地方行政委員会 第24号
- 発言数
- 125 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1973/05/11
会議録
○上村委員長 これより会議を開きます。 内閣提出にかかる地方交付税法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、これを許します。三谷秀治君。
○三谷委員 続いてお尋ねしますが、地財法の二条、十八条の規定に反して、地方自治体に負担を転嫁した金額について、地方自治体の請求があれば、それは支弁するのかどうか。きのうの摂津市のような例ですね。こういう請求がなされました場合にはどうされますか、お尋ねしたいと思います。
○鎌田政府委員 この措置の要求、意見書の提出がございましたならば、政府部内におきまして、相談いたしまして、所要の措置を講じたいと思います。
○三谷委員 もともと、この超過負担そのものが法律に反するということは、きのうお認めになったわけです。それで、改善措置とおっしゃいますけれども、改善措置は今後においてなされるものでありまして、実際に地方自治体が負担をしました損失につきましては、補償がない。それにつきまして、請求があれば、当然、超過負担に当たるものについてはさかのぼって支弁をする、そう解釈していいわけですか。
○鎌田政府委員 この点の取り扱いにつきましては、先ほども申しましたように、初めての事例でございますので、内閣法制局あるいは関係省庁の間で十分に相談をして、ただいまおっしゃいました点も含めて措置をいたしたいと思います。
○三谷委員 初めての例ですけれども、たてまえとしましては、当然、その損害については支弁をするというのがこの法律のたてまえになっている。ですから、いろいろこまかい事務的な相談はあるかと思いますけれども、たてまえはそうなっているということは間違いないと思いますけれども、その点どうでしょう。
○鎌田政府委員 さかのぼって支出をするということにつきましては、財政法のたてまえその他の議論もあろうかと思いますので、もうしばらく時間をかしていただきまして、検討さしていただきたいと思います。
○三谷委員 地方財政の問題では、国庫支出金の不足の問題、それから地方交付税の不足の問題、これにつきましてお尋ねしましたが、もう一つは、地方税収の問題があるのです。この地方税収というのが、年々、決算額中に占める構成比が減少してきまして、これが地方自治体の財政問題の大きな難点になっております。 そこで、この地方団体の財政の問題の一つとしては、企業課税の問題が残っていると思う。大臣にお尋ねしたいと思いますけれども、この企業課税というのは、全国の法人中、事業税を納めていない法人が幾らあるのか、ちょっとお尋ねしたいと思うのです。
○佐々木政府委員 昭和四十六年度の実績でございますが、外形標準課税をいたしておりますものを除きまして、全法人数が九十七万九千五十五法人でございます。そのうち欠損法人が三十三万三千四百九十一、三四・一%の法人が欠損法人になっております。
○三谷委員 大蔵省で調べました法人数というのは約百十万、特殊法人を除外しますと約百五万、こういう計数でありましたが、自治省の調査とだいぶ差があるようですけれども、どういうわけでしょうか。
○佐々木政府委員 ただいま申しました法人は、事業税の課税対象になっております法人でございます。しかも、所得課税、法人の所得を課税標準にして課税している法人数が、四十六年度で九十七万九千ということでございます。
○三谷委員 その数字の差につきましては、私はよく了解ができませんが、総数につきましては、格別問題の本質に触れる問題ではありませんからおいておきますけれども、三十三万数千の事業税の免除者がおるということはわかりました。 そこで、零細企業がそうだというならばわかりますけれども、膨大な資本金を持っている会社が事業税を納めていない。たとえば、私の調べたところによりましても、資本金三百八十億のいすゞ自動車が事業税を払っていない。それから、資本金二百十九億円の三井東圧、これも事業税を払ってない。それから、資本金二百四億のキャタピラー三菱、これも資本金は膨大なものでありますけれども、事業税はただになっておる。これも、あげればきりがありませんが、川崎重工にしましても、三菱アルミにしましても、事業税を払ってない。なぜこういう状態になっておるのかお尋ねしたい。資本金一億以上の法人で事業税を払っていないのが幾らあるのか、資本金十億以上の法人で事業税を免除されておるのが幾らあるのか、その数をお知らせ願いたいと思う。
○佐々木政府委員 あとの御質問からお答え申し上げます。 資本金一億円以上の法人が、昭和四十六年度におきまして八千五百十八法人、そのうち欠損法人が二千四百十五法人で、欠損法人の比率が二八・四%でございます。それから、十億円以上で見てみますと、法人の総数が千三百九十六法人、そのうち欠損法人が二百七十六法人でございます。その比率が一九・八%でございます。 これらの法人は、その法人の各事業年度における所得を課税標準にいたしておりますために、欠損が出てまいりますと、いわば課税標準がゼロになる、こういうことで事業税を納めておらないということになっておるわけでございます。
○三谷委員 その数字は、私の調査と少し違っているのです。東京都が示しました十億以上の事業税免除の法人は百九十七社になっている。大阪で調べてみますと九十七社、二つ合わせましても二百九十数社になる。全国から見ますと、もっとあるはずなんです。どうしてそういう数字の差があるのか、御説明してほしいと思う。 それから、これが欠損法人だから税を取っていないとおっしゃっていますけれども、事業税というのは、そういう法律ではないのでしょう。事業税というのを、税理論というのと、自治省の見解などから調べてみますと、事業税は事業に対する税金だ、こういうのです。したがって、事業自体が経済価値収得の力が内在する、そういう観点に立って課税する、こういうたてまえになっている。ですから、所得に対する税ではない。これは繰り返し自治省自体が主張されているわけです。ですから、法人税や所得税の付加税ではない。ですから、いろいろな税金、たとえば道府県民税にしましても、市町村民税にしましても、これは利潤に対する税金になっている。しかし、事業税というのは、利潤を生み出す過程に課税をするということがたてまえになっているのでしょう。ですから、道府県の施設や施策を利用して収益活動を行なっておる。そこで、これらの施策や施設に必要な経費を分担せしめるのだというたてまえになっておりますね。そうしますと、これが利益があがっておるいないにかかわらず、事業税というものは課税をするというたてまえになっておる。ですから、事業税というのは、法人税や所得税の申告にあたりましては必要経費として差し引く、そういう条件になっている。そうしますと、いまのあなたの説明では納得がいかない。法人税法上における欠損法人でありましても、事業税におきましては、これは当然課税さるべきものであって、それが課税されていない。ここは一体どういうふうになっているのか、お尋ねしたい。
○佐々木政府委員 まず、最初の法人数の問題でございますが、事業税は、御承知のとおり、事務所、事業所が各地方団体にありますと、この事務所、事業所ごとに納税するということになる。したがいまして、東京に本店があり、大阪に支店があるという場合には、両方に事業税を納めるということになっておりますので、それぞれの県の法人数を単純に合計いたしますと、法人の数とは合致しないことになるわけでございます。これは、私どもの統計では、そういう法人を一法人としての計算をしておりますので、法人数は各県の単なる合計ではない。そういう意味で数字が合わないだろう。 それから、第二の欠損法人の問題でございますが、事業税の性格は、御指摘のとおり、私どもも、いわば法人の企業活動に対応する地方団体の行政サービスに対する負担として事業税を課税していくというたてまえをとっているわけでございますけれども、しかしながら、現実の問題としましては、その事業税の課税標準は、その事業の所得ということになっておりますために、欠損を出しております法人の場合には、結局、課税標準がゼロになる、こういうことのために事業税の税額が算出をされない、こういうわけでございます。 そういう意味におきまして、現在、事業税が所得を課税標準にしていること、それ自体にやはり事業税の制度としての問題があるわけでありまして、この点は、税制調査会等におきましてもいろいろ指摘を受けているところでございますが、むしろ、事業税の性格から見ますならば、収入金額なり、あるいは付加価値額なりというものを課税標準にするほうがより合理的であろうというふうに考えておるところでありますけれども、いろいろな事情でこうした制度化ができないというのが現状でございます。
○三谷委員 税理論と制度の矛盾をおっしゃっている。その制度は改善しなくちゃならぬと考えている。しかし、いろいろな問題があってできないとおっしゃる。しかし、これは、どういう問題があるか知りませんけれども、その、そもそも税がつくられましたたてまえ、それに立って制度もつくっていくという性質のものじゃないでしょうか。それが十数年間なぜできないのか。結局、大企業を保護するという観点を抜け切らなければ、これは改善はできません。 そこで、いま本社を基礎にして欠損法人数を出したとおっしゃっていますけれども、そのことはよく承知しております。ですから、私ども、大阪に本社がある法人、東京に本社がある法人、こういう調査をやっております。これも、この総数の差につきましては、それ自体がいま問題じゃありませんから、いずれきびしく突き合わして正確な数字を出してもらえばいいわけですけれども、この税理論と制度上の矛盾をどうされるのか、これをはっきりしてほしいと思う。たとえば事業税というものが、地方に課税権が与えられましたのは、事業活動におきまして、道路や港湾や、あるいは教育や衛生や消防、公害その他の地方自治体の対策を享受しており、したがって、そういう事態に対して、各企業が一定の負担をすべきだというのが事業税のたてまえなんです。ところが、それは欠損法人だからしなくてもいいのだ、国がやっています租税特別措置によってずいぶん赤字会社が出ている、その赤字会社は何の負担もしなくてもよろしい、これでは少し論理が合わぬのじゃないでしょうか。ですから、そのたてまえでいきますならば、資本金二百億、三百億の、労働者を千人、二千人使っておって収益活動をしております大会社が事業税ゼロ、こんな不合理なことでは、地方税収が帳じりが合いません。いわんや、地方財政や地方住民に大きな被害を及ぼしている公害企業なんというものは、ほとんど税金を払っておりません。このために、地方住民が負担する税金はばく大なものです。ところが、そういう地方自治体の負担に対して対応すべき事業税を免除しますから、全部地方住民が公害企業の公害対策費を負担する、こんなことになっているじゃないですか。 たとえば、チッソがそうです。七十八億の会社ですけれども、事業税は数年一円も払っていない。たとえば大阪で言いますと、資本金三十億の大阪石油化学、資本金八十億の関西石油、あるいは、最近安中の公害で問題になりましたところの、五十億の資本金を持っております東邦亜鉛、これは全部事業税を取らぬようになっている。これでは、そもそも事業税を創設しました根底がくずれてしまうんじゃないか。これは一体どうされますか、お尋ねしたい。
○江崎国務大臣 その御指摘は、たまたま同じような論調で税制調査会でも議論になっておるところでございます。これは別に免除しておるわけじゃなくて、所得税を対象にしてかけておるというところに、いま御指摘のような矛盾が出てくるわけです。なるほど、それぞれの事業が地方公共団体から受けておる利便に対して何がしかの分担をする。事業税の性格から言いましても、相当な大会社が欠損であるからというので、何らこの税を納めないということ、これは、確かに、御指摘のように不合理の点があると思います。このことは税制調査会でも、いま申し上げましたように、しばしば議論の対象になっておるわけです。 しからば、その収入金額に対してどういう形で課税をするのか、あるいは付加価値金額についてどうするのか、これはなかなか税法上結論を得ないで今日に至っておる。これは大企業にかかわらず、中小企業でも、すべて欠損の場合は免除になっておるわけですね。課税はしないことになっておるわけですが、これは税の根本の問題として、やはり早急に結論を得なければならぬというふうに私は考えます。したがって、ひとつ旺盛に検討いたしまして、すみやかな結論を得て、事業税本来のあり方に合致するようにいたしてまいりたいというふうに考えます。
○三谷委員 早急に検討していただいて、合理的な解決をしてほしいのです。つまり、収入金課税を導入いたしましたのも、事業税本来のたてまえからそういう課税方式というものが創案されたわけなんです。これはもちろん所得に対する税じゃありませんから、赤字、黒字にかかわらず一定の課税はできるわけです。ところが、収入金課税というのは限界がありますね。電気と保険とガスなんですね。あとは全部所得課税になっていますから、事実上法人税の付加税になってしまっておる。これですと、事業税という特殊な税を創設しました根拠、論理はなくなってしまう。 もう一つお尋ねしたいのですけれども、公害企業というふうな面から見ますと、航空会社があるんですけれども、これは外国企業なんですが、資本金三百六十億のルフトハンザという航空会社がありますね。それから、エールフランスという航空会社がある。六百四十億の資本金なんです。百一億のデッドノルスケという航空会社がある。こういうものが全部赤字会社になっておりますね。ここのところが少し合点がいかない。赤字会社になっておる。事業税がとられなくなっておる。なぜそういうふうな計算になってくるのか、私どもは疑問を持っておるわけなんです。こういう実態につきましては、先ほど佐々木さんは、租税特別措置は排除しておるとおっしゃっておりますから、おそらく個別調査はできておると思いますが、なぜこんなふうになっておるのか、お聞かせ願いたいと思います。
○佐々木政府委員 個別の会社につきましての内容につきましては、現在つまびらかにいたしておりませんので、何とも申し上げられないわけです。 事業税におきましては、租税特別措置につきましては、できるだけ排除をしていくという方針で、特に、海外所得等につきましては、これは事業税の場合には、また、その性格上からも、完全にこれを遮断しておるわけでありますが、租税特別措置につきましては、全部これを排除するというところまではいっておらないわけであります。まだ相当部分、事業税で租税特別措置は残っておるということは言えると思います。
○三谷委員 そうしますと、あなたのお答えによりますと、租税上の特別措置を排除して事業税の対象にしておる分と、排除しないで対象にしておる分と二通りある計算になりますね。そういう課税上の不公平が存在してもいいものでしょうか。
○佐々木政府委員 地方税の場合に、国税の租税特別措置法の規定による各種の特別措置につきましては、できるだけこれを排除していくという方針で制度をつくっておるわけでございますけれども、その特別措置の内容によりましては、なかなか排除し切れない分もございます。そういうものが相当部分事業税の中には残っておるということでございます。排除可能なものは、これをできる限り排除していくという方針のもとにやっております。
○三谷委員 佐々木さん、そんなことをおっしゃいますと、ますます矛盾がひどくなってきます。排除する企業もある、排除しない企業もある、これでは税の公平を欠きますじゃないですか。排除するなら、全部しなければいかぬ。排除しないのなら、全部排除してはいかぬ。いまのお話によりますと、した分もあるし、しない分もある。では、した分としない分では明らかに負担に不公平がある。そうしますと、矛盾が大きくなってきますが、実際は排除はしていません。地方自治体におきまして独自な調査をして、排除している会社なんというものはありはしません。全部税務署の調査まるのみで、それに従って事業税は免除する。だから、特別措置法はそのまま生きてきている。特別措置法における特別措置を、そのまま事業税におきましても生かしている。二重に特別な利便を供与しているという内容になっているのです。これが実際なのです。だから、あなたのお答えは少し矛盾しておりますし、それを強調されますと、ますます矛盾が激化するだけなのです。 そこで、このことが同時に住民税にも影響してきますね。住民税も均等割りしか払いませんから、府県で千円くらい、市町村で四千円くらいですが、これくらいの税金しか払っていないわけなんですね。ですから、特別措置を排除して、そうして厳密にやった場合におきましては、あるいは所得割り課税ができる可能性もあるわけで、やっていないものですから、住民税課税も均等割りだけになってしまう。これがまた地方税の収入に大きな影響を与えてきているわけですね。こういう状態になっている。ですから、いま私たちが親子四人で月十二万の収入があったとしますと、何ぼ住民税を払うか御承知ですか。これは、三万六千円課税されるわけなのです。ところが、いま言いました資本金三百億あるいは二百五十億という会社は、事業税はただになる。そうして住民税が、府県、市町村合わせまして五千円程度です。これはあまりひど過ぎます。 そこで、いま大臣が、これは早急に検討を加えて結論を出すとおっしゃいましたけれども、いつごろお出しになりますか。これも長いことの問題でしょう。いま言いました地方制度調査会ですか、そこでどんな問題になったか私は知りませんけれども、いずれにしましても、これは早急に改善しませんと、こういう矛盾が許されましたのでは、住民は納得しないわけなのです。国民は納得しませんので、いつごろまでにやられますか。
