逓信委員会 第16号
- 発言数
- 163 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1973/05/09
会議録
○久保田委員長 これより会議を開きます。 逓信行政に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。米田東吾君。
○米田委員 まず私、大臣に御質問をいたします。 大臣は、一昨日中国からお帰りになりまして、たいへん御苦労さまでございました。この中国訪問によりまして、新しくまた日本と中国の政府間において、日中海底ケーブル敷設に関する取りきめ、一つの両当事者の署名によるところの共同声明に準ずる成果をあげられたわけであります。私は、昨年の九月の日中国交の回復をなし遂げた共同声明以来、また一つの新しい前進を示したものだと思いますし、あわせて、去る四月の三日に大臣と鍾電信総局長との間に結ばれました日中間の通信関係のあり方についての合意、これをさらに具体的に前進をさせたものだと思うわけでありますけれども、この御努力とそれから成果について私は評価をするものでありますが、この際本委員会を通しまして、大臣のこの取りきめに至る交渉の経過、そしてその内容について報告をしていただきたい、こう思うわけでありますけれども、以上大臣にひとつお願いしておきたい。
○久野国務大臣 ただいま御質問にありましたように、私は去る二十八日東京を出発をいたしまして、七日帰国をいたしました。中国を訪問いたしまして、日中間の海底ケーブル建設に関する取りきめの合意文書に署名をいたしてまいったような次第でございます。 この文書を取りきめをいたしまする際には、問題点がなかったわけではございません。一番大きな問題点は二つございました。そのまず第一は、この表題をどうするかということでございました。それから、第二番目は、陸揚げ地をどこにするかということでございました。この問題について専門家会議は夜を徹して行なわれたのでございます。私もその協議に参加をいたしたのでございますが、このような真剣な討議の結果、最終的には報道等で知らされましたような取りきめが行なわれたわけでございます。 この第一の問題点でありまする表題につきましては、中国側が強く主張をいたしました点は、日中国交正常化が昨年の九月達成をされました。その国交正常化は達成されたけれども、実際の実務的な取りきめは何一つできていないではないか、たとえていうならば、航空協定もいま結ばれていない、それから通商航海条約も締結をされていない、漁業協定もまだ締結をされていない、だから実際のこの日中間の国交正常化の実をあげていないわけであるから、こういうような際に日中海底ケーブル取りきめについて両国政府間において何らかの合意を得、その取りきめ文書の交換を行なうということはきわめて意義が深い、そういう意味からぜひひとつこの合意文書については政府間協定の形をとってほしい、表題については協定という文字を使ってもらいたいという強い要請がございました。これについてわがほうといたしましては、協定ということになりますとこれは外交文書でございまして、郵政大臣の所管外の権限に属します、非常に残念なことではありますが、この協定という表題を使うことは私としてはでき得ません、こういうふうに意見を言いました。それから、私たちといたしましては、合意議事録という表題ではいかがなものかということの意見を申し出たのでございますが、中国側はこれには応じませんでした。そういうような話し合いが数回にわたって行なわれたのでございます。 それからもう一つは陸揚げ地の点でございますが、日本側といたしましては、われわれといたしましては、これはあくまでも海底並びに陸揚げ地点の状態を十分技術的な検討をした上でこれをきめたい、かように主張いたしましたが、中国側といたしましては、陸揚げ地については先般の協議の際には中国側は上海市付近、こう言っておるのであるから、日本側においてもこの陸揚げ地を何らかの形でこの合意文書の中に記載すべきである、こういうふうに主張をされたわけでございますが、あくまでも技術的調査の検討をまった上でこれをきめたい、こういうふうに主張いたしました。 この二点について合意を取りつけることはなかなかむずかしかったのでございますが、最終的に政治的な判断によりまして、これはおそらく私の推定でございますが、中国側の最高幹部の決定によってなされたものと思われますが、私たち日本側が主張いたしました点にすべてこれを合意をされまして、そうしてその表題については取りきめという私たちの主張どおりに決定をされたような次第でございます。陸揚げ地につきましては、先ほど来申し上げましたようにやはり技術的な調査が必要でございますから、今後の専門的な海底陸揚げ地点の調査の結果をまってこれを決定をする、その際には両国の当事者間において専門的な検討を行なうということで、これもこの取りきめの文案の中には具体的な地域が記載をされなかったのでございます。 以上のような観点でこのような重要な取りきめがなされたわけでございまして、これはひとえに当逓信委員会の皆さんの今日までの御協力、御支援のたまものでございまして、この機会にあらためて厚く皆さんの御協力に対しましては深く敬意を表し、感謝を申し上げるような次第でございます。特に、五月三日の日に人民大会堂におきまして周恩来首相をはじめ姫鵬飛外相も同席をせられまして、午後五時から会談が一時間十分にわたって行なわれましたが、この会談の席上、周恩来首相の発言の中には、今日このような合意文書の取りきめがまとめられようとしておることは、要するに日中両国民大多数の今日までの両国の友好親善のための努力の結集である、そういう意味からわれわれはこれを高く評価しておるというような意味の御発言もあったような次第でございまして、今日まで日中両国の友好親善関係促進のために御努力をいただきました皆さんに対して、この機会を通じて厚く御礼を申し上げるような次第でございます。 以上のような問題点等につきましても合意を得まして、合意文書に署名をすることができ得ましたことを、ここに御報告を申し上げ、皆さんの御理解をいただきたいと思います。
○米田委員 いろいろ御苦労なさったわけでありまして、ほんとうにたいへんな御努力だったと思うわけであります。この御苦労なさった表題あるいはケーブルの陸揚げ地点、こうした関係につきましては最終的に不満足ながらも合意を取りつけて、この取りきめ文書の署名に至ったわけでございまして、内容や形式がかりに不十分でありましても、久野郵政大臣と中国の閣僚である鐘電信総局長との間における取りきめであった、このことだけは厳然たる事実でありまして、そういう面からいきまして、今日、すでに日中正常化以来いわれるところの実務者あるいは当事者間の具体的な協定や共同声明等が進展を見せておらない現段階におきまして、最初に海中ケーブルの敷設についての取りきめができたということは私は非常に評価すべきだ、しかもこの取りきめの内容たるものは日中間の友好の最も先駆的な役割りを果たす通信の胴体をつくり上げる非常に重要な内容を持った取りきめであり、それだけにこの取りきめの成果というものは私は大いに高く評価すべきであろう、こういうふうに思うわけであります。 ただ、二、三私は関連をして御質問をしておきたいのでございますが、この取りきめの第六条でございましょうか六項でございましょうか、新聞では第六条となっておるわけでありますが、建設の当事者間の協定がこれからの課題になってくるわけであります。具体的な相互の交渉を通しまして、実行計画なるものがKDDと上海の電信局との間にこの協定が結ばれることになるわけであります。それから三年前後で待望のケーブルが敷設をされることになる。すでにこの第六条に基づく具体的な当事者間の話し合い、協定を結ぶための努力というものは、大臣が伴われましたKDDの当事者間におきまして、すでに第一回の話し合いが上海等で行なわれたというような報道もありましたけれども、この間につきましてはいろいろまた問題も出てくるのだろうと私思うわけでありますが、基本的には、経費、保守あるいはその他の切半の原則のもとに大綱はこの取りきめによってなされておりますけれども、技術的な分野になりますと、日本と中国とは通信の施設、機能、そういうようなものが違うだけに、いろいろ問題も出てくるような気がするわけでありますけれども、この点についての見通しは大臣はどんなふうに立てておられるか。先月の三日に東京で結ばれましたこの基礎になりました合意書、これには第一項の終わりのほうに、電気通信全般について友好、互恵、平等の精神で改善に努力する、そのため経験と技術と人の交流を促進する、ということがお互いに確約をされておるわけであります。経験と技術と人の交流、この合意は通信の基本に関する取りきめでありますから、単に海底ケーブルだけでなしに、その他予想される通信の全般について、こういう高い次元から今後両国間において経験と技術と人の交流を促進していこう、私はこういう合意に達したのではないか、こう思うわけであります。 こういうことからも関連いたしまして、友好的にこの当事者間の交渉なり協定への作業というものが進むものと思いますけれども、一体いつごろをめどに見ておられるのか、あわせて大臣からお聞きをしておきたい。
○久野国務大臣 東京で会談をいたしました際に合意された事項は、数点にわたっておることは事実でございます。しかしながら、最終的には取りきめの文案の中にはこれは記載をされなかったわけでございます。しかしながら私たちが会談をいたしました際に、今回の日中間の海底ケーブルというものの意義については、やはり日中問の通信関係、こうした点についての技術、人的交流、こういうものを深めながら両国の友好親善関係をさらに促進するということが話し合いの中で数回にわたって行なわれたような次第でございます。特に周恩来首相はこの点にも言及をせられまして、ことばでもってとやかく言うべき筋合いのものではない。たとえて申し上げますと、わがほうは取りきめという文字を使いましたが、中国側の表題は協議という文字を使ったのでございます。そういうようなことばの問題ではない、要は実行である、であるから一刻も早くこの事業がすみやかに実行されることを期待するという首相の発言もあったような次第でございます。 ただいま御指摘の両三年以内に云々ということでございますが、これは合意文書の中に記載をされておるわけでございます。記載をされておるわけでございますが、私は、この両三年にこの事業を完成させるためにはすみやかに建設当事者間において話し合いを進める必要がある、かように考えておりました。私の想像では、おそらく九月ごろにこの建設当事者間の第一回の話し合いが行なわれるものと推定をいたしておりましたところ、上海に私たちが到着をいたしましたら、KDDの板野副社長と上海電信局長との間で話し合いが行なわれまして、早急に会議を持とうということになりました。そこで、六月の初旬に六名のKDDの技術担当部門の方たちが上海へ出向かれまして、上海電信局の関係者の皆さんと具体的に話し合いを詰めることになったような次第でございます。でありますから、私は三年ということではなく、できるだけ早い期間にこの事業が促進をされるものと期待をいたしておるような次第でございます。
○米田委員 わかりました。 いま一点だけお聞きしておきたいのです。大臣は、今回の場合は郵政大臣として招待を受け、また訪問をされたわけであります。その限りでは田中内閣の郵政大臣としての資格と権威がございますので、北京滞在中においては、あなたの見聞あるいは御活躍の面では、私の推定でありますけれども、私は相当の制約があったろうと思う、一代議士個人として訪問されたわけでありませんので。そういうことは推測をいたしますけれども、しかし大臣は政治家としては特に中国、朝鮮、ベトナム、こうしたアジア地域に目を開いた見識と、そうしてまた政治的手腕を持っておられるわけであります。私は今回の、約一週間程度の期間でありましたけれども、この期間は、そういう面でもいろいろな面で有効な日々ではなかったか、こういうふうにも思うわけであります。ましてこのケーブルはその取りきめや合意の中に明確でありますように、単に日中両国間の通信に用立てるものだけではございません。要するに北京以遠あるいは東京以遠という以遠権をも認め、これは他のすべての国にこのケーブル、この通信というものは共用させる、そうしてお互いの友好と平和と経済の発展のために役立てるという基本的な認識についても合意しておるわけであります。したがいまして、北京を中継ということになりますと、今日の日本の情勢から判断いたしまして、ベトナムあるいは朝鮮民主主義人民共和国、また場合によってはモンゴル、こういう地域に対しましても目を開いて今度の旅行の機会にそれなりに大臣は接触をされたのではないか、こういうような感じも私は持っております。したがいまして、そういう点で大臣が得るものがありましたら、ひとつ卒直にお聞かせ願えないか、このことを質問しておきたいと思います。
○久野国務大臣 各国との間の通信需要を満たすために、あるいは通信関係の改善のためにお互いに協力し合うことは、私は当然のことであると思うのであります。ただいま御指摘のように、今回取りきめされました合意文書の中には、「他の諸国との間の通信にも積極的に利用されるものとする。」ことに合意したと第一条の目的の中に書いてあるわけでございます。でありますから、日中間の海底ケーブルの以遠権をこれで認めたことになるわけでございます。もちろん日本からアメリカに対する以遠権も含まれるわけでございます。でありますから非常にこれは重要な幹線になるわけでございます。そういう際に、今日まだ日本の国が未承認国として国交を回復をしていないアジア諸地域の国、たとえて申し上げますと、ベトナム民主共和国、朝鮮民主主義人民共和国、こういうような各国との間の通信需要をまかなうために、何らかの有意義な作用をこれがするのではないかというふうに私も考えておるような次第でございます。しかしながら今日まだ国交が回復をされておりませんので、正式にこれらの諸国との間と接触をすることは、残念ながら今回は私はでき得ませんでした。 ところが、実は北京へ到着をいたしましたのが四月二十九日の深夜でございました。正確に申しますと三十日の午前零時二十分でございましたが、空港に多数の中国側要人の方皆さまにお出迎えをいただいたのでございます。このお出迎えをいただきました要人の皆さまの中に、朝鮮民主主義人民共和国の北京駐在大使館の李参事官の姿が見えました。記章をつけておられましたので、私はすばやく手を差し出しまして、ともに握手をかわしたのでございました。私は一言もことばはかわしませんでしたけれども、以心伝心で、私の心のうちは相手方に通じたものと信じておる次第でございます。その後何らかの接触があるかとも考えておりましたが、そのような接触はございませんでした。しかし米田委員御承知のとおり、朝鮮民主主義人民共和国いわゆる北朝鮮並びに北ベトナムとの間の直通通信回線の問題につきましては、KDDが中心になりまして、短波無線等を通じて直接な通信網の開通ができ得るように目下話し合いが進められておるのでございまして、この話し合いがまとまりますれば、郵政大臣として私が承認をすることになるわけでございます。でありますから、これらの諸国との間に一日も早く直通通信回線が設置されることを私は期待をいたしておるような次第でございます。 これらの諸問題につきましては、米田委員も今日までいろいろ御苦労いただいた方の一人でございますし、逓信委員会の委員の皆さんでいろいろと今日まで御努力をいただいた方もたくさんおありでございました。このような機会に、北京空港で朝鮮民主主義人民共和国の駐在大使館の方と私がお会いをしたということを御報告申し上げるような次第でございます。
