逓信委員会 第11号
- 発言数
- 119 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1973/04/12
会議録
○久保田委員長 これより会議を開きます。 逓信行政に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。金丸徳重君。
○金丸(徳)委員 逓信関係の諸般の問題につきまして、時間をちょうだいして、ゆっくりいろいろの問題について大臣の所見また関係方面の御意見などを承っておきたいと思ったのでありますが、きょうはたいへん時間が制約されておりますようで、総裁はあとの会議があるからという御注文もありますので、この際、電電公社関係の問題についてしぼってお伺いをいたして、自余の問題につきましては後日またとくと伺わせていただくことといたします。 私は、最近の国際情勢の激変といいますか、ことに国内の経済、社会情勢の変動からいたしまして、経済活動、社会活動、文化活動、諸方面にいろいろの動きが新しく出てきておるように思われます。それが電電公社の業務の窓口を通じてどうあらわれておるであろうか。この点は、今日まで高度経済成長政策の中で進められてきましたところのわが国の国内行政というものにおいて、電電公社の仕事がその先端を行くといいますか、あるいはその土台を固めつつあったという意味におきまして、電電公社の窓口から受ける社会情勢、経済情勢の新しい動きというものは、政治、経済の今後の諸般の運営計画を進める上においてたいへん参考になると思われてならないからであります。そこで、ことにことしは第五次五カ年計画の出発点でもあり、くどいようですけれども、それは第四次五カ年計画の末端でもあった。第四次五カ年計画を終わるとたんに、世間全体も新しい方向へ進められてきた。列島改造というような名において、人口の移動も都市集中から地方へUターンするというようなことになり、経済活動もそういう面で大きく動いてきておりますから、それがここ一年ばかりの間に電話の利用度数あるいは電話の加入申し込みのぐあいというような点にどういうふうにあらわれてまいっておりますか。おわかりになる程度でよろしいですから、この際、話の糸口を見つける意味においてお伺いさしていただきたい。
○米澤説明員 お答えいたします。 ただいま電電公社の窓口といいますか、そういうところで、国民の皆さまの電信電話に対する要望がどんなようなふうになっておるのかということでございますが、数字につきましては関係の局長から申し上げることにいたしまして、まず第四次五カ年計画までの状態といいますのは、一つは電話の拡充をはかるということ、それから、全国をダイヤル即時化に持っていくこと、この二つが大きな目標でございました。このうちの第二の目標であります地方における自動改式を促進いたしまして全国をダイヤル化するという、これは大体、局数としてはまだたくさん残っておりますけれども、まず全体のトラフィックなりあるいは回線ということから考えますと、大体九五%程度ダイヤル化してまいりました。今後これは、残っております、特に郵政の委託局に対するマグネットの局の自動改式を進める、こういうことになってまいります。それに伴って自動即時化をさらに地方の過疎地帯まで広げてダイヤル化していく、こういうことになります。 それから、積滞の解消につきましては、昭和四十五年が一番積滞が多い年でありまして、約二百七、八十万の積滞がございました。しかし、国会でも電話の積滞を減らせということをしばしば附帯決議なりあるいは質問を通じまして御要望がございましたので、大体毎年その積滞を五十万くらいの割合で減らしていくということでありまして、四十五年が最高でございましたが、四十六年、四十七年と減ってまいりました。大体いまは二百万をちょっと欠けるという状態でございます。この第五次五カ年計画では、この積滞を解消するということが最大の目標でございまして、電話を申し込んだらすぐつける状態に全国的規模においてしたいということでございます。それから、毎年五十万ずつ積滞を減らしていく、そしてそれを県庁所在地的なところ、都市化しているところは、大体五十年度末には申し込んだらすぐつけるようにするということでいきたいと思います。 それから、今度はその積滞の内容の話でございますが、五次五カ年計画を始めるいまの時点では、大体住宅電話の比率が五二・三%と、一般のビジネス電話よりも住宅電話のほうがふえておる状態でございます。この第五次五カ年計画でそういう申し込みの積滞をなくなすためには、約千五百三十万の加入電話をつけることにしておりますが、その中の千二百万以上は住宅電話だ。したがって、いわゆる国民福祉という面から考えますと、これからの五カ年計画は、電話を架設するということに的を当ててみますと、住宅電話のほうが圧倒的に多い。電話が、ビジネスの問題からだんだん国民生活あるいは核実族化に編成がえされていく過程におきまして、生活の必需品に対して公社はその御要望に応じていく、こういうふうになる、これが五カ年計画の、従来の特に一次や二次計画と非常に違っている点だというふうに思います。 なお、数字につきましては局長のほうからお答えさせたいと思います。
○清水説明員 お答えいたします。 ただいま総裁から概括的なことにつきましてお話がございましたが、その中の一部の特徴的なものにつきまして、若干数字をお示ししたいと思っております。 まず、住宅用電話というようなものの見方をしまして、ただいま総裁言いましたように、五次中は大部分、八二%の住宅用電話をつけるというように申し上げたわけでございますが、住宅用電話という意味ではそうでございますが、もう少し地域的な需要数というようなもので調べてみますと、一番積滞の多かった四十五年を一応一〇〇といたしまして四十八年の見込みの比率を出してみたいと思いますが、その場合に、東京、大阪のような大都市におきましては、四十五年を一〇〇といたしますと一二〇程度の伸び率でございます。それに引きかえまして、県庁所在地あるいはそのほかのいわゆる都市化がいま進もうとしておるようなところにおきましての需要の伸びは、四十五年を一〇〇といたしますと四十八年が一五〇、こういうふうなことでございまして、新しい需要も含めまして電話を必要とするお客さまが、都市別に見ますと、やはり地方のほうに非常に伸びておるという一つの例があります。また別な過疎地帯のほうについて考えてみますと、従来第四次五カ年計画までは、たとえば農村公衆電話をつけるとかあるいは地域集団電話をたくさん増設するというようなかっこうでこれらに応じてまいったわけでございますが、現在の姿を見ますと、地域集団電話ではどうもサービス上非常にぐあいが悪いというようなことで、これをむしろ一般の電話に切りかえてほしいという要望が、ここ一、二年で非常に強くなってまいっております。そのために、この第五次ではそういった地域集団電話というものを普通の電話に切りかえる、あるいは地域集団電話そのものとしての役割りは十分ございますので、それの共同組み合わせ数を緩和するというようなことによりまして、主として過疎地帯に対するわれわれの従来と違ったやり方をしていったらどうか。それと並行いたしまして、自動改式の進展等に関連しまして、加入区域の拡大をするとか、そのほかもろもろの手を打つということは先ほど総裁から説明したとおりでございます。たとえば、いま申し上げました地域集団電話という面で見ますと、四十七年末が大体百四十万ちょっとかと思っておりますが、これは第五次の終わりの五十二年度末ごろには百二十五万ぐらいにむしろ減ってしまうというふうに考えておりまして、これを第五次五カ年計画の一つの柱にしておるわけでございます。そのほかいろいろなサービスにつきましての要望が従来と変わってまいっておりますので、それらについては、第五次の中でうたっておりますようなことで応じていきたいというようなことでございます。
○金丸(徳)委員 いま、電話加入の申し込みなどについての変化というものはおよそ見当がつきました。地方にだいぶ需要が増してきた、従来不便であった古い型の電話が新しい型のほうに要求が変わってきた、たくさん一度にぶら下がっているような電話ではもう間に合わなくなってきたというようなことで、それが強くあらわれてきておるようであります。これは、確かにそういう傾向が強くますますあらわれてこなければならないと思っておったのでございますが、これを収入面で見たらどういうことになりますか。大都市の一個当たりの収入面と地方の一個当たりの収入面——利用度数というものがここ両三年来急激に増しつつある、全般的にそういう傾向を持ってきておるのではないかと思われるのでありますが、これはどういうふうに数字的につかんでおられますか。
○遠藤説明員 お答えいたします。 地方あるいは都会というような分計はいま数字的にはまだ分析をいたしておりませんけれども、一般的な傾向としては、先生御存じのように、住宅電話の収入単金と申しますのは、平均単金をはるかに下回っております。したがいまして、事業所用の電話につきましては、都会あるいは地方におきましてもほぼペイラインを上回っておるわけでございますけれども、住宅用電話につきましては、地方、都会ともペイラインを割っております。したがって今後の問題としては、先ほど計画局長が申しましたように、住宅電話が相対的に大幅にふえてまいりますと、そういった面で収入面には大きな影響があろうと私ども考えております。
○金丸(徳)委員 実は、新しく田中内閣ができて以来、特に生産第一主義から生活第一主義のほうへ、福祉優先だ、こういうことがいわれております。それはもう国民全体が一致して希望しておることなんであります。当然そういう政策が、現実にいろいろな面にあらわれてこなければいけないと思っておりますし、それを見る一つの窓口としては、電話の利用度数、利用状況というようなものは非常に端的に、きわめてシビアにあらわれてくるのじゃないかと思っておるのです。 そこで、その生活優先主義に基づいて、電電公社としては新しい五カ年計画の中にその方向で盛り込んでおるのだ、こう総裁もおっしゃられました。この計画というものは、政策というものは、私は当たっていると思います。しかし、それを裏づけるものとして、電電公社は、業者として何かを数字的につかんでおられるべきではなかろうかと思うのです。ほんとうにこの電話が生活のために使われているのだ、その意味においては、都会の電話も地方の電話も同じように使われている。むしろ地方のほうが生活の道具として、生活の必需品としては都会の住宅電話よりも強く要求されておるのだということが、電話の利用の度数、収入の面に一本一本あらわれてきておるのじゃないか、こう思います。それをひとつ公表しながら、各電話の窓口から見ただけでも世の中は変わりつつあるのだということを言ってほしいように思いまするし、新五カ年計画を推進する上におきましても、それこそ大きなうしろだてだと思うのでありますが、この点はどうでありましょうか。われわれは、たとえば景気の動きを株の植段の動きなどについて毎日見せられておるのです。それは関係者としては、きわめて注目しなければならぬ一つの材料だと思います。それと同じように扱うかどうかは別といたしまして、電話の利用状況、利用度数、電話というものの料金支払いに対する感覚上の動きというようなものは、やはり電電公社としては丁寧に見ておいて、世道、人心の動きというものを丁寧に把握しておくことが大切でありましょうし、同時にそれからつかみ得たものは国政全般の動きの上にも大きな参考資料として提供したほうが、より親切ではなかろうかとも思うのでありますが、いかがでございますか。
