地方行政委員会 第13号
- 発言数
- 139 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1973/04/06
会議録
○上村委員長 これより会議を開きます。 内閣提示にかかる地方税法の一部を改正する法律案及び山口鶴男君外七名提出にかかる地方税法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。佐藤敬治君。
○佐藤(敬)委員 地方税法の改定に関して、地方税法と国税、所得税というものが非常に密接に関連しておりますので、所得税をひっくるめていろいろお聞きしたいと思います。 第一に、所得税の減税の問題がいま盛んにやられておりますけれども、所得税の減税の問題に関しまして、昭和四十七年度の所得税の納税者数が一体どのくらいになっているか。それをちょっとお聞きしたいと思います。
○佐々木政府委員 私どもが、住民税を通じまして捕捉しております所得税の納税義務者数が、二千八百七十五万人でございます。
○佐藤(敬)委員 そのうち、給与所得者の数はどのくらいありますか。
○佐々木政府委員 給与所得者の数が、約二千二百六十三万でございます。
○佐藤(敬)委員 現在、約三千万近い。全人口の三分の一が納税義務者で、給与所得者がその約八〇%を占めておるわけです。したがって、この所得税の減税の問題というものは、いわば給与所得者を対象とした問題であると考えていいかと思います。 ところで、所得税の減税というのは、ここ十数年来ほとんど毎年行なわれてきております。税制改正といえば、所得税を中心とした減税が最大のウエートを占めてきておりますが、そういう意味では、日本の租税政策というものは減税政策だと言ってもいいと思われます。しかしながら、きのうも質問にいろいろお答えいただきましたのを聞いておりましたのですが、私は、ことばの正確な意味で、減税ということはとても言えないというふうに考えます。減税というのは、税負担が実質的に減るような税制改正をさすものでありますけれども、これまで行なわれてきた減税は、そういうものではなくて、取り過ぎた分を一部調整するというような、減税ではなくて調整であるとしか考えられないと思いますけれども、この点に関して、大臣でも局長でもよろしいのですが、御所見をお伺いいたしたい。
○佐々木政府委員 最近の物価の上昇、これに伴うところの名目的な所得の増加部分と、それから、最近の経済情勢から見て、実質的に所得がふえるという部分と、二つあるだろうというふうに考えます。 そういうことで、確かに、物価上昇に伴って名目的に所得がふえてくるという部分につきましては、税制としては、できる限り減税の中でこの部分を吸収していかなければならないということは考えられるわけです。 そこで、実質的な所得の増加に対応する部分をどういうふうに税負担で調整をしていくかということになるわけでありますけれども、その場合に、一方においては、国民の生活水準の上昇ということもあわせ考えなければならないわけでありまして、実質的な所得の増加部分は、当然に税負担としてこれを求めるという形になりますと、国民の生活水準の上昇に伴う、いわば生活費の上昇というものが、税の上でやや問題が出てくる。こうした実質的な所得の増加分に対して、それを生活の上昇分にどれだけ充て、また、租税負担としてどれだけを求めるか、この辺がやはり減税の場合の一番問題になるところであろうというふうに考えるわけでありますが、そうした実質的な所得の増加分をすべて税収の対象にしているというような減税方式にはなっておらないはずであります。そういう意味では、いま申しましたように、少なくとも、物価上昇に伴う名目的な所得増加分というものを越えて減税を行なっておるわけでありますので、その点は、減税にあたって十分配慮しているつもりでございます。
○佐藤(敬)委員 いま、名目的なインフレは減税で吸収していく、実質的に生活水準を向上するためには十分考慮して減税をしている、こういうようなお話ですけれども、いままでの減税のやり方をずっと見てみますと、そうはちょっと考えられない。四十八年度の地方税の増徴分は一兆一千八百三億円、その減税の分が千二百三十二億円となっていますね。その差額、わずかに一〇%強くらいしか減税されておらないのです。一兆円というものは、もう逆に増税になっておる。たった一〇%だけで、これが実際に実質的に生活水準を上げるような配慮がされているとはちょっと考えられないと思います。 ちなみに、四十七年度と四十八年度のいまの推定を比べてみますと、所得上昇による税負担の大体の変化を見てみますと、四十七年度で、年収二百五十万円ですと、租税が二十三万四千百五十五円、税負担率が九・三六%くらいになっております。四十八年度が二百八十七万円に、一五%所得が上昇したとすると、税額が二十八万三千九百六十四円、税負担で九・八九%くらいになっております。この差額が、結局年収で三十七万上がりますと、税負担が四万九千八百九円上がる。こういうふうな上昇率になっておりまして、所得のふえ方よりも税負担の増大のほうが大きい。しかも、所得が低いほどその度合いが大きくなっている。こういうふうな結果があらわれているわけです。それが年々続いていきますと、その分だけが次々と、実質的な生活水準を上昇する分に食い込んでいく。こういうふうにしか思われないのですけれども、やはり、実質的な生活水準を上昇する分には食い込んでおらないという見解ですか。もう一ぺんお伺いしたい。
○佐々木政府委員 ことしの地方税の、現行制度による自然増収額が一兆三千億、それに対応いたしますところの減税分千二百億、改正後の増収額が一兆一千八百億という数字になっておりますことは、御指摘のとおりでございます。ただ、これは、各税目すべての集計でございまして、たとえば個人の住民税というものをとらえてみますというと、今年の減税額が一千六十億円ということになっておりますけれども、このうち、物価上昇に見合う分というものを計算いたしますと、この計算方法はいろいろあるわけでございますが、大体四百六十億ないし七百五十億という計算が出るわけであります。したがいまして、住民税の減税を見ますと、そうした物価上昇分として見られますものよりもさらに上回った減税措置を行なっている。こういう意味で、先ほど申し上げましたような結果になるというふうに考えておるわけでございます。 なお、自然増収の非常に大きい部分というものは、たとえば、法人関係の租税において相当大きなものが見られるわけでございます。また、本年の場合には、固定資産税、特に土地等の固定資産税の増加、あるいは家屋の新築による増加というようなもの、いろいろ含めての自然増収でございますが、いずれにいたしましても、特に個人生活との関係の深い住民税においては、そういうふうな考え方で減税措置を行なっておるということを御了承願いたいと思います。
○佐藤(敬)委員 もう少し具体的に示しますと、私は、物価上昇しているこういう状況の中で、生活水準を維持させるために、いま話されましたような所得の名目上昇が避けられない、こういうふうに思いますが、この場合、税負担率が同一であればまだいいと思いますけれども、税負担率が、御承知のように次から次へと変わっていっているというような状態で、これは調整にもなっていないのではないかというふうに考えるのです。実質的には、これは減税でもなければ、調整でもない、いわば増税になっている、こういうような感じが強く持たれるのです。マクロ的に見れば、自然増収のすべてを減税として還元しなければ調整とは言えないし、それ以上に減税することによって、初めてこれは減税ということが言えると思います。いままでの、三十六年から四十七年の間の減税率を見てみますと、最高で六九・七%、これは四十一年度ですが、最低では一四%、平均すると、ほぼ三分の一程度の減税にしかなっておりません。こういうような減税という名の増税によって、御承知のように、次から次と、低所得者が所得税の納入人員として参加していっている、いわば所得税の大衆課税が行なわれてきている、こういうふうに言うことができます。所得税に対して、このようなまやかしの減税をやっている、どういうことを言っても、これは実質的な増額になっていて、まやかしの減税である、こういうふうに私は考えますが、こういう自然増収を上回る思い切った減税を行なって、負担の緩和をはからなければ、われわれの重税感はどうしても調整されてこないというふうな感じを深く持っておりますが、これに関してはどういうふうにお考えですか。
○江崎国務大臣 自然増収は、それだけ国の経済規模も大きくなり、特に、いま、所得税を御指摘になっておるわけですが、経済規模の拡大によって、それだけ自然増収分がもたらされる。一方では、同時に社会資本の拡充強化が急がれる。経済規模が大きくなれば、当然、それに見合って支出もそれだけ多くなるわけでございまして、それらをひっくるめて充実していくということになれば、自然増収分に対してもある程度の課税をしていくということは、税法の根本から言いまして、これは当然であろうかというふうに考えます。そして、物価上昇の分等は、これは当然加味して減税されることはあたりまえでありまするが、その増収分について、特に、所得税というものが、その根底に富の再配分というものがあるならば、その増収全体がやはり一方に偏する場面もありましょうし、業種業態によって年々変化もももたらされる。そういうことになれば、これを適当に捕捉していくことは必要であるということだと考えます。 勤労者の場合は、先頃来田中首相も、勤労者の所得控除の問題は、新たな視点に立って画期的な政策をとろうということを言っておりますので、これはまた、別途おのずからなる議論で解決をされるべきものというふうに考えます。
○佐藤(敬)委員 いま問題にしているのは、先ほど一番先にお話しいたしましたように、所得税の納税者の八十数%を占めている給与所得者を問題にしているわけです。ですから、そういうつもりでお話を願いたいと思います。 これもおさらい的なことですけれども、所得税の問題を解決しない間は、なかなかこういう全体の問題が解決してこないと思うんです。と申しますのは、いま大臣も話されましたが、費用が大きくなってくれば、当然、ある程度の負担はやむを得ないと思いますけれども、その負担が非常に不公平になっているところに給与所得者としての問題があると思う。私は、それをいま論じておるわけです。そういう意味で、この給与所得の減税というものがほんとうの減税になるように、かなり大幅なものにしていかなければいけないのではないかというふうな感じも持っておるので、いま話しておるわけです。この問題に、減税の問題としてのいろいろなポイントがありますけれども、一つは、いつも言われて、実際に今回も提案されておるのですが、免税点の引き上げということが言われております。免税点というのはいわば所得最低限、こういうものは最低生活費を非課税にする、こういう原則に基づいて、この免税点の引き上げというものが行なわれております。 そこで、いま、最低生活費を一体どのくらいに見ておるのか、われわれはどのくらいに見たらよろしいのか、この点をひとつお伺いしたい。
○佐々木政府委員 最近の所得税、住民税を含めまして、課税最低限の議論をいたします場合には、いまから十年くらい前までの税制調査会等におきましては、最低生活費はどうだ、それとの関係において、課税最低限をどう考えるべきかというような議論がよくなされてきておったわけでありますけれども、最近の課税最低限の議論になってまいりますと、従来考えられておりましたような最低生活費というものと、所得課税における課税最低限との間には、相当大きい開きが出てきたようでございます。 そこで、最近の議論としましては、標準生計費的な考え方がその中に入ってまいりまして、いわば標準的な生活状態においてどれだけの生計費が要るであろうかというようなことから議論がなされておるわけでございます。まあ、私どものほうから申してはなんですけれども、大体、所得税における課税最低限というものは、そうした意味では、世界的な水準から見ましても、大体いい水準のところまで来ておるのではないだろうかというような感じでございます。 住民税のほうは、御承知のとおり、所得税に比べますと、この課税最低限が大体八〇%水準のところでございますので、住民税の場合には、この標準生計費との関係において、課税最低限がやや低いのではないか、あるいはもう少し引き上げるべきではないかというような議論が出されておるわけでございます。そういう意味では、住民税の課税最低限のところが、まあ大体標準生計費と言われております。これは人事院の調査によります標準生計費でございますけれども、大体その辺の水準のところを前後しておるということだろうと思います。
○佐藤(敬)委員 すると、具体的にはどのぐらいなんですか。
○佐々木政府委員 標準生計費が、昭和四十七年におきまして、全国の平均が九十万一千八百円、これが夫婦子供二人の世帯の数字でございます。
○佐藤(敬)委員 そうすると、これは月給何ぼになりますか。
○佐々木政府委員 大体、毎月の月給が六万円、そのほかに、期末、年末の手当が約四カ月分くらいといったような計算だろうと思います。
○佐藤(敬)委員 夫婦と親子四人家族で、六万円で、一体、暮らせますか。
○佐々木政府委員 この標準生計費は、人事院が国家公務員の給与を算定いたします場合に、最高、最低を除きました、いわば最も分布の多い生計費調査の、その標準値をまとめた数字でございます。
○佐藤(敬)委員 税制調査会の調査では、この課税最低限というものが、消費支出の大体四〇%くらいしかカバーしていないという調査結果を出しているんです。六万円という現実離れしたもので夫婦と子供四人で暮らせという、こういうものを標準にして減税をしたり、免税点を引き上げたり、いろいろなことをやっても、ほとんどこれは現実的には意味がないと思うのですよ。こういう現実離れしたところでいつも操作が行なわれているので、いつまでたっても楽になったという感じが出てこない。減税されたという感じが何にも出てこないのです。これくらいのものなら、インフレでみんなとられてしまうのです。このくらいの減税なら、いま佐々木さんは、実質的には生活水準は上がっていくと言うけれども、実質的に生活水準が上がるようなものは何も残らないのですよ。こういう点を、しっかりと現実に合ったものに直していかないと、幾ら数字の上だけでもてあそんでも、実質的にはわれわれの生活というものがよくなってはいかないと思うのですが、どうですか。
○江崎国務大臣 勤労者の所得税に対する減税の問題は、私どもも、平素から、少しこれは過酷に過ぎると思っております。それから、税が取りやすいということで、戦争中からずっと今日に至っておるわけでありまするが、これは調整していかなければならぬ政治問題であるというふうに考えております。それが、先ほど申し上げた総理の発言になったわけで、それは、必要経費の控除という考え方と、必要経費を押えるというのがなかなかむずかしいので、免税点を引き上げるべきであるという従来の考え方と、二通りあるわけでありまするが、いずれにいたしましても、勤労者に対する減税を相当思い切って行なう時期に来ておるというふうに私どもも考えております。
○佐藤(敬)委員 この前の電機労連で、標準生計費というのは、四人世帯で大体月額十六万六千二百二十五円という数字が出ておるんです。年額にして、大体二百万近い、百九十九万円くらいのものが大体の標準生計費ではないか。先ほど申し上げました税制調査会の家計調査でも、消費支出のほぼ四〇%を課税最低限でカバーしているにすぎない。こういうことから見ますと、大体二百万程度のものが標準生計費にならぬと、憲法でいうところの人間らしい生活ができないと思うのですがね。この点、こういう基礎的な点をもう少ししっかりと踏んまえていろいろ操作をしていただきたいと考えます。 もう一つは、これもおさらい的なことですが、税率が、低所得者で非常に急上昇している。この問題も、もちろんこれはもう言わなくてもわかっていることですけれども、非常に大きな問題になっておると思うのです。これも、いま申し上げましたように、一番下が二%区切りになっている。その上が三%区切りになっている。その上が五%区切りになっている。金持ちになればなるほど、その差が大きくなって、負担が軽減されていく。こういうふうな問題が直されない以上は、単に税率を少しずつ変更していっても何にもならぬと私は思うのです。 先ほど申し上げました問題、こういう税率の問題、こういう基礎的な問題を先に整理していかないと、小手先のことで少しぐらい引き上げたり引き下げたりを幾らしても、国民の負担というものは軽減されないと私は考えるのです。だから、この税率の区分の問題についても、もっともっと税率区分を高位所得部分で急上昇する方式に改めるという方法でなければいけないと思います。答えはわかっていますが、どうですか。
○佐々木政府委員 最終的に所得課税で何%までの負担を求めるかということは議論のあるところだろうと思いますが、現在の税制におきましては、所得税と住民税を合算いたしまして、その所得課税の負担割合が八〇%ということでとどめておるようになっておるわけでございます。国税におきましては、最高税率がたしか七五%でございます。そのほかに、これに住民税が加わるわけでございます。これを加えまして、八〇%で押えるという方式をとっておるわけでございます。 この八〇%がはたしていいのかどうかという御議論はあるかと思いますが、現在、いろいろな各国の税制なり、税制調査会等の結論としまして、大体その辺のところで所得課税としては限界ではないだろうかということで、いまの制度ができておるわけでございます。
○佐藤(敬)委員 このほかに、もう一つ、所得税の問題では、給与所得控除の問題があります。きのうの新聞を見ますと、給与所得控除の問題についても、田中総理は、特段に考えるというような意向を示しておりますので、非常にけっこうだと思います。 それで、二、三ちょっとお伺いしたいのですけれども、いつも問題になっております給与所得者の支出がなぜ経費として認められないのかということ、こういう問題があると思いますけれども、この問題についてちょっと御所見をお伺いいたしたいと思います。
