逓信委員会 第18号
- 発言数
- 80 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1973/05/30
会議録
○久保田委員長 これより会議を開きます。 逓信行政に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。小林進君。
○小林(進)委員 私は、年次有給休暇の問題についてお伺いいたしたいと思います。 これはまことに古くて新しい問題であり、この国会においても、もうすでに十数年にわたって繰り返し質問をされておるのでありますが、常に政府側並びに、特に主管官庁たる労働省のサボタージュ——これはもう官側の重大なサボタージュだ、サボタージュによりまして、ただいままでまだ解決をいたしておらぬのであります。その結果、今年の三月の二日に最高裁の第二小法廷において、村上朝一裁判長、現在の最高裁の長官でありますが、によって、年次有給休暇は法律上の当然の権利であり、その休暇をどのように利用するかは使用者の干渉を許さず、労働者の自由であるという判決が示されたのであります。この問題について、この判決以後でありますが、衆参両院においてそれぞれ政府側にその見解をただしているのでありますが、こういう明確な判決が出ているにもかかわらず、なお政府の態度が明確ではない点が非常に多いのであります。この際、この問題について将来再び労使の間に相争うことのないように、私はきょうこの委員会において明確な結論をつけておきたい、こういう趣旨に立ってこれから質問を続けてまいります。どうぞそのお気持ちでひとつ御答弁をいただきたいと思うのであります。 まず第一問といたしまして、政府は、この最高裁の年次有給休暇に関する四十八年三月二日の判決を、正当なものとしてお認めになるかどうか、まず労働大臣にお尋ねをいたします。
○加藤国務大臣 小林議員の質問の、今回の三月二日の最高裁の判決でありますが、従来から、御承知のように基準法は三十九条で判然と書いてあるのでありますが、これに対する学説なり、また各当事者でいろいろ広義に解釈したり狭義に解釈したり、いろいろなケースがあったことは、これは労働省といたしましても、大いに反省いたしております。そういう意味で、今回の判例がいろいろなケースに対する指針として判決が下されたことを尊重いたしまして、行政指導もはっきりといたす所存であります。そういう意味から言って、私は衆議院の社労委員会でも今回の判決は大いに欣快とすべきである、判決を尊重いたしますことはもう当然考えております。以上です。
○小林(進)委員 労働大臣は判決を尊重する、その指針に従って指導するということをお約束されました。 それでは、そのことばに従ってさらに具体的に質問をいたしますが、この最高裁の判決の要旨には従来争われてきた五つの点があります。五つの点が明確にされているのでございますから、この五つの点を一つ一つ具体的にお伺いして、問題点をひとつ詰めてまいりたいと思います。 その第一は、年次有給休暇の権利は、労働基準法第三十九条第一項、第二項の要件が満たされたとき、労働者に法律上当然生ずる権利である、その権利の行使にあたっては使用者の承認を必要としないということを、まず明らかにいたしているのであります。すなわち、有給休暇の権利は請求権ではないんだ、形成権だ。これは学者の間でも長いこと論ぜられてきた問題であることは、そこにいる石黒さんも渡辺さんもよく御承知のはずなんだ。これは形成権であるというわれわれの意見に対して、労働省は終始抵抗をいたしまして、これは請求権説をとっています。管理者やまたは経営者の承諾によって初めてその権利が確定するのだ、いわゆる有給休暇が労働者の権利として確定するのだという主張をあなた方は続けて、譲らなかった。けれども、これに対して、最高裁はあなた方の主張が間違いであって、これは形成権なんだ、したがって労働者が有給休暇をとりたいと思ったときは、一方的な通告でその権利の行使ができるということが、このたびの判決で明らかになった。いいですか。そうして労働省や政府側の長い間の見解を否定したわけであります。 そこで、私はここで念を押すのでありますけれども、労働者が年次有給休暇をとるときは一方的通告だけでよいのだ、使用者の承認を必要としないのだ、こういう判決を労働大臣は明らかにお認めになりますか。この判決を御承認になりますかどうか。
○加藤国務大臣 小林議員からの御質問のように、学説でも、従来から労働省は請求権説、小林議員は形成権説、今回の判例は時季指定権説、この三つの見方がありますが、これは基準法の解釈が間違っておったというのでなく、従来の判決でも、最高裁なり地方裁でもいろいろ判例がありまして、先ほど私が答弁に立ったときのように、広義に解釈する場合と、基準法そのものは字句は変わっておりませんが、いろいろな解釈のしかたをしておった。これが今回の判例で判然とした。そういうような意味からも、今後は当然三十九条第三項の時季変更権の行使のない限り、今回の判例でも年次有給休暇の権利を労働者は取得し、そして使用者はこれを与える義務を負うものである。判例でもはっきりと書いてありますので、今後はこの判例の趣旨に沿って労働省の行政もその方向で参りたいと思います。 さような意味で、最初私が御答弁申し上げたときにも、いろいろ学説もあったし、いろいろな行政の指導法もあったが、今後は労働省としては各方面に対して行政指導をこの判例の趣旨によってやりますということをここで申し上げたいと思います。
○小林(進)委員 前の質問のときにも、判例を尊重し指導の指針にするということを労働大臣はお約束になったのでありますから、この判例の第一点において、これは形成権である、したがって労働者の一方的な通告によって有給休暇は成立するのだというこの判決は、労働大臣として当然尊重し、お認めにならなければだめなわけであります。あなたは、ごちゃごちゃおっしゃった。ごちゃごちゃは、よろしい。やはりこれは形成権であるということを認める、労働者の一方的な通告によってこれは成立するのであって、使用者の承認を必要としないということを、尊重し認めればよろしいのであります。指定権はあとで質問しますから、私の質問することだけに答えればよろしい。
○加藤国務大臣 そのとおりでありまして、第三項の時季変更権の行使のない限り、同意なり許可なりは必要がありません。
○小林(進)委員 変更権の問題はまたあとで質問しますが、その変更権に抵触しない限りにおいてそれは一方的通告でよろしいというあなたの答弁、これは貴重ですから、そのままでよろしい。けっこうです。大できでございました。 それでは、形成権たる有給休暇を労働者がいかに利用しようとも、労働基準法第三十九条は何らの制限もしておらないことだ。この有給休暇をどのように利用しようとも使用者の干渉を許さないこと、その利用は全く労働者の自由であるということを一体お認めになりますかどうか。この判決は認めているのでありますから、この自由であるという判決を尊重し、お認めになるかどうか。
○加藤国務大臣 先ほど来、再々申し上げましたとおり、第三項の事業の正常な運営を妨げる場合、時季変更権の行使という問題だけがありますが、その他の点については小林議員の御説が正しいと思います。
○小林(進)委員 当然最高裁の判決は、これはどのように休暇を利用しようとも自由であるということをちゃんと明確にしているのですから、あなたは尊重するとおっしゃる以上は、それはやはり認めなければならない。あなたのいまの答弁はおっしゃるとおりなんです。もし違うとおっしゃると最高裁の判決を否定することになりますね。おっしゃるとおりです。そのとおりです。 そこでまず私は、次に第三点に質問を移しますが、この判決はさらに労働者の休暇の自由ということ、どう利用しようとも自由だということを具体的に示している。すなわち、一斉休暇闘争も、労働者の所属する事業場において行なわれた場合においてのみ年次休暇の賃金請求権は発生しない。自分の所属している事業場内部における一斉休暇のときには、それは一斉休暇の賃金請求権は成立しないが、他の事業場の争議行為に労働者が休暇を利用して参加しても、これは年次有給休暇の成否に影響はないとこの判決はきめているのでありますが、これに対して一体、大臣はここに明確にそれをお認めになるかどうか。すなわち、当然有給休暇の権利行使であると最高裁は認めている。他の事業場において争議に参加することはちっとも有給休暇には影響ない、当然有給休暇の権利の行使であると最高裁は判決を下しているわけです。労働基準法第三十九条第三項の事業の正常な運営を妨げるかどうかとの判断はその労働者が所属する事業場を基準にして定めるべきである、こういっているのでありますが、この判決をすなおにあなたはお認めになるかどうか、これは第三点の質問です。
○加藤国務大臣 判例でも、今回は第三十九条の問題をはっきりさせておりまして、事業場において一斉休暇闘争、同盟罷業といっておりますが、これはいけない、しかし、他の職場に有給休暇をとって応援に行く、これはよろしい、これははっきりと判例にも出ております。しかし、いまちょっとあなたの御質問の中に疑義が生ずるのでありますが、他の職場に応援に行くときに、その職場において一斉の休暇をとって他の応援に行くという場合には、やはり前段の行為と同じようにとられますので、それさえなければ当然これは認められます。