○米澤説明員 お答えいたします。 ただいまご質問ございましたが、まず、いわゆる住宅電話とビジネス電話との収入の差といいますか、比率を申し上げますと、マクロ的に見まして、大体住宅電話が三分の一ないし四分の一というのがマクロ的でございます。 それから、じゃ一体その景気変動等に対して、GNPに対しての依存率はどうだということになりますと、住宅電話のほうはどちらかというと時系列的にふえていくという傾向にあります。たとえば、ある年に住宅電話がつきますと、やはりついた年よりも次の年、あるいはまた次の年というふうに、だんだん時間がたつと利用度数がふえていくという傾向があります。ビジネス電話のほうは、たとえば景気の、GNPの伸び率、そういうものが影響するというこういう傾向がある。たとえば四十七年度の収入状態を見ますと、前半、非常に収入——GNPの伸びが落ちて、後半非常にふえてきた。私たちが毎年の最初に予測しました月別の収入と、それから実際に出てくるのと比較してみておりますが、特にビジネス電話というものは景気がふえてくると上がってくる。これはアメリカなんかの例でもそうでございまして、いわゆる電力料金等に比べて、電話料金のビジネス電話というものは、むしろ景気に非常に関係があるというふうにいわれております。しかし、住宅電話のほうはむしろそうじゃなくて、やはり時系列的なものに影響されてくるのではないか、こういう傾向がございます。 それから都市と地方の関係でございますが、地方の場合には、まだ都市に比べまして普及率が低いという点がございます。農村集団電話等はちょっとまた別でございますが、一般の加入電話を例に比較しますと、先ほど遠藤総務理事が詳しい数字を申し上げるには整理されていないと申し上げましたが、一般的に申しますと、やはり地方のほうが普及率が低いだけに、いまパーライン当たり、いわゆる加入者当たりの収入は、地方のほうが高いのじゃないかというふうに思っております。
○金丸(徳)委員 景気の変動にあまり影響を受けない住宅電話がふえてき、その利用率が高くなるということは、それだけ電電公社の経営状況が安定していくことになるのじゃなかろうかとも思うのであります。 そこで、これからは住宅電話、わけても地方の住宅電話の普及にいままでにも増して、むしろいままでに手おくれになった分まで取り返す意味において、新五カ年計画においては重点が置かれて進められなければならないと思うのでありますが、その点はいかがでありましょうか。新五カ年計画をおつくりになるときには、まだ田中内閣の列島改造というものが打ち出されなかったころではなかろうかと思うのであります。しかし、それから本ぎまりになるまでには時間もありましたから、あるいはそれが盛り込まれておるかもしれません。盛り込まれておるとしますれば、それはどの程度に盛り込まれておるか。ひとつ、たとえば昨年のいまごろ考えたもの、昨年の秋になって改定したもの、どの程度に変えておられましょうか、それをもし数字的に承ることができれば、ここでお示しが願いたい。
○清水説明員 お答え申し上げます。 第五次五カ年計画をつくります時点におきまして——大体いまから一年ほど前でございますが、いろいろな作業をいたしました時点において、私どもはいろいろな数字を利用いたしまして策定したわけでございますが、その中で、いま先生の御指摘の収入の問題等につきましてはいろんな数字を利用可能でございましたが、私どもとしましては、今後住宅用電話がふえていくという一つの傾向を考えました場合に、これは経済の動きというようなものにあまり影響されないのではないかという一つの想定を立てまして、そういった面からむしろ時系列的な面で想定をするという基本線のもとに、当時ございました国の計画は新経済社会発展計画でございまして、たとえばそれの実質成長率というようなものを——GNPの成長率一〇・六%というものを一つの目安にいたしまして、私ども策定したわけでございます。また支出も当然関連してまいりますので、そのときに私ども、主として人件費の伸び率というようなものについていろいろ苦労したわけでございますが、これにつきましても、一応新経済社会発展計画で考えられておりました数字を、それは十二・一%でございますか、そういった数字を使って策定したわけでございます。その後、先生御指摘のようにいろいろと社会的にも変動もございまして、それからこの二月に閣議決定を見ました経済社会基本計画というようなものが、先ほどの新経済社会発展計画にかわってつくられたわけでございますが、そのGNPという面での伸び率は、たとえば今度の新しい国の計画では九%程度というふうな数字が出ておるわけでございまして、私どもがつくりました五次計画とは、GNPの年平均伸び率で約一%程度違うわけでございます。これにつきましても、私どもも内部的にかなり議論をし、また数字を詰めてみたわけでございますが、冒頭に申し上げましたように、これから加入電話をたくさんつけていくという要素はございます。それも主として住宅用電話である。それから住宅用電話につきましてのいろいろな数字を考えてみますと、あまり経済成長率というものに直接影響しそうにないというようなことでございますので、目下のところ収入見込み等について影響はあまりないというほうが正しい。別な言い方をしますと、収入見込み等について、第五次五カ年計画で十兆八千億という数字をつくったわけでありますが、この五年間の十兆八千億をいま直ちに変えなければいけないようなことにはまずなりそうにないということで現在おるわけでございます。
○金丸(徳)委員 私のお尋ねがへたな関係か、お伺いする点がお答えいただくほうにぴんとこないようであります。今日まで電電公社の事業というものが、国の政策であった生産第一主義といいますか、高度成長政策によって都市に集中せざるを得なかった、ビジネス第一主義でせざるを得なかった。ところが今度はそうでなくなってきておるので、そういう意味において計画の基本に大きな変化がなければならないのではなかろうか、そういう意味において、数字的に端的にあらわれておるところの地方の加入申し込みの解消などにどういうふうに力を入れておられるか、いままでにも増してどの程度よけいにされておるか、こういうことを私はお伺いしたかったのであります。しかし、大体においてはわかりました。力を入れておる、こういうお答えだろうと思います。 大臣、大臣が御就任になってから、この点についてはどういうふうに御指示なさったんでありましょうか。電電公社としては収入の点も考えなければなりませんし、いままでの伝統もありましょうし、いままでの計画のいきさつもありましょうし、急に一切都会をやめてしまって、たとえば建設計画をダウンして地方へ持っていくというわけにはいかないかもしれない。かもしれないけれども、それを政府の責任において指導なさるということの必要さを私は痛感するのでありますが、これについて大臣はどのような御措置をおとりになったのか。
○久野国務大臣 先ほど電電公社の総裁からいろいろ御答弁がありましたように、さきに政府といたしましては経済社会基本計画というのを策定をいたしたわけでございます。この基本計画の一環をなすものがこの第五次の計画でございまして、この計画に基づきまして七兆円の投資を行ないます電信電話の拡充計画でございますが、この主たる目的は、先ほど総裁から御説明がございましたように、まず第一に積滞の解消をはかりたい、第二番目に自動化をこの五年間に、五十二年度末までに完了したい、それからデータ通信あるいは新しい情報網の整備等についても開発研究を進めていきたい、こういうものが主たる柱になっておるわけでございます。これは要するに経済の発展に伴いまして社会構造が大きく変化をいたしてきておるのでございます。しかも電話というのは、私たち社会生活にとりまして欠くことのできない一つの要素になりつつあるわけでございますから、これに対して大きく力を入れていこうというので、先ほど総裁が申されましたように、住宅用電話について重点的に積滞解消について努力していきたいということを言われたわけでございます。私といたしましては、やはり五十二年度末という、新五カ年計画が目標どおり早期に達成でき得ますように指導をいたしていきたい、かように存ずる次第でございます。
○金丸(徳)委員 大臣の今後における閣内においての御活動をお願いするということになりますが、とにかくがんばっていただきたいと思うのであります。 そこで、いまのように政策が変わりまして地方に重点を置いてくださるということでありますが、私は地方に住んでおりまして、地方からたびたびいろいろな切実なる要望を受けておるのでありますが、わけても地方における電話が申し込み後三年も五年もたってもなかなかつけてもらえないのだというような嘆きの声を間々聞くのであります。いまのように新しい重点を地方に向ける、特に住宅電話に重点を向けられるということになりますというと、ことしも去年よりも若干増しておるようでありますが、しかしながらこのようなテンポにおいて、いつごろ地方においても申し込めばすぐつくというような事態が実現されるのでありましょうか、お見込みのほどを承っておきたい。事務当局でもけっこうです。
○清水説明員 お答え申し上げます。 今度の第五次五カ年計画の最大の目標が五十二年度末で積滞をゼロにするということでございます。そのために私どもは最大の努力を払うことにいたしておりますが、御承知のように非常な基礎設備を必要とするわけでございますし、そういったことがなかなか一ぺんにいかないというようなことで、どうしてもある程度逐次やっていかざるを得ない。また地方におきましても、先ほども話が出ておりますように、まだ二千五百局にも及びます手動のままの局が残っておる。これらにつきましても自動にしないことには抜本的に解決できない。これも一ぺんにできませんで、やはり五年間かかって大体完了するように持っていきたいというようなことでございます。そういった意味で私ども内部的に一つの目標を立てまして、これは一年ごとに、申し込まれました場合には、直ちにとまでいかないにしても、それほど御迷惑をかけないような状態にまず持っていこうということでそれを目標にいたしますが、その状態を大体県庁所在地級の都市化しております場所では五十年ごろに、それからいわゆる一般の自動局では一年おくれまして五十一年ごろに、それから手動のままで残っております局につきましても、これは自動化等と関連がございますが、五十二年の最終年度に持っていきたい、これは逐次そういうふうに持っていくわけでございますが、五十二年度末になったときには、全国的にどこを見てもそれが全国的な規模において積滞を解消できるようにする、こういうような目標を立てておりますが、それまでどうしても一部アンバランスが生ずるのは、これは基礎設備等の整備によって、あるいはそのほかいろいろな施策によって解決していきたいというふうに考えております。
○金丸(徳)委員 どうせそれは一度にはいけないのでしょうが、一度にできないとするならば、むしろこの際、地方の一番不便のところからまず解消していくという気にならないものかどうか。いまのお答えの中には県庁所在地あたりから漸次というようなお答えでありました。これは従来からの行き方とあまり変わらないのじゃないか。この際、さか立ちする意味において——全く地方において電話一本ありさえすればという切実なる念願が一刻も早く解消するという方針はとられてないように思うのです。政策の大きな変換、生活第一主義に立つのだ、そうして列島改造のねらうところは、日本全国平均化して住みよいところにしようというのですから、そうであるとするならば、いわんや山の奥の、いままで捨てられておったような、みんなが逃げ出さなければならないようなところにおいてこそ電話の利便によってまず希望を持たせるということがほんとうの意味における政策転換実現の第一歩だと思うのでありますが、これはどうでしょう。さか立ちするということはなかなか容易なことじゃないと思いますけれども、ここにおいてこそ勇断と実行があると思うのです。思い切ってそれを地方のほうから力を入れてくださるというわけにはまいらぬですか。
○米澤説明員 お答えいたします。 先ほど計画局長が言いましたのはマクロ的というようなことでございますが、たとえば、ただいま御意見ございましたように、地方の過疎地帯等におきまして長期積滞をなくなす、こういう問題についてはひとつ積極的に取り組んでいきたいと思います。 それからまた、いままで特別加入区域というのがございますが、これを五カ年間の中で逐次全部一般加入電話区域の中へ入れてしまいたい。そういたしますと、確かに地方での架設のときの負担という問題がなくなる。 それから長期積滞をなくすということと、それからいまの特別加入区域を五年間に全部一般加入区域にするということをこれを特に取り上げまして、自動改式等につきましては、これは実際これから自動改式が——大体百から二百という加入者が非常に少ないところであり、実際問題として配置転換が非常にむずかしい問題がありますので、これらにつきましてはなお郵政省関係とも御相談して、この五カ年計画の中で極力それを円滑に処理するということで努力いたしたい、こういうふうに考えております。
