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71回国会衆議院1973/06/06

逓信委員会 第20号

発言数
85
登壇者
11
会派数
3
開催日
1973/06/06

会議録

久保田円次自由民主党

○久保田委員長 これより会議を開きます。  郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。土橋一吉君。

土橋一吉日本共産党・革新共同

○土橋委員 今回提出されました郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案についてまず質問をしたいと思います。  私の資料は、これは四十四年度の郵政統計年鑑でございますので最近の状況はよくわかりませんが、全国で郵便ポストの数、街頭やあるいは事務所前などにある郵便ポストの数と、そして売りさばき所の数がどの程度になっておるのか。私は郵便ポストのあるところは、郵便局及び切手売りさばき所の数と同数のポストがあるのが原則ではないかというふうに考えておるので、そういう点について現状を説明してもらいたいと思います。

溝呂木繁郵政省郵務局長

○溝呂木政府委員 四十七年の三月末の概況でございますが、郵便ポスト数は十二万八千六百二十一本ございます。それから売りさばき所数は十万三千九百六十三でございまして、先生御指摘のとおりポストの数と売りさばき所の数は違っております。  この実情といいますか、合わない理由を申し上げますと、一つは、ポストの中にいわゆる局前ポスト、郵便局の前に置くポスト、普通局及び特定局あるいは簡易郵便局、そういうものがございますので、それが約一万七千四百本くらいございます。それからこのポストの統計の中には、いわゆる私設ポストとして認めたものが約四千百ばかりございます。そのほかに、少のうございますが、速達専用ポストも入っております。したがいまして、御指摘のとおり、ポストの数からいいますと売りさばき所と合いませんが、そういった売りさばき所を必要としないポストを引きますと、約四千五百ばかりが合いません。一方売りさばき所のほうは、ポストを必要としない、たとえば印紙のみを売りさばく売りさばき所、それからビル内等でポストのないところの売りさばき所、こういうものを引きますと、その差が先ほど申しました約四千五百ばかりになります。  これは詳細にはまだ調べてございませんが、いわゆるポストがあっても売りさばき所が申し出のない、いわゆる住宅街だけのポストとか、あるいは局前ポストではございませんが、駅の前等で付近に売りさばき所を設けるのに不便な、郵便物を入れるのには便利ですけれども必ずしも売りさばき所を設けるに適さない、そういったものが結局四千五百の中に入っているのじゃないかというふうに推定しているわけです。

土橋一吉日本共産党・革新共同

○土橋委員 溝呂木さん、あなたのほうで出した資料によりますと、売りさばき所は十一万百八十九あるのですよ。あなたは先ほど私には十万三千九百六十三というふうに答えていますがね。わずかなことですからいいですよ。ですが問題は、要するに郵便ポストのあるところには、少なくとも近所に郵便局があるとかあるいは切手類の売りさばき所があるようにきちっとしていただきたいというのが私の要請でありますので、それ以上いいです。もうわかっておりますから……。大体ポストが十三万カ所ほどあるのですよ。だから郵便局と売りさばき所を加えてやはり十三万ぐらいあれば、ちょうど郵便を入れる人に便利だということを私は念を押したかったわけです。それだけですからよろしいです。私はこの法案については賛成をする立場をとるわけですから、その点については御懸念のないように。一応賛成をする立場でいろいろ質問をしたいと思います。  郵政大臣は本日の読売新聞などをごらんになったと思いますが、最近、郵政省の労使関係あるいは物の滞留の関係は言語に絶するような状態であります。毎々これは各委員会でも指摘をされておりますが。特にILOのいわゆる自由委員会が中間報告をいたしておりますように、これは労使間の不当な処分であるとか、あるいはまた、いま問題になっておるいわゆるブラザー制度、最近は何と言いますか違った名称で言っておりますが、こういうようなものと関連をして非常に不当労働行為が郵政側の管理者から多く出ているわけですよ。これはまことに残念なことであります。  きのうの新聞を見ますと、札幌の豊平という郵便局で、組合切りくずしのため、元主事をしておった一条さんという方に対して多額の金を出しておる。この問題については、あとでおそらく社会党の島本虎三氏からいろいろ質問が出るというようなことを新聞にも書いてありますので、私はこれ以上は申しませんけれども、官の金を使って労働組合を切りくずすというようなことをやることは、これはもう不当労働行為中の最たるものであって、ブラザー制度もそうですし、また、最近の新聞によりますと、同じくこの一年間に、たとえば岐阜の郵便局であるとか、岡崎の郵便局であるとか、さらには直江津、それから、浦和、東京の足立、杉並南局などでたいへんな事件を起こしておるということもやはり新聞報道されておるわけです。こういうふうに、郵政大臣の努力にもかかわりませず、郵政省の労務担当関係の職員やあるいは局長あるいは各郵政局の局長などが、依然としてこの労使関係不正常の状態を自分から引き起こすようないろいろな施策をやっておるわけですよ。これは何としても救済しあるいは救助しなければこの問題は解決しませんので、この前の処分も、御承知のように、六千名ばかりでございますか、一昨年は八千名でしょう。こういうような大量な処分を出して、そして昇給あるいは昇進あるいは栄転がおくれるような措置をとったり、あるいは青欠の賃金カットなどをして、そういうことをやっておる。こういう事態がどうしても労働者の勤労意欲を阻害をしたり、あるいは労使の正常な関係を非常に不正常な状態に導くことはもう言うまでもないわけですよ。ですからこれは一北人事局長だけの問題ではないわけです。戦後、いわゆる民同組合との関係において郵政省がどういう措置をとったのか。戦前においても同じようなことを繰り返しておるわけですよ。したがって、こういう不正常な、労働者を信頼しない、それで屋上屋を重ねるような監視体制をとる、あるいはトラック部隊を派遣してそして監視労働をやる、あるいは強制労働をやる、あるいは威嚇労働をするというようなことを依然としてやめていないわけですよ。これは明らかに人権宣言にも違反をするし、憲法の諸規定から見ても違反をするし、労働関係の法律から見ても、何人も許すことのできない状態であるわけですよ。したがって、こういう事態について郵政大臣はこの前もいろいろ御説明になっておりますけれども、私は、この逓信委員会だけ適当な答弁をしておけば済むということじゃないと思いますけれども、そういうことでは問題は解決しない。やはり、確固たる体制をとらなければ、これは郵政事業の百年の計画を立てていかなければ、私はほんとうに解決しないと思うのですよ。ですから、いま申し上げましたような各局、あるいはまた明日は逓信委員会でわざわざ二百何十万通滞留しているところを、先ほど理事会において、とにかく郵政事業の伸展のために悪いものは悪いものとして見ようじゃないかということにもなっておるわけですよ。こういう事態を引き起こしておるということは、これは郵政大臣の全責任だと思うのですが、どうなんでしょうか。また、これをどういうふうにして実際、対処しようとしておるのか。これは歴代の郵政大臣が、私は常に言っておるのですけれども、善処し得なかったのですよ。委員会では適当な、率直に言わしていただけば、そういう答弁はしておるけれども、真剣にこれにメスを入れて、たとえばそういう局長に対して悪いものは悪い、あるいはそういうことについてきちっとした指令を聞かない郵政局長あるいは郵便局長に対して、断固たる処断をするということをやらない限りは、これはおさまらないのですよ。つまり体質的なものにまでこの悪い傾向は発展をしておるわけですよ。ですから、郵政大臣がどう考えておるのか、私は確固たる所信を披瀝をしていただきたいと思うのであります。

久野忠治自由民主党郵政大臣

○久野国務大臣 ただいま御指摘の点は二点あったと思うのでございますが、一点は、一連の不祥事件が各地で起きておるが、これについてどうするかということ、それから、東京都内における郵便物の滞留の状況、これは異常な状態になっておるが、これに対処するのはどういう考えを持って対処するのか、この二点であったと思うのでございます。  その第一点につきましては、私ははなはだ遺憾なことだと思うのでございます。このような事案が起きたのは、やはり管理体制に欠陥がある場合もございましょうし、あるいはまたはその内部における労使間のいろいろの話し合いの場において、意見の相違から起きる場合も私はあろうかと思うのでございます。個々の問題につきまして十分調査をいたしまして、そのよううな情勢が、また事犯が起きないように十分注意をし、監督をしていきたい、かように存ずるような次第でございます。  第二点の郵便物の滞留につきましては、これは私といたしましてはたいへん遺憾なことで、その原因が那辺にあるか、いろいろ新聞紙上では拝見をいたしておるのでございますが、しかしこの問題につきましてもやはりできるだけ早い機会に本質的な解決をすべきである、そのための何らかの処置を講じたい、かように思っておるような次第でございます。

土橋一吉日本共産党・革新共同

○土橋委員 これは解決方法は基本的に二つあるわけです。きわめて明瞭な問題であります。一つは、賃金を上げてやるということ、労働条件を改善するということ、仕事について誇りを持って仕事ができるような、そういういわゆる郵便局内における諸設備を完成するということ。第二番目は、要するに労使間における不当な、いわゆるたくさんのワクをはめるような体制をやめて、そうして労使間において正当な労働条件の改善の問題やあるいは政治活動の自由を保障する、これ以外に方法はないのであります。これをやらないでおいて、そうして赤攻撃をやったり、あるいは第二組合をつくってみたり、賃金体系や労働条件の改善が行なわれないままでこんなことを幾らやったって解決しないのですよ。だから私はこの前の委員会でもあなたに申し上げたように、国家公務員の三公社五現業の賃金体系は非常に低いのですよ。今度一万四千七十六円平均で上がっておるといっておりますけれども、実際にその一万四千七十六円の水準に上がるには勤続年数がおそらく二十年以上つとめたって上がれないのですよ。こういう低い賃金体系をすみやかに打破しなければならぬ。そうしてまた労働に関する、たとえば年金問題にしましても、あるいはその他の共済関係の保障にしても、医療保障にしてもぐっと上げてやること、これが大事な問題であります。それは、資本主義体制の中で物価高や買い占めや売り惜しみで苦しんでおる労働者が生活の安定を保つということが基本であるわけです。これは要するに、問い間赤攻撃をしたり、あるいは思想、信条の自由を認めないような体制をとって締めつけて、そして屋上に屋を重ねるような機構で仕事ができると考えておる、そういうところに問題があるわけです。この二点を基本的に改善をする。郵政大臣として、三公社五現業の諸君とともに、民間の給与並みに賃金を上げて待遇を改善するということに踏み切れば、かなり改善できるわけです。その基本ができていないのです。郵政大臣だけでは困難でしょうけれども、これは閣議決定によってきちっとした態度を田中内閣がとらない限りは、最近の悪政と続いて、こういうものがまた郵便局にびまんをしておるということは、結局はあなた方の自由民主党の政権そのものに大きなひびが入るし、だれも賛成しない結果を招来するというふうに私は見ておるわけですよ。だから、あなたがそれをおやりになる決意があるのかどうか、そういう方向に向かって努力をするかどうかということが先決であります。やらないでは解決できないのであります。二つしかございません。この問題について郵政大臣どうですか。

