地方行政委員会 第26号
- 発言数
- 178 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1973/06/01
会議録
○上村委員長 これより会議を開きます。 内閣提出にかかる地方交付税法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、これを許します。山口鶴男君。
○山口(鶴)委員 大臣がおられますので、ごく基本的な問題を一つだけお尋ねしたいと思っております。 それは、本日の新聞、一面に大きく、「首相、大幅減税を指示」という記事が載っております。昨日もわが党の細谷委員から同じような質問があったということを承知をいたしておりますが、たまたま本日の各紙に大きく報道されましたので、若干お尋ねをしておきたいと思います。 これを拝見いたしますと、「田中首相は三十一日昼すぎ、首相官邸に愛知蔵相、吉國大蔵事務次官ら大蔵省幹部を呼び、来年度税制改正について話合った。その中で首相は、1夫婦子二人、四人家族の標準サラリーマンで、今年度百十二万円の課税最低限を百五十万円に引上げるなど、勤労者向けに大幅減税を実施する2その財源を調達するために、法人税率をいまの三六・七五%から四〇%に引上げるのをはじめ、ガソリン税、自動車重量税、印紙税を増税する——ことを指示、大蔵省側も了承した。」ということが報道されております。 私どもは、かねがね、所得税の課税最低限は大幅に引き上げるべきである、標準世帯で少なくとも百五十万円程度に引き上げるべきだということを主張いたしてまいりました。同時に、この所得税の課税最低限と住民税の課税最低限制とに著しい格差がある。今年度について言いますと、昭和四十八年度の標準世帯の所得税の課税最低限は百十二万一千二百六十円、これに対しまして、先ほど国会を通過いたしました地方税法によりますと、住民税の課税最低限が四十八年度は八十六万五千七百六十六円であります。もちろん、本年度の住民税のいわば賦課されます所得は、所得税で言えば、これは四十八年度の税の課税客体に相当するわけでありますから、そのときの所得税の課税最低限が百三万七千八百六十円でありますから、率にいたしますと八三・四%、金額にいたしまして十七万円ほどの差があるわけですね。こういう著しい格差がある。これを、わが党としては、少なくとも三年間で、所得税の課税最低限と住民税の課税最低限を合わせるべきだということで、党としての改正案も提出いたしております。 そういうことから考えますと、この総理大臣の指示は大蔵省に対してなされたようでありますが、明年度このような税制改正を行なおうとするならば、また、そのような作業を政府として進めるならば、自治省としては、この際、当然住民税の課税最低限を大幅に引き上げるべきだと私は思う。従来のやり口でいけば、政府が出してまいりました案等から類推いたしますと、来年はせいぜい九十数万円の課税最低限にしかならぬわけです。いままでのような、各種控除を一万円引き上げるようなことをやっておったのでは非常な格差が生ずるということになります。この際、従来の住民税の減税とは抜本的に異なった、思い切った住民税減税をはかるべきだと思うのでありますが、大臣の御所見を承っておきたいと思います。
○江崎国務大臣 総理と大蔵大臣が会見をしまして、いま御指摘の新聞記事のような話し合いが行なわれたことは事実のようであります。それからまた、政府・与党でありまする自民党の税制調査会も、この税の減免措置等について、例年よりは早くその作業に取り組んでおるわけでございまして、まあ、今後の問題でありまするが、新聞に報道せられておるような方向で、慎重に検討されるものというふうに私どもも承知をいたしております。 いま御指摘の、個人の所得税の課税最低限の引き上げに伴って、住民税の課税最低限を一致させるべきではないかということは、この委員会でももうしばしば議論になったところでございます。くどくどしい話は差し控えますが、個人の所得税と住民税というものの性格から申しまして、必ずしも課税最低限が一緒でなければならぬという性格のものではないということで私どもはお答えをして、今日に至っておるわけでございます。住民税そのものの税率も、御承知のとおりきわめて低いわけでございますので、一致しなくてもいい、むしろ、地域住民として、地域の財政の一翼をになってもらうというような意味で、何ぶんかの負担は願わしいものである、こういうことで申し上げておるわけでありまするが、いまおっしゃられまするように、社会党等において前回お出しになった案は、私もよく承知をいたしております。これは一つの考え方だというふうに思っておりまするので、そういう問題をひっくるめて、今後の作業におきまして、税制調査会等の意見も十分徴しながら検討をいたしてまいるということにしてまいりたいと思います。
○山口(鶴)委員 田中総理は、大蔵大臣を何回も経験され、通産大臣も経験され、郵政大臣も経験されておるようですが、大蔵大臣の経験が長かったわけでありますが、自治大臣の経験がないせいか、この税について、国税と地方税があることをあまり十分に認識しておられぬのじゃないかという感じがするわけです。新聞にも選挙対策のにおいが濃厚だとかいろいろ書いてありますけれども、それは別といたしまして、庶民のための、あるいは勤労者のための減税をやるならば、やはり、所得税と住民税をあわせ考えなければ筋が通らぬと私は思うのですね。もちろん、大臣がおっしゃったように、所得税の課税最低限と住民税の課税最低限を一致させることが適当かどうかということについては、若干の議論のあることは私も承知をいたしております。したがって、わが党も、一ぺんに合わせるのではなくて、三年間に合わせるという段階的な方法を考えて法律の提案もしているわけです。しかし、勤労者一般大衆の減税を考えるというならば、所得税と住民税を少なくとも合わせて減税していかなければならぬはずでしょう。とすれば、田中総理が減税を指示するとするならば、それは大蔵省に指示するのは当然でしょうが、同時に、自治省に対しても、住民税減税をこれに合わせて行なうべきだぐらいの指示をするのが常識だろうと私は思うのですね。しかし、どうもそういうところが見えない。この点は、田中総理に、ほんとうの意味での庶民の税負担を軽くするという認識が不足している。同時にまた、国の財政のことは考えるが、地方財政の面での配慮が足らない。地方自治というものをあまり御存じでない。やはり、そういうことのあらわれではないかと私は思うのですが、その点をお尋ねしたいことが一つ。 あわせて、法人税を四〇%に引き上げるというのですね。私は、この点も重要な問題だと思うのです。法人税につきましては、従来から当委員会でもしばしば議論をいたしてまいりました。昨日、細谷委員もたぶんお触れになっただろうと思うのでありますが、国税、地方税を見まして、たとえば所得課税の割合が、国税、地方税はどういう割合になっているか、あるいは、流通税が、国税、地方税との割合で一体どうなっているかを見ましても、いずれも、国税の割合が非常に多くて、地方税の割合が非常に少ないわけです。ですから、国民が負担する税の配分は、国が七で地方が三だと言われておる。法人所得課税につきましてもそうでありまして、国が徴収する割合は六六・七%、都道府県が二六・七%、市町村がわずか六・六%しか配分されていない。特に、基礎的自治体である市町村に対して、非常にわずかしか法人課税が配分されていないということは問題ではないかということを当委員会ではしばしば問題にしたわけですが、この際、法人税を引き上げる——外国の法人税の実効税率は大体五〇%ですね。これに対してわが国は四五%。非常に低過ぎる。これは引き上げるべきだということをかねがね私ども主張いたしました。その場合、引き上げたものをすべて国に持っていくということは誤りだと思うのですね。今日までの議論の経過からいけば、当然、基礎的自治体へのあまりにも少ない配分に対して、その引き上げ分の相当部分を市町村に配分すべきだ、こう思うのです。また、そのために自治省は、この際大いに検討する必要があると私は思うのですが、この点に対する見解もあわせてお聞かせをいただきたいと思います。
○江崎国務大臣 住民税の問題につきましては、先ほどもちょっと申し上げましたように、やはり、相当慎重に検討を要する要素が多いと思います。まあ、なるべく低所得者の負担が少ないということ、これはいいにきまっておるわけでありまするが、もうすでに、この住民税の税率そのものも非常に低いものでありまするので、むしろ、これは相当考えなければならぬのじゃないかというようなことも言われておるくらいであります。しかし、これは、先ほども申し上げましたように、税全般の問題とにらみ合わせて、今後の問題ということで十分検討してまいります。 それから、法人の税が上がりますると、それについて地方の分配を厚くする、これは一つの考え方でありまするし、大事な点だと思います。御承知のように、法人税が上がれば、交付税の資金ワクが大きくなるわけですから、率が変わらなくても、分配はまあ大きくなるということに当然なってくるわけでございます。それからまた、今後この税が上がった場合に、地方財政の財源を充実するという意味合いから申しましても、やはり、私どもとしても、何らかこれに介入をして、いま言われるような形で直ちに実現することになりまするかどうか、これはいまお答えの限りでありませんが、この推移を十分見きわめながら、地方の財源が潤うように努力をしてまいりたいと思います。
○山口(鶴)委員 今度の国会は、小選挙区制の問題をめぐっていろいろ紛糾をいたしました。連休前後の新聞等を拝見いたしましても、江崎自治大臣は、選挙公約にもない、また、総理の施政方針演説でも触れなかった小選挙区制の問題について、これを強引にやっていこうということについては消極的な御態度だったようであります。新聞の報道の限りでは、ですよ。江崎自治大臣が、この問題について、話し合いのために総理官邸に行かれたときは、大きな声が廊下まで聞こえたというようなことも報道されておりましたから、江崎自治大臣とすれば、田中総理の勇み足に対して、それなりの御見解でいさめたりもしたんだろうと私は思います。しかし、やはり、総理の指示でありますから、心ならずも小選挙制の問題に取り組まざるを得ないという中で、十一日の御発言もあったりして、国会がこのように紛糾をしたんだろうと思うのです。私は、そういう意味では、江崎自治大臣は田中総理の被害者ではないかと思うのですね。この小選挙区制の問題については、ですね。言いかえなすならば、江崎さんは田中さんに貸しがあると思うのですね。 そういうことを考えましたときに、税の問題で、所得税の課税最低限を引き上げるが、住民税についてはどうもあまり熱心でないという、こんなことはいかぬわけであって、所得税の課税最低限を引き上げれば、住民税の課税最低限も思い切って引き上げることは当然のことです。しかも、この新聞報道を見れば、所得税の減税をするいわば見返り財源として、法人税の増税というものをお考えになっておるようですね。とすれば、所得税の減税をすれば、当然住民税の減税もする、それに対して、見返りの財源として法人税を引き上げるということになれば、市町村に対する法人課税の配分を当然高めていく、五%引き上げるんだったら、その相当部分を市町村の法人税割りに与えていくということ、これがこの報道の思想から言っても私は当然だろうと思うのですね。 そういう意味では、さっき言いましたような経過もあることですから、所得税の課税最低限引き上げをやるならば、自治省は、住民税についても、相当の課税最低限引き上げをやって減税をする決意である、それからまた、見返り財源として法人税を引き上げるというならば、その相当部分は、住民税減税の見返り財源として地方に配分すべきである、こういう主張で自治省はがんばるんだというくらいの御決意をこの委員会でお述べになっていただいて当然ではないかと私は思うのですが、いかがですか。
○江崎国務大臣 おっしゃる意味は、私、十分よくわかります。ただ問題は、これから作業するわけですから、私どもも、地方の財源について、ますます需要が多うございまするおりから、何とかしてこの充実をはかっていかなければなりません。したがって、いま御指摘のような面を含めまして十分検討をして、妥当なところにおさめたいというふうに思っております。これは取りかかったばかりですから、党の税調あるいは大蔵省等々とも事務的にも詰めまして、いま御指摘のような問題を含めて、地方財源に十分貢献できるような結論を得るよう努力したいと思います。
○山口(鶴)委員 日ごろ歯切れのいい大臣にしてはずいぶん慎重な発言で、たぶん、十一日のことにこりて少し口がかたくなっているんではないかと思うのですが、こういうことについては、勇敢にしゃべったっても国会で紛糾することはないんですから、その点は、歯切れのいい日ごろの江崎さんらしい御答弁を重ねてお願いをいたします。 同時に、鎌田さん、そばで聞いておられるわけですけれども、鎌田さんは税務局長じゃありませんけれども、財政をあずかっている自治省の責任者として、私が述べたような考え方には当然賛成するんじゃないかと私は思うのですが、事務当局の立場から、これも、日ごろの鎌田さんらしい歯切れのいい御答弁をお願いをしたいと思います。
○鎌田政府委員 明年度の大幅減税に伴いまして、地方財政が受けますところの影響、これは、ただいま御指摘になりましたように、住民税等の減税、地方税の減税という問題に当然波及するわけでございますし、また、交付税の減収、まあ、他方で法人税との差し引きでございますけれども、そういうことで、明年度の地方財政に与える影響は非常に大きいものがあると思います。 基本的な減税、地方税の減税に対する取り組みというものにつきましては、先ほど大臣から御答弁があったところでございますが、地方財政の状況、地方税の特殊性というものを生かしながら減税というものを一方で考え、他方におきまして、かねがね私どもがあらゆる機会に主張をいたしておりますような法人課税の充実、あるいは道路目的財源の充実、あるいは公害に対する特殊財源の充実といったものを中心にいたしました地方税源の拡充、あるいは地方交付税の総額の確保、こういうことをこれまで以上に推進をしてまいらなければならないだろう、こういうふうに考えておる次第であります。
○山口(鶴)委員 大臣、あつものにこりてなますを吹くということわざがありますが、いまの御答弁は、どうも少しなますを吹いているんじゃないかと思うのですが、自治省としては、住民税の減税を前向きに進める、当然、その見返り財源として、法人税の市町村に対する配分、地方に対する配分は高めるように主張していくというくらいのことはおっしゃったらどうですか。
○江崎国務大臣 おっしゃる意味を含めて、さっきから申し上げておりまするように、十分折衝をしたい。まだ、何せ、これはほんの構想を総理と大蔵大臣で話し合ったという程度のものですね。ですから、今後の推移を見きわめながら、地方自治体をあずかる自治省としては、いま山口委員がおっしゃる点は重要な点ですから、それを十分含んで検討をいたします。このあたりでひとつ御了解を願いたいと思います。
○山口(鶴)委員 これ以上申し上げても水かけ論ですからやめておきますが、こういう問題につきましては、勇気をもって対処していただくように要請をいたしておきたいと思います。 それでは、文部省の方がおられますのでお尋ねしたいと思うのですが、学校教育法という法律を拝見したのですが、「小学校には、校長、教諭、養護教諭及び事務職員を置かなければならない。ただし、特別の事情のあるときは、事務職員を置かないことができる。」「小学校には、前項のほか、助教諭その他必要な職員を置くことができる。」と書いてあります。それで、あと、校長、教諭、養護教諭、事務職員、助教諭の所管事項が書いてございます。私も、小学校へ入ったときのこと等を思い浮かべるんですが、わが国に学校制度ができまして百年以上経過しているわけですが、そのころのことを考えてみると、校長さんと先生、いま一人、小使さんがおったんだろうと思うんですね。いまのことばで言えば用務員ですね。いわば、わが国に学校制度が発足しまして百年、一番最初に学校におられた職員は先生と小使さんだったろうと思うのです。そういう意味では、学校の用務員さん、小使さんの歴史というものは、まことに古いものがあると私は思うのですが、私の小学校のころ等を考えましても、先生よりは、むしろ小使さんに親しみを感じた。これはどなたもそういう経験はあるだろうと思うのです。そういうことを考えましたときに、学校教育法を見ましても、そういった学校の歴史とともに最初からあった小使さん、学校用務員さんの問題については何にも触れていないというのは、私は、非常に奇異な感じがいたすのであります。学校教育法の中に、学校用務員さんのことは、「その他必要な職員」というところで触れておるんですか。あるいは、そういうものは学校教育の中で全然考えていないんですか。この点をまずお教えをいただきたいと思うのです。
○松浦説明員 先生のお話にございましたように、用務員さんの子供に対する影響は非常に大きいものがあると存じます。ただし、現在の法令の規定上は、用務員を置くということは触れていないのであります。ただ、その重要性等は私どもよく認識いたしておるつもりでございまして、自治省等にもお願いしまして、交付税措置におきましては、必要な職員を財源措置していただいておるという現状でございます。
○山口(鶴)委員 重要性は承知しておるが、法律の中にはない。この「その他必要な職員」というのは、用務員さんを考えているわけじゃないのですね。
○松浦説明員 用務員も含めて、その他の職員を考えておるわけでございます。用務員だけじゃございません。
○山口(鶴)委員 少なくとも、学校発足当初からございました小使さん、用務員さんです。事務職員さんも重要ですが、学校発足当初からあったわけじゃないでしょう。学校教育法に具体的な名前は出ているけれども、学校発足当時からあった用務員さんというものが、「その他必要な職員」というようなことで済まされているということについて、私は非常に疑問を感ずるんです。この点、文部省としては、用務員さんの学校における役割り、その果たす役割り及び地位、そういうものを将来確立をしていくというお考え方はないんですか。
○松浦説明員 先生お話しのように、歴史的には、学校創設当時から非常に貢献しておる方でございますが、この用務員という職種につきましては、他の公共施設でも同じように必要なものではないかと思うのです。現在、ほかの施設等を見ましても、私ども研究不十分かと存じますけれども、法令等の位置づけにつきましては、あまり表に出てきてはいないという状況でございます。そういう法令上の位置づけは、一般的な問題として考えていいんではないかというように考えておる次第であります。
○山口(鶴)委員 納得しませんけれども、時間の関係もありますから、先に進みましょう。 用務員さんのお仕事というのは各方面にわたっておりますね。学校の環境を整備をするとか、学校の営繕をするとか、備品を修理をするとか、あるいは、学校に植わっております木や植物、花壇等の整備に当たるとか、あるいは、学校を火災から守り、盗難から守るというような警備の仕事でありますとか、あるいは、環境整備するために清掃を行なうとか、さらには、学校運営に直接携わる仕事としては、窓口業務があります。学校にいろいろな書類を持ってきたのを預かるとか、さらには、学校運営上、教育委員会その他に対する文書を運搬するとか、あるいは、先生方の給料その他の金銭を取り扱うとか、あるいはその運搬をするとか、そういう仕事もありましょうし、さらには、学芸会だとか、運動会だとか、そういった学校全体の行事が行なわれます際には、相当大きな役割りを果たしておられるだろうと思うのです。そういうことを考えました場合に、ただいまのような御答弁では、非常に長い間学校教育に貢献された小使さん、用務員さんに対する配慮としては不足だということを、この際私は強調しておきたいと思うのです。 そこで、待遇の問題ですが、いまのお話しでは、交付税でもって見ているというわけですね。これは自治省のほうにもお尋ねしたいと思うわけでありますが、昭和四十八年度の交付税法、これはいま審議をいたしているわけでありますが、当然、この法律案にのっとりまして、交付税の単位費用の積算の基礎というものは作業を進めておられるだろうと思うのであります。小学校、中学校の場合、用務員さんについては、基準財政需要の算定にあたって、一体どのような予算措置をいたしているわけでありますか。また、標準規模の学校におきましては、小学校、中学校で、一体何人の方々を積算の基礎の中に入れておいででありますか。さらに、用務員さんの配置基準ですね。これは文部省にお聞きしたほうがいいと思うのですが、大きな学校になれば、当然用務員さんもたくさん要ることは常識だろうと思うのです。これはあとでお尋ねしたいと思うのですが、学校給食に従事する従業員の方々については、文部省としては配置の基準も考えておるようでありますが、用務員さんについては、学校規模による配置基準というのは当然考えておるだろうと思うのですが、一体どのような基準を考えておいででありますか。あとでお聞かせをいただきたいと思います。
○鎌田政府委員 交付税の積算の数字を申し上げたいと思います。 まず、人員でございますが、人員につきましては、用務員は、小学校の場合、御案内のとおり、標準規模、児童数八百十人、学級数十八学級、これにつきまして用務員一名。それから、中学校の場合でございますと、生徒数六百七十五人、学級数十五学級、これについて用務員一名。こういうことでございます。この交付税の算定につきましては、学校数に応じて用務員一名をそれぞれ見ておるわけでございます。その給与の単価といたしましては、本俸五万八百五十円、あと、それに扶養手当、期末、勤勉手当、退職手当あるいは共済組合の負担金、通勤手当、住居手当等を含めまして、年額百八万円というものを積算の基礎に置いております。
