逓信委員会 第7号
- 発言数
- 58 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1973/03/14
会議録
○久保田委員長 これより会議を開きます。 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小沢貞孝君。
○小沢(貞)委員 大臣があしたお昼から一時間ほど見えるそうですから、大臣に関する部分を除いて質問いたしたいと思います。 まず第一には、放送会館の土地、建物売却収入三百五十四億円で、そのうち百二十億を放送文化基金の設立に使おう、こういうことで、その詳細について昨日説明がありました。その中で、一、二の点だけ——まだ構想が固まっておらないかもしれませんが、一、二の点だけ御質問いたしたいと思います。 百二十億の基金で、国債を中心とした運用果実をもって、その額が約八億円、毎年教育施設や社会福祉施設に対するカラー受像機の贈呈、それから難視聴の解消、放送に関する国際協力、放送に関する研究開発の助成、こういうことに使おう、こういうわけです。 そのまず第一の教育施設、社会福祉施設に対するカラー受像機の贈呈、その説明として、「へき地小学校、中学校および社会福祉施設(受信料免除対象施設)のうち、カラー受像機未設置のものに対し、カラー受像機の贈呈を行なう。」こういう説明になっておるわけであります。NHKのほうから出された資料を拝見すると、カラー受像機でなく一般の受像機で、昭和四十八年度の年度当初免除者数は二十七万四千、年度内の新規の免除が七万一千、年度内の免除廃止が二万二千、差し引き年度に四万九千ふえるので、合計三十二万三千台が免除の対象だと思います。このうち、ここでいうような僻地の小、中学校、社会福祉施設、こういうようなところで、要するに免除の対象になっておる中から、一体この僻地の部分はどのくらいあるだろうか。言うならば、カラー受像機を贈呈をする対象の施設が一体どのくらいあるであろうか。こういうことについて何か——こういう構想を立てたからには、何か根拠があるだろうと思うのですが、もしわかっておったらお答えをいただきたいと思います。
○斎藤参考人 お答え申し上げます。 社会福祉事業施設のすでにやっております免除の実数は二千件でございまして、免除対象の施設は二万七千件でございます。
○小沢(貞)委員 これはすでに免除対象のうち二千件だけしかカラー受像機を贈呈しない、こういうことですか。二万七千件はその対象になるのですか。どういうことでしょう。
○斎藤参考人 お答え申し上げます。 免除対象施設に現存すでに受像機が普及している状態が免除数でございますので、ただいま申し上げた数の差が、これから贈呈すべき対象になるというふうに……。
○小沢(貞)委員 二万七千マイナス二千ですか。
○斎藤参考人 そうです。
○小沢(貞)委員 そして、これは小、中学校を除いたもので、社会福祉施設だけですね。
○斎藤参考人 はい。これは小、中学校は全く別でございまして、いま申し上げているのは社会福祉施設のみでございます。
○小沢(貞)委員 わかりました。それに僻地の小、中学校を合わせると、これはカラー受像機を贈呈するものが膨大にふえてくるのじゃなかろうか、こう思います。それで、たとえば一台十万円とすると、千台やれば一億円になる。この分として八億円のうちから三億か四億をこの受像機に充てるとしても、三千台か四千台しか年に贈呈をするわけにまいらない。こういうことになろうと思いますが、希望者はこの何十倍というほど一気に出てくる、こういう現象になろうかと私は思います。これは厳重な審査をして助成をしようということになろうと思いますが、一体何カ年計画で、どのくらいの予定でやろうとしているか。その辺の構想が固まっておったら、ひとつお聞かせいただきたい、こう思います。
○斎藤参考人 僻地の小学校、中学校の関係は、ただいまの状況では受信可能な地域が六千五百五十校ございます。このうち援助対象の見込みといたしましては、ほぼ四千五百校程度と見込んでございまして、現在一案としてNHKで想定いたしました考え方によりますと、四千五百校については三カ年程度で実施できるであろうというふうに考えてございます。
○小沢(貞)委員 だんだん構想ができておるようですから、それに僻地における社会福祉施設、こういうようなものも含めて、ひとつなるべく早い時期に要望を満たしてやっていただくようなぐあいにしていただきたいと思います。 次に、この放送文化基金の(2)として「難視聴解消」があるわけであります。難視聴解消というのだから、これは僻地における難視聴あるいは都会における難視聴の解消のために金を出すのかと思ったら、どうも開発研究のためだけにしか使われない、こういうような構想のようですが、僻地における難視聴の解消のためにNHKにはずいぶん努力をしていただいておるようですが、その他の一般放送業者、こういうものにも援助するというような構想はありませんか。
○前田参考人 実際上の問題は今後の問題になりますが、私どもの非常な素朴な考え方では、先生御質問の範囲を含めたいという希望を持っております。