久野忠治自由民主党郵政大臣

○久野国務大臣 処遇の改善につきましては、先般来当委員会におきましてもしばしば申し上げておるとおりでございます。賃金の問題につきましては、今回の春闘解決の際に労使間において合意ができまして、あのような解決を見たわけでございます。労働条件の改善のためにはやはり環境の整備も必要であるということで、職場環境の改善のために私は日ごろ意を用いておるような次第でございます。  それから政治的な問題につきしては、これは目下公制審に審議をお願いをいたしておるような次第でございまして、公制審の結論を待って処置をいたしたい、かように考えておるような次第でございます。

土橋一吉日本共産党・革新共同

○土橋委員 たとえば、これはどの新聞かでございますが、六月の二日の全逓の大量処分を批判をするというILO自由委員会の中間報告の内容を書かれておるものであります。これをあなたはごらんになってすぐわかると思いますが、この内容は、世界人権宣言とかあるいは日本の憲法の民主的な条項などを考慮いたしまして、そして柔軟な姿勢をとりながらも、大胆に労使間の要するにそういう障害を除去しなければならないという、あきらかに一種の中間勧告に匹敵するものであります。これは日教組の槇枝委員長もそういうふうな内容をちゃんと説明しております。また総評関係の諸君も、それをそういうふうにとっておるわけです。ところが、この郵政の説明はどういうことをいっておるかというと、それとおよそ反対な、これはまだ成熟したものではない、このものをわれわれは公式に認めることはできないというような、そういう意味の表現をしておるわけです。つまり、裁判の判例が出たとか法律が出なければ、その悪いものを直そうとしない。この体質をやはり改めて、そういう民主的な内容については先取りをして、労働者のために尽くすという体制をとっていないところに問題があるわけです。これは、北人事局長、どう考えているのか。こういう問題に対して、ほんとうに国家事業——いわゆる郵政事業は国家事業です。そうして、そこで働いている人は非常に低賃金の過酷な労働の中で働いておるわけです。いま私が申し上げたようなことについて、ほんとうに働く人々のために思想、信条の自由は言うに及ばず、あるいは労働組合その他の規定についても何ももとることのない体制をとるという考え方でやるのかどうか、説明してください。

北雄一郎郵政省人事局長

○北政府委員 その点につきましては、先ほど大臣が申されましたとおりに私も考えております。かねがね私ども秩序ある明るい職場をつくるということが根本だ、こういうふうに申しておりますが、労働条件の改善、すなわち明るい職場ということの基本になると思います。また、秩序ある職場ということがあって、これまた明るい職場というものをささえる一つの要素になろうか、こういうふうに考えております。  それからなおILOの中間報告のことでございますが、それにつきましては当時私も取材をされたわけでございまして、やはり本件につきましては、私どもの考え方と、それから組合側の考え方というものが併記されておる。そして結論的部分というものがございまして、その中におきまして、そういった問題についての結社自由委員会の一般原則というものが出ておりますけれども、しかし、それは具体的に郵政省だとか日本政府というものに対する見解あるいは批判、そういうものではない、こういうふうに考えております。要するに、そういったことについての全体的なILOとしての結論が次会期送りだということがはっきり出ておりますので、私どもその中間報告そのものについては、そういうふうに理解をいたしております。そして、そこで指摘されておる数多くの問題というものは、先ほど大臣が言われましたように、公制審関係の問題でもある、かように理解しておる次第であります。

土橋一吉日本共産党・革新共同

○土橋委員 いま北人事局長は、これは日本の政府とか郵政省とか。官庁関係じゃない、こういうことを言い切りましたね。それは間違いないのですか。この中間報告は、日本の、いま特に問題になっておる国鉄の問題もすでにそういう勧告が出ておるのですけれども、いま問題になって提訴しておるのは、日本の、要するに全逓関係や郵政労働者を中心とする問題ですよ。あなたはそんなことは全然関係ない、これは国際的な一つのポーズを示したものだというふうに説明しておるのだけれども、それは間違いないのかね。

北雄一郎郵政省人事局長

○北政府委員 私どもはそう理解しております。提訴された……。

土橋一吉日本共産党・革新共同

○土橋委員 わかりました。いいです。  郵政大臣、いまお聞きになりましたように、全逓関係の不当労働行為、いわゆるマル生運動について問題が起こっておるのですよ。全電通関係もあるかもわかりませんが、これは全逓関係の要するに不正常な大量処分を中心とする問題で、ILO自由委員会がいわゆる報告を出したのですよ。そうすると人事局長は、そんなことは関係ないことだという説明でやり過ごそうとしておる。問題は、新聞の報道によってもそういうふうに書いてないわけですよ。ここに書いてあることは、「争議行為に関して政府が過酷な処分を適用するという硬直した態度を改めていないこと、処分された労働者の経歴の配慮を求めたことである。」こういうふうにいわれておる。このことは、先ほど私が冒頭申し上げた、郵政大臣が六千名の処分、一昨年は八千名の処分、こういう過酷なことをしておることについての異議であるし、要請であって、郵政労働者に関係がないなんというそういうことでやり過ごそうとすることは許すことはできない。郵政大臣、どう思いますか。いまの人事局長の答弁でいいですか。ああいう間違った、でたらめな答弁をして、いいと思いますか。

久野忠治自由民主党郵政大臣

○久野国務大臣 ジュネーブで開催されましたILO結社自由委員会は全逓の申し立てを審議し、その結果を中間報告として取りまとめ、これは来たる六月二十八日開催予定のILO理事会で審議することになったとの報告を受けておる次第でございます。  なお、現段階におきましては、中間報告でもあり、また理事会において審議される前でもありますので、これについての見解を述べることは差し控えたいと思っておるのでございます。郵政省といたしましては、報告書全文の送付を待った上で慎重に検討いたしてみたい、かように考えておる次第でございます。

土橋一吉日本共産党・革新共同

○土橋委員 まあ最後的ないわゆる勧告なり、あるいはこの問題についての明確なそれがないということを根拠にして、そういう説明もわからないわけじゃございません。しかしながら問題を起こした火元が、こういう実態について直ちに善処するという体制をとらないで、勧告が出てからやろう、それまでは悪いことはひた隠しにしておいて、そしてそういう既成事実をやはり一つの社会的な規範として認めるような体制を堅持することは、私は、郵政労働のいわゆる労働政策としては正しくない。やはり憲法の条章や、さらには労働関係法規に従った、いわゆる労働者の権利を守る、基本的な権利を尊重する、職場に憲法の民主的な条項を生かして、要するに労働条件が遂行される。これを私は強く要求してやまないのであります。ですから、いま御答弁になったことは、たいへん私は不満でございますが、ほかの問題がございますので、今後おりを見て、さらにこの問題の決着をつけるようにしたいと思いますので、一時この問題については保留しておきます。  次の問題は、お年玉年賀郵便のいわゆる寄付つきの法律に関する問題でありますが、昨年の六月ごろであったと記憶しております、本委員会において——高松塚古墳が発見をされまして、そうして急遽松下幸之助さんを理事長とするところの飛鳥保存財団でございますか、こういういわゆる公益法人から金のくめんがつかないということで、高松塚古墳はわが国の墳墓としても非常に画期的な内容を持っておるものであって、この保存はきわめて重要であるというようなことから、議員立法いたしまして、そうして法律をつくったわけであります。この法律と、新しく急遽つくりましたこの法律との間には、非常に大きなズレがあるということも私はよく承知しておりました。しかがって、この法律をつくることについては日本共産党は反対いたしました。そのおもな理由は、法的な解釈の面と、それからこの寄付つき郵便はがきや郵便切手を発売する場合には、第五条の規定などによって一定の制限があるわけです。おもな内容から三つ制限規定を設けておるわけです。そのほかに特例としては、万博とオリンピックにおいてこれが認められただけなんです。そういう法律の解釈の上からも許せないということと、もう一つは、松下幸之助さんを中心とする日本財界のすぐった方々の寄付行為によって約四億八千万円程度の寄付を募って、そうしてこの飛鳥地域におけるいわゆる歴史的な風土あるいは文化財を保全するというまことにりっぱな目的を持ってつくっていらっしゃるわけです。ところが、ドル・ショックで金が集まらない、どうにもしようがないということで議員立法という形式をとってこの法律をつくってきたわけです。ところが、当初——その前に、その記念切手はことしの六月三十日まで売り出しをしておることになっておるはずだと思いますが、大体記念切手としては幾つ、何枚出して、その金額は何ぼあがったのか。つまり、発行した枚数と、寄付行為による金は一体どの程度の金額になるのか、これをまず答えていただきたいと思います。

溝呂木繁郵政省郵務局長

○溝呂木政府委員 いま先生御指摘のとおり、通信販売でほとんど全国の方に無制限に申し込みをいただきましたので、最終的な枚数としましては、二十円プラス寄付金五円のいわゆる青竜が五千十万枚、それから二十円プラス寄付金五円の東壁の男子像、これが五千十万枚、それから五十円プラス寄付金十円つきの西壁の女子像、これが二千三十万枚で、合計一億二千五十万枚ということに最終的にはなりました。

土橋一吉日本共産党・革新共同

○土橋委員 寄付の金額は何ぼになりますか。

溝呂木繁郵政省郵務局長

○溝呂木政府委員 寄付金としてこれが全部——全国の郵便局の中には事故があったり何かする問題がございますので、いま最終的に締めておりませんが、これが全部売り切れたものとすると七億四百万円になります。

土橋一吉日本共産党・革新共同

○土橋委員 当初この話し合いを持ってお見えになったのは、当時たしか郵政政務次官をしておられたと記憶しておりますが、小渕恵三先生だったと思うのですよ。当時これを提案された理由は、この高松塚古墳は畑の中にあって、農道を踏んで、農家から文句が来ておる、また、あの場所に自転車とか自動車を置くようなものをつくったりトイレなどをつくる、そういうことをやるのであるから、一億五千万円程度の資金を寄付つき記念切手でやりたいのだ、了解をしていただきたい、こういう趣旨であったわけです。私は、いまちょっと経過も申し上げましたように、一億五千万円程度の金を郵便切手の寄付によって出すということには、個人的な感情としてはまことにけっこうなことだと思うのですよ。しかし、こういうことを一議員立法でやってまいりまするというと、いま全国に百二十四の選挙区がありますが、どこの方々もそれぞれいわゆる文化財というものがございますので、一々そういうことをやってくれというと、第五条の基本的な原則に違反をするということで、法律の面から非常に困難性があったわけですよ。ところが、いま参議院のこの討議の内容を聞くと、これは約二億円程度という説明を小渕恵三さんなんかはしておるわけですよ。ところが実際ふたをあけてみると、これが七億四百万円というような金額になってしまっておるわけです。これには一つは切手ブームということがあったと私は思うのですよ。しかしながら、一億五千万円の金をくめんをしてもらいたいということであったのに、どこで一体こんなに多数の切手を発行するようになったのか。大体郵政審議会で何をしておったのか。この法律の規定によると、第二条の末項の規定によりまして、七億四百万円は松下幸之助を中心とする飛鳥保存財団に全部やらなければならないような仕組みになっておるわけですよ。なぜこういうごまかしをやるのか。一億五千万なら一億五千万だけの切手を発行すればよろしいではないか。それが二億円となり、しまいには七億四百万円の切手を売って、そうして松下幸之助を中心とする諸君になぜこんなことをやらなければいかぬのか、明確な答弁をお願いしたい。

