地方行政委員会 第41号
- 発言数
- 260 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1973/07/06
会議録
○上村委員長 これより会議を開きます。 内閣提出にかかる地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案、昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案及び山口鶴男君外五名提出にかかる地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、これを許します。林百郎君。
○林(百)委員 大臣にお尋ねしますが、今回の地方公務員共済の年金の比率については、率の上では多少の改善のあったことは認めますけれども、その額について、依然として低いものがあるということは否定できないというように思うわけです。ことに、最低保障額が低過ぎると言わざるを得ないと思うわけですね。たとえば、二十年間組合員であった者の退職年金の最低保障が三十万二千四百円、これは月額にすると二万五千二百円なんですね。しかも、年金受給者には、言うまでもなく、ボーナスとか一時金というものはないわけですから、月に二万五千二百円で今日生活ができるというように一体お考えでしょうか。しかも、地方公務員は、これは国家公務員も同じですが、五十五歳ぐらいからもう退職の勧奨が始まるわけですから、そうすると世間的には、そのころ生活の経済的な必要性というものは、縮小しているよりは、むしろその人の人生の中では最大の経済的な必要性が出ているような事態もあるわけですね。子供がおそく生まれたとかいうような人は、そのころ子供を大学に出すとか、あるいは娘を嫁にやるというような問題もあるでしょう。そういう中で月額二万五千二百円、これはまあ最低保障額ですが、一体これで生活ができるとお考えになるのだろうか。そうすると、一体年金というものの性格はどういうものかという根本にも触れてくるわけですが、どうお考えなんでしょうか。
○江崎国務大臣 最低保障額の引き上げにつきましては、退職者の生活の安定ということを考えながらだんだん引き上げてきたわけですが、御指摘のように、こんなに物価が高いという状況などを見ますと、この最低保障額が必ずしも十分なものというふうには私ども思っておりません。しかし、今度は、御承知のように、厚生年金の給付水準も改善されましたし、それとの均衡も考慮しながら措置をしたという経緯もございます。 なお、今後もこういった引き上げには十分意を用いてまいりたいと思いますが、御指摘の点は最低保障額というわけでございますので、これはあくまで最低であるということで御了解願いたいと思います。
○林(百)委員 そうすると、昭和四十七年度でもいいのですが、地方公務員の退職者のうちで最低保障額の該当者というのは何%くらいあるのでしょうか。
○佐野説明員 四十六年度末で、退職年金の場合は一五・八%でございます。対象人員といたしましては四万二千人でございます。
○林(百)委員 それは四十七年度末ですね。
○佐野説明員 四十六年度末でございます。
○林(百)委員 私のほうの調査によりますと、受給者数は四万三千二百五十二人、最低保障を受けた者は二万九百八十九人、これは四十六年度です。そして四八・五%になっていますが……。
○佐野説明員 私どものほうが共済組合から提出していただきましたところの資料によりますと、退職年金についてはただいま申し上げましたような数字でございます。
○林(百)委員 それじゃ念のために聞きますが、遺族年金で、最低保障の該当者は四十六年度で何%ですか。
○佐野説明員 遺族年金では、対象人員は二万九千九百人でございまして、対象の割合は六六%でございます。
○林(百)委員 人事院にお尋ねしますが、標準生計費ですね。人事院で計算した標準生計費の全国平均でいいのですが、四人家族での月額について、四十六年、四十七年にどういう数字が出ていますか。
○斧説明員 私どものほうで調査いたしました標準生計費は、四人で標準をとっておりますが、四十六年度は全国で六万九千二百三十円、四十七年度が七万五千百五十円。これは月額でございます。東京だけで言いますと、四十六年度で七万九千七百円、四十七年度で八万九千百四十円でございます。
○林(百)委員 一人の場合はどうなっていますか。
○斧説明員 独身の一人世帯ですと、全国で、四十六年度が二万四千七百六十円、四十七年度が二万六千八百円。東京で言いますと、四十六年度が二万七千五十円、四十七年度が三万二百九十円でございます。
○林(百)委員 大臣、いまお聞きのように、人事院の標準生計費を見ましても、一人でも四十七年には二万六千八百円、四人家族で七万五千百五十円。それが、最低保障額は、退職年金の場合、月額二万五千二百円。これは人事院の標準生計費の四十七年度の一人の生計費にも当たらないわけですね。ましてや、これが遺族年金に至っては、最低保障が月額一万九千六百円という数字が出ておるわけです。これは具体的にどういうように改善なさるお考えですか。
○江崎国務大臣 御指摘のように、決して私どもこれが多い数字だなどとは思っておりません。厚生年金も上げましたので、ことしはこれでも約倍増をやったわけですね。したがいまして、いまおっしゃるような矛盾は否定できませんので、なお今後の課題として十分検討してまいるつもりでおります。まあ、ことしは倍額にした、いや、そんなことはいままでが少な過ぎたのだ、これはもうその通りだと思います。倍額にしたということで一応この程度におさまったわけでございまするが、なお今後これをまた増額していくつもりで十分努力したいと思います。
○林(百)委員 四十六年でもいいんですが、数字がわかりましたら、地方公務員の退職者で年金を受給する資格のある者の家族構成は平均してどうなっていますか。ごく最近のわかっている数字でいいのです。
○佐野説明員 退職者の家族構成に関する資料は手元にございません。共済組合のほうでもどの程度把握しておるか不明でございます。
○林(百)委員 どうしてそういう数字を把握しないのですか。そういう数字を把握しないで、地方公務員の退職後の生活が、どの程度の年金によって保障されるかという真剣な検討はできないじゃないですか。いま言ったように、人事院の一人当たりの標準生計費でも二万六千八百円、これはもうこのたびの最低保障の二万五千二百円より上回っているわけなんです。一人でも、ですよ。それが家族構成が何人だ、一人でもこうなんだから、ましてや平均家族構成がこれならこれはとてもやっていけないとか、さらに積極的に共済制度を改善していく必要があるとか、あるいは年金の支給額を増額していく必要があるとか、そういう一つの重要なファクターになるのじゃないのですか。それがどうして、その後の退職地方公務員の家族構成が把握できないのですか。そんなものは出させればすぐ集まるわけでしょう。どういうわけですか。
○佐野説明員 御指摘のように、退職者の退職当時におけるところの家族の範囲というものについては、各組合とも把握するようにはいたしておるわけでございます。ただ、統計資料につきまして、この地方公務員の場合に、そうしたもののデータのとり方も非常におくれておるということは事実でございます。これらの点につきましては、いまそれらの資料を整備するように努力中でございます。
○林(百)委員 大臣、野党四党の共同提案では、少なくとも最低保障額を四万円に引き上げるようにということをわれわれの対案として出されているわけです。これでも私どもはまだ少ないと思いますが、このたびの改正によっても、率が引き上げられたとはいえ、このわれわれの対案の六割程度にしかなっておらないわけなんですね。最低保障がこういう低い額になっておるわけなんです。生涯を地方公務員として営々と働いてきた者が、二十年働いて最低保障が月額二万五千円。しかも、おそらくまだ妻もあるでしょうし、五十五、六歳とすれば子供もまだあると考えられるわけですね。これは人事院の標準生計費の一人にも該当しないということになるとすれば、どうしたらいいとお考えになるのですか。どうやって生活を立てていったらいいのですか。大臣、教えてください。
○江崎国務大臣 これはなかなか問題の点だと思いますが、病人ではないわけですから、生活はやはりしかるべくそれぞれの道を見つけていただくことはどうしても必要になると思います。これはもともと最低保障ですから、それでも一五%程度あるわけですが、こういう方は、相当な年配になってからつとめられたとか、いろいろな事情もあるわけです。思うように働けないということもあるかもしれませんが、これはやはりそれなりの事情がそれぞれ人にあるわけなんでしょうから、健康であれば仕事を見つけていただく、当然それはそうでなければ、これだけではとうてい食べていけないと思います。
○林(百)委員 そうすると、はっきり言いますと、何か仕事についてまた働け、こういうことになるわけですね。 そこでお尋ねしますが、これも統計の数字があったらお聞きしますけれども、四十六年度でもいいのですが、地方公務員で退職した方の平均年齢は何歳になっておりますか。
○林(忠)政府委員 現在、資料がちょっと手元になくて、数字をお答えできませんのが申しわけございませんけれども、二つのグループがあると思うのでございます。一つは、五十五なり五十六になって、ほんとうの意味で退職するという方と、それから途中で職を変わられたりする、あるいは採用されて二、三年で、その後公務員が気に食わぬので民間会社に移る、そういうのがある程度退職者として出ておりますので、平均年齢をとることは、実はあまり意味がないのじゃないか。(林(百)委員「あなたが意味がなくても、私は聞きたいんだ」と呼ぶ)申しわけございません。手元にちょっと資料がございません。ほんとうの意味で、年金で食べるのが苦しいから何か内職をするという退職者は、地方団体には現在定年制はございませんけれども、勧奨退職で五十五から五十七、八という方々が中心になられよう、そういうふうに見るわけでございます。
○林(百)委員 われわれは、定年制に非常に反対してきたわけですが、人事院では退職勧奨を何歳ごろから始めたいとお考えになっているわけですか。
○林(忠)政府委員 御質問の疑旨がよくわかりませんでしたが、地方団体の場合には何歳ぐらいから勧奨するのが妥当と思われるかということでございますれば、これは、御判断は、地方団体それぞれの御判断におまかせする以外にないのですけれども、現状は、若いところが五十五、それから六十近く、五十八、五十九というところが平均ではないか。現状はそれなりに意味があるのではないかと思っております。
○林(百)委員 五十九ですか。五十八ですか。
○林(忠)政府委員 平均が五十七、八というところです。若いところが五十五、そして六十になるところもあるわけでございます。
○林(百)委員 大臣、いま言ったように、五十七、八で勧奨されておな職場に粘っているということは、これは公務員にとってはつらい、毎日毎日が針の上にすわっているような感じだと思うのですがね。やめたあとにまた働けばいいじゃないかと言うのですが、一体どういう仕事があるのですか。五十七、八で、どういう条件で働けるのですか。しかも、公務員というのは特別な環境の中で働いているのですから、そういう人が波風の荒い浮き世へ出ていって、大臣の言うように、また働いていただきます、それより道がありませんなんて言ったって、政治家みたいに弾力性があるのと違いますから、長い間公務員として暮らしてきた者は、少なくとも、二十年以上公務員として身についているわけですよ。そんな人が生き馬の目を抜くようなところへ行って働いて生計を立てろなんて、大臣、そんなこと言ったって無理ですよ。そんなことをおっしゃると、ますます自民党に対しての批判が強くなります。 大臣がおっしゃったから大臣の構想をお聞きしますが、あなたも自治大臣だから、地方公務員として生涯を生きがいありとして二十何年間も働いて、そしてやめた人が、標準の生計費の一人分にも当たらないような年金しかもらえない。どうしたらいいのか。もっと積極的に、私のほうの対案も少なくとも四万という数字が出ているわけですけれども、ちょっと大臣の考えを聞かしてくださ い。
○江崎国務大臣 これはなかなかむずかしい問題が包蔵されておると思うのです。もともとこの種の年金は最低の生活が保障される、これが理想であることは申し上げるまでもございません。しかし、本人の掛け金の問題もありましょうし、それから、他の厚生年金その他の年金水準、それらをにらみ合わせますと、今度は倍額にするのがせい一ぱいであった。あなたの御指摘なさる意味は私どももよくわかるわけですが、これは財源の問題もありますし、一応今度はこういうことになったわけです。しかし、今後も、去年からことし倍額ということは、来年も倍額というわけにはまいりませんが、相当な額をまた修正して、少なくとも将来はこれによって最低の生活が保障されるようにする、これが理想であります。それに近づけていきたいと思いますが、これは本人が働くことが不可能な場合は、このごろは幸い日本でも自民党の政策がだんだん浸透しまして、雇用する者のほうでは非常に人を求めておる感じですから、こういう場合は御家族の方にもできるだけ御協力をいただくということにならざるを得ぬと思うのです。その点は、私もお答えしながら、いかにも残念に思っております。したがいまして、今後これが増額については十分努力をしてまいりたいというふうに考えます。
○林(百)委員 一つは、年金を上げるということもありますが、局長、勧奨で、肩たたきで、そろそろどうかというようなことを言って、しかし、本人がまだ働く能力があって働けるならなんて言う。その人は生涯を地方公務員としてささげているわけなんですから、その人にそんな針の座にすわらせるようなことを言わないで済むようにできないものか。働ける者は五十七、八といってもまだ働けるわけですから、少なくとも六十五歳くらいまではそういうようなことを考慮してやるということは考えられないのですか。
○林(忠)政府委員 確かに、平均寿命もたいへん延びておりますし、おっしゃるように、六十歳から六十五歳ぐらいまでも、元気な人は若い人に負けぬくらい働く能力があるということは間違いないことだと思います。しかし、一方には、地方公共団体の組織は、一面において常に新陳代謝を考えて、フレッシュなものにしていかなければならない。御承知のように、わが国の賃金体系は年功序列というのがいまだに習慣的に浸透しておりますし、ある程度の年齢の高い方は自然に月給も高い。事務能力といえば、これは人によりまして六十歳、六十五歳でも四十代に負けない働きをする方もおりますけれども、平均して言えば、六十歳に近づけばある程度事務能力も落ちるということになる。そこで、現在、勧奨ということが地方団体で行なわれている。それにはそれなりの理由もあると思います。 ただ、肩をたたいて、おまえやめろと言うことだけでは現実に勧奨退職でないのでございまして、肩をたたくときには、また新しい職場のあっせんをするというようなことも、たいへんな努力を地方団体側で払っておる。そして組織のフレッシュさを維持しつつ、一方において、年とってやめられる方の先の生活のことも考えるというような勧奨退職の実施のしかたをしておりますので、これはこれなりの一つの行き方ではないか。ですから、いたずらに六十五歳まで働くことを原則にするということが、はたして地方団体の組織を能率的にフレッシュな形で維持するのにいいかどうかという点は、なおもう少し検討しなければならぬ問題ではなかろうか、かように考える次第でございます。
○林(百)委員 そういうように、地方自治体の行政事務の能率をあげるためには、ある程度新進気鋭の能力を持った人に働いてもらう必要があるというのは、それはけっこうです。 〔委員長退席、中山(利)委員長代理着席〕 それならば、やめた人に対して社会保障的な、生活の不安を与えないような条件をちゃんと保障しておいて、そして、こういう条件があるから、あなたも年だからおやめになったらどうですかと言うならわかりますよ。しかし、そういう道がなくて、さっきの大臣の言ったように、やめたら、年金が少ないから、またよそへ行って働いたらいいでしょうなどと言っておきながら、さあやめなさい、やめなさいということは、これは公務員を、憲法二十五条の人間に値する文化的な最低生活を保障するということから遠ざけさせることになると思うのです。だから、局長の言うような、それは定年制のとき自治省が言ったことばで、われわれも記憶に十分残っていますけれども、もしそういうことをおっしゃるなら、もっと年金の問題について真剣に考慮する必要があるのじゃないでしょうか。いつも恩給リードです。そもそも恩給ということば自体が非近代的なことばですね。ことばから言うのも何ですけれども、天皇制の時代に、天皇から御恩によっていただく恩給、それにリードされながら、こちらがあとをついていくというようなことはおかしいと思うのですよ。公務員がやめたらやめたでもいいですから、そのとき憲法二十五条に保障されているような生活の保障の道をもっとちゃんと講じておいてやる。それから、あなたの言うように、地方自治体の能率を向上させるために、新進気鋭な人材を入れるということはわかりますけれども、そうであるならば、公務員で、あなた方みたいな高級になればどうか知りませんが、しかし、少なくとも最低保障を受ける者は一五%もあるし、遺族年金に至っては、最低保障の者が八〇%近くもあるというのですから、これに対してもう少し真剣に考えなければいけないと思うのですよ。 大臣にお聞きしますが、一体この年金制度というものは社会保障としてお考えになっているのですか。それとも、相互で掛け金を出して保険的な性格を持ったものとお考えになっているのですか。根本的な立場で、一体どうお考えになっているのですか。
○江崎国務大臣 これは社会保障である、社会保険である、両論ありまして、にわかにいまここでどちらだと断定できませんが、むろん、福祉国家でありまする以上、これが福祉の方向に重点が置かれていくことが望ましいというふうには思っております。
○植弘政府委員 先ほどの退職者の数字の問題を、おそくなりましたがちょっと御報告申し上げます。 四十六年度の退職者について申し上げますと、三十歳未満が四五・一%、それから五十歳未満が二〇%、六十歳未満が二四・一%六十歳以上が一一・一%としいような構成でございます。 先ほど先生から御指摘がございましたように、退職者についての家族構成その他いろいろと統計的な分析が不十分な点は率直に遺憾に思います。今後、そういったこまかいデータを分析しながら、それぞれの退職者の実態に応じた措置が、たとえば最低保障等がどのように措置されるべきかといったような点は真剣に検討しなければならないと思うのです。先ほど大臣からいろいろと御答弁がございましたが、こういった分析の結果に基づいての研究が十分でなかった点もございますので、今後はそういう点に十分配慮したい、このように思います。
○林(百)委員 私の提起している問題は、地方公務員だけに限らず、国家公務員もそうですけれども、少なくとも公務員に共通する問題として、少なくとも年金の支給を受ける年まで働いているという人が、幾度か言うようですけれども、人事院の標準生計費の一人当たりの生計費にも当たらないようなものをもらって、二十何年間の公務員の生涯を物質的には終わらなければならないということは、これは公務員全体にとって重要な問題だと思う。私は、先ほど、皆さんのような高級官僚の方々と言いましたが、皆さんだって決して穏やかじゃないと思うんですよ。できたら、年金の点について、老後の心配のないような保障をもっと十分にされたいということは皆さん自身も考えておると思うのです。そういう立場で私は聞いているわけなのです。そういうことで、皆さん自身も、共済制度あるいは年金の支給について、もっと社会保障に値するものを支給するようにという意欲はお持ちになっていると思うんですね。そういう場合、いまお聞きした資料などもやはり有力な武器になりますので、そういうものは、先ほど部長さんも言われたように、十分準備しておく必要があると思うのです。 参考までに、私の手持ちの資料によりますと、ことし三月に地方公務員共済組合が調査した年金受給者の実態調査では、約八割の人が、やめろあるいはやめてもらいたいというような、いわゆる勧奨という名のもとにやめておられる。本人の都合ではなくして、退職させられたという形になっている。しかも、退職後も、八割をこす人が扶養家族をかかえているということになっているわけですね。昔は、これほどインフレが悪化して、もうどうにもならないような時代でないときは、いわゆる恩給と称するものが支給されているころは、まだ、むしろ、今日より——それは、絶対額においては比較にならないほど少ないものであったけれども、退職すなわち隠居生活ということで、やめた後もまた、大臣の言うように、自民党の政策によって労働力を必要としているから、そこへ行って働いたらいいじゃないかというような、そういう冷たい、私から聞けば冷たい条件でなくても暮らせたんですよ。大体、退職すれば、それで人生の八割以上はもう終わった、だから恩給をもらって老後の生活に入るという、その程度の精神的な余裕は持てたのです。ところが、いまはとてもそんなわけにはいかないわけです。八割の人が自分の意思でなくてやめて、そして、その八割の人が自分の扶養家族を持っていて、そして、最低の保障がこういう状態だ。しかも、自分の子供たちは子供たちで、何というか、自分自身が低賃金ですから、とても親を見るわけにはいかないという実情なんで、そういう実情のもとでは、年金額を、もっともっと社会福祉の名に値するように引き上げるということが非常に重要だと思いますが、こういう統計を持っていないですか。退職後も八割をこす人は扶養家族をかかえている。これは、佐野さん、地方職員共済組合の調査した数字ですよ。こういうものを役所で持っていないというはずはないと思うのですが、これを持っていないのですか。やめた人の家族構成がわからないと言っているのですが……。
○佐野説明員 ただいまの資料は、地方職員共済で、独自でそうしたものを調査して出した結果と思いますが、一般の組合員についてまで、まだそこまで分析していないところが多うございまして、そうした点で、先ほど申し上げましたように、各組合ともそういう資料を整備するようにしようじゃないかということで、いま、その点の努力をいたしております。
○林(百)委員 大臣、約八割くらいの人が、本人の意思にかかわらず勧奨があるのでやめた。その最低保障もいま言ったような状態だ。よそでいま労働力を必要とするから、働いたらどうかというのですけれども、そのやめた人が、病気で適当な仕事がない、働きたくても働けないという状態にもしあったとすれば、どうしたらいいのでしょう、教えてください。
○江崎国務大臣 私が申したのは、これからも努力をしてこの最低保障額を引き上げますという、この前提があるのです。しかし、現実に月額二万五千二百円でどうするのだとあなたが言われるから、これは、最近は働く場所もあるのだから、それぞれの能力に応じてできるだけ働いていただくとか、あるいは、家族にも当然御協力をひとつ願いたいという一般論として申し上げておるので、あまりくどくそう言われるというと、何か、私が無情きわまることを言うておるように——まあ、これは赤旗の記事にはいいかもしれませんが、私は、決してそんな意味で言っておるのじゃありませんから、その点はどうぞ誤解のありませんように御了解を願いたいと思うのです。 これは、やはり、前提はあくまでも引き上げるということでとにかく、昨年に比べれば、厚生年金の引き上げと同時にこれは約倍額にしたという努力は、これは林さんも専門家であられるから、自治省側の努力は努力としてお認め願えると思うのです。 恩給は、最低額がまだ年間十二万くらい、月にすれば一万円くらいにとめられておるのです。あなたのおきらいな恩給のほうは、ですね。そのほうから言えば、これはよくまあまあことしはここまでこぎつけた。しかし、これは決して満足しておりません。だから、他の年金、福祉年金、厚生年金等々をひっくるめて、まだまだすべて日本は低い水準にありまするから、今後努力をして、できるだけ増額をするようにしてまいりたいというふうに考えておるわけです。
○林(百)委員 この支給率が倍になったと言いますが、しかし、これは当然のことで、厚生年金だとか、恩給だとか、他のいろいろなそういうようなものの率が高まったということから自動的にきた部分が多いので、自治省自体も、地方公務員の退職後の実情に照らして、こうしなければならないという積極的な努力をそれではどうなさったのですか。参考までに聞いておきましょう。
○林(忠)政府委員 おっしゃるように、退職年金制度を老後の保障として安心するところまで引き上げるということは、われわれの長い念願の共通の目標でございます。その共通の目標も、公務員の共済だけをというと、いつも、いや恩給との均衡、いや厚生年金との均衡ということで、あっちこっちいろいろな壁にぶつかりまして、毎年何がしかの改善はしておりますけれども、思うような改善、抜本的な改善には、まだ、実は、ほど遠い。だから、われわれは、努力目標はまだ遠くにあるということを痛感しているわけでございます。 今回の最低保障引き上げも、先生の御指摘のように、私たち単独でがんばってそこまでいったというよりも、むしろ、年金の年ということで、年金を大いに充実しようという政策の一環として厚生年金が引き上げられる。そうすると、従来は、共済年金というのは厚生年金に比べて、これは公務員という、さっきも御指摘がありました特殊な分野で一生をささげた人のためのものなんです。したがって、従来、厚生年金よりも共済年金は確かに給付水準のレベルが上にあったし、また、そうあるのが当然だという主張をしてまいったわけでございます。ところが、今回は、厚生年金を思い切ったレベルアップいたしましたために、あるいはあとで御質問を受けることになるかと思いますけれども、月給の低い部分では厚生年金よりも下回る部分が出てきたということで、従来われわれが主張しておった、特殊な分野であるからこそ厚生年金よりも高いレベルを保障されてしかるべきだという主張の一角がくずれたような面も実はあるわけです。 これについての改善努力、これも法案の立案過程でずいぶんいたしたわけでございますが、一方、ことしは恩給が二三%強という、例年に比べて約二年分に近い改善を、これも年金充実の一環として一気にやった。これは、従来の、恩給がそれだけの改善をすれば、共済年金も当然恩給に準じて改正するというしきたりに従いまして、今回も、給付率について、いわば二年分を一ぺんにやったぐらいの改善をやったわけでございます。 そこで、今回はそのほうの改善が目玉になりましたために、ほかの最低保障の問題とか、あるいはあとで御質問を受けるかもしれませんが、退職前の三年平均というような問題とか、従来の宿題がだいぶ取り残された面は確かにございます。私たちは全く先生と同じ気持ちでございまして、そういった特殊な分野の人の老後の保障をするということが、勧奨退職にも、あるいは定年制をしくことについても絶対の前提条件だということで、毎年たいへんな努力をしております。ことしは、そういった関係で積み残された面も非常にございますけれども、さらに今後の努力を非常に続けていきたい、こう考えておる次第でございます。
○林(百)委員 大臣、私の言うことが「赤旗の記事にはいいかもしれません」というようなことを言うことは、非常に不謹慎なことばだと思うのですよ。あなたは公務員の職を奉じたことがあるかどうか知りませんけれども、少なくとも公務員の職に奉じて、生涯を国家公務員として、あるいは地方公務員としてささげた人が、いよいよその職をやめるに至って、三人、四人というような扶養家族を持っているにもかかわらず、人事院の標準生計費の一人分にも当たらない年金しか最低保障としてもらえないというようなことをもっと真剣に考える必要があるのじゃないかということで私は言っているわけなんで、私の言っていることがしつこいと言うけれども、私をしつこく言わせているものは何ですか。自民党のそういう点に対する政策は、口ではいろいろ言っていますよ。たとえば福祉元年だと言ってみたり、あるいは社会保障を重点にすると言っていますよ。しかし、口でそう言っているなら、現実にそういうことを実現してやらなければいかぬじゃないかという立場で私が言っているのを、あなたは、何かそれをおちゃらかすようなことを言われるのは、私ははなはだ残念だと思うのですよ。いままで、江崎自治大臣は、大臣のうちではまじめなほうだと思っていたのが、そういうおちゃらかしを言われて、公務員のこのせつない思いをそういうことではぐらかすことは、これはよくないと思うのですよ。私は、もう少し考えていただきたいと思うのです。 しかも、田中首相は、施策方針演説の中で、社会保障について「最善の努力をいたしました。」「いたしました」と言っているのですね。それがいまのような実情だ。憲法二十五条で規定されている人間らしい生活も保障されないような状態では、この社会保障については、最善の努力をしたということとはほど遠いじゃないか。それを、国務大臣としてあなたはどう考えているんだということを、私は幾ら聞いても聞き足りないのですよ。だから私が聞いているので、あんまり次元を落とした答弁ではぐらかさないようにしてください。そして、具体的にはこう考えているとか——いま局長も言うように、他のいろいろの要因から自動的にこうなるという部分が多いので、地方公務員のこのたびの年金の支給率の引き上げについて、地方公務員をかかえている自治省自体としても、老後の生活の保障について、独自の積極的な努力をする必要があると思いますので、その点を私は大臣に聞いているわけですから、もし所感があったらお聞かせ願いたいし、なければ次の質問に移ります。
○江崎国務大臣 御承知のように、年金比率そのものは、例年に比べれば二年分ぐらいを上げたわけで、まだむろん不備な点はございます。これは、何べんも申し上げておるように、特に最低保障額等については、なお今後の重要な検討課題ということにいたしまして、この増額をはかってまいりたいというふうに考えております。
○林(百)委員 そこで、局長が、はしなくも、おそらくあとで質問が出るだろうということを言われたが、この厚年ベースを共済年金が下回っておる関係ですが、このことについて、事実をまずありのままに説明してみてくださいませんか。そして、それをどう改善するかということは、また改善する方法を聞くことにして、給料月額幾らまでからは厚年ベースを上回っているか、幾らまではその以下かということを、これはもう方々で調査をして、グラフや数字もありますので、自治省が持っていないはずはないと思うのですが、どうですか。
○佐野説明員 厚生年金の引き上げに伴いまして、厚生年金の給付水準と共済年金の給付水準との比較の点につきましては、実は、厚生年金の改正案が出ました時点で、関係の共済組合から資料を出してもらったわけでございます。その資料によりますと、やはり、公務員の給料の低い人たちが、厚生年金の給付水準よりも落ちるんではないかという資料は出てきております。ただ、その資料の中身のとり方等につきまして、幾つかの誤解といいますか、まだ厚生年金の最終的な取り扱いがはっきりしない部分がございまして、推計がございましたので、そういった時点で見てみますと、私どものほうといたしまして判断しますと、九万円あるいは九万ちょっと上ぐらいのところ以下の人は厚生年金のほうが有利になるのではないか、このように推察いたしております。 具体的にどうなるか、個々の比較をした場合の扱いでございますが、この点については、具体的な事例を基礎にいたしまして、いま詳しい調査をいたしております。