○米田委員 次に、ほかの問題でございますけれども、もう一、二御質問したいのでございます。 大臣は出発直前まで、今次春闘について郵政省関係の問題解決のために御努力をなさったと私は思うわけであります。もしそれがなければ中国には行けなかっただろう、こういうふうに私は思うわけであります。 そこで、多く申しませんが、四月二十七日の夕方から二十八日の未明にかけまして、精力的な労使トップの段階における交渉等を通しまして、今次春闘は大体その中心部隊の妥結を見たということになると私は思うのであります。この中に当然大臣が所管される全逓あるいは全電通、その他関係の組合に関する問題の解決あるいは処理というものが含まれておると私は思うわけであります。特に、問題が非常に複雑でしかも困難をきわめたのは、この中でも全逓関係ではないか。これは、その対象となる事業の主体がもうからない郵便であるということが私はそうさせたと思うのでありますけれども、いずれにしても全逓関係が一番困難をきわめたのではないか、こういうふうに思うわけであります。しかし申し上げましたように、全逓も含めまして事態は二十八日の未明に解決をした、こういうような事態を迎えておりますので、私もその面については喜んでおるわけでありますけれども、この際大臣にお聞きしたいのは、私も正確なものはわかりませんが、新聞の報道によりますと、総評の事務局長それから政府を代表して山下官房副長官との間に、また二階堂官房長官との間に七項目の事項が合意に達して、それに基づいて収拾をされた。私いまここに七項目のあれを持っておりますけれども、この中で大臣に関係するたとえば第二項の「政府は、労使関係の正常化に努力する。」第四項の「処分については、公正、慎重に行なう。」第五項の「過去の処分に伴う昇給延伸の回復の問題については、引き続き協議する。」こういう部分が私は大臣と全逓等の間におけるこの問題の集約点ではないか、こう思うわけであります。これらについて私は当然大臣と全逓との間に合意があわせてなされたものと確信いたしますけれども、この際大臣から、少なくともこの七項目の中のいま申しました三つの項目について今後解決をされるわけでありますから、大臣の所信をひとつはっきりお聞きしておきたい、こう思うわけであります。
○久野国務大臣 ただいま御指摘のとおり、出発を前にいたしまして、二十七日の深夜まで私はいろいろと交渉をいたしたことは事実でございます。その間におきまして、政府とそれから関係者間との間に七項目にわたる合意事項が取りきめられたわけでございます。その合意事項の中で、私の所管事項の中で非常に重要な事項が三つございました。その三つは、ただいま具体的にお示しになった点でございます。その点について関係者の各位から、二十七日の深夜に及んでいろいろと具体的な御意見等が述べられました。そうした点について私の判断を求められたわけでございます。そこで私が関係者の皆さんに申し上げましたことは、明日中国へ出発の予定でございますが、中国から帰りましたら誠意をもって皆さんの御意見については努力をいたします、話し合いをすることに努力をいたしますということを皆さんに申し上げ、皆さんも納得をしていただいたような次第でございます。私は就任早々から皆さんにも申し上げておりますように、労使間の円満な協調関係の充実なくして郵政事業の進展はあり得ないということが私の就任以来数次にわたって皆さんに申し上げておるところでございます。であるだけに、御指摘の三点等につきましては今後関係者の皆さんと十分話し合いをいたしまして誠意を尽くしたい、かように存ずる次第でございます。
○米田委員 次に人事局長にお聞きしたいのでございますけれども、私昨晩のテレビでも見ましたが、きょうまた大体東京の各紙は報道しておりますが、日弁連の人権擁護委員会が、全逓等から提訴されました郵政省のブラザー制度、これに対しまして十分な調査と検討を加えた結果、一定の見解を出しまして、これを郵政省に勧告するのだ、こういう報道がなされております。私はこの内容を見まして、かつて私どもが、このブラザー制度については郵政省がどのような説明を加えようと、現実に現場に出ている状態というものは明らかに人権侵害だ、要するにブラザーの兄と弟の関係に見ますと、弟のほうには人権がない、全く行き過ぎだ、二十四時間監視の体制こそがこのブラザー制度の本質ではないか、これはもうこの委員会で一昨年以来、おそらく数十回になるのじゃないかと私思いますけれども、取り上げまして、郵政省の反省とこの運用等について厳重な意見を申し上げ、即刻この制度はやめるべきではないか、こういうことを申し上げてまいったわけでございますけれども、あなたのほうでは中身について内容の変更等加えておるようには思いますが、この制度自体は今日生きている。そしてあなたのほうのいわば地方から上がってこられた若い職員に対する郵政省の一つの恩恵的な世話役制度であって、言われるところの人権を無視したりあるいは労働対策等にこれが使われているものでは決してないという説明をなさっておられますけれども、私はこの日弁連の人権擁護委員会が指摘したこの事実というものは正しいし、そしてまた郵政省は大臣はじめ、特に人事の担当であられる人事局長は謙虚にこの指摘を受けて、直ちにこのブラザー制度というものはやめたほうがよろしい、これがなくても郵政省の人事管理あるいは職員に対する教育、養成、管理等は十分なされると私は実は見ておりますけれども、そういうふうにすべきではないかと思いますが、この人権擁護委員会の勧告に対する局長の見解と姿勢をひとつ伺っておきたい。
○北政府委員 昨夜警告書の案というものをもらったわけでございます。正式の警告書はまだもらっておらないわけでございます。したがいまして、内容についても十分理解はいたしておらないわけでございますが、私ただいままでに承知いたしております限りにおきましては、本件は、昭和四十六年の十一月に全逓が日弁連に提訴をした問題、それについて今回意見が出る、こういうものでございます。したがいまして、その後日弁連では関係者を招致して意見を聞く、いろいろのことがあったようでございますけれども、それらの事実というものは、私の承知いたします限りにおきましてすべて四十五年及び四十六年当時の事実でありまして、そういった事実につきまして日弁連でいろいろ調べられまして、それに基づいて一定の見解を出されたものと、かように理解しておるわけでございます。ところが四十五年、四十六年当時——実は当時はこの制度は現在と名前も違っておったわけでありまして、また当時は本省施策ではなくて各郵政局で独自施策としてやっておったものでありまして、そういう経過の中で現実に関係の組合からいろいろ苦情もたくさん出てくる。それから先生おっしゃいましたように、国会におきましてもいろいろ御指摘があったわけであります。そこで私どもはそういった声に十分耳を傾けまして、反省すべき点は反省するという態度をとりまして、昨年の二月二十九日にあらためてこれを本省の統一施策といたしまして、そして従来指摘されておったような内容で私どもも反省すべきだと思われます点につきましては削除する、あるいは改めるということをやりまして、現在では名前も職場リーダー制度というふうにその機会に改めて、内容的にも一新したものを今日やっておるわけでございます。そうして、このいわば新しい制度でやりましてから、本件についての具体的な苦情というものはほとんど上がっておらないわけでございます。ただ日弁連の意見書の中にもただ一件出ておりますが、まさしくその一件だけがその後の事案としてただいま六人委員会にかかっておる。それ以外一件も苦情がない。ですから、旧制度の場合はあまたの苦情がございましたけれども、新制度になりましてからは具体的には苦情というものがほとんどない、こういう状況であります。 反面この制度は、先生も御理解いただいておりますように、雇用対策の一助といいますか、大都市における新入職員の定着性を高める施策の一助として有効に働いておる、こういうふうに考えておりますので、かりにこの日弁連の警告書が参りましたら、私どもそれを十分しさいに検討いたしまして、さらに聞くべき点があれば謙虚に聞きたいと思いますけれども、そういったことでありますので、今後もこの制度は続けてまいりたい、かように考えておる次第であります。
○米田委員 承服できませんね。確かにいま御答弁いただきましたように、名称が変わった、内容の行き過ぎ部分については訂正あるいは修正をされたと言われておるわけでありますけれども、このブラザー制度、日弁連の人権擁護委員会が指摘している中心もそこでありますけれども、要するにマン・ツー・マン方式である、これは変わってないはずであります。一時私どもが本委員会でこれを問題にいたしましたときに、あなたのほうでは、場合によれば二人制にしようか、ブラザーの兄のほうを二人くらいにして、そして弟のほうのめんどうを見てやるようなそういう制度にしようかというようなことを言っておりましたけれども、やはりマン・ツー・マンの方式で、そしてその兄についてに全面的に弟の世話役というものを、命令、任務づけておるわけであります。したがって、特に大都市、東京等におきましては、地方から来る人はほとんど全寮制度的に、あなたのほうでは宿舎なども考えられて寮に入れておられる。開放された寮の中まで、この兄は実は機能しているわけなんです。そういうものは私は変わっておらないと思う。この点はどういうふうに変わっておるのか、これが一つ。 それから要するに弟のほうの自由の二十四時間拘束であります。このことについては、たとえば職場にいるときだけであって、勤務から解放されたあとはそういうことがないとか、何かそういう面で改善があるのかどうか。私が承知しているところでは、依然としてその寮の中に寮長とか、あなたのほうのブラザーの兄にふさわしいような者を配置して、よけいなめんどうを見させて自由を拘束しておる、こういうような事実があるわけであります。これについてはどうか。 それからいま一つは、いわゆる兄のほうは局長やあなたのほうの課長の指名でありますから、弟のほうの求めに応じて兄がきまるのじゃないのです。したがいまして、どうしても、これはいわゆる良識者グループというふうにいわれておりますけれども、第二組合あるいは非適職員、あなたのほうでいう良識者グループという、この一方的なあなたのほうの判断と指名によってきまる兄の選定、これが変わっておるのかどうか。かつて私どもがこのことを指摘しましたときには、全逓の組合さんでもやっていますというようなことを答弁されましたが、実際調べてみますと、全くそれは九九%の残り一%かあるいは〇・五%程度であって、実態は、もう九九・五まではあなたのほうの良識者グループ、その中でも戦闘的、先鋭的な第二組合の諸君を兄に指名しておる。 この三つは変わったのかどうか、具体的にひとつ答弁してください。
○北政府委員 最初のマン・ツー・マンの関係でございますが、マン・ツー・マンの基本は新制度におきましても維持しております。ただマン・ツー・マンオンリーではなくて、メン・ツー・メンという部面も取り入れたほうがいいようなケースにはこれも取り入れろということを言っております。また従来のマン・ツー・マンは、従来も現在でもそうでありますが、このめんどうを見る期間は一年間としております。その場合、従来は一人の人が一年間新入社員のめんどうを見る、こういうことでございましたけれども、一人の人がということになりますと、その人の個人的な影響というものを相当強く受けるだろう、これはいい点もあれば悪い点もあるというふうに思いますが、そういうことで、その一年間を前半と後半に区別いたしまして、前半にはかりにAという人をブラザーにすれば、後半は別人のBという人をブラザーにつけるという制度に改めております。 それから寮等へも行くではないか、公私両面において世話をするじゃないか、その点は従来も今日も同じでございます。ただ、新制度の中では、旧制度の中でいま御指摘のようなこともございましたので、世話役といいましても、押しつけがましいことをしてはならぬということを今度の新しい制度では特別の留意点として示しております。したがって、相手がいやがるのに無理押しにいくとか、長時間というようなことはなるべく避ける、受け身でやるように指導をしております。それから寮、ことによそから大都会へ来た若い職員は、現在では、ことに郵便の外務の場合は希望すれば全員寮へ入られるだけの施設を整えておりますが、そこにおります寮長というのはブラザーと全く関係がございませんで、これは多数の職員が共同生活をするわけですから、おのずから規律というもの、あるいは寮の管理、そういうものが必要になりますので、そういった意味で、大きな独身寮には寮長を配置しておるというものでございまして、この制度とは関係がないわけでございます。 それから第三点の、新入職員の求めで兄が指定されるわけではなかろうということでございますが、それはやはり新入職員が相手でございますから、新入職員はまだ本来なじみがないわけであります。したがいまして、これは兄のほうをきめてやって、そして弟のほうをこれに組み合わせるというシステムをとっております。しかしその場合、しばらくたちまして弟のほうがどうしても兄をかえてくれというような場合には、いろいろ事情も聞くわけでありますけれども、それはかえるということもあり得る、あるいは極端な場合、もう自分は兄が要らぬというような場合、これもいろいろ事情は聞きますけれども、どうしても要らぬという場合に、つけても無意味でありますから、そういった場合にもつけないという指導をしております。それから、兄がほとんど全部全逓ではないんじゃないかという御指摘でありますが、その点は、四十六年当時に、国会等でいろいろ御質問がありましたときに当時の数字をお示しした記憶がございますが、その当時の数字でも全体的には全逓が一番多かった、この点は間違いございません。ただ局別に見ますと、先生のおっしゃったような局がございます。そういったところにつきましては、そういう極端なことにならないように当時指導しておりますので、今日はそういう非常に極端なことはないと思います。ただ、従来の制度の中では、このブラザーが主事とか主任とかという役職中心に選定されておった向きがございましたので、やはり年齢的にもある程度接近しておったほうがいいという角度から、新制度では大体五歳ないし十歳の年齢差を持つ人間に指名をするのが妥当だという指導をしております。個々の局で、そういった年齢層のどの組合に属しておるかという率、こういったところも考えなければいけないと思いますが、要するに総体といたしまして、そういった特定の組合にブラザーが片寄っておるというようなことはないと思っております。
○米田委員 最後にもう一つブラザーで聞いていきます。 はっきり申し上げて、弟のほうがお断わりすれば兄を強制してつけるということはやりませんか。これが一つ。これはかってはそういうことをしないという答弁があったわけでありますから、本人がいやだ、おれは一人でたくさんだという場合は、無理やり兄を強制してつけるようなことはしない、そういうことが前に約束されたように思っておりますので、もう一回確認しておきたい。 それから、この制度の中では、兄に一定の金額を、これは立てかえ払いか前渡しか、いずれにいたしましても、コーヒーを飲むとか芝居に行くとか、何かそういう場合の負担だということで一カ月千円ないし二千円程度の経費支出をされておったのです。これはいまはどうなっておりますか。おそらくこれは、指摘をされましてやめるということになったんじゃないかと私記憶しておるのでありますが、いまそれはないということであれば、ないということで答弁をしていただきたい。 それから第三点。現状においては、要するに新しい制度になりましては日弁連の指摘されるような事実はない、十分注意をしている、したがってこのブラザーは今後も続けるという答弁でございますけれども、まあ私どももブラザーにつきましてはことさらに現状において資料を調査いたしておりませんので、具体的な事実の有無についてはいま手元に正確な資料はありませんからこれ以上追及はできませんが、もし懸念されるような、あるいは人権擁護委員会の指摘されるような事実があれば、そのときこそほんとうにブラザー制度はやめる、こういうことに踏み切りますか。 この三点、もう一回ひとつ聞いておきます。
○北政府委員 第一点でございますが、私も記憶がございます。国会におきまして当時そういう御質問がありまして、たしかそういった事例は一件も聞いておりません、おりませんが、かりにそういったことがあれば、先ほどお答えいたしましたように兄はつけない、こういうことになるだろう、こう申しております。その後は実はそういった具体例は聞いておりません。 それから第二点といたしまして経費でございますが、経費につきましては従来御指摘がありました。その御指摘は、ルーズなんじゃないかということでございました。したがいまして新制度におきましては、その支出を厳正にするために各郵便局ごとに事務担当者を定めまして、その支出状況につきまして局長が監査を励行する、こういうこにしております。その金額は、従来でも新制度におきましても、月額一千円以内ということで立てかえ払いということでございます。ただ、従来はそれだけの規定でございましたので、たとえばある月全然そういう経費の支出がなければ、その次の月には合わせて二千円のワクがある、こういう観念でやっておったところもございましたが、新制度におきましてはそういった観念はだめで、ある月に全然使わなければそれはその月限りでそのワクは消滅してしまうのである、一カ月いかなる意味におきましても千円以内にとどめる、三千円かかっても千円、こういうことにはっきりいたしております。 それから最後の、今後そういう事実が生じた場合どうするかということでございますが、そういう事実は生じないように努力をいたします。万一生じた場合には、あるいは生ずる傾向があるということであれば、その点についてはさらに是正方考究をしたい、かように考えております。
