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71回国会衆議院1973/06/07

地方行政委員会 第27号

発言数
165
登壇者
16
会派数
3
開催日
1973/06/07

会議録

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 これより会議を開きます。  内閣提出にかかる地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律案及び山口鶴男君外十九名提出にかかる地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。愛野興一郎君。

愛野興一郎自由民主党

○愛野委員 地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律案につきまして若干の質問をいたしたいと思いますが、きょうは大臣がお見えでございませんので、二、三、大臣に対する質問を保留をいたしまして、副大臣として信頼をいたしております政務次官にできるだけ質問いたしたいと思います。  まず、第一番目に、質問の前提となります陸上交通の現状について、運輸省並びに自治省の御見解を聞いておきたいと思いますけれども、御承知のように、四十六年度決算におきましては、公営企業はもとより、累積欠損の総額あるいは不良債務の額も膨大な額にのぼっております。のみならず、民営の陸上交通におきましても、運輸省で路線バスの原価計算対象事業者を毎年百十七あるいは百十八社を抽出して調べていただいておりますものでも、四十五年度におきましては、営業利益が五七%、損失が四三%であったのが、四十六年度ではそれが逆転をいたしておる。こういう運輸省の調査の結果でもわかるわけでございますが、すなわち、損失が五八%、利益が四二%。こういうふうに、公営、民営を通じて陸上交通が非常な赤字になってきておるということは、三十年代以降の陸上交通の現状というものが、道路運送法等を制定いたしました当時ともう非常に変わってきておるということだと思うが、運輸省並びに自治省はどういうふうにこれを現状認識をし、把握をし、そして当たっておられるのか。そういう見地から、まず、陸上交通の現況をお聞きいたしたいと思います。そうして、その現状を踏まえての公営交通の果たすべき使命といったものにつきまして、運輸省並びに自治省から御見解をまず聞いておきたいと思うわけであります。

森岡敞自治大臣官房審議官

○森岡政府委員 民営、公営合わせました都市交通の実態につきましては運輸省のほうからお答えいただくことにしまして、私どものほうから、公営交通事業の実態、それから公営交通事業の果たすべき役割りなどにつきまして、簡単に申し上げたいと思います。  昭和四十六年度におきまして、公営交通事業を経営いたしております団体は六十団体でございます。輸送人員で見ますると、全国延べでいきますならば、軌道、鉄道で総人員の九%、バスで約二〇%でございます。しかし、これは、三大都市圏で見ますと、たとえば名古屋地区では四六・六%、大阪地区では二八・七%というふうに、三大都市圏になってまいりますと、公営交通の輸送シェアというものが非常に大きくなっておるというのが実態でございます。  経営の状況でございますが、御指摘のように、諸条件の変化によりましてたいへん悪化をしてまいっております。四十六年度の公営交通事業の決算によりますと、総収益が千三百九十三億円、総費用が千八百九億円であります。純損失が四百二十億円に達しております。全体の事業のうち約八割が純損失を生じておるわけであります。このようなことを反映いたしまして、累積欠損金は四十六年度末で千九百二十九億円に達しております。このうち、東京都及び横浜以下の五大市の分が千七百五十九億円ということで、非常に大きなウエートを占めております。料金収入に対しまして、その累積欠損金の額は、東京都及び五大市では、料金収入の二・三六倍というふうに膨大な累積欠損金をかかえるに至っております。  このように立ち至りました理由につきましては、企業内外の諸要因が非常に影響いたしておるわけでございまして、企業外の要因といたしましては、申し上げるまでもないことでございますが、都市の構造の変化、職住の分離というようなことで、だんだん都心部がドーナツ型化してまいります。しかも、道路の混雑が著しい。公営交通は、相当部分都心部の交通を受け持っておりますので、そういう影響を特に顕著に受けております。さらにまた、地下鉄をはじめといたしまして、資本費の高騰が著しい、また、バスにつきましては、人件費の上昇が著しい、かようなことが相重なりまして、経営が非常に悪化をいたしておるわけでございます。しかし、今後の公営交通の果たすべき使命というものを考えますと、何と申しましても、都市交通は、都市の各種の施設と一体をなしまして、都市機能を果たす一環をになうというものでございますから、やはり、都市計画なり、都市施設の整備につきまして第一義的な責任を負っております地方公共団体が都市交通についての大きな責任を持っておるんじゃないか、かように思うわけでございます。  かてて加えまして、先ほど来申しておりますように、都心部におきます交通を考えてみますと、諸条件の悪化によりまして、採算の維持がきわめて困難になっております。また、地下鉄につきまして、膨大な先行投資が必要でございます。そういうことから、都市交通についての企業としての経営の妙味がだんだん失われてきておる。そういたしますと、どういたしましても、これは、民間企業による都市交通の確保ということにはおのずから限度があるというような状態になってまいるのではないか。さらに、地域住民の日常生活に不可欠な都市の交通の確保でございますから、どのような手だてを講じても足の確保ができないということになりますれば、どういたしましても、地方公共団体が何らかの措置をとるということは当然のことになってまいります。そういう意味合いにおきまして、今後、非常に困難な経営状況ではありますけれども、公営交通の都市交通において果たすべき役割りというものはむしろ重要性を増してまいる、かように考えております。

愛野興一郎自由民主党

○愛野委員 都市交通あるいは過密過疎を通じて、今日、交通構造の変化によって、過密は人口並びに産業のたいへんな過度の集中、過疎がその反対現象で、あまりにも乗車人員あるいは乗車密度が減ったというようなことで、経営的には、公営民営を問わず非常に憂慮すべき経営現況になっておる。同時にまた、これは、たとえばコストの中にも、物価の上昇あるいは人件費の暴騰等も大きな経営努力以外の要素として当然考えられていくでありましょうし、あるいはまた、非常なる交通機関の発達、激増によります道路と車との需給の不均衡といったものが、新しい三十年代以後の交通構造の変化によって——道路運送法第一条に掲げてある目的というもの、すなわち公共の福祉を増進することを目的とするためにこの交通事業というものがあるわけであります。したがって、少なくとも、社会的な面あるいは行政的な面における、どうにもできないような面については、公営企業、民営を問わず、やはり、これは、何らかの国としての手だてを講じていただかなければならぬ、こういうふうに私は考えるわけであります。  そこで、昭和四十六年の十二月十七日に、総合交通体系というものを経済企画庁から発表されたわけでありますが、これが具体的にその後どういうふうに生かされておるのか、あるいはまた、これに基づいて今後どのような具体的な施策を講じていかれるのか、この点についてお伺いをいたしたいと思うわけであります。

原田昇左右運輸大臣官房審議官

○原田政府委員 お答え申し上げます。  ただいま御指摘のございましたところの、一昨年の十二月に政府で決定いたしました「総合交通体系について」という方針がございますが、この総合交通体系に関します文書は、一応、関係各省が従来いろいろ交通問題について取っ組んでまいりましたものを総合的にまとめました総合交通体系に対する考え方であります。  これによりますと、内容は非常に膨大でございますが、一番基本的な考え方といたしましては、今後の交通体系を考えていく場合に、利用者の選択と交通機関の特性を考慮しつつ、さらに、現在の社会的な制約がいろいろございますが、そういったものを考慮しながら、望ましい一応の交通機関の分担関係を想定いたしまして、それに向かって交通機関の役割りを最大に発揮し、かつ、有機的にそれらを組み合わせていくために、そういう役割り、分担に従って、政府が各種の施策をもってこれの調整、誘導をはかっていくということが望ましい交通体系の形成であろうという考え方であろうと思います。  それについて、たとえば大都市交通につきましては、具体的に申しますと、公共交通機関にできるだけ需要を調整、誘導していったらどうかという考え方が出ておりまして、それに基づいて、私どもは、公共交通機関の整備を積極的にはかっていくと同時に、自家用車の都心の乗り入れについて、たとえば駐車規制をやるとか、あるいはトラックの時間帯の規制をやるとか、これは道路交通法の関係のほうでございますが、そういう規制の措置もあわせて考えていきまして、公共交通機関にできるだけ需要の調整、誘導をしていこうということでございます。  具体的に申し上げますと、たとえば昨年以降本年度から、地下鉄については補助率もアップいたしまして、実質五割という補助率をもって地下鉄の整備を促進するとか、あるいは、民鉄の輸送力を増強するために鉄道建設公団でその建設を肩がわりいたしまして促進いたすとかという、大量交通機関の優先的な整備をいたしております。それからなお、バスの優先通行を確保するためのバスレーンの設置とか、そういったような方策もあわせてとることにいたしております。  そのほか、都市間交通あるいは国際交通等についてそれぞれいろいろ施策が述べられておりまして、必ずしも十分とは言えませんが、関係各省で、それぞれの分野において、着々その方向に従って施策を進めておる現状でございます。

愛野興一郎自由民主党

○愛野委員 総合交通体系の意義というものは私も十分承知いたしておりますので、それが過去一年間にどれくらい具現されたかということが実は質問の問題であるわけでありますけれども、実際、交通事業に携わっております者の側からいたしますと、いま申されましたような、たとえばバス優先レーンの確保等々の問題につきましても、多少の前進は見られましたけれども、依然として都市交通においてはなかなか前進していないというふうな受け取り方をしておるのが現状であろうというふうに考えます。同時にまた、地方都市はずっと累年そういった問題が新たに発生をいたしておるというような現状でありますから、この総合交通体系の確立につきましては、もっと積極的に取り組んでいただきたいと思うわけであります。  そこで、先ほど、有機的な交通機関、交通機能の分担というふうなことがございましたが、昨日の新聞によると大臣のほうから、大都市の通勤確保のために自転車専用道路を大都市にも考えておるというふうな構想が述べられまして、そして、専用道確保のための推進対策要綱というものを近く作成をしたいということのようです。これは自治省並びに建設省あるいは国家公安委員会等で十分打ち合わせの上、そういう作業に取り組まれると思いますけれども、これは、私どもと申しますよりも、交通機能の分担という面から考えますと、通勤時の都市の輸送というものは非常にむずかしい。そういうことから、非常に意義あることであるというふうに私は思うわけでありますが、この問題は、実際にどう取り組まれるおつもりなのか。大臣が御不在でありますから、政務次官でおわかりの点があれば一応お聞かせを願いたいと思います。

武藤嘉文自由民主党自治政務次官

○武藤政府委員 今日までにも、すでに、全国で、自転車専用道路をつくろうではないかという動きがございまして、議員でもってその連盟もおつくりをいただいて促進をいただいておることは先生もう御承知のとおりだと思いますが、そういうこととは、今度の大臣の御発言は必ずしも一致したものではないと思います。先日横浜に行かれまして、横浜のいろいろの交通体系をごらんになりながら、そういう全国的な自転車道路を建設するだけでなくて、特に、大都市においては、交通の混雑を緩和して——また、一方からいけば、いま何といっても大きな問題は、都市においては公害の問題もございます。騒音あるいは排気ガスの問題なども考えますと、いまアメリカにおいても爆発的な人気を呼んでおるようでございますが、自転車というものに対しての再評価といいますか、見直しが行なわれてきている。そういうような全般を踏まえられましての、大臣の、新しい通勤、通学の交通機関としての自転車というものを利用したらどうかという、こういう発想かと思います。しかし、正直、われわれのほうといたしましては、それにつきまして、まだ十分事務的に詰めておるわけではございませんし、この問題は、自治省よりは、警察庁、国家公安委員会あるいは建設省その他との意見調整が必要かと思います。そういう点で、われわれとしては、まだしかとしたお答えをすることができないことはたいへん申しわけございませんけれども、また、大臣でもお越しになりましたら、大臣の御見解もいつかの機会に承っていただきたいと思います。われわれといたしましては、しかしながら、考え方としてはまことにけっこうなことなので、前向きでこれは検討を進めていきたいと考えておるわけでございます。

愛野興一郎自由民主党

○愛野委員 ただいまの自転車専用道の問題は、くしくも、江崎自治大臣と飛鳥田横浜市長さんとの日ごろ考えておられた構想が偶然一致してこの構想に発展をいたしたものと新聞で承知いたしておるわけでございます。大都市交通のこの構造的な困難さを打開するために、党的に考えても非常に有意義なことであるというふうに私は考えるわけであります。ただ、都市に自転車専用道路を確保していくという問題であるだけに、建設省あるいは警察庁、国家公安委員会等々の実務的な段階において、技術的に非常に困難な問題があるというふうに私は考えるわけでありますが、その困難を克服して、そういった問題で何とか前向きに取り組んでいただきたいと思うわけであります。  次に、四十七年夏に、自治省から総理府広報室に依頼されて、東京、名古屋、大阪における交通機関に対する住民の意見という世論調査をせられたというふうに聞いておるわけでありますが、その世論調査の結果を、どういう結果が出たのか、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。

森岡敞自治大臣官房審議官

○森岡政府委員 御指摘の、昨年の八月に行ないました大都市圏における交通機関に関する世論調査でございますが、内閣総理大臣官房広報室に調査を依頼いたしまして、かなり広範囲に調査をしたわけでございます。その中で、特に交通につきまして不満があるかないかというところについてのまとめを申し上げたいと思います。  地下鉄と、路面電車と、バスとに分けまして、地下鉄について「不満がある」という回答がありましたのが四九%でございます。したがいまして、「不満がない」が五一%でございます。市内電車について、「不満がある」が四八%、「不満がない」が五二%。バスが、「不満がある」が五五%、「不満がない」が四五%でございます。したがいまして、不満のあるなしという順序で見ますと、一番不満が少ないのが市内電車であり、地下鉄であり、バスであります。  しかし、その内訳を見てみますと、地下鉄、市内電車につきましては、「混雑する」という不満、このウエートが一番高うございます。一九%あるいは二一%というウエートを占めております。それから、「車内やホームが暑い」というのは、これは申し上げるまでもなく、地下鉄につきまして、一八%出ております。これに対しまして、バスでは、「路線回数が少ない」、あるいは「運行時間が不正確である」、この辺の不満が非常に多いわけであります。  それから、料金につきましては、いま申しました「混雑する、」あるいは「運行時間が不正確である」、あるいは「車内やホームが暑い」というのに比べますと、比較的低うございます。地下鉄が一三%、市内電車が一二%、バスが六%というふうに、料金についての不満はそれほどございません。  なお、交通事業が非常に赤字になっておるということについての認識でございますが、これは、相当数の地域住民が、赤字であるということを完全に認識しておられます。そういう観点から、特に、地下鉄の補助を増額すべきだという意見が強く出ておる。  大体、そのような結果でございます。

愛野興一郎自由民主党

○愛野委員 いまの結果を見てみまして、ほとんどの利用者に赤字であるという認識をいただいておる。あるいはまた、意外にも、料金の面において、地下鉄、市内電車、バス等々についても、高いというよりも、むしろ、もっと混雑を少なくしてもらいたいとか、あるいはまた、運転回数をふやしてもらいたいという声が強い。これは、サービスをよくしてもらうためには、運賃が高いということよりも、むしろ、もう一つの不満要素が高いと思えるのではないかというふうに私は考えるわけであります。公営交通あるいは一般の陸上交通の非常にむずかしい要素が、この世論調査を見ても、そこにはっきりとあらわれておるのではなかろうかというふうに私は考えるわけであります。  そこで、公営交通の企業形態のあり方についてお伺いをいたしたいと思うわけでありますけれども、最近、公営交通事業の経営のあり方についていろいろと言われておるわけであります。各制度調査会の答申あるいは交通整備調査会の答申等、いろいろな答申の所見を見てみますと、いずれにいたしましても、今日、交通事業というものを企業的に見ていく要素よりも、社会構造的な一つの機関的要素として見ていくべきであるというような考え方から、交通事業というものは公営企業一本でいくべきではないか、そうすれば国、県あるいは市町村等々で十分なことができるのではないかという説と、あるいはまた、逆に、何とかやりくりをして、道路運送法等の関係もありまして、民営でやれば、交通事業の赤字補てんを、いろろな要素で、経営努力でもってやれるから、民営でいいのではないか、特に、地下鉄とか、そういったものは別といたしまして、陸上交通の場合は、という意見と、あるいはまた、逆に公社制でいって、できるだけいろいろな補助あるいは助成等をされるというような仕組みにすべきではないかという意見と、この三つの意見があるように私は考えます。  そこで、公営交通を、今後十分その機能を発揮させていくためには、この三つの要素に対してどういう見解を持っておられるのか、運輸省、自治省両方からちょっとお聞きをいたしたいと思います。

武藤嘉文自由民主党自治政務次官

○武藤政府委員 事務的な問題につきましては後ほど運輸省からもお話があろうかと思いますが、これは非常に政治的な問題でもあろうかと思いますので、とりあえず私からお答えをさしていただきます。  いま御指摘のように、調査会その他で真剣に現在の状態を把握されまして、いろいろ今後の方向としての示唆をいただいておるわけでございますが、考え方としては、確かに、公営交通一本にしていくという考え方と、あるいは、民間のほうがいろいろ弾力性があって、ほかの仕事もやりながら利益をアジャストできるからいいのではないかという考え方、あるいは公社という考え方、いま御指摘のように三つの御意見がございますが、いずれにいたしましても、現実問題といたしましては、いま直ちにそのどれかの方向をきめまして着手をしていくということは、正直、なかなかむずかしい問題が現実にあるのではなかろうかと思いまして、私どもといたしましては、今度の法案をお願いをいたしておりますのも、とりあえずの問題は、利用者といいますか、地域住民が自分の足として望んでおるものを何としても確保してあげなければいけないということが根本問題でございまして、そのためには、とにかく、経営が少しでも健全になって、その地域住民に将来においても迷惑のかからないようにしたいというのが今度の再建計画であるわけでございます。  同時に、いろいろ今度の法律の中にもございますように、そういう再建をしながら、一方においては、たとえば料金の問題にいたしましても、もう少しいままでとは違った形で弾力的にいけるように持っていきたい、そして、でき得るならば、一本にまとまらないまでも、たとえば公営と民営とがある程度話し合いによってできるとか、あるいは路線の問題にいたしましても、これは運輸省にも御協力をいただかなければならぬわけでございますが、ここはひとつ民営、ここは公営ということで、つまらない競争をして、そのために赤字をお互いにふやすということのないように、こういうようなことも、一元化の前の段階といたしまして、よく意見を調整しながらやっていくということはたいへん必要なことだ、こう思って、私ども、そのような方向を考えながら法案の中にもいろいろお願いをしておるわけでございます。

愛野興一郎自由民主党

○愛野委員 いまの問題は非常にむずかしい問題でありますから、そのくらいにとどめておきまして、都市交通の環境並びに地方交通の環境の整備を、先ほど交通体系の確立のところでも若干お聞きをいたしましたけれども、どうしても進めていただかなければならぬと私は思うわけであります。と申しますのは、たとえば陸上交通の場合におきましては、電車は、大体全国的にむしろ交通のじゃまになるというふうな感もある。率直に申し上げますと、もうすでにそういう時代になってまいりましたし、結局、バスの問題、地下鉄の問題ということになるわけでありますけれども、バスの場合におきましては、東京の場合でございますけれども、表定速度が、たとえば昭和三十五年に一時間当たり十五・三キロであったものが、四十六年には一時間当たり十二・九キロというふうになっておる。同時に、これは東京都ばかりではないわけでありまして、たとえば佐賀県に例をとりましても、佐賀市で、市営バスという公営バスがありますけれども、時間帯によりましては、市内の交通混雑のために、東京と何ら変わりのない表定速度におちいってしまう。これはもうどうしても、佐賀市内を走る公営交通以外の車、つまり、バス以外の車は、バイパス等を通して、市内を走らないようにしない限りは解決しない。こういうようなことは全国に多々あるというふうに考えるわけであります。そういうわけでありますから、中央・地方、大都市・地方を通じて、全国的に表定速度の低下があり、そのために、ダイヤというものが、信憑性あるいは定時性が全く失われておるわけでありまして、住民の不満、苦情というものは著しいものがあるわけであります。こういう問題は、かりに公営交通が一生懸命努力をしても、全くそれ以外の要素であるわけでありますから、国において手当てをしていただかなければならぬわけであります。  そこで、そういう都市周辺部におけるバイパス、あるいは地方におけるバイパス等々の整備計画について、どういうふうに建設省あたりでは具体的に考えていただいておるのか。あるいはまた、バスターミナル、道路及び交通施設の改善計画等々の問題については、年次計画で何年度ぐらいまでに、具体的にどういうふうに合理的に解決をしようとしておられるのか。あるいはまた、自家用自動車の路上駐車禁止もしくは制限の強化をする、あるいはバス専用、優先レーンの拡大等々をするというふうに先ほどから言っていただいておりますけれども、こういった問題も、具体的に大体何年ごろまでに——たとえば五十年代なら五十年代、六十年代なら六十年代までにはこういったものを国として合理的に解決をしようとしておるのか、あるいは駐車場確保、ターミナル、駅前広場における一般自動車の導入規制等はどういう態度で全国的に臨もうとしておられるのか、もう少し具体的にそういう点をお聞かせ願いたいと思います。

大塩洋一郎建設省都市局参事官

○大塩政府委員 私からは、バイパス等の建設の見通し及び計画について、その考え方を御説明いたします。  混雑度の激しい路線につきましては、国道等におきましては、主として、その交通を迂回させまして、通過交通をさせることによりまして現在の混雑度を緩和するという方針のもとに、バイパスを計画的に行なっておりまして、今度の第七次五カ年計画におきましてもこれを重点的に取り上げておりまして、その混雑度を五カ年計画におきまして解消するということで計画を立てておるのでございます。  それから、都市におきましては、交通の通過交通という面だけではなくて、むしろ、車の分散導入というような機能もあわせ持つものでございまして、このようなバイパスは、大都市になりますと環状線という形をとってまいりますから、分散という機能と同時に、通過交通という機能、二つ持ち得るのでございますが、こういういわゆるバイパスといわれる計画は、地方都市、それから大都市、それからいわゆる国道等の地方におきまする道路におきまして、その態様が違いますけれども、いずれも混雑度を緩和するという計画のもとに進められております。  大都市におきましてはその環状線が整備されることが必要でありまして、これが一本だけではなくて、さらに二本、三本と環状線をふやしていくという計画が都市計画等においてきめられてございますけれども、この実現につきましては、用地問題等諸種の事情がございまして、いろいろな隘路がございますけれども、計画といたしましては、これに最重点を置いて整備していく、こういう基本方針のもとに進めておる次第でございます。

愛野興一郎自由民主党

○愛野委員 ただいまの国道の通過交通のためのバイパス計画、あるいはまた、都市の分散と、それから通過のためのバイパス、混雑の解消をはかるためにこれを鋭意努力をしておられるということはわかりますけれども、大体、日本全国でどのくらいの個所のバイパスをつくるのか、そして、第七次五カ年計画で、地域住民が大体満足のいく程度のバイパスができるのかどうか。あるいはまた、先ほどの都市の分散あるいは通過のための環状線等の問題は、地域住民との間に、騒音公害あるいはその他の話し合い等々のいろいろなネック、隘路があり、困難な問題があるでしょうけれども、大体、計画策定だけはできていなければならぬと思うわけであります。そういうことから、日本列島全体のそういう個所数とか、あるいは、大体何年度ぐらいまでにこの計画ができるとか、これは、発表はしていただかなくてけっこうですが、具体的な計画はできておるわけでございますか。