○林(忠)政府委員 ちょっと補足いたしますが、ただいまの九万円、あるいはちょっとそれを上回る辺を境にして、それから以下の場合は厚生年金が有利だという計算方法も一つございます。それも、実は、その辺をつきまして、さっき申しました共済年金というのは、常に厚年ベースよりも高いところにあるべきだ、掛け金も高いのですから、これはそうあるべきだという主張で、だいぶ財政当局とやり合ったのも事実でございます。ただ、一つの考え方としては、共済のほうは五十五歳から支給を開始されますけれども、厚年のほうは支給の開始が六十歳だ。それが、人によりましては、五十五歳からの支給開始ということがたいへん有利に働く場面もあって、必ずしもそれは厚年よりも下回ると言えぬじゃないかというのもまた一理屈ございまして、実は、その辺の理屈の応酬が十分尽くせませんでした関係上、今回の改正は、一見下回ると思われる部分について手直しもできていないということは率直に認めなければならないと思いますが、これについての改善の努力というのは、先ほど申しましたように、当然共済年金のほうが上回るべきであるという線をあくまでも今後貫いて改善していきたいと考えておる次第でございます。
○林(百)委員 念のために掛け金の点をお聞きしますが、その九万円前後のところまでは厚年ベースを下回ると言いますが、掛け金の点については、厚生年金の掛け金と地方公務員共済年金の掛け金とはどちらが高くなっているわけですか。
○佐野説明員 共済年金の場合で言いますと、本俸に掛け金率を乗じたものでございますし、厚生年金の場合は、標準報酬に保険料率を乗じたものでございまして、若干その取り扱いに違いはございますが、絶対額から見ますと、共済の掛け金のほうが高くなっております。
○林(百)委員 大臣、いま、要するに掛け金は厚年よりも絶対額から言えば高い掛け金をかけていながら、しかも、支給される年金が、月額九万円前後の給与の者までは厚年ベースより下回るというような実情にあるわけですね。局長は、これは改善するといま言われましたが、この点について、大臣としてはもちろん改善する意図でしょうけれども、具体的にはとういうように——少なくとも社会保障というならば、社会保障の厚年より下回る共済年金の受給者があるというのは理屈の通らない話ですね。しかも、掛け金は高いわけなんですからね。これについてはどういうようにお考えですか。
○江崎国務大臣 これも、まさに御指摘のとおりだというふうに私ども思っております。したがって、局長がお答えしましたように、これはすみやかに改善をしなければならぬ。ことしは、さっきの答弁にありましたように、給付比率の問題が重点となって、二年分を一挙に引き上げるというようなことがありましたために、こういう多少矛盾を生ずるものが積み残しになったわけですね。したがいまして、今度の通常国会、つまり、ことしの十二月までに成案を得まして、均衡を失しないように実現をしてまいりたいと思います。
○林(百)委員 この点は、大臣は改善されるということですから、ひとつ全力を尽くして改善するようにしていただきたいと思います。 それから、スライド制の問題なんですけれども、これは、私のほうの対案によりますと、公務員等の年額の平均給与の上昇率が五%をこえる場合は、上昇率を基準にして政令で自動的に改定できるようにしていこうということで、これが私のほうの四党の対案としては出ているわけなんですけれども、こうやって毎年毎年年金の引き上げについて法律を改正して、そして国会の議決をしていく法案として提案している。これを、私たちの対案にありますように、少なくとも平均給与が対前年度比五%をこえるような場合には自動的に改定することができるという法体系の改正というものは考えられないのでしょうか。
○林(忠)政府委員 林先生はこの委員会のベテランでいらっしゃいますので、もう十分実情を御承知の上で実はお聞きになっているのだと存じますが、毎回、私、実は、ここで答弁さしていただいておりますが、実際に、実質的な意味でのスライド制というものはもうできていると言っても過言ではない。これは恩給法のほうで、公務員のベースアップのうち、まず物価上昇分をとる、残った部分のうちの六割が、これは生活水準の上昇の分だといって、物価上昇分プラス残りの〇・六、それは毎年改善するというルールは、この数年現実の取り扱いとして確立をしている。ところが、それを、残りの六割の積み残しの四割、毎年御指摘を受けたこの四割までを含めて、ベースアップ率と同じ改善の方法をするということをことしとったわけであります。ことし一たんこれをとった以上、来年度以降、法文には書いてございませんけれども、公務員のベースアップの率に従って行なうんだということは、これからもう慣行的に確立されていくに違いない。その意味での共済年金のスライド制というのは、実質的にはもうできている。 では、なぜ法文に表現できないのか。そうすると、これは厚生年金との比較でございまして、御承知のことと思いますが、厚生年金はことし物価にスライドするということを入れたわけでございます。同じ年金であるから共済年金にも入れたらどうかという話が実はその筋からこちらへも参った。ところが、実際にはこちらは物価以上にプラス〇・六、さらにことしで言えば、一〇〇%ベースアップ率でスライドできているのに、逆に法文で物価にスライドするというようなことを入れて書いたら、それはかえってしりを引っぱるようなことになる。ことしの公務員の共済年金のほうが厚生年金よりもレベルが上であるという主張が一般的に認められるならば、こっちはこっちであるということで法文化できますけれども、そこは、やはり、同じ各種の年金の間の均衡ということが問題になるために、ことしも法文化できなかったことはいま言ったような事情でございますけれども、実質的なスライド、しかも、公務員のベースアップ率にスライドして取り扱うということは、もうこれで確立されているという現実の問題、そういう実情だと思います。
○林(百)委員 まことに局長の言うとおりだと思うのですよ。私たちのほうも、給与のベースアップに比例して共済年金の支給の率も額も上げていくことのほうが有利だと思います。それがことし行なわれたから、これは慣例として確立されたんだ、そう言っています。局長がそう言うのだから、おそらくこれは間違いないだろうと思いますけれども、大臣どうですか、それが慣例として間違いなく給与のベースアップ分——いままでは六割で四割積み残しているわけですね。この積み残しの問題もありますけれども、ことし初めて賃金上昇率で一〇〇%スライドをやったわけですね。給与のアップ分を年金の支給率のほうでアップしたわけですね。これはいま局長の言ったように、慣例としてそういうことが今後行なわれるのか。いままで六割だったのが今度は十割になったのです。もしそれが慣例として行なわれるとすれば、何かそれを法制的な表現にしてもよろしいと思うのですが、慣例だからする必要はないということでは、やはり、公務員にとっては安心する保障にはならぬわけですね。そのときの政策いかんによってはまたそれが変更されることも考えられるわけですから、この点については、大臣、どうですか。考えられないでしょうか。局長が、もうことしそういう慣例ができたんだから、これはおそらく慣例として続けられるだろうということを言っておられるわけですから、それならば、それを法律にするか、あるいは政令にするかは別にしても、何か法制的な表現にそれを組み込むということをお考えになれぬでしょうかね。
○江崎国務大臣 これはいま局長が答えましたように、こういう形で現実には処理していくことになるというふうに私も思いますし、また、その努力をいたします。 それでは法文化したらいいではないかということは、これは厚生年金とのバランスといいますか、対比の問題もありまするので、もうしばらくこれは時間をおかしください。できるだけ——できるだけというよりも、今度の共済年金にとられた、ベースアップになればスライドをするという、この方向は確実に実行できるように、私も十分責任を持って努力していきたいと思います。
○林(百)委員 これは非常に事務的なことですから、局長さんにお聞きしますが、いまの局長さんの答弁にもありましたように、ことし初めて賃金上昇率の十割にアップしたわけですが、先ほどお話しのように、従来六割ですね。物価上昇率のファクターもいろいろ入ったけれども、賃金上昇率については六割、あとの四割は積み残していたわけでしょう。要するに、従来は賃金上昇率の六割は考慮されたけれども、四割は残されていたわけでしょう。私はそう解釈しています。差額の六割ですから、四割は積み残されていたわけでしょう。 それではもう少し正確に言いますが、賃金上昇率から物価上昇率を引いて、その六割でしょう。だから、四割は積み残されているわけでしょう。
○林(忠)政府委員 プラス物価上昇率です。
○林(百)委員 四割は積み残されているわけでしょう。
○林(忠)政府委員 差額の四割ですね。
○林(百)委員 だから、全体はやはり賃金上昇率の十割ということにはならぬわけですよ。要するに、賃金上昇率から物価上昇率を引いて六割、それがプラス物価の上昇率ですね。積み残しがある程度あるわけです。ことしそれが改善されるというあなたの答弁ですね。この過去の積み残し分というのは、そのまま放置しておいていいのですか。
○林(忠)政府委員 その点は、やむを得ないのではないかと思います。つまり、どれだけ年金のベースを改善するかというときに、一つには、公務員ベースの改善率にぴしゃっとそろえて改善すべきであるという点、さらに、従来とられておりました給与ベースの改善率マイナス物価上昇率、残りかける六割プラス物価上昇率という方式、これももちろん理論的には十分根拠のある考え方でございます。つまり、賃金上昇率のうちに物価上昇率を上回る分があるということは、賃金上昇のうちに、国民生活水準のアップに見合う分と、それから職務給的な意味、つまり、公務員がだんだんと責任のある地位につく、それに伴うところの体面出費という意味のものがある。退職した方々には職務給的なものは上げる意味がないのであって、もちろん、国民生活水準が上がる分は上げるけれども、職務の責任が重くなることに伴う手当的なものは、退職されているのだから要らないというのも一つの合理的な考え方でございます。合理的な考え方ではありますけれども、現実の動きとして、それでは一年でも粘っていたほうが得だという問題が起きまして、新陳代謝その他にも悪い影響を及ぼす。 ですから、どれだけの率を改善するかということは、まさにその年その年の政策によってきまるのでありまして、物価上昇率でいいという説もあるかもしれないし、現に厚生年金はその点をどの程度物価上昇にスライドするかという規定を入れておりまして、政策的には物価上昇率を上回る改善を妨げないということで入れておる。そうすれば、公務員の共済年金についても、過去における物価上昇率にプラスアルファして、国民生活全体の上昇に見合って、退職者もそれだけの生活をしていただくべきであるという意味があったと思います。過去にはどれだけのやり方でやってきた、しかし、ここでもう一歩改善を加えて、公務員のベースアップ率、改善率と同じものに一歩前進したのでありますが、過去に切り落とした分が不合理であって、さかのぼって回復されるべきであるというふうに考える必要はないと思います。現実に、過去に積み残された差額から四割引くという慣習も、実はこの三年ぐらいで確立したわけでございますから、その改善は、そう原則もなく、毎年の財政事情とか折衝によって、ことしは公務員は一二%、恩給は八%とかいうような時代もあったわけでございます。過去の改善はそれなりの一つの理屈の上に立った改善でございますが、今後は思い切って改善の率をよくして、公務員のベースに合わせるようにするという政策をとろうとすれば、今後はことし立てられた方向でいくと思いますけれども、過去に積み残したものをさらに上積みしょうということは、理論的にも考える必要はないだろうと思います。 ただ、全体として、決して共済の水準が高いわけではございませんので、全体を引き上げるときの理屈として、過去に積み残したものを持ってくるという理屈は立ち得ます。われわれは、改善してもらうならばどういう理屈ででも改善したいと思いますから、そういう考え方を述べることはあるかもしれませんが、理論的に、過去の〇・四切り落としたものを追っかけて上げなければならないということにはならないと私は解釈しております。 〔中山(利)委員長代理退席、委員長着席〕
○林(百)委員 生活水準を向上する、要するに、物価のスライドだけでなくて生活水準を向上するということであったら、退職公務員であろうと、これは憲法で保障されなければならないのであって、それが物価の上昇率だけでいいということにはならないと私は思うのです。ことしやったように賃金をそのまま十割スライドしていく、その賃金だって、公務員が要求しているものよりは下回っているわけで、それをいままで積み残しているわけですから、退職した公務員の生活水準というものは、社会全般が向上しているのに、それだけはやはり積み残されていると見るべきじゃないでしょうか。それをやはり何らかの形で回復してやる。ことし、そのワンステップとして行なわれたわけなんですけれども、それはやはり何らかの形で考慮してやる必要があるのじゃないでしょうか。
○林(忠)政府委員 国民生活が上がる分に見合う分は、従来保障していたわけです、その〇・六という、六割というところで。ですから、積み残された四割は何かというと、それは、現在その職にいる公務員が、年月がたつに従ってえらくもなり、責任のある地位にもつき、そういう職務に対する責任とか、あるいはそのために体面を維持する必要があるとか、交際費の必要があるとかという分に見合うのが四割であって、それは退職した方々には関係ない。六割の部分は、物価の上昇プラス給与の上昇率から物価上昇率を差し引いた六割というもので、これは退職した者も現職の者も、あるいは民間の方々も含めて国民生活が上がる分だというところから、いま先生が言われた分は従来も保障されていたということになるわけです。積み残された四割というのは、現職にいるために必要な出費というような理屈がついていたわけでございますので、おっしゃるような、さかのぼった回復をする必要があるという結論にはどうもならぬように私たち考えております。
○林(百)委員 それは、賃金の中にそういう職務給部分もある、生活維持部分もある、だから、職務給的なものは年金の部分からはずしているというのは、過去の積み残しを合理化するための理屈じゃないでしょうか。やはり、退職した人たちも、社会人としての生活を、全般が上がっていく場合は、上げてやらなければならないし、第一、公務員の賃金要求が一〇〇%通っているわけでもないわけなんです。それがそういう理屈のもとに四割の格差がつけられたということは、これはやはり回復してやるべきである。公務員の賃金が十分要求が通っているなら話は別として、それが通らないわけなんですから、それはやはり見てやるべきだと私は思いますが、そういう方向は考えられないのですか。あるいは、何かの機会に、年金をスライドアップする場合の一つのてこに使ってもいいと思いますけれども、そういうふうにお考えになりませんか。過去のことはそれでいい、合理的に話は片づいているのだということでいいのでしょうか。
○林(忠)政府委員 全体のレベルを改善する意欲は、まさに先生と同じというか、それに劣らぬつもりでございますけれども、そのときにつける理屈として、過去の四割というのが不合理であった、積み残しであったという理屈は非常につけにくいわけでございます。いま申しましたように、現職の職務給的なものという考え方でその四割を切り落としておったわけでございますから、職務給的なものであれば、まさに退職した方々には関係ないと言わざるを得ない。また、その理論で従来やってまいりましたのを豹変するわけにもいかぬと思うわけでございます。しかし、ほかの理屈でも何でも、要は、全体としてはまだまだ非常にレベルが低いわけですから、ふえるためには、必要な理屈は幾らもこねたいと考えているわけです。いまの四割の精み残しは、政府部内の折衝としてはやや使えない理屈だと考えております。
○林(百)委員 そういうように、過去の積み残しを合理化していくなら、それでいいと思います。私は、やはり、将来の年金のスライドアップをする場合の一つのてことして、これは言い分は立つのじゃないか、こういうように思うわけです。その点はあなたと若干意見が異なっているわけです。 それから、いま、地方公務員の、ことに市町村職員の共済の長期給付の積み立て金は、総額幾らになっていますか。
○佐野説明員 長期経理の積み立て金の合計額は、市町村職員共済で、四十六年度末で三千百八十六億八千六百万円でございます。
○林(百)委員 そうすると、あと、都職、警察、公立、地方公務員、全部入れると幾らになりますか。
○佐野説明員 地方公務員共済全体で、四十六年度末の長期経理の積み立て金の総額は、一兆五千百四十二億八千七百万円でございます。
○林(百)委員 その積み立て金、これがいろいろ問題があります。一つの問題は、私たちのほうの四党提案の法案では、賦課方式にしたらどうかという意見があるわけですね。一兆四千七百十五億の金が積んであるけれども、もし物価がインフレーションによって一〇%上がると、これは一千五百億価値を失うということになるわけなんですね。最近のような非常にインフレーションが急速度で深刻化しているときに、こういう積み立て方式を維持するということに対して大臣はどういうようにお考えになりますか。われわれ四党提案のように、賦課方式にするということについてどうでしょうか。
○林(忠)政府委員 多少共済の技術的な問題でございますので、私からお答えさせていただきます。 確かに、こういう普通の法定利息を上回るような貨幣価値の下落のときには、御指摘のようなことを当然考えざるを得ないと思っております。ただ、これは、ほんとうにこの一、二年の実は異常な事態でありまして、こういう法定利率より貨幣価値の下落のほうが上回るということが続く場合は、もちろん、共済の経理にはたいへんな脅威でございますけれども、それのみならず、経済全般の問題として、これは何らかの解決が必要な問題であると思います。一共済だけの問題ではないわけであります。 そこで、こういう異常な事態というのは一日も早く鎮静する必要がございますし、それに対して強力な政策がとられるべきであると思いますが、いま直ちに、この状況が今後もずっと十年、二十年続くのだという前提は必ずしもないと思いますし、従来のある一時期、非常に短い時期で異常な状態があったときでも、長い時期に延ばして全体を平均していって法定利率くらいの利回りで運用していけば、価値全体を落とさずにいける。そこで初めて積み立て方式の根拠があるわけでございますので、この根拠を、いま直ちに全部考え直すという事態にはまだなっていないのじゃないか。しかし、将来は多少こういう状態があるいは続くかもしれません。そうなったら、それこそ共済の積み立て方式というのもさらに検討を加えなければいけないということで、その準備はしなければならぬと思っております。これはただ共済だけの問題ではなくて、あらゆる経済界においての準備といいますか、それに対する対策が必要であると思いますので、その一環に乗らざるを得ないと思います。
○林(百)委員 経企庁の方にお聞きしますが、いまインフレ状態にあるかどうかということはいろいろの論争がかわされておりますけれども、これはわれわれと政府との間で根本的に見解が違いますが、実は、地方公務員の共済の積み立て金が、いま言ったように一兆五千億近くもあるわけですけれども、これが、今日のようなこういう状態で、われわれはむしろ悪性インフレの状態になったと思うわけですが、したがって、積み立て方式でなくて賦課方式にすべきであるという論を立てているわけですが、念のためにお聞きしますが、ことしと昨年度を比較して、たとえば物価の上昇率、それから生計費の上昇率、あるいは金利の上昇率、そういうファクターがわかりましたら、わかったファクターから、どのくらいずつ上がっているのか、対前年度比で出してみてくれませんか。
○斎藤説明員 まず、物価の上昇率でございますが、本年の六月の東京だけの指数でございますが、前年対比一一・五%でございます。それから家計の収入でございますが、四十七年の暦年で見ますと、約二〇%ほど収入が増加しておりまして、実質的にも、四十七年度につきましては、物価の上昇を勘案しましても、七、八%程度の実質収入の増加でございます。 それから、金利につきましては、いま詳細な資料は持ち合わせておりませんが、両三度にわたる公定歩合の引き上げ等を契機といたしまして、最近は相当金利が高まっておりまして、前年度よりは一%以上高く末端金利でなっていると考えます。
○林(百)委員 東京の、対前年度比一一・五%の物価上昇だというのは、これはどういうようなことか、もう少し内容をお聞きしたいのですが、どういうようなファクターから出てくるのですか。
○斎藤説明員 総合指数では一一・五%でございますが、やや費目別に分けますと、一番大きなものが被服費でございまして、これが一九・八%、二番目に大きいのが食料費の一三%、次いで光熱費の一一・五%、住居費がそれに次ぎまして八・八%、雑費が七・五%でございます。
○林(百)委員 大臣、こういうような状態で、東京の生計費が一一・五%、これがそのまま、価値が一一・五%下がったとストレートに言えるか言えないかは別としても、いずれにしても、総体的に紙幣の、といいますか、通貨の価値が下がっているわけですね。そういうときに、一兆五千億の金が、実質的には毎年毎年そういうような状態が続いていくとすれば、これはせっかくの基金の積み立てもそれだけ価値が下がってしまうことになるわけなんで、こういうインフレが非常に速度の速いときにこういう金を積んでおくということよりは、その年その年にかかる年金なり、あるいは短期給付のものもありますけれども、そういうようなもの——ことに、共済の長期の問題をいま問題にしていますから、長期の共済の積み立ての問題を考えているわけですけれども、これを賦課方式にしていく。そうでないと、一兆五千億といっても、それが実際には価値が下がっていくことになってしまいますから、やはり、そのときそのときの物価と見合うような価値を持っている貨幣でこれを賦課していくという方式をどうしてもとるべきじゃないでしょうか。そう思いますが、どうでしょうか。 それから、局長に伺いますが、もしそういうことだと何とか考えなくてはならぬという、若干前向きの、木で鼻をくくるような答弁があると思ったら、そういうことでなくて、まあそういうことを考えているという話がありましたが、大体どういうことが問題になるのか、もし賦課方式にするとすればね。大体想像はできますけれども、その説明も願いたいと思います。
○江崎国務大臣 これは非常にむずかしい問題です。あなたの御心配になられる点はよくわかりますが、しからば、毎年毎年物価の上昇が激しくて、積み立てられたものが価値がしぼんでしまうということになれば、これは経済的な国の政策として破綻に瀕することにもなるわけですし、これをじんぜん放置していいはずのものでもありません。したがって、さっき局長も申し上げておりましたように、ここ一両年の物価の上昇が激しい、特にことしに入って異常な上昇を示しておるわけでありまするが、これらについては、政府としても、むしろ、これは年金の問題もさることながら、経済政策として全力をあげてこの鎮静につとめておるさなかであります。 したがって、賦課方式も一つの行き方でありましょうが、やはり、積み立て方式も、これは手がたく、しかも、その金を流用して、いっそ福祉施設等の充実にも貢献させるという点等々ありまするというと、これは、いまにわかにこの段階の現象だけを見て変更をするということは、いささか早計に過ぎるのではないかというふうに考えます。したがって、まず経済全般の政策として物価を鎮静させる、そのことが重要な課題である。これはおのずとこの問題とは別途根本的に対策しなければならぬというふうに考えます。
○林(忠)政府委員 私は、実は、それほど前向きに答弁したつもりではなかったのです。先生が前向きと言われたので、いささか実はあわてたんでありますけれども、確かに、現在のような貨幣価値の下落が激しいときには、積み立て方式の基礎はだいぶゆるがされる。そういう意味では、これに対する対策として、賦課方式というようなものについても研究をしてみなければいけない、その程度の趣旨で実はお話ししたわけでございます。 では、賦課方式をとるということにはどういう問題がありますかというと、まあ、積み立て方式のほうが非常に現実的であり、将来に向かっての安全性が保証される。賦課方式というのは、そのときの経済変動その他によって、端的に言えば、非常に負担の過重な掛け金というものが必要になるような事態も場合によっては予想される。それが一つの欠陥であろうと思いますが、具体的には、現在六十五歳以上の老人、こういうような方々が年金の受給者の主体を占めるわけでございますけれども、この老人の割合が、現在は働いている人の六人半に一人でございます。言ってみれば、その六人半で一人をささえていけばいいわけでございますが、それが、想定によりますと、六十年には四・五人に一人となる。さらに、昭和七十年には三・五人に一人となる。そうすると、賦課方式というのは、その年度の給付に必要なやつをさっと賦課するわけでございますから、三・五人で一人をささえていかなければならないということは、非常に過重な掛け金になる。そこで、国庫負担すればいいという御議論もあるいは出てくるかもしれませんけれども、とにかく、掛け金としては、その年に必要なものをその年で取るという形で非常に過重な掛け金が出てくるので、やはり、将来必要なものを積み立てるといういまの積み立て方式のほうが健全であり、安全であるということにもなります。 ですから、いまのようなインフレのときに、その積み立て金自体の価値が実質的に下がるということはたいへん心配なものでございますが、さりとて、賦課方式に切りかえるということには、それ以上にもっと困難な問題に直面することを考えなければいけない。確かに、いま積み立て金が相当ございますから、それを取りくずしていく分には、ここしばらくは楽ができる。しかし、ほんとうにそういうものもなくなり、かつ、今後は老人の割合が働く人に対してぐんぐんふえてまいるというような状態では、賦課方式に踏み切るということは簡単にはとうてい考え得ない問題である。別の国庫負担をふやすとかなんとか、ほかの方式を持ち込んでこない限り、この賦課方式というものはまず困難であろうと考えざるを得ないわけであります。
○林(百)委員 あなたの言うとおり、賦課方式でそういう不足分が出たときには、国庫の補助をする。それは社会保障制度ですから、それは田中内閣の政策なんですから、そうしていけばいいじゃないか。そんなに長い間、二十年も積み立てをしていって、一兆五千億もの金をただ積んでおくより——インフレによって貨幣価値か下落していくときに、そのような状態をそのまま放置しておくということは合理的ではないと思います。もし、局長の言うように、その賦課方式のために負担が増加するような場合は国が見ていったらどうか、こういうように思うわけです。とにかく、これは、私のほうとしては、四党としては、そういう提案をしておるということを申し上げておきます。 それから、ついでに、積み立て金の運用の問題について伺いますが、自治省がこれを民主的に公正に運用するという点について、いろいろな風評を聞いているわけです。共済組合の運用について、自治省は何か自分の一つのセクションであるのごとく考えている。たとえば、共済組合のほうから出向というような形で、若干の数ですけれども、自治省へ人が来る。その仕事を見ますと、それは勉強をするという人もありますけれども、お茶くみ程度のことをさしておくというようなこともある。あるいは、積み立て金の運用についていかがわしい風評も聞いている。あるいは、ある地位にある人が、自分の身内の者のマンションの仮受けをしておいたところが、その会社がつぶれた。つぶれて、それを払う債務を、その名義を市町村共済組合のほうへ書きかえるというようなことも風評として聞いておりますが、こういうようにそれを私しておる事実があるかどうか、今後調べていただきたいと思います。 また、地方公務員が積み立てた積み立て金の運用について、自治省が、これを、何か、まるで自分のセクションの運用のようにしていくということは好ましくないと思うのですね。これは、やはり、公正に、そして、少なくとも多額の金が積まれているものの運用ですから、いやしくもそういう風評の立つようなことのないようにしなければならないと思いますが、こういう点について、大臣と、当該の責任者である局長は、今後十分の監督をなさっていきますか。民主的な運営を保証しますか。もっと具体的に言えば、私は材料もありますけれども、ここでそんなことを言わなくてももうおわかりだと思いますから、とどめておきます。
○林(忠)政府委員 もちろん、これだけの多額な積み立て金の運用でございますし、その監督権限が自治大臣にありまして、自治省の仕事としてやっておることは確かでございます。いま先生の御指摘されたようなことは全くないと私は信じております。誠心誠意運用しておると思います。でも、これだけのものでございますし、そういう御批判が出るということは、あるいは目に見えないところに欠陥があるという心配もあると思いますが、その点は十分注意をしてまいりたいと思います。私たちの心がけとしては、これだけの大きなお金でございますし、そのためにそういう風評が立たないような、常々の慎重な配慮は十分していくつもりでございます。
○江崎国務大臣 これは、御指摘のように、もしかりそめにも乱れた姿勢があるとしたら、容易ならぬ問題だと思います。金額も大きいですし、また、自治省自体の立場から申しましても、そういうことがあってはなりません。十分部内を引き締めて対処したいと思います。
○林(百)委員 具体的な事実をもしもっとお知りになりたいというなら、私のところへ来てくだされば御説明いたしますけれども、きょうこの公の場ではこの程度にして、私は、警告を発するという程度にとどめておきたいと思います。(江崎国務大臣「それはあとで聞かしてください」と呼ぶ)まあ、しかし、一身にかかわる方もおいでですから、必要があればまた説明いたします。聞かしてもらいたいというならお知らせします。(江崎国務大臣「念のためにそれを教えておいてください」と呼ぶ)私どものほうも考慮してみます。局長さんが来たからといってすぐ御説明するかどうか、私のほうでも判断してみます。
