地方行政委員会 第46号
- 発言数
- 104 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1973/07/19
会議録
○上村委員長 これより会議を開きます。 地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。愛野興一郎君。
○愛野委員 まず、警察関係について質問をいたしたいと思いますが、今日、警察官の採用というものが、なかなか採用予定人員に満たないという場合もあるというふうなことをお聞きいたしておるわけでありますけれども、現在、警察官の募集の定員に対してスムーズに応募者があるかどうか、ちょっとその辺のことをお伺いをいたしたいと思います。
○丸山政府委員 全般的に申し上げますと、きわめて深刻な募集難であるという状況ではないわけでございますけれども、全国平均で申し上げますと、四十七年度におきまして、約二・五倍という競争率が出ております。これは受験者と合格者の比率でございます。地域的に見ました場合に、東京を中心といたします首都圏、警視庁、埼玉県、神奈川県、それから大阪の周辺といったようなところが、募集につきましては比較的困難を感じておるという状況でございまして、確かに、いま先生御指摘のように、全般的に見ました場合にはだんだん競争率が低下してきておるということで、われわれとしては深刻な問題として受けとっておる状況でございます。
○愛野委員 そこで、もちろん地方はそういうことはないということはわかっておりましたけれども、一番重要な首都圏あるいは大阪の周辺というようなところがなかなか募集難になっておるということは、非常に憂慮すべきことであるというふうに私は考えております。そこで、警察官の勤務条件なり、あるいは待遇問題というものを考えていかなければならぬと思うわけでありますけれども、今日の警察官は、民主主義を守るために、非常な社会的危険にさらされておる職業の最たるものであるというふうに私は考えております。それは、極端に申しますと、右からも、最左からも脅威にさらされておるわけであります。同時に、また、人命を守るための、交通安全のための職場に従事をしておる者が、従事中に自動車にはね飛ばされて死亡をするというような事故も、私どもの県でもあったわけであります。とにかく、民主主義あるいは社会正義を守るために一生懸命に尽くしていただいておるのが警察官であるという認識に私は立っておるわけであります。 そういう観点に立って、今日の警察官の給与問題を私が見ます場合において、特に、警察事務の特質上、国の警察官に適用する俸給表というものが都道府県の警察官の俸給表を定める場合の基準とされておるわけでありますが、これまた、現行の給与表が、昭和三十二年に作成されたものに、その継ぎ足しとか、あるいは渡りなどを行ない、実施されておるという俸給表になっておるということであります。 そこで、今日の勤務実情の変化に対応した抜本的な給与体系に改善をする時期がもう来ておるのではなかろうかというふうに私は考えるわけでありますけれども、その辺の御見解をお伺いいたしたいと思います。
○丸山政府委員 ただいま愛野先生の御指摘のとおり、警察官に適用されます俸給表は、国の警察官につきましては、一般職の職員の給与に関する法律に規定されております公安職の俸給表(一)が適用されることになっておりまして、また、都道府県の警察官につきましては、警察法の規定に基づきまして、国の警察官に適用される俸給表を基準として、それぞれの都道府県の条例で定めるという制度になっておるわけでございます。御案内のように、現行の俸給表は、昭和三十二年の公務員の給与制度の改正の際定められたものでございまして、その後、昭和四十三年に一部の等級の新設などが行なわれておりますけれども、基本的には、三十二年の制度がそのまま踏襲されておる、部分的な修正を行なった程度にとどまっておるというのが現状でございます。 警察庁といたしましては、昭和四十五年に、警察庁の中に警察官給与制度研究会を設定いたしまして、そして、給与制度についての御検討をお願いをいたしておったわけでございますが、この警察官給与制度研究会の答申で、警察官の俸給表は警察の職務にふさわしい国及び地方を通ずる独自の俸給表を設けることが必要であるという御意見が出されておるわけでございます。ただいままでのところ、こういった答申案に即しまして、関係省庁との折衝の結果若干の改善は行なわれてきておるわけでございますが、ただいまの新情勢下におきます警察官の職務のきびしさという点から見ました場合に、抜本的にお考えをいただく必要があるのではないかということで、そこで、今般、警察官の職務の特殊性あるいはその重要性を評価して、かつ、都道府県の警察官の職務の実態を十分反映されるというような意味合いで、国と地方を通じて適用できる独自の警察職俸給表というようなものを新設をしていただくようにお願いをいたしております。とりあえず、当面の問題といたしましては、初任給を大幅に引き上げていただき、各階級の俸給額もこれにならった形でそれぞれ改善をお願いするということを申し上げておるわけでございます。また、これと並行いたしまして、警察職員に現在支給されております特殊勤務手当、それから交代制の勤務者に対します夜間の特殊勤務手当、それから宿日直手当、こういったもののそれぞれの単価の増額をお願いを申し上げておるところでございます。
○愛野委員 ただいまの御答弁で、警察職俸給表というものを現実に対応するように新設をしていきたいということであるようでありますから、それはぜひそういうふうにやっていただきたいと思うわけであります。 同時に、また、先ほども大体の御答弁をいただいたわけでありますけれども、昇給差額と格差の改善につきまして、私も県議会におりましたからいろいろと資料を調べさせていただいたわけでありますけれども、ただいまの趣旨で改善をしていただきたいわけでありますが、特に、公安職俸給表一の七等級十三号俸以上、あるいはまた六等級十一号俸以上及び五等級九号俸以上の号俸の昇給間差額を引き上げて、そして、行政職俸給表一との格差を改善していただかなければならぬというふうに思うわけであります。 この格差調べというのを、佐賀県の場合のものを私は見てみたわけでありますけれども、たとえば、六等級と七等級との格差が、経験年数二十九年の場合に、三万八千五百円というふうに二十九年の間になっておる。ところが、三等級の場合には、四等級との格差が、勤務年数、経験年数三十一年の場合には、十万一千三百円も開きがあるというふうになっておるわけでありますけれども、こういったものをぜひ改善をしていただきたい。それからまた、直近下位等級の対応号俸との格差も改善をしていただきたい。さらにまた、こういうふうに格差が非常につくわけでありますから、号俸数を増加をしていただいて、六等級、五等級及び四等級については、それぞれ五号俸程度の号俸数を増加をしていただくというようなことは考えていただくべきではなかろうかというふうに思うわけであります。また、先ほど、宿日直手当、夜間特殊勤務手当等々の引き上げ等については御答弁をいただいたわけでありますけれども、こういう具体的なことについてもきめこまかくお考えをいただいておるのかどうか、その付近をちょっと御見解を伺いたい。
○丸山政府委員 ただいまの御質問の第一点は、各号俸の上位号俸との間のいわゆる昇給額の問題でございますけれども、これは、ただいま御指摘のように、ある一定のところまで参りますと、いわゆる折れ曲がり現象ということで、そこで昇給額がとまりまして、それから以後だんだん逓減してくるという形をとっておるわけでございます。したがいまして、例をあげて申し上げますと、巡査の等級でございますが、これは七等級の初任給が二号俸から始まっておりますが、巡査の場合に、経験年数が十年をとりますと、一年に一つずつ上がってまいりますので、ちょうど七等級の十三号俸というのがこれに該当するわけでございます。この場合に、俸給月額が六万六千九百円でございまして、これから次の十四号に昇給をいたしますときの昇給額が二千七百円ということでございます。ちなみに、こまかくわたって恐縮でございますが、初任給の七等級の二号俸のときには、俸給月額が四万一千九百円で、これからの昇給額は千四百円でございます。この千四百円が、各号俸が上がりますたびに逐次上がってまいりまして、そして二千七百円になるわけでございますが、この二千七百円が頭打ちでございまして、以後七等級の十六号−十八号というようなところになりますと、二千六百円から逐次二千五百円というところに下がってくるという状況でございます。したがいまして、この昇給額を上げていただくということが必要ではないかというふうに考えておるわけでございまして、これも今回の関係省庁に対するお願いの中には含まれておるわけでございます。 それから、もう一つの問題は、等級間の格差でございます。これは、ただいま例として申し上げました七等級は、巡査の階級に適用される号俸でございまして、巡査部長になりますと、これが六等級になり、それから警部補でございますと五等級になるわけでございます。この七等級から六等級あるいは五等級になりました際のそれぞれの等級の間の差額というのが現在非常に問題がございまして、たとえば、七等級の四号俸というのが俸給月額が五万一千三百円でございますが、これが六等級の同じく四号俸になりますと、ちょうど額が五万一千三百円でございます。それから、五等級の一号俸になりますと、これも同じく五万一千三百円ということで、この等級間の差が、この時点においてはゼロでございます。 それから、この等級間の差額が千円というところを見ますと、経験年数が、拝命をいたしましてから十三年たちまして、その場合に、この七等級と六等級の相対応いたします額を見た場合に、六等級のほうがちょうど千百円多い、それから、六等級に対しまして五等級がさらに千円多い、こういう状況でございます。したがいまして、この階級が上がりましたといたしましても、適用される俸給の横で比較をいたしました場合には、千円以下の格差というものがかなり大きな数を占めておるということでございまして、七等級から六等級に上がりました場合に、やはりそれに相当するだけの格差をもって昇給をする、それから、六等級から五等級になりました場合も、同様の趣旨で大きな差で昇給をするということでなければ、士気にも影響する問題であるというふうに考えておるわけでございまして、この点につきましては、同じく今回の関係省庁に対する御要望の中に入れさせていただいておるわけでございます。 それから、さらに、特殊勤務手当の増額の問題でございますけれども、これは、昭和四十六年に、当時、単価のアップが認められまして、その後ずっと据え置きになっておるわけでございまして、その後の公務員給与の引き上げ率を合計いたしますと、四〇・九%のアップになっておるわけでございます。たとえば、特殊勤務手当のうちの鑑識手当を例にあげますと、これが一日八十円でございます。そこで、ただいまの比率を乗じました額で、今回は、鑑識手当を百十円、それから、たとえば移動通信手当というのがございますが、これが二百円でございますが、これを二百八十円ということでお願いを申し上げたいというところでございます。 それから、交代制勤務の夜間特殊業務手当につきましては、私どもの国の職員といたしましては、通信の職員、それから皇宮の護衛官がこれに相当するわけでございますが、現在、通信職員について一回三百円、皇宮護衛官につきましては二百円という定めがあるわけでございますが、これは約三倍に近い額で、これはその他の類似職種の状況を見まして、約三倍に近い額の増額をお願いをいたしたいということを申し上げる次第でございます。
○愛野委員 冒頭に申し上げましたように、警察官の職務の性質上から言って、これは、少なくとも、心身両面の労働に対応する実質的な労働条件であらなければならない。いまのこの平和憲法の中における日本の場合において、死と直面しておる職場というものはむしろ警察官であろうというふうに私は考えるわけでありますから、交渉権なり、あるいは団結権がないからといって、十二分な待遇ができないようなことでは、国民として相済まぬという考え方のもとに私は立っておるわけでありまして、そういう面から申しまして、この点は、ただいまも申されましたような趣旨で、抜本的な改善を願いたいと思うわけであります。 それから、階級構成の是正実施に伴う警察組織の問題についてお伺いをいたしたいと思うわけでありますけれども、それは、警察官の昇任試験の問題であります。 御承知のように、警察官の巡査部長、警部補、警部、これはもうずっと昇任試験でいくわけでありますけれども、この受験者数に比較して、合格者数というものが非常に少ない。たとえば警視庁に例をとりましても、昭和四十七年度に巡査部長の受験者数は一万二千五百六十七名で、合格者が九百六十三名、したがって、合格率は七・七%。あるいはまた、警部補においても、警部においても、非常にむずかしい。そこで、これは、この試験問題がむずかしいのであるか、あるいはまた、言いかえれば、合格者の定員というものが初めからきめてあるので、いわゆる基準ワクが少ないのであるか、どちらであるのか、そういった面についてお伺いをいたしたいと思います。
○丸山政府委員 下級の警察官と申しますか、警部補以下の階級への昇進でございますが、確かに、先生御指摘のように、一部の府県においては非常に狭い門になっておるという実態があるわけでございますが、これは、結局、その上級の階級の者のポストがあきませんと下から押し上がっていけないという、階級別に定数が定められておる関係で、必然的にそういう結果になってきておるわけでございます。たとえば、警部補から警部に昇進する者が出てまいりませんと、今度は警部補になるあきが出てこないという、こういうところがこの階級制度の一つの必然的な性格であるわけでございます。そこで、いままで増員が行なわれておるわけでございますが、これに見合った形での階級別の定数の是正が行なわれていなかったというところに一つ問題点があるわけでございます。そこで、四十七年度から五カ年計画で、特に警部補、巡査部長、巡査の階級定数の是正を行なうということにいたしたわけでございますが、たとえば各階級別に申し上げますと、大体この計画の終わります五十一年度におきましては、警察官全数に対しまして、約半数が巡査、それから残りの半数が巡査部長以上の幹部という比率にいたしたいというところでございます。それで、巡査部長について見ますと、昭和四十六年の巡査部長が全警察官に占める比率は一八・五%でございます。これを五十一年度におきまして三三・八%まで高める。それから警部補につきましては、四十六年度に九%でございますけれども、これを、現在のところは、五カ年計画では一応一〇%までということで、わずか一%の増でございますので、この辺は、第一線の勤務組織の実態その他を見合わせまして、もうちょっとこの率を高めるように現在検討中でございますが、いずれにいたしましても、この階級別定数を検討するということが、一つの、昇進の緩和のために大いに役立つ問題であるというふうに考えておるわけでございます。 以上でございます。 〔委員長退席、中村(弘)委員長代理着席〕
○愛野委員 警察官が、少なくとも職場に誇りを感じ、意欲を感ずるようなことでなければ、今日の非常にむずかしい時代において、警察官の仕事はなかなかスムーズにいかないと考えるわけでありますが、そこで、いまの各階級別定数の増ワクをまず考えてもらうこと、これはぜひ実施してもらいたいと思いますし、同時に、また、財政的な面から、それぞれ進級をいたしますと俸給額が上がるというようなことで、できるだけこれは——これはわざとむずかしい試験をやって、昇級させないという意図ではなかろうかというふうに思っておったわけでありますけれども、そういったことはもちろんないと思いますが、いかがでしょうか。
○丸山政府委員 財政的な需要もふえますので、この階級定数の是正につきましては、関係省庁の御理解、御了承が十分必要でございますので、その方面の点につきましては、それぞれ御説明を申し上げて御理解をいただくようにつとめておるわけでございます。
○愛野委員 次に、最近、公害問題が国民の間に直接非常に深刻な問題となってきたわけでありまして、国のみならず、各県も公害防止条例等々をつくって、公害から県民、国民をできるだけ守っていこうというふうに努力をいたしておるところでありますけれども、こういった公害関係事案に対する取り締まり体制はどうなっておるのか。大体いま考えておられる体制についてお伺いをいたしたいと思います。
○綾田政府委員 公害の問題は、基本的な解決のためには、もちろん、それぞれの主管の行政機関を中心とする諸施策にまつべきものでありますけれども、警察といたしましても、先生の御指摘のように、現在のきびいし情勢にかんがみまして、行政機関と密接に連絡をとりながらも、その事案に応じて警告あるいは検挙等、積極的に行なって対処しておるところでございます。 この体制につきましては、公害関係は、警察といたしましても新しい分野でありますし、また、相当の日月、相当の要員を必要とします。しかも、内容的には、科学的な専門的な知識を必要とするわけでございます。そういう情勢から見ますと、現在の警察の体制というものは非常に弱い、劣弱な体制でございます。現在は、保安警察部門はもちろん、その他の部門の応援を得まして、その捜査ないし検挙に従事しておるわけでございますが、まあ、そういう情勢でございますので、警察庁といたしましても、必要な人員の増強、それから検査等に必要な資器材の増強、それからもう一つは、専門的な技術的な教養の充実という点を重点に、今後大いに努力してまいりたいというふうに考ええております。