○金丸(徳)委員 総裁、そういうお考えをとっておられるとしまするならば、これからなおお伺いいたしたいのであります。 いまのお話にありました加入区域の変更、これも地方に電話の恩恵にまんべんなく浴せしめるという方針の一番障害だと私は思うのですね。これもお金がかかるのだからやむを得ないと言われればそれまでだ。しかし、それをやむを得ないというのは従来の考え方で、列島改造後においてはやむを得ないんじゃなくして、政府の力、一般加入者の力をもって、そこにこそ電話を引いてもらいたいのだということになるだろうと私は思うのです。したがって、これから五年も八年も——八年とは言いませんけれども、五年も待ってこの加入区域という障害が撤廃されるというのはあまりにも手ぬるいような気がいたします。 そこで、そういう地方の大きな穴を、障害をなくなすために、特に技術的にそれらの調査研究といいますか、をなさっておられるか。電電公社としては、世界の最先端を行くほどの研究をなさっておられます。私はこれはりっぱだと思いますし、これからもそうあってほしいと思います。しかし、街頭でのベルサービスというような、あるいは最近はテレビ電話などという新しいものも開発されつつある。それに比較して、いまの一番人間生活にとってこれほど切実であるという地方の僻地の電話の解消問題については力が入ってないのじゃないか。もう少し何か小型でうまい方法を考えてくだされば、それほど公社の経理状況に大きな影響を来たさなくても何かうまいこといけるのじゃないか。小型の二十本か三十本の自動交換設備というようなものが開発されて、山の上の電柱の上にそいつがあったならば、日本ではすぐに自動化される、一軒一軒全部電話が引けるのじゃないかというようなことを考えてくださると、この際非常におもしろいと思うのでありますが、その方面についての研究、技術革新というものについてはどういうふうな御方針をとっておられましょうか、承りたいのであります。
○久野国務大臣 ただいま御質問の点は理解のできるところでございます。今日、情報化社会に対処するための多くの技術革新が行なわれておるわけでございますが、電話につきましては、ただいま公社からお話がございましたように、特別加入区域などというのが今日まだ残されておるので、三段方式によってこれを解消していこう、こういう説明でございますが、ただいま金丸委員はこれを逆にしてはどうかという御指摘でございます。まことにごもっともな御意見であると思いますが、しかしこのような通信回線の思い切った改善をするために、一つの方式としてただいま考えられておりまするのが通信衛星の開発でございます。高度三万六千キロの赤道上の高いところに新しい通信衛星を打ち上げまして、この通信衛星によって積滞の解消はもちろんのことでございますが、新しい通信方式の開発によってあまねく国民の需要を満たす、かような考え方に立ちまして研究開発について本年度予算要求をいたしましたところ、幸いこれが認められまして、五十一年度を目途にして研究開発を行なうということになったわけでございます。今後これは多額の経費を要する事業でございますから簡単には私はできないとは思いますが、しかし五十一年度研究開発を実施するというこの目標については確認された事項でございます。公社ではもう十年近くにわたりましてこの技術につきましては検討をしてきておられるのでございます。でありますから、今日の日本の通信技術をもってするならば、そんなにむずかしいことではないと思うのでございます。ただ打ち上げるためのロケットの開発がおくれておりまするために、日本のロケットではこれは打ち上げることが不可能だというだけのことでございまして、星の製作、それに搭載をいたしまする電話機器、電信機器、こういうものにつきましては十分日本製で、いま直ちにでもこれは作製することが可能な段階に来ておるのでございます。でございますから、このような新しい通信技術の開発に伴いまして、衛星の打上げ等をいろいろの面で御指摘のような過疎地帯といいますか、あまねく全土にわたって通信網の拡充を広めていきたい、かように私は公社を指導していきたいと存じておるような次第でございます。
○米澤説明員 お答えいたします。 ただいま一つの御提案ございましたが、たとえばいま農村にはルーラルケーブルというものをずっと開発してまいりまして、そのルーラルケーブルの中にまた鉄の線を入れて、いわゆるセルフサポートというような方法をやっておりまして、なるべく安くやろうということでございます。もう一つは、加入区域がだんだん広がってまいりますと、いわゆる加入者搬送方式、搬送をかけて安くやれないか。とかく技術関係の人はあまりこういう仕事には熱心でないのですが、私も強く言いまして、そういう搬送をかけて、農村地帯で安くなるものをことしの研究開発計画の中に実は入れさしてあるわけでございます。ただいまの御提案も一つの案でありますが、すぐそれがいいか、あるいはもっとほかの方法がいいか、十分研究させたいと思います。
○金丸(徳)委員 大臣から大所高所からの大計画を承りました。それはぜひ御推進を願うと同時に、実はいま総裁のお答えの中にもありました新しい方式が公社のほうでも現実的にやられる。としますならば、その方面からもひとつ大臣、もし資金なりその他の援助が必要であるならば、その方面は引き受けたというようなお心持ちで公社を御指導願えれば、その恩恵はわれわれ地方の山の中に住む者が受けることでありがたいことであります。そこでいま総裁のおことばの中にありましたように、技術陣としてはあまり喜ばないのだ、こういうことを言われました。私もそういう傾向のあることは想像できますし、その技術陣の、特に高度の研究、勉強をなさった技術陣としては、世の中のそういうことについてはあまり熱を入れられないかもしれない。入れられないかもしれないけれども、しかし、それをあえてやってもらわなければならないいまの日本の実情であるという意味におきまして、総裁から督励していただいて、あるいはお願いしていただいて、おもしろくはないけれども大事な地方の電話の穴を救う道を急いで発見してもらいたいというような督励をしていただきたいと思います。 そこで大臣、私はもう時間がありませんから次に入るのですけれども、そうすると、いまのような計画を進めるとしますれば、いままでにも増して電電公社としては収支の問題を考えなければならないと思います。さか立ちして、そしてそのほうが収入が増したということであれば別ですけれども、さか立ちするということは容易なことではありません。この点、それは金がかかるでしょうし、あるいは収入面においても上がらない、率が下がるというようなことにならないとも限りません。そこで公社をして督励をするという意味において、公社の資金計画などにつきましても政府のほうでも相当なる配慮を払ってもらわなければならないと思うのであります。ことしの五カ年計画の資金計画を拝見いたしますと、どうも政府のほうで見る金がわりあいに少なくて、公社のほうの縁故債その他のほうの額が多いように思うのであります。もしそれが利子の支払いなんかに楽であるとするならばこれはちっとも差しつかえないのですけれども、大体常識的に考えますと、政府のほうで用意する金よりも、どうも加入者債なりあるいはその他の縁故債のほうが利子が高いということになりはしないか。もし利子が高いというものを電電公社がしょい込んで、そうして新しい政策に基づくいろいろの施設を進めなければならないということになると、やがてまたその利子の支払いなどによって電電事業の経営が苦しくなりはしないかということを心配するのであります。現に国鉄はああしたまことにおそるべき事態に入っておるのです。それももとはといえば、急激に拡張して、その借金政策、——その利子をすら政府のほうでは、国のほうとしては見てやれなかったというところにあるのではなかろうか。全部ではないにいたしましても、かなりの部面がそういうことになるのではないかと思います。いまから大いに警戒して、借金のために計画の遂行が鈍ってきたり加入者料金を上げなければならないような事態とならないように用意してかからなければならないと思うのであります。この点は政府としてはいかがでありましょう。ことしの資金計画をしさいに見るにいたしましても、何かこの心配にたえないのでありますが、いかがでございますか。
○久野国務大臣 お答え申し上げます。 御指摘の点は十分理解できるところでございます。国鉄を一つの例としておあげになったのでございますが、今後の公社の計画の策定なり資金計画等につきましても、十分その轍を踏まないように努力をすることが必要であると私は存じます。御指摘の御意見には私は全く同感の意を表する次第でございまして、郵政省といたしましては、今後十分、早期に検討いたしまして善処をいたしたい、かように存ずる次第でございます。
○金丸(徳)委員 公社のほうから、これについて何か御意見なり計画なりあればお答えいただきたい。
○清水説明員 少しこまかい数字をちょっと申し上げてみたいと思いますが、今度の五次五カ年計画をつくります場合に、その債券等につきましては十分企業努力を入れまして確保につとめると同時に、収入につきましてもいろいろな努力をするということを考えております。また支出につきましても、不必要な経費は十分節約して実施するというようなことでおりますが、いま先生御指摘の中での利子等につきましての全体の支出の中に占めます構成比で申し上げますと、現在四十七年度あるいは四十八年度をごらんいただきますとわかりますように、利子及び債券取り扱い費は全支出の中で約一〇%ということでございますが、これを五十二年度末の状態で見まして一一%、五次五カ年計画全体を通じますと一〇・八%というような数字でありまして、その支出の中に占めます利子等の率がいま言った一〇%程度でございまして、私ども企業努力をいま以上に続けることを前提といたしますけれども、それほど悪化しないというふうに考えておるわけでございます。以上であります。
○金丸(徳)委員 もう時間がありませんから、総裁のおられるうちにお伺いいたしたいのですが、いま当局のほうとしてはもう悪化する心配がない、こういうことであります。私はそれを信じたい。信じたいのですけれども、国鉄も十年ばかり前まではそういうことの説明をしておったのです。それが突如としてああいう状況になってきたのです。おそるべきものはやはり借金政策だと思うのです。ことに高利のものをしょい込んだらたいへんなことになる。そういう意味におきましては、できるだけ財投あたりの原資のほうにたよるべきではないかと思うのでありますが、この点総裁いかがお考えでございましょうか。承って、それからもう時間が参りましたから、あとは事務当局のほうから承ることにいたしますが、その点は私が一番気になってならないところであります。と申しますのは、いろいろな意味において無理な要求が、金のかかることが国民の間から出てまいります。それに応じてもらわなければならない現在の状況なんですから、そういう意味においていまからそれについてのこまかい配慮をしてもらわなければならないと思います。いかがでありますか。
○米澤説明員 お答えいたします。 先ほど郵政大臣からも御答弁がございましたが、確かに御指摘のようなことは十分われわれとして考えなければならぬ、なるべく利子の安い資金を得られるように今後とも努力いたしたいというふうに思います。それからまた支出の問題等につきましても、一応この長期計画で見ておりますけれども、まだベースアップ等いろいろ未知の要素もございますし、何と言いましても五年というのはいまの変化する時代ではかなり長い計画でございますから、われわれといたしまして、今後の支出状況あるいは収入の状況、あるいはまた先ほど御指摘がありましたように農村方面に対するいろいろな計画上の配慮、あるいはまた技術革新の速度、そういうものを総合的に考えまして、いまの御意見今後とも十分考え、尊重していきたいというふうに思います。