○林(忠)政府委員 ある意味では弁解のようにとられるかもしれませんが、これだけ大きなお金でございますので、いろいろな方面のいろいろな要望が実はたくさん出てまいります。それらの全部の要望はとうていかなえるわけにはいかないとすれば、やはり、こうであるという道でもって、強引にその道を突っ走るということもあるわけでございまして、その意味では批判を受けるような面は幾らもございます。それは独断的である、けしからぬという批判があります。しかし、それも限られた——限られたといいますか、たいへんな額でございますけれども、それを全般的に広域的に運用するにはどうしたらいいかという判断は、ある程度の批判とか非難にかかわらず、公正な判断をして、それをやらなければならないという場面もございまして、そういう面での批判は甘んじて受けるつもりでございます。ですけれども、そういうことにかかわらず、私たちの内部で御心配のようなことはないと私は信じておりますが、先生のところに何らかのお話が入っているとすれば、それはまたぜひ伺わしていただいて、私たちの知らないところがあれば、それに対する必要な対策は万全の措置を期するつもりでございます。
○林(百)委員 次の問題に移ります。 これも一つ問題で、毎年論議の的になるのですが、算定基礎の問題ですね。三年平均か、あるいは退職時を基準にするかというわけですね。これは、私のほうの四党提案では、退職時の給与にすべきだという主張をしているわけですが、三年平均になりますと、大阪のある衛星都市の労働者の平均賃金を例にとってみますと、最高本俸の場合、六九年から七一年の平均月額にすると二十三万二千八百九十六円で、これが七一年の月額二十七万円との差額が三万七千百四円になるわけですね。それから、これが年になりますと、四十四万五千二百四十八円の差額が出てくるわけです。それから、平均本俸の場合、六九年から七一年の平均が五万七千四百六十五円、七一年の本俸が六万四千七百六十二円で、これの差額が七千二百九十七円、これは年にしますと八万七千五百六十四円という差が出てくるわけです。相当の額ですね。ことに、二十三万の月額給与の人は、三年平均すれば、七一年の現在は二十七万ということになりますと、そこに差額が約三万以上出てくるわけです。年にするとこれが四十万以上になるわけですね。平均本俸の人でも、三年平均にすると、やめた当時との差額が年に八万七千円くらい出てくる。これは自治省は十分おわかりだと思いますが、これを何とか改善する意思はありませんか。どうしても三年平均を固持されるのですか。大臣もこの点についてお考えがあったら聞かしてください。
○林(忠)政府委員 これは、実は、改善をしたいという気持ちを持っておりますので、この前の通常国会でも、あるいは私の前任者の時代でも、その改善に努力することを何度もお約束しているはずであります。実は、ことしも、これはぜひ改善したいということで、だいぶ関係当局間で折衝いたしましたが、先ほど大臣も申し述べましたとおり、ことしはアップ率が二年分くらい一緒にやるというような陰に隠れて、ほかの面が積み残されたという、言ってみれば、これもその一つでございます。 そこで、三年平均でやるのに全く理屈がないかというと、実はそうではないので、やるのについてやはりちゃんとした一つの通った理屈もあるわけですが、問題は公企体、全逓とか国鉄ですが、そういうものが退職時の給与をとる、それとの不均衡ということが、どこにどんな理屈があろうと解決しなければならないのじゃないかということで毎回御指摘も出ておりまして、私たちもそうだと思っております。きのうの島田委員の御質問にも御答弁したとおりでございまして、理屈上は、もしベースアップがないとすれば、退職手当の給付額に三%の差をつけることによって均衡がとれているというような、理屈にならぬ理屈がいままでまかり通っている状態でありますが、現実に毎年ベースアップがある今日においては、明らかに不均衡であることは否定できないわけでございます。これについては、さらに昨年以上の努力をお約束いたします。引き続いてやりたいと思います。 ただ、これの困難性というのは、ほかのいろいろな組合への波及とか影響とかいうことで、わがほうだけで踏み切れなくて、関係各省庁間の話を全部つけなければいけないというような点がいつも障害になっておるわけでございます。ぜひとも改善いたしたいというふうに思いますが、とにかく相手があることでございますので、昨年以上の努力を今後ともやることをお約束いたします。
○江崎国務大臣 これはもう局長がお答えしたことばに尽きるわけでありまするが、関係各省庁間で十分調整をいたしまして結論を得たいというふうに考えております。十分努力いたします。
○林(百)委員 時間がだいぶたってきましたので、少し早めにやっていきたいと思います。 これもきのうの小川委員の質問にもあったのですが、これは大臣がおいでにならなかったので大臣にお聞きしたいのですけれども、共済の年金の支給に対して、これはやめたときの給与の四〇%から七〇%、よくて七〇%までつけ得るようになっているのですけれども、しかし、これも、当初申しましたように、とても生活を満たすに足るだけの額になっておらないわけですが、これからさらに税金を取るという問題ですね。これは当然社会保障として給与するものなんですから——まあ、社会保障そのものとは言いませんけれども、社会保障的な性格が非常に強いものなんですから、これから税金を取るということについては、大臣、どうですか、改善するお考えはありませんか。いまやっているように、一人当たり最低保障二万五千円、遺族年金になるともっと下になるわけですから、これから税金を取るということについては、やはりこれは改善すべきだと思いますが、どうでしょうか。
○江崎国務大臣 そういう御質問の形になりますと、おっしゃるとおりに問題があると思いますが、同じ年金を受けるという立場にありましても、やはり、その所得が非常に大きいということになりますると、これは課税最低限があるわけでして、それ以上の者には課税しなければならないということにならざるを得ぬと思います。しかし、課税対象になる人が一体何%かということが問題だと思いますが、そんなにたくさんあるはずがないというふうに思います。したがって、年金そのものから取るわけではなくて、年金を含む総合された所得に課税をする、これはどうもいたしかたないように考えます。公平の原則はそういうところにもあらわれる。しかも、課税対象になる人たちは相当な収入になるわけでありまするので、いまの制度から言えば、一応やむを得ないというふうに理解しております。
○林(百)委員 それではお尋ねしますが、年金の受給者のうちで、税金を取られているのは何%くらいあるのですか。(江崎国務大臣「そう多くないでしょうな」と呼ぶ)
○植弘政府委員 いま手元にございませんので、国税庁あたりをちょっと調べてみます。いますぐはわかりません。
○林(百)委員 大臣、どういう根拠でそういうふうに多くないと言われたのですか。数字が出てこないのですよ。
○江崎国務大臣 どうも恐縮です。私は、年金だけで暮らしておる人が税金を出すという場面は少ないというふうにおしなべて考えておるわけでございますが、これは数字をもって、ぜひまた御議論をしていただきたいと思います。
○林(百)委員 いずれにしても、かりに総合所得になるにしても、やはり社会保障的な性格を持つ共済年金の分は、それは控除するとかして、それだけは税金の対象にならないような措置を将来考えていくべきじゃないかというように思うわけです。ことに、この中には、もう源泉課税で取られながら、そのうちからまた積み立てをしているという人もあるはずなんですから、そういう部分は二重に取られることにもなるという理屈も立つわけでありますから、これは考慮すべきじゃないかというふうに思います。ひとつ、この改善を努力してもらいたいと思います。 それから、これもどうも局長の説明を聞いても説明がよくわからないのですが、費用負担の問題ですね。私たちのほうの対案ですと、四党共同提案ですと、国が三〇%見る。国が三〇%見た分は、公務員のほうの掛け金を二〇%にし、それから自治体の掛け金を五〇%にする。国の負担が全然ないということをそのまま放置しておいていいのでしょうか。これはやはり国が見るべきものは見させるべきじゃないですか。他の共済制度を見てもみんな国が見ているわけですからね。これはどうでしょうか。 これについて局長にお聞きします。やはり一五%程度は見ているのだと言うけれども、これは公的負担というので、国の負担にならない。これは交付税の対象として見ているというのですが、またそんな答弁があるとすれば、私はそれについては反駁をいたしたいと思いますが、どうでしょうか。
○林(忠)政府委員 この地方共済について、いわゆる公的負担分を一体国がかぶるのか……(林(百)委員「一部ね」と呼ぶ)一部国がかぶるのか。先生は、おそらく、公的負担分は国というおことばでございましょう。その公的負担分を国がかぶるべきであるか、地方団体の職員であるから地方がかぶるべきであるかというような議論は、私たちがこれに関係します十年くらい前、この制度ができるときの大論争だったはずでございます。この論争はたぶん二年くらいにわたって行なわれました。結局、最終的に決着がついたのは、それは地方が持つ、しかし、それについての財源措置は国がとるということで、あのときに、それを理屈にして、交付税率をたしか〇・四%引き上げたということで、一つの決着がついてしまったわけでございます。その結果、交付税率を〇・四%引き上げたことが、はたしてその当時に地方団体の公的負担分と見合ったものかどうか。おそらく、そのときには、見合ったということで〇・四%が出てきたと思いますが、その後予算全体の伸びが法人税、酒税、所得税、三税の伸びからいってプラスマイナスすれば、私は、地方団体のほうが得じゃないかというくらいの感覚を、実は数字的な裏づけはございませんけれども、持っているわけでございます。 そういうことで、公的負担を、ほかの保険は確かに国が全部見ている。地方共済に関する限りは地方団体が見ておるが、しかし、財源措置は、交付税率を上げたことによって、結局、国税三税のうちから地方団体が、まあ不交付団体は別といたしまして、地方団体がかぶっているというのが今日の現状であると思います。私は、きのう島田委員に御答弁申し上げたのは、国はそういういろいろな財源措置を国税のうちからしでいるのだから、実質的に国が見たと同じじゃないかということと同時に、これが直接国費で見てもらわないことによって、共済制度の改善なんかについては、直接国費で見てもらう場合に対して相当思い切った主張が従来もできたし、それによって成果をあげたケースもございますので、長い目で見て、地方共済の給付率内容を上げるについては、むしろいまの方式がいいのではないかと、これは私個人の感覚でございますけれども、そういう御答弁をしたわけでございます。 ですから、公的負担を国が見るべきか、あるいは、地方職員については地方団体が見るべきかというところについての御議論は十分あると思いますし、その議論は過去二年間にわたってなされていまの慣行に落ちついた。その議論の内容については、私は詳細に承っておりませんが、私の現在の感覚では、さらに必要ならば、交付税率を上げてでも公的負担は地方団体が持つといういまのたてまえは、むしろ、地方共済としては今後もやりいいのではないかという確信を持っている次第でございます。
○林(百)委員 それは昨日の答弁でもお聞きしたんですけれども、この交付税は、本来、自治体の自主的な財源として非常に重要なものであって、これは自治体が単独事業をしたりいろいろするにも非常に重要なものなんですね。それが、共済の公的負担分の名のもとで交付税がそちらのほうへ回るというのは、これは自治体自体からとってみれば、それだけ交付税が落ち込むことになるわけですから、これはやはり他の共済制度と同じように、当然国が一定のものを見る、また、国が一定のものを見た残りは、一定のものを見て、それで軽減された分は公務員の負担分をそれだけ減らす。一五%と言っておりますけれども、交付税を落ち込ませることは、それはやはり本筋ではないのじゃないでしょうか。ストレートで国が見るべきじゃないでしょうか。そうでないと、自治体が当然受け取るべき権利のある交付税がそれだけへこまされることになりますからね。そこが、どうも局長の意見が納得できないわけですけれども……。
○林(忠)政府委員 交付税が地方団体のまさに自主財源であるということは、わが省も長年主張しております。その点では先生のおっしゃるとおりでございますが、現実に公的負担を見るために交付税率を上げたということですね。その問題がなければ交付税率が上がらなかっただろう。交付税率をそのままに据え置いた場合は、まさに先生のおっしゃるとおり、公的負担というのはまるまる地方団体の自分の自主財源からということになりますが、交付税率を現実にそれだけ上げたということか、交付税の上に公的負担分として——交付税というのは、国税で取ったものの地方の配分分なんですけれども、それを上げることによって国の責任を果たしたじゃないかという考え方だったと思いますし、それはそれなりの理屈はあるのじゃなかろうかと思うわけでございます。 ですから、今後、たとえば、公的負担を一五を二〇に上げる、それで交付税率をいじらぬということになれば、まさに先生のおっしゃるとおりになると思うのですけれども、これはそろばんの計算の問題でございまして、余裕があればその範囲内でやれということで話がつけばそれでもいいし、それはやはり自主財源を食うことなって、国が当然見るべきものは見て交付税を上げるということになれば、われわれの従来の立場から言えば正論だと思っております。
○林(百)委員 当然国が見るべきものを国で見させておいて、交付税率がそれだけ落ち込んだものは、他の交付税率を引き上げて他のほうに回したっていいわけですからね。いま超過負担が非常に問題になっているところなんですから、それをわざわざ、国が見ているのを、こっちは交付税で見ていて、だから公的という微妙な表現を使っているのだね。公的負担にしておくというのは、やはり国で見させるものは思い切って見させていいのじゃないでしょうか。その分は他の交付税の額を上げていくべきです。もっといろいろやりたいわけですから、しかも超過負担まで出ているわけですから、そういうことを思い切ってやはり大蔵省へ主張していいのじゃないでしょうか。
○林(忠)政府委員 おっしゃるようになれば実は万々歳でございまして、私たちもそうなれるものならと思います。しかし、公的負担を国で見るべきか、地方公務員については地方で見るべきかという論争は十年前に一たん済んでおりまして、これをもう一度蒸し返して、この共済について国庫が直接見るという態度をもし導入しても、おそらく、ほかの理屈をつけていまの交付税は減らさぬでしょうから、それだけは地方団体の財政にプラスになることは確かでしょうけれども、理屈から言えば、それは減らされるという議論になりますが、はたしてそれがいいのかどうかというと、私の個人的な感じとしては、国にお世話にならぬほうが、この改善の内容について強い主張も出せるし、現実にその主張を実現したこともありますので、長い目で見たら、そのほうが地方公務員に有利ではないかという気がしておる次第であります。ですから、先生のおっしゃるような理論でやろうとすれば、もちろんやるだけの理屈は十分あると思います。
○林(百)委員 あなたの言うように、交付税で見ていくとすれば、地方共済についてかえって有利だというのはどういうことなんですか。私は、国に見さして、その分は公務員の掛け金をその率だけ減らしていく、そうして交付税は他のほうへ回していくということのほうが全般的には有利だと思えますね。 大臣、もう数年前に論理は片づいたと言って林さんは割り切っちゃっているわけですけれども、このことは、他の制度ではみんな国が見ているわけですね。それは、地方公務員の共済制度も、国が当然社会保障制度の一環として見るべきだ、交付税をそちらのほうに回すということは、本来の交付税の性格からしてそうすべきではない、しかも、これが社会保障制度の一環となるならば、国が見てくれて当然ではないかということを、大蔵省へ、どうですか、江崎さん言えないでしょうかね。
○江崎国務大臣 これは地方公共団体が主体性を持って事務費は見る、これはやはり筋としては正しいと思いますね。そこでまた、いわゆる自主財源充当分の地方交付税をプラス〇・四引き上げて、それを見たというわけです。ただ、問題なのは、もう十年前ですから、事務費といってもずいぶんこれは変わるわけですから、今後の問題として、大蔵省側と折衝の余地は十分残しておるように思います。したがって、国が見るということもさることながら、地方交付税率をどう見るのか、これはやはり折衝の余地があるように思いますので、なお努力をしたいと思います。
○林(百)委員 その点は、大臣もぜひ積極的に考えてください。十年前に片づいた問題だからと言うのですが、十年前には相当の論争があってここへ来たわけなのですから、場合によっては、大蔵省に対して、交付税の問題やいろいろな問題のときこの問題を出して、もう一度主張して、一つのてこに使うこともいいと思いますので、ひとつ考え直してもらいたいと思います。
○江崎国務大臣 承っておきます。
○林(百)委員 時間がありませんので、次の問題に移りますが、これは通算の問題です。 終戦当時の学校給食従事者がおるわけなのですが、その当時三十歳くらいの婦人が当然多かったと思いますが、これがPTAに雇用されたという時代があるんだそうです。私もそのころはまだそういう問題に関心がありませんでしたから、学校給食従事者の雇用関係がどうなっているかということを、私自身は当時は知らなかったのですが、いまいろいろ調べてみますと、PTAに雇用されたという時代があるそうですが、その学校給食従事者のPTAに雇用されていた期間は通算してやる、共済年金の算定の期間に算入してやる、こういうことを考えてもらいたいという声が非常に強いわけなのです。今度の改正を見ましても、私たちはどうしてこうまでと思われるくらいに、いわゆる旧満州国関係の者は、もう洗いざらい拾い上げてきてこの期間を通算する。私たちの感覚から言えば、帝国主義的な侵略戦争を中国にやった、その下請の機関である——こういうところで働いた人に別に責任があるわけじゃないんですけれども、こういう者をずっと拾い上げてきて、旧満州開拓青年義勇隊訓練期間なんというものを通算するというのなら、このPTAに働いていた婦人の人たちの関係を何とかできないか。これは何か書類で証明を出すとかなんとか言っているという向きも聞いておりますけれども、しかし、本人の申告があって、当時の事情から明らかであったとすれば、これは通算してやるという改善の方向へ向かってやれないでしょうか。この学校給食に従事していた三十歳前後の婦人というような方は、おそらく、家庭的にも、そういう婦人が働かなければならないようないろいろな事情のある人であって、こういう人にこそ地方公務員の共済制度を適用してやりたい人たちだと思うんですよ。これを何とかひとつ考慮するような方向を考えられないか。大臣と局長に答弁を求めたいと思います。
○植弘政府委員 先生十分御承知で御質問されておられるわけでありますが、共済組合の組合員というのは、基本的には公務員、地方公務員でなければならないというたてまえがあるわけであります。いま若干引例されました旧満州国の政府関係機関等の関係でありますが、これは恩給法等で特に通算するという特例規定といいますか、置かれておるわけであります。それとの均衡でどうだということでございますが、そういった、いま御引例になったような機関というものの性格づけをどのように判断するかということは、高度の政策的判断のように思います。少なくとも学校給食婦のように、PTAといった公共団体でないもので雇用された人の在職期間をすべて公務員並みに通算するということになってまいりますと、たてまえの原則をこわしまして、いろいろと波及するところも大きく、非常に大きな問題だと思います。要望もございますので、検討はいたしておりますが、現行のたてまえからいけば、非常に困難な問題だろうと考えております。
○林(百)委員 大臣、政治的に考えて、そんなにたくさんの人じゃないと思うのです。PTAで雇用したのは短い時間で、いまは公務員になっているわけですね。だから、ほんのわずかな人が、本来なら公務員の身分であるべき人が終戦当時だったために、PTAがやむを得ず雇用して、そして給食の仕事をさせていたということなのですから、これは部長さんの言うように、そんなに大げさな、他の全般的なものに波及して重大な問題になるようなことではないと思うのですよ。ことに、これはわずかな人であるし、非常に気の毒な人であるし、実質的な仕事は地方公務員としての仕事をしているわけなのですから、学校の給食の仕事をしているわけなのですから、現在は地方公務員としての身分があるわけなのですから、仕事の内容は変わりなくて、ただ、当時、給食の仕事が始まったばかりであったために、やむを得ずPTAが雇うという形になっていたわけですから、これはやはり前向きに実情をよくお調べになって、その希望に沿うような——そんなたいした数じゃない。もし数がわかるなら、部長さん言ってください。あなたの言うような、そんな問題になるような数かどうか、言ってくださいよ。大臣、これはやはり政治的に考慮すべき問題だと私は思います。
○植弘政府委員 私が他に波及すると申しますのは、いわば、民間または民間に準ずるようなそういう機関の職員でございますから、そういう者を拾ってまいりますと、ボーダーラインをどこに置くかというような問題が出てまいりまして、問題が大きくなるだろうと申し上げたのであります。 申しわけございませんけれども、いま該当する給食婦がどのくらいおるかは、手元に数字を持っておりません。
○江崎国務大臣 いま政府委員のお答えしましたのは、例外を設けると、やはり例外は類を呼びますということで、それが一体どういう業態、業種があるか、これはやはり十分検討しなければなりません。しかし、おっしゃるような、PTAの雇用した給食に従事した人の実情というものはひとつ的確に把握しまして、十分検討してみることにはいたしたいと思います。 ただ、原則論としては、例外を認めますと、例外が例外を呼んで、その線をどこに引くかという非常にむずかしい問題が出てきて、それをたいへんなことになるという表現を事務当局としてはしたわけです。なかなか困難な問題もあろうかと思いますが、その困難性の度合い等を十分ひとつ検討してみることにいたします。(「中年からなんだ」と呼ぶ者あり)
○林(百)委員 いま社会党の委員からもお話しがありましたように、これは中年の方で年金が給付される。二十年ですか、最低の年限で。それだけ働いた人ということになると、なお少なくなると思うのです。例外例外と大きなことを言いますけれども、例外と言うなら、今度は恩給法にしても、旧満洲林産公社、旧満洲拓植公社、あるいは旧満洲畜産公社、これが公務員として扱われるものとして、こういうようなところまでいくとするならば、学校で給食の仕事に携わっていた人を公務員の共済の年限に通算をするということは、そんなに皆さんが声を大にして例外だ例外だと言うほどのものではないし、また、人員も少ないし、金額にしたってわずかなものです。しかし、要求している人は切実な要求なんですから、やはり、政治的な配慮は前向きに考慮するべきだと思います。その点をお聞きしまして、私は次の質問に移りたいと思いますが、どうでしょうか。その人たちの意向を十分調査して、前向きな姿勢で解決してやるべきじゃないかと思いますね。
○江崎国務大臣 おっしゃる意味はよくわかります。したがって、いまお答えしたように、十分検討をいたしてみます。 ただ、問題なのは、やはり、例外は例外を誘いますので、その線をどこに引くかという点が非常にむずかしいわけです。しかし、これは政治配慮の問題ですから、十分ひとつ検討をすることにいたします。
○林(百)委員 時間が参りましたので、どうも終わりにいって一瀉千里になってしまったのですが、公務員の災害補償の問題についてお尋ねします。 通勤途上の公務員の災害で、これは労働省にお聞きしますが、災害の原因は何が一番多いでしょうか。
○山口説明員 通勤途上災害につきましては、従来、業務上の災害として扱っているものはごく少ないわけでございます。今度の法律改正を通じて、広く通勤一般について業務上の扱いにしようということで、ただいま法案審議を願っているわけでございます。したがいまして、通勤全般の災害原因についてこまかい資料を持ち合わせておりません。 ただ、昨年、法案立案のために調査した限りでは、車対車の事故がやはり一番多く、中でも、軽自動車あるいはモーターバイクの類の災害が非常に多かったというふうに記憶しております。
○林(百)委員 私のほうも、そういう労働省の報告を受けています。労働省のほうからこういう報告も出ているのです。「なお、被災時の通勤方法別でみると、モーターバイクまたは自転車利用中のものが過半を占め、次いで自動車利用中となっており、事故の相手としては、自動車が七割強でもっとも多い。これらのことは通勤途上災害の問題が、自動車の普及ということに強く関連していることを示している。」ということを労働省は言っているわけです。 そこで、大臣にお聞きしますが、今度地方公務員の災害補償で、通勤途上の事故について災害として扱うことにしたわけですけれども、この原因は、自動車の普及により、相手方の自動車であることが七割だということは、これはモータリゼーションが原因してきておるものであるから、これはやはり私傷病扱いにするのじゃなくて、業務上の傷害として扱っていいんじゃないでしょうか。これは本人よりも、国策として、こんな交通の異常な、何か無政府的とも言ってもいいようなこんな時代に、公務員が通勤してくるという場合に事故が起きるというような場合は、これはむしろ業務上として扱ってやるということはできないでしょうか。補償だけは私傷病として扱って、業務上の傷害にはしないという、そこの区別をどうしてつけるのですか。
○植弘政府委員 昨日もいろいろとその点については御論議をいただきましたが、この通勤災害を業務上の災害と見るか、私傷病という立場で見るかという点については、なかなか問題は多いようでございまして、昨日も労働省から御答弁がございましたように、二年半にわたります研究会で十分な研究をされたわけでありますが、結局は、最終的には、いわゆる使用者の支配管理下において発生するものでないという点で、結論的には業務上の災害というふうに見るわけにはまいらないということになったようであります。 しかしながら、先ほどお話しのございましたように、現実的な意味におけるモータリゼーションとか社会的問題というかっこうからいたしますと、これを通常の私傷病の療養給付といったようなものから分離いたしまして、そういった補償的な意味で公務災害に準ずる、同じように措置をするということで、制度として割り切られたようであります。御説のような点で、現実の通勤災害の発生状況を考えますと、十分に業務災害的に見なければならない要素もあるようでありますが、少なくとも、そういった論議の経過を経まして、ようやく新しく制度が発足したところなのでございますので、地方公務員につきましても、一般の民間の労働者ないしは国家公務員といったものとの権衡も考えながら、今後十分慎重に検討をしてまいりたいと考えております。
○林(百)委員 人事院にお聞きしますが、人事院が通勤途上の公務員の災害についての意見として、「通勤が、勤務の提供に必要不可欠であって、密接な関連をもつものであること。」という意見が出ておるわけなんですが、こういうことになりますと、何か管理下にあるとかないとかということがだいぶ問題になりますけれども、通勤ということは勤務の提供に必要不可欠な条件なんですから、そこで災害を受けた場合には、業務上の災害としてやるべきであって、医療などの補償を除いて依然として私傷病扱いをするということは、どうも理にかなわないように思います。ことに、今日のように交通事情がこんなに複雑な状態のもとに職場へ通われるわけなんですから、その場合、しかも、傷害の相手のほとんど七割が自動車というのですから、これはやはり文字通り業務上の傷害として扱ってやったらどうか。部長さんの言う「準ずる」という意味がよくわからないのですが、「準ずる」ということによって、私傷病扱いと身分上の扱いについて一体どういう違いが出てくるのですか。大臣もあとから答弁してください。これはやはり業務上の扱いとして見てやるべきですよ。
○榊説明員 お答えいたします。 先ほど自治省のほうからお答えがございましたが、いまの先生のお話しの通勤災害は、確かに、勤務の提供と密接不可分の関係にあるということが、私ども意見の申し出をいたします一つの理由でございます。しかしながら、通勤そのものについては、使用者の危害防止責任の及ぶ範囲外の問題でございます。それで、従来、補償法上の公務上の災害につきましては、労働基準法あるいは労災保険法による業務災害におきましても、使用者の支配管理下において発生した災害を対象としております。このことは、いま申し上げましたような、使用者の危害防止責任の及ぶ範囲内の問題ととらえておるわけでございます。そのようなことで、いまだ使用者の支配下に入っていないという意味で、これは公務上の災害の対象とはしがたい問題があります。したがいまして、現に民間におきましても、業務上外の議論なんか相当あったわけでございますが、さしあたり、先ほど先生のお話しがありましたように、非常に交通事故等が多くなってきておるわけでございますので、大体同程度の保護をはかろう、それをすみやかにやろうということが私どもの意見の申し出の趣旨でございます。
○林(百)委員 では、これも大臣に政治的な答弁を求めておきますが、結局、人事院の国会、内閣への意見でも、「通勤が、勤務の提供に必要不可欠であって、密接な関連をもつものであること。」というのは、公務員が職場へ行くというときから、雇用者というか、国や地方自治体の管理者の管理内にもう入っていると見てもいいのじゃないかと思うのですよ。まじめに通勤する公務員の人たちの状態から考えて、家を出て職場へ通うというときからもう管理者の管理下に入っているんだ。それか、今日このような状態で——これは政府の政策にもよりますけれども、このような交通の非常に複雑な事態で、自分が幾ら注意しても、相手方のほうから自動車の事故が発生されるような場合があります。こういう場合、その事故が、合理的な通勤の途上にあった場合の災害であるならば、これは業務上の災害として見てやるという方向へ前向きにいくべきじゃないか。 たとえば、この点は、きのうも社会党の小川委員がいろいろ詳しくお聞きになりましたけれども、たとえば二百円の初診料を取るとか、あるいは昇給がストップされるとか、あるいは減給になるとか、休職扱いをされるとか、あるいは退職年金の通算にならないとか、ある条件があれば、意に反して職場をやめなければならないというような扱いを受けるというようなことは、いまの社会情勢から言って、公務員の諸君に対して酷じゃないでしょうか。実情に合わないと思いますが、この点は、将来、医療部分を見てやる、補償してやるということばかりでなくて、事故の扱いも業務上の扱いとして見る方向へ、現在の社会情勢から言って前向きに取っ組んでいくということ。これは事務当局はなかなか手がたい答弁で、どうも弾力性がなくて困りますので、大臣、どうでしょうか、政治的にそういうようにお考えになりませんか。