○佐々木政府委員 給与所得控除について、その性格がどういうものかということになりますと、いろいろ議論のあるところでございます。こまかい積算をしてまいりまして、現在の給与所得者が、いわば給与を得るために支出したであろうと思われる経費の積算をいたしますと、経費の計算が十分できない。これも、どれを経費にとるかという点についてはいろいろ議論の分かれるところでありますけれども、いままで大蔵省のほうで計算したところから見ますと、実際には、現在程度の給与所得控除の額で経費は十分カバーしているというような計算になっておるようであります。ただ、給与所得者につきましては、給与所得控除の中には、そうした経費計算のほかに、自分が雇われて所得を得ているという立場の弱さという点についてどう考えていくか。それからまた、その所得を得るためには、一定の勤続年数というもので限界がある。一生給与を得られるものではなくて、たとえば、五十五歳なり六十歳なりで定年になってしまう。そういうふうな所得を得るための勤務年限というものにも限界がある。そういうようないろいろな給与所得の立場の弱さというものをこうした給与所得控除の中に含めて、概算的に控除をしていくという方式をとっているわけであります。この経費計算だけ単純にいたしますと、これは非常に議論が出てくるところだろうと思いますし、あるいは、場合によってはなかなかそうした計算ができない。そういうものも含めながら、いわば給与所得の性格から、いまの給与所得控除の制度が設けられているというふうに考えているわけでございます。
○佐藤(敬)委員 よくわからぬのですけれども、結局、事業所得の場合は、必要経費が全面的に認められておる。しかし、給与所得では、これは一切認められない。わずかに給与所得控除がそれに該当するといえば、するかもしれませんけれども、ほとんど認めておられない。こういうことは非常に不合理だと思うのです。必要経費というのは、所得を得るために要した費用であるわけですけれども、給与所得者の支出というものは、これは所得の処分であって、もうけたものを処分するのであって、いわば消費支出であるというふうな考え方をしているのですね。しかし、これは、私は違うと思うのです。勤労者の生計費というのは、どこまでも所得を得るために必要な費用である、その性格上経費として扱うべきものである、こういうふうに私は思うのです。こういうところから、負担公平の原則なり、法律のもとで平等であるというようなことが破壊されていると思うのです。勤労者は消費をしなければ再生産の力が出てこない。これは、工場で、必要経費がなければ生産できないと同じことだと思うのです。なぜ給与所得者だけが、所得の処分である、経費でなくて消費支出であるというふうに考えられるのか。この根拠がよくわからぬのですが、もう一ぺん説明していただきたい。
○佐々木政府委員 その辺が、常に税制調査会等でも議論の対象になるところでございます。ただ、事業所得者の場合の事業所得の計算と、給与所得者の場合の給与所得控除の算定基礎になります経費計算とで、考え方には差はないわけでございます。ただ、事業所得者の場合には、家事関連経費というものが、一体事業所得のための経費になるのか、あるいは家計費に属する部分になるのか、その辺が、実際の徴税にあたって十分な振り分けができない。そのために、所得の捕捉という面において、やや経費のほうに多く見られる部分があるのではないかといったような議論は確かにあるわけでありますけれども、ただ、どちらの所得におきましても、生活のための経費は所得を得るための経費であるというふうな考え方はなかなかとれないのではなかろうか。これはいずれの所得にも共通する問題でありますけれども、そういうふうに考えております。
○佐藤(敬)委員 私は幾ら説明されてもよくわからぬのですけれども、これは結局、さっきも、給与所得が一番取りやすいという説明があったのですが、一番取りやすいという意味で、税収を確保しようとする考え方以外に、経費を認めないという理論的な根拠はないのじゃないかと考えるのです。次第にこういうものを認めざるを得ないような方向に行くと思いますけれども、税負担の公平という立場から見ますと、やはり、経費というものは大幅に認めていくことが必要ではないか、こういうふうに思います。 それから、もう一つ、一方では、給与所得者は、いま話しましたような意味で、非常に重い負担を課せられているにもかかわらず、逆に、法人のほうは、次から次と安く税金をまけて、楽になっている。こういうような反対の立場に立っておるということが言えると思うのです。法人税で一番目立つのは、税率が、昭和三十年代から以降ずっと降下し続けてきているというふうに考えます。昭和三十年の当時は四〇%程度であった税率が、昭和四十一年には三五%になってきておる。この間に企業の成長力が非常に高くなっている。収益力も非常に増大している。こういうふうにどんどんどんどん企業が成長してきている。それにもかかわらず、昭和三十七年には一五・六%であったものが、昭和四十六年には一〇・九%というふうに、付加価値に占める税負担の割合も非常に低下してきているという状態になっております。こういうふうに企業への減税を行なってきたのは、いわば経済成長の主役である企業の体質を強化しようとか、国際競争力を高めようとか、こういうことだというふうに説明されてきております。特に、四十年、四十一年と続いた不況対策を名目にして、非常に大幅な税率の引き下げが行なわれておりますが、しかし、最近、景気が上昇し、国際競争力がむしろ過剰になったにもかかわらず、こういう低い税率が維持されるということについて、どういうふうな感じを持ちますか。これをひとつお伺いしたいと思います。
○佐々木政府委員 法人の所得課税の実効税率というものを考えてみますと、年所得三百万円超の段階におきまして、わが国の場合に、事業税まで含めて四五%というのが実効税率でございます。これを諸外国の例に比べましても、約一割ぐらいは低い水準にあるというのは御指摘のとおりでございます。こういう意味におきまして、私どもとしましては、この法人の所得課税については、なお負担能力はあるのではないか、むしろもう少し引き上げるということを検討していっていいのではないかということを考えておるわけでございます。 なおまた、租税特別措置との関係で法人の実効税率が相当低くなるのではないかというような御指摘でございますけれども、確かにその面もあるわけでございます。この租税特別措置につきましては、常に洗い直しということもいたしておりますし、最近におきましては、こうした経済環境から、輸出関係の特別措置というものは大体本年をもって全廃をするというようなことになってまいりましたし、そしてまた、資産の特別償却という面につきましては、これも相当範囲をしぼって、この特別償却制度についての改正も行なってまいっておりますので、その特別措置が法人所得に対して相当割り引きが行なわれる結果になっているというものは、次第に範囲が狭くなってきたというふうに考えておるわけでございます。
○佐藤(敬)委員 法人についてですけれども、いま日本で行なわれている法人の性格について、いわゆる法人擬制説といわゆる法人利潤説、こういう二つのものがあります。この問題について、いまどういう立場をとっておられるか。この問題をお伺いいたしたいと思います。
○佐々木政府委員 確かに、現在、法人税制を組み立てます場合には、法人擬制説というような考え方が強く出ておったということはいなめないところでございます。こうしたことについて、やはり法人それ自体が独立した企業体として行動しているという現実から見て、必ずしもこうした考え方が適当とは思われないというようなことで、次第に、税制上はそうした擬制説に対する修正が行なわれてきつつあって、その点は、いまのところどちらの立場をとっているかということになりますと、ちょうどその中間的な立場にいまのところあるのではないだろうかというような感じでございます。
○佐藤(敬)委員 これは中間的な立場をとっているということになれば、もう少し現在の税制が変わってきてもいいんじゃないか。私は、明らかに現在は法人擬制説をとっておるんだというふうに考えます。たとえば、いまの受け取り株主の問題でも、個人の株主に配当控除が一二・五%ある。これはもう法人の段階で先取りした分だから、この分だけ控除するんだ、また、法人株主に対しては取り受け配当の益金を算入しなくてもいいんだ、こういうようなやり方でやられておるわけです。これはちょっと利潤説と擬制説の中間とは思えない、これは明らかに法人擬制説だ、こういうふうに考えるのです。現在、税制調査会等でも、四十三年あたりのものを見ますと、法人は利潤説をとるべきじゃないかというふうなことがいわれておりますけれども、ただ、こういうことは、財界のあげての猛反対で、調査会で検討せよと言っても、そういうふうな検討どころか、たちまちこれは立ち消えになってしまっておる。こういうようなことを見ますと、これはどこまでも現在の立場は法人擬制説だというふうにしか私は思われない、こう思います。 こういう意味で、これからの問題としては、法人は擬制説ではなくて、公然とした利潤説というものをしっかりと踏まえていかなければ税負担の公平というものが確保されていかないというふうに考えますけれども、御所見はいかがでございますか。
○佐々木政府委員 昭和二十五年ごろつくられました法人税の仕組みから見ますと、現在の法人関係の税制は、そういう立場を非常にぼかしてきておるということは事実でございます。たとえば、ただいま御指摘のような配当控除にいたしましても、純粋に擬制説の立場をとるならば、現在の一二・五%の配当控除の率というものはもっと高くなければならないわけでありますけれども、そういうものが実質的には半分になっておるというようなことで、そういう意味で中間的なものになってきておるということを申し上げたわけであります。ただ、基本的な立場は、やはり従来の立場を基礎にしているということは御指摘のとおりだろうと思います。この点は、税制調査会におきましても、法人税の基本的な仕組みについてはさらに検討を続けるべきであるというような、長期答申の指摘もありますし、さらに、税制調査会を通じまして、その点についての検討を進めていくべきであろうというふうに私どもは考えております。
○佐藤(敬)委員 私は、法人課税というのは、企業の収益性が社会的利益のために用いられるということを目的にしなければならないと考えます。法人所得を、その法人と株主の利益のためにいままで保護してきた。こういう税制が大きく転換されなければならない時期にすでに来ているのではないか。法人利益が、単にその法人の成長のために蓄積されるという考え方ではなくて、いま目ざしているところの福祉を目ざす財政というものに利用されていくという考え方が非常に大切になってきているのではないか、こういうふうに考えます。これからのいわば福祉財政というもののあり方は、法人課税がどのように転換され、どれだけの費用が社会のために負担させられるかというところに観点を置いてこれからの法人税というものを考えていくべきではないか、いままでのような、単に経済成長のための法人の利益、あるいは経済成長のための蓄積ということではいけない、こういうふうに考えます。 それから、第四番目の租税措置の問題でございますが、これはもう私からここで言う必要がないほどいままで論ぜられてきたわけでございますので、時間の関係もございますからこれはやめたいと思いますけれども、とにかく、この特別措置は、租税公平の原則というものを著しくそこなっている、そして、企業中心の成長政策を目的としているものでありますので、むしろ逆に、今後の経済成長の上からも有害である、こういうふうに考えます。そして、これらの特別措置が除かれないうちは、これはどこまでも産業優先であり、福祉優先ということは言えないと思いますので、できるだけ早くこういうものを取り除くようにがんばっていただきたいと思います。 本来の、いわゆる地方税の問題に入りたいと思いますが、これは代表演説のときも申し上げましたけれども、これまでの国と地方の税の配分を見ますと、約三分の二が国、三分の一が地方というふうに、著しく中央に偏したものになっておりますが、実際の行政分担は、逆に、地方が七割、国が三割というふうになっておりまして、地方の自主財源の不足が非常に目立っておるわけですけれども、地域に密着した福祉政策あるいは都市政策を行なうためには、こういう財源不足というものが、これからの大きな問題になってくるわけです。特に、このような財源配分の中央偏在というものは、都市において非常に著しいものがあると思います。「東京都の財政」という東京都が出したものを見ますと、こういうふうな結果が出ております。東京都で、一人当たり財政負担が、全部ひっくるめまして二十四万四千七百二十一円になっている。ところが、これを国と地方税というふうに分けてみますと、国税が十七万九千八百五十五円、地方税が六万四千八百六十六円、わずかに二六・五%しか地方税が収入として入ってこない。全国平均から見ましても、三二・五%という、非常に低い率になっておるわけです。その三二・五%から見ましても、非常に低い収入率になっております。これは、これからの問題として、非常に大きな問題を含んでいるのではないかと思う。いま、どんどん都市化が進行しております。この都市化の中で、過密の都市がどんどんふえていっている。一本では過密の都市がふえていっているのに、一方では、過疎の地域がどんどんふえていっている。過密の都市では、この過密のためにたいへんな財源負担が必要であるし、また、過疎の地域では、税金を取りたくても、取る税源がない。両方でこのために非常に困っておるわけです。こういうことを考えますと、いままでの税源の配分あるいは交付税のやり方ではなかなかいけなくなってきているのではないかということを私は考えますけれども、この点についてはどういうふうに考えられますか。
○佐々木政府委員 確かに、最近の経済の実態あるいは財政の状況等から見ますと、地方税の中でも、特に市町村における税収入というものが、そのウエートを非常に下げつつあるということは、御指摘のとおりだろうと思います。これは、最近の行政が福祉型に転換をしてまいりますと、その傾向はさらに助長される可能性が非常にあるわけでございます。特に、福祉行政というものは、市町村が担当している分野が非常に多いだけに、これは、地方財政にとりましても非常に大きい問題であるわけであります。ただ、これまで、地方税の体系を組み立てます場合に、その収入が安定的であり、あるいはまた、どこの地方団体にもその税源があるということを前提にしながら税体系を組み立ててまいったわけでありますけれども、そうした税体系の組み立て方自体には、こうした社会、経済の変化に伴って、非常に無理が生じてきておるということだろうと思います。確かに、過疎地域においては、税源自体も過疎の状態になるわけでございまして、税制をもう少し割り切って考えていかなければならないだろう、やはり、税源のあるところには税で財源措置をし、税源のないところには、交付税制度を通じて財源付与をしていくという方式に次第に割り切っていかなければならない時代になってきているだろう、と思います。今後の税制改正におきましても、常にそういう方向での考え方を前提にしながら、税体系の改正について考えてまいりたいというふうに思っております。
○佐藤(敬)委員 いま局長からお話がありましたが、私も、局長の考えているようなことを考えておるのです。税源のあるところには、いままでのような、一律の交付税制度なり税制なりでやっていくということはだんだん破綻を来たしてくると思います。だから、過密の都市のような税源のあるところには思い切って税源を与えてやるべきではないか、こういうふうなことを考えるわけです。 そこで、税源に何があるかということを一体考えておられるのか、それをちょっとお伺いしたいと思います。
○佐々木政府委員 この点につきましては、実は、税制調査会におきましても、一昨年の七月の長期答申におきまして、都市税源の充実という観点から、具体的に六項目の提示がされておるわけであります。 この六項目は、御承知のとおり、一つは、法人の所得課税の強化の問題、二番目が、消費税、流通税というものについて何か考えられないかというようなこと、それから、都市計画税の拡充強化をはかれという問題、それから、大都市税制について特別な税制が考えられないかというようなこと、それから、都市に対する事務所・事業所等についての特別な税負担を求めるということ、それから六番目が、土地に対する固定資産税を時価課税に近づけるということ、こういう六項目の提示が行なわれております。 私どもも、大体、こうした項目の提示に対しまして、それぞれ必要な対応策というものを考えてきたわけでございまして、今回の地方税法の改正におきましては、固定資産税の、特に法人に対する課税強化ということで、この提示に対して一つの答えを出したわけでございます。これは三年間にわたりますけれども、総額にいたしますと、法人の固定資産税の分だけで約一千二百億の増収をはかるということにいたしたわけであります。これを法人税率に換算をいたしますと、約一%でございます。三年間に、法人税割りの率で計算いたしますと、大体一%ずつ上げたのと結果的には同じようなことになるわけでございます。 さらに、事務所・事業所等に対する課税ということで、都市整備税というものを検討してまいったわけでありますけれども、これは、御承知のような、各省のいろいろな構想との関連もございまして、昭和四十八年度におきましては見送りになったわけでありますが、なおこの点は検討を続けてまいりたいというふうに思っておるわけであります。 その次に、具体的になり得るものとしては、法人課税の強化という点があるだろう、この点も、来年度の課題として、私ども十分検討してまいりたい、と思っておるわけでございます。
