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71回国会衆議院1973/08/24

地方行政委員会 第48号

発言数
5
登壇者
3
会派数
1
開催日
1973/08/24

会議録

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 これより会議を開きます。  警察及び消防に関する件について調査を進めます。  この際、去る八日に起きた金大中事件及び去る七月二十日に起きた日航機乗っ取り爆破事件及び住友化学火災等について、警察庁及び消防庁からそれぞれ報告を求めます。高橋警察庁長官。

高橋幹夫警察庁長官

○高橋(幹)政府委員 それでは、七月二十日の日航機乗っ取り爆破事件、次いで、金大中事件について報告を申し上げます。  事件の概要につきましては、七月二十日午後十一時五十五分ごろ、パリ発東京行日本航空北回り四〇四便(乗客百二十三人、乗務員二十二人)が、アムステルダム(オランダ)のスキポール空港を離陸後、「被占領地域のむすこたち」と称する日本人一人を含む五人のゲリラ(うち女性一人は爆死)に乗っ取られたわけでございます。  機は、その後、犯人の指示により、七月二十一日午前七時四十五分ごろ、アラブ首長国連邦のドバイ空港に着陸、同国のラシド国防長官のたび重なる説得、及び現地入りした佐藤運輸政務次官、日航朝田社長らの真摯な説得申し入れにもかかわらず、わずかに日航塔乗員の宮下チーフパーサー及び乗客二名をおろしたのみで給油させ、同空港に六十九時間二十分駐機の後、七月二十四日午前五時五分、西方に進路をとり、離陸した。その後、同機は、ダマスカス空港(シリア)に給油のため一時着陸、再び西方に向けて飛行を続け、同日午後三時三分、ベンガジ空港(リビア)に着陸、乗客、乗務員全員を降機させた後、午後三時十一分、同機を爆破したのでございます。  警察措置といたしましては、本件事案を認知した警察庁では、七月二十一日午前二時三十分、警備局中島参事官を長とした日航機乗っ取り事件対策室を設置して国内外の対策に当たることとし、全国都道府県警察に対し、同種事案の未然防止と被害機の着陸に備えての空港警備の強化、及び報復攻撃等が予想される外国公館その他の重要防護対象の警備強化を指示するとともに、日航対策室、外務省、運輸省の各対策室にそれぞれ係官を派遣して連絡調整に当たらせたほか、現地に——これはアラブ首長国連邦及びリビアでございますが、現地に、警備局石崎調査課長を派遣し、さらに、外務省に対し、イタリア大使館勤務の森田一等書記官を——これは警察庁出向でございますが、現地に派遣するように申し入れ、乗客、乗務員の救出等に当たらせたのであります。  捜査の状況でございますが、本件は国外において発生した事件ではありますが、刑法第一条第二項及び航空機の強取等の処罰に関する法律第五条の規定により、わが国にも裁判権があるところから、事件発生と同時に捜査を開始し、七月二十一日、ICPOを通じてアラブ首長国連邦に捜査協力を申し入れるとともに、日本航空対策本部から乗客名簿を入手して捜査を進めたところ、人物が特定されない外人客四人と日本人客一人が犯人と見られるに至っだのであります。  このため、犯人と見られる日本人の身元割り出しについて、乗客、乗務員の協力を得て、写真、面割り、旅券や宿泊カードの調査、極左関係の海外渡航者や所在不明者に対する追跡捜査を行なったのであります。  一方、八月八日、リビア警察からICPOを通じて犯人の自供内容等の一部についての通報があり、それらを総合すると、丸岡修が日本人犯人である容疑がきわめて濃くなった。この丸岡修は、昭和四十五年、浪人ベ平連に所属して主として関西方面で活動していたが、テルアビブ事件で死亡した奥平の友人らにオルグされて、四十七年四月出国、テルアビブ事件の犯人らとアラブ・ゲリラの訓練所で軍事訓練を受けた後に所在不明となっていたものでありますが、昨年九月八日、テルアビブ事件の殺人共犯で指名手配中であったのであります。  このため、国内極左組織との連帯状況、犯行計画などを解明するため、丸岡修の実家やアラブ・ゲリラとの連帯を主張している赤軍派幹部宅など、十二カ所を捜索するなど、目下捜査を推進中であります。  