○江崎国務大臣 いま、人事院等からも、また私どもの部長からも答弁いたしましたように、使用者の支配管理下に入っていない、理屈を言うとそういうことだと思います。しかし、そういう議論をしておって、実質的に保護の手が差し伸べられないというようなことではいけないから、まあ、通勤災害を公務上の災害とはしないが、公務上の災害と同じような保護をはかろう、ここにこの法律の妙味があるわけなんであります。 したがって、一ぺんにいまあなたがおっしゃるようなところまではいけなかったわけですが、今後福祉政策を推進していくということになれば、今後は、林さんのおっしゃるような方向にまただんだん近づく、また、近づかせていくことが理想であるというふうに私は考えます。今回は、まず議論をはずして、公務災害と同程度の保護をするというところに非常な前進があるわけですから、御理解を願いたいものだと思います。
○林(百)委員 それはわかりますが、大臣、ただ、公務員にとっては、これは身分上の扱いが切実なんですよ。自分の過失でなく、通勤途上事故が起きた。ところが、それが、医療費だけはかりに見るとしても、それが業務上の取り扱いを受けないということになると、昇給がストップされるとか、あるいは一定の期間体職扱いにされるとか、あるいは一定期間を過ぎると減給の処分を受けるとか、あるいは退職年金の通算を受けないとか、場合によってはやめなければいけないということになるわけで、それでは、公務員にとっては、もう泣いても泣き切れない問題なんですね。しかも、こういう交通状態のときに職場に通うという事態のもとに起きた結果なんですから、それはやはり業務上の扱いとして見るように、今度は第一歩でございますけれども、さらに、身分上の扱いも、業務上の扱いとして見るように、一そうの努力を願いたいというように思うわけです。
○江崎国務大臣 これはもう当然そこへ近づくと思います。また、そうならなければならぬと思いますが、今回は、現実的に処理をしたというわけで、私のほうの努力も御了解願いたい、こう申し上げておるわけであります。
○林(百)委員 だいぶ時間が超過して恐縮でございますが、これは事務的なことですから局長さんでけっこうだと思いますが、これの認定審査の場合、これが法案にあるように、合理的かつ云々の通勤と言えるかどうかというような認定、あるいは災害の程度の認定、これが、その事故の起きた段階で、あるいはこれは団体交渉などで行なわれると言う形でもけっこうですけれども、災害を受けた労働者の意見が認定審査に直ちに反映されるような——認定審査に不服があって不服を申請した場合、こういう制度があるということじゃなくて、その場で災害を受けた者の意見が認定審査に反映されるようなことを保障してもらいたいと思うのですが、この点どうしようか。
○植弘政府委員 いまの問題は二つございまして、認定する場合、認定機関の態度の問題と、それから審査の問題と、二つあると思いますが、もちろん、認定に当たります場合においては、公正を期して、法の趣旨に従ってやることは当然でございますが、それにいたしましても、今年度の新しくできます制度でございまして、いろいろのケースが出てくるだろうと思います。 したがいまして、これを実施する場合には、関係の労働省なり、人事院、総理府等とも十分連絡をとりまして、ある程度こまかいところまで実施基準みたいなものをつくって、それぞれ認定する場合に、認定機関があやまつことのないようにしたいと思っておりますが、その場合に、いま、通常人事院等でも、職員組合の意見等も十分聞いたりいたしておりますので、その点においてはできるだけ私どもも配慮したいと思います。しかしながら、いろいろな場合が予想されますので、その実施要綱みたいなものですべて尽くすことはできないと思います。したがいまして、そういったものは、今後の認定審査を通じましてルールをつくり上げていかなければならぬと考えます。 それにいたしましても、現在でも公務災害について審査機関がございまして、これには職員組合の代表も入っておりますので、そういう具体の認定の問題がございます場合には、そういった組合の意見も入るシステムになっております審査会を通じまして、十分公正な措置を講じてまいりたい、このように考えております。
○林(百)委員 くれぐれも申しますが、通勤という定義が、条文を読んでみましても、「この法律で「通勤」とは、職員が、勤務のため、住居と勤務場所との間を、合理的な経路及び方法により往復することをいい、公務の性質を有するものを除くものとする。」それから、「職員が、前項の往復の経路を逸脱し、又は同項の往復を中断した場合においては、当該逸脱又は中断の間及びその後の同項の往復は、同項の通勤としない。ただし、当該逸脱又は中断が、日用品の購入その他これに準ずる日常生活上必要な行為をやむを得ない事由により行なうための最少限度のものである場合は、当該逸脱又は中断の間を除き、この限りでない。」というような、非常に弾力性を持った、そして、具体的なケースによって判断がどうにもなるような場合があると思います。私が言うことは、あなたも言われましたように、そういう場合において、職員組合の意見を十分聞き、本人の意見も十分聞いて、納得するような判断を認定の段階でされるということですが、その点は保証されますか。
○植弘政府委員 認定の段階におきまして、職員組合なり本人の意見を十分聞くということは、手続的には因難であろうかと思います。認定機関が認定を行ないます場合の基準といいますか、実施要綱といいますか、そういうものをつくっていきます段階においては、そういった意見も十分反映さしていただく必要があるだろう、そういうふうに考えております。個別の事件は、やはり、認定機関が処分庁として公正な態度でやるのが至当でございますから、そこでいろいろと意見を聞くこともあろうと思いますが、しかし、それがもし間違っておりますならば、救済機関であります審査会において十分その意見も聞いて適正を期す、こういうようにしていただきたいと思います。
○林(百)委員 非常に重要な点ですが、それじゃ、認定の間には、職員組合の意見や本人の意見は全然聞かないんですか。さっきあなたは、最初私が聞いたときには、そういう意見も聞く、人事院でもそういう助言があったと言ったじゃないですか。この複雑な条文の解釈を、一方的に使用者側だけの判断でやるなんということになっては、これがどの程度公務員の利益になるかわかりませんよ。ことに、こういう複雑な経済社会情勢の中で、「当該逸脱又は中断が、日用品の購入その他これに準ずる日常生活上必要な行為をやむを得ない事由により行なうための最少限度のものである場合」とか、あるいは「合理的な経路」だとか、そんな、どうにも判断ができるような場合、実際、その被害を受けた側の意見を認定の段階で参酌するくらいのことは言えるじゃないですか。そんなことも言えないのですか。
○植弘政府委員 何か、私の説明が不十分だったと思いますが、要するに、認定機関というものは処分庁でございますから、その段階においては、公正に法規の解釈を行なって運用するわけでありますが、その場合、先生からも御意見がございましたように、非常に弾力的な規定でございまして、ケース、ケースによっていろいろと判断が出てくるだろうと思いますから、具体のケースについての判断を統一的に誤りのないように期するためには、実施細則といいますか、実施規則といいますか、こういったものを整備する必要があります。その整備の段階においては、十分に職員組合の意見も反映さしていただきます。ただ、やはり、認定そのものは、これは行政処分といいますか、そういう行政行為でございますから、一々そこで処分庁が意見を聞くことは適当でない、こういうように申し上げておるのであります。
○林(百)委員 これで終わりますが、私の意見を申し上げておきます。 民間の経営者と労働者の感覚みたいな、そういう響きがどうもするんですよ。せっかく公務員の災害についての一つの社会保障的な前進か——われわれはこれでいいとは言いませんが、それが生まれたわけですから、そういう場合に、当該職員の属しておる職員組合あるいは職員の意見を、それはどういう機関がきめるにしても、尊重するということは重要だと思います。通勤ということのカテゴリーにどういうものが入るかということは、昨日から小川さんに対する答弁を聞いていても、どうもはっきりしないわけですね。結局、公序良俗に反するようなことをして通勤が中断をされたという場合は別ですけれども、昨日小川さんが具体的な例を出しましたが、それ以外はなるべく広範な適用をすべきだ。たとえば、行き帰りに子供を保育所に連れていくとか、あるいは公務員が帰途各種の研修に精極的に参加したとかいうような場合も含めて、中断の事由として、特別の公序良俗に反するような範疇に属する行為は除いて、広範に適用するようにし、そして、本人の意見をあらゆる機会に——適当な機会でけっこうですが、あらゆる場合に十分尊重し、当該職員組合の意見も尊重されるようにして、せっかく一歩前進したこの制度を、かえってこのことのために労使間の紛争を拡大することのないような方向でこれを運用してもらいたい。そして、究極的には業務上の事故にしてもらいたい。これは大臣から政治的な答弁がありましたからけっこうですが、そういうような方向で、これをなるべく広範な範囲に適用するようにしてもらいたい。こういうことを私は言いたいから言ったわけです。
○江崎国務大臣 認定を公平にやるということは、これは当然、法律でありまする以上重要だと思います。ただ、いろいろな条件は、さっき部長が申したとおりでありまするが、こういう法案をつくりましたゆえんは、やはり、公務災害に準じて保護を加えようというわけですから、その認定にあたっては、十分温情をもって配慮する、これは大事なことだというふうに考えます。
○林(百)委員 それじゃ、私の質問を終わります。
○上村委員長 この際、午後一時三十分から再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時五十八分休憩 ————◇————— 午後一時三十八分開議
○上村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします、小濱新次君。
○小濱委員 関係する二法案について、自治大臣及び国家公安委員長、それから関係者に若干お伺いしていきたいと思います。いろいろ重複する点が多いのですけれども、少しこの結論をお尋ねをしていきたいと思いますので、お答えいただきたいと思います。 まず、行政局長にお尋ねしたいのですけれども、今回のこの改正案で、四十五年以前の退職者は二三・四%、四十六年の退職者は一〇・五%と、それぞれ増額をされました。そこで、このスライドという問題が出ておりまして、局長答弁では、実質的には実施しているんだということで御答弁がございましたようにわれわれは承っておったわけですけれども、この給与の改定と同じ率だけ、いつもこういう心配をしないように、あるいは心配を与えないように、スライドの指標というものができるように制度を確立すべきであるというふうに思うわけですね。おくれを生じないように、そういう措置をとるべきである、こういう結論になろうかと思うのですけれども、お答えいただきたいと思います。
○林(忠)政府委員 けさほどの林委員への御答弁でも申し上げたことと重複になると思いますけれども、法文上書くのが現在むずかしいのは、厚生年金との関係でございます。厚生年金は、今度新たに物価にスライドするという条項を入れました。それを入れるに際しまして、共済のほうも物価にスライドということを入れたらどうかという話し合いまで実はあったわけでございますが、けさほどもお答えしましたように、共済年金の場合は、物価の上昇率だけでは困る。従来も物価の上昇率、さらにプラス公務員の給与の差額の六割というのを積み上げてまいったわけですし、ことしは、それを公務員の給与改定率までずばり引き上げてやったわけですから、物価にスライドするという規定はむしろマイナスになる。そこで、今回は、そういう規定を入れないことにいたしたわけでございます。逆に、共済年金のほうについて、公務員の給与改定率にスライドするという規定を入れることにいたしますと、厚生年金はなぜ物価であって、こちらはなぜ国家公務員の給与の改定率であるか、その間非常に不均衡であるという議論が起こるという関係上、ことしは、条項の中にはっきり法定することは非常に困難であるということで見送ったわけでございます。 ですから、そういうことを法文上はっきりすれば、御指摘のように、非常に受給者としては安心するということは間違いないことでございます。しかし、それがためには、年金と年金の間の均衡はどうだという議論を一通りしなければいけない。それで、われわれは、かねて主張しておりますように、公務員というのは特殊グループのそういう制度なんだから、厚生年金よりも上回ってしかるべきであるということが世間一般に全部納得されるならば、そういう法文もつくりやすいわけでございますけれども、ここにはまたいろいろ議論がありまして、先憂後楽である公務員ばかりがいいことをするというのはけしからぬという国民感情もないわけではない。そういう状況のもとに、いま、従来獲得しております実績、さらにはことしの改定によって、今度は公務員の給与改定率、ほぼそれにスライドするということを獲得したと思っておりますけれども、それに比べて、法文化ということを現在やるとすれば、厚生年金との均衡を考えて物価だけしか書けないというジレンマにおちいりまして、ことしは法文化を見送ったわけでございます。 ですから、先々厚生年金が、あるいは物価以上にもっと高いものにスライドするようになればまた話は別でございますが、厚生年金の場合は物価ということになっておりますと、先々、共済年金と厚生年金との性質が違うのだというところまで納得した議論を詰めた段階で、初めてそれが法文化できるのじゃないか。ですから、実質的にはスライドは従来行なわれており、ことしはさらにそれよりも上回った公務員の給与改定ベースの一〇〇%スライドを行なうという、現在のところは、その実質的なところでお許しをいただけないか。法文化するということ、そして受給者に安心感を与えるということは、これから先のこととしてさらに検討してまいりたい、こういうことでございます。
○小濱委員 局長の御答弁は、私どもも伺っておりまして、理解はできるわけですが、いろいろと各県の共済組合等の御意見を伺いますと、スライドということはどうしても実現してほしいというたっての要望で、照会してみますると、そういう御意見のようです。刷りものでもずいぶんと陳情等が行なわれているという、そういう内容になっております。そういう点で、今回の措置はわかるのですけれども、今後の問題として、その方向づけというものと、何らかのあたたかい思いやりのある言辞というものがここで出てこなければならない、こういうふうに、経過を聞き、照会をしてみて私どもは特に感ずるわけでございまして、その点での結論といいますか、そういう方向づけというもの、局長のいまの御答弁から一歩前進したそういうものがどうしてもここでなければならないと考えまして私はお伺いしているわけですから、ひとつごゆっくりお考えになって、もう一度御答弁をお願いしたいと思います。
○林(忠)政府委員 従来も、スライド制の法文化の問題についてはさんざん議論をしてきたのでございますが、従来非常に困難だと言われた理由の一つが実はことし取り除かれた。というのは、従来は厚生年金のレベルが非常に低いので、まだそんな低レベルにあるのに、こちらのほうは相当高いのにさらにスライド制を入れるのか、これはとても問題にならぬという困難性があった。ところが、こと心は厚生年金のレベルがぐっと上がりまして、一部は共済年金を追い越すまでになった。それから、厚生年金の中にスライドの条項が入りまして、従来は、こっちはレベルが低いのにスライドされていないという、こっちのスライドという理由だけは一つはとれましたけれども、今度は新しくやっかいな理由ができました。というのは、厚生年金に入ったスライドは「物価」と書いてある。そうすると、こっちは物価で、こっちは公務員の給与改定率ということになると、いかにも不均衡が目立つわけです。したがって、厚生年金の実質的なレベルアップによる困難性がとれたと同時に、今度は、形式的に、厚生年金に物価スライドが入ったように、こちらの公務員の給与改定率のスライドの法文化は入りにくいということが生じました。 そこで、来年以降共済年金のほうを改善してまいりまして、考え方として、厚生年金が実質的に共済のレベルを一部追い越したようなものを、こちらも上げる努力もしていかなければならないと同時に、厚生年金と共済年金は明らかに違うのがあたりまえだという世間を納得させる理屈が非常にむずかしいので、違う意味のスライドの規定を入れるという問題の困難性は、相変わらず来年以降もあるわけであります。さしあたり、実質的には、毎年のベース改定による公務員の年金率に合わしたスライド、これは確保できると思いますが、その法文化の問題というのは、確かに、御指摘のとおり、何十万のたくさんの人に安心感を与えるという意味でぜひやりたいのでございますけれども、いま御説明いたしましたような困難性というものはさらに今後控えておりまして、実質的には保障できますけれども、形式上はそれをはっきり書くについての困難性は相当あると思います。もちろん、御指摘のように、私たちもまさにそう考えておりますので、ぜひ実現はしたいと思っておりますけれども、その困難性はたいへんまだあるというふうに考えておる次第でございます。
○小濱委員 自治大臣、いまの局長の最終的な御意見、お気持ちがはっきり出ておりましたが、こういう問題になっておりますので、この点でもぜひひとつ御一考をわずらわしたい。さらに自治大臣の御意見がこれに加われば、これは鬼に金棒でございまして、ぜひひとつ御意見を承りたいと思います。
○江崎国務大臣 経緯については、いま行政局長が申し上げたとおりでございまするが、ことし一応スライドの問題が出てまいりました以上は、これはこれでいくということで私ども全力を尽くします。また、そうなる可能性も決して少なしとしません。御期待に沿えると思っております。
○小濱委員 ぜひ御努力をお願いしたいと思います。(江崎国務大臣「法文化はちょっと骨が折れるな」と呼ぶ)いまの御答弁は、私は善意に解釈いたしましたので、ひとつ御努力をお願いしたい。
○江崎国務大臣 法文化の問題は、これは現実にスライド制にしていくわけですから、これはもうしばらく時間をかしてください。
○小濱委員 だいぶ後退しちゃった。まあ、ひとつ、一そうの努力をお願いしたいということでこの件は終わります。 さらに、関係して申し上げておきたいことは、この二三・四%、一〇・五%と、それぞれ給与の改定率と同様に改正されたわけでございますが、先ほどもいろいろと質疑の中でこの問題が出ておりましたけれども、公務員給与の上昇分との問の四割相当分のいわゆる積み残し分ですね。これが毎年生じてきたという問題。で、四十二年以前に退職した人と現在退職した人では、その部分の積み残し分だけ年金に格差がつくことになりますね。この四割という積み残し分の、このあとの措置ですね。これが、先ほどの局長の御答弁ですと、まあやむを得ないのではないかと、いろいろとその理由を述べられました。この解決策は考えていないというような、そういう意見のように私は伺ったわけですね。もうこれ以上は無理だというような御意見のように聞いておりました。この点については、相当照会してみたところが、この積み残し分のあとの措置をぜひひとつお考えいただきたいという、これもまたたっての要望が多いのですね。いわゆる物価上昇率を上回る給料改定率の四割相当分をすみやかに解消し、格差を是正してもらいたい、こういう意見なんですね。この点について、先ほどの局長の御答弁を聞いておりまして、ちょっと冷たい、無慈悲だなというふうに感じておりました。みんなこれだけ法案の内容について理解を持ち、委員長の要請にこたえて努力をして、何とか日程どおりいこうというさなかに、あのような御答弁ではちょっとつれないんじゃなかろうかというような感じを受けました。心あたたかい御答弁があってしかるべきではないか。もう一度、この四割の積み残し分についての御方針なり御決意を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。
○林(忠)政府委員 四割の積み残し分を解消すべしという、いままでのたくさんの御要望ですね。これは、いままでのやり方である物価上昇率を引いた分の四割は見ないで、六割分だけを見たという実質上のスライドの方式を改めて、公務員のベースアップをそのままとってくれ、こういう御趣旨だと拝聴いたしたわけです。それで、それはことし恩給のほうで実現しまして、あわせてこちらも実現したわけでございます。けさほど林委員に御答弁申し上げたのは、要望どおりになった。それじゃ、過去二、三年積み残したのはどうしてくれるかというと話しだったと思いますので、それは、私も共済年金のレベルを改定することには人後に落ちず熱心なんでございますけれども、過去二年か三年の積み残し分をさかのぼって回復しろという理屈はちょっと通りにくい、持ち出しにくいということを申し上げたのでございます。ほかのいろいろな理屈でもって給付内容を改善するための努力はいたしますけれども、過去はそれなりの一つの理論的根拠に立って給付を改定してきておるわけでございます。それに欠陥があったならば、欠陥分を補ってくれという理屈は言えますけれども、理論上はそこには欠陥はなかった。物価上昇率だけ上げるのはもう当然です。そのほかに、国民生活水準が全体として向上していくのですから、その分も退職された方々が恩恵に浴するのは当然でございます。ところが、残した四割というのは何かというと、現に職にある公務員がえらくなって、係長になり、課長になり、責任も重くなる、そういう者に対する職務給の意味で四割があったんだから、これは退職された方には関係がないわけでございます。その分を切り落として、物価上昇分と国民生活全体の水準の向上分を見たということは、一つの完結した理屈でございます。そこに欠陥があったんだ、積むべきものを積まなかったんだという理屈は非常につけにくい。その意味で、過去のものをさかのぼって救うということはどうも理屈として成り立たないので、私も、それは無理であろうという御答弁を申し上げたのでございます。 したがって、今後できるだけ給付水準を上げるということについての熱意は人後に落ちませんし、引き続いて努力をいたしたいと思いますが、過去二年か三年の四割分までさかのぼってということは、とても理屈がつけにくくて、関係当局との間の折衝の問題にはとうていならない。正直なことを申し上げれば、こういうことでございまして、全体の改定の意欲が非常に薄いという意味ではございません。理屈がつく限りのものについては改定の努力を——たとえば、基礎給料を三年平均を退職時にするとか、その他努力をお約束しておる分はたくさんございます。過去の四割について、積み残し分ということばも必ずしも正確ではない。当然積むべきものをやらなかったら積み残し分でございますけれども、過去のものの四割というのは職務給部分だということで、積むべきものを積まなかったものではないという説明にもなっておりますので、それは積み残し分ではないというふうに考えざるを得ない。そういう意味で、過去にさかのぼっての四割の積み上げというのは実現しにくいだろう。ですから、ほかの理屈のつく面での給付の改善の努力は今後も必死に続けてまいりますが、この過去の四割については、けさも林委員に御答弁したように、ちょっと御要望に沿いがたい面がある、こういうことでございます。
○小濱委員 県の共済組合等も、この法案を相当研究しておるようであります。支部長が先頭に立って、いまの御意見の内容の解決をたって要望しておるわけですね。ですから、過去のものということですけれども、そういうものが残っているために、支部長を先頭にして、この問題の解決策を何とか国にということで、各県が競ってこの問題の解決を陳情しておる。その内容は局長もよく御存じであろうと思うのです。そういう書類がどんどん来るにもかかわらず、いまのような局長の御答弁ですと、だいぶ開きが出ているような解釈の誤りといいましょうかね、その内容が県の支部長に徹底されていないところから、いまのような御答弁になるのではないかというふうにも考えられますが、そういう点の行き違いをきちっと、話し合いといいますか、何かの関係で是正をしていかなくちゃならないだろうと思いますので、私はお伺いするわけですからね。この四割問題についてはわかるのですが、各県の支部長の意見等がどこを根拠にして出ているかという、その根底を考えて局長はやっていってもらわなければならないわけですね。御答弁は御答弁としてわかりましたけれども、その県の要請の意のあるところに対する御答弁を私はお願いしているわけでして、いま一度お伺いいたしたいと思います。
○林(忠)政府委員 あるいは、多少見解が違うのかも存じません。各県の要請というのは、毎年給付を改善するにあたって、〇・六かけるのをやめてくれという要請だと思ったわけです。物価上昇分というのはあたりまえ、その残りの部分を四割引きはけしからぬというのはあたりまえ、そういう趣旨の御要請であって、それは今度完全に実施できたわけであります。 そこで、次の問題として、では、過去二年、三年四割引きしたのをどうしたらよいかという問題があるいは起こり得るのかもしれません。そこは、けさほどから御説明したように、毎年どれだけ給付を改善するかというきめ方で、それぞれその年のものの考え方に従って給付を改善してきたわけでございますから、過去四割削るというのを、実は削るべきでないものを削ったんで積み残しだというふうに受け取ると、これは前にくれなかったものをあとで追っかけてくれということになる。そうではないのでございまして、給付の内容を改善するのに、物価上昇分を見ればいいんだという説、あるいは職務給の部分ははずしてもかまわないんだという考え方、あるいはそういう理論を超越して、公務員のベースアップに合わせるべきだという意見、いろいろな考え方があった。それが今回は最も進んだところまで到達できたということでございますので、一たんこういう実績ができました以上、今後は、おそらく、公務員の給与改定率によってずっと行なわれていく蓋然性が非常に強い。各県の支部長の御要望は今度達成できたんだ、そういうふうに考えておる次第でございますので、ここでもってさらに過去二年か三年さかのぼっての四割分というのは、当局間の事務折衝としてははなはだ持ち出しにくい理屈である。しかし、実はもっとやるべきことはたくさんあるし、理屈がっく部分はたくさんございますので、これからもあるいは御質問いただくことになるかもしれませんけれども、退職時の給与を基準にしないで、その前三年間の平均をとっていれば、実質的にこれでもう十数%公企体に比べれば劣っている。そういうようなところの改善は非常に理屈がつけやすいし、折衝がしやすいわけでございます。過去の部分の四割というのが、もし、小濱先生のおっしゃるような趣旨の御要望であれば、それは理論的に非常に実現しにくい要望であると考えざるを得ないと思っております。
○小濱委員 私も、共済がわからないものですから、少し勉強してみたわけですよ。先ほどから御答弁があったように、いわゆる賃金改定率から物価上昇率を引いたもの、これにかけるの〇・六でしょう。これが年金改定率になって出てくるわけですね。こういうことも、私は知らないのですが、一応やってみた。やってみて、今回はこの計算方式をとらないということは、ぼくはわかりました。わかりましたが、いま各県の支部長が要請している積み残しというのは、このことであるわけはないのだ。これは、こういう法案が、とつくの昔に、現地では、研究に研究を重ねてでき上がっている内容であるということはおわかりになっていると思うのですね。私のところへもらった書類は二、三日前ですけれども、もう自治体には相当前からこの内容は行っているはずでありますから、そういう点でわからない内容じゃない。その支部長の要請している内容が、いま局長の言われた、その過去の積み残し分というふうになるかと思いますが、その点で、また前に戻りますが、もっと思いやりの深い御意見というものが出てこなければならぬと思うのですがね。これはいろいろな方式で、いろいろな理由で、こうこうでこれはだめなんでございますじゃなくして、これだけ全県下で騒いでいる問題だから、もう少し当局としても考えてやるべきじゃないか、こういうことでございますので、もう一度ひとつお答え願いたいと思います。
○林(忠)政府委員 なお十分そういう御趣旨を含めて検討を続けてまいりたいと思います。一律に、過去の積み残しの四割が、これは当然やるべきものをやらなかったのだ、いや、そうじゃないのだ、そのときはこういう考え方が合理的であったのだというように、いろいろな御議論があると思いますが、単純にそういう議論だけではなくて、過去にやめた人と最近やめる人との間の格差がこれだけある、その格差については何らかのかっこうで何らかの数値を使って埋めるべきである、そのためには四割は最適だという理屈もあるというふうな理屈づけの方法もあるいはあるかもしれませんので、その点、御趣旨に沿ってなお検討を続けさせていただきたいと思います。 いずれにせよ、改定に非常に冷淡であるということではないのでございまして、給付内容を厚生年金にあのとき追い越された分もあるということが、現時点ではできるものはすべて取り入れて給付内容を改善していきたい。その際、理屈がつきやすいものを取り上げて、それを主体にして押していくというのも、折衝の一つの戦法かとも存じますけれども、いままでのような、渋いと申しますか、先生におしかりを受ければ、冷めたいというような言い方もあるのでございますけれども、改定全体についての熱意は決して劣るものではございませんので、その点は御了解いただきたいと思います。
○小濱委員 何だか、ぼくが強引過ぎたような感じをいま受けちゃったのですが、そういう意味じゃございませんので、そういう点でどうか御理解をいただきたいと思います。 さらに、少し時間が過ぎましたので、はしょっていきたいと思いますが、問題点を何点かお伺いをしていきたいと思います。 今回、遺族年金の受給資格年限が、従来の十年から一年に改定されようとしておりますね。さらに、この受給資格を、少なくとも厚生年金の遺族年金と同様にすべきであるということについて、先ほど厚生年金との関係を局長は述べられておりましたけれども、一年まで下げたのだからそれ以上は無理だという、そういう御意見かと思いますけれども、絶対に不可能なのかどうか。厚生年金は、保険加入から六カ月を過ぎて、死亡の場合は遺族年金がおりることになっておりますが、先ほどの御答弁もここにあったかと思いますが、こういう点でどうしても不可能なのかどうか。これは植弘公務員部長に伺いたい。
○植弘政府委員 御指摘のように、今回、従来の十年を一年に短縮することにいたしまして、遺族年金の受給対象を広げてあるわけでございます。この際厚生年金の六カ月と合わせて、なぜ地方公務員の場合も六カ月にしなかったかという御趣旨でございますが、実は、恩給なり厚生年金といった、この地方公務員の共済年金に非常に関係の深いものとの均衡は常にとっているわけでございますが、やはり、それぞれ、恩給にいたしましても、共済組合にいたしましても、厚生年金にいたしましても、対象だとかいうものから言いまして、若干の性格の違いというものはあるわけでございまして、それぞれの制度の中で、お互いに今度は似たようなものを比較検討しなければなりません。特に、この遺族年金を考えます場合におきましては、共済組合の制度では、私傷病による廃疾年金というのがございますが、それとか、遺族一時金の受給資格がやはり一年ということになっているわけであります。したがいまして、そういうものとの関係から言いますと、共済組合の遺族年金につきましても、この種の制度とのからみから言うと一年とすることが適当であろう。だからといって、一年でなければならない、六カ月には絶対できないというものではないと思いますが、そういったような給付の仕組み全体を考えますと一年が適当であろう、こういうことでございます。その点では国家公務員の共済組合も同じでございまして、やはり、それぞれの共済組合の中における他の給付との仕組み、関係がございますので、その点を御理解いただきたいと思うわけでございます。
