一段と飛躍をさして、そして世界の拍手かっさいを受けられる、それが日本の国際的地位の向上に非常に大きくものをいう、そういった施策をひとつお考えいただいたらどうかと考えておるのでございますけれども、いかがでございますか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 お説のとおり、いままで日本の経済協力というものは、ややもすると日本に資源を持ってくる、日本に金を持ってくる、そういうような日本を中心に考えたきらいがあると思います。この際、そういう日本を中心に考えるという立場を振り切って、その国自体のために経済協力を行なう、そういう哲学上の転換もなければならぬと私は思います。そういう見地に立って、ニューギニアのような土地に対して思い切った開発行為、現地住民の福祉に貢献する仕事をやるということは、世界の歴史の上でも非常に意味のあることであると私は思います。政府自体の行為としてそれをやるということも好ましいことと私は思いまして、実はニューギニアにつきましては私も非常に関心を持っておりまして、豪州のパプア・ニューギニアのほうでは、あそこにソマーレという総理大臣がおりまして、私は豪州の経済閣僚会議で行ったときにもわざわざその人に会い、それから彼も日本にやってきまして、私もまた会っていろいろな話をいたしました。日本の経済協力を非常に要望しております。もちろんこれには豪州政府の許可が要りますが、豪州政府を介してそういうニューギニアの現地政府に対して非常に大きな経済協力をするということは、実は頭の中で考えておるところでございます。インドネシア方面の西イリアンにつきましては、まだそういうような考え方は頭に上がってきておりません。これはインドネシア政府との関係でございますので、機会があったらそういう問題についてもいろいろ検討してみたいと思います。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 せっかくの大臣のおことばでございますから、もう一ぺん確認をいたしますけれども、今後この経済協力を進めていかなければならぬ。それが日本の対外政策の中に非常に大きな地歩を占める。そういう中におきまして、日本中心で物を収奪してくるようなものの考え方でなくて、ほんとうに世界を舞台にした、そういったところにまで経済協力を進められるお考えがあるのでございますか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 そのとおりです。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 この問題はそういうお答えでございますので、きわめてけっこうでございます。  ここで次の問題に移ります。第九条の関係で産業政策局を設置をせられますが、この中にいろいろと業務が入っておりますけれども、いままでの企業局の中にありました業務の中でも、たくさんいろいろなことが例示をせられております。そのうちの百貨店業についてひとつお伺いをいたしたい。  現在、通産省は百貨店法の改正をいろいろお考えになっておられるようでございます。しかしながら、今日の時代の要請ということを考えてみますと、消費者の利益を増進をしていくというような考え方がその中に入りませんと、そういったものの考え方はなかなか成立をしにくいであろう、私はかように考えるのでありますけれども、そうした趣旨ははたして盛り込まれておるのでございましょうか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 そういう考えも十分盛り込んでおります。最近スーパーが発達し、擬似百貨店というものが非常に発達してまいりまして、各地で小売り団体と摩擦を起こしております。そこで、いままでの百貨店、それから擬似百貨店、スーパー、それから小売り商店街、この三つの調整をはかって、消費者のことを考え、かつ公正競争のことも考え、また大資本の横暴も押え、小売り商業の振興も考える、そういうような基本的立場に立って百貨店法の改正ということを意図しているわけであります。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 非常にけっこうなお考えでございまして、それがそのように三者ともどもによくできたというところまで押し上げをいただきたいものだ、かように御要望申し上げるのでございまするけれども、実は私どもの選挙区の中におきましても、非常に小さな五万とか七万とかという都市に、最近いろいろな百貨店とか疑似百貨店のようなものが出てまいります。