○金丸(徳)委員 総裁は御都合で御退席していただいてけっこうであります。 そこで、次の問題に移ります。電電公社の仕事が最先端を行くといいますか、技術的にも非常に進んで、世界的にももう認められる段階になっておることは、まことに同慶にたえません。それと同時に、この突き進んだ技術革新を受けとめる現場の人々は、うっかりしておるとこれについていけないような事態になることをおそれて、非常に勉強しておるように私には受け取れるのであります。機械はどんどん新しくなる、方式はどんどん進められてくるというような中において、十年一日のごとき、あるいは三十年一日のごとき頭をもってしてはついていけないものですから、非常に勉強しておりまして、私がたまたま局などに行きましても、これは大臣もきっとお気づきだろうと思うのでありますが、電話局に入りますと、休憩時間でも専門書を読んでおります。通勤のバス、電車の中でも技術雑誌を勉強しておる。これは末端の人たちもそうであるから、これを指導するところの中堅幹部の人たちはなおさらそうであろうと私は想像いたしておるのであります。これは一般のどこの職場でも、部分的には、ある程度はそういうこともあろうと思うのですが、特に電電公社の仕事は先端を行っておりますだけに、勉強の度合いというものが大きいと思うのであります。これに対してどういうふうな方法をとっておられるのでありますか。私は、最近におけるそういうことからいたしまして、何か非常に神経を使って、もしかしたらその方面の病気がふえてくるんじゃないかなどとも心配いたしておるのであります。片や外部で働く、線路のほうの人たちは線路のほうの人たちで交通地獄に悩まされて、電報配達の人たちはなおさらというようなことで、室内は室内なりに外は外なりに、両々相まちまして非常に神経をすり減らしておるように思うのであります。こういう傾向に対して、人事面としてはどういうふうな対策を講じておられるのでありましょうか、承って、そしてまた大臣の御苦労も願わなければならないと思うのであります。まずその実情をお示し願います。
○山本説明員 お答え申し上げます。 御質問のように、電電公社といたしましては、よりよいサービスを提供いたしますために技術革新あるいは事業の合理化につとめております。そのために職員の受ける労働条件上のいろいろな影響というのがたくさん出てきております。そういった事業の特質にかんがみまして、第三次合理化計画の作成だったと思いますが、合理化の進展に伴う職員の労働条件の向上につきまして、基本的な了解事項を労働組合との間に結びまして、その基本協約に基づいて、個々の計画の実施に対して具体的な労働条件の向上について現在まで詰めてやってきておるわけであります。それと同時に、職場環境の改善だとか、あるいは住宅、体育施設だとかその他もろもろの福利施設の改善、あるいは病院、診療所等の施設等、また新技術導入等に対応いたしまして訓練の充実、こういった面に非常な努力をいたして、合理化の進展を円滑に推進できるように心がけておるつもりでございます。
○金丸(徳)委員 それに対して、いまの訓練をやられることはたいへん大切なことだと思うのですけれども、それからたとえば休憩時間をどうするだとか、休暇をどうするだとか、とにかく神経を休める、それから勉強の時間も与える、研究の場も与えるというような、常時における何らかの対策というのが必要のように思われるのですけれども、それについてはどういうふうなお考えですか。
○山本説明員 そういった新技術に対するいろいろな勉強等のために、職場段階あるいはその上の集合訓練、あるいは学園等における訓練、こういったものを綿密な計画のもとに十分時間をかけてできるように計画をいたしておるわけであります。
○金丸(徳)委員 実はいまの抽象的な御返事だと私は若干心配なのであります。最近病院その他の統計からいきまして、神経系統の病人というのが電電職員、特に現場方面においてふえてきておる傾向があるんじゃないかと思うのですが、この点はどうでしょう。実は、私のちょうだいいたした時間は十一時七分までだそうであります。ごく簡略にお答えしていただきたいと思います。
○小沢説明員 お答えいたします。 電電公社で病気にかかっております者は、要健康管理者と申しておりますが、その中で精神疾患にかかっております者の数は四十六年末で千百四十八名でございます。ただし、このうち療養中という重い者は三百九十八名でございます。この数は、公社の病気でいいますと、一番多いのは循環器系でございます。二番目が結核でございます。三番が糖尿病、四番目が消化器系、五番が精神疾患、こうなっております。 それから他の企業より電電は特に多いのではないかというお話でございますが、これは各企業の統計のとり方がまちまちでございます。厚生省等のいろいろな資料も調べておりますし、また三公社五現業等の精神疾患に関する数字もいろいろと調べておりますが、電電公社が特に多いという数字は出ておりません。 それから経年別もここ四年ほど大体横ばい傾向ということになっております。
○金丸(徳)委員 時間が参りますから締めなければならないのでありますが、私の心配するのは、そういう傾向がだんだんふえてくるのではなかろうか。いまはあらわれないにいたしましても、何か底のほうに隠れておって、それが一時に出てくる心配はなかろうか、傾向としてです。ああいう状況からいたしまして、それを十分警戒して用意しておきませんとならぬのではなかろうか、こういうことを申し上げておるのであります。これからなお機会があれば私はこの点、その他の点につきましてお伺いをいたしたいと思いますが、私の心配するところをおくみくださって、さらに十分の調査をお進め願いたいと思います。 そこで大臣あと一分ばかりでありますが、電電公社にいたしましても郵政事業にいたしましても、もう土台は人なんですね。人をうまく使うということが大切であろう。大臣はことしの郵便局の出発式といいますか、モーニングをかなぐり捨ててジャンパーで出かけられた。私はその大臣の御決意を承って非常に感動いたしました。そうであってほしいと思います。その大臣のお気持ちを受けて、現場の人たちは苦しみにも耐えてがんばってくれるだろうと思います。長い間、大事な通信事業の最先端で責任を果たしつつある人たちなのですから、大臣がその気になってくだされば私は動いてくださるだろうと思います。しかしそれについては、大臣以下幹部がやはりその気になってもらうことが先決のように思われてなりません。最近いろいろと現業事業において問題が起こりつつあるのであります。その一番端的な原因が、あるいは最近までの高度成長政策というものにあらわれた、それが官僚の中におきましては言うところの出世主義だ。その出世主義にとらわれてしまって、そして職場における情愛が薄らいできた、あるいは薄らいできつつある。問題の解決のむずかしいのはそういうところにあるのではなかろうかと思う。大臣がモーニングを捨ててジャンパーにかえて飛び込んでいった、それでみんなの手を握った。その心がけが中堅幹部から末端のほうに浸透していくことが、電電事業、郵政事業を円滑に、しかもみごとに運営していく基本の精神であろうと私は思うのであります。この際、あらためて大臣の御決意そして指導の理念をお聞かせ願って、私のきょうの質問を終わりたいと思います。
○久野国務大臣 御指摘の点を、私はまことに感動を持ってお聞きをいたしたような次第でございます。全く御意見のとおりでございまして、やはり現場に従事しておられる皆さんと、これを監督指導いたしております立場にある者との融和がなければ、この膨大な事業を運営することは私は不可能であると思います。しかし、日本の国は法治国家でございますから、法律制度があるのでございますから、この法律制度のもとにおいて、われわれといたしましてはこうした点についての配慮もできる限りいたしつつ、融和をはかるように努力をいたしていきたいと思うのであります。特に御指摘の公社事業につきましては、これは建設工事も膨大でありますし、保守工事、保安工事と申しますか、これも膨大な予算が投入をされるわけでございます。先般来、当委員会におきましても、事故防止対策についていろいろ御質疑がございました。その際にもお答えを申し上げたのでございますが、ややもいたしますとこうした事業は年度末になりますと集中的に発注されまして、工期が短縮されますために非常な無理が生ずるのでございます。でありますから、発注についての平準化と申しますか、そういうことを指導していきたいということで、公社についてもこれを十分配慮するとおっしゃってみえるような次第でございます。特に公社事業は、技術革新の激しい事業でございます。経済の高度成長もさることながら、やはりこの公社事業の技術革新につきましては、われわれとしても十分留意いたしまして、人命尊重と申しますか、人間尊重と申しますか、やはり労使間がお互いに一体となって、その使命が達成できるように指導いたしていきたい、私はかように考えておるような次第でございます。 しかし、機構が大きなものでございますから、私一人の力でこれを動かすということはなかなか容易なことではないのでございます。逐次改善をしていきたいと私は思っておる次第でございまして、きょうの金丸委員のこの適切な御発言は、関係をいたしております従業員、この公社の関係者の皆さんにも十分感銘を与えたものであると私は理解をいたしておるような次第でございます。そのような観点で指導していくことを確約いたしまして、私の考え方の一端の披瀝にさしていただきたい次第でございます。
○久保田委員長 この際、小沢貞孝君から資料要求に関する発言の申し出がありますので、これを許します。
○小沢(貞)委員 いまの金丸委員の質問あるいはこの前の委員会における森井さんの質問等、長期積滞の解消、特に地方における電話架設の促進というのが、おそらく当委員会の意向ではなかろうかと思います。 そこで実態を知りたいと思いますので、申し込み受け付け後三年以上のもの、これを都道府県別に何件あるか、申し込み受け付け後二年以上のもの、これを都道府県別にどのくらいあるか、こういう資料を出していただきたい、こういうことであります。 今週の月曜日だったと思いますが、私はこの間から頼まれて——松本のすぐ隣に波田町という町があって、ずいぶん都市化が進んだところなんだが、何せ、忘れるほど昔に頼んだけれども何とかならぬかい、こういう話で前から頼まれていたから、今度は松本電報電話局の業務部長のところへ頼みに行ったら、その申し込みの年月日がわかった。四十四年九月の申し込みであります。これは二千百二十八メートル離れているから、百メートル九千円で、二十万円かかります、来年の一月まで待ってくれないか、そうすると自動化になって区域内になりますから、その金も要りません。こういう話で、四十四年、四十五年、四十六年、四十七年、四十八年、四十九年、六年たたなければ電話が入らない。こういうことで、頼まれたところの局長もそういうものだと思っているし、電報電話局もそういうものだと思っていますし、片方は、来年まで待てば二十万かからなくて済むのだから、これもあきらめ、これはたった一件の例であります。これは宮地鉄工所の約八、九百人いるところの幹部の人に頼まれた。それは相当市街化が進んだところであります。本人の名前は佐藤祐一。こういう幹部から頼まれて、いよいよ出かけていったら、こういう実態であります。 私はこの前だれかの質問のときにやじを飛ばしておったが、申し込んで二年も三年もたたなければ入らない。足かけ六年たってもまだ入らないようなところは、電電公社の恥部である、ひいては郵政省の恥部でもある、こういうふうに考えるわけです。ひとつ地方における電話の架設、積滞の解消、こういう願いを込めていまの資料を出していただきたい。委員長から取り計らっていただきたいと思うのです。
○遠藤説明員 都道府県別に調べますために、二、三日時間がかかるかと思いますが、必ず提出をいたします。
○小沢(貞)委員 どうもありがとうございました。 ————◇—————
○久保田委員長 次に、簡易生命保険法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。羽田孜君。
○羽田委員 簡易保険は大正五年、ちょうど当時はまだ社会保障制度の萌芽もなかった時代であります。そして生命保険も一般にほとんど普及せられておらない時代、一般の庶民の人たちに、多少なりとも安らぎをということで、国営によりまして簡易保険制度というものが創始されたわけでございます。 その特色としまして、小口生命保険あるいは無審査加入、月掛けの集金というような特色を持ち、そして各地方にございます郵便局を駆使しましてそのサービスに当たるという一つの大きな特色を持って発足されたわけでございます。 しかし、その後、時代が大きく変わってきた。その当時は一つの社会政策的な意図で創始されたものだと思うわけでございます。その後、だんだん社会保障制度も拡充されてきた。また民間の保険におきましても、先ほど申し上げたような特色がだんだん普及されるようになってきたという現在の事態でございます。いろいろな改正を経まして現在の制度があるわけでございますが、特に最近そういった民間の保険が普及しておる中で、国営による簡易保険というものをどんなふうに位置づけていくか。また資本の自由化ということで外国資本がだんだん日本に上陸してくるというようなこともいまいわれておるわけでございますけれども、こういった中で、これからの国営による簡易保険というものをどんなふうに位置づけていくか。これにつきまして、まず大臣から御答弁をいただきたいと思います。