○小林(進)委員 私は、一つの職場の中で、全部が一斉に休暇をもらって他の職場へ行って争議に参加したという質問はしていないのであります。私はそういう質問はいたしません。私の質問をよく聞いてください。有給休暇をもらって、そして他の職場へ行って、その職場の争議に参加したということはちっとも有給休暇の利用に影響はないのだという質問をしたのでありますから、あなたの答弁はそれでけっこうです。その点は私は他の関係官庁に来てもらっていますから、これはあなただけに質問しているのではなくて、他の官庁の方にあとで質問しますから、明確に言ってください。それでけっこうであります。 そこで、白石営林署事件でもこれは国側の上告を最高裁は否定しました。棄却しました。これはあとでも言いましょうけれども、国労の郡山の工場事件で他の職場における争議に参加したからといって有給休暇を取り消して賃金カットをやってしまった。その賃金カットはけしからぬといって、これは有給休暇だから当然支払いなさい、こいうふうな支払い命令を受けていることでも明らかでありますから、この点はここで明確にしておいていただきます。 そこで今度は第四点に私はまいります。第四点といたしまして、労働基準法第三十九条第三項の解釈であります。これは先ほどからあなたは、私が質問しないうちに先走って言っておられましたが、いわゆる「使用者は、前二項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。」というこの請求についての性格の問題であります。この性格を、いまここで政府を代表するあなたと私の間に明確にしておかないと、今後またこれは問題が起こりますから、私はこれを質問いたしますが、この三十九条第一項、第二項で形成権であるということが、いま私とあなたとの討論の中で明確になった。労働者の権利である有給休暇は、労働者の形成権であるということが明確になった。だから労働者の一方的権利だということが明確になった。一方的通告で、もはや有給休暇の権利はそれで生じたのだということが明らかになった。それを明らかにしておきながら、この第三十九条の第三項の後段で、その請求を使用者によって拒否される場合があり得ることが制定されているわけだ。その拒否されたときには、第一項、第二項は全く意味はなさないのだ。第三項の前段に基づいて、有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならないが、それを使用者が、請求する時季に与えないという場合になったら、これは第一項、第二項は形成権であり、一方的通告で成り立つというのが有名無実になってしまうわけなんだ。そこで第三項の、労働者は何月何日休みますと請求したときに、この請求する請求権は一体何だということになってくる。それに対して、使用者のほうからだめだよと言われれば、一方的通告で成り立つ有給休暇は、成り立たなくなってしまうのであります。そこでこの第三項の請求権という性格をどう解釈するかという問題が出てくるわけなんだ。そこで学者も一般論としても、この第三項前段の「請求」は、すなわち「指定」と読みかえるべきであるというのが、いま学者の通説なんだ。すなわち、「使用者は、前二項の規定による有給休暇を労者働の指定する時季に与えなければならない。」こう読みかえるべきだというのが通説なんです。渡辺君知っているでしょう。これは石黒君も全部知っているはずです。労働者が指定する——請求する時季じゃないのだ、「指定する時季に与えなければならない」とこの第三項を読みかえなければ、この条文は生きてこないというのが学者の通説なんであります。これを一体、労働大臣どうお考えになりますか。
○加藤国務大臣 先ほどお答えしたとおり、いま私あまり学説の問題は言いたくないのであります。請求権説だ、形成権説だといいますが、小林議員は最初から、数年前からも政府委員との質問で形成権説だ。今回の判例は形成権説が、時季指定権説を含んだ判例であります。そういう意味で三十九条の三項の「使用者は、前二項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。」これは判然と判例でも示しておりますので、小林議員はお好みにならぬけれども、使用者は時季変更権の行使のない限り、当然これが権利として成立いたしますことはもう判然といたしております。
○小林(進)委員 そこで基準局長にひとつお伺いしますが、あなたは、ことしの三月六日の社会労働委員会でこういうことを言っている。「最高裁の判例は時季指定権説の立場に立った判例であったというふうに解しております。」使用者は、運営に支障のある場合のほかは承認をしなければならぬ云々と答えている。指定権説をとっている。間違いありませんか。将来にわたって、また言いかえるようなことはありませんか。良心に基づいて御答弁を願いたい。
○渡邊(健)政府委員 今回の最高裁の判決におきましても、三十九条三項による請求とは、その趣旨は休暇の時季の指定にほかならないものと解すべきである、判例の中で明確にこう述べられておりますので、時季指定権説を判例はとっておるものと考えておりますし、今後ともそういう方向に考えるわけでございます。
○小林(進)委員 ここでこの問題も明らかになりましたから、次に第五点に問題を移してひとつ御質問いたします。 そこで、問題になるのはこの三十九条の第三項のただし書きであります。「但し、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。」いわゆるこの「事業の正常な運営を妨げる場合」というこの解釈が定着をいたしておりません。非常にあいまいなんです。あまいいなんじゃないのだ。実は明確になっていますけれども、使用者側、官側、特に労働者の立場でものを考えていただかなければならぬ労働省が夢一番この点をごまかしてきた。そして、労働者の一方的ないわゆる形成権を、忙しいから、あるいは事業の正常な運営に支障があるからという抽象論で全部これを拒否してきた。これが労使紛争のもとになっているのです。いま私どもの間でこの点をひとつ明確にしておかなければならぬ。 そこで、「正常な運営を妨げる場合」とは一体いかなる状態をさすのか。これをまず承りたい。労働大臣、めんどうだというなら、関係局長をして答弁させてもよろしいが、ごまかしてはだめですよ。
○渡邊(健)政府委員 三十九条三項の時季変更権の行使につきましては、当該事業場において業務の正常な運営を妨げるかどうかということが時季変更権を行使し得るかどうかの判断の基準になるものと考えておるわけでございます。
○小林(進)委員 わかったようなわからぬような答弁をされておる。それでは、具体的にひとつ私からお伺いいたしますが、第三項のただし書きは、まず拒否権ではない。いわゆる使用者や管理者が拒否することができるという拒否権ではない。この点をお認めになるかどうか。有給休暇の指定権を拒否する権利は、使用者や官側や管理者にはない。これは指定の時季の変更権であるということ。きょうはやれないが、いずれ次の日か、次々の日にしてくれないかという変更権であるということは、これは私は労働省もお認めになるにやぶさかではないと思います。お認めになりましょう。しかるに、他の時季に与えることを前提とし、その日はひとつ変更してくれないかという変更権であるにもかかわらず、現在までしばしば官側は——あとからみんな言います、ここに国鉄から専売から、まあ数えれば切りがない悪の権化みたいな諸君がいて、これはみな拒否権と解釈して、そうして行なわれている。この例がしばしば扱われてきているのでございますが、それが間違いであるということをまずここで私は言明をしていただきたい。お認めになるかどうか、労働大臣からまず承っておきたいと思います。
○加藤国務大臣 いまの時季変更権は、権限であるというのでなくして、業務の正常な運営のためにこれを他の時季に変更してもらう、こういう意味であって、権利であるというようなことではないことは今回の判例でも判然といたしております。小林議員のお説のとおりが正しい……。
○小林(進)委員 この問題については、いままで労働省は、こういうあなたのような明確な答弁をしないでごまかしてきたのでありますから、これは官側が労働者を圧迫する材料としてずいぶん大きな違法行為をやってまいりました。これはあとから全部羅列して責任を追及いたしますけれども、まずこの問題について変更権であるということをお認めになったのでありますから、次に、いま一点お伺いいたします。 しからばこの変更権は、使用者の一方的な通告で使用できる権利であるかないか、この点をひとつ次に承っておきましょう。きょうはぐあいが悪いからこの次にやるよ、こういって一方的な通告で間に合う権利であるかどうか。私をして言わしむれば、これは変更権ではあるが、使用者の一方的で成立する権利ではないのです。すなわち学者並びに労働専門家の解釈によれば、これはもう解釈は定着している。労働者の権利を変更する正当な理由がある場合に、使用者はこれを別の時季に与えるよう労働者の意見を聞くことができる権利だと解釈はいっている。いいですか。一方的に、変更してくれという権利じゃないのだ。この日はやれないからこの次の日にしてもらえませんかという、意見を聞くことができるという、これが学者の定着した意見でありますが、この点を労働省はどう解釈せられているか。大臣ができなければ局長でもよろしい。しかし、これは定着した、もはやきちっとした意見を出してもらわなければ私は承知しませんよ。
○渡邊(健)政府委員 三十九条三項の時季変更権を使用者が行使するにあたりましては、これは恣意的に行ない得るものでないことはお説のとおりでございます。ただ、三十九条三項ただし書きにいうところの事業の正常な運営を妨げるという客観的な事実があります場合には、使用者がそれによって労働者の請求した日に与えない、そのときには、その日には与えないで他の時季に時季を変更するということは使用者がなし得る行為であるわけでございます。
○小林(進)委員 正常な業務の解釈はあとでまた議論するからいい。その正常な業務に支障があるときに、使用者のほうが期日を変更してくれと一方的に通告できる権利か、そうではなくて、別の日に変更してくれないかと労働者の意見を聞くだけにとどまる権利であるかどうか、その解釈を私はあなたに求めている。学者の意見は、正当な理由があっても、使用者が労働者に対して一方的通告で変更できる権利ではない、要求する労働者に、次の機会、次の日にちに休んでくれないかという意見を聞くことができる権利だと私は言っているのだ。これが定着した意見なんだ。重大なポイントですから、労政局長あなたもひとつ答弁をしていただこう。繰り返して言いますよ。使用者側に正当な理由があっても、使用者が一方的に変更はできない、労働者の意見を聞くことができる権利だ、これが正当な、最高裁の判決なんだ。また学者の意見なんだ。これに対して労働省はどう返答されますか。その返事を聞いておきたい。重大問題ですから、そんな正当なんかどうでもいいです。それはあとでやりますから。私が言うのは権利の問題なんだ。
○渡邊(健)政府委員 三十九条三項ただし書きの客観的な事実が存在すれば、それは使用者の判断によってその時季に与えない、他の時季に変更することができるのでございまして、相談を持ちかけるだけの権利だというふうに限定すべき根拠はないものと考えます。