出てまいりますと、そのとたんに、近代的な内容であるとか、あるいはサービスがいいとか、包装がいいとかいうようなことがあるのでございましょうけれども、大臣のただいま御指摘になられましたような、一般の小売り業がそのために非常に大きな打撃を受けておる。極端なことをいいますと、一つの百貨店が出てまいりましたために、商店街の売り上げが一ぺんに六割ぐらい減ったというようなものも中にはあるわけであります。こういった中で、百貨店法の改正が行なわれるということを伝え聞きまして、われわれのところにも御陳情に来られます。こういったことを聞きましたときに、私どもは、消費者利益の確保というものとあわせて、この百貨店、スーパー等の進出ということによって影響を受ける中小小売り業者のことについても配慮をしていかなければならぬじゃないか。それをどのように生かしていけばいいのかというようなことをいろいろ考えさせられるのでございますけれども、通産省に何かお考えございますか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 最近の顕著な各地の例といたしまして、スーパーや疑似百貨店が各地に進出してきて、小売り商業組合等と問題を起こしているというのが実は非常に顕著であります。また一面デパート等が全国にチェーンをつくって、そしてそのデパートの力をもって地方に進出する。ある意味において資本的に、あるいはある意味においては商品的に進出する、そういうような傾向が見えるわけです。われわれのほうといたしましては、やはり小売り業というものは非常に大事でございますから、一面において中小小売商業振興法という法律をいま用意いたしまして、小売りにてこ入れをする。それから一面においては、流通業に対する国際化、自由化という問題がだんだん出てまいりますから、そういう意味においても、いまから小売り業関係の抵抗力をつくっておこう、そういう考えもあるわけであります。一面においてそういうことがありまして、当面いま一番摩擦を起こしているスーパーや疑似百貨店との関係を調整するということが、われわれの当局の目の前に来ておる。またその次には百貨店という問題があるわけです。そういう観点に立って、この三つのグループの利害を調節して、そしていまの要請にこたえるような形で法案をつくろう、そういう考えに立ってやっております。私は、昨年の夏以来、この三つのグループの間で話し合いを進めさせ、私も三グループの代表を呼んで直接いろいろ話し合いをして、そして大体この線でよろしいというような線がまとまってきつつありますけれども、しかし、まだ小売りその他においてはいろいろ議論もありまして、最終的なところまでは固まっておりません。これは大体、百貨店やスーパーに対して届け出主義でやらせて、それに対して通産省がかなりの力をもって勧告し、言うことをきかない場合には設備改善命令を出させる、それをきかない場合には営業させない、そういうような届け出主義という形によってスーパーをとりあえずまず調整する、同時に百貨店の関係も調整する、そういうことでやったらどうかというのが私の腹案にあるということでございます。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 なかなかお考えのようでございますから、私が申し上げるまでもないのでございますけれども、ぜひともひとつ、そういう小売り業その他を守るという意味におきましては、こういう出てまいりまするスーパー、疑似百貨店、百貨店等々に対しまして、営業時間を守らせるということ、売り場面積に一定の指導を加えられるということ、そういったことについて、ひとつ大臣の監督権を十二分に御行使いただきたい、かように考えるのでございます。よろしゅうございますね。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 けっこうでございます。そういう内容は、みな設備その他の改善命令の中に含ませようと思っております。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 この問題はこれで終わりまして、次にまたやっかいな問題でございますけれども、商品取引所の問題先ほど出ましたけれども、若干これにも触れさせていただきます。  商品取引所がもっぱら投機の手段にされているという批判が非常に高いのでございますけれども、一体今後とも、商品取引所の制度というか、いまの経済ではたしてどのような役割りを果たしていけるかということを考えますと、いろいろ心もとないものがあるのでありまするが、この点はいかが考えておられますか。   〔委員長退席、加藤(陽)委員長代理着席〕