○米田委員 時間もないのですが、新潟県の長岡の問題にしぼってもう一つだけお聞きをしておきたいのであります。 時間がありませんから一番ポイントだけ一つ聞いておきますが、いま郵政省の職員の処分等に関する規定というものはどういうふうになっているのでございますか。だいぶ現場の局長に委任をされまして、局長の判断あるいは局長の権限で処分が乱発できるような状態になっているんじゃないか。郵政部内職員訓告規程、各郵政局ごとに設けてある管内処分等関係事務取扱細則、いろいろ処分権が委任をされまして処分というものが行なわれておるようであります。たとえば長岡では、四十七年、昨年の五月から本年の三月二十七日まで十カ月間、これは局長処分でありますが、二カ月の減給が一人、一カ月の減給が一人、したがって減給は二人、訓告十四名、厳重注意三十九名、口頭注意二十三名、合計七十八名というのが処分されておる。こういうことで一体現場の郵便局が運転するだろうかというふうに私はほんとうに疑問に思うのですけれども、まあ、してはおりますけれども、しかし市民のひんしゅくを買うぐらいに遅配、欠配、郵便の混乱というものは慢性的にここは続いておる。これはあなたのほうは十分御承知のところなんです。権力の力で処分等の方法で職員を意のままに動かそうたっていまは通らぬ時代ですよ。何かそういう間違った時代錯誤といいますか、イソップ物語じゃないけれども、風の神が旅人のマントをはがせるためにどんどんと風を起こしたけれどもとうとうはがれなかった、太陽が笑って、おれがマントをはがしてみせるといってあたたかい太陽の熱をもって注いだらすぐ旅人はマントをとったということがありますね。まあそんなことは例になりませんでしょうけれども、今日の段階では、わずか十カ月間に七十八名も処分の処分の処分の連続をやって、そうして職員を手なずけて一体仕事ができるとお考えでしょうか。郵政省は八〇%をこえる部分が人の問題だといわれておる。それだけにまた現場管理者も、対人、対労務対策というものが十分でなければ経営者としての資格も与えられないというところまでいま来ている。こういうときでありますが、制度的にこういう乱発ができるようになっているのかどうか、これは一体どうなんでしょうか、ひとつこのことだけ聞かしてもらいたい。
○北政府委員 処分につきましては、その処分の程度あるいは処分を受ける人のポストに応じましてそれぞれ処分権の委任の区分がなされておりまして、大臣発令の処分もあれば郵政局長発令あるいは所属長発令、おおむね三段階の区分が定められておりまして、それによって処分をしております。また処分につきましては当然公正あるいは慎重に行なうということでありまして、そういうことでやっておるわけであります。
○米田委員 それでは答弁にならぬのですが、内部のあなたのほうの委任の関係の規定はどうなっているのでしょうかね。これは、現場の局長はこういうふうに自己の持つ権限だということで処分を乱発できるようなシステムになっているのでしょうか。そうだとすれば問題だと思う。ちょうど気違いに刃物を与えたようなものです。どこに一体その歯どめがあるのか。慎重に慎重にと言うたってことばのあやだけだ。これは一体処分の委任事項あるいは処分のあなたのほうの制度の中に問題はありませんか。問題提起をしておきますけれども、最後に答弁してください。
○北政府委員 処分につきましては一定の委任区分を設けるべきことはこれは当然でありまして、、その中で所属長権限にゆだねるべき区分もあることも、これは当然だと思います。ただ処分をします場合に、そのときどきの思いつきで処分をするということではございませんで、これを慎重にやらせるということは、処分の標準というものもございますし、従来の処分をやった実績もございまして、それらによって彼此権衡を失しないように処分をやらしておる次第でございます。
○米田委員 時間がありませんからやめますが、軽々にやっているようなことはないとおっしゃいますが、私は時間がないからこれは読み上げませんけれども、この七十八名の処分者の、厳重注意、口頭注意も含めまして、局長が理由としたのは全部私のところに資料があります。全く感情的、全く軽率、これは公務員の職権乱用に全く一致する内容だと実は私は見ているのです。こんなことで処分、処分をやられたら、処分自身が意味をなさない。同時に職場規律なんというものはこんなことで達成されるはずはない、悪循環です。そしてあなたのほうは、ただ二言目には減給や減額あるいは昇給延伸とか、そういうものの対象にしていくだけなんだ。その不利益さえ克服すれば、こんなものは痛くもかゆくもないのですよ、現場の労働者は。全く感情的な、ほんとうにそのときそのときの——かりにエキサイトしておるとすれば、そのときのあることばのやりとりの端々、そういうようなことをとって、口頭注意だとか厳重注意だとか訓告だとか、みんな出している。全部あります。 時間がありませんからやめますけれども、長岡の局長がここへ着任して以来、四十五年の八月からですけれども、局長権限で出した長岡における処分の実態調査をひとつあなたのほうでやってくれませんか。いかがですか。
○北政府委員 よく調べてみます。
○米田委員 私は厳重にそのことを申し上げて、要望しておきます。 以上で質問を終わります。
○久保田委員長 次に、阿部未喜男君。
○阿部(未)委員 大臣にお伺いしますけれども、特に全逓と郵政省の労使関係がきわめてよろしくないということが、ここ数年来マスコミ等にも指摘をされてきたところでございます。 ところで、一昨年の四月、全逓の組合が労務政策の変更を求めて春闘でいろいろ郵政当局との間に議論を重ねたところでありますし、さらに一昨年の暮れの十二月のいわゆる年末闘争において、労務政策の変更について郵政当局との間に合意を見て、労使の正常化に努力をするということになったというふうにわれわれ聞き及んでおりますが、その後一年半ばかりの期間が経過をしておりますけれども、最近における郵政の労使の関係について大臣はどういうふうにお考えになっておるか、承りたいと思います。
○久野国務大臣 先ほど来米田委員からの御質問にもお答え申し上げましたとおり、労使間の円満な協調なくしては郵政事業の進展はあり得ない、これが私の就任の弁でございます。今日もこの考え方は変わっていないのでございまして、やはりこの労使間にでき得る限り円満な協調関係を樹立するための措置について、具体的にどうしたらいいかという点につきましては、具体的な事実等を調査しながら話し合いをいたしておるような次第でございますし、私自身事務当局にもこの点を命じまして、そして努力をするようにということを指示いたしておるような次第でございます。
○阿部(未)委員 私は、最近の歴代の郵政大臣、特に井出郵政大臣、廣瀬郵政大臣、そして今日の久野郵政大臣、それぞれの大臣の労使関係について正常化したいという所信とその施策について疑うものではございませんし、また特にここにお見えの郵政当局の幹部の皆さん方においても、労使関係の正常化について熱意を持って取り組んでおるというふうにこの国会の議論を通じて理解をしております。しかし残念ながら、今日下部の郵便局の現場に行ってみますと、そういう幹部の皆さんの考えとはうらはらに、きわめて陰湿な労使の関係が散見をされるわけでございます。特に私は、その間、幹部の意思が下部の、特に現場の管理者と呼ばれる局長や課長にまで徹底をしていないきらいがあるのではないかということをしみじみ感ずるのですけれども、もしそういう上部の大臣をはじめとする郵政当局の幹部の皆さん方の意思が下部に徹底をせず、その意思を遂行しない下部の管理者があるとするならば、それに対してはどういう措置をおとりになるお考えか、承りたいのです。
○久野国務大臣 実態をよく調査した上でなければ、具体的なことについては私の意見は申し上げることはいかがかと存じますが、しかし私といたしましては、やはり十分現場の管理者に私自身の意思は通じておるものと信じておる次第でございます。そのような事実がかりに発生するということであるならば、その事実を十分調査をいたしまして、そして具体的な処置については検討いたしたい、かように存ずる次第でございます。
○阿部(未)委員 それぞれ職を持っておる職員の方々は、たとえそれが行政処分であろうとも、処分を受くることによって一生多くの不利益を受くる。そういうことになりますので、処分というものはきわめて慎重にかつ公正に行なわれなければならぬものだと私は理解をするのです。ところが、この労働問題に関する行政処分については全く管理者側の、特に現場で権限を付与されておる方々の一方的な判断によって処分が行なわれておるように考えられます。 そこで私はかねてからこの委員会で、いまお見えの北人事局長に提案をして、こういうふうに扱ったらどうかということも申し上げたので、ひとつ大臣にも申し上げてお考えを聞きたいと思うのです。 極悪非道と呼ばれるたとえば親を殺したような罪人でさえ、自分の行為について疎明をされる機会を与えられる。ところが郵政省の行政処分たるや、全く一方的に管理者の現認と称するものによって、本人に疎明をする機会さえ与えられずに処分が行なわれている。これはまことに一方的に過ぎるから、公正を期するために、少なくとも本人または第三者の意見を徴するような処分の機構を持つべきではないかということについて提案をし、そして北人事局長のほうでも検討をするということになっておるのですけれども、すでに三年になんなんとするのですが、この問題について事務当局はなぜ前進をした検討をしないのか。またこの提案について大臣はどうお考えになるか、承りたいのです。
○北政府委員 確かに先生たびたびそういう御主張でおいでになりまして、私もそういうふうにお答えしております。それで、そういう先生の御意見がありましたので、私どもも、別に通達とかそういうものではございませんが、会議のときに、相手の言い分もできるだけ聞けということは指示しております。 ただ実際問題といたしましては、相手はやっておらぬという一点ばりの場合も多うございます。それから、そんなことは疎明する必要もないといって来ない場合も多々ございます。その中で、そういったことも含めまして、あるいはそういう相手方の話が得られない場合には、はっきりした現認がなければいかぬ、すべてそういったことでできるだけ客観的な判断の材料をもって判断をするようにということは、会議のつど口頭で強く指示をしておる次第であります。
○阿部(未)委員 大臣、ストライキの問題につきましては双方に意見の対立があるところですが、きょうは触れません。したがってストライキをやったという場合に、その対象になった方々が処分を受けたことについては触れませんが、それ以外に、たとえば管理者に対して暴言を吐いたとか吐かないとか、あるいは業務命令に従ったとか従わなかったとかいう、きわめて主観的な問題について一方的な処分が行なわれておるわけでございます。こういう点について、普通の処分の場合には、てんまつ書とかそういうものを徴して事実を確認をすることになっておるのに、事労働問題に関しては一切本人に疎明の機会を与えない。いま人事局長はそういうことをしばしば話をしておりますということですが、これはひとつ明らかに規程の中で、第三者なりあるいは当人が疎明をする、第三者の現認を必要とするものを設けなければ、労使の関係では管理者というものは一方の側に立つわけでしょう、一方の側だけの証言によって処分をするということはきわめて片手落ちといわなければならない。したがって、少なくとも本人の疎明なりあるいはどちらにも片寄らない第三者の意見というものが入ってこなければ、処分が感情的、恣意的になったといわれてもやむを得ないのだ、そう思うのです。そういう意味から、いま私が提案をしました、そういう労働問題等の処分についても本人の疎明なり第三者の意見を聞いて公正な処分を行なうような手段方法について、大臣どうお考えになるか聞きたいのです。
○久野国務大臣 具体的な御提案でございますので、私といたしましては十分誠意をもって検討してまいりたいと考えます。
○阿部(未)委員 大臣もいま誠意をもって検討したいということですから、事務当局のほうに特にもう一度はっきりしておいてもらいたいのですが、人事局長、すでに三年になるわけです。これは何か明らかに組合との間の協議の事項——これもおかしくないのです、処分について協議事項とすることはおかしくないのですが、そういうことにするか、あるいはあなたのほうで考えるかは別として、要するに第三者が見て明らかになるような処分の手続というものを定めてもらいたいのですが、いかがですか。
○北政府委員 組合と協議することは考えておりませんが、てんまつ書、始末書をはっきり出させるというようなことにつきまして一そう推進する方策を考えてみたいと思います。
○阿部(未)委員 先ほど同僚の米田委員から処分の問題について若干の意見が述べられたわけでございますけれども、およそ私は、人を罰するには、こういうことをしたらいけないぞという基準がそれぞれの人に理解をされておらなければならない、その次に、そういう事実があったかどうかということが認定をされなければならない、その上に立って処分というものが行なわるるものだというふうに考えます。いま郵政省は、特に訓告規程というものはございますけれども、どういうことをしたらば訓告処分を受けるのかという内容について各郵政局ごとに現場の局長に通達をしておるそうでございます。その通達の内容はいかなるものか、どういうことをすれば処分を受けるのかということについて聞きましたところ、それは一切秘であって外に漏らすことはできないことになっております、こういうことでございます。そこで郵政局にも参りまして聞きましたところ、そのとおりでございますと言う。大臣、罰せられるのにどういうことをしたら罰せられるのか、それが職員に知らしめられなくて罰せられる。しかもその罰せられる方法は、いま申し上げましたようにきわめて一方的なやり方、こういう措置が郵政の中で行政処分でとられておるのですが、これをどうお考えになりますか。
○久野国務大臣 政府委員に答弁させます。
○北政府委員 郵政省職員懲戒処分規程というものがございまして、これが指針になっておるわけでございます。 いろいろ書いてございますが、たとえば「上司の職務上の命令に従わないもの、その情重いものは免職にする。但し、情状酌量すべき事由ある場合は停職にする」「その情軽いものは減給にする」「その情軽微なものは戒告にする」というようなことで、いろいろな項目にわたりまして一応の指針がございます。
○阿部(未)委員 その指針はあなたのほうにあるのであって、この前私が現地の局でいろいろ承ったところによると、郵政局から訓告について、特に労働問題の訓告について通達が出されておる。ではどういう通達の内容か、どういうことをすれば訓告処分を受け、どういうことをすれば戒告処分を受けるのか聞きましたところ、その内容については極秘でございまして漏らすわけにはまいりませんということです。念のために私は東京郵政に参りまして、人事部長並びに郵政局長に聞きましたところ、そういうことになっております、こう申しておりますが、いまあなたがお読みになったようなものは規程で、たぶんみんな知っておるのだと思うのですが、いま私が質問したような訓告等について、きわめて極秘のうちに処分を行なっておる。いまあなたがお話しになったのは全部職員に周知してあるわけでございますか。
○北政府委員 ただいま申し上げましたのは公達でございますから、これはオープンのものでございます。訓告の場合につきましても公達がございまして、したがってオープンでございますが、部内職員訓告規程というのがあります。「部下職員に過失があった場合、その軽重を審査し軽微であって、懲戒処分を行なう範囲内のものでないと認めるときは訓告する。」というようなことになっております。
○阿部(未)委員 そこなんです。軽微なものは訓告にする。では軽微なものはどういうものかという内容について、職員に知らせないのです。したがって、職員はどういうことをすれば訓告処分を受けるのかわからない。そして何かあったときに訓告処分をたくさん受けておる。いまから私が申し上げる新宿の郵便局では、いまの郵便局長が着任して以来、四百名の職員が処分を受けておる。しかも、何のために処分をされたかわからない。少なくとも、職員はこういうことをすれば処分を受けるのだということを知っておったならば、まだその行動をおのずから律するに処置があったはずです。知らしめなくて処分をする。それが一方的でないかと言ったら、上からの通達でそうなっております。その通達はどこから出ておるかといえば、訓告の処分をする内容、この場合はこうするということは郵政局から出ております。念のために郵政局に確かめたら、そのとおりでございます、こうなっております。それはどういう理由でやられておるわけですか。
○北政府委員 さっき申し上げましたように、訓告につきましては公達があるわけですが、それを具体的にどうやるかという執務の標準のようなものは郵政局が出しておる、これは外へ出さない、こういうことであります。
