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71回国会衆議院1973/09/21

地方行政委員会 第54号

発言数
157
登壇者
18
会派数
5
開催日
1973/09/21

会議録

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 これより、会議を開きます。  地方財政に関する件について、調査を進めます。  この際、本件の実情調査のため、去る十九日に、第一班を大阪府に、第二班を埼玉県に、それぞれ委員を派遣いたしましたので、派遣委員から報告を求めることにいたします。  第一班、小山省二君。

小山省二自由民主党

○小山(省)委員 第一班は、大阪府、大阪市及び摂津市について、去る十九日に日帰りで現地調査を行ないましたので、その結果を便宜私から御報告いたします。  今回の調査目的は、地方団体における超過負担の実情を重点として、地方財政の現状と問題点を把握することであります。  派遣委員は、上村千一郎委員長、吉田法晴理事、林百郎理事、山田芳治委員、小濱新次委員と私、小山の六名であります。そのほか前田治一郎委員、三谷秀治委員、村上弘議員、近江巳記夫議員が現地参加されました。また、調査室からは島村調査員、直江調査員が同行しました。  次に、調査の概要を申し上げますと、十九日の正午過ぎから約二時間にわたり、大阪府議会第二委員室において、黒田大阪府知事、岸同副知事、大植同総務部長から、大阪府及び府下市町村の財政状況、超過負担の実情及び問題点並びに要望事項等について説明を聴取し、また、福山大阪市助役、道広同財政局長、遠藤同建築局住宅部長、桜木同民生局総務部長、寺本同教育委員会事務局総務部長から、大阪市財政の状況、超過負担の実態、大都市税財政の実態に即応する財源の拡充についての要望事項の説明を聴取しました。引き続いて、大阪府市長会会長木崎守口市長、同副会長榎原吹田市長、同理事竹中豊中市長及び同財政部会長北川寝屋川市長から、人口急増都市の財政の状況、超過負担の実態等について切実なる要望を聴取した後、各委員から質疑を行ないました。  その後、摂津市役所を訪れ、井上摂津市長から、市の財政事情と超過負担の実態及び超過負担の解消をはじめとする地方財政に関する要望事項を聴取し、各委員から質疑を行ないました。  なお、御承知のとおり、摂津市においては、保育所の設置運営費にかかる国の支出金に関する意見書が国に提出され、また、保育所建設にかかる超過負担の支払いを求める行政訴訟が提起されております。  記者会見終了後、市立別府保育所の現地視察を行ないました。同保育所は、一階部分が保育所で、二階以上が市営住宅という、土地の効率的利用を考慮したものであります。同保育所では、地元住民から超過負担の解消について要望を受けるとともに、市長の説明を聴取しながら視察を行い、今回の調査を終了して帰任いたしました。  なお、今回の調査結果の詳細につきましては、別途報告書を委員長まで提出いたしますので、会議録に掲載していただきまして、ごらん願うことにいたしたいと思います。  今回の調査におきまして言えますことは、大阪府及び府下市町村の財政が逼迫していることであります。その原因としては、人口急増と都市化の進展に伴って、義務教育施設の整備をはじめ、保育所、幼稚園、道路、清掃施設、下水道等の建設事業費及び用地取得費の増加が大きく、さらに、施設の維持運営費、社会保障関係費、人件費、公債費の増大に加えて、超過負担の増加等が財政逼迫の原因であると強調されました。  以下、大阪府、大阪市、摂津市等から善処方を要望された事項を要約いたしますと、次のとおりであります。  まず、超過負担についてであります。  その一は、住宅、学校、保育所等の国庫補助負担事業にかかる補助金の算定額や補助対象の範囲が実際上必要とされる事業費を相当下回っているので、国庫補助負担事業にかかる単価、対象範囲を実情に即したものに改め、超過負担を完全に解消されたいこと。その二は、最近における建築資材の高騰等、物価上昇の現状にかんがみ、実勢単価の採用による基準単価の是正等の措置を講ぜられたいこと。そのほか、摂津市においては、国庫補助負担事業の対象、数量、単価等の決定にあたっては、国と地方とが協議した上で決定するか、あるいは第三者機関が決定する方式に切りかえられたいこと、また、国は過年度の超過負担分についても必要な財政措置を講じて交付されたいこと等であります。  次に、その他の地方税財政制度についてであります。  その一は、人口急増、都市の進展に伴う各種公共施設整備及び社会福祉施設の充実等の財政需要に対処するため、都市税源の拡充強化をはかられたいこと。その二は、人口急増市町村が行なう公共施設の整備事業にかかる国の負担または補助の割合について特例を設け、財源の充実をはかられたいこと。その三は、公共用地取得費に対する国庫補助制度を拡充強化されたいこと。その四は、法人所得に対する課税の強化にあたっては、法人住民税、法人事業税の税率の引き上げなどにより地方税の拡充をはかるほか、重油消費税など公害対策費の財源に充当するための新税を創設されたいこと。その五は、大都市地域における膨大かつ緊急に実施しなければならない各種公共施設の整備に要する経費について、実態に即するよう地方交付税算定の改善措置をとられたいこと。その六は、公共施設整備にかかる地方債の充当率を大幅に引き上げるとともに、長期、低利の政府資金枠の拡大をはかられたいこと。その七は、財政状況が悪化している市町村立病院の財政健全化のため、抜本的な財政援助措置の確立をはかられたいこと。等であります。  以上をもちまして、第一班の報告を終わります。

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 次に、第二班、山本弥之助君。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 委員派遣の第二班は、埼玉県の草加市、春日部市、上尾市の三市について調査を行ないましたので、便宜、私からその結果を御報告申し上げます。  このたびの委員派遣の目的は、第一班の報告でも述べられておりますように、地方財政に関する実情調査でありますが、特に、超過負担の実情を調査することがおもな目的であります。  派遣委員は、愛野興一郎委員、小川省吾委員、多田光雄委員に私の四名でありますが、三ツ林弥太郎理事、小川新一郎委員が現地参加され、そのほか、板川正吾議員、平田藤吉議員も現地参加されて、ともに調査に協力されたのであります。なお、調査室からは、日原専門員と白石調査員が同行いたしました。  調査は、九月十九日、バスを利用して日帰りで行なわれ、草加市、春日部市、上尾市の三市の市長及び市議会議長等から詳細な説明を聴取するとともに、現地調査を行なったのであります。  すなわち、同日午前八時半衆議院を出発し、バスの中で大沢埼玉県企画財政部長から埼玉県の財政状況等について説明を聴取しながら、草加市、春日部市、上尾市の順に訪問し、草加市では、市長が欠員中のため、高山助役及び細井市議会議長、春日部市では、田中市長及び三枝市議会議長、上尾市では、友光市長及び三沢市議会議長等から、それぞれ、市勢の概況及び超過負担の状況等について説明を聴取するとともに、委員との間に熱心な質疑応答がかわされました。  また、現地調査は、草加市では栄中学校を、春日部市では豊野小学校を、上尾市では西上尾第二保育所を視察し、プレハブ校舎の状況等を調査し、超過負担の実情と人口急増地域の小、中学校及び保育所の増設の必要性をつぶさに見聞いたしました。  午後四時ごろ最後の上尾市の調査を終え、次いで記者会見を行ないまして、一日間ではありましたが、有意義な実情調査を終了し午後六時半ごろ帰京したような次第であります。  これらの調査内容の詳細につきましては、時間の関係もありますので省略させていただき、委員長のお手元に提出いたしました報告書を委員長において会議録に掲載されるようお取り計らいを願い、それによって御一覧いただくこととしたいと存じますが、この際、草加市、春日部市及び上尾市の三市から特に善処を要望された超過負担等に対する共通の意見と要望事項を要約いたしますと、次のとおりであります。  すなわち、その一は、三市とも、保育所の建設費及び運営費並びに学校建設費において特に超過負担が著しいが、その理由は、単価差、数量差、対象差にあることは言うまでもないので、早急に実情に合った補助単価、補助基準を実現されたいこと。その二は、セメント、鉄鋼等建設資材の異常な値上がりによって、当初予算の基礎となった単価が実情に合わなくなってきているので、補正予算等の措置を講じられたいこと。その三は、現在、学校建設等における国の補助金、起債の充当対象は、学校建設年度の児童生徒数等を基準としているため、人口急増地域における義務教育施設等の計画的、先行的な整備をすることが市にとって大きな負担となっているので、今後、補助金及び起債のワクを拡大し、実情に即した補助制度を講じられたいこと。その四は、金融引き締めにより、縁故資金の金利が上昇し、超過負担に輪をかけて地方財政を圧迫しているので、教育、福祉に関連する事業については、低利な政府資金のワクを拡大されたいこと。その五は、小、中学校等の用地取得が、地価高騰と相まってますます困難となっているので、実態に即した財源措置を講じられたいこと。  以上の五点であります。  これをもちまして、第二班の報告を終わります。

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 以上で派遣委員からの報告は終わりました。     —————————————

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 ただいまの報告者の申し出により、第一班及び第二班の調査報告書は、本日の会議録に参照掲載したいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————   〔報告書は本号末尾に掲載〕     —————————————

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 本件について、質疑の申し出がありますので、順次これを許します。今井勇君。

今井勇自由民主党

○今井委員 私は、地方超過負担の問題について二つばかりお尋ねをいたしたいと思いますが、時間が制約されておりますので、きょう質疑が十分にできなかった問題につきましては、次の機会に回したいと思いますので、あらかじめ御了解願いたいと思います。  政務次官にお伺いしますが、去る九月十一日付で全国知事会が「地方超過負担解消のための補助金等改善に関する要望」という要望書を出しております。つぶさにごらんになったと思いますが、この内容についてはまた日を改めて質疑いたしたいと思いますが、この中で、「総括的事項」といたしまして、超過負担の原因を、単価差あるいは数量差、対象差の三つの範疇に分けて明確にいたしておりますことは、その超過負担の原因が何たるかを明然といたしますことについて、たいへん異議のあることでございます。そこで、この付表を一覧いたしましてもすぐ気がつきますことは、いずれの調査いたしました項目についても超過負担が激しいのでありますが、特に、保育所あるいは警察施設整備費の中の派出所、これがたいへんな乖離をいたしております。たとえば、保育所では、百二十人以上の鉄筋コンクリートブロックにおきましては、国庫補助の基本額が千三百四十万円であるのに対しまして、超過負担額が、驚くなかれ、二千九百五十一万八千円、率にいたしまして二二〇・三%に及んでおります。また、警察施設の派出所の中でも、鉄筋コンクリートの場合には、国庫補助基本額がたったの百七十八万八千円、それに対しまして超過負担額が五百十六万二千円、二八八・七%という超過負担額になっております。この実態を政府はどのように受けとめられて、どのように改善をされるおつもりか、まず、決意を承っておきます。

武藤嘉文自由民主党自治政務次官

○武藤政府委員 この間の委員会においても答弁申し上げましたように、正直、この超過負担の問題につきましては、従来から指摘をされ、すでに、過去においても二回この問題は調査の上改善をはかったわけでございますが、残念ながら、政府の調査の結果について改善をしようと思ってやりましても、また、そのあと、工事費のほうが値上がりをしてしまった。改善をしたつもりが、現実には改善が行なわれていないという、こういう悪循環を繰り返してきておるのではないかと思います。  いま御指摘の、知事会から出てまいりました要望書の資料に基づきましてもございますように、これらは、御承知いただいておりますように、四十六年、四十七年と二年にわたって調査をした結果の中においてもすでに指摘をされ、今年度から二年計画で超過負担の解消をはかるということが六つの項目の中にも入っておるわけでございまして、そういう点、姿勢といたしましては、当然超過負担のあることを了承の上その改善につとめておるということでございますが、今日の資材の値上がりその他による工事費の暴騰を見ますと、またこれは後手に回りまして、二年間で改善するものが、いまの状態では、二年で改善するどころか、とてもまだまだ十分でないということははっきりしておるわけでございます。こういった観点から、二年計画で超過負担の解消をはかるということで今年度発足をいたしましたけれども、これでも不十分であるということは十分政府としてはわかっておるわけでございまして、その点を踏まえて早急に改善をはかっていきたい。もうすでに御承知のとおり、義務教育その他の施設につきましては、本年度の当初予算と比べますと一部改善いたしておりますが、その他のものについても、関係各省と鋭意十分に協議をいたしまして、できる限り早く解消の方向で努力をしたい、かように考えておるわけでございます。

今井勇自由民主党

○今井委員 お説のとおり、単価差あるいは数量差の問題についての政府の努力は必ずしも私は知らぬわけではありません。しかしながら、これが十分でないことも、いま政務次官がお認めのとおりである。したがって、この問題については、今後ともなお一そうの努力をしていただきたいのですが、私は、もう一つ、知事会の指摘しております対象差の問題を、ちょっと具体的な例でまず詰めてまいりたいと思いますが、その前に、単価差あるいは数量差のほかに、地方自治体といたしましては、施設の規模や対象範囲の拡大を求める地域住民の要求はこのように高まる一方でありまして、どこまでが一体合理的な範囲であるかということは、社会経済の発展とともにこれは変化するものであろうと思います。しかも、そういった地域住民の高度な要求にこたえていくことを先取りする行政こそ、ほんとうの意味の国民のための行政だと思います。  そこで、対象差の問題と国土調査の問題に焦点を合わせて、以下質疑をいたしたいと思います。  国土調査と申しますのは、御案内のとおり、昭和二十六年にできました国土調査法に基づいて営々とやっておりますところの、非常にじみではありますが、たいへん大事な調査であります。そこで、きょうは企画庁から来ていただいておりますので、担当課長から、最近の国土調査、特に新十カ年計画における調査の内容をかいつまんでまず御説明を願いたいと思います。

大月洋三郎経済企画庁総合開発局国土調査課長

○大月説明員 お答え申し上げます。  国土調査の十カ年計画は、昭和四十五年度を初年度といたします十カ年計画で、地籍調査一万五千方キロを行なうように内容がなっております。四十八年度までに行ないましたものは、計画量一万九千方キロに対しまして一万六千五百方キロ、約八七%の進捗率であります。

今井勇自由民主党

○今井委員 いま御答弁がありましたように、計画に対しまして実績が八七%にダウンしておるようでありますが、一体この原因は何かと思って考えてまいりますと、二つの問題があるようであります。すなわち、知事会でも指摘されておりますような三つの範疇に従えば、一つは単価差であります。ところが、実は、この単価差だけではないのでありまして、そのほかに対象差があることが私の調査で判明いたしました。  まず、そこで、最初の単価の問題について企画庁にお伺いしたいと思いますが、来年度の予算要求に対しましては、本年度の実績単価に対しましてどのような配慮を加えてこの超過負担の問題を解決されているのか、具体的に数字をもってお答え願いたい。

大月洋三郎経済企画庁総合開発局国土調査課長

○大月説明員 お答え申し上げます。  国土調査、その中の地籍調査でございますが、地籍調査の一方キロ当たり単価につきましては、四十八年度の予算では約百六万でございます。それに対しまして、四十九年度概算要求では約百三十一万ということで、単価といたしまして、四十八年度比一二四%、そういうことで要求してまいります。  その内容といたしましては、人件費等、人夫賃等の上昇に伴う自然増を約一五%見ております。なお、超過負担未解消分として約八・六%ばかりでございますが、これを加えまして四十九年度予算要求といたしたいと考えております。