○松浦説明員 現在は、自治省からも御答弁がございましたように、本校、分校とも、そういう交付税措置によりまして、一名は財源措置を全部やっていただいております。しかし、実際の実数を見てみますと、いま先生の御指摘のありましたように、実数のほうが交付税措置の人員よりもやや多い状況でございます。これは、御指摘のように、大規模学校等が複数配置をしておるというような事情もあると思うのでございます。私ども、その点については研究不十分でございますが、今後検討いたしまして、複数配置等につきましては、自治省のほうにも御連絡いたしまして、お願いしてまいりたいと思っております。
○山口(鶴)委員 この資料を見ますと、標準規模の学校ですが、小学校の場合は、十八学級で一人の用務員さんを算定基礎に入れておられる。給与につきましては、地方財政の統一単価のその他の職員の給与月額五万八百五十円、それに期末、勤勉手当及び超勤等を計算いたしまして百八万円。この百八万円の基礎をさらに見ますと、本俸と期末、勤勉手当等では百四万円ですね。そして超勤が四万円ということですな。この四万の超勤の基礎というのは一体どういうことなんですか。学校用務員さんのことを考えますと、始業時前からお仕事があって、終業時のあとも、修繕だとか、環境の整備とかでいろいろお仕事もされている。それから、さらに、学校警備員のあるところは、警備員が来るまでは警備、盗難予防、火災予防などの仕事にも当たっておられる。学校の先生が宿直をされる場合は、宿直の先生が来るまではそういうお仕事もされておるということになれば、私は、五万八百五十円がいいとは思いません。これはまた議論をしたいと思うのでありますが、それはしばらくおくとしましても、超勤額はあまりにも少ないような気がするのですが、この点はいかがですか。
○鎌田政府委員 御案内のとおり、交付税の基準財政需要の計算でございますので、ある程度統一単価というものを用いざるを得ないという技術的な制約はあるわけでございますが、そこにおきまして、超勤は大体月三千五十一円という額に相なっておるわけでございますが、それは、事務職員につきましては、一律本俸の六%ということで算定をいたしておるわけでございます。この点の議論になりますと、実は、交付税全体といたしまして、一応六%でならしておる。その中でおのずから財源の使い道というものを考えていただかざるを得ないのじゃないかという気がいたしておるのであります。
○山口(鶴)委員 交付税の性質上、一応、他の職員の超勤と同じ六%を見ている、実際に地方自治団体が支払う場合は、用務員さんの超勤実態が多ければ、当然多いなりの支給を自治体がおやりになることはけっこうなことだ、こういう趣旨の御答弁だろうと思うのですが、しかし、そういうことになれば、五万八百五十円という単価自体がはたして妥当なものかどうかということもあわせて検討していただく必要があるのではないかと思います。 それから、さらに、文部省にお尋ねしたいのですけれども、とにかく、大規模校になれば複数の用務員さんを置いておるわけですね。ところが、交付税の基準財政需要額の積算の基礎を見れば、学校数に用務員さん一名ということですから、これは、学級がうんと多くなろうと、生徒数が幾ら多くなろうと、一人は一人なんですね。そうでしょう。とすれば、基準財政需要額の算定基礎に、学校数の中に用務員さんがたった一人入っているというのは、文部省としては当然改めるように——具体的に言うならば、学級数の中に小使いさんの賃金を移しがえをするとか、いわば、大規模校になればなるほど、用務員さんの数もよけい配置され、その分の交付税が行くように考えることが当然じゃないかと私は思うのですね。どうなんですか。そういうことについて、文部省は全くなまけておるというか、たるんでおると言っても差しつかえないと私は思うのですね。十年一日のようにこんなような形で済ましておるのは、一体どういうことなんですか。
○松浦説明員 交付税措置につきましては、先ほどお話がございましたように、本校、分校とも全部、先ほどの算定基準によりまして一名配置されるわけでございます。四十七年度の学校基本調査によりますと、学校数が、小学校の場合、本校、分校合わせまして二万四千九十二校でございます。それに対しまして、用務員数は二万七千六百四十五人という数字が出ております。それから、中学校の場合は、本校、分校、どんな小さな分校も全部合わせまして一万四十二校、それに対しまして、用務員数は一万二千三百五十四名というような状況でございまして、ある程度実数のほうが上回って、先生御指摘のように、大規模校ではないかと思われるわけでございますが、配置されておる状況でございます。大規模校は、教育上必ずしも望ましいのではないのですけれども、実態といたしましては、過密地域等大規模なところがございまして、用務員さん一人ではどうしても手が回らないというようなことで考えておるのではないかと思う次第でございます。現在、高等学校につきましては、交付税で二名配置していただいておりますが、そういうことも考えまして、私ども、今後十分検討しまして、交付税措置の充実をしていただくよう、自治省のほうにお願いしてまいりたいと考える次第でございます。
○山口(鶴)委員 実態の話は聞きましたが、文部省として、そういう実態があるならば、大規模校については、当然、その複数設置の基準というものをつくるべきだと私は思うのですが、つくる気持ちがありますか。そういうものをつくったならば、その基準が交付税に反映されるように——これはもう事務的な話になるわけですから、そのような手段、方法をお考えになって、交付税上も、用務員さんをよけい置けば、当然その分の交付税が配分されるような積算基礎に改めるよう自治省に要望するのがあたりまえじゃないかと私は思うのですね。そういう気はあるのですか。
○松浦説明員 用務員の勤務につきまして、私ども十分な調査がないのはまことに申しわけないのでございますが、ただ、用務員さんの、どう言いますか、個々の人によりまして、学校のほうでは、一人でも満足している、十分こなしていただいておるという面もあるんじゃないかと思います。ただ、そういう個別問題ばかりで考えるわけにいきませんので、先生のお話しのように、今後、基準のようなものにつきましても十分検討してまいりまして、検討結果によりまして、自治省のほうにもお願いしてまいりたいと考える次第でございます。
○山口(鶴)委員 実は、私は、過般、文教委員会で、この「地方教育費の調査報告書」を問題にして議論をいたしました。これを見ますと、「市町村の教育費の基準財政需要額に対する実支出額の比率」という表がありまして、これは一体どうなんだという議論をしましたら、文部省の方はお答えができなかったのですね。お答えできたのは、自治省出身の奥野文部大臣ただ一人であって、私は、そういうことを見て、文部省は地方財政に非常に冷淡なんじゃないか、無関心過ぎるんじゃないかという感じを、実は、率直に持ちました。課長さんもそのことを知っているだろうと思う。せっかく奥野さんのような地方財政に詳しい人が文部大臣になったのだから、教員の人材確保だとか、筑波大学とか、よけいなことには力を入れないで、問題の、市町村の教育財政を一体どうしてよくしていくか、この教育費の基準財政需要額をいかに実態に合わせてよくしていくかということをお考えになるのが奥野さんの使命ではないかということを、実は、私は、率直に申し上げたことがあります。 いまのお話しを聞いておっても、この交付税の仕組みなり、それに対して文部省としてどう注文をつけていったらいいのかということについて、どうも御認識が足らぬような気がしますね。どうなんですか、用務員さんの基準はつくりますか。つくる気があるのかないのか、はっきり言ってください。それで、大規模校について用務員さんの方を多数置いてあるというならば、それが交付税に反映するように、自治省に対して要求する気があるのかないのか、それだけはっきりお答えをいただきたいと思うのです。
○松浦説明員 用務員の複数配置につきましては、実情としまして、私どものほうにあまり強い複数配置の要望が参っていないのが実情でございます。学校の教育組織の充実という点につきましては、先ほど先生から御指摘がございましたけれども、事務職員とか、養護教員あるいは一般教員の増員というような問題も非常に強い要望が出ている次第でありますが、そういう点を総合的に考えていく必要があると思います。ただし、用務員につきましては、複数配置の実態がございますので、先生のお話しのように十分検討してまいりたいと考えておる次第でございます。
○山口(鶴)委員 教育委員会とか何かから、事務職員の方を全校配置にしてくれ、養護教諭の先生方を全校配置にしてくれ、また、図書館に関係している司書教員の方を全校に配置してくれるようにという要望のあることは、私も承知しております。しかし、小使いさん、用務員さんの方が、学校の歴史発足以来おいでになった方が、しかも、教育委員会とかなんとか、そういう表には具体的な要望としてかりに出ていなくても、学校の環境を整備するということを考えるならば、そういう弱い立場にある方々の意向というものをそんたくして、そうして、教育財政充実の一つの柱にして、その対策を立てていくというあたたかい配慮がなければいかぬのじゃないか。そういう点で、学校の歴史発足以来おられた小使いさん、用務員さんに対する配慮というものが文部省は足らぬのじゃないかということについて、実は、私は、苦言を呈した次第ですが、この点は、交付税のことも十分に御研究になって、そうして、用務員さんの複数配置の基準を考えるとか、それが十分交付税に反映されるような基準財政需要額の算定の仕組みを要求されるとかいうことで努力をいただきたいことを私は要望いたしておきます。 また、自治大臣も、自治省の財政局長さん等もお聞きになっておるわけでありますから、ひとつ、これは研究課題としてお願いをいたしたいと思います。 次に、同じような立場の、学校給食に従事をしている給食従業員の方々について若干お尋ねをいたしたいと思います。 これについては、基準財政需要額の上で一体どのような積算をいたしておりますか。標準規模の学校において、一体何人を小中学校は見ておいででありますか。それに対する給与等の額につきましては、どのような金額を見ておいででありますか。まず、事務的にお尋ねをいたしておきたいと思います。
○鎌田政府委員 小学校の場合でございますと、給食従業員四名、それから、中学校の場合におきましては、給食従業員一名、賃金職員一名、これを見ておるところでございます。 そこで、その給与単価でございますが、給与単価につきましては、本俸五万八百五十円、先ほど用務員について申し上げましたのと同じ、その他吏員の統一単価でございます。それで、先ほど申しました用務員の場合と異なりますのは、時間外手当を見ておりません。その他はすべて同様でございまして、都合、年間百四万円の給与費ということで積算の基礎に置いておる次第でございます。
○山口(鶴)委員 そうしますと、小学校の場合は、標準規模の学校におきまして、給食従業員の方が四人ですね。中学校の場合はお一人、こういうわけですね。あまりにも違い過ぎるんじゃありませんか。私は、小学校の給食従業員の方四人は、必ずしも十分でないと思います。行政管理庁の「学校給食の運営に関する行政監察結果に基づく勧告」というのも実は拝見をいたしましたが、国民の健康確保、栄養の確保等の面から参りまして、小中学校の学校給食の意義というものはますます重要になっていると思います。しかも、国民の食生活が改善されるに伴いまして、学校給食につきましても、当然、栄養量の基準というものも改定されていかなければならぬのですね。現に、昭和三十八年の四月に一度改定をされ、その後昭和四十六年四月に再度の所要栄養量の基準が改定されたと聞いております。 そうなってまいりますと、当然、この給食従業員の方々の仕事というものも、内容が複雑になり、仕事の量というものも、基準量の改定に伴ってふえていると思うのですね。ところが、これを見ますと、四人がさっぱり改善をされていない。小学校のこの四人の基準というものもぼつぼつ改定をする時期に当然来ているのではないかと私は思うのです。 文部省の体育局長さんにお尋ねをしたいと思いますが、この学校給食従業員の方々の配置基準については、文部省は一体どういう基準をお考えになっておるんですか。また、あわせてお伺いいたしますが、昭和三十八年のこの所要栄養量の基準の改定に伴って、給食従業員の方々の配置基準がどのように改善をされたのですか。昭和四十六年四月の所要栄養量の基準の改定に伴って、この配置基準がどのように改善をされたのですか。これをまずお伺いしておきたいと思います。
○澁谷政府委員 学校給食の関係の専門の職員としては、学校栄養士と調理従事員の方がおられます。その後者の調理従事員の方の基準につきましては、昭和三十五年に通達を出しまして、一つの参考基準を示したところでございます。標準規模のところを四人といたしておりますが、生徒数によりまして逓減、逓増方式の基準を示しております。 さらに、具体的に申し上げますと、児童生徒数百人以下の場合は、調理従事員の基準は一人または二人、それから、百一人から三百人の場合は二人、三百一人から五百人の場合は三人、それから、標準規模の五百一人から九百人が四人、それから、九百一人から千三百人が五人、千三百人以上は六人でございますが、児童生徒数五百人ふえることに、さらに一人を加えるということになっております。 ただいま御指摘の栄養所要量の改定に伴って、この基準を直したかということでございますが、これは、昭和三十五年に基準を示しましてから、現在まで同じでございます。それは、一つには、この基準を示しましたときの大きな問題は、公費負担でなく、PTA負担とか、税外負担による職員がかなりございまして、それをまず解消をするという大きなねらいがございました。それから、やはり、学校給食の重要性にかんがみまして、しかるべき標準基準を示すということがございました。当時、その基準に対しまして、現状はかなり下回っておったわけでございますが、最近ようやく、その基準に近く、あるいは上回るところまで実際に配置がなされてきております。そういうわけでございますので、この基準につきましては、さらにそろそろ再検討すべき時期に来ておると思います。また、小中学校学級の児童生徒の数につきましても、その後変わってきておりますので、標準規模の学校の生徒数も変わってきておりますので、そういう見地からも、そろそろ再検討すべき時期だと思っております。 なお、学校栄養士につきましては、昨年度までは、児童生徒数五千人につき一人は置くということで参ったわけでございますが、昭和四十八年度から、さらに新しい七年計画を立てまして、二千五百人につき一人を置く、そういう予算措置の初年度分を計上いたしまして、栄養所要量の問題につきましては、学校栄養士の充実をするという措置をとっておるところでございます。
○山口(鶴)委員 この基準が、昭和三十五年の十二月十四日付の通牒なんですね。その後、二回にわたって、昭和三十八年と四十六年と、所要栄養基準量の改定があった。改定があったが、この基準はそのままであったということなんですね。私は、それはどうも怠慢ではないかという気がいたすのです。栄養士の問題についても触れたいと思いますが、この点はちょっとおきましょう。 いまの御答弁ですと、そろそろ基準の改定を考えたいというようなお話しだったわけですが、そうすると、この昭和三十五年の基準がたいへんおくればせであることはお認めになっているようでありますが、いつごろこの基準の改定をお考えになるつもりですか。その点、明確にお答えいただきたいのが一つです。 それから中学校、これを見ますと、中学校では六百七十五人が標準規模の学校ですね。ですから、この基準では、当然四人の給食従業員の方がいなければならぬことになるのですね。ところが、交付税の算定基礎を見ると、一体どうかということになりますと、先ほど来財政局長がお答えになりましたように、中学校の標準規模の学校における基準財政需要額の算定基礎の給食従業員はわずか一人じゃありませんか。おかしいと思いませんか。文部省、どうなんですか。この基準を出しておるわけなんですから、小学校の場合は八百十人が標準規模の学校ですから、五百人から九百人の間に入って四人と、これは合っていますよ。ところが、中学校の場合は六百七十五人、当然四人の給食従業員の方が配置されなければならぬわけでしょう。ところが、この肝心の財源配分をする交付税の算定基礎はたった一人じゃありませんか。一体何でこんななまけた状態に放置をしておったのですか。はっきりお答えをいただきたいと思います。
○澁谷政府委員 中学校の問題は、学校給食の現在の制度上のたてまえと、それから、交付税のたてまえと関連いたした問題でございます。 学校給食は学校給食法によりまして実施されておるわけでございますが、現在、学校給食は、義務教育諸学校の設置者は学校給食の実施につとめなければならないというたてまえになっております。そういうことで、必ずやらなければならないというたてまえにはなっていないわけでございます。ただ、文部省といたしましては、学校給食の本旨に照らしまして、完全給食が義務教育諸学校についてはできるだけすみやかに行き渡るように、これが施設、設備その他の補助金等の予算措置をいろいろいたしてきたところでございますが、中学校は、昭和四十七年度に至りまして、ようやく完全給食の実施率が五〇%をこえたという状況でございまして、私どもとしては、中学校については、少なくとも、その実施状況が五〇%をこえたときは、その交付税におきましても、小学校に見合う交付税の負担をしていただけないかということでございましたが、昭和四十七年度はやっと五〇・二%になったという状況でございまして、自治省のほうといたしましては、もう少し実施が行き届いてから考えたいということもございまして、まだ完全な交付税の負担費用の積算に至っておらないところでございますが、これにつきましては、中学校におきましても、完全給食の普及、拡充をさらに進めるとともに、交付税の積算につきましても、より充実した積算を引き続きお願いをいたしていきたい、そう思っておるところでございます。
○山口(鶴)委員 つとめなければならないといったら、つとめなければならぬのじゃないですか。それは常識だと思うのですよ。そういうことは当然のことですから、これ以上言いませんけれども、実施率が中学校五〇%だというのですね。私の拝見いたしました昭和四十七年五月一日現在の「都道府県別学校給食実施状況」では、完全給食をやっているのが五九・七%ですね。かりに五〇%としてもいいですよ。とすれば、小学校が一〇〇%に近い九〇%、四人、給食従業員の方を見ているということになるならば、実施率が半分だから半分ということになるとすれば、当然、中学校は、少なくとも——私はそれでいいとは言いませんけれども、中学校の算定基礎の中には、給食従業員の方が、標準規模の学校で二人入っていなければおかしいじゃないですか。体育局長さん、どうですか。そうでしょう。たった一人というのはどういうのですか。御答弁をいただきたい。
○澁谷政府委員 五〇%をこえたならば、中学校の交付税の積算についてはぜひ改めていただきたいというのが私どもの考え方であります。しかしながら、自治省としては、総合的ないろいろな見地の御判断がございましょうから、本年度はまだ実現に至っておらないということでございます。
○山口(鶴)委員 そうすると、悪いのは文部省じゃなくて自治省だというわけですね。どうなんですか、自治省、理屈から言ったって合わぬじゃないですか。
○鎌田政府委員 先ほど御説明申し上げましたように、中学校の場合は、給食の従事員は一名でございますが、そのほかに賃金一名で、二名ということには、この頭の数はなっておるわけでございます。二人ということは、ただいま文部省のほうからもお答えがございましたように、学校給食、特に、完全給食の実施率が、小学校の場合に比べてまだはなはだ低いので、そういう現実に合わしてこの措置をいたしておるということでございまして、頭数は二人でありますが、そこのところを、賃金職員でなくて、いわゆる吏員として二人にするかどうかという点について、これはいろいろ御議論があろうかと思います。私どもといたしましては、ある程度賃金職員を合わせながら回っていくのではないだろうかという判断をいたしておるわけでございまして、この点につきましては、なお文部省当局とも実情を打ち合わせながら、改善には努力をいたしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○山口(鶴)委員 おっしゃるとおり、「賃金」というのが、中学校費の生徒数を測定単位とするものの中にありますね。ところが、この「解説」を見ますと、三十六万五千円しか年間の賃金として見ていない。その積算の基礎を聞きましたら、日給千四百六十円かける二十五日かける十カ月、それで三十六万五千円だというのですね。私は、あまりにもひどい基準ではないかという気がいたします。五〇%ということならば、こういった賃金職員ではなくて、給与費の中に給食従業員を少なくとも二人置くべきである。 さらに、五〇%だからこの半分にするというのも、私は理屈に合わぬと思うのです。まじめにちゃんと完全給食をやっているところがたくさんあるわけですね。私の資料では、五九%もあるわけです。そういうところは、その交付税の半分しか来ないのですから、半分は持ち出しということでしょう。ところが、なまけて、といいますか、完全給食をやっていない五〇%弱、四十何%のところは交付税のもらい得ということですな。まあ、もらい得の反面、損なところがあるからツーペイで半分でいいんだろう、こういうことだろうと思うのですが、少なくとも学校給食の意義というものを考えるならば、文部省も、もっと積極的に、賃金職員というようなことじゃなくて、給食従業員の方を基準どおりに四人要求すべきであるし、また、自治省としても、このもらい損ともらい得とがあるから平均すればいいんだというようなことではなしに、やはり、これについては再検討するのがしかるべきではないかと私は思うのです。 大臣には、こまかい点ですから私はお伺いしませんでしたが、少なくとも、学校用務員さんのような日に当たらない職種に黙々として従事しておられる方々、しかも、これは、学校成立当時からあった重要な職務をになっている方だと私は思います。給食従事員の方についても同様だと思います。長い間の努力で、かうては、PTA支弁の職員だとか、いろいろな不明朗な形であったものが、市町村の職員として、ほぼ身分が確立された成果は私は認めます。評価はいたします。しかし、よりこの基準の改定につとめて、せっかく所要栄養量の基準の改定があったならば、従業員の方ももっと改善をしていく、中学校についても、先ほど来申し上げたような形で改善をしていくということについて、もっと配慮を加えるべきではないかと私は思うのですが、大臣の御所見を承っておきたいと思います。
