逓信委員会 第13号
- 発言数
- 60 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1973/04/19
会議録
○久保田委員長 これより会議を開きます。 簡易生命保険法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。米田東吾君。
○米田委員 きのう私の質問に対しまして保険局長は、集金事務の委託についてはそれぞれの団体の内面指導として、集金委託は今後も続けていくという答弁があったわけでございますけれども、これは再度本日確認をしてから次の質問に入りたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○野田政府委員 ただいま集金委託というお話ございましたけれども、正式に申し上げますと、保険料の取りまとめの委託と申しますか、代表者が取りまとめて郵便局に払い込む。これは保険料の払い込み団体を認めております以上、やはりそういうことになろうかと思っております。
○米田委員 集金委託、取りまとめを頼む、ことばの使い方が違っただけでありますが、おそらく従来あなたのほうでとっておられました団体加入に対する集金委託の仕事というものは、今後も継続されるというふうに理解をして差しつかえないと思うのでありますけれども、そういうことでありませんか。
○野田政府委員 現在いろいろ弊害も起こってきておるようでありますが、そういうものを排除いたしまして、加入者の利益の保護、それから簡易保険事業の健全な発展ということが保証されます限り、やはりそういう形で進めていきたいと思います。
○米田委員 保証される限りということでございますので、保証されればもちろん問題がないと私も思いますので、そのことは確認をしておきたいと思うのでありますが、ただ問題は、そこで一点だけ局長の見解をただしておきたいのであります。 そのような集金事務をあるいは取りまとめでもいいと思うのでありますけれども、その団体に、あなたのほうの郵保業第二百七十三号に示されておるこういう内容での委託、公益法人に対する委託、きのうの御答弁では大臣の監督が届いておる公益法人に委託をするという趣旨の答弁があったわけでありますけれども、そういうことでの委託というものははたして合法かどうかということが、この保険法と約款等見まして私はどうしても疑問として残るわけであります。団体内部のことだからいいじゃないかということであるとすれば、この郵保業第二百七十三号の委託云々ということも内部干渉になるわけです。ただ、あなたのほうではそれは指導としておやりになるという答弁がきのう返ってきたわけであります。ということになりますと、相手のほうの意思いかんということによってきまるわけであります。いわゆるこの郵保業二百七十三号通達の趣旨に沿わないことになるということは、いまの御答弁によれば保証が得られないということになると私は思う。ということになりますと、この団体は団体としての料金取りまとめができないわけであります。したがって、団体として認めることができないというふうにならざるを得ないと私は思うのであります。それはあなたのほうの御答弁であって、要はこの通達どおり公益法人に結果的に請け負わせて、それによってこの団体維持というものをやっていこう、それがほんとうのねらいじゃないかと私は思うのであります。そうなってまいりますと、はたしてここまで広げること、要するに集金委託ということで広げること自体がこの法の示しておる内容に反することになりはせぬか。要するに、あなたのほうの監督といいましょうか、あるいは保険の管理といいましょうか、保険局長が契約者に持っておるところの権限に照らしてみまして、相手に対して十分な保障ができない、そういうことになりはせぬかということを私はおそれるわけでありますけれども、法的にひとつ、どういう判断で取りまとめて頼むということが合法だという解釈が出てくるのか、もう一回答弁をしていただきたいと思います。
○野田政府委員 簡易保険の保険料の取りまとめを頼むのは簡易保険局が頼むのではございませんで、その当該払い込み団体の代表者が集金の取りまとめを第三者に委託をする、こういうことになろうと思います。たびたび申し上げておりますように、これは簡易保険の契約者が任意に団体をつくる、あるいは既成の団体の中の保険契約者が保険料の払い込みについて一応規約をつくりまして、代表者を定めて郵便局に届ける、それによってまとめて保険料を払い込む場合には七%の保険料の割引がある、こういうのが保険料払い込み団体の本来の姿であります。したがって、その団体の運営等につきましては全部団体の自律性といいますか、当然でありますが団体の自主性によってきめられておるわけでございます。代表者が自分で保険料をまとめて払い込むという場合も非常に多いわけでございます。そのほかに代表者が第三者に委託する場合もあります。 ところで、いま申し上げましたように、契約者が主体的に団体を組成しまして郵便局に届けてきた場合には郵便局は受けざるを得ない、こういう形になります。現在の団体を解散するといいますか、団体を認めない場合は約款で二つ定めてあります。要件としまして、第一点は非常に異動がひんぱんな場合。これは郵便局なりあるいは地方簡易保険局における手続が非常に繁雑になる。その団体構成員の異動が非常にひんぱんな場合であります。第二は保険料の払い込みが滞る場合というふうに、取りまとめて払い込む能力がなくなった場合あるいは現実に払い込まない場合、初めてその団体を解散といいますか、団体取り扱いの停止をすることができる、こういう規定がございます。それ以外に団体内部につきまして、これを解散させるとか、あるいは受け付けないという権能は現在の約款の上ではないわけでございます。そういう形から、先生も御承知のように、またいろいろ御指摘がありましたように、現在の保険料払い込み団体の運営につきましてはいろいろ問題がございます。これは正直に申し上げまして募集との関連等々もあるわけでございます。いま御指摘の今回の通達の本来の趣旨は、現在非常に乱れておるというとちょっと言い過ぎかと思いますが、秩序・立っていない集金団体の組成、運営等について、ひとつこれを整序していく、秩序立てていこう、こういうのがほんとうのねらいでございます。簡易保険局としましてはその団体の中に手を入れるわけでもありませんし、公益法人に委託するというほんとうのねらいは、先生も御指摘になりましたように郵政大臣の監督下にあるわけでございますので、比較的監督なり指導がしやすい。第二点といたしましては、公益法人でございますので営利を目的としない団体であります。要するに問題は保険料割引額の七%をめぐってのいろいろな問題があるわけでございますので、これを郵政大臣が直接監督できる公益法人に委託したらどうかというねらいは、郵政大臣が指導しやすいということ、第二点はこれが非営利の団体である、この二点になろうかと思います。ところがこれを強制するわけにはまいりませんで、御指摘のようにこれは私どもの指導によって進めていきたい、こういうねらいでございます。
○米田委員 わかりました。 そこで、私、問題になるのは、実態的に見ると、あなたのほうが通達をしばしば出して、集金事務とか、あるいは同趣同好等きのう問題にいたしましたこれらの団体をもっときびしく規制をしていかなければならぬという事態が出てまいりましたのは、通達からいきますれば四十五年ごろからです。あるいはその前からも出ておったかと思うのでありますけれども、特に一つの募集の手段としてこの団体保険制度というものか活用された――いいことばで言えば活用された。そういう時期から私はこの種の問題が出てきたと思うし、あなたのほうも、あらためてこの団体に対してこれを何とかしなければならぬという判断を持つようになったのじゃないかと私は思う。そういうことからいきますと、この集金の関係というものは団体の自主的な要請といいますか、団体自体が自主的に生まれたということにはなっておらない。むしろ第一線のあなたのほうの外野の諸君あるいは奨励を担当する局長、課長等が政策的にどんどんこの団体をつくらせて、そうして集金なんかは局でやってやりましょう、あるいはたてまえはこうなっておりますけれども、だれかに頼んでやったらどうですかというようなかっこうになって、これがルーズになってきたというふうに私は見ておるわけであります。そういうことになりますれば、今度の集金面だけを考えてこの公益法人に委託してもよろしいということになりましても、真にこの保険が保証しておる加入者との関係の財産の保全等に対する確実性、そういうものについて十分とはいえないようになってくるのじゃないか。問題はその募集のあるいは保険の体質、現在募集維持の中にあなたのほうが持っておられる体質を変えないと、これに委託をして大臣の監督をもってやればうまくいくだろうということは甘いのじゃないか。おそらくそういうことはまたいろいろな不正や問題を生むことになっていくのじゃないか。要するに矛盾は形を変えて拡大していくのじゃないかというふうに私は思うわけでありまして、こういう方法ではたしてやれるかどうか。これはきのうから私申し上げておりますが、非常に甘いのじゃないかという気がする。もともとこの団体というものは集金能力を持たなければ団体として認めないでいいのですから、そういうことで規制をしていったらどうか。何か逃げ道をみずからつくってやるようなかっこうで、ここに委託すればいいでしょうというかっこうで指導するよりも、やはり団体の一つの重要な要件になっておる集金等についてその団体独自に十分な体制をつくってやり得る、またやらなければならぬという、そこに歯どめをかけてきびしく規制をするということでいくべきじゃないか。委託団体をつくっておいて、そうしてこれに委託すれば認めてあげましょうというようなことになると、私は制度上も問題が起きてくると思いますし、それは結果的にはいままでの病気をなおすことにならないだろう、こういうふうに実は思うのですけれども、これはどうですか。
○野田政府委員 ただいま先生御指摘のように、この団体の問題等が起こってきましたのは大体三年ぐらい前かと思うのであります。これはいろいろ理由もあろうかと思いますが、確かに一部で募集面での過熱といいますか、この問題、もう一つは契約者側に、最近の消費者運動の高まりというようなことからのいろいろな批判が出ておるわけであります。総体として申し上げますと、保有契約が四千六百万件ぐらいございますし、前年四百三十万件程度の新契約がとれておるわけでございますけれども、いま御指摘のようにいろいろ問題が発生をしておる局なり団体というのはごく一部であります。結局その一部がいろいろ大きく取り上げられまして、事業の信用を失墜したりなんかするわけであります。いずれにしても、ごく少数の、ごく一部のものでありましてもこれは矯正をしていかなければならない、このように考えます。 御指摘のように、基本的な保険事業の進め方の問題にまであるいはさかのぼると思うのでありますが、これは募集の問題、集金の問題、確かにいろいろな問題を包蔵いたしております。ただ、この集金団体の指導につきましては、ただいま先生おっしゃいましたような点で、現在あります団体の指導につきましては、これは団体制の維持というような点につきまして十分指導していきたいと思います。今後新しくできる集金団体等については、ただいま御指摘のありましたようにその団体が自分で個有の集金能力を持つ、こういうものについて団体取り扱いを認めていく、こういう方向で進めていきたい、こういうふうに思っております。