今井勇自由民主党

○今井委員 そういたしますと、いまの御説明で、二四%のアップ、その中には超過負担の解消分が入っておる。そうすると、私の調査では、三年間で解消する、その最終年度が四十九年度であるというふうに認識いたしておりますが、それについて間違いがないかどうかということと、この八・六%の超過負担解消分で解消できるのかどうかということ、この二点をお答え願いたい。

大月洋三郎経済企画庁総合開発局国土調査課長

○大月説明員 超過負担につきましては、いま今井先生のおっしゃったように、三カ年の最終年度を四十九年度に置いて考えるということでございます。そうしまして、その八・六を加えることによりまして、過去の調査における超過負担率を解消できるというふうに考えております。

今井勇自由民主党

○今井委員 私は、先ほど、この計画に対して、実施が及ばない理由の一つとして、予算単価と実施単価の差のほかにもう一つあると申し上げた。それは、実は、この測量は民間業者の手にゆだねておりますが、測量の土台となります一筆地の調査及びそのもとになります戸籍簿、地籍簿の作成というものは市町村の作業でありまして、したがって、市町村は、職員を確保してこの実施体制をつくらなければ実際できないという問題があります。地籍調査の中の作業の一つとしてそのようなものがありまして、これはいかに有能なる民間業者に委託いたしましてもできない範疇のものであろうと思います。そういうふうな実態を経済企画庁では十分御存じであろうと思うが、この実態について、私の考えに誤りがあるかどうか、ひとつ見解を承りたい。

大月洋三郎経済企画庁総合開発局国土調査課長

○大月説明員 いまの一筆地調査につきましては、今井先生のおっしゃるとおり、市町村役場の職員がなさらねばでき得ないというふうに理解しております。

今井勇自由民主党

○今井委員 そうすると、これは、そういった役場吏員の何人かがかかるんだろうと思います。私の聞いている範囲では、一平方キロ当たり一人ぐらいはどうしても役場の吏員が要るということでありますから、たとえば五平方キロやっていこうといたしますと、五人ぐらいは要るわけであります。この役場の吏員の給料は相当なものになろう。一体、この吏員の手当なるものが、国土調査のこの地籍調査の中の単価の中に入っているのか入っていないのか、それを伺いたい。

大月洋三郎経済企画庁総合開発局国土調査課長

○大月説明員 現在のところ、単価の中の積算には入れておりません。

今井勇自由民主党

○今井委員 ところが、この地籍調査というのは、法律の条項を読んでまいりまして、私はこのように考える。  まず、地籍調査に関しましては、第六条の二で、「内閣総理大臣は、国土の総合開発に関する施策を策定し、又はこれが実施の円滑化を図るため特にすみやかに地籍調査を行う必要があると認める地域について、政令で定めるところにより地籍調査に関する特定計画を定めて、遅滞なく、これを公示するとともに、関係都道府県に通知しなければならない。」というふうになっております。それを受けて第六条の三で、「都道府県は、」「同項の特定計画に基き、政令で定めるところにより地籍調査に関する都道府県計画を定めて、これを内閣総理大臣に報告しなければならない。」となっており、さらに、第六条の四では、「都道府県、市町村又は土地改良区等は、前条第五項の規定により公示された事業計画に基く地籍調査を行うものとする。」というふうに、だんだん上から計画をきめてまいりまして、実施として、都道府県、市町村または土地改良区がそういう地籍調査を行なうんだということになっておるように私は思う。だからこそ、そのあとで、第九条の二に「経費の負担」というところがありまして、「都道府県は、政令で定めるところにより、第六条の四の規定により市町村又は土地改良区等が行う地籍調査に要する経費の六分の五を負担する。」として、第二項で、「国は、政令で定めるところにより、第六条の四の規定により都道府県が行う地籍調査に要する経費の三分の二又は前項の規定により都道府県が負担する経費の十分の八を負担する。」と書いてある。  そこで、私は思うのですが、この国土調査あるいはもっと狭義の地籍調査なるものは、国の必要に応じて行なう。それは上から計画がきまってくるんだ。かってに市町村がやりたいからやるのではないんだろうと私は思う。だからこそ、いまの負担の原則がはっきりきまっておる。だとすれば、調査そのものができないような単価構成になっておって、それをそれぞれが負担したから、それでいいものだというふうに言えるのだろうかどうか、私は非常に疑問を感ずる。私のいまの法解釈が間違っておるかどうか、担当課長の見解を承りたい。

大月洋三郎経済企画庁総合開発局国土調査課長

○大月説明員 確かに、法律上の解釈につきましては、そのとおり私どもも考えております。

今井勇自由民主党

○今井委員 そこで、自治省に承りたいのですが、そのようなことがたぶんあって、国の負担分を除きました県及び市町村の負担分につきまして、これは、いまの法解釈によりますと六分の一であるように思いますが、その八〇%は特交で見ておられるはずであります。このような実態を踏まえて、十分この特交措置を考えておられるんだろうと思うが、実際それでできないような、もとの根っこの単価をなぜいままで直そうとしないのか、あとの足らぬ分はかってにしろというのか、それでできるとおっしゃるのか、そこらあたりを聞きたいと思いますが、どうですか。

松浦功自治省財政局長

○松浦政府委員 お説のとおり、相当多額の経費がかかっているようでございます。国で補助負担金を出されました残りのいわゆる地方負担、それについての八割は特別交付税で見ております。御承知のように、この調査は全国一律に行なっているものでございませんで、普通交付税で補助負担するわけにはまいりません。そこで、特別交付税制度にのせて、八割を見ていく。いずれにいたしましても、それで十分なものとは私どもも考えておりません。各省にも、こういう点については解消をするように、これまでもお願いをしてまいってきておるところでございます。今後とも、地方公共団体が調査事務の実施に支障を来たすことのないように、関係省庁十分連絡をとりながら努力してまいりたい、このように考えております。

今井勇自由民主党

○今井委員 いまのお話しで、御決意のほどはわかりますが、しかし、実際各町村が非常に必要な事業であると認識をし、やろうとしても、なかなかできない理由は、私のいままでの質疑で大体おわかりだろうと思う。いま、当委員会でも、土地の問題が盛んに論ぜられておりますが、しかし、土地の実態がどうなっておるかということもわからずに土地政策を論ずることは、まさにナンセンスであると私はあえて言いたい。だからこそ、この法律は、実は、昭和二十七年ごろできた。その当初の背景としては、私はその当時おりませんから、推察するのでありますが、たぶん、国民の食糧の確保という重大な意味から、土地をしっかり調査しようと思ったのだろうと思う。その後だんだんと行政目的が変わってまいっておりますが、しかし、限られた貴重な土地そのものを正確に把握して、これを活用するという精神はいまでも変わっていないと思う。ところが、それが遅々として進まない理由の一つに私の指摘したような問題があるとすれば、これは政府としても重大決意をして直さなければならぬ。そうしなければ、幾ら経済企画庁の一担当課ががんばってみても、これは前進しないと私は思う。だから、十カ年計画というのは、私の調査では、すでに二回十カ年計画をつくっておられるように思う。前にもつくったけれども、実際できなくて、今度また新たに昭和四十五年から発足している。しかも、それが、先ほどの課長の答弁どおりに、何も日本の全国土をおおおうとしているわけではない。さしあたって大事な民有地、その中でも、さしあたって国が把握しなければならぬという八万五千平方キロだけに限って、これを早急にやろうとしているわけです。本来ならば、これに十年もかけるなんということはおかしいと私は思う。やる能力さえあるならば、この半分の五年ぐらいで、ほんとうにきちっと実態を把握してやるのが当然じゃないかと私は思う。田中総理の日本列島改造論は私も大賛成でありますが、こういうことは、ややともすると、世間では、表にあらわれたりっぱなはなばなしいことについては関心をお持ちになりますし、予算を十分つけようとされるが、縁の下の力持ちのようなこういうじみちなことには、ややともするとみんなが本気にならない。そこが政府の盲点であろうと私は思います。したがって、くどくは申しませんが、来年からでもまだおそくはない。いまの大月課長の答弁によれば、来年でもう超過負担は終わりだと言うが、私は、終わっていないと思う。何となれば、単価差のほかに、いまのような対象差があるからです。  ここで、最後に、政務次官がおられますから伺いますが、いまの私と政府委員とのやりとりを聞いておられて、あなたはどのように考えて、どのようにこれに対処されるか、ひとつ御答弁願いたい。

武藤嘉文自由民主党自治政務次官

○武藤政府委員 私どもも、企画庁にこういう予算があることは承知いたしておりましても、超過負担の問題において、正直、いろいろ十分でない点があり、それが十分効果を発揮していないという点をいま御指摘をいただいて、非常に反省をしております。特に、いま御指摘がございましたように、今日の土地問題はたいへん大切な問題でございますし、それにはこういうじみちな調査というものが必要である、その上に立って土地政策が行なわれなければならないという点については、全く同感でございます。その意味において、じみではございますけれども、たいへん大切な仕事でございますから、私も、自分の責任において、これから政府部内でこの問題を十分検討して、いっときも早くそういう支障のないように、そして、こういう仕事がスムーズに進められるように努力をさせていただきます。

今井勇自由民主党

○今井委員 有能なる政務次官から、いま、力強い御答弁をいただきました。私はあなたのことばを信じておりますから、来年の予算では本件がぜひ実現できますように、最善の努力をお願いをいたしたいと思います。  実は、もう一つありますが、時間が来たようですが、せっかく文部省から見えておりますので、時間があるだけ、単価差の問題の一つの例としての学校建築の問題をお聞きいたしましょう。ただし、きょうは十分には質疑ができませんので、残りましたものは次の機会に譲りたいと思います。  学校建築の中でも、最近の物価騰貴等に対していろいろ措置をとられていることは存じております。たとえば公共文教施設の中で、事業の量でありますが、当初考えられました四百四十万二千平米の計画に対しまして、約一割近い四十万平米をカットされまして、それを単価アップに充てられてあるようでありますが、その程度のものでは現実の単価アップにはとても追いつかないだろうと私は思うし、道路やそのほかの公共事業であるならば、たとえば一年に一キロやろうとするときに、八百メートルでそれをぶち切りましても、来年続いてやれば、まあ支障はないものでありますが、特に、学校建築のようなものに対しましては、来年四月一日から入ってくる児童がきまっておるというのが多々あろうと思う。そうすると、単価が足りないから、さらにそれを一割あるいは二割切ってしまうというようなことではなかなか相すまぬであろうと思う。また、来年四月から学童が入るならば、その準備、建築には、おそくも十月からでもかからなければ、もう工期的に間に合わないであろうと思う。  そこで、端的にお聞きしますから、端的にお答え願いたいのだけれども、一体、文部省は、この事態をとらまえてどう処置されようとするのか、緊急対策としてどうするのかということをお答え願いたい。十分な詰めがあるいはまだされていないかもしれないが、しかし、それはそれでまたよろしいから、現在の時点における実情を率直に御報告願いたい。

西崎清久文部省管理局教育施設部助成課長

○西崎説明員 学校建築の単価問題につきましては、昨年来の木材とか鉄鋼の値上がり等いろいろございまして、その経緯につきましては、ただいま先生からお話しがございましたとおりでございます。私どもといたしましては、八月一日付で、文部大臣、大蔵大臣の協議を行ないまして、鉄筋コンクリートにつきましては昨年比で二二%、木材については昨年比三〇%の再改定を行なったところでございます。ただ、現状といたしましては、七月、八月の値上がりが非常に激しい。特に、鋼材不足でございます。こういう点で、いろいろ通産省の御協力を得て、資材のあっせん等に努力しておりますが、ただいまの、先生の端的なお尋ねといたしましての、緊急対策としてどうするかという点でございますが、実は、私どもも、現在、詳細な調査を実施いたしております。その調査の部分的なものを私どももつかみ始めておるわけでございますが、実態といたしましては、たとえばある都道府県をとりました場合、最低は四万八千円で入札しておる。それから、最高は九万円になっておるとか。それから、県別に申しましても、十万円のところがあるかと思えば、五万円で落ちているところもある。県内だけでも、入札、契約状況には非常にバラエティーがございますし、地域的にも非常に差があるわけでございます。そういたしますと、資材の値上がりの問題以外に、個々の実情というものが学校建築については非常に大きなウエートがあるわけでございまして、その辺の問題については、対応策としてどういうふうに処置すべきかという点は、やはり、相当な調査研究をする必要があろうかと思います。しかし、時期を失してはならないということは当然でございますので、現在、私どもは、鋭意その点についての調査を進めると同時に、関係各省ともいろいろ御相談をしておるわけでございますので、しばらく時間をかしていただきたいという現在の状況でございます。

今井勇自由民主党

○今井委員 ただいまの報告で、御苦心のほどはわかりますが、ただ、申し上げておきますが、あなた方は、たとえば小中学校の校舎につきましては、当初平方メートル当たり四万二千五百円でしたか、それを一〇%くらいのカットによりまして、実行単価として四万七千二百円ということにしておるはずです。いまの話を聞きましても、どんなところに持っていってもこれではできないととは一目りょう然であろうと思う。ですから、政府で御検討なさっておるのだから私があれこれ言う必要はないかもしれぬが、縮めることができないならば、補正か何かして金をつぎ込まなければしようがないのです。そんな手品みたいなことができるはずはないので、その決心は早くすべきだと私は思う。そうなると、これは当然地方負担の問題も出てきましょう。ちょうど時間ですから、これで終わりますが、やはり、国も財政的な負担の増をする、それから、それに伴って自治省のほうも地方の財政の負担の増を見てやるということを早急にきめなければ、これは間に合わない。せっかくいい施策をやりましても、時期を失すれば、またプレハブ校舎に学童を入れなければならぬということになるのは火を見るよりも明らかであると私は思う。これは答弁は求めませんから、意見として申し上げておきます。  以上で、質疑を終わります。

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 山田芳治君。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 まず、自治省の財政局長さんにお伺いをいたしますが、地方自治法の規定によりますと、地方自治団体の行なう事務は、いわゆる公共事務と言われる固有事務並びに法律あるいは政令の定めるところのいわゆる団体委任の事務並びにその他の行政事務となっているわけでございますが、自治法の定めるところ並びに地方財政法の定めるところの機関委任の事務あるいは団体委任の事務についての財政的な措置というものはどういうふうになっているか、まず、それをお伺いしたいと思います。