○阿部(未)委員 大臣もお聞きのとおりです。いわゆる懲戒というのは、戒告処分以上が懲戒になるわけです。訓告以下は懲戒とは呼ばないので、軽微なものは訓告の処分にする、こういうことになるわけですが、軽微なもの、訓告処分にさるるものはどういうものだろうかということについて、職員は何にも知らされていないのです。知らされていない職員が何かの行為をした、それがたまたま訓告という処分に該当するということで局長が一方的に処分をしていく。一方的じゃないかと聞いたら、郵政局の通達があります。それではそれを職員に知らしめなければ職員は何をしたら処分をされるかわからないと言ったら、マル秘になっておりますから知らせるわけにまいりません、こう言うのです。こういう運営をしておるから、郵政の職場が労使関係が明るくいく道理がないのですよ。大臣、どうお考えですか。
○久野国務大臣 いままで行なわれてまいりました懲戒処分のあり方等につきまして、具体的な事例についてただいま御指摘があったわけでございます。そのような訓告処分を受けた事柄につきまして、私といたしましては十分調査をいたしまして、事務当局からの意見も徴しまして検討いたしてみたい、かように存じます。
○阿部(未)委員 特に事務当局にお伺いしたいのですが、いま申し上げましたように、大臣もやはり疑問に思っておられるようですが、職員がどういうことをすれば訓告処分を受くるのか、どういうことをすれば注意処分を受くるのか、全然わからないのです。そして処分だけはどんどん出て、一つの局で一人の局長が、ストライキも何もないにもかかわらず四百人もの職員を処分をして、これを雑誌に発表して、自分はたいへんやり手だということを呼号しておるのですが、この先なおこの方法を続けていくのか、こういうことをすれば訓告の処分を受けますよ、こういうことをすれば注意処分を受けますよということを職員に知らしめる手段をとるのか、事務当局の考えをひとつ明らかにしてもらいたい。
○北政府委員 本人がなぜ訓告処分を受けたかわからないというのは、私はそういうことはないと思うのであります。すべての例ではございませんけれども、現実に、たとえば上司に対していやがらせあるいは暴言を吐くとか、あるいは軽度の作業妨害をするというようなこと、それから集団抗議をやる、あるいは官のほうで会議をしておるのを妨害して中止に至らしめるというようなものが訓告になっておるわけでありまして、そういった具体的行動を必ず伴っておりますから、何だかわからぬということはあり得ないと思います。また、そういった具体的な行動がそういった処分ということにつながるわけでありますから、私ら、はたで見ていてもこれはわかるというふうに思うのであります。でありますから、こういう場合は訓告になるとか、こういう場合は戒告であるとかということを具体的、詳細に事前に発表しておくということはできないことでもありますし、何か行政罰でおどかすようで不適当な面もあると思うのであります。ですが、大体この程度のことをやれば訓告、この程度のことをやれば戒告か減給だということはおのずからわかっておるはずだというふうに存じます。
○阿部(未)委員 あなたの発想とはたいへんな違いがあるのです。それはすべて管理者のやることは間違いがないという前提に立ちますから、管理者の判断によって、この程度のことをすれば訓告だとか、この程度のことをすれば戒告だという処分が出てきます。しかし、問題が発生するのには必ずそこに意見の違いというものがあって、なぜそういう問題が起こったか——。たとえばあなたは集団の抗議ということばを使いました。なぜ集団の抗議をしなければならなかったかというそのもとをたださずして、抗議をしたというところだけをとらえて処分をしておる。あなた方はその処分の理由をただしたことがありますか。 いま私は一つの事例を申し上げます。国鉄動力車労組がかねて順法闘争をやりました。これについてはいろいろ意見があるでありましょう。しかし郵政職員はまっとうにあたりまえの勤務時間に出てきた。出てきたけれども、電車がおくれたために二分、三分あるいは十分遅刻をしてきた、これはやむを得ぬ事情でしょう。ところが、それは協約があるにもかかわらず一方的に局長がそれを欠勤扱いにした。それは不都合ではないかということで抗議をした。その抗議をした行動が間違いだといって処分を受ける。原因を追及せずして行動だけをとって、集団抗議という行動をとったから訓告処分という言い方はちょっとおかしいのじゃないですか。どうお考えですか。あなたの発想は基本的に局長なり課長なりの言うことは間違っていないという原則に立脚しておるようでございますけれども、人間のやることですから、管理者であれ労働者であれ、それぞれ違った考え方から出発する場合には、その原因をたださなくして一方的な処分というのは間違いではないかと考えますが、どうですか。
○北政府委員 たとえば国鉄が順法闘争をやり、おくれてきた、そういう場合賃カツないし欠勤にするといった問題で職員側からいろいろとこれはおかしいというような場合、これは職員個人がそういうことを適当な時間に申し出るとか、あるいは組合が窓口を通じてそういう話を持ってくる、そうあるべきでありまして、やはりそういった原因が、まあ職場の中にもいろいろ行き違いとかということもあると思うのでありますが、それはやはりそういったルートを通して正規に抗議をするなり申告をするということであるべきでありまして、そういう原因があるからといって大ぜいで集団抗議をするということは、これはやはり大ぜいの人間が勤務しておるわけでありますから職場の秩序という点からよろしくない、こう考えるわけであります。
○阿部(未)委員 人事局長、あなたは人間を飼いネコか何かと間違えておるんじゃありませんか。何人かの人間が出勤してきた、おれも欠勤になった、おれも欠勤になった、これはどうも不都合じゃないかと同じ職場に働いておる者同士が考えて、それなら職場で課長に言っていこうじゃないかというのが人情じゃないですか。その場合に、二人一緒に来たからいかぬとか、三人来たから集団だというのですが、三十分も早くうちを出て電車に乗った、たまたまのろのろ運転でおくれた、おまえもやられたか、おれもやられた、一緒に抗議をしたらそれが不都合で一方的に処分の対象になる。あなたは飼いネコか何かと間違えておるんじゃありませんか。労働者も感情のある人間ですよ。さっき米田委員から北風と太陽の話がありましたが、あなた方は北風だけで人を押えていこうという考え方に立っていらっしゃるから、そういうものの解釈をするのじゃありませんか。 大臣、いま私は具体的に申し上げたのでありますが、順法闘争等で電車がおくれた、それでこういう事情でございますと届け出て、いや、おまえたちは順法闘争は認められないのだということで青欠にされた。それは労働者にすれば腹が立ちますよ。おかしいじゃありませんか。後ほど申し上げますが、これは協約にあるんじゃないですかと言ったところが、これは集団抗議だといって処分をされる。いま人事局長に言わせると、順法闘争のときでも一人で言ってくるか、さもなければ組合のルートを通じて言ってきなさい。そんなに飼いネコのように人間が動くものでしょうか。お互いに生きた人間です。感情を持った人間です。何が原因で起こったかということを確かめることなく、一方的にこういうときには訓告処分をするのだというようなそういうやり方があるから、郵政の職場がいつまでたっても明るくならない、そういう気がするのですが、どうですか。その点はっきり答えてください。
○北政府委員 私先ほど申しましたのは、一人の場合は一人、二人の場合、三人の場合はそれでもいいと思うのでありますが、当該局の場合は、現実にその青欠といいますか賃カツということを言われた者以外の人間数十名で押しかけるという態様がありまして、これを集団抗議、こういうふうに考えておるということであります。
○阿部(未)委員 北人事局長、あなたは当該局なり管理職と呼ばれる方々のルートを通じて来ただけの報告によってものを判断されておる。あなたはそれではそういう問題が起きたときに、現地に行って内情をつぶさに調査されたことがございますか。しかもこれは一ぺんあったというんじゃないのですよ。期間にして、二月の初めから三月の終わりまでという約二カ月間にわたって国鉄動労の順法闘争が行なわれました。この間、明らかになっておるものだけで二十数名の方々が賃金カットの処置を受けておるわけなんです。そのつど何人かの人は抗議に行きます。ある場合にはたまたまあなたのおっしゃるようにたくさんの数になったかもしれませんが、しかしある場合には二人、三人のこともあったはずなんです。それを特別の場合だけを取り上げて、集団で数が多過ぎたとか少な過ぎたとか全く一方的な見方をしている。原因は私が先ほど申し上げたように、一生懸命に勤務につこうとして出てきた、それにもかかわらず順法闘争は対象にならないということで賃金カットの対象にされた、そこで労働者としては、おれがこれだけまじめに来たのに不都合じゃないかということで、何人かの人間が課長なりのところに行った、それが集団抗議であるということで処分をされる、そういういきさつになっておるわけですよ。あなたはたまたまの例を引き合いに出すけれども、職場の実態というものはそういうものです。そうでなくして何で一つの職場で一人の局長が四百人もの人間を処分しなければならないのですか。およそ常軌を逸しておるでしょう。そういう常軌を逸しておる局長のところにあなたみずから出かけていって、どういう事情か一回でも実地の調査をしたことがありますか。あるならひとつ実情を答えてください。
○北政府委員 それは実はございません。やはり所管の東京郵政局を通じて、私先ほどのようなことを把握しておるわけでございます。
○阿部(未)委員 いまから少し具体的に内容を申し上げますから、慎重にひとつ調査をしていただきたいと思いますけれども、まず私は、先ほど申し上げましたように、この労使の関係が正常化していく一つの方法としては、労働協約等が有効に機能する、これは私は非常に大切なことだろうと思います。そこで、今日郵政省と労働組合との間に結ばれておる労働協約がスムーズに、いわゆる有効に機能しておるというふうに局長はお考えですか、どうでしょうか。
○北政府委員 労使関係におきましては労働協約というものがもう基本でございますので、当然そうあらねばならないということは全管理者がよく心得ておることと思います。
○阿部(未)委員 では病気になりまして休む場合には、協約上あるいは就業規則上の手続というものがあるかと思いますが、どういう手続をすれば病気休暇として承認をしてもらえることになっておりますか。
○北政府委員 病気の場合は、病気休暇というふうに観念いたしますれば、特別休暇等に関する協約というのがございまして、その第三条の中にその手続が定めてございます。
○阿部(未)委員 もう少し詳細に聞きたかったのですが、それでは私も幾らか知っておりますから詳しく申し上げましょう。病気で休む場合には、原則として、七日以上にわたる場合は医師の診断書をつけなければならないというように定められておるようです。したがって、病気で六日以内休む場合には必ずしも医師の診断書は必要でないが、所属長が必要と認める証明資料を要求することがある、こういう規定になっておると思います。ところで、新宿局のある職員は急性の胃腸炎それから気管支炎で病気になって、医師が三日間の安静治療を要するという診断を行なった。私ここに診断書を持っております。この人はまじめですから、一日だけ休んで二日目には出たのです。そこで、この診断書をつけて病気休暇の届けを出したところが、これが承認をされないというのです。これは協約が有効に機能しておることになるのでしょうか、どうでしょうか。
○北政府委員 ただいま御指摘のケースは実は私どもすでによく調査をしたわけでございますが、当該局長の判断はやや誤っておるというふうに私ども理解するわけでございます。規定によりますと先生おっしゃいましたとおりのことでございます。それで、診断書の提出があったが欠勤扱いにしておるという事案でありますけれども、実情をよく調査いたしましたところ、いま言いましたように当該局における判断は問題がありまして、医師の診断書を尊重すべきものだというふうに考えます。したがいまして、欠務として処理したことにつきましては病気休暇に修正するように指導をいたすつもりであります。
○阿部(未)委員 もう一つ伺いますが、夜にわたる勤務の方が午後出勤をしたところが、下痢がひどくて困った。そこで上司に、非常に下痢がひどいのですがといって届け出たところ、それでは診療所が近いから逓信診療所に行きなさいということで診療所に行った。帰ってきて薬を飲んで、どうしましょうかと言ったら、どうだ仕事ができるかと言うから、仕事ができませんということで休ませてもらった。宿直室があいておるから宿直室で休んでおった。夕方になってかなり寒気も激しくなったので、帰りなさいという上司の指示で帰った。そして翌日病気休暇の届けを出したところが、局長さんの気に入らぬやつだったので、それは病気休暇としては認められないということで、これまた欠勤の扱いを受けておる事実がありますが、お調べになっておりますか。
○北政府委員 これは薬袋の提出があったわけでございます。薬袋と申しますのは、さっき先生もおっしゃいましたいわゆる証明資料で……。
○阿部(未)委員 それは薬袋のとは違うのです。いまのは現場の管理者が現認しているものです。薬袋のはもう一つ別のものだ。いまのは現場管理者の指示に従って帰宅したのに……。
○北政府委員 失礼いたしました。確かにこれは管理者の指示に従った行動であったわけであります。内容的には欠務であったのでありますが、管理者の指示に従った行動であったわけでございます。ただ六時ごろからあとは黙って帰ってしまったというような状況であるようでありまして、そこのところはさらによく調べたいと思っておりますが、管理者の指示に従った行動である限り、これは実際に就労していなくても青欠処理をすべきではなくて、やはり特別休暇の対象にすべきだという考え方でありますので、これにつきましても修正をしたい、こう考えております。
○阿部(未)委員 これは申し上げれば枚挙にいとまがない。診断書を添付したけれども病気休暇を認められなかったというものが新宿の局だけで八名あるんです。申し上げればそれぞれ申し上げましたような事情があるわけで、ある者は、病気になったけれども医者にはかからなかったが、薬をもらったので薬袋を持っていった、しかしこれまた局長の気に入らない者だから、おまえは病気とは認められないということで病気休暇にはならなかった。そういうものが八名あります。この八名の中で、それでは何人を病気休暇として追認をし、何人がだめになりましたか。
○北政府委員 私ども把握しておりますのは五名でございますが、五名のうち三名につきましては修正をさせます。それから一名につきましては、すでに当該局で——先生方がお見えになった時点では一時その処理を保留しておったそうでありますが、その後四月の二十三日に病気ということが確認できたので病休を付与したというものが一件ございます。合計四件になりますが、残る一件につきましては本人の病休の申請がおくれたわけであります。これは協約に三日以内に申請をしろということになっておるのですが、その申請の時期がおくれたわけであります。なぜおくれたのかということを局で聞いておるのですけれども、そんなことは答えぬということで、本人が何も言わぬというのでいまだ保留しておる、こういうことであります。
○阿部(未)委員 三日以内というのはおっしゃるとおりですが、しかし三日以上でもやむを得ない事情があると認めるときはいいことになっていますね。三日の後を過ぎてもかまわないということになっておるようですから、したがっていまの問題は、本人がなぜおくれたかを言えば当然病気休暇が承認をされる、こう理解して差しつかえございませんか。
○北政府委員 疎明といいますのは、要するにやむを得ない理由があったのかないのかということを聞いておるわけですけれども、返事する必要はないという態度で全然返事がないそうであります。ですからそういう意味での疎明があればそれによって判断をしたい、こういう考え方であります。
○阿部(未)委員 それでは申し上げておきますが、私が調べたところでは、新宿の郵便局で四十七年の八月に三件、十月に二件、四十八年二月に二件、四十八年三月一件、計八名あります。いま五名でしたからまだ三名食い違いますので、それを全部調べてもらいたいと思います。それですべていいというわけではありませんよ、まだ次にありますから。 それからその次に、先ほど大臣ちょっと触れられましたが、国鉄動力車の順法闘争によって、職員が平常の状態で出勤をしようとしたのに電車がおくれて何分か遅刻した。この数二十数名でございますが、この中の二分、三分の遅刻というのが全部賃金カットの対象にされております。私は、あの電車のおくれの中で二分、三分おくれてかけつけた者は、この混雑の中をよく出てきた、御苦労だったといってほめてしかるべきではないかと思うのですけれども、局長の気に入らぬ者は二分おくれると賃金カットの対象にされて、出勤簿に明らかに二分遅刻、三分遅刻というものが加えられております。しかも十分以内が十五名です。これがあの混雑の中で職場にかけつけた人間に対する局長の措置として正しいものでしょうか。大臣、どうお考えになりますか。