○江崎国務大臣 用務員の問題につきましては、その職種から言って、今後該当者を求めることもなかなか困難になってくるであろうということが予測されます。質問を通じまして、私も傾聴いたしましたが、確かに、これらの処遇改善等々についても十分考えていかなければならぬというふうに思います。 それから、給食は非常な成果をあげております。これこそ、日本人の趣味嗜好が変わり、体質までが変わったのではないかということが言われるくらい成果があがり、しかも、幼時において好ききらいを防止することもできるというようなことで、非常な効果があがっておるものが、この程度であっていいとは思いませんので、これは、私、来年度予算の編成にあたりましては、文部大臣とも十分連絡を密にいたしまして、事務的にも詰めまして、できるだけ御要請にこたえるような方向で進めてまいりたいと思います。
○山口(鶴)委員 最後に、栄養士の方のことをお尋ねしたいのですが、この基準財政需要額の算定の基礎を拝見いたしますと、「その他の教育費」という中に、人口十万標準規模団体におきまして一人の栄養士を置くということを基準にいたしまして、一年間百六十六万円、吏員としての処遇によるところの学校栄養指導職員というものを置くようになっております。ところが、実際に市町村に学校栄養士の方がどのくらい配置されているかという表を拝見したのですが、昭和四十七年五月一日現在七百三十三人ですね。全国の市町村は、御案内のように、三千有余であります。それから見ますと、せっかく交付税の基準財政需要額の算定の中に配置されておるにかかわらず、まだまだこの学校栄養士の配置というものが不十分であるということが言えると思います。この点、文部省は、一体どの程度積極的な指導をやり、改善をするおつもりでありますか、承っておきましょう。
○澁谷政府委員 いま先生御指摘のものは、人口十万人当たり一人の割合で市町村の教育委員会に置かれる学校栄養指導職員の交付税の積算の基礎だと思います。文部省といたしましては、完全給食を実施しております小中学校、それから共同調理場には、学校栄養職員を置きたいということでございまして、現在、共同調理場には少なくとも一人、それから単独校には、昭和四十七年度までは、児童生徒五千人につき一人を目標にしてまいりましたが、四十八年度からは、新七年計画で、単独校の場合は、二千五百人に一人ということを目標に国庫補助金を計上いたしまして、学校栄養職員設置促進補助金という国庫補助金を計上して、国庫補助の対象として、学校栄養職員が単独校、共同調理場に置かれるような、そういう設置促進の補助金を計上して充実をはかっておる、こういう次第になっております。
○山口(鶴)委員 栄養士につきまして、そのように努力していることはけっこうだと思いますが、同時に、実際に給食に従事するのは給食従業員の方々です。昭和三十五年以来の基準が十年一日のごとく変わっていないなどということでは、それは怠慢ではないかと思います。したがって、従業員の方々のこの配置基準のすみやかな是正、それからまた、小学校、中学校を問わず、基準財政需要額の中に十分な算定基礎として組み込まれるような努力を特にするように強く要望をしておきまして、一応私の質問を終わっておきたいと思います。 ————◇—————
○上村委員長 内閣提出にかかる地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律案、山口鶴男君外十九名提出にかかる地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律案及び山口鶴男君外七名提出にかかる地方公営企業法の一部を改正する法律案を議題といたします。
○上村委員長 まず、各案について、それぞれ提案理由の説明を聴取いたします。江崎自治大臣。
○江崎国務大臣 ただいま議題となりました地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律案について、その理由並びにその内容の要旨を御説明申し上げます。 公営交通事業は、都市交通の中核の一つとして地域における交通需要にこたえ、住民福祉の向上に寄与してきたのでありますが、バス、路面電車等いわゆる路面交通事業の経営は、自家用車の増加その他社会経済の著しい変貌に伴い、昭和三十年代後半から急速に悪化してまいりました。 これに対処するため、政府は、第五十一回国会において成立した地方公営企業法の一部改正に基づく財政再建制度にのっとり、路面交通事業の財政再建対策を推進してまいりました。しかしながら、都市構造の変化、路面渋滞等に基づく企業環境の著しい悪化並びに毎年の給与改定による人件費の大幅な上昇等のため、路面交通事業の経営状況はさらに悪化の一途をたどり、これに地下鉄事業における建設費の急騰に伴う資本費負担の累増が加わって、昭和四十六年度末における公営交通事業の累積赤字は千九百二十九億円に達し、年間営業収益の一・七倍に及ぶ深刻な経営危機に直面することとなり、このままでは都市における交通の確保に著しい支障を生ずるという憂慮すべき状況に立ち至ったのであります。 もとより、都市における交通の円滑化を確保するためには、基本的には、都市計画と都市交通との有機的な調整をはかるとともに、各種交通機関の機能分担を明確化し、合理的な都市交通体系を形成するようにつとめることが不可欠でありまするが、当面、公営交通事業について深刻な経営危機をすみやかに打開し、その存立維持をはかり、もって地域における交通需要にこたえることができるよう緊急措置を講ずることがぜひとも必要であると考えるものであります。このような趣旨から、路面交通事業に関する新たな経営の再建制度の発足、その他公営交通事業の経営の健全化の促進をはかるため、この法律案を提案することといたした次第であります。 次に、この法律案のおもな内容について御説明申し上げます。 まず、地方公営交通事業の経営の健全性の確保の基本についてであります。地方公共団体は、交通事業を経営するにあたっては、常に、当該地域における交通需要に即応する事業運営の効率化と利用者負担の適正化をはかり、経営の健全性を確保するようにつとめなければならないこととするとともに、国は、地方公共団体の経営する交通事業の経営の健全化が円滑に推進されるよう配慮すべきことを明らかにいたしております。 次に、地方公共団体の経営する路面交通事業で収支が均衡せず、昭和四十七年度末において不良債務を有するものについて、昭和四十八年度を初年度として新たに経営の再建制度を発足させることといたしております。すなわち、この法律に基づいて経営の再建を行なう地方公共団体は、議会の議決を経て、その旨を自治大臣に申し出て、経営の改善合理化等に関する交通事業再建計画を定め、この計画に基づいて計画的に経営基盤の確立をはかるようにいたしております。再建計画の期間につきましては、経営の状況に応じ十五年度以内で定めることといたしました。 なお、再建団体は、昭和四十七年度末における不良債務をたな上げするため交通事業再建債を起こすことができることとし、この交通事業再建債については、国がこの利子の全部または大部分を補給することとし、また、当該地方公共団体の一般会計がその元本及び国の補給する部分以外の利子を負担することといたしております。 さらに、再建団体は関係行政機関の長等に対し、路線バスの円滑な運行を確保するために必要な措置を講ずるよう申し出ることができることとするほか、公営企業金融公庫の交通事業再建債の引き受け等について所要の規定を設けることといたしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいまするようお願い申し上げます。
○上村委員長 次に、山口鶴男君。
○山口(鶴)委員 ただいま議題となりました地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律案及び地方公営企業業法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨を御説明申し上げます。 地方公営企業は、高度経済成長政策のもとで、独立採算制を押しつけられ、赤字は増大の一途をたどり、経営基盤の悪化はその極に達しております。 とりわけ、路面交通事業は、無政府的なモータリゼーションの進展によって、住民の利便でかつ安い公営交通には、ますますほど遠いものとなっております。ちなみに、交通事業における昭和四十七年度末累積赤字は、一千九百二十九億円であります。そのうち一千七百五十九億円が大都市の交通事業に集中しており、大企業優先の高度成長によって大都市を中心とした公営交通事業が、いかに危機的状態にあるかを如実に示しております。このため、不良債務は一千二百九十二億円にものぼり、再建債未償還元金を含めますと、実に一千四百八十一億円になっております。このような赤字及び不良債務は、料金収入の一七六%を占めており、公営交通事業の経営のみならず地方財政全体に深刻な影響を与えております。この数字からも明らかなように、公営交通事業をはじめとする地方公営事業に、いたずらに独立採算制を押しつけ、抜本的対策の確立を怠ってきた自民党政府の責任は、まことに重大といわなければなりません。 したがって、今後の公営交通事業の経営基盤の確立をはかるためには、国は、まず第一に、地方の自主的努力を援助するため、国の責任において、不良債務のたな上げをはかる必要があります。 第二には、公営交通の赤字を国の責任でたな上げすると同時に、高度経済成長政策を国民福祉優先政策に転換すべきであります。この政策転換なくして、公営交通事業はもとより、地方公営企業の基盤確立はあり得ません。 第三には、交通、水道、ガスなど住民生活に不可決な地方公営企業の建設費については、今後、国が全面的に負担すべきであります。 第四には、公営交通事業については、住民の身近な公共交通輸送の確立のため、地方に大幅な権限移譲をはかるべきであります。 こうした諸施策の推進によって、初めて住民合意による適切な料金が確保されるのであり、料金値上げ、住民負担の増大、労働者に対する合理化のみを押しつけるだけの自民党・政府の政策では、決して公営交通をはじめとする地方公営企業の基盤強化はあり得ません。 以上、申し述べました趣旨の現状認識に立ち、公営交通事業の危機的状態を国の責任で解消し、かつ地方公営企業全体の将来にわたる抜本的対策として、今回、ここに二つの法案を提出いたしたのであります。 まず、地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律案の要旨を申し上げます。 第一に、国は、地域交通の確保に資するため、必要な財政上の措置を講ずるとともに、交通施設の整備、道路使用の適正化等交通環境の整備をはかるよう規定いたしております。 第二に、交通事業健全化計画の策定手続及び内容は、昭和四十八年三月三十一日現在、不良債務を有する団体が、議会の議決によって十年間の健全化計画を定め、自治大臣に届け出ることとし、健全化計画の内容におきましては、赤字交通事業に従事する職員の給与その他の労働条件の向上について十分配慮した上、1経営健全化の基本方針、2経営健全化に関する措置の大綱、3地方債の各年度ごとの元金償還額、利子支払い額及び収支見込みに関する事項について定めるものといたしております。 第三に、交通事業健全化債の発行及びその元利補給については、交通事業健全化団体は、不良債務のワク内において健全化債を発行することとし、国は元金償還額の三分の二を負担するとともに、利子については、ほぼ全額補給することといたしております。 第四に、地方公共団体は、国の元金負担額及び利子補給額を除いた額を一般会計から補助するものといたしております。 第五に、地方公共団体が自主的に定めた健全化計画に著しく支障のあるときは、助言または指導することができることといたしております。 第六に、健全化債は、全額、公営企業金融公庫が引き受けることといたしております。 第七に、地方公共団体の長は、交通施設の整備、交通規制等、円滑な運行を確保するため、関係行政機関の長に措置の申し出を行ない、関係行政機関の長は、適切な施策を構ずることといたしております。 第八に、旧財政再建団体の財政再建債について所要の措置を講ずるとともに、附則におきまして、現行料金の認可制を届け出制とすることといたしております。 以上の八点がそのおもなる要旨であります。 次に、地方公営企業法の一部を改正する法律案の要旨を申し述べます。 第一に、法適用事業の範囲等につきましては、第一の種類といたしまして、住民生活に直結する性格の水道、軌道、自動車運送、地方鉄道及びガス事業を決定いたしております。第二の種類といたしまして、住民生活に直接つながらないで他の営利企業を通じて間接的に住民生活につながる性格の工業用水道及び電気事業を法定いたしまして、現行法における法定事業をその性格により二つに区分いたしたのであります。 なお、病院事業については、条例による法適用はもちろん、企業会計の適用もできないことといたしています。 第二に、企業会計の原則については、第一の種類の事業はその性格から独立採算制によらないことといたし、第二の種類は、独立採算制を採用することといたした次第であります。 第三に、第一の種類の事業の建設投資負担については、国及び地方はそれぞれ二分の一ずつとし、地下鉄事業にあっては、国は四分の三を負担することといたしております。 第四に、地方公共団体の建設投資負担及び経常経費の負担分については、地方交付税でその六割を措置することといたしております。 第五に、料金の決定につきましては、第一種の事業は原価を基礎といたしますが、「住民の負担能力その他経済事情を勘案し、公共の福祉の増進についても適切な考慮を払った妥当なもの」と規定いたしまして、第二の種類の企業の料金原則と区分いたしたのであります。 第六に、給与決定の原則は、現行法では生計費等よりもその企業の経営状態を中心として決定しておりますが、「職員の発揮した能率及び経営の状況を考慮して、及び類似の職種」という条文を削除し、地方公務員等と同様の給与決定原則によるものといたしております。 第七に、企業債の発行は、現行法では許可制とされておりますが、これを改正して、財政再建団体以外の団体においては、企業債の発行を自由化することといたしております。 以上が、地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律案及び地方公営企業法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○上村委員長 以上で、各案の提案理由の説明は終わりました。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○上村委員長 速記を開始してください。 —————————————
○上村委員長 この際、おはかりいたします。 地方公営企業法の一部を改正する法律案を除く両案の審査のため、参考人の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 なお、参考人の人選、出頭日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○上村委員長 次に、委員派遣の件についておはかりいたします。 地方公営企業法の一部を改正する法律案を除く両案審査のため、各地に委員を派遣いたしたいと存じます。つきましては、衆議院規則第五十五条により、議長に承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 なお、派遣委員の氏名、人数、派遣の日時、派遣地及び承認手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 この際、午後一時から再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時一分休憩 ————◇————— 午後一時五分開議
○上村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 内閣提出にかかる地方交付税法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、これを許します。林百郎君。
○林(百)委員 自治大臣にお尋ねしたいのですが、御承知のとおり、建築資材等が異常な値上がりをしておるという、こういう状態のもとで、政府の見通しの物価の値上がりよりは、それをはるかに上回る値上がりがなされておる。ことに、セメント等を見ますと、四月、五月の間において大口向けの値上げが浸透してきて、一〇%も急騰しているというような事態である。綱材の値上がり等もあります。こういうような資材の値上がりが国の公共事業にも影響してきますし、そのことは、同時に、自治体の公共事業にも影響しておりますし、何らかの財政措置をとらなければならないという事態が起きてくると思います。 ある新聞によりますと、四月十三日に、江崎自治大臣が、閣議で、資材の値上がりで四十七年度分の公共事業の施行が遅延しているので、工事単価が予定より上回ったものについては、自治体の超過負担分に対して財政措置を講じてほしいと要請し、閣議もこれを了承した、こういう記事が出ておるわけでありますが、ひとつ、この閣議の模様を答弁願いたいと思います。
○江崎国務大臣 御指摘のように、建築資材の異常な値上がりが続いております。したがいまして、各省庁においても、この問題については、事業別に苦慮しておられます。 そこで、各大臣に向かって、不要不急のものはできるだけ繰り延べるように、その間に、政府として、セメント、木材等々できるだけの手配をいたしましょう、また、災害復旧をはじめとする、すでに発注したもの——たとえば、四十七年度補正の公共関係の事業等においては発注済みのものがあります。これが途中において、資材の異常な値上がりで仕事が中絶しておるというような実態も自治省においては十分承知いたしておりまするので、そういったものについては、今後、実勢単価等に基づいて見直しをしなければならぬこともあるだろうが、とりあえず、緊急のものを除いては、できるだけ繰り延べをしてもらいたい、また、同時に、地方公共団体の実情について、自治省としても十分調査をするが、それぞれ関係省庁においても、実情がどうなっておるのか、これらについて調査をせられたいという要請をいたしておるような次第でございます。
○林(百)委員 経済企画庁にお尋ねしますが、この建築資材の値上がりの実情ですね。大体、国の予算あるいは各地方自治体の予算も四月に組むわけでありますが、四月からその後の情勢、あるいは、四十七年度の下半期から今日に至るまでの間の公共事業に必要な資材、セメント、木材、鉄鋼等の値上がりの実情はどうなっているのでしょうか。
○佐倉説明員 御指摘の、建築資材の物価に関しましてお答え申し上げます。 御承知のように、卸売り物価が景気回復に伴い昨年から上昇を続けておりまして、特に、昨年の年末以降、過剰流動性の存在、あるいは輸入物価の上昇というようなことによって、投機の影響などもございまして、騰勢がつのっております。御質問の木材、鉄鋼、セメントなどの建設資材につきましても、大型の公共投資や旺盛な民間住宅建設需要というようなものを背景に非常に騰勢を強めておりまして、特に、木材については、供給面の対応が弾力的に即応できないという面がございまして、昨年の八月以降著しい高騰となっております。 少し数字的に申し上げますと、木材に関しましては、昨年の春から毎月〇・三%、〇・四%、夏からは一・五%から五・五%、十一月に至りましては、一カ月の間に二四%近い上昇をしております。しかし、ことしに入りましてからは、種々の対策のために、投機抑制、外材輸入の促進、国産材の出荷の促進というようなことがございまして、一月には微落いたしまして、その後、三月、四月におきましても、四・四、四・五%と、若干下がっております。これで、木材、木製品の価格につきましては、やや騰勢が頭打ちになったのではないかということも考えられます。 鉄鋼につきましては、不況カルテルの影響がございまして、昨年の初め、一月には一・四%、二月には〇・二%、三月には一・一%という上昇が早くから見られましたのですが、夏以降騰勢が続いておりまして、ことに、年末からことしの初めにかけては、十二月に一・四%、一月に二・〇%、二月に〇・七%というような騰勢をしておりますが、三月には微落しております。それで、鉄鋼につきましても、増産の効果によって騰勢がやや鈍化しているということが見受けられます。 もう一つ、御質問の中にありましたセメント、セメント製品、コンクリートにつきましては、やはり昨年の秋以降かなり高い上昇ということで、九月、十月には〇・七、〇・六%という上昇を示しております。その後やや上昇率は落ちましたのですが、最近になりまして、また、三月二・三%、四月四%という上昇を示しております。 四月の水準を昨年と比べますと、セメントにつきましては九・六%、一〇%近いレベルになっております。鉄鋼につきましては、ものにもよりますが、かなり高いレベル、小型の棒鋼などのように三九%近いものもございます。ものによってはそれほどレベルの変わっていないものもあります。それから、木材につきましては、四月につきましては、昨年の同時期に比べて五割から六割上がっておるものもございます。 騰貴の状態は大体そういうことでございますが、こういう事態に対しまして、政府といたしましては、ことしに入りましてから五カ月の間に、 二度にわたって公定歩合を引き上げ、三回にわたって預金準備率を引き上げ、さらに、先月の初めに、公共事業の施行時期の繰り延べを決定いたしまして、財政金融面から総需要抑制策を強化していっているところでございます。 個別対策といたしましても、先ほどちょっと申し上げましたが、木材につきましては、外材輸入の増大、国産材の出荷促進、鉄鋼については増産、セメントについては、全体の公共事業の繰り延べ、あるいは府県別のこまかい段階におけるあっせん相談所の開設というような、個別対策を講じております。 このような効果もありまして、先ほど申しましたように、木材、鉄鋼についてはやや鈍化したのではないかと見受けられ、弱含みに推移しておるわけでありますが、今後とも、こういう対策の効果がさらに浸透してあらわれてまいるものと考えられます。今後、鉄鋼、セメントにつきましても供給能力の増加が見込まれますし、これらの物資の価格は次第に落ちついてくるものと期待しております。特に、政府といたしましては、先般の物価関係閣僚会議におきましても、物価安定を当面の経済政策の最優先の課題として諸般の対策を推進してまいることになっております。