松浦功自治省財政局長

○松浦政府委員 地方財政法の第九条に、「地方公共団体又は地方公共団体の機関の事務を行うために要する経費については、当該地方公共団体が全額これを負担する。」となっており、これは、固有事務であろうと、機関委任事務であろうと、この法律では、一応たてまえとしては全部地方団体が負担するんだということをきめております。そして、そのあとに、「但し、次条から第十条の四までに規定する事務を行うために要する経費については、この限りでない。」という規定を九条にうたいまして、そのあとに十条、十条の二、十条の三というぐあいに条文が並んでおります。十条は、「国がその全部又は一部を負担する法令に基いて実施しなければならない事務に要する経費」ということで、義務教育とか、生活保護とか、そういったものを列挙いたしております。十条の二は道路、河川、公共事業系統でございまして、十条の三は災害でございますが、こういうものについては国が一部を負担いたしますと、こういうたてまえになっておりますので、機関委任事務につきまして、全部負担するとか、あるいは一部負担するということの原則が打ち出されているわけではございません。ここに、十条から十条の三までの間に規定してあれば、機関委任事務であれば国が一部を負担する、こういうたてまえになっておるものと考えております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 それでは政務次官、機関委任事務と、固有事務と、その他の行政事務あるいは団体委任の事務と分ける実益はどこにあるのでしょうか。

武藤嘉文自由民主党自治政務次官

○武藤政府委員 まあ、両方それを結びつけて利害を考えるというのは多少問題があるのじゃないかと私は思います。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 行政局長さんをお願いしておったわけですが、おられないので政務次官に聞いたわけですけれども、自治法の立て方と財政の財源とは必ずしも直接一致していないということのようであるわけですね。それはそれで置いておきましょう。それは、行政局長の来られたときにまた質問をすることにいたしまして、本日は、私は、時間の制限がございますので、保育所の問題についてだけ伺いたいというふうに思いますが、とにかく、地方自治団体が法令その他によって事務を行なわせられているということと、それから、それの財政的な秩序については財政法に明記をされているということだけは、ひとつはっきり確認を願いたいと思うわけであります。  さて、保育所の問題でありますけれども、過般からいろいろとこれの問題が論議をされております。そこで、ひとつ原点に立ち返って質問をいたしたいと思うのでありますけれども、何と申しましても、児童福祉の原点というのは、児童憲章及び児童権利宣言があるわけであって、日本の、この国における児童というものはほんとうにすこやかに育てられていかなければならない、そういう環境をつくらなければならないというのが児童憲章であり、児童権利宣言であるはずであります。そういう中でほんとうに保育に欠けるという状態があった場合に、ほんとうによい環境で育てられなければならないということがこの憲章並びに権利宣言の中に明確になっておるわけであります。これを受けて、児童福祉法の第一条において同じ規定が行なわれているというふうに私は考えるわけであります。  さて、そこで、保育所の問題でありますが、児童福祉法の第二十四条によると、市町村長は、そういう権利宣言なりあるいは児童憲章を受けて、保育に欠ける児童があるときには、それらの児童を保育所に入所させるということにしなければならないということが、これは機関委任の事務だと思いますけれども、はっきりされておる。さて、それでは、保育所に入れるんだということを書いてあるのだけれども、同じ法律の第三十五条には、児童福祉施設の設置の規定がございます。その中で、「国は、別に法律の定めるところにより、児童福祉施設を設置するものとする。」ということで、国が置くんだということが書いてある。第二番目を読みますと、「都道府県は、命令の定めるところにより、児童福祉施設を設置しなければならない。」とあって、都道府県が置かなければならないようであります。ただ、この命令であるかないかという問題はあとで申し上げますが、考え方としては、都道府県が設置しなければならない。第三項にいくと、「市町村その他の者は、」というのは、これはいわゆる社会福祉法人であろうと思いますが、これも「命令の定めるところにより、都道府県知事の認可を得て、児童福祉施設を設置することができる。」と、あるわけですね。そうすると、国は置くのです。都道府県は、命令の定めるところにより、置かなければならない、市町村は置いてもよろしい、都道府県知事の認可を受けなさい、と、なっているわけですね。そうすると、どこが一体設置義務者なのか。市町村長は、保育に欠ける児童がある場合には、児童憲章並びに権利宣言あるいは児童福祉法第一条の目的からいって、当然保育所に入所をさせて、そして、よい環境の中で育てられるべきである。七つばかりの条件を厚生省ではあげておられるようでありますけれども、その条件に該当した児童については入所させなければならないことになっている。ところが、その保育所たるや、いま言ったように、市町村に必ずしも義務になっておらない。一体、どこを保育所の設置義務団体と厚生省はお考えになっておるかをまず御答弁いただきたいと思います。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○翁政府委員 ただいま御指摘のように、児童福祉につきましては、児童憲章並びに第一条の目的に即しまして、それぞれ各条文で児童福祉施設について規定のあることはお示しのとおりでございます。御指摘の児童福祉施設のうち、保育所につきましては、三十五条の第三項で「市町村その他の者は、命令の定めるところにより、都道府県知事の認可を得て、児童福祉施設を設置することができる。」となっており、第一項で、「国は、別に法律の定めるところにより、児童福祉施設を設置するものとする。」というふうになっておって、ただいままでのところ、児童福祉施設の設置については規定はございません。なお、都道府県につきましては、第二項で「命令の定めるところにより、児童福祉施設を設置しなければならない。」ということで、都道府県の中には保育所を設置しておるところもございます。それは、都道府県がこの第二項に基づいて設置をしているわけでございます。第三項は、お示しのように、市町村が必要と認めるときは都道府県知事の認可を得て児童福祉施設を設置する。その場合に、児童福祉施設の設置の中での一番の問題と申しますか、保育に欠ける児童を直接に措置権者として持っておられるのは市町村長である。したがいまして、市町村長が、当該管轄区域内における児童、特に保育に欠ける児童がございましたときに、それに必要な施設としての保育所の設置をされるわけでございます。御指摘のように、市町村については、保育所についての設置の義務はございませんけれども、別に、二十四条での措置権者としての立場から保育所をおつくりになっているというのが実情でございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 二十四条で措置をしなければならない。しかるに、措置するのは市町村長だから、市町村が置くのはいいとおっしゃるのですか。義務ではないけれども置かれるであろうというのは、何かおかしいと私は思うのです。国の機関委任事務で入所をさせなければならないのだという義務規定が一方にありながら、設置については義務化してなくて、任意でございます。では、都道府県が置いておるかというと、都道府県で置いてない府県はおそらくたくさんあると私は思う。それはなぜかというと、「命令の定めるところにより」という「命令」が出ていないからです。そうなると、国の命令で国の機関委任、すなわち、国が機関委任をして、そして入所をさせるということを前提にしながら、その行く先は任意でございますと、こういうことで法律上矛盾がないと思いますか、矛盾があると思いますか。また、国の場合「法律の定めるところにより」というので、法律を見てみると、教護院等は確かに厚生省設置法の中に書いてあるけれども、いわゆる保育所についてはない。この法律ができたのは昭和二十三年で、それからもう四分の一世紀の二十五年たった今日、まだ法律をつくってないというのは政府の怠慢ではございませんか。この点についてどうですか。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○翁政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように、保育所は、保育に欠ける児童を措置をするのに認定する一番近い場所に市町村長がおられるわけでございます。国は、総括的に、保育所については、別に定めるところによって負担の規定等を設けておりますけれども、国自身が幾つ保育所をつくるとか、あるいはどうしなければならないという規定が今日までないことは御指摘のとおりでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 どうも、そこらあたりの厚生省の姿勢が非常におかしいと私は思うのです。市町村長は一番よく知っているからというので、はっきり言えば、機関委任を市町村長という機関にお願いをしているのだと思うのです。それは市町村長としては知っているから、それが便利だという、住民の立場から言えば、そういう立場があるでしょうが、それならば、何で市町村長に設置の義務を負わせないのですか。負わせて、ちゃんとした負担をして、そして入所の義務をつけていくということが政府としての責任を果たすゆえんであり、先ほど言ったように、原点に返って、児童憲章並びに権利宣言の趣旨に沿うゆえんであるというふうに考えるわけです。  もう一つ。これはちょっと自治省にお伺いしたいと思うのですが、ここに交付税の算定基準があるのですが、いま言ったように、市町村は必ずしも置かなければならないということになっていない。任意設置なんですね。ところが、基準財政需要額の中には、市町村に入っているけれども、府県に入っていない。この法律のたてまえは、どうも都道府県が義務設置をしなければならないというように読めるのですが、この点は、自治省と厚生省とでは、どういうふうになっているのか、ちょっとその点を伺いたい。

松浦功自治省財政局長

○松浦政府委員 児童福祉法二十四条と三十五条の関係については、いま先生と児童家庭局長との間でやりとりされたとおりでございます。これが解釈につきましては、当省といたしましても、どうも法的に非常に読みにくい。ただ、実際は市町村が全部やっているということでございます。財政措置というものは、あまり法律にだけ沿うということよりは、地方団体の実際の行政がうまくいくことをたてまえに考えております。法律的に設置義務がどっちにあるとかないとかいうことを明確に議論をしたことはあまりないのではないかと思います。いずれにしても、実態に即して、地方公共団体がやられる行政にそごを来たさないようにという観点で市町村に措置をしておる、こういうふうにお考えいただきたいと思います。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 自治省の事務次官から、「昭和四十九年度の地方財政措置について」ということで各省にやっておられる。これは非常に適切な措置で、このとおり行なってほしいと思うのですが、その中に、厚生省関係で、市町村に超過負担のないようにこれをちゃんとやるべきだということが書いてあるわけですね。ですけれども、法規的な面はまだ十分詰めてないということは、これはどう言われても市町村のためにやっていることだからというようなことは、善意はよくわかりますけれども、やはり、そういう点をもう少し厚生省との間で詰めていただいて、市町村がやらなければいかぬというなら市町村の義務にしたらいいと思うのです。そして、そのかわり財源措置は十分やるという、そういう姿勢でこれをやっていかないところに超過負担がこれだけ言われている原因がある。設置義務者がはっきりしない。入所義務だけを市町村長に負わしているという酷な面があるということをまず指摘しておきたいと思います。  そこで、時間がございませんので次に移りますが、私はこまかい数字を用意してきて申し上げようと思ったわけですが、まず、地方財政法の第十条の二の五号の中に、あるいはまた十条の八号の中に、児童福祉施設は、これは先ほど松浦財政局長の言われたように、国が負担をしていくということを明確に書いてあるわけであります。負担すべき割合は法律または政令で定めるという規定があるわけでございます。これは十一条であります。そこで、それを受けて、児童福祉法の施行令の第十五条の第一項においては、いろいろの要った経費については精算いたしますと書いてありますね。そこで、質問の第一点は、義務教育費国庫負担法の第二条の本文を読みますと、国は、義務教育の職員については「その実支出額の二分の一を負担する。」ということを書いて、それはあくまでも実支出額の中で二分の一をちゃんと次年度において精算をするという形をとっておる。また、これと同じ義務教育費国庫負担法においては、交付団体においては足切りを行なっておる。まあ、足切りか、頭切りか、ですけれども、そういう規定すらない児童福祉法の運営費並びに建設費については明確に精算額ということを、施行令第十五条第一項において書かれておる。むしろ、義務教育費国庫負担法よりもきびしい国の負担措置というものを義務化しておるというふうに私は考えるわけでありますが、その点についての法律の解釈については、一体どういうふうにお考えになりますか。その義務教育費国庫負担法との関係において、ですね。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○翁政府委員 御指摘の義務教育学校の負担につきましては、法律並びに政令で、その負担区分、割合等がきわめて詳細かつ明確に規定してございます。児童福祉法においては、その五十二条で二分の一の負担規定を設け、さらに、その政令におきまして、精算額を負担するという規定がありますのは御指摘のとおりであります。ただ、保育所の場合においては、保育に欠ける児童というものと、義務教育諸学校におきます来年度義務教育に就学される児童の数の差と申しますか、保育に欠ける児童というものは、ある意味におきますときわめて流動的でございます。特に、最近のように、人口急増地帯におけるように、急激にふえるところもございますし、そうでないところもございます。そこで、現在までのところ、義務教育諸学校のような、いわゆる負担についての明確な規定を設けておりません。先ほど申し上げましたように、三十五条の二項に基づきまして、市町村が設置されました保育所につきまして、都道府県と国と市町村が三者協議をいたしまして——これは協議というよりも、むしろお願いに近いと思うのでございますけれども、そういうことで三者合意に達したものにつきまして、その定額、あるいは今年度よりだいぶ改定いたしましたけれども、基準額の二分の一を負担する、こういうようにしております。その点、義務教育諸学校と、児童福祉法の負担につきましては若干ニュアンスに違いがあるのではないか、このように考えております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 おかしいですよ。おたくのかつての局長さんの穴山さんの「児童福祉法母子福祉法母子保健法の解説」というのを読みますと、支弁というのは、当面市町村が立てかえて払うけれども、負担というのは、最終的に負担をいたしますということであるというような解説が三〇五ページに出ております。それから、施行令第十五条を読みますと、「前条の負担は」——これは、都道府県または市町村が支弁をする費用ですね。それをとりあえず立てかえて払っておく費用、それに対して、法第五十六条第一項及び第五項により徴収した金額、これは所得や固定資産の額によって入所の費用をきめるという厚生省のこまかい通達がありますね。それと寄付金を、その他の収入の額を控除した精算額に対して、二分の一なら二分の一、十分の八なら十分の八を行ないますと法律に書いてある。いま実体論を伺ったのでありますが、私は実体論を聞いたのではなくて、法律上、義務教育費国庫負担法の書き方と、保育所の児童福祉法のいまの施行令第十五条の書き方とどこが違うのか。むしろ精算をすべきだというのが法の趣旨ではないかという法律論を伺っているのです。市町村長におまかせをした以上、児童にあれが欠けるかどうかということについての指導監督は、また別の次元で考えるべきであって、その精算額に対して、二分の一なり十分の八を行なうということに対しての法律的な解釈をお伺いしているんであって、その点に対してもう一度お答えいただきたい。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○翁政府委員 先ほど私が申し上げましたのは、確かに運営上そうしているわけでございまして、法律的な問題については、確かに御指摘のような問題もあろうかと思います。したがいまして、厚生省といたしましては、その施設整備費につきましても、あるいは運営費等措置費につきましても、年々できるだけ努力をいたしまして、この法律の趣旨に沿うような努力をしてまいっているわけでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 私の聞いているのは、義務教育費国庫負担法は、精算をちゃんといたしますと、それと同じような書き方をしてある以上、精算をすべきであって、超過負担などということが出ること自身、法律のたてまえは予想していないのではないかということを質問しているのですが、この点はどうなんですか。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○翁政府委員 御意見の点はよく了承いたしました。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 時間がありませんので飛んでいきますけれども、実際、具体的に、本年度の場合も、保育所の場合、四万五千七百円というような基準をきめられております。ところが、幼稚園のほうは四万七千二百円。保育所と幼稚園と同じようなものだと思うのだけれども、幼稚園のほうが高い。保育所の基準単価が幼稚園よりも低い。ところが、実際請負をやっている実態を私はたくさん持っておりますけれども、見てみると、むしろ保育所のほうが幼稚園よりも高いんです。なぜかというと、寝室をこしらえたり、あるいはお医者さんが来て診察をする部屋などをつくらなければならないというような点から言って、保育所のほうが高いのに、四万五千円と四万七千円と、保育所のほうが基準単価が安い。いま八万、九万しております。こういう中できわめて低い標準の基準単価を出されているということに対して、私は非常な憤りを感ずるわけでありますけれども、これは後に譲ります。  ところで、次に個所数を制限しますね。たとえば、都道府県から十五カ所ほしいと言うてきた場合に十カ所に削る。その法律的根拠は何ですか。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○翁政府委員 児童福祉法第三十五条の第三項に「市町村その他の者は、命令の定めるところにより、都道府県知事の認可を得て、児童福祉施設を設置することができる。」とあり、先ほど申し上げましたように、保有に欠ける児童を措置する保育権者としての市町村長がこれを設置される場合に、国としてはできるだけその費用について負担をいたしたいのでありますけれども、従来から、この負担につきまして、全体の額、それから個々の額等について、どうしても十分なことができません。そこで、都道府県、市町村とも協議をいたしまして、そして、御希望の多い点はございますけれども、それについては全部を見ることができないということになっているのでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 法律的根拠は明らかでなくて、予算の問題のように思うのですが、都道府県知事が認可をすれば、それでは、逆に言えば、負担金は払っていただけるという解釈になるのですか。簡単にお答えをいただきたいと思います。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○翁政府委員 この場合、認可と負担とは必ずしも一致しておりません。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 ですから、認可と負担とは一致していないと言う以上、置きたいということで、市町村長が入所について機関委任を受けたときに、入所の施設をつくろうとしたときに、負担を断わるというか、厚生省は負担をしないという根拠を私はお伺いしているのですが、その根拠や認可の規定をおあげになったのじゃないかと思いますが、明確にそういう場合は打ち切るというような規定でもありますか。それをちょっと指摘してください。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○翁政府委員 打ち切るというような規定はございません。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 それなら、十五カ所を頼んだら十五ケ所に負担をすべきだというのが法律のたてまえではないのですか。その点はどうでしょうか。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○翁政府委員 再々繰り返して申し上げておりますように、保育に欠ける児童を措置される市町村長の立場、それに必要な保育所という施設、それから他の社会福祉施設、その全体の関係から申しまして、国がその全部について負担するということは非常に困難なことでございます。したがいまして、市町村長が設置されるものについて、その全部を見ることができないというのは、法律全体の趣旨からしてやむを得ないのではないか、こういうふうに考えております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 私は、法律全体が読めないからお伺いしているんだけれども、何か、予算のほうが先に立って法律論があとになっているんです。私は、財政論を言うているんじゃなくて、法律上そういう道があるかどうかということをお伺いしているのですが、明確でない。しかも、時間が迫るということで、委員長、質問を保留させておいていただきます。これでは、私はちょっと下がれません。これは自治省にも御意見を聞きたいと思いますけれども、意地の悪いことはやめまして、次に移りますけれども、義務的なものだというふうに法律の根拠がはっきりしているということは、いまここにおられる委員の皆さんも聞かれていてわかると思うのです。当然、打ち切るべきものではなくて負担をする、しかも、それは、やったものに対して精算をするということが書いてある。それが、予算の範囲内において、あるいは二分の一以内において補助するというような規定があれば、これは予算によって縛られてもしかたがないのです。しかし、そうではなくて、負担をするということが明確であり、しかも、精算をするというふうに書いてある以上は、当然、起こったものに対してすべきだと思うわけでありますけれども、この点は、時間の関係で次に移ります。質問は留保しておきます。  その次に、摂津市をはじめ革新自治体のほうから——過去において、御承知のように、百万とか、三百万とか、数千万かかっている実際の費用に対して、打ち切るというか、定額補助をされておったわけですが、それに対して返還をすべきであるということを言われておるわけですけれども、それに対して、意見書に対する内閣の意見では、それは適正な手続において行なったものだから差額を追加して支払う意思はないということが明確に書かれているわけでありますが、いま私がずっと言ってきたような法律論から言うと、国の債権債務というものの中から、五年間の時効はあるけれども、五年以内ならできるというのが会計法第三十条にあるわけですね。ですから、請求をすれば払うべきではないかというふうに考えるのですが、会計法三十条と補助金適正化法で、もしそういう場合は異議を申し立てるべきだというのなら、それは補助金適正化法の政令で三十日以内に申し出ろというふうになるのかどうか。それなら、今後、そういう保育所の問題について異議があるときは、各自治体はどんどん異議を申し立てていくということになると思うのですが、会計法三十条の国に対する債権の時効の問題と、補助金適正化法のいわゆる異議申し立ての問題との二点についてお伺いしたいと思います。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○翁政府委員 内閣が意見を出しました過年度の支払いについて、すでに年度ごとに申請者と国との間に協議が成り立ちまして、その点につきましては終わっているということは、内閣の意見のとおりに考えておるものでございます。  なお、会計法三十条と、それから補助金の適正化に関する法律の点につきましては、私どもは、適正化法によって、この件は三十日以内に異議がなかったものというふうに承知しておるのでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 非常に冷たいですね。市町村長がほんとうによい環境で子供を育てるために無理算段をしてやっている。しかも、現実の補助金の申請については、都道府県が中に入っているものですから、内示額以上のものを要求したら都道府県では受け付けてくれないという実態の中で、三十日以内の異議の申し立てがなかったからそれで済むのだというような、そんなことでいいのかどうかということですね。  この問題について、いま私がずっと質問したことについて、地方自治体の財政のめんどうを見ていただいている自治省として、いまのやりとりについての感想をひとつ聞かせていただきたい。