○小沢(貞)委員 私の希望は、前の逓信委員会の総括質問でも出したわけですが、たとえばNHKさんはどんどん難視聴解消が進んでおるけれども、それにつれて民放その他が、なかなか一致して難視聴解消のために努力をしない。この理由は、民放は山の中の受益者の少数のところに金をかけることはなかなかできない、こういう問題があるわけです。だから、これから質問をしてまいりたいと思いますけれども、そういうことにもこのお金を具体的に出していただけることになるとたいへん助かる問題だ、私はこういうように考えるわけです。そういうことも含めて御検討いただく、こういうことなんで、これからNHKさんや郵政省に質問いたす過程の中で、会長さんから積極的な御発言をいただきたいと思います。 そこで難視聴の問題に続いてお尋ねをしたいと思いますが、昭和四十八年度が特に難視聴地域の積極的解消、以下、放送番組の質的向上等々を重点として公共放送としての諸事業計画を積極的に推進して国民の要望にこたえる、こういうことで重点事業計画のトップに難視聴解消が出ているわけで、こういう方針でやっていただきたいと思いますが、中継局の建設計画、これはことし二百二十局というように数字が出ておるようですが、過去三、四年間どういうぐあいにやってきたかという傾向と、ことしとの比較——去年、おととし、さきおととしとでどういうふうに設置してきたか。それから対象戸数がだんだん減ってきているのじゃないかと思いますが、いまは対象戸数を最低どこまでに押えてやっているか、こういうような点についてお答えをいただきたいと思います。
○藤島参考人 難視の現状についてというお話でございますので、直接の先生の御質問にはなかったことでございますけれども、まず難視の現状を簡単にかいつまんで申し上げます。それが先生の御質問に答える趣旨かと思いますので、最初に二、三分だけそれを申し上げたいと思います。 実は私どもいままでのやってきました計画によりますと、四十六年度末残存難視が六十二万世帯だということを申し上げてきたわけでございますけれども、昨年の四十七年度のNHKの予算を審議していただく過程におきましても、その難視の実態は多少違うのじゃないかという御趣旨の御質問もございました。私どもも、受像機がだんだんとカラー化してまいります段階でそういう苦情をたくさん聞いております。また郵政省方面からも、そういうことについて至急に調査したらどうだというお話も聞いておりましたので、四十七年度に入りました当初からさっそくその問題と取り組みまして、全国で約五万カ所くらいサンプル抽出のポイントをきめまして、こまかく再調査をいたしたわけでございます。これは私どもの一番基本的な仕事である難視解消の基本的な数字でございますので、軽々しく変更修正するわけにはまいりませんので、かなり重点的に詳細調査をいたしました結果、いままでの六十二万という残存難視のほかに、約七十一万戸くらいがふえまして、四十六年度末で線を切りますと約百三十万くらいの難視になるというようなことに数字が出てまいったわけでございます。この点はどうも従来の数字とたいへんかけ違っているのじゃないかというおしかりを受けるわけでございますけれども、その大半の原因は、いまから原因を申し上げますと、一つは、いままでよく見えるといっていたいわゆる良視地域であるはずの大都会の周辺地区、そういうところが山陰があったり新しい宅地造成がどんどん進みまして、要するにいままでは地理的には見えるという範囲に入っていたところに、見えない世帯数がたくさんふえてきたということが一つ原因としてございます。それからもう一つは、いままで白黒のテレビであったのがカラーにだんだんかわってまいりますと、白黒のときあまり目ざわりにならなかったいろいろなゴーストとか反射とか雑音とかいうものが、カラーになってきて非常に見にくくなってきた。要するに白黒のテレビがカラーにかわったということで、いままで白黒なら見えるというふうに考えていたところが、実はこれでは満足できないというふうな苦情もたくさん出てまいりましたので、そういうのがふえまして、結局従来の倍ちょっとこすような数字になったかと思います。 そこで、私どもはこれから先の置局なり難視解消の手段をいろいろ検討しておるわけでありますけれども、ことしの四十八年度の計画につきましては、先ほど御質問のように昨年とほとんど同じ二百二十局置局をしたい、それから千十施設共同受信設備をつくりたい、両方合わせまして千二百三十地区の共聴並びに置局をもってこの解消を今年度進めたいというふうに考えております。もっとたくさんやれないかという御質問が各方面から出るわけでございますけれども、テレビの難視地区といいますのは、御承知と思いますが、たいへんにもう電波が届きにくいところが大体たてまえでございますので、そこへ持っていく局をまずつくりませんと、金だけ投入してもやたらに工事ができないというふうな担当者としての悩みもございますので、われわれは最大限の努力をいたしまして、いま申し上げたような数字を今後も数年間続けてまいりたい。過去二、三年の数字を申し上げますと、四十七年度、四十六年度も大体同じでございます。四十五年度が二百四十局と少しふえたわけでございますが、実際は一年でこれはなかなか消化し切れませんで、多少翌年度にまたがった苦い経験を持っております。今後私ども——私どもといいますかいろいろな業者の能力も含めまして、いま程度の置局の数で、テンポで、進めることが最大限の努力であります。 と同時に、もう一つは、いままでのような置局だけで進めてまいりますと、これから生じておるいわゆる過疎地帯の難視の解消にはかえって技術的にぐあいが悪い面も出てまいります。コスト的にも非常に高くついてまいりますので、新しい技術をいろいろ開発いたしまして、そういう方法をひとつこれから活発に使っていかないと、現実的にこの難視の解消にはなかなか取り組めないという問題も一つございます。その問題につきましては、新しい無線共聴ということばで資料として差し出しておるかと思いますけれども、このことばはまだ十分固まったことばではございませんが、説明上、便宜上、そういうことばを使っているわけでございまして、要するにいままでの置局と共聴を一緒にしたような、ある部分までは共聴の方式を使い、ある部分にいきますと置局の方式を使うようなことで、経済的にも実施上も最も都合のいい方法を検討しようじゃないかということで、実は昨年度から八局ばかり現実に置局をいたしまして、今年度それの実績をいま調査中でございます。できることなら今年度もそういうことでさらに二十局くらいふやしたい。ことし大体結論が出ますと、明年度以降は先ほど申し上げました千二百三十地区のほかに、そういう新しい方法でできるだけたくさん解消のほうへ持っていきたいというのが私どものいま考えております現状と、若干の将来の姿でございます。