○江崎国務大臣 この問題は、非常にむずかしい要素を持っておるわけですね。おっしゃる意味は私どももよくわかりますし、もう、終始傾聴に値する議論だというふうに考えております。御質問は、決して無理なことを言っておられるというふうには思いません。事業税の物税的な性格から言っても、これはやはり何らかの負担をしてもらわなければいかぬ。しかし、これだけの会社がありますと、そこの従業員がそこに住まっておりまして、赤字であるといなとにかかわらず、その従業員は事実上払って、会社は何も払わないというようなことにも結果的にはなっておるわけでございます。 したがって、いまの付加価値金額をどう押えるか、あるいは収入金額で課税をするという体制に持っていくかどうか、これは税制調査会でも非常な議論を呼びながら、税法上この措置がなかなかむずかしいということでじんぜん延びておる。それが、大企業にサービスをしておるとか、税免除をしておるとか、そういうていのものではなくて、税形態をどう整えるかという面において意見の一致を見ないわけでありまするが、しかし、これは議論になっておりまするので、来年度からと申し上げても、私、これは現実にはなかなか困難だと思いますが、少なくとも来年度からでも事が実施できるつもりで検討する。旺盛な検討という意味は、私はそういう意味で申し上げたわけでございまして、できるだけすみやかにというつもりで努力してまいりたいと考えます。
○三谷委員 いま大蔵大臣が見えましたから、約束に従ってもうこれでやめておきますが、自治大臣、いまの問題ですけれども、あなたのいまの説明の中に、何か法人擬制論的な意見が出ましたけれども、それは別の問題ですよ。それでいきますと、配当課税は無税にするとかなんとかいう根拠が生まれてくるから、そういうことではなしに、企業は企業として存在していますから、しかも、これが地方行政の大きな負担を供与しているというところに事業税の課税の根拠があるわけですから、それじゃ来年度から実施するように強調しておきまして、これで終わらしていただきます。
○江崎国務大臣 ことさらに法人が犠牲になるとか、そんなことを私は申し上げたわけじゃない。これは矛盾があるから、やはり是正をしなければならぬ。たとえば道路だって、これだけ大きな会社になれば相当使うわけでしょうから、事業税を何らかの形で取り入れられないものか。これは税法上なかなか結論が出にくいという現実の問題があるということを率直に申し上げたわけで、ことさらに大企業に奉仕しておるとか、サービスしておるとか、こうおっしゃるから、何もそんな意味はありません、こう申し上げたわけです。
○上村委員長 ただいま大蔵大臣が出席になりました。出席時間に限りがありますので、直ちに大蔵大臣に対する質疑を行ないたいと存じます。山本弥之助君。
○山本(弥)委員 大蔵大臣には、予算委員会におきましても御質問申し上げたのでありますが、当時、私、地方行政の立場から、国の大型予算に伴いまして地方自治体は、国の方針では、福祉優先の本来の地方財政に立ち返るという期待を持ったわけであります。国の大型予算に関連し、地方もこれと同一基調で、いつも、いわば国の予算に繰り込まれたかっこうで地方財政計画も策定され、府県、市町村も予算を組んでおるわけでありますので、本年度は非常に大型予算になっておる、歳入面で歳入欠陥が円のフロートによって起これば、地方公共団体は問題が残る。また、大型予算の関係でインフレになります場合は、今回の財政計画、それに基づく府県、市町村の予算の編成が、公共事業の大幅な伸びによって編成しておるために、公共事業の執行ということが、地方公共団体の本来の姿の福祉行政を推進する上に支障を来たしはしないだろうか、きわめてむずかしい状況にある。こういうことでお聞きしたのでありますが、税収につきましては欠陥はないだろうという答弁をいただき、また、逆に、インフレ化した場合の、地方公共団体の公共事業を遂行する場合の悩みといいますか、その問題につきましては、たまたま土地あるいは商品の高騰による問題が引き続き論議されるような情勢にありましたので、十分お答えを願う時間がなかったわけであります。 あれからだいぶ時期もたっておりますし、最近は、大蔵省といたしましては、あるいは預金率の引き上げだとか、あるいは公定歩合の引き上げだとか、公共事業の下期への繰り延べというようなことで、むしろ景気の抑制方策に向かわれておるというふうな印象を強く受けるわけであります。地方公共団体といたしましては、二つの非常に矛盾する問題が四十八年度でどう解決されるかという体制に置かれておるわけであります。ことに、公共事業は、昨年の補正予算に関連する災害事業を含めまして、地面の値上がり、資材の値上がり等によって入札に非常に支障を来たしておる。競争入札ではなくて、もう無理やりに随意契約でやろうとしても、なかなかめんどうだという状況に追い込まれておるという事例も相当あるだろうと思います。これは、いずれ自治省から最近の状況の資料をとりたいと思っております。 そういう情勢でありますので、この機会に、地方公共団体の今後の予算執行上、あるいは住民のための福祉政策を中心として遂行する上に、予算委員会からだいぶたっておりますので、大蔵大臣から、本年度の経済見通しといいますか、公共団体は支障なく遂行できるんだという体制に置かれておるのかどうかということをまずお聞きいたしたいと思います。
○愛知国務大臣 まず、税収の見込みの歳入のほうの問題でございます。いよいよ四月から新しい年度に入ったわけでございますが、一言で申しますと、変動相場制への移行というような、非常な基調の変化がございましたけれども、やはり、経済の見通しといたしましては、底意が非常に強いと申しましょうか、相当の景気といいましょうか、これはかなり底意が強いわけでございまして、たとえば、国税三税等をはじめといたしまして、税収につきましては、予算委員会の当時にも申し上げましたが、あの当時よりもさらに状況の変化というものは、税収の見積もり等につきましては、まずまず問題ないのではなかろうか、こういうふうに見通しております。 それから、支出といいますか、歳出の関係で申しますと、ただいまも御指摘がございましたし、また、政府としても非常に問題に考えておりますのは物価の問題でございます。これに対しましては、金融政策の上においてもなし得る限りの陣立てをつくりまして、具体的に政策を展開しておりますので、相当の効果がこれからあらわれてくるであろうと期待いたしております。 財政の面におきましても、四十八年度の予算の執行の時期に入りましたが、予算全体を年度中に執行するということには、もちろん何らの懸念も持っておりません。しかし、当面はやはり物資、資材等の状況、ことに価格の問題に非常な懸念を持っておりますので、年度内に執行の調整を加えることがしかるべきであろう、かように考える次第でございまして、たとえば前年度、四十七年度におきましては、御案内のように、公共事業においては、上半期において、いわば七十数%の契約ベースで実行をし、また、実績から言いましても、大体七四%ぐらい上半期で消化しているわけでございますが、今年度はいま申しましたような状況でございますので、上半期で五九・六%ぐらいの契約ベースでの実施をするということで、昨年度等よりは、実施の状況においては、年度内の調整繰り延べということをかなりの程度で行なうことにいたしたわけでございます。 しかし、第一に、災害等につきましてはそういう調整措置をいたしませんし、それから、福祉国家建設という大命題に対しまして、生活環境整備というような関係の公共事業等につきましても、さような調整はできるだけしないことにいたしております。 それから、もう一つは、これは具体的に申しますと北海道、東北六県、それから北陸四県というようなところが中心になるわけでございますけれども、前からのいろいろな関係もございまして、実績上もそうでありますが、工事の施行時期を気候との関係で考えなければなりませんから、積雪寒冷地帯という名前で呼んでおりますが、内容としてはいま申し上げたような地域になりますし、また、そのほかのところもございますけれども、こういったところの工事の施行を、気候的に延ばすべきでないところについては調整しないというたてまえでやっておるわけでございます。 これらを総じて、平均的に申しますと五九%、それから、いま申しましたように、大きく分けて三つの対象を除きますと、その他の公共事業については、上半期五四%ぐらいの繰り延べといいますか、実施率になりますので、普通の年よりはやや下半期へのロードをかけるというふうに計画いたしたわけでございます。 そして、自治省からもいろいろ御説明がすでにあったかと思いますけれども、こうした公共事業等の実施については、御案内のように、地方公共団体あるいは実施面に当たる関係方面の方々と、大蔵省としても、相当具体的に、かなりこまかく協議をしながら実施をいたしておりますし、あるいは、位置づけと申しますか、そういうようなこともやっておりますので、そういう場合におきましては、物価等の関係を特に考慮に入れて、政府の支出によって地方側に御迷惑のかからないように、あるいはどうしても避けられないような場合には何らかの積極的な調整をするというようなことで、ただいま御指摘になりましたような御懸念は政府側も同様に持っておりますので、地方側に負担がかからぬで、しかも、目的とすることが達成できるように、きめこまかく、この年度中に、ことに上半期におきましては十分配慮してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○山本(弥)委員 ただいまの大蔵大臣の御答弁に対しまして、時間がありませんので簡単に申し上げますが、事業の繰り延べによりまして、お話しのとおり、北海道、東北あるいは北陸等は、下期に多く事業を遂行するというわけにはいかないことは大臣のお話しのとおりでありまして、できるだけ早急に事業を遂行しなければならぬ。 私どもの県におきましても、先ほど申し上げましたように、中央資本の土地の購入というもので、いままで公共団体で先行取得をやっておりますけれども、その先行取得の倍以上の土地を——いわゆる目的のあるものもありますが、何らの計画も持たないで、投機的に土地を購入されているというのが倍以上あるわけなんですね。そのことが、農民のほうでは、土地を手放さないという運動につながっておりますので、土地の値上がりというものが非常に大きい。まあ、公示価格では三〇%以上になっております。それ以上に高くなっている資材の高騰があり、上期に仕事をしなければならぬということになれば、勢い高い資材でやらなければならぬという実態にあることは、いまの御答弁で、私も十分大臣の気持ちがわかったわけであります。 そこで、地方団体としては超過負担が一番悩みなわけなんです。このことは、四十八年度、四十九年度の両年度にわたりまして、補助単価とか補助基準について是正をしていただき、人口急増地帯につきましては補助率を引き上げるという措置の配慮を願ったことは非常にありがたいわけであります。 それにいたしましても、そういう資材の高騰による異常な事態は、昨年の調査の時点よりまた一段と進んでおるのではないかと私は思うのであります。そういたしますと、補助単価にいたしましても、今後、公共事業の実行面におきまして、関係各省との間で補助単価の是正を応急的にしていただくとか、あるいは、その他の配慮によって事業に支障を来たさないような措置をとらなければならないと思うのでありますが、大臣の答弁では、そういうことをきめこまかくやっていただくというようなお話のように受け取ったのでありますが、そういうふうに了承してよろしゅうございましょうか。
○愛知国務大臣 現実的には、そういうふうに御了解いただいて差しつかえないのでございますけれども、ただ、まことにこれは微妙なところでございまして、私どもとしては、せっかくの目的のための事業量を、これによって縮小するというような結果になることはできるだけ避けたいわけでございます。それが単価の調整ということと結びついて、それでは、事業量も減らしてもいいから単価を上げるというふうになるのは困りますから、そこで、たとえばセメントとか木材、鋼材というようなものについては、これはいろいろの手段で——金融の引き締めもその有力な手でございましょうし、それから商社等に対するいろいろの手、それから輸入の確保、増加というような点で攻めていかなければなりませんけれども、若干あとに工事を延ばそうということを考えたのも、実はそれとの関連もあるわけでございます。 したがって、原則的には、お述べになりましたように御了解いただいて差しつかえございませんが、タイミングの関係、資材の関係、価格の関係等とにらみ合わせて事業量を確保し、かつ、地方の負担をふやさないように、なかなかこれはむずかしい問題が重なり合っておりますけれども、そこを何とか調整しながら、初めの計画どおりに事業を遂行するようにいたしたい、かように考えております。
○山本(弥)委員 いまの御答弁によりまして、非常に私ども力強く感じております。超過負担の問題はきわめて重要な問題であり、本年度の超過負担解消の措置以上に、実施計画において配慮を願うという大蔵大臣の御答弁をいただきまして、私ども、この点は、そういうふうに、その当面した情勢に即応した政治をやっていただくということは非常に歓迎するところでございます。ぜひそういうふうに、東北の事情もおわかりになっております愛知大蔵大臣の御配慮を願いたいと、強くお願いを申し上げておきます。 次に、交付税の率の問題でございますが、交付税につきましては、大臣よく御承知のとおり、昭和四十一年の不況のとぎに三二%の現行税率になったわけであります。それ以来は、この税率というものをそのままにしております。いわば国と地方との交付税というものは、もともと地方公共団体相互の財政調整機能を持っておったが、その後、ややともすれば、国からの不当な財源付与といいますか、財源保障機能のほうにウエートが置かれるような体制になりましたが、それ以上に私が心配しておりますのは、国との調整機能に重点が置かれる傾向が出てきておるわけでありまして、四十三年以降は地方財政は非常に好転したという大蔵省の考え方、あるいは国の財政の硬直化というような考え方を打ち出されて、毎年交付税額を国に貸すといいますか、減額措置をとられたのであります。それが、やっと今度四十八年度に解消されるわけであります。 そのかわり、今度は、四十六年からは、補正予算をはじめといたしまして、四十七年度、これは国から特別会計が借り入れるというような措置がなされ、今回、四十八年度におきましても、九百五十億を特別会計で預金部資金から借りて、これを来年度返すという。四十九年度には、本年度の、これも減税に回すべき財源ですが、思わぬ自然増収、あるいは大蔵省では予想されておったかもしれませんが、自然増収によりまして、九百五十億以上の交付税に振り向ける額が出てぐるので、まあ一応これは解消するということでありますけれども、しかし、四十六年、四十七年度は、ずっと五十五年まで年次計画で償還をしていかなければならぬわけであります。このことは当時、四十三年、四十四年ころに、大蔵省と自治省の間に、貸し借りという問題を解消して、この問題について一定の方針を打ち出そうという申し合わせもあり、また、そのことを私ども強く要求をしたわけなんでありますが、依然として当年度限りの措置で今日まで来ておるわけであります。 そこで、今日、地方公共団体の行政需要の著しい増高といいますか、そういうことに関連して、三二%の率をはっきり上げるという措置を四十八年度は私は期待したわけでありますが、これが実行できないで、九百五十億というふうな金を借りるという問題が依然として継続しておるわけであります。これが年度間調整であるとはとても言えない。その年度限りの情勢によって貸し借りをやっておるということにすぎないのじゃないか。もう、交付税は根本的に見直す時期に来ておるのではないか。しかも、今日の交付税が、国と地方との非常に不均衡な税体系をかろうじて交付税で救われておるという、本来地方公共団体の財源であるものがそういうことで救われておるという実態から考えてみますと、交付税も、もう率を大幅に引き上げる時期に来ておるのではないか。これは当然四十八年度から実施願いたい、私はこう思うのであります。 このことに関連いたしまして、府県、市町村から強い要望も出ておるわけでありまして、また、地方制度調査会その他におきましても、交付税の税率の引き上げということについては、それぞれ答申がなされておるわけであります。私どもの期待のように本年度から是正願う——いま法案の審議をいたしておりますが、交付税の修正を願うということも、本年度とてもできないと思うのでありますけれども、大蔵大臣はこの点につきましてどうお考えになっておりますか。この交付税の税率の引き上げについてのお考えをお聞きしたいと思います。