武藤嘉文自由民主党自治政務次官

○武藤政府委員 これは、この間も三谷先生との間にいろいろ論議がかわされたことと同じことでありますが、地方自治体の財政状態がたいへん健全であり、そして、地方の地域住民がその法のもとによりよい環境でいろいろ行なわれるということをはかるのが自治省の立場でございまして、そういう立場からいたしますれば、地方の負担が、実際面において、法に基づくところ以上に負担をしなければならないということは地方財政を圧迫することであり、もしその予算がなければ十分な施設が行ない得ないということも、これまた地方住民が困ることでございます。そういう面において負担の解消をはからなければならぬことは当然でございますが、ただ、法的に申しますと、交付金の法律に基づいていろいろなされておる、だからこれは全く法律違反ではないという厚生省側の見解——その辺はいま御指摘のとおりで、法律的に違反しているかどうかという点は別問題といたしまして、たいへん冷ややかというか、冷たい、いかにも理屈をそこにくっつけていこうという考え方というものは、われわれが市町村の財政を考えますときにはたいへん残念なことであると考えます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 もうちょっと政務次官とお話しをしたいと思いますが、時間がありませんので、役所のお目付役である行政管理庁の監察官の方に来ていただいておりますので、いまのやりとりを横から聞いておられて、行政管理庁の監察官として、いまのような形になっていることについて一体どう考えるか、これについての実態調査を行なって意見の申し出をする意思はないかどうか。その点を行政管理庁の石黒監察官に答えていただきたいと思います。

石黒晃行政管理庁行政監察局監察官

○石黒説明員 超過負担の問題につきましては、ひとり保育所だけでなしに、国と地方公共団体との間に幅広く生じておるというふうに考えられますので、行政管理庁としても、将来これを取り上げていきたいと存じております。ただ、現在、当庁といたしましては、物価、公害、土地の、この三問題につきまして全力を注いでおりますので、時期を見まして内容を検討いたしたいと思います。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 そんなのんきなことでは困るのです。私の言っているのは単なる超過負担の問題じゃなくて、この問題については、私は、さっきから財政問題は全然言っておりません。法律問題を主として取り上げて、法律上精算をすべきだという規定もあるし、しかも、実額の二分の一なり十分の八を負担するということが書いてある以上、法律としておかしいじゃないかという点をつきながら、しかも、現実には、十五カ所申請しても十カ所に切られている根拠もはっきりしない。そういう中で行政管理庁としては、こういう問題について——もちろん、それは物価の問題も大事です。超過負担が出ているのは、物価がこれだけ上がっているからであって、そんなことはわかっております。だからいまのやりとりを聞いておいていただいたわけなんで、私の言っているほうが筋が通っているのか、厚生省さんのほうが筋が通っているのかを聞いておいていただいた上で判断をしていただきたいということでお伺いしているのに、時期を見てなんて、そんなのんきなことでは困るのです。法律上の問題で、しかもこれは訴訟が起こっているし、意見書が各自治体からどんどん出てきているという実態をもう少し政治的に判断していただいて、この問題について的確な処置をしていただくということをお願いしておきたいと思います。  最後に、せっかく来ていただいているので、大蔵省の梅澤主計官にお伺いしたいのですが、いまのやりとりをずっと聞いておられて、法律的に言ってこれでいいと思われるかどうか。主計官としての御感想をいただきたいと思います。

梅澤節男大蔵省主計局主計官

○梅澤説明員 法律の運用の解釈の問題といたしましては、私ども法規担当の専門家ではございませんのであれでございますけれども、先ほど先生が御指摘になりましたところの、精算という条項があるではないか、それといまの補助金の国の負担のあり方はおかしいではないかという御指摘でございますけれども、私どもの財政当局の運用上の考え方といたしましては、精算額という文言がございましても、その前提といたしまして、おのずから国として補助すべき基準と申しますか、そういうような補助基準額、それが基本になって負担すべきものであろうと、そういう運用上の解釈をいたしております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 それでは、二千数百万もかかって、昭和四十四年度あたりは二千万、三千万かかっても、それの二分の一で、建設費の場合は一千万であるというような場合に、百万の定額負担——補助と申しますか、負担だ思いますが、百万の負担というようなものが運用上適切であるかどうかということについて、ちょっと意見を伺いたい。

梅澤節男大蔵省主計局主計官

○梅澤説明員 摂津の問題を中心にいたしました保育所の基準価格の問題でございますけれども、これは先ほど児童家庭局長からも御答弁がございましたように、保育所のニードと申しますか、そういうものが最近急速に高まってまいりまして、歴年大幅な改善をやっておるわけでございます。したがって、四十四年当時の水準でものを考えた場合に、適当であるか不適当であるかという議論をさかのぼっていま議論することはいろいろ問題があると思いますけれども、当時の時点においては、国の施策として適正な、あるいはあるべき水準の基本価格であるということで国庫負担をし、それで精算を終わっておる、こういうふうに考えます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 これはちょっと納得できません。この程度の質問では私は納得できませんが、時間が来ましたから、次の機会に質問を留保して、とりあえず終わらしていただきます。

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 三谷秀治君。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 先日に続きまして、摂津市の超過負担に関する意見書に対する内閣の意見、超過負担の実態につきましてお尋ねします。  いま、翁児童家庭局長が、定額打ち切りの根拠、それから補助対象の選別の根拠として児童福祉法の三十五条の三項をあげられました。しかし、この三十五条というのは、設置に関する規定をしたものであって、補助に関する規定は別個にできているわけなんです。御承知のように、地財法の十条の二、十一条、児童福祉法の五十二条、五十三条、政令十四、十五、十六、これが補助の規定になっておる。補助の規定と設置の規定を混同してしまって、てまえがってな解釈をされている。設置の規定と補助の規定というものが別個にあるにかかわらず、あなたは、設置の規定をもって補助の規定にすりかえていらっしゃる。それは一体どういう根拠によるものですか。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○翁政府委員 いま御指摘のように、児童福祉法の三十五条の第三項は、市町村長が都道府県知事の認可を得て児童福祉施設を設置することができるという規定になっておるのは御指摘のとおりであります。したがいまして、これは任意設置の規定であるというように解するわけでございます。しからば、それに対して、市町村長が設置された保育所すべてについて国は負担しなければならないのかどうかということになりますと、ただいま申し上げましたように、すべての保育所について負担するという明確な規定はございません。五十二条では二分の一の負担ということを規定しているわけでございます。したがいまして、全体の趣旨から勘案いたしまして、児童福祉施設の設置は、そのすべてについて市町村の義務とされているものではない、したがいまして、その負担についても、そのすべてについて負担するものではない、こういうようにお答え申し上げたのでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 それを選別するという補助上の法令の根拠はどこにあるのですか。この法令によりますと、すべてということばを使っていないけれども、この施設については補助をするんだ、そこから選別をするというふうなことは一つも書いてない。要するに、児童福祉施設については何分の一補助するという、その規定があれば、すべてなんという規定は要らぬわけなんです。児童福祉施設になっておれば、児童福祉施設に該当するものはすべて補助の対象になるのは当然です。それを選別される根拠はどこにあるか。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○翁政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、そのすべてについて児童福祉法では規定しているのではございません。むしろ、義務教育諸学校のように、法律あるいは政令で、その負担の対象区分あるいは負担の割合というものが明確に規定されているものもございますけれども、児童福祉法につきましては、この設置についての任意設置の規定と、それから負担規定の、それだけでございます。したがいまして、私どもとしては、これから解釈いたしまして、そのすべてについて負担するものではない、こういうように申し上げておるのでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 その解釈ができる法令上の根拠はどこにあるのですか。その補助規定の法令に基づいて説明してみなさいよ。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○翁政府委員 解釈でございますから、それ以上のことは申し上げられないのであります。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 それじゃ、法令の条項をあげて、そして、それに基づく解釈でなしに、それらを抜きにして、かってな行政解釈をしているわけですか。法令の根拠を示してみなさいよ。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○翁政府委員 法令の根拠というのは、先ほど申し上げましたように、三十五条の三項と五十二条をあげまして、それからわれわれは解釈いたしまして、そのすべてについて負担するものではない、こういうように申し上げておるわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 五十二条につきましては、保育所については二分の一の補助をするんだという規定になっている。それから、三十五条につきましては、設置の規定であって、設置をするしないは自治体の自由だけれども、設置した場合にはこれこれの補助をするんだというのが、この法律全体の体系として構成されているものなんです。そうなっているのですよ。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○翁政府委員 御意見はよくわかりますが、私の解釈は、先ほど来繰り返し申し上げておるとおりでございます。ただ、しいて申し上げれば、こういった二分の一負担に全部が少しでも近づけるように歴年努力してまいりました。その点は、予算の額、規模等において年々改善を見ておるところでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 そうしますと、二分の一に全部を近づけるということは、やはり、全部に対して補助すべきであるということを裏書きしているんじゃないか。ところが、今日までそれができていない。それを全部について二分の一の補助ができるようにやっていきたい、改善をしてきたと、こう言っているのです。そうなんでしょう。これじゃ、あなたのほうで全部を補助対象にする必要がないという根拠というものは、その答弁の中からはすでに矛盾が出てきているじゃないですか。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○翁政府委員 そのすべてについて負担するものではないということと、われわれの行政上の努力というのは別でございます。われわれは、あくまでも、児童福祉のために少しでもよくなるように努力をするのが責務と考えておるわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 ですから、行政上の努力をされるということはたいへんいいことなんですよ。しかし、その努力というものは、法令の規定というものがあるので、それにできるだけ近づけていこうとやっていらっしゃるのがいまの状態なんでしょう。法令じゃそんな規定はない、してもしなくてもいいんだ、だけれども、任意に政府のほうが積極的にそれをやっているんだと、そんな性質のものじゃないですからね。この法令ははっきりそういうことを示しているのじゃないですか。あなたがどういうふうな解釈をされているか知りませんけれども、地財法によりまして、国が負担すべき事業を明確にしている。その事業につきましては、別に法律に定める。その法律は児童福祉法だ。児童福祉法の五十二条によりますと、あるいは五十三条によりますと、こういう保育所につきましては、建設につきましては二分の一、運営費につきましては十分の八を負担するという規定にはっきりなっているじゃないですか。条文上疑う余地は一つもないじゃないですか。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○翁政府委員 繰り返してまことに恐縮でございますけれども、児童福祉法の第五十二条は、児童福祉施設についての二分の一の国庫負担を規定し、三十五条の三項は、市町村長が任意に設置される規定になっているわけでございます。その両規定から、私は、そのすべてについて負担するものではないという解釈を申し上げているわけでございます。  なお、施設整備費につきましてはいま申し上げたとおりでございますけれども、一たび措置された収容児童につきましては、その措置費については、収容児童全部について、措置費として、その十分の八を基準価格に乗じて負担をしている、こういうことになっているのでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 五十二条は、国庫は、これこれについては、政令の定めるところによって、その二分の一を負担する、その中には保育所が入っている、これを負担すると、こういうことになっているのであって、そのうちからこれこれの条件に適するものに対して負担すると、そんなことは一つも書いてありゃせぬ。保育所については二分の一だということが明確になっているじゃないですか。それをなぜそんな解釈をされるのですか。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○翁政府委員 児童福祉法制定以来、そのような解釈で今日まで参っておるのでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 そういうかってな行政解釈をしておってもいいのかね。法令の規定のどこにそういうことを示しているのかと言っているのだ。それを、条文をあげて説明してごらんなさいと言うのです。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○翁政府委員 繰り返して恐縮でございますけれども、その二条以外にはございません。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 なければ、そういうことを言う根拠はないじゃないか。この間から、婦人の課長が来て——きょうは来ておるのかな。来ておらぬけれども、わけのわからぬことばかり言っているのだ。国と府県と市町村が意見が一致したときに補助いたしますとか、あるいは、もともとこの基準単価なんというのは安いものであって話になりませんが、それにこの物価の上昇分を乗じたものでございますなんて、わけのわからぬことばかり言うのだが、いまのあなたの説明もわけがわからぬですよ。法令上それ以上の条文はない。そういうかってな法令解釈はだめですよ。  そこで、時間がないものですから急ぎますけれども、超過負担の問題については、これは政府もお認めになっている。そして、なしくずしに改善した、改善するとおっしゃっている。これは政府の意見ですよ。ところが、この超過負担は認めておりますが、これは法令に違反しているというのがわれわれの質問の立場なんです。法令違反の行為をやっている。これが私たちの意見なんですけれども、この超過負担につきましては、法令の違反ではないというお考えですか、どうですか。  それから、この政府の意見書によりますと、真剣な反省がないのですよ。超過負担を認めている。そして、改善した、改善すると言っているが、しかし、その超過負担は認めておりながら、そのことについての反省がない。責任がない。今後において改善しますと言っているだけだ。こういう不都合な意見がありますか。超過負担を認めたということは、法律で規定しただけの予算を国が出していないこと、そのことを認めたわけだ。そうしますと、それは明らかに法令違反だ。それによって損害を与えてきた。ところが、この国の意見書を見ますと、そのことに触れておらぬ。超過負担はあった、改善した、改善すると言って、そうしてなしくずしに今後の問題にすりかえているが、今日までの、その超過負担を生み出してきた法令違反の処置におきまして、受けた損害をどうするんですか。あるいは、そういう行為をとってきた政府の責任についてはどう考えるのか。これは政府の意見書に一つも出ていないじゃないですか。これは一体どういうわけなんですか。これはあなたがお答えになるべきものかどうか知りませんけれども……。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○翁政府委員 直接保育所にかかわる問題でございますので、私から申し上げますが、確かに、意見書におきましては、政府は、将来の問題として、できるだけ市町村に御迷惑のかからないような努力をしてまいるという基調で貫いているのでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 そのことはちゃんと指摘しているのだ。それだけではだめだろうと言っているのだ。そういう超過負担というものを国が認めているのだ。つまり、法令に基づいて正確な予算の負担をしていないこと、そのことを認めているわけだ。そうすれば、そのことに基づく反省だとか、そのことによって与えたところの損害だとか、これに対してはどうするのかという態度がおのずから付随して表明されなくてはならぬのじゃないですか。それが一つもありはしない。そういう意見書というものがありますか、皆さん。——これはあなたがお答えにならぬほうがよろしい。これは、いまの政府の意見書というものは、保育所だけの問題とは違う。