大塩洋一郎建設省都市局参事官

○大塩政府委員 説明がたいへん不足いたしましたが、国道あるいは地方道、あるいは街路につきまして、いわゆるバイパス計画というものは、混雑度のひどいところにつきましては、計画をつくりまして、着手、あるいは進行中のものを含めまして、もうすでにやっておるところでございます。第七次五カ年計画においては、それらのきめられた路線につきましては、大体概成する予定でございます。  ただ、需要がその後もふえてまいりますので、いまきめられております計画は、第七次五カ年計画中には概成いたしたい、大都市の中の環状線につきましては、見通しが暗いところもございますけれども、鋭意努力いたしたい、このような答え方で、別途資料等につきましては、必要があればまたあとで出させていただきます。

愛野興一郎自由民主党

○愛野委員 いま計画をされておるのが第七次五カ年計画で概成をするということでありますが、こういう日本列島全体のバイパスによって混雑が解消されるのははたして何年後か。百年河清を待つごときものであるのかどうか。新たにまたあれしておるわけでございますから、何か、そういう資料がございましたら、あとでひとつ御提出を願いたいと思います。  それから、バス専用、優先レーンの拡大、あるいはまた、自家用自動車の路上駐車禁止もしくは制限の強化等々につきましても、一部積極的にやっていただいておるわけでありますけれども、全国の大都市、地方都市を通じては、まだまだ計画的積極性に欠ける面があるというふうに考えるわけでありますが、この面につきましては、そういった全体的な計画というものを警察庁で十分把握をされて取り組んでいただいておるのですか。この辺お伺いしたいと思います。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 都市の交通混雑の緩和なり、あるいは大気汚染、あるいは騒音、振動といった公害防止、それからまた安全という三つの目的からして、私どもとしては、規制の基本的な考え方として、一つは、マイカーを抑制していこう、そのためには、駐車規制と保管場所の規制をきびしくやっていこうという、こういう基本線が一つございます。  それから、もう一つは、公共輸送機関、特に、道路交通の場合に、路線バスの優先をはかっていく。これは必ずしも優先通行帯とか専用通行帯だけで解決するのではなくて、実質的にバスが定時・定速で運転できるような担保をあらゆる規則で考えていきたいという方向でやっております。この場合に、現に名古屋で実験しておりまして、近く東京でもやろうと思っておりますが、たとえば交通信号機が、青から黄になりそうでも、バスが通っていけば、バスのほうから無線で合図をすれば、その青のまま残って、バスが優先して通っていけるというような信号機の開発実験をいま始めております。そういうことをことを含めまして、バスが表定速度を十年ぐらい前の水準に何とか保てるような方向で考えていきたい。  それから、もう一つは、何と申しても、狭い道路、裏通り対策もあわせてやっていかないといけない。これは安全のためにも必要だということで、狭い裏通りからは通過交通をシャットアウトしていく。締め出していく。そして、そこを歩行者と自転車が安心して通れるような環境をつくっていく。  この三つを大きな柱としてやっておりますが、やはり、東京、大阪、名古屋といったような大都市は問題が社会的にも深刻でございますから、そういうところから相当強力にやっておりますけれども、地方部の都市には、御指摘のように、まだまだ十分及んでおりません。先般も、全国の交通部長会議でその点を強く強調して、地方都市の場合にもやはり同じような問題があるはずだ、それをもう少し強くやってくれということを申しております。  ただ、バスの優先通行の問題での悩みは、片側に二車線でもあればいいわけでございますけれども、往復二車線のような道路にどのようにしてやっていくかというのが一つの大きな問題でございます。ただ、実験的には八王子、立川、千葉、仙台等で、朝のラッシュ時間帯はバス以外の車は通さないという交通規制を実験的にやっております。これもかなり成功しておりますので、そういう方向で今後検討していきたいと思っております。

愛野興一郎自由民主党

○愛野委員 いまの路上駐車禁止あるいは制限の強化等々の問題につきましても、地方あるいは大都会等々も、警察官の定員というような問題と非常に関係があるわけであります。いまの交通事情では、本格的にこれを取り締まるとすれば、実際の一般の犯罪捜査の面がおろそかになる。特に、地方ではそういう現状であるわけであります。そういうことからいたしますと、妙な、思想的、政治的意味でなしに、こういった関係の警察官の補充あるいは充実というものもやはり考えていただきませんと、こういう面でまた表定速度の低下が起きたり、あるいはダイヤの定時性が失われるということが多々あるというふうに私は考えるわけであります。  次に、大臣にお伺いをいたしたいと思っておりましたけれども、お留守でございますから、政務次官でお答えのできる範囲でお伺いを申し上げたいと思いますが、昭和四十一年から行なわれた財政再建達成が、ほとんどと言っていいほど、これはもう不可能というふうな現状であるように認識をいたしております。その原因は一体どこにあると思われるのか、その点をちょっと伺っておきたいと思います。

武藤嘉文自由民主党自治政務次官

○武藤政府委員 これは御承知のとおり、いま御指摘がございましたように、昭和四十年度末の不良債務を、今度と同じような形でございますが、再建債とその分をたな上げいたしまして、そうして大体四十七年、あるいはものによって四十八年度までにこれを何とか償還しようということで第一次の再建計画が発足したわけでございます。いま御指摘のとおりで、私どもの聞いておりますのでは、北九州と鹿児島だけは償還できたけれども、それ以外のところは、償還がある程度いったところと、非常にうまくいっていないところと、いろいろ差はございますけれども、いずれにいたしましても、その計画が達成できなかった。  それを受けて今度お願いをしておるわけでございますが、それはなぜだろうかという御質問でございますが、一つには、先ほど来いろいろと御審議を願っておる過程で出てまいりました話題でございますけれども、特に、大都市を中心といたしまして、その交通状況が、昭和四十年ころから今日まで非常に変わってきておる。四十年の当初においても、この発足いたしました四十一年ごろにでも、確かに交通は混雑を増してきたとは思いますけれども、しかし、少なくともここ数年間、交通の混雑さはますますその様相を深めてきておるわけでございまして、そのために、たとえば先ほど来御議論もありますように、スピードが非常に落ちてきたというような問題が大都市においてはあったんじゃなかろうかと思います。また、一面からいけば、今度は、過疎地域なんかの場合は、行政路線ということで、公営交通であるがために、廃止したいものも、正直、住民のことを考えれば廃止できないというような問題も地方においてはあったかと思います。  いずれにいたしましても、そういう公営交通の当面しておる環境というものが非常に違ってきたということが私どもとして一番大きな問題であろうと思いますが、それに加えて、理由としてあげられることは、経済成長に合わせて人件費というものがどんどん上がってきた。そうすると、公営交通の場合でも、必ずしも利益が出なくても人件費は上げなければならないというようなことで、ベースアップの影響がやはり赤字に拍車をかけることにもなったんだろうと私は思います。あるいは、なかなかりっぱに合理化計画を立てましても、正直、その合理化計画が必ずしも計画どおりに進んでいかないというようなことがあったと思います。あるいは、国のほうの考え方にいたしましても、今度お願いをしておる内容と比べれば、利子補給にいたしましても、たとえば最低三分五厘までしか見ない、あるいはある程度力のある団体に対しては六分二厘ぐらいしか見ないというような国の援助と申しますか、補助政策にも、いまから思いますと、もう少しあたたかくしてやれば再建できたんじゃないかというような点もございます。  それらいろいろ考えられることはございますけれども、そういうことが積み重なりまして、結局、今日、期待どおりの再建ができなかったということではないかと私どもは承知いたしております。

愛野興一郎自由民主党

○愛野委員 政務次官の御認識、そのとおりであるというふうに考えます。私は、それ以外の要素として考えられることは、公営交通といえども、やはり、経営姿勢の問題だと思うのですね。これも十二分に考えていただかなければならぬというふうに私は考えるわけであります。私が冒頭に、公営、民営を含めての交通事業の使命というものを質問いたしましたゆえんはそこにあるわけでありまして、具体的に例を申し上げませんが、たとえば中村弘海先輩のところも、住民福祉のための重大なる交通事業としての使命を持っております。したがってそういうことからいたしますと、たとえば東京都に例をとりますと、東京都営と、民営九社のバスのいろいろな収支あるいは人件費等を比較いたしますと、東京都以外の九社は黒字会社でありますけれども、東京都営は赤字である。そうして、それのいろいろな人件費あるいは営業費等々の比較をいたしましても、東京都営のほうがはるかに高い。こういう問題は、民営が付帯事業ができるからというようなことではなしに、東京都自体の経営姿勢というものも考えていただかなければならない。あるいはまた、全国平均を見てみましても、たとえば四十五年度の一社当たりの営業費を比較いたしてみますと、民営が百二十三円ですね。公営が百五十六円。あるいは人件費の場合におきましても、民営が一社キロ当たり八十二円、公営が百十八円、こういうふうにすべて高いわけであります。そういうわけでありますから、コストが公営バスは高いために赤字になる。これはもう、経営のそのような観点から見てもあたりまえのことであるわけであります。したがって、もちろん国でいろいろな手だてをしてもらうと同時に、当事者自体のほうといたしましても、地域住民の福祉のために交通事業というものをやっておるんだという交通事業の精神というものを、公営企業といえども貫いていただかなければならぬと私は思うわけであります。  また、人件費のみならず、税金面でも、公営と民営とでは、公営が相当な優遇をされております。民営の場合はいろいろな税がかかってくるわけでありますが、そういう面から、合理化あるいは近代化をやらなければならぬ面はやっていただいて、生産性をあげなければならぬ面は、公営であるといえどもあげていただく。一般会計とか国の補助というものは、結局は国費であり、国民の税金でまかなわれているわけでありますから、運賃で上げなくとも、結局は、国民の税金をそれだけあれしておるということでありますから、国民に対する責任というものはいずれも同じであるというふうに私は考えるわけであります。  したがって、そういう観点から、公営企業といえども、経営の姿勢というものを地域住民本意に改めて、できるだけ赤字を出さないようにする経営姿勢が望ましいと思うわけでありますけれども、その点、御所見をお伺いしたい。

武藤嘉文自由民主党自治政務次官

○武藤政府委員 御指摘の点はたいへん示唆に富んだ問題でございまして、いま、民間と公営企業との比較を数字でいろいろお示しをいただいたわけですが、人件費その他すべての経費を含めて、そういうことは公営企業体の方々にはないと私ども思いますけれども、万が一にも、親方日の丸的な考え方がもしあれば、これはたいへん好ましくないことでありまして、住民にサービスをするという気持ちから言っても、その辺の御努力を、労使ともにできる限りお願いしなければならないんじゃないかと私どもは強く思うわけでございます。

愛野興一郎自由民主党

○愛野委員 次に、そういった反省を基礎に、そういう政務次官の御認識がどのように今度の法案に生かされているのか、そしてまた、今回の法案で公営事業の経営基盤の確立が十分に可能かどうか、この点につきまして、ちょっと御所見をお伺いしておきたいと思います。

武藤嘉文自由民主党自治政務次官

○武藤政府委員 いまいろいろ御指摘をいただいたことを十分認識の上、反省をいたしまして今度の法案はお願いをしておる、こういうことでございます。  たとえば、国のほうでやらなければならない問題につきましては、再建債につきまして、その利子補給の問題でございますけれども、先ほど申し上げたように、従来は一番めんどうを見たところで三分五厘までしかめんどうを見ていなかったが、今度は、場合によっては、団体によりましては全額を利子補給さしていただくというようなことで、これは国の姿勢としても、この際そういう過去の不良債務についてはできる限りめんどうを見ていこう、あるいはその元金にいたしましても、今度は地方公共団体が特別会計でやるのではなくして、一般会計からひとつ出していただこう、そして、一般会計から出していただいたあとの問題は、まだこれは決定はいたしておりませんけれども、何らかの形で一般会計で出したが、今度は、地方公共団体が、それによって、一般会計の中で財政が苦しくなるようなことがあってはまたたいへんな問題でございますので、この点については、とれも十分前向きでこれから検討していきたい、このように考えております。  あるいは、今度の利子補給の問題とのからみで、予算を編成いたします過程で出てきた問題でございますけれども、バス購入費を、従来は補助というものは一切なかったわけでございますけれども、今度は二分の一補助をやろうということをきめさせていただいておるということ。あるいは、運輸省ともいろいろお話し合いをいたしまして、今後、料金の改定の問題とか、あるいは路線の変更とか廃止の問題等は、いままでよりもよりタイムリーに行ない得るように、両省で極力その辺の意見調整をいたしまして、実質的にはタイムリーに行なえるようにさせていただくようになった。あるいは、そういうことをお願いしながら、それと同時に、その地方公共団体あるいは地方公共企業体に対しましても、先ほど申し上げましたように、労使が、ほんとうに住民の皆さんのためにサービスをするという気持ちをしっかりと持っていただきまして、少なくとものんびりした気持ちではなくして、真剣に経営に取り組んでいき、そして、できる限りその合理化をはかる。たとえば人件費にいたしましても、当然上げなければならぬものは上げなければならぬと思いますけれども、同時に、従来のような、たとえば年功序列型で、いつまでたっても非常に年輩の方が運転を続けておられるとか、その他いろいろ問題が現実にあるわけでございまして、そういう点については、今後の再建計画につきましては、労使でしっかりと詰めていただきたい。  今度は期間も約十五年と、従来の七年間と比べれば相当長期に私ども考えておるわけでございますが、今度はぜひひとつこれによって再建をしてもらいたい、私どもはこういう気持ちでおるわけでございます。

愛野興一郎自由民主党

○愛野委員 次に、最近、大都市交通の過密化あるいは地方の過疎化等々による交通環境の変化の中で、公営交通は独立採算制では無理であるというふうな意見がだいぶあるわけでありますが、そこで、公営のみならず民営もそうでありますけれども、どうしても経営努力以外の要素でやっていけない路線というものがございます。これは、独立採算制じゃなくて、何らかの補助等を必要とすると私も思います。そういう場合は一定基準というものをはっきりしていただいてやるべきだと思いますけれども、しかし、公営企業といえども、先ほど申し上げましたような理由から、できるだけ独立採算制でやっていくということでなければ、同じ交通事業という使命を有する交通事業として、非常にむずかしい問題ではなかろうかと私は思います。  たとえば、一般会計からの補てんということをよく考えてみますと、国民の税金につながるわけでありますし、あるいは、その一般会計からの補てんが定着をするということであれば、きわめて安易に公営企業に一般会計から流入され、そしてそれが定着化していく危険性があると私は考えるわけであります。また、その経理部門の課題とか、あるいは一般行政職員と同じというような、交通事業固有の不合理が温存されていく危険性もあるというふうに考えるわけでありますが、こういった問題についての御所見をお伺いいたしておきたいと思います。

原田昇左右運輸大臣官房審議官

○原田政府委員 先生のただいまの御見解、全く同感でございます。私どもも、独立採算制についてはいろいろな意見があることを十分承知しておるわけでございますが、特に、たとえば東京を例にとりますと、国鉄、民鉄、営団地下鉄、都営地下鉄、民営バス、都営バス等がそれぞれの分野を受け持って、市民に対してサービスを提供しておるわけでございまして、これらの公共交通サービスにつきまして、ひとり公営のみに大きな一般会計からの繰り入れをするということになりました場合に、競争条件の格差等が生ずるわけでございます。また、経営理念といたしまして、あくまでも収入をもって支出をまかなうという一つの意欲があれば、経営改善に対して非常に大きな努力が払われるわけでございまして、そういった意味から、独立採算制というたてまえはやはりくずすべきではないと考えております。しかしながら、実際問題として、非常に大きな固定施設の費用を生じますところの、たとえば地下鉄の建設とかいったものについては、これを全部利用者負担にはね返した場合には非常に大きな負担になりますので、これに対しては国並びに地方公共団体の補助をいたしまして、それによって利用者の負担を軽減するという措置が必要であろうと思います。  そういう意味におきましては、必ずしも厳格な意味での独立採算制ではございませんけれども、経営のたてまえとしては、あくまでも利用者の負担と一般財源のバランスというものを十分考えながら経営の合理化につとめるということ、これがひいては利用者全体にとってよきサービスを提供するということになろうかと考えます。

愛野興一郎自由民主党

○愛野委員 次に、料金決定方式、許認可制の問題についてお尋ねいたしておきますが、料金決定方式は、各種答申におきましても、認可制から届け出制に改めるべきであるという意見があるようであります。したがって、運輸省、自治省は、この料金決定方式について、今日、いまの状況の中でどういう意見を持っておられるのかお伺いいたしたいと思うわけでありますけれども、公営企業の場合におきましては、地方公共団体で議会の審査を受けられて、そして運賃の認可申請を出されるというわけでありますから、届け出制でいいのではないかという意見があるわけであります。また、今日、経営の状況、物価上昇等を考慮して、何と申しましても運賃が一番基礎になるわけでありますから、今日の運賃認可のあり方というものを何らか再検討すべき段階に来ておるのではなかろうかという気が私はいたすわけですけれども、運輸省はその点についてどういう見解を持っておられるのか、お伺いをいたしておきたいと思います。  それと、この料金の問題についてちょっとお伺いをいたしておきたいと思いますが、公共料金等々の政治的問題とは離れて、昭和三十五年を一〇〇とした場合に、現在の消費者物価上昇率と、それから国民所得の上昇率と運賃の上昇率を比較した場合に、はたして、運賃が他の物価上昇に非常に影響を与えておるかどうかというような問題ですね。この点は……(「連鎖反応」と呼ぶ者あり)連鎖反応というおことばもありますけれども、実際の上昇率というものはどうなっておるのか、この点をお伺いしておきたいと思います。  それから、時間がございませんので一括して質問したいと思いますが、交通事業の場合、あまりにも細部にわたって関係省庁の許認可を必要とされておる部分があるわけであります。たとえばダイヤ編成とか、ワンマンバスの運行とか、停留所の設置とか、あるいは道路工事期間中の臨時運行、経路変更等の、こういうきわめて軽易なものまで範囲の広い省庁から許認可を受けなければならない。その辺も、所管省を一元化するなり、軽易なものは都道府県知事に移管するなり、あるいはただ届け出るだけでいいというように改めるべきであると思うわけでありますけれども、どう思われますか、その辺をお伺いしておきたいと思います。

森岡敞自治大臣官房審議官

○森岡政府委員 まず、物価、所得などと対比いたしました交通料金の上昇率について、数字を申し上げます。  三十五年を一〇〇といたしました場合、一人当たり国民所得は四・三二倍でございます。勤労者の平均給与で三・四九倍でございます。家計消費支出が二・八倍、消費者物価は一・八七倍、サービス料金は二・一一倍、新聞が二・二三倍。それに比べまして、公営交通の都バスは二・〇二倍、都電が一・五四倍、国鉄運賃は一・九四倍、こういう状態でございます。  次に、料金の決定の仕組みでございますが、お話しのように、現在、民営、公営を問わず、料金改定につきましては国の認可が必要となっております。しかし、御指摘のように、公営交通事業の料金につきましては、地方議会において非常に慎重な審議を重ねております。また、公聴会なども開きまして、地域住民の理解と納得を求めて、たいへん苦労をしてきめて申請してまいる、こういう実態でございます。そういうふうなことを考え合わせますと、さらに政府におきまして認可をするということは、ある意味では二重手間になっているではないか、したがって、それはもう届け出制にいしまして、政府が一定の場合に修正の勧告をすると申しますか、そういう手続をとることにしてしかるべきではないかという意見も強いわけであります。私どもも、そういうふうな観点で、この問題につきまして、政府部内で、この法律案作成までの過程でいろいろ御相談いたしました。しかし、その中におきまして、公営交通の料金だけの問題を取り上げて根本的な変革を加えることについては、民営との関連でなお問題があるという御意見がございました。したがいまして、民営、公営を通じてまして根本的に料金決定の仕組みを考えるべきだという議論が百出したわけでございまして、その結果、結論を得るに至らなかったわけでございます。しかし、いずれにいたしましても、私どもといたしましては、たいへん苦心をして地方議会で決定をして申請してまいるわけでございますから、それが現行認可方式で当分続けるといたしましても、認可がおくれるということになりますと地方公営交通としてはたいへん困るわけでございまするが、その点につきましては迅速な処理をぜひお願いいたしたいということで、運輸省当局と十分御相談をいたしたわけでございます。そのような経緯を経まして、当面、認可の迅速な処理によって運営の解決を得たい、かように考えておるわけであります。  それから、料金以外の許認可の問題でございますが、路線の新設でありますとか休廃止という、いわば事業免許の基本の問題のほかに、運行系統、運行回数あるいは停留所設置、道路工事期間中の臨時運行経路の問題とか、私どもから申しますと、かなり微細にわたりまして許認可の制度が設けられているわけでありますが、これから公営交通事業が再建に入りまして、経営の一元化をはかっていく上におきましては、こういう各般の経営の中身につきまして、機動的に対処してまいるということがどうしても必要なんじゃないだろうか、かように考えておるわけでございます。したがいまして、この点につきましても、運輸省当局と御相談いたしまして、簡易軽易なものについてはできるだけそれを整理していただくような方向で御検討願いたいと、かように論議をいたしておる次第でございます。

愛野興一郎自由民主党

○愛野委員 いまの問題につきまして、運輸省はどういうふうな意見を持っておられますか。

原田昇左右運輸大臣官房審議官

○原田政府委員 お答え申し上げます。  公営交通の運賃の決定方法につきましてはいろいろな御意見があることは承知いたしておるわけでございます。しかしながら、私どもとして、これを直ちに届け出制に改めることについては、次のような問題があろうかと思います。  まず、第一に、わが国の大都市交通におきます公共輸送サービスを見ますと、たとえば首都圏の場合をとってみますと、国鉄、民鉄、営団地下鉄あるいは都営地下鉄、民営バス、都営バス等がそれぞれの分野を受け持って、市民にサービスを提供いたしておるわけでございます。たとえば公営のウエートは、その場合約八%にすぎないわけです。しかも、公営バス路線の五〇%近くは民営バスの路線と競合してサービスをいたしておるわけでございます。このような状況におきまして、制度的に公営の運賃のみを届け出にした場合には、同一路線、同一区間をかりにとってみますと、公営と民営両者の運賃がばらばらになったり、交通機関の利用に片寄りが生じたりするおそれがございます。また、共通乗車券とか、共通通算制といったような制度の導入も非常に困難になるおそれがございまして、利用者にとってかえって不便になるというような面があるわけです。また、公営、民営を問わず、地域の交通サービスを維持するためには、国の適切な助成と、適時適切な幅の運賃改定を政策的に組み合わせながら実施する必要があるわけであります。そこで、こういった観点から見まして、この法案の作成段階におきましても、自治省と十分協議をいたしまして、迅速に処理するというような考え方で、現行の制度を変更しないということで御提案申し上げている次第でございます。  次に、許認可等の簡素化につきましては、許認可等の整理に関する法律による道路運送法の改正等によりまして簡素化が可能と考えられるものにつきましては、鋭意簡素化をはかってきているわけでございまして、なお、今後とも、許認可の簡素化については前向きに検討してまいりたいと考えておる次第でございます。

愛野興一郎自由民主党

○愛野委員 いまの問題は、公営、民営の関連から、運輸行政としてはきわめてむずかしい問題であるというふうな認識をいたします。しかしながら、運賃の認可制そのものについては、公営バスのみならず、民営バスにおいても、今日のあり方について検討していただきたいという意向もあるわけであります。運賃の認可の問題については、この際ひとつ検討をお願い申し上げたいというふうに思うわけでございます。  それから、今回の財政再建のための措置は、四十一年度の財政再建の際の措置と比較してどのような効果があるのか。  それから、時間がございませんから一括してお伺いをいたしますが、地方公共団体の一般会計が負担する部分につきましては、地方自治体の財政圧迫をいたすわけでありますから、国の財源措置というものが必要であると思うわけでありますけれども、これについて御所見をお伺いいたしておきたいと思います。  さらにまた、交通事業再建債に対する利子補給の問題でありますけれども、今回の法案の第七条では、国の利子補給の上限を七・一%としております。しかし、これは予算編成時における金融情勢並びに公庫の基準金利が七・一%であることを参考とされたものでありますから、最近における実情とは若干変化を来たしておると認識すべきではなかろうかと思うわけであります。したがいまして、交通事業債の際の利息のうち、七・一%をこえる部分についても利子補給の対象とする考え方があられるのかどうか、この点一括してお伺いをいたしておきたいと思います。