また、今回の事件に関連をして、七月二十三日午前十一時ごろ「身のしろ金約四十億円の支払いと勾留中の赤軍派二人を釈放しなければ日航機を爆破する」旨の脅迫状が日航東京支店に郵送されたため、その捜査も推進中であります。これに関して、赤軍派元中央委員で、アラブ・ゲリラに身を寄せていると見られる重信房子や、赤軍派と関係のある映画監督らが、ヨーロッパにおいて、脅迫状は二十一日午前九時半ごろ、日航丸ノ内オフィスに直接持ち込んだことなどを語っているが、それについて捜査した結果、全くそのような事実はないことが確認をされているのであります。  これまでの捜査結果では、脅迫状には七月二十一日と七月二十二日の二種類の消し印があるところから、二十日午後八時から二十一日午前十時三十分までに投函されたものが外国郵便と間違えられ、一たん羽田空港局に回され、再度東京中央郵便局に返送され、二十二日が日曜で休配日であったこともあって、二十三日午前に配達されたことが判明したのであります。  なお、犯人の措置については、警察庁、法務省、外務省の三者で協議の結果、リビア政府に対して、いわゆる東京条約第十三条に基づいて、犯人に対する調査結果の通報方を要請するとともに、わが国にも裁判権があるとの基本的立場に立って、リビア政府の措置を待ってわが国の措置を考慮したい旨の申し入れを行なったのであります。  今後の対策といたしまして、警察庁では、八月一日、全国警察に対し、空港警戒体制の強化及び極左暴力集団に対する情報活動と捜査取り締まりの強化徹底を指示し、全国警察一体となってこの種事件の再発防止につとめているところであります。特に、アラブ・ゲリラとの連帯活動に当たる組織や個人の解明、関係人物の海外渡航の早期把握と視察取り締まりの徹底、すでに犯罪を敢行した関係者に対する捜査の推進などをはかっているのであります。また、外務省や法務省などの関係機関及びICPOなどの国際関係機関との連絡を密にし、関係情報の入手や不審人物の発見につとめているのであります。同時に、ハイジャック事件の未然防止のため、八月一日、総理府に設置されたハイジャック等防止対策連絡会議等において、ハイジャック事件防止のきめ手である武器の機内持ち込みの防止のため行なう手荷物検査の徹底について、エックス線透視検査装置及び高性能の新型金属探知器を少なくともジェット機運航空港に、十六空港ありますが、早急に整備するよう提案し、さらに、空港諸施設における監視、警備体制の強化、危険人物の出国の抑制など、運輸省、外務省・法務省その他の関係機関や航空会社等と、関連のある対策について鋭意検討を進めているところであります。  なお、これらの諸対策については、本日午後、ハイジャック等防止対策連絡会議が総理府において開催をされ、ハイジャック等防止対策について詳細検討される予定になっております。  以上が、日航機乗っ取り爆破事件についての概要でございます。  次に、金大中事件について申し上げます。  事案の概要でございますが、八月八日午後一時三十分ごろ、東京都千代田区のホテル・グランドパレスで、来日中の韓国の元新民党国会議員金大中氏、四十七歳が、五人連れと思われる者に拉致されるという事件が発生したのであります。  金大中氏は、同日午前十一時ごろ、タクシーで、ホテル・グランドパレスに宿泊中の韓国民主統一党党首梁一東氏、六十歳、を訪れ、同氏の部屋である二二一二号室において、梁氏から、民主統一党国会議員金敬仁氏、五十歳、を紹介され、三人で食事をしながら政治談議をしていたが、金大中氏は、午後一時三十分ごろ、帰るために金敬仁氏とともに廊下に出たところ、やにわに近くの部屋から五人連れと思われる男が飛び出してきて、金大中氏を、梁氏の使用している部屋の隣の部屋の二二一〇号室に押し込め、金敬仁氏を、梁氏の部屋二二一二号室に押し戻したのであります。  その後の犯行の経緯については、金大中氏の供述があるのみであるが、それによると、同氏は、エレベーターでホテル地下駐車場におろされ、車で大阪と思われる場所まで運ばれ、船で韓国のある港まで移送され、そこから車でソウルまで運ばれて、十三日の午後十時十分ごろ、自宅から四十メートルのところで解放されたというのであります。  