○久野国務大臣 簡易保険は、御指摘のとおり創業は非常に古いのでございます。それはやはり日本各地に点在をいたしております多数の郵便局で、簡易な手続で、しかも料金は低額でこれを利用することができるという特色を持っておるわけでございます。そういう事柄から、国民の間にこれが定着してきたわけでございます。しかも国の経営する事業でございます。でありますから、信用度も高いわけでございます。このような利点を生かすために、やはりこの簡易保険事業というものは、経済の多様化に伴いまして国民の皆さんに今後ともますます利用していただきまするように新種の保険なども創設をいたしまして、今後とも国民生活に密着したものでありたい、かように考えておるような次第でございます。
○羽田委員 大臣の御答弁のとおりでありまして、今後とも新しい時代に即応したもの、このために改善を一そう進めていただきたいことを要望しておきます。 そうして、まずこのたびの改正案というものは、そういった要望の中で、四十三年三月でございますか、郵政審議会から答申がございました。この答申というものを基本にされ、そうして郵政省独自の世論調査のようなものの中から今度の案というものも生まれ出てきたというふうに思うわけでございますけれども、このたびの改正案の第一の柱であります定期保険を創設する理由をまずお聞きしたいと思います。 そうしてその答申の中には、中小企業あるいは身体障害者の生活保障を目的とするグループ化の動きなどを考慮し、団体定期保険を創設したらどうかというふうに提言されているわけでございますけれども、このたびの案は特に個人を対象とした定期保険であるということでございまして、その理由といいますか、個人にした理由につきましてもあわせてお尋ねしたいと思います。
○野田政府委員 一番最初の御質問は、定期保険を創設する理由の御質問と思うわけでございます。定期保険を創設いたします理由としましては、最近の生命保険に対します需要といたしまして、できるだけ安い保険料で高額の保障を要求する、こういう傾向が非常に強くなってきております。数年来、養老保険と定期保険を組み合わせました高額保障といいますか、生存の場合を百万円といたしますと、死亡の場合は五百万あるいは一千万という保険金を支払う、そういう形の保険が非常に普及をしております。民間生命保険では、すでに契約の約七割くらいはそういう契約で占めておるわけでございます。これがさらに進みまして、火災保険と同じようなかけ捨ての保険というようなことで、非常に低廉な保険料によって高額の保障を要求するという要望が非常に強まってきておるのでございます。簡易保険といたしましても、国営の保険といたしましてこれらの要望にこたえる意味におきまして、まだ十分普及をいたしておりません個人を対象とする定期保険をまず発売いたしたいというのが第一の理由でございます。第二の理由といたしまして、簡易保険の普及状態を見ますと、非常に若い十歳以下の層あるいは五十歳以上の高齢層というふうに、普及の状態が、むしろほんとうに保険を必要とする青年層、壮年層あたりが薄くなっている、こういう状況でございます。したがいまして、もっと生命保険を必要とする青壮年層の普及を定期保険を発売することによってはかっていきたい、こういうのが理由でございます。 なお、定期保険につきまして、どうして団体定期保険にしないかという御質問でございますけれども、御承知のように、団体定期保険につきましてもすでに民間保険におきましてかなり普及を見ております。その中に簡易保険が割り込むということは、そういう意味から問題点があるというのが第一点でございます。さらに、民間生命保険の団体定期保険の売り方というものが、大体民間保険会社二十社ございますが、大体資本系列別に編成されておりまして、自分の系列の会社の団体定期保険をずっととっておる、そういう中に簡易保険としてはなかなか入りにくいのではないか、こういうのが理由でございます。 さらに、団体定期保険の仕組みといいますか、制度が従来の個人保険とは全然違っておりまして、制度を実施する上で団体定期保険というものが非常にむずかしいということから、その準備、外務員の訓練等にも相当大きな問題があるのではないか、こういうことでございます。 さらに、今回おはかりをいたしまして実現をいたしたいと思っております個人の定期保険につきましては、これを団体扱いにする。要するに、集団扱いといいますか、今度売り出します定期保険は理論上は個別の定期保険でありまして、普通のいままでの保険と理論上もそれから構成も変わらないわけであります。これを集団取り扱いをすることによりまして、団体定期保険とあまり変わらない程度の実績をあげ得るのではないか、あるいは効果をあげ得るのではないか、かように考えております。 以上が理由でございます。
○羽田委員 いまお話もございましたように、低廉な保険料で高額な保障を得る、またそういった要望が非常に多くなっておる。そうして、特に若年層において業務の事故等による死亡とか傷害というようなものが出てきた場合、確かに時代に合った保険であると思っております。ただ、いまそういった需要が非常に多いということでございますけれども、民間の保険の中にもそういった同種の保険がもうすでにあると思います。 〔委員長退席、小澤(太)委員長代理着席〕 それはまだ普及がわりあいと少ないというふうに私ども聞いておるわけでございますけれども、この定期保険の普及の状況、あるいは諸外国においてもこの制度が行なわれておるようでございますが、その普及率といいますか普及の状況、これについてちょっと数字をお知らせいただければと思います。
○野田政府委員 定期保険の普及状況でございますけれども、手元にございますのは昭和四十六年のものでございますが、まず個人定期保険を申し上げますと新契約件数が十六万件、保険金額が三千七百九十三億円ということでございます。全個人保険中に占めます割合は、件数、保険金額とも一・六%ということで非常に少ないわけでございます。これを四十六年度末の保有契約件数で申し上げますと七十九万件、保険金額は八千九百八十三億円でございます。個人保険中に占める割合は、件数で一・二%、保険金額でも同様に一・二%ということでございます。普及の状況といたしましては非常に低い、こういうことがいえようかと思います。 ただ、団体定期保険につきましては、これは団体でございますので、件数は四十六年二万五千件でございますが、被保険者は七百二十七万、保険金額は三兆八千六百九十六億円ということで、個人の定期保険との普及状況を比較いたしますと、団体定期保険のほうが定期保険としては主力になっておるということがいえるわけでございます。ただ、外国におきます実情は日本と非常に違いまして、かなりの程度販売されておるようでございます。新契約の全保険中に占める割合が、これは統計は古くなっておりますが、アメリカにおきましては、昭和四十五年に全保険中に占める割合が一二・七%、カナダにおきましては、これは四十四年でございますが、一六・八%、西ドイツにおきましては、これも四十四年の統計でございますが、一四・九%でございます。なお、アメリカ、カナダ等におきましては、定期保険のほかに死亡保障だけを行なう終身保険というものが相当多く、団体定期保険と同じような機能を果たしますそういう終身保険が多く売られておるわけで、やはり保険に対します考え方、死亡保障を非常に厚くしていこう、またこれが非常に売れておるという点で、諸外国では日本のように貯蓄機能に生命保険の機能を求めないで、死亡保障の機能を非常に多く求めておるということが一応いえるのじゃないか、このように思います。
○羽田委員 日本の現状とだいぶ外国のあれは違うようでございます。特に今度この対象になりますものは、業種、そういったものもあまり問わない。普遍的にやるわけでございまして、特に郵政省といいますか、郵便局といいますか、郵便局の機能をもってすれば相当利用者も多いのじゃないかというふうに思います。 次に、疾病傷害特約制度というのがここにまた新たに設けられたわけでございますけれども、先ほどもちょっと申し上げましたように、最近交通事故ですとか、その他不慮の事故というものがわりあい多く起こっております。そして入院したような際におきましても、一応その健康保険の制度があるわけでございますけれども、医療費やあるいは諸雑費等の負担、いわゆる個人負担というものがふえておりますおりから、非常に時宜を得ておるものというふうに私思うわけでございます。このたび創設されますいま申し上げましたこの定期保険には、何ゆえ従来の傷害特約保険だけで、今度新しく創設されました疾病特約がなぜ付加されないのか、その理由をお聞きしたいと思います。
○野田政府委員 先ほど申し上げましたように、定期保険につきましては、安い保険料で高い死亡保障が得られるという点から、どういたしましても養老保険なりあるいは終身保険なりの在来販売いたしておりました保険、終身というか、非常に逆選択の危険がある、弱体者が非常に多く入ってくるのではないかという危険が多々ある、このように考えられるわけでございます。一方、疾病傷害特約におきましても、疾病をその保険事故としているところでも、やはり定期保険で危険を感ぜられますように、疾病傷害特約におきましても同様に病弱者の加入のおそれが非常に高くなってくる、こういう危険があるわけでございます。以上申し上げましたような理由から、この二つのものを合わせまして一つの保険契約として締結することにしますと、ますます先ほど申し上げました逆選択の危険がふえまして、事業経営上悪影響を生ずる、ひいては加入者全体の利益をそこなう、このように判断をいたしたわけであります。 以上のような理由から、定期保険には疾病傷害特約を付することができないこととして一応発足をいたすのでありますが、発売後の状況を見まして、将来それほど現実に危険性がない、あるいはこちらの防止措置が十分に講ぜられる、こういう見通しがつきました際にはまたこれについて再考をいたしたい、このように考えております。 〔小澤(太)委員長代理退席、委員長着席〕
○羽田委員 確かに、この疾病傷害特約が新しい制度で定期保険につけられますと、定期保険のあれというのはますます多くなるわけでございまして、この点制度が発足してからよく調査し、またできればあれしたいという話でございますが、その点よくお願いしておきたいと思います。 なおこの疾病で、いわゆる保険料支払いの対象となります疾病というのは、普通いろいろとこの病気はだめだとかなんとかという制限があるわけでございますけれども、制限がないというふうに承っておりますけれども、それが事実かどうか。そしてもう一つあわせてお聞きしておきますのは、従来の傷害特約というのがほかの保険に対しての付加率というものは一体どのくらいになるのか、あわせてお聞きしておきたいと思います。
○野田政府委員 今度の疾病の特約につきましては、簡易保険のたてまえといたしまして、国民すべてに公平な取り扱いをして、その普遍的な普及をはかるということが第一点であります。第二点としまして、保険事故の認定をめぐりまして加入者との間にトラブルを避け、簡易保険がその使命の一つとしております簡易な事務取り扱いによって保険の普及をはかる、こういうことを考慮いたしまして、対象とする疾病の種類を限定しないことにいたしておるわけでございます。この点、民間が発売をいたしておりますそういう疾病の特約と相当大きな差異のある点だろうと思います。 なお、先般来売り出しております傷害特約につきましては、発足当初九〇%弱でございましたが、四十七年度の実績によりますと九九・八%、新契約件数のほとんど全部に傷害特約がついておる、こういう実情でございます。