○佐藤(敬)委員 私はこういうふうに考えるのですよ。いまの税制の体系でも非常に複雑なんですね。所得税の上に今度は住民税が乗っかり、いろいろなものが乗っかって、非常に複雑なんです。たとえば、交付税制度も同じですよ。住民は、一体税金がどうしてかかってきているのか、交付税はどういうふうになってきているのかという、地方の税の実態も、財政の実態もわかりはしないし、説明してもわからないくらい非常に複雑だと思うのですよ。私は、いま局長が言われた法人税であるとか、流通税であるとか、都市計画税であるとか、大都市税制を何とかするとか、いろいろこういうことをやればやるほど、ますます複雑になってくると思うのです。私は、むしろ、この際思い切ってこれを整理して分けるべきじゃないかというふうに考えるのです。たとえば東京都が、今度の「大都市財源の構想」という中で、財源がないし、しようがないというので、自治省の反対を押し切って、いま、法人税の税率を引き上げようというようなこともやっているのです。しかし、これをやってみても、実際に法人の住民税を制限税率まで引き上げてみても、東京都でたとえば三%引き上げたとしても、両方合わして大体八百億円ぐらいにしかならぬ。東京都の税収入七千億から見ると、一億ちょっとでしかない。そんなものはすぐまた吸収してしまって、何にもならなくなるのですよ。そういう意味から、こまかい新しい税制をたくさんつくるよりも、むしろ税制を配分するのがもっと必要ではないか。たとえば所得税の問題でも、いま所得税は大体四兆円に達しておりますけれども、これは、最近の地方税収入全額に大体匹敵する額なんですね。地方交付税の一・五倍ぐらいになる金額だと思うのです。こういう所得税なりを、思い切って大都市財源としてくれてやるというふうなことをすれば、一方では交付税が要らなくなる。こういうふうな形で、いろいろなものがだんだん整理されてくるのではないかと思います。 これは一つの笑い話ではなくて、やはり真剣に考えるべき問題だと私は思うのです。シャウプ勧告で独立性というものを確立さしてきましたけれども、だんだん乱れてきておる。地方財源が強化し、市町村の財政の強化を目標にして、新しい視点から税源の再配分を行なう必要性がもう来ておるのではないか。現在の税制のままで、これをいじればいじるほど、非常に複雑で、ますます不均衡が出てくる。思い切ってここいらで整理をする必要があるのではないかというふうに考えております。 簡単に言うと、所得税というものは、大都市財源としてくれてやるべきだ、そして、いままでの交付税は、法人税なり、あるいは酒税なりで、過疎地帯に出すところの交付税の財源は十分出てくる、こういうふうに思います。だから、こういう問題をもっと根本的に整理する時期にもう来ているのではないか。私は、この問題について、この姿というものは、たとえば一番末端の市町村というものは、所得税と固定資産税がだんだん中心になってくるべきものではないだろうかと思う。府県は、いまの話がありましたが、事業税であるとか、あるいは流通税であるとか、こういうものを中心にしていくべきである。国は、いままで取りそこなっている法人税というようなものからうんと取って、法人税だとか間接税というものによって税制を組み立てていくべきではないか。こういうふうにむしろはっきり税源を分離していかないと、税制を現在のままにしておいて、一万円控除するとか、税率を多少動かすとか、そういうことを幾らやっても、結局何にもならないということを私は強く感じております。 大都市の問題を中心にしますと、過疎の地帯の市町村ということが非常に問題になりますけれども、これは一方において、所得税を都市にくれてやれば、大都市、過密の都市は、いままで大量に食っておった交付税というのが要らなくなりますので、それを過疎地帯に回してやれば、交付税としての税源も十分出てくるのではないかと私は思います。ただ、これによって地方の都市が財源がなくなって、国から金をもらわなければいけないということになりますと、全部金縛りにあって、それこそ地方自治の実態が失なわれてしまう危険性がある。それを、地方自治を侵害しないで、しかも、なおかつ、地方の過疎の地帯に税源を与えてやるにはどういうふうにしたらいいか。これもまた大きな問題だと思いますけれども、どちらを選ぶかということは、こういう中間の都市にあっては、中間の都市の選択にまかせてもいいのではないかというふうに私は考えます。 いずれにしても、地方税というものをこのままにしておいて、先ほども申し上げましたように、控除を一万円よけいにするとか、少なくするとか、あるいはまた、税率をちょっと上げるとか、下げるとか、こういうことを幾らやってもしようがない時期にもう来ているのではないかということを強く感じます。私は、そういう意味で、この地方税制という問題をもっと根本的に考え直していただきたい、もう一ぺん組み立て直していただきたい、こういうことを強くお願いをいたしまして、終わります。 大臣の御意見をお伺いいたします。
○江崎国務大臣 御意見をまじえての質問は、傾聴をいたしました。 勤労者の、必要経費にいたしまするか、免税点の引き上げをいたしまするかということ、それはともかくといたしまして、田中首相も言っておりますように、これは考えなければならない場面に来ておるということで、政府でも具体的検討に入っておる次第でございます。九、六、四、俗にクロヨンなんてことをよく言われまして、勤労者に対する課税がいかにも過酷に過ぎると言われておりますが、これはぜひ是正したいと思います。 それから、企業の収益は、そのほとんどを福祉財政に回すべきではないかということは、これは一つの御意見だとは思いまするが、やはり、企業そのものも、適正な課税によって部内の蓄積が行なわれ、それが経済の成長に見合って会社自体の成長になり、拡充強化がされ、それがまた利潤を生む、そして社会に貢献をするという形で、従来は、これが非常に順調に来たわけでございます。一時は、法人税も過酷であるというので、財界等からも非常な不満の声があがっておったのでありまするが、経済成長と見合って、ここに来て、まあ十分であろうというところまでまいりましたが、これもやはり見直す時期に来ているように思います。また、そのように田中首相も大蔵委員会等で発言をいたしておるようでございます。 それから、御指摘の、特別措置について洗い直すべきではないかということですが、これはもうすでに、税務局長などとも、私ども、自治省におきまして、部内で話し合いをいたしておるところでありまして、やはり、今後、一つの洗い直しを具体的に展開する場面であろうというふうに考えております。 それから、都市財源の強化といった問題については、先ほど佐々木税務局長がお答えいたしましたような方向で検討をしてまいりたいと思います。 それからまた、過疎地に対しましては、過密と過疎とを、早く、同時に解消するということが、日本列島改造という一つの主張になってあらわれたわけでありまするが、自治省としては、これをすみやかに具体的に実現をいたしまして、過疎地域については、現在でも見ておりまする交付税はもとよりでありまするが、辺地債とか、過疎債とか、そういうものを十分活用することによって均衡をとってまいりたいというふうに考えております。 御意見の点は、よく承りました。
○上村委員長 三谷秀治君。
○三谷委員 地方財源が枯渇して、地方行政の困難が非常に深まってきておりますが、私は、現行の地方税法におきましても、重大な財源が、課税、徴税の面におきまして欠落をしておるという点についてお尋ねをしたいと思います。 御承知のように、事業税というのは、収入金課税と所得課税という二つの課税方式がとられております。事業を営みます者は、収入金か所得か、いずれかに課税されるというたてまえになっております。ここでいいます収入金というのは、本来事業の収入であるとおっしゃっていますね。これを課税対象にする。これを収入金課税と言っております。ところが、実際には、本来事業以外の付随収入が多額にのぼる事業があります。たとえば、ガス供給事業というのは収入金課税になっております。本来のガス供給事業の過程で生まれますコークスやコールタールは、その販売益に対して、収入金課税から分離して、所得課税を別個に行なっております。また、受注工事収入などにつきましても、収入金課税から分離をして、所得課税を行なっております。保険事業を営む法人が、保険事業に属する取引の代理または媒介をなす業務を営む場合、信託事業を営む場合におきましては、これまた、収入金課税と分離しまして、所得課税を行なうことを自治省は指示しております。このようにしまして、付随的事業による収入は、収入金課税をしない場合は所得課税が行なわれておる。こういうたてまえになっております。ところが、電気ガス供給業におきましては、政令あるいは大臣指定によりまして、コークス、コールタールなどを除きます副次的な収入をすべて収入金から除外する措置をとっております。これは本来事業の収入でないとしますと、付随収入ではないでしょうか。収入金から除外されるべき収入でありましても、非課税という規定はどこにもないわけなんです。政令や大臣指定というのも、収入金課税からは除外をしておりますけれども、非課税という規定にはなっていない。しかるに、これは税金の対象になっておりません。これが課税対象から除外されております根拠についてお尋ねしたいと思います。
○佐々木政府委員 事業税の場合におきましては、その事業活動の分量に応じて地方団体に対する負担をしてもらうということをたてまえにした物税という構成をとっております関係で、本来、事業税の課税標準というものは、事業の活動分量というものを示すような標準が望ましいという観点で、従来から、事業税の課税標準について、何を使うべきかということがいろいろ検討されてまいったところであります。いままでの過程におきましては、むしろ付加価値額というものを標準にするほうが適当ではないだろうかというようなことで、何度か、事業税の中に付加価値基準の導入というようなことを検討されたこともあったわけでありますけれども、いろいろな問題があって、現在の段階におきましては、収入金額を課税標準にするものは、その事業の範囲が非常に極限されておるわけであります。その他の事業の場合にはほとんど所得課税が行なわれておるというような現状にあるわけでございます。 こうした事業税におきまして、収入金額課税というものをとっております理由は、あくまでも、その税負担というものは、所得課税の場合に比べまして、大体均衡のとれた負担であるということが望ましいわけであります。 それから、もう一つは、所得課税にいたしますと、どうしても、年度ごとに、その所得については変動が大きい。そのために、小さい財政規模であるところの地方団体の収入としては、所得課税であるよりは、むしろ安定的な外形標準課税が望ましいということで、収入金額課税の業種を、できれば、私どもとしましては、ふやしていきたいという考え方をとっております。 ところで、現在、収入金額課税をとっております業種は、ただいま御指摘のように、電気、ガス、それから保険事業関係についてとられておるわけでございます。この場合の収入金も、やはり、その事業活動分量が客観的に明らかに把握し得るというような、その事業本来の収入というものを課税標準にして算定をしていきたい、こういうことを考えておるわけでございます。そういうことで、たとえば電気供給業、ガス供給業の場合におきましては、その電気の供給なり、ガスの供給に伴うところの収入金額というものを、原則的にはこの収入金額課税の課税標準にしておるわけでございます。あるいはまた、保険事業の場合には、保険料収入というものを目標にして収入金額課税を行なっておるわけでございます。 ただ、電気供給業なり、ガス供給業なりというものは、これが兼業が禁止されておりませんために、若干の付帯的な事業を行なっております。この付帯的事業は、本来は、所得課税を行なうべき、いわば本来の事業以外の事業になりますので、これは所得課税の事業となるべきものでございますけれども、そうした付帯的な事業の割合が非常に少ないという場合には、本来の事業と同じように、その売り上げ金をそのまま課税標準にいたしまして、本来の事業の収入金額と合算をして、収入金額課税を行なうという方式をとっておるわけでございます。 そういうことで、収入金額課税をとります場合には、その事業の本来の収入金額というものを課税標準にするという方式を考えておる、それがまた、それを前提として、所得課税との均衡を考慮しながら税率が定められる、こういうことでございますので、御指摘のような事例も出てくるということになるだろうと思います。
○三谷委員 いまの御説明ですけれども、ガス、電気の供給業に対して、政令で定められました政令収入金額、大臣指定で定めました指定収入金額、こういうものが特別措置法的な性格を持つものとして、実際に活用されておりますので、これは収入金額には入りませんけれども、所得金額であることは明らかなんです。 〔委員長退席、三ツ林委員長代理着席〕 収入金額として課税をしなければ、当然所得課税を行なうべき性質のものであります。個々の、政令あるいは大臣指定によりますと、いろいろな雑収入につきまして、収入金には含めないという規定になっておる。しかし、非課税という規定はどこにもありません。これが非課税になっておる根拠はどこにあるのか。もう一つは、大臣の指定によりまして、税の内容が変化を受けるというふうな措置は、租税法定のたてまえから見まして妥当なものかどうか、この点についてはどう考えますか。
○佐々木政府委員 先ほど申しましたように、この収入金額は、その事業の本来の事業収入と見られるものを課税標準として収入金額課税にしたいということにしております。したがいまして、電気供給業として収入される金額の中には、ただいま御指摘がございましたような、いわば付随的な収入があるわけでございます。これは、本来の事業の電気供給業であれば、いわば電力料金あるいは電灯料金として、本来の事業の収入として収入される金額以外のものでございますので、これは課税標準の計算から除外をするということにしておるわけでございます。ただ、この電気供給業なりガス供給業を営む法人が、たとえばガス器具の販売でありますとか、あるいは電気器具の販売でありますとかというような、たとえば他の販売業というようなものを営んでおります場合には、そういうものは本来の電気供給業以外の事業でございますので、これらは所得金額課税の対象になるということになるわけでありますが、いま御指摘の収入金額は、本来の電気供給業に伴う収入金額であり、しかも、本来の収入ではないということで、この課税標準の計算からは除外をするという措置をとっておるわけでございます。 それからまた、課税標準の計算につきまして、これを政令なり、あるいはその他自治大臣の指定というところまで落としているのは租税法定主義の原則から言ってどうだということでございますが、たてまえからいたしますならば、これは法律をもって定めるというのがたてまえ、原則でございます。しかし、そうした法律の委任を受けて、それに基づきまして、他の法令の規定によって、さらに所得金額課税標準の額の算定を行なうということは、法律の範囲内でできることではないかというふうに考えております。
○三谷委員 あとのほうからお尋ねしますけれども、法律の委任というのは、政令によって規定するという委任は、確かに地方税法の七十二条にあるようでありますけれども、大臣が随意租税の減免の範囲あるいはは非課税の範囲をきめるというようなことが行なわれていいものかどうか。それから、いまの説明でありますけれども、たとえばいま保険の話が出ましたから、わかりやすい保険のほうからお尋ねしますが、たとえば保険の本来収入というのは、保険料収入と支払い保険金の差額、これが本来の収入だという見解ですか。
○佐々木政府委員 保険事業につきましては、事業税で課税標準にいたしておりますものは、保険料収入のほうをとっておるわけでございます。ただ、保険業を行ないます場合には、当然に保険料収入があり、支払い保険金が出てまいるわけでありますから、その保険料収入の一定割合というものを定めまして、おおむねこの保険事業において、保険料収入と支払い保険金との差額というものが当然出てくるわけでありますから、それらを一定の率で表現をいたしまして、これを固定いたしまして事業税の収入金額課税の標準にするという方式をとっておるわけでございます。
○三谷委員 保険会社における本来収入というものが、保険料収入と支払い保険金の差額といいますか、まあここでは付加保険料と言っておりますけれども、それだというようなお考えでおりますと、これはたいへんものごとが間違ってくる。たとえば、保険事業の内容としましては、保険契約の内容をなす保険証券担保貸し付け金制度がある。これは保険事業の本来の内容になっている。この保険証券担保貸し付け金制度の貸し付け利息というのは、保険事業本来の収入ではないのか。これが四十六年度で見ますと、生命保険二十社だけでも二百二十五億五千百万円に及んでおる。これが非課税になっている根拠は一体どこにあるのか。
○山崎説明員 保険事業にございましては、たとえば生命保険事業について申し上げますと、保険契約期間が五年をこえる生命保険におきましては……(三谷委員「それはわかっておる」と呼ぶ)初年度保険料の収入の……(三谷委員「課税標準はわかっておる」と呼ぶ)課税標準になっておるわけでございます。 御質問の御趣旨は私どもも理解しておりますが、そういうことでございまして、生命保険事業におきましては、保険料収入の一定割合をとっておるということでございまして、電気、ガス事業にございますように、電気及びガス事業の場合におきましては、本来の事業に伴う収入に限るという考え方で課税標準ができているわけでございます。ところが、生命保険事業におきましては、必ずしも、本来のその収入に限るということではございませんで、課税標準としては、初年度収入保険料の百分の四十二、いわゆる付加保険料の部分が、生命保険事業の事業活動の規模をあらわすのに一番適切であるということで、標準課税のたてまえから法定されているというところが、電気、ガス事業の場合の課税標準の算定方法と違うわけでございます。
○三谷委員 収入金課税というのは、本来収入に対して課税をするというのが原則なんです。たてまえなんです。そこで、ガス、電気の課税について聞きますと、もろもろの雑収入は本来収入に含まれないんだと言っている。生命保険で聞きますと、今度は、本来収入の中の保険金の一部だということを言っている。たてまえは一体どうなっていくのか。なぜ、それじゃ、その保険金の掛け金の一部だけを課税の対象とするのか。この、いま言いました保険証券担保貸し付け金制度、これは保険会社の本来の事業なんです。この収入が二百二十五億五千百万円、全くこれは非課税で放置されている。 それからついでに聞いておきますけれども、生命保険二十社の財務貸し付け利息というのが三千三百九十三億一千五百万円に及んでいる。これも非課税になってしまっておる。それから、コールローンの利息、これは二十八億三千八百万円、公債の利息二十六億七千万円、社債利息が四十三億六千万円、不動産収益が百二十六億六千二百万円、雑収入が六十八億六千百万円、これはすべて非課税になっているじゃないか。なぜ、こういう膨大な金額を、課税対象に数倍する収入というものを非課税にしているのか、お尋ねしたい。
○佐々木政府委員 現在の収入金課税の方式は、いかなる基準をとってその事業の活動分量を捕捉していくかというたてまえから考えられておるわけでございます。そういう意味で、生命保険なり、損害保険なりというものは、保険料収入というものを課税標準にして、その事業の活動分量をあらわしていこう、こういう制度をとっておるわけでございます。ただ、保険料収入につきまして、初年度収入保険料の四二%というような計算をしておりますのは、いわば、純保険料と付加保険料の部分というものに保険料を分けました場合に、純保険料部分というものは、いわば預かり金的なもの、あるいは積み立て金的なものであるというような観点から、いわば、付加保険料相当分というものを課税標準にするという考え方で、こうした方式がとられておるわけです。そういうことで、この課税標準をどういう方式でとらえていくかということは、税率との関係におきまして考えられるものでございまして、いわば、その事業の活動の量というものをその辺でとらえていこうという観点からつくられているものというふうに私どもは理解しております。