○愛野委員 そこで、たとえば各県が、公害防止条例等々によっていろいろと企業に勧告あるいは指導を何回やってもたれ流しをやめないというような場合においては、警察権を各県の要請がなくてもやるというようなことができるのかどうか。特に、私は、有明海沿岸に住んでおるわけでありますから、今後は、無謀に企業がたれ流しをやったというような場合においては、警察権力でもって直ちに操業停止を命ずるくらいの、そういったき然とした態度が少なくとも必要ではなかろうかというふうに考えておるわけでありますけれども、そういった場合において、ややもすれば、今度は逆に警察権力を介入させて、それをイデオロギーの取り締まりに結びつけるような方向に発展をしていくとかなんとかというような声も起こる可能性もある。そこで、行政と権力の問題というのは非常にむずかしいということになってくるわけでありますけれども、しかしながら、そういった問題にまで発展をさせていくということであれば、実際にどんなにたれ流しをしても、勧告だけでは直らないというようなこともあるわけでありますから、き然として警察権力を行使していただかなければならぬ場合が今後あり得る場合も想定されるが、そういった場合にどういうことになるのか、お伺いをいたしたいと思います。
○綾田政府委員 この点も先生の御指摘のとおりでございまして、行政法規には、これを担保するための罰則がついております。したがいまして、警察といたしましては、もちろん行政機関と密接に連絡をとります。たとえば、行政機関の指導あるいは警告を無視して、いわゆるアウトローと申しますか、そういうものを無視して、依然として違反を続けるもの、あるいは国民の生活、国民の健康を著しく害するような多量の有害物質を排出する場合、そういうものにつきましては、行政機関とはもちろん連絡をとりますけれども、告発を待たないで、警察独自の立場でこれを検挙するということは必要でありますし、私はそういうふうに考えております。 御参考に申し上げますと、昨年一年間で七百九十一件公害関係の事案を検挙いたしております。本年はまだ精密な統計はできませんけれども、上半期で、すでに昨年と同様の数ぐらい検挙いたしておりますが、昨年の七百九十一件の中で、県、市町村あるいはその他の告発によって処理したものは百九件でございまして、これは一四%であります。それ以外のものは警察独自の判断で検挙したものでございまして、いわゆる公害に対する警察捜査権の運用につきましては慎重であるべきことはもちろんでありますけれども、そういう国民の要望、地域の住民の動向、それから事犯の内容、それから行政機関の措置というものを総合的に勘案いたしまして、必要ある場合には積極的にこれを検挙するという立場で今後も臨んでいきたいというふうに考えております。
○愛野委員 力強い御答弁をいただきまして、私は安心をいたしたわけでありますけれども、同時に、商社の買い占め、売り惜しみ、特に買い占め等々については、経済警察と申しますか、そういった力をも行使していただかなければならぬ事犯も多々出てきつつあるわけであります。公害においてまたしかり。そこで、これは、やはり、専門的な知識あるいは教養等がなければ、今度はざこ程度の小さなものだけを捜査するというふうなことになる。実際の大物と申しますか、大きなものは、捜査するほうに知識がないわけでありますから、これはなかなかいけないということになる。ですから、警察官の専門知識、教養等々を強化していただくような体制並びに財政的な裏づけというものをぜひ考えるべきであると思うわけでありますけれども、そういった点はどういうふうにお考えでございますか。
○綾田政府委員 その点は、先生の御指摘のとおりでございまして、警察といたしましても、現在、警察庁の段階あるいは管区警察局の段階、あるいは府県の段階におきまして、それぞれ講習あるいは研究会というものを実施して、専門的、科学的な知識の充実につとめておるところでございますけれども、さらに、これは、警察官だけではなくて、そういう項目を専門に勉強したいわゆる専門官と、技術的な大学を出た技術専門官が必要でございます。しかし、これはもちろん増強でございまして、現在なかなか募集もむずかしい点もあるのでございますけれども、今後はさらにこの人員の増強ということも考えていきたいと思います。 先ほどちょっとことばが足りなかったと思いますけれども、警察といたしましては、そういう点につきまして、小企業を検挙して、大企業を検挙しないということではなくて、どこまでもこれは厳正中立の立場で、法律に違反する者は積極的に検挙するという立場で臨んでおります。今後とも格段の努力を重ねたいというふうに考えます。
○愛野委員 もちろん、私は、警察は今日までもすべて厳正中立にやっていただいたと確信をいたしております。しかしながら、事が科学的知識を要するものでありますから、そういった面については、ぜひ専門家を養成をしていただいて、また、予算もどしどしつけていただいて、特に、ただいまの御答弁のようなことで、強化をお願い申し上げたい。 それから、消防関係について質問をいたしますが、島田議員が警察関係について関連質問をいたしますので、消防関係は一括して質問をいたしますので、御答弁を願いたいと思います。 まず、消防団員の退職報償金の問題でありますけれども、御承知のように、今日では、地方においては、消防団の活動というものは、水害、災害、あるいはいろいろな交通の取り締まり等々に及ぶまで、ほとんどすべて消防団がやっておる。したがって、地方の自治体によっては、自治体の消防職員というものは、そういう消防団を指導してやるというふうな役割りしかできないようなところがあり、財政事情もあって、実際はすべて消防団員がやっておるというような実情であります。ところが、その消防団員の退職報償金というものが、今日の時代においてはまことに時代おくれのような感じがするわけでありまして、今日改正になったこの退職金というものが、いままで三万円であったのが三万五千円、四万円であったのが五万円、五万円であったのが六万円というようなことであります。しかも、これが、十五年間以上でなければ、たった三万円か五万円等の団員の退職金が出ないということであります。今日、この三万五千円の金というものがどのくらいの価値があるかということは十分御承知のところであるわけでありますから、退職報償金の支給等々についてもう少し抜本的に考える必要はないものかどうか。同時に、また、勤務年数の問題につきましても、十五年というのを十年くらいにしていただかなければ、今日、消防団員は、みずからの仕事を毎日毎日やりながらそういった防災等々に従事するわけでありますから、連年消防団員自体が減っていくということも考慮に入れなければならぬというふうに思うわけであります。そこで、こういった問題に対する御見解をお伺いいたしたいのが第一点。 それから、今日の火災というものは、化学消火薬というものが非常に必要になってくるわけでありますけれども、この化学消火薬剤の備蓄について、国に相当な補助をしていただかなければ、これまた財政的な問題において非常に困難がある。そこで、この化学消火薬剤の備蓄についての国の補助について、抜本的な考え方を持っていただくべきではないかと思う。それから、消防施設に対する国庫補助の基準額をもっと引き上げていただくべきであると考えるわけでありますが、これらの点について御答弁をお願いします。
○武藤政府委員 化学消火剤の備蓄の問題につきましては次長からお答えをさせていただくとしまして、他の二点について私からお答えさせていただきます。 いま御指摘の、第一点の、いわゆる非常勤の各地方の消防団員でありますが、東京都あたりは、消防庁が相当充実してまいりましたから比較的に少なくなっておりますが、各地方においては、まだ消防署が十分充実をいたしておりませんので、御指摘のとおり、消防団員のほうが比率的には多い地方のほうが実質多いわけでございます。それぞれの地域の住民の生命財産を守るという意味において、たとえ非常勤であろうとも、消防団員の方々の任務というものも重いわけでございますし、私ども消防を担当しておる者といたしましても、非常にごやっかいになっておるわけでございます。しかるに、それに対する退職報償金というものが、三万五千円から最高八万円で、しかも、勤続年数が十五年以上たたなければ出さないというようなことは、いま御指摘のとおり、いまの時代から見ますと、非常に奇異の感をいだくわけであります。私ども、そういう点で、これはぜひ抜本的に改正をしていかなければならない、特に、そういう奉仕的な方々に対しては思い切った報償金を出すべきであるし、いま御指摘のとおり、勤務年数が十五年たたなければいけないということも、大幅にこれを引き下げまして、たとえば十年くらい勤務していただければ出すというようなことも考えていかなければならないというふうに思っております。ただ、いま市町村が退職報償金を支給しておるわけでございますけれども、それを、消防団員等公務災害補償等共済基金、いわゆる基金、基金と言われておりますが、ここから共済をしておるわけであります。そこから出しておるわけでございます。ところが、この制度が昭和三十九年に創設をされたわけでございますけれども、一時的におやめになる消防団員の方が非常に多かったために赤字が発生をした、そこで、四十二年と四十五年に財政再建計画を立ててその赤字の解消をはかった、こういうような経過もあるようでございまして、消防庁といたしましては、できるだけ早い機会にやりたいと思いながら、その辺の問題がありまして、しかも、退職報償金の事務費を全額補助を受けておったというようなことから、なかなか思うようにいかなかったということは事実のようでございます。しかしながら、おかげさまで順調にその財政再建計画が推移いたしまして、どうにかこうにかいまのところ赤字が解消する見通しが立っておるようでございますので、私どもといたしましては、昭和四十九年度、来年度においては、思い切ったそういう措置をとりたいと考えております。 それから、最後の御指摘の、各補助対象の、たとえば消防ポンプ車ならポンプ車を補助いたしましても、その金額と実際に購入するポンプ車の金額とが非常に違うのではないかということは、これはもう御指摘のとおりでございます。私ども、地方においてそういうお話しをよく聞くわけでございますので、これについては、いろいろといま——国の補助その他もそうでございますけれども、いわゆる超過負担ということで、何とかこれを解消しなければならぬということがよく言われておりますけれども、これも一つの同じようなケースではなかろうかと思います。でございますから、補助単価の引き上げということは、十分実態を調査いたしまして、そして、その実態がはっきりいたしますれば、当然これも来年度以降処置をしていかなければならない問題であろう、ぜひそういう方向でいきたい、こう考えておるわけでございます。 〔中村(弘)委員長代理退席、委員長着席〕
○山田政府委員 化学消火薬剤につきましては、お話しがございましたように、私どものほうも極力その充実をはかりたいということで、国において何らか補助をいたしたいということで、かねがね政府部内におきまして折衝を進めてまいりました。しかしながら、私どもの構想としては、できれば府県にそういう備蓄のセンターを設けまして、そこに国が補助をするというかっこうにしたらどうかという構想で進んだわけでございますが、薬剤そのものが消耗品であるという関係もございまして、それに対して国庫補助をストレートにするのはどうかという議論もございました。そこで、現在は、大きな府県に対しましては、備蓄する倉庫と、薬剤を放射する放射砲、それからその他の資器材につきまして、定額でございますが補助金を出しておる実情でございます。これはもうすでに十数県に対して補助をいたしております。 しかしながら、薬剤そのものにつきましては、やはり何らかの措置をしたいということで、地方交付税におきまして、市町村分におきまして、この積算につきましても、なお今後充実しなければならぬと思いますけれども、現在は、大体の考え方といたしましては、千平米の面積に対して、その薬剤のあわが三十センチの厚みに行き渡るような、その程度の交付税措置をいたしておるわけでございます。これは、大規模災害になりました場合にはそれで十分かという問題はございますが、しかしながら、通常考えられる所要量としては一応それでいいのではないかということになっておりますけれども、ただいまも御指摘がございましたので、今後その交付税措置を一そう充実強化するという方向で進みたいと考えております。
○愛野委員 終わります。
○上村委員長 島田安夫君。
○島田(安)委員 私は、愛野委員の質問に関連いたしまして、警察官の職務執行といいますか、考え方として、法の執行は、何ぴとといえども平等にこれを行なわなければならないという一つの観点から関連質問をいたすところでございましたけれども、時間がないようでございますので一この質問を保留いたしまして、次の一点だけお尋ねをしたいと思うわけなんです。 それは、十七日のこの委員会におきまして今井委員のほうからいろいろ質問がございましたところの、いわゆる難聴者、耳の聞こえない者の自動車の免許等に関する取り扱いの問題でございます。道路交通法の中で、八十八条で、難聴者、耳の聞こえない者は受験することができないというふうに規定してあるわけでございますけれども、この間の質問の中で、法の改正はしないけれども、運用の面で何とか考慮したいという警察のほうからの答弁がありました。しかし、従来も、何とか考えたいということで措置されてきたと私は思うのですけれども、この内容はあまりにも現実離れをしておるといいますか、ごく限られた、全難聴者の一%にも満たないようなわずかなものをもってして、前向きに考えておるということには当たらないと思いますので、この問題について再度当事者の説明を求め、できれば、積極的に善処願いたいと思います。 御承知のように、憲法の趣旨から言いましても、特定な障害があるということだけで、国民の当然な権利を——さらには、現在の自動車の運転免許ということは、農業を行なう場合、あるいは軽自動車等を利用して商売を行なう場合、これらに非常に密接な関係がございまして、社会情勢の変化に伴って、車と生活との結びつきというものが大いに変わってきたと思うわけでございますけれども、いわゆる特定な障害者には職業の自由も制限する、受験資格がないということでございますから、これは完全なアウトでございます。そうした意味から、できれば、道路交通法の八十八条の改正をぜひとも要請したいわけなんです。八十八条には、精薄者と耳の聞こえない者は自動車の運転免許の受験する資格がないと規定してあるわけですが、今日、耳の聞こえない者はいろいろとたくさんおりますが、しかしながら、総じて言えますことは、耳の聞こえない者というのは、身体的にはきわめて健康であります。そうした意味から、これを精薄者と同一に取り扱うことが、現在の社会情勢の中ではたしていいのか、悪いのか。道路交通法の制定時点と今日とでは、社会情勢というものは大いに変化しておる。こうした変化の中で、新しい国民の要望に対応することこそ特に必要だと思うわけなんですが、これについての警察の考え方をまずお伺いしたいと思います。
○渡部政府委員 前回の今井議員の御質問に関連してでございますが、お話しにございましたように、「耳がきこえない者」というのは、道交法八十八条に規定があるわけでございますが、「耳がきこえない者」というのは、どの程度聞こえない者を言うのかという点につきましては、法自体は必ずしも明確でないと申しますか、つまり、解釈、運用の余地を残しているというふうに考えられるわけでございます。 そこで、まず、現行法の運用についてでございますけれども、昨年の五月の全国の会議におきまして、難聴者の取り扱いについては、現行法の積極的な運用をはかれという指示をいたしまして、さらに、昨年の十月、具体的な実例に基づいた資料を流すなどいたしまして、「耳がきこえない者」という法律八十八条に関連のある方々の中での、免許取得の希望者につきましては、地元のろうあ連盟等の関係団体とも連絡をとって、積極的な対策を講ずるように重ねて指示したのでございますが、その結果、すでに、本年五月末までに、全国で九百名近い難聴者の方から適性相談がございまして、これを検査いたしましたところ、六〇%近い方々が現行基準による適性試験には合格したという結果が出ておりまして、この合格された方々の中で、一部教習所に入所された方もあるわけでございますが、すでに卒業されて、免許証を所得された方も八十人ほどある状況でございます。この九百人近い適性相談者の数も、お話しがございましたところの、全国の難聴者の方の数から見て、決して多い数字だとは申せませんし、私ども、見ておりまして、いま申し上げましたように、再次にわたって各県に指示はしておりますけれども、各県の取り扱い方が必ずしも一列ではございません。非常に積極的にやったところとやらないところがあるわけでございまして、前回の今井議員の御質問にもお答えしたとおり、現行法の運用そのものにつきまして、警察庁といたしましても、今後さらに積極的に各県を指導監督いたしまして、対策を立てていきたいというふうに思っているわけでございます。 なお、法自体につきましても、お話しもございましたけれども、「耳がきこえない者」という表現が、これでほんとうに十分であるかどうかということと、また、八十八条の規定のしかたが、現在の自動車というものの社会的な役割り等から見まして適当であるかどうかということについて、立法的にいろいろ意見もあるところでございますので、現在、警察庁におきましては、世界の立法令等も参考にしたり、あるいは専門家の意見等も聞きまして、難聴者の取り扱いについては立法的にも検討してみたいということで研究を進めている段階でございます。 以上、お答え申し上げます。