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 商品取引所は、元来、流通関係を円滑にして、そして直接実需を持っている人たちが将来の危険負担をヘッジする、保険をかける、そういう意味が非常に大きな仕事になっておるわけでございます。ところが、最近の情勢を見ると、それが投機の場のような形になってきている。若干の投機というものは取引所にはてんめんするもので、損したり得したりする者があるからヘッジも行なわれる。得している者ばかりがいたらヘッジは行なわれない、そういうことでありますけれども、それが行き過ぎになると、無事のサラリーマンのお客さんを勧誘して、ほとんど誘惑的に金を出させるとか、不正行為が出てくる、しろうと筋が大損をする、ひっかけられるような形も出てまいりますし、または過剰流動性を持った連中が背後でいろいろ動かして、そして巨利をむさぼるというようなことが起こり得る可能性もある段階になってまいりました。そういう意味において、去年の秋以来、取引所については通産省関係、農林省関係とも相協力いたしまして、証拠金を非常に引き上げる。毛糸のような、一枚七十万円まで引き上げるということにいたしました。それから建て玉報告というのをやらせまして、売買委託者の氏名を一枚一枚について報告させる。だれが買ってくれと言われたのか、そういうことによって背後の者を突きとめるとか、いろいろなこともやっておりまして、一高一低を繰り返しておりますが、どうも毛糸から綿糸に移る、綿糸から大豆へ移る、大豆から生糸に移る、そういうふうにウナギを押えるように、片方を押えると片方が動き出すという傾向もいま実際はあるわけです。ですから、過剰流動性を押えるという基本をやらなければだめだろうと思いますけれども、もう一面においては、いまのような可能な範囲の取引所に対する規制を行ない、それから関係者に対して自粛の措置を強く要望し、監督権を発動してそれぞれの措置を行なう、そういうことでいま対処しておろうと思います。自民党におきまして、そういう投機行為を取り締まる法案をいまおつくりになって、政府も一体になってやっておりますが、政府提案でやれという方向にいま動いておりますが、私らはいまややるべきときにきた。そういう法律をつくって権限を持ったわれわれとしてはしかるべき措置もやる。その以前におきましても、実態調査等は商品別に実行していきたい、そう思っております。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 まことにけっこうなことで、できるだけ早くその効果をあげていただきたいと思うのでございますけれども、大臣みずからがお認めになっておられるように、ウナギをつかまえるようなもので、あちらを押えればこちらが出る、こちらを押えればあちらが出るというようなことであっては困るので、全般的に押え込まれるような効果ある施策をやっていただかなければならぬ。効果ある施策を国民は要望しております。その点を十二分にお考えになっていただきたい。そして、いま大臣も御指摘になられましたように、原因は過剰流動性である。金が余っている、余った金があるのだということが問題なのでございまして、私は商社に対する規制もけっこう何もけっこうでございまするけれども、その本元になっておる銀行の中にある過剰金融、たとえば銀行が金を貸して、金を借りた人が金を返そうといっても、その金を返すことを許さぬといったような銀行がいまや方々にあると私は聞いております。そういったことがもとになって過剰流動性をさらに大きくし、その過剰流動性を貸し付けられた者は、しょうがないからその利息を払うために、さらに大きな何か利益のあがることを追求しなければならぬというようなことも行なわれておるのではないかと思うのでございまして、ぜひともこの点は大蔵大臣等々とも十二分に御調整を願って、その首の根っこをともかくお押えをいただきたいということを御要望申し上げておきます。よろしゅうございますね。  続いて、一番大きな問題に入るわけでありますけれども、これはエネルギーの問題であります。最近エネルギー危機が叫ばれてもう久しいわけでありまするけれども、今回の機構改革によって、それではわが国のエネルギー問題に一体通産省御当局は十二分に対処できると思っておられますか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 これからの日本の大問題は、まさに御指摘のとおり資源問題でございまして、具体的には、アメリカとの資源獲得競争みたいな形が出てくる危険性が十分あるわけでございます。日本の将来の経済発展度というものを考えてみますと、ともかく昭和六十年ごろには石油でも六億トンないし七億トンぐらい要る。現在約二億トンぐらいでございます。一体それだけの貯油所があるかという問題もございますけれども、一応の計算ではそういうことになります。