溝呂木繁郵政省郵務局長

○溝呂木政府委員 先生御指摘のとおり、当時議員立法で小渕先生が参議院の逓信委員会において約二億円程度ほしいという答弁がなされております。そのいきさつを申し上げますと、実は御承知のように、私どもが寄付金つきの切手を発行いたします場合は、まず郵便局の窓口ですなおに売り切れるものを限度にしてお願いしたいということで、過去のオリンピックその他万博にいたしましても、向こう側からの要求はとにかくたくさんほしいというのに対して、郵政省側としては、やはり郵便局の窓口で国民の皆さんに買っていただけるのが寄付金の限度である、こういう一つの方針を堅持しております。そこで、議員立法が出るときに、おまえのほうはどのくらい集められるのだという話がございました。たくさんほしいのだということでしたが、この辺ちょっと私の不明のいたすところといいますか、私の考えでは、当時あの壁画を見まして、切手になるのはせいぜい西壁の女子像、これ一枚だけだろう、あとの男子像は御承知のように半分がよごれております。青竜に至っては相当はっきり見ないと竜だか何だかわからない。そこで、せいぜい一種類と私、考えました。そうしますと、過去の寄付金つきの切手ですと大体三千万枚が限度ではなかろうか、評判がよくて四千万枚。そうしますと、一枚につき五円の寄付をつけますと、大体一億五千万から二億が限度であるということを申し上げまして、それよりもっと強い要望があったのですが、やはり郵政省というのはあくでも郵便局の窓口を通じてお役に立てるだけであって、その要望側の額によって左右されたくないという気持ちが強かったものですから、そういうふうにお願いしたわけでございます。ところが、これは私の不明のいたすところでございまして、その後大蔵省の印刷局のそのほうの専門家にいろいろ見てもらうと、これはいけるぞ、しかもこういったよごれをそのまま出す切手というものは世界にあまり出てないので、ひとつ印刷局あげてこれは世界に信を問うというような意気込みで、いろいろ研究してもらいましたところ、最終的に三種類までいけるということになったわけでございます。  そこで、三種類ということになりますとかなり寄付金もふえる。そこで財団のほうにその時分から——私ども二億といった時分には接触しておりませんでしたが、財団のほうでどういう事業計画があるのだということでその事業計画を聞き、また私ども過去においてお年玉の寄付金つき等でも、あるいはその他の寄付金つきでも堅持しております方針は、決して運営費には回しません。必ず物的施設で、明らかに国民の浄財でできたということが明らかなもの以外には回しませんということを前提にしましていろいろ案を練りました。初め、その三種類でもせいぜい四億五千万ぐらいだろということで一つの案を持っておりました。ところが、御承知のようにこの前の当委員会においても指摘されましたとおり、特別な振りかえ用紙でもって申し込みを受けたこと、あるいは、いつもなら二十日前に締め切るやつを一カ月前に打ち切ったこと、そういったことから私ども非常に国民の非難を受けました。そうしてまだほしいのだという声が非常に強くなりましたので、最終的にいままでやったことのない処置、すなわち郵便局の窓口で売りさばき期間中、全部通信販売で申し受けますという処置をしたわけでございます。そういった関係で、最終的に国民の皆さんから申し込みを受けた以上はこれを増刷しなければならないということで、実は増刷をしつつ、ようやく最近になって発送が完了するというところまで要望が強かったわけでございます。そういった関係で最終的に七億四百万円。しかし、これは全部財団に行くわけではございませんので、過去におきましても、当然この寄付金を扱うに必要な振りかえの費用とか、それに必要な局員が使った費用、あるいは切手の中で寄付金つきのために要した費用、あるいは今後この資金を管理し、または事業監査も私のほうしょっちゅういたしますが、そういったものの旅費、そういったものを入れますと大体一割から一割ちょっとは私ども実費をいただきますので、大体六億三千万円ぐらいが行くのじゃないかという考えでございますが、いずれにしろ、そうなりました。  それから先生お話しのように、それなら切手を寄付金つきでないものを途中発行すればいいじゃないかという御説かと思いますが、私どももそれを考えましたが、これは何か一般の切手の流通の問題ですか、そうしますと、それは新しい切手になってしまう。だから、やはり初めに出した寄付金つきの切手ですと、最後まで同じ図案で寄付金つきのものを通さないと、何といいますか、これは私ども内部の切手政策になりますが、混乱を起こすということで、そのような処置をとったわけでございます。したがいまして、初め二億程度といいましたのは、一枚程度しか切手にならなかったということで、私ががんこに拒否といいますか、強く申し上げたことから起こった問題でございまして、この辺の見通しにつきましては私の不明をおわびする次第でございます。

土橋一吉日本共産党・革新共同

○土橋委員 あなたはそうわびることはないですよ。これはやはり社会的な諸条件が、いわゆる最近の郵便切手を集めるとか、たいへんそういうようなことについて、切手関係の業界とかあるいは協会とか、そういう方々が、世界的な趨勢でございますので、これは一郵政局長の責任ではないのであります。問題は、そういう一つの投機的なことを好むという最近の風潮とからんで通信販売で大量に買い込んでいく、残念なことですけれども。そういうことが行なわれるために、私どもまだ切手見てもいませんですよ、逓信委員ですけれども。官報で見ただけで現物は私もまだ見ていないような状況なんです。全然見ていない、どこでどうなっておるのか。  さて、この法律は今後継続してやる考えであるのかどうか、私はこの法律は今回限りで廃止をすべきであるというふうに考えております。こういうものをつくって、またぞろ公益法人である飛鳥保存財団がこれでまたやってください、やってくださいというようなことをいってきて、郵政省ば切手マニアや、いわゆるそういう投機に手をかすような結果になるということと、それからこの財団が御自分で四億八千万の金を集めるというので、日本のそうそうたる財界がみな首を連ねていらっしゃるのですよ。円・ドル問題なんということは当然これは予測されておったことなんです。そこで、寄付が集まらぬということでこういうことをやってくれということは、これは松下幸之助さんを中心とする財団に逆にいえば郵政が利用されて、七億何千万の金をぼっこりともらう。そうしてやっておる仕事はどういうことをやっておるのか御存じですか。定款その他規定がありますが、郵政大臣はこの財団がいまやろうとしておることはどういう内容をやろうとしておるのか知っておるのですか。やっておる内容は、研修所の宿舎をつくって、駅前に広報センターをつくっただけですよ。あとは全部文化庁がいろいろ苦労したり、地元でいろいろやっておるわけですよ。そういう財団に大枚な金を、寄付つき記念切手で出すということは私は賛成できないわけだ。この定款を読むとなるほどいろいろ書いておるが、実際やる仕事というのは建設省や文化庁が盛んにやっておるのであって、すでに予算も十六億何千万の予算を文化庁は組んでおるわけですよ。私はこの六月の五日、現地をつぶさに見ました。私が予想しておったことは的中しておるわけなんですね。ですからこの法律案は直ちに廃止をすべきである。やはり切手類の第五条の規定に基づいて基本的な、たとえば風水害が起こったとか地震が起こったとかあるいは非常におそろしい伝染病がはやったとか、そういうもの以外にはこの記念切手を発行すべきではないのであります。それを犯してやって、しかもこの法律を見ると、ここに書いてありますように、この場合においては飛鳥保存財団を同項の団体とみなして、同法の規定を適用するというようなところまできちっと明記しておるわけですよ。これは許すべからざることである。なぜかというと、この法律のいわゆる寄付つき記念切手に関する郵便はがきに関する法律は、ちゃんと郵政審議会においてまずやって、そしてその資金はそういう事業を目的とするものにバランスよくあんばいをしてこれを確保する、与えるということになっておるわけですよ。ところがそういうことを抜きにしてしまって、この財団に直ちに金が交付される形式になっておるのですよ。これは寄付つき記念切手の内容を逸脱した法律であるわけですよ。法の体系から見てもはみ出しているのですよ。そんなことをなぜ議員立法という形式でやったかというところに問題があったわけですよ。こんなでたらめなことに賛成をしておってはならないわけです。法体系をくずして、そうして松下幸之助さんと、会長は橋本登三郎さんじゃないですか。しかも内容というのはどういうことをやっておるのか、私はつぶさに見ました。そういうことでありますので、本来ならば、この金は郵政省から大蔵省の預金部資金へきちっと入っていなければならぬ。大蔵省来ておりますか。——この金は入っておりますか。この金はどこへ、だれがあたためておるのか。

金元功大蔵省理財局資金管理課長

○金元説明員 大蔵省資金運用部が郵政省から寄託金関係で委託を受けておる金額は、四十八年四月末で八億四千万円、同五月末で九億五千万円となっております。この内訳としては、高松塚の切手による寄付金が幾らになっておるか、またそれ以外の寄付金つき郵便切手等は幾らになでておるかについては承知しておりません。

土橋一吉日本共産党・革新共同

○土橋委員 いま大蔵省から説明しましたように、この金は、要するにちゃんと第五条の規定及び寄付つき記念切手の条項から見れば、逐次責任をもって大蔵省の預金部資金へ繰り入りなければいけないその金を、七億もだれが一体着服をしておったのか、一体どこへ保管をしておるのか、そういうことすらも明確でないわけですよ。  次に文化庁の方、文化庁はこの問題について閣議決定で、大量の仕事をするようになったわけです。この閣議決定の内容を拝読しますと、これはとてもじゃないが、松下幸之助さんを中心とする、あるいは橋本登美三郎さんを会長とする飛鳥保存財団ができるような仕事ではないわけですよ。これは場合によっては二百億以上の金がかかる仕事であるわけですよ。まず飛鳥川の河川の問題あるいは道路の補修の問題、特に藤原宮から例の甘樫丘を中心とする公園を設定する問題、そうしていわゆる文化財の保存と、そうしていまから約千三百年ほど前の日本の歴史的な風土を保存することも非常に好ましいことである、非常に願ってやまないものであるが、これは御承知のように推古天皇から文武天皇に至るまでの約百年間の飛鳥の状態をつくり上げようというわけですから、そうすればこういう一財団でできる仕事でないことは明瞭であります。文化庁はいままで幾ら予算を組んでおりますか、ちょっと聞かしてください。

宮野禮一文化庁文化財保護部管理課長

○宮野説明員 管理課長でございます。  閣議決定に基づきまして、私どものほうで四十六年度から四十八年度までの三年間に、合計約十六億ほどの予算を組んでおります。その内容は、史跡に指定されております土地の買い上げ費、それから買い上げられた土地の遺跡の環境を整備しまして、国民の皆さま方に見ていただくようにする整備の費用、それから国民の皆さま方に飛鳥地域の歴史と風土を理解していただくための資料館の建設、それから必要な土地の主要な遺跡の発掘調査の経費、そういったものでございます。