○小沢(貞)委員 置局の場合には最低どのくらいな戸数の対象まで考えているか。それは一戸当たりの建設費は幾らに当たるか。共聴の場合には最低の基準を二十戸とか二十何戸と聞いたのだけれども、いまどのくらいまで基準を下げてきておるのか。そうしてそれは一戸当たりの建設費は幾らになるのか。その点についてお答えいただきたいと思います。
○松浦参考人 置局につきまして、従来は二百世帯を最低とするという原則を持っておりましたけれども、一昨年、四十六年度あたりから、実行上は戸数の問題はあまり考慮に入れておりません。それよりも電波によったほうがより有効であるというところ、あるいは親局の電波を受けまして、さらに下のほうの共聴施設に番組を送るというようなことに有効であるというときには置局をやっております。したがって、受信者の数が直接その置局によって四十世帯くらいしか救われないというところでも置局をやっております。一方共聴のほうも、これはあまり規模を大きくしないというような原則がございますので、例外を除きましては二百世帯以下について共聴を行なっております。 それで、一世帯当たりの単価といたしましてはいろんなケースがございますけれども、四十七年度の置局の世帯当たりの平均は約二万二千円でございます。共聴については三万円弱でございます。
○小沢(貞)委員 ここでいつも民放との問題があるわけです。共聴施設の場合には、NHKが幹線を引いてくれて、それからアンテナを立てて、それで民放はそのアンテナに便乗して受益者に負担をさせてアンテナをつけて、増幅器だか何だか知りませんが、そういうものも受益者に負担させてそれに便乗する、こういうことでやっておるようであります。その便乗できる限りにおいては、これはあまり多額ではないから共聴施設の場合には民放もNHKも同時に見れる、こういうことになろうと思います。ところが置局の場合には、いままでNHKがやっと見えておったのが今度あざやかに見えてきた。民放はそれにつれて一緒にやってもらえない、こういう悩みがいまだんだん僻地においてはふえてきておるようです。 そこで、いままで郵政省の指導は、このNHKのサテ局を建てるときに民放も同時に建てる方針で指導をしてきたか、NHKのほうに対しては、民放とはどういうようなぐあいに連絡をとり合ってサテ局を建ててきたか、こういうことについてお尋ねしたいわけです。
○齋藤(義)政府委員 いま先生のおっしゃいましたように、民放とNHKの共同建設ということにつきましては機会あるごとに要請いたしまして、ある程度成果があがっておるものだと考えております。
○松浦参考人 原則といたしまして、私どもが中継局の置局をいたしますときには、郵政省の指導のもとに民放と共同で同じ地点でやるということに努力しております。しかし、実態といたしましては、NHKの置局地点が全国で千七百カ所弱、正確にいえば千六百七十七カ所に対して、民放さんの場合には局の数じゃなくて置局地点でいいますと、七百地点台でございます。 それで実際にやりますときには、話が民放さんも一緒にやろうということになったときはさらに共同建設ということで経費の節減をはかるということで、私どもといたしましても極力当該の民放局と一緒に同じようなサービスが受信者にできるようにつとめておりますが、実情はいま申し上げたとおりでございます。
○小沢(貞)委員 これはNHKからいただいた資料なんだけれども、最近の傾向は四十三年度に置局数百四十七局、共同建設をしたのが十一局、四十四年度は百八十六局、共同建設は二十一局、四十五年度は二百四十局に対して十六局、四十六年度は二百二十局に対して二十一局、四十七年度は二百二十局に対して二十二局。四十三年度から四十七年度までの合計千十三局NHKがやっているにもかかわらず、共同建設できたのは九十一局で一割に満たない、九%である、こういう実態になっておるわけです。いま郵政省から機会あるごとに進めて成果があがっておるという御答弁のようなんだけれども、いよいよ困難な場所へ持っていって共同建設をやろうということは、NHKは推進できるにしても民放においてはなかなか困難な問題が出てくるのではなかろうか、こういうように考えるわけです。だからこの問題をどうしても解決をしていかないと、NHKだけは難視聴解消に努力をしてもらっておるにもかかわらず、民放だけはぐんぐんますます格差ができていくような傾向になりはしないか、この辺が難視聴解消の最高の問題になろうと私は思いますので、こういう点について郵政省はさらにもっと考えて、新たな方法を考えなければ進んでいかない、私はこういうふうに考えるわけです。この前の質問のときにも大臣に、ある程度電波使用料、電波税、こういうようなものを波を使っているすべての人からもらって、平衡交付金と同じようなしかけで民放のほうへ補助を出すとかなんとかして、やはり政府がそれだけ発言をするからには誘導するための援助、こういうものを出さなければ今後は解消していかないのではないか、こういうように考えるわけです。どうでしょう。 それが一つと、先ほどNHKの前田会長から御発言がありましたが、文化基金の中の難視聴解消の年八億あるうちに、補助を多少出すとするならば、八億のうち何億かをやはりそれと同じような基金に回す、これは建設の利子補給だけでもよろしいが、これは民放に補助するような形になっていくので、この文化基金としての性格から逸脱するかどうか知りませんが、とにかく放送を全部の者が受信できるためにはあえてこのことが必要ではなかろうか、こういうふうに考えますので、ひとつ郵政省のお考えと、前田会長の御発言をさらにいただきたいと思うわけです。これはひとつ次官から……。