○三谷委員 それは、質問の答弁になりゃせぬがな。なぜこういう膨大な金額を非課税にしているのかと聞いているんだ。税の公平に反するのです。 それから、いまおっしゃいました純保険料と付加保険料の分類でありますけれども、付加保険料というのは、初年度分だけにあるわけじゃありますまい。初年度分の掛け金にしか税金をかけない。二十年あるいは十五年の契約の場合に、初年度分だけに一定の割合課税をする。次年度分からは、その中には付加保険料は存在しないのか。そして、その面における、次年度分からの保険料収入こそが一そう膨大な額を占めている。その額につきまして、あなた方は御調査になっておりますか。なっておらなければ御説明しますが、たとえば、生命保険、損害保険の事業は、政府のおっしゃる本来収入よりも、付随収入のほうが多いわけなんだ。たとえば、大阪に本社がありますから、詳細調べておりますけれども、日本生命の四十七年三月決算における課税対象を見ますと、わずかに九百七十七億です。これが課税対象になっておる。非課税の収入が千九十四億あるわけです。そして、非課税保険料収入が三千三百三十三億あるわけだ。住友生命でも同じことなんです。課税対象になっております収入金は五百三十億だ。ところが、非課税収入が六百五十四億になっておる。非課税保険料収入が千八百三十億円になっておる。もう一つ、大阪に大同生命というのがありますが、これは課税対象額が六十七億、非課税収入が九十二億円、非課税保険料収入が百九十五億円に及んでおる。そうしますと、保険会社の所得のうち、課税対象になっているのは一五%から二〇%にすぎないということなんです。こういう公平を欠く処置というものがなぜ行なわれておるのか、お尋ねしたい。
○佐々木政府委員 保険事業の活動というものは、たとえば生命保険の場合に、初年度収入保険料というふうに限定しておるわけでありますが、いわば、これらの新規契約の締結ということが、その保険事業の事業規模あるいはその活動量というものを的確に反映しているのではないかというような考え方をとっておるわけであります。次年度以降に収入される保険料というものは、保険契約の履行として行なわれておるというようなことで、初年度収入保険料というものを課税標準にする収入金額としてとっておるわけでございます。 もちろん、この収入金額をこういうふうに限定するということにつきましては、考え方はいろいろあるだろうと思います。すべての収入金額というものを課税対象にいたしまして、それが保険事業の事業活動の分量をあらわすものだというようにとります場合には、それは、税率との関係において、これを調整をするということが必要になってくるだろうと思います。現在、事業税が、非常に多くの事業におきまして所得課税をいたしておるわけでございますので、やはり、その税負担というものは、収入金額課税をとりました場合、あるいは所得課税をとりました場合の間に、大きい負担の格差がないように、それを税率で考えていかなければならないわけであります。そういうことで、保険事業の場合に、何がその事業の活動量なりあるいは事業規模を表現しているであろうかという観点から、そのとるべき収入金額の範囲をきめていくということになるわけでございます。
○三谷委員 そうしますと、あなたは、この収入金課税というものは、所得課税と、税額の上におきましてたいへん権衡のとれた状態にあるとおっしゃるわけですか。
○佐々木政府委員 所得課税の場合には、収入金課税に比べますと、年度によって相当の変動がございます。その点は、収入金課税をやります場合には、大体安定的な税収入が得られるというような利点がございます。したがいまして、これを単年度で比較をいたします場合には、収入金課税が多くなったり、あるいは所得課税の収入が多くなったりいたしますので、これをある程度長期的に比較をしてみなければならないというふうに考えられるわけでありますけれども、これらを長期的に比較をしてみますならば、大体均衡のとれた負担になっておるというふうに考えております。また、これらのものが、次第に、収入金課税と所得課税の間において均衡がとれないというような状態になります場合においては、その内容についてさらに検討しつつ、内容の改定を行なわざるを得ないというふうに考えております。
○三谷委員 長期的に見れば権衡がとれるとおっしゃっていますが、それではひとつ、五、六年でも十年でもよろしいが、どういうふうな権衡状態にあるか説明してください。私のところには五年間の分はありますが、一向に権衡がとれていない。依然として、所得課税の場合と収入課税の場合とにおきましては、二〇〇%から三〇〇%の格差が出てきている。
○佐々木政府委員 最近五カ年、四十二年から四十六年の調査で申し上げますならば、たとえば、電気事業の場合には所得課税……(三谷委員「保険のほうを言ってください、時間がありませんから」と呼ぶ)はい。所得課税に対しまして、収入金課税はどのくらいになっているかと言いますと、四十二年から四十六年までの間をとらえてみますと、高いときには二・四倍、それから低いときには〇・四倍というふうになっておりますが、生命保険の場合には、五年間の平均が〇・八でございます。それから、損害保険の場合におきましては、高いときは十倍、低いときには〇・六倍、平均して一・〇六倍、こういう状況でございます。
○三谷委員 それは、あなたのほうの数字のとり方に問題がある。その場合の、所得課税の所得の内容というのはどういうものですか。私のほうで見てみますと、大体三、四年の経過を見ますと、少ないのは一二五%、多いのは六〇〇%、こういう大きな格差が実際に出てきております。その、いままでの分は調べてもらってよろしいけれども、たとえば大阪に本社を持ちます日本生命、住友生命、大同生命、これの課税対象額は、四十七年度で千五百七十六億円なんですよ。これに対する収入金課税が八億二千五百万円。ところが、付随収入が千八百四十一億あるわけだ。つまり、前の収入金課税のほうは分離して、あなた方のほうが課税対象にしていない分、これだけに所得課税をしましても、二百二十億九千二百万の税が出る。百分の十二という課税率を乗じますならば、ですね。そういう計算になってくる。これはたいへんな差があるわけなんです。こういう状態がなぜほうられておるのか。あなたは、いま、矛盾が出てくれば、これは訂正するとおっしゃっていましたけれども、これほどの矛盾が出ておりますのに、これを改善するというような案もなければ、格別、これにつきまして検討を加えたという話も聞いていないが、その辺はどうですか。
○佐々木政府委員 生命保険会社は、御承知のとおり、相互会社の方式をとっております。したがって、法人税の所得計算の過程におきましては、社員配当準備金というようなものは、損金算入が認められておるわけでございます。したがいまして、こうした法人税の課税標準の計算をいたします場合には、そうした計算方式に従いまして、さらにまた、事業税におきましては、法人税と異なる点としましては、利子配当関係のものにつきましては、法人税は控除いたしておりますけれども、事業税は控除をしない。こういうような法人税と事業税の課税標準の差を調整いたしましたもので、いま、所得課税としての計算をした比較をしておるわけでございます。ただ、私どものほうが、いま、四十六年度までの実績をとっておりますが、ただいまの三谷委員の資料は、四十七年度のもののようでございますが、私どもも、四十七年の実績というものもさらに調査をいたしまして、そんな大きい差が出ているかどうか、その点は調査をしてみたいと思っています。
○三谷委員 いまの、いろいろな優遇処置をとっているということ、このことはわかっておるんだ。ですから、法人税法上の特別処置、そういうふうなものも計数に加えていろいろ計算をしますと、あなたのような数字になるかもしらぬ。何といいましても、所得課税率もたいへん低いわけです。普通で言いますと百分の十二以上の課税になるものが、百分の三・七五ですかの課税率でものを扱っているものだから、非常にこれは安くなっている。法人税におきまして、特別に優遇している。その上に、地方税法におきまして、さらにこのような脱税を認めるというような処置をとっているものだから、たいへんな利益があがってきている。たとえば、先般発表されましたところの、ことしの申告所得の上位五十社の中に入っている保険会社もあるわけなんです。それほどのもうけをあげている。しかるに、税金というものは全く取るに足りない。一般の会社にかける税と比べますと、一五%ないし二〇%になっている。そういう不合理なことが許されますか。たとえば、個人の会社の場合ですと、銀行に金を預けた利息に対してまで事業税課税をやるのですよ。友人に貸しました金の利息に対してまで所得課税をやっているんだ。ところが、保険会社はどうなんですか。保険会社の中で、不動産収益というものがたくさんな数字にのぼっているが、これは一体どういうふうなものか。 大蔵省から来ているはずだからお尋ねしたいが、不動産収益百二十六億六千二百万円というものが大蔵省の資料で出ているんだけれども、これはどういうものなんですか。
○海野説明員 ただいまいろいろ御質問があったわけでございますけれども、保険会社は、先ほど税務局長の御答弁にございましたように、相互会社組織で運営されておるわけでございます。その理念というのは、同じような死亡という偶然の事故に対する危険を持った人々が集まって、お互いに助け合っていこうという、そういうしかけになっておるわけでございまして、そういたしますと、死亡率というものは年をとるごとに上がってくるわけでございますが、そういうように死亡率に応じて保険料を取りますと、年をとるに従って保険料が非常に高くなり過ぎて、お客さんも契約に入りにくい、こういう事情がございますために、それをならして純保険料にしてございます。したがいまして、初めのほうでいただいた保険料の中には、後年度の支払いに充てなければいけない準備金のようなもの、私たちはそれを責任準備金と呼んでおりますが、そういう部分があるわけでございまして、そういうものをただ寝かしておくだけではもったいないということで、運用して利息をあげておるというのが保険事業の本質でございます。その利息というものは、将来の死亡が出ました場合の保険金の給付に充てるわけでございます。その財産の運用の形態といたしましては、もちろん預金の利息収入ということもございますし、企業に対する貸し付けというものもございますし、あるいは、住宅公団に対する貸し付け、地方債の引き受けというような政策協力の部分もございます。 それから、生命保険事業をやっていく上では、営業用の不動産もつくらなければならない。ところが、最近の土地問題で、御承知のように、都市部の場所を利用するということになりますと、高度利用という問題が出てまいります。高度利用の問題が出てまいりますと、どうしても大きなビルを使う。生命保険会社自体は、そのうちのごく一部分を使うというかっこうになりますので、余っておる部分を賃貸するという形で収入が出てまいるわけでございます。不動産収益の中には、そういうような営業用のビルあるいは投資用のビルを建てるための敷地、あるいはそういうビルそのもの、そういうものを購入したものもあると思いますが、その後の都市事情の変化で、その都市都市自体でいろいろ発展する地域、発展しない地域、立地としていいところ、悪いところ等があり、初めはいいと思ったけれども、あとには悪くなるというようなかっこうのものもございますし、そのために、売却したときに、たまたま不動産の売却益というものが出てくる。それがまた、御指摘のありました百何十億かの不動産売却利益というふうになってきます。ただ、それは、回り回りまして、契約者に対する配当という形で、お客さんのともに返る。お客さん同士の死亡事故に対する保険金給付という形で活用されていくということになります。
○三谷委員 相互会社というものがそういう性質のものだということは初めからわかっておる。そんな説明を聞いておりはせぬじゃないか。だからこそ、株式会社から相互会社にしたんじゃないか。そんなことは初めからわかっているけれども、会社として利益をあげている。このことは間違いないのだ。一般の商事会社にしろ、民間会社にしろ、事業をやってもうけて、それによって社員の給与を上げるとか、あるいは一般社員を株主にして株の配当をするとか、それは同じ性質のものだ。そのことはたいした理由になりはせぬ。 それで、いま言っていたビルの貸し付け料金なんという問題は、これこそ、コークスやコールタールと同じように、当然分離所得課税をすべきものじゃないのか。そういう事業と違うのですか。
○海野説明員 不動産の売却によって得ました利益、あるいは土地でありますとか、営業用のビルの賃貸に伴います営業収入というものが、その面でとらえる限りにおいては益金を構成しておることは間違いない事実だろうと思いますが、法人の所得というものは、総益金と総損金との関係で出てくる答えでございます。その差し引き出てくる答えでございまして、そういう賃貸料収入、不動産の売却益というものが益金にあがると同時に、その資金をもって、お客さんに対する配当に使っておる。あるいは、将来の保険給付のための責任準備金の積み増しに使っておるわけでございまして、これは損金というふうに構成されておりますために、一方で益金が出ますれば、片方にそれとほとんど同額の損金が出るために、課税所得があまり出てきていない。これは生命保険事業の特殊性に基くものであって、もうけ過ぎとかなんとかいうこととは関係ない問題だと思います。
○三谷委員 あなたの説明はよくわかりませんよ。利益があり、損失がある。その上に当期利益金が計算されているわけです。だから、この当期利益金というのは、利益、損失を相殺した上の計数だ。だから、ここに出ております大蔵省の資料は、当然利益金という判断を持つべきものじゃないのですか。また、事実、私どもが大阪でとっております資料を見ますと、明らかにそういうふうな資料になっている。 それから、もう一つは、もともと保険というのは、これはすべて保険契約者に還元をされるものだ。そこで相互会社なんだ。こういうたてまえをとっている。確かに、われわれも社員になるという、そういう欺瞞的な制度になっておるわけだが、だから、その社員が一定の利益の還元を受けるということはあり得ると思う。あり得ると思うが、そういうことだからといって、特別な税の減免措置をとっていけば、これは一般的に適用をする条件ができてくるのじゃないのですか。 〔三ツ林委員長代理退席、委員長着席〕 保険会社だけがなぜそうなってくるか。なぜ、一定の保険会社に加入しておる者だけがそういう特別な恩恵を受けるわけですか。 それから、もう一つは、そもそも、この税金のかけ方の根本が、チルメル式の積み立て方式と純保険料式の積み立て方式の折衷をしたものであるというふうな説明をしておるけれども、そのチルメル式や純保険料式の計数は、いつとって出したものですか。
○海野説明員 前段の部分は私のほうだと思いますので、私からお答えいたしたいと思います。 先ほど、益金、損金と申し上げましたが、より常識的に申し上げるならば、収入金を構成し、片方で支出金を構成するというふうに考えるべき問題かと思います。 それから、個々の契約者が払い込みました保険料以上の保険給付を受ける場合には、その部分につきましては、一般の原則に従いまして、所得税が課税されておるわけでございます。その問題と、相互会社である保険会社自体について、どういう法人税をかけるかということとは別の問題ではないか。その法人税の問題につきましては、相互会社の特殊性に着目いたしまして、先ほど申し上げましたように、一方で益金に算入し、一方で損金に算入するといった処理がなされておるのではないか。同じ問題として、相互組織によりますところの生命保険事業というものが特殊でありますために、事業税の課税の上でも、一般の所得課税方式によらないという特殊事情があるだろうというふうに私は考えております。
○佐々木政府委員 ただいまの率につきましては、昭和二十七年にきめられまして、その後、三十年に一部改正がございますが、大体基本的には二十七年でございます。
○三谷委員 二十七年といいますと、二十年前ですから、基礎資料がだいぶ古い。 それから、いま大蔵省が言いましたけれども、あなたの計算のしかたはよくわかりませんけれども、私たちが計算しておりますものでは、たとえば四十二年の三月決算で見ますと、同和火災の利益が七十五億百万円、損失が六十五億九千四百万円、当期利益金が九億七百万。こうして、利益と損失を相殺しまして、その数字が、さっき申しました日本生命とか、住友生命とか、あるいは大同生命の数字なんだ。これはあなた方がお出しになりました資料とも合致している。だから、利益と損失を相殺してゼロなんというのは、一体どういう意味のものですか、よくわかりません。説明してください。 日本生命にしてもそうなんです。一々あげますと時間をとりますから言いませんけれども、そういう利益、損失の計算をして、当期利益金の計算を出している。その数字を私は言っているのです。ただし、さっきの不動産収益というのは、これは大蔵省の資料ですから、その扱いは、どういう意味かわかりませんが、これはあなたの説明によりますと、利益であり、収益であるとおっしゃっている。どういう意味なんですか。 それから、もともと保険事業というものは、たてまえとしては純保険料、この純保険料というものが、要するに払い戻しを備えた積み立て金になってくるわけなんですね。そして、純保険料と付加保険料とあって、その純保険料をのけました付加保険料のみに課税しているわけです。積み立て金の部分につきましては課税をしていない。このこと自体には問題はありますよ。ありますけれども、やっていない。そうして、その他の、さっき説明しましたもろもろの雑収入、不動産収益あるいは受け取り利息、そういうものにつきましては、これも最終的には契約者に払い戻しをするんだというふうなことを言っていますけれども、相互会社というのは、そこが逃げ道になっている。しかし、そのことは、その保険に契約をしておる者だけにそういう税制上の特別な優遇が行なわれるということなんでしょう。なぜそういうことが行なわれるのかです。そういうことがやられるとすれば、一般的にこれをもっと広げて、全体の国民がひとしく恩典を受けるというような性質のものでありますならばわかるでしょうけれども、しかも、保険会社はそれぞれ利益も違えば、規模も違うわけですから、払い戻しを受ける剰余金にしましても、それぞれ差があるわけなんです。そうしますと、結局、ここにおきまして税の特別減免を行なう根拠というものは、税の公平の面からいきましても正当でないし、それから、この利益を受けます方々の平等性から言いましても適当でないわけなんです。これがなぜ改善されずに今日に至っているのかお尋ねしたいと思います。 それから、もう一つは、もともとが、この保険料というのは政府が認定するわけだけれども、保険料率のきめ方というものが、過去の損害率や死亡率を基礎にしてきめている。ところが、死亡率はずっと減っていっている。寿命が延びているわけです。そして、損害率も、火災に対する科学消防の設備が強化されまして、これも減ってきている。そうしますと、過去の損害率や死亡率をもって保険料率をきめておりますから、不当な保険利得が生まれてきているということが言われている。これは政府部内でも論議の種になったところじゃないでしょうか。そういう状態にありながら、なお屋上屋を架するような、こういう特別な脱税といいますか、それが行なわれておる根拠はどこにあるんですか。