○小濱委員 まあ、これ以上は無理かと思いますよ。ここまでよくやったとも思いますよ。しかし、ほかに道があるとするならば、絶対不可能ということはないであろう、こう思うわけですね。そういう点で御意見を伺ったわけですが、どうかひとつこの点も御努力を一そうお願いをしたいと思います。 さらにお尋ねしていきたいことは、いろいろと質疑の中で出てまいりましたけれども、退職年金の最低保障額を従来の十五万円から三十万二千四百円に引き上げ、遺族年金の最低保障額を十一万五千二百円から二十三万五千二百円に引き上げようとしております。先ほどもいろいろ御意見の中に出ておりましたけれども、この三十万を月割りにしますと二万五千円、それから二十三万五千円は、これも十二カ月平均にすると一万九千円、こういう額になってまいりますね。それで、月五万円年金ということで、厚生年金が大幅に引き上げられようとしているのですね。これも行政局長の御意見ですと、これは倍になったのだからたいへん喜んでいただけるのではないかという御答弁がございまして、伺っておりました。その御努力はわれわれも認めますが、確かに、倍になったということはたいへんな成長率ですけれども、いままでが低かったのですね。低過ぎたという結論になろうかと思いますよ。 こういうことで、この金額で、さて、どういう家族構成になるのであろうか。一人にしても、二人にしても、いまの生活費の中でどうしてもこれは困難な金額になる、こういうふうに理解せざるを得ないわけですけれども、この点で、今後もやはり大幅に引き上げをするような、そういう方策を考えていかなければならない。確かにそう感じますね。そういう点で、これももう論議の的になってまいりましたことですから、結論でけっこうでありますが、どうかひとつ決意のほどをお伺いしたいと思います。
○植弘政府委員 この点も、先生御指摘のように、昨日来いろいろと御論議いただいたことでございます。今回、厚年等の関係を考えまして、私どもとしては相当よく引き上げていただいたという感じがいたしております。それにいたしましても、御指摘のように、十分とは申せないと思います。 それから、なお、昨日来御議論がございましたように、場合によりましたならば、厚年の対象者よりも低くなるような事例も出てくることも考えられますし、そこらのところも含めまして、実態調査をよくいたしますとともに、御趣旨のように、これから積極的にこの増額に努力してまいりたいと思っております。
○小濱委員 いまの問題につきましては、先ほど自治大臣から御答弁がございましたが、東京都内だけでも三十三万幾らというもので、この委員会の席上でお話しがあったかと思いますが、全国的に見るとこれはたいへんな数字になるわけでございまして、そういう困窮者のためにも、何としてでも今後の検討事項にしなければならないであろうと考えるわけでございますが、これも大事な問題でございますので、最後に、自治大臣から御答弁をいただきたいと思います。
○江崎国務大臣 最低保障額につきましては、午前中に林議員との間でもいろいろやりとりをいたしましたが、今回は、御承知のように、年金比率を上げることに全精力を集中したわけでございます。したがって、月額に直すと二万五千二百円、これは多いなどとは夢にも考えておりません。したがって、この年金に生活をゆだねる人々の老後を考えまして、これが引き上げ、改定には十分努力をいたしたい。これは努力をお約束いたします。
○小濱委員 ひとつ、よろしくお願いしたいと思います。 これも公務員部長にお尋ねをしていきたいと思いますが、この年金計算の基礎となる基礎給与の算定が退職前三年間の平均給与という内容になっておりますが、この算定方法では、退職時の給与の八割前後になるでしょう。こういう形になりますね。そこで、公共企業体の国鉄、電電公社とか、専売公社と同じ退職時の給与という問題が、やはり相当地方からの御意見が強いようであります。それで、この年金を、このように三年間の平均とした根拠がどこにあるのであろうかなということで私もいろいろ伺ってみたわけですが、この根拠についてははっきりとしたものがないようでありますが、こういう点で、今後、公共企業体並みに退職時の給与に改定すべきであるという、その用意があるかどうか、この問題についてお答えいただきたいと思います。
○植弘政府委員 従前、三年間の平均給与をとっておりましたのは、先生御指摘のように、それほど絶対的な理由があるかどうかは別でございますが、少なくとも、最終退職時の給料を基礎といたしまして給付額を算定いたしました場合に、組合員の拠出いたします掛け金の額とこの給付額との間にやや不均衡が生ずる。こういった点から、ほかの社会保険制度ともにらみ合いまして、保険の公平性といいますか、そういう点からこういう制度がとられているわけであります。しかしながら、いま御指摘のように、国鉄等の公企体につきましては退職時の給与をとっております。しかし、その間におきましては、この両者の不均衡を是正するために、午前中も局長から御答弁申し上げましたように、九七%ということで、ある程度国鉄のほうの年金の額を割引いたしまして、そこで均衡をとるようなかっこうにいたしております。しかし、いずれにいたしましても、御指摘のように大体一五%くらいの差が出るだろうと思います。したがいまして、これはやはり退職時の給料というものを基礎にするように努力しなければならない。 これも、再々当委員会でも御指摘がございまして、私どもといたしましては、ずっと検討してまいりまして、今年度の改正案にもぜひこれを盛り込みたいということで、関係省庁と折衝してまいりました。しかしながら、午前中来、大臣はじめいろいろ答弁申し上げましたように、年金率の改定そのものが非常に大きな問題でございましたし、これも含めまして、なお多くの問題点が残されております。しかしながら、これは、残された問題の中では、まず第一に取り上げて対処しなければならない問題でもあろうと思っております。したがいまして、この三年平均というものを退職時に改めるということにつきましては、明年度の最大の問題の一つとして努力いたしたい、かように考えているわけであります。
○小濱委員 自治大臣にお伺いしたいのですが、これは結論ということですけれども、国家公務員、地方公務員と、この公共企業体の職員といえども、これはやはり同じ公務員であるわけですね。これがいまのように、なぜ違いがあるかということを、私どもの立場から見ますと、おかしく感ずるわけですね。こういう点について、大臣としてはどういうふうにお感じになっておられましょうか、お伺いしたいと思います。
○江崎国務大臣 これは、やはり、退職時の金額に対象を置くのが必要だと思います。したがって、公共企業体等は力に訴える要求でそれが認められ、一方は——それは理由はあります。理由はもう公務員部長が申したとおりでありまするが、そこで足踏みをしておるということは、どう考えてもこれは不公正でございまして、私ども、これが改正には十分努力をしてまいりたいと思っております。
○小濱委員 公務員災害補償法に関係して、これは主として国家公安委員長はじめ警察の方にお尋ねをしていきたいと思いますが、国家公安委員長のもとには、警察官の定数十八万五千八百五十人という四十八年度の統計が出ております。いろいろな災害の内容をこれからお話しをしていきたいと思いますが、この方々は、その大事な命をかけてそういう職責に当たる機会が間々多いわけですね。そういう点で、これは自治大臣に失礼な質問とというふうにとられては心外ですが、これはやはり国家公安委員長に御意見を伺いたいと思うのです。 そこで、お尋ねしたいことは、人間の生命の尊厳ということですね。命を預かるという立場にある国家公安委員長として、非常に大事な職責にあろうかと思いますが、この生命という問題について、上下の隔たりがあるのかどうか。命は平等だというふうにも言われておりますし、いろいろな説が流れておりますが、人間の生命という問題についての国家公安委員長の御意見をまず伺っておきたいと思いますので、お願いしたいと思います。
○江崎国務大臣 警察官の職務のきわめて重要であることに、非常な御理解を示されて感謝を申し上げます。 警察官の殉職の場合には、公務災害補償のほか、退職金、共済組合からの給付、いろいろな表彰として給付されるものなどがございます。これらは給付等の性格を異にしておりまするので、たとえば当時の給与額、遺族の人数、勤続年数、功労の有無によって給付額等の総額に違いが生じてくるわけでございます。ところが、いまおっしゃる殉職の原因によって補償の額等が異なるということはないわけです。もとよりまた、命の尊厳に上下があってはならぬと思います。ただ、いま申し上げたような事情によって、多少の上下があることは、これはどうもやむを得ぬものというふうに考えます。
○小濱委員 一口に命、命と言いますが、そういう御意見の人は多いけれども、生命というものの尊厳をどれほどに理解しているか、こういう論議になろうかと思います。いろいろと本を読んでみますと、「命と申すものは一切の財の中の第一の財なり」ということばがございます。あるいは「この大宇宙にしき満つるほどの宝も命という宝には及ばない」という文章がございます。一個の人間の命がどれほどとうといものか、これを厳然と絶対なものとして説かれている本がございまして、命というものは他の何ものにも優先して尊重されるべきものであるというふうに説かれているわけですね。 そういう点で、私のお伺いしたいことは、警察法を読んでみましても、あるいはまた、地方公務員災害補償基金関係例規集を読んでみましても、あるいはまた、その他六法の中から、警察官の使命、役目という問題について調べてみましても、たいへんな決意なくしては警察官はつとまらないというふうになっているようでございます。警察法の第二条にも、「警察の責務」として、非常に厳然とその精神、態度というものが説かれております。それから第三条には、「日本国憲法及び法律を擁護し、不偏不党且つ公平中正にその職務を遂行する旨の服務の宣誓を行うものとする。」となっている。服務宣誓を行なう。スポーツマンの大会に臨む宣誓だとか、国会の証人であるとか、裁判所の証言であるとか、いろいろ宣誓ということばが使われると思いますけれども、この警察官の服務の宣誓という問題もあるわけですね。こういう点でいろいろと調べてみますると、国家公務員法の第七節九十八条に、「上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。」ということも出ておる。また百一条には、「職務に専念する義務」ということが書いてある。そういうわけで、警察官の与えられた使命、役目というものは、非常に責任を感ぜざるを得ないような内容になっております。 そこで、いろいろ読んでみますと、緊急事態が発生したおりには、内閣総理大臣から命令が出るようでございます。あるいはまた、国家公安委員長から、今度は都道府県の本部長に命令が出ます。そういうことで、指揮、命令、号令というものの内容が非常に徹底をされておるわけですね。ここに、警察官が責務を感じていろいろと日常活動をしておられる、そういう中でいろいろと事故が多いわけですね。いろいろと統計を見てみますると、その事故で年々五十人くらいの方々がなくなっているようであります。その人たちの業務内容というものを検討しますると、いまのような警察官の服務宣誓、警察官の精神といいますか、そういうものの責任を感じて行動し、上司の命令、号令どおりに動いているという、こういう形になっての、その責任の中からいろいろな事故が発生をしておるというふうなわけです。これは自治大臣も御年配でございますから、よく御存じだと思いますが、私どもも、命令ということについては、上司の命令は、その内容のいかんを問わず、直ちにこれに服従せよという教えを受けてきたわけですね。そういう点で、その命令という問題が非常に重荷に感じられることであろうと思いますが、そうした責任を感じて職務に励んでおられる警察官の事故が多いが、この事故に対する補償額が非常に無理なんです。大きな差額が出ております。 こういう点で、私はこれから御意見を伺いながら御質問をしていきたいと思いますが、こういう問題について、国家公安委員長としてはどれほどに責任をお感じになっておられるか。その思いやり深い上司としての、国家公安委員長の心情というものが部下を動かすわけです。誠実をもって、行動性をもって、どれほどにその命令、号令にこたえていくかということになろうかと思いますので、国家公安委員長のその心情というものはやはり大切であろうと思いますので、それを含めて国家公安委員長の御意見をお伺いしたい、こういうふうに思います。
○江崎国務大臣 非常にありがたい、激励の意味を含めての御質問に感謝申し上げます。 もとより警察の諸君は、いま御指摘になりましたように、国家的にきわめて重要な任務を帯びておるわけであります。指揮、命令の系統に属する職務でございますので、自分の意見を差し控えるという場面もあります。これは防衛庁の自衛官の場合も同じことが言えるかと思います。 最近、生命の補償が、これは金額によって補償されるものではありませんが、国際的にだんだん見直されてまいりました。その一番最たるものは飛行機事故などです。飛行機の事故で死亡いたしますと、一応国際水準の補償額がある。それに比して、公務災害の補償額というものがいかに低いか、全くどうも大きな矛盾を感ずるわけであります。金によってこれは償い得べきものではありませんが、遺族及び関係者からすれば、せめてその金額において、そういう事故死等々にまさるとも劣らないような処遇がされて当然ではないかという声になってくる。これは、だんだん日がたつに従って世の中が落ちつき、経済的に大国としての日本でありますだけに、そういうふうな風潮が出てくることはあたりまえだと私は思います。 その場合、先ほどもお答え申し上げましたように、警察官の公務災害補償等、特に若い警察官の場合は、給与にもたれながらこの補償額がきまるということになりますと、非常に低い算定がなされるわけであります。これなどはとくと私ども考えなければならぬ点ではないかと思います。もとより、関係家族の多少ということもやはり度外視はできませんが、若い者が、若いという無限の未来を蔵しながら職に倒れるという場合、その扶養家族がないからというので、給与にもたれて、その補償額がきわめて低いということは、一体、理論的に見てほんとうにそれが正しいのだろうかどうか、私は、議論の存するところだというふうに思います。 したがいまして、国家公安委員長としては、十分部内のそれぞれの関係者と協議をいたしまして、また、これらに対する措置が適正、妥当であるという形でだれからもながめられるような措置がなされますように、今後ともひとつ最大の努力を払ってまいりたいと思います。
○小濱委員 大塚参事官にお答えいただきたいと思いますけれども、四十五、六、七年の三年間の警察官の被災件数を、死者と負傷者に分けてお答えいただきたいと思います。
○大塚説明員 お答え申し上げます。 過去三年間の、お尋ねの都道府県警察官の公務災害の発生件数でございますが、昭和四十七年度が、死亡四十四件、負傷が一万二百四十件、昭和四十六年度は、死亡が四十八件、負傷が一万三千二十八件、昭和四十五年度でございますが、死亡が四十六件、負傷が一万一千九百九十六件ということで、死亡が大体四十件内外、負傷が大体一万二、三千件ぐらいだという形に相なっております。
○小濱委員 いま御説明を願った死亡者の中で、補償額が、一時金も含めて五百万以下の人はどのくらいおりましょうか。おわかりになりましょうか。
○大塚説明員 三年間のこまかいあれになりますと、地方公務員災害補償基金で握っておりますので、ちょっとただいまのところ資料はございませんが、四十七年度の代表的な例を二件ほど申し上げさせていただきますと、四十七年三月二十五日に、金庫破りの犯人を逮捕いたします際に殉職いたしました大阪府の関口勲という巡査が、二十六歳でございますが、四百四十一万九千円。四十七年七月六日でございますが、拳銃を奪ってあばれる精神異常者の男を逮捕する際に、拳銃で撃たれまして殉職した大阪府の古賀達夫という二十七歳の巡査が四百五十五万七千円、こういう形になっております。
○小濱委員 いろいろと資料をいただいております。この資料の中で、特に、白バイ等で違反車両を追跡中だとか、あるいはまた取り締まり中だとか、こういう職務についているときに事故にあっている。内容については、五百万台あるいは四百万台という数字になっておりますが、この死亡者の中では、五百万以下の補償額の方が相当いるのじゃなかろうかというふうに考えられます。そういう点で、この補償の内容を殉職者別に見てみますと、公務災害補償で一時金がなかったり、あるいは年金がなかったり、あるいはまた、共済組合の中で年金がなかったり、弔慰金がなかったり、内閣総理大臣の特別ほう賞金がいただけなかったり、あるいは警察庁長官の賞じゅつ金がいただけなかったり、いろいろと内容が出ておるわけです。 こういう内容からして、私の申し上げたいことは、先ほども命という問題を取り上げましたけれども、その生命は平等という立場、上下の隔たりがあってはならないという、そういう御答弁の中からも、殉職した方々の給付金などの内容に非常に大きな開きが出ておるわけであります。この問題について、自賠責でも五百万という数字が出ております。これはまたもつと上げるべきであるという御意見も出ておりますが、命令、号令という非常にきびしい法律の中で職務に励んでおられる方々の身分保障としては、これはまことに低いのではないかというふうに思えてならないわけですね。今回ちょうど両法案の審議がありましたので、いろいろと調べているうちにこういう問題が出てまいりましたので取り上げたわけですが、このような格差が、大きな開きがいつまでも続いていくようなことになると、これはまた大きな問題となって御意見が出てくるのではないかというふうに考えられます。こういう点で、この問題について、いろいろと内容があろうかと思いますけれども、端的に言って、もう時間もありませんので、わずかな時間ですけれどもお答えをいただきたいが、これは官房長からお答えをいただきましょう。
○丸山政府委員 小濱先生の、特に非常に危険な任務に従事する第一線の警察官の士気の高揚という点からの、非常に御配慮の御発言でございまして、私ども非常にありがたく存じておるわけでございます。 確かに、先生のおっしゃられるとおりに、この第一線の勤務についております場合に殉職をいたしますケースをいろいろしさいに検討いたしてみますと、交通の取り締まりであるとか、あるいは犯人の逮捕であるとか、あるいは警備実施の出動であるとか、いろいろと態様は異なっておりますけれども、いずれも、当然危険を予想されるようなところに出動いたしまして、その結果不幸にして殉職をしておるというようなことでございまして、いずれも、任務の軽重について論議をする余地はないというふうに考えておるのでございます。 先ほど大臣から申し上げましたとおり、ただいまの公務災害による給付制度のたてまえが、本人の最終俸給給与、それから勤続年数、あるいは遺家族の数、こういうところを基準にしてきめております関係で、結果的にはかなりの差が出てまいるということが現在実態でございます。特に、私どもとして非常に問題になりますのは、第一線の警察官はおおむね若い青年警察官が当たっておるわけでございますが、この警察官の給与は、御案内のように低いベースに乗っておりまして、勤続年数もしたがって少ないということで、いまのような基準で算定をいたしますと、どうしてもかなり低い額に査定されざるを得ないという状況でございます。 したがいまして、私どもとして、今後解決すべき問題として残されておりますのは、青年警察官等につきまして最低保障制度をひとつお考えをいただくということで、この面につきましては、それぞれ所管省とよく御連絡を申し上げまして、この実現に努力をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
○小濱委員 私のほうでいただいた資料によりますと、沖繩返還協定批准阻止闘争警備中、過激派学生に襲撃されて殉職なさった方は、二年八カ月、この方の一時金は二千二百十八万七千何がしかになっている。ところが、富山県の巡査長が、これは作業員を救済するためにガスを吸引してなくなった方が、二十七年七カ月勤務しておりますが、千三百七十六万六千何がし、それから、七年一カ月勤務しておられるところの、徳島県で白バイで違反車両を追跡中に事故でなくなった方が五百一万三千何がしになっている。それから、長野県の巡査部長が、十二年五カ月勤務いたしまして、一時金が四百五十三万。こういう形になっておりますし、また、軽井沢で、あの浅間山荘事件でなくなった方で、二十六年四カ月つとめた方は、一時金が二千五百七十五万四千何がしかになっている。成田でなくなった、あの新東京国際空港でなくなった方で、二年三カ月勤務で千五百四十五万五千円。こういう形になっており、その勤務年限にもよるでしょうけれども、その事故の内容にもよるということになっているわけですね。 私の申し上げたいことは、こういう責任の重い職場にありながら、階級とその勤務年限によって、とうとい命を落としながらも、自賠責以下のそういう警察官がだいぶいるという、そういう内容になっております。上のほうはよしとしても、この自賠責以下のこういう方々に対して、生命の平等という立場からも、何とかもっと思いやり深い処置をすべきである。こういうことを当然警察庁としても考えていかなくてはならないであろうと私は考えるわけです。また、災害問題で、土佐の高知で、この前、あの暴風雨の中で事故を起こした公務員の方があります。あちこちでいろいろと公務員の災害が起こっておりまするが、その補償額が非常に上下がある。こういう格差がある。こういう内容からして、これはやはりどうしても検討する必要が生じておるというふうに私どもは考えているわけですが、この点については、まず官房長から御答弁をいただきたいと思います。
○丸山政府委員 ただいま御指摘いただきました具体的な殉職事案についての事例でございますが、このうち、公務災害補償につきましては、先生御案内のとおりに、被災前三カ月の平均給与額と、あとは遺族の人数、これを基準にいたしまして算定がなされております。 それから、退職手当につきましては、最終の給与額と、それから勤続年数、これが基礎になっておるわけでございます。 それから、共済組合からの給付金でございます遺族年金と弔慰金でございますが、これは、それぞれ過去三年の平均給与額、あるいは最終の給与額、こういったものが基準になっておるわけでございます。 以上申し上げました点につきましては、この職務の中身、どちらかといいますと、功労の評価というものが全然入っておらないわけでございます。 次の賞じゅつ金でございますが、これは功労の評価をしておるわけでございます。おっしゃいます点で、ここで大きく差がついてまいるかと思うのでございます。この功労の評価につきましては、現在のところ、それぞれ評価の基準というものがございますので、これに該当するものはできるだけ積極的に適用してまいるという形でまいっておりますけれども、具体的にその功労の度合いを審査をいたしました結果、結論的には、いま申し上げました表として御提出をいたしましたような結果になっておるということでございまして、今後検討を加えるといたしますると、その賞じゅつ金のところについて検討を要するものというふうに考えておるわけでございます。
○小濱委員 いま官房長からお答えいただいたのですけれども、内容的にこういう制度になっているからこういう補償金になるんだ、一時金になっていくんだ、こういうことですけれども、ここに問題があろうかと私は思いますよ。 そこで、警察法の第六章の「緊急事態の特別措置」、というものを読んでみますると、これは御存じのとおりだと思いますが、「布告」という第七十一条が「国家公安委員会の勧告に基き、全国又は一部の区域について緊急事態の布告を発することができる。」となっています。国家公安委員長、責任が重いですね。それから、第七十二条では、「内閣総理大臣は、その緊急事態を収拾するため必要な限度において、長官を直接に指揮監督する」となっており、あるいは、七十三条「長官の命令、指揮等」というのがございます。こういう点で、十八万警察官を預かる国家公安委員会といたしましては、その責任の重大なることが、こういう警察法にも出ておるわけですね。 ところが、いまお話しがありましたように、片方では一時金が出るとか、片方では出ないとか、生命の重要性ということからはどうも考えられないような補償額になってくるわけですね。こういう点で、これからの警察官の精神をいよいよ高揚させるためにも、こういう問題の解決をまずおさめていかなければなりませんし、それから、警察官になり手が少ないとか、いろいろ地方によっては御意見が出ているようですけれども、いろいろの原因がここにあろうかと思いますよ。こういう問題も検討していかなければならないと思いますが、こういう命を落とした殉職者に対する、もっと手厚い、もっと思いやりの深い措置というものを、国家公安委員長、ぜひひとつ検討をしてもらい、計らいをしてもらわなければならないかと思いますので、最後になりますが、どうか御答弁を願いたいと思います。
○江崎国務大臣 おっしゃるとおりだと思います。こういう殉職者等に対する手厚い措置、これは当然やらなければならぬことです。ただ、この議論を大蔵省などといろいろやっておりますと、自衛隊の問題も出てまいります。消防の問題も出てまいります。同じような職種の者がいつも比較的対照されるわけですが、これは、やはり、いまにわかに戦争があるわけじゃありませんから、とりあえず警察官などが一番危険な場面にさらされる率が多いわけです。したがって、警察官、続いて常設消防ですね。そういった人たちの処遇をどうするのか、特に、災害補償に相当な改善を加えなければならないということをしみじみ思います。十分努力したいと思います。
○小濱委員 生きている人の扱いももちろん大事ですけれども、災害補償については、なくなった方々の補償もより以上に大事であろうと私は思います。そういう点でいろいろと御意見が出ておりましたので、きょうはお伺いしたわけでございますが、今後ひとつより以上思いやり深い措置をされまするように心から要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○上村委員長 折小野良一君。
○折小野委員 地方公務員等共済年金につきまして、二、三の御質問をいたします。これは自治大臣お一人にお伺いするのはちょっと不適当かとも思いますが、年金制度の基本について、先にお伺いいたしたいと思います。 わが国の公的年金制度はいろいろたくさんございます。これは対象者が違い、あるいはまた発足の時期が違い、また、その事情が違う、こういうようなことでいろいろな公的年金制度があるわけでございます。しかし、これに関連いたしましていろいろと御質問も出ておりますように、あれとこれとはこう違うというようなことがいろいろ論議になっておるわけでございます。将来を考えました場合に、この年金制度をそれぞれ特色を持ったものとして発展させるべきものなのか、あるいは、国民全部を対象にいたしました一つの年金制度という基本的なものに統一をするという方向で検討をすべきものなのか、そういう点についての大臣のお考えを、自治大臣としてというよりも、むしろ、田中内閣の閣僚という立場で御答弁いただきたいと思います。
○江崎国務大臣 御指摘のように、その目的、それから沿革といいますか、経緯、給付水準、年金額の算定の方法、それぞれ制度によって違っております。これは、これを受ける国民の側から申しますと、はなはだ複雑であり、わかりにくい、まさにおっしゃるとおりだというふうに思います。 これをどう調整するのかという問題でありまするが、現実にはこれはなかなかむずかしい問題だと思うのです。そのよって来たる目的が違ったように、あるいはまた、その経緯が違うように、非常に複雑でございます。しかし、何とかしなければならぬということは政治的に常に言われていることでございますので、今後、私ども、関係各省庁間で十分話し合いをいたしまして、まず詰められるものから詰めて、同じ形式にしていく、これはまずできるものから極力一致させる努力をする、これは国民のためにも大事なことだというふうな認識に立っております。
○折小野委員 私も、長い将来にわたりましては、国民のための年金制度ということで、統一の方向へ向けていくべきものであろうというふうに考えております。 その過程におきまして、この年金そのものにおきましてもいろいろなものがあるわけでありまして、これを大きく分けますと、大体三つぐらいの性格の年金があるというふうに考えられます。一つは定額制、現在の国民年金、ここにあらわれておりますような年金、それからもう一つは、定額部分と報酬比例部分とが組み合わされております現在の厚生年金制度の対象としての年金、それから第三番目は、従来の恩給から現在の共済組合年金、これは大体報酬比例部分が中心である。もちろん最低保障制度とかいろいろなものがあって、調整はされておりますが、考え方の基礎としては、報酬比例部分によって成り立っている。大きく分けて、大体この三つの年金があるわけでございます。この三つの年金をどういう方向へ統一をしょりとするのか、また、どういう方向へ持っていくのが妥当であるのか、この点についての大臣の御見解をひとつ承っておきたいと思います。
○江崎国務大臣 これはなかなか問題が多岐にわたりますので、さてどうするか、いまにわかにここでお答えするのには少し問題が大き過ぎると思いますが、冒頭に御提案になりましたように、少なくとも、国民を対象にしまして、わかりやすく、しかもまた、その年金自体が、国民の生活にとって、それぞれの場面、それぞれの立場で生活のよりどころとなるのだというような形で充実させてまいりたいというふうに考えます。
○折小野委員 なかなかむずかしい問題だと私も思っております。その基本的なものは、それなら年金というものはどういうものなのか、あるいはどうあるべきものなのかという点をもっと考えてまいらなければならないのではないかと考えております。 共済年金につきまして、先ほど来いろいろ御質問がありますが、それに関連して言われておりますことは、従来の恩給、そして現在の共済年金の中に流れております一つの思想は、年金も働いておったときの報酬の一部なんだという考え方が従来あったわけであります。でございますから、年金の多い少ないというのが、過去の給与に関係をし、あるいは過去の勤務年数に関係をし、あるいはまた退職のときの理由に関係をする、こういうことになってまいるわけでございます。将来の年金というものを考えた場合に、いままでのような恩給を基礎にした考え方の年金というものは、そっくりそのまま今後も続くというふうには考えられないのではなかろうか、その基本的な考え方を何らか是正をしていかなければいけないのではないか、こういうふうに考えるわけでございます。 そういうような点からいたしまして、それなら一体、どういうふうに年金の性格というものを定義づけて、そして目標にして、今後の改善をするなり、あるいは一定の制度づけをしていくなりしていくのかという、そういう点につきましては、特に、この共済年金の関連につきまして、自治省としてはどういうふうにお考えになっておるのか、その点ひとつお伺いしたいと思います。