土橋一吉日本共産党・革新共同

○土橋委員 いまお話がございましたように、大体十六億ぐらい金をかけておる。そのうち国定公園その他の金で四億円ばかり報告が漏れておるわけです。私の記憶だとその程度になる。いまのお話だと十二億何千万でございます。  これは御承知のように広大な地域であります。この藤原宮まで、一番端の、いまの高松塚古墳から参りますと、おそらく十キロをはるかにこえておると思うのです。この明日香村だけでも、おそらくあれは南北に向けては相当な距離でございます。八キロ以上でございます。東西に向かってもおそらく十キロ程度でございましょう。したがいまして、これは文部省及び文化庁に——基本的な河川の問題、道路の問題、そしてこの風土全体を残すということはたいへんな金がかかるわけです。そしてこの文化財を保存するという問題については非常なものなんだと私は考えます。そのやり方、あるいは模型をつくる問題。でありますから、かかる重要な仕事の一翼をになっていただくということは、これは松下さんのこの財団に敬意を表しますけれども、本来は国がやるべきことなんです。本来は国がやるべきことであるし、都道府県が責任をもってこれを保全すべきことであります。それを一財界の財団におんぶして、そして郵便局を利用して、いま申し上げたように記念切手を出すことによってまかなっていくというようなことは、さもしいといわなければなりません。そういうことを国会のこの委員会において審議しなければならぬということは、いかにわが国の民族的な遺産あるいは文化財保存に関する問題について見識が足らないかということを、私はほんとうに残念に思うわけでございます。こんなことはもう五十年も前にちゃんとやっておかなければならないことだったのですよ。それがいまごろになって、田中政府の高度経済成長政策と、いま申し上げるような物価高の問題、これがそういう措置しかとれない形をとっておるわけですね。  郵政大臣は、この金の支弁方法あるいは利用については一体どう考えておられますか。私は二億円程度あげたらいいと思う。現に私は現地を見ておりますけれども、文武天皇の裏のところがあるわけです。約八メートルぐらいの地域なんです。その地域は山全体が国有地でございまして、その周辺は、大体五メートル周辺の土地を買い入れればいいわけです。そこへ自動車を置くことはできないのです。文武天皇の御陵の下のところの畑を少し買っていくか、さもなければ、駅前の土地をいまこの財団が買っておるわけです。そこへ自動車を置いて、そこの高松塚古墳に行くまでに約一キロありますよ。そういう地勢でありますので、これは過分な金を渡すということについては、私は相当問題があるように思っておるわけです。これは地図が、航空写真がございますからちょっと見ていただけばわかりますが、こういう状態です。ですから、これはいまの財団側の説明その他によると、駅を駐車場にしてそこから歩いてもらうということを言っておるわけです。そうすると、これは小さい道ですから村道でしょうね。自転車しか行けないわけです。これを拡幅するということになれば建設省の仕事であって、建設大臣のほうに聞いてまいりますと、これは普通の県の道路を拡幅する費用しか、普通のとおりの金しか出せない、これだけ特別に出すことはできないというふうな見解のようです。そうしますと、どうしても自動車は明日香駅のところにとめて、一キロ歩いていただいて、行く。そうすると、そこにお手洗い所をつくるとか、ちょっとした広場をつくる、休むところをつくる、それに七億かかりますか。七億なんて大金がかかるでしょうか。まあこれは、財団の方がお見えになっておりませんが、文化庁は一体どう考えますか。七億なんて大枚な金をかけてそんなことをやろうというのですか。

溝呂木繁郵政省郵務局長

○溝呂木政府委員 一応その件につきまして私のほうと財団と過去において話し合ったことがございますが、また確定はいたしておりません。これは当然、寄付金が終わってから配分計画を立て、郵政審議会の議を経てから相手に行くわけですが、一応私どもと財団側とで話し合ったのは、一つは、高松塚古墳そのものは、これは当然国の買い上げといいますか、所有になっておりますが、結局その周辺の民有地を買い上げて保存の役に立てないと十分なる遺跡の保存にならないということで、しかもいろいろその地域について、その土地の所有者は制限を受けますので、とにかくこれを買ってほしいという話がございますので、これは寄付金の額によって変えていきますが、とにかくその高松塚古墳の周辺を一種の公園的なものにするための土地の購入というのが一つのグループでございます。これは御承知のように、広ければ広いほど高松塚古墳の保存の役に立つわけでございます。これが一つのグループ。  それからもう一つは、せっかくああいうりっぱな文化遺産があったにもかかわらず、実際は国民の方が見られないわけでございます。そこで、あれと全く同じ模型のものをその近所につくりまして、石室も壁画も、日本一流の画家にかいてもらって、そしてそれを一般の人にお見せして、せめてその当時の偉業をしのんでいただくということにしたい。これが第二のグループでございまして、これも金が少なければどうしても壁画を頼む先生のランクも落ちますし、そういったようなことで、これもある程度は私どものほうで配分計画ができれば、一流の先生にかいていただいて、しかも外国から見に来ても恥ずかしくないようなものにしたいというのが二つのグループでございます。  それから第三のグループが、ただいま先生御指摘の、あの地域は非常に交通が不便なところでございまして、そのことで村道とかそういうところに自動車を突っ込んでみたり付近の農地を荒らしてみたり、いろいろお困りになっているということを聞いております。したがいまして、駅前の公園あるいはその付近の駐車場を、当初の予定よりこの寄付金を非常に大きくして、そこに車を集中して、そこから高松塚までは昔をしのびながら歩いていただくという形、それから先生いま御指摘のレストハウスみたいなものをつくって、そこらじゆうであまりよくないことをしてもらわないようにきちっとするとか、そういったようなことで、いま話を続けている最中でございます。  私どもとしましては、先ほど申し上げましたようにやはりそういう具体的な計画があり、しかもその具体的な計画がほんとうに着工するまではお金を渡さないということをはっきり向こうに申し上げてございますので、今後の使用については十分国民の浄財にこたえるだけの処理をしたいというふうに考えておるわけでございます。

土橋一吉日本共産党・革新共同

○土橋委員 文化庁はどう考えておりますか。郵政省はいまのような善処をいたしたいと考えておられますが、文化庁としては一体どういうように考えておられますか。

宮野禮一文化庁文化財保護部管理課長

○宮野説明員 高松塚古墳そのものの保存につきましては、私どものほうで予算をとっておりまして、あの高松塚はまるい円墳でございますから、周囲五メートルだけを民有地を買収いたしまして、中に無断でかってに入れないようにさく等を設けてございます。  それから古墳そのものの保存ということでは、非常に条件がむずかしゅうございますので、いろいろ学者の方にお集まりいただいて御相談して、現在保存対策そのものについて研究中でございますが、いま一応保存施設といいますか、簡単に言えば空気調節の施設というようなものを設けることを本年度でやるということを考えております。  私どものほうは、高松塚古墳そのものの保存、ごく狭い限定された意味での古墳そのものの保存は、国の予算で執行していきたい、そういう考えでございます。ただ、高松塚古墳は御承知のように道路から離れておりますし、そこへ行くまでの間は相当距離もあるわけであります。先ほど郵政省のほうからお話がありましたように、たくさんの人が行きますと、いろいろな公園的な施設というか便益的施設、そういうものも当然必要になってまいるかと思うのであります。そういう国民一般の方々が高松塚のところへ行って往時をしのぶというのに、いろいろ広い意味での文化的活用施設等は必要じゃないかと思いますので、そのほうは財団のほうでおやりいただくように、現在のところは内々で話し合っているわけでございます。

土橋一吉日本共産党・革新共同

○土橋委員 ここは文教委員会ではございませんけれども、いまレストハウスをつくるなんと簡単におっしゃいましたけれども、この地域は南のところを桧隈の里といって、東漢氏、中国の諸君が移住したところなんですよ。こちらのほうだって韓国の諸君が移住した地域なんですよ。そういうところで簡単にレストハウスをつくるなんということはなかなか許せないところなんです。だからして松下財団も、彼らがつくるという研修所は御承知のようにずっと奥の、とても行けるようなところじゃないところにつくろうとしているのですよ。それはこの地域が、あなたも知っている風土のこれを見ますと、指定地域というものがちゃんと縦横無尽にできておりまして、そんなに簡単にどこでもレストハウスをつくるとか便所をつくるというわけにいかないのですよ、簡単にあなたは言っているけれども。全部ちゃんと書いてあるのですよ。指定をしてあるのですよ。ですから、私はこの切手から関係しておるけれども、飛鳥は御承知のようにいろいろな問題が、石舞台一つをとってみても、飛鳥路一つをとってみても、単に文化財を保存するというだけじゃないのです。これはわが民族が、要するにわが国の歴史始まって以来の飛鳥時代ですから、どういう状態であったかをやはり知って、明日の建設のため、文化、科学の発展のために寄与しなければならぬわけです。現在のわれわれが考えておるだけじゃいかぬわけです。将来の日本民族に、これを要するに黎明期における日本の文化はどういう状態、どうなっておったかということを知らせることであって、現在のわれわれの経済やわれわれのものの考え方だけで問題を律してはならない。未来永劫日本民族の発展と科学、文化の発展というところから見て、この問題はどう保存するかという問題に関係しておることであるから、私はこれを言うわけです。ですから、私の言いたいことは、単に飛鳥保存財団という一営利的な金もうけのじょうずな人だけが集まってこういうことをおやりになることは悪いとは申しませんけれども、中心はやはり文化庁の長官を中心に基本的な予算を組んで、そしてこういう記念切手の発行などだけによらないでこれをやってもらいたいということが私の前からの主張であったわけです。ですから、これを計画を立てるにいたしましても、よほど先を見通していかなければ、現在の状況だけではいけない。だからここにあります閣議決定にもありますように、これは河川の状態、山の状態、道路の状態、特に風土がむずかしいのです。歴史的な風土を残すという問題はなかなかむずかしいのです。文化財はある程度見ればすぐわかりますからね。わかりますけれども、風土を残すという問題はたいへんな問題なんです。  大体時間もきたようですから私は終わりますが、こういうことについては、この法案を直ちにこれをもって廃止をする。そしてやはり従来の規定を中心として、寄付つき郵便はがき、郵便切手を売る場合には常に基本的な態度からやらないと問題を生じてくる。また一財団法人が言ったからといって、あわてて議員立法なんかするということがそもそも問題であって、これはやはり何といっても文化庁が責任をもって予算を取って、そしてやるべきことである。それに足らず前は、財界の皆さんが金を持っていらっしゃるのですから、お出しになって協力を願おうということであって、郵便切手を利用してそういう金を集めてこっそりやるなんて、それで名前は松下幸之助で出しておく、こういうことはやめてもらいたい。そういう独占資本に奉仕するような体制はやはりやめるべきであるというのが私の主張でありますので、この点を十分了解をして、この法案の即時廃止を要求しなければならぬと思うが、一体郵政大臣はどう考えておりますか。またこれで記念切手を出して、橋本登美三郎会長や松下幸之助さんを喜ばす考えかどうか、きちっとして承っておきたい。

久野忠治自由民主党郵政大臣

○久野国務大臣 先ほど事務当局より詳細にわたって御説明申し上げましたとおり、この寄付金は国民多数の皆さんの非常な善意に基づくものでございます。であるだけに、この交付にあたりましては、事業計画に基づきまして所定の手続にのっとって慎重公正に行ないたいと思います。  それからこの法案を廃止せよという御意見でございますが、これは国会において議員多数の皆さんの御意思によって議員提案でなされた法律案でございます。でありますから、国会の御意思に沿ってこういう問題はいろいろ処置をいたしてまいりたい。今後検討させていただきたいと存じます。