森岡敞自治大臣官房審議官

○森岡政府委員 まず、第一に、第一次の再建の方式と今回の新たな再建の方式との比較あるいはメリット、デメリットのお話しでございますが、率直に申しまして、第一次再建の場合には、基本的な考え方といたしまして、過去の不良債務をたな上げはいたしますが、その分は将来の収支の中で返していく、こういう考え方を基本的にとっておったわけであります。その時点におきましては、バス事業も、いまほど路面混雑、路面渋滞が激しくないという実態でございましたので、十分そのような再建計画の中での償還がやっていける、こういう判断に立ったわけでございます。  しかし、先ほど来御指摘のように、都市の過密あるいは道路渋滞がまことに激しいものがございまして、そのようなことから、今回の新再建におきましては、過去の不良債務はあげて企業の中ではなく、企業の外でなしくずしに片をつける。その場合、政府におきましても、利子の大部分の補給をしてもらうという思い切った措置をやり、また、地方公共団体の一般会計も相当の負担をしてまいる。同時に、企業におきましても、経営の改善、合理化にできるだけつとめるという施策を組み合わせましてやっていこう、こういう考え方をとっているわけであります。さらにまた、道路混雑その他の都市の環境を整備することはどうしても必要でございますが、その面もあわせて行政的に推進してまいる、こういう考え方をとっているわけでございます。  率直に申しまして、第一次再建の考え方なり方式に比べましては、私どもは、格段の進歩をしたというふうに考えておるわけでございます。もちろん、現在の実態から言いますと、交通事業の再建の問題はそれでもなかなか困難な面がきわめて多いと思います。これらの措置を踏まえまして、経営の健全化と地域の住民の足を確保するということをできるだけ進めてまいりたい、かように思っておるわけであります。  それから、地方公共団体の一般会計は、国の利子補給が行なわれます分以外の自治体の利子支払い額と、わずかでありますが、それから償還元金につきまして負担をしてまいるわけでございます。  これについて今後一体どのように考えるかということでございますが、おそらく、再建債の発行は四十八年度の下期になると思います。そういたしますと、元金の支払いは四十九年度から始まることに相なります。したがいまして、私どもは、四十九年度にかけまして一体どのような措置を講ずるのかということを慎重に検討してまいりたい。ただ、先ほど政務次官からもお話しがございましたように、一般会計がつぶれてしまってはこれまた困るわけでありまして、したがいまして、何らかの一定の措置を考えてまいらなければならぬ。その場合には、御承知のことと思いますけれども、やはり、各国におきましても、都市交通の整備のために別途の財源を持っておるところもあるわけであります。たとえばサンフランシスコの湾岸鉄道は、固定資産税でありますとか、あるいはセールスタックスの増税をして、鉄道整備をやっております。また、フランスでは、公共輸送機関便益税というふうな形で、パリ市内の従業者をかかえております事業者に、賃金の二%を限度といたしまして特別の税を課しまして、それをもって交通の財源に充てていく。こういうふうな仕組みもあるわけでございます。そういう新たな財源の問題も含めまして、四十九年度までに適切な措置を考えてまいりたい、かように考えております。  それから、利子補給率は最高限度七・一%というふうにいたしております。現在、経済情勢が非常に流動的でございます。金利も、公定歩合の引き上げその他も踏まえまして上昇ぎみでございます。ただ、との再建債の発行は、先ほど申しましたように、おそらく今年度の終わりのほうになろうかと思います。そういたしますと、最近の金利動向を見ますと、非常に変化が激しゅうございますので、いまのところ、七・一%の限度を設けることが一体どういうふうなことになるのか、私どもとしては、ちょっと予測がつかないのではないかというふうな感じもいたします。そういう状況を見定めながら考えてまいりたい、かように思っております。

愛野興一郎自由民主党

○愛野委員 次に、地下鉄の問題につきまして、これも一括して質問をいたしたいと思うのですが、地下鉄の各都市の建設整備の計画、あるいはまた建設計画等々につきまして、今日の現況をお伺いしたいと思います。同時にまた、今回の地下鉄に対する財政措置については、従来の措置と比較をしてどのように改善をされておるのか。また、今回の財政措置により十分採算がとれるようになるのかどうか。そして、最後に、運輸省にまだ申請が出ていないということでありますが、福岡市の地下鉄計画についてはどう考えておられるのか。あるいは、既存の民営の軌道と地下鉄をつくる場合における調整と申しますか、そういったものをも自治省、運輸省は考えていただいておるのかどうか。この点をお伺いいたしたいと思います。

中村四郎運輸省鉄道監督局民営鉄道部長

○中村説明員 ただいま御質問の第一点の、地下鉄についての、各都市の建設状況について申し上げますと、大都市におきます通勤通学輸送あるいは業務交通の充実改善をはかっていくためには、大都市交通網の根幹でございます地下鉄整備ということがどうしても不可欠であることは論をまたないと思いますが、当省といたしましては、都市交通審議会で、首都圏、横浜、名古屋、大阪、北九州、福岡といった地区につきまして、昭和六十年を目標といたしまして、高速鉄道を中心といたします交通網の整備基本計画というものを策定いたしまして、その整備を計画的にやっておるわけであります。  現在地下鉄を行なっております地区としましては、東京、大阪、名古屋、札幌、横浜の五都市でございまして、この五都市におきまして、十七路線、二百六十六・五キロが開通、営業をいたしております。  現在工事を鋭意行なっておりますものにつきましては、東京におきましては、交通営団四路線、三十一・一キロ、東京都が二路線、十八・七キロ、横浜市におきましては、二路線、六・四キロ、名古屋市におきましては、二路線、十四・一キロ、大阪市では、一路線、十九・二キロ、神戸市では、西神線五・八キロ、さらに、札幌におきましては、東西線十・四キロ、これら合計いたしまして、十三路線、百五・七キロの工事が行なわれておるわけでございます。  このほか、京都市の南北線十一・六キロをはじめといたしまして、東京外六都市におきまして、合計四十五・七キロの路線の工事施行の準備を行なっておるのが現状でございます。  それから、第二点といたしまして、今回の地下鉄の建設費補助につきましてお尋ねがあったわけでございますが、地下鉄の建設費の補助は、新線建設工事費の一定割合を補助していこうという考え方でありまして、昭和三十七年以来各種の方法によりまして助成を行ない、また、拡大してまいったわけでありますが、四十八年度予算からは、最近におきます地下鉄建設費の異常な高騰と、都市交通におきます根幹輸送機関としての地下鉄の重要性を認識いたしまして、四十五年度から補助対象建設費の五〇%に相当する額を国と地方公共団体におきまして二分の一ずつ補助してまいったわけでありますが、これを大幅に改定いたしまして、六六%に相当する額を、六年間に分割して、国と地方公共団体で助成してまいるというふうに改善されたわけでございます。  それから、その次に、第三点といたしまして、この地下鉄の助成によりましての今後の見通しについてお尋ねがあったわけでございますが、ただいま申し上げましたように、建設費の補助の大幅な改善、それから、自治省から御説明のございました地下鉄に対します財政措置、こういう措置によりまして、何と申しましても、地下鉄の経営圧迫の最大要因と申しますものは、開業当初におきます資本費負担の圧迫が大きいわけでありますが、これが軽減されることになったわけでございます。したがいまして、こういった財政措置と相並びまして、地下鉄輸送にふさわしい路線を選定いたしまして適切な運賃改定等を行なうとともに、長期的な経営の健全化についての計画に基づいて施策を行なってまいりますならば地下鉄の経営健全化は確保されていくものというふうに考えておる次第でございます。  それから、福岡市の地下鉄の問題についてのお尋ねでございますが、現在、福岡市におきましては、昭和四十六年に都市交通審議会から答申されました——これは、福岡のほかに、北九州を含めた北部九州都市圏の旅客輸送力の整備増強についての計画でございますが、これを受けまして、鋭意地下鉄建設の構想を練っておるというふうに承っております。これを推進していく場合におきましては、ただいま先生もお触れになりましたように、現在、福岡市におきまして、路面交通としての路面電車あるいはバスを一元的に行なっておる会社があるわけでありますが、これらの路面電車の存続の問題、あるいはそれに従事する従業員の問題、あるいは工事を行なっていく場合におきます輸送の問題、それから、地下鉄が完成したあとの福岡の都市交通体系の問題、これをどうするかといった地下鉄建設そのものについての問題もありますが、それ以外に、いま申し上げたような問題点があるわけであります。これらにつきましても福岡市におきまして、当該会社との話し合いを行なっておるというふうに聞いております。したがいまして、これらにつきましては、都市交通審議会の答申をアフターケアすると申しますか、さらに詳細にフォローして推進していく福岡都市圏交通対策協議会というようなものもございます。これは県、市あるいは関係行政機関、学識経験者から構成されておるものでございます。こういった場を通じまして、その協議なりを円滑に推進してまいりたい、かように考えておる次第でございます。

愛野興一郎自由民主党

○愛野委員 最後に、今回の法案で経営再建の対象とされておるのは交通事業だけでありますけれども、水道事業並びに病院事業の経営状態も年々悪化いだしておるのであります。したがって、早急にこの対策を講じなければ、交通事業と同様な結果を招くおそれがございますから、水道事業と病院事業について二点お伺いいたしておきたいと思います。  まず、水道事業については、水道施設の建設、改良に対する国の財政措置の拡充を検討し、進める必要があると考えるわけでありますが、その点の御意見をお伺いしたいと思います。  また、病院事業の経営健全化のためには、社会保険診療報酬の合理化、あるいは医師確保対策の確立、公的病院の病床規制の撤廃、高度医療、特殊医療に対する国の財政措置の拡充等の総合的な対策がぜひとも必要であると考えるわけであります。  以上、二点についてお尋ねをいたしまして私の質問を終わりますけれども、この公営交通の問題といい、あるいは水道事業といい、病院事業といい、国民、地域住民にとって、必要欠くべからざる、密着した公共団体のサービスの一番重要な事業でありますから、これに対しましては、あらゆるきめのこまかい対策や施策を講じ、そしてまた、関係各省庁が緊密な連係のもとにこの再建策を考えていただきたい。以上、水道事業、病院事業に対する二点を最後に質問いたしまして、同時に、大臣に対しまして二問質問を保留いたして、私の質問を終わりたいと思います。どうぞ御意見をお願いいたします。

森岡敞自治大臣官房審議官

○森岡政府委員 水道事業につきましては、四十六年度の決算を見ますと、交通あるいは病院のような、いわば破局的な事態にはなっておりません。ただ、大都市におきましては、非常な人口集中なり、あるいは水の使用量の増加ということが集中的に出てまいっておりますので、いずれも収支採算点をだんだん割ってきておるような状態になっております。かてて加えまして、その水需要の増大に対処して、ここ三、四年非常に建設投資を進めておりますが、その償還がもう二、三年たちますとだんだん集中して出てまいる。こういう実態になろうかと思います。そういうことを考えあわせますと、今後都市の水需要に対処していきますためには、現在、厚生省で、水源開発補助金あるいは広域化水道に対する補助金という予算が組まれておりますけれども、この辺のところを大幅に拡充をしていただくことがぜひとも必要ではないか。また、企業債、地方債につきましては、利率、償還期間を含めました償還条件の改善を進めまして、資本負担をできるだけ軽減していく、これが水道事業の将来の健全な経営をはかるためにぜひとも必要だ。かように考えております。  それから、病院事業でございますが、病院事業は、四十六年度決算を見ますと、全事業の約七割弱が赤字を出しております。累積欠損金は五百三十六億円でございますが、これは一般会計から約六百二十億円程度を繰り出しまして、その上で五百三十六億円の赤字という状態になっております。そういう意味合いで、交通に次ぎまして、病院事業は、現時点で非常にむずかしい状態に立ち至っておると言えると思います。  ただ、病院事業につきまして非常に問題がございますのは、前々から申し上げておるところでございますが、交通事業と異なりまして、率直に申しまして、国公立の公的医療機関は赤字でありますが、民間の医療機関は全然赤字ではないということ、交通の場合には、程度の差はありますが、双方とも非常に経営が苦しいということ、そういう基本的な違いがあります。また、社会保険診療報酬は、これは企業の努力によりまして措置できる問題ではございません。そういうふうなことが、交通の場合に比べましてかなり違った要素があるわけでございます。さらに、御指摘の医師不足、看護婦不足、あるいは公的医療機関の病床規制というふうな、医療供給体制全般を通ずる非常にむずかしい問題が横たわっておるわけでありますが、それらを一々解きほぐして総合的な対策を立てませんことには、公立病院の経営の健全化をはかっていくということはなかなか困難な状態にあるわけでございます。  この問題は、おそらく、自治省だけで片がつけられる問題ではないと思います。各省と十分相談いたしまして、根本的な対策について今後検討してまいるということが必要ではないかと考えます。

武藤嘉文自由民主党自治政務次官

○武藤政府委員 私からも一言申し上げておきますが、水道の問題や病院の問題は、私どもも、それぞれの大会あたりにお招きをいただいて参りますときには、ほんとうに切実な声を聞くわけでございますので、先生いま御指摘のとおり、これは、公営交通の問題とともに、ほんとうにわれわれ前向きに検討しなければならない問題だと思います。  ただ、いま審議官も申しましたように、われわれだけではなかなか解決できない、ほかの制度とのいろいろの関連などが、特に病院問題などについてはございますので、その辺についても、極力前向きで、等閑視することなく取り組み、いっときも早くこの問題については解決策を考えていきたい、こう考えておる次第でございます。

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 この際、午後一時から再開することとし、暫時休憩いたします。    午後零時十七分休憩      ————◇—————    午後一時十七分開議

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。山田芳治君。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 公営交通の非常な赤字ということで、昭和四十七年度末の決算は、おそらく二千億を不良債務においてこえるであろうというふうに言われているわけです。それで、いわゆる第一次再建計画なるものを、昭和四十一年の地方公営企業法の改正を基本にして、約七年間の期間で行なうということで、現在、その第一次再建の期間中であるのにもかかわらず、第一次再建というものが終わらない現段階において、すでに破局的な段階を迎えているということは、これはどこにその原因があるかということについてまずお伺いしたいと思うのですが、いわゆる都市交通ということについて、都市の最も基本的な交通機関であるところの都市の公共交通が赤字であるということは、都市対策、都市の問題というものに非常に問題点があって、私どもから言えば、現在のいわゆる大都市に対する人口の集中、なかんずく中枢管理機能というものが非常に都市に集中をしてきている中で、高度経済成長政策という政策が昭和三十年代の半ばからとられて、その政策の根拠になるところの大都市というものに対する施策というものが不十分であったのではないか、不十分であったがゆえに、現在の都市の交通が非常に困難を来たしているというふうに私は考えるわけであります。昭和四十一年に公営企業法を改正するときに、政府においては、公営企業の再建をどうしようかということで、地方公営企業制度調査会というのが自治大臣の諮問機関で置かれて、その年の十月十二日の総会で自治大臣に対する答申を発表しております。これは自治大臣に対する答申でありますから、当然それを尊重し、それに基づいて政府は施策をしていくべきであるというふうに私どもは考えるわけでありまして、そのために制度調査会の委員をわずらわして答申をいただいたというふうに思うわけでありますが、その中にこういうふうに書かれているのですね。「地方公営企業の健全な発展をはかるためには、」「地方に対する国の行政の刷新が必要であることを附言したい。このことは、たとえば、人口の過度集中、交通の過密化、住宅の無計画な建設などが地方公営企業の経営に大きな圧迫となっていることを思えば、きわめて明瞭である。政府は、この点にかんがみ地方における行政、とくに都市における行政のより一層の総合化を実現するよう努めるべきである。」ということを制度調査会が答申書の終わりに言うておるわけであります。したがって、昭和四十一年の当時において、それからすでに七、八年経過するわけでありますが、都市に対する総合的な施策、それは住宅もあるでしょうし、交通もあるでしょうし、都市のいろいろの性質によって土地の利用区分をきめるという作業が必要でもあろうし、あるいは、生活の環境の整備というようなものも必要であろうし、教育、文化、公園その他いろいろのものが必要だというふうに思うのでありますが、そういうものがほとんどなされていないということが今日の都市交通の経営の悪化を来たしたものであるというふうに思うわけでありますが、それとともに、先ほど触れました高度経済成長政策をとって、いわゆるインフレということで物価を値上げさせている。都市の交通に働く労働者の諸君は、何もベース改定をしてもらわぬでも、物価さえ上がらなければ、毎年の昇給だけでものは足りるわけであります。しかし、インフレになれば、ベース改定ということを常に行なっていかなければ生活がやれないわけであります。だから、どうしても、インフレに伴うところの物価高に対応して、人件費の高騰等がその経営を圧迫しておる。また、一方では、いま触れたように、都市に対する政策が無策であったということで、路面交通においてはあとで触れますけれども、非常に合理化を余儀なくされているということが現状であります。  だから、先ほど制度調査会が触れたような施策を政府としてはとるべきであったけれども、それを放置をしたままで、何ら総合的な政策をとらなかったというところに、今日の地方公営交通事業が破局的なまでの赤字を来たした根本原因があるというふうに考えるわけであります。とりわけ、御承知のように、都市交通については、企業環境の急速な悪化ということが言われ、利用者がそれを利用することから逃げて、マイカーにマイカーにと走るというようなやり方の中で、輸送効率が非常に低下をした、収入が減ってきたというようなこととともに、料金の改定が必ずしもタイムリーに実施できないというようなことを企業制度調査会は触れているわけでありますが、これは、基本的には、高度経済成長政策のもとにおけるインフレと都市政策の不在にその原因は帰せられる、したがって、これは政府の責任であるというふうに私どもとしては考えているんですが、この点について、政務次官はどうお考えになるか。

武藤嘉文自由民主党自治政務次官

○武藤政府委員 御指摘いただきます点は、確かに、私ども政府側も現在反省をいたしております。   〔委員長退席、中村(弘)委員長代理着席〕  高度経済成長というものがあるひずみ現象を起こした。そのひずみ現象の一つに過密、過疎の現象が起き、その過密の部分に、いま御指摘のございましたように、大都市においての人口の過度集中による住宅の問題、あるいは交通問題というような問題が起きてきたことは、これは私ども非常に反省をいたしておるところでございます。しかしながら、高度経済成長そのもののひずみの面は確かに私ども反省をいたしておりますけれども、また、一面からいけば、そのために、国力の充実、ひいては国民の所得の向上、生活水準の向上に役立った面もあるということはぜひ御理解をいただきたいのでございます。  そこで、私どもといたしましては、そういういい面だけを決して申し上げるわけではございませんので、ひずみの点は十分反省をしてやっていかなければならない。しかし、そのひずみは、すでにいま御指摘いただきますように、四十年のこの答申にすでに言われているじゃないか、なぜそれをやらなかったのかという御指摘かと思いますが、正直、政府といたしましては、やらなかったということではないと私は思うのでございます。いま、全くやらなかったようにおしかりをいただくのでございますけれども、すでに、昭和三十年代の後半においては、この人口集中の問題は起きてきておりましたし、また、それに伴って、過疎の問題も一方においては起きておりました。そうして、その当時から、今日言われておるような、首都をどこかへ移転したらどうかというような話題も昭和三十年代の後半には言われておったわけでございまして、政府内部においても、決して、全く等閑視しておったわけではございませんが、どうもそのテンポがスローでございますために、御指摘のようないろいろの現象が起き、今日、また再びこのような形で再建について法案をつくってお願いをしなければならぬということになっておる点については、正直、私も遺憾に存じておる次第でございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 私は、経済を発展させるということが悪いということを一言も申しておるのじゃなくて、高度経済成長政策の中で当然とるべき都市政策が不在であったのではないかということについて申し上げているわけであります。  それでは、都市に対する政策の不在というのは具体的に何を言うかというと、私どもは、すぐに外国の例を出すわけではないけれども、外国等にも、視察に行けば、西欧諸国においても、アメリカにおいても、それは必ずすぐれておって、都市計画的な施策をまずすることの中で都市というものの形成を行なうという手法を用いる発想を持っているはずです。しかし、日本の場合は、住宅ができた、さあ団地の中のバスをどうしようというようなことで、やっと今年度で若干の団地におけるバスの処置をするという状態だが、そういうことでは都市政策不在と言ってもやむを得ないのではないか。たとえば公団の大規模な住宅、あるいはまた公営の住宅等が立地をするといったときに何を考えるかというときに、土地だけをさがすのにやっきになって、それに伴うところの交通機関であるとか、下水道とか、公園であるとか、学校であるとかという、いわゆる都市の生活環境というものはほったらかしである。それから出てくるところの水をどうするかという河川や水路についても、既設のものをそのまま利用するというようなことをやるので、雨が降ればすぐにあふれ出るというような状態が各所で起こっている。こういうことでは都市政策が不在であるということを私は申し上げているのです。高度経済成長政策が悪いと言うているのじゃなくて、高度成長政策をやるならば、それの基本であるところの都市計画並びに都市計画事業というものを先行して、いわゆる都市政策をやるべきであるということを申し上げているのですが、これは、政務次官どうでしょう。

武藤嘉文自由民主党自治政務次官

○武藤政府委員 都市政策が不在ということでございますが、不在ということばになりますと、ゼロということになりますので、決してゼロではなかっただろうと思うのでございます。確かにいま御指摘のように、日本の場合には、人間がふえてしまって、そのあとどうしようかという政策のほうがあとになる現象がよく出ておることは事実でございます。しかし、これはただ単に政府の責任だけということではなくて、私は考えますのに、日本の国民性といいますか、わりあい日本国民というのはせっかちでございまして、そういう点も正直あるのじゃなかろうかと思います。たとえばいまのお話しのように、団地をどこかでやろうといたしますと、正直、もう来るぞということで地価が上がってしまいます。そのために団地の用地というものが確保することもできない。そのために、せっかくの交通機関のあるところが確保できなくて、もっと遠くのところを確保しなければならないということになる。そうなると一当然そこのところに交通機関をつくらなければならないわけでございますけれども、また、その交通機関なり道路なりを敷く場合にも、用地の問題でいろいろ苦労しておるということは、現実の問題として御理解いただけると私は思うのでございます。  そういうことで、いま申し上げましたように、テンポがおそかった、スローであったという点は、確かに、政府として反省しなければならぬ点はいろいろあるけれども、また、そういう面でいろいろ苦労しながらも、いろいろな障害が出てきたために、結果的に今日御指摘のような現象が生まれてきたということもあるのではなかろうかと思い、この点は、私どもが全く無策であったという御批判は、一部においては甘んじて受けなければならないと思いますけれども、一面においては、私ども、政府側が努力をしてもできなかったという点があるということも御理解をいただきたいと思います。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 あなた方は政府を持っておられるわけです。われわれ野党は批判ばかりしていると思われるかもしれないけれども、政府を持っておられる以上、いま言われたように、日本の国民がせっかちであるかないかということは別として、そういうものを前提として、土地が非常に高くなるということは、これは国民性だけの問題じゃなくて、そこに政策、政治の不在がある。そういう都市をつくるというならば、都市に対する一定の土地対策というものをつくり、先行取得をして、一定のプランニングをつくりながら、そこに公共的な先行投資を行なうというやり方をやれば、できないことではないはずであるというふうに私どもは考えるわけでございます。先行投資をまず行なうことについて、都市計画の主体である関係地方団体の長等を含めて、都市計画の整備計画というものをつくっていくというようなやり方をやっていかないで、そのときそのときのあと追い投資、出たとこ勝負という形でいろいろな処置をしていくというところに、政策不在と言われてもいたしかたないものがあるというふうに私は思うのですが、大塩参事官、あなたは都市計画の日本における最大の専門家だと言われておるんだけれども、そういう私の意見についてどう思われるか、ひとつ聞いてみます。