○林(百)委員 自治大臣、御承知のとおり、公共事業の資材費の異常な値上がりが説明されたわけでありますけれども、この四月十三日の閣議における自治大臣の要請は、補助金について、超過負担にならないような財政措置を講じてほしいという申し入れをしたのでありますが、四十七年度分の地方自治体の公共事業の施行自体、交付税の計算はこのような資材の値上がりを要因に入れて計算したものではありませんから、そこから出てくる矛盾があるわけですね。予定の事態が遂行できない。こういうあなたが所管しておる地方自治体の公共事業については、どういう措置をとるというお考えなのか。これは、他の大臣に対して、補助金について、超過負担にならないように、どうか単価を上げてくれと言うことはわかりますけれども、その点について、局長でいいですからお答え願いたい。
○鎌田政府委員 この資材あるいは労務費の異常な上昇に伴いまして、四十七年度の事業あるいは四十八年度の事業が非常に執行難におちいっておるという現実があることは御指摘のとおりであります。私どもといたしましては、まず、基本的には公共事業、これは国庫補助負担を得て行なう事業でございますから、そちらを直していただくということで、各省に対しまして、いま是正を求めておるところでございます。 たとえば、建設省所管の公共事業でございますれば、四十七年度に契約をして実施しておる事業、四十七年度の予算に計上されたけれども、結局実施できないで繰り越した事業、それから四十八年度の新規事業、こういうことでそれぞれ区分けをして、適切な措置を検討していただいておるようでございます。四十七年度にすでに執行しておりまして、それのいわばあと始末をどうするかという問題につきましては、現在におきます値上がりの状況に応じまして、一定のルールのもとに地方団体と当事者との間で負担を分け合う、こういったようなこともあるようでございます。それにつきましては、現在の段階において、さかのぼって四十七年度予算の補正を行なうということももちろんできないわけでございますし、結果的に、あるいは事業量の圧縮というような形になってまいる。そういうことになりますと、これについては交付税上の措置という問題は起こってまいらない。 問題は、四十八年度の新規事業です。これについて、国の補助単価というものが実勢単価に引き合うようなものにされる、かつ、事業量というものは落とさない、こういうことになりました場合には、当然、国においても補正の措置という問題は出てまいります。そうなりますと、私どものほうにおきましても、それに見合うものにつきましては、時期的に間に合えば、それは交付税の是正ということはできるわけでございますが、おそらく、交付税の算定は八月中に本算定をしなければならない。こういう問題になってまいりますので、私ども、個々の団体の実情ににも応じて判断をしなければなりませんけれども、起債その他の措置によりまして適切な手当てをしてまいりたい、現在のところ、そういうふうに考えておるところでございます。
○林(百)委員 念のためにお聞きしますが、四十七年度の地方自治体の公共事業で、繰り延べになる、あるいは圧縮されたという要因を含めて、遂行率はどのくらいになったのですか。
○鎌田政府委員 ちょっと現在のところ、まだ、その資料を私ども得ておりません。
○林(百)委員 大臣、いま、局長の答弁で、四十七年度の交付税の算定を、さかのぼって是正することをいまからやるというわけにはいかないということだったが、これは四十八年度を主として言ったのだと思いますが、しかし、四十七年度についても、事業の圧縮だとか、あるいは繰り延べというような問題がやはり起きてくると思います。最初に私が質問しましたように、他の省庁からの補助金が超過負担にならないようにという要請は閣議でされたようでありますが、自治省自体の四十七年度の交付税の計算において、計数上に顕現しておらなかったこういう資材費の異常な値上がり、こういうものに対して、各地方自治体の公共事業はどうしたらいいか、どういう措置をとったらいいというようにお考えになるのですか。
○鎌田政府委員 先ほど申し上げましたように……(林(百)委員「おや、大臣答えないのですか」と呼ぶ)四十七年度に着手をいたしまして、それで、四十八年度に繰り越してきておるものについては単価の是正をやる、そういうことになりまして、事業量をその分だけ圧縮する、こういうことになりますと、交付税上の措置の問題というものは起こってこない。それから、四十七年度からまるまる繰り越してきて、いわゆるゼロ国債工事というのだそうですけれども、そういうものとか、あるいは四十八年度予算に計上されて新たに着手するもの、こういうものについての措置というものが、これから具体的にどういうふうに国自身の補助事業の執行というものについて方針がきめられてまいるか。公共事業等でございますと実勢単価によるということのようでございます。そうしますと、結局、事業量全体をどうするかという問題がその次に出てまいるわけでございまして、私どもといたしましては、先ほども申しましたように、そのきまりぐあいというものによりまして地方団体の財政負担の問題を考えてまいらなければならないだろう。ただ、現実問題といたしまして、交付税の本算定が目の前に来ておりますので、交付税でそれを待って措置をするということはちょっと時間的に間に合わないのではないだろうか。かたがた、経済の伸びも非常に伸び幅が大きいということもございますので、地方税の自然増収もある程度見込まれるのではないだろうか。あるいはまた、いまの事業量の圧縮ということになりますのか、あるいは事業量もあわせてふくらますということになりますのか、そこいらのところがすべて今後の措置に待つわけでございますので、その段階におきまして、いまの団体におきまする税の自然増収の入りぐあい、あるいは事業の執行状況、こういうものも見合わせながら、必要があります場合には起債等によりまして適切な措置を講じたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○林(百)委員 企画庁の佐倉さん、質問が済みましたから、どうぞお帰りください。 そこで、局長の鎌田さんの言われました国の政策はどうするか。こういう資材費の値上がりということよりは、むしろ、景気が過熱状態にあるという表現が使われていますけれども、五月二十五日付の新聞で見ますと、この日の閣議のことについてこういう記事があるわけですね。先月の閣僚協で決定した七項目の物価対策の進展状況を報告したその閣議で、このうちすでに実施済みとなっている具体策は、公共投資の繰り延べ、本年度上期契約五九・六%を下期に繰り延ばす、こういう措置を講じて景気の過熱状態に対処をするという方針が出ておるわけですが、こういうことは閣議で決定になったんでしょうか。
○江崎国務大臣 問題は事務的な対処の問題ですから、時間の節約の意味も含めて先ほど局長からお答えさせたわけでございます。 いま御指摘のようなことは、閣議で決定いたしました。しかし、実際問題として、日本の経済の資金量というものが往時とは違ってまいりまして、公共事業を繰り延べることによって、一体、どの程度の物価騰貴をほんとうに押えることができるか、また、インフレではありませんが、そういった心配が持たれるような経済の過熱を押えることができるか、非常に議論の存したところでございます。したがって、経済の規模も大きくなり、資金量も大きくなっただけに、あとう限り緊急的に輸入の可能なものは輸入をし、政治的に手配のできるもの、たとえば韓国にセメントの対策を協議するとかいったようなことを極力急いで、そして、とりあえず、まず急場の一〇ないし三〇%高騰しておるといわれる建設資材等々の値段というものを緩和していこうということで、経済閣僚協議会ではその対策もあわせ急ぐ——いま御指摘の点はもとよりでありまするが、そういった緊急対策を十分とっていこうということにいたしたわけであります。 それから、さっきの自治省としての対策いかんという点でありますが、目下、各省庁に、実態を把握すべく実情調査を要請しておるわけであります。まだ的確な返事が各省庁からまとまっておりませんが、これはもう至急まとめまして、さっき局長からお答えいたしましたように、今後、この事業の縮小ということだけでは済ませられませんので、繰り延べをしたものに対する対策、あるいは、補正を組むのか組まないのか等々についても、十分検討しなければならぬと考えております。
○林(百)委員 この二十五日の閣僚協によりますと、自治大臣の言われるように、資本の自由化の一〇〇%化、あるいは公定歩合の引き上げ等もあるわけですけれども、ここでわれわれが注意したいのは、本年度上期の公共投資の繰り上げですね。繰り上げというか、繰り延ばしが、上期契約率の五九・六%を下半期のほうに繰り延ばすという意味のことが出ておるわけですが、国のほうはそういう措置ができるとしても、自治体としては、学校の建設だとか、あるいは保育所の建設だとか、下半期へ繰り延ばすことのできないような事業が実情としてはあるわけですね。また、ほとんどそういうものなんですけれども、そういうことになってきますと、われわれがいま審議しておるこの交付税の算定というものは、そういう要因が含まれておらず、それでまた、政府の物価の引き上げも、本年度五・五%で押えるという要因、ファクターのもとで算定するとすれば、いずれは交付税の算定が実情とかけ離れてくる。もう一度洗い直してみる必要が、こういう経済状態の推移から言えば必然的に出てくるのではないかというように考えられるわけなんですけれども、国のほうが本年度上期契約五九・六%を繰り延ばすということとあわせて、自治体のほうの公共投資のほうは、そういう措置が国と違ってできがたい実情にあるということから、ただいま審議している交付税の計算について、これを再検討する時期が考えられるんではないかと思われますが、その点について、大臣と局長の見解をただしたいと思います。
○鎌田政府委員 交付税の算定の作業とのからみ合いでございますけれども、これにつきましては、そうでなくともはなはだ遅延をいたしておるわけでございますが、公共事業の関係におきましては、あるいは単独事業も含めてそうであろうかと思いますが、かなり事業量が多くなってきておるということと、それが各団体同じ時期に集中するということも資材、労務費の値上がりの一つに相なっておる点もございまして、国の方針として、先ほどお述べになられましたような公共事業の施行繰り延べということに相なっておるわけでございますが、これまた、御案内のとおり、その中でも、たとえば災害復旧でございますとか、生活環境施設でございますとか、積雪寒冷地帯等、気象的な条件で早くやらなければならないようなところにつきましては、この事業の緊要度を勘案して七四%、こういう措置もとられておるわけでございます。それと、先ほど申しましたような、各省の具体的な措置というものが明確になり、補助事業についての取り扱いがきまる時点が少し先になるということになりますというと、交付税の算定といたしましては、当該団体の最も重要な一般財源をきめてやるわけでございますので、これはやはり法律の規定どおり八月には本算定をしてやらなければならない。そうでないというと、また地方団体自身の財源措置に欠けるという面が出てまいりますので、これはこれとしていかざるを得ないだろう。 ただ、御指摘のような点につきましては、先ほど申し上げましたけれども、かなりことしの経済の実勢を反映いたしまして、税の自然増収というものも見込まれるのではないだろうか。それと事業の執行状況、広い意味での、予算措置も含めましての事業の執行状況というものとにらみ合わせて、その場におきまして緊急の措置をとる必要があるかどうかというものを判断をして、それに対応する措置をとってまいりたい。こういう二段がまえの気持ちでいま考えておるところでございます。
○林(百)委員 そうすると、鎌田さんは、本年度の交付税の算定について、公共投資の関係は、いまのように、セメントが二カ月で、四、五月で一〇%も上がっていることと、それから、木材、鉄筋というようなものが想像もしないような値上がりをしているというファクターはちゃんと入れて計算をしておるのですか。
○鎌田政府委員 交付税の基準財政需要の投資的経費の算定につきましては、もちろん、そういう異常な値上がりという要素を組み込んでおらないわけでございます。結局、国の予算に計上せられましたる公共事業というものが支障なくできるような地方負担分の措置、それから単独事業についての積み上げをいたしておるわけでございます。したがいまして、繰り返しになりますけれども、その中の公共事業の部分につきましては、国自身の予算単価をどうするかという問題がきまってまいりませんと、交付税だけでその差額を全部見るということになりますと、交付税自身がパンクをいたします。あるいはまた、それで済むのなら、もうそれでいいじゃないかということで、これは国のほうの予算措置も講ぜられないということになるわけでございますので、この点は、私どもといたしましては、交付税の計算自身は、国の現在予定いたしておりまする予算に計上しておりまする公共事業の地方負担分、それと単独事業の実施につき必要な財源、これを的確に算定をして配分をするということでまいりたいと思っているわけでございます。
○林(百)委員 国のほうが、すでに、本年度、その上期の契約率の五九・六%を下期に繰り延ばさなければならないという状態になっているとすれば、こういう事態を考えなくて計算された本年度の交付税というものは、当然何らかの変更を受けざるを得ない。あるいは、国の公共投資に見合うような地方自治体の対応費あるいは対応事業量というものは、国がもうこういう措置を講ぜざるを得なくなっているのだから、これはやはり一度洗い直すなり、考え直すことが必要になってこないのでしょうか。
○江崎国務大臣 これは、もうすでに局長が詳しくお答えしておりまするように、国のほうは、景気の過熱を少しでも防除しようという意味で繰り延べをするわけですね。それから、地方は、いま林さんがおっしゃるように、繰り延べしがたいものもある。そういうものはあろうと思います。実際、災害復旧ばかりでなくて、ですね。ですから、その実態について、やはり実情を把握しなければなりませんから、目下、その実情の把握に鋭意努力をしている。そうして、各省庁はどういう対策をとったか、また、とろうとするのか、これらを含めて自治省に連絡をもらいたいという通達を各省庁の官房あてに出しておるわけです。 したがって、いま申しますように、交付税は交付税として、いまここで措置をしておいて、そして、各省の対策、それからまた、これからとらんとする方途——これなどは政府全体の問題です。そこで基本方針がきまる。その勘案する要素の中には、局長も申しましたように、今後の地方税等々の自然増がどれくらい見込まれるのか、これらの実情等もにらみ合わせ、事業の推進状況も考え合わせ、そうして、各省庁の調査に基づいた結果にどう対処していくかということになるわけで、少なくとも、地方の事業の推進に、超過負担の言われておるときに、今後一そう過重な負担をしいたり、事業を、せっかく認定を得ながら中止しなければならぬというようなことにならないように、これは万全の措置をとってまいりたい、政府として責任のある措置をとりたいというふうに考えております。
○林(百)委員 もう現に地方自治体で、こういう政府の財政政策あるいは経済政策、あるいは物価政策のもとでは、地方自治体の財政がとうてい耐えられないのだということが、沖繩県で最も端的に出てきているわけですね。これは、海洋博というような、沖繩県の一県の予算と比較すれば比較にならないようなばく大な公共投資のなされる事業がいまあそこでされているということから来る資材費の値上がり、あるいは人件費の値上がり等もあることだと思いますが、これを調べてみましたところが、海洋博開催に投ぜられる公共投資は二千二百億円くらいと見られておる。沖繩県の予算は九百二十三億ですから、沖繩県の予算の約三倍近くの投資が海洋博になされてくる。現地では、土地の買い占めによる値上がり、資材の値上がり等が、もう異常な状態で出てきておる。昨年十一月からことしの三月までの期間に、鉄筋が五八%の値上がり、杉板が七一%の値上がり、砂利が九四%の値上がりということで、県の公共事業は、昭和四十七年度末で契約が成立したものは七三%、そのうち執行ができたものはさらにその三分の一、こういう実情なわけなんですね。これでは、特に復興を早めなければならない県民生活に直接影響してくる病院、保健所、住宅、学校等の建設事業はますますおくれてくるということになるわけです。 海洋博の会場になっている本部町の予算を見ますと、昭和四十八年度予算規模は七億五千万円で、これは、一挙にして、昭和四十七年度の約三倍の予算になっていますが、その財源の実に四分の三が起債で見なければならないような状態になっている。こういう状態の中で、沖繩県としては、もう海洋博を一時延期してもらうよりほかしかたがない、そうでなければ、県の財政も、ましてや、そこの海洋博の行なわれる自治体の財政はもうパンクしてしまうという声が起きているわけなんですが、自治省はこういう実情を御存じでしょうか。また、これに対して何らかの対策を考えられておるでしょうか。
○鎌田政府委員 この本部町なり沖繩県なりの、御指摘になりましたような財政状況というものは、現在私は把握いたしておりません。ただ、この海洋博の問題につきましては、沖繩県なり、あるいは地元市町村なり、いずれも財政力は微力でございますから、これに負担を負わせるようなことは厳に慎んでもらいたいということは、機会あるごとに、大臣からも、また、事務的にも私ども申しておるところでございます。 それから、沖繩県なり、あるいは市町村の財政状況につきましては、昨年五月復帰以来、四十七年度の決算あるいは四十八年度の予算の執行状況は、全く新しい事態のもとでございますので、私どもが現地に参りますか、あるいは現地から来ていただきまして、詳細に実情を聴取する機会を持ちたいというふうに考えている次第でございます。
○江崎国務大臣 沖繩の海洋博は、国際博でありますし、閣議でも、担当の中曽根通産大臣が発言をしておりましたが、いろいろ地元に、資材急騰による工事のおくれその他困難な問題があるが、これはぜひ遂行をしたい、遂行にあたっていろいろなひずみが出たり問題が起こった場合は各省庁の協力を得たい、こういう強い要請もあるわけでございます。したがいまして、私どもとしましても、いま局長が答えましたように、この事業遂行のために、地方公共団体が不当な迷惑を受けたり、また運営上支障を来たすということのないように、万全の配慮を傾けていきたいと考えております。
○林(百)委員 海洋博というか、博覧会条約に基づいて行なわれる催しが延期されたという例は、一九五六年にベルギーのブリュッセルで行なわれた万国博が、これは一般博でありますが、財政上の理由で二年延期されたという例もありますので、これから政府で何かこのことが論議される場合は、地方自治体に全く財政がパンクするような負担がかかっておるという状態のもとでは、これを冷却させるためにも、一時延期するということもあり得るという立場で、大臣も、閣議の機会には慎重な御検討を願いたいと思うわけです。 本部町では、一挙に、昨年より三倍の七億五千万という予算を組み、その財源の四分の三が起債で、町当局では、この起債を返済するあては全くないと悲鳴をあげているわけですから、自治大臣としては、そういう見地から、海洋博の一時延期ということを考慮する場合もあり得るということを、閣議で何か論議される場合には腹に入れておいて検討していただきたい、また、そういう実例もあるということを知っておいていただきたい、こういうように思うわけです。やること一本で押しまくるということばかりでなくて、そういうように考えてもらいたいと思います。
○江崎国務大臣 いま申し上げましたように、通産大臣が責任者として、ぜひ遂行したい、これは現地を視察して戻ってまいりましたあとの閣議の発言でございます。したがいまして、責任者がぜひ実行したいと言うものについて、私どもが横から延期を言うたり、あるいは中止を一まあ、中止ということはないにしても、延期を言うというような場面はちょっとむずかしいかと思います。 しかし、いまおっしゃるように、地方財政上たいへんな高負担で耐えられないというような実情の緩和等については、自治省として、十分責任をもって対処するという姿勢で臨みたいと思います。もとより、あなたのおっしゃる意味は十分わかりますので、自治省としての責任範囲内のことは、十分責任をもって対処いたしたいと思います。
○林(百)委員 予想せざる建築資材の異常な騰貴から来る国の公共事業の調整措置、それに伴う地方自治体の公共事業の調整措置、あるいは財政的な調整措置、したがって、ただいまわれわれが論議しておる交付税についても、再検討するなり、あるいは補正を組むなりという事態がいずれ来ることは必至だと私は思いますが、この問題は一応おきまして、次の、もう一つ不確定な要因としていま考えておかなければならない問題に、人事院勧告についての措置の問題があるわけなんです。 そこで、人事院の給与局次長にお聞きしますが、いまの状態でいきますと、例年八月に勧告が出るわけなんですけれども、民間の給与と比べて公務員の給与がどういう状態になっているのか、そして、どのくらいのパーセントアップの勧告が出るのかということ。これは、いまここで長橋さんに言えと言っても無理かと思いますが、その大体の見通しはどういうぐあいに考えておられるか、ちょっと述べていただきたい。