○小林(進)委員 これは重大な問題であります。この最高裁の判決を中心にして、初めて学者と最高裁と、そしてわれわれと労働省、政府との見解の違いがここに明らかになった。私はあなたのいまの答弁には了承できません。いわゆるあなたの解釈をもってすれば、第一項、第二項の条件を満たした場合には労働者は一方的通告で有給休暇をとることができるという、これは形成権であるということを、議論してここまで持ってきた。その形成権という絶対な権利が第三項のただし書きに来て、正当な理由があれば使用者の一方的な通告で労働者の形成権を全部否定できて、休暇を与えないことができるというような解釈になったとしたら、この条文自体はこれで全部死んでしまいますよ。最高裁の判決も死んでしまいますよ。それがあなたのずるいいわゆる解釈のしかたです。これは重点ですから、もう一回繰り返す。正当な理由——あなたの言う正常な業務に支障がある客観的な情勢ですか、そんなことはあなたは解釈しなくてもよろしい。正当な理由があっても使用者が一方的に変更はできないのだ、変更権は労働者の意見を聞くことのできる権利だ、これが定着した学者の意見だ、最高裁の判決の趣旨もここにあると私は言っている。この私の解釈が間違っているかどうか、いま一回聞きます。
○渡邊(健)政府委員 最高裁の判決の中におきましても、休暇の時季指定の効果、これは先生が先ほどおっしゃいました労働者が請求となっておりますが、それは時季指定だ、そのことをいっているわけでありますが、休暇の時季指定の効果は使用者の適法な時季変更権の行使を解除条件として発生するのであるというふうに判例の中でもいっているわけでございます。したがいまして、労働者の請求と申しますのは、まさに先ほどからお話しのとおり時季指定の権利、時季指定権でございますが、その効果は無条件ではないのであって、三十九条三項ただし書きの使用者の適法な時季変更権の行使、こういうものがあれば、これは発生しないのだ、それはそういう適法な時季変更権の行使を解除条件として発生する、こういうふうに判例もいっておりますので、私どもは、使用者の時季変更権というのは独立して行使し得る権利である、こういうふうに考えるわけでございます。
○小林(進)委員 それではあなたにお聞きしますが、正当な理由があれば、使用者は一方的通告で労働者の形成権を否定できるとおっしゃるのでありますか。
○渡邊(健)政府委員 使用者が適法な時季変更権を行使したものであれば、労働者の休暇の時季指定権も効果を発生しないというふうに考えます。
○小林(進)委員 発生しないということは、労働者の請求権を正当な理由があれば否定できるということですね。一方的通告でそれを否定できるということですね。これは重大な問題ですぞ。
○渡邊(健)政府委員 労働者の年次有給休暇権は、三十九条一項、二項の条件が成立していればすでに発生しているんだというような最高裁の判例であります。ただそれをいつ行使できるかというのは、その時季指定を労働者がするわけでございますが、その時季指定の効果は時季変更権を使用者が行使すれば生じない、こういうことでございます。
○小林(進)委員 あなたは私の言う質問に答えていないですね。その正当な理由があれば、労働者の指定した休暇日をやらないよ、次の日にはやるけれども、いまはやらないよといって一方的通告でよろしいとあなたはおっしゃるわけだな。そこです、私が言っているのは。
○渡邊(健)政府委員 そういう趣旨で申し上げております。
○小林(進)委員 それはたいへんな間違いです。そういうような学者、学説が一体どこにあるのか、判例がどこにあるのか。私はこの問題は了承できません。そういう乱暴な意見には私は了承できませんが、しかし、この問題は留保しておきます。あなたは実にたいへんな、乱暴な、むちゃな答弁をしておる。そんなことはやけくその答弁です。けれどもこれはあとで繰り返して言いますが、いまはあなたのようなそういう資本側に立ったものの考え方に依拠して、労働者の意見も聞かないで、正当な理由という名のもとでこの有給休暇の請求をみんな使用者のほうはこの時季変更権で与えないという実績が起きておる。これが春闘を通じ、労働争議を通じて多くの争いの中心になっている。なるほど私はわかった。あなたのような反動的な牽強付会の説をなす者があるから、官側はこういう不当なことをしておる。 私はこの問題をきょうあとで繰り返すことにしておいて、次にいう正当な理由というのは一体何か。事業の正常な運営を妨げる場合、その休暇の期日を変更することができるというんだが、一体事業の正常な運営ということに対する解釈をひとつ承りたい。労働大臣、あなたができなければ、どなたにでも言わせてください。この事業の正常なる運営というものに対する具体的、客観的な解釈をひとつ承りたい。
○渡邊(健)政府委員 事業の正常な運営というのは、それぞれの事業によって千差万別であろうと思うわけでございますが、客観的に見まして業務の正常な運営が阻害されているという事実、あるいは阻害されることが確実であるという状況があれば、それに該当するものであると考えるわけでございます。
○小林(進)委員 実に愚かな答弁をしておりますが、その答弁にひとつ乗せられたつもりで質問をいたします。 しからば、一体その正常な業務に支障があるという客観的な情勢、その客観性はだれが判断するのですか。客観的とおっしゃるからには、使用者の一方的な解釈でとるわけばないだろう。ましてまた労働者の一方的な解釈でもならぬだろう。じゃあ正常な業務に支障があるというその客観性はだれが判断するんですか。企業におけるその具体的なところをひとつ答弁をお願いしましょう。
○渡邊(健)政府委員 三十九条三項ただし書きによって時季変更権の行使をし得るのは使用者でございますから、第一次的には使用者が判断いたすわけでございます。ただし、使用者は恣意的に行なってはならないのでありまして、使用者がそういう判断をいたしましても、これが客観的に妥当な判断でなかったということになれば、その使用者の時季変更権の行使は正当な行使でなかった、こういうことになるわけでございます。
○小林(進)委員 恣意的に行なったか行なわなかったか、だれが判断するんですか。そしてまた、その変更権が正当でないというときに、一体だれが、どこで、その労働者を救済してくれるのですか。
○渡邊(健)政府委員 法律上の権限の行使でございますから、最終的にはその判断は裁判所になろうと存じます。
○小林(進)委員 いま少し君、まじめな答弁したらどうだね。この問題に対して具体的な判決はありませんか。 ここで正常な業務を妨げる場合ということは、単に繁忙である、単に忙しいんだというようなことでは、労働者の正当ないわゆる有給休暇の権利を変更する根拠とはならない。いまみんなそこらにいる使用者は、業務が忙しいから有給休暇はやれないといって、労働者の権利を全部否定しているのが事実なんです。しかしこれに対しては昭和三十三年、いまからもう十五年も前に、四月十日、大阪の地方裁判所にこの問題に対する明確な判決が出ているのです。 その判決の中には、いまも言うように単に使用者の側で忙しいから、あるいは繁忙であるなどということでは労働者のこの正当なる権利をいわゆる変更するところの根拠にはならないんだ。すなわち時季変更権を行使するについては、「企業の規模、請求者の職場における配置、その作業の性質、繁閑、代行者の配置の難易」——そのかわりに人をあてがっておく場合、これがむずかしいか簡単か、あるいは「同時に休暇を請求する者の人数等」——一斎に休暇をとられて、どうも職場の仕事がままならぬ、そういう場合等を「考慮して合理的に決定さるべき事柄であり、有給休暇制度を恒常的条件として組込んだ企業運営が前提とならなければならないから、」——労働者がいれば有給休暇の明確な二十日間はみんなもらうんだから、これはもう必然的にあることなんだから、それに対して常時、ちゃんと備えができておって、この職場の中から毎日有給休暇が出てもちゃんとあとがまになるように予備員も臨時職員も置いてあるような、そういう恒常的な設備がちゃんとできておることを前提にして、そしてその有給休暇の変更権というものが初めて客観的に行使されなくちゃならないということが明らかになっている。「単に繁忙であるとか、組織的構成員の一人である」ということを理由としてこの変更権を使用することは相ならぬと判決は示している。そうでしょう。単なるいわゆる使用者の一方的に忙しいとか、主観的な判断でいわゆる有給休暇の請求を否定しちゃならないと明らかになっているじゃありませんか。それを何だ、あなたの解釈は、まるで使用者が第一次的な変更権利者であるから、一方的な判断でいつでも変更権ができるような安易な解釈をしている。君、労働省の精神に対する重大な問題ですよ。有給休暇の問題というのはそんなあいまいな解釈をしているから、過去から将来に向かってこの有給休暇の争いが絶えないんだ。もっと明確にはっきり言いなさい。
○渡邊(健)政府委員 ただいま先生がおあげになりました昭和三十三年の大阪地裁の東亜紡績の判決は私どもも承知いたしておるところでございまして、私どもが、時季変更権の行使に該当するような事業の正常な運営の阻害があるかどうかということは第一次的には使用者が判断するけれども、それは使用者が恣意的に判断してはいけないのだ、その使用者の判断はケース・バイ・ケース、それぞれの事情によるが、客観的に妥当なものでなければならないということを申し上げましたのは、それらの趣旨を含んだ意味でございます。
○小林(進)委員 いままでの君たちは、労働行政を担当しておきながら、いまも言うように一体使用者が恣意的にやっているかいないかということを君判断して忠告したことがあるかね。いままでの使用者、管理者、経営者がやっている有給休暇の変更権、実は拒否権、みんな拒否している、みんな使用者が恣意的にやっている、あるいは君、労働行政の一環として労働者を弾圧したり、あるいは労働者に慈恵的、恩恵的な形で行なったり、あるいは弾圧の資料にしたり、客観的に君の言うような形でこの有給休暇権を使用させている使用者というものはほとんどないといっていいくらいだ。それを君たちは、二十年も三十年も国会で一生懸命にこの矛盾をわれわれがついているにもかかわらず、一つもそれを訂正しようという努力もしないで、いま恣意的にやらなければ第一次的に使用者に権利があるなどと言う。一回でもこの判決に基づいて、こういう恒常的な有給休暇にかわるべき代行員をちゃんと用意しておけ、あるいは繁忙といったところで繁忙ではだめだぞ、こういうふうな客観的、具体的な事実というものをちゃんと準備しておらなければならぬという指導をしたことがあるのか。指導したことがあるならば、その文書を示してくれ。やったかやらないか明らかにしてくれ。
○渡邊(健)政府委員 労働省といたしましては従来請求権説はとっておりましたけれども、恣意的に許可を与えたり与えなかったりしてはならないのであって、事業の正常な運営を阻害するという事実に該当する場合でなければ時季変更はできないということは従来も指示いたしておったところでございますし、またそれぞれの事業所に対しまして、有給休暇がとりにくいような状況をつくらないように、有給休暇は労働者の権利であるので、労働者が自由にその権利を行使し得るような姿勢を持ってこの問題に対拠するように指導いたしておるところでございます。