○米田委員 もう一つ。もしこういう制度がここで正式にこの通達をもって発足することになりますと、現にいままででも、この通達の中にありますように現実には委託してやっておるところがあるのですね。しかし、それはあなたのほうでは公然とは認めておらなかった。まあ指導の面でやむを得ないということで許しておられたと私は思うのですね。ところが、この通達で、今度あなたのほうで一つの基本的な方針として団体間の集金というものは委託をしてよろしい、その団体はこれだ、それは公益法人としての加入者協会、いまのところ、これしかないという答弁であります。ということになりますと、結局はその団体あるいは団体内部の集金だけを扱ってみたけれどもうまくいかないという場合のことを考えますと、これがそこでやめられればいいのですけれども、うまくいかない要素がほかにもたくさんある。さっきあなたがおっしゃったように、募集の関係がまず一つある。それから、同じ加入者のところへ片方は制服を着た郵便局の人が集金に行く保険がある、片方は委託された団体の集金が行って集金してくる保険もある。併合をやりなさいと言っても、加入者のほうでいうことを聞かなければ両方行くことになるわけだ。どっちがどっちかわからぬというような事態も出てくるだろうと思う。 いろいろ考えますと、結局言われておりますところの集金事務というものは一元的にこれは委託する、一番おそれているそういう一つの道を開くことになりはせぬかという心配もまた逆の面からあると私は思うのです。それで、あなたのほうではいまのところ郵便局で扱っている本来の保険の集金まで委託するということは毛頭考えておらない。きのうから繰り返して答弁されておりますけれども、それはそのとおりだろうと思うのです、いまの段階では。しかし、結局は、この団体間の集金委託をやってみたけれどもうまくいかないということになれば、じゃそれはもうやめてしまうということになれば問題はないけれども、逆に今度、結果的にはこれはもう集金事務一切を委託してやらせたほうがよろしい、人件費も要らなくなるし、それから郵便局の販売という面も一元的にできることになるしと、そういうようなことでエスカレートしてこないか。一体どこに歯どめがあるのだろうか。そういうことになりますと、やはり法に基づいて、原則に返って、保険法の一条とかあるいは三条、こういうところに基づいて、きのう私が冒頭に確認いたしましたように、この精神に返らざるを得ない。そうだとすれば、一時的に集金の関係や募集の関係での抵抗があったにしても、あるいは多少の混乱があったにしても、きびしくこの法の精神に基づいて団体保険等の取り扱いについては再出発をすべきではないか。したがって、こういう便法はむしろ混乱を拡大することになるからこれはやめて、あくまでも本来はその団体の代表者によって保険料を取りまとめ集金して、そうして郵便局の外務員に渡すのですから、そういうところに立ち返って、それをきびしくやられたらどうか、こういうことを私はしばしば申し上げておるのです。本務者が本来やっております一般の保険にこれが拡大されないという保証は一体どこにあるのでしょう。いまのところあなたは繰り返しそういうことは考えておりませんし、やりませんと言っておりますけれども、それはこの保険法の精神に立ってあなたのほうでははっきりと答弁されるのですか。法律の保障が明確にあって、そうしてそういう答弁をされているのでありましょうか。政策的、行政的にとりあえずいまはやらない、こういうことでの解釈なんでしょうか。法的根拠をひとつはっきり私に示していただきたいと思います。
○野田政府委員 先生御指摘のように、まさに簡易保険の生命とするところは、これは集金組織が非常に整備しているところだろうと思います。また集金即募集といういままでの簡易保険のあり方というのは、これは現在でも今後当然続けていくべき制度だと思います。集金を全面的にやめて、募集は募集で一部募集専務という形でやっておるところもありますけれども、やはり簡易保険のほんとうのあり方というのは、集金即募集でいくべきだ、こういうふうに思いますし、かつまたそういう方向でやっております。今回この約款によりますと、四十一条で「保険料は、集金人払込の場合には払込場所の集配受持郵便局の集金人に、窓口払込の場合には保険契約者の指定した郵便局に払い込み」と書いておりますし、約款の上からも当然原則としましては集配受け持ち局の集金人に払い込む。したがって、これは取り立て債務ということをいっております。と同時に、集配局の集金人が受け取るというのが原則になっております。これを変える意図も毛頭ありませんし、今後こういう方向で当然進めていくべきだ、このように思います。 昨年の十二月出しましたあの通達につきましては、たびたび申し上げておりますように、その団体を同趣同好団体に限定いたしております。同趣同好団体については現在いろいろ問題が起こっておりますので、こういう方法で取り扱いなさい。ただいま先生御指摘のように、ある種の旅行保険というような保険料の高い保険は団体の取りまとめといいますか集金人が集める、そのほかの小さい契約なりその他は制服制帽の郵便局の局員が保険をとっておる、そういうことを厳に慎むようにということを通達でうたっておりますけれども、あくまでも対象は同趣同好団体に限っておりますし、基本的な考え方は、現在あります同趣同好団体のあり方を秩序づけるというのが一つと、それからもし今後こういう形のものが出てきた場合には、こういう基準に従って引き受けなさい、こういう指針を出したわけであります。そのほかのものにも拡大していこう、こういうつもりは毛頭ございません。
○米田委員 私は募集の関係を非常に重視するわけなんですけれども、いまの局長の答弁で大体わかりました。問題は、この募集の関係にも必ず影響が出てくる。一つは消化の面で影響が出てくるだろうし、それから募集それ自体が良質募集にならない。おそらく委託を受けた団体集金人あるいはその団体が固有で取りまとめをしておる集金人、そういうようなものは集金を通して募集という関係は必ず出てくるはずでありますし、それは十分承知しておられるはずでありますが、そういうものが募集する保険というものは、私は必ずいろいろな面で問題が出てくるんじゃないか。郵便局の外務員が行かれてよく話をして、その人の経済とか家庭状況等に対応できるような保険金額を設定して、そうして納得ずくで長期払い込みができるようなそういう良質の保険をとってくるということにはなかなかならぬだろう、そういう心配を実はするわけでありますから、そういうことにつきましては十分ひとつ配慮すべきじゃないか。詐欺的な行為のようなかっこうで、とにかく保険料さえ高く取ってくればいいのだ、そうしてあとは団体還元でもって、あなたのほうは芝居も見ます、ドックにも入ります、旅行にも行きます……。利用するための団体保険や集金にならないように十分配慮すべきじゃないか、私はこう思いますので、そのことだけを申し上げておきたいと思う。 それから、あなたのほうが委託を考えておられます加入者協会の関係でちょっとお聞きしたいのでありますけれども、この団体というのは実態は何でしょうかね。昨年参議院の決算委員会で公明党の同僚議員からこの加入者協会の内容について二、三質疑が行なわれておるわけであります。私はこれを見まして一つの懸念も実は持っておるわけでありますけれども、これが大臣が認めた公益法人だ、大臣の監督が届いておるということであなたのほうは画一的にこの団体に委託しなさいという内面指導ができるような一体団体の体制にあるのかどうか。非常に私は疑問を持つのでありますけれども、この法人は一体何の目的で、いま実態はどうなっておるのでありましょうか、お聞かせいただきたいと思います。
○野田政府委員 ただいま御質問の加入者協会でございますが、これは昭和三十五年八月に設立をされました。この加入者協会の前に申し上げたいのは、加入者の会というのが実は各集配郵便局ごとにございまして、これは、現在の民間の生命保険の運営は二十社のうち十八社が相互保険会社で、二つが株式会社です。相互保険会社におきましては、保険の契約者全部が社員になりまして、その中から社員総代を選ぶ。社員総代会が最高機関であって、いろいろ当該会社の運営なりあるいは保険金の処理等についての最終決定権を持っておることは御承知のとおりであります。簡易保険におきましては、これは国営でありますので、そういう組織はありません。そういうことで経営主体であります簡易保険局と加入者との間の意思疎通なりあるいは加入者の意見の業務運営に対する反映ということを考えまして、加入者の会というのが昭和二十四年から大体全国的な組織が整備されたと思います。ところがこれは加入者の有志によって組織された任意団体でありまして、そういう点から事務組織を持っておりません。したがって、ただいまお話しいたしました加入者協会というのは、この加入者の会の事務を処理するものとして一応設立をされたのが発端でございまして、申し上げました昭和三十五年八月に設立されましたものでございます。なお、簡易保険の中央連合という組織がございます。これは全国の簡易保険の加入者の会の代表、――単位加入者の会の上に府県単位、その上に郵政局単位の会がございますが、その郵政局単位の地方連合の会長が、つまり中央連合加入者の会の役員になっておるのでございまして、そこの決議に基づいてこれが設立をされまして、すでに十何年たっておるのでありますが、そういうふうないきさつから、大体目的としますところは、簡易保険加入者の会の目的とするところと同じであります。運営につきましては加入者の会の代表、これが全国十一人出ております。これと学識経験者四人、十五人が最高機関でこの加入者協会の評議員会をつくっております。そこで全部最高意思決定をしておる、こういうことでございます。使命とするところは、簡易保険の加入者の会の使命遂行に協力をいたしまして、加入者の共同の利益、福祉の増進をはかるとともに、簡易保険の普及発達に寄与するため各種の事業を行なう、こういう団体でございます。現在は集会及び講演会の開催なり刊行物の出版、あっせん、それから先ほど申し上げました加入者の会の事務処理、加入者の相互救済、こういうことを行なっておる団体でございます。
○米田委員 役員の数は報告されましたけれども、職員の、要するに集金なんかの委託を受けて、実際的に機能を持ってやれる体制にあるかどうかというのが私の主たる質問なんですけれども、現在職員は百六十名程度だというふうに聞いておりますが、どのような実態を持っておられますか。まさか幹部の諸君が集金して歩くわけじゃないと思うのですけれども、実態があるのかないのか。
○野田政府委員 現在、東京に本部を置いております。地方、これは郵政局所在地でございますけれども、ここに統括支部というのを置いております。十カ所でございます。職員は総員で二百六名、ほかに関東、近畿、この両地方に七百七十人の参与というのがおります。この参与というのは、実は当会特有のあれでございますけれども、固定給か――いま申し上げましたのは関東と近畿では七百七十名でございますけれども、全国では四千六百八十三名を参与という職につけまして、これは依嘱をするわけであります。これらの人たちが集金その他の現実の活動を行なっておる、こういうことになっております。
○米田委員 これはいま災害保険ですね。火災保険、このほうもこの団体は継続してやっているわけでありますね。
○野田政府委員 先生、火災保険というお話でございますけれども、これは火災に限らず、そのほか事故死あるいは家屋流失、損壊等の損害に対しましても見舞いを送るということで、見舞い制度というので運用いたしております。
○米田委員 局長、火災保険というのは端的に一つの呼称として申し上げたのですけれども、そういう災害に対する見舞い金制度の事業をやっておるわけであります。要するに保険、一般的にいえば災害保険的な事業をやっておられる。そういう団体に国営の簡易保険の集金事務を委託するとなりますと、当然これは並行的におそらくやるようになると思うのであります。その点はあなたのほうとして問題になっておらないですか。
○野田政府委員 先ほども申し上げましたように、これは簡易生命保険局なり国がこの加入者協会に集金事務を委託しておるわけではございませんので、団体代表者が第三者に委託する、その第三者が加入協会に当たる、こういうことに御理解をお願いしたいと思います。
○米田委員 それはわかっています。私はもうそれはわかって質問申し上げておるのです。ただ、そうでありましょうとも、やはりその契約者の立場から見ますと、それは委託を受けた加入者協会の参与であろうと何であろうと、集金して、料金を払い込んで、そうしてこの保険というものは成り立っておるのでありますから、何だかんだ、あなたのほうが理屈を立てましても、これは郵便局を代表する、あるいは国の簡易保険を代表する人が集金に来たんだということになりますよ。実際にこれをやるということにすれば、おそらく腕章をつけさせるとか何かある程度の標示を考えて、制服までいかなくてもそういうようなものを貸与するとか、あるいは一定のかばんを持たせるとか、これから何かくふうはされるだろうと私は思います。いずれにしても契約者の側から見れば、ははあ郵便局さんの委託を受けた集金人が来たんだというふうに見ますよ。団体の契約者がそこの事情をよく理解せず、団体保険なんか入っておらない、何でもいいから、とにかく保険に入ってくれということから始まるのでありますから、そういうことになりますと、いろいろな問題が出てきはせぬかというのです。そしてその人は災害保険の募集もやるでありましょうし、あるいは新規募集についての募集もやるでありましょう。いろいろ問題が出てくることが、しろうとの私でも理解できます。そういうようなのに、何かこれをあなたのほうでやられると、もう簡易保険というのは民間保険になったのか、きのうまで郵便局の人が制服制帽を着て、赤い自転車に乗って集金に来たけれども、いよいよ今度参与といわれる方が、男であるか女であるか、いろいろ多様でしょうが、民間のおばあさんなりおじいさんなりが集金に来た、こういうことになるでありましょう。いずれ一番大きい問題は、国の簡易保険事業というものがイメージを変えて契約者のほうに映るのじゃないか、それはいいほうにいけばいいけれども、団体に組成された個人のほうに映るのじゃないか、私は実はそういう心配もする。そして災害保険なんかと抱き合わせでやられたのでは、これはまた郵政省としても考えざるを得ないだろう、私はそう思うのですけれども、その心配はどうでしょう。