○長橋説明員 いまのお尋ねは、勧告の時期と、アップ率がどの程度あろうかというお尋ねでございますが、御承知のように、目下、勧告のために必要な作業を一生懸命やっておる段階でございます。したがいまして、作業の進捗状況から考えますと、ほぼ例年と同時期に結論が出せるのではないかと考えております。 それから、改善率の点でございますけれども、御承知のように、給与改定にあたりましては、公務員と民間従業員の給与の実態というものを精密に調査いたしまして、その調査結果に基づく膨大な資料を基礎にいたしまして、格差を算定し、これを総合的に埋めていくという方法をとっております。これは先生御承知のとおりであります。そうしますと、平均改善率になりますと、やはり調査結果に基づくということになるわけでございまして、いま申し上げかねる段階でございます。しかし、いずれにしましても、民間給与の実態というものを調べて、その格差を埋めるということでございますから、ことしの春闘による民間給与の動向というものを正確に反映いたしました的確な勧告が出せるのではないかと確信しております。その節は国会で御審議をいただくということになろうかと思います。
○林(百)委員 はなはだ抽象的な答弁で、ちょっとわからないのですけれども、一つの基準に、三公社五現業のあっせん案ですか、一七・四九%のアップというのが出ましたね。これは定昇を含めていると思いますけれども、これは一つの基準になるので、これ以下ということは考えられますか。本年度の公務員の給与の人勧がかりに出るとして、ですね。
○長橋説明員 一応ことしの民間の給与の状況を振り返りまして、それからまた、公労協の裁定などを見ますと、率におきましても、額におきましても、非常に大幅なものが出ております。従来の公労委の裁定の数字との相互関係から申しまして、人事院勧告につきましても、相当上回る線が出るのではないかという見方をされる方もございますけれども、しかし、いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、大体似たような民間企業を対象にいたしまして調査するわけでございますので、その動向というのは正確に反映されるのではないか、かように確信しております。
○林(百)委員 そこで、自治省にお尋ねしますが、ことしの交付税の計算の中で、公務員の給与についてはどういう手当てがしてありますか、念のためにお聞きしておきます。
○鎌田政府委員 公務員の給与改善費といたしまして、五%、四月から実施ということで給与費に組んでおります。このほか、一般行政経費の中に、千百億程度の、いわばそういう給与関係、あるいは災害といった不測の事態に備えるためのものを組み込んでございます。例年のとおりの計算でございまして、両方合わせまして大体八%程度、二千四百三十億というものを財政計画に組み込み、それを基礎にして交付税の基準財政需要をはじく、こういうことに相なっております。
○林(百)委員 そうすると、あなたは、給与費のほうは五%と言って、一般行政費のほうは金額で出したのですが、これは給与費と同じような水準にならして計算すると、平均して三%アップと見ていいかと私のほうは計算しておりますが、そうして、合わせて八%アップというように交付税では計算されている、こういうように見ていいのでしょうか。
○鎌田政府委員 そういうことでございます。
○林(百)委員 そこで、大臣にお聞きしますが、ことしの交付税では、地方公務員の賃金のアップが大体八%と組んでいるわけなんですが、先ほど人事院の給与局の次長さんの答弁をお聞きしますと、まだ非常に不確定なファクターがあるから、ここで確定的な答弁はできないが、三公社五現業の一七・四九%アップ、定昇も入れてですけれども、人事院勧告に対して、これも一つの非常に大きな基準になるだろう、一つの決定的な影響を及ぼすだろう、そういうふうな意味に私はとれたわけです。もし不正確だったら、どうぞおっしゃってください。 そうしますと、だいぶ交付税の計算と違ってくるわけなんですけれども、かりに二けた——昨年も一〇・六八%アップ、ことしはどう見ても昨年よりは上回ったアップが考えられなければならないと思うのですが、そういう事態が起きた場合には、どういうような措置を大臣としては考えられるのでしょうか。
○江崎国務大臣 現在の時点では、勧告が具体的にどういうふうになるか、これは大体の想像はできても、まだ的確な予測はむずかしいわけです。したがって、これが相当大幅なものになるということになれば、当然、国家公務員の例にならって、地方公務員はそれに右へならえするわけです。同等の処遇をすることになるわけでありますから、したがって、その場面では、地方財政に支障を来たさないように当然自治省としては対策をする。これは毎年のことでありますが、十分責任をもってお約束できます。
○林(百)委員 対策というのは、具体的にどういうことなんですか。これは技術的な点も含まれますから鎌田さんでもいいのですが、たとえば補正予算を組むとか、あるいは、自然増がこれだけあったからこういうことも考えられるということも出てくるかもしれません。しかし、この八月段階で、法人税の自然増とかなんとかいうことの要因が、地方公務員のベースアップの財源として組み込めるだけの具体性はまだ持ってないと思いますが、結局は、補正予算を組むということになるのではないかとわれわれにも考えられるわけでありますが、いま大臣の言った、そういう場合は適切な措置をとるということはどういうことを含んでいるのか。率直に言いまして、八%アップは組んだが、しかし、三公社五現業が一七・四九%というと、約倍になるわけですね。そうすると、相当の額のものがここで組み込まれなければならないわけですが、どういう措置なんですか。 昨年の例などを見ますと、一部は補正を組んでこれを埋めますけれども、あとは倹約をしろとかなんとかいうような指示が自治省から出て、自治体としては、ただでさえ弾力性のない財政を非常に無理したり、けちけち運動をしたりしなければならないというような場合もあるわけですが、この際、弾力性のない地方自治体にそんな無理を押しつけることなく、地方公務員の給与が交付税の算定よりは上回った場合は、十分地方の財政的な措置で見てやるということを考えなければならないと思いますけれども、大臣のいま言った具体的な措置というのは、事務当局としてはどういうことが考えられるのですか。
○長橋説明員 ちょっと、先ほどの私の発言で不正確な点がございましたので……。 公労協の賃上げ率を基準にしてというようなお話がございましたが、そういうことでございませんで、御承知のように、制度的には別々でございますから、したがって、国家公務員給与をきめます場合に、公労協の給与改善率というものが基準になるというわけではないわけでございます。いずれにしましても、私が申し上げましたのは、民間給与を比較の対象としておるという意味合いにおきまして、公務員給与におきましても、民間給与の動向というものが正確に反映されるであろうということを申し上げた次第でございます。
○林(百)委員 ちょっとその点を詰めますが、しかし、三公社五現業も、民間の賃金を一つの有力なファクターとして出てきたものなんですから、公務員の給与をきめる場合も、三公社五現業のこれが一つの参考の指標として考えられるということは言ってもいいんでしょう。全然無視されるということはないわけでしょう。そうでないと、一体何を根拠にして三公社五現業の給与が出てきたかわからないことになるわけですからね。
○長橋説明員 比較します場合には、非常に技術的な話になって恐縮でございますけれども、比較の対象その他につきまして若干違いがございますから、そういう意味におきまして、対象その他ズレがございます。ただ、申し上げましたように、民間給与の動向という意味におきまして、ある程度参考になるのではないかというふうに考えております。
○林(百)委員 一つの参考にはなるということですね。わかりました。
○鎌田政府委員 具体的な財源措置ということになりますと、まだはなはだ不確定な段階でございますが、従来、給与改定の財源措置としてとってまいりました幾つかのタイプというものがあるわけでございます。 一つは、法人関係を中心にいたしました地方税の自然増収というものがどの程度見込めるかということ。あるいは節減、それから国で補正を組まれる。その際に、この国税三税を計上されるということになりますと、そこで交付税の自然増というものが出てまいります。そういう補正措置がとられないという場合、かつ、地方税の自然増収あるいは、お耳ざわりかもしれませんが節減、こういったものでもまかなえないという場合は、その分については交付税特別会計によりまする借り入れ方式、こういったようなもろもろの措置を組み合わせてやってまいっております。そういう例を先例にしながら適切な措置を講じてまいりたいというふうに考えている、こういうことでございます。
○林(百)委員 これはむしろ局長にお聞きしておいたほうがいいと思いますが、末端の地方自治体に行きますと、人勧が出て、それに準じて地方公務員のベースアップも出てくるわけですが、その際、当初の交付税の計算のときに八%込みであるのですよということを地方の末端の自治体の首長が意識してないわけですね。交付税として、トータルで入ってきますから。そういう点はどういうような指導をしているんでしょうか。 要するに、交付税の本来から言って、ひもつきじゃないわけなんですね。計算をずっと見ていけば、あなたのおっしゃるように、給与費が五%、一般行政費が三%というようなことは、この計数のもとまでいけばわかるわけなんです。しかし、自治体の末端の首長としてはそこまでわかりませんから、そうですが、そんなのが組んであったんですか、うちじゃもう使っちゃいましたというようなことがあるわけですから、そういうところの指導は、具体的にどういうようにされているのですか。
○鎌田政府委員 これは、地方団体のほうでそういうことが徹底していないということでありますとまことに残念な話なんでありますが、この交付税の基準財政需要の計算をいたしますときに、給与改善費というものを当然織り込んで計算をして配分をするわけでございます。でございますから、末端に至るまで、私どものほうの考え方、すなわち、八%相当分の給与改善費というものは先組みで交付税で配ってあるということは、これはもう十分周知徹底されているところではないかと私としては確信いたしております。
○林(百)委員 そこで、大臣にお聞きしますが、いま政府から出ております教育職員の人材確保に関する法律という法律がございますね。これによって義務教育小学校、中学校の教諭には平均して一〇%アップする。もちろん、内容についていろいろ問題がありますから、野党としては反対しているわけなんですけれども、いずれにしても、平均すれば一〇%アップ。これが、この法律で相定されている小中学校分は国の予算で組まれると思いますけれども、これが、地方自治体の教育の職員である高校の教諭あるいは幼稚園の教諭に波及していく。小中学校の先生だけ一〇%アップで、高校の先生と幼稚園の先生はこれとは全然関係がないというわけにいかないと思うのですね。そうすると、そういう教育職員の人材確保に関する法律による義務教育関係の教育者に対する平均一〇%アップが他の教育者に及ぼす影響については、どういうような調整措置を講じておられるのですか。
○江崎国務大臣 これは法案そのものが、義務教育の教員を対象にして人事院の勧告を積極的に求めるという形になっておりますので、とりあえずは、やはり、義務教育の教員を対象に措置をしなければならぬというふうに考えておるわけでございます。したがって、いまお示しのように、高校の教員はどうなるのか、あるいは幼稚園の教師の場合は一体どういうことになるのかということは、今後当然出てくることが予想される問題であろうかと思います。しかし、これは、現在、政府としては、義務教育の教員というところに焦点をしぼって、特に、人生の教育の一番基底をなしまする義務教育の教育者ということで目標をしぼっておりまするので、したがいまして、現在は、それを対象にしで措置を講ずることというふうに考えておるわけでございます。で、御指摘のような高校、幼稚園あるいは大学の教員の問題につきましては、今後の問題ということで、また検討をしてまいりたいと思います。
○林(百)委員 わかりました。それでは、人事院の長橋さん、けっこうですから、どうぞお帰りください。 加藤さんがせっかくお見えになっておるから、一つ質問しますが、公務員の給与について交付税では八%と組んでいますが、おそらく人勧が二けた以上出ることは間違いないと思いますが、そういう場合に、地方財政上、大蔵省としてはどういう措置を考えておられるのか。とにかく、さっき言ったように、一部は節減というようなことを局長も言っておるわけですけれども、節減でこの給与を出すというようなことは、地方自治体としては、弾力性がありませんからなかなかむずかしいですね。したがって、国の財政上の措置を十分講じてもらうということが非常に重要なことになると思いますけれども、加藤さんとしては、そういう場合はどういうようなお考えですか。
○加藤説明員 先ほど人事院のほうからお話しがございましたように、人事院勧告がどうなるかというようなことがわかりませんし、地方公務員の場合は、例年国家公務員に準じてということになっておりまして、そのパーセントがどうなるか。もちろん二けたになるだろうと私は思いますが、そういたしますと、八%で足りない。これは先ほど財政局長からもお話しがございましたが、去年の補正の例は先生よく御承知のとおりなんですが、地方税が非常に伸びました。それから、交付税も分割法人の分がかなり伸びたわけでございます。昨年はそういう例がございました。それから、四十六年の場合には、御承知のように、借り入れ金というようなことで五百五十億やりましたですね。それから、節減は、国のほうが節減をいたすわけです。それに準じて地方もやっていくわけです。非常にもの足りないかもわかりませんが、この二、三年来の経緯は、四十六年度は条件が悪い場合、それから、四十七年度の補正の場合は非常にいい場合、こういう先例が二つあるわけでございます。 四十八年は一体どうなるか。目下のところは、いろいろ御意見がございましょうが、いいほうの年だろうと思うわけです。だから、そう問題はないのではないかというふうにいまは期待しております。
○林(百)委員 期待が実現すればいいと思いますけれども、円のドルとの関係等を見ましても、一部の企業は非常な好景気に見舞われていますけれども、中小企業も含めての企業全体から言うと、あの一部の独占企業の、かつてない好景気、営業利益率というものが全般的になるとは考えられないと私は思うんですね。四十六、四十七年の例を見ましてもそうです。ことに、最近一そうドルが値下がりの状態であります。だから、あなたの場合、地方財政の困難な条件の場合と、地方財政が比較的余裕を持った場合の二つの例をあげられましたけれども、かりに困難な事態が生じた場合には、加藤さんは、この地方行政とも縁のある主計官ですから、地方自治体の財政実情も十分御存じのはずですから、まあ、貸し付けという形になるか、あるいは特例交付金というような形になるかは、それはその場でまた論議がかわされると思いますが、十分国のほうで配慮するように、私のほうからはあなたに期待をしておきます。 そこで、今度は、厚生省の方もお見えになっていますから、厚生省の方にお聞きするのですが、保育関係の地方自治体の超過負担、これはもともとは交付税の計算から、だいぶ実情と離れた計算がされておりますので、それが、やはり交付税というワンクッションを置きますから、いわゆる超過負担という形になるかとも思うわけなんですけれども、かりに十万都市で、要保育児は何%かと見ればいいのでしょうか。何かそういう統計が出ておるのでしょうか、説明していただきたいと思います。
○岩佐説明員 お答えいたします。 御承知のように、保育所に入所をさせなければならない乳幼児につきましては、母親、特に保護者の労働、疾病等によります状況に応じて要保育児童というものがふえていくわけでございまして、したがいまして、標準的な、たとえば人口十万のところに、どのくらいの要保育児童の数なり率なりが考えられるかということにつきましては、何が標準かというふうなことをあまり定めておらないわけでございまして、その地域地域の実情に即応して保育所の増設をはかっていっているということでございます。 ただ、これを全国的に見ました場合に、保育所は、最近、婦人労働、特に母親の労働力人口がかなり増大してまいっておりますので、それらを反映いたしまして、保育所の増設の要望は高くなってきておるわけでございまして、これに対応して保育所の数をふやしていっておるわけでございますが、計画といたしましては、マクロ的に見まして、学齢前人口の一四・五%までというふうに一応の目標を立てておるところでございます。
○林(百)委員 数字を具体的にお聞きしないと次の質問が出てこないのですが、そうすると、かりに十万都市として、平均しますと、どのくらいの保育を要する児童の数が出てくるのですか。
○岩佐説明員 十万といたしました場合に、これを全く単純に割り返してみますと、一・四五ということになるかと思います。
○林(百)委員 単純に言うと、千四百五十人ということですか。
○岩佐説明員 はい。
○林(百)委員 自治省にお尋ねしますが、昨年の保育施設に対する交付税の計算、あるいは維持に対しての計算の基礎的な数字はこっちで把握しているのですが、ことしはどういう計算になるのですか。十万都市を基準にして、ですね。ここに参考資料がありますけれども、何人という要保育児の数が出ておらなくて、何カ所というのだけが出ておるわけですね。これはどういうことになるのでしょうか。
○鎌田政府委員 標準団体で千二百五十一人でございます。
○林(百)委員 そうすると、千二百五十一人で、交付税の計算としては一人当たり幾らと見るわけですか。
○鎌田政府委員 七千五百五十五円でございます。
○林(百)委員 そうすると、年額にすると幾らになりますか。
○鎌田政府委員 十倍するわけですから、七万五千五百五十円になります。
○林(百)委員 そうですか。年額にすると七万五千五百五十円になりますか。 そこで鎌田さんにお尋ねしますが、厚生省としては数字を出すことはなかなかむずかしいということは課長さんもおっしゃっているし、私もその事情はわかります。実際、要保育児と言ったって、一々当たって調べなければわかりませんからね。しかし、一応厚生省で出しておるのも非常に単純な割り方ですから、これが必ずしもオーソライズされるとは考えられませんけれども、それにしても、一応十万都市単位千四百五十人という数字が出ておるわけですね。それに対して、自治省のほうとしては、千二百五十一人という数字が出ておるのですけれども、この間はもう少し充実させなくてもいいのでしょうか。
○鎌田政府委員 いまの千四百五十人という数字を私もここでお伺いしたわけでございますが、これは、私どとのほうも、もう少し事務的に詰めて厚生省当局からお伺いいたしたいと思いますけれども、現在、私どものこれは、標準団体において千二百五十一人というものを置いて、それからあとは、御案内のとおり、密度補正によりまして、現実の要措置児童の数に合うような補正を加えていくという作業をいたしておるわけでございますが、千二百五十一人になるのか、千四百五十人になるのか、この辺のところは、私、いまの千四百五十人の基礎をもう少し伺いませんと——あるいは単純な機械計算でおっしゃっておられるのかもしれませんけれども、そこらのところは、もう少し時間をかしていただきたいと思います。
○岩佐説明員 ただいまの千四百五十名と千二百五十一名の違いでございますけれども、この千二百五十一名という数字の内容につきましては、厚生省が四十八年度中に年間を通して推計される児童十万人に対して千二百五十一人という数字でございまして、千四百五十人というのは、昭和五十年度までに望ましいと申しますか、必要とする要保育児童の数は、人口十万に対して割り返していきますと、千四百五十人になるということでございます。昭和五十年になりました場合に千四百五十人になるということに御理解をいただいたらよろしいんじゃないかと思うわけでございます。
○林(百)委員 実は、厚生省の昭和四十五年に発表した統計で、これもいろいろの要因が含まれておりますから、私のほうで整理して計算してみたところ、一・七五五%です。これは昭和四十五年で、十万人の人口に対して出てくるわけですから、昭和五十年までに千四百五十人というのは、厚生省が少し低目に見ておるのじゃないでしょうか。五十年までに千四百五十人という指標に向かうのだということになりますと、前のほうがもう少し率を高く見ていたんじゃないですか。そんなことありませんか。自治省が前にいるからといって、遠慮しなくてもいいですからね。
○岩佐説明員 前とおっしゃいますと、いつごろかわかりませんけれども、昭和五十年に必要といたします目標の要保育率は一四・五%ということにいたしておりますので、千四百五十人となるわけでありますが、その数字の基礎といたしましては、厚生省の立場で要保育児童の実態調査を行ないまして、これに婦人労働力の増大してまいりますものを加えて、そうして昭和五十年まで推計いたしましたものを割り返しまして出た数字でございます。したがいまして、その後の状況を新たに加味するということは一応別な問題でございますけれども、昭和四十六年から五十年までの保育所緊急整備五カ年計画を立てましたこの段階におきましては、それで十分という見解で計画を策定したものでございます。
○林(百)委員 そうすると、現状はわからないということなんですね。現在、たとえば昭和四十七年でもいいのですが、昭和四十七年には要保育児が幾らあったか、十万の人口都市で幾らあったかということは、厚生省じゃつかんでおらないと見ていいのですか。
○岩佐説明員 現在、全国平均で見まして、昭和四十七年度におきます率は一二・〇一%になっておりますので、したがいまして、千二百一人というふうに単純に割り返していった数字でございます。
○林(百)委員 自治省では、昭和四十七年度は、たしか、十万都市で千百六十人、一人当たり六万五千八百一円と、こういう交付税計算の基礎になっていると思いますが、そうじゃありませんか。