○小林(進)委員 この問題に対して私は労働省の誠意を一片も認めるわけにはいかない。そしていま各官庁を通じて有給休暇を中心にしてあらゆるトラブルが出ている、あらゆる争いが起こっているが、本質は労働省のこういうごまかし行政に基づく罪悪の結果だと私は見ている。ここで私はいま時間もないから、いまこの基本論争、これは具体的問題でありますが基本論争、これに対して、第一は有給休暇のただし書き、変更権を使用者が行使する場合には恣意的でなければよろしいとか、客観的条件が合えばいいなどという抽象論はだめだ。昭和三十三年のこの大阪の判決を中心にして、ひとつ具体的にこれを労働省は各関係職場、官庁に全部指示を与える、このことをやってもらいたい。文書をもって通達してもらいたい。いいですか。あなたが言うような恣意的でなければいいぞ、客観的なんという抽象論、そんなことで労働者の権利を全部否定されている、事実上否定されているのだ。そういう抽象論でこの問題をとどめることはいけない。具体的にあなたの言う客観的というのはどういう場合なんだ、単なる繁忙ではだめなんだということをひとつ具体的に論議しながら示してもらいたい。いいですか。やりますかやらないですか。労働大臣、やりますかやらないか。これは労働大臣に聞いておきたい。いまの局長の答弁では私はだめだと言う。抽象的に、客観的に繁忙という事実があれば、いつも使用者はこの労働者の請求権、形成権をやらぬでもよろしいなんという解釈だったら、また争いが永久に続いていきます。永久に続いていくから、客観的に、繁忙で正常な業務の運営に支障があるときに——具体的にこういうこういう場合なんだということを労働省は示して指導されるだけの誠意があるかないか、承っておきます。
○加藤国務大臣 いま、時季変更権の問題は使用者の考え方でどうでもできるというような小林議員の御質問でありましたが、決してそうではありません。やはり正常な業務の運営でありますから、しからばそれをどこで判断するか。労働者のほうが判断するか、使用者のほうが判断するか、やはり現在の業務管理の立場からいくと使用者のほうで常識をもって判断することが現在といたしましてはいたしかたないと思います。今回の最高裁の判例でもこの点がややはっきりいたしておりますが、「右の時季変更権が、客観的に同項但書所定の要件が充足された場合に限って使用者に生じうるものであることは、第一点につき判示したとおりである。しかるに、本件において原判決の確定するところによれば、被上告人所属の事業場たる白石営林署において、問題の当日に休暇の時季指定をしたのは被上告人ほか一名があるのみで、被下告人が本件の年次休暇をとることによって同署の事業の正常な運営に支障を与えるところもなく、」これは白石事件でありますけれども、かように一人とか二人とか特別な国民の利便の点から正常な運営を妨げないという場合には、これは使用者の時季変更権の行使は間違っておると思います。しかし従来からこれがいろいろな疑義が生じましたのは、最初小林議員から話があったように、年次有給休暇をとって応援に行く、これは従来から使用者は絶対にそれは間違いである、こいううような考え方であったのでありますが、今回の判例で、さようなことは当然のことである、こういうように判例も示しておるので、従来よりは行政指導の立場においても、この判断のしかたが私は使用者が良識によって行ない得ると思いますけれども、しかしいま質疑の中で、確かに多少こういう場合こういう場合はどうするか、こういうような点もありますので、十分この点は省内でも協議いたしまして、その点につきましても判然とするように持っていきたいと思います。
○小林(進)委員 私は、労働大臣のそんなくどい話を聞いておるのじゃないのです。三十三年の大阪の判決に、そんな使用者の良識なんという——資本主義社会における使用者ほど良識のないものはない。もうけるのが彼らの常識なんだから。労働者を使って黒字になるのが彼らの良識である、彼らの良心である。使用者や管理者の常識や良識なんというものは、われわれから言わせればこの世の中で悪の権化なんだ。そんなものでやられるからみんな労働者は泣いているのでありまして、その使用者の常識が一番危険だからこそ、こうやって三十九条のこの有給休暇の規定があって、ただし書きがあるのです。そのただし書きのいわゆる正常な業務の運営に支障があるということは、まず第一に有給休暇制度を恒常的な条件としてそれをちゃんと織り込んだ人員配置、人員の予備的処置、そういうものが恒常的にまず企業の中にできていなければならぬぞ、それを前提にして拒否権というものが初めて行使されるのだ、こういうことをいっておるのです。あるいはその人が休んだ場合には、すぐ休んだ日にだれでもしろうとの人が行って、そのかわりが一日でも一週間でもつとまるか、この人は専門的技術で、この人が休んだら代行者がつとまらない職場であるかどうか、そういうことを常日ごろちゃんと使用者のほうが全部具体的に計算をしていた上で、なおかつ不慮の条件だとか正常ならざる状態が起きてきたときに初めて変更権というものを行使して、すまぬけれども、きょうはどうしても都合がつかぬから次の機会に休んでくれと労働者の意見を聞くことができるというのが、近代的な労働法の解釈なのだ。この私の解釈が正しいのです。そこまで一体親切に労働省は、有給休暇でトラブルを起こしておるすべての企業に、いわゆる指導するだけの良心的行為があるかどうかとこういうことを私は聞いておるのです。さっぱり答弁になっていないじゃないですか。問題にならぬ。 きょうはだめだから、書面をもって——いま一回言う。変更権はあくまでも、きょうはどうしてもぐあいが悪いから次の機会にしてくれと労働者に対して意見を聞く権利だ、使用者側の一方的権利に基づいて、一方的通告に基づいて変更できる権利ではないというのが、私の変更権に対する解釈だ。これは君の口頭答弁ではだめだから書面をもって回答してもらいたい、これが第一点。 それから第二点のいわゆる正常な業務、客観的な立場に立って正常な業務というものの条件があれば変更権は行使できるという、その正常な業務に支障があるという解釈であります。その解釈は、いわゆる大阪の裁判所における判決のごとく具体的な事例というものがなければいかぬ、有給休暇のためにちゃんと前々準備をしておく配置もなければならぬ、その配置をした上でなおかつやむを得ない事情が出てきたときに変更権が行使できるという私の解釈に対して、君たちのその解釈を文書でもらいたい。文書でもらわないと質問が先に進まないから。それだけお願いしておきます。いままでの答弁では満足できません。そしてあなた方の解釈は間違っておりますから……。文書でいただきたい。 以上が私の有給休暇に対する基本の解釈論であります。 具体的に申し上げますが、この判決に盛られた内容はすでに十数年前から常識であったのだけれども、先ほどから言うように、労働省はこれを否定してきた。そうして請求権説、拒否権説をとって、適当な指導を何にもしてこなかった。これは所管官庁として重大な責任があると私は思うのでありますけれども、それはそれといたしまして、このあなた方の十数年にわたる誤れる指導によって処分された労働者が山ほどいるのであります。このあなた方の誤った解釈のために処分をされた労働者は山ほどいる。賃金カットを受けた者がいる。昇級昇格に影響を受けた者が山ほどいる。これに対して一体どう責任をとり、どう処置せられる考えであるか。これは労働省に承りたいと思います。
○渡邊(健)政府委員 労働者に対していろいろな処分がなされた場合に、その処分の原因となりました事由はいろいろな場合があると思います。いろいろなものが複合している場合があると思いますが、有給休暇の行使につきまして使用者の許可を得なかったという単純な事案につきましては、これは当然にそれらの賃金カット等につきましては回復されるべきものであると考えます。
○小林(進)委員 許可とは何だ、君。形成権であり、一方的な通告で休める。この労働者の絶対的な権利を、許可しないからといって処分をしたのはあたりまえだというのは何事だ。君自身の話が間違っている。こんなことを言ってもいかぬから、先へ進んでいくが、そんな答弁はだめですよ。そんな答弁は小学校の一年生にものを言うようなしかただ。君、局長になったら局長らしく、いま少しものを掘り下げた権威のある答弁をしたまえ。 そこで次に行くんだが、四十八年三月六日の君たちの社会労働委員会における答弁の内容なんだが、それに対してまず一つは、過去の、これは官側の違法行為による労働者の受けた被害の回復処置をどうするか。有給休暇をくださいよ、形成権だ、一方的に通告した。官側は正当の理由もなしに、理由も言わなければ、第三項ただし書きの条項も示さないで、だめだよといって、くれない。くれないのはひどいじゃないか、労働者の権利じゃないか、何をなまいき言うか、こういって処分した、そういうようなことで受けている被害が実に多い。この被害の回復に対して、いかなる処置を一体やるつもりなのか。労働省はどういう指示をするつもりなのか。 第二番目としては、今後この問題に関する労働行政について、一体これをどのように的確な指導をしていかれるのかという、過去の問題と将来の問題。これは労働大臣、石黒労政局長、渡辺基準局長、みんな答弁しているけれども、あなた方は三月六日の答弁をいま一回繰り返して見てください。私は繰り返すのはやめるけれども、実にけしからぬ内容だ。実にしろうとだましの答弁のようなひどい答弁を社会労働委員会の中でやっている。この問題をいま答弁しなさい。答弁できなければ——まず労働大臣は何と言っているか。従来の問については「ケース・バイ・ケースの問題もあろうかと思いますので、」云々、これは一体何だね。この答弁は、有給休暇の労働者の正当な請求に対して官側は一方的に拒否して、なぜくれないのか理由を言ってくれと言ったら、このやろう、なまいきだと、戒告にしたり訓告にしたり、あるいはなおかつ賃金カットをしたり、昇級昇格に影響したりする、そういうものに対して、ケース・バイ・ケースだ。ケース・バイ・ケースとはどういうのか、具体的に示してください、あなたの答弁なんだから。