○愛知国務大臣 この交付税の税率の問題になりますと、どうも御期待のような御答弁ができないのが非常に残念でございますけれども、率直に申しまして、基本はこういうところにあると私は思うのです。 この交付税制度というものは、いま言及されましたけれども、私どもから申しますと、国と地方を通ずる安定的な財政調整制度である、こういう考え方が現在までの引き続いてきました考え方でございます。したがって、地方交付税にもその思想が非常にはっきりあらわれていることは御案内のとおりと思います。そうすると、地方交付税法の六条の三からまいりますと、「毎年度分として交付すべき普通交付税の総額が引き続き」各地方団体の財源不足額の「合算額と著しく異なることとなった場合においては、」云々となっておりまして、したがって、「引き続き」「著しく異なる場合」という、この「場合」をどう認識するかで、現状ではそうではないから、四十一年以来の三二%を引き続いているというのが現在の政府の立場でございます。したがって、この三二%というものは、この交付税法の規定するところに従って、「引き続き」「著しく異なる」ということになりました場合には、地方財政にかかわる制度の改正か、あるいは交付税率の変更を行なう、こういうふうなこの法律に基づいての考え方を踏襲すべきものである、かように私どもとしては考えておるわけでございます。ただ、もちろん、地方財政の確立ということについては、大蔵省としても非常な関心を持つべきであるし、また、その努力をすべきでございますから、総合的に、たとえば、行政事務の配分というようなところまで広げての地方制度のあり方ということ、あるいはまた現実の問題として、各地方地方における状況を総合的に判断をして、地方債その他の問題も含めまして、財源的になし得る限りのお手伝いをしなければならない、こういうふうに考えておるわけでございます。
○山本(弥)委員 その地方交付税の率を変更することについての規定の条文のことにつきましては、私どもはよくわかっておるわけでございます。しかし、本年度、たとえば義務教育の教員の優遇、これは法案が通り、人事院の勧告を待って措置せらるべきだと思うのであります。国の予算にも百三十億計上し、財政計画にも、地方の負担として百四十五億計上しておるわけであります。これは三カ月ですから、額としてはそう多くなっておりませんけれども、来年度はおそらく相当の額、七百億近くになるのではなかろうかと思われますし、教育が重要であって、その教職員を優遇するということであれば、単に義務教育の職員にとどめるべき問題ではなかろう。 大臣も御承知だと思いますけれども、給与関係経費の歳出に占める割合は年々低下をいたしておるわけでございます。これは非常に無理をして低下をさせておるのでありまして、その一方、警察官だとか、消防だとか、学校の職員というのはどんどんふえている。ふやさざるを得ないわけです。そういたしますと、一般行政に必要な職員はどんどん減少しながら、給与費の歳出に占める割合を低下させてきておるわけです。これは非常に無理がかかっておる。したがいまして、市町村によりましては、期末手当にプラスアルファをつける措置をとっているところもあるわけなんですね。しかも、今年度のベースアップの状況はわかりませんけれども、相当の額にはなるんじゃないか。あるいは、福祉優先ということに伴う府県、市町村の置かれた立場、ことに市町村の置かれた立場というものは大きく転換するのではないか。それは、いわば制度の改正に匹敵するような変わり目ではなかろうかと思うのです。そうなりますと、当然この交付税の率を上げまして、国と地方との配分——ことに、一方、三千幾つの公共団体の関係は、好況におきまして税収の上がるところと、好、不況にかかわらず税収が固定して、むしろずっと減少していくというような市町村もあるのですね。そうしますと、そういう市町村に対する交付税の役割りということは重要じゃなかろうか。そういたしますと、それの調整をいたしますのは交付税でありますので、何としてもその交付税の税率を上げるということに来年度からは当然考えていくべきじゃないか、かように私は考えますので、積極的な姿勢でお取り組み願うことを大蔵省、自治省に強く要望しておるわけでありますが、考えるべきではないかと私は思います。 時間がありませんのであわせて御質問申し上げますが、交付税の基礎になります法人税と所得税の関係、これは大蔵省におきましても、今日、所得税、ことに給与者の所得につきまして重税になっておるということは十分おわかりのことだと思います。年度内においても減税してもいいというようなことを、大臣は何かの機会に言われたということを聞いておるわけですが、また、新聞紙上その他におきましても、こめ点について、積極的に税制調査会において検討するということや、また、自民党におきましても、そういうことができるのかと思うような、必要経費の控除についての思い切った政策も発表されておるように聞いておるわけでありますが、所得税の減税ということは、年度内、あるいはおそくとも来年度は当然行なわるべき問題だと私は思います。 それに関連いたしまして、大臣もお考えになっておる法人は、今日、先進諸国に比較いたしましても、非常に実効税率が低い。これを上げるということも大蔵委員会その他で言明されたと思うのであります。私ども、これは、今日の資源配分から言いましても、当然考えなければならない問題だと思うのであります。その際に、先進国並みに法人課税の率を上げるにいたしましても、いつも私ども遺憾に思いますことは、国税を重点に考えて、地方税が等閑視されておる。法人課税は、今日、国税が六七%、だったと思うのでありますが、残りが府県、市町村。ことに、市町村は六%か七%の比率を占めておる。これは、都市財源といたしましても、何らかのかっこうでどうしても法人課税を強化しなければならぬというふうに私は考えておるわけであります。税体系の再検討をなさる際には、この点、国の考え方のみならず、地方自治体の法人課税、ことに都市財源としての法人課税ということについての配慮をしていただかなければならぬと思うのです。 交付税の税率の問題と所得税の問題とあわせて、私どもの期待のできるお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○愛知国務大臣 交付税の税率の問題については、先ほど、非常に率直にたてまえ論を、いままでの考え方を申し上げたわけでございまして、具体的に来年度におきまして基準財政需要の姿がどうなるであろうか。そして、その財源措置を、先ほど申し上げましたように、固有の地方の税源、あるいは地方債計画、いろいろのところを総合してみまして、そして結論づけるべきものである、かように考えております。 それから、地方行政のあり方が、確かに御指摘のように、特に、最近におきましては、急激に質的の変化を遂げつつある、あるいはまた遂げなければならないというような状況であると考えるわけでございますから、大蔵省といたしましても、地方行財政のあり方等について、新しい感覚で積極的に対処し、お手伝いをするようにいたしたいと思います。 それから、国税、地方税を通ずる減税の問題でございますが、これも率直に申しますが、年度内の減税ということは実際上むずかしいと思います。しかし、少なくとも四十九年度の税制におきましては、法人税に重課をしたい、それから、勤労者大衆の所得税等をできるだけ大幅に減税をしたいということで、例年よりも少し繰り上げまして、もうそろそろ来年度の税制のあり方について、いま申しましたような基本的な考え方で、具体的にいろいろ政府としても勉強をし、また、税制調査会も、例年よりももう少し繰り上げて御勉強願うようにいたしたいと実は現在考えております。具体的に、何をどれだけ控除とか、税額がどれだけということは、いろいろ報道されておりますけれども、政府としては、まだそこまで固まった案を持っておるわけではございませんが、意欲、姿勢としては、できるだけ個人の所得税等を減税したい。 それから、地方の税源のことをもっと考えろという御趣旨でございますが、まことにごもっともだと私は考えます。前段で申し上げましたことに関連いたしまして、税制の改正については、御案内のように、税制調査会でも、国税、地方税を通じていろいろと御検討を願っておりますし、この上とも自治大臣とますます緊密に協力いたしまして、御趣旨に沿うような気持ちと意欲を持って対処いたしたいと思っております。
○上村委員長 山田芳治君。
○山田(芳)委員 大蔵大臣に、いまの問題に関連をいたしまして、四点だけ御質問申し上げたいと思います。 一つは、交付税に算入される経費と補助金を交付するという経費との間において、必ずしも明確な区分がないということが現状かと思うのです。私学の経費について一つ例をあげると、大学の運営費、これは人件費でありますが、あるいは、施設費等については国から補助金が出ます。また、幼稚園についても補助金が出ます。しかし、まん中の高等学校においては交付税に算入をされている。ですから、予算編成にあたって、そういう交付税に入れるべきか、あるいは補助金とすべきかということについての明確な基準値というものがあるのかということであれば、まあ政策的にきめられるというようなかっこうになっておる。簡易水道においても、同じように、通常は三分の一の補助金を出しておるのですが、四十九年度からは、財政力指数三〇%以下には二分の一の補助金を出すという制度ができておる。これも、ある意味においては、過疎債、辺地債について、交付税で七〇ないし八〇%を措置しているというのは、補助金のかさ上げの方式を交付税に導入しているのだと見てよいと思うのです。 このように、補助金と交付税とが非常に混淆しているのではないかというふうに私は思うのですが、そこらあたりがどうかということと、昭和四十八年度の国庫支出金は三兆九千億で、三〇%の増であります。交付税については、一六%の増の二兆九千億、非常な差が出てきた。地方団体側としては、こういう補助金は一括して交付税の中へほうり込んでいくという中で、やはり税率を上げていくというふうにするべきじゃないかと思うのですが、大蔵大臣のお考えはいかがでしょうか。
○愛知国務大臣 こまかい区分等につきましては、ちょっと私からだけでは御説明ができにくいかと思いますので、足らざるところは政府委員から補足してもらいたいのでありますが、基本の考え方としては、交付税というのは、地方団体の一般の財源として使用するべきものであり、それから、補助金というものは、政策目的を達成するために交付されるものである。ですから、その性格の違いに基づいて、予算編成にあたっての交付税に算入する経費と補助金交付の支出の財源とを異にする編成をしておるつもりでございますが、こまかい点については、政府委員のほうからちょっと補足してもらいたいと思います。
○長岡政府委員 御質問の第一点は、ただいま大臣がお答え申し上げたとおりであろうかと思います。性格的に国庫補助金と交付税というものは異なっておりますので、交付税につきましては、御承知のように、地方公共団体の一般財源でございまして、もちろん、その交付税の算定の基礎には、各地方公共団体の地方財政需要をまかなえるだけの金額ということで算定をいたしておりますけれども、地方公共団体が現実に執行なさる場合には、ひもつきに、その単価に従ってその数量だけ実施するということにはならないわけでございまして、まあ基本的に性格が違っておるということだと思います。 それから、国庫補助金を交付するような場合に、いわゆる政策目的以外に地方財政対策も兼ねておるのではないかという御質問、この点も、確かに、御質問の趣旨のような性格も帯びつつあるような気がいたしまして、私どもといたしましては、国庫補助制度のあり方全体については、今後とも検討を続けてまいりたいというふうに考えております。 それから、第三点の、国庫補助金の金額の増加割合に比べまして、四十八年度の交付税の増加割合が低いという点につきましては、御承知のように、国庫補助事業の裏負担というのは地方財政の負担になるわけでございますが、これは交付税のみならず、地方税その他の一般財源、あるいは起債等によってまかなわれるべき性質のものでございまして、交付税だけを取り上げれば二八%の伸びでございますが、地方税を合わせますと二三%くらいの伸びにもなる。したがって、起債の面におきましても、私どもといたしましては、十分に地方公共団体が国庫補助事業を消化できるように配慮いたしたつもりでございます。
○山田(芳)委員 若干まだ議論したいと思いますが、時間がございませんので、次へ移ります。 超過負担の問題で、いま、山本委員からの質問にも、公共事業については非常に積極的なお答えをしていただいたのですが、たとえば文教施設であるとか、あるいはその他地方団体として、あるいは国民としてどうしても必要な施設については、やはり、義務教育国庫負担のような制度、すなわち精算補助——奨励的な補助金は別でございますが、そうでないものは精算主義の補助金というものを逐次導入していくべきではないか。これが、先ほども話があったように、どんどん物が上がる。ことしでもう二百八十三億の国費ベースの解消措置といわれますけれども、これだけ物が上がったら、これが帳消しになって、また超過負担になる可能性がある。そういう意味で、精算主義を導入していくことがやはり必要なんじゃないか。それはものにもよりましょうけれども、逐次そうすることが、この超過負担にピリオドを打つゆえんだというふうに思いますが、こういう提案について、大蔵大臣、いかがなものでしょう。
○愛知国務大臣 感覚的に考えますと、非常にごもっともだと私も思いますけれども、やはりこれもたてまえの問題でございまして、補助の対象は、基準になる経費に対する補助という感覚でできておりますものですから、直接ぴったり御趣旨にそぐわないと思いますけれども、できるだけ実態の調査をやって、そして、その直近の予算のときにそれを非常に大きな参考にするということは、現に四十七年度においてやって、四十八、九両年度の予算編成にも役立っているわけでございますが、こういうやり方はできるだけ今後とも進めてまいりたいと思います。 いま申しましたように、基準の経費に対する補助という感覚でございますから、使ったものを精算して、それ全部をまかなうというのとはちょっと趣旨が違いますので、にわかに御賛成申しかねますけれども、そういう気持ちは持ってやってまいりたい、こういうふうに考える次第でございます。
○山田(芳)委員 最後に、一問だけお願いいたします。 最近、住宅計画について、非常に建てにくくなっております。たとえば、住宅公団の四十七年度の計画戸数が八万八千戸であった。建設できたのはわずか三万二百戸であるというようになっておるわけですが、これは用地問題もありますけれども、やはり、それだけの住宅がふえてくると、地方公共団体がいろいろな、学校であるとか、生活環境施設等を整備していかなければならないのにかかわらず、それに対する財源措置ができていない。だから、地方公共団体が非常に反発をしている。住宅公団ができた当初には、これを誘致するというような運動が非常にあったのでありますけれども、最近は、むしろお断わりだというのがあちこちで起こっているというのが実態であります。しかも、今回の国会において、御承知のように、宅地並み課税というものが行なわれ、この委員会にもまた、あめ法案と言われるところの特別措置の法案がかかっている。そうすると、大都市周辺の地域においては、どんどん住宅ができてくるということは避けられないのでありますが、現実のそれに伴うところの公共下水道等々が十分整備されていない、学校もできていない、保育所もないというようなことになる。 そういう面ではもっと先行投資をやった上で宅地供給をやり、あるいはまた住宅対策をやるべきでありますが、そっちのほうが非常におくれている。公共下水道に至っては、現に三二%しか五カ年計画の達成率がないというような中で、どんどん大都市周辺に住宅がふえてくる。公団住宅もそうであります。ですから、そこに住んだ住民は非常に困惑をしている。ちょっと雨が降っても、全部家に水がつくという状態であります。都市河川は、最近、国、府県、市町村で三分の一ずつですが、このようなものももっともっと増額すべきであるというふうに思うのですけれども、昭和三十三年から調べてみますと、道路については二五%も事業費の上で占めておりますけれども、生活環境施設はわずか一・四%という数字が出ております。こういうことでは、そういう地域に住む住民は、雨のたびにいつも不平を言っているという形になるのですが、こういうものについてもっと先行投資を認める方途はないのであろうかということをわれわれは思うのですが、大蔵省のほうのお考え、大臣のお考えはいかがなものでしょうか。