○鎌田政府委員 そのとおりでございます。
○林(百)委員 そうすると、これも、厚生省の岩佐課長の答弁では、単純なということになっていますから、いろいろの要因が入ってきますから、これが決して決定的だとは言いませんが、厚生省の出しておる数字よりは若干下回っておる。四十七年度千二百一人ですか。交付税の計算のときには千百六十人として計算していますね。 そこで、次に進んでいきますけれども、十万人の人口のところで、保育所の九カ所という根拠はどこから出てきたのでしょう。
○鎌田政府委員 御案内のとおり、交付税の場合、結局、十万の標準団体というものを一応ものさしとしてつくるわけでございますが、それに近い団体について実態調査をやった結果の個所、それが九カ所ということでございます。
○林(百)委員 厚生省のほうは、やはり十万都市で九カ所という数字が出ていますか。
○岩佐説明員 保育所の個所数につきましては、保育所の規模が、たとえば六十人定員であるとか、あるいは九十人定員であるとか、あるいは百人定員であるとか、あるいは百二十人であるとか、いろいろその地域の要保育児童の実態に合わせて、必ずしも一様でないわけでございます。したがいまして、個所数につきましては、結局、割り返してみまして、それが九カ所になるということではないかと思います。
○林(百)委員 千四百五十人で九カ所ということになると、一カ所百六十人になりますが、大体これで保育事業はできますか。
○岩佐説明員 昭和五十年に千四百五十人の目的を達成いたしました時点におきましては、個所はもう少しふえてくるのではないかというふうに考えております。最近、各市町村におきまして保育所を設置いたします場合に、やや大型化してきているという事実はございますけれども、一方、また、過疎化しておる地域もあるわけでございますので、そういう地域におきましては、新しい対応策といたしまして、小規模の、定員三十名という保育所もつくっていっておるわけでございますので、これは必ずしも一様にタイプをきめることはできない、要保育児童の実態に適応した定員規模をきめていくべきであろうか、こんなふうに考えておるわけでございます。したがいまして、個所数は、単鈍平均で定型化した形でもしも割り返しをするならばこれだけの個所数であるということになるんじゃなかろうかと思います。
○林(百)委員 どうもよくわからないのですが、これは大臣にお尋ねしますが、大阪府の摂津市から、「支出金の算定又は支出時期等に関する意見書の提出」という地方財政法の二十条の二の条項に基づいて、保育所についての国の支出金の算定についての意見が出ておるわけなんです。ですから、これは、この「自治大臣を経由して内閣に対し意見を申し出、又は内閣を経由して国会に意見書を提出することができる。」という条項に基づいて出ているようですが、これはお受け取りになったでしょうか。五月二十五日ごろだったですか。
○江崎国務大臣 確かに受け取りました。最初持ってこられてから、多少事務的に不備がありまして差し戻したり、また出し直したりというようなことがございましたが、正式に受け付けております。その回答については、厚生省が中心になって早急にまとめることになっております。
○林(百)委員 これを読んでみますと、まず建設費用ですけれども、「保育所の建設に要した経費について、本市の場合を例にとると、別表(4)のとおり、本市は一部の改築も含めて、過去五年間に総額で八千七百六十五万五千円の建設費用の支弁を行なったのに対して、国はわずか二百五十万円の負担金を支出したにとどまっており、実際上の経費の負担割合では、国二・九%、地方公共団体九七・一%の割合となっている。国は本来法律の規定からすれば、保育所の建設のため市町村が支弁した経費の二分の一を負担する必要があり、本市の場合、八千七百六十五万五千円の二分の一、すなわち四千三百八十二万七千五百円を負担すべきであるのに、これを負担しないため、本来の負担割合に基づき算定した額との差額四千百三十二万七千五百円は、地方公共団体が国に代って負担しているのが実情である。」となっている。これは建設費のほうでございますが、摂津市のごとき、あまりに違い過ぎるわけですね。これは六万数千の人口の市だと思いますが、国が四千三百八十二万七千五百円負担すべきところを二百五十万しか見なかったというわけなんです、それから、「昭和四十六年度を例にとってみると、管理・運営のために本市が要した費用は六千四百十五万七百六十三円であるのに対し、国が負担したのは、その四分の一以下の千五百七万一千九百四円にすぎない。このように国の負担額と、市の費用との間に大きな差が生じているのは、1国の保母定数基準については、かねてよりその改善を要望してきたところであるが、例えば三才未満児に対する保母の数は、児童六人に対し保母一人とされている。しかし、現実には、この定数では三才未満児の十分な保育は困難であり、本市においては、安全保育の観点及び厚生省の乳児保育特別対策の趣旨を尊重する見地から、とくに乳児については、児童三人に対して保母一人の割合で保育を行っているが、これにかかる経費についても、国は負担対象としては認めていない」と言っている。したがって、管理、運営は四分の一、建設費については国が二・九%、地方自治体が九七・一%。二分の一を見るどころか、こういう実情になっている。これが地方財政法の二十条の二で、内閣に送られ、内閣は国会に答弁することができるということになっています。 私がかわってここで答弁を求めたいんですが、これはあまりに数字がかけ離れ過ぎているんですが、これはどういう実情からなんですか。厚生省でも、自治省でも、どちらでもいいですが、答弁していただきたい。
○江崎国務大臣 これは、さっき私が申し上げましたように、五月二十五日の閣議に、こういう書類か提出されておるということで——もとより、こういう要請というものは根拠なくして出てくるものじゃありませんから、出したほうにおいては相当な根拠を持って出しておられるということについては考えなければならぬと思いますが、やはり、実情をしっかり把握しませんというと、なぜこんなに違うのか、私どもも、文書を見ましたときにもちょっと意外に思ったわけであります。したがいまして、今後厚生省が中心になって十分検討することになっておりますので、もうしばらく時間をおかし願いたい。 もとより、これは、正式な内閣に対する質問書でございまするので、今度はまた、この食い違い、実情等については、閣議に答弁要旨もかかるものというふうに思っております。まだ閣議にもかけられていないようなことでございますので、厚生省からは、あるいはお答えがしにくいのではないかと思います。また、いま事実資料がないというふうなことでございまするので、もうしばらく時間をおかし願いたい。
○林(百)委員 厚生省、ここで何か答弁できますか。——調査中なら調査中で、慎重を期せられてもけっこうですよ。いずれわかるわけですから。
○岩佐説明員 ただいまの問題につきましては、自治省のほうからも御連絡をいただきましたが、閣議にもかけられておりました問題でございまして、大臣からも下がってきておるわけでございます。ただいま自治大臣もお答えになられましたように、実情の調査という面もございますし、特に、私どもが考えておりますことと多少の食い違いもあるように思う節もございますので、そういう問題につきまして、実態を明らかにいたしました上で、またそれぞれの手続を踏んでお答えをさしていただくということになるのではないかと思うのでございます。 ただいま、手元にちょうど資料も持ち合わせておりませんので、十分なお答えになりませんことをお許しいただきたいと思います。
○林(百)委員 それでは、これは慎重を要することでございますので、いずれまたその機会に、厚生省と自治省と両方から説明を受けたいと思います。 同じような性格の問題として、ストレートで超過負担とは言えないにしても、結局、交付税の係数が、実情と合わない係数から出てくる額のために、超過負担ということで呼んでいいかと思うのですが、超過負担というのは、普通で言えば、国の補助金が補助率に合わない額が出されておるということが超過負担ということばの概念の正確な定義づけだと思いますけれども、交付税の計算が実情に合わないということからも、超過負担と同じような性格の負担が地方自治体に出てくるということを、この交付税の法案の審議の際に私のほうから質問しておく必要があると思いまして、いま、保育行政の問題をお聞きしたわけですが、同じ問題が清掃事業からも出てくるわけなんです。 これは、非常に行政的な数値に関する問題ですから局長からお答え願いたいと思いますが、この清掃事業で、人口十万人に対して処理人口八万八千と計算した根拠はどういうことなんでしょうか。要するに、マクロだからこうなるということなんですか。
○鎌田政府委員 標準団体におきまして、御指摘のとおり、計画処理人口八万八千人という数字を基礎に置いておるわけでございますが、これは、清掃事業の五カ年計画、これに基づきまして、厚生省のほうから得た数字を基礎に置いておるということでございます。
○林(百)委員 岩佐課長さん、もう済みましたから、どうぞお帰りください。 それでは、折田さんにお尋ねしますが、この八万八千人の根拠はどういうところから出てくるのでしょうか。
○折田説明員 いまお話しがございましたように、私のほうでは、五十年度末を目標といたしまして計画を立ててまいりまして、四十五年度末の実績を見ますと、全国人口の八二%が計画収集の対象になっておりますが、これを五十年度末に、一億四百九十三万人、いわゆる全人口の九五%を目標として計算をいたしまして、その五十年度までにいく間に、年次ごとにずんずん八二%から九五%に上げる計算の過程におきまして、四十八年度がちょうど八八%になるという計算になったかと思います。そういうのが計算の過程でありまして、最終五十年度は、いま申し上げましたように、全人口のちょうど九五%になるという目標を立てておるわけであります。
○林(百)委員 八万八千として、これはマクロである。それから、そういうことだから、係数補正もするし、基準財政収入額において調節するのだという答弁も考えられるわけなんですけれども、しかし、人口密集地域で、十万のうち清掃処理を必要とする人口が八万八千だということは、非常に実情とかけ離れてくるわけなんですね。東京にしても、大阪にしても、そういう都市では、もう一〇〇%清掃を必要としているわけですから、したがって、八万八千の割合で交付税が計算されてくれば、その面から負担増分が自治体にしわ寄せされて出てくることは間違いないと思うのですね。そういう意味で係数補正をしたり、あるいは財政収入額の調整をするのだという答弁が返ってくるとは思いますよ。しかし、これはやはり実情に合わないので、一そう清掃行政事務を——ことに、人口密集地域と過疎地域とは違うでしょうけれども、これをさらに充実していき、実情に合うような係数計算をしていくことにつとめる必要があるのではないかというように思うわけです。 念のためにお聞きしますが、そうすると、昭和四十七年度では、十万都市で清掃費は幾らになるわけでしょうか。自治省が計算している交付税としては幾らになるのか。
○鎌田政府委員 経常経費におきましては、総額一億五千八百八十五万六千円でございまして、一般財源といたしましては一億一千百万。したがいまして、単位費用が千百十円、そういうことでございます。
○林(百)委員 十万都市で、ですね。
○鎌田政府委員 そうです。
○林(百)委員 私のほうの調査によりますれば、大阪府下の寝屋川市で、これは人口二十万人で、いまの倍の数字になるわけですけれども、昭和四十五年度に、清掃費として三億九千二十一万九千円、約四億使っているわけですね。ですから、この大阪の寝屋川の例を申しますと、自治省の財政需要額の係数の約倍の費用が四十五年にかかっているわけですね。これはあまりにも違い過ぎると思うのですが、何か、この寝屋川の係数を持っておるでしょうか。突然の質問だから、なければなくてけっこうだけれども、ちょっとその実情とかけ離れているんです。ことしは相当係数の比率も上げたり、数字も上げてきて、いま局長が答えられた数字になったと思いますが、かりにそれを倍にしても、寝屋川市は二十万の人口ですから、昭和四十五年にかかった三億九千万、約四億の約半分程度にしか達しないということで、実情と非常にかけ離れておるわけなんですが、この寝屋川の数字がわかるでしょうか。突然の質問でもしわからないとすれば、私の質問の締めくくりとして——自治省の答弁も、返ってくる答弁は一応わかっておりますが、行政内容を充実するような方向へ一そう努力して、ことに、いま申しました環境整備あるいは保育関係の実情に合った交付税計算をしていくような努力をすることが必要ではないかと思いますが、これは政治的なことにもなりますので、その点について、大臣と局長の両方から答弁を求めておきたいと思います。
○鎌田政府委員 寝屋川の数字をここに持ってきておりませんので、寝屋川に即したお答えはできないと思いますが、いま私が申し上げました数字は経常経費の計算でございますので、あるいは寝屋川でごみ処理場をつくられるとか、その他の施設の整備をやられるとか、いわゆる投資的経費の分が入っておりますれば、その分を含めて比較検討しなければなるまいと思います。 ただ、自治省からの答えはわかり切っておるというふうなおことばでございますけれども、人口十万の都市で、いわば静態的な状態ではじいた数字でございますので、これを現実に近づけますために、現実のごみ、屎尿処理の人口というものを基礎に置きました密度補正、あるいは大都市周辺でございますと、人口急増補正等でできるだけ実情に近づける努力というものは、これまで以上に続けてまいりたいというふうに存じております。
○江崎国務大臣 交付税の計算にあたりましては、超過負担の問題等がしきりに言われておりますおりから、十分実情に合った形で今後も配慮してまいりたいと思います。
○林(百)委員 それでは、私は次の質問だけで終わりますが、どうもよくわからない点が一つあるので、これは大蔵当局と自治省の両方の見解をお聞きしたいのです。 国のほうは公債を発行していく。ことしも二兆三千四百億ですか、二兆をこえる公債を発行していく。これが国内の市場の景気刺激の材料として使われているということになると、公共事業への投資になると思うのです。そうしますと、これを受ける側としますと、地方自治体としては、これを補助金というような形で受けとめて、それに見合う対応費をまかなわなければなりません。普通、三税相当分のものでありますれば、言うまでもなく三二%の交付税がおりるわけなんですけれども、公債が発行された部分で、しかも地方自治体がそれに見合う対応費を出していかなければならない。ところが、それには三二%の交付税がおりてこないということになりますと、このところの調整をどうしたらいいのか。その部分は地方債で切りかえたらいいじゃないか、地方債の財政計画に占める比率は、一般予算の国の公債発行額の比率に比べてまだ低いじゃないかという意見もあるいは出てくるかもしれませんけれども、しかし、そういうことだけでこれは簡単にとまらないのじゃないか。 ことに、こういうようにだんだん国のほうの公債発行が多くなってくると、地方自治体の地方債のほうも弾力性を欠いておるために、地方債に転化する部分が多くなってくるということになりますと、そういう割り切った答弁だけでは納得できないのですけれどもね。この点を大蔵省はどう考えているか。また、自治省としてはどういうことを望んでおるのか。これは、全国知事会の四十八年度の国の施策並びに予算に関する要望等もこの点に触れておりますので、聞いておきたいと思うのです。
○加藤説明員 先般、大蔵大臣が御出席の際も林先生から御質問がありまして、あの際も大蔵大臣が申されておりましたが、地方財政計画で、地方税なり、交付税なり、地方債なりで、歳出のこっち側の財源はフレームとしてセットいたすわけでございますね。その場合に、いま先生のお話の税金の金であれば三二%がいく、公債であればいかないという議論になるんですが、一応財源的には、歳出と歳入を地方財政計画のフレームを使ってセットするわけです。ですから、そこには過不足はまずないわけですね。 それから、その次には、四十一年にいわゆる財政法の四条公債を始めた際に、自治省のほうでもそういう御主張があったわけです。国税三税であれば交付税がいくけれども、公債を出すとその分はいかないという議論があったわけでございます。あの際、私がちょうど公債をやったわけなんですが、あのときの議論といたしましては、今後民間部門から公共部門のほうに資源を引っぱり寄せなきゃならぬ。そうすると、増税をやるか借金をやる以外にない。その場合に、国の建設投資は将来の財源培養になるわけですし、見合いの資産も残るわけでありますが、地方財政法でも、五条におきまして、御承知のとおり、そういうものについては包括的に、国の財政法よりもさらに広い規定になっております。認めておるわけです。したがって、国が公債を出した分は地方も地方債を出せばいいじゃないかということで、普通の考え方といたしますと、財政力の弱いところは借金をなるべく少なくしたほうがいいという考え方がある。ところが、片っ方では、小さな企業で考えてみますと、小さな企業が急速にでかくなろうとした場合には借金していく以外に手がないですね。そういう考え方も片っ方にあるわけです。それを公共部門に類推するのはおかしいわけですが、公共団体が住民のニードにこたえていくためには、均衡財政的なやり方をやっておってはなかなか需要にこたえられないという場合もあるわけです。しかし、それをノーズロにどんどん借金をふやすということになると、また財政再建みたいな問題になりますので、この辺は、かねて自治省も起債の基本方針でいろいろ基準をつくっておりますが、この基準についてもいろいろな考え方があるわけです。起債額の絶対額で考える場合、あるいは元利払いで考える場合、あるいは極端な例では、シャープの勧告などは利子だけ議論しておりますが、いろいろな考え方がございまして、その問題は、目下のところは、従来の起債の方針で自治省もおやりになっておりますけれども、いろいろ勉強はされておるわけです。われわれのほうも勉強しておりますが、そういうことでございます。 いまの、三税であれば地方に金がいくが、公債でやった場合にはいかないので、そのギャップをどうするかという問題は、もうかれこれ十年近く議論が続いておりますが、われわれとしましては、いま申し上げましたような財政法、地方財政法の考え方、あるいは財政学の考え方、それから現実の実情、国民の需要、そういうようなものを考えますと、四十六年、四十七年と地方財政もいろいろ浮き沈みがあったわけでございますが、四十八年は非常に好調でございますけれども、その三時期を通じて決して間違っていないんじゃないか、将来もそういうような考え方でやっていっていいんではないかということで——もちろん、むちゃくちゃにふえるというようなことは問題でございますので、そういう基準や何かをどう考えるかということはできるだけ早く勉強をしてみたい。公共団体もいろいろ心配されるわけでございますし、あるいは野放しにいたしますと、スタンドプレー的にかってなことをおやりになる団体も決してないわけではございませんので、その辺はちゃんとけじめをつける、あるいは歯どめの制度を考えるというような勉強をしなければいかぬ、そういうふうに考えております。
○鎌田政府委員 基本的には、地方財源をどのような形で恒久的に確保してまいるかという問題に帰着するわけでございまして、そういった意味合いにおきまして、地方財政が持っておる手段ということになりますと、地方税であり、交付税であり、また地方債であり、こういうものをどのように組み合わせていくかということに相なるわけでございます。国のほうで国債をかなり大幅に発行する、あるいは、伝えられておりますような、経済安定法で述べられておりますような国債の発行といったようなことまで見通しまして、他方におきまして、地方団体が今後国民の生活環境をよくするために長期的、計画的に整備をしていくための財源を確保するということになりますと、基本的には、この委員会で再三御論議がございましたけれども、地方税源をどれだけふやせるかということに果敢に取り組んでまいらなければならぬだろう。あるいはそういったものとのからみ合いにおきまして、交付税の増額の問題、それから地方債というものをとのような形で——これは三千の団体それぞれ財政状況は違いますから、それぞれの団体の実情にできるだけ即するような形で地方債というものの活用をはかってまいる。結局、この三つの最も妥当適切な組み合わせということに帰着をしようかと私は思います。
○林(百)委員 あと、大臣の政治的な答弁だけでとどめておきます。 加藤さんに申し上げますが、三税の国の財源と、それから公債発行分と、これが込みになって補助金として出てくるのだから、それに見合う対応費を交付税で計算してくるということになれば、何も公債分だけの三二%ということは考えなくてもいいんじゃないかというような趣旨にとれる答弁もありましたけれども、これは、あくまでも公債発行した分は三税とは別に、三二%の裏づけがないため、裏づけがないものと三二%の裏づけのあるものとが込みになって出てくる。したがって、地方自治体としては、それをまかなうには、地方債の増発か、あるいは、さっき局長の答えたような地方税の増収という形で対応費を捻出するよりほかにしかたがないと思うのですが、その点を考えて、究極的に、三二%についてそろそろ考える時期がやはり来ているのではないか。地方債につきましても、いま、一般会計で四兆八千七百二十一億、それから、公営企業、準公営企業特別地方債で四兆九千億、これを合わせて約九兆七千億、国民一人当たり九万という額になっておりますが、これも歯どめがないといえばないし、自治省でも、地方債の発行については、非常に強気な意見が支配的のようですけれども、これはやはり一つのインフレの要因にもなりますし、一定の節度を設けなければならない。何でも地方債でやっていけばいいんだ、そういうギャップは地方債で埋めていけばいいんじゃないかという考えについては、私は異論をはさむところです。 したがって、自治大臣も、いま言ったように、国が三二%の裏づけのない公債を——どうも、ことしなど、特に、国内景気を刺激するという意味で、二兆円をこえる公債を発行しているわけなんですね。それには裏づけがないわけなんですからね。それと、四十六年、四十七年、四十八年、毎年毎年資金運用部資金から交付税特別会計が借り入れをしているというような実情から言って、自治省としては、三二%を考慮されたいということを、もう十分アドバルーンを上げてもいい時期じゃないか。そして、いまの論理も、それは込みになっているからいい、それに対して交付税を計算すればいいのだという論理に対しては、やはり大蔵省に負けないような、対抗し得るような論理をちゃんと立てて、筋道を立てて、そして、弾力性のない地方自治体の財政の実情、歯どめなく増大していく地方債の累増という点を主張されて、やはり、根本的には三二%を考慮すべきじゃないかという点に落ちつくような努力を、大臣としてもぜひしていただきたい。 これをもって私の質問は終わりますが、最後に、大臣の答弁を聞いて終わります。