○海野説明員 第一点でございますが、先生の御質問に、不動産収益と、それから、そのときにはございませんでしたが、それよりだいぶ前に、保険証券担保の貸し付けの利息はどうなのかという御質問がございましたが、それにつきましては、益金ではありますけれども、一方で対応するような——対応すると言うとちょっと言い過ぎるかと思いますが、損金もありますので、差し引きあまり所得がないようなかっこうになっておりまして、これが生命保険事業の特殊性でございますというふうに申し上げたわけでございます。したがって、益金、損金差し引いて出ました所得が現実に存在しておりますし、また、御指摘のような数字であろうということも私は否定しておりません。そのとおりであろうというふうに考えております。 それから、第二点の、保険に入っている特定の人だけが恩恵を受けているのではないかという点について御答弁いたしますと、生命保険事業は、現在二十一社がやっておりますけれども、そのうち、株式会社組織でやっておりますのが四社、相互会社組織でやっておりますのが十七社あるわけでございます。株式会社組織でやっている場合におきましても、業者間の競争がございますために、相互会社がやりますと同じような配当というものを現実に契約者にお返しをしておる。その限りにおいては、放置しておけば株主配当に回りますようなものが、契約者に還元されておるということに相なっておるわけでございます。したがって、加入者の立場から見れば、どの保険に入りましても、保険事業の特有性に基づく取り扱いをひとしく受けているという意味で、同じに言えるであろうかと思います。 それから、申すまでもないことでございますが、現在、日本の生命保険の普及率というものは世界の中で有数でございまして、国民のほとんど全部の方々が入っているわけでございます。そういう意味でも、国民の方々皆さんが、ひとしく生命保険事業の特殊性に基づく取り扱いを受けておるというように考えております。 それから、三番目の保険料の引き下げの問題でありますけれども、御指摘のように、日本人の死亡率というものが年々下がってきておることは事実でございます。したがいまして、その事実をとらえまして、戦後、前後五回にわたりまして、保険料の引き下げというものを行なっております。これは、保険種類、保険期間等によりましていろいろ数値が変わりますので、一つの例として、三十歳加入三十年満期の養老保険をとって申し上げますと、昭和二十一年当時の保険料水準に対しまして、現在の保険料水準というのは、約三割下がったかっこうになっております。それでもなお生じましたところの保険会社の余裕といいますか、剰余といいますか、そういうものは、事後的に、契約者配当という形で、毎年度契約者にお返ししておるわけでございまして、契約者にお返ししているからこそ、法人税法上の会社の所得というものが出てこないという関係に相なっておるというのが現状でございます。
○三谷委員 会社の所得が出てこないというのは、どういうことですか。この株主配当は何ぼやっていますか。保険二十一社の株主配当。それから、相互会社によりますと、これは出資金だとか、あるいは投資などが全部償却されなければ配当はしないとなっておりますが、こういう点から見まして、いまの相互会社の配当などはどうなっていますか。
○海野説明員 先ほど申し上げましたように、保険会社二十一社のうち十七社が相互会社組織によって運営されております。したがいまして、この会社については、株主というものがございません。したがって、株主に対する株式配当というものはございません。 それから、四社ほどが株式会社組織でやっておりますけれども、これはどちらかといいますと、規模の小さな、同族会社的な組織でございまして、ここにつきましては、まあ、八分とか一割くらいの配当をしているかと思います。 損害保険事業につきましては、私の所管でありませんので責任ある答弁ができかねるわけでございますが、大体同じような状況だと思います。ただ、損害保険事業につきましては、特殊会社組織のほうが多いというかっこうに相なっております。
○三谷委員 いまあなたのおっしゃいました株式会社におきまして、八分から一割の配当をやっている。そうしますと、その会社に加入している人と、そうでない会社に加入しておる人におきましては、還元金の事実還元をするとしますならば、その額に差が生じてくるじゃないですか。 それから、この問題というものは、結局、その会社の内部でどうするこうするというんじゃなしに、一つの事業に対する課税としてこういうふうな不当なことが許されていいかというような、一つの重大な問題なんですよ。だから、たとえば、あなた方の説明によりますと、ガス会社や電気会社などは、料金を直ちに使用者の負担に帰するおそれがあるので何とかかんとかと言っているが、そんなことを言っても、私鉄にしても一緒なんだ。私鉄の運賃を上げれば、これは乗客にかかってくるわけだ。だから、ここにおきましても、直ちに乗客に転嫁し得る要素があるわけなんです。しかし、そういう理屈を並べてガス会社や電気会社は扱ってきている。それから保険会社におきましては、いまのような理屈を並べているわけです。 いま、株式会社におきましては八分から一割と言っているが、これはけっこうな利益だ。では、相互会社はどうか、相互会社は利益を全部還元しているのかどうかという問題だが、そこにおきましては、それは投資に充てられている。新しい財産づくりにどんどんこれが利用されている。そういう状態になっている。そうして、いわゆる社員といわれる者は、死んでしまったらそれっきりになってしまうのだ。それだけのことだ。契約者というのは、契約が終われば、それはそれでおしまいになってしまう。だから、あなたがいろいろな説明をなさって、これが特定の人の利益になっていないかのようなことをおっしゃいますけれども、そうはなっていないということです。よしんばそうでありましても、税金は税金として、当然この事業の側に対してかけるべきものだ。これはたてまえになっている。しかも、実際におきましては、所得の一五%、二〇%程度が税の対象になっている。こんなことが許されていいですか。一般の中小零細業者や労働者の税と比べてごらんなさい。あまりにもこれは差があり過ぎる。これにつきましては大臣も——これは事務屋がとやかく言ったってあきませんですな。大臣の見解を一ぺんお尋ねしたい。
○江崎国務大臣 お話の筋はよく承りました。事業税の課税標準のあり方につきましては、税制調査会の長期答申の方向でもありまするし、いまの御意見と、現実の問題をとらえまして、十分、今後に向けて検討をしている重要な一つの問題であるというふうに承っておきます。
○三谷委員 一つの問題じゃああきませんわ。やはり、この実情を見ますと、もう少し改善処置を講じませんと納得できません。 それから、大蔵省に聞きますが、東京証券取引所の調べによりますと、四十七年の一月から十一月までの間に、生保、損保会社だけでも、巨額の株の売買益をあげている。いまの数字には、株の数字は入れていませんよ。ちゃんと抜いてある。これは、他の所得課税もそうなっているから、含めていないわけなんです。しかし、いまなお留保株が五億九千万株に及ぶという数字が出ている。この株の売買益を、大蔵省は把握しているかどうか。それから、留保株数、これについて捕捉されているかどうか。これをお尋ねしたいと思う。
○海野説明員 株式の売買益は、四十六年度において三百四億ほどあげております。それで、株式を購入します原資となっておりますものは、お客さんから預かります保険料収入でございまして、これの運用として株式を購入する。そうでありますから、生保会社の事業といたしましては、大体コンスタントに保険料収入というのがございますために、どんどん買い増しをしていくという形の投資計画、したがって、また、世上安定株主であるというふうに言われておるわけでございますが、したがって、株式を売却しますのは非常に例外的である。相当市況がよくて売却する場合、あるいは、配当競争のために、配当財源に充てるという形で株式の売却を行なうというのが、まれだと言うと言い過ぎかもしれませんけれども、多少行なわれておるというような状況でございます。 それから、株式数でございますか。
○三谷委員 留保株。
○海野説明員 保有株ですね。株式数という形で手元に資料がございませんので、金額で申し上げますと、四十六年度末の株式の保有金額が一兆三千百三十億円でございます。生命保険会社自体の総資産の中では一九%程度を占めておるというかっこうになっております。
○三谷委員 大蔵省の資料によりますと、四十六年度決算で、株式配当金が九百二十億に相なっておりますが、それとの関係はどうなっていますか。
○海野説明員 私が先ほど申し上げました数字は、株式の売却によります益、いわゆるキャピタゲインでございます。先生御指摘のものは、株式を保有することによって、決算期ごとに株式の配当があるわけでございます。その金額だと思います。
○三谷委員 それは何ぼですか。
○海野説明員 四十六年度におきまして、九百二十一億円が株式の配当による収入でございます。
○三谷委員 自治大臣、いまお聞きのとおりです。いろいろな多面的な収入があるわけです。それが非常に膨大な額にのぼっている。約五千億と私は計算しております。これは非課税。そして、課税対象になっておりますのは、その五分の一程度にすぎません。いま、この利益というものは、すべて契約者に還元されるのだというような説明をなさっている。還元される分も一部分あるでしょうけれども、しかし、この契約者というのは、時々刻々変化していく。資格を失ったり、新しく加わったりしてくるわけであります。これは不特定なものだが、結局、特定のもの、特定の会社の経営陣といいますか、これが不動産その他におきまして、株等におきまして、留保する金額が非常に大きいということになる。これはまた、将来は契約者に還元するのだと言うのでしょうけれども、しかし、その契約者なんというのは、実際におきましては、刻々変化していくものでありますし、その権利というものは、契約期間だけ存在しているわけです。結局、あとあとまで残っていくものは、経営陣が握っている固定資産であるとか、あるいは株であるとかいうことになってくる。しかも、その分量が非常にふえつつあるということなんですね。株主配当をしないかわりに、株主配当に該当するかのような蓄積がなされつつあるということなんです。これは、相互会社だから、いずれは契約者に返すのだということをまた言うんでしょうけれども、しかし、いつまでもごまかしを言っておったところで、この会社に対する優遇処置としては、明らかに別個の問題として考えていかなければいかぬ。この収入金課税というものは、やはり、所得課税と権衡をとらなくちゃいけません。所得課税と比べまして、その二割とか一割五分だとかいうようなことでは、今日、泣きの涙で所得課税に応じておる中小零細業者、倒産にさらされておる中小零細業者、これはもうがまんできるものじゃありません。やはり、税金というものは公平で平等であるということが必要なことなんです。これは法人課税におきまして、特別な優遇措置をとっている。その理由は、これは還元するものだと言う。そして、地方税法におきましても、こういうとんでもない優遇措置をとっているが、これも理由を聞きますと、これは還元するものだと言うのですね。しかし、株式会社が存在するわけだから、それはやっぱり営利を目的の会社になっている。そうしますと、この点につきましては改善をしなくちゃだめです。改善をしませんで、こういう不合理がいつまでも許されていいものではありません。収入金課税そのものについて、私どもはいかぬとは考えませんけれども、しかし、これは収入金課税の内容が問題なんです。大体、このガス、電気におきましては、所得課税、収入金課税、ほぼ税額が差がない。そういう処置になっている。ところが、保険会社だけはむちゃくちゃになってしまっている。これはすみやかに改善をしていただきたい。そうしますと、六百億の地方税が出てきます。いま、地方財政が非常な危機に面している。地方行政が行き詰まっていますけれども、所得課税をやってもらえば、付随収入に対する所得課税で、けっこうそれだけのものが出てくるわけです。 これは、この間大阪でも問題になりまして、大阪府は、確かにこれは矛盾がある、解決すべき問題だ、政府に対して申し入れをするということを言うております。地方団体におきましても、そういう判断をしているわけなんです。 これは、自治大臣が勇気を持ってこれの改善をやってもらいたい。いま出ております地方税法で、わずかばかりの課税標準額を上げるなんてことをやっておりますけれども、まあ、そのことはいいことですけれども、ひとつ、大きなところを見逃さずに、そういう案を地方税法の改正案の中に織り込んでほしい。
○江崎国務大臣 御指摘の御意見に対する、政府委員側のそれぞれの回答があったわけでありまするが、これは、さっきもお答えいたしましたように、税制調査会の長期答申の趣旨もありまするので、それなどとにらみ合わせながら、十分検討させていただきたいと思います。
○三谷委員 それじゃ、これで終わります。
○上村委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後零時五十六分休憩 ————◇————— 午後四時三十九分開議
○上村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。小川新一郎君。
○小川(新)委員 今回の地方税法、地方財政の立場から御質疑いたしますが、委員長、資料要求をお願いしたいのでございます。また後ほど出てまいりますところの市街化区域の農地の課税の問題、そういう問題がございますので、私は親切に先に要求いたしておきます。 建設省にお願いいたしますが、全国及び三大都市圏の宅地供給計画をお願いいたします。そして、その次は、全国及び三大都市圏、特に、市街化区域内、またはその周辺の在日米軍基地の面積を、これは建設省でわからなければ、防衛庁のほうと御協力して、ひとつお願いしたいと思います。その次には、市街化区域内の農地、国、公有地、法人所有地の面積をお願いしたいと思います。その次は、新都市計画法に基づく線引きの際、市街化区域が拡大した理由、この根拠についてお願いいたします。 自治省にお願いいたします。自治省研究会の研究資料の全部を公開していただきたいと思っております。 農林省、来ておりますか。——それでは一応読み上げますから、あとでお願いします。農林省には、新都市計画法の線引きの際、市街化区域内農地から、農地法四条、五条の適用を除外したときの根拠となる資料を公開していただきたい。その次は、減反農地、特に、市街化区域内の減反農地の実態をお願いしたいと思います。 以上、資料要求をお願いいたします。 まず、私は、この問題をお尋ねするにあたりまして、本年二月十三日に閣議決定されました経済社会基本計画と、昭和四十八年から五十二年にわたるところの地方税との関係についてお尋ねいたします。 この経済社会基本計画の「まえがき」には、「内外両面における事態の変化がこれほど急速にあらわれてこようとは、新経済社会発展計画でも予期しえなかったことである。」とありますが、経済社会基本計画の中には、ドルの切り下げ、円の変動相場制への移行の影響は見込まれているのか、いないのか、まず、この点を経企庁にお尋ねいたします。 〔委員長退席、小山(省)委員長代理着席〕
○小泉説明員 お答えいたします。 御存じのとおり、経済社会基本計画は、中長期のわが国経済の大きな流れを想定いたしたものでございまして、御指摘の通貨情勢のいかん、こういった問題につきましても、大きな流れの中で、今後、中長期の経済が発展する上でのファクターとして、いろいろな面から検討した結果を示しているわけでございますが、短期的な変動の点につきましては、計数的にこれを取り入れるというようなことは、計画本来の性格から申しまして限界があろうかと思います。できるだけ現在の日本経済の実態を踏まえた上で、今後の中長期の流れを計画としてお示しいたしておるわけでございます。 以上でございます。
○小川(新)委員 ことしの四十八年度の経済見通しにおける経済成長率との関連は、一体どのように理解したらいいのでしょうか。
○小泉説明員 御質問の、四十八年度の経済見通しは、短期的な当面の経済の見通しをお示しいたしておるわけでございます。これもまた、単純な経済の予測ではございません。政策的なあらゆる効果を織り込みまして、望ましい四十八年度の経済の姿というものを描いておるわけでございます。それと中長期の計画との関係につきましても、短期的な変動は、中長期の流れの中で、計画の一環として考慮の対象になったのでありますが、経済社会基本計画でお示しいたしております九%の成長率と、四十八年度の経済見通しでお示しいたしております一〇・七%の実質成長率というものの間には、やはり景気の波動、こういったものとして、両者の関係を理解していただく、こういうものでございます。
○小川(新)委員 私がこの問題を取り上げておりますのは、次にお尋ねいたしますところの経済社会基本計画に盛られております経済の指数というものが、円の再切り上げと、固定相場制への復帰なり、または変動相場制の継続が、そういった見通しの中から、税収入にどういうような影響を与えるかということが聞きたいために、いまあなたに前段の問題を問いただしたわけであります。これは後段に至って、地方財政計画または地方税制に非常に大きな問題を与えてきますので、いまお答えをいただいたわけでございますが、その変動相場制等々の経済の変動によって、この継続は、計画なり税収入などに一体どんな影響を与えてくるのか。いかがでしょうか。