○野田政府委員 先生の簡易保険を非常に憂うることばを聞いて非常にうれしく思うわけでございます。 私どもといたしましても、この団体が行ないます仕事なり、あるいは簡易保険の加入者協会が行ないますいろいろな仕事にしましても、結局簡易保険の事業の運営に役立つ限りにおいて、われわれはこれを支持しあるいは許していく、こういう基本的な態度でおるわけでございます。確かに先生御心配されますように、国の事業としての簡易保険のイメージをダウンさせるような事態というのは、これは私ども絶対に防ぎたい、このように思っております。 具体的にただいま御指摘のように、加入者協会の参与なり何なりが、協会の仕事として簡易保険の利益に反するようなことをする、あるいはその簡易保険事業の信用を失うようなことにまで発展するようには、われわれは許していかないつもりでおります。現在いろいろ問題点が発生しておるのは御指摘のとおりでありますけれども、少なくも同趣同好団体の運営についていまのまま放任していくよりも、この公益法人に集金の取りまとめをさせるほうがなおいいのではないかということで、これにつきましてもやはりいろいろ募集関係に影響が出てくるのではないかということを懸念いたしておるのでありますけれども、そういう点も振り切りまして、一応公益法人のほうに集金の取りまとめをさしたらどうかという方向で指導していきたい、こういうつもりでおります。
○米田委員 同趣同好団体をいまのまま放置するよりはというまくらことばが答弁の中につきましたけれども、これはきのうからの私の質問ではっきりいたしましたように、同趣同好団体が一番問題だということをきのうから私は指摘をして、いろいろあなたのほうに善処を求めたわけでありますから、これについては繰り返しませんが、きのうの私の質問に対する答弁では、一定のあなたのほうの方針といいますか、これからの対処の基本方針というものも出たと私は理解を実はしておるわけでありますけれども、それはそういうふうに間違いなく逆転させないようにぜひ申し上げておきたいと思います。 それで、そのことはそれでございますが、この集金等の関係につきましては、私がいま指摘したそのことについて、十分ひとつ留意をすべきであろう、あわせて、これが本来の郵便局の集金の業務に今後発展するということはあり得ないということを、先ほど約款の条項に基づいて説明されましたので、これはそれで私は一応理解しておきたいと思います。少なくともこの法に基づいての約款でございますので、郵便局がいま扱っておる簡易保険の集金事務というものの民間委託というのは今後あり得ない、私は基本的にこう思っておりますので、そのことも確認しておきたいと思います。 それで最後に、資料要求をひとつお願いしたいのでありますが、いま私が質問いたしまして大かた答弁をもらいましたけれども、加入者協会についてもう少しまとめた資料をいただきたい。 それから、これもほんの限られた一部の悪質団体だろうと私は思いますけれども、全簡連保証協会保険団、それから都信用、この二つの団体はあなたのほうとは、おそらく関係がないという答弁が来るのだろうと思うのでありますが、質問ではないのですけれども、しかし実態的にはいろいろいまの同趣同好の保険の集金あるいはこの同好団体等の維持については、どうも問題があるやに私は見ておるわけでありますから、この二つの団体については、ひとつあなたのほうが持っておられる実態的な資料を私はいただきたい。 あわせて、この団体は関係ございませんか。
○野田政府委員 関係ございません。
○米田委員 それから近畿ツーリスト、これはれつきとした旅行団体でありますから、この団体がインチキだとは私は申し上げません。ただ、これと同趣同好団体との関係でややスポンサー的な傾向があるように私は見ておるわけであります。この関係についてもひとつ、質問を続行いたしますと時間がかかりますから、どういう関係にあるか、それも資料として私のほうへ出していただきたい。 大体私の質問は以上でございますが、再度私は申し上げておきたいと思います。この法律改正をいたしまして、加入者サービスという面で新しい保険制度をつくったり、あるいは疾病傷害特約とか家族保険のサービス向上とか、非常にくふうをされ努力をされておるのでありますけれども、一面、一番大事な保険事業の運営、第一線における集金、募集等の事務を含めまして、最近非常に問題が多いのじゃないかということを私どもも実は内容を知りまして驚いているわけでありますが、これらにつきましては十分ひとつあなたのほうの指導権あるいは監督権を大いに発揮していただいて、かりそめにも契約者に迷惑が行くようなことのないように、それから民間の、まあインチキ商社とかおかしな団体と言っては失礼ですけれども、それに似たような寄生虫的な団体の食いものにかりにも保険事業がされることのないように、私はくれぐれも注意を申し上げておきたいと思います。 なお、同趣同好保険等についてはほんとうにきびしく対処をしていただいて、思い切った措置をとるということをほんとうにやってもらわない限り、この腐ったような関係というものは断ち切れないだろうということを私は考えますので、それを強く要望申し上げておきたいと思います。 以上で私の質問を終わります。
○久保田委員長 次に、土橋一吉君。
○土橋委員 私は、郵政大臣並びに当局の皆さんに、今日まで保険業務において働いてこられた多くの皆さんがたいへんな尽力をされ、奮闘されまして今日の成績をあげておられることにまず敬意を表します。たま。その労苦に対しましても私はわかるような気持ちがして、これまた敬意を表します。 そこで問題は、二つほどを中心的に質問したいのですが、一つはこの新しい定期保険制度及び疾病傷害保険の創設並びに家族保険のいわゆる特設について内容を中心として、保険制度の問題と、それからこれに関係をして従業員の給与及び最近一連に起っておるそれぞれの問題について質問したいと思うのであります。 まず最初、法案でありますから、「安い保険料で高い保障を……定期保険」それから「疾病に対しても保障を……疾病傷害特約」それから「家族に大きな保障を……家族保険の改正」こういうのであなたのほうからお出しになっている。この保険を創設するにあたって、どういう原因、どういう事情によってこれを創設しなければならなくなったのか。これを創設することによって、簡易保険局としては、従業員その他の関係にどういう影響、あるいはどういう成果をあげるからわれわれはこれをやりたいというふうに考えておるのか。つまり創設の理由、その原因とでも言いましょうか、やった結果、一体どういう影響を簡易保険局なり郵政当局は受け、あるいは考えておるか。 最後に、この資金は一体どの程度大体見込んでおるのか、このことによって大体どれだけの資金が簡易保険局として郵政大臣の所管のうちに入ってくるのか。それはとりあえず保険料だけでけっこうです。純粋の保険料がどの程度入ってくるかという点だけまず最初ごく簡単に……。 法律提案の理由なんかも書いてありますけれども、私は内容がよくわからないわけです。また、郵政審議会の答申も拝見いたしました。その他の資料も拝見いたしましたが、まず、どういう状況と理由、原因で、そうしてどういう結果を人員その他の関係において郵政省に及ぼし、第三番目は、そのことによってどの程度の金が入ってきて、そしてそれを郵政大臣は一体どういうふうに使おうとしているのか、この三つをかいつまんでごく簡単に、一応資料は大体読んでおりますので、要点だけを答えていただきたい。
○野田政府委員 一番最初に、今回の法律の改正案を提出いたしまして御審議を願う内容の問題で、第一に定期保険創設の理由でございますが、御承知のようにわが国におきます生命保険、特に簡易保険の主流というのは、貯蓄性向の非常に強い養老保険タイプのものに片寄っております。また、この加入者の階層別の分布を見ますと、十五歳以下及び五十五歳以上というふうに幼少年層及び老年層に片寄っておるわけであります。最近の国民一般の保険に対する需要といたしましては、安い保険料で高い保障ということで、死亡保障に重点を置いた保険に対するニードが非常に高まってきております。そういう点に着目いたしまして、安い保険料で高い保障、それから一番保険の必要な青壮年層に簡易保険を普及させる、こういう意図をもちまして定期保険を創設いたしたい、こういうふうにお願いをいたしておるわけであります。 疾病傷害特約につきましては、御承知のように昭和四十四年九月から基本契約に対します特約として傷害特約を発売いたしたのでありますが、これまた御承知のとおり、新規契約のほとんど全部にこの傷害特約が付されておる、こういう現実でございまして、非常に国民の保険需要にマッチしたものである、このように考えておるのであります。さらにまた、現在の医療保障制度を見ますと、確かに国民皆保険ということで、健康保険あるいは国民健康保険等各種の強制保険がそろっておりますけれども、これについて見ますと、やはり強制保険である関係上給付が画一的である、また現実の入院なり疾病の治療等について、まあこれは保険料との関係もあって必ずしも十全とはいえない、こういうことで、われわれの調査によりましても疾病保険の需要というものは相当高まってきております。こういう意味から、疾病にかかりました場合の保障といいますか一部の給付というようなものを安い保険料で保障していきたい、こういうのが疾病傷害特約を創設いたしたい理由であります。 第三の家族保険につきましては、現在家族保険の売れ行きは全簡易保険の発売量の一%弱と落ち込んでおりますけれども、これはほかの民間の保険会社等が全然営業いたしておりません簡易保険特有のユニークな保険でありまして、一枚の保険証書で家族全員が保障せられる、こういう保険であります。これをもう一ぺんてこ入れをいたしまして、この簡易保険だけが特っておるユニークな保険をもう少し伸ばしてみたい、こういう意図で、給付内容の改善等をはかっていきたい、こういうのが改正案の内容でございます。 なお、この二つの新種保険と新しい家族保険の発売につきまして要します人員等につきましては、これは傷害特約の発売の際も同じでありましたけれども、それほど大きな期待をかけておりません関係から、要員等の措置につきましてはこれを非常勤の手当てをもって見る、何年間かの経過をもちまして、これが非常に売れ行きがいいというような場合、これはどうしても定員の措置をしなければいかぬという場合に、この非常勤賃金によって手当てをしております要員のなまの定員をもって要求をしていく、こういう形に変えていきたいというつもりであるわけでございます。 最後の、この新種保険等の創設によります歳入歳出の関係であります。一応新種保険の発売時期を昭和四十九年の一月一日ということに予定しておりますので、四十八年度予算に見積もっております額は非常に僅少であります。歳入合計、これは定期保険、疾病傷害特約、両方合わせまして八億七千万円でございます。これによります保険料収入、ただいまのは目標額、第一回の保険料額でございますが、これに基づきまして収納される保険料収入の総計は、十六億七千九百万円を予定しております。歳出といたしましては、保険金の支出約七億四千九百万円を見込んでおります。内訳は、定期保険分二千三百万円、疾病傷害特約分七億二千六百万円であります。なお、事務取り扱い費といたしまして、郵政事業特別会計への繰り入れ、これは七億六千八百万円を予定をいたしておりまして、歳出合計は十五億一千七百万円であります。差し引き一億六千二百万円の歳入超過、こういうことを見込んでおるわけでございます。家族保険は、この保障の充実に重点を置きました内容の改正でございますので、歳入にはほとんど影響がない、こういうことになっております。
○土橋委員 あなたのほうでお出しになったこの表の、家族保険の場合には一人契約三百万円ですが、これで見ますと、死んだ場合に三百万円と配偶者が百八十万円、子供さんが二人おれば百八十万円、合計しまして結局六百六十万円の金がちょうだいできる、こういうわけになるのでしょうか。
○野田政府委員 そのとおりでございます。