○加藤国務大臣 小林議員にお答えしますが、三月六日の社労の委員会で答弁した中では、この「法律の趣旨の違反の問題とその他に及ぶ問題といろいろなケース・バイ・ケースがあると思いますが」、これは決していろいろな御意見を無視したような答弁でないと思いますが、「そのような問題は、なかなかいろいろな付帯的な要素も含んでおる問題がありますので、全体的に、大臣としてここで回復するということは、御質問のことには判然とお答えできませんが、趣旨に合致した単純なものは回復することが当然と考えます。」と、こういうので、これは三公社五現業、その他いろいろなところでもいろいろなケースがあることはもう御承知のとおりでありまして、この判例で当然賃金カットは回復する、支払いする、またその他の復元の問題、回復の問題も単純なものはやることは当然と思いますということを、ここで答弁いたしましたので、決してふらち千万なんだというような答弁ではないと思うのでありますが、この点でケース・バイ・ケースと言ったって、全部の事案の内容を労働大臣がこれは調べることもできませんので、総体的な御質問でありますから、総体的な御答弁を申し上げたところでありまして、決して不遜な答弁でないと、いまもこの内容を見まして考えておる次第です。
○小林(進)委員 三公社五現業、民間団体の中においても、私がいま詰めてきましたような、主管官庁としてその理論的な解釈もできなくて、官側が無理をして、労働者の正当な年次有給休暇の請求に対して、不当労働行為が行なわれなかった官庁がありますか。みんな不当労働行為をやって、そして労働者の正当な権利を踏みにじっている。それを救済することについて、主管官庁として労働省は一体これをどう処置するかというのです。一つ一つのケースを、ケース・バイ・ケースで、あなた方を裁判官として一つずつ直していけと言っているのじゃない。労働省として、過去のそういう誤れる実績に対して一体どう指導するか、救済するために、どう処置をとられるか、それから将来に対しても再び誤りをおかすことのないように、各官庁、その他地方団体に対してどう指導されるかということを私は聞いている。その問題に対して、ケース・バイ・ケースでございますの、単純なものはやりますの——あなたの答弁は、いいです。時間だけ食いますから、それでよい。指導しないなら指導しないでよい。そんな労働省なんか要らない。労働者の唯一の権利である。この権利の中で十数年労働者が泣いているにもかかわらず、過去の救済もしなければ指導もできません、そんな労働省なんか要らない。それで、私は次に質問をいたします。 石黒労政局長は、こういうことを言っている。法律の解釈論が「つの解釈をとったということによって、その処分をしたことが直ちにその管理者の重大な責任として措置せられるということに相なるかどうかにつきましては、にわかに断定しがたい問題であると考えております。」と。これはどういう意味なんですか。いま一度、ここで御答弁をいただきたい。
○石黒説明員 その際申し上げましたことは、年次有給休暇の労働者の権利につきましては、先刻お話がございましたように、請求権とか形成権とか、あるいは時季指定権とか、いろいろな説がございまして、使用者がある時期においてそのいろいろな説のうちの一つをとったということをもって、さかのぼってその使用者が非常にけしからぬというふうには一がいに言えません、今後改めなければいけないことはもちろんでございますが、従来のものについて使用者の不法行為であるというふうに断定することはむずかしいということであります。
○小林(進)委員 使用者の立場を守ろうとするあなたの気持ちはわかるが、私の言っているのは、使用者のことを言っているのではない。処分された者——この三月六日の質問も、あなたは質問を取り違えている。過去に正当な労働者の権利を踏みにじった上に、おまえはなまいきだと、処分を受けた。賃金をカットされたり、昇格昇級に影響したり、出世の道を閉ざされている労働者がたくさんいるではないか。一体そういうものの救済をどうするのか。その問題を私は質問している。いいですか。 繰り返して言います。例の、これに類似した事件だから言うのだが、なるほどいままでは最高裁もこの労働者の有給休暇の権利については多数意見、少数意見があって、最高裁の判決も一定しなかったことは事実だ。けれども、最終的な判決が出たら、さかのぼって、その間違えた行為によって損害を受けている労働者を全部救済するというのが正しい行政のあり方なんだ。その一番卑近な例がどこにあるかといえば、最近出たあの最高裁の尊属殺の問題なんです。尊属殺人の科罰の問題、親を殺したとかいう犯罪は、同じ人殺しでも、これは死刑または無期、または三年以上の有期懲役に処すという刑法一般の法律じゃなしに、これは最低でも死刑または無期だ、大切な親なんか殺したのが間違いだというような最高裁の多数の意見である。ところが最近の判決は、皆さん御承知のとおり人権に変わりがあるかということで、尊属殺人ということのために重罰を科すのは間違いだ、やはり同じ殺人罪なら、三年以上の有期懲役にすべしという一般刊法の適用を受けてやるべきであるという最高裁の判決が出たでしよう。出たらそれに対して一体法務省はどういう処置に出たか。いままで尊属殺をやったがために無期懲役になったりいまなお囹圄にいる者は、この新しい判決に基づいてみんな救済しなければいかぬじゃないか、その救済方法をどうするか。非常上告の方法によって、尊属殺で死刑または無期になった者をいま一回裁判をやり直して、そして三年以上の有期懲役という裁判のやり直しをするか、すなわちこれは非常上告の方法です、そういう方法でやるか。いま一つは、大赦、恩赦の形に基づいていわゆる恩赦という形で、死刑または無期になっている尊属殺を救済をするかということで、いま救済方法を研究されていることは明らかでしょう。最終では、どうも法務省は恩赦の形で尊属殺の重罰刑を救済する措置に出られることになっておる。 こういう具体的な例があるのですから、いままでの間違った判決、今日の最高裁の判決からいけば間違った判決に基づいて、あるいは行政罰を受けている気の毒な労働者を、明確なこういう判決が出たら過去にさかのぼって全部救済するのはあたりまえじゃないですか。私の理屈はわかりますか、わかりませんか。私の言うことは間違っていますか、答えてください。
○石黒説明員 先生の御指摘の趣旨はよく私どもも承知しております。そして処分の問題あるいは有給休暇請求権云々の問題、これは基準法の問題でございますが、労使関係にそれがからんでいるケースもあるわけでございます。私どもといたしましては、三公社五現業の方々にも当局側の方々にもこの判決の趣旨をお伝えいたしまして、そして明白に最高裁の判決の趣旨に反するものは救済を考えなければならないということを申し上げておるわけでございます。
○小林(進)委員 それでいいのですよ。私はあくまでも有給休暇に対する官側の不当労働行為をどう救済するかと言っているんですから、あなたの言う有給休暇のほかの問題、脅迫とかその他何かひっかかっておる問題を全部なくせと言っているんじゃない。しかし、有給休暇を不当労働行為によって官側が与えなかったことを原因として、それを出発点として付随的に起きた、あるいは大声を出したとか職場を放棄したとかいう問題は、根本の種は官側の不当労働行為にあるんだから、そういうものは全部救済してもらわなければいかぬ。それであなたのいまの答弁はひとつ記録に残しておきます。それば各関係官庁に全部そういう指令をお出しになるというのでありますから、いつお出しになったか、またあとで実績の文書の複写を私のほうに必ずちょうだいいたします。 まず私がここで申し上げたいことは、この有給休暇によってやられた処分は取り消させること、賃金カットはさかのぼって支払いをさせること、昇級昇格の手直しをさせること、労働者の名誉を回復すること、これだけはどうしてもやってもらわなければいかぬ。いわゆる労働基準法の百十四条であります。「第三十九条第四項の規定による賃金を支払わなかった使用者に対して、労働者の請求により、これらの規定により使用者が支払わなければならない金額についての未払金の外、これと同一額の附加金」二倍払わなければならぬのでありますよ。いわゆる付加金も含めて倍額の賃金を払ってもらうように的確な指示をひとつやってもらわなければならぬ。おやりになりますか、労働大臣。
○渡邊(健)政府委員 最高裁の判決に該当して賃金が支払われなかった方々に対しまして、賃金の支払いをさかのぼってすることは当然でございますが、百十四条の付加金は、先生御承知のとおりこれは裁判所が労働者の請求によって命ずることができるとなっておるのでございまして、裁判所以外のものが付加金の支払いを命ずるというわけにはまいらないわけでございます。
○小林(進)委員 それじゃ裁判に訴えてやらなければ払わないということか。そういうような裁判所の判決を待って付加金を出すようなことがあるのだから、そこを行政に、この法律の精神をくんで、おれたちが間違って払うべき賃金を払わなかったのだから、申しわけない、二倍差し上げますという気持ちにならぬか、その気持ちにさせるような指導をしなければならぬのじゃないかと言っておるんだ。何だ君、一々突っかかってくるじゃないか。それをやれとぼくは言うんだ。いまのは百十四条だ。 次に基準法の百十九条。「左の各号の一に該当する者は、これを六箇月以下の懲役又は五千円以下の罰金に処する。」となっておる。三十九条の年休規定に違反した使用者、労働者の正当な請求権に対して、形成権に対して休暇を与えなかった使用者に対しては六カ月以下の懲役、五千円以下の罰金に処するということになっている。これは裁判の結果でございますけれども、一々訴えれば、そこらにいる使用者をみんな、六カ月以下、五千円以下の罰金に処するだけの正当なる裁判権を持っているんだ。けれども、行政を乱すわけにはいかぬからそこはわれわれのほうで労働者諸君と相談するけれども、裁判で争って罰金、六カ月以下にならない前に悔い改めて、さかのぼって被害を受けた労働者を全部救済し、将来に向かってもそういうことをやらないようにさせるという指導理念を労働省はお持ちになっておるかどうか、これを私は聞いておきたいわけであります。
○渡邊(健)政府委員 最高裁の判例によりまして三十九条の解釈がきわめて明瞭になったわけでございますから、この判例の趣旨に従いまして、三十九条の年次有給休暇の付与が適正に行なわれるように指導いたしたいと存じます。
○小林(進)委員 過去のことを聞いておるんだよ。いままで間違っておるのをどうするかということを聞いておる。
○渡邊(健)政府委員 いままで与えなかった、そのために賃金カットを受けた者につきましては、そういうことを理由とする賃金カットについてはさかのぼって支払うことは当然でございますし、また、請求権が残っておる場合には、今後労働者から年次有給休暇の請求が出てまいりましたときには、当然に新しい判例によって年次有給休暇を与えるようにすべきであるというふうに指導いたします。