○愛知国務大臣 いずれもごもっともな御指摘でございますが、いまおあげになりましたことを大体三つぐらいに分けてお答えしたいと思います。 一つは、文教施設等は、特に人口急増都市については、御案内のように、国庫負担率を小中学校関連について上げましたので、これは今年度は相当の成果があがるのではないかと思います。 それから、二番目に、たとえば住宅公団等の計画の場合も、今年度におきましては、いまおあげになりました下水道その他の環境の整備について、住宅公団が特に配慮できるように、これは予算上の措置も、四十八年度には相当のくふうを加えたつもりでございます。 それから、それどころではない、全体的に先行投資を考えなければいけないということ、これはまことにごもっともでございまして、特に、土地等につきましては、これは自治大臣からお答えいただくほうが適当かと思いますけれども、土地に対する総合対策の一環といたしまして、地方公共団体等の土地に対する先行投資、土地の取得等につきましては、大蔵省といたしましても、たとえばその財源について、地方債について特に考える。それから、その資金的な関係については、農協等の系統資金、まあ、レンタル資金というようなことばも使われておりますが、こういったようなところにひとつ御協力を願い、また、大蔵省のほうでも利子補給等について協力をするということで、先行投資に対してはひとつ積極的なかまえをしようではないかということで考え方をまとめたわけでございますが、これをいよいよ実行の段階に入る運びにいたしたい、こういうふうに考えております。考えだけが先に立って、手が出るのがなかなかおそいうらみがございますけれども、そういう考え方で、ひとつ誠意をもって着手していきたいと思っております。
○上村委員長 小濱新次君。
○小濱委員 時間の制約を受けましたので、率直に数点大蔵大臣に御見解をお伺いをしていきたいと思います。 まず、競馬、競輪、競艇、オートレース、いわゆる公営賭博が、福祉国家と健全な文化国家建設を理想とするわが国の、これはどう見ても政府の恥部であるというふうに私らは考えざるを得ないわけであります。こうした公営賭博は必ず弊害が伴うし、その社会悪という、その影響はあまりにも大きいわけであります。新聞を見ましても、その入場人口が一億一千六百八十一万四千人、これが四十六年度であります。それから、馬券、車券は、二兆円が乱舞しておるというような状態です。日本の経済もここまで成長してまいったわけで、このギャンブルが戦後二十五年間も続けられてきているわけですが、戦災復興という、ギャンブルの持つその使命は十分達成されたというふうに見ても間違いじゃなかろうというふうに考えるわけですが、政府は、いまなお公営賭博を奨励している姿になっているわけです。 そこで、私は、政府もいよいよこの辺で年次計画なりを定めて、将来廃止の方向に決断すべきであるというふうに考えるわけですが、これはひものつかない財源ということで、また、廃止ということになれば、あとの対策は非常に——これはもう重々わかりますが、この点について大蔵大臣の御見解を承っておきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
○愛知国務大臣 私が、このギャンブルについて、ギャンブル課税を大いにやりたいと申しましたことに関連しての御質問かと思いますけれども、現在の競馬、競輪といったようなものについていろいろの見方があると思いますけれども、まあ、そう窮屈に考えないでもいいんではないかと、こう率直に私は考えるわけでございまして、むしろ、これによって非常な弊害が起こるようなところを、社会的な感覚に基づいて、ひとつ税をちょうだいして、税源も涵養するということが現実的ではないだろうか。実は、ギャンブル税というものについても、技術的に非常に困難だという点がございまして、いままで踏み切りがつかなかったわけでございますけれども、技術的な点は克服して、来年度は創設したいというふうにいま考えて、技術的な難点も克服するような方法論を、現在、事務的に、あるいは技術的にあらためて検討をしてもらっておるようなわけでございます。 ギャンブル税をつくったからといってギャンブルが恒久化するとか、あるいはまた人心が廃退するというふうにまでは考えなくていいのじゃなかろうか、これは率直な気持ちでございますけれども、私はそんな所見を持っておる次第でございます。
○小濱委員 いろいろな犯罪の事実も、私もここに記録を持ってきているわけですけれども、非常に多いのですね。家庭が破壊された、それがために犯罪を起こして、一家離散したとか、失踪したとか、そういう事件があまりにも多いわけです。いまもお話しいたしましたように、一億一千万人以上の人が入場して、二兆円の金が乱舞している。これは大蔵大臣もよく御存じだろうと思うのですが、手数料ですか、いわゆるテラ銭というものが一回二五%取られるのですね。四回いたしますと元金は全部吸い上げられる勘定になるわけです。こんな公営賭博にテラ銭が考えられるだろうかとわれわれはまずふしぎに思うわけです。私は知りませんが、いわゆる遊び人だとかやくざだとかいわれる人たちの手なぐさみといわれるばくちも、役がついて、初めて五分デラというふうに聞いているわけです。ところが、公営ギャンブルが二五%で、四回で全額を吸い上げるということは、あまりにも酷なようにわれわれは考えているわけです。それをまた、いまの大蔵大臣の御発言ですと、ギャンブル税を創設して、今度は税で、というお考えのようでありますけれども、私は、金という面よりも、教育という面からこれは一考してもらわなければならないのじゃなかろうかと思うわけです。 私のほうにはだいぶ公営ギャンブル場があるわけですけれども、その辺へ行って子供たちの遊びを見ておりますと、私は三−二でいくよとか、五−六だとか言って遊んでいるのですね。私どもは、これは何事かと思ったのです。行ったことがないものですからね。ところが、聞いてみると、無言の教育といいますか、その付近の子供たちはそういう方面で悪に染まっている。こういう事実があるわけです。どうかこれは廃止の方向にと、われわれは強い主張をいままでしてまいりましたけれども、二十五年たっているわけですから、ここで恒久化をねらうような大臣のギャンブル税の発言はもってのほかだと私どもは考えるわけです。金といっても、自治体に還元されるその予算は、たしか年間千億弱です。決してむずかしい財源ではなかろうと思うわけですから、もう一ぺん御見解をお伺いしたいと思います。
○愛知国務大臣 私は、率直に自分のいままでの考え方を申し上げたわけでございますけれども、貴重な御意見を承りましたので、さらによく検討したいと思います。 競馬、競輪というもののあり方等については、御承知のように、政府でも、かつて審議会まで設けまして、専門的に検討していただいて、答申もいただいているわけで、その中にはいろいろ掬すべき意見もあるわけでございますけれども、なおとくとひとつ——いま私がギャンブル税をかけてと申しておるのは、私見でございまして、政府で、また、自治大臣とも実は御相談したこともないわけでございますから、とくと真剣に検討させていただきたいと思います。
○小濱委員 大蔵大臣の発言はまことにこれは大きいのでございまして、どうかひとつ慎重に御発言をお願いしたいと思います。 さらに、もう一点は、私は具体的な面をお伺いしてまいりますが、消防庁が全国的に要望していることは、基準額を、実質の経費の引き上げをしてもらいたいということが一つ。もう一つは、補助率を、三分の一を二分の一、でき得れば三分の二にしてほしいということで、これは、都市の大小を問わず、超過負担が非常に大きいので、補助率の引き上げは強い要望になっているわけです。人命の尊重という立場から、死者数あるいはけが人を調べてみますと、非常に大きいのですね。年間一万人からのけが人が出ております。それから、昨年度でも千七百人からの死者が出ております。その原因をずっと突き詰めてまいりますと、装備品が足りない、消火、消防に従事するいろいろな施設が足りない、こういう形になっているわけでございます。これは消防力の基準第一条には、「最少限度の施設及び人員について定めるものとする。」と書いてありまして、この努力目標について、消防庁は、何とか充足率を深めようということで一生懸命努力しているようであります。この問題は自治大臣の御答弁かと思いますが、これをあえて私は大蔵大臣にお伺いをしていることは、この基準率と補助率の問題はどうしても御一考願わなくてはならないと思うからで、これは、たっての強い要望を私どもは申し上げ、また、自治大臣ともお話し合いをしていただきたいと思います。 きょうは幸いこういう機会を得ましたので、ぜひともこの問題についての御見解を聞かせていただきたい、こういうふうに思います。
○愛知国務大臣 消防の問題につきましては、四十八年度の予算の編成のときにも、消防庁はもとよりでございますけれども、消防関係の方々からの非常に御熱心な御要請にも接しておりまして、私も大きな関心を引き続き持っているわけでございます。 御承知のとおりと思いますけれども、たとえば消防ポンプ自動車などの補助単価は、四十七年度にも相当上げたのでありますけれども、四十八年度におきましては、さらに、防火水槽とか、それから消防の無線の関係、こういう点につきましては、補助単価を三割引き上げておるようなわけでございます。それで、消防施設等の整備費の補助金の総額で見ますと、四十八年度は三十九億円余りになっておりますが、四十七年度に対比いたしますと、三五・三%の、かなり大幅な増額をいたしておるわけでございます。それから、補助率のほうは、現在三分の一で、これは消防組織法でもって「市町村の消防に要する費用は、当該市町村がこれを負担しなければならない。」というような基本原則がございます関係もあって、その法律のもとにおける補助率としては、三分の一というのが最大限度になっておるわけでございます。 こういうわけで、今日までも私どもとしては相当の関心を持ってきたつもりでございますが、さらに、自治大臣や消防庁長官等ともとくと協議をいたしまして、四十九年度にはさらに前向きに検討いたしたいと考えております。
○小濱委員 今回は、消防庁としても、年来にないそういう予算化ができたということで、われわれもその話は聞いておりまして、非常に感謝をしておるわけですが、参考までにその内容を少しお知らせしてみますと、はしご車の補助率と基準率のアップについて申し上げたいと思いますことは、これは昭和四十八年度の見込みですが、東京都の場合は、国の基準によると、特別区のはしご車の充足率は六二%、化学車では七五%、消防艇は四六%、吏員は八一%ちょっと低いわけです。東京都の死者を見てみましても、四十五年度で百三十人、四十六年度では百三十五人、けが人が四十五年度は千六百七十八人、四十六年度は千五百六十五人。このけが人を、いまの設備では、半減、絶滅することはなかなかできない状態だということをわれわれは聞いたわけでございます。そういうことですから、補助率と基準率の問題を、最大限三分の一といういま大臣の御答弁でございましたが、この点を何とか御考慮願いませんと、こういう人命問題は解決できないわけです。金で解決ができるわけですからね。 しかも、東京都には、三十五メーター以上のはしご車は一台もないのですよ。今度も、三十メータークラスのものを八台お願いしたけれども、六台になったという、そういう内容になってまいります。四十メーターということになると、大阪と横浜に一台ずつあるようでありますけれども、しからば、十階以上の火災の場合にはどうなるのかという、そういう危惧も出てくるわけでございますね。何としてでも補助率は三分の一を御検討願わなければならないということになるわけでございまして、こういう内容について大臣にちょっとお聞き願いたいのですが、補助率が三分の一でしょう。三十メーターのはしご車をつくるのには三千万円かかるのです。調べてみたところが、そうなりますが、この国の基準額は、どういう計算か知りませんけれども、二千百万円しかつかないわけです。二千百万円の中から三分の一ということになるわけです。したがって、七百万円という、そういう補助率になります。三千万円の七百万円、四分の一の補助率ということになるわけですね。したがって、持ち出しが多い。全国にはしご車は二百三十三台だと思いましたが、大都市にこれは集中しているわけです。もう、地方都市でも高層化してまいりました。何としてでもはしご車はほしいけれども、いまの状態は、持ち出しが多いのでつくれない。 ですから、これは、補助率の問題を基準率の問題とあわせて、どうしても御一考願わなければならぬということでお尋ねしておるわけでもございますので、いま一度御見解をお聞かせ願いたいと思います。
○愛知国務大臣 これも非常に率直に申し上げるのですけれども、基準額を合理的に引き上げるということは、私は、十分検討の余地があると思いますし、消防庁等との協議もいたしまして、来年度にはぜひくふうをこらしたいと思います。 補助率のほうになりますと、これは、消防というものが市町村の本来の仕事であるということが消防法でも規定されておるわけでもございますので、補助率を、三分の一を引き上げるということにつきましては、ちょっといま直ちに考えましょうと申し上げる用意がございませんで、これは、やはり、消防というものの基本についての自治省等のお考えにもよることでもございますしいたしますから、補助率の問題は、なかなかこれはむずかしい。しかし、基準額については、いまお話しのような実情に合わないところもございましょうから、十分検討いたしまして、来年度はもっと合理的なものにするということは、ただいまお約束を申し上げて差しつかえないと私としては思っております。
○小濱委員 次に、今度は、流域下水道の問題ですが、全国的に作業が始まりました。そこで、財源問題になるわけですけれども、これは、御存じのように、四分の二が国でございます。それから、県がその一つ、地元で残りの一つ、こういうふうになります。で、非常に小さい市町もあるわけですね。五万前後、あるいは町でも小さい町がありますが、それが、負担が、八年、十年がかりで四分の一を負担していくわけですが、これがまた大きな数字になるわけです。たとえば相模川の場合には、いま、一期工事三百五十億ですが、完成時には、おそらく千四百億円になるであろうと思います。その四分の一を地元が負担をする。これは全国的にそういう傾向なんで、私も調べてみたんですが、この流域下水道の工事だけでは、地元の自治体としては済まないわけです。そこで、その流域下水道に流し込む公共下水道をつくらなければならないが、これがまたえらい持ち出しになるわけです。したがって、努力はするけれども、そういう点で、これは政府の方針とはいいながら、いますみやかにこれを可決をすることはできないということで、議会でもだいぶ紛糾しているという話を伺っております。 そこで、お伺いしたいことは、何の目的で流域下水道をつくるのかということですね。水質確保という、水を守るんだという、その水は、県水あるいは企業庁の水となっていくわけですから、地元としては、流域下水道に多額の予算を注ぎ込み、また、公共下水道に思わない予算を注ぎ込んで完成して、水はなくなるし、漁業問題も出てくる。それからまた、河口付近では、その水を使っておった者が使えなくなる。そして、吸い上げられた水は県水となって、企業庁がこの利益をおさめていく。自治体は何のメリットもないじゃないか。こういうことがいきさつになっているわけですね。ですから、この県の問題——企業庁でも、あるいはまた大きな都市でも、その水を引き込んで、みんな私水となって使っているわけですけれども、もう少し地元への補助率を考えるなり、何らかの方法でぜひこの財政対策を考えてやる必要があると私どもは考えておるわけですが、この点についても、大蔵大臣から御見解をお伺いしたいと思います。
○愛知国務大臣 この下水道事業については、いまもお述べになりましたようないろいろの意見がございますが、とにかく、これは大切な事業であるということで、四十八年度に、正確に数字は覚えておりませんけれども、予算の上ではかなりな増額をいたしましたことと、それから、地方の負担の問題については、とりあえず地方債の計画について特別にお認めをするということで四十八年度は対処いたしたわけでございますが、同時にいろいろの問題がございますものですから、そういったような経験上から申しましても、ひとつ専門的に検討してもらいたいというふうなことで、建設省で、特に下水道について、財政計画もあわせて専門的に検討してもらいますような委員会をつくってもらいまして、そこの見解や答申というもののまとめ方等も見据えまして今後の対策に資したい、こういうふうに考えておりますのが現状でございます。 なお、こまかい数字等、あるいはまた、われわれとして考えなければならないいろいろの面については、政府委員からお答えいたしたいと思います。