○土橋委員 はい、わかりました。これは私は、第二次的にあとでいろいろ質問申し上げる内容の前提として質問したわけであります。 いま問題になっておる、郵政大臣の昨日の答弁でも、今度の十四日発表されました六千三百余名の、たしか十三名の停職を含めた大量の処分が出ておるわけです。これについては撤回はしない、こういうふうに大臣は言っておられるわけです。そして、これはあくまでも不当なストライキ行為だということを言われたように私は記憶しておるわけですが、この闘争の基本になっておる問題は、御承知のように、全逓の労働運動についてのマル生運動反対、そして一昨年のやはり春先でございますか、八千五百六十八名の、三名の解雇を含むところの大量の処分を行なったことに対する労働組合としての戦いとして、年末繁忙期などを中心に戦われたわけであります。でありますから、この問題のもともとの発端というのは、郵政省側のブラザー制度を中心とするマル生連動、第二組合育成のために、全逓労働組合員に対しては、昇給をおくらすとかあるいは昇職をおくらすとか、あるいは本人が希望する配置転換をやらないとか、あるいは寮に入れてもなかなか、ブラザー制度のために監視、監督を強化する体制をとって、個人の寮その他の生活の自由を侵すとか、これは国鉄の場合にも同じように、ある特定の政党からそういう運動が展開されまして、それで、この自由民主党の政権のもとにおいては、それがあらゆる形をとって進められてきたわけです。これは言うまでもなく不当労働行為であることはきわめて明白な問題であります。ところが、これが依然としてやまない。これを形を変えていろいろ続行してくる。それで、全逓労働組合に入っておる者はいろいろな差別をする、こういう形が顕著になってきたことは、本委員会において私も再三この問題については言及をしておりますし、他党の諸君も言及されておりました。そこへもってまいりまして、賃金の問題その他の問題もからんでおるのであります。 でありますから、私は、郵政大臣は近々のうちに中国を訪問されるということを承っておりますが、これからあなたのお出ましになる国は、労働者、農民、勤労市民の国でございまして、大資本家とか大地主のいないことは御承知のとおりでございます。そういう国へお出ましになるのに、こういうことをおやりになってお出ましになることはいかがかというふうな私は気がするのです。こういうことをやっておいて、そして国内での郵政大臣に対するごうごうたる非難の中で郵政大臣が行かれるというのは、率直に申しまして、はたして良心的に一体――訪問をするその内容の趣旨は私はよくわかりますけれども、率直に申しまして天地神明に恥じないのかどうか、私は非常な疑問を感じておるわけです。こういうことをしでかしておいて、そして労働者、農民の国へ行くということは、私は非常に疑問を持っております。(「疑問はないぞ」)と呼ぶ者あり一疑問を持たない方は、それはそれでけっこう。私は非常に疑問を持っております。 そこで、あなたは撤回しない、正当な行為であるということをお話しになったのですが、私は、こんなことは言うまでもないのですが、憲法第二十八条では、御承知のように法体系ではこれは認められておるわけです。残念ながら、郵政大臣がどのような説明をされましても、二十八条の三番目のところには、労働者の「團體行動をする権利は、これを保障する。」と書いてあるわけです。この憲法の条章に違反をするようなことはしてはならないことは言うまでもございません。そうしてまた憲法の九十七条、九十八条において「この憲法は、國の最高法規であって、その條規に反する法律、命令、詔勅及び國務に閲するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。」というふうに厳格に書いているわけですね。また九十七条では「基本的人権の本質」として、これは私が申し上げるまでもなく、「この憲法が日本國民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の國民に封し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。」というふうに、明確に、この規定に違反をするものは、いかなる詔勅であろうといかなる内容であろうと無効であるということをいっておるわけであります。ところが、このスト権を剥奪したのは、御承知のようにダグラス・マッカーサーが日本を軍事占領中にやったことなんです。二十三年の七月三十日でございましたか、これをやってのけたわけです。これは憲法違反の条章を軍事占領という形においてやったことは明瞭であります。ところが、御承知のようにわが国が平和条約締結などをいたしまして、アメリカ軍の全面的な支配がわが国から一応形の上においては取り除かれた、そして日本が独立国家になった、この一九五二年当時のすべての文書を見ればきわめて明瞭であるわけです。そしてこれを中心として人事院制度を、御承知のようにダグラス・マッカーサーの指導のもとにフーバーという男がやってきてつくったわけであります。でありますから、人事院制度そのものが結局この憲法の規定に違反をすることは、もう法的な解釈においてもきわめて明瞭であるというふうにいわなければなりません。 その証拠には、東京の憲法会議などにおいてもそういうことがいわれております。大阪民報という新聞の四月十二日に「スト禁止は違憲」ということで、関西の著名な学者の先生が七十二名、弁護士が百二十三名、これが連署いたしまして、こういう理由でこれが違法であるということをいっておるわけであります。それは、「憲法第二十八条が基本的人権として保障しているストライキ権は労働者の人間らしい生活を保障するために必要不可欠なものであり、同時に、日本の平和と民主主義を守るためにも重要な役割を担うものである以上、官公労働者のストライキ禁止は明白な憲法違反であり、あらゆる点からみて不当である」、こういうふうにいっておるわけです。そして、なおつけ加えてこういうことをいっておるわけです。「政府がとっている態度は国民の意思を法律に反映させるという民主主義の大原則からいっても許されない、ましてやこれまでのような大量処分でこたえるようなことがあれば、時代錯誤の感覚を世界に公表する」ものであるというふうに極論的にもいっておるわけですね。この先生方は、浅井清信龍谷大学教授あるいは京都大学の教授で片岡曻さんという人ですか、あるいは亀田得治さんとか加藤充というような弁護士が大体やっておるわけですよ。そうして郵政大臣、残念なことには、この三月の二日に最高裁の村上朝一という裁判長はこういうふうに判決を出しておるわけですね。年次有給休暇は――またこの休暇闘争もそうですが、労働基準法で認められた労働者の当然の権利で、その行使に使用者の承認は必要ではない、また、休暇をどのように利用するかは使用者の干渉を許さない労働者の自由である云々というふうにして、判断を下しておるわけですね。そうするとわが国の法的な解釈において、少なくとも最高裁判所からこういう判決事項が三月の二日に下っておるわけですね。ところがあなたの処分は十四日にしておられる。こういうことになると法の体系自身を郵政大臣は侵しながらそういう処分をしたということにどうしてもなるように私は思うわけです。行政行為に対して、やはりわが国は残念ながらこういう体系でございますので、最高裁の判決を経るまでは悪いことをしておっても押し通していくというような自民党政府の常套手段が続いておるわけです。しかしながら今度のこの判決によって、さようなことはすべきものでないということが明瞭であるわけですが、あえてそれでも郵政大臣は撤回をしないのか、この大量の処分に対して反省をしないのか、その点を私は非常に疑問に思うわけなんですよ。憲法の二十八条と、いわゆる最高法規としての条章の九十七条、九十八条ですか、同時に、この最高裁の判決あるいは学者あるいはその他民主主義を愛するすべての人がそういうことを言っておるにかかわらず、依然としてこれを強行して、なおかつ労働者、農民といわれる国を訪問をするというのはどうしても私は筋が通らないと思うのです。郵政大臣の確たる答弁、をお願いしたいと思います。私はすみやかに撤回をすべきだというふうに思うのでありますが、いかがでありましょうか。
○久野国務大臣 多岐にわたっての御質問でございます。その要点につきまして、法律上の解釈その他については政府委員から答弁させていただきます。 第一の御質問でございますが、このような際に中国を訪問をせられることはいかがなものかという御趣旨の御質問があったように私は拝察をいたしますが、まだこれは国会で正式な御承認を受けておりませんので、国会でお認めいただけるということであるならば、先般合意に達しました日中海底ケーブル敷設に関する諸案件の最終的な結末をつけるために、鍾夫翔電信総局長から正式に招請状が私のところへ一昨日参りました、そこで、それにこたえまして、北京において最終的に詰めの段階に入ろう、こういうことで訪問しようというのでございまして、中国を訪問をいたします事柄と今回の処分をいたしました内容あるいは今後の経過等につきましては、関連性はないと私は思うのであります。 そこで今回の処分につきましては、日本の現在の法令のもとにおいて、私はこれは違法ではないという考え方に立って処置をいたしたものでございます。でありますから、これを撤回する意思はもちろんないわけでございます。どうかこの点につきまして皆さんの――これは国民の皆さんに判断をいただけることであると思うのでございますが、法律上の問題、最高裁の判決その他につきましてるるお話がございましたが、この法律上の解釈の問題につきましては政府委員をもって答弁をさせていただきたいと存じます。
○北政府委員 法律上の問題につきまして先生二点御指摘いただいたと思うのでございますが、最初の問題につきましては、昭和四十一年の最高裁の大法廷の判決におきまして、公労法の十七条は合憲である、こういう判決が出ておるわけでございまして、以後これが確立した判例になっておる、かように考えております。 それから第二点の、ことしの三月二日の最高裁の小法廷の判決でございますが、これにつきましては、確かに私どもとして従来年休の付与につきましてはいわゆる請求権説をとっておりましたが、その点この判決によってそういった考え方を自後改めておる次第であります。ただ、その判決の中でいいます年休付与という問題は、いわゆる一斉休暇闘争というものはこれは年休付与とはかかわりのない問題だ、こういうことも明瞭に判示されておりますので、四十五年の暮れ、あるいは去年の暮れにありましたスト行為につきましての処分というものは、判決にかかわらず、これは当然従来どおり適法である、かように考えておるわけであります。
○土橋委員 きのうからの答弁でございますが、適法であるという場合には、これはわが国の法体系からいってもそうですが、ILOその他の労働に関する諸機構の世界的な一つの権威とでもいいましょうか、こういうものからも見なければならぬのであります。ただことばの上で適法だ適法だと大臣も言っておられるし北局長も言っておるのですけれども、その適法だという基本的な原則がないわけですね。たとえば四十一年の裁判所の判決からいっても、それはわが国の法体系の一つを解釈する上において、どういう案件でどういう裁判をしたかということをつぶさに検討しなければ、適法だという根拠を明確に示す論拠にはならないわけです。たとえば、裁判判例というものはそれぞれの事象が集まって一つの裁判の結果を決定するものである。しかしながら、この違憲という問題について、まだおそらく基本的な裁判をやったためしはないと思うわけです。ただある事象について、たとえば不都合なことをして制限をするとかあるいはいやがらせをするというような場合について、それはよくないという内容を持った判決かあるいはそれは合法であるというような判決が下されるわけです。法体系全体からいって、二十八条の労働三権というものは、何人がどのような説明をしようと永久に侵すことのできない基本的な人権であることはこれは間違いないわけなんです。時の政府がいろいろの思惑やいろいろの政策上で、たとえば法律を制定したり政令を出したりするけれども、それは、要するにその政府の政策遂行のためにやっておる一つの内容であるわけです。それは憲法第二十八条の規定や最高法規に関する基本的な原則は、これは曲げることはできない。曲げておったのが要するにマッカーサーであったわけですね。またそのままで、わが国が独立をしたという形式で、あの政令二百一号というのがそのまま温存されておったというところに問題の中心が一つあるわけですよ。これはもはやどうしても憲法二十八条ではそれをやめなければならない体制になったわけです。これは何人ももう陳弁の余地がないわけですよ。ただ政府が自分の政策その他の都合によっていろいろなものを出したり、法律を出すときの力関係でそれが決定するというような事態があっても、この二十八条を侵すことはできない。