○鬼丸政府委員 ただいまの小沢委員の御意見はまことにごもっともでございまして、難視聴解消のために民放のほうがおくれてきておることも事実でございます。NHKと共同で難視聴解消の施設を進めることは、郵政省といたしましては一そう積極的に進めてまいりたいと考えております。お話の点を十分考慮いたしまして、具体的にどういうふうに進めるかということにつきましてはさらに検討を加えてまいりたいと考えております。 後段の点はNHKのほうからお答えがあると思います。
○前田参考人 文化基金と民放の難視解消と関連する建設、これとの問題については、この文化基金でそのようなことを直接に行なうことの可否について相当な議論があるかと思います。これらについては私どもはまだそこまでは考えておりませんので、おそらくこの基金ができるという際には第三者的な運営あるいは研究委員会というようなものができると思いますので、その場で検討していただきたいと思っておりますが、わずかにいま年間、マキシマムに見ても八億以内で民放との難視聴解消の具体的な建設について資金を供給する形での援助というのはかなりの問題が残るかと考えております。
○小沢(貞)委員 具体的に建設を共同でやった事例を見ると、やはり民放も同時に負担をしてNHKの負担も軽くなる、こういうことになるわけです。これは共同でやった場合の当然の結果だと思います。たとえば私のほうの長野県の伊那の共同建設の場合には、建物とか空中線用の鉄柱とか電送装置ですか、こういうようなものを二対一対一ということで、民放二つと一緒になってNHKが建設しているわけです。そうすると総建設費二千六百八十一万のうちNHKの負担が二千百万で民放が五千四百万ばかりの負担、こういうことになっているわけです。だから共同で建設した場合にはNHKもまた負担が軽くなる、こういうことになるわけですから、これはNHK自身も推進をしなければならないし、この辺に若干の補助だとか建設の融資だとか、誘導のよろしきを得るならば、これは郵政省の指導で民放もやはりこの共同建設に乗ってくるはずだ、こういうように考えるわけです。次官の答弁じゃどうも、また研究しましょうだけで一歩も前進していかないようだけれども……。さらにこの問題についてNHKもやはりそれだけの決意をしていただいて、二割なり三割建設費が安くなるというわけですから、郵政省のほうの指導もよろしきを得ればできないはずはないのじゃなかろうか、こういうように考えるわけです。どうでしょう。
○鬼丸政府委員 ただいまの共同で建設を進める場合の負担がお互いに多少安くなるということはおっしゃるとおりであろうと思います。そこで、先ほど申し上げましたように民放関係がおくれておる事情を勘案いたしまして——ただその負担関係だけでなくいろいろ問題もございますから、新年度におきましてこの予算が成立いたしましたならば、郵政省として調査会を設置いたしまして、僻地の難視聴問題ばかりでなく、都市部の受信障害解消の問題もあわせて調査検討を行なってまいりたい、またその場合に財源の点、負担方法等の点もひとつ十分検討して、できるだけ早急に結論を出してまいりたいと考えております。あくまで前向きに積極的に進めてまいる所存でございます。
○小沢(貞)委員 NHKはどうですか。
○前田参考人 ただいまの小沢先生の御指摘になりました例には多少数字上の間違いがおありになるのじゃないかと思います。あの個所は総工費二千六百万円かかっておりまして、NHKの負担分は二千百万円でございまして、民放は合計五百万円以下でございます。約五百万円でございます。大体場所によって、民放が複数の場合と単数の場合がございますが、複数の場合ですと、民放の負担分はおおよそ総工費の四分の一程度でございます。それから単数の場合はかなり大きな地点になりますから、大体NHKが二、それから民放さんが一という割合を従来基準と考えておりました。
○小沢(貞)委員 調査会を設置して私が提案をしているようなことについて具体的にひとつ取り組んでいただけるということなので、さらに前進をいたしたいと思います。 先ほど説明がありました共聴無線について去年八局。ことしは二十局の予算が一億ばかり出ておるわけです。その結果についていま明確な見通しはわかりませんか。これが実用に供せられるかされないかというような見通しについてはどうでしょう。
○松浦参考人 私どもは実用に供し得ると思っております。ただこれを活発にやっていくためには、まだ整えるべき条件がいろいろございます。 その一つは、現在実験局でやっておりますけれども、これのいろいろなデータあるいは状況が明らかになりました段階で実用化するということを検討していただきたいという点が一点でございます。 それから、地形的に必ずしもすべての場合にこの簡易無線局が役に立つというわけにはまいりません。しかし現在まで難視解消の努力を続けてまいりまして、少なくともNHKに関する限り、また大都市以外の辺地の難視に関する限り、非常に世帯数の少ないところを対象とするようになってまいりましたので、これは将来的にますますウエートが高くなる施策であるというふうに思っております。
○小沢(貞)委員 一戸当たりの建設費は幾らにつきますか、いまの見通しとしては。
○松浦参考人 お答えいたします。 これはただいま正確に申し上げることはできません。といいますのは、その効果の範囲を確定する調査をいまいたしておりますので、できませんけれども、先ほど申し上げた一戸当たり二万円というような経費を相当下回るものと期待しております。
○小沢(貞)委員 これは大体見通しがあるということなので、ひとつ大いに推進をしていただきたい、こういう希望だけを申し上げておきたいと思います。 これは郵政省に聞くわけですが、この共聴無線の設置については一々免許が要るわけでしょうか。法律的にはそうなっているわけですか。
○齋藤(義)政府委員 やはり無線施設でございますので、免許が要るわけでございます。ただこういう小さなものになりますと、波が相当余裕がございますので、免許については問題がないと思います。