○島田(安)委員 私のお尋ねしたこととちょっと離れておるようなのですが、具体的に答弁がありましたので、具体的に指摘いたしますと、現在、「耳が聞こえない者」は、全国で二十五万と推定されておりますが、私は、もっとあると思う。二十五万人の中で、免許を現在許されている者は、私のほうの調査によりますと、六十数人です。六十二人か六十三人です。昨年度から二回にわたって具体的に指示した、前向きに検討して、法律改正はしないけれども、運用の面で適正化をはかるということをおっしゃるわけなのですが、二十五万人の中で六十人の、しかも軽度な者ばかりが免許を得ている。これをもって前向きとは言えないのではないかと私は思います。 加えて、また、現在、ろうあ者というのは、就労率、いわゆる働くことによって何がしかの経済的な所得を得ている者は九八%でございます。ほとんど健康人と変わらないような社会生活をしている。こういう者を一括して、みずからの意思では全然社会的な行為の行なえない精薄者と一緒に八十八条で、耳の聞こえない者や精薄者は自動車の免許の受験をする資格がないとしていることは、時代の情勢等から考えましてもおかしいじゃないかということを私はお尋ねしたわけですけれども、どうもはっきりした答弁がございませんが、どう思われますか。一口でけっこうです。
○渡部政府委員 私も、御指摘の、現在の難聴者の数から見まして、先ほど申し上げました数が十分であるとはもちろん思っておりませんし、また、それをもって、非常に積極的にやっている、十分であるというふうにももちろん考えておりません。 前回のお答えで申し上げましたとおり、実は、警察庁といたしましても、情勢の変化もございまして、この問題は、積極的に取り上げましたのが、先ほど申し上げましたように、昨年五月の全国会議での指示が、はっきりした形で全国に指示した最初でございまして、まだ一年ちょっとしかたっていないという状況でございまして、現行法の積極的な運用につきましても、まだ、手をつけ始めた段階だということでございます。積極的に取り組みたいというのは、今後のことも含めて申し上げたつもりでございますけれども、現行法のもとにおきましても、もっと大ぜいの難聴者の方々が免許証を取得できるような方向へ今後努力を積極的にしてまいりたいという意味で申し上げたのでございます。 なお、八十八条の法律の改正の問題につきましては、これも御指摘がございましたけれども、いろいろ問題があろうかと思うわけでございまして、この法の改正の問題にも積極的に検討を進めているという段階でございますので、御了承いただきたいと存じます。
○島田(安)委員 どうもはっきりした答弁ではないと私は思います。と申しますのは、従来、ややもすると、政治あるいは行政というのは、ものによって、物質によってその評価をしがちなんです。これは、少なくとも、福祉国家あるいは福祉行政を推進するにあたっては大いに反省をしていかなければならないと思うわけなんですが、いま私が重ねて強調しておりますのは、みずからの意思で職につくこともあるいはものを判断することも全然できないような精薄者と、正常に、あるいは正常以上に就労ができ、現実にも九八%というような就労率を示しておるろうあ者と、同一の条文の中に二つだけ局限して、自動車の受験資格がないというふうにすることは問題だということであって、そういう意味で、ろうあ者全体に与える精神的な苦痛というものははかり知れないものがあろうと私は思います。現に、また、今日、この問題で、ろうあ者が全国組織を通じてきわめてやかましく要望しております原因となるものについて、まずここから考え方を変えていかなければ、ろうあ者自身が救われがたい気持ちになると思うわけなんですが、将来、できれば、きわめて早い時期にこれを分離して考えていただきたいと思います。それが一つ。 いま一つは、しばしば言いますように、一年かかって、しかも、五月と十月と二回にわたって管下の警察を指導されて、運転免許を得た者はわずか六十人。警察の指示というのはどういう指示をされるかわかりませんけれども、警察くらい中央の指示というものが下部に徹底する機関は、いま日本の国にはないと私は思う。これくらい組織の強化と指導性を発揮する警察において、二回にわたって昨年指示したものが、かような実績しかあがらないということは、この問題になお多くのいろいろな障害になる要素を含んでおると思います。いわゆる運用というのは、効果があがらなければ運用の実はあがらないわけですから、今後、こういう点に対する積極的な対策を本気で考えてもらいたい。 この間の今井委員の質問にもありましたように、現在は、現実には、無免許のままで農耕車を運転しておるろうあ者は非常に多い。あるいは生きていくために、食っていくために、どうにもならなくて無免許で軽自動車を運転して、物を運んで生活のかてとしておる者は、私の知る限りにおきましてもたくさんあります。しかし、彼らはものを言えない。しかも、法律違反を起しているわけですから、非常にみじめな気持ちで働いております。ただでさえ障害という十字架を背負っているのに、加えてまた、そういう片寄ったきびしい法の適用のために、二重の苦しみにあえいでいる。私は、警察の人はこんなことをなぜわからぬのかとふしぎに思うわけなんですが、時間がありませんので、例もこれ以上申し上げませんが、積極的な運営とは、効果があがって初めて行政の実があがるわけでございますから、そうした点については本気で考えてほしい。私は、この成果があがるまで、何回でも、何十回でも質問をします。 最後に、もう一つ。さいぜんも申し上げましたように、障害者というのは、社会的にも、経済的にも、非常に恵まれておりません。これを救う道は、物質的な問題より以上に、精神的に彼らをして社会人として立ち直らせることが第一番でございます。これは厚生行政の中でいろいろな問題もありますけれども、まず、警察みずからが、こういう点についてはとくと御留意を願いたい。 以上で終わります。
○上村委員長 佐藤敬治君。
○佐藤(敬)委員 いま建設大臣がおいでになりましたので、非常にお忙しいようなので、一番先に、はしょりまして、あと先になりますが、建設大臣に御質問いたしたいと思います。 この前、地方行政委員会で私は二回ばかり質問いたしましたが、例の池袋の前に、東京拘置所のあと地が約二万坪ございます。東京都が金がなくて買えないというので、株式会社新都市開発センターというのにこれを移譲しまして、そこが、いま、日本で一番高い地上六十階、それに四十階、その他合わせまして膨大な面積の巨大開発をしようとしております。これが実際に構想が始まったのがいまから十年くらい前なんです。ところが、実際の公共用の用に供するのがことしの四月一日から、地上三階の公共用ビルが公共用に供するということになっておりますが、実際にはまだ何もできていない。さら地になっております。それを、今度は、昭和五十三年の四月まで延期をいたしております。この延期した事実についてすこぶる疑問がありますので、これはあとで大蔵省のほうにお伺いしたいと思いますけれども、これを建てるにあたって、いまから十年くらい前の開発の考え方と、現在、十年たった今日の考え方とは、世の中の考え方が非常に変わってきたと思うのです。昔といいますか、新宿の副都心の開発をしたころは、開発は非常にいいものだと考えられておりましたが、しかし、いまは、ああいう巨大開発をしますと、いろいろな問題が起きてきております。これは最近の新聞等に毎日のごとく出ております。一つは、水飢饉の問題です。この建物ができますと、もちろん日本一高いビルですから、新聞によりますと、浦和市の人口ぐらいの人々が一日にここに出入りすると書いてあります。水を約九千トンから一万トン使う。この水の問題が東京都では深刻な問題であります。付近の人は、このビルに水をとられると、自分のうちに水が来ないのではないかと心配しております。これは専用パイプをつけるからいいとは言っておりますが、もとの水が非常に不足していることは大臣の御承知のとおりであります。 さらに問題なのは、この間東京都の下水道局から首都整備局に対しまして、このままでは下水道がパンクするという厳重な申し入れをしております。例の神田川で、下水道がオーバーフローして、神田川の汚水で、東京都の下水道局長が美濃部さんから処罰を受けるという記事が出ております。 これは七月十六日の読売の記事ですけれども、東京拘置所あとに建てるところの巨大開発の問題を一番多く取り上げております。ちょっと読んでみますと、こういうふうな「汚水戦争の“戦場”となりそうなのは、千代田、中央、港の都心三区や、新宿、渋谷、豊島の副都心区とその周辺」というふうに書かれてありますし、さらに、一番頭をかかえているのは「池袋駅東口で進められている東京拘置所跡の再開発計画(最高部分六十階建て、延べ五十八万二千平方メートル)」というふうに書かれてあります。そして、最後に「特に東京拘置所跡の再開発計画の場合など、二本の幹線や途中のポンプ場、さらには三河島処理場の改修まで必要になりそう。」というふうに書いてあります。これはちょっとやそっとではできないたいへんな問題でございます。 さらに、ごみの問題があります。東京都がいまごみで困っているのは御承知のとおりであります。特に、豊島区は、処理場は一つもなくて、中継してこれをつなごうという計画しかありません。これができますと、一日に大体四十トンぐらいのごみが出てくる。これの処理が何のめどもついておりません。 さらに、最近、小坂経済企画庁長官が出しております電力の消費の問題、これも各所でいま非常に問題になっております。特に、小坂さんは、高層ビルのエレベーターに特別消費税をかけようじゃないかと言っていますが、こういうふうに、電力の問題が非常に大きな問題になっておる。あるいはまた、あそこに六十階、四十階というような大きなビルがどんどん建っていくと、風が少し強くなるとジェット風が出てきて、風害の問題が、局所に非常に大きな害を及ぼすのではないかというふうに言われております。 さらに、最近非常に問題になり、この間も地方行政委員会に総理大臣が来て演説しておりましたけれども、災害問題がある。あの豊島区というところはほとんど公園がございませんが、ここも二万坪のうち二千坪を公園にするだけで、あとはほとんど全部巨大開発で建物が建つのです。そうしますと、災害の問題を一体どういうふうに考えるか。特に、最近の学説では、カリフォルニアの太平洋岸の海岸が隆起してきて、その隆起したものが太平洋の岩盤を日本のほうに押しのけて、太平洋海溝から日本列島の下に太平洋の岩盤が入ってくる、そのために、摩擦地点の海岸線が下に陥没していく、それがある程度になればはね上がって、また隆起して、そのとき大地震になる、こういうことがほとんど定説になっております。特に、房総がそのまつ正面になっておる。静岡県では本気になって訓練までしておる。こういう時期です。 私は、この建物は日本で一番高いから、倒れるとは思いませんけれども、火災が起こったり、内部の倒壊があったり、いろいろな災害が何かしら起こってくるということはまず覚悟しておかなければいけないと思います。総理大臣は盛んに災害対策、災害対策と強調しておりましたが、この建物に何十万という人口が一日に集まって、もし災害が起きたらたいへんなことになります。そういうときに、その逃げ場所一つないという状態がこの開発の中にあると私は思います。 それで、もうすでにこれは新都市開発センターというものに売り渡されて、この間ようやく建築確認をとりまして、これから着工するというのです。しかし、いままで十年間延びてきた理由というものは、いま申し述べたようなもろもろの問題が解決できないから地元の反対があったり、東京都の水道や、下水や、いろいろな問題が解決できないからいままで延びてきたのである。ところが、この間再契約して、五年延長して、昭和五十三年までにこれをつくるというふうになっていますけれども、基礎条件であるところの、いままで申し上げました問題が一つも解決されていない。どういう理由で五十三年までこれを延長したのか。五十三年というのは、この問題が全部解決される時点であるのか。そういう点はよくわかりませんけれども、私は大臣にお聞きしたいのですが、十年前の日本人の考え方と現在の日本人の考え方とは非常に大きく変わってきている。幸いにして、あそこはまだ何も着工していない。一番先に申し述べましたけれども、私は、東京都にあれをやるべきだと思う。しかしながら、東京都に交渉したところが、金がないというので東京都が断わったから、やむを得ず株式会社新都市開発センターにやったということです。しかし、金は幾ばくでもない。五十数億なんです。しかも、その建物を建てて建築交換をしていますが、価格が六億何ぼ足りないので、あと残った六億を現金で国がこの開発センターから取っている。たった六億の金を分割して入れさせている。それくらいの親切心があったなら、東京都に土地を払い下げて、分割でもらうとか、起債の金をつけてやるとか何かすれば、必ず東京都が獲得することができたと私は思う。それをあえてこういうところにやって、そうして、いまはどうですか。片方では公有地拡大法というもので、たった二千坪の土地を届けなければ売らせないという私有権の制限までして公有地を獲得しようとしている。片方では、こういう二万坪という、都心のどまん中にある大事な土地を営利会社にやっているのです。これは明らかに営利会社で、第三セクターでも何でもないのです。三菱土地が中心になってこれはやっている会社なんだ。これになぜやったかという理由としてはこう言っています。まず、バスのターミナルということが一番。バスのターミナルは公共事業だから、公共事業をやる会社にこれをやったのだという理由ですけれども、私は、これは公共事業でも何でもないと思う。ここには、バスターミナルと、それから千七百台の駐車場をこの建物の下につくる計画があるのですが、ところが、これは公共施設じゃないと私は思う。これだけの巨大な建物を建てれば、千七百台の駐車場やバスのターミナルをつくっただけでも交通が非常に混乱することは目に見えている。六十階に上がるためには、歩いて上がれませんから、エレベーターをつけなければなりません。エレベーターは公共施設じゃなくて、建物の付属施設なんです。そういう意味で、駐車場なんというものは、完全なる付帯設備だ。これがなければ、こんな建物はできるはずはないのです。こういうふうに非常に大きな混乱を、これをもし強行するならば巻き起こすと私は思うのです。 大体、開発というものは何であるかということを考えてみますと、開発というものは、無秩序にでたらめに広がっているものに秩序を与えようというのが開発で、これには御異存ないと私は思います。この池袋の副都心の計画をいま強行すれば、かっこうはよくなりますよ。しかし、基礎条件、環境整備がますます大混乱におちいるのです。これは何も秩序を確立するのじゃなくて、新たなる混乱を巻き起こすだけなんです。そこで、本来こういうものは東京都にやって公園にすべきじゃないか。大体世界で一番公園緑地の足りないのは日本なんだから、せっかくこういう密集地帯にこれだけの二万坪という空地があったのだから、これを公園にすべきじゃないかと思います。しかし、こういう状態になってきました。さっきも申し上げましたとおり、幸いにしてまだ何にも手をつけておりません。私の考えでは、この基礎条件というのは、三年や五年あったって、下水道だけ見たって解決されるとは思われない。このまま強行すればたいへんな混乱を巻き起こし、東京都の下水道がパンクする危険性がある。一番ひどいところは豊島区なんです。これから見ますと、むしろ、この計画というものをここで取りやめて、もう一ぺん国が買い上げて、そうしてあそこを公園につくりかえるべきだと私は思います。大臣は御承知かどうかわかりませんけれども、豊島区のあの東京拘置所の周辺では、まだまだ国有地があるのです。というのは、そのすぐ向かいに約一万坪ぐらいの造幣局の敷地がありますが、あれは、おそらく刑務所にくっついた建物なんですね。そして、そのはす向かいのところに法務省の官舎がございますが、これは約三千坪か四千坪くらいある。その向こうのほうにはまだ大蔵省の土地がある。あれを全部やりますと、五万坪ぐらいの広大な土地が公有地として残るのです。そして、非常に困ることは、高速道路のすぐそばのところに、たいへんなスラム街がある。ものすごい密集したスラム街がある。むしろ、あれを改造することこそあそこの都市開発だというふうに私は思うのです。これだけの空地があるのだから、この空地を足がかりにしてあれを開発していくべきで、こういうふうにこの巨大開発の池袋副都心の計画を練り直してやるべきじゃないかと思います。 あとで大蔵省の方にも質問したいと思いますけれども、もしこれを大臣がやるならば、これは、いまの都市政策で云々されている自民党の大ヒットになると私は思うのですよ。これも大臣にはあとで私はお伺いしたいと思っていますが、例の筑波大学設置に伴うあと地は、公園緑地にすべきだ、開発はしないということを言っておられたり、あるいは、私のほうでこの間大臣に御質問申し上げましたように、高速道路が町のどまん中を通ってはいかぬから、山のほうへ上げるということを、私の質問にも、それから参議院で、沢田参議院議員の質問にも答えておられるようで、非常に柔軟に対処しておられるので私は非常に尊敬していますが、もしこれをほんとうにやる御意思があるならば、十分やれると私は思うのです。もう一ぺん国で買い取って、そしてここをもう一ぺん公園として再開発すべきじゃないか、こういう意見を大臣に申し上げたいと思います。特に、最近は、大阪の堺のところで買い戻している実例があるのです。日本経済新聞ですけれども、一ぺんコンビナートとして土地を売りました。ところが、公害の問題で、どうしても付近の公害の問題が解決できない。解決しなければとてもだめだからといって、それをもう一ぺん買い戻すという動きが出ているのです。私は、公害とこの問題は同じだと思う。こういうことで地元に大きな影響を与え、しかも、この問題が環境の点において大きな混乱を巻き起こすとするならば、これをもう一ぺん買い取って、もう一ぺん白紙に戻して開発に乗り出すべきじゃないかというふうに考えます。 時間がないようなので、続けざまに全部御質問いたしますから、一ぺんにお答えください。 この間の読売新聞を拝見しますと、例の筑波の学園都市ができますと、東京教育大学が全部向こうへ移ることになります。それに対しまして、非常にこれは大臣をほめておりまして、「建設省、気前いい答弁」というふうに出ておりまして、これを都が扱って緑地にしなさいというふうなことを言っておられました。これはほんとうだと思いますけれども、その点、ほんとうであるかということと、もう一つは、この筑波学園都市ができますと、東京教育大学だけではなくて、まだ、ほかに、農林省や、通産省や、運輸省、建設省などの研究設備が向こうへみんな移ります。この面積のほうがまだ膨大なのです。この土地に対しましても、大臣は、やはり、教育大のあと地と同じような考えを持っておられるのか。これらの点をお伺いいたしたいと思います。