アメリカはまた石油が最近不足してきているのか、あるいは将来のためにたくわえて、国内の石油を掘らせないようにしておるのか、ともかくアメリカも石油買い付けに出てまいりまして、そうなると、日本とアメリカだけで世界じゅうの石油をある程度押えないと、産業が立ち行かないというような可能性も出てまいります。  そこで、そういう資源問題について、やはり世界の各国と協調し合いながら、そしてその利益を現地にある程度還元しながら、また現地の国の発展に日本も貢献し合いながら、そういう形で国際協調のもとに資源を洋の東西南北にわたって確保していく。一カ所だけに偏することは危険でございますから、われわれと話の合う分野につきましては、これは洋の東西南北を問わず確保していく、そして日本の資源的安全性も確保していく、そういう考え方に立って実行していきたいと思います。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 非常にけっこうなお考えでございます。ところが、そういったお考えはございますけれども、そういったお考えを、誤解をいたしましてかどうか知りませんけれども、名前をあげるならば、ジャパンラインという船会社は、アブダビなんというところに出ていって、やたらに高い価格でアブダビ国所有の石油をあふって買い付けてくるというようなことが現に起こっております。通産大臣は、これに対しまして御措置をおとりになったようでございまするけれども、このような非常に軌道をはずれたやり方というものがまた世界の誤解を招いて、日本のエネルギー政策、資源政策、こういったものに対しまして世界が非常に大きな誤解を招き、日本に対してそれをもとにしてさらに圧迫をする材料をつくってくるというような可能性なしといたしません。こういった問題は、私どもの資源を将来握っていかなければならぬのだ、それに走る余り何をやってもいいということに通ずるおそれが現に出てきておる。これはまことに遺憾な問題でございまするから、大臣におかれまして、せっかくの御措置をおとりになって、そしてそういう誤解を招かないように御措置を願いたいということを御要望申し上げます。よろしゅうございますね。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 承知いたしました。アブダビの問題につきましては、ジャパンラインが、ややもすると国際的に誤解を受けるようなやり方であの石油の利権を獲得いたしましたが、そういうふうにめちゃくちゃにやられると国際的不信を買いますし、また、原油の価格を上げ過ぎてしまうという、そういうことも出てまいりますから、今回は通産省といたしましては、ある意味においてそういうことを将来起こらせないような懲罰的措置というと言い過ぎかもしれませんが、起こらせないような意要の措置をやったわけでございます。それは、日本着の値段、購入する価格というものは国際価格より下がっていなければならない、国際価格以下である。それからその受けざらの機関は別個につくる、これはユーザーを中心にしてつくる。それから第三点は、油の配給、使途というものは通産省の指示に従う。そういう形の指示をいたしまして、いま実行しているところでございますけれども、今後は通産省及び石油公団が中心になりまして交通整理をやりまして、そういうことを起こさせないように、われわれも戒心してまいります。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 石油の問題でもなお多々問題はあるわけでありますけれども、次に電力の問題をお伺いいたします。  最近、発電所の立地難が非常に激化をいたしております。そうして、四十七年度の場合に新規着工必要規模が約千二百万キロワットということを大体お考えになられたわけでございますけれども、これに対しまして、電源開発調整審議会に付議できたものはわずかに三百八十万キロワット、約三分の一弱の実績にとどまっております。こういうことになってまいりますと、私どもの電力需要というものに対して供給がきわめて足りない、不足していくというような事態がすでに起こっておりますし、将来ますますこのギャップは大きくなって、数年後には電力危機がくるかもしれないというような不安が現にあるわけであります。また、火力発電所の公害対策費とか低硫黄燃料への転換というようなことによって、発電コストが非常に高くなってくる。こういうことで、電力会社の経理面の問題もなかなかいろいろな問題がそこに発生をしてくる可能性があると聞いております。  このような状況のもとにあって、従来、公益事業局というものが局の機構でこれに当たっておられた。これが資源エネルギー庁の一部になっていくわけでありますけれども、はたしてこれで十二分な実績があげ得るのかどうかという点をお伺いをいたしたい。