○江崎国務大臣 公債の裏づけについては、これは議論の存するところだと私は思います。地方には地方債もありまするし、また、やり方もあるわけですが、ただ、いま、地方の、特に福祉重点と言われ、生活環境の整備ということが言われまするときに、社会資本の伸び率というものは、一年一年伸びてはおりますものの、まだ、それは、まことに微弱なものがあります。今後の需要に見合って、地方の財源をどういうように充実するかということになりますと、交付税率の問題がもうここらあたりで議論されなければならぬ。これは全く私どもも同感であります。しばしば当委員会でも議論が出ておりますように、これは、政府・与党はもとより、関係の各政党の皆さん方にも御協力を得て、一方、私も大蔵省側の理解を求め、税制調査会等の意見を徴して、この実現に邁進したいというふうに考えます。
○林(百)委員 終わります。
○上村委員長 山本弥之助君。
○山本(弥)委員 理事会の時間の打ち合わせから言いますと、私に与えられた時間は四分になっておるわけですが、どうも、四分で質問を終わるわけにはいきませんが、できるだけ簡単に済ませてまいりたいと思います。 すでに委員会におきまして十分論議を尽くしてまいったわけでありますが、ただいま林委員からも質問があり、また、昨日細谷委員からも質問があったわけであります。私も、何回も自治大臣には御質問を申し上げておるわけでありますが、地方自治体の財源は本年あたりから思い切って変えていかなければならぬということを痛感をし、御質問をしたわけなのであります。私ども、勘ぐりたくありませんけれども、すでに来年あたりからは大きく税体系も変わろうとしておるわけであります。したがいまして、この際、将来、地方自治体が、わが国のいわゆる福祉行政を推進してまいる中核としての役割りを果たすためには、どうしても根本的な財源の配分が行なわれなければならぬと思います。 先般、大蔵大臣の御答弁も、ただいま問題になっております地方交付税の税率の問題にいたしましても、壁が厚いという印象を受ける答弁がありましたが、重ねての質問に対しましては、地方自治体は大きく変わろうとしておる、また、変わらなければならないという見地に立って、自治省と十分打ち合わせをして、交付税の問題も十分配慮をしてまいりたいという答弁があったわけであります。 過去十年近く、景気調整ということで、毎年毎年、貸し借りということで交付税の特例措置を講じてきたわけでありますが、もうここら辺で本格的な地方税の税源の確立をはかっていかなければならぬと私は思います。その基礎であるところの国の政策も、私どもの考えておる方向に、いろいろな面で政策が変わってきつつあるような印象を受けるわけであります。そうなりますと、地方税の充実あるいは交付税の税率の引き上げの二つに対しまして、鎌田局長も言われておりますように、地方債の運営ということによって——それも、大きく将来の負担に残るような地方債の運営では困るわけでありますが、しかし、国の経済が安定成長のほうに向かいますと、地方自治体の起債、地方債の発行というような問題も、年度間の変動ということでなく、長期的な展望に立っての運営が当然できるのではないかという感じがするわけであります。それは、やはり、時の政治をあずかる政府は、その場その場の国民に対する一時のがれのような政策ではなくて、経済の安定をはかっていかなければならぬと思うのであります。そういう意味で、各委員からも申し述べられましたように、交付税の税率の問題につきましても、ぜひ真剣に大蔵省と折衝していただきまして、率の引き上げはどうしてもやらなければならぬ時期に来ていると思います。 ことに、問題は、年度間調整は極力自治体の内部において調整をする、あるいは、年度間調整が起こらないような安定成長に持っていくという、そういう政策のもとにいかなければならぬと思います。問題は、地方税の充実をはかるにいたしましても、今日、税源のあるところと、取ろうと思いましても税源のない公共団体というものはなかなか解消ができないんじゃないか。総理の言われるように、過密過疎はそう簡単に解消する問題ではない。過疎がなくなって初めて解消するような事態に追い込まれないような体制は、自治体の自主性と財源の付与以外にないと私は思っております。したがって、大臣の決意もよくわかりましたが、力強い御決意をお聞かせ願いたいと思います。
○江崎国務大臣 情理を尽くしての御質問でございまして、私も、この問題には全く同感でございます。ただ、問題なのは、地方財源をどう充実するかということで、それには、いまお示しのような地方交付税率のアップ問題——これは言うことはきわめて簡単でありまするが、国税、地方税をひっくるめての税の根本に触れる重要な問題でございまするから、税制調査会等とも十分相談の上対処していくことはもちろん当然でありまするが、方向としては、もうまさにこれ以外に道なしというような感じがいたします。 これは与党、野党を問わず、当委員会において終始これに質問が集中されたわけでございまするので、御意思の存する点は十分体しまして、私も努力いたしたいと思います。
○山本(弥)委員 交付税に関連いたしまして、事務的に二、三の問題をお尋ねしたいと思います。 第一点は、先ほど加藤主計官から答弁があったと思うのでありますが、過疎地帯が大きな借金を背負い込むということ、これは考慮しなければならぬ問題だと私は思います。しかし、課税最低限の引き上げその他ということであれば、自主財源が非常に乏しくなってくることも当然であります。したがって、勢い、過疎地帯から脱却するための施設の整備は、すでに何年かやってまいりました過疎債、辺地債でやらざるを得ないと思います。これからも、本年は、二百二十億増額になりまして、六百七十億というふうに、最初の百億台に乗ればいいというような考え方から相当伸びてまいっております。ただ、さきの原則から言いますと、その償還財源を住民との間の配分で考えるわけにいかぬのではないか。ある時期は、償還するような自主財源は交付税に依存せざるを得ないという体制にあるわけなんですね。したがって、同じそういう配慮があるのならば、当時、過疎債の元利償還の千分の七百を交付税で見ておったわけでありますが、まあ、辺地債が八百ということで七百にとどめておかれたと思うけれども、これは、やはり、ある程度までふやすことによりまして、過疎地域の地方団体が安心して事業が遂行できるという体制をとってやらなければならぬのじゃないか、かように考えておりますが、この点について前向きのお考えをお聞かせ願いたいと思います。 それから、もう一つ事務的な問題で、これは私どもの小川委員が御質問したのでありますが、特別交付税の配分について、期末手当のプラスアルファに対して、おそらく三十九年だったと思いますが、そのころは大体三〇%の削減ということにとどまっておったのであります。それが順次引き上げられまして、四十七年度の交付税は九〇%引きさくという措置をとったわけですね。これは私どももわからぬわけではないのです。同じ自治体相互間において余分の期末手当を出すということは、財源に余裕があるんだということも言えるのではないかというふうに一応考えられます。しかし、私ども、末端の地方行政をあずかりました経験がございますが、やはり、自治体、自治体のいろいろな事情があって、適任者を得られないために無理をしている。ことに、技術者職員というものがなかなか得られない時期もあったわけでありまして、最近はますます得られなくなった。そうなると、いろいろな意味において職員に無理がかさんでおる。そうすると、超勤は避けるべきであるということで強くやると同時に、せめて期末手当だけはある程度までは配慮していきたいということは、こういうことは一つの地方自治体にまかされるべき問題ではなかろうかと私は思うのであります。 ことに、最近聞きましたのは沖繩の市町村の問題であります。沖繩は昨年返還になったわけでありますね。そして、事務的にも、本土の交付税の中で処理をする体制にまだ習熟していないという実態にあるわけですね。それから、事務の処理についても、沖繩県にいたしましても、市町村にいたしましても、私、ことしの初めに参りましたけれども、県はまだほとんど国の事務に忙殺されておる。県の事務、県政に従う職員は、ほとんど二割五分ぐらいしか従事できないんだということで、知事さんはじめ非常にこぼしておられました。それから、市町村は、私ども過去に参りましたときも、いろいろな基地があるようなことで、本土の市町村に比較しまして非常に立ちおくれているわけなんですね。その沖繩の市町村が期末手当をかさ上げして支給したものに対して、本土並みにやはり九割削減しているわけなんですね。 沖繩の特例金につきましても私どもは不満があるわけであります。昨年におきましても、当初は、自治省でもっと考えるような案があったわけであります。それらに対しまして、私どもも、ぜひそう願いたいという要求をしたわけであります。そういうふうに、沖繩の特例金におきましても無理がある上に、本土と同じような事情その他によりまして、沖繩の市町村が支給いたしました期末手当のかさ上げに対して本土並み、やはりこれも九割削減しておるということは、事務に習熟していないという点も配慮し、その他、沖繩が復帰して一年になるかならぬのときなんですね。こういうことを考え合わせますと、これはもっとあたたかい措置があってしかるべきではないか。いずれゆっくり私ども御相談したいと思いますけれども、四十八年度におきましては、特交の配分について、末端市町村の苦労——職員を掌握しながら、複雑多岐にわたる事務を処理する者に対する配慮ですね。著しくかけ離れたベースアップだとか、あるいは大幅な期末手当のかさ上げはともかくといたしまして、そういった各市町村の実情に合ったかさ上げに対しまして、過去の三割の削減ということはやむを得ないにしても、九割といいますと、ほとんど削減するんですね。そういう削減は覚悟でやるという財政当局あるいは市町村当局の首脳の非常な悩み、対市民の関係、職員に対する関係。苦悩に満ちた処置をやらざるを得ない立場にあるということを了承しますると、そういうことよりも、市町村の経費、県の経費も、まだまだ国の施策に基づいていかなければならぬということで、相当のむだがあるわけですね。それがたまたま表面に出ないために、こういったやむを得ずした処置に対して、特交の思いやりのない処置は、これは避けるべきではないかということをお願いしたいと思います。四十八年度はある程度まで削減するにいたしましても、全額近い九割を削減するということはぜひ避けていただきたいと思います。ことに、沖繩につきましては、何らかの措置を考えてやっていただきたいと考えております。 ことに、沖繩の県職員に対しましては、差額基本給の問題で、ある程度まで交付税で配慮するという問題につきましては、四十七年度は措置をされたようであります。また、四十八年度も、おそらくこれは三年間と記憶いたしておりますが、措置されるものと思います。そのほかに、これも団交だろうと思うのでありますが、暫定措置以外に、職員との団交のために、ある程度までもっと有利な措置をした金額があるわけでありますね。とれなんかも、沖繩の財政を考えれば、差額の加算手当といいますか、これは長く続くものじゃないのですね。三年とか五年とかということによって本土並みになるわけですから、本土に復帰する際にせっかく主席が団体と最後に約束した差額というものは当然配慮すべきではないか、かように考えるわけであります。この点につきましての答弁をいただきたいと思います。 それから、もう一点は、これは大臣に予算委員会で質問いたしましたし、きのうも細谷委員から質問したと思いますが、地方事務官の問題ですね。これは福田行政管理庁長官と自治大臣が協力して、厚生大臣や労働大臣を説得してできるだけ早く解決をつけるという御答弁だったと思うのですが、新聞で見ますと、次官会議で——私どもは、運輸省にはちょっと問題があると思うのであります。労働省、厚生省の関係は早く解決つくのじゃないかと思っておるのですが、増員を厚生省は二百人としておりますが、認めておるわけなんですね。ますます問題の解決から遠のくような措置をきめておられるわけです。これらを早く措置しなければいかぬし、また、こういうことを契機に、交付税の問題等も解決をつける糸口にすべきではないか。おそらく、移管するという場合には財源も伴うわけでありますので、いろいろ財源の体系が変わります際に、こういう問題もあわせて、いつまでも終戦処理みたいな制度を残しておかないで、早く処理をしていただきたいということをお願いいたします。 それから、ついでに質問して、御答弁をいただいて質問を打ち切りますが、超過負担の問題は、国費ベースで四百五十億の処理がなされておるわけであります。これも皆さんから質問があったわけでありますが、これはきのう財政局長からも詳しい御答弁があり、府県の打ち合わせ会、あるいは各省に対してもいろいろ情勢をお聞きになっておるようであります。これは府県のしわ寄せにならないように、本年度におきましてあわせて解決をつけるように、国の財源によってぜひ解決つけるという努力を、これは皆さまからも要望がありましたが、強く私ども要請したいと思います。 これだけの超過負担以外に、本年は、地価の上昇等で、かりに必要な下水の終末処理——私の出身の盛岡市等におきましても、終末処理の建設予定地が地元住民の反対でいまだにきまらぬという状況にあるわけであります。それは、岩手県といたしましてはりっぱな穀倉地帯なんですね。しかも、排水の関係では、北上川に浄化した水を放流するためには最も地の利を得ておるというところなんですが、そうしますと、必要以上の用地を確保し、完全な処理をして付近の住民に迷惑をかけないこと、あるいは、その他の厚生施設を伴った措置をすることによって問題の解決をはからざるを得ないわけなんですね。こういうところは全国各地で出てまいると私は思います。東京のごみ戦争もそうであります。 そういたしますと、そういう余分の負担は財政計画にも乗らない、国の補助金にも乗らないというような問題が出てくることは当然なんですね。そういたしますと、本年は、財政計画の最も中心はあくまでも国庫支出金なんですね。公共事業の補助金が著しく、三〇%以上伸びておる、あるいは歳入に占める比率も最も伸びが大きくなっておるというときでありますので、この超過負担の問題は、二年計画というようなことでなくて、新しく発生した事態に対処できる体制をぜひとっていただきたいということも強く要請しておきます。 御質問したいことがたくさんあるのですが、以上の御答弁をいただきまして、質問を打ち切ります。
○江崎国務大臣 私から最初に概略お答えをいたしまして、あと、必要があれば局長からお答えさせたいと思います。 最初に、過疎地域のいろいろな事業を、その地域の過重な負担にゆだねてはならぬのではないかということは全く同感に思っております。したがって、私どもとしては、過疎債、それに辺地債等もありますが、これらを駆使しまして、なるべくこの幅を大幅に確保することによって負担を軽くしていきたい。その過疎債の返済分といいますか裏づけが交付税で見られておりまして、七〇%見ておるわけですが、これをどうするかという問題は、国全般の補助事業等のバランスから見ましても、精一ぱいのところであろうというふうに考えておりますが、できる限りワクを増ワクいたしまして、今度新しく制定されるであろう国土総合開発法、大局から過密過疎の問題を解決する政策と相まって対処をしてまいりたいというふうに思っております。 それから、期末手当の問題につきましては、仰せの点はきわめて重要だと思います。十分今後検討いたします。昨年の経緯等については、必要があれば財政局長から御答弁をさせたいと思います。 それから、地方事務官の問題、これは昨日細谷さんにもお答えをしておいたわけでありますが、私ども、自治省としては、四十九年度以内にひとつ決着をつけてもらいたいということで、関係省庁に強く要請をいたしております。それと今度の増員とは矛盾をするわけではありますが、必要であるという実情を踏まえまして同意したわけでありますが、四十九年までに決着をつけてもらうという方針には変わりはありませんので、御了解を願いたいと思います。 それから、超過負担の問題につきましては、もうしばしば各委員から議論をされたとおりでありまして、これは国と地方財政との間に非常な不信感をもたらす重要な問題であります。特に、資材のにわかの値上がりというような事態を迎えております今日からいたしましても、これはきめこまかに慎重に対処しなければならぬというふうに思っております。したがいまして、当然、今後、事務費であるとか、人件費であるとか、そういったものも含めまして詳細調査する機会を持って、県知事会その他の要請にもこたえられるように関係各省庁と協力をして努力をしてまいりたい、かように考えております。
○上村委員長 以上で、本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○上村委員長 これより討論を行ないます。 討論の申し出がありますので、これを許します。渡辺紘三君。
○渡辺(紘)委員 私は、自由民主党を代表し、地方交付税法の一部を改正する法律案に対し、賛成の意見を表明するものであります。 昭和四十八年度の地方財政対策については、個人の住民税及び事業税並びに電気ガス税等について、住民負担を軽減するとともに、土地に対する固定資産税の課税の適正化をはかり、また、福祉優先の基調に立脚して老人福祉対策、児童福祉対策の拡充等、社会福祉の一そうの充実をはかるとともに、生活関連社会資本の整備をはかるため、地方交付税、地方債について所要の措置を講じ、さらに、人口急増対策としての義務教育施設の整備に対する国庫補助制度の改善、過疎地域における公共用施設の整備を推進するための過疎及び辺地対策債の大幅な拡充、地方公営企業の健全化の促進をはかるなど、地方団体が当面する多くの課題に対処するために必要な各般の措置を講ずることとしており、これらの措置はいずれもきわめて時宜に即した措置であると存ずるものであります。 特に、昭和四十八年度分の地方交付税については、交付税特別会計において九百五十億円を借り入れる特別措置を講ずることとしておりますが、これは、昭和四十七年度において講じられた地方交付税の特別措置がなくなることによる影響を緩和するため、昭和四十七年度分の国税三税の自然増に伴う昭和四十九年度における地方交付税の精算増を引き当てとして行なわれる措置であり、昭和四十八年度の地方財政の円滑な運営をはかるため必要かつやむを得ない措置であると考えます。 次に、今回の法案の内容について検討いたしましたところ、昭和四十八年度の地方交付税については、住民の生活に直結する地方団体の公共施設の計画的な整備をはかるため、市町村道、公園、下水道、清掃施設等に対する財源措置を拡充するとともに、老人医療の公費負担制度及び児童手当制度の拡充、その他社会福祉水準の向上に要する経費を増額し、また、過疎過密対策、公害対策、交通安全対策など、現下の急務である財政需要に対する財源措置を積極的に講じようとしているものであり、地方財政の立場から見て適切な措置であると考えるものであります。 しかしながら、今後さらに、積極的な生活環境施設の整備の促進をはじめ、高福祉社会を達成するために必要な地方団体の財政需要はますます増加することが予想されますので、政府においては、今後、地方交付税率の引き上げを含め、地方団体に対する一般財源措置の一そうの充実につとめるよう強く希望するものであります。 さらに、国庫補助負担事業にかかる超過負担については、引き続きその完全な解消につとめるとともに、特に、最近における資材等の値上がりの現状にかんがみ、国庫補助単価の適正化等につとめるよう強く希望いたします。 以上をもって、本法案に対する賛成の意見の表明を終わります。(拍手)
○上村委員長 山田芳治君。