○金丸国務大臣 お答えいたします。 東京拘置所のあとの問題につきましては、東京都が、都市計画で、豊島区の同意を得てここに建設を許可したというようないきさつがあるようでございます。いま先生からいろいろ詳細なお話しを承ったわけでございますが、いま、東京は、緑がだんだん減ってきておる、これを維持する、回復する、これがいまの大きな政治課題であると私は考えます。また、水の問題にいたしましても、あるいは電力の問題にいたしましても、非常に危機を告げておるときでもあるということも現実の姿として出てきておる。こういうことを思いながら、この計画というものが進められておるということでございますが、私は、いろいろないきさつがあってこういうことになったと思うわけでございますが、緑地というものをこの東京都に残すということ、また、残すということより以上に回復するということは、きょうの政治家のやらねばならぬ至上命令だという考え方を私は持っております。そういう意味で、空地にはあくまでも緑というものを回復すべきである、人間と緑というものは相対関係がある、これがなくなったときは人間の生存に重大な影響があるという考え方を持つべきじゃないか、こういう考えのもとに立ちまして、東京は現在の過密人口というものをもう少し間引きしなければならぬというような考え方あるいは防災という立場から考えてみましても、これに対処する方法を考えなければならぬ、空地も考えなければならない、その空地にはあくまでも緑地として回復するということを考えなければならないということで、私は、この推進を今後ともやらなければならぬという考え方をあくまでも持っておるわけでありまして、そういう意味で、いま先生の言われた問題につきましては、私の建設省の関係ばかりでなくて、いろいろの省庁との関係もあることでございますから、省庁とも連絡をとり、よく調査いたしますが、あそこにまた大きなターミナルをつくり、あそこに大きな人口が集まってきて、そこで大きな電力を使い、大きなごみが出てくる、あるいは水を使うというようなことになることを考えてみますと、これはとてつもないことになるという先生の御指摘は、全くそのとおりだと私も思います。五十億や六十億の金は、いまの財政から言ってえらいことじゃないのだから、そういう意味で、できることであるならば、緑地にするようなことをいまから考えてもおそくない。そこで、できるだけ各関係の省庁と連絡をとってみまして、努力をしてみたいと思うわけでございます。 また、筑波学園への移転あと地、研究所のあと地の問題につきまして、先般、参議院の内閣委員会において質問があったわけでございますが、その問題につきましては、東京教育大学ということばかりでなくて、研究所のあと地はもちろん国有財産でありますから、特別会計でもあり、大蔵省の中央審議会で審査の上、これをいかにするかということが決定されるわけであります。首都圏整備委員会も、あるいは建設省もこの審議会に関連もあることでございますから、強く要請いたしまして、緑地として残すというようなことにしていただくことを今後とも続けてまいりたい、こう考えておる次第でございます。
○佐藤(敬)委員 いま大臣から非常に力強い御答弁をいただきまして、私も非常に感激いたしております。この過密の都市で少ない空地をできるだけ広げるように、ぜひ御努力をお願いいたしたいと思うのです。 ちなみに、ちょっと申し上げますと、このビルが建っても、現代の要請にこたえるところが一つもないのです。住宅不足だといったって、住宅は、二万坪の大きなところでたった四百戸なんです。しかもマンションです。マンションを建てても、庶民の住宅難の解決には一つもならない。あとは全部オフィス、デパート、ホテル、専門店、レストラン、アミューズメント、こういうものばかりなんです。こういうものは東京ではあふれているのです。それをせっかくの貴重な土地に建ててしまう。私は、これではたいへんなことになると思いますので、いまの大臣の御答弁で、非常に力強い頼もしさを覚えました。ぜひひとつそういうようにがんばってもらいたいと思います。非常にいい御答弁をいただきましたので、大臣はこれでけっこうでございます。 大蔵省の勝川さんにお尋ねいたしますが、この前も私はこの委員会で御質問申し上げましたが、普通は、国有財産を払い下げて建築交換した場合に、用途指定に供する、これができない場合に延長する、その延長の期間は一年以内に限って認める、そして、再延長は認めない、そういうふうな指導がされているわけですが、それがこの問題に関しては、新都市開発センターとの契約は昭和四十八年四月一日から供用を開始するというのが、いま話しましたように、まだ全くさら地なわけです。手もつけてない。それを今度は五十三年の三月三十一日まで延長するという。そうすると、五年なんですね。その方針に食い違いがないかとただしましたら、建築交換方式では一年以上長くても認められるんだというふうな御答弁があった。この前は時間がなくて、その根拠を聞くのを忘れましたが、どうしてそれが長くていいのか、ちょっと教えていただきたい。
○勝川説明員 前回の御説明が簡略で、先生に御理解いただけなくて、たいへん恐縮であります。 御承知のように、普通財産の売り払いをする場合には、国有財産法第二十九条で用途指定を付することが義務づけられておりますが、交換の場合には、法律的には定めがないわけでございます。しかしながら、大蔵省といたしましては、国有財産の適正処分をはかる見地から、交換の場合であっても用途指定を付することにしております。 お尋ねの建築交換は、大蔵省の前の国有財産局長の通達でありますが、昭和三十九年に、「建築交換実施要領」というものを出して実施しておりますが、この通達では、建築交換に関する用途指定は、同じく四十二年に出した通達で、「国有財産を交換する場合の取扱いについて」という交換の場合の一般通達によることになっております。この交換通達によりますと、確かに、先生御指摘のとおり、指定期日については、渡し財産を引き渡しの日から二年以内とし、延長期間は一年以内とするということが原則になっておりますが、「これによりがたい特別の事情があるものとして理財局長が特に認める場合は、その定めるところにより処理することができる。」というふうに特例措置が定められております。本件の場合は、池袋副都心再開発事業という大事業でありまして、地元住民との調整その他、都市計画の決定に相当長期間を要しましたし、さらに、都市計画事業の施行期日そのものが五年間延長されましたので、これと合わせて、特例措置をもって五年間の指定期日の延長を認めたものであります。
○佐藤(敬)委員 それができるというのであればいたし方がありませんけれども、五年間という期日はどういうふうにして算定したのですか。
○勝川説明員 昭和四十二年二月二十七日に新都市開発センターに売り払いました東京拘置所あと地につきましては、高速道路第五号線出入り口、西巣鴨公共駐車場及び西巣鴨バスターミナルという都市計画事業の用途にそれぞれ供するようにという用途指定を付したわけでございます。契約締結時は、これら都市計画事業は昭和四十八年三月に竣工することになっておりましたので、これに合わせて指定期日を昭和四十八年四月一日としたわけでありますが、先ほど申しましたような事情で、東京都の都市計画地方審議会の議を経まして、この都市計画の事業期間が五年間延長されるということがきまりましたので、当省といたしましても、それに合わせて、この都市計画事業の終了予定日である五十三年まで延期した次第であります。
○佐藤(敬)委員 先ほどもちょっと大臣に申し上げましたように、五年たってもこういう条件というものは解決できないと思うのです。水の問題、下水の問題、それから地元との問題、いろいろやってきたのです。それがいまだにできないのです。そして、事情がもっと緩和されたかというと、これはますますむずかしくなってきているのです。そうしますと、とても五年やそこらではこれはできない。もし、建物だけ強行すれば、先ほど私が大臣に申し上げたと同じ結果になってしまうのです。建設大臣にさっき申し上げましたけれども、大蔵省のほうは、いわばそっちとは関係なく、ただ、売買の契約だけするのでしょうけれども、これはやはりたいへんな問題だと思うのです。 そこで、大蔵省にお願い申し上げたいのは、さっき金丸建設大臣が言われたような、ああいう趣旨に沿うてもう一ぺん考え直していただきたい。そういう問題が出てきた場合には、ぜひひとつ考え直していただきたい。これは、単に株式会社の新都市開発センターという問題ではなくて、東京都民の大きな問題だと思うのです。いまや、こういう過密の問題が最大の問題になっているとき、あれを建てても、何にも都民のためにはならない。これはまことに残念な話だし、また、所管の大蔵省としても、国民に対してまことに申しわけない、残念な話でしょうから、さっき金丸建設大臣が言われたような、ああいう趣旨に沿うてぜひひとつがんばってやっていただきたい、こういうふうにお願いいたしたいのですが、ひとつ御意見を聞かしてください。
○山本(幸)政府委員 私、いま入ってきたばかりで、どういう御答弁を建設大臣がなすったか、内容をちょっと具体的に承知しないのですが、もともとこれは、当初、東京都で引き受けてもらうのがよかろうということであったわけですけれども、東京都のほうからは、まあ、首都圏整備委員会を通じて——財政等の都合もこれあり、当面できない、こういうことで、あと地利用が副都心の整備の目的に沿うものであれば、民間機関に行なわせてもよろしいという御返事があって、こういうことに今日なっておるわけでございます。もちろん、いまお話しもあったかと思いますが、情勢がずいぶん変わってきておることは私どももよくわかります。まあ、新都市開発センターというのは、運輸大臣の免許及び建設大臣の認可を受けたやや公共的な機関で、池袋副都心建設にかかる都市計画事業を実施するという目的を持っておる機関でございまして、こういう相手方を一つ持っておるわけでございますので、ここで、私が、直ちに、国はこれについてあと地を買い戻すということも申し上げかねるわけでございます。むしろ、大蔵省としては、買い戻すことは困難であろうという考え方のほうが強いかと思いますが、建設大臣のお話しもあったようでございますし、事はどういうことになるか、ここで私がお約束もできかねるわけでありますが、もう一度検討をするということだけはお約束をいたしておきたいのであります。できるだけおっしゃるような点に沿うという御答弁をここで申し上げることが一番いいわけでしょうが、そういう答弁もこの場ですぐにできかねることでありますから、その辺を御了承いただきたいと思います。
○佐藤(敬)委員 まだ自治大臣が来られないようですので、政務次官にお尋ねしますが、先ほど申し上げましたように、最近の巨大開発で、あるいは開発をしなくても、都市がどんどんふくれていくので、水の問題、下水の問題、電力の問題などがたいへん大きな問題になっている。そのほか、自動車ラッシュの問題とか、公害の問題とか、どんどん、次から次へと手の打ちようもないほどいろいろな問題が発生してきているわけです。これは、私どもが言うだけではなくて、政府部内からも、先ほど申し上げましたように、小坂長官からもそういう話が出ております。 そこで、このままじんぜんとやっておったのでは困ると私は思うのですよ。というのは、建物を建てれば、水道は水道法によって必ず水を供給しなければいけないし、電力は必ず供給しなければならない、下水道は必ずつけてやらなければならないということでありますので、拒む方法がない。それで、大阪でも、関西電力が協力してくれといってもだれも協力してくれないから、しかたがない、そのままずるずると電力を供給しているという事態にいまなっておりますね。そこで私は、ある種の規制を立法化する必要がないかと思うのです。たとえば、下水道や上水道、電力というもののキャパシティーをオーバーした計画に対しては拒否権を発動する、建てさせないという権限を自治体に与える、こういう方法がぜひ必要ではないかと思うのです。 それから、いま、住宅の問題なんかで、団地計画をどんどんやっていますが、それに対して、学校だとか、水道だとか、いろいろなもので負担がかかり過ぎて、自治体がとてもついていけない。そこで、開発のデベロッパーに負担をさせようとしているのですね。それと同じような考え方で、たとえば新宿の副都心なり、豊島の副都心なり、これをやりますと、概算見積もりで四十億、五十億の金が、下水や上水道をやるのにかかると言われているんです。これが全部東京都の負担になっている。これに対して幾らかでも負担させる措置を講ずる必要はないか。 この二つを聞きたいのですが、特に、あとよりも、前者のほうの、環境容量をオーバーした場合には、自治体がこれに対して拒否権を発動することができるという点について、これはぜひ立法化する必要があると思いますけれども、御意見を聞かせていただきたいと思います。
○武藤政府委員 いま建設委員会にかけられておりますいわゆる国総法、あるいは都市計画法の改正案、あるいは建築基準法の改正案、その中には、先生の御指摘のような、新しいこれからの都市並びに地域の開発についての考え方は大体入っておるんじゃなかろうかと私は思います。そういうことで、国の方向といたしましても、思い切って規制をし、それぞれの地域が秩序ある開発がなされていくようにしなければならないということでやられておるわけでございますので、あの法律がそれぞれ通った暁には、ある程度それで十分生かされていくのではなかろうかと思いますが、しかしながら、地方自治体においても、それを見越してといいますか、もう先に進んで、すでにそれぞれ県によっては条例を設けまして、地域の開発についてはそれぞれ規制を加えておられるようでございます。私ども自治省といたしましては、そういう方向というものはたいへん好ましい方向でございますし、特に立法しなくとも、ああいう法律ができ、地域地域において、その法律に基づいてすでに先に進んでおりますけれども、今度は、正式に法律に基づいてそれぞれの土地その他に対する規制が行なわれていくならば、先生の御指摘のようなところはそれによって十分救われるのではなかろうかと私は考えております。