土橋一吉日本共産党・革新共同

○土橋委員 賛成者の名前もここに出ておるわけです。加藤常太郎先生を先頭に賛成の方々が出ておるわけです。しかし、私は先ほど申し上げましたように、寄付つき記念切手とかあるいははがきを出す場合の基本的な条件があるわけなんですよ。その条件を逸脱をしてこういう法律をつくらして、そうして、なるほど記念切手をつくるということはこれはけっこうなことなんですが、それに便乗して多額の金を集めて、自分ができなかった、本来自分の寄付行為においてやるべきことを、記念切手を利用して七億何千万の金を集めて、そして名前はいま申し上げたような飛鳥保存財団がやったという形式をとるわけですね。そうして、そういうことをやったことを書かなければならぬという法律の規定がありますから、ちょっぴりとこれは郵政省の記念切手によったものということをしりに加えておくだけなんだ。こういうでたらめなことをやめてもらいたいということです。私の言うことははっきりしておるのです。ですから私たちはこの法案の提案に反対しておったわけなんだ。参議院では質疑をしているわけですが、衆議院では質疑をしないで、これを強硬に、よしいいじゃないかというようなことで通過させておるわけですよ。ですから先ほど申し上げた法案そのものが、記念切手あるいはお年玉郵便はがきに関する法律の範疇を越えたことをやっておるわけです。そうしてこれが永続してくる、またこれで上程してくるというようなことはこれは許されないことであるということを私は言っておるわけです。これは本来文化庁が責任をもって国の予算をもってやるべきことであるし、都道府県の皆さんが自主的に税金できちっとした体制をとるべきだ。それの足らず前は、それは松下さんであろうとあるいはどこの財界の方であろうと、大いに御寄付を願うことは、われわれは国家として悪いとは思いません。本末転倒のやり方をしているから私は異議を唱えているわけであります。大臣、おわかりいただいたでしょうか、私の言おうとしている趣旨はおわかりいただいたでしょうか。それならば今後そういうことがないようにきちっとしていただきたいわけです。

久野忠治自由民主党郵政大臣

○久野国務大臣 いろいろ御意見を交えながらお話がございました。御意見は御意見として私は承っておきたいと存じます。これは国会の御意思によってきまったことでございますから、将来国会の皆さんの御意見をも伺った上で慎重に検討してまいりたい、かように存じます。

土橋一吉日本共産党・革新共同

○土橋委員 終わります。

久保田円次自由民主党

○久保田委員長 次に、田中昭二君。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 郵便切手類の売りさばき所に対する手数料を引き上げますところの今度の法律の改正でございますが、私まず現在の社会経済情勢等から考えてみまして、特に田中内閣になりまして、以前の経済成長、産業の高度成長というようなものの行き方を変えるというために、変える方向に田中内閣は進むべきである、そういう国民世論を背景としまして努力されておると思いますが、聞くところによりますと、相当経済の実質成長も高いようにも現在聞いております。こういう中で国民が一番求めておりますのは、何といいましても物価高の問題、物価の急騰並びにそれに関連します一切の経済活動、社会問題、また最近特に目立ってきましたものは投機的な行為、いまも記念切手の発行についての投機性というようなものも含んでお話がありましたが、こういう物価の急騰並びに投機的行為が行なわれるということにつきまして、国務大臣の一人として郵政大臣はどのようにお考えになっておりますか、私はお聞きしておきたいと思います。  それにつけ加えまして、私はなぜこういうことを申し上げるかといいますと、こういう物価の高騰、投機的なことにつきまして、こういうことが行なわれますと、売りさばき所なんかといのは一番弱い立場にあると私は思います。ですからそういう状況のもとに何らかの救済をしなければならぬということで、売りさばきの手数料を上げるというような方向も考えられますけれども、いまのような異常な高騰が続けば、その一番影響を受け、波を受けることによってたいへんな困難な問題を引き起こすのは、こういう売りさばき所というようなわずかな手数料によって国の事業を援助しているというところにそういう大きな波が来てはいけない、こういう考え方に立っておりますから、それも含めてお答え願いたいと思います。

久野忠治自由民主党郵政大臣

○久野国務大臣 現在国民の各層からいろいろ御批判をいただいております物価騰貴の問題につきましては、私たちといたしましてはたいへん遺憾に存ずる次第でございます。これのよって来たる点につきましてはいろいろの原因があるわけでございまして、政府といたしましては、できる限りすみやかにこの物価騰貴の原因を除去し、そうして国民の生活の安定向上のために努力をしたい、かような考え方で目下政策を進めつつあるような次第でございます。そういう際に、この切手売りさばき所の手数料の引き上げにつきまして、これはただ単に物価騰貴に関連してどうこうということではないのでございまして、小額の売りさばき所の皆さんの手数料につきまして何らかの優遇措置を講じたい、かような観点に立って今回のような措置を講じたような次第でございますので、御理解を賜わりたいと存じます。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 物価上昇の問題と切手売りさばき手数料を上げることとは関係ないというような御発言だったと思いますが、私は物価上昇の問題はいろいろな問題がありますし、それはおくとしましても、最近の状況を見てみますと、ことしになりましてから大手商社の買い占め、大企業の米から一切の品物に対しての買い占め等、投機的なそういう動き、これは国民生活の中でも大事な必需品までも買い占められておるというような状態、こういう問題はたいへん社会的な問題だとして取り上げてこられたわけでありますが、問題はここで投機という問題です。投機的なものの中に郵政省の発行しておるいまの特殊記念切手というか、そういうものが投機の対象になっておる。そのことによって健全なる収集家がたいへん悩んでおるというような実態を聞いておりますが、まずそういう特殊切手が投機的な状況にあるかどうかということについての問題も、こういうものがあれば、郵政省としましてもいままでの発行につきましての取り組み姿勢というものも、その現状をよく把握しなければ片手落ちになるのじゃないか。いままでの政策が全部後手後手になるのは全部そこに原因があると思うのです。そうでしょう。何でもいろいろな手を打つのですけれども、それがなぜ効果をあらわさないかといいますと、その現状把握といいますか現状に対する認識、そういうものがなされていないことが一つの原因だろうと思います。そういう意味におきまして、まず特殊切手が投機的な状況にあることについて郵政省としてどのように状況を把握しておられるのか、お尋ねしたいと思います。

溝呂木繁郵政省郵務局長

○溝呂木政府委員 十分勉強してないために起こっているということであれば私は申しわけないと思っております。ただ過去におきまして郵便切手の趣味というものは非常に健全なものであったというふうに考えております。ただ最近私ども耳にしましたのは、沖繩切手が一部の業者によって投機的に扱われているという情報は入りました。それから先ほど問題になりました高松塚切手のときにも、途中でかなりそういう動きがある、もし郵政省が初めの三千枚で増刷をしないならば、これは相当の投機対象になるという動きがあるということも、私どももいろいろな方面から察知いたしまして、先ほど御答弁申し上げましたように、一般国民の需要が多いということで無制限に予約を申し受けるという形で、私どもとしてはその投機を押えたつもりでございます。  それから沖繩切手の投機関係は、これは私ども聞きますと、ちょっと私どもの手に負えないところで行なわれた感じがいたします。相当の人たちが沖繩に復帰前に行って、そして沖繩切手を買い占めて、復帰後ある時点においてそれをかなり高く売っているという問題を私ども聞きまして、ただそれがいろいろ商売上問題になるような場合は、私ども口頭でいろいろ御注意申し上げております。しかしその部門になりますと、これは郵政省のいわゆる監督的な問題を離れまして、いろいろ公正取引委員会とかその他の場面に移るのじゃないかということで、その方面にもいろいろ連絡をとったことはございますが、そういったことで沖繩切手等につきましてはいささかどうかと思われる現象があったことは承知しております。そこで私どもとしましては、やはりこの投機的な動きに対して防御するためには、必要な切手の枚数を発行することではないかということで、一生懸命その場の状況を見、それからこれは先生御承知と思いますが、記念行事といいましてもその切手の図案あるいはその行事の国民への浸透度合いによりまして、かなり差がございます。私ども発行しております高松塚なんというものは高松塚古墳に対する国民的関心が高まったということと、もう一つは大蔵省の印刷局で非常に御苦労願ってりっぱなものが出たというこの二つの面でああいうふうになったと思います。したがいまして一方は市場状況、片方は私どものデザインというかその図案、そういうものを勘案しながら、それが投機の対象にならないよう、しかしだからといってそれがむだな発行にならないよう、この両方を勘案しながら一生懸命やっておるわけでございますが、しかしいろいろな意味において投機的な意味に使われれば、そのときはそのときなりの処置をしたいと考えますし、過去においてそういった点が起きましたにつきましては、私どもの姿勢が不十分であったことをおわびしたいと思います。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 私はそのような抽象的なことについてはいろいろいままでも論議されておりますし聞いておるつもりです。たとえば、いまあなたがおっしゃった沖繩の切手については具体的にどうなっておるのか、おそらく大臣もそのこまかいことについては御存じないと思います。それを知らなければ、いま言いましたように認識の誤り、記念切手を発行するということについての問題が起こってくる。ですから、何か投機的に行なわれているらしいが、その投機的な行為というものは、マニアの中には純真な子供、そういうものもたくさんいるわけですね。そういうことを考えますと、投機的な行為そのものについては、郵政省は監督の権限はないと言いたいだろうと思います。しかしその実態を知って、特殊切手というものの発行はその目的があるはずでございますから、その目的とよく関連して発行しなければならないということにつながっていく、こう思うのです。  そこでもう少し沖繩の切手についても、どういう投機的なことの行為について、また流通過程等において、またまじめな収集家がどのような悩みを持っているのか、それをひとつ具体的に言ってもらいたいと思います。