○小泉説明員 先ほどお答え申し上げましたように、中長期の大きな流れを経済社会基本計画ではお示しいたしております。計数的にこれを集約して申し上げますと、実質成長率は、五十二年度までの期間を通じて平均九%程度というものをお示しいたしておるわけであります。あらゆる経済の事象というものはその中に総合的に勘案されておるということとして、御理解いただきたいと思います。
○小川(新)委員 そうしますと、基本計画の九五ページには、「国民福祉の充実のためには、」ちょっと抜かしまして、「国民の租税負担は所得水準の上昇に応じて上昇し、国民所得に対する「税および税外負担」の比率は計画期間中おおむね三%程度高まらざるをえないと見込まれる。」となっている。こういう経済の変動の中で、あなた方が立てた五十二年度までの基本計画の中で、三%程度までは税金というものは高まらざるを得ない。それでは、その三%増税の内容は一体何かという問題が私の聞きたい問題でございますが、一つは、法人関係税の中では、地方税は一体どのように考えていらっしゃるのか。これは税務局長にもお尋ねいたしますが、先に経企庁からお答えいただきたい。
○小泉説明員 経済社会基本計画では、御指摘のように、わが国経済が、中長期にわたりまして、経済の重点を福祉に指向いたしまして、資源の配分を国民福祉に転換していくということが最大の眼目として描かれておるわけでございますが、それに伴いまして、やはり財政面の役割りというものが高まるということが描いてあるわけでございます。当然、税負担につきましても、三%程度の上昇はやむを得ないという方向が示されております。 御指摘の地方財政につきましても、同様に、それに伴いまして地方財政の重要性も今後高まっていく。その過程におきまして、国税、地方税を通じまして、税負担が、国民所得に対しまして三%程度の増加ということが描かれておるわけでございます。具体的なその内容につきましては、政府の税制調査会等の審議を経まして、具体的な各年度の税目につきましての審議が期待されるわけでございます。そこまでこの基本計画で具体的にお示しするという性格のものにはなっておらない。概括的にある種の方向につきましては指摘はいたしてございますが、その点につきましては、先ほど申しましたように、政府の税制調査会等の審議で具体的にお示しいただき、その答申を経て、各年度の税制改正でそれが実現していく、こういうものではないかと思います。
○佐々木政府委員 基本計画のほうで示されておりますのは、一般的な傾向としての租税負担率の上昇ということを述べておるわけでございまして、それを具体的に、税制で、どういうふうにその負担を求めていくかというのがこれからの問題になるだろうと思います。 地方財政全般の中で、地方税収入というものがどういう状況になっているかといいますと、もうすでに御承知のとおり、府県財政の中での府県税収入の比率というものは、ここしばらく大体横ばいということを言っていいだろうと思うのです。特殊な年度においては変動がございますけれども、大体横ばいの傾向にある。 それに対しまして、市町村財政の中での市町村税収入の割合というものは、各年その比率は低下をしてまいりまして、ここ十数年をとってみましても、財政の中で占める比率が約一〇%くらいも下がっているというふうな、極端な租税収入の比重の低下が見られるわけでございます。 このように、財政の中でも、特に、福祉行政面、あるいは住民の日常生活面の行政を担当しております市町村財政の中で、税収入の比率が非常に低下してきているということは、今後、国が一そう福祉行政を進めていくということになります場合には、そうした傾向がさらにこのままでは継続するであろうということは当然予想されるところでございまして、特に、市町村税の比重をもっと高めていかなければならないというふうな問題が出てまいる。 それから、地方財政全体を通じまして、これからの財政収支の傾向を予想してみますと、やはり、租税収入の比率が非常に前途があぶないといいますか、減少傾向にあるということは見通されるところでございまして、当然に、税制としても、それに対して強化をしなければならないということになるわけでございまして、また、国全体から見ましても、租税負担率が、国民所得に対しまして一九%台でともかくここ二十数年やってきたというような状況は、おそらく、これを維持することができないのではないだろうかというような感じがします。 そういうようなことで、この基本計画は三%程度の上昇ということも見込んでいるだろうと思いますが、その際に、どういうところにその租税負担率の上昇を求めていくかということになりますと、やはり、現在の負担段階では、まず第一次的には、法人の所得課税というものが第一の目標にならざるを得ないだろうというふうに考えられるわけでありまして、これは、国税の面でも同じような問題として取り上げられておるのでございますけれども、地方税の中におきましても同じ問題が出てくるわけです。ただ、その際に、直接に法人の所得課税の税率引き上げという形で持っていくか、あるいは、法人に負担を求めるにいたしましても、所得課税ではなしに、たとえば、今回の固定資産税がその一つにもなるわけでございますけれども、固定資産税といったような、所得課税以外の面で負担を求めていくか、さらにはまた、私どもがここ二、三年検討しております事務所・事業所税といったような形での法人の租税負担を強化していくか、これらについては、技術的あるいは制度的にもいろいろ検討する余地があるだろうと思いますが、まず、第一次的には、そういう意味で法人に対する課税を強化していくということがまず第一段階の制度強化策であろうというふうに考えております。
○小川(新)委員 経済企画庁にもう一点お尋ねしますが、いま自治省からお答えいただいたのでございますが、そういたしますと、基本計画の中での、住民税を、また所得税を、こういうものをどの程度減税した上での——三%の増税ということをいま聞きましたが、法人税が上がるということで大きくカバーしていくのでしょうけれども、そのほうの問題を下げて、これと相殺した上で、なおかつこれだけ上がるのだということは、私どもの一番知りたいところなんです。それは基本計画の中に示されているかどうか。これはやはり基本的な問題でございますから、自治省は、この経済基本計画というものに従って、五十二年までの長期の見通しというものを立てていかなければならない。これが分離したものであったら、基本計画というものの使命というものを何も果たせないのではないかと私は思うのですが、その点はいかがでございますか。
○小泉説明員 ただいまも御答弁がございましたように、三%程度の国民所得に対する税及び税外負担の割合の増加という見通しにつきましては、国民経済の資源を福祉へ転換するということに対応いたしまして、たとえば法人企業につきましては、相応の負担を求める、あるいは間接諸税につきましては、税体系の中における正しい地位を占めるための見直しを行なう、あるいは、将来重要性のますます高まります地方財政の需要に応じまして、地方税につきましても再検討を行なうというような指摘はいたしておりますが、先ほどもお答え申し上げましたように、各税目につきましてのどの程度の減税、あるいはどの程度の増税といったことにつきましては、計画の性格上、具体的な内容につきましてはお示しすることはいたしておりません。そのように御了解いただきたいと思います。
○小川(新)委員 基本計画ですから、あまり詳しいことはできないと言うのでございますが、こういう大きな経済の変動期であり、また、日本列島の改造というような大きな問題を政府が打ち出しているときについては、そういった問題があなたのほうから明快に示されてこそ、私どもの地方行政での審議のかてとなる。こういうことできょう御答弁をいただこうと私は思ったのでございますが、連絡の不十分等で、あまりよくお示しをいただけませんが、この問題については、後日もう少しお聞きしたいと思っております。 そこで、経済社会基本計画についての認識を私は前提としたいのでございますが、そういうことでございまして、明年度の税収入の見通しをどういうふうに見たらいいのかということでお尋ねするのですけれども、四十八年度の地方財政計画によりますと、地方税の伸びは二七%と見込んでおります。これはドルの切り下げ、円のフロートによって相当の影響を受けると思われますが、特に、先般本委員会にお呼びいたしました参考人の佐々井神奈川県副知事の御見解にもあったように、地方自治体によっては低目に見積もっているところもあるが、三〇%台の大幅な税収の伸びを見込んでいるものもおります。一ドル三百六十円から三百八円に円が切り上げられたときの経験からいたしましても、地方自治体には一体どのような指導を行なっているのか、また、そのときの反省をどのように踏まえて指導されたか、また、されようとしておるのか。これは通常のときと違いまして、円切上げとか、そういった非常のいまの日本経済の場合等を考えたとき、その指導方針は当然異なると思います。私が住んでおります埼玉県でも、三〇%をこえる、大幅な、目一ぱいの財源を見込んだ予算を立てております。これは、立てたあとにこういった問題が出ておりますので、私は、まず、これを率直にお聞きしたいと思うのでございます。
○佐々木政府委員 私どもの地方財政計画も同様でございますが、各県の予算編成におきましても、税収入の伸び率というものは、その計画なり予算なりを作成した時点を、前年度と当年度と合わせまして、その比率を出しておることは御承知のとおりでございます。したがいまして、県の予算編成の態度によりまして、その当初予算におきまする税収の見積もりをやや緊縮目に組んだところは、ことしの態度によっては大きな見込みが出ることもございます。あるいは、選挙等があります場合には、当初予算において骨格予算を組んだために、伸び率が今年度になって大きく出たというところもあるわけでございます。ただ、ことし、地方財政計画におきまして、地方税収入が二七%というような非常に大きな率になりましたのは、これも、昨年の財政計画との対比において二七%という伸びが出ておるわけでございます。この中には、昨年の景気の回復というものが、非常に早い時期に、予想よりも早く景気回復をいたしましたために、四十七年度中においてすでに自然増収がありました部分が、この増収の中には含まれておるということがあるわけでございまして、この点は、各県とも、あるいは各市町村とも、予算編成の際には、この計画の中に、四十七年度中における自然増収があった。したがって、各地方団体とも、四十七年においてすでに財源として使ってしまっておる自然増収があるわけでございます。そういう意味で、その点は十分留意するようにということで、私どもは、現行制度との対比におきまして、ことし一兆三千億の自然増があるということを申しておりますけれども、実際に四十八年度で増収になるのは幾らかということになりますと、おそらく、一兆円を少し割るくらいの自然増収であろう。これと同じような事情が各地方団体にもあるわけであります。その辺を十分のみ込んで予算編成をするようにということは指導いたしておるわけでございます。
○小川(新)委員 特に、特定の企業、業種に対する依存度の高い市町村では、三月決算においては、確かに、いま言ったように、四十七年度の前半において景気の回復が早まったので赤字が出ないところがございますが、これは、九月決算になりますと、相当困難な状態を持つ中小零細企業が続出してくると思うのです。特に、私の住んでおります埼玉県の川口や京都、燕というような、特定の輸出関連工業を持っているような市町村に対しては、どのような財源措置を講ずるような御指導をなさるのか。これは大臣、いかがでございましょうか。こういったことは政治的配慮でございますので、これは目一ぱい財源を組みまして、確かに一四%の成長率とすれば、いろいろな面で、福祉その他の公共事業等に金を入れるという考え方が当然これは出てくるのでございますが、いま言ったような、四十七年度の安易な考え方で四十八年度を取り組むとするならば、九月決算のときに落ち込んだ各会社の固定資産税や事業税——地方税ですか、こういった面で当然いろいろな弊害が出てまいると思うのです。 いま私が指摘したような特定地域は特にそうだと思うのでございますが、この点についての御指導と御見解をひとつお願いいたしたいと思います。
○江崎国務大臣 いま御指摘のような特定地域につきましては、通産省等関係省において、金融施策をはじめ、それぞれいろいろな対策をすでに具体的に講じておるわけですね。また、私どもにしましても、中間決算で租税の繰り延べをするとか、しかるべき延帯措置を認めるようにという適切な指導をいたしておるわけでございます。私、確かに、特定企業に依存度の高い地域では、非常に打撃があると思います。これは否定することはできぬと思いますが、前回の円の切り上げの場合、これは、ドルの切り下げを含んで切り上げということばで表現するとして、それとは根本的に事情が違う。これは、ドイツのマルクの切り上げがスムーズに過去経過いたしました様子を見てみましても、やはり、好況下の切り上げということですね。ちょうど昨年の場合は、ようやく景気が立ち直りかけようとする、その事前切り上げであったということ。それから、業界の大手では、しきりにそれに対する警戒とか準備がありましたが、一般中小企業、零細企業においては初めての経験であるということから、何ら用意がなかったということ。それに引きかえて、今度の場面は、たまたま景気の立ち直りが早くなりまして、上向きの場面でこのショックに遭遇したということ。それから、経済界全体が、これはいずれかは円の再切り上げがあるといったような一つの潜在意識を持って準備をしておったということ。そういうことで、今度のこの大型予算をそのままどんどん執行していけば、それこそ経済的にはインフレの傾向も出てくるのではないかということで、予算委員会等では、野党からもしきりに御指摘があったところでありますが、いま、金融を引き締めたり、特に、今度は、農協などの系統資金にまで引き締めを及ぼそうというようなことを考えておるということは、日本の経済全体から見れば、やはり相当上向きであるということが背景にあるのだと思います。そういう点で、上期は、政府の方向としても相当引き締めてまいりまするが、ことしの経済の見通しから言うと、下期にはまた景気も相当よくなるし、通貨の引き締め効果というものも、その時期では相当緩慢になって、悪い企業というものは、これは救っていかなければなりませんが、企業全体としては相当程度の躍進を遂げるのではないか、これが一つの一致した見方になっておりますね。 〔小山(省)委員長代理退席、委員長着席〕 ですから、いまフロートしておりますし、このフロート制が秋まで続くというような見解を大蔵大臣なども示しておりまするが、そういたしますと、特定企業に依存しておる市町村というものには、いまお示しのように、私どもとしても、財政面で措置をするということもありましょうが、日本全体の経済の伸び、これに見合う租税の伸びというものも、そんなにみじめにはならないのではないか。下期には相当明るい見通しも立って、今日のこのむずかしい場面というものが緩和されるのではないか。その緩和状況が出てくることをわれわれ手をこまねいて見ておるわけではないのでして、そういう企業に対しては、それぞれの省庁が、中小企業、零細業者を十分育成、指導するということで、対策も間断なくいたしておるわけですから、地方財政に及ぼす影響というものが、そんなにみじめなもので、また、そんなに激変が起こるものだということは、私ども役所でいつも討議をするわけですが、考えておらないというのが実情でございます。
○小川(新)委員 それが、東京都議会の今年度の会議録を見ますと、都知事は全然逆なことを言っているのですね。各会社の九月決算は非常に落ち込みをするということを私はいま警告したのでございますが、大臣は、そのために金融をゆるめてやるということでなくて、逆に引き締めるということをいまおっしゃったのですけれども、私は、聞いていて、逆にとれたのです。そういうことで問題がいろいろと出てきまして、社会党さんが七〇年代のための財政改革の問題で質問していらっしゃるのですけれども、都知事はいろいろな問題を考えていらっしゃる。特に、零細企業政策については、転換を促すための金融制度を創設することとか、輸出関連の中小企業にも、通貨危機で特に影響が甚大であるから——こういう地方の知事さんの見解というものは、非常に危機意識を持って議会答弁をしておるわけです。これは東京都の場合だけでございますから必ずしもそのとうりだとは私は言いませんけれども、現在のような状態が、大臣が思っていらっしゃるような甘い状態では必ずしもないということを私はちょっと指摘したいと思うのです。そして、そういった中に立って、大臣がおっしゃるように、もしも、九月以降だいじょうぶだという見解であるならば、先日の予算委員会で、愛知大蔵大臣が、法人税率の引き上げを検討すると言っておりまして、いま言った会社というものが、たいして被害を受けない、なおかつ、先ほどの経済基本計画で、五十二年までの見通しの中で、法人税の引き上げというものは当然考えなければならぬということを言っております立場から見れば、自治大臣としては、法人税、法人事業税、法人住民税のどれの引き上げについて、愛知さんの言っているような考えを踏まえたお考えが、実際の担当大臣としておありなのか。これをまず伺いたい。
○江崎国務大臣 これは、これを引き上げますということをいま軽々に御指摘申し上げるわけにもまいりませんが、法人税が上がる、また、上げることが事実現実になってきたということになりますれば、市町村においては、法人税割りの伸びを期待するということにならざるを得ぬと思うのです。これは、見通しの問題はいろいろ分かれますが、私は、やはり、ことしの下期には、この変動相場制の打撃というものは、企業全体から見れば相当吸収されるという論者です。そして、その証拠に、この上期に、とにかく系統資金にまで手を伸ばして金融引き締めをしていかなければならぬということは、インフレの防遏ということもありましょうが、やはり、企業の底力というものが相当あるということですね。 それから、円の切り上げ自体をカバーできない企業というものもありましょうが、もうドルが切り下げられた、一〇%程度のものは、昨年の暮れごろから、相当優秀な輸出業者においては織り込み済みであったということなどなどを考えますと、私は、ことしの経済というものは、そう悲観したものではないと思う。悲観したものなら、いま、金融引き締めをこんなに極端にやらなければならぬことにならないですね。ですから、前期は引き締めて自重を促し、下期には、自然に予算も使われて、どんどん事業が遂行されてまいりますると、これはもう、引き締めようもだんだんなくなってくるというような形が顕著になると思うのです。そればかりか、とにかく、企業の底力というものが相当上向きになっておる時期だけに、ある程度吸収できる。こういう見方です。