○小濱委員 持ち時間が少なくなってまいりましたので、またお伺いしたいと思います。 最後に、もう一点だけお伺いしておきたいことは、港湾行政なんですが、戦前は道路予算を上回るほどであったこの予算が、戦後は著しく低下してまいりました。貿易量の増大ということで、出入港船舶の激増をもたらし、船舶もまたとみに大型化してまいりました。そして、また、高速化してまいりました。こういうことで、港湾行政としては、無収入施設もあったりして、非常にたいへんな予算を必要とする行政をいま行なっておるわけですが、御存じのように、特別とん譲与税、とん税は、これは一般会計のほうに入ってしまうわけですね。トン当たり三十七円のうち二十二円が還元されるという形です。ところが、港湾担当者は、その予算をまた自治体からもらってこなければならないという悩みがあって、なかなか予算ぶんどりができないという悩みが出てきているわけです。何としてもほしいけれども、方法がない。 そこで、入港料ですが、これは二十五年に法律化されたわけですが、ところが、外港としては洞海湾が一つと、あと、四国の地方港湾が若干、あるいは、いままでに五、六港で取った例があるのですけれども、以来、入港料は一円も入っていない。こういう形になっておりまして、この入港料が——四十六年度でも、五億一千万トンくらい八大港湾だけでも入港しているわけですね。そうすると、一円にしても六億円以上。一円五十銭くらいはほしいということですが、それによると十億円近い。そういう入港料が入ってくることになるのですが、これが全然入ってこない。 そこで、これは自治大臣にもお尋ねしたわけですけれども、きょう大蔵大臣に御見解をただしたいことは、この港湾担当者の財源対策ということで、何とか自由に使えるような予算を獲得してあげたいという願いから、目的税というものを設けるようなお考えは大蔵大臣にございましょうか。御見解をお尋ねしたいと思います。
○愛知国務大臣 端的に申しまして、目的税というのは、実は、財政当局としてはたいへん困る問題でございます。現に、目的税もございますけれども、非常に限定された、きわめて異例な場合に行なわれているだけでございまして、目的税を港湾施設についてやるかとおっしゃられても、すぐ目的税をやりますとはちょっとお答えしにくいことは御了解いただきたいと思いますが、しかし、問題は非常に大事なことでございますから、結局、その経費の支弁、歳出の出し方にくふうをこらさなければなるまいか、こう考えるわけでございます。実質的にとん税等の収入というものと見合わせて、また、できれば、その収入以上に施設に経費が充当されるようにというぐらいな考え方でもってくふうをしてまいりたいと思いますので、目的税ということに限定されての御趣旨でございますと、この点は、遺憾ながら、にわかにオーケーと申し上げることはできないということを御了解いただきたいと思います。
○小濱委員 将来交通輸送という問題が起こってまいります。それから、最近は、非常に船も大型化してまいりまして、港湾設備がたいへんな持ち出しであるという内容をわれわれは承知しておるわけであります。そういうことで、この港湾の近代化ということで、どうしてもこの問題を真剣に考えてやらなければならないであろうと考えるわけですが、財政問題として、何とかして取れるところから取ろうという考え方に立ってくると、やはり、目的税というものをぜひ設けてもらいたいということは、どこの港の御意見を聞いても出てくるわけでございます。したがって、きょうは大蔵大臣のせっかくの御出席でございますので、私も具体的な問題をお尋ねしたわけでございまするけれども、先ほども大臣はしごくごもっともだという御説を述べておられましたけれども、こういう地方自治体の財源問題で非常に苦慮をしている問題のあることを御承知を願い、これからの御検討をぜひ真剣にやってくださるようお願いして、私の質問を終わりたいと思います。
○上村委員長 林百郎君。
○林(百)委員 大蔵大臣にいろいろ聞きたいことがあるのですが、時間の制限があるものですから、何を中心に聞いていいのか、ちょっと迷っているわけなんですが、この法人に関する税金、法人税、これは、国税としての国の一般会計にも影響を及ぼしますし、同時に、交付税としての地方財政にも影響してきますし、事業税としても、先ほどうちの三谷君が質問したように、関係してくるわけなんですが、そこで、この点をひとつ聞きたいのです。 円の固定制への移行の問題ですね。これは、大蔵大臣はどう見通しをしているのですか。だんだんだんだん実質的には円の切り上げの方向へ走っているように見えるのですけれども、これは、このままフロートにしておくのですか。それとも、一定の時期になれば固定にするのですか。それの見通しはどうお考えになっているのでしょう。それが輸出関連の企業にも影響してきますので、大体の大蔵大臣の見通しをお聞きしておきたいと思います。
○愛知国務大臣 国際通貨問題については、ただいまのところは、九月に予定されておりますIMFの総会がアフリカのナイロビで行なわれることになっておりますので、それまでに何とか各国知恵を集めて、安定した国際通貨制度を確立するようにしたいということで、現に、蔵相代理会議が精力的に現在行なわれているわけでございまして、日本の政府といたしましても、まず、代理会議において、できるだけ日本の国益が守られつつ、国際的な安定した通貨制度が確立できるように、現にできるだけの努力をいたしておるわけでございますが、その間、やはり、現状のフロート制というものは続けていくことが適当であろうと考えております。 九月以降にどうなるかということについては、にわかに予断を許しませんけれども、ともかくも、安定した、そして、同時に、調整可能な固定相場を中心にした通貨安定制度というものができることが一番日本のためにも望ましいことである、こう考えておるわけでございます。同時に、現在のところは、三月以来、日本における円・ドルの相場というものは安定した推移をたどっておる。そして、実は、今朝も、月例経済報告を関係閣僚とともに聞いたわけでございますけれども、今日の実質的に安定した相場の影響というものが、輸出の伸びの減と輸入の非常な増大に徴候がかなりあらわれてきたという見方を、企画庁を中心にした経済見通しとしてもしておりますので、この面では、まあまあ小康を得つつある、こう申し上げていいのではないかと思います。 反面において、日本の国内の経済の見通しとしては、やはり、過熱ぎみがまだ続いておる。しかし、これもだんだんに平静になるのではなかろうかと期待しておりますが、よけいなことまで申し上げるようでありますが、何といいましても、物価の騰勢を何とかして食いとめるということに全精力をあげなければならないというのがこれらに関連しての政府の姿勢でございます。
○林(百)委員 四十六年十二月、スミソニアン体制をとったときに一六・八八%の円の切り上げ、三百六十円が三百八円になった。これはもうあなたも十分御承知です。ただいまは、昨日は二百六十五円五十七銭、中心レートの三百八円から一五・九七%アップという数字が出ているわけなんですが、これは、常識的に考えますと、四十六年、四十七年の例で見ますと、輸出関連産業には大きな影響を与えるわけなんですね。あなたは、いま、輸出関連の産業の実勢から言うとやや鈍化してきたというようなことを言われましたけれども、ところが、三月決算の東証上場一部、二部会社の決算状況は一体どういう状態になっているのでしょうか。どうしてこういう状態が出てくるのか、どういう情勢になっているか、これをまず政府からお聞きしたいと思います。新聞にはもう出ておることです。
○愛知国務大臣 一言にして申しますと、日本の経済活動が、スミソニアン体制のくずれつつある状況下において、あるいは、円が実質的に相当の切り上げが行なわれているのにかかわらず、やはり、国内的な景気の動向というものは相当な強含みであり、堅調であるということを示しておる、かように考えるわけでございます。これは、さらに掘り下げて言えば、一昨年、戦後初めて経験いたしました円の価値の変更というようなことで、当時不況下に置かれて、そういう変動が起こった。これに対して、不況になっては困るということで展開されたいろいろの政策というものがこうした結果になっているとも言えるのではないか、こういうふうに見ておるわけでございます。
○林(百)委員 どうも非常に抽象的ですから、具体的な例を申しますと、これはきょうの朝日新聞に出ておるのですけれども、一部、二部上場五百十社について調査したところが、売り上げは一四・二%、経常利益は四〇%、昨年九月期に比べて増。それから、税引き利益が二五・七%の増収益。経常利益の絶対額でも、過去最高の四十五年九月期をすでに上回っている。こういう状態が出ておるわけですね。史上空前の好決算を反映して、増復配をしている会社が、一、二部合わせてすでに百二十二社だ。こういう例も出ているわけですね。これを業種別に見てみますと、海運、鉄鋼、石油、繊維、紙パルプなんですね。これは別に輸出産業とは言えないわけなんですね。こういう面で、このような、史上まれに見るような最高の利益をあげることができるということはどういうことなんですか。ことに、東証の一部、二部上場会社といえば、日本の最高、トップクラスの大企業ですね。これがこんな利益をあげることができるということは、どういうことなんですか。
○愛知国務大臣 これは、端的に言えば、日本の経済全体の非常な強力なエネルギーが発散された結果であって、その中で、いまおあげになりましたような具体的な会社の活動等の上にそれがあらわれているというふうに見てしかるべきではないかと思います。
○林(百)委員 非常にきれいごとを言いますが、それじゃ、いま新聞で報道されております買い占め六社のうちの丸紅の例をひとつとってみます。 これは、売り上げ高が一兆八千二百八十億円、前期に比べて一六・三%増。営業利益は二百二十三億円で、昨年九月期の百七億円に比べて二倍以上になっている。何で丸紅がこんなに大きな利益を得たかというと、まず、木材が三一%、繊維部門で二三%、鉄鋼で二二%、要するに、買い占めているものでばく大な利益をあげているのですよ。これをお認めになりませんか。日本の企業のエネルギーが発揮されたなんて、そんなことは国民に通用しませんよ。大蔵大臣、これをお認めになりませんか。本来なら、円がもう二百六十円台になっているというときに、輸出産業が鈍化しているというときに、国内産業でこんなもうけがある。岩戸景気以上だと言っているのですよ。これは大企業の買い占めによるものですね。買い占め、売り惜しみ、これによる利益以外に考えられないのじゃないですか。そうお思いになりませんか。
○愛知国務大臣 これはもう新聞等に解説されているとおりであり、林さんのおっしゃるとおり……(林(百)委員「それはお認めになりますか」と呼ぶ)ええ、その事実は認めます。 それから、先ほど、抽象的ではございますけれども、言及いたしましたように、それが結局、一昨年来のいわゆる過剰流動性というものに大きな原因があるということを私は言及したつもりでございます。したがって、その事実に対して、各般の施策を総合的に敢行していかなければならない、こういうふうに考えておる次第であります。
○林(百)委員 そこで、国民を苦しめて、こんな、かつてないような利益をあげている、こういう利益に対してはやはり税金をかけて、そして、これを国の手に還元して、国民に恩典を及ぼすようにする、こういう施策を至急に講じなければならないと私は思うのですよ。 そこで、国のほうの法人税を見ますと、これは百分の三十五、四十九年の三月末百分の一・七五付加するということになっているわけですけれども、このような国民の苦しみの中でばく大な利益をあげて、増配、復配をする会社が百二十二社もあり、経常利益が四〇%で、史上まれに見るもので、絶対額で言えばもう前例のないような額だという、こういう事態に対して、法人の税制からいって、この程度でいいとお考えになっていますか。率直なお考えを聞かしてもらいたいと思うのです。
○愛知国務大臣 法人については重課しなければならない。反面におきまして、所得減税といいますか、個人の所得に対して、特に勤労大衆に対してはできるだけの大幅減税をやりたいということをとくと考え、かつ、例年に先んじてことしは作業を開始をいたしまして、来年度には、国民的に御理解がいただけるような、税制の相当大きな改正を断行したい、こう考えております。
○林(百)委員 来年から大体どの程度のことを考えておるのですか。新聞にはこれは出ておるわけなんですですけれども、これはもちろん大体の作業ですから、ここであなたが言ったからそうなったとかならないとかいうことを私は言うつもりはありませんけれども、しかし、質疑応答ですから、もう少し具体的なお話を聞かなければならないと思いますが、大蔵大臣としては、現在の法人税率をどれくらいにお考えになっているか。私たちの政策としては、これは累進的にすべきだと思うのですけれども、実際、円の実質的な再切り上げによって打撃を受けている中小企業もありますから、これはやはり軒並みに一律な法人税の引き上げを課するというわけにはいかないと思います。こういう国民の苦しみの中で、買い占め、売り惜しみによって得た利益に対しては累進的な課税をすべきだと思うのですが、こういう考えがあるかどうか。かりに累進的な課税をしないにしても、現行の税率をどの程度まではできたら引き上げたいというふうにお考えになっているのですか。
○愛知国務大臣 先ほども申したのでありますけれども、基本的に法人に重課をするということで、これから作業を始めようとしておるところでございますが、やはり、一般的に、社会的に、これは一つのコンセンサスだと思うのです。したがいまして、各所各人がいろいろな意見をまだ模索しており、そのいろいろのことが報道の上にもあらわれておりますが、何と申しましても、政府としては、いま検討を一生懸命やっているときでございますから、たとえばこれを何十%にするつもりであるというところまではちょっとまだ私としても言える段階ではございませんが、相当の程度に税率も引き上げたいと思いますし、それから、いわゆる特別措置というものについても、これは洗い直しをやらなければならない。同時に、財政需要というものが、先ほど来のお話にも出ておりますように、年を追うごとにふえるわけでありますから、これに対して財源をどういうふうに考えるか、やはりそれと見合っていかなければならないのではないかと私は思います。 それから、税の体系としても、直接税と間接税との関係、あるいは地方税の関係をどうするか。なかなかこれは関連して複雑な要素がございますから、法人税だけを端的に平均して何十%にするとか、あるいは少額法人に対してはどういうふうな措置をするとかというところまでは、もう少し時間の猶予をしていただきたいと思います。 いずれ、税制調査会も、この国会中にでもひとつお開きをいただいて、十分意見の交換を始めたい。できるだけ早くこれをやりたいと思っておるところでございますし、ただいまのところは、税制調査会における御審議についても、ひとつ思うさまいろいろの御意見を出していただいて、そして、これを政府としてだんだんにとりまとめていくようにいたしたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○林(百)委員 新聞にはもうすでにこういうことが出ておりますが、こういう作業も進んでいるかどうか。その引き上げ幅については、暫定税率を含めて四〇%程度に引き上げたいと考えている、配当部分の税率軽減措置、それから、受け取り配当の益金不算入比率、個人株主の配当控除の見直しというような、こういう法人税制に関する全般的な改正をここで再検討しなければならないだろうということを大蔵省も考えているというように新聞にも出ておるわけなんですが、この程度のことは考えているのですか。
○愛知国務大臣 大蔵省の中でもいろいろ意見交換をやっておりますが、その中の一つの考え方として、いま御指摘のような考え方もあることは事実でございますが、大蔵省全体として、まとめてこうと申し上げるところまではまだいっていないということは先ほど申し上げたとおりでございます。
○林(百)委員 それでは、この問題だけ質問していますと時間がかかりますので、交付税率の問題について、ひとつ根本的に考え直す時期が来ているのではないかというように私も考えるわけなんです。 実は、四十六年度の補正予算では、このときは円の対ドル関係の変動もあったわけですけれども、このときは、一般会計からの補てんが五百二十八億、交付税の特別会計のほうへあったわけですね。これは補てんですから、もらい切りということですね。それから、借り入れが、一般会計から特別会計へ千二百九十六億円、合わせて千八百二十四億円あったわけですね。それから、四十七年では、一般会計からの補てん、これはもらい切りですが、千五十億円、特別会計への借り入れが千六百億で、合わせて二千六百五十億。それから、ことしは、御承知のとおり九百五十億の借り入れ。これは一般会計と交付税特別会計との関係で、ここのところずっと借り入れが続いているわけなんですが、一方、いろいろのファクターがあるわけですけれども、時間の関係上顕著な例だけ申していきますと、やはり、地方財政の窮迫のために地方債の増額が非常に続いているわけですね。一応数字をあげてみますと、昭和四十八年度の地方債計画が総額二兆二千五百三十億円で、これは対前年度当初比の三〇・四%増、非常な大幅な増加を示しているわけです。それから、昭和四十七年度にも、当初は地方債計画一兆七千二百七十八億円でしたけれども、修正後は二兆二千三百五十二億円に地方債計画が組まれたわけなんです。四十七年度末の現在高の地方債を見ますと、自治省の資料によりますと、普通会計分が四兆八千七百二十一億七千三百万円、公営企業債、それから準公営企業債、特別地方債で四兆九千百八十八億一千七百万円、こういうばく大な地方債が累積されてきているわけなんですね。 一例を申しますと、たとえば、埼玉県内の市町村の昭和四十八年度の予算編成の状況を見ますと、予算規模は対前年度比三二・四%増、ところが、市町村債は、この予算規模の対前年度比増よりもさらに高い四七・四%増になっている。それから、積み立てた基金の取りくずしに伴う繰り入れ金が七四・八%の増になっているわけですね。歳入の中に占める市町村債の構成比が一二%。これは、一般会計から交付税特別会計の借り入れが、四十六、四十七、四十八年と続いているということばかりでなくて、地方債がばく大な増、四十七年末の累計がもう九兆七千億になっている。それから、地方自治体の財政規模全体を見ましても、市町村債の増が予算規模の増よりもずっと多くなっている。基金取りくずしの繰り入れ金の額が非常に多くなっている。 こういうときに、大蔵大臣、この交付税の交付率について、もう少し真剣に自治省あたりとも相談なさって、再検討する必要があるじゃないでしょうか。三年間、毎年毎年、一般会計から交付税特別会計が借り入れをするとか、もらい切りの金をもらっているとかいうことは、先ほどの地方税法の精神から言ってもアブノーマルな状態だと思うのですけれども、どうなんでしょうか。あなた、少し色よい返事はできないのでしょうか。