大塩洋一郎建設省都市局参事官

○大塩政府委員 確かに、都市の伸展に対応して、これに対する対策が遺憾ながらあと追い的であったということは認めざるを得ないと思うのでございますが、ひるがえって考えてみますと、結局、都市問題が起きた原因というものは、第二次世界大戦後における経済の異常な——これは各国ともそうでございますけれども、特に、日本におきましては、そのスピードと、そのスケールの大きさにおきまして、また、国土の狭さ等々のいろいろな諸条件がございまして、それが特に都市において、なかんずく大都市において非常に顕著であったと思うのでございます。これに対処するためには、ただいま政務次官の言われましたように、すでに昭和三十年後半におきまして、政府としましては——われわれはこれを広域都市時代と呼んでいいと思うのでございますが、広域的な都市行政の視野でもって、広域的に処理しなければならないという段階に立ち至りました。御承知の、首都圏整備法、あるいは近畿圏整備法、あるいは中部圏開発整備法といった地域立法を先行させまして、それらの地域立法と同時に、あわせて生ずる幾多の住宅問題、あるいは地価問題等に取り組もうとしたのでございまして、おそかったかもしれませんが、地価対策閣僚協議会というものが発足いたしまして、その第一の着手として、昭和四十三年に、五十年続いた都市計画法を抜本的に改正いたしました。その動機は、広域的な都市化に対応するということと、それから、地価対策、特に都市の無秩序なスプロール化を防ぐということが地価対策の何よりの前提だということで、一つのくさびをそこに打ち込むということで、いわゆる線引きを主体とする開発許可制度という、わが国では相当思い切った政策をとったわけでございますけれども、わが国の国情や、いま申し上げましたスピード、スケールの問題で、大いに努力いたしましたけれども、いずれもそれになかなか追いつけないでいる。そのギャップをいかにして埋めるかということがいま最大の課題になっていると私は思うのでございまして、この都市計画法を例にとりましたけれども、それ以後、都市対策が非常に大きな身近な問題として国民の間にも認識されるようになりました。  今日、都市問題に対して世論は非常に高まっており、政府も、都市対策、土地対策、住宅対策等の諸案件の法案を次々に提出しているような次第である、私はかように認識しておるのであります。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 いまもお話しがあったように、非常にあと追いであり、時間的なタイムラグといいますか、ズレがあるということをお認めになられたわけですが、大塩さん、あなたに率直に伺いますが、これだけ過密化したものが、都市政策的手法でほんとうにその過密化がなくなるのか。そして、あとから追っかけていってでもやっていくんだと言い、いまのいろいろな土地などについても措置をしておりますと言うけれども、いまのいわゆる六大都市という都市の過密化が、ここ数年なり何年かの間に簡単になくなって、昔のように、交通も相当自由に走り、タクシーを拾いたければいつでもつかまる、公園も相当ある、レクリエーション施設もあるというような健康で文化的な町づくりができるというような確信をお持ちになっていますか。

大塩洋一郎建設省都市局参事官

○大塩政府委員 非常に大きな問題でございますが、過密という問題につきましては、過密現象というものは、結局、総体的な経済の伸展に伴う社会投資等のギャップ、ズレの問題と解釈したほうがいいんじゃないかと私は思いますが、随所に過密現象が起きておるということは先ほど申し上げたとおりでございます。こういう過密現象というものは、いま、発熱状態の、いわゆる病気でございます。これはどんなことをしても早くなおさなければいけませんし、その都市機能の麻痺あるいは病弊というものについて全力をあげてこれからやっていかなければならない。これは、緊急対策として、時間と非常な経費は当然かかりましょうけれども、これは克服し得るものだというふうに私は考えますが、一方、過大都市問題という問題は、都市が大き過ぎる、それから、そこに非常な吸引力があって全国から集まってくる、こういう問題は国民経済的な体質の問題でございまして、これを根本的に解決することは、都市計画とか、あるいはそういう物的な政策だけではいけないのでございまして、総合的な体質改善の長期的な問題だというふうに考えるのでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 そういう長期的な総合施策について、政務次官は、政治家として、今後どういうふうにお考えになっていかれるか、聞かしていただきたい。

武藤嘉文自由民主党自治政務次官

○武藤政府委員 専門家である大塩さんがおっしゃって、そのあと、私どもしろうとでございまして、たいへん恐縮でございますが、正直、私は、今度の国総法の考え方にもありますように、現在のこの過度の集中を排除するには、何といっても人口を再分散しなければならないと思う。しかし、人口を再分散するには、いまも御指摘がございましたように、やはり、人間がそこに住んで生活をしていけるような、しかも、ある程度の生活をエンジョイできるような環境をつくらなければならない。だれだって、おまえはここへ住めと言われても、仕事もなければ、どこかへ行くにしても足の便もないわじゃ、これは正直住めないわけでございますから、そういう意味において、その人口の分散とともに、その分散した人口を受け入れ得る社会資本、あるいは受け入れ得る生活をするために必要な施設といえば、それは産業ということになるのだと思いますけれども、そういうものをいまこそほんとうに思い切って進めていかなければいけない。正直、今日の事態を招いたことでも、たとえば一つの都市においては、何万人以上はもう人口は入ってはいけないというような規定でもできまして、そして、実際そういうことでやっておればこういうことにはならなかったんじゃなかろうかという面からいけば、今度は、逆に、思い切って、半強制的にでもそういう方向へ人口を分散し、また、社会資本なり産業も分散し、そして社会資本も充実をしていく。そういうことがうまくいったときには、いま大塩さんの言っておられましたように、国土全体においてのいわゆる均衡ある発展というものができるのじゃないか、こういうことをぜひやっていきたい、こう思っておるわけでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 それならば一つ聞きたいのだけれども、私も、自治省から出ていって徳島県へ行きましたときに、その当時は、新産業都市とか工業整備地区というもので、いま言った発想と同じように、いわゆる三大都市圏に産業や工場が集中するから、新しい産業都市を興すためには、公共投資も先行的に行なって、地方の——建設省あたりは中核都市と言い、また、同じような発想が出ているのですけれども、そういうものも含めて、いわゆる新産業都市なり工業の整備地帯というものを設けて、そちらに核の拠点を置いて、いわゆる拠点開発をするという発想をいまから十数年前にしているのですよ。それが全然できていなくて、また同じような発想でやっている。いまの御答弁は同じ考え方だと思いますが、十数年たってそれができていないわけですね。あのとき法律もつくり、一年間、三百六十五日陳情に明け暮れて、とにかくそこを指定せいといって大問題を起こした。それで、指定はしてもらったけれども、工場用地にペンペン草がはえたという実例があるわけですね。そういうことを繰り返しているわけなんだけれども、それでもまだ、かつ、今度の場合、皆さんのお考えになるものができるという確信はどういうところにあるのか、お伺いしたい。

武藤嘉文自由民主党自治政務次官

○武藤政府委員 確かに、新産都市がうまくいっていないということは事実でございます。しかし、これも、全部が全部うまくいっていないかというと、テンポはおそくても、だんだん新産都市法に基づいてやっておられる地域もあることは御承知のとおりだと思います。いずれにしても、新産都市の場合を反省して、今度の新しい国土総合開発の考え方は、そういう産業面だけでなく、人口を分散させる方法を考える。それには、先ほど申し上げましたように、社会資本の問題もそうでございますし、あるいは教育面もそうでございますし、あらゆる社会機構すべてにわたって分散させる。しかし、その人口が分散しても、それを受け入れられるものがなければならぬ。それをつくろうというところは、少なくとも、あの当時のいろいろないわゆる個別的なものじゃなくて、今度は総合的に私どもは考えてやっておる。こういう気持ちでございまして、これはこれからやることでございますので、成功するかしないかは、今後の私どもの努力と、国民の皆さま方の御協力のいかんによることだとは思っておりますけれども、私どもはできるだけそういうことで進めていきたいと思っております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 まあ、国土計画の話はまた別の機会にすることにして、そういうように現在の都市が非常に過密化をし、しかも、われわれから言わせれば、都市計画が非常に不在の中で大都市だけが過密化をして、一方では、人口流出をしたところは過疎になっているという、こういう二つの現象が起こっておるのです。少なくとも、経済の成長は私ども反対ではないけれども、急速に高度に発展をさせ、それに対応する対応策がなかったというのが今日の都市の過密化を来たしているゆえんである。これはまさに政府の責任である。したがって、先ほど政務次官は反省をしておると言っておられるのでありますが、反省をしておられるなら、反省した点に基づいて新しい政策を出してもらいたいと考えるわけであります。しかも、十数年前に起こした新産業都市は、必ずしも全部が全部失敗したのではないとおっしゃるけれども、それから十数年たっても、それじゃ成功したというふうに言えるかといえば、いわゆる新産業都市においては、いずこを見ても、公害がないというふうに言い切ったところが、いまや公害を起こして、公害特別委員会においても連日いろいろな問題を議論していることを見ても、成功しているというふうには思えないというふうに私は考えます。  これは別にしまして、さて、そういう大都市問題の中心であるところの都市交通の問題でありますけれども、先ほども触れましたように、大都市の都市交通が非常に経営が困難で、破局的といわれるような状態の中で、本年度は、おそらく二千億をこえるであろうという不良債務を出さざるを得ない。したがって、第一次再建計画が終わらない間に第二次再建計画を出さざるを得ない状態に至ったということは、先ほども言ったような、長期のいろいろな点について施策が十分でなかったということを認められておる。だから、それならば、その反省の上に立って新しい計画を立てたかどうかというところが問題になるわけであります。  第一次再建計画の中で何をやられたかというと、本来は、先ほどから言っておりますように、大都市の政策が不在なのにかかわらず、都市交通内部にだけ原因があるというふうな考え方の中で徹底的な合理化を求めたわけですね。だから、どれぐらい一体合理化が進められたかということをわが党としては最近調査に参りました。大阪へ調査に行ったのでありますが、ここで大阪の例を一つ言うてみますと、これは、実に徹底した合理化がなされております。申し上げますと、とにかく、路面電車は昭和四十三年の末で全部廃止をしております。トロリーバスも廃止をしております。病院を経営しておつだのでありますが、病院も赤字だということで、これも廃止であります。それから、バスの車両も、最大の保持をしていたときには千九百三両あったのでありますが、現在では千五百両で、路線は延びているけれども車両は減らしているという形になっております。それから、外国もそうだといいますけれども、バスはもちろん全部ワンマンカーになっておる。日本のように過密をしているところと、ロンドンやパリのように交通整理が十分できているところがワンマンカーだというのは、同じ条件にないと私は思うけれども、大阪では、全部がワンマンカーになってしまっている。変電所を無人化しなさいというから、変電所を無人化いたしました。業務の機械化、合理化をやりました。乗車券の自動発売機などもつくろう、地下鉄の自動改札を開発をしよう、駅の清掃も、みずからやっていたのも外注にしましょう、車両の清掃も外注をいたします、定期券発売業務も委託をいたしますということで、そして、料金も改定をいたしました。人員に至っては、ほとんど整理できるまで整理をいたしまして、路面電車はもちろん、二千八百人おった者がゼロ、トロバスも、八百二十九人おった者がゼロ、バスは、七千七百五十九人おった者が、ワンマンカーになることによって三千九百七十八人になる。一万一千人おった者が三千九百人というふうに減らしているわけですね。ありとあらゆる合理化を第一次再建計画の中で行なったという実態を見てきました。それにもかかわらず、昭和四十七年度末には、地下鉄で四百八十五億、バスで二百九十四億の赤字がおそらく出るだろうということであります。一体、これがはたして内部要因で出たものだと政務次官はお考えになりますか、どうですか。

武藤嘉文自由民主党自治政務次官

○武藤政府委員 先ほども申し上げておりますように、正直、都市の構造が非常に複雑、多様化してきた、また、一面において国民生活の水準が上がってきたということで、マイカーの増加あるいは都市の交通の渋滞が起きていることは私も認めておるわけでございます。そういうことが根本原因になっておることも私は認めるのにやぶさかではございません。しかしながら、また、一面からいけば、いま大阪の例をいろいろお話しいただきまして、これは合理化を進めていただいておるようなのでほんとうにありがたいことでございますけれども、しかしながら、私どもが承っておるのでは、まだまだもう少しやっていただけないだろうかということを正直思っておる点もございます。たとえば、先ほど愛野議員のお話しがございましたように、いろいろ数字を比較してみますと、民間の企業との比較におきましてはまだまだ違う点があるわけでございまして、そういう点は、大阪とか、地域によっていろいろ違うだろうと思うのでございますが、地域によっては、まだまだ何とかお願いをしてやっていただけるんじゃなかろうか、こういう点があることも私は事実だろうと思います。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 私は大阪を見まして、もうほとんど合理化はするものはしたと思うのですが、まだあるとおっしゃるけれども、それは若干人件費等においてあるかどうかは別として、これも判断の違いだと思いますけれども、あるとおっしゃるなら、一体どういうところがあるか、ちょっと教えていただきたい。

森岡敞自治大臣官房審議官

○森岡政府委員 いまお話しの大阪市の交通局の合理化の事例でございますが、確かに事実だと思います。ただ、私どもの立場から申しますと、御指摘の合理化は、世の中の変化に応じて当然やるべきものをやったということではないだろうかと思うのです。たとえば、バスの人員が減っておりますことは、ワンマンカーあるいはその他の措置によりまして、当然減っていくわけでございます。それから、路面電車やトロリーバスにつきましては、地下鉄への切りかえということが大阪は一番進んでおるわけでございます。それに伴いましてそういうような転換が行なわれている。現実の労使関係を見ますると、一〇〇%近く配置転換ということでこれは措置しておるわけで、そういうことから申しますれば、人件費について相対的にながめますと、やはり過剰な面はあると言わざるを得ない。しかし、これは相当長期間を通じまして新陳代謝もあるわけでございます。そういうふうな面を通じてだんだんと経費の合理化が行なわれていくのだろうと思います。  それから、病院の廃止なども、おそらくは、市民病院あるいは大学病院などとの関連もありましてそういうふうな廃止が行なわれたんだろうと思います。ですから、これが非常に過酷な合理化であるというふうには私どもは考えておりません。  それから、今後の問題でございますが、私ども、一つの問題といたしまして、バスの路線の問題があると考えております。と申しますのは、しばしば指摘されておりますように、地下鉄との重複路線というのがかなりございます。地下鉄が現に走っておりまして、千メートル間隔でございますか、駅があるわけでございますが、その上に同じようにバスが走っている。まあ、あれば便利にこしたことはないわけでございますが、そういう問題がございます。  それから、重複路線が路面電車の代替ということで非常に残っておるものがございます。そういう面につきましては、住民の利便との調整を考え合わせながら、もっと需要の多いとごろに路線新設するか、そうでないところについては後退をしていく、こういうことも必要だろう、こんなふうに考えておるわけでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 いま言った重複路線を暫定的に置いていくということ等が合理化されるかされないかということはさほどたいした問題ではないんで、乗客サイドから言って、大量輸送機関が確保されているということであればいいと思うのですけれども、いまお話しのあった程度の将来に対する合理化というものは、いま言った膨大な、地下鉄も五百億近い、バスでは三百億近いというものをどうしようというか、それを解消するに足るだけの合理化の問題とは関係がないというふうに思うわけです。ということは、あげて外的な要因、これに基づいて赤字が出ている。この外的な問題というのは、すなわち都市政策不在ということを私自身は考えざるを得ない。いま、過酷であったかなかったという点は相対的なものだと思いますが、現実にやってきたわけですから、それだけやっても赤字が出るということ、これは内部的な原因ではない。外部的な原因でその赤字が出ているのだ。すなわち、都市対策の不在というところから出ているのだという点を私は指摘したいと思うのですが、その点はいかがでしょう。

森岡敞自治大臣官房審議官

○森岡政府委員 確かに、午前中以降御論議いただいておりますように、現在の公営交通、ことに、その中でも、バス、路面交通の経営悪化は内部的な原因だけではないと思います。外的要因と企業内の要因が重なり合いましてこういう結果を来たしておるということは事実であろうと思います。その中に、おっしゃるように、都市対策なりあるいは都市構造の改革と申しますか、そういう問題が実勢になかなか追いつかない、あと追いしているという問題が大きなウエートを占めておる。これも事実であろうと思います。したがいまして、私どもといたしましては、企業内部の合理化だけでそのものが片づくとは全然考えておりません。企業内部の合理化はもちろん必要でありますが、同時に、思い切った交通環境を整えていく必要があると思っておるわけでございます。そのためには、政府各省それぞれ分担しているわけでございますが、協力をいたしましてそのような条件を整えていく努力をしてまいりたい。そういう意味合いで、この法律の中にもそういう趣旨の措置の申し出なり、それに対する政府、各省の配慮という規定を設けまして、これらをフルに使いまして、バスが信頼される公共交通機関として、将来市民の利便をはかっていくという体制をぜひ進めてまいりたい。各大都市の交通局も現在そういう気持ちで一ぱいでございます。非常にむずかしい環境のもとではあるけれども、政府の援助あるいは各省の協力を得て、自分たちも努力をしたい。しかし、同時に、それらの努力を総合いたしまして、バス事業というものが市民の足として信頼されるような方向にぜひ持っていきたい、そしてあらゆる努力を傾注したい、そういう気持ちをそれぞれ表明しているわけでございます。それらをあわせまして適切な方向に持っていきたい、かように考えているわけであります。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 都市の交通の基本というのは、制度調査会なりあるいは公営企業の研究会も書いておるように、大都市においては、地下鉄というものを基幹にしながらバスというものを補助的に使っていくのだという考え方をとっているわけですね。  そこで、地下鉄のことにちょっと触れていきたいわけでございますが、地下鉄が、今年度の運輸省の予算に、百二十億ですかの補助金が組まれているわけですね。百億をこえるような地下鉄の補助を出すのに現在法律がないわけですね。単なる補助要綱なり規則というのですか、これは一体どういうわけでしょうか、ちょっとお伺いをしたい。

中村四郎運輸省鉄道監督局民営鉄道部長

○中村説明員 地下鉄の整備にあたりまして、ただいま先生が申されましたように、本年度から六六%の建設費補助が実行に移されるわけでございますが、これにつきまして、この補助制度の沿革と申しますか、昭和三十七年に利差補助方式というものが初めて適用になりましてから、四十二年、四十五年、それから本年というふうに建設費補助の拡大をはかってまいったわけであります。これらにつきまして、法律によってその実効性を担保し、確保するという必要はあろうかと思いますが、ただいま申し上げましたように、この地下鉄建設に対する補助につきましては、その必要性なり、あるいはその実効という面について、すでに確立されているというふうにわれわれは現在理解しておるわけでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 そうすると、政府としては、今後立法化する意思はないわけですか。

原田昇左右運輸大臣官房審議官

○原田政府委員 この地下鉄だけでなしに、都市交通全般としてとらえて、この都市交通整備をどうしていくかという面について、法律の必要の有無の検討ということは考えてまいる必要はあろうかと思いますけれども、ただいま先生が申されました補助自体のみについては、すでに確立され、定着しているというふうに理解しておるところでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 私どもとしては、地下鉄は、少なくとも四分の三まで——おそらく、本年度は三分の二、実効五一%という補助まで大蔵当局と十分折衝してやって、これだけやったのだからもっとほめてくれと言われるくらいに思われるでしょうが、われわれとしては、四分の三、いわゆる橋梁並みの補助をすべきであるという基本的な考え方に立っております。なぜそういう基本的な考え方に立つかといいますと、私も、一年か二年前に、地下鉄だけを視察にヨーロッパへまいりましたが、パリにいたしましても、ロンドンにいたしましても、あるいはアメリカにいたしましても、地下鉄に対しては、政府並びに当該地方団体、州、あるいは自治体が建設費を持って、料金は運営費だけをまかなうのですということを、みな異口同音に言っております。いずれの国に行っても、責任者に会うと、都市問題というのは国の責任で処理をしなければならないものだと考える、したがって、その都市問題の中の重要な交通機関については、国の責任としてこれは処理をしなければならないのだということを、運輸当局の責任者はみな口をそろえて私どもに言っております。それは、先ほどの愛野さんへの答弁で、森岡審議官から、新しい財源も考えながら考えると言われておりましたが、確かに、そういう費用を調達するために新しい税を起こしているというところもありました。しかしながら、現実には、都市交通の会計がみずから資金をどんどん調達して、採算が合う場合は別として、合わないという見込みの場合に、みずから資金を調達するというようなことを地下鉄でやっている国はむしろ少ない。日本は、いままではあまりにもおくれておったというふうに思うわけですが、外国並みの都市政策なり地下鉄対策がどうしてできないのかという点について一ぺんお伺いしたいと思います。

原田昇左右運輸大臣官房審議官

○原田政府委員 ただいまの御指摘でございますが、御承知のように、都市交通には、それぞれの都市あるいはそれぞれの国の歴史がかなりあるわけでございます。一朝一夕に膨大な都市高速鉄道の建設はできないわけでございまして、わが国の場合、首都交通圏の例をとって申し上げますと、従来から、国鉄や民営鉄道や都市の発展に応じまして、営団地下鉄というものができまして、さらに都営の地下鉄というものが出現し、そしてサービスを提供してきたわけでございます。  そこで、最近におきまして、新たに地下鉄を建設いたします場合には相当大幅な投資が要ります。そこで、従来のような補助金制度ではなかなか解決していかないということはまさに御指摘のとおりでございますが、それだからといって、固定施設は全部国なり公共団体の資金でまかなえというところまでいかなくとも、現状の実質五割の補助制度を適用いたしますれば、現状においては、新しい計画に従いましての新しい路線の建設が大体可能であるとわれわれは考えております。  その計画につきましては、一昨年、都市交通審議会で答申を得ました。新たに、国鉄、地下鉄あるいは民営鉄道の複線化も含めまして、十三路線を六十年までに建設していこうという線が出ておりますので、その線に沿って、地下鉄の助成、あるいは地下鉄との相互乗り入れをいたします民営鉄道——これは現在一複線でございますが、将来においては複々線にいたすというような計画を立てて、着々実施いたすように、制度的にも、民営鉄道については、たとえば鉄建公団方式を活用するといったような制度をとりまして、それぞれわが国の知恵をもってやっていくということは、現在、われわれとしては、最も実行可能な措置ではないかと考えておる次第であります。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 外国でやられているのは、それぞれ外国の事情によるんだというような御答弁のようでありますが、それならば、地下鉄の企業債を、耐用年数を五十年くらいに延ばすということは、何も外国の実情と関係ないと思うのですけれども、どうしてその耐用年数に合わされないのか。五十年ぐらいにまで延ばす意思があるかどうか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。