○小林(進)委員 だいぶ時間も迫っておりますから、私ももっとこの問題をきちっとしておきたいのでありますけれども、まだこれから郵政省、電電公社、国鉄、みんなやらなくてはなりませんので、この基本論は終わりにしますが、ともかく労働省は、この明確な判決に基づいて過去の間違った行政をどう救済するかということの行政をやってもらわなければいかぬ。それからいまも言われたように、将来に向かってももはや二度と再びこういう間違いをおかさないように的確な指導をしてもらわなければいかぬ。そのことに対して渡邊君、君は三月六日の社会労働委員会でこういうことを言っておる。「今回の最高裁の判決は、さっそく地方の基準局に通達で知らせまして、今後この趣旨によって行政措置をするよう指導をいたしておるところでございます。」どんな文書でどんな指導をしたか、ちょっとここで具体的に示してもらいたい。
○渡邊(健)政府委員 三月六日、直ちに私の名前で地方の都道府県基準局長に通達を出しまして、そして最高裁の判例も要点を示すとともに、今後における三十九条の解釈、運用はそれによって行なうものである、したがって、そのことを留意して監督指導の運営について遺憾のないようにせられたい旨の通知をいたしたところでございます。
○小林(進)委員 まだその指導は一つも徹底いたしておりません。特に地方の基準局長が悪いのかもしれませんけれども、あなたのほうの足元の政府関係機関の中には一つも徹底いたしておりせん。依然として有給休暇に対するトラブル、不当な労働行為が繰り返されておる。生きておりません。もっと徹底してください。 それで、私は申し上げますが、日本の労働行政は——これは私の結論です、いま世界から注視をされて、なおかつ批判されておるのです。非常に批判されておるのです。その中で特に日本の年休制度、この有給休暇の制度に対しては、これはここにもありますけれども、ILOの年次有給休暇に関する条約第五十二号、年次有給休暇に関する一九七〇年の改正条約百三十二号、これが世界の常識なんだ。これからながめて、わが日本のこの年休制度というものは世界から非常に批判されておる。貧弱過ぎる。ほんとうに労働行政というものをまじめにやるなら、もはやこの世界の基準に至るまでの年次有給休暇の改正案が労働省から出ていなければならない。にもかかわらず、改正はもとより、この世界から批判されている現行法さえも、いま私が一時間半にわたって論じてきたくらい何にも実施されなくて、労働者の唯一絶対の権利である有給休暇までも、むしろ労働者を弾圧するそういうとりでになって、武器になって労働者を処分し、いじめている、弾圧しているんだ。そんなことが許されていいかどうか。私は、労働省は拳々服膺してよく反省をして、この有給休暇の問題で二度と再びトラブルが起きないように的確な指導をしてもらわなければならない。私はこれをくどく念を押しておきます。 そこで郵政大臣、今度はあなたにお伺いいたしますが、私はこの問題については、ここに速記録もありますが、昭和四十年の三月三十日から国会の中でやかましく繰り返してきた。いま私が言ったような問題は四十年の速記録にそのままそっくり載っておるのです。それで労働省は調子のいい返事をしているのです。私の質問に対して答えたとおり実施をしておいてくれれば、こういうことを再びここで争う必要はなかった。これは何にもやっていない。この問題を私が質問いたしましたのは、これはいまでも裁判になっている長岡電報電話局と三条の電報電話局の問題について、当時の郵政大臣と大橋電電公社総裁、それから電電公社の中山職員局長、これを政府側に回していまと同じような質問をした。そのときちゃんと答弁をしておきながら何にもやっていないじゃないですか。そのとき労働省もちゃんと責任者が来て答弁をしている。調子のいい答弁だけして何にもやっていない。東村説明員なんていうのも来て答弁をしておきながら、われわれのいわゆる質問やわれわれに対するこの委員会における公約を馬耳東風だ。委員会における質問が済んでしまえばあとは野となれ山となれ、そういう態度、だから何にも実施してない。けしからぬ。 郵政省の中で、年次有給休暇で一体どれくらいのトラブルがいま起きているのか、それをお尋ねいたしたい。郵政省、電電公社、みな郵政大臣の管轄でありますから、有給休暇の問題にしぼって、一体どのくらいトラブルが起きているのか、その数、内容をお伺いしたい。
○北政府委員 全国的な件数につきましては承知をいたしておらないわけでございますが、非常に特殊な局で恐縮でございますけれども長岡という郵便局がございます。長岡郵便局だけをとってみますと、昨年度一年間に年次休暇の指定件数と申しますか、請求件数が三千七百五十件ございました。そのうち業務支障を理由といたしまして時季変更したものが一%の三十六件でございました。そのほかに、時季変更をいたしました後職員の側で請求を撤回したものが六十件ばかりございます。特定の郵便局を出しまして恐縮でございますが、長岡局ではそういったことがことごとく抗議というようなことを招いておりましたので、そういった意味合いでは、三千七百六十件のうち百件近くがトラブルの種になった、こういうことでございます。
○小林(進)委員 私は、郵政省管轄の中で一体全国的に有給休暇でどれだけトラブルが起きているのだ、その件数と内容を聞いている。長岡郵便局とは何だ。だれが長岡郵便局のことを聞いた。私がたまたま長岡を中心にして出身しているから、おれの出身地の長岡郵便局さえ言っていればいい、おれはそんなけちなことを言っているのじゃないんだ。君、そういう失敬な答弁のしかたというのはあるかね。郵便行政の問題だ。そんな失敬な話があるかね。それがいまできないというならば、書面にして出しなさい。繰り返して言うけれども、これはほんとうに労働者にとっては死活の問題なんだ。唯一の労働者の権利なんだ。官側に対する、使用者側に対するその権利が土足でけられているのであります。この問題はだてや酔狂じゃないのでありますから、全国的に有給休暇の問題だけにしぼってどれだけのトラブルが起きているか、ひとつ書面にして出してください。 それから電電公社。
○中林説明員 年休取得の問題に関するトラブルといたしましては、先ほど先生御指摘になりましたように、三十六年に三条の電報電話局におきまして、(小林(進)委員「三条の問題だけを聞いているのじゃない」と呼ぶ)年休の取得手続に基因いたしまして刊事事件が起こりまして、これが現在最高裁に係属いたしておりますが、そのほか最近の問題といたしましては、特に私ども本社として中央にあがってきておるという問題は把握いたしておりません。
○小林(進)委員 これは電電公社の総裁にお伺いしますが、あなたは、昭和四十年の三月三十日衆議院の社労委員会で、この年次有給休暇の問題で電電公社に対して質問が行なわれたことを承知しておられますか。知っておられますか。
○米澤説明員 お答えいたします。 ただいま質問ございましたけれども、昭和四十年の三月当時、大橋総裁のときでございますが、この質問につきまして、私も速記録を読みましてよく知っております。
○小林(進)委員 電電総裁に言いますが、速記録を読んで承知をしているということになるならば、その当時におけるあなた方の有給休暇の問題を中心に、それだけじゃありませんけれども、その中の話の中心は、有給休暇を問題にしてトラブルが起きておる、それから派生して、声を大きくしたとか傷害事件だとか殴打事件だとかいった問題が、有給休暇の問題から発生している。その当時の三条の電報電話局における有給休暇の扱い方に対して、官側のやり方に欠点がなかったとあなたはお考えになりますか。
○米澤説明員 お答えいたします。 まず今回の最高裁の判決に対しまして、私たちはそれを尊重し、また先ほど労働大臣からもお答えがございましたが、政府の解釈に従いまして今後処理いたしたいと思います。 その次に、いま御質問ございました三条の問題でございますが、これは昭和三十六年、いまからちょうど十二年前のことでございまして、ただいま御質問ございました昭和四十年三月以降、私はこの有給休暇問題で公社の中でそうトラブルが起こっておると聞いておりません。ことに今回の春闘におきましても、私はこの問題は特別に問題が起こってないというふうに聞いております。しかし、先ほどお話ございましたように、この最高裁の判決も出ましたし、政府の解釈も伺っておりますので、私はいま労働組合と話しまして、今後どういうふうにやるかということをいろいろきめていきたい、こういうふうに考えております。
○小林(進)委員 現在労働組合と話をして、三条局の問題やらその他の問題について話し合い中であるとおっしゃるから、それならば、あなた方の労使の話し合いを私は信頼をいたします。それ以上に実は掘り下げたいのでありますけれども、話し中とあるならば、あえて私が介入するまでもございませんから、その結果を待つことにしましょう。 私はこの問題に対しては官側に言いたいことが実にたくさんあるのです。郵政大臣を前にしまして、私はこの問題にはほんとうに言いたいことが山ほどあるのです。郵政大臣お聞きのとおりでありますから、あなたもひとつ主管大臣とされまして話の成り行きを見ておいてください。裁判の第一審は労働者側が勝っておるのです。労働者の側が勝っておる問題です。いま官側が控訴している問題であります。実に電電公社は不当なんです。それだけ言っておきますが、ひとつよく話を聞いてりっぱに仕上げするようにしてください。 同時にあわせて、先ほどから繰り返して言うように、受けている労働者の被害を一体どう救済するか。この間違った官側の行為のために、労働者は生涯を誤ってしまうのですから。生涯を誤る、実に気の毒な人たちがいるのでありますから、そういうものをさかのぼって、その瑕疵といいますか、その傷といいますか、その被害といいましょうか、どういうふうにりっぱに救済されるのか、電電公社の総裁と、特に責任大臣たる郵政大臣の今後の処置のしかたを、十分私は期待をもって見せていただきたいと思っております。
○久野国務大臣 先ほど来、小林委員と労働大臣並びに労働省の各関係者との間の議論を通じまして、私は今回の問題等につきましては理解するところでございます。 そこで、過去の実損回復につきましては、ただいま私たちもこの問題と真剣に取り組んで話し合いをいたしておるところでございます。私は誠意をもって事に当たりたい、かように考えておる次第でございます。