○佐藤(敬)委員 これは大蔵省の方にお伺いしたいんですが、さっき建設大臣にもちょっとお伺いしましたが、筑波学園都市へ移ったあとの土地が三十六カ所、百四十七万平方メートルある。この土地でありますけれども、先ほど、金丸さんは、これを緑地にするのが非常によろしいと言っております。しかし、大蔵省のほうは、さっきのお話しにもありましたが、国有財産中央審議会の内部に、筑波移転あと地の利用の小委員会を設置して、三カ所をスタディケースとして検討しておるということが書かれております。そこで、この問題について、東京都は、ぜひ必要であるというような意思表示は、非公式ながら、一応しておるようです。この点に関しましてちょっとお伺いしたいんですが、これとちょうど同じ問題が基地の問題でもあると思うのです。いま、キャンプ朝霞地区と、それからジョンソン基地の住宅地域が返還されましたね。これについて、地元の和光だとか、いろいろな都市がこれの払い下げを希望しておるわけです。ところが、立川に対しては無償でこれを払い下げましたけれども、ほかのところに関しましては、約二千億円ぐらいで買え、公示価格で買いなさいというようなことを言っておるようなんです。そこで、ちょっと同じことになりますが、筑波のほうは東京都、こっちのほうは東京都も入っていますが、それぞれの各市がこれを公共的なものに使いたい、特に、緑地だとか、公園だとか、そういうようなことをやりたいという計画をしておるんですけれども、これがもしこの新聞に出ておりますように、有償で、二千億だとか三千億で買え、公示価格で買えということになりますと、地方自治体の大負担になると思うのです。いま申し上げました新都市開発センターになぜ売ったか。この問題は、いまも話がありましたけれども、東京都に金がないから、それで断わられたから、この新都市開発センターにやったと言われている。しかし、この金は幾らであるかというと、たった五十三億六千百万円です。何ぼ東京都が貧乏だからといって、これだけの金がないはずはないんです。私はそう思う。だけれども、これはすでにできてしまったからしかたがない、これは、二千億や三千億でもしこれを買えというならば、地元に金がないから、また、ほしいけれども、どうもなりません、何とかしてくださいということになれば、大蔵省では、基地のほうは関東何とか統合計画によって金が必要だから、これを売らなければ金がないから、金のあるところ、いわゆる民間のデベロッパーにこれを売るということになりかねないのです。そうなれば、さっき申し上げたような、ほんとうに絵にかいたもちみたいになってしまう。大蔵省としては、ほんとうに二千億円で買えと言って、どこまでもこういうたいへんな値段で買わせるつもりなのか、この点をひとつお伺いいたしたいと思います。できれば立川と同じように無償でやるなり、国の負担で——いまの国の財政力ではそう大きな負担ではないから、できれば無償でやって、そうして住民の公共の役に立つように使わせていただきたいと思いますけれども、その点に対する御意見をひとつお聞かせ願いたい。
○川崎説明員 お話しの二千億で買えといったようなことは全くございません。御指摘のキャンプ朝霞につきましては、つい先ごろ返還になりましたが、これらの返還基地は、御存じのように、関東プランと称されておりますものの一連の計画でございまして、あと地の整理、移転には費用も要りますから、全部のあと地を無償でやるといったようなことはとうていできませんけれども、あと地の利用につきましては、中央審議会の返還あと地の小委員会というもので慎重に検討をしていただき、各方面の意見を持ち寄って、討議した上できめるということになっておりますので、主として公共用に転用される、あるいはまたオープンスペースに転用されるといった面が多くなろうかと思います。したがいまして、財政負担の点につきましては、国としてお金も必要とするわけでございますが、地元市町村の財政負担能力を考慮しまして、十分話し合いをした上で処理してまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○佐藤(敬)委員 ただではできない、結局金で買えということですが、その負担能力がなければ、豊島と同じようなかっこうになってしまいますので、ぜひひとつ考えていただきたいのです。現実に金を取るということになりますが、たとえば何か具体的に、こういうふうな方向にして、いま審議会でやって緑地にすべきだという答申を出しても、有償で、買えないということになれば同じことなのです。何ぼ審議会でやっても、審議会で金の世話まで全部やってくれるとか、これは無償でやれとかいってそういう答申が出るならばいいのですけれども、ただ空地にすべきだ、金を出せ、これだけでは何の解決にもならぬと思うのですが、その点はどうですか。
○川崎説明員 公園とか緑地といったように、法律で無償で貸し付けすることができるといったような用途にすべきであるというふうに決定されました場合は、適正な面積といいますか、大きさにもよるわけでございますが、小面積ならばもちろん無償です。しかし、非常に大きな面積でございましたら、財政能力を勘案して、大蔵省において検討し、また、審議会において検討した線で幾らかの財政負担をしてもらうようなことになろうかと目下考えておるところでございまして、まだ、はっきり申し上げる段階に至っておりません。
○佐藤(敬)委員 ぜひそういうふうな方向で、地元の財政負担能力に見合うように、ひとつお考え願いたいと思うのですが、これは自治大臣にもひとつお願いしておきたいと思うのです。 いま大臣が来られたので伺いますが、この間からやっておる問題でいまやっているのですけれども、それがもう少し広がりまして、例の筑波研究学園都市ができると、東京教育大やその他の各所の教育施設がみな移りますが、そのあとが残ってきます。それを、建設大臣は公園だと言っておるのですけれども、東京都が公園にしたくても、公示価格でそれを買いなさいというと、たいへんな金額になります。たいへんな負担になります。いま大蔵省から答弁をいただきましたように、返還された基地でも同じなんです。それを有償で買えということになると、たいへんな金額になりますので、これはぜひ使いたいし、金がないでは困るから何とか考えてくれ、ただでやるなり、財政措置も考えてくれと言っておりますが、担当の自治省といたしましても、一番都市で不足している緑地なり、空地なり、公共用地を獲得するために、財政の面の考慮をぜひ強力に考えていただきたいと思いますが、御答弁をお願いいたします。
○江崎国務大臣 国有財産を処分するにあたりましては、地価公示価格によって払い下げるということは、国有財産法から言っても妥当な線であろうというふうに、原則的には考えます。しかし、それの用途のいかんによっては、これは大蔵省側において相当な考慮を払っておることは、今日までの例に見ても明らかなとおりでございます。そういう答弁がきっとあったかと思います。したがって、また、今後自治省としては、その用途に基づいて相当な起債を認めるとか、あるいは融資をあっせんするとかいうことは、これは当然しなければならぬというふうに考えます。
○佐藤(敬)委員 その問題は一応それで打ち切らしていただきますけれども、今度は自治大臣のほうにおもに伺います。時間があまりありませんので、端的にお伺いします。 例の住民基本台帳の問題についてですが、こういう事件が発生いたしました。すでに聞こえていると思いますが、山形県の鶴岡市の日本ダイレクトという会社が、鶴岡の住民基本台帳をまる写しにしまして、そして、これを三万五千円で八月一日から販売するという問題が出てきました。そこで、鶴岡市役所で、これはどうも困るということで再三申し入れましたけれども、なかなか言うことを聞いてくれない。むしろ向こうのほうが強腰で、裁判でもいい、受けるということを言っているようなんです。それで、鶴岡市役所では、申告の要旨がここにありますのでちょっと読んでみますと、鶴岡市役所の総務部長、市民課長の名前で、「山形地方法務局鶴岡支局長殿」と書いて、相手方の鶴岡市の有限会社日本ダイレクトに対しまして、「相手方は以前から市内各商店等の依頼により各種宣伝文書を各家庭に配布するため、同社員二、三名でしばしば住民基本台帳の閲覧の申請を行っており、特に申請を拒否する理由のないところから、その都度閲覧に応じて来たところである。しかるに本年六月三十日鶴岡市職員労働組合執行委員長から、別紙案内書を示され、このような刊行物は市民のプライバシーを侵害するものではないかとの指摘があり、それによれば前記閲覧者が閲覧結果に基いて、「一九七四年版鶴岡市名鑑」なる刊行物の発行準備中であることが、うかがわれる。同案内書によれば、この名鑑なるものの内容は、本市全世帯に亘り住所、生年月日、性別、続柄等家族構成がもうらされている。このことは商店等市民の一部からは仮りに歓迎されるものとしても、市職員労働組合から指摘された如く、市民からプライバシー侵害の苦情が出て来ることは明らかである。恐らく同社は発行に当り、市民の同意を得ているものとは考えられず、こと急を要すると考えたので、客月三十日鶴岡裁判所に相談に行ったところ、法務局に行ったらどうかとの指導を受けた次第である。また同日相手方に対し来庁を要請するとともに、個人のプライバシーの侵害の疑いがあるので発行の中止方を申し入れたのであるが、相手方は発行中止は勿論のこと、内容の変更等も考えられない。本出版物に対する苦情の処理は、一切当社が責任を持つものであり、個人の。プライバシーについては十分考慮している旨の表明があり一物別れとなっている。しかしながらこの「一九七四年版鶴岡市名鑑」については一生年月日、続柄まで掲載されており発行後におけるこれが悪用も十分考慮され、特に市民のプライバシーの侵害に重大な疑義があるのでご調査の上何分のご措置を願いたい。」という調査依頼を法務局に出してあるわけです。 そこでお伺いしたいのは、はたしてこういうことが許されるかどうか、非常に疑問だと思うのです。公開の原則というのが一応ありまして、十一条に「何人でも、市町村長に対し、住民基本台帳の閲覧を請求することができる。」というふうに書いてあります。そして、「執務に支障がある場合その他正当な理由がある場合に限り、前項の請求を拒むことができる。」と書いてありますけれども、一人の人の商売のために、不特定多数に、鶴岡市の全住民、約十万の人口のみんなを暴露するということが許されるかどうか。それから、それをそのまま三万五千円というかなりな高額のもので直接商売の利益の対象にしているということも許されるものであるかどうか。人間のプライバシーというものは一体何であるかという問題が出てくると私は思います。たとえばこれは自治省の人の解説したものでありますけれども、この第四項目に取り上げられております続柄、家族構成ですが、こういう問題についても、そのまま暴露されたら、やはりたいへんなプライバシーの侵害になるだろうと思われる事柄がたくさんあるんですね。たとえば、小さい子供を養子にもらった、大きくなるまでは、これは自分のほんとうの子供だというふうにしてやろうと思っていたところが、これをみんなばらまいて配ったら、おまえ、もらいっ子じゃないかと言っていじめられるかもしれない。あるいはもっと問題なのは、婚姻届けをしていないで、事実上婚姻関係と同様な事情にある者、これがどういうふうに記載されているか。未届けの夫、未届けの妻というふうに記載されている。これがそのまま出たら、これはやはりたいへんなプライバシーの侵害になる。人間によっては、自分の年もみんなから聞かれるのは困るという人もおります。これは公開といっても、特定の人が特定の用事のために特定の人間を調べること、これがこの法律の趣旨だと思うのですよ。それを、全部の者を調べて、不特定多数に商売としてみんな売りつけるということは、法の趣旨に全く反すると私は思うのですがね。この点に対して明快な御答弁をお願いしたい。 特に、この前の逓信委員会で私のほうの森井委員が質問しましたのに対して、馬場説明員が、こういうふうに大量にやるということは非常に気をつけなければいけないということをはっきり答弁しております。具体的にこういう問題が起きてきましたので、このことがはたしていいか悪いか、はっきりお答えをいただきたいと思います。
○江崎国務大臣 事務的に、先にお答えをいたします。
○林(忠)政府委員 御指摘のこの案件は、確かに問題があるという意識は強く持っております。この法律ができましたときに、前の戸籍でも、一切、こういうことについては、閲覧の自由、公開という原則をとっておりましたので、この住民基本台帳法でも同様、何ぴとでも閲覧できるという原則は踏襲したのでございますが、それを閲覧できるということを踏襲したのは、いまの先生の御指摘のとおり、まさに、特定の場合に特定の人が特定のものについて調べるということがその目的の主体だということには違いございませんで、これらをまとめて、一つの本にして、一般に出版するということは、実は考えてもみなかったというのが実情ではないかと思います。こういうものが出版されることにつきましても、プライバシーの侵害ということで相当問題点があることは御指摘のとおりでございますが、ただ、非常にむずかしい問題は、これらの内容の事項が原則として公開になっておって、言ってみれば、だれが行っても、市役所へ行けばみんなわかる。つまり、法律上秘密を保護されておる利益というものをかぶっておらぬというか、そういう問題でございますので、ある意味では一つの盲点かもしれません。ですから、いまの出版社が抗議を受けましても、自分のほうが一切責任は負う、しかし、これはもう公開されたものであるから、プライバシーの侵害という問題は起きないんだと強腰になっておるということも、その論点としては、もとがすべて公開という原則である以上、そういう論点も立ち得るだろうと思います。これは法務省のほうに何とかすべきであるという申請がいっている。おそらく、これは、人権擁護という立場で、法務省の人権擁護の観点でいっておるんだと思いますが、そこで、これからそれを受けて判断をなさると思いますが、その判断についても、非常にむずかしい問題が確かにあるのでございましょう。そこで、現在の法のたてまえでは、実は、これはどうしようもないと言わざるを得ない。そこで、どういう点が一体プライバシーの侵害の問題として現実に問題になってくるか、あるいは、これがもし出版された場合にどういう使われ方をするであろうか、これに、自分らには何の断わりもなしに掲載された市民がどうお思いになるだろうかというようなことを踏まえて、これは何らかの解決をするとすれば、場合によれば法的措置も必要であるかもしれません。 これについての検討は、私どものほうでも至急に開始いたしますが、現実のプライバシーの問題、また、これの反響あるいはその法務局の判断、また、この事件については、何人かの方々から訴訟を起こすという話も伝えられておるようでございますが、もし訴訟が起こされたとすれば、その判断、そういうものも踏まえて考えなければならない問題でございまして、いま直ちにここで、これはこういうふうにすべきだという案を得るには至っておりません。たいへん問題があるということは認識しながらも、これは一そう慎重な検討の必要な問題であると考えておる次第でございます。
○佐藤(敬)委員 これは、住民は、この基本台帳の調査事項に答えなければ、五万円か何か罰金をとられるんですね。かなり重い申告の義務があるんです。ところが、住民は、やむを得ずやっているんです。ほんとうは、自分の年やら、健康診断やら何やら、どこが悪いとか、あそこが悪いとか、そういうようなことを出したくないんですが、ちゃんと十二項目きめられて、出せと言われるから、出さざるを得ない。しかし、それが本になって一般の市民に公開されるということは、だれも考えておりませんよ。そんなことだったら、これはだれも出しません。もし初めからそうだったら、だれが出すものですか。いま、この問題では、たった四項目の問題しか出ておりませんよ。住所、生年月日、性別、続柄、これしか出ておりません。しかし、あとに、五、六、七、八、九、十、十一、十二まであるんです。この項目の中を見てみますと、国民健康保険の被保険者、それから国民年金の被保険者、そういうことになっています。自分のからだがびっこであるとか、めくらであるとか、いろいろな身体的な欠陥が全部出てくる。これを全部やってはいかぬということではないですが、いまたった四つしかやっていないけれども、これはやはり重大なプライバシー侵害の問題ですよ。これには御異存ないと思いますね。
○江崎国務大臣 御答弁としては、先ほどの行政局長の答弁に尽きると思うわけですが、これは、政治的に相当重要な問題を含んでおりますので、私からもお答えをするわけですが、プライバシーの問題、それから、不特定な人が希望に応じてそれを自由に見ることができる、これが出版をされた場合に、このプライバシーの保持の問題と、全部をあからさまにするという問題とのかね合いをどういうふうにするのか、これらは非常に重要な御指摘ですし、まあ、全面的に公開されるなんという前提は考えないでいまの法律があるわけですから、法律には抵触しなくても、これは新たな問題として当然検討をしなければならぬ重要な要素を含んでおると思います。したがって、これはしばらく時間をおかしいただきたい。当然、この問題につきましては、早急に結論を得まして、この刊行物の扱いについても、関係省庁と十分打ち合わせの上結論を見出すようにいたしたいと考えます。
○佐藤(敬)委員 実際を言うと、この相手方は、苦情は一切当社が責任を持って引き受けると言っていますけれども、これは、実際訴えられれば、この会社が訴えられるのじゃなくて、鶴岡市が訴えられるんですよ。住民から当然訴訟の問題が出てくるんですよ。これはもうすでにそういう意向を示す人がいる。これから出ればそうやろうという人もいるんです。これは会社が問題じゃないんです。鶴岡市がやられるんですよ。 こういう問題については、やはり自治省で早急に結論を出してもらわなければいけない。プライバシーの問題というものは非常にむずかしいと思います。ケース・バイ・ケースで、その人の身にくっついた問題で、非常にむずかしい。だから私は考えるんですが、これを公開する必要がどこにあるか。この公開をするのは、自治省で解説した逐条解説の中には、一般私人が日常生活に広く利用するとともに、「公益を害する場合は別として、営利上の目的等のために住民基本台帳を閲覧することも可能である。」という解説をしているんですよ。自治省のいまの答弁を聞きますと、これと全く反対のことを言っていますが、この問題については、なぜ公開をしなければいけないか、プライバシーの問題があることは初めからわかっておるのに、なぜこれを公開の原則で公開しなければいけないのか、よくわからないんですが、これをひとつお聞かせ願いたい。