武藤嘉文自由民主党自治政務次官

○武藤政府委員 いま、大臣が出席でございませんし、何か、政府全体としてのお答えをしろということでございますから私からお答えをいたしますが、この間の意見書は先生のお気持ちにはたいへん沿わないと思いますが、反省をしておる点は、超過負担については今後できるだけ解消していくということを言っておる点で、私は、反省の意がそこにあると思います。  それから、従来のものについて、はっきりとそういう超過負担があったということを認める以上は、それならば、それに対して、その損害を補償するというか、そういうことがなぜないのかと、こういうお気持ちかと思いますが、これは先ほども山田先生にもお答えをしたのでございますが、たいへん冷たい感じだとは思いますけれども、補助金適正化法の規定によりまして、従来、それぞれ手続が一応法律に基づいて行なわれておる。こういうたてまえからいたしますと、従来のものについて、法的にそういう損害補償をしなければならないという問題はないのではないかという気持ちから、あのような意見書になったのではないかと考えるわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 大臣の出席を要求していますけれども、まだ来ませんか。閣議に出た人でないと、これは答えられぬでしょう。  それから、いまおっしゃいましたこの改善の問題にしましても、実際上改善になっていないことをこの間お尋ねしたのです。たとえば、今度、定額打ち切りから、定員基準面積あるいは構造別基準単価方式に変えられた。これは、一歩は前進でしょう。握り銭を出すのじゃなしに、幾らか積み上げをやろうというわけです。ところが、その積み上げそのものが実情に合わない単価でやってきている。大阪の場合で平米当たりが四万一千七百円ですか、一児童五平米、そして構造別で割り出すというやり方をしている。ところが、平米当たりの単価四万一千七百円などというものは、もうすでに実際に通用しないということだ。もう四年前に、摂津市におきましては五万九千円もかかっている。あるいは五万六千円もかかっている。あるいは、ひどいのは七万一千円もかかっているわけだ。それをこの物価上昇の中におきまして、四万一千七百円くらいの基準単価を割り出して改善だ、改善だとおっしゃっているが、これで今後超過負担がなくなりますか。超過負担をなくしてほしい、なくすべきだと言っているのに、ところが、超過負担を幾らか減らすんだという立場だ。問題は、全然立て方が違っている。超過負担が法令違反だから、これはなくなしてしまうんだというのが議会側の要望なんでしょう。法令解釈はそうなっているでしょう。あなた方のほうは、幾らか手直しをして、超過負担を少しでも少なくすればそれでいいんだという態度になっているんじゃないか。超過負担を認める立場に立っている。皆さん、それでいいわけですか。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○翁政府委員 いま御指摘がありましたように、確かに、今年度、私どもは、一歩前進ではなくて、数歩、いやそれ以上の改善と信じておるのでございます。と申しますのは、従来のような定額打ち切りという基本的な考え方を、少なくとも一人当たりの平米に直して換算して、そして、さらに、それを木造モルタル、鉄筋、それから地域別にいたしまして、一番大きい負担額は一千八百万になるのでございますが、従来ですと、まだ六百万に満たない額でございました。これがいい悪いは別といたしまして、少なくとも三倍に近い額まで負担をするような改善をしたのでございます。  なお、御指摘のように、現在、物価、特に建築単価は非常に上がっております。私どももこれでいいとは思っておりません。さらに努力を続けなければならないと思いますけれども、限られた予算の中で、この実情に少しでも近づけようという努力を例年いたしておるということは御了承願いたいと思うわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 今度の方式によりまして、九十人定員ブロック建築で千八百万になる。昨年度で千八十万だから、約八百万ほどふえた。このことは認めています。しかし、千八百万で一カ所の保育所はどこに建つんですか。五十歩百歩になっているんじゃないですか。この基準単価というものは一体何を根拠にして割り出したのか。どこかのそういう建築実例などを取り寄せて割り出したんですか。こういう奇態な単価が出てくる根拠がどこかにあるんですか。四万一千七百円なんというものは、どこから割り出したものですか。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○翁政府委員 具体的な作業は別といたしまして、考え方といたしましては、御指摘のように、従来定額打ち切り、したがって、市町村が負担する額が非常に大きいということで、昨年度、自治、大蔵、厚生の関係各省が、実際の昨年の実勢単価と各社会福祉施設について調査をいたしました。そして、それをもとといたしまして、この負担の解消というための一歩前進ということで出したのがいま御指摘のそれぞれの単価でございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 いまの建築状況からしまして、B地区で平米当たり四万一千七百円なんというものが出る根拠はない。だから、その数字は、そういう実際の建築の実情から生まれたものではなしに、あなた方の予算か何かのワクの中からつくり出したもの、つまり、天下りで、観念的にきめてきた数字だ。だから、実情に全く合わない。そういうやり方で実勢に対する措置ができますか。できっこないでしょう。あなたが、より実勢に近づける、改善するとおっしゃる、そのことは、超過負担を前提として認めている考え方だ。超過負担を認めて、幾らかそれを改善する、解消するという考え方、超過負担が法令違反であれば、そんな考え方に立ってはだめですよ。厚生省がそういう考え方に立てば、いわんや、大蔵省なんというのはもっともっとひどい考えを持っているんだから、ますますたいへんなことになってしまう。少なくとも、福祉の番人としての厚生省がそういう考え方で、どうしますか。もう少しはっきりした態度をとって、要求すべきものは要求する、あるいは利子の算出は明確にくだしていくということが必要じゃないですか。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○翁政府委員 御激励のことばとして、ありがたくちょうだいいたします。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 とにかく、この間もお尋ねしましたけれども、しどろもどろなんです。このことは、いかにこの処置が違法なものであり、合理性を欠いているかということをはっきり示している。政務次官なども、この問題を解決するためには職を賭してやるということでなければ、議会の答弁ではその場のがれのいいかげんなことを言って、時間が来ればやがて交代になるのだというふうなことでは、これは解決しません。それで、超過負担というものが問題なのは、この単価、数量、対象が実情に合わないという現象的な問題だけではないでしょう。このために、一体地方財政がどうなっていくか。この超過負担は、地方におきましてはどのような処置をしているのか、聞かしてください。

松浦功自治省財政局長

○松浦政府委員 大臣からも毎回御答弁申し上げておりますように、超過負担が多いということは、地方財政にとってまことにつらいことでございます。これが財政を圧迫する一因となっておるわけでございます。健全財政を維持しようとすれば、本来やりたい仕事を一応やめて、これで収支を償う、こういう形にならざるを得ないかというふうに考えております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 要するに、超過負担というものが留保財源を食ってしまう。そこで、地方独自の行政費がなくなってしまう。財政が硬直化してしまう。これが一つの原因になっている。もう一つは、この超過負担というものが基調になって解決される。そこで、借金がふえていく。金利の支払いによって、地方財政がますます圧迫されてしまう。もう一つは、この超過負担というものが開発協会などに肩がわりされまして、民間資金の導入によって、それに対する金利の支払いがさらに膨張していく。こういう結果になっていくことは明白なことです。要するに、財政の硬直化ということは、超過負担というものを基底にして発生してきている。もう一つは、この超過負担というものは交付税にも影響する。起債にも影響しますでしょう。この超過負担が出ますところの基準価格というものは、基準財政需要額の算定におきましても、それが土台になっている。起債の算定におきましても、これが土台になってくるわけです。そうしますと、単価に超過負担が出るということだけでなしに、交付税の算定にも大きなマイナスの影響を持っている。起債の算定にも大きな影響を持ってきている。これが要するに地方財政の秩序を全くなくしてしまう大きな原因になってきている。このことはお認めになりますでしょう。

松浦功自治省財政局長

○松浦政府委員 全くお説のとおりでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 お説のとおりであれば、こんなものを何年間も放置していくようなことで自治省の仕事ができますか。もう一度自治省が一丸となって、まなじりを決して解決するという態度をとらなければならぬ。いままでは、これは押えてきましたよ。これは、戦後二十年間における保守政権、保守党首長等のなれ合いの中で生まれてきた政治的なゆがみだと私は思っている。しかし、最近は革新首長も随所に生まれまして、こういう違法な処置、不合理な処置についてはもう看過できないという時代になってきた。そういう時代の情勢の中で、自治省として、この問題について、真に解決する意思が一体あるのかどうか。意志があるとかないとかということをことばで言ってもだめだ。物理的にどうなんだ。どういう処置をとろうとしておるのか。

松浦功自治省財政局長

○松浦政府委員 超過負担の解消については、およそ、この問題が生じて以来、自治省といたしましては、これを解消するように常に努力いたしてまいったところでございますが、ただ、この問題につきましては、自治省のみで法令を改正するという形では片づきませんし、また、大蔵省の予算との関連も出てまいるわけでございます。その点は力がやや不足だったということは言えるかもしれませんが、今後も努力をしてまいりたいと考えております。  特に、六項目の建設費の問題につきましては、四十七年に調査をいたしました、その時点での是正を求めましたために、先生からいろいろ御指摘をいただくような面が出てまいっております。ことしの当初来の物価騰貴等も踏まえまして、できるだけ早急に実態を調べ、四十八年、四十九年度で超過負担の解消をすることに六項目についてはなっておりますけれども、四十九年度分については、六項目分をも含めて単価改定をしてもらうように努力をしてまいりたいと思います。  そのほか、六項目以外にも、超過負担の問題になっている項目がまだあるようでございます。それもできるだけ早い機会に調査をいたしました上で、関係各省と力を合わせて超過負担の解消に努力をしてまいりたいと考えております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 建築単価の急騰によりまして、ことしなど——きょう摂津市の市長がお見えになっておりますけれども、摂津市などでは、中学校の入札が四回不調になっている。積み上げ修正をやって、五回目の入札をやる。これは中学校ですね。これは保育所も同じ状況なんです。ところが、あなた方の改定処置というのを見ますと、さっき指摘したとおりです。三年前、二年前よりも低い単価で、改定だと言っている。こんなペテンみたいなことを言っちゃだめですよ。もっと実際に即した解決をはかっていくということをしなければいかぬ。国が法律を守らないで、そんな不当なことがあっていいのですか。この違法な処置によりましてこういう超過負担が出てきたわけだけれども、この違法な処置を構成してきました違法な手続、これも改善する必要がある。たとえば、補助金適正化法等によりますところの異議申し立てのやり方、これなどは、もともとが法令に違反したことをやっておって、それを指摘しますと、あれによって一カ月以内に言わなくちゃだめなんだと言っている。そうして、これは、自治体がみずから申告した額を認めたものだ、所定の手続は終わっていると言っている。一体、手続はどのようにやっているのだ。法令の定めに基づいて実勢の報告を求めて、それに基づいて、二分の一負担という基準に基づく算定をしているのかどうか。そうじゃないでしょう。国のきめた基準というものを押しつけて、それで申告をしなければ認めないという処置をとっているのと違いますか。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○翁政府委員 手続といたしましては、年度が変わります段階で予算が確定いたします。それの予算の中におきまして基準単価をきめまして、これで都道府県、市町村と相談しながら概算の額をきめて、概算交付の決定をするわけでございます。概算交付の決定にあたりましては、先ほどお示しのようなそれぞれの規模、基準単価等を大体示しまして、それによって、各市町村から都道府県を経由して申請を出していただいて、それで交付の決定をする、こういうふうにしているのが実情でございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 現象的にはそうなんだ。要するに、整備計画を出す、協議する、そこから選別して内示する、内示に基づいて申請する、そうして交付決定する、そして実績報告を受ける、そして確定通知する、請求書を出す、こうなっている。このやり方を変えなさい。実勢に基づいて決定をする、内示をするということをやりなさい。いまのあなた方がおきめになった不合理な基準を土台にして手続する、それ以外の手続を認めないというのです。府県の窓口でこれを拒否してしまう。それは法律に基づく合理的な処置と言えません。実際に何ぼ使っているのか。そのことからものごとをきめていかなければだめだ。あなた方がかってにきめた、観念的な、根拠のない基準価格で申告させる。それをしなければ認めない。それは明らかに国が権利を剥奪してしまっているのだ。そういう処置をとりますから、自治体はやむを得ず国の基準に基づき申告している。そうした自治体の申告に基づくものだから、これはもう所定の手続を終わったんだと、こんなことを言っている。ごまかしがそこにある。そのごまかしを是正する意思があるかないかをお尋ねしたい。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○翁政府委員 御意見はよくわかりますので、検討させていただきたいと思います。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 時間が来てしまいましたから、たいへん不十分ですけれども、これできょうは終わっておきます。