溝呂木繁郵政省郵務局長

○溝呂木政府委員 ただいま沖繩切手の問題になりましたので、これは正確には私ども把握しかねておりますが、一応私ども把握しておる限度において御説明申し上げますと、例の沖繩復帰になって大体沖繩のすでに発行された切手、あるいは発行しつつある切手そのものが相当制限——制限というか、そうたくさん発行されないのではないかという情報が入りまして、そして国内の業者が争って復帰前に沖繩に行きまして、その切手の買いあさりをしたというふうに聞いております。しかしこれが全部そうではございませんで、まじめに沖繩切手を収集し、そしてそれを私どもの目から見て、いわゆる投機的でない販売方法をしているまじめな切手業者も相当おります。が、たまたまある業者が某デパートで非常に高くその切手、あるいは、初日カバーと称しまして封筒に切手発行の初日の印を押しまして、そして売る仕組みでございますが、そういったものについてかなり高い値で売られているという話を聞きまして、私どもは私どもなりにそのデパートの人に、とにかくもとは郵便切手でございますので、やはり郵便切手の信用を害さないようお願いしますということはかつて申し上げているわけでございまして、ただそのやっている商売そのものについては先生からもお話ありましたように、私どもはこれは不公正な取引であるとか、そうでないとかいう判断はちょっと郵政省からはしかねるわけでございまして、   〔委員長退席、小沢(太)委員長代理着席〕 沖繩切手につきましては一部の業者が、ただいま申しましたように某デパートにおいてそういう投機的なと思われる商売をしているということを察知したわけでございます。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 私はたいへんあいまいだと思うのです。まじめな業者がマニアのために、その沖繩の切手に限っていえば沖繩に行って買って、そして売るというようないわゆる商売のルートのことをいまおっしゃいましたけれども、その中にたまたままじめでない者がおる、私はそこが問題だと思うのです。それじゃ実際まじめでない業者に、どれだけあなたたちが監督する権限のある範囲内でどういう手を打ったかということについては何にもお話しにならない。だから、もういつも郵政省のいろいろな問題——末端の業務の問題が改善されないというようなことを私はこの委員会でたいへん聞きますけれども、こういうことではまたそういうことの繰り返しで、私は郵政省の業務が、また仕事がほんとうに国民に納得されるという方向には進まない、そういうふうに思うわけでございます。  私がここで沖繩切手のことを聞いておりますことから申し上げれば、復帰からたった一年くらいしか期間的なあれはありませんけれども、一年前の切手がもう十倍も二十倍もして取引されている。沖繩返還の記念切手が十八円のものが現在三百円以上で売買されている。それはマニアが買ったりするというようなことの金額じゃなくて、業者等が自分たちの売買をするための取引価格としてそういう何十倍という価格で取引されているということは、これははっきり投機的な要素を含んでおる。私はそういうことをよく調べて、そしてそれがわかった上で——わかっておると思いますけれども、そこに手を入れなければこういうことは問題解決の方向にならないと思うのですが、大臣いかがでしょうか。いまの郵政省の話では、具体的な数字をあげて言わないほうがいいということで言わなかったかもしれませんが、私そういう実際の現状を見るならば、いま言うように、政府のやることが投機的な材料に使われておるといっても、それを否定するだけのものはないと思うのですが、いかがでしょうか。

久野忠治自由民主党郵政大臣

○久野国務大臣 ただいま具体的に沖繩の記念切手の実情について詳しくお話があったわけでございます。私は事実につきましてはまだ十分報告を受けておりませんが、しかし特殊切手が投機的な対象物として扱われるということはたいへん遺憾なことでございます。そのようなことはできるだけ私は避けるべきだと思うのであります。そのためには、やはり発売枚数と申しますか発行枚数が需要に満たないということも一つの原因であろうと思いますし、またそういう投機をやっておる人たち、そういうことを商売にしておいでになる方たちが、自分たちの利潤追求のための手段としてこれを扱うというような場合も間々あると私は思うのでございます。そういう事柄等につきましても、今後私たちは十分注意をいたしていきたい、かように存ずるような次第でございます。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 その注意は、具体的な事実をここで問題にしてからではおそ過ぎる。そういうことは事前にわかっておるはずなんです。いま私は十八円のものが三百円以上と言いましたが、それが実際ほかの同じ沖繩の切手でございますけれども、三千円も三千八百円もして売られておる。そういう切手を中学生がデパートに買いに行って、何十円かの切手を三千円も出して、収集したいというただ純粋な気持ちで買いに行って、そうして同じ買いに来ている人の中には三百万円もの代価を払ってごそっと切手を買っていくというようなことを現場で見て、その中学生が、たいへんもうおとなのすることには手もつけられないというようなそういう状態があったそうでございます。ですから私は、そういう業者がまじめな収集家を足げりにしていくような行為をすることが予想されるならば、それに対する責任はやはり発行する政府にあるんじゃなかろうか、こう思うのです。それを言いましても、それはたまたま一つあったのだというようなことで終わらしてはならないと思いますけれども、時間が制約されておりますから、次のお尋ねをしていきます。  これは前の委員会でも事務当局から御説明がありましたが、もう一回私聞いておきたいのですが、この特殊切手を発行する理由を簡単にひとつ聞かせてください。

溝呂木繁郵政省郵務局長

○溝呂木政府委員 私ども特殊郵便切手を発行いたします方針としましては、やはり第一に、国家的あるいは国民的な重要事項であって、これを広く内外に周知する、そういうために特殊切手を発行するというのが第一目的であろうかと思います。それから第二番目には、いわゆるせっかく国立あるいは国定公園といったようないろいろなものが指定されますので、そういったものを広く紹介し、その国の観光あるいはそういったものの振興に寄与したいという意味において記念切手を発行するもの。それから、ときによっては各種の国民的なキャンペーンがございますが、そのキャンペーンに協力するために記念切手を発行するというもの。それから、あるいはいままでの中に入るかもしれませんが、いわゆる国際的に重要な会議等が日本の国内で行なわれたような場合、そういったものの一つのキャンペーンといいますか、そういったようなものに寄与したいということで特殊切手を発行しているわけでございます。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 特殊切手はいろいろな記念行事なり特殊な行事について内外に周知徹底するためだ、こういうことでございますが、内外に周知徹底するためになぜ切手を使わなければならぬか。聞くところによりますと、いま内外に周知徹底するためにいろいろな切手の発行をふやしていくというような方法もとられているようです。なぜ切手で内外に周知徹底しなければならないか。それと、周知徹底するということは、内外というものの内にとってみますと、国民のすべての人たちに行き渡るように周知徹底するのか、その特殊切手というものは一部の人に周知徹底するものなのか、その最後のところだけでもけっこうですからお答え願いたいと思います。

溝呂木繁郵政省郵務局長

○溝呂木政府委員 切手でもってそういう国家、国民的行事に寄与するというのはこれは世界的な傾向であることと、それから国民の皆さまに対して私ども郵便局の窓口で切手を売ることによって、広くキャンペーンの効果をあげられ得るという観点に立って切手というものをやっておるわけでございます。したがいまして、先生のお説のとおり、これは国民皆さんに広く買っていただくために特殊切手を発行するということでございます。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 最後のところの国民のより多くの人にということが目的であるならば、実際特殊切手を手にする人たちはその目的を達しておりますか。私ははっきり申し上げて、大臣も勉強なさっておるかどうか知りませんが、特殊切手というのは、一部分の人たちがマニアとして収集する、そういう一部の人々じゃないかと思うのです。その点どうでしょうか。

溝呂木繁郵政省郵務局長

○溝呂木政府委員 私どもが切手を発行いたします趣旨は先ほど御説明したとおりでございますが、それが郵便局の窓口で売りさばかれたあと、その切手がどういうふうに利用されているかという点につきましては、最近は郵趣家といいますか、切手の収集といった面に多く使われていることは否定できません。もちろんこれは料金をあらわす証票でございますから、それを郵便物に張って出すということが本来的の目的でございますが、買われたあと皆さん方が、そういういろいろの日本の切手の中でもいろいろな観点からそれを収集し、あるいはそれを見て研究をするとか、そういった方面に現在は使われている部分が多いことは否定できません。しかし私どもとしましては、やはりそういう切手を張って出す面、あるいは切手収集と両方含めて、これを国民の需要というふうに考えて、それに対処するよう発行しておるわけでございます。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 私がいま問題にしようとしたのは、広く国民に周知徹底するとするならば、そういう目的で発行されたものが、実際には——それは郵便物に切手を張って出すということによって多くの人に周知徹底するということもわかります。しかし、収集マニアというものの手持ちになっている。特殊切手というものは現状は一部分の人たちのものじゃないか、私はこう言っているのです。どうですか、その点は。

溝呂木繁郵政省郵務局長

○溝呂木政府委員 いわゆる切手収集家という定義になりますと非常にむずかしゅうございますが、いわゆる切手収集家の中にはフィラテリストとしてかなりその道で有名な一部の人からはじまって、ある意味においては小中学生でも、たとえば日本の花切手なら花切手だけをそろえてみるとか、そういった非常に初歩的なものも含めてならば、切手収集家というものはかなり多いんじゃないかと思います。ただ切手収集家というと、一部のほんとうに昔からの特殊なものというふうに限りますと、これはまさに一部ということになろうかと思います。現段階でどこからどこまでが切手収集家でありそうでないかという判定は、ちょっといたしかねるのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 その一部ということがいま問題になって、どういう人たちがその一部に相当するかということの議論になっておりますから、なかなかわかったようなわからぬような議論になっておりますけれども、それではあなたがさっきおっしゃったように、そういう実際の切手を収集されております人たちがどういう対象の人たちで、また特殊切手を発行するのはわが国だけではない、外国でもやっておるということですけれども、外国でやっておるものもよくその実態を知った上でやってもらわなければ、一歩前進にはならない思うのです。ところが、聞くところによりますと、外国の特殊切手の発行の状況というものも、参考になるような調査は何もなされていない。  それからもう一つは、最初に言いました特殊切手がある一部の人たちに手持ちにされておる。そういうことについては、あなたも昨年の国会で、ストックの量についてもいろいろ議論されておることも私は聞きました。三十四年当時の切手を収集家が手持ちしておるストック量というものが、現在でも予算の作成の場合に基準になっておる。また昨年はそのことについていろいろ議論されて、そして結局現実と合わないようなストック量というものであるからよく調べて検討しますとあなたはお答えになっておる。だけれども、現在においてもまだその問題については調査もなされていないようなんです。はっきり特殊切手というものが郵便物に張られて流通するものであるならば、またその一面、発行部数が少ないためにいろいろな問題が起こることを考えるならば、マニアにも十分行き渡るような発行部数、そしてそのものは何も手持ちにするということだけでなくて、表示価格は郵便物の料金として通用するのですから、特殊切手の性格をあらわすようなものを通常切手の中に入れればその問題は解決すると思うのです。具体的に申し上げますと、いま特殊切手が百の割合で発行されておるとします。その中で発行部数を五倍にふやせば、当然いまストックされておる、マニアが望んでおる発行部数以上のものが発行できて、そして通常切手としても使える、こういうことになるのかと思いますが、そういう考え方はできないですか。