○小沢(貞)委員 そうすると、来年から多数の局を設置する場合には免許を一々とらないでよろしい、こういうことになりますか。
○齋藤(義)政府委員 やはり無線局でございますので、免許は要るわけでございますが、波が相当余裕がございますから、免許の申請がありますと必ず許可になるというような性質のものでございます。
○小沢(貞)委員 わかりました。つまり届け出と同じ程度のことでよろしい、こういうわけですね。 それでは、次の質問をいたしたいと思います。 放送衛星のことについて、通信衛星と一緒であるが、これは四十一億何千万要求して、本委員会でも冒頭に質問がありましたが、最初二十億の予算がついたが、そのうちに八億何がしに減ってしまった、こういう経過があって、それについては質問が出ているようですから重複を避けたいと思いますが、これもまたうたい文句は難視聴の解消に放送衛星が役立つであろう、そういうことなのです。これは海のものとも山のものとも、先のことだと思いますけれども、これについて若干質問をいたしたいと思います。 そこで、最初にNHKのほうに質問をいたしたいわけですが、NHKはこういう研究のために過去約十八億くらいな予算をかけてきたのではなかろうか、こう思います。ちょっとその状況と成果等について最初お答えをいただきたいと思います。
○松浦参考人 NHKは昭和四十一年度から放送衛星に関する研究を、先生御指摘のように、事業費において約十二億、建設費において六億強を投入してまいりましたが、この間に明らかにいたしましたことは、当初は直接小さい放送衛星をつくりまして、これを日本のロケットで上げる、これは宇宙開発事業団ができる前でございます。そういうことをやっておりましたけれども、その後の研究状況を踏まえまして、研究の方針を、放送衛星を基礎的に解明していくためのいろいろな概念をはっきりさせることと、その中でロケットとか衛星本体といういわゆる宇宙開発一般のことではなくて、放送衛星ということに特有の分野に研究をしぼってまいりました。 その結果あげました成果といたしまして、放送衛星に適する周波数帯は十二ギガヘルツということを出しまして、これを一昨年の国際的なWARCの会議、宇宙通信に関する無線主管庁会議に日本案として提出いたしました。そして結果においては、十二ギガヘルツ帯が放送衛星の主要な周波数帯であるということが国際的にきまったわけでございます。たとえば、そのときに熱帯地方——アジアは熱帯地方を含んでおりますので、熱帯地方ではそういう十二ギガヘルツという波は降雨による減衰が多くて使えないではないかという主張があったのでございますが、そのときに効果を発揮いたしましたのは、私どもがやっておりました測定結果、これは太陽雑音を使いまして日本国内及びマレー半島でABU、アジア放送連合の協力でやったわけでございますが、そのデータが唯一のデータでございました。その唯一のデータをもとにして、十二ギガヘルツが全世界的に放送衛星の波として適当であるということを米ソともに理解していただいてこういう結果になった。これも一つの研究成果でございます。 さらに、それに伴うこまかい技術的な、国際的な取りきめをきめる上のCCIRの会議においていろいろな寄与文書を出しておりますが、そういうものも研究上の成果でございます。 さらにもう一つ非常に重要なことは、放送衛星におきましては、将来を展望いたしましたときに、やはり個々の受信者についてできるだけ低廉な受信装置でもって利用できるということが必要でございます。現在の通信衛星系、たとえばインテルサット系におきます地球局の経費は億円台、二億円とか六億円とか十億円とかいう億の台でございますけれども、私ども放送衛星という以上、これを何万円あるいはできるならば何千円のオーダーの付加的な費用でもって衛星が受かりたいということがございます。この十二ギガヘルツの受信装置につきまして従来常識的にいわれておりましたのは、三十万円とか百万円とかかかるというようなことでありましたものを、この研究成果の中で、これが少なくとも普通のUHFを受けるとき程度の費用でもってできる。つまり十二ギガヘルツの放送衛星用の受信装置の原理的な開発において著大な成果をあげておりまして、これはことしの六月に行なわれますICC——インターナショナル・コミュニケーション・コンファレンスですけれども、この席上で特に発表してくれということを、そちらの主催者のほうからいわれて発表するというようなかっこうで、客観的に見ましても確かに成果があったと思います。 以上のようなことが一、二の成果でございます。
○小沢(貞)委員 私がお尋ねをしたいのは、ことし郵政省から一億二千二百万という補助をもらって、四十一・年からことしの分まで含めると約二十億、去年までで約十八億、こういう予算の上に立つて、郵政省がいまから取り組もうという放送衛星に寄与してきた。放送衛星だけでことし四億七千何万ついているわけです。われわれはしろうとなりにお尋ねをするわけですが、そういう技術成果の上に立ってやっているか、延長路線上でやっているか、技術提携なりその他のことは十分に連絡し合ってやっておるかどうか、こういうことについてお尋ねをしたいわけです。
○齋藤(義)政府委員 郵政省のいままでの計画としましては、五十一年度に放送衛星、通信衛星を打ち上げたいということでございますけれども、これはいままでNHK、電電公社が数年来努力してまいりました研究の成果の上に乗って開発していきたい、こういう考え方でございます。 それからNHK、電電公社ともう一つはKDDでございますが、四者協議会というものを持ちまして、技術的な面あるいは経費的な面その他いろいろな面について検討を重ねてきたわけでございます。そういうことで、四者協議会の結論といたしまして、先ほど申し上げましたように五十一年度に打ち上げたいという結論が出たわけでございます。