○羽田委員 話をもう少し飛ばしますけれども、この保険業務を推進していく上におきまして、その剰余金といいますか、それが出てまいると思うのでございますけれども、その加入者への還元あるいは加入者へのサービスというものを一体どんなふうにやっておられるかということについてお聞きしたいと思います。
○野田政府委員 最近におきます簡易保険事業の経営状況は比較的順調に推移をいたしておりまして、これによりまして発生した剰余金はできるだけ多く加入者に還元するために、昭和四十一年以来現在まで七回配当金の増額を行なっております。本年度、四十八年度におきましても、四月一日から約六百億円の原資をもって増配の実施をやることに踏み切ったわけでございます。 そのほか、さらにこのような増配とは別に、加入者の健康を増進するために、加入者への利益還元の一つの手段といいますか一環といたしまして、加入者福祉施設の拡充に力を注いでおりまして、現在まで相当程度——規模を誇るわけではございませんけれども、簡易保険郵便年金福祉事業団に十三カ所の加入者ホームあるいは五十カ所に及ぶ保養センターを設置、運用させておる、こういう実情でございます。しかしながら、まだそういう点、加入者福祉施設の面からの加入者の要望にも十分応じ切れない実情でございます。今後とも十分努力をしていきたい、このように考えております。
○羽田委員 特に福祉施設のほうでございまして、簡易保険郵便年金福祉事業団、そちらに委託されまして実施されておりますいろんな施設の運営についてでございますけれども、これは確かに数だけどんどんふやすといいましても、剰余金の中でやってまいることでございますので、そうむちゃくちゃなことはできないわけでございますが、いろいろと聞かしていただきますところによりますと、保養センターあるいは加入者ホーム、青少年レクセンター、簡易保険診療所、いま申し上げましたようなものが幾つかございます。しかし何か全部で加入者が四百数十万ということでありまして、その家族というものを含めますとたいへんな数になるわけです。そしてその利用状況というものを見さしていただきますと、この保養センターあるいは加入者ホームでございますが、これの利用率が八十何%ということになっております。これは普通のホテルですとか旅館、いろんなそういった施設、この場合ですと年間を通じまして大体六十数%になりますとたいへんな稼働率であるわけですけれども、八三%というようなことになりますと、窓口で断わられるという人がほとんどじゃないかというふうに思うわけでございまして、こういったものの今後の拡充というものについてどんなふうにお考えになっておるか。特にこの中で加入者ホームでございますか、これは老人の方々からたいへんに喜ばれておる施設であるようでございますけれども、私もこの利用料金なんかを見ますと非常に安いというようなことで、だいぶここでは経営がむずかしいというようなことで伸び率、特に保養センターなんかの伸び率に比べましても、最近ではほとんど増加されておらないということですが、特に加入者ホームあるいは保養センターというものをこれから数をふやしていくお考えなのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○野田政府委員 簡易保険の加入者福祉施設につきまして非常な御理解と激励をいただきまして非常にありがたく思っておる次第でございますが、御指摘のように、簡易保険の加入者の非常な数に比べまして施設の数がまだ十分でございませんし、利用の申し込みに対しましてもこれをお断わりするというような実情が、特に繁盛をいたしております施設におきましては非常に多いということをわれわれ現実に知っておりまして、今後とも努力をいたしていきたい、このように考えておるのでございます。 概括的に申しまして、今後の生活水準の向上なりあるいは余暇時間の増大というようなことから、レジャーも高度化、多様化していくと思いますし、既設の福祉施設あるいはそういうパターンだけでは加入者の要望に十分こたえ切れないだろう、このように考えます。そういうふうに考えるわけでございますけれども、現在の計画といたしましては、先ほど申し上げましたような一応経営状況が安定し好調であるということ、さらにわれわれは地域開発にも資していきたい、こういうことを目的といたしまして今後大体五カ年間、四十八年度も入れまして一応総額六百億円をちょっとこすくらいの資金をもちまして既存の施設を拡充整備すると同時に、先ほど申し上げましたような国民の需要の多様化、高度化に対応いたしまして、大規模な総合レクリエーションセンター、あるいは簡易に利用できるキャンプセンターを高原や海浜に設置をするということによりまして、現在の利用人員を約五倍程度まで収容可能な、御利用いただけるような施設にしていきたい、このように考えておるわけでございます。 ただ御指摘の加入者ホームといいますか——まあわれわれ加入者ホームと言っておりますが一般的な老人ホームでございますが、この点につきましては現在全国十三カ所ございます。一応この計画の中では、既存の施設の中の短期ホームというか短期利用の部分、最長一カ月、六十歳以上の方々が、一番長くて一カ月御利用いただける施設を拡充いたしたい、このように考えております。加入者ホームが本来のねらいとします、老人の方が老後を養うほんとうの意味での長期に滞在されます老人ホームにつきまして、これは非常に加入者が多いにかかわらずどうしても利用者が固定をされる。現在全国の十三カ所で約二千人くらいの方々が利用されておられるわけでありますが、ほとんどの方が一ぺんお入りになりますと出られない。数千万に及ぶ簡易保険の加入者につきまして、その利用の均てんが得られないということが行政監察の結果でも指摘をされております。したがって、これは回転を十分にするかあるいは施設を非常に拡大するか、こういうジレンマがございます。さらにもう一つは、これは収支の関係からいきますと、現在の収支率につきまして申し上げますと——収支率といいますか、必要とします経費のほとんど一〇%程度の収入しかないような実情でございます。これを非常に拡充をいたすということは、またそういう意味からも一般加入者の負担の増大を来たす、こういうことも考えられるわけでございまして、この点今後の老人対策の国の施策などをにらみまして、われわれもう少し高い料金で、少なくとも支出はカバーできるような利用料金をいただくような施設にするかどうかということも今後の研究の課題にしていきたい、こういうふうに考えております。
○羽田委員 いまいろいろと御説明をお聞きしたわけでございますけれども、特に二番目に申し上げました加入者ホームでございますか、これが非常に収支の面でもきびしいということ、特に長期のものになりますとなかなかむずかしいというお話でございます。私も、老人ホーム的なものにつきましては、やはり国として別の、ほんとうに政策的な問題としてほかのほうで充実していくべきものだろうと思います。ただ短期、一カ月くらいを対象としたもの、これなんかは非常に特色のあるものだと思いますので、また簡易生命保険事業という点からも、私は特にこの点をこれから助長されていくように、この機会にお願い申し上げたいと思います。また週休二日制というようなこともだんだん浸透してまいりますので、こういう施設というものの利用者等が非常にふえていくわけでございますから、それと同時に厚生省ですとか労働省ですとか、あるいは運輸省ですとか各省でいろいろな施設網をつくっておりますので、こういったものをよく御検討いただきまして、やはり特色のあるものをひとつ打ち出していっていただきたいということをあわせてお願い申し上げておきます。 私、もう答弁はけっこうでございますので、これで終わります。
○久保田委員長 次に、阿部未喜男君。
○阿部(未)委員 先ほど羽田委員からも質問がありましたが、簡易生命保険ができたときの社会の情勢なり経過はともかくといたしまして、今日自由主義経済のもとで、民間にも相当たくさんの生命保険会社があるのに、とりわけ国営事業として簡易生命保険事業を運営をしなければならない理由はどういうところにあると大臣はお考えでしょうか。
○久野国務大臣 先ほどもお答え申し上げましたように、簡易に、しかも低い料金でもってこれを契約をすることができる、簡便に国民各層に御利用いただくことができる、そのような意味でこの簡易生命保険は特色があると私は思うのでございます。
○阿部(未)委員 これがやはり保険事業となれば、企業として成り立っていかなければならないという資本の宿命を負わされているように私は思います。したがって保険の売り込みについて、宣伝あるいは加入の勧奨、そういうものにあたって、かなり最近、政府事業でありながら国民のひんしゅくを買うような事態が発生しておるように聞き及んでおりますが、大臣はどのように理解されておりますか。
○久野国務大臣 そのような事実があるかどうかは政府委員をもって答えさせていただきますが、私はまだそういう報告は受けておりませんけれども、しかしそのような事態が起きないように指導、監督をいたしていきたい、かように存じます。
○阿部(未)委員 事務当局にお答えいただく前に、これはやはり大臣少し責任上私は納得ができませんが、かなり新聞をにぎわしておるところでもございます。たとえば、先般は静岡県のほうにおいては、何か経営者の労災保険だというふうなことを宣伝をして加入させて、しかもけがをしたところが保険はもらえなかったというので、これは朝日新聞にずいぶん大きく宣伝をされておりました。最近はまた学資保険という新種保険を売り出されてから、学校の校長やPTA等の名前を使って、あるいは学校等に対して、子供たちはこの保険に入らなければならないのだというふうなやり方で加入を勧奨して、それがそういうものではなかったということで、いろいろな指摘を受けておる。これは保険事業の運営の基本的な姿勢にかかわる問題で、もしそのことを事務当局は今日まで大臣に報告をしていないとすれば、私は全く事務当局の怠慢だと思いますが、事務当局はなぜそういう重大な問題を今日まで大臣に報告をしていないのですか。
○野田政府委員 具体的な事例につきまして大臣のほうへ御報告申し上げておりませんことは先生御指摘のとおりでございます。御指摘のように、まさに怠慢であります。今後十分大臣に申し上げまして、いろいろ御指導いただくようにいたしたいと思います。
○阿部(未)委員 いま事務当局からお答えがありましたように、大臣、これはかなり大きい社会問題を惹起しておるわけです。特に政府が運営をする国営の保険であり、しかもその勧誘をするのが国家公務員である。信頼の置ける郵政省の職員です。その郵政省の職員が誇大の宣伝をして、しかも強制的に加入を勧奨する、そういうやり方というものは、これはやはり根本的に改めてもらわなければならないと思いますが、どうでしょう。
○久野国務大臣 御指摘の点につきましては十分注意すべき事項であろうと思うのでございまして、今後は御指摘のような事態が起きないように指導をいたしていきたい、かように存じます。
○阿部(未)委員 特に大臣、私が申し上げたように、やはりこの簡易保険の事業が国営であっても、資本の論理には勝てないわけです。したがって、赤字を出さないためには、極力新しい種類の保険をつくったり、いろいろ誇大宣伝をしてでも加入を勧奨するといういまの行き方になっておるというふうに私は考えるわけなんですけれども、それにあわせて当然——大臣は先ほど法律の問題もちょっとお出しになっておりましたが、違法なことはいけないのだとおっしゃっておりましたが、保険契約にからんでも、そういう資本の論理から超過契約がやはり行なわれるという実態があるわけでございますが、超過契約についてはお聞きになっておりますか。
○久野国務大臣 私はまだ報告を受けておりません。
○阿部(未)委員 郵政当局はそういう問題について大臣に報告しておらぬというのは全く怠慢の限りじゃございませんか。超過契約は、御承知のように三百万が保険の契約額になっておりますが、それをオーバーするものについては解約をするとか還付をするとかいうような方法がとられておるわけでございますけれども、そういう資本の論理に基づいて特に最近は故意に超過契約をやる。そういう法に違反をして超過契約をやっても、保険の募集の成績があがれば、それは優秀な職員であるとして優遇をされておる、そういう傾向があるし、保険の募集が優秀であれば人間的にりっぱでなくとも、その職場では非常に強い力を持ってまいりまして、私が仄聞するところでは、全国の優績者とか世界の優績者とかいわれる人間がおるそうでございますけれども、こういう連中になりますと、もはや局長や課長の言うことは聞かないそうです。局長や課長が注意をしても横を向いて取り合わぬそうです。しかしそれを動かすと自分の局の募集の成績が下がってくる。募集の成績が下がれば、上に立っておる幹部は自分の成績があがらないで栄転ができないから、自分が栄転をするためには目をつぶって、そういう優績者は言いたいほうだい、したいほうだいの状況が出ておる。これは私はゆゆしい問題だと思うのですが、どうでしょう。