事件の認知と初動捜査の問題でありますが、事件の発生について、警察庁では、発生後約四十五分経過した午後二時十四分、自民党の宇都宮徳馬氏から通報を受け、直ちに係官が現場に急行し、金大中氏の発見救出を第一義とした捜査を開始したのであります。事件発生の二〇番通報は、午後二時四十一分に趙活俊氏からなされておりますが、警察庁ではその前に所要の措置をとっており、係官は午後二時四十五分には現場に到着、手配のポイントである東京空港、東京湾などを管轄する警察署に対しては、午後二時五十五分に手配を完了していたのであります。また、午後三時十五分には警察庁全管下に緊急配備を発令、また、警察庁においても、警察庁の手配に合わせて、午後三時四十分、全国警察に対し、各空港、各港及びそれに通ずる主要道路につき検問、警戒を実施することを指示したほか、八月十日午後八時には、全国のホテル宿泊客のチェックを指示して、金大中氏の発見、救出につとめたが、何せ、関係者からの事情聴取に手間どった上、目撃者の少ない事件で、手配の内容が抽象的なものにとどまっていたため——たとえば犯人の使用車両については、車種、形、台数などが不明で、ついに手配できなかったのでありまして、効果的なチェックをすることができず、ついに、当庁の存知せぬ間に、残念ながら、金大中氏が国外に移送されたのであります。まことに残念なことであると思うのであります。  一方、警視庁では、犯行現場と思われる二二一〇号室を中心に現場鑑識活動を行ない、犯人が遺留したと思われる実弾七発入りのドイツ製自動挙銃の弾倉一個、リュックサック三個、約三分の一液体が入ったグロモントびん一本、血痕付着のちり紙若干、パイプ一本、たばこの吸いがら数十本などを押収し、同時に、現場周辺の聞き込み活動を行ない、これまでに、各種の情報、資料を収集しておったのであります。  また、警視庁では、できるだけ短時間に金大中氏の発見、救出を目ざして諸活動を集中したのでありますが、それが早急には困難と判断されたので、現場に立ち返った捜査を組織的に推進するため、九日午後七時に、事件発生地管轄の麹町署に金大中氏逮捕監禁特別捜査本部を設置し、今日まで、同本部が中心となり、捜査を行なっている次第であります。  これまでの捜査結果及び現在推進中の捜査事項でおもなものをあげると次のとおりであります。  現場の遺留品関係は、リュックサックについては、捜査の結果、事件の二日前の八月六日午後一時十五分ごろ、ホテル・グランドパレスの近くにある登山用具専門店で、犯人の一味と思われる二人の男が買い取っている事実が判明したのであります。グロモントびんの中にはフェノバルビダールという睡眠薬が入っていたが、このグロモントのびんは、本年四月以降、仙台、山形を中心として市販されたものと判明したので、犯人とそれらの地域の関連性につき、捜査中であります。  ホテル側からの事情聴取の結果、二二一〇号室には、事件の二日前の八月六日午後六時四十五分ごろから、福岡市内の畑中金次郎なる年齢五十歳ぐらいの男が宿泊しており、この男と事件の関連性はきわめて高いものがあるので、この畑中なる人物の割り出しに全力をあげておるのであります。  金大中氏の連れ去られた車はホテル地下駐車場から出た可能性が強いので、犯行時刻に近接して同駐車場に出入りした車両三十台を抽出捜査しておりますが、これまでのところ、十五台までは事件と無関係と判明、残りについて捜査中であります。  金大中氏を移送した船舶については、全国百十九の港から、八日午後零時から九日午後十二時までの三十六時間に韓国向け出航した三十五隻に関し捜査中であります。現在まで、幾らか不審な船舶も発見されておりますが、確実な線まで至っておらないのであります。  なお、大阪等におけるいわゆる亀田情報なるものについては、警察庁並びに大阪警察本部におきましても鋭意捜査をいたしましたが、その結果が得られなかったのでありますが、それらの情報源については、残念ながら、私どもはわからなかったわけであります。  なお、平素の沿岸警戒等については、特段のことは申し上げません。  次に、事件の背景と今後の捜査方針でありますが、今回の事件は、複雑な韓国の政治情勢を背景にした、政治的色彩のきわめて強い事件と判断をしているのであります。それだけに、これまでに当庁及び特捜木部にはさまざまの情報が寄せられており、犯人像についても、さまざまのニュアンスの情報があるのであります。