和田敏信通商産業大臣官房長

○和田(敏)政府委員 ただいま御指摘のありました新規電源開発に関連をいたしますトラブルの解消のために、今国会におきまして電源開発の促進関係の法案を準備させていただいております。いずれにいたしましても、現在、公益関係、電力関係の企業の経営の最大の頭の痛いことは、地元との話し合いをつけるという事項に経営力の大部分の精力が消耗されておるという状況にございます。これを受けまして、公益事業局といたしましても、従来その例を見ないような多端な業務状況にあるのが現状でございます。このような状況下におきまして、他方、御指摘のような公害関係、あるいは公害関係経費の累進、あるいは海外からの輸入難というような形で、これを合理化において可及な限り最大の努力をいたして吸収していくという経理上の諸問題等、公益事業部が従来担当しておりました業務は、一そう多端な局面に直面しておりますことは、先生御指摘のとおりでございます。  他面、公益事業部の電力関係の発電に関しましては、ただいま御説明申し上げましたように、ローサルファの確保を安定的かつ低廉に継続して行なうということが同じく重要な要素でございまして、現在の公益事業局と鉱山石炭局との関連は密接不可分の状況下に立ち至っております。このように、公益事業部の任務の増大、あるいは鉱山石炭局との密接性の一そうの推進というような事態に対処いたしまして、われわれ通産省といたしましては、資源エネルギー庁の設置をお願いをいたしておるわけでございます。  しからば、現在局長でやっておった業務が今後公益事業部長ということで、そのような重大な任務が果たせるかという御質問でございますが、これは現在のところ、資源エネルギー庁長官、資源エネルギー庁次長、そのほかにさらに公益審議官を一名資源エネルギー庁に設置する予定でおります。従来、公益事業局の業務としてかなりのウエートを占めておりました他省他局との調整事務、一般管理事務に関しましては、ただいま申し上げました長官官房が所掌することとなりましたので、公益事業部の業務は、従来の公益事業局の業務に比べまして、そのような、他省折衡業務あるいは庶務部的官房業務に関しまして、かなりの軽減を見ることになるのではなかろうかと思います。  以上申し述べましたように、関係局との一体的運用、官房事務のより高い次元における吸収というような二点、積極的な調整をこの資源エネルギー庁で実施いたしますことによりまして、外形標準的には局長というのはなくなりますが、公益事業局の現在果たしております任務は、この資源エネルギー庁に改組されますことによりまして、従来より以上に国民のために効率的に遂行されるものだというふうに確信をいたしております。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 官房長のなかなか御努力のある御答弁でございますけれども、それでは具体的に、電力の一番大きな隘路になっておる立地対策というようなことについて、具体的にどのような努力がより多く期待できるのか、今後これに対してどのように対処されていかれるのか。これはいかがでございますか。

和田敏信通商産業大臣官房長

○和田(敏)政府委員 電源立地の問題に関しましては、ただいま御説明申し上げましたように、電力業界にとりましては最大の課題でございます。したがいまして、現在、他省庁との調整のもとに、あるいは経済企画庁、自治省、建設省その他との交渉、話し合いというのは公益事業局長が責任を持って当たっておるわけでございますが、今後は、公益事業部長、次長、長官、さらには審議官等もあげまして、他省庁との折衡に関しまして重点的にこれを行ないますことができるわけであります。さらに、当省の内部におきましても、新しく立地公害局の設置をお願いしておりますが、環境庁と密接な協力のもとに立地公害行政を推進していくわけでございますが、省内におきまする立地公害局との協調に関しましても、長官以下数名のスタッフが整っておりますので、現在といえどももとより密接な連携のもとにやっておりますが、今後はさらに高いレベルにおいて多元的なパイプができるということに相なるわけでございます。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 この電力の問題は、単に電力会社の問題でもなければ一通産省の問題でもないので、国民生活に至大の影響を持ってきておるわけです。そこで、何回もお聞きをするのでございますけれども、機構改革をされるのもけっこう、長官ができるのもけっこう、次長ができるのもけっこう審議官ができるのもけっこうでございますけれども、一体そういうものができたからといって、発電所の立地がなかなかできないというような結果になりますと、国民として非常に困る。そういうことのないように十二分に対処できると言われるなら私は信用いたしましょう。どうでございますか。