溝呂木繁郵政省郵務局長

○溝呂木政府委員 特殊切手の発行枚数は、私どもとしては過去における郵便局の窓口の売りさばき状況、そういうものを勘案しながらきわめておるわけでございます。したがいまして、その売りさばかれたあとどれだけのものがストックされ、どれだけのものが郵便物に張られて出されておるかということは、過去において一回調べたことはあるわけでございますが、はっきり申し上げて、ほとんど不可能に近いわけです。ということは、いまから十年前あるいは五年前のものが常に張られておりまして、要するにどれだけストックされておるかというためには、いつ発行された切手が——年を追ってだんだん張られていきますので、それを全部集計しないとできないという意味において検討はいたしますということは申し上げたわけでございますが、私どもとしては過去の調査あるいは最近の趨勢等で一応の考えを持っております。しかし、これははっきり申し上げて確実な数字は把握できないということでございます。それから通常切手として発行したならばという御主張でございます。これは御承知と思いますが、通常切手としては型式あるいは刷色、そういったものが通常切手はグラビア二色でございます。そうしますと、一つの行事をキャンペーンするのにそれではやはりさびしいというので、どうしても大判あるいはグラビア五色とか、あるいは切手としての大きさ、そういったものもある程度キャンペーンに役立つというものを発行しておるわけでございます。したがいまして、私どもとしましては、特殊切手はその行事なりそういうもののキャンペーンに役立つ期間に売ればいいのであって、あとは通常切手でという考え方で処理しておるわけでございます。たとえば一つの行事があった場合、その行事が終わってからまでそういった切手を売るというのはやはりどうかと考えております。ただ、私どもの切手の需要の予測が不十分であったために、過去において十分な発行枚数でなかったために非常に御迷惑をかけたということは私ども承知しております。  そこで最近では、私どもとしてはそう問題にならない、いわゆる相当の部数を発行しているつもりでございまして、現にこれも先生御承知と思いますが、かなりのものが売れ残って中央郵便局にあるという形になっておるわけでございまして、私どもとしましては、やはり特殊切手は特殊切手として発行し、そしてそのかわり特殊切手の部数をその行事、キャンペーンに必要な期間において十分売れるようにという考え方を持っておるわけでございます。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 私はどうしても納得がいかないのですが、いまのあなたの説明でいけば、通常切手というのは、しろうとにわかるように言えば、特殊切手のほうはりっぱな手のいったものとして発行して、記念行事とかそういうものに充てるのだ、そういうことのようですけれども、なぜ手のいったものを通常切手として発行できないか。   〔小澤(太)委員長代理退席、委員長着席〕  そこで、私はこれをもう少し逆に考えれば、通常切手よりも特殊切手を発行したほうがはっきり言って政府はもうかるのだ、そういうことも加味されておるのですね。特殊切手を発行すれば、いまのような高松塚の古墳のようなものになれば、いわゆる何百億の金が何カ月間にどさっと入ってくる。こういうようなのはやめられないんだ、どんどんふやすべきなんだ、こういう郵政省の考え方、私はそういうふうに思われてしかたがないのですが、どうでしょうか。

溝呂木繁郵政省郵務局長

○溝呂木政府委員 先生御指摘のとおり、特殊切手がかなりストックされるということになりますと、確かに私どもそれを二十円で売っても調製費だけで済みますので、あとの引き受けから配達に至るまでの内部コストはかかりませんので、結果的に私どもの大きな収入源になっていることは否定いたしません。したがいまして、私どもとしては特殊切手が売れればそれだけその年の財政が楽になるという気持ちを持つことも、これもまた私は否定しません。しかし、それは本旨ではないことは確かでございます。過般の料金値上げのときも、本来ならばそういうものにたよらないで、十分な収入の得られる料金というものがあれば、まさに特殊切手収入を私どもがさもしい思いをして、それだけでも収入の助けになるという気持ちを起こさないで済むのかもしれません。現実には私どもとしてそれを目的としているわけではございませんが、結果的に特殊切手というものが郵政省にとって大きな財源になっているということは事実でございます。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 そうしますと、実際現実に発行してそれが売れていくということを見れば、政府としてはもうかることだからやめられない、こういうことですね。——それでは、それは何か議論があるようでございますから言ってもらうとしまして、特殊切手がこの十年間に通常切手の伸び率をはるかに上回る数量で発行されておるといいますか、そういう状態だろうと私は思うのです。その辺は、たとえば通常切手として流通さしていけばいいものを、わざわざ特殊切手として、財政的な要求もあるからというようなことでございますけれども、その限度があまりにも多過ぎるのではないか。印刷局で調べてみますと通常切手の十倍、通常切手は、これは全体の数量でございますけれども、十年間に見てみますと大体毎年三%ぐらいのふえ方になっております。ところが特殊切手のほうは毎年四〇%、十年間で四倍にふえている。これはどうせ政府の印刷のほうでやるわけでございまして、政府の印刷する能力というものについてもある一定限度があると聞いておりますが、こういうことになりますと、いわゆる通常切手と特殊切手というものの割合がだんだん特殊切手が多くなって、通常切手のほうが少なくなってくる、このような状態についてはどういうことになりますか。

溝呂木繁郵政省郵務局長

○溝呂木政府委員 先ほどの私の説明が不十分だったためにちょっと補足さしていただきますが、特殊切手は郵政省の財政上の問題でじゃんじゃん今後発行するのだという意味ではございませんので、発行いたしたものが結果的にそういう郵政財政に寄与しているということでございますので、御了解願いたいと思います。  それから、御指摘のとおり、最近の資料を見ますと通常切手よりも特殊切手の発行枚数伸び率は高うございます。そこで、実は私実務に携わってつくづく感ずるのでございますが、毎年各省及びいろいろの行事を担当される方から、記念切手を発行せよ、特殊切手を発行せよということを非常に強く要望されて、これでも私どもかなりしかられながらお断わりしている実情でございまして、一つには、そういった記念行事あるいはいろいろの行事がありますと、そういう方面から非常に強い特殊切手の発行の要望があるということはひとつ御了解願いたい思います。  そこで、しかしこの特殊切手の発行の限度の問題は、私どもとしましてはいまこういう方針をとっております。やはり特殊切手の発行件数はなるべく制限したい。ということは、キャンペーンである以上、年がら年じゅうあまり出し過ぎますとキャンペーンの効果は薄らぐということもございます、したがいまして、私どもとしても特殊切手の件数はるべく減らす、しかしその一件、その種類の発行枚数は、国民の方に広く手に渡るように多くするという形でございまして、最終的に発行枚数ばふえておりますが、私どもとしては発行件数はそれほどふやしていないという方針できているわけでございます。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 私そこでもう一つ、この特殊切手がどのくらいの調製費といいますか、二十円の特殊切手をつくる場合にその原価というのは幾らかかるものですか。大蔵省のほうからと郵政省のほうからとお願いします。

溝呂木繁郵政省郵務局長

○溝呂木政府委員 いまこまかい数字をあれしておりますが、通常切手は九銭から十銭ぐらいで済んでおりますが、特殊切手になりますと、たとえば過般の高松塚の女子像ですか、これはグラビアの五色の凹版をかけたというようなことで、二円八十四銭というようなことになっております。その他特殊切手としましては、古典芸能の中に一円台のものがございますが、そういう特殊のものを除きますと、ものによって違いますが、一枚当たり大体七十銭ぐらいから四、五十銭、そして通常切手は大体九銭から十銭というのが購入単価でございます。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 そうしますと通常切手も大体百倍、それからあなたはいま一円とかなんとか特殊なものをおっしゃったわけですけれども、去年は四十銭くらいでできるのじゃないかというような答弁をなすっておりますから、急にことし上がったわけではないでしょうから、平均すれば四十銭くらいになる、これも大体百倍、そうしますと、こんなにいい商売はないですね。先ほどから言いますように、無条件で百倍、かりに五十円の特殊切手が四十銭ということになればそういうことになりますから、そういうものを何億万枚と出していくという状況、そうしてそれがずっと過去十年間の実績を見てみても、普通のふえ方とは思えないようなふえ方をしておる。そうしますと、問題は特殊切手を持っておるマニアのいわゆる手持ちといいますか、そういうものがどの程度あるかということについても調査も何もなさらないということになりますと、私はどうしても通常切手の中に特殊切手相応のものを発行したもうがいいじゃないかというような結論にならざるを得ないわけです。それはここで議論してみても、結局わからないものを、できないものをできますという、先ほどの周知徹底でもそうです。切手によって記念行事をするといいますけれども、何もいまの情報の多い中で切手だけに——ほかの情報媒介物を使えば周知徹底できるはずなんです。そういうこと等から考えますと、この特殊切手の発行については私はどうしても納得いかない。  そこで印刷局のほうにお尋ねしますが、いまの特殊切手の増加したことについて、今後印刷能力から考えてみた場合に、発行部数というのはいままで以上の能力があるのですか、ないのですか。その辺まずお答え願いたい。

竹本浩印刷局長心得

○竹本説明員 お答えいたします。  現状の機械設備等から見ますと、現在は若干の残業等もしておりましてほぼフル操業に近いわけでございますけれども、今後御注文の態様に応じまして特殊切手等の製造増に対処はできると思っております。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 私はそこがまた一つの問題だと思うのです。現在フル操業しておって能力も一ぱい一ぱいだという中で、従事する人は、聞いてみますと人間はだいぶ減っております。働く時間も減っております。そうしますと、それに応じていわゆる機械化という、合理化という問題もあろうかと思いますけれども、残業までしてやらなければならない。これは私はどうも製造能力からいっても、いまのお答えはただ表面上のお答えであるように聞こえてならないのです。どうですか。特に大蔵省の印刷関係の仕事をするところでは、その中で郵政省関係の切手等をつくるところは全国七カ所のうちに一カ所だ。一カ所で大体つくっている。少しはよそでやらせているのもありますけれども、その一カ所の工場の従事員は一割以上、二割近い削減を受けているのです。その証拠に、合理化で追っつかない証拠に、フル操業で超過勤務までやってやっておるそうですね。そういう状態で、特殊切手は件数は少ないけれども発行部数を増していく、どうも理解できないのですが、どうですか。

竹本浩印刷局長心得

○竹本説明員 お答えいたします。  いまお話のございましたように、現在かなりフル操業に近い形でやっておりますので、その製造の増の伸び方いかんによると思いますけれども、いよいよさらに人員配置、合理化等を進めることによりまして、なお現在の特殊切手の数量以上に全然できない体制ではないというふうに思っております。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 どうも苦しい答弁のようでございますが、私は常識的に考えて、いずれにしろ十年前の十倍近い量を、人員は減る中で、合理化したといっても、その証拠に超過勤務までやってやっている、こういう状態でございます。これにつきましては私また後ほどよく調査をして、ひとつまた議論をしてみたいと思います。  そこで大蔵政務次官お見えになっておりますからお聞きしておきたいと思いますが、聞くところによりますと、大蔵省の財政調達の状況が直接税の比率が高くなってくるために、間接税によって増徴したい、こういう方向が二、三年論議されておりますが、田中総理もいよいよその決意をきめられて、いわゆる間接税の増徴ということになりますと、一番手っとり早い、またいますぐやれるのは印紙税の増徴、印紙税を税率を上げるなり、また聞くところによりますと付加価値税も含めたような取引高税みたいな印紙を別につくってやりたいというようなことがいま報道されておりますが、この辺につきましてひとつ政務次官のお知りになっておることをお聞かせ願いたいと思います。