○小川(新)委員 私は、きのうの委員会でも質問いたしましたが、優秀な人材、優秀なスタッフ、そして強力な私企業を集めている特定な大企業とか、いま問題になっている総合商社というものは、確かにそういった回復力が早いと思うのですが、中小零細企業は、逆に、いまの三月決算を乗り越えても、九月ごろから、円のフロート問題で、そのひずみが出てくるのじゃないかと思う。これは取り越し苦労であってくれればいいのですが、そういう問題を持っておる一人として、私は、あえて法人税の増加という問題を取り上げたわけなのです。いま、大臣からは、明快なお答えがいただけなかったわけで、何かもやもやしているうちに済んでしまって、私が聞いておった三つの税金に対することはお答えいただけないわけですが、総理大臣がこの問題をこの間発表いたしましたね。これは参議院の予算委員会だと思うのですが、法人税の付加税率一・七五%については、五年間の期限が切れるわけですが、これ以上の法人税の増税を実行すると総理大臣は答弁されております。具体的な増税案の検討というものは、一体、自治大臣のところにおろされているのか。また、これは、そういうことをよく踏まえられた上で総理が打ち上げられた政策なのか。単に、予算委員会で攻められたから、総理大臣の責任のもとにやると言ったのであって、自治大臣はそれに関知しないなどということでは困るのであって、そういう問題があって、法人三税の引き上げということを私はいま聞いているのです。なぜ、その前に、日本経済の問題を、経済社会基本計画や何かの例を引いてくどくどしく聞いたかというと、そういうことなんです。私の質問も幼稚でございますけれども、お答えいただくほうも、あまり親切なお答えをいただけなかったのですが、そういう中で私は聞いているわけなんですが、その点はどうですか。
○江崎国務大臣 まだ、総理から、それについての具体的な検討も言われてはおりませんが、これも、絶えず、税制調査会等々の意見等も具体的にまとめていただくという作業もいたしましょうし、党側においても、具体的に検討するということにはまだ時間もあるわけですが、これは、これから党内に、また、税制調査会のような公的機関にも話がおりてくるものというふうに私どもも期待をいたしております。 私がいま歯切れよくお答えできませんのも、そういったもろもろの機関等の意見を慎重に徴しまして、その上で最終的にきめていくということであって、これは、いまの政府及び政治の仕組みから言いまして、そうならざるを得ないと思っておるわけです。
○小川(新)委員 私は、ほんとうにもっと明快にお聞きしたいために、きょうは、皆さんお疲れのところをこうやってがんばっているわけですよ。そんなお答えでは、何もきょうこうしてやることはなかったのです。どうですか、大臣、あなたは実力大臣なんですから、もう少し数字的に、もう一歩聞きたいのですがね。大事なところだから、ぜひ聞かせてください。
○佐々木政府委員 いま、法人についての負担増を求めます場合に、どういう形で求めていくかという点が問題であろうと思います。直接的には、法人に対する所得課税をふやしていくということが一つ問題があるだろうと思います。それからまた、一つの案としましては、固定資産税の問題もあったわけでございます。それから、都市整備税という形での法人負担を求めていくという方式もあったわけであります。 実は、この問題につきましては、国税当局のほうとも、打ち合わせも事務的にはいろいろしておるわけでございますけれども、まず、ことし、固定資産税において負担調整をはずして、法人についての固定資産税の負担増を求める。この方式は、法人税率に換算いたしますと、約一%の税率アップに相当する負担になるわけでございます。現実には、これが損金算入等の問題もありますので、実際には〇・五%の実質負担増という形になるわけでございます。 このほかの問題として、まだ残されているものが都市整備税、これも、どの程度の負担を求めるべきかという点もあるわけですが、これも一つの法人負担の求め方であろうと思います。また、直接には法人所得課税ということになりますと、国税において法人税率の引き上げをはかるという場合に、地方の分としてどれだけを求めていくかという点で、法人税割りの税率引き上げという問題も検討の対象になるだろうと思います。形としましてはそういう方法があるわけであります。 それらの点を十分にらみ合わせながら、来年度の税制改正には対処していきたいというふうに考えております。
○小川(新)委員 これ以上のことは出そうもないですから、もう聞きませんけれども、これは、さっきの基本計画の中でもいわれておるような一つの大事な問題でございますので、私は、どうしても昭和四十八年度の中からの数字というものを聞きたかったわけですが、壁が厚くてなかなかお答えがいただけないのですけれども、ひとつ、この次には攻め手を変えてやりますので、どうか明快にお答えいただきたい。 時間もあまりございませんし、皆さんお疲れでございますから、私、固定資産税のことにちょっと入りたいと思います。 固定資産税の免税点は、このたびの改正で、土地が十五万円に引き上げられたといいますけれども、これでは、どんな狭い土地でも課税の対象にされてしまうわけであります。三百五十一条でありますが、昭和四十七年度の固定資産税の納税義務者のうち、都市では、約三〇%が評価額八万円以下の零細な地主である。地主というか、私はこれは生活の本拠と言っているのですが、都市問題から考えたときには、大都市での五十坪や三十坪くらいの土地というものは、これは地主なんというものではなくて、生きていくために必要な最低限度の自力建設の基盤でございます。そういう中で、大規模な償却資産にはいろいろな名目で減免がありますけれども、こういう方々が、今回の法改正によって、はたしてその恩典を受けられるかどうか。これは重大な問題なんですね。 それともう一つ私は建設省にもお尋ねしたいのですけれども、この住宅というものは、私たちの収入の中に占める割合というものは何%くらいが妥当なのかということからお聞きしてまいりたいと思います。 そこで、大臣に率直にお尋ねいたしますが、たとえば十万円のサラリーマンが、幾らくらいの家賃なら妥当だと思っていらっしゃいますか。まず第一番目に大臣に御見解を聞いておきたい。でないと、固定資産税の算定の議論に入れない。
○佐々木政府委員 家計費の中で、家賃の負担というものはどの程度が標準的なものか、あるいは望ましいのかということにつきましては、いろいろ考え方があるだろうと思いますが、最近におきましては、大体一五%ないしは二〇%。外国の場合におきましても、大体その辺の水準のところではないだろうかということが言われているように思います。
○小川(新)委員 ILOの勧告でも、住宅の問題を、一〇%か一五%以内に押えろという勧告があるわけですね。これは局長からお答えがありましたとおりでございます。ところが、固定資産税について、いまから私が実例をあげて説明いたしますから、もし御議論があったら反論してもらいたいのですが、昭和四十八年度、ことしは基準年度に当たりますが、今回評価額が変わりますね。それで、地方税法第三百八十八条の規定に基づいて、自治大臣が、固定資産税の評価基準に基づいて、時価評価を基礎として、そのことを判定して、基準のあれを考えていくわけです。 そこでお尋ねするのですが、この評価を新しい宅地の時価にだんだん近づけていくという考え方はぼくも賛成なんですが、時価がこんなに上がってしまうと、だんだん問題が出てくるわけです。大体、一年間に時価というものがどのくらい上がったか。大臣、地価公示の認識の上ではどう認識されていますか。
○江崎国務大臣 三割というふうに政府委員が申しております。
○小川(新)委員 大臣、これは笑い話じゃないですよ。一体、地価公示というものはどういうものなんですか。この法律は昭和四十四年にできたのだが、私も建設委員会で審議しましたから、これはよく知っていますが、私は、この地価公示というもので、どうしてもいまだにわからない問題があるのです。だから、きょうこの委員会で——この固定資産税を評価する場合に、自治省は、たとえば保有税にしても、いまだに時価の取引価格にしているでしょう。時価の取引価格ということは、地価公示価格でやっているのか、やっていないのかという問題もある。この地価の課税対象になる路線は四本だか三本だかありますね。 そこで、いつも言われているように、自治省は、この地価公示制度をほんとうに取り入れる考えがあるのですか。まず、この点から聞いていきましょう。
○江崎国務大臣 これは、予算委員会でもしばしば問題になりましたが、将来の形としては、当然地価公示制度に全部さや寄せしていく。(「とんでもない。だから高く上がるのだ」と呼ぶ者あり)いや、だから、そういう場合は一本化するということですね。一本化するということになれば、固定資産税の税率で当然考慮を払わなければなりませんですね。地価公示制度は、一応売買の値段を標準にして公示をしておるわけでありまするから、いま、私どもの固定資産税の評価額というものは、売買要素というものを取り去っておりまするから、この公示制度よりも低いところにあるわけです。そうなるとまた、いまのお話しのように、相続税はまたこの評価額より高いところに位置づけられる。税を納める国民の側からするとはなはだ迷惑なことでございまして、なればこそ、これを一本化しようということで、政府も統一を念願してここへ来ておるわけでありまするが、現在の状況では、まだまだこれはとても一本化できそうにありません。われわれ、固定資産税のほうは、全部個々別々に査定をするわけですから、七十七万カ所ぐらい標準地を求めて評価するわけですから、これはもうとても地価公示価格とは、その規模においても、またその努力においても——大都市周辺の市街化地域のあれは二千八百カ所でしたか、その程度の調査というものとでは、これは比較にならぬわけでございます。しかし、おっしゃるように、一本化した場合には、当然、固定資産税の税率をどうするか——まあ、ここで勘案をして、一本化していくことは、将来の姿としては望ましいと私は思っております。
○小川(新)委員 将来というと、大臣の見通しでは、昭和五十年ごろですか。
○江崎国務大臣 まあ、なるべく早くということですね。
○小川(新)委員 私がなぜ聞きたいかというと、今回の評価がえで、一定規模、すなわち五十坪ですね。五十坪の住宅用地にかかわる固定資産税が、現行と改正でどう違うかということなんです。この改正をした場合、国民の側から言わせますと、一体安くなるのか高くなるのかということ、これが一番素朴な疑問だと思うのです。一体、どこが高くなって、どこが安くなるのか。また、ならないならば、昭和五十五年ごろには、固定資産税のどういう姿が出てくるのか。また、昭和五十年のときにはどうなるのか。これは明快にしなければならないと思うのですね。そういたしませんと、この法案を私どもが審議するにあたって、やっぱり国民の側に立たなければなりませんので……。確かに、地方財政の有力な収入源としての固定資産税ですから、両面のやいばですから、むやみやたらに安くするということを私は言っているわけではないのです。 大臣、ちなみに、これは自治省からいただいた数字なんですが、五十坪なんですね。A、B、Cと分かれていまして、Aは、昭和三十八年に五万円の評価額が、昭和四十八年のときには百五十万円になる。それからBは、昭和三十八年には、同じく五万円なんです。これが二百五十万円になっている。Cの場合は五百万円になっている。これは地価の上昇率を、大体十年間に三十倍、五十倍、百倍と分けて、ABCに分けたのでございますが、そのAの固定資産税額が、昭和四十七年のときには、現行では三千八百二十七円、改正後も三千八百二十七円。昭和五十年のときには、これがどっちも一万五百一円になっております。これはずっといきますと、昭和五十五年では、現行では二万一千円、改正されていきますと、これが四万二千円になってしまう。 それから、Bですね。五十倍に土地が上がったところでは、昭和四十七年では、五十坪の土地にかかる固定資産税が、現行も改正もともに四千七百八十円です。ところが、これが昭和五十年になると差が出てきている。現行の場合には一万三千百十五円、改正では一万七千五百円。これが昭和五十五年では、いまのままでいった場合には三万五千円の負担に対して、改正をいたしますと、これが倍の七万円に近くなる。もっと、百倍にも上がったような土地の地域においては、これはすごいものですね。現行でいけば七万円が、昭和五十五年に十四万円になってしまいまして、これも約二倍にはね上がってしまう。 これを実際の例に当てはめて、私、これから御説明いたします。 板橋区の稲荷台の一般住宅の場合ですね。これは住宅専用地域ですが、昭和四十七年度に、百坪で二万五千円の固定資産税が、今回の改正になりますと、昭和五十年には八万九千二百円となりますよ、大臣。そうすると、これは六万四千二百円の値上がりになってしまうのですよ。住宅の場合には、御存じのとおり、この法律にも出ておりますとおり、評価額の二分の一までに頭を押える。だけれども、土地が上がっていった場合には、いま私が三十倍、五十倍、百倍と言ったようなところではこれだけの差が出る。これは東京都の一種住宅専用地域の場合です。 それから、今度は商業地域で、新宿区戸塚町の商業用地の場合を言いますと、四十七年度には百坪で十九万五百円のものが、改正いたしますと、昭和五十年度には百九万二千円となる。いままで十九万円でよかった魚屋さんが、この法律が改正になりますと、何と百九万二千円となって、九十万一千五百円の値上がりとなるんです。 先ほど私が言ったのは平均の伸びている率ですが、これは東京都議会で問題になったのですが、物価というものは、昭和三十八年から四十八年の十年間に約二倍なんです。国鉄運賃の値上げがいま騒がれていますが、こうなってしまったら、国鉄運賃どころの騒ぎじゃないじゃないですか。この点はどう思うのですか。
○佐々木政府委員 今度の評価がえに伴うところの負担調整措置の撤廃の問題に関連いたしまして、ただいま御指摘のようなことがございましたが、戸塚のような地域においてその程度の値上がりをするということは、ちょっと私どもも考えられないのであります。いま御指摘の魚屋さんというような業態であるならば、おそらく、住宅地域としての二分の一の調整率、課税標準の特例率がかかるところだろうと思います。それは、おそらく、通常の法人等の所有しております事業用地の計算でやっているのではないだろうかという感じがいたします。そういたしますと、その税額は半分になるわけでございまして、通常の店舗併用住宅といったようなところは、すべて住宅用地としての適用がなりますし、それから、都心部におきましての評価額の上昇率というものは、郊外部に比べますと、それほど高くないはずでございます。また、その実例の内容につきまして、私どもも詳細検討してみる必要があるかと思いますが、やや高い上昇率の例であろうかと思います。 なお、先生御指摘の、ことしの評価額が、三十八年度に比べて三十倍、五十倍、百倍という例があったわけでありますけれども、平均的な上昇率は二十七倍でございますので、三十倍の例のほうが一般的な例であるということが言えるだろうと思います。
○小川(新)委員 いまの魚屋さんという例は、ちょっと私間違ったかもしれません。 それでは、あらためてお尋ねいたしますけれども、標準世帯について、評価がえなり、給与の上昇等も考えて、総合所得の税負担が一体どのように変わるかという問題なんですが、では、今回の改正によって、最高何倍、平均何倍の税負担増となりますか。それは計算が出してあるでしょう。それがわからないんじゃ審議できないじゃないですか。
○佐々木政府委員 最高地の例は、非常に極端なものがあり得るだろうと思います。また、三十八年度の現況と四十八年度の現況とにおきましては、その場所が非常に変わったために評価額が極端に上がるという例もあると思います。最高地の場合にはどういうものを想定するかという問題がございますので、一がいには言えないだろうと思いますが、平均的に申しますと、四十八年度の現行制度のもとにおきましての課税標準額は、評価額に対して、平均的には三〇%の水準であろうというふうに考えております。したがいまして、これが四十九年、五十年というふうに経過いたしまして、住宅用地の場合には、五〇%のところで頭打ちになるということでございますから、三年がかりで約六割増しというような形であろうと思います。 なお、事業用の土地につきましては、これが一〇〇%の水準までいくわけでありますから、約三倍というふうな上昇になるということでございます。
○小川(新)委員 そうすると、あなたのほうでどうも疑問だと思われるようでございますが、これは、私のほうで、東京都の主税局で調査させた数字なんですが、たとえば、いま言ったとおり、四十七年度に百坪で二万五千円の固定資産税が——普通の一種住宅地域ですよ。二分の一の頭打ちとなっても、五十年度には八万九千二百円となる。これは約三倍ですよ。それから、新宿区戸塚町の商業用地の場合は、いまあなたが言ったように、魚屋さんではなく、一般の法人かもしれませんが、これはちょっと不明確なんですが、百坪で、四十七年度十九万五百円であったものが、今度の法改正では、二分の一の歯どめがないんだから——これは商業地域にありますか。住宅地域は、土地の評価額の二分の一で頭打ちだけれども、商業地域には二分の一の頭打ちがあるんですか。
○佐々木政府委員 これは、地域によっての頭打ちではなしに、その土地に建っておる建物が住宅であるかどうかということによって判定をいたします。したがいまして、商業地域におきまして、店舗併用住宅になっております場合には、その地域の場合にも、二分の一の適用があるということになるわけであります。