○愛知国務大臣 まず、事実を申し上げてみたいと思うのですけれども、地方債の依存度でございますが、これはわれわれとしても非常に関心を持っているところなんですが、四十八年度では、歳入の依存度が七・四%、それから、四十七年度が八%ですから、四十七年度より低いわけで、これは国の財政よりもよほど姿がよろしいのです。それから、これは歴年、もっと前の年をずっととってみましても、私は、地方財政の全体としての姿はかなり堅実ではないかと思います。 それから、その次に、交付税の問題で色よい返事をというお話しなんですが、これは、先ほど山本委員に私が非常に率直にお答えしたのは、交付税制度というものが今日まで考えられ、かつ法制的に組み立てられているのは、要するに、国と地方の財源の調整と申しますか、そういう制度であるということになっておりますので、そういう点から言って、相当の期間にわたって著しく地方財政が困難であるということがなければ、地方財政及び地方交付税の税率に手をつけることができないというのがたてまえであると、これをいままで順奉してまいりました。そして、財政需要との関係から申しましても、これを上げる必要はなかったのでございます。それから、いまこれを変えろとおっしゃっても、そういうたてまえから言いまして、いまここで三二%を三十数%に上げるということはお答えすることはできませんということを率直に申し上げましたが、同時に、四十九年度でどうするかということは、先ほど来も、わずかな時間ではありましても、各委員の方々からも、地方財政あるいは財政需要に対するいろいろの御要請を承っておる。非常に参考になるわけで、四十九年度に地方財政計画をどういうふうに考えるか、総合的な観点から、地方債をも含めて財源構成をどうするかという、そのワクの中で検討しなければならぬ問題であると、こういうふうに私は考えておるわけでございます。これだけを取り上げて交付税の税率を上げないかと言われても、端的にその点にイエスといって色よい返事をすることはできません。これが私の現在の立場でございます。
○林(百)委員 毎年毎年約二千億近く、補正も入れて一般会計から交付税の特別会計が借り入れ、あるいはもらい切りもありますけれども、ということは、弾力性のない地方財政なんですから、国の財政と違いますから、そこのところを頭に入れておいてもらわないと困ると思うのですよ。たとえば、起債の比率も、国の比率と地方財政の比率と違うじゃないかと言われますけれども、しかし、たとえば地方財政の硬直性というか、弾力性のなさというものは、国とは比較にならないんですからね。そこのところをよく頭に入れて考えていただかなければ、国の公債比率よりは低いから、そのくらいの、九兆円くらいの負債はたいした不健全さじゃないということは、これは、やはり、地方自治体の財政の実情を御存じにならない大蔵大臣の答弁だと思うのです。しかも、赤字団体がだんだんふえていますからね。 それで、それに関連してお聞きしますが、国のほうは公債が発行できるわけです。たとえば、今年度も二兆三千億くらいの公債を発行した。そして、公共投資をして国内景気を刺激するということ、それは補助金というような対象で入ってくるわけですね。地方自治体にいくわけですね。地方自治体はそれに見合う費用を捻出しなければならないわけですね。ところが、三税であれば、三税の交付税であれば、三二%のちゃんと見合うものが来るわけなんですけれども、公債に対しては、それに対する一定の比率が地方自治体へ還元されませんから、国のほうは幾らでも公債でふくらみますよ。地方自治体のほうとしては、国で計画しました公債に、しかも、それが公共事業に投資される補助金というような形で来る。それに見合う資金、対応する資金を捻出しなければならないわけですね。それについては、一体どういうように大蔵大臣としてはお考えになるのですか。都道府県知事会議の決議としては、国がこういう地方債を発行するとするならば、少なくともそれに見合う三二%程度のものを、あるいは、このうちで三税に実質的に見合うものについての三二%のものを地方に還元してもらわなければ、国のほうでこういう大きな公債を発行して、そして、公共事業をどんどんやって国内景気を刺激するというような政策をとられても、地方自治体ではそれに対応する費用を捻出することはとうていできないんだ、お返ししなければいけないんだと、現に沖繩県あたりではそう言っているわけですね。これについてはどういうふうにお考えになりますか。
○愛知国務大臣 これはもうよく御案内のことでありますし、私もかつて地方財政を担当したこともございますので、実情はよくわかるつもりでございます。確かに、お話しのように、国が事業をきめた、そして、それに対応して地方がこれに応じなければならぬ、これは地方公共団体としては非常に苦心を要するところであり、これに対しては、大蔵省としても、よく実情を掌握して、あたたかい、強力な支援体制を持たなければいけないということは当然のことでございますし、私も、それはわきまえておるつもりでございます。ですから、自主財源と地方債と、そして交付税と、三本立てで全体の需要に対応していかなければならない。それから、毎年借り入れとかもらい金をしているのは自主性がないというお話しもございますが、四十八年度で言えば、これは四十九年度を見通していけば、必ず一年間で返せる。そして、これで非常にすっきりした姿になる。最近数年間のいろいろの経緯はございましたが、これを顧みてみて、四十八年度から四十九年度になりますと、一応すっきりした姿になる。それを踏まえて、今後増加する需要に対してどう対応していくかということを、積極的に、総合的に考えてまいりたい。したがって、税制の、先ほど申しました国税の抜本的な改正につきましても、地方の財源ということも十分考えて、国、地方を通ずる税制の改正ということで取り上げていきたいものである、こう考えておるわけであります。 それから、たとえばいま御指摘の中にもございますけれども、地方債についても、確かに御指摘のようなことがあるわけです。それから、たとえば縁故債というようなものも、これに非常にたよらなければならない。これの消化についても、地域によってずいぶん需要は違いますけれども、御苦心になっておるところが多いわけで、こういうところに対しては、地方債の消化とか引き受けについて、これは金融行政のまた一環になりますけれども、大蔵省といたしましても、できるだけの御協力をしておるつもりでございますが、なお、これらに対しましてもいろいろの御指摘をいただいて、これをできるだけ取り上げて施策の上に実現するようにしたい。抽象的でございますが、気持ちとしてはそういう気持ちでやってまいりたいと思っております。
○林(百)委員 もう一問。これで終わります。 これも各委員の聞かれたことですが、まだ問題が残っておる部分がありますので、これをどうするかということをお聞きしたいと思うのです。超過負担の問題です。 御承知のとおり、全国の知事会議の調査によれば、四十五年度で二千六十九億円の超過負担があるということで、自治省も、額の程度は別としても、超過負担があるということを一応認められて、そして、大蔵省と調査された。その結果、五百六億という超過負担があるということになり、とりあえず、本年度、その解消のために二百八十三億の予算を組んだということになっているわけなんですけれども、しかし、御承知のとおり、これは昭和四十七年に四十六年度分の六項目だけを調査したわけですね。あとの項目についてはどうされるのか、そして、それについて超過負担があることがわかった場合にはどういう措置をなされるのか、そして、今後は超過負担は絶対に生じないとお考えになっているのか、その辺のところを確かめて私の質問を終わります。
○愛知国務大臣 これもざっくばらんにお答えいたしますけれども、六項目が一番大きな問題なんでございます。そして、六項目について、これは一省だけでやったのでは客観性に乏しいということで、たしか、六省で共同調査をして、そこで出た結論を、四十八年、四十九年で解消しよう——これは六項目でそういっているうちに、また物価が上がり、単価が上がり、追っかけ追っかけになっていることは否定できませんけれども、とにかく、四十九年度中に、この六項目については超過負担の解消をやり遂げたい。そして、その間必要があれば、六項目以外にも調査をし、かつ対象を広げてかまわないと思いますけれども、私のざっくばらんな気持ちは、六項目が整理できれば、これはよほどよくなると思っておりまして、まず、ここに重点を置いていきたいと考えておるわけであります。
○林(百)委員 じゃ、時間がありませんから……。
○上村委員長 折小野良一君。
○折小野委員 昨年沖繩が返還になりまして、一日も早く沖繩を本土並みにということでいろいろな対策がとられてまいっておるわけでございますが、その一環といたしまして、本年度、沖繩関係の地方交付税に当たるものとして、国の一般会計から三百八十八億円が出されるということになってまいっております。しかし、御存じのとおり、沖繩の実態というものは、現在の本土の実態からいたしますと非常に違うわけでありまして、この際よほど力を入れなければ、本土並みになることはなかなかむずかしい。こういう面から、この交付税相当の特別措置の金額にいたしましても、考慮がなされておるはずでございます。今回、五百十億を、一応昨年度の平年度並みのならしということにいたしまして、それを基礎にして三百八十八億というものが計上されておるわけでございますが、その中で、沖繩の特殊事情というものが、これは金額でも比率でもけっこうでございますが、どの程度加味されておるのか、お伺いをいたします。
○長岡政府委員 御質問の趣旨をちょっと私理解いたしかねたのでございますが、今回計算をいたしております臨時沖繩特別交付金につきましては、ただいま先生のお話しのありました三百八十八億円が計上されておるわけでございますが、これは、性格的に申しまして、制度そのものといたしましては、本来、沖繩が本土に復帰いたしまして沖繩県になれば、地方交付税制度の中に入ってしまうべき性格のものではございますけれども、沖繩復帰直後のいろいろの特殊事情も考えまして、そういうような沖繩の特殊な事情を考慮に入れて、普通の交付税交付金のほかに、特別の、これだけの金額の計上をいたしたわけであります。ですから、沖繩のための特別の交付金であるという説明もできますとともに、これがなければ、いわばそのしわが本土の他の地方公共団体に及ぶわけでございますから、全体の交付税の中でまかなっていくと考えました場合には、沖繩という新しい仲間が入ってまいりました場合に、当然、沖繩の復帰に伴う三税の三二%よりも沖繩の財政需要のほうが非常に大きいということになりますと、そのしわは沖繩以外の府県や市町村にも及ぶということも配慮いたしまして、沖繩復帰後五カ年間に限る臨時的な措置として設けられた制度でございます。 御質問の趣旨が、どの程度に沖繩の特殊事情が加味されておるかという点でございますが、こまかい積算の基礎は別といたしまして、その際には、沖繩の特殊な財政需要等を勘案した上で、四十七年度三百六十五億円という金額を想定をしまして、これを、その後五年間にわたって、次第に、いわゆる一般的なこうした地方交付税制度の中に吸収されていくという考え方で四十七年度は——失礼いたしました。五百十億を基礎として、その年度途中で、復帰いたしました五月十五日以降の金額を調整をいたしました四百五十七億円の八割を特別に交付をするということで三百六十五億円が出たわけでございますが、四十八年度はこの五百十億円を基礎にいたしまして、四十七年度から八年度への国税三税の収入の伸び率によってこの金額を伸ばしまして、先ほど申し上げました五年間に次第に一般の交付税制度の中に吸収されていくという仕組みに基づきまして、四十七年度はその八割を特別に交付いたしましたが、四十八年度は、これを逓減いたしまして、その六割を交付するということにいたしまして、先ほど先生がおっしゃいました三百八十八億円というものを臨時沖繩特別交付金として予算に計上した次第であります。
○折小野委員 いまの御答弁の中に、私が聞き違えたかどうか知りませんけれども、三百八十八億というのは、結局、沖繩の特殊性であるというふうに聞こえるような御答弁がございましたが、そうじゃございませんね。
○長岡政府委員 特殊性というのは、私は、いまお答え申し上げたことで間違っていないと思うのでございますけれども、沖繩に交付される交付税の額というのは当然これだけではないわけでございまして、こういうものが本来の交付税に加わって、沖繩の財政需要を満たすために交付される、こういうことになるわけであります。
○折小野委員 沖繩の特殊性なんですが、これは、一般的な特殊性というものもあろうかと思いますが、しかし、復帰に伴います現実の推移の中で出てくる特殊性というものもいろいろあるわけでございます。特に、復帰の前後、急激な物価の高騰あるいは経済の混乱というものが見られた。そういうものが尾を引きまして、最近は、特に、土地の買い占めであるとか、その他いろいろな特殊な事情が出てまいっておるわけであります。したがって、復帰のときに沖繩の特殊事情を考慮するということでいろいろな措置が講ぜられておるのですが、現在の沖繩におきます県並びに市町村の行財政の運営というのは非常に困っておるという実情を聞いております。もちろん、資材が少なかったり、あるいは値上がりしたり、あるいは人が足りなかったり、人件費が上がったり、こういう実情は本土の中にも幾分あるのですが、しかし、それは沖繩において特にはなはだしいということを聞いておるわけなんですが、そういうような現実の実態というものがこういう中で考慮されておるのかどうか。あるいは、考慮しなければ、今後の沖繩の行政というものは破綻をするのじゃなかろうかということを懸念するわけです。ですから、今回どれだけそういう実態というものが考慮されたか、あるいは、今後そういうものをさらに考慮していくのかどうか、こういう点をお尋ねしたいわけなんです。
○愛知国務大臣 御質問の趣旨にあるいは沿わないかもしれませんけれども、地方財政の制度から見る沖繩問題以外に、政府としての特殊性に対する施策もあるということも御承知であると思います。たとえば、公共事業関係の経費で申しましても、これは沖繩開発庁が直接担当するわけでございますし、それから、他の都道府県とは異なりまして、補助率等もこれはずっと国が多いわけでございますが、特に、沖繩開発庁関係として掲げられておりますものも五百二十七億というふうになっております。この中には、それは海洋博覧会というようなものも含んではおりますけれども、道路、港湾、漁港、生活環境施設等といったような、直接沖繩県民のためになるような点について、一般会計から直接配慮しておるものも相当にあるということもつけ加えて申し上げておきたいと思います。
○折小野委員 もちろん、ただいま大臣のおっしゃったことは承知をいたしております。また、そういう面であらゆる配慮がなされてしかるべきであるというふうに考えております。しかし、短期的な現状を見てみますと、そういうようなことをやられておることがかえって沖繩の現状を混乱におとしいれておるという面もないではないわけであります。先ほど申し上げた物価の問題とか、その他資材の不足とか、いろいろな問題も、これは、よかれとしてやっておられる沖繩の海洋博なんかの影響というものもないわけではないのであります。そういう面の配慮というものも十分なさきてやってまいらなければならないと思います。しかし、時間もございませんので、こういう面についてこまかに申し上げるわけにまいりませんので、その点については、ひとつ十分な配慮をしていただきたいということであります。 この特別交付金がことしは〇・六、来年は〇・四、その次には〇・二というふうにだんだん減らされていくわけなんであります。と申しますことは、結局、なしくずしに交付税の金を食っていくということになっておるわけであります。先ほどの答弁にもありましたように、沖繩県というのが新たに加わったわけですから、その分だけ財政需要がそっくりふえたといたしますならば、それに応ずる歳入というものも当然考えていかなければならない。しかし、それが一応は考えられておるのでありますが、だんだん減らされていくということは、地方財政全体からいたしますと、結局総体的に財源が減ってくるということになってまいるわけでございますので、こういう面につきましては、今後、交付税の充実といいますか、少なくもこの点からでも考えてまいらなければならないのではないかというふうに考えますが、いかがでございますか。