○北政府委員 まず一般論を申し上げたいと思うのでございますが、交通機関の事故等の原因によりまして出勤不可能な場合には、これは所属長において必要と認める時間を特別休暇として取り扱うことになっております。交通機関のストについては協約上の明文はございませんけれども、これも実情によりましてこの交通機関の事故というものに含めるものというふうに解釈をして指導をしております。その具体的な判断は所属長にゆだねておる、こういうことでございます。ただしこの順法闘争等につきましては突発的なものではございませんで、事前に各種の報道機関によりまして各人が明瞭に知っておることでございます。したがいまして、職員としては当然順法闘争によるある程度の遅延というものは見込んで出勤する配慮が必要であるというふうに思うわけであります。この配慮をはっきり怠って、そして定刻までに出勤できなかった場合は、これはその時間は特別休暇として取り扱われないというふうに思うのであります。ただ、時分が二分、三分あるいは五分と非常に短いような場合、しかも一当人が、その日やはり順法闘争があっておくれるだろうということでいつもより若干でも早目に出ておるというような場合につきましては、特別休暇として扱っていいんじゃなかろうかというふうに私どもは考えておりますので、そういう角度で具体的な新宿のケースにつきましては再調査をしたい、こういうふうに思っております。
○阿部(未)委員 大臣、基本的な考えが違うのですよ。順法闘争があるということがあらかじめわかっておったのだから当然早く家を出て出勤をしなさいというのが当局の言い分です。私はそういう期待はあったとしても、本来出勤をする時間に出てきて、本来あるべき電車を期待をしていったら、それが順法闘争で間に合わなかったというのならば、それは当然協約にいうところの特別休暇として処理をされるべき性質のものである。では一体何分早く家を出ればいいのか。いま人事局長の言によると、順法闘争があるから何分か早く出てきた者については認めてやるが、同じような時間に、平常の状態で出てきた者には認められないのだ、こういう言い方ですけれども、私は、順法闘争があることを奇貨としてわざと業務をサボろうとしたような人間についてはこれは公正な処分が行なわれてしかるべきだと思います。しかし、平常の状態で出勤しようとして第三者の行為によって出勤がおくれた者については、協約の精神からいっても当然これは特別休暇として認めてやるのが協約の精神だろうと思いますし、ましていわんや十分以内でかけつけた人たちを全部賃金カットの対象にする、しかもこれは分け隔てをして、局長の気に入らない者をこの対象にするというに至っては全く言語道断というほかないのですが、いまの人事局長の答弁、大臣は至極当然と思われますか。早目に家を出たような努力のあとが認められればいい、それが認められない場合は順法闘争はだめだぞと、こういう言い方ですが、協約の精神からいえば、順法闘争というものは不可抗力による交通機関の遅延だというふうに利用者は見るべきだと私は思うのですが、どうでしょうか。
○久野国務大臣 御指摘の点については理解できるところではございますが、その事実関係につきましては十分調査した上で、今後行き過ぎないように指導してまいりたい、かように存じます。
○阿部(未)委員 みんな出席の委員の皆さん方もお聞きになって奇異な感じをお受けになると思うのですが、聞きようによっては…… 〔発言する者あり〕
○久保田委員長 御静粛に願います。
○阿部(未)委員 大臣、協約の解釈の原則に触れる問題ですから、検討ではなくてはっきりしてもらいたいのですけれども、およそ職員として、国鉄の順法闘争が行なわれるから平常よりも早く家を出なければならないというふうな義務があるものでしょうか。私は、平常の状態で出勤できるように出ていって、そこで交通機関が来なかったから何分かおくれたというのは、当然協約にいうところの特別休暇の対象になるものというように理解をしますから、この賃金カットを受けておる者はすべてあやまちであるというふうに解釈をするのですけれども、ただ、先ほど申し上げましたように、これを奇貨として悪用したような人間がおったということが当局で立証できるならば、その者は処分を受けてもやむを得ないでしょう。しかしそれ以外の者は、当然私は誠意をもって出勤しようとした者として特別休暇の対象になると理解するのですが、いまの人事局長のお話では、当然もっと早く家を出るべきであった、これが当局のお考えのようですけれども、基本的な考えが違います。どうです。
○北政府委員 私の考えの基本には、労働するという債務の提供者であるところの職員がやはりそういった場合の危険負担をすべきではないかという考え方が基本にあるからであります。これはある意味では私、常識ではないかという気もするのでございますが、たとえば国鉄がストで動かないという場合、これと並行しておる私鉄がある、これは動いておるというような場合に、いま私どものほうでも通勤手当を出しておりまして、それによって職員はパスを買っておると思いますが、国鉄の定期券、これを使えないわけであります。しかしその場合、やはり私鉄に乗ってそして現金を払って出勤してくる、こういうのが普通であろうというふうに思うのであります。同じように、若干はやはりそういうことで職場に着く時間がおくれるということは事前にわかっておるわけでありますから、やはりそれならば若干でも早目に出るというのが普通ではなかろうか。また現実に全部調査したわけではございませんけれども、新宿のケース、ある程度見ましたが、一応各人が当日の状況について疎明をしております。それを見ますと、ほとんど全員が平常時よりは何がしか早く家を出てきておりますので、その点なお詳細に調べますけれども、いままでの調べによりますれば、そういったことであればほとんど全員が、二十四名でしたか、そのうちのほとんど全員がこれは賃カツの対象からはずれまして、特休の対象に移すべきものだというふうに実は考えておる次第であります。
○阿部(未)委員 私は、企業なりあるいは使用者として人事局長の期待があるということを否定はしません。しかしそれが労働者の責めに帰せられるかどうかということについては疑問があります。たとえば、いま局長の例にとりました通勤手当を支給しておる、そして国鉄のパスを買っておる。その国鉄が動かない場合に、他の並行するバスがあるならば、バスに金を払ってでも乗ってこい。金を払ってバスに乗ってきたら、料金を郵政省が負担することになっておりますか、おりませんか。
○北政府委員 負担いたしません。
○阿部(未)委員 そこで明らかなように、大体通常の経路によって出勤をしようとする場合、あるいはいまのように鉄道がとまってパスが使えない、自分が個人で負担をして出勤をしなければならないという場合は、それを労働者の責めに帰すべきではない。そういう使用者側に期待があったとしても、来なかったからおまえが悪いのだという理屈は成り立たない。もしそれが成り立つのであれば何も協約を結ぶ必要はないと思う。特に今回の場合は、各企業でも、出てこぬでもいいというところもかなりあったようでございます。しかし郵政の職員は、私の調べた限りでは、三十分も前に家を出たけれども汽車がまた二十分おくれた、途中のろのろ運転だったというようなことを疎明しておる職員までおるのです。そういう者もみんな賃金カットの対象にされておる。その基底には、いま人事局長が答えられたように、当然家を早く出るべきだとか、汽車が動かないならバスに乗ってくるべきだ、それは自分で自己負担をして出てこい。一体労働協約以外の賃金を負担してまで出てこいということを使用者は強制できるものでしょうか。私はそれはできないと思います。あとは一いま何かささやいております。不規則発言がありますが、期待はあるでしょう。そういう期待を使用者側が持つことまで私は否定をしませんけれども、その期待に構わなかったからといって、協約を無視して賃金のカットをしてよろしいという理屈は成り立たぬ。これは大臣から明確に答えてもらいたいと思います。
○久野国務大臣 処分権の乱用にわたることのないように私は戒めているところでありますが、今後公正に処置をされるように指導してまいりたいと存じます。
○阿部(未)委員 いままでの分につきましても、いま調査中のようですから、あわせてひとつ——今後でなく、従来の分についても調査を慎重に行なって、われわれの期待にそむかないような措置をとってもらうことをお願いをしておきたいと思います。 さらに問題になるのは、こういう処分を行なった責任者、いわゆる局長でございますけれども、非常に職員を差別扱いをしておるようでございます。事務当局のほうが詳しいと思いますけれども、たとえば暴力行為があって戒告処分というような処分を受けた場合に、次にその人が上の級に上がるとか役職につくという場合には、郵政省としては、大体原則的に一定の期間を置くというようなことをお考えになっておるのではございませんか。
○北政府委員 原則として一定期間を置くように指導しておりますが、例外としては縮めてもいい、こういうことにしております。
○阿部(未)委員 そこで、その例外が全逓という組合を脱退して第二組合に行った人にのみ適用されれば、そこの職場で働く一般の職員はどういう気持ちを持つでしょうか。暴力行為を働いて、人をぶんなぐって処分を受けた者が、全逓を脱退したから上の級に上がることができた、しかも一定の期間たたない。私の調べた限りでは、一年以内というきわめて短い期間に上の級に昇格をしている。そういうことに対して疑惑を持つということは職場を明るくするゆえんではないというふうに思うのですが、一体どういうふうにお考えですか。
○北政府委員 この人間は、処分を受けましてから十一カ月くらいで上の級に昇格をしております。でありますから、私どもの原則からいけば、認められておる例外を適用したケースになるわけであります。 ただ、この本人は平素は非常に献身的に仕事をする人間でございまして、ちょうどこれは、その人をなぐったというケースは昭和四十六年でございましたが、それで減給処分を受けたわけであります。四十六年の昇格の詮議の実は第一候補にあがっておったような人間、これが部下とのトラブルで、部下が暴言を吐いたというのでかっとなって手を出した、こういうことであったわけであります。その後もそのことをいたく反省いたしまして、さらに献身的に仕事をしているというので、特例として、一年弱の日にちを経過した時点で一級に昇格させた、こういうケースであります。
○阿部(未)委員 それは人事局長がお調べになったのではなくて、現地からそういう報告があったということだと私は理解をするのです。 さて、るる申し上げましたけれども、もしわれわれがこの新宿の郵便局に調査におもむかなかったとするならば、一体どうなっておったでしょうか。先ほど来議論のありました、医者の診断書を提出したが病気休暇が認められなかった諸君、あるいは一生懸命になって出勤したが国鉄や動力車の順法闘争で何分か遅刻した諸君が、それを理由に賃金カットの対象にされ、その何回かのことを理由にそれぞれ処分を受けております。先ほど来申し上げました無慮四百名の処分を出しておりますが、もしわれわれの調査なかりせば、これは全部そのまま推移しておったわけであります。そういう人間が新宿の局の管理者である、このことを人事局長はどう考えられますか。したがって、そういう局長が言ってきた報告がすべて正しいとあなたは考えられますか、いかがですか。
○北政府委員 これは私のほうから東京郵政に言いまして、東京郵政が新宿について調べましてあがってきたわけでありますから、単に新宿だけの意見ではございません。先ほど修正する用意があるというふうにも申し上げましたけれども、これなどはやはり東京郵政がよく実情を調べまして、私どもと相談しての結果でございますので、うのみにいたしておるつもりはございません。 それから、先生方が問題を御提起にならなければということでございますが、現実には先生方から御質問がございまして、そして私ども早急に実情を調べましてお答え申し上げておるわけでございますから、それが直接の機縁になっておることは間違いございませんけれども、実は別途四月になりまして、労使間のいわゆる六人委員会にこのケースはあがっております。あがっておりますが、労使それぞれ四月はいろいろ大きな問題もございましたので、現実には六人委員会がまだ動いておらぬわけでございます。これは連休明けにはやるという方針で労使おりますので、その中で議論があったものというふうに思います。
○阿部(未)委員 大臣、ここの調査に行ったのは私一人ではありません。選ばれた国会議員が四人も一緒に調査に参りました。そしていろいろ局長さんのお考えも承ってみましたが、局長の考えは、私が法律であるという考えです。ですから、私の思うとおりにどうやってもいいんだというのが局長の判断でございました。一緒においでになった先生は、あなたと話をしておるとどうも次元の違う世界に来たような気がしてならない、一体法律とか協約というものは何のためにあるんだろうか、こういうことを漏らされたほど、私が法律で、私が認定をするんだ、私の権限事項でございます……。先ほど同僚の米田委員からもお話がありましたが、まさに気違いに刃物です。処分権を持っておる、人事権を持っておる。そしていま申し上げたようにたくさんのことをやっている。数多い中に一件か二件取りこぼしがあった、行き違いがあったということは、これはあり得ることだと思います。しかし、いま申しましたように、二十数名の人間が国鉄、動力車の順法闘争でおくれたのを、気に入らなければ全部賃金カットをする、あるいは医者の診断書をつけて提出をしても、自分の気に入らなければ病気欠勤を認めてやらない、あるいは人をぶんなぐったやつでも、おせっかいを言ってくるやつは、まだ郵政省の基準に達しないでも上の級に上げてやる、これは、全く気違いに刃物ということばがこれほど当てはまるケースはないじゃないですか。そういう人間が現場で、七百名ぐらいおるのじゃないですか、七百名もの人間の頂点にすわって、しかも権力を持って、人事権を持って郵政業務を運営しておるという、その実態について大臣はどうお考えになりますか。
○久野国務大臣 先ほども申し上げましたように、処分権の乱用につきましては厳に戒めておるところでございます。私は、今後とも明るい、秩序ある職場づくりのために適切な労務管理が行なわれますよう、十分配意させてまいりたいと考えております。
○阿部(未)委員 労働省の労政局の方にも御出席を願っておるのですが、いままで種々論議をしてまいりましたが、特に労働協約の解釈にあたって、たとえば、病気休暇の場合に医者の診断書をつけて出しても、局長の認定事項だからということでこの者を病気休暇として認めないとか、あるいは普通の状態で出勤しようとしたが順法闘争で出勤ができなかった、そういう場合に局長の恣意的な、一方的な判断で処分をしたり、あるいは青欠の扱いをしたりすることは、協約の解釈上どういうふうにお考えですか。労働省、お願いしたいと思います。
○岸説明員 ただいまお尋ねの件でございますけれども、いままで御質問にありましたことは、労働協約の具体的事案に対する実際の適用の問題でございます。したがいまして、具体的な事案について労働省の意見を申し上げるということは差し控えさせていただきたいと思いますが、いずれにしても労働協約は、先生よく御承知のとおりに、労使間で自主的に取りきめまして、そして懲戒に関する問題についても、基準等については労働協約にきめるわけでございます。ただ問題は、そういう労働協約がきまって、それによって労使間の秩序が維持されるわけでございますので、そういう問題についての疑義解釈というようなことはなるべく労使間で詰めて、あまり具体的にそういう問題がないような形にすることが一般的には望ましいことだと思われるわけでございます。また、そういうような問題で万が一労使間にいろいろと協約の解釈上の問題が生ずるという場合には、適当な手続によってそれを解決していくということが望ましい。 これは非常に一般的なことを申し上げて恐縮でございますけれども、ただ、具体的な問題について、たとえば病休について、先生の御指摘のように使用者が一方的にこれを認定するとか、そういう協約をどういうふうに具体的に適用するかという問題になりますと、これはいろいろな事情がございまして、私が一がいにどうこうと言うことは適当でないというふうに感じるわけでございます。