和田敏信通商産業大臣官房長

○和田(敏)政府委員 御指摘のように、機構の拡充だけをもっていたしましては、現在の多端な局面に対応するには不十分であることはもちろんでございます。このような機構の改革にあわせまして、通産省一体と相なりまして、国民のために適正価格によりまして安定的に十分な電力を供給できますよう、省内一致して実施していく所存であり、必ずや問題を解決していくという覚悟でおります。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 覚悟だけでおられてもしかたがないので、この第三十六条の二から第三十六条の十二までですか、いろいろのことが書いてございますけれども「電力等のエネルギーの安定的な供給の確保並びにこれらの適正な利用の推進並びに電気事業等の運営の調整に関する事務を行なうことを主たる任務とする」と書いてありますけれども、こういう「安定的」というようなことが書いてあるのだから、ほんとうに安定してやってもらわなければ困る。それを、できるだけやりましょうとかなんとかいうことでなくて、ぜひとも、どんなことがあっても、とにかく当面はだいじょうぶでございますというところまで、ひとつその成果をお高めをいただきたい、かように考えておりますが、よろしゅうございますね。   〔加藤(陽)委員長代理退席、委員長着席〕

和田敏信通商産業大臣官房長

○和田(敏)政府委員 先生御示唆の御趣旨に従いまして、全力を尽くす所存でございます。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 それではその問題はそれでおきまして、エネルギー問題及び公害問題の解決については、いろいろと資源外交の強化でありますとか、あるいは石油の問題に限りますと、メジャーとの交渉でありますとか、OPECとの交渉でありますとか、いろいろな問題がありますし、解決すべき問題が、これから天然ガスの問題を含めまして、われわれの大陸だなの問題だとか、あるいは地域別の低硫黄燃料化の計画をどのように遂行するとかいうような問題が山積をいたしております。したがいまして、このエネルギー庁にかけられます任務というものはきわめて大きいわけであります。その点を十二分にお心がけをいただきましてこれをお進めをいただかなければならぬと考えます。しかしながら、今回の機構改革を拝見をいたしておりますと、たとえば鉱山石炭局から石油部が抜かれてこの中へ入ってきて、石油部が新たに設置せられるというようなことになっておるわけでありますけれども、さてその中身が一体どうなんだということになってみて、その中身が行政需要に十二分に対応できないということであれば、一体この機構改革は何のためにしたのだということになるわけでありますから、その中身の充実等々についてもお考えをいただきまして、政策の十二分な展開をしていただきたいと思いますけれども、よろしゅうございますね。