○林(忠)政府委員 これは、立法当時のいきさつがございますけれども、これの前身といいますか、戸籍そのものが従来ずっと公開の原則を維持しておりますので、住民寄留の手続その他をやめて住民台帳法に——住民台帳法の前は住民登録法であったわけですが、戸籍以来、その公開の原則を維持しておる。この公開の原則というのは、いまの自治省の解説に指定の目的ということばがございましたけれども、たとえば取引の安全というようなもののためにこういう戸籍なり住民台帳なりを公開するというのはずっと昔から続いてきた考え方だと思うのでございます。ですから、これをしもいま制限するというのはむしろむずかしいので、ここに起こった問題のように、さっき先生も御指摘になりましたように、個々の特定のケース、特定の取引とか、特定の縁談とかいうもののために個々の人が特定の者について見たいということの公開の原則というのは、それなりに公開をする理由があると思うのでございまして、ここで問題になっておりますのは、それをまとめて一つの本にして頒布するというところまでいくと、公開されておる事実が、個々の場合はそれほどプライバシー侵害につながらない問題が、こういうふうに一つにまとめて出版されるということによって、その程度の差が質の差ということに移りかわる問題があるかどうか、こういう問題でございます。 〔委員長退席、中村(弘)委員長代理着席〕 ですから、戸籍、住民登録法、そして住民基本台帳法の公開の原則というのは、それなりのいきさつがあり、理論があり、それ自体を動かすことはむずかしいのじゃなかろうか。むしろ、いま起こってきた、まとめて出版するという問題についてどう考えるべきかということが緊急解決を要する重要な問題であろう、こういうように考える次第でございます。
○佐藤(敬)委員 どっちが優先するかという問題ですよ。取引の安全のためにこれを公開することが必要だ、それはわかりますよ。けれども、片っ方では、そのために公開をチェックされないで、そして個人のプライバシーが侵される。これはどっちが優先されるか、てんびんにかけてみなさい。片っ方の商売の安全のために個人のプライバシーが侵されていいという理論は成り立ちません。あなたのいま言われるのは、まさにそのとおりなんです。だから、公開の原則はくずされないと見ております。 時間がないので結論を急ぎますけれども、そうすると、自治省の見解として、さっきから局長と大臣の答弁を聞いていても、こういうふうに鶴岡市民全部を一緒にして本を出版をするということはいけないことだ、法律的にはどういうふうな解釈ができるかわからないけれども、とにかく、この行為というものは法律の趣旨に反するということは確認してよろしいのですね。
○江崎国務大臣 法律の趣旨に反するかどうかという問題については、やはり議論の存するところだと思うのです。だから、いま相手方の出版社にけしからぬと言うことになりますと、相手も相当いろいろな論拠をもって法律的に反駁をしてくる可能性は決してなしとしない。これは、盲点を突いたものですね。たとえば、住民基本台帳に登録をしないと、二千円でしたか、それから、遅延すると、それに対して罰則金を納付しなければならぬということになっております。ところが、登録を受け付けない側には何ら処罰金の規定はないわけです。それは、市町村長は良識をもって、受け付けないなんということはしませんという前提に立っておるからそういう処罰規定はなかった。これが御承知のように、自衛隊の登録問題をめぐって、立川市その他で問題が惹起されていろいろ議論になったところでありますが、これも、特定の人が個々別々に閲覧することは自由だというところまでは認めておるが、法の盲点をついてまとめて、これを出版する人が出てくるなんということは、従来ちょっと想像されなかったことですね。したがって、これは法的にどうかということになると、多分に疑義がある。しかし、いま御指摘になる点は、私ども承っておりましても、いかにも非常識な出版がなされることに結果的にはなるような感じがいたします。したがいまして、これは基本的人権の問題等々との関連でどういうふうに処置するものか、これは行政局において、事務的に法務省などとも至急詰めまして、その対策を立てたいというふうに考えます。
○佐藤(敬)委員 実際に、各市なんかでも、非常におかしな態度をしているところがあるのです。米沢市なんかでは、今度はこういうふうなことを借りにくるだろうからと、それをチェックしてとっておくというようなことも聞いているし、ほんとうかうそかわかりませんけれども、千代田区役所では、一冊三十円でつくって売っているというようなことも聞いているのですが、買いに来ることを予定してつくってしまっている。この前の逓信委員会で森井委員が質問したのにも、こういうのはけしからぬと自治省が答えておりますけれども、こういうことがあるので、これは多分に県や市町村に対する自治省の指導の考え方にもあると思うのですよ。そういうことは絶対にだめだ、いささかでもプライバシーを侵害するようなことは、運用上でもいいから、とにかく押えなさい、こういうような通達を出して、強力に指導していただきたい。そして、いま申し上げましたように、何とかプライバシーを侵害しないような立法措置なり、いろいろな対策をぜひ早急に考えていただきたいと思います。 これで、終わります。
○中村(弘)委員長代理 小川省吾君。
○小川(省)委員 最初に、熊本県玉名郡南関町において、本年三月十六日に提出され、五月十四日にその結果の出ている監査請求に関連をしてお尋ねしたいと思います。 このゴルフ場は、昭和四十四年五月に知事の認可を得た団体営パイロット事業として、四十五ヘクタールのクリ園造成事業が同年の八月に中止になりまして、そのあとを受けて、中九州カントリークラブが始めたゴルフ場でございます。この会社に対しては、町が、昭和四十六年から三年間にわたって、毎年百万円の補助を支出しているわけですね。この支出が違法ではないかという措置要求であったわけであります。自治省のほうでは御承知だと思いますが、いわば、自治法二百三十二条の二の解釈をめぐる問題であると思うのであります。監査の結果は、総論として、請求に基づく措置勧告は必要はないと出ているようであります。補助金支出を追認した形にはなっているのでありますけれども、いま全国至るところで土地買い占めが進んでおり、ゴルフ場の造成ブームが起こっております。これにならって、至るところでゴルフ場に対して補助金が出されるということになると、いわば、盗人に追い銭というようなケースも続出をしかねないのではないかというふうに考えますので、この点について明らかにしてほしいと思うわけであります。 まず、自治法二百三十二条の二というのは、自治体が寄付または補助金を支出する規定ですね。これが自治体が補助金を支出しているところの根拠法令であるわけですね。それは、「その公益上必要がある場合においては、寄付又は補助をすることができる。」というふうにされておるわけです。私どもは、公益上必要があるかどうかについては、首長及び議会が認めるということを教わってまいりました。このことは、予算に計上して議会が認めていく、通常そういうふうに考えられると思うわけでありますけれども、公益上必要であることを認めるということはどういうことなのか、まずお尋ねをいたしたいと存じます。
○林(忠)政府委員 お答えいたします。 これは数次の委員会でも問題になりまして、何度もこれについて触れたと存じますが、「公益上必要がある」ということを具体的に認定するということは、その地方団体自体の問題でございまして、ゴルフ場を誘致するということが、たとえば雇用の機会の提供とか、あるいは地元産業の育成とかで公益上必要があるかどうかという認定、一方、そこに今度はゴルフ場ができるということにおいて、たとえば災害のときに地くずれを来たすのではないかというような悪い影響、そういうものを全般的に検討されて、その地方団体で長が判断をし、さらに議会が判断をするということにゆだねられておりますので、一般的に、ゴルフ場の誘致が公益上害があるとか、公益上益があるということを判断するのは困難でございまして、まさに、その地方自治体の自主的判断にゆだねるということにほかならないことだと存じます。
○小川(省)委員 公益上必要であるかどうかという認定については、いまの御答弁のように、地方自治体の主体的な判断に属することだということは私もわかるわけであります。しかし、公益上必要だということは、当然客観性がなければならぬというふうに実は思うわけであります。そういう点で、すでに裁定をされておる、実施をされておる行政行為でありますから、おそらく、行政局長としては表現しにくい点もあろうかと思っていますけれども、この長の行為、この種の行政行為、営利企業であるゴルフ場に補助金を支出する行為について、こういうものが公益上必要と認められるのかどうかという問題でございます。特に、ゴルフ場というような営利企業に対して補助金を支出をするということは、特別の事由がなければならぬというふうに考えます。営利企業に対して補助金を支出した特例というものは、いわば、開発ブームが盛んであった当時に、工場誘致条例等ができて、地域開発というふうな名前のもとに誘致をされて進出をした工場に対する固定資産税の減免であるとかいうような形の中で、それに相当する分の補助金が交付をされたということが一般的にはあった。こういうこと以外に、営利企業に対する補助金交付ということは、おそらくほとんどないのではないかというふうに私は思っておりますけれども、営利企業に対する補助金の交付ということについてはどのようにお考えですか。
○林(忠)政府委員 営利企業というのは、その会社の利益をあげることを目的とするわけでございますから、まさに、一般論として、営利企業に補助金を出すということは異例なことだと存じます。したがって、営利企業の場合に補助金を出すということは、その会社の経営を楽にし、会社に利益をあげさせる目的では毛頭ないわけでございまして、その営利企業がそこに立地をし、あるいはそこで事業を行なうことによって、その地域の税収の増加とか、住民の雇用の機会の増進とか、その地域の他の産業の振興とかいうように、具体的にこれこれだけの公益を増進する見込みがあるということをはっきり把握した上で、これは公益上必要があると言えるということを個別に判断する以外にない。ですから、一般論的に営利企業に補助をするということは、通常は公益とも関係がないし、したがって、それはあるべきではない。具体的にそういう公益がはっきり把握でき、それを市町村長が認識し、議会が納得して、初めて公益上理由があるということで支出できるという、いわば、原則と特例という感じになりますが、そういうことであろうと存ずる次第でございます。
○小川(省)委員 この町にも、ごたぶんに漏れず、南関町工場設置奨励条例なるものがあるわけです。九条からできている条例なんですけれども、適用工場に対して、特に新産都市関係の工場に対しては、固定資産税の課税免除または不均一課税ができることとされておりまして、一般の適用工場については、期限については三年間、補助金の額については、予算の範囲内で、固定資産税額の二分の一を限度としておるわけであります。ちなみに、このゴルフ場の固定資産税の税額は、四十六年が九十三万六千円、四十七年が九十七万七千円、四十八年は、これは予定ですが、百十四万九千円となる。そういう形になっているようです。これに百万円の補助金を出してきて、また本年も出そうということなんですね。私は、この町議会の議事録を見せてもらいましたが、工場設置条例でいう工場に該当しないが、一応工場設置の考え方で、五条ではなく、固定資産税額を免除するという新産都関係に類する工場と同じような扱いで、四条の規定によってやっていきたい、免除ができないから、補助金を交付していくということで、いろいろ論議もされ、問題にもなりましたけれども、とにかく、百分の百ということで、固定資産税に相当する百万円という額が出たわけでありまして、特に、若干の天候上の災害等で問題があったようですけれども、災害見舞いを兼ねて補助金を支出するということになったようであります。ゴルフ場に活気をつけて、ていさいを整えて、税金がはね返る。これはおそらく娯楽施設利用税の交付分を言っておるのだと思いますけれども、そういう点で、補助金を支出していったらどうなのかということを町議会の中では論議をされているわけであります。 この種の行政行為は違法であるというふうに私は思うのですが、こまかい具体的な条件というものはいまわかっておるわけでありませんから、ここできめつけるわけにはいかないでありましょうけれども、少なくとも適法であるとは考えられないというふうに判断をするのです。行政局長も問題になったということを言っておられるわけでありますから、少なくとも、この種の行為は、ゴルフ場に対する補助金の交付というものは、違法ではないけれども、適法であるとは考えられないと思いますけれども、いかがですか。
○林(忠)政府委員 法的に違法であるか、適法であるかと言われると、これは違法であるとは言いにくいのではあるまいかと思います。つまり、営利企業に対する補助金の支出には間違いはございませんけれども、そこで具体的に長が判断し、議会が審議して、これは自治体に公益をもたらすという判断のもとに補助金の交付決定をしたとすれば、法的には合法であると言わざるを得ない。 そこで、適当かどうかという議論がその次に残るわけでございますが、一般的に言って、営利企業に対する補助金をむやみに出すということは適当とは言いがたい。先ほど申し上げましたとおり、営利企業に対する補助金というのは、一般的には適当であるとは申しかねる。そこで、具体的に、このゴルフ場ならゴルフ場がどれだけの公益の増進があるかということは、おそらく、その長なり議会なりで判断をなさったのでございましょうから、こちらで判断する限りではございませんが、それを十分慎重に判断をしていただく必要があろうと存じます。 ここで判断をする必要はないことでございますけれども、具体的なことをちょっと触れてみますと、財政的にはほぼ固定資産税に見合うくらいの補助金を出しているようでございます。これは年々違いますけれども、補助金は三年の間に限り百万円ずつ支出するという数字で出しておる。しかし、娯楽施設利用税交付金が四十六年度で約百四十六万、四十七年度が約二百五十一万、四十八年度は約九百万入るという見込みである。そろばん勘定だけでいけば、町の財政には相当寄与しているということは言えるかもしれません。そのほかに、たとえばキャディあたりを八十人ほど地元から雇用しているとか、芝生の整備員も雇用しているとか、何らかの雇用機会を与えている。そんなことを地元では判断をされて、公益上必要だという決定をされたとすれば、この決定自体が妥当であるかどうかということは別として、違法とはやはり言いかねる。合法的であろうかと存じます。
○小川(省)委員 いま局長が言われましたけれども、監査結果の中でも、町の財政上の将来にわたっての貢献度であるとか、あるいはキャディとかなんとかの従業員の雇用とか、あるいは物資を町から買うとか、そういうことで公益上必要があるというふうなことを言っておるわけですね。そういうことで判断をしたわけでしょうけれども、あらゆる企業がそういうことになっておるわけですね。大体地元から雇用してやっていくわけですよ。そして、当然それに伴うところの税金等も納めていくわけです。それは町の判断ですから、私もとやかくいまここで申し上げませんが、そういう事情で公益上ということで判断したようですけれども、ですから、判断をしたことについて合法的だというふうに言われても、この種の行為が適法であるとはどうしても言いがたいというふうに思うのです。いま局長は合法だという判断をしたわけですから、それは合法だととらざるを得ないというふうにわかるわけだけれども、少なくとも、自治省として、地方財政をあずかる立場からするならば、適法であるとは考えられないと思うけれども、どうですか。
○林(忠)政府委員 ちょっと、最後のところが、適法であるとは考えられない——適当、どちらでございますか。いまの御質問の一番最後です。
○小川(省)委員 適法であるかどうか。
○林(忠)政府委員 法律にかなっておるかどうかという御質問でございますか。
○小川(省)委員 法律を運用していく上について、適当な判断がされているのかどうか。
○林(忠)政府委員 法律問題として、適法かどうかと言われれば、違法とはいいがたいと先ほど御答弁申し上げまして、それでは、そういう行為が、たとえば法律のワクの範囲内では行なわれているとしても、はたしてこれは地方団体の行政運営上いいことか悪いことかということの御質問であれば、先ほど申し上げましたように、地方団体の財政から補助金を営利企業に出すということは、一般的に言えばあまり好ましいことではない。そこで、その企業が来ることが具体的にどれだけの利益を地元にもたらすかということについて慎重な判断がほしい。これが私たちの指導方針でもございますし、地方団体もそういう考え方でやっていると思います。ただ、いままでのいわゆる地域開発というのは、さっきのお話しにもございましたように、ほとんどが、その一つの営利企業、会社とか工場とかというものを誘致するということに対しまして補助金が払われましたので、その企業を誘致して、地元の雇用機会をふやす、あるいは地方団体の税収をふやす、あるいは地元の産業の繁栄をはかるということ自体は、これはけっこうなことで、いまでも公益上の理由があると十分言えるわけでございます。地域開発がいろいろいま批判にさらされているのは、そういう地元での雇用機会とか財政収入がある反面、公害を出す、地元民の健康上まずい、あるいは地元の風紀上まずいというように、そういう公害を出すということでいまいろいろな批判にさらされているわけでございまして、本来の雇用機会を増進するとかあるいは財政上寄与するということは、いまもなお同じような利益を与えているには違いございません。 そこで問題は、かつてそういう公害や何かには配慮を払わずに、利益の面だけに目がくらんで一本やりにやったのがおかしいんではないかという批判があちこちに起きているんではないか。そこで、今後も、自治体は、そういう産業の繁栄とか税収の増加をはかるということはもちろん考えるわけでございますが、従来のように、一方に害があるのを、無批判に、それについて目をつぶってということはないように、よく利害得失を十分考えて、あまり公害とか地元に不利益は来たさないで、しかし、地元の雇用機会の増大とか税収に利益を来たすというものであれば、企業誘致ということも決して今後も責められるべきものではないだろうし、そういうことを具体的に全部地元で判断していただいて、長が提案し、議会の納得されるものであれば、こちらのほうが、相手が営利企業だからそれはおかしいではないかということを言うことはないのではないか、そういうふうに考える次第でございます。