これは曲げることはできない。したがって、あなたが正しい正しいと言っておる、正当な行政行為だと言うその内容も、いま申し上げたような基本的な観点からいって正しくない。先ほど読み上げましたように、多くの法学に関する学者あるいは弁護士の諸君からも、これで人数を申し上げると、双方で大体二百名近い方が関西方面でも言っておるわけですよ。また東京でもこのことがすべて学者の間では大問題になっておるわけですね。それを郵政省だけはこれは正しいのだ、適法な行為だというようなことでこんな大量処分を、停職一年――一年間停職されるということはたいへんですよ、まして解雇なんということはもってのほかですけれども、そういう大量の処分をなぜやるのか。そのねらいは一体何であろうか。前に八千何百名処分していて、今度はまた六千三百名処分する。これは全逓という労働組合をつぶすということを目的としておるのじゃないですか。全逓という労働組合が正常に発展することをきらっておるといっても過言じゃございません。というのは、過去に第二組合をつくって、全逓労働組合やそういう活動家に対してどんどん追撃を加えている、打撃を加えている。一方では大量処分をして、要するにそれこそ見せしめといいましょうか、見よがしといいましょうか、そういう行為をたび重ねておって、しかもそれがいわゆるマル生運動とか不当処分撤回ということで、結局この春闘においても、御承知のように年金問題あるいは合理化に反対をする、時間短縮、大幅賃上げ、最低賃金の確立というこの基本的な五つの要件を掲げて戦っておるわけですけれども、それにあたかも見よがしのように、やればまたやるぞ……。そうじゃないということを郵政大臣きのうも言っておられたけれども、世間ではそうはとりません。あなた方はそういう気持ちでいろいろ作業の都合でおやりになったかもしれない。結果的にはこれは挑発し、挑戦をし、しかもいま民間、公企体、官公労の約四百万の諸君がストライキをするとかいろいろな順法闘争が行なわれておる。集会だとかあるいは国会に請願をするとか、あらゆる形をとって闘争しておる。そういう働く人々の意向に反してまでこういうことが挑発的に行なわれるということは非常に残念なことである。私は挑発ということばはあまり好きじゃございませんけれども、これは自民党政権のもとでは常に挑発をかけて労働者をそちらのほうに追い込んでいく。これは一再、二再じゃない。毎度こういう政策をとってきておる。一方では切りくずし、第二組合、それで特訓などに見られるような死亡者が出るようなことをしむけておる。一方では大量処分をやっていく。こんな不人情といいましょうか、理不尽といいましょうか、こんなことが一体七三年といういわゆる科学、文化の時代、民主主義の時代に横行してけっこうでしょうか。私はこれは許すことのできない、いわゆる反動的な軍国主義や大資本に奉仕をする体制をとりながら、一つのテコにしてこういうことをやっておるのだといわざるを得ないのであります。でありますから、私はいま申し上げたような立論と私の考えから、すみやかに撤回すべきだ。また八千五百六十八名という解雇を含む大量の処分、こんなことをしでかしておるから闘争が起こってくる。起こってくるとまた大量に処分をする。これを繰り返しておるじゃありませんか。郵政事業というのは、現在の北人事局長や、失礼な言い分ですけれども久野郵政大臣だけのものじゃないわけです。明治五年から将来永久にわたってここで働く人々の賃金の体系や労働条件をよくしなければならない。それをこういう一時期の特定の政党のある支配層の指導によって、こんなことが繰り返し繰り返し行なわれる。まことに残念なことといわなければなりません。こんなことでこの全逓の二十数万の労働者が気持ちよく職場で働けるとでも思っているのか。暗くしておいて、ブラザー制度をつくっておいて、その者には月千円の金をやって、そして身分制度を創設するようなこと、憲法の条章に違反するようなことをやっておいて、それが局長、課長を中心として、第二組合に引き入れるために業務中もどんどん別の部屋へ入れたり、軟禁をしたり監禁をしてそういうことをやっておる。こんな忌まわしい状態をつくっておいて、なぜ郵便物が滞留するかということを一体どこのだれを責めていいのか。たとえば先ほどの同僚議員の質問だって、長岡の郵便局で、先月の末から今月の初めにかけて三十二名の処分を出して郵便物が五万通も滞留しておる。そういう処理を一体どういうふうにしておるのか。長岡郵便局というものは新潟県でも中心郵便局だ。ここに大問題が起こっているのだ。そういうことを一方ではやらかしておいて、職場が明朗であるかどうか。明朗になれない状態を皆さんはつくっているのじゃないですか。しかも賃金はどうか。この前あなたの御説明を承って、この席でも私はるる述べたのでありますが、非常に賃金が低い。五年つとめたって満足に五万円もらえない。基本給ですよ。十年つとめて大体六万円手取りで持って帰れるかどうか。十五年つとめて七万円持って帰ることができない。ところが通勤手当と住宅手当というものはこれは家賃で持っていかれてしまうからふところへ入らない。入るのは勤務地手当と家族手当あるいは特別のつけもの手当だとか積雪手当。これだって屋根の雪をとらなければいかぬから、自分のふところに入らない。二十何年つとめても九万円の金を持って帰ることができないような、そういう賃金体系にしておいて、それでとにかくいびり散らして郵便物が処理されるなんということはできるはずのものじゃないじゃありませんか。 郵政大臣どうでしょう。これは将来の郵政事業のためにも、現在の低賃金で苦しんでおる――特に物価高、最近は御承知のように買い占めその他で労働者というものはほんとうに生活をするのに精一ぱいなんだ。そこへ持ってきて順法闘争なんかあるために労働者はたいへん苦しんでおるわけですね。その労働者にこういう状態を押しつけておいて仕事をやらせるということは一体どういうわけですか。私は理解できないのです。ここにおられる委員の先生方もどうですか。二十年つとめて七万円前後しかもらって帰らない労働者がいて、それでアカ攻撃を加えたり分断政策をやったり、第二組合をつくるためにえこひいきをしてみたり、こんなことをやっておって、おまけにまた六千名の処分をする。しかも三月二日にちゃんと最高裁は休暇については一定の基準を示している。そのことを百も承知の上で十四日こういう処分を出すとは何事ですか。常識をはずしていると言おうか無慈悲と言おうか、そんなことで郵政二十一万の労働者が、保険を募集していらっしゃい、郵便物を配達してきなさいといってもできることですか。あなた方はそんなことはできると思っているけれども、十年とか十五年とか同じ局の中で何か区分したり配達をする人は、どんなことをやっておるから説明はできなくたって、むごいことをやっておることは知っておるんですよ。武蔵野郵便局、この間も大臣に聞いていただきましたね。トラック部隊というのが五十数名の配達員に六十何名押しかけていって、そうして東京郵政局、各局のそういう幹部がうしろ手をして、タイムウオッチで時間をとったり、たばこを吸っちゃいかぬとか、配達に出かければあとを車で追っかけていっていろいろ調べ上げていく、こういうことをやっておって郵政事業の真の発展ができると考えているのですか、皆さん。私は郵政事業の発展のために、一部の幹部諸君のしでかしているこういうでたらめな労働行政あるいは賃金体系、これは私は久野郵政大臣にお話し申し上げました、これは即刻改善すべきである、ほかの官庁はさておいても。郵便労働者というものは非常に苦しんでおる。階段をどんどん上にのぼっていって配達もしなければならない、あるいは自動車が非常にこんでおる中を自転車や自動車で配達をしておる。私はこういうことが何か形式的にいいだろうというようなことでやられることについては、むしろ自由民主党の田中政権に対して厳重な戦いをしなければならない。その国務大臣たる地位を持っておられる久野郵政大臣に対して、やはり厳重な戦いをしなければならないと私は思っておるわけです。郵政大臣としては非常に努力されておるけれども、国務大臣としてこういうことをしでかす内閣一体の法則を私はどうしても了承できない。ただ正当であるというだけでは済まされない問題であるというふうに考えておるわけです。賃金を上げるという問題しかも賃金を上げたって差別をしておりますからね。私の調べたところでは、かりに一万円上がってもそういう方々は大体千五、六百円から二千円くらいしか上がらないのです、上厚下薄の体系をとっておりますから。上のほうの人は、たとえばいまの説明された北さんなんか相当がっぽり上がってもらえるわけですよ。ところが、配達をしておる人、そういう人は、十年かかって一万円前後しか上がらないのですよ。この事態を放置しておくことは、私は郵政事業のためのみならず、いわゆる公企体とか国家公務員諸君にとってどうしても解決しなければならない大問題だというふうに考えておる。郵政大臣、どうですか、やる気はございますか。それとも田中内閣の閣僚として、そんなことはできないというのですか。私は、これを解決しないでおいて、郵政のあらゆる問題は解決できないというふうに考えております。郵政大臣の答弁を聞きます。
○久保田委員長 土橋君に申し上げます。 議題の範囲外にわたらぬよう議題の範囲内での御質疑をお願いいたします。
○久野国務大臣 昨日も私は申し上げました。私自身、郵政業務の正常な運営のために労使が一体になって、その明朗な職場のもとで一致協力をして事業の推進に当たっていただきたい、そのための環境づくりなり、あるいは労使問題について問題点があれば、話し合いによって解決をしていきたい、これが、私が就任をいたしまして以来、皆さんにるる申し上げておるところでございます。でありますが、今回の問題につきましては、何らかの形においてこれは善処する方法はあり得ないものか、私自身、非常に苦慮をいたしました。しかも、春闘を前にいたしまして、このような処分をすることは、私自身、やはり監督権限を持っておる者といたしまして、私の下に働いておいでになります三十一万有余の郵政の職員の皆さんに対してこのような処分をすることが、決して人間としてまた耐えられないことであります。でありますから、非常に苦慮をいたしまして、何らかの措置はでき得ないものか、こういうことで、事務当局に命じまして、今日まで長い期間にわたっていろいろと内容を審査をさしたのであります。その結果、このようになったわけでございますが、これはあくまでも挑発をしたりあるいは弾圧を加えたり、あるいは先ほどお話がございましたが、労働組合を二分をして、そうしてその両者の間に争いを起こさせようなどというような意図は私は毛頭持っておりませんので、この点については御理解をいただきたいと思うのであります。 先ほど来お話のございましたように、労働組合のいわゆる基本権というのは、労働三権、三つの基本権がございます。いわゆる団結権、団体交渉権、スト権、これは民間労働組合その他にも認められておるわけでございますが、公務員として、あるいは公共企業体に属しておる労働組合の皆さんは国民に奉仕する立場にあるのでございますから、スト権についてはこれは認められていないわけでございます。この問題をどう扱うかということについては、公制審のもとにおいていま真剣にこの検討が続けられておるような次第でございまして、一日も早くこの結論の出ることを私は期待をいたしておるような次第でございます。 賃金の問題につきましては、数字等もございますので、政府委員をもって答えさしていただきます。
○北政府委員 先生のお話の中に、職員の賃金についてのお話がございましたので、答弁さしていただきます。 先般の委員会で、先生が、勤続十年、十五年あるいは二十年、この本俸いかんという、(土橋委員「基本給です」と呼ぶ)たしかお尋ねでございました。実は、とっさの御質問でございましたので、当時の手持ちとして四十六年の資料しかございませんでしたので、四十六年の実績の本俸を申し上げたわけです。ただいまの段階でありますと四十七年度の数字がございますので、それによって申し上げますれば、一種のモデル賃金でありますが、東京勤務者の場合、内勤の職員でありますと、十年で基準内が六万五千二百三十円になります。十五年で基準内が七万八千百六十円になります。二十年勤続で基準内が九万三千七百十円になるわけであります。外勤職員の場合は、同様に十年で基準内七万三千三百五十円、十五年で基準内八万六千二百八十円、二十年で基準内十万一千百八十円、こういう数字になっておりますが、あのときも御説明いたしましたが、これはあくまで本給ないし基準内の問題でありまして、そのほかに毎月、基準外賃金が相当大幅にございます。平均いたしますれば、二万円くらいになる者もございます。また、御承知のように年間を通じて、夏期手当、年末手当、業績賞与というものが約五カ月出ております。そういった関係で、毎月大体職員が受け取るもの、これをいま基準内は数字を申し上げましたが、基準内をかりに一〇〇といたしますと、基準外その他で七〇というものが支給されておる、こういう状況でございますので、御了承いただきたいと思います。