○小沢(貞)委員 そこで、きょうは科学技術庁からも来ていただいておると思いますが、郵政省と科学技術庁とのこの問題をめぐるやりとりについては本委員会で冒頭にありました。五十一年度に打ち上げるのか、五十一年度を含むできるだけ早期に打ち上げるのかという違いが郵政省と科学技術庁との間にあった。大臣の答弁や齋藤政府委員の答弁を要約するとそういうことであったように考えるわけです。 そこで私は、いままで電電公社やNHKがこれだけの金をかけたりしてやってきた技術的な成果の上に立って、新たに四十一億五千万、こういうような要求をしたとするならば、科学技術庁のほうからそれではまだ早過ぎるじゃないかとかそういういちゃもんがつくはずはないのじゃなかろうか。確信をもって予算要求をしたからには、そういう技術的な成果の上に立って郵政省は自信を持ってやったのじゃなかろうか、こういうふうに私はいまの問答の中からしろうとなりに判断をするわけです。 そこで、きょうは科学技術庁から御答弁をいただきたいのでありますが、科学技術庁がこれはとても間に合わないと考えて、ことしはこの程度しか使えないというような認識に立って予算減額をしたのか、科学技術庁のほうとしてはどういうふうなお考えであったか。
○松元説明員 御説明をさせていただきます。 ただいま先生の御質問の宇宙開発委員会の問題でございますが、宇宙開発委員会といたしましては、放送衛星、通信衛星、これの実験用の衛星を早期に打ち上げるということにつきましては十分お認めになっているところでございます。またNHKにおかれまして、過去かなり研究の成果をおあげになっておるというふうなことも承知をされておるわけでございます。ただ、今回の衛星につきましては、実験用と申しますが、実用に近い高度な衛星でございます。これを開発いたしますためには、場合によりましては外国の技術を導入せねばならないというふうなケースも出てまいります。その場合、外国技術をどの程度導入するような開発方式をとるか、あるいは、衛星の重量がたいへん重い、二百五十キロ以上というふうにいわれております。これらを打ち上げます方法等につきましても、なお詰めていく問題が残っておるというふうに委員会は判断をされまして、開発に入ります一歩手前の所要の開発研究を四十八年度に実施いたしまして、その成果を踏まえまして開発計画を策定していくというふうに判断をされたわけでございます。
○小沢(貞)委員 郵政省はそれでいいわけですか。
○齋藤(義)政府委員 郵政省といたしましてはできるだけ早く、五十一年度に打ち上げたいという要望書を宇宙開発委員会に提出したわけでございますが、それに対して宇宙開発委員会は、ほとんど郵政省の趣旨に賛成である、早く打ち上げる必要性も認める。ただ見解の違いますところは、郵政省は五十一年度に打ち上げる、間に合う、こう言っておりますけれども、宇宙開発委員会のほうでは、間に合わぬとは言わぬけれども、技術導入の問題、ミッション機器の開発の問題、研究体制の問題、こういうことで五十一年度と目標を明確にするのは少し早いのではないか、ただ宇宙開発委員会としても五十一年度を否定しているわけではない、五十年代のできるだけ早い機会にということには五十一年度も入るのだという見解をとっております。ただし、郵政省としてこれから計画を立てる場合には、五十年代の早期にということで計画は立ちませんものですから、ぜひ五十一年度という計画の最終目標を明確にしていただきたいということを重ねてお願いしておるわけでございます。
○小沢(貞)委員 放送衛星を上げなければならないという理由の中で、一部を見るとインドやカナダにおいては一九七五年に放送衛星実験を行なう。それがきのう聞くと一年早くなって、七四年ともいわれる、こういうような情勢のようであります。それからさらに、国際的な場において発言力を強化し、必要な静止軌道、周波数等の電波権益の確保をはかる必要がある、こういうように言われて、郵政省としてはいっときも早く上げたい、こういう要望のようなんだが、宇宙開発委員会のほうとしては、こういうものを実際にやっていくのは宇宙開発事業団ではなかろうか、そういうようななわ張りというか、そういう関係があって、予算はこのくらいで十分だ、こういうようにカットされたのじゃないか、こう私は勘ぐるわけで、そういうことについてはどうなんですか。実際にやる場合には宇宙開発事業団がやるということになるわけですか。
○齋藤(義)政府委員 いま先生お話しの点につきましては、郵政省と宇宙開発委員会で見解の不一致はございません。それで、大体宇宙開発事業団が開発を担当する、こういうことになるわけでございます。したがって、四年間で三百七十二億という予算が一応想定されますけれども、それの大部分は宇宙開発事業団が使う、こういうことでございます。
○小沢(貞)委員 それでは放送衛星のことはそのくらいにして、次に移りたいと思います。 NHKの会長にお尋ねしたいわけなんですが、三月十日の新聞には「2台目のテレビからも料金取立てを検討」という、五段抜きくらいで大きく出ておるわけです。それで、三年間料金を据え置くということが会館を売ったときの一つの大きな柱であった。そして国民に奉仕するというのが一つの大きな柱ではなかったかと思います。この新聞で読む限り、料金は据え置くが、一世帯二台目まで料金を取るようなことでは、何ということはない、衣の下からよろいが出ておるじゃないかという書き方なんであります。会長、こういうように二台目のテレビから料金を取ろうと計画しておるのかどうか、その辺をこの際明確にしていただきたいと思うわけであります。
○前田参考人 当面全く考えていないという説明をしたのですけれども、そういう受け取り方もあるのかなとあとで読んでおります。私どもとしては当面考えておりません。