○小川(省)委員 いずれにしても、ゴルフ場設置条例等があれば、これは条例に準拠しているわけですから、しからば問題がないわけでしょうけれども、これらに準じてそのような行政行為というものがたくさんやられた場合にはたいへん困るわけでございまして、そういう意味で、先ほど来局長もいろいろ答弁されておりますけれども、すでに行なわれておる行政行為でありますから表明しにくい点もあろうかと思いますが、一般的には好ましくないというふうに先ほど言われましたけれども、一般的には好ましくない行政行為だというふうに受け取ってよろしいわけですか。
○林(忠)政府委員 何度も繰り返すようでございますが、一般的には、営利企業というものに対する補助金を出すということはあまり感心したことではない。感心したことではないというよりも、その営利企業の利益を増進させるだけの目的であれば、むしろ違法と言わざるを得ない。そうではなくて、地元にどれだけの公益をもたらすかということを判断して補助金を出す分には、相手が営利企業であろうと何であろうと、一がいに好ましくないときめつけるわけにはいかないという趣旨でございます。
○小川(省)委員 だいぶ優等生的な答弁をされておりますけれども、町に対して、あるいは地方団体に対して、太らせて収入があがるということは好ましいことではあるけれども、条例等の根拠のない形で実施されていっては困りますので、そういう点については、各団体が十分な配慮ができるような、慎重な対処ができるような指導をぜひ要請をいたしておきたいと思います。 ゴルフ場の話が出ましたので、ゴルフ場に関連をして伺います。 近ごろ、ゴルフ場がたくさん各地でできているわけであります。県、市町村でかなりの数の会員権がおそらく贈られているというふうに思っておるのであります。私が承知しておるだけでも幾つかありますから、これは全国至るところにあるだろうと思うのです。こういうのがいわば三役であるとかいうふうな高級者に使われておったり、また、中央から出張するお役人の接待に、勤務時間中にも使われているような実例があるわけであります。国家公務員についてこの前いろいろ問題がありまして、自粛通達等も出ているわけでございますけれども、自治省としては地方の実情についてはどのように把握をしておられ、また、会員権の状態や、あるいはそれらの接待ゴルフ等の指導についてどのような通達をいたしておるのでしょうか。
○林(忠)政府委員 先だって、他の委員会で、主として国家公務員ではございましたけれども、地方公務員にも関連いたしましてその問題の指摘を受けまして、私どものほうの江崎自治大臣も、そういうことがないようによく指導するという答弁をいたした次第でございます。いまお尋ねの実態は、まだ、実は、数量的にも把握しておりませんが、国会でそういうことが問題になったということは地方には知らせまして、そういうことのないようにということの指導は始めておる次第でございます。現在まだまとまった通達というかっこうでは手をつけておりませんが、その委員会のときは、実は、地方団体の例も一、二引かれましたので、その例を引かれた地方団体については、すぐ実情を問い合わせましたところ、そういうことが問題になったということを新聞紙上その他で知って、すぐ特別会員権を返したという返事が参りました。それ以外の地方団体について、統一的な調査は実はまだしておりませんし、そうたくさんはないと考えております。また、その問題の出た地方団体のように、新聞その他で承知をして自主的に始末をしておる地方団体も実は相当あると思います。この件に関しては、まさに、先生の御指摘のようなことはまことに好ましくないことでございまして、絶対そういうことのないように今後も強い指導を続けてまいりたいと思います。
○小川(省)委員 実際には全体的にかなりあるわけでありますから、実態を把握して、ぜひひとつ適切な指導をやっていただきたいと思います。私どもの承知している範囲でも、中央から、自治省なり建設省からお役人さんが来るということで、私どもの仲間の係長が、最近では車ができましたからあれですが、一ころは、勤務時間中にゴルフのクラブをかついで実際にお供をしていくというような事例がたくさんあったのです。ときには、勤務時間中に、半日も、一日も、別に休暇をとるわけでもなく、中央のお役人の接待ゴルフのお供をする。非常に優秀な職員で、ふだん非常にまじめだけれども、組合のストライキで一時間か二時間ストライキに参加すれば勤勉手当がカットされて、そして、中央のお役人と一緒に、半日も、ほとんど一日近くも、休暇届けも出さないで、勤務時間中に接待ゴルフのお供をして行った者は、中央のお役人の接待だということで、公務だということで、仕事をしているわけじゃないけれども勤勉手当がカットされないというようなことが実際にはあるわけです。 こういうことに関連して、最近でも、土地造成のブームに関連をして汚職がよく出てきているわけですけれども、最近、そういう状態の中で業者とのおつき合いの中で、たとえば食事くらいならいいとか、ビール一本くらいならいいなどと言って、いろいろ一緒に歩いておる者などがおりますが、問題があれば、それだって供応を受けた中に入るだろうと思っております。そういう意味では、社会通念上の問題で判断をされるのだと思いますけれども、どの程度業者とのおつき合いを認めているのか、その点についてお伺いをいたしたいと思います。
○林(忠)政府委員 先生のいまのお話しの前段にありましたように、自治省という名前が出ましたけれども、中央から役人が行くと接待ゴルフということ、これは、あれば、まことにけしからぬことだと存じます。私の役所ではそういうこともずいぶん前から十分注意をいたして、ないように指導しておりますから、ないと実は信じておりますけれども、地方の自治体でまだいろいろとそういうことがあるという風聞も聞いております。それについては今後十分の指導をしてまいりたいと思います。 それから、あとの、業者との接待というか、接触というか、どの辺まで認められるかという一般的な基準は、とても私のほうできめるわけにはまいりませんで、まさに、良識の範囲で、地方団体でそれをお考えになってやられるのが至当であろうと考えます。
○小川(省)委員 では、業者とビールの一本くらい飲んで夕めしを食べるということ、仕事上そういうことはありますけれども、そういうことは好ましいことですか、どうですか。
○林(忠)政府委員 好ましいこととは思いません。地方団体がいろいろな仕事を実施していく場合に、業者とは限りませんで、民間との接触をして、いろいろ情報を交換したり、あるいは腹を割って話し合うというようないろいろな形態がとられる。そのうちの一つとして、一緒にめしを食うというようなこともあるいはあるかもしれませんが、一般論的に言って、民間業者とめしを食うのがいいかと言われれば、好ましいと考えておりませんけれども、実際の社会の良識の範囲内でそれが行なわれることに、一切そういうものをやめろというのは、ある意味では行き過ぎであろうかと思います。
○小川(省)委員 私も、仕事の上でそんなことがあるのは百も承知をいたしておるわけでありますけれども、私の承知している範囲でも、県庁なり市役所に入ってから、くつ下や下着類は一切買ったこともない、あるいは、冬の暖房の燃料は、燃料が最近重油に変わってから一切買ったことがないという職員がいますよ。こういうのが私どものまわりにいるわけですよ。こういうことは当然好ましいことじゃないし、かんばしからぬことだと私は思っているのです。自治省もそうでしょう。おそらく、こういう職員は勤勉手当をカットされているわけじゃないのです。別に、勤務成績が不良だというわけじゃないのです。ところが、たとえば一時間でもストライキに参加をすれば、ふだん非常にまじめであっても勤勉手当のカットの対象になるのです。公務員の勤務というものを本来的に見れば、私は、これはおかしな話だというふうに思っています。そういう点で申しますと、たとえば過去半年間、あるいは一年間ということを対象にした期末勤勉手当の支給にあたって、暖房の燃料費は一銭も出さないで業者からもらっている人や、つとめて以降一回も下着やくつ下も買ったことのない職員というのが勤勉手当のカットの対象にならぬということはどういうことなんですか。
○林(忠)政府委員 そういうことは非常によくないことでございまして、役所に入ってから一ぺんもくつ下も買わぬ、下着も買わぬというようなこと、もしそれがはっきりしますれば、そのこと自体は勤勉手当の勤勉率のカットの理由にはなるかと存じます。そのことによってあるいは公務を曲げたり、あるいは、曲げなくても、曲げるのではないかという疑いを与えるだけでも公務員としては不的確な行為である。したがって、そういうことがはっきりすれば、当然カットの対象にすべきじゃないかと存じます。 一方、争議行為というもの、これも、現在の公務員法でははっきり禁止されていることでございますので、これに参加した人が勤勉手当をカットされるということは、これもまた現行法のもとにおいては当然のことではないかと考えております。
○小川(省)委員 その点で、私も長い間論議を続けたくありませんけれども、少なくとも、過去半年間の実績に伴って支給されるところの勤勉手当の支給について、一時間なり二時間なりのストライキ参加等が、いま私が極端に幾つかの事例をあげて言ったものとの対比において、勤勉手当のカットの対象になっているというふうなこと自体、私は問題があろうというふうに実は思っているわけであります。そういうような全体の中で公務員の労働というものを見ていきませんと、角をためて牛を殺すようなたぐいに労務管理自体がなる。その辺については別の機会に論じようと思っておりますけれども、勤勉手当のカット等については、自治省としては十分配慮されたところの的確な処理をしてもらわないと困ると思っておるわけであります。 次に、職員問題に関連をして二、三お尋ねいたしたいと思っています。地方自治法附則八条の国費職員の身分移管の問題であります。本国会では、この問題は、予算委員会であるとか、あるいは地行であるとか、あるいは社労、本会議等、あらゆる場で論議をされてきたと思いますし、大臣はじめ行政管理庁の長官や、あるいはまた田中総理大臣からはたいへん前向きな答弁をいただいておるわけであります。この七十一国会でも、ある意味では、締めくくり的な意味でお尋ねをいたしたいわけでありますけれども、自治省としては、ずっと引き続き各省庁との話し合いがされておるというふうに承っておりますが、次の通常国会には自治法の改正案ということで附則八条を出されてくるのかどうか、この問題に対しての決着をいつつけようとされておりますか、お伺いをいたしたいと思うのです。それと同時に、いろいろ各省庁との話し合いを進めている状況はどのような状態なのか、あわせてお伺いをいたしたいと思います。
○武藤政府委員 状況については後ほど行政局長から答弁をいただくといたしまして、先ほど来お話しのように、これはもう、自治大臣、また行政管理庁長官、総理大臣まで前向きで答弁しておることは先生御指摘のとおりでございます。また、従来から、地方制度調査会あるいは行政監理委員会等、そのようなすべてのところから、この問題は一時も早く廃止すべきであるという方向を命じられておるわけでございます。 そこで、これからこの問題に対してどう対処していくかということでございますけれども、大体、国会が終わりましたならば国会終了後、行政管理庁長官を中心として、この問題を大臣間で詰めていただくことになっております。それに基づいて結論が出れば、地方自治法の改正も当然四十九年度において考えなければならない、こういうことになろうと思います。
○林(忠)政府委員 各省との事務的な折衝の状況は、実は正直申しまして、まだ十分進展しておりません。これは進展しておらないということ自体、いままで二十年近く問題になりながらこれが解決できなかったということも、あるいはそういう点にも原因がある。つまり、非常にむずかしさをかかえております。ただ、政治的なレベルで、この国会で、先ほど政務次官が言われましたように、それぞれの担当大臣が前向きな姿勢を示していただいておりますので、この空気の中で、従来決着のつかなかった事務的折衝の決着をつけるべく、これから八方努力してまいりたいと考えておる次第でございます。
○小川(省)委員 いまいろいろ御答弁があったわけでありますけれども、総理大臣をはじめ各大臣がそういう言明をしているわけでありますから、ぜひひとつ早急に結論を得て、次期国会には法改正という形で提案できるように、各省庁との折衝や、さらに努力をお願いいたしたいと思っています。 次に、これは各省庁との接触が要らない問題だろうと思うのですけれども、いわゆる「吏員その他の職員」である百七十二条についても、実は、自治大臣から非常に前向きな御答弁をいただいておるわけでございますし、林さんからもそういう御答弁をいただいておるわけでございますけれども、これについての具体的な今後の取り進めと申しますか、具体的な取り組みについてお伺いをいたしておきたいと思います。
○林(忠)政府委員 この問題につきましては、もうすでに長く地方団体の職員の方々、具体的には自治労の方々から、この撤廃についての強い要請を受けております。これに対して、私どものほうは、その自治体の職員の意見は意見として、また、自治体当局の意見というのも尋ねておりますが、すでに撤廃をした都道府県も幾つかございます。反面、これはなお、この制度の存続が意味があるのだということを主張する都道府県もありまして、自治体当局の側では必ずしも十分意見が一致しておるわけではございません。 そこで、今後の方向といたしましては、そういう自治体当局の意見、自治体の職員側の意見、あるいは国の制度の均衡ということも考慮に入れて検討を進めてまいりたい、こう考えておる次第でございます。
○小川(省)委員 各都道府県の中でも、そういう団体が半数近くにもなってきておりますから、いま局長の言われるように、自治体の意見も十分聞いた上で、自治省として指導できるような、全体的な職員の労務管理がうまくいくような形でぜひ取り進めていただきたいと要請を申し上げておきます。 次に、現業職員の問題についてでありますけれども、最近、屎尿くみ取りの衛生関係の職員であるとか、あるいはごみ収集の清掃関係の職員を非常に集めにくいという状態が出てきております。この辺から、委託であるとか、サービスの低下であるとか、いろいろ問題が出てきているわけでありますけれども、ときには、市長さんが屎尿を頭からかぶったというふうなトラブルも出てきているわけであります。根本的には、これらに従事をしておる方々の賃金の低さに問題があるわけであります。直営によって解決をしていくことが何といっても一番よろしいわけでありますけれども、明らかに、賃金上の現業職員に対する差別といいますか、異常に低い賃金に問題があるというふうに思っています。これらの人たちは、給料表でいけば、行政職(二)表の適用を受けている職種ですね。私どもは、かつては、(二)表を(一)表に統合せよという運動を長くやってきたわけなんですけれども、町村等で数人の職種にわざわざ一つの給料表を設ける必要はないと思っておりますけれども、その点についてはいかがですか。
○林(忠)政府委員 屎尿とかあるいはごみとかいうものの始末をどうするかというのは、これは、最終目的として、いかに的確にそういうサービスを住民の満足がいくように提供するかということが自治体の目的でございますので、その最終的な目的を離れて、直営がいいとか委託がいいとかという議論はできないと思います。やはり、その地方団体の実情に応じて、結局、委託をすることで最終的に住民の最も満足するサービスを提供することができるなら、長の責任において委託という方式も考えられます。あるいは、直営のほうがより住民が満足できるならば、これは直営という方法も考えられる。 そこで、その住民へのサービスという目的を除いての議論は考えられないわけでございますが、いまおっしゃいましたような賃金の低さというものがこういう事務をスムーズにしない原因をなしているという事実もあるいはあろうかと存じます。そこで、地方団体の職員の待遇の改善ということについては、これらの職種ももちろんでございますし、一般職種についても、自治省も地方財政の許す限りにおいて常に努力しておるわけでございますが、いまの最後の御質問の行政職(二)表というもの、これを非常に数の少ない町村において必ずしもあえて用いる必要はないじゃないかということは、あるいは、個々の具体的な町村の実情によってはそういうことが考えられるところもあるかも存じません。ただ、私のほうとして、全国一般的に、御指導と申しますか、いろいろ示唆を与えます場合には、国家公務員に準じて、こういう職種の方は(二)表、普通の職種の方は(一)表によるべきだという指導をしているのが現状でございます。特に、数が少ない町村にどうしろということは、あえて二表に分けろとも、一表にまとめろとも指導をしておりませんけれども、個々の町村の具体的な実情に応じての取り扱いというような考え方でしかるべきだろうと思います。一般的にその職種は(二)表が正しいのであるということは確かに言い続けてきております。