○土橋委員 それでは、あとで、いまの東京周辺モデル賃金と、それから一般、全国的な平均の基準的な基本給と、それからそれに付属をする家族手当、そういうものについての四十七年度の給与の体系について、わかりやすい方法で資料を委員長の手元へ出していただいて、私のほうへいただきたいというふうに思います。 委員長の注意もありましたので、今度は保険のほうに変わります。 この、あなたのほうがお出しになっている資料は大体間違いございませんですね。この資料に基づいて、私は説明を聞かしていただきたいと思うのです。この資料、このまるいのがついた、ここのところを出してくだざい。これを見ますと、昭和三十五年――たしかこのときは、私の記憶に誤りがなければ、池田内閣が岸内閣のあとを受けて登場した前後であったと思うわけです。このときの地方公共団体の貸し付け、政府関係機関の貸し付け、それから公債、金融債の貸し付け、それから保険契約者に対する還元とでもいいましょうか、それと資金運用部預託の金が出ておるわけですね。ずっとこれを一覧してくると、どなたでも気がつくように――一番最初をAとしましょう、その次をB、C、D、Eとしますれば、Aの伸びは比較的緩慢な状態で来ておるわけですね。それで、Bの伸びも、これは政府関係機関の貸し付けでございますが、これもいろいろあるけれども、大体地方公共団体の貸し付けと同じようなスローカーブを抽いてきておるわけですね。ところが、Cの公債、金融債のところへ来ると、が然四十年から七年間というものは、目をみはるほど大量な、いわゆる金融機関つまり公債、社債、金融債のほうへ集中しておるわけですね。それで、この契約者に対する貸し付けというのは、ほとんどこの七年間は変わっていない内容を示しておるわけです。そうして、この政府の資金運用部の預託金というのが、これがやや伸びた傾向をとっておる。つまり簡易保険の資金の状況から見ますと、これは大体、率直に言って、大資本の事業をやるのに都合がいいように、そういう電力などの社債、そういうものを買うことにきゅうきゅうとしておる。すなわち契約者に返すというのがちっともふえてもいなければ、むしろ全体の割合からいったら非常に低下している。そして地方公共団体に対する貸し付けも、Cから見るとむしろ停滞しておる。政府がどういうふうに簡易保険の資金を使っておるかという内容がわかるような気が私はするのです。つまり、その次のページにいきますと、たとえば地方公共団体へいろいろ貸し付けをしておる現在高の表が出ておるわけです。これを見ましても、電気、ガスの場合はいろいろありますが、産業施設とか土木施設というものにはかなり力を入れているわけですね。その次のところへいきますと、もう憂慮にたえないのは、これは何ページになりますか、新幹線のところのやつです。これをごらんになりますと、道路公団に対しまして全くばく大な投資をしておるわけですね。これは明らかに日本列島改造につながるところの、いわゆる大資本家に奉仕をし日本全体の体制をそういう方向に全部引っぱっていくほうに金を使っている。これは日本列島改造を、御承知のように昨年の総選挙においてそういうことで戦ったわけなんですが、これは、要するにバランスのとれた、民主的な、総合的な国土開発を主張している共産党といたしましては、こういう非常にいびつな日本列島改造につながる方面に簡易保険の金を使うことは正しくないと私は思う。やはり地方公共団体の困っておる学校であるとか、あるいは特に大都市周辺の小中学校の校舎建築、そういうことに使うべきだと思うのですけれども、そうじゃなくて、電力会社だとか道路公団であるとかあるいは高速道路であるとか、そういう大資本が金もうけをする道具に使っておる社会資本のほうにはどんどん金をつぎ込む。ところが契約者に金を貸すことは渋って、ほとんどお話にならない。こういう保険事業は、この簡易保険法の第一条の規定から見ると、これは違反じゃないかというふうに私は疑うのです。一体、これはどういうことになるのですか。郵政大臣、明確に答弁してください。こんな金の使い方でいいのか。
○野田政府委員 ただいまの御指摘でございますが、簡易保険の積み立て金の運用につきましてはこれは法律できめられておりまして、その範囲内でわれわれやっておるわけでございます。原則といたしまして、有利確実、かつ公共の利益のためにこれを運用する、こういうことになっております。 御指摘のように、公社債等に対します部分が非常にふえておりますことは、簡易保険資金については、御承知のようにほとんどその総額をあげて財投計画に協力をいたしておるわけでございます。ただいま申し上げました、有利確実ということと、かつ公共の利益というのは、非常にある意味で二律背反的なあれがございます。非常に有利に回すことは、あまり公共の利益にならないということになろうかと思います。御指摘の公社債に多く回っておるということは財投中の有利な部分、現在七%弱に回っておろうかと思うのでありますが、有利な部分がその公社債のところに集中いたしておるのであります。したがいまして、公債、社債というのは、有利な部分に対するところの金の運用ということでございます。 御指摘のような、地方公共団体にばかり簡保資金が回りますと、非常に利回りが上がりません。現在の独立採算制のたてまえから申し上げますと、やはり国民に安い保険料で、いい商品内容の保険を提供いたそうとするためには、資金の運用について有利の部分を相当ねらわなければいかぬ、こういう結果から御指摘のように公社債が非常に伸びておる、こういうことでございます。ただ可能な限り地方還元には努力するということで、現在の総資金のうちの約三分の一程度が地方公共団体に行っておる。いまのたてまえからいきますと、大体簡易保険としては限度ではなかろうか、このように考えております。 なお御指摘の契約者貸し付け、これがあまり伸びていないじゃないかということでございますが、これは約款で定められております義務貸し付けでございます。契約者の需要があれば無制限に貸し出す、こういうたてまえでございます。 なお、道路公団に対する融資が非常に多いということでございます。これは先ほど申し上げました公社債の中に含まっておるのでございまして、有利部門ということでわれわれは引き受けておるわけでございます。
○土橋委員 契約者貸し付けは限度があるのでしょう。つまり三十カ月分とかいう限度があるわけです。郵便貯金の場合もそうなんですね、郵便貯金の場合も十万円というワクをはめてしまったわけです。そういう契約者還元をしなければならないといわれておる、しかも郵政大臣が所管をして貸し付けをする、そういう内容になっておるわけですね。そういうものは一定のワクをはめて、結局、借りようと思ってもなかなか借りられないような仕組みになっている。たとえば郵便貯金でも、あれだけの膨大な資金のうち、たった一千億ぐらいしか出さないという形をとっている。これも三兆五千億以上こえているという資金の中で千五百十九億しか貸していない。それが、この表によってだれが見てもわかるように、さっぱりこれを伸ばそうとしない。 それで、つまり有利に回すということをいま局長は説明しましたけれども、これは保険料との関係において大体六・五%の利回りというものを基準としているわけです。ですから、たとえば金利を下げてくると、簡易保険局はえらい損をするわけです。また最近金融の過剰流動性のために金利を上げているわけです。大体六・五%ぐらいくるわけですね。それ以上の七分とか八分という利子をなぜほしがるのか。現在、皆さんの努力によって、たしか一六・七、八%ぐらいな割合で保険料金の基準をきめているわけですね、事業費の内容の全体から見て。そうすると、六・五%あれば十分じゃないですか。何で、ここへ書いてあるような大資本が喜ぶような方向に金を投資するのか。あるいは日本列島改造につながるようなところにどんどん金を、たとえばここに書いてあります東京電力株式会社あるいは長期信用債券として、これは証券会社でしょう。こんなところに金を貸せる余裕があったら、同じ六・五%の金利で地方へどんどん貸してやったらいいじゃないですか。なぜこんなところに奉公するような体制を、この表によってわかるようなことをやるのですか。そんなに金利がほしかったら、これは保険法の基本的な原則に反するじゃないですか。 なるほど勧告は、新契約については簡易保険のワクをはずせということをいっております。この答申の内容を読むと、簡易保険のワクをはずして新種保険で対抗せよ、こんなばかなことを書いております。この答申は、御承知のように保険サイドだけから見て、たとえば民間生命保険あるいは農協の生命共済保険が激しく簡易保険に迫っておるから、簡易保険としてはどうしても新しい保険を開拓して、そして資金を確保しながらやっていこう、簡易保険のワクをはずせと書いている。しかし、これはわが国の法体系を乱すものであって、こんなでたらめな勧告に郵政大臣は賛成しないと私は思う。簡易保険のワクをはずせなんて、これはオダを上げている。 一番問題であるのは、インフレにどう対処するのか、物価高や重税政策にこの保険はどうして対処するかということである。そういう問題については、簡易保険局は何ら誠意といいましょうか、努力をしていない。これだけの物価高、これだけのインフレの中で、インフレに強い保険をどうしてつくり上げるかということを、なぜやらないか。そんな簡易保険のワクをはずせという、あまり感心しない勧告なんかに――保険サイドだけから見るのではなくて、やはり保険法がよってもって立っておる基本的な原則からどう見るのかということじゃないかと私は思うのですよ。郵政大臣どうですか。こういうところに金をつぎ込んで、そうして公害をまき散らし、交通災害を一そう激増させるような日本列島改造につながるようなところに金を使っていいのですか。契約者やあるいは地方の公共団体で金がなくて困っておる。これは東京でも名古屋でも大阪でも、周辺都市の学校とかあるいは公共施設のためにはみんな苦しんでおるわけなんです。なぜそういう債券を買って地方に奉仕しないのか、還元しないのか、もう一回きちっと聞きたいと思います。
○野田政府委員 数々の御指摘があったわけでございますが、まず第一に保険契約者に対する貸し付けでございますが、これは郵便貯金の貸し付けと異なりまして、ああいう画一的な制約はしておりません。約款に定めておりますように、還付金額の範囲内において貸し付けを行なう、こういうことでございます。したがいまして契約の期間が保険料の多寡に応じていくわけでございまして、普通の貸し付けの場合大体七割程度、七〇%程度の貸し付けができるはずでございます。支払われる保険料の七〇%といいますか、あるいは大体そういう程度が貸し付けられるはずでございます。画一的な制約はいたしておりません。先ほども御答弁申し上げましたように、契約者からの要請があればこれは制限なくその範囲内で貸し出す、そういうことであります。さらに普通貸し付けを集団的に扱います団体貸し付けにつきましては、ただいま御加入いただいても表定保険料の三十倍、三十カ月分までの貸し付けを行なう、こういうことでございまして、先生御指摘のような特段にこれを締め上げてある、こういうことではございません。それから、普通貸し付けは還付金の大体七割程度、こういうことでございます。訂正いたします。 それから数々の融資先の問題でございますけれども、これは先ほど申し上げましたように積み立て金の運用法で規定をせられる。したがいまして簡易保険としてはこれのらち外に踏み出すことはできないのは当然でございますけれども、運用法の中できめられております融資の対象は当然に公共性の非常に高いものである、このようにわれわれ考えておりますし、その法律の範囲内で運営を行なっておる、こういうことでございます。 さらに金利の問題の関係でございますけれども、簡易保険の運営が独立採算制で行なわれておる限り、といいますのは一般会計からの何らの補給がない限りにおきまして、簡易保険としては積み立て金の運用におきまして、民間保険なりあるいは農協と比べてこれにできるだけ近い金利を得ませんと、御承知のように簡易保険は国の保険ではございません、任意保険でありまして、これは現在の立場は民間の保険なり農協と一応同じ土俵に上がって勝負をしている、こういうふうな関係に相なるわけでありまして、具体的にこの運用の利回りの格差というのは、たちまち保険料あるいは給付内容に影響を及ぼすわけであります。先生の御指摘のような方向にばかり運用いたしますと、現在でも、これは昭和四十六年でございますが、民間生命保険との間に運用の平均利回りにおきまして一・四%以上の格差がございます。これがますます拡大をいたしまして、国民といたしましては簡易保険に加入する限り非常に高い保険料を払わざるを得ない。たとえば表定保険料は同じでありましても、この運用によります利益というのは剰余金の配当分配金として還元されていくが、この還元されました剰余金を表定保険料から差し引いたのがいうところの正味保険料になるわけであります。正味保険料の比較におきましては民間の保険と簡易保険は、現在でも簡易保険がいささか遜色がある、こういう事態でございまして、したがって、御指摘のような形での運用をいたしますと、この四十六年にすでに生じております一・四%の格差というのはますます開いていく。言うなれば簡易生命保険法の第一条で規定しております、なるべく安い保険料で国民に簡易保険を提供するということは不可能になる、こういう関係に相なろうかと思います。われわれといたしましては、現在でもすでに地方公共団体に対しましては、短期の貸し付けにおきましては六・二%で融資をいたしております。四十八年債からは六・二%で簡易保険を引き受けることにいたしておる。しかし、公社債と、あるいは他の政府関係機関に対する融資は六・五%ということで運用いたしております。大体その辺が限度であろうかと思います。地方公共団体等に対します簡易保険の協力というのは非常に協力しておるつもりでございます。