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 小川新一郎君。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 大阪府摂津市のような超過負担の問題が訴訟問題になりました。これに対して、まず、大臣はどうお考えになっているのかということを一点お尋ねしたいのでありますが、それに対して、衆議院議長前尾繁三郎殿にあてて、「地方財政法第二十条の二第一項の規定により大阪府摂津市長から別紙の通り意見書の提出」云々と、「内閣厚第三九号」が出ておりますが、その「地方財政法第二〇条の二の規定による意見書についての内閣の意見」について私が質問をすれば、大臣はこのとおりのお答えをするでありましょうけれども、この意見書の中の1、2、3については、言い分について、国はある程度肯定しているわけですね。しかし、四番目が問題になってくるわけであります。ここが食い違いの一番大きなところですね。「国は、保育所を設置し、及び運営する市町村の国庫負担金の交付申請に基づき、その申請どおり国庫負担金の交付決定をしたものであるので、市町村が過去において保育所の設置又は運営のために支出した額のそれぞれ二分の一又は十分の八に相当する額を国が現実に国庫負担した額との差額を追加して支払うべきであるという件については、国としては、既に各年度において所定の手続を経ており、完了しているものと考える。」のだ、だから、おまえさんの言うことについては納得できないというのがこの四番目の考え方に要約されている。ただ、そうなる段階においては、一つずつ仰せのとおりでございます、こういう考え方についてはこう善処するのだということを言っているが、本件について、最後の決定については、もうこの件は終わっちゃったんだからだめなんですよという意見なんです。これが訴訟問題についての摂津市との一番大きな考え方の違いですが、この点についてお尋ねしたい。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○江崎国務大臣 超過負担の問題は、自治省としましても、地方財政に重大な影響を与えますし、これは、国、地方にかかわる重大問題でありまするので、関係各省と連携を密にしまして、その解消に努力をしてきたというのが実情であります。  この四番目の件につきましては、政府としてはやはりこういうふうに言わざるを得ない。それは、その当時、見解の相違や、あるいは積算基礎について、地方と中央とにいろいろ食い違いはあったと思いますが、大体、保育所というものは、御承知のように、いま、予算措置も全国的になかなか思うにまかせておりません。そういうことになりますと、非常な御要望があって、それにこたえて、そのときの積算基礎に基づいて厚生省側として配慮をしたというていのものだと思うのです。つくって、あとになってからこうだということで訴訟される。訴訟そのものは、これはすでに訴訟になっておりまするから、そのことについてどうこう私は言おうとは思いません。これは今後司法側できめてくれるでありましょう。ところが、あとになってあれはけしからぬと言われても、それはやはり、お互いにそのときに厚生大臣であり、そのときに市長なんですからね。けしからぬ、こんなものではつくれぬといっても、代議制度ですから、議員さんなり何なりと相談して、そこでやりとりをするという方法だってあったと私は思うのです。つくってしまってから、あのときはこうだった、ああだったと言われても、どうも、政府としては、あれはよかったはずで、むしろ喜んでもらって行かれて、そしておつくりになったんじゃありませんかということに、勢い厚生省側としてはならざるを得ないんじゃないかということが文章につづってあるわけですね。端的に言えば、そういう意味だと思います。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 大臣、その考え方がまるっきり違うんですよ。あなたの考え方だと、市町村の要望があったからつくったんだから、つくってあとのことは、ごたごた言われちゃ困るなんていうことだが、それは困るのですよ。  保育に欠ける児童を、だれが一体めんどうを見るかということがさつきから議論になっているのですよ。児童福祉法三十五条一項は、「国は、別に法律の定めるところにより、児童福祉施設を設置するものとする。」となっており、二項は「都道府県は、命令の定めるところにより、児童福祉施設を設置しなければならない。」となっているが、同三項には、「市町村その他の者は、命令の定めるところにより、都道府県知事の認可を得て、児童福祉施設を設置することができる。」ということになっている。これは任意だ。さっきから答えが出ているのですね。市町村は任意なんです。義務ではないんだ。それで、県は機関委任です。ただ、県の場合は、御存じのとおり、児童福祉法施行令第十条で、教護院のみが県の義務になっている。保育所は県の義務であるのかないのかということは、私は、さっきから聞いていてもよくわからないのですが、そうなると、保育に欠ける児童のめんどうを見る最終的段階は、先ほども質問が出ましたが、国なのか、県なのか、市町村なのかということになってくる。  そこで、もしも国が最終的に責任を負うということになるならば、さっきから言われているように、単価が少ないだの、対象外だの、助成の措置だのといろいろあるけれども、国が責任があるんだったら、市町村と同じ立場になってつくった場合、今度は逆に市町村と置きかえて、市町村が負担金を出す立場に置きかえられたら、国はどうなるのですか。それを摂津市は言っているわけでしょう。  さっきから言っていることは、義務は一体国にあるのか、市町村にあるのかということになるわけです。さっきから、そちらのお答えは、市町村はやってもやらぬでも、それは任意なんだということだが、だけれども、法律の体系によって、どこが一体責任を負うかということになれば、私は、国だと思うのです。その国が、大臣がいまおっしゃったように、つくってしまってあとから言われたって困るんだというんじゃ、これはもうまるっきり国には責任がないみたいな言い方になって、それじゃまるっきり議論はかみ合ってこないんじゃないですか。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○江崎国務大臣 私は、そういうことを言っているのじゃないのです。保育所の設置とか運営に要する費用に対する国庫負担については、第一項によって、地方財政法及び児童福祉法の関係規定によるべきことは言うまでもないわけですね。そうしますと、そこで現実に費用が足りないというときには、地方公共団体の責任者も、その場面でこれはけしからぬじゃないかということを言っていただけば、訴訟などということにしなくても済んだのじゃないか、もっと話し合いの余地はなかったものだろうか、ということを申し上げておるわけです。ですから、とにかくそういうことで、厚生省としても、一応そのときの積算基礎に基づいてやっておる。それは、この積算基礎や積算の規模、面積というようなものが必ずしも実情に合っておるというふうには私は申しておりません。こんなことを二十六年もやっておりますと超過負担の傾向が強いということは、私もよくわかっております。よくわかっておるから、地方行政委員の皆さんと一緒になって、関係各省各位と話し合って、大蔵省にも話をして、昨年も調査をして、ことしと来年で解消をしようとか、また、ことしはまた資材が値上がりをしておるから、補正予算というのは景気過熱を押えていく場面からいってなかなかむずかしいかもしれぬが、少なくとも、単価是正、見直しなどということは活発にやれとか、そういうことでどれくらい苦労して、お互いに努力しておるかわかりませんね。ですから、こういう問題についても、実情は私はわからぬわけではありませんし、地方公共団体の立場になって関係各省にものを言ったり連絡をしたりする自治省もせっかく存在するんですから、告訴する前に、その自治省ともうちょっと相談をしてもらうということもあってよかろうではないかと私は思うのです。何か、これでは、国と地方公任団体との相対立する敵みたいなかっこうになっちまって、国としても、また、地方自治の今後の円滑な運営の上から言っても、これは望ましいことではないというふうに私は思うわけです。  したがって、この超過負担の問題については、解決すべく、また、解消すべく、今後も、私も大いに全力をあげてまいりたいと思います。そして、地方公共団体の責任者の苦心はわかりますが、もうちょっとうまくやろうじゃないですかということを私は申し上げたいわけです。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 それは県が機関委任されておりますから、市町村では県へ出すわけですね。ところが、かくかくしかじかのいろいろな規定があって、国が負担すべき額はこのくらいだ、だから、この額に申請を合わせなければ申請は受け付けられませんよと、県の段階で却下されるわけですよ。ここが大事なんですよ。さっきから言っておりますように、摂津市では、過去五年間に総額八千七百六十五万五千円建設費の支弁を行なったが、これに対して国がやったのはわずかに二百五十万円。国が二・九%、地方公共団体が九七・一%の割合となっている。すなわち、保育所の建設のために市町村が支弁した経費の二分の一を負担する必要があり、本市の場合、八千七百六十五万五千円の二分の一だったら、四千三百八十二万七千五百円を国がやるわけですね。そう言っているわけです。だから、それに同じように合わせて出したのでは、県が受け付けてくれないわけですよ。だめですよ、単価が、あなたの言っていることは違います、対象はこうでございます、何々はこうです、だから、国の負担の金額は、二百五十万円の申請を出して県に申請しなさいよ、でなければ一銭も出しませんよということになっちゃうんです。大臣、ここが、そんな話し合いにしても、話し合いでないにしても、てんでどうしようもない一つの実質の体系ですよね。これはわかっているわけです。これじゃもう交渉できないわけですからね。五人の子供を養うためにはこれだけのお金がかかるのに、一人か一人半養うお金しかない、奥さんがだんなさんに申請する場合に、おれはないんだからと言っているのと全く同じじゃないかと言っているんです。話し合いの段階というものは、県の段階で却下されていくのでは、これはもうどうしようもないじゃないですか。その点はいかがなんですか。よくわかっていて、申請のときにそこで却下されたときはどうするんですか。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○江崎国務大臣 実際、これはなかなかむずかしい問題だと思いますね。むずかしい問題だと思いますが、超過負担の問題というのは他にもあって、それをお互いに解消すべく努力して、事ここに来ておるわけです。全国の市町村長が保育所建設について告訴したわけでもないわけで、これが初めてのケースですね。そうやるのが最良なのかどうなのか、これは御本人の判断にまかせるよりいたしかたありません。その決着がどうつくかは司法の手にゆだねるよりしかたがありませんから、これは、私どもとしては、その推移を見守るという以上に申し上げられませんが、ただ、問題なのは、これは私の所管事項ではありませんが、保育所を含めて、児童福祉施設の設置は、児童福祉法上、そのすべてについて、これが市町村の法律上の義務とされておるものではない。これは私もよく理解しております。ところが、保育に欠ける児童の、いわゆる保育所への入所措置については、市町村長の義務ということにされている。したがって、現実には、原則として、この保育所建設については市町村長がつくるという形にならざるを得ないと思うのです。そういうやりとりが、私はおりませんでしたが、おそらく午前中になされたことだと思うのですが、したがって、それに国としてもあとう限りの協力をし、事ここに至ったというわけです。したがって、この問題について、いまとやこう言おうとは私は思いませんが、超過負担の分について、市町村が建設するものだときまっておるから国のほうはしかたがないんだとは私は申し上げない。これは超過負担を解消すべく、あらゆる努力を、あなたのお力も得ながら払ってまいりたいということを私は思います。しかし、これはけんか腰や訴訟ざたで解決すべきものではないというふうに考えます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 そうすると、義務づけられておるものであれば、話し合いの場だったらやってくれるのですね。  それじゃ、厚生省にお尋ねしますが、保健所というのは、たとえば人口十万人市町村においてはどういう扱いをするのですか。

山本宣正厚生省公衆衛生局地域保健課長

○山本説明員 保健所につきましては、その政令におきまして、およそ人口十万という基準を法律の制定当時きめておりますが、その後いろいろ地方の事情が変わってまいりまして、現在の実情におきましては、一保健所管内、人口が二、三万という小さいところから、三、四十万に及ぶ大きいところと、非常にいろいろ格差が出てまいりました。これにつきましては、今後保健所の行政をどういう形で進めていくかということで、いろいろと専門の先生方の御意見も賜わりまして、近い将来にこの辺の再編成というようなことを考えてみたいと、こういうぐあいに実はしておるところでございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 私がなぜこの話を出したかと申しますと、訴訟とか、そんな荒立てたことをしないで、民主主義なんだから、話し合いの場で解決できるという大臣のおことばが出たので、私はあえて保健所の例をいまあげたのですが、施行令においては、人口十万人に対して一カ所設置する義務がある。ところが、埼玉県上尾市の場合は、いま人口十五万です。ここはつくってくれないのですよ。どうしてつくってくれないか。十五万になっても、どうして上尾市はつくらないのか。それで、上尾市では、しようがないから、保健センターというものを市と県でつくるわけですよ。そして、この保健センターというのは、保健所の扱う許認可事務については、大宮市の出張所というかっこうになっていて、要するに、大宮の保健所に行かなければ、その許認可事務についてはできない。上尾市というのは、御存じのとおり、この間も通勤騒動があったように、わずか十年間で四・五倍も人口がふえたようなところですから、たいへんなところでございます。そこが十五万人になっても保健所がないのですよ。ないから、しようがないから、埼玉県と上尾市で金を出し合って、保健センターというものをつくってお茶を濁そうとしている。これなんか、明らかに、話し合いでやってくれれば、国が保健所をつくってくれるということになりますね。いまの議論でいけば、つくってくれますか。