○小沢(貞)委員 明確に二台目からも取らない、こういうように言明されたので、さらにこれを追及しようとはいたしませんが、放送法三十二条、これは法律的なことなんだが、設置者と契約する、こういうようになっておるのだが、設置者に対して二台目、三台目契約して違法にはならないか。これは法律的なことです。これは郵政省でもどっちでもいいです。
○齋藤(義)政府委員 放送法第三十二条第一項によりますと、「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。」こういうぐあいな規定があるわけでございますが、その同じ条の第三項に契約の条項については、平たく申しますと、契約の中身についてはあらかじめ郵政大臣の認可を受けることというぐあいになっているわけでございます。すなわち、受信契約の単位設置した者が幾つ受信契約を結ぶか、受信契約の単位につきましては、放送法の第一項では触れておらないわけです。それで第三項で、契約の条項の中に定める、こういう法律の規定になるわけでありますから、したがいまして、法律的には——その政策は妥当であるかどうかは別問題といたしまして、法律的には受信機一台ごとに取るということは三十二条違反ではないわけでございます。ただし、現在郵政省としましても全くこれは考えておりません。
○小沢(貞)委員 どうも私は法律的にも何かひっかかるような気がするのだが、いまの郵政省の見解をそのままお聞きするとして、それで郵政省としても二台目からは取るというような問題、これは受信規約の改定になるわけですかね、そういうことについては郵政省も考えておらない、こう言うし、前田会長もそういうことは考えない、こういうことなので、この問題はさらに前進をさせていただきたいと思いますが、三年間受信料を上げないでよろしいというその経理的な事業収入、経理的な根拠については、一部きのう理事会に資料をもらったわけであります。だから三年間上げないでNHKの経営はきちっとやっていけるのだ、こういう見通しについて、ひとつ経理の担当者から御発言をいただきたいと思うわけです。
○小野参考人 お答え申し上げます。 将来三年間にわたりまして料金改定をしないで運営をしてまいりたい、こういうNHKの姿勢には変わりございません。何度も申し上げておるところでございますが、それではどのようにしてそういう収支相償う経営ができるのかということになりますと、昭和四十八年の状況につきましては、すでに予算を御提出申し上げておりますので、収支均衡がとれるように相なっております。四十九年度、五十年度につきましてはおおよそ受信契約等の関係につきまして最大限の努力をいたし、また四十八年度の予算にもございますとおり、将来への安定資金として三十四億余、約三十五億を持ち越してございます。そういうものを合わせ併用いたしますと、四十九年度には対前年に対しまして約八十八億円の増収がございます。五十年度は四十九年度に対しまして、これまた約八十九億の増収が得られるわけでございます。こういった面はおよそ収入なり安定資金をまじえた財源としての最大限度であろうかと思います。この範囲内に支出をとどめ得れば収支均衡いたしまして、受信料額に変更を来たさなくていいわけでございますけれども、この中でこれに収支見合うような事業支出の範囲内において努力をしよう、こういう決意を持っておりますし、また、そのためにはおおよそ年間の伸びがどのくらいになるかということを見ますとおおよそ七%見当の伸びでございます。今日いろいろ人件費等の関係もございますけれども、それを一切含めた事業支出を七%増くらいでとどめ得るかどうかということが非常な眼目であろうかと思います。いずれにいたしましても、収入が先ほど申し上げましたような状況でございますので、いわゆる財政の通則と申しますか、入るをはかっていずるを制する方途を講じなければ、これはこの間値上げをしないでやっていくということをお約束申し上げても非常にそれは架空になろうかと思いますけれども、私どもはそういう努力を重ねていきたい、こう思います。 そのためには在来いろいろ設備投資関係等について六百三十億円を見ておりました。それを五百十億円ぐらいに——いろいろ内容を審査いたしまして、放送の退歩にもならず、また質的な低下も来たさない、そういう再検討によって設備投資を百二十三億ぐらいは圧縮できる、こういう確信を持っております。そういうことを前提にいたしますと、設備投資のそういった縮減によりまして、あるいはそれなくんばこれはおそらく借り入れ金によるでありましょうから、借り入れ利息の支払い分が削減できることになります。またそういう設備をすれば、設備の運用に技術的な経費を要します。こういうような経費が要らなくなるわけでございまして、この関係で約四十二億の節減は、借り入れ利子の支払いあるいはこれが不要になること、技術運用費が要らなくなること、こういうようなことで削減が考えられます。また今回百八十億円の債務を予定外に返還をいたすことにいたしておりますが、この金利によっておよそ七億の削減はできます。残余のそれは、なおいろいろ努力をいたしますと、放送センターへの一元化、集中機能の向上によりまして、日常運営費でも渋谷と田村町の両方を両面運転いたします場合には、あるいは回線使用の関係でありますとかあるいは両者の交通の関係あるいは電話連絡の関係によるそれ、その他もろもろの関係でいろいろ冗費が要るわけでありますけれども、これが集中によって約六億円の節減を期待し得るような状況でございます。その他いろいろ経費内容につきましてもいろんな検討をして、きびしゅうはございますけれども、これを繰り延べまたは削減することによって約四十二億円ぐらいは出てくるであろう。こういうものを操作いたしますと、年間七%の支出の増、これは各企業体でいえば非常に異例でございましょう。非常に低位な伸びであろうと思いますけれども、幅によって、入るをはかっていずるを制す、収支相償う経営が可能であろう、このように判断をいたしておる次第でございます。