しかし、警察当局としては、事件の政治的色彩が強ければ強いだけ、推測を排し、事実を積み重ねて、客観的に事案の真相を解明する努力をすることが肝要であると思われるのであります。そのような基本方針に基づいて、今後も鋭意捜査をいたしてまいる所存であります。  韓国への捜査協力要請の問題でありますが、現場を中心とした捜査の概略は以上のとおりでありますが、現段階で捜査の焦眉となっているのは、何といっても、被害者である金大中氏、目撃者である梁一東、金敬仁両氏からの事情聴取でございます。  特捜本部では、この三人の方からは全然事情を聞いていないのでありますが、あるいはまた、きわめて不十分な点しか事情を聞いておりませんので、これまでの捜査結果とあわせて、十分に事情を聞くことが、事案の真相解明上不可欠のことと思われるのであります。  当庁では、つとに、外務省を通じ、韓国当局に対し、これら三人の方、とりわけ金大中氏の再来日を実現して、捜査に協力を願えるよう要請しているところであるが、これまでのところ、明確な回答を韓国当局からいただいていないのであります。  金大中氏等の来日は、必ずしも絶対不可能ということではないと思われるので、今後も、外交ルートを通じ、繰り返し、その実現を韓国当局に要請していく考えでございます。  事件を通じての反省点でございますが、今回の事件は、金大中氏の生命に別状がなかったのが不幸中の幸いとはいえ、白昼堂々と人を拐取し、国外に移送するという、まことに重大な事犯であり、自由への挑戦であり、警察への挑戦ともとられるべき性質のものであります。その意味で、警察当局としても、事態の深刻さを重視し、真剣かつ慎重に捜査をしている次第でありますが、これまでの捜査を振り返ってみて、何せ、本件が、これまでにない新しいケースの事件である関係で、  一つ一つの警察措置にふなれな点があったことは、非常に私としても残念なことと思うのであります。  そこで、今後、かかる事犯の再発を防止するとともに、事件発生時の警察措置のより一そうの適正を期するための対策を検討することが肝要と思われるのでありまして、過日、警察庁に、次長を長とする特殊国際事件対策委員会を設置し、具体案の検討を行なっているところであります。  以上が、金大中事件についての概要でございます。  以上、日航機乗っ取り事件と、いま申し上げた金大中事件の概要と問題点について御報告を申したわけでございますが、よろしくお願いをいたしたいと思います。

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 次に、鎌田消防庁長官。

鎌田要人消防庁長官

○鎌田政府委員 八月一日付で、消防庁長官を拝命いたしました。  もとより、私、魯鈍非才の身でございますが、消防行政は特に今日重大な時期に際会いたしておるように理解をいたしておるのでございまして、大震火災対策等をはじめといたします災害の防除、あるいは不幸にして発生いたしました場合の処理、こういったことのために、国民の生命と財産をお守りする消防の任務の達成に全力を尽くす所存でおりますので、従来に引き続きまして倍旧の御指導、御鞭撻をいただきますように心からお願い申し上げる次第でございます。  私からは、お手元に資料を差し上げてあるかと思いますが、先般発生いたしました出光石油化学徳山工場爆発火災、住友化学工業大分製造所火災事故並びに複合用途防火対象物の消防用設備等に関する調査概要、以上三点について御報告を申し上げたいと思います。  まず、出光石油化学徳山工場の爆発火災についてでございますが、お手元の資料にございますように、出火場所は、徳山市宮前町一番一号、出光石油化学徳山工場第二エチレン製造装置でございます。  出火日時が、昭和四十八年七月七日二十二時十三分ごろでございまして、覚知をいたしましたのは、望楼の発見と同時に一一九番で通報をいただいたわけでございますが、同日の二十二時十三分、ほぼ同時刻でございます。火勢を鎮圧いたしましたのが翌八日の十七時でございますが、完全に鎮火をいたしましたのは、出火時点から八十三時間を経過いたしました七月十一日九時四十分でございました。  この間の事情につきましては、後ほど御説明を申し上げます。  