○久野国務大臣 最後に御質問のございました物価高にどう対処していくかということでございますが、最近の物価は毎年上昇しておりまして、まことに遺憾にたえない次第でございます。政府といたしましても懸命にこれに取り組んでいるところであります。物価の変動に対応して保険の価値を維持するという変額保険につきましては、最近諸外国において一部実施に移しており、わが国の民営保険においてもその研究に着手しているようであります。簡易保険におきましても資金運用面での抜本的な解決が必要であり、さしむきこれの実施は困難ではありますが、今後変額保険の制度を含めインフレ対策について種々検討を進めてまいりたいと存ずる次第でございます。
○土橋委員 最近の、特に佐藤さんから田中さんのこの内閣では、物価を異常に引き上げるいわゆる悪性インフレといわれるほどのインフレがどんどん進んでおるわけなんです。そこへもっていって買い占めとか売り惜しみとか、これは本国会においてもいわゆる参考人として大商社の幹部が喚問を受けて証言をするという始末をやっておるわけです。ちょうどいまから二十四、五年前にも考査特別委員会を開いて、そうしてこの不当な売り惜しみ、隠退蔵物資を告発した、われわれはそういう経験も持っておるわけです。ところが依然としてこれがおさまらない。ある程度は木材その他については下降の方向をたどっておるけれども、いろいろ生鮮食料品などについては非常に高くなっておる。こういうことは今後いわゆる政府が続く限りは予定をしなければならない。そうすると、保険金額増額保険といったようなことについてこの答申の中にも規定しておるが、インフレに対して強い保険をつくるということはおそらく資本主義体制の国ではどこでも考えなければならない問題です。特に配当金をインフレに即してある程度上げていくというようなことも必要でございましょうけれども、抜本的な体制をとらなければならぬわけですね。これはやはり政府の政策として私は率直に研究もし、またそういう方向において保険契約者を保護してもらいたい。こうでなかったならば、営々として、たとえば十年とか十五年積み立てて、もらってみた金は何も使いでがない中途半ぱなものだ。これは貯金の場合もいえると思うのです。これはやはり郵政省がきちっとする体制をとらなければ、もうちょうどインフレのときに保険業務が壊滅的な打撃を受けたと同じようにえらい損害が出てくるということを懸念をするものであります。 これに対する答弁はあとでけっこうでございますが、ここで私はふしぎなものを一つ発見をした。これはゆうべお茶を飲みながら発見したのは最後の表です。これをずっと見ておると、この表は一体何を意味しておるのか、三十五年から四十七年までのいわゆる件数は百万件を単位として規定しておるが、この表を見ると、それは出入りがあるわけですから固定したとは申しませんけれども、保険契約件数は一つも伸びていないといってもいいほど伸びていない。何ら伸びていない。全国で二万六千人の動員をして保険勧誘をしておるけれども、件数は一向伸びていない。ところが保険料金と保険金額だけはぐっと伸びて、十六兆円だとか、これで見ますと、えらく金額が上がっておるわけですね。これは一体どういうことを意味しているのですか、教えてください。私はこれを見て非常にふしぎに思った。こういうことがあっていいのかどうか。そうすると、保険勧誘の方々は一体何をしていらっしゃるのか疑わざるを得ないという結果が、この表から私は考えざるを得ないわけです。この表について明確な答弁をしていただきたい。
○野田政府委員 この最後の表の簡易保険の保有契約件数の状況でございますが、先生御指摘のようにこれは百万件単位でございませんで、一千万件単位でございます。二十八年から四十七年まで大体一千万件弱ふえておるのではないか、このように考えます。最近におきます新規契約の獲得は大体四百万件ちょっと。消滅、これは死亡、満期及び失効、解約等合わせますと、歩どまりが大体二〇%弱くらいのところにいっております。したがって、そう飛躍的に保有件数が伸びるということにもなりませんし、一番基本的なものといたしましては、結局保険契約は外務員の局外における活動を媒体として契約を結ぶ、こういうことであります。簡易保険の場合に募集定員というのが、ここにあります昭和二十八年から四十七年までほとんどふえていないのではないか、そういう関係から、新規の獲得件数は結局外務員の質的な向上、募集技術なり何なりの向上に待たざるを得ない、こういうことであります。そういう点からも飛躍的な新規契約の獲得ということは困難である、こういうことに基づくかと思います。
○土橋委員 この表を見ると、保険件数は、なるほど何千万件ある中ですから、いまおっしゃったように四百万件ふやしましても大体五千万件前の四千五百万件くらいな件数ということはだれでもわかるわけです。しかし保険料金だけはぐっと上がっておるし、契約高はぐっと上がっておるわけですね。ということは、従来のお得意さんに行って新しい保険の内容をいろいろ説明して、さらにもう一回乗っかって入っていただく。つまり新規の募集を中心として動いてない。従来の保険のところへ行って、さらに新しい保険できたから入っていただく、こういう形が多いのじゃなかろうかと私は推定するわけです。そうすると、簡易保険局全体の募集といいましょうか、この商品を売ることについての基本的な体制が非常におくれておるのじゃないか。簡易保険局及び郵便局をこの間ちょっと私見せていただきました。非常に勉強になったわけですけれども、率直に言ってああいうかっこうでは伸びませんね。ああいう事務のとり方とああいうやり方では、おそらくこの保険業務を積極的に切り込んでいって、たとえば民間の保険と渡り合ってこちらへ入っていただくということはできないと思うのですよ。これは時間があればあとで説明しますが、こういうものから見て、従来のお客さんのところへ行って、新しい保険をさらに買っていただくというのが多いのじゃなかろうかというふうに私は思う。これはどうでしょう。
○野田政府委員 件数に比べて保険料、保険金額が伸びておる、こういう御指摘であります。その原困の一つは、われわれ考えまするに、昭和二十五年におきます……(土橋委員「そんなに古くなくていいんだ。四十年この方のことを見ればいいのです。前のことはいいです。」と呼ぶ)いわゆる基本的には国民所得といいますか、GNPの伸びそのままが保険料の伸びになって大体比例的に出ている。このようにわれわれ判断をいたします。 なお、同じ対象、同じ家庭あるいは契約者といいますか被保険者といいますか、こういうところに対する積み重ね募集の反復ではないかという御指摘でございますが、まさに簡易保険の一つの弱点としてそういうこともあろうかと思います。この点われわれも新分野の開拓といいますか、あるいはそれもただかけ声だけでなく、実際にその衝に当たります保険外務員の資質の向上あるいは教養をもっと高める、そういう外務員の教育のほかに、あらゆる家庭、あらゆる世帯、世代のニードにマッチするような保険の種類をそろえていく、こういう方法で対処せざるを得ない、このように思います。まさに先生御指摘のような弱点を内包していることは間違いございません。できるだけ早くこれを矯正をし、向上をさせていきたいと思います。
○土橋委員 これはともに大いに研究して、インフレに強い保険をどういうふうにあみ出してつくっていくかという問題、保険契約者の権利を守るという問題――従来の保険のこの表を見て私異様に感じて、非常に残念でした。これを何とかしなければいかぬということを痛切に感じたから申し上げるわけです。 郵政大臣、資金運用部預託金として四千九百二十一億円の金が預託をされておるのですが、簡易保険と郵便年金の運用に関する法律の第二条の規定によって政府はこの金を使っておる。約五千億に近い大枚の金を大蔵省の資金運用部の預託として扱っておるのですが、一体どこにこの金を使っているのですか。
○野田政府委員 御指摘のように、余裕金につきましては資金運用部に預託をすることになっております。先生のおっしゃいました積立金の運用法の第二条という点につきましては、これは「積立金の管理及び運用」ということで、郵政大臣が管理及び運用するということになっております。ちょっと御指摘の点、理解いたしかねたのでございますが……。
○土橋委員 これは郵政大臣は関係ないのですか。
○野田政府委員 これは資金運用部に預託をしておりますので、当然に大蔵大臣が管理、運用する、こういうことになります。
○土橋委員 かってに使っていいのですか。
○野田政府委員 資金運用部資金も資金運用部資金法によりまして、融資対象その他が法律をもって規制されておるわけであります。さらに大蔵大臣が資金運用部資金を運用する際にも、資金運用審議会の議を経、しかも今国会で成立いたしました資金運用部資金並びに簡保積立金の運用に対する特別措置に関する法律ということで、五年以上の長期にわたります運用につきましては、対象別、金額別にこれを掲記して国会の御審議をいただく、ことしからこういうことになっております。
○土橋委員 そうすると、この積立金運用に関する法律の郵政大臣のやる第二条の規定というのは、政府預託の、要するに大蔵省が扱っておる金には全然関係ない。それ以外のところには郵政大臣はこの二条の規定に従ってやる。そうすると大蔵大臣は、そういう法律の規定によって審議会その他の答申を経て金を使うということになって、その使った金の利子は大蔵省はちゃんとくれますか。この表では一応もらえるようなかっこうになっているんだ。
○野田政府委員 大蔵省の資金運用部に預託します余裕金は、次年度の四月一日以降になりますと、これは当然に簡易保険の積み立て金といたしまして郵政大臣の管理、運用のもとに返ってきます。