○小林(進)委員 電電公社には、いまお話しのとおり有給休暇に対して労使のトラブルはないとおっしゃる。私は不幸にして聞いてまいりませんでしたから、ないとおっしゃるからそのことばを信用しましょう。特に郵政大臣は誠意のある方でありますから、いまのおことばをちょうだいして、そのことばどおり実現されることを期待しております。しかし、電電公社だけではございません。郵政省の管轄の中には、たいへんまだ有給休暇に対するトラブルが多いのです。あとは私のほうへちゃんと資料を出していただいて内容を示してくださるそうでありますから、当然あなたのほうにも回っていくと思いますから、それを見ていただいて、電電公社の関係と同じように郵政関係のこの種の問題、ひとつどうぞりっぱに処置をしていただきたい。 同じ質問を私は専売公社にも申し上げたい。専売公社も、私の調査に基づけば、有給休暇のとり方で実に不当なやり方をしている。超勤の問題と重なりますから、時間があれば一時間ぐらいやりたいのでありますけれども、時間がないから、幸いにして、内容について触れることはやめますが、しかしそのかわり、専売公社はどういう有給休暇のとり方をしているのか。いろいろのケースがあるでしょう。あるいは労働協約に基づいて、そして労使の話し合いの上で有給休暇をとるケースをお持ちになっているのかどうか、あるいは官側の一方的な行為でもってやっているのかどうか、幾つものケースがあるだろうけれども、それを羅列をして、専売公社でやっている有給休暇のとり方を書類で出していただきたい。よろしゅうございますか。答弁をひとつ……。
○石井説明員 お答え申し上げます。 専売公社におきましては、現在有結休暇に関連をいたしましたトラブルは特段にございません。手続といたしましては、就業規則に定めがございまして、その定めに従って適正に行使をされておると考えております。
○小林(進)委員 トラブルがないというのは、これはもう専売公社が実に労働者を弾圧している証拠だ。トラブルがないなら——われわれに対して不満が方々から参ります。第一いまの答弁はなってない、君。何だ、就業規則に明確にきめてあるからトラブルがない、冗談じゃない。有給休暇なんというものは就業規則で書くものじゃない。就業規則とは何だか君知っているか。官側が一方的にきめるのが就業規則なんだ。官側が職員や労働者に押しつけるのが就業規則なんだ。こういう有給休暇などというものは労働者の権利なんだ。せめて労働協約という労使対等の原則で生まれた協約の中に出てくるというならば話がわかるけれども、官側の一方的な権利を行使して中にきめておいて、トラブルもない、正常に行なわれていますとは、何だ、その答弁は。いやしくも専売公社の総裁としては君はりこうじゃないな。帰って、いま少しきちっとこういうことを整理して、有給休暇のとり方、規則の中にあるなら規則をちゃんと出していただきたい。書面でもって回答をしていただきたい。 国鉄も同じであります。国鉄、いますか。——国鉄の、見ないような顔が来たけれども、職員局長、これも同じです。 もう時間が来まして、同僚諸君非常に急いでいられるようでありますから、御迷惑をかけてもなんでありますから質問は省略いたしますけれども、いま専売公社に言ったと同じことです。特にあなたのところは有給休暇の問題ではトラブルが絶えない。(「出してくれやしないんだよ」と呼ぶ者あり)くれないばかりじゃない。一方的に全部これを労働者に対する弾圧の手段にしたり、あるいは慈恵的、何か恵みを与えるような、そういう形で扱ったり、国鉄の有給休暇に対する取り扱い方は言語同断、どんなくれ方をしているのか。幾つもくれ方があろう。労働協約があるならその労働協約も明示する。どんな形でくれているのか、同時にこの問題に対するトラブルがどれくらいあるのか、書面でひとつ回答していただきたい。 林野庁も同じであります。林野庁福田長官、見えておりますか。あなたも同じだ。あなたのところもいまの公社、国鉄と同じように書面でひとつ回答をしていただきたい。 郵政大臣、大体有給休暇に対する私の質問は、不満足ではありまするけれども、一応これで終わることにいたします。 続いて、まだ時間がありまするから、それじゃ春闘の問題に関連いたしまして、郵政省の不当労働行為の問題についてほんの若干お伺いをしておきたいのであります。 第一に、私は郵政行政でふしぎでたまらないのは、郵政省の不当労働行為というものは国鉄と相拮抗いたしまして実にひどい。そこでわれわれ社会党の国会議員が九班か十班に分かれまして、それぞれ郵政省の官房や人事局長、郵政局長等と緊密な連絡をとりまして、その不当労働行為の調査に参りました。非常に国会が忙しいさなかなのであります。ところが、その調査にわが社会党——社会党といえば自民党に次ぐ野党第一党であります。この権威のある野党第一党の国会議員が、しかも全員にひとしい者が、九班ないし十班に分かれて郵政省管轄の不当労働行為を国会開催中に調査に行く。その調査に行く計画や段取りや日程や時間まで明確に郵政省の各局長と打ち合わせをして行っている。それをあなたは御存じないのだ。郵政大臣がこういう顕著なる事実をお知りにならない。それでわれわれが調査をして、その結果を持って郵政大臣にお目にかかりたい、こういうこういうことで社会党は全員大挙をして区分して見てまいりました。ほほう、そんなことがあったんですか、あなたは驚いたような顔をしてわれわれの面会に答えていられた。これでわれわれは驚いてしまった。郵政省というのは、こんな重大な問題さえも大臣の耳に入れないで、局長以下官僚はみんないいかげんなことをやっているのかなという疑いを強めたのであります。あなた、国会における野党第一党の社会党がこれほどまでの、党の運命、国会議員の運命をかけてまで悲壮な覚悟で、国会の審議までも節約をしながら調査に行っている。私は、これを受ける郵政省としても、大臣を中心にして相当厳粛な気持ちでわれわれの調査に応じてくださるものと考えていたら、大臣は知らない。ほほう、そんなことがあったんですか。私は、こんなところに郵政行政といいまするか、郵政官僚と申しますか、摩詞不思議なやり方があるというふうに考えたのであります。一体郵政省というところはそういうところなのかどうか、これを私は大臣にお伺いをいたしておきたいのであります。
○久野国務大臣 皆さんが非常に多忙な国会開会中であるにかかわらず事務局調査をせられまして、約十二カ所にわたってつぶさに実情を御調査いただいたわけでございます。この点につきましては私は四月二十日に報告を受けました。そうしてその内容につきましても、実情皆さんの御調査の結果につきまして報告を受けたような次第でございます。
○小林(進)委員 私どもの調査しましたのは四月九日が初めてでございますよ。その四月九日に出るまでには、私どもは何回も郵政省高級官僚と打ち合わせをしてきたのであります。それが四月二十日にあなたがその報告を受けるというのは、ずいぶん時間のズレがありますよ。それでは事後承諾ですよ。事後報告じゃありませんか。そういうところに、郵政官僚が歴代大臣をたな上げをいたしまして、大臣をないがしろにして、そしていわゆる不当労働行為を繰り返し、歴代の大臣にこの国会の中で野党もくるめて郵政行政のあり方について何ぼ質問しても、そして大臣から、あなたをはじめほんとうに誠心誠意ある答弁をいただいても、何にも改良の実績があらわれてこない一例が私はそこにあるという感じを受けた。しかし何も私はあなたが歴代の郵政大臣と同じにたな上げされていることはないと思う。あなたはいまをときめく田中総理大臣——あそこにもいらっしゃるけれども田中大臣の直系で、右腕が二階堂何がしならば、左腕が郵政大臣久野忠治ということになるぐらい田中内閣の実力者でありますから、従来の郵政大臣とは違うだろうけれども、われわれの見るところによったらやっぱり同じように大臣がたな上げされている。こういう重大な問題までもさっぱり事前に耳に入っておらないで、その結果だけだ。その結果も四月二十日にどんな報告が行ったのか。官僚の一方的な、おそらく真実を隠したでたらめの報告しか行っていないのじゃないかと私は思って残念にたえないのであります。私は時間がありませんからほんの総括、総論だけにしますけれども、そういう行政のあり方を私はあなた自身の手で徹底的に直してもらわなければならぬ。直してもらわなければ、先ほどから繰り返しておりますように、私どもが国民の代表として、広い視野に立って、そしてこの貴重な時間をさいてあなたに何ぼ質問をして、有給休暇はこうせい、不当労働行為の問題はかくあるべきじゃないかということをあなたと真剣に対話を重ねていったところで、ちっとも浸透しない。従来と同じように、単なる質問をし答えただけで、馬耳東風でこれは過ぎていかざるを得ないと私は思う。そんなことを私はもう二度と繰り返したくないのです。その点もひとつ従来の型を破ってください。われわれの見るところでは、郵政官僚が一番悪いです。まあ私ども、文教委員会へ出れば文部省の役人が一番悪いと私は言いますけれども、あれも悪いがこれも悪い。ほんとうに郵政の官僚は悪いです。そういう姿勢をひとつあなたに徹底的に直していただかなければ問題の解決になりません。 次に、四月九日の長岡の全逓の不当労働行為を私どもは調査に参りました。その問題については、わが党の米田代議士からも大臣に御質問があったか、また御質問があるはずでありまするから重複を避けますが、そこで私は一つどうしても聞いておきたいと思ったことは、前進基地と称する問題であります。長岡に行きましたら、郵政省の労働組合が三六協定すら結び得ずして、定時出仕、定時退庁だ。いわゆる超過勤務に応じないということで、郵便の品物の滞貨ができた。その滞貨を処理するためと称して、長岡の市内に七十カ所の基地というものを設けられた。私は、基地なんというのは、いままで軍事基地ばかりだと思ったら、はからざりき、郵政基地というもができ上がって、これは全くびっくりしたのでありますが、その郵便局の郵政基地は一体何かというと、いわゆる郵便配達協力要綱とかいうものができておって臨時にしろうとを全部雇用をいたしまして、そしてそのしろうとの家に郵便物を集めておいて、そして、そのしろうとのおうちが郵便局になるわけです。私宅です。それで、その家のおとっちゃんだかおっかさんだかが臨時郵便局員の命令を受けて、配達ばかりじゃない、まず区分けからおやりになる。こっちは隣の町内、こっちのほうは東の町内、西の町内というようなまず区分からおやりになって、そしてそれが済むと今度は配達に出かけられるわけです。こういうところが七十カ所もある。私はたまたま実地を見に行きましたら、これは長岡の草生津といいまして、長岡市の橋のたもとにある新しいおうちでございました。