森岡敞自治大臣官房審議官

○森岡政府委員 地方債の償還年数、特に、公営企業の企業債の償還年数につきましては、お話しのように、経営収支を考えてまいりますと、できるだけ耐用年数に合わせるような長期の償還条件を設定することが望ましいと私ども考えております。そして、かねてから努力を続けてまいったわけでございますけれども、現段階では、まだ、五十年というふうな長期のものには至っておりません。今後引き続き努力を進めてまいりたい。だんだんと延伸ははかってまいってきておるわけでございますけれども、十分とは申せませんので、今後努力を続けていきたいと思います。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 やはり、耐用年数に合わすことが、企業債というものの性格から言うとより合理的であるが、できない理由は何でございましょうか、教えていただきたいと思います。

森岡敞自治大臣官房審議官

○森岡政府委員 政府資金でございますと、資金運用部の資金回転の問題でございましょうし、また、公営企業金融公庫資金に相なりますと、公庫の原資が、御承知のように、政府保証債と共済組合縁故調達に限定されておりますので、そういう原資との関連で、四十年、五十年という非常に長期のものを設定することがなかなか困難だということであろうかと存じます。また、市中金融にも相当程度依存しておりますが、この辺になってまいりますと、各市中金融機関の融資のシステムといたしまして、四十年とか五十年とかいう長期のものは非常に困難にならざるを得ない。まあ、そういうことになってまいりますと、たとえば借りかえをできるだけ弾力的にやってまいりますとか、そういうふうなことを通じまして、この資金運用面でのギャップといいますか、無理を是正してまいる、こういう方向もあわせて検討してまいりたい、かように考えます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 公営交通問題研究会で、昭和四十七年十月三十日に答申を出されました。政府としては、自治省としては、たとえば、地方制度については地方制度調査会、地方税については税制調査会等、いろいろの調査会を設置されて御意見を聞かれるわけです。それは、専門家の御意見ですから、お聞きいただくことは非常にけっこうなことだろう。しかし、その中に答申をされていることぐらいはせめて尊重をしていただきたい。こういう制度はどうですかと言うと、それならば、それは地方制度調査会にかけて、あるいは税制調査会の御意見を聞いてきめますと言う。それでは、そういう制度調査会の意見を尊重されるのかと言うと、それは、適当なところは尊重されるけれども、どうも、金の負担になるところだとか、われわれから言うと、地方団体としては困るなというところばかりは尊重するけれども、もっと尊重してあげてほしいというところはさっぱり尊重せぬのです。いまここに持っておりますが、地下鉄の問題でこの研究会が言うておられることは、地下鉄に対する利子は非常に高いし、また、償還年限を延長しなさいということをちゃんと言うておるし、「公営企業金融公庫資金の利率についても政府資金に準ずる低利の資金とするよう必要な措置を講べきである。」という答申を出されている。  これは運輸省にお伺いしたいのだけれども、今回は日本では一ぺんにはいかぬけれども、とにかく六六%、実質五一%まで上げたことはたいした努力であると、自画自賛をされているし、その努力については、私のほうも一定の前進であるというふうに思いますが、しかし、それでは既往の分はどうなんだというと、三分の一程度から二分の一程度になり、今度三分の二になる。しかし、五十年からの耐用年数のものに対しては、既往のものについて、それはどうするのだと言ったら、それはこれからのことでございまして知りませんと言う。しかし、将来の料金でそれを還付していくということになれば、過去の負債、過去の赤字分について、将来の乗る人間の料金にそれをかぶせるということは、どう見ても論理的でない。したがって、この研究会は、そういうものについてはやはり補助をしなさいということを、既往債の元利償還金に対する財政援助とか、あるいは地下鉄建設に対する財政援助の中で触れているわけですね。ですから、私がまず一つ聞きたいのは、制度調査会について、われわれが国会の中でいろいろ質問すると、そういう制度調査会の意見を聞いて尊重してやりますとおっしゃる。出てきたものについて、それじゃ尊重していただけるのかと言うと、つまみ食いである。これでは、われわれとしては一体どういうふうに言えばよいのかという点について非常に不十分だ。だから、制度調査会等をつくられたり、研究会をおつくりになるなら、やはり、答申そのものを尊重するというたてまえにせめて——これでも私たちは不十分だと思うのだけれども、せめてそこまででもやってもらうなら、政府が置いた調査会なり委員会の意見を聞いておるというふうになるのだけれども、そういうふうになっていないという点について、ここの制度調査会の地下鉄の経営健全化についての答申に対してどうお考えになるかということの基本的な態度と、それから、地下鉄建設の総建設費の一〇%程度を地方公共団体の一般会計から出資せいといっていますが、これに対しての考え方、財源措置等についてお伺いしたいのと、いま私が触れました既往の分にさかのぼって補助をすべきであるということ。なぜならば、論理的に言えば、将来の料金にそういうものの負担をかぶせるということについて問題があるという点が二点。それから、第三点は、四十七年度に出てくるところの地下鉄の赤字等も相当あると思うのですが、地下鉄に対する財源の問題についてどうお考えになるかということが一つ。  以上三点お伺いしたいと思います。

森岡敞自治大臣官房審議官

○森岡政府委員 公営交通問題研究会の御報告をいただきまして、それをもとにいたしまして予算要求をいたし、結論を得て、予算及びその法案の提出をいたしておるわけでございます。もっとも、各調査会あるいは研究会で御報告なり御答申をいただきます場合、これは申し上げるまでもないことでございますが、一部には非常に理想的な結論をお出しいただく場合もございます。したがいまして、できるだけ御答申なり御報告の趣旨に沿って適切な結論を得るように努力はいたしておるつもりではございますが、予算折衝なり、あるいは法案の調整を通じまして、ある程度関係各省と意見を詰める段階におきまして、御報告なり御答申とやや方向が違うというふうなことに相なる場合があることも、これはやむを得ないものだと私どもとしては考えております。しかし、気持ちといたしましては、御報告なり御答申をいただきました以上は、当然、それをできるだけ尊重した結論を得るように努力いたしておるつもりであります。  具体的な問題といたしまして、まず、地下鉄の補助でございますが、将来の建設に対しましては、この御報告では、いまの五〇%補助を六六%補助にし、それを単年度に一挙に補助することとしてはどうかという御提案になっておるわけであります。六六%補助にいたしますことは御報告のとおりにいたしましたが、単年度補助にすることにつきましては、運輸省ともいろいろ意見調整をいたしました。経営収支の状況から申しますと、地方債の充当の問題などもかみ合わせて考えますならば、むしろ六年度間に分割交付したほうが、少なくとも現時点におきましては、経営収支の面から見てベターではないかという結論に達したわけでございます。そういうふうなことで六年分割というふうに年限の短縮をいたしたわけでございます。  それから、既住債の問題でございますが、既住債につきましては、御報告では、元利償還金の一定割合について、国及び地方公共団体の一般会計が折半して補助すべきであるというふうに御報告をいただいております。この点につきまして、実は、率直に申しまして、国鉄の財政再建との関連についていろいろ議論がございます。国鉄につきましても、既住債の元金についての措置が生かされていない、いわゆる既住債の子利子につきまして、これを特例債という形でたな上げをいたします。その孫利子補給をいたしまして、当面資本費負担の軽減をする、こういう形がとられたわけでございます。やはり、それと合わせまして、同じ手法によって既往債の措置をしようということに相なっております。ただ、しかし、いままで、孫利子補給が、四十三年度末の、しかも政府資金に限られておりましたのが、四十六年度末の縁故資金を含めました全資金について孫利子補給をすることにいたしたわけでございます。  そういう意味合いで、地下鉄につきましては、今後の建設分も、過去の既往債分も含めまして、非常に大幅な資本費負担の軽減が行なわれる。非常に長期間で経営収支のバランスをとる事業でございますので、これだけの措置をいたしますならば、今後の経営努力と相まちまして、適切な運営ができると私どもは考えておるわけでございます。  なお、出資につきましては、一割相当額を一般会計から出資をしてもらうことにいたしまして、その原資につきましては、地方債を充当いたしまして一般会計の資金措置を講じておる、こういうことでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 その企業債の償還の財源はどうかということをお伺いしているのと、それから、いま答弁が漏れたわけでありますが、私は一括してやってほしいということを申しておるんじゃなくて、既往債の問題と、——それならば、その一〇%の出資の企業債の償還金に対する財源措置はいかようになるか。

森岡敞自治大臣官房審議官

○森岡政府委員 この一割の金額は、当初はそれほど大きな金額ではございませんでしたが、だんだんと金額も張ってまいっております。したがいまして、一般会計につきまして、その償還費の一定割合を、三割程度のものを特別交付税の算定の際に算人いたしまして措置いたしております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 七割はどうなるのでしょう。

森岡敞自治大臣官房審議官

○森岡政府委員 七割につきましては、自己財源で措置をしていただく、かような考え方でございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 あとでまた触れると思いますが、いよいよ路面の問題に入ってまいりたいと思います。  先ほど愛野委員からもお話があったと思うのでありますが、まず、第一に、料金決定の問題ですね。廃止する方向で努力をされておるが、まだ若干話がつかないというような話のようであったわけですが、料金の決定が地方議会においていろいろの措置によって行なわれたものを、また運輸省で認可をしていく。運輸省としては、ほかの民営鉄道その他の関係があるのですから、許可をいたしますと、こう言うのでありますが、料金の決定の原則というものが政府におありになるのかならないのかということ、これは経済企画庁からも来ていただいておるので私はお伺いをしたいのですけれども、これは制度調査会等においても、先ほど私が述べたように、料金決定の時期的なズレというようなものがあり、また、ある意味においては、せっかく理事者が苦労して料金の決定をしても、物価抑制対策だということで押えられる。そうした場合に、それだけ押えられた分については、やはり政府が財源措置をすべきではないか。料金決定の基本の原則と、政府がそういうものに対して措置をした場合には——これは公営交通だけじゃないと思うのですよ。愛野さんも中村弘海さんもそれぞれ事業をおやりになっているようでありますけれども、押えられれば、押えたところが責任をもって財源措置をすべきだということがやはり論理的に正しいと思っている。ほったらかしてやっているというのはどういうことか、一ぺんお伺いをしたい。

原田昇左右運輸大臣官房審議官

○原田政府委員 公営の決定原則につきまして、先ほど愛野先生から御質問がありまして、現状を届け出制にいたします場合の困難性については、その際るる御説明いたしましたので、あらためてここで申し上げることは省略させていただきたいと存じますが、いずれにいたしましても、私どもとしては、交通政策をやっていく場合に、地域だけの問題と、さらに、最近のように、地域交通と申しましても、地方自治体を越えた首都交通圏、たとえば東京駅を中心とします半径五十キロ圏として、どういう交通体系でいくのが利用者にとって一番いいかという問題としてこれをとらえないと、首都の交通圏の問題は解決しないという実態があるわけでございます。そういう意味から申し上げまして、首都交通圏等におきましては、都道府県も数都道府県にまたがるわけでございますから、一つの統一的な運賃政策を実施することによりまして、利用者の利便の促進と交通機関の経営の健全化をはかっていくことが運賃政策の基本であろうと考えておる次第でございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 ちょっとよくわからないのですが、私のお伺いしたいのは、料金を押える場合に、物価対策で押える場合もあるだろうし、——会社の経営などというような問題、あるいは公営企業の経営の問題で料金を押えるということはあり得ないのでありますけれども、その他の面で押えていく場合に、押えた部分についての収支については国が責任を持つべきだ、それが物価対策としての当然の措置ではないだろうか、それが論理的に正しいのではないかということをお伺いしているのですが、それだけひとつお願いします。

垣水孝一経済企画庁国民生活局物価政策課長

○垣水説明員 御承知のように、企画庁で、現在、公共料金については各省から協議を受けることになっておりますが、これは法律上そういっているのではございませんで、物価対策の重要性にかんがみて、特に、政府の重要な料金政策等については、念を入れて審議しようという趣旨でございまして、問題の六大都市などについては、それを実際に行なう場合には、物価対策閣僚協議会等にかけまして、慎重にするということでございます。  そこで、物価対策から無理に押えているという点でございますが、実は、その点は、私どもとしては、公共料金にもいろいろございますが、交通政策のようなものにつきましては、一種の標準料金と申しますか、先ほどから御議論になっておりますように、ある程度民営の点その他を勘案いたしまして、標準的なものを基準として、この辺はもう少し節約できる面があるのではないか、あるいは過去の分の戻しについてまで料金を上げるのはどうかというようなことを、いわばサゼスチョンをいたすという立場でございまして、その上で閣僚協議会にかけて、むしろ実際の閣僚協議会では、地方で議決になったものが、そのままでも実はまだ赤字のままの議決というようなものが、料金を上げましてもなお赤字が残るというような形で出てまいっておりますので、実際には、中身としては、査定ということは結果的にはほとんど行なわれておりませんで、むしろ、たとえばバスの優先路線を拡大するとか、そういった形で、周辺からその経営を合理化するように——最近やっておりますのはそういうことでございますので、御了承いただきたいと思います。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 内部の手続についてのお答えなんですが、私の聞いているのは、政府が物価対策であろうと何であろうと、一応遅延をしたり押えたりされていることは、現実に過去にあるわけですね。そういう場合には、そのことによって得られるところの——これは、私は公営交通だけ言ってはいない。民営のバスだってそうだと思うのです。それによって収支計算をして、ぎりぎりのところで持ってきているにもかかわらず、それが遅延する場合に、物価対策として政府が押えていく、各省に対するアドバイスだから各省の責任だとおっしゃるかもしれないけれども、各省であろうとなかろうと、われわれとしては、政府というサイドでものを考えた場合に、やはり、押えたところはそれに対する責任をもって、財政的にやってやらなければいけないのではないだろうかということを質問している。それがまた論理的に正しいのではないでしょうかと申し上げているのですが、その点をお答えいただきたい。

垣水孝一経済企画庁国民生活局物価政策課長

○垣水説明員 先生のおっしゃいますように、かりに物価対策の見地だけからどうしても上げるのは、ある時期、きまったものについて無理に押えるというようなことがございますれば、そういう議論も十分成り立ち得ると思いますし、現に、先ほどから引用されました研究会でも、そういう御議論がございました。しかし、現在私どもが関与しておりますところの公営料金につきましては、特にそこで物価の面からだけ無理やりに押えつけたというようなことはないと承知しております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 そうなりますと、無理に押えつけたのは物価対策だけではないとおっしゃるけれども、少なくとも遅延をしておるし、届け出だけで発効する——自治省あたりは、一カ月たてば効力が発生するという程度の制度にしていくべきだという点については賛成をされているわけですけれども、バランスの問題で、それはいろいろな条件をつけて認めないということになると、各自治体あるいは各会社等においても、それぞれの経理なり何なりはアンバランスである。だから、公営企業というか、そういうものは一定の標準的な料金を原則としていくというのであれば、それじゃ、そこから出てくるところの企業の赤字というものは一体どういうふうに考えたらいいのか、その点を逆にお伺いしたい。企業が標準的料金をとることによって出てくる赤字は、企業経営の合理化以外に方法がない、企業の経営だけを直すというのは、あとはそっちの責任だ、こういうふうな考え方ですか。それはどうでしょう。

垣水孝一経済企画庁国民生活局物価政策課長

○垣水説明員 先生のおっしゃいますように、やはり、第一には合理化努力をしていただきたいと思いますが、しかし、合理化努力は、先ほどからお話しがございましたように、もちろん限度がございます。特に、公営については、いわゆる行政路線というようなものもございますし、あるいは、すでに路面電車を廃止したための過剰人員を一時的にかなりかかえているというような問題もございます。そういうものについては、私どもとしては、物価政策の面から申しますと、現在の利用者に負担させるよりは、一般財源という考え方が出てきてしかるべきだとは考えておりますが、そこは、地方財政あるいは国の財政全般の問題だろうと考えております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 まことにいい意見を聞いたので、それはまたあとで自治省のほうから、それをてこにして聞かしていただきます。その点で、これは、あとは保留をしておきます。  ただ、われわれとして言いたいのは、その地方議会が、いま言った標準的なものを見ながら、また、いろいろの利用者の意見を聞きながらきめるのですよ。だから、政府は独特のものさしがあるのかということを伺ったら、あまりなくて、標準的なものさしだというようなことである。それなら、地方の議会は、五円バス料金を上げるのだって徹夜してやるぐらい一生懸命になって審議をするというふうに、標準的なものも十分検討しながらやって、しかも、ほんとうに赤字で悩んでいる公営交通が、料金を議会でやっと賛成をしたときには直ちに認められるというぐらいの配慮をしてやらなければ、公営交通の側からいっても立っていけないという現状があるということで、先ほど森岡審議官のお答えもありましたことだし、それをひとつ推進をしていただいて、ぜひわれわれの要求を通してもらうということを条件に、この問題については一応終わって、次へ移ります。  次は、路面交通における大量輸送機関優先の交通規制の問題を警察庁から伺いたいというふうに思います。  私は、これは本会議でも質問したのですが、イギリスの交通省から、いわゆるレポートが数種類出ております。いわゆる車種別、時間帯別の規制の方式というものをイギリスの交通省では非常に熱心に研究をされて、レポートを出しておられます。私も、それを読んで、よくこれだけのことを研究したものだということを感心をしたわけですが、振り返ってみるに、わが国においてはああいった種類の研究が不十分ではないか。何もイギリスのまねをせいとは言いません。イギリスとは、運輸、交通の環境、条件、すべてが違いますから、それは言いませんけれども、いわゆるイギリス交通省から出ているブキャナン報告であるとかその他の報告というようなものをわが国において当てはめて、抽象的な御答弁でなくて、たとえば、乗用車やトラック等の時間帯別あるいは車種別の、規制、はっきり言えば、七時から九時までの間は絶対にこの車はどこへ入れてはいけないとか、あるいは、乗用車についても賦課金をとるとか、あるいは一定のパーキングエリアがない限りやらない、もっと駐車場の規制というものを厳重にやるとか、何かそういう政策をやっぱり打ち出してもらいたいというふうに思います。それは全然やっていないとは申しませんし、やっておられることもよくわかっておりますが、それだからといって、都市の交通が、大量輸送機関が非常に困っておるということも事実であります。バスの優先レーンといったって、四車線しかないところへレーンをつくってみても、割り込むなと言っても割り込んできているのが現状だろうというふうに思います。だから、この点について警察庁にお伺いしたいのですが、優先レーンなんかは、一体どのくらい全国でできておりますか。そして、実際それはやる方向で進んでおるのかどうか。その状況をひとつお知らせをいただきたい。  それから、前から言っておるのですけれども、やはり、地方公共団体の長に対しても具体的な交通の規制の権限というものを与えてやってほしい。公安委員会はいろいろの関係機関との間に交通対策協議会等々をやっておられるというふうに言われるだろうと思うのですけれども、なかなかこれが遅々として進まないということも現実であります。だから、抽象的な答弁でなくて、具体的に大量輸送機関優先の交通規制の問題についてお答えをいただきたいと思います。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 まず、初めに、データを申し上げます。  バスの専用通行帯が、現在、全国的に見まして七十四キロばかりございます。それから、バスの優先通行帯は約二百六十キロございます。それ以外に、先ほど申しましたように、バス以外の車両の通行どめをいたしておりますのが十六キロばかりございます。  バスの優先通行について一番力をいままでも入れてまいりましたのが東京都内でございます。バスの優先通行につきましては、先ほどもちょっとお話し申しましたように、単に優先レーンをつくるだけでは十分ではないと思います。むしろ、実際にバスが定時・定速の運転ができるような担保手段を、ほかの規制を含めて、あるいは信号機の運用を含めてやっていくという方向でいま指導しているわけであります。  これをやります場合に、一番の問題は、公営企業の場合は各市の交通局長にもお願いをしておりますし、民営のバスの経営者にもお願いをしているわけですが、バスのそういう優先のレーンをつくりましても、そこにバスがなかなか定時・定速に走らなかったり、あるいは非常に乱暴運転をしたり、あるいは、バスは走っておるけれども、お客さんがあまり乗っていないという状態では、それによって抑制されたほかの自動車の利用者がなかなか納得しないのではないかということで、われわれは、ぜひそういうバスの優先通行をはかる、経営者側のほうもそれにあわせて、お客さんを誘引できるような措置もあわせてとってください、それには、一番いいのは、各都市で、交通関係者あるいは地方自治体、公安委員会も一緒になって、具体的な路線について個々に検討していく作業をやるべきではないだろうかと、こういう方向で、いま、各府県にそういう協議会をつくるように指導をいたしておるわけであります。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 それならば、その点、私もそれほど具体的に京都においても進んでいるというふうに聞いておりませんので、もしそうであるならば、一ぺん資料を出していただきたい。各地域において、どういうことがどういうふうな形で進められて、バスの優先レーンなりバスの通行が保証されているか。先ほど話を伺っていると、バスが行けば、信号が青のときは、黄色に変わらぬでそのまま進めるというものもあるというようなお話ですから、そういうものがどこでどう開発されているかというような、大量輸送機関が優先になるという交通規制の具体的対策について、警察庁としての実施状況をひとつ資料としてお願いをしたい。委員長、ひとつよろしくお願いをいたします。

中村弘海自由民主党

○中村(弘)委員長代理 わかりました。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 それでは、その資料に基づいてまた質問をさせていただきますので、この点は、その資料を見てからにいたします。  次に、開発利益還元の問題ですが、民営の鉄道は、鉄道を敷くことによって付帯事業を行なうことができて、それによって、たとえば地下鉄なりあるいは路線というものを延ばすことによって利益が得られるわけですけれども、公営交通の場合には、そういう利益はほとんど得られない。したがって、開発利益を還元すべきだという議論が相当なされているのですけれども、現実には、その利益を受ける範囲が非常にむずかしいとか、どういう形でとることがいいかというような問題とかで遅々として進まないのだという考え方のようでありますけれども、しかし、やはり、そういう点を真剣に考えていくべきだと思う。いますぐここでどうするということを言うことはないにしても、地下鉄は、先ほども話がございましたように、これからどんどんふえていくわけでありますから、そういう点についての基本的なものの考え方をお示しをいただきたい。

原田昇左右運輸大臣官房審議官

○原田政府委員 開発利益の還元を大いにはかるべきだという御意見は、全く同感でございます。そこで、具体的に開発利益の還元によって利用者の負担を軽減する方法いかんということになるわけでございますが、開発利益の還元と申しましてもいろいろあるわけでございまして、たとえばサンフランシスコの湾岸鉄道をつくる場合のように、債券を出して、固定資産税を上げた部分で償還していくというようなやり方もあるわけでございます。しかしながら、わが国の場合に当てはめまして検討いたしますと、一般的に、開発利益還元制度を導入することにつきましては、開発利益の受益の範囲とか、程度の評価、方法等の非常に困難な問題をかかえておりまして、これらについて私ども目下種々検討をいたしておるわけでございますが、いまだ具体的な結論が出ておりませんのはたいへん遺憾でございますが、今後とも検討を続けまして、いろいろ方法を考えていきたいと考えております。  ただ、広義の開発利益と申しますか、その鉄道等の交通施設の建設によりまして社会全体が利益を享受するというような考え方に立ちますれば、国または地方公共団体から補助いたしておる分は、一種の開発利益をそれに投じておるという説明もできないわけではないわけでございます。また、団地バスの団地負担の分とか、あるいは団地に私鉄を乗り入れる場合に、鉄道を乗り入れる場合に、団地側が費用の一部を負担をするという制度は現在すでに発足いたしておりますが、これらは、広い意味の開発利益を考えて措置をいたしたという説明ができないわけでもないわけでございますが、なお、この問題については、非常に御示唆に富む御意見でございますので、前向きに検討させていただきたいと思っております。   〔中村(弘)委員長代理退席、委員長着席〕