出火個所は、第二エチレンプラントアセチレン水添塔付近でございました。  原因は、バルブの誤操作、異常事態発生に対する判断の誤り等が主たる原因でございまして、ガスが漏洩いたしまして、これに火がついたということでございます。  焼損程度は、第二エチレン製造装置のうち一部を焼損した程度でございます。  ただ、不幸にいたしまして、同工場の男子従業員一名が爆発事故のために死亡をしておられるのであります。  事故の概要は、その次に7として書いてございますが、第二エチレンプラントにおきまして、作業員がプラントの計装用空気管バルブを——これは、御案内のとおり、計器を操作するための、空気を操作しますところのバルブでございますが、これを他のバルブと間違えて閉鎖した。こういういわば初歩的なミスを行なったわけでございまして、それに伴いまして、運転制御室の計器類が一斉に異状を示した。そこで、運転制御室は、当該プラント全系統の運転停止を行なったわけであります。  ところが、八分後に、原因が不明なまま計器類が正常に戻ったものでございますから、運転を再開した。しかし、当該プラントのアセチレン水添塔、これは、エチレンに含まれておりますところのアセチレンを除くためにアセチレンと水素を反応させる装置のようでございますが、これへのエチレン及び水素の流入量が低下いたしましたので流入をとめたわけでございますが、ところが、そのときに、水素バルブが完全に閉鎖されていなかったということから、水素が依然として流れ込んでおった。ところが、それには気がつかなかった。  その後、水添塔内の温度の上昇が見られましたので、温度を下げるために再びエチレンを水添塔内に流入させた。これが結果的には事故の原因になったようでございまして、エチレンの流入後も温度の低下は見られないで、逆に急激な上昇を示したので、再びエチレンの流入を停止したのでございます。その後、温度はさらに上昇して、ついに高温のガスが配管のフランジから噴出をして火をふいた、こういうことでございます。  出場車両及び消火活動は、出場車両が三十五台でございまして、うち、化学消防自動車十四台、はしご車二台でございまして、公設消防隊といたしましては、徳山市消防本部消防団が二十台、下松市消防本部から三台、新南陽市の消防本部から一台、計二十四台を出動させております。それから、自衛消防隊といたしまして、出光の石油化学、興産両社の化学消防自動車四台、うち、はしご車一台のほか、近隣の応援七社各一台、都合十一台が出動しておるわけでございます。  先ほど申しましたところの、この発火から鎮火に至りますまで時間がかかっておりますのは、御案内のとおり、こういうものがものでございますだけに、水を出してこれを消すというわけにまいらない。そこで、もっぱら水で周囲を冷やしながら完全にガスを燃焼させる、こういうことをとりましたために時間がかかったわけでございまして、そこに書いてございますように、徳山市消防本部は構内に現場本部を設置いたしまして、工場側と出火の部位、他のタンクに対する影響の有無、消防隊の接近可能距離及びその方法等について調査、打ち合わせを行ない、貯蔵タンク群の影響、消防隊の接近可能位置、第二次爆発の危険等を判断の上、八日零時二十二分消防車の接近に成功しまして、先ほど申しましたように、火点周囲への冷却放水を開始したわけでございまして、そこに書いてございますように、鎮火するまで注水による火災の拡大の防止に当たった、こういうことでございます。  そこで、この火災事故を通じましての問題点といたしましては、一つは、先ほど申しましたバルブの誤操作といったようなこと、あるいは、その後異常事態が起こっておるにもかかわらず、その作業を再開して再びバルブを締めるときに、水素の流入、漏れがあるのに、それに気がつかなかったこと、こういった誤操作防止なり、あるいは異常反応に対する措置のための保安教育の徹底ということが望まれるわけでございます。  それと、もう一つは、火災の継続時間を短くするために、装置の孤立化をはかり、できるだけバルブでガスを閉じ込めまして、それをフレアスタックに持っていって燃やすということ、あるいは散水設備の強化等の措置をとる必要があるということが指摘されておるわけでございます。  次は、住友化学工業の大分製造所の火災概要でございますが、これは、出火場所は、大分市大字鶴崎二千二百番地に所在しますところの住友化学工業大分製造所でございます。