○土橋委員 私、初歩的にいろいろ教えていただいてありがたいわけですが、憲法第二十五条で、日本国民は健康にして文化的な生活を営む権利を持っておる。社会保障制度や社会福祉や環境の保全をしなければならぬという憲法の規定があることは御承知のとおり。ところが現在田中政府のもとにおきましては、社会保障制度がいろいろ説明されて、人間優先であるとかあるいは社会福祉優先であるとかいわれておるけれども、年金や健康保険法の改悪に見られますように、これが遅々として進んでいない。年次計画をもって、社会保障とか社会福祉をどういう年度でやるかは明確にしていない。まことに残念といわなければなりません。依然として生産第一主義です。依然としていわゆる高度経済成長政策で、社会経済発展計画に従って現政府はこれを遂行しようとしておる。そうなってまいりますと、工業再配置促進法に見られるように、全国至るところに工場をどんどん配置する体制をとる。それで工場が出ていくためにいわゆる追い出し税をかける。こういうようなことで公害や交通災害が一そう激増してくるわけですね。これはあなたのほうの年次報告の一番最初にもそういうことがみんな書いてある。これは私読み上げなくてもいいですが、ここにも明確に政府の政策によって非常に人身が危険という問題、あるいは災害という問題については苦しんでいるということが書いてある。年次報告の壁頭の第三パラグラフにちゃんと書いてあるわけです。そうすると一体田中政府は、一方においてはそういうことがどんどんまき散らされる、大気汚染とか水質汚濁であるとか、交通災害を激増させるような、そういう高度経済成長政策をとりながら、簡易保険というものを通じて、つまり国家と任意契約を結ぶことによって――本来ならば社会保障は税金でちゃんとまかなっていかなければならない、ところが本人の負担でそういう災害があったときに何とか救済してもらいたい、何とか生活の安全を保ちたい。そうするとこういう分野をどんどん広げていくと、政府が肝心にやらなければならない憲法第二十五条の規定をやらないでおいて、簡易保険局だけしりをたたいておいて、そうしていま申し上げるようなこの表に見られるようなところをどんどん歩き回って、そうして保険契約をしゃにむにやる。ところがそれは物価高によって、かけていたけれども金をもらったときには値打ちのないものになってしまう。こういう二重の罪悪といいましょうか、経済的なひずみといいましょうか、こういうことを簡易保険局を通じて奨励をするかのような形に出ておるということに対して私は容認ができない。一方においては社会保障制度の拡充強化にほんとうに本腰を入れてない。任意契約という簡易保険事業団などを通じてセンターをつくるとか、保養所をつくるとか、あるいはサイクリングのところをつくるとか、温泉地をつくるとかしておる。肝心の憲法第二十五条の規定は簡易保険局が全部肩に背負って募集をして歩くというかっこうになっておる。これはどういうものなのか。こんなことで簡易保険局に責任を負わしてよろしいものかどうか、私は非常に疑問がある。有利な方法において金を回す問題もそうですけれども、また、地方公共団体に還元してやるという問題も特に重要ですけれども、ここで現在九十二のセンターとかそういうものがあるわけです。この上にまた事業団を通じて、今度だっておそらく五百億に近い金を出資していくと思うのでありますが、それでたくさんのものをつくる。それはけっこうですよ。簡易保険としてはほんとうに精一ぱいだと思うのですよ。しかし、田中政府がやっておる高度経済成長政策のしりぬぐいを、簡易保険のセンターや保養所でまかなうというような体制をとることは私は賛成できない。やはり国の税金でまかなわせる基本的な体制をとっていく、こうでなければいかぬと私は思うが、郵政大臣どうです。
○久野国務大臣 戦後著しく日本の経済は成長を遂げてまいりました。そこで、この成長に伴いましていろいろのひずみが出てきたわけでございます。そのひずみの一つが公害問題でございます。こういうような事柄から、今国会においても質疑応答の中で繰り返し力説されておりますように、新しい社会福祉国家の建設、そのためには社会保障制度の充実、こういうことが国家的な要請であり、国民の世論である、かように感ずるような次第でございます。 こういうふうな社会保障制度の充実という観点に立ちまして、やはり保険の果たす役割りというものも別にあると私は思うのでございまして、この個人生活あるいは個人の責任に基づく保障手段でありまする簡易保険は、今後ともやはり国営事業という特色を生かしまして、そうして社会保障と個人生活の豊かな生活基盤を築き上げる、こういうような事柄とをともに補完しながら発展していくところに、私は、経済生活の安定と福祉の増進が期待されるものである、かように感ずるような次第でございます。
○土橋委員 要するに、私があなたにお尋ねしたいのは、社会保障制度の拡充強化が中心ではないか、それになおかつ高度化したり多様化したり、それぞれの事故にあって災害を一応家族なりあるいは子供が免れるということは、これはどの社会にあっても必要なことだと私は思うのですよ。肝心な、要するに年金制度でもきちっとやれば、この養老保険の問題がどういう運命になるかということが大体わかると思うのですよ。競合してやる人もあるし、年金をもらうのだから養老保険に入らなくてもいいという人も出てくるわけですね。あるいは社会保障が拡充強化すれば、たとえば保険に入れなくたって最低限度は保障していただけるのだからというような事態にならざるを得ないと思うのですよ。ところが一方のほうは全然お留守のような状態で保障しない。ほんとうにこれに見合ったような体制をとっていない。いやおうなしに簡易保険やあるいは民間の生命保険や農共保険、みな入ってくる、こういう形をとっては憲法第二十五条は活用されないではないか。つまり郵政大臣としては、この簡易保険というものを発展をさせるという側面を持ちながら、同時に国務大臣として社会保障制度を拡充強化する。しかし多様化しておる、高度化しておるという問題と結合してこれが運用されないと、一方の簡易保険だけはしりをたたいて目標をきめてどんどんやらしておくけれども、社会保障の責任を負うべき国務大臣の久野さんは、そのほうについてはあまり関心を持たない。これでは簡易保険局はそれこそたいへんな責任を負わされて、そして下の人は、いま申し上げるようなこういう統計から見てわかるように、どうして一体募集して成績をあげたらいいかわからない状態になってくる。京都簡易保険局や東京保険局はいま機械化しておりますね。そういう面だけは発達をしておる、非常に近代的になってきております。ところが募集する人や歩く人は、郵便局の配達をする人と同じ状態なんですね。局にうかがって見せてもらうと、ジャンパーを入れるロッカーもない始末なんですね。帽子もそこらに散らかっておる状態なんですね。それでカードがずっと一ぱいある、末端の局に参りますと。こういう状態で、セールスマンということばに値するような体制をとらしておるのかどうか。もっともいわゆる外交的な方々が行かれるのですから――それはある人は言いました。赤い自転車に乗って郵便局のマークをつけているのだから大衆は信頼しているのだ、国家がやっておる任意保険だというので信頼しておるのだということをおっしゃいましたが、いま、さらにそれを乗り越えてやらなければならない時期に来ておるのではないか。簡易保険局の人が国家を代表してくださっているというふうになかなか――それはそうなんですけれども、やはり社会的なセールスマンといいましょうか、勧誘してくださる方々といいましょうか、そういうものにふさわしい体制をとらなかったらいかぬじゃないかという気が私はしておるわけなんですよ。ですから、社会保障制度をどのようにほんとうに年次計画を立ててやってくださるのか、それとこの簡易保険というのはどういうふうに符節を合わせて進むべきかということについて、大臣の明確な所信を私は聞きたいと思うわけです。
○久野国務大臣 社会保障の制度につきましては、御存じのとおり年金の制度、医療制度いろいろございますが、とにかく今日、日本が目ざしております問題は、社会福祉国家の建設、こういうことを重要な政治目標として私たちは主張もし、またこの政策に従っていろいろな制度を設け、法律を制定し、あるいはまた予算を計上いたして、これが実現をはかるようにいたしておるわけでございます。このような国民の経済生活の保障は、やはりその社会による保障と企業及び個人責任による保障が相互に補完し発展するところに、経済生活の、先ほど申し上げましたように安定と福祉の増進が期待されるものでございまして、やはり個人責任に基づく保障手段である簡易保険は、今後とも国営事業としての特色を生かしまして、時代の要請に即応して制度の改善とサービスの向上をはかり、国民の経済生活の安定と福祉の向上に進むべきであると考えておる次第でございます。
○土橋委員 もう時間がありませんので、最後に、私はいまの御説明で実は非常に理解しにくいわけです。いまの郵政大臣の御説明を聞いておりますと理解できない。というのは、先ほどの北さんも説明いたしましたように、基本給においても、大体十年くらいつとめた人あるいは十五年ぐらいつとめた人の給与というのは非常に低いわけですね。そして高い家賃なり生活費で暮らしておるわけですね。そうしますと、一体三百万とか二百万とかいう保険なんかに入る郵政労働者というものはそういないと私は思うのです。なかなか入れない。月々たくさんの金をかけていくなんということはなかなか容易なことではないと思うのです。そういう事情にありますから、どうしても社会保障制度を拡充強化することが必要であって、それも個人の負担ではだめなんです。やはり政府と大資本の責任において、この社会保障制度が拡充できる体制を組まなければいかぬのです、個人がフーフー言って暮らしておるのですから。その者からまたなけなしの金を集めて、それで集まった金は、物価がどんどん上がってきておりますから、金をもらったときには使いようがないほど少ないものになっているわけであります。こういう悪循環をずっと繰り返しておるわけですね。ですから、どうしても基本的には社会保障制度の拡充強化ということをまず中心に据えて、そうして簡易保険もあまり無理なしりたたきをしないで、労働強化にならないようにこれをやりませんというと、ただ財投の金を使うために、逓信労働者を安い賃金で、そして分裂政策を講じながら、しりたたきでどんどんやらせるというようなことは、これは現代の一般の世相から申しましても私はあまり賛成できないのです。どなたに聞いてもそうです。ですから社会保障制度を、きちっと年次を立てて国と大資本の責任において拡充強化する体制をずっととる。一方、なおかつ多様化してくる社会については、契約者が損をしないように、インフレによる損害を受けないように、やはり保険金額増額の保険などを考慮しまして、あるいは配当金とか分配金というものを渡して、もらったときはかりに百万円を予定しておったけれども百八十万円もらえた、まあよかったというような体制を組まない限りは、この保険制度というものは真に発展ができない。それは第一生命にしても、あるいはいよいよアメリカの大きな資本が入ってくるわけですね。けさのテレビで言っておりました。大きな資本が入ってくれば、資産の面においても非常にすぐれておる。そしてまた、いわゆる保険的な計数その他の取り扱いでも非常に進んでおるわけですね。そういうものと一緒になってくる民間の保険に簡易保険がどうして対抗できるのか。特に中産階級以下といわれる簡易保険の、要するに保険料の内容、還付金やあるいはそういうものの内容の味わいのないことではとても対抗できない、こういうことが考慮できるのであります。ですからやはり基本は、社会保障制度の拡充と、そしてインフレに強い保険をどう考え出すか、あるいはその点を考慮するかという点を十分やるべきだと思うのです。しかしこれが悪循環をして、たとえば東京電力や東京瓦斯やあるいは大資本のところに、どんどん債券を購入する財投体制をとっていくと、いや応なしにその悪循環を断ち切ることはできないわけです。ですからこれをぜひ研究してもらって、やはり地方還元あるいは地方公共団体が非常に苦しんでおるこういう切実な学校、下水あるいは用地取得、こういう面に大きく力を入れて、この表を変えるべきだ。こういう表で出すことは恥ずかしいことなんだというところまでいかなければ、私は真に簡易保険が国民の皆さんから愛されないというふうに考えるわけです。この仕組みなんかを、やはり根本的に上のほうをずっと広くしなければならぬ。また契約者にもうんとお金を貸せるという体制をとるべきだというふうに考えるのであります。特に道路公団の問題はひどいですね。道路公団の融資は約五千億にのぼるものです。こんなことをしておいて、そうしてたとえば放送協会にはちびっと、そして郵政事業に大体七百億ぐらい金を出しております。郵政事業とか電電は、いわば簡易保険からいうならば親類筋、御三家ですから、これは了解できるわけですね。道路公団だ阪神高速道路公団だ、こういうところに、特に商工組合中央金庫なんかというところに金を使っておる。電源開発、こんなところに金を使って、いま申し上げた基本的な体制がとれるかどうか。なるほど利回りが幾らかいいかもわからないが、これはやはり研究してみるべきだというふうに私は思う。地方公共団体でも、たとえば港湾の築港であるとかあるいは電気、こういうところに金をつぐのじゃなくて、やはり住宅とか学校であるとか図書館であるとかあるいは病院とか、やっていないというわけじゃございません、かなりやってはおりますけれども、そういう面にはやはり簡易保険局らしい金の使い方をしてやるべきである、これが私の結論でございます。 たいへんむずかしいいろいろなことを申しましたが、ひとつ事業の真の発展のために、最後にあなたの御所見を承って私の話を終わらしていただきます。
○久野国務大臣 各般にわたって貴重な御意見の開陳があったのであります。いろいろ問題点があることは私も承知をいたしておるところでございます。これらの問題点等につきましても、皆さんと相協力をいたしまして十分研究し、今後検討をいたしてまいりたい、かように存ずる次第でございます。
○久保田委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時三十七分散会