○久野国務大臣 具体的な事実はよく調査をいたしまして、検討さしていただきたいと存じます。
○阿部(未)委員 いま申し上げましたのは全国的にもかなりあるのです。かなりあるが、善意によって超過契約が行なわれたという場合はこれは責めるわけにはいかないと思います。しかし悪意で、知っていながら膨大な超過契約を平気で結んで、それを上司から注意をされれば横を向いておって、上司の言うことを聞かない、そういう状態になってきておる。これは横浜の中央郵便局にこういう事例があるはずでございます。事務当局のほうは幾らか御存じですか。
○野田政府委員 ただいま御指摘の横浜中央郵便局におきまして、二、三の優績者が募集いたしました契約につきまして超過契約がありました事例につきまして報告を受けております。
○阿部(未)委員 まだ局長のところにあまり詳細な報告は来ていないかと思いますので、超過契約の内容、また私が聞き及んでいるところによりますと、超過契約だけでなくて、もっと、やってはならないことをいろいろやっておるやに聞き及んでおりますから、ひとつ調査をされて、その調査の結果を資料として提出を願いたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。
○野田政府委員 できるだけ早い時期にまとめて提出いたしたいと思います。
○阿部(未)委員 次に大臣にお伺いしますが、法律の中で、簡易生命保険法ほどわかりにくい法律はないと私は思うのでございますが、大臣、簡易生命保険法をどうお考えになっておりますか。
○久野国務大臣 先ほど冒頭に申し上げましたとおりでございます。
○阿部(未)委員 簡易生命保険法の内容、法体系が非常にわかりにくい法体系になっておるということなのです。たとえて申し上げますと、たしか、私の記憶に間違いがなければ、法の三十一条には、不慮の災害で死亡した場合には倍額の保険を払うことになっておるはずです。これは、保険の運用上剰余金が出たのでその剰余金を加入者に返す、気の毒な人たちに返すために設けられた規定で、本来ならば約款のほうでいいのではないかと思うのが三十一条に入っております。倍額払いになっております。ところが、普通の定期保険の場合には倍額払いの金を初めから取って、倍額払いの契約をして掛け金に倍額の内容が入っておるのです。この倍額払いの規定は、たしか約款の六十九の二ですか、その辺に入っておるはずだと思いますけれども、これは本来契約の際に掛け金から取っておるから、法定事項にすべきだと思うのです。一方、剰余金をもって加入者にサービスするものは、これは約款でもいいのではないかと私は思うのです。これは一例です。そういうふうに入りまじっておりまして、法を読んでも、幾らもらえるものか、どういう場合かわからないし、約款のほうかと思うと法のほうに入っておるという法体系になっておる。古い保険に、いろいろ新種保険をつくって、いろいろつけ足していったからこういうものになったのだと思いますが、国民大衆の簡易保険であるならば、だれが読んでもすぐわかるような法の体系、内容に変更しなければならない時期ではないかと思うのですが、どうですか。
○野田政府委員 現行の簡易生命保険法につきましても、戦前の簡易生命保険法時代からの沿革もございまして、先生も御指摘になりましたように改正改正の積み重ね等もございまして、確かにおっしゃいましたような矛盾もあろうかと思います。基本的に申し上げますと、契約者と申しますか、被保険者の基本的な権利の保護というようなところに重点を置いてわれわれ保険法を構成しあるいは約款に規定をしておるつもりでございまして、契約者に不利を与え、これを瞞着するといいますか欺瞞する、そういう意図は毛頭ございませんし、機会あるごとにこれを簡素化といいますか、明快に加入者が理解できるような、こういう形にしておる、このように考えております。
○阿部(未)委員 加入者をごまかす意図があるとかそういうようには思わないのです。ただ、だれが読んでもすぐわかるような内容にすべきではないか。いま申し上げましたように、定期保険の倍額払いは約款できまっておるのでしょう。ところが約款というのは加入者にはなかなかわからないのです。そうでしょう。それから法の三十一条の倍額払い、これは私の記憶に間違いがなければ、たしか剰余金の処分の一環として設けた内容になっておるはずです。剰余金処分は約款であってもいいと思う。しかし本来契約のときに掛け金の中に織り込んで倍額払いを約束したものが約款のほうに入っておるというようなところがありますから、読んでもわからないのです。なかなかこの法は読んでもわからないという状況になっておる。ですからここいらで、もっと平易に、加入者が読めば一読、簡易保険に入ればこうなるのだ、こういうときには二倍もらえる、こういうときには三倍もらえるということがちゃんとわかるような体系に抜本的な法の改正をなさったらどうだろうか。これは提案ですが、どうでしょうか。
○野田政府委員 ただいま御指摘の倍額支払いにつきましては、まさに簡易保険法の第三十一条に規定してございます。これは剰余金を、契約者に対するサービスとして不慮の事故等に際しまして倍額支払う、こういう規定にいたしております。実は簡易保険では、倍額支払いにつきまして契約成立のときから保険料としてちょうだいしておる保険の種類はございません。先生もし約款のほうで倍額支払いとおっしゃいましたあれだとすると、私のほうはちょっと見当がつきません。
○阿部(未)委員 約款六十九条の二じゃないですか、見てください。——私が違っているかもしれません。
○野田政府委員 六十九条の二につきまして、これは特別終身保険等の保険金額ということの条文でございますが、ここには倍額支払いのことにつきましては特段に定めておりません。あるいは先生がおっしゃっておられますことは、傷害特約保険金の支払いかと思うのでございますけれども、ここでは倍額のことは一応触れてない、このように考えておるわけであります。
○阿部(未)委員 私が不勉強ならば申しわけないのですけれども、たとえば普通養老保険のときに、死亡したら三百万、満期の場合でも三百万、これが倍額保険ならばさらに三百万で、六百万になる。傷害保険をつけておったときには、特約があった場合には、これにさらに三百万が加わって九百万もらえる、こういう勘定になるはずですから、倍額支払いという制度はあるはずです。
○野田政府委員 ただいま御指摘の場合は、普通の終身保険なりあるいは養老保険等につきました傷害特約を含めました保険金の支払いの場合には、まさにそのようになろうかと思うのであります。これは六十九条の二ではございませんで、七十条の保険金の倍額支払、ここの項で規定をいたしておる、このように考えております。
○阿部(未)委員 わかりました。 六十九条の二の2に、一種特別養老保険と二種特別養老保険とがあるでしょう。これはちゃんと二倍払うと書いてあるでしょう、「保険期間が満了したことに因り支払をする場合の保険金額の二倍の額」、期間中に死んだ場合は二倍出しますよといっている、これはなっておるでしょう。
○野田政府委員 この保険につきましては、あるいは先生御承知かと思いますが、養老保険の中で特別養老保険というのを売り出しておりまして、これはそもそも保険の仕組みが満期の場合に百万円といたしますと、死亡の場合二百万払う保険、これを第一種特別養老保険と呼んでおります。死亡の場合、三倍払う保険、これは第二種特別養老保険ということで、昨年の九月一日から売り出しております。これは先生御指摘の先ほどの三十一条の保険金の倍額支払、剰余金をもって支払うものとは違いまして、そもそもの保険種類にいたしておるのでございます。
○阿部(未)委員 そもそもの保険の種類だから、初めからこれは掛け金が高くなっておるわけです。そうでしょう。そもそもの保険の種類だから、初めからこのことを想定した掛け金の率になっておるはずなんです。したがって、あなたが途中で死亡した場合には倍になりますよというやつは、本来、法の中に入るべき筋合いのものではないか、こう質問したわけです。
○野田政府委員 どうもこちらが早のみ込みでかってなことを申し上げまして、失礼いたしました。これは先般の改正の際に、やはり法制局で相当論議をいたしたのでございますが、簡易生命保険の場合、終身保険、養老保険、それに定期つき養老保険、こういう形でつくっておりますので、これの組み合わせの比率につきましては、法律上そういう基本的な保険の種類をつくった以上、どういう倍率で組み合わせるか、そういうことは約款でよかろうということで、今後の保険需要あるいは経済情勢に応じて機動的にいろいろな新種が発売できるようにということで、一々法律改正の手続を要せず、機動的に新種を発売できる、こういう配慮で約款に移した、こういうことでございます。
○阿部(未)委員 それで論争しようとは思いませんが、私が申し上げたのは、今度できる家族保険といまのが関連が出てくるのですよ。だから私は調べてみたのです。当然これは法にあるだろうと思って調べたら、法になくて約款の六十九条にあったから、この法律は見にくいなという気がして、いろいろほかのも調べてみると、どうも簡易生命保険法ほどわかりにくいものはないという気がしてきたので、もう少しみんなにわかるように法の改正をする必要があるのではなかろうかという提案をしたにすぎません。その必要があると思うか、ないと思うかだけ、お答え願えばけっこうであります。
○野田政府委員 先生御指摘のように、非常に難解にできておるわけでございます。できるだけ検討いたしまして、そのような方向で改正をいたしたい、このように考えております。
○阿部(未)委員 もう一つ、大臣にお伺いしておきたいのですが、先般、大蔵委員会のほうで逓信のほうと連合審査をやってもらうべきじゃないかと申し上げたわけですが、資金運用部資金並びに簡易生命保険及び郵便年金の積立金の長期運用に対する特別措置に関する法律が成立をしたわけで、積み立て金と資金が国の財政の中に入ってきますから、したがって国会の議決を得る、いわゆる予算総則に入る、こういうことになります。運用権は運用法によって大臣の専決事項になっておると思っておりますが、この予算総則の中に入ることによって、郵政大臣の運用権が侵される心配はないのかどうか気になるのですが、どうでしょう。
○久野国務大臣 簡易生命保険の剰余金が生じた場合には、これを産業投資特別会計の中に組み入れるという義務が生ずるように法律上はなっておるわけでございまして、そういう規定に従っておるわけでございます。
○阿部(未)委員 大臣はまだあまりよくわからないかもわかりませんから、事務当局でけっこうですが、大臣の保険の運用権が、予算総則の中に入ったことによって制約を受ける心配があるのではないか。やはり運用権は運用権として確立をしておるのか、あるいは予算総則に入ったために制約を受けるのか、そこのところをお伺いしたわけであります。
○久野国務大臣 運用権は制約を受けません。
○阿部(未)委員 その運用権が制約を受けないということを、議事録にはっきり残していただきたいと思って、お伺いしたわけです。 保険の内容について少しお伺いしたいと思いますが、今度の定期保険ですけれども、内容を見ますと、五年もの、十年ものということになっておるようでございますが、ことさらに五年もの、十年ものというような契約のしかたをしなければならない理由が、私にはわからないわけです。五年ものの契約をしておっても一年でやめる人もありましょうし、二年でやめる人もありましょう。十年の契約をしておっても、二年、五年でかけ捨てですから、いつでも自由にやめることができるわけでございます。したがって、何の理由があって五年契約とか十年契約というようなものをわざわざ期限を設けなければならないのか。年齢によって掛け金は違うわけでございますから、したがって、そういう五年とか十年とかいう期限を定めての保険契約というのは少しおかしいような気がする、一年くらいでいいのではないかという気がするのですが、どうでしょうか。