山本幸雄自由民主党大蔵政務次官

○山本(幸)政府委員 ただいま日本の税制の中で、お話しのように直税と間接税との比率、いわゆる直間比率が従来は大体五〇、五〇くらいの比率でありましたが、近来直接税の比重が上がりまして、間接税は大体全体の税収の三分の一程度に落ちてきております。一がいに直間比率の問題を税全体の体系の中で議論しなければならないということかどうかは、私は少し疑問が残ると思いますけれども、しかしいずれにせよ間接税にも税体系全体の中で適切な位置を占めさせるという必要はあるというのが根本の考え方であります。  お話のごとく、今次の国会におきまして田中総理が間接税の問題を取り上げ、それの一つの例としてたとえば印紙税というものもありますという御答弁をされているわけでございます。いま御承知のように、新しい福祉国家をつくっていかなければならぬという新しい大きな題目といいますか政治の目標、それに向かって一体税制がどうあるべきかということは非常に大きな問題でございまして、特に来年度は私ども税制について新しい情勢に即して見直しをしていきたい、こう考えておるわけでございます。その中の一環と申しますか、印紙税は御存じのように定額制度でやっております。経済の伸展に伴いまして内容的にいろいろ変化が起こってまいりますので、そういうこともひとつ考え合わせて、この問題を一つの検討の対象にいたしたい。御存じのように大蔵省には税制調査会というものがございますが、この税制調査会においてもこの問題をひとつ検討題目として検討をしていただきたい、こう考えておるわけでございます。  いま少しお話が出ましたが、いわゆる付加価値税という問題になりますと、これは一般消費税体系としまして非常に新しい画期的なものになってまいります。そこまでは考えておりません。いまヨーロッパではこの付加価値税というものが非常にはやりといいますか、ほとんどの国が採用をいたしておる現況でございますけれども、そこまでは今日の段階ではもちろん考えておらないわけでございます。大体さようなことで大蔵省としては考えておるわけでございます。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 私がお聞きしたいことは、単刀直入に申し上げますと、いま付加価値税は考えていないといいますけれども、これは付加価値税をやりたいんだけれども、やることについてはなかなか問題があるから、付加価値税も含めたような意味で印紙税の拡充をやりたいということ、そういう報道がなされておるということをまず一つ前提に置いて、私は印紙というものを使う以上は、現在印紙の表示価格といいますか、それは最高幾らのものがございますか。また、印紙税を拡充していく場合には、どのくらいの現在の経済情勢に合わせた印紙ができますか。そういうことについて聞かせてください。

渡辺喜一大蔵省主税局税制第二課長

○渡辺説明員 ただいま印紙の最高額は一万円ということになってございます。どういう種類の印紙をどういうふうにして出すかということにつきましては、郵政省のほうで印紙の売りさばき状況等を勘案して計画を立てていただくということになっておるわけでございます。  なお、最高額どの程度の印紙までが印紙として可能かという問題につきましては、やはりあまり金額の高い印紙になりますと、それの保管管理等の問題もございまして、非常に高い金額の印紙を発行するということは適当ではないという感じがいたすわけでございます。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 適当でないといいますけれども、日本のいまの技術から見れば、私は相当なものをつくらなければいけないんじゃないかと思うのです。いままでの過去の例から見ますと、いま印紙が一万円が最高の額であるとすれば、取引高税が施行になったときに十万円の印紙が出ておりますね。当時から五百倍から六百倍のいまの経済自体の伸びです。物価にしましても何にしましても、あるものによっては千倍近く高くなっておるかわかりませんが、実際問題として昭和二十二、三年ごろ十万円の印紙をつくって、現在どのくらいの額までできるのですか。全然その額がどれだけというんじゃなくても、たとえば一億なら一億の印紙はできますか。

山本幸雄自由民主党大蔵政務次官

○山本(幸)政府委員 お尋ねの一億円の印紙ができるかどうかということでございますが、いまお話がございましたように、昭和二十三年に取引高税ができましたときも全部印紙で納税するということばかりではなくて、たしか現金の収納もされたように思います。したがいまして、取引高の非常に大きなものについては、必ずしも印紙という形でなくて現金で収納するという方法もやはり考えていかなければならぬのではないだろうか。ですからそういう具体的な方法につきましては、この印紙税というものについて再検討をいたします場合に十分考えていきたい、こう思っておるわけであります。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 私がいまお尋ねしているのは、総理の発言等によりますと、ことしの七月か八月、八月程度をめどにして税制調査が開かれるとすれば、その前に政府の何らかのたたき台がなければできないと思うのです。その場合に印紙の、かりに一億円でなくても一千万でもいいんですけれども、そういうものができるかできないことの検討は当然なさなければ間に合わないのじゃないか。またかりにことしの税制調査会にそれが出ないとしましても、印刷能力としてそういうことをここでお聞きすれば、当然能力についてお答え願うのがほんとうじゃないかと思うのですが、いかがですか、その点。

山本幸雄自由民主党大蔵政務次官

○山本(幸)政府委員 具体的にどういう形でやるかということを、たたき台としてもまだ具体化して実務家の中でお話し合いができておらぬという段階であります。税制調査会に一つのたたき台ということも確かにあります。しかし、やはりフリートーキングなどから、いろいろな御議論をいただいて、その上で大蔵省としての一つの原案をまとめていくという形、ことしなんかおそらくはそういう形でないと、全体の税体系の総括的な見直しというものは非常に具体性に欠けばしないか、私はこう思っておるわけであります。もしそういう制度を考えていきます場合には、もちろん印刷局の印刷能力というものも考えていかなければなりませんから、そういう場面からの問題、制約があるということになれば、それをひとつ考慮に入れて制度を考え、仕組みを考えていくほかはないであろう。しかし、できるだけ印刷局にはいろいろな形で——先ほど来も印刷能力の問題でいろいろお尋ねがございますが、できるだけ印刷能力を拡充する方向で、間に合うような方向で、そちらからの制約が起こらないようにしながら考えていきたい、こう思うわけであります。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 いまそういうたたき台というようなものもできてないというような御発言でございますけれども、それはあなたが立場で言わないだけであって、私は実際にはあるのじゃないかと思いますよ、これだけ印紙税の拡充が報道されている中に。ですから私はここではそういうことを離れて、印刷能力として十万なり百万なり一千万の印紙ができますかということを簡単に聞いているのです。もう一ぺん、事務当局からでよろしゅうございますから答えてください。

竹本浩印刷局長心得

○竹本説明員 お答えいたします。  いまの御質問でございますが、高額な収入印紙については、それ相応のデザインなり品質といいますか、そういうことが要求されると思いますけれども、そういう質的な面に限ってお答えをするならば、われわれとしては現在持っている能力を最大限に生かして、それにふさわしいものはつくれるというふうに思っております。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 どうも、なぜそういうことにこだわってお答えにならないかということも裏を返せばわかるような気持ちがしますから、一応この論議はこれでとどめますけれども、私は間接税の増徴については、特にこの印紙税とか取引高税等のようなものについては絶対反対の立場であります。まあこれは大蔵委員会等で論議されるのがほんとうかと思いますけれども、取引高税ができたときにどのような国民の反対と、それにまつわる国民の経済的動揺といいますか、国民がどれだけ苦しんだかというふうなことを私はよく政府が知ってやらなければならない。もう私が言うまでもなく、間接税なんかといいますものは、税金を徴収する、いわゆる収入があった者から取るというような行き方じゃなしに、収入のある者もない者も同じような状態で、税金がこれこそ大衆収奪として取られていくということについては、重大な問題であります。それが印刷能力についてはいまのような御答弁では、私は印刷局自体がそういうことにかりに対処できるとすれば、いまのいろいろ製造しておる能力についても無理をしておるという状況を考えますと、簡単に、それを言うべきではない、このようにに思いますから、それにとどめておきます。  そこで、最後に私は、この売りさばき、特に特殊切手の売りさばきにつきまして、その売りさばき方法というものに問題があるのではないか、こような感じもしてならないわけであります。まず、聞くところによりますと、特殊切手の売りさばきについては、郵便局の窓口並びに通信販売等が最近行なわれておるようでございますが、この審議になっております売りさばき所等においても、当然特殊切手の売りさばきをなさっておると思いますが、全国十万カ所ですか、売りさばき所のあるところには、どういう方法で特殊切手が売られておるのか、お答え願いたいと思います。

溝呂木繁郵政省郵務局長

○溝呂木政府委員 全国の悉皆調査はいたしておりませんが、たまたま全国的な散在します局を選びまして、四十七局でございますが、選んで調査しました結果は、調査局における売りさばき切手数が六十四万一千枚でございますが、そのうち売りさばき所で売られた枚数が約六万五千九百枚でございまして、枚数の割合は約一〇%が売りさばき所で売りさばかれたということでございます。なお、売りさばき所数は、ちょうどその四十七局の中に約六百八十ばかりございますが、そのうち売りさばいた売りさばき所数は三百五十カ所ばかりでございまして、約五一%。したがいまして売りさばき所の数の中でいくと、その半分が売りさばいており、それから売りさばき枚数の比率でいいますと、全体の枚数に対して一〇%が売りさばかれておるという実情でございます。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 いま私が言ったことを少しおわかりになっていないのじゃないかと思うのです。まず特殊切手が発行された場合には、それじゃどういうルートで、どこにどれだけというような割合というのがきまっておるのですか。

溝呂木繁郵政省郵務局長

○溝呂木政府委員 印刷局で印刷されましたものは、私ども、まず全国の各郵便局あてに配給ルートを通じまして、過去における売りさばき枚数等を勘案して、郵便局の第一線にまで送り届けます。これが一つのルートでございます。それから東京中央郵便局で通信販売に応ずるために、少しそこで持っております。それから通信販売及び東京中央郵便局で持っている枚数から予約的なものに対して売りさばかれていくということでございます。したがいまして、一つは中央郵便局を通じて通信販売その他予約的なものに流れていく、他は配給ルートを通じて郵便局の第一線に流れていく。そして売りさばき所の場合は、これは御承知のとおり買い受け主義でございまので、買い受け指定の郵便局からその特殊切手を売りさばき人が買い受けて、そして自分の店で販売する、こういうことでございます。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 そういうようになっているのでしょうか。現実は、何か売りさばき所では、全然特殊記念切手なんかというのは買い受けられないというような現状を聞くのですが、買い受けられてもわずかですね。特殊切手は、一応一人当たり百枚ですか、限度がございますね。その二人分ぐらいしか来ないというようなことを聞きますが、その辺の現状はどうなっておりますか。

溝呂木繁郵政省郵務局長

○溝呂木政府委員 御承知のように、かなりの枚数を発行しても、全国で五千万枚程度でございます。これはシートにしますと、大体二十枚が一シートでございますので、その二十枚で割ると二百五十万枚、それを全国の郵便局の窓口に配分するわけでございますが、売りさばき所といいますと十万カ所もございます。分けていきますと、一カ所何十シートという非常に微量になってまいります。そうしますと、広く第一線にやればやるほど、どうしても、この需給調整というものが非常に困難になってまいりまして、あるところでは売れ残り、あるところでは非常に不足するということで、私どもとしましては、なるべく記念切手等については郵便局の窓口を主体にしたい。しかし先ほど言いましたように、売りさばき所によっては、過去からのお得意さんとか、そういうものもあろうかと思います。そのためにぜひ分けてほしいという場合は、たぶんそこの郵便局と話し合って、郵便局で売る分の中から売りさばき人が買い受けていくという形をとっていると思います。

田中昭二公明党

○田中(昭)委員 そうしますと、売りさばき所が、私のほうにその特殊切手を少しぐらいくださいと言えば——大体、くださいと言っても足らないわけですね。やれないという実情ですね。そういうことについては、売りさばき所に対する——私は、郵政業務の一部をやっているとするならば、もう少しあたたかい配慮も必要じゃないかと思います。そういうことを要望いたしまして、質問を終わります。

久保田円次自由民主党

○久保田委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————

久保田円次自由民主党

○久保田委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

久保田円次自由民主党

○久保田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  なお、ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

久保田円次自由民主党

○久保田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

久保田円次自由民主党

○久保田委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  逓信行政に関する件、特に国際電信電話株式会社事業概況調査のため、参考人として同株式会社から出席を願い、意見を聴取することといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

久保田円次自由民主党

○久保田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、日時及び人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

久保田円次自由民主党

○久保田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。    午後零時四十八分散会

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