○植弘政府委員 いま大臣からも御答弁がございましたように、方向をどう定めるか、非常にむずかしい問題のように思われます。 非常に事務的で恐縮でございますが、一例を申し上げますと、昭和三十四年ごろだったと思いますが、通算年金制度を、現行もございますが、創設いたします際に、社会保障制度審議会でそういった問題の論議が行なわれたわけでございます。そのときに、全体の年金を通ずる一本の年金にいたしまして、公務員については恩給の系列に属しますので、そういった公務の特殊性といったものを勘案して、公務員には若干上積みすればいいのではないかという論議もされたのでございますけれども、方向づけをどうするか、それから現実の原資をどのように調達するか、そういった、いま先生の御指摘のようないろいろな問題がふくそういたしまして、社会保障制度審議会でも十分な結論が出ないままに、現在のようにじゅずつなぎ方式の年金方式が生まれたわけであります。そういう点から言いまして、この問題は、過去に一度、国民皆年金と言いますか、そういう社会保障制度の整備の一環として論議された経緯を持っておりますが、いまのところ、それを公式に積極的に取り上げて研究するという段階にまだ至っておりません。ただ、将来の方向としては、当然に、国民皆年金といいますか、そういう社会保障の充実の立場から検討しなければならない問題だと思います。 したがって、自治省でどうだということでございますが、自治省といたしましては、昨日来御論議いただいておりますように、この共済年金の性格が企業年金的な、いわゆる企業負担と本人の負担とで構成するという面と、公務という特殊性に根ざしましての恩給的な系列、こういう両方の性格を特っておりますために、やはり、その特殊性というものは、公務員のそういった年金制度には生かしていただく必要があるであろう。したがって、できることなら共済年金という形のもので統一されていただくことが望ましい姿であろうとは思いますが、これも、それほどいろいろな要素にわたってこまかく論議したものでございませんので、お答えにならないと思いますが、そういうふうな感じでございます。
○折小野委員 ちょっとお伺いしますが、こういう問題につきまして、政府全体の立場からいろいろ検討するとか、あるいは審議するとか、そういう制度は現在まだできていないのですか。
○植弘政府委員 総理府の審議室の中に、公的年金制度調整連絡会議というものがございまして、公務員部門、民間部門、その他の部門というように、部門に分かれて各省の連絡会議がございますが、方向としては、いま先生の御指摘のような方向で考えるべきだと思いますが、当面のところは、それぞれの年金における不均衡といいますか、違いを是正するというのが主体で運営されておりますが、そういったものをもっと拡大強化する必要があろうかと考えます。
○折小野委員 私はこう考えるのですが、年金といいますのは、まず、それによって最低生活が保障されなければならない。しかも、健康で文化的な生活ができるような、いわゆる最低生活費に対するある程度の文化的な経費の上積みというものがあっていい。しかも、それは、国民すべてにとって、おおむね平等であっていいのじゃなかろうか。したがって、それの算定につきましては、過去の経験年数であるとか、あるいは給与の額であるとか、そういうものは別に関係ないんじゃないか。過去の勤務あるいは経験年数、こういうようなものは退職金限りで打ち切って、そのあとは一個の国民としての年金を受ける、こういうような形に根本的には変えていくべきじゃないか。そのために、現在ありますいろいろな公的な年金制度をやがて一本化していく方向へ、なかなか簡単に一ぺんに改めるということも非常にむずかしいと思いますが、逐次そういう方向に改善をすべきであろう、こういうふうに考えるわけなんですが、現在地方公務員の共済年金をあずかっておられる皆さんとしてはどういうふうにお考えでしょうか。
○植弘政府委員 三十七年に地方公務員の共済制度が始まりましたが、その前に、三十三年に現行の国家公務員の共済制度ができました。このときに、いま先生御指摘のような問題が、恩給と年金との関係とからみまして、従来の恩給に比べて年金の制度に移行することになりまして職員の負担が大きくなるのではないかといったような問題も論議されまして、まさしく、先生のおっしゃるように、退職手当をどのように考えるかといったような問題も総合的に論議されたわけでありますが、結果は、そういう理想は理想として、将来の方向は方向として、現在のような制度になって、いろいろの性格の違うものが組み合わさっておるかっこうになっておるわけでございます。御指摘のように、その点では、恩給と年金と退職手当といったような関係で、すっきりした制度が統一されているものではないと思います。したがいまして、今後は、そういったような観点で、年金の支給額といいますか、そういうものを真剣に取り組んでいかなければならないだろう、このように考えます。
○折小野委員 現在、過渡的な状況と申しますか、そういうような情勢の中でございますので、いろいろな年金制度にそれぞれの立場もあり、あるいはまたいろいろと不均衝もあるということでございましょう。この法案の審議に関係いたしましても、具体的にいろいろな質疑がなされておる。この面は低いじゃないかとか、これはどの年金との間の均衡を失しておるじゃないかとか、こういうようなことがいろいろ出ておるわけなんですが、しかし、やはり、国といたしましては、将来を目ざしてどういう方向に持っていくんだという基本的なものがなければ、ただ個々の改善をそのときの情勢だけでやっていくということになってまいりましても、いつまでたってもその差は縮まっていかないんじゃないかというふうに考えます。そういう点につきましては、できるだけ基本的な問題を十分掘り下げていただいて、そして、はっきりした目標を立てて、その線に沿いながら逐次改善をはかっていくということが大切なことじゃなかろうか、私どもはそういうふうに考えるわけでございます。そういうような点は、ひとつ今後の問題としてお願いをしておきたいと思います。 現在、いろいろな年金がございまして、特にことしは厚生年金の大幅な改善ということがございます。それに関連をして、いろいろな年金制度があわせていまいろいろと検討されておるわけでございますが、その中で、私どもが仄聞いたしますところ、市町村共済の年金というものが一番割りが悪いんじゃないか、こういうような話を聞きます。はたして実際にそうであるかどうかは、計算をしてみたわけではございませんのでわかりませんのですが、大体の推定でけっこうだと思いますが、国家公務員、それから県、市町村、それから厚生年金、そのおもなものを比較いたしまして、特に、その最低保障額に該当する人員が、それぞれの年金においてどの程度いるのか、比率でけっこうですが、その数字がございましたら、ひとつお教えをいただきたいと思います。
○佐野説明員 各共済組合の退職年金の平均額で申しますと、おもなところは、四十六年度末で、地方職員共済が五十七万七千円、公立学校が七十二万四千円、警察が六十七万二千円、市町村共済が五十万八千円というような金額でございまして、もちろん、この支給率については同じでございますが、結局、基礎になるところの給与というものが、市町村のほうが低いというところからこういう違いが出ております。 〔委員長退席、中村(弘)委員長代理着席〕 それから、最低保障額でございますが、地方職員共済で申しますと、四十六年度末の人員でございますが、これが約一万五千人、公立共済もやはり一万五千人、警察が六千人、市町村共済が三万人というような数字でございまして、その年金受給者に対する割合で見ますと、地方職員共済が三四・一%、公立学校が一二%、警察職員が一八・八%、市町村職員が四三・七%というような割合になっております。
○折小野委員 ただいまお示しの数字から見ましても、やはり市町村共済が非常に低いと申しますか、水準が低い、こういうふうに言えると思うのでございますが、これはどういう理由がございますか。構成人員とか、給与とか、いろいろな関係がありますでしょうけれども、一番大きな原因はどこにありますか。
○佐野説明員 この共済年金の給付額の算定方法といたしましては、施行日前の在職期間にかかるものはその従前のルールによって計算する。でございますので、年金額の算定の場合には退職時の給料になる。それから、施行日後の期間につきましては、これはこの共済法の定めるルールに従いまして、退職前三年間の給料を基礎にして計算いたしております。そういたしますと、新法施行後、あるいは施行以前の期間につきまして、大まかには給料を基礎にして給付額を算定しておるということが申せますけれども、その給付額の算定の基礎になる給料の額でありますが、これが公立学校共済あたりが一番高い。それから、都道府県職員、市町村職員あたりが一番低い、こういった点が一つあげられると思います。 もう一つは、在職期間の問題でありますが、この在職期間が長いほど支給率が高くなるわけでございます。市町村職員につきましては、戦後中途で採用された職員というのは比較的多いようでございます。そうした点で、五十七、八歳あるいは六十歳くらいでやめましても、その間の在職期間が短いために、その支給率の面からも年金額が低くなる、このように考えております。
○折小野委員 いろいろな事情もございましょうし、また、今後の改善の方向といたしましては、先ほど来御質問がございましたし、それに対する御答弁もございました。しかし、何といいましても、四三・七%というような人たちが最低保障額にかかるというのは、この年金が生活の実態に沿っていないということの証拠でございましょう。もっともっと最低保障も上げていかなければなりませんでしょうし、また、年金水準ももっと考慮していただかなければならないということだろうと思います。しかし、そういう面は今後の問題として、十分御努力をお願いをいたしたいと思います。 一般的なことはそれだけにいたしまして、一つだけ具体的な点についてお伺いをいたします。これは、この改正に直接の関係はございませんが、関連をしてお尋ねをいたします。 今回、この改正におきましても、外国の特殊機関関係の職員の期間の通算の要件が緩和されるということがございます。その前に、すでに満州国の官吏等につきましては、昭和二十年の八月八日在職ということを一つの要件といたしまして通算をされるということになっておるのでございます。しかしながら、満州国の官吏でありまして、その前に公務のために障害を受けてそのためにやむなく職を去らなければならなかった、そして傷病年金で生活をしておった人、こういう人があるわけでございます。 〔中村(弘)委員長代理退席、委員長着席〕 その人がその公務の傷病にかからなければ、当然、二十年の八月八日には、在職中の外国政府機関の職員だということで通算されるということにもなったわけでございましょう。それが公務の傷病のためにできなかった、こういう人がおります。そういうような人たちは、満州国がなくなりましたものですから、したがって、その傷病年金というものもなくなってしまった。そして、そういうような状態で、二十年の八月八日に在職をしておりませんので、その人たちの勤務の年数というものが今日通算をされていない、こういうことになっておるわけでございます。 で、この点につきましてはいろいろな考え方はあろうかと思いますが、やはり、実情を考えますと、何とかすべきじゃなかろうか。その当時の日本と満州国との関係、そういうような面から見てみますと、たとえば、警察官として満州で働いておった人、それは内地の警察で働いておった人と同じような立場で働いておったはずでございますし、そして、また、向こうはそれなりの危険度というものもございました。したがって、その職務に関連をしていわゆる公傷を受けた、そのために職務にたえられなくなってやめなければならなかった、こういうような事情にあるわけでございます。こういうような人たちにつきまして、制度的には一応別といたしましても、実質的には、内地で職についておった人たちとその取り扱いを分ける、差をつける、そういう実質的な意味はないんじゃなかろうかと私ども考えるわけでございます。こういう点につきまして、総理府からおいでいただいておりますが、これに対する総理府のお考えをお尋ねをいたしたいと思います。
○海老原説明員 御説明申し上げます。 恩給法はわが国の公務員制度の一環でございまして、その対象となる公務員は、国家公務員法にいう公務員とは若干対象範囲を異にはいたしますけれども、いずれにせよ、わが国の公務員を対象とした制度でございまして、これは恩給制度の基本でございます。 で、先生お示しの点は二点あるかと思われますけれども、まず、満州国の政府職員として、在職中に公務傷病にかかって満州国の傷病年金を受けておったのだけれども、終戦で打ち切られてしまった、こういう方のその後の恩給法上の処遇をどうするかという点が一つかと思われますが、この点につきましては、初めに申しましたように、恩給制度はわが国の公務員を対象としておりますので、傷病恩給につきましても、わが国の公務員として在職中、公務に起因いたしまして負傷するとか、あるいは病気にかかるとか、そういうことでずっと現在に至るまでその障害が残っている、こういうような方に対しまして傷病恩給を給する、こういうたてまえになっております。したがいまして、お示しのようなケースの場合は、すでにわが国の公務員の身分を離れてからの傷病でございますので、恩給制度のワクで考えますと、これは非常にむずかしい問題でございます。 第二の御質問として承りましたところは、外国政府の期間の通算の問題かと思われます。外国政府の期間の通算制度は、恩給におきましては、昭和十八年に始まりまして、このときは、いま通称日・満・日ケースと言われておりますけれども、初めに日本の公務員として在職しまして、官の要請によって向こうへ渡った、そして満州国の官吏になった、その後戻ってきて日本の公務員になった、こういうケースについての通算の道を開いたわけでございます。その後昭和三十六年にこれは拡大いたしまして、日・満・日についても対象範囲を広げ、また新たに、日本の公務員から満州国の公務員になってそのまま終わってしまった、あるいは、満州国の公務員として最初に就職して、そして、戦後戻ってきて日本の公務員になった、こういう方々についても通算の道を開いたわけでございます。 お示しのケースの場合には、御当人の経歴が十分わかりませんので、かりにそういった通算が受けられるのかどうかという問題はよくわかりませんのですけれども、ただ、公務員の経歴が、この満州国の在職の前か、あるいはあとにあるか、それから、これを入れると年功恩給としての年限を満たすかどうかというような問題もありますが、その前に、一つ基本的に、先生お示しになりました二十年八月八日に向こうに在職していたという要件が恩給法の体系の一つでございます。昭和二十八年法律第百五十五号で定まっております。一般論的に申しますと、いわゆる日・満・日のケースというもので始まったこれは、当時満州国が建設後なお日が浅く、日本の公務員が行って技術的に援助する必要があった、そのために人事交流が非常に激しかったという実態に基づいて考えられたものでございまして、昭和三十六年にこれを拡大して、いわゆる日・満ケースを認めたということも、本来ならば日・満・日のケースになる方々を、終戦という特殊な事情によりまして、満州国政府がなくなってしまって、一挙に皆さん全員が帰ってこなければならなくなったために、いま日本政府でそれを全部受け入れるというわけにもいかないという人事管理上の要請がございまして、二十年八月八日まで在職して、終戦ということによって満州国政府が崩壊し、その身分を失ったという方々については、前に日本の公務員の前歴があって、満州国政府の職員になるために退職した方々は、満州国政府の期間を通算しようということになったわけでございます。 それから、同じく三十六年にできましたいわゆる満・日のケースでございますが、これは満州国に初めに在職して、それから終戦で打ち切られてやむを得なくこちらへ戻ってきてから日本の公務員になった。前に満州国に在職しておられたというような経歴を持っておるという方でございますから、どうしてもわりあい中高齢年層の方が多うございまして、問もなく退職するような年齢に達してしまう。そのときに、退職後の処遇は、恩給年限にも達しない、恩給もつかないということでは非常に問題があるということで、これも人事管理上の要請に基づきまして、満州国の期間を通算して恩給を受けられるようにしようという趣旨でできたものでございます。 このように日・満、日・満・日あるいは満・日のいずれのケースをとってみましても、公務員制度の一環としての人事管理上の要請ということが強くからんでおりますので、二十年八月八日というのが、たまたまそこで終戦になったということによって種々問題を起こして、ことに、わが国の公務員制度としての人事管理上の問題を起こしているということに着目していただいた制約でございまして、これを直ちに検討するということは、恩給制度の面からは非常にむずかしい問題でございます。しかし、御趣旨の点もございますので、今後十分慎重に検討いたしたいと思います。
○折小野委員 いろいろ御説明をいただきましたが、そのとおりだと考えております。 ただ、私が申し上げたいのは、当時のわが国と満州国政府との関係、その実態、こういう点から見ますと——確かに、恩給法は日本の官吏に対して適用される法律でございますが、しかしながら、その当時の満州国官吏の実態からいたしますと、終戦によって結局すべてがなくなったということでなしに、わが国の官吏に準じて取り扱うような方策を講じていいじゃないかということなんです。確かに、おっしゃるとおり、日本の官吏を対象にいたしました恩給法が直ちに適用になるというふうには私どもは考えておりません。しかし、それは、それに準ずる施策をもってこれを救うということがその当時の実態に即するのじゃなかろうか、こういうふうに考えます。そういう意味におきまして、傷病恩給につきましても何らかの方策が講ぜられるべきではなかろうかと思うのでございます。 それから、共済年金に関連をいたしますこの外国政府の期間の通算の問題でございますが、これは、たまたま二十年八月八日という日には在職はしていないのであります。在職していない理由というのが、公務のための傷病を受けて、そして廃官になった。それも、自分の意思でやめておるというわけじゃないわけなんです。たとえば、警察官が匪賊討伐に参加をして、そして、あの酷寒の中で凍傷にかかって、一本の手がだめになってしまった。そうすると、満州国の警察官としての職務は当然とれないでしょう。それはやめざるを得ません。そのかわりに傷病恩給というのがついておったわけなんです。もしそういうことがなかったならば、その人は当然二十年八月八日になお在職をしたであろう、そういうふうに思われる。そういうような人に対しましては、やはり、これも通算の例に準じて、通算の措置を講ずべきじゃなかろうか。私の知っているある人は、満州国官吏になりまして、公務による飛行機墜落事故のために両大腿骨を骨折し、その後遺症並びに左眼失明というようなことで傷病恩給を受けておったわけであります。そして終戦になって、内地に帰ってきて、県の職員になって、県につとめておる。ところが、帰ってきてから県につとめておる期間というのは、年金の期間には足らないわけなんです。せめて外国政府に働いておった期間が通算されるならば年金の対象になろうか、こういうようなはかない希望を持つわけであります。と申しますのも、八月八日に健康でつとめておったならば、それは当然通算をされた。したがって、年金が支給されることになった。ところが、たまたま公務のためにそういうような状態になった。普通健康で八月八日までつとめられた人よりはむしろ気の毒な状態であるそういう人が対象にならない。これは不合理じゃないか。私どもはそう考える。 ですから、これは確かに二十年八月八日という要件には合致いたしませんが、実質からいたしますと、その要件に合致せしめてしかるべき例じゃないかと思います。こういう面はやはり制度として、それが現在の制度で生かされないならば、制度の改正をいたしましても何とか救済をすべきじゃないか、こういうふうに考えるのです。私どもは、ただ現在の制度をそのまま広げてくださいというふうに申し上げておるわけではありません。現在の制度が広げられたら、その中に当然含まるべきものだ。ところが、その要件に合致しないがためにはみ出してしまっておる。これは当然その中に入れるべき何らかの措置が講ぜられてしかるべきじゃなかろうか、こういうことでいま申し上げておるわけであります。
○海老原説明員 先生の御趣旨の点は十分理解いたします。また、こういったケースにつきまして、心情の面で何とかということは、私どもも常日ごろからいろいろと御要望、御陳情なども伺っておるところでございまして、今後とも、どのような手だてがあるのか、検討を続けたいと思っております。
○折小野委員 実態はただいま申し上げたとおりでございますが、さらに具体的な点について詳細に御調査になって、しかるべき方法をぜひ早急におとりいただくようにお願いをしたいと思います。 こういう例は、実は、この地方公務員等共済の対象者にもいろいろあるわけでございます。しかしながら、これはやはり政府の全般的な問題でございますので、一部局だけでその解決がつくというようなものでもございません。しかし、こういう面につきましても、ひとつ自治省あたりでも十分御考慮をいただきまして、救済できる面はできるだけ救済をしていただきたい。ただいま申し上げたような事例は、当然これまでにもう何とかなっておらなければいけなかったんじゃなかろうかと、私どもそういうふうに考えるわけでございます。そういう点について、特に自治大臣の御見解をひとつお示しいただきたいと思います。
○林(忠)政府委員 多少技術的なことでございますので……。 お話しを伺っておりましたところで、一体なぜいままでそういうケースが私たちのほうに参らなかったのか、ふしぎに思う次第でございます。八月八日というのは、通算するために押える技術的な必要から定められた日と思いますけれども、その日に在職していない理由が任意に自分でやめたのではなくて、そういう公務上の傷病であったということであれば、当然通算の扱いにすることが妥当であろうと考えますので、なぜいままでそれが出てこなかったのか、むしろふしぎに思うくらいでございます。十分調査させていただいて、積極的な考え方で取り組みたいと思います。
○江崎国務大臣 これは、いま行政局長からお答え申し上げたとおりでありまして、私ども、実際に応じまして、十分処置いたしたいと思います。
○折小野委員 数が少ないということもあろうかと思っております。そういう点につきましては、十分実態をお聞きいただきまして、それに応ずる対策を早急に講じていただくようにお願いをいたしまして、私の質問を終わります。
○上村委員長 小川省吾君。
○小川(省)委員 大臣に対する質問に入る前に、昨日大蔵省に質問の通告を申し上げておいたわけでありますが、ちょうど参議院の内閣委員会に出向いておって答弁が得られなかったのですけれども、きょうは大蔵省のほうから見えておりますので、お伺いをいたしたいと思います。 委員会の審議をスピーディーにするために、大蔵に対しましては、昨日からの論議を踏まえまして要望という形で申し上げますので、それに対する見解をお伺いいたしたいと思います。 そこで辻さん、あなたは共済の育ての親といいますか、最高の実力者でありますし、国家公務員の共済組合や、あるいは公企体の職員共済組合、ある意味では地方公務員の老後保障のすべてを左右し得るような権能を持っておられる方だと承っておりますし、そういう立場で、地行から見れば大蔵ということでございますので、大蔵の立場でぜひひとつ見解を示していただきたいと思います。 昨日、自治省の当局なり、あるいは恩給局等から、特にあらゆる角度から質疑を行なって論議をいたしてまいりました。そして、ある意味では非常に前向きの答弁をいただいてきておるわけです。しかし、前向きの答弁にもかかわらず、何か一つパンチが足りないといいますか、確信がないという感じを実は免れません。これは、やはり、法の性格上、何といっても国家公務員共済組合法という兄貴分の法律があるということでそういう答弁が出てくるのだろうと私は思うのですが、そういう意味で、辻さんのほうから確信を持った答弁をぜひいただきたいというような御質問を申し上げたいと思います。 そこで、昨日いろいろ質疑を申し上げたわけでありますが、焦点を五つにしぼってお伺いをいたしたいと思います。 第一点は、年金水準の引き上げの問題であります。今度厚生年金法が改正されまして、五万円年金という形で大幅に引き上げになったわけですね。従来、国会での共済組合法の審議の議事録等を拝見いたしますと、とにかく、あらゆる共済制度、年金制度の歴史と沿革があって、現行で均衡なりバランスがとれておったというふうなことをいろいろ言明されてきているわけであります。私どもは、今回の厚生年金の大幅の引き上げでその均衡は破れたんじゃないかというふうに考えています。そのことは、最低保障額の適用者が特に地方職員共済組合の関係では非常に多いということであります。なかんずく、市町村職員共済組合では、極端に、過半数に近いような最低保障額の適用者が出てきておるのが実態でございます。このことは、やはり、年金水準が何としても低いということに基因をいたしておるというふうに考えています。特に、年金水準を大幅に引き上げる措置を当然講じられるという努力をしていただくという答弁も承っておるわけでありますけれども、これを来年度以降早急にぜひ引き上げていただきたいと思います。最低保障額についても同様に、ぜひ引き上げをしていただきたいということであります。 第二点といたしましては、年金額のスライドの問題であります。これは、受給者全般からの強い要望でもありますし、長い間の要望でもあります。特に、厚生年金と異なりまして、物価スライドということをとっておらないわけでありますし、今度も恩給法に準拠をしておるわけでありますが、このたび二三・四%という形になった。恩給法も、従来の方法はとらずに、こういう形を大体踏襲していく形になるでしょう。おそらく法文化はできないけれども、こういう形の中で、年金スライド、いわゆるスライド制賃金上昇率という形を慣行化をしていくだろうというような御答弁をいただいているわけでありますけれども、私どもも法文化していただきたいわけでありますが、このようなスライド制を今後ともぜひ引き続いてとっていっていただいて、退職後の年金生活者が在職者の賃金上昇に——賃金上昇というのは物価を当然反映するわけでありますが、賃金上昇に著しいおくれをとらないように、ぜひ均衡をとっていただくように配慮をお願いいたしたいと思っています。 第三点としては、いまの項とも関連をするわけなんですが、従来のいわゆる恩給の四割の積み残しの分でございます。この点についてはかなりきびしいといいますか、渋い答弁をいただいているわけでありますが、当時のいわゆる増額方式をとっておった制度上の問題等から、これはとてもそこまでやることはできないのだというふうなことが実は言われているのでありますが、やはりこれの一因として、何といってもいわゆる恩給の退職年次別におけるところの格差が拡大をしているわけでありますから、従来の方法がどうであったかということは、今回恩給法の改正が、あのような二三・四%という、方式を変えたということは、従来の方法が適切ではなかったという反省と経過の上から生まれたというふうに判断をいたしますので、従来の積み残し分といいますか、いわゆる従来の計算方法によるところの格差の解消をはかることにぜひ努力をしていただきたいと思っています。 これに関連をして、旧恩給法や旧法の著しく低い最低保障額に基因する低い年金額を受け取っておる受給者を解消する、そんな働きかけをぜひお願いをいたしたいと思っております。 第四点でございますけれども、いわゆる基礎給料の三年平均の問題であります。これは非常に前進をして、前向きの答弁をいただいておるわけであります。もうすでに従来の論議の中で言われたような九七%とかいうふうな問題は、これはほぼ消滅をしたというふうに私どもは考えておりますので、来年度は、当然、退職時の基礎給料というふうな形で、三年間というものはぜひ解消をしていただきたいと思っております。 第五点といたしましては、公費負担の問題であります。御承知のように、地方公務員共済組合は一五%の公費負担ということで、交付税で措置しておるわけでありますが、私どもは、この五%の差というものはすでになくなったというふうに判断をいたすわけであります。そういう意味では、ぜひこれを厚生年金並みに引き上げていただきたいし、いわゆる国庫負担という形で措置をしていただきたいというふうに実は考えておるわけであります。この点については、実は、自治省側とは、見解が質疑の段階でもかなり相違をいたしておるわけであります。 以上五点について、大体、質疑の議論の結果を踏まえた御質問をいま申し上げたわけでありますけれども、大蔵のほうとしての見解を示していただきたいと存じます。