○小川(新)委員 私の聞き方が悪かった。すみません。私の聞いたのは、住宅では、確かに、あなたが言ったとおり二分の一だが、住宅以外のものは、二分の一の歯どめがないわけでしょう。ない場合で言うと、これがいま言ったとおり——この例が、魚屋さんと言ったのは私の誤りで、何であるかちょっとわからないが、その場合、歯どめのない商業地域ですね。新宿区戸塚町の商業用地で、歯どめのない場合では、四十七年度には百坪で十九万五百円の固定資産税が、三年後の五十年には、百九万二千円となるというんですね。歯どめがないですからね。そうすると、これは九十万一千五百円の値上がりとなる。約六倍ですよ。いま言っているのは、住宅の場合には、確かに二分の一までで押えましょう。ここまで来たら、これは、土地が上がれば額は上がっていきますけれども、すべて二分の一で押えるようになっているが、それでも三倍にいく。これがないと、商業地域で何をお建てになっているのかわかりませんが、該当しない建物についてはなっていく。これはどうなんでしょうか。
○佐々木政府委員 今回の負担調整措置を段階的に廃止をしていくという措置をとりましたのは、まさに、そういう負担を求めていくということを目標にした改正でございます。その際に、住宅用地と事業用地を分離いたしましたのは、事業用の土地、家屋もすべてでございますけれども、固定資産税の負担というものは、事業経営のための経費として負担をされているという実態から、そうした負担額というものは、法人税の計算におきまして損金に算入されるわけでございますから、通常の個人が住宅用地の固定資産税を払います場合の負担の態様とはだいぶ差があるわけでございます。そういう趣旨で、そうした事業専用のものにつきましては、固定資産税の負担を高めるということをねらいにしたわけでございます。 いまの事例はやや上昇率が高い感じがいたしますけれども、現行制度に比べますと、平均的には約三倍の負担増を求めるというねらいでございます。
○小川(新)委員 それは、住宅以外の、いま言った会社、法人ですね、商業地域とか工業地域に、住宅以外の建物、不動産にかかる固定資産税については、あなたは、損金に落とすから少しぐらい上がったっていいのだと言っておりますけれども、私は、そういう詳しいことはここではわかりませんが、どう計算しても、こんなに上がってしまったのじゃ、これでまた法人税を上げて、固定資産税がいまのように上がっていってしまったら、大資本などは租税特別措置などがあっていいのですけれども、中小零細企業の場合には、物価にはね返ったり、賃金にはね返ったりしないかというおそれが出てくる。特に、私が心配なのは、大臣、いま二分の一の宅地で押えられても——私どもの埼玉県では、川島村というのがトップなんですよ。固定資産税が、昨年上がったのが九九・何%です。これは話にならぬです。平均三〇%台が、埼玉県の川島村では、約一〇〇%上がっている。それで、一番から十番までが埼玉県。こんなことはちっともうれしいことじゃないのです。そういうことの中で、恩給生活者とか、自分の土地を五十坪なら五十坪持って、後生大事に生活の本拠としてかかえていらっしゃる方、一般サラリーマン、この方々は、今回の措置がなされて改正された場合には、いま局長さんは、それほどでもないような印象をこの委員会に振りまいていますけれども、実際取られる側に立ってごらんなさい。川島村なんというのは百倍ですよ。百倍ということは、川島村ですと、昭和三十八年に五十坪の土地が五万円に評価された、これが昭和四十八年には五百万円の評価になるということでしょう。そうなりますと、この計算でいったら、昭和四十七年のときには、固定資産税が六千五百八十三円だったものが、昭和五十五年にはは何と十四万円になりますよ。どうなんですか。局長、これはおたくでいただいた表ですよ。ただ、ここまでのところは三万五千円、三万五千円と押えてある。ただ、ここで、いままで出てきた分を平均してかけていってみると、ちょうど十四万円になるのです。おたくの出したのはみんな、五十一年も三万五千円、五十二年も三万五千円、五十三年も五十四年も全部三万五千円で計算されているけれども、これは評価のあれが変わらないで、一律に出しておる。ここから先の、私どもの上がっていった比率でやると十四万円になってしまう。幾ら何でも、大臣、六千五百八十三円が、昭和五十五年には十四万円に、八年足らずで上がってしまうなんて聞いたら、先ほどの年金問題なんてナンセンスじゃないですか。総理大臣の本会議でのあれは、五年十年先に五万円だ。そういうことを言ったら、とんでもないじゃないですか。固定資産税のほうがよっぽど——十四万円に確実に上がるのです。老人の年金なんというものは、ことしもらえるのは、わずかに三割かそこらで、あとは全部何年か先だということで、逆に考えれば、これと同じですよ。そういうことでいけば、こういうふうな十四万円というのは、多少オーバーに計算したかもしれませんが、大体これに近い。土地をいまのペースで計算したからオーバーな計算なんですが、これはなぜかというと、土地対策がこれだけ出てくれば——こんなに急ペースで、公示価格が一年平均全国三〇%も上がるなんということは、だれもこんなことは信じたくない。三〇%ずつ上がったら、七年たったら幾らになるのです。さっきから私が言っておるように、これは民間自力建設なんというのはナンセンスですよ。できませんよ。だから、この点についてはどう考えていらっしゃるのですか。
○江崎国務大臣 そこで、強力な土地政策が必要になってきた、こういうわけです。日本列島改造なんということばで表現されておりますが、とにかく、一%のところに三二%の人が住んでおる。こういう不合理をどうしても是正しなければならぬ。だから、過密過疎の問題を是正するということももとより必要ですし、地価は現実に上がっておるから、今度は評価がえをいたしました。しかし、今度、五十一年の評価がえのときには、完全横ばいというようなことに実際に押えたいですね。それでも、都会地においてはある程度の値上がりは免れないと思うのです。ですから、これは、将来地方の中核都市を整備していくというような問題などとからみあわせて、どうしても横ばいに持っていかなければならぬ。そういうことを含めて、田中総理の、地価の問題については責任ありという発言になったものというふうに私ども考えております。
○小川(新)委員 これは、私もここで角突き合わせて、年がら年じゅう顔をまっかにしてしゃべっているのも、時間がありませんからやりませんが、あとで小濱委員がこの問題をやると言っていますが、これはたいへんですよ。考えてくださいよ。おわかりでしょう。もう一ぺんこの問題は考えてもらわなければ困りますよ。 そうすると、建設省、第二次住宅建設五カ年計画における民間自力建設は何戸ですか。——わからなければいいです。 それじゃ、もう一つ聞きたい。九百五十万戸のうち五百七十万戸くらいを民間自力で建てるのです。六割は、公共じゃなくて、民間が建てる。いまのような地価高騰の時代で、民間自力建設というのは、一体幾らくらいの月給の人を対象にしているのですか。幾らくらいの月給の人を対象にして、建設省は、第二次住宅建設五カ年計画を策定したのですか。
○川上説明員 私は宅地の部門でございますので、ちょっと明確なお答えができかねて恐縮でございますが、政府といたしましては、公的機関によります住宅といたしましては、公営住宅、それから公団住宅等を考え、それ以外に民間の自力建設を考えておる。これに対しましては、いろいろと住宅金融等の面におきまして援助をする。先ほど自治大臣から御答弁がありましたように、大体収入の二割程度の住居費があると仮定いたしますれば、たとえば、民間が住宅を建設いたします場合におきまして、ローンを借りて住宅を建設すると考えますと、現在の大都市の平均におきまして、大体八百万円程度の住宅が建設し得る、このように考えておる次第でございます。
○小川(新)委員 私の聞いておるのは、年収どれくらいの人が建てられるだろうかということです。
○川上説明員 これは明確なお答えができかねまして、恐縮でございますが、二百万ちょっとこえる人が八百万のローンを借り得るだろうということなんでございます。
○小川(新)委員 大臣、これは大事な問題ですから、固定資産税にからめて聞いているのですが、大体年収二百万円。間違いない。これは、建設委員会で質問したときに、大臣はそう答えている。二百万円を対象にして、住宅建設五カ年計画で、昭和五十一年までに建てるのが九百五十万戸、そのうち、五百七十万戸は民間自力建設だ、あとは公営、公団、公社、それから金融公庫によるところのもの、それから職員住宅、こういう政府施策住宅で、大体三百八十万戸をつくるのだ、こういうお答えなんです。ところが、世田谷の上祖師谷の住宅用地、ここは、用途地域は一種住宅専用地域ですが、四十七年度の評価が、五十坪で大体三百万円と評価されております。それが、固定資産税と都市計画税で、一万四千八百八十円をこの標準家庭は払っておる。四十七年度のときには三百万だったのが、四十八年度の評価額では、五十坪で五百五十万円。そして、固定資産税と都市計画税を合わせまして二万三千四百三十円となります。これが、法改正後の昭和五十年には、固定資産税と都市計画税を合わせますと、計算でいきますと、大体四万九千五百円となる。この程度であれば、サラリーマンの家庭は何とか保持できるのですけれども、これが恩給生活者や生活力のない方々でありますと、たいへんな問題になってまいります。これを計算いたしますと、この地域で——土地は持っておりますよ。いまの金融公庫のシステムでは、土地を持っていないと金は借りられません。私は、ほんとうは土地も対象にしてもらいたいのですが、金融公庫の貸し出し対象では、土地がなければ貸してくれない。そこで、いま言ったように、四十八年のときの評価額が五百五十万の土地の上に、ここは建蔽率が三〇%、容積率が六〇%ですから、ここで民間自力の家を建てようとしますと、二階建て三十坪で限界でございますね。そうすると、この五十坪の住宅地の所有者が三十坪の建築をする場合には、いま、坪単価十八万円として、総工費五百四十万円となりますね。このうち、都の住宅局の貸し付け金を二十五坪分しか借りられませんが、その単価が約十万円と見て、二十五坪で二百五十万円、残額を銀行ローンで二百九十万円借りたといたしますと、都のほうは二十五年年賦で、年利五分二厘、月額一万七千円の返済でありまして、銀行ローンのほうは十年年賦で、年利九分として、月額三万六千七百三十七円返さなければならない。そうすると、月額返済金の合計が五万三千七百三十七円となるのです。これに先ほどの固定資産税と都市計画税を加えますと一体幾らになるかということは、これは明らかにわかりますね。これは年ですから、割りますと五千円近くですから、約六万円をちょっと下回るぐらいになりますね。六万円近くということは、三百万から五百万ぐらいの年収のある方でなければ、六万円も七万円もの返済金を払えるわけはないでしょう。先ほど大臣に聞いたけれども、生活費の中に占める住居費の割合を一五%と算定しております。二〇%というのは、住宅公団の算定基準です。 そうなってまいりますと、私が聞きたいのは、こういう人たちには、固定資産税がどんどん重くなっていったら、マイホームが建てられないという心配がまず出てくる。この点については、建設省と、地方行政の最先端にいる自治省が、住宅建設九百五十万戸だ、そのうちの六〇%は民間自力建設だなんて言っても、固定資産税が五十年になったら三倍強にもなるということを考えたときには、年収二百万の人の返済金が、都で借りても年五分二厘、それから銀行で借りれば九分、この返済金と合わせて、なおかつ固定資産税がつく。これは、新しい家には、家のほうにもつきますね。土地と上物と両方つきますから、そうなってきますと、当然、これはたいへんな額になると思うのです。それでありますから、そういった中で住宅を建設するのは、固定資産税の面から言っても容易ならないと思うのですが、大臣、いかがですか。
○江崎国務大臣 おっしゃるようなことになってはたいへんでございますから、やはり、ここで地価を押える。もっとも、いまの収入が二千ドルくらいですから、そういうたてまえから言いますと、今後どうしても経済をもっと伸ばして、国民生活をよくしていくことも政治の大きな責任だと思います。国民所得をどうふやしていくのか。これと見合って地価がまた上がっていくということであるなら、これは何にも役に立たぬわけでありますから、国民所得を上げ、一方では地価を横ばいに押えていく。これが今日の土地政策の苦心の存するところでありますが、今後につきましても、ひとつ十分きめこまかい対策をしてまいりたいと思います。
○小川(新)委員 私はいまいろいろな実例をあげてわあわあ言っておりますが、これは、お互いにまだ数字の交換ができていないから、私のほうはばかに過当に高いものを引っぱり出してきたのじゃないかと思うかもしれませんけれども、そんなことはないのですよ。これはひとつ現実に考えてもらいたい。 それから、固定資産税というものは、財産税ではなくて収益税でしょう。そうしますと、老人とか年金の方に対しては、収益税という考え方がもうおかしくなってきちゃうのですね。これはどうなんでしょうか。
○佐々木政府委員 収益税という考え方をとっておりますのは、通常、土地なり家屋なりを、その用途に従って最も経済的に利用した場合にこれだけの収益が一般的に得られるであろう、その範囲内において税負担を求めていくという考え方の税でございます。したがいまして、その土地が現実に利用されているかいないかという点は関係がないわけであります。また、所有者がどういう所得水準にあるかということも、課税の場合には一応除外して考えられるわけでございます。ただ、この固定資産税は、収益税的な財産税ということを申し上げましても、いわば、その財産を売り払って税を負担してもらうというような税制ではないわけです。あくまでも、その土地から通常得られるであろう収益というものの何%かを税負担してもらうという考え方でございます。そして、その所有者が現実に担税力がないという場合には、その所有者の担税力を見て減免をしていくという考え方でございます。その場合に、直接に土地の評価を下げる、あるいは税負担を下げていくという考え方ではないわけでございます。
○小川(新)委員 お約束の時間が六時ということだからもうやめますが、残りはあとでやらしてもらうように御配慮していただきたいのです。お互いに腹が減ってきたからやめますが、最後に、一点だけ、土地保有税の問題で大蔵省に伺います。 譲渡税の二〇%の適正利潤率、この適正利潤まで非課税の対象になっておりますね。これは保有税にも当てはまることなんですか。適正利潤というのは何かという定義が聞きたいのですが、その前に、地価公示が三〇%も上がった場合には、その利潤が二七%というのですけれども、公定価格で買って、政府の言う値段の公示価格で売ったって三〇%になってしまうのは、適正利潤をどうお考えですか。黙って一年間保有した、けれども、地価公示されたら、ある地点においては三六%に上がり、川島町では九十何%も公示価格が上がっている。政府は、これは公定価格でございますよ、地価公示というのは公共事業体の土地の売買の目安になりますよ、土地収用に関するところの目安になりますよ、と言っていらっしゃるのですから、その価格が平均で三十何%上がったというのは、適正利潤率をオーバーしてしまうのです。これはどうなんですか。
○伊豫田説明員 お答えいたします。 適正利潤率の考え方は、土地の造成業者につきまして、特に、今回の譲渡税がその流通を阻害することのないようにということで適正利潤率というものを置きまして、その制限のもとに、これを二〇%課税を免除するという考え方でございます。したがいまして、土地は商品ではないとは申し上げられないのでありますが、やはり、特別な商品である。したがって、そういう意味で、ある一定限度の利潤、その範囲内でお仕事をしていただく方に対して、特に土地譲渡税を免除するという考え方に立っております。したがって、もし公示価格が三〇%上がったような事態がございましても、これと適正利潤率とは一応関係がないと私どものほうでは考えております。
○小川(新)委員 そうすると、公示価格というもので、そのことの基準というものにはしないのだ、あくまでも、それは、金利とか、人件費とか、造成費とかいうものを二七%以内におさめるものであって、自然に土地が上がっちゃったから、政府が限定した土地を売ったということでもうけたとしても、それは適正利潤として見ない。これじゃ何のために地価公示をやるのですかね。大臣、この話を聞いていて、どうですか。
○川上説明員 お答えいたします。 ただいま税制一課長の説明いたしました趣旨は、適正利潤と申しますものは、かかりました総費用に対しまして、簡単に申しますと、一定の利潤率を置く、こういう考え方でございます。 地価公示と申しますものは、土地の自由な取引が行なわれました場合におきます正常な取引価格を判定するということでございますので、もしも、その適正利潤の範囲内で、当然デベロッパーが譲渡等を行ないました場合におきましては、地価自体が上がらない、こういう結果になってくるだろうというふうに考えるわけでございます。したがいまして、地価公示額も当然今後伸び率が落ちてくるだろう、こういうことでございます。
○小川(新)委員 大臣の御見解をお願いいたします。
○江崎国務大臣 地価公示価格は、売買取引の具体的な値段ということですが、これはやはり例外もありまするし、ほとんどは公示価格よりは少し高いくらいの値段でしか入手をしないということもあるのでしょう。そういうことはないか……。現実論ですよ。現実の話から言えば、そういうことだってあり得るでしょう。しかし、少なくとも、三〇%上がったから、いまの三〇%が適正利潤だ、そういうことには私はならぬと思うのですが、やはり適正利潤というものは、買い値に、人件費であるとか、管理費であるとか、そういうものが上積みされて、そこできめらるべきものでありますし、また、今後も、三〇%ずつ一年間に上がっていくということなら、これは何のための土地政策か、政治はなきにひとしいということにもなるわけでございますから、そういうことにならないように、十分努力してまいりたい。
○小川(新)委員 いま、大臣、大事なことを言っていますよ。地価公示より上回ったなんて、公共事業は上回らないのですからね。公共事業もそうだし、すべて取引が地価公示を上回ると、課徴金制度という問題が次の段階として出るのですから、これはちょっとお間違いになったと思うのですから、私も理解して、訂正してもらいたいのですね。 そういうわけで、地価公示の問題等もありますが、皆さんもお疲れのところでございますから、私はこの辺でやめさせていただきます。あと二、三点聞きたいことがありますので質問を保留させていただきますが、きょうはここまでやらせていただきまして、ありがとうございました。そういった土地政策の問題については、もう少しじっくり申したいと思います。 委員長、これで終わります。
○上村委員長 次回は、来たる十日火曜日、午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時五分散会