○阿部(未)委員 いま労働省の法規課長さんのほうから非常に示唆に富んだお話がございましたが、懲戒の基準等は労使間できめるべきものだというふうなお話がございました。郵政省は、懲戒の基準については労使間でおきめになっておりますか。
○北政府委員 そういう協約は結んでおりません。これは、私どもの職員は国家公務員でございますので、公務員法、人事院規則等によってやっておるわけであります。
○阿部(未)委員 公労法八条の規定では、昇格、昇任の基準とか、そういうようなものについて定めるほうがいいのではないかという気もするのですが、人事局長のお考えはどうですか。
○北政府委員 私どもは、先ほどお答え申したように考えておるわけであります。
○阿部(未)委員 私がお伺いしたいのは、公労法の第八条では、昇任、昇格、降格というような問題の基準については大体労使間できめる事項になっておるように私は理解しておるのですが、そういうものもないのではありませんか。もしないとするならばおつくりになる意思がありますか、こうお伺いしているのです。
○北政府委員 昇給の欠格基準についての協約はたしか存在しますが、積極的にどういう場合に昇格するかという協約はございません。これは、協約を結ぼうということで具体的に組合が言ってきておりますので、私のほうもそれは結んでもいいということですが、内容的に折り合えませんで結んでおらない、こういうことでございます。
○阿部(未)委員 法律を守る立場にあるわけですから、法で定められた問題についてはなるべく意見の調整をはかって紛争を起こさないように、たとえば昇任、昇格等についても、その基準は公労法八条で団体交渉の事項になっているはずです、私の知っている限りでは。そういうものを残しておいて、一方的にいま申し上げましたように権力だけを行使するから、郵政の職場がどうもおもしろくない。特に新宿の問題については、人事局長に特に申し上げておきますけれども、十分調査をして、かかる権力を悪用して人を人とも思わないような行為をとる管理職については、事管理職といえども厳正な態度をもって臨んでもらわなければ問題はおさまりません。 それから、首席監察官に御出席になっていただいておりますが、人の名誉に関する問題ですから詳細は申し上げません。ただ、あなた方が措信おくあたわざるところの管理者の中で、職員の奥さんを手込めにして昼間これを局長室に連れ込んで、他の職員が文書の決裁等を求めに行きますと、局長室の内側からかぎをかけて、その職員の求めになかなか応じない。そして事が終わる——何が終わるかわかりませんけれども、事が終わったころになると開いて、入ってこいということで、そのときにその職員の奥さんは出ていくのだそうでございます。奥さんは共働きだそうでございますね。そういう管理職があるそうでございます。りっぱな局長さんがおいでになるそうでございますけれども、最近、郵政監察の仕事がともすれば労使間の関係に介入して、特にストライキの場合には、まるで警察官か何かのように先頭に立って勇ましい行動をおとりになっておるようでございますけれども、本来の仕事は、業務の正常な運行あるいは郵政犯罪の防止、あるいはいま申し上げましたような管理職といえども不都合な者については目を光らしてもらうというような仕事があるのではないかと思います。労務政策のお先棒をかつぐことに専念して、本来の仕事を少しお忘れになっておるのではございませんか。どうお考えですか。
○森田説明員 お答え申し上げます。 ただいま先生がおっしゃいましたとおり、犯罪の防遇、それから郵便局における業務の正常な運行を確保する、それからまたものによっては調査するという、三つの基本的な仕事がございますので、監察官が労務対策の先頭に立って乗り込んでいくというようなことはございません。
○阿部(未)委員 それでは新宿の郵便局の考査はいつおやりになりましたか。そして、いま私が申し上げましたような内容について、どういうふうに把握をされておりますか。
○森田説明員 先生御承知のとおり、大体郵便局の考査は普通局で二年に一回の回数くらいでやるしか能力ございません。新宿郵便局の考査は、昨年九月二十五日から九月二十九日まで実施いたしましたが、先生が最初に仰せられました事件は初耳でございまして、驚いておる次第でございます。私は何も聞いておりません。
○阿部(未)委員 そこで私が申し上げたように、郵政監察の仕事がともすればほかのほうばかりに目が移っておって、いま申し上げたような問題については少し粗漏になっておるのではないか。これからはそういう問題について、いわゆる勤務しておる職員の側に立っての調査、考査というようなものも十分配慮をしていただかないと、局長さんのおっしゃることだけが間違いないと思っておりますと、先ほど申し上げましたように勤務時間中に婦女子を局長室に連れ込むような局長もあるやに聞いております。これは明らかにあるのですが、名前は気の毒ですから言わないのですよ。そういうものを調査すると同時に、職員の側に立って、不当な圧迫を受けていないかというような点についてもひとつ考査の目を光らせてもらいたいということを要望いたします。 大臣、お聞きのとおりでございますから、今日なお郵政の労使が大臣がお考えになっておるほど明朗な関係になっていないということをひとつ御理解いただいて、これからなお所信に従って郵政の労使関係の正常化に努力をされますように私は期待をいたしまして、質問を終わります。
○久保田委員長 午後二時再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後一時九分休憩 ————◇————— 午後二時十六分開議
○久保田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質議を続行いたします。多田光雄君。
○多田委員 大臣に冒頭伺いたいと思うのですが、二月に旭川局から札幌中央郵便局、それから東京、福岡にまたがって書留が紛失しているわけです。この問題について郵政省の管理体制、業務のあり方、それからいま一つは、この問題をめぐって労働者に対して、つまり関係する労働者に対して人権を無視した調査が行なわれている向きがある。この問題について伺いたいと思いますが、この事件について大臣は耳にしておられるでしょうか。——この問題について大臣が耳にしているかどうか、そのことをまず伺いたい。
○久野国務大臣 事実関係の詳細にわたってはまだ承知をいたしておりませんが、しかしそういう事件があったということについては耳にいたしております。
○多田委員 実は私は五月四日に札幌中央郵便局長、それから北海道郵政監察局の第一部長に会って、この問題について若干話を伺ってきておるのですが、なお詳細についてひとつ担当者から、この事件の経過と、現在その原因がはっきりしているのかどうか、これについて説明していただきたいと思います。
○森田説明員 事件の概要について簡単に御説明申し上げます。 去る二月十二日の問題でございますが、二月十一日に旭川局におきまして札幌−旭川上り便で差し立てました東京中央局あて通常有証大郵袋一個が運送途中のどこかで亡失したということで、被害郵便物は現金書留郵便物等五通、十一万四千二百円でございます。 それから第二回目の事件でございますが、二月二十五日、旭川局におきまして札幌−旭川上り便で差し立てました東京中央局あて通常有証大郵袋一個が運送途中どこかで亡失いたしました。被害郵便物は現金書留郵便物等七通、十二万四千円でございます。 目下、この事件に関しまして北海道郵政監察局並びに関東郵政監察局におきまして捜査中でございますので、具体的などこでだれがということは、いまのところ判明いたしておりません。以上でございます。
○多田委員 そうすると、これはただ旭川−札幌というだけでなくて、東京、それから福岡はどうなんですか。これは調べているのですか。 それからいま一つは、札幌中央郵便局長に聞きましたら、何か本省の指定事件として全国的に調べているという話だったのですが、それはどうなのか。 それから、最近この種の事件があったかどうか、それも伺いたいと思うのです。
○森田説明員 本省指定事件と申しますのは、一つの監察局管内で起こります事件以外のもの、つまり二つ、三つの監察局にまたがる事件は、相互の連絡調整をとるために本省が直接指揮をしてやるという意味でございます。これは旭川から東京までの問題でございますので、本省指揮事件というふうに指定いたしております。 それから福岡の問題につきましては、これは別個の犯罪でございまして、もちろんこれは捜査中でございますが、これもまだ解決するに至っておりません。
○多田委員 この事件はどうしてわかりましたか。つまり部内で発見したのか、それとも書留を受け取るべきいわばお客さんですね、そういう人からの通告でわかったのか。
○森田説明員 お客さまの不着申告によって端緒が得られました。
○多田委員 つまり、部内で発見されたのではなくして、お客さんの通告によってこれだけの事件が発覚したということですね。 そこで伺いたいのは、原因が、どこでどうなくなったのかわからない。つまり二月段階でこれだけの事故があって、そうして今日三カ月たっている段階でいまだにこの原因がはっきりしないということは、私どもにとっては非常に不可解なことです。つまり、国民の財産を預かっておられる、そうして国民はそれを信頼して多額の金品を預ける。ところが部内で発見されないで部外からの連絡によってわかった、こういうことなんですが、そこで私が伺いたいのは、この書留の発送つまり郵送ですね、これについてひとつ伺いたいのです。どういうルートでどのようにこれを送っているのか、その点少し……。
○溝呂木政府委員 郵便局間の運送については、それぞれの情勢に応じていろいろやり方が変わっておりますが、ただいまの御指摘たまたま旭川発東京中央行きの書留郵便物でございますので、それについて、そのルートについて簡単に御説明申し上げます。 旭川郵便局でまず差し出し人から書留郵便物を受け取りますと、御承知のようにすぐそれに基づきまして受領証を発行し、一方局内におきましては送達証というものをつくりましてこれを記録して原簿を局に置き、その送達証を郵便物と一緒に、小さい赤い郵袋というのがございますが、その中に納入いたします。そして、その赤い小郵袋に納入されたものをさらに大郵袋に納入たいしまして、そうして書留郵便物の在中のものはこれを有証郵袋として処理をいたします。そうして旭川郵便局でつくりました有証大郵袋というものを——札幌中央における場合二つのルートがございます。一つは、自動車便で送る場合は当然その自動車便は第三者の逓送会社でございますので、そことの授受にあたりましては、これは有証、無証別の個数を授受いたしましてその自動車に引き継ぎます。そうして、その自動車が今度は札幌中央郵便局に参りまして、札幌中央郵便局でそこの逓送会社との間に有証、無証別の個数を当たって受領いたします。あと札幌中央郵便局におきましては、この場合東京中央郵便局あてのものでございますので、いわゆる継ぎ越し郵袋という形で有証郵袋を、局内授受はいわゆる授受簿でもって授受しておきます。そうして、その他札幌中央郵便局でつくった有証郵袋と一緒にしまして、今度は東京中央あてのものがたくさんできますので、それらを一緒にして東京中央局あてに発送するということになります。これは通常郵便物でございますのでその運送途中は飛行機によりますので、その間札幌中央郵便局から航空会社に授受され、飛行機に積まれて羽田空港に着き、羽田空港と中央郵便局の間はいわゆる受け渡し便と申しておりますが、それで東京中央郵便局に入ってまいります。東京中央郵便局ではもちろんその個数確認をいたしまして、中を開いてこれを配達のほうへ回します。そうして、配達のほうでもって書留郵便物に配達証をつくりまして受け取り人に配達する、こういうルートになっておるわけでございます。
○多田委員 いまの説明のあったことを文字どおり受けとめますと、これだけのシステムを持ってやっているんだから、単に郵便はがき一枚を失ったんじゃなくて、どこで失ったのかわかるはずです。つまり、いまのオートメーションの機械でいえば、どういう原因で事故が起きたかはわからないけれども、どの部に事故が起きたということは一目でわかる。機械ではないからそうでないとしても、これだけのシステムを持っているものが、そしていまお話があったような一見厳密な送状やその他をつけて送っておきながら、どこで失ったかわかっていない。袋を切られた形跡もない。私が聞いたのでは封印を切られた形跡もない。もし国民がこれを聞いたら、あ然としますよ。 そこで私は伺いたいのですが、私が中央郵便局長に会って聞いたところによれば、彼もわからないと言っていました。それは、有証つまり書留の入った小郵袋とそうでない郵袋が一緒に送られている。そして中央郵便局の、あの車の着くガレージのような建物ですけれども、ここに野ざらしのように積んである。野ざらしといっても、もちろんビルの中だけれども、中といっても自動車が着くところだから屋根はあります。そこへ積まれておる。そして送るときには一括してただ個数だけを送っておる。 そこで私は伺いたいのですが、その要所要所には、現金を扱っておるわけですから、それを調べる受け取り人とかその責任者はおりますか。たとえば書留係のような……。どうですか。
○溝呂木政府委員 ただいまの御質問のうちの第一点のほうでございますが、どうしてそういうルートで通っていながら、どこで亡失したかわからないということは非常に不可解だというお話でございますが、私どもも非常に不可解に思っております。ということは、その間個数が全部合っておるわけでございます。到着局まで個数は確認されておるというふうに私どもは聞いております。そうしますと、個数が全部合っていながら、その有証大郵袋が一個なくなっておるとすると、過去において私ども犯罪の態様の中から経験いたしましたのは、有証郵袋と無証郵袋をどこかで入れかえたということが考えられるか、あるいは有証郵袋の中から書留郵便物を抜き取って、そしてもとのように戻して、とにかく有証の数あるいは郵袋の数だけは全部到着局まで行っておる。そして到着局では来たものだけを配達しますので、申告があって初めてわかった。こういうことでして、私もいろいろ過去の犯罪の起きた態様等を考えますと、これはもし郵袋の数がずっと合っていたとするならば、非常に巧妙な犯罪であったのではないかというふうに考えておるわけでございます。 それから第二点の有証郵袋を授受する場合の責任者ということでございますが、この点につきましては、先ほど先生が御指摘になりましたとおり、有証、無証とも郵袋というものの授受という形で責任者はございますが、その郵袋として処理している間は、特にそれの、何といいますか、現金なり書留郵便物が入っているその部分についての責任者はございません。あと郵袋が開かれて、いわゆる書留郵便物というものが中から出てまいります。そういたしますと、これは各郵便局とも、大きい局ですと特殊課とかそういうところに入って、それから先は一般の郵便物とは厳格に区別され、保管され、授受される、こういうことになっておるわけでございます。
○多田委員 そうすると、こういうことですね。郵袋は無証、有証を問わず総体として考えてその数を押えておくということですね。 そこで私は現場の労働者に聞いたのです。どういうふうになっているか。ところがきわめてずさんなんです。送り状が来る、一つ一つを数えているんじゃないのです。数えているところもあるでしょう。ともかく、かりに有証五十袋、無証五十袋トラックで送られてくる。そうすると、その送状がある。それを見て一々数えるんじゃないのです。数える場合もあるそうです。ところが人手不足と混乱の中では、大体もうその送状だけを確認して、そして正確に数えない。これが間々ではないです。非常に頻度が多い、これは大きいところに行けば行くほど。つまり帳簿は、その文書は口頭で引き継がれる。もらうけれども、場合によってはその郵袋の数すらもしっかりつかみ切れないということを、話の中で私は何人かに伺って知ったのです。 それからもう一つ伺いたいことは、郵袋で来て中に書留が入っている。これはそうすると、中継になった札幌の中央郵便局ではこれをあけないで送るわけでしょう。ただ郵袋の個数だけを調べるということでしょう。そうすると、札幌郵便局はこの紛失について、どうですか、関係あるでしょうか。
○溝呂木政府委員 本件の場合のごとく、旭川郵便局において、東京中央郵便局あてに締め切って、いわゆる封緘しております分につきましては、札幌中央郵便局においてはこれを継ぎ越し郵袋として郵袋のみを継ぎ越すというシステムになってございます。したがって、札幌中央郵便局においてはその郵袋はあけません。