和田敏信通商産業大臣官房長

○和田(敏)政府委員 御示唆のとおり実施してまいりたいと思います。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 将来のエネルギー問題の総合的解決のためには、大臣が非常に勉強しておられます原子力の役割りが非常に大きく出てくるわけであります。資源エネルギー庁においても、原子力エネルギーをどのように行政の中に考えておられるのか。これは明記されておりませんから私は知りませんけれども、こういう場合に、原子力委員会なり、あるいは科学技術庁の原子力局というようなものとの間の関係がスムーズにいって、それぞれの機関がそれぞれの部署において十二分に行動ができるというような運用をしていただきたいと思いますが、大臣よろしゅうございますか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 御趣旨を体して円滑に協力するようにいたしたいと思います。  なお、電源地帯の開発促進のために、今度の議会に開発地点に関する地帯整備法を提出して、地元民を潤す、喜んでもらうような、そういう電源開発をやろうと思いまして、法案を用意しておるところでございます。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 せっかくひとつ御努力をいただきたいと思います。  最後に、これは非常に私の選挙区等々にも関係をする問題であり、同時に、一面におきましては通商問題に、一面におきましては資源問題に関係をしてくるのであります。問題が二つございます。  一つは、これは公害の源流といわれております足尾の問題でございます。私ども栃木県におりまして、いろいろな面で折衝いたしました結果、過般、足尾銅山はいよいよ閉鎖するということに相なったわけであります。しかしながら、当面、古河鉱業とされましては、足尾の製錬所というものを急速にやめていくわけにはいかないということで、わざわざ海外からの高い銅鉱石を持ってまいりまして、それを内陸にわざわざ運んで、そうして足尾で製錬をして、できたものをまた山からおろして運んでいくというようなことをやっておるのが現状でございます。私は従来とも、いろいろな金属鉱山の場合を考えてみまして、その製錬というものが勢い公害につながります。したがいまして、これが内陸にあろうと、山の上にあろうと、海岸にあろうと、いろいろな面で公害を及ぼしておる。だから将来は、できるだけ早い機会に、現に鉱石の出てくる現地で製錬をするというようなことを考えていただきまして、国内における公害をできるだけ少なくし、同時に、鉱石輸出国に対しましても、半製品あるいは完成品をそこでつくっていただいて、付加価値をそこに置いてくるということによる経済協力もできるわけでありますから、そういった方向に進んでいったほうがいいと私は考えておりますし、古河さんなんかにも、ぜひそういうふうになさったらいかがですかというふうにおすすめしておるのでございます。これは古河だけの問題ではございませんが、一般的に、こういった銅とか亜鉛とかいうような国内金属製錬所の問題、これの将来についてどのような御構想を持っておられるか伺いたい。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 御示唆になりました現地処理あるいは中間製錬、そういう考え方には私も賛成でありまして、そういう方向に将来誘導していきたいと思います。  なお、足尾銅山の閉山につきましては、労務者の問題やら、あるいはいろいろな地元の地方自治体の問題等も起こると思いまして、労働省、自治省とも連絡をとりまして、関係者に迷惑を及ばさないように、できるだけわれわれで手当てをしてあげたいと思っております。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 最後に、この問題はまたもとへ返るわけでありますけれども、通貨の問題とからみまして、私どもの選挙区にせっかく御構想を願いましたおもちゃ団地というのがございます。ところが、このおもちゃ団地でつくりますおもちゃ、これが対米レートの方向によりましては、とてもやっていけないというような方向になるのではないかと非常におそれております。これは一部足利等にもございます輸出織物の問題でも同じでございます。全般的には、輸出と輸入というものが一応のバランスさえとれれば、通貨の変動に伴います差益、差損というものの国家としてのバランスはある程度できるのでありますから、これ自体どうこうというわけではございませんけれども、スポットをぽんとある事業所あるいは産業、そういったものに当てますと、非常にこれが大きく響いてくる問題がございます。こういった点につきまして、従来の金融政策その他では私はとうていこれは救済できないのではないか、そういうおそれすらあるのじゃないか、このように心配をいたしておるのでございます。これは全国にほかに、燕の場合には、これは全国のメッキを一手にやっておられますからそういうことはないと思いますけれども、燕の洋食器だとか、あるいは木工品とかいうような小さいもの、クリスマス電球とかいろいろなものが出てくるわけであります。そういったものに対する全般的なお考えについて、大臣からひとつ御示唆を願って、選挙区の選挙民が安心するようにひとつおことばをちょうだいをしたい、かように思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 今回の通貨調整にからみまして、中小企業関係が非常に苦難の道を歩まれるであろうということは十分予想されます。最近特にドルの値下がりがはなはだしいという情勢から見ましても、いま新聞で報ぜられているようなレートという形で動いていけば非常な苦難に遭遇する、大半は操業できないような値段になるような危険性がある、そういうふうにわれわれも心配をしております。しかし、繊維やおもちゃ団地のように、国や地方団体が積極的に助成してやったところについては、われわれとしても特に重点を置いて、そしていろいろな金融やそのほかの点におきましてめんどうを見させていただきたいと思います。そういう具体的な問題がありましたら、われわれのほうへお知らせいただけば、さっそく諸般の措置を講じます。  なお、一般の雑貨やあるいはいまお示しになったクリスマス電球とか、そういういろいろな問題につきましても、前回やった措置をやることはもちろんのこと、今回特に顕著になってきている問題等につきましては、さらに政策を深めていくつもりでございます。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 せっかくのおことばでございますから、ぜひともそれが効果をあげるようにお願いをいたしまして、私の質問を終わります。どうもありがとうございました。(拍手)

三原朝雄自由民主党

○三原委員長 次回は、来たる八日、午前十時理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。   午後五時九分散会

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