○野田政府委員 定期保険につきまして、保険種類が一年あるいは二年という非常に短い短期の保険種類にした場合に、非常に逆選択が多くなる危険がまず第一に考えられます。そのほか、新契約、これが一ぺん一ぺん一年ごとに更新をするということになりますと、あるいはしばらく間を置いて新しく申し込むということになりますと、新契約の負担が非常に多くなりますために、保険料が割り高になるということのほかに、先ほど先生もおっしゃいましたように、契約者にとっても死亡率との関係から更新ごとに保険料が高くなる、あるいは削減期間の関係その他で、すぐ申し込んでも再加入の保証がない。これは五年なり十年なりの種類にいたしておりますと、途中病気にかかっておりましてもそれはずっと契約が継続していく。したがって、非常に短いということになりますと、再加入の保証がない、こういうことが考えられるわけでございます。さらに、長期にしますといまの終身保険とあまり変わらなくなってくるのではないか、こういうところから特に削減を置きましたことが一番大きな理由ではないかと思います。五年及び十年、この二種類にいたしたわけでございます。
○阿部(未)委員 逆選択ということになれば、五年だって一年だってあまり変わらないような気がしますし、それから現行火災保険等が大体一年契約で、しかも更新更新でずっといきますね。そうすれば、更新についてもそんなにたいへんなことじゃないのじゃないかという気がするのですが、五年、十年という期限を切らなければならないという意味がわからないし、むしろ私は、加入を勧奨する技術からいくと、一年かけ捨てのほうがやりいいのではないかという気がするのですが、どうですかね。
○野田政府委員 火災保険との御比較があったわけでございますが、今回売り出します定期保険につきましては、一応削減期間といたしまして一年半という期間を設けておるわけでございます。したがいまして、一ぺん保険を売り出しましたあとの状況にもよるわけでございますけれども、逆選択の危険というのが一番大きいわけでございます。それから火災保険の場合につきましては、保険料率の改定ということが生命保険の場合のようにそうひんぱんに起こるというのではなくて、生命保険の場合は加入年齢、これは当然逓増していくわけであります、どんどん年をとっていくわけでございます。必ず保険料も上がっていく、こういうことになろうかと思いますが、一応こういう形で編成をしてみたわけであります。
○久野国務大臣 ちょっと訂正をさせていただきたいと存じます。 先ほど私が発言をいたしました際に、剰余金が出た場合に産投特別会計にこれを繰り入れる云々という発言をいたしましたが、これは私の思い違いでございますので、これを訂正させていただきたいと存じます。
○阿部(未)委員 わかりました。 それから次に、定期保険についてはこれは倍額払いという制度がないということになっておるようですが、ほかのは、さっきいろいろ議論いたしましたけれども倍額払い制度があるようですが、これにはどうして倍額払い制度をつけなかったのですか。
○野田政府委員 御承知のように、定期保険はかけ捨てでございまして、十年ものの定期保険になりますと、ある時点におきましては積み立て金もほとんどない、剰余金もほとんどない、こういう保険でございますので、ただいまのような措置をいたしたということでございます。
○阿部(未)委員 いまの局長の御答弁ですと、さしむき発足にあたってはこれはできないが、五年ものなり十年ものを契約をして、将来剰余金が出てくれば、倍額はともあれ何らかの形でまた還元をするようなことが考えられる、そう理解をしていいですか。
○野田政府委員 いずれにいたしましても、剰余金が発生いたしました場合には、契約者なり保険金受け取り人に還元するように法律できめられておりますので、先生御指摘のような倍額払い制度のほうに求めますか、あるいは本来いただくべきでなかった保険料をいただいておったというようなことから、保険料をもっとうんと安くする方向にいくべきものであるかどうか、その辺問題になろうかと思いますが、いずれにいたしましても、検討の対象になることは間違いない、このように思います。
○阿部(未)委員 次に疾病傷害特約ですが、いまは傷害特約があるわけですが、今度疾病特約というもう一つ新種ができるというわけで、大体趣旨は先ほどお話がありましたからわかりましたが、これは普通の保険の場合に両方かけるわけにはいかないわけですね。いずれか一方であるわけですね。
○野田政府委員 先ほどちょっと申し上げましたように、基本契約に対します傷害特約の付加率が九九・八%ということになっております。ほとんど全部といっていい契約に傷害特約がついておりますので、さらにそれに疾病特約を付するということをいたしませんで、いずれか一つ、こういう形で処理をしていきたいと思います。
○阿部(未)委員 これは当然だと思いますが、基本契約が三百万円に満たない場合には、いま傷害がついておっても、新たに契約する場合には今度は疾病傷害特約はつけられる。これは各契約ごとで違っていく。一人の人間が両方つけられないというのじゃなくて、契約によって違うわけですね。
○野田政府委員 お説のとおりでございます。
○阿部(未)委員 それから、最後になりますが、家族保険の関係ですけれども、これを今度配偶者の場合に、主たる被保険者の死亡した場合百分の四十から六十、片方が百分の二十から三十に引き上げる。これだけ見ればたいそう優遇してもらえるといいますか、金が余ったから返してもらえるのじゃないかと思ったのですが、これは剰余金の処理のために行なうのじゃなくて、掛け金そのものが上がってくるのだというふうに理解しなければいかぬのですか。それともすでに加入しておるものについても百分の四十から百分の六十に上がるのだということになるのですか。
○野田政府委員 先生のお話の後段のほうでございます。現行の家族保険制度は、配偶者につきましては百分の四十、子供につきましては百分の二十でございます。今度この法律を御決定いただきました後発売される家族保険につきましては新しい形のものでいく、こういうことでございます。
○阿部(未)委員 そうしますと、当然いままでの保険の料率とは違うもので、これからこの家族保険の掛け金は高くなってくるということになりますか。どのくらい高くなるのですか。
○野田政府委員 今回の家族保険制度の改正につきましては、先生おっしゃいました配偶者及び子供に対します保険金を高くするということのほかに、被保険者である配偶者及び子供につきまして傷害特約または今回設けようとしております疾病傷害特約を付することができるようにいたしたいというのが第二点でございます。 第三といたしまして、これは直接改正法律案に出なくて、約款で処理をいたそうといたしておるのでございますが、主たる被保険者、また一家の主人なら主人に対します保険が、現在までの普通の通常の養老保険でなくて特別養老保険、このような改正を考えておるわけでございます。したがいまして、この場合の保険料について申し上げますと、五十五歳満期の家族保険につきまして、保険金額百万円、三十歳加入という例をとりますと、従来ですと、この特別養老保険型がございませんで一般の養老保険型でございますから、いま申し上げました五十五歳満期の家族保険の保険金額百万円、三十歳加入の場合でございますと従来は三千二百五十円でございます。今回の改正では、死亡の場合百万円ということにいたしますと二千百円ということでございます。千百五十円ばかり安くなるわけでございます。ただ、満期の場合は百万円、したがって死亡の場合は当然でございますが二百万円という保険になりますと四千二百円程度で、九百円ちょっと高くなる、こういうことを考えております。
○阿部(未)委員 いま局長おっしゃいましたように、この法律を読んだだけではなかなかわかりにくいのですけれども、しさいに検討すると、この家族保険は被保険者の家族が死亡した場合にも、さっきちょっとおっしゃったように、特別養老ですか、一種二種に入っておれば倍額払いの適用を受けられることになると思うのです。なりますか。
○野田政府委員 法律でいっております三十一条の倍額支払いにつきましては、家族保険の場合も主たる被保険者だけでございまして、被保険者である妻及び被保険者の子については倍額支払いの規定の適用を受けないということでございます。
○阿部(未)委員 三十一条の規定の適用は受けないけれども、約款六十九条の二の適用は受けるというふうにあるでしょう。
○野田政府委員 今回行ないます家族保険の制度の改正につきまして、主たる被保険者に対します保険の型は養老保険から特別養老保険の型に移行いたしまして、何倍型、死亡の場合は倍数になっていく、こういう保険の種類でございます。配偶者及び子供につきましては、従前の定期保険の型そのままでございまして、ただ、保険の保障の金額が百分の四十から六十になる、あるいは百分の二十から百分の四十に上がる、こういうことでございまして、定期保険でございますので、配偶者及び子供につきましての倍額支払いの規定は適用にならない、こういうことでございます。
○阿部(未)委員 時間がなくなりましたが、いまの局長の答弁は私の解釈によるとちょっと違いますが、私はここを読んでみますと、主たる被保険者の家族についても、主たる被保険者が死亡した場合には従来なかったのを今度は倍額払うようになるのですよ、そうなりませんか。
○野田政府委員 先生がおっしゃいます意味は、こういう意味ではなかろうかと思います。 法律の形としましては、被保険者たる配偶者及び子供は、主たる被保険者の死亡によって受け取る保険金の何割ということになっておりますので、御指摘のように第一種あるいは第二種の特別養老保険の形になりますと、主たる被保険者が死亡の場合に受け取る保険金は確かに倍あるいは三倍、こういうことでございますので、既往の契約よりも確かに倍なり三倍の保険金を受け取るのでありますが、災害に際しましての倍額支払いの法律の規定とは別でございまして、私はちょっと早のみ込みをしました。倍額支払いという場合、三十一条の災害におきます支払いのことをいっておりましたので、あるいは私のほう間違っておったかもわかりません。 御指摘のように、主たる被保険者に対します保険の形が変わりますので、確かに御指摘のような配偶者及び子供に対します保険金額も倍なりあるいは三倍になる、こういう結果になるわけでございます。
○阿部(未)委員 私もちょっと聞き方が悪くて、倍額ということばを使ったのでわかりにくかったと思いますが、一種、二種という場合に、主たる被保険者が倍、三倍の保険金が取れるから、その六〇%あるいは三〇%に上がっていきますから、当然家族も、主たる被保険者が上がれば上がっていく、そういうふうになっているのでしょう。
○野田政府委員 そのとおりでございまして、私の先ほどの倍額支払いの答弁がちょっと不十分でございました。
○阿部(未)委員 大体そういうことで私の質問を終わりたいと思いますが、先ほど冒頭にお話ししましたように、保険が資本の論理に従って、政府の国営の保険でありながらも、見苦しい募集をやったり誇大の宣伝をやったり、しかも場合によれば職場の秩序を乱すその大きい原因は、保険の募集の成積が上がるか上がらないかということが人事を左右する一つの基本にもなっておる。貯金の場合にもそういうことがいえると思うのですけれども、そういうふうになって、いわゆる保険をうんととらなければ栄転ができない、貯金をうんととらなければ栄転ができないという、本来の、ほんとうに国民のサービスのためにある保険から、いまや売らんかなの保険へ変わりつつあることは、これは郵政が管掌する簡易生命保険なり郵便貯金にとって決して好ましいことでないと思いますので、この募集や広告が行き過ぎにならないように、とりわけ募集の成績だけで、人間の基本的な人格を抜きにして人事を行なうというようなことがあってはならないと思いますので、そういう点について大臣の所信をひとつ承りたいと思います。
○久野国務大臣 御指摘の点につきましては十分配慮いたしまして、検討いたしたいと思います。
○阿部(未)委員 終わります。
○久保田委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時二十六分散会