○辻政府委員 お答えを申し上げます。 第一点は共済年金の水準の問題でございます。御指摘のように、今回、厚生年金につきまして大幅な改正を予定しておりまして、被保険者期間二十年以上の者の受ける標準的な年金額を五万円、これは国会の御修正で五万円を若干上回る額になると思いますが、ということも考えて、予定をいたしておるのは、そのとおりでございます。そういう事情も考えまして、今回、共済年金につきましては、例のないような大幅なアップでございますが、二三・四%という改善を、御提案を申し上げている次第でございます。 ただ、御承知のように、厚生年金と共済年金、いろいろ制度的な差異があるわけでございますが、基礎となります給与のとり方につきまして、共済年金のほうは退職前三年の給与を基準としており、厚生年金のほうは、被保険者期間の全体の平均標準報酬をとることをたてまえにしているというようなこともございますし、年金を受けます年齢が、厚生年金のほうは六十歳でございますが、共済年金のほうは五十五歳というふうな差もございます。そういう差を全部総合いたしまして、給付水準を計算をいたしてみますと、今回の厚生年金の改正額におきましても、共済を一〇〇といたしますと、厚生年金の水準は七割弱というような計算になってまいるわけでございまして、共済年金の水準のほうがまだ上回っておるということが言えるかと思うのでございます。 それから、もう一つは、よく御存じのように、厚生年金は二分の一相当が定額分でございまして、二分の一が報酬比例分でございます。ただ、この報酬比例分の出し方も、ただいま申し上げましたように、全期間の平均標準報酬ということに相なっております。したがいまして、厚生年金につきましては、定額分の引き上げでございますとか、あるいは標準報酬の見直しでございますとか、そういう制度的な改善をいたしませんと年金額の引き上げにならないという点がございますが、共済年金の場合には俸給比例でございますから、ベースアップがございますれば自動的に年金額も改善されるというような点もあるわけでございます。 ただ、御指摘のような問題は確かにあるわけでございまして、給付水準をどうするかということにつきましては、たまたま私どもの所管いたしております国家公務員共済組合の年金の財政再計算期が来年度であるということになっておりますので、国家公務員共済組合の審議会の小委員会を設けまして、そういう問題につきましても検討いたしておるところでございます。また、別途総理府に置かれております公的年金制度調整連絡会議等にはかりまして、今後そういう問題につきまして検討してまいりたいと考えております。当然、その過程におきまして、自治省ともよく調整をいたしまして、地方公務員共済組合との関連も考慮しながら検討してまいりたい、かように考えておる次第でございます。 第二点は、スライドについてのお尋ねであったわけでございますが、私どもも、共済年金の実質価値の維持ということにつきましては従来から努力をしておるところでございまして、それぞれの共済組合法にございます調整規定の趣旨に沿いまして、例年年金額の改定をお願いしておる。今回も、先ほど申し上げました大幅な改善を御提案申し上げておる次第でございます。四十八年度におきましてそのような大幅な改善をお願いいたしておりますのは、厚生年金等、他の公的年金につきまして大幅な改善が行なわれること等も考慮いたしまして、恩給にならって処置をするという考え方でございます。したがいまして、二三・四%の計算はすでに御説明申し上げておると思いますけれども、四十六年度と四十七年度におきます公務員の給与改善率を基準としておるわけでございますが、これは、いわゆる賃金の自動スライド制をとったという考えではないわけでございます。賃金の自動スライド制につきましては、なおいろいろと御議論のあるところでございますし、何よりも、社会保険の根幹でございます厚生年金につきまして、今回、賃金でなくて、物価の自動スライド制を導入しておるということとの関連もございます。また、財源負担との関係もございます。いろいろと問題があるわけでございます。したがいまして、この問題につきましても、引き続き、関係の審議会なり、公的年金制度調整連絡会議等にはかりまして、今後の問題として検討させていただきたい、かように考えておるところでございます。 それから、従来の改定方式に関連をいたしまして、格差是正と申しますか、積み残しと申しますか、その点につきまして御指摘があったわけでございますが、ただいま申し上げましたように、従来から年金の実質的価値の維持については努力をしてまいってきたところでございますが、過去の年金改定方式は、やはり、そのときどきの事情のもとにおいては妥当なものであったというふうに考えておるわけでございます。 なお、年金の改定率と給与改善率を比べてどうか、格差があるじゃないかという御指摘も確かにあるわけでございまして、三十四年以来の両者の改善率を比較してみますと、一四%あるいは一三%程度の開きがあるのは事実でございますが、今回、別途高齢者等につきまして四号俸引き上げというような措置も御提案申し上げておるところでございまして、この分が約一四%程度の改善にも相なるわけでございます。年金額の改定につきましては、これまた、今後も、恩給でございますとか、他の公的年金制度、教職公務員給与との均衡等も十分考えまして、慎重に検討いたしてまいりたい、かように考えておるところでございます。 第四番目は、基礎給与につきましての御指摘でございます。確かに、現在の共済年金制度におきまして、国家公務員共済と地方公務員共済は退職前三年間の平均を目標とする、公共企業体共済におきましては最終の俸給をとっておるということは事実でございます。ただ、最終俸給とすることにつきましては、なおいろいろな点から検討を必要とするというように考えております。 第一点は、よく御承知のように、社会保険の根幹でございます厚生年金保険の年金額の算定の基礎は、先ほども触れましたように、全期間の平均標準報酬でございますので、その点の関連もあるわけでございます。第二点は、社会保険でございますから、私保険とはもちろん違うわけでございますけれども、やはり、ある程度の拠出と給付との対応と申しますか、そういうものが必要ではなかろうかと思うわけでございます。拠出のほうは、公務員になりましてから退職いたすまででございます。その全期間にわたって掛け金を払い込むのでございますが、それに対しまして、給付が、最終の俸給だけできめてよいものだろうか、そういう問題につきましては、保険の公平性の観点からなお御議論のあるところだろうというふうに思っております。 それから、公共企業体との関係につきましては、すでに御承知のように、別途退職手当法のほうで、公共企業体職員の場合には九七%、国家公務員の三%減というようなことで調整をとっていることもございます。なおそのほか、俸給表の構成でございますとか、昇給昇格の運用等の問題もあるわけでございます。私どもも、もちろん、同じ共済制度の中で年金額算定の基礎が異なっておることは必ずしも好ましいとは考えておりません。ただ、いま申し上げましたような、他の年金制度との均衡とか、社会保険のたてまえとか、退職手当制度の関連でございますとか、あるいは運用上の問題に対する配慮でございますとか、また、財源への影響でございますとか、いろいろの問題がございますので、なかなかこれは簡単な問題でないことだけは御了承いただきたいと思います。なお、この問題につきましても、関係審議会、調整連絡会議等にもはかりまして、今後とも慎重に検討さしていただきたいというふうに考えている次第でございます。 それから、最後に、公費負担についてのお尋ねであったわけでございますが、地方公務員共済組合につきましては、公費を地方公共団体が負担しているという点が第一点であろうかと思いますが、これは、先ほどの御質疑の中でもお話しがございましたように、交付税の算定の基礎に織り込んでいるという点もございますし、地方公共団体はもちろんそういう意味で公経済の主体たる地位にあるわけでございますので、そういう観点から、従来から、国庫負担でなくて、公経済の主体たる地方公共団体が負担するということになっているわけでございます。 それから、負担の率でございますけれども、厚生年金につきましては二〇%、国家公務員共済、地方公務員共済につきましては一五%ということになっているのは御指摘のとおりでございます。ただ、これは、先ほど申し上げましたように、厚生年金と共済年金との水準の差がございますので、全体として共済年金のほうが水準が高くなっております。したがいまして、同じ国庫負担率、あるいは公経済の主体たる負担率ということにいたしますとかえって不均衡を生ずるという面もございますので、ただいまのような二〇%と一五%という率に相なっている次第でございます。
○小川(省)委員 要望を申し上げて見解を聞いたわけですから、論議をしている時間も、時間的にございません。昨日見解を述べられた点等についても議論を申し上げたわけでありますが、いろいろな点で若干見解を異にしている点もありますし、自治省からの答弁とのニュアンスの違いも若干ございますが、また別の機会に議論をさしていただきますが、以上の点は、すべての委員から出た、率直な、受給者の意見をくんだ非常に強い要望でございますので、そういう点を踏まえて検討されるということでございますので、ぜひ御検討をお願いしたいと思います。 そこで、大臣にお伺いをいたすわけでありますが、昨年の総選挙は、ある意味では年金選挙とも言われたわけですね。そこで、政府は、ことしは福祉元年というふうなことも言っておるわけであります。しかし、物価高とか公害等では、いままさに世界の超一流国になっているわけでありますけれども、年金の面では、ことしは、働いている労働者等が年金ストを四月十七日にかまえたというふうな面もありまして、ようやくわが国も年金の思想というのが定着をしてきたというふうにも考えられるわけであります。西欧先進国に追いつかなければならないわけでありますし、生涯社会のために働いてきて、老後は年金生活だという、生活権としての年金思想が定着をしてきつつあるというふうに考えるわけであります。私も、一昨年、たいへん若いころ育った中国に行ったのですが、あらゆる職業の人たちが、老後七〇%の賃金を保障されて、子供たちの技術力を活用したり、自分の能力を生かしながらゆうゆうと生活を楽しんでいる姿を見てきて、私は、年金というものは、老後保障というものはこうあるべきだというふうな点を強く感じてまいりました。 まず、基本的な問題で、昨日ほんとうは冒頭にお聞きをしたかったわけなのでありますが、年金とは、憲法二十五条でうたわれている社会保障制度の一環であるというふうに思うのです。社会保障制度の中軸的なものであるというふうに考えるわけでありますが、政府、いわゆる田中内閣の閣僚としての、国務大臣としての江崎さんが、年金というものについてどんなふうにお考えになっているのか、まず、お聞かせをいただきたいと思います。
○江崎国務大臣 年金は、いまおっしゃるように、老後の生活が保障される金額、これが支給されることが理想的だと思います。私どもも、そういう形になるように、今後十分努力をしてまいりたいと思います。 それから、年金そのものが社会保障であるかどうか、これはよく議論の存するところでありまして、社会保険の一つでもあり、社会保障的性格も持っておる。これは両々兼ね備えたものであるわけですが、それぞれの特徴に応じて、いい面が受給者の側に活用されていくということが最も望ましい形態だと思います。それを理想として今後努力をしてまいりたいと思います。
○小川(省)委員 社会保障制度的なものであり、一面では社会保険的な意味もあるのだということでありますが、公務員の共済年金というものもその一環であるというふうな考え方でございますか。
○江崎国務大臣 当然そうでございます。
○小川(省)委員 公務員の退職後の保障というのは、かつては、いわば天皇制時代からの恩給法がありまして、共済組合法に吸収されてきているわけなんですけれども、三十六年に国民年金が発足をして、いわゆる国民皆年金というふうな形がとられているわけですね。充実しているかどうかは別として、国民皆年金という形になってきたわけですね。そうなった場合に、公務員年金というものは、そういう中で、現在の時点でどのように位置づけられるべきだというふうにお考えですか。
○林(忠)政府委員 それは、ただいまの、社会保障であるべきか、あるいは社会保険の一環であるべきかというようなことに関連してのお尋ねだと存じますが、それであれば、恩給以来のいきさつその他もございますし、一方、国民皆年金という体制を確立した現在でも、機能としては、それは両方兼ね備えたものであるというふうに考えざるを得ないと思います。
○小川(省)委員 そこで、将来当然年金制度の一元化をされていくべきものだというふうに考えるわけですけれども、現行では、各種年金制度間に、給付水準やその他のアンバランスがあるわけですね。こういうものを調整をしていかなければならぬというふうには考えるわけですけれども、将来の姿として、その移行過程において、どのような形で考えていけばいいのかという点をお伺いします。
○林(忠)政府委員 どのような形だという御質問の御真意がちょっとはかりかねるわけでございますが、昨日以来問題になっておりますように、将来の姿として、国民全体として一本の年金という、その理想の姿に到達するまでのまだまだいろいろな問題があり、経緯もあります。そこで、それに到達するまでの間、現在の形におきましては、林先生の御質問その他にもありましたように、公務員という、特に、公に奉仕する特別なグループの老後の保障という形で、厚生年金その他とはある程度の差があるのが当然であるといいますか、そういう特別な水準をもって考えて、その方向でこの改善を考えていくという地位を占めつつ、将来統一のほうに流れ込んで、融合していくことではあろうかと存じます。
○小川(省)委員 いまのお答えの中にもあったのですが、地方公務員等共済組合法の第一条の「目的」のところに、「地方公務員の病気、負傷」云々とあって、「相互救済を日的とする共済組合の制度を設け、」「とともに、公務の能率的運営に資することを目的とし、」というふうにうたってありますね。これは、厚生年金保険法にはない規定、ない表現ですね。厚生年金保険法の目的にはこういうものはうたっておらぬわけであります。社会保障的な性格とともに、表現は適切でないのかもしれませんけれども、これが目的の一つとしてうたわれていることは、公務の特殊性というか、いわゆる全体の奉仕者である公務員という特殊性をうたっているのだというふうに考えているわけなんですけれども、おそらくそうだろうと思うのですが、そうだとすれば、今回の改正の中で最低保障額に満たない者がたくさんいる。最低保障額を国民年金と合わせるということであるとすれば、いわゆる地方公務員関係の共済組合法の適用を受けている人たちの既得権なり期待権というものは、この目的がうたっている趣旨からするならば、やはり問題があるのではないか。その優位性なり特殊性というものがもう少し共済年金の改正の中では見られるべきじゃないかというふうに考えますが、その点についてどうですか。
○林(忠)政府委員 御指摘のとおり、安心して公務に従事するというための一種の安心料的な意味で、厚生年金よりも給付水準が上にあってしかるべきだという考え方もあり、従来、また、その上のレベルを維持してまいったわけでございます。 今回の厚生年金の大幅な改善にあたっても、先ほど辻次長の説明にもありましたように、ある部分では下回るとか、同じだとか、あるいは最低保障は今後は同じにしてしまったではないか、少しも安心料的な要素がないじゃないかという御指摘もあると思いますが、体系全体としては、まだ何ぼかその給付水準が高い。厚生年金は今度改善しても追いつかないという部分もある。そういう意味で、共済の体系全体としてはなお優位にあるということは、これは否定できないと思いますが、おっしゃるような、定心して公務に励めるという、その保障に対する反対給付のかっこうで、全体の改善、それはもう個々の一つ一つのケースについてもなお優位を維持していくということは、制度の改正をするにあたっては当然考えていかなければならない事柄であると思いますので、昨日あるいはきょうも、いろいろな個々の部分についての改善の努力をお約束いたした次第でございますが、今後なおその方面に十分の努力を注ぎたいと思っておる次第であります。
○小川(省)委員 ぜひひとつその点はお願いを申し上げたいと思います。 第二の問題として、若干の要望を申し上げて、後ほど意見をお伺いいたしたいと思いますが、地方公務員共済組合の管理や運営の問題なんですけれども、先ほども林委員のほうから出ておりましたが、積み立て金の運用についても、いわゆる積み立てをする組合員の意思に十分沿った運用をするような指導をぜひお願いをいたしたいと思っています。 それから、各関係共済組合に運営審議会があるわけでありますけれども、その中に、使用者とともに労働者代表が参加できるようになっておりますけれども、これはそのように運営をされていると思いますが、十分にその趣旨のとおり活用をしていただいて、組合員の意見が十分にくみ上げられるような形での指導をぜひお願いをいたしたいと思っています。 聞くところによれば、地共済でも、公立学校共済でも、いわゆる職員代表というものが八人入ることになっている。ところが、地方公務員共済組合法の適用を受ける自治体の労働者、あるいは公立学校共済の適用を受ける組織である日教組等の、いわゆる選択権といいますか、これは七人で、一名はどうも自治省のほうの恣意によって選ばれているという実態があります。民間の企業にあっても、労働者の過半数をもって組織する労働団体があれば、労働協約を締結できる権限があるわけですね。そういう点では、そういう職員代表の選択につきましては、これら関係職員団体の意見を十分に反映できるような形をぜひとっていただきたいと思っています。 それから、悪口を言う人の声を聞きますと、特に、地共済等は、自治省の外局あるいは内局なのではないかというふうなことが言われています。これは、自治省の人事異動の際に、何か地共済の幹部ががらっとかわるというふうな話も実は聞いておるわけでありまして、私は、そういう形で実際の運営までもやられていては困ると思うわけであります。そういう考え方はないのだというふうに思いますけれども、そういう疑いを持たれるような運営のないような形での指導をやっていただきませんと困りますし、組合員のほんとうの意思を反映することになりませんので、ぜひ配慮をお願い申し上げたいというふうに思っています。 それから、昨日から本日にかけていろいろ論議をされているわけでありますが、特に公務災害補償の関係につきましては、運用基準をめぐって詰めなければならない非常に多くの問題点がございます。そして、さらに、運用にあたって、多くの問題がおそらく惹起してくるのではないかというふうに実は考えておるわけであります。それだけに、当然、関係各省、人事院だとか、農林省だとか、大蔵省だとか、労働省等と協議をするのは当然でありますけれども、関係職員団体の意見等も十分に聴取をしながら、この適用にあたって、スムーズに行なわれるように、ぜひ円滑な運用をはかるようにお願いをいたしたい。このような点を要望申し上げるわけでありますけれども、大臣からその点についてお約束をいただく見解をお願いいたしたいと存じます。
○江崎国務大臣 共済年金の比率の向上につきましては、これは今後とも、十分努力します。 それから、また、大蔵省側にお尋ねになりました件々についても、われわれも十分留意いたしまして、努力いたしてまいりたいというふうに考えております。 それから、地共済が自治省によって運営されておる、むしろ組合員の意向というものが十分反映されなければならぬということは、これはもう当然なことでございまして、いまかたわらから行政局長が十分反映されておると言っておりますが、今後も十分反映されるような、適切な運営をしてまいりたいというふうに思っております。 公務災害補償の問題につきましては、準用基準について、できるだけ温情をもって事に処する、これが一番大事な点だと思うのです。特に、われわれ政治家といいまするか、大臣は、いい方向にこれが運用されるように監督していくことだというふうに心得ております。
○小川(省)委員 最後のことばですが、温情をもって、いい方向でやっていくことは政治家としては当然でありますが、自治大臣とすれば、私がただいま申し上げたように、ぜひ関係職員団体等の意見も聴取をしていただいて、運用なり適用等について円滑な運営ができるように、温情を持ったといいますか、公務災害にあわれた人たちがほんとうに適切な治療なり療養等ができるような配慮をぜひお願いいたしたいと思います。
○江崎国務大臣 やはり、公のことですから、公正であることは大事ですね。俗なことばで恐縮ですが、温情をもって措置したのに対して、おぶえばだっこしろという調子で、際限のない話し合いになるいうことは、むしろ温情のある運用を逆にそこなうことにもなりまするので、そういうことがあってはなりませんが、私、念のために申し上げるわけです。もとよりこの法律の趣旨に照らしましても、十分あたたかい判断によって処置されるべきものというふうに認識します。
○小川(省)委員 これで終わりますが、そういう大臣の答弁のように、公正に、しかも、災害補償法の適用を受ける者が、この法があって、しかも改正をされてほんとうによかったというふうな形で運営をされるように、ぜひ関係方面と十分御相談をなさってやっていただきたいということを付して終わります。
○上村委員長 山本弥之助君。
○山本(弥)委員 すでに各委員の質疑によりまして論議は尽きていると思いますが、大臣、お疲れのところですけれども、締めくくりの意味で御質問申し上げたいと思います。 第一点は、年金のスライド制の問題でありますが、従来も自動スライドにはなっておりませんが、先ほど来論議になりましたように、物価の上昇に賃金の上昇との差額の六割ということで、ここ二、三年はある程度定着してきたようであります。私どもは、この年金につきましては、重点施策といたしまして、福祉優先の転換を長年主張してまいったわけであります。まあ、自民党さんのごまかしの五万円年金ということを言われているわけでありますけれども、非常に前進したと私は思っております。今回の改定は、従来の遅々たる歩みに対しましては、一応非常な前進だと思っております。これを契機に、公約を守っていただきまして、経済社会計画ですか、その策定等にもありますように、現在、社会保障は、国民所得の六%くらいでありますが、これはやはり一五%、二〇%というふうに、欧州先進国に近づけていかなければならないと思うのであります。その意味におきましては、国の支出ということを、各年金に対しましても今後どうしても配慮していかなければならない、かように私どもは考えるわけであります。 そこで厚生年金のほうは、条文が二十条でございますか、物価スライド制が確立したようであります。本来なれば、私ども、むしろ、厚生年金も、早急に細部にわたりまして検討を加えて、賃金スライド制に移行すべきである、かように考えるわけであります。そこでお尋ねいたしますのは、今回の賃金スライド制は、国家公務員あるいは地方公務員につきまして、今後はこの方針でいかれるかどうか、この点をまずお聞きいたしたいと思います。
○林(忠)政府委員 昨日来何度も御答弁申し上げた点でございますけれども、この両三年、賃金の上昇のうちの物価上昇分、それから残りの六割ということで固まってまいりました。それが、ことしは、そこを乗り越えまして、賃金の上昇率そのままを使うという新しい方式ができたわけでございます。そこで、おそらく、この方式というものは、一たん公表になりました以上、はっきりと条文化されたわけではございませんので保証はできないけれども、これは守られるであろうし、また、守ることに努力をするということを私は申し上げました。先ほど大蔵省の辻次長からはちょっと違うニュアンスの答弁がございましたけれども、これは、こちらの、お願いをする、努力をするほうとの立場の相違もあると思います。われわれは、おそらくこれが定着するであろうと予想し、また、それについての努力を重ねるつもりでございます。
○江崎国務大臣 いま行政局長が申し上げましたように、当然、自治省としては、そういう方向で努力をしてまいりたいと思っております。
○山本(弥)委員 今回の改定によりまして、四十六年の公務員のアップ、それから四十七年のアップ、この両方を加味して一気に改定になっております。これも非常に前進でありまして、このアップによりまして、従来の二年半のおくれを一年取り返したということは言えると思うのでありますが、毎年この年金の改定が十月一日ということになっておりますのを、さらに一歩を進めて、四月一日に、半年繰り上げることは可能ではないかと私は思うのでありますが、この点はどうお考えになっておりますか。来年あたりは四月一日ということに繰り上げることが可能であるか、お聞かせ願いたいと思います。
○林(忠)政府委員 この点につきましては、二年半のおくれを取り戻すということで、だいぶ長いこと、何年次にもわたって、関係当局で、調整するときの大問題になっておりましたわけで、今回それが一年解決しましたということについては、われわれも、やるべきことをある程度やれたという気持ちはございます。 ただ、残りの半年、毎年十月一日であるのを四月一日にするということは、御要望としてはだいぶ長いことございましたけれども、われわれは二年半ひっくるめて議論しておりましたので、そのこと自体についての突っ込んだ議論はそれほどまだしていない。これは、たとえば恩給証書の書きかえとか、それらのいろいろな技術的な問題で、なお相当詰めるべき技術的な問題があるのではないかと存じております。全体として水準を上げるという方法の一つであることは間違いございませんけれども、いままで論議し尽くされました三年平均を最終にするとかいうようなものとは、やや新しくて、詰めるところがまだ十分詰めてないという気はいたしますので、そういう方向に持っていきたいという意欲はございますけれども、まだ、十分には自信はございません。
○山本(弥)委員 いまのインフレ経済下におきまして、物価問題にも真剣に取り組んでおられるとは思いますけれども、できるだけ早く繰り上げまして——いまの時代におきましては、いわゆる老人対策年金といいますのは、その老後の生活の安定ということに多少とも寄与してあげるという意味におきまして、来年度の実施時期を、十月一日から四月一日に繰り上げるという努力をお願いいたしたいと思います。 次に、賃金のベースアップにスライドするという、政策スライドといいますか、こういうことが続いてまいりますと、おそらく、自動スライドということに移行していくんではないか。これは各委員から要望しておるわけでありますが、私も、一日も早くそういうことにならなければならぬと思うのであります。それにいたしましても、退職時期によっての格差の解消ということが自動スライド制の前提要件をなさなければならない、かように考えるわけであります。地方公務員におきましては、昭和三十七年以降の問題があり、さらにそれ以前の問題もあるわけでありますので、この格差の解消について努力を願いたいと思うのであります。これは、大蔵委員会におきましても、さらに、恩給の主管審議委員会であります内閣委員会等におきましても相当論議された問題だと思うのでありますが、今回、七十歳以上の老人に対しての四号俸の引き上げという措置をなされたわけであります。これは当然だと思うのであります。これは辻主計局次長さんの御答弁だったかと思うのでありますけれども、結局、賃金水準と年金の水準との上昇率の差額をとってみますと、大体一四%ちょっとでございましょうか、その差額がちょうど四号俸に該当するということで四号俸というのが出てきたんじゃないかと思われるのであります。それが間違いないかどうかお聞きしたい。そういたしますと、七十歳以上の方には、いわば過去の退職時期によるところの格差を解消したということになるのではないかと思うのでありますが、この点、大蔵省のほうからお聞きしたいと思います。
○辻政府委員 四号俸アップの根拠につきましては、むしろ恩給局のほうから御説明申し上げたほうが適当であろうかと思いますが、先ほど私が申し上げましたのは、年金の改定率と公務員の給与改善率の数字をかりに比較してみますと、三十四年度以降で開きがございますが、一方、四号俸アップというふうな措置もお願いいたしておりますので、結果的に見ますとそれを埋める形になっておるということを申し上げたわけでございます。
○山本(弥)委員 それでは総理府のほうから……。
○海老原説明員 恩給では、退職年次による格差というものが従来からあったわけでございます。それがどういう原因かということを調べてみますと、仮定俸給は、現職公務員がベースアップすると、若干先生御指摘のような差がございますけれども、同じような歩調で上がってきておる。ところが、退職当時の号俸があとで退職する人ほど高いというような現象があったわけでございます。それがどの程度違うのかということを調べてみますと、二十年という期間をとりますと四号俸違う。恩給では、平均的な退職年齢が五十歳でございますから、七十歳まで二十年ございますので、この七十歳になったところが二十年で四号俸の差ができているということを埋めることによりまして、この退職年次別の格差を埋めていこう、こういう考え方でございます。
○山本(弥)委員 そうしますと、一応七十歳以上のお年寄りに対しましては、まあ、退職時ということばが当たるかどうかわかりませんが、過去の格差が四号俸のアップによって解消されたということは言えるわけですか。
○海老原説明員 おっしゃるとおりでございます。
○山本(弥)委員 そうしますと、スライド制に移行する前に、たとえば五十五歳で退職した人が七十歳になるまで、あるいは六十歳の人が七十歳になるまでの十五年ないし十年という間の格差が解消されていないとすれば、これは七十歳にならなければ解消されないわけですから、スライド制に移行する前に、何らかの措置によって、その間の格差を解消しなければならぬのじゃないか、かように考えるわけでありますが、この点、自治省のほうからお聞きしたいと思います。 なお、参考までに、三十七年度ころの退職者と四十六年度の退職者との格差というものはどのくらいになっておるか、その点をお聞かせ願いたいと思います。
○佐野説明員 三十六年度の年金受給者の平均額でありますが、地方職員共済で申し上げますと、一人当たり二十万九千五百円になっております。これが、四十六年度では、先ほど申し上げました五十七万七千五百円になっております。
○山本(弥)委員 相当な格差になっておるわけですね。この格差の数字をお聞きしたのでありますが、私の申し上げるのは、七十歳までの間のスライド制移行ということを早く措置願うとするならば、移行になってからは是正はできないわけでありますから、むしろ、自動スライド制に移行する前にできるだけこの格差の解消をはかっておきませんと、法律の規定あるいは細部は政令に委任されるにしても、整理によって自動的に仮俸給になりますか、もとのになりますか、年金額のもとが変わっていく、あるいは年金額そのものが変わっていくのじゃないかと思いますが、それをどういうふうにお考えになっておりますか。
○植弘政府委員 今後検討させていただきたいと思いますが、いまのところ、直ちにそれの解消策をどうこうということは考えておりません。
○山本(弥)委員 検討はしますが、ただいま考えていないというのは、ちょっと答弁になりませんね。最近やめられた方、四十七年あるいは四十六年にやめられた方は、年金が賃金にスライドして、上のほうと下のほうとで違いましょうけれども、ある程度まで妥当な線で、まずまず現実の生活に見合った年金をもらえる。しかし、いま現実にお年寄りで不安な状態にある方々の格差を解消するということについて、検討はするが、何をどうやりたいというような方法は考えておらぬというのは、あまりに冷淡過ぎやしませんか。こういう方法があるのでこの点を考えるとか、この点は吟味するとか、何かお考えにならぬと、格差を解消しますだけでは、大臣の御答弁を要求すれば、努力をいたしますということになるのでしょうけれども、事務的には、何とか格差を解消して、スライド制に移行するなら移行するということにならなければならぬ。これは確かに自治省だけではきめかねる問題で、御答弁を要求するのもちょっと気の毒なような気がしますけれども、しかし、方向としては何か考える、こういう方法もあるとか、ああいう方法もあるとか、難点もあるとか、何か御答弁にならないといかぬのじゃないですか。
○植弘政府委員 いま山本先生が御指摘のように、いろいろと関係もあるわけでございますが、昨日来いろいろと御論議いただいておりますように、年金の問題につきましては、水準アップの問題なり、いろいろな問題がたくさんございます。したがいまして、昨日来、私どもも、そういうものを真剣に検討するということを御答弁しているわけでありますが、そういう全体的な年金制度をどのように改善していくかという中の一つの要素として、今後十分検討いたしたい、こういうふうに考えております。いまどういう方向でどうという案がございませんので考えておりませんと舌足らずで申し上げたわけでありますが、御了承いただきたいと思います。