○小沢(貞)委員 財務費、支払い利子等も今度の新しいセンターの建設はみんな借金を返してしまったらそれも減るだろうし、いま副会長さんの御答弁のように五十年まではこれに収支相償っていく、こういうことになるんだが、五十一年度は一体どういうことになるのか。そこでいま会長がはからずもちょっと口から漏らしてしまった二台目のテレビからも取るというようなことを講じなければ、五十一年度は収支相償わないようになるのではなかろうか、こういう危惧が実はあるわけですが、どうでしょうその先の見通し。そのときになったらそういう体制を整えるとか、そういうことをいまから考慮しているのじゃないですか。
○小野参考人 そのような御疑念を持たれることもうなづけるわけでございますけれども、何しろ五十一年と申しますと社会の状況も非常に変転するさなかにおきまして、まだ十分な確固たる予測を立て得る段階ではございません。私どもの経営姿勢といたしましては、できるだけ料金値上げは避けたい、こういう気持ちを持っておるごとで理解してもらう以外にないのでございますけれども、五十一年度はここではっきり値上げの必要があるとも申せませんし、その必要がないとも申せません。ただわれわれの姿勢といたしましては、そういった面について料金の値上げということはできるだけ避けたい。過去の例を見ましても、すべて料金の調整はいたしておりますけれども、ある種の料金についてはこれを全免をいたしますとか軽減をいたしますとか、そういう措置をとってまいっておるのでございまして、そういう努力は五十一年度以降においても続けていきたい。いわんや放送衛星もそのころには、まあ実験という名目等にしても実用化できるような状況になろうかと思います。そういう面で難視聴解消の面等につきましても、そう現在の方式よりもわりに安い金でこれの解消につとめ得る、こういうNHKの第一義的な責任も果たし得るのではないか、このように考えております。
○小沢(貞)委員 時間がないので、その問題はまた機会があったらひとつ五十一年度等の見通しについてお尋ねをしたいと思います。 一週間ほど前か三、四日前に出た文芸春秋に「NHK解体論」と、まことに四月号には最高の見出しみたいなのがついて鈴木明という人がNHK解体論を書いているわけです。この全体のことやその他のことについてはまた機会があったら私はお尋ねをしたいと思いますが、ただ一点だけ、ここに書いている鈴木明という人はたった一回もNHK料金を払ったことがないと言い切って書いてあるわけであります。その前座にもまた不払い運動の何とかした人がどうとかこうとかということが書かれているわけであります。こういうことがこれだけの雑誌に公然と書かれるような事態、あるいは最近NHKの問題については週刊新潮、新聞等に相当の批判その他が出てくるわけであります。こういう事態を踏まえて会長としては一体どういうように対処していったらいいか。いなかでは、ろくに画面も映らないのをまじめにちゃんとNHKの料金を払っているわけであります。無賃乗車をするのが公然と書かれるような事態に対処して、放送法においては料金を強制して取るわけにはいかぬわけですが、そういうようなことを踏まえて、あるいは放送法を改正しなければならない、こういうような問題まで発展するのかどうか、こういうことについて郵政省としては一体どういうように対処していったらいいか。こういうように公然と書かれるような事態になれば、都会は都会で難視聴だということでそういう運動は発展していくでしょう。現にあるんじゃなかろうか。私はきょうは詳細にはお伺いをしないけれども、都会においてもあるでしょう。いなかの、ろくに画面の映らないところにおいてはやはり同じような意見が出てくるでしょう。無賃乗車みたいなことが公然と書かれるような事態に対処してどうしたらいいか、こういうようなことについて前田会長及び郵政政務次官にお尋ねをしたいわけであります。それで質問を終わりたいと思います。
○前田参考人 私どもといたしましては、いろいろなことをお書きになり、いろいろな態度をおとりになることは、いまの社会的フィーリングの中では、われわれが個々の問題について論評すべき立場にはないと思っております。ただ私は社会的良識が——結局われわれ自身が姿勢を正して全力をあげて御理解を願う努力をするならば、私は現行の放送法のもとで支障のない運営ができるという確信を持っております。いろいろな意味で、NHKもいろいろ転変はございましたけれども、四十八年の歴史を持っているわけで、この歴史から考えてみましても、いろいろな場面で、あるいはいろいろな時点で、いろいろな問題の中に私ども自身も引き込まれておりますけれども、私は社会的良識というものに信頼したいと思っております。 一つの問題を取り上げますと、いかにもその表紙の見出しのように解体近しというような印象をお持ちになる方もおられるかもしれませんが、御審議を願っておる明年度予算においても、少なくとも二千四百六十万世帯が私たちを支持してくださることは予想されるわけでありまして、そういう意味において、私は、良識の上に立ってわれわれの社会的責任をこの分野において明らかにし、そして、妙な言い方ですが、有言実行という方向で私どもとしては善処してまいりたい、このように考えております。そういう意味では、私は、いろいろな個々の事象に対して、当面放送法を改定することによって金を取るというような気持ちは、私自身としては持っておりません。
○鬼丸政府委員 ただいま会長から決意並びに今後の運営上の心がまえを述べられましたが、郵政省といたしましては、現在の放送法の関係諸規定を十分守ってもらいまして、国民のためのNHKとして遺憾なきを期してもらいたい、かように考えております。
○小沢(貞)委員 時間ですので、終わります。
○久保田委員長 この際、暫時休憩いたします。 午前十一時十五分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