○小川(省)委員 かりに(二)表を使っているとしても、私は、現在の地方の使い方に問題があると思うのですね。行政職(一)表を地方が使うにしても、国の三等級を一等級にしたりというような形で使われているわけでございます。(二)表の職能というのはそういうことはあり得ないのではないか。地方の場合には、(二)表の一等級を使わないで、二等級を一等級にして使っているというふうな事例がたくさんあるわけでございます。大臣の運転手であろうと、地方の出先の運転手であろうと、車を運転することにおいては変わりはありませんし、そういう意味では、国の行政職(二)表なら(二)表を頭切りをしないで全面的に使っていくということであるならばわかるのですけれども、現在の中では、行政職(一)表を地方が使うような形で行政職(二)表を使っているところにかなりな賃金の低下を来たしている、こういうふうに思っておりますけれども、その点についてはいかがですか。
○林(忠)政府委員 御指摘の点は十分検討する余地のある問題ではないかと思います。国に準じてやれということで、(一)表については、国の課長が都道府県の部長とか、あるいは町村であれば、国の三等級が一等級とかいう使い方、これが全般的に見れば均衡のとれたものではないかという指導は確かにしておりまして、それに従って使っておられるところも相当多いわけでございますが、(二)表というのは、まさに、おっしゃるように、大臣の運転手であろうとも、町村長の運転手であろうとも、車を運転するについては変わりはない。そういう意味で、(一)表と同じように(二)表を国から一段階下げて使うということを指導しているわけではございませんが、そういう使い方をすれば、御指摘のような問題は確かにあると存じます。そういう点では、今後十分検討を続けてまいりまして、それぞれの地方団体に適した給料表の使い方ができるように指導、助言をしてまいりたいと存じます。
○小川(省)委員 いまのお答えを聞いてたいへんけっこうだと思っているのですが、私は、共済組合法の審議のときにも申し上げたわけですけれども、これら現業の人たちというのは非常に賃金が低いわけですね。退職時になっても、厚生年金の最低保障額のところにもはるかに本俸が届かないといった人たちなんですね。だから、(一)表に統合しようと、(二)表であろうと、給料表の運用上の問題だというふうに実は思ってきたわけであります。そういう意味で、国の現業というのは、事務官であるとか、技官であるというようなのが事務官庁では非常に多いわけでありますけれども、いま言われましたように、これらの運用基準について、自治省としては、適切な指導を、いま局長がおっしゃったようにぜひやっていただいて、これらの人たちの低い賃金の是正といいますか、それをはかっていただきたいというふうに考えるわけであります。これを強く要請しておきたいと思います。 次に、学校関係についてお尋ねをいたしたいと思うのです。まず、学校事務職員の問題でありますが、近代的な学校経営といいますか、教育部門と事務部門というのが車の両輪で学校の近代的な経営をやっていくというふうに考えておりますし、そういうことを伺ってきてはおりますけれども、そのことは、事務部門を充実するといいますか、事務部門の向上をしてこそ初めて学校の近代的な運営が可能である、教育効果を高めることができるというふうに考えておりますけれども、いかがですか。
○松浦説明員 先生の御説のとおり、学校の中におきまして、一般教員のほかに、事務職員も最近非常に事務がふえておることもございまして、非常に重要な仕事を担当しておるわけでございます。その待遇につきましては、教諭と違いまして、一般行政職の俸給表が適用されております。その中で、学校の事務職員等は数が少ないというような関係もございまして、従来、その行政職俸給表の中での等級の位置づけが低い点がございます。したがいまして、先ほど来お話しに出ておりますような、先行き水準があまり上がらないというような問題がございますので、文部省としましても、従来、国立学校につきまして、人事院に対しまして、その等級をさらに上位の等級に格づけできるように要望をいたしておるところでございます。 公立学校の職員につきましても、国の職員が基準になりまして、同様の問題があるわけでございますが、私ども、今後さらに努力していきたいと考えておるところでございます。
○小川(省)委員 私は、いまそういう点をお伺いしたわけじゃないのです。これから伺おうと思っていたことを御答弁いただいたのですけれども、教育の効果を高めるために、いま答弁の中に一部含まれていましたが、事務職員の重要性というものを文部省としても認めているんだということをいまの御答弁の中で確認をいたします。現実には、学校の事務職員の採用というのは、通常初級職試験で採用しているわけですけれども、行政職と分けて学校事務職員という形で採用しているケースが多いようだと思うのです。時間がありませんから急ぎますが、なぜだとお思いになりますか。このことは、いま言われたように、学校事務職員、特に、義務教育学校については事務職員は一人である、こういうような形の中で、事務職員が特に行政部門に転勤を希望する、こういうふうなケースがあまり出てまいりますと困る、なかなか充足がつかない、こういうようなケースがありまして、事務職員として単独に採用試験を実施しているんだというふうに私どもは見ておりますけれども、このことは、文部省が、学校における近代的な経営の中で、学校事務職員の事務量が非常に増大をして、そして、事務部門が教育全体に占める効果の上で真に重要だと判断をするならば、事務職員の資質の向上なり、あるいは事務職員を特に重要視をしていかなければならぬというふうに私は思っておるのでございます。すべての学校に配置をされているわけではないわけですけれども、文部省は、教職員を重視して、教職員以外の学校職員を軽視しているとは言いませんけれども、どうも取り残されているケースが多いのではないかというふうに実は思っております。そういう意味では、教職員に先年四%の手当が支給された。今度は、おそらく通るかどうかわかりませんけれども、人材確保ということで一〇%が出ている。こういう状態では、学校の中での運営というものは非常にうまくいかないと私は思います。そういう点では、校長も学校の運営管理の中で悩んでおるし、事務職員が現に重要な業務を担当をしておるという状態になれば、いま言われたように、処遇改善について、文部省は——各県ばらばらで、あるいは二号短縮だとか、一号短縮だとか、あるいは九カ月短縮だとか、いろいろな措置をしておりますけれども、少なくとも、人事院に何らかの要請をするだけではなくして、文部省としても、独自に処遇改善のための具体的な指導を行なうべきであると思うけれども、その点についてはいかがですか。
○松浦説明員 先生の御指摘のとおり、非常に重要なことだと考えております。教員の問題もございますけれども、事務職員の待遇改善も非常に重要な問題として、従来から努力いたしておるところでございます。具体的には、国家公務員の場合は、人事院のほうで具体的な給与内容、給与水準を決定されるというような体制になっておるのでございますから、非常に強く要望はいたしておりますけれども、なお実現をしておりません次第でございますが、今後とも最大の努力を尽くしてまいりたいと考えております。
○小川(省)委員 配置基準の関係で、市町村で置いておる事務職員でありますとか、学校給食の調理員でありますとか、用務員等について、自治省はぜひ学校関係の職員についての処遇改善を行なってほしいというふうに思っております。特に学校給食調理員は、その発足の経緯から、性格上PTA雇用であるとか、あるいは学校給食会の雇用期間というふうなものを持っている者が多いわけであります。これらの期間においてやってきた仕事というのは同一でありますから、共済組合法の審議の段階でも出たわけでありますけれども、退職手当の通算期間に当然含めるべきであるし、共済年金の通算期間に見ていくことが当然であるというふうに思っております。 学校給食に従事をした方が、比較的中年から従事をしてきたために、共済組合の組合員であったけれども、退職するときに至っても、実は年金の資格がつかない。少なくとも、PTAの雇用期間というものを認めればその資格がつくというふうな状態があるわけでありますから、そういう点は当然そういう措置が行なわるべきである。退職手当の通算期間に含めるべきであるし、退職手当にしても、共済年金にしても、当然そういう措置はとってしかるべきだというふうに考えておりますけれども、自治省としてのお考えはいかがですか。
○林(忠)政府委員 この件につきましては、共済法の御審議のときも御指摘をいただいたわけでございますが、検討に値する問題だと考えております。ただ、共済といえども一つの保険でございまして、本人及び使用者負担の掛け金によってできておるものでございますので、現にその団体の仕事でなかった時代に、その団体以外のものに雇用されたものについて無条件で通算を認めるということについては、やはりそこにいろいろな問題があるわけでございますので、なお検討を続けさしていただきたい。該当者の人数、あるいはやめたときに共済期間では年金にならないけれども、それを通算すれば年金期間になるという人の数とか、そういうことについても、少し実情を調査いたしました上で結論を出すべく検討をさせていただきたいというふうに考えております。
○小川(省)委員 文部省のほうにちょっと伺いますけれども、学校給食法が、これは奨励法で来たわけですけれども、学校給食があげた効果というのは非常に大きいし、具体的に評価をされておるわけでありますし、少なくとも義務化をすべきであるというふうに考えておりますけれども、いかがですか。
○高石説明員 学校給食の義務化の問題につきましては、すでに関係方面からいろいろな意見が出されまして、そういう方向で考えるべきではないかということが言われております。そこで、文部省といたしましては、現在保健体育審議会でこの問題についていろいろ御審議を願っている段階でございます。したがいまして、その審議の結論を待って考えてまいりたいと思っております。
○小川(省)委員 最近、給食調理員に職業病が多発をしております。御案内のように、職場自体が高温多湿な職場環境でございますし、配置基準が少ないし、そういう意味では、超過労働といいますか、非常にオーバー労働をしておりますし、休暇も、少ない人員ですから、実際にはなかなかとれない。夏休みにゆっくり休めばいいじゃないかというふうに片づけられてしまって、ふだんは実際にはなかなか休暇もとれないような状態の中で、何としても増員をしてほしいというような声が強いわけであります。職業病が非常にふえているという状態でありますので、職場環境の改善というものを早急にやる必要があるというふうに考えておりますけれども、文部省のお考えはいかがですか。
○高石説明員 職場環境の整備につきましては、これは、施設設備の改善充実ということで、ここ一、二年力を入れているところでございます。学校給食は年間大体二百日前後実施される内容でございまして、そういう点で、人員を急激にふやすということは、いろいろな事情があってなかなかむずかしい点がございますので、施設設備の近代化、合理化をはかりまして、できるだけ作業環境を整備していきたいと思っております。
○小川(省)委員 ぜひひとつ設備環境の改善をはかってもらいたいと思うのですが、自治省としては、これに対して財政的な裏づけを与えてほしいと思いますが、いかがですか。
○鎌田政府委員 学校給食関係につきましては、設備費、それから所要の人件費、これは設備費でございますと補助裏、あるいは人件費等につきましても、交付税の基準財政需要額で年々算入額を増大してきておるわけでございますが、今後の文部省の学校給食の方針等も伺いまして、よく相談して、実情に即するような財政措置を引き続いて講じてまいりたいというふうに考えております。
○小川(省)委員 時間がありませんので、こまかに入れないのですけれども、最後に、本年度の給与改定についてお伺いをしておきたいと思っています。 インフレ傾向で非常な物価高が続いておりますだけに、給与改定が、地方の職員について早期にできるような指導をぜひお願いをいたしたいわけであります。国との関連も当然あるわけでありますが、七月末か八月の初めに人事院の勧告が出るというふうに聞いておるわけでありますけれども、国の措置もありますけれども、十二月と言わないで、自治体の九月か十月の定例議会の中で、少なくとも予算の先食いというふうな形で給与改定が実施をできるように、少なくとも十月議会のときには改定が実施をされて、このようなインフレ傾向の物価値上げの時期であるだけに、早急に給与改定が実施をされるような指導をぜひとっていただきたいというふうに考えておりますけれども、この段階において、自治省としては、本年度の給与改定についてどのような考え方を持っておられるのか、お伺いをいたしておきたいと思います。
○林(忠)政府委員 現在、公務員の給与については、国家公務員については人事院の勧告を待って措置をする。地方団体につきましても、都道府県においては、人事委員会の勧告を受けて措置をする。いわゆる人勧体制と称する形になっておりまして、この形をいま改める考えはございません。現実には、都道府県の人事委員会というのは、人事院の勧告が出ましてから、それを一方参考にしまして、さらに都道府県の民間の給与その他も調べた上で勧告を出すのが、例年十月から十一月になっておる。おそらく、ことしも同じ方向をたどるのではないかと思います。おっしゃるように、物価が値上がりしまして、できるだけ早く給与改定ができるようにということは、国、地方を通じてひとしく望むところでございますが、国家公務員の期に合わせまして、財政的な見通しも立てた上でやるには、いまおっしゃるような九月、十月ということは、ことしとしてもちょっと無理があるのではないかと考えております。
○小川(省)委員 地方段階でも、人事委員会の勧告が年々早まってきておるわけですね。そういう意味では、人事院勧告、人事委員会の勧告を早めるような指導といいますか、体制をつくるべきだ、そうすれば、例年のような、十二月を待たなくとも、地方の給与改定というものも実施をできるのではないか、このように私は思っています。 人事院勧告体制というふうにいま言われましたが、もちろん、そういう体制があることは承知しております。政府自体が、人材確保などということで破っている時代でありますけれども、そういう勧告体制があることは承知しておりますが、少なくとも、このような異常な物価高の時期だけに、少しでも早くそういう状態が——非常におくれた時期に改定が実施をされるというようなことを避ける意味においても、秋の定例地方議会の中で少なくとも行なわれるような形で督励配慮をぜひしていただきたいと思っておりますけれども、局長の考え方を重ねて伺っておきたいと思います。
○林(忠)政府委員 これに触れるのはあるいはよけいなことかも存じませんが、教員の人材確保に関する法案自体も、人事院勧告を前提とする形になっておりますので、破っているとは政府のほうでは考えておらないわけでございます。地方の人事委員会の勧告を早めることは確かにけっこうなことでございまして、こういう物価高の情勢上、なるべく早く職員の給与の待遇改善をしたいということは、職員のみならず、地方団体としてもひとしく思うことではないかと思います。ただ、これと同時に、地方団体の財政問題というものも考えなければなりませんので、人事院の勧告が出て、国家公務員の給与改定が大体見当がつき、それに対して、地方公共団体がおおむねこれにならうとするとどれだけの財源が要るかということで、その財源措置を、国の段階で、大蔵省その他と相当詰めてきめていかなければならないので、この財源措置の見通しがあまりはっきりしないうちに、あまり早まって給与改定を実施するということは、地方団体の健全な財政運営上いかがかという面もございまして、この両面を考えつつ給与改定を行なうとすれば、早めることは確かに必要なことでございますし、けっこうなことでございますが、従来と比べて数カ月も早まるということは困難な面があろうかと存じております。
○小川(省)委員 時間がありませんから、財源措置の点については、前半の質問の中で、国で責任を持って、国に準じた財源措置をするという御答弁をいただいておりますので、ぜひそういう観点に立って、少なくとも、例年よりも早く勧告に基づくところの改定が実施できるような形で自治省としても配慮と指導をお願いしたいということを要望して、時間ですから、質問を終わります。
○中村(弘)委員長代理 次回は、明二十日金曜日、午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時四十五分散会