○多田委員 それから、私はあまり郵政関係の内部事情は詳しくわかりませんけれども、わからないだけに現場へ行ってみたのです。先ほど言ったように、発着所はそういう状況です。局長に会いましたら、保管庫があるというのです。どこが保管庫だと聞いたら、その野積みに積んであるところにシャッターをおろせばそれが保管庫だ、こうなんですね。そこには何百という郵袋が、ともかく積んであるわけです、金のあるものもないものも。そしてさらに調べてみると、管理人がいる、こういうのです。管理人はだれだと聞いたら、当日の当直者がやっている。そして、その責任者はほとんど調べていない。つまり、当直人がやっているのですよ。それからもう一つ、人が入ってくる場合、何かすぐベルの鳴るようなものがありますね。これは西側だけついておって、東側からは幾らでも入ってくる。何のことはない、外に向かってシャッターをおろしたけれども、中はがらんどうのようなものです。こういう状況なんですね。これがすべての局でそうなっているかどうかは、私はそこまで確認はできません。しかし、はっきりしていることは、貴重な金を送ってきて、それを郵袋に入れて札幌ではその中身を見ない、総数を東京に送る、こういうシステムになっておるわけですね。しかもその管理の場所がそういうことである。責任者はどうか。中を見ないから、個数だけの責任者だ。それが往々にして送状だけの数を確認はするけれども、一々現物を確認するというまでには至らない場合が非常に多い。夜の場合はどうか。その宿直人がそれを管理するような責任を持っていて、ほんとうの責任者というのはそれをやらない場合が多いというのです。一体こういう実情をあなた方御存じでしょうか。
○溝呂木政府委員 御指摘のとおりでございまして、夜間、郵袋が残ったまま保管される場合は、その場所でいわゆる発着口を全部締め切りまして、全部錠をかけ、そして内部にはいわゆる電波式郵袋監視装置とかいろいろの監視装置をつけまして、それに近づけばべルが鳴って、そして夜勤務しまたは休憩休息に入っている者のところに通ずるような処置を講じてやっているわけでございます。
○多田委員 そこで私伺いたいのは、今度の紛失の主要な責任は一体どこにあるのかということです。責任体制もあいまい、保管の場所もそういう状況。ついでに申し上げますと、その現場では労働者が数年前から、そういう貴重品を入れる保管箱をつくれという要求を組合側としても出しているが、一向に聞き入れなかった。今度この事件が起きて私行ったとき、局長はつくることにしました、こう言っているのです。労働組合でもそういう方向です。この間のストライキのとき混乱するので、労働者自身がボール箱やその他を持ってきて入れている。つまりこういう管理体制、責任体制、しかも国民が郵便局を信頼して預ける、こういう状況になっている。だから事故が起きても一体どこで起きたのかわからない。私はこんな体制になっていることを聞いてびっくりしたのです。そうすると一体この主要な責任はどこにあるのか。つまり郵政省あるいは局のこういう貴重品を管理する体制、その責任体制、それがほんとうにきちんとされてない、ここに私は根本の原因があると思うのですが、どうですか。
○溝呂木政府委員 御承知のとおり、郵便物を早くお客さまに届けるというシステムの中では、郵便を入れた郵袋というものは流していくというのは一つの原則になってございます。 ただいま先生御指摘の有証郵袋の問題でございますが、やはり私どもとしては、差し立て局において有証郵袋を入れ、それにちゃんと本省及び郵政局から指示したとおりの封緘をし、所期の手続をとっておるならば、まずそういった郵便物はなくならないものというふうに考えてございます。先ほど言いましたように、個数を確認しておれば——いままででも犯罪が起きた場合、必ずその個数が合わないことから発覚するという形で、郵便物を早く流し、しかもその郵便物をある程度安全にするという妥協点は、現在のところ郵袋に締め切って、しかもそれは封緘郵袋でございまして、普通の者があければすぐわかるような封緘になってございますが、そういった方法をとってございますので、もしこれの全体の責任ということであれば、そういう作業方法を指示した私に責任があるということになろうかと思います。
○多田委員 もう少し聞いてみましょう。郵便法の五十八条にこう書いてありますね。「書留の取扱においては、郵政省において、当該郵便物の引受から配達に至るまでの記録をし、若し、送達の途中において当該郵便物を亡失し、又はき損した場合には、差出の際差出人から郵政省に申出のあった損害要償額の全部又は一部を賠償する。」こうなっていますね。そこで、ここで記録をするということはどういう内容ですか、法の精神からいって。
○溝呂木政府委員 現在この法律に基づきまして私どものとっておりますのは、先ほど御説明いたしました中で、いわゆる引き受けのときにまず記録いたします。それから送達証をつくり……(多田委員「それはわかっています」と呼ぶ)そして、先ほどの有証郵袋として継ぎ越す場合は札幌中央郵便局ではあけませんが、もしこれが継ぎ越し郵袋でなしに、ほかの郵便局から来た書留郵便物と一緒にして東京中央へ送る場合、これは開披郵袋になりますが、その場合はその継ぎ越し局でもって記録をとどめます。そして最後に配達局で記録をするということで、私どもこの法律の条文に基づいて記録しているのは、引き受け局、継ぎ越し局及び配達局、この三段階でもって記録をしておるわけでございます。
○多田委員 私が伺っているのは、いま読んだ五十八条のところで、たとえば千円というごく少額の書留であっても、それを局の責任で失った場合には損害賠償しなければならないのですね。つまり一通一通にその責任を負っておるわけです。それが法の精神だろうと思う。だから損害賠償もしなければならない。いまあなたの説明によると郵袋引き継ぎのことを言われた。それも合理性は私は全部否定するわけではない。問題は、なくなっているということです。つまりほんとうに一通一通を確認するような、そしてまたその入った袋を確認するような体制になっておるのかどうか、問題はここなんです。つまりそういう精神でやられておるのかどうか。現実に事故が起きておることははっきりしておるのです。しかもどこで起きたかわからない、三カ月さがしたがわからない、こういう状況なんです。そうすると、一通一通を、ほんとうに国民から委託を受けたものとして——高い郵送料を払っておるのですから、そういう立場で一体処理しておるのでしょうか。それをちょっと伺いたい。
○溝呂木政府委員 結局、書留郵便物を引き受けてから配達までに記録をして、そしてまた亡失した場合にはその補償をするという一種の保険扱い的なものが五十八条の書留郵便物でございます。そこで私どもとしては記録の範囲をどこにとどめるか、まさに先生のおっしゃるように、もうあらゆる場所でもって全部一回大郵袋に封緘までされたものを開いて、あらゆる個所で中を開いて一通一通確かめれば、これは一番確実だと思います。しかし、そういたしますと郵便物は非常におくれてまいります。そこで書留郵便物の処理の問題と安全性の問題と、それから送達速度の問題との妥協点として、現在では先ほど申しました三カ所において中の一通一通を記録にとどめて確認をするということで、それ以外は、大郵袋という中に小郵袋も入っておりますが、それをさらに大郵袋に封緘されたその郵袋として送達するということで、結局現在の書留制度の安全とそれから送達速度の妥協点というものを見出したということでございます。
○多田委員 三カ所でそれを開封して、なおかつわからなかったというのはどういうわけですか、これは。その郵袋を開いたのに。
○溝呂木政府委員 先ほど申しましたように、本件は三カ所でなしに、いわゆる継ぎ越し郵袋として札幌中央郵便局ではこれをあけなくてよろしいという処理になってございますので、本件の場合には二カ所ということになろうかと思います。それで、いままででもそういう事件がございますと、個数確認は何カ所かでやっておりますので、多くの場合その個数確認の段階で足りなくなりますので、それで発見されておる。しかし本件の場合に、監察局等から聞いてみますと、個数はずっと確認されておるということでございますので、非常にむずかしい犯罪というふうに考えておるわけでございます。
○多田委員 そこで質問したいのですが、そうすると、先ほど東京で開いたと言いましたね。そのときはその送状のとおりきちんとあったのですか、書留が。
○溝呂木政府委員 個数は確認してございますが、その個数の中に、これは一つの推定でございますが、要するに有価郵袋と何らかの形でほかのものとすりかえてあった場合はそれ全体がなくなっていますから、その有証郵袋の中に送達証と書留郵便物が入ってございますから、その郵袋とほかのものとすりかえられた場合には、そのすりかえられた郵袋の中に入っておる郵便物は、いわゆる東京中央郵便局では発見できない、こういうことでございます。
○多田委員 いまあなたがお話しになったように、この紛失の問題というのは、私はやはり国民から預かっておる財産、これの管理体制、これに一くふうも二くふうもしてみる必要がある。先ほど言ったように、中央郵便局のようなところでも管理体制が必ずしも十分でない。保管場所も非常にルーズな点がある。それから旭川で発送し札幌を通過して東京であけ、福岡へ行った。この間どこで失ったかわからない。そして郵袋は、たとえばすりかえられるということもある。一体その責任体制はどうなっておるのでしょうか。どう考えてもわからない。 そこで——よろしい、時間がないから。つまり主要な原因は、やはり郵政省や局のこういう貴重品を扱う体制あるいは管理体制といいましょうか、そこに根本の不備があると私は思う。たとえだれかが取ったとしても、それが三カ月間も発見されない。それが東京から福岡へ行くまでわからない。これは根本的にそこに問題があるのではないですか。だからあなたは自分の責任だとおっしゃっておるのでしょう。そうじゃありませんか。
○溝呂木政府委員 先ほど私の責任と申しましたのは、私どもが指示したとおりの処理をしたことによって起こった責任は私の責任と申し上げたのでございます。たとえば当然個数確認をすべきなのにそれをしなかったとか、それから夜間の保管方法につきまして、発着口において戸をちゃんと締め、警報装置を規定どおりに据えつけ、そして要するにその場その場で善良なる管理者の注意をもって行なって、なおかつそういう事態が起きた場合、これは私の責任と申し上げるほかはないと思います。しかしそうでなくて、そういう個数確認をせずに、あるいは規定どおりの処置をしないでそのものが亡失した場合になれば、そのルーズな取り扱いをした者の責任ということになろうかと思います。
○多田委員 いまの回答を聞いておりまして、やはり取り扱った者の責任、ここがあなたからいま出たのだけれども、その取り扱い責任者が不明確でしょう。先ほど言ったように、札幌中央郵便局でも宿直者にやらしておるわけなんです。それから札幌では中継ぎだからこれはあけない、それで済む問題ではないですよ。確かにそういうシステムになっておる中でこれは生まれた問題でしょう。私ども常識からいえば、行くところところでやはり一通一通数えておるのではないか、特に金目のものは。そう考えておる。それは、さっきあなたが言ったようにスピードの問題があるから、場合によってはそういう合理化も必要だろうと思う。しかし大事なことは、この法の精神からいうと一通一通に責任を負っておる、たとえ千円の書留であったとしても。そうするとそれを徹底して守っていくようなシステムを考える必要もあるのではないか。そういうことを私は言っておるのです。その意味で郵政局のほうの責任ではないのか、個々の労働者や個々の担当者の責任というだけではなく。そういうことを私は言っておるのです。
○溝呂木政府委員 いろいろ制度からくる問題点とそれからその制度を運用している過程における責任の問題点ということで先ほど申し上げたつもりでございます。そこで責任者が過程において全然ないということではないと思いまして、ということは、札幌中央郵便局で夜間もしそういう発着口に郵袋を積んで保管する場合は、当然その勤務者の中でグループの責任者がいまして、その郵袋の全体の管理責任というものは、当然そのときに勤務しあるいはそこにおった者の中の長が負うべきであるというふうに考えております。したがいまして、たまたまその郵袋を取り扱った者の責任者というよりは、その郵袋を取り扱うような一つの勤務を指定され、その中で扱っておる人たちを監督しておる人、これはだれかが任命されておるはずでございます。その者の責任ということははっきり言えようかと思います。
○多田委員 それはまたあとでさらに聞きますが、そこで私は郵政監察局に伺いたいのですが、どこでこれが紛失したかわからない。札幌はともかく通っただけだ。これはあけてないのです。ところが札幌で、あなたも御承知だと思うけれども、この二日にわたって当夜宿直した人あるいは中勤の人、その他十六人が次長室に呼ばれて一人一人調べられておる。そこで伺いたいのは、こういう取り調べは、札幌だけじゃなくて関係する局全部でやっているのですか。
○森田説明員 一般的に申しまして、そこでなくなった容疑が濃いというところでは、一人一人関係者をみな呼びまして任意にものを聞くことがございます。その必要がないと思うときには聞かないこともございますので、今回の問題につきましては、東京なり空港郵便局なり、あらゆるところで関係者全員を呼んで聞いたということはございません。
○多田委員 それでは札幌中央郵便局に、あなたはその犯罪の可能性があるというように見たわけですか。
○森田説明員 可能性と申しますか、蓋然性が札幌中郵でなくなったということはきわめて強いというふうに考えております。
○多田委員 それはどういう根拠ですか。
○森田説明員 これは現在捜査中の問題でありますので、微に入り細をうがった話は控えさしていただきたいと思いますが、そのときに郵袋の滞留しました時間もしくは監視の状況、そういう点、あらゆる点を勘案いたしまして、札幌中郵でなくなった蓋然性が非常に高いというふうに判断しておるわけでございます。
○多田委員 ちょっと、いま郵袋を開封したと言いましたね。
○森田説明員 滞留です。局の中にある時間、たとえば千歳空港では十分しかない、そしてコンテナからみな立ち会って入れておるというふうなところは、一応みな調べましたけれども、そこでかりにすりかえということばを使いますならば——かりの問題でございますが、そういうことはなかなかできないであろうというふうな観点に立って、一番蓋然性が強いのは札幌中央局ではなかろうかというふうに監察官としては判断いたしております。
○多田委員 中継基地で、札幌には十二時間滞留したそうですね。そしてあなたの話でいえば蓋然性が強い——蓋然性と可能性はどうなのかということ、可能性と言ってもいいでしょうが、強いというふうにあなたは言っておられるわけです。 それでは伺いますが、先ほど言った郵袋が来て、それを管理する責任者、これは一体どういう態度をとったのですか、そのとき。どういう責任を管理者はとったのですか、十六人を調べているけれども。
○森田説明員 札幌中郵の関係者、関係のある諸君に対しまして、いろいろと任意に話を聞いたり調査を続行中でございます。
○多田委員 いや、問題はこういうことです。管理者がそのときどういう態度をとったか。郵便局長だけじゃなくて、そのときの郵袋の何といいますか保管の責任者、現場の責任者、それはどういう態度をとったのですか、そのとき。
○森田説明員 郵便局長なり次長なりの話は詳しく聞きました。それで、もしここで、当局で亡失したのなら非常に申しわけない、一生懸命に監察の捜査に協力したいということを申しておりましたが、その当務者のキャップになる人——課長代理さんぐらいになると思いますが、個別的にどういうふうな答弁をしたか、そこまでは、いまのところちょっと手元に資料がございませんので、至急調べた上で御報告申し上げます。
○多田委員 先ほど私が言いましたように、やはり私は、この管理体制とかそういうものが非常に大きな原因になっておると思うのです。 そこで私が伺いたいのは、十六人調べられて、さらにその中から六人がピックアップされて、つまりポリグラフにかかっておるわけです。ポリグラフというのは俗称うそ発見器、これにかけられておる。それで私が伺いたいのは、このうそ発見器というのは、郵政監察局の持ちものですか、それとも他から借りたものですか。
○森田説明員 北海道郵政監察局備えつけのポリグラフでございます。
○多田委員 そうすると、その六人は、十六人の中でそれは最も容疑の深い者というふうにあなたは見ておられるわけですか。
○森田説明員 現在捜査中の問題でございますので詳しい話は控えさしていただきたいと思いますが、決してその六人が一番容疑が濃厚であるということで調べたわけではございません。