この工場はかなり古い工場でございまして、昔から農薬をつくっておった工場でございます。  出火日時が、昭和四十八年八月十二日、二十二時五十分ごろでございまして、覚知いたしましたのが十分おくれております。二十三時零分、一般加入電話でこれを知っておる。こういうことでございまして、この十分の時間のおくれが非常に重大だと私ども思っておるわけでございます。鎮火をいたしましたのは十三日、九時二十分でございます。  出火個所はFK倉庫D棟付近。出火原因は、現在、警察、消防で調査中でございますが、なお、現時点においては明確になっておりません。  焼損程度は、鉄骨スレート平屋建て倉庫五千七百九十六平米全焼。中に入っておりましたのが、スミチオンとかスミライザーといった農薬あるいは染料等の製品、半製品及び原料約千五百七十八トンでございまして、損害額は、倉庫が七百万円、収納物が六億七千万円、計七億四千万円でございます。  この事故の特性といたしましては、農薬の燃焼につれてガスが発生し、目とか、のどとか、頭痛等を訴えた者が約二百三十名おりまして、病院で手当てを受けた者が九十二名、こういうことでございます。  当日は休日でございました。ところが、下請の二名の作業員が出勤して倉に入っておりました。積みかえ等を行なっておったようでございまして、十五時ごろ倉庫に施錠をして帰った、こういう状況のようでございます。  それで、火災と同時に地元の大分と鶴崎の両消防署、それから当該社並びに周辺の自衛消防隊が出勤いたしまして、化学消防自動車五台、うち、自衛消防隊が四台、消防ポンプ自動車四十八台、うち、高圧車一台、計五十三台が出動いたしております。  当該倉庫におきましては、自動火災報知設備あるいは警報設備、消火せん等が設けられておるわけであります。  この問題点といたしましては、特に、この工場は、御案内のとおり、五月十日にガス漏れを起こしまして、地元で大騒ぎになりました。県は、五月十一日に操業停止命令を出しますと同時に、五月十七日に告発をいたしております。操業停止につきましては、七月十日に停止の解除を行なった。その後一月たったところでこの火災事故ということでございまして、私どもも、県当局あるいは市の消防当局等を通じて聞いておるわけでございますが、全く手の打ちようがない、地元においてはこういう企業はもうごめんだ、こういうような気持ちがあるようでございます。この出火の原因についても、現在の段階まで全く明確でない、こういうことでございまして、工場立地というものと地元の地域社会との調和と申しますか、そういう点について非常に重大な問題を投げかけておるように思うわけでございます。  その点は別といたしまして、問題点といたしましては、火災通報体制の不備ということでございまして、先ほども申し上げましたように、出火してから十分たって消防署に通報がある、こういうことでございまして、この通報体制が不備であるということがまず指摘をされるわけでございます。  それから、火災時における住民への避難誘導体制の確立。結局、燃焼と同時に有毒ガスを出すものでございますから、やはり、的確に安全な個所へ住民を避難誘導するという体制を消防側といたしましても確立をする必要がある。  それから、一般倉庫の安全管理及び保安体制の確立ということでございまして、この場合の倉庫におきましては、火のけが結果的に全然なかった、あるいは、二人の作業員が入っておりましても、それのたばこの投げ捨てということも、どうも確たる証拠はないようでございまして、企業のほうでも首をひねっておる、こういうことのようでございますが、やはり、燃焼と同時にガスを発生しますような、こういうものにつきましては、特に、安全管理、保安体制の確立ということを強く要望してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。  次に、複合用途防火対象物の消防用設備等に関する調査概要でございます。  これは、実は、調査時点がいささか古うございます。四十七年の五月に、御案内の、大阪の千日前ビルにおきまする痛ましい火災事故がございました。