その家へ参りましたら、五十過ぎたおっかさんが一人おられました。おっかさん、あなたの家は今度の郵便配達の基地でございますかと言ったら、はい、さようでございます。で、おっかさん、一体あなたの家の御家族は何人ですか。おとっさまがよそへおつとめになっていますから、朝からおつとめに行かれる。あとは娘が一人、娘さんはどこへ行かれましたと言ったら、これは民間の会社につとめていて、さっさとつとめに行きました。じゃ、おうちはあなた一人ですね。そうです。あなたは今度、前進基地をお受けになったそうですが、おうちを拝見したい。玄関で立っていたのでありますが、はあはあ、どうぞお入りください、私一人でございます、ネコの子一匹おりません、私はいやだ、いやだと言ったけれども、どうしても前進基地を受け持ってくれ、こう言って郵便局の方が頼みに来られまして。いやいやながらやっているのでありますけれども、状況はこのとおりでございます、私もなれない仕事でございますからたいへんでございます、見てくださいと言った。そうしましたら、なるほど玄関へ行きましたら、おっかさんが一生懸命郵便局から持ってきた品物を区分けをされている最中でございました。一つの区分けが十二、三枚、玄関を入ったげた箱の上に一包み、おっかさん、これは何ですか。これはこっちの町内の区分けでございます。それから今度は上がって廊下へ行きましたら、廊下のところにまた二、三十枚くらいずつの包みがぼつん、ぽつんとある。おっかさん、これだけですかと言ったら、いえいえ、そんなことはありません、ここにもありますと言って、今度は便所へ連れて行きました。私はまだ便所へ行きたくないんだがと言ったら、手洗いの前のところに十二、三枚ずつの包みがちゃんと置いてある。おっかさんが、手洗いにも置いてあります、こうして区別しないと、なかなか区別はつきませんから。おっかさん、これで終わりですかと言ったら、いやここにもあると言って便所の戸をあけたら、端っこのところにも一包み置いてある。これはまたたいへんだと思うけれども、おっかさんはまじめなんだ。一つになれば区別がつかないから、げた箱の上は一丁目、手洗いの前は三丁目、便所の入り口は四丁目、こういうふうに区別をしなければ、頭の中の整理がつかないからやむを得ないんですよ。それで、おっかさん、これで終わりかと言ったら、奥のほうのあすこにもあります。それは何だと言ったら、〒という字を書いたごつい大きな袋がそっちの廊下の突き当たりに置いてあった。おっかさん、あれは何だと言ったら、私の頭で区別がつかないのをあの大きな袋の中に投げ込んでおくんです、そうしますと、適当なときに適当な人が来て、あの袋をかついで持って行ってくれる。ははあ、ではおっかさん、たいへんでございますね。さようでございます、だから隣近所の人が、あなたはこんななれない仕事でこんな苦労をしているのはやめなさい、それよりは、朝の新聞配達でもこんな郵便局よりはもっといい金をもらっているし、もっと楽にできるじゃないか、そんなアルバイトはやめて、新聞配達をやりなさいと隣近所のおっかさんが言わっしゃるから、私もそうしようと思うけれども、やめるな、やめるなとおっしゃるから私はやめないでやっている、こういう話でございます。それじゃおっかさん、あなたはこの区分けが済んだら今度は一体どうされますかと言ったら、今度は配達に行くというんです。あなたが出られたらこの家はからになるじゃないか、がらあきじゃありませんか。いや、がらあきでもそれはやむを得ません、ここら辺は人気がいいところでございますから、そういたずらする者やどろぼうも来ません、その点は安心でございます。そして一包み持って配達してくる。帰ってくるとまた今度はこっちのほうに配達に行く、こういう話です。これはうそ偽りはない。また私一人で行ったわけではありません、同僚の諸君と一緒に私はこの現場を見せていただいたのでございますから、うそ偽りがあったら私は腹を切りましょう。 こういうような前進基地が設けられて、一体信書の秘密が保たれるのですか。信書の安全が保たれるのですか。あなた方はそういうことを公然とやりながらも、労使対決をしながら、けんかをしていかなければならないのか。あなた方がむずかしい試験をして大ぜいの応募者の中から——いま私の長岡なんかへ行ったら、郵政の職員になるとかあるいは電電公社に採用になるのは、よほどいい者でなければなれないのですよ。地方における若い者の職場では優秀な職場なんだ。私は都会や大阪はわかりませんけれども、婿をもらうなら、電電公社か郵政につとめている者を婿にもらいたいというのが地方における空気です。そうして採用した職員を信用できなくて、そんなしろうとに、基地を設けてそういうことをやらしておいて、それで郵政業務が全うせられるのかどうか。私は重大問題だと思います。 いま一つ申し上げます。もう時間がないですからこれで終わりにいたしますけれども、昨年の十二月二十五日、これは年末繁忙のときですが、長岡郵便局においてアルバイトを雇って年末の郵便の配達をさせました。そのときに、一人の学生を雇われました。その学生は二十五日に雇ったそうでございますけれども、二十六日、二十七日、二十八日、二十九日、三十日、大体一日千通ばかりずつの郵便物を持たせて出したそうでありますが、一日も配達いたしませんでした。みな観光会館などの縁の下へそれをぶん投げた、あるいは柿川という信濃川の中へぶん投げておいたのであります。ところが付近の方の中から、来るべき郵便物が一月になっても来ないじゃないかということで隣近所で騒いだけれども、そんなばかなことはありませんといって、郵便局長、天下に名だたる玉井という郵便局長が呵々大笑いたしまして、そんなばかなことがありますかと言ったけれども、はからざりき、その一月も過ぎて二月の何日かになりまして、初めて観光会館というその中にぶん投げてあった一包みが見つかって、初めてそういう犯罪行為が行なわれたことが明らかになった。それで本人を呼んで聞いてみたら、あにはからんや、観光会館にぶん投げただけではなくて、一日も配達しないでみなぶん投げたということが明らかになった。それに対して長岡郵便局は、いやいや六千通ではございません、せいぜい千通ぐらいでございます——見つかったのは千通でございますから、千通ぐらいでございますと言うけれども、同僚やその他の仲間の話を聞いてみますと、大体五千通はなくなっているはずでございますと言っているのでございますけれども、郵便物だけは出したものと受け取ったものの突き合わせができませんから、官側の千通から二千通程度のものでございますということばに対してわれわれは反撃できませんけれども、何しろ一通も配達しないのでありますから、こういうことに対して郵政省は四月になって調査に行った。どんな処分をされたかといったら、処分は一つもおやりにならない。何にもおやりにならない。ほおかぶりをしている。長岡市民にわびるでもない。そういうことをしていられるのにかかわらず、まだそのほとぼりのさめないうちに、七十カ所の前進基地を設けてまたこういうことをやらしているのみならず、私が四月に行ったら、今度はまた中学生までもアルバイトに雇って、四月の労使対決のときの配達をやらしておるような郵政行政で、一体これでいいのでありまするか、大臣。中学生まで雇ってアルバイトさせているという郵政、どこに一体欠陥があるのか。欠陥論争は私はもう時間がありませんけれども、結論を言えば官が悪いのです。郵政の高級官僚のやる郵政行政が全く間違っているのです。この点をひとつ郵政大臣、深く反省をされまして、私はあなたに要求しますことは、これこれの問題を早く収拾していただくとともに、国民の財産ですから、国民の財産のこの郵便物の信書の秘密と安全のために、いま少し画期的な郵政行政を進めるとともに、こういうことをやらなければならない、この郵政の高級官僚の行政の中に致命的な欠陥がある。決して末端の労働者にあるのじゃないのです。労働組合にあるのじゃないのです。官側にあるのですから、この点をひとつ根本的に改めてくださることを心からお願いいたします。郵政大臣の御答弁をお願いいたします。
○久野国務大臣 ただいま小林議員の御指摘の具体的な事例につきましては、私もその一端を報告を受けて、承知をいたしております。まことに遺憾なことだと存じます。このような事態が二度と生じないように私は指導監督をいたしてまいりたい、かように存じます。特に前進基地につきましては、例外的、臨時的に設けられたものでございますが、しかし、このような前進基地を設けざるを得ないような事態になったことは、これまた私は遺憾なことだと思う次第でございまして、今後とも労使間にともに信頼感を高めまして、そうして国民の皆さんの郵政業務に対する信頼感を高めていきたい、かように存ずるような次第でございます。
○小林(進)委員 郵政大臣に私は期待をいたしまして、御奮闘をお願いいたします。 私の質問を終わりたいと思います。 ————◇—————
○久保田委員長 次に、郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、審査に入ります。
○久保田委員長 まず、提案理由の説明を聴取いたします。郵政大臣久野忠治君。
○久野国務大臣 ただいま議題となりました郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。 郵便切手類及び印紙の売りさばき人に対して支払う現行の売りさばき手数料の率は、昭和四十六年一月に改正されて今日に至ったものでありますが、その後における労賃の増加傾向を勘案いたしまして、適正なものに改めようとするものであります。 改正内容は、売りさばき人の買い受け月額のうち、一万円をこえ五万円以下の金額に対する手数料の率を百分の六から百分の七に、五万円をこえ十万円以下の金額に対する手数料の率を百分の五から百分の六に引き上げようとするものであります。これによりまして買い受け月額が一万円をこえ十万円以下の売りさばき人はもちろん、十万円をこえる売りさばき人につきましても、買い受け月額のうち一万円をこえ十万円以下の金額に対する手数料は増加することになります。 以上が、この法律案の提案理由であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○久保田委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 本案に対する質疑は次回に譲ることといたします。 次回は明三十一日木曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時四十四分散会