○多田委員 それはおかしい話だ。つまりまだ犯人も確定しない、容疑者ともまだいえない、それをポリグラフのようなものにかけるというのは問題です。うそ発見器にかけるというときは、警察の場合でもよほどの容疑の濃厚な者、これに犯罪の事実を引き出すためにかけておるのです。ところが十六人のうちから六人をピックアップして、まだそれほどの容疑もない、またそういう確証もまだはっきりしないという者をうそ発見器にかけておる。これは私どもは、人権を無視したやり方だ、こう言っているわけです。 そこで、私は大臣に伺いたい。郵政監察局を指導される場合、一体何を第一の力点として業務上、指導されておりますか。
○久野国務大臣 ただいま御指摘のように、人権を十分尊重し、またこの郵袋紛失事件等に見られるように、利用者の方々に御迷惑をかけないようにすること、そうしてそういう事件が起きた際には、やはり管理体制というものを十分注意をいたしまして、事実が判明をいたしますれば、責任の所在を明らかにするように指導をいたしていきたい、かように考えておる次第でございます。
○多田委員 いま大臣も、人権はやはり尊重していかなくちゃならない。これは現場の郵政監察局の第一部長も、第一に人権を尊重してやりたい、こう言った。ところが、このうそ発見器、ポリグラフにかけるということは、これは人権を尊重したといえない。この人たちは、みんな任意でやられたのですか。
○森田説明員 人権を尊重すべきことは当然のことでございまして、このうそ発見器にかけました六人は、みんな任意でございます。
○多田委員 私は、その中の一部の人に会いました。たとえば二十六歳のある青年がこれにかかっておる。初めは拒否しておるのです。ところが次長室に呼ばれて、犯人はわかっておるのだ、そして、かからないとおまえが疑われるよ、こう言うわけです。おまえも六分の一の容疑だ、こう言われておる。それでその人はとうとう受けておるのです。うそ発見器、ポリグラフにかかっておる。つまりこれは同じ部内でしょう。部内でそういうことを言われたときは、部外者の人と違って、それは自分の人事に関係するし、これは精神的にも心理的にも脅迫なんですよ。あなた方、脅迫したと言ったらいやでしょうけれども、これは圧迫です。拒否すれば自分たちの人事にかかってくる問題だ。六分の一の責任を負うのだ。しかもどういうことを聞いたか。まず、氏名、年齢、家族、これは事前にやられたけれども、こういう聞き方です。盗んだのは酒のためか、盗んだのは女のためか、かけごとのためか、あるいはいままで盗みをしたことがあるか、これをイエスかノーかで答えろ、ただそれだけなんです。弁解の猶予も何もない、アメリカ式にイエス、ノーで答えろ、郵便局で盗みをしたことがあるか。局の封筒一枚をちょっと私用に使う、これはざらにあることです。何かものを入れるときについ自分の私用に使うということはあるでしょう、たまたま。それから、いつやったのか、こういう調査を受けておる。しかもある青年は二回にわたって尾行されておる、三月十七日と三月二十五日。ひどいショックを受けておる。それからまだある。重大なことは、ある金融機関を通じてそこの労働者の預貯金を調べさせている。これはいま名前は発表できないけれどもこういうことが、いかに司法警察官と同じ権限を持たされているとしても、同じ部門の者に一体こういうことをやることが人権を無視したといえないのでしょうか。しかもまだはっきり容疑者ときまっていないし、あなたがさっき言ったように、この六人を十六人の中からピックアップするのはそれほどの容疑があるとも見えない、こう言っておる。これは人権問題じゃないですか。
○森田説明員 ポリグラフを使用いたしますのは何も犯人ときめつけてやるわけではございませんので、心理鑑定ということばを使っております。心の動きを鑑定する心理鑑定をやって真実を発見したいということでわれわれはやっておるわけでございまして、当刻A君といいますか甲君といいますか、私の受けた報告によりますと、最初、突然そんなことをいわれてもいやだ、しかし日を改めたらけっこうですということで、数日後本人がきん然と承諾してくれてポリグラフにかけたという事実はございます。 それから次長が六分の一責任があるとかいう話、いま承りましたが、私も北海道監察局長を通じていろいろ調べましたところ、そういう発言はしておらないというふうに報告を受けております。 それからおまえは金を盗んだろうとか、女につぎ込んだろうというような御質問がいまございましたけれども、これはポリグラフの質問書というものの一種の形態でございまして、中身はそういうふうな聞き方はいたしておりません。たとえば、君は犯人が女のために金を使ったと思うかというふうな聞き方でございまして、大事なところが抜けておるような感じが私はいたします。 いずれにしろまだ捜査続行中でございますので、個別的なものごとにつきましては差し控えさせていただきたいと思いますが、人権を尊重するという点につきましては常々大臣からも言われておりますし、今回の捜査にあたりましても、北海道監察局長は担当監察官全員に人権尊重ということはくどいほど念を押してやっておりますので、監察官がそういうことを発言したというふうには私は考えられません。
○多田委員 いまの答弁の中できん然と受けた。きん然というのは日本語だったら喜んで受けるということです。喜んで受けた人は一人もいないですよ。そういうことばのあやでごまかしてはいかぬですよ。みんな渋々受けている。うそ発見器にきん然とかかるなんというそういう感覚だから、あなたにはこの問題が人権無視とは感ぜられない。 それから次長がそういうことを言ってないという、それは記録したわけでもないのだから、次長はそれを否定すれば幾らでも否定できるでしょう。私の言っていることが不確定というならば、あなたの否定していることもそれも不確定です。重要な問題は、尾行、張り込みから金融機関まで手を伸ばして調べている。そしてこれはうそ発見器、私は郵政局内でうそ発見器を使ったのは初めて聞いたのですけれども、これまでやっている。しかもそれは容疑は濃厚ではない、管理体制もさっき言ったようにはっきりしない。これが一体人権無視でないといえるのですか、大臣。先ほど大臣は人権を尊重すると言われましたけれども、こういう事態があった場合、これはほんとうに人権を無視してないといえるのでしょうか、それを伺いたい。
○久野国務大臣 ただいま質疑応答を通じてお話は伺っておりますが、目下捜査中の案件のようでございます。でありますから真相が判明次第、その措置その他については十分これは検討いたしていくべきことである、かように考える次第でございます。
○多田委員 捜査中であることは重々知っております。問題はその捜査中における捜査のやり方の問題なんですよ。一歩下がって、あるいは中央郵便局から犯人が出るということもあり得るかもわからない。そういうことのないことを希望するけれども、問題は捜査のやり方なんだ。しかもこれは局外の人に警察がやるというのなら別ですよ。郵政局内でやるからこれがいろいろな意味で圧迫になるのです。しかもこういう内容でやっておる。ポリグラフを使うときには相当確実に、これは犯人は間違いない、ただ犯人はごまかしているからその心理調査をやるというのであって、まだばく然とした、十六人もいるその中から、さっきのあなたの発言じゃないけれども、あまり濃厚でもない六人を選んで、私はどういう根拠で選んだのかこれも聞きたいけれども、そうしてそれにうそ発見器をかけておる。これが人権無視でないとするならば、郵政監察官の監察というのはものすごく広がりましょう。これから労働運動をやって、何かの容疑で呼んでおいてうそ発見器にかける。だれだって青年にはいろいろな弱点があります。独身の人が多いのだから女性とも遊びたいでしょう、酒も飲みたいでしょう、かけもやっておるでしょう。それを言われれば、正しいと思わないからびっくりするでしょう。そういうやり方を同じ局内でやっておるあなた方の心理が私にはわからない。しかも、大臣聞いてください。国民の財産を預かっていて、先ほどの政府答弁じゃないけれども、そこの当事者の責任だと言って、管理体制その他の根本にメスを入れるということもしないでやっているから、すべての犯罪は労働者の問題だ、そこの一係員か何かの問題だ。そうじゃないでしょうか。保管箱さえ用意しないで、この問題が起きてから局長があわてて保管箱をつくっておる、団体交渉の中で。こういう体制こそがこの問題を生み出している根本の問題でしょう。だから監察局に言いたい。労働者を調べるよりも、この郵政の中の管理体制、そういうものに根本のメスをあなた方は入れるほうがもっと大事な問題でしょう。どうですか、大臣。
○森田説明員 お答え申し上げます。 監察官の任務は郵政犯罪の防遏もしくは犯罪がありましたときの犯人の検挙ということになっておりまして、郵便の仕組みがどうこうという基本的な問題につきましては、業務担当部門でいろいろお考えになることでございます。私どもは現在の制度が百点満点とは申し上げられませんけれども、みんなが言われたことをきっちり守り、規定どおりやっておれば、いまほど犯罪は起こらないのではないかという確信を持っております。 それから、きん然ということばで御忠告を受けましたが、北海道からの報告は、承諾を求めたところ快く応じたものであります、とありますので、私がつい昔風にきん然ということばを使ったわけでございまして、本人がきん然とやったかどうか、これは快く応じたということでございます。
○多田委員 つくったことを守れば事故がない。額面はそのとおりです。ところが札幌中央郵便局の小包郵便課では三年前に保管手続の規定というものをつくったのです。ところが現場で聞いてみると、ほとんどこれが守られていない。だれが守らしていないのか。問題は責任者なんですよ。そういう規定をつくりながら、しかもそれを守らしてない。だから私が言っておるのは、額面やことばは聞いておればそのとおりだ。問題は、この法の精神にあるように一通一通の郵便物に責任を負うのだ。たとえばマスとしてのかたまりではなくて、特に金の問題については、単に精神主義的に言っておるのではなくて、送ることからその授受に至るまでそういうシステムについてもっと根本的に考えてみたらどうだということを私は言っているのですよ。 そこで時間が来ましたので、私最後に申し上げておきたいのですが、これを改善するのには一体どういう方法を用いたらいいでしょうか。こういう事故を二度と起こさないためにどういうことが必要だと思いますか。
○森田説明員 この問題に関しましては、犯人を検挙した暁にいかなる具体的な当該局における欠陥があったかということを追跡するのが一番早手回しだと思い、ただいま犯人逮捕のために監察官が全力をあげて捜査を続行中でございます。
○多田委員 それでは犯人がつかまっても問題の根本は少しも直らぬですよ。私は次の点を大臣に対して要請しておきたいのです。 第一には、確かに行ってみたら忙しいですよ。だから一つは人員をふやすことです。特に、国民の金を預かっているところで一円なくなったってこれは問題なんだから、その管理体制が徹底していないという一つの問題は、これは人員の問題です。この点をひとつ第一に考えてもらいたい。 第二番目、これは郵袋の授受ごとに発着を詳細に記録できる体制を私は考えてもらいたい。人を削ろうと考えているから、そういう問題がみんな抜かっていくのです。これはシステム上の問題です。 三番目は作業場のスペースをもっと広げることですよ。それから、保管室をつくることです。これは労働者が現場から何年も要求しているのです。 それから次に、私は、郵政当局者はやはり労働組合、労働者を敵視しているのではないかと思うのですよ。というのは、労働者の中から長年にわたってこの改善の声が出ている。ところが、それは管理上の問題であるといってこういう問題について話し合いに応じてない。労働者はそこで働く。自分が疑われるのは一番いやだ。あなた方よりももっといやだ。そこから意見が出てくるのです。だから、そういうことを局長がくみ上げて改善するというこういう体制をとらないというと、働いている者は一番矛盾を感じるのだから。 最後に私が申し上げたいことは、こういう人権無視の取り調べはやめたほうがよろしい。やめるだけじゃないですよ。私は当局が十六人に向かって陳謝しなければならないと思う。そういうことをやったのが、もしあなたが許可をしたんだったら、あなた自身があやまらなければならないのですよ。これがあなたが言わないのに札幌監察局がやったとすれば、これはその人の責任でもあるのです。この辺についてひとつどうですか。それぞれの関係の人からひとつ……。
○溝呂木政府委員 ただいま御提案の第一点は定員をふやせということでございます。私ども当然物量に応じた定員の配置を心がけておるわけでございます。特に中央郵便局等におきましては、これは先生がごらんになったときはちょうどピーク時の状態ではないかと思います。そういうことでございますので、定員をふやすということ、あるいはその配置のしかたとか、そういったものについては、もし札幌中央郵便局において取り扱い物数に適応しない定員の配置になっておるならば、それについては考えてみたいと思います。 それから、発着口における記録の問題でございますが、この点につきましては、私としては発着の関係は、単にあそこは保管する場所ではなしに、結局到着した郵袋を早く二階なり三階の作業場に運んだり、あるいは二階なり三階でできた郵袋を発着口に持ってきて自動車に積み込むなり、要するに積み込む場所だというふうに考えておりますので、その場で全部保管手続をとりますと、相当郵便物の遅配といいますか、おくれにつながるような感じがいたしますので、この点につきましてはもう少し研究させていただきたいと思います。 それから、作業場を広げることは、これはもうおっしゃるとおりでございまして、私どもいま郵便局を逐次つくってございますが、まず第一に最近一番問題になっておりますのは、発着口と作業場というものが他の部分に比較して狭隘であるということをつくづく感じておりますので、今後とも郵便局の改善にあたりましては、作業場を中心にした改善を行なってみたいというふうに考えているわけでございます。 それから保管室の問題でございますが、これはたぶん、夜間無人になる場合に、発着口に錠をかけてそこを保管場所にすることに対して、何か別に保管場所を設けるかあるいは保管箱を設けるかという意味かと思いますが、この辺になりますと、夜間に保管される郵袋の数とか大きさ、そういったような問題で一がいに保管箱を設けることにつきましてはかなり問題があるのじゃないか。それから保管室というものを別の建物に持っていきますと、そこまでその郵袋を全部運ぶという問題もございますので、これはいろいろの面からもう少し検討さしていただきたいというふうに考えるわけでございます。
○森田説明員 このたびの捜査につきまして、人権無視というふうな観点から先生からいろいろ御忠告をいただきましたが、私どもは人権を無視するような捜査をやっておるつもりはございませんが、これからもいろいろの機会がございますので、全国の監察官にはいまおっしゃったようなことを徹底的に周知いたしまして、今後の取り調べにあたって人権無視と思われるようなことがないようにということは徹底させます。しかし、監察の立場としましては、国民からお預かりした大事なお金を盗む犯人が一番憎いわけでございまして、あらゆる方法、合理的な合法的な方法を使いまして、全力をあげて犯人を逮捕するように努力したいと思います。
○多田委員 最後にまた先ほどから繰り返しくどく言っておりますが、これだけの事故が起きておるのに、私の聞くところによれば、これはあまり捜査の妨害にならないようにというので、新聞でも何か発表なされないようであります。その是非はともかくとして、いずれにしてもこういう事故が現実に起きておる。そうして現場の労働者に聞けば、事故はもっとこまかいことはいろいろあるのだ、こういう話も聞いております。ですから私は、やはり先ほど言ったように、一通一通の書留あるいは信書も含めて責任を負うという立場で体制をきちんとしてもらいたいという問題が一つと、それから最後に人権の問題、これはいま人権無視と思わない、こう言ったけれども、これは明らかに人権無視であるということははっきりしておる。それで最後に大臣のこの問題についての発言を聞きたいと思います。
○久野国務大臣 ただいま御指摘の事故につきましてはたいへん遺憾に存ずる次第でございます。利用者の方、御迷惑をおかけいたしました方々には私から深くおわびを申し上げたいと存ずる次第でございます。 やはり郵政省のこの事業を国民の皆さまのものとして円満に運営をしていくには、愛されるものでなければならぬと思うのであります。であるだけに、先ほど来るる具体的な事柄について御指摘がございましたが、そうした点等につきましても十分留意をいたしまして今後私は指導をいたしてまいりたい、かように存ずる次第でございます。
○久保田委員長 次回は明十日木曜日午前十時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時十八分散会