○山田(芳)委員 ただいま議題になっております地方交付税法の一部を改正する法律案に対し、日本社会党を代表いたしまして反対の意見を申し述べます。 昭和四十八年度の地方交付税総額は二兆九千七十四億であり、昭和四十七年度に比べ、その伸び率一六・六%であります。これは昭和四十八年度地方財政計画の伸び率二三・八%に比し低位にとどまっております。また、一方、国庫支出金を見ると、総額三兆九千四十五億であり、前年比三〇%の伸びとなっております。このことは、地方制度調査会の答申や、昨年度における当委員会の附帯決議に見られるように、交付税率の引き上げをいかに必要としているかを如実に示しているところであります。 特に、本年度の交付税総額において、年度間の調整措置として、昨年と同様、三百億の返還と、九百五十億を資金運用部資金から借り入れをする措置を行なっており、このことは、当然交付税率の引き上げを行なうべきところを調整という方法により当面を糊塗しているものであり、納得のできない措置と言わざるを得ません。 第二点として、超過負担解消の問題であります。本年度は、政府の実態調査の結果、国費ベースで二百八十三億円を解消しているということでありますが、最近の諸物価値上がり、特に、建築諸資材の値上がりは目をおおうべきものがあります。この状況下では、この程度の解消措置ではとうてい超過負担解消の達成は不可能であります。 したがって、本年度においても、昨年度に引き続き見直しを行ない、適正な措置を講ずるとともに、単位費用に用いる統一基準単価について、見直しの結果に基づき、実情に合わせて是正さるべきであります。現状のままで推移するならば、従前以上に不当に地方団体にしわ寄せすることなしとしないのであります。 第三に、交付税の計算は、最終的には補正係数により算出されますが、これの変更がすべて自治省令にゆだねられており、年度ごとに算出の方法に変更がなされており、きわめて不安定要素を含んでおります。地方自治体が納得する方法を採用すべきであるが、現状はまことに不十分であります。 第四に、人口急増市町村の財政対策については毎年要望されているところでありますが、本年度は、義務教育施設の国庫補助率の引き上げについては若干の前進が見られたところでありますが、きわめて要望の高い市町村道の整備についても増額はされているものの、道府県道よりも少ない増加額にとどまっている上に、河川費、下水道費、都市計画費、清掃施設費等、大都市及びその周辺市町村の財政需要からははるかに遠い状況であります。 特に、最近、自治省みずからが、十万単位の市において、いわゆるシビルミニマム、すなわち最低必要の施設の設定をしたところ、保育所、老人ホーム、公園等については、おおむね半分程度の施設しかないという現状であります。特に、下水道に至っては、目標水準に到達することは容易でないということを言われている状況であります。 このように、現状の事態に対処することも必ずしも十分でない上に、一定の施設目標に到達するには抜本的対策を樹立すべきでありますが、その決意のほどがうかがわれませんことはまことに遺憾であります。 また、従来交付税をもって措置してきた投資的経費を、昭和四十七年度において地方債に振りかえた措置を行ないましたが、これに対する対策がとられていないのみならず、昭和四十七年度の決算において交付税原資一千四百八十八億円が昭和四十九年度に繰り越される現状の中で、これらの地方債に対する元利補給を交付税において措置すべきであり、それを打ち切ったことはとうてい納得のできないことであり、論理的に矛盾があると考えざるを得ません。 最後に特別交付税の配分において、地方団体の支出したいわゆるプラスアルファ分を減額することについてであります。さなきだに財源不足を訴える地方団体が、職員の生活の現状を認識の上、財源不足の苦しい中から支出している事情を理解せず、その原資の九割相当を減額することは、特交を配分する事情にある乏しい地方財政に一そう拍車を加えるものであって、反対せざるを得ません。特に沖繩県及び市町村に対する措置はきわめて過酷であったと言われており、本土をの格差を一日も早く埋めるべきであるにもかかわらず、納得のできる措置ではありません。 以上、数項目にわたって、交付税法の一部改正について反対の理由を申し述べてまいりましたが、これらに尽きるものではありませんが、今後、地方財政全般にわたる拡充強化と地方自治確立のための抜本対策を要望して、反対の討論といたします。(拍手)
○上村委員長 三谷秀治君。
○三谷委員 私は、日本共産党・革新共同議員団を代表して、地方交付税法の一部を改正する法律案に反対するものであります。 地方財政の破綻と窮乏が年を追って深刻となり、赤字団体が累増しつつあることは、地方財政白書においても明白であります。赤字団体に転落をしないまでも、地方行政水準の低下は、一般的、普遍的現象になりつつあることは争う余地のないところであります。 地方財政の抜本的改善を全地方自治体がひとしく要望しており、地方財政危機打開の要求が日を追って強まりつつあることはだれ人も否定できないところであります。しかるに、政府は、その要望に適切にこたえようとしないばかりか、四十六年度、四十七年度における地方財政対策は、地方自治体の負債を増大させることによって収支のつじつまを合わせるにとどまり、新しい元利負担を地方住民と地方自治体財政に加重する結果となっています。そして、国の景気浮揚策に地方自治体を従属させるための大型地方財政計画を引き続き強行しようとしています。 本改正案は、この地方財政対策を引き継ぎ、一方では、二兆二千五百三十億円、前年比三〇・四%増という地方債計画を導入するとともに、三たび交付税特別会計における借り入れを行なって収支バランスを整えようとするものであります。九百五十億円の借り入れ金は、言うまでもなく後年度分交付税の先取りであり、地方交付税の規定と精神に反するものであります。しかも、三年連続して交付税特別会計への借り入れが行なわれてきた、この事実は、すでに現行制度が地方財政の実態にそぐわないことをきわめて雄弁に実証するものであります。 さらに、本改正案によれば、昭和四十七年度に行なわれた地方債への振りかえのうち、事業費補正分については、引き続き地方債による振りかえ補てんを行なうこととしており、このことは、地方交付税によって措置されてきた地方財政需要が、すでに現行地方交付税額では充足できなくなったことを明かに示すものであります。 第二に、単位費用の改正がはなはだしく実情から遊離している点であります。 本改正案による交付税配分の改正点の第一として、住民生活に直結する各種公共施設の計画的整備をあげておりますが、しかし、本改正案による措置額は、市町村の投資的経費として一定の増額を行なったのは、道路橋梁費六百二十二億円増、公園費七十三億円増にとどまり、下水道費は前年比一四・八%増にすぎないものであり、清掃、公害、交通安全、消防救急などの費用においても地方自治体の要望にこたえるものではありません。しかも、これらの費目は、すべて一般財源として地方自治体財源に算入されるものであり、それらは、国庫支出金の不足額の補てんのための超過負担や、物価上昇に伴う事業費の増高に伴う予算不足額の充当に流用され、住民生活の改善、地方財政の拡充とはほど遠いものと言わなければなりません。 第三には、単位費用算定の基礎となる基準単価、標準行政規模が実情と全くかけ離れており、これが地方行財政の運用にきわめて重大な支障となっていることであります。 交付税の事業費基準単価は、膨大な超過負担の原因となっている国庫支出金の補助単価と同一であり、国庫支出金で発生する超過負担は、交付税においては、不足額として、留保財源、振りかえ財源などに食い込むものであることは明白であります。基準単価が、実施額と全くかけ離れた架空の数字である限り、地方交付税がその本来の効果を発揮することができないことは言を待ちません。本来、地方交付税は、地方団体の最低限の行政水準をすべての団体に維持できるよう財政を補給する制度であり、これを公正に厳格に実施することは国に与えられた責務であります。ところが、実際には、国の財源の確保を第一として、その範囲内で財政補給をしようとする結果、交付税の基準が実情に合わなくなっていることは政府みずからが認めるところであります。 地方交付税法は、毎年度分として交付すべき普通交付税の総額が引き続き各地方団体において算定した額の合算額と著しく異なることになった場合においては、地方財政もしくは地方行政にかかわる制度の改正または三二%という交付税額の変更を行なうものとする、と、規定しております。今日の地方財政の状況は、当然、この交付税額の改定を行なうべき条件を明白に示しております。 第四に、本年度の地方交付税算定の基礎となる昭和四十八年度地方財政計画についてであります。 本年度地方財政計画は、総額十四兆五千五百十億円、前年比二三・八%増となり、昭和三十七年度以後最大の増加率を示しています。ところが、その歳入について見ると、地方税においては、前年比二七%増という、この十年間かつてない伸び率を見込みながら、歳入総額に占める一般財源の割合は五九・三%であり、前年度の五九・八%を下回るものとなっています。 一方、対前年比三〇・一%という伸び率を示している国庫支出金は、構成比においても、前年度の二五・九%から二七・三%と膨張しており、まさに、地方財政を大型化しているものは国からのひもつき財源である国庫支出金であることを明白に示しております。また、地方債の構成比も七・四%という高率を示しています。これを歳出において見ると、投資的経費の構成比が四一%を占め、四十六年、四十七年に引き続き膨張を示しており、その内容は、国庫補助事業が前年比三四・一%という大幅な伸びを示しておる点であります。これはまた、それに応じた裏負担を地方自治体に強要するものであることは言うまでもありません。 この計数が示すものは、一般財源の減少とひもつき財源の増大、公共事業費の膨張と福祉行政の軽視そのものであります。そして、地方自治体における起債の著しい膨張という特徴を示しておるものであります。これこそ、日本列島改造を目ざす公共事業費の大幅な増加、国債乱発による国の大型インフレ予算をそのまま地方財政に引き移したものと言わなければなりません。そして、これはまた、地方財政に対する国の統制と介入、列島改造のための地方自治体の下請機関化を意味するものにほかなりません。 長期にわたる自民党・政府の高度経済成長政策によって、地方自治体は、都市問題過密過疎問題、公害、災害、環境破壊問題など、深刻な課題を無数にかかえています。これは、新しい高度経済成長政策である日本列島改造計画では何ら解決されないばかりか、ますます事態を悪化させるものであることは明白であります。地方住民の生活の安定と、国土の均衡のとれた発展をはかるために、政府の政策を根本から転換し、地方自治の本旨に基づいた地方財政の確立に尽くすことは、国の責務であるばかりでなく、憲法の保障する道でもあります。 日本共産党・革新共同議員団は、当面、超過負担など国が地方自治体に不当に転嫁している財政負担を完全に解消し、地方交付税率の引き上げ、地方債許可制度の廃止、政府資金の大幅な増額、国と地方の事務と財源の再配分、大企業優遇の地方税制の民主化を主張し、本改正案に反対するものであります。(拍手)
○上村委員長 小川新一郎君。
○小川(新)委員 私は、公明党を代表いたしまして、ただいま議題となっております地方交付税法の一部を改正する法律案に対し、反対の立場から討論を行ないます。 以下、そのおもな理由を申し述べます。 まず、地方交付税率の引き上げを含めて、交付税制度全般にわたる抜本的な改革を行なわなければならないにもかかわらず、依然としてその姿勢が見られないことであります。地方財政逼迫の実態は、一つには、毎年国の政策として所得税減税を行なっておりますが、これによって交付税は実質的な減額を余儀なくされております。二つには、地方財政計画における人員が実態に合わないほか、小中学校教員給与費を一〇%引き上げられること等に伴い、これらに対する地方負担分の財源措置が十分なされているとは言えません。三つには、国は、公共事業を国債発行によって行なっておりますが、これに対する地方の裏負担分は膨大なものになって、新たな地方の財源措置をしない限り、地方財政を圧迫する大きな要因となっております。四つには、最近の地方団体は、住民の強い要望によって、老人医療の無料化、児童手当の充実、上下水道、ごみ処理施設等の生活関連公共施設の整備充実等、その財政需要は増加の一途をたどっております。五つには、沖繩復帰に伴う交付税の所要額か増大したにもかかわらず、完全な財源対策がなされていません。本来、交付税制度は、国と地方の事務配分に応じて交付税率を定めるべきであることは従来から指摘されてきたところであります。このように、国の政策による地方の事務の増加や所得減税による交付税の実質的減額に対しては、その不足分を国が責任をもって交付税に反映しなければなりません。これらについては、従来から指摘されてきたところでありますが、交付税制度の抜本的改革を行なわなかった結果、地方の財源不足は、三年連続して交付税特別会計が借金をしなければならない状況に追い込まれております。また、交付税の基準財政需要額の算定に対しても、現実より著しく低く押え、何とかつじつまを合わせているにすぎないという実態となってあらわれております。福祉の先兵とも言うべき地方団体の財源強化のために、大幅な交付税率の引き上げを強く要望するものであります。これが反対理由の第一であります。 次に、過密過疎対策についてであります。 大都市及びその周辺の人口急増市町村における道路、公園下水道などの公共施設の整備を緊急かつ先行的に推進するため、都市税源の充実、国庫補助負担制度の適正化等を含む財政上の特別な措置が必要であります。また、過疎地域については、引き続き、地方交付税及び過疎債等を通じてその充実をはからなければなりません。ところが、今回の改正案では、ほとんど抜本的な措置がとられておりません。特に、人口急増対策については、早急に抜本策樹立のための立法化をすべきであります。これが反対理由の第二であります。 次に、超過負担の解消についてであります。 地方財政を圧迫している超過負担は、国の補助単価と地方の実施単価の著しい違いとともに、基準となる数量及び対象範囲が実態と大きく食い違っていることが大きな原因であります。従来からその解消を強く要請されておりますが、知事会等の実態調査によれば、現在二千億円をこえる超過負担があります。当然、人件費建設費などの全費目にわたって洗い直しをはからなければならないにもかかわらず、今回は、事業費のうち六項目についてのみ二カ年にわたって解消をはかることとし、わずか二百八十三億円を計上しているにすぎません。 人件費建設費など、全費目について洗い直しをはかるため、今年度即刻実態調査をし、公表するとともに、その解消措置を至急講ずることを要求するものであります。これが反対理由の第三です。 次に、国と地方の財政秩序の確立についてであります。 従来から、国と地方の財政秩序の確立については抜本策が要求されていたもかかわらず、今回は、国立大学医学部設置についての地元協力分がやや前進したのみであります。国鉄の利用債等、本来地方が負担すべきでない経費の負担については依然改善されておりません。 これらについては、地方の財政運営を圧迫している国と地方の財政秩序の抜本的改善を早急にすべきであります。これが反対理由の第四です。 次に、地方債についてであります。 昨年度に引き続き地方債に対する依存度は高く、その内容を見ると、地方自治体は、条件の悪い一般公募ないしは縁故債にたよらざるを得なくなっており、今後の地方財政をますます圧迫するものであります。したがって、今後においては、産業優先の政治姿勢を改め、福祉充実のための施設に充てるため、財政投融資計画において、さらに、郵便貯金、簡易保険等の政府資金を拡充して活用すべきであります。これが反対理由の第五であります。 以上、反対理由を申し述べましたが、これに尽きるものではありませんが、今後の地方財政の拡充並びに地方自治確立のために、長期的見通しを持って、地方財政の強化策について早急に措置を講ずるよう強く要望いたしまして、反対討論といたします。(拍手)
○上村委員長 折小野良一君。
○折小野委員 私は、民社党を代表いたしまして、ただいま議題となっております地方交付税法の一部を改正する法律案に対して反対をいたします。 その理由の概要を申し上げます。 地方交付税法は、その内容がまことに複雑でございます。そのことのために、この制度はきわめて精妙巧緻であるという装いをとっておりますが、はたしてそうでございましょうか。それがことさらに複雑でありますがゆえに、また、あまりにも技術的でありますがゆえに、その本質並びに運用が必ずしも地方団体の要望にこたえ、あるいは地方住民の期待に沿っておるとは思われないのでございます。 まず。地方交付税制度の財源保障機能についてでありますが、本年度の交付税において、所得税の減税分三千百五十億円に対する交付税相当額約一千億円の補てんがなされておらず、九百五十億円の借り入れをもって当面を糊塗しておりますこと、また、沖繩返還に伴う交付税が交付税総額の中でなしくずしに地方負担に転嫁されておること等、地方の実情に即してこれを是正をし、財源確保に一そう努力すべきであります。 なお、交付税制度の財源調整機能につきましては、それは、本来自治体間の財源調整であるべきであるにかかわらず、政府は、最近、これを政府対地方間の財源調整であるがごとく誤った認識の上に立って、政府の財源の都合を主にした借り貸しが行なわれておりますことは、交付税が地方の固有の財源であるという立場からいたしましても、まことに遺憾な措置でございます。このような政府の姿勢と、その認識は、基本的な問題として強く反省を求めるものであります。 なお、今回地方交付税法の改正によりまして、普通交付税の基準財政需要額の算定の方法がいろいろと改められました。それは、当然、地方住民の期待にこたえ、国民の生活と福祉を守る立場が最も強く現実の算定の方法に反映さるべきでありました。 具体的には多くの問題がありますが、その中で、市町村の道路整備一つをとって申し上げましても、大臣の趣旨説明にかかわらず、その実態はまことに寒心にたえない状況にございます。すなわち、産業道路中心の国道におきまして、改良率七七・三%、舗装率七八・六%であるのに比べて、主として生活道路である市町村道においては、改良率一四・八%、舗装率わずかに七・五%にすぎないのであります。しかも、本年度の財政措置をもっていたしましても、一ないし一・五%程度の伸びしか見られないということでございます。このことは、まさに、生活道路の改良整備につきまして、百年河清を待つの感があるのでございます。 今日の公共事業のかかえております資材難、あるいは労力不足、あるいは工事費の高騰、特に用地の取得難、こういう問題を考えてまいりますときに、政府は、これらに対しましてあらゆる強力な施策を講ずるべきであると思いますし、また、この交付税におきましても、特段の配慮がなさるべきであると考えるのであります。 私は、これらの点につきまして、この法案が真に国民と地方団体の期待にこたえるものではないと考え、今後、実効のある交付税制度の確立と地方財源の確保のために一そうの努力の急務を感ずるのでございます。 以上の点によりまして、私はこの法案に反対をいたします。 以上によって、反対の討論を終わります。(拍手)
○上村委員長 これにて討論は終局いたしました。 これより採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○上村委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○上村委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、三ツ林弥太郎君、山本弥之助君、林百郎君、小濱新次君及び折小野良一君から、五派共同をもって附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 この際、本動議を議題とし、提出者から趣旨の説明を求めます。三ツ林弥太郎君。
○三ツ林委員 私は、この際、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の五派を代表いたしまして、地方交付税法の一部を改正する法律案に対し附帯決議を付したいと思います。 本文の朗読により、趣旨説明にかえさしていただきます。 地方交付税法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、高福祉社会の達成をはかるために果すべき地方財政の役割の重要性にかんがみ、とくに次の諸点について善処すべきである。 一、国の施策による地方団体の負担の増加及び社会経済の急激な進展に伴う財政需要の増嵩に対処するため、明年度において地方交付税率の引上げをふくめ一般財源の拡充強化に努めること。 二、地方団体の財政需要に適合するよう、引き続き基準財政需要額の算定基礎の改善、充実に努めるとともに、とくに市町村分に重点をおいて算入措置の強化をはかること。 三、地方団体の激増する財政需要に対処するため、長期的、計画的な財政運営の確保に努めるとともに、とくに都市対策、過密・過疎対策、離島対策、公害対策等のための財源措置の充実をはかるほか、地方道路目的財源の拡充に努めること。 四、下水道、清掃施設、社会福祉施設、消防施設等住民の生活関連公共施設に対する国庫補助の拡充強化をはかること。 五、国庫補助負担事業にかかる超過負担について引き続き全般的な見直しを行ない、十分な財政措置を講じ、その完全な解消をはかること。とくに、最近における資材等の値上りの状況にかんがみ、昭和四十八年度の国庫補助単価等についてもさらにその適正化をはかること。 六、地方債については、引き続き政府資金の拡充をはかること。また、最近の公定歩合の引き上げに伴い基準利率の引き上げがはかられているが、生活関連施設等の整備のための地方債については、利率、償還期限、手続きの簡素化等について改善措置を講ずること。 七、国鉄利用債、国の委託費等、ほんらい地方団体が負担すべきでない経費を地方団体に求める事態が未だにあとを断ないが、国と地方団体の財政負担秩序を乱することのないように措置すること。 八、沖繩県及び同市町村については、本土との行政水準の格差をなくすため引き続き必要な財政上の措置について十分に配慮すること。 右決議する。 以上であります。 何とぞ皆さま方の御賛同をお願いいたします。(拍手)
○上村委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 本動議について採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○上村委員長 起立総員。よって、三ツ林弥太郎君外四名提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。 この際、自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。江崎自治大臣。
○江崎国務大臣 ただいま満場一致で御決議のありました附帯決議につきましては、御趣旨を尊重いたしまして善処をしてまいりたいと思います。 —————————————
○上村委員長 おはかりいたします。 ただいま議決いたしました法律案に対する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○上村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時五十五分散会