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 次に、都市交通の一元的な調整の問題でありますが、公営交通問題研究会も「都市交通に関する調整」という欄で述べているが、「都市交通は都市機能の重要な一環をなすものであり、都市計画と有機的な調整をはかりつつその整備を進めなければならない」ということで、その「権限を有する地方公共団体が主軸となって都市交通の整備を推進することが要請されている。」ということを前提として、「地域交通行政に関する権限を一元化し、大幅に地方公共団体に委譲するとともに、地方公共団体が中心となって都市交通について総合的に審議調整する場を設ける」つまり、総合的に調整する機能を発揮する場所を設けるということになっておって、おそらく、各府県においても交通調整の問題等をやっておるわけでありますが、少なくとも、都市交通の問題についてそういう機能が設けられているということは、先ほども言いましたように聞いておらないのでありますが、この答申を受けられて、自治省としてはどうされたか、お伺いをしたいと思います。

森岡敞自治大臣官房審議官

○森岡政府委員 いま、研究会報告を読み上げての御指摘でございますが、基本的な考え方は報告に盛られておるとおりで、私ども、この方向で運輸省その他各省とお話しを申し上げておるわけでございます。ただ、それぞれの省の立場での御意見もあるわけでございまして、現段階で、この報告に盛られた中身について、具体的なめどを得るに至っておりません。ただ、しかし、権限委譲というものが一挙にできないといたしましても、一番最後に書いておりますように、少なくとも、関係各省庁あるいは出先機関と、それから、地方公共団体あるいは交通事業経営者がお互いに意見を腹蔵なく持ち合いまして、交換し合いまして、都市交通の円滑化をはかるという協議の場所を設定する、これだけは早急に設定いたしたいということで、各省庁とこの法案の審議とあわせて精力的に進めてまいりたい、かように考えております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 この問題をやはりやっていただかないと、各セクトというものはどうしても——これは、ないと口で言われても、現実にあるわけですから、ひとつ、そういう場所を早急につくっていただくということをお願いをしておきたい。  次に、独立採算制の問題についてお伺いをいたしたいと思います。  私たち社会党といたしましては、今回のこの法律案に対して、まず、第一の考え方は、独立採算制を打ち破らない限り、都市交通の経営の健全化というものはあり得ないのだという基本的考え方に立っております。独立採算制というのは、これは制度調査会の答申の中でもはっきり書かれておるのでありまして、これはあえてこの文書を読むことがいいかどうかは別として、これをこの際引用さしていただくと、「地方公共団体が水道、交通、電気、ガス、病院等各種の企業を経営し、財貨又はサービスの提供を行なう目的は、結局は地域住民の福祉の増進に資するためであり、この限りにおいては、警察、消防を維持し、道路を整備し、学校を設置する等地方公共団体の一般的な行政事務の場合と異なることはない。」というのが制度調査会の答申です。これは明らかに、交通事業というものが、公益の面あるいは住民福祉の立場から言って、消防や警察や道路を維持、整備し、学校を設置する仕事と変わらないというふうに言っているんですね。これはそのとおりだと思う。ただ、そのあとに、その利益が個々に及ぶものについては、それの費用を個々から徴収する、いわゆる受益者負担の原理が必要であるという言い方をしておるわけであります。それならば、受益者負担をやる事業とここに書いてありますもの、これも一緒ですから読みますが、それは、「一般行政がいわゆる公共的需要を満たす活動であり、その効果を特定個人に分割して帰属させるべき性質のものではなく、したがってその費用をまかなう収入は個々の支出とは無関係に賦課徴収される租税に主として求められるのに対し、水道、交通、病院等のように住民に対して財貨又はサービスを提供する事業にあっては、すべての住民が同量の財貨又はサービスを受けるものではなく、かつ、その事業の効果も特定の個々人に帰属するものであるので、財貨又はサービスの提供を受ける者がそれに要する費用を負担することが衡平の原則に適する。」それが衡平の原則に合致するというのであって、これがいわゆる公営企業の原則だ、したがって独立採算制でやるべきだ、こう言っているわけですね。私は、いま、制度調査会の答申の中の一部を読み上げたのですが、この考え方に賛成かどうか、まず聞かしていただきたいと思います。

武藤嘉文自由民主党自治政務次官

○武藤政府委員 いま、地方制度調査会の答申をお読みになったわけですが、私どももいまそういう考え方でおりますから、それに対してはイエス、こういうことでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 いまここにあるのは、「住民に対して財貨又はサービスを提供する事業」で、「すべての住民が同量の財貨又はサービスを受けるものではなく、」そして、特定の個々人に帰属するという場合に、その帰属する個々人に負担を求めるのだという、こういう考え方ですね。ところが、学校、特に高等学校の教育などは、授業料が現在八百円ですか、千二百円になったのですか、忘れましたが、いずれにしても大した額ではなくて、それに要する経費というものはばく大であって、財源措置を交付税でしている。そして、それから利益を受けるところの生徒というものは特定の個々人である。しかし、高等学校くらいになると準義務教育だという御意見だろうと思いますけれども、私立学校との関係もあり、それならばもっと授業料を取れという議論になるけれども、それを取らないということは、やはり、教育というものが、きわめて重要な社会政策的な意味あるいは国家政策的な意味があるというふうに見るのだろうと思うのです。  その次に、住宅ですね。住宅の場合に、公営住宅にはわざわざ補助金を出し、低利の起債を許可して、しかも、各地方公共団体においては政策的な家賃まで行なって、住宅に個々人を住まわしておる。これなどは最も個々人が利益を受けているものである。しかし、それは一般会計の中において、はみ出し分はすべて一般財源で処理をしておる。徹底しているのは図書館ですね。図書を読みに行くのは個々人であるけれども、その利益を受ける個々人というのはただで利用できるということが図書館法の中に書いてある。したがって、交通の問題と、高等学校の教育、住宅の提供あるいは図書館の利用というものと何か異なるものがあるというふうにお考えになりますか、なりませんか。政務次官、いかがですか。

武藤嘉文自由民主党自治政務次官

○武藤政府委員 私は、いまのお話しの中の、少なくとも高等学校と路面交通とは、正直、異なると思います。ということは、いまお話しのございましたように、高等学校というのは、進学率がもう九十何%ということになっておりますし、これは私学との関係はもちろんありましょうが、少なくとも、皆さんが公立の高等学校へ入りたいと思えば入っていただけるような形にだんだんなってきておるわけでございますから、これは、いま御指摘のとおり、準義務教育というような考え方で私どもは対処していきたい。  図書館の問題については、私も、正直、これはたいへん議論があるところだと思いますけれども、しいて言えば、やはり、より多くの人たちにそういう施設を提供するという意味において、いわゆる広い意味で、文化会館というような形でやっていけば——交通の場合と違うところは、交通の場合というのは、先ほどお話しがございましたように、たとえば一つの市の中で、全部がそれを利用しているわけではございませんし、それからまた、マイカーというようなものもだんだん多くなってまいりまして、少なくともそういう利用度の点から言えば……(山田(芳)委員「図書館は」と呼ぶ)私は、図書館の事情はちょっとわからないので、何とも申し上げられませんけれども、少なくともそういう問題については、その利用する人間の数、こういう面において違うのではないかと思うわけです。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 数が多いからこそ、より租税負担をするという原則が妥当するので、数が少ないものならば料金をたくさん取ったって一向にかまわないというのが妥当するのじゃないでしょうか、どうでしょう。

武藤嘉文自由民主党自治政務次官

○武藤政府委員 もちろんそういうことでございまして、利用者の数が多いものほど租税で負担すべきものである。だから、公営交通については、いまの高等学校その他と比べて、はたしてそれだけの問題があるのかどうか、こういうことが問題だと私は申しておるわけでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 住宅などは、公営は、御承知のように、建築五カ年計画の数字を見ますと、公営住宅は約一割ですよ。ですから、いまのお話しのように、数は少ないと思いますね。それでもあれだけ手厚い措置をしておる。図書館に至ってはおそらく——私は国会図書館にときどき行きますが、ほとんど議員さんの顔を見ない。利用者は少ない。ましてや、公立の図書館でそう多いとは思いません。だから、数じゃないと思うのですね。それがどれだけ社会的便益を与えているかどうかという政策判断の問題だろうと思うのですね。そういう立場に立つならば、都市の基本的な交通機関というものが独立採算ということではとうていやっていけないんだというのが私たちの考え方だし、しかも、先ほどから何べんも申し上げておりますように、外的な要因によってその赤字が出ているというのが現実だし、その点についてもお認めをいただいているわけですから、だからこそ、過去の赤字については、これはひとつたな上げをしてやろうという今度の新しい政策をお立てになった。その限りにおいて、この前の第一次再建よりは第二次再建は若干の前進をしておるし、当面の措置として、いろいろな問題はあります。それはこれから触れますけれども、問題はあるけれども、そのこと自身が、われわれとして不十分だとは思うけれども、否定すべき措置であるとは考えていない。だから、私の聞きたいのは、独立採算制ということでなしに、やはり、これだけ大きな問題を起こしておる都市交通の問題については、独立採算制というものをやめて、一般財源から繰り入れるべき道を開くべきだというように考えることを結論づけたいためにいろいろ言っておるのであります。  したがって、その例をもう一つ上げたいのですが、例の工業用水道などは企業に負担さしたらいいのだけれども、これは通産省が料金を一定の価格で押えるために、わざわざ補助金を出し、起債の発行を特別認めている。工業用水道についてそれまで手厚い措置をするならば、都市の公営交通について、あれと同等以上の手厚い措置が何で行なわれないか。その社会的な経済政策的な意味をお伺いしたいと思います。

森岡敞自治大臣官房審議官

○森岡政府委員 先ほど来いろいろお話がございましたが、一般行政として行なうものと公営企業として行なうものとの限界いかんという問題、これは非常にむずかしい問題だと思います。しかし、御指摘の最初のほうにもございましたように、何と申しましても、すべての住民が同様のサービスを受けるか、そのサービスが特定しているかという問題、あるいは、事業に要する経費を主として経営に伴う収入でまかなうことが適当であるかどうかということ、いろいろ総合的に勘案しなければならぬと思います。しかし、最も端的に考えますと、その財貨またはサービスの提供というのが一種の経済活動としての性格を持っておるということがやはり公営企業の特性ではなかろうかというふうに私は思うのでございます。確かに、学校、図書館、公営住宅、それぞれ公費を相当持っておるものもございます。また、それぞれの公費の持ち方も違います。そのねらいもまた違うわけでございますが、やはり経済活動であり、しかも、同じような交通企業は民営の交通企業として行なわれておるという実態を考慮いたしますと、いま御指摘の各種の一般行政サービスとは、そこはやはり違うのではないかという考え方を持っておるわけでございます。  工業用水道につきましては、これまたいろいろ議論がございますが、私ども承知しております範囲では、地盤沈下対策事業という、いわば国土保全という観点から出発したことも一つでございます。そういうことで、工業用水道は補助があるというふうに考えておるのでございますが、しかし、工業用水道の料金につきましては、私どもといたしましては、いま少しく合理的な方式をとることができないであろうかという気持ちは強く持っておるわけでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 経済活動とおっしゃるから工業用水道を申し上げたのですが、それは地盤沈下と言いますけれども、大阪やその他の特定のところは、地盤沈下対策ですけれども、工業用水道で地盤沈下に対応して処理しているというところは、おそらく、そう数が多くないのじゃないかと思うのです。私は例をあげただけであって、これを追及しようというわけではありませんが、そういうまさに経済活動的、しかも、高度経済成長で非常な利潤をあげている企業に対してさえ補助金を出しているのならば、それに補助金を出せるものなら、都会の市民、都民の足であるところの公営交通に補助金を出せない理由は一般的にないのではないでしょうかということをお伺いしているのですが、そこのところはどうでしょう。

森岡敞自治大臣官房審議官

○森岡政府委員 サービスなり施設の対比で申しますならば、工業用水道に対比して考えるべきものは、水の用途は違いますが、同じく水の供給でございます上水道ではないだろうか、そして、公営交通事業について、いわゆる独立採算制のたてまえをはずして、公費負担で相当のものをやっていけるということになりますと、むしろ、民間のガス事業、民間の交通事業とのバランスをどう考えるかということではないだろうか、かように考えております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 民間のバス事業ならば、これが不採算路線ならば、もちろん運輸省の認可が要りますけれども、やめることができるわけですね。しかも、現在、そういう過疎地域については、一定の措置もなされてきている。年々いろいろと強化もされてきているという措置があるわけですね。それから、もう一つは、私鉄の場合は、先ほども触れましたように、いろいろな付帯事業を行なうことが企業としてできるけれども、都市の公営交通が、民間の私企業と同じような、たとえば京都にあります桃山城のようなものをつくって、そこへお客を誘致してもうけるということはできないわけですね。だから、そういう点を同じだというふうに考えられることは若干違うのじゃないか。若干ではなくて、大いに違うのじゃないか。むしろ、先ほどの話の図書館の利用がただになっているということは、図書館をただにすることによって社会教育的な見地を高めようという趣旨であろう。だから、それが果たす機能というものに着目をしていくべきであり、その機能が、社会経済的に、租税というものの負担を行なってもいいかどうかという判断、政策判断の問題に帰するのではないかというふうに思うのですが、その点はどうでしょうか。

森岡敞自治大臣官房審議官

○森岡政府委員 不採算路線と申しますか、いわゆる行政路線というものが公営交通には多いことは事実であろうと思います。しかし、民間のバスの場合は、それではもうかる路線ばかりかと申しますと、これはやはり不採算の部分もやっておられる。やめたいと思っても、地域の人たちの反対でなかなかやめられないという事例もまたあるわけでございます。ただ、程度の差は非常に違います。公営交通の場合、重荷が大きくのしかかっておることは事実であろうと思います。それからまた、御指摘の、別の事業を経営いたしまして、それで総合的に収支のバランスをとることは公営交通の場合にはできない。これまた、公営交通の経営を非常に苦しくしている理由になっております。そういう点がありまするから、公営企業法でも、本来公営企業の収入をもって充てることが適当でないもの、あるいは能率的な経営を行なっても、その収入ではまかない切れないものにつきましては、負担区分あるいは補助という形で、明確な負担区分のもとに公費の負担を持ちながら、しかし、それ以外の部分については、いわゆる独立採算でバランスをとっていくという方式、たてまえをとっておるわけでございます。その基本的な考え方自身は、この際変更するということは適当ではない。公営交通の持つ民間交通に比べての大きなギャップ、ハンディというものは確かに理解し、十分承知いたしておるわけでございますが、それであるがゆえに、直ちに一般会計の助成なり何なりで全部片づけてしまったらどうだという御指摘には、なかなか御同意いたしかねるわけでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 私営のことをおっしゃるわけですけれども、私営の交通事業は、ほとんど現実に不動産会社を別建てでやっておりますよ。これは、そう言っては失礼だけれども、私の知っている限りにおいては、関西における大手の電車会社は全部不動産会社をやっておりますよ。なぜならば、どうしてもそれをやらなければ、私鉄だってどうにもならなくなってきている。バス会社だってどうにもならなくなっているのですよ。だから、これはその他のほうの利益が得られるけれども、地方団体の場合には、そういう不動産会社をやるわけにはまいりません。ですから、ほんとうに困るからこそ、一般財源から繰り入れていくということをしなければならないのだろうと私は思います。さっき言いましたように、近鉄は桃山城まで経営をしているわけですね。それから、どこも不動産業をやっておりますよ。これははっきり申し上げておきます。そういうような事業外収入を得なければやれないという形は、私鉄なら私鉄、私鉄のバス会社ならバス会社自身としては、少なくとも非常につらいことだろうと思うのですね。本来の業務をやれば採算がとれるようになればいいわけですけれども、そうはなっていない。特に、都市交通の場合は、先ほどから何べんも言っておりますように、内部の合理化というものはもう限界である。しかも、赤字の原因は、外的ないろいろな問題、都市の交通の渋滞その他であるから、これを単なる採立採算制のワクに押し込むということは間違っているのではないだろうかというふうに考えて私は質問しているわけです。特に、今回は、新しい法律で、一般会計から元金と利子の分を繰り入れるということをしたわけです。過去のものに対する繰り入れでありますけれども、その限りにおいては独立採算制を破っているのだという点で、一歩前進をしていると私どもは評価をしているわけですが、その点についてはどうでしょうか。

森岡敞自治大臣官房審議官

○森岡政府委員 先ほど、公営企業として提供すべきサービスと、それから一般行政サービスとして提供すべきものの限界は、政策判断の問題ではないかというお話しがありましたが、歴史的に見てまいりますと、率直に申してそういう点があろうかと私は思います。たとえば、これは正確ではございませんが、私どもが承知している範囲では、戦前は、中学校は、授業料で八割くらいまで経費をまかなっておったという実態のようでございますが、しかし、いまは義務教育でございます。そういう変遷はございます。ですから、いま少しく長期に見ました場合にはどういうふうな状態になってまいるのか、そこのところは時間をかけて見なければわからないと思います。したがいまして、私どもといたしましては、現時点の問題としてお答え申し上げておるわけでございます。  元金、利子について、一般会計と国の助成によりまして償還をしてまいるということをいたしましたのは、これはいわば異例の措置として国の援助も仰ぎ、一般会計も負担をしてもらってやっていく。そうしなければ公営交通は成り立たない、存立しない、市民の足を守れないというところから出たもので、いわば特例の措置として私どもは考えているわけでございます。したがってまた、それは、再建計画という形で企業も合理化の努力をいたしましても、大きなことはなかなかできないかもしれません。しかし、やれるものはやっていただくということでこれはお願いをせざるを得ない、またしたい、こういうことでございますので、将来の経常収支につきまして、利用者負担の原則というものをまるきりはずしてしまうという考え方をいまとることは妥当ではない、かように私どもは考えております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 過去私は大阪の例を見てきたものですから言いますが、大阪の合理化は、もう行くところまで行っている。そこまで行かないところがまだ若干あるかどうか、これは判断の相違くらいのことであって、合理化も、もう行くところまで行っている。これ以上合理化する余地はない。だから、今回異例の措置だとおっしゃるけれども、過去のものについてそれをされたということについては評価をしたいし、けっこうなことだというふうに思います。だけれども、問題は、先ほど大塩君に聞いたのは、都市の改造というものが簡単にできる自信がありますかと聞いたら、それは、できることはあるだろうけれども、相当の期間とエネルギーがかかるというお答えです。だから、都市の改造がそう簡単にできないということはわかっているけれども、ここでできぬとは言えぬからそう答えたのだと私は理解しております。これからあとで具体的に法律の内容に触れて質問をいたしますけれども、あの発想方法では、将来にわたって赤字が出ないということは絶対保証できない。おそらく、第二次再建が終わらないうちに第三次の再建計画をやらざるを得ないような、都市の交通環境の悪化というものは破滅的な段階に来ているのではないかというふうに私は思う。しかし、それはそのときのことだというようなお答えでありますから、第三次もやるならやるのだというふうにいまとっていいかどうか知りませんが、そういうことを言われるのですけれども——先ほどの大塩君の話ではないけれども、日本人はどうもせっかちだとかいいますけれども、こういうものは幾らせっかちでもいいのであって、あらかじめ一般財源から繰り入れることができ得るような道を開いておかないといけないのではないか。赤字になったらまたなったときのことだというような無責任な態度ではいけないのではないか。今度せっかく第二次再建を一生懸命おやりになるけれども、第二次再建がたとえできても、それは過去の赤字だから、将来に向かって一般財源からの繰り入れ、導入をしなければ第三次再建というものはどうしてもやらなければならなくなる。だから、この際、やはり一般財源からの繰り入れというものが必要であるということを私どもは考え、また、そういう法案を別途提案をしておるということは御存じのとおりでありますけれども、将来にわたって赤字を避け得ることができるという確信をお持ちになっておられるのかどうか。お持ちになっておられないのなら、やはり、独立採算制はこの部分については打破していく必要があるというふうに思うのですが、その点どうでしょうか。

森岡敞自治大臣官房審議官

○森岡政府委員 御答弁申し上げたことが少し誤解を招くような、何か、先は先のことだというふうな受け取り方をされておるようでございますが、そういう気持ちは毛頭ございません。都市改造の問題、あるいは都市の整備の問題、これは一朝一夕にできないと私も思います。やらなければなりませんけれども、ある程度の期間と努力を重ねなければ、そう一朝一夕にできる問題ではないと思います。   〔委員長退席、中山(利)委員長代理着席〕 ただ、しかし、公営交通を取り巻いております有害な諸条件の中で、やはり、相当程度改善し得るものはあるというふうに私どもは考えておるわけでございます。先ほど来、バスの優先レーンや専用レーンのお話しがございましたが、これなども、警察庁とよく御相談いたしまして、だんだん広げてまいっております。まだ緒についたばかりでございますので、だんごになって走るとかいうような状態があるわけでございますが、そういうふうな問題をはじめとして、道路上の駐車の思い切った規制をする、バス停とかバスターミナルをできるだけ有機的に配置するようにやっていくということで、そのために必要な起債というふうなものにつきまして、私ども大いにつけてまいりたいと思うのであります。そういうふうな各般の諸措置を構じますれば、バスがある程度また定時性を回復し、乗客の信頼を得て走れるような状態というものを再びっくり出すということは不可能ではないと私は思うのであります。もしそれが不可能だというのであれば、バス事業というものは、都市の交通機関としての機能を果たせないということを言うにひとしいと思うのでありまして、非常に困難を伴いますけれども、そういう諸条件をできるだけ整えるということの努力をぜひいたしたい。そして、バスの機能回復をはかっていきたい。同時に、利用者負担の適正化の問題は、これはなかなかいろいろ世論もあるわけでございますけれども、人件費も上がり、経費も上がってまいるということになってまいりますると、やはり、適正な利用者負担というものはしていただかなければならない。これはいろいろ議論は出ましょうけれども、十分利用者の納得を得てそういう努力もしていくというようなことを通じまして、この再建計画期間中にバス事業の機能回復というものを私どもはやっていきたいし、また、やっていくように期待をいたしておる、こういうことでございます。

吉田法晴日本社会党

○吉田(法)委員 ちょっと、議事進行に関して。  同僚山田議員の質問中でありますが、ごらんのとおりです。定数も切っております。定数がそろうまでしばらく休憩されることの動議を提出いたします。

林百郎日本共産党・革新共同

○林(百)委員 私も。これは、非常に重要な地方公営交通事業のピンチをどう解決するかという重要な法案でしょう。ことに、あしたは、地方公営交通事業に従事している人たちが、この事業の再建のためにストライキまでやるという、こういう真剣な立場にあるときに、この法案に対して責任を持つ与党が、委員長と一人きりでは、全く無責任な態度だと思うのです。ですから、この地方公営交通事業に働いている人たちの期待にこたえるためにも、また、山田委員の質問に誠実に答えるためにも、与党委員のそろうまでちょっと休憩していただきたい。

中山利生自由民主党

○中山(利)委員長代理 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕   〔中山(利)委員長代理退席、委員長着席〕

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 速記を始めてください。  山田芳治君。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 ちょっと話がとぎれましたので、もう一ぺん繰り返しますが、先ほどから言っておりますように、内部の合理化というものが、若干の利益があるかどうかは別として、もうほとんど行くところまで行ったというのが都市交通の現状で、特に、第一次再建計画の中で徹底的にやるべきものをやっているにもかかわらず、その再建の途中において赤字が破局的な状態まで行ったということは、先ほど、都市の改造についても少しは進むだろうし、大量輸送機関優先の措置も行なわれるであろうということを言われておるけれども、それにしても、第二次再建をやる途中においても赤字は出てくるだろう。それを救うのは、一般会計から入れていく、いわゆる独立採算制というものをこの都市交通については打破をしていくということがなければ、必ず第三次再建というものをやらざるを得ない。過去のものについては一定の評価はするけれども、将来に向かっての措置が不足をしているではないかという点についてお伺いをしているわけですけれども、非常に楽観的なようなお話であったわけでありますが、もう一度その点についてお伺いをしたい。