○長岡政府委員 この臨時交付金が、先ほどお答え申し上げましたような性格のものであります関係上、五カ年間で逓減いたすわけでございますが、そうなりましても、沖繩自体に交付されます交付税にしわが寄るわけではありません。結局、沖繩に必要な基準財政需要額をまかなうだけのものは当然確保されるわけでございますが、御指摘のとおり、全体の問題として、これがどういう影響を与えるかという点でございますが、私どもといたしましては、現在のところ、確たるお答えを申し上げるのはいかがかとは存じますけれども、四年後の地方財政の規模と、それに対応する交付税全体の金額とは、沖繩のこの臨時交付金が五年間で逓減することによって全体の地方財政がまかなえなくなるとは考えておりませんけれども、全体の問題としては、当然その時点においては検討さるべき問題であろうか、かように考えております。
○折小野委員 臨時措置が終わったあとには、ということでございますが、終わらない現在の状態においても、全体の地方財政からいきますと、これだけ財源が減っておるわけでございますから、それ並みには考慮していただくのが至当ではなかろうかと考えます。理屈からいきますと、やはり、それだけの分をふやすことは、沖繩が復帰した以上当然でございまして、先ほどから三二%の交付税率についていろいろ御意見がございましたが、少なくも、三二%プラス幾らかというようなことで考慮していくのが至当じゃなかろうか。これは沖繩だけの問題でございますが、そういうようなことで、今後の地方財源全般から見ますと、交付税あるいは地方税、あるいは起債、というようないろいろな財源がございます。今後いろいろな面で、地方自治が担当してまいらなければならない公共事業というものはふえてまいるわけでございますし、特に、福祉重点の施策を講じていこうというふうにされるならば、自治体がやらなければならない仕事というものは当然ますますふえてくると思うのです。これがふえてくるということになりますと、当然、それに応ずる財源というものを考えてまいらなければならない。 福祉元年といわれる四十八年度におきましては、それほど十分な配慮がなかったからと言えばそれまででございますが、それに対応する形というものは何かといいますと、地方債をふやすということでございます。地方財政計画の中で一番伸び率の高いのは地方債でございます。しかし、そういうような状態を今後続けてまいりますと、やがては地方財政というものも破綻に瀕する。そしてまた、公共事業というものも十分な成果をあげるわけにはまいらない。国民の福祉も阻害されるということになってまいります。そういうような面からいたしますと、地方税の面におきましても、交付税の面におきましても、もっともっとふやすべきだ、そういう方向で十分な検討がなされるべきだというふうに考えます。現段階で三二%を幾らにするということはおっしゃれないだろうと思いますが、少なくも前向きの姿勢で御検討をいただきたい。そしてまた、地方税におきましても、そういう面を考慮していただきたいと思いますが、ひとつ、これについてお伺いいたします。 国税につきましては、法人課税の強化ということを考慮して検討しようというようにされておると承知いたしておりますが、地方税の方面におきまして、法人課税の強化というものに対する大蔵大臣の御見解を賜わっておきたいと思います。
○愛知国務大臣 地方税の問題になりますと、これは自治省のほうからお答えいただく筋合いでございますが、お尋ねでございますから、私から申し上げますと、先ほどもちょっと触れましたけれども、法人に重課するということは、これはもう国民的なコンセンサスになりつつあるように私は理解いたしております。したがって、国の法人税についても、税率を含めまして前向きに検討を始めておるわけでございますが、やはり、これは地方税も通じて取り上げてまいらなければなりませんし、それから、先ほど申しましたように、税制調査会は、国税、地方税を通じて、総理大臣の諮問機関としてあるわけでございますから、税制調査会におきましても、地方税としての法人に対する賦課をどういうふうにやるべきかということはあわせて十分検討していただきたいものである、かように考えております。
○折小野委員 現在の地方行財政の大きな流れからいたしますと、税収を強化するという方向は、いわゆる都市的な財源を確立するということに大体通じてまいります。交付税をふやすという方向は、過疎対策を中心とした方向だというような面が一応考えられるわけでございます。今日、過密、過疎、いずれも非常に大きな問題を持っておるわけでございまして、特に、政府が過密と過疎の同時解消ということを言われる以上は、この両財源ともに強化をして、そして、調和のとれた国土をつくっていく、こういう方向でなければなるまいというふうに考えるわけでございます。したがって、私どもといたしましては、今日までのような、そしてまた四十八年度に見られるような、起債をふやすことによって当面を糊塗するということでなしに、自主財源を強化する、税収もふやす、交付税も相当程度に拡充する、こういうような方向で特に検討すべきであるというふうに考えるわけでございまして、最後に、大臣の御所見を伺って私の質問を終わります。
○愛知国務大臣 私も同じような考えを持っているわけでございまして、地方行財政を通じまして、財政需要に対して総合的に税源を考えていくという角度で私も検討してまいりたい、かように考えておる次第でございます。 特に、地方債について再三御言及でございましたが、私は、先ほど申しましたように、地方債の依存度というものは、現在のところでは、国の場合よりもかえって姿がよろしいということを申しましたのですが、地方債の依存度というものがふえることは決して望ましいことではない、こういうことも私もあわせて考えておりますので、大体の考え方は同じような考え方をとっているように私もお話を理解させていただいた次第でございます。
○折小野委員 終わります。ありがとうございました。
○上村委員長 この際、午後三時三十分から再開することとし、暫時休憩いたします。 午後一時十四分休憩 ————◇————— 午後三時三十八分開議
○上村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 地方交付税法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。細谷治嘉君。
○細谷委員 最初に、地方交付税の問題に入る前に、地方財政上の問題で、重要な問題でありますので、その点についてまずお尋ねしたいと思います。 私も、最近、地方の公共団体の長にしばしばお会いするわけでありますけれども、その際に、異口同音に訴えられることは、建設資材のものすごい値上がりによりまして、四十八年度の予算はできたけれども、その予算に組み込まれておる事業費予定では、どの業者も指名競争入札では落札しない、そこで、最低の札に対して、随意契約という非常手段を講じておるわけであるけれども、その随意契約でもなかなか落札しない、引き受け手がない、こういうことを聞くのであります。物価、特に、建設資材のたいへんな値上がりでありますから、私も、さもあらんと思います。 そこで、お尋ねいたしたい点は、四月の十六日に自治省もこの辺を察知されたと思うのであります。と申しますのは、同じ四月の十六日に、地方六団体が、公共事業の実施対策での緊急要望というもので、私が申し上げたようなことについて、緊急な対策を講じてほしいという要望がございました。その前に、四月の九日に、全国町村会が、公共事業用セメント資材の確保についての要望を出されております。こういう要望を受けられたかと思うのでありますけれども、先ほど申し上げました四月十六日に、自治省は、「昭和四十七年度および昭和四十八年度の公共事業等の施行について」ということで各省に要請をされておるようであります。その要請書を拝見いたしますと、最後に、「貴省庁において講ずることとされた措置内容について、折り返し当職までお知らせ願います。」という要請を各省に出しておるわけであります。 そこで、これは四月十六日でありますから、すでに一カ月近くたっておるわけでありますから、私は、各省からこういう問題についてある程度回答を得ておるものというふうに期待いたしておりましたけれども、私が、各省から得た点について資料をいただきたいということを申し出をいたしましたところが、昨日、自治省のほうから、関係省庁に求めた物価値上がりに伴う措置については、まだ何ら回答を得ておらない、自治体の予算措置状況は把握していないという回答を得たわけであります。 第一は、各省庁に要請をしたわけでありますけれども、その回答を得ていない。これは各省庁も悪いでしょう。しかし、自治省も、自治体の予算措置状況については全く把握していないということもおかしい。地方公共団体が、六団体がこれだけの申し入れをしているわけでありますから、それから一カ月近くたつわけでありますから、それについて何らの把握もしていないということも、これはおかしいと思うのです。 各省庁にお尋ねいたしますが、まず、自治省のほうから、この問題についての状況をお聞かせいただきたいと思います。
○江崎国務大臣 自治省は、公共事業の実施対策に対する緊急要望を地方六団体から受けまして、まさにそういう事態であろうということを十分認識して、いま御指摘のような措置を、各官房の会計課長にとったわけであります。 一方、私も、閣議におきまして同じ趣旨のことを発言いたしまして、超過負担の問題がやかましく言われておるおりから、かりそめにも、この値上がりによって超過負担を地方にしいるような結果にならないように十分弾力的に配慮されたいということを、各関係大臣に強く要請をいたしておきました。これは、閣議においても、もっともであるということで、全部了承をされたところであります。 いま、お話しのように、自治省としては、的確に推移を情報キャッチしまして、そうして、これに対応して機宜の措置をとるという体制をとっております。まだまとまった報告に接しないというふうないま御指摘でございまするが、何せ、この通達を出しましてからまだほんの二十日余りということでありまするが、詳しい内容等につきましては、その後の経過等につきましては、事務当局からお答えをいたさせたいと思います。
○鎌田政府委員 関係各省に対しましての私どものほうのお願いに対するお答えは、まだいただいておりません。これにつきましては、それぞれの各省いずれもまた、その省としての方針あるいは大蔵省との打ち合わせといったことで調整をしておられるものと思います。 それから、地方の実情についてでございますが、これは、今月の十六日の日に、私どものほうで、全国の財政課長、地方課長を緊急に集めております。その会議の席で、県の実情——それから、地方課長の場合でございますと、全市町村くまなくというのは時間的に余裕がございませんので、目ぼしい市町村の事例について、資料をもつで、私どものところで、当日、この問題を中心に会議をすることにいたしております。
○細谷委員 今月の、五月の十六日ですね。来週にやるというわけですね。
○鎌田政府委員 そうです。
○細谷委員 実は、この問題は、四十七年度の、いわゆる公共事業を中心といたしました大型補正をやった際からもう問題になっておるわけでありまして、セメント、木材、その他の建材等の異常な値上がり——きょうの新聞によりますと、衛生陶器ももう入らないということすら書かれてあるわけですね。そういうことでありまして、たとえば、私の手元に、北海道の町村会の会長の宮野さんという方から、この問題についての要望をした写しをもらっておるわけでありますけれども、それによる状況を見ますと、札幌の商工会議所が調べたところでは、建材全体として四〇%の値上がり、それから、木材は八九・八%の値上がりだということで、これは四十八年二月現在の状況で、前年同月比であります。それから、家具、建具等が三七・四%、これが北海道の状況であります。これは全国各地のものも十分私は持っておりませんけれども、ほかのところも全く同様ですね。二倍くらいに上がっておるわけです。したがって、二割くらいの事業費の単価の引き上げをやっておるところですらもどうにもならないという状況であります。 そこで、まず、そういう事業を持っております大きなところといいますと、建設省でありますが、自治省に報告なさっておらないようでありますけれども、建設省としてはどういうような対策を講じておるのか、現状はどうなのか、どう対策を講じようとするのか、まずお伺いしておきたいと思います。
○加藤(隆)説明員 建設省の地方厚生課長の加藤でございます。 実は、私ども直轄を対象にしておるのですが、官房長、会計課長が別の委員会に出ておりますので、代理で申し上げます。 御指摘の点は、異常な物価の値上がりに対してどう対処するかという御質問かと思いますが、私どもとしましては、まず、最初に、既契約分、つまり、四十七年度の契約では、その年度で繰り越したものが相当ございます。直轄、補助を含めまして、約千三百五十億ほどございます。これらに対しまして、通常契約に基づきますと、通常の場合ですと、有償で繰り越しを認めるわけですが、これは異常な値上がりだということで、無償で繰り越しを認めて、三月末期を過ごしてきて、いま申し上げたような数字の繰り越し額が全体としてはある。ところが、繰り越し後も、資材が入らないとか、工事が完成できないものがあるのです。したがって、新年度に入って、いわゆる適正単価で契約更改を認めるということを——これは業界筋あるいは国会でも相当議論になりまして、最近、特に補助工事に多いわけですが、公共土木工事に関しましては何らかの措置を打たなければいかぬだろうということで、旧契約約款の、いうところのインフレ条項を適用しまして、平たく言えば、残工事、つまり繰り越された残工事、未済の残工事額を対象にしまして、それが百分の八ないし十をこえたものについては契約更改を認めよう。もっとも、その前提として、全然四十七年度工事をやっていないというところは問題になりませんので、およそ四〇%以上の進捗率のあるもの、こういう二つの条件を課しまして、それについては発注者、受注者ともに折半で、お互いに異常な物価値上がりに対する対処をしてその工事を仕上げていこう。実は、これはいままでいろいろ検討されたのですが、ごく最近、府県の照会に答えて通達することにしております。それが既契約分に対するものでございます。 もう一つ、御指摘のように、先ほど実例で申されましたが、新年度に入ってからも異常な単価の高騰がございます。これに対しては、なかなか落札しないじゃないかという問題がございます。これは、適正な単価で設計書、内訳書といったものを積算して、もう一回契約をするよりしかたがないのじゃないかというふうに考えております。 根本的には、労務、資材が安定するというのが大前提になるのですが、なかんずく鋼材、木材、セメント等、公共土木に非常に関係のある資材については、御案内だとも思いますが、それぞれの農林省さんあるいは通産省さんにおいて生産調整の手だてを打たれているように聞いております。 〔委員長退席、中村(弘)委員長代理着席〕 それが前提になろうかと思いますけれども、私どものほうとしましては、事務的には、新しい契約が落札しないという問題につきましては、それぞれの地域におけるそれぞれの適正単価で再設計、再見積もりをやって、契約を再度やるよりしかたがないのじゃないか、こんなふうに考えております。
○細谷委員 いまのお答えは、主として国の工事についてのお答えだろうと思うのですが、補助工事についても同様ですか。
○加藤(隆)説明員 前段に申し上げました既契約分に対する措置としましては、これは主として補助工事の要請に基づいております。私どもの地方厚生課はまさに直轄を担当しておるのでございますが、直轄工事で申しますと、七〇%ないし八〇%、四十七年度工事については済んでおります。それで、非常におくれておるのは補助工事でございまして、一部の県から非常に要請が強うございまして、先ほど申し上げたようなことを検討して、ごく最近通達することにしております。
○細谷委員 超過負担の多い文部省等の学校建築はどうなっていますか。