それを契機といたしまして、その直後に、そこに書いてございますような調査対象、劇場、映画館、演芸場、公会堂、集会場、キャバレー、ナイトクラブ等々でございますが、これらで地階を除く階数が五以上のものを対象にいたしまして、その次に書いてございます調査都市として、東京都、川崎市あるいは札幌市、南は熊本市、こういった十三の都市につきまして調査をいたしたわけでございます。  その調査内容は、主たる消防用設備及び防火避難施設の設置及び維持管理の状況ということでございまして、その次の別紙でごらんいただきますように調査対象物は、札幌から熊本まで全体で二千五百五十七でございます。  それで、この内容が、消防用設備等、共同防火管理、建築施設、こういうことに分かれておりまして、それから、AとBとアルファベットで使い分けをしておりますが、Aは施設の設置、Bはそれの運営、管理ということで分類をしてございますが、さっとごらんいただきましても、たとえば避難器具でございますと、設置数の不足四百七十、あるいは、せっかく置いておりましても障害物がそのままほったらかしてあるとか、破損をしたままにほってあるというのが百八十七。それから、誘導灯でございますと、設置数の不足が九百八十六、表示板、電球の破損等が五百二十二。それから、自動火災報知器でございますが、これは設備の未設置が七十二、ところが、障害物の放置、管理人不在等というのが四百九十六ある。  あるいは、複合住等におきまする共同防火管理体制でございますが、管理協議会の未設置が七百九十、避難訓練の未実施が七百四十三。  それから、建築施設の関係でございますが、避難階段等におきまして、位置構造の不適なものが二百四十三、障害物の放置四百八十四、そのほか、防火区画面積が適当でないとか、あるいは防火ダンパーがない、あるいはダクト回り等の埋め戻しが適当でないものがあるとか、あるいは防火戸、シャッターの機能不良、こうしたものが四百二十一もあるという状況でございまして、結果的には必ずしも満足すべきものでない、むしろ憂慮すべき状況にあります。  それで、これに対しまして私どもがとってまいりました措置といたしましては、昨年の十二月に消防法の施行令の改正を行ない、あるいはまた、ことしの六月一日に施行規則の改正を行ないまして、すでに御案内のとおり、消防法施行令の一部改正におきましては、特に、こういった特定劇場、キャバレー、飲食店、百貨店、旅館、ホテル、病院、サウナ、トルコ浴場等、不特定多数の者を収容する特定防火対象物におきましては、その防火管理者等に対する規制をきびしくする、あるいは防煙に関する事項を整備する、消防用設備等に関する設置義務というものを義務づける、特に、自動火災報知設備の設置につきましては、この政令施行前の既存防火対象物に対しても遡及適用する、こういったようなことで、この防火あるいは避難施設というものの整備をはかりますと同時に、先般建築基準法施行令の一部改正が行なわれまして、建築施設の面から見ての規制も行なわれたわけでございます。  それと同時に、消防庁といたしましては、予防査察の強化を行ない、こういう防火管理体制なりあるいは消防用設備等の整備の行なわれておりますものについてはその「良」の表示をする。同時に、その結果を公表する、いいものと悪いものは公表する、こういう表示公表制度というものを行なってまいっておるわけでございます。  さらにまた、金融面におきましては、地方税法の改正を行ないまして、不動産取得税の課税標準額から消防設備に相当するものを控除する、あるいは開銀等による融資の拡大をはかってまいる、さらに、明年度におきましては、都道府県並びに国によりますところの利子補給、六分五厘までの利子補給を国と都道府県とで折半をして行なう、こういうことを要求してまいるつもりであります。  以上が御報告の概要でございます。何とぞよろしくお願い申し上げます。

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 以上で、各件についての報告は終わりました。  次回は、来たる二十八日火曜日、午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午前十一時十二分散会

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