森岡敞自治大臣官房審議官

○森岡政府委員 私も、決して手放しで楽観をしているわけではございません。いまの都市の実態を見ますと、大量公共交通機関がその機能をだんだん回復していくということについては、相当の努力と、また、相当の手だてを講じなければならない、かように思います。そして、そういう努力を講じまして、大量交通機関を持つ都市交通、市民の足を確保するということをやはりはかっていかなければならないのではないかと思っておるわけでございます。その場合に、企業外の環境の整備を思い切って推進いたしますと同時に、一面において、利用者負担の適正化ということも、これは当然考えてまいらなければならぬだろう。独立採算制と申します意味は、結局、先ほど来御指摘がありますように、企業の経営に必要な経費は原則として利用者の負担によってまかなう。もちろん、負担区分によって、利用者負担に帰すべきでないものは当然一般会計の負担であってしかるべきでございましょうし、また、必要な援助、補助は当然すべきであります。そういう負担区分とか補助とかいうものをもちろん前提としつつも、利用者負担の原則というものをはずしてしまって、大都市公営交通の健全な経営というものがどういうことで成り立つであろうかという疑問を、実は、私どもとして持っておるわけでございます。でございますので、企業内外の諸要因をできるだけ改善、合理化していくという措置を思い切ってやりまして、公営交通の維持、存立をはかってまいりたい、かように思っておるわけでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 利用者の負担をゼロにせいというような議論もあります。公営交通無料論というものがありますけれども、私はそういうことを言っているのじゃない。利用者の負担をゼロにせよとは言っていないが、また、逆に、利用者負担を議会がきめて、すぐに許可をしてくれるかと言うと、物価対策じゃないと言うけれども、他の要因によっては押えますということすら行なわれているのを、政府として財政措置をすべきだと言うと、経済企画庁のほうは、それは一般財源でやったらよろしいというさっきのお答えである。だから、一般財源でそういう場合は負担をするという道を開いておいたらどうかということを私は質問をしているわけであって、利用者の負担がゼロになるなどと言っておりません。やはり基準的なものがあって、議会なり利用者の住民の同意を得て地方の議会が申請をしてきたら、それはそれなりの負担の増というものもあり得るだろう。インフレの時代ですから、そういうことはあり得るだろう。しかし、現実に、その内部の合理化も、利用者の負担もそこそこにやっていながら、しかも赤字が出ていくということになれば、これはやはり、一般財源からそれを補てんしていくという道を開いておくべきではないのか。過去についてはわからぬけれども、将来についてそういうおそれが必ずあるということはいまから予見ができるし、そう簡単に都市改造もできないだろうし、大量輸送機関の優先の方途というものができるというふうには私には思えないのですがどうでしょうかということでございます。もう一度お聞きしたい。

森岡敞自治大臣官房審議官

○森岡政府委員 その点については、先ほど御指摘のように、楽観論といえば楽観論になるかもしれませんが、私は、楽観論というよりも、そういう諸条件の整備をやって、何度も繰り返して恐縮でございますが、バスの都市交通における機能なり地位というものを回復したいという気持ちで、また、できるであろうという予測を持っておるわけであります。  料金の認可について、かりに押えられた場合にどうかというお話しでございますが、これは、私は、先ほど来の山田委員の御指摘のように、認可権者が申請権者と別であって、それで、認可権者が申請権者を不当に押えた場合には、当然、認可権者のほうで何らかの処置をとるような仕組みを考えてもらいたいものだと思うのです。それを申請団体である地方団体の一般財源で措置するということは本末転倒であろうと私は思います。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 ちょっと話の論点を変えますが、先ほども触れた研究会が、行政路線についての考え方を出して、答申を出されておるわけです。先ほど、研究会やその他については、理想的な案を出されるんだという話もありましたけれども、この研究会の報告を読むと、理想的な問題については将来にわたって検討するが、当面の措置として緊急にしなさいというのがこの研究会の答申であるわけであります。その中に行政路線の問題に触れられているわけですね。行政路線の問題について触れて、そういう措置も考えるべきであるということが言われているのですけれども、取り上げられていない。その理由をお伺いしたいとともに、過疎バスなんかについては、都道府県とともに、運輸省においては、過疎バスに対しての行政路線の措置というものを具体的にはもうすでにとっておられるわけです。ですから、大都市における路面交通機関についても、当然、行政路線の考え方というものがもっと明確に打ち出されるべきであったのではないかと思いますが、この点はいかがですか。

森岡敞自治大臣官房審議官

○森岡政府委員 いわゆる行政路線につきましては、この研究会でも非常に真剣に論議された問題でございます。申し上げるまでもないことでございますが、しかし、検討の過程で、なかなかむずかしい問題だという意見が支配的でございました。したがいまして、この報告をごらんいただきますと、いわゆる行政路線というものは、頭の中では確かに特別の助成というものを考える必要はあるとしながらも、一体、その行政路線をどういうふうに範囲を限定するのかということになりますと、たとえば、料金水準のきまり方が都市によって違うこと一つをとってみても、単に採算だけで判断することができないのではないか。あるいは、経営努力あるいは路線の状況というふうなものが非常に千差万別でございますので、一路線の採算だけがいい悪いということだけで行政路線とは言えない。そうなってまいりますと、ここに書いてありますが、「当該路線の設定の経緯」とか、「乗車密度」とか、「営業係数」とか、「経営努力の如何」とか、そういうふうなものを網羅的に考えまして、「客観的基準を設ける必要がある」という前提を置いて、その上で一定の助成を行なうこととすべきだという、こういう御報告になっているわけでございます。それをもとといたしまして私どもも予算要求をいたしましたが、なかなか行政路線の範囲についての十分なる結論を得るには至らないという状況のもとで、別途、バス購入費についての補助という形で、五カ年間さしあたり措置をとって、それによってこの行政路線を含めた再建団体の経営の健全化をはかることにしたらどうだと、こういうアイデアに移り変わっていったわけでございます。  なお、御指摘がありましたように、いわゆる行政路線ないしはそれに準ずるものとして、過疎バスあるいは団地バスにつきまして、運輸省から、昨年あるいは本年、それぞれ補助制度が設けられております。私どもといたしましては、これは、運輸省のこの補助金の拡充という方向で措置していただくほうがむしろ早いのではないかというふうな感じも持っておるわけであります。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 私は、いまのような状態で、過去の赤字は一応別として、将来にわたって都市交通を考えるならば、全部行政路線にして、一般会計から二分の一くらい負担をするという方式でも考えない限り、都市交通というものは成り立っていかないと思う。もう、思い切って全部行政路線にしてしまえという、乱暴なことばでありますが、そのくらいなことになるのではないかという非常に悲観的なものの見方を私はしております。  これはどうも議論がかみ合いませんけれども、私は、やはりそこまでものを考えておかないといけないと思う。いまの都市の構造の変革と、現在の都市に対する政策が不十分であるという中から、この点ははっきり申し上げておきたい。したがって、将来に向かって、何としても一般財源を公営交通企業の中へ入れる道を、この際、わが党が言うているように、考え方として入れるべきだというふうに私は考えているわけです。   〔委員長退席、中村(弘)委員長代理着席〕 したがって、自治省当局としては、努力をすればできるとおっしゃるが、私は、努力を幾らしても、現在の状態はそれほど改善されるものではないということを明確にこの点で指摘をして、かみ合いませんし、時間も相当たっていますので、次へ進みます。  次に、法律そのものの内容に入ってまいりますが、再建債の元金について、先ほどからも言っておりますように、一般会計から入れることになったわけですね。しかし、元金について、自治省が二分の一の要求を出されたわけでありますが、大蔵省で削られたということを聞いているわけです。  主計官にお伺いをしたいわけですけれども、先ほどから議論をしておるように、外的な要因によっており、しかも、その外的な要因というものは、国の都市政策の不十分さから出ているという部分がある以上、自治省の要求のように、元金に対して二分の一の国庫補助というものをなされるべきではないかというふうに思いますが、この点はいかがなものでしょう。

加藤隆司大蔵省主計局主計官

○加藤説明員 路面交通の再建債の元金の問題だと思いまするが、御承知のように、三十年代の地方財政再建債というものがございます。ああいうふうに、地方財政そのものの問題の際も、元金についてはやったことがないわけでございます。それから、企業に対する国の財政負担のあり方といたしまして国鉄の例がございますが、国鉄の再建債につきましても、元金を持つというようなことはいたしておりませんし、いま国会で御審議をいただいている四十八年度の新しい計画におきましても、そういうことはやっておらぬわけです。そういうような地方財政の最も根幹である財政再建債の例、あるいは国のいわゆる公的企業に対する援助のあり方、こういうようなものから考えまして、元金は中央政府が持つことはできないんではないか。  ただ、その利子につきましては、御承知のように、昨年までの場合には、三・五超の部分について七・五−八の間の利子補給をいたしておったわけですが、今回は、三・五以下につきましても、相当部分にわたって利子補給いたすことにする。ですから、利子の分は公共団体のほうでは心配しないでいいようになる、元金は自分でやってください、そういうような考え方で処理をいたしたわけでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 地方団体の、一般会計の、赤字再建の場合の例はそうでありましょうけれども、少なくとも都市政策の不十分さという点、しかも、高度経済成長政策並びにインフレという問題の中で起こった路面交通事業の赤字でありますから、当然政府において責任を持つべきである。利子について持っているとおっしゃいますけれども、高度経済成長政策なり経済政策の中から出てきた外的要因の赤字であるというふうに考えれば、この外的要因の排除という問題が国の政策の中から出てきたものとするならば、元金についても責任を持つべきだというふうに私たちは考えます。したがって、お伺いをしたいのは、主計官としては、いまの路面交通の赤字の原因は何だとお考えになられますか、一応お伺いをしたいと思います。

加藤隆司大蔵省主計局主計官

○加藤説明員 先ほど来、企業外の原因につきましていろいろ議論がなされておりますが、御承知のように、私どものほうに財政制度審議会というのがございまして、やはり、先生と同じ御指摘があるわけでございます。公営企業の問題を議論いたす場合に、特に公営交通の場合でございますが、ちょっと読んでみますと、「大都市の再開発、都市交通体系の再編成等に関して抜本的な対策を検討する必要がある」とあって、そういう認識は各方面であるわけでございまして、もちろん、企業内の原因だけにとどまらないということはわれわれも重々承知しておるわけでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 企業内の原因だけでなく、企業外であるとするならば、この点についての責任といいますか、負担といいますか、そういうものを政府が一定の割合負担するということは合理的根拠があるのではないかと思いますが、その点どうでしょうか。

加藤隆司大蔵省主計局主計官

○加藤説明員 先ほど申しました問題と、それから地方財政の場合でございますと、路面交通で、自治省の試算によりますと、たな上げの金額が八百七億ということでありますが、六大都市の部分が八割ぐらいを占めておるわけでございます。もしも、元金につきまして、中央政府で持つことになりますと、地域の団体の財政力の観点から見て、はたして公平上どうであろうかという問題が出てくるわけでございます。たとえば、公営交通をじみちにおやりになっている、財政力のない団体から納められた国税を、六大都市のような非常に大型団体——財政力があるかないかということでなくて、大型の財政規模を持っておる団体の赤字というものに向けてはたしていいのであろうか。ですから、先ほどの公営企業のサービスの性格論がございますが、いわゆる公共財理論というのは、理論的にはまだ決着のついた分野ではございませんので、非常に結論がむずかしいわけでございますが、そういうような公共財のあり方の問題とか、それから、予算といいますのは、バランスとか、先例とか、どうしてもそういうものも問題になりますし、それに加えて、地方のそういう財政力にいろいろ差がある。こういうような問題から考えまして、今回は、中央政府としては元金は持てない。地域の団体が、住民の意思において、その元金について一般財源を投入するということは、今回提案の法律の条文にもあるとおりでございまして、中央政府は、利子について最大限の負担をしようというような考え方を持ったわけです。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 それならば逆にお伺いをしますが、元金については国の一般会計から持てないけれども、地方団体がその意思に基づいて出すならば出しても、それはそれなりの理屈があるとおっしゃるのですが、私が先ほどから言っているのは、将来に向かってこのままの状態に置いては、赤字が必ず出るであろうということが必至だという議論をしているわけであります。だから、当該地域の住民なり、地方団体なり、あるいは自治省を含めて、将来に向けて一般財源の負担ということを考えた場合に、それは、大蔵省としては、考え得る道であるというふうにお考えになりますか。どうでしょうか。

加藤隆司大蔵省主計局主計官

○加藤説明員 今回の第二回目の再建計画の現実可能性の問題でございますが、われわれと自治省と大いに議論をいたしまして、また、自治省のほうは、特別の勉強会をやられ、それから、この地行の与野党のほうにおきましてもそれぞれ勉強会をおやりになり、われわれのほうも、財政制度審議会におきましていろいろ議論をいたしたわけでございまして、こういうような各方面の議論を尽くしてつくった再建計画でありますから、もしもこれがうまくいかないようであれば非常な問題になる。そういう意味で、相当の決意を固めて取りかかった再建計画であるというふうに認識しております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 当面の措置は、私は、さっきから言っているように、一定の前進はあるということを申し上げているけれども、将来に向かって都市環境がそんなによくなるという自信がわれわれとしては持ち得ない。それは国民性にもよるというような御意見もあるけれども、そういうものを含めて総合的に考えて、東京や大阪という都市が、地方の都市のように、ほんとうにスムーズに交通機関が動くということにはなかなかならない。そういうふうに思ったときに、くどいほど私がこれを言うのは、第一次再建のときにも同じ議論があった。私は、一生懸命になって本を読み、会議録を読み、その当時の実情を調べてみると、現在よりは状態がよくて、しかも、同じ議論がされているにもかかわらず、あの方式の再建債で進んできた。四十八年をもって終期とする。横浜は別でありますが……。そういう状態の中で、その一定の七年間という期間を経ないでこういうことをせざるを得なかったということについての原因は、第一次再建のときに言われたと同じことをいまわれわれがここで言わなければならないということは、その当時より情勢がちっともよくなっていないということで、将来に向かってよくなるということはとうてい考えられないから、われわれはこれだけ口をすっぱくして言うておるわけであります。  過去の対策については、確かに一歩前進だ。しかし、将来に向かって、一般会計からの投入の方式をきめておかなければ、やはり第三次再建というものが出てくることになるか、その路線をやめてしまうかという、二者択一の判断に迫られてくるのではないか。あるいは、行政路線方式で、全部二分の一をやるというふうに踏み切れば別でありますが、そういう段階が来るぞということを、私は、この際申し上げておきたいと思います。時間も相当たちましたし、また、他の議員もこの点は触れるであろうと思いますが、念を押すようですけれども、それだけはひとつ会議録にとどめておいてもらいたい。私もこれから長いこと議員をやろうと思っていますから、ひとつそういうふうにしておいていただきたいと思います。  さて、次は、再建健全化法の内容であります。内容については、私は、その内容が、第一次再建のときの経験に基づいても、そこに働く労働者の諸君が、喜んで公営交通で働けるんだという、将来に対する希望が持ち得るんだということが、たとえ再建団体になっても出てくるということでなかったら、第二次再建計画は成功しないという一つの大きな条件になると思うのです。  その、まず第一は、第一次再建計画のときの反省がなければならないというふうに思います。あるいはまた、ここに、自治省自身の「大都市公営交通事業財政再建の経過と反省」という資料がありますが、私も読んで、反省をされているという点は、それはそれなりに自治省としてりっぱなことだし、反省をしてもらわなければ困ると思いますが、反省に基づいた第二次再建の計画上の策定をしていただかなければならぬというふうに思うわけでありますが、その点についてこれから質問をいたしたいというふうに思うわけであります。  まず、第一に、第一次再建のときに失敗をしたという具体的な理由としては、職員のベース改定の経費を再建計画の中に入れてなかったことで、やはり、それを計画の中に盛り込んでいくという考え方をとらなければならなかったのではないか。国鉄の場合においては、ベース改定の経費を盛り込んでいます。それどころか、この間の仲裁裁定の問題についても、運賃の値上げ法案がまだ成立もしないし、あれだけの膨大な赤字であっても、やはり職員のベース改定はしなければならないのだという判断を総理としてはされたように新聞には報道されているわけであります。   〔中村(弘)委員長代理退席、委員長着席〕 都市交通の諸君も同じように、やはり同じ運輸交通機関に働く職員であります。したがって、インフレにより、あるいは物価高の中で、職員のべース改定というものが行なわれるときには、これは内部の経営の問題じゃないのであって、そこで働いている職員の暮らしの問題、生活の問題であるわけでありますから、やはり、ベース改定経費をきちっと盛り込んでいく再建計画にすべきであるというふうに考えますが、この点はいかがですか。

森岡敞自治大臣官房審議官

○森岡政府委員 再建計画の中に将来の経費増もどういうふうに盛り込んで策定してまいるかという問題は、これは非常にむずかしい問題でございます。結論的に申しますと、将来の経費増を見込みます場合には、将来の収入増ももちろん見込まなければ、これは再建計画としてはずが合わないわけであります。将来の計画として、バス事業について申しますならば、人件費のウエートが大きいわけでありますから、人件費の経費増も考えなければなるまいというふうに思います。反面、収入について申しますと、料金の問題について、一定の計画内容を詰めていくことも考えなければなりません。  しかし、御承知のように、再建計画は、地方公共団体の議会の議決を経てきめる計画でございます。お話しの国鉄の場合には、これは、いわば財政運営方針と申しますか、行政方針と申しますか、そういう種類のものであろうと私どもは考えておるわけでございます。それぞれ給与改定あるいは運賃改定というものについては、またその時点において新たな国会の議決が必要になってまいるわけでございます。ところが、地方公共団体の再建計画は、いま申しましたように、地方議会の議決を経るわけでございますので、その不確定な要素を織り込んだ議決を再建計画の当初においてやることは非常に問題があると思うのであります。将来これがどういう効果を持つのかということについて考えますと、たいへんむずかしい問題が出てまいります。そのようなことから、給与については現行システムで、また、料金についても現行の料金システムで算定をして、さしあたり、当面の計画を立てていく。その後、将来、必要に応じまして再建計画の改定をしていく。第一次再建計画と同じような仕組みでございますが、そういう仕組みにすることが適当であろう、かように考えておるわけでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 しかし、財政再建計画について、職員のベース改定について触れていないから、そのつどそのつど、職員のベース改定のたびに、財源というものを持ちながら自治省に協議をしているというのが第一次再建のときでもあったし、一般財政の再建のときでもあったわけですね。だから、そのつどそのつどベース改定ということになっている。これも職員の立場から言えば、何も、ベースなんぞ改定してもらわぬでもけっこうなんで、物価さえ安定しており、そして働けば、一定の時間がたてば、通常の勤務をすれば昇給をしていく、年をとれば生活が拡大していくから、それに合わせて昇給をしていくというのがいまの給与体系の原則であるとするならば、職員の側からすれば、何もベース改定をしてほしいというわけではない。やはり、経済が拡大をしていく中においては、物価が上がり、インフレが増長していくといういまの経済政策に問題がある。だから、そういう意味から言うと、ベース改定の経費というものはあらかじめ考えていくというものの考え方に立っていかないと、確かに議会の問題もありましょうし、料金改定がどうなるかという問題もありましょうが、これがまた、さっき言ったように、いろいろな問題でチェックをされる別の機関があるというに至っては、とうてい先は見込めないということであるかもわかりませんが、職員の立場から言えば、働く者の立場から言えば、昇給は当然要求されるだろうし、権利として当然発生をしているのだと思うので、この問題については、具体的にどうするかということはなかなかむずかしい将来の問題にかかるけれども、ベース改定財源というものは必ずこの財政再建計画の中には入れていくんだという方針、考え方についてははっきりしておいていただきたいと思います。どうでしょうか。

武藤嘉文自由民主党自治政務次官

○武藤政府委員 いま御指摘がございましたが、経済政策が、今後とも、インフレというか、高度経済成長政策をとるのではないか、そうなると物価が上がり、物価が上がれば、何も賃金は好んで上げたくないが、当然賃金も上げていかなければならないから、そういうことであれば、再建計画の中にもそれをうたったらどうか、こういう御指摘でございますが、私どもといたしましては、正直、今日いろいろ批判を受けておりますけれども、鋭意物価を安定させ、そして、従来の経済政策を大いに転換していこうということを考えておるわけでございます。これが成功するかしないかは今後の問題でございますけれども、私どもとしては、物価も賃金も将来においては極力安定をするように、いま、政策転換を思い切ってしつつあるわけでございます。  しかしながら、われわれの政策がうまくいかなくて上がった場合には、物価が上がれば賃金もまた上がるということは当然のこととわれわれも思いますけれども、経済政策を極力転換しておる今日でございますし、そういう意味において、いま審議官が申しましたように、非常に不確定要素があるということで、一応再建計画にははっきりしておるものは別でありますが、将来長期にわたってのものについては、万が一のそういうときに改定をしていただけばいいので、当初から入れていくということはいかがであろう、こう考えておるわけでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 結局、経営の問題との関係でそう言われるんだろうと思うんですよ。だから、国鉄だって、この間の仲裁裁定も、運賃も通らない——国鉄はあれだけの赤字ですよ。それでもやはりやるべきことはやらなければいかぬというので、それはのみますよといって、政府は政治的判断をされたわけですよ。それは国鉄くらいの大世帯ならそうだと言うかもしれないけれども、われわれから言えば、国鉄の職員も都市交で働く諸君も同じだ、同じ仕事をする限り、同じベースの同じ賃金をもらうべきであるという立場に立つ以上、これはやはり仲裁裁定を、経営の問題を別として、生活なり職員の立場から考えてのむべきだという判断さえしているわけですから、政務次官も、この際そのくらいの腹は持っていただきたい。  あわせて大蔵省の主計官にお伺いをしたいのですが、従来から、大蔵省の了承を得られないということをよく聞くのでありますが、国鉄の仲裁裁定も出る。やはり、職員の賃金という問題は、職員にとっての生活上の非常な基本問題でありますから、この点は明確にしておいていただきたいと思いますが、どうでしょうか。

加藤隆司大蔵省主計局主計官

○加藤説明員 再建計画の中に、給与のベースアップ分あるいは定昇分というものを織り込むと同時に、料金のアップを織り込むというような考え方もあろうかと思うわけであります。しかしながら、先ほど自治省の答弁がありましたように、地方財政の場合には地方議会という特殊性がある、非常に不確定な要因もあるというような判断がございまして、現在のような政府提案になっているわけでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 国鉄だって、運賃を上げる場合には、国会の不安定な要素もあり得るわけですから、それは同じじゃないかと私は思うのですが、どこか違うところがあるのでございますか。その点ひとつ……。

加藤隆司大蔵省主計局主計官

○加藤説明員 公営交通の場合は、御承知のように、今回再建団体に予定されておりますのは四十団体というふうに聞いておりますが、公営交通をやっておりますのは六十団体、事業数で八十ぐらいあるわけでございまして、再建計画をどうするかはこれからの議論になるわけでございまして、国鉄のように一本で議論ができないというような事情もあるわけでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 ですから、私は、個別的なことを聞いておるわけではなくて、全体的に言っているのですが、国鉄でさえ運賃の法案も決定しない、しかし、仲裁裁定はのもうというふうな判断をしているという関係を踏まえて、政務次官、この考え方はどうでしょうか。