山本宣正厚生省公衆衛生局地域保健課長

○山本説明員 先生御承知のように、保健所の機能と申しますのは、地域の住民に対する保健のサービスという一側面と、もう一つは、許認可、監視監督業務というのがございます。現在いろいろと医学関係のマンパワーが非常に不足しておりまして、そういった関係で、地方からの御要望が多々出ておるところがございますけれども、それに沿った線での保健所の新設がなかなかできないわけでございます。したがいまして、先ほど申し上げましたように、今後保健所の機能を有機的に働かせるという意味で、その再配置といいますか、再機能配分ということにつきましての検討をいま進めておる段階でございます。それができました暁には、機能的にも、保健サービスにつきましては、きめをこまかくし、監視監督業務につきましては、ある程度総括的にいくという形になっていくのではないだろうかということでございまして、現在、上尾につきましては、保健センターというものができておるわけでございますが、これは、むしろ、現在市町村等でやっております保健サービスの一部面を受け持っているというような形に私ども存じておるわけでございまして、必ずしも保健所の機能とは同じではない、違う形でございます。したがいまして、今後は、そういった実情を踏まえた再検討ということを早急に加えてまいりたいと、かように存じておるわけでございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 再機能配分なんて言っているけれども、これは大事なことですよ。隣の大宮市は人口幾らだと思っているのですか。三十万もこえちゃって、三十五万近くになろうとしている。もう少したったら五十万になろうとしている。お隣の上尾は、もう十五万をこえようとしている。合わせて五十万近いところに一カ所。だから、やってくれないから、困るから、保健センターを市と県がお金を出し合ってつくろうとしているのでしょう。こういうことは話し合いじゃないですか。これも訴訟にならない前にあえて言っておきたいのだけれども、十五万人いま人口があって、上尾という特殊事情があって、何で他市から保健の機能を分散させなければできないのですか。大宮市は人口三十万をこえるのですよ。そういうところと、十五万をこえようとしている上尾市と一カ所にしちゃってやろうとしている。できないから、埼玉県と上尾市で保健センターというものをつくろうとしているのでしょう。ほんとうならそんなものはつくらなくてもいいのです。これが超過負担の最も大なるものだ。超過負担も超過負担、オール超過負担です。国が、政令で、十万をこえる市町村につくってくれるといっておきながら、つくってくれないから、しようがないから、県と市で金を出し合って、あなたの言っているような許認可のできない任意のセンターをつくって、福祉を全うしようとしている。大臣、こういう政令がある。いま、話し合いの場ですから話し合いますが、これが私の話し合いです。コミュニケーションです。つくってください。

山本宣正厚生省公衆衛生局地域保健課長

○山本説明員 再度お答えいたしますが、現在私どもが検討しております問題は、住民に対する保健サービスというのは、非常にきめこまかく、かつ、数多くやったほうがよろしいと考えているわけでございますけれども、保健所のもう一つの側面であります監視監督、許認可という権限につきましては、必ずしもこまかくすることが効率的ではないということで、それらの配分ということを考えた上での再編成をしたいと、こういうぐあいに考えているわけでございます。現在、その問題を検討中でございますので、それのできました時点で、近くそういった問題について解消してまいりたい、そういった努力は続けてまいりたい、かように存じておるわけでございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 だって、法律の施行令で十万ということを定めてあるのを、それ以下で、四万か五万のところへ三十万の人口のところから再配分してくれと私は言っているのではないのですよ。十五万だ。それができないで、必要があるからセンターをつくっているんじゃないですか。どれくらいお金がかかると思っていますか。こういう県南の人口急増地帯はどんどんそういう問題が起きてきますよ。それじゃ、あなたの論法のように、埼玉県内の人口急増地帯は全部そういうやり方で今後やっていくのですね。これははっきりしておきましょう。いかがですか。そういう方法なら、それでいいです。

山本宣正厚生省公衆衛生局地域保健課長

○山本説明員 法律ができました当時の政令では、おおよそ人口十万というめどでございますが、その後、地域によりましては非常に過疎になりまして、人口が減ったところもございます。そういったところの保健所を直ちに解消するわけにもまいりませんし、一方、都市周辺におきましては人口が急増しておりますが、それに追いついていく形での保健所の整備が、人的資源等の関係で必ずしも十分いっていないという実情は、私も十分存じておるわけでございます。その辺の機能につきましての考慮を払った上での再編成を考えていったらどうかということで検討しているわけでございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 なお、そこの点ははっきりと詰めができないのですけれども、これは早急につくってもらいたいのですが、大臣、一言お願いします。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○江崎国務大臣 私は、話の筋を聞いておりまして、これはやはりつくるべきものだと思います。それからまた、厚生省側でもつくりたいと言っておるわけですね。ただ、人的に不足しておる。これは、医者をはじめ実際にそうでしょう。しかも、そこに許可権をある程度認めておりますると、やはり、そう無責任な者を回したり、あるいは保健所をかけ持ちで所長が歩くというようなずさんなことでも、これも通りますまい。そういう点から考えますると、医師不足の問題も出てまいりましょうし、いろいろな社会的なひずみの問題にまでこれが及んでいくわけでありまするが、これは、私ども、今後も、あなたの御趣旨に沿うべく、協力しまして、厚生省側とよく話し合ってまいりたいと思います。そして、いま言われましたように、過疎地帯の保健所を、人口が少なくなったからといって、にわかになくするわけにもいかない。これはわかりますな。きょう、いきなりこれを見直すということを言ったら、これまた大騒動が起こるでしょう。そういうあたりにむずかしいところもありますから、ひとつ、お互いに話し合いをしながら、告訴などということにせず、地方自治体というものは、話し合いで事を進めていくというのが、良識ある地方自治体の責任者の態度のように私は考えます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 論旨はよくわかりますが、そういうふうに話をすりかえられたようになっちゃったのですが、でも、上尾の場合はつくるべきであるというおことばをいまいただきましたから、私はよく理解いたしますが、ほかの摂津市の場合等もこれと一緒に考えてもらっちゃ困りますからね。あなたは、いま言ったように、告訴なんてしないでと言いますが、告訴するには告訴するだけのやむにやまれないものがあるわけです。それは、確かに、市町村団体が話し合いでいくのが一番ベターでしょう。だけれども、話し合いに応じられない、県の段階で押えられてしまうということは、いろいろな面で、手も足もすべて縛ってしまって走れと言うようなものです。逆に国が市町村の立場になって、市町村が国の立場になったらどうするか。さっきから私が言っているように、保育所の設置の義務は国にあるのだ。その国が県に機関委任をして、さらに市町村の要求と——そこのところが、さっきからの議論ではさっぱり明快にならない。はっきりしない議論になったから私はあえて言うのですが、最終の責任は国にあるのでしょう。そこだけ大臣から一言言ってください。——大臣から先にちょっと言ってください。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○翁政府委員 確かに、保育所につきましては、人口急増地域における保育に欠ける児童が急速にふえていることは御指摘のとおりでございます。したがって、それについての保育の措置をされる市町村長が、保育所の入所に関する措置権者として、どうしても保育所が必要であると考えることもまた事実でございます。それについて、従来、国の総体的な考え方がいささか普遍的であるために、人口急増地域に対する施策がおくれておったことも事実だろうと思います。  御指摘のように、摂津市を例にとりますと、問題になりました年次における保育所は四カ所でございます。国が補助いたしましたのは二カ所でございます。しかも、その二カ所には、定額打ち切りという措置でございます。したがって、摂津市が現実に負担した額と、国が法律によって負担した額との差額が非常に多額にわたることも事実でございます。したがって、そういった点について国が改善を試み、改善をしなければならないということで、先ほど来るる申し上げましたように改善をしておるわけでございまして、特に、最近のように、人口流動が早く、保育を要する児童もふえておる現状におきましては、国の果たさなければならない仕事というものはますますふえるであろうし、また、それに応じてわれわれも努力しなければならない。これははっきり申し上げられると思います。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○江崎国務大臣 ただいま答えたとおりでありまして、国として責任があることは認めざるを得ないと思います。しかし、御承知のように、いま、人口急増地域では、義務教育の学校をつくるのにも実際たいへんな場面なんですね。そこで、不行き届きの点もあると思います。その間を、中央、地方が話し合いをしながら、お互いに苦しいところを察し合いながらやっておるというのが実情ですが、それが理想的な姿だとは私もゆめゆめ思いません。超過負担などがあっちゃならぬのです。あっちゃならぬのだから、私どもも、及ばずながら、いま、全力をあげてこの解消に努力をしておるのです。まだ告訴をされないで、黙って、苦しい思いで住民説得をしておられる地方公共団体の長のことを思うと、一そうこの超過負担を解消しなければならぬという熱意を持つわけであります。まあ、大いに努力をいたします。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 時間がありませんから、私もそれ以上追及したいんですが、できませんが、たとえば保育所の面積ですね。園児一人当たりの面積は、これは草加を視察してよくわかったんですが、五平方メートルですね。ところが、四・四平方メートルに狭めてつくっても、なおかつ八五%の市の建設負担費なんです。国は一五%しか出さない。ところが、刑務所の凶悪犯を入れている独房の面積は、大臣、幾らあるか御存じですか。——これはわからないでしょうから、私のほうから申し上げますが、五・九四平方メートルです。独房というのは、人を殺したりして、死刑になるような凶悪中の凶悪犯を入れるところで、大ぜいでは入れられなくて一人だけ入れる。刑の決定したそういった人たちの独房の面積が、一人当たり五・九四平方メートルで建設単価をはじき出している。ところが、園児のほうは一人当たり五平方メートルで、これではとてもたいへんである。そして、これが超過負担になっているところが二通りある。一つは、五平方メートルでは、子供たちが飛びはねたりするのであぶなくて、しょうがない、とてもそんな小さいものはできないといって、六平方メートルから六・三平方メートルのもの、あるいは五・九平方メートルのもの、こういう種類の保育所をつくっている。そういうところはオーバーな超過負担である。ところが、草加の場合は、五平方メートルでつくっても超過負担することがわかるから、逆に、全部四・四平方メートルに下げてつくった。これでは園児の健康や保育にはたして妥当なのかどうかということもあるが、とにかく小面積でつくって、それでも、なおかつ市の負担が八五%だという。この辺の実態を私も視察してよくわかったんですが、私は刑務所の一例を引いたんですが、改善しなければならぬ点が多々ある。まず、一人当たりの面積の五平方メートルにさえ問題がある。片方はおとなだと言うでしょうけれども、片方は育ち盛りの、これからの未来をしょって立つ幼児であります。大臣、そういう点をお考えになって、一言お願いしたいのであります。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○江崎国務大臣 保育所の場合は全く極端な例があるということは、私も十分承知いたしております。かつて、義務教育の子供たちがすし詰め教室で、それこそ、いま御指摘のように、独房以下の扱いであった時期も実際ございました。かれこれ考えますと、改めていかなければならない施設が幾らもあるわけですね。御指摘の点は十分心得まして、将来にかけて努力をし、配慮をしたいと考えます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 時間が参りましたからこれで打ち切りますが、もっとたくさん聞きたいことがありますが、できません。いま一例をあげたように、超過負担の問題が、園児の健康とか育児にさえ問題が出てきているということを指摘しておきます。  最後に一点だけ、無認可の保育所のことですが、きょうの新聞によりますと、これに対して来年度は援助をしていく、無認可を訂正して認可をするということでございますが、無認可保育所についてのお考えを一言お聞きして、終わらしていただきます。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○翁政府委員 御指摘の点でございますけれども、保育所に措置を要する保育児童につきましては、その保育所が、規模といい、内容といい、それから、そこに働く保母さんが、それぞれ環境上過不足のない状態であることが望ましいのでございます。したがって、現在ある定数以上、ある規模以上、それから、そこに働く保母さんもある一定の基準以上をもって保育所を認可しているのは御指摘のとおりでございます。来年、まだ何もきまっておらないのでございますけれども、一つの考え方といたしまして、人口急増地域等におきまして非常に市町村が苦労されて、そして、民間の保育室を委託しておられ、あるいは別にごく小規模の保育所で児童を保育している例がございますので、先ほど申し上げましたように、そういった中で児童が、保育上、環境上完全に守られ、あるいはそこに働く保母さん等が適切な環境において行なえるという見通しがつくならば、それを家庭保育室として援助をいたしてまいったらどうだろうかと考えておりますが、しかし、これは、先ほど来申し上げておりますように、しかるべき保育所が整備されていくことがあくまでも大前提でございまして、それの過渡的な段階として考えていったらどうだろうかということで検討している段階でございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 終わります。

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 折小野良一君。

折小野良一民社党

○折小野委員 超過負担の問題について御質問を申し上げますが、時間もあまりございません。そういう関係で、当面問題になっております摂津市の保育所の問題、これを一つの例として御質問を申し上げたいと思うのでございますが、これまでにもいろいろ質問がありましたので、私なりの立場で、できるだけまとめて御質問を申し上げたいと思います。  摂津市の保育所につきましては、その建設並びに管理運営に要する経費は、相当程度の超過負担がある。これを国に対して支払えということ、端的に言えばそういう意見書であります。これに対して「内閣の意見」というのがついておりますが、この「内閣の意見」の前のほうは、こういう問題について内閣でいろいろと措置をとっておるという経過が書かれておるわけでございます。その結論は、4に掲げられておるこの一文だというふうに考えます。この「内閣の意見」の結論にこういうことがございます。「市町村の国庫負担金の交付申請に基づき、その申請どおり国庫負担金の交付決定をしたものであるので、」というふうにまずございますが、確かに、形はそのとおりだというふうに考えます。これを「内閣の意見」として、摂津市から出た意見書に対する回答としてここに掲げられたのは、それだから、この最後に「完了している」というふうに結んでおられるのだというふうに考えるわけであります。   〔委員長退席、中村(弘)委員長代理着席〕 これは、その申請どおりに交付決定したというふうにございますが、事実は、申請者である市町村の意向にほんとうに全部沿っておるか、あるいは国、申請者の、お互いのほんとうの意味の意思決定のもとでその申請どおりに行なわれておるものなのかということです。私は、実情からいたしますと、これはつくられた申請であるというふうに考えますが、いかがでしょうか。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○翁政府委員 ただいま御指摘の第四番目についてですが、この意見書の中に、終わりのほうに、「国は、本来国が負担すべき費用を市が肩代わりすることを余儀なくされているという実情を十分認識し、少なくとも法律の趣旨にそい、」「法律に規定された負担割合に相当する額については、国が負担すべきものと考える。」という意見がございまして、それに対して閣議決定でおきめいただいた中身は、先ほど来申し上げておりますように、四十四年、四十五年当時における国の負担についての手続が、前年度、設置主体市町村の申請をいただきまして、予算がきまった段階におきまして、当該年度における施設整備についての単価を——当時は定額でございますけれども、定額を都道府県を通じてお示しをいたしまして、それに基づいて設置される保育所のどことどこにどれだけの単価で負担をしたい、それについて、都道府県を通じ、市町村が応諾された内容に基づいて市町村から申請がされる、そういうことについて意見書で書いてあるのでございまして、したがいまして、当該年度においてはそういう手続をもって完了したものと考える、こういうように記載しているのでございます。