○山本(弥)委員 おそらく、七十歳以上の場合は、国家公務員が三十四年から発足しており、地方公務員の場合は、現行制度は三十七年から発足しており、その間に開きがあるので、四号俸アップについても手かげんを加えるのでしょう、政令で。段階をお設けになりますか。四号アップを一斉におやりになる意思はないんでしょう。
○植弘政府委員 その点に関しましては、昨日も考え方を申し上げましたが、ある程度年次を入れまして段階的に考えざるを得ないだろうと思っております。
○山本(弥)委員 そういうことであれば、七十歳以下の方にも、七十歳になるまでの何らかの格差是正の方法をお考えになるべきじゃないかと思います。この点は大蔵省にも要望いたしておきますが、財源関係もあろうかと思いますけれども、余命から言いますと、七十歳というよりも、六十歳からの余命というのは、働く能力がある人はいいわけですが、働く能力のない者は、いわゆる老後の不安な時期が長いわけなんですね。そういう方にも早く七十歳以上の方と同じような格差解消という措置をとらなければいかぬと思いますね。ですから、何らかの方法で来年度改正に盛り込めるように、これは論議いたしておりますとお約束の時間を超過いたしますので、これ以上詰めませんが、どうかひとつ十分その点を早急に検討願いたい。大臣いかがでございますか。検討していただけますか。
○江崎国務大臣 御指摘の点、よく検討いたします。
○山本(弥)委員 次に、最低保障額ですが、これもすでに論議し尽くされた問題でありますが、新法によりまして、十五万円の最低保障額が三十万二千四百円。これは修正によりまして三十万二千四百円をこえることになると思うのですが、この十五万円も、厚生年金に基準を置いているわけですね。固定額、あるいは報酬比例額、あるいは扶養加給というような額に基準を置いて十五万というのが出ているわけなんですね。同じ厚生年金に基準を置いた恩給法の適用を受ける者、これらは全然据え置きになっているんですね。六十五歳以上は十三万四千四百円ですか、六十五歳未満は十一万四百円、これは非常に不合理であると思いますが、これは総理府にお尋ねしますが、どういうことでございましょうか。
○海老原説明員 恩給では、先生御指摘のとおり、従前から十三万四千四百円あるいは十一万四百円という最低保障がございまして、いまもそのまま続いております。この最低保障は、恩給法のほうで申しますいわゆる長期在職者、つまり、最短恩給年限以上つとめた方の最低保障額でございまして、恩給受給者の大部分は軍人恩給でございますが、軍人恩給のうち、九六%を占めますのが短期在職者。軍人恩給は十二年ないし十三年で恩給年限になりますけれども、実際在職の間に年限に満たないというような方、こういう方々に対する恩給が軍人恩給の九六%でございますが、これに対しては最低保障という制度がございません。従前は十三万四千四百円ないし十一万四百円という最低保障によって、短期在職者に比べて長期在職者が若干よくなったわけでございますが、その差は若干でございました。今度、これを、厚年の引き上げに合わせまして、厚年が倍に上がり、さらに国会修正されましたわけで、いわば二十八万八千円あるいは二十四万円というような額になるわけでございますが、これに直ちに合わせるということになりますと、いまの制度のまま金額だけ直すということになりますと、短期在職者と非常な差が出てくる。短期在職者は、今度の恩給法改正によりまして引き上げられまして、軍人恩給の大半を占めるのは兵でありますが、兵隊さんの恩給は十一万六千五百三十四円というような額でございまして、非常に差が出る。この差を何とか考えねばならぬという問題が一つあるわけでございます。 それから厚生年金が引き上げられますときに、従前から恩給では一年おくれで引き上げるということが通例になっておりますという点もありまして、十分な期間をかけて検討いたしまして措置したいということで、今回は措置いたさなかったわけでございます。
○山本(弥)委員 恩給法の適用を受ける文官ですが、昔の文官は戦時中に非常に苦労しているわけですね。あのときは超勤なんかもありませんし、悪い待遇で非常に苦労しているわけです。そして、しかも、最低保障額が厚年に合わせているわけですね。同じ新法の適用を受けるいわゆる共済年金、これも大体十五万と十三万との開きはやはりあるわけですけれども、これは加算するのを加算していないだけのことですが、それにもかかわらず、苦労した旧文官が、一方は厚生年金の最低保障額といいますか、それに合わせて上がり、一方は全然上がらないというのはひど過ぎやしませんか。いま軍人の問題をお話しになりましたが、内閣の論議もほとんどこの問題に集中しておりますし、わが党の大出議員のごときは、この問題だけで延々三時間にわたって論議しておりますので、私、よく事情は承知しておりますけれども、これは、従来、同じように厚年に合わせながら、今回の倍額のときには、古い、相当の年配だろうと思いますが、古い年配の人たちがそのまま据え置かれる。いわば、年金がやかましくなったのは、いまのインフレ下におけるいろいろな意味もありましょうし、実質価値の維持とか、いろいろなこともありましょうけれども、実際は、老後の保障にどう重点を置くかということがお年寄りの方にとっては肝心なんですね。いまわれわれが年をとって、インフレ下において困っているのが幾ぶんでも年金で救われるんだということ、各党のねらいもそこなんですね。実際は気の毒だということですね。それが軍人恩給との関連で、金額が、財源上の問題もありましょうけれども、非常に不合理だと私は思うのです。 なぜ私がこれを申し上げるかといいますと、当然、これは地方公務員にもあるのですね。府県の職員にもありますし、市町村の職員にもある。そういう人が、同じように、これは条例で、当該府県なり市町村から支給を受けていると思うのです。それらが同じように据え置かれておるということは不合理だと思います。これは、大蔵委員会におきましても、内閣委員会におきましても、配慮するという一応の答弁がなされたと思うのであります。 私はここでもう一ぺんお聞きしたいのですが、主計局次長にもお聞きしたいのですが、これは何とか早く来年度是正してもらいたいし、そして、地方公務員のそういったまま子扱いされている人にその問題を及ぼしていただきたい。これは条例をつくりますけれども、自動的にそれの適用に右へならえするわけですからね。最も気の毒な恩給年金、この中には、吏員ばかりじゃありませんし、昔の雇員なんかもいるのですね。そういった者がそのまま据え置かれているのは非常に不合理だと思います。これはぜひ配慮願いたいが、辻次長、この点について何かお考えがありますか。そして、そのあと大臣からお考を聞かせていただきます。
○辻政府委員 共済制度におきまして、旧法の分の最低保障と申しますか、定額保障と申しますか、これを据え置きましたのは、これは、旧法制度が、御承知のように、官吏における恩給制度に相当する年金制度でございまして、どうしても恩給との均衡をとらざるを得ないという関係がございますので、恩給にならって今回は見送ったわけでございます。 恩給のほうでなぜ見送ったかと申しますのは、いま恩給局から説明がございましたように、この定額保障の対象になります長期勤続者とその他の者とのバランスとか、あるいは他の恩給と申しますか、公務扶助料とのバランスもあろうかと思うのでありますが、そういういろいろな問題から今回は見送ったわけでございます。来年度あるいは今後の問題につきましては、共済制度といたしましては、恩給との関連を考慮して、それを見ながら対処してまいりたいと思います。
○江崎国務大臣 だんだん国も豊かになってまいったのですから、そういった旧法と現在の共済制度、これなどの不均衡が極力詰められることが望ましいと思います。それぞれバランスの問題等もありまするから、私が申し上げるほど簡単じゃないかもしれませんが、十分この点については配慮しまして、今後も努力いたします。
○山本(弥)委員 自治省におかれましても、そういった昔の地方公務員、恩給法の適用によって最低保障額で据え置かれているという人が、府県あるいは市町村に何人いるか、人員の把握はしておられますか。
○佐野説明員 共済法の年金のうちで旧法の適用を受けた人、これは、国の旧法の人と旧市町村共済法の人、この適用を受けた人員については把握しておりますけれども、府県あるいは市町村の退職年金条例の適用を受けた人たちの額、これについては把握してございません。
○山本(弥)委員 どうか、その人員等もお調べになってもらいたい。自治省の所管ではないのだという考え方でなくて、それは条例で、府県にしても、市町村にしても、恩給法の改正があれば、そのまま引き写しでやれという自治省の指導がなされると、そのままやるわけなんですよ。ほんとうに戦時中に苦労した方が、府県につとめ、市町村につとめ、その後地方公務員の共済法の適用を受けないできて、民間へ出て失敗をしたとか、そして、わずかな恩給に据え置かれているということは不合理だと私は思います。これは何としても、自治省も総理府と一緒になって、この最低保障額の不合理是正に御努力を願いたいと私は考えます。この点はぜひよろしくお願いいたしたいと思います。 ことに、私どもは、三十万何がしの金額については不満であります。二万五千そこそこで保障されているとは思えないわけです。一方、これはすでに論議された問題でありますけれども、たとえば二三・四%上がりますね。その場合に、最近の人は、下のほうの人は二三%四でありますが、上の人も二三%四ですね。しかし、過去の俸給のベースアップは、この点はきわめて事務的なことですけれども、上のほうの官吏はベースアップは二年、その以前からでも薄いのですね。下が二三%上がるときは上は二三%上がっていないのですね。それが、年金の場合は、画一に下も上も二三%を掛けるのではないか、それを差別をつけるのはめんどうな操作が要るでしょうから。そうしますと、十分過ぎるというとおかしいけれども、まず生活ができる。それがずっと現職の賃金にスライドしていくわけですね。そうしますと、昔のいわゆる官吏といいますか、地方公務員といいますか、地方吏員といいますか、そういう方々が年額十三万で据え置かれている。月額じゃありませんよ。そういう不合理は配慮してやらないと、大臣は社会保険と社会保障を区別しておられますが、かりに恩給の場合、これは全額を国が持つでしょうから、あるいは地方公共団体が持つので、過去に納付したやつの見返りで社会政策的なものでしょうけれども、これは社会保障としても見ていいのじゃないか。両方相まって運用するのだという大臣のさっきの御答弁から言いますと、私は社会保険に偏重することは反対でありますけれども、これはどうしても社会保障的にそういう方々を見てあげなければいけない。この点は十分関心を持っていただきたい。直ちに来年度実行できるかわかりませんが、おそらく、この三十万は、年金を充実するという長期計画から言っても上げていかなければならぬときに、こういう方々がいつまでも下積みで残されるということ、これはまことに不合理だと思います。十分御配慮願いたいと思います。 それから、これはもうすでにつきましたので議論いたしませんが、地方公務員の十万円以下は、府県の職員あるいは市町村の職員とも、厚生年金より多少最低保障額を増額することによって十万円がもっと上になろうかと思うのですが、それが厚生年金と、十万円をこえないとカーブが下になるのですね。沈むわけです。これは厚生年金のほうに入っておったほうがよかったという感じも抱かせるわけですね。平均いたしますと、厚生年金は、共済年金を一〇〇としますと六割か七割かと言われているわけですね。その一事だけでも共済年金のほうが少し恵まれているわけですね。そういう体制の中で、十万円以下でやめる方は厚生年金より沈んでくるわけですね。いま、私どもの市町村を見ますと、退職のときに十万円というのは少ないということは大臣も御想像がつくと思いますね。これからもそうだということなんですね。これからも十万円以下であれば、厚生年金のほうが優遇されるのだということですね。この数字も、先ほど、私どもの小川委員なり、林委員から、数字も把握していないのだということの質問がなされましたが、私も同感なんです。十万円以下の人が低いということ、そのパーセントが四八%、半分いるという実態は、何とか是正することをお考えになっておりますか。
○江崎国務大臣 これは何べんも答弁申し上げましたように、今回は間に合いませんでしたが、当然是正しなければならぬものと考えております。したがって、通常国会までには不均衡を是正してまいるつもりであります。
○山本(弥)委員 行政局長なり公務員部長は、是正法をどういうふうにお考えになりますか。
○林(忠)政府委員 今年、厚生年金が大幅に改正になりましたことに伴いまして、すぐ、共済年金については、そのことが問題になりまして、関係当局が相当ひざを詰めて打ち合わせをいたしました。ただ、ことしについては、さっきも辻次長から説明もありましたように、全体のレベルは必ずしも低いとは言えないとか、あるいは、五十五歳、六十歳の支給年齢の開始をどう判断するかとか、その辺の議論がだいぶ時間的にも長くかかりまして、具体案としてなかなかいい案というものが浮かばなかったわけです。一つには、十万円以下の者については、厚生年金方式と共済と両方で計算してみて、ひとつ高いほうをやったらどうだという、言ってみればきわめて単純な案も出た。ある意味では、急場しのぎの一つの案でしょうが、両方の体系が違うものですから、この部分が低いという問題を、財政当局も私どもも十分意識しながら、今回は、全体の引き上げの二三%という大きな改善の陰に隠れまして、結論を得るのが間に合わなかったというのが正直なところでございます。 そこで、いまの方式は単純に思いつく一番簡単な方式でございまして、これよりももう少し理論的にも納得がいく方式というものを少なくとも来年度までには考えて、よく財政当局とも詰めて話し合いを続けていきたいと存じております。
○山本(弥)委員 当面直ちにやる方法は、やはり町村の給与水準が低いということですね。そうお思いになりませんか。 もう少し一緒にお聞きしますが、ですから、こういう恵まれない方、おそらく、これは幹部職員でなくて、下積みで耐えて長年やった人だと思うのですね。その待遇をよくしなければならぬ。少なくとも、やめるときには十万円をこすということによって、厚生年金との均衡がやっと保たれると思うんですね。あるいはカーブが多少上昇ぎみになる。すべての人が十万円をこすという体制をつくるということが先決問題ですね。このためには、大都市とか市の給与体系をやかましく言われるわけてすね。あるいは期末手当——私は、市長をやった経験で申し上げたいのはこういうことなんですが、だから、ある現象だけをとらえると不公平だ。町村によっては、いろいろな意味で下積みになっている人もあるので、せめても期末手当だけをその人たちについて考えてあげる。そうすると、交付税で切られるわけですね、国家公務員からちょっと上積みしますと。そのことは別にまた議論して、来年三月の特交の際には折衝したいと思いますけれども、これをとってみましても、やめるまぎわの人が、過去掛け金をかけてきて、厚生年金より少ない年金しかもらえないというような実態は、いかにも私はみじめだという感じすら持ちますね。 ですから、給与休系を洗い直すことが当面必要なんですね。やめるときには、これは過去三カ年の平均なんですが、その場合、退職勧奨その他で昇給を認め、それらが退職金の対象になるとか、とりあえず洗い直して、便法を講じて、法の改正を待たぬでも、ことしすぐやめる人、来年やめる人は、厚年との差のあるこういった十万円以下のみじめな人は救われるということをおやりにならぬと、考えておるだけでは解決がつかないと私は思うんですよ。いかがですか。
○林(忠)政府委員 山本先生、そこには多少私のほうで異論がございます。町村の給与水準が、確かに、現在、都市、府県に比べればまだ低いことは間違いございません。ただ、この差は、実は急激に詰まってきております。毎年私どものほうで給与実態調査をいたしますが、ことに最近の町村の傾向としては、いま当面問題になる退職に近いお年寄りのほうはまだ低いですね。ところが、わりあいと新しく採用した人というのは、もう府県のレベルを越えている。平均的な意味でございまして、越えているというのは言い過ぎましょうが、完全に国家公務員あたりのレベルには近づいてきております。だから、これはどこに原因があるかというと、レベル全体が低いのではなくて、実は、町村の職員の場合は、学校を卒業してすぐ入ってずっとつとめるという人よりも——よりもというか、案外、途中で入られて、それでもって退職前の期間の短い方が多い。そういう面で、いまの四八%厚年レベルよりも下がったということが起こっております。ですから、町村の給付水準を上げる努力はもちろん十分いたすつもりでございます。しかし、それだけでは問題が解決しないんで、そういう町村の職員の特殊な構成ということから言えば、いまおっしゃった、ほんとうに共済年金のワク内で厚生年金とのバランスをとるような知恵を出さなければ、どうも根本的に解決できないという気もいたします。ラスパイレス方式、つまり、学歴と経験年数別の比較方式でやれば、町村はいまや国に迫りつつある。確かに、数年前はだいぶまだ低かったのでございますが、その点はずいぶん改善はできておりますので、もちろんおっしゃる点も問題の解決の一助ではございますけれども、やはり、根本的なことは、私は、共済の体系の中で厚年との調整をとらなければいけないと思っております。
○山本(弥)委員 私は一、二の対策の例を申し上げたのですけれども、これはあらゆる角度からお考え願いたい。それによって職員が安易な気特ちになってはいかぬと思いますけれども、退職まぎわの人が二、三年前から不安な状態に置かれるのは、これは人情ですね。それで年金が人並みにもらえないという実態に追い込むという制度は避けるべきである。そのためには、本人も奮起して、たとえば定年まぎわ、あるいは退職勧奨を受けるまぎわで、全力を尽くして老後を安定できるような組織の仕組みを検討して、情実でなく、温情でなく、組織的に解決をつけてやるべきだ、こう私は思いますので、これは来年になってまたどうせ論議になると思いますが、それまでに十分事務的にも御配慮を願いたい。ことに、大臣には、政治的に御努力を願うことをお願い申し上げます。 次に、わざわざ主計局次長さんにもお残りを願ったので……。私どもは、いまの時代に、いわゆる積み立て方式よりも、賦課方式に切りかえるべきだという主張をいたしておるわけであります。私どもの野党四党の出した法律改正案もそのことを織り込んでおるわけであります。私、一応、大蔵委員会の、この問題についての辻次長とたしか塚田君との問答を読んでおるわけでありますが、来年が計算をかえる時期なんですね。すでに、不足責任準備金といいますか、これが——まあ長く論議をしておりませんので、論議をしておる数字をちょっと拾ってみましたら、前の計算がえの時期、四十四年のときですか、このときに九百億あった。したがって、来年の四十九年になるとこれは相当増額になるのではなかろうか。まあ、不足が出る見通しは御答弁になっていなかったようであります。これは時間の関係でそう詰めないわけでありますが、いわゆる積み立て方式というものは、もうこれ以上は不足であるから、さらに計算をし直して——これは毎年べースアップ分の財源はあわせて改定しなければならぬわけですね。不足が生じてくることも事実でしょうし、あるいは運用金の運用につきましても、かりに五分五厘が六分五厘になり、七分になるにしても、なかなかカバーできない。さればといって、積み立て金も、どんどん増額して将来に備えるということも不可能だと思うわけです。そうしますと、国民所得に対する社会保障を充実していくということであれば、そういった振替所得の比率等も、当然国の予算で、福祉予算というからにはふえるべきである。かように私は考えるわけでありますが、ある程度までもう積み立て方式は変えていかなければいかぬ、そして年金の充実をはかっていくべきである、かように考えるわけであります。 数字的にお聞きしますが、地方公務員の場合はどのくらいの不足が生ずる見込みでありますか。大蔵省の御答弁と歩調を合わせる意味で聞きますが、四十四年末の不足額、あるいは来年の再計算期のときに出てくるであろう不足額、これはどのくらいになりそうですか。
○佐野説明員 私どものほうの共済組合では、一部の組合はコンピューターを入れております。あとは手計算でございまして、現在、その作業を進めておる段階でございます。ことしの秋ぐらいになればそのめどがついてくるのではなかろうか、このように思っております。
○山本(弥)委員 そうすると、積み立て方式をどういうように変えていくかということについて、そして、年金を充実していくんだということについて、次長さんなり行政局長さんからお聞かせを願いたいと思います。
○林(忠)政府委員 たいへん数字的にむずかしい問題でございまして、実は、私もよくわからないくらい財源計算というのはむずかしい問題のようでございます。ことしの秋ぐらいに、いわゆる理論的な不足額というものは出てくるようでございます。従来の方法をまともにとれば、理論的不足額をカバーできるような財源率の再計算をして掛けていく。それが一番安易なといいますか、従来のベースの上に乗った方法であると思いますが、その場合に、どのくらい財源率計算でよけい取らなければ、掛け金を上げ、負担金を上げなければならないものが出てくるかという、その数字による点が多分にございまして、ある程度カバーできるなら、従来の方式で、さらに安定性を増すためにそれをやっていきたいけれども、こういう事態において出てきた財源率があまりにも多額であるという場合には、その対策をさらに考えていかなければならない。 昨日も御質問がありましたような賦課方式に移行するかしないか、たいへんむずかしい問題でございます。直ちに移行するということはとても踏み切れるものではございませんけれども、賦課方式についての検討というものも、そういうものに備えて十分にやっておかなければいけないという考えで御答弁申し上げた次第でございます。ですから、要は、ことしの秋に出ますその再計算の数字の結果によって具体的対策を考えていかなければいけない、こう考えておる次第でございます。
○辻政府委員 年金の財政方式についていろいろ御議論がございますし、御指摘をいただいておることは十分承知しております。ただ、この問題を考えます場合に、一番根本になりますのは、わが国の年金制度を含めまして、未成熟の状態であるということではないかと思います。たとえば国家公務員共済組合の例で申しますと、現在、組合員数に対しまして年金をもらっている者、特に、退職年金をもらっている者の数の比率を出してみますと、一二%ぐらいでございます。地方公務員共済組合の場合には、おそらく一〇%程度だろうと思いますが、諸外国におきましては、御承知のように、大体二割から三割近くになっております。それだけ制度として未成熟でございますので、いま直ちに賦課方式に切りかえますと、現在は確かに低い負担で高い給付を受けることができるのでございますが、将来は負担が非常に過重になってくるというようなことが考えられまして、世代間に非常な負担のアンバランスが生ずるという問題がございます。そこで、長期にわたる年金財政の健全性という見地から見ますと、いま直ちに賦課方式に変えるのは問題があるというふうに思うわけでございます。 それから、もう一つつけ加えさしていただきますならば、共済年金の場合には、保険の集団が非常に小さいわけでございます。厚生年金のような保険でございますと、被保険者の数が二千二百万というような膨大な数でございますが、共済制度の場合には、国家公務員の場合は、連合会でも七十万余り、一番小さいグループになりますと、二千人足らずという保険の世帯もございます。そういうところでは、やはり、積み立て方式を中心に考えていかざるを得ないという保険数理上の問題もあると思うのでございます。いろいろ御指摘をいただいておりますので、私どもといたしましても検討いたしますが、現在の段階で賦課方式に直ちに切りかえるのは無理があるというふうに考えざるを得ないのでございます。
○山本(弥)委員 私どもも賦課方式を主張はいたしておりますけれども、直ちに完全な賦課方式、単年度賦課方式でやるというようなことは、やはり十分検討はしなければならぬというふうに私個人は考えております。しかし、いまの経済情勢、政治情勢のもとで、問題は、将来の、いまの若い人が年金を受給する場合どうのこうのというよりも、むしろ、現在の老人層を、社会保障的にその生活の安定をどうはかってやるかという過渡期にあるんじゃなかろうかと思うのです。そのためには、賦課方式を採用することのほうが、いろいろな社会政策、福祉政策を進める上において必要ではないか、かような考えを私自身はしておるわけであります。この問題については、いろいろな年金制度の充実という意味におきましては、早晩問題になってくるんじゃないかと私は思います。どうか十分検討していただきまして、附帯決議等にもあげておりますように、賦課方式を含めて、十分早急に検討を願うということをお願い申し上げておきます。 だいぶ時間を超過いたしましたので、あとは確認程度に、問題の結論だけを大臣から聞かしていただきたいと思いますが、第一点は、短期給付制度を共済制度発足のときにやったので、健保を実施した団体が、その後共済のほうに移行した団体もあるやに聞いておるわけでありますが、しかし、いま急には短期を統合するわけにはいかないという団体も、また、統合しないという方針でいっている団体もあろうかと思います。その場合の福祉事業を実施する道を開くということについて、これは早急に実施願いたいと思うのでありますが、来年度あたり法改正をいたしまして、そういう道を開く意思がおありかどうか、お聞かせ願いたいと思います。
○林(忠)政府委員 できるだけそういう方向で検討を進めるつもりでございますが、先ほどお答えいたしましたように、行政の公平性ということと、現実に財源があるのを使わせないという不合理をどこで調和させるかの問題でございますので、もう少しおまかせをいただきたいと思います。
○山本(弥)委員 次に、昨年これは論議したのでありますけれども、短期給付の掛け金率が非常に高い団体があるので、これに対しては、ある程度一定限度を越えるものについては何らかの財源措置を講ずる、こういうふうな答弁をいただいたわけであります。これの現状はどうなっておるのか、あるいは財源措置をお講じになる意思があるかどうか、伺いたい。
○林(忠)政府委員 そういう事例がありまして、準備も十分整いましたところが、幸いにと申しますか、受診率の関係で、一定の標準以上に高い団体がなくなりまして、そこで具体的な財源措置を講じたケースは、秋田県とか青森県あたりがそういうことになっておりましたけれども、なくなりましたものですから、準備と意思はありましたけれども、現実的にはまだその該当例が出てきておりません。
○山本(弥)委員 多少引き締めを強化したのではないでしょうかね。 次に、長期給付に要する財源措置の問題でありますが、これは各委員から十分論議された問題でありますので、いろいろ、地方公務員につきましては、交付税云々というようなことですけれども、これは、来年度あたり交付税の税率を含めて洗い直さなければならぬ時期だと思うのですが、何でもかんでも交付税というわけには、いまの地方自治体の現状からいきますと、もっとはっきりしなければいかぬじゃないかと思われますので、こういったものは、国庫負担の増額も含めまして国が配慮しなければならぬじゃないか、かように私は考えるわけですが、いかがなものでしょうか。
○林(忠)政府委員 公的負担率の問題は、この前お答えいたしましたように、厚年との調整をはかりたい、その方向で財政当局と折衝したいと思います。私学、農林あたりがすでに十八にまで上がっておる現状を踏まえて、はたして十五でいいかどうかというのは、財政当局の辻さんのほうには別の御意見があろうかと思いますけれども、私のほうは、そういうような国庫負担の導入につきましては、実はたびたび各委員にお答えしておりますけれども、十年前にたいへんな議論をやってできたいまの体制というものは、必ずしも不合理ではないし、有利な面もあるという気がしておる次第です。
○山本(弥)委員 どうも早口で御質問申し上げたわけでありますが、まだお聞きしたい問題もあるわけですが、お約束の時間が参りましたので、最後にお聞きしたい問題は、遺族年金の範囲の中で、妻の立場の問題です。これは、多年要望いたしまして、四十六年の共済組合法の改正の際に、生計の維持云々がなくなって、妻の場合は、妻自身が自立しておっても遺族の範囲に入るという改正をいたしました。今回、遺族年金の受給資格の十年が一年に、これは厚生年金に比較いたしますとまだ半月ほど差がありますが、改正になり、この機会に、妻の地位が、退職者と生計をともにしておるという場合でなければ遺族の範囲に入らぬというようにまた改悪されたわけですね。長い間生活をともにした配偶者というのは、われわれの観念から言うと妻の立場になるわけですが、逆の場合もあろうかと思います。税金の場合も、所得を足して二で割って、おのおの課税すればいいじゃないかという議論も出ているくらいで、あるいは相続税の場合も、妻の場合は特別扱いをしておるということから考えまして、妻の立場を理屈で割り切らぬように、従来どおりに、生計の維持に関係のあるなしにかかわらず、妻は遺族の範囲に入れるという配慮が必要じゃないか。これはどうして改正になったのか。妻の立場が見直されておるときに、ちょっとひど過ぎやしないかという感じがいたしますが、これはどういうことで改正になったのでございましょうか。
○林(忠)政府委員 従来の妻の立場は、実は何ら侵さない、そのままでございまして、十年を一年に下げた、その範囲のものについて、いま御指摘のような制限が入った改正案を御審議願っておるわけでございます。したがって、従来の一種の既得権的なものを侵したということではないわけでございますけれども、妻というものをどう考えるかということについては、御指摘の点に触れる問題でございます。これは、妻がばく大な収入を得ているという持別な場合は別としまして、運用上ほとんど心配がないようにということで、事務当局間の話は十分ついておることでございますので、運用上はそう問題はないと思いますが、これを今後どうするかについては、さらに関係当局とも十分話をしたいと思います。
○山本(弥)委員 あれは、遺族の範囲として妻がどういう立場に置かれるかという、妻の立場を規定している規定なんですね。ですから、この改悪をまたいい方面に改正するように、今後御努力を願いたいと存じます。 どうも長い間ありがとう存じました。
○上村委員長 以上で、内閣提出にかかる地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案及び昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案に対する質疑は終了いたしました。 次回は、来たる十日火曜日、午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時十五分散会