武藤嘉文自由民主党自治政務次官

○武藤政府委員 先ほど申し上げましたように、将来においては不確定なものがあるということ、それから、いまお話がございましたように、各地方によって議決をそれぞれなしていただいておるという点からいけば、逆に、確かに一律にある程度きめておいたらどうかという議論も一つの議論だとは私も思いますけれども、また、一面からいけば、各地方地方の独自性というものもあるわけでございますから、そういう面においては、地方自治の尊重というようなたてまえからいけば、その議会の議決というものをやはり私どもは尊重しなければならない、こう思っております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 地方議会の問題は、これは地方で解決するということをもちろん前提にして、給与改定の問題は前向きで処理をするのだが、仲裁裁定で示されたようなものの考え方で今後処理していきますかどうかということをお伺いしているのですから、個別的な問題は個別的に各地方で解決するということが前提であるということを含んで、もう一度答弁してください。

武藤嘉文自由民主党自治政務次官

○武藤政府委員 結局、個別の問題と同じことだと私は思うのでございます。やはり、一律にいくということは個別の問題を拘束することになるわけでございますから、そういう点で、それぞれの議会で議決を経て持ってこられるものが再建計画の中に入るわけでございますから、それで、先ほど申し上げましたように、万が一、将来において、いろいろの経済政策をわれわれがやってもうまくいかない場合においては、これはそのときに改定をまたできるわけでございますから、やっていただくというのがいいのじゃないかと思っておるわけでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 毎年毎年そのつど持ってこなければならないのですけれども、それを基本的に、ベース改定については地方議会その他がちゃんと整理して持ってくれば、それはある程度自動的に認めるというぐらいな気持ちで再建計画というものを承認していくという態度であるということの基本的な立場を表明していただきたいということを申し上げているのですが、最後ですが、もう一ぺんお伺いしたいと思います。

武藤嘉文自由民主党自治政務次官

○武藤政府委員 それは、出てきて、実際問題として、当然これはというものを、まさか、自治省のほうでチェックをいたしまして、それはけしからぬというようなことは言うはずはない、こう私は思います。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 それならば、ちゃんとしてくればけしからぬと言うことはないということの答弁を、ひとつよく速記にしておいてください。  その次は、今度は、労働省の政務次官に伺いますが、長いこと待たせて申しわけありませんでした。  団体交渉で決定された賃金の問題を再建計画でチェックしていくということがあるわけですね。たとえば、ある市において団体交渉をやって、当事者との間においてこれでいきますということが正式に話がきまったが、自治省へ持ってきたときに、それではいかぬと言われて、チェックをされて、結局、中へ入った者がやめざるを得なかったというようなことは、管理者が、理事者がやめることはどうあろうと関係ないのですが、団体交渉権できまったものが履行されないということは、地方公営企業等の職員の、労働関係法の中の権利としての団体交渉権というものが、労働権というものが侵されているのではないだろうかというふうに思うのですが、この点についての政務次官の判断はいかがか。  なお、ついでに申し上げますと、昭和四十一年のときの法改正にあたって、永山自治大臣は、財政再建計画の実施によって、地方公営企業職員の権利である団体交渉権や労働協約権を侵されることは絶対にないということを言い切っております。しかし、現実には、いま私が申し上げたような例があるのですが、それがけしかるとかけしからぬということは第二として、そういう権利と、財政再建計画の法に基づくチェックの権利と、どっちが優先するのか。私どもは、団体交渉権というもののほうが、あるいは労働協約の権利というもののほうが優先をしていくのではないだろうかと思う。そうしなければ、労働者の権利は守られない。私は、行政措置のほうが下位に立つのであって、団体交渉権や、労働協約権を保護しているところの憲法の思想に基づく地方公営企業の労働関係者の法律のほうが優先すると思うのですが、その点について、自治省並びに労働省の政務次官、両方の御意見を伺いたいと思います。

葉梨信行自由民主党労働政務次官

○葉梨政府委員 お答え申し上げます。  地方公営企業の職員の労働条件につきましては、労使間の自主的な団体交渉によってきめるたてまえになっておりまして、財政再建企業についても同様でございます。ただ、実際の問題としましては、財政再建企業において賃金引き上げをしようというときには、いろいろむずかしい問題が起きておるわけでございます。起きておるけれども、しかし、この経営の健全化を促進するという面から言いますと、何といっても、労使関係の安定が一番大事であるということも明らかでございます。したがいまして、財政再建計画の策定、実施につきましては、円満な労使関係をそこなわないように十分留意してやらなければいけないと私どもは考えております。

武藤嘉文自由民主党自治政務次官

○武藤政府委員 いま労働政務次官から答弁がございましたとおりで、とにかく、労使関係がうまくいくというととが今後の経営健全化のためにはたいへん必要なことでございまして、そういう面で、十分労使の間で協議をしていただくということをわれわれは尊重することにやぶさかではございません。  先ほど来、労働権の侵害とか、あるいはどちらが優先するのかということでございますけれども、そういうことをわれわれが十分尊重する、こういうことで御理解をいただきたいと思います。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 この問題については、別途ほかの議員から十分また時間をかけて質問があろうと思いますが、私は、第二次再建計画の承認にあたっては、いまのは精神的な御答弁であったと思いますけれども、その精神的な面は十分踏まえて、再び、私がいま指摘したような例のないように扱ってもらいたいということをはっきり申し上げておきます。  次へ参りますが、これは主計官とともに森岡審議官にお伺いをしたいのですが、基準利子が、私の知る限りにおいては、公定歩合の値上がりとともに値上がりをするわけですね。〇・三上がるわけですからね。特に、五十億が公営企業金融公庫債で、あとは全部縁故債でこの再建債が配分されるということになるわけですが、基準利子が七分一厘ということを前提として、全部、財政力指数に応じて、一・七五ですか、それまでの間の幅を持たせるというのがこの再建計画ですね。しかし、七分一厘というものが七分四厘、七分五厘に上がるわけですね。そうすれば、いまの法律の書き方は、カッコ書きの中は修正しなければならないと思うのですが、この点についてはいかがですか。

森岡敞自治大臣官房審議官

○森岡政府委員 この法案ないし予算を作成いたしました事情を先ほど申し上げましたが、経済情勢は非常に流動的でございます。過熱防止という観点から、引き締めも急テンポで行なわれております。そのようなことから、公定歩合も引き上げられましたし、また、貸し出し金利の引き上げも一連の情勢となってまいっております。そういうふうな情勢を勘案いたしますと、この七分一厘を限度といたしておりますことがどうであろうかという疑問が出てまいります。しかし、反面、金利の情勢は非常に流動的でございます。また、この再建債の発行は四十八年度末になるものと考えます。最近の経済情勢のテンポは非常に速いのでございますが、まあ、同じような情勢で推移するというわけでもない。そういたしますれば、いまの段階では七分一厘ということで一応きめておいて、なお推移を見守るということになるのではないか、かように考えております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 流動的だということは、逆に、上がるということもあり得るわけですね。ですから、やはり、カッコ書きのところを直さなければおかしい。提案理由の説明は「この利子の全部又は大部分を」となっているが、この全部もしくは大部分の利子を、という、その「全部」にならなくなってしまいます。ですから、看板に偽りありということになりますから、やはり書き方を直さなければならない。流動的なものに耐え得るような書き方にこの際修正すべきだというふうに思いますが、いかがですか。

森岡敞自治大臣官房審議官

○森岡政府委員 前回の再建の際にも、御承知のように、アッパーリミットはきめているわけでございます。いまの流動的な段階で、アッパーリミットを、御指摘のように変えるとか変えないと申しましても、なかなかこれはむずかしい問題がございます。金利が上がるのか、あるいはいまの状態が続くのか、あるいはまた若干下がっていくのか、その辺のところは、現段階では非常に微妙でございます。ですから、現段階でこれを、カッコ書きを直しておかなければどうにもならないという問題ではないというふうに私は考えております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 ちょっとそれは私は承知できないのですがね。全部が全部やるということが方針ですね。たとえば七分五厘になっても、財政力の弱い団体については七分五厘の利子補給をされるというふうに読むのが当然であって、縁故債が五十億を除く二百四十五億ですか、というものは、少なくとも本年度に発行され、しかも、その利子補給というものを予算の中へ入れて、すでに予算は成立しているわけですから、積算の基礎から変わってくるということになるのですから、利子をゼロにするということを最高限度として補助する限りにおいては、七分一厘が七分五厘になれば、その部分についてゼロになるように法制を変えなければ、提案理由の説明がおかしい、こういうことになるのですが、どうでしょう。

森岡敞自治大臣官房審議官

○森岡政府委員 まず、この提案理由は、申し上げるまでもないことでございますが、予算ないしは法案を策定いたしました段階での提案理由でございます。その時点においては、こういう表現でもって措置できるというふうに私ども考えておりました。  現段階では、先ほど来申しましたように、若干金利が上がってきておりますので、その場合に一体どういうことになるのかということにつきましては、いま少し様子を見なければ、絶対にこれでだめだということでもないと私は思うのでございます。と申しますのは、縁故債について考えました場合に、各地方公共団体がそれぞれ各金庫、銀行から措り入れるわけでございます。その借り入れする際の努力というものもございますし、私どもの指導あるいはあっせんという問題もございますので、現在御審議いただいております法案の範囲内で処理できるように努力いたしたい、かように考えているわけでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 ちょっとこれは納得できませんですがね。いま、銀行は、それは確かにいいといっても、預金準備率の引き上げもあるし、公定歩合も引き上げがあるわけです。金庫、銀行に、特に府県なんかは言うことを聞かせることはできるけれども、市町村の段階においては、普通の金利よりもむしろ高うさせられているという傾向があるのが市町村なんぞの金庫、銀行の実態だと私は考えているわけなんで、弱い団体ほど利子率が高いという形にならざるを得ないのが実態ですから、やはりゼロになるということを前提として提案されている以上——しかも、公定歩合の引き上げなり、基準金利の引き上げというものは、政府の大蔵、日銀両当局の話し合いの中でやられているわけですから、法案が提案されたときにはそれでいけたけれども、現行においてはいけないのならば、いま審議しているのですから、審議の途中において、当然直すべきものは直ちに直していくべきである。だけれども、下がる場合もあるんだというなら、それは下がる場合にも対応できるように、とにかく、全部ゼロから始まって、一・七五ですか、そこのところまでの間におさめるような法案の書き方をして、当委員会において整理をしていただきたいということは当然主張すべきだと私は思うし、政府側も、そういう金利をきめられた責任者として、みずからこれは修正をすべきであるというふうに私は思うのですが、その点いかがでしょうか。

森岡敞自治大臣官房審議官

○森岡政府委員 法律は、御案内のように、「利息の年率から三・五パーセントを控除して得た率(その率が三・六パーセントをこえるときは、三・六パーセントとする。)」と書いてあるわけでございます。残りの三・五%以下の場合は一・七五%として財政力で差をつけますと、こう書いてあるわけでございます。ですから、法律といたしましては、三・六%のアッパーリミットである、こういう考え方で新たに原案がつくられておるわけでございます。提案理由のほうは、との法案を作成いたしましたり、また、予算を編成いたしました時点で、この限度で財政力の弱い団体は全部補強できる、こういう考え方でおったわけでございます。経緯はそういうことでございます。しかし、何度も繰り返して申して恐縮でございますが、何と申しましても、現段階では流動的でございますので、これがどういう形で、おっしゃるような措置が可能でありますのか、私どもといたしましては、その辺のところを考えるのはなかなかむずかしいのではないかと思います。したがいまして、いま少しく推移を見守って考えてまいりたいと思います。  さらに、この再建債は、通常の地方債と違いまして一回限り発行するわけでございます。ですから、年度内に、それがどういう情勢でありますかをよく見きわめて、まあ、率直に申せば、金利の水準の一番妥当なところで措り入れをするような指導をしてまいりたい、こういうふうに思っております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 私としてはどうも納得ができない。と申しますのは、確かに、本会議においてはそうでしたけれども、この提案理由の説明は先週行なわれたわけですね。先週行なわれたときには、公定歩合の引き上げというものはもうすでにきまっていたわけですが、そのときに「全部又は大部分」と書かれているわけです。少なくても七分五厘になるということであるならば、それを三・六というものではなしに、もっとアップをしなかったら全部ができない。これはもう基本的な問題ですが、この点については、私は気性がいいから、大臣が来られなくてもお話し申し上げているわけですけれども、大臣に対する部分は留保さしていただきたいと思います。この点がはっきりしない限り、私としてはこのままにして進められないわけです。それは、当然全部もらえるものである。金利が上がったことは、これは政府の責任において昨年金利をお上げになったわけで、あとは各金庫、銀行とお話をして下げたらどうだというお話では、現段階においてはちょっと私は承知ができないし、将来において金利が下がる見通しがあるなどということを言うことは、現段階においてはとうてい私はできない。むしろ、来年の参議院選その他に向かって景気を刺激していかなければ政府としては困るのではないかと思うくらいだから、そんなことはとても考えられないというふうに思うのだが、この点は、大臣がおられませんので、大臣の答弁を求めるのを留保いたしまして、次へ進みたいと思います。  次に、法案に「国の配慮」ということが書いてあるのですが、国が地方公営事業について、都市政策なり何なりの責任を持つべきですから、これは国の責任ということを明確に書いていかなければならないのじゃないかというふうに私は思いますが、どうでしょうか。

森岡敞自治大臣官房審議官

○森岡政府委員 公営交通事業の経営にあたりましての第一の責任は、私どもは、やはり、企業を経営いたします地方公共団体であろうと思います。もちろん、それは地域住民の足を確保し、都市交通の円滑化をはかるということはございますが、企業責任は、地方公共団体にまず第一義的に帰属するものと思います。もちろん、先ほど来御指摘のあります都市の交通環境なり、あるいは都市構造の問題なり、非常に混乱をいたしております。そういう点について政府としてもっとやっていただきたいと各省にもお願いしておる部面は多々あるわけでございます。しかし、そういうたてまえを基本にして考えますと、条文に書いてありますように、国としては、公営交通事業の再建についての協力といいますか、「経営の健全化が円滑に推進されるように配慮する」という条文のほうが適切ではないかと考えて、このような案文になっておるわけでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 先ほど私が触れた研究会の報告の中にも、あるいは、地方公営企業制度調査会の答申の中にも、国は都市政策について総合的にものを考えなさいということを答申しているわけですね。したがって、都市交通問題はすべからく都市の問題であるべきだということは、先ほど大塩君が指摘をされたとおりだと思うのです。したがって、都市計画の基本的なワク組みをするところの国が都市計画において責任を持つということが、すなわち都市交通においても責任を持つゆえんである。したがって、「国の配慮」程度のことでなくて、具体的には、各条章においてこれは責任なり措置をされるのですから、これはきわめて精神的な規定であるということになるかもしれないけれども、そのくらいの心意気がなかったら、国が責任を持ってやってくれるのだということにはならないというふうに私は思います。まあ、「国の配慮」というような、何というか、配慮をしたというようなことばは非常に遺憾であるというふうに思いますが、これはまた別の人もおやりになると思いますので、その点を申し上げて次に進みます。  先ほど主計官が言われたように、一般会計からならば、元金並びに利子の国からの補助を除いた分については、企業会計へ繰り入れるということについては、非常に意味のあることであるということを申し上げておるわけですが、それならば、一般会計に対する財源措置はどうされるか。先ほどは何らかの措置と言われたが、何らかの措置というのは何だかわからないので、その点をもう少し明確にお答えいただきたいと思います。

武藤嘉文自由民主党自治政務次官

○武藤政府委員 先ほど、愛野さんにも私がお答えをいたしましたので、この点をお答えさせていただきますが、正直言って、元金の償還が始まるのは来年でございますから、四十九年度でございますから、今年じゅうに何らかの措置をとりたいということでございまして、それを都市整備財源の一環として、たとえば一つの目的税をつくるのか、あるいは、場合によっては交付税なんかの形で考えるのか、これはいろいろ考え方があろうかと思います。その点については、四十九年度からということでございますので、何らかの措置をとることだけをわれわれは考えておりますけれども、具体的にそれじゃどれをやるかということは、残念ながら、まだその辺は明確になっておりません。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 それならもう一言お伺いしたいのですが、法律で一般会計から繰り入れるということをはっきり明確にされている以上、一般会計は義務化されていくわけでありますから、一般会計のほうに迷惑をかけないという形で、何らかの措置であるということだけは言えるわけであると思いますが、その点はどうですか。これだけ聞いておきます。

武藤嘉文自由民主党自治政務次官

○武藤政府委員 先ほども申し上げましたように、一般会計のほうは、いろいろほかのやらなければならないたくさんのことがあるわけでございまして、それが支障を来たすようなことになっては、これまたその地域住民に迷惑がかかるわけでございますから、そういうことにならないように考えていきたい、こういうことでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 それから、法第四条の関係で、「十五年度以内」ということになっているわけですが、十五年というのはたいへんなことなんで、できるだけ早い機会に再建を終わらせてやるべきであるというふうに思いますが、実際、最大限を法に書いてあるのだろう。だから、実際のめどはどの程度であるのかということをこの際お伺いをいたしたいと思います。

森岡敞自治大臣官房審議官

○森岡政府委員 確かに、十五年という期間は長うございます。したがいまして、本質的には、できるだけ早く再建を完了したいと考えておるわけでございますけれども、先ほど来非常に強く御指摘のように、企業内外の諸要因がまことに複雑にからまり合っております。それらを整えてまいるということにつきましては、相当な努力が必要だろうと思います。自治省だけの努力でももちろんできません。各省の協力を強く得なければなりません。また、地方公共団体におきましても、地方議会、住民の協力を得ましてやってまいらなければならない。そういたしますと、第一次再建で考えておりましたような七年程度の期間ではとても見込みがつかないのではないかというふうに思っておるわけであります。ただ、私どもといたしましては、十五年という期間をべたに考えるのではなくて、たとえば五年、五年というふうに切りまして、その期間内にこの程度のものはやるというふうな目標を設定して計画的にやってまいる、こういう方向をとりたい、かように考えております。  それから、いま一つの問題は、いまもお話がございました元金について、一般会計負担ということで措置してまいりたいと考えておりますので、一般会計の負担の問題もございます。それらを勘案いたしまして、やや長うございますが、十五年という期間にいたしたわけでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 今度、たな上げの縁故債が六百四十五億ですね。これは主計官にお伺いしたいのですけれども、先ほども申し上げたように、現在、公定歩合引き上げ、預金準備率の引き上げ等々の問題があるが、最近私も銀行の関係者に会って聞いてみると、非常に金融は逼迫をしておるということを、都市銀行なり地方銀行の幹部は言うて、一般的にはそれほど浸透していない感じはしますけれども、金融情勢というものが非常にきびしくなったということは、金融機関の中ではそれだけ効果があらわれつつあるようであります。六百四十五億というものの資金を縁故債で調達をすることは可能だというふうに現段階においてお考えでしょうか、どうでしょうか。

加藤隆司大蔵省主計局主計官

○加藤説明員 可能だというふうに考えております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 その点は、よく指導をしていただくようにお願いをいたしたいと思っております。  それから、次に、企業職員の賃金の決定の問題なんです。経営の状況を勘案してきめるということは、同じ地方公務員である以上、同じように働いている他の一般職員と同様ベース改定をすべきです。再建団体になると、ベース改定が一年半おくれる。あるいは、ある団体においては、一回の給与改定を飛ばしてしまったという例もあるのであります。たとえば企業局におる運転手さん、バスの乗客を運んでおる運転手さんと、市長や助役を運んでおる普通の一般職の運転手さんとちっとも職務の内容が違わないですね。ただ、内容的に、片一方では公営企業であり、片一方は一般会計であるというので、ベース改定についてもあるいは賃金の決定についても変わるということは、同一職務、同一賃金の原則というものに反するわけです。そういう点は、同じ職務である限りは、同一団体である限りは、同一賃金であるべきだというふうにわれわれとしては思うわけですが、そういう意味において、経営の状況を勘案するということばは、われわれとしてはおかしいというふうに考えておりますが、この点はいかがでしょうか。

森岡敞自治大臣官房審議官

○森岡政府委員 すでに御承知のことでございますが、地方公営企業法においては、事業の運営に要します経費は、それに伴う収入をもってまかなうということをたてまえといたしております。そういう基本的なたてまえの上に立って、給与につきましても、「企業職員の給与は、生計費、同一又は類似の職種の国及び地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与、当該地方公営企業の経営の状況その他の事情を考慮して定めなければならない。」となっております。やはり、この基本原則はたてまえとして堅持すべきものだ、私どもはかように考えております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 先ほど私が例をあげましたが、バスの運転手さんと市長さんを運んでいる運転手さんは、こっちは企業の職員であり、こっちは一般職員である。内容は同じなんですね。それが、給与改定で、こっちはとまるけれども、こっちは上がる。同じ自治体でありながらそうなっている。Aの自治体とBの自治体で若干違うということが論ぜられれば、それは確かにそれなりの事情はあろうと思うけれども、これは同じ団体の中において、同じような職務をしている。むしろ、市長や助役の運転手のほうがよっぽど楽だということになるとすれば、これは同一賃金の原則でやるべきだというふうに私は考えるし、わが党としてもそう考えておるわけなんです。その点については、これはかみ合わないことはわかっておりますけれども、われわれとしては、やはり同一のベースでやっていかなければ働く者が困るというふうにはっきり申し上げる。これはかみ合わぬだろうと思いますので、また別の方から質問があると思います。  その次に、第十三条、第十四条関係なんですが、「自治大臣の権限の委任」と「政令への委任」の問題ですが、どういうものを都道府県知事に委任されるおつもりですか。また、第十四条では、「法律の実施のための手続その他その施行に関し必要な事項」というものを政令できめられるようでありますが、その点についても、この際、内容的な問題をお知らせいただきたい。

森岡敞自治大臣官房審議官

○森岡政府委員 「権限の委任」につきましては、現在考えておりますのは、指定都市につきましては、自治省におきまして再建計画の承認を行なってまいりたいと思いますが、指定都市以外の市及び町村の再建計画の変更の承認などにつきましては、委任を都道府県知事にいたしてまいりたい、かように考えております。  十四条の「委任」につきましては、これはきわめて技術的な法律の実施のための手続の委任の規定を設けてあります。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 もし案ができておったら、審議が終わるまでにお示しをいただきたい。案でけっこうですから、お願いしておきます。  それから、先ほど愛野さんからもお話があった自転車道の問題について、これは大臣が来られてから聞かしてもらいたいと思うので、この点は留保しておきます。  相当時間もたちましたので、この程度で終わりますが、最後に、地方公共企業体の法制化という問題ですが、私どもとしては、法制化に基づく都市交通の一元化という画一的なものについては反対をしていくというふうに考えておりますが、財政局長がいろいろこの点について発言をされておるようでありますけれども、自治省の考え方はいかがか、政務次官にお伺いいたしたい。

武藤嘉文自由民主党自治政務次官

○武藤政府委員 どうもいい答えができないので恐縮でございますけれども、確かに、四十七年四月の研究会での報告におきましても、いろいろこの問題は出ておるわけでございまして、私としては、十分検討させていただくというお答えしかできないのがまことに残念でございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 私としては、ずいぶん数多くのことをやったので、まだ不十分な点が相当あります。詰めたいと思いましたけれども、若干時間も延びましたので、大臣に対する質問は来週に留保をさせていただいて、本日は、この程度で終わらせていただきたいと思います。

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 次回は、明八日金曜日午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後四時三十五分散会

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