折小野良一民社党

○折小野委員 表向きは確かにおっしゃるとおりであります。そういうような形になっておるわけでございます。しかし、市町村がそういう申請をし、そして、その申請に基づいて交付決定を受ける。それにつきましては、必ずしも納得しているとかいうのではないわけで、それでこの摂津市のような問題が出てくるわけですね。表面こういう問題は出てこなかったにいたしましても、やはり、市町村としては大きな不満を持っておる。これは、摂津市だけではない。ほとんどすべての市町村がそういう不満を持っておるのだと思います。ですから、ここにこういうことが書いてあるということは、表向きはそのとおりではございますが、摂津市のこの意見書に対して、おまえたちはあのときにそれで納得したじゃないか、定額補助の百万で了解したじゃないか、だから、いまさらそういう文句を言うなと、こういう考え方が裏にあってこういう文言がここに出ているのでしょう。そうじゃありませんか。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○翁政府委員 先ほども申し上げましたように、実際にたいへんな価額をかけて保育所を設置されております。また、当時の国の負担額が少額であったことも事実でございます。したがって、保育に欠ける児童を措置するために保育所を設置する市町村としては、たいへんな財政上の困難あるいは苦労を通してやっておられることは十分承知しております。したがって、そういった点の事実を曲げて申し上げておるのではなくて、先ほども申し上げましたように、当該年度における手続としては完了しているものと考えます。しかし、政府といたしましては、保育所あるいは超過負担一般にかかわる問題といたしまして、今後とも格段の努力を続けてまいりたい。特に、保育所につきましては、その後毎年改善を試み、また、本年も、先ほども申し上げましたように、単価あるいは規模等も含めたものでも格段の負担をするというように改めているのが実情でございます。

折小野良一民社党

○折小野委員 ここでは、表向きはそういうふうにおっしゃいます。私が申し上げたような、そういうことはないというふうにおっしゃるわけなんです。しかし、実情は、具体的な市町村との取り扱いの段階においては、そうしなければやらぬぞ、文句言うなら補助金もやらぬぞ、負担もせぬぞというふうにおっしゃりたいわけなんです。私はそういうふうに考えます。ですから、こういう点については、いまおっしゃるように、市町村が多額な経費をかけて、そして住民の要求にこたえてくれていると、ほんとうにこういうふうに考えておられるならば、やはり、こういうことばはここに出てくるはずはないのです。私はそう思う。口でおっしゃるよりか、実行の面において、もっともっと補助金をふやすなり、あるいは負担の比率を高めるなり、そういう面の努力を——今日までそれがなされていないとは私は申しませんが、もっともっと一生懸命になされるはずだというふうに考えます。こういう点につきましては、実際の行政の運営について十分気をつけていただきたいと私どもは考えます。  これに多少関連いたしますが、普通公共事業をやってまいります場合に、補助金がつきますと、それに関連して起債の認可が、これは自治省のほうでなされます。そういう場合にも、補助金がついておると起債を認可する、補助金がつかぬものには起債はつけてやらぬ、と、こういうような指導がなされておる。これは全部じゃないかもしれませんが、私はそう思いますが、いかがでしょうか。

松浦功自治省財政局長

○松浦政府委員 補助金がつくものにつきましては、国の立場から考えましても、比較的重要度の高いものという判断が一般的には可能であろうかと思います。そういうものについては、できるだけ起債を認可するという気持ちはございますけれども、補助金がついておらないから起債は全然認めないのだという考えはございません。

折小野良一民社党

○折小野委員 それでは、この摂津市の場合、たしか、具体的に、補助金がついて保育所が建設されたところと、補助金がつかないで建設されておるところとございますが、起債の認証につきましては同じに扱っておられるわけですか。

松浦功自治省財政局長

○松浦政府委員 その点については、後ほど調査をいたしまして、調べた上で御回答申し上げるということでお許しを願いたいと思います。現在、はっきりと私は記憶をいたしておりません。

折小野良一民社党

○折小野委員 ところで、この結論によりますと、「各年度において所定の手続を経ており、完了しているものと考える。」という結論になっております。この結論は、摂津市のこの意見書に対する答えだというふうに考えるわけなのですが、摂津市の意見書は、これこれの超過負担があるから、これを国のほうで負担すべきである、負担してくれというのが摂津市の意見書の結論です。国に対して、超過負担分を出してくれというのが意見だと思うのですが、それに対する返事として、いろいろな手続を経ており、そして完了をしておるというふうにお答えになっておることは、端的にはどういうことなのですか。負担をしないということですか。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○翁政府委員 お示しのとおりでございまして、過去にさかのぼった負担をするという考えはないということをこういう表現で言っておるわけでございます。

折小野良一民社党

○折小野委員 といたしますと、今日まで厚生省がとってこられました負担についての取り扱い、これは正しかった、適法であった、こういうふうにお考えになっておるわけですか。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○翁政府委員 当、不当の問題はあるかと思いますけれども、法律上は、法律の範囲内でやってきたもの、こういうふうに考えております。

折小野良一民社党

○折小野委員 摂津市の意見書によりますと、いろいろ書いてございますけれども、結局、法律に照らして考えると、これは不当である、それがすなわち超過負担である、だからこれを負担してくれということ、これが意見の趣旨だと思います。といたしますと、結局、国のほうといたしましては負担をしないという返事でございますから、法律に沿ってやったのだというふうにおっしゃるわけですね。先ほど来の質問の中でもそれは出ました。特に、そういう面につきましては、摂津市の意見書にもいろいろ書いてございますが、法律によりましても、市町村が支弁した費用から収入を控除した精算額を基礎にして、建設の場合には二分の一、管理運営の経費については十分の八と、こういうような表現がはっきり書かれておるわけですが、それに対しまして、過去におきまして、いわゆる定額補助あるいは打ち切り補助と申しますか、そういうような形で出されておる。これが法律に沿ったものだ、あるいは適法な行政執行だというふうにお考えになっておるわけですか。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○翁政府委員 例を摂津市の場合で申し上げますと、施設の整備につきまして二分の一、これについては、先ほど来申し上げておりますように、予算のきまった段階におきまして、数多い設置の要望、それからまた、他の社会福祉施設の設置をしなければならない数多い施設、こういったものの中から、この期の中におきまして適切な児童福祉を行なっていくために、それぞれ価格をきめまして、そして、それをもとにいたしまして負担をしておるのでございます。運営費につきましては、保育所に措置されている児童につきまして、これも、措置基準をもちまして保母さんの給与あるいはその他生活諸費といったものの基準をきめまして、それの十分の八ということで、これを各年度ごとに負担をしておるということでございます。そういった面につきましては、必ずしも違法とは考えておらないということでございます。

折小野良一民社党

○折小野委員 それは先ほどもお伺いをいたしました。実際、運営上はそういうことでやっておられることは私も認めます。しかし、それは、法律で規定いたしておりますところの、市町村が支弁した費用から収入を控除した精算額を基準にして一定の比率で負担をするという、こういう法の規定に合致しておりますかどうかということです。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○翁政府委員 いまお示しの当該規定は、設置をされた対象についての規定であろうかと思います。児童福祉法では、先ほども申し上げましたように、市町村長が都道府県知事の認可を受けて児童福祉施設を、特にこの場合は保育所でございますけれども、設置することができるということで設置をされておるわけでございますが、その設置をされた施設すべてについて負担するとは法律上解しておらないわけでございます。したがいまして、その意味におきまして、過去においては定額、あるいは今年からはだいぶ改善いたしましたけれども、その範囲内におきまして施設整備費の負担をするということを行なってきた次第でございます。

折小野良一民社党

○折小野委員 それはわかるのですよ。ですから、過去において定額補助をされてきたし、また、最近は、一定の基準単価というものをきめて、いろいろなやり方をやって補助金を交付しておられるわけです。負担金を設定しておられる。しかし、それは法律の趣旨に合致しておりますか、適法でございますかということなんです。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○翁政府委員 この問題は別途補助の問題にもなっておりますので、あるいはそちらのほうの判断もあろうかと思いますけれども、政府といたしましては、従来やってまいりましたことは児童福祉法の範囲内でやってきたもの、こういうように考えておるわけでございます。

折小野良一民社党

○折小野委員 やってこられたことはわかるのですよ。そして、おそらくは、法に違反してまでもこういう措置をやろうというような意図でやってこられたものではないということは私も考えております。しかし、結果的に見まして、そういうやり方がこの法律に照らして正しいやり方であったかどうかということは一つの問題だと思いますし、おそらく、裁判上もこういう点がいろいろ問題になろうかと思うのです。しかし、この意見書に対する内閣の意見、この範囲でいろいろと論議をいたしましても、私どもとしましては、この法の趣旨から言って正しくない、この措置は適法ではないというふうに考えている。これは、あくまでも、予算を基礎にした行政執行上の便法でそういうような措置を講じてこられたわけなんで、この場合については、法律の趣旨からいきますと、いままでのやり方は決して正しくなかったと私は考えます。その一つの例といたしまして、「市町村が支弁した費用から収入を控除した精算額」ということで、この精算額という問題が一つございますでしょう。いまのやり方は精算額じゃありませんですね。ということは、法の趣旨に合致していない。幾らおっしゃったって、これは合致していないはずなんです。  それから、支弁した費用から収入を控除した額、これを対象にしてということなんですが、それと定額のこの金額との間は非常に大きく開いております。また、基準単価にいたしましても非常に大きく開いておるはずでございます。この建設の基準単価等につきましては、やはり、これは、必要でかつ十分な金額ということが一応の基準になければならないわけでございますので、そういう点からいたしますと、個々にはいろいろございますでしょうが、非常に大きな開きがあるということになってまいりますと、法がこういうふうな規定をいたしまして、一定の負担を国に義務づけておるこの趣旨から言って、これまでの取り扱いは間違っておったと私は思う。したがって、そこからいわゆる超過負担というものが出てきたわけでございますので、それが善意か悪意かを問わず、出てきた結果につきましては、厚生省としては何らか考えなければならぬ。私は、その全部が厚生省が負担すべきものだというふうには必ずしも考えませんが、しかし、この趣旨からいきまして、それに該当する部分については当然考うべきことであって、完了しておるというふうに突っ放すべき筋合いのものではないんじゃないかというふうに考えております。  ところで、こういう回答が出されたわけでございますが、この回答の内容につきまして、厚生省といたしましては、保育所の建設について超過負担がないというふうに端的にお考えになっておるわけですか。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○翁政府委員 そのようには考えておりません。特に、最近は、物価の上昇あるいは建築資材の上昇等によりまして、国がきめた基準をオーバーして負担せざるを得ないというのが実情ではないかというように考えております。

折小野良一民社党

○折小野委員 そういうふうにお答えになることは、この回答の文面からいたしますと非常に矛盾しておるように考えます。いわゆる超過負担があるというふうにお考えになるのでしたら、これは、やはり、完了しておるというふうにはっきりと突っ放すわけにはいかないのじゃなかろうかというふうに考えます。ですから、厚生省のお立場としましては、苦しいところでもいろいろとやってきておるのだということをおっしゃりたいわけでしょうし、過去のそういうことをほじくってくれるなというふうにおっしゃりたいわけだろうと思うのですけれども、しかしながら、この問題について、現実にもう超過負担があるのだということになりますならば、どんな形にせよ、何らかこれに対する対策というものが講ぜられなければおかしいのだと思います。そして、また、過去におきましてもいろいろと検討もされ、調査もされて、これに対する対策を講じようとしておられるということは、いわゆる完了したということではないということをみずからの行動によって証明をしておられるということなのじゃございませんか。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○翁政府委員 先ほども申し上げましたように、この意見書におきまして第四番で、手続として、当該年度ごとに終わっておりますということを言っているのでございます。そうすると、その超過負担の事実につきましては、超過負担一般の問題といたしまして、保育所に限らず——先ほど来るる御質問あるいは答弁がございましたように、超過負担一般の問題としては、これは事実としてあるというように申し上げておるのでございます。

折小野良一民社党

○折小野委員 超過負担があるということは、本来国のほうでもっと十分な負担をすべきであった、それが本来であったということなんでしょう。ですから、そこに超過負担が現実に出てきておる、だからこれを何とかしなければならないということになってくるのじゃありませんか。ですから、この摂津市の意見書に対する返答としての、「完了している」という意見の書き方というものは、どうも私はよく納得がいかぬのですが、それはいろいろと論議もございましょうし、今後の問題にもかかわってまいっておりますので、これは一応それくらいにいたしておきます。  いずれにいたしましても、今日までにも多くの超過負担がございまして、それが市町村の財政に大きな影響を与えてきた。そして、でき得べくんば、過去の超過負担分についてもいろいろな方策を講じて、その解消をはかってもらいたい、そして、また、将来にわたりましては、特に各方面に非常に大きな問題が今日出ておりますので、超過負担が出てこないようにということで十分配慮をしなければならない、こういうような事態にあるわけでございます。その過去の問題につきましては、いまこれで一応打ち切るといたしまして、特に本年度、これはもう申し上げるまでもございませんが、多くの超過負担が事実上出てこようといたしておるわけでございます。こういうような情勢の中におきまして、地方団体からも、これに対するいろいろな対策の要望というものが非常に強く出てまいっておりますし、また、現に、すでに、それをやらなければ行政運営が非常に大きな壁にぶつかろうといたしておる状況でございます。こういう中におきまして、先日も私はこの点の御質問をいたしましたが、その際に、実勢単価で考慮する、あるいは今後の基準単価の改定を考慮する、あるいは予算の補正の検討をするというようなことをおっしゃっておられます。そういうようないろいろな方法を考慮していただかなければならない実態もあるわけでございますが、それからもう相当時日もたっておりますし、地方の実態というものも、自治省としても十分把握をしておいでのことだというふうに考えます現段階におきまして、具体的にどういう方策をとろうとしておられますのか、その点をお伺いいたします。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○江崎国務大臣 御質問の点は非常に重要な問題でありまして、私どもも苦慮をいたしておるわけであります。  そこで、現在までのところは、御承知のように、総需要を押える、そして景気の過熱を押えるということで、八月三十一日の閣議におきましても、八%ないし四%の公共事業を中心にした事業量の繰り延べというような挙に出たわけであります。そういう場面から考えますると、補正予算で単価の値上がり分を見るということは、事業繰り延べとちょっと矛盾をする形になってまいりますね。従来までは、単価の上がった分はその事業量において圧縮をして、割り当て金額とつじつまを合わせた形で進められてきておるわけであります。学校その他、どうしても圧縮できないものについては、単価の見直しをしてここへ来ておるわけでありまするが、いずれにいたしましても、どうしてもやらなければならぬもの、そして、実勢単価が相当上昇したもの、これらについては、補正予算を組まない場合には、四十九年度においてしかるべく国が責任をもって措置する、こういうことで解決をはかっていきたいと考えております。

折小野良一民社党

○折小野委員 時間もございませんのでこれ以上申し上げませんが、今日までの過程におきましていろいろ苦慮しておいでになるということは、私どもも敬意を表します。しかし、現実の地方団体といたしましては、ただ単に苦慮しておるだけでは事は済まないのでして、現実に何とか処理をやっていかなければならない。これに対しましての国のほうの対策を非常に大きく期待をいたしておるわけでございます。したがって、現在の実情に合わせた具体的な対策をできるだけ早く立てていただきまして、現在の地方自治の進行がとまらないように、いろいろと支障を来たさないように、十分な御配慮をお願いいたしまして、質問を終わります。

中村弘海自由民主党

○中村(弘)委員長代理 次回は、来たる二十五日火曜日、午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後一時五十分散会      ————◇—————

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