○菅野説明員 教育施設部長でございます。 文部省といたしましても、学校建築を所管しておりますのは当教育施設部でございますが、ただいまのお話しのように、直轄といたしましての国立文教の関係と、補助事業の公立文教とがございます。ただいまの御質問は、主として自治体に関連する公立文教の関係の御質問だと思いますが、これにつきましては、やはり、国立文教とも同じように、単価の関係につきましては——実は、私も技術屋でございますが、その単価の異常な値上がりということは、施設を実施する責任者といたしましては、被害者といいましょうか、非常に困ったことだと考えておりまして、物価が異常な値上がりをしないように努力をしたいというのが基本的な気持ちでございますが、もちろん、いまお話がございましたように、これは文部省だけでなく、関係各省の御協力を得なければならない点もございます。 それで、四十八年度の建築単価につきましては、これも政府全体の各省とも関連がある問題でございますが、なお、四十八年度の事業実施につきましては若干の推移を見る必要があると思いますので、その間に、これに関連する諸措置の効果を見きわめる必要もあり、その上で、予算執行の段階において、十分財政当局との打ち合わせもいたしまして、実情に即したように検討してみる必要がある、こういうふうに考えております。
○細谷委員 運輸省は。
○久田説明員 港湾局の建設課長をいたしております久田でございます。 港湾関係の事業につきましては、まず、直轄事業につきましてはさほどの影響が出ておりませんので、いまのところ特段の措置をとる必要はないと存じておりますが、地方公共団体の実施いたしております補助事業につきましては、建設省さんと同様相当の影響が出てきておりますので、さらに実態を十分に把握いたしまして、著しく実情に沿わないということが判明いたしましたら、関係の各省庁とよく御相談いたしまして対策をとっていきたい、かように考えておる次第でございます。 なお、四十八年度の発注分につきましては、特に、発注の時期をなるべく平準化いたすように指導をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
○細谷委員 時間があまりありませんから、厚生省もいらっしゃっておるのですけれども、ちょっと次に質問を進めさせていただきたいと思います。 先ほど大蔵大臣がこちらに参りまして、山本委員がこの点について大蔵大臣の考えをただしたわけでありますが、大蔵大臣の考え方というのは、一口に言いますと、予算に計上してある事業量は減らしたくない、減らさない、こういうことであります。減らさないということになりますと、これは事業費を上げていく以外にない、こういうことになります。主計官おりますね。どうなんですか。
○加藤(隆)説明員 先ほど大蔵大臣が山本委員の御質問に関連して答えた中で、そういうふうに受け取られる個所があったかと思いますので、細谷委員の御質問があるというので確かめましたところ、大臣の真意は、予算でつくった事業量がある、それを確保したい、ところが、物価が上がっておる、両方を考え合わせながら、どうしたらいいだろうかということを考えているというふうにお答えになった、私はそういうふうにとったんですが、そういうふうなことに聞いております。
○細谷委員 いまは五月の十日を過ぎた段階でありますから、まだ一年は十カ月以上ある。従来でありますと、公共事業はこれからということですよ。ですから、大蔵大臣としては、事業量を減らすということはなかなか言いにくいと思うのですね。しかし、事態は明瞭なんですね。ものすごい物価の値上がりです。しかも、また、たとえばセメントを例にとりますと、一俵三百円であったものが千五百円なんという実態ですね。それでセメントの問題が片づくかといいますと、たとえば、四十八年度の第一・四半期のセメントの年間需要予想というのが、官公需が千二百四十万トン、民需が七百七十万トン、大体において六対四ということですね。四十八年度全体は、官公需が四千八百九十万トン、民需が三千百九十万トン、合計八千八十万トンというのが見込まれておるわけですね。ところが、大体において、今年の二月のセメントの生産能力というものは七千三百二十七万トンしかないわけですよ。七千三百二十七万トンの生産能力しかない。それを八千万トンつくるなんということはできない。しかも、セメントの生産能力というのが、大体適正稼働率というのは八〇%弱だといわれておるんです。それを、九四%ぐらいの稼働率で昨年の暮れあたりやっておってこういう状態です。これはセメントを一例としてとったわけでありますけれども、このセメントなり建設資材というものが、下がる可能性というのを期待することは無理だと私は思う。 こういう中において、事業量を減らさないで大体それを消化していこうということになりますと、これは間違いなく財政措置をしなければならぬ、こういうことになるわけですね。予算に計上されている事業費は変わらないんだ、その中において事業量をきめていくんだ、こういうことであればよろしいわけでありますけれども、事業量を固定しておいてやるということになりますと、これはもうどう見ても財政措置をしなければならぬ、こういうふうに思うわけでありますが、この点、大臣、どうなりますか。
○加藤(隆)説明員 セメントの問題でございますが、まずは、この四月十二日に物価対策閣僚協議会が開かれまして、生産、流通面の措置がきめこまかくとられたのは御承知のとおりでございまして、先ほど大蔵大臣が答えましたように、繰り延べの措置によりまして、繰り延べ対象の経費の総額が大体七兆くらいになりますが、かなりのものを前半押えるというようなことを財政面からやりますとともに、年初来の金融政策における預金準備率とか、公定歩合とか、窓口規制とか、こういうようなことで全般の超過需要を押えてまいるわけでございますので、相当いろいろむずかしい問題があるでしょうが、そういうような総合的な物価対策の中で、予算執行をどう考えるかということになるわけでございます。その場合に、普通一般の公共事業については、先ほど建設省のほうから御答弁申し上げたように、いまようやく各省実施計画の内部作業に入っておりまして、まだわれわれのほうには持ち込まれておりませんが、一般の公共事業につきましては、簡単に申せば、事業量を圧縮して単価を上げるというやり方で従来からやっております。そういうようなやり方をやっていくことになると思います。 それから、次の公営住宅であるとか、文教施設あるいは保育所とか、われわれのほうでセットものと言っておりますが、こういうようなものをどうするか。これにつきましては、担当省庁のほうで内部の作業を現在進めておりまして、われわれのほうは話を聞いておりませんが、大蔵大臣が申し上げましたように、せっかくできた予算で、まだ日も浅く、予算成立後まだ幾日もたっておりませんが、大臣といたされましては、予算の事業量は確保したい。しかし、物価は非常に上がっておるというので、各省の対策をいろいろ伺いながら、これから議論をするという段取りにあるわけでございます。ですから、物価の値上がりが、総合的な対策でどういうふうになっていくか、各省がどういうふうにそれに対処するのか。私の担当の地方財政の角度から申しますと、単価値上げを公共団体にしわ寄せするというようなかっこうでの解決というのは絶対にやめてもらいたいし、大蔵省といたしましては、そういうようなことは毛頭考えておりません。各省がどういうふうな対策をおとりになるのか、場合によっては事業量が落ちるのか、あるいは、物価がかなり鎮静化してゆるやかになり、金融政策なりの効果があがって物価がある程度おさまるというようなことで解決できるのか、あるいは両方のミックスになるのか、もうしばらく時間をいただきたいというふうに考えております。
○細谷委員 どうも、政府の確たる方針がはっきりしない。大蔵大臣は、やはり事業量は守っていきたいということだった。地方公共団体はどうしますか。事業量を守るのか、守らないのか、わからぬ。守った場合には、財政上の措置はやっていただける確実な見通しもない、こういうことになりますと、国のほうはいいでしょうけれども、大臣、地方公共団体はどうにもならない。 私は、ある市長さんに聞きました。ある市長はこう言っているのです。自分のところは、予算が通った四月の一日と三日に、急ぐものは全部入札にした、落ちなかったものは、随契でかなりのものは許可したと言っておりました。たまたま業者が仕事を持たぬために、出血覚悟で、随契でそれを請負ったんじゃないかと思うのです。これは長続きいたしません。 ですから、これは自治大臣としてはっきりしていただかぬと、大蔵大臣のことばを主計官がくずしているようなものですから、自治大臣としてこの際はっきりしていただかぬと、事業量がはっきりしない。しかし、大蔵大臣ははっきり言っておりましたね。上半期には五九・二%やるのだ、その中では、積雪寒冷地域の事業については、新聞に書いてあるように七七・一%、それから、災害復旧事業については六八・八%、こういうふうに、気候の関係とか、あるいは災害復旧等については鋭意やる、こういうことです。しかし、その他の地域の公共事業については、前年度は七六・三でありましたけれども、今度はスローダウンする、ですから五九・二だ、こう言っております。これは後半になってまいりますね。地方公共団体は手がつけられません。どうなさるのか、政府の方針をこの際きちんとしていただきませんと困る。今度の予算の本質というのは、これはあとで質問いたしますけれども、公共事業を主軸として日本列島改造をやっていこうというのが政府の方針でしょう。この方針をはっきりしていただかぬと困ると思うのです。いかがですか。
○江崎国務大臣 まさに、重要な御指摘だと思います。そこで、私どもとしては、地方の実情を的確に把握することと同時に、いまおっしゃるように、国の方針を確定すること、これが何よりも急務だというふうに思います。 セメントの対策では、韓国から緊急輸入をするなど、あらゆる手を打っておるわけでありますが、まだ値段は鎮静いたしておりません。やや鎮静の方向に向かったということは言えるでしょうが、以前の値段に比べますと高いというような場面でございますので、これは関係各省庁と十分連絡をとりまして、政府の確固とした方針をすみやかにきめまして、そして、地方公共団体にそれぞれ誤りのないよう通達をして、安心させるような措置をとること、これはぜひ急ぎたいと思います。
○細谷委員 大臣、現実問題としては、予算に計上されましたそのワクを断固として守って、そのワク内で事業量を圧縮していくという、そういうことは事実上とり得ないし、予算の方針から言って、それは方針がくずれちゃうことですから、それはないと思うのです。そうなってまいりますと、現実には、予算に計上されておる事業を一〇〇%消化していくか、いや、一〇〇%は単価の値上がりでだめなんで、とにかく七〇%ぐらいは何としても消化しようと、こういう、いわゆるオール・オア・ナッシングじゃなくて、予算のほうも、事業費全体を、補助額もふやしていき、そして、事業が予定に近いところでなし遂げられるようにということになるのではないか。これはわかりませんよ。しかし、大蔵大臣の、その事業は一〇〇%に近いところであるということは、さっきの答弁で主計官はくずしておるけれども、まあそういうことだと思うのですよ。自治省としては、五月十六日に、各県の財政課長、地方課長等を集めて、実情を聞いた上で対策を講ずるということでありますので、早急に方針を講じていただきたいと思うのです。 同時に、いずれにいたしましても、北海道の町村会長が陳情しておりますように、国庫補助基準の緊急改定ということは、これはどうしてもほしいと思うのです。もう一つの問題は地方財源の確保。当面の諸施策等の円滑な執行をはかるため、地方交付税、起債等、地方財源の確保について緊急措置を講じていただきたい、こういうことが強く要望されております。したがって、予算どおり事業を消化していくのか。そうなっていくと、それに伴って、必然的に事業費の単価の更正をやらなければなりませんし、それに対する地方交付税等の財源措置を講じなければならぬと思うのでありますが、それも含めて早急に政府の方針を打ち出していただきたい、具体的にしていただきたい、こう思いますが、いかがですか。
○江崎国務大臣 全くおっしゃるとおりだと思います。したがいまして、まず、地方の実情を的確に把握しまして、そして、緊急措置としての国の方針を決定する、こういう段取りですみやかに処置したいと思います。
○細谷委員 実は、通達を出してから一カ月近く、自治省が末端の地方公共団体の悩みということを察知せぬで、五月十六日にようやく会議を開く。各省庁には要請をしているから、それで事は済んだということではいかぬのであって、この辺は、自治省としても、事態の深刻さをもっと把握して努力していただくべきではなかったかと私は思います。たいへん失礼でありますけれども、これだけをひとつ御注意申し上げておきたいと思います。 その次に、私は、交付税の問題に入っていくわけでありますけれども、その前に、私が自治大臣にどうしても聞いておきたいことは、いま、日本の政治というものは、いわゆる高度成長政策というものでの民間設備主導型の経済政策というものを、財政主導型、そして福祉重点の型にしていくんだということについては、これは国民的なコンセンサスだと思うのですが、この点いかがですか。
○江崎国務大臣 御指摘のとおりだと思います。
○細谷委員 しからば、そういうものを推進していく場合に、地方公共団体の行政的な役割り、財政的な役割り、それはどういうふうに位置づけられるべきものでありましょうか。大臣のお考えをお尋ねしておきたい。
○江崎国務大臣 生活関連の社会資本が非常に貧弱で、特に、福祉対策を推進するということになりますと、どうしても地方の財源にいろいろな不足を生じてくるわけでございます。したがって、地方の財源を、国としては十分に充足するようにしていく必要があるというふうに考えております。
○細谷委員 地方の財源を充実していかなければならぬという大臣のことばは、そのまま私も全く同感であります。国と地方の財政を通じて言えることは、国は税金を取りますけれども、その大部分というものは、交付税なり補助金なりを通じて、社会福祉の問題にしても、社会保障の問題にいたしましても、あるいはもろもろの国民の期待にこたえるためにも、地方公共団体がやらなければならぬわけですね。そういう意味においては、福祉重点のこれからの政治や政策を推進していくためには、地方公共団体の役割りは、行政的にも、財政的にも、まさしく重要ではないかと思うのですが、いかがですか。
○江崎国務大臣 そのとおりだと思います。
○細谷委員 ところで、私は大臣に申し上げたいのですけれども、自治省がここ数年、地方の行政的な問題について、行政制度の問題について、こうしたい、ああしたいと提案した法律というのは、遺憾ながらほとんど成立していないのですよ。大臣、これは御存じですか。
○江崎国務大臣 仰せのように、自治省としては、現実にはいろいろな施策をやっておるつもりでございますが、どうも思うように法案が成立しない。御指摘のようなこともあったように記憶いたします。
○細谷委員 それはあったように記憶しますといっても、その当時は、大臣は一生懸命防衛問題に取り組んでおったので、地方行財政がどうなっておるか、あるいはどうあるべきかということについては、十分なあれはなかったかと思いますけれども、たとえば、都道府県合併特例法なども、何べんとなく国会にかかりましたけれども、とうとう日の目を見なかった。あるいは、公務員の定年制の問題も、遺憾ながら日の目を見なかった。いま、今度の国会に、自治法の一部改正という形で、広域市町村圏を法律的に位置づけようという法律も出ておりますけれども、これも、過去の数回の国会で議論を重ねてきたことであります。行政局から出した法律で最近成立したのは、いわゆる公用地の先買い権に関する、去年出た法律ぐらいですよ。あとは全部パーでした。しかし、財政の問題については、いろいろ議論はされましたけれども、これは通ってまいりました。しかし、私は、その問題も通じて見ていった場合に、すでに質問もありましたけれども、その法律というものが、どうして行政的なものが通らなかったかというのは大臣の——これからの地方行政、財政というものは重要であるけれども、それは、住民から離れていって、中央集権化していくところに問題があるのだということが重要な争点になっておったと思うのですね。そういう形で、その法律は成立しなかったけれども、いわゆる行政制度の法律的な改正は行なわれませんでしたが、財政的には、けっこう政府の思うような中央集権化への方向が進められていったというふうに学者も批判しております。私もそう思っております。議論されておりました交付税の、いわゆる補助金的性格が一段と濃くなってきておるということも言われてきたと思うのです。 したがって、私は、大臣とここまでは一致したわけですね。地方の行政、財政というものを強化して、住民の意思というものを、あるいは福祉というものを重点的に推進していかなければならないという、こういう原則的なことまでは一致しましたけれども、いま私が具体的に申し上げた点においては、財政面、行政面、いずれもそういう方向ではなかったというふうに批判してもいいように進んできておりますが、これについてどう思いますか。
○中村(弘)委員長代理 この際、暫時休憩いたします。 午後四時二十四分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